衆議院

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第21号 平成13年6月13日(水曜日)

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平成十三年六月十三日(水曜日)

    午後一時二分開議

 出席委員

   委員長 鈴木 俊一君

   理事 棚橋 泰文君 理事 谷畑  孝君

   理事 森  英介君 理事 吉田 幸弘君

   理事 大石 正光君 理事 鍵田 節哉君

   理事 福島  豊君 理事 佐藤 公治君

      奥山 茂彦君    上川 陽子君

      鴨下 一郎君    木村 義雄君

      北村 誠吾君    熊代 昭彦君

      佐藤  勉君    田村 憲久君

      竹下  亘君    虎島 和夫君

      中本 太衛君    西川 京子君

      野田 聖子君    林 省之介君

      原田 義昭君    松島みどり君

      三ッ林隆志君    宮腰 光寛君

      宮澤 洋一君    吉野 正芳君

      家西  悟君    上田 清司君

      大島  敦君    加藤 公一君

      金田 誠一君    釘宮  磐君

      古川 元久君    松崎 公昭君

      三井 辨雄君    水島 広子君

      山井 和則君    青山 二三君

      江田 康幸君    樋高  剛君

      小沢 和秋君    木島日出夫君

      阿部 知子君    中川 智子君

      小池百合子君    川田 悦子君

    …………………………………

   厚生労働大臣       坂口  力君

   厚生労働副大臣      桝屋 敬悟君

   厚生労働副大臣      南野知惠子君

   農林水産副大臣      田中 直紀君

   財務大臣政務官      林田  彪君

   厚生労働大臣政務官    佐藤  勉君

   政府参考人

   (総務省自治行政局公務員

   部長)          板倉 敏和君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   杉本 和行君

   政府参考人

   (財務省理財局次長)   白須 光美君

   政府参考人

   (文部科学省高等教育局私

   学部長)         石川  明君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局

   長)           真野  章君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局

   障害保健福祉部長)    今田 寛睦君

   政府参考人

   (厚生労働省年金局長)  辻  哲夫君

   政府参考人

   (社会保険庁次長)    小島比登志君

   政府参考人

   (社会保険庁運営部長)  冨岡  悟君

   政府参考人

   (農林水産省経営局長)  須賀田菊仁君

   参考人         

   (年金資金運用基金理事長

   )            森  仁美君

   厚生労働委員会専門員   宮武 太郎君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月十三日

 辞任         補欠選任

  熊代 昭彦君     虎島 和夫君

  林 省之介君     中本 太衛君

  三井 辨雄君     上田 清司君

  山井 和則君     松崎 公昭君

同日

 辞任         補欠選任

  虎島 和夫君     熊代 昭彦君

  中本 太衛君     林 省之介君

  上田 清司君     三井 辨雄君

  松崎 公昭君     山井 和則君

    ―――――――――――――

六月十三日

 食品の安全を確保するための、食品衛生法の改正と充実強化に関する請願(佐藤観樹君紹介)(第二五八九号)

 同(村岡兼造君紹介)(第二五九〇号)

 同(鹿野道彦君紹介)(第二六五三号)

 同(金田誠一君紹介)(第二六五四号)

 同(木村太郎君紹介)(第二七五四号)

 同(鮫島宗明君紹介)(第二七五五号)

 同(野田聖子君紹介)(第二七五六号)

 同(鉢呂吉雄君紹介)(第二七五七号)

 マッサージ診療報酬(消炎鎮痛処置)の適正な引き上げに関する請願(山井和則君紹介)(第二五九一号)

 安全で行き届いた医療・看護実現のための国立病院・療養所の看護職員増員に関する請願(釘宮磐君紹介)(第二五九二号)

 同(後藤茂之君紹介)(第二五九三号)

 同(金田誠一君紹介)(第二六六一号)

 同(木島日出夫君紹介)(第二六六二号)

 同(児玉健次君紹介)(第二六六三号)

 同(後藤茂之君紹介)(第二六六四号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二六六五号)

 同(瀬古由起子君紹介)(第二六六六号)

 同(辻元清美君紹介)(第二六六七号)

 同(松本善明君紹介)(第二六六八号)

 同(大幡基夫君紹介)(第二七七八号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第二七七九号)

 同(鉢呂吉雄君紹介)(第二七八〇号)

 同(古川元久君紹介)(第二七八一号)

 同(三村申吾君紹介)(第二七八二号)

 同(山井和則君紹介)(第二七八三号)

 肝がん撲滅と肝臓病の総合的な対策に関する請願(石毛えい子君紹介)(第二五九四号)

 同(釘宮磐君紹介)(第二五九五号)

 同(吉田幸弘君紹介)(第二五九六号)

 同(小沢和秋君紹介)(第二六七〇号)

 同(加藤公一君紹介)(第二六七一号)

 同(金田誠一君紹介)(第二六七二号)

 同(田村憲久君紹介)(第二六七三号)

 同(野田聖子君紹介)(第二六七四号)

 同(樋高剛君紹介)(第二六七五号)

 同(古川元久君紹介)(第二六七六号)

 同(青山二三君紹介)(第二七八四号)

 同(川田悦子君紹介)(第二七八五号)

 同(木島日出夫君紹介)(第二七八六号)

 同(木村義雄君紹介)(第二七八七号)

 同(熊代昭彦君紹介)(第二七八八号)

 同(谷畑孝君紹介)(第二七八九号)

 同(三井辨雄君紹介)(第二七九〇号)

 同(宮腰光寛君紹介)(第二七九一号)

 同(宮澤洋一君紹介)(第二七九二号)

 がん治療薬、特に肝がん再発予防薬の早期認可に関する請願(鍵田節哉君紹介)(第二五九七号)

 同(青山二三君紹介)(第二七九三号)

 同(谷畑孝君紹介)(第二七九四号)

 精神障害者保健福祉手帳のサービス拡大に関する請願(伊藤公介君紹介)(第二五九八号)

 同(尾身幸次君紹介)(第二五九九号)

 同(奥谷通君紹介)(第二六〇〇号)

 同(金田英行君紹介)(第二六〇一号)

 同(亀井静香君紹介)(第二六〇二号)

 同(古賀誠君紹介)(第二六〇三号)

 同(高村正彦君紹介)(第二六〇四号)

 同(佐藤静雄君紹介)(第二六〇五号)

 同(津島雄二君紹介)(第二六〇六号)

 同(中谷元君紹介)(第二六〇七号)

 同(中本太衛君紹介)(第二六〇八号)

 同(萩野浩基君紹介)(第二六〇九号)

 同(松岡利勝君紹介)(第二六一〇号)

 同(三ッ林隆志君紹介)(第二六一一号)

 同(山本明彦君紹介)(第二六一二号)

 同(横内正明君紹介)(第二六一三号)

 同(渡辺具能君紹介)(第二六一四号)

 同(伊吹文明君紹介)(第二六七七号)

 同(今村雅弘君紹介)(第二六七八号)

 同(衛藤征士郎君紹介)(第二六七九号)

 同(佐藤剛男君紹介)(第二六八〇号)

 同(園田博之君紹介)(第二六八一号)

 同(田村憲久君紹介)(第二六八二号)

 同(八代英太君紹介)(第二六八三号)

 同(谷津義男君紹介)(第二六八四号)

 同(山口俊一君紹介)(第二六八五号)

 同(山本幸三君紹介)(第二六八六号)

 同(吉川貴盛君紹介)(第二六八七号)

 同(岩屋毅君紹介)(第二七九五号)

 同(熊代昭彦君紹介)(第二七九六号)

 同(佐田玄一郎君紹介)(第二七九七号)

 同(坂井隆憲君紹介)(第二七九八号)

 同(塩崎恭久君紹介)(第二七九九号)

 同(橋本龍太郎君紹介)(第二八〇〇号)

 同(林省之介君紹介)(第二八〇一号)

 同(原田昇左右君紹介)(第二八〇二号)

 同(藤井孝男君紹介)(第二八〇三号)

 同(松宮勲君紹介)(第二八〇四号)

 同(宮腰光寛君紹介)(第二八〇五号)

 介護保険の改善と高齢者の医療費負担増の中止に関する請願(藤木洋子君紹介)(第二六五二号)

 年金制度の改善、安心して暮らせる老後の保障に関する請願(木島日出夫君紹介)(第二六五五号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二六五六号)

 パーキンソン病患者・家族の療養生活の質向上に関する請願(中野寛成君紹介)(第二六五七号)

 視覚障害者のパソコンと周辺機器・ソフトの購入への公的助成に関する請願(木島日出夫君紹介)(第二六五八号)

 腎疾患総合対策の早期確立に関する請願(中野寛成君紹介)(第二六五九号)

 総合的難病対策の早期確立に関する請願(藤村修君紹介)(第二六六〇号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第二七五八号)

 同(石毛えい子君紹介)(第二七五九号)

 同(川内博史君紹介)(第二七六〇号)

 同(小平忠正君紹介)(第二七六一号)

 同(児玉健次君紹介)(第二七六二号)

 同(後藤茂之君紹介)(第二七六三号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二七六四号)

 同(武山百合子君紹介)(第二七六五号)

 同(辻元清美君紹介)(第二七六六号)

 同(徳田虎雄君紹介)(第二七六七号)

 同(中林よし子君紹介)(第二七六八号)

 同(中村哲治君紹介)(第二七六九号)

 同(西博義君紹介)(第二七七〇号)

 同(鳩山由紀夫君紹介)(第二七七一号)

 同(古川元久君紹介)(第二七七二号)

 同(山内惠子君紹介)(第二七七三号)

 同(山口富男君紹介)(第二七七四号)

 同(山元勉君紹介)(第二七七五号)

 同(吉井英勝君紹介)(第二七七六号)

 介護、医療、年金制度の拡充に関する請願(大森猛君紹介)(第二六六九号)

 子育て支援の緊急対策に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二七三四号)

 同(石井郁子君紹介)(第二七三五号)

 同(小沢和秋君紹介)(第二七三六号)

 同(大幡基夫君紹介)(第二七三七号)

 同(大森猛君紹介)(第二七三八号)

 同(木島日出夫君紹介)(第二七三九号)

 同(児玉健次君紹介)(第二七四〇号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二七四一号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第二七四二号)

 同(志位和夫君紹介)(第二七四三号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第二七四四号)

 同(瀬古由起子君紹介)(第二七四五号)

 同(中林よし子君紹介)(第二七四六号)

 同(春名直章君紹介)(第二七四七号)

 同(不破哲三君紹介)(第二七四八号)

 同(藤木洋子君紹介)(第二七四九号)

 同(松本善明君紹介)(第二七五〇号)

 同(矢島恒夫君紹介)(第二七五一号)

 同(山口富男君紹介)(第二七五二号)

 同(吉井英勝君紹介)(第二七五三号)

 中小自営業の家族従業者等に対する社会保障の充実等に関する請願(川田悦子君紹介)(第二七七七号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 厚生年金保険制度及び農林漁業団体職員共済組合制度の統合を図るための農林漁業団体職員共済組合法等を廃止する等の法律案(内閣提出第八三号)

 個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律案(内閣提出第四四号)




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     ――――◇―――――

鈴木委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、厚生年金保険制度及び農林漁業団体職員共済組合制度の統合を図るための農林漁業団体職員共済組合法等を廃止する等の法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、参考人として年金資金運用基金理事長森仁美君の出席を求め、意見を聴取し、政府参考人として総務省自治行政局公務員部長板倉敏和君、財務省主計局次長杉本和行君、理財局次長白須光美君、文部科学省高等教育局私学部長石川明君、厚生労働省社会・援護局長真野章君、社会・援護局障害保健福祉部長今田寛睦君、年金局長辻哲夫君、社会保険庁次長小島比登志君、運営部長冨岡悟君及び農林水産省経営局長須賀田菊仁君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

鈴木委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。北村誠吾君。

北村(誠)委員 自由民主党の長崎四区選出の北村誠吾でございます。

 大臣におかれましては、連日、大変難しい法案あるいは事柄について、桝屋副大臣初め関係の皆様方とともに御精励いただいておりますことに心から敬意を表し、健康に留意され、さらに政務のため、公務のためお尽くしいただきますよう心からお願いを申し上げて、質問に入らせていただきます。

 先週までこの委員会では、公的年金制度の三階部分である企業年金についての議論がなされたところでございます。本日は、農林共済年金統合法案ということで、公的年金制度の二階部分の一元化の問題について御質問をさせていただきたいと存じます。

 公的年金制度は、基本的には世代間の支え合いの仕組みで運営されておりますので、これから少子高齢化が本格的に進んでいく中で、将来の支え手である子供の数の減少により財政的な厳しさが増してくるということは、各年金制度に共通する問題でございます。

 このような中で、我々の子供や孫の世代まで、国民の老後を支える公的年金を安定して信頼されるものとして制度設計をし維持していくことは、現在の我々の世代に課された大きな問題であるというふうに認識をいたしております。

 そこで、このような公的年金制度について、若い世代も含め国民の理解を一層深めていくための取り組みが今後一層重要となるものと思われます。大臣の基本的なお考えをお伺いさせてください。

坂口国務大臣 今御指摘をいただきましたとおり、高齢化が大変な勢いで進んでおりますので、社会保障とりわけ年金にとりましては大きな問題になってまいっております。高齢者がだんだんとふえ、そして若年者が減少してくる、こういう人口構成になってくるわけでございますから、どういたしましても、支える側の人間を一人でも多くふやしていくという努力が必要だろうというふうに思います。

 したがいまして、これから進んでいきます年齢構成だけにゆだねているだけではなくて、女性の皆さん方やあるいは中高年の皆さん方の雇用促進にも力を入れて、そして支え手をふやしていくということを真剣にやっていかなければならないというふうに思っております。そして、今先生が御指摘をいただきましたように、お若い皆さん方に相互扶助の精神をしっかりとやはり身につけていただいて、そして年金制度に御参加をいただかなければならないというふうに思っております。

 最近、年金制度に参加されない方々もふえてきているというふうに聞いておりますが、その皆さん方の内容を拝見いたしますと、必ずしも所得が少ない皆さん方ばかりではなくて、所得はあるけれどもしかし参加をしないという方もおみえになるわけでございます。

 そうした皆さん方に対しましては、ぜひひとつ相互扶助の精神というものをよく理解をしていただいて、自分のためでもありますけれども、自分のためだけではなくて、やはり家族のため、そしてまた隣人のため、あるいはまた社会全体のためにこの制度はあるということを理解していただく努力を、あらゆる機会を通じて行うことが大事である。そこは一番大事なことでございますので、厚生労働省としても最も力を入れていかなければならないことであると思っている次第でございます。

北村(誠)委員 私も全く同感でございます。

 さて、現在、我が国の雇われて働く被用者年金の制度、これは五つになっておりますね。民間サラリーマンを対象とする厚生年金、国家公務員を対象とする国家公務員共済、また地方公務員を対象とする地方公務員共済、私立学校教職員を対象とする私学共済、そして農協、漁協、あるいは森林組合、また農林中金等の職員を対象とする農林共済、この五つの制度になっておるということであります。

 年金制度に対する不信、不安が広がっている。今大臣も述べられたところでありますけれども、現在のように、民間の企業だと厚生年金、公務員は国家公務員共済や地方公務員共済、私立学校の教職員は私学共済と別々の制度になっており、保険料負担の水準も異なっております。これらのこともまた一因として挙げられるのではないかというふうに思うわけです。

 制度が分かれてあることはこれまでのさまざまな歴史的な経緯もあってのこととは聞いておりますけれども、どこに雇用されているかにかかわりなく、加入する制度を共通のものにして、負担と給付の両面での公平が確保されるという仕組みが大切なのではないかというふうに思うわけです。

 それから、やはり特定の産業分野に依存した小規模な制度ですと、産業構造の変化を初め、経済社会環境の変化の影響を受けやすい、年金財政も厳しく不安定なものとなりがちでございます。現役世代の負担が過重なものにならないようにしながら、受給者への確実な年金給付を確保していく、このためには、できる限り大きな財政のもとで年金制度を運営していくということがぜひ必要であろうというふうに思われます。

 私が今申し上げましたようなことが公的年金制度の一元化の基本的な考え方であるとお聞きしておりますけれども、そこで、まず、公的年金制度の一元化についてのこれまでの経緯について、年金局長、簡単に御説明を願います。

辻政府参考人 公的年金制度の一元化につきまして、まさしく今御指摘のような考え方に基づきまして、昭和五十九年の閣議決定におきまして、高齢化社会の到来等社会経済情勢の変化に対応し、公的年金制度全体の長期的安定と整合性ある発展を図るため、公的年金の一元化を展望しつつ改革を推進する、まずこのことが決められまして、そのために、公的年金制度の一階部分として、全国民を対象とする基礎年金を導入した。そして、二階部分である厚生年金と共済年金について、厚生年金を標準として、給付面で大枠をそろえるということがなされました。

 その後、次は、公的年金の二階部分である被用者年金制度間の主として負担面での調整を図るということとしまして、平成八年の閣議決定におきまして、被用者年金の再編成については、財政単位の拡大及び共通部分についての費用の平準化を図ることを基本とし、統一的な枠組みの形成を目指すものとするとの基本方針が示されました。

 これを受けまして、再編成の第一段階として、平成九年度に、既に民営化、株式会社化しており、かつ、成熟化が最も進行している日本鉄道共済組合、日本たばこ産業共済組合及び日本電信電話共済組合を厚生年金に統合する措置を講じ、その後も、この平成八年の閣議決定に沿いまして、一元化の検討を進めてきたところでございます。

北村(誠)委員 次に、農林年金については後でお伺いすることとして、まず、残っております三共済の今後の一元化の具体的な進め方について質問をさせていただきたいと思うわけです。

 まず、国家公務員と地方公務員の共済組合についてであります。

 三月十六日の閣議決定においては、国家、地方、ともに公務員という職域に適用される年金制度であるということから、両制度の財政単位の一元化を図る、そして次期財政再計算はこの財政単位の一元化を前提として実施する、こうあります。

 そこで、財務省、総務省にお伺いします。

 次の財政再計算というと平成十六年ということになろうかと思いますけれども、今後どのような体制のもとで検討を行うのでありましょうか。また、財政単位の一元化というのは、私にはちょっとわかりにくい表現であります。これは具体的にどのような措置を講ずるということになるのか、御説明を願います。

林田大臣政務官 今、公務員グループの共済は、御案内のとおり、国家公務員共済そして地方公務員共済でございますが、お尋ねの財政単位の一元化ということで複数の、複数といいますか、公務員グループでは二つございます。それを計算の基礎として年金制度を運営していく場合、どうしてもやはり、一元化のあり方については支援といいますかをいただいておるわけでございますけれども、このままではとても行き着かないというのはもう先生御案内のとおりだということで、現在持っていますその二つ、国家公務員、地方公務員の組織あるいは制度は独立したままで、両制度間でお互いに調整していただく。最終的には、同じ公務員グループでございますので、保険料率を一本化するということになっておるわけでございます。

    〔委員長退席、谷畑委員長代理着席〕

板倉政府参考人 財政単位の一元化の意味につきましては、先ほど財務省政務官からお話があったとおりだと考えております。複数の年金制度の財政単位を一体のものとしてとらえまして、これを計算の基礎として年金財政を運営していくというふうに考えております。

 国の共済と地共済の財政単位の一元化のあり方といたしましては、組織、制度は独立をしたままで、両制度間で財政調整を行いながら、最終的に、財源率と申しておりますが、保険料率を一本にするということと考えております。

 具体的な方策でございますけれども、財政調整措置の仕組みにつきましては、今後設置を予定しております両制度間の検討する場を設けたいと思っておりますので、その場におきまして十分検討してまいりたいと考えております。

北村(誠)委員 今、最後に板倉部長より御答弁いただいた、検討の場を設ける、そういうところで関係者間の合意形成に向けた努力ということがなされるということでございましょう。後ほどお尋ねする公的年金制度全体の一元化のあり方にもつながる話ですので、適切な時期に情報を公開しながら、積極的な検討を進めていただきたいというふうに存じます。

 次に、私学共済について御質問します。

 今回の農林共済の厚生年金への統合を見ても明らかなように、特定の産業分野に依存した年金制度には財政的な不安定性がどうしても避けられないというふうに考えられます。私立の学校につきましても、学校関係者の経営努力にもかかわらず、子供の数が急減する中で経営は非常に厳しいものとなっています。また、地方分権と言われ、地方財政にとっても厳しさがこれから一層増し、また、地方も私立の学校に対していろいろな形で助成をしておるという実情もあります。こういった中で、私立学校教職員の年金制度が将来にわたって単独で持続していくということは困難が少なくないというふうに思われます。

 今回の農林共済の厚生年金への統合によって、民間部門の中で私学共済は唯一の独立制度として残ることになります。さらに、今後、両公務員共済における財政単位の一元化が実現すれば、現在の構成員の数にして三千二百四十八万人の厚生年金、そして四百四十万人の国、地方両公務員共済の中において、わずか四十万人の独立の共済制度として私学共済が存在するという形になるわけでございます。

 私は、何よりも、教職員あるいは教職員であった方々の年金の受給を将来にわたって確実なものにしていくということが、皆さん方の安心につながり、ひいては私学の経営の改善にも資するということになるのではないか。特に、私学共済の発足のとき以来、私学関係者あるいは関係当局の並々ならぬ苦労があって今日に来ておるということを聞くにつけ、一層、関係者の力強い取り組みを期待するものであります。

 そこで、被用者年金制度における私立学校教職員共済の位置づけについて、次期財政再計算までに検討を行い、その結果を踏まえて必要な措置を講ずべきということ、これが閣議決定で言われております。これを踏まえてどのような検討を行おうとするのか、文部科学省にお伺いをいたしたいというふうに思います。

    〔谷畑委員長代理退席、委員長着席〕

石川政府参考人 ただいま先生御指摘のように、本年三月の閣議決定におきましては、私立学校教職員共済につきまして、保険料の引き上げの前倒しの検討ですとか、あるいは被用者年金制度における位置づけ等についての検討を行うということにされているところでございます。

 先生からも今お話がございましたように、私学共済の目的や機能は、私立学校に優秀な教職員を確保し、また安んじてその職務を果たすということができるように国公立学校教職員の福利厚生に準じた制度を設けるというようなことでございます。このため、今後の検討に当たりましても、国公立学校教職員の福利厚生との均衡を保つというようなことを念頭に置きながら、国家公務員共済組合あるいは地方公務員共済組合の検討なども踏まえつつ、公的年金制度の一元化の推進という大きな流れの中で私学共済をどのように位置づけていくのが適当であるのか、そしてまたそのために必要と考えられる措置は何なのかということなどにつきまして関係者との間で協議、検討してまいりたい、このように考えているところでございます。

北村(誠)委員 次に、三月十六日の閣議決定では、「厚生年金保険等との財政単位の一元化も含め、更なる財政単位の拡大と費用負担の平準化を図るための方策について、被用者年金制度が成熟化していく二十一世紀初頭の間に結論が得られるよう」検討を急ぐべきと閣議で決定されており、述べられております。

 このことについて、共済制度を所管する各省の見解が伺えればというふうに思うんですが、見解があればお伺いさせてください。

板倉政府参考人 公的年金制度の一元化の今後の見通しということでございます。

 まずは、公務員グループといたしまして財政単位の一元化を早急に実現することといたしておりますが、さらにその先の被用者年金制度のいわゆる二階部分の統一的枠組みの形成につきましても、三月十六日の閣議決定に沿いまして適切に対応をしてまいりたいと考えております。

北村(誠)委員 「二十一世紀初頭の間に結論が得られるよう」というこの閣議決定の一つの物の考え方。これは、私がちょうど団塊の世代の始まりなんです、昭和二十二年の生まれです。ですから、二十二、二十三、二十四、二十五に至るまでぐらいが団塊の世代の固まりじゃないかと思うんです。そうすると、私らが六十五歳になるとき、すなわち二〇一五年から五年間ぐらい、一五年から二〇年、ここに一つの大きな転換点、問題のところが来る。ですから、そこに至るまでには、二十一世紀初頭という認識で対応をきちっと考えておかなければいけないぞというのが閣議決定の意味ではないかなというふうに私なりに考えたところでございますので、賢明な各省の皆さん方が、ぜひその趣旨に沿って検討を急いでいただきたいというふうに、これは御要望にかえさせていただきます。

 次に、今回の農林共済年金統合法案について質問させていただきます。まず、統合を行うこととするに至った経緯、基本的な考え方についてお尋ねをさせていただきます。

辻政府参考人 公的年金制度の一元化につきましては、先ほども申し上げましたように、平成八年の閣議決定に基づき、その推進に向けた取り組みを行ってきているところでございます。

 その枠組みのもとで、今回農林共済の統合につきましては、関係者から早期統合の要望が寄せられておりましたこと、そして各被用者年金制度において財政再計算が行われて環境が整っておりまして、これらを踏まえまして、昨年六月に再開されました学識経験者、厚生年金、各共済それぞれの関係者から成る公的年金制度の一元化に関する懇談会というもので今後の一元化の進め方につきまして御議論いただき、本年二月にはその報告書が取りまとめられたところでございます。

 その報告書を踏まえまして、本年三月に公的年金制度の一元化のさらなる推進について政府としても全体の基本方針を定め、その中に、農林共済についても、その一環として平成十四年四月に厚生年金へ統合するということとしたものでございます。

北村(誠)委員 一遍に聞けばよかったですけれども、重ねて年金局長にお尋ねします。

 今度この統合によって、公的な年金制度として、また農林共済の加入者、受給者にとってこの統合がどのようなよい点、メリットと申しますか、そういうことがあるか、簡単にお聞かせください。

桝屋副大臣 私の方から。

 先ほどから委員から御指摘をいただいているとおりでありまして、今回の農林共済年金、農林漁業団体という極めて限られた団体で、被保険者数が五十万人弱という特定の職域のみで運営をされてきたということでありますが、今回の一元化の一環として統合されるということによりまして、被保険者数約三千三百万人に上る厚生年金制度全体で財政運営をされるということになるわけであります。

 したがいまして、財政単位が大きくなるということによりまして産業構造の変化による影響を受けることがなくなるということで、公的年金全体として、財政運営はより安定したものになりますし、何よりも信頼性の高いものになるわけであります。このことは、農林共済の加入者にとりましても将来にわたり確実な年金の受給が確保されるということが言えるわけであります。

 統合に伴いまして、一定期間の上乗せの保険料の徴収でありますとか、あるいは職域部分に係るスライド停止といった措置もあるわけでありますけれども、これは将来にわたる確実な年金の受給確保のための措置であるというふうに私ども考えているところでございます。

北村(誠)委員 また、この統合法案では、農林共済組合は厚生年金との統合の後もなお存続することとされているようです。統合の後、具体的にはその残った組合はどのような業務を行うことになるのか。

 それから、続けてお尋ねします。その農林共済組合が、その業務の内容から見て、統合して後残るとしても人員の体制などを見直す必要があるのでないか。できるだけスリム化してコストをかけないようにというのが今日的な社会の求めであります、国民の求めでありますから、そこら辺についても、農水省の方に二つお尋ねをしたいと思います。どうぞ。

須賀田政府参考人 これまでの農林年金の支給枠のうち、厚生年金相当部分、いわゆる二階部分が今後社会保険庁から支給されるということになるわけでございます。厚生年金にない職域年金部分、いわゆる三階部分でございますが、今回制度は廃止されるわけでございますけれども、これまで生じております年金債務については今後実行していく必要があるということでございまして、この職域年金部分について、経過的に現在の農林年金を存続組合として年金給付業務を行っていくこととしているわけでございます。それから、厚生年金につきましても、一定期間につきましては社会保険庁から年金給付に関する一部の事務受託を行うということにしているところでございます。

 いずれにいたしましても、こういう受託業務がそのうち終了をする、それから年金給付業務も業務量が減っていくということでございますので、先生御指摘のように、人員体制につきましては必要最小限度の体制にする必要があるわけでございまして、来年度から要員調整を開始するということで、当面の目標として、六十人程度を目標に要員調整を開始するということとしているところでございます。

北村(誠)委員 これまで、農林共済年金の厚生年金への統合、それから公的年金制度の一元化に向けた今後の取り組みについて御答弁をいただいたわけでありますけれども、今後、少子高齢化の進展を初め経済社会の環境に大きな変化があるということが見込まれる中で、公的年金制度の一元化は一層推進することが必要であるということが今の短い質問と答弁の中でも強く感じられます。

 そこで、一つだけ述べさせていただきたいんですが、私ども、今、農林水産委員会で森林・林業に関する基本法の審議をいたしております。森林・林業は、環境あるいは多面的な機能、効果、そして自然環境の保全というふうなことで、大変森林の役割というものに期待し、国民がこれの意義というものについて十分理解して森林を保全し、林業が活性化できるようにというふうなことから基本法を制定するということで、国会で上げて今審議をしておるというふうに認識しておるわけですが、わけてもその担い手、森林あるいは林業を活性化させていく、山を守る担い手、先ほど私が申し上げました森林組合の職員も共済等の加入者ということになるわけであります。

 実は、もう皆さん御承知のとおり、森林組合の資料によりますと、作業班で働く方々が全国で約三万人、これは平成十一年の統計ですけれども、その三万人のうちの三六%が農林年金の共済に入っておるということでありまして、残りの方は入っていない。これは理由はいろいろあります、就業日数が短いとかあるいは高齢であるとか。ただ、ここで強く述べておきたいのは、若い人は九十数%、四十九歳以下の方は大体九三%という加入率である。そして、五十歳から六十四歳で八一%、六十五歳以上で五一%。これは広島県の例ですが、全国の例でいいましても大体似たようなところじゃないかというふうに思うんです。

 ですから、就業日数が短いと見込まれる人たちとか、ぜひ、森林の作業班の担い手を確保するためにも、やはりそういう就労環境を整えるということが非常な効果をあらわしておる。

 山で働きたいという人は、Iターン、Jターン、Qターンをひっくるめて今若い方たちに非常に多い。ところが、一たん入ってみると、就労環境あるいは仕事の状況等々、最初の思いのとおりにはなかなかいかないということで難しい状況にある。しかし、そこに、この年金の仕組みと役割というのが大いに期待されておるということが、我が農林水産委員会でもきのう参考人を招致し、その議論の中で確認をされたことでありますので、統合される農林年金については、そういう意味からも期待が大きいというところであります。

 そこで、最後に、この法律の円滑な施行と今後の公的年金制度の一元化に向けた取り組みについて、坂口厚生大臣の見解と決意をお聞かせいただければ。簡単で結構ですから、お願いをいたします。

坂口国務大臣 今御指摘いただきましたように、円滑にこの法律が運用されなければなりませんし、そして、新しくスタートをいたします限り、心配要らないとみんなが安心をしていただけるようにしなければならないというふうに思っております。今後につきましても、農業に従事する皆さん方が、この制度の中で今まで以上に年金については安心だというふうに思っていただかなければならないというふうに思います。

 今日まで、厚生年金部分と合併をしていただくにつきましても、関係者の皆さん方が大変な御苦労をしていただいたことを私もよく知っておりますが、その経過におきましても、やはりスムーズにこれが進まなければなりませんし、今まで農業年金の方にお入りになっていた皆さん方が、今後も引き続き今まで以上に安心をしていただけるような体制にするのにはどうしたらいいかというので御苦労をいただいたというふうに思っております。

 御苦労をいただきました皆さん方のお気持ちを大事にして、それにおこたえをできるように私たちはやはりこれを育てていかなければならないと思っている次第でございます。

北村(誠)委員 どうもありがとうございました。終わります。

鈴木委員長 次に、上田清司君。

上田(清)委員 民主党の上田清司でございます。

 まず、坂口大臣にお伺いいたします。

 今回の年金の一元化の方向性は私どもも正しいと思いますが、その母体になるところの厚生年金の運用等々について非常に大きな問題が過去にあったということを含めて、いろいろな議論をさせていただきます。

 まず、国民の、国民年金もそうですが、厚生年金の掛金を使って運用する運用事業、それから福祉施設を中心とする施設事業、それからいわば貸し付け、融資事業がございます。公益法人等に貸し付けて、それがまた住宅ローンなんかの貸し付けをしていますが、こうした三つの事業について、今まで国民に利益を与えてきたかどうか。

 まず、利益を与えてきたんでしょうか。

坂口国務大臣 今三つの分野をお挙げいただきましたが、これまでの年金資金の運用につきましては、例えば皆さん方の住宅ローンに対する支援だとか、そうしたこともあったわけでございますし、そうした面におきましては、個々の御利用をいただきました皆さん方に対しましては、それはそれなりの働きをしてきたのではないかというふうに私は思っております。

 年金の資金を得ることによってマイホームを獲得することができたといって大変お喜びをいただいている皆さん方も確かにあることも私も存じ上げておりますし、それは、そうした面でのお役には立っている、喜んでいただいている部分もあることは事実でございます。

 しかし、総論で見ました場合に、年金の資金をどう運用するかというのは、今までの経済が右肩上がりのときの背景の中で考えてきたことでございまして、そして、言うならば財投の中でその一部がまた使われるというようなこともございましたし、その背景が今大きく変わりつつございます。したがいまして、今、年金の問題を議論するに当たりまして、資金運用に当たっては、その背景が大きく変化をしてきているということを踏まえて、そして、新しい立場で考えていかなければならない時期に来ていることは間違いないと私も思っております一人でございます。

 したがって、現在までのいろいろの使い方をいたしてまいりました中で、整理をしなければならないものは整理をし、そして、新しい角度から運用を考えていかなければならないものは、新しい方向へと転換をしなければならないものもあるだろう。一つの大きな転換期を迎えているだろうというふうに思っている次第でございます。

上田(清)委員 大臣、そんな生ぬるい答弁じゃだめですよ。九九%、従来の年金福祉事業団の存在そのものが大悪です。一つもいいことありません。一つ一つそれを検証させていただきます。

 まず、運用事業の方から。

 大臣、十二年度の年福の資金確保事業及び財源強化事業の両事業における総合収益額は、プラスになったんですか、マイナスになったんですか。

鈴木委員長 辻年金局長。

上田(清)委員 別に呼んでいないよ。

辻政府参考人 数字のことでございますので。

 十二年度につきましては、現在、年金福祉事業団の事業を引き継ぎました年金資金運用基金において集計中でございますが、十二年度に株価が相当下がりましたので、相当なマイナスになるということを見込んでおります。

上田(清)委員 大臣は報告を聞いておりますか、どういう状況かというのを。昨年度、丹羽雄哉大臣は、報告を聞いていなかった、そんなことを言っていましたからね。年金局長が謝罪しましたよ、報告をしていなかったことに関して。

坂口国務大臣 最近の状況は私も聞いておりません。

上田(清)委員 大臣、国民の年金をお預かりしているんですよ。大臣がそんな調子でどうするんですか。うまくいっているかいっていないか、いっていなかったら直さなくちゃいけないじゃないですか。何が大転換期ですか。まるっきり認識がないじゃないですか。謝ってくださいよ、国民に向かって。

坂口国務大臣 厚生労働大臣としてやらなければならないことはたくさんあります。そして、この年金の問題につきましても、お預かりをしている分につきまして、それは運用をしなければならない分があることもよく承知をいたしております。そして、その中で、自己運用をしなければならない分の中で、こういう昨年からの経済の状況の中でございますから、その中で株式の運用をしているということであるならば、それは株価の動向の中での変化というものは当然あるんだろうと思います。

 それは一年間どういうふうになるかということで、それは、その時点時点で報告を受けなければならないというふうに私は思っておりますが、昨年の暮れから私はこの場につかせていただいたわけでありますから、これでちょうど大体半分、半年たつわけでございますから、その中の内容につきましては、半年なら半年経過をした段階でどうなっているかということは聞かなきゃならないというふうに思っております。

上田(清)委員 大臣は甘いですよ。確かに、多岐にわたって業務を推進され、また、坂口厚生労働大臣の人格見識等については私も深く敬愛するところであります。しかし、この年福の運用についてはいろいろな形で指摘を受けてきた話でありますから、しかも今度は新しい看板にかえて、中身を本当に変えられるかどうかということについて極めて注意深く見守っていかなくちゃいけない中でありますから、十二年度の実績はどうなんだ、十一年度はどうなんだということを確認していただかなきゃいけない。

 確かに、一時的に株価が上がって多少十一年度は盛り返しました。そういう部分はありますが、十二年度の状況からすると、少なくともことしの二月、三月時期、余り株価の調子が、調子というか、そんなのは表現が適切じゃありませんが、一万三千円台ぐらいで推移しておりましたから、ぎりぎりで一万四千円ぐらいになったりしましたけれども、どうもこれはまた時価ベースでは相当下がっているだろう、では簿価ではどうなんだとか、そういうことをやはり苦にしていただかなくちゃいけない。

 また、報告もしないのもおかしい。丹羽大臣のときに怒られたじゃないか、矢野年金局長は。その実績を踏まえていないじゃないか、委員会で。なぜ大臣に報告しないんだ。大変失礼な話じゃないか。ちょっと、指したくないけれども、謝れ。

辻政府参考人 現在、年金福祉事業団の運用状況のディスクローズのための準備をしておりまして、その運用実績の総括を含めて集計中でございますので、私どもの作業が例年六ないしは七月ということで作業をしておりまして、その点、何とか早く、急ぐようにいたしたいと思いますが、大臣に報告がその作業の関係上おくれていることを申しわけなく思っております。

上田(清)委員 昨年度、TOPIXで上がったときには新聞にリークするんですよ、あなたたちは。時価ベースで上がったときは。それで、悪いときには黙っている。だめなんだよ、それでは。悪いときこそ報告しないと。

 それで大臣、もう釈迦に説法で恐縮ですけれども、この年福ができてから、八六年から九九年まで、九二年度だけ納付金を出すことができて、あとは一回も出したことないんですよ。黒のときももちろんありました。しかし、圧倒的に赤が多いんですよ。年度年度で見ても、累積で見てもそうなんですよ。それでちゃんと理事とか理事長の給与だけは上がっていくという不思議な団体なんです。だから特殊法人と言うんでしょうけれども。特殊な人たちの集まりなんですよ、恥を恬として恥じない人たちの集まりなんですよ。だから特殊法人と言うんですけれども。

 それで、この新基金になって衣がえしてきちんとよくなるのかどうか本当に私は危惧をしておりまして、大体、今までにできなくてどうして今度はできるようになるんですか。合計で二十七兆の運用ですら、まだ集計値が出ていないというんで、十三年二月末のTOPIXで資料を提供していただきました。これすら出すの嫌だと言ったんで、審議妨害するかと言ったら慌てて出しましたけれどもね。総合収益額がマイナスの一兆八千億ですよ、二月のTOPIXで。累積利益の時価ベースがマイナス二兆円、簿価ベースで一兆八千億。

 もう一兆円という数字になれてきましたけれども、私どもの同僚議員の吉田公一が、毎日百万円飲んだら一兆円はどのぐらいかかるんだ、三千年かかると言っているんですよ。そのぐらい大変なお金なんですね。そういう金額が、実質的に多分、三月末で、年度末で決めてもこのぐらいの数字になると思います。場合によっては、この方がちょっといいかもしれません。そのぐらいの状態だということです、まず少なくとも十二年度において。

 では、今度は百四十四兆を自主運用する新しい受け皿が、どんな形で本当に国民に利益を出すことができるんですか。だって、もう二兆円近く損しちゃったじゃないですか、十四年間で。金を返せという話ですよ、本当に。どういうふうなつもりで考えていらっしゃるんですか、その存念をお伺いしたいと思います。

鈴木委員長 辻年金局長。

上田(清)委員 だめ。

鈴木委員長 桝屋厚生労働副大臣。

桝屋副大臣 本会議でいつも委員が不規則発言をされておられる、金を返せとおっしゃっておられるそのお気持ちが、今この舞台でわかったわけであります。

 ただ、委員のお気持ちも痛いほどわかるわけでありますが、一つは、やはり大きな資金を長期にわたって運用するというものが、もう委員本当に全部おわかりのことを私が申し上げるのも恐縮なんですが、やはり、世代間扶養の少しでもその実を上げるために、基金の運用、年金の資金を運用するということを今までも努力してきた、これからもそれは続けていかなければならぬ。しかも、委員はもう先刻御承知のとおり、例えば十一年度よかったから、あるいは十二年度厳しかったからということだけでは判断できない部分もあるわけであります。

 今までの運用のあり方について反省をしなければならぬということは確かであります、したがいまして新たに出発をさせていただいているわけでありまして、その点は大臣もかたく決意をさせていただいているわけであります。

 ただ、本年四月に解散をして、現在、平成十二年度の報告がおくれているという御指摘もいただきましたけれども、今集計をしております。恐らく委員がおっしゃったような厳しい実態であるのは確かでありますが、これはなお今後とも長期的な観点に立ちまして、引き続き安全確実、効率的な運用を今までの反省もしながら行い、なるべく早期に解消できるように私どもとしても必要な指導に努めていきたい。委員のおしかりも受けまして、このように決意をさせていただいているところでございます。

上田(清)委員 それがなかなか安全、効率じゃないんですよ、どう見ても。わかりませんが、少なくとも昨年の十二月の年金積立金の運用の基本方針に関する検討会の報告書を見ると、この百四十四兆の扱いを、四・五%ぐらいの利回りで国内株式で一二%使う、外国株式で八%使う、外国債券で七%使うと、約三分の一の四十五兆が元本保証のないリスク運用ということになりますよ、これが本当だとすると。

 どういう割合でどんな形で運用しようというのか、大臣、お答えしてください。

坂口国務大臣 今御指摘になりましたように、いわゆる年金積立金の運用の基本方針といたしましては、国内債券が六八%、それから国内株式が一二%、そして外国債券が七%、外国株式が五%、それから短期資産、これが五%、大体こういうふうな割合で積立金の運用にかかわる長期的な視点から資産を運用していく、こういうことになっているわけです。国内債券ですとか国内株式の場合にも、若干のずれはあると思いますけれども、この辺が目標値ということになっているわけでございます。

 委員も御承知のように、ただし、厚生省が毎日売ったり買ったりするわけではありませんで、それは投資信託等にお預けをして、投資信託がさらにまた次にどこかに、いわゆる厚生省がここならば大丈夫という幾つかの限定をしたところに対して売買をしてもらうということになるわけでありますから、何でもかんでも野方図に売買をしてもらうことを許可しているというわけではないわけであります。だから、そういう限定をしながらやっていくということでございます。

上田(清)委員 この議論をしていると結構時間がかかるのですが、市場介入の問題とか、いわゆるコーポレートガバナンス、企業に対する、どんな形で国がかかわるのかとか、まだいろいろな問題を含めておりますが、その話をすると時間がないのですが、ちょっと気になるところでは、同じ報告書の中に「保険料負担を軽減するためにはある程度のリスクを負担する必要がある」、こんな文言があるのです。

 ある程度のリスクを負担する必要がある。要するに、もうけて保険料を軽くしてあげたい、どんどん保険料を上げるばかりだから。お気持ちはありがたいのですけれども、する可能性の方が高いのでね。だから、どういう、本当にどの程度のリスクまでは負担する必要があるという、どのレベルを考えていらっしゃるのか。これは大臣ではないでしょう。

辻政府参考人 長期運用の可能な年金資金の運用に関する基本的な考え方でございますけれども、例えば、国内株式と国内債券の長期的な運用収益を比較してみますと、二〇〇〇年度、株が非常に悪かった年も含めまして、例えば過去三十年をとりますと、国内株式の方が国内債券を三・〇四%収益率は上回っております。

 基本的に債券と株式はそのような関係で、もちろんアメリカでも外国でも同じでございますけれども、超長期の運用ができます以上は、長期にこれを運用しますれば短期的にぶれるリスクというものは低減してまいります。そのような観点から、超長期、まさしく三十年、五十年、それ以上でございます。そういうことの運用の可能な年金資金につきましては、ある程度、一定限度で、諸外国の年金資金ではもっと株式の組み入れ率が多いというデータを持っておりますが、日本の場合は一割ちょっとという程度で長期的な運用をすればそのリスクは防げる、こういう考え方に立ってできたものでございます。

上田(清)委員 諸外国の話も出ましたけれども、資本主義の元祖イギリスとかアメリカはやっていませんよ。資本主義の鬼みたいなアメリカがやっていませんからね。国が年金の運用というのはやっていませんから。

 大臣、これは白紙に戻した方がいいですよ。こういう危ない、今まで成功したこともない、わかりもしない人たちが他人に預けて、その預けている状況がわかればいいですよ、わからない人ばかりの集まりではないですか、ここにいる人は。大臣は本当に責任を持てるのですか、株式の運用に関して。やめた方がいいですよ。物価変動国債にでも切りかえた方がいいですよ。真剣にこれは検討していただかないと、本当に検討するという言葉をもらわないと審議できないくらいですよ。大臣、お言葉をいただきたいと思います。

坂口国務大臣 年金の運用につきましては、大変大事な問題でありますことは初めにも申しましたとおりであります。

 御指摘のように、だんだんだんだん減らしていくようなことではいけないことも事実でございますが、最近の株価はなかなか、これはどんな株に対して見識のある人でも減らしておるわけでありますから、こういう状況がいつまでも続くというふうには思いませんけれども、しかし、年金といったような資金を運用するということは、これはそうべらぼうな大きなプラスということは期待をしなくてもいいわけで、堅実にこれはプラスになっていけばいいという、そういうことを考えて運用していかなければならないことだけは間違いがないと私も思っています。

上田(清)委員 まだ大臣は正式にこの研究をなされていないというふうに私はお見受けいたしました、大変失礼ながら。

 国内の株式にどういう影響を与えていくのか、あるいは国がそういう株を持つことによって企業をどういう支配の仕方をしていくのか、具体的にまだ何もやっていないですよ。いきなりこういう話になってしまったんですよ。大変大きな問題を含んでいます。市場に介入することがどういうことなのかということ。

 あるいは、たまたま三十年、五十年の話をされましたけれども、では、ここの十二、三年、だれが予測したのですか、こういう事態になるというのを。だれも予測していなかったわけじゃないですか。だから、これからこんなこともないだろうと思っても、あと四十年続くかもしれないですよ、この状態が。そのときはみんな失敗じゃないですか。それほど危ないものですよ、考えようによっては。だからイギリスもアメリカもしないのですよ、資本主義の元祖みたいなところが。

 そのことだけもう一度大臣に申し上げて、しっかりもう一回諮問機関でも何でもいいからつくって、急いで、全廃してください。要望いたします。

 それから、施設事業についてお伺いをいたします。

 そもそもなぜこういうふうに百九十一も施設をつくってきたか。施設の中にも、病院もあれば会館もあるし、グリーンピアみたいないろいろなものもありますけれども。しかも、このお金はどこから出てきたかということですね。国民の掛金から出てきているわけですよ、ずっと。

 全体として見れば、これも赤字。これも不利益じゃないですか、国民に対して。だれが補てんしてくれるのですか。国民が補てんするのじゃないですか、あるいは掛金がふえるだけじゃないですか。大変なことなんですけれども、掛金というのはそういうふうに使っていいのですか、そもそも。目的外使用じゃないですか。大臣、どうですか。――じゃ、副大臣、結構ですよ。

桝屋副大臣 今、施設の運営についてお話がありました。

 厚生年金及び国民年金の福祉施設でございますが、被保険者、受給者等の福祉の増進を図るという目的で、保険者である国が設置をしているものでございます。用地購入費あるいは建設費などの経費は、国の特別会計予算に計上いたしまして支出をする、取得した土地建物は国有財産として管理をしているところでございます。したがって、これらの経費は、経営を委託している団体の施設の収支状況に含まれるものではございません。

 これらの施設の経営は、受託団体の独立採算により行われている、経営そのものは独立採算によって行われているというふうに理解をいたしております。

上田(清)委員 確かに、年度の収支、これは独立採算で、若干プラスのところもあります、グリーンピアの十三だけ見れば。黒のところもあります、単年度では。それは黒になりますよ、普通に。建物はただ、つくった道路もただ、だってキャピタルコストが全然入っていないのだもの。そのお金を抜きにしてやっているのだから、普通にやったら黒になる。その普通にやって黒になるのですら、赤。十三のグリーンピア、累積赤字は十三のうち八つ。十三施設の合計をやっていっても、平成八年度マイナスの二百五十六億、九年度三百三十一億、十年度三百五十億、こういう調子ですよ。

 矢野年金局長は、前の委員会のときに、黒字の施設もあるなんて調子のいいことを言っていたけれども、とんでもない話ですよ。それは黒字になって当たり前ですよ、建物をただでつくってもらった、道路もただで引いてもらった、何もお金はかかっておりません、あとはもうけるだけですという、そのもうけるだけですですら、もうからないのですから。

 悪じゃないですか、掛金を使ってこういう仕事をすること自体が。悪じゃないのですか、これは正義だとでも言うのですか。

坂口国務大臣 ですから、グリーンピアなどのような、そういう施設を今までどんどんたくさんつくってきたことは事実でありますが、これらの問題は、これからだんだんと決着をつけていかなきゃならない、やめていかなきゃならないというふうに思います。そして、余分なことをやらない、本当にプラスになることだけしかやらないということにしていかないといけないというふうに思っています。

 しかし、今あるそれはどうか処分しなきゃいけないわけですから、きょう言ってあしたというわけにはまいりませんけれども、しかし、それを整理していく方向で我々としてもこれからやっていかなければならないというふうに思っております。

上田(清)委員 それでは、ちょっとお頼みしていました調査。土地代に今まで幾らかけましたか、それから建設費に幾らかけましたか。

辻政府参考人 グリーンピア事業に係るこれまでの投資額につきましては、平成十一年度末現在で、土地代が五百十五億円、それから施設建設費が千四百十九億円、合わせて千九百三十四億円でございます。

上田(清)委員 これは財投の金利は入っているのですか、入っていないのですか。

森参考人 ただいま局長がお答えをいたしました数字は、借り入れた元本額でございます。

上田(清)委員 したがって、私どもが調べた調査では、さらにさらに一千五百億財投金利分が入っているはずですから、三千億かかっているわけですよ。その上で、十三カ所の単年度の収入、何人来ました、何人出ていきましたと言って、ああちょっと黒でした、ちょっと赤でしたという話をしていて、今言った三百五十億の話なんですよ、十年度で、一番近いところで。その程度の経営なんですよ、人の金だから。天下り先をふやしているだけじゃないですか。

 資料を配ってください。もう配ってあるんですか。

 これはたまたま、厚生労働省の天下りの実態といって出しておりますけれども、どっちかというと年金官僚の皆さんの天下り先だと理解してください。それだけに特化していますから。厚生省の年金局にかかわるような人たちの天下り先ですよ。

 こういうふうにして、次から次に、数だけ言えば千九百三十七人。さるジャーナリストが調査したものを私がまとめました。この表はそんなふうにつくりました。

 そして、掛金が、ずっと、平成二年から十一年までの十年ぐらいの間に、こういうお金がつぎ込まれているのですよ。でたらめじゃないですか、どんぶり勘定で。だから、私はもう年金資金運用基金をあしたにでも即廃止してほしい。小泉さんがそう言わないかなと思っているんだけれども。まだ言っていないけれども、知らないだけでしょう。本当にとんでもない話ですよ。

 掛金をこんなふうにして使っていいのかどうかということに関しても疑問があるのですよ。週刊現代でレポートされている中で、総務省と自治省の現職の担当の課長さんたちがそれぞれこんなことを言っていますよ。

 例えば、財務省主計局給与共済課の武内良樹さんというのでしょうか、企画官が語る。そもそも年金の掛金から福祉施設費を出すのは、年金制度の趣旨に合いません。厚生年金を批判するわけではありませんが、年金の掛金を年金給付以外で使うことなんか考えられないこと。うちでも福祉事業は行っていますが、別途、福祉掛金を集め、その範囲内で施設建設や事業の運営に当たっています。こんなことを言っておられますね。

 また、総務省の自治行政局公務員部の中平課長補佐さんは、年金の掛金はあくまで年金の給付のための財源です、それを他の事業に回すというのはやってはならないこと、福祉事業は福祉掛金で行っていますと。

 それはそうだ。でかいどんぶりがあって、少しずつ抜いてもよく見えないから、いつの間にか使っちゃいますね。これは福祉掛金ですといって、施設をつくるための事業費ですということで別枠をつくっていれば、大赤はつくらないよね。私はそう思いますけれども、回すこと自体おかしいのじゃないですか。大臣、どう思いますか。

桝屋副大臣 先ほどからグリーンピアの話について厳しい御指摘をいただいております。すぐにやめるべきではないかという御指摘もいただいているわけでありますが、年金の運用そのものということについては、これは委員と相当議論をしなきゃなりませんが、グリーンピアについては、委員も御承知のとおり、年金福祉事業団の解散及び業務の承継等に関する法律の中で、政令で定める日までに撤退をするということになっているわけであります。

 先ほどからさまざまに厳しい御指摘もいただいておりますが、今までの部分は、反省をすべきは反省をしなきゃならぬと思いますが、しかし一方で、グリーンピアについて、私も利用したことがありますが、低廉な利用料で、多くの組合員の方が、被保険者が利用されたということも事実でありまして、そういう方向でこれから新しく出発をするわけでありますから、十分今までの反省を踏まえて取り組みをしたい、このように思っておるところでございます。

上田(清)委員 桝屋副大臣も誤解されていまして、私もだまされていました。グリーンピアは三千五百万人利用している、こう言っているのですよ。二十年分ですからね。では、年金受給者と掛金をやっている人は一億一千万人いるんだ。二十年分を掛けてくださいよ、二十億人いるのですよ。大体、利用した人は一・五%しかいないということじゃないですか。大して利用していないじゃないですか、そういう意味においては。そういうことにもなるし、最近利用者が少ないからどんなことをやっているかというと、無料で宿泊できる、あるいは無料で入園することができる四歳未満の人たちまで最近では数えるようにしている。そういうふうにしなさいという指導書まで出ているよ、ちゃんと。

 これは財団法人グリーンピア土佐横浪というところのやつですけれども、入園者を、ほぼ前年度を上回る結果となったが、これは無料入園者の大幅な増によるものであり、増収には結びつかなかったと、ちゃんとこういうふうにして、そういうものを出しなさいという指導が書いてある、厚生省の方から。水増しをやろうとしている。

 だからそんなに、利用したなんと言っても、一回利用されたかどうか知りませんけれども、だって、これだけ大赤が上がるんだったら、最初からない方がいいじゃないですか。なくてもそんなに困らなかったですよ。それは、あったらあったでよかったかもしれないけれども、なくても困らなかった、はっきり言って。そういうことだということを理解していただかないと困りますし、本当にもう一回真剣に洗い直さなければいけない。

 他方、森理事長だって、まことに申しわけないけれども、よく引き受けるね、失礼ながら。何でやめないのですか、前のことで責任をとって。そういう人たちがいるからみんながおかしくなるのですよ。なぜやめさせないのですか、あれだけ膨大な赤字をつくった現場の責任者を。大臣、どうなっているのですか。首にしなさい、首に。さっと。年福の理事長ですよ。何で再任するんだ。恨みもつらみもないよ、私は。

坂口国務大臣 いずれにしましても、この年金の問題は、一部たりともそれが漏れるような、そしてそれが垂れ流しになるようなことが絶対にあってはならないわけで、そこはもう一度整理します。整理して、明確に私流にやりますから、ひとつ、少し時間をください。(上田(清)委員「蛮勇を振るってください」と呼ぶ)はい。

上田(清)委員 森理事長、あなたが大変な人格者であることも私もよく知っておりますし、大変誠実であるということもよく知っております。また、その節は大変お世話になりました。しかし、なぜやめないんですか。今すぐでもやめると言って帰ってください。理事長に。(発言する者あり)あんまりじゃないですよ。責任がなさ過ぎる。

森参考人 この年金福祉事業団をめぐりましては、先生から昨年来、大変厳しい御指摘とまた有益な御示唆も多々賜っているところでございます。

 私は、ことしの一月三十一日をもって一期を終了いたしました。法定の任期が一月三十一日でございました。四月一日から、年金福祉事業団は廃止をされまして、新たに、新たな考え方のもとに、そして新たな仕組みのもとに、年金資金運用基金を立ち上げるということになったわけでございます。

 その際に、私は、推察をいたしますに、任命権者たる厚生労働大臣は、これまでの経緯、そしてこれからなすべきことの重大さ、それに思いをいたして、新しい仕組みを定着させるように、しっかりと定着をさせてその目的を達するようにという御下命のもとに御任命があったと思っております。

 私自身は、この使命に向かって邁進をするのが私の今の責任であると考えておるところでございまして、先ほど来大変厳しい御指摘ではございますが、私は、繰り返して申し上げますが、新しい基金の基本として、清廉性そして中立公正性、さらに専門性といったスローガンを掲げて、その責めを果たしてまいりたいと思っているところでございます。

上田(清)委員 そういうふうにおっしゃるんだったら、お伺いしたいことが幾つもありますよ。

 事実上、年福のときに運用していた資金運用センター、あの整理と、それから各企業から出向してきたその扱い、そしてポートフォリオが、どんなふうにおかしなことをやっていたか。三年で区切っても、五年で区切ったり、私はいろいろな区切り方をしました。その区切りの中で、運用実績の悪いところにたくさんの受託をする。運用実績のいい外国系のそういったところにはその二十分の一ぐらいしか受託しない。なぜそんなことをずっとやっていたかというと、天下り先だったんじゃないですか、日本の金融機関が。それでそういう癒着をしていたわけじゃないですか。そういうのをもう整理したんですか。

森参考人 ただいまお話のございましたセンターにつきましては、廃止をいたしました。それから、銀行等の出向については、全廃をいたしました。

 そういうことで、先般来の御指摘にはかなりおこたえをできているのではないかと思いますが、さらに努力をしてまいりたいと存じます。

上田(清)委員 もう一つ、運用の公開をきちっとやはりやっていただきたいと思います。

 基本的には、まあ、あしたにでも廃止しろと言っていてやれというのもおかしいんですけれども、まだあした廃止するとも私も思えませんから、せめてきちっと、どういう運用の、それぞれのところが期間内でどれだけの実績を上げて、それがゆえになぜそのところに運用をお願いしているのかどうか、そのことについてきちっと説明できるような状態にしていただきたいということを、この委員会の席で、国民注視のこの席で、やはり理事長、はっきりと意思を表明していただきたい。

森参考人 今私、手元に十一年度の資金運用事業の概況という冊子を持っております。実は、大変これが読みづらいものでございますから、概要と本冊と二つに分けて持っておりまして、これを実は年金福祉事業団のホームページ、現在の基金のホームページにそのまま全部載せております。

 この内容につきましては、少しでもわかりやすく、この難しい問題を理解していただくように、私どもの知恵を絞って表現をし、書いておるところでございます。これはぜひ国民の皆さんにものぞいていただきたい、このホームページをのぞいていただきたい。

 さらに私たちは努力をして、わかりやすく、先生のただいまのお話に沿うように努力をしてまいりたいと思います。

上田(清)委員 住宅事業の貸し付けでも大穴をあけておりまして、この話もするとまたあと十分ぐらいかかるんで、全体としての時間がありません。最近のどこかの新聞にも出ましたね、六百億焦げつきというような。しょせん、金貸しでもないのに金貸しみたいなことをやるからこういうことになるの。要は、何だかんだ言っても天下り先をふやしているんですよ。はっきりこう言っている人がいるの、厚生省OBで。こういうことを言っていらっしゃいますよ。

 厚生省の外郭団体の一つで、厚生団、厚生年金事業振興団が企画した厚生年金保険の歴史を回顧する座談会で、八六年の四月から八七年三月までの九回にわたって、当時厚生省年金保険課長で労働者年金保険法を起案した花沢武夫氏も、こう証言している。

 いよいよこの法律ができることになったとき、すぐに考えたのは、この膨大な資金の運用ですね。これをどうするか一番考えました。厚生年金の掛金は何十兆円もあるから、一流の銀行だってかなわない。これを厚生年金保険基金とか財団とかというものをつくって、その理事長というのは、日銀の総裁ぐらいの力がある。そうすると、厚生省の連中がOBになった場合の勤め口に困らない。何千人だって大丈夫だ。

 こういう発想なんですよ。まだありますよ。同じ人です。

 この資金を握ること、それから、その次に、年金を支給するには二十年もかかるのだから、その間何もしないで持っているというばかばかしいことを言っていたら間に合わない。ちょっと意味が不明ですが。戦争中でも何でもすぐ福祉施設でもやらなきゃならない。そのためにはすぐ団体をつくって、政府のやる福祉施設を肩がわりする。そして年金保険の掛金を直接持っていって運営すれば、年金を払うのは先のことだから、今のうち、どんどん使ってしまっても構わない。使ってしまったら先行き困るのではないかという声もあったけれども、そんなことは問題でない。早いうちに使ってしまった方が得をする。

 二十年先まで大事に持っていても貨幣価値が下がってしまう。だからどんどん運用して活用した方がいい。何しろ集まる金が雪だるまみたいにどんどん大きくなって、将来みんなに支払うときに金が払えなくなったら賦課方式にでもしてしまえばいいのだから、それまでの間せっせと使ってしまえ。

 不良ですよ、これは。不良官僚でしょう、はっきり言って。まさか優秀な皆さんがこんなふうな考え方を持っているとは思いませんが、しかし、人の金ですからそういう発想になりがちだということであります。そして何よりも、もう釈迦に説法で恐縮ですが、特殊法人あり、公益法人あり、関連団体ありで、そういうところにいつの間にかずっとみんなが入っていっている。そして一般の庶民の皆さんには想像もできないような退職金やら報酬をいただく、そういう仕組みが余りにも多過ぎます。

 もう今さら申し上げても本当に恐縮なんですけれども、小泉総理あるいは石原行革担当大臣、そういったところにメスを入れるということですが、私どもはもっとすごいメスを入れております。天下り禁止法案もつくっておりますし、いろいろ手を尽くしてやっておりますけれども、半端なことじゃないんですよ。

 とにかく、何の金なんだということなんですよ。掛金を、保険に回さず、いろいろなところに交付しているんですよ。その交付先がことごとく事業に失敗しているんですよ。毎年毎年失敗しているのに、何で毎年毎年交付するんですか。交付を全部やめてもらいたいですね、そういうのは。

 大臣、根本的にそこのところは見直しますか。

坂口国務大臣 先ほど申しましたように、年金にかかわりますところを全部見直しを先般来始めておりますから、きょうも委員からの御指摘もございましたし、あわせて全体の見直しを行います。

上田(清)委員 時間が終わりましたので。

 桝屋副大臣、必ず調べておいてくださいよ。住宅関係の貸付事業で、業務委託費で十一年度百二十六億、貸付事業の利子補てんで多分六百三十二億。そういうお金を使っていることと、それから、御承知のとおり関連の公益法人に出して、六カ月で延滞債権になってしまうので追い貸しをしている可能性もありますから、それも全部調べた方がいいですよ、どれだけ焦げついているか。

 早く手を打たないと、もっと保険料を上げなくちゃいけないようなことになってしまいますから、そのことだけ、ちゃんと調査するように約束してください。

 終わります。ありがとうございました。

鈴木委員長 この際、暫時休憩いたします。

    午後二時二十一分休憩

     ――――◇―――――

    午後三時五十二分開議

鈴木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。金田誠一君。

金田(誠)委員 民主党の金田誠一でございます。

 まず、公的年金の一元化、こういうテーマで質問をさせていただきたいと思います。

 このたびの農林年金の厚生年金への統合は、公的年金制度の一元化の一環として行われるもの、こうされているわけでございます。

 しかし、一元化懇の報告あるいは閣議決定、いろいろ読ませていただいたわけでございますが、これらを読みましても、これから先、どういうプロセスで一元化が達成されるのか、非常に理解するのが難しい、こういう文書内容になっているわけでございます。事が事だけに、それぞれ利害が絡むということはよく承知をするわけでございますけれども、それにしても、政治的な妥協の産物が文書にされているということで、非常にわかりにくいと思うわけでございます。

 この公的一元化はこれからどういうプロセスで進んでいくものなのか、まずこの説明からお願いをしたいと思うわけでございます。

辻政府参考人 公的年金の一元化については、昭和五十九年の閣議決定以降その推進に向けた取り組みを積み重ねてまいっておりますが、本年の三月十六日の閣議決定におきまして政府としての基本方針を定めております。これにつきまして、具体的に御説明をさせていただきたいと思います。

 まず、農林共済組合につきましては、いわばこれからの一元化に向けての道筋の第一段として、来年四月に厚生年金に統合するということ。

 それから次に、いわば公務員グループと言ってよろしいかと存じますが、国家公務員共済及び地方公務員共済については、ともに公務員という職域に適用される年金制度であることから、両制度の財政単位の一元化を図ることとし、これは今回決まったことでございますが、財政単位の一元化を図るということ、次期財政再計算はこれを前提に図るということで実施するということが一点。

 そして次に、私学共済についてでございますが、私学共済に関しましてはほかの制度と比べて保険料水準が低うございますが、次期財政再計算時までに、他の制度との負担の整合性という観点から、保険料引き上げスケジュールの前倒しを行うべく検討するとともに、大きく言って公務員グループと非公務員グループがあると言ってよいと思いますが、そのような中で、被用者年金制度における位置づけについて具体的な検討を行い、その結果を踏まえて必要な措置を講ずる。

 そしてそれらを踏まえまして、さらに、被用者年金制度全体の統一的な枠組みの形成を図るために、厚生年金等との財政単位の一元化も含めて、さらなる財政単位の拡大と費用負担の平準化を図るための方策について、被用者年金制度が成熟していく時期としましては二十一世紀初頭の間に結論が得られるように検討を急ぐ。

 こういった形で、全体の枠組みはこれまでよりもさらに整理されてきたというふうに考えております。

金田(誠)委員 その閣議決定は手元にもございますし、色を塗りながら読ませていただいているわけでございますが、これで局長はわかるのでしょうけれども、私はこれを見まして、いつ、どうなるものなのか、さっぱりわからないということで質問をしたわけでございますが、御答弁はこれをなぞっていただいただけでございます。

 ということになりますと、今までの経過を振り返れば、結果として破綻するまではそのままなのかな、破綻懸念ぐらいになってこなければ実際問題として進んでこないものなのか、こう疑われても仕方がないのではないかなというふうに思うわけでございます。そういうことばかり繰り返していきますと、今回もそうだったわけですが、厚生年金側の理解を得ることは難しいと思うわけでございます。

 これから、私学についても、さまざまな少子高齢化の状況などを考えれば、今のうちからきちんとレールを敷いて、それに向けて着実に歩むということが必要だと思うわけでございますが、この程度の閣議決定をなぞっている間は、二十一世紀初頭の間に結論が得られるよう検討を急ぐということだけですから、また今回のような、今回は規模も割合小さかったですから双方の努力によって結論は得られたのでしょうけれども、これから先はそうならない可能性もあると思うわけでございまして、いかがでしょうか、こんなやり方でこれから先本当にいいのかということをお聞かせいただきたいと思うんです。

坂口国務大臣 中曽根内閣のときでございましたか、この一元化の問題が最初にやられまして、そのときには、本当に一元化をしていこうという方針だったというふうに思います。

 しかし、途中でその話が何かちょっとすりかわったような感じを私も持ったときがございました。それは、そんなことは言葉にもどこにも書いてありませんけれども、国家公務員の方にしろ、地方公務員の方にしろ、やはり公務員は格別だ、別なんだという思いがあるのではないか。これは私の推測でございます、推測でございますが、そういう思いがある、その一言に尽きるのではないかというふうに私は思っております。

 したがって、国家公務員や地方公務員の皆さん方が、おれたちは格別なんだ、おれたちはおれたちでいけるようにちゃんとしていくのだという思いがある以上は、なかなかこれは一本化はならない。この皆さん方が官民挙げて一本化をしていくのだという気持ちになっていただけるかどうかということに一にかかっていると私は思っております。

金田(誠)委員 おっしゃることはそのとおりだと思います。半分の理由はそこにあると思うわけでございますが、あとの半分の理由は一元化を進めようという側にもあるのではないか。一元化の理念というものを鮮明に掲げて、わかりやすく国民の理解を得るということが必要ではないかなと思うわけでございます。そういう観点からしますと、冒頭、局長にお尋ねしたような、閣議決定なり一元化懇から出されている文書などは非常にわかりにくいということを申し上げたわけでございます。

 そこで、提案なわけでございますが、もうここに至っては、私は、一元化は非常に急ぐし、着実に進めるべきだし、国民にとって必要だと思うんです。

 というのは、これから先は、公務員だ、民間だという時代ではもはやなくなるだろう。雇用の流動化ということからすれば、優秀な方々は官から民へも移動するし、民から官へも移動するし、この垣根を低くしていくべきだ。そういう中で先般は確定拠出年金ということも出てきたんだと思うんですが、あれは三階部分です。肝心な一階、二階が垣根がある状態なわけですね。ポータビリティーがない状態なわけです。そういう新たな状況が出てきた。これは、中曽根さん当時にはなかった新たな事態だ。

 こういうこともきちんと踏まえながら、一元化を推進するに当たって提案でございますが、仮称、一元化の推進に関する法律というようなものが必要ではないのかな。そこで、一元化に当たっての基本的な理念、考え方、スキーム、これを明確に打ち出していく。一元化懇も、今は半ば公的な機関なんでしょうが、かなりそれぞれの所属の利益を背中にしょってという感じのものでございます。これを、そういう性格ではなくて、法律に基づく一元化に向けてのきちんとしたスキームをつくっていく。それは各制度の代表ももちろん参加をしていただかなければならないでしょうが、法律に基づく組織として位置づける必要があるのではないか。

 仮称、一元化の推進に関する法律の制定の必要性ということを提案したいと思うんですが、いかがでしょうか。

坂口国務大臣 今までもいろいろの審議会等がありまして、その中で決定をされて、そして閣議決定されたりいろいろなことが行われてきまして、言うならば、法律にされたのとほとんど同じような拘束力を持っているというふうに思われておりますけれども、なかなかそれが実現をされてこなかった。

 今先生が御指摘になりますように、法律をつくってというのも一つの方法かもしれないというふうに私も思うんですが、基本的なところよりも、もう少しその下のアクションプログラムといいますか、いつまでにどういうふうにしていくという、そのプログラムをどうつくるかということの方が、この期に及んでは大事ではないか、また、それをやらなきゃならないときに来ているのではないかという気が私はいたしております。

 若干共通する部分もあるし、もう少しそこを下げたといいますか、おろした議論をするところにあるという気もいたしております。

金田(誠)委員 目指す方向なりテーマの重要性の受けとめ方、この辺についてはそう違いはないのかなと受けとめさせていただきました。

 私は、それぞれが利害を主張し合うという状況もさることながら、客観的に見て、日本のあるべき年金の姿というものをきちんと定める、それが法律ではないのかな。そういうもとで、共通の土俵の上で一定の方向へ進む、そのために法律をということで提案させていただいたわけでございますが、これからもぜひ引き続いて御検討いただきたいと思いますし、もう少し下のアクションプログラム、そのことも全く同感でございますので、これらもまた進む形をお考えいただきたいなと思うわけでございます。

 そこで、最初に局長から御説明をいただいた閣議決定によれば、一元化の推進に当たって、財政単位の拡大と共通部分についての費用負担の平準化ということを基本にこれから進むわけでございますけれども、私は、弊害になっている問題を取り除く必要があると思っております。

 その弊害の一つは、各制度を所管する役所がそれぞれ縦割りになっているということが大きな弊害ではないのかなというふうに思います。

 例えば、さきの年金改定に当たって、当時の厚生省は五つの選択肢を示された。それに基づいて情報開示をするんだということで、年金を選択するというものと、次の年は、創造するでしたか、二回にわたって相当厚い資料を出されたわけでございますが、これについても、共済年金の部分については触れられておらなかった。それぞれ所管する役所が違うということなんでしょうが、年金財政にしろ、統一的に全体を掌握できるようなものになっておらなかったわけでございます。これも縦割りの弊害だと思うわけです。一元化を進めるのであれば、こんな状況をまず払拭しなければ、一元化などと言っても空文句に終わりはしないかという懸念を持つわけでございます。

 そこで、統一的な情報開示を行うという考え方から、私はこれはもう当然のことだと思うんですけれども、それぞれ縦割りになっておる役所の所管を、年金という観点から、最低でも厚生労働省に一元化すべきではないか。こういうことはできませんでしょうか。所管を一元化する前に、まず情報ぐらいは一元化して、そこから情報開示がまとめてなされるというような、プロセスは必要なんでしょうけれども、所管の一元化、これについてはいかがでしょうか。

坂口国務大臣 かつて私も金田先生と同じ質問を実はさせてもらったことがありまして、大蔵省そして文部省、農林省それぞれに、一体、年金にかかわっておみえになる人は何人おみえになりますか、そして、どれだけの予算でおやりになっていますか、どうぞひとつ年金のことは全部厚生省で一本に集めてください、そうしたら人員整理にも役立ちますしいいじゃないですかといって、かなり前でございますが、おしかりを受けたことがございましたけれども、言ったことがございました。私は、それはできるんだろうと思うんですが、どうも、言うはやすくして現実はなかなかできにくいことのようでございます。

 しかし、もう時代も変わりましたし、こうなってまいりましたから、ぼつぼつ、それぞれの中でやっておりますことを、年金なら年金のことは厚生省が担当させていただいて、皆受け持たせてもらう。しかし、その他、例えば財務省がおやりになるようなことにつきましては、厚生省が今までやっておりましたことでも財務省の方にお預けするとか、あるいは農林水産省がおやりをいただいておりますことにつきましては、ほかのところがやっておりますことはすべて農林水産省にお願いをするとか、そういうことはもうぼつぼつやらなきゃならないときに来ているんではないかというふうに思っております。

 ですから、この年金の問題をひとつきっかけにしてと申しますか、お互いにそうしたことを出し合って、それぞれのところに寄せるということは、私はもうやってもいい時期に来ているのではないかというふうに思っております。

金田(誠)委員 これまた利害の絡む問題で、なかなか相手のあることで面倒だということはわかるわけですが、大臣の方からは基本的には同じ考え方をお示しいただいたと思うわけでございまして、ぜひひとつ御努力をいただきたい、まずは機会を見てぜひ御発言をしていただきたいなと思うわけでございます。

 何か新聞などを見ますと、社会保障の個人勘定とか変わったことがいろいろ出てきておりますが、そういうことを考える暇があるんであれば、こういう一元化に向けてきちんとしたやはり体制をとっていくというようなことを、これは大臣が暇だという意味では決してなくて、どこかに暇な方がいらっしゃっておっしゃっているような気がいたしますので、ぜひひとつ推進をしていただきたい、お願いをしておきたいと思います。

 次に、今回のテーマでございます農林年金の統合ということに移らせていただきたいと思います。

 今回の農林年金の統合に当たりましては、一元化に当たって、私に言わせると法律の枠組みも決まっておらない大変な困難の中で、関係者の御努力によってようやく合意が得られた、こう伺っております。このこと自体、敬意を表したいと思いますし、努力を多としたいというのが基本的な立場でございます。このことは、大いに関係者の皆様の御努力、評価をいたしたいと思っております。

 しかし、一橋大学の高山憲之先生、先般参考人でも陳述されておりましたけれども、この関係者の努力には敬意を表する、この同じお立場、前提に立ちながらも、最終決着に際しては、論理が軽視され、どちらかというと感情論が支配してしまったことは遺憾である、ある冊子にこのようなことを書いておられまして、一理あるなというふうに私も拝見をしたところでございます。

 その理由の第一は、移換金の計算方法についてでございます。

 今回決まった移換金は、積立金からの移換金が一・六兆、上乗せ保険料による納付が〇・一六兆、合計一・七六兆円となっておりますけれども、この計算方法は、いわゆる将来法、これから先に必要な財源ということで算定されていると聞いております。

 そこで、将来法に対していわゆる過去法、もし農林年金というものが分離独立していなければどういう財政状況になっていたか、それをもって移換金にするという過去法による計算をすればどうなるのか。その場合の移換金はおおむねどの程度の額になるか。これについてお示しをいただきたいと思います。

辻政府参考人 御指摘の過去法と申しますのは、例えば、農林年金が過去において厚生年金と同水準の給付を行い、厚生年金と同じ料率により保険料を徴収していたと仮定したら、現在どれだけの積立金を保有しているかという計算方法でございます。

 現実には、農林年金は、厚生年金から分離した後、独自の給付を行い、独自の保険料を徴収しておりますので、当然、厚生年金と給付も保険料も違うわけでございます。特に給付につきましては、他の共済制度をにらみながら決定されたということで、厚生年金とは随分違う体系になっている。こういったことから、こういった歴史の中で、過去に振り戻って、ぴしっと適用して幾らというのは、なかなかデータの制約があり難しいわけでございますが、大胆な前提を置いて試算を行いますと、約一・二兆円ぐらいと推計されます。

 これが、今回の今御指摘のございました将来法による積立金からの移換金、これは今まで給付を約束したもの、将来に向けて必要になるお金を給付原価に割り戻したものでございますが、この一・六兆円に比べて低いものとなっておりますのは、農林年金が厚生年金に比べて早く成熟しておりますので、給付の方が厚生年金と同じ計算をしますと早く出ておりまして、したがって、その成熟度合いの差によってこの差が出ているわけでございまして、そうなりますと、やはり独立して各制度を運営したわけでございますので、あくまでも将来法によって、将来約束して出さなくちゃいけないものの給付原価を移換するということが妥当な方法と考えて、今回措置をされたというふうに理解いたしております。

金田(誠)委員 数字はわかりました。

 そこで、さらに高山先生のその指摘によれば、農林年金は、基礎年金の財政調整のために、基礎年金に繰り出す拠出金負担を求められ、その分、積立金の積み増し分が減らされてしまったというふうに述べておられます。このことは、基礎年金の拠出金が定額制であることから、標準報酬月額の低い保険者には不利に働くということだと思うわけでございます。

 これについて、農林年金が独立していたことによってどの程度の差になるのか、保険料率に換算するとどの程度の差になるものなのか、お示しをいただきたいと思います。

辻政府参考人 基礎年金の拠出金は、二十歳から五十九歳のいわゆる第二号被保険者、これは被用者保険の被保険者本人、組合員本人、それから第三号被保険者、その被扶養者、いわばこの被用者保険の被保険者の数に応じまして頭割りで各制度に割り振って、負担をいただく。そして、頭割りで割り振ったものを今度は各制度で報酬比例で負担していただくということから、個々には差が出るものでございまして、この拠出金を、いわば頭割りで振られたものを保険料率に換算してみますと、平成十一年度の実績では、厚生年金の四・七%に対して農林年金は四・八%となっており、やや高くなっております。

 ただ、平成七年度で見ますとこの率は、厚生年金が三・八%、農林年金が四・三%でありまして、相当な格差がございました。

 この格差が縮小いたしましたのは、一つは、標準報酬月額の平均の格差が両者の間で縮小しておりますことと、それから、保険料負担をしない第三号被保険者、振るときには頭数で振られる数になるんですけれども、保険料負担は現にいわば報酬のある方だけですので、したがって、頭数に入ってくる第三号被保険者の割合が農林年金において厚生年金に比べて減少したことによります。

 ただ、やはり、各制度が分立している以上は頭数で御負担をいただくということが現時点では公平であると考えております。

金田(誠)委員 私、今にわかに、過去法にすべきであるとか、基礎年金に対する拠出金を調整するべきだとか、そういうことを申し上げているわけではございません。ただ、高山先生が指摘するように、こういう観点から見ればこうなるということを指摘したかったということでございます。

 農林年金は、昭和の三十四年ですか、厚生年金から離脱をして、その当時にも、年金一元化という観点からすれば問題だというようなことを含めて強い反対論があったということも仄聞をいたしておりますし、そういうことからすれば、今日統合するに当たって厚生年金側の反発もあり得るということは理解できないわけではない。そういう前提で、そういう中で関係者が大変な御努力をして一定の決着をつけた、その決着自体を今この場でどうこう申し上げようとは思っているわけではございません。しかし、今後一元化を推進するに当たっては、今回のような議論が繰り返されるとすれば一元化というのはなかなか進んでこないだろうと思うわけでございます。

 そこで、今回のこの経過を踏まえても、前段申し上げたとおり、確かに大臣おっしゃるようなもっと具体的な作業チームのようなものも、あるいはアクションプログラムのようなものも必要だとは思いますが、この辺の大枠、過去にこうやってきたんだからこうなんだということになりますとそれぞれにまた言い分も出てくるということでございますから、そもそも論みたいな大枠をきちんと決めてかかる必要があるんではないか。今の農林年金のこうした指摘なども踏まえながら、もう一度お考えをちょっとお聞かせいただければと思うわけです。

桝屋副大臣 今委員の方から、今までの過去のJR、JT、NTT、それも踏まえて、今回農林年金、ここまで来れば一つのルールができたのだから、あとは法制化というようなことも、一元化を目指してそういう取り組みをというお話でございますが、いずれにしても、個人的な思いになるのですけれども、私はJRのときに随分悩んだものですから、今回の農林共済年金から厚生年金への移換金、相当考え方が整理できたのではないかというふうに思っております。

 したがって、委員のお気持ちもよくわかるわけでありますが、本年三月の閣議決定で、このことについては今後、年金数理的な観点からの所要の検討、検証を行うこととされておりまして、この成果を踏まえて今後検討していきたいというふうに考えているところでございます。

金田(誠)委員 今までのJRなりにしても、今回の農林年金にしても、統合される側はほかの選択肢がない状態だったと思います。そういう中の話し合いなものですからそういうふうに落ちついたのだ。しかし、これからはそうでもない状態で一元化を進めようということですから、申し上げた過去法、将来法の問題、あるいは基礎年金の拠出金がどういうふうにきいてきていたのかというようなことなども含めて、いま一度そもそも論みたいな議論をしてスキームをつくるということが必要なのではないかなという問題提起でございます。お受けとめいただければありがたいと思うところでございます。

 そして、いずれにしても、いろいろな曲折を経ながらも、今回統合が決定をしたということでございます。農林年金の組合員四十七万、受給者三十一万、構成団体が約八千、大変な、小さいながらも団体は多数にわたるということでございまして、厚生年金への円滑な移管を図り、対象者に不安や混乱が生じないように万全の措置をとっていただきたいと思うわけでございますが、この辺のお答えをいただきたいと思います。

桝屋副大臣 本法案におきまして、来年四月に農林共済を厚生年金に統合することをお願いしているところでございますが、今委員の方から御指摘がありましたように、統合によって、これまでの農林共済組合が行ってきました給付、適用に関する事務というものが、社会保険庁が行うこととなります。農林共済年金の加入者や受給者に混乱が生じないよう周知、広報に努めるなど、特に農林共済、これも社会保険庁からの委託を受けての業務もございます。農林共済関係者ともよく相談をしながら、委員の御指摘をいただいたとおり、円滑な施行に最善の努力を払ってまいりたいと思っております。

金田(誠)委員 ひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。

 それでは次に、農林年金職員の雇用問題、これについてお尋ねをしたいと思います。

 現在、農林年金は、プロパー職員が約二百名、この体制で運営されているわけでございますが、統合後は、二〇〇二年度から二〇〇四年度にかけて三十人程度が余剰人員になる、二〇〇五年度以降さらに三十人程度、合計六十人が余剰人員として見込まれている、こう聞いているところでございます。これに対して、本年二月の一元化懇でも取り上げられておりまして、さらに、本年四月には農協系統を中心に雇用対策委員会が設置をされて雇用対策が推進をされている、このように聞いているところでございます。

 いずれにしても、さまざまな経過はあるにせよ、当該職員に特別な責任があるわけではないわけでございまして、政府としての責任を持った対応ということが求められると思うわけでございます。具体的に、どのように雇用対策を展開されているのか、見通しはどうなのか。農水省の方からどなたか、副大臣、恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。

田中副大臣 統合に伴う雇用対策は大変重要な問題だととらえております。

 委員御指摘のように、百九十二名の農林年金の職員の皆さん方で、業務が減少をいたしますので、六十名ほどの余剰人員が生ずるという状況になっております。

 五月に入りまして、農業団体の方々に、御存じのとおり、雇用対策委員会を設置していただきまして、現在、平成十四年から十六年にかけて第一段階としては四十人程度、そしてまた、平成十七年度以降は第二段階として二十人程度の雇用対策の目標を立てまして、関連の法人等への再就職のあっせんを努力していこう、こういうことでございまして、農林水産省といたしましても、農林漁業団体への転籍、出向、あるいは関係の機関に再就職ができればというふうに思っておりますし、農林水産省としても努力を傾けていきたいと思っております。

金田(誠)委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。また改めて最後に御決意のほども伺わせていただきたいと思います。

 そこで、農水省とJAグループが大変な努力をされているということで、第一義的にはこうした農水省関連の御努力ということになろうかと思います。さっきは所管も一元化すべきだということも申し上げたわけですが、現状そうなっていない中では、これはやむを得ないことだろうと思うわけでございます。しかし一方、JAグループは五万人の削減という大変また厳しい状況にも置かれていると思うわけでございます。

 そこで、そちらの御努力は御努力としてもちろんお願いをしなきゃならないわけでございますけれども、雇用対策を所管するのが厚生労働省なわけでございます。みずからのおひざ元で、年金一元化という大義のもとに進められる仕事で、万が一にもそこから失業者をおひざ元から出したとなると、これはもう示しのつかない話になるわけでございます。社会的な影響は非常に大きいと思うわけでございます。

 そういう意味で、厚生労働省ということになると別な責任が生ずる、こう思うわけでございます。農水省にはもちろん御努力をしていただくのは当然としても、組合員数で四十七万人、農林共済組合員を受け入れるわけでございます。いろいろ事務方とお話をしますと、それによって定数増になるわけではないとか、今の時代はコンピューターだとか、いろいろおっしゃるわけでございますけれども、それにしても四十七万人、二百人でやっていたその仕事を、全部来るわけじゃないですけれども、大変な仕事量を移管されて、される方もやはりそれなりの努力をすべきものではないか。とりわけ、雇用を所管する役所が厚生労働省でございますから、そういう立場から、いかがでしょうか、ひとつ前向きな御回答をいただきたいと思うんですが。

小島政府参考人 統合後の事務処理につきましては、完全統合までの一定期間、その事務を農林共済の存続組合に委託をするということになっているわけでございまして、その結果、来年の四月あるいは業務委託の完了時点において、農林共済職員の方の雇用問題が生じるというように言われているわけでございます。

 これにつきましては、先ほど話がございました一元化懇談会において議論がありまして、これを受けて、農林水産省及び農協系のサイドにおきまして鋭意検討がされるということで承知をしているわけでございます。

 社会保険庁といたしましては、まずは円滑な事務処理の実施のために最大限の努力を行ってまいりたいと考えておりますし、こうした雇用問題につきましても、協力できる点があればできる限り協力していきたいというふうに考えているところでございます。

金田(誠)委員 さまざま、委託業務を委託したり、いろいろな御努力はされていると伺っているのですが、社会保険庁として人員を直接引き受けるという話は今の御答弁からもちょっと、私の受けとめが悪いのでしょうか、なかなか聞き取りにくかったなと思うわけでございます。

 そこで、これはぜひ御決断いただきたいものだなと思うわけでございますけれども、年金一元化という大義名分のもとに行われるということでございます。それで、もともとが農水省所管の特殊法人だったわけですから、そちらで応分の努力をしていただく、これはもう当然でございますが、年金一元化に当たって統合される厚生年金の側が直接的には全く引き受けなかったというのは、これは理屈としてもちょっといかがなものか。これによって定数増に仮にならないとしても、毎年毎年何名か退職者が出る、新規採用があるということですから、そのうちの何名かは一元化に伴う受け皿ということで割り当てるという方法も十分可能だろうと私は思うわけでございます。

 過去にJR共済などの例もあったということも伺いましたけれども、これまた仄聞しますと、JR共済の場合は、共済のプロパーということではなくて、JRの本体、昔であれば国鉄の本体からの出向者ということで、大半がそういう方々であった、したがってそれなりの対応もできたということで伺っております。そういうことからしましても、今回は、農林共済というのは非常に特殊でございます、本体からの出向者はいらっしゃらないわけでございますから。そういう中で、年金一元化のもとに進められる。

 雇用を所管する厚生労働省という立場から、ひとつ御回答、御答弁いただきたいと思うのです。

小島政府参考人 統合に伴いまして、農協の職員の方の一定人員を社会保険庁で引き受けてはどうかというような御指摘だと思います。これにつきましては、統合後の事務処理については一定期間を設け段階的に移行を図ることとしているわけですが、完全統合時にはもう完全に社会保険庁の事務処理システムに一体化になりまして、農協サイド独自の業務はもうなくなるということでございます。

 ただ、厚生年金としての受給者、被保険者、事業所はふえるわけでございますが、これにつきましては社会保険庁の職員で対応せざるを得ないのですが、先生御承知のように、近時大変厳しい定員事情にございまして、人員の受け入れを行うことは基本的に困難ではないかというふうに考えているところでございます。

金田(誠)委員 これは、年金一元化という大義名分からやっている仕事としては、やはり問題だと思います。

 大臣、これは、今そういう断定的な御答弁でしたけれども、この場で、わかりました、何人という答弁をもらおうとは思いませんが、もう少し検討の余地はないのですか。そういうことに至らずに全員がきちんとなればなったでそれはそれなわけですから、年金一元化の観点、そして雇用を所管する役所である、現実に四十万人の仕事が移管されてくるということからして、もう少し幅を持った御検討をいただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

坂口国務大臣 雇用問題を担当しておる省でございますから、全体に見ましてその皆さん方の雇用を今後どうしていくかということは、両方の、今までお見えになりました農水の方の関係の皆さん方とそしてこちらの方の厚生労働の方の関係の方と、これはちょっとよくお話し合いをして、御相談に乗って、ちゃんとそれはしていくということをしなければいけないなというふうには思います。

金田(誠)委員 ぜひよろしくお願いを申し上げたいと思うわけでございます。

 そこで、農水副大臣、長時間御出席をいただいて感謝をいたします。最後の質問でございますが、いろいろ申し上げれば過去の例が、通産であればYS11をつくっていた日本航空機製造がどうであったとか、あるいは今回、NEDO、新エネルギー・産業技術機構の石炭鉱害事業本部の廃止であるとか、あるいは平成七年に「特殊法人の整理合理化について」と題する閣議決定があるとか、いろいろなことを申し上げながら質問もしようかなと準備はしてきたのですが、ここに及んではそういうことは申し上げるにとどめさせていただいて、全部まとめて、副大臣、これは責任を持ってひとつ対処します、万が一のことはございませんという心強い御答弁を最後にいただきたいと思うわけでございます。

田中副大臣 御指名をいただきまして、大変ありがたく思います。

 今回の農林年金と厚生年金の統合につきましては、長年の念願のものが成就されるわけであります。その中で、雇用問題につきましては、今厚生労働大臣も、しっかりと受けとめる、こういう心強いお話がございました。両省でよく話をして、特に農林水産省といたしましては、雇用対策については万全の対策を講じていくことをお約束申し上げます。

金田(誠)委員 大変心強い御答弁をいただきましたし、厚生労働省もそれなりに御検討いただけるということで承りましたので、両者ぜひ相まって万全の体制をとっていただきたい、くれぐれもお願いを申し上げたいと思います。

 そこで大臣、これは通告外でございますが、大阪地裁の在外被爆者の控訴期限があすあさってに迫ってございます。何かあれでしょうか、党首討論でも取り上げられましたでしょうか。ちょっと私、聞き漏らしておりましたもので、その辺のもし明快な御答弁があったとすればお許しをいただきたいなと思うわけでございますが。

 あさってでございます。万々が一のことはないと思ってはおりますが、ひとつ御示唆をいただければありがたいと思います。

坂口国務大臣 御指摘のように、もう日程的にもかなり詰まってまいりました。各省庁の調整に今入っております。私も個人的な勉強も一生懸命させていただきましたが、省庁の調整を今やらせていただいているところでございます。いずれにいたしましても、あすぐらいには何とか決着をしなきゃならないというふうに思いながら今やらせていただいているところでございますが、最終があすあさってでございますから、何とか早く決着をしなきゃならないというので急いでいるところでございます。

 きょう党首討論でも社民党の土井党首の方から御発言がございまして、総理の方からは、厚生労働大臣とそれから法務大臣とでよく相談をして今決めつつある、こういう話をいただいたわけでございますが、そのほか、今度は外務省も関係もいたしますし、さまざまなところが関係もいたしますので、各省庁よく御相談をさせていただいているところでございます。

金田(誠)委員 ありがとうございます。いい結果が生まれますことを信じながら、あすまで待たせていただきたいと思います。

 終わります。どうもありがとうございました。

鈴木委員長 次に、佐藤公治君。

佐藤(公)委員 自由党の佐藤公治でございます。また出てきました。どうか二十分間、よろしくお願い申し上げます。

 私も、事前に準備はしておったんですけれども、先ほど上田先生からのいろいろなお話を聞いている中、これにはこの委員会では触れるつもりはございませんでしたけれども、やはり触れたくなりましたので、幾つかお聞きをさせていただければと思います。

 といいますのも、先ほど週刊誌におきますいろいろなお話が出ました。私も五月二十三日の委員会で、この週刊誌に関して、年金のいろいろな問題に関して取り上げさせていただきました。これは事前通告をしておりません。しておりませんが、先ほど上田先生があれほどお話しされる中、やはり刺激されてどうしても触れたくなり、これをちょっとお聞きしたいと思います。

 このときも私も幾つかのことを聞かせていただきました。あの週刊誌に書いてあることは本当なのか、うそなのか、どこが間違っているのかということのお話をさせていただく中、冨岡部長の方から、政府参考人の方から、もしも誤りであるのであれば御指摘を踏まえてそれに対する対応を検討するというお話を、御答弁をいただきましたけれども、これに対しての検討、もしくは内部的にあの週刊誌のことに関して御確認をされたこと、やったことは何があるのか、今答えられる範囲でお答えを願えればありがたいかと思います。

辻政府参考人 私ども、この間の御質問で確認されましたような認識を持っているわけでございますが、まだ連載が続いておりまして、私ども、現時点までの判断は、続いているものを全部まとめまして、内容についての事実の訂正その他、私どもの主張というものを何らかの形でさせていただきたいということで検討中でございます。

佐藤(公)委員 その中で、先ほど上田先生の方からもお話がございましたけれども、旧厚生省のOBの方がいろいろと御発言をされておりますが、そういうことに関して御確認をとられた、もしくは確認をとった上で、そこまでのことは言っている言っていない、その辺のあたりはいかがでしょうか。

辻政府参考人 その点も、過去の歴史的事実といったものもございますけれども、現在、私どもが接触できる者とは今話を聞いております。

 ただ、多くの事実につきまして関係者が話をされたり、あるいは事実をどのような評価をして記述されているかというところが大きなポイントでございまして、事実関係だけではなくて、その事実関係をどのように評価してどのように主張していらっしゃるか、ここが私どもの年金の信頼性との関係で大変大きな問題でございまして、そのような意味で、評価の仕方そのものにつきまして私どもの考えと違うところにつきましてよく今精査しているところでございます。

佐藤(公)委員 やっていらっしゃるということでございますけれども、だとするのであれば、僕は、先ほど上田先生がおっしゃられたときになぜそういうことも含めてきちんと答弁をされないのかなという疑問を持ちました。

 私のときに答えてくださっておりますよね。例えば、損失に関して費用と言いかえた方が一般的にはわかりやすいとか、この二兆円に関してのるる説明がございました。きちんとなぜああいうときに御答弁をされないのか、それに関して私は今ここの委員の席に座っておりまして非常に疑問を持ちました。

 なぜならば、言われるがまま、僕は厚生労働省の立場を全部守る、こちらの立場を守るというわけじゃない、ちゃんと正確なものをやはり国民の皆さんにそれなりにきちんとその場でお話、御説明をしていくべきだと思いますけれども、何かガス抜きのような委員会、形骸したような感じをすごく受けて、私は非常に頭にきた部分がございます。その辺のあたり、いかがでしょうか。

辻政府参考人 事実関係については、私ども事務方の者が説明するべきだったと考えております。その点、説明のチャンスを得られなかったことにつきまして、私どもも残念に思っております。

 例えば、流用の問題につきましては、これは明らかに法律に根拠がございまして、その根拠に基づく公費の使用について、特別会計が国会で審議をいただくという形で認められて行っているものでございます。

 それから、いわゆる赤字というものにつきましても、その中で最も大きな赤字は資金運用に関するものでございます。この資金運用は、長期的に運用するという前提で一時的に欠損が生じているということで、御説明申しましたように、長期的には一定のルールと方針のもとで回復するという運用をいたしております。そのようなことから、私ども、主張させていただくチャンスがなかったことについて残念に思っております。

佐藤(公)委員 やはりそういうところの部分が誤解を生んでいる部分もたくさんあるかと思います。ただ、年金に関してはたくさん問題があるということに関して、これはまた別の機会にさせていただきまして、このたびの法案に関してお話を、また質問をさせていただければと思います。

 これを私どもずっと見ている中、これは私の思い込みかもしれません、また多くの方々がそう思われているのかもしれませんが、昭和五十九年に閣議決定されてからかなりの時間がたっている。当時は、それなりに運用をしていけるだろうというような推測、そんなものがあった、ただし一元化をしていかなきゃいけない、そういう中で閣議決定をされていったんだと思いますけれども、何かここ数年の間に、このままではこれはどうしようもなくなってしまう、まずい、やばい、早く統合しちゃわなきゃいけないということで、不良債権という言い方は失礼かもしれませんけれども、何とか厚生年金の方に早いうちにぶち込んでしまおうじゃないか、そういうふうに見える、思える部分があるような気がいたします。

 私も、これに関して何人かの方々にヒアリングをする中、何かお荷物になったものをサラリーマンの年金、厚生年金の方ですべて負担をしていく、かぶっていく、そんな印象と、やはりそういう筋書きのように思える部分があるかと思いますが、また見えるような気がしますが、その辺に関して御答弁をお願いしたいかと思います。

辻政府参考人 この一元化問題につきましては、昭和五十九年に一元化を展望しつつということからスタートいたしましたが、世代間扶養で行っております公的年金制度につきまして、それぞれの制度の責任でなくそれぞれの加入者の消長というものがありまして、加入者が結果として減る制度については、それはその結果問題が生じるのは不公平、不合理であるということから、公的年金の一元化が必要であるという認識のもとで進めてきたものでございます。

 この点につきまして、やはり関係者の合意が必要でありますことから、何回も何回も議論を積み重ね、今回につきましては、一元化懇という関係者が全部入った場で、将来の展望も、平成八年の閣議決定をしていただきましたときに比べればさらに、不十分かもしれませんけれども、関係者が努力をして合意して、そんな中で今言いましたような合理的な方法の一環として今回の統合が行われようとするものでございます。

佐藤(公)委員 そういう中で、幾つかお聞きしたいんです。

 移換金の一兆六千億というお金がございますが、この算出方法。私の方も、算出方法に関しては詳しいこういった、kだのtだのx、y、α、pとか、こういう非常に複雑な計算式を用いて移換金等を算出しているわけでございますけれども、私がここでいつもふと思うことは、年金関係も含めて、常に中位推計ということを考える、その中で実際問題低位推計になっている最悪な状況というのが幾つかあるかと思います。そういうことを考えた場合に、果たして本当にこの計算方式で移換金というのが、十分とまではいかなくても、妥当だというふうに考えられるのか。その辺のあたりはいかがでしょうか。

辻政府参考人 今回の移換金の具体的な今御指摘の点につきまして御説明を申し上げたいと思います。

 まず、移換金の計算の考え方でございますけれども、これは、独立した年金制度、それぞれ独立して今まで運用されてきたという保険者をいわば統合する場合に、統合する時点で責任を持って相手の制度に迷惑をかけない額の計算方法として、平成九年の三公社共済の統合の際に行った計算式をもとにいたしまして、その後の事情変更を勘案したものでございます。

 それは具体的にどのようなことかと申しますと、統合時点において、今回は農林年金でございますが、農林年金の受給者及び組合員、これらの方々の統合の時期までの過去の加入期間分の原資を持ってくる必要がございます。再評価、物価スライド分というものが公的年金にあるわけですが、これは後代負担に送られているという観点から、その部分を除きました部分については、俗に給付現価と呼んでおりますけれども、過去加入期間分将来必要となる額を一定の予想される利回りで現在に割り戻しまして、それを私ども給付現価と呼びますけれども、その給付現価を一時金として移換するという計算をいたしたものでございます。計算いたしますと、これが一兆九千六百億円になります。

 長くなって恐縮でございますが、先ほど事情変更を勘案したと言いました趣旨は、これまで厚生年金は将来の運用利息というものを五・五%で計算してまいりました。ところが、平成十一年の再計算におきましてそれ以降四%にそれを見直すことをやっておりますので、将来に向けてのものにつきましては四%で換算しなければなりません。そうなりますと、その部分は、割引利率が小さくなると額が大きくなるわけでございます。

 この部分をどうするかということでございますが、これはいわば事情の変更による事後に生じた債務でございますので、これからの人がそれを負担してくださればいいということから、実は、一兆九千六百億円のうち三千六百億円分は、これからの加入者によって負担をしていただければいい、これからの統合された農林共済の加入者によって負担していただければいいということで、結論としては、それを引いた一・六兆円を移換すればいいという結論になりました。

 それとあわせまして、実は、農林共済の将来の加入員の数というものがもし予想以上に減ったらどうなるんだという議論もございまして、いわばそのリスクに対応する額も千六百億円、関係者が十分議論した上で合意されまして、いわば予想以上に数が減ったときのリスク分も千六百億円つけ加えまして、合計一兆七千六百億円という移換金が計算された、こういう事情でございます。

佐藤(公)委員 では、移換金に関しては十分だということで、厚生年金の方に関しては、これによって足を引っ張るというか、そういう部分は今現時点は全くないというふうに思ってよろしいでしょうか。

辻政府参考人 まず、今までのやり方によります給付現価は、そういうことで、将来に向けて必要なものを今計算して、計算したものを算出しました上に、今の予想よりももし農林共済の組合員が、厚生年金に移換されますけれども、もし農林共済でやったとしたらとする組合員の数が減ったときのことまで織り込んでおりますので、そして、一元化懇は厚生年金の労使の関係者が入っておりまして、そこで合意されましたので、万全であると考えております。

佐藤(公)委員 これの計算式や何かを見ても、生存数とか、非常にわかりにくいというか予測しにくい部分がたくさんございますので、私自身は非常に不安に思っていることがあります。どちらかといったらば、厚生年金の加入者、厚生年金の方から見た立場で、このお金で本当にいいのだろうかどうかということで非常に疑問を持ちましたので、その辺は重々今後よく見ておいていただけたらありがたいと思います。

 また、厚生年金の立場から聞かせていただければ、本当にお互いにおきます大変な努力によってここまでされたということに関しては敬意を表すべきことだと思いますけれども、実際問題、農林漁業団体職員共済組合の積立金もしくは収支におきます使い方というか、こういうことを少し、簡単にでいいですから、大ざっぱなことで御説明を願えればありがたいと思います。

須賀田政府参考人 農林年金のお金の使い方でございます。

 農林年金の掛金は、使い道といたしましては、それまでの運用収益と合わせまして年金の給付金と事務経費に支出をする。残りのお金につきましては、それまでの積立金とともに運用をいたしまして、この運用の一環といたしまして福祉事業、これは別の経理に区分経理しておりまして、福祉経理というところへ貸し付ける。大ざっぱに言いますとそういう形態をとっております。

 これまで、昭和三十四年から、大変粗っぽく積み上げた収入と支出の関係がどうなっているかということでございます。

 これは大変粗っぽく積み上げましたので、正確性にやや欠ける面はございますけれども、まず収入といたしまして、掛金が約四兆八千億、運用収入が一兆八千億、国庫補助等が約一兆六千億ございまして、合わせまして収入が八兆二千億でございます。

 支出の方が、給付金と基礎年金部分の拠出も入れまして、給付金等に六兆一千四百億、事務、人件費に六百五十億ということでございまして、残り二兆円が積立金ということになっておりまして、そのうちの一部が福祉事業に貸し付けられているということでございます。

佐藤(公)委員 そこにおきます福祉事業というのは、一体全体、幾らぐらい貸し付けてどれぐらい回収されたのか、その辺のあたりの数字はいかがですか。

須賀田政府参考人 福祉事業の中身でございます。

 一つは、組合員に対する住宅貸し付けでございますとか育英貸し付けでございますとかの貸付事業がございます。それからもう一つが、パストラル、宿泊事業といいますか、この中に一部病院等の保健事業も含んでおりますけれども、宿泊事業の二種類あるわけでございます。

 ちょっと累積の数字を持っていないわけでございます。貸付事業の十一年度末の残高が約一千億というふうになっておりまして、これまでのところ、順調に償還を得て給付経理の方へお返しをしているというふうになっております。それから宿泊事業でございますけれども、これは宿泊施設の新築、改築というものを年金給付の方の経理から福祉の方の経理へ貸し付けるということになっておりますけれども、残高が現在、十一年度末で百五十五億ということになっておりまして、これも将来、施設の納付金の形で給付経理の方へ返還されるというふうになっているところでございます。

 いずれにしても、福祉経理の中で処理をするという仕組みになっておりまして、年金給付の方に支障を生じさせないようになっているものでございます。

佐藤(公)委員 今本当に粗っぽくとか大ざっぱというお言葉がございましたけれども、まさに本当に皆さんから預かっている中、そういう状況の中で、それを厚生年金の方に全部引き取っていく。厚生年金側からしたら、大変私どもとしてはしっかりその辺をきちんと把握してやっていっていただかなきゃいけないかと思います。

 その辺のあたりは、厚生労働省さんの方はきちんと見きわめて、余りよくないものに関しては、よく考え、きちんと整理をさせてからやっていくべきだというふうに思いますが、何か。

須賀田政府参考人 この福祉事業、統合に当たりましてすべて廃止するということとしておりまして、宿泊施設につきましてもこれまで過半を処分いたしました。三カ所残っておりますけれども、これも処分をするということとしておりますし、貸付事業も廃止するということにしておりまして、これは存続組合の方で回収をしていくということで、引き継がないようにしておりますので、よろしくお願いをいたします。

佐藤(公)委員 すればいいんじゃなくて、そうならないように事前にやらなきゃいけないんです。皆さんからの預かったお金に関して、その辺はやはり無責任にそういうことを言ってもらっちゃ困ると僕は思います。

 そして、最後になって時間がないんですけれども、自分はやはりこの法案等を読んで一番問題なのは、本当に日本の国の食糧とか農業とかいうことをどう考えているかという背骨の部分における年金というものがどうあるべきかということが余り出ていないような気がいたします。

 やはり日本の国としての食糧自給率、農業、農家の方々に対してどういうふうな考えを持って日本の将来のビジョンを明確にしていくのか、こういう部分が非常にないまま、年金だけのこと、目先のことだけでこういう話になっているような気がします。これを見ても、前からお話ししているように、何か後継育成、若手に対して、みんな負担が若い人たちに押しつけられている、そんな印象を私は思います。

 そういう意味で、最後に大臣から、農林水産に関して、もしくは若手に関して、後継育成、いろいろなことがあると思いますけれども、お考え、御所見を最後に聞かせていただければありがたいかと思います。

坂口国務大臣 御承知のとおり、この年金は農協にお勤めになっております皆さん方の共済年金でございますので、全体の日本の中で農業を支えている、あるいは農業を指導しておみえになります皆さん方の共済年金と申しますか、そういうふうに理解をした方がいいのかもしれないというふうに思っております。

 したがいまして、そういう皆さん方の共済年金でございますから、こうして厚生年金と一元化をされるというこの機会を通じて、ひとつ、皆さん方がこれからも日本の農業のあるべき姿というものを中心的に自分たちで描き出していただける、本当に今まで以上に活躍をしていただける、そういう環境をつくることに役立つようにしなければならない、そんなふうに思っている次第でございます。

佐藤(公)委員 ありがとうございました。

 農業に関しての議論もたくさんしたいことが実は本当にあります。そういう上で、今農業が大変な問題を抱えている。日本の食糧事情のこと、後継ぎのこと、所得保障、そしてその所得保障を年金としてやっていく、海外の事例もあると思います。こういう部分では、実はこの法律というのはすごく大事な法律だと思います。

 食糧、農業ということを本当に日本の根幹として考えるのであれば、統合するのではなくて、統合しても別建てのもの。負担は少なくしてあげる。そのかわり食糧、農業のことを真剣に考える。こういうあるべきという考え方もあると思いますので、どうか今後とも大臣、また農林水産省に対しては、農業の皆さん方、従事者の方々のことをよく考えて行政をお願いしたいかと思います。

 最後に一つ、農業に関しての一国会、本当に食糧に関しての一国会を開くぐらいの大事な議論を一回していただきますことを陳情申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

鈴木委員長 次に、小沢和秋君。

小沢(和)委員 本日も法案に先立って、韓国人被爆者の郭貴勲さんの控訴問題についてお尋ねをします。

 さっきも党首討論で問題になり、今も同僚議員が質問いたしました。これに対して坂口大臣は、今各省庁の間で調整に入っている、あすは決着をつけたいと答弁をされました。各省庁間で調整をするということは、各省がそれぞれの考え方を持ち寄って調整するということでありますから、したがって、既に厚生労働省としての一応の考え方は決まっているはずだと思うのです。この調整にどういう考え方で臨むのか、大臣の説明をお願いいたします。

坂口国務大臣 調整をしているということは、どういうふうに結論づけるかということを調整しているわけでありまして、したがって、それぞれの省庁がそれぞれの考え方を決めて、そうして、これこれでいこうということを言っているわけではございませんで、それぞれが寄り集まって、そしてどういうふうにするかということを今決めようとしている、こういうことでございます。

小沢(和)委員 この期に及んで、いまだにまだ何の方向性もなしに、集まってどうしようか、そんな話が世間では通らないと思います。

 ハンセン病判決の控訴問題では、大臣の姿勢はここでの質問でそれなりにわかったわけです。だから私は頑張ってくれというふうに言ったわけですが、今回は全くわからない。だから不安でなりません。残念ながら質問時間が極めて限られておりますので、私はもう一回強調しておきたいと思うのです。

 この在外被爆者の問題というのは、郭さん一人の問題では決してないということです。韓国、北朝鮮、中国、アメリカ、ブラジルなどに数千名もおる。日本の国内できちんと手続をし、被爆者として手帳も交付されながら、健康管理手当を一たんもらうようになった人が海外に出たらそういう支援を打ち切られる、こんなばかな話はないわけであります。ここ数年続けて、海外日系人大会でもこの不当な扱いが大変な問題になっているということは先日も私は指摘をいたしました。あすまでに決着をつけると言いますが、ぜひ控訴をしないという方向で決着をつけていただきたいということをまず申し上げておきます。

 さて、本題でありますが、今回の厚生年金と農林漁業団体共済の統合は、公的年金制度全体の一元化の一つのステップと位置づけられております。しかし実態は、四年前のJR、JT、NTTのときほどではないにしても、制度的に行き詰まりつつある農林共済を救済しようというものだというふうに理解をしましたが、それでよいか、まず大臣にお尋ねします。

桝屋副大臣 今回の統合の意義についてのお尋ねでございます。

 本日、この委員会でずっと議論されて、大臣も答弁しておりますが、昭和五十九年の二月から始まりました、平成七年をめどに公的年金制度一元化を完了するというようなことからスタートしてやっと今日へ至っているわけであります。

 委員がいみじくもおっしゃったように、三公社のときほどではないが、こうおっしゃったけれども、私は違うというふうに思っているわけであります。まさに制度の成熟化が進展する中で、公的年金制度の安定化、公平化を図るために公的年金制度の一元化を推進するというその一連の流れで今日を迎えているということでございます。統合に伴いまして、きょうずっと議論が出ておりますけれども、必要な移換金を支払うというふうにもされているわけでありまして、単に農林共済を救済するということではなくて、公的年金制度全体の安定化、公平化を目指したということでございます。

小沢(和)委員 数字を見ますと、農林共済と国公共済は余り違わないように見えるわけであります。積立金はほとんど同じ。保険料率はどちらも厚生年金よりやや高い。成熟で見ればむしろ国公の方がずっと進んでおります。しかし、今回農林共済の方がみずから統合を希望したが、国公共済からはそういう声はなかったというのですが、この違いは、農林漁業をめぐる情勢が非常に厳しいために、今後も農林漁業団体などに勤務する人が急激に減少し続けるという見通しを持ったためではないかと思われますが、いかがでしょうか。数字でその見通しを示していただきたいと思います。

辻政府参考人 加入者の見通しについて御報告いたします。

 公的年金制度の一元化に関する懇談会におきまして、関係者が、厚生年金関係者も、農林共済はもとより共済関係者も皆が議論していただいたわけでございますけれども、そのときに、農林共済の財政再計算における組合員の将来見通しを出していただきまして、それについて皆が議論をし、そして議論をした上で若干の修正の上、結論を申しますと、平成六年度末の一番多かった加入者のときから平成十三年度末までに五万人減少するというふうに見込みまして、五万人減少しました後、厚生年金の被保険者数に連動して推移する。それで、厚生年金の被保険者数もその時期には徐々に減るという予測でございまして、具体的には、二〇二五年に四十一万六千人、二〇五〇年に三十二万八千人という見通しが示されたところでございます。

 このような見通しをもとに、移換金につきましても計算されたところでございます。

小沢(和)委員 前回の統合のときには、JRやJTなど、他の公的年金から支援を受けていたところは保険料の上乗せを行いました。一方、NTTにはそのような上乗せはありませんでした。しかし、その後の経過を見ますと、NTTも相次ぐ人減らしで大幅に被保険者数が減少しております。

 今回、農林共済は、当面は健全な経営が続いているのに、将来大幅な人員減少が見込まれるというだけのことで上積みを負担させられておりますが、NTTのように、その後、リストラで大幅に減少したのに統合時には全く上積みを負担しなかったというところとの均衡を考えると、およそ説明がつかないのではないでしょうか。

 同じように、民間でも、今リストラが相次いでおります。中には、新日鉄や日産自動車など、ここ十年ぐらいで何万人も減少したところがあります。こういうところも厚生年金の基盤を揺るがしかねないことをやっているわけですが、同じ厚生年金の中だということで、上乗せなどということは問題にもならない。

 今回、農林共済にのみ、統合に当たってこういう上乗せの負担を負わせるということは、関係者の納得を得られないのではないでしょうか。

辻政府参考人 今申しましたような、まず、農林共済の加入者の将来予測を立て、それに基づいて移換金を計算し、そして、大きく議論になっております、受け手の厚生年金関係者の合意に財政上不必要な悪影響を及ぼさないのか、こういった議論がなされまして、そのときに、今の予測に比べてやはりそれよりも減るリスクがあるということが、現時点において議論がなされました。それ自身、農林共済組合員の加入者のぶれというものが過去にもありまして、そういうものを踏まえまして、そのリスクに対応するために千六百億円という、いわばリスクそのものに対応するための移換金というものが合意をされました。

 そして、それをどのように移換されるかどうか、これはまさしく話し合いの問題でございます。いわば独立した制度が独立した制度に統合されるわけでございますので、その当該独立した制度の移換金が、それまでの積立金で行われるのと、その当該独立した制度の加入者であった方が将来払うものでお支払いになるのと、内容的には同質でございます。そのような経過から、その千六百億円分につきましては、将来の上乗せの保険料で移換をされるグループからお支払いになるという整理になったものでございます。

 なお、厚生年金でも、ではリストラがあって減ったところは、減って迷惑をかけたからといってそれを出すのかというバランスの御指摘があったと存じますが、厚生年金の場合は、もともと同じ保険者の集団の中での組織の消長でございまして、今回は、異なる保険集団と異なる保険集団が一緒になるときの、相手の制度にいわば合意的なお金を移換するということと質を異にいたしますので、その点は矛盾しないと考えております。

小沢(和)委員 今の説明は私も納得いきませんけれども、聞きたいことがいっぱいあるので先へ行きます。

 農林漁業団体の職域年金はこれで打ち切られることになります。これは、農林漁業団体に勤めてきた人たちの老後をさらに不安に陥れることになる。職場には新しい年金基金制度をつくってほしいという声が強いと聞きますが、政府としてはどう対処するつもりでしょうか。

須賀田政府参考人 御指摘のように、従来の農林年金のうちの職域年金部分は、制度としては廃止されるわけでございます。

 これにかわります企業年金を設立するかどうかについては、基本的には、その団体がみずから判断して決めるべき事項でございまして、現在、財源をどうするか、あるいは農林漁業団体の経営を今後どう見ていくか等を踏まえながら、労使で協議をしているところでございまして、少し時間をかけて検討したいという方針だというふうに聞いております。

小沢(和)委員 そうすると、今の答弁は、労使の間で協議をしているけれども、前向きで取り組んでいるという趣旨だというふうに承りましたが、いいでしょうか。

須賀田政府参考人 労使の間の協議の状況はニュートラルなものというふうに私どもは認識をしております。

小沢(和)委員 これまで職域年金に加入してきた人の既得の権利は守られなければならないと思うのです。これまでは、加入期間二十年未満だと〇・七一三、二十年以上だと一・四二五の乗率で特例老齢年金が加算されてまいりました。

 今度の法案では、統合のとき二十年未満の人も、今後同じ職場に働き続け二十年を超えれば、一・四二五を適用することになっていると聞いております。

 最近のように、農協相互の合併や県連と全国連の統合などが次々に行われますと、同じ職場でも名称、所属などが変わったり、系列下の別団体や子会社に転出、出向などということも起こり得る、こういう場合もこの条項は当然適用されるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

須賀田政府参考人 今回、その職域年金というのが制度的に廃止をされる。従来、そういう廃止がなければ同じ職場で二十年間以上働いていただろうという方をここで打ち切る、低い乗率にするということは、大変不利益をこうむることになりますので、そういう職場をかわらずにずっと働く人が、二十年経過した時点で従来の高い方の乗率を適用するという特別措置をこのたび講じたわけでございます。

 協同会社とか子会社へ行くと、それは、その時点から厚生年金の適用となるということでございまして、お気持ちはわかるわけでございますけれども、そこのところは、どこかで線を引かぬといけないということで、そういう方にはこの特例は適用できないということについて御理解を賜りたいというふうに思うわけでございます。

小沢(和)委員 気持ちはわかるけれども打ち切りだというのでは、これは血も涙もないと思うのですね。

 私は、同じ職場でも名称、所属などが変わったり、系列下の別団体や子会社に転出、出向とか幾つか事例を挙げたわけですけれども、これは全部だめですか。このうちどれかぐらいは、この辺までは救済したいというようなところはないのですか。

須賀田政府参考人 制度の廃止に伴う経過措置の適用をどういう人を対象にすることが適当かというところから判断をいたしまして、やはり職場をかわらない人というふうなところで線を引かせていただいたわけでございます。

小沢(和)委員 これ以上詰めませんけれども、ぜひ私どもの気持ちも酌んで、弾力的に対処をしていただきたい。

 次に、農林漁業団体職員共済組合は、統合の正式決定がおくれたために、社会保険庁の受け入れ体制が間に合わず、社会保険庁から今後も委託を受けて厚生年金事務を行うと聞いております。

 だから、今後も、当然一定期間存続することになりますが、一定期間とはどれくらいを想定しているのか、どのような状態になったときに廃止をするのか、伺っておきたいと思います。

須賀田政府参考人 存続組合につきましては、今回、先ほど来御議論になっております廃止をされます三階部分の職域年金、廃止はされますけれども、これまで年金債務が生じておるわけでございますので、その年金債務を今後実行していかないといけないという特例年金の給付業務と、それから、先ほど先生がおっしゃられました社会保険庁からの当面の受託業務と、両方があるわけでございます。

 当面の受託業務というのは、今話し合っておりまして、そう長くは続きませんけれども、先ほどの特例年金の給付業務というのは結構長く続くもの、極端に言いますと、今二十歳の人が平均余命まで、そのぐらい極端に言うと続くわけでございますけれども、その間、いろいろな組織のあり方というようなことは検討をしないといけないのではないかというふうに考えている次第でございます。

小沢(和)委員 今のお話で、一定期間というのはかなりの長期間だというふうに理解をしました。

 この共済組合には、今二百名近くの方が働いておられますが、今後業務の縮小に見合って雇用調整が行われるわけであります。そのことについては先ほどかなり詰めた議論が行われました。この人々の雇用確保のため、まず農林漁業団体が、次いで農水省が、さらに厚生労働省も努力をするという約束をされたわけであります。

 だから同じことを聞こうとは思いませんけれども、これは大臣に伺いたいんですが、国の政策によって仕事を失う人々に対して、国と関係諸団体が一緒になって、最終的には一人も失業者を発生させないように責任を持って対処するという趣旨で先ほど大臣が発言されたというふうに理解しましたけれども、それでいいでしょうか。

坂口国務大臣 理想はそういうことでございましょう。しかし、中にはそれは個人的に、自分で退職をしたいという方もございましょうし、そこは個々の皆さん方の御意思によるところだというふうに思います。

 また、農林水産省の方も、それぞれ大きな団体をお抱えになっておるわけでございますから、いろいろなことを御検討いただけるものと思っております。

小沢(和)委員 公的年金一元化の問題でも一つお尋ねをしておきたいんですが、政府は公的年金一元化を今後も進めるため、三月の閣議で、農林共済の統合とあわせて国公共済と地公共済の財政単位の一元化を決められたわけであります。先ほどの答弁では、次に保険料率を統一していくという考え方を示されました。これは、加入者数も多く、保険料率も国公共済より二%近く低い地公共済に保険料率を引き上げさせることによって、その財源で厚生年金への一元化までの間国公共済を助けさせようということになるのではないでしょうか。

辻政府参考人 もともと一元化の趣旨と申すものは、加入者の消長といいますか、将来に向けての加入者が減る、ふえる、こういったことはその制度だけの責任というべきではなくて、最終的には被用者保険全体の問題であるということが事の始まりでございまして、それをどういう段取りでやるかということで、まず、いわゆる公務員グループといたしましては国共済、地共済が財政単位を一体のものとしてとらえるということで次のステップを歩めるということで、どちらが助ける助けないというよりも、公務員グループで一つの公平な形とするという趣旨と受けとめております。

 その具体的な形は、国家公務員共済、地方公務員共済の間において財政調整を行うことにより保険料を合わせていくことが検討されているというふうに承知いたしております。

小沢(和)委員 残念ながら時間が来ましたから、終わります。

鈴木委員長 次に、阿部知子君。

阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 まず冒頭、きょうは、金田委員にも先ほどの小沢委員にも御紹介というか御意見がございましたが、郭貴勲さんの問題について、私も一言、坂口厚生労働大臣に心からお願いを申し上げたい件がございます。

 厚生労働省の職員の方はお気づきだったと思いますが、厚生労働省前に郭貴勲さんを支援なさる日本の被爆者団体、被団協の皆さんが座り込みを一昨日、昨日となさっておられました。私もメッセージを送るべく参加させていただきましたが、皆さん大変御高齢で、御自身も被爆者でありながら在外の韓国人被爆者の問題に自分たちも流れを一にして応援していこうと思われる姿、やはり私はとうといと思いましたし、敬服もいたします。

 そういう日本国内の被爆者の皆さんの、在日にあって同じように被爆された在外の被爆者の方々へのお気持ちということもやはり厚生労働大臣にはお酌み取りいただきまして、高度な政治的配慮をしていただきたいと思います。

 あわせて、きょう、私どもの土井党首は、党首討論の全時間をこの在外被爆者問題の小泉首相への質問にかえさせていただきました。その中で、きょう、小泉首相の御答弁で、その置かれた在外の被爆者の各国々の状況をかんがみて、勘案して判断を下していきたいという御答弁でございました。私は、極めて前向きな御答弁と受け取りました。例えば、在日であった韓国人の方々、今二千二百人が韓国にお帰りになってお暮らしと思いますが、やはり日本と韓国あるいは北朝鮮のこれからの長きにわたる友好のためにも、日本がどのような態度をとるべきか問われているように私は思います。

 そこで、坂口厚生労働大臣は、きょうの首相発言、特に、その方々の置かれた国の状況を考えてという一文をどのようにお聞きになりましたか、このことを一言お聞かせくださいませ。

坂口国務大臣 総理がきょうおっしゃいましたのは、とにかくこの裁判で一番問われているのは、日本の国の中に居住または現在している人のみに被爆者援護法が適用されるのか、それとも日本の国以外に居住している人にもそれが適用されるのか、その一点に今これが問われているという御指摘でありまして、私もそのとおりだというふうに思っております。この大阪地裁の判決は広島とは違うという御認識が先日来ございましたけれども、ずっと判決文を読ませていただきますと、双方ともその一点に絞られておりますことには間違いがないと私は思っておる次第でございます。

 そして、日本の人と同じように、諸外国に今お住まいになっている皆さん方に対してどのような形でおこたえをするか、そのこたえ方の問題が今問われているんだろうというふうに思っております。日本に居住する人たちと同じ形でおこたえをするのか、それとは少し違うけれども、しかし別な形でこの皆さん方におこたえをするのか、おこたえをすることには間違いがないが、そのおこたえの仕方が今どうかということを問われているのであろうというふうに思っておりまして、そういうことを総理は言われたのではないかというふうにきょう受け取らせていただいた次第でございます。

阿部委員 一点目の坂口大臣の御認識でございますが、やはり一たん受けた被爆者手帳の資格の喪失要件というのは、実は死亡時ということしか書かれておりませんことをきょうの土井党首も申しましたと思います。

 そして、やはり日本にお住まいであって、故国に帰りたい、祖国に帰りたいと思っても、その被爆者手帳が今度は帰ればなくなってしまうというふうな事態がもしこの法律の解釈で成り立ちますと、この法律によるその方のいわば移動という人権の侵害、人は動くことも含めて人権でございますから、そうした観点からも再度御検討いただきたいと思います。私どもの認識は、やはりこれは広島の他の判決等々とは違うということは再度申し上げましたが、その点をおきましても、このことゆえに、ある一人の個人の移動が制限されるという観点に立った上での、もう一度御熟慮を重ねてお願い申し上げます。

 では、引き続きましてもう一点、本法案とはちょっとテーマが違いますが、ぜひともここで坂口厚生労働大臣に御検討いただきたい事案がございます。皆さんも御承知おきのように、大阪で起きました小学生殺害事件でございます。

 連日の報道でございますし、この犯人と目される方の精神状況あるいは人格的な問題等々、あるいは被害を受けたお子さんたちの本当に胸に迫る御家族の苦しみ、子供たちの悲しみ、私どもも毎日夜この報道の中で本当に胸をつぶされる思いでございますが、その中にあっても、私は、この報道がいわゆる精神障害者による犯罪ということでひとり歩きしていくことを極めて恐れております。

 どういうことかと申しますと、報道から聞き及ぶ範囲においても、この容疑者には二つの特色があると思います。もとの奥様との離婚問題のときの言動を含めて、いわゆるこの方が精神障害の範疇に入るのか、それとも極めて人格的に乱暴でいろいろな傷害事件を起こしておられたのか、その辺も、精神障害者という形で一くくりにしてしまっては、かえって世の中で、日本で二百十万とも言われる精神障害の方たち全般に及ぶ影響の大きさを私は一点懸念するものでございます。

 そしてもう一点、厚生労働省としてぜひとも今お取り組みいただきたいのは、実はこの容疑者も、法務省の刑事局からいわゆる精神鑑定されました後、今度は、昔でいう精神衛生法、今は精神福祉法となりましたでしょうか、そのもとにあって、鑑定医二人のまた御意見で措置入院をされました。措置入院の解除のときには、今度はその治療機関先の医師だけが解除を検討いたします。

 今の精神医療の状況、非常に手薄でございます。全国で精神科医は一万二千、患者数は先ほど申しました二百十万とも言われる中で、この措置入院ということの現状とその後のフォローアップ体制について、実は厚生労働省にお伺いいたしましたが、厚生労働省としての詳しいデータをお持ちでないようにも伺いましたが、まず一点、もしあれば、措置入院を受けた方たちのその後のフォローアップ状況を厚生労働省としてどのように把握しておられるか、そして、そのことについて坂口厚生労働大臣の御認識を伺いたいと思います。

今田政府参考人 今回の事件、大変痛ましい事件でございまして、私ども本当に心を痛めております。

 今回のケース、精神障害者であったのかどうかとかそういったことは、これから本当に捜査当局等から全容を解明した上でないと、本当に、このことを早計に精神障害者としてとらまえて云々することについては慎重でなくてはならない、私もそのように思います。

 さて、一般的に、検察あるいは警察もございますが、犯罪等を犯したけれども責任能力を問うことができないというような場合には、それらから通報を受けまして、都道府県知事にこれが譲られるわけであります。都道府県知事は、自傷他害のおそれがあるかどうかということを今御指摘の二名以上の指定医によって判断をし、必要な入院措置をさせます。

 これは、そもそも一種の人権上の制限を加える制度でありますから、さまざまな仕組みの中で、できるだけ、状態がよくなればすぐにでも、その拘束しなければならない条件がなくなったのだからそういったものを解除するということから、退院時においては、当の医療機関の指定医がそういうふうに判断をされたということをむしろ尊重して、入院時の二名の診察、そして退院時の一名の診察という仕組みになっております。

 さて、この措置入院を解除した後にどうかという御質問であります。

 年間で約三千四百名が措置入院をいたしておりますし、ほぼ同数がまた退院をしていくわけでありますけれども、こういった方々が、一つは、自傷他害はないけれども医療は要るという場合には、引き続き医療保護入院あるいは任意入院としてそのまま入院されるケースが多々ございます。それから、もちろん直に御退院になられる方もいらっしゃれば、そういう道筋を通って退院される場合がある。

 ただ、その方が措置入院であったということを取り出して、その方がどのようなその後の状況にいらっしゃるかという点について、私どもはそれを把握しているわけではございません。

阿部委員 特に把握していただきたい点は、例えば法務省の刑事局から、いわゆる心神喪失ないし耗弱によって都道府県に回されて、指定医の診察を受ける方は三千六百二十九人。そのうち、措置入院になる方は二千百四十二人。この方たちは、明らかに何らかの心神喪失状態と判定されて、それゆえに犯罪を犯された。その時点では指定医はかかわりますが、先ほど申しますように、今度は解除の時点では、治療的な観点からというところで受け持ち医しかかかわらないわけです。

 今、精神医療の現場を見れば、一人の医者が患者さん何人を診ているか、極めて手薄な状態でございます。簡単に換算しても、一人の医者が二百名以上診ている場合も、外来も含めますればございますでしょう。そうした中で、極めて治療的にもあるいは判断的にも、ルーズなことと申しますか、不十分なことが行われているのではないか。

 特に、法務省刑事局から措置入院となりました患者さんのフォローアップ、現状調査、これを早急にしていただきたいと思います。私は、これが次の再犯にも、ほかのまた悲しい事件にもつながっていくことが大変危惧されますので、早急に御検討いただきたいと思います。

 では、本来の質疑に入らせていただきます。

 きょうは農林年金についての厚生年金への一元化ということがテーマでございましたが、一元化はある意味ではきょうの皆さんの御論議の中でやむなしという認識に立った上で、ではその一元化されるところの厚生年金の実態はいかなるものかということについて、これも何人かから御指摘ございましたでしょうけれども、私の方からもお尋ね申し上げます。

 先回までの論議で、私は、国民年金、一階建て部分の空洞化の問題を指摘させていただきましたが、実は厚生年金、二階建て部分にも空洞化と呼べる現象が進んでいると思います。そもそも加入者にして去年からことし五十万減少しておりますが、この事態、原因についてどのように分析しておられますでしょうか。

坂口国務大臣 この問題をお答えします前に、先ほどの精神障害者の問題でございますが、大阪の事件はまことに痛ましい事件でございまして、本当にお母さん方の何とかしてほしいという叫びが聞こえるわけでございます。

 しかし、大阪の場合は、それが本当に精神障害によるものなのかどうかということはまだわかっておりません。しかし、現実に、精神障害があって、そして犯罪を犯すケースもあるわけでございます。

 その場合に、今の措置入院となってその解除をするときに一体どうするのかということは、そこが私も問題だというふうに思っておりますが、そこは、その医師たちは、いわゆる法をその人がまた犯すかとか犯さないかというようなことは頭の中にないわけでありまして、医学的症状がとれたかどうかということ以外に私はないのだろうと思うのです。また、その人たちを帰した後、その人たちがどういう社会環境にあるかということも、それほど吟味するいとまがないのではないかという気もするわけでございます。そこをもう少しチームワークで何かできないのかというふうに今、私個人でございますが、考えているところでございます。

 時間がないようでございますから急がせていただきますが、先ほどおっしゃいましたように、平成十年に比べまして、十一年度末で見ますと、大体約四十八万人、五十万人、被保険者数で減少いたしておりますし、適用事業所数でいきますと一万減っているわけでございます。

 これが何によってこの傾向が出てきているのかということは、一つは、昨今の経済環境が厳しいということもございますが、常用雇用者数が減少している、そして、短期間の労働者が増加している、パートが増加している、このことが一番大きな要因になっているのではないかというふうに考えておる次第でございます。個人、法人を問わず、事業所数が減少していることなども要因ではございますけれども、そうした、常用雇用からパートへ、そこが大きな原因になっているというふうに思っております。

阿部委員 いわゆる法人数が二百五十一万ございますところ、加入している法人数は逆に百六十九万で、これも八十二万未加入状態というふうな分析が、これは厚生省から直にいただいたのではございませんが、上がっております。

 そして、私といたしましては、ぜひとも社会保険事務所でいろいろお取り扱いの企業の加入状況をしかるべく分析にたえるような資料として提供していただきたい、これは厚生年金、長く続いてほしいものでございますから、きょうは時間がございませんので、その一点、お願い申し上げて、あと、農林年金の業務に携わっておられた皆さんの雇用問題は先ほど二人の大臣から前向きな御答弁をいただきましたので、質問を終わらせていただきます。

鈴木委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

鈴木委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 内閣提出、厚生年金保険制度及び農林漁業団体職員共済組合制度の統合を図るための農林漁業団体職員共済組合法等を廃止する等の法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

鈴木委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

鈴木委員長 この際、本案に対し、棚橋泰文君外六名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党、社会民主党・市民連合、保守党の六派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。三井辨雄君。

三井委員 私は、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党、社会民主党・市民連合及び保守党を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。

 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。

    厚生年金保険制度及び農林漁業団体職員共済組合制度の統合を図るための農林漁業団体職員共済組合法等を廃止する等の法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、次の事項について、適切な措置を講ずるべきである。

 一 公的年金制度の一元化については、平成十三年三月十六日の閣議決定を踏まえ、財政単位の拡大と共通部分の費用負担の平準化を図ることを基本として、一元化に向けた取組の積極的な推進を図ること。

 二 農林共済年金の厚生年金への統合の際の年金の裁定、支払等の移行措置については、被保険者及び年金受給者に不安や混乱が生じないよう、万全を期すること。

 三 農林共済年金の厚生年金への統合に当たっては、雇用確保等の問題に対する適切な対応を含め、円滑な施行のために適正な対応を図ること。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

鈴木委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

鈴木委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、坂口厚生労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。坂口厚生労働大臣。

坂口国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして、努力をいたします。

 ありがとうございました。

    ―――――――――――――

鈴木委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

     ――――◇―――――

鈴木委員長 次に、内閣提出、個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。坂口厚生労働大臣。

    ―――――――――――――

 個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

坂口国務大臣 ただいま議題となりました個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 社会経済情勢の変化に伴い、企業組織の再編や企業の人事労務管理の個別化の進展等を背景として、解雇、労働条件の変更等、個々の労働者と事業主との間の紛争が増加しており、今後もこの状況はさらに続くものと見込まれているところであります。

 このような状況に対応して、労働関係に関するあらゆる紛争について簡易迅速な解決を促進するための制度の早急な整備が重要な課題となっており、政府といたしましては、本法律案を作成し、ここに提出した次第であります。

 次に、この法律案の内容につきまして、概要を御説明申し上げます。

 第一に、個別労働関係紛争が生じたときは、紛争の当事者は、早期に、かつ、誠意を持って、自主的な解決を図るように努めなければならないこととしております。

 第二に、都道府県労働局長は、個別労働関係紛争を未然に防止し、及び個別労働関係紛争の自主的な解決を促進するため、労働者、事業主等に対し、情報の提供、相談その他の援助を行うこととしております。

 第三に、都道府県労働局長は、個別労働関係紛争に関し、当事者の双方または一方からその解決について援助を求められた場合には、当事者に対し、必要な助言または指導をすることができることとしております。

 第四に、都道府県労働局に紛争調整委員会を置くこととし、都道府県労働局長は、個別労働関係紛争について当事者の双方または一方からあっせんの申請があった場合において、当該紛争の解決のために必要があると認めるときには、紛争調整委員会にあっせんを行わせることとしております。

 第五に、地方公共団体は、国の施策と相まって、地域の実情に応じ、労働者、事業主等に対する情報の提供、相談その他の必要な施策を推進するように努めることとし、国はこれらの施策を支援するため、情報の提供その他の必要な措置を講ずることとしております。

 なお、この法律は、平成十三年十月一日から施行することとしております。

 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

鈴木委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

 次回は、来る十五日金曜日午前八時四十五分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時五十分散会




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