衆議院

メインへスキップ



第27号 平成14年7月24日(水曜日)

会議録本文へ
平成十四年七月二十四日(水曜日)
    午前九時三十二分開議
 出席委員
   委員長 森  英介君
   理事 鴨下 一郎君 理事 鈴木 俊一君
   理事 長勢 甚遠君 理事 野田 聖子君
   理事 釘宮  磐君 理事 山井 和則君
   理事 福島  豊君 理事 佐藤 公治君
      小此木八郎君    岡下 信子君
      上川 陽子君    木村 義雄君
      北村 誠吾君    小西  理君
      後藤田正純君    左藤  章君
      佐藤  勉君    自見庄三郎君
      田村 憲久君    竹下  亘君
      竹本 直一君    棚橋 泰文君
      西川 京子君    堀之内久男君
      松島みどり君    松野 博一君
      三ッ林隆志君    宮澤 洋一君
      谷津 義男君    吉野 正芳君
      家西  悟君    大石 尚子君
      大島  敦君    加藤 公一君
      鍵田 節哉君    金田 誠一君
      五島 正規君    土肥 隆一君
      三井 辨雄君    水島 広子君
      江田 康幸君    桝屋 敬悟君
      黄川田 徹君    小沢 和秋君
      瀬古由起子君    阿部 知子君
      中川 智子君    野田  毅君
      川田 悦子君
    …………………………………
   厚生労働大臣       坂口  力君
   厚生労働副大臣      狩野  安君
   厚生労働大臣政務官    田村 憲久君
   政府参考人
   (防衛庁防衛参事官)   田中 慶司君
   政府参考人
   (文部科学省高等教育局長
   )            工藤 智規君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房技術
   総括審議官)       今田 寛睦君
   政府参考人
   (厚生労働省医政局長)  篠崎 英夫君
   政府参考人
   (厚生労働省健康局長)  下田 智久君
   政府参考人
   (厚生労働省健康局国立病
   院部長)         河村 博江君
   政府参考人
   (厚生労働省医薬局長)  宮島  彰君
   政府参考人
   (厚生労働省老健局長)  堤  修三君
   政府参考人
   (厚生労働省保険局長)  大塚 義治君
   参考人
   (財団法人日本公定書協会
   会長)          寺尾 允男君
   参考人
   (日本製薬工業協会会長) 永山  治君
   参考人
   (日本赤十字社事業局技監
   )            草刈  隆君
   参考人
   (大阪HIV訴訟原告団代
   表)           花井 十伍君
   参考人
   (献血推進全国協議会会長
   )            三星  勲君
   参考人
   (薬害ヤコブ病東京弁護団
   事務局長)        阿部 哲二君
   厚生労働委員会専門員   宮武 太郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
七月二十四日
 辞任         補欠選任
  上川 陽子君     左藤  章君
  竹本 直一君     小此木八郎君
  松島みどり君     小西  理君
  三ッ林隆志君     松野 博一君
  三井 辨雄君     大石 尚子君
  樋高  剛君     黄川田 徹君
同日
 辞任         補欠選任
  小此木八郎君     竹本 直一君
  小西  理君     松島みどり君
  左藤  章君     上川 陽子君
  松野 博一君     三ッ林隆志君
  大石 尚子君     三井 辨雄君
  黄川田 徹君     樋高  剛君
    ―――――――――――――
七月二十三日
 介護保険制度の改善に関する請願(矢島恒夫君紹介)(第六六九五号)
 同(赤羽一嘉君紹介)(第六八〇四号)
 重度障害者の障害基礎年金増額に関する請願(矢島恒夫君紹介)(第六六九六号)
 同(赤羽一嘉君紹介)(第六八〇六号)
 障害者雇用率引き上げ及び職域開発に関する請願(矢島恒夫君紹介)(第六六九七号)
 同(赤羽一嘉君紹介)(第六八〇七号)
 脊髄神経治療の研究開発促進に関する請願(矢島恒夫君紹介)(第六六九八号)
 同(赤羽一嘉君紹介)(第六八一〇号)
 日常生活用具の意志伝達装置の支給対象者拡大に関する請願(矢島恒夫君紹介)(第六六九九号)
 同(赤羽一嘉君紹介)(第六八一一号)
 ベンチレーターを必要とする脊髄損傷者が社会参加するための環境整備に関する請願(矢島恒夫君紹介)(第六七〇〇号)
 同(赤羽一嘉君紹介)(第六八一二号)
 無年金障害者の解消に関する請願(矢島恒夫君紹介)(第六七〇一号)
 同(赤羽一嘉君紹介)(第六八一三号)
 労災遺族年金支給制度及び要件の改善に関する請願(矢島恒夫君紹介)(第六七〇二号)
 同(赤羽一嘉君紹介)(第六八一四号)
 労働者災害補償保険法の改善に関する請願(矢島恒夫君紹介)(第六七〇三号)
 同(赤羽一嘉君紹介)(第六八一五号)
 総合的難病対策の早期確立に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第六七〇四号)
 同(大森猛君紹介)(第六七〇五号)
 同(佐々木憲昭君紹介)(第六七〇六号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第六七〇七号)
 同(不破哲三君紹介)(第六七〇八号)
 同(藤木洋子君紹介)(第六七〇九号)
 同(松本善明君紹介)(第六七一〇号)
 あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律第十九条の改正に関する請願(石井啓一君紹介)(第六七三八号)
 同(中川智子君紹介)(第六八一八号)
 小規模作業所等成人期障害者施策に関する請願(石井啓一君紹介)(第六七三九号)
 同(達増拓也君紹介)(第六七四〇号)
 同(八代英太君紹介)(第六七四一号)
 同(山田正彦君紹介)(第六七四二号)
 同(谷洋一君紹介)(第六七五四号)
 同(竹本直一君紹介)(第六八四六号)
 ウイルス肝炎総合対策の充実に関する請願(阿部知子君紹介)(第六七四三号)
 高齢者のホームづくりに関する請願(阿部知子君紹介)(第六七四四号)
 働くルールの確立に関する請願(松本善明君紹介)(第六七八二号)
 十五歳未満の臓器提供を可能にするための臓器移植法改正に関する請願(上田勇君紹介)(第六八〇三号)
 重度障害者のケアハウス設置に関する請願(赤羽一嘉君紹介)(第六八〇五号)
 障害者の医療制度改善に関する請願(赤羽一嘉君紹介)(第六八〇八号)
 人工呼吸器を必要とする脊髄損傷者に関する請願(赤羽一嘉君紹介)(第六八〇九号)
 児童扶養手当の減額、支給期間短縮などの改悪中止に関する請願(中川智子君紹介)(第六八一七号)
 雇用対策と失業者支援の強化に関する請願(中川智子君紹介)(第六八一九号)
 不妊治療の保険適用に関する請願(中川智子君紹介)(第六八二〇号)
 第二十七期中央労働委員会労働者委員の公正な任命に関する請願(瀬古由起子君紹介)(第六八二九号)
 安全で行き届いた医療・看護実現のための国立病院・療養所の看護師増員に関する請願(金子哲夫君紹介)(第六八三〇号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 薬事法及び採血及び供血あつせん業取締法の一部を改正する法律案(内閣提出第八五号)(参議院送付)
 厚生労働関係の基本施策に関する件
 医薬品・医療機器の安全対策の推進に関する件


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――
森委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、参議院送付、薬事法及び採血及び供血あつせん業取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案審査のため、参考人として、財団法人日本公定書協会会長寺尾允男君、日本製薬工業協会会長永山治君、日本赤十字社事業局技監草刈隆君、大阪HIV訴訟原告団代表花井十伍君、献血推進全国協議会会長三星勲君、薬害ヤコブ病東京弁護団事務局長阿部哲二君、以上六名の方々に御出席をいただいております。
 この際、参考人の皆様方に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただき、審査の参考にいたしたいと思います。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 最初に、参考人の皆様方から御意見をそれぞれ十分以内でお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
 なお、発言する際は委員長の許可を受けることとなっております。
 それでは、まず寺尾参考人にお願いいたします。
寺尾参考人 皆様、おはようございます。財団法人日本公定書協会の寺尾でございます。
 本日は、参考人といたしまして委員会に出席し、意見を申し述べる機会をいただきまして、まことにありがとうございます。私は、医薬品などの品質や安全性の評価を最近まで行ってきた経験から、今回の薬事法改正につきまして意見を申し上げたいと思います。
 一枚紙をお配りしてございますけれども、これは、私が本日お話しいたします項目といいましょうか、そういうようなものをちょっと書いてあるものでございまして、参考にしていただければと思います。
 今回の薬事法改正には三つの大きな論点があると思います。すなわち、医療機器の制度的見直し、生物由来製品に関する規制の新設及び承認・許可制度の見直しの三つでございます。これら三つの論点の根底にあるものは、合理性と安全確保ということであると思います。私は、これら三つのうち、生物由来製品に関する規制の新設と、承認・許可制度の見直しの問題を中心に、意見を述べさせていただきたいと思います。
 最初に、生物由来製品に関する規制の新設に対する意見でございますけれども、今回の改正案におきまして、生物由来製品の規制には、予防措置的な考え方、それからレギュラトリーサイエンスに基づきます製品のリスク評価とその対応が盛り込まれておりまして、私は、これは国際的にも高い水準であるものであり、技術行政の新たな枠組みを提供するものとして期待しております。
 申し上げるまでもないことでございますけれども、バイオ技術は二十一世紀の医療におきまして最も期待されている技術の一つであり、バイオ産業が国民の医療上のベネフィットをもたらすような規制の枠組みを現時点でつくっていくということは、大変大きな意義があるものであると思っております。
 しかしながら、何よりもまず、生物由来製品によりますあのような感染被害を二度と起こさないということ、これが重要であると思います。このことは、感染被害に遭われました患者さんに対する責任であると同時に、もし再びあのような被害を起こすようなことがありますと、バイオ技術は国民の信頼を全く失って、我が国における将来の発展の道を断たれてしまうというおそれがあると思います。
 生物由来製品についての安全対策は、これまでの生物由来製品からの不幸な感染の事実を踏まえまして、安全確保のための系統的な規制の枠組みを設けるということが重要であります。これまでの不幸な事実を教訓といたしまして、将来に向けまして、バイオ医薬品、医療機器の技術への国民の信頼を取り戻すということが、私のようにこれまで研究に携わってきた者の視点からも望まれることであると思います。
 一方で、病原体につきましては、精度あるいは感度のすぐれた検査方法というものが関係者の御努力によりまして導入されるようになりまして、血液製剤を含めた生物由来製品の感染症に対します安全性は、以前に比べまして著しく向上していると思っております。ですから、最近では血液製剤によります感染症はほとんど起きていないと言うことができます。このような徹底した安全確保は、治療技術の進歩を促進こそすれ、阻害するものではありませんので、今回の薬事法の改正によってこれをルール化するということは望ましいことであると思います。
 ただ、忘れてはならないことは、生物由来製品というものは、最新の科学技術で処理を行いましても、常に未知の感染症のリスクというものは完全には否定できないということであります。
 それゆえに、今回の改正案で生物由来製品、特定生物由来製品の記録の保管を義務づけているということは、遡及調査を可能として、製品のセーフティーガードをつくるものでありますし、また、感染症定期報告制度の導入につきましては、未知の感染症に対しましても常に注意を払い、たとえ発生いたしましても被害を最小限に抑え、さらに被害が拡大することをとめるという視点からも、非常に望ましい改正であると思っております。
 次に、私自身が最近まで遺伝子組み換え医薬品等の安全性評価を行ってきた立場から、遺伝子組み換え医薬品につきまして一言意見を述べさせていただきます。
 遺伝子組み換え技術につきましては、すべてが明らかになっているということは言い切れませんけれども、今回の改正で、この技術を用いて製造いたしましたすべての製品を生物由来製品というふうに明確に位置づけるということは、非常に大きな意味があると思います。
 しかし、遺伝子組み換え技術が開発されてから三十年近くたちまして、また、この技術を用いまして医薬品の製造が行われるようになって十数年の実績がございますけれども、これによりまして数多くの医薬品が製造され、使用されておりますけれども、この間にこの技術に大きな問題は起きていませんし、今後もこの技術によって問題が起きるということは極めて低いのではないかというふうに思っております。
 遺伝子組み換え医薬品の製造において、ヒト血漿たんぱくやアルブミンを使用する場合がございますけれども、これらの成分の使用によります感染事故というものはこれまでに知られておりません。したがいまして、遺伝子組み換え医薬品を特定生物由来製品に一律に指定するという必要はないのではないかというふうに思います。指定に当たりましては、個々の医薬品についての科学的、客観的な評価を行いまして指定を行うということが必要であると考えております。
 例えば、遺伝子組み換え第8因子につきましては、血漿由来製剤に比べまして、製造に用いられます血液成分由来によるリスクははるかに低く、安全性は高いと言えると思います。
 リスク評価は、主観的に行うのではなく、科学的エビデンスに基づきまして客観的に行うべきであります。このために効率的、効果的な規制が必要になると思いますし、新たな技術の進展に対して扉を閉ざすようなことがあってはならないと思います。法の趣旨を踏まえ、公平かつ科学的に運用していただけることを望んでおります。
 最後に、承認・許可制度の改正に関しまして申し上げたいと思います。
 薬事法改正によりまして外国にもGMP査察が実施できるようになるということは、国際的なレベルで医薬品の品質管理ができるということになりまして、非常に重要なことであると思います。
 また、製造業を製造販売業と製造業に分離するということがうたわれておりますけれども、このことによりまして医薬品産業の効率的な分業につながることが期待できると思います。最近の品質管理基準と技術を踏まえれば、実地に行うGMP査察を審査に組み込むことによりまして、医薬品の品質はより向上するものと思われます。
 さらに、市場への責任に対し企業に明確に当事者意識を持たせる上でも、今回の改正は非常にめり張りのある合理的な規制であると考えております。ただ法律をつくればそれでいいというわけではありませんで、実効性のあるものにしていただきたいと思っております。
 今回の改正が、二十一世紀をにらみまして、よりよい医薬品の開発を促進し、国民が安心して医薬品、医療機器の提供を受けられるようになるということに貢献するものと期待しております。
 以上で私の意見陳述は終わりにしたいと思います。どうも御清聴ありがとうございました。(拍手)
森委員長 どうもありがとうございました。
 次に、永山参考人にお願いいたします。
永山参考人 日本製薬工業協会の永山でございます。
 本日は、大変貴重な意見陳述の機会を与えていただきまして、まことにありがとうございます。医薬品産業の立場から、今回の薬事法改正についての少しコメントをさせていただきたいというふうに思います。
 医薬品といいますと、主に医学、薬学といった専門分野での議論、あるいは医療費の中の薬剤費としての社会的なコストとしての議論が多く行われてまいったわけですけれども、それに比べますと、医薬品を開発、生産あるいは発売するという医薬品産業に対しての認知というものは、かなり低かったのではないかなというふうに感じているわけでございます。
 一方で、昨今はライフサイエンスが急速に発展をいたしまして、また、日本はほかの国が今まで経験したことのないような急速な高齢化社会を迎えようとしているわけでございます。それに呼応しまして、国民の健康への関心、医薬品に対する期待が高まっているというふうに認識をしているわけでございます。
 我が国でもここ数年、欧米各国が行ってまいりましたように、国が生命科学研究に集中的な資源投入を行うようになってまいりました。最近、厚生労働省からも産業ビジョン案が出されまして、また最近、内閣府にバイオテクノロジー戦略会議、BT戦略会議というものが設置されるなど、産業の国際競争力強化に向けた国家的な動きが出てきているということは、我々としても大いに歓迎をさせていただいている次第でございます。
 次に、製薬工業協会として今主張している要点について御報告を申し上げたいと思います。
 研究開発志向の製薬企業で構成しております日本製薬工業協会でございますけれども、知的集約産業であります医薬品産業を、国際競争力を有するリーディング産業として確立したいということから、日本を創薬の国際競技場にという考えを主張してまいりました。
 その主張とは、日本に医薬品の研究開発が活発に行われるようなインフラストラクチャー、環境を整備することによりまして、国内のみならず国外からも資本や優秀な人材、企業の誘引を図り、日本を舞台に創薬の開発競争が行われる、そうしたものを国際競技場と申しております。そして、そこから開発されました画期的な新薬が、国内外に最新の科学の成果として提供されるということを望んでいるわけでございます。
 国民の医薬品に対する期待の高まり、国による生命科学関連の産業に対する積極的な政策展開というのは、我々の今主張しております点と非常に合致しているというふうに認識をさせていただいております。
 また、研究開発志向の製薬企業としましては、最新の科学の成果をいち早く患者さんにお届けできるように、特に適切な治療法がなく、重篤な疾病や病気の進展を阻止しなければ死に至るというような疾病を治療するような画期的な新薬の早期開発を支援、促進するファストトラック制度の新設などを要望として出させていただいている次第でござます。
 次に、今回の薬事法改正に関しまして、今申し上げたような状況の中で幾つか、四つの点についてコメントをさせていただきたいというふうに思います。
 まず第一番目ですけれども、治験制度について申し上げます。
 医薬品の開発過程におきましては、治験という、製薬企業と医療担当者並びに患者さんとの共同作業によりまして、臨床における人での有効性、安全性を確認する必須過程があるということは皆様も御承知のことかと思います。
 治験におきましては、国内での空洞化が言われております。それには二つの側面があるというふうに認識をしております。一つは、昨今、日本の製薬企業が新薬開発力をかなり高めてまいりました。それによりまして海外で活発に治験を実施しているという点が空洞化にも一部つながっているということでございますし、もう一つは、国内の臨床研究体制の未整備に基づいているものということでございます。
 ことしから医療機関で治験を含む臨床研究を行う体制の整備が本格的に着手されてきております。引き続き、より円滑な臨床研究に対する取り組みをお願いしたいというふうに、この機会を使わせていただきたいと思います。
 今回の薬事法改正案では、新しい治療法を早期に人で検証できるなどを目的としました、お医者様みずからが治験を行える制度の導入が提案されております。新しい治療法、医薬品のより有効で安全な使用方法を見出す上で大変有用であるというふうに評価をさせていただいている次第でございます。現行法では、そのような場合でも企業から医師等への医薬品を提供することができなかったということでございまして、これが法制化することで安心して提供できるという状況になるわけでございます。
 一方で、これらドクター、お医者様みずからが企画する治験の実施につきましても、安全性の面で適切な計画と適正な手順が必要と考えられます。このような場合における治験のガイドラインを早急に作成することが望ましいのではないかというふうに感じております。
 また、お医者様みずからが治験を企画する場合であっても、治験薬の提供等企業の関与が生ずるということでございますので、このガイドラインの作成に際しましては、お医者様の意見のみならず企業側の意見もぜひ反映をしていただければというふうにお願いをしたいと思います。
 二番目ですけれども、医薬品の安全対策の充実強化についてコメントをさせていただきます。
 医薬品の安全確保につきましては、製薬企業における最も重要な課題の一つと認識をしております。研究開発段階から市販後段階までの対策の強化に今までも大いに努めてきたところでございます。今般の法改正では、生物由来製品については、その感染リスクを最小にして健康被害の発生と拡大を防止するために、原材料の安全性の確保、それから記録の保管、感染症定期報告などが規定されており、企業としても努力をしていきたいというふうに考えております。
 今回、市販後安全対策の充実の一環としまして、医療関係者による副作用、感染症の行政当局への直接報告が規定されております。ぜひ、それらの安全性情報に関するデータが速やかに企業側にも提供をしていただけるようにお願いをしたいと思います。
 医薬品が安全に利用されていくためには、安全性情報の収集、評価、伝達についての医療関係者全体としての認識と体制が不可欠ではないかというふうに思っている次第でございます。特に、企業によります安全性情報の収集並びに提供が重要でございます。今回、市販後安全対策が強化されることとなりましたが、業界としても、情報収集体制を強化するとともに、それら情報を患者さんへも提供するよう一層努力をしてまいりたいというふうに思います。
 三番目ですが、製造承認から販売承認へという今回の内容でございます。
 医薬品の全面製造委託を可能とする販売承認制度の導入につきましては、こうした仕組みは世界の潮流でございまして、生産提携や生産部門の分社化など、より柔軟な経営展開が可能になるというふうに考えております。また、生産基盤を持たない企業形態が可能になるということは、ベンチャー等の活性化が起きるということで、創薬基盤の底上げになるのではないかというふうに期待をしている次第でございます。
 最後に、企業責務の強化ということでございますが、今回の法改正案では、安全対策管理体制が製造販売業の許可要件に追加されるなど、企業の製品に対する責任は強化されております。このことは当然なことでございまして、情報提供を含め、安全対策を適正に行う企業が選別されるということで、我々としても大いに歓迎をしているところでございます。
 以上、私の陳述にかえさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
森委員長 どうもありがとうございました。
 次に、草刈参考人にお願いいたします。
草刈参考人 私ども日本赤十字社にこのような機会を与えていただきました森委員長初め委員の皆様方一人一人に、心からの感謝と深甚な敬意を表するものでございます。
 参考人資料というものがお手元にございますので、それに基づいて御説明させていただきます。
 私ども日本赤十字社は、ここに書いています四つの機能を持っております。輸血用血液の製造という、余り我々にとっては使いたくない言葉ではございますが、薬事法の用語でございますので、このようにさせていただきました。
 下の方の、法律案審議に当たってのお願いでございますが、きょうは、その五番目の内外格差の解消について先生方に実情をお話しし、いろいろと御審議の参考にさせていただければありがたいと思います。
 次に、一ページをおあけいただきたいと存じます。
 献血者、国民の善意でいただいた血液から、医療になくてはならない各種の血液製剤がつくられております。
 左側にございますのが輸血用血液。献血者の方々の血管からそのまま入れたものでございまして、プラスチックのバッグに入っております。ほかに十三ございまして、全部で十七種類の製剤というのが使われておりますが、下の方の円グラフがございますが、血小板が四三%とか、ほとんどが、この中に御紹介させていただいたものがそれでございまして、輸血用血液は日本赤十字社が一〇〇%国内に供給させていただいております。ということは、日本赤十字社の血液事業の危機は日本の医療の危機という認識で仕事をさせていただいております。
 右側にございます瓶詰のものが、分画製剤と申しまして、有効成分を抽出し、瓶詰にしたものでございまして、私どもは北海道の千歳で一手にこれをつくらせていただいております。
 二ページに移らせていただきます。
 前のページの輸血用血液に、一つ一つ、バッグにラベルが張ってございまして、このラベルが、黄色がA型、白がB型、青がO型、赤がABでございまして、先生方、御自分は何色かなということがこれでわかると思います。
 実は、製剤名、我々は輸血用血液は十七種類と申しました。これが血液型その他でやりますと百八十四種類になります。しかも、製造所ごとに、生物学的製剤基準に基づく規定で、一々、このバッグに製造所を、小さい、虫眼鏡で見なきゃならないくらいの活字でございますが、六十四カ所でありますと、全部で一万一千七百七十六種類のラベルを我々は用意しなきゃならないということでございます。
 これで、Rhのプラス、マイナスがありまして、それも用意しろというと、この二倍で二万三千五百五十二種類になるわけでございます。Rhに関しましては、上の方にございますAB型のRhマイナスがございまして、このマイナスは少ないものですから、これに張りまして、一万一千七百七十六で食いとめておるわけでございますが、これだけのことを薬事法が輸血用血液に要求しているものでございます。
 薬事法に基づく生物学的製剤基準というのがこの規定でございますが、この規定は、今話題になっております生物由来製品あるいは特定生物由来製品の考え方や基準の定め方に密接な関連あるいは影響を与えるものでございますので、生物学的製剤基準についてきょうは少し言及させていただきたいと思います。
 三ページをおあけいただきたいと思います。
 これは私どもの、献血をいただいて、問診をさせていただく。採血のところで検体保管がございます。すべての献血者の方々の検体を十年間保存いたします。マイナス三十度、しかも、すぐに取り出せるようにやっております。
 その次に、抗原・抗体反応で、ウイルスなどの感染を防ぐための検査をいたします。
 三と書いてある核酸増幅検査。これはウイルスをそのまま試験管の中で増幅して検出するわけでございまして、BとCとI、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、エイズウイルスについて全部の献血者にやっているのは日本だけでございます。核酸検査に合格したものを、輸血用血液として患者さんにお届けしているところでございます。
 右の方の、原料血漿というのがございます。これは六カ月、我々が自主的に保管いたします。自主的です。これは科学的根拠でなくて、左下にある輸血用血液が何かの不都合があったという情報がありますと、それでとめる。とめることをやるのが大体六カ月。六カ月待っておくと九割くらいは捨てなくて済むようになる。まぜてから何千人分のを一斉に捨てるということは私たちは了としませんので、一人一人のものを凍らせてとっておいて、六カ月たってから入れます。しかしそれは、後で申し上げる平成十年事務連絡で、時々とんでもないことが起こります。
 分画製剤の製造工程に入りますと、五でございますが、ウイルスの不活化それから除去をします。不活化して死んだウイルスでも、除去しませんと核酸増幅検査で陽性に出ますので、それは除去しなきゃならぬ。除去というのは徹底的にこれをやって、おりた最終製品に、もう一回御丁寧に核酸増幅検査をやります。それで患者さんのもとにお届けしております。
 輸血用血液は、日本赤十字社が二十四時間三百六十五日、僻地、離島を含め、一部地域を除いて一万四千の医療機関に日赤が直接お届けさせていただいております。現在のところ、輸血が届かないで亡くなったという声はほとんど聞いておりませんし、ないと私は信じております。
 次のページ、四ページに移らせていただきます。
 原料血漿というのがございました。これは、右側のピンクというか、赤いのが日本の献血でございます。左側のは海外売血でございます。
 海外売血と日本の献血を見ていただきますと一目瞭然でございますが、検査項目が日本の方が多い、しかも献血であるということでございます。
 さらに、核酸増幅検査がありますが、私どもは小さいプール、五十人を。私どもの調査によると、九十六から一万二千プールを売血の方々がやっているということでございますが、輸入業者の方々のパンフなどから作成したものでございまして、行政御当局による調査をしていただき正確を期していただきたいと思いますが、きょう提出させていただきました。
 それから、我々は六カ月の貯留保管でございますが、外国の売血は六十日である。
 これで内外の格差がないというのは、私どもは間違いではないかと思っております。また、五十プールでありましても、国の研究者の方々はこれでもと言っていますが、外国の売血に対してそんな厳しい対応をとっているかどうかは大変疑問でございます。
 薬事法に基づく生物学的製剤基準では、国内献血を原料とする場合は海外に比べて格差があることはこれで一目瞭然だと思います。
 次に移ります。五ページでございます。
 先ほどちょっと触れました平成十年の事務連絡でございます。三課長通知と我々は言っております。
 「記」の上のところを見ますと、「生物学的製剤基準の改正を行う方向で検討しており、」既にNATは入れられております。「下記の方針は、それまでの当面の対応である旨を申し添えます。」と言っていますが、今でもこれは廃止されておりません。
 四点ございますが、一番目は、製造前に陽性が判明した場合は原料血漿は使用しないとありますが、外国にもこれをさせているかどうか、疑問でございます。
 三番目の、平成九年に自主回収をさせたという事例は中薬審で報告させていただいておりますが、感染症報告等からの遡及調査が行われたケースについてですが、平成九年の自主回収させられた私どもの国内のメーカーさんは、この調査は行われたと思いません。「原料血漿プールで」と言っていますが、一万二千どころか、何千人分かの血漿をまぜ合わせて陰性が明らかでないというのでございますから、ちょっと私たちはここでは理解に苦しむところでございます。
 四に入りましたら、BとCとIの三種とすると言いますが、平成十年に事務連絡がございますが、十三年から、三年たってから外国の輸入も規制を受けていますが、ただし、何人分のプールかは私どもは存じておりませんというのを前の資料で説明させていただきました。
 次に、六ページに移ります。
 これは遺伝子組み換え製剤と献血由来の血液凝固因子製剤、どっちとも8因子でございますが、私どもが調べた限りでの比較表でございます。
 製造工程やら精製工程がございますが、ここの青い方が全部輸入でございまして、七割弱が輸入。赤い方が国内献血でございまして、およそ三割でございます。最後にもう一度、核酸増幅検査をしているということに御注目いただきたいと存じます。これで、左の方の青いのを私どもは不活化する必要があると審議会で申し上げましたが、不活化するなどとはとんでもないというおしかりを受けたことがございます。ちゃんと米国では、真ん中辺にございますウイルス不活化S/D処理、必要だというふうになっております。
 最後でございます。
 インターフェロンの、国内でございますが、リンパ芽球と、献血由来のものと、遺伝子組み換えの、三つを模式図で出させていただきました。
 欄外にございますが、ヒト由来は我が国では承認されておりません。ここに書いているところでは承認されております。
 がん細胞由来のインターフェロンは、我が国では承認されております。米国や西欧では、承認されておるものの、使用されていない。その理由は、行政の方が調査しているかどうかは疑問でございます。
 最後に、これから先生方のお力でいい法律ができると期待しておりますが、実際の我々の業務に一番関連のある審議会のメンバーが八ページにあります。米国の二つの審議会は二日間。日本は二時間、しかもほとんどが学者、研究者でございます。学者、研究者が血液事業の実態を御存じないと言っても過言でないと私は思います。学問理論はあると思います。
 先ほどの、特定生物由来製品は遺伝子組み換え製剤には適用しないという寺尾先生の御発言がございましたが、私たちは、国民のためには入れるべきだと確信しております。
 以上申し上げて、私の参考意見とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
森委員長 どうもありがとうございました。
 次に、花井参考人にお願いいたします。
花井参考人 大阪HIV訴訟原告団の代表をやっております花井十伍と言います。本日は、このような機会をお与えいただいた委員会の先生方に御礼申し上げます。
 私たちは、薬害エイズの被害者団体です。我が国は、過去の被害を教訓とすることなく、スモン、サリドマイド、薬害エイズ、薬害ヤコブ病など、絶え間なく薬害を繰り返してきました。本日は、このような薬害被害者の一人として、意見を陳述させていただきたいと思います。
 私を含みます血友病患者は、血液製剤とともに生きてまいりました。私たちの生きる可能性と死に至る危険は、ともに血液行政と密接なかかわりを持ってきました。現代風に言えば、私の発言は、血液製剤の消費者としての立場からの発言ということになります。本日、私は、最初に血液行政の三つの誤りについてお話をし、さらに、今後の我が国の血液事業のあり方についての要望という形でお願いしたいと思います。
 私がまだ幼かった一九六〇年代初頭、内出血の激痛に私が泣き叫ぶとき、最後の手段として、新鮮血の輸血が唯一の治療法でした。いわゆる枕元輸血です。こうした時代において、血友病患者の両親の多くは、医師から我が子の生存の可能性の低さを告知され、覚悟を促されました。それでも、常日ごろから親戚への供血のお願いや、何とか緊急時に備える体制を整えているわけですが、そうした供血者に頼れない場合、やむなく有償供血者からの血液を購入せざるを得ませんでした。
 一九六〇年代半ばごろから、駐日大使であるライシャワー氏が輸血後血清肝炎に感染したことをきっかけに、献血推進の閣議決定がなされ、日本赤十字社を中心として献血推進運動が本格化していくことになるわけですが、一方で、血液製剤は血漿分画製剤の時代に入っていきます。輸血用血液製剤について社会が注目する中、民間業者による買血輸入が開始されたのもこのころです。このように、国内で献血推進をスタートしながら買血輸入を容認してしまっていったことは、血液製剤がいわゆる保存血から分画製剤へ移り変わる時代の流れを読み切れなかった、血液行政の最初の誤りと言えると思います。
 こうした分画製剤への流れの中で、私たち血友病患者も、第8因子製剤については、一九六七年からクリオプレピシテート、いわゆるクリオ製剤を使用するようになりました。多くの血友病患者にとって、クリオの登場は福音をもたらしました。私の父親は、クリオ投与時の止血効果を目の当たりにして、やっと、この私が助かるかもしれないという希望を抱いたと話していました。
 しかし反面、我が国において輸入血漿の増大の始まりであり、世界的には買血プールの拡大と、それに伴う血清肝炎等の血液汚染のリスクが問題になっていく時期がこのころであります。一部では、スクリーニングや不活化の必要性が言われ出すことになりますが、血液の商品化、産業化の流れは、そうした警鐘を押し流す形で進んでいくことになります。肝炎罹患のリスクは、あたかも市場が容認したリスクとして扱われ、民間企業が不活化技術やドナースクリーニングに大きな資金を投入することはありませんでした。
 一九七五年、十三の春、私は激しい嘔吐と黄疸に倒れました。血清肝炎でした。このとき医師は、これは血液製剤を使う限り仕方ないんだよと言いました。私は、何か理不尽なものを感じましたが、何も言い返すことはできませんでした。今から思うと、こうした声なき声こそが本当の意味での市場の声だったはずです。世界が血液製剤から感染症等のリスクを排除するためには、最善の努力とコストを要する。このことを認識するまでには、HIVという全く新たな致命的感染症によって多くの犠牲者が出るまで待たなければならなかったのです。
 こうした状況のもと、一九七五年には、WHO、世界保健総会において、各国において使用する血液製剤はすべて献血によるべきと勧告がなされ、我が国においても、血液問題研究会が、分画製剤を含む血液製剤の献血による国内自給を意見具申することになります。しかしながら、こうした勧告や意見具申は何ら具体的政策に反映されることなく、ベトナム戦争終結により市場にだぶついた商品としての買血血漿の輸入はむしろ増加の一途をたどり、我が国は、買血輸入大国として世界の批判にさらされる結果になりました。血液行政、二つ目の誤りです。
 さらに、三つ目の誤りは、言うまでもなく薬害エイズです。安全性を無視し、買血血漿プール血漿を原料とした非加熱濃縮製剤は、我が国の血友病患者千五百人以上の健康または生命を奪いました。皆様にお配りした資料のグラフのとおりでございます。
 「血友病患者は血液行政のカナリアである。」これはオランダの血友病患者ケース・シュミットの言葉です。彼は、オウム真理教事件において、機動隊がカナリアのかごを持って毒ガスの製造施設に突入するさまをテレビで見て、あのカナリアは私たちだと思ったそうです。しかし、私たちは、みずからの命を失って初めて危険を告げるカナリアではなく、日常的に血液製剤を使い続ける消費者として、最も危険に敏感であるという意味においてそうであると考えます。
 オランダでは、一九八二年の末の時点で、行政が患者、同性愛者グループや分画センターとともにエイズ対策を議論し、血漿プール縮小を決定しました。
 他方、我が国においては、いわゆるエイズ研究班を初めとして、密室における利益調整を責任者不在で行ったことが感染拡大を招きました。これは、危機管理体制としては最悪の選択肢だったと言えます。本来、未知のリスクの危機管理は、透明性が確保されたプロセスのもと、患者や疫学者などを含む専門家などとともに情報を共有した形で責任者がトップダウンで行うべきだったと思います。
 今般、薬事法及び採血及び供血あつせん業取締法の一部を改正する法律は、こうした行政の誤りを抜本的に正し、血液行政において四度目の過ちを決して繰り返さない決意が全面的に反映されることを期待しております。
 本法に対する関係者の努力を踏まえつつ、患者の視点から要望項目を申し上げたいと思います。時間が限られておりますので、皆様のお手元に八つの要望項目を配っておりますので、ポイントだけを申し上げていきます。
 一つ目は、献血による国内自給達成のため、国、地方自治体、赤十字、地域住民が一体となった献血推進体制の実現をお願いしたいと思います。また、これについては、安全確保や透明性、情報提供など必要な環境を国が責任を持って整備していただきたいと思います。
 二、市販前、市販後の査察ができる人的体制を整えてください。
 三番目は、遡及調査可能な原料によって製造されていることを市販後も定期的に直接確認してください。
 四、今回設置される運営委員会の安全監視に対する機能を、三年後の見直しの時点でさらに拡充することをお願いしたいと思います。
 五、血液製剤の製造に関する検討会、今回設けられるということですが、本法で積み残された我が国の血液製剤製造、供給体制のグランドデザインをここで本格的に議論できるような位置づけと委員の選任をもって行ってください。
 六、国立研究所、これは専門家がいながら鳴らない鈴になりがちな体制であると思います。専門家責任が全うできる体制を整備していただきたいと思います。いわば、何某大学の指定席などということで人事を決めるようなことでは、これは、機能優先のナショナルセンターとは言えないんではないかと思います。
 七は、血液製剤の適正使用に関するガイドラインの実効性を担保するために、国立病院が率先して、医療施設全体の適正使用に取り組める体制というのを考えていただきたいと思います。また、一人一人の患者のカルテとリンクして保管記録が生きるような体制も同時にお願いしたいと思います。
 八、文科省立または厚生労働省立の病院が新たにIT技術に基づいたオーダリングシステムや電子カルテ化を導入する時期に来ていると思いますが、これに関しては、ヘモビジランスに十分配慮した上でそのテクノロジーを導入していただきたいと思います。
 「男一匹死ぬのです。使えない金などもらってもどうしようもありません。血液行政の改革をいかに促すかに私の命を投げ出しているのです。」我が国で初めて実名を公表した大阪HIV訴訟原告番号一番の赤瀬範保さんの言葉です。赤瀬さんはこの言葉を言い残して亡くなりました。
 私たちは、この法律で、前文において、スモン、サリドマイド、HIV、ヤコブ、繰り返される薬害の被害の反省と教訓を踏まえたものであるということを宣言していただきたいとお願いしましたが、せめて、きょう、この委員会において、こうした宣言を決議いただけたらなと思います。
 最後に、本法成立を機に我が国の血液事業が抜本改革に向かうことは、赤瀬さんを初めとする多くの血友病患者の死という余りにも大きな代償にこたえることでもあります。私の発言が物言わぬ彼らのかわりになることを願って、私の発言を終わりたいと思います。(拍手)
森委員長 どうもありがとうございました。
 次に、三星参考人にお願いいたします。
三星参考人 三星でございます。本日は、献血運動推進に協力をいたしております献血推進全国協議会の一員として意見を陳述する機会を与えていただきまして、ありがとうございました。
 献血推進全国協議会は、本年三月に結成された団体でありまして、お手元に配らせていただきました資料の一ページにありますように、全国の主な献血団体、献血推進団体、五十団体以上にて構成されております。
 私の属しますライオンズクラブ国際協会は、一九六四年、閣議決定直後に、売血の追放、献血の推進という旗印のもとに運動を開始いたしました。この献血奉仕活動は今年で三十七年目になります。
 日本の血液事業を振り返ってみますと、海外からの輸入製剤による薬害エイズ事件という悲しい出来事もございましたが、輸血用血液に限れば、昭和四十九年に国内の売血がなくなり、より安全性の高い血液を必要とする患者さんに確実にお届けできるようになり、日本の血液事業は着実に進歩してきたと感じております。
 しかし、一方で、本格的な少子高齢化時代を迎えるに当たって、国として献血運動に取り組む姿勢が不明確であることや、いまだ輸入に頼っている血漿分画製剤の位置づけ等、多くの問題を抱えていると感じており、その点についてお話を申し上げたいと思います。
 一、薬害エイズを教訓に。
 献血奉仕活動を通じまして、何といっても一番大きなショックな出来事は、薬害エイズの発生でありました。
 薬害エイズが、海外から輸入された売血由来製剤によって引き起こされたことは皆様御承知のことと思いますが、国内の献血によって起こったものと誤解をされている方がいまだおられます。私どもが長年協力してまいりました国内の献血血液が薬害エイズを引き起こしたわけではございません。売血より献血が安全であることは明らかであります。
 薬害エイズ発生後、衆参両院の社会労働委員会での国会決議により、血友病の患者さんの治療に必要な血液凝固第8因子製剤を献血によって調達することが緊急決定され、日本赤十字社が、国の指導のもと、米国から製造ライセンスを導入して血液凝固第8因子製剤の製造を開始し、平成四年に国内自給一〇〇%を達成したことは記憶に新しいところであります。
 しかし、その後、遺伝子組み換え製剤に急速に置きかえられ、平成十二年には献血製剤は三〇%を切るまでになってしまいました。それでも国の発表は、遺伝子組み換え製剤を使用している患者さんを除けばすべてが国内献血由来の製剤を使っているのであるから、第8因子製剤は国内自給一〇〇%と幾度となく言っておられます。しかし私どもは、薬害エイズの記憶もあることから、輸入製剤に大幅に依存している供給体制に危惧を覚えております。
 そして、昨年三月、突然、米国バイエル社の製造工程で問題が発生し、遺伝子組み換え製剤コージネイトの輸入が滞り、その後細々と輸入が断続する不安定な事態を発生いたしました。今まで昭和三十九年の閣議決定以来、国内自給ができなかったのではなく、安易に輸入製剤に頼り、国内自給自足の運動を実行しなかったためと考えております。日本国民を守る血液はすべて日本国内で自給自足するという体制の確立の重要性を改めて認識いたしました。血漿分画製剤の供給を市場にゆだね、放置しておいた結果が招いた人災と言えます。
 二、献血由来分画製剤の原料の国内メーカーへの提供に係る国の責任の明確化について。
 次に、血漿分画製剤の原料血漿の配分について意見を述べさせていただきます。
 お手元にお配りしてあります資料の三ページと四ページは、平成十年四月、ある新聞が、日本赤十字社が原料血漿を国内メーカーへ販売し百億円の利益を得ていると報道した記事です。これは、献血事業のごく一部のみとらえた報道であり、事業全体についての説明がなく、誤解を招くものと考えます。我々ライオンズクラブメンバーの中にも、その報道の内容から、日赤に対して反感を抱く者もおりました。
 今年度は、国の指示により、百八万リットルの原料血漿を確保することになっております。日本赤十字社が国の指導のもとに国内の他の製造業者三社に分配する量並びに提供価格については、献血者に対する透明性を確保するために、国が全責任を持って公明正大に行うべきであります。
 三、厚生労働省の血液事業部会審議委員には実務者を。
 また、血液新法が制定されたとしても、法律はあくまで基盤を整備したにすぎず、原料血漿の配分方法等、実際の血液事業の姿を改めるのは今後の政省令や通知によってであり、国は、政省令や通知を決める際には、内容によって審議会の意見を徴した上で政策や方針等を決定する仕組みになっております。
 新法の趣旨を踏まえ、審議を行うのは薬事・食品衛生審議会の血液事業部会とのことですが、その委員構成を見ますと、大学の教官、研究者が大半を占めている一方、日本の血液事業を担っている日赤や患者代表、献血者の代表が入っておりません。本来、血液事業は献血者の善意、無償の献血なくしては成り立たない事業であり、厚生労働大臣が基本方針や需給計画を定めたり献血受け入れ計画の認可を行うなどに際しては、献血者代表並びに患者の意見を聞くのは当然であり、審議会の委員とすべきです。
 四、献血推進への障害、隘路の排除。
 次に提言したいことは、献血推進に対する国の取り組みです。
 今回のコージネイトの輸入が滞ったことが発表になったときに、患者が困るなら献血をふやせばよいではないかとおっしゃった医療関係者がおられたそうですが、とうとい献血の血液がその辺に幾らでも転がっているとでも思っておられるのでしょうか。献血を推進している立場として、切なる思いで献血の協力をお願いしているところですが、その場所を確保することさえ大変なんです。
 例えば、資料五ページにありますように、歩行者天国や繁華街、駅前広場を使って、献血バスをとめ、献血奉仕活動を行おうとする場合、道路交通法の規定により、所轄の警察署へ申し込み、道路の使用許可をとらねばなりません。許可の申請にもお金がかかります。少なくとも、東京都内の場合はすべて有料です。JR駅前広場では、JRは原則として許可してくれないので、やむを得ず駅長さんに手を回し、駅利用者に御迷惑のかからないことを条件に、特別許可をしていただいております。
 献血の広報ポスターを張ることも原則として許可されませんが、期間を短くして、自主的に張って、終わったら至急にはがすことにしています。
 もっと困るのは、献血の前で呼びかけるメガホンやマイクを使用することは違反になることです。警官やパトカーがいるときは捕まってしまいます。
 本来、献血は人命に関する実に重大なる事業のはずですが、何ゆえ国はしっかりした方針のもと献血の障害、隘路を真剣に解決しないのでしょうか。こうした多くの省庁にまたがる障害、隘路の除去を徹底していただきたいと思います。
 五、献血推進国民本部の設置。
 このため、資料六ページにありますように、ぜひ、内閣総理大臣が陣頭指揮をとる献血推進国民本部を創設していただきたく思います。
 献血推進国民本部の創設は、献血推進に携わってきた私どもの長年の悲願であります。この悲願に向けて、冒頭にも申しましたが、全国五十団体以上が集まって、本年三月、献血推進全国協議会を発足させました。
 この献血推進国民本部は、政府内に設置し、本部長を内閣総理大臣、本部員は関係各省の大臣とします。
 具体的な献血推進国民本部の設置目的は、さきに述べた献血推進の隘路、障害を取り除くことにあり、街頭献血で献血バスを駐車する際の道路使用の優先許可やJR敷地内での献血を可能にするほか、公務員が献血するときの職免制度の導入、都道府県、市町村の献血推進協議会の活性化等を実施していただきたいと思います。
 その他、小中高の教育課程の中で献血の重要さの教育を、特に高校生に対しては徹底して、全高校生の献血思想の普及運動を行うことを文部科学省にぜひお願いをいたします。
 さらに、厚生労働省には、四百ミリリッター成分献血の可能年齢を現行の十八歳以上から下げることについて、医学的な検討の実施をお願いいたします。
 六、エイズ撲滅運動へ。
 次に、HIVの検査体制についてお願いいたします。
 献血者の中にHIVの見つかる率が毎年増加していると聞いております。日赤は、核酸増幅検査、NATと呼ばれる世界最高水準の検査を行い、安全性の高い血液を供給していますが、それでもウイルス感染直後には検出できない期間があります。万が一、輸血によってHIV感染が起こった場合、患者さんと御家族を思わぬ不幸に陥れてしまい、年間六百万人の献血者の善意を深く傷つけることになります。
 このため、保健所に加え、エイズ診療拠点病院等でもHIV検査を行うなど、効果的な環境整備とHIV感染防止キャンペーンを実施するとともに、国民への啓蒙、開発、教育を行うなど、公衆衛生的な面からHIV予防運動を強化する必要を感じます。
 七、献血者への行政救済の要望。
 最後につけ加えることとして、ぜひ献血者の思わぬ事故に対する国による行政救済を速やかに実施していただきたいと思います。
 献血者は、隣人愛に基づいて、みずからの血液を患者さんの生命を救うために自発的に無償で提供しています。この気持ちを酌み取り、もっとしっかりした国の方針を定めてほしいと思います。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
森委員長 どうもありがとうございました。
 次に、阿部参考人にお願いいたします。
阿部参考人 薬害ヤコブ事件弁護団の阿部と申します。
 薬害ヤコブの事件は、三月二十五日に国との間でも確認書の調印をし、全面解決の枠組みをつくることができました。
 この厚生労働委員会でも、何度となくヤコブの事件を取り上げていただきました。先生方の御理解と御支援があったればこそというふうに感謝しております。改めて御礼を申し上げます。
 薬事法の改正に当たって、ヤコブの事件にかかわった者として意見を言わせていただきます。
 今回の薬事法の改正ですが、これから出てくる新医薬品の有効性、安全性の確保、あるいは医薬品の市販後安全体制の充実、これを目的とするというふうに言われています。
 薬害ヤコブの事件は、人の死体からとった脳硬膜、これが原料となった商品が原因となりました。ドイツで一九七〇年ごろにつくられて、一九七三年に日本に輸入承認されたんですが、ドイツではこの脳硬膜は医薬品扱いでした。WHOの基準でも医薬品扱いでした。ところが、日本では医療用具というふうに区分けされて、多くの問題を引き起こしました。
 一つが、輸入承認がたった三カ月で、九枚のペーパーだけで通ってしまったということです。二つ目が、死亡症例、感染症例の報告があったにもかかわらず、全くだれも気づかないまま放置されたということです。三つ目が、医療用具による感染被害だということで、医薬品でもない、副作用でもないということで、救済制度の全く外に置かれてしまいました。
 今回、こういうような医療用具を改めて医療機器というふうにしてリスクに応じた規制をする、生物由来製品という新たなカテゴリーを設けて上乗せ規制をするという意味では、こういう生物由来製品による感染被害が相次ぐ中で、時宜にかなった改正だというふうに私どもも評価はしております。
 ただ、今回の改正によってすべて解決するというわけでは当然ありません。この改正案の六十八条の八というところを見てみました。感染症の定期報告制度というのが新たに導入されます。
 薬害ヤコブの事件の場合、一九八七年に最初の死亡症例が報告されました。これは、確かに企業から厚生省にはきちっとした報告が上がらなかった、そういう意味では今度の改正というのが必要だろうというふうに思います。
 ただ、ヤコブの第一症例は、企業からは報告がありませんでしたが、アメリカのCDCからは週報に載せられて直接厚生省に届いていました。そういう意味では、厚生省に感染症の報告が幾ら届く制度をつくっても、ヤコブの例を見ると、現実に症例報告が届いていても全く機能しなかったことを見ると、決して企業に対する規制だけで薬害は防げないということをヤコブの教訓として私たちは学んでいます。
 参議院の修正として、六十八条の八のところに第二項というのが加わって、定期的な症例報告について、厚生大臣は薬事・食品衛生審議会にこれを報告する、そして、必要があると認めるときには危害の発生、拡大を防止するための措置を講ずるということが追加されているようです。
 ただ、この規定、この修正というのも必要だというふうに思いますが、薬事法には、そもそも六十九条の二、緊急命令という制度が薬害スモン事件の経過でできています。今回、参議院の修正として加えられた条文と、言葉としてはほぼ同じです、制度としても仕組みとしても同じです。そういう意味では、もともと権限は大臣にはあったんです。
 ところが、ヤコブの場合は、第一症例が報告されてから十年間、何の規制もされませんでした。六十九条の二の緊急命令でも、あるいは今回の参議院の修正で加えられた条文でも、必要があると認めるときには危害の発生、拡大を防止するための必要な措置を講ずるとなっていますが、ヤコブの場合は第一症例報告後も十年間必要があると認めなかったということで、裁判ではずっと争われてきました。そういう意味では、企業に対する規制を強化する、あるいはこういう権限を加えるというだけでは薬害は防げないというふうに私どもは痛感しております。
 今回の法律を見ると、そういう意味では、むしろ行政に対する規制といいますか、義務づけというのが少し緩いんではないかなというふうに私は感じております。かなりの部分が政省令への委任事項になっていて、具体的にどういう規制になるのか、実効性があるのかというのは政省令を見てみないとわからないという内容になっています。
 例えば、今回の改正案の十四条の六項を見ると、承認を受けた医薬品について、製造所における製造管理、品質管理が基準に適合しているかどうかの調査を受けなければいけないというふうに規定されていますが、それは期間がどれだけかというと、三年を下らない政令で定める期間ごとにという規定になっています。これは逆に言うと、三年間は調査を受けなくていい、三年間は調査はありませんよということで、五年で調査するか、十年で調査するかは政令次第。
 こういう規定をつくるというのはどういうことなのか。三年間とにかく野放しにするというふうにつながるのではないかなと私は危惧しております。むしろ、法令とするのであれば、何年以内、五年以内に少なくとも一回、あるいは三年以内に少なくとも一回、政令で定める期間ごとにというふうに上限を切らないと意味がないのではないかなと考えています。
 生物由来製品に対する規制の問題でも、例えば原材料の採取、ドナーセレクションがどうなるのか、プーリング処理はいかぬというようなことについても今回の改正案そのものには書いてありません。すべて従前の条文、薬事法の四十二条による基準、これとして引き続き政令等に任されて運用されていくということで、生物由来製品に対する新たな上乗せ規制、その根拠規定というのが今回の改正案にはきちっとした形で載っていません。
 そういう意味でも、行政に対する裁量をもう少し狭めて、行政がやるべきことをきちっと明記する必要があるんではないかなというふうに思っています。
 私ども薬害ヤコブの弁護団、原告団としては、この薬事法に国の医薬品等に対する安全性確保の義務があることを明記すべきだということを従前から言ってきました。
 国の方は、この薬事法というのは行政が企業を取り締まる法規である、したがって、この中に国の安全性確保義務を明記するというのはどうも合わないんだというふうに言っていますが、しかし、裁判所はそういうことは言っていません。薬事法には国の安全性確保義務もあるんだ、そのことは薬事法から当然出てくるんだと言っています。そういう意味では、薬事法に国の安全性確保義務を本来はきちっと明記していただきたかったというふうに考えています。
 先ほど花井さんが、今回の薬事法の改正が、スモン、サリドマイド、HIV感染、ヤコブ病など、繰り返された薬害の被害の反省を踏まえて、再発防止を誓って本法律を制定すると前文に入れていただきたかったけれども、せめてこの点を宣言する決議をいただきたいというふうな意見を言われていましたが、薬害ヤコブの事件を担当してきた弁護団の一員としても全く同じ気持ちです。
 ぜひともそういう決議を上げていただければということを述べて、意見とさせていただきます。(拍手)
森委員長 ありがとうございました。
 以上で参考人の方々の御意見の開陳は終わりました。
    ―――――――――――――
森委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鴨下一郎君。
鴨下委員 自民党の鴨下一郎でございます。
 まず、参考人の皆様におかれましては、本当にお忙しいところをこうして貴重な御意見を賜りましたこと、重ねてお礼を申し上げる次第でございます。
 まず、それぞれの方々からいろいろとお話を承りましたけれども、日本赤十字社の役割につきまして、お二方から、非常にいろいろな意味での御苦労も踏まえて御意見を賜りました。
 血液事業に当たりまして、これまで日本赤十字社が果たしてきた役割は極めて大きいというふうに考えておりまして、特に、献血の受け入れや輸血用血液製剤の製造について日本で唯一の担い手になっている、また、血漿分画製剤についても第8因子凝固製剤の国内製造をリードしてきた、こういうようなことに関して改めて敬意を表したいというふうに思います。
 先ほどの草刈参考人の御意見を伺いますと、いろいろな御指摘ありましたけれども、私たちはこれを深く受けとめなければいけないというふうに思っております。
 例えば、献血者の善意に背くような事態が生じることのないよう、血液分画製剤の原料血漿の配分について透明性を確保することが必要であります。このため、改正案に盛り込まれている需給計画において、国の責任のもと、原料血漿の標準価格や配分量を定めることとして、また、これが製造業者により遵守されなければいけない。さらに、薬事・食品衛生審議会の血液事業部会において基本方針や各種計画の策定等に関する審議を行う際には、日本赤十字社の参加が不可欠である、実質的に十分に審議に加わっていただきたい、こういうようなことを考えているわけであります。
 また、血液由来の製剤も、遺伝子組み換え製剤も、安全基準や検定に関して同等に取り扱わなければならない。
 さらに、国民的な運動として献血をさらに推進していくため、政府、地方公共団体、日本赤十字社を初め、言ってみれば国民全体が関係者を中心として一丸として取り組んでいく、こういうようなことをおっしゃったんだろうというふうに思っておりまして、その上で、引き続いて血液事業における重要な役割を日本赤十字社が果たされることを期待しております。
 特に、血液製剤を使用する患者さんの皆さんからは、極めて大きな期待を寄せられているということを申し添えさせていただきます。
 さてそれでは、そのことに関しまして、今まで大変な情熱で献血推進に向けて取り組まれていらした三星参考人にお伺いをいたします。
 昭和三十九年の閣議決定以降、多くの関係者が献血の推進に取り組んでまいったということで、そのことについて感謝を申し上げたいと思います。そして、その成果として、例えば輸血用血液製剤については昭和四十八年に国内自給が達成されましたが、今後、国内自給原則の達成に向けて、さらに献血を拡大していかなければならないということは、繰り返し御指摘をされているところであると思います。
 しかしながら、献血を担う主体となるべき特に若い方々が減少していく中で、献血の拡大というのは、言うはやすく、実際には大変困難なことがあるんだろうと思いまして、これから私たちも、この審議を踏まえて、大臣からは、関係者一人一人が熱意を持って誠実に働きかけていくことが必要である、こういうような発言もあったわけであります。
 そういうことで、三星参考人、これまでの長年にわたり現実に献血を推進されてきた立場から、国民一人一人の意識を改め、より多くの方々が献血に参加していくために、これからどのような施策が有効なのかということについて、簡潔に教えていただければ幸いでございます。
三星参考人 今お話がございました。なかなか、献血というのは、善意のある国民の皆さんの御協力でございますので、ただ強制的に血をくれというわけではございませんから、いろいろな意味においては大変なことでございますが、まず、国が、しっかりした方針が決まっているようないないような現在の状態ではなかなか難しいと思いますね。
 そこへもってきて、血液がこれだけあればいいんだという計画性をはっきりお示しいただきますれば、それに基づきまして、日赤と協力をしながら、献血者、幸いなことに日本人は非常にそういうことについては、実態の状態をお話しいたしますと進んで献血をしていただけます。特に、我々が街頭でも絶えずやっているわけでございますが、献血ルームなどにおきますと、土曜、日曜にはふだんの倍ぐらいの方が押しかけていただけるという、これは、我々が献血をお願いする、お願いしたいと言っているだけではなかなか難しいわけですが、献血を何とか推進するという意識をちゃんと掲げていただきますれば、日本の国民は十分期待できるだけの要素を持っている、こう思うわけでございますので、どうぞ、いろいろな献血に対する隘路その他を、さっきも申し上げたその部分を早く解決していただいて、国として献血の方法をかっちりと御明示いただきますれば、必ずや応じていただけるものと思います。
 もちろん、我々奉仕団体、日本赤十字社もしっかりとやらなきゃいかぬことは当たり前のことでございますが、どうぞひとつ、一生懸命にやりますので、そういう点、明確に、さっき申し上げたいろいろなことを実行していただきたい、こう思いますが、いかがでございましょうか。
鴨下委員 本当に、今までの御苦労を踏まえて、貴重な御意見をありがとうございます。私たちも、みんな、ともに一生懸命献血の拡大について努力をしてまいりたいというふうに思います。
 さて、それでは次に、医薬品の研究開発につきまして、永山参考人からお伺いをしたいと思います。
 これまで先端的な医薬品の研究開発、供給に取り組み、新薬を日本の患者のみならず多くの国の皆さんに提供してこられたわけでありまして、その点につきまして感謝を申し上げたいというふうに思います。
 血液事業については、国のみならず、供給の責務、安全性の確保の責務が企業に対しても強く求められていることが議論されておりますけれども、通常の医薬品についても共通するところはあると思います。医薬品の安全確保も、国、企業、医療機関がそれぞれの責務を着実に実行することが必要だろうというふうに思いますが、今回の薬事法改正の理念もそこにあるだろうというふうに思っております。
 特に、薬事法に盛り込まれた製造販売承認制度により、企業の製品に対する市販後の総合的な責務をより明確に問われているんだろうというふうに思っておりまして、企業による安全確保は、研究開発と並んで、真に国民の信頼される医療の重要な部分を担うプレーヤーとして大変必要だろうというふうに思いますが、この薬事法改正を機に、国民により信頼される製薬産業を目指して、市販後の安全確保についてどのように取り組まれるか、簡潔にお答えをいただきたいと思います。
永山参考人 永山でございます。ただいまの御質問にお答えをしたいと思います。
 医薬品の安全確保については、今までも、大変我々にとっての重要な課題というふうに受けとめまして、精いっぱい努力をしてまいった次第でございますけれども、今回の薬事法改正によりまして、特に市販後の安全性確保、これが非常に重要なポイントになっているというふうに認識をしております。
 この点につきましては、もう既に昨年の十月に、市販の直後の新医薬品につきましては、集中的な情報の収集ということでございまして、全症例の情報収集を行ってきている次第でございます。今後とも、こういうものを中心に、引き続き強力に進めていきたいというふうに思っております。
 また、最近日本の医薬品もグローバルに使われるようになりまして、日米欧のネットワークによりまして、話し合いによりまして、各国で報告された副作用も遅滞なく伝達されるという仕組みになってきておりまして、グローバルにも対応しているということを御報告申し上げたいと思います。
 ありがとうございました。
鴨下委員 今、グローバルというお話がありましたけれども、私個人的に懸念していることは、これからも日本の製薬メーカーが、ある意味で国際競争力を保ち続けられるのかというようなことについて、多少心配しているところがあるものですから、今回の薬事法改正で、いろいろな意味で、例えば治験のスピードだとかなんかを含めて、随分変わってくるんだろうというふうに思いますが、こういうような中で、例えば研究開発を志向する、それこそ永山参考人の会社を含めてですが、国際競争力という点で、今回の薬事法改正はどういうふうに御評価をされているかを承らせていただきたいと思います。
永山参考人 お答えを申し上げます。
 今先生御指摘のとおり、医薬品産業のグローバルな競争というものは熾烈になっておりまして、特に欧米の企業合併等によりまして巨大化をし、大変多額の研究開発投資を行うというようなことで、研究開発力を中心とした国際競争力の向上を図っております。大変脅威でもあるわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、日本の医薬品産業も、ここ十年の国あるいは個々の企業の努力によりまして、かなり国際的に競争力のあるものも出てきているということで、方向といいますか、趨勢としては私はそんなに心配をしていないわけでございます。
 しかしながら、今回の薬事法改正につきましては、先ほど私の陳述で申し上げましたように、国際水準になるということでございますので、そういう意味では非常に、我々企業の活動にとりましても国際競争力をつけるという意味ではベースとなるというふうに考えておりまして、その点では感謝申し上げております。
 今後も、国の方に対しましては、特に基礎研究であるとかこういうものが大事で、大学と産業の連携が今大変大きなテーマになっておると思いますけれども、こういった点についてもぜひ引き続き御指導いただきまして、我々としても海外に負けない企業競争力をつけていきたいというふうに考えております。
鴨下委員 最近になりまして厚生労働省の方からも医薬品の産業ビジョン案が出されているわけでありますけれども、それぞれメーカーは一生懸命努力しているわけでありますが、国がそういう意味で、基盤整備だとかさまざまな規制緩和を含めてどういうことをするべきかということについて、大変時間がなくて恐縮でありますけれども、一言お答えをいただければと思います。
永山参考人 お答えをしたいと思います。
 先ほどの私の陳述でも申し上げましたように、厚生労働省によるビジョンの案、あるいは内閣府におけますBT戦略会議ということで、かなりいろいろな点が指摘もされております。
 特に医薬品産業の競争力というのは、研究開発力、あるいはそこから特許性のあるものが開発される、ここに尽きるわけでございまして、この点につきましては、研究においては、企業の研究上の努力に加えまして、学との協力関係。特にこういったライフサイエンスにつきましては、基礎研究を、かなり進展はしてきておりますけれども、米国などを見ますと大変国の資源を投入して力を入れているということでございます。この点も引き続き、産学という、あるいは官も入りました協力関係が必要であろうと思います。
 また、治験の方も、今回いろいろカバーをしていただいておりますけれども、やはりまだ国内の治験体制が十分でないということでございまして、我々としても、与えられた機会を十分に使いながら、国際水準に我々としてこの治験の体制をつくっていきたいと思っておりますけれども、まだまだ国からの御指導、御支援というものが必要ではないか、特に医療機関における体制構築というようなものが必要ではないかというふうに考えておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。
    〔委員長退席、福島委員長代理着席〕
鴨下委員 終わります。どうもありがとうございました。
福島委員長代理 次に、家西悟君。
家西委員 民主党・無所属クラブの家西悟です。
 ちょっと私自身も足が悪いもので、座ったままで質問させていただくことの失礼をまずもって冒頭おわび申し上げたいと思います。
 また、参考人におかれましては、お忙しい中、本日御参加いただきましてありがとうございます。
 それでは、早速質問に入らせていただきたいと思いますけれども、永山参考人にまず冒頭、御質問申し上げます。
 昨日、私、いただいた資料があります。その中に、お見せいたしますけれども、日本製薬工業協会のこの冊子ですけれども、一ページ目の最後の方に、製薬協として、国民の健康を守るのが基本理念であるということがかなりうたわれているわけですし、その一番最後に、製薬産業を見える産業にと変身させる原動力であり、製薬協のすべての活動の基本姿勢であるというようなことを言われておられるわけです。
 そして、先ほど陳述で参考人の方から言われましたけれども、患者に対しての情報提供を含めて、また記録の保管や、そういったものをやっていくんだということも言われたように思うわけですけれども、その各製薬企業が記録を保管されたものについては、されるということはわかりましたけれども、こちらが情報開示を求めた場合、そういうようなものを開示していこうというようなお考えは製薬協としてあるんでしょうか。その点、お伺いしたいと思います。
永山参考人 お答え申し上げます。
 医薬品産業におきましては、医薬品の安全性の確保というものが非常に重要でございまして、先ほど陳述あるいは御質問に対する答えの中でも触れた次第でございます。
 製薬協のメンバー会社としましては、可能な限り情報というものはオープンにしていきたいということでございまして、今いろいろな取り組みがございます。特に、医薬品機構におきましてホームページをつくって、医薬品に関するかなりの情報を国民にアクセスを与えさせていただいているということもございますし、緊急安全性情報などが出ました場合にはドクターレターというような形で全国の医療機関に配付をする、あるいは使用上注意の改訂情報が出た場合にも毎月全国の医療機関に配付をするというような形でやっております。
 あと、各企業におきましては、お客様相談室というのを設けまして、二十四時間体制で、御質問があればお答えするというような格好にはなっております。
 ただ、大衆薬と違いまして、医家向けの薬につきましては広告の厳しい規制がございまして、広告に近づくような行為は行えないということで、ある程度の限界はあるわけですけれども、できるだけオープンにしていこうという方針で考えております。
家西委員 そのようにしていただきたいと思うわけですけれども、私自身きのういただいて、この製薬協の冊子の中には、私も薬害エイズの被害者の一人として、多くの当事者の企業の名前もありました。これをどうこう言うつもりはございませんけれども、ぜひともそういう情報開示というものは大事じゃないか。
 そして、患者というものは、本来エンドユーザーであって、医薬品の本当の最終ユーザーですね。そこを忘れないでやっていただきたいし、一度薬害というものが発生すると、企業にとっても大打撃になる、そして我々患者にとっても大きな被害をこうむるということを、肝に銘じていただければなというふうに存じます。
 そして、時間がありませんので、次の質問へと入らせていただきたいと思います。
 私は、大阪HIV薬害訴訟の第三代目の代表をしていましたけれども、きょうおいでの花井参考人は第四代目、そして私自身、本日のこの委員会、この法案の審議に当たっては、約二十年余り、二十年強の歳月をかけてきたわけです。私は、初代の赤瀬範保さん、二代目の代表をされました石田吉明さんが今この傍聴席におられるんじゃないか、そして、よくここまで来たなと褒めていただけるのか、また逆に、まだまだというふうにおしかりを受けるのか、これは本当にわからないところではあるわけですけれども、いろいろ振り返ってみて、今回の法案について、御批判もあろうと思うんですけれども、花井参考人に率直な意見をお聞かせいただきたいと思うんです。
花井参考人 お答えを申し上げます。
 薬害エイズのみならず、多くの薬害被害の教訓というものを、システムとして何が悪かったのかということを当事者が共有して、そして是正策を考えるということは、我が国は大変苦手なことでございます。何か起こりますと、やはりちょっとよくした、もっとよくしろという程度論の議論になって、問題をどのように解決するかという具体策を当事者間が議論するというのはなかなか困難な中で、今回の法律案は、ある程度スタートラインにはついたというふうには考えております。
 一番最初、事務局から案が出たときに、四十点と言って大変なひんしゅくを買いましたが、こういう法律ですけれども、この枠組みができて、今後はやはりこれをもとに本当の意味での安全な血液製剤、もしくは特定生物由来製品、生物由来製品の安全性を確保するという意味では、ここがスタート地点であり、まだこれから、三年間、見直しをすると言っていますが、さらなる見直しを図って、よりよいものにするということは必要かと思います。
 辛いですけれども、まだまだこれからだという気持ちはやはり禁じ得ません。
家西委員 ありがとうございました。
 私もそのように思っているわけですけれども、これはあくまでも終わりではなくて始まりだ。そして、昭和三十九年の閣議決定以来の悲願でもあったということだと思います。きょうおいでの参考人の方々にも、そういうふうに思っておいでの方々は多いと思います。
 それともう一つ、次に、日赤の草刈参考人にお尋ねしたいと思います。
 今回、薬食審の下に血液部門会議等々の審議会が置かれます。そこに日赤は特別委員という形で、供給配分等々のことで厚労の方は言っているわけですけれども、私は、正規委員としてやっていかないと、当事者である以上は一番の血液を集めてくる者として正規委員に入れるべきではないでしょうかということを当委員会でも言ってきたわけですけれども、草刈委員としてはいかにお考えでしょう。その点、お伺いしたいと思います。
草刈参考人 大変ありがたい質問でございます。
 厚生労働省は、正規委員としては我々を入れないと言っております。患者代表の方々が参加する運営委員会の設置をする。
 しかしながら、今の血液事業部会というのは、二月に開かれたまま、今まで開かれておりません。これは危機管理のための運営委員会と言っておりますが。
 また、委員の出席状況にも問題がございます。二月に開かれた血液の部会では、たしか、おくれて始まりました。それは定足数が満たないからということで、我々にとって、事業を実際にする人間にとって、こういうふまじめなことというのは、来た委員はまじめなんですよ、休んだ委員がいけないんですが、やめていただきたいと思っております。名誉職ではないと。
 しかも、この運営委員会は、常設と言っていますが、常時開催ではございません。そうすると、本当に危機管理に役立つかどうかは大変疑問がございます。
 そういうことでございますし、審議会について、血液事業部会とその下に置かれる各委員会の役割の明確化は、どうも……。それから、委員の選任については問題があると思います。
 それで、これから我々について申し上げます。
 血液関係に、必要に応じてでよいのだろうか。献血者の血液を実際我々がお預かりして、責任を持って国民にお届けする立場からいいますと、参加が不可欠ですが、常時参加でなきゃならないと思っておりますし、参考委員というのは委員長の御指名がないと発言できないわけでございますから、委員として参加して自由に発言できるような立場でなければ、どうも、我々は、責任の重さの割に発言の機会は皆無ということになろうかと思います。
 実質的に審議に加わるというのならば、ぜひ委員にしていただきたいと思いますし、業者と言われますが、法律的には単なる業者かもしれませんが、事業の共同の実施者、国とともに、都道府県とともに実施している我々が審議に加わらなければ、共同の実施責任を国が果たすことはできないんではないかと思っております。我々が血液事業に最も精通しておらねばならないし、また精通しておりますので、我々を正式な委員とせずに審議が行われるとは、我々には考えられません。
 また、利害関係者ということを言います。我々日本赤十字は利益を求める団体ではございませんし、献血者や血液製剤の使用者など国民の利害を考慮することはあっても、我々のためにということは許されないことだと思います。
 厚生労働省の論法で我々を利害関係者と言うならば、血液製剤の投与を決定するお医者さん、その投与を受ける患者さんたちもすべて利害関係者ではないかと思います。先ほど御紹介しましたように、米国の保健福祉省、それからFDAのBPAC、血液製剤諮問委員会、それに、医療従事者、患者さん、血液事業担当者、我々のような者が参画していることに学ぶべきだと思います。
 また、献血者も同じでございますが、これは先生の御質問にございませんで恐縮ですが、献血者の理解と協力がなければ、需給計画というものも、献血推進計画も、献血受け入れ計画も策定する意味がございません。基本方針たる国内自給そのものが成り立たないと考えております。我々は、献血者とともに、委員になりたい、なるべきだと考えております。
 以上です。
家西委員 もう時間がありませんけれども、最後に三星参考人にお尋ねします。
 長年献血を推進していただきまして、我々としても非常に感謝申し上げるところでございます。そして、先ほど陳述されましたように、国内血で自国の国民の血液は賄うべきであるという主張をされましたけれども、私もそのとおりであると思っているわけです。国内で自給するべきだ、そのためには何が必要なんでしょう、これから。どういうことを国としてやっていくことが、もっともっと献血者をふやす運動につながっていくんでしょうか。その点、もしお考えがあればお聞きしたいと思います。
三星参考人 献血の実際の現状をしっかりとお調べいただきますとよろしいんではないかと思いますが、現在は、国内の自給自足よりは輸入する方がかなり量が多いわけですね。これについては、九月十一日のああいう同時多発テロのような場合、実際問題としてはもう、輸入に頼っている現状では我々も危なくてしようがないといいますか、患者さんに対してどうなんだろうということを絶えず思っているわけでございます。
 さらに、伺うところによると、日本の血液については厳重なる検査をしているわけですが、輸入されたものについてはなかなかそういう点が、どこがどうなっているのかわかりませんが、余り検査をしないようなものが入ってくるということが現状のように伺っておりますので、そういう点を正していただき、やはりこれだけのものが必要、国内自給のために足らぬのだという、いろいろな計画をはっきり御提示いただきますれば、意のある日本国民はたくさんおりますから、ちゃんとそれに沿った範囲で十分自給自足は可能だと思います。
 しかし、どうしても日本にないような血液もありますから、全面的には無理かと思いますけれども、その姿勢が、国内で自給自足をやるんだという国の姿勢がしっかりしておれば解決がついていく問題ではなかろうかと思いますので、どうぞひとつよろしくお願いいたします。
家西委員 時間が来ましたので終わります。ありがとうございました。
福島委員長代理 次に、江田康幸君。
    〔福島委員長代理退席、委員長着席〕
江田委員 公明党の江田康幸でございます。
 本日は、各専門分野の先生方が、貴重なお時間をいただいて、御意見をいただいております。本日の意見陳述についても十分に参考にさせていただいて、今後の薬事行政、また血液製剤等についてしっかりと考えていきたい、このように思っております。
 まず、永山参考人にお伺いをさせていただきます。
 これまで創薬を通じて国民医療に画期的医薬品を提供してこられた製薬業界を代表する参考人に対して、感謝を申し上げたいと思います。
 創薬の活動を支えることは国の責務であり、米国は、バイオ、ゲノムの発展に対して多額の研究リソースを国家戦略的に投じてきておるわけでございます。例えば、現在の遺伝子組み換え第8因子が国産技術ではなくて外国の技術に依存していることに対する不安は、これまでも国会審議で繰り返し述べられてきたことでございまして、新技術を国産の技術で賄っていくための戦略がこれから先の議論として必要であると思っております。
 それで、質問でございますが、生物由来製品に関する薬事法の規制体系は今回の改正におきまして完成に近づいたと言えますが、バイオ、ゲノム創薬に民間企業としてどのように取り組まれていかれるか、また、それに対してどのような支援を国に求められておるか、お伺いしたいと思います。
永山参考人 お答え申し上げます。
 ただいまの御質問ですけれども、製薬企業、個々の企業にとりまして、このバイオというのは大変大きな挑戦になっているわけでございます。また、リスクも多く、それから多額の投資を必要としているということでございます。したがいまして、各企業による努力と並行いたしまして、今の私のおります製薬工業協会でも音頭をとりまして、幾つかの各企業との共同作業というようなものも進めさせていただいているわけでございます。
 一例を申し上げますと、薬物代謝に関係する遺伝子の多型の解析をするような研究、ファーマースニップコンソーシアムと呼んでおりますけれどもこういったもの、あるいはたんぱく質の構造解析を行うための放射光施設いわゆるSPring8と言われているもの、こういうものを使いました共同研究の確保。あるいは、これは国も入っておりますけれども、遺伝子レベルの安全性評価を行うための基礎研究、トキシコゲノミクスプロジェクトと呼んでおります。こういったものを行っているような状況でございます。
 国の方でも、それ以外にも、遺伝子の解析、あるいは遺伝子の機能解析及びたんぱく質の研究と、いろいろな企画を今推進しているところでございまして、アメリカも御指摘のとおり大変前向きに行っているわけですので、引き続きこの辺についてはさらに一層の御指導、御支援をいただければというふうに考えております。
 また、特にその中でも、知的財産権につきましても、新しい技術を背景に、今までの知的財産という枠ではなかなかカバーし切れないという面もございまして、バイオと知的財産のあり方、こういったものについてもぜひ国の御指導を期待したいというふうに思っております。
 以上でございます。
江田委員 ありがとうございました。
 やはり、患者さんに有効な薬が早く届くためには、この創薬の研究というのが日本の中で重点化して、国によってまたいろいろな環境が整うことが非常に必要であるかと思いますので、参考人の意見陳述を十分に参考にしながら、これからそれに努めていきたいと思っております。
 続けて、草刈参考人にお伺いしたいと思っております。
 バイオテクノロジーの技術は、さまざまな治療技術の進歩をもたらしてまいりました。現在、遺伝子組み換えにより製造される医薬品は二十余り、製剤数にしまして百以上に及びまして、遺伝子組み換え製剤が一九八〇年代に登場してから、これらにより恩恵を受けている人の数ははかり知れないものがございます。
 ヒト成長ホルモンも、かつてはヒトの脳由来であったものを遺伝子組み換えとしてから、成長ホルモン投与によるクロイツフェルト・ヤコブ病は発生を見なくなったのもまた事実でございます。このようなバイオテクノロジーの技術の進展が医療に生かされていく、そしてこれからも新たな治療を提供し、患者に光を与えていくことを期待するものでございます。
 幾つか質問をさせていただきますが、バイオテクノロジーを初めとする新技術の開発には常によいものを提供しようとする民間の活力が必要でありまして、そのような観点から、血液事業においても製薬企業等の民間技術を取り入れていく素地が必要と考えられますが、いかがでしょうか。
 また、続けての質問でございますが、今般の血液事業法等の改正におきまして、血液製剤の適正使用並びに新たな需給計画というものが示されてきておりますが、国に対してどういう点を要望されるか。
 大きく二つ、よろしくお願いします。
草刈参考人 先生お尋ねの新技術でございますが、まさに拡散増幅検査、これは、私どもが国内の試薬製造企業と開発したものでございます。それが今や、世界的な中でアドバイザリーコミティーに我々の職員が参画するぐらいのレベルになってまいりました。ですから、我々も積極的に、国民に対して我々の責務として、安全性を高めるための技術その他は遅滞なく導入しよう、あるいは国民のためにいろいろと開発をしたいと思っております。
 しかしながら、先生が御指摘のバイオの場合、現在、薬事法四十二条に基づく生物学的製剤基準というのが唯一の基準でございます。これが安全性その他の規定でございます。
 先ほど一万一千七百幾らのラベルが必要だと言ったのもその規定によるわけでございますので、これは、はっきり言って定義がないんです。定義がないということは御当局も諸所でおっしゃっております。はっきり言えば、極めて便宜的であるという批判も出ておりますし、この際、洗いざらいリストアップして整理しなきゃならないようなものではないか。それでも、専門である先生が御存じのように、整理ができないもの、困難なものがあると思います。そういうものは、理由をきちんとつけて、考え方を整理して、後世に悔いを残さないようにしなきゃならぬと思います。
 そのときに、遺伝子組み換え製剤は、あるものが入って、あるものが入らないという現状がございます。それは絶対に、我々にとっては大変戸惑うことでございますし、また、これから決まる生物由来製品の、それが入れられるのか、同じものになるか、特定生物由来製品になるかならないかの考え方が、この辺で行政御当局と、いわゆる学者、研究者と、我々実務を担っている者が本当に国民のために論議を交わして構築していくいいチャンスでなければならない。またこれが千載一遇のチャンスだと私は考えております。
 ですから、今までのことはすべて洗い流してとはいきませんが、原点に立ち戻って生物学的製剤基準をやらなきゃならないと思っております。少なくとも、技術は日進月歩です、それをソリッドな形で表現しているような今の生物学的製剤基準はもう間尺に合わなくなっておりますので、そこから我々取り組みたいと考えております。
 以上です。
江田委員 幾つか質問はあったわけでございますが、またフロアで議論をしたいと思います。
 我々に許されている時間が少ないので、先に進めさせていただきますが、寺尾参考人に、最後になりますが、お聞きさせていただきます。
 寺尾先生は、国立食品衛生研究所において、国の医薬品研究、審査を長年支えてこられました。血液製剤につきましては、この数十年の努力によりまして、検査技術、病原物質の不活化技術の向上によりまして安全性は飛躍的に改善されてきたこと、遺伝子組み換え製剤についても、承認審査というプロセスを経て市場に提供され、これだけ利用されながらも遺伝子組み換え製品による感染事故は起きていないという事実も踏まえ、寺尾参考人の陳述の中にありましたレギュラトリーサイエンスは、医学、薬学の分野におけるリスク評価として重要な概念でございまして、薬事法がレギュラトリーサイエンスに立脚した規制であることからも、単に主観的なだけでなく定量的なリスク評価を行うことが科学技術行政として重要であると私は考えております。
 坂口厚生労働大臣は、医薬品や化粧品のBSE対策におきまして既に定量的なリスク評価の考えを取り入れ、綿密な予防的措置を行うなど、レギュラトリーサイエンスの実行に努められていると認識しております。薬事法の施行におきましてもその考えで臨むべきであります。
 そこで質問でございますが、国立衛生研究所に長く勤められまして、元中薬審のバイオテクノロジー部会の部会長も務められた先生でございますが、血液製剤や遺伝子組み換え製剤につきまして、安全ではないのではないかという不安がここの議論でもあるかのように思います。しかし、このような議論に対してどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。
寺尾参考人 それでは、お答え申し上げます。
 ただいまお話がございましたように、血液製剤、遺伝子組み換え製剤につきましては、安全を不安視する方もいらっしゃるわけでございますけれども、血液製剤につきましては、非常に不幸な出来事もございましたけれども、ここ数十年の歴史の中で、病原物質、ウイルスが中心になると思いますけれども、こういうものの検出技術というものが非常に進歩しておりますし、そういうものの除去あるいは不活化の技術も非常に進歩してきております。ですから、これからは、今までのような非常に不幸な出来事というのは起こる可能性は非常に少ないだろうと思います。
 遺伝子組み換えの医薬品につきましては、これは承認審査のプロセスで安全性につきましては厳しく調べられておりますので、現実の問題としまして遺伝子組み換え食品で何か事故が起きたということがございませんように、これも従来のような審査をちゃんとやっていけば問題はないのではないかと私は思っております。
 以上でございます。
江田委員 若干時間がございますので、もう一問だけ質問させていただきます。
 今回の薬事法改正で臨床治験の体制整備が進むことで、開発から承認までの時間が短縮されて、早く必要な薬が患者に届くことが期待されておりますが、これを実行力あるものにするために国に何を希望されるのか、済みませんが、永山参考人にお伺いしたいと思います。
 先日、私これは厚生労働大臣に質問をさせていただいたわけでございますが、大規模治験のための主要医療施設のネットワークの創設とか、治験コーディネーターの養成、拡充、こういうものが大事であり、それを強く推進していくということを大臣も申されておりました。企業の代表として国に要望されるところとしてございますれば、お伺いしたいと思います。
永山参考人 お答え申し上げます。
 臨床治験の推進につきましては、今回の薬事法でも我々にとって大変前向きな内容になっているというふうに考えております。特に、ドクター自身の意思によります臨床研究、これは前から我々としても非常に重要だというふうに考えておりました。それが可能になるということで、新しい治療方法あるいは医療技術というものが、患者さんにとりまして早くアクセスができるようになるということを期待しているわけでございます。
 あえて申し上げますと、ドクター自身によります治験につきましては、あるいは臨床研究につきましては、多くの場合、製薬企業のものを使われるということになろうかと思いますので、この辺につきましては、ぜひ新しいガイドラインをということを陳述の中でも申し上げたわけですけれども、それによりまして企業としての協力体制もより強化されるだろうというふうに思っておりますし、そのガイドラインの決め方につきましても、ぜひ企業側の意見というものを反映していただければということで、これはあくまでも、やはり治験、臨床研究というのは安全性の問題をはらんでおりますので、それの予防策としても大変大事ではないか、そんなふうに考えておりますので、よろしく御支援いただきたいと思います。
江田委員 きょうは、いろいろと参考人から御意見を伺いました。
 きょうは血液製剤関係でも代表的な面々がそろっておられますが、日赤それから医薬品メーカー、そういう日本の民間の医薬品産業が健全に育たなければ、また国も健全に育てなければ、画期的な新薬が患者のもとに早く届かない。そういう意味から、私も、医薬品産業ビジョンというのが今回国の方で出されておりますが、医薬品産業を元気に、しかも健全に育てていくように、我が国会の方としてもしっかりと努めていきたい、そのように思います。
 どうぞ頑張っていただきますように、よろしくお願いします。
 以上でございます。
森委員長 次に、佐藤公治君。
佐藤(公)委員 自由党の佐藤公治でございます。きょうは、お忙しい中、このような時間をいただきましたことを心より感謝を申し上げたいと思います。
 きょうは、大変ありがたい貴重な参考人の皆さん方からの意見を聞かせていただきました。聞かせていただいている中で、私自身感覚的に思うことは、はっきり物を言う方と遠慮ぎみにおっしゃられる方と二つに分かれるのかな、そんな思いがします。
 そういう中で、まず、ちょっと遠慮ぎみに物を言われている永山参考人にお尋ねをさせていただければありがたいと思います。
 本来、私たち、やはり安全、安心、信頼というもの、そして責任というのがきちんとあり、そういうことがきちんと前提、そして国民のためにということがすべて基本原則だと思います。そういうことを前提に聞かせていただければありがたいんですけれども、私たちも今、国会また日本、社会ということに構造的な問題点ということで、非常に言い方は失礼かもしれませんが、政官業の癒着構造というような問題点ということをよく挙げさせていただいております。いろいろな産業を見ても、まさに政官業の癒着構造というのがあるんです。
 しかし、この業界に限ってというよりも、医療とか薬とかいうことに関して言えば、そういうものもありますけれども、やはりそこにはまた大きな一つの団体が存在をするのかな。もう言わなくてもおわかりになるように、やはり医師会というような団体があったりなんかする。こういうことのいろいろな難しい構造の中で、本来ならば、やはりもっともっと国を挙げて産業を支援していく方向に行かなきゃいけないのに、協力をしていないとは言いません、しかし、とかく足を引っ張っているような、そんなふうにも見える部分があります。
 私は、きょう参考人にちょっとお尋ねしたいのは、今お話、意見がいろいろとございましたけれども、非常に遠慮ぎみにおっしゃっている部分がある。言いにくいこともあるかもしれませんけれども。今、政府そして構造的ないろいろな問題点を含めた、もう少し具体的に指摘をしていただけるような御意見をいただけたらありがたいと思いますが、いかがでしょうか。
永山参考人 お答え申し上げます。
 特に遠慮しているつもりはないんでございますけれども、医薬品産業につきましては、今、国際競争といいますか、こういったところ、それから特にバイオを中心とした技術的なチャレンジというものが大きく出てきておりまして、特に国際的な海外メーカーがその成果も上げてきております。日本勢も今頑張ってやっているわけですけれども、やはり医薬品産業につきましては、冒頭申し上げましたように、産業としての認知がかなり低かったかなという気がしております。
 医療費の中の薬剤費の問題、こういう面からコスト論として随分議論はされておりますけれども、産業として、特に日本のリーディング産業にする、あるいは国際競争力のある産業として国内外で羽ばたくような、そういう議論は余りなかったわけです。それでも最近は、先ほどのBT戦略会議あるいは厚生労働省のビジョン等で、かなり明確に国の意図があらわれているということでございます。
 あえて申し上げますと、基礎研究から臨床開発、それから業としての運営に柔軟性を与える今度の薬事法の改正、我々としては大変いい方向に向かっていると思いますけれども、特に研究開発力の強化という意味では、国の役割というのは大変大きいわけでございます。産学協同もそうですし、あるいは国の投資した研究成果が民間にも自由に流れてくるというような仕掛け、こういうものも必要だと思うんですが、今のところやはり、このビジョンもそうなんですけれども、ライフサイエンスに関する予算の配分、これが幾つかの省庁に分かれておりまして、やや縦割りの感があるということでございます。
 その辺は我々も常に陳情を申し上げているんですけれども、ぜひ、ライフサイエンスに関する国家資源の投入につきましては一元的に物を見ていただいて、有機的に物を運ばないと、米国の場合は特にNIHというものを中心にライフサイエンスの研究資源の配分を行っておりますので、なかなか、国際的にもこれにまさるというふうに持っていかなければいけないというふうに考えておりますので、各省庁の横の連携とか、あるいは新しい方針を国が出される場合にはその辺を意識されて、ぜひ国としてかくあるべしというものを一つの形で考えていただけると大変ありがたい、そんな感じがしております。
佐藤(公)委員 永山参考人は、時間が余りないということで、縦割り行政のあり方の指摘をされたと思いますけれども、実際問題、もっともっと言いたいことはたくさんあられるのかなと。それは、この医療だけじゃなくて、薬事ということだけじゃなくて、経営者としての日本の産業全体に関しての注文もたくさんあるかと思います。
 実際問題、私自身、治験の問題もそうですし薬価の問題もそうですし、何もかもそうなんですけれども、今の日本のやり方というのが、ばんそうこうを張り合わせた状態であって、ばんそうこうからもう亀裂が入り、今またその上にばんそうこうを張っている、そんなやり方をとっているのかなというふうに私は思い、まさに三星参考人がおっしゃられていたように、日本の基本というものが、理念というものがやはり欠けている、こういう部分を私は感じながら国会活動をさせていただいております。ここをやはり基本的に真正面から議論していかなきゃいけないというふうに私ども考えております。
 そういう中で、国民のやはり信頼とか安全とか安心ということを基本にした場合に、草刈参考人がおっしゃられた中で非常に気になったことがございます。
 参考人がこちらの資料を皆さん方に示しながらお訴えになられた、まさにこの六ページの部分の、血液凝固の第8因子の件に関して、不活化ということが遺伝子組み換えの方に関しては必要だ、いやこれは安全だということで、非常に今お訴えをされているようなニュアンスで話を聞きました。
 実際問題、国民の安全や安心というものを考えた場合に、非常にさらっと流したお話だったんですけれども、とても大事なことなんではないか。たまたま私がいろいろな文献を見させていただく中、そういう議論もあり、多くの著名な方々は安全だということを言い切っている。こういうことに対して、いやこれは、国民の安心や安全を考えた場合には、遺伝子組み換えの方、不活化ということを含めて必要だということを草刈参考人はおっしゃっております。
 ここの部分に関して、もう少し、安全性に関しては欠けているという部分を簡単、端的に御指摘願えればありがたいかと思いますが、いかがでしょうか。
草刈参考人 申しわけございません。余りはっきり物を言わなかったかもしれません。
 今の遺伝子組み換え製剤、先生が御指摘の六ページでございますが、この左側のブルーのものですが、これは今、一般医薬品です。生物学的製剤基準の中に取り込まれないものになっています。
 今先生がおっしゃったので思い出しましたが、中央薬事審議会の制度改正特別部会に、この法律を制定するためにいろいろな人の意見を聞きたいというので特別委員として参画したときに、ハムスター細胞株、これは非常に純化されたものでございますが、これがあるからすべて安全という議論があったときに、私は、安全と決めつけないで、安全にするための努力が必要であるという主張をいたしました。そうしたら、おしかりをこうむったわけです。日本のそうそうたる学者たちにおしかりをこうむりました。
 それは、そのときに既に我々は、アメリカのFDAに、この真ん中のところにある「ウイルス不活化S/D処理(第二世代製剤)」が承認の途上にあることを知っていたんです。つまり、学者よりインダストリーの方が早いんです。ですから、そういうときに、過去の研究のすばらしさとか知識の高さとかではなくて、やはり事実を知っている人の意見を聞いていただきたいと。大声でどなられました。
 こういう安全に関しては、安全でいいんだということは決して思っちゃならないと私は信じております。より安全を向上するように努力しなきゃならない。そのときに、特に生物由来のものでありましたら、常にみずからを戒め、みずからを省みる日々の努力がなければだめと信じておりますし、また、今後もそのようなスタンスで仕事を続けてまいりたいと思います。
佐藤(公)委員 今のお話を聞く中で、前の私どもの委員も指摘をしておりましたけれども、やはり、審議会や運営委員会等に現場もきちっと入って議論をしていくべきだということにもなると思いますが、その辺のあたり、先ほども委員の質問がありましたけれども、簡単に、もう一度、現場の重要性を御主張願えますでしょうか。
草刈参考人 八ページにお示しいたしました。先ほども申し上げましたが、定足に満たないというようなものでは困るということを申し上げました。それで、二時間ですが、血液に関する法律の審議は一時間で終わりました。ところが、外国のを見てみますと二日間です。
 我々のような人間も入っております。ただ、我々の場合は投票権はないというように定められておるんです。アメリカ赤十字もかつて参画したことがございました。そういうことがございます。
 最も私が残念なのは、途中で退席する委員もおられるということです。その議事に本当に責任を持っていただいたら退席はできないはずだ。先ほど申し上げた中央薬事審議会の制度改正特別部会に法曹界の有名な委員がおられました。常に終わった後に私に文句を言われました。何とかならぬかね、大体途中で退席するのはけしからぬということをおっしゃっていました。私もそう思いますが、私に言わないでくださいといつも申し上げておりました。
 そういうことで、国民の安全を図るためには、やはりいろいろな知見や能力を糾合して努力を続けていただきたく存じております。
 以上です。
佐藤(公)委員 そういう国民の安全や安心というものを考えた場合に、まさに審議会、部会、分科会、調査会、そして運営委員会というものがやはり非常に大事なことになるんですけれども、花井参考人にお尋ねをさせていただきます。
 この運営委員会とか審議会を含めて、確かにいろいろなことがスタートラインに今着いたというようなお話を先ほどされていたと思うんですけれども、私自身思うことは、果たして本当に今の体制で、事前におけるいろいろな議論ということも大事なのは事実ですけれども、やはり物が起こってからの危機管理体制というものの対応が、今この国に、このやり方、今の状況で本当に国民のまさに生命や健康というものを守り切れるのか。まあそれは、何か起こったらば、それは多少のことはいたし方がなかったとしても、本当に最小限に食いとめることができる組織というふうになっているのかといったら、私は疑問に思うんです。
 先ほどからのお話の中で、いろいろと意見の中にもございましたけれども、本当に果たしてこのままで、この組織というか危機管理体制の対応が、これだけではございません、きっと内閣、政府全体における危機管理体制能力になると思いますけれども、まさに言えることは、薬事関係というのは、別にここの分野だけではなくて、まさに武力事態もそうです、もういろいろなところに全部関係した状態の中での危機管理体制というものを考えていくべきだというふうに私は考えております。
 その辺のあたり、もう少し御意見がありましたら、また要望がありましたらお話し願えればありがたいと思いますが、いかがでしょうか。
花井参考人 今、薬食審は、やはり残念ながら、本業を持っておられる方がそのときだけ召喚されて委員をやっているという体制になっているわけでございます。
 私どもが求めていたのは局横断型の危機管理体制でございまして、特に生物由来の医薬品、血液製剤を中心としますこういう医薬品に関しましては、疫学的知識その他いろいろ、局をまたいだいろいろな状況を透明な形で、オープンな形で議論をして、しかもトップダウンで意思決定をし、責任が一元化しているということが、これはもう常識であります。そういうことから考えますと、今回の薬食審における運営委員会ということだけでは、例えば未知な感染症のリスク、そういったものの情報が必ずしも的確にそこに反映されない、もしくは調査権限等権限がない、専門家を駆使したような枠組みがない、こういった体制になりますので、やはり不十分なものかと。
 今後、食品に関しましては食品庁構想などというものが考えられているようでございますが、そうした意味では、日本におきましてもCDCやFDAのような、あのようないわゆる専門家を育成した危機管理ができるような体制、これがやはり必要とされていると考えます。
 また、一つ、余分なことかもしれませんが、今回の法律の中で、生物由来というものを新たな加重規定にしている意味は、やはり、単なる化学物質として、スペックとして語られた医薬品というレベルでは管理できない未知のもの、全く未知のものに対して、津々変わる情報に責任者が対応できる体制をということで、私たち、薬害エイズの被害に基づく教訓を生かした体制と考えておりますので、やはり生物由来製品については、特段、特定生物由来製品という加重規定があまねく同効能の製剤等に反映されるように。
 今回、省令以下、もしくは薬食審で決定していくわけですが、見えているものだけがリスクだというのが今までの考え方であり、未知のものは、刻々変わる中で最善のことを選び取っていくという非常に時間との闘いがございますので、やはりそういう意味においては、なるべく規制の方を厳しくしておいてやるというのは大事なことだと思います。
佐藤(公)委員 もう時間でございます。ほかの参考人の皆さん方にも聞きたかったこと、たくさんありますけれども、本日は、こういう時間をいただきましたことを心から感謝申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
森委員長 次に、小沢和秋君。
小沢(和)委員 日本共産党の小沢和秋でございます。
 まず、参考人の皆さん方には貴重な御意見をありがとうございます。六人の皆さんに、みんな質問したいのですけれども、時間もありませんので、時間が許す範囲で順次お尋ねをしたいと思います。
 まず、三星参考人にお尋ねしたいと思います。
 私どもは、ああいう、血友病の皆さんにエイズの被害を大変広げたというような教訓として、血液の自給、献血による自給を実現していかなければならないというふうに考えますけれども、現実には献血者も減る、あるいは量も横ばいというような状況であります。ですから、私たちは、皆さん方がやっておられるこの献血の取り組み、国としても全力を挙げてバックアップしなければいけないと思って、この前もここで質問したんですけれども、実際には、事前に関係者の間でよく相談をしてもらいたいという程度の話以上にならないのですね。
 そこで、率直なところ、この機会ですからお尋ねしたいのですけれども、どういうような協力を国や自治体などにしてもらったら献血活動がさらに大いに進むかというような点で、御意見を賜りたい。
三星参考人 大変ありがたい質問です。
 我々も、過去には厚生省の委員を仰せつかったこともあるのですが、幾度となくそういういろいろな問題についてはお話ししているのですが、残念なるかな、申し上げたことは右から左で消えてしまいますね。国というのは、要するに厚生労働省の御担当の方になるのですが、やはりしっかりした感覚を持っていただかなきゃだめですね。
 まず一つ、ここで先ほど私の方も書類をお出ししてごらんいただいていますが、我々の長い悲願であります献血推進の国民運動本部を内閣につくっていただきたいと思います。とにかく、一つの課だけでは、どうもはっきり申し上げて、御熱心ではあっても、やはり遠慮されている面があるのでしょうね。そうでなくて、国民は、やはり患者さんは血液に困っているわけですから、勇気を持ってこういう献血推進国民運動本部などをつくっていただいて、総理からの命令でぱちっと下に流れるような形をとっていただきたいと思いますね。
 確かにおっしゃるとおり、献血者も減ってきていますね。それはまだ余裕があるからと我々は見ています。やり方によって、こうなんだ、これだけ要るんだとなったら、日本国民はちゃんと期待したとおりやってくれますよ。それを、何となくそこまでいっていないんだという……。
 ですからどうぞ、血液事業は国の事業だということをはっきりお出し願いたいのですね。そういう意味においては、献血推進国民運動本部などをかっちりおつくりいただければ十分いけると思っております。どうぞ、ひとつよろしくお願いいたします。
小沢(和)委員 次に、花井参考人にお尋ねしたいと思います。
 花井参考人は、先ほど、みずから血友病の患者であるということも言われたと思いますし、そうなりますと、安全な第8因子凝固製剤を今でもずっと求め、また打っておられるんだと思うのです。この第8因子製剤について、いわゆる血液製剤と、それから遺伝子組み換えの製剤と両方あるわけですが、この両者について、今どんどん遺伝子組み換え製剤の方が伸びているといいますか、こちらの方が安全だ、そして、ほかの薬品などと一緒にしてダンピングみたいにして売られているというような状況も一部にはあるというようなことも伺うのです。
 そこで、端的な話、この両者について、どちらの方が安全だとか、あるいは、この組み換え製剤の方が大きく伸びているということについては特別な理由があるのか。この辺、当事者として一番よく御存じじゃないかと思うので、お尋ねします。
花井参考人 大変本質的で難しい質問だと思いますが、まず一つ基本として、患者としましては、複数の選択肢が自由に選択できるということがまず最大よろしいわけでございます。そして、その選択肢の安全性が確実に確保されているということが重要になってくるわけでございます。
 血漿由来製剤と遺伝子組み換え製剤の市場における比率というのも、遺伝子組み換え製剤が御存じのようにかなりふえてきているわけですが、患者の選択として、やはりどちらを選ぶかということを選択するためには、先ほど草刈参考人の方から遺伝子組み換えと血漿由来製剤の製造プロセスについてのペーパーが出ておりましたけれども、ああいった情報というのは実はほとんどの患者さんは知らないところであって、さらに言うならば、ほとんどの専門医もそんなに知らないのですね。
 そうすると、例えばウイルスフリー、実は既知のウイルスに関するフリーだということがあれば、専門家も遺伝子組み換えの方が安全だというふうに考えたりもするとか、いろいろなファクターがありますし、あと薬価差に関しても、今R幅というのは大分狭まってきたわけでございますけれども、やはり総買いということで全体としてやっていますので、病院経営が厳しい中ではそういうインセンティブも存在するだろう。
 したがいまして、科学的に安全性だけをスペックとして見て製剤を選択しているというふうなことをもし仮に前提とするならば、今の市場バランスというのは、結構、それには合致してないのかなと。やはり、それ以外の何らかのインセンティブというのが絡み合って今の状況があるというふうに考えております。
 ですから、患者からしましては、同じ効能の血液製剤ですので、やはり同じように安全であるべきでありますし、今回、特定生物由来医薬品ということで、遺伝子組み換え製剤をそうやっていただくことによって、インフォームド・コンセントについては特定生物由来製品のみについて求められていますし、もしこれが遺伝子組み換え製剤だけ別の扱いをして、これは単なる医薬品だという扱いにしますと、例えばお医者さんは、責務規定は、血液製剤だけにインフォームド・コンセントの責務規定があって、血液製剤のリスクだけは説明する義務があるけれども、遺伝子組み換えについては説明する義務がないということになると、エンドユーザーからすればこれは非常におかしなことになってしまいます。
 したがいまして、そういったことからも含めて、やはりエンドユーザーである患者が安全に使えるように、情報をちゃんと患者のもとに届けて、患者の意思をもって選択できる、そういう状況をつくっていただけたらなと思います。
小沢(和)委員 私なんか全くの素人なもので、遺伝子組み換え製剤、こう聞いたら、血液と全然関係ないのかと思っていたら、あの成分の大半は売血の血漿が含まれているんだということをまず聞いてびっくりしたわけであります。それから、遺伝子は何で組み換えるかといったら、ハムスターの細胞に植えつけたりするんだとか、あるいは、培養液には牛の血清アルブミンを使うんだとか、こう聞かされると、じゃ、そういうような動物を使ってつくったものが、人の血液からつくったものに比べてより安全だというようなことは全く言えないんじゃないだろうかというような感じがするわけであります。
 その点で、もう一言だけさらに花井参考人にお尋ねしたいんですが、去年、アメリカでバイエル社が製造工程に重大な問題が起こったということで輸出を事実上ストップして、大騒ぎになりました。あれも、あの製造工程でどういう問題が起こったかといったら、私はやはり、ずばりこういう安全上の到底看過し得ないような問題が起こったから、ああいう、とめるというような事態になったんではないかというふうに思うんですが、もしいろいろ情報などをお持ちでしたら、お教えいただきたいと思います。
花井参考人 遺伝子組み換え製剤の出荷停止に関しましては、日本の血液製剤、第8因子製剤の四〇%が市場から消えるという異常事態でございまして、これについては献血者の皆様のおかげで危機を乗り越えられたわけでございます。
 あの問題はまさに今回の改正の本質的な問題でありまして、認可した後に、その同じ医薬品を同じクオリティーで供給するということが求められるわけですが、生物由来に関しては、やはり今先生がおっしゃられたように、例えば牛のアルブミンであるとか、もしくは今、第一世代の遺伝子組み換え製剤については、いまだ添加物としてのヒト由来アルブミン、これは売血ですが、そういったものを添加物として使っているという中で、一定の基準を満たした製造ラインを常にすべてのプロセスにおいて確保するということが求められているわけです。
 バイエルのコージネイトの件でございますけれども、これはFDAがそれの査察に入ったときに、その工程にいろいろ、記録の保管等細々としたことにすべてに問題が発見されたということで、FDAの方が停止をしたという経緯だと聞いている次第でございます。
小沢(和)委員 ありがとうございました。
 続いて、草刈参考人にお尋ねをしたいと思います。
 草刈参考人の方から出していただいた資料で、一番最後のところに「内外格差の解消について」という言葉があります。これは、安全のチェックについて、在来の、国内の献血からつくった製剤と、海外から入ってくる輸入の製剤との間で格差がある、こういう意味だと思うんです。
 その点でお尋ねしたいと思うんですが、私、前回質問をして大変驚いたのは、いまだに売血による血漿が三万三千リットルも入っている。そのうち三千リットルは特殊な血液で、これは輸入せざるを得ない。しかし、残りの三万リットルについては一般のアルブミン製剤などにするために輸入しているんだ、こう聞いているわけです。
 そうするというと、本来は、こういうものを輸入しなくても済むように、もっと献血を努力をしなきゃならぬということかなとも思うんですが、入ってくるからには、国内の献血のものよりは売血という点で一段と警戒心を持たなければならないんじゃないかというふうに思うんです。先ほどからのお話では、むしろこっちの方は安全チェックが緩いというような感じがするんですけれども、そういうようなことが内外格差なのか。
 それから、もう時間も余りありませんから、もう一つは、今の遺伝子組み換え製剤のことですが、聞くところでは、輸入するときは一般医薬品として事実上フリーパスみたいにして入ってくるんだというふうに聞いているんですけれども、そういうことなのかどうか。そうするというと、これはアメリカでもうチェックしてくれているから日本はそれで全面的に信頼します、こういうことで、全く白紙委任状みたいな内外格差なのか。その辺を含めてお教えいただきたいと思います。
草刈参考人 中央薬事審議会の中で、行政の管理職の方が、売血も献血も安全性については同じだという発言をしたことがございまして、私は仰天いたしました。それで、きょうはあえて四ページに比較表を、随分それから、数年たっておりますので、出させていただいた次第です。これも薬事法に基づく広告の規制、指導に反するかもしれない、ある製剤を誹謗しちゃいけないということに当たるかもしれませんが、国会のお許しを得て出しておけば、僕らは身の安全が図れるというふうにも思っております。非常に厳しい規制がございます。
 今先生が最後におっしゃったことでございますが、その前に、在り方懇というのがございまして、血液行政の在り方懇談会というので、8因子の白い粉、あれはアルブミンですよと言ったら、傍聴席がおおっと言いました。つまり、かなり関心を持っている方も御存じなかったということでございます。だから、やはりいろいろな方に本当のことは知っていただかなきゃならないと思います。
 遺伝子組み換えのことを申しますと、遺伝子組み換え製剤は、8因子という主効能成分、白い粉がアルブミンでございまして、あるいはシュークロースというお砂糖、これから入ってまいりますが、ほんの少し8因子が入っているんです。主効能成分が血液由来じゃないから血液製剤じゃないという解釈をしております。
 血液製剤でなければ生物学的製剤基準に入らない。したがって、国家検定は要らない。国家検定は、大体二カ月から三カ月かかります。そうすると、我々というか、血液製剤を輸入する方々も同じですが、企業にとっては二ないし三カ月のデッドストックを抱えるということは大変負担だと思いますね。ところが、この遺伝子組み換え製剤は血液製剤ではない。生物学的製剤基準が適用されない。したがって、一般医薬品と同じということですから、二、三カ月のデッドストックは要らないんです。
 そうすると、国内の備蓄もそんなにはあるものではありません。とまったら、即日、血友病の患者さんたち、あるいは僕らがびっくり仰天するというのが現状でございまして、できるだけ、同じ効能で同じ患者さんに同じ静脈投与されるものは、やはり行政の適用は同じにすべきだというふうにお願いしたいと思います。
 以上です。
小沢(和)委員 ありがとうございました。
森委員長 次に、中川智子君。
中川(智)委員 社会民主党・市民連合の中川智子です。
 本日は、貴重な御意見、本当にありがとうございました。
 私も国会に参りまして翌年、薬害ヤコブ病の被害者、患者、遺族の方々と出会いまして、小さな力でしたが、ともに闘い、三月二十五日の和解という日を迎えることができました。
 まず、阿部参考人にお伺いしたいんですが、今回の薬害ヤコブ病問題で忘れられないのは、HIVの皆さんもサリドマイドの皆様も本当にそうでしたが、二度とこの国で薬害を繰り返させない、そのために自分たちは闘っているんだという言葉を何度も何度も言われました。今度の薬事法改正が、そのような日本の大きな構造を変えていく、そして二度とあのような悲しみが繰り返されないような体制をつくっていくことに役立ってほしいという思いは切なるものがございます。
 阿部さんに伺いたいんですけれども、薬害ヤコブ病の闘いの中で、やはり大きな壁、それはどんなものだったか。ヤコブ病患者の方々が必死で求めてきたもの。その中で、さまざまなつらい、悲しいこと、なぜこんなことを言われるのだろうかという国への怒りもたくさんあったと思いますが、ヤコブ病問題にずっと弁護団としてかかわっていらして、あの教訓というもので感想をまずいただけたらと思います。
阿部参考人 ヤコブの場合は、一つは、被告としたのがドイツのB・ブラウン社というメーカーでした。今までの薬害事件で、外資系の、日本の企業そのものを訴えるというのは幾らでもあったんですが、外国の企業そのものの責任を問わざるを得ないという事件は初めてだったろうと思います。
 裁判をやるのも、裁判所へ訴状を出してから外国企業へ届いて、裁判が始まるのに通常十カ月かかるというふうに裁判所から言われました。これだけ医薬品、医療用具が世界各国流通している中で、その責任をいざ問おうと思うと非常に厚い壁がある。やはりここのところも含めて、今回の薬事法の改正で、外国企業から入ってくる医薬品、医療用具をどうやって規制するのかというのもきちっと考えていかなくちゃいけないのかなというふうに思っています。
 それから、企業の責任のみならず、私たちは国の責任も追及しました。やはり、企業だけの問題ではない。国がこういう問題についてきちっと責任をとることが必要である。
 薬害防止の責任は単に企業だけにあって、国は後見的、補助的な責任だというふうにいつも逃げるんですが、企業の責任と並行して、むしろ積極的に薬害防止を図る責任があるということをはっきりさせたいがために、裁判をして闘ってきました。
 おかげさまで、責任を認めて、解決をしましたが、その反省と謝罪が今回の薬事法の改正を通してどこまで生きるのかというのは、とにかく、規定の整備はできたにしろ、中身がかなり政省令にゆだねられていますので、そこがどこまできちっとしたものになるのか、実効性あるものになるのか。あるいは、審議会等に権限がかなりの部分ゆだねられていますので、その構成なりがどこまで民主的な形で被害者の声を反映した行政になっていくのかということを、私たちも監視していきたいと思っています。
中川(智)委員 今ので関連しまして、政省令にゆだねられるところが特に多いのですが、ドナー記録の保存の問題なども非常に大事な部分だと思います。
 ヤコブ病の場合は潜伏期間が長いし、さまざまな形でかなりの年数の保存があればということを実感されたと思うのです。ドナー記録の保存に関して、政令でぜひともきっちりとこれぐらいはという御要望がございましたら、あわせて、阿部参考人からもう一度。
阿部参考人 薬害ヤコブの場合は、潜伏期間が長いもので十八年というのがあります。それから、角膜移植によるヤコブ病の発症では、潜伏期間が一番長いのが三十年というのがあります。
 それを考えると、今、厚労省の方で考えているのは、製品の有効期間プラス十年、製品の有効期間が五年程度と考えるとせいぜい十五年ぐらいなんですが、十五年たって原材料の記録が廃棄されていたら、被害が発生したときに追及できない、チェックできない、ドナーにさかのぼれないということもありますので、ドイツの例では六十年という話も聞いています、やはり六十年、あるいは永久保存というのもぜひ考えていただければというふうに考えています。
中川(智)委員 続きまして、花井参考人と、もう一度阿部参考人にお伺いしたいのですが、今回、救済制度というのはあわせてきっちり盛り込むべきだし、医療用具が救済制度がなかったということで本当に救済のすべがなかったということがございました。野党四党で医薬品救済機構法の改正案も既に提出しているのですが、一度も厚生労働委員会で審議もされておりません。この救済制度、機構法の改正についての御意見を、まず花井参考人、続いて阿部参考人に伺いたいと思います。
花井参考人 医薬品機構は、御存じのように、薬害スモンの解決に基づいて救済機構として成立したわけですが、この機構が患者の視点に立った救済事業というのをやっていただけるためには、今の現状ではいろいろさまざまな問題点もございます。したがいまして、こうした問題点も踏まえて、今後、生物由来医薬品の救済制度を創設する上で、やはり患者の視点に立った救済制度というのを、ぜひぜひ今回見直して、よりいいものにしていただきたいと考えています。
阿部参考人 昨年の三月に国会に提出された医薬品機構法の改正案、生物由来製品の感染被害を救済するという中身になっていましたが、読ませていただきました。ことしの三月に厚労省の研究会が出した意見書というのも読ませていただきました。それを見ると、どっちも同じで、一年前に出された救済制度の案をぜひ早急に審議していただいて、生物由来製品の救済制度をすぐにでもつくっていただきたいというふうに思っています。
 エイズ、ヤコブ、それから薬害肝炎と、被害の方は待たない。来年にそういう救済制度をつくろうなんという話も聞いておりますが、被害の方は待ってくれません。制度ができた場合でも、法律の救済は遡及しないといって、その前の被害はすべて切り捨てられるというのが通例になっていますので、ぜひとも、既に出されている法案を審議していただいて、救済制度を早急につくっていただきたいというのがヤコブをやってきた立場からの意見です。
中川(智)委員 本当に、審議がされないという状況が続いております。通常国会にという予定らしいのですけれども、臨時国会もありますので、ぜひとも、今の御意見を受けて、しっかりと委員会で審議できるように、あわせて委員の皆様にも御協力をお願いしたいと思います。
 続きまして、花井参考人。
 今回はクラス分類というのが非常に大事だと、特に生物由来の製品についてのクラス分類、これを誤りますと危険性の高い医薬品等に対する規制が十分でなくなると思います。先ほどからも御意見をちょうだいしておりますが、特に、もう少し詳しく、遺伝子合成製剤を特定生物由来製品に指定するべきだというのは私も同意見なのですけれども、花井参考人の御意見をもう一度お伺いしたいと思います。
花井参考人 本来、遺伝子組み換え製剤に関しても血液製剤と同等の規制をするべきだというのが私どもの意見であったわけですが、今回、薬事法の枠組みで、これを特定生物由来というセグメントをつくることによって規制するという形になっております。これも本来法律に明確にするべきなんですが、残念ながらこれは審議会にゆだねられることになります。
 私どもとしましては、ぜひというか、絶対にこれは特定生物由来製品ということに認定していただかないと、例えば、六十八条の三におきますラベルの表示、それから六十八条の七におきますいわゆるインフォームド・コンセント、さらには患者の記録、医療機関における患者記録の保管というものが全部必要ないということになってしまいます。これでは、今回わざわざこういった法律をつくる意味すらなくなってしまうような事態になってしまいますので、やはり遺伝子組み換え製剤、私どもが使う同効能の製剤につきましては特定生物由来医薬品として絶対に認定していただきたい、このように考えております。
中川(智)委員 参考人の皆様にぜひとも伺いたいのですが、時間が余りないのですが、二度と薬害を繰り返さないためにこれだけは国に要望したいということを、お一人ずつだと随分あれですが、一分以内ぐらいでお願いしたいと思います。
寺尾参考人 やはり、今回の薬事法改正にいたしましても、法律ができただけではだめであって、実際にこれはちゃんと運用されなければいけないということでありますので、その周りのところも、当然国もそうでしょうし、製薬企業もそうですけれども、ちゃんと認識して、法律に従っていろいろなことを処理するということをぜひしっかりやっていただきたいと思います。
 以上でございます。
永山参考人 製薬企業としましても、いろいろな製品を開発しておりますが、安全性については常に一番重要なポイントということで考えてまいりました。
 今後も引き続き、新しい法律あるいは今までのルールをきちっと守って、患者さんの安全に対して十分な配慮を研究開発あるいは市販後も続けていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
草刈参考人 去年の九月十一日の同時多発テロのときに、午後に既にアメリカのFDAは特別指令を出しました。危機に及んでそういう非常に素早い行動をすることは、今の我々が知っている行政では期待できないのではないかと。
 ぜひ危機管理のためのシステムをつくっていただきたい。それは、本当に行政の責任者がトップになっていただいて、我々のような実際に現場に入っている者がそれをお助けするということでなければいけないと思います。
 その下支えには、ビジランスという、いろいろなことを、情報を集めておくという、血液の場合ヘモビジランスと申しておりますが、そのようなシステムがなければ、単に組織をつくってもそこに情報が入らなきゃしようがない。その両方が相まって、先生のおっしゃっているようなことが到達できる一つにはなるのではないかと思います。
花井参考人 やはり、危機に備えるトップダウンの体制でございます。
 ちょっと議論の中で、開発振興とそれから規制というものを混同して議論すると大変危険でありまして、企業を応援する責任者と規制する責任者は明確に分けて、その人が責任を全うするというようなことを明確に、これは透明性を確保した形でやらないと、また密室の利益調整みたいなことになるとこれはもう、また薬害は必ず再発するというふうに思います。
三星参考人 血液は、先ほどから申し上げましたとおり、日本国内で自給自足をすることが原則であると思います。ただ、どうしても国内でできないもの、技術的にできないものがあれば、これは国が補助をして、日赤なり日本の製薬会社に補助をして向こうの技術を導入して、日本で九月十一日のようなああいう同時災害テロがあっても大丈夫なような万全なる施設が必要ではないかと思います。よろしくお願いいたします。
阿部参考人 参考資料の中にヤコブの確認書がとじられています。そこの確認書では、重大な責任を深く自覚、反省するという厚労大臣の文章、そして、厚生労働大臣は、悲惨な被害を繰り返すことがないよう最善、最大の努力を重ねることを固く確約するという文章が入っています。
 スモンでも同じような文章がありました。HIVでもありました。ヤコブでも同じ文章、ただ今度はさすがに「固く」という、「確約」の前に「固く」を入れました。それがどこまで意味があるのかということですが、本当にこの文章、確認書に従ってきちっとやっていただければというふうに思っています。
中川(智)委員 最後は失礼な聞き方になりましたが、貴重な御意見ありがとうございました。
森委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。
 この際、一言ごあいさつを申し上げます。
 参考人の皆様方におかれましては、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。
 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時十三分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時一分開議
森委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 午前に引き続き、内閣提出、参議院送付、薬事法及び採血及び供血あつせん業取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として防衛庁防衛参事官田中慶司君、文部科学省高等教育局長工藤智規君、厚生労働省大臣官房技術総括審議官今田寛睦君、医政局長篠崎英夫君、健康局長下田智久君、健康局国立病院部長河村博江君、医薬局長宮島彰君、老健局長堤修三君及び保険局長大塚義治君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
森委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
森委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。福島豊君。
福島委員 大臣、副大臣、政務官の皆様、大変御苦労さまでございます。
 本日は、個別の問題について何点かお尋ねをしたいと思っております。
 まず初めは、現在大変問題になっております中国製のいわゆるやせ薬、個人輸入をした未承認医薬品等の服用によりまして、大変な健康被害が起こっているということでございます。まず初めに、この健康被害の状況についてどうなっているのか、お答えいただきたいと思います。
宮島政府参考人 御質問の中国製健康食品の健康被害の現状でございますけれども、一番新しいデータとしまして、七月二十三日火曜日の午後五時現在で集計したデータについて御報告したいと思います。
 各都道府県から厚生労働省に報告されたものを集計したものでございますが、未承認医薬品、これは十一製品ございます。それから、健康食品は二十四製品ございます。合わせますと三十五製品による健康被害事例件数は、四十三都道府県におきまして二百八十六名というふうになっております。その内訳は、肝障害が百六十名、甲状腺障害が四十三名、詳細不明が八十三名でございます。また、このうち死亡者は四名ということでございます。
福島委員 この健康被害の原因になった物質の究明は極めて大切な課題でございますけれども、その点について現状の結果はどうなっているのでしょうか。
宮島政府参考人 今回の健康被害の原因物質についてでございますけれども、まず、甲状腺機能亢進症につきましては、甲状腺ホルモンの検出がなされているものもありまして、これらについては一応因果関係が明らかになっております。しかしながら、肝機能障害の方につきましては、現在までのところ、原因となる特定の物質を明らかにすることはできない状態になっております。
 また、厚生労働省におきましては、関係すると考えます三製品、これは十二日に発表した分でございますけれども、この三製品につきまして分析調査を行いましたところ、これら三製品に共通の成分といたしまして、医薬品成分であるフェンフルラミンから合成したと考えられるNニトロソフェンフルラミンが高濃度で検出されております。今後、この物質と健康被害との関係を含め、原因物質の究明に全力を挙げていきたいというふうに思っております。
福島委員 この中国製の個人輸入した健康食品等による健康被害は、今回が初めてではないわけでございます。そしてまた、厚生労働省から指導がなされたことも初めてではありません。直近では、平成十二年の十二月二十二日に厚生省から、「個人輸入した健康食品と称する未承認医薬品の服用後に発生した健康被害事例について」という報道発表がなされ、そしてまた各都道府県に対して通報がなされ、監視、指導を行うよう要請をしたわけでございます。
 厚生労働省だけでなく、国民生活センターにおきましても、こうした健康食品による被害件数というものは膨大な数に上るわけでございまして、毎年のように何千件という相談件数が上げられているわけでございます。
 厚生労働省にお尋ねしたいのは、十二年、こうした報道発表をし、そしてまた都道府県に指導したわけでございます。その一つの商品は、セン之素コウ嚢、今回問題になっているものと同じものがございます。ですから、十二年にこのような報道をしまして、その後の指導、そしてまた監視体制というものがきちっと行われておれば、ここまで深刻な健康被害が起こらなかったのではないかという指摘もあろうかと思います。
 十二年のこの発表以後の、厚生省として、また厚生労働省としての対応というものは一体どういうものであったのか、お教えいただきたいと思います。
宮島政府参考人 御指摘の事例は、平成十二年十二月二十二日に、中国製の未承認医薬品のセン之素コウ嚢を服用後に発生した健康被害事例、このときは甲状腺機能亢進症でございますけれども、これにつきまして、国民の皆さんに対して情報提供し、あわせて都道府県に対し薬事法違反等の監視、指導の徹底を要請したものでございます。
 本件の公表以降、各都道府県において同様の未承認医薬品の発見が相次いだこともございまして、厚生労働省では再度平成十三年六月に、同様の事例を含め、国民の皆さんに注意を促したということを行っております。
 現在までのところ、こういった未承認医薬品の販売等、薬事法に違反する行為として指導を行ったという報告がなされたものは四件でございます。
 また、今般、重篤な肝障害を含む健康被害が発生していることから、改めて都道府県に対して未承認医薬品の取り締まりの徹底について要請を行ったところでございまして、今後、厚生労働省におきましては、健康食品等の健康被害情報の迅速な収集、公表を行うなど、健康被害の拡大を防止するための総合的な対策を講じてまいりたいというふうに考えております。
福島委員 ただいま御答弁いただきましたように、情報の収集、そしてまた適切な公表ということで今後とも対応していきたいと。
 先般も、厚生労働大臣から対策の五つの柱が示されたわけでございます。中国当局との情報交換、輸入食品の監視強化、情報収集と公表、未承認薬の取り締まりの強化、原因物質の究明、この五つの事柄というものはきちっとやっていただかなければいけないと思います。
 ただ、十二年、十三年とさまざまな形で公表し、また通知もしながらも、実際問題としては非常に多くの方がこうした危険な健康食品、また未承認医薬品を使っていたわけでございます。ですから、今までと同じようなことを繰り返していたのでは、再び、ほとぼりが冷めれば同じことがまた起こるのではないか、忘れたころにまた同じことが起こるのではないか、そのような懸念があるわけでございます。
 ですから、どうしたら再び発生することを防ぐことができるのか。これは、薬事法のあり方について、必要なことはやはり見直しをしなければいけないのではないかとか、いろいろな考え方があろうかと思います。こうした再発防止のために、政治家はしっかりと取り組まなければいけない、そしてまた、いろいろと知恵も出していただきたいと思うわけでございます。
 この点につきまして、再発防止という観点から、田村政務官から御見解をお聞きしたいと思います。
田村大臣政務官 先生おっしゃられますとおり、我が省も、大変これは憂慮すべき事態であろうと思います。
 この個人輸入の場合、多分、これは未承認医薬品、医薬品といいますか、薬だという認識すらあったのかどうかという問題もあるわけでありまして、自己責任とはいいながら、そこに情報というものがしっかりとユーザーには入らない、こういう問題がありますから、今回のような問題が起こった。特に、死亡された例がありますから、大変な問題であるわけでありますけれども、今言われました、五本の柱、これを中心といたしまして、やはり今回でも、今回、迅速にと言って恐縮でありますけれども、製品の名前の公表もしたわけでありますけれども、やはり被害の状況等々をどういうふうに国民の皆さんに開示していくか、これは重要な点であろうと思います。
 いずれにいたしましても、先生が今御指摘いただいたいろいろな点を踏まえながら、こういう問題がこれからまだ多々起こってくる可能性がございますので、これに対して対処してまいるように努力してまいりたいと思います。
福島委員 ぜひしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 次に、タクロリムスについてお尋ねをしたいと思います。聞きなれない言葉かもしれませんが、以前FK506と呼ばれていた免疫抑制剤でございます。
 七月二十日の毎日新聞に、このような記事が載っておりました。「アトピーに新治療薬 タクロリムス軟膏 顔や首、ステロイドより有効」であると。確かに、免疫抑制剤としてタクロリムスは、ステロイドでなかなか治療ができないアトピーの治療に有効であるという意味では、よい薬であるということが言えるだろうというふうに思いますし、そしてまた、アトピー性皮膚炎の患者の方も大変ふえている、中には難治のものもある、そういう患者さんにとっても一つの救いとなる薬であろう、そのように思いますし、そのことを否定するわけではございません。
 しかしながら、例えばステロイドにつきましても、以前私はこの委員会で、さまざまな副作用というものが指摘をされているわけであって、その適切な使用ということについて国は万全を期さなければいけない、そのようなことを申し上げました。その点については、このタクロリムスにつきましても、製品名ではプロトピックということになりますけれども、同じことが言えるのではないかと思います。
 なぜかと申しますと、このタクロリムス、これは臓器移植に対して免疫抑制剤として使用されるわけでございますけれども、全身投与の場合に、これは外用剤とは異なるわけでございますけれども、糖尿病の発症であるとか腎臓障害であるとか、さまざまな副作用があるということが報告されているわけでございます。さらに、悪性腫瘍の発生についても指摘をされておりまして、FK506を投与した臓器移植患者千例中、新しい固形がんの発生が七・二%の症例で発生したと学術誌では指摘をされているわけでございます。FDAのホームページでの情報でも、ノンホジキンリンフォーマと皮膚がんが一般的な、ポピュラーな腫瘍である、このように指摘をされております。
 それで、本剤の添付文書では、注意事項としまして、「本剤を使用した部位を日光に長時間さらさないよう注意すること。」と記載されています。その理由として、マウスでの実験で「紫外線照射と並行して本剤を塗布すると皮膚腫瘍の発生時期が早まることが示されている。」このように述べられております。そしてまた、「外国において、本剤を使用したアトピー性皮膚炎患者に皮膚がんが発生したとの報告がある。」と述べられております。
 こうしたがん発生の機序は、FK506によるナチュラルキラー細胞ですとかCD4の抑制によった免疫監視の低下によるというふうに考えられるのではないかと思います。
 ここで我々が注意しなければならないことは何かといいますと、一般のアトピー性皮膚炎の患者さんの多くに広くこの軟こうが使用されたときに、果たしてこうしたがんの発生、また皮膚がんの発生というものがふえることはないであろうかどうかということではないかというふうに思っております。起こってからいろいろと慌てても仕方がないわけでございまして、そういうことが起こる前によく考えておかなければいけないと思っております。
 先ほど紹介いたしました毎日新聞の記事では、特に顔や首で有効だということが述べられております。顔や首というのは、周知のごとく、一番日光が当たるところなわけでございます。そういうところに使った場合に、長期的にどういう影響があるのかというようなことについては、十分慎重でなければいけないし、そしてまた、その使い方ということについても適切を期さなければならないと思っております。
 それで、このタクロリムスについて若干お尋ねをしたいわけでございます。
 まず初めに、この承認に際しまして、中央薬事審議会の議事録ではこのようなことが議事録として残っております。「マウスでの二年間塗布がん原性試験におきましても、リンパ腫の増加が認められたことから、アトピー性皮膚炎の治療に関するリスクが大き過ぎるのではないかというような意見も出されております。」と。そのような説明がなされておりまして、それについては添付文書で注意喚起をする、そしてまた医師向けのガイダンス等で対応ができるというような結論になっておりますけれども、このタクロリムス軟こう、プロトピックですけれども、軟こうの承認に当たって、皮膚がん等の悪性腫瘍の発生の危険性については、この程度の評価で承認がなされたのだろうか、ほかに何か検討がなされていなかったのだろうかという点について、お聞きをしたいと思います。
宮島政府参考人 御指摘のタクロリムスにつきましては、まず臓器移植に関連した免疫抑制剤として承認されておりまして、その際提出されました資料では、マウス、ラットを用いたがん原性試験が実施され、陰性の結果が得られたということになっておりました。
 今回、このタクロリムスの軟こう剤の申請に当たりましては、がん関連の試験では、皮膚塗布であることから、塗布がん原性試験、それから塗布光がん原性試験、これを行いまして、その成績が提出されております。さらに、本剤を塗布された患者で皮膚がんが報告された海外の症例等につきましても、その中身を評価しております。
 こういったものを踏まえまして、審議会でさまざまな議論が行われたわけでありますけれども、その中におきまして、一つは、安全性につきましては、皮膚がん原性は否定されたものでありますけれども、リンパ腫については増加が見られたことというリスクが指摘されております。その一方で、有効性につきましては、本剤はアトピー性皮膚炎治療の進歩に寄与する有効性があるという評価も一方で得ているところでございます。
 こういった審議がいろいろなされた結果、一応、添付文書等での情報提供に基づき適正な使用がなされるということを条件といたしまして、承認して差し支えないという結論に達したわけでございます。
 ただ、本剤は、御指摘のように、高い有効性の反面、非常にリスクも懸念される面が指摘されている面もございますので、本剤が長期使用において安全性がいかがかということも確認する必要性があるということから、安全性について市販後も情報収集する必要があるということで、いわゆる再審査期間、これを市販後十年間というふうに定めまして、その間、市販後についての安全性に関する情報収集を行うということを義務づけて、今そのフォローアップを行っているということでございます。
福島委員 今の政府参考人の御説明で、若干不足の点があろうかと私は思っているわけでございます。
 特に、皮膚がんについては、紫外線がむしろ遺伝子を傷害する、その後にがんの発生がある、そういうメカニズムだろうというふうに思うわけでございます。そして、タクロリムスそのものは遺伝子を傷害するわけでない。がん原性がないというのはそういう点だと思うんですけれども、しかしながら、その後の、腫瘍が発生していくプロセスというものは、プロモーターとして働くんだろうというようなことが想像できるわけでございます。ですから、この添付文書でも、紫外線治療を受けている患者に関しては禁忌であるということが言われているわけです。
 先ほど申しましたように、顔ですとか首ですとか、日光の当たりやすいところというのは紫外線の照射を、いわばほかの部位よりもより多く受けているわけでございまして、そしてまた長期間にわたるということもあるわけでございます。ですから、そこのところは、がん原性がありませんでしたという動物実験のことだけでさらっと済ませる話かなというふうに思うわけでございます。
 それで、市販後の調査をやるということでございますので、そこのところはぜひきちっとやっていただきたいというふうに思いますし、そしてまた、ここに、添付文書にはいろいろと具体的な事項が書いてあるわけでございます。「本剤を使用した部位を日光に長時間さらさないよう注意すること。」ということが書かれております。先ほどの、紫外線治療を受けている患者に関しては禁忌であるというように言われておりますが、一般のそれほどではない場合については、長時間さらさないようにというような書き方になっているわけで、どの程度が長時間なのかというのは、なかなか判断が難しいわけでございますし、具体的に医療の現場でこの使用がなされるときに、適切な指導というものが患者さんに対してなされる必要があるだろうというふうに思うわけでございます。
 そうした使用の適切性の確保というものについてどのような対応がなされているのか、再度御確認をしたいと思います。
宮島政府参考人 御指摘のように、この薬、医薬品につきましては、通常の医薬品と違う、一方で高いリスクも懸念されている部分がありますので、そういう意味では、その使用に当たっては適切な使用がきちっと確保される方策をとるということが非常に重要かというふうに思っております。
 このプロトピック軟こうにつきましては、先ほど申し上げました薬事・食品衛生審議会の審議事項でも、そういった適正使用の確保については特段の注意を払うということが特に指摘されております。
 このため、いわゆる添付文書の中で、今先生の方からも御指摘ありましたようないろいろな注意事項をきちっと書くということのほかに、医師において本剤が適正に使用されるために、別途、医師のためのガイダンスというものを特につくりまして、これを全医療機関に配付するということも企業の方に要請しております。それから、使用する患者さんに対しましても、患者用パンフレットというものも特に作成してもらいまして、いわゆる販売開始以後、適正使用に関する情報提供を幅広く関係者に行うということで、いわゆる通常の医薬品よりも一層安全性に配慮した使用を求めるということを行っているところでございます。
 今後とも、厚生労働省といたしましては、この医薬品についての副作用情報の収集に努めまして、そうした情報を幅広く関係者に提供するという形で、本剤の適正使用の確保に努めてまいりたいというふうに思っております。
福島委員 ぜひよろしくお願いをいたします。
 次に、午前中の参考人の質疑でも触れられた点でございますが、治験の体制の充実ということについて、先般の委員会で我が党の江田委員からも質問がありましたが、お尋ねをしたいと思っております。
 治験活性化プロジェクトとして大規模治験センターの創設ということについて、先般の委員会で大臣からの答弁がなされました。大規模治験センターを中心としたネットワークの構築ということについて、どのような体制で進められることになるのか、お答えをいただきたいと思います。
篠崎政府参考人 先生御指摘の大規模治験ネットワークのことでございますが、我が国の治験の迅速化とそれから質の向上を図るために大変重要なことと考えております。
 その推進体制についてでございますけれども、疾患ごとに、全国八十余りあります特定機能病院ですとか、それから六つございますナショナルセンター、そして今五百余りの臨床研修指定病院などの、そういう医療機関のネットワークを構築するということを想定しているわけでございます。
 また、どのような治験かにつきましては、医師主導の治験とそれから製薬企業主導の治験を考えておりまして、まず医師主導の治験の方では、欧米などで標準的な医薬品あるいは医療機器でありながら、国内では不採算のため導入されていない医薬品などをその対象と想定をいたしておりますし、また製薬企業主導の治験では、画期的な医薬品や医療機器を対象とすることを想定しておりまして、先ほど申し上げましたこういう大規模治験ネットワークの活用によりまして、効率的な治験を実施してまいりたいと考えております。
福島委員 企業中心と、そしてまたむしろ医療サイド中心の治験、この二つの視点が極めて大切だと思っております。
 私も、数年前から、がんの治療薬にしても、欧米で承認をされているものについては早く承認をしてほしいということをさまざまな機会に発言をさせていただきました。また、小児の治療薬についても同じようなことが言えるのであろうというふうに思います。
 この医療サイドを中心とした治験というものをどういうプログラムで、どういう順番でやっていくのか、ここのところが現実問題としては極めて大切なんだろうと思いますが、その点についてどのような検討をしておられるのか、お答えをしていただきたいと思います。
篠崎政府参考人 先生御指摘のように、欧米で標準的な医薬品あるいは医療機器でありながら、我が国では不採算などのために導入されていない医薬品などが多数ございますし、また、現在承認されている医療用医薬品の約四分の三につきまして小児の適用がないというような現状でございます。
 このような医薬品につきまして、製薬企業に任せておいただけでは治験が進まないところでありまして、医師主導の治験スキームを活用しながら、先ほど申しましたネットワークの活用を図ってその治験を推進しなければならないと考えておるわけでございます。
福島委員 ぜひ医療の現場の要請にこたえた治験を行っていただきたいと思います。
 次に、薬害のことについてお尋ねをしたいと思います。
 先日、大阪のスモンの会の皆さんと懇談をさせていただきました。スモンは、整腸剤のキノホルムによって発生をした我が国の代表的な薬害事件の一つであるわけでございます。昭和五十四年に和解がなされまして、以後二十三年が経過したわけでございますけれども、いまだに多くの患者さんがその症状に苦しんでおります。また、大阪だけでも、三十代半ばから五十代にかけての、発症が非常に若いときに起こった、小さいときに起こった患者さんが二十名存在いたしておりまして、将来にわたってこのスモン対策というものはどうやって継続されていくのか大変心配をしておられるということは事実でございます。また一方で、患者の高齢化に伴って、医療のみでなく介護といった部分でも適切な対応が求められているわけでございます。
 現在、このスモンの被害者の方が心配をしておりますことは、国において検討されておりますところの難病対策の見直しということでございます。その検討の中で、スモンというものが薬害であるという観点から、難病の対策として位置づけることについてはいかがなものかというような意見が提出されておる。そのことについて、果たしてスモンの対策というものがこれからどうなってしまうのか。そしてまた、五十四年の和解のときにも、恒久的な対策をするということで、患者さん方、被害者の方々の声というものをよく聞きながらこれはやっていくんだということが示されたわけでございますけれども、その点について、さまざまな不安が今発生をしておるわけでございます。
 この問題について、恒久的な対策としてスモンの対策というものをこれからもどうしていくのかということについて、政府としての決意をお聞かせいただきたいと思います。
田村大臣政務官 先生おっしゃられましたとおり、このスモンの患者の方々、裁判の和解を受けまして、例えば健康管理手当等々、それから介護費、こういうものに関しましては医薬品機構の方から支払いがある。ところが、医療費の公費負担というものは、これは特定疾患治療研究事業という中において公費負担がなされておる、こういう背景であるわけでありますが、今般のこの難病対策の見直しという中において、スモン患者の方々も含めまして、また今の特定疾患治療研究事業も含めまして、さまざまな議論が出ております。
 スモンの患者の方々に関してもいろいろな議論が出ております。出ておりますが、その中において、これからでき上がってくる新しい対策といいますか、中身に関して、少なくとも、スモン患者の方々に今よりも後退するようなことがあってはならない、これだけは我が省といたしましてもしっかりとした認識を持っておりまして、そうならないようにこれは真剣に努力をしてまいりたい、このように思っております。
福島委員 最後に、血漿たんぱく製剤についてお尋ねをしたいと思っております。
 現在、変異型のヤコブ病というものが問題になっているわけでございます。プリオンによって伝達される。このことによって、現在、日本におきましても、輸血に関しての献血者についてさまざまな制限を設けております。
 では、その血液からつくられるところの血漿たんぱく製剤について、果たしてこのプリオンに対しての対策というものは一体どうなっているのか。聞くところによりますと、さまざまな処理をしますと、プリオンたんぱくというのはほぼ除去できるんだというような見解もあるようでございますけれども、そのあたりのことにつきましても、果たして学問的にどの程度のエビデンスがあるのか、この点について、厚生労働省の考えをお聞きしたいと思います。
宮島政府参考人 御指摘の血液を介した変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の発症につきましては、これまでのところ世界的にも報告されておりませんで、輸血により変異型クロイツフェルト・ヤコブ病を発症する可能性については、科学的にまだ十分解明されていないというふうに承知しております。
 血漿分画製剤につきましては、製造工程中でプリオンたんぱくが除去されるという報告が一部にあるわけでございますけれども、製造工程で確実にプリオンたんぱくが除去できるという科学的な証拠は必ずしも十分ではございません。したがいまして、伝達の可能性が全くないとは言えないというふうに認識しております。
福島委員 この点については、FDAでも、ガイダンス・フォー・インダストリーというような文書が、これはリバイズされておりますけれども、出されておりまして、供血者についての選択というものをきちっとするということが原則になっているようでございます。
 ただ、我が国の場合に、国内自給ということを一生懸命言っているわけでございますけれども、BSEが多数発生をしてきた、そういう中で、もし我が国において変異型ヤコブ病が発生したときに、こういったものをどう考えるのかということも極めて大切なことだろうというふうに思っております。そうなりますと、リスクとベネフィットというものを勘案して、慎重に合理的に考えなければならないんだろうと思いますけれども、この点について政府の考えをお聞きしたいと思います。
宮島政府参考人 今申し上げましたように、血液を介した変異型クロイツフェルト・ヤコブ病につきましては、その可能性は科学的にはまだ未知の段階でございますが、一方で、感染するリスクというのを理論上排除できないという面もございます。そういう意味では、予防原則に基づいた対応を行う必要があろうかというふうに考えております。
 我が国におきましては、血液製剤につきましては国内自給を目指すということを今回の法案の中でも置いておりますけれども、ただ、一方におきまして、例えば輸血用製剤につきましては、採血後の有効期限が非常に短いということで、自国内で採血したものの製剤を使わざるを得ないということもございます。
 仮に、国内で変異型のクロイツフェルト・ヤコブ病が発生した場合においては、こういった国内自給の基本的な考え方、あるいはそういう血液製剤の特性、こういったものを踏まえ、かつ予防原則の考え方に立って、御指摘のようなベネフィットとリスクを十分比較考量を行う必要があろうかというふうに思っております。
 いずれにしましても、このようにリスク評価が非常に難しい問題でございますので、このリスクとベネフィットについて可能な限りの情報を収集した上で、審議会等の公開の場における議論を十分尽くして、科学的な観点からの評価を踏まえて政策判断を行い、必要な対策を講ずることが重要ではないかというふうに思っております。
福島委員 大変ありがとうございました。
 最後に、一言申し上げておきたいことがございます。
 七月十日の厚生労働委員会におきまして、小沢和秋委員から次のような発言がなされたわけでございます。これは、血漿たんぱく製剤の団体でありますPPTAの政府に対してのさまざまな働きかけがあったということに関連してでございますが、このように小沢委員は述べております。
 これによると、セーデル氏は、一九九〇年から九三年にかけて、自由民主党の政策特別顧問を務めた経験のあるロビイストだということになっております。
  ちなみに、DSA社のホームページから検索した履歴によりますと、セーデル氏は、アメリカの諜報機関CIAの上級分析官を務めたエージェントでもあります。
  セーデル氏は、PPTA加盟業者の製品のシェアを拡大するために、日本国内でつい最近も盛大なセミナーを開催し、坂口大臣初め多くの政治家や官僚に対し盛んなロビー活動を展開したと述べられております。こうした努力の結果、PPTA加盟業者の製品のシェアは半分近くまで占めるに至ったと、成果を誇っております。
というように、さまざまなロビー活動の結果、PPTAが、血漿たんぱく製剤が、海外から輸入されるものでございますけれども、シェアを伸ばしたというふうに書いてあるというふうに言っておりますけれども、原著の方にはそのような記載は全くございません、全くありません。そこが失礼なことだと私は思っております。
 これをちゃんと読みますと、先ほどもTSE、変異型ヤコブ病の問題がありまして、そういうものに対して科学的にどう対応するのかということは極めて大切だという、デリケートな問題があるということを指摘したわけでございますが、原著に当たってみますと、まずセーデル氏、これはザイデルというふうに読むわけでございますが、自由民主党の政策特別顧問を務めた、そのような経験は全くない、自由民主党のメンバーのグループの政策アシスタントとして働いただけである、これは文書にはそのとおりに書いてあるわけでございまして、あえて誇張したと言わざるを得ない。
 そしてまた、「盛大なセミナーを開催し、」云々とありますが、三月二十三日、私たちは伝達性海綿状脳症の国際科学シンポジウムを東京で開催した、このイベントは世界の指導的な専門家を世界から招くことにより情報を日本の専門家と共有するために開催された、私どもは厚生労働省の上級担当者と引き続きの協議を行っているということが書かれております。そしてまた、それに続いて、現状としてPPTAの加盟者は血漿たんぱく治療のほぼ半分を現在日本で提供している、ただしかし、血液事業法の見直しということで、国内自給というものを日本が強く主張するのであれば、こういったシェアというものが下がっていかざるを得ないのではないかということを心配している。
 ただ、しかしながら、それについては、大臣から先日答弁がありましたように、国内自給ということを目標として我々やっていくんだということを明確に述べているわけでございます。
 こうした、ロビー活動の結果としてシェアが伸びたというような、原著にも全くない言いがかりに近いことをおっしゃっていただくのは非常に不快であるということだけ申し上げて、質疑を終わりたいと思います。
 以上でございます。
森委員長 次に、五島正規君。
五島委員 採血及び供血あつせん事業法の取り締まりに関することにつきましては、随分この委員会でも議論されてまいりました。なお多くの問題は残っておりますが、同僚議員の家西議員にこの分については基本的に譲りたいと思いますが、ただ一点、血液事業に関する国の責務について今回の中で明言しているわけでございますが、血液製剤の安定供給のため、需給計画を毎年定めることとしています。
 ところで、今の国会に武力攻撃事態に対処する法案が政府から提出されています。そうした中において、自衛隊は有事の際に医薬品の保管あるいは調達ができる、あるいは保管を命ずることができる、こういうふうになっております。また、有事が起こった場合には、医療法の適用を受けずにいわゆる野戦病院という形での医療ができるというふうになっているわけでございます。また、この法律に基づきますと、そうした医薬品を米軍に提供することもできることになっています。
 そこで、今回の法律との関連においてお伺いするわけですが、この毎年の需給計画を立てるときに、こうした有事法制に基づく必要な血液製剤のストックあるいは有事の際の血液のそうした形での自衛隊に対する徴収というふうなものを踏まえて、そうしたものを見込んだ上で血液製剤の備蓄と更新を行っていくのか、また、その場合、一般国民に対する血液製剤の確保というのは、これは何も今出ております武力攻撃事態だけでなくて、大規模な震災その他の場合、火事その他において大量の血液製剤のストックが必要になるということがあるわけでございますが、そうした部分のストックと更新というふうなものはどのように考えておられるのか、その点についてお伺いしたいと思います。
坂口国務大臣 血液需給計画と言いますときには、これは平時の血液需給計画を意味しておりまして、特別な場合のことを意味しているわけではないというふうに思いますが、血液分画製剤等につきましては、これは二、三カ月のデポットは持っておりますので、これらにつきましては、そうしたときに十分配慮することができるというふうに思っておりますけれども、御存じのとおり、とりわけ輸血用の血液等につきましては、たくさん前もってしておくというようなわけにはまいりませんしいたしますので、いわゆる有事のときにはどうするかということは、別途やはり考えなければならないというふうに思います。
 これは、有事のときにおきましては別途考えることになりますから、そこで議論されるというふうに思いますけれども、その中で、やはり緊急事態に対しましては、それに対応できる献血をしていただく方をどう確保しておくかといったことになるんだろうというふうに思います。
 これはしかし、今御指摘のとおり、有事というのは、ただ戦争とかなんとかということだけではなくて、これは自然災害とかいろいろなことが考えられるわけでございますから、そうしたことも起こり得るわけでございますので、それに対応できる体制というのは、ふだんからやはりとっておかないといけないというふうに思っております。
 平時の計画、そして、いざというときにはそういう体制が組めることをどのようにコンビネーションしておくかということが大事でございまして、頭に入れながらこれからやっていきたいというふうに思いますが、ここに述べておりますのは、平時のときのことを念頭に置いて書いているということでございます。
五島委員 そうであれば、きょうは防衛参事官も来ていただいているわけですが、万一の有事の際というもの、恐らく厚生大臣は、そういう事態はないよという前提で平時のことを考えているんだろうと思いますし、私もそのように思っているわけですが、内閣としてはこの有事法制を出しております。
 この中で、そうしたことを考えた場合に、自衛隊としては、各都道府県知事に対して、血液製剤あるいはアルブミン剤、そういうふうなものに対する保管命令あるいは提出を求めることはない、あくまで現地において自衛隊自身が採血した生血でもって処理していくんだということである、現状においてはそう考えているんだというふうに理解してよろしゅうございますか。
田中政府参考人 お答え申し上げます。
 有事に自衛隊員の治療のために血液製剤が必要になった場合、現段階では、原則として平時の場合と同様の手続を経まして、日赤、医薬品販売業者から調達することとなると考えております。
 平時の場合と同様の手続で、もし血液製剤の調達が困難な場合におきましては、まずは血液製剤が必要となる病院等におきまして、健康な自衛隊員から採血を行うということが考えられます。また、自衛隊法百三条第一項または第二項に基づきまして、血液製剤の保管命令を出し、またはその収用を行うように、防衛庁長官が都道府県知事に要請することなどにより、必要な血液製剤を確保するという手も考えられるというふうに考えております。
 いずれにしましても、自衛隊員の治療に支障を生じることのないように、厚生労働省を初め関係機関と調整し、防衛庁、自衛隊が必要な血液製剤を調達するようになることと存じます。
五島委員 私は、この問題を余り時間をかけてやるつもりはないわけですが、非常にはっきりしていることは、厚労省が考えております需給計画というのは、平時において必要である血液について、その確保のための需給計画をお持ちになるという内容でございます。
 それに対して防衛庁は、有事の際ということが万一起こった場合、これに対しては、都道府県知事に対してそれの保管命令あるいは提出を求めるということになってしまいますと、こうした有事の事態がないとしての必要な血液しか確保されていない中において、軍に対する血液の供給が優先されてしまうということになってしまって、そこにおいては、民間に対する治療というものが現実にはできなくなる。それでもしようがないということをおっしゃっているとしか受け取れません。
 今おっしゃったように、自衛隊員から採血するかどうかは別として、自衛隊みずからは、そうした場合において、みずから献血活動をして生血を使うなり、あるいは私は、リコンビナントの血液剤であればメーカーのストックは一定あるにしても、例えば血液凝固製剤等なんかについては、やはり一定の効力の有効期限というのがあるということから考えると、それほど多くのメーカーの中に余分の保管があるとは思えない。
 そうしたものについては全部、リコンビナントならリコンビナントのものを、あらかじめ自衛隊が確保されるのか。その辺のところが全然あいまいなままでございますので、これは全く別の種類の問題であるけれども、現状、万一のことを考えるとなれば、本当に一貫性のない話が、この国会の中において別々の委員会でされているということで、あえて指摘をさせていただきます。
 この問題につきましては、本日の主要な課題ではないということで、これで終わりますが、また、この有事の問題というのは、戦争の問題だけではなく、今大臣もお認めになったように、多くの災害、事故、特に大規模の震災等があった場合は、どうしても火事というものがつきものになっていく。そうした場合には、やはりアルブミン製剤というのが大量に必要になることは間違いない。そうしたものに対応する一定のストックとその更新というものは、やはり需給計画の中で検討しておかざるを得ないということについては申し上げて、次の問題に移っていきたいと思います。
 先ほど福島議員からも指摘がございましたが、今回、中国製のやせ薬、いろいろと名前が出てきておりますが、例えば御芝堂減肥コウ嚢とか、そういうふうな舌をかみそうな妙な薬がたくさん我が国でも使われている。被害者が三百二十七名にも及んだときょうの新聞にも載っています。
 問題は、この情報の中で、だれもが非常に不思議だと思うのは、こうしたやせ薬と言われている薬が、すべて健康食品という名前で国内で取り扱われてきた。だけれども、常識的に考えて、これは薬事法が適用していないという意味で健康食品と言っているんですね。だけれども、これは国民感覚でいえば薬ですよ。やせ薬と言っているんです。治療薬でないことは明らかである。治療薬でなくても、今さまざまな生活改善薬等々の薬というものが出てきている。これを健康食品という形で十把一からげに扱ってきた。そのことによって、その危険性というものが国民の目にはなかなかはっきりと映らないままに、結果としてこのような状態になったというふうに思います。
 また、今まさにインターネットの時代でございます。こういうふうなものに対して、健康食品という名前のもとにおいて、海外から自由に、個人輸入という名目で取り寄せることができる、また、売ることもできるという状態になってきますと、本当に安全の問題というのは、大変危険な状態になるというふうに思うわけでございます。
 こうした生活改善薬やこうした種類のものは、食品衛生法において取り扱うべきものではない。むしろ治療薬でないとしても、こうした薬という形で認められるものについては、やはり健康食品と薬との区別というものをもう一度明確にしていく。サプリメントの一部を含めて、そうしたものを薬事法の適用のもとに置いて、その安全性というものの確認をきちっとしていくべきである。その手続が、薬事法に基づくところの手続、あるいは治療薬に準じたようなさまざまな手続、あるいは治験、データの集積、そういうもののないものについては、やはり取り締まっていくべきである。そのように考えるわけですが、この点についてはどうお考えでしょうか。
坂口国務大臣 先ほどからも議論があるところでございますが、口に入りますものは、食品かさもなくば医薬品か、こういうことになっておりまして、医薬品でなければすべて食品、現在の法体系でまいりますと、ここは明快になっておるわけでございます。したがいまして、向こうから入ってまいります健康食品と言われておりますものの中にも、いわゆる診断とか治療ですとか、そうしたことに対する効能書きが、何々に効く、何々を診断するのにいいとか、何々の治療に効くとかいう、いわゆる薬事法違反のことが書いてあれば、それはチェックできる。
 それは、書いてあることを見るのは非常に楽なんですけれども、もう一つは、その中に含まれている成分が一体、医薬品の中に含まれている、あるいはまた、日本では認められていないけれども、何らかの医薬品に近いものがその中に含まれている、それは検査してみなければわからない、こういうものが一番わかりにくいわけでございます。しかし、それが検査をして発見されれば、それは医薬品ということになるわけでございます。
 そのことを考えますと、今御指摘になりましたように、いわゆる健康食品と言われるものの中には、本当にその境界線上のものがあって、そしてよく調べないとわからない、検査をしないとわからない。
 それで、検査によって、新しい物質がそこから出てくるといったようなことがあるわけでございます。先ほど、福島議員の質疑にもありましたけれども、最近、二、三のやせ薬と言われておりますものの中に共通するものとして、Nニトロソフェンフルラミン、そういう新しい物質が見つかった、これは今まで我々の知らなかった物質でございます。しかし、こういうものが入っているということになりますと、これはもう一応医薬品としてこれを摘発するということにせざるを得ない。
 そういうことでございますので、いわゆる健康食品と言われておりますものの中にそうしたものが入っていないかどうかということを、いかにしてチェックをするかということが今後一番大事になってくるというふうに思っています。
 このNニトロソフェンフルラミンというのは、自然界に存在するものではなくて、人工的なものだそうでございますから、何らかの形でこれは加えたものであることは間違いないわけでございますので、そうしたことをこれから厳重にチェックしていかなければいけないと思っています。
五島委員 コンニャクをダイエット食品と言って売っているメーカもあるわけで、そういうふうなものと、それから今回やせ薬として出されたものとは、根本的に性格が違うと思うんですね。
 今大臣言われたように、このフェンフルラミンそのものは、いわゆる食欲抑制剤として開発されて、その甲状腺への影響等々が問題になって、使用がアメリカで禁止になった。しかし、それに対して、では変えてしまえということで、塩酸と亜硝酸ナトリウムとをまぜてそれをNニトロ化してしまった。だから、なかなかわからなかった。その結果として、そのことによって今度は重症の肝障害が起こってきたというふうなことが言われています。しかも、このようなことは、非常に小規模な町工場ででもつくれないわけではないし、それから、それをインターネットで全世界に売ることもできる。
 だから、そうした今の時代の新しい、インターネットを通じてこういうふうなものが売られていくという状況に、今大臣おっしゃっているけれども、薬なのか食品なのか、一応、薬事法に指定されている薬物をチェックされたのかされていないのかわからないけれども、効能を見てみた場合には、その効能書きの中に薬と書いていないということで健康食品だと。健康食品だとした途端に、やはり監視の目が非常に緩くなってしまうというふうな状態を放置したままでは、このようなことはこれからも起こってくるケースが非常にある。そういう意味では、今回薬事法、そして先日食品衛生法も改正したわけですが、この両方の改正をやっても、国民の安全というのはこの問題については守れないというふうに思うわけです。
 あわせて、この問題との関連の中で、私は、インターネットの発達という事態に対して、今日の薬事行政というのは十分対応し切れていないと思うわけです。
 これもまた先ほど議員からお話ございましたけれども、最近では、インターネットを通じて、比較的重症の患者さんは、実によくその病気の治療方法や諸外国における治療薬の情報については手にしております。本当に、医者がもたもたしていると、患者さんの方が、聞いたこともない、日本で売られていない薬の名前を持ってきて、その薬を使うてくれと言われることが少なくない。
 そこまで、いい面においてはインターネットが活用されているわけですが、やはり同時に、こうしたインターネットを通じての個人輸入という、それは非常に怪しい面もあるわけです。個人輸入という形での薬の蔓延、特に、健康保険等々によって使われる治療薬でない生活改善とか美容、そういう側面での薬というものについては野放しの状態になっています。
 こうした問題について、日本医薬情報機構ですか、のところで、医療機関用と一般用のインターネットにおけるデータをつくっているということで、私も、昨日聞かされまして、早速あけてみましたけれども、あれは、商品名で薬を入れてみた場合にその薬の説明が出るというだけであって、やはり本当に薬に関するさまざまなデータベースとしては構築されていない。今の時代に必要なこの情報というものを国民にもあるいは医療機関にも提供していく、その中で、薬理作用だけではなく、副作用情報や、あるいはできればその開発時における治験のデータというふうなもの、これは使われている薬についてですが、その治験のデータといったようなものについてまで、それが公開できるデータベースというのは、盛んにIT革命あるいは医療におけるIT化ということをおっしゃっているわけですから、まずそういうふうなものをきちっと、使える情報をそこにつくっていくべきではないかというふうに考えますが、それについてはどうお考えでしょうか。
宮島政府参考人 委員御指摘のように、医薬品につきましての副作用情報等、関係する情報を幅広く提供していくということは、その安全性を確保する上からも大変重要なことであろうというふうに思っております。
 現在、医薬品機構の方におきまして、医薬品情報提供システムというのを稼働しております。この中におきましては、添付文書情報だけではなくて、使用上の注意改訂指示等厚生労働省から出された安全性情報、あるいは製薬企業から出されました緊急安全性情報、副作用が疑われる症例に関する情報、新薬の承認に関する情報、それから医薬品等の回収に関する情報ということで、できるだけ幅広い医薬品にかかわる情報を収載し、インターネットで公開しているところでございます。
 しかしながら、平成十三年九月に、医薬品情報提供のあり方に関する懇談会の報告におきまして、医療関係者や患者、国民に対して、使いやすい形で迅速かつ確実に提供するための医薬品情報総合ネットワークを構築すべきであるという提言がなされたところでございます。これを踏まえまして、厚生労働省といたしましては、医薬品情報提供システムの拡充強化ともう一段のレベルアップをも図りまして、今後とも、電子化された情報を幅広く収集し、提供するという体制を一層整備してまいりたいというふうに思っております。
五島委員 こうした情報の提供体制をきちっとやって、そして、医療機関やあるいは調剤薬局等が、少なくとも、そこのネットにアクセスしたり、治療上の合理性を確認した上で、その薬を使った場合について、万一の副作用というものについては、それが免責されるというようなところまで権威を持たせられるデータバンクをつくるべきだというふうに提案をしておきたいと思っています。
 次に、我が国の治験の体制です。今回の中でもいろいろと議論されておりましたが、我が国はなかなか治療、治験の体制が進まずに、外国に比べて、がんの薬その他の新薬の採用が非常におくれるということがよく指摘されています。
 問題は、いろいろあると思いますが、まず、その一つの中に、私は、ようやく日本においても治験体制が本格化しようとしているというふうに考えていますが、しかし、もう一つの大きな問題は、外国のメーカーに比較して、日本の国内製薬メーカーは、この治療研究に従事させる医師が極端に少ない。治療開発にはかなりの医師がいると知っておりますが、今日本の中で二百人弱の、治療研究に直接従事している、製薬会社側に雇われている医師がいると思います。その中で、圧倒的に七割を超えるところは、日本にある外資系のメーカーに雇用された医師だと承知しています。
 国内のメーカーは、せいぜいのところ一けた、治験に従事する医者がおればいい状態ということでございますから、結局、この治験というものをきちっと進めていく上の、メーカー側の医学に基づいた形のディスカッションをする相手がいなくて、その結果どうなっているかといいますと、その治療研究の多くが、SMOと呼ばれる、いわゆる仲介業者の介在で実施されることが圧倒的に多い。
 今回、厚生省はネットワークをつくって、国立病院と国立大学とで何とかつくろうというふうな計画があるようですが、その点についてはまた後ほど申し上げますが、民間を使ってのこの活動というのは、圧倒的にこのSMOと呼ばれる仲介業者の介在で実施されることが多い。しかも、このSMOというのは圧倒的に超零細企業と言ってもいいようなのが実態である。
 その中で進められているこの治療研究の問題ですが、いずれにいたしましても、こうしたSMOの組織というものが、一定の能力と、そして質を維持してもらわないと困るわけでございます。今さらここでSMOを排除して、病院とメーカーだけで治験をやっていくといっても、日本のメーカーはほとんど治験の専門医がいない。そして、病院の側との間の仲介するブローカー的役割しか果たせないような状態になってくると、SMOというものがもしいない状態になってくると、これは本当に治験がおくれてくるだろうと思われます。
 その点について、こうしたSMOの問題について、どのように今後対応していこうとお考えなのか、お伺いしたいと思います。
宮島政府参考人 御指摘のSMOというものにつきましては、医薬品、医療用具の治験を実施する医療機関が当該治験に係る事業業務等を委託する機関であるというふうに承知しております。SMOの業務が適正に行われているかどうかというのをきちんと確認していく必要性も当然あるわけでございますから、SMOが、今申し上げましたように医療機関の治験業務の一部を担うということから、治験を実施した医療機関に対する国の実地調査の際に、あわせて治験に係る医療業務の一部を担当しておりますSMOの業務を調査するということによって、その確認を現在行っているところでございます。
 ただし、近年、SMOを利用する医療機関がふえてきておりますことから、厚生労働省といたしましては、本年四月にSMOに関する研究会というのを設置いたしまして、その業務等について研究を行っております。本年中に報告書を取りまとめるという予定にしておりますが、この報告書の趣旨を踏まえて、SMOにつきましては、例えばGCPなどの制度的な位置づけを明確にしていくというような形で、その業務の適正性を確保していくということを検討してまいりたいというふうに思っております。
五島委員 SMOについて、これから何かの形で厚生省は動こうという考えなんだろうなというところまではわかりますが、具体的にどうされようとしているのか。また、このSMOのもとにおいて、あるいは各病院の中において、この治験担当のCRCと言われる方々がたくさんおられます。たくさんといいますか、従事している方々が最近ふえてきています。多くの人たちは、このCRCの人たちというのは、先日の九州における殺人事件で、ああ、治験専門看護婦というのがいたのかというふうにお知りになったのが大半だろうと思います。
 このCRCと言われる人たちが、今さまざまな団体で、看護婦協会あるいは臨床検査技師学会あるいは病院薬剤師会あるいは厚生省自身も養成のさまざまなところで研修会をやっておられるようです。しかし、一体そのCRCというのは、共通してそれぞれがどういう役割を果たす業種として考えておられるのか。これまた、それぞれの団体がばらばらでは問題が出てくるんだろうというふうに思っています。
 こうしたものは、別に国家資格になるものでもないと思いますけれども、しかし、少なくともこのCRCの問題、治験担当者の問題についての、各団体が養成をされるにしても、講習するにしても、それについてどのような役割を果たさせるのかという一定の指針のようなものは必要なんだ。また、そのためには、今言われたように、SMOという存在はもう要らないと考えて、そして新たな組織を組んでいくのか。もう現在既にでき上がっているSMO、そしてSMOのもとにおいて雇われているCRCの人たちも含めて一定の方向性の中で整理していこうと考えているのか、その辺が全く見えないわけですが、その点についてはどうお考えですか。
宮島政府参考人 SMOにつきましては、先ほど申し上げましたように、治験実施医療機関の事務的業務を分担しておくということで、治験データの質と信頼性を一層確保する、あるいは治験の円滑な進行を行うという意味で、その一定の機能が期待されているということだというふうに思います。
 したがいまして、先ほど申し上げた研究会におきまして、SMOについて、これはいろいろな見方がありますけれども、そこの定義なり、あるいは受託する業務の範囲なり、あるいは治験実施医療機関との契約のあり方、あるいはCRCとの関係等、いろいろな関係する検討事項を整理いたしまして、言うなればSMOの利用に関する標準指針というようなものを策定して、きちんとSMOの業務が適正に行われるような形を確保していきたいということで、今検討を重ねているところでございます。
五島委員 また、その治験については、我が国で治験がなかなか進まない、あるいは日本における治験は諸外国に比べて非常にコストが高いという批判がございます。私は、我が国で治験が進まない、あるいはコストが非常に高いということの大きな原因として、国公立大学の附属病院及び国立病院の持つ制度的欠陥があるんだろうというふうに考えています。
 治療研究に従事したスタッフや協力したボランティアは、この治験に対する報奨金がメーカーから渡されます。しかし、これらのところでは、これまで公務員法の関係で、そうしたお金を個人が受け取ることができずに、結局として国庫に納入されます。しかし、この治療実験はボランティアに対する報奨金などが必要なために、着手時に大体六〇%とか五〇%とかいうお金がメーカーから支払われるのが通常です。
 大体三十例の実験をする、あるいは五十例の治験をやるということになった場合、それに見合ったお金が、大体何割かが先に納入されます。大学病院なんかの場合、そのお金はそのまま国庫に納付されてしまいます。しかし、一部のナショナルセンター的な病院であれば比較的そうした心配は少ないわけですが、多くの大学病院や国立病院は、三十例、五十例で契約したとしても、実際に実施できるのが五例や十例という場合が少なくありません。しかし、一たん国庫に納付されてしまったお金、これは返済できないということで、メーカーの側からいうと、民間にするものの三倍も四倍もの報奨金を払ったことになってしまうケースが少なくありません。これは、今の会計制度の中でそうなってしまっている。
 契約が実行できなかったからといって、一たん全納されたお金、そのお金はもう国庫の中に入れてしまっているから、また予算化しないと返しようがないということで、結果としては、これは、民間部門でそれをやったら詐欺罪で訴えられそうなことを国がやっているわけですね。そういうふうな状態があるものですから、勢いメーカーはこうした病院での治療実験を避けることになっています。それが結果的に治療研究を非常におくらせたり、非常に重要なブリージング、フェーズ1といったような実験、それがなかなかできないというふうな状態、また経費を非常に高いものにしているというふうにも言われています。
 国立病院が独立行政法人になれば、恐らくこういうふうな、全部国庫に一たん納入しなければいけないというばかなことはなくなるんだろうと思いますが、その辺について厚生省はどうお考えなのか、また、きょう文科省にも来ていただいておりますが、この点についてどう考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
河村政府参考人 国立病院・療養所におきます治験につきましては、従来よりその推進に努めておりますけれども、昨年十一月にも改めてこの契約実務上の改善事項を中心にいたしまして通知を発出して、さらなる推進を図ることとしておるところでございます。
 国立病院・療養所におきます治験におきましては、製薬企業が支払った治験研究費というのは、従事したスタッフ個人には支払われないわけでございますけれども、各施設で医師等の治験従事者の関連学会出席のための旅費でありますとか、あるいはその治験に必要な備品の購入等に使用できることになっておりまして、施設にとって一定のインセンティブが働く状況にあると認識しております。
 また、御指摘のありましたように、契約した症例につきまして治験を実施しない症例が生じるということを防ぐために、一つには、当初の契約数は確実に実施可能な症例数とすること、当初の予測を超えて症例が集まる可能性が生じたときは、契約変更をして契約症例数をふやすこと、それから、治験管理室長、これはドクターでございますけれども、治験管理室長は実施状況を常に把握して、進捗状況によっては実施スタッフを督励するなど適切な対応を求めること、それから、さらに契約年度にやむを得ず実施できなかった場合には、契約の継続を行って翌年度に実施する等、そういうような改善措置を昨年十一月の通知において指導したところでございます。
 今後とも、国立病院・療養所におきます治験の推進に努力してまいりたいと思っております。
工藤政府参考人 大学病院の使命の一つとして、治験への貢献というのもあるわけでございまして、国公私の大学附属病院で国内の約五割の治験の実績があろうかと承知してございます。
 ただ、各病院が一番困っておりますのは被験者の確保でございまして、これは日本の場合に国民皆保険ということもあるという事情もございますし、また平成九年度から被験者の方々への説明を厳格化したがために、逆に御協力いただける方が少ないというようなことでも悩んでいるところでございます。
 それから、平成八年に、実は治験に絡みましてお金の出入りに若干不透明なことがあったものでございますから、収賄事件が発生いたしまして、それに伴って、私ども、お金の流れの透明化、適正化を図りますために、治験につきましては、国立大学の附属病院におきましては公務として位置づけましょう、それと治験の御契約について、受託研究としての扱いをしているわけでございます。公務でございますので、個人のポケットにお金が入るというのはなかなか難しいんでございますが、必要な研究費等の措置はさせていただいてございます。ただ、必ずしもそれで本当にインセンティブが高いかといいますと、なかなか難しいところもございます。
 それから、お話にありました、受託研究、不自由じゃないかということでございますけれども、財政当局などとも御相談いたしまして、大分弾力化、改善を図ってきてございまして、歳出科目を一本化するとか次年度への繰り越しを可能にするとか、あるいは複数年度にわたる契約も可能にするとかということのほかに、以前はなかなか難しかったんでございますけれども、今年度からでございますが、実際契約して契約どおりいかなかった、それでお金が余った場合に、受託者にお金を返還できるようなこともできるようにしたところでございます。
 いずれにしましても、私どもも治験の推進のために、治験の推進体制の整備でございますとか、関係職員の研修でございますとか、被験者の方々への御理解のための啓発活動でございますとか、いろいろやっているわけでございますが、今後とも厚生労働省とも御相談、協議しながら、一層の改善、充実に努めてまいりたいと思っております。
五島委員 もう時間が参りましたけれども、今のお話を聞いてみても、これでは治験が速やかに、新薬、創薬の整備に必要な治験体制はできっこないなと。大体、大学病院においてその必要な症例が集まらないというのは、治験というものがその大学全体としての一つの位置づけがされていない、そのために症例が集まらないんだろうし、今言ったように、今のお話を聞いても、その場合に、一体契約との関係はどうなるのかということについても明確でない。
 ということであれば、今厚労省が計画しておられる治験のネットワークをつくるということについては結構でございますので、その場合には、大学病院と国立病院という、とんでもない、そういう、名前は重たいけれどもほとんど実績の上がらないような形のネットワークを組むよりも、やはり国公立病院、日赤病院等々を含めた形でのネットワークを組んで体制を強化すべきであるということを申し上げて、私の質問を終わります。
森委員長 次に、家西悟君。
 どうぞ御着席のままで結構でございます。
家西委員 では、まず薬事法及び血液法の今日の改正に至るまでの意義についてお答えいただきたいと思います。
 坂口大臣は、大学卒業以来、日赤また血液にかかわっておいでになったということと、私自身も、患者として長年この問題にかかわってきた者として、ある種、本日の思いというのはすごくあります。そして、何とか坂口大臣が厚生労働大臣としておいでのうちにこの法案が成立する方向でお願いをということでやってきた思いもあります。
 そして、せんだって、七月三日に本委員会に、非加熱製剤によるHIV感染等を踏まえ、法的な枠組み、整備が求められますと提案理由を大臣の方から述べていただいたわけですけれども、そこで、改めて大臣にお伺いしたいと思います。この法案は、薬害エイズの反省として制定するに至ったと理解してよろしいんでしょうか。
    〔委員長退席、野田(聖)委員長代理着席〕
坂口国務大臣 家西議員には、この法律をつくるに当たりまして大変な御協力をいただきましたことに、前回もお礼を申し上げましたけれども、改めてお礼を申し上げたいと存じます。
 今御指摘になりましたように、これはHIVだけではございませんけれども、過去に何度もそうした病気を引き起こすということがございました。そうした反省を踏まえましてこの法案の作成をしたことは事実でございまして、今後、HIV感染のようなことが二度と再び起こってはならない、そういうふうに思っている次第でございます。
家西委員 それでは、ラベル表示の問題についてお伺いしたいと思います。
 この件については、患者団体や日赤などからも法律に明記することを強く求められてきたと思います。しかしながら法案の中にはそれは入らずに、省令でやっていくというようなことを言われていますけれども、献血表示、また非献血、そして採血地等が入るというふうにお聞きしているわけですけれども、当然強制力が伴わなくてはならないと私は考えますけれども、その点いかがなんでしょうか。その拘束力はどういうものなのか、担保できるのか、その点についてお伺いしたいと思います。
宮島政府参考人 血液製剤に関する直接の容器等の記載事項につきましては、採血地及び献血または非献血の区別を記載することを、法律の第六十八条の三に基づき、省令で定めて義務づけることとしております。原料血漿の由来に係るラベル表示につきましては、法に基づく表示でございますので、仮にその表示に虚偽等があれば、回収命令等を含め強制措置をとり得る体制になるというふうに思っております。
家西委員 それではもう一点、ラベル表示について具体的にお伺いしたい点があります。
 参議院の方で附帯決議にも指摘されましたけれども、リコンビナント製剤についての問題があると思います。感染症の発生のおそれがそれでもあるというふうに言われているわけですけれども、リコンビナント製剤についても採血地及び献血、非献血等の表示を義務づけるというふうに理解してよろしいんでしょうか。
宮島政府参考人 御指摘もございましたように、血液製剤と代替性のある遺伝子組み換え製剤につきましても、感染症の発生の危険性の程度等を考慮し、必要に応じ、同様に採血地及び献血または非献血の区別を記載する措置を講ずることにしたいというふうに思っております。
家西委員 それでは次に、医療機関における記録の保存期間についてお伺いしたいと思っているわけですけれども、現在、厚生労働省としての考えは十年というふうに伺っております。しかし、私たちのような問題、スローウイルスとかvCJDの問題等を考えたときには、これは長ければ長いほど私はいいのではないか、十年とは言わずにもっと長い期間記録を保管していくことを考えてはいかがでしょうか。
 なぜならば、vCJDは二十年とかいろいろ言われていますね、二十五年とか。そして、HIVですと八年とか十年はかかるとか。そして、今後の、既知、未知等のウイルス等を考えたときに、やはり最低でも三十年以上は記録の保存をすべきではないかというふうに思うわけですけれども、この点についてはいかがお考えでしょうか。
宮島政府参考人 御指摘の記録の保管期間につきましては、現在のところ、平成九年から、医療機関に対しまして血液製剤の使用記録を一応十年間、保管管理するよう指導しているところでございます。それから、アメリカの例なんかを見ますと、細胞組織の取り扱いに関する規則という、まだドラフト段階でありますけれども、そこの中におきましても一応保管期間は十年とされておるようなことを考えまして、一応さきの答弁では十年を一つの目安というふうに申したわけであります。
 ただ一方で、御指摘のように、保管期間については、潜伏期間が長い未知の感染症へ対応する観点から、十年よりもより長い期間とするべきであるという御意見もいただいているところでございます。
 厚生労働省といたしましては、これまでのこういった保管の状況、あるいは現実に実行可能なものがどういう形があるのか、さらに、保存技術としまして、従来、普通、ペーパー、紙で保管するわけですけれども、IT技術等も進歩するということもありますので、そういった保存技術の動向、こういったものを踏まえまして、審議会におきましての御議論、御意見等を踏まえた上で、適切な期間を設定していきたいというふうに思っております。
家西委員 ぜひともそれは、私は長期に保存をすべきだというふうに思えてなりません。今、紙からほかの方法という、電子化されるとかいろいろ方法はあろうかと思うのですけれども、そうすれば、何も、大きな場所が必要、大きな施設が必要という話ではなくて、フロッピーから、今やDVDの時代というふうに言われる、記録、保存は可能になってきているわけです。
 そういうような状況から考えると、やはりこれは無理難題を申し上げているわけではなくて、そういうふうにしていくのが適切ではないかというふうに私は考えますので、それはぜひとも御検討いただいて、長期保存をしていくこと。ひいては、それが、最後にはそういう不慮の事故というか、不慮のこういう問題が起こったりしても対応ができる記録を、また戻ることができるとか、そして今後の発生防止にも役立てるためにも、ぜひともそれはお願いしたいところです。
 それでは、次の質問ということで、薬食審の下の血液事業部門会議の運営委員会ができるようですが、血液製剤、リコンビナントの供給、安全性のチェックについて、患者委員を入れて運営委員会を構成していくというふうに再三言われているわけですけれども、これは間違いなくそうしていただけるということと理解してよろしいんでしょうか。
坂口国務大臣 これは間違いなくそういたします。運営委員会を新たに設置することにいたしますし、血液事業を適切に運営していきますためには、血液製剤を使用されている患者の方々の視点が不可欠であるというふうに考えておりますので、その代表者にも正式の委員として参加をしていただくようにしたいと思います。
家西委員 それでは、運営委員会の権限というものについてもお伺いしたいと思います。
 ただ委員の意見をお聞きしましたというだけではなくて、安全の監視機能を果たさないといけないということだと思うのですけれども、他部局からの情報も敏速に入手できるような特別の権限も新たに必要かと思うのですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
宮島政府参考人 運営委員会におきましては、当然必要な情報をそこで提供し、いろいろ御審議いただくということでございますけれども、医薬局の中におきましても、医薬品等健康危機管理実施要領というものに基づきまして、企業や医療機関、試験研究機関等からの幅広い報告を得るという形での、情報を収集して提供するという形を今後予定しております。
 それから、いわゆる医薬局以外、他部局からの情報ということにつきましても、現在、全省的な形で、厚生労働省健康危機管理調整会議という形の危機管理体制ができておりますので、ここには関係部局あるいは関係研究機関、施設等も参加しておりますから、そういうものを通じまして幅広い情報を収集し、提供していくということが可能かと思います。
 こうした情報をもとに、いわゆるこの審議会におきましては、厚生労働大臣から諮問を受けたものについて意見を述べるということもございますけれども、それに限らずに、これは参議院での修正がなされたものでありますけれども、そういった諮問を待たずに審議会の方から自主的に厚生労働大臣に意見を具申するということもできるというふうにされたところでございます。
 今後は、こういった修正の審議も踏まえまして、運営委員会に対して幅広い情報を迅速に提供し、審議会の適切な運営に努めてまいりたいというふうに思っておるところでございます。
家西委員 それでは、あわせて、その辺の問題について具体的にお伺いしたいと思うんですけれども、五月三十一日付で公表されましたフィブリノゲンのC型肝炎の調査の中で、旧国立予防衛生研究所生物学的製剤検定協議会の議事録を公表されましたけれども、この調査でも、当時からC型肝炎の問題について議論がなされていたこともわかるわけですけれども、今後の安全監視体制について、海外の情報だけではなく、あらゆる方面からの情報を取り入れていくというふうに考えていいんでしょうか。
宮島政府参考人 御指摘のように、やはり安全を確保するために情報収集体制をきちんと整備して、関係する情報を幅広く収集するということは非常に重要でございます。
 現在におきましても、医薬品や医療用具による副作用なり感染症が疑われた症例報告は、薬事法上、企業に対して義務づけられておりますし、また、WHOの医薬品副作用モニタリング制度等を通じまして、諸外国当局との連携体制の確保に努めて、いわゆる外国からの幅広い情報の収集にも現在努めているところでございます。
 それから、省内他部局の関係は、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、他部局あるいは国立感染症研究所あるいは国立医薬品食品衛生研究所、こういった研究機関における情報につきましても、現在、厚生労働省の健康危機管理基本指針に基づきまして、全省的な連絡連携体制ができておりますので、そういうものを通じて情報を収集するということを現在行っているところでございます。
 さらに、今回の改正によりまして、生物由来製品につきましては、新たに感染症定期報告というものを導入いたしまして、これの中においては、国内、国外のいわゆる文献情報につきましても報告を求めるということが法律上規定されております。さらに、医療機関等からの副作用等の報告は、従来、任意協力の形でございましたけれども、今回の法律では、これを、報告を義務化するという形での改正も盛り込ませていただいておるところでございまして、これらの制度を適切に運営をすることによりまして、医薬品、医療用具等による副作用、感染症に関する国内外の幅広い情報の収集について、さらに強化を図ってまいりたいというふうに思っているところでございます。
家西委員 これは、しつこくちょっと言わせていただきたいのはなぜかと申しますと、五月の三十一日に公表されたこの議事録、ここにありますけれども、この内容を読ませていただくと、私は驚いた部分もあります、正直言って。一体だれのための、これ、予防衛生研究所の議論だったんだろうか。
 この中の、これは十二ページ目ぐらいになるんでしょうか、議事録の中段のところにも書かれている内容を読んで驚いたわけですけれども、予防研で国家検定を受け、証紙が張られる、この場合は、事故が起きた場合の責任の半分は国にあるわけです、いわゆる手数料は一種の保険としてメーカーにとってはありがたいものになりますとか、あと、それ以外にも、具体的に、国立予防研なりそういう予防衛生研究所が印紙を張ったために、国がお墨つきをつけることにならないかというようなこともずっと議論されているわけですね。
 こういうような議論があったこと自体、やはり問題があるんじゃないか。これは国のためにやるんじゃなくて、国民のために議論していかないといけなかったはずで、このまま放置すればB型肝炎やここで言う、NANBという書き方をしていますけれども、これは今で言うC型肝炎というふうにとらえていいと思うんですけれども、ノンAノンBの問題なんかを議論がずっとされているというふうに思うわけです。
 こういうような情報をいち早く出していれば今のような事態は私は防げたんじゃないか。そのためにも、今回の監視委員会には、情報をきっちりと提供し合う、またそういうものを、議論をやってきた問題についても議論をしていかないといけない。
 お互いに、患者さんも含めて委員として認めていただけるのならば、そういうものをオープンにしていただかないと困るし、先ほど、午前中、参考人で日本製薬工業協会の方の発言がありましたけれども、見える産業とか、製薬協のすべての活動の基本姿勢であるとか、いろいろ立派なことは言われているわけですけれども、こういうものをやはり情報提供、感染症や薬害というふうに言っていいのかどうかわかりませんけれども、副作用が起きそうだとかいうような情報は敏速に対応していただきたいということ、そういうような情報を提供し合うということがまず前提ではないかなというふうに思いますけれども、それは大丈夫ですというふうに言い切っていただけますよね、よろしいんですよね。
    〔野田(聖)委員長代理退席、委員長着席〕
宮島政府参考人 今の御指摘の、予防衛生研究所で議論された情報がいわゆる内局の方にきちんと伝達されていたのかという問題の御指摘がございましたけれども、確かにこの研究所は、もちろん単に研究を行うだけではなくて、当然そういったリスク情報といいますか、そういう情報を察知した場合はやはり内局に必要な措置をとらせるような機能も当然持つべきでありますけれども、それが必ずしも十分働いていなかったということと、さらに、いわゆる旧厚生省という同じ組織の中にある機関でありながら、その機関と内局との連携が必ずしも十分でなかったといういろいろな問題点、こういう点は私どもも十分反省すべきであるというふうに承知しております。
 したがいまして、今回も、先ほど申し上げましたように、研究所も含めまして全省的な健康危機管理体制というのを現在立ち上げまして、そういった過去におけるような問題が再び今起こることのないような情報収集体制をきちっとつくり上げていきたいというふうに思っているところでございます。
家西委員 ぜひともそういうふうにしていただきたいし、また民間企業であろうと公的な部分であろうと、やはり危険性が及んだ場合は患者まで情報は提供されるとか、そういう審議会の中できちっと情報を提供していくということ、国が責任を負わなきゃならないとかいう理由でそこは隠すようなことのないようにしていただきたい。そのための、冒頭お聞きしたように、薬害エイズの反省のもとに今回この法律を提出されたということに間違いないんですねということを私は確認をとらせていただいたわけです。それで間違いないというふうに言われた以上は、こういうような情報をきっちりと提供していただかないと今後困る。
 そして、私は使用者として、血液製剤の使用者の一人として、非常にそういう情報が欲しかった、当時として。あればもう少し違っていたんじゃないか。そして、多くの仲間たちは現在も生きているんじゃないかというふうに思えてならないし、そこのところをぜひとも御理解いただいて、やはりしっかりとやっていただくようにお願いしたいと思います。
 それと、インフォームド・コンセント、次の質問に移らせていただきますけれども、インフォームド・コンセントについてお伺いします。
 法案の第八条、医療関係者の責務について、「血液製剤の安全性に関する情報の収集及び提供に努めなければならない。」とありますが、これはどこから安全性の情報を集め、どこに情報を提供するということなのか、具体的に説明をしていただきたい。それに、患者に対するインフォームド・コンセントと受けとめていいんでしょうか。先ほどから言っているように、こういう情報は患者のもとへしっかりと届ける、その方法というものは、どういう手段を用いて、どういうふうなやり方で届けるんだというふうにとらえていいんでしょうか。
宮島政府参考人 この血液法案の第八条に、御指摘にありましたように、医療関係者の責務という形で、医師等の医療関係者につきましては血液製剤の安全性に関する情報の収集とその提供に努めなければならないということを規定しておるわけでございます。これは、具体的なものはこれからまた整理しておきますけれども、血液製剤の安全性に関する情報は、いわゆる医療現場で直接立ち会っている医師が一番身近にやはり持っている情報でございますので、そういう安全性に関するあらゆる情報をきちっと収集していただくということと、それから、そういった情報については、そういう必要な提供対象者にきちっと伝達していただくということで、当然その中には血液製剤を使用する患者も含まれるものであるというふうに思っているところでございます。
 そういう形で、医療関係者についての情報収集と提供を今回法律上明確に位置づけ、いわゆる医療関係者の責務としてはっきりさせたということでございます。
家西委員 それでは、もう少し具体的にお伺いしないといけないと思うんですけれども、血液製剤の使用、またリコンビナント製剤の使用について、そのリスクや、献血、非献血の違いについて患者に説明することは、私は医者の責務だというふうに思うわけですね。しかしながら、法文の条文には、どの程度まで患者にすべきか、また、その中身が明文化されていません。インフォームド・コンセントについてどのようにお考えなのか、お伺いしたいと思います。
 その前に、なぜこれを言うのかというと、リコンビナントの方が圧倒的にシェアを占めましたよね。この理由は一体何なのかということは、ヒト由来じゃないという説明をしてきたわけですね、患者たちに。今後薬害エイズのような問題は発生しない、これは遺伝子組み換え製剤だからというような言い方を医療現場ではしてきたわけです。患者としたら、もう二度とああいう思いはしたくないということで、それは当然そちらへだっと行くというか、問題も起こった。それと同時に、薬価の問題もあるんでしょう。そういうような薬価差益の問題等々もあったんでしょうけれども、そういうふうにドクターから言われれば、患者の方としたら、より安全、より危険性は排除できるものというものを選択してしまう、これは当たり前だと思うんですよ。
 しかしながら、現実は、安定化剤というか、安定させるために、多くがヒト由来のアルブミンが入っている。しかも、培地として、ヒト由来や、先ほど、午前中、中川委員からもいろいろと参考人の方に質問されていましたけれども、そういった問題があるんだろうと思うんですよ。
 そういうようなところで誤解を生じさせないということが前提だと思うんですよね。それはきっちりと約束していただけるんでしょうか。この法律がこうだからというように、現場任せではなくて、厚労としてこうなんだというふうに姿勢をきっちりと示していただかないと、今後もそういうような勘違いを起こしてしまう。
 また、勘違いによってそれをどんどんどんどん使用することによって、現実は、献血由来の血液製剤を使わずに、リコンビナント製剤、輸入によってつくられてきた、原料を輸入して使っている、アルブミンを多く使っているものにかわっていったというようなことが起こり得たわけですから、それは今後はどう防止されるのかということも含めて、このインフォームド・コンセントという問題について、改めてもう一度しっかりと言っていただかないと納得いきかねる部分なので、局長の方からでも結構です、政府参考人の方からでも結構ですので、具体的に、絶対やるんだということを明確に御答弁いただければ幸いです。
宮島政府参考人 今回の薬事法の改正では、御案内のように、新しく生物由来製品というものを法律の中に定義づけたわけでございます。これは、従来は、血液製剤でありますとか、細胞由来のものとか、今御指摘のリコンビナント、いろいろな形で医薬品がありましたけれども、やはり、生物に由来するものという共通性をカテゴリーとして、生物由来製品というものの一くくりの定義を持って、それに必要な規制を今回新たに整備させていただいたということでございます。
 したがいまして、御指摘のリコンビナントにつきましても、これは当然生物由来製品に含まれるわけでありますし、この生物由来製品については、今後、一品目ごとにそのリスク等を客観的、科学的に、審議会の専門家によりまして評価いただいて、法律上指定していくということになります。そこで指定されますと、生物由来製品について今回いろいろ新しい規制が設けられておりますけれども、そういうものが当然適用になっていくという枠組みになっているわけでございます。
 それで、御指摘のインフォームド・コンセントの関係でございますけれども、これは、医療一般については、御案内のように、医療法にインフォームド・コンセントの規定がございますけれども、今回、これに加えまして、特に薬事法の中におきまして、特定生物由来製品につきましては、このインフォームド・コンセントについて特別に規定を新しく設けておるということでございます。こういった特定生物由来製品につきましては、その原材料に起因する感染症のリスク等を踏まえまして、医師などの医療関係者は、その製品を投与される患者に対しまして、安全性、有効性、代替性等について十分な説明を行い、理解を得るように努めなければならないということを法律上規定したわけでございます。これによりまして、特定生物由来製品については、医療関係者は、他の一般の医薬品等と違いまして、特にこの安全性、有効性、代替性等について十分な説明、理解というものが義務づけられているということでございます。
 それから、製造販売業者につきましても、今回、特定生物由来製品であることに関する表示も義務づけておりますので、医師等の医療関係者が患者に対しましていろいろな説明をする際に、そういった表示を大いに活用して十分な説明、理解を求めるということも可能になってくるんではないかと思います。
 いずれにしましても、厚生労働省といたしましては、引き続き、医師等の医療関係者が生物由来製品の便益とリスクの説明を十分行うためのこういった環境整備に努めていきたいと思っております。
家西委員 その辺はよくわかりました。というか、理解をしたいと思うわけですけれども、もう一度、これ、きょう最後になろうかと思うわけですので、確認をとりたいと思います。
 表示について、パッケージや瓶やいろいろなところにされるんだろう、それから添付書類やそういったものにも書かれるんだろうと思うんですけれども、わかりやすく表示していただけるんでしょうか。ちっちゃく、申しわけない程度に書かれるようなことはないんですよね。きっちりと、だれが見ても、これは非献血なのか献血なのか、それとも、どこから来ているのか、例えばアメリカなのかそれとも違う国なのかということもはっきりとわかるような表示の仕方をしていただけると理解してよろしいんでしょうか。
宮島政府参考人 表示を今回きちんと義務づけるということは、申すまでもなく、その表示の持っています情報を必要な対象者に伝達できるという機能が果たせないとこれは意味がないわけでございますので、当然、わかりやすく、明確に伝わるという表示が求められていることは御指摘のとおりだというふうに思います。
 具体的に、表示の際のサイズとか、あるいはどういう形で表示するかというのは、これから審議会等関係者の御意見も伺いながら整理していきたいと思いますけれども、表示を義務づけるという基本は、委員御指摘の趣旨ということを十分踏まえてやっていきたいと思っております。
家西委員 ぜひともお願いしたいと思います。
 なぜならば、我々血友病患者であれば、そういうものを今議論がずっとこの何年間されたわけですから、ある種わかります。しかし、非血友病の方々については、注射器に入って、病院のベッドで注射をされるとわからないですよ。これはどういうものであって血液製剤なんですよという説明は、インフォームド・コンセントでされる。しかし、どこから来ている原料なのか、売血なのかそれとも献血なのかというものは、しっかりとやっていただかないとおかしな話になるんじゃないかということ。
 それと、エンドユーザーというか最終ユーザーは、我々でいったら血友病患者であって、冷蔵庫にあります。家庭の冷蔵庫にふだんは保管しているわけですけれども、このときに申しわけない程度にちっちゃく書かれていたら困るんで、しっかりと、これは非献血なのか献血なのか、国内産なのかそれとも違う、アメリカ産なのかというような形で、読み取れる形をとっていただかないと誤解を生じていくんだろう。
 なぜこれをしつこく言うかといいますと、私自身、薬害エイズの問題が起きかけたとき、ちょうど今から二十年前です、初めて知りました。私は、これは日本の、日本人から得られた血液によってつくられているものというふうにずっと十代のころ思ってきた。そして、高濃縮になっていったときもそうだろうと思っていた。しかし、これ、え、アメリカから来ているのというのをマスコミ報道やいろいろ自分たちの運動の過程で知っていったという経緯があります。今後、そういうことがあってはならないし、それを防止するためにも、はっきりとそれは表示をしていただかないと困るということを強くお願い申し上げたい。
 それから、患者救済についてもお伺いしたいと思います。
 厚生労働省として、繰り返し、当委員会を初めいろいろな場で答弁いただいているわけですけれども、来年の通常国会に医薬品救済機構法の改正をされると。そして、救済体制を強化し、救済機構の法人化を、合理化し、ミニFDA的なものをつくろうというふうなお話も伺っているわけですけれども、この考え自体を私は別に否定はするつもりはありませんけれども、来年に向けて具体的なスケジュールがまだ不明じゃないのか。救済機構を整理するに当たってどういう作業が必要なのか。また、厚生労働省としてどういうタイムスケジュールをお考えなのか。
 来年、もしそれを通常国会にお出しでしたら、もう既に予算等のことを考えて動いておられないとおかしいし、審議会等々はもう発足し何回か議論が進んでいるはずなのに、いまだに私は議論が行われているとかそういうふうにはお聞きしていないんですけれども、このタイムスケジュール、本当に来年の通常国会に間に合うんでしょうか。空手形にならないですか、今からだと。もう七月ですよ。もう七月というよりも、八月に近い。あと四カ月そこいらで本当にできるんでしょうか。具体的にタイムスケジュールを教えてください。
宮島政府参考人 この件につきましては、感染症についての被害救済制度に係る法律案につきましては、次の通常国会、来年の通常国会に提出できるよう最大限の努力をするということを繰り返し御答弁してきたかというふうに思います。
 私ども事務方におきましても、三月に研究会の報告書をいただきまして、現在まさに具体的な制度化に向けての実務的な準備を今ずっと進めてきております。これまでいわゆる副作用についての救済制度が既にございますので、基本的な仕組み、枠組み、システム等はそれに類似した形になろうかと思いますけれども、今具体化についての実務的な詰め、準備を鋭意やっているということでございます。
 それから、当然、今回の救済制度は、いわゆるメーカー等、製造業者等の拠出をお願いして、それをファンドに行うということでありますので、現在そういった関係団体とも頻繁に意見交換、議論を詰めておりまして、いわゆる具体的な拠出率なり金額なり、そういうものも今やりとりしながら詰めておる段階でございます。
 そういう意味では、かなり事務段階においては具体化を進めておりますので、来年の通常国会に御提出するということを何回も御答弁しておりますけれども、それに間に合わすことを目途に、今着実に準備を進めているというふうに御理解いただいていいと思います。
家西委員 本当に間に合わせていただかないと困るわけで、ある意味、それをやるということの条件で今回法律も審議に入ったと私は理解しております。
 本来、ここでこの法律と同時に救済も含めてやるべきだという意見はかなり出たはずです。そして、当委員会の委員の先生方からも、御議論というか意見も出たはずです。それで提出予定というようなことでは困るわけで、確実にやる、やりますというふうに言い切ってほしいし、言わないとこれは約束をたがいしているんじゃないのかというふうに思えてなりません。それはもう一度後で御答弁いただきたい。
 もう時間がさほどありませんので、最後の質問ということにさせていただきたいと思います。
 この救済機構は、もともと薬害スモンの和解に基づいてつくられたというふうに私は理解しております。そして、その被害救済が位置づけられていったというふうにも思うわけですけれども、最も心配するのは、救済業務に審査業務を加えたことによって、その設立の理念が薄くなったんじゃないのか。これは本来、無過失救済制度であったはずです。要するに、この薬を使って確実に薬害が起こったという立証をしなくても、薬を飲んだためにこういうような症状が出たんだというふうになったときには、その救済機構から一定の救済基金なり救済措置がとられるべきものだったのが、今やハードルがどんどんどんどん高くなっているんじゃないでしょうか。これでは全く意味がなさない。
 本来、スモンの患者さんたちの和解の中では、自分たちがすごい時間をかけて、十何年という訴訟の時間をかけた、こういうことがもう二度と繰り返さないようにしてほしい、そのために救済機構をつくってほしいということが和解の条件になったはずです。にもかかわらず、現実は、スティーブンス・ジョンソン症候群を初め多くの方々が却下されている現実になっている。これでは何の意味もなさないんじゃないかというふうに思えてなりません。その点についていかがお考えなのか、御答弁いただきたいと思います。
宮島政府参考人 現在の副作用被害の救済制度につきましては、御案内のように、昭和五十四年から制度が創設して、もう既に二十年を超える長い歴史を持っておるわけでございます。その間、いわゆる法律で決められました枠組みをベースに救済業務を着実に進めてきておりますし、件数等も相当ふえてきております。
 ただ、確かに、もう二十年たちますので、制度として現在の状況から見ていかがかという問題点は、委員の方からもいろいろ御指摘ありましたけれども、当然幾つか出てくることも考えられるわけでございますので、私どもとしても、現行の副作用救済制度につきましても、いろいろ皆さん方の御意見、御指摘も受けながら、さらなる必要な改善についてもあわせて取り組んでいきたいというふうに思っているところでございます。
家西委員 時間が来たので質問を終わりますけれども、ぜひともよりよい法律にしていただきたい、空手形を切らないでいただきたいと思いますし、今後我々のような被害、本当につらかった薬害エイズの思いを皆さんにも知っていただきたいと思って、私の質問を終わります。
森委員長 次に、金田誠一君。
金田(誠)委員 民主党の金田誠一でございます。
 大臣、お疲れさまでございます。通告に基づきまして、順次質問をさせていただきたいと思います。
 まず初めに、採血及び供血あつせん業取締法の一部改正、これについて質問をいたします。
 その第一点は、公正の確保及び透明性の向上ということでございます。
 今回の改正によりまして、第三条「基本理念」の第四項に、「公正の確保及び透明性の向上が図られるよう努めなければならない。」という規定が入ることになりました。法律にうたうまでもなく、もう当然の理念だと思うわけでございます。
 そこで疑問に思うことは、今回の法改正に当たり、何度か説明を受けました、ヒアリングという形で受けました、資料も提出をいただいたわけでございますが、その中で、血液製剤の金額、この金額に関することにはほとんど触れられていないということがあったと思うわけでございます。
 言うまでもなく、国内献血に由来する血液製剤は、善意に基づき自発的に行われる献血により得られた血液が原料として用いられ、その後、さまざまな過程を商品として流通し、最終的には医療費という形で対価が支払われるわけでございます。この間、どこでどれだけの金銭が動くかということは、公正の確保、透明性の向上の上で欠くことのできない情報であるというふうに私は考えます。
 また、輸入血液製剤にしても同様でございまして、輸入先の国内価格を初め、輸入価格と診療報酬の関係、国内製品との価格差などは、国内自給の確保の観点からもこれまた重要な情報である、こう考えるわけであります。
 にもかかわらず、この間、全くと言っていいほど金額に関係する情報は提供されてこなかった。非常に残念に思うわけでございます。今後、この種の情報は積極的に開示されるように、まず冒頭、強く要請を申し上げたい、このように考えます。
 そこで、細部にわたっての数字については改めて御提出をいただきたい、こう思うわけでございますが、きょうは概略のところだけ聞いておきたいと思います。
 第一に、血液製剤の市場規模はどの程度と考えればいいのか。数字のとり方、いろいろあるとは思うわけでございますが、医療機関に支払われる医療費、自己負担も含んで、あるいは医療保険医療費以外の部分もあるかもしれませんが、こういう総額が市場規模ということになるのかなと思うわけでございまして、まずこの数字をお示しいただきたいと思います。
宮島政府参考人 平成十二年の数字で見ますと、血液製剤の市場規模は、いわゆる出荷金額ベースで見ますと、国内血液由来製品が約一千六百四十五億円、それから輸入原料由来製品及び輸入製品、これら輸入物を合わせますと約三百八十七億円、合計二千三十二億円ということになっております。
 それから、遺伝子組み換え製剤を含めました医療機関に支払われた血液製剤に係る医療費でございますが、これは推計になるわけでございますけれども、供給実績にいわゆる薬価を乗じる形で推計いたしますと、これは平成十三年の数字でございますが、約二千四百五十五億円ということになっております。
金田(誠)委員 ありがとうございます。
 次に、国内献血に関連して、民間業者に対する原料血漿の売り渡し価格といいますか、これについては、どういう根拠でどういう金額が設定されて、総額はどうなっているのか、お聞かせをいただきたいと思うわけでございます。また、その原料血漿が製品化されて医療機関に売り渡される際の価格の総額、これについてわかりますでしょうか。
宮島政府参考人 日本赤十字社が献血により得られた原料血漿を民間業者に供給する際の価格についてでございますけれども、この価格につきましては、現在、厚生労働省と日本赤十字社、それから民間業者の団体との三者により協議いたしまして、その合意に基づき定めておるところでございます。平成十三年度の例について申しますと、凝固因子製剤用血漿につきましては、一リットル当たり一万三千百七十円というふうに設定しております。それから、その他の分画製剤用の血漿につきましては、一リットル当たり一万一千九百八十円というふうに価格を設定しておるところでございます。
 また、平成十三年度におきまして民間業者に供給された原料血漿の総額でございますけれども、約八十六億円というふうに今なっております。
 さらに、これらの原料血漿を用いて民間業者が製造した血漿分画製剤の医療機関への売り渡し価格ですが、これは個々に交渉して価格が決められますのでちょっと不明でございますけれども、仮に、供給量に薬価を乗じるという形で推計いたしますと、平成十三年におきましては約六百三十五億円という数字になります。
金田(誠)委員 ありがとうございます。
 詳細には、また書いたものをいただきながら勉強させていただきたいと思うわけでございます。これが不正であるとかないとかという観点で申し上げているわけではございませんで、事実として、実態として認識をするというところからスタートをしたい、こう思ってお尋ねをしているわけでございます。
 次に、三番目の質問でございますが、輸入血漿あるいは輸入製剤についてでございますが、輸入金額の総額というものは幾らになりますでしょうか。また、その輸入品が、輸入血漿であれば製品化されるわけでございますけれども、そういう輸入物が製品化され、医療機関に売り渡される際の価格の総額、仕入れが幾らで売り上げが幾らか、これについてわかりますでしょうか。
宮島政府参考人 原料血漿及び製剤が輸入された場合におきますその輸入金額につきましては、いわゆる民間企業間の取引価格でありますので、これはちょっと不明でございますが、いわゆる国内の出荷金額ベースというもので見てみますと、平成十二年の数字ですが、輸入原料由来品及び輸入製品合わせまして、約三百八十七億円ということになっております。
 また、医療機関に売り渡される際の価格につきましても、やはりこれは取引価格ですのでちょっと不明でありますけれども、仮に、供給実績に薬価を乗じるということで推計いたしますと、この輸入原料由来品及び輸入製品合わせまして、平成十三年におきますと、約五百八十六億円という数字になります。
金田(誠)委員 この輸入のあたりが、多少数字がつかみ切れていないのかなとお聞きをするわけでございますけれども、とりわけこの輸入物が、今までのさまざまな事項でもかなり重要な部分を占めてきたわけでございまして、そこに価格というものが関係あったのかなかったのかということも非常に重要な要素になろうかと思います。ぜひお調べもいただければありがたい、こう思います。
 大臣、この金額に関する数字でございますが、どこからどこに原料血漿が移動する、その対価として金額が逆に動くわけでございます。そういうお金の流れのわかる数字。従来は量でおおむね表示された情報をいただきましたけれども、従来のものに加えて、この金額の流れがわかる数字について今後公表していただきたいというふうに思うわけでございますが、この点、総括的にいかがでしょう。
坂口国務大臣 今、金田議員からの御質問をずっとこう聞いておりまして、私も、なるほど、そんな額かというふうに初めて知る部分もあったわけでございます。
 御指摘のように、これは献血として皆さん方から無料で提供をしていただきます血液でございます。したがいまして、その血液そのものの流れというものを明確にして、これを明らかにしていくことは当然でございますけれども、それにまつわります金銭といったものにつきましても、ここは明確にしていかないと、献血をしていただきました皆さん方におこたえすることができないというふうに思います。
 したがいまして、大きな全体としての流れ、外国から入ってまいりますもの、あるいは外国に出るものも中にはあるのかもしれません、そうしたものも含めまして明確にしていきたいと思います。
金田(誠)委員 ありがとうございます。よろしくお願いをしたいと思います。
 それでは、この採血、供血の二点目でございますけれども、国内自給の確保についてという観点から質問をさせていただきます。
 この点については参議院において修正が加えられまして、第三条「基本理念」の中に国内自給の定義が明記をされ、第九条「基本方針」には「国内自給が確保されるための方策に関する事項」が追加をされたわけでございます。これにより、国内自給の確保は今回の法改正の主要な柱としてさらに明確になった、このように考えるところでございます。
 しかし、第三条「基本理念」の第二項でございますけれども、ここには国内自給、括弧、定義が入るわけでございますが、「国内自給が確保されることを基本とするとともに、安定的に供給されるようにしなければならない。」こうあるわけでございます。
 「国内自給が確保されることを基本とするとともに、安定的に供給されるようにしなければならない。」とあります。この条項は、実は二通りの読み方ができると思うわけでございます。
 一つは、国内自給を確保して、それによって安定的に供給するという読み方、これが一つでございます。
 いま一つは、国内自給と安定供給は並列的に規定されていて、国内自給は安定供給には係らない、こういう見方があるわけでございます。国内自給は努力をする、安定供給も努力する。安定供給というのは、必ずしも国内自給にこだわらずに、海外からのものも含めて安定供給だという読み方。
 この二通りがあるということでございます。
 私は、もちろんこれは基本理念でございますから、基本理念、万が一の場合とか緊急の場合というのはこれはまた別でございますけれども、基本的な理念としては、前者の読み方。国内自給を確保して安定的に供給する、これが基本理念だ、こう読むべきものだと私は思うわけでございますが、提出者としての、これは行政解釈となりますでしょうか、そこを明確にお答えをいただきたいと思うわけでございます。
坂口国務大臣 そこは御指摘のとおりだと私も思います。国内自給というものを、即それが安定供給というものにかかわってくるわけでありますから、これは並列的に別々の話ではありません。
 ただ、国内自給を、これはこの言葉を入れていただいて大変ありがたかったと思っておりますが、国内自給をしていくにつきましても、季節的なものがございましたり、赤十字側の立場からいいますと、春や秋は集まりやすいけれども夏や冬は集まりにくいとか、そういうことがございますから、国内自給と、それから各季節を問わず安定的に供給されるということが望ましいわけでございますから、そうした意味で私は入っているというふうに思いますが、別々な意味ではないというふうに思っています。
金田(誠)委員 明確にお答えをいただいたと思います。ありがとうございます。
 それでは次の質問でございますが、この国内自給の確保については、血液製剤の適正使用を図るということが一つのポイントになるわけでございます。もう一つは献血血液の計画的な確保という、この二つの点があろうかと思いますが、その一点目の適正使用という観点から質問をさせていただきます。
 この適正使用については、関係審議会の意見等、この調査局からいただいた資料集にも載ってございますけれども、この審議会の意見等においても、平成八年、九年、十二年、厳しく言及されているわけでございます。あるいは、行政監察においても指摘をされております。ということは、適正使用ということについては問題があるんだ、再三指摘をしなければならない状態にあるんだということを示していると思うわけでございます。
 今回の法改正では、第三条の「基本理念」と第八条「医療関係者の責務」に適正使用がうたわれているわけでございますが、これはあくまでも理念規定でございます。
 また、今回の法改正では、第九条による基本方針に適正使用について定めるとされているわけでございますが、その効果は私は疑問だと思うわけでございます。仮にガイドラインなどということであれば、これは今もあるわけでしょうし、強制力がないわけでございますから、効果は疑問だと思います。
 唯一実効性のある対応としては、適正使用について、または不適正な使用について、診療報酬の上で明確に規定する。このことが唯一実効性のある対応ではないかな、こう考えるわけでございますが、いかがでしょうか。
大塚政府参考人 診療報酬上の取り扱いにおきましても、血液製剤の使用指針等を遵守するようにお願いをするといいましょうか、指導をしているわけでございますけれども、一方で、臨床現場の状況から考えますと、個々の患者の対応は当然のことながら非常に多々多様でございまして、診療報酬上、どう申しましょうか、これに一律に何かの基準を設けるというのはなかなか難しいわけでございます。
 やはり、臨床現場でのガイドラインその他適正な使用の定着という、地道なといいましょうか、そういう方策が基本ではなかろうかというふうに考えているところでございます。
金田(誠)委員 実はこれは明快な答弁がいただけるものと思って質問をさせていただきましたが、ちょっと意外な御答弁でございました。
 行政監察の勧告の資料を見ましても、「社会保険診療報酬支払基金等からアルブミン等の過剰投与等の指摘を受けているもの 三十六医療機関」とか、結構具体的に書いているわけですね。適正と言えない使用があるということでございます。
 私が申し上げたいことは、しゃくし定規に、がんじがらめに医師の裁量をすべてなくしろというところまでは言っておりませんが、例えば、現状でも、C型肝炎のインターフェロン治療なんというのは今の使用基準ではだめではないか、もっと大量に頻繁に回数を多くして投与した方が実は効果があるとかということを言われているにもかかわらず、かなり規制をしているわけですね、一回限りで二回目はだめとか。
 私はそのことがいいと言っているわけではないですけれども、不適正な使用があるという指摘を受けるような状態であれば診療報酬の対象にはしない、これこれの枠の中であれば診療報酬の対象になりますよと。このたぐいの規制というのは、インターフェロンに限らず結構ありますでしょう。そういうことできちんと規制して、例えばガイドラインそのものから外れれば診療報酬はだめという規定だってあるのじゃないですか。
 こういう、一方で規制をしながら献血の呼びかけもしないと。今日本は血液製剤使い過ぎだ、もう世界一の輸入国だなんということはみんな知れ渡っているわけです。一方でそういう状況を放置しておいて、献血をしてくださいと言っても、これはなかなか、知識のある方になればなるほど理解が得にくい状態になるのではないか。ここはやはり、僕はきちっと締めていくべきところだと。
 どこまでどうせいというのは今お答えはいただかなくても、考え方として、診療報酬上の対応ということについて、いま一度お答えいただきたいと思います。
坂口国務大臣 全体として、血液製剤を、あるいは保存血液をもっと大事に使ってもらわなければならないというのは、もうそれは御指摘のとおりだと思います。
 私自身も経験がございますが、非常に丁寧に、できるだけ血液を使わずに手術なら手術をやろうというふうに心がけておみえになります医療機関もございますし、言葉は悪いですけれども、湯水のごとくお使いになるところも正直言ってあるわけでございます。そうしたところは、やはり医療機関に、それぞれそれぞれの分野で血液というものに対する考え方を変えていただかないといけないというふうに思います。
 赤十字の側は弱い立場ですから、御依頼があればその分を持っていかなければならないわけでございまして、そこでその制限をするとかいうことはなかなかできにくい。したがいまして、それにかわるべき何かが必要だという御指摘はそのとおりであります。
 ただ、診療報酬でうまくいくかなと先ほどから思いながらちょっと聞いていたわけでございますが、何かそういう、先ほど御指摘になりましたように、これはもう少し、どうしても使い過ぎだとか、これはおかしいという御指摘を受けるようなものにつきましては何か方法があるのかなというふうに思っておりまして、そこはひとつ研究させていただきたいと思います。
金田(誠)委員 ぜひひとつよろしくお願いをしたいと思います。
 国内自給の達成について、この年限の問題でございます。
 平成九年の血液行政の在り方に関する懇談会の報告書によれば、アルブミン製剤については二〇〇八年に、免疫グロブリン製剤については二十一世紀の初頭に、自給を達成することは可能であるという記載があるわけでございますが、この辺、いかがでしょうか。これからつくる基本方針の中で、目標年次というのは、この二〇〇八年なりこうしたところが目標年次となって計画がつくられるというような理解でよろしいでしょうか。
坂口国務大臣 この分野も、先ほどの御指摘の血液製剤の適正使用にかかわってくるわけでございます。最近、医療機関もだんだんとお考えをいただくようになってまいりまして、使用量は初め見込んでおりましたものよりもかなり減少してきております。
 したがいまして、二〇〇八年の達成というのは、あるいはもう少し前倒しをしてできる可能性が出てきたということでございますので、さらに推計等をもう少し厳密にいたしまして、そして早くできるような計画をもう一度練り直したいと思っております。
金田(誠)委員 ありがとうございます。ぜひ期待をいたしたいと思います。
 次に、大きな質問の二つ目でございますが、薬事法の一部改正についてお尋ねをしたいと思います。
 資料をお配りしてございますので、ちょっとごらんいただきながら質問の方を聞いていただければと思うわけでございますが、第四十九条が改正されるわけでございます。
 この資料、「医薬品分類の見直しについて」によれば、今回の改正は、医療用医薬品のうち要指示医薬品以外の部分、このシャドーのかかっているグレーの部分でございますが、このシャドーの部分を原則として廃止して、医療用医薬品は原則としてすべて処方せん医薬品とする。下のような、全部黒の形にするというのが今回の改正でございます。
 報道によりますと、この改正の背景には、昨年十月に新潟にオープンしたある薬局が、要指示薬以外の医薬品、このグレーの部分でございますが、このグレーの部分を処方せんなしで販売を始めたのに対し、地元医師会が反対して、医薬品分類の見直しに発展したというふうに報道されておりますけれども、これに間違いございませんでしょうか。
宮島政府参考人 今回の法改正におきまして医薬品分類の見直しを行いましたのには、一つには、医療用医薬品と申しますのは、基本的には医師等の処方によって適正に使用されることを前提として供給されている医薬品であるということでございます。それから、二つ目には、現実の実態といたしましても、医療用医薬品の大部分は医師等の処方せんによって使用されているということなどを踏まえまして、医薬品の適正使用の一層の徹底を図るという観点から、販売規制上の分類である要指示医薬品の範囲を拡大いたしまして、処方せん医薬品として今回指定することとしたものであります。
 いわゆる安全性確保のため必要な改正であるというふうに認識しておりまして、御指摘いただいた事例が改正の契機となったということではないということでございます。
金田(誠)委員 ちょっと報道がそう間違っているとも思えないわけでございますが、これについて関係団体等からの要請や働きかけはあったのか、なかったのか、この点だけお答えください。
宮島政府参考人 先ほど申し上げましたように、現在のいわゆる医薬品分類につきましては種々従前から問題が指摘されておりまして、その主なものは、先ほど御説明しましたように、医療用医薬品というのは本来医師等の処方せんによって適正にきちっとやはり使用されて、安全性が確保されるべきだということと、実態としても、医療用医薬品の大部分は現実に医師等の処方せんによって使用されているわけでございますので、そういうものを踏まえて、今回、医薬品の分類の見直しを法改正上盛り込んだということでございます。
金田(誠)委員 何で答えないの。これは困ったな。
 局長、この今の答弁、間違いがあります。処方が前提だということがそもそも違うんじゃないですか。
 処方が前提なのは要指示医薬品ですよ。これが処方が前提です、この黒い部分。
 グレーの部分は通達でやっているだけの話なんですよ。何を根拠で通達しているかわかりませんが、処方が前提でないんです。処方が前提だったら要指示医薬品になるわけですよ。現実に処方せんでやられているというのは、何を根拠かわかりませんが、通達があるからそうなっているだけでしょう。
 その答弁については了解しかねるということを申し上げておきたいと思いますが、その上で、関係団体からあったならあったと言ってくださいよ、なかったならなかったと。なかったとは言えないでしょう。だから、あったから悪いと言っているんじゃないです。事実を聞きたいというだけの話ですから、答えてください。時間がないです。
宮島政府参考人 今回の改正に当たりまして、もちろんいろいろな関係団体等からもいろいろ御意見をいただきながらこの改正案を整備していったということでありますので、その過程においていろいろ御意見をいただいたということは事実でございます。
金田(誠)委員 最初からそうやって答えてくれればいいわけです。
 ところで、また報道でございますが、報道によりますと、例えばOTC薬、これは一般薬のことをOTC薬というそうでございますが、このガスター10、H2ブロッカーですね、ガスター10は十二錠で千五百八十円。一錠当たり百三十一円六十銭だそうです。市販のものは百三十一円六十銭。これに対して、同成分の医療用ガスター10、同じく十ミリグラムだそうですが、この薬価は四十一円六十銭。約三分の一の価格だそうでございます。これは間違いないと思います。
 今回の改正は、こうしたものを原則禁止するというものでございますが、市販されているものと同等の医療用医薬品、医療用医薬品というのは薬価に収載されているという意味でしょう、これを、医療用医薬品あるいはそれに非常に類似する医薬品、医療用医薬品を処方せんなしで売るということを原則禁止するわけでございますが、なぜこれは禁止しなければならないんですか。
 同じガスター10で十ミリグラムで、町に行っても買える、調剤薬局に行っても買える。買えたっていいじゃないですか、町の薬局で買えるわけですから。そういうものは禁止することはないですよね。
田村大臣政務官 非常に難しい御質問なんですが、先生御指摘のとおり、通達によって医師が使用するもの、処方せんをもって使用するものが医療用医薬品。それから、一般用医薬品は、要は、それぞれの消費者といいますか、使われる方々が自己責任で安全性の高いものを使う。これが一般用医薬品。
 中に同一成分のものがあるという話でございますが、基本的に通達で、目的によって違っている。でありますから、その目的によって違っているものを分けておるわけでございまして、それを基本的には通達として、要は、処方せんなしでお売りをいただいては困りますといいますか、売らないでくださいとお願いをさせていただいているわけであります。
 添付書といいますか、要するに説明書みたいなものでありますが、やはり医療用になりますと、医師とか専門知識を持っている薬剤師とかそういう方々でなきゃわからない。事実、都内で一部鎮痛剤が売り出されたようでありますが、報道によりますと、パックに詰めてその薬局のつくった袋に入れて出しておるようでありますけれども、やはり添付書類等々が一般の方々にはわかりづらいと。当然、副作用も考えられるわけでありまして、そういうことを考えますと、やはり医療用に関しては、店頭で処方せんなしに売っていただくのはどうかということでございます。
金田(誠)委員 医療用にもいろいろあるということなんですね。確かに、処方せんなしで使ったら危険であるとか、ふぐあいが生じるとか、副作用があるとかそういうものは、それはもう要指示薬でいいわけですよ。その要指示薬をこれからは処方せん薬ということにするのなら、それはわかるわけです。あるいは、このグレーの部分、シャドーの部分でも、何かの関係で要指示薬から抜け落ちていた、しかしきちんと精査すればやはりこれは要指示薬である、医師の診察を受けて、処方をもらって使用すべき薬剤であるというものは、それはそれで処方せん薬にしてもいいわけです。私はそれを否定しているわけではありません。ここまでは共通認識だと思います。
 ただ、町の薬局でも売っているようなもの、今、ガスター10、十ミリグラムを例に出しましたが、そういうものは町でも買えるわけです、処方せんなしで。そういうものは、医療用医薬品であっても、これは医師が処方してもいいんですよ、町の薬局で買えるものを医師が処方すればだめだ、それは全部個人負担で町で買えということを私は言っているわけでない。医師がそういうものを処方するのも、もちろんいいわけです。それは医療用医薬品になるわけです。しかし、そういうものは、処方がなくても町でも買えるんだから、調剤薬局でも買える。これで何か不都合があるんですか。
 例えばガスター10、十ミリグラム。ほかにもまだ山ほどあります。ビタミン剤だって、ビタミンB1なんというのも、医師も処方します、町でも買えます。風邪薬でもいろいろな風邪薬が町でも買える、医師も処方するかもしれません。漢方薬。もっと極端なことを言いますと、うがい薬。お医者さんに行くと出してくれるんだ。出してくれるというのは、処方しているんですよ。湿布薬、トローチ、抗生物質が入ったりすると違うのかもしれませんが。そういうものは処方でも出してくれる。しかし、処方がなくたって、買って何が悪い。値段も大分下がっている。薬剤師もきちんと説明してくれて、調剤薬局、便利じゃないですか。
 そういうものは問題ないですね、本当に処方の必要なものだけを処方せん薬とするんですねというお尋ねです。
田村大臣政務官 非常に難しい問題でございまして、経緯もあるんですが、昭和三十年代、要するに要指示医薬品以外には分け隔てがなかった。それが昭和四十二年に今のような形で真ん中に一本線が入った。ところが、グレーゾーンがある。それで、そのグレーゾーンでいろいろな問題も起こってきている。
 やはりそこはしっかりとした仕分けをする必要があるであろうということで、今回、この要指示医薬品を名前を変えて、まあ実質的にはこれが拡大したという話でありますけれども、名前を変えて、要するに処方せん医薬品という形にさせていただこうということであります。
 ダブルスタンダードで、町で二つ売られている、値段が違うというのは、若干ここに問題があるのかなという気も感じるわけでありますけれども、いずれにいたしましても、このような形で仕分けをさせていただくものに関しては、やはり処方せんをしっかりと書いていただいた上で使っていただく、買っていただくという形。
 ということでどうか御理解を、決して手に入らないわけではございませんので、それで御理解をいただきたいと思います。
金田(誠)委員 それはおかしい。そんなのおかしいですよ。町の薬局でも処方せんなしで買えるようなものを、調剤薬局で買って何が悪いという話を申し上げておるわけです。
 大臣、原稿をきちんと読むようになってきていますので、ちょっと時間もないので、これを聞いてください。
 処方せんなしで家庭用医薬品の購入ができるということは、OTC薬に比較して経済的にも相当安く、効果も高いということにはとどまらないわけであります。医療機関から処方せんをもらうためには、仕事を休み、半日病院で待たされるという場合もあるわけでございます。この負担も非常に大きいと思います。さらに、処方せん料、再診料、外来管理料、外来管理加算など、この三月までの薬価では二百七点、二千七十円だそうでございます。これが医療保険と自己負担ということで、その都度払われることになるわけであります。
 加えて、適切なOTC薬の存在によって国民の健康保険による受診率は低下する。受診かOTC薬の活用によるセルフメディケーションか、その限界についてどのように誘導するかも薬剤師の重要な役割の一つ、こう言われていると物の本に書いております。この問題は、こうした点からも含めて検討、対応すべき問題である、私はこう思うわけでございます。
 そこで、もう一つの資料、今の資料の裏側でございますけれども、「21世紀に期待される薬剤師の役割」という題名の本からコピーをいたしました。左側が日本、右側が欧米でございますが、日本の場合は現在、シャドーがかかっている部分、この部分を今回の法改正により原則規制するということでございます。右左の区分けの仕方は多少段違いになっているのかもしれませんが、考え方として、概念的にこういうことだということでございます。
 一般用医薬品はもちろん非処方せん薬でございますけれども、医療用医薬品であっても、要指示薬以外は原則非処方せん薬となって当然だ、私はそう考えます。仮に、現在、要指示薬でない医薬品であって、本来なら指示が必要であった医薬品がもしあるとすれば、薬事行政の怠慢である。本来はないはずで、もしあるとすれば、それは根拠を明確にして、一般薬との関係も含めしかるべく対応するのは当然だ、こう私は思います。
 しかし、要指示薬でない医薬品をすべて処方せん医薬品とするなどは、到底国民の理解を得られるものではございません。根拠を明確にして、透明性が確保されたもとで、必要なものに限って、これはあったとしても私はごく一部だと思うんですよ、要指示薬でないわけですから。あったとしてもごく一部だと思うんです。これに限って処方せん医薬品に指定されるべきが当然だと思います。
 これから二、三年かけてこの精査をしていくということでございますから、どうぞひとつそういう観点からやっていただきたい。大臣、いかがでしょう。
田村大臣政務官 決して一般用の医薬品の方に移さないわけではございませんでして、そういう意味では、使えるようには、これからいろいろなものに対して、安全性を確保するものは移していこう。ただ、処方せんを書いて使うか、それともそうじゃないかという部分では、ここは明確な区分けを今までも通達でお願いをしておりますので、それにのっとってさせていただこうということでありまして、見直しはしてまいります。その点、御理解ください。
金田(誠)委員 今までの通達は、要指示薬でないものも便宜的に処方せんを持ってこいという話なんです。その根拠はわかりません。それが不透明なんですよ。だから、要指示薬というのは本当に処方せんが必要なものなんです。このグレーの部分でも、本来必要だったなというものがあるかもしれません。それはごく限定されて処方せん薬になっても私はいいと思います。しかし、今まで処方せんが要らなかったものは、本来処方せんなしで買えるもの、医療用医薬品であっても処方せんなしのものというのはあって当然だ。
 医師が処方するものは全部処方せんがなきゃならないということはないですよ。さっき言ったガスター10にしたって、ビタミンにしたって、塗り薬、湿布薬、いろいろあるでしょう。例えば、だれでもわかることを今私は言っている。そうでないものだっていろいろあるんです。いろいろ、これは振り分けが難しい。
 その振り分けは、本当に処方せんが必要なものなのかどうなのか、外国のこういう区分けの仕方なども十分参考にしながら、二、三年かけて、そういう観点も含めてやっていただきたい。大臣、ひとつ御答弁をいただきたいと思います。
坂口国務大臣 お話を聞いていまして、私もいま一つわかりにくいところがあるわけでございますが、それは、医療機関が処方せんを出します場合には、多分、医療機関は全部処方せんに書くんでしょう。ですから、いわゆる患者さんの方が薬局に行かれてお買いになるのは、それはもうOTCであるわけですから、それは別に問題ないわけですね。今御指摘になっておりますのは……(金田(誠)委員「点数のついているものの中で」と呼ぶ)点数のついているもののお話でございますか。(金田(誠)委員「それだって処方せんなくてもいいものもあるんです」と呼ぶ)わかりました。
 よく検討して仕分けをいたします。
金田(誠)委員 時間が来ましたので、終わります。
森委員長 次に、佐藤公治君。
佐藤(公)委員 自由党の佐藤公治でございます。
 今、金田委員からお話がございました件に関して、私も関連質問ということでさせていただきたいかと思います。
 その前に、まずは血液事業、献血関係に関して一つ御確認をさせていただければと思います。
 改めて、このたびの法案等の改正におきまして、坂口大臣のことを勉強させていただきました。坂口大臣におけます献血事業関係に関しての本当に誠意ある活動に関しては、改めて敬意を表させていただきたいと思います。
 そして、そのよくわかっていらっしゃる大臣に一つ確認ということなんですけれども、幾つかの議事録を見て、そのうちの一つ、具体的な中で指摘をさせていただければ、厚生労働大臣は、参議院の厚生労働委員会においても、輸血用血液製剤及び一部の特殊な製剤を除きます血液凝固因子製剤につきましては、国内自給が既に達成されているところでございます、こういうことをおっしゃられております。
 私も今回いろいろと見させていただく中――どうぞ行ってきてください。では、この質問は……(坂口国務大臣「いえ、これが済んでから」と呼ぶ)済みません。では、簡単にさせていただきます。
 私、いろいろな資料を見させていただいて、まさに、もうこれは大臣よく御存じのとおりだと思いますけれども、自給率のこういったグラフを見ていると、古い資料においては自給率が一〇〇%というふうになっているんです。最近の資料を見ると、自給率の部分において、第8因子において、やはり遺伝子組み換え製剤を含まない場合は一〇〇%、そして遺伝子組み換え製剤を含むという場合は十三年度で五二・二%となっております。
 これからすると、大臣がこういうふうにお答えになったり御発言することに関して、実は、私、これで混乱が生じました。一〇〇%と大臣がおっしゃっているのにという部分で、いろいろと調べていってさかのぼっていくと、昔は一〇〇%というグラフになっているんですけれども、今はもう分けた状態になっている。本当は当初から分けておかなくてはいけなかったと思うんですけれども。
 こういう分けた形で、一〇〇%の自給率というものが、やはり遺伝子組み換え製剤を含まない場合は一〇〇%、そしてこれを含む場合にはまだ自給率は達成されていない、こういうきちっとした区分けの御説明なり御答弁をしていかなきゃいけないかと思いますけれども、それに関して訂正もされていないので、ここら辺、大臣よくおわかりになっていらっしゃる上で、確認という意味で御答弁をお願いしたいかと思います。
坂口国務大臣 これは訂正させていただきます。
 これは、血液由来の血液凝固第8因子製剤を初めといたしまして、そうした製剤につきましては国内自給が達成をされているという意味でありまして、リコンビナントを含めていいますと、今御指摘のように、平成十三年でも五二・二%であったわけです。
 ただ、これは五二・二%でございましたが、国内におきましては五二・二%だけしか生産できない量しか存在しないという意味では決してございませんで、もっと、私は、現在でもやれるというふうに思っておりますが、リコンビナントがかなりな勢いで伸びてきたものでございますから、結果として五二・二%になったということだというふうに思います。もう少しはできるというふうに現在も思っております。
 しかし、御指摘のような言い方が一番正しかったわけでございますので、その点では訂正をいたします。
佐藤(公)委員 本来は、私、こういう委員会で指摘をされるのではなくて、やはり、厚生労働省さんの周りの方々がこの辺はきちんと指摘をしていかなきゃいけないかと思いますので、幹部の皆さん方、よく注意をしていただけたらありがたいと思います。
 どうぞ、大臣、トイレの方に行ってください。申しわけございません。どうぞ。
 では、続きまして、金田委員からの質問に関してのお話に移らせていただきたいかと思います。
 金田委員が大分具体的な指摘をされているんですけれども、結論的に言いますと、こういうことを決める場合に、考える場合に、国民にとって一番どういう形がいいのかというやはり考え方、方針というものを明確にしていくべきだと思いますけれども、これは田村政務官でよろしいんでしょうか、御答弁は。
 田村政務官は、これはもう御存じだと思いますけれども、やはり先ほどの金田委員の資料を使わせていただければ、まさにこのグレーゾーンというのがそのままになっていた。結局、このグレーゾーンの部分の商売、販売というものが今急激に出てきた。そういうことによって、左側の要指示医薬品の部分の団体というか、これは医師会になるのかな、そして、右側、薬剤師さんとか薬局関係の方々なのかな。こういう中で、このグレーの部分を早くなくしてくれ、こういうような話で、今、突如、このグレー部分を除いていくべきなんじゃないかというような話で、今回の法改正も出てきているんではないかというふうに推測する部分もあるんですけれども。
 実際、このグレーの部分を、先ほど金田委員も指摘されておりましたけれども、今、一〇〇医薬品があったとする。今、現状、要指示医薬品が七〇だとする。それ以外のグレーな部分が三〇だとする。これから、今、見直して、これを精査していく、選んで、一つ一つ検証してやっていくというようなお話を厚生労働省さんから聞いておりますけれども、一体全体、一〇〇あるうちの七〇、そして三〇がそのグレーゾーンだといたします。これを、逆に、今、方向性として、はっきり区分けをするということなんですけれども、ふやしていく方向で要指示医薬品、つまり、処方せん医薬品をふやしていく方向性で考えているのか、逆に言えば、処方せん医薬品を少なくしていく方向で考えていくのか、その辺を含め、どういう方向性で検討をなされていこうとするのか。もしも田村政務官、ちょっとわかりにくい質問なんで、局長あれでしたら答弁お願いいたします。
田村大臣政務官 またまたこれは難しい御質問であれなんですけれども、基本的には審議会の方で、公開のもとにおいて、実際問題これはどうかということを議論して割り振っていくわけでありまして、そういう意味では、ふやしていくとか減らしていくとか、そういう議論ではございませんでして、正当に評価、科学的な評価をした上でどうなのかという話になってこようと思います。
佐藤(公)委員 では、ちょっと聞かせていただければ、その振り分けていくに際して、国民にとってどうかということがやはり非常に大事なことになると思います。国民にとってどういう振り分け方がいいかということですけれども、どういう基準で振り分けていこうと思っているのですか。
田村大臣政務官 要は、振り分けるというのは、一般用医薬品と処方せん医薬品に振り分けるわけでありますから、当然、一般用の医薬品に行くということに関しては、安全性が高いことであるとか、副作用はそうはないこと、そうはないといいますか、確率が低いことであるとか、そういう安全面というのがやはり一義的に来る。今売られている一般用の医薬品と同じように、使われる方々が自己責任において使われてもある程度安全性というのが担保できる、そういう意味合いが一義的に振り分けるという内容になってくると思います。
佐藤(公)委員 では、そういうことで、先ほど田村政務官が金田委員のときにお答えになられた中で、金額の差があることが非常に問題だということをおっしゃいましたけれども、この金額の差というのは、どういうふうに今後調整をするのか、解消をしていくような方向を考えられているのか、今考えていないのか、いかがですか。
田村大臣政務官 現状、グレーゾーンがあるから金額の差が出てくるんだと思うのですね。ですから、これを振り分ければ金額の差というのは、基本的にはないといいますか、一方は薬価の世界の話ですし、一方は自由に売っている話、流通している価格という話になりますので、これを振り分けていきますとダブルスタンダードみたいな話はなくなるのであろう、そのように認識いたしております。
佐藤(公)委員 では、そういうことを振り分けていくに際して、私が言いたいことは、もしかしたら規制の強化につながっていくおそれがあるということが考えられるのかな。端的に言っちゃえば、要指示医薬品を廃止して処方せん医薬品が新設されるために、要指示医薬品外の医療用医薬品を販売できなくなる、この点で、薬事法改正は、今回のは、規制緩和という方向からいったら逆行していくようなケースも考えられるのではないかということで、これは非常にわかりにくい議論になりつつありますので、時間ばかり過ぎるのですけれども。
 政務官、わかりました、政務官のお考えは大体わかりましたので、局長、締めくくり総括でひとつこれをお願いいたします。
宮島政府参考人 先ほどから御議論ありますように、現行の医薬分類が、いわゆる要指示薬と、それから御指摘ありますように通知でもって処方せんを前提にしている医療用医薬品という、ある意味ではあいまいといいますか、非常にわかりにくい形になっております。
 ですから、基本的に医薬品というものは、結構、見ていますと、やはりお医者さんと専門家がきちっと処方せんを発行して適正に使用しないと安全性上問題があるというものが医療用医薬品だろうと思いますし、それから、一般国民の皆さんがみずから選択してお買いになっても安全性上特段問題はないというものが一般用医薬品というカテゴリーになるんだと思いますので、基本的には、明確なこの二つのカテゴリーに、従来グレーゾーンといいますか、非常にあいまいだった部分を明確にしていこうということであります。
 その際には、審議会等の専門家におきまして一品目ずつ評価をいただいて、当然これは客観的に評価していただくわけですけれども、それでもってこういう振り分けをして、医薬分類のあり方をより明確にしていこう、こういう趣旨で今回改正させていただいたということでございます。
佐藤(公)委員 政務官、これはどういうことかというと、私も、雑誌等で、結果的にこのグレーゾーンに対して、要指示医薬品以外の医療用医薬品が売られていることに関して、先ほども、都内でも出てきた、これに対して、医師会からの圧力等によってこれをなくす方向とかいうような記事を幾つか読ませていただいたり、また、でも、こういうふうなことになってくると、じゃ、例えば大きな病院やなんかへ行くと、お薬だけのお客様などと書かれた受付口で、二回目以降は診察もしなくてもただ処方せんだけで出す、もちろん診察はしなくても診察料金は払わされるような、先ほど金田委員からの指摘もあるわけです。
 国民の方としては、このあり方というのが非常に混乱をしていることが事実でございまして、この辺を今後より一層、国民のためにどういう線引き、また診察、医療関係含めたのがいいのか、混乱が生じないような、国民にとって一番いい方法論をやはりもっと真剣に議論していくべきだと思いますので、よろしくお願いをいたしたいかと思います。
 続きまして、前回の委員会におきまして、私どもは樋高委員が質問させていただきましたが、その続きということでさせていただければありがたいと思います。
 バイオ、ゲノムの世紀に対応した安全確保対策の充実ということで、生物由来製品となる製品について、どのような医薬品等が特定生物由来製品に指定されるのか、またその具体的な基準は何かということをお答え願えればありがたいと思います。
田村大臣政務官 このバイオ、ゲノムといいますか、特定の生物由来の製品、こういうものを今回生物由来製品の中でさらにリスクの高いものという形で分けたわけであります。基本的には、例えば人の血液製剤であるとか人の生体由来成分の抽出物などがそれに当たるわけでありまして、多分ライオデュラ、例のクロイツフェルトのときにB・ブラウン社のライオデュラなんかはここに入ってくる、入ってくるというか、当時あれば入っておったのであろうと思うわけでありますけれども。
 基準ということになりますと、やはり基本的に、そういうヒト由来ということでございますから、含有される血液の量でありますとか、それからヒト由来の成分の量でありますとか、またその使用、使用といいますか、投与する期間、さらには不活性化をする手法といいますか、どこまで確立されているか、こういうことを勘案した上で、薬事・食品衛生審議会がどうかというのは、先ほども、午前、参考人のときにございましたけれども、そこで最終的には意見を聞いて決定をさせていただくということになってくるということでございます。
佐藤(公)委員 ちょっと今の説明じゃわかりにくいのですけれども、やはりこういう部分をきちっと考えてやっていくべきだと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
 生物由来製品の製造管理者についてなんですけれども、生物由来製品等の製造所には、厚生労働大臣の承認を受けて、医師、細菌学的知識を有する者その他の技術者を置くことが義務づけられていますが、その技術者の資格要件とか職務内容はどのようなものが予定をされているのでしょうか。
    〔委員長退席、鴨下委員長代理着席〕
田村大臣政務官 資格要件でございますけれども、基本的には現行の生物学的製剤の要件と大体同様でございまして、例えば医師でありますとか細菌学的知識を有する者、また細菌学と同等の学問を専攻し、さらに実地に一定期間の実務業務経験のある者、例えば微生物学とかウイルス学なんかはこれに入ってくるんだと思うのですけれども、こういう方が資格の要件ということでございます。
 それから、職務の内容はそのとおりでございまして、製造業の、それこそ製造所の製造管理でありますとか品質管理、こういうものを統括するということ、さらには自己点検でありますとか教育訓練等、また手順書に従って適切に行われているかを確認すること、また苦情とか回収に関しての処理、こういうことをするということでございまして、以前の生物学的製剤と大体同様の両要件というふうになっております。
佐藤(公)委員 今、生物学的製剤の製造を管理させるために設置義務がされている部分のこういう方々とほぼ同様ということなんですけれども、違いはないということでよろしいのでしょうか。
田村大臣政務官 適切な表現ではございませんが、違いございません。
佐藤(公)委員 そして、特定生物由来製品の使用対象者に係る記録の保存についてなんですが、こういう記録ということ、どのような場合に情報の提供が認められるのか。また、使用対象者の利益になる場合となっていますが、具体的にどのような場合が使用対象者の利益になる場合となるのか。御説明をお願いします。
田村大臣政務官 やはりプライバシーの問題でございますから、そうむやみにというわけにはいかないわけでありますけれども、どういう場合かということに関しましては、やはり被害の発生でありますとかその広がりを防止するというのがまず前提条件、それのための措置を講ずるというのが前提条件でありますけれども、同時に、先生言われた使用者、対象者の利益になるときに限って認めるということでございまして、この利益とは一体何ぞやという話でありますが、非常に技術的な話、技術的なというか細かい話になりますけれども、要は、その患者が退院をされる、つまり医療機関が捕捉をできないという場合において、その後、その製品において重大な情報が入ってきた、そういうものを流す場合に、医療機関が捕捉できないわけでありますから、そういう場合においては、要は使用者といいますか対象者の方々の利益という意味でなる場合であろう。
 ですから、医療機関が要はその情報を伝えられないということで、それ以外に情報を伝えるということを考えれば、そういう場合に関しては利益になるであろう。そういう場合に限っておるということでございます。
佐藤(公)委員 やはりバイオとかゲノムとかいうことは非常にわかりにくいことが多くて、本当に未知数のところがあり、なかなか線引きというのは難しいところがあると思いますけれども、やはりそういうところを一つ一つ確認をしていただけたらありがたいかと思います。
 次に移りたいと思いますけれども、許認可制度の見直しについてお聞きいたしますけれども、総括製造販売責任者について。
 製造販売業者には、品質管理及び製造販売後安全対策の責任者として総括製造販売責任者の設置が義務づけられましたけれども、この総括製造販売責任者というものがまだまだその職務の内容というのがわかりにくい部分があるんですけれども、具体的に、簡潔に、簡単に説明を願えますでしょうか。
田村大臣政務官 要は名前のとおりでありまして、基本要件は、品質の管理体制でありますとか、製造販売後の安全管理体制について総括的な管理監督を行うという役割でございまして、製品による保健衛生上の危害発生を防止するための措置を決定するという内容になっております。
 具体的には、政省令で定めさせていただくことになろうと思います。
佐藤(公)委員 これで先ほどと同じような話にもなってしまうんですけれども、総括製造販売責任者の職務内容との関係で言うと、医薬品等の製造管理の責任者である品質管理責任者及び製造販売後安全対策の責任者である製造販売後安全管理責任者という部分と、このたびの役割分担をどういうふうに考え、どういう部分が一致しているのかというのはいかがでしょうか。
田村大臣政務官 品質管理責任者は、その名前のとおり、これもそうでございまして、品質管理に係る手順等に基づいて、その製品の適切な出荷判定の確保等の品質管理業務を管理している。そして、製品の品質管理業務について一義的に責任も有するわけであります。
 製造販売後安全管理責任者に関しては、製造販売後の、名前のとおり、安全管理業務ですね。これは、手順書にのっとった上で、要はこれに対して責任を持って取り組んでおるということでございまして、では、総括製造販売責任者は何ぞやといいますと、この両者を要は管理監督をするというようになっております。
佐藤(公)委員 こういうちょっと長ったらしい名前で、わかりにくい部分の名前なんですけれども、本当に役割分担をきちんと明確にした責任の所在、こういったことをより明確にしていくということは大事だと思います。そうでないと、何かわけのわからない名前の人間ばかり置いて、そして、責任はどこにあるのか、やはり明確なものがないというようなことになってくると困りますので、この辺はよく検討を願い、また省内でも話し合いをしていただけたらありがたいかと思います。
 時間がなくなりつつあるのですけれども、幾つかまだ残っているのですけれども、ちょっと飛ばしまして、大臣、よろしいでしょうか。
 きょう午前中の参考人を聞かせていただきまして、そういう中で私が共通して言えることというものが、まず、縦割り行政のあり方に関していろいろな指摘を受けた、参考人の方々がおっしゃった注文というのがございました。
 一つは、参考人の中で、日本製薬工業協会会長の永山さん等から、やはり予算、いろいろな、これはあっちの課、これはあっちの省庁、これはあっち、こういうことによって、結局、産学一体になった状況のパワーアップがなかなかできないというようなお話だったかと思います。また、花井参考人のお話に、私が質問させていただいたのですけれども、果たして今回の組織で危機管理体制というものがきちんと対応ができるのかなということ。そういう部分で、やはり縦割り行政の弊害や障害の指摘もあったかというふうに思います。
 そういう中で、先ほど大臣がおっしゃられました、まさに危機管理体制というもの。これは五島委員からの質問でお答えになられたことでございますけれども、危機管理体制。まさにその最大の局面というのは有事、これは災害も含んだ上での有事ということですけれども、これは別途考える必要があるということを大臣がおっしゃられたかと思います。
 ちょっとその予算のこと云々かんぬんの縦割り行政は別にしまして、果たして、本当にこの審議会で、審議会というよりも、運営委員会や分科会、部会、調査会というもの、今現状においてもそうですけれども、本当にいざというときに対応できるのかといったら、私は、対応が今できないような体制になっているんじゃないかな。
 それをできるだけ対応できるように、運営委員会等も設けながら、今回でも改善をしてやっていこうというふうにも聞いておりますけれども、そうは言っても、最大の有事というか大変なときには、ちょっと別途考えておかなきゃいけないという先ほど大臣がおっしゃったことであるとすると、何かまた不安材料がたくさん頭の中に浮かんでくるのですけれども、大臣、この辺、今回のこういったことというのは、有事、僕はある程度有事ということも想定した上での薬事法改正ということも考えているというふうに思っている部分があったのですけれども、その辺は別途また違うことを考えていかなきゃいけないということのあたりの、その御説明、またはお考えを聞かせていただけたらありがたいと思います。
坂口国務大臣 この血液事業法、この中で考えておりますことは、これは平時におきますところの血液の供給をどうしていくかということでございまして、特別な時点を想定してのものではないというふうに思います。
 ただし、きょう五島議員からのお話にもありましたように、それは地震がありますとか、あるいは大きな火災がありますとかというようなことが起こりましたときには、これはやはり血液が大量に要るということだって起こらないとは限らないわけでございます。そうしましたとき、あるいはまた、特殊な血液が特に必要だ、例えばRhマイナスの人の血液がうんとたくさん要るといったようなことも中にはありますでしょう。
 そうしたときに対しまして、もしそういうことが起こったときにはどうするかということぐらいは、平時のこととはいえ、やはり若干考えておかないといけないというふうに私も思っている一人でございます。
 ですから、需給計画というのは平時のときの需給計画でございますが、そうしたことが、緊急にたくさんの血液が必要だというようなことが起こりましたときに、一体それをどう確保するのか、しかも、それが同じような型の血液がたくさん必要になったときに一体どうするのかといったようなことにつきましては、やはり考えておく必要があるというふうに思います。
 そうした意味では、御本人の御了解を得て、いざというときにはひとつ献血をお願いできますかというようなことで、そういう名簿を赤十字の方もつくってくれておりますから、そうしたことが整理をされていきますならば、それで私は対応できるのではないかというふうに思っている次第でございます。
佐藤(公)委員 この血液事業に関してはもう大臣はよく御存じで、私が言うまでもないと思いますけれども、たしか参議院の厚生労働委員の質疑の中でも、私どもの自由党の森ゆうこ議員が指摘をさせていただいておりますけれども、やはり、審議会のあり方ということをもう一回よく考え、それが機能できるような形をもう一度考えていくべきじゃないかなと思います。
 これは、実際問題、厚生労働省の方からいただいた資料で、必要がないといえば必要がないのかもしれませんけれども、実際、薬事分科会の下に血液事業部会があり、その下に安全技術調査会と適正使用調査会というのがある。この安全技術調査会というのは、去年の段階では十月二十二日に一回だけ開かれています。適正使用調査会は零回です。開かれておりません。それは全部血液事業部会である程度やられているというようなお話もちょっと聞きましたけれども、血液事業部会でも、六月二十七日、八月三十一日、二月一日、これは三回しかやっていないんですね。
 本当に、今、あした何が起こるかわからない状況の中で、これから危機管理体制においての話を考えていかなきゃいけないというよりも、今すぐやっていかなきゃいけないということがたくさんあると思いますので、それに関しては、どうか大臣の指導のもと、作業を一刻も早く進めることをお願い申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございます。
鴨下委員長代理 次に、小沢和秋君。
小沢(和)委員 先ほど公明党の福島委員は、私の十日の質問について、原典に当たったが小沢議員が言うようなことは全くないと発言されました。せっかくの名指しであり、予定にありませんでしたが、冒頭に一言言わせていただきます。
 私が取り上げたDSA社の活動などは、PPTAの広報誌やDSA社のホームページに記載されている資料にすべて書いてあるものであり、福島委員は原典全部には当たっていないと言わざるを得ません。先日福島委員が私に示した資料はたった二ページでしたが、PPTA広報誌の記事だけでも全部で四ページあります。ここに持ってきました。そのほかにホームページの記事もあります。
 これらには、編集者とセーデル氏との対談もあり、記事には、セーデル氏らが情報提供、いわばロビー活動のために、二〇〇二年二月に坂口厚生労働大臣に面会したほか、国会議員等に接触したことも書かれております。その対談部分では、DSAの活動についてセーデル氏自身が詳細に答えております。この中で、同氏らがプロデュースしたPPTA後援の盛大なセミナーが開催されたり、これが日本の政策立案者たちを啓蒙することに役立ったとか、同時に関係者と面識をつくる上で役立ったなどと書かれております。
 自民党政策顧問とかCIA要員というのは事実と違うとの話もありましたが、これはDSA社のホームページにある創業役員の自己紹介には、副社長のセーデル氏は一九九三年から九六年までCIAで上級分析官として働いたとあり、英文では「From 1993 to 1996,Mr.Saidel served as an Advanced Analyst with the CIA.」と明記されております。また、九〇年から九三年には自民党派閥の政策顧問として日本で働いたとあります。「Policy Assistant」は日本語では政策顧問がふさわしいと思います。
 加えて言えば、DSA社のもう一人の副社長ヘイワード氏もCIAの危機管理主任、英語で言えば「Chief of Emerging Technologies at the CIA」であることを経歴として誇っており、社長のファーレル氏はアメリカ海軍大学教授を歴任していることも明記されている。私の指摘は、このようにすべて事実に基づいております。
 私が、こういう人たちと公明党から出た坂口大臣が接触した事実を指摘したことが、あるいは福島さんのかんに触れたのかもしれませんが、少なくとも、福島さんの私に対する非難には何の根拠もないということを指摘しておきます。私が発言を取り消したり、訂正したりする必要は全くないと確信いたします。
 時間がないので、早速質問に入ります。(発言する者あり)信義に反するのは、さっき彼がそういうことを言ったから、私が応戦しているだけですよ。
 本日は、まず、我が国の輸入血液製剤などの安全チェック体制の抜本的強化についてお尋ねをいたします。
 輸入血液製剤の原料が売血であるかどうか、アメリカではドナーの血液を日本並みにチェックしているか、組み換え製剤の製造過程は安全かなどを輸出元の国に行って直接調査することがぜひ必要であります。この程度のことは、アメリカのFDAでは当然のこととして行っております。
 私がここに持ってきておりますのは、インターネット上で公開されておりますFDAの警告書のコピーであります。これは静岡県藤枝市に工場がある科研製薬あてのものです。その内容を要約すると、同社の製造施設を査察したところ、アメリカのGMP基準から逸脱しているとして、問題点を幾つか指摘している。その上で、アメリカへの出荷を今後も望むなら、アメリカのすべての基準に適合していることを実証するのが貴社の責任であるとし、三十日以内に是正措置を報告せよ、FDAがそれに基づいてこれらの施設を再査察し、安全に改善されたことを確認するまで、科研製薬の新薬承認の申請を保留するよう関係方面に勧告すると述べております。
 FDAの措置は、アメリカ国民の生命と健康に責任を持とうとするのは当然のことであります。私は同様のことを日本がアメリカからの輸入品に対しても行う必要がある、そのために、日本もそれをできるだけの体制をとれと言っているのであります。
 今回の法改正で日本も輸出先の国まで行って、実際に立入調査をやるということですから、これは大変結構です。問題は、アメリカのFDAの審査官が医薬品関係だけで約二千六百人に対し、日本はその十分の一にも満たない二百十人だということです。この際、要員を抜本的に拡充する以外にないと思いますが、具体的にどういう拡充計画を持っているのかをお伺いいたします。
    〔鴨下委員長代理退席、委員長着席〕
宮島政府参考人 御指摘のように、医薬品の安全確保に当たりましては、国内と同様、海外の製造所についても品質確保を図る必要があると思います。したがいまして、今回の改正法案につきましては、御指摘のように、国内の製造所に加えまして、海外の製造所に対しても、いわゆる書面または実地の調査を適切に実施するということを規定しておるわけでございます。
 当然、そういう海外における実地調査をやるということになれば、それなりの要員、体制が必要になってくるわけでございますけれども、現在私どもとしましては、いわゆる審査機関、いわゆる医薬品医療機器審査センター、医薬品機構あるいは医療機器センターというふうに審査関係機関が三つに分かれておりますけれども、これを一つの独立行政法人に統合してその機能強化を図ろうということを考えておりますが、この新しい独立行政法人の統合の際にこれを活用いたしまして、必要な人員を、スタッフを増強していくということも視野に入れながら検討していきたいというふうに思っております。
小沢(和)委員 だから、機構をまとめるといっても、問題は人数がアメリカの十分の一しかいない、これはもっとふやさなきゃ話にならないと言っているんですよ。それはふやす意思があるわけですね、大幅に。
宮島政府参考人 今度独立行政法人として統合化し、強化していくわけでありますけれども、先ほど御指摘のように二百十名程度の人員でありますが、私どもとしては約五割増し、百名ぐらいはふやしたいと思っていますが、とてもアメリカまでにはいきませんけれども、それでかなりの増強を図りたいというふうに思っております。
小沢(和)委員 血液製剤でエイズをうつされた患者には、厚労省の安全監視体制や薬事・食品衛生審議会血液事業部会などの運営に強い不安があります。例えば、血液部会は、年二、三回、それもわずか二時間ぐらいしか会議をやらないとか、欠席の委員がかなりいて定刻になっても開会できなかったなどの話が午前中に参考人からも出ておりましたが、事実はどうだったのか。結局、その程度では当局の提案をほとんど論議もなく承認するだけに終わっているのではないかと思いますが、実際に当局の提案が大きく変更されたようなことが一度でもありますか。
宮島政府参考人 御指摘の血液事業部会につきましては、平成十三年度三回開催しておりますけれども、当然そこで私どもの用意した資料をベースにいろいろな審議を精力的にやっていただいているわけでございます。
 そういう意味では、審議会としての機能はそれなりにきちんと果たされているものというふうに理解しております。
小沢(和)委員 患者からは厚生労働大臣直属で局横断的な安全監視委員会を創設してほしいとの意見が出され、日赤もこれに賛成したというんですが、結局、今回の法改正では、血液事業部会内に運営委員会を設置し、患者代表もこれに加えることになっております。しかし、血液議連に示された厚労省の案では、安全性に関する議論を行える余地を与えるという程度の言い方になっております。今もこういう考え方でしょうか。もしそうなら、それでどれだけ行政に影響を与えることができるのか。
 改めてお伺いしますが、この運営委員会には患者のほかにはどういう人々が委員に入り、年何回、何時間くらい会議を開くのか、患者委員が一人でも請求すれば随時開けるのか、実際に行政や血液事業部会にどれだけの具体的な影響を与える権限を持つことになるのか、お尋ねをします。
宮島政府参考人 今回新設を予定しております運営委員会は、薬事・食品衛生審議会の血液事業部会の中に、いわゆる恒常的な組織として置くことを予定しております。
 その機能としては、一つは、定期的に開催いたしまして、血液事業の運営状況をきちっとチェック、確認していただくということ……(小沢(和)委員「何カ月置きぐらい」と呼ぶ)今のところは基本的には四半期単位ぐらいを考えております。
 それから、二番目には、それ以外に緊急事態等があった場合には、当然、安全性に関する情報を議論していただくために緊急に集まっていただきまして、速やかに安全性に関する情報を共有し、そこで評価していただいて、必要な対応というものを審議していただくというふうに思っております。それから、当然、専門的事項については関係の調査会なり部会とも連携をとって対応するということを考えておるわけでございます。
 メンバー構成につきましては、先ほどからもお話ございましたように、患者の代表の方も含めまして約十名程度を予定しておるところでございます。その中には、当然、専門的な知見を備えたいわゆる学識経験者の方も入っていただくということでございます。
 それから、いわゆる日本赤十字社あるいは製造業者、関係の方もいらっしゃるわけでありますけれども、そういう方についても一応参考委員という形で議論にも参加していただくということを考えております。
小沢(和)委員 いや、だから、実際にどれだけ影響を与え得る組織として運営するのかという一番肝心のことが抜けている。
宮島政府参考人 ちょっと先ほど申し上げましたように、いわゆる血液事業の運営状況を確認、評価していただきまして、改善点等があればそこで御提言いただいて、それを踏まえて私どもとしては必要な指導、改善を指示していく。
 それから、緊急事態におきましては、先ほども言いましたように、安全性に関する情報を速やかに共有、評価していただきまして、即座に対応すべき措置についての御提言等もいただきましたら、それに基づいて私どももそれを実施していただくという意味では、非常に、大変重要な機能を有しているというふうに思っております。
 それから、ちょっと先ほど答弁忘れをしましたけれども、開催につきましても、当然、メンバーからの要求があれば開催するということも検討することにしております。
小沢(和)委員 今回の法改正では、残念ながら血液製剤にかかわる健康被害の救済制度を盛り込むことは見送られました。研究会の報告が遅かったために今回は間に合わなかったが、来年の通常国会に必ず提案したいという答弁が既に出ております。
 そこで、この機会に、どういう救済制度をつくるかについて二点お尋ねをしておきます。
 第一は、輸血を受けたり血液製剤を投与された人だけでなく、献血者から医療従事者の針刺し事故まで広く救済の対象にすべきではないか。第二に、国の費用負担をどう考えるか。医薬品副作用被害救済制度では、国は事務費の一部を補助するにとどまっておりますが、血液事業の公共性を考えれば、国はさらに踏み込んで救済費用そのものの一部を負担すべきではないかと思いますが、以上二点、お答えください。
坂口国務大臣 健康被害救済制度をつくるということは、これは来年の国会に出すということ、これは間違いありません、間違いなく出しますから。
 ただ、その内容でございますが、今御指摘になりましたように、献血者の針を刺した痛みのところまでこの中に入れるというのは、なかなか私は無理だと思いますね。いわゆる保存血液及び血液製剤から起こりますところの被害、これについてやはりこれは行うのであって、献血のときに針を刺してそこが少し痛んだ、あるいはそれで手が上がらなくなった、しばらく休まなきゃならぬというような話のところまではここには私は入らないと思うし、それは、そこまで入れますとここはややこしくなりますから、もっとここは本当に血液によって起こることがないか、起こったらそれはどうするかということをやはり中心のものに私はしなければならないというふうに思っております。
 それから、もう一点の国の方は、現在のところ、確かに事務費の一部を国庫補助いたしておりますし、その程度でございますが、これは関連します企業の方にできるだけ御協力をいただかなければならないというふうに思っておりますが、国も全く出さないということではなくて、国もそれは当然の責務を果たさなければなりませんけれども、しかし、ここは企業の皆さん方に積極的に参加をしていただくということにしたいというふうに思っております。
小沢(和)委員 今、私が針刺し事故と言ったので、えらい小さいことまで全部救済しろというところに力点を置いて聞かれたかもしれませんけれども、私が力点を置きたかったのは、献血をする段階から輸血の恩恵を受ける人たちの段階まで、全体を視野に入れた救済制度をつくりなさいと。
 それから、針刺し事故と言ったのは、医療の従事者についてもそういうような事故などで実際に肝炎が起こったというようなことも聞いたりしたことがあるから、それを言ったんです。もう一遍そこを答えてください。
坂口国務大臣 それにいたしましても、それは別途、考えなくていいと私は言っているわけじゃなくて、何らかの形で考えなきゃいけない。とりわけ、献血者に対します問題は、これは日常茶飯事と言いますと言い過ぎになりますけれども、常時起こる話でございます。どうしても痛みが取れないというようなことを訴えられる場合もあるわけでございますので、そうしたことに対する補償ですとか、そうしたことは考えていかなければなりませんけれども、それは別途やはり考えていかなければならないというふうに思いますし、それから、職員の針刺し等が、過って刺したことによる、それに対する被害等のこともございますが、それは職員の管理の問題として考えていかなければならないというふうに思っております。
小沢(和)委員 今回の法改正では、これまで質問してきた血液自給や安全対策のほかに、医薬品等の承認・許可制度を大幅に見直し、規制の緩和を行うことがもう一つの柱になっていると思います。
 これまでは製造の段階で承認・許可を行っていたものを、今後は、製品が市場に流通した後の安全対策に重点を置いて、販売段階で承認や許可を行う。私は、販売後の安全対策を強化することには大いに賛成しますが、それとセットにして、どういう形で製造されるかを自由化することには根本的に疑問を持ちます。なぜ製造段階を自由化するのか。安全な医薬品ができるかどうかは製造段階で決まることは、昔も今も、今後も変わらないのではないでしょうか。
 今回の法改正は、ここ数年、製薬企業が分社化や他社への委託などの動きを強めていることを追認したものだと思いますが、製造段階の安全の点では、むしろ現在より後退することになりませんか。
宮島政府参考人 今回のいわゆる承認あるいは業の許可の見直しにつきましては、従来、製造と、いわゆる元売といいますか販売部分が常にセットであることが要件であったのを、分離して、それぞれ承認・許可をとるという形にしたわけでございます。
 したがいまして、製造業につきましては、これは当然従来と同じように許可が必要でありますし、その製造管理、品質管理がきちんとなされて製造ができることを、きちんとGMPというものに適合するかどうか等をチェックしてやるということですから、ここは従前と変わらない形のレベルが維持されるというふうに思っております。
 それから、いわゆる元売という、製造販売業者という新しい部分を今回つくったわけでございますけれども、この点につきましては、従来、どちらかといいますと、そういう市販後の安全体制というのはなかなか十分整備されておらないとか、あるいは市販後の安全対策の責任の所在があいまいである。特に外国からの輸入の場合ですと、いわゆる輸入販売業者がその責任を持つのか、あるいは輸出先の、いわゆる外国にあるメーカーが持つのかというあたりも非常にあいまいでございました。
 今回、それを一応、製造販売業者というカテゴリーで、これは輸入であろうと国内製造であろうと全く同じでありますけれども、いわゆる製品を最終的に市場に出す元売の業者、ここが市販後の安全管理について全責任をきちっととっていただく。また、その体制が整備されていることをその許可要件にするということで、従来に比べて、市販後の安全対策を一層強化したという中身になっているところでございます。
小沢(和)委員 今も触れましたとおり、多くの企業が既に今回の改正を見越して動き出しております。最大手の武田薬品工業は、外注を三割から七割にふやし、製薬関係の労働者を千二百名から七百名に減らそうとしております。アイルランドに原薬工場をつくり、二〇〇四年度から稼働させる。塩野義製薬は、千五百名を千二百名に減らす。山之内製薬は、三月末に二工場を閉鎖いたしました。多くの企業が、今後、シンガポールや中国など海外への進出を計画しております。国内に製造工程を残しても、分社化や外注で大幅な賃下げ、人減らしを行う。これは不況の一層の長期化を引き起こし、海外に進出すれば、それ以上の打撃となって日本経済を空洞化させる。
 参議院で、我が党の小池議員の同趣旨の質問に対し、政府は、製造に特化した受託業などの新しい事業が創出されるなどとし、雇用の面から見ますとプラスになる、現実にはこうした海外移転はそう容易には進まないのではないかなどと、極めて楽観的な答弁を繰り返しております。現に、各製薬企業の分社化などで賃下げ、人減らしが行われ、海外進出が進められているのに、何を根拠にこんなことを言うのでしょうか。
坂口国務大臣 私は具体的な数字を知っているわけじゃございませんけれども、そうした製薬会社が海外に行かれるというのは、何かほかの、別のことがあって行かれるんじゃないですか。この血液の問題で今度こういう法律ができて、そのことによって、その影響で海外に行かれるとは私は思いませんけれども。それはもっと大きな視野の中で、それぞれの企業の一つの方針として、そういう方針をお決めになったのではないかと思います。
小沢(和)委員 それはもう全く的外れな答弁なんですよ。
 私が聞いているのは、もう血液の話は既にとっくに終わって、改めて今度は、製薬企業が今どんどん分社化したり、それから海外に進出したりしている、こういうことをやれば、日本経済全体から見れば大変な賃下げなども起こるだろうし、あるいは日本経済の空洞化につながらないか、こういう懸念を今申し上げたわけです。いかがでしょう。
篠崎政府参考人 私の方から先に御説明させていただきます。
 今回の薬事法の改正では、製造販売業者が市場に製品を供給するに当たって最終責任を負うということになっております。このため、生産部門の海外移転を行う場合でありましても、その製造販売業者の責任で日本の薬事法基準を満たすような施設あるいは人材などの確保を図らねばなりません。そういうことから、それには新たな投資コストあるいは投資リスクが生じる可能性が高いというようなことから、現実にはこうした海外移転は容易には進まないのではないかと私どもは関係者から聞いておるところでございます。
 むしろ、今回の制度改正によりましてアウトソーシングが促進をされまして、製造に特化した受託業を含む医薬品産業全体の生産性が向上することも考えられますので、こうした製造受託業などの新事業創出にもつながりまして、雇用や景気の面からもプラスになるのではないか、私どもはそう期待をいたしておるわけでございます。
小沢(和)委員 アウトソーシングで新しい雇用が生まれるなどというのは、私は、全く幻想だと。逆に、現在雇用されている大手の製薬労働者などがどんどん人減らしに遭ったりして、差し引きしたらマイナスにしかならないという懸念を、もう一度私は申し上げておきます。
 それで、最後に、フィブリノゲン投与によるC型肝炎の大量感染問題でお伺いしたいと思うんです。
 我が国では一九六四年にフィブリノゲンの製造が承認され、以後二十八万人以上がこれを投与され、一万人以上がC型肝炎に感染していると言われております。アメリカでは七七年には既に承認が取り消されておりました。ミドリ十字や厚生省も早くからその情報をつかみながら、何ら手を打たなかった。その責任は重大であります。
 きょうは時間もないので、参議院では、我が党の小池議員だけでなく、多くの議員がこの問題を取り上げ、この問題の経過、責任などを追及しておりますし、政府はいろいろ今後の調査を約束しておりますが、それが二カ月たってどうなっているかということをお尋ねしたい。
 つい数日前にも、青森県で集団感染が公になる前に、静岡や広島など六県で実は十八名が発病していたのに、旧ミドリ十字本社が事実を隠ぺいするよう指示していたことが厚労省に報告されたと聞いております。これ以外にもどんな新しい事実がわかっているのか、簡潔に報告していただきたい。
宮島政府参考人 フィブリノゲン製剤投与によりますC型肝炎が発生している問題につきましては、現在、事実関係を明らかにするために、省内調査、文献調査あるいは海外調査、そういった各種の調査を進めております。
 これまで、調査し、まとまった段階におきまして順次その中間段階のものを公表しておりますけれども、これまで五月三十一日と七月十七日の二回にわたり中間段階の成果を公表しております。一番直近の七月十七日におきましては、旧薬務局及び関係部局等の職員や審議会委員等を対象とするアンケート調査結果を公表しております。それから、フィブリノゲン製剤に関する医薬局及び関係部局の行政文書を公表しております。それから三点目には、厚生労働大臣による報告命令に対する三菱ウェルファーマ社からの回答も公表したところでございます。
 さらに、七月九日には、フィブリノゲン製剤とC型肝炎の発生との関係に係る知見の変遷等に関しまして、日本産科婦人科学会を初めとする六学会等からの回答を公表しているところでございます。
 現在、アンケート調査結果を踏まえまして、旧薬務局及び旧国立予防衛生研究所の職員、あるいは審議会等の委員につきまして、個別の聞き取り調査をして事実関係のさらなる解明を行っているところでございますので、その調査結果をできるだけ早くまとめて、また公表したいというふうに思っておるところでございます。
小沢(和)委員 政府は、今年度から、老人健診の項目にC型肝炎ウイルス検診を入れました。これは評価できる措置だと思いますが、実施市町村の見込みはどうか。ぜひ全国で今年度一斉に実施してほしいと思いますが、実施できないところは何が障害か、それを打開するために政府としてどういう取り組みをしているかお尋ねして、質問を終わります。
堤政府参考人 老人保健法におきます肝炎のウイルス検診は、C型肝炎の緊急対策の一環として、十四年度から、五歳刻みで行う節目検診と、過去に肝機能異常を指摘された方に対して行う節目外の検診、二本立てで導入をしたわけでございます。
 この三月に準備状況について全国の市町村を調査いたしましたところ、節目検診では約九割の市町村、節目外の検診では約七割の市町村が十四年度から取り組むということでございます。十四年度から実施できない市町村につきましては、いろいろその理由はあるようでございますが、一番大きいのはやはり実施体制が整わないということのようでございました。
 ただ、私どもといたしましては、そういう予定のないと言ってきた市町村におきましても十四年度中にぜひ実施をしてほしいということで、この四月に全国都道府県に対しまして、市町村が実施する際に、例えば県内の医師会とかの関連団体、あるいは医療機関、検査機関等とも連携がとれるよう県がきちんと連絡調整をするなど支援をしてほしいということを指示いたしました。
 また、現在、その後の実施状況を調査しております。その状況も踏まえて、今後さらにできるだけ早く実施できるように都道府県、市町村に指導してまいりたいと思います。
小沢(和)委員 終わります。
森委員長 次に、阿部知子君。
阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
 きょうは会期末も控えました七月二十四日で、他の各委員会も余り開かれておりません中、この厚生労働委員会は熱い思いで、特に薬害エイズ、クロイツフェルト・ヤコブと、実際にその被害者となられた方あるいは弁護にかかわった方たちも参考人に加えての、本当に息詰まるような審議の一日だったと思います。大臣初め関係委員の皆様にも大変御苦労さまと思いますが、ある意味で最後に坂口厚生労働大臣の御決意を伺いたいと思います。
 どういうことかと申しますと、薬事行政並びに血液行政に関しまして、今後、特に薬事のさまざまな、製造にかかわる製造業者、あるいは販売元業者に関しては、さまざまな義務規定、あるいは患者さんを診察する医療機関に対しては努力義務規定が課されて、こうした薬剤健康被害を起こしていかないような体制という枠組みをつくろうという法改正でございますが、この法改正の枠の中では、国の明らかな安全確保の義務ということがある意味では明記されておらないように思います。
 そこで、ここは大臣の御決意と、特に行政機関の長として、この間さまざまに解決してこられた実績を踏まえて、安全行政にかかわる国の責任の明記並びに御決意をまず伺いたいと思います。
坂口国務大臣 大きい枠組みのところから申しますと、これは献血のあるいは血液確保の推進でありますとか、あるいは基本計画でありますとか、そうしたことを初めとし大枠のところは国が責任を持つ、そして、実際に献血をしていただく、あるいは血液製剤をどうするかといったような血液製剤そのものにかかわりますところの責任は、これは赤十字でお持ちをいただく。血液製剤と申しますか、保存血液及びそれからつくりますところの製剤につきましては、御自身が、赤十字自身で責任をお持ちいただくということでございますけれども、最終的、トータルでは、やはり国がすべて責任を持つということでなければならないと思っております。
 そうした中で、今回具体的な問題といたしましては、医療機関からのいわゆる副作用等の情報の報告につきまして義務づけをいたしますとか、あるいはまた、生物由来製品につきまして製薬企業からの感染症の定期報告を求めること等、強化を図ったところでございますし、製薬企業等に対しましては、安全性の問題に起因して必要があれば、幅広く改善措置を命ずることができるようにいたしました。
 そしてまた、厚生労働大臣は、この感染症等の報告を受けました場合に、これを審議会に報告をしなければならない。今までは厚生労働大臣だけに報告を受けていたわけでございますけれども、それは受けただけではなくて、審議会の方に直ちにその状況というものを報告申し上げて、そして審議会におきましてもその対応をしていただく、こういう仕組みにさせていただいたところでございます。
阿部委員 御丁寧な答弁をありがとうございます。
 私は、もし今回の血液事業法並びに薬事法の改正に欠けたもの、欠けた点があるとすると、例えば薬剤メーカー、特に元売業者が厚生省に、ある薬害の情報を上げてきた場合に、厚生省としてはどういうふうな形で独自の調査体制、情報収集体制を持っているかということ。そして、情報収集をした場合に、それをどのように返していくかということにおいて大きな危惧を覚えております。
 きょうも何人かの方から御指摘でしたが、一九八三年、いわゆるバクスター社から厚生省にエイズ発症の危険性については警鐘が鳴らされたが、その後厚生行政として実際には血液製剤の販路についての改善がなされなかった。あるいは、一九八七年、逆に、クロイツフェルト・ヤコブの場合はCDCから、業者からではなくCDCから厚生省に情報が届けられたが、それが実際の行政には行き渡らなかった、こういう事例もございます。
 厚生労働省として、今後ますますふえる海外とのいろいろな、グローバル経済化の中で起こるいろいろな危機について、まず情報収集能力、情報収集体制というものを厚生省内にどのように手厚く配置されておるかということを一点、実務サイドにお伺いいたします。
宮島政府参考人 医薬品等につきますいわゆる危機管理といいますか、そのためには、やはり必要な情報を幅広く速やかに収集するという体制、システムをきちっと持つことが重要かというふうに思っております。
 そのため、今回、従来の法律におきましても、いわゆる副作用報告という形での企業からの報告は義務づけておりましたけれども、今回新たに医療機関についてもこれを義務づけたということと、それから、感染症定期報告という新しい報告制度も設けたという形で、幅広く情報収集をできるという体制をつくったわけであります。
 そうして収集された情報につきましては、先ほど大臣からもお話がございましたように、単に行政の事務局で抱えるのではなくて、いわゆる審議会の場にもそれをきちんと提供して評価していただき、場合によっては審議会からも自主的な御意見をいただくという形のシステムも今回つくられたということでございます。
 こういった幅広い情報を収集、提供するというのは、それなりの、御指摘のように、人員なり組織体制というのをきちっとやはり整備していく必要があるというふうに我々も考えておるところでございまして、これは、先ほどもお答えいたしましたけれども、なかなか公務員自身をふやすというのは非常に難しいわけでありますけれども、今回、いわゆる審査、調査関係も含めまして、新しくいわゆる独立行政法人の形で統合、強化するというものもあわせて進めておりますので、そういった中でスタッフなり組織体制の強化というものを図って、そういう情報収集についての機能の強化を図っていきたいというふうに思っているところでございます。
阿部委員 私が今の御答弁を聞き違えたら申しわけないのですが、今度新たにつくられる承認のための独立行政法人にそうした調査能力を課していくというのは、そもそも人員的にもかなり無理があると思います。できないことを最初からやれると言ってしまえば、結局どこかに落ち度ができます。私は、やはりこれからの国の役割というのは、安全行政ということが第一になり、そのための人員ということをきちんと体系立てて保障していくということが国政の何よりの役割と思っております。
 日本の中で特にCDCのようなきちんとした疫学のデータバンクがないということ、あるいは厚生省内にも情報収集にかかわる専門部署の人数が手薄いこと、このことも現実でございますから、これは何も総定員法の枠等々あるからといって、そこでとんざするのではない、やはり何が国民のために必要かということをきちんと明らかにされていく。そして、その中で緩和すべき規制緩和はあろうかし、しかし、ここは緩和してはいけないというところも私はあると思います。そのめり張りがなければ、結局、危険性は国民がかぶるということになりますので、今の御答弁の中、独立行政法人の中に調査能力を課していくというふうな一文は削除していただきたいと思います。
 あわせて、これは坂口厚生労働大臣の御答弁にありましたが、これからは、例えば企業サイドから寄せられた感染症情報、あるいはさまざまに自主的に得られた感染症情報あるいは薬害情報を審議会にもお伝えして、そこでさらに評価していただくというお話でしたが、はたまたけさの参考人のお話を伺いましても、この審議会の実態というのは極めて、端的に言うとお寒いという指摘でございました。
 私はやはり、この審議会も過渡的なものですので、どういうものにつくり上げていくかに坂口厚生労働大臣ならではの手腕をぜひとも生かしていただきたい。これは、一方で強化すれば、アメリカのFDAのような組織にもなり得るものでもあります。そして、そのような必要性も高いことは各委員から指摘されておりましたが、例えば審議会に遅刻してこられる委員がおられるとか、開催回数も、先ほどから御指摘のように極めて少ない、あるいは審議会の中に独自の調査能力を持たない。こうした、ない、ない、ないでは絶対に、幾ら情報を投げても、処理することもできなければその以降の経験にしていくこともできないと思います。
 私は、この場で一つだけ、きょう午前中の参考人がお話しでございました、特に日赤の方でございましたが、この審議会に日赤はいわゆるオブザーバー参加という形であるというふうに私は伺いましたが、やはりこれから、先ほど坂口厚生労働大臣のおっしゃった、血液の、国の責務による、そして赤十字ということを介しての安定供給ということを図った場合に、もっと日赤の実務者サイドの方にも審議会にきちんとした発言権を、あるいは場合によっては議決権、ここは私もまだわかりませんが、きちんとしたポジションを与えていただいて進めていただきたいと思いますが、この一点お願いいたします。大臣にお願いいたします。
坂口国務大臣 審議会のあり方につきましては、よく考え、そして期待にこたえられるものにしていきたいというふうに思いますし、赤十字の話は、赤十字が実際に現場を預かるということもあって、そのさまざまなことは聞かなければなりませんけれども、その現場の意見だけに偏ってはいけないということもあるのではないかというふうに思っております。
 しかし、内容によりましては赤十字が入っていなければ何も決まらないこともあるわけでございますし、ここが一番大きな役割を果たすところもあるわけでございます。したがいまして、それらの点はよく見きわめて、赤十字がここにどういうかかわりをしていくか、どういう立場になったら一番いいのかということもよく検討いたします。
阿部委員 血液というのは私たちの生きている日常、毎日のことですから、やはり私は、大臣今検討してくださるとおっしゃいましたが、赤十字の毎日の、連日連夜の仕事ということをきちんと、逆に審議会の方も組み込みながら行われていく体制にぜひとも進めていただきたい。
 そして、もう一つ確認の御答弁をいただきたいですが、いわゆる遺伝子操作由来の第8因子は今までの審議の中で特定生物由来製品として扱われるというふうに確認していただいてよろしゅうございましょうか。坂口厚生労働大臣にお願いします。――確認ですから、大臣にお願いいたします。先ほど来、何人も伺いました。
坂口国務大臣 現在のまま、変わることはございません。
阿部委員 せっかくお立ちくださいましたから、申しわけないから質問いたしますが、今E型肝炎のことが話題になっておりますが、もしかして豚肉等々の関係もあるかもしれないと言われております。
 例えば、人工弁、豚からとる人工弁というのもございますが、こうした人工弁はリスク区分の中でどこに入るのでしょうか。お願いします。
宮島政府参考人 生物由来製品に該当するということでございます。
阿部委員 私は、このあたりが極めて危険だと思うのです。このE型肝炎も今後さらにわかってくるでしょうが、もしも人畜共通感染症のようなものの兼ね合いがあった場合に、生物由来と特定生物由来はやはり遡及性が違ってまいります。よくよく今後、そうしたことが本当に審議会に投げられて、どっちにするかという判断がつくものかどうか、極めて多数の情報を集めて決断していかなくちゃいけませんから、今の御答弁、とりあえずはいただきますが、しかし私は、これからの時代、本当に危険性は予知できないと思います。ですから、こういうリスク分けを簡単にしていくということも、十分にこれは吟味しなければならない。逆に、評価をきつい方に置いておく方が間違いがないということを一点申し添えさせていただきます。
 引き続いて、次の質問をお願いいたします。
 私は、今回の法制化で、改正で、一つは情報収集体制がまだ不備があろうという点と、もう一つ、集めた情報を患者さんに返す仕組みにおいて非常に不安がございます。
 どういうことかと申しますと、先般私どもの中川智子が坂口厚生労働大臣にお伺いいたしました件ですが、クロイツフェルト・ヤコブ病で国の研究班が掌握している八十二名の方のうち、まだ原告団に加わっておられない三十一名については、御自身の硬膜移植歴、あるいはそうした病気であるということを御存じないやもしれない。これは推定でございます。そこで、厚生労働省として、各医療機関に、その患者さんに信頼関係においてお話しくださるよう、そして話されれば責任は厚生労働省の救済機構の中でとりますよというお話を大臣からいただきました。
 しかし、果たして実際に医療機関が患者さんに本当に伝えたかどうか、最終フォローアップというものがございません。
 この点について、実務者からお願いいたします。
下田政府参考人 硬膜移植歴のあるクロイツフェルト・ヤコブ病につきましては、従来から、報告を行った医療機関におきます主治医から患者、家族へ適切な情報提供がなされるよう、調査実施要領を示すなどの配慮をしてきたところでございます。
 また、本年七月五日に開催をされました厚生科学審議会の中のクロイツフェルト・ヤコブ病等委員会におきまして、報告を行った医療機関から患者、家族へ説明を実施したかどうか再確認をする必要があるというふうにされたところでございます。
 これを受けまして、厚生労働省におきましては、今後、各医療機関に書簡を送付し、患者、家族への情報提供がなされるよう努めてまいりたい、このように考えております。
阿部委員 今局長が御答弁くださいました、最終的に医療機関が患者さんにお話しくださったかどうかの再確認作業というのは極めて重要だと思います。また、それをやったとしても、患者さんも既に亡くなっており、主治医も亡くなっており、すべてがやぶの中というケースすら私はあると思います。
 しかし、それを現在どうこうできるわけではないので、せめて国の姿勢として、最終消費者である、そして御当人である患者さんへの情報の最終的な伝搬ということを確認するという態度をこれからもお持ちいただけるか否かについて、坂口大臣に総括的な御答弁をお願いいたします。
坂口国務大臣 ヤコブ病につきましては、上田先生ですか、今後のそうした問題を引き受けて中心になっておやりをいただくということでございますので、先般、おうちにお邪魔をさせていただきましたときにも、お父さんがお医者さんで亡くなられて、御子息がその後を引き受けておみえになります。私がちゃんとやらせていただきますからという話でございましたので、よく連絡をとらせていただきまして、やれるようにしたいと思っております。
阿部委員 ありがとうございます。
 やはり、きょうの家西委員、あるいは参考人の皆さんも、御自身のいろいろな苦しみを抱えながら、同じような被害に悩む方たちと手をとり合って前進してくださっています。そのことに、厚生労働省としても、逆に、起こしたことの責任とともに、また、密に患者さんの声を聞きながら、前進していただけるようお願い申し上げます。
 私のこの法案への質疑はこれで終わりにいたしまして、引き続いて東京女子医大問題に移らせていただきます。
 東京女子医大で平柳明香ちゃんという十二歳の女児が手術ミスによって亡くなったということ、これも我が党の中川智子が既に問題にいたしまして、この間、医師二名が逮捕され、また、女子医大は係争中の事例を十九例も抱えており、最多の病院でございますが、あわせて、こうしたこともこれあり、この間、社会保障審議会の医療分科会の方からも特定機能病院の取り消しも答申がされております。
 こうした事態も既に厚生労働省としても御承知おきと思いますが、実は、厚生労働省には、この平柳明香ちゃんの事件以外にも、女子医大にかかわりまして、御家族、御遺族から何件か、御相談、あるいはこのように指導してほしいという案件が上がってきておると思いますが、一体何件ございますでしょうか。
篠崎政府参考人 全部で三件でございますが、ちょっと詳し目に御説明をさせていただきますと、本年二月から五回にわたって審議をしてまいりました。この経過におきまして、御指摘の事例も含めて、ほかに三つの事例について分科会あてに意見書などが提出されたところでございます。これらの意見書なども参考に御議論をいただいた結果、東京女子医科大学病院については、特定機能病院の承認取り消しが相当であるという意見が取りまとめられたものでございます。
阿部委員 承認の取り消しは、先ほど言いましたような社会保障審議会の方からも答申されておりますが、私は、事態はそれではとどまらないところにもう一つ大きな問題があると思います。
 昨日、私のところに来られたみをかさんという方の御両親ですが、一歳二カ月で、この平柳明香ちゃんの心臓の手術の約一週間前に同じ女子医大で心臓の手術を受けられて、ほぼ九割成功するでしょうと言われていた赤ちゃんが、術後、意識を回復することなく亡くなった。そして、このケースにおきましても、御持参いただきましたカルテ等々に明らかに改ざんの跡がある。そればかりか、この御両親が女子医大の方に面会を何度も何度も求めても、一貫して女子医大の方でお会いくださらない。そして、その件を厚生省に文書としてお出しになっていると思います。
 やはり、患者さんに対して医師がきちんとした説明、納得が最終的にいくかどうかは別ですが、誠意を持って対応するというのが医療の根本で、入り口、本当に突端であります。今回がどのようなミスであり、あるいは罪量がどのくらい、罪刑がどのくらいであるかは後に裁判で明らかになるとしても、患者さんが主治医にすら会えない。そして、実はこの主治医とは、平柳明香ちゃんの事件で問題になった小児循環器外科の主任教授、心研の所長でもありました。
 私は、こうした事態を踏まえたとき、厚生労働省として、もちろん特定機能病院の取り消しというのは一つの決断でございますが、それと同時に、患者さんから要望がある、ぜひとも医療機関の主治医と会いたいということについて御尽力をいただけまいかと思いますが、これも御答弁をいただきます。
篠崎政府参考人 今御指摘の事例につきましては、三月の二十八日に、この分科会に意見書等を提出させていただきました。その結果、七月の十二日の社会保障審議会医療分科会の意見書におきましても、医療事故などが発生した際には、事実関係などについて患者や家族に納得できるよう適切な説明を行うことなど、今回の事件の反省を踏まえた適切な対応をとることということが指摘をされております。
 また、これらについては、医療事故が発生した際には、患者や家族に対して十分な説明を行うこと、院内報告制度により直ちに報告を行うことなど、職員に対する研修を徹底させることなども含めて、東京女子医大の方から提出されている改善報告書に基づき着実な取り組みが図られる必要があると考えております。
 今後は、東京都と連携をとりながら、その取り組み状況も継続的にフォローしてまいりたいと考えております。
阿部委員 今の審議会の結論というか、一つのお考えが出ましたのが七月の十二日ですが、以降もまだ患者さんは病院側とは会えておりません。ですから、事件の反省を踏まえた適切な対応はまだとられておらないという事態です。
 そしてまた、このケースも、平柳明香ちゃんのケースも、病院の安全管理委員会にはケースが報告されておりません。そこで、私が質問主意書で伺いました特定機能病院で幾つ医療事故がありましたかという、あの事故ケースには出てこない構造をとっております。
 となると、厚生労働省が特定機能病院に安全管理委員会を設け、そこに事故報告をしなさいと言っても、重要な事故がぼろぼろと抜け出ておる。この実態について、篠崎局長にも再度御答弁をお願いいたします。
宮島政府参考人 特定機能病院につきましては、平成十二年度からはいわゆる安全管理体制の確保をすることが義務づけられておりまして、その中で、御指摘の院内報告制度の整備というのもあります。
 厚生労働省としましては、医療法に基づく立入検査におきまして、特定機能病院におけるこういった安全確保体制の確保状況をチェックし、必要な指導を行ってきておるところでございます。
 東京女子医科大学病院につきましても、本年一月に立入検査をいたしまして、院内報告制度の趣旨が職員に徹底していないという問題、それから、安全管理委員会が必ずしも適切に機能していなかったということ、それから、安全管理のための職員研修が十分に行われていなかったという問題点を指摘し、改善の指導を行ったところであります。
 これに対しまして、東京女子医科大学病院からは本年二月に改善計画書が提出されたところでございます。現在、この計画書に基づきまして、東京女子医科大学がその実施をしているか、実施状況についてフォローしていくということでございます。
阿部委員 先ほど来申しますように、厚生省が指導しても実際に最終的に行われたかどうかというところが極めて重要でございますから、このケース、みをかちゃんというケースを私はきょう挙げさせていただきましたが、厚生労働省としても、さらに患者さんの声を聞き、お取り組みをいただきたい。
 そして、実は、参議院の方で参考人に出ていただきました林院長、この方は、安全管理委員会の長でありながら、実際に起きた平柳明香ちゃんのケースをこれに院長みずから報告せず、委員長としても処理していないという、本当に信じられないような事態です。しかしながら、もしかしてこれは女子医大だけではないかもしれません。
 そこでお伺い申し上げます。
 今後、同じようなカルテの改ざん、ミス隠し、あるいは患者さんに対しての不適切な、不誠実な対応等々が他の特定機能病院で見られた場合、厚生労働省としては、今回東京女子医大に対してとられておるような厳密な措置、そして、まだ一部分フォローが欠けておりますが、そうしたこともあわせてきっちり指導していかれるお気持ちがありや否や。これは、恐縮ですが、最後の御質問ですので坂口大臣にお願いいたします。
坂口国務大臣 承認取り消しも含めまして、厳正にこれは対応していきたいというふうに思います。
 また、各病院に対しましては、やはり説明義務がございますしいたしますから、これは、そうした問題が起こりましたときには謙虚に対応をするように厳重に指導していきたいと思います。
阿部委員 前向きな御答弁、ありがとうございます。
 やはり、患者、家族は、まず知りたい、説明してほしい、しかし会えもしないというのが現状ですので、厚生省としてのさらなるお取り組みをお願いいたします。ありがとうございました。
森委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
森委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 内閣提出、参議院送付、薬事法及び採血及び供血あつせん業取締法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
森委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
森委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
森委員長 次に、厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、鴨下一郎君外六名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党、日本共産党、社会民主党・市民連合及び保守党の七派共同提案による医薬品・医療機器の安全対策の推進に関する件について決議すべしとの動議が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。鴨下一郎君。
鴨下委員 私は、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党、日本共産党、社会民主党・市民連合及び保守党を代表いたしまして、本動議について御説明を申し上げます。
 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。
    医薬品・医療機器の安全対策の推進に関する件(案)
  我が国の国民があまねく近代的医療の恩恵を享受しうる社会環境が整備され、先端技術を用いた医薬品・医療機器が多くの患者の生命を救い、あるいは予後の改善をもたらしてきた。しかしながらその一方で、サリドマイド、スモン、HIV感染、クロイツフェルト・ヤコブ病感染という医薬品・医療機器による健康被害が発生したのも事実である。政府は、こうした健康被害を再び発生させることのないよう最善の努力をするとともに、速やかに次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
 一 生物由来製品は、遺伝子組換え技術などバイオテクノロジーを駆使したものを含め、既知または未知の病原体が混入する危険性を完全に排除することができないことを十分認識し、原料の採取に当たっては、安全や倫理についての特段の配慮がなされるようにするとともに、常に最先端の科学的知見をもって市販後安全対策を推進すること。
 二 血液製剤は、人体の一部である血液を原料とするものであることから、倫理性、国際的公平性等の観点に立脚し、国民の善意の献血による血液によって、国内自給を達成できるよう、全力を傾注すること。また、昭和三十九年八月二十一日の閣議決定に基づき多くの関係者が献血運動を推進すべく努力を積み重ねてきたことを踏まえ、献血に対する更なる国民の理解と協力を得るため、関係省庁間の連携体制を強化すること。
 三 医薬品・医療機器の承認審査をより迅速化するとともに、安全対策の充実や監視指導の徹底を図るため、必要な組織・人員体制の拡充が図られるよう、十分な検討を行うこと。
 四 血液製剤の遡及調査を円滑に実行するとともに、適正使用を徹底するため、医療機関の体制確保を含め具体的施策を講ずること。医療関係者が、特定生物由来製品のリスクとベネフィットの説明を十分患者に説明できる環境を整備すること。
 五 人工血液については、その有効性及び安全性が確認されたものの製品化が促進されるよう、研究開発の促進を図ること。
 六 医薬品技術の高度化をはじめとする保健医療を取り巻く環境の変化に対応し、薬学に関する高度な知識及び保健医療の重要な担い手としての必要な資質を有する薬剤師が求められていることを踏まえ、薬剤師の生涯研修の拡充、薬剤師国家試験の受験資格の見直し、薬学を履修する教育課程の在り方等について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとすること。
  右決議する。
以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
森委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
森委員長 起立総員。よって、そのように決しました。
 この際、坂口厚生労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。坂口厚生労働大臣。
坂口国務大臣 ただいまの御決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、努力してまいる所存でございます。
 いろいろありがとうございました。
森委員長 なお、本決議の議長に対する報告及び関係方面への参考送付等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
森委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次回は、来る二十六日金曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時十九分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © 2014 Shugiin All Rights Reserved.