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第1号 平成18年2月17日(金曜日)

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本国会召集日(平成十八年一月二十日)(金曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。

   委員長 斉藤 鉄夫君

   理事 小渕 優子君 理事 西村 明宏君

   理事 松浪健四郎君 理事 平野 博文君

   理事 牧  義夫君 理事 池坊 保子君

      阿部 俊子君    秋葉 賢也君

      井脇ノブ子君    飯島 夕雁君

      小川 友一君    大前 繁雄君

      岡下 信子君    加藤 紘一君

      川条 志嘉君    小島 敏男君

      近藤 基彦君    佐藤  錬君

      坂本 剛二君    鈴木 俊一君

      鈴木 恒夫君    永岡 桂子君

      西本 勝子君    福田 峰之君

      藤田 幹雄君    馬渡 龍治君

      山本ともひろ君    吉野 正芳君

      奥村 展三君    北橋 健治君

      末松 義規君    田中眞紀子君

      松本 大輔君    山口  壯君

      横山 北斗君    笠  浩史君

      遠藤 乙彦君    石井 郁子君

      保坂 展人君

    ―――――――――――――

一月二十日

 斉藤鉄夫君委員長辞任につき、その補欠として遠藤乙彦君が議院において、委員長に選任された。

平成十八年二月十七日(金曜日)

    午後二時開議

 出席委員

   委員長 遠藤 乙彦君

   理事 小渕 優子君 理事 大前 繁雄君

   理事 小島 敏男君 理事 西村 明宏君

   理事 松浪健四郎君 理事 平野 博文君

   理事 牧  義夫君 理事 池坊 保子君

      阿部 俊子君    秋葉 賢也君

      井脇ノブ子君    飯島 夕雁君

      小川 友一君    岡下 信子君

      岡部 英明君    加藤 紘一君

      川条 志嘉君    北村 誠吾君

      近藤 基彦君    佐藤  錬君

      鈴木 恒夫君    永岡 桂子君

      西本 勝子君    福田 峰之君

      藤田 幹雄君    馬渡 龍治君

      山本ともひろ君    吉野 正芳君

      奥村 展三君    北橋 健治君

      田中眞紀子君    平岡 秀夫君

      松本 大輔君    山口  壯君

      横山 北斗君    鷲尾英一郎君

      谷口 和史君    石井 郁子君

      保坂 展人君

    …………………………………

   文部科学大臣       小坂 憲次君

   文部科学副大臣      河本 三郎君

   文部科学大臣政務官    吉野 正芳君

   文部科学大臣政務官    有村 治子君

   文部科学委員会専門員   井上 茂男君

    ―――――――――――――

委員の異動

一月二十日

 辞任         補欠選任

  斉藤 鉄夫君     西  博義君

二月十七日

 辞任         補欠選任

  坂本 剛二君     岡部 英明君

  鈴木 俊一君     北村 誠吾君

  末松 義規君     平岡 秀夫君

  笠  浩史君     鷲尾英一郎君

  西  博義君     谷口 和史君

同日

 辞任         補欠選任

  岡部 英明君     坂本 剛二君

  北村 誠吾君     鈴木 俊一君

  平岡 秀夫君     末松 義規君

  鷲尾英一郎君     笠  浩史君

  谷口 和史君     西  博義君

同日

 理事岸田文雄君平成十七年十一月一日委員辞任につき、その補欠として大前繁雄君が理事に当選した。

同日

 理事伊藤信太郎君平成十七年十一月二日委員辞任につき、その補欠として小島敏男君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

二月二日

 義務教育費国庫負担堅持と教育諸条件整備の拡充に関する請願(吉井英勝君紹介)(第二一号)

 同(永田寿康君紹介)(第五四号)

 教育への国の負担を減らさないことに関する請願(吉井英勝君紹介)(第二二号)

 国による三十人学級の早期実現、私学助成の大幅増額に関する請願(石井郁子君紹介)(第二三号)

 同(馬淵澄夫君紹介)(第六五号)

 同(平野博文君紹介)(第一五〇号)

 すべての子どもに行き届いた教育に関する請願(塩川鉄也君紹介)(第二四号)

 すべての子どもに行き届いた教育を進めることに関する請願(穀田恵二君紹介)(第二五号)

 すべての子供に行き届いた教育等に関する請願(荒井聰君紹介)(第五三号)

 国による三十人学級実現、私学助成大幅増額に関する請願外一件(松本龍君紹介)(第六二号)

 三十人以下学級の早期実現と教育予算の拡充に関する請願(菅野哲雄君紹介)(第六三号)

 私学の学費値上げ抑制、教育・研究条件の改善、私学助成増額に関する請願(馬淵澄夫君紹介)(第六四号)

 義務教育費国庫負担制度堅持、文教予算の充実、人材確保法堅持・教育専門職としての教職員の待遇改善に関する請願(小野晋也君紹介)(第一四九号)

同月九日

 子供たちの多様な体験学習や奉仕活動等に取り組む環境整備に関する請願(野田毅君紹介)(第二〇六号)

 すべての子供たちに行き届いた教育を進めることに関する請願(藤井勇治君紹介)(第二〇七号)

 同(宇野治君紹介)(第二九〇号)

 同(田島一成君紹介)(第三三七号)

 行き届いた教育に関する請願(藤井勇治君紹介)(第二〇八号)

 同(田島一成君紹介)(第三三八号)

 子どもに行き届いた教育に関する請願(石井郁子君紹介)(第二八七号)

 私学助成の大幅拡充、三十人学級の早期実現、教育費の父母負担軽減に関する請願(松野頼久君紹介)(第二八八号)

 義務教育費国庫負担堅持と教育諸条件整備の拡充に関する請願(古川元久君紹介)(第二八九号)

 同(重野安正君紹介)(第三〇九号)

 子供に行き届いた教育を進めることに関する請願(松本剛明君紹介)(第三〇七号)

 同(渡海紀三朗君紹介)(第三三九号)

 すべての子供に行き届いた教育を進め、心の通う学校に関する請願(松本剛明君紹介)(第三〇八号)

 同(渡海紀三朗君紹介)(第三四〇号)

 国による三十人学級の早期実現、私学助成の大幅増額に関する請願(藤村修君紹介)(第三一〇号)

 豊かな私学教育の実現のための私学助成に関する請願(荒井聰君紹介)(第三三〇号)

 同(筒井信隆君紹介)(第三三一号)

 同(渡海紀三朗君紹介)(第三三二号)

 同(鉢呂吉雄君紹介)(第三三三号)

 同(松原仁君紹介)(第三三四号)

 同(松本龍君紹介)(第三三五号)

 国による三十人学級実現、私学助成大幅増額に関する請願(山崎拓君紹介)(第三三六号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の補欠選任

 国政調査承認要求に関する件

 文部科学行政の基本施策に関する件

 知的財産権保護に関する施策と教育現場における著作権保護に関する予備的調査についての報告


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     ――――◇―――――

遠藤委員長 これより会議を開きます。

 この際、一言ごあいさつを申し上げます。

 このたび、文部科学委員長に就任いたしました遠藤乙彦でございます。

 教育、科学技術、スポーツ、文化、芸術に対する国民の関心は大変高く、それらの充実振興を図ることは国政上の重要な課題であります。

 特に、国際的な競争が激化しつつある今日において、我が国が活力ある国家として発展するため、次世代を担う人材の育成と経済の基盤となる科学技術の水準を高めていくことは、国家百年の計として欠くことのできないものであります。そのためにも、教育の質の保証、向上を図ることは喫緊の課題の一つとなっております。

 このような中、当委員会に課せられた使命は重大であり、委員会として、幅広くさまざまな分野について活発な議論を積み重ねて、国民の信託にこたえていかなければならないと考えております。

 委員長といたしましては、委員各位の御協力を賜りまして、公正かつ円満な委員会運営に努めてまいりたいと存じます。

 何とぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)

     ――――◇―――――

遠藤委員長 理事の補欠選任の件についてお諮りいたします。

 委員の異動に伴い、現在理事が二名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

遠藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 それでは、理事に

      大前 繁雄君 及び 小島 敏男君

を指名いたします。

     ――――◇―――――

遠藤委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。

 文部科学行政の基本施策に関する事項

 生涯学習に関する事項

 学校教育に関する事項

 科学技術及び学術の振興に関する事項

 科学技術の研究開発に関する事項

 文化、スポーツ振興及び青少年に関する事項

以上の各事項につきまして、本会期中調査をいたしたいと存じます。

 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長に対し、承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

遠藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

遠藤委員長 文部科学行政の基本施策に関する件について調査を進めます。

 文部科学大臣から所信を聴取いたします。小坂文部科学大臣。

小坂国務大臣 昨年十月末の第三次小泉内閣の発足に当たりまして、文部科学大臣を拝命いたしました小坂憲次でございます。

 遠藤委員長初め理事、委員の皆様方には、日ごろから、文部科学行政の推進に、また国民スポーツ振興に対しまして、温かい御理解と御支援を賜っておりますことに、心から感謝を申し上げる次第でございます。教育改革や科学技術・学術、スポーツ、文化芸術の振興のため、さらに力を尽くしてまいりますので、よろしくお願いを申し上げます。

 第百六十四回国会におきまして各般の課題を御審議いただくに当たり、私の所信を申し上げます。

 天然資源に恵まれない我が国においては、人材こそ国の宝であり、教育はこの国の将来を左右する国政上の重要課題であります。また、戦後の荒廃からいち早く立ち直り、今日の繁栄を築き上げることができたのは、科学技術の振興とそれを支える人材の養成があったからであります。

 グローバル化の進展、少子高齢化の進行や人口減少など、国際環境や社会経済の急激な変化の中で持続的に発展を遂げていくためには、国家百年の計に立ち、教育・文化立国と科学技術創造立国の実現を目指した改革が不可欠であります。

 まず、私といたしましては、どの子供にも豊かな教育をとの考え方に立ち、国際社会で活躍できる心豊かでたくましい人づくりを目指した教育改革をさらに推進する必要があると考えております。このため、今後重点的に取り組むべき具体的課題を教育改革のための重点行動計画として取りまとめ、先日、公表いたしました。

 第一に、義務教育については、国の責任を確実に果たしつつ、学校や地方の創意工夫を生かした教育が実現できるよう、構造改革を力強く進めてまいります。

 具体的には、国が明確な戦略に基づき目標を設定し、そのための確実な財源保障など基盤整備を行った上で、市町村や学校の権限と責任を拡大する分権改革を進めるとともに、教育の結果の検証については、国が責任を持って施策を推進し、義務教育の質を保証する仕組みに改革することとし、今後、必要な制度改正や事業の推進等を図ってまいります。

 なお、義務教育費国庫負担制度の取り扱いについては、昨年末の政府・与党合意により、制度を堅持した上で国の負担割合を三分の一とすることになりました。今国会では、この政府・与党合意などに基づき、公立義務教育諸学校等の教職員給与費及び施設整備費の負担等に関する制度改革を内容とする法律案を提出しております。

 第二に、活力ある人材を育てるため、学習指導要領の見直しなどを通じて子供たちの学ぶ意欲や好奇心を育成していくなど確かな学力の育成、いわゆるキレる言動など、近年大きな社会問題となっている子供の情動面の問題に対応する方策の検討や、学校、家庭、関係機関の連携による不登校への対応など豊かな心の育成、子供たちの体力の向上や食育の推進など健やかな体の育成、キャリア教育や、ニート等を対象とした学び直しの機会の提供など、自立し挑戦する若者の育成の四点に重点を置いて取り組んでまいります。

 第三に、充実した教育を支える教育環境の整備について、安全、安心な学校、地域づくり、ICT利活用による教育、学習の推進、教育費負担のあり方の検討の三点に重点的に取り組んでまいります。

 学校や通学路において大変痛ましい事件が続発していることを重く受けとめ、ハード及びソフトの両面から組織的、継続的な対策に取り組む子ども安心プロジェクトを推進し、学校の安全、安心の確保に万全を期してまいります。学校安全ボランティアへの参加など、国民の皆様に積極的な御協力をいただきながら、政府一丸となって、地域ぐるみの安全確保のための取り組みを強力に進めます。

 非常災害時に地域住民の応急避難場所となる学校施設の耐震化を促進するため、国土交通省と連携し、本年内を目途に公立小中学校の耐震診断の完了を要請するとともに、喫緊の課題である学校施設等のアスベスト対策を推進し、保護者や地域の方々から信頼される安全、安心な学校づくりを進めます。

 ICT、情報通信技術、インフォメーション・アンド・コミュニケーションズ・テクノロジーの利活用による教育、学習の推進については、世界最高水準のICT国家を支える人づくりという観点から、教員の指導力の向上を図るとともに、学校におけるICT環境の整備を加速するため、私も先頭に立って、総務省と連携しつつ、地方公共団体に働きかけるほか、本年三月を教育の情報化強化月間として、ICT利活用促進キャンペーン等を実施してまいります。

 教育費負担のあり方の検討については、少子化など、社会経済全体の状況も踏まえつつ、就学前から社会人になるまでの各段階における教育費負担の実態を把握し、課題を明らかにした上で、その対策について検討を進めてまいります。

 第四に、子供たちの基本的生活習慣の育成を支援するため、PTA等民間団体と連携して、「早寝早起き朝ごはん」運動を全国展開するとともに、地域における子供の居場所づくりをさらに推進するなど、家庭、地域の教育力の向上を図ります。

 また、これらの具体的な取り組みとあわせて、新しい時代にふさわしい教育の基本理念を明確にするため、中央教育審議会の答申や与党における議論を踏まえ、国民的な議論を深めつつ、教育基本法の速やかな改正を目指し、しっかりと取り組んでまいります。

 私は、これらの施策を中心に、国民の皆様の幅広い御理解と御協力を得ながら、教育改革の着実な推進に引き続き努力してまいる決意であります。

 私は、初等中等教育段階では、幼児期から子供たちの好奇心を伸ばす教育環境をつくり、子供たちが学ぶ楽しさを感じながら、一人一人がそれぞれの得意な分野を伸ばし、社会で自立していく力を身につけることが極めて大切であると考えます。

 学力の問題については、国際的な調査結果等により明らかとなった読解力の低下、学習意欲や学習習慣が十分に身についていないこと等の課題を深刻に受けとめ、今後、基礎、基本をしっかり身につけさせるとともに、学ぶ意欲やみずから考え主体的に判断する力などの確かな学力をはぐくむため、学習指導要領全体の見直しや、習熟度別少人数指導の一層の推進、全国的な学力調査の実施、国語力の育成、理数教育、総合的な学習の時間の推進など、総合的な学力向上策に取り組みます。

 子供たちに、命を大切にする心、善悪の判断などの規範意識や倫理観、公共心や他人を思いやる心などの豊かな人間性や社会性をはぐくむため、学校と家庭、地域社会が一体となって、道徳教育の充実、学校の内外を通じた奉仕・体験活動や読書活動などの推進を図ります。また、青少年の有害環境対策に取り組みます。

 子供たちの健やかな体をはぐくむため、体育の一層の充実や運動部活動の振興を図るとともに、食育基本法を踏まえ、家庭、地域と連携しつつ、栄養教諭制度の円滑な実施や学校給食における地場産物の活用の推進などにより、学校における食育を一層進めてまいります。また、児童生徒の薬物乱用防止教育など、学校保健の充実に取り組みます。

 学校の内外を通じて不登校や問題行動への適切な対応を図るほか、LD、ADHD等の発達障害を含む障害のある子供たち一人一人の教育的ニーズに応じるため、必要な制度の見直しを進めるなど、特別支援教育を一層推進してまいります。外国人児童生徒教育においては、日本語指導を初めとして、充実を図ります。また、就学前の幼児の教育、保育を一体として提供する仕組みの制度化など、幼児教育の振興に取り組みます。

 学校運営協議会制度によるコミュニティ・スクールの設置促進など、保護者や地域住民の参画による信頼される学校づくりを進めるとともに、適切な学校評価システムを構築します。また、教員評価の徹底や十年経験者研修制度の推進など、教育専門職としての教師の資質向上を図るとともに、教職課程の質的水準の向上、教職大学院制度の創設や教員免許更新制の導入を含む教員養成、免許制度の改革について検討を進めるなど、教育の質の保証、向上を図ってまいります。教育委員会については、地域の課題に主体的に取り組めるよう、制度の見直しを検討してまいります。

 知識基盤社会の時代と言われる二十一世紀において、我が国では若年人口が急速に減少し、平成十九年には、大学、短大の志願者と入学者が一致する、いわゆる全入時代を迎えます。各大学が、それぞれの個性、特色を一層明確化し、教育、研究とこれらを通じた社会貢献という三つの役割を十分に果たすよう、国公私立大学を通じた競争的な環境を整備し、大学改革への取り組みを支援してまいります。具体的には、世界的な研究教育拠点の形成、高度専門職業人の養成、地域への貢献、産学連携等を通じた人材養成等、各大学の多様な取り組みの支援に努めます。また、国際的に魅力ある大学院の構築のために、関係施策を体系的に、集中的に推進します。

 国立大学法人については、各大学が自主性、自律性を十分に発揮し、教育研究の一層の活性化を図り、個性豊かな大学づくりを進めることができるよう、国として必要な支援に努めるとともに、施設整備についても、新たな緊急整備五カ年計画を策定し、引き続き着実に支援してまいります。

 加えて、大学の設置認可制度の的確な運用と第三者評価制度の円滑な実施を進め、大学の教育研究の質保証の充実を図ってまいります。

 私立学校については、建学の精神に基づく個性豊かな教育研究活動を積極的に展開できるよう、一層の振興に努めてまいります。また、教育を受ける意欲と能力のある者の修学の機会を確保するため、奨学金の充実など学生への支援にも精力的に取り組んでまいります。

 科学技術・学術は、国民の生活や経済活動を持続的に発展させ、環境問題など地球規模の問題の解決に大きく貢献するなど、我が国の、そして人類の希望ある未来を切り開くかぎとなるものであります。

 平成十八年度は、第三期科学技術基本計画の初年度に当たります。政府における科学技術振興の中核を担う文部科学省としては、科学技術創造立国の実現を目指した諸施策を積極的に展開してまいります。

 まず、若手研究者や女性研究者、外国人研究者など多様な人材が能力を発揮できるような環境整備や、科学技術、理数教育の推進など、学校段階から研究者、技術者に至るまで、科学技術を支える人材の質的、量的な充実に向けた取り組みを総合的に推進してまいります。

 また、大学や大学共同利用機関等におけるニュートリノ研究、アルマ計画、大強度陽子加速器計画等を初めとした独創的、先端的基礎研究に取り組むとともに、研究者による高い倫理観のもとで着実に推進してまいります。また、イノベーションの創出に向け、知的財産戦略の強化及び産学官連携の推進、知的クラスター創成など地域科学技術の振興を図ってまいります。

 加えて、科学研究費補助金の拡充など競争的資金の充実により、競争的な研究環境の整備を図るとともに、ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料の四分野における一層の重点化や、原子力、宇宙・航空、海洋、地震・防災、新興・融合分野の研究開発を効果的に推進してまいります。さらに、新しい感染症やテロの防止等、国民の不安を解消し、安全で安心な社会を実現する科学技術を推進するとともに、科学技術活動の基盤となる施設設備等を整備し、世界一流の人材を引きつけられるような研究環境を実現してまいります。

 中でも、先日打ち上げに成功したH2Aロケット等の宇宙輸送システム、地球深部探査船「ちきゅう」が就航した海洋探査システム、「もんじゅ」を初めとする高速増殖炉サイクル技術、統合地球観測・監視システム等の国家の総合的な安全保障に密接にかかわる技術や、次世代スーパーコンピューター、エックス線自由電子レーザー等の我が国の発展を強力に牽引する世界最高性能の研究設備を実現する技術については、我が国が持続的に発展し、世界をリードしていくための基幹的な技術であり、これらについて戦略的に研究開発を推進してまいります。次世代スーパーコンピューター等の先端大型研究施設については、幅広い研究者に共用される仕組みの構築に取り組んでまいります。国際協力で核融合エネルギーの研究開発を行うITER計画の着実な推進や、近年発展が著しいアジア諸国との連携強化など、国際活動を戦略的に展開します。また、各省庁が連携し、地域の大学等の活性化、活用による地域再生を目指す、地域の知の拠点再生プログラムを推進してまいります。

 人々が生涯にわたり自己実現を図ることができるよう、生涯学習の環境整備や大学、専修学校における社会人のキャリアアップのための教育を推進するとともに、新しい時代に即した社会教育の活性化を図りつつ、男女共同参画社会の形成を推進する教育、環境教育や人権教育等の充実に努めてまいります。

 また、フリーター、ニートの増加等を踏まえ、しっかりとした勤労観、職業観をはぐくみ、若者が明確な目的意識を持って職につくことができるよう、地域や企業の協力のもと、中学校を中心とした五日間以上の職場体験など、各学校段階に応じ、体系的なキャリア教育を推進するとともに、ニート等を対象とした学び直しの機会の提供等に取り組んでまいります。

 トリノ冬季オリンピック競技大会が開幕しましたが、スポーツの振興は、活力に満ちた社会を形成する上で不可欠であります。世界的な大会における日本選手の活躍は、国のアイデンティティーを確立するとともに、国民全体の活力の源泉となるものであり、夏季、冬季を通じ、競技力の強化、向上のためトレーニング拠点施設の充実が急務であり、このため、ナショナルトレーニングセンター中核拠点施設の整備を推進するなど、世界のひのき舞台で活躍できるトップレベルの競技者の育成等に取り組むとともに、総合型地域スポーツクラブの育成などにより、また、スポーツ振興くじも活用し、国民のだれもが身近にスポーツに親しめる地域のスポーツ環境の整備に努めます。

 子供の目標やあこがれの地となるような全国的なスポーツ大会の拠点づくりを推進するとともに、親子で一緒に体を動かす機会の提供などにより、子供の体力の向上に努めます。

 スポーツの振興をさらに効果的に推進するため、平成十三年度から十年計画として実施しているスポーツ振興基本計画については、本年は見直しを行い、生涯スポーツの普及振興、国際競技力の向上、そして子供の体力向上を図るという視点から、豊かなスポーツ環境づくり推進のための施策を充実させてまいります。

 文化芸術は、人々に感動や生きる喜びをもたらし、豊かな人生を送る上での大きな力となるものであります。活力ある社会の実現のためには、文化力の向上を図ることが、経済力と並ぶ車の両輪として極めて重要であり、文化芸術立国の実現に向けた取り組みを総合的に推進してまいります。我が国が誇るすぐれた文化財や伝統文化はもとより、映画、音楽、アニメ、ファッションなどの日本文化は、ジャパン・クールとして世界の人々を魅了しております。我が国の顔となる魅力ある文化芸術を創造し、積極的に世界に発信していくため、文化芸術創造プランや「日本文化の魅力」発見・発信プランを推進し、特に、次代を担う子供たちの豊かな人間性と多様な個性をはぐくむため、感性豊かな文化の担い手育成プランを推進します。正しい国語の継承、発展のため、文化審議会国語分科会を通じて検討を進めてまいります。また、地域文化の振興、文化財の保存、活用、文化財分野における国際協力に積極的に取り組みます。通信と放送の融合等への適切な対応を含め、新しい時代に対応した著作権等のあり方の検討に取り組んでまいります。

 さらに、平成十四年に閣議決定された文化芸術の振興に関する基本的な方針について、諸情勢の変化等を踏まえ、本年に適切な見直しを行います。

 我が国が、国際社会において積極的な役割と責任を果たし、世界から信頼される国となることは極めて重要な課題であり、日本の知識や経験を生かせる国際協力、交流に力を尽くします。官民の連携により奨学金制度の充実を図るなど留学生受け入れ体制の整備充実や日本人の海外留学、外国人青少年との交流促進などの支援にも取り組んでまいります。グローバル化の進展やインターネット社会に対応した英語教育の充実について、初等教育段階における具体的方策の検討を進めるなど、英語によるコミュニケーション能力の育成に努めます。また、二十一世紀のアジアの発展と我が国の持続的な繁栄のためには、中国、韓国などアジア近隣諸国との幅広い分野における協力、交流を強化し、相互理解と信頼に基づく関係を構築することが重要であります。アジアの近隣諸国等とのコミュニケーションを促すという観点から、英語以外の外国語教育のあり方を検討してまいります。

 以上のほか、規制改革や構造改革特区、地域再生については、今後とも引き続き、地方公共団体や民間の創意と工夫を生かし、教育研究の活性化や地域の活力の再生という観点から、できるだけ柔軟に取り組んでまいりたいと考えております。また、公益法人改革、公務員の総人件費改革、独立行政法人の組織、業務の見直し、被用者年金の一元化等の重要な課題に積極的に対応してまいります。

 私といたしましては、国民の皆様の強い期待を真摯に受けとめ、文部科学行政全般にわたり、さまざまな取り組みを力強く推進してまいりたいと考えております。引き続き、関係各位の御理解と御協力を心からお願いを申し上げまして、私の所信といたします。

 ありがとうございました。(拍手)

遠藤委員長 次に、平成十八年度文部科学省関係予算の概要について説明を聴取いたします。河本文部科学副大臣。

河本副大臣 河本三郎であります。

 小坂大臣とともに、文部科学行政の推進に全力を傾注してまいりますので、遠藤委員長初め各位の御指導を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。

 それでは、平成十八年度文部科学省関係予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。

 平成十八年度予算の編成に当たっては、教育・文化立国と科学技術創造立国の実現を目指し、教育改革、科学技術、学術振興、さらに、スポーツ、文化芸術の振興についての施策を総合的に展開するため、文部科学予算の確保に努めてきたところであります。

 文部科学省所管の一般会計予算額は、五兆一千三百二十四億円、電源開発促進対策特別会計予算額は、一千四百九十二億円となっております。

 以下、平成十八年度予算における主な事項について、御説明を申し上げます。

 第一に、義務教育費国庫負担金については、平成十七年十一月の三位一体の改革に関する政府・与党合意に基づいて、義務教育制度の根幹を維持し、義務教育費国庫負担制度を堅持するとの方針のもと、国庫負担割合を二分の一から三分の一とすることとし、平成十八年度予算においては、一兆六千七百六十三億円を計上いたしております。また、公立義務教育諸学校の教職員定数については、今日的な教育課題である特別支援教育、食育の充実に対応するための必要な措置を講ずることとしております。

 また、二十一世紀の人材育成と確かな学力向上のため、全国的な学力調査の実施や、国語力の育成、理数教育、外国語教育の改善充実、教育の情報化の推進などの施策を総合的に進めるとともに、教育の質を保証することを目的とした学校評価システムの構築を目指すこととしております。

 さらに、学校施設の耐震化等を推進するとともに、地方の裁量を高め、効率的な執行に資するため、安全・安心な学校づくり交付金を創設することとしております。

 第二に、学校や通学路等において児童生徒や教職員が犠牲となる悲惨な事件を踏まえ、学校の安全を確保する取り組みを一層推進するとともに、地域の協力を得て、子供たちの居場所づくりやボランティア活動、スポーツ、文化活動等の積極的な推進を図ることとしております。

 また、子供の望ましい基本的生活習慣を育成する観点から、「早寝早起き朝ごはん」運動など、生活リズムを向上させるための取り組みや、学校における食育の推進を図ることとしております。

 第三に、フリーター、ニート問題等への対応など、若者の自立支援については、若者の勤労観、職業観を育てるため、各学校段階を通じた体系的なキャリア教育、職業教育等を充実するとともに、ニート等を対象に、その社会的自立を目指した学び直しの機会を提供することとしております。

 第四に、大学改革の取り組みを一層推進するため、国公私立大学を通じた競争原理に基づいた重点的なプロジェクト支援により、個性、特色を生かした大学づくりを推進してまいります。

 また、平成十六年四月に法人化した国立大学等が、自主性、自律性を十分に発揮し、教育研究活動が着実に実施されるよう必要な支援を行うとともに、世界一流の人材の育成、先端研究の推進等を図る基盤として、国立大学等施設の重点的、計画的な整備を図ることとしております。

 さらに、教育を受ける意欲と能力のある者の学習機会を確保するため、奨学金事業の充実を図ることとしております。

 第五に、私学助成について、法科大学院に対する支援を初め経常費助成を中心に、引き続きその充実を図ることとしております。

 第六に、留学生交流の推進を図るほか、ユネスコへの協力や中国、韓国との初等中等教育教職員交流の拡充及びアフリカを含む途上国に対する教育支援を進めることとしております。

 第七に、国民のだれもが身近にスポーツに親しむことのできる生涯スポーツ社会の実現を目指すとともに、世界のひのき舞台で国民に夢と希望を与えるような活躍ができるトップレベルの競技者の育成、強化を図るなど、豊かなスポーツ環境づくりを推進することとしております。

 第八に、国内外の人々を魅了する文化力の向上について、こどもの文化芸術体験活動や文化力を生かした地域づくりなど、文化芸術立国プロジェクトを推進するとともに、文化財の次世代への継承と国際協力の推進、文化芸術振興のための文化拠点の充実を図ることとしております。

 第九に、科学技術創造立国の基盤となる人材の養成確保を目指し、世界をリードする質の高い研究者の養成や、若手研究者や女性研究者、外国人研究者など多様な人材が能力を発揮できるような環境整備、社会のニーズに対応した人材の養成、科学技術、理数教育の推進など、小学生から第一線の研究者、技術者に至るまで、取り組みを総合的に推進してまいります。

 第十に、大学や大学共同利用機関等で実施される独創的、先端的な基礎研究を着実に推進するとともに、イノベーションの創出に向け、知的財産戦略の強化や産学官連携の一層の推進、地域科学技術の振興について積極的に取り組んでまいります。

 また、科学研究費補助金の拡充など競争的資金の充実により、競争的な研究環境の整備を図るとともに、ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料の四分野における一層の重点化や、原子力、宇宙・航空、海洋、地震・防災、新興・融合分野の研究開発を効果的に推進してまいります。

 さらに、新しい感染症やテロの防止等、国民の不安を解消し、安全で安心な社会を実現する科学技術を推進するとともに、科学技術活動の基盤となる施設設備等の整備充実を図ってまいります。

 第十一に、宇宙輸送システムなど国の総合的な安全保障に密接にかかわる重要技術や、次世代スーパーコンピューターやエックス線自由電子レーザーといった世界最高性能の研究設備を実現するための技術については、我が国が持続的に発展し、世界をリードしていくために必要となる技術であり、これらについて戦略的に研究開発を推進してまいります。

 第十二に、科学技術の国際活動においては、近年、科学技術分野の発展が著しいアジア諸国との連携強化を図り、地域共通課題の解決のための国際共同研究など、戦略的に取り組んでまいります。

 以上、何とぞよろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。(拍手)

遠藤委員長 以上で説明は終わりました。

 この際、吉野文部科学大臣政務官及び有村文部科学大臣政務官から、それぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。吉野文部科学大臣政務官。

吉野大臣政務官 このたび文部科学大臣政務官を拝命いたしました吉野正芳でございます。

 大臣、両副大臣を補佐し、そして、主に科学技術と文化芸術の振興のために全力を尽くしますので、よろしくお願い申し上げます。(拍手)

遠藤委員長 有村文部科学大臣政務官。

有村大臣政務官 文部科学大臣政務官を拝命しております参議院の有村治子でございます。

 教育及びスポーツを担当する政務官として、小坂大臣を補佐し、両副大臣、吉野政務官とともに、文部科学行政の推進に心して努めてまいりたいと存じます。委員の先生方、今後とも、どうぞ御指導、御鞭撻賜りますよう、よろしくお願いいたします。(拍手)

     ――――◇―――――

遠藤委員長 御報告いたします。

 昨年十一月一日、調査局長に命じました知的財産権保護に関する施策と教育現場における著作権保護に関する予備的調査につきまして、去る十日、報告書が提出されました。

 なお、報告書につきましては、同日、私から議長に対し、その写しを提出いたしました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後二時三十二分散会


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