衆議院

メインへスキップ



第3号 平成13年10月19日(金曜日)

会議録本文へ
平成十三年十月十九日(金曜日)

    午前十時一分開議

 出席委員

   委員長 鈴木 俊一君

   理事 棚橋 泰文君 理事 谷畑  孝君

   理事 森  英介君 理事 吉田 幸弘君

   理事 鍵田 節哉君 理事 釘宮  磐君

   理事 福島  豊君 理事 佐藤 公治君

      奥山 茂彦君    上川 陽子君

      鴨下 一郎君    木村 義雄君

      北村 誠吾君    熊代 昭彦君

      佐藤  勉君    七条  明君

      菅  義偉君    田村 憲久君

      竹下  亘君    谷本 龍哉君

      西川 京子君    野田 聖子君

      林 省之介君    原田 義昭君

      松島みどり君    三ッ林隆志君

      宮腰 光寛君    宮澤 洋一君

      吉野 正芳君    家西  悟君

      大島  敦君    加藤 公一君

      金田 誠一君    土肥 隆一君

      藤村  修君    古川 元久君

      三井 辨雄君    山井 和則君

      青山 二三君    江田 康幸君

      樋高  剛君    小沢 和秋君

      木島日出夫君    阿部 知子君

      中川 智子君    井上 喜一君

      松浪健四郎君    川田 悦子君

    …………………………………

   議員           山花 郁夫君

   厚生労働大臣       坂口  力君

   厚生労働副大臣      桝屋 敬悟君

   厚生労働大臣政務官    佐藤  勉君

   政府参考人

   (警察庁警備局長)    漆間  巌君

   政府参考人

   (防衛庁運用局長)    北原 巖男君

   政府参考人

   (総務省自治財政局長)  香山 充弘君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房技術

   総括審議官)       今田 寛睦君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  篠崎 英夫君

   政府参考人

   (厚生労働省健康局長)  下田 智久君

   政府参考人

   (厚生労働省医薬局長)  宮島  彰君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房審議

   官)           坂野 雅敏君

   厚生労働委員会専門員   宮武 太郎君

    ―――――――――――――

委員の異動

十月十九日

 辞任         補欠選任

  野田 聖子君     七条  明君

  三ッ林隆志君     谷本 龍哉君

  宮腰 光寛君     菅  義偉君

  水島 広子君     藤村  修君

  井上 喜一君     松浪健四郎君

同日

 辞任         補欠選任

  七条  明君     野田 聖子君

  菅  義偉君     宮腰 光寛君

  谷本 龍哉君     三ッ林隆志君

  藤村  修君     水島 広子君

  松浪健四郎君     井上 喜一君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 予防接種法の一部を改正する法律案(内閣提出、第百五十一回国会閣法第三五号)

 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、第百五十一回国会閣法第三六号)

 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部を改正する法律案(山花郁夫君外五名提出、第百五十一回国会衆法第四一号)




このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

鈴木委員長 これより会議を開きます。

 第百五十一回国会、内閣提出、予防接種法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案につきましては、第百五十一回国会におきまして既に趣旨の説明を聴取しておりますので、これを省略いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

 予防接種法の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

鈴木委員長 お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として警察庁警備局長漆間巌君、防衛庁運用局長北原巖男君、総務省自治財政局長香山充弘君、厚生労働省大臣官房技術総括審議官今田寛睦君、医政局長篠崎英夫君、健康局長下田智久君、医薬局長宮島彰君及び農林水産省大臣官房審議官坂野雅敏君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

鈴木委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。江田康幸君。

江田委員 公明党の江田康幸でございます。本日は、自由民主党、公明党、保守党、与党三党を代表いたしまして、予防接種法の一部を改正する法律案に関する質問をさせていただきますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 近年、冬季におきまして全国的にインフルエンザが流行し、特に特別養護老人ホーム等の高齢者施設における集団感染が数多く発生し、高齢者を中心としたインフルエンザに起因する死亡等が社会問題化しているのが現状でございます。インフルエンザは三年から五年ごとに大規模な流行が起こっていることから、今年度の冬は大流行が危惧されているところでございます。

 このような中で、高齢者を対象としてインフルエンザの予防接種を促進するため、対象疾病にインフルエンザを追加する本法案の持つ意義は極めて大きいと考えますが、その背景と経緯を踏まえて、まず坂口厚生労働大臣の所見をお伺いしたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

坂口国務大臣 おはようございます。

 今、江田議員からお話がございましたとおり、高齢化社会を迎えまして、そして老人施設等がたくさんふえてまいりました。そうした中で、過去におきまして非常にインフルエンザが流行し、多くの死者を出した、あるいはまた、そこに至らないまでも非常に重症の人をそこから生み出したというようなこともございまして、この高齢社会の中のそうした施設等につきましては大きな問題を残したわけでございます、今委員が御指摘になりましたとおりでございまして。そうしたことを踏まえまして、その予防に適切に対応できる予防接種制度の構築が求められてきたところでございます。

 このため、厚生労働省といたしましては、公衆衛生審議会の審議も踏まえたところでございますが、高齢者に対するインフルエンザを予防接種の対象疾患として、あわせて予防接種の対象疾患を類型化するなどを内容とする本法案を提出させていただいたところでございます。

 これも委員が御指摘になりましたとおり、ことしの冬には、いわゆる循環的な年数からいきまして、インフルエンザの流行が予測されると申しますか、そういう年に当たることも事実でございますので、皆さん方に御審議をいただきまして、一日も早い成立をさせていただきますよう、お願いを申し上げる次第でございます。

江田委員 次に、インフルエンザワクチンの有効性について確認をさせていただきます。

 インフルエンザワクチンの発病、重症化防止効果につきましては、以前より評価がなされておりますが、米国疾病管理センターのデータによりますと、インフルエンザワクチンで発病を防ぐ効果は、一般の健康な人で七〇から九〇%、高齢者でも三〇から七〇%、また、発病しても重症化を防ぐ効果があり、老人施設では死亡の危険を五分の一に減らす効果があることが明確に証明されております。このため、欧米では、高齢者の予防接種は公費負担となっており、接種率は六ないし七割に上っているのが現状でございます。

 日本でも、今回の改正で有効性の根拠となりました平成九年から十一年度のインフルエンザワクチンの効果に関する研究の報告書によれば、有効性の正確な解析が可能となる条件を満たした九八年、九九年のシーズンの評価では、米国のデータと類似した効果が得られており、高齢者へのインフルエンザワクチン接種は個人の発症予防並びに重症化予防として有効であると考えますが、この有効性の評価について厚生労働省の考えをお伺いしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

下田政府参考人 インフルエンザワクチンの有効性等につきましては、予防接種問題検討小委員会におきまして、これまで国内外の研究者による研究結果を検証してまいったところでございます。その結果、高齢者につきましては、若年の健康成人と比較いたしまして、特に死亡や重症化の防止効果が高いということが確認されているわけでございます。

 先生御指摘のように、死亡につきましては、米国疾病管理センター、CDCの報告、あるいは我が国で行いました研究の結果によりますと、六十五歳以上の施設入所者の死亡するリスクは、接種を受けることによりまして約八割減少するというふうに言われております。また、重症化予防効果もございまして、同じくCDCの報告では、インフルエンザやこれに起因する肺炎で入院するリスクは、接種を受けますことにより、一般高齢者で三割から七割、老人保健施設では五割から六割減少するということが明らかでございます。

 以上のようなことから、インフルエンザワクチン接種の有効性は十分に確認されているというふうに考えているところでございます。

江田委員 日本のデータが非常に大事でございまして、今のお答えはちょっと混乱するかと思うんですが、その結果は、CDCの、アメリカのデータに死亡抑制率また重症化防止効果も類似していると。すなわち、死亡は約八割低下することができる、また重症化防止については老人においては五割から六割軽減効果があるということであったかと思います。

 次に、ワクチンの安全性について確認をさせていただきます。

 米国のCDCのデータによれば、障害が残るような健康被害は百万人に〇・三六人の割合であり、ほかの予防接種に比べて低いことが示されております。日本の解析でも、その副作用は、発熱、発疹、発赤、はれ、痛みなどの軽度の局所反応であり、ワクチン接種の推奨を積極的に否定するような重篤な反応は見られなかったという評価であったかと思います。

 この安全性についても、厚生労働省の明確な御意見をお伺いしたいと思います。

下田政府参考人 インフルエンザワクチンにつきましては、以前、安定剤といたしましてゼラチンを含んでおったわけでございますが、現在ではゼラチンが除去されております。そのことによりまして、ゼラチンによるアレルギー反応のリスクを減ずることができたということで、インフルエンザワクチンの安全性は増したものというふうに考えてございます。

 また、平成九年、厚生科学研究、新興・再興感染症研究事業というものがございます。その中で、インフルエンザワクチンの効果に関する研究というものを行っておりまして、約二千人の方々、六十五歳以上の方々でございますが、この方々を対象としましてワクチン接種の副反応を観察いたしておりますが、重篤な副反応は認められなかったということでございまして、その安全性は確認されているというふうに考えております。

江田委員 以上、有効性と安全性に関して政府の見解をお伺いしたわけですが、以上の説明から、六十五歳以上の高齢者に対するワクチンの接種は、安全かつ有効なインフルエンザの重篤化予防法であることを確認させていただきました。

 次に参りますが、今回の改正案では、二類疾病と規定されるインフルエンザの予防接種は、ジフテリア、百日ぜき、破傷風などの一類疾病と異なって、健康被害救済のための給付額につきましては、医薬品副作用被害救済の研究振興調査機構法の規定と同程度とするとあります。いずれも公費による救済でございますが、一類疾病と二類疾病にこのような差を設ける根拠とその妥当性についてお伺いしたい。

 また、接種費用につきましては、地方交付税等による市町村負担でございますが、一部実費徴収ありと記載されております。このことについても、自己負担の場合があるのか、あわせてお伺いしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

桝屋副大臣 委員の方から、健康被害救済制度についてお尋ねをいただきました。

 委員御指摘のとおり、今回のこの法律改正によりまして定期接種を一類と二類というふうに分類をするわけでありますが、一類疾病は、今お示しをいただきましたけれども、主に集団予防を目的としているということでございまして、万一健康被害が発生した場合には、いわば集団予防に対する社会的な犠牲ということにもなるわけで、この社会的な犠牲を救済するという側面が大きいのではないかというふうに考えます。

 それから、二類疾病については、主に個人予防を目的としているということでございまして、接種の性質が予防接種法に基づかない、いわゆる任意の接種と同様ではないかというふうに考えられるわけでありまして、こうした点から給付に差を設けているということでございます。

 それから、委員の方から費用負担のお話もいただきました。定期の予防接種に要する費用負担につきましては市町村が負担をするということになっているわけでありますけれども、予防接種は、疾病から被接種者を予防するという個人の受益の要素ということもある程度あるというふうに考えられるわけでありまして、そういう意味で、市町村の判断によりまして実費徴収ができるというふうにされているところでございます。

 なお、経済的理由によって負担ができない方々から実費徴収をするかどうかでありますけれども、これはやはり、経済的理由によって負担できないという方は実費徴収できないとされているわけでありまして、そうした方々に対しての費用につきましては、地方交付税によって措置をするという形になっているわけであります。

江田委員 健康被害救済のための給付に一類、二類と差をつける理由は、今の御説明で理解をいたします。ただし、健康被害者に対する保健福祉事業につきましては、被害者の実態等を十分に把握していただいて手厚い配慮が行われるように、大臣よろしくお願い申し上げます。

 次に、ワクチンの安定供給の確保についてお伺いをさせていただきます。

 平成六年の改正でインフルエンザが対象疾病から除外されたことで、インフルエンザの予防接種率が低下し、ワクチンの製造も大幅に減少いたしました。しかし、近年のインフルエンザの大流行で、国民のインフルエンザへの関心は高まり、予防接種を受ける者が増加したために、平成十一年冬には、ワクチンが不足する事態に陥ったことはよく御存じだと思います。

 今回の改正で、高齢者を対象としたインフルエンザの予防接種が急増することが予測されますが、インフルエンザワクチンが不足することのないように、国がインフルエンザの発生及び流行状況を早期に把握して、インフルエンザワクチンの安定かつ迅速な生産供給体制を構築することが重要な課題であると思います。

 平成十二年度は四百七十四万本から六百九十三万本分と推計をされておりましたが、今回の高齢者への勧奨接種がなされれば全体でどれくらいが推計されるのか、その中の特に高齢者への接種はどのくらい予測されるのかについてお伺いをいたします。

 また、これらの需要に対しましては、メーカーの製造体制が万全であるということが不可欠でございます。メーカーの製造体制について、万全であるかどうか。

 さらに、ワクチンの安定供給のためには、医療機関からメーカーへの返品がないことが望ましいことも指摘されております。返品があれば、いろいろ企業によっても異なりますけれども、例えば一〇%から一五%以上返品がなされてくれば、メーカーは赤字を抱えることになるわけでございまして、その結果、製造販売が抑制されて、ワクチンの不足を招きやすいことを十分政府としても考えていくべきであるかと思います。

 この点についても、どのように具体的に今後対応されていくのか、あわせてお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。

宮島政府参考人 インフルエンザワクチンの需要につきましては、医療機関や住民へのアンケート結果に基づきまして予測をしているところでございます。特に本年につきましては、勧奨接種を考慮した高齢者へのワクチンの需要増が見込まれますので、こうした勧奨接種による高齢者へのワクチンの需要につきましては約四百四十七万本と予測しまして、全体の需要量は九百八十九万本と予測いたしました。大体、昨年に比べますと、三百万本ぐらいふえているかというふうに思います。

 これに対しまして、供給の方でございますが、本年のインフルエンザワクチンの供給予定量は約一千百万本でございますので、先ほどの需要量を見ますと、十分賄える量のワクチンが供給される見込みでございます。

 さらに、ワクチンの安定供給確保のためには、先生御指摘の返品問題の解消も重要な課題であります。これまでも、医療機関、卸売業者、自治体等に対しまして、ワクチンの有効利用が図られますよう、一つには、過剰な需要でないかどうかを昨シーズンと比較しながら十分チェックしていただくということと、従来よりやや安易に返品が行われる商慣習があるようでございますけれども、そういった商慣習も改善していただくというようなお願いを行ってきているところでありますが、今後とも引き続き安定供給確保に努力してまいりたいというふうに思っております。

江田委員 適切な量のワクチンが供給されるためには、各医療機関や卸売業者へのさらなる周知徹底をどうぞよろしくお願いします。紙一枚での徹底はなかなか温度差がございますので、医療機関、卸、そういうところに対して、市町村を通じてしっかりと指導していっていただきますようによろしくお願い申し上げます。

 インフルエンザワクチンの予防接種に関する質問はもう一つでございます。

 制度の施行につきましては、市町村における情報提供などの体制整備、ワクチン供給体制の整備、禁忌の者を的確に把握するための基準を作成するために要する期間等を勘案して、必要十分な準備期間を持って行うことが重要であります。特に、高齢者に対するインフルエンザの予防接種の実施に先立ち、接種に対する同意、インフォームド・コンセントのとり方の検討、それから禁忌のものを的確に把握するための問診票の工夫など、実務的な作業を進めることで安全な予防接種が実施されていくかと思います。

 これらの施行に向けての具体的な対応についてお聞きしたい。

 今回の予防接種法の改正は高齢者へのインフルエンザの接種でございますので、高齢者の方々は、痴呆症にかかっておられる方もいらっしゃれば、少しく、自分で判断するにはなかなか難しい方もいらっしゃる。そういう方々に対する細かい配慮がなされていくべきだと私は思いますので、その点についてお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

坂口国務大臣 本法案は平成十二年の通常国会に提出をさせていただきまして、一年半が経過をいたしております。その内容につきましては、既に市町村にも理解をしていただいているものと思っているところでございますが、今御指摘をいただきましたように、高齢者の問題でございますので、非常に難しい点も生まれていることは間違いないというふうに思います。

 実施に当たっての詳細につきましては、指針やガイドラインを作成しまして具体的に示すことといたしておりますし、市町村等に意見照会をしつつ、専門家に検討をお願いしながらその準備を進めているところでございます。

 今後は、一日も早く法案を成立させていただきまして、関係政省令の公布も踏まえて、市町村が関係機関との契約や、あるいは医療機関との契約や、接種者への周知などの具体的な体制整備を円滑に進めることができるよう努めてまいりたいというふうに思っております。

 特に、自分で判断をできる人はよろしいわけでございますが、御自身で判断のできない人に対してどのように進めていくかといったようなことは非常に大事でございますので、その点につきましても誤りないようにしていきたいと思っておるところでございます。

江田委員 どうぞよろしくお願いいたします。

 高齢者の方々をインフルエンザの脅威から守って、元気に安心して過ごしていただけるように、本法案の成立を強く望みますとともに、正しい理解のもとで安全な予防接種が徹底されるように、施行に向けての万全の体制で臨んでいただきたいことを要望して、本法案に対する質疑はこれで終了させていただくといたしまして、最後に、予防接種法の関連質疑として、現在、世界を震撼させておりますBC、生物化学兵器テロ対策についてお伺いをさせていただきます。

 フロリダから始まった炭疽菌事件は、ワシントンの米国議会に十六日に送りつけられた封書で、十七日には上院議員のスタッフや警備員、きょうの新聞ではもう計三十三名となっていたと思いますが、炭疽菌が検出される事態にまで広がっております。上院の郵便集配でも炭疽菌が検出されて、空調システムを通って院内全体が汚染された可能性があるとして、議会は二十三日まで閉鎖されて、汚染状況の調査を行うということになったかと伺っております。

 この事件で使われた炭疽菌は、高度な技術を駆使して製造された生物兵器そのものでございまして、兵器の専門家が関与しなければ開発できないレベルとも言われている代物でございます。

 これら米国における一連の生物化学テロを受けて、日本国内での早急なBCテロ対策が必要であります。十月八日には緊急テロ対策本部が内閣と与党内に設置され、警戒体制の強化など七項目の緊急対応措置が決定されておりますが、その中に、BC、生物化学テロ対策の強化が入っております。十二日にはその重点推進事項がまとめられて、一昨日の十七日に与党の緊急テロ対策本部の会議が開かれたところでございます。

 そこで、国民の不安を払うためにも、国内での生物化学兵器対策について、本日は時間の都合上、警察、防衛庁、厚生省の対応をお聞きしたいと思います。

 特に、厚生労働省におきましては、炭疽菌を初め、生物テロに使用される可能性の高い天然痘、ペスト、ボツリヌス毒素等に対する予防ワクチンや治療薬製造への対応についてお聞きしたい。

 例えば、炭疽菌の次のターゲットとされるのは天然痘でございます。この天然痘に対して、数百万人分のワクチンが民間企業に製造委託されたかと聞いておりますが、どのような状況になっておるか、あわせて明確に教えていただきますようにお願い申し上げます。

今田政府参考人 厚生労働省でございます。

 生物化学兵器を用いましたテロにつきましては、平成十二年から、関係省庁の局長等によりましてNBCテロ対策会議を設けまして、対策を検討してまいったところであります。厚生労働省といたしましても、その一環として検討を重ねてまいりました。また、今回の武力行使を踏まえまして、十月八日に、緊急テロ対策本部を厚生労働省内に設けまして、総合的な対策につきまして検討を進めてまいっておるところであります。

 具体的に申し上げますけれども、まず、救急医療体制の点検であります。特に、化学剤によります災害に備えまして、必要な資機材それから連絡体制の確認につきまして、都道府県、医療機関等に指示をいたしました。

 それから、感染症でありますけれども、これは感染症の動向を早く察知するということが重要かと思います。都道府県に対しまして、動向調査の励行、さらには、異常な感染症が発生したときには速やかに国立感染症研究所に情報提供することを指示いたしました。また、不審な郵便物の取り扱いや感染症の治療方法などにつきまして、現在、ホームページを活用いたしまして、広く国民の皆様方あるいは医療従事者に周知をしているところであります。

 それから、生活に密着いたしております水道施設であります。この水道施設につきましても、その警備の強化でありますとか、あるいは水質の管理の徹底、連絡体制の確立につきまして、都道府県に対して指示をいたしました。

 また、食品の品質管理の徹底、それから食品の流通過程での病因物質の混入の防止策についても要請をいたしたところであります。

 さらに、お尋ねの医薬品等に関しましてでございますが、生物化学テロを念頭に置きまして、必要となります医薬品の国内の在庫の確認をいたしております。

 特に御指摘の、炭疽、天然痘、ペスト、ボツリヌス毒素に対するワクチン等の確保の状況について御説明を申し上げます。

 まず、炭疽それからペストでありますが、これらの治療法といたしましては、一般に流通しております抗生物質の投与が有効でありまして、メーカー及び卸において相当の在庫が保有されております。また、必要が生じた場合には増産を要請することも可能ということでありますので、必要な量の確保は可能であると考えております。

 なお、今月十六日付でありますけれども、日本感染症学会から、炭疽の御意見をいただきました。炭疽菌にはさまざまな種類の抗菌剤が有効であって、我が国において炭疽菌に対する抗菌剤の不足を心配する必要はないという御意見をいただきました。したがいまして、これをホームページに載せまして、国民の皆様方の不安の払拭に資したいということで、そうさせていただきました。

 それから、天然痘であります。これはもう既に撲滅された感染症ということにされておりまして、現在、製造されておりません。しかし、この病気はワクチンが最も有効ということでありますので、現在、ワクチンの製造ラインの確保につきまして、今鋭意検討を進めているところであります。

 それから、ボツリヌス毒素でありますけれども、治療方法としては抗毒素血清でありますが、致命的なものは呼吸管理でありますので、呼吸管理をきちっとするということが対症療法として最も有効だということから、医療機関に対します対応の充実が最も有効だということで、その対応について医療機関に対してお願いをしているところであります。

 その他、化学物質等に対応いたします医薬品もあわせまして、関係機関と連携をとりまして対応をとるとともに、国民生活の安全の確保のための対策に最善を尽くしていきたい、このように考えております。

漆間政府参考人 警察におけるBCテロ対策の現状でございますが、全国の機動隊等に化学防護服、ガス検知器、除染機等の装備資機材を整備し、警視庁とか大阪府警にNBCテロ対応専門部隊を設置するなど、生物化学テロへの対処能力の向上に努めているところであります。

 また、今回の事態に当たりまして、BCテロの発生を防止するということで、警察庁といたしまして、まず、生物化学兵器に転用可能な物質を管理する事業者等に対する盗難防止等の指導強化、それに空中散布を防ぐための小型飛行機の盗難防止対策、また関連物資の不自然な取引等に関する情報収集の強化、さらに、特に生物テロ発生に備えた保健医療機関等との緊密な連携などにつきまして、全国警察に指示しているところであります。

 さらに、最近、不審物郵送事案というのが多発しておりますことから、厚生労働省や郵政事業庁等との連絡を密にするとともに、不審な郵便物等の取り扱い方法、犯罪行為である場合の徹底捜査、都道府県の衛生部局との連携強化等を内容とする措置要領を全国警察に示しているところであります。

 警察としましては、今後とも生物化学テロへの対処能力の向上に努め、国民の不安感の払拭をし、平穏な国民生活の確保に努めてまいりたいと考えております。

北原政府参考人 防衛庁についてお答え申し上げます。

 防衛庁では、先生御承知のように、過去、平成七年三月の二十日に発生をいたしました地下鉄のサリン事件、これに対する活動等も踏まえまして、同年の十一月に安全保障会議あるいは閣議で決定されました平成八年度以降に係る防衛計画の大綱におきまして、防衛力が果たすべき主要な役割の一つとして、今回のようなテロリズムにより引き起こされた特殊な災害等への対応について、関係機関との緊密な協力のもと、適時適切に所要の行動をすることが盛り込まれております。

 これを受けまして、防衛庁といたしましては、平成十三年度から平成十七年度の中期防衛力整備計画のもとで、生物化学兵器等いわゆるNBC兵器による攻撃等への対処能力の向上を図るということで現在努力をしてきているところでございまして、具体的に申し上げますと、探知、防護、除染、防疫、救出、治療等の面で中心的な役割を演じることになります防衛庁・自衛隊が持っております化学科部隊、これの人的な充実増強、それから化学防護車、さらには除染車、防護マスクや化学防護衣といった各種の防護機材等の整備充実に努めているところでございます。

 さらに、先ほど先生御指摘のような現下の情勢等にかんがみましたとき、私ども防衛庁・自衛隊としては、こうした体制の一層の整備に努めていく必要がある、またそのように努力してまいりたいと考えているところであります。

 さらに、何か起きた場合でございますが、防衛庁・自衛隊では災害派遣等によりまして適切に対応することになっておりますが、何よりも初動ということが極めて重要と認識しております。こうした観点から、私どもの災害派遣におきます即応態勢の強化を図るといった観点から、本年からは、全国の部隊で、常時約二千七百人規模の要員、部隊、これには必要な車両、ヘリあるいはヘリ映伝等の装備を備えているわけでございますが、これらをもちまして二十四時間体制の災害対応態勢、即応態勢を現在維持しております。

 そして、この一環といたしまして、先ほど触れましたBC兵器等が使用された場合の中核となる部隊でございます化学科部隊、これは全国に十五カ所に所在しておりますが、これらの部隊につきましても、所要の要員がおおむね一時間を基準にいたしまして出動可能な態勢を維持いたしております。

 いずれにいたしましても、防衛庁といたしましては、米国におきます炭疽菌に関します事案が発生する等、生物あるいは化学兵器等の脅威に対します対処能力の整備、これが極めて緊急の課題だといったことを強く認識いたしまして、今まで申し上げたような体制の整備を図っているところでございますが、さらに加えまして、一層の対処能力の充実強化、これに努めていきたい、そのように考えております。

江田委員 時間が来ましたのでこれで終わりますが、テロの発生や被害をゼロにするのは、このようなテロでございますので至難であるかもしれません。しかし、政府は、生物化学兵器の特性とその対応策を国民に周知して、仮にフロリダやワシントンのような事例があってもパニックにならないような事前の危機管理が求められます。

 国家の危機管理とは、その九割以上が、危機到来の防止と、現実に危機がやってきたときに最小限どの程度に抑えられるかということを考えることであるかと思いますので、徹底した危機管理体制を早急に構築していただいて、早い段階で国民にその対応策を周知徹底していただきますようによろしくお願い申し上げまして、私の質問を終了させていただきます。ありがとうございました。

鈴木委員長 次に、金田誠一君。

金田(誠)委員 民主党の金田誠一でございます。おはようございます。

 まず、インフルエンザワクチンの有効性、こういう観点から質問をさせていただきます。

 平成六年、一九九四年の予防接種法の改正で、インフルエンザの予防接種は、子供に対する集団接種であったものが、この時点から取りやめになったということでございます。

 私自身、この理由を調査しましたところ、一九八〇年にはアメリカCDCの調査団が来日をして、有効性は認められないという報告書が出た。あるいは、一九八〇年から八六年にかけては、有名な前橋データというものが調査、公表されてきている。あるいは、かなりの副作用があり社会問題化した。こんな背景があったと思うのですが、厚生省、厚生労働省として理解をしている取りやめになった理由、これをお聞かせいただきたいと思います。

下田政府参考人 平成六年の法改正前に行われておりましたインフルエンザの予防接種は、学童等を対象といたしまして予防接種を実施することにより、学童等の間におけるインフルエンザの流行を阻止し、ひいては社会全体のインフルエンザの流行阻止を図るといったことを目的といたしておりました。

 しかしながら、インフルエンザ予防接種が個人の発病、重症化に有効であるということは明らかでありましたが、社会全体に対します流行を阻止することができるという効果は明確には証明することができませんでした。

 このため、インフルエンザの流行阻止を目的として学童等に対する予防接種を行う意義はないとの結論に至りまして、平成六年の法改正以降は、個人がそれぞれの判断によりましてかかりつけの医のもとで予防接種を受けるということになったわけでございます。

金田(誠)委員 個人に対しては有効性が明らかだったという御答弁でございますが、実は、今現在でもこれについては多くの疑問が出されているということを指摘申し上げながら、この点についてはまた後ほど質問させていただきたいと思います。

 ところで、副作用被害、これがかなりの数に上ったと思うわけでございまして、NGO団体の調査によりますと、認定被害者数だけで百八十七名、こういう数字も出ておりますけれども、この副作用の被害者数は何名になりますでしょうか。

下田政府参考人 予防接種法に基づきましてインフルエンザの予防接種に係る健康被害の救済が行われたものは、平成十二年末現在におきまして、旧制度分、つまり昭和五十一年法改正以前の部分でございますが、この部分が五十七件、新制度分、昭和五十一年に法改正をやっておりますが、それ以降分が百三十一件、合わせまして百八十八件ということになっております。

金田(誠)委員 集団接種をやってこれだけの数が、これは公になっているだけでこういうことのようでございます。実際はこの十倍は存在をするのではないか、NGO団体などはそう推測をしているわけでございますけれども、大変甚大な被害があったと思います。

 結局は集団接種は取りやめになったわけでございますが、この取りやめになるまでの間何年続いたのか、いつからいつまで何年間続いたのか、今までいただいた資料では必ずしも定かでないものですから、この際、明確にしていただきたいと思います。

下田政府参考人 インフルエンザの予防接種は、昭和二十三年の法制定時から昭和五十一年改正時まで、予防接種法に基づく予防接種としてではなくて、法的根拠のない勧奨接種といたしまして、乳幼児、小中学校児を対象として実施をいたしておりました。昭和五十一年法改正時から平成六年改正時までは、一般的な臨時の予防接種の対象疾病となっておりまして、保育所、幼稚園、小学校及び中学校などの児童を対象とした接種を行ってきたところでございます。

 なお、先ほど御説明しましたように、平成六年の改正時に対象疾病から除外した経緯がございます。

 これらをトータルいたしますと、インフルエンザの接種期間につきましては、法的根拠のない接種は二十八年間、法的根拠のある接種の十八年間、合わせまして四十六年間ということになっております。

金田(誠)委員 四十六年間接種をしてきたものが平成六年において取りやめになる、これは非常に不可思議といいますか、異常な事態ではないかなと思うところでございます。

 ところで、諸外国の状況でございますけれども、今日時点でも子供に対する集団接種、かつて日本で行われていたようなこういう形で行われている国は確認できない、このようなことを承知しておりますが、それでよろしいでしょうか。

下田政府参考人 私どもの調べたところによりますと、アメリカ、英国、カナダ、ドイツ、イタリア、スウェーデンは、国もしくは州での勧告等によりましてハイリスクの子供を対象として接種を行っておりますが、いずれも健康な小児を含めた集団接種を行っている国はないというふうに承知をいたしております。

金田(誠)委員 今、経過を伺ってきたわけでございますけれども、このインフルエンザ予防接種がたどった経過、聞けば聞くほど、極めて異例であり、異常とも言える、こんな気がいたすわけでございます。

 今回の法改正は、今度は対象者を、子供ではなくて高齢者を対象にする、集団予防ではなくて個人予防に比重を置いて復活をするというものでございますけれども、子供には効果がなかったけれども高齢者には効果があるということでございますが、この辺の理屈はどういうことで理解すればよろしいのでしょうか。

下田政府参考人 平成六年の法改正前に行われておりましたインフルエンザの予防接種は、先ほど御説明しましたように、学童の集団におきますインフルエンザの流行を阻止し、ひいては社会全体の流行を阻止するという目的であったわけでございます。しかしながら、これにつきましては明確な社会全体の効果といったものが証明をされなかった、こういうことから、平成六年の改正時に予防接種の対象から外されたということでございます。

 しかしながら、その後、高齢者につきまして、インフルエンザに罹患した場合、肺炎を併発する、そういったことで重症化に至りまして、死亡に至るといった事例が社会問題化をいたしたわけでございますが、こういったことから、国内におきまして高齢者に対するインフルエンザの予防接種の効果に関する研究というものを進めてきたところでございます。そして、予防接種が個人の発病防止、特に重症化防止のために有効かつ安全であるということが報告をされたわけでございます。

 なお、子供につきましては、個人の発病防止に関するインフルエンザの予防接種効果といった観点で研究中でございまして、その部分については、今後さらに検討を進めていくべきものというふうに考えております。

金田(誠)委員 四十何年間やってきたものをやめざるを得なかった、集団的な予防については効果がなかったけれども、個人については有効は明らかだったんだ、こういうさっきの御答弁だったわけですが、今回も、今の答弁もそういうことなんだと思いますが、個人について疾病予防の、発病予防の効果があるということであれば、ひいては集団予防にもつながっていく、これが第二類の考え方ですよね。

 そういうことであれば、かつての時代でも、個人に効果があったんだとすれば集団にも効果がなければならなかったはずだ。それがやめざるを得ない状況になったということからしますと、今の説明ではロジックが合わないといいますか、非常に不十分だと思うわけでございます。

 当時、子供に集団接種をしていた時代でも、お年寄りは多くいらしたわけですね。四十何年間やってきた時代にも、老人ホームもあれば老人病院もあったわけです。ところが、お年寄りのインフルエンザ予防とか集団発生なんということは全く問題になったことがなかった、子供に集団接種をやっていた時代。本当にこの時代はインフルエンザが発症が少なかったかといえば、人口動態調査など資料をいただきましたけれども、結構多いのですよ、インフルエンザというのは。にもかかわらず、高齢者の話というのは、子供の集団接種をやめてから降ってわいたような話で出てきていて、どうもこれは一体何なんだというふうに思わざるを得ません。今御説明をいただきましたけれども、腑に落ちないというふうに思います。

 そこで、今回、有効であるということで、法改正の提案までいただいているわけですけれども、有効性の根拠として厚生労働省が採用した文献、これを、いろいろな文献を今まで言われてきましたが、効果を証明した文献というのはごく少ないと思うのですよね。これとこれとこれに基づいて効果ありとしたという文献名を挙げていただきたいと思うのです。

下田政府参考人 内外の文献をいろいろ調べたわけでございますが、代表的なものを幾つか申し上げますと、米国医師会雑誌、これに出されております一九九四年の文献、それからCDC発行の一九九八年のレポート、厚生科学研究費補助金によって行われましたインフルエンザワクチンの効果に関する研究等々を参考といたしております。

金田(誠)委員 どうも明確に、この文献、この文献という特定が、いつ聞いてもどうもあいまいなようでございます。CDCの文献なども、そのまたもとになった文献があるということも聞いておりますけれども、できれば後ほど、効果ありとした文献、一覧表にしてお示しをいただければというふうに思いますので、これは委員長、お願いをしておきたいと思います。

 それから、ワクチンの有効性を判断するためには、条件を均一にした無作為対照試験、これはRCTというふうに呼ぶそうでございますが、このRCTによるしかないんだ、これが当然のことのように言われるそうでございます。

 今挙げられた文献のうち、RCTによるものはそのうちのどれとどれになりますでしょうか。

下田政府参考人 無作為対照試験、RCTと言うそうでございますが、これを用いた論文は、先ほどちょっと御紹介をいたしました、一九九四年、米国医師会雑誌に掲載されておりましたオランダの医師の論文がございまして、その結論を申し上げますと、インフルエンザワクチン接種は、高齢者において血清学的及び臨床的にインフルエンザの罹患を半減するというような結論が出されてございます。

金田(誠)委員 RCTはこれ一件だということで受けとめさせていただいてよろしいですね。

 このオランダの、ゴーベルト論文だと思うのですが、それによると、ワクチン群では死亡が九百二十七例中六、偽薬群では九百十一例中三、有効率はマイナス一〇〇%、つまりワクチンをすると死亡が二倍になってしまうという結果だという解説もあります。RCTという文献は一つしかない。その一つの文献がこういう状態だ。これは専門家の書かれたパンフレットでございますけれども、必ずしも誤りではないだろうと私は思うわけでございます。

 そんな程度しか研究事例はないわけで、そこで一つ提案なんですけれども、これは今も本当に賛否があるんです。効果をめぐって専門家の間にさえ賛否がある、評価が分かれているわけです。こんなことでは困ると思います。今後、RCTにより研究方法をオープンにして、客観的な評価にたえ得るような研究が必要であると私は思います。

 したがって、この有効性に疑問を提起しておられる研究者の方々、こういう方々もチームに含めて委員会をつくって、五年程度かけてきちんと検証して、これは特定の方々、賛成派だけでやったってまずいでしょうし、反対派の方だけでやってもまた異論が出るでしょうし、一緒に、専門家同士、研究方法をどうするか、どういうサンプルにするか、いろいろやっていただけばいいんではないでしょうか。そういうことで研究、検証をしていただきたい、すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

下田政府参考人 先生御指摘のように、RCT、無作為対照試験を用いました科学的手法で研究を進めることは非常に重要であるというふうに考えてございます。

 現在、インフルエンザに関する研究は、新興・再興感染症研究の中で実施をいたしておりますが、この研究費は、実は競争的資金というふうに位置づけられておりまして、研究範囲は公募制をとっておりまして、募集をいたすという仕組みをとっております。また、この成果につきましては、第三者評価がなされる仕組みにもなっております。そこで、今御指摘のようないろいろな方々の御参画を私たちとしても期待をしているところでございます。

 また、研究報告書はその都度公表されておるところでございまして、その要旨はインターネットでも公開をいたしておりますので、このような研究成果の公表によりまして、学会等におきまして活発な論議が進められることを期待いたしております。

金田(誠)委員 必ずしもお答えいただいていないと思うのですね。今の厚生科学研究の仕組みはそうだということで、それは、そういうことからしますと、私が申し上げたような形にはならないという話なんですが、私の申し上げたような研究をした方がよろしいんではないですか。

 法改正のたびに専門家同士の間でさえ分かれる。こんな予防接種というのはインフルエンザしかないんですよ、ほかのワクチンたくさんありますけれども。もしかすると反対論も幾つかはあるのかもしれませんが、おおむね大勢は大体評価されているわけです。

 インフルエンザというのはそこが違う。それを今これから法改正しようというのですから、本当はこの前にそういうデータがあるべきだったと思いますが、神谷データというのですか、非常に不十分ですよ。そういうことでなくて、本当に客観的に、これは事実は一つですから、やればいいんじゃないですか。ぜひやっていただきたいと思うのですが、再度いかがですか。

下田政府参考人 ただいま先生の御指摘を踏まえまして、研究班の構成、研究の進め方等検討してまいりたいと思います。

金田(誠)委員 ありがとうございます。

 そこで、インフルエンザ予防接種の実施状況という生のデータはないようなのですが、ワクチンの製造量、このデータがあって、この製造量によって実施状況を推測している。かなり相関関係があるということになっているんだと思います。

 前橋データが出た一九八七年以降は製造量が下降していって、法改正が行われた一九九四年は最低になっているわけでございます。しかし、それ以前の集団接種が行われていた時代の方が、この資料を見ますと、患者数も死亡者数も結構多いわけです。

 資料をいただくと、つい最近の、平成になってからの資料みたいなのしか来なくて、そこだけ見ると、何かワクチンの製造量が少なくなって、発症数が多くなっているというようなデータになるんですが、ずっとさかのぼっていくと、ワクチンをがんがんつくっていたころも結構発症数も死亡数も多い。少なくとも、予防接種をやっていたころがやめたときよりもインフルエンザが少なかったなんということは全然ないというふうに私などは見てとるのですが、これはどうですか、その評価。当時集団接種をやっていたころ、この状況からいって効果はあったと言えるんでしょうか。

下田政府参考人 死亡数を指標といたしまして予防接種の効果を判断いたしますことは、その年どのようなインフルエンザ流行が起きたか等々いろいろな影響を受けますので、必ずしも単純に比較するわけにはまいらないわけでございます。

 例えば、先生御指摘の、五百万本以上あるいは五百万本程度ワクチン生産がございました平成三年、四年、五年といったところを見てまいりますと、死亡者数は百五十二、五百十三、五十七人ということで、非常にばらつきがあるわけでございます。

 また、ワクチンの生産が七十一万本というふうに非常に少なかった平成七年、このときの死亡者数は百四十三ということでございまして、ワクチンの製造が七倍以上差があったわけでございますが、そのときと死亡者数では同水準であった、こういう状況でございます。

 そこで、平成六年度の予防接種法改正におきまして対象疾病からインフルエンザを削除した理由といたしまして、社会全体の死亡数といった流行阻止の有効性が必ずしも明確ではないといったことも一つ挙げられてございます。

 しかしながら、先ほどから何回か御説明をいたしましたが、予防接種の効果を高齢者というハイリスクグループで観察をいたしました場合、インフルエンザの発病予防、重症化防止効果、こういったものは明らかということになりましたので、このたびインフルエンザの予防接種を予防接種法上位置づけていただくということでお願いをいたしたところでございます。

金田(誠)委員 それだけ集団接種をやっていたときの発症数、死亡者数を見ても、法改正してやめてしまったときを見ても、そんな有意的な差は認められないということだと思います。そういう状況の中での法改正ですから、くれぐれも慎重に対応していただきたいし、今後の具体的な調査、こういうものが重要であるということを再度申し上げておきたいと思います。

 それと、次ですが、インフルエンザワクチンは、その年の流行する株というんですか、ウイルスの形というんでしょうか、この流行株が予測できて予防効果を発揮することになるということでございます。

 現在、ワクチン製造中だと思いますが、どのような株ということになっているんでしょうか。これらの情報開示ができるのかどうか。それから製造量、昨年七百六十万本のようですが、ことしはどうなるのか。それからもう一つ、あわせて聞きますが、これからこの冬もし流行したとすればその株がどうなるかというのがわかる、その際にその流行株のデータは情報開示してもらえるのか。今つくっているワクチンの株のどういうもので、そのデータ開示ができるか、それから、株が一致したかどうかの判断基準のデータ開示ができるかどうか、製造量、それについてお願いします。

宮島政府参考人 ワクチン株につきましては、国内ウイルス株の遺伝子解析や、住民の抗体保有状況に関する調査の結果等を踏まえまして、毎年国立感染症研究所において選定されております。

 この結果に基づきまして、本年のインフルエンザワクチンにつきましては三種類のワクチン株が混合されておりまして、具体的には、一つは一九九九年にニューカレドニアで発見されたA型株、二つ目は同じく一九九九年にパナマで発見されたA型株、それから三つ目は同じく一九九九年にヨハネスバーグで発見されたB型株、この三種類のワクチン株が選定されております。

 また、インフルエンザワクチンの製造につきましては、医療機関や住民へのアンケート結果に基づき予測された需要見込みを踏まえこれを行っており、その需要は九百八十九万本というふうに予定されています。これに対しまして、本年においては、約一千百万本の製造、供給を予定しております。先週から供給が開始されたというところでございます。

下田政府参考人 ワクチン株が流行株と一致したかどうか判断するために使用しましたデータに関しまして、感染症流行予測調査報告書あるいはホームページなどによりまして情報公開をいたしておるところでございます。

金田(誠)委員 再度確認しますが、今つくっているワクチン、この三種類を予測してつくっている。この予測した根拠、これこれこういうわけでこういうことになっているんですというそのデータ自体は公表できるかどうか、それから、ワクチン株が合致したかどうか、これをどういう調査によって判定したか、このデータの公表、これは両方ともできるということで確認してよろしいですね。

下田政府参考人 株の決定過程でございますが、我が国のインフルエンザワクチンは、諸外国から集めました情報に加えまして、WHOが毎年二月に行います勧告及び我が国の流行ウイルスなどに関する情報をもとにいたしまして、決定をいたしておるということでございます。

 これらのデータにつきましては、実は所有権の問題、あるいはワクチン決定のために利用するという目的で集められたものであることから、公開が困難なところもございますけれども、公開可能なものにつきましては、国立感染症研究所のホームページ等を利用して公開をいたしているところでございます。

 なお、ワクチン株と流行株が一致したかどうか、この点につきましては、先ほどお答えしたとおりでございます。(金田(誠)委員「公開するということですね、データを」と呼ぶ)公開をいたしております。毎年公開をいたしておるところでございます。

金田(誠)委員 結果、一致しました、しませんじゃなくて、どういう調査に基づいて、調査結果がどうであって、そして一致したとかしないとか、これの公開という意味です。

 それと、前段のことしの今選定した三つの株について、一部公開できないものもあるかもしれないというのは、どうもそれは、そういうことがあり得るとは思えません。もしそれが公開できないんだったら、公開できない理由も含めて公開をしていただく。できるものは公開していただく、できないものはなぜできないのかをわかるようにしていただく、したがって原則公開ということでよろしいですね。いいかどうかだけ。

下田政府参考人 所有権のところは実は特許に係る部分もございますので、その部分は慎重に対応しなければなりませんが、そのほかの部分については積極的に情報公開をしてまいりたいと思っております。

金田(誠)委員 では、よろしくお願いしたいと思います。

 次に、接種に要する費用の問題があるんですが、ちょっと時間がどうなるかあれですので、費用の方は後に送らせていただいて、先にインフォームド・コンセントなどの問題についてお聞かせいただきたいと思います。

 まず、二類疾病、インフルエンザ、これについては対象者に努力義務を課さないということになっているわけでございます。この努力義務を課さないということは具体的にどのように担保されるのか、行政的な手続は一類疾病とどう違うのか、お答えいただきたいと思います。

下田政府参考人 今回の改正によりますインフルエンザ予防接種の被接種者は、高齢者ということでございますから、本人の意思を確認するためには問診の工夫をする必要があろうかと考えております。

 したがいまして、被接種者の意思が十分尊重されるように、厚生労働大臣が定めます予防接種の推進を図るための指針、その中におきまして、インフルエンザ予防接種は任意に基づく接種である旨を明記するとともに、高齢者を含む国民各層に対する啓発パンフレットを作成いたしまして、インフルエンザ予防接種の有効性等々につきまして正確な情報を提供する、さらに、みずからの判断で接種を受けていただくといったことを明らかにしたいと思っております。

 さらに、市町村あるいは医療機関に対しますガイドラインを作成し、任意接種である旨を周知するとともに、被接種者の意思確認の方法等についてもお示しをしたいというふうに考えておりまして、いずれにしましても、本人の意思に反した接種が行われないような措置を講じてまいりたいというふうに考えておるところでございます。

金田(誠)委員 幾つかの項目に分けて伺おうと思っていたことですが、ある意味では、今一括お答えをいただいた向きもあったなというふうな気がいたします。

 しかし、お答えをいただいた範囲では、今おっしゃったことが、じゃ、一類疾病に対する対応とどこが違うのか、一類疾病だってそういうことではないのかなというふうに思うんですよね。これは、一類と二類というのは明確に異なるわけですから、それがはっきり異なるんだということがわからなきゃならないわけです。それが今説明いただいたようなことで本当に十分なのか、今伺ってにわかに判断しかねます。ぜひ、こういうことは関係NGOも大変一生懸命勉強されておりますので、そうした意見も聞きながらしかるべく対処していただきたい、これは御要請申し上げておきたいと思います。

 今の答弁にもあったのかもしれませんが、用意した質問を順次聞かせていただきます。

 接種に当たっては、事前に被接種者本人に理解しやすい方法で十分かつ偏らない情報の提供がなされなければならない、これは当然といえば当然のことですが、こういうことがなされるということでお答えいただきたいと思います。

下田政府参考人 予防接種法第十九条の第一項におきまして、「国は、国民が正しい理解の下に予防接種を受けるよう、予防接種に関する知識の普及を図る」ことというふうにされておるところでございます。こうした点に従いまして、予防接種に関する知識の普及につきましては、予防接種を受ける期日でありますとか期間、場所、それから予防接種を受けることが不適当な人等々につきまして、十分に理解できるような通知あるいはリーフレット、こういったもので情報を提供してまいりたいと考えております。

 なお、今回のインフルエンザの被接種者は高齢者となるということでございまして、本人の意思の確認あるいは禁忌の方の除外、こういったものに対しましては、わかりやすい形での問診のありよう、あるいは紙のつくり方等々について工夫をする必要があるというふうに考えております。この部分につきましては、国会の御審議を踏まえまして、十分にわかりやすいものを作成してまいりたいというふうに考えております。

金田(誠)委員 おおむねお答えはいただいていると思いますが、あと、この件についてまとめて聞かせていただきますと、接種には、被接種者本人の同意、これを必要条件、必須要件としていただきたい。本人の意思を確認できない場合、高齢の方はいろいろな症状がございますから、本人の意思を確認できない場合は接種しない、施設長の同意などでこれにかえるなどということはあってはならない、こう私は思うわけでございますが、これはいかがでございましょうか。まず、それではこれ一点。

下田政府参考人 インフルエンザは、一類疾病と異なりまして、被接種者である高齢者に対しまして予防接種を受けることについての努力義務が課せられていないということでありまして、被接種者たる高齢者の意思に基づいて接種を受けていただくということが大前提でございます。

 ただいま御指摘の、施設長の判断で受けるようなことがあってはならないというふうに考えておりまして、被接種者の意思が尊重されるように、厚生労働大臣が定めますところの予防接種推進を図るための指針、あるいは各般のパンフレット、ガイドライン等々を通じまして、十分に周知徹底を図ってまいるつもりでございます。

金田(誠)委員 あと、インフォームド・コンセントなどについて、ぜひ要請したいということ、何項目かございます。まとめて申し上げますので、お聞き取りをいただきたいと思います。

 一つは、高齢者は、体力が衰えている上、疾病を抱えている者も多い。接種直前の問診、診察を厳重に行うことが必要である。あるいは同様の理由で、接種の禁忌、この場合接種しないといいますか、この禁忌について厳重に定める必要があると思います。あるいは接種後は、副作用に対する観察、これを十分に行う必要があると思います。さらに、サーベイランス体制を整え、効果と副作用について、国際的に標準化されている方法に基づく解析を進める必要がある。特に副作用については、自治体に、調査して報告するということを義務づけるべきだと思います。

 このようなことについて、政省令、通知、今何度か言われた指針などでしょうか、こうしたもので担保すべきもの、こう思いますが、総括的にお答えいただければと思います。

下田政府参考人 今、先生の方から幾つか御指摘がございました。まとめてお答えをさせていただきます。

 まず、問診等々あるいは禁忌の者を十分除外するやり方につきましてでございますが、この部分については、何度も申し上げましたけれども、お年寄りにわかりやすいような問診の工夫、書式の工夫、こういったものを予防接種推進を図るための指針の中でお示しをしてまいりたいと考えております。

 それから、当然のことながら、禁忌者をいかにして除外するかということも重要な問題でございますので、これも同じく指針あるいはガイドライン等でお示しをしてまいりたいと考えております。

 また、副反応等の観察ということでございますけれども、この部分につきましても、予防接種センター等々を利用しながら把握に努めたいというふうに考えておるところでございます。

 なお、副反応につきましては、従来から、予防接種後、健康状況の変化を本人からお知らせいただいて統計をとります予防接種後副反応報告、あるいは予防接種を受けた方の健康状態を一定期間経過した後にアンケート方式で調査をいたします予防接種後健康状況調査といったものがございますが、今般、その定期の予防接種に入れていただきますとこのラインに乗りまして、副反応等の把握に努めることができるというふうに考えております。

 いずれにしましても、これらは今後政省令等の中で示してまいるわけでございますが、インフルエンザの予防接種が円滑かつ適切に行われるように適正に定めてまいりたいと考えておるところでございます。

金田(誠)委員 これらについても、大変心配しておられる専門家の方々が多くいらっしゃいますので、ぜひひとつそうした方々の意見も伺いながら、しかるべく対処をしていただきたいと要請を申し上げておきたいと思います。

 それでは、直接この予防接種の件ではない、関連する二点、御質問させていただきたいと思います。

 一つは、オゾンを発生する空気清浄器の件でございます。

 インフルエンザが流行しやすい老人ホームなど、この施設については、入居者の健康管理には特に注意すべきところだと思いますが、これに逆行するような事例が見受けられる、非常に遺憾だと思うわけでございます。

 私は、これに対して質問主意書も提出をしてまいりましたが、その一つは、平成十一年に提出しております「オゾンを発生する空気清浄器等に関する質問主意書」というものでございます。オゾンは、肺機能の低下など、有毒な刺激物質として作用するものであり、抵抗力が弱い高齢者には影響が大きいというものでございます。

 答弁書には、適用対象施設等について今後検討する、さまざまなことが答弁されているわけでございますけれども、その後どうなっているのか。室内で常時オゾンを発生させているところにお年寄りがいるなんということも現実にあるわけで、これはお年寄りだけではなくて、一般の成人にとっても大きな問題だと思うんですが、その後どのように検討され、どうなっているのかということでお答えいただきたいと思います。

下田政府参考人 ただいまお尋ねの件でございますが、平成十一年八月に先生の方から質問主意書としてお出しをいただき、オゾンを利用した空気清浄器を設置している施設におけるオゾン濃度の実態について調査をするというふうな答弁をいたしたところでございます。これを受けまして、調査は、平成十一年度に全国の特別養護老人ホーム等におきまして、オゾン濃度を実測することにより行っております。

 これによりますと、オゾン発生装置を使用している居室におきまして、居室中央部におきますオゾンの濃度は、外気のオゾン濃度と同程度となっており、いずれも環境省が定めております大気の汚染に係る環境基準である〇・〇六ppmを下回っている状況にあったということでございます。また、天井等に設置をされておりますオゾンの吹き出し口付近でオゾンの濃度の高い数値を示す事例がございましたが、その場合でありましても、吹き出し口から二十センチ以上離れると濃度は急速に減少し、居室中央部とほぼ同程度になるというふうな結果が得られたわけでございます。

 こうした調査結果にかんがみますと、室内におきますオゾンの許容濃度等についての基準を改めて定める必要はないのではないかというふうに考えておるところでございます。

金田(誠)委員 そういう結論に至るというのは、非常に不本意でございます。そもそも、室内にオゾンを放出させるという発想自体が間違いではないんでしょうか。オゾンというのは、紫外線をカットするオゾン層、成層圏にあるオゾン層が破壊されてオゾンホールとか、そういう意味では、オゾンというのは紫外線カットという意味では人体に一般的には必要なものであるということで、オゾンというと何か体にいいものだという先入観というか概念が一般的にはあるんじゃないか。

 老人ホームなどは、その施設の管理によっては多少においがするところもある。お年寄りは失禁をしたりすることもある。そういう殺菌効果ということを期待しながらオゾンを室内に放出するという誤った先入観があるんではないか。それで、室内にオゾンを放出して空気清浄器と、あたかも空気がよくなるような印象を与えているわけですね。それについて、実測するとどうだこうだという話もさることながら、オゾンを居室だとかに直接放出するというそのこと自体がそもそも問題という発想だと私は思うんです。はかってどうだという話じゃなくて、そういう老人施設、特に老人は体も弱いわけです。

 何か当初の発生器の基準どおり発生していなくて、オゾンをそもそも出してない機械もあったとか、ちょっと仄聞はしているんですが、それはインチキのたぐいなんでしょうけれども、それは大変いいことだったわけですよ、結果としては。それが本当にオゾンが出たら大変だったわけで。そういう体力も弱っているお年寄りの居室などに、そもそも空気清浄という名前自体が、もう発想が全然違うわけなんですけれども、これはやはり厚生労働省としてその辺のところはきちっとしなきゃならないんじゃないでしょうか。

 何かビル管法というのも議員立法で出るらしいですが、これはビル管法の問題かなと思ってそっちで質問しようかなと思ったんですが、これはインフルエンザ、お年寄りの健康管理という関連で聞かせていただいているんですが、いま一度いかがでしょう。

下田政府参考人 先ほどもお答えを申し上げましたけれども、室内におきますオゾンの濃度は大気環境基準の〇・〇六ppmであるというふうに申し上げましたが、吹き出し口のところでは確かに高いということはわかっているわけでございまして、こういったところに長時間さらされますと健康上問題があるということは想定されるわけでありますが、ただし、その設置場所が高いところにある、こういったことで、直接的に人に触れることがないといったことが考えられるわけでございます。

 ただし、今後、そうしたオゾンの人体への影響等につきまして、新たな知見が得られた場合とか、あるいは設置する実態に変化が見られた場合等につきましては、改めて検討させていただきたいと考えております。

金田(誠)委員 時間も時間ですから、こればかりこだわっていられませんけれども、そもそも、やはりオゾンを室内に放出させて空気清浄だという発想自体を変えていくという観点に立つべきだと思います。ぜひ、今の答弁では納得しかねますので、さらに機会を改めて質問させていただきたいと思います。

 もう一つは、本年六月に提出をしました質問主意書ですが、北海道の老人ホームにおける殺虫剤散布に伴う健康被害に関する質問主意書というものを出しました。二〇〇〇年五月に、害虫駆除のためとして老人ホームの室内で有機燐系農薬が使用され、入所者と職員計四十五人が健康被害を受け、うち九人が入院するという、考えられない事故だと思うわけでございます。

 これに対して厚生労働省は本年八月に通知を出していますが、農薬をこのように使用することについて規制する法令は存在しない、また、規制措置を設けることは考えていないというふうに答弁書にはございました。こんなことで本当にいいんでしょうか。室内で農薬をまくなんて、どういう神経をしているのか常識では考えられないわけですけれども、それを規制する法律がないこと自体がもう考えられないわけです。

 まず、きょうは農水省に来ていただいていますが、これは法改正すべきでないでしょうか。農水省に聞くと、農薬というのは畑で使うものだから、室内にまくのはうちは関係ないと言うし、厚生労働省に聞くと、農薬というのは農水省のものだから、うちは……(発言する者あり)まさに狂牛病的な、両省の境界の、谷間の話なんですよ。両者協議してきちっとやはり対応すべきだと思うのですが、まず農水省。

坂野政府参考人 御説明します。

 農薬取締法では、農薬の使用場所、それから使用方法等の表示を義務づけております。先ほど先生がお話しになりました質問主意書で指摘されましたDDVP薫煙剤というのがありまして、それについてちょっと申し上げますと、例えば、温室、ビニールハウスなどのナス、キュウリのアブラムシにこうやって使えという表示がございまして、こういう方法以外のところでは使用しないというような表示をされております。そういうことを通じまして農薬の適正使用というのを確保しているところであります。

 ただいま委員御指摘の農薬取締法によりまして農薬の用途外使用を規制するということにつきましては、農業場面において農作物に使用される農薬の品質の適正化、また、適正な使用を確保するということを法目的としております農薬取締法で規制するというのには、限界があるんではないかというふうに考えております。

金田(誠)委員 こういう話なんですが、本当にこれでいいんでしょうか。厚生省の通達では、室内で使う殺虫剤などは、これからは医薬部外品なり薬事法のものを使えということは、厚生省はそういうふうには言えるわけです。それから、農薬について、使うなということは農水省だから言えないという話なんです。どうも制度の谷間的な話で、最初、これはどこに話をしていても、うちでない、うちでないというところから始まって、しようがないから質問主意書にしたんですが、そんな経過をたどってきているだけに、はっきりしなけりゃ困るんでないかと思っているんです。

 どうですか、厚生省、もうちょっと農水省と協議しながら何らかの対応をとった方がいいと思いますが、どうでしょう。

下田政府参考人 室内での防除作業に農薬が使われたという事実でございますが、本来、その目的に沿っていないわけでございますので、あってはならないことというふうに考えております。また、先生がおっしゃいましたように、本年八月には通知を出しまして、そういったことがないようにということで、都道府県あるいは防除業者等にも指導をいたしておるところでございます。

 今後、建築物維持管理権原者というのがビル衛生管理法上おりますけれども、そういった方々に対して、そういったことがないように十分に注意をするということが重要だと考えております。農水省等とも相談しながら、こうしたことがないような再発防止を十分図っていきたいというふうに考えております。

金田(誠)委員 質問主意書で指摘をして、質問をこの場でしても、なかなか法による規制には踏み切れないようでございますが、大変心配をいたしております。ここで問題にもなったということを十分踏まえていただいて、私は法規制すべきだと思いますけれども、よく検討をいただきたい、こう思います。

 最後でございますけれども、インフルエンザの予防接種の対象者、これについて、従来は政令事項とされているところですが、これは、本日、委員会審議の終了時ということでございますが、各党各会派にお願いを申し上げまして、法律上対象者を高齢者に限定する修正案を提出したい、こう考えているところでございます。この場合、政府として対象者をどのように考えることになるのか、お答えをいただきたいと思います。

坂口国務大臣 委員からいろいろのお話を聞かせていただきました。ずっと聞かせていただきながら、なるほどそれはおっしゃるとおりだと思う点も幾つかございました。

 特にワクチンは、その年に流行する株がそのワクチンと一致しなければこれは何の効果もないわけでございますし、そして、一致をしたといたしましても、それが本当に流行を抑制することができるのか。あるいは、そこまでいかなくとも、個々人の重症度を抑制することができるのか。両方ともできなければこれは効果がないということでありますから、そこのところが意見が分かれているということになれば大変それは不幸なことでございますから、委員が御指摘のように、いろいろの研究者の皆さん方にお集まりをいただいてここを検討するということには、それは私も賛成でございます。学者でございますから、自分の言うたことはなかなか引かないのが学者でございますので、偏った意見の人だけを集めるということはできません。いろいろの意見の人に出席をしていただいて検討されることを期待いたしております。

 それから最後に、オゾンのお話と、それから農薬のお話は私もちょっと初めて聞くわけでございますが、オゾンの方は、本当にそれが効果があるものならばいざ知らず、そうでないというものであるならば、これを使うということをこれはちょっと検討しなきゃいかぬなというふうに聞かせていただいたところでございます。農薬の話は、これは言うに及ばずでございまして、これは目的外の使用をしないということをどこかにきちっとすることができないのか、そういうふうに今思って聞かせていただいたところでございます。

 さて、御質問の最後の点でございますが、高齢者の範囲につきましては、国内外の研究において、特に六十五歳以上の方に対するワクチンの有効性が証明されているという先ほどからの答弁であり、私もそれを信じる以外にないわけでございますが、政令におきましては、基本的には六十五歳以上の方を対象として規定することを想定したところでございます。

 しかしながら、御指摘の修正案につきましては、御議論の過程におきまして、高齢者の健康状態には個人差が大きいわけでございますし、六十五歳未満であっても加齢とともに健康リスクが高まる方もいるのではないかという御意見は、私もそのとおりというふうに思います。したがいまして、私といたしましては、御意見を十分理解をさせていただきたいと思う次第でございます。

金田(誠)委員 大臣、わざわざお答えをいただきまして恐縮でございます。オゾンのこと、農薬のことにも言及してくださいましたので、ぜひよろしくお願いを申し上げたいと思います。

 また、高齢者ということでございますが、基本的に今は六十五歳、あるいはまた六十五歳でも受けてはならない方等々あるわけでございますし、あるいは、場合によっては特別な方もいらっしゃるかもしれません。この辺も、それこそ疑問を呈しておられる方の御意見等も踏まえていただいて、ぜひ対立にならない形で慎重に対処していただきたいということを、これは再三いろいろな局面でお願いしてまいりましたが、ぜひひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。

 あと多少時間があるようでございますが、費用負担の関係、お金の関係で一つだけ、それじゃ絞ってお聞かせをいただきたいと思います。

 この予防接種、法改正によってかかる費用総額、一定の接種率などを想定していただいて、この冬この程度はという総額を一つはお示しいただきたいということと、現在、ジフテリアから始まって破傷風まで七項目の予防接種が法で決まっております。七つですね、ジフテリアから始まって。これについて、年間、全部まとめて幾らかかっているんでしょうか。推測ですが、インフルエンザほども、全部まとめてもかかっていないような気もいたしておりますけれども、その二つの数字をお聞かせいただきたいと思います。

下田政府参考人 今回お願いをしておりますインフルエンザ予防接種でございますが、対象者を六十五歳以上というふうにいたしますと約二千万人おられるわけでございまして、米国並みに将来的にその接種率が上がっていく、米国は今六〇%でございますので、そのように考えてまいりますと、一千二百万人の方が将来的には受けられるであろうというふうに考えるわけでございます。そういたしますと、事業規模としては、約五百億円程度総額としてかかるものというふうに考えてございます。

 それから、一類関係の七種類の総額については、ちょっと資料がございませんので、後ほどまたお答えをさせていただきたいと思います。

金田(誠)委員 私は、きのうこれは質問通告した。きのうのうちに僕、数字聞かせてもらえるんだろうなと思って待っていたんですが、まだ来ないものですから。わからないという話でないんでないですか。今伺っている予防接種の総額、五百億円よりかなり低いんでないですか。インフルエンザだったらどんとこんなに高いという、勝手にこれは推測しているんですよ。そうでないならそうでないという数字をぜひ聞かせていただきたいと思うんです。

下田政府参考人 八百億から九百億という数字をちょっと聞いておりますが、正確に八百何十億という数字はちょっと承知をしておりませんが、大体その範囲の中だと承知をいたしております。

金田(誠)委員 それでは、後ほど、各、ジフテリアが幾ら、何が幾らという形でお示しをいただけるようにお願いを申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございます。

鈴木委員長 家西悟君。

家西委員 民主党の家西悟です。

 まずもって、予防接種法の改正に先立ちまして幾つかお聞きしたい点があります。

 医療の情報公開や患者の権利について何点かまずお伺いしたい点があるわけですけれども、ことしの九月五日、フランス国民議会において、患者の権利と医療の質に関する法律案が政府案として出されました。これは、国民の健康について多くの権利を保障するというものですが、とりわけ、健康衛生の確立と専門家の責任を明確にしている点や、医師の医療事故報告義務、さらには被害者救済の強化を法律で定めようとしていることに私は非常に注目しております。

 フランスの内閣は積極的な姿勢でこの問題に取り組もうとしていますが、大臣はどのようにこのことについて見識をお持ちでしょうか、まずお聞かせいただければと思います。

坂口国務大臣 率直に、先に一言申し上げておきたいと思いますが、正直なところ、私もこの権利法というものを全然存じませんで、委員からの御質問があるというのでけさから教えてもらっているんですけれども、一向によくわからない。

 したがいまして、率直に申しますと、このことに対する評価というのはなかなか私も言いにくいわけでございますが、フランス議会で審議されておりますこの患者の権利と医療の質に関する法律につきましては、現在、したがいまして詳細に調査をいたしておりますから、調査をさせてください。その結果を参考にしながら、我が国の医療安全対策のあり方などの総合的な検討をすることにしたいというふうに思っております。したがいまして、きょうはちょっと十分に御答弁することはできませんけれども、お許しください。

家西委員 それでは、まだ御存じないということで、またお調べいただいて後日見解を述べていただきたいと思いますけれども、私は、この中で一点、大臣にも御理解いただきたい点があります。

 この新法の中には、C型肝炎対策にも触れておられます。そして、感染者の裁判をする権利と補償について積極的な姿勢をこの法律の中で示されています。これは政府案です。そして、日本の場合、もう現在、C型肝炎、B型肝炎の多くの患者がおられます、日本には。しかし、この原因というものは多くが医原病であるというふうにも指摘をされているわけです。フランスは、こういった人たちに対しての情報を国が積極的に提供せよということを政府みずからが言っているんですよね。

 こういう内容を九月に患者の権利法という形で出したということは私は画期的だと思うし、日本もこういう姿勢で臨まないといけないんじゃないか。隠すんじゃなくて提供していく、裁判をする権利、補償を求める権利を認めるんだ、そして医療事故に対しては医師に当然責任を求めていく、また医師にも責任があるんだということを明確にさせることが大事である。それは、事故防止、また今後の薬害やそういう健康被害をもたらさないためにもということが前提にあるんだろうと思いますけれども、そういうことを触れておきたいと思います。

 そして、今般のこの予防接種法の改正というものは、国民への健康を願ってだというふうに私は思うわけですけれども、そして予防医療というものの大切さを考えられて法案を提出されているんだろうと思うのですけれども、ここで触れておきたい点がもう一つあります。

 今回、インフルエンザで平成十年に一千三百三十人の方が亡くなられたからインフルエンザワクチンをということで今この国会で議論されているわけですけれども、C型肝炎やウイルス性肝炎で、肝がんで亡くなられる方、原因、ウイルス性肝炎をもとに亡くなっていかれる方は一日平均して約百人、年間約三万四千人おられる。そして肝硬変を入れると年間五万人。こういった予防というか予防医療というものは、私は大事じゃないのかというふうに思えてなりません。

 同じ予防医療ということで言われるのなら、また予防接種を推進されているということの姿勢を考えたときには、こういった人たちに対しての救済なりそういったものを、また何らかの措置を考えていくべきではないでしょうか。その点についてお伺いしたいと思います。

桝屋副大臣 委員の方から、先ほど大臣からもお話がありましたが、フランス議会に上程されました権利法、いわゆる権利法、このお話からのお尋ねでございます。私も、委員の方から御指摘をいただきましたので、しっかりこの内容は勉強したいというふうに思っております。

 今、委員の方から、C型肝炎対策について、今回の予防接種法の改正をする、その中でいわゆる予防という観点からしっかり取り組むべきではないか、救済も含めて、こういうお尋ねをいただいたわけであります。

 おっしゃるとおり、C型肝炎対策も極めて大事でありまして、当委員会においても委員の方から再三さまざまに御指摘をいただいておりまして、御案内のとおり、救済についても、今後生じ得る血液製剤を初めとした人の細胞組織に由来をする医薬品等に対する、いわゆる感染等の健康被害に対応するために、ただいま研究会を立ち上げまして研究に取り組んでいるところでございます。

 もちろん、こう言いますと、過去にさかのぼってという話もあるわけでありますが、おしかりを受けるかもしれません。残念ながら、現在の科学的な知見によって完全にやはり解消することはできないということもあるわけでありまして、特にC型肝炎については、平成元年、検査法が開発されたわけでありまして、それ以前の問題というのは、どこまで感染リスクを避けられたのかということはまことに難しい問題だというふうに思っております。

 したがいまして、委員の御指摘も踏まえて、私どもは、肝炎対策に関する有識者会議、これから報告もいただきまして、正しい情報の提供なり、そして相談、検査の実施、さらには効果的な治療法の研究開発等の対策に取り組んでいきたいというふうに思っておりまして、ただいま取り組みを進めているところでございます。

家西委員 ぜひともそれは積極的にやっていただきたい。

 それと、私は当委員会でも再三述べている問題ですけれども、インターフェロンとリバビリンの併用投与とか非環式レチノイドの問題とか、こういった問題は命にかかわってきます。ハードルを高くに設定せず、多くの人が安心して使用できるような状態を確保していただきたいというふうに思います。

 それと、本題に入る前にお聞きしたい点があります。

 ワクチンの中身についてなんですけれども、小児に接種される、先ほどから出ています予防接種で使われるポリオや百日ぜきのワクチンの中に、防腐剤として使用されるチメロサールという成分があるというふうに聞いています。これには非常に問題があるというふうに言われてきたわけですけれども、チメロサールは有機水銀だ、物質的なことでいうと成分の半分が有機水銀だというふうにも言われているわけですけれども、こういうものを防腐剤として使用してきたという点に私は非常に問題があるのではないかと思いますけれども、その点について厚生省の御見解をお聞かせいただければと思います。

宮島政府参考人 今先生御指摘の日本脳炎などのいわゆるワクチン製剤には、防腐目的で添加されておりますチメロサールというものがございます。これは、ワクチンの製造過程において、いわゆるワクチンの場合、加熱滅菌が困難であるというような事情から、殺菌効果を有する有効な添加物として従来から世界的に使用されているものでございます。

 しかしながら、御指摘のように、こういうチメロサールというものはできれば使用しない、あるいは必要としても必要最小限の量にできるだけ抑えることが望ましいということで、私どもといたしましても、平成十一年の九月に、細菌製剤協会等に対しまして、いわゆるできるだけ減量または除去の取り組みへの依頼をしたところでございます。それから、本年の七月にも、再度細菌製剤協会を通じまして、いわゆるチメロサールの除去または減量を指導し、その変更の承認申請については優先的な審査を行うということを指導しております。

 現在のところ、平成十二年の六月に北里研究所で無添加のタイプのものが承認されて、来年の春には販売予定というふうに聞いております。その他のワクチンにつきましても、多くの品目につきましては、本年末から来年前半にかけまして承認申請の予定ということも承知しております。

 いずれにしましても、ワクチン製造業者等に対しましては、チメロサールの除去または減量を引き続き指導してまいりたいというふうに思っております。

家西委員 このチメロサールという成分で自閉症が起こっている、これを使うようになってから自閉症の発症率が二十五倍に増加したというような報告がアメリカではあるようです。

 ぜひともこれは除去すべきだ。そして、今現在まだ入っているというワクチンがあるのならば、使用するときにぜひとも、この問題について、まずは接種される方の親御さん、私も、自分の子供がちょうど今予防接種をし始めている段階なんですけれども、こういう情報はありませんでした。今、百日ぜきや三種混合ワクチンをやってきたわけですけれども、こういうような問題がありますよ、ひいては、この成分の中には有機水銀が含まれているんだということを親御さんにしっかりとインフォームド・コンセントをすべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

下田政府参考人 予防接種法に基づきまして予防接種を行う際には、接種医が効果や予想される副反応等について十分に説明をし、被接種者の理解の上で接種するよう、厚生労働省から実施主体である市町村に指導をいたしておるところでございます。

 ただいま御指摘の件でございますけれども、チメロサール含有ワクチンと自閉症等の神経障害との関係を立証する証拠は現在のところ存在しないというような報告がなされているというふうに今承知をいたしておりまして、現在、厚生労働省から市町村に対しまして、接種時の説明についての特段の指示は行っていないところでございます。

家西委員 アメリカの連邦政府は調査をもう既に始めるということを議会で決議されているそうですけれども、それとあわせて、インフルエンザワクチンにも安定化剤として今度はホルマリンが入っている、そしてB型肝炎のワクチンにはアルミニウムが入っている、微量ではあるけれども入っているということが書かれています。

 そして、使用者に説明を、副作用というふうに今政府委員から御答弁いただいたわけですけれども、副反応等というものは、説明というものは、そういったところまでは説明はいただいておりません、私の経験上。国際医療センターでやっていますから、厚生省直属ですよね、国際医療センターで私の子供は接種をしているわけですけれども、そこでそういった説明までは至っていません。全国の病院でいえば、もっとやっていないはずです、個人開業病院では。

 こういった点が問題になるんじゃないですかということを、これからはインフォームド・コンセントをきっちりやらなきゃいけないし、こういった情報を今までに開示されてきたんでしょうか。再度お尋ね申し上げます。答弁してくださいよ。

下田政府参考人 予防接種法に基づきまして予防接種を行う際には、先ほど申しましたように、効果、副反応について十分に説明することは当然のことでございますが、今まで厚生労働省といたしましては、科学的知見に基づきまして、知り得た部分については十分に説明をいたすように……(家西委員「いや、副反応じゃなくて、中身の説明をしていないということを聞いているんですよ」と呼ぶ)説明するようにいたしております。

家西委員 再度申し上げます。

 この使用説明書の中身についての説明まではされていません、一体何が入っているのかということを。

 ここに、r―HBワクチンということで、使用説明書があるわけです。ここに、括弧書きで、アルミニウムとして〇・二五ミリグラムというふうに書いてあるわけです。重金属が入っているんだということも書いています。そして、ホルマリンも、これは、先ほど言いましたインフルエンザのHAワクチンということで、書かれているやつの中にはホルマリンが入っている、チメロサールが〇・一ミリグラム入っている、ということは、〇・〇五ミリグラムが有機水銀だということ、こういうことを説明していただかないと、一般消費者というか、一般の接種される方はわからない。そして、有機水銀とは一体何なんだという話になったときに、これは水俣病を起こした水銀と同じものである、ただ、微量であるから健康には被害はないというふうにはなっているけれども、これが蓄積していった場合には健康に被害をもたらす可能性はあるということを、しっかりと説明が要るんじゃないかということ。

 そして、いろいろな報道では、今、自閉症の問題等々が取りざたされているわけですよね。もし、我が子が自閉症になった、これは自然的に起きたのか、それとも、こういった記事を読んだときに、これが原因で有機水銀が蓄積したために、子供によかれと思って親としてやってきたこういう予防接種が、逆に子供に健康被害を与えてしまったということになったときには、親としてのショックというか気持ちというものは、余りにも、筆舌には、耐えがたいぐらいのものになるんじゃないですか。

 だからこそ、きっちりと説明をしないとだめ。副反応はこうですよ、ああですよだけではだめで、内容まできっちりと説明していかないといけないんじゃないんでしょうか。その点について、再度お伺いします。

下田政府参考人 確かに、先生御指摘のように、接種時におきまして、製剤の中の成分等にまで細かく説明はいたしていないところでございます。

 私どもといたしましては、接種するワクチンは十分安全が確認されたものとして接種をいたしているわけでありますが、今後とも、その関係部局とも十分相談しながら、その辺はどの程度まで説明をしていくのか相談をさせていただきたいと考えております。

家西委員 ぜひともそのようにお願いしたいと思います。アメリカの連邦政府は、二〇〇二年までに全部を排除するということを議会がもう決議して、メーカーに言っているわけですよね。日本もそのようにやっていかない限り、だめじゃないでしょうか。

 それと、今回のこのインフルエンザワクチンにはこういったものが使用されているんでしょうか、どうなんでしょう、お尋ね申し上げます。防腐剤として使用されているんでしょうか。成分の中に含まれていますか。

宮島政府参考人 現在の品目の中には、先ほど言いましたように、含有されております。

 したがいまして、それの除去、減量化を今指導しているということでございます。

家西委員 除去云々ということで安心しました。もしこれが残っているようでは、なかなか賛成も難しいのかなというふうに思いますけれども、除去されていくということになれば、一つは、ただし問題提起としては、まだ残っているということを御指摘申し上げて、次の質問へ移らせていただきたいと思います。

 では、予防接種をやるについての副作用についてのデータというものはあるんでしょうか。まず、簡単に御説明いただきたいと思います。これは質問通告していると思うんですけれども。

下田政府参考人 インフルエンザの予防接種は、平成六年以前、学童を対象として予防接種法に基づき実施をしておりまして、学童の健康被害の件数は、予防接種健康被害救済制度によりまして把握をいたしておりまして、昭和五十一年から平成六年までの十八年間で百八十八件認定をいたしております。

 なお、平成六年以降は、予防接種法の対象から外れましたので、その後は医薬品副作用救済制度の中で救済をいたしておりますが、平成七年から現在までの発生件数は四件というふうに承知をいたしております。

家西委員 四件ということであれなんですけれども、救済を求められた、申請を出された数はいかがなんですか。四件中四件なんですか。それとも、もう少し出ていて、四人しか認めていないということなんでしょうか。

下田政府参考人 九件の申請があり、四件が認められたということだと聞いております。

家西委員 では、五件が却下されているということですよね。九件出ていて四件が認められているわけですよね。残り五件は却下ということで、その却下の理由というのは、今すぐにはわかりませんよね。わかりますか。

下田政府参考人 資料を持ち合わせませんので、ちょっと詳細わかりかねます。

家西委員 ぜひともそういった点も私は聞きたいと思います。なぜ却下になったかということも一つ重大な要素になるんじゃないか。本当に副作用なのか、それともまた別の問題でということもあろうかと思いますので、ちょっとお聞きを申し上げたいと思います。

 それと、例えば、予防接種をこれから老人を対象としてされるわけですけれども、特養ホームなどの予防接種をする場合、その施設で半強制的になるようなことのないように、対応はいかにとられるんでしょうか。それと、御本人についてのインフォームド・コンセントについてはどういうようなやり方をされて、御本人の意思をもってやるということの確認をとっていかれるんでしょうか。

下田政府参考人 今回の予防接種法の改正におきましては、インフルエンザを個人の発病または重症化の防止を目的とする二類疾病に位置づけまして、本人の意思が最大限尊重されるべきものとして位置づけたわけでございます。このため、痴呆性老人等でありまして本人の意思確認ができないような場合、強制的に接種されることがあってはならないというふうに考えております。

 したがいまして、これらにつきましては、市町村あるいは関係団体等々にその趣旨を十分徹底させたいというふうに考えておりますし、都道府県に設置をしております予防接種センター等におきましても、こういった機関を通じまして指導をするようにしてまいりたいと考えております。

家西委員 痴呆の方はどうされるんでしょう、痴呆症になられた方については。その人が本人の意思表示できない場合、このときにはどういうふうに対応されるんですか。もうしないということでとらえていいんでしょうか。

下田政府参考人 かかりつけの医師あるいは家族の方々、こうした方々がその老人の方と十分に相談をしていただき、意思確認ができた場合は接種をするということになろうかと思います。

 ただ、そうした場合であっても、御本人の同意がとれないといった場合につきましては接種すべきではないもの、このように考えております。

家西委員 では、本人が意思表示できない場合はもう接種しないということととらえていいということですね。うなずかれるだけで結構ですので、もしそうだったら。というふうにとらえさせていただきます。

 それでは、次の質問として、仮に強制的に接種されたとか副作用の被害があった場合の相談窓口というものは私は必要ではないかというふうに思えてなりません。

 なぜならば、市町村単位また小さなそういう地域になってきたときには、一軒しかないようなドクターにかかっておいでだ、そして、みんなが行くから自分も行くんだみたいな話になってしまって、何か起こったときに、トラブルを生じたときに、変に騒ぐと無医村になるじゃないかというような周りからの声で苦情が言えないような状況にならないためにも、第三者的な機関を市町村より上に都道府県単位で設けるべきではないか。そして、自分は本当はしたくなかったんだけれどもとか、逆に、こういうような副作用が出ているように思えてならないというような訴えを聞く第三者機関的なものを設置するようなお考えはないんでしょうか。その点についてお聞かせ願いたいと思います。

桝屋副大臣 今委員がおっしゃるような、自分の意思に反して予防接種を受けた、されたというような場合の対応についてお尋ねをいただきました。

 決してそういうことがあってはならない、今回の改正の趣旨をまずはしっかり市町村、事業実施主体の市町村に十分理解をしていただく。これは、もう随分この法案については、各市町村も、国会に提出されまして大分たっておりますから、十分内容は私は周知されているというふうに思っております。

 その上で、市町村より上の段階でというふうに委員が言われましたけれども、もちろん、保健所等の窓口相談について個別の相談には対応しなければならないというふうに思いますし、それから、先ほど説明がありました各都道府県に設置をしております予防接種センター等においても、今のような事例へのきめ細かな相談といいますか、そうした体制の充実に努めていきたいというふうに考えております。

 何よりも、委員がおっしゃるようなそういう事例がないようにしっかりと、指針やガイドラインを十分特別養護老人ホームの管理者であるとかそうした方々にまずは理解をしていただく、その上で実施をしていただくということが肝要であろうというふうに思っております。

家西委員 ぜひともそうしていただきたいし、私は、窓口を設けるべきだということは提言申し上げたいと思います。それが最も安心してかかれる方法ではないのかなというふうに思います。

 時間がもう少ししかありませんので、最後に一点お聞かせいただきたいのは、やはり費用の問題です。これは自治体の方の事業だというふうになると思うんですけれども、自治体によってその差が大きい。例えば、東京都とさいたま市では違うというふうになったりとか、また、自分の住んでいる市町村と隣の市町村では価格が倍ぐらいに違うんだというようなことはあってはならないと思いますけれども、こういうようなことについてどのように考えておいでなのか、またどうしていくおつもりなのかについて、最後にお聞かせ願えればと思います。

下田政府参考人 予防接種に係る事務につきましては、住民生活に密接に関連する事務であるということ、また地域の実情に応じた接種時期の設定等を行うことが望ましいといったようなことから、市町村の自治事務として整理をしているところでございます。

 したがいまして、定期の予防接種の実施費用に対します被接種者からの実費徴収の額につきましても、それぞれの市町村ごとにその御判断でお決めいただく、こういう仕組みになっているところでございます。

家西委員 時間が来ましたので終わりますけれども、各市町村で決めるということで本当にいいんでしょうか。ばらばらになっていて、格差が余りにも広がり過ぎては不公平ではないでしょうか、もし受けたいという気持ちがある方については。そういう点も踏まえてお考えいただきたいと思います。

 では、私の質問を終わります。ありがとうございました。

鈴木委員長 次に、山井和則君。

山井委員 よろしくお願いいたします。

 本日は、坂口厚生大臣、そして桝屋副大臣に三十分間質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 まず第一問目、本題の予防接種問題について入る前に、おとつい質問させていただいた医療制度改革についての質問の続きを一問だけ坂口大臣にさせていただきたいと思います。

 坂口大臣の御答弁の中で、次のようなくだりがございました。看護や介護にここは任せるというふうにしないといけない、すべて医師の命令ではいけない、看護や介護への役割分担を明確にしないといけない、そういう御答弁をいただきました。

 私も、今回の医療制度改革の一番大きなポイントの一つがやはりそういう権限移譲をしていくということだと思いますし、長期の入院患者の方々の退院の促進においても、また医療、老人医療全般においても、訪問看護や看護婦の役割が非常に大きくなっていると思います。

 少し私の持論になるんですが、私、今からもう数年前ですけれども、スウェーデンに二年、アメリカ、イギリス、ドイツと、老人福祉と医療の調査に合計三年ぐらい回ったことがあるわけですが、そこでもやはり同じように、老人医療をどうするかということがヨーロッパやアメリカでも問題となっておりました。

 その中で、例えばスウェーデンがとった政策は、結局、看護婦ができることは医師から看護婦に権限を移譲していく、そして、介護職員ができることは介護職員に権限を移譲していく。何でもかんでもお医者さんにやってもらうということをやり続ければ、非常にコストが高いというだけではなくて、やはり看護婦さんの方が、生活全般あるいは家族との関係もトータルにお年寄りの場合は見られるという部分があるわけです。そのスウェーデンの老人医療改革のときの一つのキーワードは、より多くの時間をお年寄りと接している者がより多くの権限と責任を持つべきだ。一週間に本当に短い時間接していられるお医者さんよりも毎日長時間接している看護婦さんに、より多くの権限とまた同時に責任を持たせようというような理念でありました。

 そういう意味では、今回の医療制度改革の試案の中に、そういうふうな医師から看護婦さんやコメディカル、パラメディカルの方々への権限移譲というか、そういう方向性についてほとんど触れられていなかったことを私は非常に残念に思います。そのような観点から、一つ私は象徴的な問題がこの中医協の委員の問題ではないかと思います。

 きょう資料をお配りしております。この資料を改めて私見させていただいて、このメンバーを見る中で、まさに二十世紀の日本の医療の一つの問題点が集約されているのではないかというふうに思います。この中には、女性も村田さんお一人しか入っておられませんし、看護婦の代表も入っておられません。

 平成十二年まであった看護料という分担でいきますと、医療費の一〇%を看護料が占めており、また在宅のかなめの訪問看護の管理者も看護婦になっているわけですし、また医療費に、病院の人件費に占める半分以上が、最大のものが看護婦にもなっているわけであります。そういう意味では、医療のあらゆる面でも最大の構成者が看護婦であるにもかかわらず、その代表がここに入っていない。やはりこういうところから変えていかねばならないのではないかと思います。

 坂口大臣が、そういう役割分担をこれから問い直していかないとだめだという御答弁もおとついいただきましたので、そのことに関連して、大臣のお考えをお聞かせ願いたいと思います。

坂口国務大臣 今山井先生から提案されました中医協の話でございますが、ここへ行きます前に、私は、やはり看護婦さんの業務と申しますか、看護婦さんというのは何を中心にやるべきか、そしてその範囲をどうするかということを決めることの方が先だという気がいたしています。

 現在のこの中医協では、診療報酬の支払いを受ける保険医療機関あるいは保険薬局の代表者、それから一方は、その費用を負担する保険者や被保険者の代表者、こういうふうに分けられておりますが、こういうふうな分け方をしてしまいますと、その両方に入ってこないわけであります。

 看護婦さんの場合に、看護婦法ですか、法律の中を見ましても、その業務としては、ちょっと正確な表現は忘れましたけれども、療養者の世話と書いてありましたかね。その世話というのは、これは介護でもこのごろは世話をするわけでありますし、もう少し的確な、看護とは何か、看護のためにはどういうことをやはり任すべきかということを私は少し明確にすべきときが来ているというふうに、これは私個人でございますけれども、そう思っているわけでございます。昔と違いまして看護婦さんの教育もどんどんと進んでまいりまして、大学を卒業されました看護婦さんもありますし、大学院を卒業なすった看護婦さんも出てきている昨今でございます。したがいまして、准看護婦の皆さん方が多数を占めていました時代と現在とを比較いたしますと、それは大きな違いがあるというふうに思っております。

 だから、現在にふさわしい看護なら看護のあり方というものを、もう少し根っこのところで整理をすることが大事ではないかということを思っておりまして、できれば次の医療制度の改革の中にそのことが盛り込めないかと私個人は思っているところでございます。そうした上においてこの中医協の問題等は出てくる問題である、その前に整理をするべきことはしなければならないというのが私の考え方でございます。

山井委員 非常に前向きな御答弁でありがたいと思います。

 ですから、まさにおっしゃるように、中医協のあり方と委員のメンバーをセットでやはり議論しないとだめだと思いますし、やはり医療制度改革の中でこれは一つの大きな焦点になってくると思います。そういう意味では、今まで日本では、お医者さんが上で看護婦さんは下、まさに療養のお世話を看護婦さんにやってもらう。でも、残念ながら、先進国で療養のお世話を看護婦さんにやってもらう、そんな位置づけをしているところというのはないと思うんですね。これは何もお医者さんの権限を看護婦さんが奪うということではなくて、そういう老人医療のより多くの部分を看護婦さんに任せることによって、お医者さんはもっとお医者さんしかできない本来の部分に特化していけるという部分も出てくると思います。

 今私この質問をさせていただいた理由は、看護婦さんを中医協のメンバーに入れるということは過去十年間議論されておりまして、御存じだと思いますが、一九九七年、今から四年前の六月三日にも、現副大臣の南野参議院議員が厚生委員会で取り上げられまして、当時の大臣は小泉さんでありました。それで、診療側の委員が八名、医師会、歯科医師会、薬剤師会、なぜ看護婦の代表が入っていないのかという点も私なりにこれでいいのかなと、検討する必要があるのじゃないかと思っておりますというふうに答えておられます。また、それに関連して、九七年の九月十八日の答弁では、中医協のあり方について、今のままではいいとは思えない、見直しをする、今後の中医協の機能あるいは構成委員などを検討して、できるだけ早い機会に法案提出にこぎつけたいと思っていますというふうに、もう四年前に答弁をされているわけなんですね。

 この発言をされた厚生大臣が、たしか今の内閣総理大臣であると思うわけです。聖域なき改革を言っておられるわけで、そういう意味では、四年たってもこの問題一つ、これだけ前向きな答弁をして、この答弁を見たときに、私もうこれで決まったのかなと正直思ったんですけれども、放置されている。やはりこういうことを抜きに医療制度改革というのはできないと思います。このことについて要望を改めてさせていただきます。一言、大臣、いかがでしょうか。

坂口国務大臣 小泉元厚生大臣の趣旨を踏まえまして、私も頑張りたいと思います。

山井委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。

 次に、本題の予防接種の問題についてでありますが、私も今回このレポート、効果があるとなりました、厚生科学研究費補助金による総合研究報告書を読ませていただきました。すべて、分厚いのをきっちり読ませていただいたわけではないんですが、私も、これだけの研究で効果があると、何かちょっと納得しがたい部分があります。

 といいますのは、私も大学院まで酵母菌の研究をしておりまして、医薬品関係の研究をずっと日夜、夜な夜なやっておりましたので、こういうデータに関しては、本当にこれでブランクがきっちりとれているのか、有意の差と言えるのかということが非常にやはり気になるんですね。そういう意味では、これだけ大きな問題についてこの研究だけで判断するというのは、何か正直言って私は納得できない部分があります。とはいえ、人の命にかかわったことですので、今回この法案には賛成をさせていただきますが。

 そこで、二つなんですが、改めて、効果があるのかということと、もう一つ重要な、五年後の見直しのときに、本当にこれは五年間やって効果があったのか、費用対効果の問題もありますし、また副作用の問題もあると思いますが、五年後のときにはきっちりブランクをとってどういうふうに評価していくのか、そのあたりについて御答弁を、桝屋副大臣、よろしくお願いいたします。

桝屋副大臣 インフルエンザワクチンの有効性等について、重ねて委員の方からお尋ねをいただきました。先ほど来、金田委員からも克明に一つ一つ紹介をし、点検をしていただきましたので、私が多く申し上げるわけにはいきませんが、委員におかれても、報告書等もお目通しをいただいての重ねてのお尋ねでございます。

 いずれにしても、委員いみじくも人の命とおっしゃいましたけれども、高齢者について、若年の健康成人と比較して、特に死亡や重症化の防止効果の高いことが確認をされたわけであります。そうしたことに基づいて今回法改正をさせていただくわけであります。内容については、先ほど議論があったわけであります。

 それで、委員の方から、これから五年間しっかりやって、費用対効果も含めてきちっと効果測定をしてもらいたい、こういう御指摘も含めていただきました。おっしゃるとおりでありまして、絶えず科学的な手法による検討、検証というものを重ねていく必要があるだろうというふうに思っております。この委員会における御議論いただきましたポイントということも整理をいたしまして、今後、五年間という数字もいただいたわけでありますから、しっかり意識をして調査研究を進めていきたい、そして五年後に改めて御報告ができるように努力をしてまいりたい、このように考えております。

山井委員 ありがとうございます。

 この報告書のサマリーを見て、ああ、これは効果があるなと納得できる人というのは割と少ないんではないかと私は思います。ですから、五年後のときには、もっときっちりとした形で、明らかな効果が十分あるのか、不十分なのかということをわかるようにしていただきたいと思います。

 例えば老人ホームなんかでも、睡眠薬が効果があるかどうかというときに、私も老人ホームで昔働いていたときに、あられの粉を飲んでもらうだけで、おばあさんは睡眠薬を飲んだ気になって晩ぐっすり寝られるとか、そういうふうに、ワクチンを接種した、その効果があるないじゃなくて、それだけで、ああ、私もう風邪引かないわというような、そんな心理的な効果も特にお年寄りの方には非常に高いわけなんですね。

 これは何百億というお金が年間かかることなわけですから、その辺きっちりと、まさに医療費の効率化ということが議論されている昨今なわけですから、むだなことにならないようにしていただきたいと思います。

 それで、今までは自己負担で任意接種であったわけですけれども、なぜ任意接種ではだめなのか。施設でも、このデータを見ると、六割、七割の方が接種をされているわけなんですけれども、それはやはり、今回こういう法律をつくられるその意義について、なぜ自己負担での任意接種ではだめなのかということについて、お伺いしたいと思います。

桝屋副大臣 任意接種でなぜ対応できないのかというお尋ねでありますが、インフルエンザを予防接種法の対象疾病に加えるということで、一つは、市町村がやはり事業実施主体になるということでありまして、それによりまして実施体制が整うということとともに、公費を投入した予防接種の実施により自己負担の軽減が図られるということはあるかと思います。それから、もう一点は、万一健康被害が生じた場合には、公費による救済が行われるということでありまして、その二点は、やはり任意接種ではできないことでありますので、この二点を挙げさせていただきたいと思います。

 それから、こうした体制を整えるということによりまして、接種を行う市町村あるいは接種医にとって円滑な接種の実施が可能になるというふうに考えているところでございます。

山井委員 このインフルエンザで亡くなられた方、流行した年、千人ぐらい高齢の方が亡くなられておるんですけれども、その中で、老人施設で亡くなられた方というのは五%ぐらいというふうに聞いておりますが、ただ、施設で集団感染されて病院や診療所に行かれて亡くなった方を入れると十分の一以上ではないかと思うんです。実際、その当時、集団感染が流行したときの新聞記事を見ても、やはり老人保健施設や特別養護老人ホームでそれが起こっております。そのようなことから、施設のあり方にもこの問題は絡んでくると思うんです。

 先ほど家西議員からも本当に似たような質問がございましたが、結局、意思表示できないお年寄りにも、お金もうけにつながるからといって、全員にこの接種を受けさせるというようなことにはならないのだろうか。

 また、これも本当に家西議員とも一緒の質問になるんですが、痴呆症のお年寄りについて、痴呆症のお年寄りは非常に敏感になっております。やはり、なぜ接種を受けるのかなんてわからないわけですから、これはそれほど痛みが激しい接種ではないようですけれども、ちくっとする痛みでも、やはりそれによって、虐待を受けた、暴行を受けた、そのショックで痴呆症状が一気に悪化するというようなことはあり得ることです。

 坂口大臣、もと老人保健施設にもお勤めになっておられたと聞いておりますので大臣にお伺いしたいんですが、そのあたり、やはり痴呆症のお年寄りなどについても非常に慎重に接種をしていただきたい。先ほどの家西議員のように、インフォームド・コンセントをきっちりして、それができない場合には接種しないということにしていただきたいんですが、そのことについてお答えいただきたいと思います。

坂口国務大臣 今回の法案提出に当たりまして、そこは整理をして、そして、自分で意思表示のできない皆さん方には、それは一応原則としてしないということに今割り切りをしているようでございますから、それはそれで、私もそれじゃそれで理解をしているところでございます。

 率直に私の気持ちを言わせていただきますと、非常に小さな幼児、乳幼児でありますとかあるいは高齢者の方で自分で意思を明確にすることのできないような人というのは、それは家族なりなんなりがその健康は守ってやらなければならないわけでありますから、なぜその人を除くのという気持ちが私の気持ちの中から消えないことも事実なんです。本当はその人にもやってあげるという積極性がなきゃならぬではないかという気持ちがあるんですけれども、しかし、先ほどから御質問が出ておりますように、そこを許してしまうともう歯どめがなくなってしまうではないかという御意見も、わからないわけではございません。

 そこは、五年ならこの五年の間にこのインフルエンザのワクチンが本当に効果があるかどうかを明確にした上で、五年後、どうするかということをもう一遍やはり私は考えていただくべきだと思っております。それだけの効果があるという積極的な自信があれば、その辺のところも私は言えるんではないかという気持ちが今のところいたしております。これは私のつぶやきでございますから、ちょっと聞いていただければと思います。

山井委員 まさに、お年寄りの方の命を守るという意味で、お医者さんとしての大臣の思いもわかります。一方、本当に、それが痴呆症のお年寄りにとって、脅威を与えて逆効果になるなんということはないように御配慮いただければと思っております。

 施設で多くインフルエンザが集団感染しているという問題は、私は、雑居部屋、四人部屋、六人部屋の問題と切っても切り離せないと思っております。桝屋副大臣にこの質問はさせていただきたいんですが、厚生労働省さんも、今後は、新設する特別養護老人ホームは全室個室、ユニット型というのを進めていかれるということで、まさにインフルエンザの施設での集団感染を防ぐという意味からもすばらしいことだと私は思っております。

 そんな中で、そういう、厚生労働省さんが目指しておられる施設のモデルとも言われております千葉県の風の村というところに、ここ、ユニット型で全室個室で、ここがモデルだろうということで、先日、私行かせていただきました。そうしましたら、桝屋副大臣も先日お見えになったということをお聞きして、そこで、神原さんという方も、桝屋副大臣と一緒に撮った記念写真を部屋に大きく飾っておられました。

 それで、ここでお聞きした話なんですが、ここだけではなく、私、五カ所、ユニット型、個室の特別養護老人ホームを訪問しまして、どこでも口をそろえておっしゃっていたのが人員配置の問題なんですね。介護保険では、常勤換算で、入居者三人に対して介護職員と看護婦さん一人という三対一になっております。しかし、どこも口をそろえて、三対一では、個室、ユニットケアでは十分なことができない、二対一が必要だということで、この風の村も、桝屋副大臣お聞きになられたと思いますが、これは二対一になっております。

 そこで、今の介護報酬のままでは二対一が十分に組めなくて、その結果、この風の村の施設長さんもおっしゃっておられましたが、どうしてもたくさん非常勤を雇って、それで何とか人手をふやすしかない。しかし、非常勤の方々をたくさん雇い過ぎると雇用も不安定であるし、また、きっちり、このユニット型個室というのは、集団的なケアではなくて一人一人が中心になった個別ケアをしていくという理念なわけですから、非常勤の方が多過ぎたり人手が足りなかったりでは、そういう、まさに厚生労働省さんが目指される個別ケアができないということをおっしゃっておられました。そのことについて、ぜひともこの介護報酬を引き上げて、一対二をできるだけ多くの常勤でカバーできるようにしていただきたいと思います。

 この点と、もう一つは個室型老人ホーム、すばらしいことなんですが、ホテルコスト、食費や家賃の部分約五万円ぐらいを自己負担してもらうということになりますので、今の五、六万の自己負担ではなく、新型の特別養護老人ホームは十万から十一万の自己負担になるわけですね。この話を私も知り合いの方にすると、そんな高いのは、個室でいいけれども、なかなか入れないと。だから、やはり所得が少ない人には、払える人は払ったらいいけれども、所得が少ない人には低所得者対策をしてほしいということを言われております。

 人手を一対二にするための介護報酬の引き上げということと、それとこの低所得者対策、この二つについて桝屋副大臣にお伺いしたいと思います。

桝屋副大臣 私どもが考えております平成十四年度の概算要求の中で、委員お話のありました全室個室、ユニット型のケアという、いわゆるこういう形を新型特養ということで今打ち出していこうというところにあるわけでありますが、早速風の村を見ていただきましてありがとうございます。

 本日は、テーマは予防接種法であります。全室個室にするということは、予防、施設内の入所者の保健衛生の向上には大きく寄与するものだというふうに考えているところでありますが、今委員からお話のありました、では、個室にしてユニットケアにすれば人員の配置基準をぜひ改善する必要があるのではないかという声が多いということでありますが、私も確かに聞かせていただいております。

 ただ、今私どもが考えておりますこの新しい新型特養、ユニットケアについて、人員配置をどうするかということについては、これは慎重に検討しなければならない。委員御案内のとおり、現行三対一というこれをどれぐらい、では改めるのかというと、今委員の方から二対一とかというお話がありましたが、これは革命的な出来事になるわけでありまして、介護保険を始めるときに、四・一対一あるいは三・五対一というものをこの三対一という、こういう世界がやっとできたわけでありまして、加えて、ユニットケアにして職員の動線、動く距離が短くなるということもあり、そしてケアの仕方も私は相当合理化できるだろうと。

 ただ、委員がおっしゃったように、個人的なケアという観点で、ではどこまでやるかというと、私はあくまでユニットケアはグループケアだと思っておりますから、一対一までということには恐らくならないと思いますし、いずれにしても、そういうところを検討しなきゃならぬと思いますが、人員配置基準を今改めるということは考えておりません。

 その上で、もう一点委員の方からお話のありました低所得者、これは御案内のとおりでありまして、せっかく全室個室になっても、そのホテルコストを負担できないがために施設に入れないということが出たのでは大変でありますから、委員の御指摘も踏まえて、ぜひともそこは対応しなきゃならぬというように思っておりまして、ただいま社会保障審議会介護給付費の分科会において御議論もいただいているところでございます。しっかり検討してまいりたいと思います。

山井委員 今、考えておりませんという答弁でしたが、ぜひともそこはやはり検討していただきたい。といいますのが、やはり仏つくって魂入れずで、個室で、ユニット型になって、十分その分目が行き届かなくなって、骨折事故がふえたとか転倒事故がふえたということでは意味がないわけですし、また、せっかくこういう予防接種の法律をつくっても、先ほども言いましたように、四人部屋、六人部屋で、一部屋全部一人が感染したら感染しちゃったということでは、やはり本当に何のための予防接種かというのもわからなくなってくると思います。

 実際、御存じのように、昨年も一年間で四百十六人も、老人保健施設で転倒や骨折の事故にもなっているということですから、この予防接種によってお年寄りの健康が増進されたけれども、骨折事故やそういう事故がどんどんまだまだこれからふえていったということでは、やはりよくないと思います。

 それで、この個室の問題と集団感染の問題、私はセットで議論すべきだと思うんですが、そういう感染の予防の見地からも、既存の四人部屋や六人部屋の介護保険施設、特養、老人保健施設、療養型病床も、やはり可能な限り個室に転換していく、やはりそういうことを厚生労働省さんとしても推進していっていただきたいと思います。

 そのことに関して、改築の推進というものを、ユニット、個室型への改築の推進ということについてどのようにお考えになっておられるか。最後、坂口大臣に御答弁をお願いしたいと思います。

坂口国務大臣 特別養護老人ホームと、それから老健施設とは、若干役割も違うと思います。

 特別養護老人ホームにつきましては、これは最終までと申しますか、ついの住みかと申しますか、ここで人生を終わるんだというお気持ちの方が多いわけでございますから、特別養護老人ホームの施設につきまして、それをユニット化をしていく、個室化をしていくということに対しましての整備につきましては、予算にも、これはしっかりと対応しなければならない、盛り込んでもいるところでございます。

 それから老健施設の場合には、若干、最後までここにおるというところでは本来はないわけでございますから、その問題をどうするかということでございますけれども、しかし、この老健施設につきましても、平成十三年度におきましてもある程度の予算化をいたしておりますし、これは十四年度もやっていかなければならないというふうに思っています。

 もう一つ、療養型の病床、これは一つは医療機関でございますので、ここは少し別枠で考えたい。

 ですから、一番中心は、特別養護老人ホームを中心として、そしてそれに加えて老健施設という、ランクづけでいきますとそういうランクづけだろうというふうに思っておりまして、この二つにつきましてはしっかりと見ていきたいというふうに思っています。

山井委員 今、療養型病床については位置づけが少し違うという御答弁でしたけれども、実際には、特別養護老人ホームがもう都市部では一年から二年待ちというふうな中で、調査の中では、療養型病床も、老人保健施設も、特別養護老人ホームも、実際は要介護認定の介護度が余り変わらないという現状が出てきているわけですね。まさにおとつい議論をさせてもらったように、社会的入院、長期入院の方が療養型病床にもある意味で滞在しておられるわけです。

 そういう意味では、やはりそこの療養環境の向上ということもこれから必要になってくると思いますし、やはりこういう介護保険施設、いい介護保険施設をどんどんふやしていくということ抜きには、長期入院や社会的入院の解消ということもやっていけないと思います。

 そこで、改めてもう一度桝屋副大臣にお伺いしたいんですが……

鈴木委員長 山井君、時間がもう過ぎておりますので。

山井委員 ああ、そうですね。はい。

 個室の老人ホームに行っていただいて、その感想と、これからそれを進めていくという御決意、最後にお聞かせ願えればと思います。

桝屋副大臣 これからの時代の特別養護老人ホームについては、委員も見ていただいたああいう施設、いわゆる私どもが言っております個室化、ユニット化、こうした新型特養を少しでもふやしていくように努力をしてまいりたい。なお、皆さんが安心して利用していただける環境もしっかりつくっていきたいと思います。よろしくお願いします。

山井委員 どうもありがとうございました。

鈴木委員長 この際、暫時休憩いたします。

    午後零時三十九分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時五十九分開議

鈴木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。佐藤公治君。

佐藤(公)委員 自由党の佐藤公治でございます。

 本日御質問をさせていただきますが、今回のインフルエンザ予防接種に関しまして、今までの過去の統計をいろいろと見る中、製造量、そして接種した方々、御存じのように平成六年から急激に減っているわけでございますけれども、私が思うに、この減った理由というのは、法律の中で削除されたという部分があるということは、これはもう大きな一つの原因だと思います。思いますが、そのほかにも、いろいろなものを見させていただく中、国民的誤解があったとか、やはりインフルエンザの効果というものがどうであったかということのいろいろな議論があったように思います。

 こういうものをごらんになりまして、厚生労働省としては、本当にこのときに削除はされたんですけれども、じゃ、本当に予防接種が今までも有効ということであるのであれば、こんなに激減することはなかったんではないかなというふうに私は考えるところがありますが、そういうことを含めて、今までの過去のインフルエンザ予防接種に関してどんな分析をされ、どういう御見解を持たれているのかを簡単にお答え願えればありがたいと思います。よろしくお願いします。

下田政府参考人 平成六年にワクチン製造量が激減しておるという理由につきましては、先生御指摘のとおり、予防接種法に基づいてやっておりました予防接種が法改正によりまして対象から外された、そのために大幅に製造量が激減したということは事実でございます。

 また、予防接種の効果につきましては、公衆衛生審議会によりますと、インフルエンザ予防接種による個人の発病、重症化防止の効果は認められますけれども、学童等を対象といたしまして予防接種を行う、そのことによって社会全体の流行防止を図ろうとしたことに対しては、その有効性が明確に証明されなかった、こういう状況であろうかと思います。

佐藤(公)委員 一応、厚生労働省の方としましては、今の御回答をお聞きいたしますと、やはり子供たちを含めたインフルエンザ予防接種に関しては十分効果があったというふうに思われているんでしょうか。

下田政府参考人 学童等を対象に予防接種を行うことによります流行の阻止、その部分については十分ではなかった。ただし、先ほどから何遍も言って恐縮でございますが、個人の発病、重症化防止には効果があった、このように理解をいたしております。

佐藤(公)委員 いろいろとこれからも、いろいろな研究をしたり分析をしながら、本当に安全性も考え、よりよい方向に導いていただけたらありがたいかと思います。

 今回のインフルエンザ予防接種の関係の法律で、これは今そちらにお聞きすることじゃないのかもしれませんが、一つの年齢を六十五歳というふうに切っておりますけれども、なぜこの六十五歳という区切りをとったのか。

 一応、データ的にも、高齢者という意味で六十五歳という部分がある程度効果が発する一つの切り口であり、六十五歳という一つの基準を設ける。各国におけるものも六十五歳ということが非常に多いということも見てきておりますけれども、なぜ六十五歳という一つのある程度のラインを引き始めているのか。いかがでしょうか。

下田政府参考人 高齢者に対しますインフルエンザの予防接種につきましては、六十五歳以上を対象に、発病防止、特に重症化防止のために有効である、かつ安全であるといったことが国内外の研究において医学的に証明されているわけでございます。

 また、インフルエンザによります死亡者数は、六十五歳以上の方が占める割合が八〇%から九〇%というふうに非常に高くなっておりまして、この年齢層におきます重症化、死亡を特に防止する必要があるというふうに考えたわけでございます。

 さらに、アメリカ、イギリス等多くの諸外国におきましても、六十五歳以上の高齢者につきましてインフルエンザのハイリスクグループというふうに位置づけをいたしまして、勧奨による接種を行っているところでございます。

 以上のようなことを踏まえまして、政府として、六十五歳以上の方を対象として想定しているところでございますが、具体的には政令等で定めてまいりたいと考えているところでございます。

佐藤(公)委員 一つの予防接種法案というのは、当然、ここに書かれてあることもさることながら、やはり医療費の抑制ということが目的として言われる部分があるかと思います。

 医療費の抑制、やはりそういう部分なんですけれども、果たして、今回のインフルエンザ、六十五歳以上という設定をした場合に、それ以上の高齢者に向ける予防接種、これによって、高齢者の医療、これはどれぐらい抑制されるのか。

 そして、やはり前提があると思います。どれぐらいの方々が接種をした場合にどれぐらいの、今までのいろいろと過去のデータを見る限り、どれぐらい効果があらわれるのか。

 その辺のあたり、まとめておられますでしょうか。まとめておられたら、簡単にお答えください。

下田政府参考人 インフルエンザの流行状況によりまして老人医療費に差が生じるという指摘があることは承知をいたしておりますけれども、今回の改正によります高齢者に対するインフルエンザ予防接種の追加は、個人の発病及び重症化防止を目的とするものでございまして、たとえ老人医療費を抑制する効果が生じたといたしましても、これはあくまでもその結果にすぎないというふうに考えております。

 しかしながら、欧米等ではこの辺の研究が非常に進んでおりまして、高齢者に対するインフルエンザ予防接種が医療費削減効果を示す研究というものは数多くございます。その一つといたしまして、接種者一人当たり、年間約一万四千円の医療費が減少したという報告も見られるところでございます。

佐藤(公)委員 今、年間、一人頭一万四千円ということなんですけれども、全体の医療費もしくは老人医療ということになれば、全体的に言えば、接種量が今どれぐらいで、日本でこれをやった場合にはどれぐらいの医療費が削減できると想定できるのか、お願いします。

坂口国務大臣 そこはなかなか難しいんだろうというふうに思っています。

 というのは、高齢者の医療費というのは、慢性に経過をします病気による、いわゆる習慣病でありますとか、あるいはまた動脈硬化、糖尿病等々、そうした慢性に経過をする病気が主体であります。このインフルエンザによりますところの抑制効果があるとしましたならば、それによってさらに肺炎でありますとかその他の病気を発病させることをどう抑えることができるかということによることになるんだろうと思います。だから、そういう、いわゆる重症化をさせないということで役立つとすれば、その分だけの効果というのは確かにあるというふうに思っておりますが、そこの計算はなかなかできていないというふうに思います。

佐藤(公)委員 本日、政府・与党に、老人医療費の節約のための試算を提出されていると思うんですけれども、私もその内容はまだ何も見ておりません。

 こういう中で、結果的に、結果論ですけれども、まずは予防することが第一。結果として費用の抑制ができた、できるということは、これは結果であるというのはわかりますけれども、こういう本日提出したような中にも、そういうような医療費の抑制の管理に関してということ、そういうことは入っていないんでしょうか。

下田政府参考人 先ほど申し上げましたように、結果として老人医療費を抑制する効果が生じるといたしましても、これはあくまでもその結果にすぎないというふうに考えている次第でございます。

 先ほど、直接的にどのような医療費の削減が数字として出てくるかというお話でございますが、日本での試算はございませんけれども、先ほど御紹介をいたしましたアメリカの例で申し上げますと、高齢者二万五千人の方々を対象としたスタディーがございますが、一人当たりで約一万四千円、累積で約五億八千万円の医療費が減少したという報告があるということでございます。

佐藤(公)委員 わかりました。まあ結果論のことなので、これが最終的に予防とともに医療費が抑制されることができれば大変いいことだと思います。これは、あくまでも結果論ということで私も思っております。

 では、今回のこちらの法律の中には、これはあくまでも任意接種、任意ということになっておりますけれども、例えば、お年寄りの方々で、任意といっても、きちんと意思判断が明確にできない、理解ができないという方々に接種する場合、第三者の方々の話を、また希望を受けて接種することは、原則論、これはできないことになりますよね。できないことになると思いますけれども、現実論、大変失礼な言い方かもしれませんが、痴呆症を含めていろいろとその判断ができない人たちに対して、どういう形でその原則論を徹底させるのか。多少の幅を持たせて、家族の同意や何かがある程度あるのであれば、多少は目をつぶる部分があるのか。その辺いかがでしょうか。

坂口国務大臣 今回の法改正につきましては、予防接種法の対象疾病にインフルエンザを位置づけるものの、被接種者であります高齢者に予防接種を受ける努力義務を課せられていないというのが特徴でございます。

 したがって、被接種者たる高齢者の意思に基づき接種を受けていただくものであり、御指摘のような心身の状況にある高齢者につきまして、家族やかかりつけ医の協力をいただきながら、被接種者本人の意思確認を慎重に行っていただくこととなります。これが正式の答弁でございます。

 大変、先ほども少し申しましたとおり、ここは非常に私も微妙なところだなというふうに思っております。本当にこの予防接種が効果が十分にあるということにするならば、自分の御意思でそれが決定できない人にはしないということの割り切りが、果たしてそれがいいのかなという思いは率直なところ少し残るわけでございますが、しかし、総合的にこの予防接種の法案を考えましたときに、そこを考えてしますとばらけてしまいますので、そこは思い切って、これは割り切る以外にないのかなと。

 ただし、午前中にも御議論がありましたように、少しここは、今後検討会を続けていって、そして、今後どうするかということはもう一度決めた方がいいのではないかなというふうに思っている次第でございます。

佐藤(公)委員 まさに大臣のおっしゃられるようなことを私も感じますが、本当に、例えば老健を含めてお年寄りが集まっていらっしゃる施設の中で、善意を持って、ほかの方々にインフルエンザをうつしちゃいけない、ここで発生してほしくないという気持ちで、本人の意思、同意がなくとも全部に打っちゃった方がいいといって、善意でやる方もいるかもしれません。また、逆に言えば、お金、経済的なことが目的で、たくさん打っちゃった方がお金が取れるやといって打つ人もいるかもしれません。

 また、家族にしても、インフルエンザにかかってもらったらまたいろいろなことが大変だから、かかってもらいたくないから、本人はわからないうちに打っちゃってくださいというケースだって現実出てくるかもしれません。

 こういうことで、何にもないときはいいです。何にもないときはいいんですけれども、もしも事故が起こって死亡した場合には、実際問題、その本人の意思確認と任意ということで、確認ということ、ここがポイントになる可能性があると思いますが、その辺のときの対応というのは厚生労働省さんとしてはどう考えていらっしゃるのか。

 先ほどの大臣のお話ですと、その辺はやはりいろいろなことをこれから考えていかなきゃいけないということですが、そういう場合の任意、本人の意思があったかないかを、どうやって、どこで説明するのか。では、それがきちんと説明できなかった場合には、それは勝手にやっちゃったことだということで、そういう医療機関を罰するのか。その辺のあたりはいかがなんでしょうか。

下田政府参考人 本人の意思確認につきましては、ただいま大臣の方からお答えいただきましたとおりでございまして、あくまで被接種者たる高齢者の意思に基づき接種を受けていただくということが原則でございまして、御家族あるいはかかりつけの医師の協力をいただきながら、本人の意思確認を慎重に行ってやっていただく必要があるものというふうに考えております。

佐藤(公)委員 わかります。それはわかりますけれども、では、もしもそうなった場合にはどうするんですかということを一応聞いているので、その場合は、その手続上含めてどうするんでしょうか。具体的にお答えください。

下田政府参考人 原則として接種することはできないというふうに考えております。

佐藤(公)委員 原則はわかりました。わかりましたけれども、そこら辺のあたりがはっきりしていない場合、そういうふうになった場合にも、じゃ、今のお話ですと、本人の確認がなかったら打たないということですよね。でも、本人が判断ができない場合に、打っちゃった、それで事故が起こっちゃった、死んじゃった、さあどうしましょう。では、全部、打ったのは本人が了解をしたというのが原則論だということで、もうそれで一点張りでしょうか。

坂口国務大臣 そこは本人の確認を、本人が自分は打ってほしいということの意思表示ができる人は、それはいたしましょう、こういう話でございまして、意思表示のできない人には原則として打たないようにします、こういう話でございます。

 ですから、意思表示のできない人もいろいろ段階がありますから、御家族や何かの手助けを得て、そしてある程度意思表示のできる人もあれば、全くできない人もおみえになる。だから、全くできない人にはこのワクチンの注射はしないというのがこの法律の成り立ちになっている、こう御理解をいただく以外にないと思います。

佐藤(公)委員 これに関して、僕は厚生労働省さんを何か変にいじめるつもりは全くございません。いろいろなことが考えられるので、その辺はやはり今後いろいろとまた議論をしていきながら、ガイダンスじゃないんですが、この後いろいろな取り決めをしていくかと思いますので、もしもそういうことのあたりが、よく話し合って、そういうことがないようにしていただきたいというお願いでございます。

 と同時に、やはり事前の診察というか、診断というか、検診というか、予防接種を打つに際して、やはりお年寄りの方々の体の状況や何かをある程度きちんと調べるようなことをお願いしたいかというふうに思います。本人の意思が、任意ということであるとはいうものの、やはり体に、インフルエンザだから、予防接種だから、そんな事故があって死ぬわけない、大きくなることはないという今までの例はありますが、〇・〇〇何%という可能性を残したようなことだってあると思います。

 なぜ僕がここまで言うかというと、私の家内のお父様が二年前に造影剤を打ったんです。造影剤を打ったらば、本来は事前にある程度検査をしておかなきゃいけない部分だったかと思いますけれども、造影剤、普通の人は、一千人、二千人、打っても何ともないです。だけれども、私の義理の父は、結局、造影剤を打ったことによってショック死をしてしまいました。そのまま死んじゃったんです。そして、こんなことはまれなケースだということで済まされちゃっています。事前にアレルギー反応や何かを、ヨード性アレルギーということでしたけれども、事前にある程度その辺をきちんと確認をしてくれていれば、私の家内のお父様は亡くなることはなかったと思います。

 そういうことも、本当に〇・〇〇何%の可能性かもしれませんが、いろいろな可能性があると思います。そういうことがないようにお願いをしたいかと思います。

 そして、今後のことなんですけれども、今アメリカや何かでも、弱毒性の低温培養等による点鼻式、鼻から入れるような予防接種等の技術等の進展があるというふうに聞いておりますけれども、この辺のあたり、日本ではまだまだということですけれども、技術的な今後の進み方というのはどういうふうな進み方になっていくと考えられるのか。今答えられる範囲でお願いいたします。

篠崎政府参考人 先生今御指摘の経鼻ワクチンのことでございますが、ウイルスの感染部位である鼻やあるいは気道の粘膜に強い免疫を与えるというふうに期待をされておりまして、現在、厚生科学研究費補助事業ですとか、あるいは医薬品機構におきます基礎研究推進事業において、研究を行っているところであります。これまでの研究によりますと、人の鼻の粘膜に免疫を付与することが確認できておりまして、有望な結果を得ておるわけでございます。

 今後とも、この分野の研究を推進いたしまして、実用化に結びつく成果を得るよう努力をしてまいりたいと考えております。

佐藤(公)委員 これから技術革新、科学がどんどんいろいろと進んでくると思いますので、今後、本当にその辺をできるだけ先に先に見ていただいて、いい方向に引っ張っていただけたらありがたく、お願いを申し上げたいと思います。

 そして、これは関連質問みたいなことになるのかもしれません。先般の一般質問でも、今回のテロにおける細菌兵器等の御質問をさせていただきました。無理やりのこじつけじゃございませんが、インフルエンザも、ある説によると、これも化学テロというか、細菌兵器の一つとしてみなされることもあるというふうに聞いたこともございます。

 というわけでもないんですけれども、今回、十月十八日、厚生労働省の健康危機管理担当者に炭疽に関する意見書が、これは日本感染症学会ですか、から提出されたということを聞いております。こういう中にでも、まさに、抗生物質等、医薬品に関しては不足の心配はないものと考えられるということで、非常に安心ができるようなことが書いてございますが、先般来から御質問をしている中で、やはり具体的な、どういう形でどういうものに対してということの、薬、数、量、想定数というものがほとんど出ていなくて、ただ、心配ない、心配ないという状況のように思います。

 こういう部分も、前も一般質問でもさせていただきましたけれども、できるだけ具体的に、これだけのものがこれだけでこういうふうにあるから、一千万人、五百万人、大丈夫だという具体的なもので、やはり国民に対して安心をしてもらえるような形をとってもらうことをお願いをしたいかと思います。

 まだまだ把握し切っていないこと、わからないこと、あると思います。でも、本当に、あした、きょう、何があるかわからない、あるかもしれないという状況の中、一刻も早く対応、そしてそれなりの答えをいただけるように願いたいと思います。

 そして、この意見書の中にも、私も一般質問で質問したかったんですが時間がなくてできませんでしたが、本当にもしかしたら一番の問題というのは、ここにも書いてあります、「確実な診断であります。」と。最も大事なことは、確実な診断ということです。

 本当に、天然痘、ほかの菌もございますが、とりあえず一つ炭疽菌ということだけとってお話をさせていただければ、私は、町の中のお医者さん何人かにお会いして、全部聞いてまいりました。ですが、本当はやはり学校できちんとそういうものは勉強していなきゃいけなかったけれども、したつもりもある、いや、でもしていなかったという人もいます。実際、本当にそういう患者さんが来たときに診察ができるかといったらば、自信がないというのがほとんどのお医者さんの御意見でございました。

 今、福島先生がおっしゃられたように、診たことないと。診たことないというのが本当だと。それなのに今、マスコミ、世の中では騒がれている。普通の町中の人が、風邪かな、インフルエンザかなと思ったときは、やはり町の中のお医者さんに行くと思います。そのときに、お医者さんに診てくださいと行ったときに、これは風邪ですで済まされるのか、いやこれは炭疽菌なのか、全然わからないと言うんですよ。

 では、厚生労働省さんが、国内テロにおける、いろいろとペーパーをつくって流されて、日本医師会や何かにもお願いをしたといいますが、今、何にも来ていないということです。わからない、何にも。日本医師会からもほかからも、炭疽菌に関することはこうです、ああですということは何にも来ていない。今来られても、本当にわからないというのが現実だそうでございます。

 厚生労働省さん、もうちょっと現場の医師の方々の状況も見ながらやはりそれは指導していかなきゃいけないんじゃないか。お医者さんの間でみんな話をしていることは、本音です。わからない。わからないから、やはり対応マニュアルを早急につくって、それにおける研修も、あした、あさってでもしてくれなければ、僕ら診たことがないからわかりません、これが現実です。

 これに関して、大臣、今の日本の町の中のお医者さんを見てどう思われますでしょうか。

坂口国務大臣 今お話しのように、恐らく、戦後医師になった皆さん方は全部、炭疽病というものには遭遇していないと思います。厚生省にも医科の人たちはたくさんいますけれども、だれも診たことないと思います。もちろん、私も診たことございません。

 そういう中で、これは、もしも起こったときにどうするかということをやらなければならないわけでありますが、そうはいいますものの、初めは感冒様の症状でありましても急激に肺炎とかあるいは呼吸困難とかというようなことを来すということが書かれておりますが、もしそういう事態になりましたら、もうその人は助からないわけでございますから、そういう事態になる前に一体どうするかといったことではないかというふうに思います。

 したがいまして、そういう人たちが何かの炭疽菌と思われるようなものに遭遇したといったようなことがありましたならば、症状が出ます前に早く、それこそ、これはむしろ医療機関といいますよりも警察の方に連絡をしてもらった方がいいのかもしれませんけれども、御連絡をいただくといったようなことで、症状の出ます前に予防的に投薬をするということでなければ、その人の命を保証することはできないんだろうというふうに思います。

 ですから、医学的なこともさることながら、全体としたそういうシステムを早く明確にして、そして、皆さん方に、地方におきましてもすべて対応していただけるように、どうするかということになってくるのではないかというふうに思っています。

 厚生労働省の中も、もしそういうふうな人が出ましたときにどうするかという手順みたいなものを一生懸命やってもらっております。その手順等の中に、医療関係だけではなくて警察でありますとかその他の機関との連携をやはり密にする、これは非常に大事なことだというふうに思いますが、連携を密にしながら、医療機関に対しましても、特に災害救急病院といったようなところに連絡をするといったことになるのではないか。だから、個人の開業医の先生方のところにも、もしそういうふうに疑われるところがあれば、早く御連絡をいただくということが一番大事なことではないかというふうに思っております。

佐藤(公)委員 その辺の体制を一刻も早くやってください。

 例えば、炭疽菌を持っている人、これは一体炭疽菌かな、どうかな、わからない。じゃそれですぐ検査を、町の中で出したら、二日から三日かかる。抗生物質を早く投与、その人に抗生物質を早く飲んでもらう、打ってもらうには、四十八時間以内、非常に時間差において、町の中でやっていくに際しては、すべて手おくれの状態になっていっちゃう、今そういうような状況だと思います。そういうことから、そういうようなシステムをきちんと早く構築してもらうことをお願い申し上げたいと思います。

 きのう、きょうですか、週刊誌等でも、この炭疽菌のことを随分マスコミがいろいろな報道をしております。あれを見る限りではどんどん国民が不安になっていきますので、正しい情報を具体的にきちんと早く厚生労働省として流して、マスコミにおける混乱がないように手を打っていただけたらありがたいと思います。

 そして最後に、もう一言だけ言わせていただければ、狂牛病のことに関してだけつけ加えさせていただきますが、先般の一般質問でも、厚生労働大臣、食の安全という、安全宣言ということに関しては、一つの定義というか基準をおっしゃられたと思います。

 きのう安全宣言をしたことに関しては、食肉、食べる牛のことに関してだけおっしゃられていたと思いますが、これは僕もそういうふうにとらえます。でも、今、世の中の人たちというのは、安全宣言によって、多くの範囲、もうほとんど全部大丈夫と宣言をしているのかなというふうに思われている人たちも多うございますので、その辺はきちんと誤解がないようにお願いをしたいと思います。

 きのうのいただいた文書の中にも、四番目に、特定危険なところに認められた食品の製造販売の中止の要請や自主回収を、つまり食肉以外のことはまだ安全がきちんと確認されていない。ではこの状況はどうなっているんですかということも僕自身は聞きたい。では、このリストは、どういう企業がどういう商品をどれぐらいでやっているのか、危険度があるのかないのか、本来は全部を国民に公表する義務が今あると思います。あると思いますが、その辺はよく考えていただき、今後とも厚生労働省の御指導をいただきたくお願いを申し上げたいと思います。

 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。

鈴木委員長 小沢和秋君。

小沢(和)委員 予防接種法の質問に先立って、一昨日の一般質問で時間切れでできなくなったハンセン病の問題で一点だけお尋ねをいたします。

 ハンセン病問題については、熊本地裁の判決を国が受け入れ、今、国と原告団、弁護団との協議会で最終解決に向けた話し合いが行われております。しかし、幾つかの点で話し合いが大きな壁にぶつかっております。その中で、今一番急いで解決を求められておりますのが、退所者、社会復帰希望者に対する退所者給与金の金額の問題であります。

 一昨日の一般質問でも何回か取り上げられましたが、原告団などから聞いたところでは、国の案は月額十四万六千円ということであります。これは余りにも少ない。今年度の生活保護基準でさえ、一級地、七十歳で九万五千九百九十円、これとは別に家賃、医療費などが支給されます。ところが、給与金の中で家賃はわずか一万三千円しか見込まれておらず、こんな額では間借りもできません。これでは実質的に、生活保護基準並みかそれ以下でしょう。

 大臣、国の誤った隔離政策によって人生そのものを奪い去られた原告に対し、社会復帰後保障すべき生活水準は、生活保護が基準ではなく、少なくとも社会全体の平均水準でなければ、国の誤りを償う姿勢を示すことにならないのではありませんか。

坂口国務大臣 小沢議員の御指摘は、私も十分に理解できるつもりでおります。

 今まで療養所の中におみえにならずに御自身で生活をしておみえになりました方には、正直なところ、何も今まではしてこなかったわけでありまして、先日、沖縄にお邪魔しましたときに、楓の会という名前でございましたか、その皆さん方にもお会いをさせていただいて、そして、療養所に入ることなしにお仕事をなすっている皆さん方の御意見も承ったところでございます。しかし、中には、そうした場所に出てくることもなさらない、もうとにかく構わないでほしい、自分たちは自分たちとして生きていくと言っていただく方もあるというようなことでございまして、いろいろの人生を歩んでいただいているというふうに思いながら帰ったところでございます。

 そして、これからも、社会復帰をしていただく皆さん方に対してどうするか。一番私は大事な問題は、その人たちが社会復帰をしていただく場合に、働いていただく場所がどう確保できるのかという、働く場所の確保ということが、雇用の確保ということが今一番大事になってくるのではないかというふうに思います。

 もちろん年齢にもよるというふうに思います。現在もう七十二、三歳におなりになっているわけでございますから、高齢者の皆さん方に今さらまた新しい雇用の場をといいましてもなかなか無理な面がございますけれども、お若い皆さん方の中には、職を求めてという方もおみえになるだろうというふうに思います。そうしたことにどれだけ我々がそのお力になることができるのかということが、やはりこれからの中心であろうというふうに思っております。

 その皆さん方に対して、生活の糧にしていただくのにどれだけ御支援を申し上げるかということになってくるのではないかというふうに思いますので、そうした面を勘案して我々も予算を要求し、そして、予算要求してそれが通る額でなければならないわけでございますので、我々もいろいろのことを検討しながら今やらせていただいているところでございます。

 二十八万円という、いわゆる元患者の皆さん方や原告団の皆さん方からは、国民生活調査の結果に基づきましてお出しをいただいておりますが、これは、いわゆる一人ではなくて家族単位の話でございます。でございますので、これを一人割りにいたしまして、そして税金等はそれにはおかけをしないというようなことも加味をして考えてまいりますと、それ相応の額が出てくるのではないかというふうに思っています。そうしたことを勘案して、現在検討しているところでございます。

小沢(和)委員 今大臣は、働ける人もかなり念頭に置いて物を言われたようですけれども、今問題になっているのは、ハンセン病で長いこと療養所に入っておられた人たち、大体七十過ぎて、もう働けるような状態ではない人たちがこれから社会に帰りたい、これをどうするのかということです。だから私は、働けない人たちだ、その人たちに社会的な平均的な生活水準を今後保障してやることが国の誠意のあらわれではないかということを言っているわけです。

 この問題を担当している厚生労働省の課長が、社会生活を継続できなかったらいつでもまた療養所に迎え入れると述べたというのですが、こういう考え方では、ハンセン病患者だった人たちは、結局療養所から出て自立することはできません。現に、この金額でも退所しようという人は、四千数百名の入所者のうち百名にもなりません。安心して社会生活できる金額に引き上げられたら、退所希望者は急増するに違いないと思います。

 厚生労働省には、ハンセン病患者に対するこれまでの国の政策を本心から反省する気持ちがないのではないでしょうか。それがあれば、当然償いとして、退所者給与金を社会全体の平均水準程度に引き上げるはずだと思うのです。同様に、反省がないから、国の謝罪広告をいまだに出そうとしない、ハンセン病問題の歴史的検証のための会議もなかなか開こうとしないということになるのではないでしょうか。

 大臣、本当に国の反省を示そうというのであれば、これらの諸問題について、厚生労働省の姿勢をきっぱり改めるべきではないかということを重ねてお尋ねします。

坂口国務大臣 皆さんに対する思いがありますから、それをどうするかということで今一生懸命やっているわけでございます。

 今御指摘になりましたように、確かに、社会に出ましたときにそれだけでやっていけるかということになれば、それは、住みます地域にもよるとは思いますけれども、例えば東京なら東京でそういう額で生活をするということになれば、それは私はかなり厳しいものがあるだろうというふうに思います。

 しかし、社会に出て生活をするというふうに言われましたときには、もちろん、年齢も年齢でございますからお仕事というのもなかなか難しいというふうには思いますけれども、御家族の関係でございますとかいろいろの関係もあるわけでございますから、そうしたことも考慮に入れていかなければならないというふうに思います。

 生活保護の皆さん方のお話が出ましたが、一方におきましては、国民年金に御夫婦でお入りをいただいております皆さん方がいただくお金にいたしましても、十三万六千円ぐらいになりますか、丸々もらえる人でもそのぐらいでございまして、他の人々との比較ということもあるでございましょうし、もろもろのことを計算しながらそれはやらざるを得ないというふうに思っております。

 しかし、先ほど申しましたように、社会復帰をしていただくということになりましたときには、もっともっといろいろの、あらゆる角度から支援をすべきところは支援をしていかなければならないというふうに思っているところでございます。

 それからそのほかの、例えば謝罪広告等につきましてはかなりお話し合いは進んでいるというふうに思っておりますが、最後、だれの名前で出すかといったところで、衆参の議長さんのお名前でというようなことになってまいりますと、厚生労働省でそれをわかったとはなかなか言えない。これは国会の話でございますので、そうもいかない。厚生労働大臣の名前で出せと言われるのでしたら、あすでも、それも結構でございますということになるわけでございますが、それではいけないというふうにおっしゃるということでございますので、そこはやはり、国会なら国会の御承認をいただかなければならないということになってくるのではないかと考えております。

小沢(和)委員 こればかりやっているわけにはいきませんから、もう一言だけ言っておきますけれども、さっきから言っているように、問題は、国が隔離政策をとったために人生を破壊されてしまったような人たちに対して、国がどういう償いの気持ちで接するかという問題ですから、そこのところをよく考えて対処していただきたい。

 では、本題であります予防接種法改正案についてお尋ねをします。

 まず伺いたいのは、前回の法改正で予防接種の対象から外したインフルエンザをまた対象として復活させるのはなぜかということであります。

 前回は、大臣も御承知のとおり、学童へのインフルエンザワクチンの集団接種で多くの健康被害者を出し、裁判で国が敗訴した反省の結果としてこれを外したわけであります。今回は、六十五歳以上の高齢者への接種という形で復活させるということでありますが、生きている菌を無害化して人体に接種し抗体をつくり出すワクチンは、どんなに努力してもこれで安全、安心ということにはならないと思います。

 高齢者は、多くの人が体力が衰えております。こういう人たちに、より安心できるワクチンがこの数年の間に開発されたというような事情の変化でもあったのでしょうか、お尋ねします。

下田政府参考人 今回、インフルエンザを定期の予防接種に入れていただくということでございますが、このことにつきましては、予防接種問題検討小委員会を立ち上げまして、国内外の研究者による内外の知見をいろいろ御検討いただきました結果として、こういう結論に至ったわけでございます。

 特に、高齢者におきましては、死亡、重症化の防止効果が非常に高いといったことから、高齢者に限って対象とするというようなことで導入したわけでございますが、特段、この間におきましてワクチンの種類そのものが変わった、そういうわけではございません。

小沢(和)委員 そうすると、特にそういう技術的な進歩があったわけではないが、ここ数年の調査研究の結果、若干のリスクはあっても高齢者にはそれをはるかに上回るインフルエンザの予防、重症化防止の効果があるということになった、今の答えはそう聞こえますが、そういうことでしょうか。

下田政府参考人 そのとおりでございまして、具体的な数字を申し上げますと、これは我が国の中での研究もあるいは米国のCDCにおきます結果も、ほぼ同じ結果が出ておりますけれども、六十五歳以上の施設入所者の場合、相対危険度が約〇・二ということになってございまして、これは言いかえますと、インフルエンザワクチンを接種しないで死亡した方が千人いたと仮定をいたしますと、ワクチンを受けていればこのうち約八百人の方は死亡することがなかった、こういうふうに言いかえることができるかと存じております。

小沢(和)委員 ここ数年の調査研究の結果、そういう高齢者に重症化を防止するような効果があるということが改めて明らかになってきたというようなことではないんじゃないんですか。

 私は、前回の予防接種法改正のときの衆参両院の会議録を読んでみましたけれども、その中でも、インフルエンザの予防接種に疾病の重症化の防止効果が認められるという政府答弁は何回も出ております。

 当時既にそういう知見があったのなら、学童を対象から外したときに、もう一方のインフルエンザの集中的被害者である高齢者を入れるという改正を同時に行うことも可能だったのではないでしょうか。既に当時、日本以外の多くの先進国では、高齢者をインフルエンザ予防接種の対象にしておりました。日本のように学童に強制的に接種していた方が例外だったのではないですか。

下田政府参考人 アメリカにおきましては、既に十年ほど前から、六十五歳以上の高齢者につきまして、インフルエンザのハイリスクグループといたしまして勧奨による接種を行っておりました。

 しかしながら、日本におきましては、高齢者に対するインフルエンザの接種を法律に基づき実施するためには、諸外国の知見に加えまして、日本人を対象とした研究が必要であるというふうに考えておりまして、そこで、国内での研究班を立ち上げ、その効果あるいは健康被害の発生等の知見を探ったところでございます。

 そうした結果として、先ほどから申し上げておりますような効果があるということがわかりましたので、今回、定期の予防接種として入れるようお願いを申し上げているところでございます。

小沢(和)委員 日本人に有効かどうかということを対象にした調査をこの間にやったというふうに言われるのですけれども、さっきも言いましたように、前回の法改正のときの会議録で、既に何回もあなた方は、高齢者について、インフルエンザの予防接種に疾病の重症化の防止効果は認められる、そういう答弁をしているのですよ。これは、日本人に有効だということをあなた方が発言したということじゃないんですか。だから、私は今の答弁ではちょっと納得はいきません。

 先に行きますけれども、私は、当時そういう決断をしなかった代償が高くついているんじゃないかと思うのです。

 予防接種法から外された結果、国民の間でインフルエンザのワクチンへの信頼が低下し、その直後には接種率はほとんどゼロに近くなっております。近年になって回復してきておりますが、今どこまで回復していますか。これと対照的に、患者が急増し、死亡も高い水準で推移しております。最近数年間どういう数字になっておりますか。

下田政府参考人 インフルエンザによる死亡者数でございますが、平成十二年度におきまして……(小沢(和)委員「まず接種率から聞いておるんです」と呼ぶ)はい、ちょっと済みません、数字が入っておりませんので。――失礼をいたしました。平成十二年度におきまして、ワクチンの――申しわけありません、ちょっと資料を違えて。(小沢(和)委員「そんな難しいことを聞いているんじゃ全然ないじゃないの。あなた方は頭に入っていなきゃおかしいよ」と呼ぶ)

 何度も恐縮で申しわけございません。平成十二年十二月から平成十三年四月まで、インフルエンザで死亡した人間は百八十名ということでございます。そのうち六十五歳以上の方が百四十二名ということになっております。ちょっとさかのぼらせていただきますと、平成十一年十二月から平成十二年四月までは、五百五十九名の方が亡くなっておられ、そのうち六十五歳以上の方が四百六十八名。平成十年十二月から平成十一年四月まで、これは流行が多かった年でございますが、千三百三十名の方が亡くなり、六十五歳以上の方が千百三十七名亡くなっている、そういう状況でございます。

小沢(和)委員 それで、大臣、そういうような状況をつくり出したことについては政府の責任も大きいんじゃないですか。

坂口国務大臣 平成六年の改正時のことを私もちょっと知らないんですが、このインフルエンザに対するワクチンの効果というものをずっと私も見ておりますと、やはり流行を抑えるほどの効果は認められないといういろいろのデータが多い、しかし、個々人の重症化は抑えることができるというデータがある、こういうことだろうというふうに思います。

 したがいまして、今回も、個人の重症化というものを抑えるという意味で、高齢者の皆さん方に投与をするということを一つの法律として出させていただいたということではないかというふうに思います。

 御指摘のように、それだったら前回のときに高齢者だけ残しておけばよかったじゃないかという御意見も当然のことながらあるわけでございますが、その辺のことは、その当時、すっきりと割り切り過ぎたのかなという気もいたします。

 しかし、今回こうして再び出させていただきましたのにはそれなりの背景もあるわけでございますが、午前中にも述べましたとおり、これから先も、もう少し、やはり出す以上は胸を張って言えるようなデータも必要でございますので、多くの専門家の先生方に御審議をいただいて、次の見直しのところにはもう少しきちっとしたものを用意したいと思っております。

小沢(和)委員 今、インフルエンザの予防接種率が急激に低下したのは、ワクチンへの信頼が低下したからだと言いましたが、もう一つの原因は、負担が重いことだと思います。任意で接種を受けると費用は全額本人負担になると思いますが、幾らぐらいかかるんでしょうか。

下田政府参考人 それぞれの市町村によって異なっておりますが、私ども承知しておりますのは、四千円から六千円の間だというふうに承知をいたしております。

小沢(和)委員 その金額では、年金で細々と暮らしているお年寄りは、受けたくても受けられないような金額だと思うんです。

 今回、予防接種法の対象になれば、費用負担の軽減も期待できる、この点でも接種を受ける人の増加に役立つと思いますが、定期と臨時、それぞれ幾らぐらいになるという見通しですか。

下田政府参考人 予防接種法におきましては、実費を徴収することができるというふうにされておるところでございますが、生活困窮者等につきましてはそれは免除できる規定にもなっておりまして、その部分については地方交付税で補てんをすることといたしております。

 市町村が実費徴収をする額につきましてでございますが、これはそれぞれ市町村の実情に応じて決めることとされておりまして、一律に決めることとはなっていないということでございます。

小沢(和)委員 だから、今お話があったように、ある程度、自治体なども負担をする、国も交付税の中に算定をするわけでしょう。だからそうすると、さっき言われた四千円から六千円というような重い負担じゃなしに、定期と臨時でかなり下げることができるわけでしょう。そこのところをもうちょっと説明してください。

下田政府参考人 現行のインフルエンザの接種は任意接種でございますので、原則的には全額個人負担で接種をやっているわけでありますが、定期の予防接種に入れることによりまして、先ほど申しましたような公費が導入されますので、一人一人の方の御負担は相当軽減されるものではないかというふうに期待をいたしております。

小沢(和)委員 私は、政府の提案を一歩進めて、定期の予防接種を重視して、高齢者だれもが進んで受けられるように、思い切って費用負担を軽減するようにしたらどうかと思います。

 聞くところでは十一月が定期となっておりますが、この時期に高齢者が全部受ければ、一月、二月ごろが一番患者が発生する時期ですから、そのころは抵抗力もつき、被害を最小限に抑えることができる。定期が任意で本人負担もかなりあるということになれば、余り接種を受ける人がおらず、インフルエンザの流行も抑えられない。しばしば臨時の接種で大騒ぎをするということにもなるんじゃないでしょうか。長期的にもかえって財政負担がふえるのではないかと思いますが、こういうようなことは考えられないのか。

下田政府参考人 先ほどから申し上げて大変恐縮でございますが、現在は、通常の場合、全額自費でインフルエンザの予防接種を受けているわけでございますが、これが予防接種法の適用になることによりまして公費の導入も図られることになりますので、御本人の負担は相当軽減されるものと考えているわけでございます。また、生活困窮者等については、その部分についても免除になるというふうに考えております。

小沢(和)委員 では、時間も迫ってまいりましたから、次にもう一つ伺いたいんですが、子供たちへの予防接種の問題であります。

 今回の法改正に絡んで、また政府が次の段階で子供たちへの予防接種を復活するのではないかという不安の声が出ております。

 一昨年七月の予防接種問題検討小委員会の報告書には、「今後、厚生省において小児等のインフルエンザに関する有効性等に関する調査研究を行い、その結果に基づいて対応に関して早急に検討することを提言する。」とありますが、この調査研究は現在どうなっておりますか。

下田政府参考人 現在、六歳未満の小児につきまして、厚生科学研究費、乳幼児に対するインフルエンザワクチンの効果に関する研究というものを立ち上げまして、検討を行っておるところでございます。

 現在はまだ、対象症例数の決定あるいは研究デザインの設定といったところで、その部分の段階でございますので、まだ研究成果が出るには相当時間がかかろうかと思っておりますが、研究成果が出た時点で、厚生科学審議会等で十分専門的な御審議を賜りたいというふうに考えております。

小沢(和)委員 初めにも申し上げたとおり、学童への集団接種で大変な健康被害を引き起こしたために、前回の法改正でインフルエンザを予防接種の対象から外したいきさつがあります。だから、子供たちにもう一度接種をしようというのであれば、特に子供に安全なワクチンの開発、その有効性の検証、その間の情報の公開などがきちんと行われなければならないと思うんです。この問題については最大限の慎重さと国民的合意が必要だと思いますが、大臣はどうお考えになりますか。

坂口国務大臣 今御指摘をいただきましたとおり、かつては小学生、中学生などの学童を予防接種法の対象としていたわけでございますが、この小学生、中学生を対象にしましたインフルエンザの予防接種を実施することは、現在考えておりません。

 社会全体のインフルエンザの流行を阻止できるという明確なデータがなかったことから、前回、これを中止したわけでございます。したがいまして、今回の改正によりまして、それを覆すようなデータは今のところないということでございますし、現在、小学生、中学生に再び予防接種をするということを考えておりません。

小沢(和)委員 この機会にもう一つお尋ねしたいのは、子供のインフルエンザのとき解熱剤として使われてきたメフェナム酸の使用をやめることになった問題であります。

 これについては、既に数年前から、子供のインフルエンザ脳炎・脳症を引き起こす疑いがあると指摘されてまいりました。旧厚生省研究班の九九年度の調査でも、メフェナム酸を解熱剤に使った脳症患者は死亡率が高いとの結果が出ておりました。諸外国でも、メフェナム酸は子供向け解熱剤としてはほとんど使われていないと聞いております。

 なぜ、昨年五人もの死亡者が出るまで、それからも放置をして、ようやく本年五月になってやめることにしたのか。エイズ、ヤコブなどの教訓がまた生かされていないのではないかと思いますが、いかがですか。

宮島政府参考人 御指摘の件につきましては、平成十一年度のインフルエンザ脳炎・脳症の臨床疫学的研究班の研究におきまして、インフルエンザの臨床経過中に脳炎・脳症を発症した症例につきまして、解熱剤の投与と死亡との関連について解析を行ったところでございます。その結果、メフェナム酸が使用された症例では、解熱剤を使用していない症例に比較しまして、わずかに有意に死亡率が高いことを示唆する結果が得られました。しかしながら、該当症例数が総計六例と少なかったため、この結果をもって、メフェナム酸を含む解熱剤とインフルエンザ脳炎・脳症による死亡との関連について、結論的なことは言えない状況とされたところでございます。

 その後、平成十二年度におきまして同じ研究班で行いました研究では、メフェナム酸が使用された症例と使用しなかった症例の比較におきましては、死亡率につきまして統計学的な違いがないという結果が出ました。

 このように、過去二年間の研究結果によりますと、メフェナム酸につきましては明確な因果関係を認められるまでには至らなかったといったところでございます。

 しかしながら、インフルエンザによる発熱に対しまして使用する解熱剤に関して広く各方面の意見等をまとめるために、本年五月、薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会を開催いたしまして、日本小児科学会、それから研究者、メフェナム酸の製薬企業、それから市民団体の方々も参考人として参加していただき、意見交換等を行いました。その結果、平成十二年から十三年にかけてのインフルエンザの流行期におきまして、アセトアミノフェンの使用その他、メフェナム酸を使用しない代替処置で患者の予後に悪影響なく対応が可能であったことがわかりました。

 これによりまして、小児のインフルエンザに伴う発熱に対して、メフェナム酸製剤の投与は基本的に行わないことが適当であるとの合意を得まして、この旨を関係団体等への周知を図るとともに、添付文書の改訂を行いまして、小児のインフルエンザに伴う発熱に対してはメフェナム酸製剤を原則として使用しないことを記載したところでございます。

小沢(和)委員 これで終わりますが、いずれにせよ、今後、子供のインフルエンザのときに使う解熱剤については、改めて十分な安全性についてのチェックを行う必要があると思うんですが、今後の対応策をもう一言だけ言ってください。これで終わります。

宮島政府参考人 過去二回、このインフルエンザ脳炎・脳症の臨床疫学的研究班において研究を行っておりますが、この研究班において、今後も引き続き御指摘の問題については研究を続けるということにしております。

小沢(和)委員 終わります。

鈴木委員長 阿部知子君。

阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 本日の、インフルエンザを対象として予防接種法の改正を行う論議に当たって、もうきょう私の質問が終われば採択ということで、私から見れば極めて拙速の感を否めません。

 と申しますのも、実は、私が小児科医になりましたのが一九七四年でございまして、インフルエンザあるいは予防接種被害による、さまざまな子供たちの健康被害あるいは死亡という状況を私自身も経験してまいりましたし、やはり予防接種ということの対象者をどこまで広げるか、あるいは安全性をどう確保していくのかということにおいては、ちまたでもうたくさんの論議がございます。

 そして、恐らく本当に必要なことは、そうした論議を幅広く組み込んで、この厚生労働委員会が、本当に、国民に安心と安全性ということをきちんと伝えながら次のステップを踏むことかと思いますが、残念ながら私は、きょうの討議を聞いていても非常に問題が残りますし、強いて言えば、この法案には反対の立場からの質問をさせていただきます。

 先ほど私が申し上げましたように、一九七七年から九四年の間、実はこのインフルエンザは義務接種ということで、小中学生を対象に義務として行われてまいりました。延べ三億二千九百三十三万九千五百十五人の、延べですね、一人が大体、一生のうちというか、小中学校で三十回受けますから、延べとして三億三千万人弱の子供たちが受けて、ワクチンによる被害認定が百十五人ございました。

 御承知のように、被害認定というのは、確実にワクチンとの因果関係が強く疑われるものを認定いたしますので、実は氷山の一角であるとも言われておりますが、とりあえず認定された方が百十五人でございます。そういたしますと、単純計算で、百万人につき九人は予防接種禍が生まれておる。

 このワクチンは、先ほどの小沢委員の質問にもございましたが、現在も同じワクチンである。もしもでございますが、今予防接種が六十五歳以上の御高齢者に拡大されるとすると、高齢者率をどれくらいにとるかによりますが、二千万人から二千五百万人という方に一挙に拡大した場合、全員が接種するわけではないから半分が接種するよと見ても、一千万人として九十人の接種禍が生まれることも含めて考えていかなければならない。

 過去のデータというのは消すことができない貴重な資料でございますから、ワクチンにも変化がない、そして母集団をふやせば、当然それだけの予防接種禍はある意味では覚悟しなくてはならないかもしれない事態を論じているということをまず最初に御認識いただきまして、そしてその上で、きょう私は、坂口厚生労働大臣はもともと公衆衛生が御専門ですから、かなり的確な御答弁をいただいているかと思います。

 そうした御答弁も踏まえながら、実は一九九四年にインフルエンザの予防接種の対象から小児が除かれたときに、厚生省の保健医療局エイズ結核感染症課というところに当時所在しておられた課長と係長の方が大変よい文章を書いておられます。私が厚生省の方をこのように褒めるのは余りないのですが、しかし、これはとてもすぐれた文献だと思います。

 九四年の改正と申しますのは、大きく言えば、それまでの集団接種というものをもっと個人の側に引きつけて、個々人の体調を見て、個人防衛の観点から予防接種を考えようという、日本の予防接種行政上の大きな転換点でございましたが、それにのっとって、被害者への補償も含めて、よりよい方向に我が国の予防接種行政はこれまで進んできたと私は思っております。

 にもかかわらず、今回のこの一挙拡大、六十五歳以上、二千万人というのは、やはりステップを踏んでいない。逆に言えば、学問的に明らかになったことと明らかになっていないことの現実を踏まえた上で、ここまで拡大してしまっては大きな災いを生むだろうと思う次第であります。

 当時、子供たちへの接種が取りやめられた経緯は、先ほど坂口厚生労働大臣もおっしゃいましたが、ウイルスの型別予測が難しく、ワクチンの成分決定が困難であり、特殊なインフルエンザということで、十分な予防接種の有効性も当該疾病の流行も抑制できない、これは九四年段階の認識でございます。そして、先ほどの坂口厚生労働大臣も、現在もなおこの認識は、流行の予防はかなえられない、そこまでは認識しておると明確に何度か御答弁いただきましたので、この延長線上にある。ただし、高齢者で見た場合に、あるグループについては効果があるだろうと。

 私は、その場合、坂口厚生労働大臣が高齢者ということのイメージをどこまで厳密にしておられるのか。先ほど、年齢のイメージ、六十五歳ということを政令で定められるように拝聴いたしましたが、実はそれだけでは極めて、先ほど言いました二千万人に対象が一挙に拡大いたしまして、果たして、個人の重症化の予防、あるいは死亡率を下げることが本当に保証されているかどうかという問題がもう一方で生じると思います。

 きょう私がお手元に配りました資料の、サインカーブが出ているような資料をちょっとお目通しいただきたいのですが、そこには、アメリカで行われております予防接種で、アメリカはインフルエンザの予防接種を当初は六十五歳で同意の明確な方について行いまして、そのことによって、予防接種の接種率を上げていくことによって死亡が減ったかどうかということをこれは示したグラフでございます。サインのカーブがあるのは、季節差が、冬には普通でも死亡が多いということの当然のカーブですが、そこにスパイク状に乗っかったものが、超過死亡と統計学的には申しまして、恐らく肺炎とインフルエンザによる死亡者がそのときはふえておるというのがスパイク状のところでございます。

 これをずっと見ていただきますと、ここの横のこういうサインカーブと、そこにスパイクが出ておりますが、実は六十五歳以上の接種率が六六%になってもなお超過死亡は防げない、これがアメリカの百二十二の都市で出したデータでございます。

 もちろん坂口厚生労働大臣は先ほどおっしゃいました。一つは、流行予防にはならないと。超過死亡については言明されませんでしたから、恐らくまだ確証的なものはないとお考えかもしれません。この点は、実は我が国がこれからデータをとっていかなければならない重要な時点ですし、それから、あえて言えば、高齢者の重症化を防げるか否かについても、私はきのう厚生労働省の方から論文を取り寄せて、四つほどいただいたと思いますが、いずれを点検しましても母集団がふぞろいで、やはり統計学的な検証にたえ得ません。

 本当にそれは各所で指摘されておりますが、例えば、接種群と非接種群と分けた場合に、もともと接種されない群の人の方が御病気が重かったり、例えば同意がとれなかったり寝たきりであったりするものも込み込みで、接種群、非接種群ととっているような統計が非常に多うございます。それで接種群に何人死亡、非接種群に何人死亡とやったとて、実は本来の科学的データではございません。

 ですから、私どもが立つ現時点は、流行予防には確定的な効果がない。超過死亡率も、アメリカのデータでは接種率を実は今八〇%まで上げておりますが、これによっても超過死亡率は下げられない。そこで、施設の職員にも予防接種を受けさせております。そこまで進んでおります。やはり物事は一歩一歩データを残しながら行かなければいけない。そして、九四年から現在に、この法案の改正に至るまでに、本来は厚生労働省としてデータをそろえてこの法案改正に臨まれるべきであると私は思っておりますが、それにたえ得るデータの提示がないということを極めて残念に思うものです。

 そして、坂口厚生労働大臣にお伺いいたします。

 私も、議員になります数年前までは老人保健施設をお預かりしておりましたので、やはりハイリスク群という方たちに、例えば心臓病がおありとか、慢性の肺疾患がおありとか、こういう方へのインフルエンザワクチンについては、ある程度発熱率を下げたり、効果はあるものという立場に立っております。

 それで、繰り返し言いますが、一挙に六十五歳に母集団を全拡大するというプロセスが余りにも非科学的で乱暴だという私の趣旨として聞いていただきたいですが、私が厚生省からいただきました資料の中で、一番インフルエンザによると思われる死亡者が多かった平成十年十二月から十一年の四月にかけて、千三百三十名が亡くなられた。まずは在宅であったか施設であったか教えてくださいと言いましたが、これはわかりませんとおっしゃいました。では、せめて死亡診断書を見れば年齢がわかるでしょうから、年齢区分を教えてくださいと申しました。後期高齢者、七十五歳以上と前期高齢者を分けますと、後期高齢者、七十五歳以上が九百七十五人、七三・三%でございます。

 今、高齢者医療を何歳からにするかということは、他の方面では盛んに後に後にとずらしておりますが、はて、なぜかかる段階で六十五歳というところに今とりあえずの線をお引きになったのか。この点について、厚生労働大臣としての御見識を伺いたいです。

坂口国務大臣 今、いろいろの角度からのお話をいただきました。アメリカのデータも拝見をいたしました。

 それで、結論的に、六十五歳か、七十五歳かのお話になるわけでございますが、ここはそれほど医学的、学問的な面で線を引いているわけではございませんで、ここは、いわゆる高齢者という年齢の線引きで、六十五歳ということを今取り上げているというふうに思います。

 六十五歳という、いわゆる高齢者と言われております年齢にしておりますけれども、これから先、この中で、何歳以上のところでそうしたものが大変多いかということは、今後に大変大きな影響を与えることは間違いないというふうに思います。もちろん、七十五歳あるいは八十五歳というふうにして、これも母集団のとり方の問題でございますが、その中で死亡率の状況を見れば、高年齢になればなるほどやはりそれは高いのかもしれないというふうに私も思います。

 しかし、今回は一応六十五歳ということの線引きをさせていただいたわけでございますが、ここは、六十五歳の線引きは、そう科学的なデータに基づいてやった線引きではないというふうに私も思っております。

阿部委員 私の提案は、やはりハイリスク群から慎重に医師の診断に基づいて行うことであると考えております。

 ちなみに、イギリスにおけるワクチン接種の優先順位リストというのを御紹介いたしますが、一番目が医療関係者でございます。二番目が、社会を維持するために必要な職業。自衛隊員も入られると思いますが、警察、通信、運輸、葬儀、消防士の方々。三番目が、心疾患、呼吸器疾患、腎不全などの慢性疾患を持つハイリスク患者。四番目が妊婦。五番目が老人ホームの入居者。六番目が七十五歳以上の老人のすべて。七番目が六十五歳以上の老人のすべて。ちなみに、十二段階に分けてございまして、十二段階目はゼロから十九歳となっておりますが、子供は最下位というか対象のほかに外れますが、やはり私は、ある程度これが重症化を予防する効果があるのではないかという、これは随所で指摘されておりますから、その点を一応共通認識としました上で、しかしながら、やはり接種の優先順位というものをきちんと系統立てていくべきであると思います。

 これはいろいろな対策においてもそうだと思いますが、今一挙に、先ほど言いましたように六十五歳以上に対象を拡大すれば、人口でいえば二千万から二千五百万となってまいります。やはり、一番かかりやすい群、あるいはかかって、その方が重症化しやすい群ということを厚生行政は重んじて考えていただきたい。この点について、きょうは私しか反対がいないかもしれないので、今後というか、これから厚生労働省として接種対象を学問的に御検討いただくというお約束をいただけますでしょうか。

坂口国務大臣 貴重な御指摘だと思います。しっかり勉強させていただきたいと思います。

 それにいたしましても、先ほど順番をずっと挙げられましたけれども、政治家は最後まで出てまいりませんで、ちょっとがっかりいたしました。

阿部委員 政治家は社会を維持するために必要な職業に入るかと思いますので、二番目。坂口先生は医療者ですので一番目に入りますので、ちなみに。

 そして、続いて桝屋厚生労働副大臣にお伺いいたします。質問通告していなくてごめんなさい。朝からずっと聞いていて、やはりこれは桝屋さんに聞くのが一番かなと思いましたので、聞かせていただきます。

 きょう私がお手元にお配りしました二枚目の表でございます。これはさっき桝屋さんのお話を聞きながら急遽ワープロでつくりましたもので、今回の法の改正で何が変わるんだという話でございます。

 接種対象は、先ほど申しましたように六十五歳以上ということである程度明瞭になりましたが、上が現状、下が改正後でございます。現状でも、皆さんよく誤解されますが、予防接種は今でも、例えば私の、医師の個人の責任で患者さんに説明して、はい、打ってくださいと言えば、こわごわ、あるいはいいよと言って打って、それでその責任も含めて、私もかぶり、患者さんも何がしかの、御自身の自己責任というのもございますし、でも、やはり例えばワクチンの性状とかいろいろなものによって生じた副反応については、医薬品副作用被害救済機構というところに持っていくことになっております。これが現状でございます。

 改正後、果たして何が変わるか。実は、今度は市町村から接種医師に委託されまして、接種医師が御高齢者に接種いたすのでございますが、この同意は一応接種医師の方に向けてございますが、医師の直接責任が免除される仕組みがこれでございます。私は万歳でうれしいけれども、でもやはり、医療行為というのは、この際というか、医療行為というものを患者さんの側に自己責任を要求するのであれば、医療者の極めて自覚した責任が必要になろうかと思うのです。

 その意味で私は大変に問題な論文を発見してしまいました。何かというと、厚生労働省がよくお引きになる神谷先生の論文の中に、この改正によって、実は救済機構それ自身は変わらないのです。一般の医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構並みの補償をすることになる。変わらない。しかし、予防接種法で補償された形で接種ができるということは、接種医にとってはメリットである。こういう結論になっております。

 これがよく引かれます神谷データの神谷さんの論文ですが、私は、医師ゆえに直観的にこれがわかったのだと思います。私も、あれ、何が変わるのかなと思って見ましたときに、やはり個々の医師にとって予防接種というのは非常に不安が強いものでございます。日ごろから患者さんを見ていても、やはり特異な副反応というのがございますから、それでちゅうちょするところもあるし、逆にその分厳密に問診をして自己責任をきちんと果たすということを私は一人の臨床医としてしているわけです。しかしながら、今回の改正で、いみじくもこの神谷さんがおっしゃったような印象が医師の中に広範に受けとめられ、そして、やはりシステム上も決してうそではないわけです。

 先ほど桝屋副大臣は、公費による補償になりますよとおっしゃいましたが、それは事実誤認でございます。ごめんなさい。なぜかというと、この同じ医薬品副作用被害救済機構で行うのです、今まででも、これからでも。公費は公費、この医薬品副作用救済機構で行いますから、そこに何らの差もないのです。

 ただし、これは中川智子が出しました質問主意書でも、あたかも何か費用的に得になるかのような書き出しが答弁書にもございました。この点についてはきちんと認識していただいて、救済機構自身は変わりません、ただし、個別の接種医師の責任が軽くなるということですので、桝屋厚生労働副大臣に、先ほどの御答弁とのそごのないように、ちょっと再度の御答弁をお願いいたします。

桝屋副大臣 私を指定してのお尋ねでありますから。医師の問題でありますから大臣にお答えしていただいた方がいいと思いますが。今委員がお尋ねになった、今回の予防接種法の改正によって、特に被害の救済のシステムでありますが、どうも委員の方に誤解があるのではないかなと。私が間違ったようにおっしゃられたのですが、私まだ、ごめんなさい、自分の間違いがいまだにわかっておりませんが、多分間違っていないんじゃないかと思っているのでありますが、なお御指摘があったら教えていただきたいのですが。

 医薬品副作用被害救済機構、この改正後のペーパーがありますね。この仕組みで、まさにインフルエンザの予防接種でもし健康被害が出た場合は、医薬品副作用被害救済機構で救われるということではないというふうに私は思っておりますし、あくまでも新しい仕組みの中で、今回のまさに予防接種法の仕組みの中で救済をされるというふうに私は理解をしております。

 それでもう一点、医師の話がありましたが、今回、これは予防接種法でありますから、あくまでも、この法改正によって位置づけされる今回のインフルエンザについては、それは事業実施主体が市町村でありますから、この図のとおり市町村が接種医師に、委託をするという表現がいいかどうかでありますが、しかし、事業実施責任は市町村にありますものの、私は、医療行為一般にかかわる医師の責任というものはいささかも変化があるというふうには思っていないのでありますが、なお間違いがありましたら御指摘をいただきたいと思います。

阿部委員 それでは、本当はこれで時間をとりたくないのですけれども、担当部署から、今回の救済が新しい法枠なのか、それともこの医薬品副作用被害救済機構によるものなのかだけお答えいただけますか。もしかして私の勘違いかもしれませんし。

下田政府参考人 先生からいただきました資料でございますが、現状は任意接種の場合、下の場合は改正後の場合ということでございますが、改正を行いましてインフルエンザが定期の予防接種になりました場合の被害でございますけれども、この場合の救済制度は、予防接種法に基づく救済制度で救済されることになるということでございます。

阿部委員 しかしながら、予防接種法に基づく、一類、二類とございまして、二類については、医薬品副作用被害救済機構のものを使うと書いてございますので、よろしくお願いします。

桝屋副大臣 お答えします。

 恐らく、先生は、今回の予防接種法で、一類、二類、二類のインフルエンザによる健康被害については、先ほど医薬品の副作用被害救済機構、これを使うというふうに我々説明したものですから、制度そのものと誤解されたと思います。補償のレベルであります。

 だから、予防接種法とそれから医薬品副作用被害救済機構、これを比較して我々も議論したわけでありますが、あくまでも制度は別でありまして、被害を救済する場合の救済レベル、これがまさに二類の場合は医薬品副作用被害のこのレベルを使うということでございますから、どうぞ誤解のないように。

阿部委員 わかりました。私は実をとりまして、レベルが低いという事実を指摘いたしました。例えば死亡の場合、四千二百万円と七百万円では大きな差がございます。二類に属するものは七百万円コースでございます。新しい予防接種法の枠を設けたからといって、被害認定がそのような軽い命に扱われるということは、やはりもう一度慎重に御検討いただきたい。

 私は、ちょっと詰める時間がないので、もう二点お願いします。

 いわゆる費用負担ですが、今、国は、この予防接種について七十億を計上してございます。例えば、三〇%の六十五歳以上の接種率といたしましても、予算として二百五十億が入り用になってまいりますが、その落差はどこが負担いたしますでしょうか。

下田政府参考人 現在、任意の予防接種で行う場合は全額被接種者が払うということは申し上げましたが、今回、定期の予防接種に入りますと、これは公費負担がございまして、その部分だけ患者負担が軽くなるということでございます。

 先ほど七十億と申し上げましたのは、その交付税の部分、これを積み上げますと約七十億になるというふうに申し上げたわけでございます。

阿部委員 御答弁を正確にいただきたいですが、全体を二百五十億として、七十億との差はだれが出すのかと。地方自治体がかぶるわけでございます、これは。

 地方自治体には、きのう総務省の方にも来ていただいていまして、時間がなくて申しわけないですが、どれくらいの額、どのように分けるのですか七十億をと申しましたら、十万人都市で五百万円だと。そこには、過疎とか高齢化率を全く考慮しない、人数割りの配分をなさるという御返答でした。ということは、過疎と高齢化の高いところに市町村の負担が増してまいります。そこでは、御高齢者に打つにはそれだけの予算が必要になってまいります。私は、地方分権の時代に逆行する悪法だと思います。

 最後に一つだけ。

 同じく、先ほどの厚生省の保健医療局結核感染症課、同じところがこんなひどいものを出すのかと思いますが、こういうにぎにぎしいパンフレットで、幾つも、うそがございます。

 例えば、「予防の基本は、流行前に予防接種を受けることです。」と。流行は予防できないと先ほど坂口厚生労働大臣もおっしゃいました。なぜ、これが市民に向けられたインフォームド・コンセントであれば、うそっぱちと申します。流行は予防できない。個人の重症化を防げる、場合によってというふうに、文章を改められるべきです。

 幾つもこれにはうそがございますけれども、時間がないので、終わらせていただきます。

鈴木委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

鈴木委員長 この際、本案に対し、吉田幸弘君外五名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党及び保守党の五派共同提案による修正案が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。金田誠一君。

    ―――――――――――――

 予防接種法の一部を改正する法律案に対する修正案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

金田(誠)委員 ただいま議題となりました予防接種法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党及び保守党を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 第一に、一類疾病及び二類疾病の定義を明確化し、その発生及び蔓延を予防することを目的として、予防接種法の定めるところにより予防接種を行う疾病を「一類疾病」、個人の発病またはその重症化を防止し、あわせてこれによりその蔓延の予防に資することを目的として、予防接種法の定めるところにより予防接種を行う疾病を「二類疾病」とすること。

 第二に、当分の間、インフルエンザに係る定期の予防接種の対象者を高齢者であって政令で定めるものに限定し、これに伴い、予防接種による健康被害に対しては、障害児養育年金は給付されないものとすること。

 第三に、政府は、この法律の施行後五年を目途として、高齢者に係るインフルエンザの流行の状況及び予防接種の接種率の状況、インフルエンザに係る予防接種の有効性に関する調査研究の結果、その他この法律による改正後の予防接種法の規定の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、インフルエンザに係る定期の予防接種のあり方等について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずる旨の規定を追加すること。

 第四に、施行期日を公布の日に改めること。

 以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

鈴木委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

鈴木委員長 これより本案及び修正案を一括して討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 第百五十一回国会、内閣提出、予防接種法の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。

 まず、吉田幸弘君外五名提出の修正案について採決いたします。

 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

鈴木委員長 起立多数。よって、本修正案は可決されました。

 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。

 これに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

鈴木委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

鈴木委員長 この際、本案に対し、吉田幸弘君外五名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党及び保守党の五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。山井和則君。

山井委員 私は、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党及び保守党を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。

 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。

    予防接種法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。

 一 予防接種による健康被害の発生を予防するため、インフォームド・コンセントの徹底、予診の充実を図るとともに、ワクチンの改良開発に努めること。

 二 老人福祉施設等におけるインフルエンザの流行を防止するため、入居者の健康管理の充実に努めるとともに、併せて、特別養護老人ホームの居室の個室化の推進を図ること。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

鈴木委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

鈴木委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付すことに決しました。

 この際、坂口厚生労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。坂口厚生労働大臣。

坂口国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして、最大限努力をいたします。ありがとうございました。

    ―――――――――――――

鈴木委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

     ――――◇―――――

鈴木委員長 次に、第百五十一回国会、内閣提出、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部を改正する法律案及び山花郁夫君外五名提出、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部を改正する法律案の両案を議題とし、順次趣旨の説明を聴取いたします。坂口厚生労働大臣。

    ―――――――――――――

 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

坂口国務大臣 ただいま議題となりました育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 少子高齢化等が進行する中で、労働者が仕事と家庭を容易に両立させることができるようにすることは、労働者の福祉の増進を図る上でも、経済社会の活力を維持していく上でも、極めて重要な課題となっております。

 このような状況に対処するためには、育児休業の取得や職場復帰をしやすい環境を整備するとともに、労働者が子育てをしながら働き続ける上で必要な時間を確保すること等が必要となっており、政府といたしましては、本法律案を作成し、ここに提出した次第であります。

 次に、この法律案の内容につきまして、概要を御説明申し上げます。

 第一に、事業主は、労働者が育児休業や介護休業の申し出や取得をしたことを理由として不利益な取り扱いをしてはならないこととしております。

 第二に、育児や介護を行う一定範囲の労働者が、一年につき百五十時間、一カ月につき二十四時間を超える時間外労働を免除するよう請求することができる制度を設けることとしております。

 第三に、育児を行う労働者に対して勤務時間の短縮等の措置を講ずる事業主の義務に関し、対象となる子の年齢を一歳未満から三歳未満に引き上げることとしております。

 第四に、事業主は、労働者がその子の病気またはけがの際に休むことができる子の看護のための休暇制度を導入するよう努めなければならないこととするほか、労働者の転勤について育児や介護の状況に配慮しなければならないこととする等の事業主が講ずべき措置を定めることとしております。

 第五に、国等は、仕事と家庭の両立に関し、事業主、労働者その他国民の理解を深めるために必要な広報活動その他の措置等を講ずることとしております。

 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。ありがとうございました。

鈴木委員長 次に、山花郁夫君。

    ―――――――――――――

 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

山花議員 ただいま議題となりました育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。

 男女共同参画社会基本法の前文にもうたわれておりますように、男女共同参画社会の実現は、二十一世紀の最重要課題でございます。本法律案は、これを労働法制の側面から推進しようとするものでございます。

 それでは、本法案の内容を簡単に御説明申し上げます。

 第一に、法律の題名を、労働者の職業生活と家庭生活との両立を支援するための育児休業、介護休業等に関する法律に改めます。

 第二に、育児休業制度を改正し、男親も取得しやすい制度に変更いたします。

 まず、子が小学校就学の始期に達するまで分割取得ができるものといたします。育児休業の期間は、労働者一人につき原則七カ月といたしますが、両親とも働いている場合には、パートナーに六カ月譲ることができるものといたします。

 さらに、現行法のもとでは労使協定によって制限可能とされている、配偶者が専業主婦であるケースなど、子を養育できると認められる場合についても、育児休業の取得ができるものといたします。

 第三に、小学校就学の始期に達するまでの子を看護するための休暇を創設いたします。

 日数は原則、子一人につき年間十日、上限を十五日とするものといたします。

 第四に、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者が請求した場合、一日の所定労働時間の四分の一以下の範囲内で勤務時間の短縮をしなければならないものといたします。

 第五に、育児・介護休業、看護休暇、勤務時間の短縮等の措置を請求、取得したことを理由として、解雇その他不利益な取り扱いをしてはならないものといたします。

 例えば、育児・介護休業から復帰したときに原職または原職相当職に復帰させること、短時間勤務に際しての賃金その他の労働条件について、請求前の賃金その他の労働条件との均衡を保つようにすることも含むものといたします。

 第六に、期間を定めて雇用される労働者のうち実質上期間の定めなく雇用されているものとして厚生労働省令で定める要件に該当するものについては、育児休業及び介護休業の取得ができるものといたします。

 そのほか、時間外労働、休日労働の制限、深夜業の制限、就業場所の配慮等所要の規定に関する整備を行うことといたしております。

 男女ともに、仕事も育児も介護もともに助け合いながら両立していくことのできる二十一世紀の新しい日本の社会を築いていくため、何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますことをお願い申し上げまして、趣旨の説明といたします。

鈴木委員長 以上で両案の趣旨の説明は終わりました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時四十六分散会




このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © 2014 Shugiin All Rights Reserved.