衆議院

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第5号 平成27年3月13日(金曜日)

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平成二十七年三月十三日(金曜日)

    午後一時開議

 出席委員

   委員長 古川 禎久君

   理事 神田 憲次君 理事 土屋 正忠君

   理事 藤井比早之君 理事 御法川信英君

   理事 山田 美樹君 理事 鈴木 克昌君

   理事 丸山 穂高君 理事 伊藤  渉君

      井上 貴博君    井林 辰憲君

      岩田 和親君    鬼木  誠君

      勝俣 孝明君    國場幸之助君

      柴山 昌彦君    鈴木 隼人君

      田野瀬太道君    竹本 直一君

      津島  淳君    中山 展宏君

      根本 幸典君    福田 達夫君

      藤丸  敏君    牧島かれん君

      務台 俊介君    宗清 皇一君

      山田 賢司君    大島  敦君

      玄葉光一郎君    古川 元久君

      前原 誠司君    鷲尾英一郎君

      伊東 信久君    吉田 豊史君

      岡本 三成君    斉藤 鉄夫君

      宮本 岳志君    宮本  徹君

      亀井 静香君    小泉 龍司君

    …………………………………

   内閣総理大臣       安倍 晋三君

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)       麻生 太郎君

   内閣府副大臣       西村 康稔君

   財務副大臣        菅原 一秀君

   内閣府大臣政務官     越智 隆雄君

   厚生労働大臣政務官    橋本  岳君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 井野 靖久君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 小野田 壮君

   政府参考人

   (内閣府地方創生推進室次長)           若井 英二君

   政府参考人

   (警察庁刑事局組織犯罪対策部長)         樹下  尚君

   政府参考人

   (財務省主税局長)    佐藤 慎一君

   政府参考人

   (財務省関税局長)    宮内  豊君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           成田 昌稔君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           吉田  学君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           山崎 伸彦君

   財務金融委員会専門員   関根  弘君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月十三日

 辞任         補欠選任

  鬼木  誠君     岩田 和親君

同日

 辞任         補欠選任

  岩田 和親君     鬼木  誠君

    ―――――――――――――

三月十二日

 消費税増税を中止することに関する請願(本村伸子君紹介)(第一七四号)

 消費税率を五%に戻し、増税中止を求めることに関する請願(清水忠史君紹介)(第一八九号)

 同(宮本徹君紹介)(第二一四号)

 所得税法第五十六条の廃止に関する請願(宮本徹君紹介)(第二一三号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第三号)

 格差是正及び経済成長のために講ずべき税制上の措置等に関する法律案(古川元久君外三名提出、衆法第四号)

 関税法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第四号)


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     ――――◇―――――

古川委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、所得税法等の一部を改正する法律案及び古川元久君外三名提出、格差是正及び経済成長のために講ずべき税制上の措置等に関する法律案の両案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、政府参考人として内閣府大臣官房審議官井野靖久君、大臣官房審議官小野田壮君、地方創生推進室次長若井英二君、財務省主税局長佐藤慎一君、厚生労働省大臣官房審議官吉田学君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

古川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

古川委員長 これより内閣総理大臣出席のもと質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鈴木克昌君。

鈴木(克)委員 民主党の鈴木でございます。

 ほんの先ほど予算委員会が終了されたということで、お食事をとる間があったかどうかわかりませんが、本当に、こうして我が委員会にお駆けつけいただきましたこと、まずお礼を申し上げたいと思います。

 我々、充実審議ということで、本当に大事な税、予算の審議をしてまいりました。最後、総理に御臨席をいただいて、二時間、野党からしっかりと議論をさせていただきたい、このように思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 税は国家なりという言葉があるように、税制という制度の設計次第で国や社会の形が変わるため、税にはしっかりとした論理が必要だ、このように思います。また、税金は、国民の皆様が額に汗して、爪に火をともすような思いで獲得されたお金の中からいただくわけでありますので、徴税制や為政者の理論ではなくて、国民の皆様にとって納税することに納得感があるものでなくてはならない、このように思うわけであります。そんな前提のもとで、少し総理にお伺いをさせていただきたいというふうに思います。

 今回の、ある意味では税に関するいろいろな課題はありますけれども、一つの大きな問題は、昨年十一月に総理が消費増税の延期を表明されました。そのときに、景気判断条項を外すということをおっしゃったわけであります。これについて、後でまた御答弁があればお話をさせていただきたいと思いますが、あの時点で景気判断条項を外すという決断をされた総理のお考えというものを、改めてここでお伺いしたいと思います。

安倍内閣総理大臣 昨年、消費税を五%から八%に引き上げた結果、GDPにおきましても成長率がマイナスになってしまった、二四半期連続でマイナスになったわけでございまして、個人消費が弱くなってしまったという中において、デフレから脱却をして、力強く経済を成長させ、国民生活を豊かにしていくためには、十八カ月、消費税の引き上げを延期するという判断をしたわけでございますが、同時に、私どもは、社会保障制度を次世代にしっかりと引き渡していく、この責任を果たさなければならないと思います。もう一点は、市場や国際社会からの国の信認を確保する必要がある、こうした観点から、景気判断条項を付すことなく確実に実施していくということを決定したわけでございます。

 これは、もとより経済運営に対する責任を回避するということではなく、こうした状況をつくり出すという決意のもと、三本の矢の政策をさらに前に進め、経済再生と財政健全化の両立を目指していきたい、こう思っております。

 幸い、昨年は、過去十五年間で最高の賃上げを実現することができた。二%以上であります。そして、ことしも、賃上げについて経団連の会長からもお約束をいただいているところでございますし、政労使の場においても賃上げの方向ということは決まっているわけでございまして、さらに来年も賃上げを確保する、再来年もということになればそういう状況をつくり出すことができる、このように考えているところでございます。

鈴木(克)委員 総理、私がどうしてもお伺いしたいのは、二十九年の四月に一〇%に消費税を上げると。そのときに、景気判断条項を外すということをおっしゃったわけですね。

 実は、私は本会議でも指摘をさせていただいたんですが、延期を表明されたときに総理は、消費税を引き上げることによって景気が腰折れてしまえば、国民生活に大きな負担をかけることになります、そして、その結果、税率を上げても税収がふえないということになっては元も子もありません、経済は生き物です、こうおっしゃいました。私は、全くそのとおりだと思いますよ。おっしゃるとおりだと思う。

 であるならば、二十九年四月に本当に今おっしゃったような状況になければ問題ないわけですけれども、もしあったときには、景気判断条項を外してしまえば、どんな状況になっても上げるということを国民に対して、ある意味では世界に対して宣言されたということなんですね。

 だから、私は、本当にこの景気判断条項を外したということは、間違いないのか、自信があるのか、絶対にそういう形になるということであるのかというところを、重ねて総理にお伺いしたいと思います。

安倍内閣総理大臣 もちろん、どんな状況になってもということではなくて、リーマン・ショックとか、そういう大きな条件変更があったときは別でございますが、今回のような景気判断は行わない。今回は、私どもの経済政策を発動してから大体一年十カ月程度においてその判断をしなければならないという状況であったわけでございますが、しかし、これから、ことし、来年と、さらに今私どもの進めている政策をしっかりと前に進めていく、そして成長戦略における効果もしっかりと出現させることによってそういう経済状況をつくることができる、このように考えております。

 そして、先ほども答弁をさせていただきましたが、いわば各企業は、空前の収益を上げている企業がたくさん出てきたわけでございまして、そこで経営者のマインドがやっと変わり始めた。まだ変わり始めたばかりでございまして、昨年はまだ大きく変わったとは言えない状況でございましたから、内部留保等について、収益がそちらに向かうという傾向がまだ強かったのでございますが、しかし、昨年は十五年ぶりの賃上げを実現することができて、ことしもしっかりと賃上げに取り組んでいただく。さらには、設備投資等にもしっかりと向かっていくことになるという状況がつくられつつある中においては、我々は、この景気判断条項を外すことができる、こう考えたわけでございますし、また、市場の信認をしっかりと確保する上においても私どもの決意というものも示す必要があった、こう考えているところでございます。

鈴木(克)委員 くどいようですけれども、もう一度確認のためにこの話をさせていただきたいと思うんです。

 先ほど、社会保障制度を次世代に引き渡す責任を果たす、それから、いわゆる市場や国際社会からの国の信認を確保するため、こうおっしゃいました。このことはもちろん大事であります。

 では、逆の言い方をすれば、景気判断条項がついていても、何も問題なければいいわけですからね。世の中には保険という話もありますよね、総理。つけておいて何も邪魔になるわけじゃないと私は思うんですよ。むしろ国民は、なるほどと安心をされると思うんです。先ほど私が言いました納税する国民の納得感、こういう意味においても、どうにも悪ければ上げることができないということをやはり記しておいた方が、国民の安心感もあるし期待感もある。

 いや、絶対に大丈夫なんだということをはっきりと言い切られるなら、それは私の老婆心、要らぬ心配かもしれませんが、やはりこれはつけておいて何も、言い方は悪いですけれども、邪魔になるわけではないし、それがためにあれだけ議論をしてつけたわけですから。ここへ来て総理が単独で、どういう調整をされたかわかりませんけれども、外すという宣言をされたということについては、私は本当に、くどくなりますけれども、今の総理の御答弁だけでは、ああ、そうですか、わかりましたと言うわけにはいかないというふうに思います。

 もう一度御答弁ください。

安倍内閣総理大臣 委員はよく、重々承知をしておられる上で質問されているというふうに思います。

 今委員がおっしゃったことも、もちろん一理あると私も思います。ですから、そういう意味におきまして景気判断条項をつけた、三党合意においては景気判断条項を付したわけでございます。

 今回はまさに景気判断条項を発動したわけでございますが、しかし、いわば国際社会あるいは市場の信認を得るという意味において、再三再四これを発動するのではないか、安易に発動するのではないか、今回はもちろん安易ではありませんよ、そういう疑念を芽生えさせるということがあってはならない。この芽をぱちっとしっかりと切っておく必要もありますから、我々は、相当の決意でしっかりと上げていく環境をつくっていくんだという姿勢を示す必要がある、こう判断したところでございます。ぜひ御理解をいただきたい、このように思います。

鈴木(克)委員 私が理解をしても、本当に国民の皆さんが、そうか、なるほど、わかったというふうに御理解をされるかどうかというのはまた別であります。もしそうであるならば、総理は、やはり丁寧に、国民の皆さんに対して、大丈夫なんだ、安心してもらって結構だということをはっきりと発信され続ける必要があるのではないかなというふうに思います。

 いずれにしても、時間の関係もありますので、次の質問にさせていただきたいと思います。

 経済成長と財政再建のバランスということでお尋ねをしたいと思うんです。

 総理はかねがね、この道しかない、このフレーズがどうもお好きなようでありまして、選挙中もさんざん私聞かされたわけでありますけれども、いずれにいたしましても、この道しかないのなら、その道筋というものをやはり具体的に国民の皆さんに示すべきだと私は思っています。

 そういう意味で、例えば、成長戦略のためといいながら消費税増税分がいわゆる法人税減税の穴埋めに回されたり、それから、恒久財源がなくて、自然増収頼みになって事が進められていくのではないかというふうに思えてなりません。

 こういったことを考えていった場合に、総理の選んだこの道が、成長と財政再建とを同時に達成する目的地に至る道であるのか、国民を初め私も、それを信じていいのかどうかということだと思うんですね。

 現状から見ていくと、どうも道は一本ではなくて、途中で何か幾筋かに分かれる、場合によっては大きな穴があるような道もあるのじゃないのかなという心配がするわけであります。老婆心に終われば結構です。

 もちろん、さっきおっしゃった、株価は上昇しましたし、総理の経済界に対する働きかけ等で経済界の一部は賃上げが始まっておるわけでありますけれども、しかし、その裏にと言うとまた叱られるかもしれませんけれども、法人税率を下げたり、そして企業を応援する環境を整えたりということも実はあるわけですね。

 ということになると、国民生活という観点からは、実質賃金が上がっておらず、地方は恩恵を受けていないという現状の中で、本当に経済成長と財政再建のバランスというのはできていくのかどうか、このところを総理からお伺いしたいというふうに思います。

安倍内閣総理大臣 この道というのは、まずは、日本は長い間デフレ不況の中に沈み込んでいたわけでございます。その間、税収も当然落ち込んでいくわけでございますし、国民のいわば賃金においても、物価も下がっていきますが賃金も下がっていくという状況の中にあったわけでございます。当然、税収が上がらないわけでありますから、財政の健全化は進んでいかないわけでありますし、復興の予算を確保する上においてもマイナスでありますし、社会保障のいわば財政基盤を強くするということについても今まではマイナスであったので、そういう意味においては、経済状況はマイナスであったわけでございます。

 そこで、我々は、まずはデフレから脱却をしなければいけないということで、三本の矢の政策を打ち出し、実行したところでございます。

 いわば、デフレではないという状況をつくっていけば、またデフレから脱却をすれば、資金を単に持っていてもその価値は減少していくわけでありますから、しっかりと正しい方向に投資をしていく。これは設備投資であり、あるいはまた人材にちゃんと投資をしていくことが経営者には求められてくるわけでございます。

 このデフレから脱却をしていく中において、企業が高収益を上げていく、そしてそれが賃金という形になって国民の所得がふえていくことによって消費がふえていけばまた企業の収益がふえていく、これが経済の好循環であります。この好循環を回していくことによって全国津々浦々に景気回復の実感をお届けしていきたい、こう思っております。

 その中で、税収も上がっていきます。もちろん消費税を引き上げたこともございますが、この二年間で十二・二兆円、税収はふえたわけでございまして、プライマリーバランスの赤字におきましても、私たちが政権を引き継いだ段階では二十五兆円あった赤字が約半分になろうとしているのも事実であります。

 いわば、私どもは、財政の健全化と経済成長、国民を豊かにしていく、そして社会保障の基盤をしっかりとしたものにしていく、同時に、もちろん復興にも集中していく、加速化させていく上においてはこの道しかない、このように考えております。

鈴木(克)委員 残念ながら、丁寧に御答弁をいただいておるものですから、格差問題をお伺いしたかったんですが、これはちょっと飛ばしまして、人口問題に入らせていただきたいと思います。

 恐らく、時間の関係で、私の持論を申し上げて、総理から御答弁をいただけるかどうかわからないぐらいの時間しかありません、委員長から絶対にオーバーはだめだと言われておりますので。

 我が国の直面する大問題であります人口問題、これについて伺います。

 総理は、五十年後、つまり二〇六〇年に一億人を維持する、こういうことを宣言されたわけであります。しかし、現在の傾向は非常に難しい。社会保障・人口問題研究所の推計では、二〇六〇年の日本の人口は八千六百七十万人余り、つまり今から四千百万人以上減ってしまう、こういうことが日本政府の公式見解なわけですね。

 そういう中で、経済成長は望めない、経済が縮小していく中で、いかに一人当たりのGDP、つまり豊かさを維持できるかが課題になるというふうに思うんです。

 私は、もはや大国ということではなくて、もちろん小国になってはいけませんけれども、繁栄を維持する中国、字はチュウゴクと書きますので問題ですけれども、チュウコクというふうに読んでいただきたいと思うんですが、そうならざるを得ない、私はそのように思うんですね。

 要するに、言うまでもありません、十五歳から六十四歳の生産年齢人口一人が〇・七八人の六十五歳以上の人を背負う、一人が一人をしょうという状況になるわけであります。したがって、借金その他を見ていった場合に、私は、やはり防衛費を抑えて、そして繁栄を維持する。その防衛費を抑えるためには、隣国との関係を早急に改善して、安全、安心度を高めていくということが必要なんです。

 やはり繁栄を維持する中国への道を進んでいかざるを得ないのではないかな、このように思うわけでありますけれども、あと一分、総理の御答弁をお願いいたします。

安倍内閣総理大臣 中国への道ということで、先ほど申し上げましたように、繁栄した国をつくっていくために大切なことは、しっかりと経済を成長させていくということも大切であります。それは、いわば、今委員が御指摘になったように、高齢化していく中において、社会保障の受け手側がふえていくわけであります。その受け手側に給付をしていくためには、しっかりと成長してその果実を得ていく必要があります。その得た果実をしっかりと必要なところに均てんしていくことが求められているんだろう、このように思います。

 そういう中にありましても、我々は、しっかりと経済を成長させながら、同時に財政の健全化を進めていく。今回も四・四兆円の国債の発行額の減額を行ったわけでございまして、そうした意味におきまして、しっかりとやるべきことはやっていきたい、そして、委員のおっしゃった繁栄した国となるべく努力を積み重ねていきたいと思っております。

鈴木(克)委員 終わります。

古川委員長 次に、古川元久君。

古川(元)委員 民主党の古川元久でございます。

 きょうは、総理も御出席をいただいておりますので、先日、予算委員会でちょっと時間がなくて聞けなかった話も聞かせていただきたいと思っております。

 まず、総理にお尋ねをしたいと思います。

 一般論としてお伺いしたいと思うんですけれども、国にとって、その国の通貨の価値は、高い方がいいというふうに考えているのか、あるいは低い方がいいというふうに考えているのか、総理のお考えを教えていただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 大変ストレートな質問をいただいたところでございますが、為替の水準等については、市場に不測の影響を与えるおそれがございますので言及は控えた方がいいと思いますが、一般論ということで聞かれましたので、一般論として申し上げれば、経済のファンダメンタルズに沿って安定的に推移していくことが望ましいと考えております。

 為替が日本経済に与える影響については、一般論として、円安、円高のいずれもメリット、デメリットの両面があるわけでありまして、一概に申し上げることは困難でございますが、こうした中で、円安方向の動きは、輸出企業や海外展開をしている事業者等にとってはプラスだろう。また、海外の人々が安く日本に旅行できるというメリットもあるわけでありまして、政権交代前、八百万人だった海外からの旅行客は、昨年、五百万人ふえて一千三百万人になったわけでございますし、そうした旅行客の日本国内での消費額は昨年初めて二兆円を超えた。これは、この二年間で一兆円ふえたことになるわけであります。

 他方、円安方向への動きは、輸入価格の上昇を通じて国民生活にも影響を及ぼし得るわけでございまして、このため、先月成立をした平成二十六年度補正予算において、交付金を創設して、地方自治体の創意工夫で実施する生活支援策を後押しするとともに、原材料費などに苦しむ中小企業への返済猶予、低利融資制度を創設しておりまして、しっかりと対応していく考えであります。

 なお、円安方向の動きに伴って、確かにドル建てで見た日本のGDPは減少していくということになるわけでございます。それについてのさまざまな御議論もいただいているわけでございますが、私たちは基本的にドルで給料をもらっているわけではない、また年金を受け取っているわけではないということは留意しておく必要があろう、このように思います。

 いずれにいたしましても、円が高くなった方がいい、あるいは円が安くなった方がいいということについて今確定的に申し上げることは控えさせていただきたい、このように思います。

古川(元)委員 そんな想定問答を読むことを私は聞いているわけじゃないんです。別に、今の為替水準がどうかとか、そういう話を聞いているんじゃないんです。国家のリーダーとして、総理御自身の考え方として、自国の通貨というのは価値が高い方がいいというふうに考えているのか、そうじゃないのか、そのことを聞いているんです。何か想定問答を読むような話じゃない。どうですか、総理は。

安倍内閣総理大臣 そういうお答えに、私が価値があった方がいいということを答えれば、我々はむしろ実は円高に修正しようということを最終的に考えているのではないかという臆測を呼ぶ可能性というのは排除できないわけでございますし、基本的に、いわば強い方がいい、弱い方がいいという言い方もございますし、他方、円が高い方がいい、安い方がいいという言い方もあるわけでございますが、今、この場において私がどちらがいいということを申し上げることは、まさに直ちに市場にも影響を及ぼすわけでございますから、それは当然控えさせていただきたい、このように思います。

古川(元)委員 総理に何度こういう話をしても御理解いただけないので、これ以上聞きませんけれども、一国のリーダーとして、自国の通貨の価値、当然それは高い方がいいに決まっていると考えるのがやはり普通だと思うんですね。

 だから、今の相場が高いか安いかとか、そういう話じゃないですよ。やはり国家として、国力として考えれば、通貨の価値を少しでも高めよう、それが当然国力じゃないかと私は思うんですね。ですから、そこのところの考え方を私は聞いているんです。総理は全て、余り先のことを考えずに目先だけ考える、そういう政策を打たれますから、その一環かなと思いますが、私の聞いている話はそういう話なんですね。

 ですから、国家のリーダーとして、当然、やはり本来であれば、通貨の価値が高い方がいいというふうに考えるのが私は普通の考え方だと思います。

 その上で、ちょっと聞き方を変えますけれども、先日、春節で大勢の中国人観光客が日本を訪れて、爆買いと言われるような、そういう大量の買い物をしていることが話題になりましたけれども、私、この中国人の人たちの姿を見ていて思ったのは、プラザ合意後に急激に円高が進んだ際に、日本人がパリとかニューヨークの高級ブランド店に行って大量にブランド品を買った。中国人の場合は家電製品ですけれども、日本人の場合は高級ブランド品を買った。その違いはありますけれども、たくさん、山ほど買っていくという姿は、かつての、日本が急激に円高が進んで、そんなに実態は変わっていないのに一気にお金持ちになったような感じがした、そういうときに似ているかなという感じが私はいたしております。

 この二年間、円に対して中国の人民元というのは四割もアップしたんですね。総理は御存じかどうか知りませんが、今や香港のディズニーランドの一日券の値段は日本円にすると大体約七千六百三十五円で、東京ディズニーランドは六千四百円なんです。つまり、東京ディズニーランドよりも香港ディズニーランドの一日券の値段が千円以上も高くなっている。

 こういう実態を見れば、私は、日本に中国人がたくさん訪れて爆買いをする、これもむべなるかなというふうに感じるんですけれども、総理は、こういう中国人の人たちが来てああいう爆買いというような形で買い物していく姿を見て、どんなふうに思われましたか。

安倍内閣総理大臣 私は、どんどんもっと多くの中国の方々に日本を訪問していただきたいと思いますね。日本の真実の姿を見ていただいて、日本人というのは優しいな、すばらしいな、美しい伝統と文化を持っているなということを感じ取って帰っていただきたいと思いますし、日本の優秀な製品をぜひ購入して帰っていっていただきたい、このように思います。安倍政権としては、海外からの観光客を二千万人にふやしていくということを目指しているわけでございます。

 先ほども申し上げましたように、いわば為替の変動によって日本の観光業が競争力を強めたのは間違いがないわけでございます。そういう意味におきましては、先ほど、為替が強い方がいい、あるいは高い方がいいと考えるべきかどうかという御議論がございましたが、これは経済の実力を正しく反映されることがふさわしいというふうに思うわけでございます。

 同時に、高過ぎた場合におきましては、まさに日本の企業の競争力の阻害要因になって、その結果、多くの企業が海外に製造拠点を移したのも事実であります。その結果、雇用も失われていくという現実があったわけでございまして、そういう中で、現在、競争力を取り戻しつつある。そういう意味におきましては、観光という分野におきましても日本は競争力を取り戻している。もちろんそれ以外にも、ビザの緩和等のさまざまな努力も当然必要なんだろう、このように思っております。

古川(元)委員 聞いたことだけにぜひお答えいただきたいと思うんですね。こういう爆買いというのをどう思いますかと聞いたんです。

 中国人の人たちは、今、物を買っているだけじゃないんですね。今、よく総理の耳にも入っているんじゃないかと思いますけれども、日本の土地も買っていれば、ビルとかマンション、そういう不動産なんかもたくさん買っている。特に、高いものとかいいものから買っているというふうにも言われているわけです。

 それだけじゃなくて、私がちょっと危惧するのは、かつて日本も、円高が急激に進んだときには、日本マネーが世界を買い尽くすんじゃないかというふうに言われたこともありましたけれども、今や中国マネーに、それこそ日本の技術力を持った中小企業とかそういうところ、これをぼんぼんと買われてしまうんじゃないか、私はそういう不安も持ったりするんです。

 総理は、観光で来る人、それで物を買ってくれる人はいいですよ、それ以外のものも、当然通貨が向こうは高くなっているわけですから、どんどんと日本のものを買っていく、そういうことについてはどのように思われますか。

安倍内閣総理大臣 かつて日本も、マンハッタンの一部を日本の企業が買ったこともございました。しかし、これは買って持って帰ることはできないわけでありますから、いわば投資をしていただくのは、大いに投資をしていただきたい、このように思います。投資をしていただくことについてはウエルカムというふうに申し上げておきたいと思います。

 もちろん、同時に、いわば日本の安全保障にかかわること、存立にかかわること等々については我々もしっかりと注視をしていく必要もあるでしょうし、企業においてもそうですね。企業においても、日本の製造業におきまして、ある意味におきましては安全保障にかかわってくるものについてはしっかりと注視をしていく必要というのは当然あるんだろう、このように思っております。

古川(元)委員 注視をすると言う。では、何か行動を起こすということですかね。

 私は覚えていますけれども、たしか野党時代の自民党の皆さんは、とにかく外国人の人たちが水資源だとかをどんどん買っていくのを何とかしろ、そういうお話もあったと思うんです。今や、円安が進んで、逆に外国から見れば、日本のものが本当に安く見えている。そういった意味では、どんどんそうしたものに買われていく、そういう状況が私は進んでいるんじゃないかと思うんですね。

 では、そういうことに対して、総理は今、注視していくというふうに言われましたけれども、どのように対応されるんですか。

安倍内閣総理大臣 当然、先ほど申し上げましたように、いわば安全保障上の問題が生じること等が発生するということが強く予想されれば外為法上の対応はできる、このように考えております。

古川(元)委員 でも、今の法律では、水資源とか、あるいは中小企業が持っている技術とかそういうものを買って持っていっちゃうということは防げませんよね。そうしたら、そういうものはどうされるんですか。

安倍内閣総理大臣 中小企業も含めて、いわば企業買収等については外為法で対応できる、このように思いますが、水資源につきましては我が党でもずっと議論をしてきているところでございまして、この水資源に関し、我々、この水資源を守るための議員立法措置はかつて行ってきたわけでございますが、同時に、日本の場合はWTOの加盟国でありまして、こうした土地の所有に対する制限等々については、内外無差別で対応しなければならないという義務をこの日本は負っているわけでございます。

 そこで、しかし、安全保障上の理由においてそれにどう対応するかどうかということについては、我が党においてもずっと野党時代から議論がなされてきているわけでございますが、現在も恐らく党において検討しているということではないか、このように思います。

古川(元)委員 私は、日本の場合は、戦後ずっと一貫して、大きなトレンドは円高方向に来ていた。これが実はある種、外から見れば日本のものはだんだん価値が高くなっていくというように見えてきた。それが言ってみれば目に見えないシールドのようになってきたと思うんですが、逆に円安、急激な円安が進んでくる、そのことによって、外から見ると日本は相当今、大バーゲンじゃないですけれども、どれを見ても安い。だから、物だけじゃなくて、土地だとかいろいろなもの、また企業だとか、そういうものも含めて、どんどんやはりそうしたものが、もう既に入ってきていると思いますし、これからも入っていくんだと思うんですね。

 ですから、総理は、その一面のところのいいところばかり見ていますけれども、そうじゃないところというもの、やはりここのところをしっかり見ていく必要があるんじゃないかと私は思うんです。

 また、総理、さっき先走って想定問答を読まれたんだと思いますが、ちょっと私の資料の一枚目のところ、世界各国のGDP推移の表を見ていただくと、ドルベースで見ていくと、安倍政権になって以降、一三年、一四年と、日本のドルベースのGDPはがくんと減ってきている、下がってきているんですね。トップファイブで見てみますと、アメリカも中国も、中国は急速な伸びをしています、ドイツ、フランスもそれなりに伸びている。しかし、日本は、総理は景気はよくなったじゃないですかと言いますけれども、外からドルベースで、世界から見る目で見れば、日本経済というのはやはり縮小しているという形で見えるんですね。

 総理は、さきの施政方針演説で、世界の真ん中で輝くことができるんだというふうにおっしゃっていますけれども、しかし、ドルベースで見ていくと、何か、だんだん日本経済の規模というものは縮小してきている。隣の中国あたりとの差は、中国はもう十兆ドルを超えているんです、ついこの間抜かれたと思ったら、今はもう倍以上の差をつけられてしまっている。

 そういうことを考えますと、世界の真ん中どころか、アジアの中でも周辺へと押しやられてしまっている。ドルベースで見ていく、そうした視点で見ると、それは日本の国内にいれば感じないかもしれませんよ、しかし、総理が世界の真ん中でということを言われるのであれば、世界の真ん中じゃなくて、だんだん端っこに来ているんじゃないですか。どうですか、ここは。

安倍内閣総理大臣 前もってお話をさせていただきましたが、ここの場でドルベースで生活をしておられる方はもちろんいないと思いますね。いわば、給料は円でもらっていますし、もちろん年金も円でもらっていますから、円でもらう給料が上がっていかなければいけませんし、円で物を基本的には買うわけでございます。

 そこで、円高になって、ドルベースで上がったかのような錯覚を持っても、実際に、先ほど申し上げましたように、製造拠点をメーカーが海外に移してしまって働く場を失ってしまっては何の意味もないわけでございまして、自国のGDPをもちろんドル建てで見るということも指標の一つとしては必要でありますが、それは、例えば、ではルーブルで見たら日本のGDPは倍になっているじゃないかということにもなるわけでありまして、余り意味のない話なんだろう、このように私は思うわけでございます。

 大切なことは、では、ドル建てで見たGDPをふやそうと考えるが余り、ずっとデフレ状況を続けているということになってしまってはまさに本末転倒なんだろう、こう思っているわけであります。

 今私どもが目指しているのはデフレからの脱却であって、十五年間脱却できなかったものを脱却しようとしているわけでありまして、現在はデフレではないという状況をつくり出すに至ったわけでございます。

 ですから、しっかりと我々はこの政策を進めていきたいと思っておりますし、かつ、今、日本の経済政策は海外から注目をされているわけであります。私は多くの首脳会談を行ってまいりましたが、どの首脳からも、まさに我々の経済政策について、説明をしてもらいたい、どうしてそんなにうまくいっているんだという質問もあるわけでございます。

 そういう意味におきましては、まさに世界の真ん中で今私どもの経済政策は注目されていると言っても過言ではない、このように思っております。

古川(元)委員 総理、かなり自分中心で物を見ているんじゃないかと思うんですね。

 総理、一回見ていただきたい。この前、ことしのエコノミストという雑誌、ことしの予測を出した雑誌があるんです。その表紙、いろいろな各国の首脳が出ているんですよ。おっしゃるんだったら、総理、やはりエコノミストの雑誌ですから、出ていてもいいですよね。総理の顔がないんです。総理のかわりに出ているのが、昔の浮世絵の人の絵みたいなのが出ているだけなんですね。

 総理は、世界の真ん中でとおっしゃっているわけでしょう。今、内弁慶で、国内だけのところでよくなった、よくなったというふうに喜んでいても、海外から見ればやはりドルベースで経済の規模を見ていくわけですから、そういう視点というものを忘れて、とにかく内側で、円ベースだけで見ていって、伸びているじゃないですか、よかったです、よかったですということではだめなんじゃないですか、やはりバランスをちゃんと考えていくということが大事じゃないですか、そういうことを私は言いたいんです。

 ぜひ、一回、エコノミストの雑誌を見ていただければと思います。

 次に、法人税の話をちょっとお伺いしたいと思います。

 今回の法人税減税は、稼ぐ力のある企業の税負担を軽減して、投資を促し、成長を促進しようというのが主な目的だというふうに言われているわけなんです。

 たしか総理は、ダボスなんかでもそうだと思うんですけれども、法人税減税の目的としては海外企業の誘致というのもあったと思うんですが、そこは含まれているというふうに認識していいですか。海外の企業の日本への投資です。

安倍内閣総理大臣 質問にお答えする前に、エコノミストについては、この二年間で私も二回ほど表紙になっておりますので、余り私はそういうことを、謙虚な人間でございますから、申し上げることはないのでありますが、もしお読みになっていなければ、この二冊も探してお届けさせていただきたいと思います。

 そして、今回の法人税改革においては、数年で法人実効税率を二〇%台まで引き下げ、国際的に遜色のない水準とすることを目指しているわけでございますが、我々は、いわば日本を世界にとって最も企業が活躍しやすい国にしていきたいというふうに考えておりますし、今お話のあった、海外の企業の日本への直接投資もふやしていきたい、このように考えております。

古川(元)委員 これぐらいの減税、税率を下げるぐらいで、本当に企業が日本に、これが減税になったからといって、立地するというふうにお考えですか、総理。

安倍内閣総理大臣 今申し上げた法人実効税率を二〇%台まで引き下げるということと同時に国際的に遜色のない水準とすることを目指しておりますが、同時に、農業、雇用、医療、エネルギーといったいわゆる岩盤規制の改革を断行していく、そしてグローバルに通用する人材の育成をしていく、またさらには、TPPもそうですが、日本とEUのEPAもそうでしょう、そうした経済連携を推進していく、そしてイノベーション創出力を強化していくなど、成長戦略を実行していくことによって日本の立地競争力を高め、海外企業誘致も促進していきたい、このように考えております。

古川(元)委員 いみじくも今総理が言われたように、最初はかなり、この法人税減税で企業を呼び込むんだとおっしゃっていましたけれども、私は、税率を下げるぐらいで企業が日本に簡単に次々来るような、そういう状況ではないと思うんですね。だからこそ、多分、この法人税減税の目的は、そういう海外からの誘致というよりも、稼ぐ力のある企業の税負担を軽減して投資を促そう、そういうふうに変わってきたんじゃないかと思うんです。

 ただ、今回の法人税減税を見ると、黒字企業の稼ぐ力をより高めるために、その財源として、外形標準課税に象徴されるように、赤字企業に負担を求めるものであって、いわばこれは、赤字企業に対して、おまえらは赤字なんだからいけないんだというので、そういった意味では、法人税という点では、ペナルティーをかけるようなものだと思うんですけれども、そのように理解してよろしいですか。

安倍内閣総理大臣 ちなみに、対内直接投資は、昨年、約三倍になっておりますので、我々の成果は大きな効果を上げているということを、お答えする前に申し上げておきたいと思います。

 次に、日本の赤字法人割合が高いことは、我が国の法人の……(古川(元)委員「今は聞いていないです。今言ったのは、我が国の法人より前の話です。それは聞いていないです」と呼ぶ)いや、今聞かれたことは、法人の九九%が中小企業であって、現在、その七割が赤字法人であることが影響しているわけでありまして、この点は欠損金の繰越控除の制度も関係をしておりまして、中小企業の三割はこの制度を活用して所得がゼロとなっていると承知をしているわけでございます。

 ですから、政府としては、経済の好循環が全国津々浦々の中小企業にまで及んでいくようにしっかりと取り組んでいく考えでありまして、平成二十七年度税制改正においても、地域経済を支える中小企業への影響を配慮した改革内容となっている、このように思います。

古川(元)委員 今のお話を伺うと、ということは、次に聞こうと思っていた話なんですけれども、日本に赤字法人が多いのは、要するに、欠損金繰越控除とか、今回縮小したようなそういう租特があったから赤字法人が多い、そういう理解でいいんですか。

麻生国務大臣 日本で赤字法人の割合が高いというものの一番大きな理由は、いろいろ理由があるんだと思いますよ。

 借金で会社をつくるか、投資で会社をつくるかで全然、もともとが違いますから。同じ金を、古川先生、俺に貸せというのか、古川さん、俺に投資しろというのかによって意味が違いますからね。金を出すという行為は同じであっても、こっちがそれを借金で受けるか、投資で受けるかでは答えが違いますから。会計士がいらっしゃいますのでいろいろ御存じのことだと思いますけれども、全然違うんですよ。

 日本の場合は、明らかに借金でやっている会社が多い、加えて中小企業が多いものですから、日本の法人というものは、ほぼ九九%が中小企業、その七割が赤字法人であるということも非常に大きく影響しているものだと思います。

古川(元)委員 借金でやっているから赤字が多いとかいうのは、ちょっと私はそこは議論したいところなんですけれども、確かに、資料なんかを見ていただいても、日本に赤字法人が外国に比べれば多いというのは事実だと思います。

 ただ、私は思うんですけれども、赤字が余りにも多いから、やはりそこにも、それは、今大臣が言われたような理由で赤字になっている、だから実質的には本当は赤字じゃないんだ、今の話だったらそういうことでしょう。ちょっとそこは、中小企業なんかの実態と本当は違うんじゃないか、もっと中小企業はなかなか厳しいところがあると私は思うんです。

 私は、本来は、こういう赤字法人に課税するという前に、どうしたら赤字法人を少しでも黒字化できるのか、そういうことを考える、そのための方策をまず打つのが先決じゃないかと思うんですけれども、どうですか。

麻生国務大臣 まず最初に、投資をしていただいた場合は、その金を古川さんにお返しするときには、会社を黒字にして配当する以外にお金を返す方法はありません。しかし、借金で金を借りた場合は、金利さえ払ってもらえるというのであれば、その会社は、御存じのように、赤字でもずっと別に問題はないということになります。したがって、赤字にしておいたままの方がいいというインセンティブが働く、これは事実だろうと存じます。そういった意味で、今我々が申し上げたのがそれです。

 もう一点、後の御質問ですけれども、この点に関しましては、何といっても、やはりデフレーションというものが大きかったのが一つです。しかし、バブルの一番景気のいいときだって日本の企業の約五〇%は赤字法人ですから、そういったものがあるという事実は我々はある程度頭に置いて考えておかないかぬところだろうと思いますので、まずは景気をよくしていくというのが一番大きな対策だろうと存じます。

古川(元)委員 もちろん、それも大事だと思います。ただ、同時に、麻生大臣も経営者でいらっしゃるからわかると思うんですけれども、やはり会計とかそういうものをきちっとわかっている経営者かどうかというので、うまくいく、いかないというのがかなりあるんですね。

 それこそ、なぜ日本にこれだけ中小零細企業が多く存在しているか、日本の産業の裾野がこれだけ生まれている理由には、日本には税理士という制度があって、かなり中小零細企業でも、もともとは税務を中心にして会計をしっかりつけてくれる。それこそ昔の大福帳の時代まで戻れば、そういう歴史があるわけですね。明治以降は、税理士制度、そういうものと相まって、やはり会計をきちんとしている。

 大臣もおわかりになると思いますけれども、東南アジアとか、例えば、私、何年か前にベトナムに行ったときに、ベトナムあたりだと中小零細企業がほとんど育っていない。一つは何かといったら、みんな全然、幾らで仕入れてきたかもつけていなければ、幾らで売ったかもつけていない。その場で現金商売で、丼勘定でやっているからそもそも企業は伸びていくことができないんだと。

 ですから、そういった意味では、帳簿をきちんとつける、やはりこれは非常に大事なことだと思うんです。

 だから、大臣がおっしゃったようなこともやらなきゃいけないんですけれども、ここは財金委員会です。では、税とかそういう部分から少しでも黒字化することに資することというのはやはりいろいろ考えていくべきじゃないかと思うんです。

 そこで、ちょっと資料を見ていただきたいんですが、三枚目なんですけれども、中小企業の黒字の決算の割合。

 一般的には、国税庁のものでいくと黒字企業というのは三割を切っているような状況なんですけれども、大臣もよく御存じだと思います、税理士とか公認会計士とか税理士法人とかそういう方々のTKC、こういうところが、これはTKCが自分のところの会員さん、顧問先のところの会計のデータを集めた資料、一つの参考なんですけれども、税理士さんたちがついて、きちんと顧問先の企業を、適時に適切に正確な帳簿をちゃんとつくるように指導していく、企業経営者に作成することを指導している、そういうことが、これを見ていただくと黒字割合が五割に近いくらいまで、多いんですね。

 ですから、やはりそういう会計、帳簿をきちんとつけていく、しかも、帳簿も、まとめてごちょっとつけるんじゃなくて、月次ごとにきちんとつけていく、そういうことをきちんとやることがこういう黒字化の要因じゃないかというふうに分析しているんですね。

 これは、大臣、去年もちょっと聞きましたけれども、会社法とか商法では適時に、正確な記録を求めるというふうにされているんですが、税法ではまだそこまでいっていないんですね。ですから、ここはやはり税法上も、会社法とか商法なんかと同じように適時に、正確な記帳を求める。少なくとも、これを変えたときに、変えた記録、履歴がちゃんと残るように、今だとコンピューターなものですから、途中で変えても過去のものがわからなくなるというのは、これはログで残っていますから、そこをちゃんと残すようにさえ義務づけすれば、残せるわけであります。

 やはりそうやってちゃんと日々、月々でもいいです、会計をきちんとつけていくということを税法上からも義務づけていく、そういうことをやることが結果的にこういう中小零細企業なんかの黒字法人もふやして、そのことが、黒字になって法人税を払ってもらうということがやはり本来のあるべき姿であって、財務省として、できる立場であれば、やはりそういうことも考えていくべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

麻生国務大臣 古川先生御指摘の、適時に、正確な会計帳簿の作成というものについては、これは既に商法、会社法等々では定めがありますけれども、これらに違反しても罰則などの不利益は科されていないのは御存じのとおりです。

 他方、税法においては、整然かつ明瞭な帳簿の記録が青色申告の承認の必要条件ということになっておりますので、そういったところで、各種の政策税制の適用は受けない、いろいろによって違うところは問題だとは思いますけれども、言われましたように、きちっとした帳簿をつけるようにすべきだというのは全く正しいと思うんです。

 ただ一つ、これは、中小零細企業にとりましてはそれだけ負担がかかりますので、おかみさんがみんな帳簿をきちんとつけている小さな商店もあれば、簿記の二級か一級か取ってきちんとしているところもありますし、人によっててんでばらばらであることは確かなんですが、それはかなり負担がかかるという点もある程度考えておいてやらないかぬところかなとは昔から言われているところでもあります。

 いずれにしても、私どもとしては、こういったような点については、きちんとしたものをつける、大体日本人に向いていると思っていますので、こういったものをきちんとすべきということに関しては基本的にそう思いますが、重ねて申し上げますが、これはそれだけ負担を受ける小企業の方にとっては結構な問題なんだろうとは思います。

古川(元)委員 多分、負担も、それは時代がかなり違うと思うんですね。これはそれこそレセプトの電子化とある種同じような話で、もう今、中小零細でも大体パソコンのそういうソフトでやはりやっているんだと思うんですよ。今どき、おかみさんがという大臣の、昔はそうだったかもしませんけれども、みんな大体、それこそ、多分、大臣の事務所だってうちの事務所だって、お金を管理するのはもうパソコンで入れていますよ。ですから、そういった意味でいうと、そういうかつてのようなかかった手間というのは、もう今はかからなくなっている。

 記録を残すということはそんなに難しい話じゃないんです、データをちゃんと残しておくようにと義務づけるだけでいいんですから。ですから、そこはぜひしっかり検討していただきたいと思います。

 時間がなくなってまいりましたので、最後にちょっと、先日、聞いて、途中で終わってしまった、財政健全化目標の話をもう一度聞きたいと思うんです。

 二〇年度の財政健全化、中期財政計画で、二〇年度のプライマリーバランス黒字化目標達成のため、これにはとにかく、この前も議論させていただきましたけれども、経済成長は目いっぱいやるという前提でも九・四兆円の赤字がある。ですから、それは、歳出削減そして歳入増を図る、その二つでこの九・四兆円を埋めざるを得ないわけですね。今想定している、経済成長率がうまくいくという前提でもそれだけありますから。

 そうなると、この九・四兆円、では、全てこれは歳出削減だけでやれるんですか。それとも、そこにはやはり当然歳入増、つまり増税も含めるというふうに考えているんですか。総理、どうですか。

安倍内閣総理大臣 一〇%まで消費税を引き上げてまいりますが、それ以上の例えば消費税の引き上げにおいて税収をふやすということは考えておりません。

 今御指摘のあった、九兆円ちょっとの額をどのように埋めていくかということについては、まさにこれは夏までにしっかりと議論していきたい、こう思っております。

 その中におきましては、いわば公的部門を民間に移していくことによって新たな需要が生まれていく、そのことによって税収もふえていくということにもつながっていくだろうと思います。構造改革をさらにしっかりと進めていくことによってどういう効果が出ていくかということについても議論していく必要があるだろう、このように思っております。

古川(元)委員 そういう構造改革によって経済を成長させて税収が上がる分はもう既に見積もられて、それでも九・四兆足らないとなっているんです。これは政府の試算でですよ。ですから、ここは、歳出を削るか、あるいは増税することで歳入増を図るか、その二つでやるしかないんですね。

 今、総理、消費税の引き上げは行わないとおっしゃった。そうしたら、では、税金を上げるとしたら、消費税以外のほかの税収増を図るというふうに理解してよろしいですか。

安倍内閣総理大臣 まさに、これから議論を行っていくわけでございます。

 そこで、いわば実質成長率を二%で、名目で三という形になっているわけでございまして、今、目いっぱい税収もここでふえているではないか、こういうお話でございましたが、しかし、この夏までの議論におきましてはさらに深掘りをした議論を行っていく必要もあるんだろう、このように思います。

 いわば、今言った額全てを削減ということでもございませんし、また、さまざまな形において政府がどのような合理化を行っていくか。つまり、政府で行っていた例えば部門について、これを民間に任せていくことによっていわば歳出の削減も図ることができるでしょうし、さらにまた、民間に行くことによって新たな産業としてさまざまな活力を生み出していく、それはさらなる税収も生んでいくという可能性もある、こうしたことも含めて、さまざまな議論はまさにこれから行っていくということではないかと思います。

古川(元)委員 では、夏までには、そうしたら、今想定している経済再生ケースよりも高い成長率とかそういうことを見込んで税収もまたふえる、そういう計算が出てくる可能性もある、そういうことですね。そのことを最後に確認して、質問を終わりたいと思います。

安倍内閣総理大臣 基本的には最初に申し上げました前提条件で議論をしていくわけでございますが、当然、その議論の中におきましてはさまざまな深掘りをした議論も行われていくのではないか、このように思います。

古川委員長 次に、丸山穂高君。

丸山委員 維新の党の丸山穂高でございます。

 私からも、所得税法等の一部を改正する法律案につきまして、この法案の審議も最終盤になってまいりましたので、総理の方にお伺いしていきたいと思います。

 まず、先ほど鈴木委員との議論でもありました、消費税増税を再延期する場合の判断のタイミングについてお伺いしたいと思います。

 基本的には、必ず二十九年の四月に増税する、消費税を上げるというのは、先ほど総理も御答弁されております。一方で、リーマン・ショックや大震災のような重大な事態が発生した場合には再延期をしなければならない場合もあるというのが、総理も麻生大臣も基本的な御答弁でした。

 大臣とのこの間の財金委での質疑によりますと、もしリーマン・ショックや大震災のような事態が起きて、再延期しなければならないという判断をするタイミングはいつかというお話をお伺いしますと、総理も本会議で法案を国会に出さなければいけないという御答弁をされておりますので、法案を出すということであれば、前の年の十一月から十二月ごろには判断、決めることになるという麻生大臣の答弁がありましたが、これについて、総理として、この見解でよろしいでしょうか。

安倍内閣総理大臣 リーマン・ショックや大震災のような重大な事態が発生すれば、そのときの政治判断において、新たに法律を出して国会で議論をお願いするということはあり得るわけでございまして、今御指摘のあった時期や決定までのプロセスも、まさにそのときの政治判断において決める事項ではないかと思います。

 先日、麻生大臣の答弁は、丸山委員から、万一リーマン・ショックや大震災のような重大な事態が発生した場合について特に聞かれたものでございますが、例年の一般的な当初予算編成を想定して、考慮すべきスケジュールを述べたものと承知しております。

丸山委員 つまり、今の答弁だと、時期もわからない、国民の皆様に対しても、いつまで、総理が御判断というか。通常であれば自動的に上がるというのはわかっています。しかし、上がらない場合の御説明が足らないなと私は思っていまして、そのときに、判断の基準は、リーマン・ショックや東日本大震災のような大きなものがあったというのはお聞きしています。

 一方で、ではいつのタイミングで判断するのか、非常に大事なところだと思うんですけれども、もう一度、一般論としてでも構いませんので、総理として今どうお考えなのか。

安倍内閣総理大臣 今回のような、景気条項があって、あらかじめその中において経済状況を判断するという場合においては、昨年行ったようなタイミングで引き上げ延期を行ったのでございますが、今御議論させていただいておりますのは、そうした大きな事情の変更になるようなものが突発的に発生するということでございますから、それがどのタイミングかということ、なかなか、今、あらかじめこれを申し上げることは不可能なわけでございますが、確かに、法案を出して改正しなければいけない、手続は必要だということは間違いないわけでございまして、その事態が発生してから後、政治判断において速やかに行っていくべきかどうかという判断をもちろんするわけでありますが、それはまさにそのときの政治判断ではないかと思います。

 今回の場合は、あらかじめ景気条項がございましたから、我々は七―九のGDP成長率を見て判断しようということを決めていたわけでございますが、まさにそのタイミングということになったわけであります。

 この想定については、いつ発生するかもわからない、いわば事情の変更となるような事態がどのタイミングで発生するかということによるんだろう、このように思います。

丸山委員 総理、そこはすごく曖昧過ぎるんじゃないかなと思っていまして、時期についてのお話もそうなんですけれども、先ほど、どういうふうな手続で判断されるのかというところも御言及が曖昧だったように思うんです。

 前回の景気の判断をされるときは、有識者のヒアリング等をされました。一方で、今回、東日本大震災やリーマン・ショックのような規模の経済的なショックがあったときに、再増税を延期するのかどうかの判断、これも一応、有識者の方を招いたりするような手続をきちんととられるということでよろしいんでしょうか。

安倍内閣総理大臣 それは大きな事情の変更となるような出来事でありますから、それはむしろ、そういういとまはないという状況も生まれるわけでありますから、事情の変更が明らかであるという状況でありますから、当然、私は、そういう有識者等の御議論を伺う必要はないのであろう、これはまさに政治判断で決定すべき事柄ではないか、このように思います。

丸山委員 今、非常に重要な御答弁をいただいて、有識者の判断を伺う必要がなく、総理が最後は政治決断をするということです。

 これは何を申し上げたいかというと、先ほど鈴木委員のお話もありましたけれども、逆に、今回の景気条項を入れないことで、ではどういう状況であれば再増税しないのかという御判断がすごく曖昧になるんです。そのときに、総理の御判断だけで再増税を延期する、そしてそれを法案にして出すというのであれば、しかも時期も今のお話ではわからないということであれば、余計、逆に、市場や国民の皆さんから見たら信認できないというふうに思われても仕方がないと私は思うんです。

 総理の強い決意でそういう経済状況に持っていかないというのは十分わかりますし、もちろんやっていただきたい思いは強くあります。しかしながら、このあたり、きちんと御説明いただいていないなというのが今回の審議を通じて強く思うところです。今国会、まだまだこういういろいろな経済の御説明をいただく機会があると思いますので、しっかりこのあたりも総理のお口から御説明いただけますようにお願い申し上げます。

 時間がありませんので次の論点に進みたいんですが、次は、法人税の引き下げの将来的な見通しについてお伺いしたいと思います。

 今回の法人税率、特に実効税率の改革で、数年で税率を二〇%台まで引き下げるという御答弁、先ほど総理からもありました。特に、国際的に遜色のない水準まで目指すということでございます。

 ただ、この二〇%台という言葉が、私は余りに広いなというのが思うところです。というのは、こういうのは、先ほどもお話がありましたけれども、ほかの国と比べて高いのかどうかというのが一つの判断基準になってくるところでございます。例えば、ドイツなどは二〇%台といっても後半の二九%ぐらいですし、お近くの中国とか韓国は二五%前後、そしてイギリスは二三%で、アジアという意味ではシンガポールは一七%ということで、二〇%台のどのあたりを目指すかということで全然このあたりの比較が変わってくるところなんです。

 まずは二〇%台を目指すというところなんですけれども、どこのあたりが日本として総理の最終的に目指す場所なのか、この議論が今回の税制改正で見えないんですけれども、総理のお口からそこをお伺いしたいと思うんです。

安倍内閣総理大臣 平成二十七年度の税制改正では、国、地方を通じた法人実効税率について、平成二十七年度に二・五一%、平成二十八年度に三・二九%の税率引き下げを行うこととしています。

 今後についてでございますが、これは本会議で既にお答えをさせていただいておりますが、平成二十八年度税制改正においても、課税ベースの拡大等によって財源を確保して、税率引き下げ幅のさらなる上乗せを図り、そしてさらに、平成二十九年度以降も、引き続き、数年で税率を二〇%台まで引き下げ、国際的に遜色のない水準とすることを目指して改革を継続していく考えであります。

 二〇%台のどの辺を目指しているんだというその目標でございますが、さらに具体的な水準ということでありますけれども、まさに今後の検討課題でございますので、今の時点でお答えをすることは困難でございます。与党の税調においても議論をしているところでございますので、今の段階では定かにお答えすることができないということでございます。

丸山委員 まさしく今議論されているところで、役所的にそういう答弁を用意するのも十分わかるところですけれども、でも非常にこれは大事なところだと総理もお思いになりませんか。その比較、企業さんからして、どの国に本社機能を持っていくのか、工場を設置するのかというときに、実効税率のどのあたりを日本が目指していくのか、また、どのあたりにあるのかということが、下げる意味でも非常に大事な論点です。

 まさしく議論されているのはわかります。しかし、総理の御見解としてあくまでもお伺いしたいと思うんですけれども、地理的に見たら近いアジアの中韓などは二五%前後、シンガポールは一七%ということでやっています。そういった意味で、総理、この辺の地理的分野も考慮される方がよいとお考えなのか、もう少し踏み込んでお伺いできればと思います。

安倍内閣総理大臣 企業にとって魅力的な国はどういう国かということを考えていく必要があるんだろうと思います。その中におきましては、いわば法人税が低いことだけではなくて、治安がいいとか政治的に安定している、あるいは、そこで働いている人々が、従業員が生活しやすい、子供の教育環境が確保されている、安全な水も確保される、安い電力が安定的に供給される、さまざまな要素があるんだろう、その中で経営者は判断していく、このように思います。

 そこで、まさに日本においては、いわば治安もいいですし、飲料水においても、しっかりとした安全な水を供給することができるわけでございますし、我々は、さらには、海外から来た方々に対しての、お子さんたちの教育環境も整備をしていきたい、医療環境もしっかりと外国人に対しても整備をしていきたい、こう思っております。さまざまな面で競争力を上げていきたい。

 そこで、法人税につきましては、いわば財源も確保しなければならないという側面もございますから、そうしたものを全体の中で総合的に議論、判断していきたい、このように思っております。

丸山委員 つまり、皆さんお聞きになったように、ここではお話ができないということに聞こえてしまうんですよ。つまり、やはりもう少し将来的なビジョンをお話しいただいた上で今回の税制もお話をしたいんですけれども、どうしても、二〇%台、どのあたりかというのが見えてこないのが非常に残念です。

 もちろん、今の段階で答弁できないということが十分わかりましたので、きっちり議論を進めていただいて、またそのあたりも、総理、御意見等を後々の国会審議でいただければと思います。

 そして、次にお伺いしたいのは、非課税措置が今回盛り込まれているものに対して格差の懸念が出ています。ここをお伺いしたいと思います。

 具体的には、教育や子育て、住宅関係の贈与税の非課税措置で、今回、合計すると最大五千五百万円ほど非課税枠が設置されることになります。ことしの一月から相続税の課税対象は拡大していますので、その意味で中間層は増税、ふえる方が多くて、一方で、五千五百万円プラス、相続税の方でも基礎控除とかを考えれば、もっとお金のある方からすればかなりの減税ということになります。

 この辺の格差の固定の問題、今回、逆行しているんじゃないかなというふうに考えるんですが、総理、どのようにお考えですか。

麻生国務大臣 私どもはやはり、贈与税の話が今出ましたけれども、基本的に我々として考えておかねばならぬのは、御懸念のありますように、いわゆる格差が固定化されるというところが一番御懸念のところなんだ、そう思っております。

 したがいまして、我々がこれをあくまでも時限的なものにとどめているのは御存じのとおりだと思いますので、私どもは、そういった意味では、いわゆる課税後の再配分機能が低下することのないようにしておかないかぬということで、確かに基礎控除の引き下げというようなこともさせていただいておりますが、同時に、最高税率をこれまでの五〇%から五五%に引き上げたり、また所得の方に関しましても四〇%を四五%に上げるなど、最高税率を引き上げさせていただいて、いわゆる高い資産層に対する課税強化というものも行っておりますので、やはり広く中間層の増税に影響を及ぼすものではない、私どもは基本的にそう思っております。

丸山委員 実は、先日の委員会で麻生大臣からはその御答弁を、時限措置だというお話をいただいたので十分わかっているんですけれども、総理としても同じ御認識かどうかをお伺いしたかったんですが、同じということでよろしいですね。

安倍内閣総理大臣 まさに、デフレから脱却をしていくために、若年層への資産の早期移転を促していくということであります。若い人たちはお金を実際に必要としていますし、すぐに使っていくということになるわけでございますから、経済の好循環をつくり出していくためにも必要な時限的な措置でございます。

丸山委員 御答弁ありがとうございます。

 次にお伺いしたいのが、給付つき税額控除についてでございます。

 いわゆる軽減税率とこの給付つき税額控除、税制抜本改革法で、検討するというふうに書かれております。公明党さんは与党の中でも軽減税率を推されているということで、この軽減税率の議論はよく上がってくるところですが、一方で、お互い、デメリット、メリットが軽減税率も給付つき税額控除もあると思うんですけれども、もう一つの給付つき税額控除について余り議論が見えてこない、下手をすると、進んでいるのかなという認識を私は持っているんです。

 この給付つき税額控除の検討もきちんと進めるということでよいのかどうか、総理の御答弁を伺いたいんです。

安倍内閣総理大臣 税制の抜本改革法においては、低所得者への配慮として、給付つき税額控除と複数税率がともに検討課題とされています。与党においては低所得者への配慮として軽減税率の検討が進められているところでありまして、政府としては与党の議論を見守ってまいりたい、こう思っております。

 まずは、今、与党において軽減税率の検討が進められているところでございますけれども、与党における検討の状況を踏まえるべきものと考えておりますが、その上で、いかなる場合でも対応できるように検討していかなければならない問題である、このように認識をしております。

丸山委員 今のお話で、法に、給付つき税額控除も検討をしなければいけない、検討課題と書かれている、まずは軽減税率だとおっしゃいましたけれども、この検討をしなければならない、政府でするということでよろしいんでしょうか。逃げられたような気がするので、もう一回お答えください。

安倍内閣総理大臣 現在、与党において軽減税率の検討が既に進められておりますが、給付つき税額控除につきましては、今、基本的には与党の議論を見守る立場ではございますが、基本的な姿勢として、その上で、いついかなる場合でも対応できるように検討していかなければならない問題であると認識をしております。

丸山委員 大事なところなので、給付つき税額控除についても、いついかなるときでも対応できるように検討していくということでいいんですね。

安倍内閣総理大臣 そのとおりでございます。

丸山委員 安心しました。しっかりこちらも検討いただけるということですね。今後の大事な課題になってくると思います。

 いずれにしましても、大事な論点で、二年後にはこれを導入していきたいというお話であるにもかかわらず、残念ながら、余りここの議論も今回の税制改正でできなかったなというのが思っているところでございます。

 時間がなくなってきましたので、最後、質問させていただきたいと思います。

 今回、地方拠点の強化関連の税制が出ていますけれども、東京一極集中をどうやって是正していくかという点で、これも麻生大臣とお話をさせていただいて、これは私もそうですし、我が党の持論でもあるんですけれども、いきなり企業さんに、インフラの整っていない地方に、税制を少しだけ優遇するから移転しろというのはすごく無理があると思うんですね。しかも、それは企業の拠点を分散させてしまうことになって、国家としてそれで本当にいいのかという疑問があります。

 まずは、東京一極集中を是正するのであれば、二極目、三極目の都市をつくっていくのが重要だと思うんですけれども、その意味で、この税制は中途半端で、余り効果がないというふうに思うんです。

 総理のこの辺の考え方、二極目、三極目をつくっていくのを、方向性も含めて、総理、どのようにお考えでしょうか。

安倍内閣総理大臣 もちろん、二極目、三極目、東京、関東圏だけではなくて、近畿圏もしっかりと競争力を持って、活力を持っていくことは、日本の将来を見据えた上では大変大切なことだ、こう思っております。

 今回私どもが進めているこの政策について言えば、東京圏のみならず、近畿圏や中部圏の中心部は既に人口や産業が集中している地域でありまして、地方創生という観点におきましては、地方において急速に進みつつある人口減少に歯どめをかけるため、全国津々浦々に安定した良質な雇用を確保することが重要でありまして、昨年末に取りまとめた総合戦略にも基本目標として掲げているわけでございまして、近畿圏や中部圏の中心部以外の地方に企業が移転することに無理があるとは考えていないわけでございます。

 このため、地方拠点強化税制においては、企業誘致に計画的、戦略的に取り組んでいる地域に対して、できる限り広く恩恵が及ぶように配慮しているところでございまして、例えば、小松製作所は、コマツが小松市に本社機能の一部を移転したことによって、そこに住む従業員は、東京の本社で働く人たちよりも出生率がふえたりという、いい成果が出ているということに鑑み、こうした政策をとっているところでございます。

丸山委員 ありがとうございます。

 質疑を終えます。

古川委員長 次に、伊東信久君。

伊東(信)委員 維新の党の伊東信久でございます。

 本日は、安倍内閣総理大臣の出席の中で財務金融委員会が開催され、さらに質疑させていただくという貴重な機会をいただきました。時間厳守ということですので、時計を見ながらしっかりと質問させていただきたいと思います。

 さて、内閣提出の所得税法等の一部を改正する法律案に対する質疑ということでありますが、先日、麻生財務大臣に、NISA、ジュニアNISA、キャピタルゲイン課税の特例措置等を御質問し、不明な点についてお答えいただき、また、意見も述べさせていただきました。

 本日も、総理に同じような質問をさせていただこうかと考えましたが、副総理でもあります麻生財務大臣に既にお答えいただいておりますので、医療法人の理事長そして外科医であります私でございますので、社会保障費の抑制そして財政再建に向けた提案をさせていただきたいと思います。

 麻生財務大臣におきましては、財務金融委員会なのにまた社会保障の話か、またバイオシミラーの話が出てくるのかと思われるかもしれませんが、日本の財政健全化のために頑張ってまいりますので、時間内でよろしくお願いいたします。

 さて、平成二十七年度予算における社会保障費は三十一・五兆円と、残念ながら年々一兆円規模で増大しております。

 第一次安倍内閣が発足した二〇〇六年ですけれども、この二〇〇六年というのは、私がくしくも政治の世界に入ったきっかけとなりました、安倍総理もテレビ番組の一つの企画で一緒に温泉にも入られたことのある、やしきたかじんさんの椎間板ヘルニアのレーザー治療をさせていただいた年でございまして、たかじんさんの助言を受けまして、私も今この場で質疑をさせていただくという御縁もあります。

 その二〇〇六年の社会保障関係費は二十・五兆円でしたので、十年弱の期間で十一兆円が増加したことになります。

 ここで、まず最初に安倍総理にお尋ねしたいのは、この年々増加する社会保障関係費、十年弱で十兆円規模で増加する社会保障関係費を抑制する対策、方策を教えていただきたいのです。

安倍内閣総理大臣 世界に冠たる国民皆保険、皆年金制度を初めとする社会保障制度を次の世代に引き渡していく責任を私たちは負っていると思います。

 その上において、今御指摘になったように、社会保障の充実、安定化を行っていくこと、そのために、例えば消費税も引き上げているわけでございますが、不断の見直しを行い、重点化、効率化を行うことが必要だと思っております。

 平成二十七年度予算では、消費税増収分を活用して、子ども・子育て支援新制度の予定どおりの施行など社会保障の充実を図る一方、制度を持続可能なものとしていくため、経営の実態を踏まえて介護報酬を改定しました。協会けんぽの準備金が法定分を超える場合において、相当額の国庫補助を縮減しました。そして、生活保護の住宅扶助などについて、実態を踏まえての見直しなどの取り組みを行うこととしております。

 今後とも、給付と負担のバランスがとれた持続可能な社会保障制度を確立するために、不断の改革を進めていきたいと思っております。

伊東(信)委員 社会保障関係費の抑制と一言で申しましても、非常に難しいことだと認識しております。ここの問題意識、そして、何とか対応策を立てていこうということは一致していると思うんです。

 少子高齢化が進み、年金、医療、介護の給付額はウナギ登りに増加しておりまして、先ほど御答弁がございましたように、介護の問題、生活保護の問題と、施策が今まさになされようとされているところでございましょうけれども、社会保障と税の一体改革、その中で、後発医薬品、つまりジェネリック医薬品の使用促進は大きな施策の柱となっております。生活保護に関する法律の中にも組み込まれております。医療費削減に大きな貢献をしております。

 三月二日の予算委員会におきまして塩崎厚生労働大臣に御答弁いただきましたけれども、私は、バイオ医薬品の後続品であるバイオシミラーこそが社会保障関係費の抑制につながると考えておりますし、ことしはバイオ医薬品の特許切れが生じ始めるので、まさにバイオシミラーの元年であり、最大のチャンスだと捉えております。

 バイオ医薬品というのは、総理も克服されました潰瘍性大腸炎や、がん、リウマチ、低身長を初めさまざまな難病の治療薬として使われておりますし、医薬品の市場におきましても、世界の医薬品の売り上げトップテンの品目のうち、実に七割がバイオ医薬品となっております。最上位の幾つかのバイオ医薬品は、一製剤だけで売上高が一兆円を超えるため、医療はもちろんのこと、産業力としても非常に強いパワーを持っております。

 しかしながら、我が国の製薬企業はバイオ医薬品分野での研究開発に大きなおくれをとっておりまして、世界で販売されているバイオ医薬品の売り上げ上位二十製品は全て海外企業のものです。

 また、国家戦略から見ましても、韓国では国家としてバイオ分野での産業振興に力を入れておりまして、特にバイオシミラーについては、二〇一〇年に策定したバイオシミラーグローバル輸出産業化戦略において世界トップのシェアを獲得することを目標に掲げて、研究開発や設備投資に対する助成や専門人材の養成、公的な生産設備の整備を行っております。

 一方で、日本はといいますと、研究分野における国としての開発戦略の不在や新技術に対する承認ルールの未整備など、バイオシミラーが普及する体制が整っておりません。国の戦略、企業力も、海外と比較して残念ながら見劣りしております。一昔前、日本は医薬品に関してはフロントランナーのポジションでありましたが、今となっては残念ながら他国の後塵を拝しております。

 バイオシミラーが普及しない理由に、高額療養費制度や難病などの公費助成といった手厚い制度によって、バイオ医薬品とバイオシミラーのどちらを使用しても患者負担が変わらないので、バイオシミラーを使って自己負担分を軽減するという動機づけが患者サイドから生まれないということが挙げられます。このこと自体は非常にいい制度だと思うんですけれども、日本は既に大きく出おくれてしまっている感がこのバイオシミラー分野にはあると思います。

 しかしながら、まだまだ巻き返しは可能だと思いますし、何よりも社会保障費抑制において、必ずやバイオシミラーは活躍してくれるはずだと思っております。

 政府として、後発医薬品全体の数量シェアを平成三十年度までに六〇%以上にするという目標を掲げてあるロードマップを作成していることは存じ上げております。しかしながら、これだけでは他国そして海外企業と十分に闘うことはできません。

 そこで、私は、バイオシミラーの普及は社会保障費の抑制そして財政再建につながると確信しておりますし、バイオシミラーの使用促進に向けてさまざまな面から環境整備が必要だと考えておりますが、改めて厚労省のお考えを教えてください。

橋本大臣政務官 バイオシミラーにつきましてのお尋ねをいただきました。

 もう既に御案内のとおりだと思いますけれども、バイオ後続品、バイオシミラーというのは、国内で既に承認されたバイオテクノロジー応用医薬品と同等、同質の有効性、安全性を有することが治験により確認されている医薬品ということでございます。

 これも既に御指摘がございましたけれども、今、厚生労働省といたしましては、バイオ後続品も含めた後発医薬品全体の数量シェアについて、平成二十五年九月の調査では四六・九%であるところ、これを平成三十年三月末までに六〇%以上とすることを目標とする、後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップを平成二十五年四月に策定し、使用を進めているところでございます。

 御指摘をいただいておりますように、このバイオシミラーについて、先発品と比べて価格が低いというところはございます。もちろん、それで同じような効果があるのであれば当然使用を進めていっていただきたいということを私たちも思っているところでございまして、臨床上の必要性に応じて、医師の判断のもとで適切に使用を進めていく、そうしたことで医療費の効率化を図ってまいりたい、このように考えております。

伊東(信)委員 橋本政務官、ありがとうございます。

 しかしながら、やはりどうしても、後発医薬品全体の中でバイオシミラーが扱われると、私が常々指摘させていただいているとおり、国の戦略におきましてお隣の韓国とかと同様にバイオシミラーに注目して別建てでやらないのは、そもそもの物質が生成のときから違うからでございまして、そのあたりについての御検討というのは厚生労働省の方で何かされているのでしょうか。

橋本大臣政務官 今委員御指摘いただきましたように、ジェネリック医薬品、後発医薬品というものは、成分そのものは全く同じものでございます。ということと、このバイオシミラーというものは、大きなたんぱく質のようなものでございまして、構造が違っていたりする、全く同じではないというところが、ジェネリックの取り扱いと少し違うところなんだろうというふうに思っております。

 ということをもって、先ほど答弁申し上げましたように、やはり医師の判断のもとで適切に使用を進めていくということも必要なんだろうというふうに思っております。もちろん、その中で、きちんと治療に効果が上がり、かつ医療費が削減できるという効果があるということは十分認識はしておるところでございます。

伊東(信)委員 ありがとうございます。橋本政務官、きちっとバイオシミラーについては御存じいただいているというのがよくわかりますので。

 ちょっと質問通告していないんですけれども、バイオ医薬品のことについて、御存じだと思いますけれども、総理、今の質問に対して、もしコメントがございましたら。もしくは、バイオシミラーというお言葉、伝え聞いていると思うんですけれども、御存じでしょうか。

安倍内閣総理大臣 私自身はバイオシミラーというのは余りよく承知していなかったんですが、御質問をいただきましたので、事前に少し勉強させていただきました。

 このバイオシミラー、バイオ後続品でありますが、ただいま橋本政務官から答弁させていただきましたように、いわゆる後発医薬品とは少し性格が異なるわけでございまして、その点、医師の処方等によって慎重な扱いが必要だということであります。

 しかし、同時に、先発品に比べて価格が低い、医療費の効率化の観点から、後発医薬品と同様に使用を促進していくことが重要と考えておりますので、先ほど橋本政務官も答弁させていただきましたように、六〇%以上とするというロードマップにつきましては、バイオ後続品を含め、後発医薬品の数量シェアということにしているわけでございますので、このバイオ後続品につきましては、後発医薬品に比べて高度な製造技術が必要であり、価格も高いということもありますから、我が国の医薬品産業の成長という観点からも普及を進めていくことが重要と考えております。

 今後、医療関係者などの理解と普及を進めまして、さらに使用の促進を図ってまいりたい、こう思っております。

伊東(信)委員 ありがとうございます。

 本当に失礼な表現になると思うんですけれども、アベノミクスの三本目の矢は飛んでいないとか中身がないとかというさまざまな批判もございますが、岩盤規制を打ち破るという安倍総理の熱意は本物と信じておりますので、三本目の矢、つまり成長戦略が軌道に乗らないことにはやはり日本の未来は開けてこない、それは共通の認識として持っております。

 このバイオシミラーの使用促進について早々と議論し、せっかくバイオシミラーという安価な医薬品があるのにもかかわらず利用が進まず、それだけではなく販売が進まないのであれば、当然のように企業は数十億もかけて投資をして開発を行ったりはしません。すなわち、バイオシミラーという産業政策においても、日本の立ちおくれというのは取り返しのつかないものになると予測されます。バイオシミラーの使用促進は、社会保障関係費の抑制という面だけではなく、日本の産業育成にもかかわっており、まさに産業育成は安倍総理の唱える成長戦略の一つでもあると考えておるんです。

 このバイオシミラーを三本目の矢の一つに、つまりは総理の考えている成長戦略の柱になり得る存在だと私は考えておるんですけれども、安倍総理、いかがなものでしょうか。

安倍内閣総理大臣 これは、先発品と後発医薬品との関係にも似ているとは思うんですが、いわば先発品というのは、大量の研究開発費を投入して新しいイノベーションを起こしていくわけでありますが、後発品については、その起こったイノベーションを利用して広く患者に低価格で提供していくという役割を持って、この二つが相まって新しい薬を開発し、そしてさまざまな疾病に対する薬が誕生し、患者の人生を豊かにし、かつまた同時に、それがさらに広く普及していくということなんだろうと思います。

 そういうサイクルが、バイオ医薬品におきましても、バイオの先発品と後続品の中において、性格が違うということは先ほど橋本政務官が答弁したとおりでございますが、それを前提として、そういう関係の中においてしっかりと普及していくということにつきましては、医療費の削減にもいい効果が出るでしょうし、同時に、産業政策としても意味があるものだろう、このように思っております。

伊東(信)委員 ありがとうございます。社会保障関係費の抑制、財政再建、そして新たなる成長戦略、これらは個別でなく、同時に考えなきゃいけないことです。

 きょうはバイオシミラーのお話をさせていただきましたけれども、日本にはまだまだ眠っている成長の種、シードがあると思います。その種を育てることができるか否かは時の総理の力にもかかってまいりますけれども、我々も日本のために全力で後押しをしてまいります。

 ぜひとも総理には、バイオシミラーという大きく成長するであろう種を無視するのでなく、大切に育てていただきますようにお願い申し上げまして、現在四十分になりましたので、終わらせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

古川委員長 次に、宮本徹君。

宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。

 所得税法等一部改正案に対する質問を行います。

 総理、昨年四月からの消費税の増税でとりわけ生活が厳しくなっているのが、年金削減が続くひとり暮らしの年金生活者です。

 先月発表された総務省の家計調査を見ますと、高齢単身無職世帯は、二〇一四年の可処分所得が前年比実質マイナス一一・四%もの大変な落ち込みとなっております。食費は、消費税増税と物価高の中、節約に節約を重ねても五百八十八円ふえております。水光熱費も五百十六円ふえております。いろいろ合わせると、毎月数千円の負担がふえております。年金収入はこの調査では月平均十万三千七百六十七円ですから、この負担がどれだけ重いかというのはおわかりになると思います。

 何を削っているのか。衣服類はマイナス七・五%の支出減。消費支出で最も減ったのは住居費のマイナス一二・六%、医療費のマイナス一二・五%です。総理は、低所得者への簡素な給付として一万円を配ったと言いますが、これは一年半分の食費の消費税増税分として、月にすれば五百五十五円であります。年金削減の中、増税と物価上昇には全く足りていないというのは、この家計調査の結果からも明らかだと思います。

 総理、消費税増税と物価高、年金削減の中で、必要な医療まで削らなければならないところまで追い込まれているという認識はあるでしょうか。

安倍内閣総理大臣 我が国におきましては、国民皆保険のもとで、患者が自由に医療機関を選んで受診できるフリーアクセスが確保されていると言ってもいいと思います。その結果、諸外国に比べて外来受診回数や入院日数が多いという状況にあるわけでありますが、その中で、近年、減少する傾向が続いているわけでございますが、これは消費税が引き上げられる前から続いているところでございます。こうした傾向は、予防や健康づくりの推進、医療機関の機能分化、連携、医薬品の長期処方等、さまざまな要因によるものと考えられています。

 昨年四月の消費税引き上げによって受診抑制が生じているというふうには承知をしておりません。

宮本(徹)委員 消費税増税の前からいろいろな要因で起きているというお話ですけれども、実際に起きていることを見ていただきたいというふうに思います。

 受診抑制が典型的にあらわれるのは歯医者です。痛むまでは我慢ができるからであります。

 都内でも高齢化率の高い足立区にある歯科クリニックの受診者数をお聞きしました。きょう資料でもお配りしておりますが、昨年三月まで、月に百二十から百五十人台あった患者数が、四月以降、七十から九十人台に大きく減っております。

 高齢者だけではありません。全国保険医団体連合会が行った、保険でよい歯科診療に関する市民アンケートでは、消費税が八%に上がったことで受診を控えると答えた方が、このアンケートでは一三・二%にも上っております。

 兵庫県のある歯医者さんのお話です。昨年末、歯が突然痛んだと若者が来たそうです。虫歯が十本、うち五本がかなり進行していて、応急治療を行ったが、失業していて、持ってきた所持金は五百円しかなかった。年明けから本格的に治療しようと言っていたが、次は来なかったそうです。

 こういう患者がふえているという話であります。お金の心配で歯医者にかかるのがおくれれば、大事な歯を失い、口腔崩壊が起きます。

 大阪府の保険医協会、大阪府歯科保険医協会が昨年十二月に行った、医療・介護現場から見える貧困調査では、治療中断を経験したのは医科で六割以上、歯科では九割。薬が切れているはずなのに受診に来ない事例を報告した事業所が、増税前の二〇一一年の調査の三五%から、昨年の調査では六六%に急増しております。エコー、胃カメラ、大腸ファイバーなどの検査拒否が多くなった、初診から肺炎やがんなどの重症の方が増加している、各地からこういう報告が寄せられているそうです。

 総理、消費税増税は国民の命と健康を脅かしているという認識はあるでしょうか。

吉田政府参考人 お答えいたします。

 先生、歯科のデータをお示しでございますので、私どもの手元にございます、歯科医療機関七万弱から診療報酬明細書、いわゆるレセプトをいただいていますので、その分析をいたしますと、消費税が引き上げられました二十六年四月から直近のデータ、九月まででございますけれども、歯科の外来の受診延べ日数は、前年同期と比べまして〇・八%の増となっております。

 経年的に見ますと、同じく前年同期比で、二十四年度が通年で〇・四%の減、あるいは二十五年度は〇・六%の増というところ、二十六年四月から九月は歯科については〇・八%の増というところになっているところでございます。

宮本(徹)委員 いろいろ言われますけれども、私たちも、大阪の保険医協会だとか各地のお医者さんからの報告を、実際現場で何が起きているのかということを、レセプトだけでは見えない現実を見ていただきたいということで言っているわけですよ。

 総理、どうですか。

安倍内閣総理大臣 今、厚労省からお答えをさせていただきましたが、このI歯科クリニックというのは、これは一つのクリニックでございますから……(宮本(徹)委員「I歯科クリニックだけじゃなくて、兵庫県のお医者さんの話だとか大阪の……」と呼ぶ)いわば、それプラス保険医協会というお話でございましたが、厚労省の方からは全体を見た統計を紹介させていただいたんだろうと思います。

 いずれにいたしましても、受診回数等々につきましては、先ほど申し上げましたように、消費税の引き上げ前からそれは既に起こっている。それと、私どもが進めてきた政策によって、ある程度、受診回数の減少、特に、例えば医薬品の長期処方が可能になったことによって、今まで慢性の方々は二週間に一回病院に行かなければいけなかったものが、二カ月分出れば二カ月に一回ということになるわけでございますから、そうしたこともあるんだろう、このように思うところでございます。

宮本(徹)委員 実際の総務省の家計調査でも、医療費の支出は減っているわけですよ。長期処方をしようがしまいが、使う薬の量が変わるわけじゃないわけですよ、その理由だったら。実際は、医療費が減っているということは、薬を受け取る量が減っているということじゃありませんか。そのことが大阪の保険医協会のアンケートでも明らかになっているということを申し上げたわけであります。

 よく政府は、基礎年金満額以下の方には消費税が一〇%に上がったときには月五千円を給付するということをおっしゃいますが、これは大半は消費税増税分で消えてしまうわけですよね。

 今、老齢基礎年金の満額は六万四千四百円です。そして、一〇%時に五千円配ったとして、六万九千四百円になります。これで仮に生活しているとしたら、消費税一〇%になれば、消費税五%時と比べて単純計算で月三千四百七十円の負担がふえるということで、五千円給付したとしても、三千五百円は消費税増税分で帳消しになってしまう。

 しかし、実際は、六万九千四百円では、東京ではひとりでは年金生活者の皆さんは暮らせませんよ。どう節約しても十万円ぐらいかかります。そうしたら、五千円給付したとしても、全部、消費税による負担増で、その五千円は消えてしまうということになるわけですよ。

 ですから、消費税増税で年金の財源を賄おうというのは、タコが自分の足を食うようなものだと思います。消費税増税が日本社会で貧困を広げているということは明らかだと思います。逆進性の強い消費税が社会保障の財源としてふさわしくないのは、国民生活の実態から見ても明らかだと思います。消費税を一〇%に引き上げることは、絶対に私たちは認められません。

 そして、消費税率引き上げの一方で、今回の法案は、巨額の利益を上げている黒字の大企業を中心に、法人税減税の大盤振る舞いをしております。財界の要望に応えて二・五一%も法人実効税率を引き下げ、穴埋めとして課税ベースの拡大を行いますが、法人税は全体で、二〇一五年、二〇一六年と、各年度二千百億円もの減税となっております。

 麻生大臣、この法人税の減税分の財源はどこから持ってくるんでしょうか。よろしくお願いします。

麻生国務大臣 今御質問のありました、平成二十七年度の税制改正におきましては財政健全化の取り組みとの整合性を踏まえて法人税改革を行っておりまして、いわゆる大企業と言われる例を引きますれば、欠損金の繰越控除の見直しなど課税ベースを拡大することによって、二〇一九年度にかけて税率引き下げの財源をまず確保している、その対象になっておるという点であります。その上で、御指摘のように、二十七年、二十八年度は税率の引き下げを先行させておりますので、委員は先行減税分は財源を確保できていないというような見方をされているのかと思いますけれども、そうではなくて、きちんとしたものをやらせていただいておるということが、まず第一点、御理解いただきたいところであります。

 また、今言われましたところでいけば、今後引き続き税率を引き下げていくに当たりましても、私どもは、その分に関しましては、これは総務省の所管ではありますけれども、法人事業税とか、外形標準課税等々をさらに拡大していくことで、いわゆる大企業を特に優遇しているということではなくて、我々としてはいろいろなことを考えて法人実効税率を下げさせていただく、企業の競争力をつける、いろいろな表現が先ほどあったとおりであります。

宮本(徹)委員 ですから、二〇一七年度以降、中立になるというのは私も知っていますよ。そうじゃなくて、二〇一五年、二〇一六年度分の減税分、各年度二千百億円分の財源はどこから持ってくるのかということをお伺いしているんです。

麻生国務大臣 今申し上げたつもりだったんですけれども、二〇一七年度につきましても、これは国民負担によって賄われておるのであって、他方で、今回の先行減税ということを今言っておられるんだと思いますけれども、それは、所得拡大促進税制の要件などの緩和などとあわせて、企業が賃金アップへ踏み出していく一歩を力強く後押しするために、先ほど申し上げましたように、後で上がってきますので、我々としては御指摘の点についても政策効果というものを考えてやっておるというように御理解いただければと存じます。

宮本(徹)委員 結局、政策効果で税金がふえてくるかもわからないという話しかなくて、いろいろ言いますけれども、八%に引き上げられた消費税収の入った一般会計で、二〇一五年、二〇一六年度分の減税、それぞれ二千百億円を穴埋めするものになっているというのは、お金の出入りからすればはっきりしているということだと思います。

 そして、政府は、数年以内で法人実効税率を二〇%台までに引き下げると言っております。自民党税調では、先ほど総理からもお話がありましたが、二〇一六年度に三・二九プラスアルファの実効税率の引き下げを目指すとしております。総理、これでは、法人税の減税は二〇一七年度以降も続くということでしょうか。

麻生国務大臣 先ほど申し上げましたように、二〇一六年で三・二九ということになりました段階でも、まだ二〇%台ということにはなっておりませんので、我々としては、引き続き、そういったものを考えているというように御理解いただければと思っております。

 数年で税率二〇%台まで引き下げることを目的としておるというように先ほど総理から答弁があっておりましたけれども、我々は、そういったものを考えて、引き続き継続をさせていただきたいと考えております。

宮本(徹)委員 だから、実質減税になるのか。法人税率引き下げを目指すというのは、実質減税に二〇一七年度以降もするということなんでしょうか。税率引き下げを目指しているというのは、それは書かれているわけですけれども、今回、二〇一五、一六年度が先行減税で実質減税になっているように、一七年度以降もそうするのかということをお聞きしているわけです。

麻生国務大臣 今後の話ですけれども、二〇一六年度の税制改正においても、課税ベースの拡大等によって財源を確保して、税率引き下げ幅のさらなる上乗せを図りましたが、さらに御指摘の平成二十九年度以降も、引き続き、数年で税率二〇%台まで引き下げることを目指して、財源を確保しつつ改革を継続していくということを考えております。

 税率引き下げのための財源の確保ということになろうと思いますけれども、これは先ほども申し上げましたけれども、総務省の所管ではありますけれども、大法人向けの法人事業税、また外形標準課税をさらに拡大していくということ等々、租税特別措置の見直しを進めることなどを初めとして、幅広く検討を行ってまいりたいと考えております。

宮本(徹)委員 ということは、実質減税は二〇一七年度以降はないということを御確認してよろしいでしょうか。

麻生国務大臣 ないとどうして言い切れるんだかわかりませんけれども、ないとお思いになっておられるなら、ないとお思いになっておられるのは結構ですが、我々としては、なるべく、そういうことのないように、いろいろ幅広く検討してまいりたいと考えております。

宮本(徹)委員 ないというふうに断言できないということは、結局、また実質減税が続いて、そこを、消費税増税で今度一〇%に引き上げられたのがそこで穴埋めされていくという話になるじゃありませんか。それは私たちは本当に認められないというふうに思います。

 次に行きます。

 政府税調の資料でも、連結納税制度、配当の益金不算入制度、研究開発減税など、租税特別措置などで課税ベースが小さくなり、法人税の実際の負担率は三分の二程度になっております。これらの制度の恩恵は大企業に偏重しております。

 法人税の実際の負担率を二〇一二年度の国税庁の統計から私たちが試算すると、資本金一億円未満の中小企業で二四・七%、資本金十億円以上の連結法人を含む大企業が一三・九%です。

 中央大名誉教授の富岡幸雄さんは、実効負担率という言葉を使って同じような試算をされておりますが、資本金五千万から一億円の中小企業の負担率が二三・六二%、資本金百億円を超える巨大企業の実際の負担率が一一・五四%と試算されております。大体、私たちの試算と同じ傾向ということになっております。

 総理に認識をお伺いしますが、巨大企業の実質の負担率が中小企業より低い不公平が生じている、こういう認識はございますでしょうか。

麻生国務大臣 御指摘の試算については、詳細まで承知をしておりませんが、例えば、税務上、益金に算入しない、いわゆる非課税扱いとされております受取配当金などを分母の課税ベースに戻した上で、それに対する法人税の割合負担を計算しているものだと伺っております。

 しかしながら、この受取配当金の益金不算入制度というものは、御存じのように、子会社の段階で既に法人税が課税されているわけですから、それを踏まえて、二重課税を避ける観点から設けられているものであります。

 仮に、受取配当を全て課税扱いということにすれば、親会社にとりましては子会社形態で運営するよりは支店形態で運営する方が有利ということになりますので、企業の組織形態の選択をゆがめてしまうであろうという問題が当然のこととして起こります。したがいまして、二重課税を避ける手当てをしているにもかかわらず、二重課税を回避しているから大企業の負担率が低くなっているかのような指摘はいかがなものかというような感じがして伺っておりました。

 また、中小企業の実質的な負担率が一律に高いということではありませんで、先ほど申し上げたとおり、そもそも、全体の七割が赤字ですから、法人税は負担しておられません。また、所得が八百万円以下である企業に適用されております税率は一五%で、通常の企業は二五%だと思いますので、そういったことを考えますと、大企業の方が中小企業よりも実質的な負担率が低いという御指摘は必ずしも当たらないのではないかと考えます。

宮本(徹)委員 いや、中小企業の赤字のところのことを話をしておるわけじゃありません。黒字のところの話しか私たちはしていないわけです。当然、法人税は黒字でしか払わないわけですから。そこを見れば、各種試算で明らかになっているように、巨大企業の方が実質の負担率が低いというのは明らかだと思います。

 私たちは、こういう大企業優遇も正さずに、そして法人税減税を進めながら、その一方で消費税増税する法案は絶対に許されないということを申し上げまして、質問を終わります。

古川委員長 これにて内閣総理大臣出席のもとの質疑は終了いたしました。

 内閣総理大臣は御退席いただいて結構でございます。

 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

古川委員長 この際、古川元久君外三名提出、格差是正及び経済成長のために講ずべき税制上の措置等に関する法律案について、国会法第五十七条の三の規定により、内閣において御意見があればお述べいただきたいと存じます。財務大臣麻生太郎君。

麻生国務大臣 ただいまの格差是正及び経済成長のために講ずべき税制上の措置等に関する法律案につきましては、政府としては反対であります。

    ―――――――――――――

古川委員長 これより両案を一括して討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、順次これを許します。鷲尾英一郎君。

鷲尾委員 私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました、政府提出、所得税法等の一部を改正する法律案に反対、民主党提出、格差是正及び経済成長のために講ずべき税制上の措置等に関する法律案に賛成の立場から討論を行います。

 少子高齢化、巨額の財政赤字という難題を解決するため、社会保障と税の一体改革に我々は党派を超えて尽力してきました。しかし、安倍内閣は、残念ながら、消費増税の前提となる議員定数削減という公党間の約束を破り捨て、解散・総選挙を行いました。

 この際、消費税率の引き上げ延期が大義名分となりましたが、その大義名分は、公党間の約束を破ってよい理由にはなりません。消費税率を上げる状況をつくれなかったのは政権与党の責任であり、税率引き上げ延期という甘い言葉で、これまでの失政を覆い隠したのであります。

 すなわち、議員定数削減は放置され、消費増税の社会保障目的税化に対して国民に疑念を抱かせ、悪い物価高を招いて国民生活は悪化し、株価上がれども景気実感の伴わない状態が続いております。

 以下、政府案に反対する理由を申し述べます。

 第一に、アベノミクスの先行きが期待薄の中、消費税引き上げの際の景気判断条項を削除することです。

 第二に、成長戦略に反する法人実効税率引き下げです。国際競争力などの観点から、適切な代替財源を確保できるのなら法人実効税率は引き下げるべきです。しかし、外形標準課税の拡大などは雇用及び成長に悪影響を与えます。

 第三に、逆進性対策の方向性すら示されていないことです。

 第四に、自動車関係諸税の問題です。自動車は地方の生活の足であり、民主党は自動車取得税廃止、車体課税の抜本見直しを求めてきましたが、政府案では問題が先送りされています。

 第五に、格差是正に対する視点に欠けていることです。

 第六に、医療、介護等の控除対象外消費税の問題について、方向性すら示されていないことです。

 以上、政府提出法案は、矛盾に満ちているだけでなく、肝心かなめの内容が抜け落ちております。それに対し、我が党案は、政府案のような矛盾はなく、必要な改正を行うものです。

 賢明な委員の皆様におかれましては、ぜひ民主党案に賛同いただくようお願い申し上げまして、私の討論を終わります。(拍手)

古川委員長 次に、丸山穂高君。

丸山委員 私は、維新の党を代表して、内閣提出の所得税法等の一部を改正する法律案並びに民主党提出の格差是正及び経済成長のために講ずべき税制上の措置等に関する法律案について、反対の立場から討論を行います。

 以下、その理由を申し述べます。

 まず、内閣提出の法律案については、いわゆる景気条項の削除について非常に疑問が残ります。安倍総理も麻生大臣も、景気は生き物で、リーマン・ショックや東日本大震災のような大きな経済的事情の変更があれば別だという答弁がありました。景気次第では上げない可能性も想定しているが法文から景気条項を外すというのは非常に矛盾しており、逆に、総理が信認を得たいとおっしゃる市場や国際社会、何より国民への説明として不誠実なものです。

 そして、本法律案では、税も含めて地域のことは地域で決めるべきだという観点が根本的に欠落しています。東京一極集中の是正は、これまで何十年も言われてきてできていないものであり、いきなり企業に対し、税制を少しだけ優遇するので東京からインフラの整っていない地方に行けというのは限界があります。残念ながら、今回の移転促進のための税制措置も、実質的に効果のある政策とはなり得ません。

 また、格差の固定に対する配慮も欠けています。住宅贈与非課税枠の拡大や子育て資金の非課税制度の拡充などによって、資産の多い富裕層からその子孫へ資産がそのまま引き継がれる。この格差の固定に対して、政府の見解では問題としながらも、実際の今回の税制も含めた具体的な政策は逆の内容となっており、また、審議を通じても、政策達成を図る数値目標等についての政府の見解はありませんでした。

 給付つき税額控除や軽減税率についても不透明なままです。一七年度からの導入を目指すとしているにもかかわらず、オープンな議論も現状は先送り。特に、給付つき税額控除についても検討することが法に盛り込まれているにもかかわらず、進捗が見られません。

 残念ながら、法人税改革についても踏み込み不足です。法人税率の下げ幅について、諸外国は日本の先を走っているのです。諸外国のレベルに満たない税率の引き下げでは、効果は限定的となってしまいます。

 なお、民主党提出の法律案については、国会議員の定数削減並びに国家公務員の総人件費改革、各府省が所掌する事務及び事業の見直し等、政府案に欠ける改革の観点が含まれていることなど、一部我が党の政策と思いを共有するところなどもありますが、法人税改革など、その他の点において我が党の観点と異なり、残念ながら審議も深まりませんでしたので、反対とさせていただきます。

 以上、今回の法案は、みずからの身を律せず、大事な問題は先送りし、国民の皆さんへの御負担ばかりお願いする残念な内容であり、到底納税者の納得を得られるものではないということを申し述べまして、党を代表しての反対討論といたします。(拍手)

古川委員長 次に、宮本岳志君。

宮本(岳)委員 私は、日本共産党を代表して、所得税法等一部改正案に対し、反対の討論を行います。

 本法案に反対する理由の第一は、消費税一〇%への増税を延期した上で、二〇一七年四月には完全実施するものだからであります。

 消費税は、応能負担、生計費非課税という税の原則に反する大衆課税であり、低所得者ほど重い負担となる逆進性を持ちます。消費税が逆進性を持ち、貧困と格差をさらに広げることは、予算委員会での私の質問に、総理も認めざるを得ませんでした。

 三月二日に経済産業省が公表した消費税の転嫁状況に関するモニタリング調査でも、二割前後の業者が転嫁できていないと答えています。申告の時期を迎え、価格転嫁ができなかった全国の中小零細業者は、今、廃業の危機に直面しています。

 景気判断条項まで削除して、経済状況や国民生活を一切配慮せず、問答無用に増税を進めることは断じて許されません。

 反対する理由の第二は、財界の要求に基づいて、主に大企業が納める法人税の実効税率を二・五一%も引き下げるものだからであります。

 政府は、本年度だけでなく来年度も法人税率を引き下げ、実に二年間で一兆六千億円もの法人税減税を行うばかりか、さらに数年にわたる改正で二〇%台まで引き下げるなどとしています。

 政府はあたかも大企業減税をすれば賃金引き上げや下請企業にも恩恵が及ぶかのように喧伝しますが、この間のたび重なる大企業減税の結果は、大企業が高水準の利益を上げ、巨額の内部留保を積み上げただけであります。

 日本の大企業の実質的な税負担率は、実効税率などよりはるかに低いものです。にもかかわらず、財界の要求に応えて法人税引き下げ競争にのめり込むならば、そのツケを際限のない消費税の増税に押しつけ、我が国財政を破壊し、国際的にも歯どめのない減税競争をもたらすことになりかねません。

 第三に、家計の零細な資産をリスクにさらすNISAの拡充に反対だからであります。

 長引くゼロ金利政策のもとで、庶民の微々たる預金の利子にさえ二〇%もの課税をする一方で、NISAにより株式投資の利益を非課税として優遇することは課税の公平性に反します。ましてや、ジュニアNISAなどといって、子供まで貯蓄から投資への政策誘導の口実に使うなどというのは、到底まともな政策とは言えないものであります。

 富裕層の国外転出による税逃れに課税を強化するなど、賛成できる内容も含まれてはいますが、総合的に判断し、本法案には反対いたします。

 なお、民主党提案の対案も消費税の増税を前提としており、賛成できないことを申し添えて、反対討論といたします。(拍手)

古川委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

古川委員長 これより採決に入ります。

 まず、格差是正及び経済成長のために講ずべき税制上の措置等に関する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

古川委員長 起立少数。よって、本案は否決すべきものと決しました。

 次に、所得税法等の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

古川委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

古川委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、土屋正忠君外二名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を求めます。土屋正忠君。

土屋(正)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、案文を朗読し、趣旨の説明といたします。

    所得税法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。

 一 税制抜本改革法第七条の規定に基づき、消費税率の引上げを踏まえて、低所得者に配慮する観点からの施策について検討し、その結果に基づき、必要な措置を講ずること。

 一 税制のあり方については、目下のデフレ脱却・経済再生に向けた対応とともに、今後とも、格差の固定化につながらないよう機会の平等や世代間・世代内の公平の実現、簡素な制度の構築といった考え方の下、不断の見直しを行うこと。

 一 高水準で推移する申告件数及び滞納税額、経済取引の国際化・広域化・高度情報化による調査・徴収事務等の複雑化に加え、近年の国税通則法の改正、社会保障・税一体改革に伴う税制改正への対応などによる事務量の増大に鑑み、適正かつ公平な課税及び徴収の実現を図り、歳入を確保するため、定員の確保、国税職員の職務の困難性・特殊性を適正に評価した給与水準の確保など処遇の改善、機構の充実及び職場環境の整備に特段の努力を払うこと。

以上であります。

 何とぞ御賛同賜りますようよろしくお願いいたします。(拍手)

古川委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

古川委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。財務大臣麻生太郎君。

麻生国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨を踏まえて配意してまいります。

    ―――――――――――――

古川委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

古川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

     ――――◇―――――

古川委員長 次に、内閣提出、関税法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として警察庁刑事局組織犯罪対策部長樹下尚君、財務省関税局長宮内豊君、厚生労働省大臣官房審議官成田昌稔君、大臣官房審議官山崎伸彦君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

古川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

古川委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大島敦君。

大島(敦)委員 民主党の大島です。

 財務金融委員会に所属するのは初めてでして、ですから、きょうはしっかりと質問をさせていただきます。

 財務省で職員の数が一番多いのは国税だと思います。今、確定申告の時期ですので、今週の月曜日、せっかく財務金融委員会に所属することになりましたから、地元の上尾税務署を税理士さんと一緒に視察させていただきました。

 大分雰囲気も変わっていまして、議員になる前に私が自分で確定申告してきた時代とは違っていて、e―Taxが普及をし、そして税の申告も、e―Taxではないんですけれども、税務署のパソコンを使いながら申告できるようになっていたり、あるいは、非常勤の職員の方も雇われて、そして初めてパソコンを使われる方にはなかなかしっかりとした指導をしながら、助言しながら、スムーズに納税、申告ができるようにしている、これが地元の上尾税務署でした。

 副所長の方が北海道から来ていて、それぞれの税務署のいいところを集めながら、例えば今の税務申告は、机の上ではなくて、立ちながら申告するようになっていたりして、多くの方がスムーズに、短時間でできるような工夫がしてあって、なかなかだなと思った次第です。

 今回も、関税法の審議に当たって、やはり現場を見なければいけないと思いまして、昨日、税関に行ってきました。

 税関でも、三カ所ありまして、一つが東京税関のコンテナ検査センター。もう一つが、羽田空港の中に国際線の旅客の通関手続をするところがありますから、そこのところ。そして、横浜税関の川崎外郵出張所。なかなか聞きなれないんですけれども、日本郵政、外国から来る小包のうち東日本の小包を全て、そして小包以外の封書とか、あるいはそんなに大きくない郵便物については、日本に入ってくる全てをこちらの方で、税関ですから、税の方の納入もあるんですけれども、関所の方で全てをチェックする。この三つを、短時間ですけれども、見させていただきました。

 そういうことに基づきながら、質問をさせていただきたいなと考えております。

 今般の改正は、関税率等について所要の改正を行うとともに、税関における水際取り締まりの強化等を図るために行われるもので、提案理由は、最近における内外の経済情勢等に対応するため、輸入してはならない貨物への指定薬物の追加及び暫定関税率の適用期限の延長等の措置を講ずる必要があるとされています。特に、ここの前段の部分の指定薬物の追加ということが、新しく税関職員の仕事としてふえたところだと思います。

 このたび、指定薬物を関税法上の輸入してはならない貨物に追加するとしたことについては、指定薬物などを含む危険ドラッグが、その乱用者による犯罪、重大事故が社会問題となっている中、実際の水際取り締まりの現場における御苦労等があったものと考えております。

 法改正に至った背景、その効果等を説明していただきたい。そして、税関で確認された指定薬物などを含む危険ドラッグの件数とか数量についてお尋ねしたいんですけれども、政府参考人からの答弁をお願いします。

宮内政府参考人 お答え申し上げます。

 指定薬物等を含む危険ドラッグにつきましては、その使用が原因と疑われる死者数が前年比で十二倍超となるなど、深刻な社会問題となってきております。

 これを背景といたしまして、昨年七月以降、総理の指示のもとで、政府一体となって取り締まり等の強化を行っているところでございます。

 こうした中で、税関におきましては、指定薬物等の疑いのある物品を発見した場合には、まず通関手続を保留し、分析を行い、これらに該当した場合、輸入を許可しないこととして、あるいは指定薬物等の疑いのある物品に関する情報につきまして、必要に応じ他の取り締まり機関と情報共有をするなどの取り組みを行ってまいりました。

 そこで、税関が発見した指定薬物の件数でございますが、総理指示後の昨年八月から本年二月の累計で約三百八十件、重量はおよそ十八キロとなってございます。

 他方、現行法のもとでは、税関で指定薬物と判明した場合でありましても、没収、廃棄をすることができず、任意放棄を慫慂したり、あるいは厚生労働省に対応を要請するにとどまるといった課題がございました。

 今般、指定薬物を麻薬等と同様に関税法上の輸入してはならない貨物とすることによりまして、税関では、まず第一に、指定薬物を没収して廃棄することができます。また、指定薬物の輸入の事実があれば、税関が関税法の犯則調査に着手できるようになります。さらに、指定薬物の輸入に対しまして、医薬品医療機器等法の罰則よりも重い十年の懲役などの罰則を適用できるということになります。

 これらによりまして、税関による指定薬物の水際取り締まりの強化等を図ることができるものと考えております。

大島(敦)委員 今、政府参考人からの答弁があったとおり、これまでは、規制薬物、ですから覚醒剤、大麻、麻薬、向精神薬、アヘン、ケシ殻等については税関が犯則調査、後でちょっと説明していただきますので、耳なれない言葉なんですけれども、犯則調査という権限を持っていて、それで調査を行って規制する。指定薬物については、三月現在で一千四百五十四物質ありまして、これについては犯則調査の権限がありませんから、一応そこで発見をしてとどめ置いて、あとは、それを警察などに通報して取り締まっていくというのが指定薬物だと思います。

 ですから、指定薬物についての犯則調査の対象がふえたという理解でいいんですよね。答弁をお願いします。

宮内政府参考人 御指摘のとおりでございます。

大島(敦)委員 今の犯則調査、私も初めて聞いた言葉でして、私は、こういう規制薬物の覚醒剤とか大麻、麻薬等については、一つには警察の皆さん、もう一つは厚生労働省の麻薬取締官だったかな、厚生労働省と警察が行っているとばかり思っていたんですけれども、税関でも、犯則調査ということで、規制薬物についてはしっかりとした調査も行っている。

 この調査も、水際だけではなくて、輸入した物品をある程度、泳がせると言ってはなんなんですけれども、それをウオッチしながら、広範な犯罪組織についても、しっかりとそれを捉えることによって警察と共同しながら立件していく、そういう仕事があるものですから、それに今回の指定薬物がふえたということは、業務量が相当ふえてくるのかなと推察をしております。

 それで、厚生労働省に伺いたいんですけれども、指定薬物などを含む危険ドラッグについては、国内で製造されているのか、海外から日本に入っているのか、把握はしているでしょうか。

成田政府参考人 お答えさせていただきます。

 地方厚生局麻薬取締部や警察により摘発された事例におきましては、海外から指定薬物や指定薬物類似物質が輸入され、それらを植物の細片等とまぜ合わせまして危険ドラッグとして製品化する工程が国内で行われていると承知しております。

 また、国内におきまして指定薬物や指定薬物類似物質そのものを製造する事例は聞いておりません。

大島(敦)委員 政府参考人、局長に伺いたいんですけれども、さっき言っていた犯則調査ですか、それを簡単に説明していただけると助かるんですけれども。

宮内政府参考人 関税法の百八条の四あるいは百九条などの罪につきまして、税関職員が犯罪捜査をするというものでございます。ただ、逮捕権限は税関職員の場合には持っていない、そういうものでございます。

大島(敦)委員 逮捕権限はないんですけれども調査権限は持っていますから、相当広範囲な仕事をするという御理解は、局長ですから持っていらっしゃいますよね。頭を下げていらっしゃいますから、持っていらっしゃると思います。結構この仕事は広範囲にわたっていて、特殊な技能が必要な仕事だと考えております。

 次の質問なんですけれども、ただいまの税関の重要な使命の一つである安全、安心な社会の実現ということが、国民の生活、国民の安全と安心を守るという大変に重要なものであると私は考えておりまして、税関の使命としては、安全、安心な社会の確保、関税とか消費税等の適正、公平な課税、そして円滑な貿易の促進ということがあって、そのうちの一つ、一番最初に出てくるのが、安全、安心な社会の確保ということになっています。

 そうしますと、指定薬物を関税法上の輸入してはならない貨物に追加することにより、水際において税関が発見した場合、現行は、先ほど申し上げました医薬品医療機器等法に基づき輸入し得るものかどうかの確認を行うことが求められております。その確認ができない場合には輸入許可をしない等の措置を講じていたものから、今般の関税法の改正により、税関が主体的に迅速な対応をとる必要があるものとなりました。

 違法指定薬物を発見した際に、税関は、単に関係機関に通報するにとどまらず、関税法上の実体規定違反として犯則調査に着手することになります。特に、事件処理を担当する職員や分析に携わる職員、また指定薬物を確認するための機器など、そのために必要な体制整備の状況等についての説明を政府参考人にお願いいたします。

宮内政府参考人 確かに、不正薬物につきましては、まず発見することが重要ではありますが、そのほかにも、薬物の成分の分析ですとか、関税法違反としての事件処理を行うことも大事でございます。

 現在、税関の定員は約八千八百人でございますが、そのうち不正薬物の密輸等の事件処理の定員は約四百五十人、不正薬物等の分析業務の定員は約七十人となってございます。これに加えまして、指定薬物の違法輸入が増加傾向にあることなどを踏まえまして、本年一月の緊急増員と平成二十七年度の定員査定とで大幅な定員の純増を確保しているところでございます。

 これらを活用しながら、貨物や郵便物の検査を行う職員の増員に加えまして、事件処理や薬物の分析を担当する職員につきましても、必要なマンパワーの配置に努めてまいりたいと考えております。

 次に、機器等の整備について申し上げます。

 これまでも各税関に取り締まり検査機器や分析機器を配備してきているところでございますが、二十六年度補正予算及び二十七年度予算におきましても、エックス線検査装置やガスクロマトグラフ質量分析装置等、分析機器や検査装置の増配備等に必要な経費を計上しているところでございます。

 指定薬物に対する厳格な水際取り締まりのため、今後とも必要な体制の整備を進めてまいりたいと考えております。

大島(敦)委員 ありがとうございます。

 まずは水際ということがあるわけですね。昨日も、コンテナ検査センターに行きますと、コンテナヤードにあるコンテナそのものが、トレーラーも一緒にエックス線を横からも上からも照射されて、どういう内容物があるのかを見ながら、その中にはやはり麻薬とか大麻とかそういうものが機械の中に埋め込まれている、そういうことをやりながら水際で発見する。あるいは、飛行場の通関手続においては、バッグの中の裏底を見ながら、私も手にとって、生まれて初めて覚醒剤というのを見てみたんですけれども、結構重いものだったりする。

 巧妙になってきています。非常に巧妙になってきています。例えば、飲み込んで日本に運ぶ方も、体のエックス線を見てみると、おなかにこういう小さな飲み込んだものが、二百個ぐらいかな、ぎっしりと入って、来日をし、そのまま通関を通ろうとする。そういう水際での検査もまずは必要です。

 もう一つは、先ほどの犯則調査ではありませんけれども、犯罪組織をしっかりと追っていくという調査。調査権限も税関の職員は持っているわけですよ。ちゃんと犯罪をしたということがわかれば、携帯電話の通信記録等も、多分警察と共同しながら読み込みながら、犯罪組織をもとまでしっかり追っていく。今、犯罪組織も、日本だけではなくて、非常にグローバルになってきています。グローバルになってきて、運び屋というのも世界じゅうに散らばっていて、それをネットワークの中で日本に持ち込もうとしますから、相当のスキルが必要なのが、この水際あるいは犯則調査ということだと思います。

 きのうも、先ほど申し上げました国際郵便物検査、外国から来る郵便物を扱うところの川崎外郵出張所というところでも、職員の皆さんが一つ一つ郵便物を見ながら、大体目星をつけながらあけていくと、私が行ったときも、十五分前に、たまたまなんですけれども、大麻の密輸というんですか、郵便物の中に大麻があって、そのこん包をほどいて写真撮影するような、そういうところも見せていただいたりして、勤めている職員のスキルが結構大切だということでした。多く発見できる方もいるし、それほど発見できない方もいる。ボーナスは変わらないそうなんですけれども。そうやって、よくやっていただいているという理解をいたしました。

 ですから、人員の増について、ぜひその辺もしっかり考慮していただきたいなと考えております。

 次の質問なんですけれども、税関の職場は、グローバル化の進展等に伴い、業務が増大し、複雑化している中、その適正かつ迅速な処理の重要性に加え、覚醒剤、麻薬を初め、銃砲などの社会悪物品、知的財産侵害物品、ワシントン条約該当物品、テロ関連物資等に係る水際取り締まりの強化に対する国内外の要請の高まりとともに、これらの事案に的確に対応することが求められていると考えています。

 特に、先ほど述べました安全、安心な社会の実現の観点からは、国民生活の安心、安全に重大な悪影響を及ぼす社会悪物品の水際阻止は、税関の重要な使命の一つであると考えています。

 水際における不正薬物の密輸の状況についてですが、昨年、二十六年の関税法違反嫌疑事件の実績を見ると、不正薬物の押収量が三年連続六百キログラムを超え、覚醒剤を例にとってみると、税関における平成二十六年の覚醒剤摘発件数は、一昨年の百五十四件に対し一三%増の百七十四件と、過去二番目を記録しております。押収量は、一昨年の八百五十九キロに対し三六%減の五百四十九キロでありますが、過去五番目の押収量となっています。いずれも高水準で推移しています。特に、航空旅客による密輸入が、摘発件数、押収量ともに過去二番目を記録しております。

 これは、日本が薬物市場として狙われている危機的な状況だと思いますが、その見解をお聞かせください。

宮内政府参考人 ただいまお話もございましたが、平成二十六年の不正薬物の摘発状況は、摘発件数が三百九十件、お話しのとおり、押収量は約六百三十キロでございました。三年連続で六百キロを超えているという状況でありまして、御指摘のとおり、引き続き大変深刻な状況となってございます。

 特に、覚醒剤につきましては、押収量が約五百四十九キロと、不正薬物全体の九割を占めているところでございます。また、これも御指摘のとおり、密輸の手口も悪質化そして巧妙化しているということでございます。

 このような密輸事犯に対する水際取り締まりを一層強化するために、税関といたしましては、さまざまな対策をとっているところです。

 例えば、まず第一に、外国税関当局や国内関係機関との情報交換の促進等による有効な情報の収集、分析、例えば旅客の予約情報の入手なども重要となってまいります。そして二番目には、先ほどもございましたが、必要な定員の確保。三番目には、エックス線検査装置、麻薬探知犬その他の取り締まり検査機器の有効活用。そして、広域的な事案に対する警察、海上保安庁等関係機関との合同取り締まりの実施等の対策を講じているところでございます。

 今後とも、関係機関との連携を強化しつつ、厳正な取り締まりを実施してまいる考えでございます。

大島(敦)委員 答弁ありがとうございます。

 確かに、今局長、政府参考人がおっしゃられたとおり、羽田の通関手続を見ても、行った時間がきのうの午後の時間でしたから、そんなに混んでいませんでした。聞くところによると、朝の早い便は五時ぐらいから、場合によっては四時ぐらいから到着する便もあったり、夜も、八時、九時、十時ぐらいまで結構混む時間だそうです。その時間の対応はなかなか職員のやりくりがつかなくて、日本に通関をされようとする方たちが相当程度列をつくったり、そこのいわば手続が煩雑になってくるというお話も聞きました。

 これはきのう役所を通じて伺っておりますから、現場の多分管理職の方からそういうお話を聞いて、今外国からの観光客も結構ふえていますから、相当程度これまでとは違って大変になってきているのかなということを感じております。

 それで、一点、警察庁に伺いたいんですけれども、水際において、税関職員がしっかりと仕事していただいて、先ほど述べましたとおり、覚醒剤を摘発、押収しています。国内における覚醒剤事犯の動向を見ると、検挙件数、人員ともに依然として高い水準にあり、一万人を超えております。薬物事犯の八五%を占めていると言われておりまして、最近の覚醒剤密輸事犯についての傾向、特徴等について、ちょっと警察の方からの御説明をお願いします。

樹下政府参考人 最近の覚醒剤密輸事犯の傾向、特徴についてでございますけれども、覚醒剤の密輸入事犯につきまして、警察において、昨年中、百五十件、百七十六人を検挙したところでございます。

 密輸の態様につきましては、いわゆる運び屋と言われる者によります航空機利用の携帯密輸が最も多く、検挙件数全体の約八割を占めております。その手口には、手荷物や二重底にしたスーツケースへの隠匿のほか、先ほど御紹介がありましたような、体内に飲み込んで隠匿するようなものが見られるところでございます。一方で、機械あるいは模造石の中に百キロを超えるような大量の覚醒剤を隠匿して、船舶貨物により密輸入する手口もございます。

 それから、仕出し国・地域についてでありますけれども、最多を占めますアジア地域に加えまして、近年は、アフリカや中近東諸国、メキシコなど、アジア以外の地域からの密輸入事犯も見られまして、仕出し国・地域が多様化しているところでございます。

 また、こうした密輸入事犯には、グローバルなネットワークを背景とする薬物犯罪組織が関与しているものと認識をしております。

 警察といたしましては、密輸入事犯に対しまして、税関等の関係機関や関係国の捜査機関との連携を強化するとともに、あらゆる法令を駆使しながら取り締まりに当たり、犯罪組織の壊滅に向けて全力を尽くしてまいりたいと考えております。

    〔委員長退席、御法川委員長代理着席〕

大島(敦)委員 ありがとうございます。

 警察、税関、厚労省と連携をとっていただいて、スムーズに事件を立件し、特に水際で、多分そのまま日本に流入している部分もあると思いますから、できるだけ押さえてほしいということを要望させていただきます。

 覚醒剤のほとんどは海外から輸入されている状況や、先ほども述べたとおり、その押収量のほとんどが水際で摘発をされております。水際での密輸阻止が日本の安全、安心を守る上で効率的、効果的であるというのは当然です。最近の国際情勢、日本人人質事件以降、水際でのテロ、治安維持対策が重要性を増してきております。

 水際に当たって、国民の安全、安心を守るために税関が大変重要な役割を果たすこととなると考えていますが、その体制整備の状況はいかがか、もう一度、政府参考人からの答弁をお願いします。

宮内政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の邦人殺害テロ事件やパリの新聞社襲撃事件など厳しいテロ情勢を受け、また来年のサミットあるいは二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック東京大会に向けて、テロ対策の強化は政府全体の喫緊の課題であると考えております。

 当然、水際において、税関は、テロの脅威から国民の安全、安心を守る重要な役割を果たすものと認識してございます。

 このため、税関では、我が国におけるテロ行為を未然に防止するため、銃砲、爆発物等テロ関連物資の国内流入阻止を目的といたしまして、エックス線検査装置や不正薬物・爆発物探知装置、これはTDSと呼んでおりますが、そういったものなど各種取り締まり検査機器を活用した通関検査や、空港、港湾における巡回、監視等の水際取り締まりを行っております。

 そのために必要な体制の整備を進めることとしており、平成二十七年度予算等におきまして、税関の通関検査等に係る定員について大幅な増員を確保するとともに、エックス線検査装置やTDSといったテロ対策に有効な取り締まり検査機器の増配備等に必要な経費を計上しているところでございます。

 今後も取り締まり検査機器を有効活用することが重要ですが、あわせて、航空会社が保有する旅客の予約記録、PNRと申しますが、そういったものを初め、リスク分析に必要な情報の収集、活用の強化を図ることにより、テロの未然防止に万全を期してまいりたいと考えております。

大島(敦)委員 機器類でも結構精巧な機器類があって、人形とかが輸入されたときに、それを布で拭いて機械にかけると、その布に覚醒剤が付着しているかどうかもしっかりわかるような検査機器を導入したり、結構、機器の導入。例えば、先ほどの郵便でも、強いエックス線ではなくて、非常に微弱なエックス線で、薄い封筒でも中身がしっかり見えるようにして発見する件数を上げていくとか、機器に頼る部分もあると思うんですけれども、先ほど言った、それを操作したり、気づき、しっかりやっていただける職員の皆さんも、いい仕事をしていらっしゃるなと思いました。

 大臣に質問なんですけれども、また、知的財産侵害物品の平成二十六年の輸入差しとめ件数は三万二千六十件で、前年比一四%増加しております。これは過去最高です。輸入差しとめ点数は八十九万五千七百九十二点という状況、これは非常に危機的な状況であると思っています。

 最近は、インターネット販売が普及し、簡単に売買できるようになり、注文した物品が海外から郵便等で送られてくるわけですから、にせブランド品や消費者の健康、安全を脅かす模倣品等もあり、国民生活の安心、安全が脅かされている状況です。また、その資金がブラックマネーとして流れ、覚醒剤や危険ドラッグ等の密輸資金になっていく。知的財産侵害物についても、しっかりと水際での取り締まりを行っていく必要があると考えています。

 物理的にも、税関の定員数、先ほど何回も局長から御答弁いただいたんですけれども、インターネット通販等で輸入される物品が非常にふえてくること、これから述べますけれども、観光客がふえていきます。観光立国の実現に向けた首都圏空港を初めとした航空需要の拡大や、外航クルーズ客船が増加し、昨年の訪日外国人旅客数は、入国管理局の資料によると一千四百万人を超えています。先ほど答弁がありましたように、二〇二〇年にはオリンピック・パラリンピックが東京で開催をされることが控えております。その年には訪日外国人旅客二千万人を目指す、掲げるとしておりますので、税関の増大する業務に対する体制の整備が重要と思います。

 必要な定員、検査機器などの予算を含めた政府の見解を伺いたいと思います。

 麻生大臣、ちょっと待ってください。やはり財務当局としては予算を絞るのが仕事ですから、国税についても税関についても、結構必要なところをつけていらっしゃると思う。でも、今の状況を見ると、やはり外国人の観光客もふえてきますし、そしてその手口も相当巧妙になってくるものですから、それについての体制の整備ということは、私たちの国の治安を維持する立場からも本当に必要だと思うので、それを前提としながらの答弁をお願いします。

    〔御法川委員長代理退席、委員長着席〕

麻生国務大臣 今、間違いなく、インターネットに限りませんけれども、普通のものでえらく巧妙になってきて、私も行ったことがありますので、TDS、トレース・ディテクション・システムという、私どもはお人形でしたけれども、お人形さんの回り、あれは普通に見えますよね、それを拭いてやると、この中は麻薬ですとわかるんですよ。どうしてわかるのかといったら、それに付着したものでぱっとわかるんですね。とてもじゃないけれども理解ができませんでした。

 そういったトレース・ディテクション・システムというものも買わせていただく等々やっておりますけれども、やはり人数が足りなくなってきているのは間違いありません。ずっとこのところ減らしてきておられます。平成二十四年もずっと減ってきていますので、そちらで減らされているんですから、間違いなくある程度は理解もしておいていただかないかぬのですが。二十五年、二十六年と減っておりますので、正直申し上げて、受け入れる人がどんどんふえていて、調べる人をどんどん減らしていればどうしたって危なくなります。これはどう考えても限度を超えておると思いましたので、本年一月、危険ドラッグ対策のため、四十五人緊急増員をいたしております。

 加えて、二〇二〇年までに観光客を二千万人にするとかいうすごい話が出ていますし、本当かよと思っていたら、いきなり三百何十万人ふえておりますので、これは間違いなくふえるということになりました。不正薬物の水際の話を今一生懸命しておられましたけれども、水際でやらないと、入った後からではということで、不正薬物等の水際取り締まりの強化のために五十五人増員するという予算をつけておりまして、トータルで純増百人ということになっております。純増百人といいますけれども、少なくとも、税関の職員が三桁でふえましたのは、平成六年に関空ができたあのときに三桁の増員をしておりますが、それ以来だと思います。二十何年ぶりで三桁の増員をさせていただいております。

 加えて、エックス線の検査装置を十何台、パスポートリーダーを羽田、中部、千歳の三空港にやらせていただいたりしておりますし、いろいろな形で御指摘の点は我々としても十分に、厳しい予算の中でありますけれども、これはちゃんとやらないかぬなという感じが正直なところ、私もそう思います。

大島(敦)委員 ありがとうございました。

 なかなか、行政をできるだけスリム化してくることと相反することなんですけれども、国として必要なことだと思いますので、よろしくお願いいたします。

 終わります。ありがとうございました。

古川委員長 次に、丸山穂高君。

丸山委員 維新の党の丸山穂高でございます。

 私からも、関税法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案につきまして質疑させていただきます。

 先ほどの所得税法の件は残念ながら反対せざるを得なかったんですが、今回の関税法に関しては、やはりしっかりやっていただきたいなと思うところでございますので、おおむねの趣旨は理解しておりますし、なおかつ賛成の方向性でございますけれども、細かい点につきまして、今後の審議のためにお聞きしておきたいところを中心に、短い時間ですが、お伺いすることになると思います。

 一つ目が、まず、大まかなお話になりますけれども、関税法において、輸入してはならない貨物に指定されるものはそもそもどういった性質のものであると政府がお考えで、そして、医薬品医療機器等法に基づく指定薬物を今回追加されるということなんですけれども、この追加の理由についてお伺いしたいと思います。

宮内政府参考人 お答え申し上げます。

 関税法上の輸入してはならない貨物につきましては、対象物品を取り締まるための個別の法律におきましてその輸入または所持が禁止されているものの中で、社会情勢等を踏まえ、社会公共の利益の観点から、特に水際において税関が厳重に取り締まることにより国内への流入を抑止する必要があると認められるものを規定しているところでございます。

 指定薬物を含む危険ドラッグにつきましては、危険ドラッグ事犯の事件数が対前年比で十九倍、検挙人員は十三倍になっている、それから死者数も急増するということとなるなど、深刻な社会問題となっております。こうした状況を踏まえまして、指定薬物につきましても、関税法上の輸入してはならない貨物に追加することとしたところでございます。

 これによりまして、税関は、指定薬物を没収して廃棄することができるとともに、指定薬物の輸入の事実があれば、関税法の犯則調査に着手できるようになります。また、指定薬物の輸入に対し、医薬品医療機器等法の罰則よりも重い十年の懲役などの罰則を適用することができることとなります。

 こうしたことから、税関による指定薬物の水際取り締まりの強化等を図ることができるものと考えております。

丸山委員 いわゆる指定薬物、危険ドラッグ等につきましては、世の中の関心もかなり高まっておりますし、厳罰化に向けて、世論というのは賛成の方向性の方が多いというふうに思います。

 一方で、では現状としてどんな状況にあるのかを少しお伺いしていきたいんです。

 医薬品医療機器等法に基づく指定薬物について、現行法では、先ほどお話も少しありましたけれども、同法違反の可能性を疑われる事実を発見した場合には、税関は、同法所管が厚労省さんですので、厚労省さんもしくは警察等に通報することになっているということなんですけれども、今、この数年ぐらいで構わないんですけれども、大体通報というのはどれぐらいされるものなのかを含めまして、お話を伺いたいと思います。

宮内政府参考人 先ほども少し申し上げましたが、指定薬物等を含む危険ドラッグにつきましては、その使用が原因と疑われる死者数が前年比で十二倍超となるなど、大変な社会的な問題となってございます。

 こうしたことを背景として、昨年七月以降、総理の指示のもと、政府一体となって取り締まり等の強化を行っております。

 税関におきましては、そんな中で、指定薬物等の疑いのある物品を発見した場合、通関手続を保留し、そして分析を行い、これらに該当した場合には輸入を許可しないという取り組みを行ってきております。

 指定薬物の疑いのある物品に関する情報につきましては、国内の取り締まり強化に資するよう、必要に応じまして警察等の関係機関に通報して共有をしております。こうした連携などにより、税関が発見いたしました指定薬物の件数は、平成二十五年で約五百件、平成二十六年で約七百件、本年一月と二月の累計は約百件となってございます。

 今後とも、関係機関と一層連携を密にいたしまして、指定薬物やその疑いのある物品の厳格な取り締まりに努めてまいりたいと考えております。

丸山委員 今の御発言だと発見数ということでございまして、事前のお話では通報数は若干わからないけれども、発見数であれば今の数字だということですか。そういう理解でよろしいですね。

宮内政府参考人 そのとおりでございます。

丸山委員 ありがとうございます。

 そういった意味で、年間それぐらいの件数が発見されていて、やはり水際でとめるのが大事だというのは非常に理解するところなんですけれども、今回、先ほど御答弁もありましたように、指定薬物を追加することによって、厚労省所管の法よりも厳罰化されるということでございます。

 今回厳罰化されること自体も、これがもちろん改正後に周知をされればこの件数減につながっていく抑止効果もあるんじゃないかなというふうに予想するところなんですけれども、周知のやり方によっては、その辺の効果の期待の倍増、例えばイメージですけれども、厳罰化されましたみたいなのを張るだけでも全然違ってくるでしょうし、この辺の周知をまずどのようにお考えなのか、お答えいただけますでしょうか。

宮内政府参考人 お答え申し上げます。

 今回、懲役十年以下とするなど厳罰化することで、指定薬物の輸入について、抑止効果といいますか、一般予防効果が高まると思います。これが国内への流入阻止につながることは、先生御指摘のとおりだと思います。

 したがいまして、周知も重要となってくるわけでございますが、指定薬物の関税法上の輸入してはならない貨物への追加につきましては、今回の改正につきまして、去年の十二月でございますが、関税・外国為替等審議会から答申が出された際も、その内容につきまして財務省のホームページを通じて公表するとともに、その内容に関しまして報道関係者に対して説明をし、周知を図ってきたということがございます。

 また、今回の関税法改正を成立させていただきましたらば、その内容につきまして財務省のホームページを通じて広報した上で、海外旅行者向けのパンフレット等を作成いたしまして空港等に設置することを考えております。

 また、輸入業者ですとか通関業者等の貿易関係者あるいは報道関係者に対して説明の機会を設けるなどいたしましてその積極的な周知を図り、指定薬物の輸入の抑止効果を高めるよう努めてまいりたいと考えてございます。

丸山委員 ホームページでの公表や報道ベースで発表することももちろん大事ですし、報道されれば多くの輸入関係者の方がごらんになると思いますので、一定の効果があると思います。

 一方で、現実に、例えば先ほどおっしゃったパンフレットの配布だとか、また、いつも私は、税関も含めて通るときに、あそこに張り出されているポスターとか表示というのは非常に皆さんごらんになっているなというのを感じるところなんですが、そういった対策もお考えになっていらっしゃいますか。そういう話はないですか。

宮内政府参考人 先生御指摘のような周知方法についても、対応してまいりたいと考えてございます。

丸山委員 ぜひしっかりやっていただければと思います。

 そして、もう一つお伺いしていきたいのが、関税の無申告加算税の不適用制度に係る期限の延長が今般の改正法に盛り込まれております。

 現行では、この不適用制度が、二週間の間、不適用だということでございますけれども、今回延長する理由は後でお聞きしたいんですが、まずお伺いしたいのは、ここ数年間ぐらいで、本期間の経過後に提出されたものといいますか、この期限が切れてしまったような案件というのはあるんでしょうか。そして、それはどれぐらいの割合になるんでしょうか。

宮内政府参考人 税関において、関税の申告に係る本制度の運用状況を平成二十五年と二十六年の分につきまして調査いたしましたところ、期限内納付があった期限後特例申告の実績はございませんでした。

丸山委員 ちょっとそこの理由をお伺いしたくて、その、ない理由として、当局としてどうしてないとお考えなのかというのを、法の改正の理由というよりは、まず、ないと想定される理由というのをお答えください。

宮内政府参考人 一つには、関税の場合、普通の、収入に対して課税される国税と違いまして、特例申告、納付の場合は少し後になりますけれども、基本的に、物が通っていく、それをきっかけとして申告、納付をしているということがございます。これが大きいのかなと思いますし、また、特例申告、納付というものを今回対象にしているのですけれども、それはAEOという優良な事業者のみを対象としているところでございます。

 したがいまして、今回は、比較的簡単なミスを救うための改正なんですけれども、そうしたミスも少ないということなのかなというふうに考えております。

丸山委員 事業者が絞られているとか、いろいろな理由を挙げていただきましたけれども、そうした中で、今回、二週間を一カ月に延長されるわけですけれども、そこのところの理由についてはどのような政府としての見解をお持ちなんですか。

宮内政府参考人 これは、一言で申し上げますと、内国税、消費税でございますが、それと横並びを図る、そういう制度改正を行わなければならないということでございます。

 と申しますのも、通常、輸入貨物には関税それから内国消費税の双方が一緒に課されることになります。そして、現在あります無申告加算税の不適用制度、これは内国消費税と並びでつくっているものでございます。

 今般、内国税における本制度の申告の期限の延長期間の改正、これは国税通則法の改正として行っているわけでございますが、こうした改正を行いますので、同様の改正を関税についても行うこととしたものでございます。

丸山委員 つまり、横並びで内国税とともに改正をしたいけれども、現実としては、今のところ、優良な事業者さん等、いろいろな理由があって、ないけれどもということでございますね。わかりました。

 いずれにしましても、細かな期限のところは別にして、大きな、危険ドラッグをどうやって水際で防いでいくかという点に関しては、最初に申し上げましたように、国民の皆さんの期待も非常に大きいと思いますし、一時間半の議論で終えてよいのかというところもあるような、所得税法と同じ日に本当はやりたくない大事な案件ではあると思います。とはいえ、しっかりと現場の方もやっていただけますし、財務省としてもしっかり見ていただけると思っております。

 我々としましても、できる限り国会の方もバックアップしていきたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げまして、私、丸山穂高の質疑を終えさせていただきます。

 ありがとうございました。

古川委員長 次に、吉田豊史君。

吉田(豊)委員 先日は、委員長初め委員の皆様、また大臣、副大臣の応援をいただきまして、無事デビューを果たさせていただきました。

 地元に帰りましたら、三段抜きの新聞で、吉田豊史、財務金融委員会、堂々デビューと書いてありまして、本当にありがとうございます。少しでも中身が伴うように鍛えていただきたいと思います。

 きょうは、関税法及び暫定措置法の一部を改正する法律案というところで、これにかかわるものとしまして、財務省の方から、税関の知財侵害物品差しとめ件数が過去最多になったという報道の情報をいただきました。簡単に言うと、にせブランド、まがいものについての情報なんですけれども、どういう状況になったかということを、冊子をいただいたものですから、ここについて幾つかお聞きしたいと思います。

 まず、差しとめ件数が過去最多になったということですけれども、これはどのような理由でそうなったのか、お聞きします。

宮内政府参考人 お答え申し上げます。

 税関におきましては、権利者から税関に対する差しとめ申し立てにより提供される情報等を活用いたしまして、知的財産侵害物品の迅速、適正かつ効果的な水際取り締まりに努めているところでございます。

 近年は、権利者の方の意識が向上し、また、差しとめ申し立て制度が権利者に普及してきたということから、税関への差しとめ申し立て件数が増加傾向にございます。それに伴いまして、税関における知的財産侵害物品の水際取り締まりも、より一層効果的、効率的になってきているところでございます。また、税関サイドにおきましても、知財侵害物品に対する取り締まりを強化してきたということも挙げることができます。

 その結果として、平成二十六年の知的財産侵害物品の輸入差しとめ件数、過去最多の三万二千件、これは対前年比一四%増、点数では約九十万点、これは四〇%増となっているところでございます。

吉田(豊)委員 この資料によりますと、実際につくられた物品がどこからのものかというところの推移も書いてあります。これについて、どういうふうに動いてきたかということを確認させてください。

宮内政府参考人 平成二十六年の全国の税関における知的財産侵害物品の仕出し国別輸入差しとめ実績を見てみますと、先生のお手元の資料にもあるかと思いますが、中国からの物品の輸入差しとめ件数は二万九千五百五十三件でございます。仕出し国・地域別の構成比では、全体の九二・二%を占めているところでございます。ちなみに、中国のシェアは五年連続で九割を超えております。

吉田(豊)委員 平成二十六年、直近ですけれども、十年前の平成十六年は、国別を見てみますと、一番多かったのが韓国なんです。五〇%が韓国。

 それが、今御紹介いただいたように、九〇%以上、九割以上が中国に変わってきている。これは、なぜこうなったかということをどのように分析なさっていますか。

宮内政府参考人 確かに、十年ほど前は中国と韓国がフィフティー・フィフティーぐらいであったということでございますが、韓国がそういう高いシェアを占めていた当時に、二国間あるいは多国間の税関当局の会議等でそうした事実を韓国側にもお示しし、韓国政府も韓国からのにせものの輸出を減らすような努力を行われたということがあろうかと思います。

 また、中国の税関当局に対しましては、現在の状況を踏まえまして、国際会議の場、すなわちAPECでありますとかWCOのアジア・パシフィックエリアの会議でありますとか、そういった場で知的財産侵害物品の水際取り締まりの強化を要請するということをしております。

 また、中国税関の職員を含めた途上国税関職員への、知的財産侵害物品の水際取り締まりに係る技術支援ということも積極的に行っているところでございます。

吉田(豊)委員 韓国から中国に移ってきた、そして今、中国が九割以上を占めているというところなんですけれども、近年でも、韓国に行くと、にせブランドというのは韓国の中では氾濫しているといえばいいか、そんなに状況は変わっていないところもあると思うんです。

 具体的に、外から日本の方に入ってくるときになぜこうなるかというと、ここにはやはり質の問題というところもあるらしくて、要はにせものですから、にせものをどれだけ本物に近づけてつくることができるか、そのときに、当然、価格、つくるためのコストということもあるわけですね。こういうところでも、よくわからない何か価格競争みたいなものも働いて、そしてそれが国として、どこの国が今、日本に対してにせものをつくるところになっているかというような状況もあるんだろうと私自身は分析するところでもございます。

 こういうことから考えると、なぜにせものというところをとめなくちゃいけないかということになると、やはり一方では、何かが侵害されている、何かがおかしくなるというところが一番大きな原因じゃないかな、こういうふうに私は思っています。このことの結論は、最後の方に私は改めて大臣にもお聞きしたいと思っているんですが。

 もう一つ、分析としまして、実際のにせものの品物が、十年前と今と、もしかしたら変わってきているんじゃないかな、こういうことも思いますので、そのあたり、今の現状はどうなっているか、ここについて確認させてください。(発言する者あり)

宮内政府参考人 平成二十六年の税関における知的財産侵害物品の輸入差しとめ実績におきましては、衣類、これは昔からありますが、最近ではスマートフォンのケースなどの携帯電話の附属品などもございます。それから、アクセサリーなどの身辺用細貨類、これも昔からあったんですが、それから、最近よくあるものとしては、爪に張るステッカー、ネイルシールですが、そういったものが大きく増加しております。

 また、医薬品ですとか子供のだっこひもなどといった、使用することによって国民の健康と安全を脅かす危険性のある、そういう知的財産侵害物品の差しとめも増加基調にあるということが特徴的でございます。

吉田(豊)委員 今ほど御紹介いただいたことのほかに、このいただいた冊子の中には写真つきで幾つかあるんですけれども、びっくりしますのは、今、パソコンとかのソフトを売るときにプロダクトキーというのがありますよね、要は実際にそれを機能させるためにセットで来るもの、それとか、テレビが見えるようにするためのカードとか、そういうものをやるんですよ、コピーを。そうすると、実際に侵害されているのはそこのものだけじゃなくて、使えるということになると、大きな権利が侵害されている、非常に笑い話では済まない。

 例えば、昔、にせブランドといえば、私が思い浮かぶのは、言っていいのかな、固有名詞でいうとアディダスとか、こういうのに線が三本でなくて四本になっていて、こういうのは本当にかわいらしい話なんですね。それも、何となく恥ずかしいなと思いながらつくっている方もつくっているんです。でも、それがそうじゃなくて、今起こっていることというのは本当の意味で悪質なんですね。

 こういうところについて、やはり今侵害されている知財というものが、非常に製造者に、先ほどおっしゃったことでもあるんですが、本物とにせものの区別がつかなくなるということは、本物をつくっている人間に対する侮辱でもあるわけで、こういうことについてはやはり力を入れてしっかりと対応していかなくちゃいけない、ここが大切なことだと考えるところです。

 水際対策強化ということですが、具体的に今何かアクションをしていらっしゃると思うので、そこを御紹介いただきたいと思います。

宮内政府参考人 知的財産の保護に関しましては、知的財産立国の実現を目指して、官民挙げて取り組んでいるところでございます。

 財務省におきましても、関税法の罰則の強化等さまざまな制度改正を行いまして、知的財産侵害物品の水際取り締まりの強化に積極的に取り組んできているところでございます。

 平成二十三年には、アクセスコントロール等回避機器といいまして、今先生がおっしゃりかけた、有料放送とか一定のゲームにアクセスするのが契約者だけになるように規制しているんですが、これを回避する機器というものも、輸入してはならない貨物に追加して取り締まることとしているところでございます。

 また、税関において効果的、効率的に知財侵害物品を取り締まるためには、権利者からの輸出入の差しとめ申し立ての増加が不可欠という面もございます。その増加のためには、権利者の差しとめ申し立てに係る事務負担を軽減するという必要がございます。

 この状況を踏まえまして、今般、これは政令改正になるんですが、輸出入差しとめ申し立ての有効期間を現行の二年から四年に延長するため、関税法施行令の改正を行うことといたしまして、税関における知的財産侵害物品の取り締まりの効率化とあわせて、権利者の事務負担の軽減を図るという予定でございます。

 そのほか、知財侵害物品を識別するための税関職員への研修の充実もしております。

 今、線が三本、四本というお話もございましたが、実際には、それだと我々でもわかりますけれども、非常に巧妙なものを見破るには真贋識別ポイントというのがあります。これはここではもちろん申し上げることはできないですけれども、税関の検査をしている職員というのは、そういうものをよく勉強して知っております。そういう研修の充実を行うですとか、知的財産の専門知識を有している弁理士を税関に任用するということに努めるなど、水際取り締まりの体制の整備にも努めているところでございます。

 今後とも、知的財産保護のため、知財侵害物品の水際での取り締まりに税関として万全を期してまいりたいと考えております。

吉田(豊)委員 今ほどおっしゃった中に、知的財産というものの主なものを聞きますと、例えば商標権とか意匠権とか著作権とか、こういうふうにして、商標権というのは具体的にマークのことだということでわかりやすいんですけれども、意匠になると、デザインとか総合的な話なんですね。それから、著作権となれば何がオリジナリティーかというところの話にもなっていくので、今ほどおっしゃったように、結局、それが本物かにせものかということを区別するには、経験と、ある感覚というものが必要だと思います。

 先ほど委員もおっしゃっていたところがありますが、やはりそれにきちっと対応できるスタッフ、そしてその能力を備えていくということが、侵害される権利の大きさから考えると、今回押さえたものでは百八十億ほどの侵害だということをお聞きしましたけれども、それはあくまでも氷山の一角で、これがもし十倍だとすれば、実際は何千億にもなる大きな権利というものが侵害されている、そういうことにもつながっていくと思います。非常に厳しい態度で、侵害されているものについてはしっかりと押さえていただきたい、こういうふうに思うところです。

 最後に、改めてですけれども、なぜこういう権利をしっかりと我が国として守らなくちゃいけないのか、こういう侵害を許してはいけないのか、このことについて、簡単に言えば何を守らなくちゃいけないのか、それぞれ大臣からお考えをお聞きしたいと思います。

麻生国務大臣 昔と違って、我々があなたぐらい若いころ、台湾なんかに行くと、社長さん、社長さん、たった今できたにせものと言って、うまいなと思いましたよ、たった今できたにせもの。笑って買いましたよ、その時計。今でもまだその時計は動いているから、すごいなと思って、大事に使っているんですけれども。四十年間動いていますから、あの時計。だから、本物より優秀なんじゃないかというさっきの土屋先生の話は、私もそう思ったんですが。

 知的財産の侵害という話は、これはちょっと、事は、一般的な物品のにせものよりは、いわゆる書いてある内容、ソフトとか、そういったものになりますと波及的に画期的にばっとふえていきますので、すごく大きな財産権の侵害になりますのが一点。

 そういうのをやられると、やはりつくる方は意欲がなくなって、がたんと落ちますのと、それから、売りつけられたやつが、何や、これはにせものやないかということになって、いいかげんなソフトならともかく、例えば電池なんていうと、あれは最近は多分ニッカド電池でしょうから、ニッケルとカドミウムをコンバインしてつくってあるわけですから、それがにせもので漏れてきたりなんかするとちょっと問題になるとか、どこでつくったかとブランドを見ると日本製だったりして、いや、違うじゃないかと。だから、イメージががたっと落ちますので、与えられる損害がでかいということになろうかと思いますので、いろいろなものの要素を含めまして、やはりきちんとしたことをやっておかないと、権利の保護というのはそういった意味ですごく大事なものだというぐあいに考えて対応しないと、特にソフトのものというのに関しましては、なかなか見分けがつかないところもあります。

 もう一点は、やはり日本というところは、物は高いけれども、にせものはない。俺のところでは高くてにせものがある、だからここに来た、同じ金を払うならこっちで買うと言われるぐらい信用があるというのは大きな財産だ、私はそう思います。

吉田(豊)委員 本当に、信用が何よりも大切ということだと思います。

 最後に、あした北陸新幹線が開通しますので、皆様の応援をいただきましたことに心から感謝したいと思います。

 ありがとうございました。

古川委員長 次に、宮本岳志君。

宮本(岳)委員 日本共産党の宮本岳志です。

 本日の議題である関税法及び関税暫定措置法の一部改正案の項目の一つである危険ドラッグの水際対策の強化は、国内における規制強化にも効果が期待できる内容です。これまで国内の薬物対策の強化を求めてきた我が党も、この内容には賛成であります。その他の措置も含め総合的に判断して、本法案には賛成したいと思っております。

 なお、本法案の給食用脱脂粉乳の関税軽減措置は、国内酪農経営への影響も懸念されるということを指摘しておきたいと思います。

 そこで、本日は、年金積立金の運用について質問したい。

 まず、GPIFを所管する厚労省に聞きますけれども、GPIFの運用の目的は、厚生年金保険法に照らせばどのようなものになりますか。

山崎政府参考人 年金積立金の管理運用についてでございますが、厚生年金法第七十九条の二等に基づきまして、専ら被保険者の利益のために、長期的な観点から、安全かつ効率的に行うものとされているところでございます。

宮本(岳)委員 厚生年金保険法の規定には、積立金の運用は、専ら被保険者の利益のために、長期的な観点から、安全かつ効率的に行うと明記しております。

 ところが、奇妙なことに、昨年六月二十四日に安倍政権が決定した日本再興戦略改訂二〇一四というものを見ますと、GPIF運用の見直しは成長戦略の一環、こういうふうに位置づけられております。なぜGPIFの資産運用が成長戦略の一環となるのか、これは麻生財務大臣にお答えいただけますか。

西村(康)副大臣 私の方からお答えを申し上げます。

 御指摘の日本再興戦略改訂版の二〇一四でありますけれども、GPIFの運用について、デフレからの脱却、それから適度なインフレ環境への移行、こうした長期的な経済・運用環境の変化に即して、年金財政の長期的な健全性を確保するため、適切な見直しを行うものというふうにされております。

 運用の改革については、今御説明がありましたけれども、専ら被保険者の利益のために行うとされておりますけれども、同時に、こうした運用が結果的に成長への投資、ひいては日本経済に貢献し、経済の好循環実現につながるということも期待されておりまして、成長戦略の一環として位置づけられているものでございます。

宮本(岳)委員 専ら被保険者の利益のために行うものが、結果的に日本経済に貢献するからといって、何で成長戦略の一環になるのか、その説明ではさっぱりわからないわけですよ。

 日銀からGPIFに出向し審議役・企画部長をしていた玉木伸介現大妻女子短大教授は、昨年十一月二十二日付朝日新聞で、「成長戦略としては、正直疑問です。GPIFの買いで株価が上がることで、中長期の経済成長が実現するでしょうか。あえて理屈付けすれば、株価が上昇することで人々の気持ちが前向きになり、企業経営の革新や経済の構造改革が促される、というシナリオです。だけど、これが通用するのは一回だけ。」と言い、政府が今後も積立金を株価維持のために利用することについては、「危険な誘惑ですね。短期的な株価変動で運用方針をコロコロ変えるようでは、とても「長期的」とは言えないし運用益にも悪影響が出る。」こう指摘をしております。

 成長戦略というけれども、結局は株価を上昇させるための運用方針の変更ではありませんか。

西村(康)副大臣 デフレ環境からインフレの環境へと、我々はそれを目指して今政策を推進しておりますので、したがって、債券として持ち続けるよりも、成長してインフレに応じて投資をしていく。これは、さまざまな、株式もそうですし、場合によってはインフラの投資も考えられると思いますけれども、そうしたものも含めて、全体の環境が変わってくる中で当然ポートフォリオも見直していくということだと思いますし、結果的に資金運用によって経済の成長の果実を享受するという立場にあるわけですから、経済成長と資金運用の好循環が期待されるものというふうに考えております。

宮本(岳)委員 年金積立金管理運用独立法人、いわゆるGPIFは、二〇〇六年の発足以来守ってきた資産運用のポートフォリオを、二〇一三年六月七日と二〇一四年十月三十一日、二度、株式比率を引き上げる変更を行いました。

 昨年の変更については、四月に安倍首相が人事権限まで使ってGPIFの運用委員会委員をほぼ総入れかえし、株式比率を二五%にまで高める方針を強引に受け入れさせたと言われております。

 普通の国民には、なぜ公的年金の運用で安全資産である国債を売り、国内株式や海外の株式、債券を大量に買い入れたいのか、とても理解できません。

 この前議論したように、大臣のようにもう十分お金持ちであればお金は回すものかもしれませんが、子供の学費ですら計画的にためないと払えない一般家庭では、金融資産の運用は失わないことが第一であります。幾ら株の方がもうかると言われても、なけなしの資産を回す余裕は庶民にはありません。だから、国民は老後の資金となる年金には安全運用を求めているわけであります。

 二〇一二年二月に発覚したAIJ投資顧問の詐欺事件は、約千九百億円という巨額な資金がたった一つの投資顧問にだまされて消滅したこと、また、その投資資金が労働者の老後を支える年金の原資であったことが大問題となりました。

 その後、厚生年金基金に関する法律が改正され、二〇一四年四月に五百二十六あった基金は、ことし二月には四百六十九基金に減り、そのうち三百六十七基金が解散を決める事態となっております。約八割の厚生年金基金が解散の道に進んでいることになります。

 そこで、厚労省に聞きます。

 AIJ投資顧問詐欺事件が起こる背景の一つに、厚生年金基金の運用比率規制、いわゆる五・三・三・二規制が緩和され、自主運用が認められたことがあると思うんですが、なぜこの運用比率が自由化されたのか、お答えいただけますか。

山崎政府参考人 お答え申し上げます。

 厚生年金基金の資産運用につきましては、かつては資産の種類ごとに配分割合の上限を定めた一律の定量的規制、いわゆる五・三・三・二規制というものが定められていたところでございますが、これは平成九年に撤廃されたところでございます。

 これは、一九九〇年代の日米金融協議を契機とする金融自由化の流れの中で、経済界や企業年金関係者からの要望を受けて行われたものでございまして、一律の数量的規制を改めまして、運用のプロセスや体制に着目した規制を取り入れるということになったところでございます。

宮本(岳)委員 バブル崩壊後、多くの厚生年金基金は、運用失敗により多額の損失が発生して、積み立て不足の傷口が悪化しておりました。そこで、自主運用が認められたために、積み立て不足の基金は、高い収益を上げなければ制度が破綻するからと、ハイリスク・ハイリターンのヘッジファンドにのめり込んでいったというのが真相だと思うんですね。

 この事件の教訓の一つは、情報開示の少なさと、被保険者の意見が資産運用に反映されていない仕組み、いわゆる被保険者によるチェック機能がなかったことだと言われております。当事者である被保険者みずからが監視することが年金資金の運用リスクを未然に防ぐ鍵になるというのが最大の教訓だったと思います。

 しかし、厚生年金基金は、現行の年金制度でいえば三階部分と言われるものでありまして、一方、きょう議論しているGPIFは、一階の基礎部分を含む公的年金の積立金であり、より安全な運用が求められております。冒頭確認したように、法律では、専ら被保険者の利益のために長期的な観点から安全かつ効率的に行うと明記しているわけですね。しかし、現状は、アベノミクスへの貢献のための運用目標ありきで、被保険者の利益は忘れ去られたような議論になっていると思うんです。

 先ほど引用した玉木伸介元GPIF審議役・企画部長は、今の年金制度について、ざっくり言うならば、「現在の年金の支払総額は年間約五十兆円ですが、それを賄う財源のおおよその内訳は保険料が三十兆円、税金十三兆円、積立金は七兆円程度です。積立金は主要な財源ではない。」と指摘をして、何もGPIFが高い運用目標を得るために、積立金の運用でリスクをとる必要はないということを力説されております。

 そこで、きょうは資料をつけましたが、資料の二を見てください。

 例えば、ドイツでは、積立金をほとんど保有せず、保険料と税金だけで年金財政をやりくりしております。自己責任と市場運用が原則のように言われる米国ですら、老後の生活基盤を支える米国連邦政府の公的年金である社会保障信託基金は、約二百九十一兆円の運用資産の全てを非市場性米国政府証券で運用しております。

 政府が言うように、株式市場での運用が長期的な観点から安全かつ効率的というのであれば、なぜドイツや米国では公的年金の基礎的な部分をふやすために積立金を株式で運用するようなことをしていないのか。どうお考えですか。政府のお考えをお答えいただきたい。

山崎政府参考人 例えば、ドイツで申しますと、実際、年金の財政はほぼ賦課方式ということでございまして、積立金は年金給付の数カ月分程度を持つということでございますので、なかなか本格的な運用というのは難しいということかと存じております。

 米国の場合は、非市場性の国債ということでございますが、こちらにつきましては、政府が株式を持つことによりまして民間の企業経営に対する介入のようなことが起こるのではないかという議論に基づきまして、株式運用を行わないというふうになっていると承知しているところでございます。

宮本(岳)委員 この年金積立金の運用の問題は、まさに年金制度の根幹にかかわるんです。公的年金の積立金の運用方法についてどのような道を選択するかは、当事者である被保険者が判断することだと思います。それが厚生年金基金破綻の大きな教訓の一つだったわけですよ。

 政府やその意向を受けた有識者が国民に運用リスクを一方的に押しつけるのは大きな間違いだと私は思いますが、厚労省、違いますか。

山崎政府参考人 今回、新たな基本ポートフォリオというもので株式の割合を引き上げたということでございますが、これは、デフレから脱却いたしまして、国内債券だけでは実質的な年金給付を確保することが困難になるという想定のもとに、被保険者の利益のために、年金財政上必要な利回りを最小限のリスクで確保できるよう、最適な運用について専門家の方々に検討していただき、策定されたものでございます。

 その結果、これまでよりも国内債券比率が下がり、株式比率が上がったところでございますが、これは、専門家によりまして、現在想定される運用環境に即して、最適なポートフォリオであるというふうに判断されたものと承知しております。

宮本(岳)委員 では、重ねて聞きます。

 そうしたら、この間の年金運用は賃金の上昇率を下回っておるんですか。

山崎政府参考人 自主運用を開始いたしました二〇〇一年度から二〇一三年度までの平均収益率は二・七%でございますが、これは名目賃金上昇率を約三・一六%上回っているということでございます。

宮本(岳)委員 二〇〇一年から二〇一三年度までの運用も、賃金の上昇を上回っている。何もここで、今おっしゃったようなポートフォリオの変更をする必要はないわけですよね。ましてや、私は、日本だって賦課方式だということを申し上げたわけですよ。

 それで、一体これはどういう結果を生んでいるかということを申し上げなくてはなりません。

 配付資料三を見ていただきたい。東京証券取引所の統計から私どもで作成したものであります。安倍内閣が組閣される直前の二〇一二年十月からの部門別の月別株式売買状況をグラフにしたものであります。

 特別に影響が大きい海外投資家とGPIFの運用が反映される国内法人のうちの信託銀行を別に取り出したものが、その次のページ、資料四のグラフであります。

 これを見ますと、二〇一三年十二月までは海外投資家が大きく買い越しをし、その他の投資家はほとんどが売り越しております。一方、二〇一四年になると、とりわけ後半になって信託銀行の買い越しが相場をリードするような形となっております。麻生大臣、ごらんになりましたね。

 安倍内閣の二年間で日経平均株価は倍の値段をつけました。総じて、誰が、どのプレーヤーが日本の株価を上げてきたのか、麻生大臣の御認識をお伺いしたいと思います。

麻生国務大臣 これはもう数字が出ておりますので、前半は外国人が大きい。はっきりしています。御存じでしょうから。後半は日本の信託の買いです。

宮本(岳)委員 お認めになりました。このグラフが示しているのは、アベノミクス二年間の前半である二〇一三年は、海外投資家ひとりで株式市場をほぼ引き上げてきた。後半、二〇一四年は、海外投資家が売り越しに転じる気配があったために、その株価を下支えするための財源として、GPIF等が株式を買い増しして株価を支えてきたというのがこの二年間のアベノミクスの実態ではないか。

 麻生大臣が当財務金融委員会で、GPIFの動きが六月以降出てくる、そうした動きが出てくるとはっきりすれば外国人投資家が動く可能性が高まると答弁して、株式市場がちょっと混乱した。昨年の四月の十六日ですよ。まさにあなたの予測どおりの動きになったわけであります。

 結局、GPIFのポートフォリオの変更は株価を上げるためだったと疑われても仕方がないのではありませんか、麻生大臣。

麻生国務大臣 宮本先生はこの種のことはお詳しいんだと思いますが、少なくとも、我々の内閣が始まりますまでは、今までのポートフォリオで、あの年はたしか後半の、最後の四―九で赤字の一兆五千億だったですよね、一兆五千億で赤ですよ。かわって一年間で、通しでたしか十一兆の黒、去年が十兆五千億の黒ということになっています。

 だから、少なくとも、私は、これが全てとは言いませんが、金利が〇・四だ三だということになってきて、年金のあれを百二十兆持って、たった〇・三とか四じゃ、それはとてもじゃない、アメリカの債券の場合は三%ぐらいつきますけれども、こっちはそんなにつかないということになってくれば、年金のいわゆる払いの方もというようなことになってきて、年金が危ないとかいう話も当時はわんわん書かれたりなんかしましたけれども、最近出ない。

 なぜ出ないかというと、最大の理由は、黒だからというのも大きな理由なんだと思うんですね。だから、年金のもとを稼いでいるという意味においては、これは結構大きな意味があったと思います。

 ただ、おっしゃるように、株の比率が高まったらその分だけ危なくなるじゃないかというのは正しいですよ。だから、そこのところのために、みんなでちゃんとしたやつを入れてやらないかぬという話をしているのであって、私はこれが全て正しいなんて言っている覚えはありません。今まで、国内債券だけでやって赤字の一兆五千億も出した時代もあったんですから。

 だから、そこのところは我々は、きちんとしたポートフォリオでありきちんとした投資というものをやらないと、少なくとも厚生年金課長ごときにやらせるような仕事じゃありませんから、少なくともきちんとした組織をつくった上でやらないとえらいことになるということは頭に入れておかないかぬ、私はそう思います。

宮本(岳)委員 危ないとお認めになりました。

 結果よければ全てよしという話にならないんですね。それは、株価が上がれば黒に転じるというのは当たり前であって、しかし、そうならなければどうだったのか、あるいは、この後もし暴落したらどうなるかということは、常にそういうリスクを背負っているわけであります。

 配付資料の最後、五を見ていただきたい。

 このグラフは、年金積立金全体の構成割合について、資産別に二〇一二年九月末からの二年間の経年変化を示したものであります。

 厚生労働省に確認いたします。

 二〇一三年十二月末から今日までの約一年間で、国内株式は幾ら構成割合をふやしたのか。また、二〇一二年十二月末から今日までの二年間で、債券の構成割合はどれだけ減少したのか。それぞれ、金額とパーセンテージをお答えいただけますか。

山崎政府参考人 お答え申し上げます。

 年金積立金の資産構成割合につきましては、GPIFにおきまして四半期ごとに公表しておるところでございまして、お尋ねの二〇一三年十二月末から直近の二〇一四年十二月末までの一年間における国内株式の比率は、四半期報告で見ますと、約三・一%増加しております。これを金額ベースに換算いたしますと、約五・三兆円の増加に相当するところでございます。

 また、お尋ねの二〇一二年十二月末から直近の二〇一四年十二月末までの二年間におきます国内債券の比率は、四半期報告で見ますと、約一六・五%減少しておるところでございまして、これを金額ベースに換算いたしますと、約七・七兆円の減少に相当するところでございます。

宮本(岳)委員 今、五・三兆株式をふやした、そして国内債券は七・七兆減らしたというふうにお答えがありました。

 東証の部門別年間売り越し、買い越しのデータを見ますと、二〇一四年では国内個人は三・八兆円の売り越しです。海外投資家が約一兆円の買い越しです。証券会社が三千億円の売り越しです。国内法人が約三兆円の買い越し。これが二〇一四年、一年間の結果なんですね。

 部門別の売り越し、買い越し額を見ても、今の五・三兆とか七・七兆というのは、その全てを凌駕する金額に達しております。

 これは、つまり、昨年はGPIFが相場をつくってきたということを示しているのではありませんか。

山崎政府参考人 GPIF法におきましては、年金積立金の運用が市場その他の民間活動に与える影響に留意する旨が定められておりまして、新しい基本ポートフォリオへの移行につきましても、この法令の規定に基づき、GPIFにおきまして、市場への影響に留意しつつ、被保険者の利益となるようリバランスが行われているものと承知しておるところでございます。

宮本(岳)委員 民間の市場に留意するといったって、まさに五・三兆も国内株式を買い越したら、ほかのものはみんな三・八兆とか一兆円なんですから、影響を与えるに決まっているじゃないですか。一方で、国内債券は二年間で七・七兆の売り越し。年間五十兆円の長期国債の買い入れを行っている日銀の金融緩和政策に貢献しているようなものですよ。銀行から国債を購入しているだけでは、もはやリスクマネーとして市場に流れないので、GPIFを通してリスクマネーを供給しているだけだと言わなければなりません。

 きょうも、東証株価は一万九千二百円台を回復したと報じられておりますけれども、ロイターの報道を見ても、公的資金の買い期待だと。公的資金がこれからつり上げてくれるからという話が、まさに相場に影響を与えている。

 このように、アベノミクスを支えるために国民の資産である年金積立金を国内株式等の買い支えに利用する政策は間違っているということを厳しく指摘して、私の質問を終わります。

古川委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

古川委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 関税法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

古川委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

古川委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、土屋正忠君外二名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を求めます。岡本三成君。

岡本(三)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、案文を朗読し、趣旨の説明といたします。

    関税法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。

 一 関税率の改正に当たっては、我が国の貿易をめぐる諸情勢を踏まえ、国民経済的な視点から国内産業、特に農林水産業及び中小企業に及ぼす影響を十分に配慮しつつ、調和ある対外経済関係の強化及び国民生活の安定・向上に寄与するよう努めること。また、東日本大震災により多大な被害を受けた地域の状況に十分配慮した税関手続の弾力的な対応に引き続き努めること。

 一 最近におけるグローバル化の進展等に伴い、税関業務が増大し、複雑化する中で、適正かつ迅速な税関業務の実現を図り、また、覚醒剤・危険ドラッグ・銃器を始めとした社会悪物品等の国内持ち込みを阻止する水際において国民の安心・安全を確保するため、税関職員の定員の確保、高度な専門性を要する職務に従事する税関職員の処遇改善、機構の充実及び職場環境の整備等に特段の努力を払うこと。特に最近の国際的な情勢を踏まえ、国民の安全・安心の確保を目的とする水際におけるテロ・治安維持対策の遂行に当たっては、事前情報の更なる有効活用を図るとともに、税関における定員の確保及び機器等の整備を含む業務処理体制の実現に努めること。

以上であります。

 何とぞ御賛同賜りますようよろしくお願い申し上げます。

古川委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

古川委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。財務大臣麻生太郎君。

麻生国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。

    ―――――――――――――

古川委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました本法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

古川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

古川委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時四十五分散会


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