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第12号 平成28年4月5日(火曜日)

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平成二十八年四月五日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 宮下 一郎君

   理事 うえの賢一郎君 理事 神田 憲次君

   理事 藤井比早之君 理事 古川 禎久君

   理事 松本 洋平君 理事 木内 孝胤君

   理事 古川 元久君 理事 伊藤  渉君

      井上 貴博君    井林 辰憲君

      越智 隆雄君    大岡 敏孝君

      大野敬太郎君    大見  正君

      勝俣 孝明君    木村 弥生君

      國場幸之助君    今野 智博君

      鈴木 隼人君    田野瀬太道君

      竹本 直一君    中山 展宏君

      根本 幸典君    野中  厚君

      古川  康君    務台 俊介君

      宗清 皇一君    山田 賢司君

      落合 貴之君    玄葉光一郎君

      鈴木 克昌君    西村智奈美君

      前原 誠司君    宮崎 岳志君

      上田  勇君    宮本 岳志君

      宮本  徹君    丸山 穂高君

      小泉 龍司君

    …………………………………

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)       麻生 太郎君

   内閣官房副長官      萩生田光一君

   財務副大臣        坂井  学君

   財務大臣政務官      大岡 敏孝君

   厚生労働大臣政務官    三ッ林裕巳君

   農林水産大臣政務官    加藤 寛治君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   美並 義人君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           松尾 泰樹君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           吉本 明子君

   政府参考人

   (農林水産省農村振興局農村政策部長)       三浦 正充君

   参考人

   (日本銀行総裁)     黒田 東彦君

   参考人

   (日本銀行審議委員)   櫻井  眞君

   財務金融委員会専門員   駒田 秀樹君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月五日

 辞任         補欠選任

  助田 重義君     古川  康君

  根本 幸典君     大見  正君

  福田 達夫君     今野 智博君

  宗清 皇一君     木村 弥生君

  鷲尾英一郎君     西村智奈美君

同日

 辞任         補欠選任

  大見  正君     根本 幸典君

  木村 弥生君     宗清 皇一君

  今野 智博君     福田 達夫君

  古川  康君     助田 重義君

  西村智奈美君     鷲尾英一郎君

    ―――――――――――――

四月四日

 株式会社国際協力銀行法の一部を改正する法律案(内閣提出第二五号)

三月二十三日

 消費税の再増税を中止し、生活費非課税・応能負担の税制を求めることに関する請願(宮本岳志君紹介)(第八九一号)

 所得税法第五十六条の廃止に関する請願(篠原孝君紹介)(第九二二号)

 消費税増税の中止に関する請願(真島省三君紹介)(第九二七号)

同月二十九日

 消費税一〇%へのアップ中止を求めることに関する請願(真島省三君紹介)(第一〇四三号)

 所得税法第五十六条の廃止に関する請願(本村伸子君紹介)(第一〇六九号)

 同(中川正春君紹介)(第一一二四号)

 消費税の増税反対に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一〇七〇号)

 同(池内さおり君紹介)(第一〇七一号)

 同(梅村さえこ君紹介)(第一〇七二号)

 同(大平喜信君紹介)(第一〇七三号)

 同(笠井亮君紹介)(第一〇七四号)

 同(穀田恵二君紹介)(第一〇七五号)

 同(清水忠史君紹介)(第一〇七六号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一〇七七号)

 同(島津幸広君紹介)(第一〇七八号)

 同(田村貴昭君紹介)(第一〇七九号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第一〇八〇号)

 同(畠山和也君紹介)(第一〇八一号)

 同(堀内照文君紹介)(第一〇八二号)

 同(真島省三君紹介)(第一〇八三号)

 同(宮本岳志君紹介)(第一〇八四号)

 同(宮本徹君紹介)(第一〇八五号)

 同(本村伸子君紹介)(第一〇八六号)

 同(本村伸子君紹介)(第一一二五号)

 消費税増税の中止に関する請願(本村伸子君紹介)(第一一二六号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 株式会社国際協力銀行法の一部を改正する法律案(内閣提出第二五号)

 財政及び金融に関する件


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     ――――◇―――――

宮下委員長 これより会議を開きます。

 財政及び金融に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 両件調査のため、本日、参考人として日本銀行総裁黒田東彦君、審議委員櫻井眞君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として財務省主計局次長美並義人君、文部科学省大臣官房審議官松尾泰樹君、厚生労働省大臣官房審議官吉本明子君、農林水産省農村振興局農村政策部長三浦正充君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

宮下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

宮下委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鈴木克昌君。

鈴木(克)委員 おはようございます。

 それでは、限られた時間でありますが、少し質問させていただきたいというふうに思います。

 まず、日銀にお伺いをしたいというふうに思います。

 黒田総裁が、二年で二%、二年でマネタリーベース二倍等々、うたったといいますか、主張された量的・質的金融緩和がスタートしたのは、二〇一三年の四月四日のことであります。二年どころか、まさに三年が過ぎ、きょうからちょうど四年目がスタートすることになります。

 ここで少しお伺いをしていきたいんですが、総裁の任期といいますか、五年ということでありますので、残り時間の方が短くなってきておるということではないかなと思います。もちろん、再任があるかどうか私はわかりませんけれども。

 いずれにしましても、この間、黒田総裁は、量的・質的金融緩和は所期の効果を発揮していると主張を続けられてまいりました。また、二%の物価安定目標についても、あくまで、「二年程度の期間を念頭に置いて」という旗をおろさずに来られました。

 ですが、もう四年目に入るわけであります。この間、追加緩和や、まさにマイナス金利政策の導入などの措置をとったにもかかわらず、物価安定目標達成時期は二度三度と後ろ倒し、直近の消費者物価は、生鮮食品を除く総合で前年比ゼロ%、日銀が保有する長期国債ばかりがこの三年間で、二〇一三年の三月の時点で六十三兆円であったのが本年の三月二十日の時点で三百四・七兆円、実に四・八倍にもふえておるわけであります。それでも民間の設備投資や個人消費の大幅な改善にはつながらないままである、このように思います。一日に発表された日銀短観では、大企業製造業の業況判断DIが、二〇一三年六月調査以来の水準に低下。何かもうあらゆることが振り出しに戻ってしまったような感があるわけであります。

 そこで、量的・質的金融緩和を導入されてからはや三年が経過したことを踏まえて、改めて総裁に、この三年間の所感をお伺いしたいと思います。

 またあわせて、現時点においても物価安定目標の達成やデフレ脱却に至っていない最大の理由と、とりわけ、総裁の思いどおりには進まなかったことがあれば、それは何であるか、お聞かせをいただきたいと思います。

黒田参考人 委員御指摘のとおり、二〇一三年四月に量的・質的金融緩和を導入してから約三年が経過いたしました。この間、量的・質的金融緩和は所期の効果を発揮してきたと考えております。実際、量的・質的金融緩和のもとで経済・物価情勢は大きく改善してまいりました。

 すなわち、企業収益は過去最高水準で推移しておりますし、また、労働市場を見ますと、失業率が三%台前半まで低下するなど、完全雇用と言えるような状況となっておりまして、雇用・所得環境は着実に改善しております。物価面でも、生鮮食品、エネルギーを除く消費者物価の前年比は、量的・質的金融緩和導入前はマイナスだったわけですけれども、二〇一三年十月にプラスに転じた後、二十九カ月連続でプラスを継続しております。最近では、プラス一%を上回る水準まで上昇しております。

 もっとも、御案内のとおり、日本銀行は、物価安定の目標を消費者物価の前年比上昇率で二%と定義し、これを安定的に実現することを目指しておりまして、二%の実現という観点からは、なお道半ばであります。

 また、本年入り後は、御案内のとおり、原油価格が一段と下落したことに加えまして、中国を初めとする新興国、資源国経済に対する先行き不透明感などから、金融市場が全般的に、あるいは世界的に不安定な動きとなり、企業コンフィデンスの改善、あるいは人々のデフレマインドの転換がおくれて、物価の基調に悪影響が及ぶリスクが増大しておりました。

 こうしたリスクの顕在化を未然に防ぐため、二%の物価安定の目標に向けたモメンタムを維持するという観点から、先般、従来の量的・質的金融緩和を強化するマイナス金利つき量的・質的金融緩和を導入したところでございます。

 委員御指摘の、足元で生鮮食品を除く消費者物価の上昇率がゼロ%程度で推移している最大の理由は、御案内のとおり、一昨年の夏以降、石油価格が大幅に低下したということが非常に大きな原因であったと思いますが、消費税引き上げ後の消費の弱さというのも部分的には影響があったと思います。

 しかし、最大の要因は、やはり石油価格が七〇%以上下落したということが、物価上昇率が二%になかなか達していない、あるいは、生鮮食品を除く指標で見ますとゼロ%程度で推移している最大の理由であろうというふうに思っております。

鈴木(克)委員 常々おっしゃっておる考え方と、三年が経過した現段階でも変わらないということであります。

 確かに、原油の問題、中国の問題等々、これは正直、思いも寄らない状況であったということについては私も理解をしないわけではありませんけれども、しかし、やはり最初、出だしで、二%、二年でということをはっきりとおっしゃったわけでありますし、マネタリーベースも二年で二倍にするということもおっしゃってきたわけであります。それがやはり実現されていないということは、ある意味では、原油、中国等々の問題はあるにしても、私は、何かそこに政策的な誤りというのか、間違いがあったやもしれないというふうに思うわけであります。

 その辺のところを後で少し議論させていただきたいというふうに思うんですが、ここで、櫻井新委員がお越しをいただいております。御就任早々で恐縮でありましたけれども、ぜひ私はお考えをお聞きしたいということでお呼びをいたしました。一、二お伺いしますので、会議が後に控えておるということも伺っておりますが、大変恐縮ですが、お願いをしたいと思います。

 マイナス金利政策が決定されたときの政策委員会の賛否は、御案内のように五対四、賛成五、反対四。これが、三月十四、十五に行われた直近の金融政策決定会合では七対二ということであるように聞いております。名前が明記をされておりますので、白井さゆり委員と石田浩二委員が賛成に回った、このように伺っておるわけであります。

 その白井委員がこの三月末で、そして、石田委員が六月末でそれぞれ任期を終えられるということでございます。そして、その白井委員の後任が櫻井眞さんであるということであります。私は、大変御無礼ですが、政策委員の委員構成が、黒田執行部あるいは安倍政権寄りの人選に偏っているのではないかというような危惧を実はいたしております。

 といいますのも、櫻井委員については実はどのような方なのか、私も、勉強不足もありまして、情報も少なく、よくわからなかったわけでありますが、きょう改めてお考えを聞かせていただきたいというふうに思っています。

 少ない情報の中で、私もよく存じ上げております自民党の山本幸三議員がブルームバーグのインタビューで、親友であるということを紹介されました。そして、政策方針は基本的に黒田・岩田路線と一緒の方向ではないかということを述べられて、櫻井氏の起用で黒田路線が強まるかということの問いに対して、そう思うというふうに答えている記事が出たわけであります。

 また、高橋洋一氏が書かれた記事によると、櫻井氏は、アベノミクスの御意見番的存在の浜田宏一教授との共著論文があるとのことで、その上で高橋氏は、「日銀がマイナス金利を決定した際には、反対票を投じた委員が金融機関関係者を中心に四人もいた。」ちょっと略させていただきますが、「そうした人たちの代わりに桜井氏が日銀審議委員になるのは国益にかなう。」と言われておるわけであります。

 これはお二方の考え方でありますが、こういった記事で、ある種のイメージが櫻井委員に対してついてしまったのではないのかなというふうに思います。

 そこで、繰り返しになりますが、ぜひきょうは御自身の言葉で、アベノミクス全般の評価、そして、アベノミクスを踏まえた黒田日銀のこれまでの緩和政策に対する評価、特に、マイナス金利政策の導入に対する評価と、今後マイナス金利政策を続けていくべきかどうかといった点について、御自身でぜひひとつお聞かせいただきたいというふうに思います。

櫻井参考人 お答えいたします。

 このたび辞令交付を受けまして、日本銀行審議委員に就任いたしました櫻井でございます。

 先生の御質問、どのような基本的な考え方を金融政策に持っておるかということでございますが、日本銀行は、御承知のとおり、大変長きにわたるデフレ脱却というものを目指して二%の目標というものを掲げました。これまでの三年間で、私はある程度成果が上がっているというふうに考えております。これは、先ほど黒田総裁が申し上げたとおりの、雇用であるとか企業収益といったところでもわかるかと思います。

 ただ、委員御指摘のとおり、やはり二%の物価安定目標というものが今のところ達成はできていない、道半ばだというふうに思っております。特に現時点では、世界経済の成長の減速、下振れというのがありまして、そのリスクがあるのか、また、一年前とか半年前に比べれば高まっておるということで、このような時期に審議委員に就任するということで大変責任が重大であるということで、身が引き締まる思いがしているというのが本音でございます。

 あと、これからどういうふうに政策委員会に参加していくかということでありますが、私、これまで、国際協力銀行その他でいろいろと研究調査という仕事をしてまいりました。そのときの経験、知見というものを十分生かして政策委員会にしっかりと自分の意見を述べさせていただいて、金融政策を円滑に、日本経済のために実施していくというのに参加していきたいと思っております。

 それから、アベノミクスに関する評価ということでありますが、御承知のとおり、アベノミクスは三本の矢ということで始まりました。アベノミクス自体は、これまでの長い停滞から見れば、大きなレジームチェンジだったというふうに考えております。

 その中で金融政策は、役割の分担としては、やはりデフレの脱却ということ、先ほど申し上げましたとおり、ある程度成果は上がってきていると思っていますし、また、あと、マクロ経済の景気の回復という役割だろうと思っておりますので、そこを今後も引き続き責任を全うするように頑張っていきたいというふうに考えております。

 それから、あと、マイナス金利ということでございますけれども、確かに、これまで過去三年間に、比較的大きな金融政策のデシジョンというものを三回行ってきたというふうに思います。最初の、一三年の委員御指摘のとおりを四月に行われたこと、それから一四年の十月、それからこの間のマイナス金利ということの三回でありますが、やはり、私は、マイナス金利政策自体は間違っているとは思っておりません。

 その大きな重要な点は、金融政策の手段をやはり数多く持つということが大事なのではないか。そうすることによって、物価目標というものを達成するためにいろいろな選択あるいは組み合わせができるのであろうというふうに考えておりますので、マイナス金利の政策についても、それなりの役割というものをそれぞれの局面でしっかりと使っていくということが大事なのではないかというふうに今考えております。

 以上でございます。

鈴木(克)委員 お考えの一端をお示しをいただきましてありがとうございました。

 続いてもう一問、委員にお伺いしたいんですが、一日の就任の会見のときに、金融政策はそんなに乱発すべきものではない、こういう御発言をされたというふうに報じられております。

 このことについて、追加緩和の必要性を示唆する発言を期待していた市場関係者が肩透かしを食らったというような見方もあるわけでありますが、金融政策はそんなに乱発すべきものではないというこの発言の真意について御答弁をいただきたいと思います。

櫻井参考人 お答え申し上げます。

 確かに私、就任の記者会見で金融政策はそんなに乱発すべきものではないと、これは個人的な意見でございますが、述べさせていただきました。

 先ほど申し上げましたが、これまで過去三年間、やはり大きな金融政策のある意味では変更といいますか、あるいは進捗ということからいうと、三回やったわけです。

 それぞれの政策委員会でいろいろな細かい変化というのはもちろんあるんですけれども、やはり一番大事なことは、日本経済に関して、ファンダメンタルズ等が大きなリスクを伴うとか、そういうときにきちっとした政策をとるということが必要なのではないだろうか。そうすると、余り小さな政策の変更を政策会合のたびにやるというようなことはむしろ避けた方がよろしいのではないか。ある程度きちっとファンダメンタルズをよく見ながらどういう金融政策をとるべきなのかということで、そんなに乱発すべきではないのではないかということを申し上げたわけでございます。

 以上でございます。

鈴木(克)委員 大変どうもありがとうございました。

 私、初めてこうしてお話をさせていただいて、大変失礼なことを申し上げるかもしれませんけれども、委員は黒田執行部の賛成要員ではないかというような厳しい声も上がっておるわけであります。一方で、あの岩田副総裁も就任後に、学者時代にはわからなかったことや詳細なデータが日銀の中に入ってからわかるようになった、こういうことをおっしゃっておられました。

 委員にも御持論はあると思いますし、そのことと同時に、ぜひ、日本経済に今実際に起きている問題に目を向けていただいて、柔軟に金融政策を考えていただきたい。それだけの御見識と御経験がおありだというふうに思っておりますので、これではいけないというふうに思ったときにはきちっと総裁に物を申していただきたい。また、日銀の中にお入りになったからには、そういう存在になっていただきたい。このことを御期待を申し上げまして、私の質問を終わらせていただきたい。

 後、会議があるようでございますので、どうぞ御退席いただいて結構でございます。ありがとうございました。

 それでは、少し視点を変えて質問をさせていただきたいというふうに思います。

 まず、総裁がいつも説明でお使いになっております、量、質、金利の三次元での緩和についてお伺いをしたいと思います。

 質についてはいいんですけれども、量と金利の関係について、私、いささかわからない部分があるのでぜひお聞きをしたいというふうに思いますが、量は、日銀当座預金を含むマネタリーベースをふやそうという、いわゆる非伝統的金融政策だというふうに思います。もう一方の金利は、資本コストに係る部分で、いわゆる伝統的金融政策だというふうに思うわけであります。

 この関係で何がわからないかといいますと、今回のマイナス金利つき量的・質的金融緩和では、日銀当座預金の、図でいうとこの表でありますけれども、上の方の部分である政策金利残高、いわゆる限界部分と言った方がいいのかもしれませんけれども、これに対してマイナス金利が適用されるということになるわけであります。

 そうすると、今まで日銀当座預金に銀行がお金を預けると収益が得られていたということに対して、逆に、今回の措置によって費用が発生するわけであります。そうすると銀行は、まさに別の収益を求めて運用先を探しに行くということになるわけです。一方で企業は、マイナス金利政策によって資本コストが下がっているので、仮に信用コストが一定だとした場合に、両者の利害は一致して、貸し出しに運用がスイッチするという流れになるかというふうに思うんです。

 そこまでは理解できるんですけれども、そうすると、量というのは現金保有コスト等との見合いになりますが、今までの量的緩和のようにはふえないことが容易に想像できるわけであります。

 要するに、量とマイナス金利の政策というのは、同時に行うには非常に相性の悪い政策となるというふうに思うんですが、量と金利を補完的な関係で政策を実施していくということは、経済学の教科書的に言えばどういうような整合性になるのか、また説明ができるのか。また、今後のマネタリーベースの残高という指標はどのように見ればいいのか。この点についてお尋ねしたいと思います。

黒田参考人 このマイナス金利つき量的・質的金融緩和というものは、基本的には、量的・質的金融緩和の主な波及メカニズムである実質金利の低下というものをより強力に進めるというものであります。

 量的・質的金融緩和というのは、御案内のとおり、大規模な長期国債の買い入れによりイールドカーブ全体にわたって名目金利に低下圧力を加える、それと同時に、二%の物価安定の目標に対する強く、明確なコミットメントとそれを裏打ちする大規模な金融緩和によって人々のデフレマインドを転換して予想物価上昇率を引き上げるということ、この二つ、これによって実質金利が引き下げられて民間需要が刺激されるというものであります。

 マイナス金利つき量的・質的金融緩和のもとでは、御案内のとおり、日本銀行当座預金金利、一番短期の部分ですけれども、これをマイナス化することによってイールドカーブの起点を引き下げ、そして大規模な長期国債買い入れを続けるということとあわせまして、金利全体に強い下押し圧力を加えていくということでありまして、マイナス金利と長期国債の買い入れというものは相互補完的なものであるというふうに考えております。

 御案内のとおり、欧州中央銀行、ECBも、マイナス金利と量的緩和とを、両方を現在実行いたしております。

 また、この日銀当座預金金利をマイナスにすることで、例えば国債の買い入れが困難になるのではないかという議論が一部にございますけれども、当然のことながら、委員御指摘のとおり、限界的な部分にマイナス〇・一%という金利が付されますので、金融機関としては、日本銀行のオペに応じて国債を売却した場合には、その限界的な部分にマイナス金利がつけられるということを踏まえて行動しているわけでございまして、そのマイナス金利のコスト負担というものは、国債の売買価格の上昇、つまり金利の低下によってつり合う形になっておりまして、実際に金利も低下しております。

 したがいまして、この日銀当座預金金利のマイナス化によって長期国債の買い入れが困難になり、量的・質的金融緩和というものが難しくなるということにはなっておりませんし、今後もならないというふうに考えております。

鈴木(克)委員 量と金利はあくまでも補完的な関係である、こういうお話でありますが、私は、果たして本当にそうであるのかなというところに疑問を持っておりまして、そのところをこれからの状況の中でまた見させていただきたい、このように思っています。

 それで、先ほどちょっと申し上げたんですが、ここで大臣と総裁に御答弁をいただきたいんですが、マイナス金利政策の総需要政策としての有効性というものについてお伺いをしていきたいというふうに思うんです。

 プラスマイナスの符合について今回はちょっと横へ置いておいて、単純に金利水準だけで見れば、今までのゼロ金利でも十分に資金調達コストは低かったというふうに私は言えると思います。それに加えて、政府側からは、機動的な財政出動と銘打って幾多の財政出動もしておるわけであります。

 それにもかかわらずデフレ脱却に至らないのは、もちろん、先ほどの御説明のように、原油価格とか中国とかいろいろな外的要因はあるのでしょうけれども、そもそも、デフレの原因が慢性的な総需要不足であるという認識そのものが間違っていたのではないかという疑問が実は出てくるわけであります。

 そうすると、長期的に見て緊急に必要な政策は、潜在的成長率の引き上げ効果のない金融政策でも財政出動でもなく、特に、労働投入や生産性向上のための供給側の構造改革ではないのか、このように実は思うわけであります。

 ようやくそこに気がつかれたかどうかわかりませんが、政府も、我が党が従来から主張してきた同一労働同一賃金、そしてまた少子化対策というようなことを重視をし始めているわけでありますが、私は、もっと早くからこのことをやるべきではなかったかな、このように思うわけであります。

 そこでお二方にお伺いしますが、金融政策や財政出動がコストなしで実施できるなら、これはまあいいんですけれども、金融政策にも財政出動にも、長い目で見れば相応のコストが発生するということであります。相応のコストとは、例えば、増税の可能性であるとか、日銀としては、国庫への納付金を減らすとかいうようなコストが発生する可能性があります。そうすると、処方箋の誤りはそのまま国民負担に直結するわけであります。

 政府側から見れば、超低金利下に加えて、固定金利で国債を発行しているから大丈夫という見方もありますけれども、今度、その大部分を日銀が買っている以上、バランスシートを統合すれば、政府、日銀で変動金利の負債を持っているに等しいというふうに思うわけであります。

 この処方箋の誤りとコスト問題について、大臣と総裁の考え方をお伺いしたいと思います。

麻生国務大臣 これは鈴木先生御存じのように、金融政策につきましては、これはまず何といっても、日銀による大胆な金融緩和ということによって、固定化したデフレマインドから間違いなく着実に脱出しつつあることは確かなんじゃないでしょうか。これははっきりしていると思っております。

 一方で、二月二十二日のこの財金委で私が申し上げましたのは、二十年近く続いたデフレ、正確には資産のデフレ不況のもとで企業の投資意欲というものが回復するのは容易ではないというのは、これは一九三〇年代を見ても同様のことが言えるということで、安倍内閣としては、最初から日本銀行の金融政策だけで頼っていけない、マネタリーベースがふえてマネーサプライがふえないということはもうはっきりして、問題意識を持っていたから最初から三本の矢ということを申し上げてきたわけであって、一番目に金融政策、二番目が財政、三番目がいわゆる成長戦略という三本の矢の経済政策をずっと進めて、その結果、企業は結果的には過去最高の利益を出してきて、有効求人倍率も二十四年ぶりで最高というのになるなど、これは、ファンダメンタルズが確かなものだということになったということははっきりしておりますので、次は民間の出番であることははっきりしています。金がないんじゃない、需要がないんだというのも最初からはっきりしています。

 そういった意味では、過去最高水準の企業収益が出ているんですから、その収益を賃金とか設備投資に回していくということが重要なんだということで、政府としても、政界と労働組合との会議やら、また、官民対話等々いろいろな表現がありますけれども、そういうところに働きかけて、コーポレートガバナンスだ何だかんだいろいろな形で、企業側が積極的にそういったことをやっていかなければならぬ、需要をつくり出さないかぬということを申し上げてきているのであって、こうした動きがしやすいような後押しをできる政策を我々としてはこれだけやってきましたので。

 この正月を見ましても、経済三団体の各長の発言というのは、これからは民間の出番なんだということをはっきり言っておられますので、そういったことが積極的な形として出てくることを期待して、事実、ベースアップも三年連続ベースアップ。このところ二十数年ベースアップなんというのがなかったものが三年連続ベースアップということになったのは、それなりのあらわれ方だと思っております。

黒田参考人 日本銀行といたしましては、金融政策というものは、いわゆる自然利子率、これは景気に対して中立的な自然利子率でございますが、それよりも、実質金利をより引き下げるということによって民間需要を刺激するということを通じて効果が出るものだというふうに考えております。

 日本銀行のマイナス金利つき量的・質的金融緩和は、先ほど申し上げましたように、日銀当座預金金利をマイナス化することでイールドカーブの起点を引き下げ、大規模な長期国債買い入れとあわせて金利全般により強い下押し圧力を加えていくものでありまして、そうしたもとで、貸し出しの基準となる金利や住宅ローンの金利は既にはっきりと低下をいたしております。

 このように、マイナス金利つき量的・質的金融緩和は、総需要政策として効果的なものであるというふうに考えております。

 その一方で、麻生大臣が触れられましたように、金融政策だけで全ての問題が解決するということはないというふうに考えております。

鈴木(克)委員 私も、全く今大臣のおっしゃったこと、総裁のおっしゃったことを否定するというつもりはありませんけれども、あえて申し上げれば、要するに、同一労働同一賃金、そしてまた少子化対策などを見ても、ツーリトル・ツーレートという言い方ができるかどうかわかりませんけれども、私はやはり遅いと思うんですよ。

 どうしてもそういうようなところがはっきり見えてこないものですから、何か金融に偏っておる、財政出動に偏っておる。そしてその両方とも、先ほど申し上げましたようにやはりコストがかかるわけでありますので、どちらがこのコストがかからずにやれるかということも含めて、今後はやはりこの労働投入や生産性向上のためのいわゆる供給側の構造改革というものをしっかりと考えていっていただく必要があるのではないか、このように思って御質問をさせていただいたということであります。

 最後に、総裁はもう会議が迫っておるということでありますのでお伺いしたいんですが、現金の壁ということで少しお話を伺いたいと思います。

 政策金利の残高について、金融機関から見れば、現金保有にかかるコストによって、どの程度のマイナス金利を許容するかどうかが決まってくるわけであります。そう考えると、マイナス金利水準の限界には現金の壁が存在をするということになるわけであります。

 そして、これは日銀と金融機関の間だけではないんですね。例えば、預金者と金融機関の間にも当然成り立つ話になるわけであります。何もマイナス金利に限った話ではないんですけれども、超低金利下では、現金需要をふやすという関係があるというふうに考えられます。先ほど議論をしてまいりましたような資金需要の伸びない構造下では、金融機関においては当座預金が現金にスイッチする、また、預金者においては預金を現金にスイッチするという、いわゆる政策効果を無効にするような事態が発生するというふうに考えられるわけであります。

 したがって、指標として日銀券発行残高は、経済活動が活発化したことによる決済手段の拡大という側面から、超低金利下における一時的な価値貯蔵手段の拡大という側面に変わってきてしまいます。

 今日の日銀券発行残高という指標の見方と、総裁の、日銀の壁によって政策効果が失われないようにする手段としてどのような政策が考えられるのか、その点をお聞かせいただきたいと思います。

黒田参考人 一般的にマイナス金利政策につきましては、御指摘のように、預金を引き出して現金の形で保有することが可能であるために、現金を保有する各種のコストがマイナス金利の限界を画するものであるという議論があることはよく承知をいたしております。

 この点、今回日本銀行が導入いたしましたスキームでは、金融機関の現金保有額が大きく増加した場合には、その増加額に見合う形で、当該金融機関の当座預金残高のうちマイナス金利が適用される部分を増加させるということにいたしております。こうした対応によりまして、技術的には、現行のマイナス〇・一%より大きいマイナス金利を実施することが可能であるというふうに考えております。

 なお、マイナス金利をかなりの期間適用しております欧州の例を見ますと、個人の預金について金利がマイナスになるという例がないということもあると思いますけれども、特に現金の保有が異常にふえているというようなことはないというふうに欧州で分析をされているようでございます。

 我が国の場合に、低金利がかなり長く続いてまいりましたので、そのもとで銀行券の発行残高が伸びていることは事実でございますけれども、マイナス金利の導入に伴って、何か特にトレンドが変化するというようなことは生じていないようでございます。

 ただ、今後の動向はよく見てまいりたいと思っております。

鈴木(克)委員 この現金の壁によっていろいろ打ってきておる政策効果が失われないようなことを、やはりきちっと手段として考えていっていただく必要はあるんじゃないかな、このことを申し上げておきたいと思います。

 私は、壁というと、例えば貧困の壁とか、かつては「バカの壁」とか、どうも壁と聞くとかなり関心を持つというのか、私自身の祖父が左官業でありまして、壁塗りでありました。したがって、世の中の壁を取っ払っていくことが私の使命だというふうに思っております。そこで出てきたのがこの現金の壁なものですから、きょう、総裁のお考え方を聞かせていただいたということであります。ありがとうございました。

 総裁もお時間があると思いますので、これで御退席いただいて結構でございます。ありがとうございました。

 まだ若干時間があるようでございますので、麻生大臣に一、二点伺ってまいりたいと思います。

 前段はともかくとしまして、この前、国際金融経済分析会合でスティグリッツ教授やクルーグマン教授のお話が、流れとしては、来年四月に予定されている消費税率の引き上げについて延期すべきであるというふうに言われたというふうに聞いております。こうした意見に対して麻生大臣は、過日の参議院の委員会で、私どもとは見解が違う、このように発言をされているわけであります。

 麻生大臣は、少なくともスティグリッツ教授との意見交換をした会合には出席をされていないというふうに聞いておるわけでありますが、そうであれば、私どもとは見解が違うというのは、スティグリッツ教授がどのような理由で消費税率引き上げの延期を主張されたのかを確認された上での発言であったという理解でよろしいのか、これが一点。もう一点は、どのような見解の違いを感じられたのか。この二点を御説明いただきたいと思います。

麻生国務大臣 会議と重なっておりましたので、一回目のスティグリッツさん、クルーグマン、ジョルゲンソンと外国人は三人だと思いますが、そのときは岩田一政先生もおられましたので、それで四人と思いますので、最初のところは会議と重なったので出ておりませんが、内容は、いわゆる法人税減税の、それでは生まない等々の御説はもう前々から言っておられましたので、この話を知らないわけではありませんから、私とは意見が違う、そのとおりであります。

 それから、その内容を知った上での話かと言われれば、その内容を申し上げた上で、私どもとしては、有識者の方々がさまざまな意見を言われるというのは、これは大事なことなのでありまして、率直な意見を伺うという機会、環境というのを確保するということは私どもとしては当然のことなんですが、有識者の方々一人一人のコメントについて私はどう思うかというようなことをコメントする立場にはない、そういったことは差し控えるべきだと前々から申し上げております。

鈴木(克)委員 見解の違いということは大臣の御方針ということでしょうが、これはあえてちょっと聞かせていただきたいんですが、今、大臣の御答弁は麻生総理とも共有されているというふうな理解でよろしいでしょうか。(発言する者あり)安倍総理とも共有されているという理解でよろしいでしょうか。麻生大臣に御答弁いただきたいと思います。

麻生国務大臣 まず最初に、安倍総理ね、間違えないでくださいね。

 それについてさまざまな意見というのがなされておる、消費税の引き上げ等々に関して総理の発言がさまざまなされているという話は聞いていますよ、新聞にそう書いてありますから。

 しかし、私どもが伺っておりますときの答弁は常にこれまで一貫しておられまして、リーマン・ショックや大震災のような重大な事態が発生しない限り、確実に実施していくと言われておりまして、この発言が今まで公式で変わられたという記憶はありませんし、また、そういう記録もない。そう思っておりますので、私どもとしては、私どもと意見が大きく違っているというふうに感じたことはありません。

鈴木(克)委員 申しわけない。両方とも総理経験者といいますか、麻生さんも総理を経験されたものですから、ちょっと私もとちってしまいました。

 そうしますと、ちょっとくどくなりますけれども、消費税率引き上げ延期の条件についても麻生大臣は安倍総理と共有している、こういう理解でよろしいんでしょうか。

麻生国務大臣 リーマン・ショック、大震災というような重大な事件が発生しない限り、確実に実施していく、これは、一昨年の選挙を行われる前のときに言われた発言が基本なんだと思いますが、私どもとしては、消費税率の引き上げに関しましては、そういった事態が起こらない限りは基本的に実施をさせていただくということを申し上げてきていると思います。

鈴木(克)委員 今後どのような流れになるのか、また、安倍総理がどんな決断をされるのか、そのときに、麻生大臣というか財務省としてどのような主張をされていくのか。その辺は、くどい話ですけれども、やはり一番国民が今関心を持ち、ある意味では固唾をのんで成り行きを見守っているというところなものですから、こうして重ねてお伺いをしたということであります。

 時間でありますので、最後に、やはりこのスティグリッツ教授が、法人税減税は投資拡大には寄与しない、むしろ、国内での投資や雇用創出に積極的でない企業に対して法人税を引き上げる方が投資拡大を促すのではないか、こういうようなことを主張されたというふうに聞いております。

 しかしながら、麻生大臣が常々指摘されている、企業の内部留保の増加傾向や今春の前年を下回る賃上げ状況を踏まえると、政府が期待するほどの税率引き下げ効果は生じないのではないかというふうに私は考えるんですけれども、こうした現状や有識者の意見を踏まえて、法人税改革のあり方について麻生大臣の見解をお伺いしたいと思います。

麻生国務大臣 スティグリッツ教授の言われた中で、法人税につきましては、単に税率を引き下げるだけでは効果がないという御指摘なんだと思いますが、私としても、スティグリッツという教授はそういう御意見に関しましては、法人税に関して税率引き下げは効果的ではない、投資をして雇用を創出させる企業に減税し、投資や雇用創出に消極的には増税する施策が効果的なんだと主張しておられるんだというように記憶をします。

 私どもとしては、少なくとも、私が申し上げたように、企業がこれまでのデフレーションというようなマインドカラーを変えて、単に現金をためて内部留保をふやすだけではなくて、労働分配率を大幅に引き下げるというような形ではなくて、賃金の引き上げとか設備投資というものに対して積極的に取り組むということが大切なのであって、それを促すような政策、後押しするような政策ということで、私どもの税制改正におきましても、所得拡大促進税制とか、いろいろな形での税制改正をやらせていただいたのでありまして、私どもとしては、課税ベースを拡大するということもやらせていただいておりますし、そういった意味で、財源をしっかりと確保しながら税率を引き下げるということをやらせていただいておりますので、いわゆる企業の収益力の拡大がそのまま設備投資につながるとか労働分配率の向上につながるとか、そういったものを促すという形で今その効果が徐々にあらわれてきつつあるのではないか、設備投資が少しずつ伸びてきつつあるような感じがいたしますので、その経過が少しずつではありますけれども、まあ二十年かかりましたので、二十年以上デフレが続いていましたので、そういった意味では、そういったマインドの変更までには少々時間がかかるかなとは思っております。

鈴木(克)委員 残念ながら時間になってしまいました。またこの議論の続きはやらせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

宮下委員長 次に、宮崎岳志君。

宮崎(岳)委員 民進党・無所属クラブ、宮崎岳志でございます。

 まず、麻生大臣そして黒田日本銀行総裁にお伺いをいたします。

 総論ということでございますが、先日発表されました日銀短観、業況判断DIはかなり悪化をしているということだと思います。また、企業物価見通し等も下がっていて、経済はどうも下降局面に入ってきたんじゃないかということが言えるんじゃないかと思いますが、ちょっとそこについての御見解をお願いをしたいと思います。

 それで、先ほどと、鈴木委員の質問とかなりかぶるところもありますので、そういったところは割愛していただいて結構ですので、手短にお願いできればと思います。

麻生国務大臣 これは宮崎先生、四月一日でしたっけ、あれのときに日銀の三月の短期観測、通称短観というものが発表されておりますが、大企業並びに製造業を中心に、業況判断、いわゆるDI、ディフュージョンインデックスというものが低下したということは承知をいたしております。

 これは、主にアジアの新興国なんかにおいて弱さが見られることを背景に、特に鉄鋼業等々は、少なくとも需要の何倍というような製造能力を持っておる中国等々の状況もありますので、これが急激に悪化したというのも大きな一因だと考えておりますが、他方、二〇一五年度の設備投資の計画については、全規模の全産業で少なくとも二〇一四年度対比でプラスの八・〇%ということで、前年度を上回るという形が出されておりますし、また、日本の経済を見ますと、企業収益が過去最高水準であることははっきりしておりますし、有効求人倍率も引き続き極めて高い水準で、二十四年ぶりと言われるほどの高さでありますので、ファンダメンタルズというものは極めて良好、これはG20で皆合意をしておられるところなんだと思っております。

 したがいまして、今後、雇用とか所得の環境というものが、緩やかではありますけれども回復が続いておりますので、各種の政策の効果というものも出てきて、景気は、緩やかではありますけれども回復に向かっていく方向というように私どもは考えております。

黒田参考人 最近発表されました三月短観の結果を見ますと、御指摘のとおり、企業の業況感、これは総じて良好な水準を維持しておりますけれども、新興国経済の減速の影響などから、前回十二月調査と比べますと慎重化しております。

 事業計画を見ますと、経常利益は、二〇一五年度については増益となり、過去最高水準となったほか、二〇一六年度についても、前年度との比較では幾分低下するものの、過去最高水準を維持する見込みであります。

 こうした良好な収益環境を背景に、設備投資は、先ほど麻生大臣も述べられたとおり、二〇一五年度は前年比かなりのプラスになった模様でありますし、二〇一六年度についても、この時期の調査としてはしっかりとした計画となっております。

 こうした三月短観の結果は、我が国の経済について、新興国経済の減速の影響から輸出、生産面に鈍さが見られつつも、基調としては緩やかな景気回復を続けているという見方に沿ったものであると考えております。

 なお、企業の物価見通しについては、エネルギー価格が下落した中で、前回十二月調査と比べて下振れております。もっとも、企業が先行きの物価上昇率の高まりを予想しているという点は、これまでとは変わっておりません。

宮崎(岳)委員 少々楽観的に過ぎるような感じもいたしますけれども、そのような認識に基づいて良好なんだ、外的な要因があって多少波乱は見られるけれども、基本的にはいいんだという御主張を二人ともされているのかと思います。

 続いて、先日、国際金融経済分析会合で、スティグリッツ教授、またクルーグマン教授等が来日をされて発言をされた。黒田総裁は全編そこに同席されていると思いますし、麻生大臣も半分聞かれているのかなというふうに思います。それについて御意見を伺いたいと思います。

 なかなか示唆に富んだ御意見が多かったと思うんですが、一つは、金融政策には限界があって、需要喚起をするためには財政出動がもっと必要なんだという意見を、これはスティグリッツ、クルーグマン両氏ともおっしゃっているということだと思います。

 先ほど、櫻井審議委員が、アベノミクスというのはレジームチェンジであったんだということをおっしゃっていますが、レジームチェンジだったのは金融政策だけですね。あとの財政政策なり規制改革なりというのは、別にこれまでの政権のやっていることと特段変わりはないというか、少なくとも世論に大きなインパクトを与えるほどの、例えば構造改革、規制改革、成長戦略みたいなものがあるわけでもないし、財政出動も小渕政権がやったこととかに比べて甚だ莫大であるというわけでもないんだというふうに思いますが、そういった意味で、需要をとにかく喚起をしろというのがこの二人の意見だ。それの一環として消費税の引き上げは延期すべきだというものも、この文脈の中で恐らく言われていることなんだろうというふうに思います。

 それからクルーグマン氏については、日本では自国通貨で借り入れを行っているために財政危機は簡単に起きないんだ、だから、財政のことは一旦おいておいて、財政出動なり増税の中止なりをやったらいいんじゃないか、こういう話をされている。

 スティグリッツ氏は、一つは、先ほどの法人税減税、実効税率の引き下げのような形によるものは投資拡大に必ずしも寄与しない。むしろ、環境税とか金融課税、あるいは土地課税といったものをやった方が景気刺激に有効だ。それから、格差の是正をするということが長期的にも短期的にも経済のパフォーマンスを改善する。相続税を上げるとか労働者保護を強化するとか教育投資を行う、こういった格差是正策が経済施策としても有効だ。こういう話もされている。それから、TPPは経済的にも悪影響を与えるという意見も言われているということであろうかと思います。

 同意されるところとされないところ、それぞれあると思うんですが、麻生大臣と黒田総裁に、この辺に対する所感をお願いしたいと思います。

麻生国務大臣 基本的に、今回の国際金融経済分析会合、これは宮崎先生も御存じのように、日本はこの五月にG7というのを、伊勢志摩でサミットをやりますので、それの議長国をやりますので、それをするに当たりましては、世界的な経済状況というものに対して適切に対応するためにいろいろな方々の意見を聞くために開催するのであって、いわゆる日本の経済とか消費税の話をというために聞いているわけではない。まずこれが大前提であります。

 その上で、金融情勢等々について極めて有意義なものだと思っておりますが、まず、クルーグマン、スティグリッツともう一人、ジョルゲンソンという人の名前が出てこないのが不思議なんですけれども、新聞は書きませんものね、この人の話は。相変わらず偏っているところなんですけれども。この人の意見は違う意見だったんですけれども、これは書かない。

 しかし、今言われましたように、世界経済全体に弱さが蔓延しているんだという話とか、また、資本のいわゆるストックではなくてフローというものを通じて、各国とか地域間の間間で相互依存性が極めて高くなってきているところも事実でありますし、また、金融政策とか通貨政策のみに依存するというのはうまくいかない。これは当たり前の話でありますし、日本に限らずグローバルな問題として、財政出動というものは必要なんではないか。これはドイツやら何やら、財政に余裕があるのではないかと言われている欧州に対する話なんだと、アメリカ人ですからそういった話をしているんだと思いますので、そういった意見を伺ったところだと思いますし、ジョルゲンソンは違いましたけれども、スティグリッツ、クルーグマンという人たちはほぼ似たような流れの中だったという感じがいたしますけれども、いずれにしても、率直な意見を伺ったと思います。

 ただ、申し上げますけれども、有識者の個別の意見に対して財務大臣がそれに対してコメントをするという立場にありませんので、私は、今言われたことはそれなりに当たり前のことを言われたんだと思っておりますので、私ども日本の立場としては、今置かれている状況というのをきちんと、日本の今置いてある状況というのを正確に把握しておられるかどうかわかりませんから、日本というのは、少なくともこういった状況で企業内容等々も有効求人倍率も極めて高いという状況はほかの国とは違いますので、そういった意味では、私どもはそういう状況を踏まえて何をするかといったときに、日本に期待するところは極めて大きいというのは、終わった後二人でしゃべっても、とにかくここは政治的な安定が一番すごいので、ここが最も期待できるところだというのは皆言っていましたので、皆というのは二人とも言っておられましたので、私どももそれはそう思いますので、私どもとしては、今後ともきちっとした対策をやっていかねばならぬところだと思っております。

黒田参考人 国際金融経済分析会合の内容につきましては、政府から記者ブリーフィングが行われておりますので、その内容について一々コメントすることは差し控えたいと思います。

 その上で、御指摘のスティグリッツ、クルーグマン両氏の出席された会合において私から質問というかコメントした点だけ御紹介したいと思いますが、スティグリッツ教授が出席された会合では、日本が特にそうなんですけれども、米国もある程度同様に、企業収益が高水準であり、労働需給も引き締まっているにもかかわらず、賃上げのペースがやや緩やかなのはなぜだろうかということをお尋ねしました。

 それから、クルーグマン教授が出席された会合では、私からは、G7の各国について、財政支出を拡大する可能性について尋ねたところでございます。

宮崎(岳)委員 別に両氏がコメントがどうかということは、それぞれお立場もありましょうから。ただ、その考え方についてどうだということはちょっと所感を伺いたいと思うんです。残念ながらジョルゲンソンとか岩田教授については言及しませんけれども、それはお許しをいただくということで。

 この話の肝は、やはり需要が足りないんだ、需要を人工的に引き起こさなくてはいけない、そのために財政出動をやらなきゃいけない。まずはその財政出動が、例えば公共投資なのか人的投資なのか、いろいろやり方はあろうかと思いますが、とにかく財政出動によって需要を喚起せよというのが御主張であった。もう一つは、これはスティグリッツ氏については、格差を是正するということが需要喚起につながるという意味に私は捉えたんですけれども、こういったことだろうと思うんですが、この二点について黒田総裁、どうですか、御見解は。

黒田参考人 私、たまたまでございますけれども、スティグリッツ教授とも、それからクルーグマン教授とも、十年以上前からよく知っておりまして、両教授のお考えというのはよく承知をいたしております。いわゆるケインジアンの立場に立って政策を考えておられるということだと思います。

 両教授のお考えについて何か私から個別にコメントするというのは差し控えたいと思いますけれども、両教授とも、御自分の理論的な考え方に立って、G7諸国の経済あるいは日本経済について御意見を言われたというふうに承知をいたしております。

宮崎(岳)委員 先ほど言ったように、別に両教授が言ったからということじゃなくて、需要が不足しているんだから財政出動して需要を起こせ、この発想について、そういうことだというふうに捉えているのか、そうではないかということをちょっとお伺いしているわけでありまして、私も、先ほど鈴木委員の言ったことと結構反対の意見を言っていて甚だ心苦しいところもあるんですけれども、鈴木委員は、供給、サプライサイドの問題なんじゃないかというお話をされ、私は、クルーグマンやスティグリッツが言っているように、デマンドサイドの問題なのかなと。

 むしろそこに対する政策を十分やっていないというか、やっているんでしょうけれども、それが量的に足りていないということなんでしょうが、そういうことかなと思っているんですが、これについてはどうですか。先ほどの鈴木委員の話も踏まえてなんですけれども、需要が足りていないんでしょうか、それとも、まだ需要はある程度あるという理解なんでしょうか。

麻生国務大臣 これは宮崎先生、経済をよくしていく、景気をよくしていくに当たって、それは基本的には、金があるのか、ないのか。いや、金利がゼロでも国債が売れるという話ですから、それは金が余っているということ以外の何物でもありません。

 個人金融資産は、皆さんのところに金がないと言われる有権者がいっぱい来られると思いますが、実際問題、個人金融資産は一千六百七十兆、世界最大の個人金融資産を表向きだけで持っていますから。おまけに現預金が九百兆というような形が、これはたんす預金は別にして、表に出ているお金だけでそれだけなっておりますので、これは間違いなく世界最大の債権国であり、金融資産を持っている国であることは間違いありませんが、したがって、問題は金ではなくて需要という点に関しては、これは間違いないと思います、私も。

 その需要を喚起するための方法として、給料が上がって給与が消費に回るという消費、これが、GDPの約六割を占めます個人消費というものの六割の部分がふえるという状況にしたい。それが一つ。

 二つ目は設備投資。この設備投資も、企業がこれだけ経常利益でいえば史上空前の経常を出しているわけですから、その経常の中から設備投資に回る部分はもっとふやしてもらいたいという話を申し上げているんですが、簡単に言えば、内部留保が約五十兆ふえた中で設備投資が五兆ぐらいしかふえておらぬ。簡単に言えば十分の一しかふえておらぬ。もう少しふやしてもらってもよろしいのではないですかと。

 もう一点が、最後の政府需要です。

 この三つが大体GDPの三つを出しております三大要素の一つですから、その政府需要につきましては、予算とか公共事業とかいろいろな形のものが出されておりますので、私どもとしては、予算の執行の前倒しとかいろいろなことを今は考えておりますけれども、そういったような形で需要というものをさらに引っ張っていくことになりますけれども、しょせん政府がやる需要なんというのは、これは税金を使ってやるわけですから、そういったものではなくて、最終的に民間からの需要というものが出てこない限りは経済が好循環をしていきませんので、どこかで必ずとまりますので、そういった意味で、好循環が起きるために、政府としては、民間の企業が設備投資やら給与やら払いやすいように後押しするというような形での規制の緩和であってみたり景気刺激策であったりというのが基本的な考え方であります。

宮崎(岳)委員 総裁、御意見は同様でよろしいですか。

黒田参考人 経済政策という観点からは、需要をつけるということと、それから供給能力を高める、両方があり得ると思いますし、いわゆるアベノミクスの三本の矢というのも、金融の緩和、そして、短期的には財政刺激、長期的には財政の再建、そして、各種の構造政策を含む成長戦略による供給力の引き上げといった三つの組み合わせでということになっております。

 金融政策の面では、もちろん基本的には、実質金利を自然利子率よりも低い水準まで引き下げて民間需要を刺激する、それによって経済にプラスの効果を発揮するというものであると思いますので、基本的には需要面からの効果ということでありますが、他方で、実質金利が非常に低い形になることによって設備投資が促進されますと、設備投資は供給能力も引き上げてまいります。

 そういったことを通じて潜在成長率も引き上げるという効果もありますが、当面、短期的には、金融政策というのは需要面の政策であると言えると思います。

宮崎(岳)委員 金融政策は需要面の政策である、そういう御認識ということかと思います。

 そこで、今回の国際金融経済分析会合でも出たわけでありますが、消費税に関してであります。

 日本銀行は、二年間で二%の物価安定目標を達成するというふうにおっしゃった。しかし、三年過ぎてもそれが実現していないし、当面実現する見通しが立っていないということかと思うんです。

 その場合、ではなぜこれが達成できなかったのかということの理由として挙げられているのは、一つは原油安、もう一つは消費税の引き上げによる消費の落ち込み等、それから今言われているのは、国際的な、特に中国を中心とする景気の悪化ということだと思うんですが、これまでのところでいうと、原油の話と消費税の話かというふうに思います。

 原油の影響で物価が一%程度影響を受けているという説明はこれまでいろいろな場所でなされていると思うんですが、ということは、残り一%は消費税の影響だということでよろしいでしょうか、総裁。

黒田参考人 二%の物価安定目標を二年程度の期間を念頭に置いてできるだけ早期に実現するということで量的・質的金融緩和を導入し、それをさらに拡大し、最近時点では、マイナス金利つき量的・質的金融緩和ということで一段と強化したわけであります。

 その効果は、先ほど申し上げたように、所期の効果が出ているということは間違いないと思いますけれども、物価上昇率が、足元で生鮮食品を除くベースで見ますとゼロ%程度、生鮮食品とエネルギー関連品目を除くと一%を若干上回る水準で推移をしているということでありますので、原油価格の影響がかなり大きいということは事実であります。御指摘のように、一%程度の影響を与えているということであります。

 ただ、そのほかの要因がどういうのがあるかということになりますと、いろいろな要因が重なっておりますので一概に言うことはできないと思いますが、消費税率の引き上げが経済や物価に影響を与えたということは事実でありまして、我々の最近時点の計算では、二〇一四年四月の消費税率三%引き上げというものが二〇一三年度には成長率を〇・五%ポイント引き上げ、これは駆け込みですけれども、それで、二〇一四年度は反対に一・二%ポイント下押しした、引き下げたというふうに判断をしております。

 これは、事前に予想しておりましたよりも駆け込み需要の寄与が大きく、その結果として、税率引き上げ後の消費の反動減も予想よりも大きかったということであります。

 成長率についてはそういう試算ができておりますけれども、物価に与えた影響については政策委員会として具体的な試算は示しておりませんが、今申し上げたように、実質成長率の下振れというものが、需給ギャップの改善ペースをおくらせる等を通じて物価の下押しにも寄与したのではないかというふうに考えております。

 そういう意味では、二〇一四年四月の消費税率引き上げ後、需要面での弱さが見られた、消費を中心に見られたということはそのとおりでありますけれども、先ほど来申し上げておりますとおり、現時点で、生鮮食品を除く消費者物価の上昇率がゼロ%近傍で推移していることの大半の理由は、やはり原油価格の下落であるというふうに考えております。

宮崎(岳)委員 しかし、二年で二%物価上昇する、それは恐らくこれまでの答弁からいうと、そういう目標設定は無理な設定ではなかった、十分実現可能な設定だった、こういう理解だと思うんですね。として、原油の寄与がマイナス一%分だとすれば、残りの一%分は何なんだろうということは、これは考えなきゃいかぬ。

 確かに総裁おっしゃるとおり、生鮮、エネルギーを除く指数、あるいはコアコアCPIと言われる食品、エネルギーを除く指数みたいなものも、それは総合よりはいいわけですが、とはいっても一%内外ということですから、やはり残り一%、原油以外の部分というのは、残り一%は当然あるということだと思うんです。

 そうすると、そのときの消費税のインパクトというものは、この原油安に匹敵するようなインパクトなのか、それとも原油安に比べて全く小さいインパクトなのか。これはどうなんでしょうか、その規模感。

黒田参考人 先ほど申し上げたとおり、これはもちろん政策委員会としての見通しでございますけれども、二〇一四年四月の消費税率引き上げが経済や物価に与える影響については、事前に一定の予測をしておりまして、事前の予測では、二〇一三年度の成長率を〇・三%ポイント押し上げて、二〇一四年度には逆に〇・七%ポイント下押しするというふうに見ていたわけですが、先ほど申し上げたように、それが、二〇一三年度にはプラス〇・五%押し上げて、二〇一四年度にはマイナス一・二%ポイント影響した、下押ししたということでありますので、予想よりも大きくなったということは事実であります。

 ただ、事前にある程度の予想をしており、それを踏まえて物価上昇率の予想をしておりましたわけですので、機械的に計算はできないと思いますが、消費税率引き上げの影響が、結果的に私どもの物価上昇見通しが外れて下押しになったということの部分の大半を説明するというものではなくて、大半を説明するのはやはり石油価格の下落が大きい。消費税率引き上げの影響が予想以上に大きかったということが物価上昇率の見通しが外れたことの一因であることは事実ですけれども、石油価格と匹敵するほどではないと思います。

 どの程度かというのは、先ほど申し上げたように、石油価格については一定の試算ができますけれども、消費税については、先ほど申し上げたように、成長率の見通しが予想よりも下がったということの試算はしておりますけれども、それがどの程度物価に、見通しよりも下がったかという要因として具体的に政策委員会で試算しておりませんので何とも申し上げられませんけれども、その他にもさまざまな、御承知のように、天候要因とかその他いろいろな要因がございましたので一概に申し上げるということは非常に難しいと思いますが、全体を総括して言うと、やはり原油価格の下落が一番大きくて、消費税率の引き上げが予想以上にマイナスの効果があったということの影響というのは、原油価格の下落に比べると小さいものだというふうに思っております。

 ただ、具体的な数字は手元に持っておりません。

宮崎(岳)委員 やはり二%の目標を持っている、マイナス一%分は原油の影響だ、すると、残り一%は何なんだろうというのは誰しも思う疑問だと思います。それが、次の消費税引き上げるときに、特に物価に対してどの程度の影響を与えるかということも、これもさまざまな判断の基準になるんだろうというふうに思っているということでこの質問をさせていただいたわけなんですが、日本銀行がやることというのは金融政策なわけですので、今の局面でいうと、金融緩和をいつ、どの程度の規模でやるか、あるいはやらないのか、こういうことなんだと思います。

 次に金融緩和をやるとすれば、これは量的・質的緩和というものと、あるいはマイナス金利の拡大というものと、どちらを選択することになるんでしょうか。あるいは、どちらを選択するかということについて、どのような要素が基準となって、どちらを選択するかということが決まるんでしょうか。

黒田参考人 一月末に決定いたしましたマイナス〇・一%というマイナス金利に伴う金利低下効果は極めて大きいわけでございます。現に、国債の全体のイールドカーブがかなり大幅に下落しております。

 日本銀行といたしましては、マイナス金利つき量的・質的金融緩和を着実に推進していくことで、消費者物価の前年比は物価安定の目標である二%に向けて徐々に上昇率を高めていくと考えております。

 もとより、従来から申し上げているとおり、経済、物価のリスク要因を点検して物価安定の目標の実現のために必要だと判断した場合には、ちゅうちょなく、量、質、金利の三つの次元で追加的な金融緩和を講じる方針でございます。

 ただ、その際、この三つを全部使うのか、あるいはその一部を使うのか、どのような組み合わせで行うのかというのは、やはり、その時点の金融経済情勢を十分踏まえて、物価安定の目標を実現するために必要かつ最も適切な施策を講じるということに尽きると思います。

 これは、先ほども鈴木委員の御質問に対して触れましたように、欧州の中央銀行ECBも、現在は、実は金利と量と質と、三次元で金融緩和を続けておりまして、今後、その三つの次元のどのような組み合わせで必要に応じて行うのかということは、具体的なことは何も申してきておりませんけれども、やはり、その時点の経済や金融の情勢に合わせて必要なことを行うということに恐らく尽きるんじゃないか。私どもも全くそのような考えでおります。

宮崎(岳)委員 その時点の経済、金融の状況を見て決めるというのは当然のことでありまして、あえて申し上げるほどのことではないということだと思うんですが。

 といいますのは、量的緩和の目的も最終的にはイールドカーブを引き下げることだ、マイナス金利もイールドカーブを引き下げることだ、こういう御説明だと思うんです。ただ、マイナス金利の場合には、オーバーナイトの部分がマイナスにまで入っていくということで、短期の部分は非常に下限の余地が大きくなる、それに引きずられて長期の部分も下がってくる、こういう話だと思うんです。

 そうすると、この二つを、例えば次に、質の話はちょっと細かいのでおいておきますが、総裁は、もちろん量的なことをやるかもしれない、あるいはマイナス金利もやるかもしれない、あるいは両方組み合わせるかもしれない、こういう話をしているんですが、この二つのどちらかを選択するというときに、一体どういう要素がその判断の基準なんですか。

黒田参考人 これは、個別にいろいろな要素が判断の材料になってくると思います。

 それは、例えば、量的・質的金融緩和を導入した際、それを拡大した際、そして今回のマイナス金利つき量的・質的金融緩和を導入した際、いずれも委員の間でさまざまなオプションについての議論が行われて、最終的に、今申し上げたような三つの大きな金融政策の決定が行われたわけです。

 例えば、直近のマイナス金利つき量的・質的金融緩和の導入の際には、議事要旨が既に公開されておりますけれども、追加的な措置をとる必要があるということが多数の意見でありまして、それを踏まえて二つのオプションが検討されました。

 従来の量的・質的金融緩和を拡大する案と、それから、マイナス金利を導入する案というのが議論されまして、一月末の金融情勢や経済の動向を踏まえて、この際はマイナス金利の導入をしてマイナス金利つき量的・質的金融緩和ということを実施し、それによって、今後とも量、質、金利という三次元で緩和をするオプションを確保するという決定に至ったわけでございます。

 先ほど申し上げたように、現時点ではこの効果が極めて大きいわけでございますので、これを推進して二%の物価安定目標に向けて引き続き努力していくということに尽きますけれども、何度も申し上げますが、必要があれば、この三つの次元のどのような組み合わせでやるかということはちゅうちょなく決めるつもりでありますけれども、それはやはり、そのときのさまざまな経済や金融市場の動向、これは、経済といいましても、まさに日本国内の、あるいは国外の状況、それから、いろいろな需要項目ごとに動きが違いますし、また、物価がどのように動いているかといったことも含めて経済、物価の動きが一つあると同時に、金融市場、特に我が国の金融市場においてさまざまな金融市場がどのような動きをしているのか、その際に、量が一番適当なのか、あるいは質が適当なのか、金利が適当なのか、また、それの組み合わせが適当なのかというのは、やはり実態を踏まえて総合的に判断するしかなくて、事前に、こういう状況であれば量であるとか、こういう状況であれば金利というふうに決めることは難しいというふうに思っております。

宮崎(岳)委員 マイナス金利の効果が非常に大きいというお話でありました。

 イールドカーブをただ下げるということが量的緩和の目的でもあるなら、もちろん、質的なというところでいうとほかの要素はいろいろあると思うんですが、量的な緩和の主眼の目的がイールドカーブを引き下げるということだけであるならば、それはマイナス金利をやった方が簡単だし、話もシンプルなような気もするんです。

 そういった意味では、当然、前回は緩和の手段を拡大するということでマイナス金利ということをやったと思うんですが、当面は、既に金利がここまで下がっている状況の中でとり得る手段としては、やはりマイナス金利の方に主眼が置かれているようなニュアンスに今聞こえたんですけれども、そういうことでよろしいんでしょうか。

黒田参考人 特にマイナス金利の方に主眼が置かれているということはございません。

 イールドカーブ全体を引き下げるといいましても、その時点で経済、物価の情勢を踏まえて金融市場の動向を見たときに、このイールドカーブのどのあたりが特に引き下げる必要があるかということは、その時点でやはりいろいろな判断があろうと思いますし、マイナス金利の導入によってイールドカーブ全体が非常に大きく下がったということは事実なわけですけれども、それはあくまでも量的・質的金融緩和が続いているもとでございますので、マイナス金利だけで全体が下がったというふうに言うこともできないと思いますので、量、質、金利という三次元の緩和のオプションがある中でどういう組み合わせでやったらいいかということは、やはり、経済、物価の状況あるいは金融市場の状況に合わせて行うということで、マイナス金利が簡単だからマイナス金利で今後は必要に応じて追加緩和をしていくということでは必ずしもありません。

宮崎(岳)委員 なるほど。そうすると、イールドカーブのどの部分を下げるかというような、そのカーブの傾きかげんを見ながら決める、こういう意味でよろしいんですか。

 例えば、下限のところは結構下がっているんだけれども、長いところが十分下がっていないというと、例えば超長期国債みたいな、十年以上みたいなものを大量に買えば下がるんじゃないかとか、傾きとかでこぼことか、そういうところを見ての判断ということでよろしいんですか。

黒田参考人 それは、量的・質的金融緩和導入以来、基本的にどのようなレンジで買うかということは微調整をずっとしておりまして、イールドカーブ全体の形、傾き、レベルというものを考慮しながら、量的・質的金融緩和、あるいは現在でいえばマイナス金利つき量的・質的金融緩和を行っておりますので、そういった意味では、当然、イールドカーブの形状、傾き、レベルというものは十分考慮しながら、この現在の緩和を続けております。

 なお、イールドカーブの形状とか傾き、レベルにつきましては、御承知のように、さまざまな経済理論がございまして、大きく分けても、いわゆる短期金利の将来予想でイールドカーブが決まってくるという理論と、そうではなくて、各レンジごとのマーケットの需給で決まるという理論と、大きく分けて二つあるわけで、そのほかにもさまざまな理論がありまして一概に決めつけることはできませんが、やはり、イールドカーブ全体の形状、傾き、レベルというものを経済の実態に合わせて金融政策で動かしていくという場合には、金利だけでは、つまり、超短期の金利だけの操作では必ずしも十分ではなくて、どこの国の中央銀行も、欧米の中央銀行は全て、いわば量的・質的金融緩和というものを続けることによって、イールドカーブ全体を引き下げる、それは、レベルもありますし傾きもあるし形状もあるということで、いわゆる非伝統的金融政策を続けているんだと思います。

 今後とも、私どもも、二%の物価安定目標の実現を目指してこれを推進してまいりたいと思っております。

宮崎(岳)委員 時間となりました。ちょっと十分質問し切れなかったところは残念なんですけれども。

 いずれにせよ、これで質問を終わりますが、私、非常に経済的には厳しい状況に差しかかっているんじゃないかという認識がありまして、例えば今の消費税の引き上げも、予定どおり行うというのは困難じゃないか。あるいは、かつて我が党の参考人の片岡先生が、経済を活性化するために五%に引き下げることも一つの選択肢だ、そのような話もされたと思いますが、そういうことも踏まえて十分な御対応をお願いしたいと思います。

 以上です。

宮下委員長 次に、宮本徹君。

宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。

 まず初めに、きょうは保育士の子供の待機児童の問題について少しお伺いしたいと思います。

 新年度が始まり、保育園も新しい園児を迎えました。しかし、保育士の子供が待機児童になって、保育士さんが育休から復帰できないまま新年度を迎えた保育園もたくさんあります。

 私の近所のある民間の認可保育園の園便り、ここにも悲鳴が書かれております。園の保育士も自分の子供を入園させるのに悪戦苦闘、一人は保育園に入れられず育休延長、もう一人は何とか自治体基準の地域型保育園に入れたものの、認可保育所と違い、制約が大きく、フルタイム勤務が困難な状況ですということが書かれております。

 同じ目黒区内の別の民間の認可保育園の園長さんにもきのうお話を伺いましたが、ここは、育休三人のうち二人は復帰できたけれども、もう一人は、手だてを尽くしたけれどもどこにも入れずに、育休を延長せざるを得なかったということです。

 東京だけでも認可保育所、認証保育所で三千近くありますので、こういう方は相当な数に、千の単位になるというふうに思います。保育園の側は、今、延長保育が求められていますから、夜八時十五分ぐらいまでやっているところも少なくありません。そうすると、早番、遅番のシフト、残った保育士さんが回数がふえて、保育士さんの労働環境は厳しくなる。保育士確保が大事なときに、逆に保育士を続けるのが困難な状況が生まれております。

 そして、育休を延長した保育士さんも、育休ですから、どこまでも延長できるわけじゃないわけですよ。きのう伺った話では、その保育士さんは、育休延長したけれども、期限は七月までだ、ここまでに復帰できなければ、本人の意に反して潜在保育士になってしまうということであります。

 厚労省と内閣府は、ことしの二月十五日に事務連絡を出して、「保育士等の子どもを対象とする保育所等の優先利用等について」という文書が出ていますが、出たのは二月十五日ですから、第一次の入園選考が終わるころで、これは遅過ぎたと思うんですよ。三月末に発表された政府の緊急対策でも「保育士の子どもの優先入園」というのが掲げられておりますが、今の待機児童問題解決にとっても至急実効ある手だてをとっていく必要があるというふうに考えております。

 厚労省にお伺いしますが、実際に、保育士の子供の優先利用ができている自治体というのはどれだけあるのか、あるいは、育休から復帰できないあるいはフルタイム復帰できない保育士がどれぐらいいるのか、早急に実態をつかむ必要があると思いますが、いかがでしょうか。

三ッ林大臣政務官 宮本委員にお答えいたします。

 平成二十六年九月の内閣府、文部科学省、厚生労働省の三府省連名の通知におきまして、保育士の子供については保育園等を優先的に利用することができることを自治体宛てに示しております。また、本年二月にも再度、保育士の子供についての優先利用に関する周知を事務連絡により行うとともに、同月に開催された全国児童福祉主管課長会議の場においても周知を行ったところでございます。

 保育士の子供を優先利用の対象とすることは、保育士確保につながり、保育の受け皿拡大にも資するものと考えており、引き続き周知徹底を図っていくとともに、実際にそのような運用を行っている自治体について、今後その実態把握に努めてまいりたいと考えているところでございます。

宮本(徹)委員 それで、自治体の側がなぜその仕組みをつくっていないのかというのも少し聞いたんですけれども、これだけ待機児童がいる中で、保育士を優先する制度をうちの区でつくったとしたらクレームが来るんじゃないか、こういうちゅうちょがあるというんですね。

 ですから、自治体に連絡を出して、やれるところはやってくださいというんじゃなくて、保育士は優先的に入れるようにするんだ、そういうがっちりした制度を国としてつくってほしい、こういう要望があります。ですから、周知するだけじゃ足りないと思っているんですね。事は具体的ですから、どこの園の○○先生が入れなくて待機児童になっているというのをやはり自治体を通じて全部具体的に把握するというのが必要だと思うんですよ。

 それで、きのう話を伺ったのは目黒区内の保育士さんですけれども、住んでいるのは横浜市ということです。だから、居住地と勤め先の保育園が都県をまたいでいるというのは、東京の場合、たくさんあります。

 ですから、国が相当なイニシアチブを発揮して、急いで実態をつかんで、保育士さんが職場に戻れるようにする対策を打つ必要があると思うんですが、いかがでしょうか。

三ッ林大臣政務官 お答えいたします。

 保育士が自身の子供を保育園などに預けて保育現場で働けるよう環境整備を行うことは、保育士確保につながり、より多くの子供の保育の利用を可能とするものと考えております。

 こうしたことから、与党からの提言も受け、三月二十八日に厚生労働省が公表した「待機児童解消に向けて緊急的に対応する施策について」においても、「保育士の子どもの優先入園を推進する。」旨を盛り込んだところでございます。

 また、平成二十七年度補正予算におきましては、保育士修学資金貸付等事業に、新たに未就学児のいる保育士に対する保育料の一部を貸し付けするメニューを創設し、一定期間勤務すれば返済を免除するとともに、保育士の子供を優先入園させるよう調整等を行うこととしております。

 国としても、自治体に向けた周知のさらなる徹底を図るとともに、引き続き各自治体の取り組みを促してまいりたいと考えているところでございまして、早急に対応したいと思っております。

宮本(徹)委員 ですから、柱立てができているのはわかるんですけれども、自治体への周知だけじゃなくて、やはり、国として制度をつくっていく、そこまで踏み込んでいかなきゃいけないと思いますし、もう育休が延長しても切れちゃう人たちがいるわけですよ。そうなる前に復帰できるように具体的な策を検討していただきたいというふうに思います。

 続きまして、きょうは都市農業と税制の問題についてもお伺いしたいというふうに思っております。

 昨年、都市農業振興基本法が制定されました。長年、政府の政策では、都市の農地は宅地化しようという方向があったわけですけれども、この法律をきっかけに、都市の農業はあるべきものだ、保全しなきゃいけないという方向に転換をいたしました。

 東京でいえば、この十年間で農地は二割、約一千ヘクタール減っております。一番の原因は、相続のときに相続税を払うために農地を売らざるを得ないからです。ですから、都市農業は三代で消えるというふうに言われております。

 先日話を伺った清瀬市の農家の方も、相続のときにウン億円払うために農地四分の一を手放さざるを得なかったとおっしゃっておりました。東久留米でも、話を聞いた方は、以前はホウレンソウ農家、市内でも中心の農家だったわけですけれども、相続で農地は今は数分の一になって、市場出荷もしなくなっているという状況です。

 今、都市農業振興基本計画が検討中ですが、パブリックコメントでも一番多く寄せられた意見というのは、税制上の措置をしっかりとってほしいということでした。

 農水省にお伺いしますけれども、都市農業を未来にわたって守るためにはどういう方向での税制上の措置が必要だとお考えなんでしょうか。

加藤大臣政務官 お答えいたします。

 都市農業に重要な農地の保全と税制は密接な関連がありますので、その保全を図るために税制のあり方を検討することは重要な課題と認識をいたしておるところでございます。

 このため、現在、農林水産省及び国土交通省で策定をしている都市農業振興基本計画の案においては、農業者等の要望を踏まえて、保全すべき農地の資産価値や農業収入に見合った保有コストのあり方、そしてまた、生産緑地等を貸借する場合における相続税の納税猶予のあり方について、課税の公平性、政策的意義、土地利用規制とのバランス等を踏まえて検討することといたしております。

 今春をめどに都市農業振興基本計画を政府として決定をした後に、土地利用規制等の措置を含めた法制度、都市農業の継続に必要な税制上の措置について検討を進めてまいりたいと考えております。

宮本(徹)委員 今お話しあったように、生産緑地の相続税納税猶予は、貸し出した場合も含めて対象にしようという検討、あるいは、生産緑地に指定されていない市街化区域内農地の固定資産税の軽減などが検討をされているわけですけれども、これだけでも足りないというふうに思うんですよ。

 農家は、自宅の敷地も広いわけですね。納屋もあります。農作業の場所もある。屋敷林がある場合も少なくありません。ある都内の農家の方、家族六人で農業をやって、収入は五百万だと。だけれども、固定資産税は幾らか、百万かかるということでした。

 東京の多くの農家は、農業収入だけでは暮らせませんので、多くの場合、アパートやマンション、不動産を持っています。不動産収入と合わせて暮らしているわけですよ。そして、相続のときにはこれにも相続税がかかるということになりますから、大体、不動産を売るのか農地を売るのか、こういう悩みに突き当たるわけですよ。ですから、可能な限り相続税を軽くする支援をしないと、都市の農地を守ろうと思っても、どんどん減っていくということが続くと思います。

 そこで、お伺いしますけれども、やはり事業用宅地だとか農業用施設用地だとか屋敷林についても、固定資産税の抜本的な軽減だとか、あるいは、相続税納税猶予制度の適用というのが必要になってくるんじゃないでしょうか。いかがでしょうか。

加藤大臣政務官 お答えいたします。

 農業用施設用地や屋敷林などは、農地と比べて、権利移転等に係る厳しい規制が存在するわけではございませんので、このような現状では、相続税の納税猶予のような税制上の措置は、課税の公平性という観点から問題があるのではないかと考えておるところでございます。

 一方、都市農業振興基本計画案に係るパブリックコメントでは、農業用施設や屋敷林への相続税納税猶予の適用等を求めるものが一定数あったことも事実であります。

 このため、農業用施設用地や屋敷林等については、課税の公平性等を考慮しながら慎重に検討を進めてまいりたいと考えております。

 なお、都市農業振興基本計画案においては、屋敷林について、「緑地保全制度の活用等を促進するとともに、地域住民の参画による農業景観の保全活動の展開を推進する。」こととしておるところでございます。

宮本(徹)委員 パブリックコメントで一定数意見が寄せられたとおっしゃいましたけれども、私もパブリックコメントの概要を見ましたけれども、一番多く寄せられている意見の一つが、農業用施設用地だとかも含めて相続税納税猶予を適用すべきだという意見でした。

 ですから、慎重に検討じゃなくて、どうやったら都市農業がしっかり残っていくのか、こういう見地で積極的に検討をしていただきたいというふうに思います。

 先ほどのお話でも、いよいよ都市農業振興基本計画が閣議決定されるということになりますので、今検討されているものについては次年度の税制改正ということで俎上に上ってくるのかなと思いますけれども、麻生大臣、都市農業をしっかり守っていくために、次年度には、税制改正そして予算で必要な措置をとっていく、この決意を伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。

麻生国務大臣 都市農業が必要だという話は、これは、新鮮な農産物の提供とかいう簡単な話から、いわゆる防災空間の確保という面も最近多く言われるところでもありますし、緑等々、農業体験の場の提供、いろいろ多様な機能というのを発揮しておりますので、重要な課題であるんだと認識をいたしております。

 したがいまして、都市農業振興基本計画というのを踏まえまして、今農林水産省の方から説明があっておりました都市農業に係る相続税の納税猶予のあり方とか市街化区域内の農地の保有に係る税負担のあり方等々について、税制改正のプロセスにおいて関係省庁とよく詰めてまいりますが、今、納屋等も対象にすべきだというお話があっていましたけれども、行ってみたら納屋に外車がとまっていたり、難しいんですよ、これはいろいろ現場を見ると。だから、そういったものをよく詰めませんと、現場に行ってみないとなかなかわからぬというのが実態であるということも頭に入れてやらないかぬところだと思っております。

    〔委員長退席、松本(洋)委員長代理着席〕

宮本(徹)委員 いや、私も都内の農家をよく回りますけれども、納屋に外車がとまっているのは一度も見たことはありません。本当に少ない収入の中で、懸命にやはり農家としての誇りを持ってやられている方ばかりですので、都市農業を守る重要性は麻生大臣もおっしゃっていますので、必ず次年度の税制改正をしっかりやっていただきたいというふうに思います。

 最後、残された時間で消費税の問題について一言質問をしたいと思います。

 四月一日に発表された日銀短観で、大企業のDIが大幅に悪化をいたしました。この原因について、先ほどのやりとりでは、アジアの新興国の経済が弱いからだという話もありました。外需頼みのやり方ではだめだということも言えるんだと思います。この間、大企業を応援するんだということで法人税減税をやりましたけれども、設備投資にも賃上げにも下請にも回らず、内部留保がふえただけでした。中小企業のDIも悪化しております。

 ですから、アベノミクスでは、トリクルダウン、経済の好循環はもう起きなかった、これが今度の日銀短観でも示されているんじゃないでしょうか。

麻生国務大臣 先ほども話があっておりましたように、日銀の短観での話で、ディフュージョンインデックス、いわゆる業況判断が悪いパーセンテージがずっと並んでおったのは事実なので、弱さが見られるということも事実なんだとは思います。

 景気というのは、もう御存じのように、これは海外要因を含めてある程度循環があるのは事実ですので、例えば政権交代前と比べて見ますと、二〇一三年十二月の調査以降、いわゆる業況判断、プラスというのはゼロ以上ということですけれども、これが、中小企業のプラスがとにかくこれだけ長く、何年続いているんですかね、ずっと続いておりますのは、バブル期以来これだけ続いたことはありませんので、そういった意味では、いろいろなものの情勢というのをしっかり判断しつつ、民需主導の好循環というものができ上がっていくという方向に向けて取り組んでいかないかぬと思っております。

 私どもは、最初から、トリクルダウンなんといった話はよくされますけれども、トリクルダウンというのは言ったことはありませんので、経済全体のパイを大きくするという話をずっと申し上げ、賃金を引き上げるなどをやっていかねば経済の好循環が回っていかないんだということを申し上げてきたんだと記憶します。

宮本(徹)委員 それで、中小企業のDIがプラスがこんなに長い間続いたことがないというふうに今おっしゃいましたけれども、日銀短観を見ましても、中小企業製造業はマイナス四になったわけですね、今回。そして、先行きはマイナス六ということで落ち込んでいるわけです。そういう見通しになっているわけですよ。

 しかも、国民生活を見れば、実質賃金は低下している、実質の可処分所得も大きく減っている。個人消費が大きく落ち込んでいることが、経済の好循環が生まれない根底にあるわけですよ。

 ここまで日銀の短観でも経済状況は悪化してきているわけですから、消費税増税はきっぱり中止すべきじゃないですか。

    〔松本(洋)委員長代理退席、委員長着席〕

麻生国務大臣 これは、先ほども同様の御質問がありましたのでお答えをしておりますとおりでありまして、総理がこれまで述べられておられます方針について、いわゆるリーマン・ショック、また大震災等々の大きな状況変化が起きない限り、こういったものに対しては、基本的に我々は、その他の指標を見ましても、経済状況としてはファンダメンタルズはしっかりしておると思って、一年半前とは極めて状況は違っておるという認識を持っております。

宮本(徹)委員 ファンダメンタルズはしっかりしていると言いますけれども、日銀の短観でもここまで悪化してきているわけですよ。

 ですから、国際金融経済分析会合で学者さんの意見を聞くのも大事なことかもわからないですけれども、世界の経済分析だけじゃなくて、やはり日本の経済の現状、国民の暮らしの現状にしっかり目を向けて、消費税増税は中止すべきだと申し上げまして、質問を終わります。

宮下委員長 次に、宮本岳志君。

宮本(岳)委員 日本共産党の宮本岳志です。

 財務大臣と給付型奨学金の創設について議論をしたいと思うんです。

 我が党は、去る三月十七日、国立も私学も、十年間で大学学費を半減する、月額三万円の給付型奨学金を七十万人に支給する等々を内容とする学費・奨学金の抜本的な改革提案というものを発表させていただきました。今、学生とその家庭の経済的貧困の問題は、各党とも党派を超えた真剣に取り組むべき課題となっております。

 そういう状況の中で安倍総理は、三月二十九日、予算の成立を受けた記者会見で、家庭の経済事情に関係なく、希望すれば誰もが大学にも専門学校にも進学できるようにしなければなりませんと言い、返済が要らなくなる給付型の支援によってしっかりと手を差し伸べてまいりますと語られました。

 こう言われれば、誰もが、ついに政府も給付型奨学金の導入に踏み切る腹を固めたと受け取るのは当然のことであります。時事通信は「給付型奨学金を創設」と配信しましたし、産経も「安倍首相 給付型奨学金創設を表明」と報じました。「首相、給付型奨学金創設を明言」という共同通信の配信記事は、ロイターによって世界に発信をされました。

 そこでまず、きょうは、総理にと思いましたが御出席がかないませんので、萩生田内閣官房副長官にお出ましを願っております。

 首相は記者会見で、日本学生支援機構等の奨学金事業に給付型奨学金を創設することを明言したんですか。

萩生田内閣官房副長官 お答えします。

 三月二十九日の総理記者会見では、児童養護施設や里親のもとで育った子供たちが進学した場合、毎月家賃相当額に加えて五万円の生活費を支給し、卒業後五年間仕事を続ければその返還を免除する新しい制度を始めた旨言及をされました。

 これは、平成二十七年度補正予算で措置したものであり、現在、早期の募集に向け準備を進めているものであります。

 御質問者がおっしゃったように学生支援機構で給付型奨学金を始めるというのではなくて、まずできるところから今年度スタートしようということの一つの例示として、この児童養護施設や里親の皆さんの例を示しました。

 もう一つは、現在政府において、不幸にして犯罪被害に遭われた子供たちに対する給付型奨学金を創設すべく準備をしている、このことも公にしているところでございまして、全ての奨学金を給付型に切りかえるという段階にはまだ至っておりません。

宮本(岳)委員 首相会見の翌日、三月三十日には、菅官房長官が火消しに躍起になっておられます。

 配付資料一をごらんいただきたい。これが首相会見の該当箇所であります。

 ふたをあけてみれば、児童養護施設や里親のもとで育った子供たちが進学した場合に毎月五万円の生活費を支給し、卒業後五年間仕事を続ければ返還を免除する、こういう新しい制度を説明して、この制度を給付型の支援と呼んでおられるだけだという説明でありました。

 児童養護施設や里親と関係のない、あるいは先ほど御答弁のあった、不幸にして犯罪被害に遭われた子供、こういう特別な子供でなければ、ただ単に一般の貧困家庭の学生たちに給付型奨学金が創設されるという話ではないわけであります。

 ですから、これは本当にぬか喜びだった、私に言わせれば、言葉は悪いですけれども、給付型奨学金詐欺ではないかと言わざるを得ないんですね。

 もちろん、児童養護施設や里親のもとで育った子供たちに返済が要らなくなる給付型の支援をすることは、これは必要なことでありますし、よいことであります。

 そこで、きょうはこの制度を所管する厚生労働省に来ていただいております。

 首相は、「新しい制度を始めました。」、こう語ったわけでありますけれども、この制度、今すぐにでも、きょうにでも申請はできることになっておりますか。

吉本政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいまお尋ねのございました新たな自立支援貸し付けでございますけれども、本事業につきましては昨年度の補正予算について新たに措置されたものでございます。

 本事業につきましては、一部の道府県に対しましては既に補助金の交付決定をいたしております。現在、その他の県も含めまして、各都道府県におきまして早期の募集に向けて準備を行っているところでございまして、今後募集が開始された際には、補正予算が成立しました一月にさかのぼって貸し付けをさせていただくことも可能としているところでございます。

宮本(岳)委員 始まりましたとおっしゃったわけですが、現時点ではまだどこでも始まっていない、これからだということであります。

 資料二を見ていただきたい。厚生労働省がこの制度を説明したポンチ絵であります。

 児童養護施設退所者の大学等への進学率はわずか二二%と言われておりまして、一般の七割に比べても格段に低くなっております。児童養護施設は十八歳までしかいられませんので、退所した後は家賃も生活費も自分で稼がなくてはなりません。とても進学どころではないという経済的な理由が背景にあります。

 この制度は、それらの若者たちに家賃相当額を支援するとともに、進学する若者には、それに加えて生活費月額五万円を貸し付け、卒業後五年間の就業継続で返還を免除しようという制度であります。

 厚労省に重ねて聞きますけれども、この貸付金は、卒業後五年間について返済が求められるのか、そして仮に、最初に就職した会社がさまざまな事情で合わなかったという場合、泣く泣く五年間勤め続けなければ、会社をやめたら直ちに返還が求められる、こういうことになるんですか。

吉本政府参考人 ただいまの貸付事業でございますけれども、大学等に在学中に貸し付けを受けていた方が卒業して就職した場合、就業を継続している間につきましては返還は猶予でございます。

 また、最初に就職した企業を離職した場合でありましても、例えばすぐ再就職をなさるとかいった形で、就業を継続している場合と同等と考えられる場合につきましては、できる限り柔軟に取り扱いたいと考えております。

宮本(岳)委員 それは当然のことだと思うんですね。

 もう一度、この資料二を見ていただきたいんです。

 これで、児童養護施設等の退所者で進学する方には、緑色の家賃、それから、黄色の生活費五万円も支給され、そして、五年間継続して働けば返済の必要もなくなる、その五年間も返還は求められません。

 ところが、その上に、各種奨学金(日本学生支援機構等)という赤枠のものが乗っかっております。これは、国立で年間五十万円強、私学なら年間百万円を超える高い学費を日本学生支援機構から借りる制度なんですね。日本学生支援機構の奨学金は、全て貸与型であります。給付型の奨学金は、現状は全くありません。

 文部科学省に聞きますけれども、児童養護施設退所者等が学費のためにこれを借り入れた場合、この返還はいつから始まることになりますか。

松尾政府参考人 お答えいたします。

 日本学生支援機構の奨学金でございますが、貸与が終了した月の翌月から数えまして七カ月目から返還が始まることとなっております。

 具体的には、大学等を三月に卒業いたしまして貸与が終了した場合には、その年の十月から返還が始まることになっておりますが、年収三百万以下など、経済的理由により奨学金の返還が困難な方々に対しましては、毎月の返還額を減額し長期間かけて返還をいただいております減額返還制度、または、返還期限猶予制度により対応を行っているところでございます。

 特に、返還期限の猶予制度につきましてでございますが、卒業後の御本人の年収が三百万円を超えるまでは、お申し出により、最長十年まで返還を猶予することが可能となっております。

 特に、平成二十四年度から導入されました現在の所得連動返還型無利子奨学金制度でございますが、これにつきましては、無利子奨学金の採用時に親権者等がいない場合、これは児童養護施設の退所者が想定されるわけでございますけれども、卒業後の御本人の年収が三百万円を超えるまでは、お申し出により、無期限で返還を猶予する、そういう制度になってございます。

宮本(岳)委員 今の所得連動返還型無利子奨学金、こういったものは全て一種奨学金しかないわけですよね、成績要件が厳然とついておりまして。もちろん、児童養護施設等退所者の方でも成績優秀者はいらっしゃると思うんですけれども、しかし、これはなかなか枠が狭いわけでありますし、そもそも、今の話、前段の厚生労働省の説明では、生活費、家賃の方は、就労を継続しておりましたら五年間請求されないわけでありますけれども、学費の方は、結局、七カ月たてば返還が求められてくる。三百万に達するまでは猶予できるとはいうものの、そういう手続をとらなければ、猶予も受けられないということになります。

 文部科学省は、二〇一二年度予算概算要求で、かつて一度だけ、日本学生支援機構の奨学金について、給付型奨学金の創設を要求したことがございます。

 文部科学省に聞きますけれども、このとき要求した大学等修学支援奨学金事業の事業目的はどういうものでありましたか。

松尾政府参考人 お答えさせていただきます。

 平成二十四年度概算要求におきまして要求させていただきました大学等修学支援奨学金事業の目的でございますが、意欲と能力のある者が経済的理由により大学進学等を諦めることがないよう、無利子の奨学金貸与のみでは修学が困難な者に対しまして、給付型の奨学金を支給するということにより、教育の機会均等を図るということであったと思います。

 なお、当該概算要求の結果でございますけれども、給付型奨学金につきましては財源の確保等の課題によりまして盛り込まれないこととなり、その代替策として、入学時の家計支持者の年収が三百万以下である場合には、卒業後の本人の年収が三百万円を超えるまでは返還期限を無期限に猶予するという現行の所得連動返還型無利子奨学金制度が導入されるということになったと承知しております。

宮本(岳)委員 このとき文科省は、無利子の奨学金貸与のみでは修学が困難な者が確かに存在するという現状認識の上に立って、この給付型奨学金の概算要求を行ったわけであります。

 聞きますけれども、このときには確かに存在した無利子の奨学金貸与のみでは修学が困難な者というのは、その後いなくなったんですか、今はいないんですか。

松尾政府参考人 結果といたしまして、無利子、有利子、両方で貸与いただいておりまして、その上で、返還の猶予が可能となります、現在、二十九年度導入を目指しております所得連動返還型奨学金制度等々になっていると理解しております。さらには、返還困難な方に対しましては、減額で月々返還をいただくという現在の制度になっているという理解でございます。

宮本(岳)委員 二〇一二年に文科省が給付型奨学金の創設を概算要求したときに、これを冷たく却下したのは財務省だというふうに聞いております。

 麻生大臣は、私がこの間、予算委員会等々で給付型奨学金の創設を何度求めても、「借りたお金は返すというのは当然だ」、「日本人の良識として、これが一番肝心なところだ」、こう繰り返すばかりでありました。

 大臣、では聞きますけれども、総理は先日、給付型の支援を行うと述べたわけでありますけれども、この総理のお言葉は日本人の良識を踏み外したものだ、そうお考えですか。

麻生国務大臣 子供の未来というものが家庭の経済状況によって左右されるということはあってはならぬ、これは基本的なところだと思っております。

 学生の経済的な負担については、これまでの奨学金の充実とか授業料のいわゆる減免措置等々によって軽減に努めたところですが、二十八年度の予算においても、大学の無利子奨学金を一・四万人増員、それから、大学の授業料減免についても、国立、私立合わせて五千人増等々とさせていただいております。

 その結果、先ほど話が出ておりますように、年収三百万円以下の世帯については、学力の基準を満たせば、無利子奨学金は全員に貸与、また、国立大学でほぼ全員が授業料減免の対象となっているというのが現状だったと認識をいたしております。

 さらに、奨学金の返還月額が、卒業後の所得の連動により、より充実な所得連動返還型奨学金制度を平成二十九年度進学者から適用することを目指して、制度の設計及びシステム開発を今行っているところだと思います。

 私どもは、基本的に申し上げておりますのは、まず大学生というものになりますと、その人が受ける生涯賃金は、大学に行かなかった人の所得、賃金より多い。その大学に行かなかった人たちが納めている税金でそれを賄っているという状態に関しては、明らかに公平さを欠くという点に対してはどう考えられますかという点に関しては、私どもは基本的に答えをしっかり用意しておかぬといかぬところなんだと思いますよ。

 そうした上で、私どもは、こうした基本というものを確実に実施していくことで、経済負担等の減免というのはこれまで少しずつやらせてきていただいておりますが、基本的に、今申し上げたように、金利は今〇・一%ですから、無利子、無利子と、〇・一%まで下がってきておるという現状もあわせて御理解いただいておかぬと、昔のように六%とかの時代とは違います。

宮本(岳)委員 そういう答弁なんですね、何回聞いても。

 では、その無利子転換というのと所得連動返還型奨学金ということについて、短時間、ちょっと聞きたいと思うんですね。

 私は、二月二十五日の衆議院予算委員会第四分科会で、残存適格者、つまり、無利子奨学金を受ける資格があるのに、予算が足りずに、利子つき奨学金を借りざるを得ない学生が、今年度予算が成立してもなお二万四千人も残されていることを示し、単年度でわずか百六十一億円あれば一掃できる、文科省もそれを要求したのに財務省はなぜ削ったのかと岡田財務副大臣にお聞きをいたしました。

 岡田副大臣の答弁は、これまた相も変わらず、「これは厳しい財政状況を踏まえるとなかなか重い財政負担である」というものでありました。

 財務大臣、総理は、可能な限り速やかに、必要とする全ての子供たちが利子のない奨学金を受けられるようにすると述べたわけですから、少なくとも、残存適格者、資格があるのに予算が足りないがために利子のない奨学金が受けられない、こんな学生などを残すことは大問題だと思います。これぐらいは当然措置すべきじゃないですか、財務大臣。

麻生国務大臣 今のお話ですけれども、無利子奨学金の残存適格者を解消するために百六十一億円が必要という計算ですけれども、これは、学年が進行すると国費負担はこれよりふえるということで、単年度の話じゃありませんから、その点も忘れていただくと困るところなので、返還金だけで賄えるようになるまでの中長期間は国費負担というのはふえ続けるという、必要がありますので、これは財政状況を考えると極めて厳しい財政負担ということが言えるのではないかということがまず大前提です。

 それから、無利子奨学金の貸与の拡充ということにつきましては、これは、そもそも家計基準が適切な水準となっているのかという観点からの検証とか、また、国以外にも、地方公共団体、学校などからの奨学金や授業料減免制度が存在をしております。また、有利子奨学金も含めますと、既に希望者ほぼ全員が貸与を受けることができているということなどを踏まえながらこれは検討していかねばならぬところだと思っておりますので、いわゆる意欲と能力のある学生というものの学習機会の確保のために、低所得者層等への十分な配慮を行っていくということが重要だと考えておりますので、厳しい財政事情を踏まえながらも予算を配分しておるというのが実情であります。

宮本(岳)委員 答弁は端的にしてほしいんですが、結局、無利子転換も、残存適格者すら一掃できない。

 それから、今お話のあった所得連動返還型奨学金でありますけれども、これは、年収三百万円に達しない限り無期限に返還を猶予するという制度は既にあるんですけれども、今度文部科学省が制度設計しているもの、有識者会議の中身を見ますと、年収ゼロ、課税所得がゼロでも二千円の返還を求め、返還猶予は十年までと、今ある制度より後退する制度設計になっているんですね、今ある所得連動型よりも。

 ですから、私は、この無利子転換という話も、所得連動返還型奨学金という話も、残念ながらどちらもこれも総理がおっしゃるような形になっていない。その最大のネックが、結局、財政的に厳しいという話ばかりやっているわけですから、この際、やはり未来ある若者のためにしっかり予算を確保して、この前総理が語ったそのとおりにしっかり進めることを求めて、時間が来ましたから、私の質問を終わりたいと思います。

宮下委員長 次に、丸山穂高君。

丸山委員 おおさか維新の会の丸山穂高でございます。

 私からも、日銀総裁そして麻生財務大臣に質疑させていただきたいんですけれども、多少これまでの議論と重なるところが出てくると思います。通告の関係で、違う質疑をするわけにもいきませんから、多少重なりつつも、しかし、深目にお話もさせていただきたいと思います。

 まず総裁、日銀短観、先ほど来幾つか議論されております。いろいろな委員が御指摘のとおり、特に大企業製造業の業況判断指数、いわゆるDIがかなり、六ポイント下がっているということで、報道によるとこれは三年三カ月ぶりということで、日銀がいわゆる量的な金融緩和を始めて、その直後の、二〇一三年六月、それに変わらないぐらいの状況にまで悪化しているという意味で、先ほど来総裁は、いろいろな、雇用は完全雇用だとか、あと、ファンダメンタルズは安定しているという御答弁をいつもされるんですけれども、私は、正直なところ、景気が後退局面に入り始めているんじゃないかなというのは数字を見ていて客観的に思うんですけれども、そのようには思われないですか。その可能性も否定できないと思うんですけれども、その辺はどう思われますか。

黒田参考人 三月短観の結果を見ますと、確かに、企業の業況感が新興国経済の減速の影響などから前回十二月調査と比べて慎重化しているということは、そのとおりであります。特に大企業の製造業がそうなっているということも事実でございます。この背景には、先ほど申し上げたように、やはり新興国経済の減速の影響ということが大企業製造業の業況の悪化に影響しているというふうに思っております。

 他方で、御案内のとおり、非製造業は非常に高い水準を維持しております。

 また、先ほど来申し上げておりますとおり、経常利益の水準であるとか設備投資の水準であるとか、こういったものはかなり高いというか、経常利益は過去最高水準ですし、設備投資も二〇一五年度は前年比でかなりのプラスになったという状況でございますので、経済が不況に突入しようとしているというような状況ではないと思いますが、基本として緩やかな景気回復を続けているという見方は変える必要はないと思いますけれども、新興国経済の減速の影響から、輸出、生産面に鈍さが見られるということはそのとおりであると思っております。

丸山委員 総裁がおっしゃるほど、私はあれだと思っていまして、資金繰りの判断のDIは前回とほぼ変わっていないですね、今回の短観。しかし、今回の短観を見ますと、一六年度の設備投資計画を見ると、前年度比で四・八%下がっているわけで、総裁がおっしゃるほど企業は設備投資に対して前向きではないなというのが、今回の短観を見ていて率直に思ったんです。

 この後、財務大臣ともお話しさせていただきたいんですけれども、国際金融経済分析会合で、まさに麻生大臣がこの話をクルーグマン教授にされていて、設備投資を企業がしない病にかかっている状況で、これをどう打破していくかというところは非常に大事だと思うんです。

 今回の景況の悪化について、今、総裁は新興国経済の減速の話をされました。確かにそれは起こっていると思います。

 一方で、国内的な要因も多分に私はあると思うんですけれども、例えば為替、円高。ことしに入ってかなりレートが円高に振れております、為替の部分。そしてもう一つは、国内消費も非常に低迷していると思うんですけれども、こういった内部の、為替だとかもしくは国内消費低迷、そういった要因はないとお考えなんでしょうか。

黒田参考人 まず最初に、設備投資について一言触れたいと思いますが、二〇一五年度は、前年比八%増という、かなり大きなプラスになった模様でございます。そういった高いレベルに対して、二〇一六年度について、御指摘のようにマイナスでスタートするようになっておりますけれども、そもそも、非常に高いレベルであるということと、それから、短観の設備投資の計画は、常に、年度当初はマイナスから出まして、その後だんだんプラスになっていくという癖がありますので、過去の平均と比べますと、特に悪いというわけでなくて、むしろしっかりした計画になっておるということを御説明申し上げたいと思います。

 それから、為替が円高になったこと、これはそのとおりでありまして、それが、先ほど申し上げた、特に大企業の製造業のDI等にマイナスの影響を及ぼしたということはそのとおりであろうというふうに思っております。

 ただ、為替につきましては、いろいろな変動もございますし、基本的には経済のファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが望ましいということに尽きると思いますので、十分為替の動向については注視してまいりたいと思いますけれども、金融政策自体としては、為替にターゲットしているわけではなくて、あくまでも物価を二%の上昇になるように金融政策を運営していくということに尽きるのではないかというふうに思っております。

 なお、足元の消費、特に昨年の十―十二月のGDPの数字とか、そういう面でかなり弱い数字が出ていることは事実でございます。

 ただ、御承知のように、GDPのQE、四半期ごとの速報につきましては、消費は家計調査をベースに推計がされておりまして、家計調査については、いわゆるサンプルバイアスがあるというふうに言われておりまして、この点につきましては、過般の統計委員会におきましても、家計調査は、構造的な調査というか、ある時点の断面を知る上では非常に有益であるけれども、景気の流れ、四半期ごとの景気の動きとか毎月の消費の動きを判断するものとしては限界があるということが言われておりまして、そういった意味では、消費が弱目になっているということは事実ですけれども、GDPの統計とか、あるいは、家計調査の統計が語るほどに弱いかどうかということについては疑問が残っている。

 ただ、昨年の暮れの十二月の暖冬であるとか、ことしも一月は暖冬だったわけですけれども、そういうものが衣料品の消費などにかなり影響が出たということは事実でありまして、販売統計からもそれはうかがえますので、消費が強いということではないと思うんです。弱目になっていることは事実ですけれども、GDP統計や家計調査が示すほど弱くはないのではないかというのが、エコノミストというか、統計を分析している方の御意見ではないかと思っております。

丸山委員 この点は財務大臣にも後でお伺いしていきたいんですけれども、新興国経済の減速が大きな影響を与えていて、そして、為替もある程度あるだろうという話がありまして、しかし、国内消費の低迷に関してはそこまでではないんじゃないかというのが今総裁のお答えだったと思うんです。

 では、国内消費は後にして、先に為替の話なんですけれども、スイスなんかは今フラン高を問題視していて、過大評価されているんだと言って、積極的に、大幅にこれは介入の話もしています。

 しかし一方で、日本の場合は、この間もニュースで、五十二カ月連続で為替介入をされていないという状況、結果が出ていますけれども、何かレートチェックはされたみたいなあれもありましたけれども、為替がこれだけ急激に年明け以降上がって、報道でも、企業ベースでも為替に対して不安視している声があるんです。

 この点は、今、影響があると言いながら、日銀としてはあくまでも注視するということなんですけれども、総裁、率直に、これはレートとして急激に上がり過ぎていると私は思うんですけれども、このあたりはどういう理由があるというふうに思っていらっしゃいますか。

黒田参考人 御案内のとおり、為替政策あるいは介入等は我が国におきましては財務省が一元的に担当しておられますので、私から、為替の変動の分析とか、あるいは望ましい水準について何か申し上げるということは避けたいと思います。

 市場でいろいろ言われている中には、御案内のとおり、米国の金利の引き上げのテンポが昨年あるいは年初に考えられていたよりもゆっくりではないか、それがドル安、逆に言うと円とかユーロ高ということを招いた一因ではないかと言われていることは事実ですけれども、為替の変動につきましては、委員御承知のとおり、さまざまな要因がありますので、余り一概に、今言ったようなマーケットの見方をそのまま認めるというものでもないのではないかと思っております。

 いずれにしましても、為替政策、為替水準等につきましては、私からは特別に発言することは差し控えたいと思います。

丸山委員 設備投資が微妙に厳しくなっているという点については、麻生大臣、クルーグマン教授との話の中で、正直、企業側が内部留保して、それを吐き出さないんだというお話の問題点、懸念を挙げられていました。

 そういった意味で、麻生大臣に国際金融経済分析会合のお話を伺っていきたいんですけれども、まず最初に、今回、クルーグマン教授が内容をオープンにされたことで我々議会側も国民の皆さんも内容を知ることができている状態なんですけれども、このオープンにされたことに対して、麻生大臣、どのようにお考えになっていらっしゃいますか。見解をお伺いできますか。

麻生国務大臣 三月二十二日の国際金融経済分析会合のやりとりについて、これは、御自身のメモでという形でホームページに掲載をされたということは我々としては承知をいたしております。しない約束でしたけれどもね。

 まあ、どこでもある話といえば話ですよ。アメリカも似たようなものかと思わないでもなかったですけれども。これまでもいろいろ二人だけでやった話がどんどん外に出るなんという話はよくある話なので、我々も驚く話じゃありませんけれども、これは御自身のメモだと考えておりますので、有識者個人の行動だと思いますので、私の方から特にコメントすることはありません。

丸山委員 いろいろな状況があるんだとは思うんですけれども、しかし、出ているので、あれを前提にお話しさせていただいて、違っていたら否定をいただければいいと思うんですけれども。

 そのメモ、大臣いわくメモによると、教授と議論の中で、特に麻生大臣は、先ほど来申し上げているような、企業内の内部留保を吐き出さないこの状況を何とかしたいというお考えで、それが私は今回の短観にも設備投資計画の中で如実にあらわれていると思うんです。

 一方で、では、なぜ企業側が設備投資なり外に、賃金なりに吐き出さないかというと、やはり最終的には景気に対する不安感、特に国内であれば、海外の新興国経済は日本一国でどうこうできる話じゃないので、しかし、国内消費の低迷に関しては企業側も如実に感じているから、だからこそ恐らく吐き出すという方向に行かないんだと思うんですね。

 そうしたときに、そういう意味でクルーグマン教授は財政出動の話をかなり強目にされていて、何よりショックが必要だ、ショック・ツー・ブレークでしたか、ブレークできるショックが必要だという話をされたようですけれども、この財政出動について、財務大臣、議論をされたと思うんですが、それを踏まえてどうお考えになりましたか。

麻生国務大臣 私からクルーグマン教授に対して、日本の事情は御存じないかどうか知らぬが、日本では、少なくともこの三年間の間に三百四十兆円の内部留保ということになっていますが、この三年間だけで見ると、約四十九兆五千億の内部留保がふえておる、去年の分はまだ出ていませんので、この二年間でそれだけ出ておる。

 その中で、設備投資に回った分が約五兆、そして、賃金に回った分が約五千億ということになっていますので、そういった意味では、私どもとしては、こういった設備投資に回るか、また、いわゆる労働分配率を上げて賃金に回るかしないと消費がふえない、消費がふえなきゃ設備投資がふえないという形になってくるんだけれども、これを刺激するためにはどういうものがあるのかということに対しては、その答えはそれに書いてあるとおりに、賃金を引き上げる要請をするのは正しいという答えと、いわゆるデフレの脱出速度に届いていないんだ、したがって、企業が思い切った設備投資に踏み切れぬというのが現状なんじゃないのかといただいたんですが。

 これは、一九三〇年代にアメリカが高橋是清大臣の案を採用してニューディールという政策を、アメリカの民主党の大統領候補だった人がこれを採用して、これが俺の新しいディールだと名前をくっつけたのがニューディール。高橋是清のぱくりじゃないかというようなことを言った日本人は当時いないんですけれども、私たちから見ると丸々でしたから、歴史を読んでそう思ったんですが、このときも似たような形で、すごい勢いで回復したんですけれども、企業の設備投資はふえていないんですよね、あれを見ますと。

 かなり時間がかかるものなので、長い間、設備投資に借金してまで金を突っ込むかということは、企業家のマインドとしては、貸し剥がしだ、貸し渋りだを食らった人たちが今ちょうど偉くなって、結論をおろす立場にいる人になっている方が多いものですから、なかなか借りる気にならぬねと。四、五人に伺いましたけれども、答えは皆同じでしたので、あいつらに言わせたら、おじぎなんかされたくはないよとかなんとか、物すごく言い方が厳しいですよ。

 だから、そういったような話になっていますので、これは銀行側も、金利はほとんどなしで、仮に零と言ったって借りないという話をしているわけですから、なかなかマインドとして切り変わっていくには難しいなと思う傍ら、需要としてはある程度いわゆる財政出動で伸ばさなきゃしようがないじゃないかというのがいろいろな方々の言い分であるんだとは思いますが、これだと限度がありますので、だから、そこのところの内容にどれぐらいに切りかわってくるかというのを我々としては最も気になっているところです。

丸山委員 企業はそういう状況で、しかし、政府としてはやるべきことをやらないと、このまま景気局面が後退になるわけにはいかないと思いますのでしっかりやっていただきたいんですが、日銀は、かなり異次元のレベルで、数年前だったらそんなことはあり得るかなと言われるぐらいのことをマイナス金利にしても量的緩和にしてもやっていますね。

 一方で、あと政府側がとれる政策として大きいのは、やはり金融政策と、もう一つ、財政政策の方だと思います。そういう意味で、麻生大臣の動きが今後非常に大きくなってくると思うんです。

 一つ、財政出動が一方で限界があるというお話がありました。一方で、消費税も今回上げるという法律を通していますので、上げないという判断になるとそれは財務省にとっては非常に厳しい判断になると思うんです。しかし、財務省にとっては厳しい判断でも、恐らく、タイミングとしては、かなり景気に与える影響がどちらも大きくて、どちらもアベノミクスの成否を最後に握っているところだと思うんですけれども、これは、麻生大臣も、消費税を延期するのも否定的で、そして、財政出動も否定的だという今のお話だと、財政出動も少し後ろ向きかなという気がしたんですけれども、どちらも後ろ向きなんでしょうか。

麻生国務大臣 財政につきましては、まずは何といっても平成二十七年度の補正予算を速やかに執行してもらう、これが一番大事なことです。

 それから、二十八年度は、おかげさまで年度内に予算が通過をしておりますし、関連法案も同じく三十一日に通過をいたしておりますので、この関連でいきますと、まずはそういったものの執行を前倒しにする。前倒しも大体通常ですと六十何%台なんですが、ことしは八〇やってもらいますということをけさ申し上げております。八割をやったことというのは、過去これまでの中では麻生内閣のときに一回、あれが八割だったと思いますので、それ以外はほとんど六〇%台後半ぐらいのものだと思いますので、そういった意味では大きなものだと思いますが、その上で状況を見ながら、私どもとしては、どうやってやるかというのはそれ以後の判断になろうかと思います。

 何回も申し上げておりますけれども、経済再生と財政再建でいえば、経済再生をしながら財政再建をするのであって、財政再建でやろうとした場合はどうなったかと過去にもう例がありますので、私どもは、まずは経済成長をやって財政再建というのが順番からいえばそういうことになろうと思います。ただ、目的は両方やるという意識を示さないと、国際的な信用がなくなりますので。

丸山委員 よくわかりました。ありがとうございました。

     ――――◇―――――

宮下委員長 次に、内閣提出、株式会社国際協力銀行法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。財務大臣麻生太郎君。

    ―――――――――――――

 株式会社国際協力銀行法の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

麻生国務大臣 ただいま議題となりました株式会社国際協力銀行法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明させていただきます。

 日本企業の海外展開をより一層後押しするため、株式会社国際協力銀行について、海外における社会資本の整備に関する事業に係るさらなるリスクテークを可能とするとともに、銀行などからの外国通貨による長期借り入れを可能とする等の規定を整備することとし、本法律案を提出した次第であります。

 以下、この法律案の内容につきまして御説明を申し上げます。

 第一に、海外インフラ事業向けの貸し付けなどについて、個々の貸し付けなどの償還が確実であると認められる場合以外にも、当該貸し付けなどに係る条件を適切に定めた上で行うことを可能とすることといたしております。その際、業務全体での収支相償を確保することを求めるとともに、当該業務について勘定を設け、区分して経理することといたしております。

 第二に、途上国のインフラ事業で需要が大きい現地通貨建ての融資を拡大するため、国際協力銀行が現地通貨を調達する方法として、銀行などからの長期借り入れを可能とすることといたしております。

 第三に、海外インフラ事業に係る銀行向けツーステップローンや社債等の取得等を可能とするほか、その他所要の規定の整備を行うことといたしております。

 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容であります。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いを申し上げる次第です。

宮下委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時三十六分散会


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