衆議院

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第18号 平成14年6月7日(金曜日)

会議録本文へ
平成十四年六月七日(金曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   委員長 森  英介君
   理事 鴨下 一郎君 理事 鈴木 俊一君
   理事 長勢 甚遠君 理事 野田 聖子君
   理事 釘宮  磐君 理事 山井 和則君
   理事 福島  豊君 理事 佐藤 公治君
      岡下 信子君    上川 陽子君
      木村 義雄君    倉田 雅年君
      後藤田正純君    左藤  章君
      佐藤  勉君    自見庄三郎君
      田村 憲久君    竹下  亘君
      竹本 直一君    棚橋 泰文君
      西川 京子君    林 省之介君
      福井  照君    松島みどり君
      松野 博一君    松宮  勲君
      三ッ林隆志君    宮澤 洋一君
      谷津 義男君    山本 明彦君
      吉野 正芳君    生方 幸夫君
      大島  敦君    加藤 公一君
      鍵田 節哉君    金田 誠一君
      五島 正規君    土肥 隆一君
      松原  仁君    三井 辨雄君
      水島 広子君    江田 康幸君
      桝屋 敬悟君    樋高  剛君
      小沢 和秋君    児玉 健次君
      阿部 知子君    中川 智子君
      野田  毅君
    …………………………………
   厚生労働大臣       坂口  力君
   厚生労働副大臣      宮路 和明君
   厚生労働大臣政務官    田村 憲久君
   政府参考人
   (人事院事務総局勤務条件
   局長)          大村 厚至君
   政府参考人
   (財務省主計局次長)   杉本 和行君
   政府参考人
   (文部科学省高等教育局長
   )            工藤 智規君
   政府参考人
   (文部科学省スポーツ・青
   少年局主任体育官)    徳重 眞光君
   政府参考人
   (厚生労働省医政局長)  篠崎 英夫君
   政府参考人
   (厚生労働省健康局長)  下田 智久君
   政府参考人
   (厚生労働省健康局国立病
   院部長)         河村 博江君
   政府参考人
   (厚生労働省医薬局長)  宮島  彰君
   政府参考人
   (厚生労働省労働基準局長
   )            日比  徹君
   政府参考人
   (厚生労働省職業安定局長
   )            澤田陽太郎君
   政府参考人
   (厚生労働省雇用均等・児
   童家庭局長)       岩田喜美枝君
   政府参考人
   (厚生労働省社会・援護局
   障害保健福祉部長)    高原 亮治君
   政府参考人
   (厚生労働省老健局長)  堤  修三君
   政府参考人
   (厚生労働省保険局長)  大塚 義治君
   政府参考人
   (厚生労働省年金局長)  辻  哲夫君
   政府参考人
   (厚生労働省政策統括官) 石本 宏昭君
   政府参考人
   (社会保険庁運営部長)  冨岡  悟君
   政府参考人
   (環境省総合環境政策局環
   境保健部長)       岩尾總一郎君
   厚生労働委員会専門員   宮武 太郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月七日
 辞任         補欠選任
  岡下 信子君     倉田 雅年君
  上川 陽子君     福井  照君
  北村 誠吾君     左藤  章君
  西川 京子君     松宮  勲君
  三ッ林隆志君     松野 博一君
  吉野 正芳君     山本 明彦君
  五島 正規君     生方 幸夫君
  水島 広子君     松原  仁君
  瀬古由起子君     児玉 健次君
同日
 辞任         補欠選任
  倉田 雅年君     岡下 信子君
  左藤  章君     北村 誠吾君
  福井  照君     上川 陽子君
  松野 博一君     三ッ林隆志君
  松宮  勲君     西川 京子君
  山本 明彦君     吉野 正芳君
  生方 幸夫君     五島 正規君
  松原  仁君     水島 広子君
  児玉 健次君     瀬古由起子君
    ―――――――――――――
六月七日
 健保の本人負担三割への引き上げなど医療制度改悪の中止に関する請願(川田悦子君紹介)(第三九〇〇号)
 抜本的な医療制度改革に関する請願(肥田美代子君紹介)(第三九〇一号)
 患者負担引き上げ中止に関する請願(小沢和秋君紹介)(第三九〇二号)
 同(大幡基夫君紹介)(第三九〇三号)
 同(大森猛君紹介)(第三九〇四号)
 同(木島日出夫君紹介)(第三九〇五号)
 同(児玉健次君紹介)(第三九〇六号)
 同(今田保典君紹介)(第三九〇七号)
 同(佐々木憲昭君紹介)(第三九〇八号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第三九〇九号)
 同(中林よし子君紹介)(第三九一〇号)
 同(春名直章君紹介)(第三九一一号)
 同(松本善明君紹介)(第三九一二号)
 同(三村申吾君紹介)(第三九一三号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第三九一四号)
 同(吉井英勝君紹介)(第三九一五号)
 同(石井郁子君紹介)(第四〇三九号)
 同(木島日出夫君紹介)(第四〇四〇号)
 同(児玉健次君紹介)(第四〇四一号)
 同(瀬古由起子君紹介)(第四〇四二号)
 同(不破哲三君紹介)(第四〇四三号)
 同(松本善明君紹介)(第四〇四四号)
 同(小沢和秋君紹介)(第四一四九号)
 同(志位和夫君紹介)(第四一五〇号)
 同(山口富男君紹介)(第四一五一号)
 医療費負担引き上げの中止に関する請願(大幡基夫君紹介)(第三九一六号)
 同(大幡基夫君紹介)(第四〇四七号)
 介護、医療、年金制度の拡充に関する請願(大森猛君紹介)(第三九一七号)
 同(児玉健次君紹介)(第四〇四九号)
 同(瀬古由起子君紹介)(第四〇五〇号)
 公的年金制度を改革し最低保障年金制度の創設に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第三九一八号)
 同(木島日出夫君紹介)(第三九一九号)
 医療改悪反対、国民健康保険・介護保険制度の拡充に関する請願(藤木洋子君紹介)(第三九二〇号)
 同(穀田恵二君紹介)(第四〇五一号)
 同(瀬古由起子君紹介)(第四〇五二号)
 同(吉井英勝君紹介)(第四〇五三号)
 医療保険制度の拡充に関する請願(矢島恒夫君紹介)(第三九二一号)
 健保・共済本人三割負担等の患者負担引き上げ中止に関する請願(木島日出夫君紹介)(第三九二二号)
 同(春名直章君紹介)(第三九二三号)
 同(木島日出夫君紹介)(第四一五三号)
 移行教育の早期実現と看護制度一本化に関する請願(重野安正君紹介)(第三九二四号)
 健保三割負担・高齢者窓口負担の大幅引き上げ中止に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第三九二五号)
 同(荒井聰君紹介)(第三九二六号)
 同(石井郁子君紹介)(第三九二七号)
 同(江崎洋一郎君紹介)(第三九二八号)
 同(小沢和秋君紹介)(第三九二九号)
 同(大幡基夫君紹介)(第三九三〇号)
 同(大森猛君紹介)(第三九三一号)
 同(木島日出夫君紹介)(第三九三二号)
 同(児玉健次君紹介)(第三九三三号)
 同(穀田恵二君紹介)(第三九三四号)
 同(佐々木憲昭君紹介)(第三九三五号)
 同(志位和夫君紹介)(第三九三六号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第三九三七号)
 同(瀬古由起子君紹介)(第三九三八号)
 同(中林よし子君紹介)(第三九三九号)
 同(春名直章君紹介)(第三九四〇号)
 同(不破哲三君紹介)(第三九四一号)
 同(藤木洋子君紹介)(第三九四二号)
 同(松本善明君紹介)(第三九四三号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第三九四四号)
 同(山口富男君紹介)(第三九四五号)
 同(吉井英勝君紹介)(第三九四六号)
 同(石井郁子君紹介)(第四〇五四号)
 同(大幡基夫君紹介)(第四〇五五号)
 同(大森猛君紹介)(第四〇五六号)
 同(木島日出夫君紹介)(第四〇五七号)
 同(北川れん子君紹介)(第四〇五八号)
 同(児玉健次君紹介)(第四〇五九号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第四〇六〇号)
 同(瀬古由起子君紹介)(第四〇六一号)
 同(中林よし子君紹介)(第四〇六二号)
 同(永田寿康君紹介)(第四〇六三号)
 同(松本善明君紹介)(第四〇六四号)
 同(石井郁子君紹介)(第四一五四号)
 同(大幡基夫君紹介)(第四一五五号)
 同(志位和夫君紹介)(第四一五六号)
 同(筒井信隆君紹介)(第四一五七号)
 同(不破哲三君紹介)(第四一五八号)
 同(藤木洋子君紹介)(第四一五九号)
 同(山口富男君紹介)(第四一六〇号)
 健保本人三割負担等の患者負担引き上げ中止に関する請願(不破哲三君紹介)(第三九四七号)
 同(不破哲三君紹介)(第四一六一号)
 同(吉井英勝君紹介)(第四一六二号)
 年金制度改善、安心して暮らせる老後の保障に関する請願(小沢和秋君紹介)(第三九四八号)
 健保三割負担・高齢者窓口負担の大幅引き上げなどの中止に関する請願(川田悦子君紹介)(第三九四九号)
 同(黄川田徹君紹介)(第三九五〇号)
 同(今田保典君紹介)(第三九五一号)
 同(達増拓也君紹介)(第三九五二号)
 同(日森文尋君紹介)(第三九五三号)
 同(細川律夫君紹介)(第三九五四号)
 同(山谷えり子君紹介)(第三九五五号)
 同(北川れん子君紹介)(第四〇六六号)
 同(北橋健治君紹介)(第四〇六七号)
 同(近藤昭一君紹介)(第四〇六八号)
 同(日森文尋君紹介)(第四〇六九号)
 同(伊藤英成君紹介)(第四一六三号)
 同(工藤堅太郎君紹介)(第四一六四号)
 同(玄葉光一郎君紹介)(第四一六五号)
 同(日森文尋君紹介)(第四一六六号)
 同(前田雄吉君紹介)(第四一六七号)
 安心の医療制度への抜本改革、負担増反対に関する請願(北橋健治君紹介)(第三九五六号)
 同(北川れん子君紹介)(第四〇七四号)
 同(仙谷由人君紹介)(第四〇七五号)
 同(北川れん子君紹介)(第四一七二号)
 同(仙谷由人君紹介)(第四一七三号)
 安全で行き届いた医療・看護実現のための国立病院・療養所の看護師増員に関する請願(粟屋敏信君紹介)(第三九五七号)
 同(今川正美君紹介)(第三九五八号)
 同(大幡基夫君紹介)(第三九五九号)
 同(黄川田徹君紹介)(第三九六〇号)
 同(北橋健治君紹介)(第三九六一号)
 同(今野東君紹介)(第三九六二号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第三九六三号)
 同(重野安正君紹介)(第三九六四号)
 同(瀬古由起子君紹介)(第三九六五号)
 同(東門美津子君紹介)(第三九六六号)
 同(中西績介君紹介)(第三九六七号)
 同(鉢呂吉雄君紹介)(第三九六八号)
 同(平岡秀夫君紹介)(第三九六九号)
 同(不破哲三君紹介)(第三九七〇号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第三九七一号)
 同(横路孝弘君紹介)(第三九七二号)
 同(安住淳君紹介)(第四〇七八号)
 同(粟屋敏信君紹介)(第四〇七九号)
 同(伊藤忠治君紹介)(第四〇八〇号)
 同(石井郁子君紹介)(第四〇八一号)
 同(今川正美君紹介)(第四〇八二号)
 同(植田至紀君紹介)(第四〇八三号)
 同(大森猛君紹介)(第四〇八四号)
 同(木島日出夫君紹介)(第四〇八五号)
 同(北川れん子君紹介)(第四〇八六号)
 同(児玉健次君紹介)(第四〇八七号)
 同(近藤昭一君紹介)(第四〇八八号)
 同(志位和夫君紹介)(第四〇八九号)
 同(仙谷由人君紹介)(第四〇九〇号)
 同(田中慶秋君紹介)(第四〇九一号)
 同(東門美津子君紹介)(第四〇九二号)
 同(永田寿康君紹介)(第四〇九三号)
 同(春名直章君紹介)(第四〇九四号)
 同(松本善明君紹介)(第四〇九五号)
 同(今川正美君紹介)(第四一七六号)
 同(工藤堅太郎君紹介)(第四一七七号)
 同(玄葉光一郎君紹介)(第四一七八号)
 同(重野安正君紹介)(第四一七九号)
 同(仙谷由人君紹介)(第四一八〇号)
 同(田中慶秋君紹介)(第四一八一号)
 同(筒井信隆君紹介)(第四一八二号)
 同(葉山峻君紹介)(第四一八三号)
 中国帰国者の老後生活保障に関する請願(阿部知子君紹介)(第三九七三号)
 同(鍵田節哉君紹介)(第三九七四号)
 同(三井辨雄君紹介)(第三九七五号)
 同(大森猛君紹介)(第四〇九七号)
 同(木島日出夫君紹介)(第四〇九八号)
 同(土肥隆一君紹介)(第四〇九九号)
 同(三井辨雄君紹介)(第四一〇〇号)
 同(樋高剛君紹介)(第四一八四号)
 小規模作業所等成人期障害者施策に関する請願(長浜博行君紹介)(第四〇二七号)
 同(西博義君紹介)(第四〇二八号)
 同(赤松広隆君紹介)(第四一八五号)
 同(赤嶺政賢君紹介)(第四一八六号)
 同(浅野勝人君紹介)(第四一八七号)
 同(粟屋敏信君紹介)(第四一八八号)
 同(伊藤英成君紹介)(第四一八九号)
 同(池田行彦君紹介)(第四一九〇号)
 同(石川要三君紹介)(第四一九一号)
 同(石破茂君紹介)(第四一九二号)
 同(今川正美君紹介)(第四一九三号)
 同(岩崎忠夫君紹介)(第四一九四号)
 同(宇田川芳雄君紹介)(第四一九五号)
 同(漆原良夫君紹介)(第四一九六号)
 同(遠藤和良君紹介)(第四一九七号)
 同(小此木八郎君紹介)(第四一九八号)
 同(大野松茂君紹介)(第四一九九号)
 同(岡下信子君紹介)(第四二〇〇号)
 同(鍵田節哉君紹介)(第四二〇一号)
 同(上川陽子君紹介)(第四二〇二号)
 同(亀井久興君紹介)(第四二〇三号)
 同(河村建夫君紹介)(第四二〇四号)
 同(神崎武法君紹介)(第四二〇五号)
 同(北村直人君紹介)(第四二〇六号)
 同(熊谷市雄君紹介)(第四二〇七号)
 同(桑原豊君紹介)(第四二〇八号)
 同(玄葉光一郎君紹介)(第四二〇九号)
 同(古賀一成君紹介)(第四二一〇号)
 同(児玉健次君紹介)(第四二一一号)
 同(後藤斎君紹介)(第四二一二号)
 同(河野洋平君紹介)(第四二一三号)
 同(高村正彦君紹介)(第四二一四号)
 同(近藤基彦君紹介)(第四二一五号)
 同(佐藤敬夫君紹介)(第四二一六号)
 同(佐藤剛男君紹介)(第四二一七号)
 同(坂本剛二君紹介)(第四二一八号)
 同(笹川堯君紹介)(第四二一九号)
 同(志位和夫君紹介)(第四二二〇号)
 同(島聡君紹介)(第四二二一号)
 同(下村博文君紹介)(第四二二二号)
 同(杉浦正健君紹介)(第四二二三号)
 同(鈴木俊一君紹介)(第四二二四号)
 同(鈴木康友君紹介)(第四二二五号)
 同(鈴木淑夫君紹介)(第四二二六号)
 同(瀬古由起子君紹介)(第四二二七号)
 同(田中慶秋君紹介)(第四二二八号)
 同(田端正広君紹介)(第四二二九号)
 同(高鳥修君紹介)(第四二三〇号)
 同(高橋一郎君紹介)(第四二三一号)
 同(滝実君紹介)(第四二三二号)
 同(武部勤君紹介)(第四二三三号)
 同(棚橋泰文君紹介)(第四二三四号)
 同(谷垣禎一君紹介)(第四二三五号)
 同(谷川和穗君紹介)(第四二三六号)
 同(筒井信隆君紹介)(第四二三七号)
 同(中川秀直君紹介)(第四二三八号)
 同(中川正春君紹介)(第四二三九号)
 同(中津川博郷君紹介)(第四二四〇号)
 同(中西績介君紹介)(第四二四一号)
 同(中村正三郎君紹介)(第四二四二号)
 同(中山成彬君紹介)(第四二四三号)
 同(中山正暉君紹介)(第四二四四号)
 同(楢崎欣弥君紹介)(第四二四五号)
 同(西田司君紹介)(第四二四六号)
 同(西野あきら君紹介)(第四二四七号)
 同(西村眞悟君紹介)(第四二四八号)
 同(根本匠君紹介)(第四二四九号)
 同(野田毅君紹介)(第四二五〇号)
 同(野中広務君紹介)(第四二五一号)
 同(葉梨信行君紹介)(第四二五二号)
 同(葉山峻君紹介)(第四二五三号)
 同(萩山教嚴君紹介)(第四二五四号)
 同(浜田靖一君紹介)(第四二五五号)
 同(林省之介君紹介)(第四二五六号)
 同(林義郎君紹介)(第四二五七号)
 同(春名直章君紹介)(第四二五八号)
 同(樋高剛君紹介)(第四二五九号)
 同(平井卓也君紹介)(第四二六〇号)
 同(平沼赳夫君紹介)(第四二六一号)
 同(平野博文君紹介)(第四二六二号)
 同(平林鴻三君紹介)(第四二六三号)
 同(不破哲三君紹介)(第四二六四号)
 同(藤井孝男君紹介)(第四二六五号)
 同(保利耕輔君紹介)(第四二六六号)
 同(細川律夫君紹介)(第四二六七号)
 同(細田博之君紹介)(第四二六八号)
 同(堀込征雄君紹介)(第四二六九号)
 同(前田雄吉君紹介)(第四二七〇号)
 同(牧野聖修君紹介)(第四二七一号)
 同(牧野隆守君紹介)(第四二七二号)
 同(増田敏男君紹介)(第四二七三号)
 同(増原義剛君紹介)(第四二七四号)
 同(松岡利勝君紹介)(第四二七五号)
 同(松崎公昭君紹介)(第四二七六号)
 同(松原仁君紹介)(第四二七七号)
 同(松本和那君紹介)(第四二七八号)
 同(松本善明君紹介)(第四二七九号)
 同(松本龍君紹介)(第四二八〇号)
 同(三ッ林隆志君紹介)(第四二八一号)
 同(三井辨雄君紹介)(第四二八二号)
 同(水島広子君紹介)(第四二八三号)
 同(宮腰光寛君紹介)(第四二八四号)
 同(宮下創平君紹介)(第四二八五号)
 同(武藤嘉文君紹介)(第四二八六号)
 同(持永和見君紹介)(第四二八七号)
 同(谷津義男君紹介)(第四二八八号)
 同(保岡興治君紹介)(第四二八九号)
 同(山内惠子君紹介)(第四二九〇号)
 同(山口俊一君紹介)(第四二九一号)
 同(山田敏雅君紹介)(第四二九二号)
 同(横路孝弘君紹介)(第四二九三号)
 同(吉川貴盛君紹介)(第四二九四号)
 同(渡辺具能君紹介)(第四二九五号)
 同(渡辺博道君紹介)(第四二九六号)
 てんかんを持つ人の医療と福祉の向上に関する請願(岡下信子君紹介)(第四〇二九号)
 同(上川陽子君紹介)(第四〇三〇号)
 同(木島日出夫君紹介)(第四〇三一号)
 同(北村誠吾君紹介)(第四〇三二号)
 同(自見庄三郎君紹介)(第四〇三三号)
 同(鈴木俊一君紹介)(第四〇三四号)
 同(土肥隆一君紹介)(第四〇三五号)
 同(三ッ林隆志君紹介)(第四〇三六号)
 同(谷津義男君紹介)(第四〇三七号)
 同(山井和則君紹介)(第四〇三八号)
 同(鍵田節哉君紹介)(第四二九七号)
 同(三井辨雄君紹介)(第四二九八号)
 同(水島広子君紹介)(第四二九九号)
 社会保障を拡充し、将来への安心と生活の安定に関する請願(細川律夫君紹介)(第四〇四五号)
 乳幼児医療費無料制度の創設に関する請願(藤木洋子君紹介)(第四〇四六号)
 同(松原仁君紹介)(第四一五二号)
 児童扶養手当の抑制案撤回に関する請願(北川れん子君紹介)(第四〇四八号)
 医療への国庫負担を増やし、患者負担引き上げの中止に関する請願(穀田恵二君紹介)(第四〇六五号)
 国民医療及び建設国保組合の改善に関する請願(北川れん子君紹介)(第四〇七〇号)
 あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律第十九条の改正に関する請願(井上義久君紹介)(第四〇七一号)
 同(今野東君紹介)(第四〇七二号)
 同(土肥隆一君紹介)(第四〇七三号)
 同(今野東君紹介)(第四一七〇号)
 同(野田毅君紹介)(第四一七一号)
 助産師の養成に関する請願(北川れん子君紹介)(第四〇七六号)
 非喫煙者健康保護法制定に関する請願(北川れん子君紹介)(第四〇七七号)
 介護保険の緊急改善に関する請願(中林よし子君紹介)(第四〇九六号)
 腎疾患総合対策の早期確立に関する請願(近藤基彦君紹介)(第四一六八号)
 同(谷垣禎一君紹介)(第四一六九号)
 医療費値上げ反対、医療費制度の充実に関する請願(不破哲三君紹介)(第四一七四号)
 同(山口富男君紹介)(第四一七五号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 委員派遣承認申請に関する件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出第四六号)
 健康増進法案(内閣提出第四七号)
 医療の信頼性の確保向上のための医療情報の提供の促進、医療に係る体制の整備等に関する法律案(山井和則君外三名提出、衆法第一一号)
 健康保険法等の一部を改正する法律案(五島正規君外三名提出、衆法第一三号)


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     ――――◇―――――
森委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、健康保険法等の一部を改正する法律案、健康増進法案、山井和則君外三名提出、医療の信頼性の確保向上のための医療情報の提供の促進、医療に係る体制の整備等に関する法律案及び五島正規君外三名提出、健康保険法等の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 各案審査のため、本日、政府参考人として人事院事務総局勤務条件局長大村厚至君、財務省主計局次長杉本和行君、文部科学省高等教育局長工藤智規君、スポーツ・青少年局主任体育官徳重眞光君、厚生労働省医政局長篠崎英夫君、健康局長下田智久君、健康局国立病院部長河村博江君、医薬局長宮島彰君、労働基準局長日比徹君、職業安定局長澤田陽太郎君、雇用均等・児童家庭局長岩田喜美枝君、社会・援護局障害保健福祉部長高原亮治君、老健局長堤修三君、保険局長大塚義治君、年金局長辻哲夫君、政策統括官石本宏昭君、社会保険庁運営部長冨岡悟君及び環境省総合環境政策局環境保健部長岩尾總一郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
森委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
森委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大島敦君。
大島(敦)委員 おはようございます。民主党の大島敦でございます。
 今回の健康保険法の改正案の法案審議に当たりまして、地元のお医者さんあるいは歯科医師の皆さん、そして社会保険労務士さん、今までおつき合いしている健康保険組合、労働組合、さまざまな諸団体の方、私の方から出向いたり、あるいは私の方に来ていただいたり、意見を大分聴取しまして、特にお医者さんからの意見というのは非常に多岐にわたっていただくことができました。また、社会保険労務士さんからもさまざまな論点の提起をいただいておりまして、今回はこの現場の意見をもとに私の質問を組み立てさせていただいております。
 それでは、まず、労災保険法と健康保険の対象の問題について、政府のお考えを伺いたいと思います。
 今、政府管掌健康保険の未適用事業所解消について、政府としては大分取り組まれているというお話を聞いているんですけれども、その点について御答弁願えますでしょうか。
大塚政府参考人 我が国の医療保険制度は、大きく分けますと被用者保険、国民健康保険、二つの制度に分かれているわけでございますけれども、基本的な考え方は、いわゆる自営業者など被用者以外の方は国保、それ以外の、すなわち被用者に当たる方々は健保、こういうことになっているわけでございます。基本的にはその原則に従いましてそれぞれの制度に適切に加入をしていただくという観点に立ちまして、おっしゃいますように、未適用というような形が生じないように、主として中小企業の方々が多いケースでございますので、社会保険庁を中心に、適用の適正化といいましょうか、推進に努めているところでございます。
大島(敦)委員 今、大塚保険局長の方から御答弁ございましたとおり、政府管掌健康保険の未適用の事業所について、今社会保険庁の方で非常に取り組まれているというお話は伺っております。
 それでは、法人の役員が加入する公的医療保険について、その対象はどのような公的医療保険があるのか、お教え願えないでしょうか。
大塚政府参考人 法人の場合には、その使用者、被用者の数にかかわりませず被用者保険が適用されるわけでございますけれども、法人の役員と言われるような方々、お名前はさまざまでございますけれども、理事あるいは役員といった法人の役員につきましては、健康保険の適用というのが基本的な整理でございます。
大島(敦)委員 そうしますと、法人がございまして、これは有限会社あるいは株式会社、合資、合名、従業員を一人でも雇っていれば、その法人の役員が入る医療保険というのは健康保険という理解でよろしいでしょうか。
大塚政府参考人 そのとおりでございます。
大島(敦)委員 そうしますと、法人の役員の方が健康保険に入っている。健康保険というのは業務外の傷病等を対象としているかと思うんですけれども、その理解でよろしいでしょうか。
大塚政府参考人 健康保険法等の規定によりまして、業務外の疾病あるいは傷害などに対する医療の給付を行うということになっております。
大島(敦)委員 そうすると、法人の役員の方が業務上において今の疾病あるいは傷病、事故を起こした場合には、これは健康保険法の対象になるんでしょうか。
大塚政府参考人 健康保険には法人の代表者も加入をしていただくわけでございますが、健康保険の給付が業務外ということになりますので、業務上の疾病、傷害につきましては健康保険からの給付が行われない、そういう仕組みでございます。
大島(敦)委員 そうしますと、今の法人というのは恐らく、町の小さなペンキ屋さん、あるいは家族で物をつくっていらっしゃる方、食品を製造されている方、非常に小さな会社の役員の方が対象になるかと思います。その方が、今社会保険庁の方では、政府管掌健康保険に入ってくれよ、国民健康保険ではなくて政府管掌健康保険に入ってくれよといって、国民保険から政府管掌健康保険に、法律上やはり正しいんですから入る。そうすると、国民健康保険の方では業務上、業務外を問わず医療の給付が行われると考えるんですけれども、その理解でよろしいでしょうか。
大塚政府参考人 国民健康保険の場合には、被用者を対象にしておりませんので、いわば自営業者など被用者以外の方々を対象とするという考えでございますので、いわゆる業務外とか業務上という区別がございません。したがいまして、国民健康保険の場合には、業務上外含めまして給付の対象になる。逆に申しますと、業務上外という区別がございませんので、実質的にはそういうものも対象になる。国民健康保険の場合には業務上外という区別がございませんから、いずれの疾病、傷害も給付の対象となるということになるわけでございます。
大島(敦)委員 そうしますと、今社会保険庁あるいは厚生労働省の方で行っている政府管掌保険の未適用事業所の解消に向けての取り組みというのは、法人の役員の方、小さなペンキ屋さんあるいは肉屋さん、あるいは小さな製造業、物をつくっていらっしゃる方、そういう方を対象にして、国民健康保険の対象ではなく私たちの政府管掌健康保険に入ってくれということをお願いしている。なのに、国民健康保険の場合ですと業務上災害、けがをしてもちゃんと国民健康保険から出る、しかしながら、今審議されている健康保険ではその対象にはなっていない。そうすると、業務上に事故を起こした場合には、だれがその事故に対して給付を行うんでしょうか。
大塚政府参考人 健康保険の考え方からいたしますと、給付の対象は業務外であるということになりますので、健康保険に加入されておられる方が業務上の疾病、傷害によって給付を受ける場合には、健康保険からは給付がないわけでございます。労働者災害補償保険法の方では、特に中小の規模の事業の経営者に対しまして、特別加入という形の制度が仕組まれておりますので、そうした制度を活用していただくというのが現実的な対応になるわけでございます。
大島(敦)委員 しかしながら、今の労働者災害補償保険法の中の特別加入というのは強制ではないと思うのですけれども、それについて、労働基準局長、この特別加入は強制でしょうか。
日比政府参考人 労災保険の特別加入制度、これにつきましては、強制ではございません。
大島(敦)委員 そうしますと、今の政府の行っていることというのは、非常に矛盾するわけです。町場の小さな会社、本当に一生懸命働いている、従業員に残業代が出せないから、今、土曜も日曜も真剣に働いていますよ。そういう人たちが事故を起こした場合には、国民健康保険では面倒を見られたのに、正しい適法の行為を行ってみたら、それに対する補償がないという実態がここで一つございます。
 多くの方が、多くの中小企業、零細企業の役員の方、御家族の方がけがをすると、だれも面倒を見てくれない、これは国民皆保険ではないと思うんですけれども、大臣の御答弁を求めます。
坂口国務大臣 先ほどから大島議員の御指摘いただく議論を聞いておりまして、私もこの問題を初めて知りました。確かに、譲り合った形になっていると申しますか、健康保険の中でも処理はできないし、そして業務上の問題としても、これは現在のところ処理されていない。一体この人たちはどうしているのかなというふうに思いながら聞かせていただいたわけでございます。
 厚生省と労働省一緒になったことでもございますし、今まで、これは想像でございますけれども、お互いに譲り合っていたのではないかという気もいたしますけれども、御指摘いただきましたとおり、この皆さん方の問題というのはどこかが必ずお引き受けをして、そしてその皆さん方に対応できるようにしなければいけませんから、至急これは解決に向けて検討させていただきます。
大島(敦)委員 ありがとうございました。
 もう少し質問させてください、この問題につきまして。
 労働者災害補償保険法の特別加入、この条件については、雇用する労働者について労働保険関係が成立していることということになっておりまして、従業員を一人でも雇用していて、それについて労働保険関係が成立していれば特別加入できるということになっております。
 それでは、その特別加入の場合に、中小事業主が例えばけがをした場合に、その範囲というのがあると思うんですけれども、どういう時間帯に中小事業主が事故、けがをした場合に、この特別加入の条件になるのか。労働基準局長、御答弁願います。
日比政府参考人 特別加入、幾つかの種類があるわけでございますが、お尋ねは、中小企業事業主の特別加入の場合だと存じます。
 この中小企業事業主の特別加入、これの制度との関係で、給付対象となる業務上、その範囲の問題でございますが、中小企業事業主の特別加入制度、この制度につきましては、当該事業所、事業場の労働者と一緒になって働く、あるいはそれと同様の働き方をする、この場合に、事業主だからといって、実質が労働者と同じように働いているのにということに着目した制度でございますので、原則的なことを申し上げますと、労働者と一緒になって働いている、そのときの災害、あるいは、時間的、場所的に申し上げますと、たまたま労働者がいなくても、労働者の本来の時間中、同じ場所でというようなことを原則としております。
 ただ、この場合、零細規模事業場ですと、事業主あるいはその家族従事者だけで前作業をやったり後片づけをやるというようなことがございますので、その部分につきましては、労働者とともにでなくても、あるいは本来の時間の前、後であってもいいという扱いを現在いたしております。
大島(敦)委員 ただいまの労働基準局長のお話ですと、労働者、従業員の方がいらっしゃって、従業員と一緒に働いている際の事業主の方、あるいは、一緒に働いているんですけれども、その従業員の勤務時間より前に出社されて準備をされる方、あるいは、従業員さんが帰った後に残業して、その仕事を継続してやっている方については、労災保険の特別加入で救済されるということなんですけれども、例えば、今非常に厳しいですから、中小企業の方は、先ほど申し上げました、土曜日も日曜日も、従業員の方に休日出勤をお願いするような財政状況にないわけなんです。お父さん、お母さんあるいは息子さんたちが会社に出て作業をする、そういう実態もあるかと思うのですけれども、その際に事故を起こした場合には、この特別加入によって救われるのでしょうか。
日比政府参考人 原則的なことを申し上げますと、特別加入の際に、どういう仕事に従事するかというのを特別加入のいわば条件として設定しております。
 今お尋ねの件でございますけれども、労働者が働いている、そのときに例えば注文生産がこなせない、それで、別の日に事業主あるいはその家族だけで行った場合という御指摘だと思います。この場合に、現在の取り扱いといたしましては、原則的には補償の対象としないということを原則としつつ、先ほど申し上げましたように、状況によっては対象となり得る。
 このようにしておりますのは、そもそもの趣旨ということもございますけれども、給付の適正さの確保の上で、これは本来、事業主の方の、例えば経営そのもののためとかそういう活動は一応対象にもともとしていないという発想がございまして、どこかで、確認作業を含めまして、先ほど申し上げたような対象業務かどうかということを確認するということの技術的な点も含めまして、今、典型的に申し上げましたケースについては、原則として補償の対象としないということでやっております。
大島(敦)委員 そうしますと、先ほど、大塚保険局長の方での御答弁の中で、もしも健康保険法の対象にならなくても労働者災害補償保険法の特別加入がある、それで救うことは可能であるかもしれないという御答弁がございましたけれども、ただいまの日比労働基準局長の御答弁では、あくまで、救えるのは、従業員と同じ業務をやっている、同じ時間内にというのが大原則になっておりまして、それから、休日出勤等で全く従業員の方と連関性がない場合には給付の対象とはしないというお話がございましたので、この特別加入についても絶対的な条件ではないと思います。
 ところで、今、健康保険法の場合ですと異議申し立てができると思うんですけれども、社会保険審査官、あるいは社会保険審査会だと思うんですけれども、それについて、平成九年かとは思います、業務上か業務外であるかについての裁決が出ているかと思うんですけれども、それについて御説明していただければ幸いでございます。
大塚政府参考人 社会保険審査会は、医療保険に限りませんけれども、いわゆる社会保険の個別のさまざまな不服に対しまして、被保険者等からの請求を受けまして、行政庁とはいわば独立した機能といたしまして、裁判に先立ちましてその不服審査を処理する。全体といたしましては、社会保険関係の業務に関連する不服をできるだけ迅速に処理するという観点で設けられているものでございまして、さまざまな活動を行っているわけでございます。
 今のお話は、平成九年に、ただいま一連の御質問にございましたような関連のケースがあって、これに対する裁決が行われたケース、御指摘のケースはそういうケースだろうと思いますが、平成九年の事例で業務外、業務上の問題が問題になって不服が出されたケースがございます。
 この裁決におきましては、いわば被保険者、申請者の主張あるいは要望を取り入れまして、業務外というよりも健康保険で給付するというのが適当という裁決が行われておることは私どもも承知をいたしておるところでございます。
大島(敦)委員 そうしますと、これは平成九年の七月三十一日ですから、今からもう五年も前に、今、坂口厚生労働大臣がおっしゃられたような内容について社会保険審査会の方ではもう裁決しているわけなんです。これは、労災保険法の業務上の事由に該当しない傷病等を健康保険法の業務外の保険事故とするということで、労災保険法の対象にならないものはすべて健康保険法の対象とするという裁決がこの社会保険審査会の方で出ているわけなんです。今までに、五年間、このような裁決に対してほったらかしにしていたのではないのかなと思うわけなんです。
 そして、この裁決は、ほかの裁決あるいは労働保険審査官の方のいろいろな判断に、この個別の裁決というのは影響を及ぼすんでしょうか。
大塚政府参考人 理論的にはと申しますか、基本的には、あくまで個別の事案の処理ということでございますので、他の事例にその審決の内容が直接影響を及ぼすというものではないというのが理論的な整理でございます。
大島(敦)委員 ありがとうございました。
 そうしますと、今までですと、このような、労働者災害補償保険法でも救済されない、健康保険法でも救済されない、中小企業の事業主の方、事故を起こしたのにどちらからも救済されない。そのためには、まずは不服の申し立てを労働保険審査官にして、さらに一番上の社会保険審査会にまで持っていく。これは非常に大変なわけですよ、ここまでの労力を使うというのが。
 したがいまして、ちょっと私も非常に反省しておりまして、この厚生労働委員会に来て二年になるんですけれども、この事案について気づかなかった。政府も気づいていない。これは政治の責任だと思うんです。
 ですから、ぜひ坂口厚生労働大臣の方には、先ほどの御答弁ありましたとおり、厚生労働大臣名で通達を出していただく。あるいは、今回の健康保険法の改正案、非常にサラリーマンの方皆さんに負担を強いるわけなんです。そこで、私は、一つ提案したい。
 健康保険法の第一条に一個加えればこれは解決するわけなんです。今、二項までありますから、健康保険法の第三項に、法第一条における業務外の事由による疾病、傷病もしくは死亡とは、労災保険法第一条における業務上の事由または通勤による労働者の負傷、疾病、障害または死亡に該当しないものをいうということで、明確に、今回の健康保険法の第一条のところに改正を加えればこの問題は解決したと思うんですけれども、それに関して厚生労働大臣の所見を伺いたいと思います。
坂口国務大臣 確かに、先ほど申し上げましたとおり、両方の中間の問題で、両方、どちらからも救えるようになっていないというのはこれは大変な問題だというふうに思います。それをどちら側で、健康保険の方にこれを入れるのか、それとも労災の方に入れるのか、どちらの方に割り切る方がいいのかということを至急議論して詰めないといけないというふうに思います。
 一つの方法としては、健康保険法の方に入れるというのも一つの方法だと思いますし、また逆に労災の方で処理をするというのも一つの方法だと思うんですね。
 特に健保は、保険者の皆さん方も多くお見えになるわけでございますしいたしますから、そうしたことにつきましても、これは御相談も申し上げなければならないというふうに思います。
 いずれにいたしましても、どちらかにしなきゃならないと思いますし、どちらにするかということを至急検討させていただきたいと思います。
大島(敦)委員 まことにありがとうございました。
 それで、一応、国家公務員の方の労災、あるいは業務上、業務外、公務による、公務によらないのケースについて、今回、人事院の方、財務省の方、お願いしておりますので、今私が御質問したようなことというのは国家公務員の場合には起こり得るんでしょうか。
杉本政府参考人 国家公務員の場合の病気または障害についてどういう法律が適用されるかでございますが、公務によるかよらないかで区別してございまして、公務によらない場合には国家公務員共済組合法が適用されます。公務上の災害につきましては国家公務員災害補償法が適用されることになっております。
 今、委員がおっしゃっているような議論につきましては、国の場合は、雇用主体が国という法人でございますので、国という法人自体が傷病にかかるということはございませんので、そういう問題が生じないのかと考えております。
大村政府参考人 お答えします。
 今、財務省からお答えになったように、国家公務員の場合、特に一般職の国家公務員の場合は、公務上または通勤によりまして負傷とか疾病とかそういう災害を受けたときには、すべて国家公務員災害補償法の適用をされることになります。それ以外は共済組合法の適用になるということでございます。
大島(敦)委員 最後に、坂口厚生労働大臣にお願いしたいんですけれども、私の今までの論点というのは、中小企業の事業主の方が対象でございまして、今後、せっかく旧労働省と旧厚生省一緒になったものですから、健康保険法と労災保険法の業務という概念が若干違うんです。今これは、ちょっと、詳しく法律をひもといてみると、同じ言葉なんですけれども内容が若干違うものですから、この谷間でなかなか救われていない方が事業主の方以外の方もいるものですから、公務員ですと、国家公務員あるいは地方公務員の方ですとその問題がないというお話ですので、民間の方についてもこの問題がないように調整をお願いしたいんですけれども、どうでしょうか。
坂口国務大臣 谷間があってはいけませんので、このほかにもそうした問題がないかどうかもあわせてちょっと検討させていただいて、そして、谷間を至急なくするようにしたいと思います。
大島(敦)委員 ありがとうございました。
 それでは、また違った論点から質問させてください。今度は、リハビリテーションに関して。
 今回の診療報酬の見直しによって、地元のお医者さんの方にヒアリングしますと、今回のリハビリテーションに関して幾つかの疑問点がございまして、それについて、私も、ああ、そうかなと思いましたので質問させていただきます。
 早期リハビリテーション加算の設定が、発症後十四日以内、十五日以上三十日以内、三十一日以上九十日以内という三段階になっている。その対象となっている患者の、脳血管の病気、脊髄損傷等の脳、脊髄外傷、大腿骨頸部骨折、下肢、骨盤等の骨折、上肢骨折、または開腹術、開胸術後の患者となっているが、それぞれ全く異なる病気であるにもかかわらず一律三段階に設定しているのは余りにも大まか過ぎるのではないかというような御指摘があったんですけれども、いかがでしょうか。
大塚政府参考人 診療報酬をめぐるさまざまな課題の中で、個別に見ますと、最終的には本質的な問題につながるものであるわけでございますが、おっしゃいますように、疾病そのものは極めて多様でございます。余りに詳細の区分ごとにいわゆる診療報酬という費用の支払い方を定めますとこれは複雑になる一方でございますし、かといいまして、それぞれの疾病の状況にできるだけ応じた診療報酬にする、これが常に診療報酬上は課題でもございますし、また検討すべき課題としてあるわけでございます。
 リハビリテーションにつきましては、基本的に所定の点数でお支払いするのに加えまして、一定のものにつきましては加算という形で必要な費用をお支払いする。お話の早期リハビリテーション、あるいは回復期リハビリテーションというようなものもございますけれども、そうしたものにつきましては、加算という形で一定の疾病、今回もその疾病の範囲をかなり広げておりますけれども、さらに必要な経費をいわば保障するという形で、そういう仕組みをとっております。
 したがいまして、個別の疾病ごとにといいましてもなかなか難しゅうございますし、一方では、リハビリテーションの技能、技術というのはいわば共通、基本があるわけでございますから、そういう観点で、現在のような体系でリハビリテーションに関する診療報酬を定めている、こういうことでございます。
大島(敦)委員 私も、もう少し細かく設定してもいいのかなとは思います。ちょっと今の大塚保険局長の答弁は若干私と認識が違うようですので、これは今後改めて議論していきたいと思います。
 申しわけありません。人事院の方、財務省の方、答弁を求めませんので、お帰りいただいて結構でございます。
 次に、今回の改定では、早期リハビリテーション、回復期リハビリテーションを高く評価しています。しかし、一般の病院からリハビリテーション専門の病院に紹介される患者には、遷延性意識障害といった長期にわたるリハビリが必要な方が多いと地元の医師の方から伺っております。今回の改定は、長期リハビリは病院側にとっては余りもうからないという理由から、こうした患者の切り捨てにつながるおそれがあるのではないかという御指摘があるんですけれども、いかが考えればよろしいでしょうか。
大塚政府参考人 今回のリハビリテーション関連の診療報酬の見直しは、かなり大幅な見直しをいたしております。
 大幅な見直しといいましても、例えば従来の仕組みを基本的には単位制に変えるとかいった仕組みの変更でございますけれども、その中で、今回特に重点を置きましたのは、お話にもございましたけれども、早期リハビリテーションあるいは回復期のリハビリテーション。これは、リハビリテーションに関連する学会、あるいは現場の声から、リハビリテーションにつきましてはできるだけ早期に集中的に行う、しかもその回数というよりも内容によるというような研究成果が取りまとめられておりまして、そうした考え方に立って全体を見直したというのが一つでございます。
 一方では、お話の遷延性意識障害というように、どうしても長期になられる方がおられます。こういう方につきましては別途の要素があるわけでございますから、例えば、従来は六カ月で一種の逓減制というものを実施いたしておりました。しかし、こういった方々につきましてはさすがに逓減制というのはいかがかということで、今回はこの逓減制を廃止いたしております。こういう形で、一定の期間が来ると他の医療機関にお回しした方が経営的にどうこうというようなことの要素が少なくなるように、そういうことのないように、逓減制を廃止いたしました。
 つづめて申しますと、一方で重点的な評価をし、一方では、そういった形で、長期のリハビリが必要な患者さんにつきましては、そうした逓減制の廃止などの方法によって配慮をしている。しかし、全般といたしましては今回の診療報酬全体が大変厳しい改定であるということは御案内のとおりでございまして、トータルとしては過去にない引き下げを行っておりますから、それぞれの医療機関で大変厳しく受けとめられているのは事実でございますけれども、これは今日の医療保険制度の運営上やむを得ざることでございまして、その範囲の中で、できる限りの配慮と工夫といいましょうか、現場の御意向をできるだけ反映するようにという努力をいたしたつもりでございます。
大島(敦)委員 早期リハビリテーション、回復期リハビリテーションを優遇しても、今回はできるだけ早目のリハビリテーションを優遇しているかと思います。それ以降、医療型の慢性期病床に回されることになると、今までの老人病院へのたらい回しとは変わらず、医療費の削減にはならないのではないかと思いまして、この早期リハビリテーション、回復期リハビリテーションを優遇するのであれば、例えばリハビリ終了後の在宅復帰率を七割とか八割とか、こう目標値を設定した方が、せっかく早期とか回復期に優遇していくんですから、ある程度、終わったらしっかりと復帰できるような目標値を設定すべきとの御意見もあるんですけれども、それに関しては、厚生労働省はどのようにお考えでしょうか。
大塚政府参考人 早期リハビリテーションなど、優遇と申しますか、重点を置いた改定をいたしたわけでございますが、今のお話の、いわば目標でありますとか一種の成果というものを指標にしてはどうかというお話だろうと思います。
 実はこれも、一つの大変貴重なといいましょうか、よく議論される課題でございます。リハビリテーションに限りませんけれども、医療行為のアウトカムと申しましょうか、成果を診療報酬上の評価につなげられないか、こういう議論はございますけれども、率直に申しまして、なかなか技術的には難しゅうございます。理念的に、あるいは考え方として重要な発想だとは思いますけれども、大変多様な医療現場でございますから、その適切な指標を設定すること、あるいは、そのことによってそもそも医療内容にどういう影響があるかということを見きわめること、現実には難しい面がございます。
 もちろん、今後のさまざまな研究、あるいは臨床の積み重ねでそうした方向が見出せる可能性は十分あると思いますし、そういう問題意識は持っていく必要があると思いますけれども、まだまだ専門家の御意見も踏まえながら研究をしていくという段階にとどまっておるというふうに申し上げざるを得ないと思っております。
大島(敦)委員 坂口厚生労働大臣も、今の保険局長の御意見と同じという理解でよろしいでしょうか。
坂口国務大臣 リハビリの問題につきましては、私のもとにも、多くの整形外科の先生方等から御意見をちょうだいしているところでございます。
 早期のリハビリ、回復期のリハビリ、それぞれ重要だというふうに思っておるわけでございますが、それに対する保険点数のつけ方、そしてそれによる影響がどんなふうに出るのかということにつきましては、今のところ、これによってどうそれが患者さんの行動に影響を与えるのか、あるいはまた医療側の行動に影響を与えるのかということは、少し私もわかりにくいというふうに率直に思っております。したがいまして、このリハビリの問題につきましては、とりわけこの三カ月程度、四月から六月までの間の様子というものを少し見させていただきたいということを整形外科の先生方にも申し上げているところでございます。その結果を見て、どうするかということを中医協等でまた御相談していただくことになるのではないかというふうに思っている次第でございます。
大島(敦)委員 ありがとうございました。
 次に、診療報酬について、また違った観点から質問をしたいと思います。
 特に、今回さまざまな文献を読ませていただきますと、日本のお医者さんの技術料は外国と比べて非常に安いのではないかという御指摘がございまして、安い技術料のために日本の医療に不満を持っていらっしゃるお医者さんも多いのかなと思っております。
 技術料というのは、大学を出たばかりの新しい先生でも、脂の乗った先生でも、あるいは大分御高齢の先生でも、一律同じだと思います。これに関してはさまざまな御意見がお医者さんからもありまして、それは一律でもいいんだ、自分も若いときもあったし、脂の乗り切った時期もあったし、今は大分高齢になっているから、人生トータルすれば同じだよという意見もございますし、あるいは、やはり外国まで出られて自分の専門的な知識も非常に持っていらっしゃる、ですからぜひそこのところは正当に評価していただきたいというような御要望もございます。
 今後、医療制度の抜本的な改革の中で、このお医者さんの技術料についてはどのようなお考えで討議を進めていくのか、その点について御答弁いただければ幸いでございます。
大塚政府参考人 診療報酬のあり方は、実はそれぞれの国でかなり違うわけでございまして、なかなか、共通点を見出すのが結構難しゅうございます。特に医師の技術料というのは、各国でもその扱いは明確という段階ではございません。と申しますのは、現場の状況からいいますと、患者さんの態様によっても異なりましょうし、もちろん経験その他の状況によっても異なりましょうし、一律になかなか基準を引くことが難しい。これはある意味では医療の本質にかかわる問題だろうと思っております。良質な医療に適正な評価が行われる、これは考え方としては重要でございますから、それを基本に置かなければならないというのが一つございます。
 それから、従来の診療報酬に関連する議論、あるいは今後の御議論にも関連すると思いますけれども、一つの大きな御議論は、技術と物といいますか、技術についての評価と、物に対する価格に当たるものの評価というのをもう少し整理をし、それぞれに応じて診療報酬点数を配分できないか、これも逐次進めてきておるわけでございます。こうしたあたりが診療報酬をめぐる従来の、またこれからにも引き続く重要な議論だと思います。
 ただ、技術料そのものをどう評価するかというのは、先ほどのお話ではございませんけれども、極めて難しゅうございます。各国においても、すっきりと割り切れた制度があるとは私は承知をいたしておりません。
 ただ、そこまではまいりませんけれども、例えば今回の診療報酬改定におきましても、手術につきましては技術難易度というものを評価する、これは相対的な評価になりますけれども、そういったことの見直しを行っておりますし、難易度の高い手術につきましては一定の経験を有する医師の配置があるかないかということで区分をする、さらには、画像診断についても同様なものを取り入れるといったような形で、そういう方法を一応採用することによって、一つの試みと申しましょうか、改善をしているつもりでございますが、なかなか難しゅうございます。
 これからの相当の蓄積がございませんと、にわかに結論は出せませんけれども、考え方と申しましょうか、理念としては重要な要素だというのを頭に入れまして、今後のいろいろな作業あるいは検討に臨みたい、こういうふうに考えているところでございます。
大島(敦)委員 私の先週の質問では、自由診療の保険、これを民間の保険会社が今つくり始めているという御指摘をさせていただきました。今回、お医者さんとお話しすると、海外の経験がある方は自由診療とか混合診療に非常な理解を示されている方も多いのが現状でございます。
 医療制度改革というのは、国内だけの議論で割り切って進めると、やはり今、命を助かりたいために海外で治療を受けられる方も最近は出ていらっしゃると私は聞いておりますので、医療制度改革の抜本的な改革の中では、今までの日本国内の医療行政ということと、あと外国との比較、あるいは外国で受けられるサービスとの比較と、その解決する折り合いという観点をしっかり見ておかないと、私としては今の国民皆保険というのがゆがんでしまう、おろそかになってしまうのかなという危惧を持っておりまして、その観点につきまして、坂口厚生労働大臣の方から御答弁いただければありがたいのですけれども。
坂口国務大臣 自由診療につきましても、確かに、病院協会とか日本医師会とか、そうしたトータルと申しますか全体でお聞きをしますお話と、それから、外国の御経験がありましたり、あるいはそこまでいかなくても時々外国で御勉強になっておみえになったりする皆さん方を含めた一般の先生方の御意見との間にかなり乖離のあることがあるということは、私もそう思っております。
 今まで閉鎖的なこの国の中で考えてまいりましたことが、国際化によりまして、すべての分野におきまして大変開かれた形になりつつある。日本の国内でできなければ、それは外国へ行ってするからいいよというふうにお考えの患者の皆さん方もおみえになる。そうした状況になってまいっておりますので、これからの医療全体を考えていきますときには、やはり国際化に対応できるような医療制度にしていかないと通用しないというふうに、私も総論ではそう思っているところでございます。
 さて、それをより具体的にどうしていくかということになると、これまたなかなか意見がかなり相違するというふうに思いますけれども、徐々に全体としてはやはりそういうふうにしていかないといけないというふうに思っています。きょう、どなたかから御質問いただく、あるいは先生だったかもしれませんけれども、外国から日本にお越しいただく医師の皆さん方の問題やら、日本の医師で外国へ行かれる皆さん方の問題やら、そうしたことも含めまして、医療技術者の問題もありますし、患者の皆さん方の方から考えなければならない問題もございますので、やはり流れとしては国際化に対応できるようにしていかないといけないというのは、総論でそう思っている次第でございます。
大島(敦)委員 外国との比較で、先ほどは日本のお医者さんの技術料の問題を御指摘させていただきました。
 あともう一つは、よく言われている薬価の問題がございまして、外国に比べて日本の薬は高過ぎるのかなという御指摘があります。製薬会社の方はまた違った、そうではないよ、しっかり物事を管理してよく研究開発もやっているんだから高くて当然だという意見があるんですけれども、ただ、余りにも高過ぎる、あるいは外国から日本に医療器具を輸入するに関しても、物すごいさまざまな許可、書類を提出しないと日本の中に持ち込めないというのがありまして。
 もちろん、それを省くことによって安全が損なわれる、これはいけないと思うんですけれども、今の行政の中で、これから今大臣おっしゃったように国際化していきますから、それにたえ得るような国内の制度というのも必要かと思うんですけれども、今回の医療制度の抜本的な改革の中でその点について御検討される予定はございますでしょうか。
大塚政府参考人 薬価あるいは治療材料についての国際的な格差というお話でございますけれども、確かにいろいろな見方がございます。例えば、薬につきまして全世界の使用量の上位三十品目ぐらいをとりますと、日本の場合はアメリカあるいはドイツよりは安うございます。しかし、英国、フランスよりは高い。これをもって外国より高いか低いかと一律にはなかなか議論できないところでございますが、物によりましては外国との非常な格差があるという品目もございます。逆に、日本の方がうんと安いという場合もあるわけでございます。
 特に外国と大きな著しい差があるという医薬品あるいは医療材料につきましては、今回の診療報酬改定の際にもその算定ルールを見直しまして、私どもの言葉で言いますと外国価格調整というような言葉を使っているのでございますけれども、大きな差があります場合には、特に新薬の算定あるいは医療材料の値段をつけますときに、一定のルールに基づいて調整をするというような方法を導入あるいは強化いたしております。
 したがいまして、今後大きな格差というのは縮まっていくと思っておりますし、また、今後もさらに格差是正、特に外国との極端な差があるようなケースがないではございませんが、そういうものについては是正する方向で引き続き努力をし、またその対策を強化していきたいと考えております。
大島(敦)委員 今、物流の合理化、物のいろいろな流通経路の合理化ということで、日本の会社はそれぞれ非常な努力をしているものですから、製薬業界もまだまだそのような合理化努力をするところがあるのかなという実感は持っておりますので、そこのところを今後も十分に御検討されて、よりよい医療の方に持っていっていただければ幸いでございます。
 次に、また論点を変えまして、ピルの問題についてちょっと伺いたいと思います。
 今後を担う若者に関する問題でもございまして、まず確認したいんですけれども、一九九九年の六月に、当時の厚生省が低用量経口避妊薬、いわゆるピルを承認して以来、今月でちょうど三年がたっていると思います。
 ことしの三月に、イギリスの環境庁は、環境ホルモンの最新の研究結果を発表しております。その中で、河川に流れ込む下水処理場からの排水に含まれる女性ホルモンが雄の魚の生殖能力に影響を与えている、つまり、雄の雌化や精子生産能力の低下を引き起こしていることを確認したことを発表しております。
 特に、ピルに含まれているエチニルエストラジオールの影響力は以前考えられていたよりもずっと強いことが確認されたということなんですけれども、この結果につきまして環境省の方はどのような御見解を持っていらっしゃるでしょうか。
岩尾政府参考人 お答えいたします。
 平成十二年度に環境省が実施した環境実態調査では、エチニルエストラジオールの河川での検出率は、百二十四の地点のうちの八地点、六%に検出されております。その中の最高値は、〇・八ナノグラム・パー・リットルでございます。一方、魚への影響ということで環境省が実施したメダカを用いた試験によりましては、産卵数の減少あるいはふ化率の低下というのが観察された濃度が、一〇・一ナノグラム・パー・リットルということになっております。
 したがいまして、現時点では、環境中に存在するエストラジオールの量が魚にどのような影響を及ぼしているかというのは必ずしも明らかではないと考えておりますが、環境省としては、一般環境中のエチニルエストラジオール濃度を経年的に調査するとともに、本年より詳細な有害性調査を行うということにしております。
 以上です。
大島(敦)委員 今回、食品添加物あるいは香料の問題、食品の安全管理の問題で、相当ことしに入ってから問題が起きております。そして、あるいはシックハウスの問題等、私たちの体が非常に敏感になっておりまして、環境ホルモンの問題というのは非常に重要な問題だと私は考えております。そして、ピルの成分は、環境ホルモンということは否定できない事実だと思います。
 ところで、先月の二十九日の文部科学委員会で、厚生労働省の管轄の財団法人母子衛生研究会が作成し、全国の中学生に約百三十万部配付されている「思春期のためのラブ&ボディBOOK」のことを我が党の山谷議員が取り上げておりました。
 この小冊子を全部読ませていただきまして、よくわかりやすく書かれているなという点は認めるんですけれども、市販の買いに行って買う本ではなくて、百三十万人の中学生に配る本ですから、内容というのは精査されてもいいのかなと感じております。きょう、当委員会で配付しようかなと思ったんですけれども、内容が内容だけにちょっとやめておりまして。
 この中で、ピルをきちんと飲めば失敗率というのが一%という記載がありましたり、ここに、今手元に持ってきているんですけれども、コンドームの場合には失敗率が一二%であったり、こういう記載がございまして、私どもの山谷議員の質問に対して、遠山文部科学大臣は、中学生にここまでという気はするというように否定的な御見解を示しております。
 今若い世代の性感染症というのは増加傾向にあると僕は思っておりまして、非常に深刻であるわけなんです。そうしますと、先ほどの環境ホルモンの問題と、今回のこの記述の中でどちらかといえばピルを服用することを勧めているやにとれるような記載が多いものですから、これについて、まず政府としてはどうお考えになっているのか、雇用均等・児童家庭局長の方から御答弁願えれば幸いでございます。
岩田政府参考人 先生がおっしゃいましたように、若者の間で性行為が活発化しておりますので、望まない妊娠の問題ですとかクラミジアなどの性感染症がふえているということは、大変重要な、深刻な問題であるというふうに思います。そのために、思春期の子供たちに正確な情報を教える教育をするということが大変大事であるというふうに思っております。そういうことで、旧厚生省の時代でございましたが、思春期の子供に性の問題をどういうふうに、何を教えるかということについて、研究会を設置いたしました。
 その研究会報告には、関係する点、二つ大事なことがありまして、一つは、望まない妊娠を避ける視点から、避妊の方法を具体的に教えなさいということで、コンドーム、ピルなど、複数の避妊の方法を比較しながら解説をするということ、そしてもう一つは、性感染症の種類とか予防方法、その怖さ、こういうことについてしっかり解説するようにこの研究会では提言いたしております。
 委員が今取り上げられました小冊子につきましては、財団法人の母子衛生研究会がこの研究会報告に基づいて作成をしたものというふうに思っておりまして、私も一読をいたしましたけれども、望まない妊娠を避けるためのピルやコンドームなどについての具体的な解説、そして、性感染症の予防のための手段として、コンドームや女性コンドームについて具体的に、中学生でもわかりやすいように書かれているというふうに思っております。
 なお、参議院でもいろいろ御議論がございましたし、また、きょうも委員から御指摘でございますので、そういったさまざまな意見があるということを関係の財団法人の方に注意を喚起したいというふうに思っておりまして、よく教育現場の意見ですとか産婦人科の専門家の意見なども聞きながら、その記載の内容とか表現について、必要であれば見直しをするように助言をしているところでございます。
大島(敦)委員 今後とも、これは特に教育現場がタッチする問題ですから、厚生労働省の方でつくられたとしても、今局長がおっしゃったとおり、やはり教育現場の意見も聞いて配付すべきものだと思うんです。
 その点について、厚生労働大臣の方から、今後、文部科学省とはこのような問題について連携とりながらやっていかれるのかどうかについて御答弁いただければ幸いでございます。
坂口国務大臣 連絡を密にしてやっていきたいというふうに思っております。
 私も拝見しましたが、書かれております内容が間違っているわけでもないというふうに思いますし、ただ、今委員が御指摘になりましたようなピルの環境ホルモンとしての影響等の問題は、それは別途の問題としてあるのかなというふうに私も今聞かせていただいたわけでございますけれども、いずれにいたしましても、この問題、教育現場で利用いたしますときには、文部科学省と十分な相談をさせていただきたいと思います。
大島(敦)委員 ありがとうございました。
森委員長 次に、松原仁君。
松原委員 民主党の松原仁であります。
 今の健保法改正でありますが、小泉さんは、従来から三方一両損ということを言っているわけでありますが、我々が一般の立場で見ていますと、どうも国民に負担を強く求めるという側面ばかりが見えてきて、その他の部分のさまざまな改革、道筋が見えないものがいろいろな領域で多いわけでありますが、今回の医療の問題についても同じではないかというふうに思っております。
 現在、少子高齢化社会が訪れているわけでありまして、三十兆円とも言われる国民医療費、これをいかにして合理化するかということももちろん大事な問題であります。
 その中で、例えば一九九六年のOECDのヘルスデータによりますと、医療費に占める薬剤比率の高さ、これはそれぞれのデータがあるわけでありまして、また、その後も日本は改善に向かっているということでありますが、この段階では、日本は二一・二%、そして日本以外の平均が一二・七パーでありまして、アメリカが九・四%ということでありました。
 その後、さまざまな努力がなされているというふうには聞いておりますが、やはり医療の現場、私の知り合いの医者に聞いてみても、まだまだ日本は薬の値段がどうも高いというふうに言われているわけであります。その理由の一つには、例えばゾロ品というものがなかなか日本では採用されていかないというふうなこともあるようでありますが、こういった部分で、やはり医療の部分、特に薬剤、この部分に関してもっともっと努力をしていくべきではないかというふうに思っているわけであります。その一方において診療報酬を下げるということもなされて、大変にお医者さんの世界も今厳しい環境になっているわけであります。
 一方において診療報酬を下げる、しかしながら、一方において二〇%から三〇%へと国民の負担を上げるというふうなことがなされているわけでありますが、この時期に、こういった大変に不景気の時期になぜ三割にこれを上げるのか、そういった一般的な国民の疑問に関しまして、まず冒頭、大臣にお伺いいたしたいと思います。
坂口国務大臣 先生から御質問をいただきまして、感謝申し上げたいと思います。
 今日まで医療制度はさまざまな改革を加えられてまいりましたし、これからもまた加えていかなければならないというふうに思っております。
 一つは、少子高齢化が急激に進んでまいりましたこと、とりわけ高齢化が進んでまいりましたことが、医療に現在大きな影響を与えております。少子化の方も若干は与えておりますけれども、現在のところはそんなに大きな影響にはまだなっていないというふうに思っております。それからもう一つは、国際化も進んでまいりました。こうした中で、どのように変えていくかということがさまざまな角度から議論をされておりますけれども、現状のままでまいりますと、特に政管健保等につきましては、ことしじゅうに財政的に行き詰まってくるということは明白でございます。
 これらのことを避けていこうというふうに思いますと、保険料を上げていただくか、さもなくば自己負担をちょうだいするのを少し上げさせていただくか、どちらかになってくるわけでございます。国庫負担ということになれば、これは税ということでございますから、税の問題にまたなってまいります。
 そこで、現在の医療保険制度をやっていきますときには、一方におきまして、むだのあるところは省かなければならない。いろいろ御指摘もいただいておりますし、我々も真剣にむだなところを省いていくという操作を今やっているわけでございます。例えば、保険制度の統合化の問題もその一環でございますし、また、レセプトの取り扱いにつきましてもその一つでございまして、そうした問題を、私たち一つ一つチェックをしながらむだを省く。
 しかし、むだを省きますけれども、なおかつ、高齢化によりまして年々歳々一兆円近く増加していきます医療費をどのようにしていくかという問題があるわけでございます。今回提出をさせていただいておりますこの案をもとにいたしましても、なおかつ年々六千五百億から七千億程度の増加が見込まれるというようなことでございます。
 こうした問題がありますだけに、やはり保険料なり個人負担なりにもお願いを申し上げなければ、この国民皆保険制度というものが破綻をしてしまう。現在だけではなくて、私たちの将来、子供たちや孫たちの時代にもこの皆保険制度を堅持していきますためには、やはり変えるべきところは変えていかなければならない。将来ともに安心できるという案をつくることが国民の皆さん方にも御理解をいただくことではないかというふうに思っている次第でございます。
    〔委員長退席、野田(聖)委員長代理着席〕
松原委員 そういった財政的な、プライマリーバランス的な要素も必要でありますが、大事なことは、TPOというものが物事には大事だというふうに私は申し上げたいわけでありまして、特にこの時期、日本は大変に経済が悪化をしているわけであります。私の場合、地元は品川、大田でありますが、多くの中小企業が倒産をするような状況でありまして、本当にあすの生活をどうしようかというようなところまで出てきている状況であります。
 そういう極めて厳しい経済環境の中にあるときに、それは三〇%にするという一つのいろいろな理屈があるかもしれぬ、しかしなぜまたこの時期にやるのか、TPOが余りにも悪過ぎる。どうも最近の政府を見ていると、TPOというものが余り重視されていないような気がするわけでありますが、この時期に何で三割なんだ、この時期に、こんな厳しいときに何で上げるんだというのは、これは国民のほぼ総意に近いものがあるのではないかと私は思っているわけであります。
 私は、先般の国会の本会議でも言いましたが、自然権というのを言いました。民主主義というこの制度を、一番最初にあったのは、淵源は古代ギリシャにあったわけでありますが、近代民主主義というのはイギリスで産声を上げた。そのときにジョン・ロックがプロパティーということを言って、四つぐらい挙げている。もちろん生命とか自由とか財産というのはあるけれども、健康というものも、これは基本的な、人間が生まれながらにして持っている権利であるというあたりをまず考え、認めるところから民主主義の根本がスタートしていて、その自然権を守るところに、言ってみれば人間の、そのときの行政、政府の大きな使命があるんだということを彼は言っていた。
 私は、その使命からいうと、こういった景気が低迷し、社会が暗くなっていく、未来に向かってなかなか展望が持てない、そういうときにこそ逆に三〇%ということをしない、逆に二〇%を据え置く、頑張る、さらにはもっと言えばそれをマイナスにするぐらいでもいいわけでありまして、そういう明るいものを与える、明るい兆しを与えることが必要だと思うのですが、なぜこの時期、三〇%なのか。
 私は大臣の御答弁では十分に答えになっていないと思うのですが、もう一回御答弁をお願いいたします。
坂口国務大臣 こういう時期だからこそ健全な制度というものをつくらなければならないと私は思っております。
 健康というものが大事。この健康というものが大事であるがゆえに、例えば大きな御病気をなすったときに、それに対応できるような現在の皆保険制度というものを堅持しなければならないわけであります。
 現状におきましてはこれが堅持できない。ですから、経営者と申しますか、医療経営者の皆さん方にもひとつそれ相応の、応分の御努力をいただく、保険点数の引き下げということにつきましても御理解をいただきたい。そして、保険料をお支払いいただきます皆さん方にもそれはお願いを申し上げていかなければならない。
 こういう厳しい時代であればこそ、そういうことをお願いして、全体として堅持をしていかなければならない、そこが一番大事なところだと私は思っているわけであります。
松原委員 本当に苦しい御答弁だなと思っておりまして、私は、恐らく大臣は心の中では本当は反対なんではないかというふうな思いすらあるわけでありますが、それは内閣の一員ということでありますのでそういったことになるのだと思っておりますが。
 そういう中で、私は、医薬品においての質問をしてまいりたいと思います。
 医薬品は、医療において、特に治療において必要不可欠な重要な製品であります。必要な医薬品は、それを待っている患者、これは一日千秋の思いで待っているわけであります。特に、近年の情報化社会だと、こちらで何か病気を持っている人間が、アメリカではこういう新しい製品が出てきた、その製品を早く我が国で使いたい、おれも自分の体に使いたい、こう思う人はたくさんいるというのが事実であります。
 例えば、アメリカにおいてはアメリカの食料医薬品庁、FDAによって承認され、アメリカで患者が入手できる医薬品が、日本では承認されていない、利用できないということがしばしばあって、それがその薬を待っている患者にとってまことに不幸なことであるのですが、こういった必要な医薬品に対して、アメリカや欧州といった先進国で承認されているものを、日本では煩雑な手続をすることなく速やかに承認するべきではないかというふうに思います。このことについて、先端的な治療を待っている患者のためにも改善すべきだと思うが、これについて質問したいと思います。
 一つ目は、FDAまたは欧州医薬品庁で承認されている新医薬品で、日本で臨床試験や承認審査をやり直さなければいけないのか、その理由等。二つ目に、アメリカ、欧州等において一般に医療に使われている医薬品で、現に承認されていない医薬品はどれぐらいあるのか。三番目に、日本で承認申請され、不承認となった事例があれば、その理由。これについて、医薬局長にお伺いいたします。
宮島政府参考人 医薬品につきましては、まず共通の原則といたしましては、各国がそれぞれ独自にその国の実情に応じて有効性、安全性を審査して承認するというのが共通の原則になっております。
 例えば、今御指摘の関連では、同じ医薬品でありましても米国では日本の用量の倍用量で承認されるとか、あるいは医薬品の有効性、有害事象の発現の仕方がいわゆる民族的な違いによってやや差が出てくるとか、そういうこともございますので、日本国内での臨床試験の実施などを通じて日本人に対する有効性、安全性を検討した上で、承認審査を行うという必要があろうかと思います。
 ただ一方で、日本それからアメリカ、EU、この間では、いわゆる医薬品規制調和国際会議、ICHと呼んでおりますけれども、こういった会議を設けておりまして、海外臨床試験データをできるだけ相互に受け入れるということによりまして、それぞれの国内の臨床試験データを必要最小限にするといったようなことも今進めているところでございます。
 それから次に、海外で一般に使用されている医薬品で日本で承認されていない医薬品の数ということでございますけれども、これは、各国におきまして医療環境等が違いがございますし、また、例えば糖尿病の治療薬としましては、日本とアメリカではグリタゾン系薬剤が多く使われますけれども、EUではビグアナイド系という別の薬剤が一般に使われるとか、あるいは高血圧薬では、日本ではカルシウム拮抗薬を使うのに対して、アメリカでは降圧利尿薬を使うというふうに、その一般的な使われ方も違いますので、一概に一般的に使用される医薬品を示すというのはちょっと難しいわけでございますが、例えば、世界の売上高の上位三十一位までの医薬品について見てみますと、このうち日本で承認されていないものは六つというふうになっております。
 ただ、私どもといたしましては、医療上特に必要性の高いものにつきましては、いわゆる優先審査という形で医療上の必要性に支障がないように迅速な承認をしていきたいというふうに思っておるところでございます。
 それから最後に、日本で承認申請されたが不承認となった事例と理由ということでございますけれども、これは、国内での臨床試験で日本人に対する有効性、安全性が示されるデータ等がうまくできなかったといった事例が多いかというふうに思っております。
松原委員 先ほど、日本、アメリカ、EUの先進三地域において医薬品の臨床試験に関しての共有化をしようというふうな話があって、いわゆるハーモナイゼーションということだと思っておりますが、これが目指す理念というのが私はあると思うのですが、それぞれ非常に難しい議論があると思うのですよ。
 先ほど、例えば人種の違いも当然ある、こういうふうな話もありましたが、当然それは私もあろうかと思います。人種の違いだけではなくて、個人だって違うわけでありまして、例えばある人間はアルコールを、ビール一杯飲んだら酔っぱらって倒れてしまう、ある人間はビールを百本飲んでも平気だ、どんどん流れていく。それぐらい人間というのは差異があるわけですから、それは人種の差異もあるだろうし、いろいろとあるだろう。
 ただ、大事なことは、アメリカにも日本の人が行って生活して、向こうの医療を受けているわけですよ。そういった意味では、今おっしゃった、臨床試験の事例をひとつ統合していこうという議論でありますね、これは将来的には共通の承認機関をつくるぐらいの、大ぶろしきを広げればそういう可能性はあるのかどうか。僕は、先進国の人的な往来とか、どんどんビジネスマンも行ったり来たりする中において、例えば日本のビジネスマンがアメリカへ行って倒れるとか、そういう中では、先進国だけに絞るのが妥当かどうかは別にしても、そういう一つのくくりというものが、やはりそれは一つの基準として出てきていいんじゃないかというふうな声もあるわけですよ。
 そういった意味で、このハーモナイゼーションというのは、将来的な日本、アメリカ、EUなんかの共通の承認機関をつくることを視野に入れられているのかどうか。その辺、ちょっとお伺いしたいのです。
    〔野田(聖)委員長代理退席、委員長着席〕
宮島政府参考人 今御指摘ございましたように、日本とアメリカとEU、この三極が中心になりまして、国際的な新医薬品の承認審査の規制調和、いわゆるハーモナイゼーションと言っておりますが、これを今進めているということです。この目的は、とりもなおさず国際的によりよい医薬品をより早く患者の皆さん方にお届けする、こういう目的のために、国際的なデータを相互に受け入れを実現していくというようなこととか、あるいは、臨床試験、動物試験等の不必要な繰り返し、重複を避ける、こういったことを通じまして承認審査の迅速化をしていこうという目的でこの規制調和の会議が今進められているところでございます。
 現在までいろいろなガイドラインをつくってきておりまして、例えば臨床試験の実施の基準、GCPと言っておりますけれども、これにつきましては、平成八年に、日本におきましても、ICH、いわゆる国際ハーモニゼーションの合意に基づきまして、新しい基準を設けて今進めているということでございます。このGCPも含めまして、全体で約五十ぐらいのガイドラインが今合意されておりますので、この共通基準という枠組みはかなり広がってきているかと思います。
 ただ、先生おっしゃったような共通の承認審査機関というところまではまだいっておりませんけれども、今申しましたガイドラインをこれからもう少し広げていって、そういう土壌を広げていけば、将来的には先生のようなアイデアも出てくるかと思いますが、現在のところはまだそこまではいっていないという状況でございます。
松原委員 将来的にはそういうことがあるというのは大変にいいお話で、そういうふうにしてもらわないかぬなと思っているんですが。
 実は、結局、薬が、これは日本人にとって有効なのか、例えば日本で承認する場合妥当かどうかというものもある、それを使うことによるリスクもある。非常にリスクというのは難しいわけでありますが、しかし、その薬を使わないことによって命が失われてしまうリスクというのがさらに大きなリスクとしてあるわけでありまして、そういった意味では、多くの患者は、そういった例えばEUやアメリカで使われている新薬である程度効果があると言われているものを、これは本当にすがるような思いで、一日千秋の思いで待っているんだというふうなことも考えて、ハーモナイゼーションの延長線上にそういったものもぜひ検討していただきたいと思うわけであります。
 臨床試験、医薬品の開発期間の問題があるわけでありますが、医薬品の臨床試験も含め、今一年ぐらいの時間がそのための承認期間として必要というふうに言われているわけですね、一年の期間が必要であると。この一年の期間というのが、欧米でも同じ一年だというふうな話もあるわけでありますが、そうはいいながら、一年というのが、やはりこれだけさまざまな研究をする、調査する機能が増している中において、何とかもっと短くならないかというふうな気がしているわけであります。一年になったのは、いつごろからこの標準的事務処理期間というのは一年なんですか。昔からなんですか、昔はもっと長かったのが一年になったんですか。まずこれをお伺いしたいと思います。
宮島政府参考人 承認審査の事務処理期間につきましては、これまでも逐次改善を図ってきておりまして、特に平成九年には医薬品の審査センターというのを新たに設置し、審査官を倍増するというようなかなり思い切った改善を図りました。
 そういった基盤整備もございまして、現在のところは、平成十二年四月以降に申請された新しい医薬品につきましては、申請から承認までの標準的事務処理期間は十二カ月という設定で今やっているところでございます。
松原委員 ぜひ、これは一年を技術的にもっと短くすることはできるんじゃないかな、こういうふうに思うんですよ。それは例えば、アメリカなんかの食料医薬品庁、FDAでは、二千人以上のスタッフがいる、こういうふうな話もありますけれども、このスタッフの数を例えばもっとふやすようなことによって、一年が例えば半年になる。ただ、薬によっては、一年間治験しなければそれは成果が出ませんよという薬もあるかもしれないし、それはケース・バイ・ケースだと思うんですが、もっと短くなるんじゃないかというふうに思うんですが。一年をもっと短縮できるのかどうか、局長にお伺いします。
宮島政府参考人 基本的には、お話がありましたように、薬によって単に期間を短縮ということが必ずしもできないものもございますけれども、一般的には、今御指摘にありましたように、審査体制を充実させていくという形で審査を短縮するという可能性はまだ残っているというふうに思っております。
松原委員 ぜひその残っている可能性を引き出していただきたいわけです。
 同時に、患者が待ち望んでいる医薬品が現在どのぐらいの、例えば臨床試験は臨床試験でやっているわけですが、承認審査なんかについてはどれぐらいの進捗状況かというのをやはり情報公開として私はある程度出していくべきだと思うんですよね。
 もちろん、それによっていろいろな影響も出るという議論もありますが、少なくとも、その医薬品を一日千秋で待ち望んでいる患者にしてみれば、例えば、具体的にそういっためど、今この辺まで来ているんだというふうな情報によってモチベーションを持つわけですよ。例えば、いつになったらどうなるのかわからないというよりも、いつになったらこうなりますよというふうな、めり張りのきいた情報があれば、じゃ、それまで頑張ろうと。
 やはりそれは、精神力で病気が治るとは思っていないけれども、精神力というのはやはり病気に立ち向かうときの大きな大きな抵抗力であろうと私は思っていますから、そういった意味では、この薬は、いつごろになったら、どのめどで、どうなるんだという一つの状況というものを情報公開した方が、私は、患者にとってはいい。
 そのことによって、何か株価が云々するとかそういうふうな、マイナス要因もあるとかということがあるけれども、そんなことよりも、やはり一番大事なのは、患者のモチベーション、気力を、じゃ、あともう少し頑張ろう、あとここまで来れば何とかなるんだと。何とかなるかどうか、それは、そこで承認がされなきゃそうはならないんだけれども、可能性があるんだという、そこにかけさせる。そういうふうなことも必要なので、私は情報公開というものを途中の経緯についてするべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
宮島政府参考人 いわゆる医薬品に係ります情報開示につきましては、今御指摘のように大変御要望が多いことは十分承知しておりますけれども、一つは、承認審査につきましては、医薬品の品質、有効性及び安全性につきまして十分慎重に審査しなきゃいけないということ、それから、当然その中には企業秘密に係る部分もあるということで、審査中のいわゆる審査内容につきましては、その審査内容が確定するまでは基本的には公表しないという扱いをしております。ただし、承認後におきましては、販売名、一般名等、いわゆる承認内容の概要はすべて公表しているという形になっております。
 それから、承認審査の進捗状況につきましては、先ほどもお話し申し上げましたように、標準的な事務処理期間というのを示しておりますので、それによりましておおよそ承認時期のめどというのは十分知り得ることができるんではないかというふうに思っておりますので、したがいまして、承認審査中のものにつきまして情報開示ということは現状では難しいかなというふうに思っております。
 ただ、その前段階の、いわゆる臨床試験につきましては、現在、各企業が個々に公開している治験薬の対象疾患名でありますとか、あるいは治験参加希望者の募集期間、あるいは問い合わせ先等の治験に関する情報を今業界団体がそのホームページ等で一元的に取りまとめて公開するというようなことも検討しておりますので、こちらの方はかなり公開という形は可能な形だというふうに思っております。
松原委員 多くの患者また医療関係者が、早く新薬を承認してほしいという要望が出ていると思うんですが、これは大変な数が出ていると思うんですよね。実際どれぐらいの数が出ているのか、それに対してどのように対応しているのか、お伺いしたいと思います。
篠崎政府参考人 ただいま先生からの、要望がどのぐらいあるのかという御質問でございますが、平成十三年、暦年の一年間に関して調べましたところ、厚生労働省に提出をされました新たな適応拡大を含む新医薬品の早期承認にかかわる要望ということで調べましたら、全部で四十六件ございました。
 その内訳を多い方から言いますと、地方議会からが一番多くて二十二件でありまして、関係学会から十二件、それから患者を代表する者から十件、企業から二件というような数字でございました。
松原委員 それに対してはどういうふうな対応をしたのか。陳情を受けて、受けおきますというだけで終わっているのかどうか、ちょっとお伺いします。
篠崎政府参考人 こういう新しい新薬あるいは適応の拡大につきましては、既に先ほど先生からいろいろ御質問がございますが、欧米で承認された医薬品につきましては、外国の臨床試験データを利用して、必要最小限の国内臨床試験データにより承認申請を行うことを認めております。また、国内外で有用性の評価が既に確立しています適応外使用の医薬品につきましては、臨床試験に関する資料を求めないなどの措置を講じまして、製造している企業に対して効能、効果を追加申請するよう指導を要請しているところであります。
 したがって、今後ともこうした枠組みを活用しながら医薬品の承認取得の促進に努めてまいりたいと考えておりますが、先ほどのは十三年のものでございますので、まだその中ではございません。
松原委員 そういった陳情とか要望が上がってきたときに、やはりそれに対して目に見える形で応答をするように、一段と強くお願いをしたいと思うわけであります。
 今申し上げましたように、海外で認められている、アメリカとかそういったところに認められていて日本になかなか入ってこない薬も含め、やはり人の命は有限であって、薬がないことによって失われる可能性もある、かなり切迫しているわけでありまして、一日も早くとさっきから申し上げているわけであります。ですから、医薬品の審査体制をさらに、欧米に比べてどう考えても脆弱であって、それを迅速に行うためにぜひ体制強化をしていただきたいと思います。
 同時に、例えばHIVの治療薬については、平成十年にアメリカで承認されたことを前提に超迅速で処理するという取り扱いを行っているわけであります。こうした場合に、ある意味で若干のリスクを承知しながら使用するという可能性も含め、それは国内での臨床試験データが十分でないわけでありますから、自己責任ということもまた必要になってくる時代かもしれません。そういう中で、例えばこういう部分で慎重に審査を行わなければいけないという厚生労働省のスタンスがありますが、使用する側が医薬品のリスクを正確に認識し、使用する医療関係者、患者もリスクについて適切な認識をすることができるのであれば、承認試験審査を容易に行うことが可能ではないかというふうな気もしておりまして、これについてもぜひ答弁をいただきたいと思います。
 そして最後に、そうであるならば、承認前であっても、どうしても、臨床試験でもいいから、そのような、例えば自分が臨床試験の臨床事例になりたい、その薬を使いたいからという人もいるわけですよ。臨床試験の臨床事例になりたい、その薬をどうしても使いたいのだ、承認できないのだったらおれを実験にしてそれでおれに使わせてくれというふうな声も患者にはあるわけでありまして、そういったものについての治験の枠組みを拡大し、未承認の薬でも医療関係者及び患者の入手が可能な制度、枠組みを考えるべきではないか、こういったこともあるわけであります。この辺につきまして大臣の御見解をお伺いいたしたいと思います。
坂口国務大臣 前半のところで具体的なことを局長の方からまた答弁をさせますけれども、最後の段階の御質問でございますが、これはそういうふうにしたいと実は思っておりまして、今、薬事法を参議院の方で御審議をいただいて、おとといでございましたか、参議院の方、通過をさせていただきました。参議院先議でおやりいただきまして、今度、衆議院の方でお願いをすることになるわけでございます。
 その中で、治験になる人というものを、今までの製薬会社が依頼をするという形だけではなくて、医師の方がこの治験を行いたいというふうに思いましたときには医師中心にして治験を行う、そしてその中には、したがいまして、今お話しになりましたように、よし、私もその治験者になるというような方があれば、その中でおやりをいただけるようなそういう新しい体制というものもその中に含めたところでございます。この法律が成立いたしましたならば、必ず今御指摘をいただきましたことが実現できるというふうに思っております。
宮島政府参考人 前半の方の医薬品の審査体制の関係でございますけれども、先ほども触れましたように、平成九年に新たに医薬品の審査センターを設置しまして、審査官の倍増というかなり思い切った改造を行いましたけれども、さらに今般、昨年十二月に特殊法人等整理合理化計画というのが設定されまして、現在、医薬品の審査につきましては、今申しました医薬品の審査センターのほかに、医薬品機構、さらには医療機器センターという三つのところで三元的に行われて、非常に効率上の問題が指摘されていますので、この三つを一本に統合いたしまして、新たな承認審査のための独立行政法人を設置するということにしています。
 この新しい独立行政法人におきましては、今後はいわゆるバイオ、ゲノムという新しいタイプの製品も出てまいりますので、そういうものに十分対応するということとか、あるいは高リスク製品に対する重点的な審査、それから、御指摘になったようながんの治療とかそういった非常に重要な医薬品の承認審査期間をさらに短縮する、そういったようなために、人員の充実とか業務の効率化、迅速化を図っていきたいというふうに思っております。
松原委員 以上で終わります。
森委員長 次に、加藤公一君。
加藤委員 民主党の加藤公一でございます。
 委員長に冒頭ちょっとお話を申し上げたいのですが、この重要な健保法の審議でこの委員会の出席状況、大変厳しいものがございまして、私もほかの委員会の理事と兼ねておりまして、別の委員会、出席できない、それは委員の方もいろいろ事情はあるんでしょうが、余りにもひどいのじゃないかと思います。この出席状況で質問するということに納得がいかないわけでありますが、ぜひ善処をいただきたいと思います。
森委員長 どうぞ、続けてください。定足数に達しています。
加藤委員 足りていればいいというものじゃないような気もいたしますが、今回は一昨日の審議に続いて田村政務官にはお待ちいただいておりますので、この出席は大変残念ではありますけれども、続けさせていただきます。
 おとといの審議の折にも、今回の健保法の改正については大変な大きな批判が国民の皆さんからある、それは政治と医療保険と医師、この三つに対する信頼が欠けているからだ、その信頼がない中で国民負担を強いるというのはどう考えても筋が通らない、お怒りを買うのは当然だということを申し上げてまいりました。きょうもその続きであります。医療保険制度についての不信、まずこういう点から質問させていただきたいと思います。
 まず冒頭に、これは大臣に具体例をちょっと一つお話を申し上げますので、お医者様として御意見をいただきたいということがあります。
 これは実は私自身のことでありますが、せんだって、目にけがをいたしました。近所の某眼科開業医に行きました。実は目があかないほどはれておりまして、涙がとまらない状態でした。原因はわからない。その事情を受付でお話をしました。そうすると、診察の前に、じゃ、まず検査を受けてくださいと看護婦さんに言われまして、待合室で、何ですか、眼鏡のようなものをのぞく、写真を撮るんでしょうか、あるいは眼圧の検査なんでしょうか、視野の検査なんでしょうか、三つぐらい機械の前に座らされました。最後に、視力検査をしますと言われて、あの黒いおしゃもじみたいなもので片目をふさいでくださいと言われた。片方ははれていて目があかない、片方ふさいだら視力検査なんかできるわけないのですね。これは何が必要なんだと、私もさすがにそのときには申し上げました。いや、ドクターからの指示でございますのでと、こういう話であったわけであります。
 その後、検査なんかできませんから、そのまま医師の診察を受けましたら、実はコンクリートの破片が目に刺さってしまっていたということで、その日に取ってもらいました。それで、薬を処方してもらって、角膜が傷んでいるからまた三日後に来てくださいということでした。
 三日後、また同じ病院に行きました。そこでまた同じ検査を受けさせられました。やはりおかしい。私も一応政治家でありますし、実家の近所でありますから余り大きな声は上げたくはなかったのですが、おかしいじゃないか、何に使うんだこんな検査という話をしたら、あ、お忙しいのですか、看護婦さんはこうおっしゃる。忙しいですよ私はと言ったら、じゃ、きょうは結構ですと。これが実態なんですね。これを、医師の指示だということで全員の患者さんにやっているわけですよ。患者さんはぐあいが悪くて病院に行くのですから、それは断りませんよね、普通。こんなことをしているから不信を買うんですよ。
 もちろん眼科が専門じゃないのは承知しておりますけれども、坂口さん、今の検査、必要だと思われますか。
坂口国務大臣 診察というのはケース・バイ・ケースでありますから、どれがよくてどれが悪いというのはなかなか言いにくいわけでございますが、どんな病気であれ、基本的に、例えば基礎的にこれとこれだけはやっておかなきゃならないというものがあると思うんです。例えば小児科でございますと、体温だけは一遍先に診ておかなきゃならないといったようなことは、これはあることでございまして、熱があるなしに体温だけは診ておこうというようなことはあるわけでございます。
 しかし、かなり高度な診察というものをどの眼科の病気であれ全部やるというのは、それは少しやはり考えていただかなきゃならないのかなというふうに、率直に僕もそう思います。今、加藤先生がお受けになりました検査が一体どういう検査だったのかということは、僕、よくわかりませんので一概に申せませんけれども、余り高度な検査をすべての人に最初からやるというのは。そうではなくて、やはり診察をした後で、どの検査と検査をするかということになるだろうというふうに思います。
加藤委員 では、一般論として伺いますが、適切な検査かどうか、あるいは適切な治療かどうかというのは、患者さんの側からすればそれは常に納得をしておきたいと思うのが当然でありまして、それはどうやって今確かめられているんでしょうか。
田村大臣政務官 御指名ありがとうございます。
 今、先生がみずから体験されたような例、いろいろあるわけでありますけれども、基本的には、診療報酬を請求していく中において、支払基金、審査支払い機構等々、機関で一応検査をする。レセプトがどうであるかという検査をし、そしてそれに応じて保険者に請求をするという話でありますから、そういう意味からいたしますと、そういう内容に関しては、その機構におきまして、例えば先生がおっしゃられたような、検査の回数がどうなのかとか、それからまた薬剤等々の投薬量がどうであるのか、こういうものが適切かどうかというのはそこで審査をして、そして請求をするということでございますから、そこが一義的には審査をするということになると思います。
加藤委員 今の話は、確かに現状はそうなんだと思いますが、診察を受けている本人がわからないんですよね、それは。私がその眼科に行って診察が終わったときに、きょうはこの検査とこの検査はこのためにやりました、この診察はこうでした、この治療はこうでしたと全部明細が出て、だから保険が金額これだけ、加藤さんこれだけ払ってください、こう言われれば一番わかりやすいわけですよ。世の中のサービスとか商品、大体基本的に全部そうなっている。何でこうなっていないんですか。
田村大臣政務官 そういう趣旨で多分、民主党さんが法律を出されているというのは、我々も認識いたしておるわけであります。
 若干話はずれますが、こういうような不正請求でありますとかそういうものに関しては、例えば行政の方が定期的に検査をいたしたりとかはしておるわけでありまして、社会保険事務局等々が定期的に個別の指導をしたりとか、もちろん主導的な指導をしたりとか、さらには、何かおかしいという場合には監査をして、そこで不正というものは発見されるわけであります。
 先生がおっしゃられる意味からいたしますと、支払いの明細みたいなものを独自に医療機関でわかりやすい領収書を出されたりとかというのは、しておられるところもありますし、ある意味では、レセプト請求という形で、開示をしてくれという中において、患者の方々がそういうものを御認識いただいて、おかしいじゃないかという話になるんであろうと思います。
加藤委員 いや、何度お答えいただいても結果は一緒でありまして、その場で患者さんに説明をしなかったら意味ないんですよ、実際は。
 今までも、医療費の内容のわかる領収書は、発行に努めろという通達は出ているようでありますけれども、実施可能な医療機関においてはなんていう条件がついている。だから、うちはできませんと言ったらやらなくていいという話でありますから。医療はビジネスとは違いますけれども、しかし、世の中の商品、サービスで、これで運営されているなんていうものはほかにあるわけがなくて、やはりここをまず一番最初に改善をするということが、医療に対する信頼を取り戻すのに一番大事なんじゃないかというふうに思います。
 本当は大臣にもお答えいただきたいんですけれども、時間が迫っていますから、次のときにまた聞きます。
 その中で、例えば今のように、必要のない検査とか治療が行われて、診療報酬請求された。その場合に、不当に支出をされてしまうケースというのも当然あり得る話でありますが、それが何かしらの方法で発覚をした場合、どういうふうに対応されているんでしょうか。
田村大臣政務官 今申し上げましたとおり、いろいろな不正請求等々があるという場合に関しましては、基本的には、保険者がそれをまず一義的に返還請求といいますか、返すという話になるわけでありまして、もちろん、それが不当であるという話になったときにはそうなる。その以前の部分に関しましては、当然のごとく、不正な、不正とは言いませんけれども、審査の段階で減額というような審査はありますけれども、実際問題、支払われた場合に関しましては、それがどうもおかしいという場合に関しては、これは返還をされる。
 特に悪質な場合には、割り増しのような形で、四割でありますけれども、割り増し金額を加算して返しなさいというふうにしておるわけでありますが、架空請求でありますとか、それから振りかえ、ツケ回しなんというような場合は特に厳しい対応をさせていただいておるということでございます。
加藤委員 今田村さんがお答えになったのは、不正というのは、もうこれは私から言わせれば犯罪でありまして、詐欺みたいなものですね、不正というのは。私が言っているのは不当の方。つまり、治療したけれども必要がなかったという場合です。それが発覚したら保険者に返還をさせるということですけれども、では、患者の側にはどうなるんですか。患者さんも払い過ぎているはずですから、それはどうやって返してもらうんですか。
田村大臣政務官 ごもっともな御指摘でございまして、もちろん、不正の場合に関しては、もうこれは通知をしてください、保険者から患者の方に、被保険者の方に通知をしてください、こういうお願いをいたしております。
 それから、不当といいますか、どうもこれは払い過ぎだよという場合、もしくは途中の審査で減額審査をした場合というものに関しましては、一定の条件の上でではありますけれども、保険者から被保険者に対して通知をしてくださいというようなお願いをさせていただいております。
 なお、定期的でありますけれども、各保険者から被保険者に対して医療費の通知というものをほぼしていただいておりまして、そういうもの等々も含めて、患者の方々は、自分が受けた医療というものが保険に合っておったのかどうなのかということは御認識をいただけるものであろうというふうに思っております。
加藤委員 一定の条件って何ですか。
田村大臣政務官 基本的に、一万円以上というような話にしておりまして、一万円以上に関しては保険者から被保険者に対して通知をしていただくようにお願いをいたしておるということでございます。
加藤委員 つまり、今の制度だと、患者さんが払い過ぎた場合、一万円までだったら気がつかないでそのままいっちゃいますね。それは確かに、ほかの方法で何かしら一生懸命自分がチェックをすれば気がつく場合もあるかもしれませんけれども、消費者側が、患者さんの側がそれをわざわざチェックしなきゃいけないなんていう仕組みが、世の中、ほかの商品やサービスにないですよ、そんなものは。余りにもひどい、これはどう考えても。
 つまり、一万円までだったら、心ないお医者さんがいたとすればですよ、一万円までだったら患者から取り過ぎてもいいですよという話ですからね、これ。さっきの眼科の例じゃないですけれども、あれが適切かどうかは別にして、不当な診療をしておいて、一万円以下だったら通知しなくていいんですから、それは返す必要なくなっちゃうじゃないですか、だれもわからない。
 これは今後どうやって対応されるおつもりですか。
田村大臣政務官 一万円以下ですとかなりあるということで、やはり事務的な費用がかかり過ぎちゃう。(発言する者あり)いや、かなりあるといいますか、費用対効果という言い方がよいか悪いかは別にいたしまして、非常に事務費等々が保険者に対してかかり過ぎるという部分もありますが、若干お話しさせていただきますと、例えば、減額審査等々の部分も含めて、どうも保険の適用にこれは当たらないというような部分で、患者の方々、患者の方々といいますか、保険者に支払う義務はないということで審査をした場合等々に関しましては、患者の方々はサービスは受けておられるわけでありまして、その自分の自己負担部分を、要は、保険からおりていませんから、返すのか返さないのかという議論になるわけです。
 例えば二割負担、今までにつきましては御本人、被用者は二割負担、今度三割というお願いをしておりますけれども、残りの七割に関しては、医療機関は保険から支払いを受けずにみずからがその部分は負担しておるという部分がございますので、そういう意味からいたしますと、そこの返還という話になりますと、そこはあくまでも民事上の話になってまいりまして、それを一律に厚生労働省が云々というような話はなかなかそぐわない部分であろうと思うんです。
 ですから、お医者様は適当だと思われて医療サービスを提供された。ところが、保険ではそこまではというふうな判断をされた。もちろんお医者様はそれに対してまた不服請求をされるわけでありますけれども、現場で患者さんを目の前にして、この方の病気を治すためにどうすればいいかということを真剣に考えておられるお医者さんが施したといいますか、処置したその治療と、ペーパーを見ながら、それが保険医療として、診療としてそぐうかどうかということを判断された審査委員会の方々と、そこら辺がうまく一〇〇%ぴったり合致するということはなかなか難しい部分もございまして、そういう意味からいたしますと、全額を返還しろとかそういうことを厚生労働省がシステムの中で決めてしまうというのは非常に難しいものでありますから、今のお話上、最終的には民事の話で、幾ら返還をいただくかという形になって、最終的には裁判という話になると思うんですが、そういうことになろうと思います。
加藤委員 ぐあい悪い人が病院に行って、要らない検査や治療をされて、余計に払って、それをこっちが調べなきゃいけなくて、しかもそれを民事で最後は裁判やって取り返せなんて、そんなばかな話ありませんよ、そんな話は。
 しかも、民事のお話とおっしゃいましたけれども、民事の話だというのであれば、診察が終わったその場で明細を一〇〇%明らかにすべきじゃないですか。それが明らかになっていないでしょう、今。つまり、さっきの話じゃないですけれども、一連の治療、検査が終わって、その日、きょう幾らですよと言われたら、その分払うわけですよ。だけれども、それがなぜ幾らか、どこに幾らかかったかというのはわからない、その場では。その場ではわからなくて、後で、実はそれが払い過ぎだったとか。
 さっき、性善説に立って大分お話しされていましたけれども、そのドクターが心ない人かもしれないじゃないですか。そうしたら、最初からもう要らない検査をしているかもしれない。詐欺まがいですね、そんなの。患者さんから取れるだけ取っちゃえ、一万円までだったらどうせ返さなくていいんだ、裁判なんかしやしないだろう、こういうことになりかねないわけですよ。
 民事の話だと言うんであれば、なおのこと、その場でその日その日きちんと明細を明らかにするべきだと思いますが、いかがお考えでしょうか。
田村大臣政務官 若干論点を整理いたしますと、領収書は領収書で、これからもそういう方向で、我々も関係団体とは話を詰めながら、促進をしていくような方向でそれは議論をさせていただきたいと思うんですが、それと整理をしなきゃいけないのは、多分、支払う、つまり、その医療が適切であったかどうかという部分に関しては、本当に不適切な部分に関しては、これはもう不正の世界になってくるものでありますから、これは通知もしっかりと保険者から被保険者の方にしていただくようにしておりますし、それに応じて、当然のごとく、不正、架空、いろいろなものに関しては、全額返還をいただくものになると思います。
 ですから、今お話ししている部分に関しては、不正ではない、不当というのか、審査の方では保険診療ではないと認めたけれども、たまたまそれが、お医者さんの判断においては、いや、その患者のことを思えばそれは必要であったと思って治療された部分に関しての返還に関しては、それは患者さんとお医者さんの間で、その医療は本当に役立っておったかどうかという部分はあります、ですからお話し合いをしていただきたいということでございますので、必要じゃないものをやったという話になれば、それは御返還をいただくという話になるんであろうと思います。
 ちなみに、領収書の方に関しましては、鋭意関係団体と協議に努めまして、進めてまいりたいというふうには思っております。
加藤委員 大臣に伺います。明細を一〇〇%明らかにした領収書は、いつになったら出していただけるんでしょうか。
 答弁できないんだったら、ちょっと時計とめてくださいよ。大臣。
田村大臣政務官 いつまでと言われますと本当につらい部分がございまして、これは大幅に事務負担がかかる部分でございますから、(発言する者あり)いや、もちろん先生がおっしゃられる意味も十分に我が省としてもわかります。わかった上で、そういう前向きな方向で進める上においては、やはり大変な事務処理量、事務負担がございます。そういうものをクリアして、でき得る限り早急にこれに関しては進めるように鋭意努力したいということで、どうかその点は御理解をいただきたいというふうに思います。
加藤委員 御理解をいただきたいと言われても、全く御理解はできないんですが。
 要するに、今回、負担を強いるんだから、だからむだや不正はなくしますよ、改革していますよということが前提なんですよ、やはりこれは。そこの筋が通っていないから、政治家も医療保険も医師も、みんな不信を買うんだ。そこから、そこの根本的な考え方からやはり間違っていると私は思います。
 これはぜひ、何度も言いますけれども、大臣もお医者様なんですから、一〇〇%明細が明らかになるように、その領収書が出せるように、ぜひこれは義務化をしていただきたい。そうじゃなければ、今の答弁では全然つじつま合っていませんよ。民事の話だと言っておいて、幾らだかわからない、時価みたいな話じゃないですか。冗談じゃない、本当に。
 これは全然納得いきません。しかし、時間も迫っておる中、もう一つ納得のいかない話が控えておりますので、そちらを先にやらせていただいて、その後ここの話にまた戻ってもいいかと思いますので、もう一個の重要な話をさせていただきたいと思います。
 一昨日、医局制度の問題について議論をさせていただきまして、職安局長からもいろいろ御答弁もいただきました。大臣からもお考えを伺いました。
 そのときに幾つか、私もこういう資料を取り寄せましたということでお話をしたんですが、例えば、大臣の母校でいらっしゃる三重大学の無料職業紹介事業の届け出書が津の職安から消えてしまっていた件とか、あるいは、産業医科大学は逆に、その届け出書は提出をされておったんですけれども、事業報告書が締め切りの四月三十日を過ぎてもいまだに提出をされていないとか、非常に不備が多い。
 無料職業紹介事業にかかわる手続の不備が余りにも多いのではないかというふうに私は思うんですが、年間どれくらいの件数こうした不備があるのか。その実態をつかんでいらっしゃるか、あるいは調査をするつもりがおありかどうか伺います。
澤田政府参考人 先日の委員会でいろいろ御指摘いただきました、学校が行います無料職業紹介に関する届け出、あるいは事業報告の提出等に係ります不備の件数につきまして、残念ながら把握はしておりません。
 したがいまして、今後、例えば先日の委員会でありました、既卒者の紹介をどうしているかとか、そういう点を含めて実態把握を早急にやっていきたい、こう思っております。
加藤委員 余り詰めませんが、いつまでにやってくださるかどうかだけ、局長、一言。締め切りを設定してください。調査の締め切り。
澤田政府参考人 調査のやり方によって所要期間が違ってくるんですが、なるべく早くやるという意味では、なるべく全体を反映するような形での、悉皆調査はできませんので、短期間ということになりますとサンプリング調査になりますが、今国会中には御報告できるようにしたい、こう思っております。
加藤委員 今国会中にぜひ報告をしてください。
 続いて、先日の議論の中で、医局からの医師の派遣というのが職業紹介事業なのか、あるいは労働者供給事業に当たるんじゃないか、私はここを問題提起させていただきましたが、まず最初に、一般論として整理をしておかなきゃいけませんので、職業紹介事業と労働者供給事業の違いを明確に御答弁いただきたいと思います。
澤田政府参考人 まず、職業紹介とは、求人及び求職の申し込みを受けて、求人者と求職者の間の雇用関係の成立をあっせんすることをいいます。これを業として行う場合に職業紹介事業となります。
 したがいまして、職業紹介事業におきましては、一つは、紹介事業者と求職者との間に雇用関係または支配従属関係は存在しない、第二点として、事業者は求人者と求職者の間の雇用関係の成立をあっせんするのみであるということがコアであります。
 これに対しまして、労働者供給につきましては、供給契約に基づいて一定の関係にある労働者を他人の指揮命令を受けて労働に従事させることをいいます。そして、労働者派遣法に規定する労働者派遣に該当するものを含まないとなっています。
 したがいまして、結論でございますが、労働者供給事業におきましては、供給元と労働者との間に支配従属関係または雇用関係が存在する、二点目に、供給元と労働者のこうした関係のもとで労働者と供給先との間に雇用関係または指揮命令関係が成立するという点で、職業紹介とは明確に異なるという点でございます。
加藤委員 非常にわかりやすくまとめていただいてありがたいと思うんですが、そうなりますと、一昨日の議論の中で出てきた医局からのいわゆる医師の派遣。皆さん派遣と言っているから、あえて法律用語じゃない意味で派遣と使いますけれども、医師の派遣というのは職業紹介に当たるのか、それとも労働者供給に当たるのか、いずれでしょうか。
澤田政府参考人 この点については実情をまずしっかり把握しなければならないので、先日の委員会でお約束したとおり、統一見解を出す前提として把握しておりますが、現在まだ十分できておりませんので中間的なお答えになろうかと思いますが、医局からのいわゆる医師の派遣、具体的には、いろいろケースはあると思いますけれども、無給の医局員、あるいは大学院生、それから卒業予定の学部学生、こうした無給の医師等を他の病院に紹介して、紹介先の病院と医師との間における雇用関係の成立をあっせんすることは、職業紹介に該当します。これを業として行う場合には、まさに職業紹介事業ということになります。
 もう一つのケースでございますが、大学に勤務している、大学から給料をもらっている助教授だとか講師、助手等に対して関連病院等を紹介する場合につきましては、先日の委員会で大臣から御答弁がありましたように、通常の場合は、企業において企業グループ内の人事交流の一環として行う目的等を持っております転籍とか出向と同様のものと整理されて、一般的には職業紹介事業には該当しないものと考えられます。
 それから、医局が医師と他の病院との間に雇用関係を成立させて医師を労働に従事させる場合において、医局と医師との間にいわば支配従属関係が存在すれば、これは労働者供給に該当することになります。
 ただ、いずれにしましても、どの事業に該当するかは、個々の事例に即して、かつ法の趣旨を踏まえて判断することになろうかと思います。
加藤委員 当然、個々のケースによって違うというのはわかるんですが、それが混然一体となっているのが今の医局の大問題でありまして、先日の御答弁の中でも、これは大臣からですが、一族一党という表現が出ておりまして、まさしく上下関係があるんです。従属関係があって医師を派遣して、さっき局長、学部生や卒業予定の方、あるいは無給で病院にいらっしゃる方は職業紹介だとおっしゃいましたけれども、職業紹介というのは、紹介されたら、その方が一たん別の場所で勤務をしたら、今度はその方と医局とのつながりはなくなるはずなんですね。それが、一言言ったらまた戻されるとか、あるいは次にローテーションで回されるというのは、これは完全に従属関係があるわけですよ。これは職業紹介じゃないんじゃないか。
 僕は実は、先日大臣が統一見解をまとめるというふうに言っていただいたんで、それを待っていようと思っていたんですが、しかし、これを言っておかないと、実態と違う統一見解を出されると、またそこから議論するのは面倒くさいので、先に言っておきますけれども、あくまでも、職業紹介にあれは当たりませんよ、従属関係残りますから。その観点でぜひ見解を出していただきたい。
 つまり、今までの行政が正しいという、違法じゃないんだという前提に立って見解を出されたら、何も改善しませんよ、医局の問題は。済みません、今までは間違っていました、だからこう直します、こういう発想でぜひ少し見解をまとめていただきたいと思います。
 一昨日は、きょうのきょうだから締め切りを設定しませんというふうに大臣にはお話ししましたけれども、もう二日たちましたので、私の大好きな締め切りをきょうは設定させていただきたい。大臣、いつまでに統一見解を出していただけますか。
坂口国務大臣 私の頭の中も非常にあいまいになっておりました問題につきまして昨日御指摘をいただきまして、それで、先ほど局長が御答弁を申し上げましたような内容のことを聞いたんですが、先生は専門家でございますから、よく整理がされて、よくわかったとおっしゃいましたけれども、私は一遍や二遍聞いてもなかなか、どこがどう違うのかということがよくわからなくて、何回も聞き直したわけでございます。
 確かに、いずれとも考えがたい、いずれであるかがなかなか判断のしにくい状況になっているというふうに私思っておりまして、ここはこういうことだということで決着を早くしなきゃならないというふうに思っています。大学のことでございますので、これは文部科学省とも相談をさせていただかなければなりません。文部科学省とも至急相談をしてくれるように、きのうも指示したところでございます。
 向こうとの相談もございますけれども、今月中には双方の意見をまとめさせていただきまして、そして御連絡を申し上げたいと思っております。
加藤委員 実は昨日でありますけれども、一昨日議論をさせていただいた件を、私も大変友人に医師が多いものですから、その医師あるいはその御家族の皆さんにも少し御意見を伺いましたが、やはり現状は惨たんたるものがあって、残念ながら過労死の事件が起きてしまいましたけれども、うちの息子もいつああなるかといって心配をされているお母様方もいらっしゃるような状況であります。それを改善することが何より大切でありますし、そのことによって日本の医療のレベルを上げていくということが大命題でありますから、今月中の締め切りをぜひ守っていただいて、見解を出していただきたいと思います。
 とにかく、今の医局制度、労働者供給事業に当たるんじゃないかというふうに私が問題提起をしているのは、これはまさに、古くは口入れとか、肝いりとか、そういう怪しげな話から延長してきたものを断ち切ろうということで職安法を制定した、その魂というのが本来はあるはずなんですから、そこをぜひお考えをいただいて、納得のいくような統一見解を出していただきたいと思います。
 大変残念ながら、時間が来たようでありますので、先ほどの明細の件等々含めてまだまだ御議論をさせていただきたいということを申し上げて、きょうは終わりにしたいと思います。ありがとうございました。
森委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時八分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時二分開議
森委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 内閣提出、健康保険法等の一部を改正する法律案及び健康増進法案の審査のため、来る六月十一日火曜日、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
森委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
森委員長 次に、委員派遣承認申請に関する件についてお諮りいたします。
 内閣提出、健康保険法等の一部を改正する法律案につきまして、審査の参考に資するため、委員を派遣いたしたいと存じます。
 つきましては、議長に対し、委員派遣承認の申請をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
森委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 なお、派遣地、派遣の期間、派遣委員の人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
森委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
森委員長 質疑を続行いたします。金田誠一君。
金田(誠)委員 民主党の金田誠一でございます。前回に引き続きまして、質問をさせていただきます。
 過去二回の質問におきましては、次のような提言をしながら質問をしてまいったところでございます。
 第一は、いわゆる突き抜け方式、継続加入方式の採用ということでございます。第二は、保険者間のリスク構造調整の導入ということでございます。三点目は、マネージドコンペティション、これを導入すべきだということ。四点目は、保険者の再編成と民営化。そして五点目が、患者自己負担のあり方。こういうことで質問をさせていただいたところでございます。
 前回、この患者自己負担のあり方という点の途中まで質問をいたしました。これに引き続いて、今回、順次質問をさせていただきたいと思います。
 まず第一点目は、患者自己負担のあり方についてでございます。
 今回の法改正と診療報酬改定で明らかになったことは、小泉内閣は、社会保険の領域を縮小して、自己負担の大幅な引き上げに向かっているということでございます。具体的には、三割負担、これを初めとして、高額療養費の引き上げ、特定療養費の拡大、これは混合診療ということを意識して、そちらに進んでいると思うわけでございますが、大きくこの三点でございます。
 本来、患者自己負担の目的は、患者と医療提供側の双方に対してモラルハザードを防止するという効果を期待することであり、医療費全体の二割近くを自己負担で賄うという考え方は、先進諸国の方向にも逆行するものでございます。
 にもかかわらず、小泉内閣があえて強行しようとするのは、その目的は次の三点以外に考えにくいところでございます。その三点とは、まず第一に、社会保険の守備範囲を縮小し、これにより民間保険のビジネスチャンスを拡大すること。二点目として、同じくこれによって、事業主負担と国庫負担を軽減すること。三点目として、さらに受診抑制効果を期待すること。以上の三点でございます。
 このことは、経済性の面から見ても極めて非効率的でございます。
 現在でも、がん保険や入院給付つきの生命保険商品が数多く販売されております。今後さらに新たな商品も開発されるかもしれませんが、それは決して安いものではない、こう思います。預貯金に頼るにしても、最悪の事態を想定すれば、相当高額なストックを必要とするわけでございます。これは情報の非対称性から帰結する市場の失敗ということが根底にある、こういう指摘が学者の間でもされていることでございます。いずれにせよ、公的保険によってリスクを分散する方が自己負担に比較して格段に効率的である、こう考えるところでございます。
 ましてや、保険商品を購入できない、預貯金に頼ることもできない低所得者、こういう方々にとっては、自己負担の引き上げは過酷なものとなることは言うまでもございません。
 以上の理由により、小泉内閣が進める自己負担の大幅引き上げの路線、というより、竹中平蔵大臣が主導する新保守主義の路線は、到底国民の支持を得られるものではないと考えるところでございます。
 とりわけ、竹中平蔵大臣の手法については、私は、世間の言葉をかりて言えばインチキそのものであり、それに引き回されていては国の将来を誤る、こう思っております。例えば、社会保障個人会計などということがひところ言われましたけれども、一体何を考えているのかと、良識を疑わざるを得ないわけでございます。恐らく、大臣初めそちらにお座りの中の多くの方も、おかしいではないか、竹中平蔵というのは何を考えているんだ、このインチキめというふうに思っている方が実は多いのではないかと思うわけでございますが、そうであればそうであるようにきちんと対応していただきたいものだな、こう思うわけでございます。
 以上、私の考え方を申し述べた上で、以下、質問をさせていただきます。
 我が国の医療保険医療費のうち、自己負担の割合は何%になっているのか、最新の数値をお示しいただきたいと思います。あわせて、一般医療費と老人医療費それぞれについて、自己負担割合のパーセンテージをお示しいただきたいと思います。政府参考人、お願いいたします。
大塚政府参考人 お尋ねの我が国の医療保険医療費の自己負担の割合でございますけれども、平成十四年度、今年度の予算ベースを前提にいたしまして試算をいたしますと、医療保険全体で平均をいたしますと、ならしてみますと、自己負担割合は一六・七%というふうに考えております。
 これは一般と老人七十歳以上というふうに分けてみますと、七十歳以上の方々の自己負担割合の平均が八・一%、それ以外の、そのうち七十歳未満の方々の自己負担割合の平均が二二・三%、平均いたしますと、先ほど冒頭に申しましたように、全体といたしましては一六・七%、こういう数字を私どもとしては承知をいたしております。
金田(誠)委員 我が国の場合は、いわゆるエージズムという考え方が踏襲されておりまして、老人に対しては低い自己負担率が適用されております。これを老人以外とならせば一六・七%ということでございますが、老人が八・一というふうに低い中で、一般の方は今でも二二・三と極めて高額な自己負担を強いられているという状況だと思います。
 仮に今回の負担増が通ったとすれば、自己負担割合がピークになるのはいつの時点なのか、そのときの自己負担割合について、全体で何%、老人は何%、老人以外は何%と、それぞれについてお示しをいただきたいと思います。
大塚政府参考人 今回御提案申し上げております制度改正案ですと、平成十五年四月から被用者保険その他につきまして三割負担が導入されるわけでございます。それ以降の自己負担割合の変更は考えておりませんので、ピーク時という意味ではこの十五年四月の三割負担導入時の時点ということになると考えております。全体といたしますと、高齢化が進みますと高齢者のウエートが高まりますので、全体平均は徐々にそれ以降下がっていく、こんなような見通しを立てておりますが。
 そこで、十五年度でございますが、この時点がピーク時というふうになると考えておりますけれども、全体の平均で自己負担割合が一八・三%、これを高齢者、先ほどのお答えと平仄を合わせる意味で七十歳以上とそれ以下とで区切りますと、七十歳以上の方々の自己負担割合が九・七%、七十歳未満の方々の平均が一八・三%、こういう計数でございます。
金田(誠)委員 大変な高率の自己負担になるということだと思います。全体の数字だけが今までよく取りざたされておりまして、一八・三ということで言われておりましたが、老人で九・七、一般の方は二四・三でしたでしょうか、大変な高率だなと受けとめさせていただきました。
 大臣、ここでお答えいただく予定にはなっていなかったんですが、今までの質疑の中でいろいろ伺いますと、大臣は、国保も三割負担なんだからということをよくおっしゃっているようでございます。しかし、高齢者を除いた一般が二四・三、医療費総額の約四分の一が自己負担、こういう保険というのは、もう余り例を見ないんではないか。
 フランスが民間保険とセットで一般には扱われていて、その結果一一・一の自己負担。その民間保険分を除くともっと高いというようなことも言われておりますけれども、しかし一般的にはその一一・一でしょうか。ドイツなどは六%。イギリスは二%。アメリカも民間保険でございますけれども、保険料はほとんど会社持ち、事業主負担のようですし、自己負担というのも保険の種類によっていろいろ違うようでございますが、そう高いものとは聞いておりません。
 そういう中で、全体で一八・三、とりわけ高齢者を除く若年世代については二四・三と、四分の一近い自己負担まで引き上げる。これは諸外国の水準から比較をしても、あるいは社会保険というもののあり方からしても、余りにも高過ぎる自己負担である、私はそう言わざるを得ない。
 これも小泉路線あるいは竹中平蔵路線ということになるようでございまして、三割が四割になることはそうそう簡単にはできないのかもしれませんが、高額療養費の引き上げであるとか、あるいは特定療養費、さらに混合診療という中で、これがますます引き上げられようとしているわけですね。これは大臣のそもそものお考えと反するんじゃないでしょうか。大臣がお一人お立場を貫くということは非常に難しいことだと思いますけれども、お立場上わかりますけれども、こういうやり方というのは間違っているんではないでしょうか。
 大臣、この極めて高額、高率になる自己負担率についてのお考えを、通告していませんでしたが、お聞かせいただきたいと思うんです。
坂口国務大臣 今局長から答弁いたしましたように、今御審議をいただいておりますこの案件が通過をし、そして現実になりましたときには一八・三%になるということでございました。先日先生から御指摘をいただいて読ませていただきました塩野谷先生の論文を拝見いたしましても、やはり自己負担は二〇%未満というふうに書いてありましたか、以内というふうに書いてありましたか、ちょっと詳細忘れましたけれども、やはり二〇%以内におさめるべきだという御指摘がございました。私も、全体としまして今回一八・四になるんですが、これはやはり二〇%以内ぐらいにおさめることが大事だというふうに思っております。
 先ほど、若い人、高齢者を除いてというふうにして、別々の計算も出ましたけれども、総トータルとして二〇%以内というのはやはり今後守っていかなきゃならないことではないかと、私もあの論文を読ませていただいて、そう考えた次第でございます。
金田(誠)委員 大臣、全体としてというお話がございました。私は、後で触れさせていただきますけれども、全体としては一〇%程度が限度ではないのかな、実はこう思っております。それは後でまた展開をさせていただきたいと思いますが、老人を除く若年世代の二四・三、これは余りにひどくありませんでしょうか。
 今勤めている人間、子育てをしている人間というのは、それぞれ扶養親族も抱えているかもしれません、非常に厳しい状態です。本当に厳しい状態。医者にかかりたくてもかかれないような、そんな状態にあるわけで、そういう若年世代に二四・三という自己負担を強いるというのは、こっちの方はどうですか。トータルの話は後でまたさせていただきますが、この若年世代、余りにも私は高過ぎると思いますが、改めて御答弁を。
大塚政府参考人 大変失礼をいたしました。
 先ほど私から負担割合の推計を申し上げました。これは後ほどまた御議論があるのかもしれませんけれども、全体としての医療費をどう賄うかという話になるわけでございまして、諸外国でもさまざまでございます。
 例えば、フランスの例をお出しになりましたけれども、アメリカのメディケアというのも実質的にはかなり高い自己負担でございます。これは公表された数字がございませんので数字は申し上げられませんけれども、仮に自己負担に直しますとかなり高率の自己負担、メディケアですらアメリカはそういう仕組みをとっております。これもそれぞれのお国の選択ぶりでございまして。
 我が国におきましては、原則三割ですけれども、高額療養費制度というのがございまして、大きな金がかかる場合には当然三割までには達しない、ならしてみますと二十数%ということでございますので、全体のバランス、保険料とのバランスということを考えますと、私どもとしては、やむを得ざると申しましょうか、妥当な選択ということで御提案を申し上げている次第でございます。
金田(誠)委員 アメリカのメディケアを引き合いに出されても、こういうものと比較しながら我が国の国民皆保険制度における仕組みをどうするかという議論は、ちょっとなじまないというふうに私は思います。
 トータルの一八・三ということで今までいろいろ議論をされてきた経過はございますが、全体として二〇%未満であればということについては、私は、一〇%程度に本来は抑えるべきである、こう思いまして、それは後ほど論理展開させていただきますが、老人を除く若年世代の二四・三、これは社会保険として余りにも高過ぎないか。二四・三、約四分の一を自己負担で賄うという制度設計自体これはおかしいではないかという指摘をしているわけでございまして、これでいいと考えるのか、いや、やはりこれはちょっと高いとお考えなのか、大臣、いかがでしょう。
坂口国務大臣 ちょっと聞いておりますと、二四%というのは、若い人たちが病気をすると二四%払っているような錯覚にとらわれるわけでございますが、そうではなくて、高齢者の皆さん方の分を若い人たちが出しているから、その保険料等を考えますとそういうことになる、こういうことでございます。
 先生が御指摘をいただきますように、高齢者の皆さん方も若い人たちと同じように負担をしていただくということにすれば、若い皆さん方の負担は減っていくわけでございますが、しかし、高齢者が若い人に比較をして五倍ぐらい医療費がかかっているわけでありますから、そういたしますと、同じ例えば二%なら二%で、押しなべて若い人も高齢者も二%ということにしたといたしますと、高齢者の皆さん方は医療にかかる確率が高いわけでございますので、高齢者の皆さん方がかなり負担がふえてしまうということに私はなると思うんですね。
 だから、そこをやはり配慮して、高齢者の皆さん方に、若干ここは低目に、抑えぎみにして、医療を受けていただきやすいようにするということは当然やらなければならないことではないかというふうに私は思います。
金田(誠)委員 端的に、高齢者を除く若年世代の全体の医療費に占める自己負担の割合が二四・三%である。医療費というのは公費と保険料と自己負担、これしかないわけですが、そのうちの二四・三%を自己負担によって賄ってもらっている、そういう制度設計になっているわけですが、しようとしているわけですが、本当にそれでいいのかどうか。
 二四・三でいいのかどうかだけ、端的にもう一度お答えいただきたいと思います。
森委員長 大塚保険局長。
金田(誠)委員 いやいや、ちょっと待って。大臣の、これでいいと思っているならいいと思っていると言ってくださいよ、それだけ聞けば次に入ります。どうもこれはちょっとおかしいというんなら、それはそれで答えていただきたい。
坂口国務大臣 今の御提案を申し上げている枠組みでいきますとそういうことになるわけでありまして、お若い人に若干負担は多くなっておりますけれども、高齢者の皆さん方のことを考えますと、やむを得ざることであると私は思います。
金田(誠)委員 私は、そういう考えは間違っている、働き盛り、本当にお金のかかる世代の方々に四分の一も自己負担を強いるという考え方は間違っていると思います。また改めてそれはやりとりをさせていただきたいと思います。
 次に入りますが、数字をお尋ねいたします。今この三割負担の引き上げ、これを行わないとすれば、それに要する財源は平年度で幾らになるのか、それは政管健保でいいますと保険料率では何%に相当するのかということをお知らせいただきたいと思います。
大塚政府参考人 今回の改正で三割負担の導入を行う場合と行わない場合、こういうふうに比較をいたしますと、医療保険制度全体における財政影響は、三割負担を導入する場合に比べまして、平成十五年度から十九年度の五年間、単年度平均をいたします、平年度平均でございますが、約八千三百億円の財源が三割負担を行う場合と行わない場合の差として出てまいります。
 また、政府管掌健康保険に関して申しますと、同様の整理で計数をはじきますと、約三千九百億円、単年度平均で約三千九百億円の負担増となるわけでございます。幾つかの制度改正がございまして、例えば薬剤一部負担をこれにあわせて廃止しようとしておりますので、その辺の扱いによって変わってまいりますけれども、仮に三割負担だけ、とにかく三割負担の導入の前後の差というふうに考えますと、総報酬ベースで五パーミリ程度、〇・五%でございますが、五パーミリ程度の差ということになります。したがいまして、御提案申し上げております保険料率、現在八・二%、八二パーミリでございますけれども、これを八七パーミリ程度にさらに引き上げる。
 ちなみに、現行の、現在の標準報酬制度におきます保険料率は八五パーミリでございますが、これを総報酬ベースに置き直しますと七・五%でございますので、七・五%から、仮に三割負担を導入いたしませんとその分だけ仮に足すという計算をいたしますと、七・五%を八・七%程度に引き上げる必要が生じる、こういう計算でございます。
金田(誠)委員 ありがとうございます。医療費の節減といいますか、診療抑制という問題を別にすれば、個人負担の引き上げによって受診抑制というものを期待しないとすれば、社会保険によってリスクを分散しても、自己負担によってそれを賄っても、医療費総額としては結局同じことだということが言えると思うんですが、そういう理解でよろしいですよね。
大塚政府参考人 御指摘ございましたように、患者負担とするか保険料とするかというのは、実は医療費に影響があるわけでございます。それを除いて考えるということを前提にいたしますれば、保険料と患者負担はいわばバーターといいましょうか、どちらかがふえればどちらかが減るという関係になるわけでございます。
 ただ、当然のことながら、患者負担の場合と保険料負担の場合といいますのは、それを負担する層といいましょうか、範囲とか性質とか、これは当然変わってまいりますので、金目で申しますれば、おっしゃいますように、患者負担による医療費の影響というのを除きますれば、それは保険料と患者負担とは相対の関係になるということでございます。
金田(誠)委員 受診抑制の問題などは、受診抑制になって本当にプラスになるものなのか、抑制した結果が重病化を招いて結果的に高いものにつくものなのか、この辺のところは定かでないと思います。したがって、それはとりあえず除外して考えて、要は、保険でリスクを分散しようが、個人負担にして若年世代は二四・三なんていう高率の負担を強いようが、結果的にトータルとして同じだということは、当たり前といえば当たり前なことでございます。当たり前なことだとすれば、なぜこの自己負担の増を選択したのか。
 どっちにしたって払うものは払うんですよ。いざとなったときに高額なものを取られるのがいいのか、元気なときにわずかばかりの負担をみんなで少しずつする方がいいのかといったら、これはどっちがいいんですか。前段いろいろ指摘しましたが、格段に問題を多く含んでいるのがこの自己負担の増ということでございます。なぜ自己負担の増を選択したんでしょうか。
 大臣、今まで、国保も三割だからみたいな答弁をしていましたけれども、それは以後おっしゃらない方が私はいいと思います。これはちょっと乱暴な議論ではないでしょうか。
 二四・三、若年世代に強いる、こういう自己負担の増にシフトしていく。三割負担もそうですよ、高額療養費もそうですよ、あるいは特定療養費もそうですよ。自己負担、自己負担ということでどんどんシフトしていく竹中平蔵流、こんなのにつき合っていたら国を誤りますよ。不安感がますます増大するだけ。貯金をしなきゃならない、新しい保険商品を買わなきゃならない。結局高くつくんじゃないですか。
 医療費トータルでむだがあるないという話はまた別にあるんですが、それはそれとしても、自己負担を強いるなんというのは賢明なやり方ではない。世界じゅうどこでもやっていない。やっているのはアメリカのメディケアぐらい、この国は原則社会保険のない国なんです。自己責任、民間保険の国なんです。日本はそういう方向を目指すべきではない。ヨーロッパでこんな高い自己負担を取っているところがありますか。少なくとも公明党の大臣のやることでない。もう竹中平蔵とつき合うのはやめてくださいよ。これは本当に残念ですよ。
 大臣、これは結果が同じならなぜ自己負担の増を選択したのか、納得のいく答弁をお願いしたいと思います。
坂口国務大臣 今おっしゃるように、必要な額は必要なんですね。医療の中身をどう変えていくかは別にいたしまして、現在、年々歳々一兆円近い医療費が増大をしてくるこの状況の中で、国庫負担でいくか、あるいはそれは保険料でいっていただくか、自己負担でいっていただくか。国庫負担というのは税でありますから、税はこれぐらいというふうにもしも仮にしたといたしますと、あと残りは保険料でいくか、それとも自己負担でいくか、こういうことになるわけであります。
 これをすべて保険料でいくということになれば、これまたデメリットの面もございまして、それだけ可処分所得は下がるわけでございますし、どうしても、現在の制度でいけば若い人たちの負担というものをふやしてしまうということになってしまいます。
 ですから、ある程度はこれは自己負担をやはりお願いして、そしてその上限をつくって、余り高いものにつきましては上限で抑えていく、軽い御病気につきましては三割の負担をしていただくという程度はお願いをしなければ、保険料にかぶせ過ぎますと今度は、それはまた負担が多くなり過ぎるというふうに私は思いますね。
金田(誠)委員 答弁をお聞きいたしましたが、納得しかねます。ただ、大臣、今の答弁の中でドイツの保険料率を引き合いに出されなかったというのはありがたいなと思って私は伺っておりました。
 ドイツのように保険料が高くなるということはありません。前にも申し上げましたが、ドイツが保険料率が高い理由は、国費の投入が原則としてないということと、医療費の対GDP比が日本より格段に高いということで保険料率が高くなっているわけでして、自己負担ではなくて保険で賄おうとすればドイツのようになるということは全くありません。さっき大塚局長が言ったような数字で、五パーミリですか、〇・五%の今の話でございます。そういう意味では、論拠としてドイツの保険料を出されなかったということは私は評価したいと思いますし、もう一つは、国保が三割だからそれでいいんだということもおっしゃらなかったのを評価したいと思います。
 大臣、これから、このドイツの保険料と国保の三割というものを引き合いに出した御答弁はぜひ控えていただきたい、これは強くお願いを申し上げたいと思います。その上で、なぜ保険料ではなくて自己負担を選択したかという答弁は大変苦しい答弁にならざるを得ない、論拠が余りにないから苦しい答弁になるんだなと思ってお聞きをいたしたところでございます。
 この審議はそろそろ折り返しぐらいのところでしょうから、次にまた質問の機会がありましょうから、次の方に移らせていただきたいと思います。
 二点目は、患者自己負担のあり方のうち、なかんずく、高齢者の患者自己負担がどうあるべきか、ここに焦点を当てて質問をさせていただきます。
 エージズムを排除するという考え方については、再三申し上げてきたところでございますが、どうも十分に御理解いただいていないようだなという印象を受けております。この考え方に従えば、高齢者のみを対象にした独立型の老人保険はエージズムであり、採用すべきではありません。必然的に、いわゆる突き抜け方式、継続加入方式を採用すべきということになるわけでございます。エージズムを排除するという考え方によればでございます。
 しかし、報道などを拝見しますと、大臣は、突き抜けか独立か、いわゆる四つの案の中でどれがいいかということの問題は第二の問題で、まず負担割合をどうするかがありきだというようなおっしゃり方をしているわけでございまして、これはエージズムの排除ということを十分御理解いただいた御発言ではないな、こう受けとめざるを得ないわけでございまして、非常に残念でございます。
 患者の自己負担についても、エージズムを排除するという基本的な考え方からすれば、高齢者も現役世代も同等であることが本来の姿、こう思います。
 その場合、私は、条件は二つあると思います。一つは、自己負担の額が一般の高齢者にとって負担可能なものであるということでございます。例えば、我が国の三分の一程度であるドイツのレベルというものが考えられると思います。二つ目の条件は、高齢者が自己負担にたえ得る所得保障、これが必要でございます。具体的には、先進諸国において常識となっている最低保障年金、これの仕組みを導入すべきだと思います。先般の一般質疑では私がパネルを持ち出しまして大臣にお尋ねした、あの最低保障年金の仕組みでございます。
 私は、高齢者の自己負担に関しては、エージズムを排除するという基本に立って、条件としては負担可能なレベルであること、そして負担にたえ得る所得保障が必要であること、こう考えるわけでございますが、これについて大臣の御所見を伺いたいと思います。
坂口国務大臣 社会保障制度全体を考えますときに、やはりそこは、社会保障制度の中で年金、医療、介護その他のものが均衡のとれたものでなければならないというふうに思いますし、その中で一番大事なのは私は年金だというふうに思っています。年金が大黒柱だというふうに思います。
 そういう意味からいきますと、今御指摘になりましたように、年金を中心にして考えたときに医療制度もこういうふうにしたらこういうことになるではないかという、その組み立て方そのものにつきましては私も決して反対ではございません。やはりそういう物の考え方というものは持っていかなければならないなというふうに思っているわけでございます。
 私が、その医療制度につきます問題で、突き抜け方式だとかあるいは独立方式だというようなことを決める前に財政をどうしていくかということを先に決めるのが大事だというふうに申したことも事実でありますし、若干、今御指摘になりましたのは、私が言いたいことの真意をよく理解していただいていないのではないかと私もちょっと思いながら聞いたところでございます。
 それは、今までシステムとして突き抜けがいいとか、あるいはまた独立がいいとか、あるいはその中間型でありますとか、そうしたさまざまな意見があって、そのシステムにこだわるものですからなかなか決まらなかった。その前に、財源として、大体国庫負担をどれだけにする、そして保険料で全体としてどれだけを賄う、自己負担としてどれだけで賄うという、国庫負担、保険料、そして個人負担というものの割合を先に決めるということが大事ではないかということを先日申し上げたわけであります。そこが決まれば、あとはそれに一番適した方法を選べばいいではないかということを私は申し上げたわけでございます。
 その割合につきまして、今後の高齢者医療というものを考えていきました場合に、高齢者がどんどんとふえてくるわけでありますから、将来のことを考えたときにどういう割合にするかということをまず出さなければならないということを申し上げた次第でございます。
金田(誠)委員 ポイントは、これから高齢者がますますふえてくるということでございます。それに対処して、高齢であろうが若年であろうが適切な医療給付が受けられるという仕組みをつくるということが目的だと思うわけでございます。
 その場合に、私が再三指摘しているのは、エージズムという考え方を排除しなければならない。社会保険で行っている国でこのエージズムをとっている国はないという現実でございます。そして、一番エージズムであるのはアメリカのメディケアだと私は思うわけでございますけれども、これがいかに貧弱な給付でしかないか。さっき大塚局長はいみじくもおっしゃっていただきましたけれども、比較にもならないような状態でしかないと。日本の国がいきなりメディケア並みになるとは考えにくいとは思いますけれども、高齢化がますます進行する中でそういう可能性、危険性を大きくはらんでいると私は思います。
 したがって、今取りざたされている議論の中で、このエージズムの排除という柱をきちっと立てていかなければ、それこそ竹中平蔵流にやっていけばメディケアになる、こういう危機意識を持って私は指摘をしているところでございます。
 そういう観点からいけば、国、保険、自己負担、この負担割合は、スタート時点では現状しかないと思います。この現状を大きく変えてスタートというのは現実的ではないと思います。しかし、エージズムを排除して、突き抜け方式、継続加入方式という原則さえ打ち立てれば、負担割合は逆にどうにでもなる。現状からスタートして、ここまでは大臣と認識が一致すると思いますが、それからどの部分にウエートを置いていくか。
 私は、税にこれから大きく頼るというのは現実的に可能性は低いと思いますし、今申し上げてきたように、個人負担に頼るべきでもないというふうに思います。保険で負担をするしかない。そういう観点から保険者の再編成ということも申し上げているわけですし、リスク構造調整ということも申し上げているわけでございます。こういう構造改革、まさに構造改革が今求められている、こういう議論を大臣とはさせていただいたと思っております。
 この点を申し上げておきながら、次に移らせていただきたいと思います。
 このエージズムの排除という考え方を明確にとるか否かにかかわらず、自己負担の額が一般の高齢者にとって負担可能なものであるということは、この考え方については大臣と恐らく共通するだろう、こう思います。自己負担の額は、一般の高齢者にとって負担可能なものであるということでございます。
 ドイツの自己負担は医療費総額の六%とされておりますが、そのドイツのレベルに抑えるとすれば、患者一部負担は一割負担程度が限度ではないかと思います。現在は、高齢者の場合、一定の上限等あるわけでございますけれども、限度として一割負担、これが限界である。さらに、その一割負担にたえるような年金給付、大臣がこれが柱になるとおっしゃっているこの年金給付でございますが、その給付の方をそれにたえるように設計変更をしていく必要がある、こう思うわけでございます。
 まず大臣、高齢者一割負担という大原則が今打ち出されてきたわけでございますが、私はそれについて以下条件があるということでこれから申し上げたいと思いますが、この一割負担が限度、これはもう本当に限度という考えについては共通すると思いますが、いかがでございましょう。
坂口国務大臣 高齢者のお話でございますでしょうか。(金田(誠)委員「はい」と呼ぶ)
 一応、高齢者にお願いをするのは、やはり一割前後というのが、前後と申しますか、一割というのが一つの限度であるというふうに私は思っております。
金田(誠)委員 私ども、エージズムの排除という考え方からすると、高齢者が一割であれば若年者も一割、こういうふうな展開になっていくわけですが、それはちょっとおいておきます。その上で、その一割負担にしても、現行の国民年金の給付水準では負担し切れない、こう思います。
 そこで、政府参考人に伺いますが、国民年金の平均受給額、この金額と、平均額以下の受給者の人数、そして最低の受給額、この三つの数字を教えていただきたいと思います。
冨岡政府参考人 お答えいたします。
 平成十二年度末現在におきます国民年金の老齢年金受給権者は千六百六万人おりますが、その平均年金月額は五万九百十八円となっております。そして、平均年金額とほぼ同額でございます月額五万円未満の年金の受給権者が七百五十四万人となっております。
 なお、最低の年金額というお尋ねがございましたが、特に最低の年金額受給者といった集計はいたしておりませんが、年金月額一万円未満の国民年金の老齢年金受給権者は八万八千九百九人となっております。
 なお、このような年金月額が低い受給権者が存在する主な理由といたしましては、基礎年金導入以前、専業主婦の方の加入は任意でありましたが、こういった方が加入していなかった期間が年金額に反映されていない、いわゆる空期間の非常に長い方。それから、繰り上げ受給した場合に年金額が減額される、こういった方。それから、保険料免除期間につきましては年金額が三分の一になる。こういった事情の方が低いということになっております。
 以上でございます。
金田(誠)委員 先進諸国においては最低保障年金という仕組みを何らかの形でとっているところが多いのではないでしょうか。
 一昨年、イギリスを訪問した際にも、あのサッチャーイズムで福祉切り捨ての急先鋒だったイギリスでさえ、ペンションクレジットという名前で最低保障年金の制度がございました。これはミーンズテストつきで、実質は生活保護、無拠出なんでございますけれども、それでも一応年金という名前がついて給付をされている。六十五歳になれば生活保護というものでなくて年金という形の中で手当てされているということが、あのイギリスでさえ制度化されていたということには大変驚いたわけでございます。この最低保障年金の一番典型的な形で制度化されているのは恐らくスウェーデンの仕組みかな、こう思っているわけでございます。
 こういう形がない中で、月額五万円未満の方が七百五十四万人。私どもの地元などでも農業、漁業の方は非常に多いわけでございますが、月額三万円あるいは四万円台、それで介護保険の保険料を払って、さらに自己負担、こういう形になるのは余りにもお気の毒という状態でございます。
 それでは満額給付になったらいいのかというと、これまた申し上げにくいところはあるわけでございますが、少なくともこういう年金の受給状況の中で、今回、一割負担が限度というふうに私ども原則考えておりますが、にもかかわらず一方の、大臣もおっしゃる、一番幹になる、基本になる年金がこういう状況の中で、この一割負担が今実施されていくというのは果たしてどうなのか。いま一度立ちどまって、年金の方の最低保障年金などの仕組みとあわせながらこれは考えるべきではないか、こう思うわけでございますが、いかがでしょう。
坂口国務大臣 先ほども少し触れましたとおり、社会保障制度全体の中で考えていかなければならないというお考えには私も賛成でございます。
 しかし、現在の医療制度のところを中心にして考えますと、やはり高齢者の皆さん方はそれだけ疾病に罹患される回数が、あるいはまたその内容におきましても非常に厳しい内容の、病気が大きいわけでございますから、そこに配慮をしたような形にしていかなければならないというふうに思っております。
 先生は、エージズムという考え方のもとに、高齢者も若い人も同じようにというふうに御指摘になりますが、しかし、その自己負担は、もし仮にそうしたといたしましても、では高齢者の方にも同じように保険料をお支払いしてくださいというわけにはいかないでしょうから、そこで、高齢者が必要な分というのはお若い人たちが保険料で払わなければならない。結局、自己負担で払うか、保険料で出していただくか、やはりお若い皆さん方に負担がかかってくることは間違いないんだろう、そういうふうに私は思っております。
金田(誠)委員 ちょっと私の受け取り方が今違ったのかもしれません。であればお許しをいただきたいと思いますが、保険料は若い者も高齢者も所得に応じて同率に払っているということは指摘をさせていただきたいと思います。
 恐らく、高齢者の方は大半が国保の被保険者だと思います。その国保は、年齢による保険料の軽減というのは恐らくない。市町村によってやっているところはもしかすればあるかもしれませんが、原則として所得によって保険料は賦課されている、均等割あるいは所得割という形で賦課されているわけでございまして、余りの低所得の方には軽減措置というのはございますけれども、それは若年であろうが高齢者であろうが同じ仕組みの中で賦課されているということでございますから、保険料負担自体を高齢者が免れているということではないという点だけ、私ちょっと聞き違いだったかもしれませんが、指摘をさせていただきたいと思います。
 実際問題、こういう低額な年金に頼らざるを得ない、その他の収入ももしかすればあるのかもしれませんが、所得として非常に低い方々が現実にいらっしゃる、そういう中で生活をしておられる。その生活者とこの負担というものはやはりセットにして考える。いかに収入が確保されているから、したがって幾らの負担を保険料としていただくか、そして自己負担として診療の都度いただくかというものは、両方をセットにして考えないと福祉国家としての仕組みは成り立ってこないだろう、こう思うわけでございます。
 まだ質問したいことはございますが、以上指摘だけ申し上げまして、次の項目に移らせていただきます。
 社会保険の中で税が果たす役割ということについてでございます。これは先ほども申し上げましたが、税なのか保険なのかということはこれから大きなテーマになってくると思いますので、あえて取り上げさせていただきました。
 またドイツの話で恐縮でございますが、ドイツでは、医療保険の財源は労使折半の保険料、税は原則として導入しない。税を入れると政府が余計な口を出すからという考え方だと聞いておりますけれども、いかにもドイツ人らしい一つの見識だというふうに思います。こうした考え方から、ドイツにおいては、年金生活者の事業主負担分は年金保険が負担をする、失業者の事業主負担分は雇用保険が負担する、こう徹底をしているところであります。ドイツ以外でも、社会保険方式をとる国では保険料が中心で、税の役割は限定されているようでございます。
 これに対して我が国は、社会保険方式でありながら税が大幅に投入されるという特異な制度であり、その税投入の根拠も判然としておりません。保険者も医療提供側も、保険料の引き上げよりは安易に税に頼る傾向があり、国保や老人保健制度の存在がそれに拍車をかけてきたと思います。
 本来、社会保険方式である以上は一義的には保険料で賄われるべきであり、税が投入される場合はその根拠が明確にされるべきだと私は考えますが、こうした考え方について、大臣、基本的にいかがでしょうか。
坂口国務大臣 税か保険料かというお話は、それぞれの政党によりましてかなり違いがございます。与党内にも野党内にもそれぞれいろいろのお考えがありますことは御承知のとおりでございまして、税と保険料との割合をどうするかということに今はなっておりますが、私はやはり、税、保険料、自己負担というものを三位一体に考えていかざるを得ないというふうに思います。
 税は御承知のとおり所得再分配に軸足がございますし、保険料はリスクの配分と申しますか、そうしたところに軸足があるわけでございますし、それぞれやはり特徴がございますし、また、税はその税の中身によりましても違いますけれども、大きく分ければそういうことではないかというふうに思います。
 そういう中で医療の問題を考えていきますときに、私は、すべて保険料でいくというのはかなりきついなという感じを持っております。これだけ高齢化が急激でありますと、やはりリスクを分かち合うという点からいきましてもかなり限界がございますから、高齢者がこれだけ多いという人口構成の中でリスクを分かち合うというのは、全部それを保険料でというのは無理がある、やはりそこに税を導入することはやむを得ない、そういうふうに私は思っている次第でございます。
金田(誠)委員 大臣の今の点はおっしゃるとおりだと思います。私も、全部税でやれとは申し上げておりません。ドイツの例は一つの見識だということを申し上げたわけでございます。そして、税を投入する場合には、何に着目してどの部分を税で賄うのか、それをきちんとした上で税を投入するという設計を考えるべきではないか、保険が基本になるべきではないかという軸足の置き方について今申し上げたところでございます。
 大臣も今おっしゃっておりましたけれども、保険と税の関係について、基本的な考え方は二つに分かれるというふうに思います。
 一つは、保険はリスクの分散であり、税は所得移転であるという考え方から、現役世代については保険原理がふさわしいけれども、高齢者については税による所得移転で対応すべきという考え方でございます。これによれば、高齢者医療は税による独立方式ということに結びついていくわけでございます。
 いま一つの考え方は、保険とはいえ社会保険は強制加入で、応能負担の保険料は税に近いものであり、リスクの分散と所得移転の双方の要素をあわせ持っているという考え方でございます。これによれば高齢者医療は保険による突き抜け方式、こういう形になっていくだろうと思うわけでございます。
 前者の考え方は千葉大学の広井良典先生、後者は一橋の塩野谷祐一先生が主に主張されている、私はそう受けとめておりますが、両先生とも私の尊敬する方ではございますけれども、私は突き抜け方式を主張する立場からして、これだけは広井先生に同調できないという立場なんでございます。また、ヨーロッパの社会保険方式の国々はすべて突き抜け方式を採用し、高齢者医療も社会保険で対応していることからしても、高齢者は税でという考え方は普遍的なものではない、こう考えているところでございます。
 これについて、政府参考人、御見解ございましたらお示しいただければと思います。
大塚政府参考人 やはり、医療保障制度をどういう仕組みをとるかというのは、かなり国によって違うわけでございまして、同じヨーロッパでも、英国あるいは北欧のような税に中心を置いた国々、それからフランス、ドイツのような、保険料を基礎としながら、またフランス、ドイツでも保険料と自己負担との兼ね合いは随分違うというように、それぞれのお国ぶりだと思わざるを得ないわけでございます。また、日本は日本で国民皆保険という非常に大きな一種の理念を持っておりますので、それに伴うさまざまな特性もございます。
 ただ、今のお話、御質問に直接お答えするといたしますと、ヨーロッパ諸国などにおいて高齢者については税方式でということが普遍的かという御指摘でございますれば、御指摘のように、それが普遍的だという状況にはないことは間違いないと存じております。
金田(誠)委員 次に入らせていただきます。
 今日、日本医師会などは、高齢者医療については税を中心とした独立方式を主張しているようでございます。しかし、その論拠は、税は所得移転という広井先生の考え方によるものではなく、なぜ税なのか、私は根拠はまだ判然としていないのかなと思っているところでございます。
 この場合、税負担は増大することになるわけでございますが、その税目や税率については具体的に言及されておらないのではないか。そうである限り、これは旧来型の安易に税に頼る考え方であり、とりわけ今日の財政状況下にあっては現実的ではない。さらに、この考え方は再三指摘しているエージズムそのものである、到底採用できるものではない、私はそう思っているんです。
 政府参考人、いかがでしょうか。これは最後の質問で、もう時間ですから終わります。
大塚政府参考人 税を中心にいたしました独立方式の高齢者医療、これもさまざまなお立場での御主張がございまして、例えばその税財源について、税率はともかくといたしまして、税目などについて触れる御意見もあれば、そこを留保された御意見もございまして、独立方式の御主張にもさまざまあるというのが現状ではないか、その中ではいろいろなバリエーションがあるというのが現状ではないかと考えております。
 いずれにいたしましても、税をとるかどうかということが、一つの、さまざまな御意見の中の案でございますし、その場合に、もし税を中心とするということになりますと、相当巨額な財源も必要になってまいります。要は、その財源が安定的に確保できるものなのかどうか、国民的な御理解が得られるものなのかどうか。税を中心とした御議論ということになりますと、その辺あたりが最大の論点の一つになってくるのではないか。私どもとしてはそう考えておりますけれども、いずれにいたしましても、さまざまな御意見の中の一つでございますから、利害得失、それぞれの案がございます。そのうちの税方式についても、メリットもあればデメリットもある、考え方も幾つかその中でございますので、なかなか一律に割り切るという性格のものではないというふうに考えております。
金田(誠)委員 時間ですので、終わります。ありがとうございました。
森委員長 次に、水島広子君。
水島委員 民主党の水島広子でございます。
 まだまだ医療制度に関してはお伺いしたいことがたくさんございますので、前回聞き残したことも含めまして、本日もまた大臣に質問をさせていただきたいと思います。
 先日、五日の本委員会で、私は最後に、ジェンダー・スペシフィック・メディスンについて伺いました。時間が足りなくなってしまったのでここで改めて伺いたいのですが、そのときに、なぜ雇用均等・児童家庭局がこのジェンダー・スペシフィック・メディスンの担当なのかということを問題点として指摘させていただきました。その後、担当局の変更について検討していただけましたでしょうか。
 先日もお話ししましたように、血中のコレステロールの値と心疾患のリスクは男女でそのパターンが大きく異なっており、女性については、適正なコレステロール値の範囲は今の臨床で設定されている適正値よりも高いところにございます。抗コレステロール薬の市場は年間三千億円と言われておりまして、この三千億円のうち二千億円が女性に投与されていると言われております。ここにも医療費のむだがあるのではないかと私は思っております。つまり、コレステロール値を下げる必要のない女性がそれを下げるようにと言われて、抗コレステロール薬を投与されているというような例が実際に多いのではないかと考えているわけでございます。アメリカのFDAでは、一九九八年のニュー・ドラッグ・アプリケーションズにおいて、薬剤治験における性別、年齢、人種による検討を義務づけております。
 このように考えてまいりますと、これはまさに医療全般の根幹にかかわる問題であって、決して女性だけの問題ではございません。雇用均等・児童家庭局の担当としてしまいますと、そもそも日本の厚生労働省がこの問題を誤ってとらえているということを国際社会に見事にさらけ出してしまうことになるのではないかと思いますけれども、大臣はこの担当局の変更についてどのようにお考えになりますでしょうか。
坂口国務大臣 日本の医療はさまざまな今まで平均値を出してまいりましたが、今までは年齢も考慮に入れずに、一つの検査なら検査の平均値はこういうことですということを言ってまいりました。最近になりましてようやく年齢差というものを考慮に入れて、お若い人たちと中年と高齢者の皆さん方の間ではそれぞれ値も違うというので、それぞれにやはり分けて考えるようになってまいりました。
 私が医学部を卒業しますころには、例えば血圧の値一つとりましても平均値で物を言っておりまして、それよりも高い人は全部高血圧というふうに言っていたわけでございますが、六十歳、七十歳になってまいりました人間と二十や三十歳の人とは違うわけでありまして、これは別途に考えなければならないというのでだんだんとその考え方は取り入れられてまいりました。しかし、今御指摘をいただきました性差というものにつきましては、これはまだ緒についたばかりと申しますか、日本におきましてはまだ十分に取り入れられていないというふうに私も思っております。
 御指摘をいただきまして、なるほど、私もそれはそうだなというふうに思いながら先日聞かせていただいたわけですが、省内におきます問題は、これはそれぞれの局にまたがる話だと私は思います。どれどれの一つの局に限定をして取り扱うべき問題ではなくて、医政局なら医政局におきましても、健康局なら健康局におきましてもそれぞれ存在する問題でございますから、なかなか一つの局に限定しにくい、これは広がりのある問題だというふうに思っておりますが、全体としてどこが担当するかということをもし決めなきゃならないとするならばどうするかという問題になるわけでございます。しかし、事の性格上は、各局にまたがる内容を持ったものであるというふうに私は思っております。
水島委員 そうしますと、当面の担当局のあり方をどういうふうにするかということを、またちょっとその構造の変化を検討していただけるという答弁と受け取ってよろしいのかなとちょっと思ったんですけれども。
 実は私も、問題意識を持ちましてから何人かの専門家に、これを雇・児局が担当するそうだけれどもどう思うかということを聞きましたら、皆さん笑っていらっしゃったわけです。これを、私、これから三年間なら三年間、人に説明するたびに、本当はおかしいんだけれども、なぜかこんなところが担当していてということを説明し続けなければならないとすると、これはちょっと、大変恥ずかしい話なのではないかとも思うわけです。
 今の大臣の御答弁、現状のようにこれは雇・児局の担当ですと言い切るものではなくて、もっと幅広いものであって、この問題に対する取り組みをどこかの局が担当するというのではなくて、全部の局にそのような視野を設けていただくというふうに受け取らせていただいてよろしいんでしょうか。つまり、これから私がこのジェンダー・スペシフィック・メディスンについて個別の質問をしていくときには、例えばそれが保険に関することだったら保険局にお答えいただいたりとか、あるいは医療の根本にかかわることであれば医政局にお答えいただいたりとか、そうなっていくというふうに理解してよろしいんでしょうか。
坂口国務大臣 それは旧厚生省の中だけではなくて、例えば健康診断の話などになってまいりますと旧労働省の中にもまたがってくるわけでございます。この健康診断一つをとりましても、それはそこに性差の問題というのは入ってくるというふうに思いますし、その内容によりましてそれぞれがやはり担当をしていくということは、当然のことながら起こってくることだというふうに思っております。
水島委員 ありがとうございました。
 つまり、先日の雇・児局の局長からいただいた答弁と比べまして、やはり大臣はこの問題をその後考え直してくださったんだなということが理解できまして、その点についてお礼を言わせていただきたいと思います。
 さて、男女という問題でもうしばらく質問を続けさせていただきたいんですけれども、男女共同参画社会基本法並びに基本計画では、諸制度が性に中立的であるべきという方向が打ち出されておりまして、年金については既に厚生労働省も検討に入っておられます。医療保険制度については現在どのような検討段階にあるのでしょうか。
大塚政府参考人 基本的には、医療保険では、性といいましょうか、男性か女性かという制度上の区別はもちろんないんでございますが、社会実態として被扶養者というような制度があるわけでございます。年金と同様に基本的な社会保障制度の一つでございますから、共通の問題という面が一つ、年金と共通の問題を幾つか抱えているという問題もございます。したがいまして、その点については、年金の議論をよくフォローしながら私どもも考えていくという面が一つの考え方。
 もう一つは、やはり医療保険、年金とは違う面もあるわけでございます。例えば、歴史的な経緯はとりあえずおくといたしましても、被扶養者の場合には、医療保険の場合は当然子供さん、つまり二十未満の方々も加入者でございますから、仮に被扶養者あるいは個人化ということで負担の問題が出てきます場合に、二十未満の方々をどうするか。これは年金とまた違う課題として生じてまいりますし、一方では、今度は給付を受ける場合には、これまた年金と異なる面としては、いわゆる患者の自己負担という問題もございます。
 したがいまして、年金と共通の側面と、また医療保険独自の側面と、両方ございますが、今後、医療保険制度の体系を考えていく場合に、やはりこの問題、整理しなければならない課題の一つだと思っております。全く年金と平仄が合えばいいというだけではない問題も抱えておりますから、その両面からよく議論をしていきたい、検討していきたいと考えております。
水島委員 私は、年金の制度と同じにするか違えるかということを質問したのではなくて、現在の検討状況を伺ったわけでございますので、当然、年金と医療保険と、制度が違うからそれぞれまた別の検討が必要になるということは百も承知なわけでございます。そして、これからの制度を考えていく上で検討しなければいけない課題であるという御答弁でございましたので、つまり、今までのところは検討していないというふうに受け取らせていただきました。
 ここに五月一日の朝日新聞の夕刊がございまして、電機連合が健康保険料についての独自の改革案を出したなどというような、そんな記事もございます。労働組合が厚生労働省よりもずっと先行してこのことを議論しているのかと思うと、厚生労働省はどういうことになっているんだろうと思いますけれども、この点について、今の私の、まだ何も検討されていないという理解が正しいのかどうかということも含めまして、坂口大臣の今後に向けての御見解をお伺いしたいと思いますが。
坂口国務大臣 医療の中におきます性差の問題は、今までから指摘はされてまいりましたけれども、しかし、取り扱いとしては、特別な取り扱いというのはなかなかされてこなかったというふうに思っております。例えば、データ一つをとるにいたしましても、男性と女性とで特別に性ホルモン等に関係のありますものは別でございますけれども、その他のものにつきましては大体同じように取り扱われてきたというのが現状でございますし、その辺のところは同じように取り扱われてきた。
 そうした問題を、どのようにこれから性差を意識して医療というものを行っていくかという方向にこれをどう持っていくかというのは、まだこれからの問題で、現在までのところ、そこは余り進んでいなかったというふうに解釈する方が正確ではないかというふうに私は思います。
水島委員 済みません、大臣大分お疲れかなと思うんですが、今お伺いしておりましたのは、医療保険制度の中の扶養者の方の問題でございまして、ちょっとさっきのデータの方はもう終わっておりまして、今は、扶養家族の負担問題ですとか、そういったことも含めての男女の性中立性の問題ということでお伺いいたしましたんですが、そちらについては、では、先ほどの保険局長のお答えでよろしいでしょうか。
 では、またこれも重要なテーマでございますので、これから折に触れて伺ってまいりたいと思っておりますけれども、やはり、この制度設計を考える上での性中立性というものは、男女共同参画社会基本法を制定しております日本において早急に検討していかなければいけない課題であると思っておりますので、またこれについては追って質問してまいりたいと思っております。
 ちなみに、年金についても一つだけお伺いしたいのですけれども、五月十五日に、年金の給付と負担についての将来推計がまとめられ、発表されたわけでございます。ところが、もう一方では、昨年の十二月に、女性と年金検討会の報告書の中で、第三号被保険者にかかわる保険料負担の考え方として六つのモデルが挙げられているわけですけれども、これらのモデルに基づいた給付と負担の将来推計はされていないのでしょうか。もしもまだされていないのだとすると、これはどのモデルを選んでいくかということを考える上で、将来像を知っておくというのは重要な問題だと思いますので、試算をする必要があると思いますけれども、いつまでに試算をしていただけるのか、お答えいただきたいと思います。
辻政府参考人 今御指摘の、女性と年金に関しましてのまず関係でございますけれども、昨年末に女性と年金検討会で御報告をいただきまして、御指摘のように、六つの課題につきまして今後の検討すべき方向性をお示しいただきました。
 中でも、特に一番重要な問題の一つとして、今、専業主婦、一生、一生といいますか、夫婦である期間ずっと専業主婦である方を念頭にしたモデル年金になっておりますものを、共働きモデルに変えるべきである、こういったこともそこで指摘されているわけですが、それが今回の新人口推計の試算に基づいてどのような前提に立っておるのかというお尋ねかと存じます。
 結論から申しますと、今回の、先月公表させていただきました新人口推計対応試算は、これはあくまでも新人口推計による年金制度への大きな影響、大まかな影響を見てとるためのものでございまして、平成十一年財政再計算の数字の人口部分だけを基本的に置きかえたものでございます。したがいまして、これはそういう今後の政策的な改正方向につきまして織り込んだものではございませんので、今のモデルというものにつきましても、共働きモデルにするべきという検討会の方向性に沿った中身の今後の政策方向というものは、その試算の中には含まれておりません。
 しかしながら、当然のこととしまして、女性と年金検討会でお示しいただきました六つの事項についての今後の検討の方向性は、今後、検討されるべきことでございまして、現在、社会保障審議会年金部会で十六年に予定されております次期制度改正に向けて検討いただいておりまして、現時点では、制度体系の骨格的な事項、例えば財政方式とか財源とか、そういったところからの議論をいただいておりますが、当然のこととして、今後、議論を深める中で、今御指摘の論点につきましてはこの年金部会で検討いただきますが、大きな形としましては、十六年の制度改正に向けて、これから個々に論点、来年に向けて御議論いただきますので、最終的な大きな論点整理というのは来年の夏前ぐらいまでかかるのかと存じますが、その間の適切な時点で、必ずこれにつきましてさらに議論が深められ、整理がなされるということで認識をいたしております。
水島委員 年金の財源をどうするかというのはかなり大きな問題ですので、議論に時間がかかるのはわかるんですけれども、六つのモデルが既に挙げられていて、そのモデルに基づいて、新人口推計に基づいてで結構ですけれども、将来の給付と負担の将来推計を試算するというのはそんなに時間がかかるものなんでしょうか。
辻政府参考人 ただいま仰せの六つのモデルの中で、試算にかかわります非常に大きな問題点というのは、モデル年金の水準、すなわち典型的な事例における、今現在は専業主婦を前提とした御夫婦で二十三万八千円というのがモデル年金の水準でございますが、これを共働きにしたときにどのような水準とするのかということについての検討が必要でございます。したがいまして、それにつきましては、もとより全体として給付と負担の水準をどうするのか、そういう全体の給付と負担の水準のレベルを議論する中で、その中の一つの問題として議論されることが必要と存じます。
 現時点におきましては、そもそも新人口推計のどの推計を用いるのか、全体として負担と給付の水準を求める上での議論をどのような前提で行うかという議論が行われておりまして、恐れ入りますけれども、やはりそのような議論の次に行われるべき、しかしながら、実は、この女性と年金の問題につきましては、非常に大きな議論でありますことから、わざわざ去年一年かけてあらかじめ詰めたということで、随分その点、中身は詰められておりますので、私ども、何とぞこの問題につきましても年金部会で円滑に議論がなされるものと期待をいたしております。
水島委員 円滑に議論していただくのは、ぜひしていただきたいんですけれども、さらに、今の御答弁を伺いましてもちょっと腑に落ちないんですけれども、モデル年金の水準を決めるということと、これからそのモデルを六つのそれぞれに関して、これは第三号被保険者の負担のあり方を変えていくものですので、そのときのモデル年金の水準をどこに置いたときに負担額がこうなって、そのときの給付がそのときのモデルではこうなるというようなことは、当然幾つか挙げていくことは試算としてはできるはずだと思うんですけれども、それもそんな来年の夏までかかるんでしょうか。
辻政府参考人 ちょっと私が間違っておりましたらお許しいただきたいと思うんですが、六つといいますときに、大きな女性と年金に関する課題が六つ掲げられたという六つの問題と、今私が申し上げましたモデル年金のあり方をどうするかという問題と、それから、六つというともう一つ、第三号被保険者のあり方を考える上で六つの案があるという六つとさまざまございます。
 もし第三号被保険者についての六つの案をどのようにするのかという御指摘でございますれば、この点につきまして、むしろ、負担と給付全体のあり方で、かたい話でございますけれども、細かい話でございますけれども、六つの案というのは負担をどのように持ち合うかという問題でございますので、六つの案のどれをとるかによりまして給付と負担全体の推計は異なりません。基本的には給付水準の問題でございます。
 そのような意味から、やはり、大きな形として、推計に一番大きく関係しますのは、モデル年金の水準をどのようにするのかということかと存じます。
水島委員 まだちょっと話がかみ合わないんですけれども、ただ、きょうは医療制度についての質問で、質問の残り時間が大分少なくなってまいりましたので、ちょっとこの続きはまた後日、別の委員会のときにさせていただきたいと思います。(発言する者あり)また来週、質問をさせていただきたいと思います。
 きょうはちょっと先に行かせていただきたいんですけれども、もう一つ、医療そのもののことではないんですけれども、今後、健康増進法案などを考えていく上で、伺ってまいりたいことが一つございます。
 これはちょっと基本的なことだと思いますので、伺いますが、五月二十一日の朝日新聞によりますと、富山市の中学校の給食では、男子の食パンが女子よりも一センチ厚いということが報道されております。この受けとめ方として、一年男子のコメント「男はたくましくってことだよ」というのが載っていますが、見事に教育過程でジェンダーが刷り込まれているということがよくわかると思います。
 富山市の教育委員会では、当面見直す予定はないということでございますけれども、男性であるか、女性であるかというだけでパンの厚みを一センチ変えるというようなこのやり方について、厚生労働大臣としては、これについてはどのようにお考えになりますでしょうか。
坂口国務大臣 成長期におきます男性と女性とのそれぞれの格差、例えばエネルギー値でありますとかいろいろなものがあるというふうに思いますが、そうしたものにのっとっておやりになっているのかなというふうに思いながら今聞いたわけでございますけれども、それは、それぞれの地域のいろいろの、御父兄のお声もございましょうし、学校の意見もあるんだろうというふうに思いますが、しかし、男の子の中にも余り食べない子もおれば、女性の中にも体格の非常にいい子もいるわけでありますから、一律にそう、男の子だから、女の子だからといって分けるというのもどうかなと私は思いますけれども。
 しかし、そこはそれぞれの地域で、こういう風土でやろうというふうに、お父さんやお母さんの会と、そして学校等でお決めになったことでございましょうから、そこは皆さん方のお声も尊重しなきゃならないと思っております。
水島委員 ちょっと今の御答弁、驚いてしまいました。坂口大臣からは、もうちょっと違う答弁が出てくるかなと思っていたんですけれども。
 では、地域で決めるんだったら、それが栄養学的に、あるいは健康的な観点からおかしなことであっても、厚生労働省は、それは地域で決めるんだからいいというようなお考えに立っているんでしょうか。例えば、地域によって塩分摂取の多い県、私の地元の栃木県なんかも、味が濃いということで、脳卒中になる方が多いわけですけれども、そういう地域があっても、それはそこの地域で味の濃いものが好きなんだからほうっておけというような考え方をされているんでしょうか。
    〔委員長退席、鴨下委員長代理着席〕
坂口国務大臣 いや、それはそういう意味ではございません。そういう指導は指導でしていかなければならないというふうに思いますが。
 だから、男女の間にもさまざまな差があるということを私も申し上げているわけで、男の子だから、女の子だからというので分けるというのもいかがなものかということを指摘しながら、しかし、そういうことをその地域のPTAやあるいはまた学校当局がよく理解した上でおやりになっているというのならば、それ相応の理由があるんだろう。それもよく聞いてからこれはやらないと、一方的に厚生労働省として、男の子だって小さい子もあるし、女の子だって大きい子もあるし、栄養上、それはとらなきゃならないカロリーもそう違わないんだからとか、そうしたことだけで言うわけにもいくまい。だから、地域の御意見も尊重しなきゃいけないということを私は申し上げているんです。
水島委員 今の御答弁でもまだ納得できないんですけれども、本当にいよいよ残りの時間が少なくなってしまいましたので、このようなことについては、もう少しこちらも問題意識として持ちまして、また改めて質問をさせていただくかもしれませんが、本日は最後にたばこについてまたお伺いをしたいと思います。
 今回の健康増進法案にも関することでございますけれども、たばこについては、未成年が買える場所に自動販売機を設置するべきではないという意見が以前よりございます。健康増進法案を機にきちんとするべきではないかという声が高まっておりますけれども、これについてはそうしていただけるんでしょうか。
宮路副大臣 私の方からお答えさせていただきます。
 私どもの研究班で調査をやったところによりましても、高校三年の男子生徒について行った調査でありますが、たばこを吸ったことのある高校生、高校三年生の男子でありますけれども、その四分の三ぐらいが自動販売機でたばこを入手しておられる、そういう調査結果も出ておるわけであります。したがって、自動販売機の取り扱いが未成年者の喫煙に大きな影響力を持っているということは、その点からも否定できないんじゃないかな、こう思っております。
 そこで、先般、財務省それから警察庁と共同で、たばこ販売業界に対しまして、店舗に併設されていない場所など、たばこ販売者において十分な管理監督が期しがたい、そういった自動販売機の設置場所の変更につきまして、ことしの二月でありますが、たばこ販売業者等に要請をさせていただいておるところでありまして、今後とも、健康づくりを進めていく上でこの問題は大切な課題であると受けとめておりますので、一層意を用いて取り組んでまいりたいと思っております。
水島委員 また、現在、二〇〇三年のたばこ枠組み条約の採択に向けた取り組みが行われているわけですけれども、二〇〇〇年十一月の青少年問題特別委員会で私が質問しましたときには、議論している最中とのことでほとんどお答えいただけませんでした。
 条約の具体的な内容としては、たばこ税の引き上げ、若年者に対する販売禁止、受動喫煙からの保護、たばこの広告規制及び警告表示等が政府間交渉で検討されるということになっておりますけれども、これらのそれぞれの点について日本政府はどのような意見表明をしてきたのか、また、どのような姿勢で臨んできているのかということを簡単にお答えいただきたいと思います。
下田政府参考人 ただいまお尋ねのたばこ対策枠組み条約の進捗状況でございます。来年の五月の採択に向けまして、現在、政府間交渉を行っておりまして、第四回開催をいたしております。
 たばこ対策枠組み条約の内容につきましては非常に多岐にわたっておりまして、各省にまたがるという観点から、厚生労働省が政府全体を代表してお答えする立場にはございませんけれども、これまで交渉会合において述べてきた主な意見を今御紹介申し上げますと、まず第一に、租税措置につきましては、租税政策に関する各国の裁量権は確保すべきであろう。第二点としまして、自動販売機につきましては、未成年者の喫煙を防止するためにどのような措置を講ずるべきか。第三点といたしまして、受動喫煙の防止については、簡潔明瞭で理解しやすいものとするべきではないか。第四点といたしまして、表示規制につきましては、喫煙と健康リスクについて情報提供することは極めて重要であるけれども、そのやり方は各国が判断すべきではないか。第五点は、広告規制でございますけれども、未成年者へのアピールをいかに防止すべきか。そういった観点から、日本政府として意見を述べておるところでございます。
水島委員 まだ伺いたいことがあったんですけれども、時間になりましたので終わらせていただきますけれども、たばこを吸うことによって喫煙者本人にかかる余分な医療費は、九九年度で年間約一兆二千九百三十六億円に上るという試算が、国立保健医療科学院と医療経済研究機構によってまとめられたということが五月二十四日に報道されております。そのうち、がんが三千九百五十九億円と三割を占めているということですけれども、この金額には受動喫煙による超過医療費は含まれていないので、実際にはもっと多いことになります。本人にかかる超過医療費だけでも医療費全体の約三十分の一であり、医療財政の厳しさだけから考えても、やはりたばこの問題は避けてはいけないと思います。
 このデータを踏まえまして、最後に一言だけ、大臣の決意表明をまたお聞かせいただいて、終わらせていただきたいと思います。
坂口国務大臣 たばこの問題につきましては、特に若い世代の皆さん方の喫煙が非常にふえているということで、大変心配をいたしております。これは、やはり数値目標を立てまして、そして早くたばこからすべての人が解放されるようにしていかないといけないと思っている次第でございます。
水島委員 ありがとうございました。
鴨下委員長代理 次に、佐藤公治君。
佐藤(公)委員 自由党の佐藤公治でございます。
 事前通告も幾つかしているんですけれども、また、本日、朝からいろいろと質疑答弁を聞いておりまして疑問に思ったことを先に聞かせていただき、確認をとらせていただければありがたいと思います。
 私、きのうの夜から、もう一度この問題を再度一から出直して考えさせていただく中、やはり皆さん方のところにもたくさん要望書とか、また陳情が来られると思います。まさにその結論というものは、このたびの健康保険法の改正に反対してくれ、もしくは、これを通さないでくれ、やめてくれということが結論的な要望であり、要請だと思います。
 しかし、その途中のいろいろな理由に関して、また疑問点に関していろいろと整理をしていくと、幾つかのことが挙げられるのかなと。率直に、要請や要望のこういった言葉にどうやって、厚生労働省さん、または大臣、副大臣がお答えになられるのか。
 私は、細かいことはまだいいと思います。細かいこと、これはちゃんと答えられない部分もあるかもしれません。ただ、きちんとした答えをその場で言える、または説明をしていただかなくては、やはり国民の皆さん方は納得しないのではないか。原点にもう一回戻って、皆さん方からいただいた要請書とか要望書、また陳情書をずっと整理しながら、一回お聞きさせていただければと思っております。
 こういう中で、一つ一つ挙げていくと数が多くなるんですけれども、一つ一つ挙げさせていただきます。
 医療改革の諸課題についてほとんど審議されておりません、また、診療報酬改定の影響の実態など、全く政府として把握していないことが明らかになっています、こういうことが書かれた要望書が幾つかございました。
 つまり、診療報酬改定の影響、まずもう一度繰り返しになります、このたびの国民負担というものが総合計でどれぐらいの負担を強いることになるのか、厚生労働省さん、お答えできるのでしたら、お願いします。大体で結構です。
大塚政府参考人 今回の改正に伴う患者負担あるいは国民負担の増減、それから診療報酬改定、これはマイナス改定でございますから、マイナス改定に伴う患者負担あるいは国民負担の増減ということになりますと、今回は、診療報酬改定で三角二・七%という大きな引き下げを行いましたので、通常の形に比べますと、それだけで大きく患者負担がマクロとしては減ることになります。
 さらに、医療費全体の縮減、制度改正に伴う縮減もございますから、まずマクロといたしましては、医療費の縮減に伴う国民負担の減ということがございます。
 今度は患者負担あるいは保険料負担ということになるわけでございますが、患者負担につきましては、それぞれによって、例えば被用者保険については、十五年三月からですけれども三割負担が導入される。国民健康保険につきましてはむしろ薬剤負担の廃止がございますから、これはむしろ負担としては軽減になるわけでございます。高齢者につきましては一割負担の徹底などで若干の増、こういう計数になります。
 それぞれの置かれる立場にとって違うわけでございますけれども、全体といたしましては、計数は後ほど申し上げますけれども、国民負担、トータルとしては減になるというのが私どもの基本的な考え方でございます。計数、後ほど申し上げたいと存じます。
佐藤(公)委員 でしたら、その国民負担、三割負担ということ、老人負担ございますけれども、今、減というふうにおっしゃったんでしょうか。では、減ということじゃなくて、今の全部、医療費、報酬その他薬価も入れて減ということをおっしゃったんでしょうか。
 それで、では、もしも減というふうにおっしゃったのであれば、まず、国民の三割負担含めて、老人関係含めて、医療、診療報酬、薬価のそちらの方を除いて、国民負担は大体幾らになりますか。
大塚政府参考人 まず、十四年度、診療報酬改定が十四年度でございますから十四年度について申し上げますと、他方、制度改正は原則的には十月実施でございますので半年程度のことでございますが、この十四年度について見ますと、患者負担につきましては、マクロでございますけれども、診療報酬改定によりまして千二百億円の減ということになります。制度改正に伴う、これも全体としての患者負担の増が九百億円でございますから、差し引きいたしますと三百億円の患者負担の減ということになります。
 その影響で医療費全体は、診療報酬改定の影響それから制度改正の影響を合わせまして、八千四百億円程度の減。それから保険者が負担をいたします給付費に当たるものでございますけれども、給付費につきましては、保険料そのものではございませんけれども、診療報酬改定、制度改正の影響を合わせまして、八千百億円の減。これが十四年度の影響ということになるわけでございます。
 制度改正は、今年度十月から実施するもの、十五年四月から実施するもの、なおかつ五年をかけて実施するものということでございますので、十九年度ごろにいわば現在の制度改正の形ができ上がるわけでございますが、診療報酬改定は一応単年度ということで整理をいたしますので、それを除外いたした数字で申し上げますと、医療費につきましては、制度改正によって六千五百億円の減。患者負担につきましては、全部合わせまして、三割負担を合わせまして、五千二百億円の増。保険者の賄います給付費、これが十九年度ベースで一兆一千七百億円の減。こんな計数になるわけでございます。
佐藤(公)委員 それで、診療報酬改定の国民負担というものが今数字として出てきました。ちょっとわかりにくい部分があるのですけれども。
 この診療報酬改定の影響実態などは全く政府として把握していないということが明らかになっているというふうに、要望書、要請書には書いてあるんですけれども、全くこういうのは政府として把握していないんでしょうか。これにおける影響というのは、どういう範囲でどういう形で影響があり得るのか、どこまで考えられているのか、御答弁願えたらありがたいかと思います。
大塚政府参考人 診療報酬の改定は、原則的には四月一日から実施をいたしておるわけでございます。物によりましては少しずれて実施をするというものもございますけれども、基本的にはこの四月一日から実施をしているわけでございます。
 医療費の支払いのことについて触れざるを得ないのでございますけれども、医療費につきましては、例えば、四月中に患者さんが医療機関を受診いたしますと、その医療機関では翌月、つまり五月に審査支払い機関、支払い機関に請求を出すわけでございます。そして、その月末に支払い機関から各医療機関に支払いが行われる、こういう仕組みでございますから、診療月からどうしてもずれが出るわけでございます。さらに、それが全国的に集計されますにはもう少し時間がかかります。非常に大ざっぱに申しますと、診療月の三カ月後ぐらいになりますと全国の状況がある程度つかめることになります。
 さらに、診療報酬の改定が行われますと、実際にはなかなか細かい事務作業がございますから、医療機関におきましても、多少、四月の段階ではいろいろ混乱といいましょうか、事務の煩雑さが加わりまして、四月はいろいろな不確定要素があると言われておりますので、診療報酬の今回の改定による影響というのをある程度把握しまするにはもう少し時間がかかる。少なくとも三カ月程度の様子は見なければならない。ということになりますと、ある程度まで私どもとして判断材料を選ぶにはもうしばらくかかると。
 全くデータがないというのはそういった事情がございまして、現時点で詳細なデータをあるいは全国的なデータを、これはもう物理的にあるいはシステム的に無理でございますので、その点は御了解を賜りたいと思う次第でございます。
佐藤(公)委員 では、この次。患者負担ということでの先ほどお話をいただきました。
 国民負担ということでは、また巨額のお金を強いることをお願いしていますけれども、陳情書、要望書の中によくあることは、不況を一層深刻にします、非常に不安を強いられるということ、そしてやはり病院に行けなくなる、そういう話が非常に多くなると思うんですけれども、この次、患者側からの考え方。今回の患者、国民負担においてどういう、国民に、または社会に、経済的に影響するであろうかということを計算はされているんでしょうか、また、把握はされているんでしょうか。
大塚政府参考人 患者負担あるいは保険料負担の引き上げが行われますと、直接的には家計の可処分所得の減ということになるわけでございます。一方、診療報酬の改定がマイナスということになりますと、物価におきましては、いわばマクロ的にはこれを引き下げる効果があると言われております。ただし、景気そのものあるいは経済そのものにつきましては、非常に多様な要素がございますし、全体の景気の変動要因から見ますと、医療費に伴う、特に今年度というような短期的な状況におきましては、その影響が直接計数であらわされるというようなオーダーではないわけでございます。
 むしろ、私どもとしては、さらに重要なのは、やはり心理的な影響だというふうに言う学者もおられまして、一つの見識だろうと思いますけれども、そのために私どもは、むしろ非常に直面する危機的な医療保険制度、これを放置しておくことの国民に対する不安を与えることの方が、将来に向かって安定的な制度にするということの方が、より重要でありますし、その不安を払拭すると。
 したがいまして、トータルといたしましては、さまざまな制度改革を通じまして安定的な制度をつくるということの方が、景気の面におきましても心理的な効果を通じましてプラスに働く。そうそう計数でお示しできるようなことではございませんけれども、私どものスタンス、気持ちとしてはそういう姿勢で臨んでおるところでございます。
佐藤(公)委員 では局長、実際問題、今回の国民負担というのは、実質やはり経済をマイナスに導く可能性もあるというふうに御判断をされるんでしょうか。
大塚政府参考人 かなり心理的な要素というのが強いというのはただいま申し上げたとおりでございますが、逆に、制度改正を行わなければ、医療費の増もございますし、今回の診療報酬改定でございますれば、さらに医療費の増があったわけでございますし、それはやはり家計への負担ということではね返ってくるわけでございます、いずれは。
 そういうことを考えますと、全体としては、本来は、必要な経費を賄うという意味では保険料か患者負担かということでございますから、ニュートラルだという説もございます。問題は、やはりこれに伴う消費に対する心理的な影響ということだろうと思いますが、私どもといたしましては、むしろこのまま放置することの方がはるかにマイナスを生じせしめるという考え方でございますから、短期的にはともかく長期的に見ますと、こうした手当ての方が、経済的にもあるいは景気の面でも、私どもは、プラスになりこそすれマイナスにはならない、そういういわば決意でございますけれども、今そういう姿勢で取り組んでいるということでございます。
佐藤(公)委員 大臣、今お聞きになられていたかと思います。今のお話を聞くと、今回の患者負担、国民負担、保険料等々の負担を国民に強いることは、経済においてマイナスというのは、中長期的に見て、このまま放置するよりは経済的には影響が少ない、もしくはマイナスにならないというふうに私は聞こえたような気がするんですけれども、大臣、そういうふうに、同じようにお聞きになりましたでしょうか。
坂口国務大臣 医療費が年々歳々、先ほどから申し上げておりますように、毎年一兆円近くずつ上がっていくというこの現状は異常なことでございます。それでは、これをどう片をつけていくのか。一つは、医療機関に対しまして、できるだけ節減をしてほしいということをお願いする以外にございません。しかし、それでもなおかつ高齢者がふえていくわけでありますから、その高齢者がふえて、そしてそれによって医療費が高くなっていく分につきましては、何らかの形で措置をしていかざるを得ません。それが、税でするか、保険料でするか、自己負担でするかということになるわけであります。
 それをどういうふうに将来していくかということを明らかにしていくということは、国民の皆様方にとって将来に対する安心をしていただくことに結びつくというふうに私は思っております。現在だけのことを考えるか、将来の安心も考えていただくかということによって違うというふうに私は思っております。
 私は、将来ともにやはり安定した皆保険制度というものを維持していくためには、どうしてもやらざるを得ないことがある、そのことを御理解いただければ、決してマイナス要因だけではないと思っております。
佐藤(公)委員 大臣、大変丁寧な御答弁をいただいているんですけれども、今回の診療報酬、患者負担等が経済に与える影響というのがマイナスとしてあるのかないのか、これだけ一点に絞った場合、マイナスにはならないというふうに御判断されるんでしょうか。
坂口国務大臣 診療報酬の方は、それだけ患者負担というのは少なくなるわけですね、診療報酬を下げるということは。医療機関にとっては厳しいことでございますが、患者の側からとりますとそれだけ下がるということになるわけでありますから、これは患者の側からするならばプラスに働く、国民の側からすればプラスに働くということになると私は思います。国民の側からといいますと医療機関の人たちも全部入るわけですけれども、患者の側からするならばこれはプラスに働くというふうに私は思っております。(佐藤(公)委員「えっ、何ですか」と呼ぶ)患者の側からすればプラスに働くと思うというふうに……。
佐藤(公)委員 三割負担ということを含めて国民負担ということを今回の改定で強いることになりますが、それが経済においてプラス成長に働くのか、マイナス成長に働くのか、経済における影響はマイナスになるかプラスになるかということなんですけれども、今のお話ですとマイナスにはならずプラスになるということですか。もう一度聞きます。
坂口国務大臣 先ほどお聞きになりましたのは、診療報酬についてお聞きになったから私は診療報酬についてお答えをしたわけで、医療全体の改革についてのお話はまた別でございます。
 医療全体の問題について言うならば、これはことしじゃなくて来年度からの話になりますし、この制度を通していただいてからの話になるわけでございますけれども、もし仮に通していただくということを前提にして言いますならば、それは先ほどから局長も申しておりますとおり、実際の面とそれから心理的な面と両方ある。私が申し上げたのは、心理的な面におきましては、いわゆる三割負担になって大変だというふうに思われるか、それとも、将来ともにこの制度が、これで医療制度が安定したというふうに御理解をいただくかということによって異なるということを申し上げたわけであります。
佐藤(公)委員 それは国民がどうとらえるかということで、やってみないとわからないということになると思うんですけれども、大臣は、今のこの国民のいろいろな人たちの意見、状況を見て、マイナスになるのか、この改正自体がプラスになるのか、経済に与える影響はどれぐらいあるのか、個人消費に与える影響はどれぐらいなのか、プラスの方向で進むのか、マイナス方向に進むのか、どちらだとお思いになられますか。
宮路副大臣 最近、国民医療費の伸びをずっと見てみますと、大体四、五%で伸びてきているんですね、四、五%。ところが、診療報酬が今度二・七、ことし二・七のダウンということでありますから、今までの四、五%で伸びてきているのが、二・七はその分によって抑えられるということが出てくるというふうに思いますね、二・七は。診療報酬全体が国民医療費そのものに直結するわけでありますから。私の大ざっぱな計算でありますけれども。
 そこで、患者負担の引き上げ三割は、これは来年からのことを制度としてお願いするということになっておるわけでありまして、したがって、ことしは三割負担そのものはきいてくるということはないわけでありまして、したがって、タイムラグがそこに生ずるというふうに思います。
 したがって、個々の患者さんについて見ますと、診療報酬の引き下げは働いてくる、一方で、タイムラグはありますが負担がふえてくる、そうすると、プラスマイナスそこが相殺し合うというような形になってくるのではないかなというふうに思います。診療報酬の引き下げが、その分支払うあれは少なくなるわけでありまして、今度は負担の方は上がる、これは来年四月からということでありますので、そこは相殺することになっていくんじゃないか。
 ですから、おっしゃるような点に大ざっぱにお答え申し上げると、来年とんとんということになるんではないかな、こんな感じが私はいたしております。
    〔鴨下委員長代理退席、委員長着席〕
佐藤(公)委員 済みません。僕の言い方とか説明の仕方、質問の仕方がよくなかったのかもしれません。診療報酬改定とか、診療報酬改定における影響とか国民負担、今回の健康保険法、これの改正に関して国民に強いられる負担、こういったものをいろいろと種類を使い分けられて御説明をされたんだと思います。ここで僕はこんなにつまずくとは思いませんでした。ちょっとこれは少し議論させてください。
 僕が聞いているのは、今回の国民負担、では一兆円なのか、一兆五千億円なのか、全体のこの負担というのを強いたことは、経済に対して何%上がる、何%下がる、そういうことの細かい数字を僕は言わなくても、それはわからない部分があります。しかし、プラスに働くんですか、マイナスに働くんですかということをはっきりお答えくださいと言っているんですが、何か答えがよくわからないまま、とんとんぐらいで終わっちゃっている。
 宮路副大臣、もう一度お答えくださいませ。プラスになるのか、マイナスの方向に進むのか、とんとんで変わらないと言っているのか、どうなのか。その辺の読みをひとつ、また、はかり方を教えてもらえたらありがたいと思うんです。
大塚政府参考人 先ほども申し上げたのでございますが、最初、十四年度の数字を申し上げました。十四年度の数字を申しますと、これは、診療報酬改定の影響は十四年度に計上し、十四年度の制度改正は十四年度の制度改正として計上し、こういたしますと、トータルとしての患者負担といいましょうか国民負担は減になるわけでございますから、これは恐らく、単純に言えばプラス効果ということになるんだろうと思います。
 しかしながら、一方で、医療機関にとっては収入が予想よりはマイナスになるわけでございますから、その分が医療機関の経済行動にどう影響するか。これはなかなか難しゅうございますけれども、トータルとしては、十四年度については減。しかし、将来、十五年度以降、国民負担といいましょうか、患者負担などもお願いいたします、保険料の引き上げなどもお願いいたします。そこになりますと、先ほど申し上げましたように、制度をこのまま放置しておくことの不安感というのも出てまいりますから、それをどう相殺するかという、非常に、計数では処理し切れない問題がございます。
 一方、単なる計数ということで申し上げれば、問題は、家計負担が家計の可処分所得を減らして、それが直ちに消費の減につながるかどうかという議論でございます。これは、今回の患者負担の、あるいは保険料負担の増が、マクロで見ますと家計の貯蓄増の範囲内でございますから、直ちに消費減になるというような理屈は出てまいりません。
 そうなりますと、結局は、計数で処理できるようなオーダーの問題ではないというのが私どもの考え方でございまして、そこはどうしても社会全体の、心理的と申すのが学術的に正しいかどうかわかりませんけれども、長期的に見てどうかという判断にかなり影響される。
 したがいまして、計数上から申し上げますと、将来、このまま放置しておきますと、現在の医療費二十九兆円余りが、十九年度、五年後には三十五兆円強になるところを、全体といたしましては、制度改正によって三十五兆弱になります。患者負担は若干下がりますけれども、保険料は、ほうっておきますと相当上がるところが抑えられます。そういう非常に複雑なといいましょうか、多様な要素を持っておりますし、仮に今日の状況で保険料ないしは患者負担がふえるといたしましても、マクロで見ますと家計の貯蓄増の範囲内ということでございますから、景気に直接的にマイナスの要因があるというようなレベルのものではない。
 したがって、むしろ今回の制度改革を通じて制度の安定化を図る方がはるかにプラスの要素として強いというのが私どもの気持ちでございますし、また、そうしなければいけないというのが私どもの基本的な姿勢だということを申し上げたわけでございます。
佐藤(公)委員 今、プラスもしくはプラスに持っていかなきゃいけないということで、計数的にきちんと出せる問題じゃない、委員の方からも、経済は全体で考えるべきであって、これだけじゃわからない。わかりますよ、それは。わかっていることですよ。
 ただ、今後、来年以降に関して、これが経済のマイナス要因としてなり得るかどうか、なってしまうんではないか。僕は、なるんだというふうに思っているんですよ。だから、そこをきちんと、マイナスだったらマイナスとはっきり言えばいいじゃないですか。そのかわり、ほかの経済対策できちんとそれをプラスに持っていきますと。それが全体の経済政策、内閣として、国としてやるべきことじゃないですか。
 だから、僕は、マイナスだったらマイナスとはっきり言えばいいと思う。それを言えずに、とんとんにしますとか、プラスだとか、プラスの方に持ってくると言うのは、これは国民をだましているようなものになると僕は思いますよ。(発言する者あり)その話もしようと思っているんですよ。
 大臣、思い出してください。九七年のときに、当時、医療、保険のいろいろな問題があったとき、総額で二兆円の国民負担、そして消費税の三%から五%、合わせて九兆円、この影響がどれだけ経済にあったかというのを思い出してみてください。それを考えれば、私は、計数でははかれるものではないかもしれませんが、今まで政治をやられてきた経験則では、絶対に今回はこれはマイナス要因になってしまう。
 マイナスだったらマイナスとはっきり言えばいい。そして、それをいかに補うか、それをほかの経済対策でやっていく。これで僕は一つの方針としてわかりやすい政策だと思いますけれども、それをまたプラスだのとんとんだのと言うと、何かごまかしのようにしか僕は思えない。
 当時の、御存じのように一九九七年のときの改正、それが実行に移って、一九九八年にどれだけ経済が大打撃を受けたか。大臣、御存じでいらっしゃると思います。副大臣、いかがですか。大臣、そのときのを思い出して、もう一度お願いいたします。
坂口国務大臣 佐藤議員の御質問は、いつの時点における景気に対する影響かということがはっきりしないものですから、ことしのことを申し上げたり、来年のことを申し上げたりしているわけです。
 では、ことしのことでいいますならば、診療報酬の引き下げがあったわけですから、これはプラスに影響するでしょうということを申し上げているわけです。しかし、来年になりまして、そして三割の自己負担あるいはまた保険料の引き上げということになれば、それは可処分所得が減るわけですから、その分につきましてのいわゆる経済的影響というものは当然あるでしょう。
 ただ、私が申し上げているのは、ただ単にそれがあるというだけではなくて、そのことによって将来の医療制度というものが安定をするということをどう評価されるかということが今後に影響を与えるということを私は申し上げているわけでありまして、それは、結果として出ていただかなければわからないということを私は言っているわけです。
佐藤(公)委員 多分、私は、大臣も副大臣もみんな、今回のこれが経済に対する影響が、来年以降マイナスの要素として働くと、もうおわかりになっているんだと思うんです。
 きょう、松原委員からのお話の中で、なぜこの経済状況の悪化している中でやるのかということで、大臣は、だからこそ今なんだということをおっしゃられて、私、そこがよくわからなかったんです。そういう意味でおっしゃられたのかもしれませんけれども。
 やはりこれは、自分なんかよりも大臣、副大臣の方が長くこの世界にいらっしゃる、政治の世界、そして世の中をごらんになって、もうおわかりになっていることだと思いますけれども、やはり税の負担とか保険料とか、自己負担、窓口負担、こういった実質増税的な部分というのは、やはり景気の上昇もしくは安定というものがあるときにすべきことであって、悪いときには絶対にしてはいけないというのは、僕は鉄則だというふうに思っておったんです。
 思っておったんですが、こういう悪い状況のときにやるその意味、根拠というのが、たとえ極端なことを言ったって、確かに三十兆円という一つの赤字国債、こういったものの枠組みを決めてしまったからというのもあるかもしれませんが、今借金を多少したとしても、きちんとした抜本改革をし、景気回復をきちんと上昇機運に乗せ、その時点もしくは安定期のときに増税等税制関係もいじるべき、こういった保険料関係、自己負担もいじるべきというのが鉄則というふうに思っておったんですけれども、その辺のあたり、大臣、いかがですか、そうではないんですか。
坂口国務大臣 それこそ現在の景気の中で、税制を改正して大きく今ことしから税金を上げるという状況にないことは、御承知のとおりであります。さすれば、現在の日本におきます医療をどう支えていくか。それは、残りました問題は、保険料でどう賄うかということと、そしてもう一つは、自己負担でどれだけお願いをするかということになるわけであります。
 今一番大事なことは何かといえば、将来、本当に日本の社会保障が安心できるかどうかということが一番問われているわけでありまして、将来安心していただける体制をどう確立するかということが、現在に課せられた最大の課題だと思っているわけであります。
佐藤(公)委員 将来における安心、これは、皆さん方の要望書とか陳情書の中にも常に出てくることです。安心した体制をどうやってつくるかが一番大事だ、安心できるような社会保障制度、医療、こういったものをつくってもらいたい、そうしてもらいたいという要望、これはもうみんな一致していることだと思います。そういう意味で、抜本改革というのをきちんとやってそれを提示することが一番の安心であり、皆さんが将来における不安を抱かないことになると思います。
 財源というのも確かに必要、必要だけれども、まずそれが先なんではないんですか。それができないまま今日まで来ているということ、これにおける責任というのは僕は重いと思いますけれども、今この改正をする前に、まず抜本改革を先に提示すること、これが皆さんの安心であり、将来における不安を取り除くことに一番なると思います。
 お金を帳じり合わせをすることよりも、本当はそっちの方が大事なことであって、一時的に借金が多くなったとしても、将来の像がきちんと見え、これを返すために、そして安心できるために、皆さんにこれだけ負担を強いることをお願いする。こっちであれば、みんな気持ちよく出していただける可能性も高いと思います。
 そのために、では時間的にあとどれぐらい必要なのか。半年ですか、一年ですか。いかがですか、大臣。
坂口国務大臣 何度か申し上げていることでございますが、抜本改革の方も同時にスタートをしているわけであります。ただ、抜本改革の方は幾つかの手順を踏まなければなりませんので、今同じにここに示すことができ得ませんでしたけれども、ことし末には大略の姿をそこにつくり上げて、来年の四月には第一歩を踏み出すようにしなければならない、そういう決意で現在進めているところでございます。
 金田先生との議論にもございましたけれども、そうした問題をやっていきますときに、将来、保険料を中心にした形をつくり上げていくのか、それとも、いわゆる税を中心にした形につくり上げていくのかといったような問題も、これは解決をしていかなければならない問題でございますが、そうした問題を解決するだけではなくて、制度そのもののあり方につきましても、これは改革を加えていかなければならない。保険制度の統合、一元化の問題しかり、診療報酬の問題しかり。それらの問題につきましての、こういうことで、こういう方針でやっていきますということを、先日来、るるここで私はお話を申し上げているとおりでございます。
佐藤(公)委員 抜本改革の議論というのは、もう今までも何回も何回もやってきていることで、同じ答えでしかありませんので、それに関しては平行線のままだと思いますけれども、大臣、もう一度考えてみてください。
 一九九七年のときの改正が一九九八年に、経済に大きく影響したことは大臣もお感じになられ、そういう御発言もあったと思います。また同じことをして経済の足を引っ張るようなことになり、そして経済の低迷ということを、また同じ過ちを繰り返すことになると私は思いますけれども、大臣、ちょっとお疲れの様子なので、副大臣、いかがでしょうか。
宮路副大臣 前回の改正のとき、かなり診療抑制と申しましょうか、従来のペースに比べると国民医療費の伸びが低下した、そういう事実があったことは私もよく承知をいたしておるところであります。
 しかしながら、その後またそうした傾向は下げどまって、しばらくはそういう状況が見られたわけでありますが、その後はもう下げどまって、通常のといいましょうか姿に戻ったわけでありまして、したがって、私どもとしては、そのことによって必要な医療がそこで阻害されたというふうには理解していないわけでありまして、必要な医療の提供というのはその中にあってもちゃんと行われた、こう思っておるわけであります。
 そのことが、国民経済と申しましょうか、あるいは経済成長といいますか、そこにどのような影響を与えたかということは、ちょっと私も手元にその点についての資料は持ち合わせていないところでありますけれども、一時的に国民医療の全体の伸びが低下したということは、それは確かに国民経済の量的な面で、そのことがマイナスにといいましょうか、という働きをしたことは、結果的にはそういう数字が出ているわけでありますから否めないものだと思いますが、瞬間風速的なことは別にして、その後の経済成長を含めて、長い目で見た本当の日本経済の成長、発展にどういう影響を与えたか。私も、今のところ、先ほども申し上げたように、手元にそうした資料は持ち合わせておりませんので、申しわけないのでございますが、この場で即答できませんことをお許しいただきたいと思います。
佐藤(公)委員 本当にこれは、ここまでの議論はするつもりがございませんでしたので、事前通告はしておりませんので、資料を持ち合わせていないのは当然だと思います。ただし、やはりこの辺のあたりをきちんと答えられるような分析、考え方を持っていただきたいなというのは、すごく思う部分があると思います。
 僕らも、今財政破綻を来していることは事実で、これはわかっています。どこからその財源を持ってくるのか、この議論ということはまたきちんとしていかなきゃいけないし、やはりそれを考えていくということに関しては、私もそれは同じような意見を持っています。
 ただ、なぜ今やるのかということなんです。今やらなくても、経済対策をきちんとやって、景気の安定、上昇を前提にやはりそういったことを、そうやっている間に抜本議論、方向性も出てきますよ。だから、一年先に延ばして、それからその抜本議論のことを話し合って、それから国民に負担を強いるようなお願いに入り、負担を強いる。これでいいじゃないですか。
 今、下手にやって、来年以降に経済の足を引っ張るようなことになった場合には、今せっかく景気がちょっとずつよくなっている部分もある、私たちは底だとは思っておりませんけれども、結果的にまた足を引っ張っていくことになりかねない。副大臣、こういうふうにはお思いになりませんか。
宮路副大臣 これは前回の改正のときも、私は資料を持ち合わせていないということを申し上げましたが、そのことが逆に経済の足を引っ張ったということを申し上げているわけではないわけであります。
 今回の改正にいたしましても、先ほど来大臣がお話し申し上げておりますように、これはやはり長期的な観点から、長期的な視点に立って、我が国としてどうやって国民の皆さんに生命、生活に係る安心感というものを持っていただいて、そして、そのことがひいては堅実な経済社会の発展へとつながっていくということを我々はちゃんと期待して、そういう観点に立っての、我が国の世界に冠たる医療保険制度をきちっとこの際しておくということが、今申し上げたような長期的な視点からも、これは健全な経済社会の発展に直結する、そういうものである、そういう気持ちを込めて取り組ませていただいているところでありますので、その点は、どうかこれからも、将来の日本を背負う佐藤代議士として、ひとつ大所高所の御理解を賜れればな、このように思う次第であります。
佐藤(公)委員 その大所高所から見たから僕はこう言っているのであって、そこを変えていただきたいなという気がいたします。
 済みません、余りここの質問で、本当にこんなに時間をとるとは僕は思っていなかったんですが、ついでにもう一つ聞かせていただきます。
 坂口大臣の公明党さんでも、これは九月の段階で、厚生労働部会で、試案の問題点を十四項目にわたって列挙した医療制度改革の基本的な視点をまとめられました。きょう委員でもいらっしゃいます福島部会長は、経済情勢の悪化を考えれば実施時期を先送りすることも選択肢と述べ、負担増につながる一部施策の先送りも視野に検討する考えを示されたことがございました。
 このときに、僕は、考えてくれているんだろうなという、経済情勢の悪化を考えれば。これは去年の九月の段階ですけれども、決して底打ち感というか、僕は、おっしゃられるように、本当にもっと悪くなっていると思います。このときに考えられて、ではなぜ実行に踏み切ったのか。ちゃんと経済状況も踏まえて考えられていると私は思っておりますけれども、これは本当は福島委員に御答弁をいただかなければいけないのかもしれませんけれども、大臣、いかがでしょうか。
 公明党さんの中で最初に、九月の段階で、経済情勢の悪化を考えればと、きちんと考えてくださっている。これは筋道として考えていれば、今はやるべきじゃない、ただ、いつかはやらなきゃいけない、そのタイミングをいつにするか、こんな議論があったように私は思えるんですけれども、本当は福島委員に御答弁をいただきたいぐらいですけれども、大臣、いかがでしょうか。
坂口国務大臣 いつの九月の話か、ちょっと存じませんが、昨年の九月の話なんでしょうか。
 いずれにいたしましても、景気の動向のいかんを問わず、この医療制度改革というのは行わなければならないことだけは事実でございます。これは早くやらないと、そうすると政管健保等はことしのうちにもう赤字になってしまう、なかなか待ったのきかない状況になっていることも事実でございます。
 多くの皆さん方がおっしゃるように、税金も上げない、保険料も上げない、自己負担も上げないという中で抜本的な将来の見通しのある案ができれば、私もそれはそれに従いますけれども、そういうわけにはいかないわけで、将来安定した制度をつくり上げていこうとすれば、どこかにやはりしわ寄せが来ることは、これはお許しをいただかざるを得ないわけでありまして、そうしたことをすることによって、そして、経済というものがそれだけで後戻りをしてしまうというようなことではいけませんので、経済は経済でもう少ししっかりとやってもらう、その中で、この医療制度改革というのは待ったなしでございますから、ここにやらせていただくということにせざるを得なかったわけでございます。
佐藤(公)委員 今、医療とか社会保障制度というのは全体像というのが見えないという、まさに抜本改革と言われるところを、また縦割りというか断片的に、ばんそうこう合わせの状態で進んでいるというのが私の印象でございます。そこを直さなければ、いつまでたったって同じことが繰り返されてしまうというのが私の思いですけれども。
 前もちょっと話しました、厚生労働省に勤務されていたOBの方が、とあるマスコミにお話をされている一文を申させていただければ、これは診療報酬の件ですけれども、その時々の要望を取り込んできたため、ばんそうこうで張り合わせたような複雑怪奇な代物になっている、もう私にもすべてはわからないと。厚生労働省のOBの方が、今の制度、やり方すべてにおいてばんそうこうの張り合わせ状態で、もう大変で何が何だかよくわからない、その根拠もきちんとしたものがなっていないということをOBになられるとみんなおっしゃられる。まだ現役の間は皆さんおっしゃられない。でも、皆さんOBになられると言われているように私は聞いております。
 こういったことであるのであれば、やはり、国民に痛みを強いる前にそこら辺をきちんと抜本改革しなかったら、それはみんな納得するとは思えないんですね。副大臣、いかがでしょうか。大臣でも結構です。
坂口国務大臣 ですから、診療報酬体系の見直しを行うということを申し上げているわけでありまして、これは、診療する側の皆さん方から見ていただいても、あるいは受ける皆さん方から見ていただいても、なるほどこの保険点数は高い、この保険点数はなぜ安いかということがわかるような物差しがないからそうなっているんだ、だから、その物差しを明確にさせていただきますということを今申し上げているわけであります。こうしたことを、今、抜本改革の内容につきましては、大きな柱、そしてその方向性というものにつきましては、この委員会におきましてもお示しを申し上げながら、こうしたことで今やらせていただこうとしておりますということを申し上げているわけです。
 しかも、この期限は、ことしの終わりごろにはあらあらのことを決めて、そして、来年の四月からはその一部が実行できるようにまでいたしますということを、そこまでお約束を申し上げているわけでありますから、これは御理解をいただきたいというふうに思っているわけでございます。
佐藤(公)委員 ことしいっぱいでわかるんだったら、これはちょっと一回お休みしましょうよ。もう今回はこれはやめて、それが全部出てから、そうしたらばもっともっと前向きな議論ができると思います。ぜひそれを大臣に私はお願いいたしたいかと思います。
 済みません、事前通告した質問が一問もできませんでした。この次、またゆっくり時間をとらせていただきまして、質問させていただきたいと思いますので。
 ただ、本当に経済における影響というのは僕は大きいと思います。もうかなり大きい。それを考えれば、やはり今絶対にすべきじゃない、これは当然の理屈だというふうに思います。今の政府・与党においての経済対策も私は本当に後手後手、ぼろぼろだと思いますけれども、またこんなことで足を引っ張っていくことになったら私たちの将来がめちゃくちゃになるので、どうか考え直してください。
 以上で終わらせていただきます。
森委員長 次に、児玉健次君。
児玉委員 日本共産党の児玉健次です。きょうは、坂口大臣とお二人の政府参考人に質問をします。
 今も議論になりましたが、小泉首相が進める括弧つきの医療改革、これの口実は、健康保険財政の逼迫だ、私はそのようにお聞きしている。健康保険財政を圧迫している理由、その大きな理由の一つに、欧米諸国に比して高い価格で設定されている薬品がある、私はそのように考えます。先発薬品、パイオニアドラッグ、これに対して安く販売されている後発薬品、いわゆるジェネリック薬品、この部分の使用を高めていくことは国民の医療負担を確実に軽減させる、そして、それは確実に健康保険財政に積極的な寄与を行う、この点、明白だと思います。以下、この問題を中心にして質問をします。
 最初に大臣に伺いたい。一九九三年に設置された二十一世紀の医薬品のあり方に関する懇談会、この懇談会は、ジェネリック医薬品について初めて次のような定義を行った。「既承認医薬品と有効成分が同一であって、投与経路、用法、用量、効能及び効果が同一である医薬品である。通常、先発品である既承認医薬品の再審査期間及び特許期間経過後に市場に出される」医薬品、こういう定義をしました。大臣も同じ認識でしょうか。
坂口国務大臣 医薬品が全体の中で医療費の二〇%を占めるわけでありますし、その中でどういう医薬品を使うかということが大きな問題であるということには私も同じ認識を持っております。(児玉委員「今の定義について」と呼ぶ)定義。
 ジェネリックを使うということが、全体にとってそれがプラスの要因になることは私も十分に存じ上げているところでありまして、今まで先発品だけを使うという行き方は少し訂正をしてもいいのではないかというふうに私は思っている次第でございます。
児玉委員 今おっしゃった点はこの後議論したいんです。私があなたにお聞きしたいのは、先ほどの二十一世紀の医薬品のあり方に関する懇談会が行ったジェネリック医薬品についての定義、この定義についてあなたの認識を聞きたい。
坂口国務大臣 そのときにどんな定義がされたのかちょっと私わかりませんけれども、ジェネリックといえば大体わかるわけでございますから、それは理解のできるところでございます。ただし、その中に何が書かれているのか、どんな定義がされているのかということは、今手元にございませんので、よくわかりません。
児玉委員 私は出所不明で言っているのでないので、何年のどの懇談会が行ったということですから、後からきちんと確認をしてください。
 そこで、九七年の健康保険の改定、本人二割負担への大幅な引き上げですね。九七年の二月に、当時予算委員会が始まった。そして、それは厚生委員会での論議に引き継いでいった。たしか、坂口さん、あなたも私と一緒にこの議論に参加をされた。そのとき大きな焦点になったのが、海外に比しての日本の高薬価をいかに是正するか、この点だったと思います。この点では、私は与党の諸君に言いたいけれども、当時の橋本首相や小泉厚生大臣も私たちと同じ認識でした。
 そして、このときの国会審議を契機にして、日本における医薬品のあり方、価格等をめぐる問題提起が広くかつ深く始まりました。その一つが、日本貿易振興会、ジェトロが、内外九名の委員で構成する医薬品の対日アクセスの実態に関する調査研究、これです。これは、通告のときもう皆さんに、これをもとにしてとお話をしております。
 対日アクセス実態調査報告書、医薬品、平成十年六月、日本貿易振興会、それの三十八ページを開いてください。
 大臣、普通の平易な言葉ですから、ゆっくり読みましょう。
 さらに、同一成分同等効能の先発品とジェネリック品が存在する場合でも、医師が、処方せんに医薬品の名称を一般名で記入しない、あるいはジェネリック品のブランド名を記入しないといわれる。これは、医師や薬剤師の間に、ジェネリック品は先発品との生物学的同等性が等しくないのではないか、ジェネリック品のメーカーは安全性情報の提供体制が不十分なのではないか、といった不安感が存在することも一因である
と指摘されている。この九人の委員がそう思って言っているんじゃなくて、そういう指摘がある。私は、しかし、当時にあってこれは一定の根拠のある指摘だったと思います。
 そこで、この不安感の中で一番肝心な点は、患者にとっても医師にとっても後発医薬品の安全性の問題ではないかと思うんですね。そして、この点で、先ほどの九人の委員会委員の人たちが指摘した生物学的同等性の判定、そして溶出検査、溶け出る検査ですね、これらは厚生労働省のここ数年間の努力もあったと私は率直にそれを認めます。そういった努力の結果、不安が解消されてきている、私はそう思います。
 この点での品質検査、もう一遍言いますけれども、生物学的同等性の判定と溶出試験、これらは現在どこまで到達しているか、大臣から端的に示していただきたい。
坂口国務大臣 今御指摘をいただきましたように、後発品につきましての問題というのは大事だということで近年取り組んできているところでございます。
 そして、後発品の一部に、先ほど言われました溶出性に問題があるのではないかという指摘がありましたことから、平成七年四月以降に申請をされました内服薬の先発品につきましては、溶出規格を設定いたしまして、後発品についても先発品と同様の溶出性を有することを確認した上で、この承認をいたしております。
 さらに、平成十年以降は、平成七年四月以前に申請されました内服用の医薬品につきましても、溶出規格の設定を行う品質再評価を実施しているところでございまして、現在まで、生産金額ベースで約九〇%のものについて再評価指定を行ったところでございます。全体で見ますと、約七〇%の品質再評価が終了したところでありまして、あと残ります三〇%、現在それを実施すべく急いでいるところでございます。
児玉委員 非常によくわかりました。
 結局、ジェネリック医薬品は、皆さんが設定されている医薬品の製造管理及び品質管理に関する基準、これを完全に満たしている、そう理解していいですね。
坂口国務大臣 そのように思います。
児玉委員 そこで、先ほどの指摘の中にあった残りの分野、例えば供給面の保障、そして情報提供強化の分野、これは後発品メーカーを中心とした医薬工業協議会が現に真剣な努力を行っています。恐らく厚生労働省とも随分密接なコンタクトのもとで進めていると思います。
 さらに、全日本民主医療連合会、通称民医連、それから全国保険医団体連合会、保団連、これらは私が伺うところによると、後発品メーカーと協力し合って、医薬品案内の充実、そしてファクス通信、インターネットによる情報提供に努めている。これも非常に積極的な要素だと思います。
 大体、今日本の政府としては、この後発品へのシフトが大きな国の方針になりつつあるわけだけれども、何といっても隗より始めよということだ、私はそう思います。国がみずからの努力でジェネリック医薬品の普及に努力すべきだ、私はそう考える。
 そこで、文部科学省から工藤参考人においでいただいていると思うけれども、何といっても、どの医師も医学部を出ていますし、みんなが国立ではないけれども、皆さんは直接国立大学医学部について所掌されている。国立大学医学部附属病院で後発医薬品の採用状況は現在どこまで行っているか。そして、採用強化のためにどのような努力がなされているか、端的にお示しください。
工藤政府参考人 国立大学の附属病院についてのお尋ねでございますけれども、本年四月三十日現在での調査を行いましたところ、国立の四十二大学すべての病院で何らかの後発医薬品を採用されているという結果になってございます。全体で、四十二病院で採用されております医薬品の総数、品目で申しますと七万六千七百八十四品目でございますが、そのうち後発医薬品で使っておりますのが二千四百二十六品目でございまして、割合の上では三・一六%という状況でございます。
 近年、私どもも通知を発したりして各大学の採用を促しているところもございますし、各大学でも、薬事委員会等でさらなる採用を検討しているところもございますので、今後、先ほど御指摘がありましたように、安全が第一でございますけれども、効率性、経済性あるいは使い勝手等を考えながら、各大学での採用が進むものと期待しているところでございます。
児玉委員 今お話のあった三・一六%というのは、大臣よくおわかりのように、日本の医療界全体のレベルからすればはるかに低いですね。そして、今工藤さんがお話しのように、去年の十一月三十日に、文部科学省は後発医薬品の適正な利用についてという依頼書を各大学に発出されたようです。それはそれで、私は今後の前進を見たいと思います。
 次に、医学部、薬学部の教育内容で、大学の自由、大学の自治はもう決定的に重要ですから、そのことを十分考慮しつつ、この後発医薬品の日本の現在の医学における重要性、そのことの適切な位置づけが、医学部、薬学部教育の中で位置づけられるべきだと思うんですが、この点でどういう努力をなさっていますか。
工藤政府参考人 医療人の養成におきまして、患者さんの立場に立った最良の医療を提供するというための教育、さらには、国民医療費の現下の状況なども踏まえまして、後発医薬品のその使用も含めて効率的、効果的な医療を提供するというための教育、それは大事なことは今さら申すまでもないわけでございます。
 旧文部省の時代でございましたけれども、平成十一年の二月に、文部省に置かれておりました二十一世紀医学・医療懇談会で御提言がございました。それを受けて私どもも各大学に御配慮方を指導したところでございますが、その中でも、医療経済あるいは医療保険制度についての教育の充実ということがうたわれてございます。
 さらに、昨年三月でございますけれども、すべての国公私の大学関係者、医学部関係者が大変精力的に御検討いただきまして、医学・歯学教育の改善充実のためにカリキュラム等教育上の充実を図ろうではないか、そのために、モデル・コア・カリキュラムを設定したりなど御検討をいただいてございます。その中でも、今のような趣旨のことが盛り込まれてございます。
 具体的に、各大学の授業科目の開講例といたしましても、例えば、医学部の薬理学という授業の中で後発医薬品の存在を紹介し、購入価格の面も含めて、高品質、廉価な医療の提供について説明するというような内容の授業を積極的に行っているなど、各大学が積極的に取り組んでいるところと理解してございます。
児玉委員 工藤局長、どうも御苦労さまでした。どうぞ持ち場にお帰りいただきたいと思います。ありがとうございました。
 さて次に、今度はまさに厚生省のおひざ元、国立病院で今の問題がどうなっているか。国立病院・療養所における後発医薬品の採用状況はどうなっているか、そして今後どのようにこの分野の取り組みを強化なさろうとしているか、河村参考人にお答えいただきたいと思います。
河村政府参考人 今般、全国の国立病院・療養所におきます後発医薬品の使用状況について調査を行ったところでございます。平成十二年度でございますけれども、購入金額実績によります後発医薬品の採用率は〇・六四%、なお、施設や地域によってかなりばらつきがありまして、高いところで九%、低いところでは〇%であった、一品目でもこの後発品を採用している施設というのは、全国二百三施設の中で百七十三施設、八五%という状況でございました。
 これまでも新薬偏重の見直し等、後発医薬品の使用促進について指導をしてきたわけでございますけれども、今回の調査によりまして、残念ながら、必ずしも浸透していないということが改めて判明したわけでございます。
 それで、後発医薬品の利用の促進というものをするためには、その安定供給でありますとか、あるいは十分な情報提供、さらなるそういった環境整備が必要であるというふうにも考えておるわけでございますが、それらとあわせまして、私どもといたしましても、医薬品の新規採用時におきます後発医薬品の採用を必ず検討するように、あるいは既に他の国立病院等において現に採用されている後発医薬品の採用方について自分の施設でよく検討するように、そういうもろもろの手段もあわせまして、この後発医薬品の使用の積極的推進ということについて改めて通知を発出したい、そのことによって徹底をいたしたいというふうに思っておるところでございます。
児玉委員 大臣、先ほど、国立大学の方は三%、これは品目ベースですからね、金額ベースだと品目より幾らか低くなる。今河村さんのお答えのように、国立病院でいえば、品目ベースで〇・六八ですよ、そして購入金額ベースで〇・六四ですから、国立大学に比べてもはるかに低位ですね。そして、日本の医療機関全体でいえば、厚生省はよく七%という数字をお使いになるけれども、それは先発品の中の後発部分を言われるんで、純粋なジェネリックでいえば四・七%ですね。その四・七%に比して〇・六四というのは余りにも低いですよ。
 河村さん、今、この後の努力を示唆されるようなことをおっしゃったけれども、いつ、どのような形でこの分野の取り組みをあなたは強化なさろうとされていますか。具体的にお示しいただきたい。
河村政府参考人 この調査結果が出てすぐ、全国の院長会議にこれらのデータを分析したものをお示しいたしまして、後発品の使用促進方についてとりあえず会議で指導いたしましたけれども、この使用促進方につきまして、先ほど申しましたような、医薬品を新規採用する場合には必ず後発医薬品の採用について検討しなさいとか、あるいは、ナショナルセンターも含めて、他の国立病院で現に採用されておるいわゆる後発医薬品の採用についてまず検討しなさい、そういうようなことを幾つか具体的に挙げまして、そういった指導の通知を近々発出いたしたいというふうに思っておるところでございます。
児玉委員 その努力を思い切って強化していただきたい。
 そこで、大臣に対する質問に戻りますが、医療費の抑制効果が明らかなジェネリック医薬品を普及する、そのために、実効性のある政策をさらに積極的に打ち出すべきだと私は考えます。
 いろいろな選択肢があります。例えば、患者に対する後発医薬品の安全性に関する情報提供ですね。これは、アメリカなどが非常にいい仕事をしていると思います。それから、医薬品に関しての患者の選択権、インフォームド・チョイスという言い方が今欧米ではされているようですが、ブランド医薬品と後発医薬品のどちらを選ぶか。値段は例えばこちらが五百円でこっちは百二十円だ、同一成分、同一薬効だ、どちらを選びますか、それで患者がまさにインフォームド・チョイスを行う。そして、安定供給に対する政策的なバックアップ。これらを適切に、迅速に推進すべきではないかと思うんです。
 そこで、私は、大臣と一緒にこの委員会にいたころに、オランダに二度ばかり社会保障の調査で行ったことがあります。オランダは保険制度が日本とはかなり違いますけれども、しかし、アメリカと対比するよりはずっと近いですね。私がそこでいろいろ聞いたり、その後調べたりしたところでは、オランダの状況というのはなかなか参考になると思います。
 どういう到達点かというと、品目ベースでいえば既に三七%です、そして金額ベースで一四%、これは九八年、オランダ保健省のデータです。日本より大きく進んでいます。なぜそうなったのか、そこが問題ですよ。先発品、ブランド医薬品をジェネリック医薬品に切りかえて調剤するいわゆる代替調剤、日本では認められていないけれども、オランダでもそれを認める法律はありません。しかし、判例がそのことを可能にしています。そして、ブランド医薬品の処方をジェネリック医薬品または並行輸入品にかえた場合、その金額の差額の三分の一が薬局の収入になる仕組みになっていますね。このあたり、日本にとっても学ぶべき点が随分あるんじゃないかと思うんですが、坂口大臣のお考えを聞きたいと思います。
坂口国務大臣 実は、参議院の予算委員会におきまして、もう少しジェネリックを使うべきじゃないかという御意見があって、その直後に国立病院等の状況を調査させたわけでございますが、それが、先ほど出ましたように、金額にしまして〇・六四でございましたか、パーセントであるというようなことになって、私も、余りにも低いのに驚いたわけであります。
 医師の中には、やはり自分の使いたい医薬品というものに執着があって、そして、ほかのものがなかなか使いにくいという、そのことがあることも私もよく承知をいたしておりますけれども、しかし、全体から考えまして、同じような効果があるということであるならば、もっと使われていいのではないかというふうに私も思っております。
 それで、先ほどお話がございましたように、その選択をするのを、それは医師の側がするのか、患者の側がするのか、あるいは調剤薬局等の薬剤師さんがするのかという問題があるというふうに思います。
 日本の場合には非常に医師の姿勢が強いものでございますから、一つの方法としては、これは、どういう医薬品を、同じ効能で同じ商品、商品じゃない……(児玉委員「成分です」と呼ぶ)成分であればどれを使ってもいいという場合には、それを丸をつけるとか、あるいはもしも医師の方がこれだけはこの製品を使ってほしいというものにだけ丸をするか、そういう方法も私はあるというふうに思いますし、皆さんが先ほど御指摘になりましたように、これは患者の側がどうするかという判断をするということもあると思いますし、調剤薬局の皆さんが判断されるという場合もあると思う。
 どういう方法がいいかということを今ちょっと検討させておりますが、いずれにいたしましても、すべては先発品でなければならないということはないというふうに思っておりますので、その辺のところが至急もう少し拡大をしますように、これは医療に対しても大きな影響を与えることでございますから、やりたいというふうに思っております。後発品のある会社の言葉をかりれば、もし全部かえることができたら一兆円違うというようなお話もあるわけでございますので、そこまではなかなか難しいといたしましても、ある程度の使用ができますように、それは努力をしなければならないと思っているところでございます。
児玉委員 そこで、今の御答弁も踏まえながら、ジェネリック薬品の価格の低さというとき、どうしても私たちが直視しなきゃいけないのが、先発医薬品の価格の高どまりですね。何しろ、二年に一回の薬価の改定がある。なぜ先発医薬品の価格が高どまりするのか。その最大の理由の一つは、製薬メーカーから問屋に対する仕切り価格が高く設定されているからではないか、ここに検討の最大の課題があると考えますが、いかがでしょうか。
宮路副大臣 御指摘の薬価でありますが、委員も御案内かと思いますけれども、薬価差は……(児玉委員「薬価差のことを言っているのじゃないんですよ」と呼ぶ)薬価差からいいますと、かつては二割、二三%ですか、平成三年、高かったものが、二三%もあったのが、今は一〇%を割るようになってきておりまして、最近ではさらにそれが五%ちょっとぐらいだというふうな、そんな情報もつかんでおるわけでありまして、また薬剤比率も大分下がってまいりました。そして、さらに……(児玉委員「仕切り価格の問題を聞いているんです」と呼ぶ)
 それで、仕切り価格がどうなっているか、そこのところが私ども、私自身まだ、仕切り価格それ自体は、これはもう商売の世界の問題でありますから、そこのところをとやかくどうこうということは難しい、限界があるというふうに理解をいたしております。
 いずれにしましても、私どもは、だんだんと薬価が下がっている、そして、先ほど申し上げたように、その市場の実勢価格を踏まえて薬価というものを設定して、それが、価格も下がり、薬価比率もまたぐっと下がってきているということであるわけでありますし、また、今度の薬価改定に当たりましては、後発品のある先発品につきましては、先ほど申し上げた市場の実勢価格、その実勢価格に基づく通常の引き下げに加えて、平均五%の引き下げを行って適正化を図っていく、そういうまた今までにない、踏み込んだ対策も講じさせていただいているところでございます。
児玉委員 ちょっと委員長に申し上げる。
 私は、今まで随分長く議員をやってきたけれども、指名しない人が答弁に出てきたのはきょうが初めてだ。
 最初に言ったように、大臣と二人の政府委員に私は聞いている。そのうちあなたに聞く機会もあるでしょうから、そのときまでお待ちください。
 それで、仕切り価格の問題なんですが、これが高く設定され過ぎているところに問題がある。そして、今いろいろお話があったけれども、その中でたった一つ私が聞いていてそこだと思ったのが、商売上の問題だからだというその部分なんです。
 商売上の問題だというんだったら、問屋が病院に薬を持っていくのも商売上の問題ですよ。問題なのは、メーカーから問屋に持っていく仕切り価格については企業秘密であるからといって、そこが聖域にされていて、そこに皆さんの手が少しも入っていない。それがあの大手メーカーの高い薬価の一つの支えになっている。そして、しかも、その中にはいろいろな不明朗な分野がある。高く設定された仕切り価格には過大な営業費が含まれていますね。その中には接待の費用等も包含されている。
 公正取引委員会の方からいろいろ聞いているわけですが、ここに医療用医薬品製造業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約というのがあって、そして、それにまた今の規約に関する施行規則というのまである。医師でいらっしゃる坂口先生は、そのあたり、いろいろ同僚を通してお聞きだと思うんですけれども、これは開業医とは余り関係ないんです。大病院の勤務医や大学病院の方たちと、残念ながらこれは深い関係がある。
 公正取引委員会が何をそこで指摘しているか。例えば、不公正な物品の提供、学会等への旅費の負担、招待、接待、それらがまかり通っていて、それが高い仕切り価格の一部を占めているんじゃないか。そして、特定のマーケットでこれほどのものが出されなきゃいけないというのは余り例はないですね。そのくらい不当な接待その他が、今無視できない状況になっているんじゃないか。この分野は公正取引委員会に任せるのではなく、厚生労働省としても、不当、不法な行為に対して厳しく自粛を求める、そういう努力をしていただきたいと思うんですが、大臣、いかがでしょう。
坂口国務大臣 そこはやはり明確にしていかなければいけないと、私もそう思います。
児玉委員 全くそう思いますね。
 さて、そうやって先発品の方は高い価格で設定される。さっき言った問屋から病院に卸されるときの価格は、仕入れ価格が高いですからそれが高くて、そして今皆さんの薬価の出し方は、言ってみれば実勢価格の加重平均ですから、当然それは高くとまるのです、低くなるはずがないのです。
 この構造が、売上高一千億円以上の大手十五社の経常利益、幾らだったか。一昨年、一九・一%、二〇〇一年度で二〇・一%です。日本の製造業者全体の経常利益はたかだか二%前後なんですから、その十倍という、大変な、抜群の高利益がこれらの大手メーカーには保障されている。そういった医薬品を使うことが、結局、健康保険財政を逼迫させる理由になっているのではないか。
 私は、誤解されないためにはっきり言っておきますけれども、画期的な新薬というのは重要だと思う、それはそれで大いに育てられなきゃいけない。しかし、擬似的新薬なんというのはブラックジョークですよ。新薬まがいの新薬なんというのは、本当に恥ずかしくて外国に出せないですよ。ここのところにメスを入れるべきではないか。やはり仕切り価格を企業秘密だと言わせずに、そこに議論を入れる。中医協でもこの議論があると私は聞いていますが、大臣、どうでしょうか。
坂口国務大臣 製薬会社の収益につきましては、これは国内、国外の問題ございまして、最近は国内よりも国外の方が多くなってきているところもございますから、それは一概に、国内における収益であって、それがすべてそうだというふうに言うのは少し無理があるというふうに私は思っております。
 しかし、この医薬品の問題につきましては、やはり製造メーカーの皆さん方も周辺をクリアカットにしていただいて、そしてわかりやすい形で国民の方にそこは開示をしていただくように努力をしていただかないといけないというふうに思っております。その努力が報われれば、もう少し国民の皆さん方も理解を深めていただけるのではないかという気がいたします。
児玉委員 私は物事を単純化して言っているのではないので、ジェトロのレポートも、いろいろな要素を言っています。そして、その中の、今だれが見てもそこにメスを入れることが可能であり、国民の同意が得られる部分について、私は今指摘をしているのです。
 さて、そういう形で先発医薬品の価格が高どまりする。市場原理のもとで後発医薬品のメーカーが生き残ろうとすれば、どうなるか。価格を下げる道しかないじゃありませんか。そして、価格が下がって、当然実勢価格が下がる。加重平均で薬価が公定されるから、二年に一回の薬価の改定で後発品についてはどんどん下がっていく。この四月の薬価の改定で一番引き下げられたものは、七〇%以上の下げ率になっていますね。かつては二・五分の一ルールがあったけれども、今は五分の一ルール、そこまで下げ幅の歯どめがなくなっている。
 ことしの四月の薬価の改定で、先発品と後発品の価格差がどのくらい拡大したか。大臣、お示しいただきたいと思います。
 委員長、もし委員長のお許しがいただければ、大塚局長に答えていただいて結構です。
森委員長 よろしいですか。大塚保険局長。
大塚政府参考人 恐れ入ります、御質問の趣旨は、先発と後発と分けて、平均的な引き下げ幅ということでございましょうか。恐縮でございますが、そういう趣旨でございましょうか。(児玉委員「はい」と呼ぶ)
 実は、直ちには計数が出てまいりませんけれども、改定の考え方を申し上げますと、基本的には、これも先ほど来お話出ておりますけれども、市場実勢をベースにいたします。市場実勢価格を調査いたしまして、現に下がっておる例が多いのでございますが、先発であれ後発であれ、市場実勢価格に応じて下げをいたします。
 下げ幅といいますか、率にしましては、おっしゃるように、後発品の中で下げ幅が多いケースもございます。いろいろなケースがあるのでございますけれども、批判的な御意見としては、一種の投げ売りが行われているというような批判もございますけれども、そういうケースもございます。
 先発品の方につきましては、もちろん市場実勢に基づいて下げますけれども、これに加えまして、今回におきましては、後発品のない先発品につきましては、特別な措置といいましょうか、政策判断といたしまして、平均五%、種類によりまして三分類をいたしまして、多少の差をつけておりますが、平均五%の引き下げを行った。先発品につきましては、市場実勢プラスそうしたルールに基づく引き下げを行う。
 計数、ちょっと直ちに申し上げかねますが、考え方はそういうことで改定をいたしたわけでございます。
児玉委員 大塚さん、ありがとうございました。
 結局、今全体として出てきているのは、薬価の二極構造ですね。先発医薬品についていえば高どまり、そして後発医薬品はどんどん下がっていく。
 そこで、皆さんにお配りした資料をちょっと手にとっていただきたいと思います。これは、ある現存する患者さんのケースです。
 ぜんそく様気管支炎のAさん、五十歳代、健保本人。この方は痛風も若干患っていらっしゃる。そして、先発品の場合どんな薬を飲むことになるのか。一々言いませんが、そこにあるとおりです。そして、四月の薬価改定でこれらの錠剤、薬品が幾らになったかというのは、厚生省の大変な御努力で御教示いただきました。一日の薬代が二百円です。同一成分、同一薬効の後発品の場合どうなるかといえば、七十円です。二百円と七十円の差があります。
 さて、健保本人ですから、保険の支払い、一年分はどうかというと、先発品の場合は五万八千四百円、後発品は二万四百四十円です。本人負担はどうなるか、年間一万四千六百円から五千百十円です。患者さんの年間の薬代の負担は約一万円軽減します。そして、健康保険の支払いは三万七千九百六十円、確実に軽減するんです。
 高血圧症のBさんの場合はどうか。同じく、五十歳代、健保本人。一々説明しませんが、今大塚局長が言われた、先発品と後発品の薬価の格差というのは、これも四月に拡大して、先発品を使った場合一日百五十円、そして後発品の場合は四十円ですから、三分の一以下ですね。同様に、本人負担は、後発品を使うことによって年八千三十円、健康保険の負担減は三万二千百二十円です。
 百人いたら幾らになりますか。一万人いたら幾ら健康保険の支払いが減るでしょうか。そこに、私が冒頭言った、本人の医療費負担を軽減することが確実に健康保険財政に積極的に寄与する、ここが端的に示されているわけです。
 これをごらんになって、大臣、どのように受けとめられますか。
坂口国務大臣 確かに、後発品を使うことによりまして、いわゆる薬剤の節減というものはでき得るというふうに思いますが、初めにも申しましたとおり、医師にはそれぞれの薬に対する愛着みたいなものもございまして、なかなかかえがたいという側面があることも事実でございます。そのことが、大学病院でありますとか、あるいは国立病院の中で端的にそれが示されているというふうに私は思っております。
 これらの点を、どういうふうに理解を得て改善をしていくかということが今後課せられた課題でございますので、今後やはり国立病院やあるいはまた大学病院等、大きい病院に対しまして、これらの点をできるだけ理解をしていただくようにひとつこれから努力をしていかなければならないというふうに思っている次第でございます。
児玉委員 今のは二人の患者の個別例ですが、それを全国に置き直せばどうなるか。坂口大臣はその試算を御存じだったので、さっきも口になさいましたが。
 医薬工業協議会の試算があります。今、国民医療費が三十兆円弱、その中で薬剤費が約六兆円、厚生省のデータで、後発医薬品が存在する先発医薬品のシェアは三四%ですね。そうすると、六兆円の薬剤費の中で後発品を持っている先発医薬品は金額に直せば二兆円です、簡単な計算です。そして、先発品と後発品の価格差は平均二分の一ですから、ここから先ほど大臣がおっしゃった一兆円の医療費の節減が可能だという試算が出てきます。もちろん一挙に後発品にかえるということはこれは不可能ですから、だから、試算されている方たちも一つの試算だとおっしゃっているけれども、これは重い計算だと思います。
 全国薬業労働者連絡会議、全薬会議は別のアプローチをしています。全国の国公立病院が先発品から切りかえ可能な後発品を採用した場合、国立大学、国立病院を含めて、年千六百億円の医療費の節減、全国の医療機関に同様の措置をとってもらうならば約一兆円程度の削減が可能になる、数値が一致しています。私は、あえて通産省の試算である一兆四千五百億円はここでは問題にしないでおこうと思います。
 そこで言いたいんです。小泉首相は、四月十九日の本会議で、小沢和秋議員の質問に対して、この問題について何と答えたか。「薬価については、今後とも、さらなる適正化に努めてまいります。」こう答えている。私は言いたいんです。今後の課題にすべきでない。何より今直ちに抜本的な適正化に着手をすれば、今度の三割負担はやらなくて済む。その点、最も肝心な点ですね、答弁を求めます。
坂口国務大臣 委員も先ほど御指摘になりましたように、これはなかなか一度にできる話ではありません。理屈の上で理解をできても、なかなかすぐにそれが実践されるというわけにもいかないでしょう。
 しかし、厚生労働省としては今後努力をしなければいけないというふうに思っております。すぐにできることではありませんけれども、やはり使えるところは使っていただくということをしないといけない。中には、同じ成分だというふうに言っても、やはりそこには使ってみると違いもあるというふうに指摘する人もあったりいたしまして、そこのところは医師によりまして、愛着があるという言葉で私は申しましたけれども、単なる文学的な表現の愛着という意味ではなくて、やはりそれを使ってみるとそこに微妙な違いがあるということを含んでの言葉というふうにおとりをいただきたいわけでございます。
 したがいまして、それは一度にはなかなかでき得ない、しかし、努力をしていただければでき得る部分も私はかなりあるというふうに思っているわけでございます。
 今後、高齢社会を迎えまして、ますます医療費は増大する傾向にあるわけでございますから、今後、その中で徐々にできる限り努力をしていただくように、やはり厚生労働省として努力をしたいというふうに思っている次第でございます。
児玉委員 先ほど坂口大臣が、この健康保険財政の問題について言えば、税金で賄うか、自己負担でやるか、保険料で負担するか、懐かしいせりふなんです。小泉さんが九七年のときに百万回繰り返したと私はあえて言いたい。
 問題はその三つの選択じゃないんですよ。さっきの薬剤費で一兆円とは私は言いませんよ。しかし、相当な、少なくない財源がそこから出てきます。
 私たちは何かを言うとき積極的な提案をします。その第一は何かというと、この前佐々木憲昭議員があなたと議論したように、減り続けている医療における国庫負担をどうやって計画的、段階的に旧に復するか、それが一つの重要な選択肢です。二つ目は、今後の課題に薬剤の問題をするのでなく、今直ちにこの分野に着手をすることです。三つ目は、窓口負担を引き上げて診療抑制を押しつけることで医療費を減らすという、そんなやり方ではなく、長野県がやっているように、早期発見、早期治療。長野では町や村がみずからの責任で国民健康保険の窓口負担を相当負担しているんじゃないですか。国民健康保険の医療費は全国一番下ですね。ある専門家は、この努力を全国に広げたら一兆円以上の財源が生まれる。今の三つの要素を足せば今度の健康保険の改定は完全に行わなくても済む、その道を私は進むべきだと思います。
 この通常国会もあと十二日しか残っていません。会期延長なんというこそくなやり方でなくて、既にさまざまな面でもう破綻してきているこの健保の改悪案についていえば、廃案にすることが小泉内閣の国民に対する責任のある態度だということを強く述べて、私の質問を終わります。
森委員長 次に、阿部知子君。
阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
 週末の金曜日、遅い時間まで大臣を初め皆さんの熱心な御審議、大変に御苦労さまです。まだまだ審議は佳境でございます。きょう、野党側各委員、ぜひともこの三割負担の問題、あるいは保険料率のアップの問題、そして先行きの見えない診療報酬改定問題、さまざまに問題があるということの指摘がございました。私もまたその観点に立ってきょう幾つか質問をさせていただきますが、さらに審議が深められるということを来週にかけて期待しておるものです。
 冒頭、今回の直接にかかわる法案以外のことで、質問予告をしてございませんが、坂口厚生労働大臣にお願いいたします。
 実は、来週の月曜日、いわゆる事態特、武力攻撃事態法の特別委員会に福田官房長官にお出ましいただきまして、総理出席のもと、さきの福田官房長官の発言につきまして各委員が質問をするということになってございます。今週水曜日、坂口厚生労働大臣、この場で何名かのこの委員会の委員の御質問、特に福田官房長官発言をどう思うかという質問に対しまして、福田官房長官の真意ではない発言であったというふうに閣議で官房長官も言明しておられるし、自分としても核の問題、特に被爆国である我が国がどのようなスタンスに立つべきかという点において、福田官房長官の真意を重く酌み取って理解しているというお話でした。
 私は、それは一応は承った上で、福田官房長官のお話が、いわゆる非核三原則の見直し、持たず、つくらず、持ち込まずというこれについて、それを見直そうとかそういう他意はないというお話であるというふうにその後も発言しておられますが、この当委員会としては、もう一歩進めて、ぜひとも坂口厚生労働大臣に閣議の場で思い起こしていただきたい、皆さんにも注意を喚起していただきたいことがございます。
 平成六年十二月の十六日にいわゆる被爆者援護法が成立いたしました。そのときに、この前文にございます部分、いわゆる世界ただ一つの被爆国として、「核兵器の究極的廃絶と世界の恒久平和の確立を全世界に訴え続けてきた。 ここに、被爆後五十年のときを迎えるに当たり、我らは、核兵器の究極的廃絶に向けての決意を新たにし、」究極的廃絶に向けての決意を新たにすることを前文に置いた法律が被爆者援護法でございます。
 非核三原則をそのまま堅持するということ以上に、攻撃的な核であれ、核が小型であれ大型であれ、核兵器を根絶する方向に決意したというこの被爆者援護法の精神、坂口厚生労働大臣にあっては、ぜひとも厚生労働省の長におかれまして、この重みを閣議の各位にお伝えいただきたいと思いますが、御答弁をお願いいたします。
坂口国務大臣 核につきましては、三原則はもとより、これは未来永劫人類として使用すべきではない、そう思っているわけでございます。しかし、そのことは、現在の衆参両院議員すべてそれは理解をしていただいていることだというふうに私は思っております。
 閣議というところはなかなか一般的なことにつきましての発言する機会のないところでございますが、そういうことを話し合うときがございましたら、率直な私の意見というものを述べたいと思っております。
阿部委員 ありがとう存じます。
 やはり廃絶する決意を持って臨むという、これを決めた委員会、この場でございますから、その代表として厚生労働大臣には御尽力いただきたいと思います。
 では、関連する私の当委員会の質問に入らせていただきます。
 きょう、いわゆる保険料の個人負担分、窓口負担分やあるいは料率において、特に若者が平時からどのくらいの分を負担しているかなどなどで、これ以上の国民負担を増すことは国民の基礎体力を著しく落としめ、ましてこの経済状況下にあっては命取りの政策になるのではないかという各委員の御発言がございましたが、私はその点も全くそのように思います。
 いま一つ、やはり時代は大きく二十一世紀という扉をあけましたところで、医療政策全般、特に医療提供体制について見直さなければならない。そして、今特に診療報酬改定をきっかけに行われているいろいろな政策は、この二十一世紀にふさわしくない、誤った道へ導いておると思いますので、その観点からお伺いいたします。
 我が国は、戦後、いわゆる医療制度、医療提供体制の改革においては四期に区分することができると言われております。
 敗戦後間もなく、人々が心身の病を抱えて、そして復興期にあっては、当然ながら医療は拡張期、必要最低限なものを数多くつくっていこうという拡張期が一九六〇年代まで続きました。これを一期といたします。
 その続き、引き続く第二期は、一応の必要最低限のものを配置した上で、改善期、例えばこの時期を七〇年代の終わりまでといたしますれば、一つは国立小児病院のような専門病院ができたり、がんセンターができました。その一方で、僻地の医療や救急医療や二次診療圏にきちんとした病院をつくるということがなべて努力されました。
 そして第三期、いわゆる八〇年代からは調整期に入ってございまして、現在問題になっておる老人保健制度、それから昨今の介護保険制度などなどが定められ、今第四期にかかろうとしております。
 日本は空前のと言われる世界で類を見ない少子高齢化に進んでおって、はたまた、それゆえにどのような医療の保険支払い体制と提供体制が伴って進んでいくべきかという論議にあって、私は、まずこの第二期において目指されました二次診療圏につきまして、大体、厚生労働省としては、二次診療圏というのはどのようなサイズとどのような機能と、そしてそこにはどのような病院が配置されたか、第二期の計画において。このことについて、お答えを担当部局からお願いいたします。
篠崎政府参考人 ただいま先生から、一期、二期、三期、四期と期を分けて、我が国の医療提供体制の整備状況等について御質問がございました。
 各地域ごとに中核的な病院を整備すべきだというような問題意識は古くから存在をしておりましたが、医療における地域というものの概念がある意味で法的に明確にされたのは、昭和六十年の第一次医療法改正ではないかと思っております。この昭和六十年の改正によりまして、医療計画というものが創設をされました。そして、通常の入院医療というものはおおむね二次医療圏で完了するという考えが出されたわけでございます。現在、四十七都道府県に三百六十三の二次医療圏が存在をいたしておりまして、都道府県は、住民の日常生活圏を一つの前提に置いて二次医療圏を設定しているわけでございます。
 したがいまして、こういう二次医療圏におきまして今まで私どもが整備をしてきましたのは、例えば救急医療ですとかあるいは僻地医療、それから、今後の課題になりますけれども、臨床研修あるいはがん診療、そういうようなものについて、この二次医療圏を中心として病院の整備を進めていくべきではないかと考えておるところでございます。
 こういう考え方におきまして、現在、大臣を本部長として設置されております医療制度改革推進本部においても、こういう考え方で検討を進めていきたいと考えております。
阿部委員 果たしてそのようなお考えのもとに、現実には二次診療圏にきちんとした、その地域の住民が安心して日常的にかかれるような病院が充実しておるか、存在しておるかということについて、現状の分析をお聞かせください。
篠崎政府参考人 例えば救急医療につきましては、今、搬送途上の医療の充実のことが話題になっておりまして、検討会を立ち上げておりますけれども、メディカルコントロールをするためには、当然、二次医療圏においてその司令塔となる医療機関の整備が必要でございます。
 そういう意味合いから、各二次医療圏について見てみますと、今のところ約半分の、全国三百六十三の半分の医療圏において、そういうものに対応し得る病院が整備をされておりますが、残りはそうではありません。しかし、必ず二次医療圏には一つか二つの救急告示病院は存在をしておりますので、そういうところに焦点を当てながら、今後どういう形でそれを整備充実していくか、検討していきたいと思っております。
阿部委員 二次医療圏と御答弁のありました三百六十三のうちまだ半数しか充実していないということは、大きく見れば、日本の半分では日常的に自分がかかれる地域の病院がないという状態にも等しいと言わねばなりません。
 医療提供体制というのは、いつも金の問題としてではなく、基本的生存権の問題、あるいは医療というのは社会的共通資本でございますから、道路と同じような、非常にだれもがそこで暮らすために要るものでございます。そのことが単に、今篠崎局長おっしゃいましたが、救急医療については少なくともある程度は充実させておるとおっしゃいましたが、私はこの件も反論がございます。三百六十三のうちまだ半数に満ちていない空白区がある、選挙区ではございませんが、これは大変なことだと私は思います。にもかかわらず、この間、国は二つの過ちをしていると思います。
 一つは、私の関連いたします小児医療のことで事例を挙げさせていただきます。
 私は、実は、先ほど例を引きました、昭和四十年、一九六五年に日本の中で第二期の医療改革においてつくられました国立小児病院というところに籍を置いておりました。
 この国立小児病院は東京の世田谷にございまして、大体八十万からの地域住民の、本来は地域病院ではないのですが、地域医療も担いながら診療を重ねておりました。世田谷区には、ほかに、東京都の母子保健院というのがございまして、これも出産からその後の小児の救急を担っておりました。この間の国の国公立病院の統廃合計画並びに都の都立病院の見直し計画において、実は八十万世田谷区が、小児の救急体制において、並びに地域基幹病院全く不在という状況に、あれだけ大きな人口があり、都市の中心部で、置かれてしまいました。私は、このことは非常に象徴的な意味を持っておると思います。
 なぜなら、一方的にしゃべって恐縮ですが、今の国の医療体制の見直しは、センター病院や大きなものには予算をつけてまいりますが、当たり前に地域で毎日頑張る病院をどうやって育成していくか、あるいは残していくか、あるいはつくっていくかということにおいて、私は、極めて無策に尽きておると思います。そして、そのことに拍車をかけているのが、今回の診療報酬改定でございます。
 どういうことかというと、手術件数、例えば心臓の難しいバイパス手術というのが百件以上のところは診療報酬満額です。でも、百件を欠けたら七掛けです、七〇%です。ほかの手術についても、たくさんやれている病院にはフル診療報酬、でも少ない病院には七掛けですという形で、むしろ地域で頑張って支えている病院が手術ということをやっても診療上一向に潤わない状況を招聘するような診療報酬改定が現在進められております。
 私は、このことは非常に病院の再編を悪い方向に促している事態と思いますが、まずこの件に関しても、担当部局の御意見を賜ります。
大塚政府参考人 今回の診療報酬の改定におきます手術に伴う施設基準の設定という、改革に関連するところでございますけれども、まあ千数百、千百程度と言われております手術件数のうち、特に難度の高いもの、あるいは点数の高いものというような基準で百十ほどの項目を設定いたしまして、それにつきましていわゆる施設基準というものを定めたわけでございます。
 技術が集積するということが医療の高度化に資するというのは、おおむね広く言われていることで、御了解をいただいていることでございますから、全体としての医療機能、医療機関の機能分担、機能分化を進めるという観点から、このような設定をしたわけでございます。もちろん、症例数だけでございませんで、医師の経験年数も条件に入っているわけでございます。
 ただ、この二つの指標で決めることが合理的かといいますと、今後のさまざまな知見なり技術の集積なりあるいは実態も見て、もちろん必要な手直しはしていく必要があろうと思いますけれども、大きな方向といたしましては、難度の高い、技術の集積の要る手術につきましては、一定の基準を定め、そこにできるだけ集約化していく、それぞれの医療機関においていわば特性を持っていくというような方向が、方向としては一つの考えられる方向じゃないか。今後の実際の定着状況なども見なければなりませんけれども、大きな方向づけとしては、私ども、必要な改定であるのではないかというふうに考えているところでございます。
阿部委員 医療がそのように集約化されたりするものかどうかということにおいて、認識が誤っておると思います。
 医療は、例えば胃がんの手術にしろ、遠い病院まで行けば、その病院が集積件数が多くても、遠い病院まで行く間の交通費、あるいは家族もそこに通うための時間的、金額的ロス、そしてまた療養を続ける場合も、その後通院等々にも、すべからく、遠ければ遠い分だけ負担がかかってまいります。
 また、二点目は、例えば五十例までやった病院が診療報酬が高くて四十八例まではそれを満たさないのであれば、あと二例、極端な場合はむだな手術をやるか、あるいは、全く自分のところは診療報酬上潤わないから、もう患者のことは考えないで遠くに送ってしまうかという形に当然なってまいります。
 診療報酬改定の及ぼす影響は三カ月ほどたたなければわからないと大塚局長の御答弁でございましたけれども、私は、今回のこの手術件数に伴う病院の区分けは、先ほど申しました二次診療圏の基幹病院に大ダメージを与えておると。
 まして、あたかも科学的根拠があるようにおっしゃいましたが、一つの病院がたくさんの手術をすればその分だけ腕がいいかどうかは、一つ盲点がございます。一人の医者が、医者が少ないところで何件も頑張ってやっているところもあるわけです。そしてそれが、人口の多い地域でなければ必ずしも件数は集まってまいりません。
 今回、この診療報酬改定に関しましては、特に病院関係者、四病院団体協議会なども厳しく批判しておりますので、この場で直、見直しが必要であるという御答弁はまあ出ないでしょうから、きょう私、これは質問予告してございませんから、診療報酬改定の指標に、二次診療圏の基幹病院をきちんと堅持していける方針か否かという大局的な医療提供体制とあわせて検討いただき、しかるべく、三カ月後にはお答えをいただきたいと思います。
 ちなみに、この診療報酬改定について、坂口厚生労働大臣にも御所見のほどをお願いいたします。
坂口国務大臣 診療報酬体系全体といたしましては、三カ月ほど状況を見せていただいて、そしてその結果というものをよく勘案したいというふうに思っている次第でございます。
 二次医療圏の問題につきましても、現状を追認していくと申しますか、現在存在します病院でありますとか、あるいは、国公立の病院もあれば私立もあるというふうに思いますが、そうしたものを、存在すればそれを認めていくというのではなくて、もう少しやはり積極的にそれぞれの地域に中心病院をやはり育成していくべきだという御意見だろうというふうに思いますが、そのことにつきましては、私も、そのとおりではないかというふうに思っております。
 ただ、公的な病院の場合にはそこに支援をしやすいわけでございますが、私立の場合にどういうふうな形でその地域の中心的な施設として育成をしていくかといったことも、一つ検討をしなきゃならないというふうに思います。
 例えば、二つなり三つなりありましたときに、一体どこを中心にするのかとか、あるいはまた三つとも同じようにそれは手を差し伸べるのかとか、いろいろその点も難しい点もあるというふうに思いますから、それらのこともよく考えて、この医療圏の問題はやっていかないといけないというふうに思っている次第でございます。
阿部委員 見識のある御答弁で、ありがとうございます。
 ただし、今坂口大臣が御心配されたような、例えば十万とか十五万の人口のところで中核病院となるところが一つも二つもあるという状況だとよろしゅうございますが、むしろ、今、世上では、そのような病院がほとんど成り立たず、いわゆる倒産が相次いでおります。これはぜひとも現状を厳しく分析されて、命を支える地域中核病院というものをいかなる形で育成していくのか。
 そして、おっしゃってくださいましたように、公立であればそれはたやすいかもしれないが、民間の場合どうであるか、私はこのことも確かに課題であると思います。
 特に、この間、医療法人等々も日本は半分が民間でございますから、では、そこにいわゆる公的な性格、医療というのが基本的人権に基づく、生存権に基づくものであれば、公的な性格をどのように帯びさせるか。情報公開も一つでしょうし、ある程度、土地の取得とかにおいて公的なものがそこに提供するということも多々ございます。必ず三百六十三二次診療圏に病院があるような姿で二十一世紀を展望していただきたい。
 このように申しますには、先ほどの、手術に伴います件数で少なければ診療報酬カットするぞという中の事例で、近畿医師会連合の調査におきますと、人工関節手術、人工関節というと、関節を置きかえて人工的なものを置く、非常に多い手術でございますが、二府四県にわたる近畿地区の二十一の二次医療圏のうち十二圏で基準を満たす病院は皆無である。近畿二府四県に住まわれていても、二十一医療圏に分けたら半分のところでは基準を満たす病院がないというふうな状況になっておるのが今回の診療報酬の改定でございます。
 これはやはり、半分のところで人工骨頭が入れられない。遠くの病院なんか、何といっても通えないのです。骨頭というのは、歩くにも非常に大切なところです。遠くに通うには御家族の付き添いか、だれかが仕事をやめなくてはならないかもしれないような事態がここに起こっております。
 極めて現実を無視した診療報酬改定ですので、いろいろな意味でこの件については見直しをお願いしたいと思います。
 引き続いて、次の質問に移らせていただきますが、この間、いわゆる医療保険ということに関しましては、保険者機能の強化ということが各委員からも言われ、私も使い、坂口大臣もお使いになります。ただし、そのおのおのの発言者においてかなりニュアンスが違う。中身はどうなのかなというところまでそろそろ踏み込んで論ずべきかなと思っております。
 私は、前から、これは大臣と考えが同じでございますが、例えば各市町村が保険者となって、その保険者が余りに弱ければお互いやっていけないからもう少し広域的に考えてはどうかということも申し述べておりますが、もう一つネックになりますのは、保険に加入している方たち自身が、どんなモチベーションなりあるいは共同連帯意識なり、そしてこれからこれがなくては困るんだという意識を持っていただくかにあると思うのです。
 サイズだけが先に決められても、自分が関与していない、あるいは保険料を納めなくても、遠い関係になってしまえば、例えば市町村の保険であればまだ自分の市町村という近さがあるかもしれないけれども、今度遠くなった場合にはどうかという問題も必ず生じてまいります。
 私は、この間、いわゆる建設国保という、一人親方とか建設現場で働く方たちの国保、これはなぜこの方たちが国保という中に入る経緯になったかはいろいろな政治的な動きの結果ではございますが、その中にあっても、建設国保の方たちが非常に努力しておられて、自分たちの保険だという意識を組合、その傘下の方々皆さんに持っていただいて、あと、レセプトのチェック、労災保険で適用されるようなものについて混入していないか等々も含めて、加入を、参加を誘うこと、そしてお互いが支え合っているという意識も含めて、極めて自治的に運用されておるという側面を拝聴いたしました。
 そこで、坂口厚生労働大臣にお願いですが、これからの保険者の機能の見直しに当たって、やはり参加と、それから主体的にそのことを育成していく意識を各加入者が持てるような仕組みということも、この建設国保の事例も踏まえまして、また一つの視点としてお持ちいただきたい。これは要望でございますので、確認の御答弁をお願いいたします。
坂口国務大臣 保険者のあり方というのは、私もいろいろのことを想定いたしておりますけれども、もっともっと保険者はさまざまな角度から、その中に入っておみえになります皆さん方に情報を提供することができますし、また、皆さんももう少し積極的にその保険者に対しまして、こういうふうにしたいというような意見を言っていただくことができるのではないかというふうに思っております。
 これから保険の統合化を進めていく上で、その保険の中身、保険者の中身というものにつきましてもいろいろ議論を重ねていかなければならないというふうに私も思います。そこは必ず議論になってくるところではないかというふうに思っている次第でございます。
阿部委員 特に、昨今、若い人たちが健康保険に加入しない、あるいはできない状況も現実に起こっておりますので、みんなに加入してもらう、そしてそのことの意識を分け合っていくという方向に、健康保険問題では意識の育成をよろしくお願いしたいと思います。
 続いて、診療報酬改定のことについて、さらに一点お伺いいたします。
 きょう、お手元に配付資料とさせていただきましたが、今回、もう既に四月から始まっております診療報酬改定の中で、六カ月を超す入院の方に関しましては、入院基本料の八五%については三割負担ですが、入院基本料の一五%については医療保険から外して自己負担にしていただくように指導されていると思います。
 この件については、民主党の五島委員も、介護と医療との間をボール投げのようにするのはけしからぬという形で、同じテーマについて御質問があったと思いますが、私は、そのことに加えまして、例えば、このような図で示されました形で、入院基本料の一五%が自己負担になりました場合に、特に、高齢者ではなく若年者で現在入院の三割を負担している方は、プラス一五%の自己負担で、総計いたしますと、ここに書いてあります三九・二%、四割負担という現状が生じております。
 そして、六カ月を超す入院と言われますと、世上では、御高齢者がいわゆる介護が必要なのに病院に入院していて、これを社会的入院だとかいう言い方でとらえておりますが、実は六十五歳以下の方も多数おられますし、そしてその方たちは、三割負担とプラス長期入院だから一五%自己負担しなさいと言われますと、結果的に四割。
 きょうの論議でもたくさんございましたが、国民負担は三割が限度ですよ、三割以上は上げませんよという政府御答弁を繰り返されておりますが、かかる事例が生じ得ることについて、診療報酬改定を実施された担当部局としていかがなお考えか、お聞かせください。
大塚政府参考人 長期入院だから給付カットするというわけではもちろんございませんで、長期入院をされておられて、なおかつ医療面での給付の必要性が低い、逆に申しますと、家庭あるいは介護施設などへ移ることが本来は可能だというようなケースでございます。そうした事情にある方につきまして、医療保険からの給付というあり方を見直さざるを得ない。
 しかしながら、現実を考えますと、給付をしないという現状には到底ございませんから、在宅で利用されておられる方々などとの公平も勘案いたしまして、おっしゃいますように、八五%に当たる部分は特定療養費という形で給付をする、こういう仕組みを実施に移しているわけでございます。
 実施に移していると申しましても、経過措置もございますから、全体といたしましては、二年程度をかけまして完全実施になるということもございますし、負担の面でも、直ちに一五%カットということではございません。これも段階的に進めてまいります。
 したがいまして、お示しの資料、もちろん詳しく直ちに理解できないところもございますけれども、印象といたしましては、そうした経過的なこともお考えいただけるのではないかというのが一点。それから、入院ですと当然それなりの高額になりますので、いわゆる高額療養費の制度も発動される部分もございますので、四割というような数字にはなかなかならないだろうと思います。
 いずれにいたしましても、私どもの考え方を率直に申し上げれば、これは、負担割合の問題というよりも、三割給付あるいは負担率の問題と、長期入院の患者の方で特に医療の給付の必要性の低い方に対する給付の見直しの論議、これは別個の問題で頭の整理をせざるを得ないと思っております。
 お示しの資料につきましては、詳細を直ちに理解しがたいところもございますが、印象だけ申し上げれば以上のようなことでございます。
阿部委員 三割負担が果たして妥当かどうかというところも、私はそうは思っておりませんが、今の診療報酬改定で進みますと、現実にこのような形で四割になる方が必ず出てまいります。それも、私は特に、長期で必ずしも御高齢者ではなくて寝たきりのような状態になられた方をたくさん見てきておりますので、その方たちが、介護保険施設の受け皿もなく、もちろん年齢の問題でなく、病気も限られたものしか介護保険適用にはなりませんから、そうなると、この四割というのは法外ですし、逆に社会的退院を強制していくことになるということで事例として挙げさせていただきました。大塚局長の方では、またよろしく御検討をいただきまして、実際にこのような事例が起こることのないようなことを検討してくださいませ。
 そして、きょうは時間との関係で、私が要求して出てきませんでした資料ですが、実は、社会的入院を減らすために介護施設へ、あるいは介護保険が利用できる施設へという形の誘導は、地方自治体並びにそこに住む住民の介護保険料のアップということを生んでまいります。今までの医療保険ではなくて介護保険を使いなさいというわけですが、介護保険が二年たって、皆さんも御承知おきでしょうが、介護保険の中で施設入所がふえればふえるほど、地方自治体の負担は上がってまいります。このことについて、今回の診療報酬改定で、介護保険施設に移りなさいというふうなことを誘導しておられて、それは一概に悪いとは思いませんが、ただしかし、自治体あるいは自治体に住む人々の保険料のアップに結びつくのではないか、そのことをどのように試算しておるかと担当部局に伺いましたが、まだ集計が出ていませんということでしたので、きょうは恐縮ですが、これを次回送りにさせていただきます。
 ちなみに、一つだけデータといたしまして、いわゆる介護保険の財政難が急増しているということでは、財政安定化基金の借入団体が四百二十六団体とふえております。医療保険のしわ寄せを介護保険に持っていくような愚はくれぐれもなさらないように、私の方から要望させていただきます。
 そして、きょう私の最後の質問になるやもしれませんが、いわゆるスモン、亜急性脊髄視神経神経症と言われております御病気の方たちのことについて伺います。
 スモンという言葉をもう御存じない若い委員もおられるかもしれませんが、私にとりましては、ちょうどこの病気は、一九六〇年代、下痢を主症状とした方々がキノホルムというお薬を内服されて、その結果、視神経に障害が出る、視力の問題が出る、あるいは手足の神経がしびれる、歩行が不能になる、さまざまな障害を生んだ薬害のはしりでございます。日本における薬害問題の端緒というか、極めて印象的な薬害事件でございます。
 このことに関しまして、実は、一九七〇年、中央薬事審議会でも、スモンという症状が起こるのでキノホルムの製造中止、使ってはならぬということをいたしましたが、果たして、それを飲まされて症状を招聘した患者さん方にどのような救済がなされたか、このことは、今、医薬品の副作用の問題がさまざまに論じられていますが、当時はきちんとした救済機構がないゆえに、スモンを難病として扱うことでその場をしのいでまいりました。
 このことに関しまして、昭和五十四年、当時の厚生大臣でございました橋本龍太郎大臣とスモンの被害者との間で、「厚生省は、治療方法の科学的研究、スモン患者らの福祉の向上に必要ないわゆる恒久対策の措置を講ずることについて、今後スモンの会全国連絡協議会と協議する。」と、いわゆる恒久対策を橋本龍太郎厚生大臣がお約束されました。そのことに基づいてスモンを難病指定し、いろいろな医療費も国において国が認めた薬による薬害なので補償してまいりました。
 そして、この方たちが御高齢化してまいりました。そこで、先ほど申しました介護の問題も当然ながら生じてまいりました。そのときに、実は、医療保険関連の施設におりますれば、介護の問題が生じたというか、もともとの御病気でプラス高齢化も加わり、症状はよくはなりませんから、いろいろな向きに出てまいりました。その方たちが、医療保険の内にいるうちは国からの恒久対策で措置されておりますが、一たび医療保険を使わないで例えば介護保険の対応の施設に移れば、一割負担という形で負担を強いられることになりました。これでは、国によって起こされた薬害で体を侵され、そのことによって生じてきた要介護状態に、今度はあなたのお金を一割出しなさいと言われる現実になっております。
 私は、やはり、国の責任において恒久対策をお約束された限り、今介護保険に移ればあなたも一割だというふうなやり方で患者さんたちに自己負担を強いるのは、恒久対策という約束、公約、国の方針にもとると思います。ぜひとも、この点に関しまして、坂口厚生労働大臣の前向きな、そしてスモンの被害の方たちに国がきちんと責任を最後までとるという一つのあかしとして、現在、介護保険における一割負担について、国としての前向きな施策、方針について御答弁をお願いいたします。
坂口国務大臣 このスモンという病気がキノホルムによるということを聞いたときに、私は愕然としたことを今も覚えております。それはなぜかといえば、私も小児科でキノホルムをたくさん使っていたからでございまして、まさかこのキノホルムがその原因だとは私は、このことが発表されるまでゆめゆめ思っておりませんでした。そうしたこともございまして、このキノホルムという問題の患者の皆さん方のことにつきましては記憶に新しいところでございます。当時の橋本龍太郎厚生大臣とのこういう協議があることも存じ上げておりますし、橋本元総理からもこうしたことをお聞きしたことがございます。
 現在どうなっているかということを見ますと、いわゆる健康管理手当といたしまして、全患者に対しまして月額四万二千七百円が出ております。そのほか、重症者には、障害程度に応じた介護費用というものを出させていただいております。それが、程度によりまして、四万八千百三十円、中ぐらいが九万二千八百円、そして一番重症の場合には十五万四千四百円の三段階になっているところでございます。こうした介護費用等もこのスモン訴訟の和解に基づきまして支給をいたしているところでございますが、こうした問題の中で御努力をいただいているものというふうに考えている次第でございます。
 いずれにいたしましても、こうした薬害によってさまざまな問題を提起された皆さん方というのは、ほかにも実は御承知のとおりございまして、先日ここでも取り上げられましたけれども、らい症候群でございますとか、それからスティーブンス・ジョンソン症候群でございますとか、そうした問題も実はございまして、今大変、この人たちに対しましてもどうするか憂慮をいたしているところでございます。
 この皆さん方の現状というものを、現在、私は十分に存じ上げておりませんので、これ以上申し上げることができませんけれども、皆さん方の状況というものもよく認識をさせていただきまして、全体的に取り組んでいきたいと考えております。
阿部委員 今大臣のお述べになりましたスティーブンス・ジョンソンとか、らい症候群とかは、日本の国の中でも薬害という言葉がある程度浸透いたしまして、そして、薬害の救済機構というものも一方で国が準備している途上の事例でございます。このスモンということは、それ以前で、それゆえに難病指定という極めて、難病というのを国が起こしておいて、難病指定という形にしたわけですから、途上、いたし方なかったこととはいえ、万全の救済体制に持っていっていただきたい。
 そして昨日、恐らく四十名から五十名の患者さんたちが大臣にも要望書をお手渡ししたと思いますが、まだまだこれから検討すべき課題があるかとも思いますから、大臣の方で、よろしくその点については患者さんの声を聞いていただき、なおかつ、先ほどおっしゃってくださいましたような介護費用というものもありますが、決して、実際に介護施設に入った場合に、現状として十分に介護療養ができる体制ではございませんので、その点についてもよろしくお願いしたいと思います。
 また、なお医師たちの中には、スモンということがもたらす症状を御存じない方もあって、介護認定等々でも非常に患者さんは苦労しておられますので、その点についても御指導をよろしくお願い申し上げます。
 引き続いて、実は先回の委員会で、上田清司委員が御質問になりました病院の給食費差益のことについて、私は、ある意味で違う観点から御質問をしたいと思います。
 あの節、上田委員は、給食費について病院が診療報酬上ある一定をいただきながら、その給食を外注、外の業者さんに振りました場合の差益をもうけておる、これはけしからぬという御指摘でした。確かに、入院についての食費について、診療報酬上いただきましたものを外部委託した方が、実際に病院の中で栄養士さんを雇い、厨房をつくり、そして患者さんに小まめに応対しているよりも費用は安くつきます。
 ただし、この場合に、ぜひとも厚生労働省の方針として、だから入院給食費の切り下げがよろしいんだという向きではなくて、患者さんにとって、自分に近いところから給食がサービスされるというのは基本的な人権にかかわることだと思います。私は、学校給食でも自校給食というのがO157の発生も少のうございましたし、子供たちの目に見える距離で食事を提供するというのは、人間としての基本教育にかかわる部分でございます。
 先回の委員会で上田先生のお示しくださった資料はとても整っておりますが、逆に言うと、病院が各自苦労しながら、自分でやった方が苦労なのです、人件費も高うございます。しかしながら、それでも患者さんのためにと思って、各中小病院、特に民間病院は努力しております。厨房用のスペースを持たない方が土地も有効利用できます。しかしながら、その土地を取得し、厨房をつくり、人を手当てし、赤を覚悟で各地域病院は頑張っております。
 この入院給食費の問題について、当日の御答弁とも重なるやもしれませんが、今後、どのような形で厚生労働省として食の問題を考えていかれるのかという観点とあわせて御答弁をお願いいたします。
坂口国務大臣 先般、上田議員の御質問にもお答えしたところでございますが、近いうちに、実態がどうなっておりますのか、少し調査をさせていただきたいというふうに思っております。
 今御指摘ございましたように、安ければ安いほどいいという性質のものでないことも事実でございますが、現実と余り乖離をしているということであれば、これはまた、それはそれなりに問題があるわけでございますので、そうした点を十分に検討させていただきたいと思っているところでございます。
阿部委員 私があえてここで二度目になりまして取り上げさせていただきましたのも、冒頭の質問で申し上げました二次診療圏で頑張っている病院、そこの中でも、地域住民に近く食事をサービスしたい病院が、どのような形で創意工夫、努力、赤も覚悟でやっておるかという実態を、ぜひとも管轄の厚生労働省としては御認識いただきたい。
 そして、そのとき事例が出ておりましたのが、刑務所とか小学校とかでございました。こういうものは、土地ももともとの厨房も公的に保障されたものでございます。民間の病院がこれをやります場合、何度も申しますが、非常に負担でございます。
 ただし、先ほど大臣も冒頭おっしゃいました、これから二次診療圏に確実に病院を配置していこうと思えば、そこの病院の本当に心のこもったサービスの一番に出てくるのが食事でございます。これからの医療、単にコスト算段だけではなくて、人間のターミナルも含めて支えていく、それから地域の暮らしを支えていく、もっと言えば、地域の経済を支えていくために、極めて重要な分野と思います。
 私は、あと関連質問が二つ残ってしまいましたが、来週またできることを楽しみに、きょうはここで終わらせていただきます。ありがとうございました。
森委員長 次回は、来る十一日火曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時七分散会


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