衆議院

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第4号 平成13年2月28日(水曜日)

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平成十三年二月二十八日(水曜日)

    午前八時三十分開議

 出席委員

   委員長 鈴木 俊一君

   理事 棚橋 泰文君 理事 谷畑  孝君

   理事 森  英介君 理事 吉田 幸弘君

   理事 大石 正光君 理事 鍵田 節哉君

   理事 福島  豊君 理事 佐藤 公治君

      岩永 峯一君    奥山 茂彦君

      上川 陽子君    鴨下 一郎君

      木村 義雄君    北村 誠吾君

      田村 憲久君    竹下  亘君

      西川 京子君    林 省之介君

      松島みどり君    三ッ林隆志君

      宮腰 光寛君    宮澤 洋一君

      森山 眞弓君    吉野 正芳君

      家西  悟君    大島  敦君

      加藤 公一君    金田 誠一君

      釘宮  磐君    古川 元久君

      三井 辨雄君    水島 広子君

      山井 和則君    青山 二三君

      江田 康幸君    樋高  剛君

      小沢 和秋君    木島日出夫君

      阿部 知子君    中川 智子君

      小池百合子君    川田 悦子君

    …………………………………

   厚生労働大臣       坂口  力君

   厚生労働副大臣      増田 敏男君

   厚生労働副大臣      桝屋 敬悟君

   厚生労働大臣政務官    奥山 茂彦君

   厚生労働大臣政務官    田浦  直君

   政府参考人

   (警察庁長官官房審議官) 中川 雅量君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房総括

   審議官)         中野 秀世君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  伊藤 雅治君

   政府参考人

   (厚生労働省医薬局長)  宮島  彰君

   政府参考人

   (厚生労働省医薬局食品保

   健部長)         尾嵜 新平君

   政府参考人

   (厚生労働省雇用均等・児

   童家庭局長)       岩田喜美枝君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局

   長)           真野  章君

   政府参考人

   (厚生労働省老健局長)  堤  修三君

   政府参考人

   (厚生労働省年金局長)  辻  哲夫君

   政府参考人

   (社会保険庁運営部長)  冨岡  悟君

   厚生労働委員会専門員   宮武 太郎君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月二十八日

 辞任         補欠選任

  宮腰 光寛君     岩永 峯一君

同日

 辞任         補欠選任

  岩永 峯一君     宮腰 光寛君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案(内閣提出第二二号)

 平成十三年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案(内閣提出第二三号)

 厚生労働関係の基本施策に関する件




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     ――――◇―――――

鈴木委員長 これより会議を開きます。

 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として警察庁長官官房審議官中川雅量君、厚生労働省大臣官房総括審議官中野秀世君、厚生労働省医政局長伊藤雅治君、医薬局長宮島彰君、医薬局食品保健部長尾嵜新平君、雇用均等・児童家庭局長岩田喜美枝君、社会・援護局長真野章君、老健局長堤修三君、年金局長辻哲夫君及び社会保険庁運営部長冨岡悟君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

鈴木委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。金田誠一君。

金田(誠)委員 民主党の金田誠一でございます。きょうは早朝から御苦労さまでございます。

 まず第一点目は、我が国の社会保障制度が既に信用を喪失している、このことについてお尋ねをしたいと思います。

 若者の多くは、自分が高齢者になったときは年金制度は崩壊している、こう考えて年金離れが進んでいるわけでございます。その一方で、高齢者の方々も、医療、年金、介護、ともにこの先どうなるかわからない、こういう考えから貯蓄に走らざるを得ないわけでございます。こうした状況下にあっては、個人消費は落ち込むばかりであって、景気回復の足を引っ張っているところでございます。このような社会保障制度の信用喪失は、先進諸外国では例を見ない極めて深刻な事態である、こう思います。

 それでは、なぜこのような事態になったのか。自民党政権はこの間一貫して、少子高齢化の進行する中では一方において社会保障給付を削減し、他方において負担を増加させる以外に方法はない、こういう説明を繰り返し、そして現実にそれを強行してきたわけでございます。こんな夢も希望もないことが長年続けられれば、社会保障制度はだれも信用しなくなって当然である、こう言わざるを得ないわけでございます。

 したがって、今必要なことは、この政策を転換すること。一律の給付削減、一律の負担増というこれまでの政策から、だれがどこまで譲ることができるか、この国民的合意を形成するという政策に転換することが求められているわけでございます。

 もちろん、このことは政府・与党のみでできる仕事ではございません。この際、与野党の枠を超えて、超党派の協議会のようなものを設置して推進すべきである。私はこう考えますけれども、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

坂口国務大臣 おはようございます。

 金田議員から今御提案ございましたように、この社会保障の問題というのは緊急の課題でございますし、そしてまた、各党間で議論をしなければならない問題であることも間違いございません。政府の方は政府の方で現在進めておりますし、政府・与党間での連絡協議会等におきましても社会保障の問題をやってはおりますが、やはり、この国会でどのように議論を進めていくかということが一番大事なことになるのではないかというふうに思っております。

 そういう意味では、この厚生労働委員会がどう機能するかということが非常に問われるのであろうというふうに思いますので、この委員会を中心にして御議論をいただき、あるいはこの委員会をどういう形でやっていくかということは皆さん方でよくまたお話し合いをいただいて、そうした中でお進めいただければ、我々もそこに参加をさせていただくことができれば幸いでございますし、そして一歩一歩前進することができればというふうに思う次第でございます。

金田(誠)委員 大変残念な御答弁でございます。私がこのような提案を申し上げましたのも、実は、スウェーデンの年金改革が、与野党を超えて超党派でそういう機関が設置をされて、そこで合意を見た、そのことによって大変大規模な年金改革が一気に進んだという経験を踏まえてのことでございます。

 国民各界各層それぞれ利害が異なります、立場が異なります。その合意を見なければ、この社会保障改革というのは進まない。単に政治的な争点にするだけが能ではないと私は思います。非常に数字をいじる仕事ですし、技術的な仕事でもございます。そういう意味合いからは、与野党が胸襟を開いてという協議も私は非常に意義深いことと思っての提案でございます。御答弁は承りましたけれども、またひとつ今後御検討いただければありがたい、こう思う次第でございます。

 質問の二点目は、年金制度改革についてでございます。

 私は、昨年の十二月、ドイツ、スウェーデン、イギリスの年金改革を調査する機会を得ました。三カ国ともに当時の厚生省から派遣された職員の方がいらっしゃいまして、詳細な資料をいただき、充実した調査ができました。この場をかりて感謝を申し上げたいと思います。

 中でも、ドイツは保険中心、そういう国でございます。スウェーデンは税中心。イギリスは、サッチャー改革のもとで給付水準が相当低く抑えられてきた。それぞれ傾向の異なる三カ国でございましたけれども、年金改革の方向には共通するものがございました。それは、だれがどこまで譲ることができるかという合意を求めながら、ぜいたくはできなくても安心できる、こういう年金を目指していたということでございます。

 具体的に申し上げますと、一つは、年金保険料は原則現状維持だ、保険料は上げない。ヨーロッパは既に税も保険料負担も日本よりかなり高いレベルにありますし、消費税も非常に高い。現実的にも無理だというところまで来ているからかもしれません。そういう意味からすると、日本はまだ多少の負担の余地はあるのかなという違いはありますけれども、年金保険料は現状維持というのが一つ。

 そして二つ目は、その保険料に合わせて給付を設計するということでございます。したがって、給付の圧縮になるわけでございます。イギリスだけは、今まで圧縮され過ぎてきたということで、これからは多少給付をふやしていこうという発想でございましたけれども、イギリス以外は給付を圧縮する。

 その圧縮した分は、ほったらかしておくのではなくて、確定拠出型年金などでこれを代替する措置を講ずる。

 そして四点目。これがポイントでございますけれども、所得が低くて年金額もしたがって著しく低い、あるいは年金が受給できない、こういう方については全額国庫負担で。これはもう年金というより実質的には生活保護に近いものだと思うわけでございますが、それに、プライドを傷つけないということで年金という名前をつけて、最低保障年金とか呼び方はいろいろあるんですが、実質的な年金を保障していた。

 これが、おおむね共通した貫く精神だったと思うわけでございます。我が国の過去の改革が、一律の給付削減、一律の負担増であったことから比較をして、画期的な考え方だなと思って帰ってまいりました。

 こうした方向にこれから我が国も転換すべきではないか、こう考えますけれども、御所見を伺いたいと思います。

坂口国務大臣 年金のお話を申し上げます前に、先ほどの答弁を申し上げました内容につきまして若干補足をさせていただきますと、私も、先生が御指摘になりましたように、与野党の協議というものを決して否定したわけではございません。重要であるということを認識した上で御答弁申し上げたつもりでございます。

 ただ、いろいろのところで、例えば医療保険なら医療保険の問題をいろいろ議論いたしましても、なかなかまとまらない。そうしたことがございますから、やはり一番どこでやるかといえば、この厚生労働委員会のような本当に専門家の皆さん方がお集まりになっているようなところで御議論をいただいて、そこで最終的に煮詰めていただくということが一番大事ではないかという実感を持っておりますだけに、先ほどそういう申し上げ方をしたわけでございますので、御理解をいただきたいと存じます。

 さて、年金の問題でございますが、社会保障の中で何が中心かといえば、年金が中心であるということには私も全くそのとおりというふうに思っておりまして、この年金の改革こそ、やはり一番中心でなければならないというふうに思っている次第でございます。

 年金の考え方につきまして、先生がいろいろと海外で御勉強になりましたお話をお述べいただいたわけでございまして、大変参考になる点もあるというふうに思います。

 我が国におきましても、近年、保険料は現状の水準より引き上げない方向で年金改革が行われていることは御承知のとおりでございます。平成十二年の年金改革におきましても、最終的な保険料を年収の二割程度に抑えておりますし、給付は十分な時間をかけて徐々にスリム化をしていくという方針をとったわけでございます。

 したがって、この十二年度の方針と先生が御指摘になりました方針とは、そんなに大きな違いはないのではないかという気がしてお聞かせをいただいたわけでございます。いや、先生のおっしゃることを十分に理解をまだしていない点があるのかもしれませんが、そういう気持ちで聞かせていただきました。

 厚生年金の保険料の水準は、年収の換算で現在一三・五八%でございまして、欧米諸国と比較をいたしますとまだ若干低い段階にございますから、この保険料を現状に抑えるというのはやや無理がある、もう少しやはり御負担をいただくという方向に行くゆとりがあるのではないかというふうに思っている次第でございます。

 ただ、どんどん保険料を上げていくということを中心にして、それによって給付をつくり出すという行き方は、御指摘のとおり、私も考えなければならない問題だというふうに思っている次第でございます。

金田(誠)委員 現行の我が国の年金改革の評価などについては、多少理解の違いもあるのかなという気はいたしますが、またの機会に譲らせていただきたいと思います。

 申し上げたいことは、旧来の、経済が成長していた時代の、果実を分け合う時代から、今は負担を分担し合う時代に移ってきた。その負担の分担は、一律の給付カットや一律の保険料引き上げであってはならない。中身に着目をした、きめ細かい、これがヨーロッパのやり方であるということを申し上げたいわけでございまして、ぜひ今後御検討いただきたいと思います。

 そういう立場から、だれがどこまで譲るのかということが大事になるわけでございますけれども、そういう議論をする場合には、給付の実態、これが情報開示されていることが前提であるわけでございます。

 そこでお尋ねをいたしますけれども、厚生年金について、既裁定年金の最高額、最低額、そして平均額、それぞれ幾らかをお聞かせいただきたいと思います。

冨岡政府参考人 お尋ねの点につきましては、年金額の分布状況について把握できるコンピューターシステムと現在なっております。

 平成十一年度末現在で、厚生年金の老齢年金受給権者は八百五十八万人おりますが、平均年金月額は十七万七千四十六円となっております。

 個々人の年金額は、それぞれの平均標準報酬月額、加入期間の違いによって差が出てまいりますが、高い分布を見てみますと、月額五十万円以上の方が四百十二人と出ております。一方、低い方の分布を見てみますと、一万円未満の方が四人となっておりますが、これは平成九年の三共済の統合によりまして厚生年金の受給者となった方で、減額退職年金を受給している方がこのようなケースになるものと考えられます。

 以上でございます。

金田(誠)委員 きのういただいた資料では、確かに、厚生年金の場合、月額五十万円以上という方が四百十二人いらっしゃるわけでございますが、この刻みで幾ら以上ではなくて、最高額といった場合、幾らになりますでしょうか。

冨岡政府参考人 お答え申し上げます。

 現在の八百万人を超えます受給者の支給のコンピューターシステムにおきましては、個々人の最高額幾らというふうなことを抽出できるシステムにはなっていないところでございます。

金田(誠)委員 月額五十万円以上の方が四百十二人いるわけでございますから、その四百十二人がどういう金額をもらっているかだけわかれば簡単に出る話で、例えば、五十万円以上という方は、六十万円以上という人もいるわけですか、七十万円以上という人もいるわけですか。その辺はどうでしょう。

冨岡政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど申し上げましたように、分布としてとらえるシステムと現在なっておりますので、その点は今確認できないのが現状でございます。

金田(誠)委員 何回も言うようですが、だれがどこまで譲ることが可能なのかといった場合に、実際の支給実態がどうなっているかというのは最低のデータだと思うわけでございます。五十万円超といっても、もしかしたら百万円の方もいるのかもしれない。そんな中で負担をどう分担し合うかという話はできないわけでございまして、ぜひオープンにしていただきたい。また改めてお聞きしますけれども、御検討いただきたいというふうに思います。

 あるいは、きょうの読売でしたか、年金一元化という方向が出ておりました。一元化を目指すのであれば、厚生年金だけではなくて各共済年金についてもそれぞれ、どういう支給実態、支給だけでなくて財政状況、こういうものも含めて開示されるべきだというふうに思いますし、この情報は厚生省が一元化をにらめば当然集中していなければならない。今それぞれ、所轄庁というんですか、主務官庁が所管をしているんでしょうけれども、最低そのすべての情報を厚生省が集中するという方向で取り組んでいただきたい。御要望申し上げておきたいと思います。

 そこで、具体的に私どもの考え方をお示ししながらお聞かせをいただきたい、質問をさせていただきたいと思うんですが、私どもの考える年金改革の柱は、基礎年金の全額税方式ということでございます。これによって、現在の問題点であるところの逆進性の強い定額保険料、未納、未加入の増大、第三号被保険者問題、異常に高い保険料徴収コスト、このように現在言われている諸問題が解消するわけでございます。そして、この全額税方式という改革は、保険から税へと税目を切りかえるだけの話でございまして、財政的には中立でございます。

 そういう立場から、次期の年金再計算、財政再計算に合わせて全額税方式に移行すべきである、これが私どもの考え方でございますが、大臣の御所見を承りたいと思います。

坂口国務大臣 年金をどう皆が分担をしていくかということでございますが、それは、今までのような保険形式によります保険料として負担をしていくか、それとも税として負担をしていくか、こういうことになるわけでございます。

 私は、この基礎年金というものをやはり心配のないものにしなければならないという先生のお考え、ここは私もそのとおりと思っておりまして、そうしなければならないというふうに思いますが、基礎年金をすべて税方式で行うというところまで私は踏み込むことができません。それは、保険として、いわゆるお互いに保険料を出し合って支えております年金制度でありますから、基礎年金といえどもやはり保険で賄う部分が必要ではないか。

 少なくとも半分のところまでは、今三分の一国庫負担でございますが、二分の一国庫負担のところまではぜひ早く踏み込みたいというふうに思っておりますが、ここを全額ということになりますと、将来の保険料それから税負担等を考えましたときに、なかなかそこまでは踏み切れないというのが我々の考え方でございまして、まず、当面二分の一まで踏み込みたいというのが我々の考え方でございます。

金田(誠)委員 私どもも、過渡的な措置として二分の一ということがあり得るということは否定はいたしません。しかし、行き着くところは全額税方式でなければ基礎年金はもっていかないというふうに思うわけでございます。

 二十六日の日経新聞でしたでしょうか、厚生省は十年かけて二分の一に持っていきたいということが報道はされておりましたけれども、その報道の中でも、一気に二分の一にすれば、二〇二五年には、国民年金保険料、現行一万三千三百円が一万八千二百円、十年かけてやるとすれば二万一千四百円という数字も出ておりました。

 今の一万三千三百円でも、三分の一の方が何らかの形で払っていない、もう実質空洞化しているわけでございます。これをさらに一万八千円なり二万一千円に引き上げる。これで国民年金がもつわけがない。できもしないことをおっしゃっても意味がない、私はこう思っておりますので、今後、ぜひひとつそうした点もお考えいただければと思うわけでございます。

 次の質問に移らせていただきます。

 諸外国においては、老齢年金についてさえも最低保障というものが担保されているわけでございますけれども、我が国においては、障害者においてさえそれがない。無年金障害者がいまだ放置されている状況でございます。さらに、在日外国人や中国残留邦人など、制度の谷間にあって年金が受給できない、あるいは極めて低額であるという方々が多くいらっしゃるわけでございます。

 これについては、全額税方式への移行により将来的には解決の道というものが開けるわけでございますけれども、それに至らない場合、あるいは大臣おっしゃるように全額税方式を否定される場合には、どうしてもそれにかわる措置が必要でございます。

 年金審議会では、福祉的な措置によりという提言もあるわけでございますけれども、私は、ぜひこの福祉的な措置により早期に実質的な年金を保障すべきである、こう考えますが、いかがでしょうか。

桝屋副大臣 おはようございます。副大臣の桝屋敬悟でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 今委員お尋ねの件でございますが、障害者に対する年金の問題、無年金の問題等御指摘をいただきました。

 今までも、委員御案内のとおり、障害者に対する年金の問題につきましては、被保険者となる二十歳前の障害の場合であっても基礎年金を支給するといったような六十年改革、あるいは任意加入とされていた被用者の妻あるいは学生について強制加入とするというようなこと等を行ってまいりまして、社会保険方式のもとで可能な限りの対応をとってきたというのは、委員御承知のとおりだろうと思います。

 あるいは、在日外国人や中国残留邦人の方々に対しましても、現在の社会保険制度の中で可能な限りの対応をとって、年金の支給に結びつけるということはやってきたわけであります。しかし、今御指摘のように、無年金の方がいらっしゃるということも、これまた事実であります。

 そこで、御指摘のように、例えば無年金障害者の方について、福祉的な措置によって実質的な年金を給付するということでございますが、実は私もずっと、そちらに座っているときはこの問題に取り組んできたわけでありますけれども、しかし、委員も御案内のとおり、社会保険制度である年金制度の根幹に触れるという問題もありますし、先ほど質問の中で御指摘のあったとおりでありますが、あるいは福祉的措置としての所得保障としてはさらに公的扶助の制度もあるという、そうしたさまざまな問題があるわけであります。現状の認識が私はあると思っております。

 年金制度全体がこれから議論される中で、引き続き議論をしていかなければならぬ問題だろうというふうに思っておりますが、いずれにいたしましても、障害者や中国残留邦人等々の方々にはさまざまな福祉的施策によりきめ細かく対応することに努めていかなきゃならない。安心した生活を送ることができるように取り組みを進めていきたいと思っております。

金田(誠)委員 桝屋副大臣らしからぬ、歯切れの余りよろしくない御答弁を伺いまして、ちょっと残念でございます。

 社会保険だから給付と反対給付、負担と給付のリンクということ、これにこだわり過ぎてはおらないか、これに縛られ過ぎてはおらないか。発想を転換すればいいわけでございます。イギリスなども保険でございますけれども、低所得者の方にはペンションクレジット、名前がペンションなんですけれども、実質は生活保護なのでございます。プライドを傷つけないということで、年金という名前をつけて支給しているわけでございまして、やり方はいかようにでもある。その発想を切りかえるのが、私は政治の仕事だと思います。

 ぜひ期待をいたしておりますので、任期中にひとつ日の目を見るように、よろしくお願いをしたいと思います。

 ちょっと時間が押してまいりましたので、次に医療制度改革に入りますが、一点目、ちょっとこれはカットさせていただいて、二点目から入らせていただきます。医療事故のところでございます。

 今日、考えられないような医療事故が頻発をいたしてございまして、医療に対する信頼も大きく揺らいでおります。一方では、大病院を中心に、三時間待ち三分診療と言われる状態があり、医療制度改革とはこれらを解消するものでなければならない、こう思います。

 そのためには、次の四点が必要だと思います。

 一つは、医療の標準化でございます。二つ目は、診療所と病院の機能分担。三つ目は、病院における一患者当たりの職員数、入院期間、人口当たりの病床数を世界標準に近づける。職員数を倍にして、入院日数を半分にして、病床数を半分にする、これが世界標準だと思います。四点目は、そういう改革に見合う診療報酬単価の引き上げ。こういう改革をしても経営が成り立つようにということでございます。

 この四点セットが改革にとって必須要件であると思いますけれども、いかがでしょうか。

桝屋副大臣 国民に信頼される医療を実現するために、良質でかつ効率的な医療を提供できる体制を整えていくということは、今委員、医療事故等のお話もありましたけれども、大変重要な課題であるというふうに受けとめております。

 委員御指摘のように、我が国の医療につきましては、病床当たりの職員数が必ずしも十分でない、それから長期療養の患者がそれ以外の患者と混在した状況で医療を受けている、こういうこと、あるいは諸外国に比べて平均在院日数が長い等々の問題が指摘をされているところであります。

 医療機関の機能分化あるいは平均在院日数の短縮化、患者当たりの職員数の充実等を図り、そのための診療報酬体系を確立しなければならないという今の委員の御指摘でございますが、これまでも、御案内のとおり、平成九年の第三次医療法の改正におきまして、病院と診療所の連携を図るため地域医療支援病院を制度化いたしまして、また、医療機関の機能分担と連携に関する事項を必ず医療計画に記載するというようなことをいたしてきたところであります。さらには、かかりつけ医と地域医療支援病院等との連携を図るため、都道府県に対する助成というようなことも行っております。

 診療報酬におきましても、従来より、医療法の配置基準を上回る看護配置を評価するとともに、昨年四月には、慢性期入院医療における包括払いの推進に加えまして、医療機関の種類に応じた入院基本料を創設したところであります。

 また、先般の医療法改正でありますが、これも御案内のとおりでありまして、病院の機能分化を図るため、その他病床を療養病床と一般病床に区分するということを行ってきたところであります。

 それから、委員御指摘の医療の標準化の話でありますが、各種の医学文献を幅広く収集し科学的に分析評価を行って得られたものを活用し医療を行う、EBMと言われるもの、私も今勉強している最中でありますけれども、これまでも学会等の専門家によるガイドラインの作成を支援するということも取り組んでいるところでありまして、委員御指摘の今の四点も踏まえながら、こうした施策を通じて良質でかつ効率的な医療提供体制の確立を図ってまいりたい、このように思っております。

金田(誠)委員 今までも方向としてはそういう方向を向いて努力をされてきたことは理解をいたしますが、余りにも遅々として進まない、ほとんど何も変わってこなかったというのが実態だと思うわけでございまして、これは目に見える形で大胆に世界標準というものを明確に打ち出して、そこにどう到達するかというプログラムをつくって進めていただきたいと思うわけでございます。

 さらに、診療報酬と薬価、これについての基本的な考え方を申し上げたいと思いますが、私どもは、病院医療は包括払い、例えば日本版DRG・PPS方式ということを想定いたしております。これによって、質の高い良心的な病院が経営上でもそれなりの収益を確保することができるということになろうかと思います。また、この方式が大勢を占めることになれば、公定薬価制度を廃止して自由価格制に移行することも可能だ。新薬シフトであるとか薬価差であるとか、そういうものはこれで解消できるわけでございます。

 これが私どもの考え方でございますが、基本的にいかがでしょうか。端的にひとつ。

桝屋副大臣 端的にという話がありましたが、医療の分野については私も今勉強を始めたばかりでありまして、確認をしながら答弁をさせていただきたいと思います。

 委員御指摘のDRG・PPS、これも委員が前からおっしゃっていることをずっと勉強しているわけでありますが、平成十年十一月から、御案内のとおり、国立病院等の十病院において試行調査を実施しておるところであります。中央社会保険医療協議会における論議を踏まえつつ、診断群の分類、あるいは調査内容等の見直しを行いつつ、試行調査を続けていくこととしているところであります。

 それから、いわゆる包括払い方式については、諸外国においても入院医療を対象に導入されているところでありますけれども、外来診療も存在することを考え合わせますと、診療報酬の支払い方式については、医療サービスの内容に応じて個々具体的に、出来高払いとするか包括払いとするかを判断することが必要でありまして、入院、外来を問わず一律に包括払いとするということはなかなか困難な問題ではないかと思っております。

 それから、委員御指摘の薬剤でございますが、これも入院、外来を問わず使用されているものでありまして、国民皆保険制度のもとで、薬価について完全な自由価格制とした場合には、価格を抑制するインセンティブがどう働くかという問題もあるわけでありまして、薬価が高騰する可能性もありますから、現行の公定価格制度を維持していくことが必要ではないかと考えているところであります。

 なお、薬価につきましては、適時の改正によりまして、市場実勢価格を踏まえた適正化に取り組んできたところでありまして、今後とも中医協での議論を踏まえ、その適正化に取り組んでまいりたいと思います。

金田(誠)委員 外来部分であるとかあるいは診療所などについてまでのDRG・PPSというのはまた次の段階になろうかなと思いますが、病院の入院について包括払いを原則ということにしますと、ここに経費節減、薬についても効果があって安いものに向かうインセンティブが生ずるわけでございます。そういう形の中で薬価も公定価格制を排除しなければ、今の日本の製薬産業は国際競争力をますます失いつつある。私はこの問題も非常に重要だと思いますので、このDRG・PPS方式というものを主張しているわけでございます。

 そうした点も含みおきの上、御検討いただきたいと思います。

 次に、医療保険制度改革に移らせていただきたいと思います。

 老人保健制度を初めとする医療保険制度改革の論議は迷走していると思います。制度企画部会の経過はほごにされつつあり、何でもいいから関係者が合意すればいいという話まで出ているようでございますが、もしそんなことになれば、問題の先送りということになるわけでございます。このような話が出るのも、関係者の間で、あるいはその内部でさえも利害の対立が厳しいことによります。しかし、それが厳しければ厳しいほど、筋を通さなければ改革はできないと私は思います。

 民主党としては、制度企画部会において塩野谷祐一先生が主張されたリスク構造調整の導入、これこそが筋論である、こう考えておりますが、大臣あるいは副大臣、いかがでございましょうか。

坂口国務大臣 年金と両立します医療、この改革もまた大変重要でございまして、とりわけ医療の問題は、来年の国会に法案を提出させていただくことをお約束しているわけでございますので、そういたしますと、ことしの秋ごろまでにその骨格をまとめなければならないわけでございます。今御指摘のように、高齢者医療にかかわりますところの医療保険制度をどうするかというのは、その中の大きな柱の一つというふうに思っております。

 この医療保険制度をこれからどうしていくかというのは、いろいろの御意見がありますことは委員御承知のとおりでありまして、別枠方式でありますとか突き抜け方式でありますとか、今お話しになりましたリスク構造調整方式と申しますか、こういう方式がある。学問的に考えますと、このリスク構造調整方式というのはなかなかよく考えられた案だというふうに思うわけでございますが、しかし、実際問題、これを実施するに当たりまして、これを実施したらどういう問題が起こってくるのかということにつきましても、いろいろこれまた議論されているところでございます。

 一々今申し上げませんけれども、一長一短がある。これらの問題をどうクリアしていくかというのがこれからの課題でございますが、突き抜け方式とリスク構造調整とを組み合わせるとか、あるいはまた別の組み合わせをつくるとかというような行き方も考えられているようでございますし、こうしたことをいよいよこれから議論を深めていただくときというふうに理解いたしております。

金田(誠)委員 保険者が分立している国では、このリスク構造調整が当然のこととして行われております。やり方はいろいろございます。しかし、保険者が分立していて社会保険方式で医療を支えるという国では、リスク構造方式は必ず行われている。このことをぜひ踏まえていただきたいと思いますし、我が国においては当面、年齢リスクに着目した調整からスタートをしていけばいいのではないか、こう考えておりますので、ぜひひとつ、これを十分に御検討いただきたいと思います。

 次に、高齢者が国保に集中する仕組み、リタイアしたら全部国保に入る、これは国保の成立時には想定されていなかったことでございます。当時は高齢者は、年金が成熟をしておらないという形で、被用者保険の被扶養者に入っていた。それが時代の変遷とともに変わってきて、当初想定していない形になってきた。この国保に集中する仕組みを変えなければ、国保は救われないと私は思います。したがって、被用者保険も高齢者を抱えて、全体で高齢化社会を支えていくという発想に転換すべきであります。

 継続加入方式あるいは突き抜け方式と言われる方式に転換すべきだというのが私どもの主張でございます。時間がございませんので、主張だけ申し上げて、ぜひ御検討いただくということにしていただきたいと思います。

 あるいは、保険者の再編成というテーマもございます。今日、五千三百と言われる保険者、ドイツに比較して一けた多いわけでございます。中でも、政管健保は巨大に過ぎる、国保は脆弱に過ぎる。また、国や自治体、こういう公が保険者になっているということでは保険者機能は発揮されないという弊害がございます。

 本来、社会保険方式の長所は、こうした保険者側と医療提供側が自主的に契約を締結するというところにあるわけで、それにふさわしい保険者の体制が要求されるわけでございます。また、リスク構造調整や継続加入方式をとるにしても、今日の保険者の体制であっては問題があるわけでございます。

 このような観点から、私どもとしては、各保険者については、民営化と規模の適正化、こういうことを基本にして再編成すべきであるという主張を持ってございます。これについても、時間の関係で、指摘をして御検討願うということにとどめさせていただきたいと思います。

 次に、介護保険改革に移らせていただきます。

 施行から一年が過ぎて、さまざまな問題点が明らかになってまいりました。民主党としては、それらを取りまとめて、改めて提言としてお示しをしたい、こう考えてございます。政府としても、一たん決めたものは変えないということではなくて、かといって、かつての亀井政調会長のようなやり方ではなくて、あくまでも国民の立場に立った、筋の通った手直しといいますか改革というものを検討していただきたい、こう思うわけでございますが、総括的に、いかがでございましょうか。

坂口国務大臣 介護問題もようやく定着しつつあると申しますか、スタートいたしまして、そして、皆さん方のおかげをもちまして一歩一歩前進をさせていただいているというふうに思っております。しかし、問題なしとは決して思っておりません。その間に生じておりますいろいろの問題もあることを承知いたしております。

 これらの問題は、やはりその都度、一つ一つ見直しを行いながら前進をしていくということが大事だろうというふうに思っておりますので、それらの点をきちっと私たちも踏まえてやっていきたいと思います。

金田(誠)委員 そこで、現時点で一点だけ具体的な問題を指摘させていただきたいと思います。

 それは、一号保険料の問題でございます。市町村民税の課税、非課税、これに着目した保険料賦課の制度でございまして、ほとんど所得のない方にも相当の負担を求めるということになってございます。中には、所得の低い世帯が高い世帯より負担が重いという、いわゆる逆転現象も生じる制度となっているわけでございます。自治体の中には、これを見るに見かねて独自の軽減措置をとるところも出てきているわけでございますが、本来は国の制度の問題であります。

 本年十月、保険料の満額徴収ということになるわけでございますが、これを前に、この一号保険料について、抜本的な改善策といいますか、こうしたことを講じることができないか。本当に抜本的というと、五段階保険料から定率保険料、例えばドイツであれば所得の一・七%というような保険料になっているわけでございますけれども、ここまでいけば私はいいと思いますが、仮にそこまでいかなくても、現在の矛盾の解消、低所得者の方にはそれなりに、逆転現象などが生じないように、とにかく払い切れる保険料でなければ成り立たないわけでございまして、そういう観点からの改善策を御検討いただきたいと思いますが、いかがでございましょう。

桝屋副大臣 介護保険のお話でありますが、先ほど亀井政調会長の話もありましたけれども、あのときは、与党三党でしっかりと議論もさせていただいて、現場の声も十分聞かせていただいて取り組んだわけでありまして、どうぞその点も御理解をいただきたいと思います。あの中で、今委員御指摘の低所得者対策も、本当に現場の声も、市町村、首長さんの御意見もいただきながら議論をさせていただいたところであります。

 ただ、何とかならぬのかというお話もあるわけであります。それから、今委員からお話のありました、市町村が独自で減免を行っておられるという実態もあるわけでありまして、御案内のとおり、保険料の単独減免については、保険料の全額免除とか収入のみに着目した減免、あるいは減額分の一般財源からの繰り入れなどについては、これから介護保険制度を保険制度として運営していく上でやはり問題があるだろうということで、慎重な対応を厚生労働省としても各市町村にお願いをしているというところであります。

 なお、お話のありましたいわゆる逆転現象も、そうした実態があるということは我々も理解をしております。

 ただ、この介護保険制度の保険料の設定を仕組むときに、これも委員御承知のことでございますが、簡便な事務処理を求める市町村からの意見などを踏まえ、市町村の住民税をベースに行いまして、なおかつ世帯単位ということも加味して工夫をしたものでありまして、そうした中で委員御指摘のような逆転現象が一部あるということも理解をしております。これは、保険料の設定を各被保険者の負担能力に応じてある程度きめ細かく行おうとする以上、どうしてもやむを得ないものかなというふうに思っておりますが。

 定率にという、抜本改革を検討しろという委員のお話でもありましたけれども、これは、現在の介護保険の保険料負担の場合におけるそれぞれの被保険者の所得の把握という点からしてもなかなか難しい問題でありまして、委員御指摘のとおり、一たん決めたら変えないということではなくて、さまざまに現場の今の取り組みの状況等を我々も研究させていただきながら、これからもこの制度をよりよいものにするように考えていきたい、このように思っておるところでございます。

金田(誠)委員 このほかにもさまざまな問題が、施行後一年、出てきております。取りまとめてお示しをするというつもりでおりますが、十月の満額徴収に向けては、今から頭出しをしておかないともう間に合わないことになりかねないと思いまして、きょうこの問題だけあえて触れさせていただきました。

 公明党というお立場は、負担の大きい方々の生の声を最も直接的にお聞きできるお立場だと思うわけでございます。相当入っていると思うわけでございます。そういう声にぜひこたえていただきたい。今まで、前大臣のときまではかなり逆でした。払うのが当たり前ということで、自治体の独自の措置をかなり冷ややかにごらんになってきたと思うわけでございますが、私は、そうではない。各自治体もやむにやまれず、その声を聞けばほっておけないということがあるんだと思います。もう余り時間はないわけでございますけれども、ぜひひとつ抜本的に検討いただきたいということを申し上げておきたいと思います。

 最後に、雇用対策についてお聞きをいたしたいと思います。

 雇用失業情勢は極めて深刻でございます。したがって、雇用対策は当面する最大の政治課題だと私は思うわけでございますが、所信表明を拝見しましてもそうした危機感が伝わってまいりません。遺憾であるというふうに思います。大臣の所信においても、完全失業率が高水準であるということには言及されてはおりますけれども、これをいつまでにどうするのかという政策目標が示されてこない。残念でございます。

 私どもは、三%台への引き下げを目指す、これはもう当然だと思っておりますけれども、具体的な数値目標についてぜひお聞かせをいただきたいと思います。

坂口国務大臣 雇用の問題も大変大事な問題でございますが、失業率に対する、失業率をどれだけにするという目標を掲げるということは、あるいは大事なことかもしれませんけれども、それではその目標に向かってどうするかということを考えましたときに、大変いろいろの問題がそこに絡んでくるわけでございます。

 雇用サミットが一番最初にデトロイトで行われましたときに、諸外国は、日本は数年後失業率を一体どうするのかと。ヨーロッパもそしてアメリカも、失業が高くなる。アメリカは、高くなりました失業率を、仕事の範囲を広めることによって、言葉をかえれば賃金を下げることによって失業率を低下させた。ヨーロッパの方は、賃金は高いままであって、失業率の高いのを許容した。日本は将来、失業率の高いことを許容するのか、それとも賃金を下げない、守るということを中心にいくのか、こういう話が出たわけでございます。

 それから数年を経たわけでございますが、現在の日本の社会の状況を見ておりますと、何となく、パートが非常に多くなってきて、そういう状況を見ておりますと、賃金のトータルで見ますと抑制が起こっているような気もしないではありません。

 私は、雇用を、三%にするということを一番中心にして掲げるということはそれは立派なことではございますが、そういたしますと、一方におきまして賃金の方がそれで守られていくかという問題がそこに起こってくる。この双方を見ながらやっていかなければならないところに、この問題の難しいところがあるのではないか。

 たとえ〇・一%でも下を行くように、今四・八ぐらいでございますけれども、それを四・五ぐらいに持っていくためにどうするか、そういう議論が今されているわけでございますが、それを三まで持っていくというのは、今そこまで急激に持っていくのは、かなり景気でもよくなれば別でございますけれども、現状ではなかなか難しいのではないかというのが、これは私個人の実感でございます。

金田(誠)委員 この問題は極めて難しい問題であるということでは、認識は共通すると思います。それだけに、目標を定め、その段階も定めながら、政府が総力を挙げてこれに当たるという姿が見えてこないのが残念であるということを申し上げたいわけでございます。

 次の質問に移らせていただきますが、当たり前のことですが、二十一世紀を迎えたわけでございます。時代のキーワード、分権であるとか男女共同参画であるとか環境、国際化、高齢化、IT化、さまざまな時代のキーワードがあるわけでございますけれども、雇用労働政策もこうした観点から再編成、再構築されるべきものであると考えます。

 例えば、国際化という波が押し寄せているわけでございますけれども、これへの雇用労働政策面の対応のおくれというところにアイム・ジャパンの問題があった。この犯罪が起こる土壌がこの対応のおくれにあったのではないか。外国人労働者を研修という形の中で受け入れて、一定の裁量行政の枠に置いたということが問題であったと思うわけでございます。

 私は、KSDだけ風が過ぎればいいということではなくて、この抜本改革のためには外国人労働者の受け入れについての法制化、きちんと透明な形で枠組みをつくるということが必要であると思いますし、こうした観点からぜひひとつ今後検討いただきたいということで、御要請を申し上げたいと思います。

 あるいは、労働政策における国際化ということからすると、ILOというものが問題の中心に据えられるべきだと思います。

 九八年には、労働における基本的な原則及び権利に関するILO宣言が採択されまして、対応する八条約が提示をされ、我が国ではこのうちの三条約がいまだ批准されておらないわけでございますが、百五号、百十一号、百八十二号条約について批准の見通しをお示しいただきたいと思います。

増田副大臣 お答えをいたします。

 確かに、八つの基本的条約の中で三つがまだ批准をされておりません。中核的労働基準について規定した八本の基本条約、今御発言のとおりでありますが、これまでに五本は批准をしております。

 そこで、未批准の条約のうち、最悪の形態の児童労働条約につきましては、百八十二号ですが、今国会に提出すべく検討を進めているところであります。どうぞよろしくお願いいたします。

 それから、強制労働の廃止に関する条約、第百五号でございます、及び雇用及び職業についての差別待遇に関する条約、百十一号ですが、については、国内法制との整合性などにつきましてさらに検討する必要がありますので、現在未批准となっておりますが、これらの条約についても今後とも引き続き検討、努力をしてまいりたいと思います。

 以上です。

金田(誠)委員 ぜひひとつ早急な批准をお願い申し上げたいと思います。

 続いて、時代のキーワードという観点からお尋ねをいたしますけれども、分権という切り口から見れば、省庁ひもつき補助金から一括交付金に変える、これは分権をより高めると同時に、雇用に対する波及効果、これも大いに期待できるわけでございます。

 あるいは、NPO促進税制、政府の提出法案ではNPOの一、二%しか対象にならないというものが出ているわけでございますが、これを、七割、八割対象になればそこにまた雇用が生まれる。

 あるいは、私は北海道なんでございますが、積雪寒冷地にあっては、会計年度を暦年にしてもらいたい、十二月末に予算を決めて一月、二月が設計にかかって、三月の雪解けから工事が出てくれば、ほとんど通年雇用ということで、これまた雇用に及ぼす影響も大きい、これが悲願なのでございます。

 あるいは、環境という観点から見れば、自然エネルギー発電促進法、御党の加藤修一参議院議員が一生懸命取り組んでおられる、これの雇用効果も非常に大きいわけでございます。

 あるいはまた、高齢化という観点から見ると、バリアフリーの各種施策あるいは介護の充実、これまた雇用を生むわけでございます。

 男女共同参画という観点から見れば、ILOパート労働条約、百七十五号、この批准なども雇用の安定という意味からは非常に大きい。

 こういう時代のキーワードに従って政策を組み立てていただきたいし、そのためには、かなりの部分大臣の所管外でございます、厚生労働の範疇を超えるテーマが大きい。しかし、雇用対策というものは省庁の垣根を越えたもので本来あると思うわけでございます。三%台の失業率の達成という数値目標を本来掲げれば、政府を挙げてということに必然的につながっていくという思いもあって実は申し上げているわけでございますけれども、こうした省庁を超えた対応に大臣先頭になって御努力いただきたいと思いますが、決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。

増田副大臣 問題意識は十分お聞かせをいただきました。理解をしたつもりであります。

 お答えを申し上げてまいりますが、雇用は国民生活のもちろん基盤であります。労働市場の構造変化に的確に対応し、職業能力の開発や新規産業の育成による雇用機会の創出を通じまして、労働力需給のミスマッチの解消を図っていかなければいかぬというので、真剣な取り組みを展開いたしております。

 このため、雇用対策の展開に当たっては、関係省庁とも十分連携をとりながら、ただいまの御発言にもございましたが、心して、IT関連分野や介護、環境など今後成長が見込まれるさまざまな分野において雇用機会の創出に取り組んでいる、またいきたい、このように頑張っていくつもりであります。

 また、パートタイム労働を初め、テレワーク、NPOにおける就業等、多様な働き方を前提とした就業環境の整備にも配慮しつつ、雇用の創出、安定と、年齢にかかわりなく人々の意欲と能力が生かされる社会の実現に向かって取り組んでまいりたい、一層頑張ってまいりたいと思います。よろしくどうぞ。

金田(誠)委員 今、NPO支援税制などは該当委員会で審議中でございます。ぜひひとつ、厚生労働という観点から、こういうところにも垣根を超えて発言をしていただきたいものと御要望申し上げておきたいと思います。

 最後でございますが、政府が進めようとしている不良債権の直接償却についてでございます。雇用の面からの対応策を整えなければならない、このことを御要請申し上げる次第でございます。

 報道されている内容であれば、三月中にスキームをつくるということでございますが、雇用に及ぼす影響は極めて大きいと思います。直接償却、これは遅過ぎたと思いますけれども、遅過ぎた分だけ、痛みはより大きくなるような気がいたします。特別立法も視野に入れた骨太の対策をセットした上でこのスキームがつくられるべきもの、こう考えるわけでございますが、いかがでございましょうか。

坂口国務大臣 御指摘のように、不良債権の直接償却というのは、やはり雇用に大きな影響を与える、私もそう考えております。雇用の問題を考えるのは厚生労働省として当然のことでございますし、社会保障と雇用の問題は、二大支柱と申しますか、大きな柱でございます。

 この雇用の問題を手がけていきますその内容は、今まで、ややもいたしますと、雇用対策といいますと、仕事の後片づけをする雇用対策というような感じが強かったわけでございますが、やはり今御指摘になりましたように、仕事を生み出す雇用対策というものの方向にもっと向かっていかなければならない、そういう決意で今やっているところでございます。

金田(誠)委員 ありがとうございました。時間が参りましたので、終了いたします。

鈴木委員長 次に、釘宮磐君。

釘宮委員 民主党・無所属クラブの釘宮磐でございます。

 質問に入ります前に、今の金田議員とのやりとりを聞きながら、若干感想を述べさせていただきたいと思います。

 先ほど金田議員が提言をした、いわゆる与野党超えてこの社会保障制度改革というのはやらなきゃいけない、これを私は痛切に感じるのです。なぜならば、どうしても利害が、この社会保障の給付と負担の問題では絡まってきます。したがって、それぞれ政党のよって立つ基盤、その背後に支持団体なりあるわけですから、そこに気を使っていたら、これはいつまでたっても結論は出せない、そういうように思うんですね。

 したがって、それが先送り、先送りをされてきたという経緯を見たときに、きょう、この場から、今、大臣、副大臣、政務官、皆さんかつて私と政党を同じくした方ばかりでございまして、そういう意味では、この社会保障制度を、二十一世紀の少子高齢化の中で改革をし、確立をするためには、やはり今国民が期待をしている、ある意味では痛みも伴う、そういう改革を提言する国会でなければならない、そういうふうに思っております。

 そういう意味で、大臣の所信表明の中には、与党での協議というようなことが言われておりましたが、今大臣が先ほどの金田さんへの答弁の中で、この委員会がというような話がありましたが、委員会に出すたたき台というのは、与党で出してしまえばどうしてもそれが政争の具にならざるを得ない。だからこそ、政争の具にしないために、これは与野党が一緒になってたたき台をつくって、そしてこの委員会で議論をするというようなことがなぜできないのか。私は、そのことを、ぜひ、これは坂口大臣、検討をしていただきたいなというふうに思います。

 それでは、質問に入りたいと思います。

 私は、きょうは、虐待の問題について集中的に質問をさせていただきたいというふうに思っております。先ほどから大臣、そして副大臣の答弁を聞いていますと、どうも原稿を読んでいるようで、政治家同士の議論にどうもなっていないようでありますので、この虐待の問題というのはそんな専門的な話ではない、どちらかといえば我々が、今本当に子供が病んでいる、きょう、今この時点でも、虐待という問題は家庭という密室の中で行われているわけですね。こういうような問題について、そのメカニズムなり、また行政がどういう形でその子供たちに手を差し伸べていくかということについての議論でありますので、率直に意見を聞かせていただきたい、このように思います。

 まず、我が国は平成六年に子どもの権利に関する条約を批准しました。子供は大人の保護のもと、庇護のもとにあるのではなく、子供自身が権利の主体であることが示されました。ところが、その後改定されたどの法律にもこれが反映されていません。日本の児童憲章も、児童福祉法も、いまだ子供は大人の保護のもとにあるということになっています。子供を権利の主体者とする考え方にシフトする必要があるのではないかと思います。例えば、子供の権利に対して親権が余りにも優先しているのではないか、そして、そのことが子供虐待の生じやすい背景の一つになっているんではないかな、このように思うわけですが、大臣の所見をお伺いしたいと思います。

坂口国務大臣 具体的な問題に入ります前に、最初に社会保障に対するお話がございました。金田委員にもお答えを申し上げましたが、若干、もう一言だけ申し上げておきたいというふうに思います。

 私も与野党での協議、そうしたものが大事だという立場をとっておりますことに間違いはございません。かつて委員会等におきましても、小委員会をつくっていただきましたり、そうした中で、いろいろのことをお詰めいただきました経緯もあるわけでございますし、政府が出しましたものをここで議論するというよりも、この委員会の意思としていろいろの御議論をいただくことができれば、これは専門家の場でございますから、ほかのところとは違った、またいろいろの議論がしていただけるのではないかということを先ほど申し上げたつもりでございます。

 そうした趣旨でございましたので、またいろいろと御検討をいただきたいと思いますし、我々もまた、知恵を出せと言われれば、一生懸命考えたいと思っております。

 さて、児童の権利の問題でございますが、きょうは先生ずっとこの問題をお取り上げいただくようでございますが、私、不勉強でございまして、この児童虐待ということを何とかなくしていかなければならないという総論につきましては、私も早く何とかしなきゃならないという思いがあるわけでございます。しかし、その原因が一体何なのかということを考えましたときに、その原因はいろいろの複雑なものが織りまざって、そして起こっているように私には思えるわけでございますが、その辺のところの整理が十分にできていないものでございますから、十分なお答えを先生に申し上げることができないのかもしれません。ただ、子供が権利の主体であるという御主張、このことはもう私もそのとおりというふうに思っております。

 ややもいたしますと、父親であれ母親であれ、子供は自分の従属物である、附属物であるという考え方を持ちがちでございまして、そして、自分の思うようにならないと、それに対して罰を与えるというようなことが多かれ少なかれ今まであったわけでございます。そうしたことではない、別人格であるという認識が全体として少ないということはそのとおりではないかというふうに私も思っておりますが、いわゆる虐待というところまでこれが進んでいきます場合に、その原因となるもの、非常に過剰反応が起こりますその原因となるものは一体何なのかということについての整理が私自身ができていないものでございますから、きょうは先生の御意見を十分に拝聴しながら考え方をまとめていきたいと思っているところでございます。

釘宮委員 この議論は改めてさせていただきたいと思いますが、児童虐待の防止に関する法律が昨年の十一月二十日に施行されて三カ月余りが経過したわけであります。しかしながら、虐待の事例は毎日のように報道されております。きょうも朝、NHKで、虐待を受けた子供が養護施設でその傷つけられた心を開いていく、それに携わるカウンセラーとのやりとりが出されておりました。

 こういうふうに非常に国民的な大きな課題にもなっておりますこの虐待の問題、いわゆる防止法が施行されて、その効果がどこにあったのか、そして課題はどこにあるのか、その点について、簡単で結構ですから示してください。

増田副大臣 お答えをいたしますが、釘宮先生と同じように、ここのところ頻発する児童虐待に対しては、私も、私の県内にも限りなくあるので、何とかならぬかというので必死に実は悩んでいたところであります。

 お尋ねをいただきまして、まず、効果の関係はどうか、こういうことですが、ここのところの特徴というのは、近隣知人がこういうことがあったと通報してくれる、これが私が見た限り大きな効果だろうと。特に、ここのところ、だんだん、九年、十年、十一年度とずっとふえてまいりまして、その通報で虐待がわかるということが大変に多くなってまいりました。

 簡単ということでしたが、十一月に施行された児童虐待防止法に基づきまして、早期発見、早期対応、それから児童の適切な保護ということに全力を尽くそう、同時に、通報が参りますから、直ちに対応というようなことで対応するのが一番よいというような考え方を持っております。

 今申し上げました国民の方の通告義務に関する広報、それからまた啓発、その関係を、どんどん知らせていかなきゃならない、このように実は考えております。そして、意識の高まりが結局は今申し上げた相談件数や何かの関係にも反映もしていくでしょうし、虐待そのものも防ぐことができていくだろう、このように考えております。

釘宮委員 今、効果の部分で、いわゆる通報の義務化がされたわけですから、その通報が非常に多くなってきたということで、これは今まで実際に虐待そのものがあったものが、やはり家庭という密室の中ですからわからない。ましてや、今コミュニティーも壊れていますから、なかなかその辺が出てこなかったということで、私はそれなりの効果はあったと思うんですが、残念ながら、そういう報告があっても、その報告をある意味では受ける側、この整備が非常におくれているというふうに私は思うんですが、どうでしょうか。

岩田政府参考人 虐待の事案が通報されますと、早期に緊急的に保護をする、あるいは傷ついた心をいやす、ケアをする、また場合によっては加害者の親をカウンセリングするなど、一連の大変難しい仕事が待っております。それはどこか特定の機関がすべてやれるということではございませんので、福祉の関係機関、保健の関係機関、医療の関係機関、学校関係、警察、司法関係、こういうところがネットワークをつくって、その中で一つ一つの事案を適切に処理することが大変重要かというふうに思っております。

 そういうことで、従来から、各都道府県にこういったネットワークづくりについて指導しておりましたけれども、児童虐待防止法の施行を機に、もう一度各都道府県に指示をいたしましたところでございます。

 国レベルでは、児童虐待対策協議会というものができておりまして、関係省庁と全国レベルの民間団体二十団体で協議会をつくっております。また、都道府県レベル、そして指定都市レベルでは、すべて同様のネットワークが確立いたしました。

 市町村レベルがこれからでございまして、現在まだ百カ所程度でございますが、これもネットワークを整備していっていただきたいというふうに思っております。

 そういうところから対策を始めたいというふうに考えております。

釘宮委員 今局長がおっしゃったのは、児童虐待防止市町村ネットワーク事業のことですかね。これは、十三年度予算でさらに百カ所の増設を見込んで、そういう意味ではアンテナを張っていこうということだと思うんですが、私は、この事業、けちをつけるわけじゃないんですが、全般的に建前論的な会議になっているような感がするわけであります。確かに、子供を取り巻くいろいろな関係機関が一緒になってやるということでありますけれども、要は、そこに、子供が危険な状況にあるということを発見して、それを受けて相談を受ける、相談を受けて的確に親なり子供なりにそういうケアをしていくという部分が、このネットワーク事業との連携というものがどうも見えてこないというふうに私は指摘をさせていただきたいと思います。

 そういう中で、児童相談所がこの受け皿的な役割を果たしておるわけでありますけれども、実際問題、通報も相談も十年前に比べたら十倍の数の報告を受けているわけですが、結果的に、この報告を受けて相談を受けた児相はほとんどパンク状態にあるというような現実があるわけですけれども、これについては認識をしておりますか。

岩田政府参考人 議員がおっしゃるとおりでございまして、相談事案が大変ふえているということ、そしてほかの相談事案と比べまして、この虐待に関する相談事案については、大変専門性と、そして時間がかかるということでございます。各相談所、今大変な状況になっているというふうに認識しております。各都道府県も同様な認識かというふうに思っておりまして、児童相談所の中で中核的な職種でございます児童福祉司について増員を図っておられるというふうに聞いております。

 国といたしましても、この福祉司の定員については地方財政措置において手当てをいたしておりますので、平成十二年度に、人口百七十万人の標準団体当たりの児童福祉司、従来十六人でございましたけれども、これを初めて一名増員することができました。十三年度に向けても、厚生労働省の重点的な要望ということで取り組みまして、現在国会に出されております十三年度の地方交付税法改正法案におきましてさらに二名増員され、十九名ということになっております。

 また、児童福祉司のOBの活用も考えておりまして、特に、先ほど申し上げましたように、虐待を解決するためには関係機関との調整という仕事が重要でございますから、ベテランのOBを活用して、そういった関係方面との調整にも当たってもらいたいというふうに思っております。

 先生おっしゃるとおりでございまして、児童相談所の職員の数、そして専門性の向上、こういうことが大変喫緊の課題になっているというふうに認識いたしております。

釘宮委員 今、局長の認識で、私も全く同じ認識を持っているんですが、例えば児相そのものの数も、今言いましたように、非常に少ない。全国で百七十四カ所ですか、各県当たりにすれば二カ所ぐらい、二カ所ないし三カ所ぐらいというようなことで、本当にその対応ができるのかということ。

 さらには、児童相談所長というのは、県の職員の異動の中で行われますね。そうすると、全く福祉に関係のない人が所長として来る。これはひどい話なんですが、これは現場の人から聞いた話なんですが、所長のところに警察から電話が入った。いわゆるリストカットをした、自殺を図った子供がいて、その子が児相に行きたがっている、どうだろうかと言ったら、そういう相談を受けた職員が所長のところに行ったら、断れ、そんなことはうちの方ではできない、そういうことを、現場の人がおる前でそういうことのあった事例もあるわけですね。

 やはり、幾らシステムをつくっても、そういうようなシステムの虐待というのもあるのではないのか。要するに、システムがきちっと動くようになるためには、そこにきちっとした人的配置をしなきゃいけないというふうに私は思うんですね。三年ぐらいたつとかわっていく、中には、児相の所長になったということは、何か左遷されたというようなことすら、かつてはあったということですね。

 そういう意味で、今こうした問題をきちっと国として受けとめて、もっともっと専門性、今、児童福祉司を増員するという話もありましたけれども、この児童福祉司の中でも、専門職というのは四五%しかいない、あと五五%というのは、要するに、その職についたときに研修を受けて、いわば速成で児童福祉司になっているというような状況ですね。子供は、また親は、ぎりぎりの中で、こうした虐待をしたり、されたりしているわけですね。その心理的な状況というものを、こういう人たちで、本当に心をいやし、また、こういう人たちをまたもとの状況に戻すことができるのか。私は、この辺は非常に今危機的な状況にあるんじゃないかなというふうに思いますね。

 それとあわせて、これはアメリカの例を言いますと、アメリカというのは、大体、二十四時間ホットラインがつながっていまして、すぐケースワーカーが飛んでいって相談を受けるような体制ができている。一方、日本の場合は、これは先ほどからも議論があっていますが、人数が少ない、専門性にも欠けるということで、大体二十人ぐらいを常時持っている。いっときですぐ解決しませんから、累計して、常時六十から七十ぐらいは案件を持っている。それでもって本当にやれるのか。私は、こうした実態を厚生省はわかっていると思うんですね。わかっていて、それが何でできないのか。そこが私は一番問題だというふうに思うんですね。

 当厚生労働委員会の中で今問題になっているものつくり大学に、亀井政調会長は、いいものには幾らでも金をつけるんだという話を、いい事業には幾らでも金をつけるんだといって二十億積み増したという話がありますが、何でこうした問題に予算をもっとつけないのか。この問題は本当にいいものじゃないのか。私はあえてこのことを強く訴えておきたいと思います。

 もう時間がだんだんなくなっていますので、少し先を急がせていただきたいと思います。

 いわゆる児相が機能を発揮できない、非常に数も少ないし、職員も少ない。そういう中で出てきたのが、児童家庭支援センターですね。この児童家庭支援センターというものがまだまだ、これもなかなか整備ができていっていないわけでありますが、この児童家庭支援センターができない背景、今年度五十カ所にふやそうとしているわけですけれども、これ自体もまだまだ数が足りない、そして職員の配置そのものも非常に脆弱であるというふうに思いますけれども、この児童家庭支援センターの充実という件について、厚生省の考えを聞かせてください。

増田副大臣 大変、こう言うと変ですが、先生にはすべてを御存じで御発言をいただいているので、敬意を表しながら、言外の意味も十分含みながらお答えしていきたいと思います。

 おっしゃるとおり、本年は五十カ所つくるということになっております、ふえるわけであります。そこで、どうしたらもっと早く対応ができないかというような関係なんですが、もちろん厚生省も努力をします。それからまた、都道府県にもそれなりの御努力をいただかなければ当然できません。

 したがって、それらを十分踏まえながら、同時にまた、先ほど来の御発言がございました、今度は通報の努力義務が全国民に課せられているわけですから、通報がどんどんふえてくる。いいことです。どんどん量がふえる、だからどんどん防がなければいかぬ、ふやさなければいかぬというような認識は十分持っています。

 そこで、大変厳しい財政環境にはある、こういう認識を私自身がしておりますが、何としても、この国の将来、児童のことを考えたら、真剣な取り組みをしていかなければなるまい、こういう考え方で、一層、局に叱咤激励をしながら頑張っていこうというような決意を持っています。どうぞ御理解をいただきたいと思います。

釘宮委員 増田副大臣の大変心強い御答弁、ありがとうございました。

 やはりこの国をこれから支えていくのは子供ですから、子供を粗末にするようなことはいかぬというふうに私は思いますよ。ましてや、これだけ子供が今、悲鳴が聞こえてきませんか。私は心が痛みますよ。そういう意味で、ぜひ今の前向きな御答弁、反映していただきたいなというふうに思います。

 特に、児童家庭支援センターは、設置する場合に都道府県が二分の一負担しなきゃならない。非常に地方財政が逼迫していますから、こうした面では若干後ろ向きな部分があるんですが、私は、その必要性というものをもっともっとアピールすべきだと思うんですね。アピールして、そして実際に、その自治体が消極的な場合は、その姿勢が問われるようにしていくぐらいのものをとっていかなければだめだと思うんですね。ぜひその点、厚生省の今後の取り組みに期待をしております。

 次に、虐待のメカニズムといいますか、虐待はまず夫から妻へ、またその妻が子供へ、さらには障害者、お年寄りへ、要するに弱い人、弱い人へとその攻撃のターゲットが向けられていくことによるケースが多い。虐待を受けた子供というのは、成長して、今度はやり返すんですね。今度はやり返すんです。少年犯罪や暴走族へ走る子供の多くが、やはりそういう家庭環境の中で育ってきている、これは専門家あたりではそういうふうに言われているわけですね。

 虐待そのものがそういうふうに繰り返されるということを考えたときに、やはり今一番やらなきゃならぬのは、そういう虐待をした親、そしてされた子供、これをいかに治療していくか、これがすごく大切だと思うんですね。

 そういう意味で、防止法の第十一条には保護者への指導を義務づけていますね。ただ、その指導をどの機関がやるのか、またどの程度の期間やるのかというようなことが明記されていない。あわせて、人材確保という面では非常にお寒い状況にあるというふうに言われておりますが、その点についてお聞かせいただきたい。それと、これは強制的に指導を受けさせるという状況ではないようでありますけれども、やはりある程度権限を持った機関が強制的に親を指導するということを、私はきちっと明記していかないとだめではないかというふうに思いますが、どうでしょうか。

岩田政府参考人 先生おっしゃいましたように、親の心の中に子供時代の被虐待の経験が残っておりまして、そのことが子供に対する虐待に結びついているケースというものがあるようでございます。そういうことも踏まえて、親に対するカウンセリングが重要であるということはおっしゃるとおりかというふうに思います。

 先生おっしゃいましたように、児童虐待防止法では、保護者はそういった指導を受ける義務を負っておりますし、そして、その保護者が指導を受けないときには都道府県知事が保護者に対しまして指導を受けるように勧告することができるということになっておりますので、当面はこの知事の勧告権を最大限使いまして、保護者、必要な保護者にはぜひカウンセリングを受けていただくということにしてまいりたいというふうに思っております。

 この親に対する指導は、主として児童相談所で行うことになろうかというふうに思いますが、児童相談所の児童福祉司が適切なカウンセリングができるように講習会などを充実してまいりたいというふうに思っておりますし、また、十三年度予算におきまして初めて、地域の精神科医の協力をいただくような体制をとることとしたいというふうに思っておりまして、保護者への指導に当たって、必要であれば精神科医の専門的な助言などもいただきながらカウンセリングをしてまいりたいというふうに思っております。

釘宮委員 今局長が答弁をされておりますが、私は、やはり親の指導というものは相当丁寧にやっていかないと、もし子供をまた帰すような状況になってもこれはなかなかうまくいかないんではないかというふうに思いますので、ぜひその点についてよろしくお願いします。

 それから、きょうは警察庁にもおいでいただいておるわけでありますが、虐待の事実が通告されたケースで、関係者が調査、訪問、そういう行動に出た場合に、親権等を盾に立ち入りを拒否するケースというのが目立っているわけですね。現場の皆さんの声は、やはり司法の協力を得ないとなかなか難しいと。特にそういう暴力的な親の場合にはなかなか立ち入ることができない。防止法の第十条には、「警察官の援助を求めることができる。」というようになっておりますけれども、どうも現場の皆さんの意見では、なかなか警察が動いてくださらないというような指摘もあるようですが、その点について聞かせてください。

中川政府参考人 警察といたしましては、児童虐待というのは児童の心身に深刻な影響を及ぼす重大な問題であると認識しておりまして、児童虐待問題を少年保護対策の最重要課題の一つとして位置づけているところでございます。そして、この点に関する警察職員の意識づけの徹底を図るとともに、児童相談所等の関係機関と連携して、早期発見、適切な対応等に努めている、こういうことでございます。

 ただ、都道府県警察におきましては、児童相談所長等からこの法律の十条に基づく援助要請あるいは児童虐待事案に関する相談というものがあった場合には、個々の事案の状況を個別に判断いたしまして適切な対応に努めているものと承知しておりますけれども、今後とも関係機関と一層緊密に連携して児童の保護の万全に努めてまいる、こういうふうに考えております。よろしくお願いいたします。

釘宮委員 個別の判断を勘案しながらというような答弁でありますけれども、そのことが結果的に、警察の協力が得られないという感触になっているんですね。

 特に、児相がかかわっていたにもかかわらず子供が死亡したというケースが、最近でも五件ほどあるわけですね。これは私は、そういう意味ではやはり警察の責任だと思いますよ。そういうふうなことをきちっと未然に防げなかったということになると、これは信頼を大きく損なうということにもなるわけでありまして、私は、そういう意味では非常に判断は難しいとは思いますが、しかし、専門家がそこで警察の指導を要請したということは、やはり重く受けとめるべきだというふうに思いますよ。そうしないと、現場に任せていると、今のように、幾ら通報しても、ぜひ一緒に行ってくれと言ってもなかなか動いてくださらないという結果につながっておるということを改めて指摘をさせていただきたいというふうに思います。

 いわゆる相談を受けて児童相談所が対応する際の子供の行き場の問題ですけれども、とりあえずやはり子供を親と切り離すということが虐待の場合は大事だというふうに言われています。一時保護所とか児童養護施設がそうした子供のいわゆる安全地帯に今なっているわけですけれども、私はもう時間がありませんから、私の方から一括して今の一時保護所や養護施設の実態について申し上げますから、この点についてぜひ対処していただきたい。

 一時保護所は、いわゆる十五人以上の子供を一部屋に入れて、そして、この子供をこれから家庭に帰すのか、それとも乳児院にやるのか、養護施設にやるのか、情緒障害の短期治療施設に入れるのか、いろいろなケースがここで選択されるわけですけれども、この一時保護所というのはいろいろなケースの子供が入ってくるわけです。

 ここに、新聞記事に、こういう送られた子供の記事があるんです。これは十六歳の女の子。「保護所では、男女がそれぞれ一室に、二歳から十八歳まで、約二十人の子が暮らしている。 強盗をして入所してきた十三歳の子に、被虐待の四歳の子が、気を引いて遊んでもらおうと何度もじゃれつき、そして泣かされる。それを不登校の子がじっと見つめる。父親から性的虐待を受けていた子もいれば、援助交際をして補導された子もいる。 少女は次第に、保護所が嫌になった。」

 私は、これは本当に制度の虐待だと思いますよ。こういうふうなこと、だから、子供がどういう状況にあるかということもわからずに、ただ制度がそこだから一時保護所に入れていくんだ、これは余りにも、私は二重の虐待をしているということにもなるということを指摘しておきたいと思います。

 それから、あわせて養護施設。養護施設は、いわゆる戦後の戦災孤児を収容して育てたという時代的背景があるわけですけれども、今、虐待を受けた子供が、多いところでは七割も八割も入っているケースがある。その割には、職員の配置というのは、いまだに子供六人に対して職員一人。二十四時間で三交代、いわゆる住み込みでやっている施設だっていっぱいあるわけですね。そうすると、夜を含めて十八人を一人で見なきゃならない。今本当に、一対一で専門家がやっても厳しいというような子供を養護施設に全部預けちゃっている。私はこれも制度の虐待だと思いますよ。こういうふうなことに全く手つかずで、今、虐待問題というのは語れないというふうに私は思います。

 その点について、大臣、私はこれは大臣に質問通告しておりませんけれども、感想で結構です、聞かせてください。

坂口国務大臣 今いろいろのお話を聞かせていただきました。一つは、虐待の連鎖と申しますか、虐待をした子が、大きくなったらまた新しい虐待をする側に回るという連鎖のお話。それから、ただいままた、それを収容する場所が大変問題があって、そしてそれは、むしろそういう収容する側の二重の虐待であるというお話も聞かせていただいたわけでございます。

 私も、最初に申しましたとおり、いささか不勉強のところがございまして、もう一度勉強をし直させていただきますが、きょう先生から御指摘をいただきましたことを十分に尊重させていただきながら見直しをさせていただきたいと考えます。

釘宮委員 大臣、どうもありがとうございました。大臣のそういうお気持ちが子供たちを救うことにつながっていくと私ども信じております。

 今、養護施設の職員配置、きょうの朝のNHKの中でも取り上げておられましたけれども、この中にはぜひ、カウンセリングを行う専門の心理療法士、これはやはり早く配置をしていっていただきたいというふうに思います。

 それから、養護施設に入っている子供の中のいわゆる七割とも言われる虐待を受けた子供は、おおむね情緒障害を持っている子が多いんですね。長年の虐待によって情緒に障害を持つ。こういう子供を治療する専門の施設の整備を早くしないといけないと思うんですね。それは情緒障害児短期治療施設であります。

 これは今全国で十二カ所か十七カ所、そんなものだったと思うんですよ。これを少なくとも各県に一つ早くつくるべきだというふうに思います。これはぜひ要望をしておきたいと思います。

 それから、制度として一時保護所や養護施設、情短施設というのはいっときの子供の安全基地にはなると私は思いますけれども、要は、やはり家庭にまさるものはないわけですね。実は、家庭といっても、虐待を受けた多くの子供は親のところへはもう二度と帰りたくないというケースが非常に多い。ならば、家庭というものを我々はつくってやらなきゃいけない。

 これは、かつてボランタリーな里親制度というのがあったんですが、今はもうどんどんこの里親は減ってきています。しかし、私は、専門訓練を受けた里親、それから養護施設とかそういうところで働いてもうOBになったような人は、受けてあげましょうというような、そういう里親制度をぜひ生かすべきではないかな。このことも、ぜひ今後厚生省の方で検討をしていただきたいというふうに思います。

 それから、いわゆる平成九年の児童福祉法の改正で教護院が今、児童自立支援施設、こういうふうになっているんですね。この児童自立支援施設、実は、例えば施設によっては児童がわずか六人しかいないんですよ。そこに職員が三十六人もいる。結局、そういうふうなバランスを欠いたいつまでも過去の、いわゆるニーズが変わってきた施設をここで新たに、その対象を九年の改正時に広げたんですけれども、それがどういう子供かというのがきちっとならないままずるずる来ちゃった。今やそういう事態が一方である。

 一方は、一人で十八人を見ているかと思うと、何を目的にしているかわからない。これは、ほとんどが県立施設ですよ、義務ですから。そこには、六人の子供に三十数名の職員がついている。これはどういうことなのか。私はその辺の整理を早く厚生省はすべきだというふうに思いますが、もう時間がありませんので、局長、何かあったら言ってください。

岩田政府参考人 平成九年の児童福祉法の改正によりまして、従来は、児童自立支援施設は、不良行為をなした子供、あるいは不良行為を行うおそれのある子供を収容し、指導して、自立をさせるというための施設でございましたけれども、これに新たに「家庭環境その他の環境上の理由により生活指導等を要する児童」というのが加わったところでございます。

 そういうことで、例えば保護者から長期にネグレクトされたというようなことで、生活の基本的な習慣すらついていないというような子供もこの児童自立支援施設で指導ができるような枠組みになりましたので、こういう九年度の制度改正を十分活用していただけるように、また再度、都道府県にお話をしてまいりたいと思います。

釘宮委員 局長、こういう施設がせっかくあるわけですから、これはやはり活用していくことが私は大事だと思いますから、その辺はぜひ検討をしていただきたい。

 時間が参りましたので、最後に大臣にお伺いしたいと思います。決意を聞かせてもらいたいと思うのです。

 私は正直言って、高齢者に対する施策というのは我々も随分一生懸命やりましたよ。しかし、今残念ながら、子供に対する施策というのが余りにもお粗末だというふうに私は思いますね。ですから、こうした虐待の問題というのは顕在化してきて初めて今我々も反省しなきゃならぬことだと思いますけれども、子供は国の宝ですよ。そういう意味で、子供が少子化だということで、一方で大事に育てなきゃいけない子供がそういうふうに放置されている、虐待を受けている。この事実を我々は受けとめなきゃならないというふうに思います。

 最後に、大臣、決意を聞かせてください。

坂口国務大臣 御指摘のように、高齢者の問題には積極的に取り組んでまいりましたが、子供たちの問題が十分であったかということを言われますと、それは本当にお互いにもう少し考えなければならない点が多かったのではないかというふうに思います。

 子供の問題も、少子化対策として、子供の生まれるのが少ないから、どうしたらもっと子供が生まれる環境になるかというところにはかなり目が向いてまいりましたけれども、生まれました子供の後、その生まれました子供が本当に親のもとで立派に育っていくかどうかというそのことについてまでまだ十分に目が向いていないというのは、先生の御指摘のとおりではないかというふうに私も思います。トータルでひとつ、子供を産み育てられるその環境の育成に努めてまいりたいと思います。

釘宮委員 どうもありがとうございました。

鈴木委員長 次に、家西悟君。

 家西君、どうぞ着席のまま御質問いただきたいと思います。

家西委員 はい。座ったまま大変失礼いたしますけれども、よろしくお願い申し上げます。

 まず最初に、二月二十三日の大臣の所信表明に関してお伺いいたします。

 坂口大臣は、HIV感染事件等を踏まえた医薬品、医療用具、食品の安全性確保などに的確に取り組んでまいりますと言われています。これは、具体的に何を意味するのでしょうか。医療用具という言葉をあえてお使いになったということは、例えばヤコブ事件などを意味しているというふうにとらえてよろしいのでしょうか。

坂口国務大臣 先日私が申し上げさせていただいたその中には、今御指摘をいただきましたように、いわゆるヤコブ病と言われます病気も含まれていることは事実でございます。

 HIVの問題が残しましたもの、それはいろいろあるというふうに思いますけれども、やはり、医学的にその原因が解明されなければ行政が動かないということではならない。たとえ医学的に解明されていない段階であったとしても、問題がある可能性があると思われる場合には、まず手を打つ。もし仮に、後でそれが医学的に問題がなかったということがあったとしても、それは許されるのではないか。そういう立場でいくのが、HIVの問題が残した問題を、二度と再びそれを繰り返さないということに結びつけていくことではないかというのが私の基本的な考え方でございまして、その中にはヤコブ病の問題等も含まれていることは事実でございます。

家西委員 ぜひともヤコブの問題の解決もお願い申し上げたいと思います。

 続きまして、大臣は、WHO、ILO等の枠組みを利用した国際的合意の形成に取り組んでまいりますとも言われています。これは、国際社会の中で、感染症対策を初めとする医療や保健や福祉の分野で日本がリーダーシップをとって、人的にも資金的にも行っていくんだという意味をあらわされたというふうに私はとらえたんですけれども、そういうふうにとらえてよろしいんでしょうか。

坂口国務大臣 御指摘の私の所信表明についてでございますが、特にHIV感染症対策の観点からお答えをいたしますと、これらの課題には、世界各国が一体となって、共通理解のもとで取り組んでいくことがとりわけ重要であるというふうに思っておりますので、その点を強調したわけでございます。

 厚生労働省といたしましては、このような認識に基づきまして、具体的にはWHOあるいはUNAIDS等の国際機関と連携を図りながら、それらの活動を通じてエイズ対策、結核対策等の感染症対策を国際的活動として支援していくということでございまして、これはエイズとか結核だけに限定をした話では決してございませんけれども、国際的な立場で取り組んでいくということを強調させていただいたところでございます。

家西委員 昨年の九州・沖縄サミットにおいて、我が国の感染症対策イニシアチブという、感染症対策、とりわけHIV、エイズに対して強調されておられるわけですけれども、森総理も懇談会のあいさつやメッセージの中で、政府、NGO、民間企業、国際機関等が一致協力して支援していく体制を打たなければならないという強い意思を表明されたと思いますが、このことは坂口大臣も当然御理解いただいているものと思いますけれども、いかがでしょうか。

坂口国務大臣 当然、それを踏まえて私も行動させていただいておるところであります。

家西委員 では、二〇〇三年に開催を予定されています第七回アジア太平洋エイズ国際会議は、極めて重要になってくる問題だと私は思います。この会議に対して、厚生省は、NGOや民間団体あるいは国際機関に対してどのような支援をしていくおつもりなのか、ぜひともその所見を伺わせていただきたいと思います。

桝屋副大臣 私の方からお答えをさせていただきます。

 エイズ問題につきましては、国内的にも国際的にも今議論になっておりますけれども、大変に重要な問題だというふうに思っております。厚生労働省といたしましても、重点を置いて取り組んでいかなければならない、このように考えております。

 今お話の出ましたアジア太平洋地域エイズ国際会議につきましてでございますが、私もこちらへ参りまして、改めて、きょうこういうお話が出るということで認識をさせていただきました。

 これまでは開催国のエイズ学会等が中心になって開催をしてきたというふうに聞いておりますし、今お話のありましたように、二〇〇三年、これが我が国で、こういうことを今も聞かせていただいたわけであります。

 今後、厚生労働省といたしましては、二〇〇三年でありますから、さまざまにまた委員からもお話をいただけるものだろう、こう思っておりますけれども、これまで開催されましたアジア太平洋地域エイズ国際会議、この経験を生かしながら、十分な成果が得られる会議になるように期待をしながら、厚生労働省としても適切に対処していきたい、このように考えております。御指導、よろしくお願いしたいと思います。

家西委員 それで一点、この件に関して、私の方からどうしてもお伺いしたい問題があります。

 御支援をしていくということを今おっしゃっていただいたわけですけれども、この国際会議の準備会を代表される大阪大学の岸本総長に対して、昨年、厚生省の職員から、今回の国際会議には厚生省として一切予算は立てないんだ、予算執行は一切ないんだと思えという旨の電話連絡があったというふうに伺っています。

 これは、どういうことでそういうことを言われたのか。大臣並びに副大臣じゃなくて、政府委員の方でも結構です。どういう意図でこういうことを、発言を電話でされたのか、総長に対して。教えていただければと思います。

桝屋副大臣 今の御指摘がありました案件につきまして、私も初めて聞かせていただいたわけであります。

 二〇〇三年のことを今から、予算のことをそのように、現場で議論されたということなんでしょうけれども、不適切、そういう発言が本当にあったかどうかも含めて確認もしなきゃならぬと思いますし、どういう意図で御発言があったのかも含めて私も調べてみたい、こう思っております。

 いずれにしても、二〇〇三年ですから、今からその話は多分出ないのではないかというふうに思っておるんですが。済みません。

家西委員 私もそのように思いたいんです。しかし、総長の方に電話があって、担当の課長から連絡をいただいた、一体どういうことなんでしょうということを私の方に連絡があったということを、まずもって御理解いただきたいと思います。

 余りにも、九州・沖縄サミットや、先ほど来坂口厚生大臣を初め、感染症対策、HIV対策、とりわけHIV対策に対してということを強調されている中でそのような発言があったということは、これは本当に遺憾だと思います。許しがたい事実だと思います。これはぜひとも早急に調査をしていただいて、事実関係の確認をお願いしたい。

 そして、二〇〇三年の話と言われますけれども、その前には準備会なり、それの準備をしていく、そういったものもあわせて協力をお願いしたいと思います。政府として御支援のほどをよろしくお願いしたいと思います。その辺について、よろしいでしょうか、一言。

坂口国務大臣 至急調査いたします。もし事実ならば、至急取り消させます。

家西委員 ぜひともよろしくお願い申し上げます。

 それから、今話題になっています血液製剤によるC型肝炎対策についてお伺いしたいと思います。

 C型肝炎対策についてお伺いする、この事件についてですけれども、静岡の大学生の感染被害をきっかけに、このことは大きくマスコミでも取り上げられ出しました。そして、先ほど、坂口大臣の所信表明にもありましたけれども、国民の健康と安全を守るため、生活習慣病や結核、C型肝炎などの問題にも積極的に取り組む、医療体制の確立にも取り組んでいくと言われていますが、厚生労働大臣としての決意としてとらえてよろしいんでしょうか。

坂口国務大臣 結核の問題につきましては、平成十一年七月に結核緊急事態宣言を行いまして、広く取り組みの強化を呼びかけております。特に、問題の大きい大都市対策と高齢者対策の強化に現在努めているところでございます。

 今後、今年度に実施中の結核緊急実態調査の結果も見まして、そして有効に活用いたしまして、そして必要な措置をとりたいというふうに思っているところでございます。

 それから一方、C型肝炎の問題でございますが、この問題は血液製剤とのかかわりもあるものでございますから、前回、HIVのときに、HIVの検査はいたしましたけれども、C型肝炎、B型肝炎の、肝炎のことにつきましての検査が抜けておりました。そうした意味で、いわゆる血友病の皆さんでない方に対して使用いたしました血液製剤の問題につきましては、使用されました方のお名前もわかっていることでございますので、至急にこの対策を立ててほしいということで、この問題につきましては、間もなく取り組みをさせていただく、今年度中に取り組みをさせていただくということにいたしております。

 しかし、このC型肝炎、B型肝炎の問題はそのほかにもございまして、例えば、戦後ずっと続いてまいりました献血の血液を受けて手術をなすってC型肝炎になられた方もお見えでございますし、マスコミ等にも出ておりますけれども、フィブリノゲンですとかその他の血液製剤を使用してなられた方も中にはあるんだろうというふうに思います。しかし、そこまで広げてしまいますと、どなたが対象なのかということもなかなかわかりにくい、そのデータも残っていないということもございまして、限定されております問題につきましてはきちっととにかくやろう、その他の問題は、これはもう全国に広がっているだろうというふうに思いますから、例えば、輸血をお受けになった方というのは全国に広がっているわけでございますから、そうした皆さん方の問題につきましては、広く広報で呼びかけを行う。そして、できるだけ近くで、それぞれの責任でひとつ検査をお受けいただくということ以外に方法が今のところないのではないかというふうに思っておるところでございますが、今後、いろいろとまた検討をさせていただきたいと思います。

家西委員 この間、坂口大臣の積極的な御発言もいろいろあったと思いますけれども、しかし、いろいろな点で私は疑問に思う点も多々あります。

 まず一点目に、非血友病患者の血液製剤の投与というものは、第8、第9因子の追跡調査というか、前回の、四年前の調査というものはされたと思います、これはHIVに関して。

 そこで、HCV、HBVの問題が抜けたというふうにおっしゃっていますけれども、この静岡の大学生の問題というものは、この時点で報告を受けていた。HIVの、エイズの検査を受けてほしいと言われた。このときに、C型肝炎の検査を受けてくれということは一切言われなかった。そして四年後になって、自分が大学生になって、大学の健康診断において初めて、肝機能が悪い。調べたらC型肝炎であった。そして今、インターフェロンの治療もできないぐらいウイルス量も多い。もっと早い段階にそれなりに言っていただいていたら、自分はもっと早く対策ができたのにということを悔やまれておられます。こういうことがあったという事実。

 そして、この実態調査については、一体何百の病院の調査をされるんですか。七百と聞いていますけれども、七百病院の施設だけでいいんでしょうか。その辺についてお伺いしたいと思います。

坂口国務大臣 先ほども申し上げましたとおり、HIVの検査をいたしましたときに、C型肝炎あるいはB型肝炎のビールスにつきましても同時にそのときにやっておけば問題はなかったわけでございますが、このHIVだけが頭にありまして、そして余りにもその問題が大きかったがゆえに、ほかの問題までなかなか広がりがなかった、広げていくことができ得なかったわけで、大変残念な結果になったわけでございます。

 しかし、最近このC型肝炎が、C型肝炎から肝硬変になり、肝がんに年齢とともに進行していくということがわかってまいりまして、そしてこの問題が大きくクローズアップされてきたというふうに思っております。それは、その時点では、気づいてきちっとしておけばよかったんですけれども、それができなかったゆえに、しかしおくればせながらと申しますか、そこを何とかやっていこうというのが現在の段階でございます。

 それから、病院数でございますが、これもなかなか全部把握しにくい面もあるわけでございますけれども、前回のときに調査をいたしました病院数は七百前後というふうにお聞きをいたしておりますが、そのほかに明確になっているものがあるのであれば、それは、プラスアルファすることは決してやぶさかではございません。

家西委員 私は、七百という病院に非常に問題があるんじゃないかというふうに思っています。なぜならば、ミドリ十字を初め製薬メーカーが納入したというふうに報告を出した病院というものは全国の二千三百三十七医療機関であった。そして、非加熱を投与した可能性のある病院が千八百七十二件で、無回答、投与したかどうか不明が三百四医療機関であったということです。カルテは五年間しか保存されません。一体この違いというものは何なんでしょう。そして、もしやるとしたら、ここまでの病院を調査対象にすべきではないのかというふうに私は思いますけれども、いかがでしょうか。

宮島政府参考人 今回の調査研究につきましては、肝炎対策に関する有識者会議の御議論を踏まえまして、特に一般に比べまして感染率が高いと思われます非加熱血液凝固因子製剤を投与されたいわゆる血友病患者以外の方々に係る肝炎ウイルスの感染実態が不明であることから、医療機関の協力も得まして、いわゆる肝炎ウイルス検査を呼びかけまして、感染実態を把握するための調査研究を実施するということにしておるところでございます。

 対象製剤につきましては、平成八年の非加熱血液凝固因子製剤による非血友病HIV感染に関する調査、いわゆる第四ルート調査の対象製剤とされました輸入非加熱血液凝固因子製剤と、これに加えまして、第四ルート調査の際に納入先の医療機関が把握されておりますPPSB等の国内血由来の非加熱血液凝固因子製剤、さらにHIVの不活化のためのエタノール処理がされておりました輸入非加熱血液凝固因子製剤、これらを対象とすることとしております。対象の患者さん等につきましては、これらの製剤を投与され、または投与された可能性のある非血友病患者に対しまして、いわゆる検査の勧奨を行いまして、感染の実態調査を行うということを予定しております。

 実際の検査の受診勧奨方法につきましては、医療機関名を公表いたしまして、当該医療機関に所定の症状で入院した対象者に対しまして広く検査受診を呼びかける、同時に、これと並行いたしまして、医療機関においても可能な限り対象者に個別に検査受診を勧奨するということにしております。

 今御指摘のように、平成八年のいわゆる第四ルートの検査時におきましては、いわゆる医療機関といたしまして、二千三百九十四の医療機関を一応公表しまして、受診勧奨を行ったところでございます。今回は、このうちのいわゆる非血友病患者に対しまして、投与または投与された可能性のある者、あるいはまだ不明である、こういった者を対象としまして現在精査中でありますけれども、そのうちの約七百医療機関につきまして、今回の調査研究を行うということにしておるところでございます。

家西委員 その七百というのが私には理解ができないと言っています。なぜならば、先ほど言いました、カルテすら現存するかどうかもわからない、ましてや廃院されているところもわからない。要は、納入したメーカー側がこれだけの病院に納入したということを言っているんだから、そこは調査をすべきではないのかというふうに思います。

 それと、血友病の実態調査についてはおやりになるんですか。時間がありませんので、端的に答えてください。

宮島政府参考人 血友病患者の方々につきましては、医療機関において一般的には継続的な治療を受けておられますので、既にウイルス肝炎の検査を受けてあるというふうに思いますので、今回改めてウイルス肝炎検査の受診を勧奨する必要性は少ないのではないかと考えております。

 したがいまして、今回の調査の対象としましては、いわゆる非血友病患者に対しまして、因子製剤を投与された方々を対象とするということでございます。こういった方々は、いわゆる投与を受けたという自覚が一般的にありませんし、そういった検査受診の機会を得ていないという可能性も高いというために、本調査を通じまして検査機会の拡大を図りたいと思っておるものでございます。

家西委員 血友病の方々が皆さん知っているというふうに御理解されているみたいですけれども、そんなことはないと思います。そして、医療も適切に受けているわけじゃありません。私自身、C型肝炎で、慢性肝炎だと言われて、この間、一切それなりの治療というものは受けてきていません。インターフェロンもやったことありません。漢方薬で小柴胡湯というものもあります。これはHIVにひょっとして抑制効果があるんじゃないかということで飲んだことがあります。C型肝炎、肝炎対策で飲んだことはありません。

 こういうようなことがある以上、実態調査をやるべきじゃないんでしょうか。余りにも血友病患者というものはないがしろにされてきているんじゃないでしょうか。その辺について、ぜひとも御理解いただきたい。そして、病院、医療機関についても、マスコミを通じて多くの人々にこういった事実を、周知徹底というか広報をすることが、私は重要だと思います。

 時間が余りありませんので、次に行かせていただきたいと思います。

 第四ルートのHCVの感染について、検査費用については研究費でということで大臣は発言されていますが、これは間違いありませんでしょうか。

坂口国務大臣 それは間違いございません。そのとおりでございます。

家西委員 では、先ほど来出ていますフィブリノゲンの方々については、大臣は、フィブリノゲン製剤によって感染した人たちについては自己負担というふうにおっしゃっていますが、これはどうしてでしょう。

 フィブリノゲン製剤というのは、非加熱の血液製剤時代から使われてきました。しかも、薬害エイズで問題になった非加熱の第8、第9因子を取った残りで生成されたものでフィブリノゲン製剤をつくられたわけですけれども、この問題を考えたときに、第四ルートと同じように扱うのが私は本来であると思いますが、いかがでしょう。

坂口国務大臣 フィブリノゲンの場合には、大変その対象者が多いということがございまして、なかなかその対象を把握することが難しい。だから、これは結論を出したわけではございませんで、次の審査会で御議論をいただくことになっておりますが、先ほどから話題になっております部分とは少し趣を異にしている。大変対象が多いし、期間も長いし、そして対象者もわかりにくいということがある。これを一体今どうしていったらいいかということだろうと思うのです。

 まずは、その方々をどう把握したらいいかということが最初にあるんだろうというふうに思うんですね。そして、そのときに、今御指摘になりましたような、検査対象をどうするかということ、検査をどうするかということが起こってくるんだろうというふうに思いますが、まず、なかなか把握の方が難しいんではないか。

 といいますのは、これは医療にかかりましたときに、そういう治療を受けたということを認識されていない方も多いわけでございます。だから、輸血でありますとか何かということでありますと、それは、したということをほとんどの方が認識しておみえになりますけれども、このフィブリノゲンの場合には、そういう認識すらないという方が多い中でそれを一体どうするかという問題が残っているというふうに思っております。

家西委員 私自身思うわけですけれども、フィブリノゲンというのは、一九六四年の六月に承認されて、十一月に発売が開始されていますよね。そして、一九八七年五月までの間に年間約五万本から六万本の使用があった。そして、全体で約百万本が使用された。これは、よく考えてくださいよ。八七年までということは、薬害エイズの問題になった第8、第9因子の凝固因子を精製して取った後の残りのものでつくった血液製剤フィブリノゲンで、汚染されたフィブリノゲンを使ってやられた方々ですよ。治療を受けられているんですよ。しかも、このフィブリノゲンというのは、日本ではミドリ十字しか販売されていないんでしょう。

 そして、そういったことを考えたときには、国を挙げて、ぜひとも多くの人々に、この時期に出産や新生児出血等々の治療において使った、またそういう症状を呈したという人たちには、ぜひとも検査を受けてほしい。そして、どこの病院ということは実態がもうほとんどつかめないのかもしれないけれども、大きくPRしていかないと、こういった人たちは、C型肝炎に罹患後約三十年で肝硬変、肝がんになっていく、慢性肝炎になった場合はほぼ一〇〇%肝硬変、肝がんになるというふうに今言われているわけでしょう。そして、いち早く治療を受けていけば、肝硬変、肝がんへの移行はストップ、阻止できるというふうに言われているわけですから、ぜひともそれを早くやらないといけないんじゃないんでしょうか。

 そして、先ほど私言いましたけれども、納入の数をぜひとも教えていただきたい。今ので正確なのかどうか。

宮島政府参考人 納入の状況でございますけれども、フィブリノゲン製剤の製造状況につきましては、社団法人の日本血液製剤協会を通じまして把握しておりまして、また、その内容は隔年、いわゆる公表されておるところでございます。

 今御指摘のように、フィブリノゲン製剤は、昭和三十九年の承認以降、昭和六十二年に加熱処理が導入されるまでの間、年間平均五ないし六万本、全体で約百万本が製造されていたものと承知しているところでございます。

家西委員 どうしてそれだけしか言わないんですか。フィブリノゲンHTでも、C型肝炎出ているんでしょう。HT、すなわち加熱処理されたフィブリノゲンでさえ、C型肝炎の罹患者出しているんでしょう、これ。報告出ているでしょう。

宮島政府参考人 フィブリノゲン製剤につきましては、先ほど大臣からも申し上げましたように、これまでも、産科、内科、手術時に非常に多くの診療科において幅広く使われてきたということと、それから販売量も、先ほど申し上げましたように、約二十年間の長期にわたりまして、非常に多くの納入医療機関にわたっているということが想定されますので、なかなか個別の医療機関を把握するというのは難しいということでございます。

 したがいまして、これは先ほどの調査研究とは別に、いわゆる輸血用血液製剤を投与された方々の問題もございますので、それと同様、広く、いわゆる広報を中心とした形で、その対応を呼びかけていくという形をやっていこうということで、前回の有識者会議においても同様の意見が出されているというところでございます。

家西委員 残念ながら時間が来ました。

 坂口大臣については、当然こういう問題、よくよく御承知の大臣と私は思っております。ぜひとも誠意ある対応、そして、感染している人たちに対してはいち早く治療を受けられる体制、そして、まず感染しているか否かの実態調査というものをしっかりとやらないと、蔓延対策にもつながらないんではないかということを御理解いただいて、また各委員にも御協力いただいて、ぜひともこのC型肝炎、特定の人たちの病気、特定の製剤を使ったために起こっているんじゃなくて、出産時にも使われた、そういったことを考えて、多くの人々が罹患をしている可能性があるんだ、そのためにいち早くやらなきゃいけない。

 そして、お願いとして、最後に一点だけ。こういった感染症を持っていることを理由に、進学を拒否されたり、そして就職を拒否されたりするようなことのないよう、差別を撤廃するようなことに全力を挙げて、省庁挙げて取り組んでいただきたい。また、各位の先生方にも御協力いただいて、そういうような差別撤廃法をぜひとも成立いただきますよう、よろしくお願いいたします。

 本日は、ありがとうございました。

鈴木委員長 次に、佐藤公治君。

佐藤(公)委員 きのうに続きまして、自由党、佐藤公治でございます。本日は、大臣所信表明に関しましての質疑ということで、この所信表明に沿っていろいろと大臣と副大臣にお聞きをさせていただければありがたいと思います。

 まず最初に大臣にお尋ねしたいんですけれども、この所信表明、役所の方で書かれることはよくあることでわかりますけれども、大臣がこれをごらんになって、きちんと理解し、納得し、自分の思いが入ってこれが書かれている、その上で大臣所信を述べられているというふうに理解してよろしいでしょうか。

坂口国務大臣 書いてもらったことは事実でございますが、それを拝見いたしまして、私の意見もそこに加えまして、そして一つの案にしたところでございます。

佐藤(公)委員 では、そういう上で御質問をさせていただきたいと思います。

 まず最初に、ここに、KSDのこと、きのうもございましたけれども、きのうはKSDのこともいろいろと質疑をさせていただきました。きのう、その中では触れていなかったんですが、「公益法人として適切な運営が」ということで、大臣もおっしゃられております。

 今の現状、公益法人というのは総務省が一応大ぐくりでの管轄ということになっておりますが、先般の総務省、大臣等のお話の中で、九六年から九八年までの三年間で立入検査が行われた公益法人は、国の所管で五三%、都道府県所管では三九%しかなかった、公益法人自身が行う内部監査についても、KSDが不正はなかったと労働省に報告していたことで、ずさんさが明らかになったというようなことが出ております。

 この公益法人に関しまして、今後のチェックのあり方、もしくは、総務省等との連携をとりながらということで、どのように大臣がお考えになっているのか、もう少し詳しくお聞かせ願えればありがたいかと思います。

    〔委員長退席、棚橋委員長代理着席〕

坂口国務大臣 厚生労働省として担当いたしております公益法人につきましては、一義的には厚生労働省がきちっと指導監督をするというのは当然のことだというふうに思っておりますが、しかし、公益法人の問題というのは総務省の方でお取り扱いになっているわけでございますので、総務省としてこれから公益法人に対してどういうふうにしていくかという考え方は、総務省の方にまたあるだろうというふうに思います。

 我々自身は厚生労働省としての考え方でやっておりますけれども、その点はやはり総務省とも十分に打ち合わせをさせていただいて、そして、他の省庁で行われていることが我々のところで抜けていたりというふうなことがあってはいけませんしいたしますから、その辺のところを、打ち合わせを十分にさせていただきながら進めていきたい、そういうことでございます。

佐藤(公)委員 ということは、今、総務省とは、まだこういう公益法人に関しては何も打ち合わせとか話し合いとかいうことはなさっていないということでしょうか、大臣。

坂口国務大臣 そういうことではございませんで、先般も総務省の方から、こういうことで公益法人の問題をやっていきたいというようなお話がございました。また、行政改革をおやりになっております。これは橋本大臣のところでおやりをいただいているわけでございますが、橋本大臣の方からも、公益法人についてのこれからのあり方については、こういうふうにしていきたいというようなお話がございました。

 例えば一例を挙げますと、監査をいたしますときに、どうしても非常に経理等が難しいような場合、ただ役所の経理をやっている人間だけでは十分でないようなときには、それは公認会計士など外部の専門家も入れてやることにするというようなお話がございまして、そうした問題も我々は十分に受けながらやっていきたい、そういうふうに思っております。

佐藤(公)委員 いろいろな公益法人の議論の中で、またこれは考え方、各省庁の思いもあると思いますけれども、公益法人の話がこうやって出てくる中、これからやはりNPOということの話が出てくると思います。

 そういう部分で今、現状、大臣だけのお考えで結構でございますので、公益法人の位置づけとNPOの位置づけというものの考え方、今後厚生省としてどう考えていくのか、もしもお考えがあればお話しを願えればありがたいと思います。

坂口国務大臣 まだそこまで厚生労働省の中で話し合いをしたわけではございません。公益法人の問題とNPOの問題とは、やはりおのずから若干違うというふうには思います。

 NPOの位置づけにつきましては、最近、NPOがどんどんと進歩してまいりましたし、数もふえてまいりました。また、NPOの中身もいろいろでございますので、一律にそれを評価し、一律に取り扱っていいかどうかという問題もあろうかというふうに思っております。

 したがいまして、公益法人は公益法人の問題としてやりながら、しかし、これから先、NPOの支援なくして日本の社会は成り立たないことも事実だというふうに思っております。とりわけ、厚生労働省が担当いたします社会保障の問題等につきましては、特に福祉の問題等につきましては、NPOの皆さん方の存在なくしてあり得ない問題だというふうに思っておりますので、この辺につきましては、今後大きな課題になっていくという認識を持っております。

佐藤(公)委員 ありがとうございます。ぜひともNPOの、厚生省、先ほど大臣もおっしゃられましたように、これからの社会、やはりそういうものをきちんと確立していくことが厚生行政関係でも非常に大切だと思いますので、よろしくお願いいたします。

 時間の関係で多少順不同になりますが、大きな大きな価値観のすり合わせということでお願いしたいかと思いますけれども、大臣の、こういう中でも、社会保障、社会保険というか、やはり社会保障の基本的な理念というか考え方を、まず大臣にお話しを願えればありがたいと思います。

坂口国務大臣 大きなテーマでございますから、一言でなかなか言いあらわすことはでき得ませんが、日本の社会の中に、これは日本だけではないと思いますけれども、我が国の将来を考えましたときに、やはり安全ネットというものがなければならない。それは、疾病の問題もあれば貧困の問題もあり、あるいはその他、障害者の問題もあり、さまざまな問題があるというふうに思いますが、いずれにいたしましても、安全ネットというものが張られている社会でなければならない。

 その安全ネットというものは、やはり人々の連帯のもとに成り立っている。やはりそこに、自由社会でございますから、連帯と自由というものが両方あって、そしてそこに安全ネットが張られている。ただ、安全ネットは、今までのように、ただ単にそこから落ちこぼれてきた人たちを救うというだけではなくて、そこから立ち直って再び社会で羽ばたいていただけるような人々をつくり出していく、そういう安全ネットでなければならない、そんなふうに思っている次第でございます。

佐藤(公)委員 社会保障というか、社会保険ということの大臣の基本的考え方、まだまだ正直言って今のお話ではわからないところがございます。社会保障というか社会保険ということになってくると、やはり、負担は所得に応じて、給付は公平にという考え方があると思いますけれども、大臣はそうお考えになりますでしょうか。

坂口国務大臣 負担はそれぞれの所得に応じて負担をしていただく、それでは給付の方は、一律、同じでいいという主張も当然のことながらあるわけでございますが、しかし、負担の方が非常に格差があるのに給付の方はだれも同じというだけで済むかという問題も一方であるわけでございまして、若干の違いはあってもいいのではないか。

 ただ、大きな大枠で言うならば、負担の方は格差があって所得に応じて負担をし、そして給付の方はできるだけ押しなべて平等にという、方向性としては、私はそういう方向性に立っているのが現在の社会保険の姿ではないかというふうに思っております。

佐藤(公)委員 では、今の日本の社会保障制度が果たしてそういうふうになっているかということ、多少のずれ、幅はあったとしても、大臣はどうお考えになりますでしょうか。

坂口国務大臣 現在の、例えば年金を見ました場合に、その保険料というのはかなり格差がございます。これは所得が違うわけでございますから、やむを得ないというふうに思います。それで、今度は年金の給付がそれでは一律かといえば、これにもやはり格差がございます。ただし、保険料の格差ほど給付の格差はないというふうに思っております。この辺のところをどう評価するかということだろうというふうに思います。

 今まではこれでやってこられましたけれども、これから先、高齢化社会がだんだんと進んでまいりまして、そして保険料を払っていただく皆さん方が割合としてだんだんと少なくなってくるということになってまいりましたときに、給付を受ける側が今のような状態でいくかどうかということになってまいりますと、やはり多いところ、年金なら年金額が非常に多くなるところは多少御遠慮をいただかなければならないということになるかもしれない。

 それは年金という額でその制限をするのか、それとも、そういう高額の年金をもらうような方は高齢者になりましても他の所得もあるといったようなことで、全体の税としてそこの均衡をとるということの方がいいのか、税と社会保険の給付というものとの両方をにらんでやはり考えていかねばならないと思っております。

佐藤(公)委員 今のお話の中ですると、きょうも質問者、委員の方々からございましたけれども、やはり保険方式と税方式というような議論が必ず出てくると思います。

 大臣にお尋ねいたします。

 ここ何年間の間、政界のいろいろな動きがある、政党のいろいろな異動もあったと思います。その流れの中で、坂口大臣が一回でも、基礎年金、介護、老人医療等、全部なのか個々におけるものなのか、税方式で賄っていこうという考え方なり政策をお持ちになったことはありませんでしょうか。

坂口国務大臣 政党もかなり変遷を重ねておりますが、私も、そうした中で身を置きまして今日を迎えているわけでございます。

 そのそれぞれの政党の中で、考え方も、百八十度違うわけではございませんけれども、かなりの、色合いと申しますか、差があったことも事実でございます。したがいまして、その時々起きました政党の中に所属をするということになりますと、そのときの政党の主張というものにやはり身を置いてきたんだから、その意見ではなかったかと言われれば、それはそのとおりというふうに言わざるを得ません。

 特に、税か保険かということにつきましては、とりわけ基礎年金そして後期高齢者医療、介護、こうした部分につきましての費用を保険でいくのかそれとも税でいくのかという議論が、ずっと続けられてきたわけでございます。

 その中で、私が一貫して考えてまいりましたことは、やはり保険料だけでここを乗り切ることは難しい。ここはやはり税が必要だということを私は一貫して主張してきたつもりでございます。それで、時にはかなり税の部分を多くというふうに言ったこともございますしいたしますが、現在のところは、少なくともこの三つのところ、半分までは税で、国庫負担で、しかし、そこから先、残りの半分も全部これを税で賄うことがいいのかどうかということにつきましては、いま少し検討が必要ではないか。今、我々がそこまで踏み込んで考えるのではなくて、やはり後世の皆さんの御意見もお伺いすることが大事ではないかという気はいたしております。

佐藤(公)委員 では、今のお考え方が税方式、保険方式に関する大臣の考え方というふうにとらえさせていただきますが、やはり政党がいろいろと変わるとはいうものの、国民を含めて若い者は非常にそういうところに、政治に対して、行政に対して不信感を抱いていると思います。

 大臣は税方式に関しては十分御存じのはずでございます。私が思うことは、税方式とか保険方式とかの議論ではなくて、やはり国民全体が、年金なのか、医療なのか、みんなが受けられるのか受けられないのか、そういう国の、また厚生行政としてのあり方をきちんと明確にすべきだと思い、それは逆に言えば、政治家、行政が決めるのではなくて、国民に本当に問い直していく部分があると思います。

 実際問題、今それがいいか悪いかということに関しては、アメリカとかイギリスとかフランスは、社会保険を中心とした国においては、低所得者等の社会保険に加入できない人たちがいることはやむを得ないようなことの話にもなっているかと思います。また他方では、北欧とかカナダとかニュージーランドの国においては、国民がみんな年金やなんかでやっていくというようなことの考え方がある。

 つまり、税方式とか保険方式とかいう名前だけの議論じゃなくて、本当に国民が何を選択しようとしているのか、また望もうとしているのかということをきちんと意見としてとらえていただきたい。若い者たちはみんな、信用、信頼、将来に対する安定、安心、こういうものを求めておりますので、そういう部分は大臣、十分考えていただけたらありがたいと思います。

 また、保険方式、税方式に関して、桝屋副大臣にお聞きいたします。

 同じような質問の中で、税方式、保険方式、いろいろと政党が移り変わる中があると思いますが、桝屋副大臣のお考えをお聞かせ願えればありがたいと思います。

桝屋副大臣 同じ問いを私にもいただきまして、ありがとうございます。

 坂口大臣とともに私もいろいろ回ってまいりまして今日を迎えているわけでありまして、御指摘の問題もずっと一貫して私も悩んできた問題であります。

 特に私の立場、個人的なお話になりますけれども、今までのことということで申し上げますれば、一つはやはり、委員御指摘の社会保障の効率化ということで、介護保険制度、これをどう仕込むかということが実は私はライフワークのように思ってずっとやっておりますが、新しい、これも保険かという議論が随分ありまして、新しい介護保険に対する当時の厚生省がお示しになった保険制度について相当やはりちゅうちょがあったということも事実でありまして、そういう意味では、税方式ということも、あの議論の中では私は一時期随分税が大事だという方に傾いたのも事実であります。

 しかし、介護保険、新しい制度ができたわけでありまして、二十一世紀へ向けていかに持続可能な効率的な仕組みをつくっていくかということが今最大のポイントだろうと私は思っております。そういう意味では、今の個人的な見解を申し上げますれば、私は、やはり負担をする仕組みとしては選択肢は多いほどいいというふうに思っておりまして、そんな思いで、このたび厚生副大臣にしていただきましてもう一度この厚生労働省の中で研究をしてみたい、このように思っております。

佐藤(公)委員 ぜひとも、大臣、副大臣におきましては税方式に関しては重々御理解をいただいているはずです。だとするのであれば、今何か政権の方に入っちゃったから、与党の枠組みの中でいたし方なく、しようがなくこれを維持していかなきゃいけない、何か無理があるように僕には見えますので、どうかその辺は、与党の内部でも、私ども自由党も主張する税方式ということをもう一度表舞台で議論していただく、そういう期待をいたしますので、何とぞよろしくお願い申し上げたいと思います。

 時間もだんだんなくなってきて、たくさん聞きたいことがあるんですけれども、ちょっと飛ばさせていただきますが、大臣の所信の中で、介護保険の大きな混乱はないというようなことでのお話がございました。ちょうど、この所信表明でいいますと四ページにございます。「介護保険につきましては、関係者の皆様方の御努力により、大きな混乱なく実施されているところでありますが、」とありますけれども、では、小さい混乱はあったんでしょうか。小さい混乱があったとするのであれば、その小さい混乱というのはどういうものだったのか。

 特に私、地方自治や何かを見ていますと、地方においての混乱がたくさんあったように思います。そういうものが何となく、これで見ていると大したことないように見られるんですけれども、この辺、増田副大臣、やはり副大臣は地方行政をよくやられてきている経験から、果たして小さい混乱だったらあったんでしょうか、また、大きな混乱じゃなかったんですか。お願いします。

増田副大臣 お答えをいたします。

 その前に、お顔を拝見しておりまして、言葉が延びてはいかぬかなと思ったのですが、きょうは議事録に残るし、発言させていただきます。

 御父君の佐藤守良先生、平成二年、私がここへ登院してきたときに、以来二、三年、もう本当に特訓で大変御指導いただきました。ありがとうございました。

 それでは、答弁に入らせていただきます。

 早速でございますが、混乱はなかったかというと、小さな混乱はありました。小さいから、それは大きくとらえれば大きいことにもなるかもしれませんけれども、事を始めるときにはそれなりにこれはやむを得ないだろう。

 そこで、時間の関係等がありますから早目に申し上げるんですけれども、こう言うと変ですが、ケアマネジャーのケアプランの作成、これがどうしても、忙しかったので二、三カ月混乱があったというふうに理解しております。

 それからまたショートステイについて、独自の支給限度の設定により従来より使いづらくなった。なれ、あるいはその他のこともあるからそういう言葉が出たんだろう、このように判断しております。

 コンピューターによる要介護認定の一次判定までの間、特に痴呆状態の方、これはコンピューターでぱっと出てきませんので、十分すぐコンピューターでは反映されません。そんなこんながありまして、そういうような問題。

 あるいはまた家事援助について、どこまでが家事援助だどうだというような問題等もあるんですが、その関係は、時間をとって申しわけないんですが、厚生労働省として全国にこの一月からこれを一生懸命配っていまして、中に、こういうことですよと簡単にわかるように、後ほどお届けしますが、そういうことで一生懸命取り組んでおります。

 スタートがとれました。これからなれていくというふうに私は考えておりますので、ぜひ育てていきたい、このように思っております。御協力をお願いします。ありがとうございました。

佐藤(公)委員 大変温かいお言葉も含めて、ありがとうございます。増田副大臣は、私の秘書時代から大変お世話になり、ずっとかわいがっていただいたこともございましたので、本当に心から感謝を申し上げます。

 介護保険に関しましてはちょっと次回にいたしまして、詳しい突っ込みに関してはきょうは避けさせていただきます。しかし、おっしゃられることはわかりますが、ただ、その辺は、厚生幹部として、また副大臣として、大臣として、そういうものを小さい問題でとらえるのか大きい問題でとらえるのか、今後大きく厚生行政を左右しますので、またこれは別の機会で一回御議論をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 また、所信の方に戻りまして、ちょっと言葉じりというか揚げ足取りみたいなことにもなるんですけれども、大臣にお伺いいたします。

 七ページにございます、医療安全対策の総合的推進というような分野で、「HIV感染事件等を踏まえた医薬品・医療用具・食品の安全性の確保などにも的確に」というように申しておりますけれども、「HIV感染事件等」とございます。「等」というのは、ほかにもあるのかなということを考えた場合に、厚生行政関係だったら全部が大事だということはわかります、わかりますが、大臣がこれをお書きになられるというかこれをお読みになられたときに、「等」というのはHIV感染事件以外にどんなものを頭に浮かべて、具体的に特にお考えになられているのか、お答え願いたいと思います。

坂口国務大臣 家西先生のときにもお答えをさせていただきましたが、HIVは象徴的な出来事でございましたけれども、最近の問題といたしましてはヤコブ病等もございますし、それから、このHIVの感染に関連をしてというか、同時に起こった問題といたしまして、先ほどから話題になっておりますC型肝炎やB型の肝炎の問題もあったというふうに思っております。

 こうした過去の問題を踏まえながらということでございまして、まあヤコブ病は過去の問題ではなくて現在の問題でございますけれども、過去に起こった問題といえば、むしろHIVやC型肝炎や、あるいはまた結核なども違った形で我々に大きな課題を残した病気ではなかったかというふうに思っております。

佐藤(公)委員 では、大臣の頭の中には、やはりHIV感染とヤコブということに重きを置いた考え方で今後大臣をされていくということでよろしいでしょうか。

坂口国務大臣 HIVとヤコブだけに固まっているわけでは決してございませんけれども、そうした大きな出来事を教訓にしながら、とりわけHIVのことを教訓にしながら取り組んでいかなければならない。

 それは、先ほども申し上げましたけれども、やはり、事が起こってしまってから、いわゆる学問的に決着がついてからそれに対して動くというのでは遅過ぎる。だから、学問的決着はついていないけれども、しかし行政として手を打たなければならないことはあるだろう、そんなふうに思っているわけでございまして、そうした思いで取り組ませていただきたいと思っているところでございます。

佐藤(公)委員 もう時間もございませんので、最後に一つだけお話をというか御提案ですけれども、私、昨年の六月に当選させていただいて、一回生ということでまだ新人でございます。この委員会の形態というのが非常にやはり、もっとよりよく有意義なものにするためには、この体制でやるのではなくて、これは委員長もしくは筆頭、委員会全体で決めていくことにもなるかもしれません、そういう分野だと思いますが、こういう形態がいいとは今僕は思わないんです。与野党の対面形式にして、やはりもっと議論を闘わせるような委員会運営にしていくべきだと私は考えております。

 これは委員長、筆頭理事もしくは理事の皆さん方での御判断にもなっていく、全体の委員会運営に関してのことになると思いますけれども、こういう形でやったら、どう見ても皆さん、眠たくなっちゃったり寝ちゃったりする人たちが多いように思える。これをやはり対面方式にして、お互いの政策なり考えをもっとぶつかり合わせて、非常に失礼な言い方かもしれませんが、有意義な、やはりおもしろいものにしていくべきだと私は考えたいと思います。

 大臣、そういうやり方に関してどう思われますでしょうか。

坂口国務大臣 そういうふうにお決めをいただきましたら、それを尊重させていただきたいと思います。

佐藤(公)委員 ぜひお願いいたします。こういう形で、委員長と大臣だけの顔ではなくて、いま一つの対面方式に、政府イコール与党、そういう中から考えれば、こちらはさっき僕が机を動かしてみたらすぐ動きますから、次からでも対面方式にしながら、やはり政府側に与党さんが着いて、それに私たち野党が意見をぶつけていく、こういうことでの非常に活性化のある委員会にしていただくことを、大臣及び副大臣、幹部の皆さん方、そして委員の皆さん方にお願いしたいと思います。

 これにて私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

棚橋委員長代理 次に、小沢和秋君。

小沢(和)委員 共産党の小沢和秋でございます。

 初めに、介護保険の問題でお尋ねをいたします。

 まず大臣に質問したいのは、六十五歳以上の高齢者の約八割を占める住民税非課税者、約四割を占める月額四万円以下の国民年金受給者に、介護保険の保険料や利用料は重い負担ではないのかということであります。

 私の地元福岡で県当局が昨年八月に行ったアンケートでは、利用者からの苦情の第一位は、利用者負担が重いことや負担額の増加に関することで、三〇・〇%、限度額までサービスを利用しない理由の第一位は、利用者負担が重いからで、四六・九%となっております。前任者の津島大臣は前回の私の質問に、やってよかったというのが大部分と、こういう声が耳に入っていなかったようでありますが、坂口大臣の耳にはこういう高齢者の声は聞こえておりましょうか。

坂口国務大臣 先ほども議論が出ておりましたように、介護保険は滑り出したところでございますし、大きな間違いはなかったと申しますか、では小さいのはあったのかという御意見が先ほどございましたけれども、今回のこの介護保険についていろいろ御意見があることは十分に承っております。

 それぞれ地域に回りますと、企業は企業としての意見、そしてお受けになります高齢者は高齢者としての御意見、それはあることは十分に存じ上げておりますが、しかし、この介護保険という保険制度でいきます以上、だれかがどこかで負担をしなければならないことも事実でございまして、その負担の仕方を、どういうふうにそれを分かち合うかということだろうというふうに思いますので、そのことについての御理解は皆さん方にもしていただくようにお話を申し上げているところでございます。

小沢(和)委員 先ほど介護保険について、小さな混乱はあったというようなお話が出てきたので、何かこのことについて一言触れられないかと思ったら、とうとうそのことについては何にもなかったんですね。だから私は、その点では、厚生省の側と認識に大きな違いがあるということを感ぜざるを得ません。

 保険料の徴収についても、私が特に問題だと思いますのは、年金月一万五千円以下の、生活が苦しい高齢者だと思うんです。その人々の徴収率は、私どもの党の調査では、昨年十月分現在で、政令市十二市中九市の合計をしたものですが、八七%です。そこまで持っていくためにも、自治体は、大量の督促状を出したり電話や家庭訪問をしたりと四苦八苦しておりますが、それでも、この九市の合計で七万五千人が滞納していることになります。

 当局の資料では、年金一万五千円以下の全国平均の徴収率は九二%というので、これから推定いたしますと、介護保険の滞納者が全国で数十万ということになります。この人々は、介護保険料を一年滞納すると、サービスを受けるときの費用を一たんは全額自己負担しなければならなくなります。滞納期間が一年半を超えると、その扱いもされず、サービスそのものを受けられなくなる。

 今年十月から保険料が二倍に上がるために、滞納が一層ふえると予想されます。こういう人々の大部分は生活保護すれすれの生活困窮者ではないかと思われますが、こういう人々を介護保険から切り捨てるような結果になってよいと大臣はお考えになりますか。

    〔棚橋委員長代理退席、委員長着席〕

堤政府参考人 まず、介護保険の保険料の収納状況を、先生のお話とちょっと違う数字もございますので、申し上げますと、特別徴収、年金からの天引きと普通徴収、これを合計いたしますと、全国の七十六の市町村の集計でございますが、九八・九%というような率でございます。したがいまして、滞納者が続出するといったような状況にはまだなっていないというふうに思っております。

 制度上は……(小沢(和)委員「こっちは普通徴収のことを言っているんですよ」と呼ぶ)一部の滞納者の方はもちろんいらっしゃるわけでありますが、もちろん、納入をしていただくように市町村において督促などをしていただいております。

 こうした働きかけにもかかわらず滞納が一定期間続くということになりますと、制度上のいわゆる現物給付ではなくて、償還払いにするといったような措置を講ずることに法律上なっております。これは、他の被保険者との公平を期する、あるいは保険料の納付についても自覚を持っていただくという観点から、介護サービスの利用を前提として措置を講ずるわけであります。サービスが行われなくなるということではなくて、給付の方法が変わるということでございまして、低所得の方が必要なサービスを受けられなくなる、サービス自体を行わないということではないということでございます。

小沢(和)委員 給付を受けられなくなるわけじゃないと言うけれども、あなた自身も、一たんは全部払ってもらわなきゃいけないようになるとか、一年半たったらそういうサービスも受けられなくなるということは否定できなかったわけでしょう。

 その点については意見があればまた伺うとして、国は、生活保護世帯については介護保険の負担がないように措置しているわけであります。それなら、実質的に生活保護と同じ、あるいはそれ以下でも保護を受けずに頑張っている人々にも手を差し伸べるのが当然だというふうに私は考えるんですが、その点いかがですか。

堤政府参考人 生活保護の問題の前に、今、一年半過ぎましたらサービスが、給付が出ないというふうに先生おっしゃいましたが、そうではございません。給付は出るわけでありますが、方法が違うということでございます。

 それから、生活保護の方につきましては、例えば保険料相当分を生活扶助として上乗せをして支給しております。さらに、生活保護を受けておられない方が、保険料を払ったらその保険料負担のために生活保護になってしまうという場合には、より低い保険料を設定するというふうな工夫も、措置も講じております。

 それから、生活保護は、御案内のとおりでありますけれども、生活に困窮される方が、利用し得る資産、能力、その他あらゆるものを活用していただくことを要件としておりまして、そういう要件に合っているかどうかを自治体の福祉事務所等において判断をしていただく、決定をしていただくということになるわけでございます。

 したがいまして、生活保護と同様の状況にある方に対して保険料を減免するということになりますと、今申し上げましたような福祉事務所がやっておるようなことと同じことをやれるかということになってくるわけでございまして、また逆に、真に保護が必要な方は保護を講ずるということになるわけでございますので、今おっしゃったような形で制度化をするというのはなかなか難しいのではないかというふうに考えております。

小沢(和)委員 昨年、全国市長会、全国町村長大会が相次いで介護保険について国の対策を求める決議を行っております。私、ここにそれを持ってきましたけれども、そのうち、町村長大会の分を一部読んでみますと、保険料については、「低所得者に対する保険料については、減免措置を講じるとともに、同措置にかかる国、都道府県による財政補填制度を創設すること。」利用者負担についても全く同じ文言の決議をしております。また、市長会も同趣旨の決議をしています。

 私は、介護保険の直接の担当者たちがこういう声を上げているということは非常に重みがあるのではないかと思いますが、大臣はこれをどう受けとめますか。

坂口国務大臣 ただいま御指摘になりましたように、低所得者の皆さん方にどうするかという問題は大きな問題の一つであることは間違いございません。私もその認識は一致をいたしております。

 ただ、低所得者だから全く保険料を出さなくてもいいかといえば、それはやはり応分の負担はお願いをしなければならないんだろうというふうに思いますが、その応分をどこに決めるかというのが政治の問題だというふうに思っております。

 ことしは十月から十割、十割と申しますか、今まで半分でありましたから現在までの倍額になってくるわけでございますが、そのときにそうした問題をもう一遍検討しなければならないのではないかというふうに思っております。

小沢(和)委員 今も言いましたように、直接介護保険を運営する市町村は、政府の対応を待ち切れずに、低所得の高齢者の保険料、利用料の負担を軽減するために独自の措置を次々にとっております。

 お尋ねしますが、現在までに幾つの自治体がどういう措置をとっておりますか。

堤政府参考人 保険料や利用料を市町村が単独で軽減するという措置でございますけれども、昨年十月一日時点で、都道府県を通じて調査をいたしました結果、保険料については七十二の市町村、それから利用料につきましては四百三の市町村が単独の措置を講じているという状況でございます。

小沢(和)委員 今まで、私、何回もそれを問い合わせしたんですけれども、利用料については今初めて当局からそういう数字が出されました。私が把握しておるのでも、利用料については大体四百八。ですから、ほぼ私が掌握しているのと見合っているんですけれども、保険料の減免については、昨年十月の七十二という数字以上のものは何遍お尋ねしても出てこないんですね。

 そこで、私の方は、この集計を独自に行っております全国民主医療機関連合会に問い合わせをしてみたところが、条例化している分だけでなく要綱なども含めますと、昨年九月現在の数字が、市町村で百二十八。それが本年一月末には二百五十八。だから、この期間だけでも、この保険料、利用料の減免の自治体というのは大幅に伸びているわけであります。市町村では、二月議会での論議を経てさらに大きく伸びるに違いないと思いますけれども、このような動きにも、いかに介護保険の保険料や利用料の減免が待ったなしの課題になっているかがあらわれているのではありませんか。

坂口国務大臣 今、保険料の問題や利用料の問題が出ましたけれども、各自治体が自主的にいろいろの工夫をしておやりいただいていること、大変敬意を表したいというふうに思っております。

 ただ、厚生省として言っておりますのは、そういうふうにいろいろのことをお考えいただいておりますが、例えば保険料でありますと、格差を大きくするといったようなことをおやりいただいているわけでございますけれども、それでは、もうゼロでいいかということになりますと、保険の世界でございますから、ゼロというのはぐあいが悪いのではないか、何らかの御負担はいただくということが適当ではないかということを申し上げているわけでございます。

 そうしたところが大きくなってくるということは、やはり保険料にはもっと格差をつけた方がいいという御意見が大きくなってきているというふうに考えなければなりません。そうしたことを踏まえながら、今後この制度のためにまた考えていきたいというふうに思っております。

小沢(和)委員 今大臣は、自主的にそれぞれの自治体が工夫することについては認めるような発言もされました。ところが、政府の動きというのは、こういうようなことに対して圧力をかけ続けているのです。昨年の委員会でも、私、問題にしたんですけれども、全国主管課長会議でやはり圧力をかけるような発言をしているんですが、本年二月十四日の主管課長会議でも、保険料の単独減免措置を行った市町村については財政安定化基金の給付の対象にならないということを言っておる。

 大体、こういう指導をすること自体が地方分権の方向に反しているんじゃありませんか。介護保険は、新地方自治法では自治事務そのものとされております。この場でこういう指導は誤りだということを認めて、取り消すべきであります。安定化基金の取り扱いについても一切差別をしないと大臣に明言していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

坂口国務大臣 委員も御承知のとおり、国保がそれぞれの市町村で大変大きな問題になりました。市町村の持ち出しが非常に大きくなりまして、そして、そのことが市町村の財政を圧迫するということが今も言い続けられているわけでございます。

 市町村が援助をしていただくことは大変ありがたいことでございますけれども、しかし、そのことによって全体の財政に非常に大きな影響を与え過ぎて、また国からの負担を仰がなければならないということになってしまいますと、やはりこれはまたもとに返ってまいりまして、この制度がどうかということになってくるわけでございます。

 したがいまして、介護保険ができますときに、第二の国保にしてはならない、また第二の国保にしないでほしいというのが市町村長の皆さん方の御意見でございました。そういう意味では、どこかでゼロでもいいよというところがあらわれますと、そうするとみんなそれに右へ倣えになってしまいますから、それはやはり避けなければならないというのも市町村長さん方の御意見であったというふうに私は理解をいたしております。

 したがって、その辺のところを十分勘案しながらやっていかなければならないことであるというふうに今私は考えておるということを申し述べておきたいと思います。

堤政府参考人 一点だけ、若干誤解もあるようでございますので申し上げますが、財政安定化基金、これは県に設けられるわけでございます。そこで、この県の基金は、国の一般会計の負担金、それから都道府県の負担金、それから各市町村の一号保険料を拠出して構成しているわけでございます。

 そういう場合に、市町村単独の保険料減免によって生じました収納不足額を、財政安定化基金から資金を交付する、差し上げてしまうということになりますと、その不足額を国、県の資金だけではなくてほかの市町村の保険料で補てんをするということになってしまいます。こういたしますと、やはり著しく公平を欠く、ほかの市町村の理解が得られないということになりますので、単独減免に伴う収納不足額について基金からの交付は行わない、貸し付けは行いますけれども交付は行わないということの考え方をお示ししたわけでございます。

 介護保険法の円滑な実施を図るという意味では当然の考え方をお示ししたということで、圧力をかけるといったような趣旨のものではございません。

小沢(和)委員 こういう独自措置をとったところに対して、安定化基金を交付しないというふうに言うこと自身が圧力だというふうに私は言っているんです。政府がどういうように圧力をかけようと、それをはるかに上回る住民の実際に生活の苦しい現実、そして運動がある以上、私はさらにこういうような減免の動きは広がっていくだろうということをここで申し上げておきたいと思うんです。

 私も、昨年の当委員会で、生活保護と同程度に生活の苦しい高齢者への国の措置を求めたわけでありますけれども、時の津島厚生大臣は、今後の推移を見守るということを繰り返されただけでした。津島大臣は自民党出身でありますけれども、坂口大臣は公明党の出身であります。公明党はこれまでしばしば社会的に弱い立場の人々を守る主張を行ってまいりましたが、連立内閣に参加してもこういう主張を堅持しているのであれば、この問題でこそ自民党の大臣とは違う見解を表明されてしかるべきではないかと思いますが、いかがですか。

坂口国務大臣 御主張になりますことは、私も十分に理解のできるところでございます。

 いずれにいたしましても、低所得者の皆さん方に対する問題というのは大きな問題であるというふうに認識をいたしておりますから、ちょうど間もなくもうこれで一年たつわけでございますので、この間にどういう状況であったかということの集計ももうできるわけでございますから、その辺のところを十分に踏まえながら、次のステップを考えていきたいと思っております。

小沢(和)委員 では、時間もありませんから、次にホームレスの人たちの問題でお尋ねをいたします。

 我が党は、一月二十六日に、この問題について政府に、一、ホームレスに住居を国と自治体の責任で緊急に確保すること、二、生活保護行政を実態に合わせて改善すること、三、十分な医療を保障すること、四、何よりも仕事と生活できる賃金を保障することなどの緊急申し入れを行いました。

 今やホームレス問題は、東京、大阪などだけでなく全国的な大問題であります。私の地元福岡でも、博多駅の構内にはたくさんのホームレスの人が生活をしております。中には、この寒さの中ではだしの人がおります。八十歳近いのではないかと思われるおばあさんや、家族ぐるみの人もおります。私は、三日前の日曜日に宮崎県都城市に行ったんですが、我が党の事務所にホームレスの相談が持ち込まれたと聞いて驚きました。

 政府は、今やホームレス問題がここまで全国的問題となっていることを認識しておられるんでしょうか。先日、ホームレスの実態をお尋ねしたところ、一年以上前の約二万人という数字しか出ませんでした。その後、調査されたでしょうか。

真野政府参考人 ホームレスの問題につきましては、一昨年の二月に、関係閣僚会議におきまして、関係省庁並びに関係地方公共団体で構成をいたしますホームレス問題連絡会議を設置し、関係省庁、自治体が一致こぞってこの問題の対策を検討しようということで議論をし、一昨年の五月にホームレス問題に対する当面の対応策というものを取りまとめをいたしました。これに基づきまして、各省協力して対策を講じてきております。

 今お話しのホームレスの概数でございますが、私ども、平成十年の十月末現在で約二万人ということを申し上げております。それぞれの地域におきましては、その後各自治体が調査をされておりまして、今申し上げましたホームレス問題連絡会議等に御報告をいただいておりまして、その状況をお聞きいたしますと、大体横ばい傾向ではないかというふうに承知をいたしております。

 各地方自治体に対しましては、全国会議等におきまして、ホームレスの実態把握に努めていただくようお願いをいたしておりまして、今後とも引き続きその実態の把握に努めたいと考えております。

小沢(和)委員 私は、横ばいという認識は違うと思います。今言いましたように、日ごとに目につくようになり、それが東京、大阪とかその周辺から福岡のような大都市、とうとう私はさっき宮崎県の都城市の話までしたけれども、そういうふうに全国に今広がっているんですよ。そういう認識が全くない。だから、東京、大阪とか横浜などにわずか七百名程度の収容施設をつくっている以外には対策らしいものも立てておらないし、予算も来年度で十一億円くらいという範囲にとどまっているわけであります。

 福岡市など地方を対象とする対策は何にもありません。だから、すべてボランティア任せになっておりまして、一昨日、私は、福岡市のボランティア団体おにぎりの会の代表、コース・マルセル神父に会ってまいりました。毎週、多くの人々のカンパで、二百人のホームレスの人々におにぎりと豚汁を提供している。五年も続けていると聞き、本当に頭が下がりました。

 だれもがこういうホームレスの人たちこそまず生活保護の対象になると考えると思うんですが、住所を持たないとか六十五歳以下という理由で、生活保護も受けられません。マルセル神父も、何回も市役所に要求したが相手にされないと言っておりました。たまたま一月十九日の新聞に、政府がホームレスの人にも実態に即して生活保護を適用するよう指示したと載っていたので、早速福岡市役所に問い合わせたところ、そういう指示は聞いていないと言うんです。こんな重要な指示をなぜすぐ全国に徹底させないんですか。

真野政府参考人 従前から、いわゆるホームレスに対します生活保護の適用につきましては、単に居住地がないことや稼得能力があることのみをもって保護の要件に欠けるということはなく、真に生活に困窮する方々には生活保護の適用をするようにという指導をしてまいりました。

 今先生御指摘の件につきましても、先日の全国部長会議で指示をいたしました。さらに、来月、担当課長並びに係長の全国会議がございますので、私どもとしては、その点につきまして徹底をしたいというふうに考えております。

小沢(和)委員 従来もそういうような指導をしておったというのにしては、私は福岡のことしか今調べていないけれども、福岡などではほとんどそういう例はないですよ。ぜひその指示を徹底させていただきたいんです。

 医療も同じなんですね。今、ホームレスの人が救急車で病院に担ぎ込まれたときだけ生活保護を認めている。そこまで行く前に、福祉事務所などに病気だと訴えてきたら、診療の世話をすることは最低の人道的な措置として保障すべきではありませんか。

真野政府参考人 生活保護におきましても、今のような状況、いろいろなケースがあろうかと思いますけれども、急迫の状況があるという場合には必要な医療を提供しているというふうに思っておりますし、そういう指導をまた、先ほど申し上げました課長会議、係長会議がございますので、指示をしたいというふうに思います。

 また、これは東京都とか大阪府でございますけれども、単独事業ではございますけれども、医療施設を設置して対応しているというところもございます。

小沢(和)委員 だから、医療の問題についても、そういう本当に血の通った措置を講じていただくことを改めて要求しておきます。

 最後に、私が怒りを禁じ得ないのは、昨年、福岡でサミット蔵相会議が開かれたとき、外国の賓客の目ざわりになるとホームレスの人たちを近くの公園から追い立てたりするような、文字どおり血も涙もない措置をとったことであります。

 政府の対策を見ますと、その中にも、公共施設から、公共施設というのは公園も含むと思うんですが、退去を指導するとあります。しかし、この人たちを目ざわりな存在として幾ら追い立てても、問題は何も解決しないと思うんです。

 私は、ホームレスの人々は、基本的には長期に不況を打開できない悪政の犠牲者だと思います。こんなに多くのホームレスの人々を全国にあふれさせている責任は政府にあると思います。その反省を込めて、抜本的な対策の強化をお願いしたいと思いますが、大臣のお考えをお尋ねします。

坂口国務大臣 ホームレスの皆さん方がなぜホームレスになられたかという、その理由につきましてはさまざまであるというふうにお聞きをしております。中にはお名前をはっきりさせることすらお断りになる方もおみえになる。先ほど御指摘になりましたように、この不況によってなられた方も当然おみえになるだろうというふうに思いますが、必ずしも一律ではない。

 そういう皆さん方に対してどのように対応していくかということは、それぞれやはり御相談に乗せさせていただいて、そしていろいろのお話を聞きながらこれを解決していく以外にないのではないかというふうに思っております。

 公園は、これは公共の部分でございますから、センター等もつくりまして、できればそうしたところにお入りをいただくということも一つの方法でございますから、そうしたこともこれはスタートしているわけでございまして、これから、そうしたことも踏まえながら、皆さん方にひとつ御相談をさせていただいて進めていきたい、そんなふうに思っております。

小沢(和)委員 時間が来ましたからもう終わりますけれども、今大臣が、ホームレスになった原因はいろいろだというふうにおっしゃったんですけれども、今ホームレスになっていく人々の決定的な理由というのは、私は、経済的な問題、失業とか倒産とか、こういうようなものが引き金になってホームレスになっている人が多いと思うんですね。ぜひそういう実態に合うような措置をお願いしたいということを申し上げて、終わります。

鈴木委員長 次に、阿部知子君。

阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子と申します。

 冒頭、まず、厚生労働大臣になられた坂口大臣に、所信の表明を受けまして、そのことについての御質問を申し上げます。

 既にさきの予算委員会でも一度、坂口大臣にはお伺いを実は申し上げましたが、現在、二十一世紀初頭にあって、社会保障政策の行方が見えないということが、我が国におきましては極めて不安定な社会を生み出しているかに私には見受けられます。

 そこの予算委員会での私の質問への坂口厚生労働大臣のお答えは、社会保障政策については、年金、医療、介護、福祉一体としての解決を考えていきたいというお答えでもございましたが、実は私自身は医療分野に身を置いておりましたが、私の見ますところ、やはり、少子高齢化社会に伴って、とりわけ日本の社会保障給付の中で、金田委員も御指摘になりました年金問題の見通しということが極めて不透明であるということが、より大きな根本的な問題であると思っております。

 そして、その点に関しましては、先ほど坂口厚生労働大臣も同様趣旨の御発言が金田委員の御質問に対してございましたが、いわば、年金問題をめぐりましても、ひいては先ほどのホームレス問題をめぐりましても、我が国が最低限弱い人たちを切り捨てない政治の仕組みを堅持するという、その基本姿勢がここのところ大変危うくなっているということが、やはり各委員に指摘されていることかと思います。一方では、年金で多額の額をお受け取りになる一方の方がおありですが、確かにホームレスもふえていると思います。

 そうした困難な状況にあって、坂口厚生労働大臣、再度、我が国の社会保障政策の基本的なあり方について、これは話せば長いことかもしれませんが、冒頭ですので一言二言ほどお願いいたします。

坂口国務大臣 社会保障の問題は、本当に語れば長い問題になりますから、簡単に申し上げさせていただきますが、私は、先日も予算委員会で御答弁を申し上げましたとおり、年金、医療、介護、まあ福祉も入れてもいいと思いますが、とりわけ年金、医療、介護というものを中心にして、これは総合的な考え方でいかないといけないというふうに思っております。

 とりわけその中で柱になりますのは、今御指摘になりましたとおり、私も年金であるというふうに思っております。年金がきちっとしてということが、やはり医療にも介護にも大きな影響を与えるだろう、制度そのものにも影響を与えるだろうというふうに思っております。そういう意味で、年金に対する考え方をきちっと早くまとめなければならないのではないかというふうに思います。

 年金の場合には、医療と違いまして、医療の場合には、むだなところはないかとかいろいろな部分がございますけれども、年金の場合には、むだなところというのはないわけでございまして、ただ公平かどうかということがあるだけでございます。また、第三号被保険者をどうするかというような問題はございますけれども、しかし、年金はそうした意味でむだなところというのはないというふうに思っております。ですから、年金は、最も統計的にも将来計算のしやすいものでございますし、そういうむだもないということであれば、合意を得やすい問題ではないかというふうに考えます。

 したがって、年金の中でとりわけ、時間がないでしょうから一言で申しますが、基礎年金の部分の充実、ここを固めるということが一番優先してやらなければならない問題である、こう考えておる次第でございます。

阿部委員 ただいまのお答え、基本的な御姿勢と思いますが、それをぜひとも早急に青写真としてもお示しくださることが、今の国民の不安への大きな解決策であると思います。

 あわせて、老齢基礎年金が六万七千幾らに満たない方たちへの措置、処遇、対策について一言お教えくださいませ。

坂口国務大臣 恐れ入ります、老齢基礎年金が六万七千円に……

阿部委員 ここの資料によりますと六万七千百七円となっておりますが、これは厚生省のお出しになった資料ですが、それに満たない方たちが現在おいでだと思いますので。

辻政府参考人 現在、基礎年金の仕組みでございますけれども、納付した期間に応じて額がふえる、そしてそれが六万七千円となるという仕組みになっております。

 したがいまして、納付期間の短い方、それから納付する場合に所得が低い方については免除という制度がございまして、免除を受けますと、給付が、三分の一でございますけれども出ます。

 そういうことから、通常、低い年金、皆様に納付いただくということを前提にしておりますので、低い年金は、所得が低く、免除期間が長い方でございます。それにつきましては、三分の一の給付ということで、年金額がその期間出ることになっております。

阿部委員 それは事情といいますか、こういうことになっておる事情でありまして、解決策ではございませんので、これは質問通告をいたしませんでしたので、次回で結構ですから、現在、老齢基礎年金が六万七千円に満たない方たち、実はやはり現実におられますし、こういう方たちが切り捨てられて社会が進むということは大変に問題と思いますから、次回、改めてお答えを御準備いただきますようお願いいたします。

 あわせて、高齢、少子の、少子化対策の方についても、先ほど来、児童の虐待問題等々でも御質問がございましたが、私は本日、とりわけ、我が国において子供を産むことの安全性、あるいは女性たちが産みたいと意識できるかどうかの社会体制の問題をお伺いいたしたいと思いますが、一点、最低限の安全性についてお伺いいたします。

 これも、申しわけございませんが、質問通告が間に合いませんで、実は厚生省からいただきましたお答えが昨日でございましたので、どうかお許しくださいませ。

 私が、十二月一日、質問主意書におきまして、いわゆる助産業務に、分娩を介助する業務に無資格の従事者がかかわっていたという事例の報告を受けまして、厚生労働省に主意書を出させていただきました。

 陣痛促進剤による被害を考える会という方たちからの私に寄せられた情報で、例えば、昭和六十三年、静岡県の富士市の産婦人科で新生児の分娩に立ち会った、一見、ナースキャップをして白衣を着た方が、実は無資格の産科助手であり、この方の養成は日母、いわゆる日本母性保護産婦人科医会が独自につくっております研修機関で研修された方であった。ここは、一応産科看護婦の研修ということをうたいながら、実はその入学に、例えば助産婦である資格とかは必ずしも要しない。その結果、無資格の方をここで研修して、各関連の医療機関に送り、その方たちが分娩介助をして、この六十三年の富士市の例では、赤ちゃんは非常に状態が悪く、出生後二時間で死亡した。

 同様なケースが実は三件ございまして、この日母の設けました産科看護婦の研修施設についての質問主意書を出しました。そして、いただきましたお答えが、実に驚くべきことに、平成二年度から十一年度の卒業資格を与えた方のうち、実は医療資格者ではなかった方たちが七百四名、この産科看護婦の研修を終えたということの証書をもらわれた、こういう実態がございます。

 このことに関しまして、厚生労働省のやはり強い指導、そうした研修実態を放置しておくということが大変に問題と思いますから、この指導につきまして一言御質問をいたします。

伊藤政府参考人 日本母性保護医協会の産科看護婦の件につきましては、質問主意書にお答えしたとおりでございますが、さらに今御指摘の点につきましては、母性保護医協会を呼びまして、具体的にさらにいろいろお聞きをいたしまして、そういう事実があれば厳正に指導していきたいと考えております。

阿部委員 やはり対策が非常に後手に回っておると思うのです。特に出産というのは、女性にとっても赤ちゃんにとっても危険きわまりない事態が、実は今多くの無資格な方にゆだねられているかもしれない事態というのは、少子化社会を嘆きながら、人間はみんな生まれなければ死ねないわけです、その生まれる、非常に大切なところに、厚生省が現実にきちんとした体制を指導していないということにもなってまいりますから、これもまた次回、指導の進捗状況についてお伺いいたしますので、よろしく御答弁のほどお願い申し上げます。

 引き続いて、介護保険の問題に移らせていただきます。先ほど小沢委員の方からかなり綿密な御質問がございましたので、私も、なるべく重複を避けてまいりたいと思います。

 介護保険は、その徴収の問題、これも低所得な皆さんに非常に御負担をかけておりますが、そればかりでなく、それにかかわる事務の複雑さ、いわゆるケアマネジャーという資格を持ちながら、例えば五十人の方のケアプランを策定することが非常に労働強化になっているという実態もございます。

 先ほど来の御答弁ですと、ほぼ順調な滑り出しとおっしゃられますが、実は、医療、介護現場にも、それから地方自治体にも非常な負担を現実にはかけておるということで、もっとアンテナを高くしていただきたいのがまず第一点でございます。

 その上で私からの御質問ですが、実は、先ほどの低所得者層の負担の問題以前に、低所得者層には要介護状態の発生率が高いというデータがございます。実は、これは以前、津島厚生大臣にも御紹介申し上げましたが、日本福祉大学の近藤先生の御推計で、いわゆる夫婦のお二人世帯で年間所得が百七十五万円以下の非課税世帯では、要介護状態の発生は一七・二%に上っております。低所得な方たちに要介護状態が多く発生しますことは、実は、六十五歳以上で平均一〇%の要介護状態の発生であることから見れば、所得が低いがゆえに、一七・二ですから一・七倍ですけれども、約二倍の要介護状態が発生しておるということで、かてて加えて、この方たちが現実に介護保険を御利用になるときに窓口負担がかかるということでもございます。

 では、さて、厚生労働省といたしまして、この介護保険にかかわる相手方、利用者の所得状況等々について綿密なデータをお持ちでしょうか、その点についてまずお伺いいたします。

堤政府参考人 先ほどの質疑の中でも出てまいりましたけれども、高齢者の所得状況ということになりますと、一番つかみやすいのは課税状況ということで、現在の保険料は、市町村民税の課税状況を見て設定しているわけです。課税をされている方は、課税所得が幾らあるかということは市町村で把握できますので、それをベースに、保険料の第四段階、第五段階は例えば二百五十万の課税所得の前後で区切るというふうにしておりますけれども、年金の非課税といったようなこともございまして、実は高齢者の相当部分が非課税でございます。

 そういうふうになりますと、非課税世帯の根っこの収入がどれぐらいあるかというのは、市町村も十分把握をしないというのが現在の税の実務でありまして、私どもとすれば、課税の情報に基づく介護保険料の五段階の状況というのは、市町村を通じて把握することはできますけれども、その根っこの、もとの収入ということになりますと、市町村も含めてなかなか実際にはつかみ切れない、正確な全体像はつかみ切れないというのが現状でございます。

阿部委員 今、非常に正直なお答えだったと思うのですが、根っこのつかめないところに政策を考えているゆえに、この介護保険問題はなかなかうまく運ばないのだと思います。

 例えば、先ほどの小沢委員の御指摘の状況についても、厚生省としては把握がない。そして、住民、市民の一番身近にいる市町村、自治体の長からは、やはり自分たちが現実の御高齢者から介護保険料を徴収しかねる苦しい思いが述べられているわけです。私自身は、実は、介護保険制度を保険としてやっていくべき方向を社会民主党としてもとりましたから、その延長上に思っておりますが、ただ、余りにも実態とかけ離れて、保険制度を施行し、実際のサービス利用料を取れば、早晩、第二の国民健康保険になってしまいます。

 今ぜひとも厚生労働省にお願いしたいのは、その実態について、市町村にもっとつぶさに現状を報告していただいて、厚生労働省としても、御高齢者の実像、実は厚生白書、御高齢者の像には述べられていない実像を把握していただけますようにお願い申し上げます。

 次いで、三点目に移らせていただきます。

 先ほど坂口厚生労働大臣のお話にもございましたが、日本の二十一世紀の医療については、ある程度の方向で解決の方向が、一つは高齢者医療制度の創設等々、医療保険制度の創設等々で述べられておりますが、私が非常に案じますのは、日本の医療制度は、とりわけ予防医学に視点の薄い、給付の薄い、システムの整わない社会だということでございます。

 これは、要介護状態になって、なっちゃってから介護とか、病気になっちゃってから医療ということをしいたのでは、とても高齢社会に追いついてまいりません。急速なスピードで進む高齢社会にあって、ぜひとも今、厚生労働省として強く予防保健の施策を打ち立てるべきだと私は思いますが、このことに関して、坂口大臣並びに関係の所轄の方に御意見を伺います。

坂口国務大臣 予防のことについてお触れをいただきました。予防医学を学びました人間にとりましてまことに貴重な御意見でございまして、むしろ私の方からお礼を申し上げなければならないのかもしれません。しかし、現在の健康保険は、御指摘のようにそういう体制にはなっておりません。疾病保険の体制になっているわけでございます。私も、かつてはそのことを何度か指摘してまいりました一人でございます。

 しかし、世の中はかなり変わってまいりましたし、慢性の疾病が非常に多い、こういう状況になってまいりますと、やはり予防ということがいかに大事かということが浸透してまいりました。そうした意味で、これからの医療制度を考えていきますときには、やはり予防の立場というものを抜きにしては語れない、そこはしっかりと踏まえて次の医療制度というものを考えていく。その色合いをどこまでそこに入れるかということはありますけれども、そのベクトルの方向性としてはそうではないかと私も思っております一人でございます。

堤政府参考人 介護保険制度と並ぶ車の両輪の一つとして、私どもは介護予防事業というものを言い続けておりました。

 今年度からは、介護予防・生活支援事業という名前で、市町村に対する包括的な補助金も設定をいたしまして、例えば、地域の実情に応じて市町村が実施をする生きがい対応型デイサービス、予防拠点になるようなところの事業の支援というふうなものをやっておりますし、市町村の在宅介護支援センターの運営費の中に、介護予防プランというものをつくる際の加算措置というものを新たに設けるといったような形で、介護予防にこれから重点を置いていきたい。そういたしますと要介護者の発生が少なくなって、介護保険財政の上でもいい材料になるという見地から、強力に進めていきたいと考えております。

阿部委員 先ほどの坂口厚生労働大臣の御答弁でございますから、ぜひともその旗色を強く、現坂口厚生労働大臣の折にお出しくださいませ。やはりこれは、二十一世紀の骨格上、我が国が安定運営されていくためにも欠かせない、そして、だれかが強くかじを切らなければ、少しずつ少しずつでは絶対に成っていかないことと思います。

 そして、あわせて、実は現在、ゴールドプラン21の中にもそのことの布陣になるような施策はあると思いますから、私として一点、それをさらに強化していただくべく、お願いがございます。

 ゴールドプラン21の施策の中で、平成十六年度までの見込み数に、先ほど堤さんの御答弁にございました、いわゆるデイサービス、デイケアの施設数を、二万六千カ所を目途に置いておられます。

 実はこの二万六千カ所と申しますのは、日本全国の小学校の数でもございます。私が質問の都度申しておりますように、小学校というのは、地域の中核であり、徒歩圏であり、そして子供たちの文化的、歴史的、情緒的、あらゆる教育の場でございます。二万六千カ所を目途にするというゴールドプラン21の中で、この二万六千カ所をぜひとも小学校の利用ということとリンクさせていただき、あわせて、そこに新たな住民参加の仕組みをおつくりいただきますように施策を御検討いただけまいかという提案でございます。御答弁は担当の方で結構です。

堤政府参考人 少子化が進みます中で、小学校等の空き教室も出てきているという状況でございますので、そういう資源を活用するということを従来から私どもも重要だと認識をしております。

 そこで、デイサービスセンターを改築する場合に、小学校の余裕教室を改装して整備をするという場合には、平成十年度の補正予算からでございますけれども、一件定額三千万という補助制度を設けておりまして、それに基づいて小学校の余裕教室の転用をして、デイサービスセンターを整備するという事業を進めております。

阿部委員 さらに強く政策誘導していただけますようにお願い申し上げます。

 あわせて、身近なという点で、いわゆる保健所の機能について一点お伺いいたします。

 私は、これもさきの予算委員会で、実は、先般問題になっております仙台の北陵クリニック問題について質問をいたしましたが、仙台北陵クリニック問題は、ことしの一月にいわゆる准看護士によるとされる子供やお年寄りの殺害、殺人ケースとして、今裁判にもなっておるケースでございます。

 実は、この北陵クリニックと申しますのは、科学技術庁の研究助成を受けまして、電気刺激による麻痺等々の回復、褥瘡予防のための高度先端医療の治療実験の場でもございました。このことは余り知られておりませんが、治療実験の場であった、それも国の助成を受けていた医療機関であるということは、やはりこの事件に関しまして国も少なからぬ問題意識を持たなければいけない事態と考えております。

 そのやさきでございますが、せんだって、厚生省の中に医療安全対策室設置という報が、これは、二〇〇一年の四月に設けられる、事故再発防止策を検討するための医療安全対策室設置ということが述べられておりましたが、かかる仙台北陵クリニック事件、起きましたのはさかのぼることですが、先ほど申しました高度先端治療実験の場でもございました。中には、四歳の男児で、いわゆる電気刺激の治療を受けた後に急変されたケースもございます。幸いに一命は取りとめておりますが、何が問題でそのようになったかもやみの中でございます。

 私が思いますに、こうしたケースは、やはり先端医療というのは、患者のインフォームド・コンセント、それから安全対策、例えば北陵クリニックでは急変時に蘇生処置もおぼつかなかったと新聞報道されております。そのような体制下で、幾ら先端医療と申しましても、患者の安全、人権が守られないのであれば何ら意味がないと思いますから、ぜひとも北陵クリニックケースを医療安全対策室のケーススタディーとしてお取り上げいただけますように、これは私からのお願いでございますので、御答弁いただければありがたいと思います。

伊藤政府参考人 最近の医療事故の多発に対応するため、厚生労働省におきましては、平成十三年度予算の中におきまして、医療安全対策室の設置をお願いしているところでございます。

 私どもは、この対策室を設置いたしまして、総合的な医療安全対策に取り組んでいきたいと考えているところでございますが、御指摘の北陵クリニックの問題につきましては、通常あり得る医療安全対策というよりは、私どもといたしましては、犯罪というような観点が非常に強いわけでございまして、もちろんそういう問題も視野に入れて対応しなきゃいけないと思いますが、通常時に、医師なり医療関係者がミスを犯しても重大な事故につながらない、そういう仕組みをいかに医療機関の中につくっていくか、そういうことを重点的にこの医療安全対策室では取り組んでいきたい。そして、国民の医療の安全に対する信頼回復に努めたいと考えているところでございます。

阿部委員 厚生労働省の認識がそこにとどまる限り、やはりエイズ問題の本質も理解しておられないと思います。エイズ事件も犯罪でございました。すべからく、医療現場、患者の人権が無視されるところの実態をもう少し真摯に考えていただきたい。私は、今、問題提起をいたしました。

 先端実験の、治療実験の、悪いとは申しません、だからこそ人権監視が必要であろう。そういうものは、これは事件、これは事件と除外していけば、最後に残るのはいわばどうでもいい指導だけになってまいりますから、あわせてこの点はまた他の委員会でも聞かせていただきます。

 最後に、いわゆる保健所の医療監視についてお伺いいたします。

 同じく、北陵クリニックは、療養型病床群をとりながら、医療監視は平成十二年の四月の一回のみで、あわせてそのときに薬剤師の不在ということが判明しながら、この事件が発覚するまで補充もないまま経過しました。劇薬と言われる筋弛緩剤を管理する薬剤師が不在であった。そして、そのことは、実は保健所が医療監視で明らかにでき、対策指導を強くいたしておりますれば、この事件は防げたやもしれません。

 そのことに関しまして、保健所の医療監視ということにつきまして、厚生省の所轄部署からのお答えをいただきたいと思います。

宮島政府参考人 診療所等への立入検査につきましては、現在、都道府県知事あるいは政令市の市長等が実施する、いわゆる自治事務の取り扱いになっておりますけれども、国といたしましても、地方自治法の助言という規定によりまして、毎年度、いわゆる立入検査の重点通知を行っております。

 その中で、立入検査を実施していないような都道府県につきましては、必要に応じ、その実施に努めるように指導しておるところでございます。

阿部委員 何度も申し上げましたが、事はやはり医療の監視機構が、特に住民に身近な保健所に課せられた役割であるということだと思います。

 私の時間が終わりましたので、あわせて追加の質問は別の機会にさせていただきますので、厚生労働省が国民の生命の安全を預かる省庁であるという緊張感を持って今回のお仕事をなさってくださいますように、私からお願い申し上げて、終わらせていただきます。

鈴木委員長 次に、川田悦子君。

川田委員 無所属の川田悦子です。よろしくお願いいたします。

 民主党を初めとする皆様方の御協力により、質問をするお時間をいただきまして、ありがとうございました。自民党を初め、野党の皆さん、ありがとうございます。

 きょう、きのうの大臣の御答弁をお伺いしまして、大変心強い思いをしました。先ほども、予防医学を学ばれた、そうおっしゃっていました。そして、きょう家西議員の質問に対しても、医学的に解明されていなくても手を打つ、後で問題がなかったとわかっても、それでよいのではないか、そう御答弁なさいました。

 そういうことで、とても心強い思いをしたのですけれども、私が国会議員になって四カ月がたちました。この間、中川大臣辞任から始まって森首相不信任案の提出、KSD事件、外務省機密費事件など相次ぎ、そして大臣や議員の辞職、官僚の懲戒などが頻発し、記憶にとどめておくのも難しいほどです。

 マスコミ調査によれば、ついに森首相の支持率は六%台になったそうです。ところが、それでも森氏は首相の席にとどまっています。ほかの国ならば、とっくに退陣しているはずです。何とも不思議な状況がこの国で起きています。これは、日本では国民の声が国会に反映されていないということを如実に示しているのではないでしょうか。

 ここで、坂口大臣に質問をしたいと思います。

 宇和島水産高校の実習船えひめ丸が、アメリカの原子力潜水艦に沈没させられたという第一報が入ってきても、森首相は、乗組員の安否を気遣うことなく、そのままゴルフを続けていました。森首相は健康管理をしていてどこが悪いと居直りました。その後、かけゴルフをやっていたということが明らかになりました。国民の命よりも自分のギャンブルを優先したのです。一国の首相にあるまじき行為です。

 先週の金曜日から、議員会館の前で学生有志が森首相はやめろというリレートークを始めています。私も連日参加していますが、今多くの人々は怒っています。ある新聞は、森首相には危機管理意識が欠けている、こう書いていますが、私はそれ以前の問題だと思います。国民の命や財産を守っていこうという首相としての自覚が欠けていると思います。

 坂口大臣は、先日の所信表明で、人の誕生から雇用、老後の保障まで、国民生活に安心と活力をもたらす政策を総合的かつ一体的に展開し、大臣自身が先頭に立って、厚生労働行政の推進に全力を尽くすと述べられました。しかし、森首相の言動は、安心と活力どころか、国民に不安と無気力をもたらし、政治への不安をますます大きくしていっています。

 坂口大臣は、森政権の一翼を担っているわけですが、所信表明の立場からすれば、このような森首相に対し、きっぱりと退陣を勧めることが矛盾のない政治姿勢ではないでしょうか。森首相が居座り続けている状況を大臣はどうお思いになっているのか、お答えください。

坂口国務大臣 予算委員会でもお答えをいたしましたが、私は、森総理から任命を受けました一大臣でございます。したがいまして、最後の最後まで森総理を支えていくというのが私に課せられた任務でございます。

 そういう意味で、私は、厚生労働省の仕事を積極的に進めながら、厚生労働省の仕事ぶりを国民の皆さんに見ていただいて、なるほどその一角でよくやっているとお言葉をいただけるような政策を次々とやっていきたい、それが最後まで私に課せられた仕事であると思っているところでございます。

川田委員 私は、所信表明と矛盾しているお答えだというふうに思い、とても残念に思います。

 先ほど家西議員からC型肝炎問題について質問がありましたが、血友病患者や四十万人とも言われている非血友病患者のC型肝炎、これも国の血液行政の失敗です。今欧米で騒がれている、特にEUで騒がれている狂牛病に対して、きちんとした対策をとらなければ大変なことになると危惧しています。日本ではまだ一件も報告されていないから大丈夫だ、そういう考えは間違いだと思います。薬害エイズの教訓から、初期にきちんとした対策をとるかどうかが非常に重要になってくると思います。

 二月八日に、私の方でも厚生大臣に申し入れを行いました。現在、欧州各国では、生後三十カ月以降の牛すべてに対し免疫検査を実施していますが、日本においても、せめて抽出検査だけでも実施していくべきだと考えていますが、いかがでしょうか。この問題は、厚生労働省と農林水産省にまたがると思いますが、その連携体制もどのようになっているのか、お聞かせください。

 また、一月末にイギリスで狂牛病を発病した人が発病前に献血をし、狂牛病の病原体が血液製剤に混入したことがわかり、イギリス政府が対応に乗り出したとの報道がありました。日本では九七年に、輸入と国内献血の両方でヤコブ病の病原体が輸血用血液製剤に混入し、医療現場から回収する事態となりました。

 二月六日の薬事・食品衛生審議会安全技術調査会では、献血の制限を拡大する方向で意見が一致したとのことですが、医療現場では、医薬品や医療用具にも牛のゼラチンや骨を使用したものもあり、安全は確認されていないと聞いています。また、血友病患者が使用しているリコンビナント製剤では、遺伝子培養の培地に牛の血漿が使用されているとも聞いています。

 大変不安を抱いています。早急な研究と対策をとっていただきたいと思います。現状がどうなっているのか、簡潔にお答えください。申しわけありません、私の持ち時間、少ないものですから。

坂口国務大臣 献血に関するところだけ、私から申し上げさせていただきたいと思いますが、認識は十分に持っております。そして、諸外国で行われておりますように、九六年までイギリスに滞在をした皆さん方の献血を禁止するということが今行われているわけでございますが、九六年までで果たしていいかどうか。その辺のところを私も危惧いたしておりまして、そして審議会で、間もなく開かれますので、審議会の専門の先生方にその辺のところを議論していただきまして、間もなく結論を出していただく予定でございます。それが一つ。

 それから、リコンビナントの問題につきましても、それを生成する過程におきまして牛が使われているかどうかわかりませんけれども、その細胞を培養しますのに使われている、そういうことが考えられますので、それにつきましても製薬メーカーに問い合わせを行うこと、そして、それらが大丈夫であることの一札をとること等を今命じているところでございます。

尾嵜政府参考人 最初の御質問についてお答え申し上げます。

 国内におきます狂牛病のサーベイランスにつきましては、平成八年に、と畜場法の施行規則を改正いたしまして、検査の対象となる疾病に伝染性海綿状脳症を加えたわけでございます。これに伴いまして、屠畜場におきます検査、これは獣医師が行うわけでございますが、検査におきまして、伝染性海綿状脳症に罹患している疑いのある獣畜が発見された場合には厚生労働省に報告されることになっておりますが、これまでそういった事例の報告はございません。

 それで、このサーベイランスの関係につきましては、農林水産省の家畜伝染病予防法に基づきます法定伝染病という位置づけもなされております。私ども、これらのサーベイランスの強化につきましては、農林水産省とも連携を図りながら、体制の整備について検討していきたいというふうに考えております。

川田委員 ちょっと時間がないので、回答の方は後でまたまとめてお願いしたいと思います。幾つか質問を用意しておりますので、済みませんけれども、お願いします。

 技術立国と言われてきた日本において、九七年以降、製造業の品質が急速に落ちてきたと指摘されています。三菱自動車、雪印など、人の命にかかわる問題も起きています。なぜこのようなことが起きたかと考えますと、コストダウンを優先し、熟練労働者の首切りが行われ、職場では激しい競争でお互いが疑心暗鬼になり、技術の伝承さえ行われなくなり、情報の隠ぺいが行われたからです。私は、何よりも、情報の公開、そして自由に物が言える職場が大事だというふうに考えています。

 私のところには、さまざまな方から要請や内部告発の手紙が届いています。大変ショッキングな手紙をいただきました。この手紙がどれほど信憑性があるのかどうか、わからないんです。しかし、昨日福島委員の御質問に対し、大臣は、平成五年からKSDの人から内部告発があって、その人から受け入れて、手を打っておけばよかったという御答弁がありました。そこで、私もこの内部告発の手紙を紹介したいと思います。

  新世紀おめでとうございます。昨年、欠陥品が見つかった場合のマズイ対応事例が、三菱自動車や三洋電機に見られました。もっと悪質なことに、欠陥品自体を商品にしている事例があり、お知らせ致します。

  藤沢薬品は、インタールという製品の新剤型として、エアゾル剤の開発をしていた。主成分の濃度を高めることができず、含有量不足で効果は弱かった。本来は研究をしなおすべきところであるが、皆見

この方は藤沢ファイソンズ株式会社へ出向、

 リーダーが無理やり進めていった。臨床試験で、エアゾル剤を使った八人分のカルテをより良い内容へ書き換え、もう一方の薬を飲んだ四人分のカルテは悪いデータへ変えた。合計十二症例分のカルテを改ざんして、比較試験の結果を逆転させ、治療効果があるという結果を作り上げた。

  厚生省薬務局に申請後、山田技官にカルテをチェックされて改ざんが発覚した。極端に片寄ったデータ修正について説明するように指示事項を

これは口頭なんですが、

 出して追求していた。主成分の含有量に着目すれば、(吸収に差があるとしても)エアゾル剤の量で治療効果があるとは考えにくい。追い詰められた藤沢薬品は、代議士にも手を回して事務次官や薬務局長に圧力をかけ、山田技官を県庁へ転勤させた。この新薬のデータねつ造の件はその後ウヤムヤになり、おかしな制約条件が付いて結局承認されてしまった。この気休めの薬は現在も販売されていて、健康保険が百億円以上無駄使いされ続けています。

 以上が手紙なんですけれども、薬害エイズも政官財の癒着の構造から起きたわけです。これがどれほどの信憑性があるかどうかわかりませんけれども、これがもし事実であったとすれば大変な問題なのです。ぜひ事実の調査をしていただきたいと思います。

 時間がもう詰まったのですけれども、私は最後に一つだけお願いをしたいと思います。

 私は薬害エイズの被害者の母親です。私はたくさんの子供たちが亡くなっていくのを見てきました。ひっそりと死んでいったわけです。隠れるようにして亡くなっていきました。とても悔しい思いをしています。薬害エイズがなぜ引き起こされたのか、どこに原因があるのか。それはまさに政官財の癒着の構造です。そこを断ち切らなければ、何度でも同じようなことが起きます。

 今、KSD事件を初めさまざまな事件が起きていますが、その真相にふたをしようとする動きもありますが、私は根本的なところにメスを入れなければ、何度でも同じようなことは起きてくると思います。私は、ぜひお願いしたいです。このような社会を変えていかなければ、子供たちの未来はありませんし、医療現場でも、私たちは安心して病院にかかれないんです。何としても、このようなところを変えていくために、私たちは力を合わせて、本当にこの国に生まれてよかった、そういう国につくり変えていきたいと思っています。徹底的な真相究明、このことが大事です。

 私は、さきの国会でも、この薬害エイズの問題で質問をしました。そのときに、厚生省は私たち薬害被害者と約束したこの問題について、真相の解明をしようとしていません。郡司氏が出してきた郡司ファイルは差しかえられていました。そのことについて質問したとき、これはプライバシーの問題とか、判読不明のものだから出さなかった、差しかえたというふうなことを言っていましたが、全くでたらめです。はっきりと読み取れます。プライバシーの問題ではありません。ぜひ、情報を隠さないで、徹底的に明らかにしてほしいと思って、私の質問を終わらせていただきたいと思います。ぜひ調査を進めてください。

 ありがとうございました。

鈴木委員長 以上で質疑を終了いたします。

     ――――◇―――――

鈴木委員長 内閣提出、戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案及び平成十三年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案の両案を議題とし、順次趣旨の説明を聴取いたします。坂口厚生労働大臣。

    ―――――――――――――

 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案

 平成十三年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

坂口国務大臣 ただいま議題となりました戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案及び平成十三年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 まず、戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案について申し上げます。

 戦傷病者、戦没者遺族等に対しましては、その置かれた状況に配慮し、年金の支給を初め各種の援護措置を講じ、福祉の増進に努めてきたところであります。平成十三年度においても、年金等の支給額を引き上げるとともに、戦傷病者等の妻に対する特別給付金の支給範囲を拡大することとし、関係の法律を改正しようとするものであります。

 以下、この法律案の概要について御説明申し上げます。

 第一は、戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部改正であります。これは、遺族年金等の額を恩給の額の引き上げに準じて引き上げるものであります。

 第二は、戦傷病者等の妻に対する特別給付金支給法の一部改正であります。これは、平成五年四月二日以後に戦傷病者等の妻となった者に対し、その特別な労苦に報いるため、特別給付金として額面十五万円、五年償還の国債を支給するものであります。また、平成五年四月一日から平成八年九月三十日までの間に、夫たる戦傷病者等が平病死した場合に、その妻に特別給付金として額面五万円、五年償還の国債を支給することとしております。

 次に、平成十三年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案について申し上げます。

 公的年金制度及び各種手当制度等につきましては、国民年金法等の定めるところにより、毎年の消費者物価指数の変動に応じた物価スライドを実施することとなっております。

 平成十二年の年平均の全国消費者物価指数が平成十年に比べ一・〇%の下落となったことから、国民年金法等の規定に基づくと、平成十三年度においてはこれに応じた減額改定を行うこととなりますが、現下の社会経済情勢にかんがみ、平成十三年度における特例措置として、公的年金及び各種手当等の額を平成十二年度と同額に据え置くこととし、この法律案を提出した次第であります。

 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。

 平成十三年度において、特例として、国民年金、厚生年金、児童扶養手当等について、物価スライドによる年金の額等の改定の措置を講じないこととしておりますほか、次期財政再計算までに、特例措置を講じたことによる財政影響を考慮して、給付額や物価スライド規定のあり方等について検討することとしております。

 なお、この法律の施行期日は、平成十三年四月一日としております。

 以上が、戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案及び平成十三年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案の提案理由及びその内容の概要であります。

 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。ありがとうございました。

鈴木委員長 以上で両案の趣旨の説明は終わりました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時四十五分散会




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