衆議院

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第13号 平成13年12月5日(水曜日)

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平成十三年十二月五日(水曜日)

    午前十時開議

 出席委員

   委員長 鈴木 俊一君

   理事 棚橋 泰文君 理事 谷畑  孝君

   理事 森  英介君 理事 吉田 幸弘君

   理事 鍵田 節哉君 理事 釘宮  磐君

   理事 福島  豊君 理事 佐藤 公治君

      上川 陽子君    鴨下 一郎君

      北村 誠吾君    熊代 昭彦君

      佐藤  勉君    桜田 義孝君

      田村 憲久君    竹下  亘君

      西川 京子君    野田 聖子君

      林 省之介君    原田 義昭君

      松島みどり君    三ッ林隆志君

      宮澤 洋一君    望月 義夫君

      山本 明彦君    吉野 正芳君

      渡辺 具能君    家西  悟君

      大島  敦君    加藤 公一君

      金田 誠一君    土肥 隆一君

      平野 博文君    古川 元久君

      松本 剛明君    三井 辨雄君

      水島 広子君    山井 和則君

      青山 二三君    江田 康幸君

      河合 正智君    樋高  剛君

      小沢 和秋君    木島日出夫君

      阿部 知子君    中川 智子君

      井上 喜一君    松浪健四郎君

      川田 悦子君

    …………………………………

   議員           鍵田 節哉君

   参議院議員        入澤  肇君

   参議院議員        清水嘉与子君

   参議院議員        沢 たまき君

   厚生労働大臣       坂口  力君

   厚生労働副大臣      南野知惠子君

   厚生労働大臣政務官    佐藤  勉君

   政府参考人

   (文部科学省高等教育局長

   )            工藤 智規君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  篠崎 英夫君

   政府参考人

   (厚生労働省健康局国立病

   院部長)         河村 博江君

   政府参考人

   (厚生労働省医薬局長)  宮島  彰君

   厚生労働委員会専門員   宮武 太郎君

    ―――――――――――――

委員の異動

十二月五日

 辞任         補欠選任

  奥山 茂彦君     桜田 義孝君

  松島みどり君     山本 明彦君

  宮腰 光寛君     望月 義夫君

  渡辺 具能君     木村 義雄君

  土肥 隆一君     松本 剛明君

  三井 辨雄君     平野 博文君

  江田 康幸君     河合 正智君

  井上 喜一君     松浪健四郎君

同日

 辞任         補欠選任

  桜田 義孝君     奥山 茂彦君

  望月 義夫君     宮腰 光寛君

  山本 明彦君     松島みどり君

  平野 博文君     三井 辨雄君

  松本 剛明君     土肥 隆一君

  河合 正智君     江田 康幸君

  松浪健四郎君     井上 喜一君

    ―――――――――――――

十二月三日

 身体障害者補助犬法案の早期成立に関する請願(中川智子君紹介)(第一三五七号)

 同(石毛えい子君紹介)(第一四八八号)

 同(金田誠一君紹介)(第一四八九号)

 同(中川智子君紹介)(第一四九〇号)

 乳幼児医療費無料制度の創設に関する請願(小沢和秋君紹介)(第一三五八号)

 同(金田誠一君紹介)(第一三五九号)

 同(北川れん子君紹介)(第一三六〇号)

 同(後藤茂之君紹介)(第一三六一号)

 同(玄葉光一郎君紹介)(第一四五四号)

 同(家西悟君紹介)(第一五七四号)

 同(池田元久君紹介)(第一五七五号)

 同(五島正規君紹介)(第一五七六号)

 小規模作業所等成人期障害者施策の拡充に関する請願(神崎武法君紹介)(第一三六二号)

 同(釘宮磐君紹介)(第一四五六号)

 介護保険制度の緊急改善に関する請願(小沢和秋君紹介)(第一三六三号)

 同(大森猛君紹介)(第一五七七号)

 あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律第十九条の改正に関する請願(小沢和秋君紹介)(第一三六四号)

 同(鍵田節哉君紹介)(第一三六五号)

 同(水島広子君紹介)(第一三六六号)

 同(青山二三君紹介)(第一四五七号)

 同(北側一雄君紹介)(第一四五八号)

 同(中西績介君紹介)(第一四五九号)

 同(三村申吾君紹介)(第一四六〇号)

 同(三井辨雄君紹介)(第一四六一号)

 同(家西悟君紹介)(第一五七八号)

 同(加藤公一君紹介)(第一五七九号)

 同(金田誠一君紹介)(第一五八〇号)

 同(川田悦子君紹介)(第一五八一号)

 同(釘宮磐君紹介)(第一五八二号)

 同(佐藤公治君紹介)(第一五八三号)

 同(高木義明君紹介)(第一五八四号)

 介護、医療、年金制度の拡充に関する請願(小沢和秋君紹介)(第一三六七号)

 同(石井紘基君紹介)(第一五八六号)

 同(木島日出夫君紹介)(第一五八七号)

 同(児玉健次君紹介)(第一五八八号)

 マッサージ診療報酬の適正な引き上げに関する請願(小沢和秋君紹介)(第一三六八号)

 同(釘宮磐君紹介)(第一四六二号)

 食品衛生法の改正・運用強化等に関する請願(逢沢一郎君紹介)(第一三六九号)

 同(赤羽一嘉君紹介)(第一三七〇号)

 同(井上喜一君紹介)(第一三七一号)

 同(伊藤信太郎君紹介)(第一三七二号)

 同(一川保夫君紹介)(第一三七三号)

 同(江藤隆美君紹介)(第一三七四号)

 同(枝野幸男君紹介)(第一三七五号)

 同(大原一三君紹介)(第一三七六号)

 同(奥谷通君紹介)(第一三七七号)

 同(奥山茂彦君紹介)(第一三七八号)

 同(川崎二郎君紹介)(第一三七九号)

 同(神崎武法君紹介)(第一三八〇号)

 同(北川れん子君紹介)(第一三八一号)

 同(後藤茂之君紹介)(第一三八二号)

 同(近藤基彦君紹介)(第一三八三号)

 同(佐藤謙一郎君紹介)(第一三八四号)

 同(田中甲君紹介)(第一三八五号)

 同(土肥隆一君紹介)(第一三八六号)

 同(中川正春君紹介)(第一三八七号)

 同(中山太郎君紹介)(第一三八八号)

 同(春名直章君紹介)(第一三八九号)

 同(東順治君紹介)(第一三九〇号)

 同(藤井孝男君紹介)(第一三九一号)

 同(藤島正之君紹介)(第一三九二号)

 同(二田孝治君紹介)(第一三九三号)

 同(冬柴鐵三君紹介)(第一三九四号)

 同(堀込征雄君紹介)(第一三九五号)

 同(堀之内久男君紹介)(第一三九六号)

 同(丸谷佳織君紹介)(第一三九七号)

 同(宮下創平君紹介)(第一三九八号)

 同(村上誠一郎君紹介)(第一三九九号)

 同(持永和見君紹介)(第一四〇〇号)

 同(森山眞弓君紹介)(第一四〇一号)

 同(谷津義男君紹介)(第一四〇二号)

 同(山本公一君紹介)(第一四〇三号)

 同(山本有二君紹介)(第一四〇四号)

 同(吉田幸弘君紹介)(第一四〇五号)

 同外一件(青山二三君紹介)(第一四六三号)

 同(赤松正雄君紹介)(第一四六四号)

 同(井上和雄君紹介)(第一四六五号)

 同(石井啓一君紹介)(第一四六六号)

 同(釘宮磐君紹介)(第一四六七号)

 同(首藤信彦君紹介)(第一四六八号)

 同(竹本直一君紹介)(第一四六九号)

 同(東門美津子君紹介)(第一四七〇号)

 同(中川智子君紹介)(第一四七一号)

 同(平野博文君紹介)(第一四七二号)

 同(山内功君紹介)(第一四七三号)

 同(山口壯君紹介)(第一四七四号)

 同(吉田公一君紹介)(第一四七五号)

 同(石井郁子君紹介)(第一五九二号)

 同(石井紘基君紹介)(第一五九三号)

 同(石原健太郎君紹介)(第一五九四号)

 同(稲葉大和君紹介)(第一五九五号)

 同(岩倉博文君紹介)(第一五九六号)

 同(岩屋毅君紹介)(第一五九七号)

 同(上田勇君紹介)(第一五九八号)

 同(柿澤弘治君紹介)(第一五九九号)

 同(川内博史君紹介)(第一六〇〇号)

 同(菅直人君紹介)(第一六〇一号)

 同(岸田文雄君紹介)(第一六〇二号)

 同外一件(久保哲司君紹介)(第一六〇三号)

 同(小池百合子君紹介)(第一六〇四号)

 同(小泉俊明君紹介)(第一六〇五号)

 同(小島敏男君紹介)(第一六〇六号)

 同(小平忠正君紹介)(第一六〇七号)

 同(小林興起君紹介)(第一六〇八号)

 同(児玉健次君紹介)(第一六〇九号)

 同(五島正規君紹介)(第一六一〇号)

 同(佐藤公治君紹介)(第一六一一号)

 同(下地幹郎君紹介)(第一六一二号)

 同(鈴木恒夫君紹介)(第一六一三号)

 同(鈴木淑夫君紹介)(第一六一四号)

 同(田中慶秋君紹介)(第一六一五号)

 同(谷洋一君紹介)(第一六一六号)

 同(谷畑孝君紹介)(第一六一七号)

 同(津川祥吾君紹介)(第一六一八号)

 同(津島雄二君紹介)(第一六一九号)

 同(中川昭一君紹介)(第一六二〇号)

 同(中村喜四郎君紹介)(第一六二一号)

 同(中山正暉君紹介)(第一六二二号)

 同(西村眞悟君紹介)(第一六二三号)

 同(馳浩君紹介)(第一六二四号)

 同(鉢呂吉雄君紹介)(第一六二五号)

 同(鳩山由紀夫君紹介)(第一六二六号)

 同(林田彪君紹介)(第一六二七号)

 同(福井照君紹介)(第一六二八号)

 同(松沢成文君紹介)(第一六二九号)

 同(松本剛明君紹介)(第一六三〇号)

 同(三井辨雄君紹介)(第一六三一号)

 同(御法川英文君紹介)(第一六三二号)

 同(矢島恒夫君紹介)(第一六三三号)

 同(山口富男君紹介)(第一六三四号)

 同(吉井英勝君紹介)(第一六三五号)

 患者負担引き上げ中止に関する請願(小沢和秋君紹介)(第一四〇六号)

 同(大島令子君紹介)(第一四〇七号)

 同(志位和夫君紹介)(第一四〇八号)

 同(永田寿康君紹介)(第一四〇九号)

 同(山口富男君紹介)(第一四一〇号)

 同(山井和則君紹介)(第一四一一号)

 同(川田悦子君紹介)(第一四七六号)

 同(島聡君紹介)(第一四七七号)

 同(田中慶秋君紹介)(第一四七八号)

 同(山内惠子君紹介)(第一四七九号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第一六三八号)

 同(石井郁子君紹介)(第一六三九号)

 同(小沢和秋君紹介)(第一六四〇号)

 同(大幡基夫君紹介)(第一六四一号)

 同(大森猛君紹介)(第一六四二号)

 同(木島日出夫君紹介)(第一六四三号)

 同(児玉健次君紹介)(第一六四四号)

 同(後藤茂之君紹介)(第一六四五号)

 同(穀田恵二君紹介)(第一六四六号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第一六四七号)

 同(志位和夫君紹介)(第一六四八号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一六四九号)

 同(瀬古由起子君紹介)(第一六五〇号)

 同(高木義明君紹介)(第一六五一号)

 同(中林よし子君紹介)(第一六五二号)

 同(春名直章君紹介)(第一六五三号)

 同(不破哲三君紹介)(第一六五四号)

 同(藤木洋子君紹介)(第一六五五号)

 同外一件(古川元久君紹介)(第一六五六号)

 同(松本善明君紹介)(第一六五七号)

 同(矢島恒夫君紹介)(第一六五八号)

 同(山口富男君紹介)(第一六五九号)

 同(吉井英勝君紹介)(第一六六〇号)

 保育・学童保育予算の大幅増額に関する請願(小沢和秋君紹介)(第一四一二号)

 同(北川れん子君紹介)(第一四一三号)

 同(春名直章君紹介)(第一六七二号)

 社会保障を拡充し、将来への安心と生活の安定に関する請願(小沢和秋君紹介)(第一四一四号)

 同(鍵田節哉君紹介)(第一四一五号)

 同(田並胤明君紹介)(第一四一六号)

 同(海江田万里君紹介)(第一四八〇号)

 同(五十嵐文彦君紹介)(第一六七三号)

 同(大島敦君紹介)(第一六七四号)

 同(加藤公一君紹介)(第一六七五号)

 同(吉田公一君紹介)(第一六七六号)

 安全で行き届いた看護の実現に関する請願(永田寿康君紹介)(第一四一七号)

 同(山内惠子君紹介)(第一四八一号)

 同(瀬古由起子君紹介)(第一六七七号)

 医療改悪反対、国民健康保険・介護保険制度の拡充に関する請願(矢島恒夫君紹介)(第一四一八号)

 同(木島日出夫君紹介)(第一六七八号)

 雇用・失業情勢の深刻化に対応するための労働行政体制の整備に関する請願(小沢和秋君紹介)(第一四一九号)

 同(大幡基夫君紹介)(第一四二〇号)

 同(大森猛君紹介)(第一四二一号)

 同(木島日出夫君紹介)(第一四二二号)

 同(児玉健次君紹介)(第一四二三号)

 同(大島敦君紹介)(第一四八二号)

 同(塩田晋君紹介)(第一四八三号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第一六八〇号)

 同(小沢和秋君紹介)(第一六八一号)

 同(大幡基夫君紹介)(第一六八二号)

 同(大森猛君紹介)(第一六八三号)

 同(金子哲夫君紹介)(第一六八四号)

 同(釘宮磐君紹介)(第一六八五号)

 同(児玉健次君紹介)(第一六八六号)

 同(五島正規君紹介)(第一六八七号)

 同(佐藤公治君紹介)(第一六八八号)

 同外五件(中西績介君紹介)(第一六八九号)

 同(春名直章君紹介)(第一六九〇号)

 同(藤木洋子君紹介)(第一六九一号)

 同(松本善明君紹介)(第一六九二号)

 同(吉井英勝君紹介)(第一六九三号)

 准看護婦等から看護婦等への移行教育の早期実現と看護制度一本化に関する請願(永田寿康君紹介)(第一四二四号)

 同(川田悦子君紹介)(第一四八四号)

 同(島聡君紹介)(第一四八五号)

 同(田中慶秋君紹介)(第一四八六号)

 同(山内惠子君紹介)(第一四八七号)

 同(後藤茂之君紹介)(第一六九四号)

 同(瀬古由起子君紹介)(第一六九五号)

 新薬の早期承認に関する請願(金田誠一君紹介)(第一四二五号)

 同(宮腰光寛君紹介)(第一四二六号)

 同(家西悟君紹介)(第一六九七号)

 同(加藤公一君紹介)(第一六九八号)

 同(釘宮磐君紹介)(第一六九九号)

 同(古川元久君紹介)(第一七〇〇号)

 国立大蔵病院の担う地域一般医療の継続に関する請願(保坂展人君紹介)(第一四二七号)

 同(石井紘基君紹介)(第一七〇六号)

 同(木島日出夫君紹介)(第一七〇七号)

 総合的難病対策の早期確立に関する請願(釘宮磐君紹介)(第一四五五号)

 安全で行き届いた看護実現に関する請願(川田悦子君紹介)(第一五五一号)

 同(後藤茂之君紹介)(第一五五二号)

 同(島聡君紹介)(第一五五三号)

 同(田中慶秋君紹介)(第一五五四号)

 解雇規制法の制定に関する請願(矢島恒夫君紹介)(第一五五五号)

 介護保険の根本的な改善に関する請願(児玉健次君紹介)(第一五五六号)

 国民の医療と健康を守るための制度改革に関する請願(小池百合子君紹介)(第一五五七号)

 児童扶養手当制度の見直し案反対、制度の維持・充実に関する請願(石井郁子君紹介)(第一五五八号)

 同(大谷信盛君紹介)(第一五五九号)

 同(辻元清美君紹介)(第一五六〇号)

 同(肥田美代子君紹介)(第一五六一号)

 同(藤村修君紹介)(第一五六二号)

 年金・医療・介護の国民生活にかかわる諸制度の安定的運営に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一五六三号)

 同(荒井聰君紹介)(第一五六四号)

 同(石井郁子君紹介)(第一五六五号)

 同(鎌田さゆり君紹介)(第一五六六号)

 同(中川正春君紹介)(第一五六七号)

 同(横路孝弘君紹介)(第一五六八号)

 医療費負担引き上げの中止に関する請願(小沢和秋君紹介)(第一五六九号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第一五七〇号)

 同(春名直章君紹介)(第一五七一号)

 同(藤木洋子君紹介)(第一五七二号)

 同(矢島恒夫君紹介)(第一五七三号)

 医療費負担引き上げ中止と介護保険の緊急改善に関する請願(大森猛君紹介)(第一五八五号)

 野宿生活者自立支援法制定に関する請願(小沢和秋君紹介)(第一五八九号)

 同(木島日出夫君紹介)(第一五九〇号)

 子供たちが国内で移植を受けられる臓器移植法の改正に関する請願(園田博之君紹介)(第一五九一号)

 年金制度の改善、安心して暮らせる老後の保障に関する請願(小沢和秋君紹介)(第一六三六号)

 同(木島日出夫君紹介)(第一六三七号)

 だれもが安心して受けられるよい医療に関する請願(太田誠一君紹介)(第一六六一号)

 同(嘉数知賢君紹介)(第一六六二号)

 同(古賀誠君紹介)(第一六六三号)

 同(後藤田正純君紹介)(第一六六四号)

 同(七条明君紹介)(第一六六五号)

 同(下地幹郎君紹介)(第一六六六号)

 同(土屋品子君紹介)(第一六六七号)

 同(仲村正治君紹介)(第一六六八号)

 労働時間の男女共通規制の実現と育児・介護休業制度の改善に関する請願(小沢和秋君紹介)(第一六六九号)

 同(春名直章君紹介)(第一六七〇号)

 医療費負担増計画の撤回に関する請願(児玉健次君紹介)(第一六七一号)

 介護保険制度と介護職員の処遇の改善に関する請願(春名直章君紹介)(第一六七九号)

 病院薬剤師の人員配置基準改善に関する請願(瀬古由起子君紹介)(第一六九六号)

 国立高度専門医療施設の看護職員の増員に関する請願(小沢和秋君紹介)(第一七〇一号)

 同(木島日出夫君紹介)(第一七〇二号)

 社会保障拡充に関する請願(奥野誠亮君紹介)(第一七〇三号)

 同(高市早苗君紹介)(第一七〇四号)

 同(森岡正宏君紹介)(第一七〇五号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案(参議院提出、参法第五号)

 ホームレスの自立の支援等に関する臨時措置法案(鍵田節哉君外九名提出、第百五十一回国会衆法第四九号)




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     ――――◇―――――

鈴木委員長 これより会議を開きます。

 参議院提出、保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 発議者より趣旨の説明を聴取いたします。参議院議員清水嘉与子君。

    ―――――――――――――

 保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

清水(嘉)参議院議員 おはようございます。

 ただいま議題となりました保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨及び内容の概要を御説明申し上げます。

 この法律案は、保健婦助産婦看護婦法に定める資格の名称について、女子と男子とで異なっていることを改め、その専門資格をあらわすのに適当な名称とする等の措置を講ずるものでございます。

 すなわち、保健婦助産婦看護婦法に定められている資格のうち、その名称について、女子には「婦」を、男子には「士」を用いている資格につき、これを改め、「師」を用いて、それぞれ「保健師」、「看護師」及び「准看護師」とするとともに、これらにあわせて、助産婦につきましても、「助産師」とすることとしております。

 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。

 以上が、この法律案の趣旨及び内容の概要であります。

 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

鈴木委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

鈴木委員長 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として文部科学省高等教育局長工藤智規君、厚生労働省医政局長篠崎英夫君、健康局国立病院部長河村博江君及び医薬局長宮島彰君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

鈴木委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。土肥隆一君。

土肥委員 民主党の土肥隆一でございます。

 いよいよ、本日提案されました法律、一日でというか半日で仕上げてしまおうという衆議院の日程になっておりますけれども、私は、まだまだ議論の余地がたくさんあるということを申し上げまして、そして、それぞれの職場にある保健婦さん、助産婦さん、看護婦さん、それぞれ、准看護婦さんもいらっしゃいますけれども、長年呼びなれた、看護婦さんと言いたいな、助産婦さんと呼びたいな、何か、いきなり看護師さんと言うのはちょっと抵抗があるのでございます。やはり、入院しますと、優しい看護婦さんが出てきてくださると大変慰められます。しかしながら、今度、全部、師にしてしまおうというわけでございます。

 きょうは、就業助産婦、なかんずく助産所で働く、平成十年の統計によりますと二千七十八名しかいらっしゃらない、その人の存在、その人の働き、この方々に対する将来への期待を込めて私は質問したいと思います。

 何といいましても、就業看護婦さんが五十九万四千いる。その中で、たった二千七十八人の助産所を開業していらっしゃる助産婦さんの立場は一体どうなのだろうかということであります。一言で言えば、滅び行く職種というふうにも考えていいのではないかと思っております。

 すべてが病院へ病院へと流れていく中にあって、助産所を開いて、そして地域の中に根づいて、一生懸命助産の仕事と、そしてそこに通ってくる家族のことを思い、ずっと子供の成長を見守っている助産所で働く助産婦さんの仕事、これは社会的にいっても非常に価値が高い、このように私は思うのであります。戦前から産婆さんとかいうような形で助産婦さんが続いてまいりましたが、戦後五十年以上の歴史を見てまいりますと、まさに開業助産婦さんをこの世から抹殺していく歴史、こういうふうにも見ることができるのであります。

 戦後、進駐軍、占領軍がやってまいりまして、アメリカ式のナーシングといいましょうか、看護の方法を取り入れまして、そして三婦を統合する。その当時の医師や助産婦や保健婦や看護婦が審議会の審議員になっておりますと、エリザベス・オルト大尉ですね、従軍看護婦さんですけれども、ずっとその審議会を見守って、指導してきたというわけです。つまり、戦後の日本の厚生省は、いわば一人の、エリザベス・オルト大尉によってレールが敷かれたということでございます。そして今まで、いわば職能の世界で、産婆さんをあるいは助産婦さんを生み出す教育機関、養成学校、これが一気に廃校になります。そして三婦の統一の団体ができまして、そのときから日本看護協会が設立されるわけであります。

 いろいろな理由をつけましたけれども、それ以来、日本の助産というのは、あるいは日本の子供の出生というのは全部病院に流れてしまうわけであります。統計的にいいますと、一九五〇年は九五・四%が自宅出産でありましたのに、一九九八年、病院や医院の出産が九八・八%、助産所はたったの一%、自宅は〇・二%という、これはもう病院以外に子供を産むところがないというような状況をあらわしているのではないでしょうか。

 こういう歴史を見てまいりますときに、一体日本の政府は、特に旧厚生省は、助産婦のあり方についてどれくらい真剣に、そしてまた、その社会的な有用性も考えて取り組んできたのか、お答えいただきたいと思います。

坂口国務大臣 土肥先生の今お言葉を聞きながら、厚生労働省として、戦後どれだけ助産婦さんの立場に立って、そしてまた本当に安心できる子育て、そして出産というものを考えながら、そこで助産婦さんの問題をどのように位置づけてきたのかといったことについて、私も過去のすべてを知っているわけではございませんが、やはり現在、助産婦さんの、いわゆる助産所といったところで出産をする人々が減ってきたという現実は、これはいかんともしがたい現実でありますから、そこには十分なことが行われてこなかった、その嫌いも私は否定できないと思っています。

 私自身は、実は助産婦さんに取り上げていただきまして生まれました。大きくなりますまで、その助産婦さんはお元気な助産婦さんでございましたが、お会いをするごとに親しみを感じましたし、その助産婦さんがいろいろのことをまた教えてくれた、そんなことも実は覚えております。

 先日も、助産婦さんの、いわゆる助産所を開いておみえになります皆さん方にお会いをさせていただいて、もうかれこれ一年半くらい前になりますでしょうか、お話をさせていただいたときにも、ただ単に子供を産むというときだけの話ではなくて、ふだんからの、子供の虐待の話でありますとか、あるいはまた産児制限の話でありますとか、さまざまな問題を実は地域で伺いながら、そうしたことの相談に乗りながらやっているというお話をお伺いをいたしました。現在、大変貴重な存在であるというふうに思っています。

 こうして病院中心の流れになってまいりましたけれども、ようやく最近落ちついてもう一遍お産とは何かということを考え直すようになってまいりましたし、私は、そうした考え方の中で、やはり助産婦さんの存在というものが見直されているというふうに感じております一人でございます。

 大きな役割を果たしておみえになったことは事実でございますし、そして、落ちついてやはり子育てということを考えましたときに、助産婦さんの役割というのは非常に大きい。その辺のところを見直しをしながら、やはり過去にはいろいろ不十分な点もあったかと思いますけれども、これから先はしかしその皆さん方に大きく活躍をしていただく場をつくり上げていく、そういう気概が今求められているというふうに思っているわけでありまして、そんな思いで今看護課長さんあたりともいろいろ話をさせていただいているところでございます。

土肥委員 分析はそれで結構だと思います。現実がある、そしてそれは病院中心主義だ、しかしながら開業助産婦さんの社会的価値も高い、これから考えていくとおっしゃいました。

 しかしながら、この五十年間、この助産婦問題、特に開業助産婦さんがどういう社会的な役割を果たすべきかということについてほとんど議論をしてこなかったんじゃないでしょうか。例えば、看護婦等の人材確保の促進に関する法律というのがありますけれども、看護婦等の人材確保の促進とか、あるいはその中に看護婦等就業協力員とか看護婦等確保推進者というふうな機能を持たせておりますが、この人たちが一体開業助産婦の皆さんにどういうことをしたんでしょうか。当局のお答えをお願いします。

篠崎政府参考人 ただいま先生から御指摘がありましたように、就業協力員と確保推進者というのが法的に決まっておるわけでございますが、就業協力員につきましては、都道府県で就業の促進などの活動を行うためとされておりまして、これまで、再就業の希望を持つ職員に対する就業相談や就業している職員に対する仕事上の相談などを行ってきております。また、確保推進者は、病院の管理者を補佐して、看護職員の適切な配置や業務の計画的な改善など看護職員の確保に関する業務を行ってきているところであります。

 これらの者は、助産婦さんも含めた看護職員全体の活動ということで行ってきたわけでございます。

土肥委員 重ねてお尋ねいたしますが、助産婦に限って、あるいは開業助産婦に限ってどういう働きかけをしたんでしょうか。

篠崎政府参考人 具体的なその数字等は持ち合わせておりませんけれども、先ほどの就業協力員等の働きによりますれば、再就業の希望のある方あるいは就業の相談等については応じているものというふうに思っております。

土肥委員 つまり何もしていないということじゃないですか。つまり、その地域にあって、みずからその地域の子供たちを見よう、そして、長い期間を通じてその家族とつき合っていこう、その子供の成長を見守っていこうなどという気持ちは、一体厚生省としてどういうところに把握しておられたんですか。そういう認識はあったんですか。

篠崎政府参考人 ただいまの健やか親子、健康日本21という策定が終わっておりまして、これは今後の話でございますが、先生の御指摘のような点も含めて検討されていくものというふうに考えております。

土肥委員 ですから、すべては五十年たった後に何とかしましょうという答弁にすぎない。しかも今回は名称だけ変える。私も国会に相当数おりますけれども、名称変更のときが一番危ないんです。名称だけ変えて、後は実がついてくる、こういう安易な考えが国会にあるんです。

 例えば、精神薄弱者を知的障害者に変えようというときに、参議院では議論をしませんでした。衆議院にやってきて、私は何たることだと。戦前からある精神薄弱者という言葉を行政もそれから福祉関係者も国会議員も平気で使ってきて、長年悪うございました、今度は知的障害者にいたします、だからそれでいいでしょうというわけです。だけれども、五十年、六十年の長い、精神薄弱者をどう取り扱ってきたか、そういう反省は全くない。

 私は、今回も助産婦を助産師にする、とても寂しいですけれども。しかし、それで今までの助産師の、あるいは助産婦の歴史的な取り扱いと経過、これは何だったのか。一言で言えば、すべて病院へ病院へ病院へと出産をしむけた、方向づけたのが国の行政じゃないでしょうか。今日では九八・八%は病院で出産する。そんなに危険な異常出産があるわけじゃなくて、すべて病院に送り込んで病院的取り扱いを受けてくる、この弊害はいっぱいあるわけでございますけれども。

 そうした病院中心主義というものについて疑問はなかったんですか。そして、日本の出産にまつわる文化でありますとか伝統でありますとか国民感情でありますとか、そういうものをしんしゃくなさった、検討なさったことはあるんでしょうか。医政局長、お願いします。

篠崎政府参考人 私ども、行政をいたします場合には、やはり妊産婦あるいは広くは国民のニーズにこたえて行政をしてまいりました。

 例えばその中で、先生御指摘でございますが、助産所あるいは病院等の関係で申しますと、助産所は、昭和二十五年には一万二千ぐらいでございまして、今一万一千でございますが、年々ふえてまいりまして、昭和四十五年ぐらいが一番助産所としては多い、これは二十万余りございました。それからまただんだん減ってきているわけでございます。

 また、衛生的な指標で申し上げますと、現在、我が国の例えば妊産婦死亡率というのは人口十万対六・一でございまして、これは先進諸国の中でも高い方でございます。健やか親子、健康日本21では、これを二〇一〇年までに半減しようという目標を立てておるわけでございます。

 またあわせて、新生児死亡率でございます。これは出生千対でございますが、先ほど申し上げました助産所が一番多かったときは、昭和四十五年のときは新生児死亡率八・七というようなことでございまして、現在は一・八でございますが、先進諸国の中では一を切っているところがかなり多いわけでございます。

 そのような安全という意味合いから、私は、病院志向、病院の方にシフトをしてきた経緯があるのではないかという気がいたします。

 ただ、これは今後につきましては、結果として見ますと、出生というのは自然分娩、つまり正常分娩が、結果として見ると七五%ぐらいは正常分娩なのでございまして、国民あるいは妊産婦の方々も情報開示によって自分が出産する場所を選ぶ時代になってくるのではないかと考えておるわけでございまして、先ほど申し上げましたような対策を今後は講じていきたいと思っております。

土肥委員 要するに私は、国民が出産をするに当たって夫婦、家族がよく相談して、いろいろな出産にまつわる提供者がいるね、そして、自分たちの理想とする出産をこうしたいなというようなことを考えて、選択肢がたくさんあるということが大事なんであります。それを、九八%も病院に引っ張り込んだということの事実は非常に重い。

 こういう体制をこのまま続けていけば、開業助産婦さんたちは失業するでありましょう。あるいは、ますます数が少なくなっていくでしょう。この開業助産婦さんたちに対する支援システムも、どうも問題があるように考えます。

 例えば、法的に嘱託医師を定めなきゃなりませんけれども、どうも嘱託医師になることを嫌うお医者さんがいるそうでございます。その結果、助産所が開設できないであるとか、こういうのは医療法にあるわけでありますけれども、罰則規定をちゃんと決めて、適切に対応するような指導をしなきゃならないというふうに思っております。

 緊急時にいたしましても、非常に不十分だ、たらい回しがあるなんということが報告されております。

 外国の例がここにあるのですけれども、オランダは、政府が自宅出産を提唱している。助産婦は出産に関するある程度の薬や機械を使うことやその他が認められておって、緊急時には産科医が救急車に乗って自宅に駆けつけるシステムがある、こういう報告がございます。イギリスでは、そういう方法ではありませんけれども、救急車はすぐにやってくる。

 この法案が通るかもしれませんけれども、その暁には、日本の出産の伝統や歴史をもう一度振り返って、国民に多様な安心できる、病院だけが安心だ、病院に行けば死なないかといったら、そんなことはないわけでありまして、ある統計によれば、私が知っている限りは、助産所の方が死亡率が少ない。もちろん、異常出産は扱いませんから当然そうなるわけでございまして、衛生面、今日、衛生面で非常に不潔な助産院があるとか、そんな話は聞かないわけでございます。

 この助産婦制度あるいは開業助産婦の崩壊の寸前にある今日、助産師という言葉を使い、やがて男性助産師が生まれる、今のところ、何か一人か二人というふうに聞いておりますけれども。

 よくわからないのは日本助産婦会であります。強大な組織を誇る日本看護協会、その中にありまして、この助産婦会というのは、二万四千人ぐらいしかいない非常にマイナーな団体になっております。

 その助産婦会が、男性助産師の導入に関して何回か反対をしております。昭和六十三年、一九八八年に保助看法の改正について反対しておりまして、国会提案は白紙に戻っております。もう一回は、平成五年、一九九三年ですが、やはり保助看法の提案がありまして、日本助産婦会は、話をしたけれども合意に至らずということで流れております。日本看護協会には職能集会というのがあるのでございますけれども、この職能集会でも会員から反対の意見がたくさん出た。

 そうした中で、突然と私は思うわけでありますけれども、突如、平成十二年二月、助産婦会は臨時理事会を開きまして、書面による臨時総会で、助産婦資格を男子対象へ拡大をすることを決議しております。

 私は、今回の法改正、特に男子助産婦を導入することについて大変疑問に思うのは、これまでの男女雇用機会均等法などは、男性があらゆる職種を独占していた、タリバンじゃないけれども、女は家におれなんという時代もあったかもしれませんけれども。そういう時代から、そういう日本の社会ではいけないよということで、雇用機会均等法もできましたし、共同参画法もできたわけであります。

 私は、日本看護協会あるいは助産婦会みずから、自分たちが業務独占をしていた職種を、いとも簡単に、しかも何度も何度も男性を入れてくださいというふうにおっしゃるのは、何か皆さんの利益に反するのじゃないかというふうに思うわけであります。もっと大事にしてくださいと私は申し上げたいのであります。特に助産婦会のこの決議、これは非常に問題だと思うのでありますが、この点についての御答弁をお願いいたします。

篠崎政府参考人 助産婦会の中でいろいろ御議論があるということは承知をいたしておりますが、ただいま先生の御指摘のような、手続上の問題が何かあったのではないかという御指摘については、これは努めて法人の自主的な判断によるものというふうに考えておるところであります。

土肥委員 それはだめです、そんな言い方をしたら。

 私のちょっと古い記録ですけれども、二〇〇〇年の四月に厚生省看護課長が、助産婦を助産師に資格変更したいのでよろしくと言って国会議員の間を訪問して回ったというのですが、こういう事実があったのですか。

篠崎政府参考人 看護課長が関係議員を訪問した件でございますが、これは、保助看法改正の議員立法の動向について、関係の議員の方々に情報提供を行う趣旨で訪問したというように聞いております。

土肥委員 情報提供にしては、随分大胆な言い方じゃないでしょうか。

 こういうことがあるということが、いわば今で言う厚生労働省の体質の問題です。実は、もう役所自体がこれを推進しようというのが、明らかにそのとおりでありまして、そして、私は今助産婦会の話をしましたけれども、これをバックアップしているのは日本看護協会でございます。これは間違いない話でございます。そして、圧倒的な数を誇る看護協会の皆さんが助産婦会に対していわば相当なプレッシャーを持っている、力を持っている、指導力を持っているということは当然うなずけるわけであります。

 看護協会は、先ほど、助産婦会が何度も抵抗しながら最後は、どうぞよろしく、男子助産婦を決めてくださいと言った、そこには一切プレッシャーはなかったのでしょうか、お答えください。清水さん、お願いします。

清水(嘉)参議院議員 今のお尋ねでございますけれども、二つの会は独立した会でございまして、会員も違う。もちろん重なっているところもございますけれども、それぞれの会の判断によりましてこういった考え方を出しているところでございます。

 先ほど来先生からいろいろ御指摘ございますけれども、看護協会はかねてから、保健婦助産婦看護婦法というのは、これはまさに女性の法律でございます。これを、今、実態から見まして、男性ももっと広く入れて、そして女性の職業じゃなくて男女一緒に働ける専門職業にしたい、こういうことをずっと考えてきたわけでございまして、その一環としてこういう問題が出てきていることをぜひ御承知いただきたいと思います。

土肥委員 あに図らんや、訴訟が起きておりますね。日本助産婦会の役員を相手に訴訟が起きておりまして、書面による総会は無効であるというような通知書をもう既に送っておりまして、恐らくきょう受理されるんじゃないか、このように思っております。

 結局、私が申し上げたいのは、助産婦に限って男子を入れるというのは、よほど検討をしてくださいよ、十分検討してくださいよということが言いたいのであります。そして、これまでの歴史を振り返り、今後、日本の社会で開業助産婦さんが果たす役割を十分認識して、医療環境も整えて、そして、国民が選択するときにそういう情報公開もして、安全性もちゃんと公開して、そうすればもっと違った形になっていると思うのであります。つまり、助産婦を助産師にするというのはまだ時期尚早でもあるし、内容にわたって検討された形跡がほとんど見られない、そういうふうに思います。

 参議院の参考人の南さんの発言の中に、いろいろうまく説明してあるんですけれども、こういうふうに言っております。

 名称の統一に関する反対の意見をお持ちの方もいらっしゃることは十分承知しております。本会は、今までの法案提出の際に男性に助産婦の国家資格を開放することもお願いしてまいりました。男性を入れるということをお願いしてきたと。しかしながら、いわゆる男性助産師の問題につきましては議論が必要であると考え、このたびの法改正で男子については要望しないという方針を決めました。こう書いてあります。

 まだ、南さん自身が、十分な議論をしていない、こうおっしゃっているわけでございまして、この問題は、開業助産師など、病院へ流れるだけがいい助産ではないということを十分確認してやっていただきたいと思うわけでございます。

 きょうのこのときに至りまして、多勢に無勢でございますけれども、この法案に対する私の最後のお願いを申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。

鈴木委員長 平野博文君。

平野委員 少しお時間をいただきまして、厚生労働にかかわる質問をしたいと思うのです。

 この質問に立った趣旨は、私は過日、十一月七日に決算の委員会の場で、麻薬指定の政令に関する項目について御質問をいたしました。その指摘に対しては、後日、厚生労働省は政令を改正し云々ということでありますが、政令を施行される前に迅速に対処して変えられたということに対しては、私は評価をいたします。ただ、その訂正の仕方が非常に安易にしているのではないかということをまず指摘したいわけであります。特に、厚生労働省のとった訂正の仕方は、単なる政令の原稿の誤りである、正誤表を官報に記載いたしたわけであります。

 しかし、私は過日の質問のときに申し上げましたのは、当該の役人の方は、国際的な命名方法の一つであるから誤りでない、こういう言い方で、私と質疑をやりとりして、なかなかかみ合わなかったわけであります。したがって、結果的にはその質疑には、物質名は三―ヒドロキシ酪酸という物質名でございましたが、間違いであるということを明らかに言っていない。しかし、そういう経過の中にありながら、私が指摘したことを省庁の中で御議論されたんでしょう、結果的には、単なる原稿の誤りである、こういう官報正誤表が出たわけであります。

 私が言いたいことは、国会での質疑、答弁に対する重さをどのように考えておるのかということをまずお聞きしたいと思います。

宮島政府参考人 今先生御指摘の政令改正に至る経緯を最初に簡単に申し上げますと、本年六月に、向精神薬条約付表に新しくガンマヒドロキシ酪酸が追加されたことに伴いまして、国内法制を整備するということで今回の政令改正を行ったわけでございます。九月にはパブリックコメントを行いましたが、そのときにガンマヒドロキシ酪酸という名前でパブリックコメントをいたしております。

 しかしながら、政令段階の、制定の際に、ガンマヒドロキシ酪酸を法令用語としてする際は、ガンマのところを番号に変えるということで、それを四とすべきところを三ということで、三―ヒドロキシ酪酸という間違った名称で政令改正をしてしまったというものでございます。

 先生御指摘のように非常に申しわけないミスをしてしまったわけでございますけれども、先生の御指摘、さらには専門家等の確認等も踏まえまして、これは明らかな間違いということでございますので、政令改正を行うということで関係省庁とも相談いたしまして、今回の場合、ガンマヒドロキシ酪酸を一応制定するという政令改正の意図はずっと一貫しているということで、一応、三という間違いを四に直すということでの訂正ということで、いわゆる政令改正を官報正誤という形で直させていただいたという経過でございます。

平野委員 今局長が言っていることは、結果としてそういう対処の仕方をしているけれども、その前に医薬局長名で各都道府県知事に通達を出しているんですよ。三を四に間違えたということではないですよ。この通達の書類には、三も四もみんな同じ物質だと書いているんだよ。

 だから、明らかに間違いであるなんという、私言っているけれども、今、数字が三から四に間違っただけだ、明らかにもともと規制をしようとした物質を意図しているものであるから正誤表でしたと言っているけれども、厚生労働省は、明らかに中身は全く同じ概念で考えていたんですよ。今のように、ただ単に間違いでしたということではないんですよ。中身が深いですよ。これは各都道府県に行っているんだから。

 これは、麻薬物質でないのに麻薬物質と指定されたら、それを取り扱っておる人は取り締まられるんですよ。それほど私は、三か四で違う物質だということを指摘しておるにもかかわらず、これは重いんですよ、麻薬物質でないのに持っていて、麻薬物質だと指定されたら取り締まられるんですから。そんな軽いものではないんだということを、再々私は言ってきたつもりであります。

 結果的には、私が質疑をして、後、官報で正誤表が出ましたからこれでどうぞよろしく。一体、私は何だったんだろうか。国民の代表として質問して、後は、行政手続上やりましたから結果としてこうなりました。どんな手続でやるんですか。政令というのは閣議決定までした重いものを持っているにもかかわらず、明らかに間違いにあるものについても正誤表という名のもとに、記載ミスでしたかのごとく訂正をするという安易なやり方というのはだめなんじゃないか。こういう行政手続のやり方というのはだめだ、改めて正式に政令改正をして、閣議決定をし直したらどうなんだということを、そのことが逆に、政令というのはそれだけ重いんだという認識になるだろうし、パブリックコメントをするにしても、もっとしっかりしたパブリックコメントをすべきだということを私は言いたいわけであります。

 大臣、どうでございますか。

坂口国務大臣 御指摘をいただきましたとおり、これは明らかに誤りでございます。四―ヒドロキシ酪酸と三―ヒドロキシ酪酸は、これはもう全く別の物質でございます。したがいまして、御指摘のとおり、これはこちらの誤りでございましたから、ここはおわびをして訂正をさせていただいたということでございます。

 あと、手続の問題でございますが、今までにも、政令等で出しましたもので、中に多少の誤りがありましたときにどういう手続をしているかということもよく一度検討させていただいて、しかるべき取り扱いをしたいと存じます。

平野委員 大臣、そこまで言っていただいたのだったら、私としてはいいと思いますが、過去、政令間違いというのはないですよ、調べたら。だから、過去、訂正してきているというのはないですよ。大概ミスプリぐらいの感じで、何とかそこでネグってしまっているのですね。

 私、事が麻薬がゆえに、麻薬だと知って持っている人は罰せられる、明らかに麻薬でないのに、麻薬と指定されたために罰せられるということになったら、国民サイドから見たらたまったものでないなということが一点。

 それともう一つは、この物質というのは、通常の薬局で、ある物質を買いますと、自家で合成できるのですね。この明らかに安易に買える物質に対する規制ということも考えておられるのでしょうか。

 特にガンマブチロラクトンという物質でございますが、薬局で手に入るのですね。自家で水酸基かあるいは何かを調合してやれば、明らかにGHBが合成できるのです。そうしたときに、すぐ安易に入る物質についての規制というものもお考えになっておられるのかどうかも聞きたいと思います。

宮島政府参考人 先生御指摘のガンマブチロラクトンは、樹脂用溶剤あるいは合成中間体として工業用に現在使用されている物質でございますけれども、ほかの化学物質と反応させることなどによりまして、今問題になっておりますガンマヒドロキシ酪酸に変化する物質でございます。そういう意味でも、我が国におきまして、これを規制するべく、今関係省庁とも相談しつつ検討しているところでございます。

 なお、本年三月に開催されました国連麻薬委員会におきまして、このガンマブチロラクトンにつきましては、御指摘のような問題がありますので、やはり国際的にも規制が必要と考えまして、日本政府から、この国連麻薬委員会におきまして、麻薬の原料物質として規制することについて検討を提案したところでもございます。

平野委員 時間が来たから、これで終わりますが、私は、この質問に立ったときには、今渋谷とかいろいろなところで起こっている合法ドラッグ、マジックマッシュルームの取り締まりを何とか早くしてほしいということを言って、数年前からの問題になっている。特に青少年が、安いものですから、すぐ観賞用という名のもとに食べている、それで幻覚症状が起こっている。にもかかわらず、何も手を打たずに今日まで来て、国連という国際条約の名のもとにやれば盲目的に処してしまう行政の今の処置のあり方について、いかがなものかということを聞いたときの質問でございます。

 いずれにしても、大事な問題でございますので、ぜひ慎重にかつ迅速に対処していただくことをお願いし、終わります。

鈴木委員長 佐藤公治君。

佐藤(公)委員 自由党の佐藤公治でございます。きょうはよろしくお願い申し上げます。

 このたびの保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律に関しましては、参議院の方でもいろいろな議論がされており、これに関して、私もいろいろと見させていただき、また読ませていただきました。

 そこで、私自身の方で問題を簡単に自分なりに整理をさせていただきますと、これ自体の法律は、まさに名称変更ということが一つ大きなことであり、また、これに付随する、伴う部分が、今後この名称変更をした後の事柄のことの話が、割とというか多く問題として出ているかと思います。はっきり申しますと、名称変更した後、男性の、特に助産婦、助産師、男性の参入というようなことに関しての話が多く出ている。この二点が、今後のことも含めて、今議論をされている部分が多いのかなという気が私自身いたします。

 そこでお伺いいたしますが、提出者の清水先生になるのかと思いますけれども、特にこの二番目の、男性助産師に関しての実現というか参入に関して、きちんとこういう部分を考えられて名称変更をしようとしているのか、全く考えてなくてしようとしているのか、はっきりお答えを願えたらありがたいと思います。

清水(嘉)参議院議員 今の先生の御指摘でございますけれども、実は、昨年の臨時国会におきまして、第百五十国会におきまして、男性に助産業務の門戸を開くこと、そして名称を変更することという議員立法を出させていただきました。しかし、これにつきましては廃案になったわけでございます。

 その後、実はこの問題は、先ほど来申し上げますように、関係団体におきましてはぜひそれをしてほしいという要望があったわけでございますけれども、国会の中におきましていろいろな御疑問が、初めて聞くというお話でございまして、いろいろな方々から御疑問がございました。

 そういうことを考えまして、与党の中ではもちろん合意を得ているわけでございますけれども、皆様方の、もう少し時間を置いて十分御審議いただいた方がいいのではないか、そしてまだいろいろ御疑問があるということもございますので、今回は、この問題は一切切り離しをいたしまして、まず名称を変更させていただきたいということをお願いしているわけでございます。

佐藤(公)委員 おっしゃられるように、切り離してという部分はわかりますが、提出者の方々お一人お一人の考えも違うかもしれませんが、今の御説明からすれば、過去の経緯からすれば、男性の参入を考えて、またそれを目指してこの名称変更をされるということを思われていることは間違いございませんね。

清水(嘉)参議院議員 国会は国民を代表していらっしゃる議員がたくさん集まっていらっしゃるわけでございますから、その中で合意が得られれば私どもとしてはそういう方向を目指したいと思いますけれども、今の段階ではそういう時期ではないんじゃないかということでございますので、御了解いただきたいと思います。

佐藤(公)委員 もしもそういう考えがおありなら、また確認というかお聞きしたい部分なんですけれども、私が思うことは、法律をつくったり改正をしたりする、やはりそこには法律の原点ともいうべき憲法というものが私はあると思います。この法律、名称変更、そして今清水先生がおっしゃられた将来の目的の法改正も含めて考えた場合に、一体全体、どういう部分の憲法を考えて、その理念、考え方を持ってこの名称変更及び次の考えをお持ちなのか、具体的に御説明を願えたらありがたいと思います。

清水(嘉)参議院議員 憲法の上でどう考えるのかということでございますけれども、特に、今は助産婦だけを女性に限っているわけでございますけれども、男女の問題を考えますれば、憲法十四条の第一項、すべての国民は法のもとに平等であって性別において差別されないというこの十四条の第一項の平等原則、並びに二十二条一項の、何人も公共の福祉に反しない限り職業選択の自由を有する、この二点が大きな問題になろうかと思います。

 もともと、この憲法下におきましてつくられた保健婦助産婦看護婦法でございますけれども、日本の従来からの慣行で、こういった職業を女性が多く負うというようなことで保健婦助産婦看護婦法という法律ができておりまして、当時、男性も看護の部分におりましたけれども、これは専ら精神科におられたわけでございまして、あと、保健婦も助産婦も男性に門戸を閉ざしておりました。

 しかし、時代の流れによりまして、看護士もどんどんいろいろな分野に働くようになりましたし、それから保健士も誕生いたしました。そういう中で助産士が残ったわけでございますけれども、助産の対象がやはり女性であることに限られているというようなことも考慮すれば、これは一つの合理的な理由があるかと思います。

 しかし、今現在、社会において男女平等という考え方が広く広がってまいりまして、男女共同参画社会基本法というような法律もつくられるような日本になったわけでございます。こういう中で、当然のことながら対象は女性でございますから、女性の人権を十分配慮しながらではございますけれども、いつまでもずっと男性に門戸を開かない、助産婦の門戸を開かないということに対して、いろいろな問題が出てくるんじゃないだろうか。そういうふうな意味でも、ぜひ議論をこれからしていかなきゃならないのではないかというふうに考えているところでございます。

佐藤(公)委員 今清水先生がおっしゃられた、憲法のもとという考え方は十四条と二十二条から出ているということのお話でございましたけれども、これはもうずっと憲法は何十年もあるわけでございまして、それが今お話、御説明の中からすれば、時代の流れという言葉をお使いになられましたが、この十四条、二十二条はずっとあるわけでございますから、なぜ今これが出てくるのか。逆に言えば、これがきちんと憲法というものを尊重してやっているのであれば、もっと早くそういう話が出てきてもおかしくないわけでございますが、それがなぜ今なのか。その辺、いかがでしょうか。

清水(嘉)参議院議員 先ほど来申しますように、この保健婦、助産婦、看護婦という、人のケアをする職業を女性に充てた、その役割を期待したというところから、それがまずあったと思います。しかし、確かに憲法論議からすれば、本当に、男性に門戸を開いていなかったことが問題ではないかということが、もっと早くから起きてもよかったことは事実だと思います。

 ただ、事実として、保健婦も助産婦も世の中に誕生していなかったんですね。保健士が誕生したときには、看護婦の世界の中に大学がたくさんできまして、そこで既に看護婦と保健婦の教育を受ける人がたくさん出てきた。そして、出てきてみたら、女性には保健婦の国家試験があるけれども男性にはない、全く同じカリキュラムで勉強しながら資格が与えられない、こういう矛盾が出てまいりました。そこで、カリキュラム改正の機に合わせましてこの問題が大きく展開されまして、保健士が誕生したということがございます。

 そういう経過がございますものですから、そしてその後、助産婦の問題、そのときも本当に助産婦の問題も一緒にやりたかったんですけれども、まだ現場の中で、まだ国会の中にそれを持ち込むような時期ではございませんで、まだまだ御了解いただけない部分がございましたけれども、このたびのように、団体の方からもぜひそれをやってほしいというように意識が変わってまいりました。そのことをきっかけに、こういう問題が出てきたわけでございます。

佐藤(公)委員 法制局の方で、憲法との関係についてちょっと聞いてみました。その中で、おっしゃられるように、十四条の平等原則等との関係が問題となり得るが、助産等の業務の対象が女性に限られ、しかも女性の性などに深くかかわるものであることを考慮するならば、一応それなりの合理性があると思われると。

 つまり、男女平等とはいうものの、これはまだちゃんとした見解とは言いがたいですが、やはりその中には、一つの例外的というか、また生理的に、文化、歴史のいろいろな中で、そういかない部分というものが今現実この日本においてやはりあり得るということ、私もそう思います。

 そういう意味で、先ほどから清水先生は、今後のことは議論をしながらとか、時代の流れを見ながらというお話がございますが、私は、これに関してはやはり、男女平等、まさに職業の選択の自由、二十二条や何かとっても、これを押しつけてはならないというふうに思う例外的な部分だと思います。それを、ただ単純に一つの権利、平等、こういうことだけを主張する。この辺のあたりのことを今後きちんと整理して、私は、これに関しては例外的に別物にすべき、そういうふうに思うところがあります。

 先ほどの、清水先生はこれに男性も参入させることを目的とされておりますが、お考えを変える気持ちはございませんでしょうか。

清水(嘉)参議院議員 助産婦の業務がお産を取り上げるだけということではないと私は思っております。

 助産婦会が要望してまいりました中でも、例えば、不妊男性の、思春期における性の問題、この問題はもう非常に大きな問題かと思いますけれども、助産婦の問題が、助産婦のお産を取り上げるだけのお話ということに限局してしまうといろいろな問題があると思いますし、また男性のお医者さんもたくさんいらっしゃるわけでございますから、ここで、助産学を学ぶ、あるいは資格を取る権利を、実際問題そんなにたくさん出てくるとは思えませんけれども、権利を法律で制限するということに対する問題をやはり考えていかなきゃいけないんじゃないかというふうに思うわけでございまして、ちょっと今の段階で私は考えを変えるつもりはございません。

佐藤(公)委員 この助産婦の名称変更なんですけれども、ちょっと時間がなくなったので話が飛びますけれども、助産婦という名前を名称変更において残すような法律の書き方という議論がなかったのか、またはそのお考えがないのか。

 実際問題、婦というのと、また法律的には女子という言葉にも問題があるという見解、いろいろな話も聞いておりますが、助産婦という言葉をこの法律改正の中で残すような議論、そしてお考えがあるかないか、ちょっともう一度簡単にお答え願えればありがたいと思います。

清水(嘉)参議院議員 保健婦、助産婦、看護婦の婦という言葉の持っているイメージをやはりちょっと考えていただきますと、専門職として本当にふさわしいんだろうかどうだろうかという問題がございます。そういうことで、助産婦会の方からもぜひこれは専門職としてやはり名称を変えてほしいという要望もございますし、私自身そういうふうに思っているわけでございますので、ぜひ、保健婦、助産婦、看護婦、一緒に改正していただきたいというふうに願っているわけでございます。

佐藤(公)委員 そこの部分が問題なのかもしれませんが、女子に限るという、この女子というのも問題かもしれませんけれども、女子に限るものは助産婦という言い方が、法律的にここで残すことができないだろうかなという思いもありましたので聞かせていただきました。

 あと、この名称変更というのは、実は確かに簡単に名称変更できるわけじゃございませんが、なったら、現場は大変混乱をする、もしくは非常に経費的な負担がかかる、こういう部分というものが出るようにも思われますけれども、その辺のあたりをどう思われて、また配慮を考えているのか、お聞かせください。

清水(嘉)参議院議員 現場の混乱、先ほど土肥先生もおっしゃいましたけれども、看護婦さんが看護師になったり、助産婦が助産師になったりということもございました。しかし、私は、ぜひこれからは、助産師さん、看護師さんじゃなくて何々さんと呼ばれるような看護が、本当にそばに寄り添ったような看護ができるような、そういう仕組みが現場で行われるようなことをぜひ実現していきたいというふうに思っているわけでございます。

 ただ、確かに看板をかけかえたりというようなことでは経費がかかるかもわかりませんけれども、またこういったことを一つの契機にして、それぞれの職種が自信と誇りを持ってこの仕事を専門職として頑張っていけるんじゃないか、そういう効果が非常に大きいんじゃないかというふうに期待しているところでございます。

佐藤(公)委員 最後になりますけれども、実際、各政治家の個人の活動に関して、この政治活動、国会における活動は当然個人として活動できる権利がございますが、今の議院内閣制において、政党における、やはり党の活動、これがまた基本になると思います。清水先生の御党におきまして、この先々の男性参入に関して、党内の御意見というか考え方というのは、皆さん一致した状態でその先々のことも男性参入を賛成されて物事が進んでいるのかどうか、最後にお答え願えればありがたいと思います。

清水(嘉)参議院議員 先ほども御答弁申し上げましたように、昨年の法律改正のときにおきましては、男性に助産師を導入することを入れた法律改正でございましたけれども、これは自民党の中におきましては賛成を、合意を取りつけているところでございます。

 まあそれは全部の方かどうかわかりませんけれども、党としては、とにかくこのことについては前向きに上げているところでございますので、ぜひ先生方もよろしくお願いしたいと思います。

佐藤(公)委員 済みません、最後にもう一言だけ。

 では、もしも自民党の中でこれに対して反対したいという方がいらっしゃったらば、それはお認めになられるんですか。

清水(嘉)参議院議員 それはいろいろな御意見があろうかと思いますけれども、私どもは、これから、ぜひ、そういう方がおられれば、どうして男性にこういう門戸を開けないのかということについて、十分に御理解いただくように努力いたします。

佐藤(公)委員 ありがとうございました。

 私の聞いた質問の答えには今のはなっていないと思いますが、ひとつまた今後ともよろしくお願いします。ありがとうございました。

鈴木委員長 小沢和秋君。

小沢(和)委員 日本共産党の小沢和秋でございます。

 まず、発議者にお尋ねをいたしますが、発議者は、参議院の審議では、男性助産師の導入は全く考えていないと答弁されておりますが、つい先ほどの答弁では、今はまだそういうことを考える時期ではないと言われました。これは、全く考えていないということとは明らかに違うわけであります。

 私は、もともと、前国会で発議者が名称変更とあわせて男性助産師導入を提案した経緯から見れば、今回の提案の真意は、今回は男性助産師導入を先送りしたが、近い将来に導入したいということだと思っておりました。改めて、そう確認してよいかお尋ねします。

清水(嘉)参議院議員 今の御質問でございますけれども、とにかく、昨年のときには男性を導入することを議員立法したわけでございまして、その考え方が、実際問題として、各党それぞれいろいろな御議論があって、今のままではとても御了解いただく状況では、もう少し時間を置いて皆さんに御理解をいただいた方がいいのではないかということで、このたびは全くそれを外して名称変更だけにしたわけでございまして、仮にそれがまた問題になりますれば当然のことながら国会での御論議があるわけでございますので、そういう段階がいつ来るかわかりませんけれども、これから努力もしていきたいと思いますけれども、今回は全くそれを切り離しているところでございます。

小沢(和)委員 我が党は、現時点では男性助産師の導入について国民的合意が形成されていないと思います。特に、ケアを受ける女性たちの中に強い反対の声があります。この反対は、歴史的に形成された根の深いものであり、今後、数年で簡単に変わるようなものではありません。日本助産婦会の中での意思統一さえできればというような簡単なことではなく、日本の大部分の女性が受け入れてよいと思うように変わらない限り、男性助産師の導入を認めるべきではないと思いますが、重ねて発議者のお考えをお尋ねします。

沢参議院議員 お答えいたします。

 おっしゃるとおり、助産師資格の男性への門戸の開放につきましては、関係者あるいは国民の間でさらに議論がなされて、特に、当事者となる女性の理解が進むことが重要であると認識しております。そのための努力と見きわめが大変必要だと思っております。

小沢(和)委員 出産というのは、我々男性には体験できない痛みや苦しみを伴います。だから、近年、それをできるだけ緩和し、また、安全な出産をするため、病院にお世話になるのが当たり前になってきました。しかし、もともと出産というのは、本来、病気ではなく、自然の営みであります。だから、正常な出産が見通せる場合は、いざというときの病院のバックアップ体制をとりながらも、もっと助産師のケアを受けて出産するように奨励をしてよいと思います。そのためにも、助産師の信頼を高めることが必要であり、養成期間の延長、その間の助産経験回数増などの改善をする必要があると思います。本日は、質問時間も限られておりますので、この点を政府に対する要望として申し上げておきます。

 私は、看護婦の名称を変える以上に、社会的地位の向上のため緊急の課題になっておりますのは、現実の労働条件を改善することだと思います。この機会に、国立病院・療養所の看護婦の人員不足について政府に質問をいたします。

 国立病院等は、高度先駆的医療や急性期医療だけでなく、重症心身障害者や神経・筋疾患、さらに、全面介助や人工呼吸器が必要な長期重症患者の医療まで担っており、国民の医療確保において重要な役割を果たしております。にもかかわらず、国立病院等の看護婦配置は、他の公的病院に比べて非常に少なくなっております。国公立大学病院、自治体病院、日赤病院などと比較するとどういう状態か、数字を示していただきたい。

河村政府参考人 国立病院・療養所におきます百床当たりの看護婦の配置数でございますが、医療法人や個人等の開設する病院と比べれば多いものの、自治体あるいは日赤等の公的医療機関と比べると少ない状況であると承知をいたしております。

 具体的には、医療施設調査・病院報告によります百床当たりの看護婦数、平成十一年の十月の数字でございますけれども、国立病院・療養所は四十五・九人、これに対しまして、国立大学病院等の他の国立医療機関は五十五・九人、それから、自治体病院でございますが、六十一・一人、日赤等その他の公的医療機関は六十二・九人というふうになっております。

 ちなみに、医療法人につきましては、三十七・七人ということになっておるところでございます。

小沢(和)委員 私が聞いてもいない、法人の方よりは幾らかいいようなことを言っておりますけれども、今の数字で明らかなとおり、国立は、他の公的病院に比べると、わずか六、七割ということだと思います。これでは、看護婦の皆さんが幾ら頑張っても、今の複雑高度化している医療に対応する看護は困難であります。

 今、夜間もいろいろな医療が行われ、他の公的病院では、一病棟三人以上の夜勤が六、七割になっていますが、国立では、大半が二人で、三人以上は約二割の病棟にすぎません。二人夜勤では、患者の容体が一人でも急変すれば、残る一人で数十人の患者に対応しなければならなくなり、幾らナースコールを鳴らしても来てもらえないということになります。患者の安全、人権にかかわる問題として、直ちに改善する必要があるのではないか、大臣にお尋ねします。

坂口国務大臣 御指摘をいただきますように、確かに、国立病院・療養所の看護婦というのは、基準は満たしておりますけれども、他の自治体病院でありますとか赤十字などに比較をいたしますと、少ないことだけは間違いがないわけであります。とりわけ、国立病院・療養所は重症の患者さんが非常に多いわけでございますので、私も、率直に申しまして、現場は大変だろうというふうに思っております。

 ただ、国立病院の場合に、御承知のとおり、定員法の枠の中にあるものでございますから、定員削減の中で、一般の定員削減とは別で扱われているとはいいますものの、しかし、ふえることはなかなか難しいという現状にございます。減り方を少なくしてもらっているというぐらいな程度であろうというふうに思います。

 しかし、医療現場は若干違うわけでございますので、その点はこれからも、医療現場というのは同じ国の中のそれぞれの機関の中でも違うということを主張いたしまして、そしてできる限り確保に努めてまいりたいと思います。

小沢(和)委員 国立では、全面介助や人工呼吸器が必要な患者が多数入っている病棟、あるいは急変や夜間の緊急入院も多い急性期の病棟においてさえ、多くが二人夜勤となっております。これでよいのか。このような事態を放置すれば、患者の生命にかかわる重大事態を引き起こすと思います。

 まず、こういう病棟から計画的に夜勤体制を三人以上に強化していくべきではないか。お尋ねします。

河村政府参考人 夜勤体制のお尋ねでございますが、従来より、複数による月八日以内の夜勤体制の確保に取り組んできておりまして、それを重点事項として掲げてやってきております。マクロで見ますと二・八体制というのは達成されておるわけでございますが、個々の病院を見ますと、やはりばらつきがあることも事実でございます。

 そういった中で、特に看護の必要度の高いところについては、二人夜勤を超えて三人夜勤等のこともやはり目指していきたいというふうに思っているわけでございますが、やはり基本的には、厳しい定員事情のもとで、その必要度あるいは緊急度、そういったものを十分考慮しながら、国立医療機関として担うべき医療を適切に遂行していくために、引き続き増員の確保を図るとともに、国立病院・療養所の再編成の一層の推進によりまして生じた定員の再配置を行うこと等を通じまして、今後とも看護体制の強化に努めていきたいというふうに思っておるわけでございます。

小沢(和)委員 きょうは一々例を挙げませんけれども、とにかく、よそではもう三人が当たり前になっているようなところについて、いまだに二人というような状況をできるだけ早く改善するように努力をしていただきたいのです。

 今、二・八の話が出ましたけれども、その人事院の判定が出てからもう三十六年も経過をしておりますのに、国立ではいまだに二割を超える看護婦が月九日以上の夜勤をさせられております。全員が九日以上という職場やら、十日以上夜勤させられている人も少なくありません。欠員補充や産休、育休などの代替要員が確保されていないためであります。その結果、流産したり異常出産する看護婦も多いと聞いております。

 こういう過酷な労働条件の改善という立場からも、緊急に手を打つべきじゃないでしょうか。

坂口国務大臣 御指摘の点は十分に理解をしているつもりでおります。最大限の努力をしたいと存じます。

小沢(和)委員 きょうは保助看法改正に関連しての質問なので、看護婦の人員不足についてでとどめておきますけれども、国立の問題はこれにとどまりません。医師や看護助手など、人員不足はすべての職種にあるし、老朽化したままに放置されている病院もかなりあります。

 初めに述べたとおり、国立病院・療養所には全国的な医療センターの役割を果たしているものが幾つもありますし、それ以外の施設も地域のセンターとして重要な役割を担っております。

 我々は、国立病院の統廃合、切り捨てに一貫して反対してまいりましたが、少なくとも、現在国立で維持されているものについては、政府としても施設、人員の両面でもっとその充実に積極的に取り組むべきではないか。大臣の姿勢をお尋ねします。

坂口国務大臣 国立病院を取り巻きます環境というものもかなり変化をしてきておりますし、そして、一部におきましては合併等もお願いをしているところでございます。

 これから設備を充実させていかなければならないところもあることも承知をいたしておりますが、限られた財源の中で全部を一度に行うことはこれはもう不可能でございますから、必要度の高いところから順次行っていきたいというふうに思います。

 医師等の配置の問題にもお触れでございますが、この医師等につきましても、なかなかそれぞれの地域で十分に埋まり切れない、そういう状況のあるところもございまして、我々も心を痛めているわけでございますが、最大限我々も努力をして、有能な人材を集めたいというふうに思っております。

小沢(和)委員 時間が参りましたので、これで終わります。どうもありがとうございました。

鈴木委員長 中川智子君。

中川(智)委員 社会民主党・市民連合の中川智子です。

 まず最初に南野副大臣にお伺いいたしますが、先ほど提出者の清水議員からも団体の強い要望もありと、団体からは早くやってほしいというような声が上がってきたという御発言もございましたが、私が承知している限りでは、助産婦会は長年この問題に関しては反対の声を上げてきたはずでございます。

 今回、急転直下、書面議決という形で、定款に反する形での書面議決をし、総会での決定ということで団体からの要望が上がってきたというふうに聞いております。ほとんどの会員さんたちはこの決定を合意していないということで、法的手段に訴えるという、昨日、私、この訴訟委任状で、もう近々訴訟が起きるというようなところまで事態が内部で非常に混乱している。にもかかわらず、この国会の場では皆さんの総意のように言われる。

 南野副大臣、今回のこの訴訟まで、法的措置をとろうとしている状況、そして合意はしていないというその声に対してどのようにお考えでしょうか。

南野副大臣 先生の御質問に対してでございますけれども、私がきょう答弁させていただくのは、平成十二年三月十五日に日本助産婦会会長より自民党あてに、助産婦の名称を助産師とすることを含む要望書が提出されたというところであります。さらに、この要望書の提出に当たりましては、同年二月の理事会において了承を得るなどの手続を経た上で提出されたものと聞いており、会としての意見と受けとめておりますので、先生がおっしゃったことについては、今日私が答弁することではないと思っております。

中川(智)委員 それでは、助産婦会の総会の決議の総意としての受け取り方ではないという理解でよろしいでしょうか。

南野副大臣 私が受けとめておりますのは、会としての総意として受けとめております。

 以上です。

中川(智)委員 それでは、今回のこの裁判ということに対してどのようにお考えですか。

南野副大臣 そのことの経緯についてはお伺いいたしておりません。

中川(智)委員 このように内部で裁判まで起こすぐらいの、本当にいわゆる片っ方からいえばひきょうな手段で、そして国会議員としてのお立場、もう総意、総意、皆様から強い要望がありというふうにおっしゃるのはいかがなものかと一言申し添えて、次に移ります。

 今回、参議院の審議も衆議院の審議も伺っておりましたら、やはりこの名称変更の裏には、かすみのような形じゃなくて黒雲のような形で、男性助産師を導入したい、もうそれが全身からあふれているというふうに受け取りました。

 大臣にお伺いしたいのですが、科学がいろいろ進歩いたしましたが、男性が子供を産める時代にはなっておりません。私は、男性が子供を産めて初めて男性の介助に対して助産師さんの活躍する場が出てくると思いますが、産むのは女性です。それも、極めて濃密な、極めてセクシャルハラスメントを含んだ形にもなり得る、極めてデリケートな仕事でございます。だからこそ、助産婦という名前に誇りを持って、自信を持って皆さん仕事をしていらっしゃるわけですね。

 そして、さまざまな御議論の中で、男性助産師、助産婦導入に関しては、患者の立場がまず第一。この審議を聞いていますと、患者はどこにいるのか。患者の立場がほうり出されて、そして、いわゆる職能団体さんのそのような、まあ本当にかなり強硬な形での今回の法改正というふうに印象を受けます。

 国民のコンセンサスというのは、大臣、どの機関でどのような方法をとって国民の合意が得られたというふうにこれから手続を、男性助産師が導入になりましたときに、国会の議論だけでなく、大事なのは受け手、国民、女性です。その国民のニーズというのは、どの機関でどのような方法でなされるおつもりでしょうか。

坂口国務大臣 男性助産師の問題は、過去のさまざまな経過のあることも存じておりますし、これからもいろいろの議論をしていただかなければならないというふうに思っておりますが、先ほども御議論ございましたとおり、職業選択の問題や、女性の患者の皆さん方のプライバシーの問題もこれあり、幅広い、そして冷静な議論が少し必要ではないかというふうに思います。そうした冷静な議論の上で、やはりこれは決定をされるというものだろうというふうに思います。

 もちろん、この助産婦あるいは今回変わります助産師という立場の中での議論もございますし、職業全体の中におきます流れといいますか、職業全体の中で男女の働く場という大きな流れの中での問題も私はあると思います。それらのところを、これは冷静に判断をして決めていくべきものというふうに思います。

 訴訟が起こるとか起こらないとかという話もございますけれども、どの団体でも一〇〇%意見が一致するというのはなかなか難しい話でございまして、中にはそれは反対というのは、どの団体でも、ないところを探すのが難しいぐらいこれはあるわけでございますから、看護協会、あるいは助産婦会というんでしょうか、そうしたところも、それは全部が全部一律というわけにはいけない、しかし、いわゆる皆さん方の合意、大勢というものは、私は、そこでおのずから決定されるのではないかというふうに思っております。

 時間がないようでございますから、これだけにいたします。

中川(智)委員 大臣、私、今意見は、それはたくさんあります。自民党さんも本当にウイングの広い、民主党さんもこのごろは大変いろいろな意見がおありになる、それはどのところにもございます。今回のは定款に違反して書面決議したということを問題にしているわけで、手続の問題です。

 それは、意見はいろいろあるというのは当たり前でございます。そして大臣、今のお答えの中で、どの機関で、国民のパブリックコメントとかをきっちりとるんだということが国民のコンセンサスであろうと思うんですね。読売新聞のアンケートでは、男性助産師の導入の反対の声は、世論は八割を超えました。よもや、八割を超えるような女性たちが拒否を示すときには、これはコンセンサスが得られていないというふうに理解したいと思いますが、機関とか、その合意のとり方というのはいまだ決まっていないというのが実情でございますか。イエスかノーかで、大臣。

坂口国務大臣 どこでどのように決めるかということを決めたわけではございません。しかし、それは、どういうふうに国民の皆さん方にお聞きをするかということによりましても答えは違うわけでございますし、また、出産にかかわります一番専門的な皆さん方の御意見というのがやはり大事なことも私は事実だというふうに思っています。患者の立場としての意見も大事でございますが、しかし、専門家の皆さん方の御意見というのも、これは尊重すべきだというふうに思います。

中川(智)委員 それは同じ重さであろうと私は思います。

 私も二人子供を産んで、ずっと、おんなへんにほうきなどと言われて問題になっております主婦を長いことしておりました。やはり、そういういろいろな話の中で、出産の話が一番盛り上がるんですね。どんな出産をしたか、どんなお産をしたか。そして、本当にまだ、物すごく少なくなったけれども、助産婦さんに取り上げてもらった方は、その後のケア、地域の中で、ちょっと病気をしたとき、ちょっと何か困ったことが起きたときの身近な相談相手としてとても重要な役割を担っている。少子化というならば、子供を産みやすい状況、そして育てやすい状況をもっと助産婦さんに担っていただくということが、政府の施策として前に進んでいかなければいけないと思います。

 私は、病院の出産が多くなってきたことと、育児不安を抱える女性たちが急増しているということは、これは非常に密着な問題、関連があると考えていますし、主婦の中から男の助産婦さんが欲しいわというのは、私は五十四年生きておりますが、一度も聞いたことはございません。

 そして、次に移りますが、参法の名称ですが、お手元にペーパーをお渡しいたしました。それでは、これは非常に偏ったとかいろいろな御意見が、ある団体からはあるわけですけれども、非常に冷静な形で全くアトランダムにとったアンケート、これをぜひとも見ていただきたい。

 名称変更を知っているか知っていないかで、知っていないという助産婦さんたちも多い。そして、助産婦の名前を、婦を残したいという方たちは実に七七%。このデータということを専門家の立場として大事にとらえていただきたいと思います。

 私は、この教師の師とか、いろいろ、師、そして士ならどうだ、名前に左右されるような仕事ではないほど皆さん一生懸命、自覚を持って、そして自信を持って、誇りを持ってやっていらっしゃると思います。これで混乱するのは現場です、患者です。ちなみに、師というのは詐欺師、ペテン師もございますので、中身には左右されないということを断言いたします。

 最後、文部科学省に質問いたしますが、教育のところです。

 今回、看護大学という形で四年制大学の中に六カ月の助産婦の教育がありますが、そこを見まして、私非常に驚いたのです。六カ月間で十例程度のお産の介助ということが言われて、きっちりと教育の課程でそれをしなさいよと言われているわけですが、参議院の審議でも何回も出てきたと思いますが、大学によっては二、三例。十例程度ですから、非常にあいまいですから、二、三例とか、少子化で子供が見つからない、産む人がなかなかちょっといないとかというようなことを理由として挙げられていましたが、ここに、バーチャル教材、実習の衛星中継というのが出産介助のカリキュラムの中で認められていて、むしろ文部科学省はそれを奨励していて、九十一校のうちに既に五十五校ほど、バーチャル教材、実習の衛星中継というのが組み込まれているそうなんです。

 しかし、法律を読みますと、厚生労働省の通達ですか、これの中に「教育実施上の留意事項」として、「一 臨地実習は、実践活動の場において行う実習のみを指すものであること。」これは、バーチャル教材はこれに当たりませんね。そこのところを明確に。

工藤政府参考人 近年、従前の三年プラス六カ月以上という養成の仕組みから、四年一貫の養成の体制をとる国公私の大学が多うございまして、ここ十年間で約十一倍ほどにふえてきたんでございますが、その中で、助産婦の養成に必要な実習、それは八単位でございますけれども、それについてはすべての大学で対応しているところでございます。

 今御指摘の、衛星通信によります遠隔講義システムの導入、あるいはバーチャルなソフトの開発によります教材での教育といいますのは、その実習以外、指定基準に定める実習以外の、なかなか今少子化等の関係で実習事例が少なくなってございますので、いわばそれを補完し強化するために、助産婦教育を充実するという観点から各大学が工夫して導入しているものでございます。

中川(智)委員 済みません、ちょっと確認ですが、では十例程度の中に入らない、あれに入らないと――はい、わかりました。

 時間が来ましたが、なぜ、女性しかいない職場、女子のみと限ったにもかかわらず、婦を参法の中で、この助産婦だけ別に婦を残せばいいわけです、どうして一体化するのか。それに対しては全く私は賛成しかねるものであり、助産婦の名前を残すことこそが、もっと助産婦をふやし、助産婦の方たちの誇りを失わずに、専門性が保て、また、産む側にとっては安心なのだ。これは非常につらいんです。出産だけでもつらい。そこに男性が入ってくることは絶対に許しがたいことですので、今回の参法、名称変更に反対することを強く言いまして、質問を終わります。

鈴木委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

鈴木委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 参議院提出、保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

鈴木委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

鈴木委員長 この際、本案に対し、吉田幸弘君外七名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党、日本共産党、社会民主党・市民連合及び保守党の七派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。加藤公一君。

加藤(公)委員 私は、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党、日本共産党、社会民主党・市民連合及び保守党を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。

 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。

    保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。

 一 出産に関するケアを受ける者の意向が尊重され、それぞれの者に合ったサービスの提供が行われるよう、情報提供の促進を含め必要な環境の整備に努めること。

 二 助産師教育については、学校養成所指定規則に定める十分な出産介助実習が経験できるようにする等、その充実に努めること。

 三 保健師、助産師、看護師等の看護職員については、その職責と社会的使命の重大さにかんがみ、それぞれの職種が果たしている機能の充実強化に向けて、教育環境の改善、人員増等の施策を講ずること。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

鈴木委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

鈴木委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、坂口厚生労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。坂口厚生労働大臣。

坂口国務大臣 ただいま御決議のありました本法案に対する附帯決議につきましては、その御趣旨を十分に尊重いたしまして、努力してまいる所存でございます。

 ありがとうございました。

    ―――――――――――――

鈴木委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

     ――――◇―――――

鈴木委員長 次に、第百五十一回国会、鍵田節哉君外九名提出、ホームレスの自立の支援等に関する臨時措置法案を議題といたします。

 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。鍵田節哉君。

    ―――――――――――――

 ホームレスの自立の支援等に関する臨時措置法案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

鍵田議員 ただいま議題となりましたホームレスの自立の支援等に関する臨時措置法案につきまして、その提案理由及び内容の概要について御説明申し上げます。

 平成十一年十月末の厚生省の調査によれば、我が国には約二万人のホームレスがおり、今日では三万人を超えているとの推計もあります。東京都が行ったホームレスに関する実態調査によりますと、ホームレスの七割が求職活動をしており、また、ホームレスの六割はかつて安定的な就労をしていた人であります。まじめに働いてきた人々も職を失ってホームレスになることを余儀なくされている姿が、かいま見えると言えましょう。

 現在の厳しい経済情勢のもと、戦後最悪の五・四%という失業率と相まって、ホームレスの数は今後も増加傾向が続くと思われます。食事の確保もままならない長期の路上生活により、多くのホームレスが心身とも疲弊しております。冬の訪れを間近に控え、東京でさえ例年氷点下を記録するいてつく寒さの中で、路上において貴重な命が失われていく現実は到底看過できるものではありません。ホームレスの自立支援を目的とするNPOも、近年、各地において積極的な活動を行っておりますが、これらのNPOの活動に対する公的な支援は残念ながら不十分な状況です。早急に国などの果たすべき責務を明らかにするとともに、必要な施策を講ずることにより、ホームレスに関する問題の解決を図るべきと確信いたします。

 以上が、本法律案を提案するに至った理由であります。

 次に、本法律案の概要について御説明申し上げます。

 第一に、この法律に言うホームレスでありますが、典型的なホームレスである野宿生活者とともに、金銭の余裕がある場合にはいわゆるドヤで寝泊まりしているような典型的なホームレスに準ずる者もホームレスに含めることとし、この法律の対象としております。

 第二に、この法律による施策の目標として、一、就業の機会の確保、居住の場所の確保並びに保健及び医療の確保といった自立の支援のための施策によるホームレスの自立、二、生活上の支援による新たなホームレスの発生の防止、三、緊急に行うべき援助、生活保護法による保護の実施、地域における生活環境の改善及び安全の確保等によるホームレスに関する問題の解決を掲げております。

 第三に、国及び地方公共団体に、ホームレスの自立の支援等に関する施策の策定及び実施の義務を課すとともに、ホームレス自身もみずからの自立に努めるものとしております。

 第四に、厚生労働大臣及び国土交通大臣はホームレスの自立の支援等に関する基本方針を、都道府県及び指定市町村は基本方針に即した実行計画を、それぞれ策定しなければならないこととしております。

 第五に、国は、ホームレスの自立の支援等に関する施策を実行するため、その区域内にホームレスが多数存在する地方公共団体及びホームレスの自立の支援等を行う民間団体を支援するための財政上の措置その他必要な措置を講じなければならないこととしております。

 その他、国民の協力、民間団体の能力の活用、国及び地方公共団体の連携、ホームレスの実態に関する全国調査について定めております。

 第六に、この法律は、交付の日から起算して一月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。また、現下のホームレスの増加状況は特異な事態であるとの認識のもと、平成二十年三月三十一日までの時限立法としております。

 以上が、本法律案の提案理由及びその内容の概要であります。

 本法案のごとき日本国憲法で保障された基本的人権の尊重と密接不可分なものについては、与野党の別はありません。私自身、各党各会派の議員各位がかねてよりホームレス問題に熱心な取り組みを行ってきたことを承知しており、心からの連帯と敬意の念を表してきたところです。

 何とぞ、慎重御審議の上、一日も早く各党の御賛同を得てホームレスの自立支援を眼目とした特別立法の成立が図られますことを切にお願い申し上げます。

鈴木委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

 次回は、来る七日金曜日午前十時十五分理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時四十二分散会




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