衆議院

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第5号 平成13年10月31日(水曜日)

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平成十三年十月三十一日(水曜日)

    午前十時開議

 出席委員

   委員長 鈴木 俊一君

   理事 棚橋 泰文君 理事 谷畑  孝君

   理事 森  英介君 理事 吉田 幸弘君

   理事 鍵田 節哉君 理事 釘宮  磐君

   理事 福島  豊君 理事 佐藤 公治君

      奥山 茂彦君    上川 陽子君

      鴨下 一郎君    木村 義雄君

      熊代 昭彦君    佐藤  勉君

      七条  明君    菅  義偉君

      田村 憲久君    高木  毅君

      竹下  亘君    西川 京子君

      野田 聖子君    林 省之介君

      原田 義昭君    松島みどり君

      宮腰 光寛君    宮澤 洋一君

      望月 義夫君    吉野 正芳君

      石毛えい子君    大島  敦君

      加藤 公一君    金田 誠一君

      土肥 隆一君    永田 寿康君

      古川 元久君    三井 辨雄君

      水島 広子君    山井 和則君

      山花 郁夫君    青山 二三君

      江田 康幸君    樋高  剛君

      小沢 和秋君    木島日出夫君

      阿部 知子君    中川 智子君

      井上 喜一君    川田 悦子君

    …………………………………

   議員           鴨下 一郎君

   議員           塩崎 恭久君

   議員           田村 憲久君

   議員           津島 雄二君

   議員           根本  匠君

   議員           山花 郁夫君

   議員           青山 二三君

   議員           江田 康幸君

   議員           福島  豊君

   厚生労働大臣       坂口  力君

   厚生労働副大臣      南野知惠子君

   厚生労働大臣政務官    佐藤  勉君

   政府参考人

   (厚生労働省雇用均等・児

   童家庭局長)       岩田喜美枝君

   参考人

   (日本経営者団体連盟常務

   理事)          荒川  春君

   参考人

   (ゼンセン同盟常任中央執

   行委員女性局長)     秋元かおる君

   参考人

   (全国労働組合総連合常任

   幹事・女性局長)     中嶋 晴代君

   参考人

   (中央大学法学部教授)  山田 省三君

   厚生労働委員会専門員   宮武 太郎君

    ―――――――――――――

委員の異動

十月三十一日

 辞任         補欠選任

  北村 誠吾君     菅  義偉君

  佐藤  勉君     望月 義夫君

  野田 聖子君     七条  明君

  三ッ林隆志君     高木  毅君

  家西  悟君     山花 郁夫君

  古川 元久君     永田 寿康君

  三井 辨雄君     石毛えい子君

同日

 辞任         補欠選任

  七条  明君     野田 聖子君

  菅  義偉君     北村 誠吾君

  高木  毅君     三ッ林隆志君

  望月 義夫君     佐藤  勉君

  石毛えい子君     三井 辨雄君

  永田 寿康君     古川 元久君

  山花 郁夫君     家西  悟君

    ―――――――――――――

十月三十一日

 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部を改正する法律案(山花郁夫君外五名提出、第百五十一回国会衆法第四一号)

 児童福祉法の一部を改正する法律案(金田誠一君外五名提出、第百五十一回国会衆法第四二号)

は委員会の許可を得て撤回された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、第百五十一回国会閣法第三六号)

 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部を改正する法律案(山花郁夫君外五名提出、第百五十一回国会衆法第四一号)

 児童福祉法の一部を改正する法律案(津島雄二君外八名提出、衆法第二号)

 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部を改正する法律案(山花郁夫君外五名提出、第百五十一回国会衆法第四一号)及び児童福祉法の一部を改正する法律案(金田誠一君外五名提出、第百五十一回国会衆法第四二号)の撤回許可に関する件




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     ――――◇―――――

鈴木委員長 これより会議を開きます。

 第百五十一回国会、内閣提出、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部を改正する法律案及び第百五十一回国会、山花郁夫君外五名提出、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部を改正する法律案並びに津島雄二君外八名提出、児童福祉法の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。

 本日は、各案審査のため、参考人として、日本経営者団体連盟常務理事荒川春君、ゼンセン同盟常任中央執行委員女性局長秋元かおる君、全国労働組合総連合常任幹事・女性局長中嶋晴代君、中央大学法学部教授山田省三君、以上四名の方々に御出席をいただいております。

 この際、参考人の皆様方に一言ごあいさつを申し上げます。

 本日は、御多用のところ本委員会に御出席を賜りまして、まことにありがとうございます。それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただき、審査の参考にいたしたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。

 次に、議事の順序について申し上げます。

 最初に、参考人の皆様方から御意見をそれぞれ十五分以内でお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。

 なお、発言する際は委員長の許可を受けることになっております。

 それでは、まず荒川参考人にお願いをいたします。

荒川参考人 私は、日本経営者団体連盟常務理事の荒川春と申します。

 本日、衆議院厚生労働委員会におきまして、内閣提案の育児・介護休業法改正法案並びに議員提案の二法案の審議に際しまして、参考人として意見を述べることができることを大変感謝しております。

 今、我が国では、男女共同参画社会づくりに向けまして、社会のさまざまな分野で取り組みが始まっております。その中で、仕事と家庭の両立のための環境整備、大きなテーマで、かつ実行を求められているものであるということにつきましては、使用者として十分理解し、さらに、個別の労使、あるいは産業のレベル、地域のレベルでさまざまな議論がされていると認識をしているところであります。

 経営側といたしましては、仕事と家庭の両立を具体的に展開するために、第一番目には、職場、地域社会、家庭、学校等、社会の各分野で男女の性的役割分担意識の解消に向けた意識改革を十分に行うことが前提であり、先決問題であると考えております。

 例えば、職場におきましては、経営者、管理職、同僚、部下、はたまたお取引先などが事業所の組織としてかかわっているわけでございますが、そこにおきましては、働くこととそれから家庭のこと、これをいかように思うかということにつきまして、日ごろの全活動におきまして認識を新たにしていくということが今求められているものだと思っております。

 確かに、職場は働く場所であります、違いございません。生活の一分野であることも違いないところであります。職業生活があるのも、家族を持っていらっしゃるところにつきましては、その家族が職場生活の出発点であり、家庭からその活動が職業生活に反映されるもの、こういう考え方が出てくるところであります。子供の養育や家族の介護に象徴されますように、あらゆる事項につきまして家族全体の働くことに対する支え合いというものがあって、仕事が進む、うまくいく、あるいは職場という組織活動ができるという関係を、改めて考えていく。さらには、その中で実効あるものは取り進めていく、ここにポイントがあると思います。

 しかし、この考え方につきましては、大げさにいいますと、新しい文化形成に等しいものであろうと思っております。それならば、この認識形成あるいは意識改革は、すべての事柄の前提に置くものである。それができないからといって、お国の指導あるいは法規制で行うということにつきましては、ロジックが違うのではないかといったような感じを私は持っております。

 さらに、環境整備のために社会全体が先行して動くことにつきましても、やはり慎重な姿勢が必要だということも申し上げてみたいと思います。

 しかし、環境整備は必要であります。そこで第二に、環境整備、社会規範づくりの点でございます。

 行政指導や法律でという考えがあります。その場合には、やはり最低限のルールを定め、それを超える部分につきましては、関係者、職場であれば例えば労使、労働組合があろうとなかろうと、労使という中での話し合いや工夫、この措置を積み上げて、その中でルールをつくる、慣行をつくるということで生み出されていくものだと思います。

 職場における仕事と家庭生活の両立は、経営者だけの取り組みで求められるものではないことは確かでございます。むしろ、働く人たちの間の相互の理解が、具体的なアイデアの中で生まれる、意識啓発がされるということがあってこそ成就するものであると思います。さらには、両立を支援する人、あるいはされる人、このバランスということも考えなければならないところであります。

 このような考えに立ちまして、今回上程されました育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部を改正する法律案並びに関連提出法案につきまして、個別的な意見を述べさせていただきます。

 日経連では、職業生活と家庭生活の両立を支援する、その代表的なものといたしまして育児休業があると考えておりまして、その関連施策も含めまして、平成四年の法制定と、それ以前からの独自の取り組みをあわせて見ましても、制度の普及、利用者の増大、十分な実績が出ている、制度の成果を出していると評価するところでありまして、改めて法改正をするよりも、さらなる運用実績を積み上げていくことを視点に取り組むべきではないかというスタンスを持っておりました。

 もちろん、さきの国会で、時間外労働の制限問題につきまして、法律あるいは国会審議の附帯意見を尊重するというところから、その部分についての検討をしなければならないということは十分理解するところでありますが、例えば看護休業等の審議を行うことなど、新しい改定問題も含めまして、なかなか私どもすっと理解ができにくい場面が相当ございました。

 しかし、女性少年問題審議会女性部会におきまして、昨年の夏から年末にかけて十六回の多岐にわたった真剣な議論をし、労使それぞれの主張に隔たりがある中にも最終的には公労使三者委員の厳粛な結論を踏まえた建議までたどり着かれたこと、そして、その建議をベースに政府として法案要綱をつくられたことを思いますと、使用者側といたしましては、今回、内閣提出の同法案につきまして粛々と御審議をいただき、同案が可決成立されることを願うところでございます。ぜひとも、この点をお願いしたいと思います。

 個別の意見として、三点申し上げます。

 法案の中で、時間外労働の免除措置につきまして議論がされました。

 子の養育を行う労働者の時間外労働の制限につきましては、本来、激変緩和措置として、期間が終了すればまさしく終了であろうと我々は思っておりました。ですから、ポスト激変緩和措置の設定につきましては疑問があったところであります。

 しかし、御案内のとおり、平成十年の労働基準法改正の際に規定されました検討事項、労働基準法第百三十三条でありますが、や、その関連の国会附帯意見決議がされたことを前提にしなければならないということも理解しておりまして、そこで、新たに男性にも適用されること、現行の時間外労働の上限が三百六十時間であるのに、一定の水準を超える時間外労働の水準を年間百五十時間とするということについて、やはり疑問を持ったところでありますが、最終的にはやむを得ないと理解したところであります。

 二点目。勤務時間の短縮等の措置の対象となる範囲の拡大でございます。

 対象となる子の年齢を一歳から三歳に引き上げることは、労務管理上の負担が多く、特に中小企業ではなかなかとりにくいこと、難しいことを考えなければなりませんでした。しかし、これも大変な議論をしていただきまして、ぎりぎりのところでやむなしと私ども判断せざるを得なかったところを御理解いただきたいと思います。

 三番目ですが、勤務時間短縮の措置の中で、短時間勤務を別格にし一律義務化すべきであるという議論もされたと聞いております。

 考えてみますと、業種業態におきまして、あるいは同じ事業所の中でも、さまざまな取り組み、適している、適していない措置があると思います。一律というのはなかなか難しい、現実的でないと思っております。例えば三交代勤務職場では、短時間労働者のために絶えず時間外労働を行う労働者の設定をしなければならないといったようなことがあるからであります。やはり、バリエーションの一つとして設定していただきたいということであります。

 最後に、看護休暇の努力義務化の点でございます。

 まず、導入の経緯につきましては、職場での休みがとりにくいという雰囲気が問題であるというのが原点だと聞いております。そうであれば、まず、これもまた緊急の看護を要する措置でありますから、職場内におきまして、さまざまな人の理解と意識改革と、その意識変化をつくり上げるということが先決であろうと思っております。

 現在、看護にかかわる何らかの措置をとっている企業は全体の八%という統計が出ております。実際、現場では、まさしく支援的な取り扱いをさまざまな形で取り決めている、あるいは慣行にしていると私どもいろいろな場面で聞いております。その積み上げが今一番必要だと思います。法を上回る年次有給休暇の付与、あるいは失効年次有給休暇の積立制度の運用範囲の拡大などをしておりまして、その中で子の看護の休暇問題につきましても解決していこうというもの、あるいはその都度その都度の皆さんのやりくりを職場の雰囲気の中にきちっとつくっていく、こういうことにあろうかと思っております。

 最後に、津島先生外御提案の児童福祉法改正案で示されております、認可外保育施設に対する届け出制の創設、認可外保育施設利用者への情報提供の強化、悪質な施設の排除の徹底などの内容につきましては、基本的に賛成の立場にあります。中でも特に、効率的な保育サービスの提供の推進については、積極的に取り組んでいただきたいと存じます。

 日経連はかねてより、待機児童の解消に向けまして、延長保育、休日保育などの保育サービスの一層の充実を図るとともに、保育事業への民間参入や公設民営の促進など、民間活力の利用を強く求めているところであります。仕事と家庭の両立支援のために、ぜひとも積極的にお取り組みをいただきたいと存じます。

 ありがとうございました。(拍手)

鈴木委員長 どうもありがとうございました。

 次に、秋元参考人にお願いいたします。

秋元参考人 おはようございます。ゼンセン同盟の常任中央執行委員をしております秋元かおると申します。よろしくお願いいたします。

 きょうは、この場で意見を述べる機会を与えていただきまして、ありがとうございます。

 男女がともに仕事と家庭を両立させ、生涯を通じて充実した生活を送ることができるようにするために、両立支援のための対策が必要かつ急務であることは、労働組合のみならず、政府の各種審議会、会議、経営者団体など、各方面から指摘や提言がなされています。

 二年前には男女共同参画社会基本法が施行され、昨年十二月には基本法に基づく基本計画も策定されました。今求められているのは、当たり前に男女がともに仕事と家庭の両立が図れるように、社会全体を見直し、緊急に何を実行していくかという国としての対策です。

 このような観点から、現在審議されている政府及び民主党提出の育児・介護休業法の一部を改正する法律案に対して意見を述べさせていただきます。

 民主党提出の法律案が採択されることを望みますが、それがかなわないときには政府提出の法律案をよりよいものにしていただきたい、それがILO百五十六号条約を批准している我が国の責務であると考えます。

 具体的な項目の一つ目は、子供の看護休暇です。子供の看護休暇については、請求権とすべきです。

 財団法人女性労働協会の、育児・介護を行う労働者の生活と就業の実態等に関する調査では、仕事と育児を両立するために必要と思う対策に、子供のための看護休暇が一番多く挙げられています。

 また、連合の実施した子ども看護休暇に関する調査では、一年間に、子供の病気、けが、予防注射、定期検診を理由に保育園に預けられなかった日数は、平均で十六・三日になっています。ただし、一歳児をカバーできる日数、また保育園入園当初の一年間をカバーできる日数としては、およそ年二十日程度になっています。

 この連合の調査に切実な声が多数寄せられていますが、幾つか紹介したいというふうに思います。

 まず最初に、子供が病気のときくらい家でゆっくり見てやりたい、肩身の狭い思いをせずに休暇のとれる制度が欲しい、気兼ねなく子供のための看護休暇がとれるようになったら第二子が欲しいです。

 次の人は、三歳くらいまで子供二人とも大変でした、両方の祖父母の協力なしでは無理でした、看護休暇のできることを願っています。

 その次に、育児休業から復帰した次の日から、発熱などで立て続けに休みました、ぜひ法制化されるよう早くお願いします。

 次の人ですが、二歳ころまでは本当によく病気をし、職場の上司の理解もなく、仕事をやめてしまえとか子供を殺してしまえと何度言われたことか、あのときのことを思い出すと、しんどくて、次の子を産む気になれません、一日も早くこの制度ができることを望みます。

 次に、核家族では、年次有給休暇を子供の病気のときに使い切ってしまい、共働き家庭はぎりぎり時間的余裕のない生活をしています。

 また、少子化などで保育園の整備なども少しはなされていますが、看護休暇がなかったらやめざるを得ないのが実態であり、サポートのない人は本当に苦しいし、子供を保育園に行かせるため、登園前に座薬を使って、その場、熱を下げさせているという話も聞きます、そんなことをしなくても済むようにしてください。

 本当に切実な意見が寄せられております。ぜひ今国会で、子供看護休暇を請求権としていただきたい。

 二つ目は、時間外労働の制限を請求できる対象者に関する件です。

 政府案は、雇用された期間が一年に満たない労働者が適用除外になっていますが、これは理に合いません。

 育児や介護を行う一定範囲の労働者が、一年につき百五十時間、一カ月につき二十四時間を超える時間外労働を免除するよう請求できる制度ですから、時間外労働を全くしないという請求ではありません。

 雇用期間一年に満たない労働者に該当する人は、新卒の人ばかりではありません。現在のような雇用環境の中で、転職を余儀なくされている人もいます。昨日は、失業率が最悪の五・三%、完全失業者数三百五十七万人と発表されました。このような中で、転職を余儀なくされた人が育児に携わっていたり介護に携わっていても、時間外労働を百五十時間までにしてほしいという選択が、勤続一年未満だからできないということです。このような制度は、両立支援を充実させるという改正法の趣旨にそぐわないものです。

 国の方針である年間総実労働時間千八百時間の達成目標もある中で、時間外労働の削減が求められているにもかかわらず、逆行するものではないでしょうか。時間外労働の制限の対象に、勤続一年未満の労働者を対象とすべきです。

 三つ目は、勤務時間の短縮の措置です。

 政府案は、勤務時間の短縮やフレックスタイム等のメニューの中から一つ以上を選択するという事業主の義務を、一歳未満から三歳未満に引き上げるものです。

 育児休業復帰後の勤務時間の短縮の制度は、働き続けていく上でとても使いやすい制度として要望の強い制度です。ぜひ、対象年齢を小学校入学までとし、短時間勤務制度を設けることをすべての事業主に義務づけていただきたい。

 四つ目は、期間を定めて雇用される労働者にも育児・介護休業法を適用することです。

 一九九二年の育児休業法施行時以降、ますます期間雇用のパート労働者や派遣労働者が増加しているにもかかわらず、改正案は、これらの期間労働者を対象外のままにしています。新技術の開発研究など専門的知識を有する三年契約の労働者も適用除外です。契約期間の有無で育児、介護の責任が異なるものではありません。育児・介護休業制度は、期間を定めて雇用される労働者にも適用されるべきです。

 五つ目は、男性の育児休業の取得促進への対応です。

 財団法人こども未来財団が報告をしました平成十二年度子育てに関する意識調査事業調査報告書によりますと、男性本人もしくは男性のパートナー、夫が育児休業を取得する意向について尋ねているのに対しまして、男性、女性とも、取得する希望はあるが現実的には難しいという答えが一番多くなっております。また、男性本人もしくは夫が育児休業を取得しない理由として、一番に、仕事の量や責任が大きいから、二番目に、収入が減少し家計にも影響するから、三番目に、職場で理解が得られないからというふうになっております。

 私どもゼンセン同盟のアンケートをお配りさせていただいておりますが、これは、毎年五月を男女平等推進月間としてアンケートをしたものの昨年度の一部の部分について配付をさせていただいております。裏面の方の、Q9という部分ですが、男性が育児休業をとれるようにするためには何が一番必要だと思いますかという問いに対して、女性は、職場での理解を深めることが必要と一番多く答えたのに対して、男性は、法律で義務づけるが一番多い答えでした。

 男性の育児休業取得の極端な低さの背景には、男女の固定的な性別役割分担意識や職場優先の組織風土から、事業主、上司、同僚も含めた職場の理解が不足していることが挙げられます。また、多くの男性の働き方は、子供が起きているときに家に帰れない、我が子の寝顔しか見れないという働き方になっています。男女がともに育児にかかわり、仕事との両立を図るためにも、ここは、民主党案にあるような男性へのポジティブアクションが必要だと考えます。

 最後に、育児・介護休業法の整備とあわせて、保育サービスなどの充実をお願いしたい。

 私どもの組織では、サービス産業で働く人が多数を占め、日曜日、祝日は通常勤務、また閉店時間が遅くなる傾向の中で、休日保育や延長保育は切実な要望です。政府が進めようとしている待機児童の解消はもちろん、病児保育や学童保育など多様なニーズに対応し、質を高めて、安心して預けられる保育体制を早急につくっていただきたい。

 中央省庁の再編により、厚生労働省雇用均等・児童家庭局となったこともあり、働きながら子育てを行う労働者の負担の軽減に向けて、保育サービスの充実を総合的に行っていただくことをお願いし、発言を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。(拍手)

鈴木委員長 どうもありがとうございました。

 次に、中嶋参考人にお願いいたします。

中嶋参考人 全労連の女性局長の中嶋です。参考人として意見を述べさせていただきます。

 二十一世紀は、男性も女性も仕事と家庭を両立させて働くことができる社会にすることが重要だとされています。しかし、二十一世紀を迎えた今日なお、とりわけ女性は、仕事と家庭を両立させる上でさまざまな困難を抱えています。仕事と家庭を両立させるために、労働時間の短縮、保育所や介護の基盤整備、実効性のある育児・介護休業制度の実現などが重要です。今回の育児・介護休業法改正法案は、一定私たちの要求と運動を反映していますが、労働者の要求に照らすならば不十分です。以下の点を修正し、実効ある制度となるよう求めます。

 第一に、すべての男女労働者に時間外、休日、深夜労働の上限規制をし、労働時間を短縮するとともに、育児や介護を行う労働者には時間外労働の免除を求めます。

 我が国のパートを含まない労働者の総労働時間は、年二千二十時間といまだに二千時間を超えており、多くの企業があらかじめ時間外労働を組み込んだ業務計画を立てています。さらに、リストラ、合理化で人員削減が進む中で、年次有給休暇すらとれない職場実態があり、年休の取得率は四九・五%と、五〇%を切りました。父親は子供が寝た後にしか帰宅できず、育児にかかわりたくともかかわれないという家庭も少なくありません。

 また、女性の時間外や休日、深夜労働の上限規制が撤廃されたもとで、私たちの労働相談にも、男性並み長時間労働ができないなら三万円賃下げするとか、残業ができなければやめろ、そうした攻撃がされているという相談が寄せられています。長時間労働ができない女性は、パートなどへの転換や退職を余儀なくされています。

 本来、時間外労働や休日労働などは、ないことが当たり前だと思います。時間外労働が常態化している我が国の働き方は異常です。すべての労働者に対し、時間外労働は一日二時間、年百五十時間以内とし、休日、深夜労働などは不可避な職種や場合に限定する労働基準法の改正を求めたいと思います。

 男性も女性も仕事と家庭を両立させて人間らしく働くために、労働時間を短縮することが急務です。そして、育児や介護を行う労働者には時間外労働の免除を求めたいと思っているところです。また、短時間勤務制度は労働者の請求によって取得できるようにすべきです。

 第二に、育児・介護休業の申し出や取得を理由とした不利益取り扱いの禁止について、指針で実効性のある具体的な内容が明示されるよう強く求めます。十月二十六日の審議での政府答弁は、さまざまな条件を付し、極めて狭く限定しているように感じました。

 今、職場では、昇進をあきらめなければ育児・介護休業はとれないと言われ、取得したことが昇格試験の欠格条項とされたり、勤務しなかったものとみなされて昇給延伸をされ、退職金や年金にまで不利益が及んでいる場合が少なくありません。

 不利益取り扱いの禁止は、子供の看護休暇や短時間勤務制度、時間外労働、深夜労働の制限などにも適用し、育児・介護休業を取得したことが賃金や昇進、昇格、配置転換等で不利益につながらないよう、実効性のある具体的事例を明示することが必要です。また、原職復帰、所得保障、代替要員の配置などを明記すべきであると考えます。中小企業で取得しやすい制度にするためには、事業主への助成額を引き上げることが重要です。

 第三に、子供の看護休暇の努力義務は、少なくとも義務規定とすべきです。

 介護休業制度の利用率が低く、請求権とすることは時期尚早との政府答弁がありましたが、これは、現行の介護休業が一人について一回に限定され、緊急、短期の場合には取得できない制度だからであり、乳幼児を抱えた家庭では、突発的な発熱などのために短期の看護休暇の要求は大変切実です。

 私たちは、子供だけでなく、大人を含む短期の病気の家族介護や検診、予防注射、保育園・学校行事参加など、家族的責任を果たすための特別休暇の新設を求めています。また、改善を見送っている介護休業制度についても、少なくとも、継続して介護を要する一つの状態につき一回として、一人の要介護対象者に複数回の取得を可能とすること、期間についても延長することが急務であり、早期の法改正を求めます。育児休業についても、公務員の制度が三年に延長される動きも踏まえ、民間でも期間の延長が求められています。

 第四に、育児、介護をする労働者の転勤等への配慮義務がうたわれていますが、各職場において誠実に履行されるよう各企業に周知徹底し、強く指導することを求めます。

 今、異動に当たって、労働者の家庭状況など一切配慮されないまま、数日前の辞令一つで、通勤できない遠隔地への転勤が命ぜられることが多くあります。配偶者の勤務や子供の学校とのかかわりで単身赴任を余儀なくされたり、女性の場合には退職に追い込まれる場合も少なくありません。往復五時間以上もの通勤で疲れから病気になった、家族と団らんする時間が持てない、単身赴任で経済的にも精神的にも大変など、多くの問題が出されています。リストラ、合理化に際し、退職に追い込むために遠隔地への転勤が使われるケースもたくさんあります。

 家族的責任を持つ労働者の転勤は、十分な配慮の上に、本人の同意を前提とすべきであると考えます。

 第五に、育児・介護休業の適用対象者を拡大することが必要です。

 現在、パート、臨時、派遣労働者が急増していますが、その多くは、長期間雇用されていても、有期雇用として対象から除外されています。労働契約が反復更新される等により事実上期間の定めなく雇用されている者は育児休業の対象とするよう指針で定めるとされていますが、使用者に徹底し、不当な取り扱いのないよう指導の強化を求めるところです。

 また、これらの労働者は、繰り返し反復更新されて期間が定めがないのであれば、本来正規雇用とすべきであり、通年かつ恒常的な仕事についている者をパート、臨時、派遣などに置きかえさせない指導の強化が重要です。

 次に、育児・介護休業の改善とともに、休業を選択せずに仕事を続けることや、集団保育で子供を育てたいと望む労働者に対し、ゼロ歳児を含む保育所の整備や高齢者福祉の公的拡充が重要です。

 児童福祉法の一部改正法案が提出をされましたが、一番の問題点は、認可保育所整備促進のための公設民営方式推進の問題です。これは、今後の保育需要や待機児解消に向けた公的責任を放棄し、株式会社をも含む民間企業が保育に参入することに法的根拠を与えるものであり、私は反対です。

 そして、こうした大変重要な内容を持つ法律案であるにもかかわらず、保育行政に責任を持つ市町村や保育関係者への十分な説明や意見聴取もなく突然出されたこと、また、本委員会では全く審議されていないのに、育児・介護休業法改正案と一緒に参考人質疑が行われるという国会運営も問題かと思います。こうした運営を改め、十分な審議を尽くして、拙速に採決を強行することのないよう強く要望いたします。

 今日、少子化が進んでいるにもかかわらず、都市部においては、保育所に入れない待機児童が増大をし、預ける保育園がなくて困っている人が少なくありません。

 政府も待機児童ゼロ作戦などの緊急対策を行っていますが、その内容は、保育者はふやさず入所定員枠は撤廃をする、多様な保育要求にこたえるとして最低基準の弾力化を図る、公設民営で企業参入を推進する、保育士の二〇%までの短時間勤務保育士の導入などなどです。これでは安心して子供を託すことができません。定員をオーバーして入所させている保育園では、人間としての基盤が培われる大切な時期の乳幼児が一部屋に大勢詰め込まれ、心地よい居場所が保障されず、保育者も疲れ果てているのが実情です。

 このような状況のもとで、保育需要が増加している市町村においては、保育所を計画的に建設することが緊急に求められています。しかし、保育所整備をどのような形で行うかということは、地方分権の立場からも住民の意思に基づいて市町村が独自に判断すべきであり、保育の実施方法にかかわる部分まで国が法律で市町村に縛りをかけることは問題があると思います。これは、児童福祉法第二条、第二十四条の自治体の責任のあり方をなし崩しに変更することにもつながるのではないでしょうか。

 特に、保育への企業参入は、保育を金もうけの対象とし、保育所の開設や運営にコスト論や経済市場主義を優先させる企業原理を持ち込むものです。利潤を上げるために、職員を低賃金、無権利にすることによって、運営費の大半を占める人件費の削減を図っています。これは、保育士の労働条件の悪化のみならず、経験の蓄積や専門性の否定にもつながり、保育の質を後退させ、子供の健やかな発達を保障することができない結果にもつながるものです。

 また、新設される第五十六条の七によって、参入する民間企業は国と市町村から公有財産の提供やその他の援助を受けられることになっています。その対象を社会福祉法人やその他の多様な事業者としており、その他という中に企業が参入できることを明確に法定しています。市民の公有財産を営利を目的とする民間企業に提供する一方、貸与を受けた企業がもうからなければ自由に撤退することを禁止する担保がこの法案にはありません。安心して預けられる保育所をという父母の願いに逆行するものです。

 公設民営については、その対象を営利企業にまで拡大し、保育分野に市場原理を導入するべきではありません。待機児童対策については、国や自治体の保育予算を大幅にふやし、保育を公的に拡充することが重要だと思います。

 次に、認可外保育施設に対する指導監督の強化については、ベビーホテルにおいてとうとい乳幼児の命にかかわる事故が多発をしており、これに対する対策の強化は必要です。届け出の義務や監督の強化は、それによって認可外保育施設を法的に認知するものとするのではなく、子供の発達を保障し、安心して預けられる保育所を目指して行われることを強く望みます。

 最後に、今日の待機児童対策の最大の問題は、子供を受け入れる量的拡大のみが追求をされ、子どもの権利条約が求める子供に最善のものを保障するという視点が希薄であることを指摘しておきます。

 今日、かつて経験したことがない、社会を震撼させるような子供の問題が次々と起こっています。こうしたときだからこそ、子供の利益が最大限に尊重されることを政治や社会の最優先課題として考慮する必要があるのではないでしょうか。子どもの権利条約を批准した我が国として、こうした立場に立って慎重審議を心からお願いし、発言とさせていただきます。

 ありがとうございました。(拍手)

鈴木委員長 どうもありがとうございました。

 次に、山田参考人にお願いいたします。

山田参考人 中央大学法学部の山田でございます。

 私は、大学では労働法と社会保障法を担当しております。きょうは、研究者の一人として、ここで意見を言わせていただくことに大変感謝しております。

 御承知のように、男女共同参画社会を迎えて、これからますます、いろいろ参考人の三人の先生がおっしゃいましたように、男女が安心して働きながら家庭生活を維持できることが求められている時代が来ております。それからもう一つは、我が国の二十一世紀の課題として、やはり少子高齢化の中で、高齢化をとめることはできませんから、少子高齢化ということは、結局、少子化の問題ということに収れんできるのではないかと思います。その意味で、もちろん基本的には男女平等を達成することが基本的な問題関心ですけれども、政策的には少子化の解消という重要な課題がこの今回の法改正には込められているのではないかと思います。

 その意味で、男女平等を達成するためには、少なくとも四つの政策が必要ではないかと私は考えております。

 一番目が、実効のある男女平等法です。いわゆる均等法ですね。ある意味でポジティブアクション、あるいは間接差別も含んだ、実効性のある規定を設けること等です。

 二番目には、その実効性確保のための救済機関。裁判所というのはなかなか、訴えるというのは時間も勇気もお金も要りますので、むしろ行政機関が、イギリスのEOCやアメリカのEEOCのような行政機関による救済をすることが平等の実効性を確保できる手段ではないかと思います。

 それから三番目が、職場においてセクシュアルハラスメントがないような、安心して男女が働けるような職場環境の整備。

 そして四番目が、先ほど申しました、育児、介護を含めた、職場だけではなくて家庭でも男女平等が図られることが四つ目の要件ではないかと思います。前の三つは職場における男女平等だけが問題となっているんですけれども、四番目の育児、介護については、職場だけではなくて、家庭での男女平等も求められているという点で、他の三つと区別される重要な問題ではないかと思います。

 そういう意味で、今回の育児・介護休業法について、さまざまな意見はあると思いますけれども、新しい法改正がされたことは一応評価させていただきたいと思います。

 具体的な問題について言及させていただきますけれども、まず第一に、いわゆる激変緩和措置。育児や介護に従事する女性労働者に対して労働時間を制限する、いわゆる労働基準法百三十三条の激変緩和措置が、来年の三月、平成十四年三月末で終了することになります。その後のポスト激変緩和措置をどうするかということがあったんですけれども、これについても、小学校就学前まで、男女に共通する時間外労働の規制が問題となっていたわけですけれども、ここでこういった上限設定ができたことは非常に評価できるところではないかと思います。

 ただ問題は、中で、事業の正常な運営を妨げる場合にはという条件がついております。これをどう考えていくかということです。これは、労働基準法の年休の使用者の時季変更権の問題の要件でもありますし、あるいは、育児・介護休業法の男女の深夜業の拒否権行使のときの要件でもあります。そういう意味で、これが具体的にどういうものを意味するのかという点をぜひ指針等で明確にしていただきたいということが第一点です。

 それから、同じこの問題につきましては、時間外労働の上限設定を請求する場合、一カ月前までにするということになっているんですけれども、育児や介護の緊急性を考えた場合には、当然、企業の人的な配慮の関係で一定の準備期間が必要ということはよく理解できるんですけれども、一定の例外、緊急的な事態については一カ月以内の短い期間でも例外的にそれを認めるような措置もとっていただきたいと考えております。

 次に、これは大きな問題点だと思いますけれども、第二が、育児・介護休業の取得を理由とする不利益取り扱いの問題です。

 従来これは解雇については制限があったんですけれども、では解雇以外の不利益取り扱いというのは何かというのは非常に大きな問題で、私、推測ですけれども、具体的定義が出なかったというのは、恐らくこれはかなり労使で意見が対立した結果ではないかと推測しておりますけれども、そういう意味で、どこまで不利益を与えるかということ。これは、現在の法律でも、例えば、産前産後休暇について、労働基準法六十五条に規定がありまして、それを受けて十九条で解雇を禁止しております。そういう意味で、産前産後の休業取得を理由とする場合には現行の労働基準法は解雇は禁止しておりますけれども、その他の不利益取り扱いは禁止していないという点で、現在、この育児休業取得、似ているところがあります。

 これにつきましては、東京高等裁判所の判決で、先生方御承知と思いますけれども、ボーナスを支給する条件として九〇%出勤することを条件としていて、その欠勤扱いとして産前産後休暇やあるいは育児時間、育児休業や育児休業法上の労働時間短縮措置を含めていて、そしてその女性職員は、最初は、産前休暇はボーナスがなくなるのでとらなくて、倒れてしまって出産をしたのですけれども、産後休暇はとらざるを得ないので、当然それをとれば一〇%超えますので、ボーナス支給なし。次回は、ではということで、育児休業法の労働時間短縮措置をとって、やはりそれで一〇%割ってしまってボーナスが支給されないということについて、裁判所は、そういった産前産後休暇について解雇を育児休業法は禁止している、そういった趣旨からすれば、欠勤扱いにできるのは労働者の責めに帰すべき事由に限定すべきであるとして、これは育児休業取得自体ではなくて、育児休業法上の労働時間短縮措置をとったことを理由とする不利益取り扱いについて、それがボーナスの九〇%条項という関係で問題となったのですけれども、一つのその考え方はとても参考になると思いますね。

 ただ、もう一つとして非常に難しい問題は、先ほどちょっと参考人の方からありましたけれども、例えば、育児休業を取得したからといって昇進試験を受けさせないというのは、それは許されないということは明確だと思いますけれども、例えば、ある程度欠勤した労働者に対してどの程度の不利益を課すことが公平であるかというのは、結構微妙な問題ですね。

 例えば賞与とか、あるいはもちろん賞与の算定をどうするかとか、あるいは昇格、昇進にどう評価するかというのは、もちろん基本的には育児休業などの取得を理由として不利益取り扱いをしてはいけないということになりますけれども、では、全くしてはいけないのか、これは微妙な問題だと思いますね。

 それは、一つには、もちろんこの休業をとったことによる不利益は基本的に抑えるべきですけれども、反面、公平という観点からいいますと、他の労働者、取得しない労働者との公平性をどう担保するかという問題がもう一本入ってくる。この辺をどう調整するかというのは、極めて難しい問題。つまり、一〇〇%もらえるか、そういう考え方もあり得ると思いますけれども、ゼロもおかしい、しかし一〇〇%もらえるというのもどうかと、いろいろな論点が出てくる。

 その点で、そういったボーナスの査定、あるいはそういった昇格などの人事考課をどうするかについては、やはり詳しい具体的な指針をつくって検討していただくということが必要ではないかと考えております。

 それから、次の問題ですね。先ほど、今月二十七日の夕刊に、一面に、今回の育休法改正の記事が出ていまして、非常にそこでは大きく、トップで取り上げられておりまして、それだけ社会の関心も強いということを実感いたしましたけれども、そこによりますと、不当な配転や昇格差別を禁止することが挙げられておりまして、不当な配転が、もちろん何をもって不当かが問題ですけれども、不当な配転が許されない、育児休業をとったことを理由として不当に配転することが許されないのは当然のことですけれども、問題は、昇格差別、何をもって不当な昇格差別とするかという基準、これは非常に難しいと思います。

 そういう意味で、不利益をなるべく課さないということと、もう一つは、他の従業員との公平さをどう担保するか、この二点の相反する基準を調整しながら基準づくりをするという作業が指針づくりの中で求められるのではないかと思います。

 ところで、育児、介護については、一年間全く休むという休み方もあるのですけれども、フレキシブルな休み方が不可欠ではないかと考えます。それは、例えば介護休業についても、ずっと休む必要はなくて、例えば病院に通っているので月曜日の午前中だけ毎週休みたいというケースがありますね。その意味でも、そういったフレキシブルな休暇のとり方、人員配置の問題もあるのですけれども、を認めることが、それが育児・介護休業なんかがとりやすい一つの方法ではないかと思います。

 その意味で、労働基準法上の例えば変形労働時間制のように、働かせ方のフレキシビリティーと言われるのですけれども、休み方のフレキシビリティー、あるいは働き方のフレキシビリティーを保障することも必要ではないかと考えます。

 また、育児休業につきましても、あるケースでは、一年間休業をとりますと、ある雑誌の女性編集者のケースなんですけれども、それをとって復職したときに、もうトレンドについていけないというので、他の部署に配転させられたということも聞いております。

 そういう意味で、もちろんこれは育児休業期間の満了時の原職復帰等の権利保障が必要なんですけれども、なるべく休まない、休まないで済むなら休まない方が、そういう意味で勤務時間短縮制度が極めて重要な意味を持ってくるのではないかと思います。そういう意味で、今回の勤務時間短縮措置が三歳まで延びたということは、やはり評価される点ではないかと思います。

 それからもう一つ、育児休業などの最大の問題点は、先ほども御指摘がありましたけれども、男性の取得率が非常に低いということが大きな問題ではないかと思います。

 しかし、やはり社会では男女が同じように荷物を持つということを考えれば、一つには不利益取り扱いを禁止する措置と、もう一つは積極的な、男性がとれるような制度づくり、ある程度企業の制度づくりを奨励するだけではなくて、一定の水準、一定の男性がとるような方法づくりが求められているのではないかと思います。

 それから、第三の点は、努力義務とはいえ、子の看護休暇が導入されたことも一つの前進ではないかと思われます。

 看護休暇がない場合、小さな子供を持つ労働者は有給休暇を取得していたわけですから、その意味で、一つには、これは無給ということになると思いますけれども、本来的には子の看護休暇というのが努力義務でも制定されたことの意味は非常に大きいと思いますけれども、反面、今までこの制度がなくても労働者は有給休暇をとっていたわけですから、その意味で、実態はもしかしたら変わらないのかもしれない。もちろん、従来よりはとりやすいという面はあるのですけれども、無給であれば、結局有休をとって看護休暇をとるということになってしまうという問題があります。

 そういう意味で、これだけを有給にするというのはちょっと突出していますので、なるべく労使が有給にするようなルールづくりを、それも指針の中でつくっていただきたいと希望しております。

 それから、最後の点が、配置に関する配慮義務に関するものです。

 現在、単身赴任者は三百万人を超えて、女性も約千人近く単身赴任していると言われています。このような中で、今回のこの規定の中で、配転させる場合には一定の育児や介護を配慮するということは非常に大切なことで、評価されるべきことですね。

 けれども、そこでむしろもう一つの問題は、配転後の配慮の問題ですね。裁判例の中でも使用者の配転命令を認める条件として、一定の不利益を軽減する義務というのを求める裁判例もあります。その意味で、一つ配転時にそういった育児等の状況を勘案して配転を決めるということも大事なんですけれども、やはり、育児、介護との関係で、配転以降の配慮義務ですね、例えば一つには自宅に月に一回ぐらいは帰れるような交通費の保障をするといったような、配転後の配慮義務についても御検討いただければと思います。

 以上、時間が参りましたので、どうも御静聴ありがとうございました。(拍手)

鈴木委員長 どうもありがとうございました。

 以上で参考人の方々の御意見の開陳は終わりました。

    ―――――――――――――

鈴木委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。野田聖子君。

野田(聖)委員 おはようございます。自民党の野田聖子です。

 本日は、参考人の皆さん、お出かけいただき、貴重な御意見をありがとうございました。

 早速、質問に入らせていただきます。

 日経連からお出かけいただいている荒川参考人に。

 実は、この法律案、もともとこの育児休業法の原案もそうですけれども、今回の改正をする理由というか、なぜしなければならないかというのは、この趣旨にあるとおり、少子化が進行しているということであります。日経連というのは経済団体の一つでございまして、折々、時の政府にまたは内閣に、さまざまな貴重な御提言をしてくださる非常にありがたい団体であるわけですが、この少子化という問題に対して、日経連自体はどのような議論または取り組みをされているかどうか、ちょっとお話をしていただきたいと思います。

荒川参考人 日経連におきましては、少子化問題につきまして大変積極的な取り組みをしていると自負するところであります。

 直近のものではございませんが、平成十年には、トータルで少子化問題をどう世の中、国、労働組合あるいは社会一般に訴えていくかというもので取りまとめをさせていただきました。さらに、その取りまとめを具体的に自分たちの行動計画、取り組み計画というふうにも設定したものでございます。

 ポイントは大きく三つでございまして、基本的なスタンスといたしましては、そのよって来るさまざまな問題につきまして、国としても企業としても環境整備をしたい、さらにはすべきである。個々人としても、そしてこのところがポイントなんですけれども、レポートの中でも、特に男性において意識改革を進めること、ここが少子化問題のベーシックなところだといったこと。

 さらには、私ども、特に子育て支援のための環境整備ということにつきまして、保育所サービスの拡充あるいは保育所事業への民間企業の参入、幼稚園と保育所の施設あるいは職員の共有化の推進、そして子育て減税あるいは教育負担減税、はたまた土地住宅負担問題まで、この少子化問題をトータルで見ております。

 最後のところで、性的役割分担の意識の改革がどうしても不可欠な話であろうと身をもってこの問題につきまして提起をし、会員会社あるいは世の中にも訴えております。その中の一つには、日本的雇用慣行への対応も含めているところでございます。

 いずれにいたしましても、日経連はこの問題につきまして取り組みをし、さらに、連合さんとともに、この少子化問題につきましてのそれぞれの取り組みと共同での取り組みを、意見の一致を見て、宣言までしたところでございます。

野田(聖)委員 ありがとうございました。

 先ほど、意見陳述を聞いておりますと、少々腰が引けているかなという感じがいたしまして、と申しますのも、どうしても、労働者を使う側からすると、こういう休業法というのは頭の痛い、悩ましい問題であります。ただ、日経連におきましては、この日本の国のあり方、日本の国は軍事大国ではありません。経済大国の名のもとで、国連の中でも世界の中でもさまざまなリーダーシップをとり、とろうとしているわけで、すなわち、経済界のありようというのは非常に重要だと思っています。

 私は、今荒川さんが御発言されなかった、忘れてしまったのかもしれませんけれども、この育児休業法の視点につきましても、個人の労働者の幸せとか、そういうことを守るためということを希求されているわけですけれども、むしろ日経連としましては、個人の労働者、とりわけ女性労働者の幸せの追求という小さな枠組みだけではなくて、少子化が引き及ぼす問題点、すなわち、子供が少なくなるということが、この国にとって、消費者がいなくなるということ、そして将来の労働力がなくなるということ、さらには納税者もいなくなる、社会保障を支える納税者もいなくなるというような、そういうダイナミックな視点に立っての日経連ならではの取り組みというか考え方があれば、もう少し、腰が引けると言ったら失礼かもしれませんけれども、この国を思う、はっきり言ってしまえば民族の存亡にもかかわるような問題だという視点を持って議論していただければ、もっともっと笑顔でいろいろな意見陳述が聞かれるのではないかと思っているわけですが、そこら辺のところはいかがでしょうか。

荒川参考人 御指摘をいただきましたこと、大変私も反省するところでございますが、少子化問題は、まさしく野田先生のおっしゃったとおりのことを日経連はポイントに置きまして、この世界が、日本国の存亡にかかわる話であり、その存亡というのは、産業社会のみならず、日本国の全体の活力の牽引ともなる大変厳しい問題であるという認識、その中から、では、何をいたすべきかと。

 具体的に申し上げますと、経済活動が縮小する、あるいは成長が制約される、国民の負担率が上昇する、創造力のある人材が減少する、子供の健やかな成長機会が低下する、地方行政、地域社会の行き詰まりがある、こういったトータルの問題である。だからこそ、すべての事柄に少子化問題を向けて、対策をトータルでしなければならないだろうといったところを、先ほど例示を申し上げました対策として提起したというものであります。

野田(聖)委員 先ほど来、職場の意識の改革をしなければならないという話がありました。まさに使用者みずからがそういう大所高所に立って、少子化というのは非常に深刻な、特に会社を経営している者にとっては、製造するものが売れない、そしてつくりたいものがあっても労働力がないというような、そういう問題になるということを原点にして取り組んでいかなければならないと思いますが、荒川さんの意見に賛同することも一つあります。

 一つは、一律というのは非常に難しいんじゃないかという議論でした。この法律の中には、企業は一くくりにされていて、大企業も中小零細企業も全く同じ取り扱いをされています。

 例えば、きょうは国会議員がたくさんいるわけですけれども、国会議員もある意味中小企業のオーナーのような生活をしています。十人ぐらい秘書を抱えて活動しているわけですから。そんな中で、私の場合は自分の中で二つの矛盾した気持ちを持っているわけです。

 一つは、育児休業をとる側の人間として、やはりたくさんとりたい、そしてみんなに後ろ指を指されずにとりたい。子育てが引き算ではないような社会の中で生きていきたいという、一つの思いがある。

 と同時に、私は秘書を十人抱える事業者として、秘書はなるべく休んでほしくない。また、十人しかいませんから、一人でも休めば、これは大変大きな損失になる。

 何千人のうちの一人と、十人しかいないような企業で一人欠けるのでは、やはりその率というか、重みというのは随分違ってくるわけですが、これに対して日経連としてはどう取り組んでいくのか。先ほど来、いわゆる激変緩和という言葉が出てきますけれども、中小企業にとってはこれは深刻な問題になると思いますが、それについては何か御意見がございますでしょうか。

荒川参考人 私は、今回の法改正問題についての直接の審議をして参画したわけではございませんが、先回の男女雇用機会均等法改正、育児・介護休業法の設定につきまして、身をもって審議会の委員として取り組みをした経験から申し上げますと、今野田先生から御指摘のありました中小企業、わけても大変従業員の少ないところにおきましてのやりくり、具体的にはもうやりくりでございます。やりくりにつきましては、そもそも企業の存亡にかかわる話にまでなっております。

 今回の議論をさまざま聞いてまいりますと、中小企業の皆さんの、少子化問題の観点から、あるいは男女共同参画の観点から、あるいは従業員の幸せの観点から、取り組むことは取り組むけれども、ぎりぎりのレベルはある。今回の水準、制度の内容につきましては、もしいささかでもこれ以上の話が加わるようであれば、制度はつくったけれども実行できないものになりかねないということはさまざまに伺っております。

 そこで、私の方からお願いいたしますが、我々、今回の法改正につきましては、ぎりぎりの判断であった。特に、中小企業の皆さんの経営の存亡を背景にしながら選択したものであるということを御理解いただきたいと思います。

野田(聖)委員 率直な御意見をありがとうございました。

 育児休業を含めて、少子化というのはこれで結論が出たわけじゃありません。いろいろ問題を抱える中で、使用者、労働者がともにやはり共存共栄できるようなあり方を模索していきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします。ありがとうございました。

鈴木委員長 鍵田節哉君。

鍵田委員 民主党の鍵田でございます。

 これから子育てに従事されます野田聖子議員の後で、もう孫育てをしておる鍵田が質問をするわけでございますが、野田議員ほど鋭い質問ができますかどうか。若干、秋元参考人と荒川参考人に一問ずつ質問をさせていただきたいというふうに思っております。

 秋元参考人からは、先ほどの参考意見として、この育児・介護休暇をとるについて、またはとれない、とりにくいというふうなことも含めて、いろいろな声があるというふうな御紹介をいただきました。それは本当に現実の姿だなというふうに思っております。

 そこで、我々としましても、できるだけ女性だけが育児や介護の休暇をとるということじゃなしに、やはり男女が本当に平等にこういう休暇制度を活用して育児や介護に従事するということが大切だという視点に立ちまして、実はパパクオータ制なども提案をさせていただいたわけでございますが、どうも経営側からは、ちょっとこの制度は早いんじゃないかというふうな御意見もあるようでございまして、なかなか聞き入れていただいておらないわけでございます。まだまだ職場の雰囲気は、育児や介護の休暇というのは女性がとるものだ、男性というのはまあ本当に仕事一筋で頑張ればいいんだという雰囲気があると思います。

 私自身も、若いころは本当に、子供の体育祭であるとか父親参観だとかといったって一回も行ったことがございませんで、父親参観に母親に行かせておるというふうなことをずっと続けてきたわけでありますから、余り偉そうなことは言えないわけでございますが、最近は、若い御夫婦の中では男性が育児のために休みをとられるというふうな例もかなり出てきておるというふうに見受けられるわけでございます。

 そういう事例の中から、何かこういうことをやれば本当に職場の中で意識も変わるし、育児や介護の休暇の取得が、男性の取得が進んでいくよというふうな事例などがございましたら、秋元参考人から御紹介いただければというふうに思います。

秋元参考人 鍵田議員の御質問にお答えしたいと思います。

 連合では、毎年十月に連合の中央女性集会という千人以上規模の集会を開いておりまして、去年、ことしと、育児休業を取得した男性の体験談を聞いています。その中で出された意見について御紹介をしたいというふうに思います。

 育児休業した男性から、男性の方が育児休業を取得しているわけですからパートナーが仕事に出ているという状況の中ですが、妻が職場復帰後、好きな仕事をやりたいだけでき、自己実現ができた、とても生き生き見えた。立場が変わったことによってお互いの立場がわかり、妻との間で大きな財産ができた、現在も公平に家事、育児をやっているつもりです。子供との間には、毎日食事をつくり接しているうちに、言葉には出ないが信頼関係ができた気がします。

 また別の方ですけれども、休んでいる間はとても大変でしたが、子供が日々成長する姿を最初に見、共有化でき楽しめました。家事もうまくなり自信が持て、その楽しさがあれば不十分なことがあっても仕事を休んでやる価値があると思いますというようなことです。

 ことしの経験につきましては、新聞で御紹介されていますのでごらんになった方も多いかと思いますけれども、育児休業をとった収穫として、やはり子供と向き合う日々で見えてきたことが多いという中から、時々家出しないともたない、これは男性が家出しないともたないと言っているんですが、女性はなかなか家出できなくて苦労しているわけですね。家出しないともたないが、子供の成長や変化が間近で見られ、楽しかった。手をかけた分、かわいさも違ってくる。妻はこんなに大変だったんだ、子供ってこんなに手をかけないと育たないんだという実感も言われております。

 また、密室育児を体験して、父親はもっと家庭を顧みないといけないと思った、多くの父親は社会人ではなく会社人、いい社会をつくるためには父親が家庭を大事にしなくてはならないという御意見もあります。また、父母、義父母、妻、子供との関係、どれをとってもいいことずくめ、自分の一番大切なものを認識できたというようなことです。

 また、男性が育児休業をとるために必要なことは何かにつきましては、なかなかやはり言い出せない状況の中で、職場に前向きに勧めてくれる人がいないととりにくいという声も出されています。

 それから、先ほど来出されておりますが、昇給、昇格、職場の目、世間体が気になる、まだ勇気が要ります。一定期間とるべきものとして法的に位置づけた方がいい。意識を変えるには強制することも必要。父親が気軽に育児参加できる環境をつくればもっとふえるのではということで、なかなかとりにくい状況の中で、ぜひ民主党が主張されているようなポジティブアクション、クオータ制を取り入れていただけるともっともっと進むと思います。

 男性の育児参加が働き方も変えますし、今問題になっている子供の虐待とか配偶者への暴力の問題とか中高年の自殺等、男は仕事、女は家庭の意識の中で、お互いに分け合えばいいものを、男性自身も苦労している部分があるかと思いますので、ぜひ男性が育児にかかわれるようになってほしいと思っています。

鍵田委員 持ち時間が少なくなってきておりますが、荒川参考人に一つだけ。

 特に子供の看護休暇につきまして、我々は請求権化ということで主張させていただいたんですが、現実にはまだ普及率が非常に低い。五百人規模以上のところでは二〇%ぐらいになっておるけれども、全体ではまだ八%ということでございまして、時期尚早という御意見が経営側には多いんじゃないかというふうに思うわけでございますが、先ほど野田委員からも御指摘ございましたように、やはり、これからの少子高齢化の中で、女性の能力というものを産業界でも存分に発揮していただかなくては、日本の経済が成り立たなくなってくる。そういうことを考えますと、やはり発想の転換をしなくてはならぬのじゃないか。

 昨年からことしにかけてちょっとベルギーとかオランダに、たまたま知り合いの工場があったりしまして行ってきたんですけれども、子供さんを連れてお父さんが会社に行って保育所へ連れていくとかというふうな姿が当たり前のようになっておりますし、女性が夜でも結構遅くまで働いておったり、ですから、男女の役割というものが、分担を別にするんじゃなしに、もう本当に同じことを交互にやっていくというふうなことの役割分担がきちっとできてきておる。もうそれが常識になっておるというふうなことでありまして、日本でも一日も早くそうしなくてはならぬのじゃないか。

 そのことについては荒川参考人も同じお考えを持っておられるというふうに先ほどの御意見でお聞かせいただいたんですけれども、そういうことを促進していく上においても、税制面とかそのほか財政面で国なりにどんな要望の意見を持っておられるのか。そして、一日も早く促進をする、そういう看護休暇権の請求権化に向けても促進をしていく、そういう御意見がございましたら、ひとつお聞かせいただけたらと思います。

荒川参考人 鍵田先生からの御指摘につきましては十分私ども理解ができますし、先生のおっしゃる諸点というのは、まさしくそのとおりだと思っております。

 中でも、子供のため、これは、子供は社会の宝でございます。その宝に対しまして、お国がさまざまな支援をする、あるいは地域社会が、家庭が、学校がいろいろな形でしっかりとかかわるということは、ますます求められているものだと思います。

 そういう諸点から、たくさんの施策を私どもも考えておりますが、税制ということにかかわりますと、子育て費用の軽減という観点から、私ども、子育て減税というものを考えているところであります。

 若い世代を中心にしまして、子育て世代では、子育て期に続き、教育期、さらには住宅の取得期、ライフステージがいろいろございます。経済負担が重なることはもうこれまでずっと言われております。その経済負担の中で、特に子育てに伴う経済負担を軽減するために、私どもは、例えば七歳ぐらいまでの乳幼児を対象とした子育て減税を行ったらどうだろうかといったような積極的な提案もこれまでずっとしてまいりました。一つの例でございますけれども、参考にしていただきたいと思います。

鍵田委員 ありがとうございました。終わります。

鈴木委員長 青山二三君。

青山(二)委員 公明党の青山二三でございます。

 本日は、四人の参考人の皆様には、大変お忙しい中をお越しいただきまして、いろいろと貴重な御意見をお聞かせいただきまして、大変ありがとうございます。

 本当に、少子化がどんどん進んでおりまして、一向に歯どめがかからないという現状でございます。公明党は、社会全体で子育てを支援していくことが何よりも大切だということで、一生懸命頑張っているわけでございます。ですから、今回政府が提案いたしました改正案は、一歩前進したものではないかと考えているところでございます。

 さて、本日、けさですか、早く、NHKのテレビで、失業率が五・三%、過去最高になったということで、厚生労働大臣の御意見を伺うという番組がございましたけれども、その中で、これからは失業率を減らすためにワークシェアリング、一人が長い時間労働するのではなくて、多くの人が仕事を分け合ってやっていくことが大切ではないかというような趣旨のお話をしていらっしゃいましたけれども、この点につきまして、四人の参考人の皆様、どのようにお考えでしょうか。お一人ずつ御意見をお伺いしたいと思います。

    〔委員長退席、棚橋委員長代理着席〕

荒川参考人 このたびの失業の増大につきましては、失業率あるいは失業者数が過去最大になったということにつきまして非常に深刻に受けとめ、かつ、これからの問題としても、不安がますます強くなるということを一番懸念しているところでございます。

 日経連では、さまざまに雇用問題につきまして取り組みをし、提言もし、あるいは経営みずからの責務を発揮しようと、ありとあらゆる手だてを尽くしているところでございます。その中で、今先生から御指摘ございましたワークシェアリングの問題につきましては、一昨年より世に提起をしております。

 我々が考えますワークシェアリングというのは、相手である連合さんと今研究を具体的に進めておるところでございますが、一つは、ワークシェアリングというのは、仕事の分かち合いでありますと同時に、賃金の分かち合いでもあるという形になります。そのセット、すなわちワークとウエージがともにシェアリングしたものであるという考えで、それを、現行の法律あるいは解釈、あるいは労働組合さんとの雇用問題についての理解の一致を前提にいたしまして、その仕組みをこれから具体的に日本版ワークシェアリングとしていかにつくっていくかということを、早急に結論を出していきたいと思っております。

 いずれにしましても、ワークシェアリングにつきましては、日経連あるいは経営側の今一番のテーマであるということだけ申し上げておきたいと思います。

秋元参考人 今、失業率のお話がありましたけれども、まさに私どもの職場では、失業を余儀なくされている人たちが日々ふえているという状況の中で、一番大きな課題になっています。

 その中で、一つは、今サービス残業が問題になっておりますけれども、サービス残業をなくしていくことでもっと仕事の分かち合いができる部分。それから、年次有給休暇の取得促進は、欧米ではとって当たり前ということになっていますが、まだ日本では取得率何%と言われるぐらい。年次有給休暇の取得について、もっと促進をしていくべきだというふうに思います。

 私どもゼンセン同盟では、昨年オランダに調査団を派遣し、オランダ・モデルについての勉強をしてきました。それがそのまま受け入れられるというふうには思いませんけれども、かつてオランダも、日本以上に男は仕事、女は家庭という意識が非常に根強いというふうに聞いておりますが、それが、それぞれ〇・七五ずつ働き、〇・七五ずつ仕事にも家事にもシェアをして、夫婦が一・五働きという働き方をしたというオランダ・モデルをどういうふうに取り入れられるかということを参考にしながら、具体的な、日本の中でのオランダ・モデルの日本版というものをぜひ早急に、政府はもちろん、労使ともにつくっていければというふうに思っています。

中嶋参考人 全労連としても、今ワークシェアリングというのは非常に重要だというふうに思っています。

 そして、まず一つには、今もお話がありましたけれども、社会生産性本部の試算によっても、サービス残業比率が三五%もある。これをなくせば九十二万人の雇用が拡大をして、残業をなくせば百六十九万人の雇用が拡大をする。つまり、残業をゼロにすれば二百六十一万人の雇用が拡大をするという試算がされています。今、日本では、本当に、三百時間と言われるような残業時間があるというあたりをまずなくしていきたい。

 これについては、ことし四月に厚生労働省も、割り増し賃金未払いだとか長時間労働をなくすための適正な労働時間管理を求める通達を出されたところでありますが、労働組合としても、まずサービス残業をなくし、そして残業をゼロにしていく。

 現在、日経連の代表の方もおみえですけれども、そのためには、やはり職場で人員がふえないことには仕事が回りません。そうした点で、一方で過労死を生むような長時間労働があり、一方でこれだけ膨大な失業者があるという状態を改善していくために、働くルールを確立することが大事だというふうに考えています。

 とりわけ、パート、臨時、派遣などが今ふえておりますけれども、女性では四七%になっています。それらの労働者の均等待遇を求めていきたいというふうに思っているところです。

山田参考人 私もワークシェアリングは非常に必要な政策だと考えておりますけれども、欧米と違って企業別組合の日本では、結構やり方が難しいという印象を持っております。

 それから、他の参考人の方も指摘されましたように、ワークの意味が実はもっと本当はあるのではないかということです。

 サービス残業、今はフロッピー残業とかネット残業という言い方をするようですけれども、そういったサービス残業が放置されている。やはりそういったものは問題です。あるいはその意味で、時間外労働の規制等を抜きにして無前提にワークシェアリングというのはやはり問題ではないかということですね。ワークシェアリングのワークの意味を、もっと、どのくらい、本当に仕事がないのかどうかも検討した上で導入していただきたいと考えております。

青山(二)委員 それでは、看護休暇が参考人の皆様から大きな話題として提案されましたけれども、私ども公明党も、何とかこの看護休暇はきちっと、努力義務ではなくて請求権みたいな形にしたいということはかねがね思っているところでございます。審議会におきまして、十六回ですか、半年以上の議論を重ねてここまで折り合ってきたというようなことでございますが、秋元参考人の連合さんもその審議会の中に入っておられたと思うんですけれども、この看護休暇を努力義務というようなところで折り合ったということ、もうちょっと頑張って何とかならなかったのかという点についてお伺いしておきたいと思います。

秋元参考人 公明党が看護休暇十二日を公約に出されておりまして、非常に、そのことが今回はっきり盛り込まれていないことについて、もう少し頑張っていただきたいというふうに思っています。

 私も女性少年問題審議会のメンバーでした。看護休暇のことについては、使用者側、労働側、公益の先生含めていろいろ話を進めてきたわけですけれども、看護休暇についての請求権は、最後まで、法案要綱の答申をしたときにも最後まで、看護休暇を請求権とすべきという意見は出させていただいた部分です。

 多くの点については、それぞれ何とかまとめようということで御一緒に話し合いを進めてきて今度法案要綱ができましたけれども、幾つかの点については、先ほど私が述べさせていただきましたけれども、その点については最後まで労働側としては問題ありということで意見を述べさせていただいた部分です。

 ぜひ、公明党が公約しているとおりに、早く、当事者にとっては毎日毎日のことですから、待ったなしなので、今後早急にみんなが請求権としてとれるようにお力を入れていただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。

青山(二)委員 大変ありがとうございました。時間が参りましたのでこれで終わりますが、ともどもに頑張ってまいりたいと思います。

棚橋委員長代理 次に、佐藤公治君。

佐藤(公)委員 自由党、佐藤公治でございます。

 本日は、お忙しい中お時間をとっていただきまして、ありがとうございます。

 質問に際しては、本当は時間が十分というのは非常に短く、もっともっと聞きたいことがある。私も幾つかの質問を考えてきたつもりなんですが、個々の細かいことではなくて、きょう皆さん方のお話を聞いている中、非常に今感じたことは、皆さん、私もそうです、おのおのの立場において主張したり、またその考えをあらわしたりしているかと思いますけれども、皆さん家に帰りましたらみんな家庭を持って、同じような家庭の中での共通認識、考え方があると思います。きょう、山田参考人の方からもお話がございました。僕は、職場の環境整備、社会の意識もさることながら、最も大切なことは、家庭のあり方というのは本当に大事なことだと思います。

 私がきょう皆さん方にお聞きしたいこと、きょう今この場で思ったことは、皆さん方におけるもとになる家庭のあり方、家庭の理想的なもの、考え方というものを簡単に二分ぐらいでお話しを願えればありがたいと思います。

 非常に漠然として、抽象論、またこういう議論はこの場でするものではないのかもしれません。でも、やはり家庭のあり方、おのおのにおける、やはり皆さん、グループでも、その中でも議論というのがあればあったものを、なかったらばないでも結構です。また、個人のおのおのの考え方でも結構です。どういった家庭を持つ、そういう基本を持った上でこの両立支援を、この法律を考えていくのかということにおける基本的な考え方、理想の体系というか、大事な部分というのをお聞かせ願えればありがたいと思います。

 皆さんにお聞きしたいので、二分ずつの御回答をいただきたいかと思いますが、山田先生が先ほど家庭とおっしゃったので、山田参考人が二分答えている間に皆さん二分の間考えておいていただいてお答えを願えればありがたく、よろしくお願いを申し上げます。

山田参考人 ある面で逆に非常に難しい御質問ですけれども、私は、家庭のあり方は基本的には夫婦で決めることで、どういう生き方で、専業主婦の生き方であろうとそれはよろしいと思うんです。ただ、やはり、子供との関係で、親の生き方が子供に影響を与えると思いますので、そういう意味で、基本的には女性も働き続けるということが大切ではないかと思いますね。私の経験でも、育児はかなり、家内が勤めているものですから、保育園の送り迎えは専ら私がやっておりまして、保育園のお母さんから、お父さん、仕事しているんですかなんて言われたこともありますけれども。

 今まで、労基法改正の中で女性の深夜業が解禁、開放された点がありまして、ここで御批判もあったんですけれども、私はかえって、やはり女性が少し男性の仕事、荷物を持つ、そうすると、男性も家事をしなければいけない。今までは女性が深夜業できないわけですから、その分、つまり、ある面ちょっと誤解を生ずる言葉ですけれども、女性保護規定は場合によっては家事をしない男性の保護規定でもある、女性の保護規定があるから男性は家事をしなくて済むという面もあるんではないかと思います。そういう意味で、やはり女性もどんどん仕事をしていくこと、もちろん、残業、深夜業がいいわけではありませんけれども、それをしていくことによって、家庭で男性が育児や家事を行うということが自然に行われてくるということがあります。

 そういう意味で、今まで持っている仕事の荷物を少し女性が持つ、そのかわり男性が余りしていない家庭での女性の荷物を男性が持つ、こういうことが自然に行われるようになってくれば、大分、家庭の男女平等も達成できるんではないかと思います。

 以上です。

荒川参考人 私個人の意見になりますが、職業生活と家庭生活の両立のところで申し上げましたとおりのことでありまして、私は、職業生活のベースは家庭生活にあると思います。

 家族のあるなしにかかわらずでありますが、仮に家族があるとすれば、職業生活があるというのは、その家族があって職業生活があるものというぐらいな位置づけにしっかりなっていなければならないし、家庭の活動というのが職業生活に反映されるというぐらいなものだと私は思っております。

 ですから、子供の養育あるいは家族の介護といったような象徴的な取り組みにつきましても、やはり仕事と家庭の両立という今言われております内容については、原点中の原点だろう。ですから、その中で役割分担を云々という話は、これは超えたものだという形になるのではないかなと私は認識しております。

秋元参考人 御質問ありました家庭のあり方は、全く個人個人の考えだというふうに私は思います。

 どんな生き方を選んでも、それが、一人一人が国の制度その他に制約されることなく中立になるようにすべきだと思いますが、まだまだ日本は世帯単位で制度が決まっていたり、それから、一番は、やはりジェンダー意識が強くて、男だから女だからという観点にとらわれてずっとやってきたことが、今、男性も苦しめ、女性も苦しめという状況になっているというふうに思いますので、ぜひジェンダーの意識からもう一回見直しをして、男性、女性にこだわることなく、一人一人が人間として生きられるようにというようなことに、制度上も、私たちの意識も変えていくべきだというふうに思っています。

 家庭そのもののあり方は、まさに個人個人がどういう生き方を選ぶかということだというふうに思っています。

中嶋参考人 私自身は共働きをしながら二人の子供を育ててまいりましたけれども、今、本当に家庭、家族をめぐる考え方も多様になっておりますので、シングルで生きる、あるいは片親の世帯、いろいろな家庭がございます。それは皆さんおっしゃったように、それぞれの人生の選択の中で、どんな家庭生活であってもやはり社会がそれを支えられる仕組みというのが必要だろうというふうに思うところです。

 夫婦がいれば、やはりそこは新しい活力を生み出す原点でありますし、そこの家庭の中で男女平等が貫かれる、そして、仕事をするという選択肢を夫婦が選んだ場合には社会がきちんと支援をしていける、そういう社会的な制度もつくっていくことが必要ではないかと思っています。

佐藤(公)委員 どうもありがとうございました。皆さんに御意見を伺っている間にもう時間となりましたが、私が思うことは、いろいろな事情がある、いろいろな事情がありますが、やはり政治の原点は家庭だという考え方なんです。そういう意味で、家庭ということを、皆さん方のその一つのお考え方を聞かせていただきました。

 聖域なき構造改革ということを今盛んに言われて、私たちもそのつもり、その考えはありますが、その原点は聖域なき意識改革だと思います。私を含めみんなが意識改革をしながら、いい社会になることを、一緒に力を合わせて頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 以上でございます。ありがとうございました。

棚橋委員長代理 次に、木島日出夫君。

木島委員 日本共産党の木島日出夫です。四人の参考人の皆さん、大変貴重な御意見をありがとうございました。

 時間の制約もありますので、まず、育児休業、介護休業法案に関して、中嶋参考人と荒川参考人にお聞きしたいと思います。

 私どもは、今回の育児休業、介護休業法は一歩前進である、しかし今、日本社会の現実の中で、本当に働く皆さんが、雇用、職場と家庭を両立するためには、まだまだ不十分ではないかというスタンスであります。

 現実から出発しなければならないと思います。そこで、平成十一年度、労働省女性局の女性雇用管理基本調査、育児・介護休業制度等実施状況調査結果報告書があります。それによりますと、育児休業の取得の状況でありますが、出産者に占める育児休業取得者の割合が、女性は五六・四%、男性は〇・四二%であります。一方、介護休業の取得の現実でありますが、常用労働者に占める介護休業取得者の割合は〇・〇六%とあります。私は、まことに低いのではないかと思います。

 そこで、この点について、中嶋参考人、この現状、数字をどのように評価されますか。そして、年休と同様に、職場の実態ではなかなか育児休業、介護休業を取得できない状況があると思いますが、どこに問題があると考えますか、どこを変えればいいと考えますか。御意見をお聞かせ願いたい。

中嶋参考人 育児休業、介護休業の取得ですが、まず、私たちは、育児休業、介護休業というのは選択性の休暇でございますので、すべての労働者が休業するというふうには、それが一番よいというふうには考えていません。しかし、育児でいえば、乳児は自分の手で育てたいという労働者は大変たくさんおります。

 全労連の調査で、とりたかったがとれなかった、もっととりたかったけれども期間を短縮した、そうした人の理由は、これは育児休業手当金が二五%のときのものですので、今四〇%になりましたので変化があるかもしれませんが、一番は、収入が減って経済的にとれないということが多うございました。第二には、職場が人員不足、代替要員がいない、ぎりぎりの人員の中で長期の休暇がとりにくいということが挙げられています。三つ目には、保育所の途中入所ができないとか、上の子供の保育が切られるとか、保育制度の問題も挙げられておりました。

 そうした点で、私は、まず、多くの人が育児休業をとっていくためには、所得保障を引き上げること、そして業務量に見合った人員増を行ってゆとりのある働き方ができること、そして保育の充実が必要だろうというふうに思います。

 介護休暇については、先ほども述べましたけれども、制度そのものが、対象者一人について一生に一回しかとれないという制度でございますので、大変とりにくうございます。そこをまず改善することが一番重要なのではないかというふうに思っています。

 育児休業や介護休業をとったことで不利益扱いされない、そうした制度になって、一定の所得も保障される、そして職場でもみんなの意識変革も含めて制度がとれるということになれば、男性の取得もふえていくのではないかというふうに考えます。

木島委員 荒川参考人にお聞きしたいのですが、実は今の問題で私、先日、当委員会で厚生労働大臣や局長に質問したのです。厚生労働大臣は、やはり一番大事なのは働く者の考え方だとおっしゃるのですね。それでまた局長も、職場の雰囲気なんだとおっしゃいます。先ほど荒川参考人は、この問題で、職場の意識改革が先決だとおっしゃいました。また、職場の人々の理解、やはり意識改革が基本的に必要なことだとおっしゃいました。私は、ちょっと違うのじゃないか。

 もう時間がありませんから長話しませんが、やはり、今の日本の企業の中では、働く皆さんがこういう休暇をとろうと思ってもとれないような、大企業においては生産計画がきちっと組み立てられてしまっている。年次有給休暇もそうです、五割割ってしまった、大問題ですが。こういう、五割ぐらいしか年休がとれないような前提にして生産計画が組み立てられる。ですから、労働者が年休をとろうと思っても、介護休暇、育児休暇をとろうと思っても、現実にそういう生産計画の中では、休めばほかの労働者に迷惑がかかる、ですから理解が得られないということになるのじゃないでしょうか。

 中小零細企業の場合には、大企業との取引条件、もう待ったなしで、あすの朝までに納品しろとか、あるいは単価が安い。そういう現実の状況の中で、育休、介休、年休をとろうと思ってもとれない。現実の経済実態がやはり根本ではなかろうかと私は思っているのです。

 やはり、意識というのは存在が規定するのじゃないか、そういう存在が意識をつくっていくのじゃないか。ですから、意識が根本じゃなくて、そういうありようを大企業が変えるということが、育休、介休の取得を前進させて、本当に家庭と職場を両立させる根幹じゃないかと私は思うのですが、荒川参考人、いかがですか。

荒川参考人 私は、企業の生産計画をして、今先生のおっしゃられた、休暇あるいは休業の取得がままならなくなっている。そっちの方が問題であって、意識ではないというお考えをされていましたが、今の我が国の産業社会におきまして二つの観点が見えると思います。

 一つは、産業自体の大転換を迫られております。好むと好まざるとにかかわらず、グローバル化という大切なあるいは大変な事態を、いかに産業の存続あるいは転換をしていくかというものですべて律せられるような形が産業社会にはあります。そういう中での産業活動、企業活動であるわけでございますので、そこには関係者の皆さんのさまざまな御努力が必要であるということは間違いないところであります。

 しかし、それが決定的な要因かといいますと、私は、例えば育児休業、介護休業にとりましても、性的役割分担が社会全体にまだ根強くあり、社会全体の繁栄が職場という形でつくられ、そしてそこの中でいろいろな判断をするときの支援というものが大変足りない。その足りなさというのは、経営者であり、あるいは管理職であり、同僚であり、部下であるといったものであろうかと思っています。

 私は、先生のおっしゃられたものにすべて否定をするつもりはございませんが、やはり、この育児・介護休業あるいは看護休業問題を考える上でベーシックなものは、意識や環境の改革、転換というものがベースになければ絶対できないものである、こういうふうに信じております。

    〔棚橋委員長代理退席、委員長着席〕

木島委員 時間がもうほとんど迫っておりますので、では、児童福祉法の改正法について一問だけ、中嶋参考人にお伺いします。

 参考人は先ほど、本法案は公設民営の促進をうたっておる、そして、その対象を営利企業にまで拡大し、保育分野に市場原理を導入すべきではないという陳述をされました。

 実は昨日、東京地方裁判所で、ちびっこ園の業務上過失致死事件の初公判が行われました。御案内のように、これは生後三カ月の乳児が同じベッドで寝かされていた別の児童の下敷きになって圧死した、そういう痛ましい事件であります。私は、保育分野に市場原理が導入され営利本位になりますと、このような事件がますますふえるのではないかと心配をしております。

 しかし、政府は、十月二十六日の改革先行プログラムで、このような方向を推進しようとしております。このような流れをどう見るか。今、保育で一番大事なものはどういう問題か。時間も来ておりますので、恐縮ですが、中嶋参考人から手短にお願いします。

中嶋参考人 先ほども申しましたけれども、保育に営利企業が参入するということになると、コスト、営利追求の視点で保育所運営が行われるということを懸念します。

 今、木島さんがおっしゃいましたように、人件費を圧縮するということで、保育士の労働強化になる、そしてそれは、ひいては子供の発達の保障につながらないと思うところです。

 今、保育にとって必要なのは、営利を目的にしないで、そして子供の発達の保障を一番基礎に置いた保育所の運営ではないかと思います。そのために、国や自治体がやはり保育予算を大幅に拡大して、公的責任を果たすことが求められていると思うところです。

木島委員 ありがとうございました。

 ほかの二人の参考人の皆さんには質問できませんでした。御容赦いただきまして、終わります。

鈴木委員長 中川智子君。

中川(智)委員 社会民主党の中川智子です。きょうは、お忙しい中、本当にありがとうございました。

 まず最初に、山田参考人に二点御質問をしたいと思います。

 今回は、不利益取り扱い、この法案そのものは私は一歩前進だと思うんですが、育児休業、介護休業を申し出たり取得したことによって不利益な取り扱いがあってはならない。この後、指針という形で決められるんですが、その指針の中身、これはやはり必ず必要だということを一点お話しいただきたい。

 まず最初に、ではそれをお願いいたします。

山田参考人 今、中川先生から御指摘がありましたように、非常に微妙な問題で、どこまでを不利益扱い、禁止するかということが問題になると思います。

 先ほど述べましたように、先ほどの東京高裁判決ではありませんけれども、先生方から御指摘がありましたように、昇格、昇給等については、基本的には、やはり子育てをしたり介護をするということは今非常に重要な社会的意味を持っているわけで、その意味で、それを不利益扱いはしない。例えば昇進、昇格等について言ったら、一定の勤続年数要件がある場合については、育児や介護休業取得期間については出勤したものとみなすというような取り扱いが必要ではないかと思いますね。

 もう一つは、ボーナスなんかの問題ですね。ボーナスでなかなか難しいのは、育児休業等を例えば一年とる人もいれば半年の人もいる、三カ月の人もいるということで、非常に難しい。例えば一年全く出なくてもボーナスがもらえる、ちょっとそれは難しいという気がしないでもありませんし。ボーナスにつきましては、例えば基準日とか支給日在籍条項というのが問題になることがありまして、その査定期間ですね、働いていても支給日にいないとボーナスは支給されないという支給日在籍条項があるんですけれども、たまたま育児休業なんかをとっている場合についてはそれを適用してはいけないとか、そういった基準づくりなんかはできると思います。

 その意味で、昇格、昇給についての基本的な年数等については、それは出勤と見るということ。ただ、ボーナス等の支給についてどうするかについては、勤務の実態等を考慮して、一定のケースなんかあれば、指針の中で少し幾つかのケースを想定して支給基準をつくっていただきたい、そういうふうに考えております。

中川(智)委員 もう一点、山田参考人に御質問したいのです。

 育休、介護休暇をとった後、先ほど秋元参考人、本当に胸に迫ってまいりましたが、その後働き続けること、それを支援していくということがやはり非常に大事だと思うんです。今回は、看護休暇、さまざまなものがきっちり入らなかったわけですが、家族的責任を果たすために勤務時間の短縮措置というのが非常に重要だと思います。海外の事例など、御紹介していただくことがありましたらお願いしたいと思います。

山田参考人 ただいま中川先生から御指摘がありましたように、やはりフレキシブルな休み方、働き方の保障が、育児、介護なんかの一番有効な手段ではないかと思います。

 今、外国のというお話がありましたので、例えばイギリスでは、ワークシェアリングとは違うんですけれども、ワークシェアリングは仕事の分かち合いですけれども、ジョブシェアリングというのがあります。

 これは普通の、特に女性労働者が多いのですけれども、専門的仕事をしていても、育児については、やはりフルタイマーの仕事は難しい。そこで、二人以上、二人が多いのですけれども、二人の労働者で組んで、Aさんが午前中出勤する、Bさんが午後出る、それで水曜日のお昼に打ち合わせをする。あるいは、Aさんが月火水出て、Bさんが水木金働く。あるいは、Aさんが第一週働いて、第二週はBさん、そういう形をすることで、これはある意味ではパートタイマーになるということですね。そして、賃金等、休日等の数量的な労働条件は半分になる。産後休暇等は、これは平等な権利ですけれども。

 そういった制度によって、ある意味ではフルタイムの仕事はパートにかわるんですけれども、育児が終わった段階でまたフルタイムに復帰する、こういう形によって、一時期の育児等とは兼ね合いをする制度が設けられています。

 これは労働組合の委員長のジョブシェアリングもありまして、イギリスのジャーナリスト組合の委員長は女性二人がやって、〇・五票ずつ票を持っているという、これは組合に女性がどんどん関与する原因にもなっているんです。その意味で、そういった多様な働き方の保障ということはあるんですけれども。

 これは、イギリスでは、パートは短時間労働者という法律の意味そのままだからできる話であって、日本ではパートは身分ですから、日本のパートの現状ではなかなか難しいと思います。その意味で、日本でも、パートタイマーが本来的な意味での短時間労働者となったときには、この制度の意味は非常に大きいのではないかと思います。

中川(智)委員 次に、女性ということで中嶋参考人と秋元参考人に伺いたいのですが、今、衆議院議員四百八十人のうち、女性が三十五人でございます。この間、民主党の水島広子さんが、テロが起きた九月十一日にお子さんを御出産なさいまして、しばらくお休みになられました。でも、女性が働き続けていくこと、やはりそれは大変なことで、実際、看護休暇なり、分割取得とか、いろいろなきめ細かな形での実効性ある支援体制というのが非常に大事だと思うんです。

 中嶋参考人、秋元参考人、これまで子育てをしながら仕事を続けられた中で、一番つらかったこと、本当にこんなときに、もうやめたい、仕事は続けられないというような事態があったのはどんなことでしょうか。私的な質問になりますが、お聞かせください。

中嶋参考人 私もずっと共働きをしてまいりました。その中で、一番大変だったのは、やはり子育てと、それから夫の親の介護でした。

 子供が病気になったときに、年次有給休暇をとるにしても、やはり職場の体制が非常に厳しゅうございますから、どちらが休むかということはいつも夫婦の間でトラブルになっておりました。

 そして、その時期は乗り越えましたけれども、今度は夫の親が倒れまして介護が必要という状況になったわけですが、そのときは、病院に入院をさせていたというのもありますけれども、まず経済的に、差額ベッド代もろもろ含めて、一カ月で夫婦の給料よりも多くの支出がされる。介護休業などもなかったときですから、どちらがやめるかというところでかなりぎりぎりの話し合いをいたしました。まあ何とか、そういう言い方をしては申しわけないのですが、貯金が底をつく前に亡くなったということで、そこは終わりましたが、今、介護休業という制度ができて、少しでも働き続ける条件が拡大されてきたということは大変喜んでおります。

秋元参考人 私は育児の経験はありませんので、そこの面ではお話しできないのですけれども、介護の面では、母が二年前に亡くなりまして、別居していましたから、看護をするために休みのときに家まで行くということを繰り返してきて、本当に介護の中での大変さというのは自分なりに味わったつもりです。

 今シングルですけれども、仕事と家庭を両立しながらきちんとやっていますので、いろいろな形で、今からは、育児のことももちろんですけれども、介護の問題というのはもっともっと大変になってくると思いますし、今後、介護休業の見直しも、それから介護保険の見直しのことについても、ぜひお力を入れていただきたいというふうに思います。

 もう時間がないと思いますが、ぜひ一言最後にお話ししておきたいのは、少子化の問題が先ほどから出されましたけれども、産めよふやせよという形での取り組みにならないように、産みたい人が安心して産めるような制度をつくるということについてぜひ御理解を深めていただきたいと思います。

 それから、荒川参考人からいろいろお話がありまして、企業の状況等にもお話があったわけですけれども、大企業で働いている人も中小企業で働いている人も、育児、介護にかかわる影響というのは一緒なわけですから、大企業でも中小企業でも、育児と介護が両立して男性も女性もが働き続けられるようにというようなことが、個々の企業の責任はもちろんありますけれども、今それを政府に求められているということをぜひ議員の皆さんたちが形にあらわしていただきたい、そのことを最後にお願いしたいというふうに思います。

 よろしくお願いします。

中川(智)委員 時間になりました。荒川参考人には伺えなくて、申しわけございませんでした。

 どうもありがとうございました。

鈴木委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。

 この際、一言ごあいさつを申し上げます。

 参考人の皆様方には、貴重な御意見を賜りまして、まことにありがとうございました。委員会を代表してお礼を申し上げます。

 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時三分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

鈴木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 午前に引き続き、第百五十一回国会、内閣提出、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部を改正する法律案及び第百五十一回国会、山花郁夫君外五名提出、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部を改正する法律案並びに津島雄二君外八名提出、児童福祉法の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 各案審査のため、本日、政府参考人として厚生労働省雇用均等・児童家庭局長岩田喜美枝君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

鈴木委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松島みどり君。

松島委員 自由民主党の松島みどりでございます。

 児童福祉法の一部改正案について御質問をさせていただきます。まず主任児童委員の問題について三点伺って、その後、保育施設の問題に移りたいと思います。

 児童委員ですが、私も地元で、民生委員、児童委員の皆さん、本当に、ほんのわずかな報酬で、全くのボランティアで大変なお仕事をしていただきまして、頭が下がる思いでいるところでございます。この児童委員について、主任児童委員の前に、まず児童委員について、ちょっと疑問に思っていることが一つございます。

 例えば、十六歳や十七歳のいわゆる非行少年、そういう人たちが公園にたむろして、それからオートバイの暴走行為に出る、そんなような子供たちが、少年がいるということを聞きつけて、児童委員の方がそこへ深夜出向いて家に帰るように諭したり、そういう例があるわけですね。怖い思いをされることもあるでしょうし、警察がなかなか対応してくれないからかわりにということもあるんだと思うんですけれども。

 こういったことは、私は、児童委員というのは、乳幼児とかそれからせいぜい小学生の子供たちぐらいが健全な家庭で親に愛されて育つようにそれを見守る、点検するための制度だと思っていたものですから、もう児童じゃない少年、中学生、高校生やその年齢に当たる無職の少年たちのそういったことまでこの児童福祉法の児童委員がカバーするというのは、ちょっと不自然じゃないか。もう切り離して、私の方の地域には青少年委員とか青少年育成委員というのがあるんですけれども、そういったようなものを法制化して確立、別個に分ける方がいいんじゃないかという思いがしております。これが一つでございます。

 二点目は、今回の主任児童委員ですけれども、主任児童委員の制度は平成六年に旧厚生省の局長通達で決まったと記憶しております。それが今度法律で定めるということになってくるんですが、主任児童委員、これは名称が主任というのでちょっと、普通、社会で主任といったら偉い感じで、一般の人よりも偉い感じがするせいもあると思うんですけれども、現場でお伺いすると、これまで民生委員を兼ねて児童委員をやってこられた一般の児童委員の方から見ると、ともすれば、何か若い方が新しくついて、地域の実情もそんなに知らないのに、人数も一般の児童委員が全国で二十万人余り、そして一方の主任児童委員が今一万四千人余りでございますから、少数のぽっとなった人が、資格要件がはっきり決まっていればいいですけれども、例えば子供会で活動していたとか、いいところでもあるでしょうけれども、そういう割と柔軟に決められるようになっているものですから、何であの人たち、主任児童委員なんて偉いふうにぽっと来たんだろうと、もともとの児童委員の方にはそういう思いもある。

 一方で、主任児童委員に選ばれた方の中には、新参者だからというので、何となく、地域によっては一番雑用、お茶くみまでさせられるとか、あるいは、地元により密着度が薄いものですから、地域の実情がわからないでちょっと浮いた存在になっているとか、そういうこともある、もちろん地域ごとに違いますから一概に言えませんけれども、そういう問題もあると伺っております。

 その中で、主任児童委員という、主任というタイトルを冠すると、専門とかだったらまだわかるんですけれども、それは一体よかったんだろうかということと、そして、これから研修をしっかり行っていくということですけれども、そういう、うまく地域で連携が図れるように、そしてまた問題点をなくすように、どんなねらいでどんな研修、どういう注意をしてやっていかれるかということを伺いたい。これが二つ目でございます。

 児童委員について最後に質問なんですが、これは主任児童委員、児童委員両方、特に主任児童委員でございますけれども、児童の虐待、子供に対する虐待、これは防止法もできましたが、これに対する介入の権限でございますね。子供たちがあそこで親から虐待されているようだ、いじめられているようだというときに、児童相談所、児童福祉施設に連れていく。親は、そんなことはないといって引き離そうとする。そういうときに、児童委員がどれぐらいの権限を持つのか。そしてまた、痛ましい事件として最近ありましたのは、せっかく児童福祉施設に入っていた子供たちを、無理やり親が、いや、もううちで面倒を見るといって引き離して連れて帰って、そして結局いじめて死に至らしめた。こういうようなときに、児童委員、主任児童委員がどれぐらいの力を持って介入、強制できるのかということについて、これは三点目で、以上三つの点について、主任児童委員制度そして児童委員の問題についてお伺いしたいと思っております。お願いします。

鴨下議員 お答え申し上げます。まず、第一番目と二番目の御質問につきまして、お答えを申し上げたいというふうに思います。

 委員おっしゃるように、確かに、乳児の問題、幼児の問題、学童の問題、そして中高生の問題というのは、さまざま、それぞれバックグラウンドも違うということもございますけれども、非行そのものというのは、ある意味で、家庭内の問題であったり、友人関係、さらにはその地域の問題等が複合的に折り重なって起こってくる問題であります。ですから、そういう意味で、子供のときの問題とそれではその後の問題が切り離せるかというと、連続的な部分もございますのでなかなか難しい。さらにまた、例えば、児童委員がお母さんのことで行って、そして、青少年委員もしくは非行を担当するような方がさらに行ってというので、幾重にも家庭の中に入っていくというのはなかなか難しいという現実的なこともございまして、児童委員があらゆる意味で総合的に判断をして対応していく、こういうようなことがふさわしいんではないか、こういうふうに考えているわけであります。

 さらに、これから、今回の改正案につきましては、地域で、言ってみれば第一線で活躍をしていただいている民生児童委員の皆さんに、さらに児童委員としての知識を深めていただいてと、こういうようなことも今回の改正の大きな意味でございますので、そういう意味で、少年問題をあらゆる面から児童委員に把握して対応してもらいたいということが今回の法律の趣旨の一つでございます。

 それから、もう一点につきまして、主任児童委員が、これは委員がお話しになったように、まだ設置されてから六年の歴史の浅い制度でございますので、そういう中で、主任児童委員といわゆる地域にいらっしゃる民生児童委員の皆さんとの間の役割分担といいますか、こういうようなことがなかなか難しい部分があります。

 確かに、古くから民生児童委員をやっていらっしゃる方にとってみると、主任という名前がついた人が入ってきて、自分たちより上位にあるんじゃないかというようなことをある意味で思われる方もいらしたようでありますし、さらに今度は、新しく主任児童委員として入っていらした方にとってみると、今まで古くからやっていらっしゃる方に対して非常に遠慮があったりしてというので、なかなか連携がうまくいかなかったというのは、さまざまなところから聞かれるわけですね。

 ですから、そういう意味で、今回の法律で、できるだけ主任児童委員の立場と児童委員の役割分担を明確にして、より主任児童委員については、さらに全体的な調整、そして連絡、こういうようなものがしやすいようにしていこうじゃないかというのが今回の改正でございますので、そういう意味で御理解をいただきたいというふうに思います。

 さらに、主任児童委員の適性について、さて、若くて余りそういう児童のことを知らない人が入ってきているんじゃないかというような声があるという御指摘ですけれども、できるだけ専門的な知識や経験があるような方を選任する、こういうようなことを心がけております。具体的に言いますと、例えば、児童福祉施設だとか何かに勤務した経験のある人とか学校の先生の経験がある人、もしくは保健婦、助産婦、看護婦さん、保育士等の資格を有する方、さらに、地域の中で子供会の活動だとか少年のスポーツ活動だとか、こういうようなことについてある意味で豊富な経験のある人たちを選任していこう、こういうようなことでございますので、これからさらに主任児童委員としての働きというのは強化される、こういうようなことでございます。

津島議員 委員の御質問、三つ目の点でございますけれども、子供を虐待から救うについて児童委員の権限をどう考えるかということでございます。

 児童委員の役割と申しますと、住民の立場に立って、まず児童虐待に関してどういうことが起こっているか、情報を早く把握すること。それから、虐待防止のために一般の住民の方に必要な情報を提供したり、身近な相談者として相談に乗ったり、聞き役になったり、支え役になったりする。そして、児童相談所などの関係機関と連携しながら地域全体で問題を解決していこう、こういう考え方なのでございます。

 昨年の六月に施行されました児童福祉法の改正で、児童虐待防止法の制定と関連をいたしまして、児童虐待等を発見した者が身近にいる児童委員を介して児童相談所に通告できるという規定が整備されたことは御承知のとおりでございまして、そういう意味では、児童虐待の早期発見、早期対応が図られているところであります。

 そのときにも当委員会でいろいろ議論がございましたように、親権のある方等のいわゆる私権、権利と、それから公がどこまで虐待という切り口を通じて入っていけるかという難しい問題がございます。いろいろ議論をいたしましたけれども、今の考え方は、やはり社会全体として、児童虐待をみんなで防止をしていくという機運を高めていかないと、神学論争だけではこれは解決できない。

 こういうことで、今回の改正案におきましては、児童委員の職務といたしまして「児童の健やかな育成に関する気運の醸成に努める」というような規定を追加したところでもあり、また、今鴨下委員から御答弁ございましたような主任児童委員を法定化するということもいたしました。

 大変難しい問題をはらんでいるということは恐らく共通の認識であると私ども思いますけれども、まずは、今回のような改正で問題の解決への一歩になる、こういうふうに御評価いただければありがたいと思っております。

松島委員 名前はちょっと不満ですけれども、主任児童委員制度がしっかりと定着いたしまして、より一層子供たちの健全な成長が図られるようにと思っております。

 保育施設の問題でございます。

 認可外保育施設、これを今度いろいろな整備を進めるわけですけれども、この認可外保育施設といいましたときに、いろいろなレベルがあると思います。経営者が非常に良心的だけれども、しかし資金面で恵まれないからきちっと整備が進んでいない、あと一歩だというところもいい方ではあると思うのですね。そういうところについて、現実には、基準を満たさないで認可外であるがゆえに補助金も出ない、そして施設の充実が図られないという悪循環が起きている部分もあると思います。

 このあたりを、認可外の中で優秀な善良なところについてはしっかりと、前もって事前に、事前というか、まだ認可外のうちでもいろいろな援助をして、レベルをアップして、認可施設にするというようなことが必要かと思うのですけれどもどうお考えでしょうかというのが一点。

 あと二つ、先に申し上げてしまいます。

 これまで認可外の保育施設で閉鎖命令が出たのが、驚くことに今まで一件だけ、スマイルマム大和ルームですか、この一件しかないと聞いております。今まで、いろいろな新聞ざたで、子供が保育園で事故に遭い、事件に巻き込まれて亡くなったということがいっぱい相次いでいる中でたった一件というのは、これまでは捜査の手が入ってからやっと調べるようになったのか、それにしても、何か物すごくお粗末だったなという気がしております。これが保育施設の問題のもう一点です。

 最後に、保育士のことだけちょっと申し上げさせていただきたいと思います。

 今度、保育士の登録制度ができる。今までなかったのが不思議なぐらいに思っております。唖然とする次第でございます。ただ、この保育士というものについては、一部の御意見では、子供を育てたことがある人はみんなそれだけのノウハウを持っているんだから一々資格制度は要らないんじゃないかと言う方がいるのですけれども、私自身は、これは資格制度が必要だと思っております。

 自分が車が運転できて家族を乗せることができるという免許と、人様から料金を取ってタクシーとして営業する、これも免許が違うように、やはり保育士の資格というのは、他人様の子供を料金を取って預かる以上、必要だと思っております。

 今、保育士の資格を与えられるのが、二つのチャンネルがございまして、一つは、保育士養成施設、短大とか保育専門学校だと思うのですけれども、こういうところを出てというのが、平成十一年度の場合、この人たちが三万二千人、卒業と同時に、卒業イコール資格を与えられています。一方で、こういう学校に学ばないけれども試験を受けるという、その場合に、たまたま同じ数字なんですけれども、三万二千人が受験して三千人しか通っていない。十倍の厳しい門戸なんですね。

 ペーパー試験だけじゃいけないと思いますけれども、試験についてはいろいろ方法を考えるとして、やはり学校を卒業しただけで与えるというのは、ひょっとして甘いんじゃないか。看護婦さんだとか、それからもちろん医師、薬剤師、歯科医師のように、学校を卒業しても国家試験を受けないとその資格が得られないというように改めるべきではないかと思うのですけれども、いかがでしょう。

 以上、三点でございます。

根本議員 松島みどり委員、認可外保育施設について常に非常に勉強されておられまして、私も、よく実態も把握されておられると感心をしているわけであります。

 実は、認可外保育施設の問題、私も、松島みどり委員と同じぐらいの当選一回のときからこの問題に取り組んでまいりまして、認可外保育所にも何らかの支援ができないのか、実はこういうことで考えてもまいりましたし、質問などもしてまいりました。

 難しいのは、認可外保育施設、松島委員が御指摘されたように、非常に多様な認可外保育施設があるものですから、ここのところが実は難しいのですね。私は幾つか方法論はあろうかと思いますが、今我々考えているのは、認可外保育施設についてできるだけ認可保育所へ誘導していこう。平成十二年に、設置主体の規制も撤廃しましたし、それから規模要件も下げる、こういうことで、認可保育所にできるだけ誘導していこう、こういう措置を講じてまいりました。

 それからさらに、来年度の予算で、松島委員がまさに御指摘いただいたように、今認可外保育施設になっているところに、認可保育所にいけるように必要な支援をしましょう。例えば、認可時点で施設の改善に必要な助成措置を講ずるとか、それから認可外施設の間に保育士さんに行ってもらって、内容のレベルアップを図ってもらう、こういう認可保育所へ誘導するような支援事業、これも来年度予算で講じておりますので、基本的には、できるだけ認可保育所でやっていただくように誘導する、これが私は基本だと思います。

 それからもう一つは、認可外保育所になぜ国が補助できないか。これは、今の認可保育所の基準が、保育に欠ける児童を受け入れるための最低の基準、つまり、この基準を満たしてくださいね、こういう基準になっているものですから、認可保育所にならない保育施設について、どうもそこの基準に満たないものについて補助をする、これがなかなか、ダブルスタンダードになるものですから、非常に悩ましい点なんですね。

 ただ、そうはいっても、実は、東京都あるいは岡山市、横浜市、自治体が自治体の判断で一定のレベル、例えば、東京都には認証保育所制度というものを設けて、十三時間保育してくださいよ、こういう条件をつけて認証保育所で認可外保育所に補助をする、こういう自治体での先進的な、先導的な取り組みもありますから、私は、ここは国と自治体の役割分担で対応していただきたい、こんな思いであります。

 それから、指導監督で閉鎖命令が一件しかやっていないじゃないかと。これは、実はそのとおりなんですね。営業停止、つまり施設閉鎖命令というのは、やめろ、こういうことですから、実はこれは相当きつい措置なんですね。まあ伝家の宝刀みたいな措置なんだろうと思うんですよ、実際やっているところにやめろと言うわけですから、閉鎖命令ですから。で、現状、適用されたのは一件だったと。

 ですから、今回の法改正で、認可外施設の届け出制それから情報提供というものと同時に指導監督をやり、より機動的にやるための指導監督の措置として、勧告に従わない者の公表。要は、事業停止、閉鎖命令の前段の行政上の措置として、改善勧告、公表という仕組みを入れる。これで機動的に、弾力的に指導監督の強化を図っていくということを今回の措置で入れましたので、ここのところの指導監督は、届け出で十分内容も把握できますし、それから、施設の閉鎖命令、改善命令という最後の措置に至るまでの前段の措置ができますから、私は、ここはこの対応ぶりでこれから期待していただきたい、こう思います。

 それから、保育士の問題は田村委員が専門ですから、田村委員の方から答えていただきます。

田村議員 基本的に、松島委員から二問御質問をいただいたというふうに認識いたしております。

 平素より松島委員は、保育士が登録制度でなかったことに唖然とする、そういう思いを言われておられると思うんですけれども、昭和二十四年に児童福祉法ができて以来、この保育士というものは政令で規定されております任用資格でございまして、あくまでもその身分といいますか、不安定な状況でありました。

 そういう中において、今も委員御指摘のとおり、神奈川県、スマイルマムであのような児童の虐待、死傷事件が起こる。あのときに、保育士を詐称しておりまして、それで子供さん方をお集めになられた。保育士というものは一体何なのかということが問われたんだと思うんです。

 そこで今回、その名称を独占しよう、つまり、名称自体を勝手に名乗れないような形にしようというのを盛り込んでおりまして、あくまでも業務独占ではございませんけれども、勝手に名称を名乗ったりとか、また、紛らわしい名前を使った場合、これはだめだということにいたしまして、サービスを受ける方々の判断基準になるようにということを取り入れたわけであります。また同時に、保育士の皆様方の質の向上ということも大変重要でございまして、中にはいろいろなニーズが高まってきておりますので、地域社会におきましては、その地域社会の中での保育というものに対しての相談でありますとか支援というものに対しましても、保育士の業務として追加をいたしたというようなことでございます。

 それから、もう一点でありますけれども、もう一点に関しましては、確かにおっしゃられますとおり、保育士養成施設等々で養成された保育士の方々、こういう方々は試験を受けていないから、これはちょっといろいろな問題があるんじゃないかというお話でありますけれども、基本的に、試験が通っただけでそれまたいいという議論でもございませんでして、試験の方は試験の方で、試験の内容の中に例えば実地試験等々入れまして、歌を歌ったりとか子供さんとどう接していくか、こういう内容も入れておるわけなんです。

 一方、養成施設の方では本当に幅広い、少し言いましても、例えば児童心理学でありますとか、また教育原理、小児の保健、栄養等々いろいろな科目を盛り込んでおりまして、卒業された方々にちゃんとした保育ができるような能力を身につけていただけるだけの、そこで訓練、勉強をしていただいておるということでございます。もちろん、これからも保育士の皆様方のさらなる質の向上という部分では我々もいろいろな検討、努力をしていかなきゃならぬと思いますけれども、そういう努力をしておる中で保育士の資格というものを取るための養成をしておるということでございまして、どうか御理解をいただきたいな、そんなふうに思います。

 以上でございます。

松島委員 終わります。

鈴木委員長 次に、江田康幸君。

江田委員 公明党の江田康幸でございます。

 本日は、育児・介護休業法と児童福祉法の改正の一括審議でございますが、児童福祉法の方では提案者になっておりますので、育児・介護休業法について政府の御見解を質問したいと思っております。

 我が国の合計特殊出生率、これは、平成十二年には一・三五と前年よりもやや上回ったものの、人口を維持するのに必要な水準である二・〇八を大幅に下回っております。こうした少子化は、労働力人口の減少や高齢者比率の上昇などにより、経済成長のマイナス効果や地域社会の活性の低下など、将来の我が国の社会経済に広く深刻な影響を与えかねないものでございます。

 我が党は、この少子化問題に対しまして、本年三月には、健やかな子育てや仕事との両立を進める子育て支援二十一を、また、本年五月には、健やかな出産と生育を支援する小児医療、母子医療、生殖医療に関する十四の提言を、また、働く女性、働きたい女性を応援する働く女性支援二十一を連続して提言しまして、その実現に尽力をしてまいりました。

 特に、子育て支援二十一では、子育てと仕事の両立を進めるための環境づくりとして、待機児童解消三カ年計画の策定、そして無認可保育所への支援、ファミリーサポートセンターの拡充、駅前保育や一時保育、そして放課後児童クラブの充実などの多様化の推進、さらに、父親の育児休業取得の推進、看護特別休暇制度の創設などを提言させていただいておりました。

 そこで、まず、厚生労働省として、この喫緊の課題である少子化問題に今後どのように取り組んでいかれるのか、子育てと仕事の両立を進めるための環境づくりも含めて、大臣の見解をお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

坂口国務大臣 少子化対策は、今御指摘をいただきますように、これから重要な日本の政策の柱になるというふうに考えております。

 いずれにいたしましても、お母さん方が働いていただきますときに、その子育てと雇用とが両立できる社会をやはりつくらなければなりません。そうした意味で、今回のこの法律案も一つの大きな前進ではないかというふうに考えているわけでございます。

 しかし、これだけで済むかと言えば、そういうわけではいかないだろうというふうに思っておりまして、あらゆる政策の中に、いわゆる少子化のための対策あるいは子育てのための対策というものをやはりもっとちりばめていかなければならないというふうに思っております。年金の問題にしろ、医療制度の問題にしろ、さまざまなところでそうしたことをやはり織り込んでいかないといけないだろうというふうに思っている次第でございます。

 党としてのいろいろの御提言のあることも承知をいたしておりますが、そうしたことも踏まえまして、そして、これから世の若いお母さん方におこたえのできるような施策を、ひとつこれからも精力的に取り上げていきたいと考えているところでございます。

江田委員 ありがとうございます。

 さて、子育てをしながら働き続ける労働者が、子供が病気になったりけがをしたりするときに休みやすくして、もって子育ての負担を軽減するという目的を有する看護休暇制度につきましては、非常に必要性が高く、このため、法律上、努力義務という形ではありますが、盛り込まれたものと認識をしております。

 先週の審議並びに本日の朝の参考人質疑でも、公明党が子の看護休暇制度の創設を提言して尽力してきたにもかかわらず、今回の改正では努力義務であり、請求権化までいっていないことが二、三質問に取り上げられておりました。そもそも、公明党の提言というものは、努力義務化の後に請求権化をしていくという内容のものでございます。それが現実的であろうと思っております。したがって、今回のこの改正が、将来の請求権化を視野に入れた当面の措置としての努力義務化であり、我が党の提言も入った大きな前進と評価している次第でございます。

 そこで、当面は努力義務としましても、早急に制度の導入が進むように政府としても尽力を尽くすべきかと思いますが、政府として今後どのように取り組んでいかれるのか、大臣の見解をお願いいたしたいと思います。

坂口国務大臣 この問題は、委員の御指摘のとおりでございまして、一度にこれは最後まで行くことができればいいわけでございますが、やはり手順を踏んで、そして社会全体がこのことをよく理解していただいた上で一歩一歩前進をさせていくということにしなければならないというふうに思っている次第でございます。

 子供の看護休暇制度の普及につきましては、平成十四年度の概算要求におきましても、子の看護休暇制度を設けた事業主に対する看護休暇制度導入奨励金制度、これを設けまして、仮称でございますけれども、取り入れているところでございますし、今回のこの改正法案を成立しました暁には、事業主に対しまして子供の看護休暇制度の導入に向けた啓発、指導を積極的に展開していきたいというふうに思っています。こうした助成措置も活用しながら看護休暇制度の普及を進めてまいりまして、そして、その暁において所期の目的を達成できるようにしていきたいと思っているところでございます。

江田委員 ありがとうございます。

 さて、次の質問に参らせていただきますが、勤務時間短縮等の措置についてでございます。

 この措置の対象となる子の年齢につきましては、今回の改正では一歳未満から三歳未満に引き上げられたわけで、これもやはり従来と違って大きな前進と考えておりますが、やはり将来的には小学校の就学前まで必要であるのではないか、そのように考えております。これに向けました政府の取り組みにつきまして伺いたいと思います。よろしくお願いします。

岩田政府参考人 育児休業から復帰した後、働き続ける上で、子育てのための時間をいかに確保するかというのが大変重要な課題でございます。そのために、短時間勤務、フレックスタイムなどの措置が小学校の就学前までの子供を対象として実施されるということは望ましい姿であるというふうに思っております。平成十四年度の概算要求におきましては、そうした措置を普及するための助成金を要求しているところでございます。

 今後は、この助成金の活用も図りながら、小学校就学前までの勤務短縮の措置等が広く企業の間に普及しますように、必要な啓発や指導を進めてまいりたいと思います。

江田委員 次に、子の看護休暇制度の創設、さらに、今申されました勤務時間短縮等の措置の子の年齢の引き上げにつきまして、これらの、今回の育児・介護休業法の改正は、少子化の進行といった大きな問題に対処するために、子育てをしながら働き続ける労働者の仕事と子育ての負担を軽減する上で必要なきめ細かい措置を盛り込もうとしているものだと考えております。

 そこで、この委員会でも混同してといいますか、一括してよく審議されていると思うんですが、企業にはやはり大企業と中小企業という経営状態の異なるそういう企業がございまして、問題なのは、この厳しい経済状況の中で日々経営に苦労している中小企業が、この改正に基づく新たな負担にたえられるのかどうかという点がございます。

 この点につきまして、先ほどの参考人質疑でも、その答弁におきまして、今回の改正点というのは中小企業としてはぎりぎりの線であるということをおっしゃられておりました。私も、やはり大企業は受け入れ可能だけれども、中小企業はさてどうなのか、この点について、中小企業が今回の改正に対して、雇用管理面において十分に対応できるように行政としても十分な配慮をしていただく必要があるかと存じますが、厚生労働省の具体的な取り組みにつきまして、その見解をお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。

南野副大臣 先生の御心配はもっともであろうかなというふうに思っております。厳しい経営環境の中では、日々御苦労いただいております中小企業の事業主の方に対しても、今回の改正においては雇用の管理面でなお一層の御負担をいただくのではないかな、そのようなお願いをするのは事実であろうかというふうに思っております。

 しかしながら、今回の法律改正といいますのは、経済社会の活力を維持していく上では本当に重要であり、かつ、喫緊の課題であろうかというふうに思っております。少子化に対応していくという側面もございますが、将来的にはやはり、これは全体的に見てみますと、中小企業の事業主の方々を含めた事業主体のメリットもあるのではないかな、そのように受け取らせていただいており、制度改正がそのようにいいものであるというふうに思っております。

 なお、厚生労働省といたしましては、改正内容に沿いまして各種の措置が円滑に実施されますようにとするために、平成十四年度の概算要求で、もう先生御案内のとおり、看護休暇制度の導入を促進するための助成金、さらに、勤務時間の短縮などの措置を小学就学前まで延ばしていくということを、これを奨励する助成金の創設を要求しているところでございます。

 これを申し上げるならば、さっき先生が御心配の中小企業と大企業というところがございますが、育児の両立支援奨励金または看護休暇の導入奨励金、これらの奨励金につきましては、中小企業に厚く、それから大企業に薄くとは言いませんが、差がついているところでございます。

 法案が成立しました暁には、中小零細企業におきましても、各種措置の円滑な導入が図られますよう、こうした措置の活性化を図るとともに、制度の内容に関する説明会または好事例に関する情報提供、そういったものを通しながら、効果的な周知啓発または指導を積極的にしてまいりたいと思っております。ぜひ先生のお力をおかりしたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

江田委員 副大臣、丁寧な御答弁どうもありがとうございます。

 私も、今おっしゃられましたように、種々の助成金、看護休暇制度並びに育児休暇をとっていく企業に対する助成金、そういう奨励金等が非常に中小企業にとっては大事かと思います。そういう環境づくりを進めていくことで初めてこの法改正が実効力あるものになるかと思いますので、どうぞ、手厚い配慮を中小企業にしていただきますように、よろしくお願い申し上げます。

 子育てと仕事の両立を支援していくためにも、今回の法律の改正、これは非常に重要であり、私は大きな前進のある内容が盛り込まれていると評価しております。

 それに加えて、先ほども厚生労働大臣がおっしゃいましたように、環境づくりというのがもう一つには非常に重要でございまして、やはり保育所の多様化の推進とか、そうしたり、ファミリーサポートセンターの拡充とか無認可保育所への支援、こういうものも含めて、やはり仕事と子育てが両立できるような環境を整えることがもう一つには非常に重要なことであるかと思いますので、どうぞその環境づくりもあわせてよろしくお願い申し上げまして、少々早いのでございますが、私の質問を終了させていただきます。

 どうもありがとうございました。

鈴木委員長 次に、石毛えい子君。

石毛委員 民主党の石毛えい子でございます。久しぶりに厚生労働委員会で質問をさせていただきますことを、大変ありがたく、うれしく思っております。

 委員長、私が厚生委員会の委員をさせていただいておりました当時は、さんで呼んでいただいておりましたのですけれども、今は君に統一でございますか。ぜひ、さんに戻していただけましたらありがたいですけれども、時間もございませんので、早速質問に入らせていただきたいと思います。

 本委員会で、育児休業、介護休業法案に関しまして、仕事と家庭を男性も女性も両立していけるようにということで審議がなされておりますが、同時に、その両立を図っていく場合に、保育所の役割も大変重要であるということは論をまたないところでございますし、また、子供自身の成長を社会の総意として、社会の責任として、保育を充実していくということも大変大事なことであると思います。

 民主党では、さきの通常国会に児童福祉法の一部改正案を提出させていただいておりましたが、今臨時国会では、衆法として児童福祉法改正案提出に至りました。きょうは、その衆法としての児童福祉法改正案につきまして、何点か確認の意味で質問をさせていただきたいと思います。

 率直に申しまして、質問に入らせていただきます前に、私は、民主党提出の法案に関しましてかなり大部な量の内容が付加されて衆法が提案されましたことに驚きを持っておりますけれども、前置きはそのぐらいにいたしまして、質問の第一点でございますけれども、衆法十八条の九に関連いたしまして、保育士の試験に関して、都道府県知事は指定試験機関を置くことができるといいましょうか、行わせることができる、こういう規定が入っております。

 保育士を名称独占にするということ、あるいは保育士の守秘義務、これは大事な点だと思いますけれども、保育士の資格取得については、これまでどおり、都道府県の試験とそれから養成校の卒業での必要な単位を履修しての資格取得という、この資格取得の方法には変わりがないわけでございますが、今回、新たに指定試験機関という法規定がなされましたことについて、その理由、あるいはどういう中身のものを考えておられるかということを、まず御説明いただきたいと思います。

田村議員 石毛委員のいただきました御質問でございますけれども、まず第一点、どのような理由で今回指定試験機関を置くようにしたかということであると思うのですが、御承知のとおり、保育士の試験は都道府県知事が今自治事務という形で実施をいたしております。その中におきまして、都道府県が、試験の例えば問題の作成でありますとか、また採点というような部分で、大変な今事務負担が大きくなっている、そこで、何とかこれを外部に委託することができないかという要望が大変大きくなってきております。

 そういうことを踏まえまして、今回、事務の効率化の観点という意味から、各都道府県が指定試験機関を置くことができるというふうに盛り込まさせていただきました。これが一点。

 それから、中の機能、構成、こういうものはどういうものですかという御質問であったと思うのですけれども、基本的に、指定試験機関は保育士の試験の実施に関する事務のすべてもしくは一部を行うことができるとしております。ですから、すべてを委託を受けてもいいですし、また試験の問題の作成でありますとか、また採点だけを受けてもいい、こういうような形であるわけなんですけれども、中の構成といたしましては、もちろん代表者でありますとか役員でありますとか、また試験委員等々、その他の職員で構成されることになるというふうに思います。

 なお、守秘義務ということを、やはりこの指定試験機関の方々にも課した方がいいであろうということで、今回盛り込まさせていただいておりまして、罰則は一年以下の懲役もしくは三十万円以下の罰金というふうに一応書かせていただいております。

石毛委員 できる規定ですから、全都道府県がこの試験機関を設置するとは限りません。

 先ほどの御質問でも一年間三万人ぐらいの受験というふうにお聞きしましたけれども、三万人を単純平均しますと、四十七都道府県で割り返せば、千人にも満たない。大学の先生だったら千人ぐらいの採点しているなんてざらにあるというふうに私は思うところもあるのですが、そういう事務量等々検討して、該当する、もし知事に意思があればということですけれども、該当する県は、都道府県は出てくるというふうに想定をされた法文なんでしょうか、いかがでしょうか。

田村議員 先ほども申し上げましたとおり、そのような要望が非常に多いという中で、今回このような形に改正をさせていただこうという話でございまして、当然、このような形になれば、これを利用しようというような都道府県が出てくるものであろう、そのように我々は考えております。

石毛委員 小泉政権では、特殊法人改革等々、行政改革を進めるという折に、要望は多いのかもしれませんけれども、これは通年の事業では恐らくないんだと思います。まあ、申請をいつ出すかというようなことをずっと続けていけば通年と言えなくもないわけですけれども、その通年でならしていけば事務量は多いとは決して言えないでしょう。一定の時期にそれなりに繁忙になる時期はあるかと思いますけれども、私は、この新しい指定機関がこの法文の中に規定されたということに納得し得ないという思いがございます。

 これに関しまして確認をさせていただきたいのですけれども、よもや天下りの機関になるというようなことはないというふうに断言していただいてよろしゅうございますね。

田村議員 我々も、そういうことになりますと、非常に小泉総理が言っておられる部分と反しますので、天下り先にならぬように、そのようなつもりでつくった今回の改正案ではないというふうに言わせていただきたいと思います。

 また、財源といいますか、どのような財政的な手当てをするかという問題なんですが、これは基本的に、現在も受験者の手数料というような形で賄っておるんですけれども、これからもそのような形で賄っていくという形になると思いますので、その点に関しても変な意味で変なお金が支出されるという形にはならないと思います。

石毛委員 ぜひそのように、といいましても自治事務ですからね。なかなか微妙なところがあると思いますけれども、ぜひ厚生労働省から通知、技術的助言というそうですけれども、そこにはきちっと明文化をしていただきますように要請したいと思います。

 次の質問でございますけれども、五十六条の七でございます。

 ここには、「保育の実施への需要が増大している市町村は、公有財産の貸付けその他の必要な措置を積極的に講ずることにより、社会福祉法人その他の多様な事業者の能力を活用」云々、そして、市町村は「効率的かつ計画的に」保育サービスを「増大させるものとする。」「国及び都道府県は、前項の市町村の措置に関し、必要な支援を行う」、こういう条文があります。

 児童福祉法の中にわざわざいかに増設するかという方法論が規定されるという法文構成も、児童福祉法全体の体系には私はなじむというふうには思わないのですけれども、そのことはおきまして、何点か確認をさせていただきたいと思います。

 「社会福祉法人その他の多様な事業者」というのは、どこまでの範囲を含みますでしょうか。それから、関連してですけれども、「国及び都道府県は、前項の市町村の措置に関し、必要な支援を行う」とありますが、国及び都道府県が行う必要な支援というものを明らかにしていただきたいということがこの条文に関する二つ目。それから、この特別の手だてをとるという市町村は、地方エンゼルプランにこの保育サービスの増進につきまして掲上する等確実に実施が前進するというような、そういう方向性をとるという内容だと理解してよろしいのでしょうか。三点お答えいただきたいと思います。

塩崎議員 ただいま石毛委員の方から三点ございました。

 まず最初は、この「社会福祉法人その他の多様な事業者」というのはどこまでが入るのか、こういう話でありますが、御案内のように、去年の三月に待機児童問題の対応のために保育所に係る規制緩和を三点いたしましたけれども、その中に設置主体制限の撤廃というのがございました。その並びで、今回のこの文章も、NPOであるとかあるいは学校法人、宗教法人、個人、場合によっては株式会社等々、基本的にはあらゆる形態の主体が入ってくるということだと思います。

 この一年間余りで多かったのは、やはり学校法人、宗教法人、株式会社、有限会社、それから個人もございますけれども、こういったところがどんどん入ってきているわけであって、ぜひいろいろな主体の方々にひとつ参画をしてもらって、待機児童解消のためにも新しいこのスタイルで保育所ができるということを期待している、こういうことでございます。

 それから、国及び都道府県による必要な支援というのは何だ、こういうことでございますけれども、例えば、これまで運営委託それから建物の貸与というのは既にやられてきているわけでありますけれども、これまで国の補助は貸与については与えてこなかったということで、これにつきましては来年度に向けての概算要求の中でも組ませていただいて、国がこの貸与についても補助をできるようにということでございます。

 それから、当然、都道府県についてもその並びで支援ができるようなことを期待したいというふうに思います。主体は市町村ということになりますが、今回特に市が中心になろうかと思いますけれども、そういった面での支援を都道府県がやるということも考えられると思います。

 それから、地方版のエンゼルプランとの兼ね合いはどうなんだ、こういう御指摘でございますけれども、今回のこの公設民営というのは、言ってみれば保育所整備の手法の一つということで新たに児童福祉法の中に加えているわけでありますから、当然、地方版のエンゼルプランの中で、市町村ではまだ三分の一ぐらいしかできていないようでありますけれども、こういうものを織り込んだ上でこの設置の促進というものを図ってもらう、こういう考え方ではないかと思います。

石毛委員 ちょっと私が理解できないのだと思いますけれども、貸与に関しましても補助をするという、もう少し具体的に教えていただけませんでしょうか。

 貸与でしたら、公有財産を貸与する、例えば学校の余裕教室を貸与する、その場合はもう公有財産の貸与なわけですから、それに補助というのは必要なんでしょうか。ちょっと理解が私には、知識がないのかもしれませんけれども。

塩崎議員 おっしゃるとおり、もちろん、借りる方がいろいろ投資をしてやることも後ほどあると思いますが、整備をした上で貸与をするということで、その際の整備の費用についての国庫補助をしようということであります。

 それはケース・バイ・ケースでもあろうかと思いますが、今既に概算要求として要求をしてございますので、もし必要ならば、厚生労働省の方で組んでいるものがあれば具体的なものをお答えさせていきたいと思いますが。

石毛委員 お願いします。

岩田政府参考人 今の先生の御答弁で尽きているかと思いますが、既存の公的な施設、これを適正な価格で譲渡する、貸与するというのは、もう今自治体が持っている財産の話でございますから、これに対して国が新たに助成をするということは起きてまいりません。

 平成十四年度の概算要求で新たに要求しておりますのは、社会福祉法人に貸与するということを当初から念頭に置いて自治体が新たに保育所を整備するとき、そのときの整備費が国庫補助の対象になるかどうか、これまでは明らかでございませんでしたので、そういう場合についても国庫補助の対象にするということで予算要求をいたしております。

石毛委員 余りよくわからないんですけれども、国が貸す、社会福祉法人に貸す。公設民営のというのは、施設自体を貸してはいないわけですね。施設は自治体が所有して、運営を社会福祉法人なりなんなりに委託するというわけですから、今の御説明はそれではないということで、新しく建てた建物を民間に貸すということ。要するに、この「国及び都道府県は、前項の市町村の措置に関し、必要な支援」というのは、最初の法文に出ていました、法文案ですかに出ていましたPFI方式ということだと理解してよろしいんですか。

 この五十六条の七の前段の「需要が増大している市町村は、公有財産」というこの部分と、最後の一行の国及び都道府県による必要な支援というこの関係がもう一つよくわからないので、今局長に御答弁いただきましたけれども、ちょっとやはり歯切れが悪いというふうに私は伺ったのです。

 これは主観の相違かもしれません。ですので、PFI方式ですかということを端的に質問した方がわかりいいのかと思います。

塩崎議員 石毛委員おっしゃるとおり、PFI方式を含めてこれをやれるということでございます。

石毛委員 この場合、公有財産の貸与ということになりますと、例えば市町村の場合に公有財産といいますと、今一番念頭に浮かびますのは、学校の余裕教室などが多いかというふうに想定できるわけですけれども、社会福祉法人その他の多様な事業者の能力を活用して、PFI方式で仮に増設を進めていくというふうにいたしました場合に、保育の質の担保というのはどんなふうに考えたらよろしいんでしょうか。

塩崎議員 保育の質の問題につきましては、公であろうと民であろうと、同じ水準を当然国で設けているわけでありますから、どういう形態で運営をされるにしても、保育の質の問題については全く同じように扱われるということで、そこは担保されているというふうに考えるべきだと思います。

    〔委員長退席、谷畑委員長代理着席〕

石毛委員 そういたしますと、確認させていただきたいと思いますが、五十六条の七で展開される保育施策の、施策と申しましょうか、サービスの増大策といいますのは、児童福祉法の省令に規定されております保育所の最低基準がスタンダードであるということが前提であるという、この理解でよろしいですね。

根本議員 前提は、これは認可保育所ですから、保育の質のスタンダードは担保される。この五十六条の七に言う規定は認可保育所のことですから、質は担保されます。

石毛委員 わかりました。認可保育所である限り、児童福祉法省令に定める最低基準がスタンダードであるということを理解いたしました。

 関連してちょっと、公有財産の貸し付けその他ということに関しまして、要望だけさせていただきたいと思います。

 実は、ここで私は、国及び都道府県による必要な支援の中に、特に大都市部に多いかと思いますけれども、未利用の国有地がかなりあると思います。特に、相続税のかわりに物納ということで、未利用の国有地がたくさんありまして、そういうところを積極的に使っていくという、貸与ないしは低廉な価格での譲渡と申しましょうか、それが重要だと思います。

 今財務省でそういう施策がとられているわけではございますけれども、どうも設置運営主体とその貸与とか譲渡先のバランスが、保育所とか学童保育が全部イコールフッティングになっていないので、保育所は、社会福祉法人に国有地を貸与するということができますけれども、学童保育の場合、それがかなり制約があって、社会福祉法人の保育所が同時に学童保育を行う、その分も国有地をぜひともというふうに要望しても、子育て支援策の中の学童保育は、委託は可になっていますけれども、設置運営主体が市町村というふうになっていて、ここがバランスしていなくて、とても施策が実施しにくいというかやりにくいという状況がありますので、ぜひ一度お調べいただきまして、いい方向に変えていただきたいということを、これは質問通告しておりませんので、要請をさせていただきたいということで、お聞き受けいただければ大変ありがたいと思います。

 次の質問でございますが、第五十九条でございます。ここは、いろいろと認可外保育所が問題になってきた経緯に照応してつくられた条文だというふうに思いますけれども、この五十九条の中で「都道府県知事は、児童の福祉のため必要があると認めるときは、」「その施設の設備又は運営の改善その他の勧告をすることができる。」また「公表することができる。」というふうに続くわけでございますけれども、「児童の福祉のため必要があると認めるときは、」という、この「必要があると認める」という中身をお示しいただきたいのですが。お願いいたします。

福島議員 今回の法改正におきましては、悪質な認可外保育施設に対する指導監督の手法といたしまして、現行法上既に規定されておりますところの事業停止命令、施設閉鎖命令に加えて、これらの命令に至る前段階として、新たに勧告、公表というものを規定させていただきました。勧告公表権限が規定されることにより、より幅広い行政上の対応が可能となりまして、実効性の高い指導監督の実施が可能になる、そのように考えております。

 それをどのような場合に発動するのか、ここのところは大切なところでございます。法文上は「児童の福祉のため必要があると認めるとき」このように書かれておりますが、具体的な発動要件につきましては、従来から指導監督の指針というものが制定されておりましたが、この指針を本年三月に具体的な内容を盛り込んで新たに定めております。

 行政におきましてはこの指針にのっとって適切に対応していただくということになろうかと思いますが、その指針の中のポイントといいますと、行政命令の発動基準として、「著しく不適正な保育内容や保育環境である場合」また「著しく利用児童の安全性に問題がある場合」また「その他児童の福祉のため特に必要があると認められる場合」と定められておりまして、こうした判断基準に、発動基準に基づきまして行政命令が下されるものと考えております。

石毛委員 関連してこのことについてもう少しお尋ねしたいと思います。

 私は、スマイルマムの事件が起こりましたときに大和市とか神奈川県庁とか伺いましたけれども、なかなかやはり、県の側のスタッフの人数ですとか、そういうような理由で、それから、どこに認可外の保育施設があるのかというのはタウン誌などを見て判断していくという状況で、そういう意味で、民主党とすれば、せめて行政は、認可外保育がなされているという事態、そのことはきちっと行政の責任として掌握すべきだろうということで届け出制の民主党案を提出したわけですけれども、同時に、やはり、その後考えなければならないのは、実効性を持ち得るために、都道府県にそういう体制が備わっているのかどうなのか、あるいはどういうふうにしていくのかということが大事かというふうに私は考えます。

 現状では、なかなか大都市の場合、難しい側面があるのではないかという思いがいたしますということと、児童福祉法第二十四条で保育所は市町村の自治事務であるわけですから、即座に、即座にというか、法律の整合性という意味では、保育行政を市町村と都道府県でどういうふうに整序するのかというのは立法上はなかなか難しい問題があるのかもしれませんけれども、むしろ私は、届け出た認可外の保育所は必ず自治体で、例えば仮称ですけれども保育協議会というようなシステムをつくって、そこで相互牽制をするというような、そういう仕組みの方が実効性という意味で優位なのではないかというふうに私は考えるわけです。

 繰り返しになりますけれども、このことは、都道府県の側にかなりのやはり業務の遂行量が確保されないとなかなか難しいということで、せっかくつくったにしても、またちびっこ園のような閉園のようなことが起こってくるのではないか、きょうの朝日新聞にも特集で出されておりましたけれども。私は、そういう思いがして受けとめておりますが、そのことに関しまして何か御所見がございましたら、お尋ねしたいということ。

 それからもう一点、根本議員に、先ほど、ダブルスタンダードになるというような御答弁をちょっとなさっていらっしゃいましたけれども、認可外の保育については自治体が自治体行政の裁量性で先進性を発揮してもらって、そこに一つの基準が形成されてきて、それが国基準とダブルスタンダードになると考えるのがよいというふうにおっしゃったのかどうか、そこのところをもう一度確認させてください。済みません、後ほどで結構です。

福島議員 今回のこの改正案によりまして、認可外保育施設の届け出制というものを創設させていただきたいというのが私どもの考えでございますが、届け出がなされました後に、委員御指摘のように適切にその監督がなされるということは大切だと思っております。都道府県の事務として過大な事務になるのではないかという御指摘もございましたが、この改正案施行後、それが適切に運用されているかどうか私どもは注意深く見守っていきたいと思っております。

 その上で、都道府県と市町村の行政の連携が大切である、そういう御指摘であったかと思います。私もまことにそのとおりだというふうに思っております。協議会というような形で一律に定めるということになるかどうかというのは、自治事務でございますので、いろいろな御意見があろうかと思いますけれども、一般論としまして、都道府県の行政と市町村の行政とよく連携をとりながら地域における適切な子育てというものを確保していく、そのために協力し合う、それを進めていっていただきたい、そのように考えております。

根本議員 先ほど私が申し上げたのは、国の制度としては認可保育所という制度になっていて、認可保育所というのは保育に欠ける児童のための最低の基準を定めた、この基準を充足するものを認可保育所とする、そういう体系にしているものですから、この認可外保育所について私も心情的には具体的な補助をやるべきではないかとは思いますが、国の制度として仕組む場合には別な基準をつくるということはダブルスタンダードになるので、国の制度としてはなかなか仕組みにくい。

 その意味で、自治体が非常にそれぞれの自治体の保育行政を担っていただいておりまして、実態が十分把握できるわけですから、自治体の独自の制度として、例えば東京都の認証保育所のようなもので自治体が対応していただいて、国と自治体と役割分担の中で対応していただければ大変ありがたい、こういう趣旨であります。

石毛委員 時間がありませんので、とても残念なんですけれども、東京都の認証保育所とか、それから認可外保育所でも、多様ですから、かなりの自治体が独自に助成金を出しているという施策もありますけれども、それは認可保育所への移行の支援か、あるいは明瞭にきちっと保育施策を区分けして保護者への助成をして、その保護者がまた保育所に寄附をするなりなんなりとかいろいろあると思いますけれども、私が申し上げたいのは、もしダブルスタンダードという社会的な定着が行われていくようになるとしますと、保育行政は市町村責任ですから、市町村責任で国基準とそれから都道府県のスタンダードがあってということになりますと、どちらにその水準が流れていくかという、それは大変心配なところであります。

 ですから、東京都の認証方式がいいかどうかというのはやはりまた大切な検証が必要だというふうに思いますので、あくまでも保育所の質を担保する、国としてのナショナルミニマムとしてのスタンダードは児童福祉法の最低基準であるということをやはり私は確認しておく必要があろうかと思います。異論というよりは、ちょっと心配ですのでということで申し述べさせていただきたいと思います。

 私に残された時間がもう余りなくなってしまいましたので、一問質問を飛ばさせていただきます。

 ただいま小泉総理の施政方針演説にも触れられておりますように、この時期に保育所入所待機児童を解消していくという積極的な施策がとられることについては、やはり歓迎できることだというふうに考えるわけです。ただ、待機児童解消策というのは、どこかの時点で解消になりました、そういう状態をそもそも迎えられるのだろうかどうだろうか、そういう思いがございます。

 大臣に最後に御答弁いただけますと大変ありがたいのですけれども、ちょっと厚生労働省の方からいただきましたデータですと、九六年に待機児童が約三万三千人いまして、九七年に保育所の利用定員数が三万二千人ふえています。ちょうど人数的には解消したと。ところが、この年に待機児童数が四万人新しく出てきていて、この繰り返しなのですね。ちょうど待機児童数分だけ保育所の入所定数をふやすと、また四万人前後の待機児童数が出てくるという。だから、表現は私は決していいと思って言っているわけではありませんけれども、定数をふやしてもふやしても待機児童が出てきている、こういう現象が一方である。

 もう一方では、認可外保育施設に入所している子供さんたちが約十七万人もいらっしゃる。厚生労働省の方にお教えいただきますと、待機児童数の人数のカウントの仕方というのは、必ずしも認可外保育所数から、約十七万人の入所児童数のうちの内数ではなくて、重なっている人数分もあるわけですけれども、むしろ、二十四時間夜間で預けられている子供さんとかいろいろな子供さんがいらして十七万人近くいらっしゃるというわけですから、この十七万人の方たちが、では全部保育所に入れるように認可保育所をつくれば、そのときに認可保育所は夜間保育所ももっともっとふえていくという形にしていくということも含んでだと思いますけれども、そういうふうにしていけば待機児童というのはもういなくなるのかどうか。

 今、内閣府の男女共同参画審議会の専門部会でしたでしょうか、そちらでも待機児童ゼロ作戦ということで二〇〇四年度までにトータルで十五万人ふやすというふうに伺っていますし、今回の補正でもゼロ作戦というふうに出ているようでございますけれども、厚生大臣のお立場といたしまして、待機児童というこの考え方、どんなふうに整理をなさっていらっしゃるのか御所見を承りたいということと、ゼロ作戦というのは政策としての実効性という意味でどうなんだろうかというあたりでお考えを伺えれば大変ありがたいと思います。

坂口国務大臣 石毛委員とは介護保険等のときに一緒に質問をさせていただいたことがございまして、懐かしく思い出しながら聞かせていただいておりました。食料の配達等もやるべきだということを御熱心にあのときに御主張になっていたことを思い出していたわけでございます。余分なことでございますけれども。

 さて、待機児童ゼロ作戦というのは、待機児童をゼロにしたいという願望を含めた言葉というふうに思っております。

 と申しますのは、今御指摘をいただきましたとおり、そのときそのときで出ますと三万五千とか三万二千、平成十二年の四月にも調査をいたしましたら、大体三万二千という数字が出ております。このぐらいの数字が出てくるわけでございますが、その分をなくするだけの施策を行いましても、そうするとまた三万二千から三万五千ぐらいの待機児童が次にちゃんとできているということでございまして、これはそのときの数字だけではなかなかうまくいかないなと私も思っております一人でございます。

 今回のは、平成十四年から十六年まで年間五万人ずつで三年間で十五万人というふうにいたしておりますが、これは現在出ております三万二千という数字からすればかなり大きな数字でございますけれども、それはやはりそのぐらいにしておかなければ、次々と新しく希望者が出てくるであろうということの予測の上に成り立った数字だというふうに思っております。

 しかし、三年いたしまして、平成十六年の段階のときに、それでは必ずゼロになっているかというふうに言われれば、あるいは働く女性の皆さん方がもっとふえてまいりましたりそういうことになってまいりますと、あるいはそのときでもなおかつまだ足らないという事態が起こるかもしれない。しかし、現在の段階では、それを十五万やればまずゼロになるだろうという大枠の中で立てた数字でございますので、そのときにもしもゼロにならなければもう一度そのときにゼロ作戦を展開しなければならないかもしれない、そんなふうに思いながら今お聞きしたところでございます。

石毛委員 ちょっと観点を変えまして、文部科学省の方から、幼稚園の居残り保育の子供さんがどれぐらいの実施状況になっているかということで、人数まではいただけなかったのですけれども、多分、施設でいえば五五・四%ですから、これから居残り保育はもっと広がっていくと思いますから、六割超えてというふうになりますと、幼稚園も四時間の保育時間にプラスして保育を実施するというのが、例外的な状況ではなくて、常態になってきているというふうに受けとめることができると思います。

 そうした状況と重ね合わせましたり、それから保育政策、私は、若い子育て中のお父さんやお母さんで保育政策の全体がどうなっているかということを知っている方は恐らくいらっしゃらないのじゃないかと思うほど、この九〇年代というのはとても必要だったからこそ厚生労働省が取り組まれてきたということで、批判しているわけではありませんが、いろいろな政策がつくられてきている。例えばおうちにいらっしゃる、いわゆる専業主婦と呼ばれる御家庭でも育児の不安とかということで児童館での母と子の教室などというのは物すごい人気で、たくさんの人たちが集まっているということを思い浮かべますと、児童福祉法上の保育所も、学校教育法の幼稚園も、それから今のような保育所に該当しないようなお子さんに関しても、どのお子さんにとっても社会的な意味での、広い意味でのサポートが必要になってきている、こういう時代だというふうにとらえる必要、積極的なとらえ方が必要ではないかというふうに思っております。

 そこで、そうしたことを全体としてきちっと進める仕組みを市町村が持つということが必要なのではないか。今、市町村が自治事務として保育の責任を持つことは、これは義務規定になっているわけですから、もう少しトータルな、仮称でございますけれども保育法と言ってもよろしいかと思います。そうしたことも含めまして、従来、幼保一元化の必要性というようなことが多々言われてまいりましたが、もっと積極的な、前進的な展開がこの少子化時代に求められているのではないかと思います。

 最後に、そうした保育の社会的な総意としての責任の築き方というようなことに関しまして厚生大臣から御所見をいただきまして、質問を終わりたいと思います。お願いいたします。

坂口国務大臣 市町村長さんからも、幼保一元化でございますとか、もう少し保育所と幼稚園との間の連携がうまくいかないであろうかといったような御要望がたくさんございます。できる限り連携を強化していくというので、過去のことを思いますと、よほど連携は強化されたというふうに思っております。

 そして、幼稚園の方も幼稚園の保育園化と申しますか、それから、保育所の方も保育所の幼稚園化と申しますか、そうした両方からの動きがございまして、かなり重なるところが多くなってきているように私は感じております。それだけに、市町村の立場からいたしますと、もっと柔軟にこの二つのことを同じに考えることができないのだろうかという御要望がありますのもこれは当然の御要望ではないかというふうに考えているところでございます。

 しかし、一方におきましては、この一元化の話が出ましてから久しいわけでございますが、最初にスタートいたしましたところのそれぞれの理念でございますとか、そうしたこともあるものでございますから、なかなか前に進まないのが一方におきましては現実でございます。しかし、これだけ双方の内容が、双方歩み寄りが出てくるということは、近い将来もう一つ、またもう一段双方の幼稚園化や保育園化というものが進んでくるということになれば、もうこの次には新しい段階を迎えるときが来るのかもしれない、今、そんなことを思いながら現状を見せていただいているところでございます。

 しかし、現状はそういうことでございますので、現状、これ以上のことを申し上げることができ得ませんけれども、現実はだんだんとそうした方向に進んできているように感じております。

    〔谷畑委員長代理退席、委員長着席〕

石毛委員 その方向性をぜひとも積極的にリードしていただけますよう要望させていただきまして、そしてまた、質問を何問か割愛いたしましたことを、答弁の議員の皆様それから厚生労働省の皆様におわびをしまして、終わります。ありがとうございました。

鈴木委員長 水島広子君。

水島委員 民主党の水島広子でございます。

 昨年の神奈川県のスマイルマムにおける虐待死事件や、ことし東京都のちびっこ園で一つのベビーベッドに二人の乳児が寝かされていたことによる窒息死事件など、悪質な認可外保育施設における事件が相次いで起こり、貴重な幼い命が失われております。私も子供を保育所に預ける親の一人であり、起こってはならないこのような事件をなくすための法整備の必要性を痛感しております。

 また、これらの施設の非常識ぶりは目に余るものですが、一部の悪質な施設のためにすべての認可外保育施設が同様に悪質なものとして扱われてしまうことは懸念すべきです。私自身、娘がゼロ歳から一歳の半ばまで認可外保育所で本当にすばらしい保育をしていただきました。また、この十月から部分的に保育をお願いしている文部科学省の職場内保育所、かすみがせき保育室も認可外の保育施設であります。これら質のよい認可外保育所の名誉を守るためにも、法改正の必要性を感じております。

 スマイルマムやちびっこ園などの事件が、制度のさまざまなひずみの中で起こったことは言うまでもありません。たまたま悪い保育所に当たったというような結論に終わらせてはならず、どの保育所でも保育の質と安全性が確保されるよう、十分な調査検討に基づいて制度を充実させることが必要です。

 私たちは、さきの通常国会に、認可外保育施設の届け出を義務づけた児童福祉法一部改正案を提出いたしました。現行法では、都道府県知事に認可外保育施設の立入調査や事業停止、施設閉鎖命令の権限を与えておきながら、肝心の認可外保育施設の開設時届け出が義務づけられていないため、行政側がその存在を把握することが困難となり、結果として責任の所在があいまいになるという事態を招いてきました。届け出制の創設だけですべてが解決するとはもちろん思っておりませんが、緊急に行うべき措置として提案いたしました。その後、与党の皆様が本法案の中でその必要性を追認してくださったということに敬意を表します。

 さて、与党案は民主党案とは異なり、第五十九条そのものに届け出の義務を課すのではなく、第五十九条の二を新たに置いて届け出義務を課しております。その際、届け出義務の対象となる施設について、与党案は「第三十九条第一項に規定する業務を目的とする施設」、つまり、保育を目的とする施設であって「第三十五条第四項の認可を受けていないもの」としていますが、その際、除外規定があって、「少数の乳児又は幼児を対象とするものその他の厚生労働省令で定めるものを除く。」とされています。

 まず、ここで除かれるのは具体的にどのようなものであるのかをお尋ねいたします。

根本議員 ここで除かれる施設は具体的には厚生省令でこれから決まっていくことになりますが、基本的な考え方としては、例えば自分の家で少人数を集めて保育しているいわゆる保育ママと言われる形態がありますが、そういう少人数のところは除くべきではないか。つまり、認可外保育所で今回届け出の対象にしているのは、要は日々継続的に子供を業として預かる、そういうものをやはり対象とすべきではないかということで、保育ママ的な、二、三人預かっているようなところは、これは過度の義務づけになりますから、そういうところは除外すべきではないか。

 それからもう一つ、先生もおっしゃられましたけれども、職場内保育所というお話がありました。

 今、事業所内保育施設、随分ありますが、これは、例えば病院の看護婦さんのための、病院の中に併設されるような保育所、これは要は、一般に開放されているのではなくて、施設運営主体たる事業所と安定的な関係が期待されますから、そういうものは除いていいのではないかということで、届け出をさせる対象としては日々継続して業として営むものを基本的に対象とすべきではないか、こう考えております。

水島委員 今のお答えの中で、少人数あるいは事業所内の場合には預ける方と預かる側との関係性が密であるというようなお答えでございましたけれども、今後、この法律の施行状況を見ていきまして、実際に、ここで除いたものであってもいろいろと問題が起こってくるような事実を把握された場合には、当然、それは省令を改めて、除外されるものをまた変更していくということは考えていらっしゃるのでしょうか。

根本議員 考え方としては、届け出というのは、行政側が現況を把握する、こういう考え方が一つ届け出制の大きなねらいですよね。今回はその届け出制について、届け出制の内容を一般の方にもよくわかるように情報提供して、利用者の便にも資しましょうということも加えています。

 今ちょっと私も答弁を省略して、誤解があったかもしれませんが、実は、届け出対象外の施設であっても都道府県知事の指導監督権限の対象、これにはなりますから、おかしなものがあればこれは指導監督する、これは適用されますので、そこのところのバランスという中で考えていくべき話ではないか、こう思います。

水島委員 済みません、また繰り返しのお尋ねになりますけれども、指導監督の対象になるけれども、なかなかその存在を把握しにくいために届け出を義務づけるというのが私たちの考えであり、また今回の、皆様も同じような考えに基づいて届け出制度を創設されたのだと思いますけれども。

 ですから、今の御答弁、指導監督の対象にはなるけれども、事業所内にあるものであったりここで除外されているものであっても、なかなか把握が難しくて、結果として指導や監督がしにくくなる場合には、当然届け出制の対象となってき得るでしょうか。

根本議員 これは届け出制ですから、基本的には届け出制というのは義務づけですよね。そういう義務づけをする場合には、その義務づけをする場合の保護法益と義務づけされる方の制約、このバランスを考えるべきだと私は思うのですね。ですから、極めて小規模なものについては外した方がいいのではないか。ですから、もちろん、日々継続してと言いましたが、では週三日やっているものはどうかとか週二日営んでいるものはどうか、ここのところの細かい運用は残りますが、そこはこれから省令で具体的に決めていくべきだと私は思います、その辺の限界の部分は。

 それからもう一つは、事業所内保育施設の場合には、要は事業所に勤めている方の保育施設だから、一般に開放されていませんよね。それは事業所内との安定的な雇用関係の中での対応ですから、ここは届け出制をさせて、悪いところが、つまり悪質な施設ではないかというようなところは、多分私はここはクリアされるのだと思うのですね、その会社の、事業所内の保育施設だから。

 だから、これはどこまで届け出の対象とするかというところは、保護すべき法益と義務づけとのバランスで考えるべきだ、こう思います。

水島委員 そろそろ次に参りますけれども、事業所内であって、もちろん良心的な運営が期待されて、当然そうであるべきものでありますけれども、結局、そこにあるのはやはり保育施設でございますので、預けられる子供から見れば、その環境というのはあくまでも自分の保育環境でございますので、余り楽観的でまたいろいろなすき間ができてしまわないように、すべての子供たちが安心して保育を受けられる環境を提供していただけますように、省令を考えられます際にぜひくれぐれも御検討いただきたいと思います。

 さて、その第五十九条でございますけれども、立入調査、勧告、公表、業務停止、施設閉鎖命令がいずれも「することができる。」とされているわけですけれども、これらは、行わない合理的な理由がない限り、行う義務がある、そのように解釈してよろしいのでしょうか。

根本議員 今回の規定は「できる」という規定で、都道府県知事に要は国民の権利を制約する権限を付与しているのですね。ですから、例えば改善勧告に従わない者は公表するという権限を知事に与えたので、したがって、その行政処分は知事ができるという法律の立て方になっているのですね。ですから、知事がどういう処分をするかどうかは、それは当然合理的な判断のもとで、必要な処分を知事がするということでありますから、これは知事の合理的な判断に求められるということであります。

水島委員 知事の合理的な判断ということでございますけれども、つまり、問題のある認可外保育施設に対して、立入調査、勧告、公表、業務停止、施設閉鎖命令などがなされていなかった場合に、なされていなかったことを説明する合理的な理由がない限り、都道府県知事には責任があるとみなされると解釈してよろしいのでしょうか。

根本議員 ちょっと、その議論の立て方が非常に答弁しにくいのですよね。

 要はこれは知事が立入調査をして、内容を見て、これは非常に悪質だから、だから改善しなさいという判断で改善勧告するわけですね。ですから、そこは知事がどう判断をするかで、そこの基準の問題だと思うのですね。指導監督基準というのを用意しておりますが、著しく不適切なものは行政処分の対象にするわけですから。ですから、そこのところはあくまで知事がどういう合理的判断をするかというところが問われるということだと思います。

 ちょっと議論が、多分かみ合わないのかもしれませんが。

水島委員 確かにかみ合っていないようなのですが。

 つまり、合理的な判断は合理的な判断でいいのですけれども、知事の判断の合理性、これから届け出制度になるわけですし、届け出られて、知事はその存在を把握していて、どうもそこで問題があるらしい。それで、立入調査をしたところ、児童の福祉の観点から非常に問題があるということになった場合に、そこでしかるべき勧告なり公表なり業務停止命令などをしていなかったとしたら、そしてそのしていなかったことについて合理的な説明ができないのであれば、それは都道府県知事の責任として判断されるのかということをお伺いしたいわけです。

 それを判断する上で、例えばスモン訴訟の判例で、することができるでも、しなければならないというような判決が出されているわけでございますけれども、この「することができる。」というのも同じように考えてよいのかどうかということをお伺いしたいのです。

根本議員 この種の規定は、「できる」という規定で知事にそういう処分権限を与えるのが通常の立法例なのですね。

 要は、通常、「ねばならない」というふうに書く場合はどういうケースかというと、例えばいろいろな許認可の申請をして、許認可をします。そのときに、客観的に法律にこういう条件を満たさなければなりませんよ、そういうような立法、そういうような仕組みの場合には、覊束裁量で「許可しなければならない」というような規定が一般的だと思います。こういう、行政側の判断によって処分するというような、相手にある種の行為を求めるような規定の場合には、「できる」という規定が法制度上の一般的な規定のしぶりだと思います。

 ですから、今水島委員がおっしゃったようなことは、行政怠慢だった、こういう話ですよね。ですから、不当であったと。いや、仮に。私はそういうことはないと思いますよ。きちんと指導監督基準もあるわけですから、通常の行政でそういうことをしないということは、私はこういう形のケースの場合にはあり得ないと思いますが、もしそれを怠っていた、完璧に怠っていたということがあれば、それは行政怠慢のそしりは免れないと思います。ただし、そういうケースは、私は想定できないと思います。

水島委員 ということは、行政怠慢というお答えをいただけましたので、合理的な理由がない限り、行わなければそれは行政怠慢ということで、ようやく質疑と答弁がかみ合ったというところで次に行かせていただきたいのですけれども、次に、これらの指導の根拠となっていく最低基準及び指導監督基準についてお尋ねしたいと思います。

 児童福祉施設最低基準第三十三条第二項によると、「保育士の数は、乳児おおむね三人につき一人以上、」などというように、おおむねと書かれております。また、認可外保育施設指導監督基準は、「主たる保育時間である十一時間については、概ね児童福祉施設最低基準第三十三条第二項に定める数以上であること。」とされています。それぞれのおおむねの意味及びそのおおむねの幅というものをお答えいただきたいのです。

岩田政府参考人 児童福祉施設最低基準におきましては、今議員がおっしゃいましたように、人員配置についてはおおむねと規定されておりますけれども、その事情でございますが、年度途中に子供の出入りがございます。その場合、わずかな入所児童数の変動によりまして配置すべき保育士の数がふえたり減ったりということは、実際上なかなか対応が難しいだろうということがございますので、そういう不都合を回避するためにおおむねという表現を使っております。

 これは、認可外保育施設の場合の指導監督基準のおおむねも同様の事情でございます。

水島委員 今、認可外保育施設の指導監督基準のおおむねも同じだというお答えだったのですけれども、そもそも、そういうふうに変動があるから最低基準の方におおむねがついているわけですから、もしそのような理屈立てでいくと、次のおおむねは要らないのじゃないでしょうか。

岩田政府参考人 議員の質問が正確に理解をできていなければお許しいただきたいのですが、職員数、保育士の配置基準につきましては、認可外保育士、認可外保育施設につきましても、認可施設と同様、子供の年齢に応じて、何人の子供に対して保育士何人という基準になっております。

 認可と認可外の違いは、その場合に、認可施設の場合には全員が有資格者でなければいけないということに対しまして、認可外の場合には有資格者が三分の一程度でもいたし方ないというようなところ、そこの違いでございまして、配置すべき保育士の数の数え方については認可も認可外も同じでございます。そういう意味で、両方におおむねがついた基準になっております。

水島委員 ということは、指導監督基準に書かれているおおむね最低基準に定める数以上であることというおおむねは数にかかる、三人につき一人というような。結局、それをまた繰り返しそこで言っているという意味に今受け取りましたけれども、そういうことでよろしいわけですね。

 うなずいていただきましたので、そうだということで次に行かせていただきたいのですが、そうしますと、有資格者であるかどうかだけが違いであって、その数は同じである、そのようなことでございますが、きのうも、ちびっこ園の事件の初公判が行われました。その冒頭陳述の中で、ちびっこ園では、通常総収入の約八割を占める人件費を三一%以下に抑えようとしていたという驚くべき実態が明らかになりました。職員が十分に配置されているということは保育の質を確保する上での命綱であるわけですけれども、悪質な施設が営利を追求しようとする場合に、人件費は最も簡単に削減され得るものであるとも思います。

 今、保育施設の基準としましては、認可保育園の最低基準、また認可外保育施設の指導監督基準、その他東京都が独自に導入している認証保育所のような基準と、現実に複数の基準が適用されているのが現状でございます。

 そんな中、今の認可外保育施設の人員配置につきましては、人数は最低基準と同じであるとはいいながらも、その指導をしていくときに、著しく少ないであるとか、そのような指導監督基準になっておりまして、その結果として、このような、ちびっこ園のように慢性的に人件費が非常に低く抑えられて、そして常に人員が足りないような、そういった保育所も今現在は生き延びてしまっているということであるわけですけれども、いろいろな基準があるのが今の現状であるということを受け入れるとしましても、せめて人員配置だけはきちんとした基準をすべての保育室についてそろえるべきではないか、それを厳格に適用していくべきではないかとも思いますけれども、そのあたりは大臣のお考えはいかがでしょうか。

坂口国務大臣 今御指摘になりますように、人員配置というのは大変大事な問題だというふうに思っています。

 それぞれの施設にお邪魔をいたしましても、よくそれぞれの施設で、乳幼児の年齢によって、例えばゼロ歳の方だと何人、一歳から三歳だと何人というふうに決まっておりますけれども、特に一歳から三歳のあたりのところは非常に厳しいというようなお声がございましたり、いろいろのお声が出ておりますこともよく承知をいたしております。

 こうした状況を克服いたしていきますために、主任保育士の制度を導入いたしまして、そしてその至らざるところをそこで配置をしてもらおうというようなことを今やってきているところでございます。これも初めは、乳幼児の数が九十一名以上とスタートしたときには大変多かったわけでございますが、だんだんと少なくしてまいっておりますしいたしまして、できる限り保育所におきます人員配置というものを適正にしていきたいというふうに思っているところでございます。

 かなり努力はしているというふうに思っておりますけれども、まだしかし、現場の皆さん方から見れば大変厳しいというふうに御指摘をいただきますこともよく存じております。これからまた、ひとつ努力をしていきたいと思っております。

水島委員 この最低基準につきましては、単位時間当たりの職員配置ではなく、定員によって保育士の配置が決められているということでございますけれども、人件費を安く上げるためには、悪質な保育施設では、人件費が安くて済む時間帯に職員を集中させるということも考えられます。また、今後保育がさらに多様化していくことを考えましても、単位時間当たりの人員配置という考え方が必要なのではないかと思いますけれども、これはいかがでしょうか。

岩田政府参考人 先生おっしゃいましたように、配置すべき保育士の人数につきましては、子供の年齢ごとの児童数に応じて定められておりますけれども、その中で職員が早出をしたり遅番になったりというようなローテーションを組むということも含めまして、児童数が時間によって密度が高いところ、低いところが出てまいりますけれども、それに柔軟な勤務体制をとっていただくように各保育所で努力をいただいているというふうに思います。

 そういうことを考えますと、保育所の実情に応じて柔軟に対応していただくということも相当程度配慮する必要があるというふうに思いますので、保育所の最低基準として細かく時間単位ごとの職員配置の基準を設けるというのは、少しリジッドに過ぎるのではないかというふうに思っております。

 配置基準は最低限守っていただく。先ほど先生の御質問の中にも認可外施設のお話がございましたが、監督指導するときにも保育士が何人配置されているかということは非常にわかるメルクマールでございますから、何を監督するよりも、まず適正に保育者が配置できているかどうか、そのあたりは十分最優先で監督すべき項目であるというふうには考えております。

水島委員 先ほど大臣からも人員配置についてはできるだけ努力をしているという御答弁でございましたけれども、現在、質のよい保育施設におきましては最低基準を超えて人員配置をしているところも多くございまして、待機児童ゼロ作戦の一環として、加配をしているところでは最低基準ぎりぎりまで子供を受け入れるという手段が行われると聞いてもおります。ところが、保育の現場では、現在の最低基準ではとても余裕のある保育ができないと指摘されております。私が地元で子供を預けております認可保育園でも、現場の良心と犠牲の上にどうにか質のよい保育が成り立っているという状態でございます。そもそも加配のところがこれだけ多いということは最低基準の人員配置をもっと厚くする必要性を示唆しているとも考えられますし、また、雇用の創出という観点からも、子供の命や人権に直接かかわる重要な領域であります保育にはもっと人材を投入してもよいのではないかと思っております。

 ぜひ今後、最低基準の見直しの必要性も含めまして、また、今の御答弁では単位時間当たりという考え方はリジッドに過ぎるのではないかということでございましたけれども、やはりこれからいろいろな保育が出てくる場合に、どうしても単位時間当たりという考え方は今後私は採用していかざるを得ないのではないかと思っておりますので、そのあたりの運用も含めまして、ぜひ、ある時間帯非常に職員配置が薄くなってしまって子供たちが事故に遭う危険性が高くなったりしないような現実的な配置を考えていただきたいと思います。

 さて、認可保育園といいますのは、今保育時間は十一時間を前提にして成り立っておりますけれども、まずこの十一時間ということの根拠をお答えいただきたいと思います。

岩田政府参考人 保育時間八時間というのと開所時間十一時間というレベルがございまして、それをどういうふうに理解するかということにもつながると思いますが、まず、児童福祉施設最低基準におきましては、保育所の保育時間は一日につき八時間を原則としまして、その地域の状況に応じて保育所長が定めるということになっております。一方、開所時間についてでございますが、現在、開所時間十一時間というのを原則として取り扱っておりますけれども、これは、原則八時間の保育時間と申しましても、学校や幼稚園と違いまして子供たちが一斉に登園してきて一斉に降園するということでもございませんので、保育時間の前後にそういった登園、皆さんばらばら、親御さんの御都合、家族の都合で登園、降園がありますので、その時間を前後に余裕を見まして開所時間は原則十一時間にするということにいたしております。

 これは昭和五十六年だったというふうに思いますけれども、延長保育制度が新しく入りましたときに、十一時間を超える、その当時は朝の七時から夕方の六時という決め方でございまして、必ずしも十一時間という時間数ではなかったんですが、朝の七時から夕方の六時、その時間を超えてお子さんを見る、その場合に延長保育という特別の仕組みとして特別の助成金を出す、そういうような考え方から、十一時間の開所時間というのはその時期にできたものと理解しております。

水島委員 ことしの三月の局長通知によりますと、「保育に従事する者の数は、主たる保育時間である十一時間については、概ね児童福祉施設最低基準第三十三条第二項に定める数以上であること。ただし、二人を下回ってはならないこと。また、十一時間を超える時間帯については、常時二人以上配置すること。」それが認可外保育施設の指導監督指針とされております。これは、例えば二十四時間保育を実施している施設においては、十一時間については最低基準に準ずるけれども、それ以外の十三時間については二人以上であれば何人でもよいという意味に解釈してよろしいのでしょうか。

岩田政府参考人 認可外保育施設の保育従事者の配置につきましては、従前は、開所時間の長さあるいは時間帯に全く関係しませんで、定員である子供の数、年齢に応じて、配置すべきというのか雇用すべき保育士、保育従事者の数が定められていたわけでございます。最低基準に定める定数以上ということであったわけでございます。

 そして、この認可外保育施設の指導監督指針を、専門家の御意見も伺った上で本年の四月に見直し、改正強化をいたしたわけでございますが、そのときに、例えば緊急事態が起きたというようなときに保育士が一人であるという場合には対応ができないということがございますので、従来の基準に加えまして、どの時間帯でも最低限複数体制にするということを今回つけ加えて決めたわけでございます。

水島委員 済みません、その十一時間を超える時間帯についてはその最低基準が適用されないというふうに理解してよろしいんでしょうか。

岩田政府参考人 認可外保育所の場合には、開所時間に限らず、先ほど申し上げましたような子供の年齢と数に応じて雇用すべき保育士の数は決められておりまして、例えば夜間、そのうち何人を配しないといけないというような基準は従来ございませんでした。

水島委員 そうしますと、子供が起きている時間は十一時間というわけではなく、十一時間で区切ってこれが書かれているわけですけれども、結果として手のかかる時間に十分な人員が確保できないという事態も生じまして、事故が発生する原因ともなりかねないと思います。

 十一時間といいますと、例えば朝七時から夜六時です。夜六時以降に夕食という保育所も多く、夕食時に職員配置が薄くなってしまうと事故への配慮も不十分になってしまいます。ですから、この十一時間という保育時間が今の実情に合っているのかということと、やはりここでまた先ほどの単位時間当たりという考え方がどうしても必要になってくるのではないかと思うんですけれども、このあたりはいかがでしょうか。

岩田政府参考人 保育の質、特に子供の安全を考えますと、先生がおっしゃることも大変重要な問題の指摘であるというふうに思います。一方、認可外保育施設によりましては、大変大きな問題を抱えて改善すべき課題を持っております認可外保育所の現状もございます。そういう中でどこまで何をルールとして改善していけるかということの判断ではないかというふうに思います。

 時間当たりの問題についても将来的には勉強してみたいというふうに思いますが、当面は今の基準で認可外保育所の監督指導を精いっぱいやらせていただきたいと思っております。

水島委員 ぜひ、今の質問の趣旨を踏まえまして、今後の検討の中で前向きにお考えいただきたいと思います。

 さて、悪質な保育所のために子供を失う親の悲しみははかり知れませんけれども、さらに保育施設の責任逃れという次なる苦しみが待っていることも多くございます。今回のちびっこ園事件でも、施設側は当初は乳幼児突然死症候群、SIDSとして言い逃れようとしていました。保育施設の責任を論ずる際に、SIDSか窒息かというのは最も争われる点でございます。本当は保育施設の責任で子供が亡くなったのに子供の健康問題として処理されて、親が泣き寝入りをさせられる事件をなくさなければなりません。

 SIDSではないということを親側が立証することは証拠に恵まれない限り実質上不可能であり、実際には窒息死であってもSIDSとして処理されているケースが多いと推測されております。ちびっこ園でも一九七九年六月からの間に合計二十一名の乳幼児が死亡しており、そのうち実に十四名が死因不明またはSIDSと診断されています。これらのケースが事件性のあるものとしてもっと早く明るみに出されていれば、その後の不幸な事件が起こらずに済んだのではないかと思います。

 SIDSについてはうつ伏せ寝との関係が疫学的に明らかになっており、局長通知でも、寝返りの打てない子供はあおむけに寝かせることと書かれています。そうはいっても、子供が泣きやまないときにうつ伏せに寝かすという習慣のある保育施設はいまだに少なくないと聞いております。

 今回のちびっこ園の事件では、発見されたときの状況が決め手になって窒息死であると確定されました。SIDSという診断は、死亡時の状況や解剖の結果から他の死因の可能性が否定されて初めてつけられるものであるはずですが、解剖も行わずに安易にSIDSと診断され、外因死の隠れみのになっているケースが多いということが指摘されています。また、死亡が全く予測されていなかった突然死の症例は、すべて異状死体として医師法第二十一条に基づいて警察に届け出る必要があるはずですが、現状は必ずしもそうなっていません。

 これらの問題が十分に認識され、対応が考えられなければ、問題のある保育施設を見つけ出すこともできず、幾ら法改正をしても意味がないということにもなりかねませんが、厚生労働省としてはどのように考え、どのように取り組まれておられるでしょうか。

岩田政府参考人 先生今引用なさいました保育所保育指針、これは保育所のサービスといいましょうか、ソフトの面の基準でございますけれども、その中でも、SIDSの予防のため、かなり具体的な記述をいたしております。寝返りを打てない幼児についてはあおむけに寝かす、あるいは睡眠中の児童の顔色や呼吸の状態はきめ細かく観察する、こういうようなことを保育士に徹底をいたしているところでございます。

 また、本年四月から改正強化されました認可外保育施設に対する指導監督指針におきましては、その施設の中で死亡事故、重傷事故、食中毒など、そういった重大な事案が発生した場合には都道府県に報告をお願いするようになっておりますし、そういった事件が発生した場合には随時特別に立入調査をやるということで、現にやっていただいているところでございます。

 そういう保育所の中におきます子供の安全確保、事故が起きた後の適切な対応につきましては、引き続き都道府県にもお話をしてまいりたいというふうに思っておりますし、保育従事者に対するさまざまな研修を国も都道府県もあるいは保育者の団体もやっておりますから、そういう中でもこの問題は徹底してまいりたいというふうに思っております。

水島委員 本当にこの問題は、まずそのような死亡状況をつくらないようにするために指導を徹底していくということも必要ですし、また、実際に不幸な事件が起こってしまったときに現場をきちんと見ておいて確認するということが必要ですし、何といいましても、先ほど申しましたように、突然死というのはすべて異状死体として警察が介入してくる必要があるはずでございますので、そのあたりの指導をさらに徹底していただきたいと思っております。

 くれぐれも本当に、子供を失った、もうそれだけでも親の悲しみというものは大変大きいものでございますけれども、失った側に自分たちに過失がなかったことを立証する責任を押しつけたりしないように、本当に施設側が、例えば自分たちに責任がなかったことを主張するのであれば自分たちできちんとそれを証明していけるように、そういうふうに指導していっていただかないと、施設側がきちんとその状況を保存しておいたりですとか、必要な情報を提供したりですとか、そういうことをしなくなってしまうのではないかとも思いますので、ぜひこの点は、医学的な問題も含め、また法律の問題も含めまして、きちんと御指導をいただきたいと思っております。

 さて、残りの時間でまたお伺いしたいんですが、仕事と家庭の両立を考える上で忘れてはならないのが障害児保育でございます。障害児を持つ親、特に母親にとりましては、仕事との両立どころではないというのがまだまだ大部分の現状です。今回のこの委員会の質疑の中でも、もちろん、法案上にそれが盛り込まれていなかったのもあるんですけれども、この障害児保育という観点からの御質問も今のところなかったと理解しておりますし、それほどある意味では忘れられている領域ではないかと思います。

 その中でも、特に立ちおくれてきた障害児の学童保育については、本年度から障害児受入促進試行事業が開始されております。まず、現時点での感触はいかがかということと、また、来年度予算に向けてどのように評価検討されているかということをお答えいただきたいと思います。

岩田政府参考人 放課後児童健全育成事業、放課後児童クラブを実施している事業でございますが、ここで障害児の受け入れを促進したいということで、今年度から初めてでございますけれども、障害児を受け入れていただいた場合の補助金の加算ということをやっております。その中で、現在、放課後児童クラブにおける障害児の受け入れの実態の把握を進めているところでございます。

 そういう状況でございますので、障害児加算については十四年度予算要求は十三年度と同額で要求しておりますけれども、十三年度の事業の実績、実施状況なども見まして、将来的には、また対応すべきことがあればこれはぜひ前向きに検討してまいりたいというふうに思っております。

 あわせて、本年度、児童環境づくり等総合調査研究事業という調査研究事業の枠組みがあるんですけれども、その中で、放課後児童クラブにおける障害児受け入れに関する調査研究という特別のテーマで研究を実施していただいております。その研究会からの提言も受けて、障害児を放課後児童クラブにもっと受け入れを促進できるように努力をしてまいりたいと思います。

水島委員 来年度の要求が本年度と同じというのが、私の聞き違いでなければそうお答えになったと思うんですけれども、そもそも本年度の予算というのは、一クラブ当たり年額七十一万円を加算ということになっておりまして、これを単に人件費に換算してまいりますと、本当に、学生アルバイトも雇えないのではないかという金額でございます。

 こんなことで何ができるのかというのが現場から声が上がっておりまして、それでも、ことしはあくまでも試行事業であるから来年度に希望をつなごうということで、ことし一年しのいできているわけでございますけれども、そのような中で来年度も同額ということになりますと、本当に、今現場でいろいろな努力をされている方たちがどれほど失望されるかということを考えますと、それは想像に余りあるものがございます。

 ぜひ早急に御検討をいただきまして、来年度の予算が今年度と同額というようなことのないように、もっと本当に、実際に障害児を受け入れやすくなるような予算をきちんと確保していただくことが必要だと思いますので、ぜひ、くれぐれも前向きに御検討いただけますようにお願い申し上げます。

 その問題を考える上で重要であると思いますけれども、例えば母子家庭で子供が障害児の場合にどの程度が生活保護世帯となっているか、そのようなデータを厚生労働省では把握していらっしゃるでしょうか。

岩田政府参考人 先生が今お尋ねになりました、母子家庭であり、障害児の子供を抱え、そして生活保護を受けている、この三つの条件に合う人たちがどのくらいいるかという、そのものをとらえる統計はございません。

 そういうことで、断片的な情報かとも思いますけれども、一つ御紹介したいと思いますのは、障害児を抱える母子家庭につきましては、通常の母子家庭ですと子供が十八歳になった年度末まで児童扶養手当が支給されているわけでございますが、障害児の場合については、十八歳を超えても二十になるまで児童扶養手当を支給しております。そういうことで、平成十一年三月三十一日現在の数値でございますけれども、十八歳を超えて二十になるまでの障害児でそのお母さんが児童扶養手当を支給されている、その人数はわかりまして、一万一千九百二十二人でございます。

 また、特別児童扶養手当という制度がございます。これは、精神や身体に障害のある二十歳未満の児童を養育するもの、これは母子家庭も含まれますし、父子家庭も含まれますし、また両親がそろっている家庭も含まれます。その場合に特別児童扶養手当が支給されておりますけれども、その対象児童数は、平成十二年三月三十一日現在、ですからこれは母子家庭の児童だけを取り出すことができなくて全体の数字でございますが、十三万九千四百八十二人ということになっております。

水島委員 今実数でお答えいただいておりますけれども、結局のところ、母子家庭で子供が障害児の場合、どの程度の割合が生活保護世帯とならざるを得ないかということは把握されていないというふうに了解いたしましたけれども、実際にはかなり多くいらっしゃると思います。幾ら児童扶養手当がもらえても、実際に保育が整っていないために、それ以上の収入を得ることができないわけですから、生活保護世帯となってしまっている例も私の知る限りでもかなりございます。

 ですから、ぜひ、その実態を把握していただいた上で早急に障害児保育を進めていただきたい。その際には、ぜひ学童保育も含めていただかないと、養護学校というのはかなり早い時間に終わってしまいますので、親が就労するということが現実的に不可能に近くなってしまいます。ぜひ、くれぐれも早急に整備を進めていただきたいと思います。

 その児童扶養手当でございますけれども、先日の新聞報道によりますと、来年度より児童扶養手当の削減が検討されているということでございますけれども、これは本当でしょうか。

岩田政府参考人 児童扶養手当のあり方につきましては、福祉から自立支援という大きな方向で転換させるべき今内部の検討を進めております。子育てや生活の支援、就労支援、あるいは別れた父親からの養育費の確保、そして経済的な支援など、生活のさまざまの面から総合的に、母子家庭の母がなるべく早くしっかり自立していただけるように、それをどういう形で支援することができるかということを今総合的に見直しをしているところでございます。

 政府部内での検討とあわせて、与党におかれましても議論が始まったところでございますので、年末に向けて、なるべく関係者から幅広く御意見を聞きつつ成案を取りまとめてまいりたいと思っております。

水島委員 母子家庭の就労支援などしていただくのは大変結構なことでございますけれども、くれぐれも、初めに児童扶養手当の削減ありきという議論だけはしないでいただきたいと思います。

 これは就労支援という観点に逆行するものでございまして、今、多くの母子家庭では、この児童扶養手当と勤労収入と合わせてどうにか生活しているというのが現状でございまして、これがカットされてしまうと生活保護世帯にならざるを得ないわけでございます。そうなりますと、私は、結果として国庫負担もふえていくと思いますし、財政が苦しいからといって児童扶養手当を削減するということは間違った政策誘導であると私は思います。

 そういう実態を本当によくよく把握された上で、この母子家庭の就労支援問題を考えていただきたいと思いますし、絶対に、本当に社会的な弱者でございますこの母子家庭を直撃するような児童扶養手当の削減というものを、削減のための議論ということをしないでいただけますように心よりお願いを申し上げておきたいと思います。

 本日、保育を含めましていろいろな領域で質問をさせていただきましたけれども、少子化が進む中、子供の数も少なければ身近な大人の数も少ないという環境のもと、親も子も硬直した閉塞的な親子関係に陥りがちとなっております。従来からの保育に欠ける子供たちのための施策という考え方を脱して、少子化時代の子供たちの居場所としての保育を積極的に考えるべきだと思います。私たちも引き続き、よりよい保育のあり方を検討してまいりたいと思っておりますので、大臣の御協力をお願い申し上げたいと思います。

 最後に一言、今後の保育政策の方向性というものも含めまして、今の少子化時代、すべての子供たちのための保育ということで、大臣の決意表明を一言だけお伺いして、質問を終わらせていただきたいと思います。

坂口国務大臣 今ずっと委員の御主張を聞かせていただいておりまして、我々が今一番注意をしなければならないのは、待機児童ゼロ作戦を展開いたしておりますけれども、この待機児童ゼロ作戦を行うことによって待機児童をゼロにするということはある程度進んだけれども、そのことによって保育所が非常に多くの人をそこに詰め込むというようなことになって、育児の質を落とすようなことがあってはならない。そのことに非常に注意をしながら進めなければならないなということを感じながら、今聞かせていただいていたところでございます。

水島委員 ありがとうございました。

鈴木委員長 次に、山花郁夫君。

山花委員 民主党の山花郁夫でございます。育児・介護休業法について、政府案に対して御質問を申し上げます。

 本日午前中、参考人の質疑が行われまして、秋元参考人から、一番最後、時間がないんだけれども一言申したいということで、この育児・介護休業法にせよ、産めよふやせよというような話になってはこれはちょっと違うのじゃないかというお話がございました。私も、そのとおりだと思います。

 先ほど委員の方から、少子化対策という観点からというお話がございました。結果として少子化対策になることはあるのかもしれませんけれども、私なんかの世代でも、割と年配の世代の方から、子供ができて初めて一人前だというようなお言葉を賜ることがございますけれども、子供を産まないという選択をして、そういう家庭も一つの家庭のあり方であるということがだんだんと社会的にも認知されてきている時代だと思っております。また、決してシングルであるということがいけないということでもないと思っております。そうした中での位置づけであるというふうに考えたいと私どもは考えております。

 要は、日本の社会が家族に対してどういうスタンスで臨むかという中でのそういった位置づけであるというふうに考えます。ただ、よく議論になっておりますが、一方で、働きたいし子供もつくりたいしという方たちの障害となることがあってはこれはいけないことなんだと思っております。

 それで、厚生労働大臣、さきの金曜日にも、いろいろと資料を御紹介する中で、子供の看護休暇が請求権として規定されるべきである旨申し上げてまいりました。きょうは、あのときに時間の関係もあったので申し上げられなかったことについて少し申し上げた上で、御所見を伺いたいと思います。

 さきの委員会の審議において、また、本日も参考人質疑の間で共産党の木島委員が御質問されておりましたけれども、そもそも、年次有給休暇の取得率が低過ぎるのではないかといったような議論がございます。

 ところで、八七年の労働基準法改正によりまして、かねてより取得率が低いということで、労使協定による年休の計画的付与というものが認められるようになりました。これによりますと、労基法の三十九条の五項にあるのですけれども、五日間を残して、年休日のうち五日を超える部分については計画年休の対象となって、例えばの話、お正月のところで、労使協定で三日までじゃなくて七日まで、松の内は休むということにしましょうとか、お盆のときに少しお盆休みを長くしましょうということが、幾つかパターンがありますけれども、そういうこともできるようになったわけであります。

 これでもまだ取得率が半分にいかないぐらいになっているという一方で、これを裏から見ますと、五日間というのは留保されていますけれども、そういう形でいっぱいいっぱい労使協定で決めてしまったときには、個人の労働者が持っている有給休暇というのは五日しかないケースもあるわけですよ。

 金曜日に連合の調査の数字なども御紹介を申し上げましたけれども、この調査で出ているのはまだいい方で、いい方でというのは、つまり、子供が病気がちで余りにも休まざるを得ない人たちは退職に追い込まれているようなケースがありますから、いい方であったとしても、母親の方の労働者が実に年休の七割をその子供の看護のために費やしていて、平均で二・八日そのほかで欠勤を余儀なくされているのが実態であるということでありますから、改めて強く、看護休暇の必要性を申し上げたいと思います。

 また、冒頭、私は、いろいろな価値観がある中でという話を申し上げましたけれども、積極的に、例えば働きたいし子供も持ちたいしという、ポジティブな観点でそういう道を選択している人もいると思います。ライススタイルの多様化という点から、これは自然なことだと思いますし、また、そういったことを尊重していく社会というものをつくっていかなければいけないと思います。

 一方で、先ほど中小企業などのお話がございました。中小企業、この厳しい情勢ですから、負担も結構あるのではないかという話でしたけれども。ただ一方で、これも参考人質疑の中で秋元参考人がおっしゃっておられましたが、中小であれ大企業であれ、子供を育てなければいけない家庭というのは、働く側にとっては一緒だというお話もございました。

 大臣、ぜひお受けとめいただきたいんですけれども、ちょうど私と同じぐらいの世代の人たちが今大変困っているのは、一方でこの厳しい折に休暇をふやせというのは何事かという御意見もいただいていますが、一方で、賃金が安くて、デフレ傾向にあって、子供ができたんだけれども共働きじゃないとやっていけない、片っ方の賃金だけではやっていけない、そういう切実な声もあるんだということはお受けとめいただきたいと思います。

 その上で、今回の政府案では努力義務とされております看護休暇について、私どもは直ちに請求権として規定すべきであると考えているわけではございますけれども、厚生労働大臣も本来であれば請求権でということが望ましい旨の御答弁をされていたと記憶しておりますし、また、先ほど江田委員の御質問の際にも御発言があったかと思います。本来であれば、この努力義務ということでとどまってしまって、そのまま企業に対しても努力してくださいねということで終わっていいとは私は思わないのですけれども、この点の御認識をお聞かせ願えればと思います。

坂口国務大臣 初めにお話がございましたとおり、結婚するしない、あるいはまた子供をつくるつくらないというのは、これは個人の自由にかかわる話でございまして、政治がかかわる話ではないというふうに私も思っております。ただ、子供が欲しいんだけれども、子供をもっと育てたいんだけれども、しかし現在の社会環境が整わないのでそれができないというふうに御指摘をいただければ、これは政治の責任になってくるわけでございますので、そこは私たちも明確に分けながら考えていかなければならないと思っている次第でございます。

 そして、この請求権化のお話でございますけれども、これは将来的には子の看護休暇を請求権というふうにすることが望ましいと私も思っておるわけでありまして、これはもう委員と同じ思いをいたしておるわけでございますが、しかしなかなか一度にそこまではいかない。それは、先ほど中小企業の皆さんのお話も出ましたが、確かに大きい企業も中小企業も、そこに働く皆さん方の側からすればそれは同じことになるわけでございますが、経営者という立場から見ましたときに、中小企業の経営者の場合に、一遍にそこまでいくためには態勢をいろいろと整えていただかなければならないといった問題も私は存在するというふうに思っております。

 したがいまして、ある程度の期間、そうした経営の合理化なりあるいは経営のあり方なりをよくこれは検討をしていただく、そうした時期もつくらなければいけないというふうに思っている次第でございまして、一足飛びにはまいりませんけれども、しかし方向性としては、御指摘のような方向性で進んでいくべきだというふうに思っている次第でございます。

山花委員 中小企業の経営の圧迫という観点も確かに理解はいたしますが、ただ、そのニーズのところとのバランスのとり方として、努力義務という形でやるのも一つの方策かと思いますが、看護休暇という形ではなくて看護休業という形で、つまり無給でも休ませてほしいというニーズがあるわけですから、そういった方策もあろうかというのが私どもの考え方なんですが、さはさりといたしまして、方向性としては同じ思いであるというお話でございますから、今後とも御努力いただくことを強く要請申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。

 時間外労働の制限の対象ということについてでございます。時間外労働をしないように請求できる労働者というのが、政府案では、勤続一年以上の労働者ということになっております。

 これも過日、金曜日に少し質問をいたしましたけれども、もう少し言えば、そのときにも指摘をさせていただきましたが、現行の年次有給休暇というのも、九三年のときの労働基準法の改正によりまして、その勤続要件、継続勤務要件が一年から半年、六カ月に短縮されたという経緯がございます。ただ、そのときはILOの条約などもございまして、年間千八百時間を目標とするというような労働時間短縮という流れの中で一年から六カ月に短縮されたというような経緯であったようでございますが。

 ただ、多少理屈が立ち過ぎるかもしれませんが、六カ月で十労働日休める、つまり六カ月勤続した人に対しては十日間の有給休暇が与えられることになっているわけですが、このこととの対比を考えますと、有給休暇というのは給料をもらって全日休むということでございます。時間外労働の制限のことについては、これは時間外労働の制限を請求できるという話でありまして、全く時間外労働を行わないということでもないですし、やってはいけないという話ではなくて、請求があって初めてそういう措置が講ぜられるということでありますし、また、全日休業するのではなくて、一応フルタイム働いた上で、ただ残業はちょっと勘弁してほしいという話でございます。

 そうであるとすると、有休が六カ月であることとのバランスからいっても、私どもは勤続要件については六カ月でいいのではないかと考えております。ただ、六カ月というのが何でということを言われると、それは有休とのバランスという話になってしまうのでありますが。

 かつて労基法の改正のときに、出稼ぎ労働者などについても議論があったようでございます。三カ月、要するに法定の期間に達しなかったとしても、行政指導として、有休を与えるようにというような指導がされているというふうに伺っているのであります。こういったことからいたしましても、恐らく、政府案、今もう現に提出されているわけですから、これをきょうのあすの、どうこうできるという話ではないんでしょうけれども、ただ将来的な方向性としては、政府としてもこの勤続要件の短縮を考えてもよいのではないかと考える次第でございますが、この点いかがでしょうか。

岩田政府参考人 時間外労働の制限の制度は、深夜業の制限の制度と同様に、勤続一年未満の労働者を対象から除外することといたしておりますけれども、これは、時間外労働の免除申請をできる期間が、子供が就学するまでという、五年、六年、相当長期にわたるというようなこともございますので、事業主の負担との均衡も考慮いたしまして、こういうことといたしております。

 勤続一年未満という水準を見直すということにつきましては、時間外労働、深夜業の制限の制度以外にも、育児休業制度、介護休業制度の権利発生要件とのバランスも考えなければならないというふうに思っております。いずれにいたしましても、今後の検討課題というふうに思っております。

山花委員 ぜひ前向きに検討をしていただきたいと思います。

 時間外労働のこととは今度は話が変わりまして、新しいメニューとして、勤務時間短縮等、幾つかのメニューがあって、それを選択できるというシステムが取り入れられるようになりましたが、この場合の子供の年齢について、厚生労働大臣、ちょっとお伺いをしたいと思います。

 今回の政府案によりますと、二十三条によって、勤務時間の短縮等の措置に係る事業主の義務の対象となる子供の年齢を、一歳未満から三歳未満までという形で引き上げられております。ただ、三歳から小学校就学までの期間となりますと、育児休業制度に準ずる措置、勤務時間の短縮等の努力義務、努力義務という形になってまいります。三歳までが義務で、三歳から小学校就学までが努力義務という形になっているわけでございます。

 先ほど来の政府としての御答弁を拝聴いたしておりますと、政府としての姿勢は、まず第一歩としてというようなことになるのかなという印象を持っております。政府案としては一貫しているのでございましょうけれども、ただ、これもさきの委員会の審議の中でもお話をさせていただきましたけれども、このメニューの中で、特に勤務時間の短縮等の措置を希望するケースというのは、家に早く帰って子供に食事をつくってあげたいとか、あるいは保育園へ朝送り届けてから会社に出勤したいんだといったようなニーズがあるのではなかろうかと思っております。

 さきの委員会の審議の中でも、子供に手のかかる時間の減少ということにかんがみという御答弁がございました。佐藤公治委員からもいろいろ御議論がございましたけれども、つまり、小学校に入学すれば、小学生からは義務教育ですから、学校に行っている時間については、親の側の認識としても子供に手をかけている時間からカットされるわけですから、六歳ぐらいのところで一気に手がかからなくなるように、数値の上ではなるのは当たり前のことだと思います。

 また、ゼロ歳から三歳ぐらいまでは大変育児にかかる時間が多いけれども、三歳から少しずつまた減っていくのだという、確かに数字を見るとそのとおりなんですけれども、このあたりになってきますと、幼稚園に通わせていたりとか、保育園もそうですが、特に幼稚園なんかに通わせていて三年保育、二年保育ということになりますと、三歳ぐらいからちょうど、親の側の意識としては、保育園に、あるいは幼稚園に通っている時間については手をかけていないという認識になりますから、数字の上ではそこでがくっと落ちるのはむしろ当然のことだと思います。

 ただ、先ほどのニーズのところとあわせて考えてみますと、一日二十四時間の中で手をかけている時間というのは減っているかもしれませんが、ただ、二十四時間の中で、コアタイムというのがあるんじゃないのかなということなわけでございます。つまり、朝送っていきたい時間、あるいは家に帰って御飯をつくってあげたい時間というもの、どうしてもこの時間はもう既に家にいたいという時間帯というのがあるのではないか。そうやって考えてみますと、本当に必要な時間帯ということになると朝夕に集中しているのではないかというふうに考える次第でございます。

 そうであるといたしますと、これもその方が望ましいといったような御答弁があったかと記憶しているんですが、改めまして、この勤務時間の短縮等の措置の対象となる子供の年齢というのは、三歳ではなくて、より一層の対象年齢の引き上げというものが必要なのではないかと考えますが、この点、厚生労働大臣、確認のため御答弁願います。

坂口国務大臣 今御指摘をいただきましたことにつきましては、一応、委員との間でもかなり意見の調整が進んでいるようでございますので、これは少しちょっと読ませていただきますから、また足らないところがあったら御指摘ください。

 今回は勤務時間の短縮等の措置の義務の対象となる子の年齢を三歳までに引き上げますが、勤務時間の短縮等の措置は小学校就学の始まります時期までの子を対象とすることが望ましく、措置の導入が進むよう積極的な指導援助に努めてまいりたいと思います。

山花委員 ありがとうございます。

 それでは、もう一つ、違う論点についてでございます。期間を定めて雇用される労働者についてでございます。二条一号の労働者のところには、括弧書きがございまして、期間を定めて雇用される者は適用除外となっております。

 労働法の世界では、解雇に関しては、労働契約の反復更新があって当該契約が期間の定めのない契約と実質的に異ならない状態となっているという場合には、これは解雇の議論ですが、解雇保護の適用が認められるといったような判例、裁判例の理論がございます。育児・介護休業法の場合でも同様に運用される旨の御答弁があったと記憶しておりますが、問題は、裁判になってからでは遅いのでございまして、期間を定めて雇用される労働者の取り扱いについては、裁判を起こさなくても済むように、できるだけ明確に指針で定めた方がよいものと考えますが、厚生労働大臣、確認の御答弁をお願いいたします。

坂口国務大臣 労働契約の形式上期間を定めて雇用されている者でありましても、当該契約が期間の定めのない契約と実質的に異ならない状況となっている場合には、育児休業及び介護休業の対象となるので、どのような者がそれに該当するのか、できる限り明確に指針で定めることといたします。

山花委員 次に、十条の関係についてお願いをいたします。

 午前中の参考人質疑でも、中央大学の山田参考人からも御指摘がございました。十条については、解雇だけではなくて、不利益取り扱いの禁止ということが規定されるようでありますが、この禁止の具体的内容は指針で明らかにされるとのことでございますが、どのような内容を定めるというお考えでしょうか、御答弁をお願いいたします。

坂口国務大臣 休業の取得を理由として、解雇のみならず、減給したり、退職金や賞与の算定に当たり休業期間を超えて働かなかったものとして取り扱うことや、正社員からパートタイム労働者への身分変更を行うこと、仕事を与えないなど就業環境を害することは、不利益取り扱いに該当すると考えており、それらの具体的な内容について指針で定めることといたします。

 また、休業の取得を理由とする配置の変更も不利益取り扱いに該当する場合があり、あわせて指針で明らかにすることにいたしたいと思います。

山花委員 今回の法改正で新しく入ってきました時間外労働の制限のところについて、お伺いしたいと思います。

 この条項の中に、もともとございます深夜業の制限と同様、事業の正常な運営を妨げる場合については例外となるという条項がついてございますが、これは本来であればない方が望ましい条項であると考えます。そしてまた、深夜業のときにも、これは極めて限定的なケースに限られるものだと理解しております。解釈通達も、深夜業のケースですけれども、そちらの方で出ておりますが、もう一度、時間外労働の場合も私は同様となるのかなという印象を持っているのでございますが、具体的にどのような場合がこのケースに該当するのかということについて、厚生労働大臣、確認の御答弁をお願いいたします。

坂口国務大臣 事業の正常な運営を妨げる場合に該当するか否かは、その労働者の所属する事業場を基準として、労働者の従事する業務内容、業務の繁閑、代行者の配置の難易等諸般の事情を考慮して客観的に判断され、例えば、同一時期に多数の専門性の高い職種の労働者が請求した場合であって、代替が著しく困難な場合などが該当するものと考えております。

 また、事業主は、労働者の請求が実現されるよう、通常考えられる相当の努力をすべきものであり、単に時間外労働が事業の運営上必要であるとの理由だけで拒むことは許されないと考えております。

 以上です。

山花委員 今回の政府案の中で、私個人としてはまだまだちょっと不明瞭かなという思いもあるのでありますが、ただ、特筆されるべきと思うことは、転勤の際の配慮という規定が初めて法律上うたわれたということではないかと考えております。

 先ほど、裁判になる前に明確にわかればという話を申し上げましたが、一方でこれは、こういった規定が盛り込まれることによって、従来は権利乱用論などで対処されていたことも、ある程度法的な根拠が出てくるのかなという思いもあるわけでございますが、これも金曜日の委員会の質疑の中では木島委員の方から、東亜ペイント事件などを紹介されながら、判例理論では主に三つの要件があるということで議論があったところでございます。

 政府のお立場といたしましては、この転勤の配慮規定について、具体的な中身、つまりどのような配慮をすべきであるのかということについて、確認のため、厚生労働大臣、御答弁をお願いいたします。

坂口国務大臣 転勤の対象となり得る労働者への配慮の内容といたしましては、育児や介護の状況を把握することや、労働者本人の意向をしんしゃくすること、転勤させた場合の育児や介護の代替手段の有無の確認を行うことなどが考えられております。

 また、つけ加えるべきところがございましたら、つけ加えさせていただきます。

山花委員 いろいろと議論させていただきました。

 冒頭にも御答弁いただきましたけれども、これからの新しい日本の社会、二十一世紀の日本の社会をつくっていく上で、男女共同参画基本法にもございますけれども、あらゆる分野において男性、女性の別なく社会に参画できていけるような社会をつくっていかなければいけないと思いますとともに、専業主婦という選択をすることも、これは一つの価値判断だと思っております。それはそれで立派な生き方だとは思いますけれども、一方で、固定的な性別に基づく役割分担ということについては、少しでもこういった法制でなくしていかなければいけないんだと思います。

 ぜひとも、私どももいろいろ今後とも提案をさせていただきたいと思いますとともに、厚生労働大臣としても御努力いただくことをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。

鈴木委員長 次に、佐藤公治君。

佐藤(公)委員 自由党、佐藤公治でございます。

 もう先ほどからいろいろな御質問が出ております。ですが、その中の一点で、これは私が聞きたかったことなんですが、前回の国会の、前回といっても十年前の議論のとき、中小企業に対してのやはり配慮、猶予があったということが育児の関係でございましたけれども、その場合、そのときの社会状況と今の社会状況といえば随分異なる。その当時よりもかなり社会状況、経済状況は悪くなっているかというふうに私は思っておりますけれども。

 そういう中で、このたび、先ほどの質問者の江田先生の中で副大臣が御答弁された。この社会状況に関して、厳しい、非常に中小企業に対して負担を強いるようなことになる、また、副大臣も、なるであろう、御無理を言うようなことの話があったかと私は思います。

 これは、私が聞き間違えていたら申しわけございません。こういった質問に対して、やはりどうしてもちょっと気になることがございます。これに関してちょっと副大臣にお答えを願えればありがたいと思います。

 まず最初に、江田委員からの御質問の中で、この厳しい経済状況の中で日々経営に苦労している中小企業が、この改正に基づいた新たな負担にこたえられるかどうかという点がございます、こういう質問でのお話だったかと思います。

 そういう質問の中で、副大臣がお答えになりましたのは、まず一点は、「今回の法律改正といいますのは、経済社会の活力を維持していく上では本当に重要であり、」と。経済活力を維持していくことが重要でありと一番に挙がっている点、ここが僕ちょっとよくわからない部分があります。確かに、大事なことは大事。後に「少子化に対応していくという側面もございますが、」ということ。

 この大もとは、僕は前回のときに聞いたときに、もとは少子高齢化、少子化から出ている話だと思います。そういう部分で、この大事さ、だから僕は整理を前回したつもりだったのです。だけれども、こういう御答弁があったことが一点。

 そして、これは全体的に見ますと中小企業の事業主の方々を含めた事業所主体のメリットもあるのではないかなと。この事業所主体のメリットというのは、一体全体何を指しているのだろうか。ここがすごく私ひっかかりました。

 これは変に責め立てるというわけじゃございませんが、私が言いたいことは、失業率が五・三%、経済状況、これはもう皆さん方御存じのとおりです。本当に中小企業が大変な中で、まさに厚生労働省が大変だという意識を持っておかなきゃいけない、持つべきところの状況に、こういうお答えというのは、私はいかがかなという気がいたします。

 きのうも厚生労働大臣が、やはりそういう危機感、大変な経済状況ということで、雇用調整助成金のことを発表されたり、大変に今みんなが苦労しながらやっている中、ここら辺の、メリットという部分を御説明願えればありがたい。また、そこの意識に関して、もう一度、副大臣、御自分の気持ちで結構です、お答えになっていただければありがたく、よろしくお願いいたします。

南野副大臣 先ほどこのように答弁させていただいた、江田先生に対してでございますが、私の気持ちといたしましては、やはりこの法律の改正というものはこれからしていかなければならないものではないかということについての点には、一点、先生と共通するものがあるのではないかなというふうに思います。

 そこで、お尋ねの「経済社会の活力を維持していく上で」ということは、厚生労働省は厚生労働省として一生懸命努力はいたしております。これも、雇用の促進とかそういったことにも努めてでございますが、それは、何も厚生労働省一省だけで努力してできるものではない。皆さんとともにこれはやっていき、少しでも今の近況を乗り越えていきたいというような形から提案申し上げていることが、そういうような表現でさせていただいたということでございます。

 さらに、中小企業の方たちの事業主全体もメリットという、このメリットということは、先生がどのように評価されるかということは別でございますが、育児両立支援奨励金、それからさらに看護休暇導入奨励金というものを我々はこの中でセッティングいたしました。

 それにつきましても、平成十四年度の予算要求の中でございます。これが通らなければまたどうしようもないことではございますが、その中でも、本当に中小企業の事業主の方たちは大変御苦労しておられるということであり、大企業との間に少し差をつけた要求をさせていただいている。そういう意味では、努力していただけるかいもあるのではないかなと、そのようなことを思ってのこの表現でございます。

 以上でございます。

佐藤(公)委員 済みません、ちょっと細かいことで、でも僕は大事なことだと思います。

 この事業主体のメリットは、では、今の御説明で言いますと、そういうことの助成金を出すから、それがあるからメリットになりますよということをおっしゃられているのでしょうか。

南野副大臣 今先生がおっしゃっておられるように、やはり、一応御就職いただいた方がやめないようにということも一つの大きな課題であろうというふうに思いますし、これから先の子供たちの成長及び就職というようなことも勘案してのことであるわけでございます。

 一番困っておられることのポイントは、やはり人材確保が難しいのではないか、そういうようなことに対しても我々は大きく努力していこう、努力しているところであるということでございます。

佐藤(公)委員 わかりましたというか、よくわからないというところなんですけれども。本当はもっともっと突っ込みたいお話がたくさんあるんですけれども、時間も余りないんで、とりあえず、提出者の方々にはお待たせしてちょっとそのままになっておりますので、早いうちに御答弁をというふうに思っておりまして。

 一応私どもは、もう先に申しますと、この育児・介護そして児童福祉、児童福祉に関しては賛成という立場で質問させていただいておりますが、これをずっと見させていただく中、児童福祉法改正提出者の方にお聞きしたいんですけれども、今全体的な時代の流れというのは、やはり規制の緩和とか民営化という流れが強くあると思います。そういう中でも、小泉総理が聖域なき構造改革ということを盛んにお訴えになられている部分があるかと思いますが、それにおいては賛否いろいろとあると思います。それは別にしても、その流れの中からいえば、このたびの改正は、本来ならばよりその点に踏み込んだ議論、提案があってもいいのかなというふうにも思う部分があります。

 どういうことかといいますと、先ほど石毛先生等からも出ました例えばPFIのこと、先々、もっと突っ込んで言えば民営化においてのバウチャー制度のこととか、いろいろな議論が出ているかと思います。そういうような議論が、提出者の方々の間で、そういう部分を本当はもっと踏み込んでこういう法律をつくりたかったという議論があったのか。また、今後民営化に関してどういう将来像を持っているのか。いや民営化はもうこれぐらいでそれ以上はするつもりはないというのか、それ以上もっともっと進めたいと思っているのか。そういう部分に対してのお考え方をちょっと聞かせていただければ。また、そういう議論があったのであれば、どういう将来の方向性を持ってこの法律をつくられているのか、改正をしようとしているのかということをお聞かせ願えればありがたく、よろしくお願いを申し上げます。

塩崎議員 佐藤委員のただいまの御質問でございますが、いろいろな議論がございました。当初我々が考えた案からも少し変わっているところもございますが、今おっしゃったようなPFIの問題であるとかそういうところも確かに出てきたことでございます。結果、今回のような文面になっているわけでありますが、先生おっしゃっているように、我々としても、PFIを含めてこれからは公設民営の手法も多様化していかなければいけない、こう思っているわけであります。

 考えてみれば、まず第一にニーズというのがある、政策ニーズがある。これは何かというと、待機児童の解消、早期に解消しないといけない。そして、いろいろな手法がありますね。そして制約もあって、公的当局がまず資金調達等々での御苦労もある。それから、民間の人たちにとってもなかなか都市部では買えない。いろいろな形で、貸与も含めて、そしてPFIも含めてやろうじゃないかというふうに考えているわけであります。

 今の方式のいわゆるPFIのやり方というのを見てみますと、いわゆるBTO、先生多分御存じだと思いますけれども、ビルド、それからトランスファー、オペレーションということで、まず民間がつくって公的当局に渡してしまう、それからもう一回借りましてオペレーションする、こういうことになっているわけでありますが、さあ果たして我々が考えなければいけないこと、すなわち私は三つあると思うのです。まずサービスの質の確保、向上というのが一つです。それから、当事者、つまり保護者のお母さん、お父さんたちの負担。それから、公的当局の負担をどうするのか。こんな中からPFIというのは出てくると思うんですけれども、今のBTOのやり方では私は十分な効果が出てこないんじゃないかなというふうに思っております。

 まあ、いろいろ憲法の制約等々があるという話もありますが、我々としては、やはり今申し上げたように、ニーズが、片っ方で待機児童の解消というのがあって、そして公的負担をどうやって資金繰りも含めて軽くして、早くいいサービスを提供していくか、そして、当事者、お母さん、お父さんたちの負担は、今のままでいけば、どういうやり方にしても同じようになっていますけれども、変わらない、こういうふうに考えていくべきではないのか。

 そういう中で、いろいろな知恵を出してこれからやっていくということが大事なんではないのかなというふうに思っておりますし、そういう議論が我々この与野党の議論の中でもあったというふうに承知をしております。

佐藤(公)委員 ある意味で民営化というか規制緩和という部分になってくるかと思いますけれども、その規制緩和という部分は、私自身、皆さんもそうだと思いますけれども、規制の緩和と同じく、やはりそれには絶対に規制の強化というものが、表裏一体というか、一緒になったものがあると思います。

 例えば、今回のこれにしても、一番の目的は何か。何かと言ったならば、もうこれは、ここにも書かれている、やはり、地域において児童が安心して、親御さんたちが安心してやっていけるということ、ここが一番のポイントになると思います。でも、これを目的としてやっていくとはいうものの、やはりそれに、今現状あるものに携わっている方々、職員の方々、いろいろな方々もいらっしゃる。そういう部分のことも配慮したり、考えたり、やっていかなきゃいけない。

 ある意味で、そういう今先生がおっしゃられたような規制の緩和というのは、同時に規制の強化という部分も考えていくべきものがあると思いますが、その辺のあたり、先生何か、特にこれをしていく場合にはこういう部分を強く考えているという部分がありましたら、お答え願えますでしょうか。

塩崎議員 これは、いろいろ我々担当しておりますけれども、今おっしゃったように、規制強化の部分も必要じゃないか。それは、さっき私が申し上げたように、公的なサービス、パブリックサービスの質というものを絶対守らなきゃいけない、そして、最低基準も設けてということでありますが、今回の法改正においては、無認可の保育所についてもきちっとしたディスクロージャーをやるし、公的当局もそれをしっかり見ていくし、罰則も設ける。こういうことで、書面による提示も含めてやっているという意味では、無認可の分はかなりなっていますし、基本的には、規制強化といっても、基準自体は公でやろうと民でやろうと変わらない基準を設けているわけであって、引き続きディスクローズしていくことによって当然プレッシャーはかかっていくということでもあるわけでありますから、質の面においては決して規制を緩めてはいけないという気持ちは全く同じだと思います。

佐藤(公)委員 今の規制の強化というか、はっきりしなきゃいけない部分というのは、確かに子供たちのためということが一つ。また、それに周りの部分もあると思いますので、その辺を十分考え、そして今後も御検討願えればありがたく、それはお願いしたいかと思います。

 また、先ほど根本先生の方からもお話がございましたが、例の水島委員からの御質問の中で、届け出制に関して、またこれは根本先生がお答えになられたのでひっかかっちゃいまして、聞かせていただければありがたいんですけれども。

 省令で決めていく、小さいところはということをおっしゃったんですけれども、僕はこの辺ははっきりこの場でしておいた方がいいんじゃないかなという気がするんです。先ほど水島委員が、まあ小さいところはもしかしたらいいのかな、バランスの問題だということをおっしゃられましたけれども、そこら辺のあたり、今後議論しながら話し合って省令でということを先ほどちょっとおっしゃったんですけれども、これはやはりこの場である程度はっきりさせておかないといけないことだと思いますが、いかがでしょうか。

根本議員 省令でというのは、要は法律、制度の立て方として、法律で定めるべき事項と、それから政令、省令にゆだねるべき事項と、これは制度論としてまずあるわけです。その意味では、省令にゆだねている部分は確かにあるんですね。ですから、どういうものを省令にゆだねるかという基本的な考え方を先ほど私はお答えしたわけであります。

 繰り返しになりますが、先ほどお答えしたのは、認可外保育施設で届け出をさせたいとしているのは、基本的には、要は、日々お子さんを預かるような認可外保育施設、これはやはり届け出対象でしょう。

 それから、届け出対象ではないものは幾つか類型がありますが、一つは事業所内保育施設。つまり、病院で看護婦さんのための保育施設をつくる、これは、事業所が事業所のみずからの事業運営の一つの形態として子供を預ける施設をその事業所としてつくるわけです。これは一般に開放している保育施設ではありませんから、届け出の対象にしなくてもいいだろう。先生のおっしゃる、届け出というのはある意味で規制ですから、法律というのはすべて規制ですから。ですから、届け出をさせるという法律上義務づけるものは、その守るべき保護法益とのバランスで規制すべきだ。ですから、届け出の対象は、必要なものを届け出の対象にするという意味で、事業所内保育施設は対象外としていいんではないか。

 それから、保育ママ的な、自分の自宅で二、三人預かっていますというような形態のものは、これも届け出対象から外していいんではないか。

 ただ、届け出対象としないからといって、今回の指導監督権限の多様化、あるいは機動的な対応ということで改善命令とか立入調査とか報告徴収、業務停止命令、こういった行政命令の対象にはいたします、こういうことで先ほどお話をいたしました。

佐藤(公)委員 このたびのこの法律改正に関しては、やはり発端というのが、今痛ましい事故が多く出てきている、そういう部分から入られてこういうふうなことになっていると思います。本当を言いますと、確かに行政的ないろいろなおくれがあったことも事実認めざるを得ないところがあると思いますが、これだけで議論して、いつもいつもこういう形で、何かあると動く、常にパッチワーク作業になっちゃう。根本議論というものが余りされないまま急いでこうやってやろうとする、これが僕は今の国会運営で何か非常に不満な部分がある。

 やはりこれは、与党さんも、本当に平時において、一つの、これももしかしたら危機管理体制の一端かもしれない。そういうことからいえば、今いろいろな問題がある中で、平時のときにやはり話し合って、根本議論をして、パッチワーク作業にならないように。

 余計な規制はやはり僕は必要ないと思う。これはもう皆さん御存じのとおり。そういう部分であれば、もうある程度規制はなくしていく、つくらない方がいい、こういうものを持っていることは事実で、もうこれはおわかりのとおりだと思います。そういうことでも、ひとつまたそういう部分を考えながら御議論を願えればありがたいと思います。

 先ほど、また他の委員からもお話が出ました。これは質問通告しておりませんので、提出者の方々のお考えでお聞かせ願えればありがたいかと思いますが、幼保一元化ということです、まずいですかね、幼保一元化。

 この幼保一元化というのがやはり、ある意味で役所における縦割り行政のいろいろな悪いところでもあり、いいものもあります。幼稚園というのは、二つの、教育とか保育所とか、そういう一つの目的を持ってつくられている。そういう部分、当初の出だしがいろいろと違う部分でこの一元化論というのがなかなかうまく話が進んでいない部分があるんですけれども、今回のこの改正案において、一元化論というのは話が皆さん方の方で出たんでしょうか。もしも出て、どういうふうにお考えになられるのか、あればお聞かせ願えればありがたいと思います。

根本議員 幼保一元化論は、特に議論としては出ておりませんでした。

 ただ、私も、幼保一元化論というのは一体何なんだろうかと常々、いろいろな方が幼保一元化論というのをおっしゃるんですが、どういう趣旨で、一体どういうことを指して幼保一元化論、幼保一元化と言っておられるのか。まず、先生のおっしゃる幼保一元化という概念をお聞きしたいと思うんですが。その次に私が考えを述べたいと思います。

佐藤(公)委員 幼保一元化論、ここにも全部書いてありますし、これを読めばそれで終わっちゃうのかもしれませんけれども、私の気持ちも含めてお話しします。

 幼保一元化論というのは、今、社会構造、社会が変わる中で構造が変わっていく、その中で、やはり国民のために、子供たちのためにいい形がどうあるべきかということで、むだなものをなくして、効率性を高めるために一元化論というのが存在するというのが私が思っているところでございます。

 つまり、これがいいか悪いかはこれからいろいろな議論の中での話ですけれども、もう根本先生御存じのように、いろいろな法律、規制がお互いにある。御存じのように、幼稚園だったら文部科学省、保育園だったら厚生労働省、こういうものが分かれていることによって非常に不便なところがあったり、一緒になったらより効率化ができるのにということがある。僕は、そういう意味での一元化論、いかに子供たちの、国民のために一元化論がプラスになるかということを考えた議論だと思いますが、いかがでしょうか。

根本議員 はい、わかりました。

 まず、要は概念的な整理をすれば、幼稚園と保育、これは明らかに、幼稚園というのは教育ですし、それから、保育というのは、保育に欠ける児童を預かるという意味での保育。したがって、幼稚園と保育所というのが今併設しているわけですね。これを全くイコールにしなさいという話は、私は、そこのところはないんだろう。

 ただ、そこは概念が違いますから、幼稚園と保育園というのは別建てであるんです、担当省庁も違う。実は、大事なのは、子供の立場に立ったときにどういう取り組みが必要か。例えば幼稚園では、預かり保育というのを、つまり午前中は幼稚園、それで、保護者のニーズが高まっていますから、午後も預かり保育というのをやるようになってまいりました。私は、これはいいことだと思うのですね。

 それからもう一つ、私は、機能的な幼保一元化論というのが必要なんではないかと思うのは、例えば子育て支援で、幼稚園の方でも教育センターをつくって、そこで子育て支援をする、そういう取り組みも出てくる。一方で、保育園の方では、保育所に子育て支援センターをつくって子育て支援をする。私は、それは別々にやるべきではなくて、子供の立場に立つのであれば、子育て支援というようなところは、教育センターで幼稚園の子供を対象に子育て支援ということではなくて、そこは自治体の場で統合して一緒にやるなり、連携を密にするなり、そういう対応が必要だろうと思います。

 それから、大事なのは子供をどう健やかに大切に育てるかということですから、やはり幼稚園と保育所の機能的な連携というのは非常に大事だと思います。二年前に補正予算で二千億の子育て支援のお金を出したときには、文部省と厚生省が一緒になって子育て支援のための政策を展開しましたから。私は、そういうことが非常に極めて大事だ、こう思います。

佐藤(公)委員 ありがとうございます。

 本当はもっと議論したい。僕は、きょうはすごくうれしいのは、政府・与党一体化で議論している感じがする。こういう形で委員会とか国会が運営されると、僕はおもしろくなると思うし、本音の話ができますよね。どうか先生方にも、こういう対面方式で話ができて、言い合えるような形を考えていただければありがたく、与党の中でも御協議を願いたいと思います。

 もとに戻ります。済みません、余計なことで。

 そういう中で、平成十二年の社会福祉施設等調査の概況ということがございますけれども、見させていただく中で、保育所の私営、公営、入所というか在所率というのが随分違うようにも思えます。この違いをどういうふうに厚生労働省さんとしては分析をし、また、いい面、悪い面、どこに問題点があるのか、なぜこういうふうになるのかを簡単にお答えくださいませ。

岩田政府参考人 社会福祉施設等調査の結果でございますが、平成十二年十月一日現在の定員の充足率について、公営保育所と民営保育所で大きな違いがございます。公営保育所は九一%。定員に対して現在実際に入所しているお子さんの割合でございます、これが九一%。民営保育所の場合には、一〇九%というふうになっております。

 保育所における児童の受け入れにつきましては、従来から新エンゼルプランで推進してまいっておりますけれども、特に都市部を中心にいたしまして多数の待機児童がおられる。これに対応するために、保育所の定員の弾力化、最低基準を確保する枠の中での弾力化でございますが、これを進めてまいったわけでございます。本年度は、さらに定員の弾力化を一段と拡大をいたしましたし、子供が年度途中に入所をする、そのために保育士を余計に加配しないといけないという場合には、その部分は短時間勤務の保育士を充てていいというような規制緩和も行ったところでございます。

 率直に申し上げまして、公営の保育所はそれぞれの地域で大変重要な役割を担っていただいておりますが、待機児童を解消するというために、最低基準を守った上での定員の弾力化の受け入れの努力は、残念ながら民営の保育所と比べてその取り組みがおくれている感がいたします。

 そういうことで、本年の九月には地方自治体に文書を発出いたしまして、公営保育所における定員の弾力化をさらに進めていただきたいというような要請をしたところでございます。

佐藤(公)委員 やはり皆さんいろいろなお立場があると思います。あると思いますけれども、待機児童ゼロとかいろいろと子供たちのためを考えたら、何のためにだれのためにきちんとしたことをやっていくのか、そういうことを見据えて、やはり早くやれるもの、指導していくものはしていっていただくことをお願い申し上げたいと思います。いろいろと意見も聞きながら、議論もしながら、必要だと思いますけれども、お願いしたいかと思います。

 もう最後になりますけれども、また私の考えを一つお話をさせていただければ、やはり今回の少子化ということ、少子高齢化ということの一つの出発としてこういうようなことの議論が出てきていると思うのですけれども、これに関して、少子化ということばかりが議論されておりますけれども、やはりここの場で私がいつも思うことは、高齢者の方々をいかにシステムの中に入れて、失礼な言い方ですが、活用していくかということの話を一緒にセットでするような議論があってもいいんじゃないかなと。

 例えば、待機児童、いろいろなお立場の方々がいるので御意見があると思いますけれども、私も皆さん方も、地元で、お年寄りで健康でいい方、いい経験をお持ちの方、たくさんいらっしゃいます。そういう方々を活用した保育というか、そういったシステムの新たな発想が必要なんじゃないか。

 それこそ老人ホームと一緒につくった形でのやり方、安全性、いろいろとあるかもしれない。あるかもしれないけれども、そういう前向きな何か議論をもっと、厚生労働省の中でも出ているとは思いますが、表に出して、与野党ともに、また関係各省の方々と話をして、お年寄りの方々を活用した、生きがいを持ってもらう、働いてもらう、僕らにその経験と知恵をもらう、子供たちにいい教育もしてもらう、こういうものもつくれるようなシステムというものが僕はあってもいいし、そういう議論がもっと活発になってもいいと思うんです。

 まさに私が毎回言っていますのは、本当に、聖域なき構造改革は聖域なき意識改革、それをやっていくリーダーシップというのはまさに厚生労働大臣のリーダーシップだと思いますが、最後に大臣の御意見をお伺いして終わりにしたいかと思います。いかがでしょうか。

坂口国務大臣 今回の法律は、乳幼児の問題をどうするかということでございますが、御指摘いただきましたように、高齢者との関連というのも当然これはあるわけでございます。高齢者の皆さん方の中には非常にいろいろの知識を持たれた方々がおみえでございますし、その人たちはいわゆる人生の達人だと思っております。高齢者の皆さん方の中にも、我々の知識を生かしてほしい、こういうふうにおっしゃる方がございまして、そして、名前は達人社会と呼んでほしい、こういうふうにおっしゃった方がございますが、私もそれはそのとおりだというふうに思っております。

 人生の達人であります、その今までの経験、知識、そうしたものをこれからの子育ての中にどう生かしていくか。それは決してお金をどう出すとかということではなくて、その人たちをこの社会の中できちんと位置づけをする、立派なそのお考えを私たちが十分に社会の中に生かさせていただく、そういう社会が大事ではないかというふうに思っておりまして、あらゆる分野でそういうことが言えるというふうに思います。

 教育の面もしかりでございますが、今回のこの子育ての問題に対しましても、そうした皆さん方のお立場というものを今後取り入れていくということが、日本の将来にとって、高齢化社会を迎えます日本にとって大変大事なことではないかと思っている次第でございます。

佐藤(公)委員 私もそう思いますので、どうかそういう部分でうまく組み合わせをした新たなシステム、枠組みというものが必要だと思います。そういうことで、ひとつ大臣にはリーダーシップをぜひお願いをいたしたいかと思います。我が党でも似たような、近い政策がありますので、いつでも聞いていただければ説明にお伺いしますので、よろしくお願いします。

 そして最後にもう一点だけ。経済状況は、副大臣、大変です。大変な状況です。その辺を意識していただいて御発言を願いたい。

 これで私の質問を終わらせていただきます。以上でございます。ありがとうございました。

鈴木委員長 次に、小沢和秋君。

小沢(和)委員 日本共産党の小沢和秋でございます。

 まず、育児・介護休業法改正案について一言申し上げたいのです。

 我が党は、政府提案を積極的な意義を持つものと評価しておりますが、さらによくしたいという立場から、二十六日、我が党の改正法案を参議院に提出いたしました。主なポイントは、一、休業に当たっての所得保障を六割に引き上げること、二、不利益取り扱いの禁止強化、三、休業期間の延長や分割取得を認めること、四、看護休暇の創設、五、中小企業主への助成額引き上げなどであります。ぜひ参議院段階でこの提案を取り入れていただくよう、各党にお願いをしておきます。

 さて、本日は、与党三党が提案した児童福祉法改正案について質問をいたします。

 この法案の中には、認可外保育所の届け出義務化、保育士の制度化など、賛成できる内容もあります。しかし、まずお尋ねしたいのは、小泉首相が初めての所信表明以来公約してまいりました待機児童ゼロ作戦を具体化したこのように重要な法案を、なぜ政府提案としなかったのかであります。育児休業法に関連して民主党が提案した児童福祉法案を受けて、与党が対案としてこの案を提出してまいりました。そして、わずかな審議でこのような重要法案を他の法案と一緒に通してしまうようなやり方は到底承服することはできませんが、提案者はその点をどうお考えになりますか。

根本議員 先生今お話がありましたように、そもそもこの法案は、先の通常国会で民主党さんの方から認可外保育施設に対する届け出制というものを内容とする児童福祉法の改正案が提出されました。民主党さんからこういう法案が提出されたものですから、一方で保育ニーズが非常に急増して認可外保育施設も増大している、あるいは乳幼児の事故も社会問題化している、こういうことをきちんと重く受けとめようではないかということで、実は我々与党として議員立法という形で出そうではないかと。

 それで、出すに当たっては、単なる届け出制というだけではなくて、届け出制を導入するのであれば、それは情報提供もして利用者の便にも資するように、そして指導監督も強化し、機動的、弾力的な監督もやれるように改善、公表制度も盛り込もうと。それから先生も今御指摘がありましたが、保育の質の担保が求められていますから、保育士の名称独占資格、これもしよう。それから児童委員も、児童虐待防止法の制定も含めて、児童委員あるいは主任児童委員の役割が多様化していますから、児童福祉法を改正するのであれば内容をより豊かにして盛り込んでやろうということで、議員立法として提出することにしたわけであります。

小沢(和)委員 次々くっついて、最後には結果として大変な法案になったというお話のようですけれども、それぐらいだったら私は政府案として出してほしかったと思います。

 次の問題は、なぜこんな政治問題になるほど待機児童がふえたのか。そうなる前に解決できなかったのかということであります。八〇年代に中曽根内閣が旗を振った行政改革のあおりで、保育所への補助金が十分の八から十分の五に引き下げられ、これ以後、全国的に市町村の保育所整備が停滞いたしました。その一方で、九〇年代に入り、子供を産んでからも働き続けたいとの女性の意欲が急激に高まり、保育要求も大きくなりました。しかし、政府は、まともに公立保育所を増設しようとせず、規制緩和による定数増や定員オーバーの容認で対処いたしました。

 厚生労働省の資料では、九四年から昨年までに入所児童数が約二十万人ふえておりますが、大部分は定数増や定員オーバーによるものであります。それでも入り切らない児童のうち、一万数千名を認可外保育所に押し込んでおります。しかし、それでも待機児はふえ続けて、昨年四月には約三万三千名に達しております。

 大臣に伺いたいのですが、先ほどの答弁では、その時々に必要な手は打ってきた、しかし、待機児が予想以上にふえたためにこうなったというお話でございますが、本格的な施設の整備などをせず、その場しのぎでお茶を濁してきたツケが今こういう形で回ってきたのではありませんか。

坂口国務大臣 小沢議員も、よく御理解をされた上でいろいろの御発言をしておみえになるものと思っておりますが、現在の経済状況を考えますと、大変な国際化をされてまいりまして、そして、その中に、日本の高齢化と両方の中で現在日本の企業は置かれているわけでございます。

 そうした中で、やはり女性の皆さん方も働いていただかなければならない、そういう経済環境がだんだんと進んでまいりました。したがいまして、初め予測をしておりました以上のお子さんを預けたいというふうに思われる方がふえてきたことは事実だというふうに思っております。

 先ほどもお話がございましたとおり、待機児童をなくするというので二千億の予算を組んでもらいまして、そして三万二千でしたか三千でしたか、ちょっと正確な数字は忘れましたけれども、三万二、三千の皆さん方の待機児童をなくした。なくしたのですけれども、ちゃんとその分また次にふえてきたといった現象が起こってきておるわけでございます。

 これは、現在のこの経済の流れ、そして企業の中の状況等々、それらのことによって起こってきているというふうに考えておりまして、その状況にやはり対応した形をとっていかなければならない。時代は変わってきたなという感じを私たちも率直に今受けているわけでございます。

 したがいまして、新しくまたここで待機児童ゼロ作戦として十五万人分用意をする、今、十二年の四月では三万二千名の待機児童でございますけれども、恐らくその皆さん方を埋めたといたしましても、また次に新しい待機をなさる方が出てくるであろう。そうしたことも見込んで、とにかく三年間で十五万人、ひとつふやしていく体制をつくり上げていこうということになった次第でございます。

小沢(和)委員 共働きの夫婦にとって、幼い子供たちを安心して預ける先がないということほど不安でつらいことはありません。

 私自身、ずっと共働きで二人の子供を育ててまいりましたが、当時は三歳まで預ける保育所は全くなくて、親戚や知人などを頼るほかはありませんでした。その体験から、私自身も、みんなで無認可保育所をつくろうとか、学童保育所を始めようとかいうような運動にも参加をしてまいりました。あれから四十年もたった今も、三万数千人待機児がいるということは、この分野でいかに国の施策が貧困であったかということを示す以外の何物でもないということを私はもう一度申し上げておきたいと思うんです。

 本来、住民に必要な保育所を設置し運営するのは、地方自治法や児童福祉法で市町村の責任とされております。国は、それを支援する責任があります。

 七月六日の閣議決定「仕事と子育ての両立支援策の方針について」にも、保育の拡充は公立と社会福祉法人を基盤としつつ、さらに民間活力を導入しと記されております。この言葉どおりであれば、八〇年代に国の補助率を大幅に引き下げて保育所の整備を停滞させたりした誤りを、これを機に正さなければならないはずであります。

 ところが、本改正案は、基盤とされている公立及び社会福祉法人立の拡充には一言も触れておりません。第五十六条の七で、保育への需要が増大している市町村は、「社会福祉法人その他の多様な事業者の能力を活用した保育所の設置又は運営を促進し、保育の実施に係る供給を効率的かつ計画的に増大させるものとする。」と規定し、市町村に事実上、公立を増設することではなく、企業の参入を求める努力を義務づけております。

 これは、事実上、閣議決定と違う方向ではないでしょうか。ついでながら、ここで言う「その他の多様な事業者」とは何を想定しているのか。提案者にお尋ねします。

塩崎議員 小沢委員の御指摘でございますが、その他の必要な措置として、いろいろこれからPFI等々の指標も設けようと言っておりますが、基本的には、先生今おっしゃったように、保育に係る基盤整備を図る責任というのは、当然のことながら市町村にあるわけであります。

 ただ、そのサービスの提供の主体については特段の規定が置かれているわけではなく、また、昨年三月に、御案内のように、この主体についての規制緩和が行われました。この一年余りでいろいろなところ、新しく市町村あるいは社会福祉法人以外の主体による保育所の認可状況を見てみますと二十七あります。先ほどもちょっと御質問にお答えいたしましたが、学校法人が六、宗教法人が六、株式会社、有限会社が六、それで個人が五、あとNPOが三、財団法人一、こういう格好になっているわけでありまして、学校法人あるいは宗教法人、NPO、もちろん個人もありますが、そういうところが、今までできなかったところがこういうことでやれるようになってきた。

 こういうことで、もちろん、この基準については、再々先ほど来出ているように、その最低基準は認可の場合にも国がきちっと決めているわけでもございますし、今回も、公設民営であろうとも公であろうと民であろうとも運営する者が守らなきゃいけないものは同じだ、こういうことでありますから、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、何といっても一番大事なのはサービスの質、つまり、いい保育が行われるということが担保される仕組みの中で、民間の知恵も活用しながら、どうやって待機児童の解消を早期に図るか。それも、公的な部門の負担を、資金的な負担を軽くしながら、ということは税負担を軽くしながら、どうやって工夫をできるのかということだろうと思っております。

小沢(和)委員 私は、閣議決定でも、保育の拡充は公立と社会福祉法人を基盤としつつ、さらに民間活力を導入しと書いてあるところから見れば、公立などをつくるという積極的な努力もしながら補充的に民間の活力も活用する、こういうのが閣議決定の立場ではないかという気持ちでお尋ねしたのですが、いかがですか。

塩崎議員 先生の肝心なお気持ちを、少しお答えをせずに、大変失礼しました。

 おっしゃるとおりだと思いますが、基本的には、今回の、特に待機児童が多いところというのは都市部になるわけですね。そうすると、市長さんがどういう方法で待機児童解消をするのかというところにかかっているわけであって、もちろん国がそれにバックアップをつける、今度は貸与をする場合にも補助金をつけましょう、こういうことをやろうと言っているわけであります。

 基本的な哲学は、今申し上げたように、責任は市町村にありますし、今まで、五十年の脈々たる歴史を持って社会福祉法人もやってきた、もちろん公営の保育園もやってきた、それがベースであることは変わりはないわけでありますけれども、何といってもスピーディーに待機児童の問題を解消しようというときに、それぞれの市町村長さん、特に市長さんたちが、あるいは東京であれば区長さんとか、そういう人たちがどういうリソースを活用してやるのかということの中に貸与というのも出てくるだろうし、例えば貸与の中でも、PFIもあれば、それから今の空き教室、空き学校、そういうところを活用するというのも入ってくるわけであって、基本的な哲学は変わらない中で、どうやって民間の力を活用して導入していくか、こういうことだと思います。

小沢(和)委員 私は民間の活力を活用するなと言っているのではないのですけれども。市町村が主体になってやるべき仕事をやらないで民間だけ活用しようというのは納得がいかないということを私は言っているわけです。

 次に聞きますけれども、この法案ではPFI法を活用することを見送ったと言われております。確かに、当初与党三党案として伝えられたものと比較すると、その文言は削られております。しかし、第五十六条の七では「公有財産の貸付けその他の必要な措置を積極的に講ずる」と書かれております。

 公有財産の貸し付けはPFI法の重要な手法の一つで、その上、その他の必要な措置を講ずることもできるのであれば、言葉を削っても、PFI法を活用するという考え方はそのまま残っているのではないでしょうか。さっきから答弁者はそのことをもう認めておられるようなのですが、そうだったら、何でここの文言を変えたのか。これはPFI法を活用することを見送ったようにも見えるし、非常にそういう点でかえって紛らわしくしてしまった、初めから、言われているとおりの案を出してもらった方がよほど我々にははっきりわかるのではないですか。

塩崎議員 繰り返し申し上げますけれども、大事なことは、ニーズがまずあって、それは待機児童が多くてこれを解消しなければいけないという社会的な大事なニーズ、それに対してどうやって対応するのかという中で、今回の無認可への届け出制等々いろいろなものをやろうと言っている中に今回こういうのが入ってきているわけでありまして、保育の質を確保しながら、しかし財政的に市町村長さんたちも苦しいわけでありますから、どうやってそれを同時に解決をしていくのかという中で当然PFI的な手法というのは考えられたわけであります。

 もちろん、我々の中で、明示的にやろうという考え方もございました。ただ、他の政党の中で、もう少しそこは考え直してもいいのではないだろうかという意見もありました。しかし、PFIというのは公的な負担の軽減に、長い目で見るとそうはつながらないかもわからないけれども、まず第一に資金繰りでうまくいくかもわからない、そして民間活力を活用することによって、先生も今お認めになりましたけれども、そのことによってコストダウンが図られて、結果としてタックスペイヤーの負担が減るということもあるということで、我々としては決してPFIを否定しているわけではないわけであって、それは市町村長さんたちがそれぞれの目的に応じてやるときにおとりになる手法である、それを認めるという意味でこういう表現にしたということで、いろいろな議論の末にこういうふうになったというふうに御理解をいただきたいというふうに思います。

小沢(和)委員 以下は政府にお尋ねをしたいと思うのです。

 企業は本来、利益追求を目的として活動するものであります。保育所に企業が参入するためには、利益を上げ、それを配当し、さらに他に自由に投資することが認められることが必要です。既に七月の総合規制改革会議の中間取りまとめでも、「民間企業が効率的な経営の結果として得た剰余金の使用に関し、保育の事業拡大のインセンティブを阻害しないよう、関係通達の見直しを図る」と明示しております。

 この取りまとめどおり、近い将来利益の自由な処分を認めるのか、この際はっきりさせておいていただきたいと思います。

岩田政府参考人 保育所の運営費は、最低基準を維持するための経費として支弁されておりまして、保育単価、これは子供の年齢ですとか保育所の定員規模で決まっていくわけですけれども、保育単価を前提に積み上げて、そして補助をいたしております。したがいまして、配当を行う前提となるような利益相当分、大きな利益相当分が生ずるということは通常考えにくいわけでございます。

 なお、保育所運営費を配当や保育事業以外へ繰り入れたという施設が仮に出てきました場合には、補助金の一部でございますけれども、公共施設とそれから私立の施設の職員給与の格差を是正するための民間施設給与等改善費、民改費と言っておりますが、それの支給をしないといったような取り扱いをいたしております。

 今小沢議員が言われました総合規制改革の中での議論でございますが、主張なさっておられる先生の御意見は、保育所、保育事業に再投資できるような余地をもっと認めるべきではないかというような趣旨の御意見であるというふうに思っております。利益をたくさん生んで、それをほかの事業に持っていくとか、役員、株主の間で配当するというようなことを念頭に置いた御意見ではございませんで、また保育のために投資ができるような仕組みにできないかといったような御議論でございます。

 総合規制改革の御議論も伺いつつ、会計基準をどういう形にするのが保育所を運営していただく株式会社の会計基準として適当か、これからまた引き続き検討してまいりたいと思います。

小沢(和)委員 もうかるような単価にはなっておらない、だから配当まで想定していないというお話ですけれども、会社の参入を認めるということは、会社は利益を生むように活動しなければならないわけですから、そうすると、どうしても、さらに利益を生もうということで、いろいろと工夫することになると思うのですよ。

 その点でお尋ねしたいのですが、これまでの規制を撤廃したり一層緩和したりするということによって、保育所の運営をもうかるような仕組みにしていくということはないのか。特に保育所運営費の八割は人件費と言われており、一番手っ取り早い効率化は、保育士の人件費削減です。実際、東京都三鷹市の市立保育所の運営が今年四月から企業に委託されておりますが、所長以外はすべて一年契約の保育士で、賃金も大幅に切り下げられたと聞いております。本法案によって、こういうやり方が広げられていくことはないのか。

 また、もうかる保育所にするためには、さらに児童の処遇の切り下げも必要となります。大阪府堺市では、民営化で、保育士の人件費切り詰めとともに、児童の経費も三十六万七千円から十八万一千円に切り下げられたと聞いております。既に数年前から、児童一人当たりの床面積も小さくてよいことにして、定数増をさせ、その上、定員オーバーを認めるようになったことは先ほど申しました。その結果、各地でひどい保育状況が生じておりまして、奈良市内の保育所では、児童が部屋からあふれ、廊下で食事をしていると写真つきで新聞に報道されております。これは去年の新聞ですけれども、写真が載っております。そういう、同じような状況が大都市を中心にかなり広がっているようであります。

 大臣にお尋ねしたいんですが、こうした状況を直ちに改善すべきではありませんか。

岩田政府参考人 私の方から先に事務的な御説明をさせていただきたいと思います。

 今先生さまざまなことを御指摘なさいましたが、すべて最低基準を遵守する、保育指針の内容を遵守する、そういう大きな前提の中での私どもの取り組みでございます。

 そして、認可保育所は、運営の主体のいかんを問わず、ですから社会福祉法人であれ株式会社であれ、その最低基準を遵守する、そのために必要な人件費等の運営費を支弁しているわけでございます。

 そして例えば、補助金の人件費をほかの科目に流用するとか、先生のお言葉を使いますと、人件費を切り詰めて、あるいは児童に対する処遇を切り下げて、そして余剰をつくって積み立てるといったようなことを先生御指摘されましたけれども、そういう余剰金を積み立てるといったような場合、これは自由にできるということではございませんで、都道府県が関与をして、そして、人件費をほかの科目に流用していいか、あるいは積立金を認めるかというようなことを監視いたしております。

 その場合に条件が幾つかございますが、人件費が適正に払われているとか、児童の処遇が適正になされているというようなことは条件の中に入っておりますから、そういうことをなし崩しにして、人件費を削ってほかの科目に持っていくとか、余剰金を無理無理生み出すとかというようなことは、今の仕組みの中ではできないように歯どめをかけているところでございます。

小沢(和)委員 歯どめをかけていると言うが、実際にこういうことがあるということを私は指摘しているんですから、ぜひ調べて改善をさせていただきたいんです。

 今、保育士の労働条件や児童の一般的な処遇の改悪ということを申したんですが、それにとどまらないで、給食の安全性にかかわる問題まで起こっておる。

 先日、私の地元の保育所から、うちではゼロ歳児保育をやっているが、乳児三人に一人の保育士を配置しているものの、調理員の配置が少なくて離乳食にまで手が回らず、配置された保育士が乳児室で調理を行っている、これでは衛生面でも心配だ、何とかならないのかとの陳情が参りました。

 ここは、厚生労働省の通達を受けて、定員よりも相当に上回る児童数を受け入れております。しかし、調理員の最低基準は、四十六人以上に二名配置、百五十一人以上に三人配置で、それ以上何人児童がふえてもそのままと決められております。これでは、月齢も発達段階もさまざまで、子供の状況に応じた離乳食をつくることは不可能なので、いたし方なく保育士が調理に加わっているわけです。

 この保育所では、以前も保育士が調理をして食中毒事件を起こしたことがあるということで、もうこんなことは繰り返したくないと思い余っての私への訴えだったわけであります。

 私は全国の状況についても調査しましたが、こうしたことは各地で常態化しております。国の最低基準そのものが低いことが問題だと思いますが、調理員ではない保育士が離乳食調理を行っている現状を至急改善する必要があるのではないか。お尋ねします。

岩田政府参考人 食中毒などがあってはいけないというのは、先生の御指摘のとおりだと思います。

 調理師につきましては、何人設置をするというのは最低基準ではございません。これは、国が補助金をするときの積算の基準として、今先生が引用なさいました子供の定員の人数規模に応じて、目安として調理師何名ということを積算の、計算上のものとして用いておりますけれども、最低基準はございません。

 したがって、市町村あるいはその施設が、その責任で何人調理師を配置するかというのはお考えいただいてお決めいただくことになっております。

坂口国務大臣 どういう分野であれ、公的な機関が全部やらなければ国が回らないというようなことではいけないと私たちは考えておりまして、できる限り民間の皆さん方にお願いをして、民間の皆さん方におやりをいただく中でやはり回転をしていくという国づくりをやらなければならないと思っているわけでございます。したがいまして、この保育の問題につきましても、民間の皆さん方に積極的に御協力をいただいていかなければならないというふうに思っております。

 いろいろ悪い例をお挙げいただきました。確かにそうしたところもあるいはあるのかもしれません。それは改善をしていかなければならないというふうに思いますが、しかし、民間の保育の中で立派に、公的な保育所以上に立派な保育所をおやりいただいておりますところもたくさんあるわけでございまして、一、二そういうところがあるからといってすべて民間はだめだという論理は、やはり少し無理がある。私たちは、そうは考えておりません。

 すべての人的配置等につきましても、今局長から申し上げましたとおり、その最低ラインというものは決めているわけでございますしいたしますから、それはお守りをいただくように我々はしていかなければならないわけでございますけれども、それがNPOであれ、あるいはまたそれが株式会社であれ、立派におやりをいただけるような体制を私たちはつくり上げていくことに努力をしなければならないと考えているところでございます。

小沢(和)委員 時間が来たようですからもうこれで終わりますけれども、厚生労働省が下さった資料によりますと、保育所における食中毒事件は、昨年までの三年間で四十八件、患者数で合計千八百三人に上っております。ひどい年は年間患者数が七百四十九人。原因の多くは、サルモネラ菌によるもの、あるいはO157によるものなど、抵抗力の弱い乳児等にとって命にかかわる深刻なものが多いわけです。

 だから、重ねて申し上げたいんですが、せめてゼロ歳児保育を実施している保育所への調理員の加算を緊急に行うというぐらいの措置は考えませんか。

岩田政府参考人 食中毒は本当に申しわけないというふうに思っておりまして、その都度、原因の究明に努め、問題がある場合には都道府県を通じて指導いたしておりますし、繰り返し繰り返し関係者の注意を促しているところでございます。

 先ほども申し上げましたように、調理員を何人配置するかということにつきましては、市町村の責任でやっていただいておりますので、直ちに国の補助金の中でというのはなかなか困難かというふうに思います。

小沢(和)委員 終わります。

鈴木委員長 次に、中川智子君。

中川(智)委員 社会民主党・市民連合の中川智子です。

 けさは、午前中は、育児・介護休業法の参考人の方々のさまざまな御意見をちょうだいいたしました。前半は、育介法の確認を幾つかさせていただきたい点がございますので、御答弁をお願いいたします。

 まず、やはり今回の育児・介護休業法の中で、有期雇用、期間が定められている労働者の有期雇用労働者を育児休業制度の対象とするということについて前向きにしっかり取り組んでいただきたいと考えますが、御答弁をお願いいたします。

坂口国務大臣 議員との間でいろいろとお話し合いをさせていただいてあるということでございますので、少し読ませていただきますが、申しわけありません。

 労働契約の形式上期間を定めて雇用されている者であっても、当該契約が期間の定めのない契約と実質的に異ならない状態となっている場合には、育児休業及び介護休業の対象となるので、どのような者がそれに該当するのか、できる限り明確な指針で定めることといたします。

中川(智)委員 指針の内容というのに非常に重いものがあると思います。ぜひとも前向きに取り組んでいただきたいと思います。

 そしてまた、次なんですけれども、いかに両立でお互いに責任を持ちながら頑張っていくかというところでは、やはり今のような残業、さまざまな長時間労働というのが本当にネックになってまいります。短時間勤務制度というのを一律に義務づけるということなど、勤務時間の短縮の措置というものに対して前向きな取り組みというのが今回きっちりされるかどうかを伺いたいと存じます。

坂口国務大臣 今回は勤務時間の短縮等の措置の義務の対象となる子の年齢を三歳まで引き上げましたが、勤務時間の短縮等の措置は小学校就学の始期までの子供を対象とすることが望ましいと考えております。措置の導入が今後進むに従いまして、今後積極的な指導、支援に努めてまいりたいと考えております。

中川(智)委員 今の大臣の御答弁で、あくまで短時間労働がベースになるべきだとの方向性が示されたと理解いたしまして、期待をいたしております。

 次ですが、やはり男性の休業取得促進というのがなかなか前に進まない。とった方は、それで新聞で連載ができるぐらい珍しいという形で取り上げられております。非常に情けない状況だと思いますが、それはやはり職場の環境というのが非常に大切だと思います。男性の育児休業取得促進のためにしっかりと取り組むべきだと考えますが、この点についてはいかがでしょうか。

坂口国務大臣 育児休業取得者に占める男性の割合は、平成十一年度で二・四%と低い水準にございます。この背景には、固定的な性別役割分担意識でありますとか、あるいはまた職場優先の企業風土から事業主や職場の理解が不足している現状もあると考えております。

 このようなことから、今回の改正法案におきましては、固定的な性別役割分担意識の解消でありますとかあるいは職場優先の企業風土の是正を図りながら、仕事と家庭の両立を容易にしますため、国が意識啓発を行うことを盛り込んでいるところであります。

 法案が成立いたしました暁におきましては、男性の育児休業の取得促進に配慮した広報、啓発を早急かつ積極的に行うとともに、男性の育児休業取得促進について調査研究を行い、有効な措置を講じてまいりたいと考えております。

中川(智)委員 やはり両性が、子供を男性も女性もともに育て合う、それによって子供自身のさまざまな影響というのは非常に深い。

 私も子供を二人育てましたが、すごいくたくたに疲れて帰ってきた夫も、一番大変なときに子育てを一緒にやらないと将来説教ができない、本当に大変なときに人に任せきりだと説教ができないということで、眠い目をこすりながら頑張っていましたが、本当に、昼間ゆったりと買い物に行ったり散歩に行ったり公園で一緒に遊んだり、そしておしめをかえたり料理をつくったり、すばらしい体験だと思いますので、ぜひとも男性にその環境をつくっていただきたいと思います。

 最後ですが、フルタイム労働とパート労働との相互転換制度というのを社民党はかなり主張してまいりました。これに対して、男女労働者に対してそのライフスタイルに合わせた働き方というのを進めるための指針の策定が必要と考えますけれども、大臣はいかがお考えでしょうか。

坂口国務大臣 各企業が仕事と子育ての両立など労働者のライフスタイルに応じた多様な雇用形態や処遇、弾力的な労働時間制などに一層積極的に取り組むことは、非常に重要であると思っております。

 今後とも、正社員の短時間勤務制度の普及やパートタイム労働者のフルタイム労働者への登用の促進等を含めまして、労働者のライフスタイルに応じた柔軟な雇用管理システムのあり方などについて幅広く議論を進めてまいりたいと考えております。

中川(智)委員 それでは、続きまして児童福祉法の質問に入らせていただきたいと思います。

 私は、育児・介護休業法、これに関しては、一歩前進、遅まきながら一歩前進だと考えております。この児童福祉法も一歩前進と言いたいのですが、進んだその一歩が沼地であるということを非常に心配しておりまして、なるべく倒れない、ずぶずぶにならないように、幾つかの点を質問したいと思います。

 私も民間活力というのは非常に大事だと考えております。公の部分で余りにも進まない、その中で、やはり相互に補完し合うということは大事だと思うのです。

 私もいろいろな経験をしてきまして、保育所にもアルバイトで勤めたことがあります。本当に物すごい重労働です。午睡といって、お昼寝を子供たちがしたときにほっと一息できるのじゃないかと思われると思うのですが、子供というのは同じ時間にぴたっと寝ないのですよね。こっちが寝たらこっちが起きる、こっちが起きたらこっちが泣きますので、お昼休みはほとんどない。ちょっと時間があいたところには連絡帳とかをわあっと書いて、また次、外に遊びに行く。

 ともかく大変です。お給料を五十万ぐらい差し上げないと本当に労働は見合わないと思うぐらい大変です。それは私が経験しました。やせましたものね。私は議員をやっていてなかなかやせないのですが、アルバイトに行ったときはやせました。でも、やはり子供がかわいい、子供が宝。

 そして、そういう信頼関係を結んでいって、そして親がわりですよね、保育所というのは親がわりなんです。ですから、一人の保育労働者が長く勤めていって、子供たちの小さいときから小学校に送り出していく、そこまで見ていく、そのような安定した職場であるべきなんです。

 ところが、今回の民間参入、保育料は一緒、そしてさまざまな基準は定められている。そこで、企業が入ってきたら、やはりどこかで利益を生まなければいけない。保育所経営の人件費というのは八割ですよね。医療関係なんかは四割とか五割とかいろいろなところがあるでしょうけれども、やはり総じて保育の経営というのは人件費八割のところで考えていかなければいけない。そうなりますと、質の低下というのが危ぶまれて当然だと思うのですね。

 今回の法案も、予算関連できっちりとその予算もつけて、それでそのような事態に陥らないようにという形で法案が提出されているならば、私はその一歩前進のその先がしっかりした道であるかというふうに期待も抱くわけですが、今回は、あとは頑張ってちょうだいよと、ともかく小泉さんがゼロ、ゼロ、ゼロ、待機児童ゼロと言っちゃったという手前もあるし、またいろいろな事件があったということもおありでしょうけれども。

 結局、民間参入をしたときに、保育の質を低下させないために第三者評価システムということを今回おやりになると伺いました。それはどこがどのような責任を持ってどのような体制でやるのか、明確に示してください。

岩田政府参考人 保育の質を確保するために本当にしっかりやらないといけないと思いますが、まずは最低基準を必ず守る、それから保育指針という、これはソフトの分野ですけれども保育指針も守る、これが大前提でございます。その上で、経営主体が多様なものが参入いたしますので、サービスを利用する方がしっかりいい保育所を選択できるように、そういうことで二つのことが大事だと思います。

 一つは、情報公開、ディスクロージャーだというふうに思います。情報公開を市民、利用者にすることによって、利用者が、これが自分たちにとって最もいいといういい保育所を選んでいただくというのが一つでございます。もう一つは、第三者、専門家である第三者が評価をし、その評価結果を利用者にまた提供するということでございます。これは今研究会を設けて研究いたしておりまして、とりあえずの案ができておりますけれども、評価基準の試案を今使いながら各地で試行いたしております。十四年度からは本格的にこの第三者評価も実施に移してまいりたいというふうに思っております。

中川(智)委員 その評価がどのように行われるかということが大事であって、もう民間参入していて、その前にそれがあるべきで、そういう基盤整備ができてからこのような法律がきっちり通るというならわかるんですが、今、検討会でどういうことをやっていくか、その中身さえまだ示されないという状況ですね。今、もう一度ちゃんと第三者機関の評価システム、もう少し明確に答えてください。

 それと、それに関連するんですが、現在、認可外保育所に対する県の監査でも、都市部では二年に一回ですよ。二年に一回というのが現実です。その監査でさえ、待機児童の私的契約なんという当たり前の重大なものを見過ごすなど不十分きわまりないものですね。都市部では認可外というのは膨大な数になっているわけです。そのソフト、そのような人材というのがきっちり確保できるのか、どこまで積極的な調査を行えるのか、これが甚だ疑問ですから、そこをもう少し、どうなって、どのような機関が、どこが責任主体で評価システムが行われるのか、答えてください。

岩田政府参考人 今は、評価基準の中身の検討がやっと試案ができたということでございまして、例えば児童福祉施設、いろいろな種類がございますけれども、保育所ではどういう項目についてチェックすべきか、児童養護施設の場合にはどういう項目をチェックすべきかといったようなことについて議論を重ねていただきまして、検討項目といいましょうか、チェック項目について試案ができているわけでございます。

 これから早急にやらないといけないことは、実施をする機関、まさに先生がおっしゃいました、これは第三者、保育所でもない、行政でもない、利用者でもないということだと思いますが、第三者の機関で評価をしていただくということになると思いますが、具体的にそれはどこにお願いするのかとか、それから、実際に評価をする方の資質の問題もありますので、評価者の養成というのも急いでやってまいらないといけないというふうに思っております。まだ具体的なお答えができずに申しわけございませんけれども、今年度中には固めたいというふうに思っております。

 あわせて、認可外保育施設に対する立入調査についてですけれども、やはり膨大な数がございますので、今は優先順位を決めてやっていただいておりますが、いわゆるベビーホテル、これは全数必ず立ち入りをしていただくようにということをやっていただいておりますし、また、問題が発覚したようなところは緊急にいつでも立ち入るというようなこともやっていただいております。また、市町村のお力をかりなければ都道府県だけではできませんので、市町村との協力体制というのも構築していただきたいというふうに思っております。

中川(智)委員 その市町村からいろいろな意見を聞きましたが、市町村は納得していますかしら。市町村は一生懸命、空き教室を利用したりとか、最低基準に市町村のお金を上乗せしてきっちりした質のよい保育をやるために一生懸命努力しているのに、いきなり企業参入とばっと頭越しにということで市町村の批判がかなり強かったですが、市町村の御意見というのはしっかり聞いた上での今のお話でしょうか。市町村の協力体制というのは盤石でしょうか。

岩田政府参考人 さまざまな機会に、年に相当の回数になると思いますが、都道府県それから指定都市、中核市、このあたりとは会合する機会が何度もございまして、私どもの情報、私どもの問題意識と自治体が持っておられる情報、問題意識をすり合わせをしながら、そういうものを共有しながら一歩一歩進めてきているつもりでございまして、自治体の御意見をしっかり聞きながらこれからもやっていくべきであるというのは先生がおっしゃるとおりだと思います。

中川(智)委員 やはり、最低基準とか保育指針といって、結局それを守るためにどこにしわ寄せが行くか、私は子供だろうと思います。保育の質を低下させないということは、子供をどう国が守っていくのか、そこの基本的なものをきっちり持っていないととても悲惨なことになるということで、ぜひともしっかりした評価システムをつくっていただくようにお願いいたします。

 それと、やはり先ほど申しましたけれども、保育士の身分保障。今企業参入している企業でも契約は一年契約ということです。アメリカでも、もう既に市場原理の中で民活でやられているわけですが、結局長くて四年。アメリカの場合も保育士の雇用形態というのが長くて四年、四年に一回はかわってしまう。そこで、やはり私は、親がわりの保育士がころころかわるということ、それがいかに子供の成長にとって悲しいことであるかということを言いたいわけです。

 保育士の身分保障というのは企業への指導基準というのがきっちりあるのかどうか、そして、その指導基準、お給料とか有休ですとか、またさまざまな労働条件というのが指導基準というのはきっちりあるのかどうか、この身分保障が守られているかどうかのチェックはどこがどのようにするのか、お答えください。

岩田政府参考人 保育士も雇用労働者でございますから、労働基準法を初め働く人たちの労働条件を守る諸法令にしっかり保護されているという点では変わらないというふうに思っております。

 今先生が議論をなさっておられる保育士の雇用形態についてでございますけれども、これを国が一律に、例えば有期契約を禁止するといったような形で基準を設けるということは難しいというふうに思いますが、保育の実施主体は市町村でございますので、それは質も含めてその責任は市町村にあるわけでございますから、保育の質を確保する観点から、例えば民間企業に保育所の運営を委託するというような場合に当たっても、自治体において保育の質の観点から保育士の労働条件についても御配慮いただければというふうに思っております。

中川(智)委員 今労働基準局、労働局、さまざまなそのようなところで労基法に照らし合わせてというふうにおっしゃいましたが、やはり一年契約などでしたらば不満のある人、文句のある人はやめてちょうだいよとなりますね。そういうところが、こういうふうなところで非常に身分に対してじゅうりんされてやめざるを得なくなったということを言っていった場合に、それに対しての国が果たす役割というのは、そこでは労基法によるそれしかないんでしょうか。ほかには何か手だてはないんでしょうか。

岩田政府参考人 なかなか難しい御質問だと思います。

 今民間企業が保育所に参入するというのは、保育行政の中で歴史は新しいものでございますし、また、株式会社に保育所の運営を業務委託するというのも、新しい事例が出てきたばかりでございますから、そういう状況はしっかりフォローして、問題があるということであればまた知恵を絞らないといけないというふうに思っております。

 現状を聞いておりますことによりますと、有期雇用の保育士の場合であっても、特段の事情がない限りはまた更新をされて、同じ保育士の方が同じ保育所でやっておられるというふうに聞いておりますけれども、先ほど申し上げましたように、新しい試みでございますので、その状況はしっかり把握してまいりたいと思います。

中川(智)委員 先ほど、私、アメリカでの事例を申し上げましたが、アメリカはやはりこれをやって、慢性的な待機というのが解消されないで来ているんですが、局長は、アメリカのこの先例としての状況というのはどのようにお考えになりますか。

岩田政府参考人 アメリカの例もまたつぶさに勉強したいというふうに思っております。

 概括的な印象でございますけれども、アメリカの保育行政は、日本と比べて低所得層を念頭に置いた、低所得層対策という色合いが大変強いというふうに思います。それと比べまして、我が国の場合には、全国に二万二千カ所の認可保育所がございまして、百九十万人の子供が最低基準に守られて、保育指針に守られてそこで育っているというわけでございますので、アメリカと比べましても、またその他の先進諸国と比べましても、我が国の保育行政というのは、質、量ともに誇っていいものがあるというふうに思います。

 規制緩和については、新しい試みでございますので、アメリカ等の例もまたしっかり勉強したいと思います。

中川(智)委員 大臣にちょっと伺いたいんですが、私は、いいような形でこの民間参入というのが進んでいけばいいですが、結局、保育士が疲れたら、そのいらいらというのはやはり子供に向かってしまうわけですね。やはり、お給料も低い、仕事はこんなに大変、そして結局一年契約の不安定な職場にならざるを得ないときに、私は、この新しい試みというのを、三年なり先にもう一度実態把握をして見直していく、その時点で一たん立ちどまって、実際にこのものがどのように機能しているか、子供たちのためになっているのか、また、働く親たちが喜ばれるものになっているのかということをそこで再検討すべきだと思いますが、大臣はいかがお考えでしょうか。

坂口国務大臣 この保育の問題、新しい試みもたくさん入っているわけでございます。民間の皆さん方にいろいろのお願いをいたしておりますが、それは株式会社でありましても、それを経営していただく方と申しますか、その保育をおやりいただきますその人の物の考え方がやはりしっかりしていかなければならない。それは介護の問題でも一般の福祉の問題でも同じでございますが、民間の皆さん方がおやりをいただきますときには、やはり福祉に対して、あるいは育児に対してどういう理念でもってやっていくかということが、そこが大事なところでありまして、そこがしっかりしていれば、私は、立派な保育、立派な福祉というものをおやりいただけるのではないかというふうに思っている次第でございます。

 どうぞひとつ、私たちもこれから新しい試みをするわけでございますから、年々歳々その線のところは十分に見直しを行いながら進めていきたいというふうに思っておりますし、もし誤りがあるようなことがございましたら、それは絶えずそこは手直しをするということを行いながらやはりやっていかなければならないというふうに思っている次第でございますので、またいろいろと御指導、御鞭撻をいただきましたら幸いでございます。

中川(智)委員 それでは最後に、先ほど局長が情報公開のことをおっしゃいました。これは一つの事例ですが、滋賀県などが公開をした無認可保育所の監査結果というのは、施設概要と職員数、定員、保育士資格者数などについての改善指導事項だけだったわけですね。

 でも、本当に欲しい情報というのは、そこにどれだけの経験のある保育士さんたちが働いているか、そこにはどのような理念で保育所を経営しているかとかいう、もっとわかりやすく、利用者が知りたい情報というのがなかなかなくて、皆さん迷っていらっしゃることが多いと思うんです。特に、民間の活力ということで参入があったときには情報公開というのがネックになると思いますが、そのようなモデルというものを、今、少しわかりやすく教えていただければと思います。

岩田政府参考人 認可保育所については、情報提供のシステムを構築しております。i―子育てネットという名前でインターネットでも公表しておりますが、まず地図が出てきまして、その保育所にアクセスするにはどういうふうにしたらいいかというところから始まりまして、今まさに先生おっしゃいましたような、職員の配置の状況ですとか、それから、保育園の園長先生の保育所の運営方針といいましょうか、保育方針などの情報を、相当細かいものを提供できているというふうに思います。またさらに、利用者のお声も聞いて、情報提供の中身の充実をしていきたいというふうに思っております。

 これまで、それにうまく乗らなかったのが無認可の保育所だったわけでございますが、今回、こういう形で、議員立法で改正をしていただきましたので、無認可の保育所につきましても定期的な情報収集が可能になりますので、それに基づいて、また情報をどういう形で利用者に提供していくのか考えてみたいというふうに思っております。

中川(智)委員 結局、保育の質の低下というのは、外から見たものではなくて、子供たち一人一人の心にはね返っていくものだと思っております。そのためには、安定した職場として、保育士が、ある意味では十分な愛情を子供に注いでいく、そのような基盤というのは、私は、やはりきっちりと担保した上で民間活力の導入ということを図っていくべきだと思いますが、決して子供をもうけの道具にしてはならないと考えますし、そこがどこまでチェックできるのか、保育の質が低下しないということに対してこの法律がどこまで責任を持てるのかということが極めて不安でございます。一歩前進の先が沼地かもしれないという不安がぬぐえなかったものですから、本当にますます努力していって、その先の、もっと改善した形でいろいろなものが心配なくなったときに、また本当に、子供たちのためによりいい環境をつくっていきたいと思います。

 終わります。

    ―――――――――――――

鈴木委員長 この際、お諮りいたします。

 第百五十一回国会、山花郁夫君外五名提出、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部を改正する法律案及び金田誠一君外五名提出、児童福祉法の一部を改正する法律案につきまして、それぞれ提出者全員より撤回の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

鈴木委員長 第百五十一回国会、内閣提出、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部を改正する法律案及び津島雄二君外八名提出、児童福祉法の一部を改正する法律案について議事を進めます。

 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。

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鈴木委員長 この際、第百五十一回国会、内閣提出、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部を改正する法律案に対し、棚橋泰文君外五名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、日本共産党、社会民主党・市民連合及び保守党の六派共同提案による修正案が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。鍵田節哉君。

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 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案

    〔本号末尾に掲載〕

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鍵田委員 ただいま議題となりました育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、日本共産党、社会民主党・市民連合及び保守党を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 第一に、施行期日を公布の日に改めること。

 第二に、国は、子の看護のための休暇制度の普及のための事業主、労働者その他の関係者の努力を促進すること。

 第三に、政府は、主な改正規定の施行後三年を経過した場合において、その施行状況を勘案し、必要があると認めるときは、子を養育する労働者の福祉の増進の観点から子の看護のための休暇制度その他この法律に規定する諸制度について総合的に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。

 以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

鈴木委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

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鈴木委員長 これより第百五十一回国会、内閣提出、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 まず、棚橋泰文君外五名提出の修正案について採決いたします。

 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

鈴木委員長 起立総員。よって、本修正案は可決されました。

 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。

 これに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

鈴木委員長 起立総員。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。

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鈴木委員長 この際、本案に対し、棚橋泰文君外六名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、日本共産党、社会民主党・市民連合及び保守党の六派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。水島広子君。

水島委員 私は、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、日本共産党、社会民主党・市民連合及び保守党を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。

 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。

    育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法律の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。

 一 法の実効性を確保するため、本法に基づく諸制度や指針の周知徹底を図るとともに、的確な助言・指導・勧告を実施すること。

 二 男性の育児休業取得促進について調査研究を行い、有効な措置を講ずること。

 三 各事業所における子の看護のための休暇制度の早期の導入を促進するため、事業主に対する格段の相談・指導・援助に努めること。

 四 男女労働者がともに職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするため、ILO第百五十六号条約の趣旨を踏まえ、職場における固定的な役割分担意識や職場優先の企業風土の是正に向けた労使の努力を促すよう努めること。

 五 仕事と子育ての両立のための雇用環境を整備するためにも、政府目標である年間総実労働時間千八百時間の実現へ向けて、関係省庁間の連携・協力を一層強化し、政府が一体となって労働時間短縮対策を総合的に推進すること。

 六 子どものしあわせを第一に考えつつ、待機児童の解消を目指して保育所等の受入れ児童数の拡大を図るとともに、延長保育、休日保育、乳幼児健康支援一時預かり事業、放課後児童クラブなどを少子化対策推進基本方針及び新エンゼルプランに基づき着実に推進すること。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。(拍手)

鈴木委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

鈴木委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、坂口厚生労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。坂口厚生労働大臣。

坂口国務大臣 ただいま御決議のありました本法案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、努力してまいる所存でございます。

 ありがとうございました。

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鈴木委員長 次に、津島雄二君外八名提出、児童福祉法の一部を改正する法律案について議事を進めます。

 討論の申し出がありますので、これを許します。小沢和秋君。

小沢(和)委員 私は、日本共産党を代表して、自民党、公明党、保守党の与党三党共同提出の児童福祉法の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行います。

 本法案に反対する第一の理由は、その立法過程の非民主性にあります。

 与党三党の改正法案は、今後の保育所のあり方にとって大きな後退をもたらすものであり、また保育行政の方向を変えていくものであります。

 本法案では、新設される第五十六条の七により、企業の参入が一層推進されていくことになります。これまでも、規制緩和の方針に基づき、通達によって民間事業者に業務委託を進めてきましたが、新たに法文化することにより、一層強力に民営化などが推進されることになります。このような重大な法改正を行うことについて、一体どれだけの保育団体や関係者の意見を聞いたのか、全く疑問であります。

 反対の第二の理由は、PFI方式、いわゆる民間資本の活用による公共施設の整備を行う方式を保育所に取り入れようとしているからであります。

 与党三党は、当初の改正案から、このPFI方式の活用という文言を削除したと言っておりますが、十月二十六日の経済対策閣僚会議が決定した改革先行プログラムでは、保育所の運営への民間参入促進(PFI方式の活用等)を決定しています。さらに、既に民間企業の参入が解禁されている保育所についても、PFIを活用して公設民営方式による整備を進めると明確に打ち出しております。与党三党が何と言おうと、PFIを活用する姿勢は明らかであります。

 反対の第三の理由は、この改革先行プログラム規制改革関連別表で、明確に公立保育所の民間への運営委託促進をうたい、さらに具体的に、民間による保育所整備を促進するため、関連通達の見直しによる会計処理の柔軟化を年度内に措置することにしていることであります。関連通達の柔軟化とは、保育事業に参入した民間企業の利潤追求を認めていくことを意味しております。

 以上述べましたように、今回の改正法案は、公的保育所の整備を怠ってきた政府の責任を免罪するにとどまらず、多くの父母が望むもっと多くの保育所をという要求を逆手にとって公的保育制度の解体に道を開くものであります。

 今から五十年前に採択された児童憲章では、児童は人としてとうとばれる、児童は社会の一員として重んぜられる、児童はよい環境の中で育てられると高らかにうたっております。さらに、児童権利宣言では、人類は、児童に対し、最善のものを与える義務を負うべきと宣言しております。

 この精神に立つならば、到底、与党三党の改正案には賛成できないことを表明し、反対討論を終わります。(拍手)

鈴木委員長 以上で討論は終局いたしました。

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鈴木委員長 津島雄二君外八名提出、児童福祉法の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

鈴木委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました両案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

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    〔報告書は附録に掲載〕

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鈴木委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時三十一分散会




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