衆議院

メインへスキップ



第6号 平成14年11月13日(水曜日)

会議録本文へ
平成十四年十一月十三日(水曜日)
    午前十一時開議
 出席委員
   委員長 坂井 隆憲君
   理事 熊代 昭彦君 理事 長勢 甚遠君
   理事 野田 聖子君 理事 宮腰 光寛君
   理事 釘宮  磐君 理事 山井 和則君
   理事 福島  豊君 理事 武山百合子君
      岩倉 博文君    岡下 信子君
      奥谷  通君    倉田 雅年君
      佐藤  勉君    田村 憲久君
      竹下  亘君    棚橋 泰文君
      平井 卓也君    松島みどり君
      三ッ林隆志君    宮澤 洋一君
      森  英介君    谷津 義男君
      山本 幸三君    吉田 幸弘君
      吉野 正芳君    渡辺 具能君
      家西  悟君    石毛えい子君
      大島  敦君    鍵田 節哉君
      金田 誠一君    土肥 隆一君
      三井 辨雄君    水島 広子君
      江田 康幸君    桝屋 敬悟君
      佐藤 公治君    小沢 和秋君
      山口 富男君    阿部 知子君
      中川 智子君    川田 悦子君
    …………………………………
   厚生労働大臣       坂口  力君
   厚生労働副大臣      鴨下 一郎君
   厚生労働副大臣      木村 義雄君
   厚生労働大臣政務官    渡辺 具能君
   政府参考人
   (厚生労働省医政局長)  篠崎 英夫君
   政府参考人
   (厚生労働省健康局長)  高原 亮治君
   政府参考人
   (厚生労働省雇用均等・児
   童家庭局長)       岩田喜美枝君
   政府参考人
   (厚生労働省保険局長)  真野  章君
   政府参考人
   (厚生労働省政策統括官) 青木  功君
   厚生労働委員会専門員   宮武 太郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月十三日
 辞任         補欠選任
  後藤田正純君     倉田 雅年君
  西川 京子君     岩倉 博文君
同日
 辞任         補欠選任
  岩倉 博文君     西川 京子君
  倉田 雅年君     後藤田正純君
    ―――――――――――――
十一月十三日
 社会保険労務士法の一部を改正する法律案(第百五十四回国会衆法第四三号)(参議院送付)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 独立行政法人国立病院機構法案(内閣提出、第百五十四回国会閣法第八三号)
 厚生労働関係の基本施策に関する件


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――
坂井委員長 これより会議を開きます。
 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として厚生労働省医政局長篠崎英夫君、健康局長高原亮治君、雇用均等・児童家庭局長岩田喜美枝君、保険局長真野章君及び政策統括官青木功君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
坂井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
坂井委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。三ッ林隆志君。
三ッ林委員 おはようございます。自由民主党の三ッ林でございます。
 現在は、非常に厳しい経済状況の中にありまして、経済再生に向けてさまざまな対策の必要性が各方面から言われております。私も、地元でありますとかいろいろなところでまたたくさんの御要望をいただいているわけですが、本日の質問をするに当たり、初めに雇用対策についてお聞きいたします。
 小泉総理は、九月三十日の内閣改造で不良債権処理の加速を最優先課題と表明し、十月三十日の経済財政諮問会議において改革加速のための総合対応策を策定しました。
 これらの対策に対し、民間シンクタンク等では、不良債権処理により失業率が一から二%増加するとの試算も出されております。現在、既に完全失業率が五カ月連続で五・四%の高さに上っておりまして、今後、六%台また七%台になると社会の安定に与える影響は極めて大きいと言わざるを得ません。日本経団連の奥田会長も、失業率は六から六・五%が限度であると発言し、十分なセーフティーネットの整備が必要としております。
 これらに対し、政府においては、改革加速のための総合対応策の中で、不良債権処理就業支援特別奨励金の創設、地域中高年雇用受皿事業特別奨励金の創設などといった雇用対策のメニューを示しておりますが、いずれも、項目のみで具体的な内容や財政規模が明らかにされてはおりません。
 去る十月二十三日に、日本経団連は緊急雇用対策プログラムを提言し、その中で、「雇用情勢の悪化に伴う緊急雇用対策の実施」として、平成十四年度から十六年度の三年間にわたり一般財源から一兆円を支出して、さまざまな緊急の雇用対策を実施するように求めております。これは、短期雇用創出の具体例やサービス関連分野における雇用拡大の事例が挙げられておりまして、政府としても参考にすべき内容ではないかと思っております。
 こういった経済団体の提言なども踏まえて、政府として、今後、具体的にどのような雇用対策を講じようとしているのか。また、それをどの程度の財政規模で行おうとしているのか。さらに、一般財源も雇用保険特別会計もいずれも厳しい財政事情の中で、いかなる財源措置によってこれを実施しようとしているのか。鴨下副大臣にお聞きいたします。
鴨下副大臣 おはようございます。副大臣を使ってくださいまして、ありがとうございます。
 先生おっしゃるように、今後、雇用政策については政府を挙げてやっていかなければいけない、このことについてはまさに先生おっしゃるとおりでございます。
 今、不良債権処理の加速にあわせまして、産業再生に取り組むというようなことを両輪のように兼ね合わせて、最終的には経済を活性化していくことが雇用の維持、創出を図るというような観点からも最も重要なことであるわけでありますけれども、そのプロセスの中では、多分、これから多少の失業そして離職の方々の数もふえるのではなかろうか、こういうようなことも予測されます。
 したがって、私たち雇用を所掌する厚生労働省としましても、一人でもそういうような方が少なくなるようにいかに政策を総合的に動員していくか、こういうようなことについて今考えているところであります。
 先ほどの先生の御質問の中にもありましたように、昨日、政府は産業再生・雇用対策戦略本部を設置したところでありますが、この中で、産業再生と雇用対策を一体的に推進する、こういうような体制は整ったわけであります。
 ただ、それから先は、今度は政府を挙げてということでありますけれども、私たち厚生労働省としては、今回まとめました改革加速のための総合対応策において、雇用面でのセーフティーネットを整備していく、こういうようなことを万全を期してまいりたい。
 一つには、不良債権処理の加速に伴い雇用調整を行わざるを得ない場合に、体系的な再就職支援を行う不良債権処理雇用支援プロジェクトの実施をしていく。これは、具体的には今さらに詳しく検討をしているところでありますが、再就職支援だとか出向だとか新事業の展開、そして職業相談、こういうような柱でもって検討をしているところでございます。
 さらに、二つ目には、ハローワークにおけるキャリアコンサルティングをより分厚いものにしてミスマッチをできるだけなくしていき、速やかに再就職できるようにしていきたい。
 三つ目には、民間企業による中高年者等の新たな雇用機会の創出のために努力をしていきたい。
 こういうようなことを中心にやってまいりたい、このように思っておりますが、委員が最後に御指摘になりましたように、一般財源も含めて多面的、多重的に雇用政策をやっていけ、こういうようなことでありますが、これはもう政府挙げて、小泉内閣挙げてやらなければいけない話でありまして、ぜひそういう趣旨で厚生労働省の方にも御支援賜りますように、よろしくお願い申し上げます。
三ッ林委員 具体的な財政規模でありますとか財源措置についてちょっとお聞きできなかったのが残念です。
 そして、きのうの月例経済報告では、一年ぶりに景気判断を下方修正するとのこともありまして、今後も厳しい経済状況が予想される中、ぜひとも十分な雇用対策などのセーフティーネットの充実をお願いいたします。
 次に、現在話題になっております少子化対策について、幾つかお聞きいたします。
 現在の少子化については、政府としましても大きな問題ととらえて、平成十一年には子育て支援を中心に新エンゼルプランを策定し、小泉総理の指示もあり、ことしの九月には、少子化対策の一層の充実に関する提案として、少子化対策プラスワンが提案されております。これらで打ち出されております少子化対策の各項目は十分とは言えないまでもよいのですけれども、実際に達成されていかなければ効果としてはあらわれてこないと言えます。
 そこで、新エンゼルプランの各項目の進捗状況を見ますと、平成十一年度と十三年度のデータではありますが、かなりの項目が各年度の目標値を達成しているか、または目標値に近くなっておりまして、これは関係各位の皆様の御尽力のたまものと敬意を表する次第です。
 しかし、二項目ほどほかの項目に比べ進んでいないのが目につきまして、そのうちの一つが「乳幼児健康支援一時預かりの推進」という項目です。
 これは病後児保育のことで、子育てと就労の両立支援の一環として、保育所へ通所中の児童が病気になった場合、通常、親は迎えに来るように言われて、その後回復して通所できるようになるまでは家庭で様子を見るわけで、この間、家で面倒を見てくれる方がいればよいのですけれども、共働きであったり母子家庭であったりしますと仕事を休まなければならないわけです。病気がはしかや水ぼうそうならば、通所できるようになるまで一週間前後もしくはそれ以上かかりますから、大変な負担が生じてまいります。中には、治るのが待ち切れずに保育所等に通所させて、そこの保育所じゅうの子供にうつしてしまうというふうなこともよく経験することであります。
 このようなことを防ぐためにも、病後児保育は重要なこと、そしてまた充実させてほしいと思うのですが、昨年度までの目標が二百七十三市町村に対し実績が二百六市町村と、余り取り組みが進んでいないように見受けられます。これは、実施施設の設備などの要件が実態にそぐわないなどの問題があるのではないかと思うのですが、どうなのでしょうか。
 まず、現在の達成状況とこれらについての今後の取り組みについてお聞きいたします。
岩田政府参考人 仕事と子育ての両立は、特に子供が病気になったときに大変困難でございます。このために、子供が病気になったときには仕事を休める看護休暇制度の普及とあわせて、今委員がおっしゃいました病後児保育の普及が重要な課題であるというふうに思っております。
 新エンゼルプランでは、平成十六年度までに五百の市町村で取り組むという目標を掲げて取り組んでいるところでございます。実施状況ですが、新エンゼルプランの初年度でありました平成十二年度は百三十二の市町村で取り組まれておりましたけれども、十四年度、今年度は、それが二百五十まで現時点で伸びております。最近になって、やっと普及に弾みがつき始めたかなという印象を持っているところでございます。
 厚生労働省としましては、これまで補助金制度を何度か見直しまして、例えば、当初は医療機関にだけ認められておりましたのを、保育所にも併設することができるようにしたとか、当初は運営費だけの助成でございましたが、施設整備費も助成の対象にするなど、補助金の拡充にも取り組んでいたところでございます。
 さらに一層の普及が図られますよう、そしてその新エンゼルプランの目標が達成できますように、さまざまな機会を通じて、まずは市町村にその気になっていただく、その上で補助金がさらに使い勝手のいいようなものになるよう努力してまいりたいと思います。
三ッ林委員 当初の目標の約半分まで進んでいるということですが、当初の目標の五百市町村というのも、実際に病気の子を持ったお母さんから見れば、すぐ近くになければ絵にかいたもちと同じようなものなので、その目標値を目標値としてではなく、それよりもっと多くの、より使いやすい施設数というのも考えていただきたいと思います。
 そして、ほとんどのお母さんは、子供の病気が落ちついてきますと、いつから保育所や幼稚園に行かせられるのかということを気にしておられまして、私もよく聞かれるんですが、このような施設というのがすぐ近くに数多くあれば安心して仕事を続けられるということなので、無理に通所させて、また新たな病気の子を保育所内で発生させて、医療費を増加させるというふうなこともなくなるのではないかと思いますので、ぜひ推進はお願いいたします。
 そして、二項目のうちのもう一つが、「小児救急医療支援の推進」という項目でありまして、これは新エンゼルプランの中でも最も進んでいないという項目ではないでしょうか。
 つい最近も、救急病院で診察を受けられず、一関市内の生後八カ月の男児が死亡した記事がありましたが、以前から、小児救急医療体制の整備がなかなか進まないことがマスコミなどで取り上げられております。
 十月八日の新聞に、「小児科十年で一六%減 少子化で経営難」というふうな記事がありました。九州と山口県で小児科を持つ病院が二〇〇〇年までの十年間で一六・五%減っていることが厚生労働省の医療施設調査でわかったという記事でありまして、九州、山口八県すべてで減少し、最も減少率の高い宮崎県では約三分の一が閉鎖か小児科部門の削減に追い込まれている。少子化で採算がとれないことや、小児科医が確保できないことが原因で、各県は対策を検討しているという内容でありまして、厚生労働省のコメントというのは載っておりませんでしたけれども。
 このようなことはもう全国的な問題で、小児救急を担える小児科医の不足というものが指摘されております。早急な対策が必要とも言われておりますが、小児は急性の病気が多く、内科だけでなく、外科や皮膚科の病気であっても一時的にしろ小児科を受診することが多く、また、夜間や休日の受診も多いため、過酷な医療分野の一つとされております。そのためか、小児科を希望する医師数も減りつつありますし、小児科を選んだ方の場合でも、一年または二年ほどでほかの科に移ってしまうというふうな医師も少なくありません。さらに、病院経営においては、小児科は採算に合わないという理由で、減少傾向にあります。このような状況が続きますと、適時適切な医療を受けられない子供たちが増加し、そのことによってさらに少子化が加速化しかねないおそれも指摘されております。
 このような状況に対し、厚生労働省は、小児救急医療支援事業を行っているのでしょうが、当初の二次医療圏、三百六十地区に整備する目標を、昨年には二百地区に下方修正し、それでも進まないためか、本年度は、小児救急医療拠点病院の整備として、複数の二次医療圏で五十カ所を目標に整備をすることになっております。
 それらについて、現在の進捗状況と、また今後の対策についてお聞きいたします。
篠崎政府参考人 小児救急医療体制の整備につきましては、少子化対策の上でも大変重要なものであるというふうに認識をいたしております。
 先生の御質問、現在の進捗状況でございますが、平成十四年度中には、二次医療圏単位で当番制によって小児救急対応が可能な病院を確保いたしますいわゆる小児救急医療支援事業を九十七地区でできるという予測を持っております。
 また、今御指摘にもございましたような、二次医療圏単位ではどうしてもその体制が組めないというようなところにおきましては、複数の二次医療圏ごとに小児救急患者を受け入れる拠点病院事業をやっておりますが、この地区が約十九地区を見込んでおりまして、十四年度中に合計百十六地区でその体制が整うという予定でございます。
 さらに詳しく都道府県での実態の把握をしなければならないというふうに考えておりまして、十一月の末に、都道府県の小児救急担当課長会議を緊急に招集、開催をいたしまして、詳しく地域の実情を把握したり、また、それぞれの自治体で好事例、うまくいっているような事例の紹介などをしていただいて、施策の実効が上がるような運用改善を図っていきたいというふうに考えております。
 また、平成十六年度から新たな臨床研修制度が必修化されてスタートいたしますが、それに向けまして、小児科における研修を、三カ月を目安として、少なくとも一カ月以上の研修を必修化する、そういう方向で検討しておるわけでございます。
 そのようなことから、今後、小児救急医療体制の整備を図って、国民が安心できる医療を提供できる体制を早急に構築していきたい、このように考えております。
三ッ林委員 全国的な感覚からいいますと、まだまだ十分に進んでいるとは言えないというふうには思います。
 また、先ほどの研修制度で、三カ月小児科をというふうなことがありますけれども、小児の場合には、急性疾患が多くて、病気が多岐にわたること、また、軽度であっても、点滴などの手技というものになれるのにかなり時間がかかったりというふうな特徴もあります。私、自分の経験からいいまして、三カ月やったとして、一年後、二年後にその経験が実際の外来業務等で生かせるのかどうかというのはかなり不安を感じておりまして、できれば、もう少し長い期間が実際のところは必要なのではないかと考えております。
 そして、ただいま申し上げましたように、一つの処置をするにしてもかなり手間がかかる、そして、急性の疾患が多いために、場合によっては、二次もしくは三次救急の対応が求められたりというふうなこともありまして、小児科医だけではなくて、コメディカルを含めたマンパワーや、夜間であっても直ちに依頼できる小児の入院設備の整った二次救急施設の存在というものが、この小児の救急をやっていくためにはぜひとも必要と考えております。
 これらの問題の解決には、小児科医を希望する医師がふえ、小児科を開業する医師がふえるような抜本的な対策がなければ難しいのではないかと考えておりまして、なぜ小児科を希望しないのか、また、どうしたら小児科医をふやせるのか、早急に調査分析して、有効な対策を検討していただくようにお願い申し上げます。実際に対策がとられたとしても、実際の小児科医がふえてくるというのはまた数年先というふうなことなので、ぜひとも、今の状況から考えますと、一日も早い対策というものを考えていただくようにお願い申し上げます。
 次に、我が国における少子化は、もう知られているように急速に進行しておりまして、新エンゼルプランや少子化対策プラスワンなどの対策がとられていることは先ほど申し述べましたが、これからの高齢化社会を支える子供の健全育成というものは非常に重要なことで、今や子供の健全育成は、親の願いであるばかりではなくて社会の要求でもあります。
 その子供の健全育成の大きな柱に、公的乳幼児健診があります。これからは、乳幼児健診の果たす役割というものはますます大きくなると思われます。
 この乳幼児健診について、自治体によっては、個別健診を一人当たり二回実施し集団検診を実施していないところもあれば、集団検診のみで個別健診を全く実施していないところもあります。このような現行の実施方法には、いろいろな問題が内包されていると思います。
 まず、集団検診は、多くの子供が生まれ医師が少なかった時代には、効率よく異常を発見する方法としてすぐれていたのだとは思います。しかしながら、少ない子供を育て上げなければならない現状にはふさわしくなくなっているのではないかと思います。
 実際のところ、集団検診で先天奇形を発見したとしましても、ほとんどの場合、既にどこかの医療機関で治療なりフォローを受けている。そして、医療が行き届いた現在では、集団検診は、従来のスクリーニングという役目を終えたと思っております。これからの乳幼児健診は、以前のマニュアルによる集団指導型の健診から、個々の家庭や子供に合った子育て支援、発育、発達のチェック、疾病予防などの多様なニーズにこたえるきめ細かい健診がこれからは必要だと思います。また、中には、就業しているため集団検診の日程に合わせることができないため、自費にて個別で健診を受ける方もいらっしゃいます。また、せっかくかかりつけ医がいるのに、集団ではその先生に診てもらえないなどの問題も指摘されております。
 平成八年五月の「母子保健計画の策定について」には、「乳児健康診査(医療機関に委託して行う健康診査)」すなわち個別健診は二回を基準とするように定められておりますし、ただ、「市町村の実情に応じて適宜回数を設定するもの」というふうなただし書きもついております。
 また、二〇〇一年の「国民の福祉の動向」というふうな本には、妊産婦及び乳幼児健診の項目には、乳児については、三から六カ月と九から十一カ月にそれぞれ一回ずつ医療機関においての健康診査を受けることができ、必要に応じて精密検査が行われるとの記述もありまして、国としては個別の健診を進めているように読み取れますけれども、どのようにお考えなのか、お聞かせ願います。
岩田政府参考人 乳幼児の健康診査は、子供の運動機能や精神発達の遅滞などの早期発見の役割が従来大きかったというふうに思いますけれども、今日では、それに加えまして、育児相談、育児指導のまたとないいい機会であるというふうにも思っておりまして、例えば、そういった場を通じて、児童虐待の早期発見、早期対応の機会になったというようなこともございますので、その重要性は引き続き大変大きなものがあるというふうに思っております。
 そのやり方ですが、市町村によって、市町村保健センターなどを使った集団方式と、各医療機関にお願いをする、委託して行われる個別方式がございます。それぞれに特徴、よさがあるように思うんですが、集団方式については、一人の医師だけではなくて、歯科医師とか保健師ですとか保育士、心理の専門家、そういった多様な人材が総合的に診断をしたり指導をしたりということが可能になるというふうに思われますし、また一方、個別方式では、今委員が言われましたように、受診者の都合のいい日時に、そして、時間をかけて丁寧に、日ごろから診ていただいている先生に受診ができるというようなメリットがあるというふうに思っております。
 国としては、現時点では、一律にどちらかを進めるという方針ではございませんで、市町村におかれて、その地域の実情でそれぞれのメリットを勘案していただいてどちらの方式にするのか、あるいはどういうふうにそれを組み合わせるのかといったようなことを判断をしてやっていただいているところでございます。
三ッ林委員 ただいま集団についてのメリットというふうなお話もありましたけれども、すべて個別でやっているような自治体においても、そのようなことがやれないで個別がデメリットになるというふうなことは伝え聞いておりませんので、その周りの状況に、もしくは対策に対しては、それはそれでまた別途やっているというのが現状だと思いますので、できれば個別というふうな方向性というのも考えていただきたいと思います。
 次に移りますけれども、十月より診療報酬の一部が改定されまして、三歳未満の窓口負担が二割に変更されました。これは、遅過ぎた感はありますが、評価できることと思っております。
 しかし、小児のいる家庭は、二十代から三十代と若く、収入の面で恵まれているとは言いがたい世代でもあります。また、小児は急性の病気にかかりやすく、医療機関を受診する機会も多くなりがちで、兄弟がいればその機会はますますふえていきます。そうなりますと、窓口での負担もその家庭にとって大きな問題となってまいります。そのような子育て世代の負担の軽減や少子化対策から考えれば、さらなる負担軽減措置が必要と考えます。
 現在、十五歳未満の人口と七十歳以上の人口はほとんど同じくらいではないかと思いますけれども、今回、七十歳以上では一割負担、一部二割負担ということになりましたが、高齢者に対してやれるわけですから、これからの日本を担う小児に対しても同様にできるのではないか、また、そうしていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
真野政府参考人 今回の改正におきましては、制度間それから世代間の給付の公平化を図るという観点から、公的医療保険の給付率を原則七割というところに統一をいたしまして、乳幼児につきましては、先生御指摘のとおり、少子化対策の一環ということで八割ということとしたわけでございます。
 その範囲でございますが、乳幼児の範囲は、医療保険としては、多くの地方公共団体の実施状況などを踏まえまして三歳未満といたしまして、それ以上につきましては地方公共団体の独自の取り組みにゆだねることが適当だというふうに考えております。
 また、御指摘がありました給付率でございますが、これは、御案内のとおり、大変厳しい医療保険財政状況下での改善措置ということでございまして、また、ことしの十月から改善したばかりということでございますので、私どもとしては、その定着状況を見守っていきたいというふうに思っております。
三ッ林委員 財源のお話も出ましたけれども、高齢者にかかる医療費というふうなものと比較すれば、小児に対する医療費というのはもうかなり少ないというふうに言われておりますので、大変な財政状況とは思いますけれども、今後ますます、少子化対策というふうな面からも、小児の年齢の方たちに対する窓口負担の軽減というものもさらに進めていただくようにお願いを申し上げます。
 時間ですので、以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
坂井委員長 次に、桝屋敬悟君。
桝屋委員 おはようございます。公明党の桝屋敬悟でございます。
 鴨下副大臣におかれましては、本当に御苦労さまでございます。まことに厳しい経済の中で、引き続きます厳しい雇用情勢、そうした中で的確な対応に取り組んでいただきますように、そして、難しい大臣ではありますが、大臣を支えていただいて、お取り組みをお願い申し上げながら、鴨下副大臣も、それから岩田局長も、しばらく母子寡婦で頭がいっぱいだろうと思います。ちょっときょうはそれを忘れていただいて、DV防止法と女性相談所の活動あるいは役割というものについて少し議論をさせていただきたい。大変に喫緊の課題が現場に横たわっているというふうに感じておりますから、二十分ほどその議論をさせていただきたいと思います。
 本年四月からDV防止法が施行されて、それぞれの現場で相談支援センター、女性相談所が新たな役割を持って機能を開始しているというふうに考えておりますが、私は中国五県をずっと回っておりますと、やはり女性相談所からある意味では悲鳴のような声も聞こえてくるわけであります。供給体制を整えるということは需要を喚起するということがあるのかもしれませんが、相当、相談件数あるいは一時保護の件数が、まさにウナギ登りといいますか、特に十三年、昨年からふえておるという実態を聞かせていただいております。
 こうした状況、恐らく情報はおつかみになっていると思いますが、ちょっと最近の状況を、今年度、法施行後の状況でも結構でございます、教えていただきたいと思います。
岩田政府参考人 従来から婦人相談所は、配偶者からの暴力を受けた女性たちが駆け込んで、いろいろそこで相談に乗ってもらうということで役割を持っておりましたけれども、DV法の中で法律的に位置づけがなされまして、配偶者暴力相談支援センターとしての役割ですけれども、その役割を担うようになりました。この支援センターは全国で百二カ所ございますけれども、このうちの四十七カ所が婦人相談所でございます。
 そして、ことしの四月からDV法は全面的に施行になったわけですけれども、九月までの六カ月間の状況を見てまいりますと、配偶者から暴力があったということで相談があった件数は、この婦人相談所以外の支援センターも含めてでございますが、全国で一万七千五百八十五件と承知いたしております。DV法の施行がきっかけになって、配偶者からの暴力の相談が急増しているというふうに思われます。
桝屋委員 局長、百二のうち、私がきょう議論したいのは、都道府県が設置しております女性相談所であります。
 この四十七の女性相談所、都道府県が設置している婦人相談所イコール女性相談所、DV法上の相談支援センター、この業務がちょっと私は大きな問題だろうと思っているんですが、その部分については相当件数が、従来の婦人相談所より相談件数あるいは一時保護の件数がふえておるというふうに思っておるんですが、もう一度そこを御説明いただきたいと思います。
岩田政府参考人 婦人相談所に限った相談件数がことしの四月からどういう形でふえてきているかということについては、まだ統計がとれておりません。先ほど申し上げましたように、その一万七千五百八十五件のうちの相当部分は婦人相談所の方で対応しているというふうに思われますけれども、婦人相談所だけを取り出した統計が手元にございませんので、少し時間がかかることをお許しいただきたいと思います。
桝屋委員 ちょっと私が現場で聞いた状況をお教えいたしますと、ある県の婦人相談所ですが、要保護女子の一時保護、入所原因別の状況等を見ておりまして、夫、それから夫の暴力ということで一時保護された件数が、例えば平成十一年が八件、平成十二年が二十六件、十三年で四十三件、十四年度で、これは四月から七月までの状況ですが二十二件と、恐らく十三年の四十三を相当超えるような数字になるのではないか。もちろん相談件数もそれと同じようにふえておりまして、倍々でふえているわけですね。
 もともと女性相談所は売防法、売春防止法に基づく三十一年以来の法律に基づく施設でありますから、私も地方自治体におりましたので、昔は婦人相談所、今は女性相談所と言っておりますが、やがてなくなるんだろうな、こういう認識を持っておりました。役割を終えるというふうに思っておったんですが、そこへDV防止法、内閣府が所管だと思いますが、その役割の一部を、一部といいますか、後で議論いたしますが、大事な役割を厚生労働省が所管をするということになったわけでありまして、現場の女性相談所も大変あっぷあっぷしているという状況だろうと思うのですね。
 この婦人相談所、DV法上の相談支援センターというのはどういう役割を果たしているのか。特に御説明いただきたいのは、都道府県が設置しております女性相談所が相談支援センターの機能を担っているという一応の形だろうと思いますが、どういう役割をDV対策上持っているのか。端的に御説明いただきたいと思います。
岩田政府参考人 DV防止法に基づく配偶者暴力相談支援センターの役割は、法律の第三条で規定されているわけです。
 例えば、被害者の相談に応じる。これは電話相談もございますし、来所をして直接に相談されるというケースもございます。また、心身の健康を回復する。けがをなさっている方あるいは心に傷を負っている方がございますから、その心身の健康を回復させるための、例えば心理療法などの措置もここで行うことになっております。また、緊急に一時に被害から保護するための一時保護もここで行う。そして、四番目としましては、被害者が必要な情報、例えば、自立して生活をするための情報ですとか、裁判所から保護命令を出してもらうための手続ですとか、住居に困っておられる場合には、そういう住宅関係の情報ですとか、そういう被害者が利用したいと思われる諸制度についての情報提供もこのセンターで出すということになっております。
 婦人相談所が配偶者暴力相談支援センターの中でもやはり中核の役割を担うというふうに思っておりますのは、従来から、法律ができる前から、配偶者から暴力を受けた女性たちの相談をやってきていたという実績に加えて、婦人相談所には必ず一時保護施設が併設されているということがございますので、そういう機能も大事にしながら支援センターとしての役割をしっかり担っていきたいと思っております。
桝屋委員 今の局長の御説明でありますと、やはり女性相談所に置かれております配偶者暴力防止相談支援センターの役割というのは、その圏域でまさに中核的な母子生活支援施設等の機能もありますでしょう。あるいは、民間のシェルターなどの活動もある、そうした中で、全体的に調整をしたり、大変な仕事が多分あるんだろうというふうに理解をするわけであります。
 そうした役割を果たすだけの体制が果たしてあるのか。先ほど申し上げましたように、女性相談所はやがて役割を終えるんではないかと思っておりましたから、全体的に都道府県という立場で見ると、女性相談所の職員体制といいますか、機能というものは徐々に役割を終えるというふうに考えていたところも少なくないんだろうと思うのですね。
 そんな中で、DV防止法で役割をいただいた、ことしからいよいよ本格実施だという中であっぷあっぷになるのはやむを得ないかな、こう思っているんですが、ぜひとも、十分ことしの実施状況等検証していただいて、今後必要な機能強化についてはお取り組みをいただきたいなと。
 児童虐待のときもそうでありましたけれども、児童相談所が突然相談件数がだあっとふえ始めたということで、児童福祉司さんでありますとか、相談員でありますとか、大変な状況になった。その中で、徐々に職員配置あたりも各自治体でお考えいただくという流れがあったと思うのですね。
 したがって、ことしの状況をよく検証していただいて、必要な対応はぜひお取り組みをいただきたい、こう思っておりますが、いかがでございましょうか。
岩田政府参考人 婦人相談所には、正規の職員と、それから婦人相談員という非常勤の方がおられます。
 正規の職員につきましては、地方交付税で措置をしているわけですが、今委員が言われましたような歴史的な経緯があって、最近は体制をむしろ縮小してきていたということがございまして、地方交付税の算定基礎にも満たない人しか配置されていない。そして配置されている場合であっても別の仕事と兼務をしているといったようなことで、大変、体制として、今のままでは対応できない点が多いのではないかというふうに思っております。
 また、非常勤の婦人相談員につきましては、補助金で国としては対応させていただいておりますが、これは数的には補助金は十分使っていただいているようなんですが、これもほかの仕事と兼務されている方が少なからずいて、婦人相談所のDVの仕事を集中的にやっていただけるような方ばかりではないというふうに聞いております。
 こういう状況でございますので、人の面での体制整備というのは、現状を踏まえて必要な人の配置、あるいは兼務を外して専任化させるなどの対応が必要だというふうに思いますので、都道府県にしっかりそのことはお願いしてまいりたいというふうに思っております。
 国といたしましては、本年度から、婦人相談所の機能がさらに強化されるようにということで、予算措置させていただいたことが幾つかございます。例えば、休日とか夜間とかでも電話相談ができるような体制をつくっていただく、あるいは婦人相談所が中心になって、福祉事務所ですとか民間のシェルターなど関係の機関とネットワークをつくっていただくための事業とか、そして、心に傷を負った方がたくさんおられますので、心理療法の専門の職員を配置できるようにするとか、そして、一時保護を、みずからもやりますけれども、場合によっては民間シェルターなどにそれを委託することもできるような制度ですとか、そういう婦人相談所の機能をさらに強化するための予算を本年度から措置しているところでございます。
 いずれにいたしましても、今委員が言われましたように、今年度の実施状況をなるべく早く総合的に把握いたしまして、今後の被害者の保護や自立の支援のための対策のあり方について考えてまいりたいと思います。
桝屋委員 ありがとうございます。ぜひお願いをしておきたいと思います。
 もうしばらく様子を見なきゃなりませんが、恐らく傾向というのは、今私が一部の事例を申し上げましたけれども、そんな傾向で進んでいくんだろうと思うんですね。どの辺で落ちつくのかということもありますけれども、私は二つ申し上げたいと思います。
 一つは、百二カ所の中で四十七カ所がいわゆる都道府県が設置しているという相談支援センターでありますから、やはり民間よりも都道府県が設置している、そこがより機能しているということは大事な、特に私は中国五県と申し上げましたが、地方の県においてはそれが大事な点だろうというふうに私は思っております。したがって、やはり都道府県が設置している施設が機能をしっかりしていただくということを進めなきゃならぬというのが一つ。
 もう一つは、今全体的に中央で話があるのは、地方の行財政改革をしようと。いわゆる三位一体といって、片山総務大臣なんかに聞きますと、三位一体だということで、国庫補助負担金の削減、あるいは交付税も性格を見直す。性格を見直すというのは減らすということでありますから、そうした大きな流れが片方にありまして、先ほど局長がおっしゃったように、地方交付税で措置されている職員すら配置されていない、それは歴史的な経緯があるということは御説明がありましたけれども、よほどこれはカーブを切らないと、私はこの部分はなかなか浮上してこないんだろうという気がいたします。
 新たな事実も今御紹介をいただきましたから、我が党としてもしっかり取り組みたいと思いますけれども、厚生労働省からも各都道府県に対して、今申し上げたような背景も理解していただいて、私は、特段の督促をしていただきたいとお願いをしておきたいと思います。
 それから、もう一点だけ、予算の話。
 十四年度はしっかりある程度ふやした。十五年度も概算要求は二〇%アップで出ておりまして、ただ、これがなかなか二〇%アップで確保できるかどうか。恐らく本予算では相当切り込みが入るだろう。その中で、やはり必要なものはしっかり確保していただきたいというふうに思いまして、母子生活支援施設の強化ももちろん大事でありますが、今申し上げた相談支援センターの機能強化ということもあわせて取り組んでいただきたいなと思っておりますが、局長、御決意のほどを。私たちも応援をいたしたいと思いますので。
岩田政府参考人 十五年度の概算要求では、DV関連対策費として二〇%増の要求をしております。
 その中身ですけれども、重点的に今回やりたいというふうに思いましたのは、DV被害者の方は、しばしばお子さんを連れて逃げてこられます。そういうケースの場合なんですけれども、婦人相談所の一時保護所に保育士が配置できるように、そして、そのお子さんを連れて逃げてきた方たちで生活の場がない方は、母子生活支援施設、母子寮と従来言っておりました、その施設に住んでいただくことになるわけですが、この母子生活支援施設の機能強化のための予算をお願いしてございます。
 また、婦人相談所の職員、相談の量がふえて大変だということ、量が大変だということもございますけれども、やはり相談の難しさ、専門性をさらに高めていただくということが大事かというふうに思いますので、職員の資質向上のための専門研修の実施の費用などもお願いしているところでございます。
 年末に向けて、大変厳しい予算編成になろうかと思いますけれども、私どももしっかり頑張りたいと思いますので、ぜひ御支援をお願いしたいと思います。
桝屋委員 そういう点でも、やはりことしの実施状況等を、しっかり現場の声もあわせて聞いていただきたいなというふうにお願いをしておきたいと思います。
 最後に鴨下副大臣、今の議論を聞いていただいて、御決意を伺いたいと思うんですが、そういう相談支援センターの機能強化とともに、その中で大事なのは、具体的なツールがなかなか、今持っている支援のための道具立てがさまざまに問題がある。
 例えば、自立支援策の課題として、住宅や就職の際、逃げてきているわけでありますから、保証人をどうするかという問題がすぐ出てまいりますし、それから医療保険あたりも、逃げてきているときは保険証すら手にしていない。そうした方に限って直ちに医療の給付が必要であるわけでありまして。したがって、保険証をお持ちでないというケースがありましたり、あるいは就職後なり、新しい生活の舞台をつくる場合の当座の資金をどうするかという問題などなど、あるいはシェルターに行くにしても、生活保護と抱き合わせで当面暮らしていただくというようなこともあるわけでありまして、それぞれの制度における柔軟な対応ということも必要であります。
 きょうはシェルターの話はいたしませんが、内閣府の取り組まれている事業と、それから、場合によっては、先ほど地方交付税の話もありました、総務省なんかにもかけ合っていただく必要もあるだろうと思っておりまして、特段の御努力をお願いしておきたいと思いますが、御決意を伺いたいと思います。
鴨下副大臣 先ほどから桝屋委員から、現場の実感に合った大変貴重な御意見を賜りまして、本当にありがとうございます。
 今お話しになりましたように、最終的には内閣府等とも協力し合いながら、先生おっしゃっていた支援策について充実していかなければいけないんだろう、このように思っておりますし、今具体的なお話の中で、例えば住宅の問題について、さらに生活保護の受給の問題について具体的にどうするか、こういうような話がありましたけれども、例えば住宅や就職の際の保証人の問題についても、保証人協会のようなものをどういうふうに活用していくかとか、それから、医療保険の保険証の問題も解決しなければいけないだろうと思いますし、就職後の当座の生活支援の問題、こういうようなこと、さまざまな問題について、具体的にまだ解決していかなければならない問題がたくさんあるんだろうというふうに思っております。
 先ほど局長がるる御説明申し上げましたけれども、十四年度予算、それから十五年度の概算要求においても、さらにこの問題については政策を充実していく上で予算要求しております。歴史的な背景が、先ほどから先生おっしゃっているように、婦人相談所そのもののあり方が縮小にあったことが、突然DV法後に急速にといいますか、必要とされてきたというような事情もありますので、これに見合ったような施策、多分、我々副大臣としてさまざまな各省庁間を駆けずり回ってしっかりやれ、こういうようなことだろうというふうに思いますので、御意向に沿うように頑張らせていただきたいと思います。
桝屋委員 どうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。
坂井委員長 次に、江田康幸君。
江田(康)委員 公明党の江田康幸でございます。本日は非常に短い時間でございますが、早速質問に入らせていただきます。
 本年四月に改正されました診療報酬改定の影響、特に慢性腎不全の患者の人工透析治療における食事加算の廃止と時間区分の廃止にかかわる影響についてお伺いをいたします。
 今回、本年四月の診療報酬改定がどういう影響をもたらしたかについて、社団法人の全国腎臓病協議会が七月時点の調査を実施して、その詳しい結果を九月の十日に公表しております。
 まず、時間区分廃止の影響についてでございますが、今回の調査結果では、透析時間は四時間が圧倒的多数を占めております。全員が同一時間で透析を行っている施設は一割になっているわけでございます。これは一律でございます。短時間透析に移行する傾向が予測されるとこの報告書ではしているわけです。
 今回の改定で、時間区分をなくして点数を一本化されたその理由というのが、透析医療の質がよくなり四時間透析が標準化した、この実態に合わせるためとされております。もちろん、患者の状態に合わせて透析時間を長くやることもできますが、それは医者の判断に任されているわけでございます。しかし、今回の改正で、長くやっても短くやっても同一の診療報酬であるということから、本来必要な長時間透析が短縮化されてしまう、そういうことがあるのではないか。
 今回の短縮化傾向の結果を見ますと、医療の質が低下してしまうのではないかと心配しますが、これらについてどのように考えておられますか。
真野政府参考人 今回診療報酬改定を行いましたのは、透析時間につきましても、社会医療調査に、平成十二年の六月でございますが、四時間以上五時間未満が八〇%を超えているということもありまして、透析技術の進歩等により透析時間の標準化が進んでいるということから、人工透析についてその評価の見直しを行ったわけでございます。したがいまして、そういう状況の中で医療機関側が症状を把握して透析をしていただいているというふうに思います。
 ただ、障害等によりまして長時間の透析を必要とする方々などにつきましては、別途、加算を設けておりまして、今回の改定におきましても、人工呼吸を実施中の患者さんや十二歳未満の小児などもこの加算に加えるという、加算の対象を拡大いたしております。そういう意味では、長時間透析が必要な方々に対しては配慮をしたというふうに考えております。
江田(康)委員 診療報酬改定のこの調査とは別に、五年に一回の全国実態調査が本年十一月に発表されて、五十歳以上の高齢者と二十年以上の長期透析者がふえていることがわかっております。二十年以上も透析してきますと、さまざまな合併症状が出てきて長時間透析の必要性が高まってくるわけでございますが、透析医会また透析医学会の見解でも、長時間透析の可能性を認めております。
 私の熊本の事例でございますけれども、ここは透析の非常にいい効果があらわれておりまして、この調査結果では、長時間透析は全国で一位でございました。平均透析時間は五時間三分。これは、私も熊本県の腎臓病協議会の会長さんたちとも患者さんたちともお話をしますが、やはり患者さんたちと団体と医療機関が非常にいい連携がとれている、だから医療機関側の理解がなし得ているから、そういう医療機関の努力で長時間透析が実現しているということを聞いておりましたので、この第一位というのはさもあるかなという気がします。
 それと、三十年間、六時間透析をやっておられるこの会長先生ですが、この方は非常に良好で、つやもいい、症状もない。やはり早くから長時間透析をやっている人の一般状態というのは、そのよさというのはもう明らかであるわけです。長時間透析をしないと足にいらいらが残るとか、そういうような、検査には出てこないような症状があるんです。長時間やると、そのいらいらはない。こういうような、患者さんの検査に出てこないような状況もよくよく考えて医療機関はやっておられるようでございます。これは地元の例でございますが。
 今回の改定で無理な短時間透析がふえれば、通院で済む人が入院する。こうなってくると、医療の質の低下、さらには医療費の増大にもつながるわけでございます。
 透析時間の決定は医者が行うものであり、医療機関側の責任であることはもちろんでございます。しかし、医療の質を向上させるためには、診療報酬の見直しなど行政上の役割も大きいかと思います。医療の質を規定する診療報酬のあり方を十分に検討する必要があるのではないかと考えます。診療報酬全体を下げるのであれば、短時間も、五時間以上も、区分を残したまま下げればいいんじゃないかなとも思われるわけです。
 患者も医療機関側も適切な治療を選択できるようにしていくことが大切と考えますが、いかがお考えでしょうか。
真野政府参考人 今申し上げましたように、標準化を図り、それから長時間透析の必要な方々に対する加算の対象の拡充ということを今回診療報酬の改定におきまして同時に行ったわけでございますが、今後とも、先生御指摘のとおり、患者さんの状態に応じた診療報酬の評価というもののあり方についてそれぞれ検討していく必要があるというふうに私どもは考えております。
江田(康)委員 先ほど、医療加算の点を指摘されました。透析が非常に難しい方々にとっては特別に加算がある。そういうようなことを、さらに予防も含めて、やはりいい透析をしていかなければならないような方々にまで配慮したような加算であれば十分検討されているなと思いますが、十分な検討を行っていただきたいと思うわけでございます。
 きょうは時間が本当にないわけでございまして、大変だ。それでは最後に、食事加算廃止の影響。これはもう答えはいただけないかもしれないけれども、言います。
 食事の問題で、約八割の施設が何らかの形で有料になっているわけです。食事の提供が廃止された施設も一割近くに上っておるわけでございます。
 本来、食事については、治療において必要とされる場合は治療の基本点数千九百六十点に含まれる、食事が治療に必要か否かは医者が決めるとされております。しかし、改正後、八割の施設が有料、一割の施設が廃止という現実から心配されることは、本来治療上の必要性があるのにもかかわらず、治療とみなされずに対処されている方がふえているんじゃないかということを心配するわけでございます。そうであれば、やはりこれもまた医療の質の低下を招くものであって、また、今後、診療という点からも許されない。今回の加算廃止の影響で医療機関側が正しい決定をしないとか、面倒なので廃止したとなると、大きな問題でございます。
 これらについて、最後、どのように考えられるか簡単にお伺いします。
真野政府参考人 療養の一環としての食事療養が必要なケースにつきましては、先生御指摘のとおり、透析に係る診療報酬の点数の中に包括的に評価をしているというところでございます。
 また、療養の一環ではない食事の提供につきましては、患者さんからの実費を徴収することができるというふうにいたしておりまして、患者さんの病状や選択に応じた対応がなされているというふうに考えておりますが、引き続きその趣旨の徹底を機会のあるごとに行っていきたいというふうに思っております。
江田(康)委員 いずれにしても医療機関側の判断に任されているということでございますが、やはり行政上の役割として、そういう質の高い医療を誘導させる、その一つに診療報酬の見直しとか改定というのがあるわけでございますから、再度、これは平成十六年の診療報酬改定に向けて、中医協へ検討を指示されるようにお願いしたい、そういうふうに申し上げて、質問を終わらせていただきます。
 きょう、用意していた質問ができなかった部長様、どうも申しわけございませんでした。
 ありがとうございました。
     ――――◇―――――
坂井委員長 次に、第百五十四回国会、内閣提出、独立行政法人国立病院機構法案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。坂口厚生労働大臣。
    ―――――――――――――
 独立行政法人国立病院機構法案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
坂口国務大臣 ただいま議題となりました独立行政法人国立病院機構法案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げたいと存じます。
 中央省庁等改革基本法におきましては、国の行政機関における政策の企画立案に関する機能とその実施に関する機能とを分離する観点から、実施機能を効率的かつ効果的に行わせるにふさわしい独立行政法人の制度を創設したところであります。
 こうした中央省庁等改革の一環として、国立病院・療養所については、医療の高度化、専門化などの環境の変化を踏まえつつ、国の医療政策として国立病院・療養所が担うべき医療を全国において確実に実施し、かつ効率的、効果的に業務を行うため、国がみずから運営する必要がある国立高度専門医療センター及びハンセン病療養所を除き、平成十六年度に独立行政法人に移行することとされたところであります。
 このため、国立病院・療養所が移行する独立行政法人国立病院機構を設置し、その名称、目的、業務等に関する事項を定めることとし、この法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、法人の名称を独立行政法人国立病院機構とし、国民の健康に重大な影響のある疾病に関する医療その他の医療であって、国の医療政策として機構が担うべきものの向上を目的として、医療の提供、調査及び研究等の業務を行うこととしております。また、機構の役職員には国家公務員の身分を付与することとしております。
 第二に、機構の資本金は全額政府出資とし、その額は、機構が国から承継する固定資産等の価額から負債の価額等を差し引いた額としております。
 第三に、機構の役員については、理事長、監事、副理事長、常勤及び非常勤の理事を置き、その定数等を定めることとしております。
 第四に、法人の財務諸表を作成する際に、あわせて施設ごとの財務に関する書類を作成し、独立行政法人評価委員会の意見聴取を経て、一般の閲覧に供することにより、その明確化を図ることとしております。
 第五に、機構は、長期借入金や債券発行ができることとするとともに、政府は、国会の議決を経た金額の範囲内において、これらに係る債務を保証できることとしております。
 第六に、厚生労働大臣は、災害の発生や公衆衛生上の重大な危害の発生等の緊急の事態に対処するため、機構に対し、必要な業務の実施を求めることができることとしております。
 このほか、国立病院特別会計の資産及び負債については、国立高度専門医療センターに係るもの等を除いて機構が承継し、国立高度専門医療センターについては、国立病院特別会計を再編した国立高度専門医療センター特別会計において経理することとしております。また、国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律を廃止し、従来の計画による施設の再編成は、機構が引き継いで行うこととしております。
 最後に、法人の設立については、平成十六年四月一日を予定しておりますが、その準備等に要する期間を考慮して、この法律の施行期日は、一部の事項を除き、平成十五年十月一日としております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げる次第でございます。
坂井委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 次回は、来る十五日金曜日午前九時三十分理事会、午前九時四十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時六分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © 2014 Shugiin All Rights Reserved.