衆議院

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第26号 平成14年7月19日(金曜日)

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平成十四年七月十九日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 森  英介君
   理事 鴨下 一郎君 理事 鈴木 俊一君
   理事 長勢 甚遠君 理事 釘宮  磐君
   理事 山井 和則君 理事 福島  豊君
   理事 佐藤 公治君
      岡下 信子君    上川 陽子君
      木村 義雄君    北村 誠吾君
      北村 直人君    後藤田正純君
      佐藤  勉君    自見庄三郎君
      田村 憲久君    竹下  亘君
      竹本 直一君    棚橋 泰文君
      西川 京子君    堀之内久男君
      松島みどり君    三ッ林隆志君
      宮澤 洋一君    谷津 義男君
      吉野 正芳君    家西  悟君
      大島  敦君    加藤 公一君
      鍵田 節哉君    金田 誠一君
      五島 正規君    後藤  斎君
      土肥 隆一君    中村 哲治君
      堀込 征雄君    三井 辨雄君
      水島 広子君    赤羽 一嘉君
      江田 康幸君    樋高  剛君
      小沢 和秋君    瀬古由起子君
      阿部 知子君    中川 智子君
      西川太一郎君    川田 悦子君
    …………………………………
   厚生労働大臣       坂口  力君
   厚生労働副大臣      狩野  安君
   厚生労働大臣政務官    田村 憲久君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  霜鳥 一彦君
   政府参考人
   (外務省アジア大洋州局長
   )            田中  均君
   政府参考人
   (厚生労働省健康局長)  下田 智久君
   政府参考人
   (厚生労働省医薬局食品保
   健部長)         尾嵜 新平君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房審議
   官)           坂野 雅敏君
   厚生労働委員会専門員   宮武 太郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
七月十九日
 辞任         補欠選任
  谷津 義男君     北村 直人君
  家西  悟君     後藤  斎君
  土肥 隆一君     堀込 征雄君
  三井 辨雄君     中村 哲治君
  桝屋 敬悟君     赤羽 一嘉君
  野田  毅君     西川太一郎君
同日
 辞任         補欠選任
  北村 直人君     谷津 義男君
  後藤  斎君     家西  悟君
  中村 哲治君     三井 辨雄君
  堀込 征雄君     土肥 隆一君
  赤羽 一嘉君     桝屋 敬悟君
  西川太一郎君     野田  毅君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 厚生労働関係の基本施策に関する件
 食品衛生法の一部を改正する法律案起草の件
 食品衛生法の一部を改正する法律の運用に関する件


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     ――――◇―――――
森委員長 これより会議を開きます。
 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
 本日は、理事会での協議に基づき、特に、食品衛生法の一部を改正する法律案を起草することを念頭に調査を進めることといたします。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官霜鳥一彦君、外務省アジア大洋州局長田中均君、厚生労働省健康局長下田智久君、医薬局食品保健部長尾嵜新平君及び農林水産省大臣官房審議官坂野雅敏君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
森委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
森委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。赤羽一嘉君。
赤羽委員 おはようございます。公明党の赤羽一嘉でございます。
 きょうは、今委員長から御発言にもありましたように、食品衛生法の一部を改正する法律案に関しまして、限られた時間でございますが、質疑をさせていただきたいと思います。
 今回のこの改正案のきっかけとなった中国からの輸入冷凍ホウレンソウについて、まず、日本側の現状並びに中国側の現状をただし、そして、今後とるべき措置についてのやりとりをさせていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いをしたいと思います。
 まず、今回この冷凍ホウレンソウを改めて検品してみると、残留農薬の基準値を超える違反事例が約八%あった。一昨日の報道では、残留農薬クロルピリホスですか、これが基準値の百八十倍の検体も見つかったと。まさにこれは大変ゆゆしき問題だ。
 それはなぜかというと、輸入の食品というのは、危険性が指摘されるような話というのは多々ありましたが、しかし、そういった輸入食品もすべて厚生労働省が水際ではねていた。ですから、よく農林水産省とのやりとりで、国内の食品が大事だ、輸入食品は危ないというような発言をすることも間々部会なんかであると、私は、それはおかしい、厚生労働省が水際ではねているという今の実態を否定するのか、こういったことを主張してきたわけでございます。しかし、現実、このような余りにもひどい実態が改めて発覚する、極めてシェームな話なんではないかというふうに思います。
 このような実態、基準値をはるかに超えたようなものが平気で入ってきてしまった、それを一部マスコミの指摘から改めて検査をして気がついたという、ある意味では大変な失態だと思うんですが、このような事態が起こった原因はどこにあり、どのような認識でおられるのかということを、まず厚生労働省からお答えをいただきたいと思います。
狩野副大臣 今、大変問題になっております農薬の残留の問題ですけれども、私も主婦の一人として本当に大変びっくりをいたしておりますけれども、中国産冷凍ホウレンソウにつきましては、本年三月以降、多数の残留農薬基準違反が認められているところでございます。
 その原因といたしましては、中国産野菜類の輸入量が大変増加をしております。その中で、生鮮野菜のみならず、加工原料として下ゆでそれから冷凍されたものなど、その形態が多様化しているにもかかわらず我が国においてモニタリング検査が行われていなかったこと、それから、中国国内において農薬による中毒事例が報道されるなど、残留農薬に対する規制が十分でないことなどが考えられまして、本年三月二十日から、検疫所において輸入時のモニタリング検査を開始したところ、数多くの違反実態が明らかとなってきたものであります。
赤羽委員 このモニタリング検査が行われてこなかったことについて、厚生労働省としてはどう認識、見解を持っているんですか。そこについての責任というのはどう感じられているんですか。
尾嵜政府参考人 御指摘のように、加工野菜につきましては、民間の検査機関が検査をして一例違反があるというふうなことが報道されまして、それを受けまして、私ども、三月二十日から、冷凍のホウレンソウを含めました十八品目の加工野菜につきまして、下ゆでをされた程度のものを対象にまず検査を開始したわけでございます。
 それまでは、御指摘のように、生鮮野菜だけはやっておりましたが、それ以外の野菜、加工野菜については検査の対象にしておらなかったということがございます。それはなぜかと申し上げますと、国際的にもこの加工野菜につきましての基準が設定をされておりません。なかなか要件的に難しいこともございますが、そういったことから、基準がないということで私ども検査に取り組んでまいらなかったということがございます。
 ただ、こういった実態が出てまいりました、違反があったということで、急遽、そういった生鮮野菜の基準を適用できるような加工の野菜というものについては早急に対応するという考え方で、三月二十日から、十八品目の下ゆでをした加工の野菜について検疫所の方で検査を始めたという考え方でございます。
赤羽委員 今のお答えですと、加工食品、冷凍食品についての基準値の設定が難しい、世界的にも冷凍食品の残留農薬についての検査が行われている事例は少ない、やむを得なかった、そういう御認識ですか。
尾嵜政府参考人 基準とか検査の技術的な問題とかいうことで取り組まなかったということは事実でございまして、認識的にも、生鮮野菜以外の加工食品の残留農薬問題というところまで認識が及ばなかった点があるということは否めないというふうに思っております。
赤羽委員 国民は、食品の安全性の担保というのは厚生労働省の行政に信頼を置いているんでしょう。ということは、基準値が設定しにくかったとかということで放置されていたとすれば、大変な問題だと思いますよ。
 その放置というか、してこなかった裏に、安全性が担保できているんだ、こういう前提で、だから検査もしてこなかったんだというならわかりますよ。それは、安全性が担保されるんだという前提で冷凍食品の残留農薬についてはチェックしてこなかったんですよね。そうですよね。そこをちょっともう一回確認させてください。
尾嵜政府参考人 御指摘のように、輸入食品の検疫の考え方は、そういった食品についての安全性を確保するために取り組むという考え方でございますので、そういった中で、基準があるものあるいは検査方法等が確立しているものについては取り組んでまいったわけでございますが、今回のケースは、先ほど申し上げましたように、そういった基準がないとかいろいろな要件がありまして取り組んでおらなかったというのが事実でございます。そこはもうおっしゃるとおりでございます。
 そういったことがよかったかどうかというところは、今回のようなケースが出て早急に取り組んだといたしましても、私どもの認識が甘かった点があるというのは否めないと思いますが、ただ、実態としまして、繰り返しになりますが、国際基準がないという状況もそのベースにあったということも御理解いただきたいというふうに思うわけでございます。
赤羽委員 いや、国際基準的に云々というのはよくわかるんですが、それでやらなかったという前提は、そういう意味では、冷凍食品の中でこの残留農薬の問題というのはクリアされているはずだという前提でそういう行政措置がとられてきたんじゃないんですか。その辺はよくわからないけれども、やり方もないし、基準もないからというふうなことだったんですか。そこの部分はどっちなんですか。そこだけちょっと答えてくれますか。
尾嵜政府参考人 先ほど来お答え申し上げておりますように、加工の野菜についてはそういう状況から検査をしなかったということでございますが、一方では、生鮮野菜については検査に取り組んでおったわけでございます。
 そういった状況から、今回のような違反事例がたくさん生鮮野菜でも出てくる、また、やっておらなかった加工食品から見つかったという状況から取り組みに入ったわけでございますが、そういう意味では、加工食品について、これまで、どういう対応をとるかということについてもう少し十分な検討をし、取り組みの必要がないのかというふうな検討をしなかったということは、御指摘のように、私どもとしても反省しなきゃいけないというふうに思っております。
赤羽委員 それでは、生鮮の方のホウレンソウの残留農薬の状況というのはどういうことがわかっているんでしょうか。
尾嵜政府参考人 生鮮の中国産のホウレンソウにつきましては、本年一月四日から七月十五日までの輸入時の検査におきましては、残留農薬違反というものは一件も認められておりません。
赤羽委員 ですから、私なんかも部会でいろいろやりとりをしているときに、生鮮の方の残留農薬は認められていない、であるがゆえに、冷凍の方も問題は少なかろう、こういうふうに認識していた、そういうふうな説明を受けたと記憶しておりますが。ということは、生鮮の方は残留農薬がない、検知されない、しかし、冷凍の方は随分出てきたと。これはどういうことが想定されるんですか。
尾嵜政府参考人 そういった生鮮野菜のホウレンソウには違反が見つかっておらない、それと逆に、加工の冷凍ホウレンソウについてはこういう数多くの違反例が出ておるという状況を考えますと、こういったものが検査の対象になっておらないという事実を認識した上で、こういった野菜の内容といいましょうか、輸入するものについて、こちらの方に管理が不十分であるものを回してきておる、あるいはそういった検査をしておらないものを回しておる、そういった状況にあったのではないかなというふうな推定はできるわけでございますが、あくまで状況から見てそういうふうに考えられるというふうに思っております。
赤羽委員 多分、そういう推定がされると思うんですが、その推定された実態を、今回の件を受けて、厚生労働省として現地の実態調査をされたのでしょうか。
尾嵜政府参考人 一月以降こういった生鮮野菜、あるいは三月以降、加工の野菜についての検査に取り組んだ中で、ことしに入りまして二度、担当職員を中国に派遣をいたしております。
 そういった中で、現地の調査というものについては、なかなか中国側の方の受け入れが十分でなく、そこまで見せていただくというふうな状況には至っておりません。向こう側の政府との話し合い、あるいはそういった生産の多い省に行きまして担当者と協議をする、あるいはこちらの方から検査の管理とかそういったものについての要請をしておりますが、はかばかしい反応ではないというのが事実でございます。
赤羽委員 なかなか役所が行っても、向こうも役所でしょうし、現場を見にくいということも想定されるわけですし、大体、ホウレンソウというのは収穫の季節じゃないですよね、秋口ですよね。そのシーズンを外して行っても余りよくわからないのじゃないかなというふうに想定もされます。
 私、ちょっと一つ気になるのは、この輸入でひっかかった日本側の輸入者を見ていますと、貿易商社の例もあるんだけれども、例えばニチレイとかニチロとかノースイとか、いわゆる日本の冷凍食品メーカーが直接輸入者になっている場合が結構あるんですよ。常識として考えたら、その食品、自分たちが冷凍食品メーカーの場合は、輸入した食品の安全性というのは、会社のクレジビリティーにひびが入るぐらいの大変重要なことであって、当然、日本側の冷凍食品メーカー自身が残留農薬の検査なんかはして当たり前なんじゃないかと私は思うんですね。
 そういったことを、どうなっているのかという実態を、まず、日本側のメーカーの調査もしているのかということが一つと、日本側のメーカーを通して中国側の実態を聞いた方が早いのじゃないですか。中国側の農業部なんか行ったって、北京の農業部なんか行ったってわからないと僕は思いますよ、こんな役所仕事で。
 やはり本気で実態を調べようとしないで、まず実態を調べないで包括輸入禁止みたいなことをやるというのは、ちょっと乱暴過ぎるんじゃないかと私は思うんですよ。まじめにやっている工場も多分あると思うんですよ。ふまじめな工場もある、悪質な工場もあると。当然、悪質な工場はどこなのかということを調べて、悪質な工場の輸入禁止とかという措置をとるのが僕は順番なんじゃないか。いきなりそれを、網をばっとかけるようなやり方というのは、外務省の人もきょう来ているけれども、去年のセーフガードのことと似たような問題を引き起こすのじゃないかと私は大変心配しているんですよ。
 まじめに出している、まじめに生産しているそこの農村としては、日本側への輸出野菜が非常に大きなその地域の生産拠点、逆に言うと、経済の柱になっている。そこを、悪質な工場が何件も出たために、包括的な輸入禁止をかけるというのは、私、ちょっと乱暴なんじゃないかなと。かけるそういう法律をつくるのはいいにしても、その施行をする前にちゃんとした実態調査をしないでやるというのは、ちょっと私、段取りとしてはどうなのかというのを、個人的な考えなんだけれども、大変危惧をしているんです。
 繰り返しになりますけれども、実態調査に行ったけれども、なかなかよくわからないと今答弁ありましたよね。そのことについて、そこから買い付けているメーカーから聴取はされたのかどうか。メーカーというものは、どこの工場をつかむかというのがすごく大事なことなんですよ。冷凍食品、中国側の工場が、どこが、信頼ある工場がパートナーにできるかどうかで、その商売というのはうまくいくかどうか、かかっていると僕は思います。だから、大変な調査をしているはずなんですよ、日本のメーカーは。そのことについて、日本のメーカーサイドについて、ヒアリングというか、ちゃんとやっているのかどうかということが一点。
 もう一点は、ちょっと別の質問なんだけれども、日本のメーカー自体が、そういった残留農薬について、自分たちのことはちゃんと検査していないのかどうかと私は素朴に疑問に思うので、この二点について、少し話の内容が違いますけれども、お答えをいただきたいと思います。
尾嵜政府参考人 一点目の、商社といいますか輸入者からのお話を聞くということは、私どもこれまでやっておりません。それが一点目のお答えでございます。
 それと、二点目の、輸入者の方が検査をしているかどうかというふうなことでございますが、輸入の野菜につきましての残留農薬対策につきましては、輸出国での生産段階における農薬の使用管理や残留農薬の検査が重要であることから、従来より、輸入食品関係団体等を通じ、輸入者に対してその衛生管理の徹底について指導を行ってはきておるわけでございます。特に、御指摘のような食品メーカーあるいは商社が中国の契約農家のホウレンソウを使用して加工し輸入している場合には、輸入者みずからが残留農薬対策を講じるということができるわけでございまして、そういったことも考えられると思っております。
 ただ、最近の違反の状況を見ますと、結果的には輸入者による残留農薬のチェックが十分なされておらないというふうなことでございまして、私ども、今回の違反事例が続いた中で、輸入業者の方に自主検査をするようにということをやっていただいているというのが現状でございまして、十分に事前に検査をされているような状況ではなかったというふうに認識をしているところでございます。
赤羽委員 私、この問題に関連して、冷凍ホウレンソウの件じゃないのだけれども、中国から輸入されている食品、例えばウーロン茶のことで、サントリーとかその原料を中国から輸入しているところにちょっと話を聞いたのですよ。彼らは自主的なチェックというのをされているんですよ。中国のウーロン茶に残留農薬があるなんということが出たら、本体としての日本の企業の屋台骨を本当におかしくするぐらいの大きなダメージが出てしまう。
 だから、当然、私は、メーカーのモラルとしてそれはするべきだと思うんですよね。当たり前。人から言われてどうのこうのという話じゃないような、最低限の話だと思うんですけれども、そこについてはちゃんと指導するべきだ。指導する根拠があるのかどうか、詳しくよくわからないのだけれども、指導して当然しかるべきだと思いますし、輸入者といったって貿易商社に聞いても余りよくわからないかもしれないが、さっき言ったような冷凍食品メーカーがみずから輸入者となっているようなところは、それなりのノウハウもあるだろうし、検査体制も自社で持っているはずですし、実態としてどういう買い付けをしているのかというのは一番よくわかっている専門家の集団のはずなんだから、そこに何もヒアリングもせずにこの問題に対処するというのは、余りにも、僕は、お役所仕事に過ぎるんじゃないのですか。
 その冷凍食品メーカー、もう名前も出ているんだから、しっかりチェックする、実態はどうなのかというのを教えてもらうという姿勢で、私はちゃんとすぐヒアリングをするべきだと思いますけれども、この提案についてどう考えますか。
尾嵜政府参考人 それにつきましては、私ども、よく状況をお聞きするようにしたいというふうに思います。
 それと、先ほどの御質問にございましたが、今回議員立法で御提案の予定でございます包括的な輸入禁止の際には、当然のことながら、現地の調査というものによりまして、その管理体制がどうなっているか等々については調査を行うということによりまして、そういったものを前提として、発動する要件に該当するのかどうかという判断をするということになるというふうに考えているところでございます。
赤羽委員 そういうふうに法文にも書かれているようですし、生産地の実態がどうなのかということで、これは、危険性が高いと判断される云々ということが書かれているので、当然現地の調査をされると思うのですが、繰り返して恐縮ですけれども、現地に行っても、ああいう日本以上の官僚社会ですし、官僚の世界でいったら、なかなか現地の農村の集荷状況なんていうのには到達できにくいと思いますので、現実に入り込んで、買い付けをするまで、工場を選定するまでにいろいろな試行錯誤をしている日本側のメーカーにしっかりと話を聞くということが、私は、正確な実態を調査できる、把握できることだというふうに思いますので、ぜひそれも励行のほどをお願いしたいと思います。
 現実に、輸入しているサンプル、今、検体の数、抽出するサンプリングの数をふやしていくということでこの状況を少し回避する、回避するというか、検体の数がなかなか今の数だとひっかからないケースも出てくる、サンプリングの数を多くすればもっとひっかかる数が出てくるんじゃないか。そういうサンプルの数をふやすということの手段が一つと、そこでひっかかった場合は、そのロットは全部焼却なり廃棄しますよ、こういったことを徹底することによって、この残留農薬の問題というのはある程度解決できるのではないかという考え方もあると思うのですが、その点についてのお考えをお聞かせください。
狩野副大臣 輸入時検査につきましては、違反状況等に応じて検査の見直しも行っております。
 中国産冷凍ホウレンソウにつきましても、全届け出検査を実施するとともに、残留する農薬が均一でないこともかんがみまして、検体数を増加させる、一検体から十六検体、検査の強化を図ってきたところでございますけれども、しかしながら、残留濃度の不均一性が著しく高い場合には、抽出する検体数を引き上げてもその効果には限界があり、ロット全体の農薬の残留状況の評価が適切に行えない場合もあると認識をしております。
赤羽委員 済みません、今の、調べて、検体して、その中に基準値を超えるものがあったら、輸入されたそのロットはどういう処分になっているんですか。廃棄処分ですか、どうですか。
尾嵜政府参考人 大体、コンテナでそれぞれ一件ごと届け出があるわけでございますが、そういった検査をした結果、先生御指摘のように、食品衛生法違反であるという残留農薬基準を超えるものがありました場合には、廃棄または積み戻しという措置をとっておりまして、それにつきましては、輸入業者に対しまして、指示に従った処分が実施されたことを検疫所の方の担当官において証明書によって確認をしているという状況でございます。
赤羽委員 ですから、サンプリング検査をする、ひっかかるものが出る、そしたら、一コンテナの荷物が廃棄される。これは多分、商売的には物すごく大きなダメージになるわけですよ。そこのハードルを、検査、サンプリングのメッシュを上げていくということで廃棄されるリスクが高くなると、それは当然、輸入者は自然、自分たちのビジネスとしてそういったことを回避するために、残留農薬が出ないようにということを一生懸命努力するんじゃないんですか。僕は、そういったことがすごく大事だというふうに思うんですけれどもね。
 乗り込んでいって調べるということは大事だし、包括的な輸入禁止という項目を入れるのは大事なんだけれども、輸入された食品の安全性を担保することをやっていく実質的なことは、その今やっている、ほとんどやられていないサンプリング検査というのを数の確率を高めて、出た場合には全部ロットを廃棄ですよと。ここを徹底すれば、私は相当正常な状況に持っていけるというふうに思いますが、まずそういうことをやることが、包括的な禁止措置をとる云々という前にやるべき努力なんじゃないんですか。
 今までは冷凍食品については基準値もなかったのに、調べてみたら基準値を超えるのが出てきた、それでいきなり包括的な輸入禁止というのは、ちょっとくどいようですけれども、この法律自体あってもいいと思うんだけれども、それを一気に施行するというのは、それは、議員立法の法律をやっていてこういうことを言うのは役所としてどうかは別にして、施行するに当たっては、そのくらい丁寧な段取りをするということがまず常識的な考え方なんじゃないかと僕は思うんだけれども、それはどうなんですか、役所として。
尾嵜政府参考人 赤羽先生おっしゃるとおり、私どもそういうふうに思っております。
 それで、モニタリングを始めまして以降、違反が出たということを受けまして、まさしく検体数につきましては、今はもう通常の四倍ぐらいになっておりましょうか、検体数をふやしてまいりました。
 そういった状況でも、先ほど副大臣の方からお答え申し上げましたように、検疫所で違反でなかったというものが、検疫所を通った後、自主検査をしたりした際に違反であるものも出ておるという状況で、そういったふうに強化をしてはおりますけれども、それなりの限界がやはりある。すべての箱を検査するわけにはまいりませんものですから、そういうことから考えますと、検体数をふやすというのも、ある一定の限度のある話であろうというふうに思っておりますし、それ以外にも、私ども、先ほど御説明申し上げました現地調査でありますとか、あるいは在京の中国大使館にも再三申し入れをさせていただいている。
 そういった、るるとるべき対応については、それぞれかなり強化をして対応してきておるということでございますが、それでもこういう状況にあるということで、今回、議員立法というものの御提案をお考えいただいているというふうに理解しているということでございます。
赤羽委員 きょうは外務省からも局長が来ていただいておりますので、質問をしたいと思います。
 まず、こういった包括禁止的なことをする前に、やはり丁寧にやっていく必要がある、そうしないと、昨年のセーフガード発動云々のときも相当こじれて、見返りとして車の輸出ができなくなったみたいな、国益を随分損ねたんじゃないかというふうに私は思いますし、また、中国大使館なんかとも、きのうも実は私も個人の立場としていろいろ聞くと、やはり、正確に丁寧に話して段取りも丁寧にやらないと、大変に向こうも警戒して、一連の中国バッシングの流れだみたいなとらえられ方をすると、本年、日中国交正常化三十周年という佳節でありながら、いろいろなこの問題が外交問題になるようなことというのは、余りにも私は愚かだと。
 食品の安全性を担保するというのはすごく大事なことで、それは厚生労働行政としては当然しっかりした体制をしかなければいけないというのはもう言うまでもありませんが、これは乱暴にやると大変外交問題に飛び火する可能性があるというふうにも私は心配もしておりますので、その点についての御所見と、また同時に、中国側への検査体制の強化とか残留農薬の適正な指導云々ということは当然外務省がなすべき仕事というふうに私は考えておりますが、その点についての外務省のお答えをいただきたいと思います。
田中政府参考人 まさに手順を尽くしていくというのは委員御指摘のとおりであろうと思います。これは、WTOの協定上も、まさにこういうことは科学的な根拠に基づいてやらなければいけないとか、無差別、恣意的にやってはいけない、あるいは保護貿易の隠れみのになってはいけないといったようなことも協定上は決められていることでございます。
 ですから、具体的な措置を講じる場合には、やはり透明性を担保して、協定にきちんとのっとった運用をしていく、ルールに従ってやっていくということが中国との関係でも非常に大事だというふうに考えております。ですから、当然のことでございますけれども、段取りを踏んで、措置の必要性その他については十分説明をしなければいけないし、措置の解除に向けた改善策ということについても十分情報交換を行っていく必要があるというふうに考えております。
 具体的に、中国側にも具体的な改善措置等、情報の開示を求めていくのは外務省の仕事ではないかという御指摘がございました。
 私もそのように考える次第でございますし、厚生労働省と協力をしながらこれまでもやってきておりますけれども、例えば中国側での輸出前検査データの提出、こういうものを求めているということでございますし、中国大使館あるいは北京での外交当局あるいは専門当局との協議というのも始めております。中国側も、できるだけ早急に対策を検討して問題を解決したいということでございます。具体的に、来週の二十二日に日中双方の検疫当局を中心とする協議を開始するということにいたしております。
 どうぞよろしくお願いいたします。
赤羽委員 今回の問題で提起されたのは、やはり輸入された食品といえども、日本の国内で流通された食品の安全性というのは国民の大変な信頼が置かれている、こういったことは事実だと思いますので、その信頼を損なわないような行政をしっかりしていただきたいということと、今回の問題を解決するために、やはり誠心誠意やるべきことはしっかりやって、中国側に求めることはもちろんですけれども、それだけではなくて、輸入されている専門家の、日本側のメーカーにもしっかりとした話を聞いて、いい解決をしていただくことを強く望んで、私の質問とさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
森委員長 次に、金田誠一君。
金田(誠)委員 おはようございます。民主党の金田誠一でございます。
 質問通告に基づきまして順次質問をさせていただきたいと思います。
 まず、残留農薬基準についてということで質問をいたします。
 今回は中国産の冷凍ホウレンソウが問題になったわけでございますが、それはクロルピリホスの残留基準がたまたま〇・〇一ppmという低い数値であったからでございます。同じ有機燐系農薬で、クロルピリホスより毒性が強いにもかかわらず残留基準が高いフェニトロチオン、これは厚生省の呼び名でございまして、農水省ではスミチオンと言っているそうでございます、あるいはまたMEPという呼び方もあるようでございますけれども、以下、スミチオンという一般名を使わせていただきたいと思いますが、これがスミチオン並みの〇・二ppmであったら、違反件数は大幅に減ったことになるわけでございます。つまり、今回の法改正以前の問題として、現行の残留農薬基準が緩過ぎるという根本的な問題があるわけであります。
 クロルピリホスとスミチオンのADIは、スミチオンは〇・〇〇五ミリグラム・パー・キログラム体重・パー・日に対して、クロルピリホスは〇・〇一ミリグラムで、スミチオンの毒性はクロルピリホスの二倍ということになっているわけでございます。しかし、同じホウレンソウに対する残留農薬基準は全く逆でございまして、クロルピリホスの〇・〇一ppmに対しスミチオンは〇・二ppm、二十倍も緩いわけでございます。
 なぜこのようになるのか、御説明をいただきたいと思います。
尾嵜政府参考人 食品中の残留農薬基準の設定に当たりましては、今先生からお話ございましたように、各農産物ごとに推定される農薬の暴露量の合計が、各種の属性試験に基づいて設定された、ADIと申しておりますが、許容一日摂取量の範囲内におさまるように設定をする、そういう考え方でやっておりまして、具体的には、国内での農薬の使用状況あるいは国際基準、諸外国での基準、そういったものを参考に、各農産物ごとに基準を設定いたしておるというところでございます。
 それで、クロルピリホスに設定しております基準値は、平成四年に設定したものでございますが、当時からホウレンソウには国際基準がなく、国内でもホウレンソウに使用されていなかったということから、その当時の諸外国の基準などを参考にして現在の残留農薬基準を設定したという経緯がございます。
 それと、スミチオンの方でございますが、これにつきましては、現在の残留農薬基準というのは昭和五十三年に設定をされておりますが、クロルピリホスと異なりまして、ホウレンソウに国内で使用されておるというふうな状況、また国内での残留状況、国際基準、諸外国の基準というものを参考にいたしまして、現在の残留基準値を設定したということでございます。
金田(誠)委員 そういうことで設定をされた数値が、なぜこういう数値になったのかということをお聞きしたかったわけでございます。
 ホウレンソウに対する残留農薬基準は、クロルピリホスが〇・〇一ppmでございます。スミチオンは〇・二ppmでございます。ADIからいっても、ホウレンソウに対してクロルピリホスが〇・〇一でなければならないということはありません。ほかのところをきつくして、ここを緩くするというやり方もありますでしょうし、スミチオンについても同じでございます。なぜホウレンソウに対してこういう振り分けが選ばれたのか、その辺の理屈、理由、そういうものを知りたいというのが質問の趣旨なんでございます。
尾嵜政府参考人 先ほどお答えを申し上げましたが、各農産物に対します基準値を考える場合には、全体、まずADIで設定される総量と申しますか、そういうものがある。そういったものを、農薬の使用状況とか、先ほど申し上げましたような国際的な諸外国での基準とか含めまして、そういうものを勘案して振り分けるわけでございます。まさしく、ADIの中に全体としておさまるように各農産物ごとに基準の数値を決めていくという作業をしているわけであります。そういった際に、今申し上げましたような事項を参考にして、トータルとして、日本人の食生活から見てADIを超えないというふうな範囲内でおさまるように設定をするということでございます。
 こういった考え方は、国際的にもそういった手法がとられているわけでございまして、それぞれの国によって、例えばクロルピリホスにつきましても、外国と日本と比べますと各農産物によって基準が異なる、そういう状況が生じておるというのは事実でございます。
金田(誠)委員 それではもっと具体的に聞かせていただきたいと思うんです。
 クロルピリホスはシロアリ防除剤として多用されてきた農薬だ、こう伺っております。残留基準は、百二十四の作物について〇・〇一ppmから三・〇ppmに設定されているということのようでございます。それは今答弁にあったように、ADIにおさまるように振り分けられたということだと思います。
 ちなみに、その規制値を申し上げますと、大根が最も高くて三ppm、コマツナ、ブロッコリーが各二ppm、キャベツが一ppm、トマト、ピーマンが各〇・五ppm、カリフラワー、タマネギ、セロリが各〇・〇五ppm、シイタケ、ホウレンソウ、ニンニク、ネギが各〇・〇一ppmなどとなっているようでございます。
 ちなみに、今回の、問題になったホウレンソウは、問題になった数値は二・五ppmということで問題になったわけでございますが、これは大根の数値三ppmより低い数値でございます。しかし、大根は許容されているけれども、ホウレンソウでは大問題になるという状況でございます。これが現実の規制値であるということでございます。
 そこで、改めて伺いますが、ホウレンソウに比較して大根が三百倍も緩い基準なのはなぜなのか、同じくトマトが五十倍も緩いのはなぜなのか、これらの数値がどのような理由で決められたのかをお答えいただきたいということでございます。
 先ほどの答弁では、割り振りしてADIにおさまるようにしたということでございます。それはよくわかります。
 しかし、その割り振りの中でも、非常に日常的に食される大根が三ppm、あるいはトマトが〇・五ppm。しかし一方で、ニンニクなどという、ほとんど量としては少量しか食されないものが〇・〇一ppm。また、ネギなども結構量としては食べられる方だと思うんですが、ネギが〇・〇一ppm。
 ADIにおさまるような割り振りをされたといっても、なぜこうもばらつきがあり開きがあるような割り振りをしなければならないのか、別の割り振りだって可能ではないのか。なぜこういう割り振りが選択されたのかを教えていただきたいということなんでございます。
尾嵜政府参考人 先ほど来お答えを申し上げておりますが、金田先生はもう十分おわかりいただいていらっしゃる上で今の御質問だというふうに思っておりますが、具体的に例えば大根であるとかあるいはトマトに対します基準の数値は何をもってしたのかということでございますが、国際基準あるいは諸外国の基準を参考にまた割り振りの数値を決めておるということを申し上げました。
 そういう中で、大根につきましては米国の基準値を参考にしておる、トマトに対しましては国際基準を参考に設定しているというのが今回のこのクロルピリホスにつきましての設定の当時の考え方でございます。
 ただ、基本的に問題になりますのは、ADIの範囲におさまるのかどうか、日本人の食生活から考えておさまるのかどうかというところでございます。
 そうした場合に、例えばホウレンソウで申し上げますと、日本ではクロルピリホスが使われないという状況を判断して〇・〇一を設定しておるというのは事実でございますが、そういう低いところでありましても、そこで許容量のかなりの部分を摂取するような汚染状況にあるということになりますと、それだけで超える可能性もございますし、全体としてADIを超えるというふうなおそれも、可能性も非常に高くなってくるということは御理解をいただけるものというふうに思っております。
金田(誠)委員 考え方がわからないわけではないんです。ただ、なぜこういう割り振りになっているかということが今までの中ではどうも明らかになってこなかったというところに、不透明性が伴うのではないかということで、質問をさせていただいております。
 これはお願いでございますけれども、クロルピリホスに限ってで結構です、全部ということは言いませんから。このクロルピリホスが、ADIをこういう形で割り振ったんだと。それぞれ数量が積算されて、トータルで許容量におさまるというふうになっていると思いますから、その計算式をひとつお示しいただきたいということと、もう一つは、大根が三で、なぜホウレンソウが〇・〇一なのか、この三を選んだ根拠とか、〇・〇一を選んだ根拠、これについて、百二十四の作物それぞれに理屈があるんだと思いますから、それを後日提出いただけますでしょうか。
尾嵜政府参考人 整理をして、先生の方に御相談申し上げます。
金田(誠)委員 それでは次の質問に入らせていただきます。
 次に、小麦の残留農薬基準というのを見てみました。クロルピリホスは〇・一ppmでございます。これに対してスミチオンは一〇・〇ppmでございます。実に百倍という許容量になっているわけでございます。
 これについてはポストハーベストというものを意識した数値設定だと推測はするんですが、この辺の理由をお聞かせいただきたいと思います。
尾嵜政府参考人 食品中の残留農薬基準の設定の考え方は、先ほど来御説明をいたしておりますので、同じ、ADIという範囲におさまるように考えてきておるということでございます。そういったものに具体的には農薬の使用状況等、国際基準等を勘案しているというのは、先ほど来御説明をしているとおりでございます。
 小麦に対しますクロルピリホスの基準値〇・一ppmというものにつきましては、これはオーストラリアの基準値を参考にしておりまして、スミチオンの場合には国際基準を参考にして設定しているという経緯がございます。
金田(誠)委員 これはスミチオンが極端に高いですね。ほかの残留農薬の基準などを見ても一〇という規制値はほとんどないのではないかと思いますが、スミチオンだけ、とりわけ小麦にだけ極端に高いということは、トータルとしてADIにおさまるようにほかの部分を下げれば、それでトータルとしてはおさまるんですが、極端に小麦にだけ高いということは、ポストハーベストを念頭に置いた規制値の設定の仕方だということだと思います。
 これだけの高濃度で残留させなければ保管中あるいは輸送中の小麦の中で害虫の発生が抑制できないということで設定されたのではないか。小麦の輸出国に目を向けた結果であって、国民の健康を第一義的に考えたものではない。極めて政治的な一〇ppmという設定である、ポストハーベスト対策であるというふうに思うんですが、これはこういう理解でよろしいですね。
尾嵜政府参考人 先ほど来御説明しておりますように、国際基準、各国の基準あるいは我が国での農薬の使用の状況、こういったものから、ADIの範囲内におさまるように考えて設定するわけでございます。そういう意味でほかのものと変わりませんが、そういった場合にどの国のものを参考にするかというものにつきましては、我が国への輸入の状況というふうなものも勘案している要素としてはあると思っておりますが、そういった状況も一つの要素としてあるとは思いますが、基本的には、先ほど来申し上げているような考え方で整理をされているというものでございます。
金田(誠)委員 こういうことで何回も立たせないでほしいなと思うわけでございますが。
 こういう「農薬毒性の事典」というものを今回入手いたしまして、勉強させていただきました。その中でスミチオンの方を見ますと、大豆が五・〇、小麦が一〇・〇、小麦粉が一・〇。あとは、米とかなどは、米が〇・二とか、エンドウが〇・二、小豆が〇・二とか、全部コンマ以下になっているんですよ。
 小麦だけが、大豆も結構高いですけれども、要は輸入穀物なんです。非常に高い規制値が設定されている。これは、ポストハーベストで、これだけ農薬をかけないともたないという話でしょう。正直に、別にこれは特に問題でないんじゃないですか、こんなの常識ですよ、そういう形で政治的に設定されていると。
 確かに、外国基準もあるでしょう。米国の基準なんといったって、米国は小麦の輸出国ですから、ポストハーベストで農薬をたっぷり使ったものはタンカーに積まれて外に出る話ですから、余り関係ないですよ。ポストハーベストということでこれだけの基準値が、残留濃度が必要なんです。さらにまたさまざまな要素も加味したという話だと思うんですが、もう一回確認してください。
尾嵜政府参考人 この数字について、どういう要素をどれぐらい勘案して当時設定したのかというのはもう少し調べさせていただきたいと思っておりますが、私の理解は、一つは、先ほど来繰り返して申し上げますが、国際基準、コーデックスの基準というのは一つまず前提として私どもは参考にさせていただくということがございます。
 そういったものが、先生がおっしゃいますようなものについてもある程度高い数値で設定をしておるというふうなこともあるんだろうというふうに思っておりますが、それ以外にも、確かに、我が国として、どこの国のコーデックス以外の国際的な基準というものを反映するのかということも考えて設定をしているという要素は、先ほども申し上げましたように、あるというふうに考えておりますが、ポストハーベストを考えてこういうふうな設定をしているのかどうかということにつきましては、よく当時の考え方の整理につきましてもう少しきちんと調べたいというふうに思っております。
金田(誠)委員 ぜひひとつ、世間一般では常識となっていることでございますから、規制当局としても、そうならそうだときちんとオープンにして、明らかにしていただきたい。これは要請を申し上げておきたいと思います。
 大臣に総括的に伺いたいと思いますけれども、今のやりとりをお聞きになっていても、今回、中国産の冷凍ホウレンソウのみが問題にされているような形になっていますけれども、実はそれは農薬の規制全般の中では氷山の一角にすぎないということだと思います。国民の農薬摂取を可能な限り引き下げるんだ、規制当局にはこういう観点が必要だと思いますし、そういう立場で国内、国外を問わず対策が講じられる必要がある、そう思います。
 具体的には、今申し上げたポストハーベスト使用について、本来禁止をしていくということが必要でしょうし、あるいは、同じ作用の農薬であれば、これはまとめて総量規制をしていく。一つ一つにADI値によって割り振りをするということではなくて、まとめた規制も考えられるんではないかと思います。
 あるいはまた、これはまた後で詳細は述べますけれども、ポジティブリストの採用、こういうことなども農薬総量を規制していくということでは有効な対策だと思うわけでございます。
 いずれにしても、行政の基本的な姿勢としては、ADIがここまでで、ここまでは可能なんだからこれでいいんだ、使っていいんだということではなくて、仮にADIがあったとしても、極力とらないにこしたことはないわけですから、そもそも口に入るために農薬というのがあるわけでないわけですから、そういう姿勢を堅持して行政としてはあるべきだ、私はこう思いますが、基本的な大臣のお考えをまずお聞きしておきたいと思います。
    〔委員長退席、鴨下委員長代理着席〕
坂口国務大臣 おくれまして、申しわけありません。
 総論としては、御指摘のとおり、私もそう思います。
 基準値は、そのときそのときの科学的知見でありますとか、あるいはまたその他の条件を勘案して、国際的な条件等も勘案して多分決めているんだろうというふうに思いますが、確かに総量規制の考え方もあろうかというふうに思います。あるいはまた、いろいろの違った同種類のものが口に入りましたとき、体に入りましたときのいわゆる相乗効果というものも考えなきゃならない点だろうというふうに思います。
 そうしたことを将来考えてやはりやっていかなければなりませんから、基準値というのも、そのときそのときの知見をもとにして、これはどんどんと変えるべきものは変えていくということでなければならないというふうに思っております。
金田(誠)委員 基本的な考え方はおおむね共通するということで理解をさせていただきました。
 次に、今回の中国産冷凍ホウレンソウの残留農薬基準について伺いたいと思います。
 ホウレンソウのクロルピリホスの残留基準は〇・〇一ppmでございますが、今回問題となった冷凍ホウレンソウは、加工品という分類をされると聞いております。〇・〇一は生鮮のホウレンソウの基準ということで、加工品の場合の残留農薬基準はどうなっているのか、お聞かせいただきたいと思います。
尾嵜政府参考人 野菜を原材料とします加工品ということでお答え申し上げますと、加工品については国際的な基準というものはございません。
 それで、今回、私ども、三月二十日から冷凍ホウレンソウにつきましての検査を開始したわけでございますが、その際、国際的な基準がないわけでございます。生鮮野菜にはございますが、加工の冷凍野菜につきましては、ない状態でございました。
 私どもは、そういった状況の中で、生鮮野菜の基準というものを適用できる範囲がどこまでかと考えまして、下ゆでをする程度の加工というものについてはこの生鮮野菜の基準を適用できるという判断をいたしまして、検査を開始し、それを超えるものについては違反ということで対応してきているという状況でございます。
金田(誠)委員 あらかじめ仄聞しておりましたのは、下ゆでして缶詰にしたものは加工品であって、それについては基準値というものは我が国にはないんだというふうに聞いていたんですが、今の話ですと基準値があるのかないのか、どうもはっきりしませんが、これは、下ゆでした缶詰ですか、冷凍ですか、冷凍ホウレンソウですね。今回の冷凍ホウレンソウについては、我が国としては生鮮と同じ基準値が適用になるんだと。これは従来からそうだったんですか。それとも、今回からそうした、将来に向けてもそうする、下ゆでしたものまでは、あるいは冷凍したものまではと。あるいは、缶詰にしたものはどうなのかわかりませんが。どうなっているんでしょうか、基準値は。
尾嵜政府参考人 今申し上げましたように、そういった基準は、今回検査を始めるまではございませんでした。
 それで、生鮮野菜の基準である〇・〇一を、下ゆでをした程度の加工の野菜については適用できると判断をしまして、それを基準としておるということでございます。
 それ以外の、加工の程度がもっと複雑になっているものとか、あるいは進んでいるような加工品というのもございます、野菜を使ったものにつきまして。そういったものについては、この〇・〇一を適用しておらないということで、検査はしておらない。それは、基準値の問題もございますが、検査方法の確立の問題も一方であるということで、今は下ゆでをした野菜というものを対象に、当初十八品目でスタートいたしましたが、現在は下ゆでしている野菜につきましては全品目を対象にし、生鮮野菜と同じ基準で判断をするという対応をしているところでございます。
金田(誠)委員 検査前までは、下ゆでしたり冷凍したりというものについては検査基準はなかったんだ、しかし、民間が検査をして問題だということになって、急遽適用できると判断したと。これは何らかの、今まではこれはフリーパスだったわけですね、違反でも何でもなかったわけですよ。それが突如として違反になる。こういう規制の仕方というのはどうなんでしょうか。
 私は、規制をするなと言っているわけではないですよ。誤解をしないでいただきたいんですが。これからすべて規制をしろという論議を展開しようと思って、その前段でお伺いをしているわけですが、非常にあいまいでないですか。今までは生鮮野菜だけの基準だった。問題になってから、下ゆでまでは適用した、冷凍までは適用した。缶詰はどうだ、味をつけたらどうだといろいろなってきますよ。どこまでどういうふうになっているんですか。どういう手続によって、告示なりなんなりが変わったのか、何なのか。
 このいただいた紙を見ますと、冷凍ホウレンソウについて、違反が継続して発見されている、違反が見つかった例もある、違反が見つからなければ輸入を禁止できないとかと、違反、違反、違反という言葉を使われているんですが、加工食品であれば違反でないんじゃないですか。それとも違反ということに、何らかの手続を踏んで、加工食品とは何なのか、どこまでの状態であれば基準を適用するのか、きちっとしているんですか。
尾嵜政府参考人 御質問に対しまして先ほどもお答え申し上げましたが、生鮮野菜の基準が適用できる範囲について、加工野菜、加工食品としての、野菜を使った加工食品についてもその基準を適用する。ですから、それが適用できないような状況のものについては今後どういうふうに基準を考えていくのかというところについては、検討していかなければいけないという認識を持っているところでございます。
金田(誠)委員 現在の規制は、現実にされているわけですよね、輸入自粛の行政指導はされている。根拠があると思うんです。今までは生鮮野菜だけの基準であった、〇・〇一ですね、これからは下ゆでして冷凍したものまでは適用する。あるいは、缶詰にしたものはどうなんですか、ちょっと塩気が入っていたらどうなんですかという話になるので、どこまでのものをどういう形で適用するという、きちんとした書いたものというか、手続はどう踏まれて、どうなっているんですか。
尾嵜政府参考人 今回の対応につきましては、基準の運用の解釈と申しますか、そういう考え方で、通知によってこういう対応をとっているという状況でございます。
金田(誠)委員 これは泥縄ですよね。問題があったから、やらないわけにいかないから後でやった。やはり、規制の仕組みに漏れがあったといいますか、不備があったということがはっきりしたと思うわけでございます。
 そこで、今回の冷凍ホウレンソウを初めとして、加工食品に残留農薬基準が設定されていなかった、このこと自体が問題だということがはっきりしたわけであります。何か、一部輸入肉類などについて暫定基準があるというふうには聞いておりますが、おおむね野放しの状態でございます。
 そこで、これはきちんとした回答をいただきたいと思うんですが、冷凍品、加工品、あるいはジュース、ジャム、果実酒、漬物、乾物、パン、菓子、乳製品、魚肉、畜産加工品などについて、残留農薬基準を当然設けるべきだ、こう考えるわけですが、いかがでしょうか。
尾嵜政府参考人 今御指摘ございましたような加工の食品についての残留農薬基準というものにつきましては、一つ、そういう加工の程度が、先ほど来御議論のございます下ゆでというものとはかなり違った加工程度でございます。そういったものにつきましては、検査の測定法というものを今のままで適用するのはなかなか難しいという専門家からの御意見もいただいているわけでございまして、そういったものの検査法の確立というのが一つは必要になってまいります。
 それと、そういった加工が、どの程度のものについては、生鮮の基準値の例えばプラスする側として判断するのか、あるいは減衰といいまして減をしたような基準として判断するのか、そこのところもきちんと御議論いただく必要があるというふうに思っておりまして、そういった意味で、先ほど来御説明申し上げていますように、国際的な基準がないというのも、そういったことが、なかなか難しい点があるということからも進んでおらないということでございます。
 いずれにしても、専門家の方には、今回の問題を契機に、その辺のところの可能性というものも御相談申し上げておりますが、まだこういったものがすぐに取り組めるというふうな状況にないのは事実でございます。
金田(誠)委員 今回、暫定的に通達で、下ゆでした冷凍ホウレンソウについても〇・〇一、生鮮と同じ規制値でやっているわけですね。しかし、本当にそれでいいのかどうかということもありますでしょう。下ゆでしたものと生鮮が同じ数値でいいのかどうか。これからも類似したものがホウレンソウに限らず入ってくる可能性というのは十分あるわけです。多少手を加えればフリーパスなんということは本来おかしい。確かに、難しい面もあろうかと思いますし、今すぐできるということではないかもしれませんが、これはもう野放しにしない、今回の例をいい教訓にして、ぜひひとつ、きちんとした基準値あるいは規制方法を検討していただきたい、これは強く要請をしておきたいと思います。
 関連して、一点だけ聞かせていただきますが、このクロルピリホスは特に子供にとって危険だということが言われておりまして、シックハウス問題に関する検討会の中間報告にも、「クロルピリホスは低用量でも新生児に影響を及ぼす可能性がある」という指摘がございます。これはシロアリの駆除に使った場合と関連してくる指摘だとは思いますけれども、いずれにしても、子供にとって、より危険だということになろうかと思います。
 推測しますと、冷凍ホウレンソウなどはベビーフードなどにも恐らく使われるものではないか、こう考えますが、この辺、どうでしょう。
尾嵜政府参考人 今回の対応につきまして、御議論があったり、あるいは私どもの中で検討している中で、今御指摘のございました離乳食について、こういった野菜、特にホウレンソウというものが使われているかどうかというのを調べましたが、現実には使われておるということでございます。おおよそ離乳期に当たる方が、私どもが調べました範囲では、粉末状にしたものを、ホウレンソウが入っておる、ホウレンソウだけ、一〇〇%ホウレンソウでないようでございますが、そういったものを水に溶いて、それで離乳食として利用されておるということがあるようでございます。
 そういった中で、先生が御指摘ございましたように、子供さんの場合には当然ながら体重が非常に少ない、大人に比べまして少ないわけでございますから、そういった子供の、乳児なりの体重から見ますと、量的には大人に比べて少ない量でADIというものに近いような数字が出るというふうなことも、当然想定はされるのではないかというふうに思っております。
金田(誠)委員 そういうことからしても、この加工品についての基準値の設定というものは不可欠だと思うわけでございます。これは輸入品だけのものではございません。ぜひひとつ早急に検討していただきたいと重ねて要望しておきたいと思います。
 次に、ポジティブリストの採用について伺いたいと思います。
 同じ食品衛生法でも、食品添加物の規制はポジティブリスト制になっているわけでございます。あるいは、食品への表示という、二本柱で規制が成り立っているわけでございます。国が認可していない食品添加物を含む食品は販売できないということが、添加物のところでは明確になっているわけであります。
 一方、残留農薬の方でございますが、現在、二百三十近くの農薬について残留農薬基準が設定されているものの、基準のないものは何が幾ら残留していても違反にならない、しり抜けになっている、野放しの状態でございます。こういう状態であれば、ADIがどうこうといったって、これは何の意味があるのかというふうにも言いたくなるわけでございます。
 そもそも、食品添加物は、体に入る、食べ物であるということを前提にしているわけでございますが、農薬は、食べることを前提にして農薬をつくっているわけではありません。設計思想がそもそも違うわけでございます。したがって、農薬はより厳しい規制が必要なのにもかかわらず、現実は全く逆の状態になっていることは、今回の法改正以前の根本的な問題である、こう思います。これについて、政府参考人のお考えを聞かせていただきたいと思います。
尾嵜政府参考人 農薬の基準の設定につきましては、先生から今お話ございましたように、国際的に基準が設定されているものと、私ども日本の国内で登録をされているもの、そういったものとの乖離と申しますか、数的には差があるわけでございます。そういったものにつきまして基準を設定するという作業を急いでおりますが、なかなかこれまでも進捗はかばかしくないというところがございます。ただ、私ども、今後、そういった基準のないものにつきましては、早急に基準策定に取り組みたいという考えを強く持っております。
 それと、基準がないものについてどういうふうな対応をするかという点も御説明申し上げますと、基準がないものでありましても、農薬の量と申しますか、検出される量等から判断して、健康に被害を与えるおそれがあるというふうに判断されるものにつきましては、基準値がなくても、食品衛生法上の四条の適用ということで、そういったものの流通をとめるということは可能な仕組みにはなっているわけでございます。現在まではそういった具体的な事例は出ておらないわけでございますが、そういったことで対応するという部分がございます。
金田(誠)委員 私はポジティブリストの採用についてどう考えるかということをお尋ねしたかったわけでございますが、部長の方からは、基準をこれから決めるんだということの回答でございますから、これはもう、ポジティブリストではなくて、ネガティブリストの中で二百三十のものを三百、四百にふやしていくんだという発想ですよね。これは話が違うんではないかと思います。
 一九九五年に食品衛生法の改正がございました。議事録を読みますと、多くの党がこのポジティブリストの採用を取り上げて、衆参ともに附帯決議にも、明確な表現ではちょっとないのかもしれませんが、ポジティブリストを目指すという方向については附帯決議にも盛り込まれたわけでございます。
 大臣、とりわけ九五年の食品衛生法改正の議事録の中では、当時新進党の青山二三先生が、本会議でも質問に立たれ、あるいは委員会でもこのポジティブリストの採用ということを強く主張されておりました。大臣も恐らく当時こういうお立場でしかるべく活躍をされていたと推測されるわけでございます。
 しかし、今日なおこのポジティブリストが全く採用される気配もない。今の答弁でも、ネガティブリストの数をふやすみたいな答弁でございますから、本当にこれはもう遺憾でございます。話が違うと思うわけでございますが、この辺、どうお考えなのか。ポジティブリストの採用というものはしていただけないのかどうか。ぜひひとつ早急に採用していただきたいと思いますが、いかがでございましょう。
坂口国務大臣 先ほどの部長の答弁は、ポジティブリストをつくっていくという方向性を私は言っているんだろうというふうに思いますが、確かに、一九九五年の食品衛生法の改正に当たりましての附帯決議におきまして、衆参で、ポジティブリスト制の導入を農薬についても検討すること、こういうことになっているわけでございます。そして、そういう附帯決議をいただいているわけでございますけれども、残念ながら、現在のところ、それはでき上がっていない。
 なぜそれができ上がっていないのかということを見ますと、やはり、残留基準の設定というのがなかなか進んでいない。先ほど話ありましたように、百三十でしたかね、約百三十種類は済んでいるけれども、あと二百種類ある。そして、その中には一生懸命進めればできるものもありますが、中にはなかなか分析方法すら明確でないものもあったりしましておくれているということでございますけれども、しかし、これはやらなければならないわけでございますので、進めていきたいというふうに思っております。
 いつまでにできるのかというふうに詰められると、なかなかこれは苦しい話でございますが、この二、三年の間にはそこに到達できるようにしていきたいというふうに思っております。
金田(誠)委員 食品添加物については、ポジティブリスト、我が国が認可していない添加物を使った食品は輸入も販売もできないということになっておるわけでございまして、農薬もそれで十分ではないかと思うわけでございます。
 私の調べでは、現在、二百三十程度の農薬について基準が定められている。これだけ使ってくださいよと。日本に輸出したいんであれば、あるいは日本国内で流通させたいんであれば、この農薬に限定して使ってください、あと、とりわけ別な農薬をどうしても使いたいということであれば、それは認可申請して、特別許可できるものかどうか、基準をどうすればいいものか、認めてくださいよ、こういう話じゃないですか。向こうは商売で日本に物を、食品を売りたいわけでございますから、日本の基準に従って売っていただけばいい。
 日本は世界一の食料輸入大国です、いい悪いは別にして。その日本が、国民の健康を守るという観点から、基準がはっきりした、出所、氏素性の明らかになった農薬だけしか認めませんと。それだって二百三十もあるんですよ、二百三十。もうたくさんじゃないですか。もっと毒性の低い、効果のある農薬が仮に開発された、基準に載っていなかった、そういうものは申請してもらえばいいじゃないですか。ポジティブリストに加えればいいじゃないですか。そういう行政をやってくださいということです。
 大臣、ひとつ二、三年でめどをつけていただくということでございますから、ぜひひとつ、いま一度その御決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。
坂口国務大臣 先ほど申し上げましたとおりでございまして、現在、基準が決められておりますものが幾つあるかというのはなかなか、数え方にもよるというふうに思いますけれども、まだこれから多くの手順を踏まなければならないことは事実でございますので、それらを早急に進めて、先ほど申しましたようにこの二、三年の間に確実にそれが実現できるようにしたい、そういうふうに思っております。
金田(誠)委員 どうもありがとうございます。
 国民の農薬摂取量、これは今、化学物質過敏症とか花粉症あるいは環境ホルモン、さまざまな形でこの化学物質について問題になっておる折から、極力減らすにこしたことはないわけでございますから、ぜひひとつ、着実にポジティブリストの採用に向けて歩みを進めていただきたいと強く要請をしておきたいと思います。
 最後、時間がなくなってしまいましたが、今回起草が予定されております食品衛生法の一部改正について伺います。
 いわば包括的禁止条項というものが検討されているわけでございますが、この規定の仕方は極めてあいまいで、厚労省のさじかげん一つでどうにでもなるような、そんな内容になっているのではないかと危惧をいたしております。
 例えば、「検査の結果次に掲げる食品又は添加物に該当するものが相当数発見されたこと、」というのが規制対象の要件の一つになるわけですが、この「相当数」とはどの程度なのか。今回、冷凍ホウレンソウでは四・四%という数字が出ていますが、「相当数」というのはどの程度なんでしょうか。
尾嵜政府参考人 私ども今、「相当数」というものについては、おおむね、検査した場合五%以上違反が出るというものを想定しておりますが、今先生が御指摘ございましたホウレンソウの場合の数字は、四・幾つとおっしゃいましたのは、冷凍ホウレンソウではなしに冷凍の十八品目についてやった数字でございまして、冷凍ホウレンソウだけを取り上げますと、直近の数字では違反率は六・八という数字でございます。
金田(誠)委員 これは、規制をするわけですから、向こうでも、商売をされている方もその規制値というものに敏感に対応すると思うわけです。それだけに、客観的なきちんとした数値による基準、これが全般的に必要だろうと思うわけであります。「生産地における食品衛生上の管理の状況」という言葉が出たり、「人の健康を損なうおそれの程度」という言葉があったり、「その他の厚生労働省令で定める事項を勘案」という言葉があったり、極めてあいまいでございます。
 このあいまいさを残すことのないような、実施の面ではきちんとした客観的な根拠が明らかになるような方策を講じていただきたいと強く要望しておきます。
 最後に、一点だけ質問をいたします。
 「厚生労働大臣は、」「処分をしようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議しなければならない。」という文言が検討されているようでございますが、食品衛生法上の行政処分であるにもかかわらずこうした協議が必要ということは、理解に苦しむところでございます。食品衛生法を所管する大臣の権限ではないのか、ほかにはない条項ではないかと思うわけでございます。せいぜい、書いたとしても、協議することができるという程度ではないのかな、その程度なら書かなくてもいいというんであれば、書かないにこしたことはないというふうに私は思います。
 これはどうなんですか。政治的にこういうことになっちゃったんですか。どうも食品衛生法上の観点以外の何らかの意図が働く可能性のある条項だと思うわけでございますが、この辺いかがでしょう。
    〔鴨下委員長代理退席、委員長着席〕
坂口国務大臣 国民の健康を守る立場でありますから、厚生労働省が中心になりましてやらなければならないことは事実でございますが、しかし、これは外務省、農水省あるいは経済産業省とそれぞれ関係する問題でもございます。特に、WTO等でこのごろいろいろな問題が協議もされ、そして制約もあるようなところでございますから、そうしたところともやはりよく相談をして、しかし、相談をするからといって厚生労働省が自分たちの主義主張を曲げるということであってはならない。それはもう御指摘のとおりというふうに思っております。
 また、先ほど赤羽議員からも出ましたけれども、包括的な禁止項目ができたからといって、何でもかんでもやるというわけではありません。それは手順を踏んで、やはり基準を踏んで明確にしていかなければならないというふうに思いますから、他の省庁にも明確に示すことができるような基準をやはり我々が持たないと、これは発言もできないわけでございますので、その点の整備を早急に進めていきたいと思っております。
金田(誠)委員 包括的な禁止規定にしろ、個別的な規制にしろ、これに基づく行政処分は食品衛生法の目的に従って毅然として行われるべきだ、私はそう考えます。その結果として雪印のような状況が生じたとしても、それはやむを得ないことであって、それだけの厳しさを持って食品に携わる方々は日常仕事していただかなければならないもの、こう思うわけでございます。
 その点を強く申し上げまして、時間が来ましたので質問を終わります。ありがとうございました。
森委員長 次に、後藤斎君。
後藤(斎)委員 民主党の後藤斎でございます。
 厚生労働委員会では初めて質問に立たせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
 冒頭、食品安全委員会、六月十一日閣議決定でできております。この委員会の準備を今準備室が対応して、もう一カ月以上がたとうとしております。私は、この食品安全委員会、来年の四月になるのかいつになるのか明確ではありませんが、まさに、昨年の九月以降、BSEの問題初め今話題になっております中国のホウレンソウの問題、すべての、昨年の九月からこの一年弱の間にたくさんの食の安全にかかわる問題が噴き出しております。
 そして、問題点として、国民から、厚生労働省と農水省の縦割り行政の問題、そしていわゆるリスク管理と評価を分離すべきだという大きな議論の中で、調査検討委員会がその方向を出し、我が党でも三月の末に、食品安全委員会の設置並びに食品安全基本法の制定について、党内でもプロジェクトチームをつくり、今検討しているところでございます。
 私は、政府で今、食品安全委員会、仮称でありますが、設置の準備室、これがなかなか、その後の検討状況が見えてこない。何よりも、食品安全委員会が仮に設置をされても、今までの、いわゆる厚生労働省、農水省、リスク管理をこれから担う部門、そして評価をするこの食品安全委員会、この業務内容をある程度早急に固め、そしてその中で、それぞれのリスク管理をどんな形にしていくのか。きょうの本論でもあります食品衛生法でいかに包括的に禁止条項を加えても、ここに評価と管理がきちっと分かれ、そして評価をする、管理をする人材をどういうふうにつくっていくかということが私は大きな課題だというふうに思っています。
 まず冒頭に、この食品安全委員会準備室ができておりますが、これから作業をいつまでにどういう形で、食品安全委員会の業務や、そしてあり方をまとめていくのか、お尋ねをしたいと思います。
霜鳥政府参考人 お答えを申し上げます。
 先生から御指摘がございましたとおり、先月、六月の十一日でございますけれども、食品安全行政に関する関係閣僚会議によりまして、「今後の食品安全行政のあり方について」が取りまとめられたところでございます。
 その取りまとめに基づきまして、内閣官房に食品安全委員会、仮称でございますけれども、設立等準備室が設置されまして、平成十五年の通常国会への法案提出に向けまして、現在、委員会の体制あるいは食品安全基本法の内容などにつきまして、関係府省との調整等具体化のための作業を進めているところでございます。
 今後のスケジュールにつきましては、まだ明確にできる段階に至っておりませんけれども、委員会の体制等につきまして、今後の十五年度予算編成過程の中でできるだけ早い時期に概要をお示しできるように、関係府省との調整に努めてまいりたいと考えております。今そういう段階でございます。
後藤(斎)委員 今のお答えですと、概算要求、八月には基本的にはまとめているようになっておりますが、八月末までには何らかの具体的なものが出てくるというふうに理解してよろしいんでしょうか。
霜鳥政府参考人 先生、まだ具体的に、その時点でどこまでお話しできるかというのは今の段階でわかっておりませんので、全体の、今後の十五年度予算編成の中で私どもとしてはできるだけ概要を示すべくこれから努力してまいりたいという状況でございます。
後藤(斎)委員 大臣、先ほどもお話ししたように、今回の食品衛生法の改正に至った経緯というのは、昨年武部農水大臣と大変御苦労なさって、BSEの問題の対応、そして大きな食品行政のあり方そのものを変えてきたと私は思っておるんですが、私は、この冷凍ホウレンソウの問題だけではなくて、肉まんもそうですし、ポテトチップスもそうですし、あらゆる食品が、今消費者の方から見れば、本当に口に入れて大丈夫なんだろうかという思いが一方であると思うんですね。
 ただ、BSE、これは牛肉という一つの食品でありましたが、政府がその後かなりもちろん御努力したということは評価をしますし、与党もそうですが、私どもの党も、新しい議員立法も含めて対応をし、今はかなり落ちついているというふうには思っているんです。あのBSEの問題で、後始末というか、初期の動作としては大変おくれましたし、国民から大変大きな批判を浴びて、経済損失も四千億を超えるような、焼き肉屋さんや生産者の方含めて影響が出、何よりも、それ以降の、食に対する、政治の部分も行政の部分もきちっと焦点を当てて議論をしてきたということも、国民の方から見れば一つの評価の材料になっているんではないかなと私は思うんです。
 そこで、私は、農水委員会で何度となくこの食の安全について議論をさせていただいてきました。この中国の野菜の問題がなぜこのように大きく取り扱われるようになったかというのは、昨年の十二月、中国の新聞に、中国の国家品質検査総局、これの、中国では十万人以上の方が農薬中毒で亡くなっているという衝撃的な記事が載って以降、厚生労働省も、農水省も、外務省も含め、大きな関心を持つようになりました。そして一月に、野菜検査強化月間ということで集中的に検査をした。
 ただ、先ほど来お話しになっているように、それがきちっとした検査に本当になっているんだろうかという疑問符がいつもついて、追加、追加ということで現在に至っているんではないかなというふうに私は思っています。
 大臣、なぜこの一年弱の間に、中国のホウレンソウの問題、BSEの問題、いろいろなものが、違反という形で国民の前に、マスコミを通じ、そして行政のホームページを通じ露呈をされてきたのか。その評価を、まずどのようにお考えになっているのか、大臣にお尋ねをしたいと思います。
坂口国務大臣 昨年来、今お話しをいただきましたとおり、BSEの問題を初めといたしまして、食品に対しますさまざまな問題が起こってまいりました。
 これは、今まで以上に外国から食品が多く入ってくるようになったということに一つは最大の原因があるわけでございますけれども、それにいたしましても、その中で、BSEの問題でございますとか、最近の農薬の問題でございますとか、あるいはまた健康食品の問題でございますとか、そうしたことがございまして、国民の皆さん方の信頼をなくしているということは大変残念なことであり、我々、早急にこれに対する対策を立てなければならないというふうに思っている次第でございます。
 そうした中で、我が省の中でも、この食品安全にかかわっております分野というのは比較的小さな部局でございまして、昨年から本当に休む暇もなく彼らはやってくれておりまして、最も我が省の中でよく働いている部門ではないかというふうに思っておりますが、彼らに非常な負担をかけているというのも、これもやはり国全体として、これまで、この食品の安全ということに対する評価と申しますか、食品安全というものをどこまで大事なものとして取り扱っていくかということに対する認識が今までは少し少なかった。
 これから、この分野をさらに充実させていかなければならないというふうに思っておりますし、先ほど御指摘いただきまして、また、この食品安全委員会の方の御答弁もいただいたところでございますが、そうした委員会ができましたならば、そこに農水省と厚生労働省、相協力いたしまして、そして政府全体としてこの食の安全の問題に取り組んでいける体制を一日も早くつくり上げなければならないというふうに思っております。
 そうした中で、今回、議員立法でございますけれども、早急にこの法案を提案していただいたということでございまして、私たちもこのことを重く受けとめてやっていかなければならないと思っているところでございます。
後藤(斎)委員 今、食品衛生法の改正についても若干触れていただいたんですが、先ほども議論が出ていましたように、私は、この包括的な輸入禁止という条項は必要だというふうに農水委員会でも繰り返し提案をさせていただきました。
 ただ、これには一つ大きな条件がつくと私は思います。先ほども答弁がありましたが、科学的であり、なおかつ透明性がある、内外無差別である、このWTOのルールをどうとらまえるかということだと思います。ただ、一方で、国民の健康をという観点で、お立場であります厚生労働省のスタンスというのがどこまで色濃く出るかというのも、一方の国民からの大きな期待でもあります。
 EU委員会が持っているEU指令、これは大臣も御存じだと思いますが、私は、ここで、今回の法律改正で一つ視点が抜け落ちているのかなとむしろ思っているのが一点ございます。
 何度か専門家の方が現地調査をしているというお話がございまして、これは後で触れさせていただきますが、EUでは一点、包括的に輸入禁止をする前提条件として、専門家による現地の査察、要するに、かなり突っ込んだ意見交換をするということがあるというふうにお聞きをしています。
 今回の法律改正では、ややもすれば、先ほども指摘がありましたように、一方的に何かやってしまうんだろうというふうな危険性をどう排除するかということが、この法律からは、思想的にはよくわかるんですが、これから政省令で具体的なルールをつくるときに一番必要な点ではないかなというふうに思っております。
 その点につきまして、大臣、私は、今お話をしましたような点も含めて、導入をするのが法律で決まっても、実際どう運用するか、そこをきちっと詰めておかないと、発動したらEUは、WTO違反だということで今度大きな外交問題になってももちろんいけませんし、ただ一方で、国民の食の安全という立場から健康を守っていくという、この二つのバランスをどうとるかというのを、私はこの包括的な輸入禁止を入れる条項に考え方として付加をしておかなければいけないというふうに考えておりますが、大臣、その点、どんなふうに今回の法律改正をとらまえておられるでしょうか。
坂口国務大臣 具体的なことはまた事務当局から答弁をさせますけれども、今御指摘をいただきましたように、包括的な輸入禁止というようなことを行うということは、これはやはり最後の段階だと思います。最初から抜くべき話ではない。
 したがいまして、これからどういう手順を踏んでやっていくかということにつきましては、それぞれのケースによって違うこともございますから、一律にすることはできないというふうに思いますけれども、やはり大筋は決めておかなければいけないというふうに思いますし、そして、その対象となります国に対しましても十分な説明がやはり必要であります。そして、そのことを十分に説明した上でやらないと、これはWTOに定められました精神に反することにもなりかねないといったこともあるだろうというふうに思いますから、その大筋はひとつぜひ、これはもう決めておかなければならないというふうに思っております。
 具体的なことは、少しまた事務局から答弁させます。
尾嵜政府参考人 基本的な考えは大臣から今お話を申し上げたとおりでございまして、輸入禁止措置を講ずるに当たって、特に、御指摘のEU指令では明記をされている事柄で、今回の法案の中では明記はされておりませんけれども、基本的に私ども、輸入禁止措置を講ずるに当たりましては、政府間協議、先ほど大臣が申し上げましたが、それは当然でございますが、現地調査もきちんとやった上で、現地の状況、特に食品衛生規制の現状あるいは対策、そういったものについても十分把握した上で、この発動をすべきかどうかという、他の要素もございますが、そういう調査というものを行った上での判断をすべきであろうというふうに考えておりまして、そういった手順も明確にしていきたいというふうに考えているところでございます。
後藤(斎)委員 今部長がお答えをいただいた政府間協議、いろいろな形で、今までも出張ベースで対応なさっているというお話は聞いております。直近では、私の承知している範囲で、来週の月曜日に行かれるという話は先ほどお聞きをしましたが、六月の九日から十四日、初めてだと思いますが、厚生労働省と農水省の担当官の方が一緒に共同で出張をしているというふうにお聞きをしております。
 この中で、いろいろな、生産部局、輸出部局、検疫部局等々でお話をした中で、結論としては、申し入れを、今回の残留農薬にかかわる件で、もっと技術的な件も含めて、きちっとした情報提供が欲しいというふうなことを要請しておりますが、この報告にその他で書かれていますように、先方の説明の裏づけが得られないということから、今後とも実態調査に努めるとともに、必要があれば、輸出前検査、農薬使用の適正指導強化について再度要請したいというお話がありました。
 この六月の出張を踏まえて来週月曜日に行かれるというものは、再度中国側にこの輸出前検査や農薬使用の適正指導強化について要請に行かれるということで理解をしてよろしいんでしょうか。
尾嵜政府参考人 今回は、中国の方に参ります前提としましては、法案が国会に提出されておるということを前提として参るわけでございますが、そういった法案の考え方の内容についての御説明が一つはあるというふうに考えております。
 それと、前回、今お話ございましたように六月に担当職員が参りました。やりとりをしたときに、中国側から検査の内容につきましての資料を欲しいというふうな要請もございました。我が方からも、実際に管理をしている、農薬について検査をやっている際のデータとかいろいろ要請したものがございます。結局、中国側からまだデータ等は送られてきておりません。一つは、私どもが要請されたものについては、今度参りますときには向こうに届ける。同時に、前回の中で私どもが要請したものについて、あるいは知りたいと思ったことにつきましての向こうの説明というものもあわせてお聞きをしよう。そういう考えで行くつもりでございます。
後藤(斎)委員 ぜひ、まず敵を知るというよりも、相手のことをきちっと理解し、その努力の積み重ねが私は必要だというふうに思っています。
 先ほど内閣官房の方からお答えをいただいた、この食品安全委員会がどんな所掌をこれから担うかということにも私はかかわってくると思うんです。先ほどもお話がありましたけれども、私は、海外情報というものを収集する、情報をとるというのが、今の行政官、この情勢下に大変弱いというふうに正直思っています。
 まず、海外でどんな農薬がというよりも、食の実態、安全性にかかわる法的な制度になっているのかどうか、ここをやはりきちっと情報収集して、例えば今回の残留農薬のホウレンソウについても、中国だけに話を聞いて意見交換をするのではなくて、先行事例として包括的な輸入禁止を数品目やったEUの形がどういうふうに実施されているのか、それをきちっと情報収集をし、将来に備えていく。
 私は何度も話をしておるんですが、起こってからの予防というよりも、その前の本当の予防行政というものがこの食の問題には絶対必要だ。水際でとめられなくて、国内に入ってしまう。スーパーで検査をして農薬が出てきて、そこで回収命令をするということは、もう既にかなりの部分が、例えば同じ日に輸入をしスーパーや小売店に並んでいるものでも、もう口に入っているという裏返しだというふうにとらまえてもちろん正しいと思うんですね。
 先ほど大臣が、逆に言えば今まで食の安全というものに対して人的な部分や行政全体もなかなか目を向けられてこなかったというふうな趣旨のお話をしてまいりました。ただ、私は、先ほどもお話がありましたが、七年前、衆参で食品衛生法と栄養改善法の一部を改正する法律案に対するたくさんの議論を展開した中での附帯決議が、衆議院で十二項目、参議院では八項目について附帯決議がつけられております。この中の十二項目、今でもそれぞれ大変重要な事項ですし、七年前から、これに政府として適切な措置を講ずべきであるという附帯決議が出されております。
 その後、当時の厚生省、今の厚生労働省ですね、現在まで、この附帯決議の十二項目、どんな形でどの項目は実施済みであり、どの項目は見直し中であり、どの項目は何も手つかずなのか、これについて、この十二項目についてその後七年間でどう対応をしてきたのか、簡潔に御答弁をお願いいたします。
尾嵜政府参考人 附帯決議のうちの、食品添加物の科学的根拠に基づく指定という事柄、検疫所の食品衛生監視員の確保等の輸入食品の安全確保体制の強化、三点目の医薬品・食品衛生審議会の食品衛生分科会への消費者代表の委員の任命、審議の公開、こういったことにつきましては、対応した内容として申し上げることができると思っております。
 食品行政の一元化と統一的な食品法の制定ということに関しましては、これは先ほどお話ございましたように、六月十一日の食品安全行政に関する関係閣僚会議の取りまとめによりまして、内閣府で現在そういった食品安全委員会を設置すること、あるいは包括的な食品の安全を確保する法律としての制定ということが決定され、現在準備室で検討がされておるという状況でございます。
 それと、食品の表示制度につきましては、六月に厚生労働省、農林水産省で懇談会を設置いたしまして、今後の表示制度のあり方につきまして、今月末の中間取りまとめに向けて消費者等の関係者の御意見を伺っているところでございます。そういったものの取りまとめを踏まえて具体的な対応をいたしたいというふうに考えております。
 なお、農薬の登録と同時の残留農薬基準設定及びポジティブリスト化、有害な既存添加物の使用禁止措置につきましては、与党のプロジェクトチームからも提言をいただいておりまして、先ほど大臣からポジティブリスト化については御説明を申し上げましたが、次期の食品衛生法改正の機会を目途に、こういったものも実現に向けて検討していくという考え方を持っているところでございます。
後藤(斎)委員 今お答えをざっといただいたんですが、先ほど大臣もお答えをいただきましたが、この残留農薬のポジティブリスト化の導入、次期の食品安全審議会ですか。スケジュールを明確に、具体的には二、三年後ということなんでしょうか。
尾嵜政府参考人 先ほど大臣も二、三年というふうにお答えをされておりましたが、まず、まだ基準を定めていないものにつきまして早急にやるということを前提にしておりますので、それに三年程度かかるんではないかと思っておりますので、その時点からポジティブ化でスタートをするということを今私どもは想定しているということで、その準備について検討を始めておるという状況でございます。
後藤(斎)委員 この附帯決議の四項目めの、先ほども概括的にはお答えをいただいたんですが、既存の天然添加物の見直しについては、包括的にはこれからどうなるんでしょうか。スケジュールをお教えください。
尾嵜政府参考人 既存の天然添加物につきましては、今附帯決議の話がございましたが、七年の改正の際に、先生御存じのとおり既存添加物名簿という形で四百八十九品目の告示をしておるというところでございます。引き続き使用を認めているものでございます。
 この既存添加物につきましても、安全性の評価というのを順次厚生科学研究で行ってきているところでございますが、今後、安全性の見直しにつきましては、これまで以上に迅速に、安全性に関する文献収集、資料の収集あるいは試験研究というものを行いますとともに、現在、食品衛生法全体の見直しを進めているところであり、そういった中で、安全性が疑われるもの等につきましての使用禁止措置規定というものも整備していく必要があるんではないかということで検討しているところでございます。
後藤(斎)委員 きのう、薬事・食品衛生審議会で、フェロシアン化物について措置の方向性が決められました。これにつきましては、塩の団体の方や消費者団体から、いや、ちょっと拙速ではないかなという話もお伺いをしております。
 きのうの薬事・食品衛生審議会並びに毒性・添加物合同部会の指定の可否についてということでは、基本的には、使用基準として食塩に対しフェロシアン化ナトリウムとして二〇ppm以下の添加量とする旨の設定をした上で可とすることとし、分科会に上程することとされたということになっております。
 ただ、これはもともと食品添加物として指定をされていなかったもの。この一カ月ほど、協和香料の、三十年以上にわたって違反添加物を使用、販売してきたということで、経済的、社会的な制裁を、違反添加物を使用してきたということで業者も摘発をし、告訴をされております。あわせてこの際に議論されたことは、行政の監視というのが甘過ぎたんじゃないかなというふうな指摘もございました。
 六月の初めに起こったこの事件をきっかけに、実態を調査するということで、地方自治体を通じて六月末までに、添加物の実態がどうなっているのかということを対応しているはずなんですが、それについては今まとまっておるんでしょうか。その結果に基づいて、今回のフェロシアン化物の食品添加物としての指定の可否をこの合同部会におかけになられたのでしょうか。二点についてお伺いをしたいと思います。
尾嵜政府参考人 一点目の、都道府県の方に立入調査をしました結果につきましては、六月二十八日までに報告するように指示をしておりまして、現在都道府県からの報告を私どもの方で取りまとめておりますので、できるだけ早くまとめて公表いたしたいというふうに考えております。
 二点目の、フェロシアン化物の関係につきましては、この立入調査の関係、結果とつながっているものではございませんで、一連の指定外の添加物の問題の中で、こういった、塩にフェロシアン化物が使われている、それも中国、EU、それからアメリカ、あるいはオーストラリア、ニュージーランド、非常に広い範囲に使われておる。その前提といたしまして、国際的にも、JECFAでございますが、専門家会議の方で安全性が確認されておる状況の中で広く使われておるというものにつきまして、法律上、食品衛生法上指定をされておらないということによりまして違反であるというのは動かないわけでございますが、そういったいわば形式的な違反というものについての回収というふうな措置をとるかどうかということの内容を検討いたしました結果、このフェロシアン化物については、国民の方々に回収による大きな影響があるというふうに考えておりますし、本来国際的にも安全であるというものが確認されておるという前提がございますので、回収措置をとらない、あるいは指定についても審議会の方に早急にしていただく、そういう方針を七月の十二日に公表をさせていただいたという経緯でございます。
後藤(斎)委員 今部長が最後にお答えいただいた、国際的に安全性が確認されかつ汎用されている未指定添加物の指定についての考え方、これについても、基本的な方向性は昨日了承された、内容は今部長が御答弁いただいたとおりだというふうに承知しております。
 ただ、厚生労働省が今までこの添加物を、国際基準が、安全性が確認されて、要するにJECFAで評価がきちっと定まっているものでも――協和香料のさきの事件のヒマシ油であるとかこの三品目、これはJECFAの基準はございますよね。
尾嵜政府参考人 ヒマシ油はJECFAの方では評価をしておりませんで、それ以外につきましては評価されておるという状況でございます。
 ただ、私ども、きのうの審議会の合同部会の方に、お諮りをしました考え方は、一つは、そういった、JECFAで安全性評価がされておるということが大きな前提の一つであります。それと、どの程度の範囲に使用されておるのかという汎用性の問題。あるいは、世界的に、先ほど塩のところで申し上げました、欧米とかそういった範囲で使用されているようなものなのかどうか。そういったことも考えた上で、個別にどういったものを必要性も勘案した上で認めていくのかということは、検討を審議会の方にお願いしたいということで御了承を得ているわけでございます。
 そういう意味で、JECFAで認められておるものが直ちに、私どもの審議会の方にお諮りした結果、日本で承認されるということにはならない部分も出てくるだろうと思いますが、そこは、基本的には安全性の評価を審議会の方できちんと御判断いただくという中での、必要性の御議論も含めて、個別の品目ごとに判断していただくというふうなことをお願いしているところでございます。
後藤(斎)委員 最終的には大臣が決定をされることになると思いますが、昨日の、国際的に安全性が確認されかつ汎用性云々というこの視点によると、暫定的調査によって想定される添加物候補、今二十六あるというお話を聞いております。
 さきの協和香料のヒマシ油、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、この三品目は、ヒマシ油は違うというお話でしたが、このアセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、これは二十六の中に入るのですか。
尾嵜政府参考人 ちょっと先生、今から御説明しますのは複雑かもしれませんけれども、添加物の定義とその内容がいろいろ各国で異なるところがございますが、今先生が例として挙げました協和香料、まさしくその名前のとおり香料の部分でございます。
 私どもが一応候補のリストとしてこれから精査していくということで挙げておる二十六といいますのは、香料を除いたものでございます。
 香料については、きのうの分科会でも御相談を申し上げましたが、JECFAの安全性の評価というのがまだ日本で取り入れた手法でございませんので、そこは別途御相談させていただくということでございます。今の二物質につきましては、香料でございますので、二十六というものの中には入っておらないということでございます。
後藤(斎)委員 ただ、協和香料は、要するにJECFAの基準は少なくともクリアをしていた。ただ、食品衛生法の添加物に指定されていなかったので摘発をし、先ほどもお話しした、食品衛生法違反で社会的、経済的な大変な対応が今されている。
 一方で、今回の塩の関係でフェロシアン化物、これは、じゃ、そもそもだれからフェロシアン化物は提案をされたんですか、審査をしてくれと。
尾嵜政府参考人 社団法人の輸入食品安全推進協会の方からの指定要請があったものでございます。
後藤(斎)委員 ですから、今までは事業者申請主義だったものが、これから事業者団体にもまず拡大をし、そして、さらにその次のステップでは、JECFA、国際ルールがある程度あるものについては事業者や団体の申請がなくても積極的に段階的には認めていこうというお考えですか。
尾嵜政府参考人 おっしゃるとおりでございまして、繰り返しになりますが、一つは、これまでは指定要請を受けるということを前提に指定をしておりまして、そういう要請がなければ、厚生労働大臣がみずから指定をするということはなかったわけでございます。
 しかし今後は、そういった指定要請は当然受けますが、これまでと同様でございますが、今申し上げましたコーデックスで安全性が国際的にきちんと評価をされておる、あるいは汎用をされておるようなものにつきましては、精査をしました上で、我が国で指定をする必要があるという場合に、指定要請を待っていると出てこないという状況であれば、厚生労働大臣が職権によりまして指定をする、そういうことも考えてやっていきたいという方向性を示したわけでございます。
後藤(斎)委員 JECFAでは、現時点では、評価が大体終了しているもの、これは二年前ぐらいの数字ですが、添加物について大体九百ある。日本では、現在で八百二十八の添加物について指定をしているということですね、これは。
 日本との重複が、JECFAで評価が終了したもので三百あるということは、六百は、JECFAで評価が終了したもので、日本でまだ添加物として認められていないもの。この六百について、これからどんな、きのう、とりあえず二十六が先行して暫定的に認められる方向性で添加物候補になっていますが、この残る六百については、この二十六からどんな形でスケジュール的には添加物の指定ということを具体的にされていくのか、お尋ねをしたいと思います。
尾嵜政府参考人 先生おっしゃいました九百なり日本の八百二十八の数字でございますが、ちょっとこれが同じ定義、同じ範疇を示しておりませんので、この数字自体で三百との関係を御説明するのはちょっとややこしいんでございますが、簡単に申し上げますと、JECFAで評価が終了した品目という九百の中には、先ほども申し上げました香料というものが、個別の香料品目が入ってございます。日本の八百二十八の方の数字の中には、この香料の部分は含まれておりませんで、そういったところで比較が非常に複雑になりますので、詳細は避けたいと思います。
 今申し上げましたのは、そういった香料を除いて、JECFAの方で安全性が評価されておる香料以外の添加物につきまして、広く使われているようなものについてリストアップをすると、我が国で指定をしておらないというものの条件を課しますと二十六ある、そういう数字でございます。ですから、これとは別に、また香料の方は香料の方で、このJECFAの九百の中には香料も入ってございますので、そこは別途、香料は別の考え方でもう一度整理をしていこうというのが、先ほど御説明したとおりでございます。
後藤(斎)委員 きょうお話をずっと聞いていると、冒頭に申し上げましたが、人的な部分をこれからどういうふうにやっていくかというのが、今回の法律改正、仮に包括的輸入禁止をしたり今の四条で個別的にチェックをしたりしても、結果、やはりそこの今二百五十人の水際の部分をどうきちっとしていくか。
 以前も農水委員会でも指摘をさせていただきましたが、検査の違反事例というのが出てくるのは、命令検査か一〇〇%モニタリング検査しかほとんどございません。何か中に入って出てきたら、五から一〇にし、一〇から一〇〇にする、結局は命令検査にする。ある意味では今回の冷凍ホウレンソウも、三月、要するに厳しい検査をする前に輸入された冷凍ホウレンソウだというふうにも聞いておりますが、やはりここは一回本当に徹底的にやる、水際でチェックをする必要があると思うんですね。
 ただ、先ほど大臣も、今までややもすれば、食品の安全に対してというお話がございましたが、これから水際の検査、今は二百五十人程度しかおりませんし、なかなかそれも増加をしておりません。そして、抜本的に、来年には、少なくとも食品安全委員会も含めて、リスク評価とリスク管理という部分が充実をされる。そこに向けてやはり私はこの増員というものを、きちっと人的にまず水際で防ぐ。そして、中に入ってからは、最悪のケースとしてというふうに優先順位をきちっとつけないと、現時点もつけていますが、もっともっとつけていかないと、こう思うんです。
 特に水際の検査員、そしてこれから食品安全委員会に出向いていくであろう厚生労働省の方、やはり私は、研修みたいなものがもっともっとされていかないと、何をやっていいのかわからないということでは困りますので、特に水際の検査員の増員の問題も含めて、人的体制をどういうふうに厚生労働省としてこれから対応していくのか、お尋ねをしたいと思います。
坂口国務大臣 我々の立場からいたしますと、ぜひここは増員をお願いしたいということを言っているわけでございますが、ただ人数がふえたらいいだけではなくて、それ相応の能力と申しますか、それ相応の経験、能力なるものを積み重ねていただかないと役に立たないわけでございますから、その辺のところも大事でございます。
 しかし、我々が主張いたしますほど人員がそうなかなかふえないことは委員も御承知のとおりでございまして、全体の数がこういうふうに厳しくされているわけでありますから。だから、現在の二百六十八人ですか、それがたとえ倍になったとしても、これはなかなか、水際ですべて解決をするというわけにはいかないわけでございます。
 したがいまして、そこのところをどうするかという問題が最大の課題であるというふうに思っておりますし、そこはやはり輸入業者の皆さん方に、自分の企業が、あるいは自分の商社が輸入をするものについてはそれ相応の責任を持ってお取り組みをいただくということがなければ、これはなかなか解決できない問題だというふうに思っております。その辺のところをどのように構築していくかが今後の最大の課題であるというふうに思っている次第でございます。
後藤(斎)委員 先ほども御指摘をした七年前の附帯決議、なかなか実施されていないものもございます。そして、来年の四月を目途に、食品安全委員会もそのころにはある程度概要も出てくると思います。
 ぜひ大臣、今御答弁をいただいたような点も含めて、私は、今回の包括的輸入禁止条項を食品安全法に単にプラスをしただけじゃなく、全体を見て、それも一つの手段としてどう対応していくのか。関係閣僚会議も含めて、大臣の主体的な、食の安全、国民の健康を守るという視点で、これからぜひ御尽力をなされるようにお願いをして、最後にその決意だけ一言お尋ねをしまして、質問を終わりたいと思います。
坂口国務大臣 今御発言いただきました御趣旨を十分尊重いたしまして、努力をしたいと思います。
後藤(斎)委員 終わります。ありがとうございました。
森委員長 次に、樋高剛君。
樋高委員 自由党の樋高剛でございます。
 きょうも質疑の時間をいただきまして、ありがとうございました。きょうは、ライフワークであります食の安全の問題につきまして議論をさせていただきたいと思います。
 まず、昨今の食品の安全性をめぐっては、信頼を根底から崩壊させる事件が相次いでおります。安全性に対する不信感が高まっているどころか、食品行政への国民の信頼はもはや地に落ちていると言っても過言ではないと思います。食品の偽装表示、無認可の添加物使用など、連日のようにテレビ、新聞等で報道がされております。厚生労働省の責任は重いというふうに申し上げたい。一刻も早く信頼を取り戻して、食の安全を確立しなくてはいけない、緊急事態であるというふうに思います。
 つい先日、十七日でありますけれども、農水省さんから発表されましたが、中国産の冷凍ホウレンソウ、食品衛生法の基準値〇・〇一ppmの百八十倍に達する、十八倍じゃなくて百八十倍です、に達する残留農薬のクロルピリホスが検出された、中国産の冷凍ホウレンソウに高濃度の残留農薬が検出されるケースは、今春以降たった二、三カ月で六十一件に及んだと。この六十一件というのは大変な数字なんです。わかっているだけで六十一件、検査漏れなどを考えますと実態はその何倍あるかわからない、とても怖いことに今直面している、数え上げたら切りがないというふうに思います。
 また、厚労省では、この件に関してコメントを出しております、長期間にわたり継続的に摂取しなければ健康に影響はないんだと。こんないいかげんなことを言っているからだめなんです。逆に、長期間にわたって継続的に食べていらっしゃった方も私は中にはいらっしゃるんじゃないかと思うんです。例えば、家庭の主婦が、子供たちの健やかな成長を願って、やはりホウレンソウ、いろいろないい成分も含まれていますから、スーパーで買ってきてお弁当に毎日おかずの一つとして入れる、それを長期間続けてこられたお母さんも私は中にいらっしゃると思います。また、私自身も、ポパイのように強くなりたいという思いがあるものですから、ホウレンソウはよく食べていますよ。たくさん食べてしまいましたよ。そういった気持ちをどう思うのか。やはりそういったことをしっかり考えていかなくちゃいけないというふうに思います。
 やはり今、行政に緊張感が足りない、とても感じられないと断言申し上げたい。こんなことでいいのかと思わざるを得ないのが正直なところであります。消費者重視への行政の転換、これはもう昔から言われている話ですけれども、一向になされていない。
 それと同時に、今回さまざま考えさせられましたのは、業界のモラルの荒廃の問題も指摘をしておきたいと思います。いわゆる値段と見た目が優先で、安くて形がよければよいというものではなくて、やはり安全で安心して食べられる食品を供給する責務が企業にもある、いわゆる効率や利益の追求主義から、いわゆる安全第一主義へと転換をしていかなくてはならない。また、そういった企業を指導するのも実は役所なんですよ。だから、役所にも責任がある、大変な重要な問題であると私は思うんです。
 また、役所自身の体質も問題である。いわゆるお上の体質を一掃しなくてはいけない、いわゆる政官業の癒着体質、長年の業界と政官のもたれ合い構造にくさびを打たなくてはならないと考えます。今後、新しい基本法をつくったり、いろいろな新しい行政機関をつくったり、そういうことだけ聞けば何かすばらしいことをするような感じがしますけれども、この役所の体質が変わらない限り、どんな形をつくったって、どんな法律をつくったって、意味ないんですよ。やはり中身が問題であるというふうに申し上げたいと思います。
 大臣にまず冒頭総論としてお伺いいたしたいのでありますけれども、やはり行政のていたらくを示す例、次々起こっています。例えば、塩の固結防止剤として使われながら国内では食品衛生法で認められていないいわゆる添加物、フェロシアン化合物を含むいわゆる輸入加工食品が大量に流通している可能性が高いことが十一日わかった。これは、小売店、いわゆる店先に、たくさんの、大半の食品にはこれが混入されているということで、これを厚生労働省は、後手後手の施策、後追いで指定添加物として急遽認可をする、今まで認められていなかったものが、もう既に市場に出回っているからという理由で後からそれを認可する、そんなのおかしいじゃないか。いわゆる超法規的措置をとることによって、いわゆる食品衛生法の不備をみずから認めたことにほかならないんじゃないか。
 また、いわゆる協和香料化学、もしくはいわゆるダスキンさんの、ミスタードーナツさんの問題がありますけれども、これは、食品衛生法に基づいて、違反だということで厚生労働省は取り締まる方、規制をする方の立場であるにもかかわらず、こういったことをすることによって行政のいわゆる強制力にも影響を及ぼすんではないかというふうに思うわけであります。いわゆるパニックを起こすという理由で厚生労働省がこんな後手後手のいいかげんな対応をとることによって、ますます社会は混乱をしているんではないか、まさしく国内の規制が意味をなさないということをみずから認めてしまっているということにつながっていくんではないかというふうに私は思います。そもそも、これまでの流れを無視して特定の化合物の認可をしなければならなくなるまで事態を把握できなかった厚労省の責任は重いというふうに思います。
 また、国際的にも安全性が確認されているにもかかわらず国内では使えない約三十の添加物があると言われておりますけれども、これを、また、これも既に流通しているかもしれないというおそれ、これからパニックが起こるかもしれないということを考えて急遽認可をする、いわゆるこういったなし崩し体質が問題であるというふうに思います。
 それから、同じような事例で、体質の問題、カドミウム米の問題です。いわゆる米に含まれておりますカドミウムの影響を調査した厚労省の研究班が、低濃度、〇・四ppm未満のカドミウム米でも腎臓に悪影響を及ぼす可能性があるというデータがあるにもかかわらず、害がある証拠はないという結論をつけてこれにふたをしてしまっているんです。カドミウム以外の元素が原因である可能性を排除できないという理由なんだそうであります。いわゆる専門家からは、カドミウムの影響を示すデータを曲解していると批判もありますけれども、害を及ぼしているという確証が得られないということでそのままに放置をしている体質が問題である、まことに情けない隠ぺい体質であるというふうに私は冒頭申し上げておきたいと思います。
 ここまで来てしまいますと、消費者にとってみれば、食品の安全に関してまだほかにも何か隠していることがあるんではないかと疑ってしまうどころか、まだまだほかにもたくさんあるんだろうなと大部分の方は思ってしまう、それも不思議ではないんではないでしょうか。大臣、いかが思いますか。
坂口国務大臣 食品全般につきまして厚生労働省を初めとします役所が責任を持っております以上、やはりしっかりとしてやっていかなければならないことは大前提だというふうに思っておりますが、しかし、すべてのことを役所にゆだね、そして役所がすべてのことを点検する、強制的にすべてそれを摘発するといった体質が果たしていいのか、そこもやはり考えていかなければなりません。もちろん、責任を回避するつもりはありませんし、やはり役所としてやるべきことをやっていかなければならないとは思いますけれども、しかし、企業におきましても、やはり国民の健康というものを中心に考えて、健康というものを中心にした考え方で製品をつくり上げていく、それはやはり最も基本となるところだというふうに思っております。そうしたことを守ってもらうということもやはりこれは大事なことでありますから、そこはひとつ企業に対しましても自重を促したいところだというふうに私は思っております。
 それから、外国からいろいろなものが入ってまいります。これはどんどんとふえてくるわけでございますから、これに対します対応をしていかなければならないことは当然でございます。よく言われますように、カロリーベースで四〇%の自給率ということが、これは今まで、言ってみれば政府も関与をいたしておりますけれども、国民自身も、やはり農業、農林漁業といったものに対しまして遠ざかってきた、そういう過去の経緯もあるわけでございますが、こういう事態に立ち至って、やはり本当に諸外国に食べ物をゆだねていていいのであろうか、やはり自分たちで、多少それが高くついたとしても国内で生産するということが大事ではないか、そうした立場にもう一度考え直す起点にも来ているというふうに私は思っております。
 ただ、国内であれば安全かといえば、これも先ほどから御指摘ありますようにそうではないわけでございますから、そこはやはり国内も、これはしっかりとやっていかなければならない。曲がったキュウリはだめで真っすぐなキュウリならいいという、その感覚をやはり排除していかなければならない、そこは御指摘のとおりだというふうに思っております。
 それで、これは役所の体制の問題もございますけれども、私たちも食品に対しますところの体制は強化をしていきたいというふうに考えておりますし、厚生省の中もできる限り食品衛生の分野を手助けしていきたいというふうに、全体でバックアップすべきだというふうに言っておりますが、それにいたしましても、これは限界がある話でございますから、先ほどもお答えを申し上げましたとおり、外国から輸入をされる商社、あるいはまた国内で生産をされる商社、そうした者はどういうものを使うかということを明確にしていただいて、そしてそれをオープンにしていただく、そのことがまず大事ではないかというふうに考えておりまして、そうしたことを織りまぜた中でより安全な食品衛生、食品管理というものを進めていく以外にないと考えているところでございます。
樋高委員 中国産の加工食品、今回は冷凍ホウレンソウということで、基準を超える残留農薬が検出されたわけでありますけれども、この数値を見ましたらば、ある一定の期間なんですけれども、輸入時検査で違反率が件数ベースで八・八%と、すさまじい数字であります。さまざま役所の方では、輸入自粛を指導したとか、検査体制を強化したということでありますけれども。
 私、この水際検査については、今までもずっと当厚労委員会でお時間をいただいて、食品の安全全般に関して議論させていただいてまいりましたけれども、いつも思うんですけれども、この水際検査に関して、政務官にお答えいただきたいんですが、食品を一部ピックアップしてモニター検査します、モニター検査をやっているうちに品物は既に市場に出回っているんじゃないか、だから、そこで違反が発見されても回収し切れないんじゃないかということも私もよく聞かれるんでありますが、この疑問についてどのようにお考えになりますか。
田村大臣政務官 先生御指摘のとおり、モニタリング検査している間にもうそれが市場に出回ってしまう、今回のホウレンソウの場合もそういう事例が出まして、そういう冷凍ホウレンソウに関しましては、輸入業者等々に、自主的にそういうものを検査して、だめな場合は回収する、そういうような指導もしてきたわけであります。同時に、もう御承知のとおりであろうと思いますけれども、自主検査、実質的に命令検査、検査命令に近いものでありますけれども、自主検査をしていただいて、クリアしないことにはその後中で流通させないというような形に今いたしております。ですから、そういう意味からいたしますれば、冷凍ホウレンソウに関しましては、現在大変厳しい状況で水際で検査しておるという形になっておると思います。
 ただ、そうはいいましても、やはりこれは制度上といいますか、一つのロットの中で、その中から今検体、十六検体ぐらいを出して検査しておるわけでありますけれども、どうしても、カートンをあけて調べていく、一回あけてしまうと要はその製品はもう使えない、市場に流通しないわけでありますから、すべてを、全カートンをあけてというわけにいかないわけであります。
 今、大体千あるカートンのうちの二百とかそれぐらいあけて十六検体を出して、そして検査をしておるという形になっておると思うんですけれども、そういう意味では、今回の検査をやっても、ではすべて入ってきたものが全く大丈夫かといいますと、なかなかつらいところもございまして、そういう意味では、メーカー等々にも自主的に検査をしてくださいと、メーカーといいますか、輸入業者に対しても、流通しておるものに対して自主的に検査してくださいというようなお願いもいたしておるようなわけであります。
 そういうような部分があるものですから、今回、はっきり申し上げまして、自粛という形で、このホウレンソウに関しましては、もう収穫時期が終わっているんですね、ということは、今入ってきておるものに対して、これから入ってくるものに対して、これから農薬を使わないようにということは言えないわけでありまして、もう既に収穫されたものが加工されて入ってくるというわけでありますから、かなり怪しいといいますか危ない可能性があるということで、それぞれ自主的に流通しないようにしてくださいというようなお願いをさせていただいておるというようなことでございます。
樋高委員 ところで、この水際検査のときに、輸入野菜の分析対象農薬、現在幾つの農薬について検査をなさっているか、政務官、御存じですか。
田村大臣政務官 ちょっと個別名はわからないんですけれども、たしか四十六ほどだというふうにお聞きいたしておりますが。
樋高委員 私が事前にいただいた資料では、八十九の農薬について分析をしている、水際で。ところが、ここで考えなくてはいけないのは、国内で残留農薬基準が設定されているのは二百二十九農薬、つまり、二百二十九から八十九を引きますと、百三十農薬はフリーパス、つまり検査をしていないんですよ。しかも、日本では残留農薬基準が設定されていますので、それを超えたものは入ってはいけないんですけれども、その検査を水際でしていないんですよ、フリーパスで入ってきているんですよ。これはもう大変な事実だと思いますけれども、どのようにお考えになりますか。
田村大臣政務官 申しわけございません、通告をいただいていなかったものでありますから、事細かくその部分に関しては私今承知しておりません。申しわけない話でありますが、正直にそうでございますので、後ほどその点に関して正式に先生の方にコメントの方をさせていただきたいと思います。
樋高委員 いわゆる人の体に害のある環境ホルモンが蓄積されて、そしてそれががんの発生をふやしているというふうに指摘する学者さんもいらっしゃるぐらいであります。これは環境ホルモンの問題でありますけれども、今後もまた議論させていただきたいというふうに思います。
 今回、食品衛生法がもし改正がなされた場合、私は賛成の立場から、その改正には賛成でありますけれども、一般論としてちょっとお尋ねをいたしたいんでありますが、いわゆる違反企業名の公表は私はとても大切であるというふうに思います。必要性につきまして、大臣、どのようにお考えになっていらっしゃるか、お尋ねをさせていただきたいと思います。
坂口国務大臣 違反をするその内容にもよりけりだというふうに思いますから、一概にどうこうということをなかなか言えないといいますか、悪質な違反を犯す者につきましては、それはもう当然のことながら公表しなければならないと思っております。
 ただ、そこまで法律に書くかどうかということはあると思いますから、これから法律の内容をまだ詰めるところでございますけれども、しかし、いずれにいたしましても、悪質なものについては公表をしていくということは大事なことだと思っています。
樋高委員 その悪質なものについてでありますけれども、これは法律が通った後の話、もちろんまだ成立する前ですから一般論で結構でありますけれども、やはりどういった項目、その悪質であるケースについてでありますけれども、どういった項目について公表をしようとなさっていらっしゃるのか、お尋ねをしたいと思います。
坂口国務大臣 食品衛生法の今回御提出をいただいております法案の問題と、それからもう一つ来年の国会に提出をさせていただきたいというふうに思っておりますものと、両方あるものですから、私の頭の中も少し混乱をいたしておりますが、先ほどもお話を申し上げましたとおり、食品を製造した事業者の名称、内容を公表することにつきましては、これは事業者に対する一定の違反抑止効果が期待されるのみでなくて、食の安全への国民の不安解消にもこれは資するものだというふうに思っているわけでございます。
 こうした考え方に基づきまして、厚生労働省といたしましては、自治体に対しまして、国民に不安を与える違反事例を把握した場合には、これは積極的に事業者名を公表するように指示を現在までもしているところでございますが、本年六月一日からは、厚生労働省のホームページにおきましても、輸入食品の違反事例につきましては、その違反企業名や違反内容等を公表しているところでございます。今後におきましても、そうしたものにつきましてはしていきたいというふうに思っておりますが、これは法律に照らしまして、そして、違反をしている程度というのは、それはおのずから決まってくるわけでありますから、それに従いまして明らかにしていきたいというふうに思っております。
樋高委員 輸入規制が仮に今後なされた場合、WTOとの関係上、問題がないのか。また関係行政機関、特に外務省さん、入ってくるのでしょうけれども、そこから別の何らかの理由によって口出しされた場合に、その実効性を疑問視する声もあるのでありますけれども、この点につきましてどのように考えますでしょうか。
坂口国務大臣 今回提案をしていただいております法案によります禁止措置が、このWTO協定との間でどんな関係になるのかということだろうというふうに思いますが、国外に対する規制は不当に厳しくしてはならないということがWTO協定の中にあるわけでございます。
 しかし、今回のこの禁止措置の対象は外国に限られたものではありませんで、国内の地域や製造業者も対象にしておりますから、本原則には適合しない。いわゆる外国に対する規制を不当に厳しくしてはならない、こういうことでございますから、今回のものは外国だけではなくて国内のものにもこれは厳しくしますということでございますので、これには当てはまらないというふうに思っております。
 そしてまた、健康の保護に係る緊急の問題が生じている場合、または生じるおそれがある場合には、これは緊急事態として事前に一定期間、六十日以上の回答期限を設けた通報を行わずに、緊急通報で行うことが可能とされている、こういうこともございますので、緊急事態のときには対応できるというふうに思っている次第でございます。
 例えば、このホウレンソウだけの問題ではなくて、あるいは健康食品ですか、健康食品等の問題で肝臓障害を起こしている人が多発している、こういったことがありますときには、これは緊急事態ではないかというふうに思います。そうしたことを踏まえて対応をしていきたいというふうに思っております。
樋高委員 実際に、いつから中国産の、今回は冷凍ホウレンソウでありますけれども、これを輸入を規制、禁止したいというふうに今考えていらっしゃいますでしょうか。
坂口国務大臣 今回予定されておりますこの法案、これが両院を通過するということになりますと、施行期日は公布より一カ月後というふうにされておりますので、今国会で法案が成立するといたしますと、九月の初旬ごろの施行ということになるのではないかというふうに思います。
樋高委員 時間が参りましたので終わりますけれども、この法律、こうやって緊急でつくったわけですから、きちっと運用していただきたいというふうにお願い申し上げます。
 同時に、大臣、冒頭おっしゃっておいででありましたけれども、国内自給率の問題、やはり食糧の六割以上を輸入に依存している。もちろん、国内でつくっても、いわゆる危ない食品というのはもちろんあるでしょうけれども、やはり自分たちの目の届く範囲内で食べ物がつくられるということは、私はとても重要な観点である。そういった意味からいたしますと、やはり農業問題も、しっかりと日本の農業を育てていくという観点も持ちつつ、ただ単に農業と食糧と別個に考えるのじゃなくて、すべてリンクした問題であるというふうに考えていっていただきたいというふうに思います。
 また、この輸入禁止措置の発動に関しましては、国民の健康保護を最優先していただきたい。また、食品衛生行政につきましては、その運営に当たりましては消費者の意見をしっかりと反映をしていただきたい。また、食品衛生法の抜本改正を強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
森委員長 次に、小沢和秋君。
小沢(和)委員 中国から輸入された冷凍ホウレンソウに、有毒な農薬クロルピリホスが大量に連続して検出されたことが大問題になり、今回、緊急に議員立法で包括的な輸入禁止を可能にする食品衛生法の改正が行われようとしております。
 これに関連して、まず伺いたいのは、こういう冷凍野菜が、加工食品ということで、これまで全く残留農薬検査の対象になっていなかったのはなぜかということであります。常識で考えても、生のまま輸入されるホウレンソウが検査でチェックされるのに、冷凍野菜になると、残留農薬の基準が定められていないというだけの理由で何のチェックもなかったということは理屈に合わないのではないでしょうか。大臣、どうお思いになりますか。
尾嵜政府参考人 これまでの御質問でもございましたが、野菜の加工食品につきましては国際的な基準がないというふうな状況が一つあったということでございます。そういったことから、基準が、そういうものがないという状況の中で、検査をするというふうな形にはなっておらなかったというのが実態でございます。
 ただ、今回、こういった違反事例が民間の検査の機関から発表された、そういった中で、生鮮野菜だけでなしに、野菜の加工食品につきましても検査ができる対象に対しては対応するという判断をいたしまして、その基準についても生鮮野菜の基準を使えるような範囲で実施をしたという考え方でございます。
小沢(和)委員 私は、ホウレンソウの輸入業者の責任も重大だと思うのです。ホウレンソウは中国人は食べないので、これは日本から業者が種を持ち込み、栽培を指導して、できたものを日本に輸入していることは間違いないと思います。
 先ほどの答弁では、生のホウレンソウからは農薬汚染は全く検出されていないというのですが、もし、生は検査があるので汚染のないものをそろえ、汚染の心配があるものは、冷凍して持ち込めば検査なしで日本に自由に輸入できると考えてやらせていたとすれば、極めて悪質な行為であります。どういう経緯でこういうことになっているのか、厳しく調査すべきではありませんか。
尾嵜政府参考人 今回の検査の結果については、今先生からの御指摘のとおりでございまして、生鮮のホウレンソウからは違反が出ておらないという状況でございます。それについては、先ほども私、御答弁の中で、先生が御指摘のような考え方で輸出されている可能性もあり得る、推定として、先生が御指摘されたような可能性もあり得るというふうに申し上げたわけでございますが、一義的には、私どもも、先ほど来大臣も申し上げておりますように、輸入業者がこういった安全性については責任を持つ立場にあるというふうに思っているわけでございまして、そういう業者に対しまして、自主検査の実施等、衛生管理を徹底していただくように指導は行ってきておるわけでございます。
 ただ、なかなか実態上、そういう対応を必ずしもすべての事業者がやっていただいているというわけではないということが今回の対応を見ましても明確になっているわけでございまして、そういった中で、例えば今回、自主検査を徹底してやっていただく、あるいは輸入自粛をしていただくというふうなことにつきましても、これまで以上に強い要請なり指導で取り組んでいただくというふうなことをやっております。そういった業者側の考え方あるいはその対応についてもよく見た上で対策を進めていきたいというふうに考えているところでございます。
    〔委員長退席、鴨下委員長代理着席〕
小沢(和)委員 いや、私が聞いたのは、生のホウレンソウからは農薬汚染が全く検出されないで冷凍の方からは出ているということになるというと、生の方は検査があるからというので汚染の心配がないものを振り分け、そして心配がある方は冷凍してフリーパスで持ち込む、こんなことになったら非常に悪質な行為だったんじゃないか、これはもう厳しく、どうしてこういうことになったのかを調査しなさいと言っているんですが、その点、どうなんです。
尾嵜政府参考人 御指摘のような調査の内容、どういう形で調査が可能なのか、先生がおっしゃいますような、なかなかちょっと難しいような御要請のように思いますが、よく検討させていただきたいと思います。
小沢(和)委員 農民運動全国連合会の告発を機に、政府も輸入冷凍ホウレンソウのモニタリング調査をするようになり、その調査の密度を高める措置もとりました。しかし、このモニタリング調査では、輸入されたものはそのまま流通し、先日の新聞にも載っていたように、農薬に汚染されていたことが判明したときには既に大部分は販売され、消費された後ということになる。
 九五年の食品衛生法改悪に我が党は反対いたしましたが、今回の事態を招いた原因は、あのときの改悪で行政検査をモニタリング検査に変えたことにあるのは明らかだと思います。政府はその責任をどう考えているのか、お尋ねをいたします。
尾嵜政府参考人 制度上は、一般的にはまずモニタリング検査をし、違反の蓋然性が高いという状況になった場合に命令検査をかける、そういう形でございまして、今行政的に命令検査と同様のような対応を行政が、具体的には検疫所でございますが、そういったところが対応できるという状況にはないわけでございます。非常に難しいことでございますが。
 そういう中で、世界的にも採用されておりますこういうモニタリングの手法ということで、それによりまして違反の蓋然性が高いものについて、おそれの高いものについては命令検査にかけていく、そういう手法をとっておりますので、命令検査をかけたものについてはとめ置くことが当然可能でございますが、モニタリングの段階でのものについては、とめ置いて検査結果が出るまで流通させないということがなかなか難しいという状況でございます。
小沢(和)委員 今も命令検査という制度はあり、これを適用されると通関を認められなくなることは知っておりますが、それは、今回の冷凍ホウレンソウのように、何回も有毒農薬が検出されたもの等にごく限定的に行うことができるわけであります。冷凍野菜なら加工食品ということで一切検査が行われないのだから、今回のような民間組織の告発などがなければ農薬汚染の実態は永久にやみの中であり、国民に被害が押しつけられていることすらわからずじまいになります。
 スーパーに行けば、世界じゅうから輸入した野菜が売られております。中国だけでなく世界各国からの輸入食品全体について、生、乾燥、冷凍などに関係なく、九五年以前のように水際でしっかりした検査をしなければ日本国民の食の安全が保障できないのではないでしょうか。
尾嵜政府参考人 きょうもいろいろ御議論がありました中に、野菜についても加工食品の部分でまだ検査の対象にしていないものがあるじゃないかという御指摘がございました。そういうことも含めて、私ども、今回、いろいろな意味で対応がおくれたというところはございますが、今先生の御指摘ございましたように、もう一度、モニタリングなり検疫所の方の検査で対象にしている品目あるいは検査項目、そういったものについても、この機会をもって、この対応でいいのかどうかということも、見直しも含めて少し検討してみたいというふうには思っております。
小沢(和)委員 さらに重大だと思いますのは、計画輸入制度というものによって、アメリカなどから大量に輸入される小麦、大豆、大麦、ビールなどについては、毎回の輸入の届けもなく、モニタリング調査さえほとんど行われず、自由に輸入が行われていることであります。アメリカなどは先進国で、安全については信頼しておけばよいということかもしれないが、本当にそうなのか。
 私の手元の資料では、八七年から九年間で、計画輸入の対象となっている輸入食品の事故、変質、腐敗、カビの発生などが六十六件も発生しておる。このほかにも、事前届け出制度、継続輸入制度、外国の公的検査機関の検査結果受け入れなど、輸入に当たっての安全チェックを省略する仕組みが幾つもあります。相手が先進国でも、このような野放しの輸入は、食の安全を考えるなら絶対に許されないことではありませんか。
尾嵜政府参考人 今先生からお話ございました計画輸入につきまして、実際にはモニタリング検査は実施をいたしております。輸入者が同制度の適用申請した後であっても、その後に輸入しようとする同一食品が食品衛生法に違反するおそれがある場合には同制度の適用を除外しているという考え方が一つございまして、それとはまた別に、モニタリングにつきましても、この計画輸入でありましても実施をしておるという状況でございます。
小沢(和)委員 だから私は、全然やっていないとは言っていない。ほとんど行われずと言ったんだ。実際やっているパーセントをあなたは出したら、もうほとんどやっていないに等しいようなことじゃないんですか。
 時間がないから、もうその先へ行きましょう。
 我が国では、残留農薬については基準が設けられているもののみが規制されますが、新しい農薬で基準がないものは何の規制もありません。これは全く危険な状態と言わなくてはなりません。むしろ、まだ基準が定められていない新しい農薬こそ、安全性を担保するため厳しいチェックをする必要があり、そういうものは使用してはならないもの、検出されてはならないものとすべきであります。輸入食品の残留農薬チェックも、そういう考え方で規制していくべきではありませんか。
尾嵜政府参考人 私どもも先ほど来の議論でお答え申し上げておりますように、残留農薬の基準と申しますか、対象につきましては、ポジティブリスト化をしていくという考え方、大臣からもお話をしていただいておりますが、そういう方向で考えているわけでございまして、その前提として、まだ基準が策定されていない農薬について早急に取り組んだ上で、ポジティブリスト化を動かしたい、そういうふうな考え方を持っております。
    〔鴨下委員長代理退席、委員長着席〕
小沢(和)委員 今、国民の中で食の安全に対する不安が非常に高まっていることは、先ほどからたびたび言われているとおりであります。その一番大きな原因が、食糧の大半を海外からの輸入に依存していることだと思います。
 我が党は、問題の根本的解決を図るためには食糧自給政策を推進することを主張しておりますが、少なくとも、当面は輸入に当たっての検査体制の抜本的強化を要求いたします。特に、食料品への検査体制を九五年以前の制度に戻し、モニタリングでなく、輸入食品全体について十分なサンプルの抜き取り調査を行い、それで安全が確認されてから輸入を認めることとすべきだと思います。
 そんなことをやれば輸入品の大渋滞が起こると言われるかもしれませんが、DNAによるチェックなど最新の技術を使えば、細菌検査などでも二、三時間でできるというではありませんか。問題は、真剣に国民の不安を解消し、食の安全に対する要求にこたえる決意が政府にあるかどうかではないかと思いますが、いかがでしょうか。
坂口国務大臣 食品の安全につきましては、諸外国からの輸入がふえております以上、それに対する対応を考えなければならないことは御指摘のとおりというふうに思います。
 ただ、今、外国から入ってまいりますものを全部チェックするということは、到底これはでき得ません。公務員をどんどんふやしてもいいというのであれば話は別でございますけれども、そういう状況にないことは既に御承知のとおりでございます。
 したがいまして、国が全部検査をするというのではなくて、まず生産者の段階において、生産者が、こういう内容のものでございます、こういう添加物を使っております、こういう内容でございますということを明らかにしていただくということがまず大事でありまして、企業、生産者のモラルというものがまず要求をされるというふうに私は思っております。しかる上で、モニタリング検査ということを指摘されておりますけれども、私は、その検査体制を強化することによって、そして全体像を把握していくということ以外に方法はないというふうに思っております。
 したがいまして、我々もやはり今まで以上に熱心に取り組んでいきたいというふうに思っておりますが、御指摘のようにすべてを検査するということはでき得ない、そういうふうに思っております。
小沢(和)委員 私も全部やれなんて主張した覚えないんですよ。十分なサンプルの抜き取り調査をやれということをさっき言ったのです。
 それと、生産者に自主的に検査をやるようにさせたいということを言われましたけれども、結局、しかし、それは生産者が十分なモラルを持ってやってくれるということが前提になる。私は、やはり最終的に食の安全を保障するのは政府の責任だという立場から主張をしているわけであります。
 次の質問ですが、九五年の法改悪以後、輸入食品・検疫検査センターが横浜と神戸の二カ所に集約されて、他の港などからは、そこにサンプルを送って検査を行っているというふうに聞いております。各主要港湾、空港などに抜き取り検査を行える設備をつくり、要員を大幅にふやして必要なだけそこに配置するように体制を抜本的に改善すれば、この提案は十分に実行できるのではないかと思いますが、いかがですか。
尾嵜政府参考人 お話ございましたように、横浜と神戸の両検疫所に輸入食品・検疫検査センターというものが設置をされておりまして、高度な技術に対応した検査を行うというふうなことで来ているわけでございまして、そういった検査機能を集約しておるということでございます。あわせまして、成田、東京、大阪、関西空港、福岡、この五検疫所に検査課を置いているということで、比較的簡易な検査はここでやっていただくということで、それぞれ役割分担をし、集約化をし、検査の効率化あるいは合理化をやっているということでございます。
 いずれにしても、この体制で今全体が検疫のモニタリング等の検査に対応しているわけでございまして、業務量から申し上げますと非常に過重な状況になっているということは否めないわけでございます。ここに先生が御指摘のような検査ができるかどうかというのは、非常に難しい点があるのではなかろうかというふうに思っております。
小沢(和)委員 予算の抜本的な増額も必要だと思うのです。現場の声を聞くと、これだけ大問題になっている冷凍ホウレンソウのチェックの回数をふやすと、他の検査を減らさなければならないという。この際、食の安全に対する信頼を回復するために、思い切った予算の増額を考えるべきではありませんか。
坂口国務大臣 限られた予算の中でございますけれども、その中で我々も、食の安全を守りますための予算は要求したいというふうに思っております。
小沢(和)委員 今回の法改正では、危険な食品輸入の包括的禁止の前提として、その食品の検査結果だけでなく、生産地における食品衛生上の管理の状況などを調査することも挙げております。つまり、水際だけでなく相手国まで行って実態をつかんでくることを求めております。
 この点からも、食品衛生監視員を思い切って増員することが欠かせないと思います。検疫検査センターもふやさず、人員もふやさず、予算もふやさずでは、幾ら包括的輸入禁止を可能にするといっても実際上発動すること自体が難しいのではないかと思いますが、いかがですか。
尾嵜政府参考人 ちょっと私、御質問の趣旨を取り違えているのかもしれませんが、そうであればまた御指摘をいただきたいと思いますが、今回の御提案の法律の内容で発動する際に調査をするということは、内外、これは無差別の対応でございますから、国外に対しましてもあるいは国内に対してもそういうことをする必要があるということでございます。
 外国に行く場合には恐らく国の職員ということになろうかと思いますが、国内の場合におきましてもこういった国の方からそういう措置をとるということでございますので、いずれにしても、国の職員なりが参る、専門家なりが参るというふうな対応がその調査の前提になろうというふうに思っているわけでございます。
 そういう意味で、食品衛生監視員というふうな肩書でなければならないのかというふうにも思われますので、そこのところは御指摘とはちょっと違うのではないかなと。ただし、前提としての調査というものは必要であるということは御指摘のとおりだと思っております。
小沢(和)委員 私も食品衛生監視員に限らないという指摘はそうだと思うのですね。だから問題は、そういう設備や人員をふやし、予算もふやしということをやらないというと、幾ら包括的輸入禁止を可能にするといっても、発動するための裏づけができないということになって、発動が困難になるんじゃないかと言っているんですが、その点重ねてお尋ねしておきます。
尾嵜政府参考人 当然これから対応するという中で、私どもはそういう手抜かりがないように、人的な体制、予算的な体制というものを十分考えた上で対応していきたいというふうに考えているところでございます。
小沢(和)委員 今、輸入食品の安全確保体制の強化を論じてまいりましたが、国民の不安のもう一つの原因は、国内の食品安全監視体制の弱体化だと思うのです。
 雪印牛乳の大量食中毒事件からBSE問題に至るまで、食の安全への信頼を揺るがす事件が次々に国内でも起こっておりますが、全国を通じて専任食品衛生監視員は減る一方であり、監視率もどんどん下がっていると聞いております。この十年を通じて監視員数がどう変化し、監視率がどこまで下がったのかということをこの機会に示していただきたい。そして、そんなことでよいかどうかという見解もお示しをいただきたい。
尾嵜政府参考人 この十年間の食品衛生監視の人員でございますが、おおむね七千人台で推移をしているという状況でございます。平成十二年度が一番新しい数字でございまして、七千四百三十六人という数字で、十一年度に比べますと若干減っておりますが、十年度から比べますと若干ふえている、こういうふうな若干の動きはございますが、こういう数字で最近は推移しているというところでございます。
 もう一方の御質問の監視件数の関係でございますが、これも、施設数は余り変動がございませんが、そういった対象施設への監視件数につきましては、この十年で三百五十万件から二百七十万件に減少をしておるというふうな数字でございます。許可対象施設に対します監視件数がそういった数字でございます。それと、学校給食施設等の許可が要らない施設に対します監視の件数が二百万件から約百六十万件へとこれも減少の傾向にあるというところでございます。
 この十年間の変化というのは、数字的にはそういう数字でございますが、食品衛生行政のこの監視に関しましては、対象の施設を考える場合に、時代とともに重点を置くべき対象施設が変わってきております。食中毒が大規模になってくる、そういった場合の製造施設、例えばHACCPの関係でございますとか、そういった、十年の間にいろいろな食品衛生としての監視の重点対象がやはり変わってくることもございます。あるいは新たな問題点も出てまいりますので、必ずしも数字だけで物事を判断することはできないと思いますけれども、私どもとしては、こういった七千数百の方々、自治体にいらっしゃる方々が熱心にやっていただいているというところはこれまでも十分承知しておりますし、そういった方々の意見をお聞きしながら、その方々が十分な動きができますようなサポートもしていきたいというふうに考えているところでございます。
小沢(和)委員 時間が来たようですから、最後に一言だけ大臣にお尋ねしたいんですが、今回の食品衛生法改正はあくまで緊急の措置と理解しており、本来は、昨年請願で採択されたりしておりますが、抜本的改正こそ懸案の課題だと思うんです。その作業の進行状況、見通しなど、一言お答えいただきたいと思います。
坂口国務大臣 来年の国会を目指しまして、現在、鋭意努力をしているところでございます。まだ煮詰まったという段階ではございませんが、おおむねの方向性というものはもう既にお示しをしているとおりでございまして、その具体化に今当たっているところでございます。
小沢(和)委員 終わります。
森委員長 次に、阿部知子君。
阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
 第百五十四国会も終わりに近づきまして、この国会の一番の大きな法案であった有事関連法案の方はこの国会で成立を見ず、よかったなと思う点と、また逆に、食の安全ということでは、食の安全保障ということをぜひともこの国会は真剣に対峙しなければいけないテーマであるなときょう一日皆さんの御討議を聞きながら思っておりました。そして、討議も大分出尽くしましたので、私は今までの皆さんの観点とは少し観点をずらして聞かせていただこうかと思います。
 今、小沢委員の、監視にかかわる人員的な不足の問題の御指摘、あるいは、特に農薬はポジティブリストという形で一九九五年の改正時からテーマとして積み残してあるので、このことをしっかりやるべきだ、あるいはもっと大きく言えば、通常国会あるいは臨時国会で食品衛生法の全般的な改正をやるべきだ、本当にいずれもそうだと思います。
 そして、そのこととあわせて、このグローバル化した経済のもとでは、例えば有事という軍事問題でも同じでしょうが、情報収集能力ということがひたすら、殊さらに極めて重要になってくると思います。
 私は、このホウレンソウ、冷凍ホウレンソウの件に関係して、さまざまなメディア等々から報道されるところからしか知り得ませんが、昨年十二月の十日付の中国紙の中国青年報というのを、中国大使館におられた、多分厚生労働省から出向しておられる方がお読みになって、昨年十二月ですから、こういうふうにたくさんの、中国で毒菜と呼ばれるような、非常に残留農薬が中国の国内で高いということの報道があったことを受けて、そしてまた民間団体もことしに入ってホウレンソウ、冷凍ホウレンソウの残留農薬をはかられて、それらを受けて厚生労働省としては今回のような法案の作成にも検討を始められたということではあるんだと思いますが、まずこのスタート時点、大使館における、特に現地の農業実態、あるいは農薬のさまざまな被害、あるいは全般的なその国の健康状態の問題点などなどを掌握すべく、厚生労働省としてはこれまでどのような取り組み、それからこれからどのような御指導をしていかれるのか、一点お願いいたします。
坂口国務大臣 今お話ございましたように、中国を初めといたしまして、我が国には多くの食品が入っているわけでございますが、それに対するやはり情報というものを的確に把握をするということは非常に大事なことであることはもう論をまちません。
 中国を初め、我が国に食品を輸出している国々におきます食品衛生に関する情報収集につきましては、現在のところは、在外の公館でありますとか輸出入の関係者からの情報を集める、それから現地のマスコミ等の報道を収集する、それから検疫所等の残留農薬検査における輸入食品の違反状況を見る、それから我が国の担当者を派遣をして実施します輸出国における農薬規制でありますとか使用状況の調査というものも行っている、国際機関や各国の政府からの情報を集めている、こうしたことを総合しながら現在のところやっているわけでございますが、必ずしも、だからといって十分にこれが機能しているというところまでいっていない点もある。これから、さらにこうした点を充実をしていかなければやはりいけないんだろうというふうに思っております。
 現在、中国だけが問題になっておりますけれども、問題は中国だけではなくて、他の諸国におきましても同じようなことが起こる可能性というのはあるわけでございますから、そうしたことも十分に配慮をしていかなければならないというふうに思っている次第でございます。
阿部委員 今大臣の御答弁で、在外公館、いわゆる大使館の役割ということもこれまで以上に重要になってきますし、多面的になってくると思うのです。ぜひ食の安全ということの教育も含めて、それから現地での農業実態を把握すること、これは農水省や経済産業省との協力のもとに行わなければならないと思いますが、在外大使館の機能というものを改めて見直していただきたい。今外務省疑惑で揺れておりますが、とてもあのような形では食の安全も守れないと思いますので、重ねて政府内でお取り組みをお願いいたしたいと思います。
 そして、いま一点、実は私は今週月曜日、ミスタードーナツというところに行きまして、酸化防止剤の肉まんのことで有名なところでございますが、今度はつけめんというめんについているネギがなくなっておりまして、また掲示が出ていて、ネギが中国産であったからまた問題であったということがございましたが、いずれもこれらのネギ、シイタケ、そしてホウレンソウもそうですが、多くは、実は日本の商社が海外に出向きまして、栽培から農薬指導からいろいろいたしておるということがかなり実態として指摘されております。
 そこで、私はきのうあらかじめの質問のときに、一体いつごろから日本の商社は中国に行き、そうしたネギやシイタケ、あるいは今回のホウレンソウの製造にかかわっているのか、データをお持ちですかと、厚生省と農水省の方が来てくださいましたのでお伺いいたしました。両省庁からのお答えは、実はそれは財務省管轄で、例えば海外からの野菜がどのくらい、どのように輸入されているか、あるいは、日本の商社が海外に行き、どのような活動をしているかというのは財務省マターであるということを伺いました。
 そこで、これ、あとは経済産業省がかかわりますでしょうが、安全性の部分は厚生省、農業の実際のところは農水省、そして産業構造としては経済産業省、輸出入については財務省とばらばらにやっていたのでは、やはり有事に備えられないと思います。
 そこで、一つ御質問がございます。
 この法律案要綱の中に、食品衛生上の危害の発生を防止するために特に必要があると認めるときは、あらかじめ関係行政機関の長に協議した上、食品衛生審議会の意見を聞いて販売を中止したりするとありますが、発生を防止するために特に必要があると認めるときはというのは、いわば事後対処的な側面が強いと思うのです。このあらかじめ関係行政機関の長に協議した上という、あらかじめ関係行政機関というのは、具体的にはどこを指しておられるのでしょうか。お願いします。
尾嵜政府参考人 私どもが想定いたしておりますのは、経済産業省、外務省、農水省、この三省を想定いたしているところでございます。
阿部委員 私があえてこのことを伺いましたのは、ぜひやはり財務省というものも入れていただきたい。私は今さっきまで財務金融委員会におりましたから、それで言うのではないのですが。
 実は、財務省の貿易統計によりますと、中国からの輸入量、一番早くキャッチするわけですが、ホウレンソウに関して、八八年は六百トンでございましたものが昨年は五百万トンで、これがいつから破格に上がっておるかというと、九七年、冷夏の折のホウレンソウの輸入でした。
 そして、ちょうどこの九七年という時期を合わせますように、中国国内では検出される農薬の数が非常に増加しております。例えば、九七年に中国国内で中国当局によって検出された農薬は三種類ですが、二〇〇〇年度では二十六種類にふえておる。逆に、この構造を見ますと、我が国の企業が進出し、逆さに、ホウレンソウを輸入する量がふえればふえるほど、中国国内の農薬汚染も進んでおるという実態が出てくると思います。
 特に、これから、WTOは経済産業省マターですが、税関、通関、グローバル経済化の中で、一番先にもしかして情報をキャッチできたりするのが財務省であるという場合もあると思います。
 そして、きのうもお伺いいたしましたが、この件で何社くらいが一体中国で生産にかかわっておりますかというと、これが、お答え、なかなか財務省も出してくださいませんとおっしゃいます。
 ですから、きょうこの委員会で言っても出ないものと思いますが、逆に、予防的に安全を図っていくためには、別に企業活動を制約するためでなくて、実態を把握するために、ぜひともここのあらかじめという中には財務省も検討に加えていただきたい。何せ予算を握る強い省庁ですから、入ってねと言ってどういうお答えかはわかりませんが、予防的な食品の安全衛生というためには、物の流通というところが極めて大事になってくると思いますので、この件、坂口厚生労働大臣にお考えを伺いたいと思います。
坂口国務大臣 関係いたしますところは全部連携をしていかなければいけないわけでございますから、それは財務省につきましてもいろいろと連携を密にしていきたいというふうに思います。
 捕らえてみれば我が子なりという言葉もございますが、やはり日本の企業のあり方、モラルというものも問われているわけでございます。そのことも十分に我々は把握していかなければいけないと思います。
阿部委員 重ねてお願いいたします。
 では、最後にというか、この件では最後ですが、農水省にお願いいたします。
 六月の中旬でしたか、厚生省の皆さんと一緒に、この件で中国に一応調査に赴かれたと思います。私の気になっております日本の在外商社の問題、あるいは中国での農薬使用の実態、そのあたりをもしも今御答弁いただければお願いしたいのと、今後どういう課題を思っておられるかについて、農水省としてのお考えを伺います。
坂野政府参考人 中国の現地の調査でございますけれども、農水省としましては、ことしの一月と三月と六月に行っています。一月と三月は農水省独自で行っております。
 今御指摘の六月でございますけれども、六月の出張は、厚生省の担当官と農水省の農薬、野菜の専門家を現地に派遣いたしました。行った場所は、山東省の冷凍野菜の輸出企業、また、北京における国家農業部と国家質量監督検験検疫総局というところでございます。そこで調査を行いました。
 行った際に、中国側からは、冷凍野菜の輸出企業は、各省にあります輸出入検査検疫局の登録が必要であるというような説明、また、農場段階における残留農薬の検査は各企業の検査部が実施している、さらに、輸出前の製品検査、製品段階での検査は輸出入検査検疫局が実施しているという説明があったわけでございます。
 しかしながら、先方の説明において裏づけとなるデータ、例えば、こういう農薬をやって、こういうようなデータを分析して、こういうチャートがあった、そういうような情報は得られておりません。
 したがいまして、今後でございますけれども、在北京の日本大使館なり、また、輸入業者等を通じた情報収集や、必要に応じて再度の現地調査によりまして実態把握に努めてまいりたいと考えております。
阿部委員 検疫体制がいかに充実しようとも、やはりもとから正すということが極めて重要ですし、それも敵対的な関係ではなく、やはり中国の国民の健康にもかかわることですから、我が国がこれまで、例えば公害を克服し、また農薬問題も以前よりは格段に、少しずつではありますが進歩しておる。その経験を踏まえて、本来的な意味の日中の交流が行われるように、農水省としても御尽力いただきたいと思います。
 この件はこれで終わらせていただきまして、次に、情報公開という、特に厚生省における情報公開についてお尋ねいたします。
 本年六月の二十八日に、情報公開審査会というところが、かつて厚生省が、ことしの四月二十七日段階で、臓器移植にかかわります情報公開を受けた案件に対しまして、そのようなものは資料として存在しないから、不存在ということを理由に不開示決定をした事案がございます。(発言する者あり)
森委員長 御静粛に願います。
阿部委員 第九例目の臓器移植、これは、福岡の徳洲会で行われた臓器移植について情報公開を求めました。検証会議に出されたメモ等々を情報公開を求めましたが、ちょうどその検証会議の四月二十七日当日に、厚生省は、開示要求をされた方に対して、一方で検証会議をやりながら、この資料は存在しませんというふうに、不開示、存在せず不開示という通知を起こされました。
 これに対して、この審査会の方で、存在しないから不開示ということは真実ではないのではないか、いろいろな意味でこうした不開示を行うことが問題ではないかという指摘をされたと思います。
 坂口厚生労働大臣、この件につきまして櫻井充さんも参議院で伺いましたが、私は、やはり情報公開ということをきちんと、せっかくできた制度ですから、防衛庁のあの不始末のようなことを厚生省はしていただきたくない。これは、厚生省が手に入れた文書をコピーして、そのコピーを廃棄して不開示、ないから不開示といたしました。この案件について一言お願いいたします。
坂口国務大臣 具体的な話はまた局長からもするというふうに思いますが、この件のみならず、今までの脳死にかかわります案件は同様な扱いをしてきたわけであります。
 私も事の事情を聞きまして、今回までとってまいりました厚生労働省の考え方がどこに起因をしているかといえば、それは、個人情報というものをできるだけ外に出ないようにする、漏らさないようにする、そういう趣旨からやってきたわけでありまして、いわゆる情報公開をしないという立場をとってきたわけではなかった。個人情報を極力外に漏らさないということを中心にして考えてきた。
 そして、情報公開につきまして、総務省が行政管理局編としてつくっておみえになります「詳解 情報公開法」というのがございまして、その中にも、「一時的に文書を借用している場合や預かっている場合など、当該文書を支配していると認められない場合には、保有しているとはいえない。」非常にわかりにくいんですが、読み方によっては、それは保有しているということは言えないともとれる、そういう文章が中に書かれておりまして、厚生労働省としてはそういう立場をとってきたわけでございますが、今回、これはやはり情報公開をするという方向にすべきだという御指摘でございますので、今後はそういうふうにしたいというふうに思っております。
阿部委員 ありがとうございます。今、二十例目まで移植が行われ、検証会議も折々に行われております。その検証会議で使われる資料でもございますから、それがない、不開示というふうな、あるのにないという形の判断がなされることは隠ぺいともとられかねませんので、極めて重要な対策と思いますので、重ねてお願いいたします。
 同じように、臓器移植ネットワークのことでお伺いいたしますが、実は、この臓器移植ネットワーク、昨年度の事業報告が現時点でもまだ出ておりません。事業報告というのは通常四月十日までで、決算も済み、翌年度の予算がかかるということで、さきに私どもの山口わか子が決算行政委員会でも指摘をしておりますが、四月十日、従来であれば、あるいは他の公益団体であればきちんと報告されるべき会計報告がなぜこのようにおくれているのか、また、どのような御指導を行っているのか、この点についてお願いします。
下田政府参考人 御指摘のように、平成十三年度のネットワークに対する補助金の事業報告は、五月十日に提出を受けまして、内容を確認しましたところ不備な点が見られたということで、修正の上、再提出をするように今指導をしている最中でございます。
 なぜおくれたかということでございますが、従来からネットワークの報告はややおくれぎみであるという事情がございましたので、適正に提出をするように指導をしてきたところでございますけれども、特に、昨年六月の立入検査の際に、会計監査法人による外部監査の導入、社団監事の複数選任といったところを指導したところでございます。こういった事務の適正化を図ると同時に、ネットワーク自体も、従来の七ブロック体制から三支部体制に移行させるといった事務の簡素化、こういったこともあわせて行っておりまして、そういった合理化の中で、限られた人員でございますので、事務処理が今回若干おくれたというふうに承知をいたしております。
 いずれにしましても、適正な執行という観点からはおくれるということは問題でございますので、さらに今後とも重ねて指導してまいりたいと考えています。
阿部委員 先ほど私がお願いいたしました情報公開の透明性、それから会計報告というのは最低限のものでございまして、そうしたものがきちんと行える事務体制がまだ整わないなどなど、本当に、やはり人間の命の、これは極めて限定的に、脳死という場合に限って御本人の善意で移植しようということを支える体制が、足元が危ういということだと思います。
 今、一部には、拙速な対象年齢の拡大、特に小児への臓器移植の拡大問題が論じられておりますが、日弁連は、第四例目に対しては脳死判定で人権侵害のおそれありとしている指摘もございます。当然ながら、厚生行政といたしましては、まず透明性、そして体制の、システムのきちんとした整備ということに心がけていただきたいと思い、本日の私の質問を終わります。
 ありがとうございます。
     ――――◇―――――
森委員長 次に、食品衛生法の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。
 本件につきましては、先般来各会派間において御協議をいただき、意見の一致を見ましたので、委員長において草案を作成し、委員各位のお手元に配付いたしております。
 その起草案の趣旨及び内容について、委員長から御説明申し上げます。
 本案は、最近における食品衛生法に違反する食品等の販売や輸入の事例が続発している状況等にかんがみ、食品衛生上の危害の発生を防止するため、食品衛生法違反となるおそれが高い特定の国、地域または特定の者により製造等がなされた食品等について、その販売、輸入等を包括的に禁止することができる新たな制度を創設しようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。
 第一に、厚生労働大臣は、特定の国、地域または特定の者により製造等がなされた特定の食品または添加物について、輸入時における検査結果等から見て、食品衛生法違反の食品等が相当程度含まれるおそれがあると認められる場合は、健康被害が生ずるおそれの程度等を勘案して、特に必要と認めるときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議の上、薬事・食品衛生審議会の意見を聞いて、当該食品等の輸入、販売等を禁止することができることとすること。
 第二に、厚生労働大臣は、利害関係者からの申請等に基づき、食品衛生上の危害の発生のおそれがないと認めた場合は、薬事・食品衛生審議会の意見を聞いて、輸入、販売等の禁止措置の全部または一部を解除することができることとすること。
 第三に、器具、容器包装及び乳幼児用おもちゃについても、同様の措置を講じることとすること。
 第四に、厚生労働大臣及び都道府県知事は、食品衛生法に違反した者の名称等を公表し、食品衛生上の危害の状況を明らかにするよう努めるものとすること。
 第五に、新たな禁止規定に違反した者についての罰則を設けるとともに、食品衛生法の規定に違反した者に対する罰金の引き上げを行うこととすること。
 なお、この法律は、公布の日から起算して一月を経過した日から施行すること。
 以上が、本起草案の趣旨及び内容であります。
    ―――――――――――――
 食品衛生法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
森委員長 この際、お諮りいたします。
 お手元に配付いたしております草案を食品衛生法の一部を改正する法律案の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
森委員長 起立多数。よって、そのように決しました。
 なお、本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
森委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
森委員長 この際、鴨下一郎君外六名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党、日本共産党、社会民主党・市民連合及び保守党の七派共同提案による食品衛生法の一部を改正する法律の運用に関する件について決議すべしとの動議が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。釘宮磐君。
釘宮委員 私は、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党、日本共産党、社会民主党・市民連合及び保守党を代表して、本動議について御説明申し上げます。
 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。
    食品衛生法の一部を改正する法律の運用に関する件(案)
  政府は、食の安全の確保の重要性にかんがみ、次の事項について、適切な措置を講じ、その実現に努力すべきである。
 一 輸入禁止措置等の発動は、国民の健康保護を最優先とし、これに関する関係行政機関の協議はこの趣旨にのっとって迅速かつ適正に行われるべきものであること。
 二 検疫所および保健所等における食品衛生監視員の増員、食品検査機能の強化、国、地方公共団体が設置する試験研究機関の調査研究体制の拡充整備など、食品の安全確保のための検疫・検査・研究体制の充実強化を図ること。
 三 輸入、製造、販売業者等に対し、国民に安全な食品を提供する責務を徹底するため、指導監視を強化すること。このため、法違反に対する行政処分、罰則の内容、これらの適用を強化する方向で早急に見直すこと。
 四 法違反の営業者等の公表に当たっては、営業者等の責務の重大性を踏まえ厳正に行うとともに、行政事務の無用の煩雑や国民の無用の混乱を生じないよう適切な方法を講ずること。
 五 食品衛生行政の運営に当たっては、一般消費者等の意見を適切に反映すること。
 六 食品衛生法の抜本改正を早急に行うこと。
  右決議する。
以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
森委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
森委員長 起立総員。よって、そのように決しました。
 この際、ただいまの決議につきまして、坂口厚生労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。坂口厚生労働大臣。
坂口国務大臣 ただいまの御決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、努力してまいる所存でございます。
 ありがとうございました。
森委員長 なお、本決議の議長に対する報告及び関係方面への参考送付等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
森委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
     ――――◇―――――
森委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 内閣提出、参議院送付、薬事法及び採血及び供血あつせん業取締法の一部を改正する法律案の審査のため、来る二十四日水曜日、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
森委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次回は、来る二十四日水曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時三十五分散会


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