衆議院

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第7号 平成14年11月15日(金曜日)

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平成十四年十一月十五日(金曜日)
    午前九時四十分開議
 出席委員
   委員長 坂井 隆憲君
   理事 熊代 昭彦君 理事 長勢 甚遠君
   理事 野田 聖子君 理事 宮腰 光寛君
   理事 釘宮  磐君 理事 山井 和則君
   理事 福島  豊君 理事 武山百合子君
      岡下 信子君    奥谷  通君
      後藤田正純君    佐藤  勉君
      田村 憲久君    竹下  亘君
      棚橋 泰文君    西川 京子君
      平井 卓也君    松島みどり君
      三ッ林隆志君    宮澤 洋一君
      森  英介君    谷津 義男君
      山本 幸三君    吉田 幸弘君
      吉野 正芳君    渡辺 具能君
      家西  悟君    石毛えい子君
      大島  敦君    加藤 公一君
      鍵田 節哉君    金田 誠一君
      五島 正規君    城島 正光君
      土肥 隆一君    三井 辨雄君
      水島 広子君    江田 康幸君
      桝屋 敬悟君    佐藤 公治君
      小沢 和秋君    山口 富男君
      阿部 知子君    金子 哲夫君
      中川 智子君    野田  毅君
      川田 悦子君
    …………………………………
   厚生労働大臣       坂口  力君
   厚生労働副大臣      鴨下 一郎君
   厚生労働副大臣      木村 義雄君
   厚生労働大臣政務官    渡辺 具能君
   経済産業大臣政務官    西川 公也君
   政府参考人
    (内閣審議官
    兼司法制度改革推進本
    部事務局長)      山崎  潮君
   政府参考人
   (法務省人権擁護局長)  吉戒 修一君
   政府参考人
   (法務省入国管理局長)  増田 暢也君
   政府参考人
   (外務省大臣官房領事移住
   部長)          小野 正昭君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議
   官)           加茂川幸夫君
   政府参考人
   (文部科学省高等教育局長
   )            工藤 智規君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房総括
   審議官)         鈴木 直和君
   政府参考人
   (厚生労働省労働基準局長
   )            松崎  朗君
   政府参考人
   (厚生労働省職業安定局長
   )            戸苅 利和君
   政府参考人
   (厚生労働省雇用均等・児
   童家庭局長)       岩田喜美枝君
   政府参考人
   (厚生労働省保険局長)  真野  章君
   政府参考人
   (厚生労働省年金局長)  吉武 民樹君
   政府参考人
   (厚生労働省政策統括官) 水田 邦雄君
   政府参考人
   (厚生労働省政策統括官) 青木  功君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房地域
   経済産業審議官)     鈴木 隆史君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議
   官)           桑田  始君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁原子力
   安全・保安院長)     佐々木宜彦君
   厚生労働委員会専門員   宮武 太郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月十五日
 辞任         補欠選任
  鍵田 節哉君     城島 正光君
  金田 誠一君     加藤 公一君
  中川 智子君     金子 哲夫君
同日
 辞任         補欠選任
  加藤 公一君     金田 誠一君
  城島 正光君     鍵田 節哉君
  金子 哲夫君     中川 智子君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 社会保険労務士法の一部を改正する法律案(第百五十四回国会衆法第四三号)(参議院送付)
 厚生労働関係の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――
坂井委員長 これより会議を開きます。
 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として司法制度改革推進本部事務局長山崎潮君、法務省人権擁護局長吉戒修一君、入国管理局長増田暢也君、外務省大臣官房領事移住部長小野正昭君、文部科学省大臣官房審議官加茂川幸夫君、高等教育局長工藤智規君、厚生労働省大臣官房総括審議官鈴木直和君、労働基準局長松崎朗君、職業安定局長戸苅利和君、雇用均等・児童家庭局長岩田喜美枝君、保険局長真野章君、年金局長吉武民樹君、政策統括官水田邦雄君、政策統括官青木功君、経済産業省大臣官房地域経済産業審議官鈴木隆史君、大臣官房審議官桑田始君及び資源エネルギー庁原子力安全・保安院長佐々木宜彦君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
坂井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
坂井委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大島敦君。
大島(敦)委員 民主党の大島敦です。
 きょうは、雇用関係の集中審議ということで、雇用関連で質問させていただきます。
 まずは、小泉内閣、この間までは補正は組まないという話だったんですけれども、今回、財源が不足することもあり、補正予算編成を考えているやに伺っておりますけれども、これに対して厚生労働大臣は、今回の補正の中に抜本的な雇用対策について織り込むのかどうかというところをお聞かせいただければ幸いでございます。
坂口国務大臣 まだ正式にこの補正予算の話は聞いておりませんけれども、しかし、昨夜からの報道等によりますと、大体正式になってきたという感じでございまして、どういう内容にするのかということはこれから組まれることだろうというふうに思いますが、これからの中に、いわゆるデフレ対策そして雇用対策等、これから論議をされるだろうというふうに思いますが、少なくともその中に、いわゆる産業再生そして雇用に対するセーフティーネット、これらに対しては、少なくとも中心に組まれるであろうというふうに私は予測をいたしております。
大島(敦)委員 まず現状認識なんですけれども、この雇用の問題は昨年から非常に厳しくなっておりまして、去年のこの年末を迎える時期においても、雇用の問題、この厚生労働委員会で十分に議論をしているはずでございます。
 今回、去年とことしの違いなんですけれども、埼玉県の連合埼玉の方では、雇用の労働相談を受けておりまして、その担当者に聞くと、去年はまだ、いじめとか、それも厳しい問題なんですけれども、ことしは質的に変わっているというお話を伺いました。労働基準法違反の相談が非常に多いと聞いております。
 昨年、個別労働紛争解決促進法が施行されまして、総合労働相談コーナーが新しく設置されております。このコーナーにおきまして、この一年間、相談の内容が変化しているのかしていないのか、お聞かせいただければ幸いです。
鈴木(直)政府参考人 ただいま御指摘のありました個別労働紛争の解決の状況でございますが、御指摘のように、昨年の十月からの施行で、一年間たった時点での実績をまとめております。
 その中身を申し上げますと、全体の相談件数で約五十四万件。そのうち労働基準法違反みたいなものを除く民事関係の相談件数でいいますと約九万件。それから、労働局長の助言、指導の申し出の受け付け件数が千九百十一件、あっせんの申請が二千百十五件となっております。
 それから、その中身としては、解雇に関するものが二八・五%、労働条件引き下げが一七・四%等となっております。
 また、相談件数、あっせんの申請件数、そういったものはこのところ増加をしてきておりまして、まだ全体的に解雇等が多いという状況にございます。
大島(敦)委員 この一年間で労働相談件数がふえた、あるいはその内容も変わってきているというお話がございまして、これから改革を加速していきますと、さらに労働相談についても多くなってくるかと思います。
 雇用関係は極めて深刻になっております。十一月一日の当厚生労働委員会で坂口大臣は、国の意思によって行う不良債権処理に対する雇用対策は、通常の雇用対策とは質的に異なるという御趣旨の発言をされております。また、同じく戸苅職業安定局長は、国の施策によって出てくる離職者に対する対策というのはやはり一般財源でやるというのが基本的な考え方と発言されております。
 今回の総合デフレ対策にある不良債権処理によって、どのくらいの失業者が発生すると厚生労働省は想定されているのか、お聞かせいただければ幸いでございます。
青木政府参考人 不良債権処理を加速することによる雇用への影響の御質問でございますが、不良債権処理を加速することによって、産業、企業の活動に影響が生じまして、雇用にも影響を及ぼすこととなるというふうに考えておりますが、今回の対策によります具体的な影響につきましては、先生御案内のように、今後の検討の中心となると思われます企業の再生のためのいわゆる基本指針、こういったものの内容がこれから定められることになっておりまして、ただいま関係省の方で検討中でございます。
 また、これらに基づいて対象となる金融機関がどのように具体的に対応するかということも、現時点では明らかでございません。そういった意味で、定量的な影響、効果というものをお示しすることは、現時点では困難でございます。
大島(敦)委員 そうしますと、どのような影響を雇用に対して及ぼすのか今の時点ではわからないと私は理解するんですけれども、今の時点でわからないとなると、抜本的な雇用対策を立案するのは難しいのではないかと思うのですけれども、その点はいかが考えればよろしいのでしょうか。
坂口国務大臣 今答弁ありましたように、具体的な問題、すなわち、不良債権の処理をどれぐらいのスピードでどれぐらいの額を大体やっていくという目星を立てるのか、目標を立てるのかということによってかなり違ってくるというふうに思いますし、それから、今度つくります産業再生・雇用推進本部でございますが、いわゆる産業再生のところをどれだけしっかりやるのかということにもかかってくるというふうに思います。
 ここをしっかりやっていただければいただくほどこちらの方は被害が少ないわけでございますので、そうしたことも総論として大体固めていくということがまず先決ではないかというふうに思っておりまして、それを早くやっていただいて、その後こちらの方としては具体的対策を立てる、手順としてはこういうことになるというふうに思います。
大島(敦)委員 今回の産業再生・雇用対策本部ですか、これは抜本的に改組をしたということで、設立してから一年間がたっておりまして、これまでも、経済産業省とそして厚生労働省が本部の中に入りながら、産業再生あるいは雇用対策を議論してきたかと思います。
 国の政策を見てみると、産業再生は今回のスキームだと難しいと私は考えておりまして、これまでもさまざまな施策がありましたけれども、創業支援あるいは会社を新しくつくるということ、これはそれほど期待を置かない方がいいと私は考えております。
 今の大臣の御答弁ですと、それは同じ閣内でありますから、最初からできないという前提で雇用対策ばかり進めてしまうと国の政策の整合性がとれないという判断だと思うんですけれども、やはり雇用については、今回の当本部の産業再生への取り組みというのは、これは時間的にはすぐに効果があらわれるものではないと思うんです、もしも仮に成功したとしても。産業再生というのは新しく企業を立て直すということですから、一年なり二年なり三年なんなりかかるのが産業再生です。
 雇用の問題というのは、産業再生をするその最初のときに一番失業者がふえ、痛みを感じる問題でございますので、産業再生ができるできないではなくて、今回改革を加速することによって、それでは何%ぐらいの失業者が出てくるのかという概算を持っておく必要があるかと思うんですけれども、その点はいかがお考えでしょうか。
坂口国務大臣 それは、一応の概算はやはり立てておかないといけないというふうに思います。しかし、これもいろいろの計算の方法があったりいたしまして、前提条件をどうするか、いろいろのことがありますから、なかなか一概に言えない話でございますが、昨年でございますか、内閣府が一応計算をした経緯がございます、出しました経緯がございます。
 これと同じやり方を見習うというふうにしまして、そして、例えば不良債権処理をどれだけにするかといったことが決まれば、まずそういうことを前提にして考えれば、すぐ値は大体このぐらいな見当だということは出てくるわけでありまして、不良債権処理が、十五兆円になるか、十兆なのか、あるいはもっと少ないのか、スピードはどうかといったようなことも念頭に置きながら、そうしたところから我々も心づもりということでは考えているわけでございます。
大島(敦)委員 逆に、厚生労働省としては、内閣なりが、このくらいの速度で不良債権処理するというその計画をあるいは想定を待つのではなくて、もともとこのままいったとしたらこのくらいの、例えば今五%強の失業率が七%ぐらいになりますということでリードした方が、厚生労働省の立場としては政策誘導できるのではないかなと思うんですけれども、いかがでしょうか。
青木政府参考人 ただいま大臣から御説明をさせていただきましたけれども、昨年も、さまざまなシンクタンクであるとか、それから政府部内では内閣府におきまして、この不良債権処理にかかわる離職者数、あるいはそれから伸びていく失業者数について計算が行われておりますが、いずれも試算という形で出ております。
 そして、具体的に、例えば平成十二年度と十三年度、どういうふうに変わってきたかというふうにしても、どうも、私ども担当の方とかそれからシンクタンクの方にも、試算の検証についてどういうふうにされているのか、非公式にお伺いなんかしているわけですけれども、例えば、雇用保険の受給資格決定ベースでいきますと、十二年度と十三年度の差が大体二十万人ぐらいなんです。しかし、個別の企業倒産とかあるいは閉鎖によって生じられた方々が直接あるいは間接にどのように不良債権処理にかかわっているかということも、関係のシンクタンクでも実際にはつかめていないようでございます。
 したがいまして、一応試算というものは昨年出ましたけれども、今回、関係当局においてもこの点についてはかなり慎重になっておりまして、数字が出て歩くというよりも、そういったことが出てきてもそこそこの対処が可能であるというふうな形で今回の総合的対応策の中に雇用対策を盛り込ませていただいたところでございます。
大島(敦)委員 前回の質問でも指摘させていただいているんですけれども、今必要なのは、国民に対して大丈夫だよというメッセージが必要でして、雇用対策については、いつも毎回事後的に、ふえたから後追いで失業対策を打っていくというイタチごっこに近い雇用対策であったと私は認識しております。昨年のこの臨時国会、雇用対策国会だったにもかかわらず、今回は改革が加速されたと政府は言っているんですけれども、加速されたのではなくてやってこなかっただけの話でして、これは言葉をかえただけであって、本質をついていないと思います。
 ですから、これから失業者がふえるであろうということは、去年のこの時点でももともとわかっていたはずでございまして、例えば今の失業率が五・四%であるとして、逆に、私たちの日本の治安の問題、あるいはどの程度の失業率でしたら私たちの社会が耐えられるのかというようなお考えを大臣は持っているのかどうか。
 これは、日本経済団体連合会の奥田会長の十一月六日の記者会見で、改革の痛みを許容できる範囲は失業率で見ると六から六・五%だと指摘しておりまして、そうすると、六・五%あるいは七%ぐらいというのが私たち日本人が耐えられる失業率の上限であるかなと思うんですけれども、それよりも、六・五%よりも超えて失業率がこれから出てくるのか、あるいはそれにおさまってくるのかというような、その点についての御見解というのは厚生労働省は持っているんでしょうか。
坂口国務大臣 これもなかなか言いにくい話でございますし、なかなか予測の立ちにくい問題でございますが、しかし、どのぐらいまでにおさめないと日本の国の社会というものがいかないのかということになれば、それは、奥田さんがおっしゃったその値、六%というのが一つのやはり限界と申しますか、やはりその辺までに抑えなきゃならないんではないかというふうに、その担当者としては私はそう思っております。
 したがいまして、ことしの春、十五兆円ほどの不良債権がある、それをもし一気に全部処理してしまうということになりますと、昨年のいわゆる内閣府がやりました計算方法をそのまま踏襲しますと、六十数万人の離職者が出る可能性がある。その中で、いわゆる完全失業者になるのはどれだけになるかという話になってくる。
 昨年の話でありますと、大体その三分の一ぐらいが完全失業者になるという予測だったわけでありますけれども、私は、現在の状況を考えますと、三分の一というのではなかなかおさまりにくいのではないか、もう少しふえる可能性があるのではないかというふうに、これは全くの私の感じでございますけれども、そんな感じを実は持っております。
 したがいまして、これからの処理をされます額、そしてまたどれぐらいのスピードでそれがやられるのかということに最大の関心を持っているわけでございまして、そのことについて竹中大臣等ともよく話をしていきたい、今までもしてまいりましたけれども、していきたいというふうに思っております。
 そして、その後のことにつきましては、先ほどお話ございましたが、産業再生というのは、それはやっていくんだけれども時間のかかる話であって、それをやったとしてもそこから失業者が出てくるという話は、それはある意味ではそうかもしれませんが、しかし、この産業再生のやり方によりましては、かなり私は違ってくると思っております。
 今までの産業再生を、いわゆる民間の力にゆだねるという形での産業再生というよりも、より積極的にここは支援をしていくという体制がとれるのであるならば、私はそこはかなり違ってくるというふうに思っている次第でございまして、しかし、それにしても、そこから漏れてくると申しますか、そこからやはり発生してくるであろう離職者というのは当然考えられるわけでございまして、そのことに対する対策を我々は立てておかなければならない。
 補正予算の話、出ておりますけれども、内容はまだ全くわからない段階でございますので、そこへ行きますまでの間、まず我々がやりますことは、現在までやってまいりましたことをできるだけ前倒しをしてやる、そして今までのやっておりました条件を緩和いたしまして使いやすくする、あるいはまた、今までの基金を利用いたしまして、そしてできるだけそれを現在に合ったような形に組みかえるといったことが現在でき得る範囲でございまして、それにつきましてはできるだけ早くやりまして、十二月の一日ぐらいからそうしたことは実行できるようにしたい、こういうふうに思っている次第でございます。
大島(敦)委員 この場は、産業再生のできるできないについて論じる委員会ではないので、そこのところは細かく触れるつもりはないんですけれども、ただ、今回の産業再生機構ですか、国が産業再生にタッチするということに関しては、私個人としては非常に懐疑的です。これは、民間は民間に任せるべきであって、法的な措置に基づいて企業のあり方というのは決めるべきであって、どの企業を生かす、生かさないに関して、それを国が決めること、民間の方が入るにせよ、決めることについては非常に危惧を持っています。
 もちろん、大臣がおっしゃることをそしゃくしますと、産業再生について、国が決定すれば、この会社はつぶさないという会社をふやせば、その会社から失業者は出ることはありませんから、逆に失業率がふえることはないということかもしれないですけれども、それは、私たちの資本主義の切磋琢磨する社会にはなじまない考え方かなと考えております。産業再生の機構の成功する、しないではなくて、やはり厚生労働省としての御見解、あるいは前提条件を置いて雇用対策については取り組まれるべきだと考えます。
 それで、昨年、私たち民主党は、例えば雇用対策について、ちょうど今ごろの時期です、一般会計から二兆円規模の繰り入れを行うことで雇用保険の財政基盤を抜本的に拡充すべき、あるいは、失業給付基本手当、失業給付が切れた後も二年間、能力開発を行う前提でありましたら、その費用と生活費の一部を助成するというような政策を掲げておりました。
 今この時期、国としても、私たちが昨年主張したような抜本的な失業対策が必要であり、そのことによって国民が安心できるという、この安心ということが必要かと思うのですけれども、その点、大臣、いかがお考えでしょうか。
坂口国務大臣 失業者が出ました場合に、その失業者に対して当面何をするかということが大事ではございますけれども、失業者の手当てをしておりますだけではこの雇用状況はよくなっていかないわけでございまして、失業になった人に対しまして、どのようにミスマッチを乗り越えて再就職をしていただくかといったようなところにやはり重点を置くべきでございますし、そしてまた、新しい企業を起こそうとする人がありましたら、それに対する支援をするといったようなことが大事だというふうに思っております。
 昨年も、民主党の方でお出しをいただきました案、拝見をさせていただいた記憶がございますし、そのことも存じておりますけれども、私は、失業した人に対して、その生活費なりあるいは雇用保険なりを、長くずっとそれを続けて出すということによって物事は解決はしない。やはり、この厳しい状況でございますけれども、その中で新しい雇用をどうつくり出していくか、それに対してどう結びつけていくか。少なくともミスマッチがあることも事実でございますし、そうしたことをどう乗り越えていくかといったことをやはりきめ細かくやっていかなければならないというふうに思っております。より具体的な問題はそういうことでございます。
 より根幹にかかわりますところでは、国として、企業のあり方というものについてやはり改革を加えていかなければならない。それは、日本がこれだけで諸外国と競争をしていかなければならないわけでありますから、ここはどうしても労働生産性を高めていかなければならない。そこのところが、諸外国に比較をいたしまして非常に見劣りがするところが多いわけでありますから、その労働生産性をどう克服をしていくかというところに産業再生としては一番大きなウエートが置かれなければならないというふうに思っておりまして、相まってやはりやっていかなければならない。
 当面、起こってまいりました失業者の対策だけでやっておりますと、私は、いつまでたちましてもいけない。やはりその根幹にかかわるところにいち早く日本の国が立ち向かうということが大事ではないかというふうに思っておりまして、今回、総理にも説明を既にさせていただいておりますし、二十日の日には、経済財政諮問会議でそのことを主張したいというふうに思っておりますが、そうした意味で、労働生産性をやはり高めていく。
 G7、ずっと比較いたしましても、イタリアが一番高いんですね。僕は、それはイタリアが高いというのはちょっと驚きだったんですけれども、日本を一〇〇とすれば、労働生産性、一三七ぐらいあるわけであります。少なくともイタリア並みに日本は早く行かないといけない。そのために何をなすべきかということをしっかり考えていかないといけないというふうに思いますし、今までの、いわゆる経済におけるさまざまな慣習でありますとかやり方といったようなものにつきましても、これは、改めるべきところがあれば改めていかなければならない。
 また、労働生産性を上げるために、リストラで人数は少なくして、そして一人の人に対する労働時間は非常に過酷にするというようなことがあってはこれまたいけないわけでありまして、もしそういうことが行われますと、今度はまた逆に、少子化対策として考えておりますこととこれはバッティングをしてくるわけでありますから、その両面を考えて、そしてここを乗り切っていかなければならない。
 その対策が基本としては大事、そこを踏まえながら、当面するより具体的な問題をどうしていくかという、二面作戦をどうしていくかということが大事だと今思っている次第でございます。
大島(敦)委員 労働生産性のお話を大臣の方から指摘されまして、私たちは今、例えばヨーロッパと比較するとかアメリカと比較するとか、欧米と比較して指標をつくることが多々あると思うんですけれども、私は今考え方を変えておりまして、ヨーロッパというのは、一つの、ユーロに始まる、余り、ちょっと違った価値観の人たちを経済の枠組みに入れないという今仕組みをつくっていまして、アメリカは、あれは一国で独立していますから、周りからの影響がない国です。
 私たちの日本という国は、すぐそこに中国があり、朝鮮半島があり、そしてASEANがあって、非常にアグレッシブな経済の中に浮いている国なものですから、今後の労働政策あるいは雇用の政策というのは、対欧米とかの比較も大切なんでしょうけれども、アジアの国々に対してどう私たちが対応をとっていくかという観点も必要であると思います。
 それで、ちょっと数字の方を質問させていただきたいんですけれども、就業者に占める雇用者の割合について御説明していただければ幸いでございます。過去の経緯について若干触れていただければ幸いです。
青木政府参考人 全体の就業者の中に占める雇用者数の割合のお尋ねでございますけれども、就業者数に占める雇用者数の割合は年々増加しておりまして、一九七二年には六七・六%でございましたが、二〇〇一年には八三・七%になっております。
大島(敦)委員 直近の数字についてお知らせください。
青木政府参考人 年次をもって御報告を申し上げますと、例えば平成十年から申し上げますと、平成十年の雇用者割合が八二・四%、それから平成十一年が八二・五%、十二年が八三・一%、十三年が八三・七%でございまして、さらに、月別によって見た本年九月の労働力調査によりますと、就業者に占める雇用者の比率は八四・一%と上昇しております。
大島(敦)委員 今の御答弁によりますと、一九七〇年が、就業者、働いている人に占める雇用者イコールサラリーマンの割合というのが大体七割ぐらい、そして、九〇年になるとそれが八割に上がり、今、直近ですと八四%、働いている人のうちの八十四人が雇用者ですから、自営業じゃない人の割合になっております。
 このような、日本の社会のメンタリティーというのかな、私もサラリーマンをやっていましたから、サラリーマンというのは、どちらかといえば、自営業と違ってリスクテークの仕事ではないんです。自分の与えられた職権、業務範囲があって、そこから一歩出ると必ず上司に相談するようなリスクヘッジの教育を受けるのがサラリーマンだと思うんですけれども、その点について局長はどうお考えでしょうか。
青木政府参考人 一人一人の働く方の生き方にかかわる問題であるというふうにお答えをしなければならないんだろうと思うんですけれども、やはりいろいろなことにチャレンジをするような、そういうことができるような気概とか、あるいはそういったものをサポートするような社会全体の仕組みもこれから必要になってくるのではないかというふうに思っております。
大島(敦)委員 前回も指摘しましたけれども、今、これだけ失業なんですけれども、雇う人がいないのが日本の社会でして、新しく仕事を始めて、お金に、資本については国がいろいろな諸制度をつくっていますから、ある程度資本は調達できる。しかしながら、仕事を求めている優秀な方も非常に多い、それを結びつけた新しく事業にチャレンジされる方が非常に少なくなっている社会なんです、今。
 ですから、今回産業再生といっても、そんなにすぐに産業再生ができるわけがなくて、これまで起業、業務を起こすことの支援を国がずっとやってきたけれども、どうしてできないのかというのはここにあるんです。なかなか、リスクをとってやる、リスクを楽しむ人たち、あるいは自分で仕事を起こすことが楽しいと感じる、わくわくするという感じを持っている方が非常に少なくなっている社会になってきているんです。
 ですから、今回、産業支援といってもなかなか難しいと考えておりまして、そうしますと、今必要なのは、抜本的な雇用対策なんです。産業再生が起こるまでのここ数年間をしっかり支える雇用対策が必要であると私考えております。
 ところで、今回雇用保険財政について、大分逼迫していますから、来年度雇用保険料を上げるというお話があるんですけれども、その点は大臣、どうお考えなんでしょうか。
戸苅政府参考人 雇用保険につきましては、今先生おっしゃるとおり、ここ八年ほど赤字が続いておりまして、毎年積立金を取り崩すという形で対応してきたわけでありますが、今積立金が平成十三年度末で五千億ということで、このまままいりますと来年度中には破綻をしてしまうということになっております。
 そういったことで、当面の破綻をいかに回避するか、それから将来的に雇用のセーフティーネットとして雇用保険を安定した制度に戻すためにどうしたらいいのかということで、今審議会でいろいろ御検討をいただいておりまして、給付の面では、早期の再就職により効果の高い給付制度にしていこう、それから再就職の特に困難な壮年層等に配慮した給付内容にしてみよう、働き方の多様化に対応した給付の見直しをしようということで、給付の見直しをすることといたしております。
 この給付の見直しで一定程度の給付の圧縮が図れるわけでありますけれども、それだけでは雇用保険の財政が安定化するに至らないということでありまして、我々としては、必要最小限の保険料の引き上げ、これも給付と負担の公平、そのあたりも十分考慮しながら、今審議会で御検討をいただいているというところであります。
大島(敦)委員 ここ数年、雇用保険の保険料は大分アップされていると思うんですけれども、ここ一回、二回ほど雇用保険料がアップされておりまして、そのトータルの保険料の増額、トータルの金額を教えていただきたいんですけれども。
戸苅政府参考人 しばらく以前は、雇用保険の保険料率は千分の八でありました。この十月に引き上げまして、現在千分の十四まで来ていまして、大体千分の一で千四百五十億、こう考えていただければよろしいと思います。それで、六倍でありますから、大体八千億強、こんな感じかと思います。
大島(敦)委員 そうしますと、ここ二年間で八千億強、大体九千億ぐらいだと私は認識しているのですけれども、そのくらいの金額が雇用保険料として日本全体で増額されたという理解でよろしいでしょうか。
戸苅政府参考人 おおむねそういうことだと思います。
大島(敦)委員 そうしますと、今言われているのはもう千分の二、〇・二%保険料を上げるということは、プラス三千億円ですから、ここ三年間ぐらいで一兆二千億円分保険料が増額されるということでよろしいでしょうか。
戸苅政府参考人 今、審議会の方にお示ししているたたき台としては、千分の二ということでお願いしていまして、千分の二で、千四百五十の倍ですから二千九百億ですので、大体先生のおっしゃるようなことだと思います。
大島(敦)委員 ことしの通常国会で健康保険法の改正をしておりまして、来年の四月一日から一年間の保険料の値上げの増分と自己負担額の増分について、概略の数字を教えていただければ幸いです。
水田政府参考人 お答え申し上げます。
 健康保険法等の改正による影響でございますけれども、平成十五年度から十九年度までの単年度平均で、保険料負担につきましては一兆三百億円ということでございます。
大島(敦)委員 自己負担についてもちょっと教えてください。
水田政府参考人 患者負担につきまして、同じベースで四千八百億円というふうに聞いております。
大島(敦)委員 あと、また来年の通常国会冒頭で年金の審議が入ると思うのですけれども、年金、完全物価スライドしなかった場合と、現時点での差分ですか、年金をもしも完全物価スライドにするとすれば、来年一年間で年金受給者が受け取る減額分というのはどのくらいの規模になるのでしょうか。
吉武政府参考人 来年度の年金の物価スライドにつきましては、これから十二月の予算編成段階で決定されるということでございますが、厚生労働省といたしましては、今先生がおっしゃいましたように、原則どおりの取り扱いを行いますと、十二年度から十四年度まで過去三カ年据え置きました累積分一・七%分に本年の物価下落分を加えた引き下げというふうになるわけでございます。
 これは財務省なんかも主張しておられるわけですけれども、この間も大臣からもいろいろな機会にお話ししていただいていますように、厚生労働省といたしましては、現役の賃金が下がっておりますので、一定程度の引き下げはやむを得ないということでございますが、概算要求におきましては、全体といたしまして、平成十四年度の政府経済見通しにおける物価変動率、経済見通しでは〇・六%分を引き下げるという要求をいたしております。
 仮に、先生お尋ねのように、これに過去三カ年の累積分であります一・七%を含めまして、トータルといたしまして二・三%の引き下げを行った場合と、年金額を据え置いた場合との差額を計算いたしますと、厚生年金、国民年金の十五年度概算要求上の給付費ベース、約六千七百億円というふうになってまいります。
大島(敦)委員 そうすると、ここ三年間の雇用保険料のアップが一兆二千億円、来年四月一日から始まります健康保険法の改正による国民負担分の増が一兆五千億円、プラス、年金を完全物価スライドにするとすれば六千七百億円ぐらいまた国民の年金の受給額が減るということになりまして、二兆から三兆ぐらいの金額が国民の消費のマインドを冷やすことになるかと思うのですけれども、このような政策を今後とり続けるのか。
 これも踏まえて、来年の雇用保険料の増分については、私は、一般財源から持ってくるべきだと思います。失業率がここまで、五%を超えた部分については、これは国の経済政策のミスですから、国が負担すべきと思うのですけれども、その点、大臣はいかがお考えでしょうか。
坂口国務大臣 大島議員と私と二人で決めるのでしたら、すぐこの場でそういうふうに決まるわけでございますが、なかなかそうはいかないところに難しいところがあるわけでございまして、これからいろいろと議論をしていかなければならない。
 今、社会保障のいろいろの額をお挙げになったわけでございますし、私たちもこれは、個々の問題もさることながら、トータルで社会保障がどうなっていくのかということも十分に配慮をしていかなければならないというふうに思っております。
 これから先のことをずっと考えてまいりますと、しかし、現在の、人口減少社会に間もなく突入をするわけでございまして、その人口減少社会の中での社会保障のあり方というのは非常に厳しいものがあるというふうに言わざるを得ない。そこを保険料でいくか、税でいくかという問題もそこには絡んでまいりますけれども、保険料であれ税であれ、その社会保障を今までのとおり継続していくということであるならば、これはかなり覚悟をしてかからなければならない社会がやってくる、それだけは間違いのない事実だというふうに思っております。
 そこのところを国民の皆さん方が、それは負担をするけれども、そのことがやはり将来の安定に結びつく制度を維持するためにはやむを得ないんだというふうに理解をしていただけるか、それとも、そこが、そうは言うけれどもそれはできないというふうに判断をしていただけるかということだろうというふうに思っております。
 そこを、例えば、年金の話にいたしましても、年金は正式の改正は再来年でございます。年末までに幾つかの案を提示を申し上げて、この案も、できるだけ幅広い案を幾つか提示を申し上げたい。少しのところの差を示すのではなくて、いろいろの、幅広い、格差のある制度をお示し申し上げて、それで一年間いろいろと御議論をいただく。そして、その中の一つというのは、その中の一つの中でまた修正を加えるのはいいと思いますけれども、どれに一番近いのがいいかといったようなことを御議論いただくといったようなことで決定をしていく以外にないというふうに思っているわけでございまして、そこは、多くの皆さん方の御議論の結果を踏まえて、将来の社会保障の問題を考えていきたいと思っております。
大島(敦)委員 別の質問をさせていただきます。
 今、独立行政法人化について法案の審議をされておりまして、独立行政法人について私が一番着目しているのは評価委員会です。国の方で独立行政法人の目標を決めて、その目標に対して評価をする評価委員会がポイントであるかと考えておりまして、今の評価委員会のメンバーについて、手短に御説明していただければ幸いです。
水田政府参考人 お答え申し上げます。
 厚生労働省におきます独立行政法人評価委員会の委員の任命についてでございますけれども、第三者機関としての機能が十分に果たせるように、審議会等の整理合理化に関する基本的計画、これは平成十一年四月の閣議決定でございますけれども、これなどを含めまして、独立行政法人の業務にかかわる専門の有識者を初めといたしまして、経営、財務、会計などの幅広い分野の学識経験者の中から審議に必要な知識を有する委員の人選を行ったところでございます。
大島(敦)委員 独立行政法人というのは組織ですから、組織がわかった方がいいかと思うんです。今回の評価委員会のメンバーを見ると、確かに優秀、学識経験者で、学識の部分が非常に強調されているかと思うんですけれども、今の独立行政法人の評価委員会のメンバーをリストをいただきまして見ますと、大学の先生が非常に多くて、組織という観点から目標管理をどうやってしっかり評価できるかという点について、これで担保されているのかどうかというところをお聞かせください。
水田政府参考人 独立行政法人の評価委員会の委員構成につきましては、評価の対象とする法人の業務内容に応じまして適正な評価がなされるように決定すべきものと考えております。
 厚生労働省が現在所管をしております三つの独立行政法人ございますけれども、国立健康・栄養研究所など、いずれも研究機関であるということがございます。こういうことを踏まえまして、評価委員会の委員の任命につきましては、法人の業務内容に関して専門的知識を有する方を中心としつつ、あわせて今委員御指摘になりました財務でありますとか経営でありますとか、そういうことの有識者などから幅広く人選を行ったところでございます。
大島(敦)委員 大臣、雇用・能力開発機構、これは研究機関じゃなくて実際に業務を執行する独立行政法人でありまして、その機関に対する評価委員会というのはポイントなんです。このポイントというのは、経営がわかった人ではないと組織はわからないんです。学者の方と経営者は違いまして、この評価委員会で担保できるとは私は考えてないんです。やはり、評価委員会の中には、経営のわかる方、組織のマネジメントがしっかりわかって組織の評価ができる人が入っていないと独立行政法人というのは評価ができないと考えておりまして、その点について最後に、大臣、お考えいただければ幸いでございます。大臣答弁お願いします。
坂口国務大臣 評価というのはどういう人がどういう考え方でやるかということによって随分これは幅がある、違ってくる問題でございますので、そこは今御指摘のように、同じような毛色と言うと大変言葉は悪いですけれども、同じような傾向の人だけを集めてやるというのはいけない、さまざまな角度の人が入ってないといけない、そういう意味では、経営者としての立場の人たちもやはり入っていただくということは重要なことだ、私もそれは今お聞きしてそう思います。
大島(敦)委員 ありがとうございました。
坂井委員長 次に、城島正光君。
城島委員 おはようございます。民主党の城島でございます。
 きょうは、久しぶりに坂口大臣、そして鴨下副大臣に雇用関連の問題について質疑をさせていただきます。
 時間に限りがございますので、まず、すぐに質問に入らせていただきますが、九月の雇用失業状況が発表になりましたけれども、これを見て私は、一段と雇用状況が深刻になっているなということを改めて実感したわけであります。完全失業率五・四%ということで、失業率は全く同水準が続いておりますけれども、この中身を見ますと、完全失業者が三百六十五万人、前年同月より八万人も増加している。これで十八カ月連続で完全失業者がふえているということでありますし、それから、非自発的離職による失業者百五十八万人、これも昨年比で何と四十九万人も増加をしている。これも十四カ月連続で増加であるということであります。
 特に、私がこれはちょっと深刻だなと思いましたのは、この非自発的失業者の中で、年齢階層別の数字を見てみますと、何と最近、中高年層の、いわゆる企業の倒産とか閉鎖ということ、一言で言えばリストラによる失業という方が急増している。
 今までは日本的な雇用慣行というのはそれでもまだ生きていて、こういったリストラによる失業というのはどちらかというと中高年層はできるだけ避けるということがあったわけでありますが、このリストラによる失業者が中高年層も極めて増加をしている。五十五歳から六十四歳の層を見てみますと、何と、定年によるいわゆる離職、失業というんでしょうか、定年による非自発的失業者と、今申し上げましたリストラによる失業は、全く同数になってしまったということでありまして、この辺を見ても、完全失業率五・四%の横ばいということとは裏腹に、その内容は一段と深刻化をしているということが読み取れると思うわけであります。
 そういう中で、今回、不良債権処理をどうするかということも含めて、改革加速のための総合対応策というのが十月三十日に発表されたわけであります。それをかなり読ませていただきましたけれども、この中で、まず最初に大臣にお聞きしたいのは、今回、この中に産業再生・雇用対策戦略本部というのが設置をされた、しかもこの総合対応策の中の表現として、産業構造改革・雇用対策本部、これが今まであったわけでありますが、これを抜本的に改組して、今申し上げました産業再生・雇用対策戦略本部に改組した、こうなっているわけですね。
 抜本的にという表現があるわけでありますが、大体、今までありました雇用対策本部、この総括というんでしょうか、これはどういうふうに評価をして、どういう点をもって抜本的に今回の戦略本部に、雇用対策戦略本部に改組されたのか、そこから大臣にお伺いしたいと思います。
坂口国務大臣 抜本的かどうかはわかりませんが、産業再生・雇用対策本部ということになりまして、産業構造改革ということに今まで力点が置かれておりましたものが、そうではなくて、不良債権処理等に対しまして、産業再生というものをどうしていくかということが、そこに焦点がかなり当たったわけでありまして、産業再生ということと雇用対策ということをセットにしてやっていこうということになりました。そこが、今までの、いわゆる構造改革をやって社会構造を変えていくということに主眼を置いてまいりましたところから、もう少し、緊急事態として産業再生というものと雇用対策というものを中心にしていこうというところに切りかえたというところが抜本的という言葉になっているんだというふうに思います。
 先ほどもちょっと御答弁を申し上げましたけれども、私は、産業再生ということに、そこにどれだけ力点を置くかということは雇用対策にもかなり大きな影響を与えてくるというふうに思っておりまして、これは経済産業省になりますけれども、できる限り産業再生というところを幅広くとっていただいて、そこに支援をしていただくということが大事ではないかというふうに思っておりますが、しかし、先ほどからの御議論にもありましたように、それを行ったといたしましても、失業者がふえてくることは避けられないというふうに私は思っておりますから、それに対しまして新しい対策をどう立てていくかということを我々は問われるわけでございます。
 そこは、私は、三段階に分けておりまして、現在の段階でなせること、現在もう既に組まれております予算の中でそれを前倒しを行いますなり、あるいはまた、基金として使用しておりましたものを形を若干変えて、そして早期にそれを実施するなり、現状に合ったようにして、まずそれを使わせていただく。あるいはまた、市町村に交付を既にいたしております、あと約二千億残っているわけでございますが、この交付金につきましても前倒しをしてこれを行うといったようなこと。あるいはまた、その使い方の内容につきましても検討をし直すといったようなことについて、まず当面やるべきこととして、大体十二月一日なり一月一日なり、その辺のところからスタートできるもの、その整備を今行っているところでございます。
 これに続きまして、今度は補正予算にかかわってくる問題が出てくるというふうに思いますので、ここのところにおきましては、不良債権をどう処理するかということと、そのスピードを、どのぐらいの期間でやっていくかということがかなり明確になってくるというふうに思いますから、それに対しまして、産業再生と雇用対策をどうそこへ構築をしていくかという問題がそこに加味をされてくる、それは、それに対応できるように、ひとつそこは考えたいというふうに思っているところでございます。
 さらに加えましては、抜本的な、いわゆる産業なり経済界の構造改革なるものをどう進めていくかということは、先ほど大島議員の御質問にお答えをしたようなことも含めて、大体三段階ぐらいで今検討を進めているところでございます。
城島委員 冒頭申し上げましたように、雇用状況は、特に失業状況は一段と、中身的にいけば悪化をしていっている。
 もちろん、大臣おっしゃったように、雇用対策というのは、ベースとしては、いかにして新しい雇用の受け皿をつくっていくか、新しい産業も含めてでありますが、そういうものをつくっていくかということがベースとして非常に大事だということはわかっておりますし、そういうのが大事だということはあるわけでありますが、そういう中でも、この雇用状況、今言ったように深刻化していっているということからすると、今まであった雇用対策本部の中で、私も個々のいろいろな雇用対策を読ませていただきましたけれども、そういった雇用対策、雇用政策というのは、どうなんでしょうか、総括としては、これは十分に機能してきたということなんでしょうか。
 大体、私調べてみますと、この雇用対策本部は、私が調べて間違いなければ、昨年の九月に四回目の会合を開いて雇用関係の総合的な雇用対策を取りまとめて以降、開かれていないように思うんですね。
 雇用対策そのものは、大臣もおっしゃったように、ある面では総合的な対策ですから、そういうことでいうと、まさに総合的な対策本部というのが、雇用政策、幾つか大きくこの本部でまとめられましたものについて、個々について、その政策がどの程度進捗をして一体どういうふうな成果を上げているかというようなことをきちっと適宜この本部の中でチェックをしながら、経産省なりあるいは厚労省なり文科省なり、いろいろなところが、それらについて、やはり予定どおりあるいはそれを上回るようなことで進むような、そういう指示を出すみたいなことは一般的に考えると当然だと思うわけでありますが、そういう形跡が見られないということも含めて、この対策本部を含めた進捗というんでしょうか、大臣としてはこの一年間の総括はどんなものでしょうか。十分いったということなんでしょうか、まだまだ極めて不十分だということなんでしょうか。
坂口国務大臣 これは、こういう対策本部はできておりますけれども、すべてここにゆだねているわけではございませんで、とりわけ雇用の問題というのは厚生労働省が中心になってやっているわけでございますので、この対策本部としてどこまでやれたかということは、これは御指摘のとおり、そんなに回数をやっているわけでもございませんし、そんなにここで深まったというわけではないというふうに私も思っております。そこを、今回つくりますこの中では、もう少しやはりやり方を考えていかなければならないというふうに思っております。
 その考えていかなければならないといいますのは、いわゆる雇用対策というのは、失業者が出た場合にその失業に対してどう対応をするかという、すなわち、失業者に対する後始末と申しますか、それだけに焦点が当てられてきている。それでいきますと、厚生労働省のやっております、今までやってまいりました雇用対策だけに限定されてくるわけでありまして、私は、厚生労働省がやっておりますこの雇用対策というのは、もう昔から積み重ねが随分ありまして、それはまことに、これほどもまあきめ細かくよくぞやったものだと思うほど細かなものがたくさんあるわけでありまして、少しここは整理をしなきゃならないというところもあるわけでございますが、しかし、もうここは、私は限度、限界があるというふうに思っております。
 もう少し大きな枠組みの中で雇用対策というものをやはり考えていかないことには解決のできない時期に来ている。すなわち、一時期の、一定期間だけの雇用対策ということではあり得ない。これからかなり中長期的、まあ長期ということは言えるかどうかわかりませんが、少なくとも中期的には、今後継続をしていくであろうこの雇用対策というものをもう少し大きな範囲でとらえていくということが大事でございますので、とりわけ経済産業省あたりとのタイアップというのをもっと綿密にやっていかなければならないというふうに思っている次第でございまして、そうした意味で、今度の産業再生ということになってまいりますと、かなり今までとは絞られてまいりますので、そこでやっていきたいというふうに思っている次第でございます。
城島委員 総論的には私もそのことについて異論はないわけでありますが、そうしますと、ますます総合的な観点が必要だし、そうした広い意味での雇用対策に対するまさに予算というのが相当中長期的な観点からも投入されなきゃいかぬのであるというふうに思いますので、そこはまた逆に大臣に期待をしたいところだというふうに思います。
 もう一つ、今度は、今回の総合対応策というところを読ませていただきますと、これは、小泉総理もいろいろなところで答弁するときに答えられている表現がここにもあるんですが、雇用対策について、「地方公共団体の主体的な施策も活かしながら、雇用や中小企業のセーフティ・ネットには、」ここにも言葉が躍っておりまして、「万全を期す。」
 言葉としては非常にすばらしい表現でありますが、万全を期すと言ったとき、まさに今大臣が御指摘のような観点からも、幅広の対応策が必要だ。
 まして、単に失業というところだけとらえても、今実態を調べてみますと、約三百六十五万人、完全失業者で三百六十五万人ということでありまして、この失業者の実態調査というのを、ちょっと総務省のデータを見ていて私びっくりしたんですが、例えば、失業者の一カ月の収入源の調査、ことしの四月、五月の段階のが発表されましたけれども、失業者のうち、雇用保険が主な収入源だと答えている人は二〇・六%、五人に一人ですね。ちょうど半分の五〇・八%の方は収入がないというふうにお答えになっております。
 そうしますと、失業者の方の現実、実態を見ても、半分の人は、基本的には収入がないという中で、まさに今までの貯蓄だとかそういうものを取り崩しながら生活をしているという実態も含めていいますと、これは先ほど大島さんも論議になった、後でもちょっと触れたいと思いますが、さまざまな失業対策という中の雇用保険、これも極めて大事でありますが、同時に、雇用保険が切れた人もそうですし、雇用保険の枠外にある人も結構いるわけでありますね。失業者の雇用保険の対象が約三〇%ぐらいだと思いますが、そうしたこともあわせて、この二つの点からすると、大変な状況になっているんだと思うんですね、失業者の皆さん方に対して。
 したがって、失業者の皆さんに対してどうしていくかということと同時に、できるだけ失業者を減らしていく、さらには、よく厚労省がおっしゃるように、失業なき労働移動をどう図っていくか、こういった観点から、短期的に見ても、私は、三つの視点が、今、失業対策の上において、あるいは雇用対策の上において、極めて重要な点だというふうに思っているわけであります。
 そういう観点からしても、大臣、どうでしょうか、今回の総合対応策、万全を期すという表現になっておりますが、大臣として、この総合的雇用対策、万全を期すという表現に見合ったものになり得るという御確信をお持ちなんでしょうか。
坂口国務大臣 雇用対策、これは中央だけでやっておりましては十分でないことはもう実証済みでございまして、雇用というのは、それぞれの地域によりまして、それぞれの条件、環境がありますから、やはり地域の状況というものをよく把握し、地域における雇用対策というものとセットでやっていかなければならない、それはそのとおりだと私は実は思っているわけであります。今までの雇用対策が中央中心であり過ぎた、もう少し地域における雇用対策というものとセットにしてやっていかなきゃいけない。むしろ、地域で自主的に雇用対策というものをお立ていただいて、それに対してどうバックアップをするかというようなところももっとあっていいというふうに思っている次第でございます。
 全体といたしましては、中央と地方との関係、それから、いわゆる厚生労働省の範囲の中における雇用対策から、もう少し幅広い、内閣全体にとっての雇用対策といった側面、そうした両方の広がりのある中で雇用対策を立てていかなければならないというふうに思っている次第でございます。
 今御指摘になりましたように、失業者の中で雇用保険で生活をしている人が二〇%というふうに今おっしゃったでしょうか、我々の方もいろいろ調査をいたしておりますが、そういたしますと、雇用保険で生活をしている人もおみえになりますし、それから年金での生活者もおみえになる。あるいはまた、世帯主でない場合には、家族からの支援というのもかなりあったというふうに思っております。具体的な数字がちょっと今手元にございませんので、具体的に申し上げることができませんが、そうしたばらつきがあることも事実でございます。
 その中で、我々も一番大事だというふうに思っておりますのは、いわゆる世帯主で雇用保険を受けておみえになる方、そして世帯主で既に雇用保険をもらい終わった方、ここが一番深刻だというふうに思っておりまして、我々の方のキャリアカウンセラー等におきます御相談も、そうしたところを重点的にひとつ御相談に乗らさせていただきたいというふうに思っているところでございます。
城島委員 そういう中で、確かに、データ的に言いますと年金、恩給でという方が約九%いらっしゃいますけれども、合わせてそうしたことを入れても約三割の人が、年金だとかあるいは雇用保険、それから仕送りということを入れても三割であります。いずれにしても、重要なのは、雇用保険を中心として生計が成り立っているという人は五人に一人であり、半分の人は収入がない。
 おっしゃるように、世帯主の方の失業というのは最大の課題であることはもう言うまでもないと思いますが、そういうことではありますが、やはり一番関心があるのは雇用保険の問題だと思いますね。
 昨年、我々民主党から、こういう状況になることは容易に想定されるんじゃないかということで、ちょうど一年前の臨時国会で、議員立法として、雇用保険財政の健全化に向けてということで、二兆円規模の基金というものをつくったらどうかというのを提案させていただきましたし、この委員会でも論議をさせていただきました。大変残念なことに、読みどおりになった状況ということでありまして、そういう点からすると、率直に申し上げて、政府側の雇用保険財政についての見通しは極めて甘かったのではないかというふうに思うわけであります。その見通しについて、どういうことの反省があるのかということが一点。
 また、昨今の報道によりますと、来年の六月から雇用保険の料率を上げるということが報道されておりまして、上がって、しかも十月からは弾力条項が適用されている、しかもまたこの保険料率を上げざるを得ないという報道になっている。
 私はやはり、これは大臣の記者会見の中でもあったと思うのですが、私はそれは賛成なんですが、今回、特に、不良債権処理の加速化という政策的なことで、今後さらに、どの予測を見ても、幅はありますが失業者がふえていくということにおいては違いがないということからしても、これ以上の失業者増に対応した中での雇用保険の財政悪化について、本当に、保険だからということで料率だけで上げていくことが適正なのかどうかということについては、私も極めて疑問が多い。大臣も記者会見でそういう観点の答弁をされておりますが。
 少なくとも、セーフティーネットに万全を期すということと、雇用保険財政が厳しいから料率を上げ給付を厳しくするというのは、わかりやすく言うと完全に矛盾した話になっているんですね。
 セーフティーネットを万全にするというのであれば、一般的に言えば、常識的に言えば、雇用保険も充実をさせる。しかも、これだけ賃金が減ったり、あるいは失業者がふえているという状況でいけば、これは、常識的に言えば、そのことからしても、一般会計からの何らかの投入、昨年我々が提案したことでありますが、そう考えるのが普通だ、普通であるというふうに思うわけでありますが、この二点について、いかがでしょうか。
坂口国務大臣 雇用保険というのはどういうふうに皆が受けとめていただいているかということにもよると私は思いますが、やはり、働いておみえになる方と働く場を失った方とのお互いの助け合いという立場からいきますならば、失業者がふえてまいりました場合に、より多くの助け合いの精神を発揮していただくということにならざるを得ない。それも、一時的な問題ではなくて、これから中長期的にそういう状況が続いていくという状況であればなおさらのこと、そこは皆さん方で一層の助け合い精神を発揮していただかざるを得ないというのが、この雇用保険の中心的な課題であるというふうに思っております。
 しかし、そうはいいますものの、経済の一つの流れだけではなくて、国が意識的に一つの政策を実行する、それによって失業者が増加をするということであるならば、それは私は別に考える必要があるのではないかというふうに思っておりまして、それに対しましては、雇用保険という範疇から離れた問題ではないかというふうに思っておりまして、そのことは強く主張をしたいと思っているところでございます。
城島委員 ぜひそういう観点で大臣には頑張っていただきたいわけであります。
 それにしても、恐らく、きょうは時間がなかったものですから、この対応策の中での失業率の見通し等はあえてお聞きしておりませんが、今の雇用情勢の悪化というのは、今回の不良債権処理の加速化ということも考えますと、中期的にやはり続いていくだろう。一気にこの一年ぐらいの中で失業率やあるいは雇用情勢がぐんと改善していくということはなかなか現実問題としては考えにくいということからしても、この雇用保険財政の問題というのは大事であります。
 同時に、もしこれが安易に保険料率のアップ、すなわち労使の負担につながるということになれば、失業の痛みも働く人だ、その負担も働く人だし、今度は受ける方も、給付は厳しくなる、削減するとなると、これは全くセーフティーネットの万全を期すというものと矛盾する話でありますから、少なくとも失業ということで痛みを感ずるまでを甘受しているわけですから、この辺の負担については、今大臣おっしゃったようなことをしっかりと政府部内で意見統一ができるように、やはり一般会計ということを含めて、安易な働く人への負担増にならないように、ここは強く私は要請をしておきたいというふうに思います。
 それから、雇用状況の中で私はもう一つ心配をしておりますのは、実は、いわゆる今までで言う正規雇用、非正規雇用、最近は典型労働、非典型労働と言うようでありますが、この比率を見てみますと、特に非典型労働と言われる、パート等という、この状況で働かれる皆さん方の比率が急増してきている。一番新しいデータを見ても、約二六%を超している。こういう状況からすると、他国の例を見ても、この比率からいうと、恐らく先進国の中では一番高い比率を占める雇用構造になってきたなということであります。
 私は、そういう点でいうと、さらに今小泉内閣が進めようとされている雇用部門における規制改革ということの中での幾つかの提起が既にされているわけでありますが、そうした、あるいは派遣労働の問題、有期雇用の問題等々考えますと、この比率がさらに上がっていく可能性が否定できないというふうに思うわけであります。
 こうした雇用構造が、今のルールの中で、今の仕組みの中でふえていくことが本当にいいのかどうかということについて、私は強い疑問を持っているわけでありまして、結論から言いますと、私は、今の状況の中でこの比率が高まっていくことは、一言で言うと雇用破壊につながっていく危険性をはらんでいる状況だというふうに思うんです。
 その例を幾つか申し上げたいわけでありますが、例えば、昨年一年間の労働基準法の違反事業場の調査というものが、基準局から発表されたものがあります。平成十三年度の労働基準法に基づく監督業務実施状況。結論を見ますと、実に六三・四%が違反事業場という比率になっております。すなわち、事業場の三分の二が労基法違反を犯しているということだと思うんですね。これはもう、この数字を見て私は驚愕をしたわけでありますが、これは、このデータは、実際そういうことであるととらえていいんでしょうか。
松崎政府参考人 ただいまの先生が御指摘の数字でございますが、これは私どもの方でつくっております監督業務実施状況報告の数字でございます。確かに、平成十三年で見ますと、定期監督等を実施した事業場十三万五千近くの中で、違反率六三・四%という数字になっております。
 ただ、二点申し上げたいのは、一つは、私ども、この定期監督等と言っておりますのは、毎年度、地方労働局それから監督署が計画をつくりまして計画的に監督を行うものと、災害が起こった場合に災害時監督ということで行く数字、この両方でございます。また、非常に事業場の数も多いわけでございますので、各労働局、監督署におきまして重点をそれぞれ考えておりまして、今までの指導実績でございますとか、今申し上げた災害の発生状況、そういったことを考えて、特に労働条件の履行確保上問題があるところを選んで行くというのがまずございます。そういったことで、違反率が、通常の、アトランダムに行った場合よりも高くなると思います。
 それから、もう一点。六三・四%という数字でございますけれども、これは労働基準法、労働安全衛生法等、こういった法律の何らかの違反が一つでもあった事業場の数でございます。そういったことで、数としては非常に多くなっておりますけれども、例えば割り増し賃金等についての違反ですと、行ったところの一割程度ということで、かなり、褒められた数字ではございませんけれども、比べれば低いという状況でございます。
城島委員 そうすると、そのデータはわかりましたけれども、これは改善しつつあるんですか。
松崎政府参考人 これについては、数字そのものが改善するかどうかというよりも、私ども、例えば労働基準行政の中におきましては、労働災害の防止等、それから適正な労働時間管理、そういったものを重点項目として挙げてやっております。
 そういったことで、この監督におきましても、今申し上げたような重点ということで監督指導を行い、事業主の方に納得をいただいて、今後そういうことが起こらないように改善していただくということで、地道ではございますけれども、そういう努力をしているということでございます。
城島委員 あわせて、東京の労働局でのデータでありますが、昨年の一月からことしの六月までの一年半の間に労基法三十七条違反として是正指導した、いわゆる割り増し賃金の未払いが報道されましたね。企業数六十七社、事業場数七百十八、支払い金額が百万以上になったものがそうだということでありまして、この支払い総額が十四億八千四百七十三万一千円。
 一事案で最高支払い金額が約三億一千万円、次は二億六千万円、二億四千万円、この三つの事業場の支払い総額が約半分を占めているんですけれども、例えば、この企業名の公表とかいうことは、これだけ金額がでかいのに、ないんですか。
松崎政府参考人 私ども、先ほど申し上げましたように、労働基準監督官を使いまして、労働基準法等の違反が起こらないようにということで監督指導を行っておりますけれども、この目的は、送検するとかそういったものではなくて、やはり事業主の方がきちんと労働基準法等を理解していただいて、今後起こらないようにきちんと直していただくということが第一の目標でございます。
 そういったことで、こういうふうにきちんと今後するというところにつきましては、公表ということは考えておりません。
城島委員 大臣、今私は二つの事例を挙げさせていただきまして、一件でもあれば、あるいは問題の多いところはとかいうような説明がありますが、それにしても、三分の二に及ぶ事業場において何らかの法違反が行われているんです。しかも、もう一つは、大きい企業においても、もう当たり前のことでありますけれども、普通に払えばいいのに、割り増し賃金の未払い状況というのが、こんな金額が、単に東京都だけを見てもある。
 いわゆる法を守る、遵守するという精神は一体どこにあるのかなということに問題意識を持つわけでありますが、大臣、少なくとも、きちっと使用者側が労働基準法は守るということを何らかのことでもっと徹底していかないと、最初申し上げたような比率で、働く人たちの、まさにワークルールというのは今極めて、これから論議になりますけれども、いろいろな点で不十分なところがある。その上で、正規従業員を含めた中でもまだこんなことが行われているとすれば、これは本当に深刻な問題だと私は思っているわけです。
 ですから、これこそ、工程表じゃありませんけれども、こうした違反の事業場を最低二、三年後には半減させるというような目標、そしてそのために具体的に何をやっていくか、単なる通知とか通告とかいうことだけでは減りそうもないわけですね。何らかのことできちっとやらないと、構造改革なくして景気回復なしという、構造改革は進んでも、逆に言うと、雇用破壊があって、社会破壊になるということを極めて秘めた危険な状況にあるということを、私は強く問題指摘をさせていただきたいと思います。
 最後、実はハローワークの実態についてもちょっと提起をさせていただきたかったんですが、時間が来ましたので、これは要請ということだけにしておきます。
 依然として、最初申し上げましたように、特に中高年層の非自発的失業者が急増している。そうしますと、御承知のように、ここは、依然としてまだ年齢の問題というのが現実問題としてある中で、極めて再就職が厳しいという状況の中で、ハローワーク、この機能強化も、今までの中で随分うたわれてきましたし、私も何度も大臣に要請をしてきて、それなりの対応はされてきているとは思いますが、実態として、これは青森の実態報告でありますが、非常にハローワークが混雑をしている。朝十時半に受け付けをした人が、相談を受けられたのは午後三時半。ここは、ハローワーク、一日約三千人弱。
 もちろん対応する方も大変だと思いますよ、確かに。ですけれども、こういうところにまさに、この前でしょうか、大臣にも要請しましたけれども、トータルの人員が一定であっても、今一番大事なところに人をきちんと配置する。まして、雇用情勢、何度も繰り返すように、残念ながら中期的に急激に改善する可能性が低い中では、ここに重点的に人も物も金も投資をすべきところじゃないでしょうか。
 そういう点で、補正予算幾らというようなことが新聞に躍っておりますが、まさしくこういうところに補正予算の最大の一般会計から重点的に投入されるということを要請するし、また、大臣、そうしていただくということを、確信を持つということでもって質問を終わらせていただきますが、大臣からの力強い御答弁をいただければありがたいなと思います。
坂口国務大臣 さまざまな課題を御提起いただきましたので、御主張いただきましたことも十分参考にさせていただきながら、頑張りたいと思っております。
城島委員 終わらせていただきます。
坂井委員長 次に、金田誠一君。
金田(誠)委員 おはようございます。民主党の金田誠一でございます。
 きょうは、雇用問題を中心とした一般質疑ということでございますので、まず初めに、歯科技工士のじん肺対策、これについて質問をいたします。
 この件につきましては、前回十一月一日の一般質疑で取り上げる予定でおりましたところ、時間の関係で積み残してしまいました。改めて質問をしたいと思います。
 昨年、北海道保健福祉部が実施した歯科技工士の肺機能障害者の実態調査によれば、受診者九十七名中、じん肺所見分類、PR1というんでしょうか、六分類中最軽度ということだそうでございますが、この分類に該当するもの十三例、率にして一三%あったと聞いているところでございます。
 かなり高い数値でございまして、詳細な調査を行うとともに、歯科技工所の設備基準を策定するなど対策を講ずるべきと考えますが、いかがでしょう。
木村副大臣 おはようございます。
 今の金田議員御指摘の点でございますが、北海道保健福祉部の調査につきましては、現在、結果の取りまとめ中と聞いております。今後、この結果を含めまして、これまでに行われました関連の調査研究等を十分に検証するとともに、まずは実態の把握に努めてまいりたいと思っております。
 なお、歯科技工所に限らず、労働者を粉じん作業に従事させる場合には、じん肺法により、事業者に対し必要な健康管理措置を義務づけているところでございます。
金田(誠)委員 じん肺法なり、あるいは労災法、こうした法律は、被用者というんでしょうか、雇用者を対象にした法体系だと思っておりますが、この歯科技工士の場合、一人ラボというんでしょうか、一人親方が相当数を占めるわけでございます。そういう方にはじん肺法なども直接的には適用されないというふうに聞いております。
 しかし、健康管理ということであれば、雇われていようが親方であろうが、これは人命という観点では同じことでございますから、そういう被用者を対象にした法体系からアプローチする、これはもとよりでございますけれども、歯科技工士法などもあるわけでございまして、自営の方も対象とした、しかるべき調査、そして対策ということを重ねてお願い申し上げておきたい、こう思うわけでございます。よろしくお願いをいたします。
 次に、二点目でございますが、外国人労働者、これをめぐる諸問題についてお尋ねをいたします。
 去る十一月七日でございますが、外国人集住都市東京会議が開催されたところでございます。
 外国人集住都市会議とは、南米日系人を中心とする外国人住民が多数居住する都市の行政、並びに地域の国際交流協会等をもって構成し、外国人住民にかかわる施策や活動状況に関する情報交換を行う中で、地域に顕在化しつつあるさまざまな問題の解決に積極的に取り組んでいくことを目的として、昨年五月、設立趣意が了承され、同じく昨年十月に浜松市において外国人集住都市公開首長会議が開催されて、外国人住民との地域共生に向けた浜松宣言及び提言、これが採択をされたものでございます。
 参加都市は、当初十三都市、現在十四都市でございます。各都市の外国人登録者数の人口に対する割合は、高い順に、群馬県大泉町一四・六%、岐阜県美濃加茂市六・八%、静岡県湖西市五・七%、群馬県太田市五・〇%などとなっており、設立の背景がよくわかるわけでございます。
 さらに、本年八月二十九日と三十一日には、ブラジル・日本比較法学会によるサンパウロ・ロンドリーナ宣言が発表されました。同宣言は、労働条件、社会保障、教育問題、家族法及び司法共助等について提言し、浜松宣言に全面的に同意することを宣言しているものでございます。
 加えて、去る十月三十一日には、移住労働者と連帯する全国ネットワーク、略称移住連といいますが、「「多民族・多文化共生社会」に向けて 包括的外国人政策の提言二〇〇二年版」を内閣府を初め関係各省に提出をしたところでございます。
 こうした中で、十一月七日の外国人集住都市東京会議においては、十四都市共同アピールが発せられました。
 その第一は、浜松宣言及び提言の実現を目指していく。第二は、国においては、外国人受け入れ及び在日外国人にかかわる基本方針をまとめ、省庁間の政策を総合的に調整する組織の早期設置を要望する。第三は、サンパウロ・ロンドリーナ宣言の内容に賛成し、日本・ブラジル間で連帯してブラジル人就労者の諸課題の解決を図っていく、こうなっております。
 政府は、こうした自治体やNGOからの提言を重く受けとめ、早急に検討すべき時期に来ていると考えるところでございます。
 そこで、まず外務省に質問をいたします。
 十四都市共同アピールの第二にあるとおり、国において外国人受け入れ及び在日外国人にかかわる基本方針をまとめることが必要と考えるわけでございますが、いかがでしょう。また、同じく、省庁間の政策を総合的に調整する組織の早期設置が必要、こう考えるところでございますが、あわせて御答弁をいただきたいと思います。
小野政府参考人 お答えいたします。
 外務省といたしましては、在日外国人にかかわる諸問題は大変多くの省庁の所掌にまたがる広範な問題であるわけでございますが、そういう意味で、政府全体として真剣に取り組んでいくべき問題だというふうに考えております。
 先生御指摘の、先週七日に開催されました外国人集住都市東京会議のアピールにございます国において外国人受け入れ及び在日外国人にかかわる基本方針を取りまとめるということにつきましては、外務省としても真摯にこの要望を受けとめまして、関係省庁との連絡調整をさらに密にしつつ、その必要性につき検討してまいりたいというふうに考えております。
 それから、第二の質問でございますが、外国人の受け入れの問題に関する調整、総合的な調整組織の早期設置の問題でございますけれども、繰り返しになりますけれども、これは大変多くの省庁の所掌にまたがる広範な問題でございますので、この政策を総合的に調整する組織の設置につきましては、外務省としては、御指摘を踏まえまして、関係省庁とその必要性につき検討してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
 なお、外務省といたしましては、昨年から省内にさまざまな、外国人、日系人問題を検討するということで研究会を発足させてきております。それから、先月には、外務大臣の諮問機関として海外交流審議会というものを立ち上げまして、各界有識者の方々によりまして、広く国際交流といいましょうか、人の交流にかかわる重要な問題、その中では特に外国人、日系人問題もございますが、そういう問題について議論いただき、また提言を出していただきまして、外交政策に反映させていきたいというふうに考えているところでございます。
金田(誠)委員 いずれも必要性につき検討するということでございまして、かなり腰の引けたスタンスかなと思っておりますが、もはやそんなときではない。自治体が見るに見かねて立ち上がらざるを得ないという状況でございます。その状況を十分認識をして踏み込んで、必要性はもう当然なことでございますから、中身の問題でございますから、早急に検討していただきたい。
 私は、内閣官房なりあるいは内閣府と協議をしてきまして、本来であればそちらではないかという話をしてきました。しかし、内閣官房では外務省だということで、そちらに振られたようでございますが、振られた以上は責任を持ってきっちりとやっていただきたいと強く要請をしておきたいと思います。
 このことに関連をしまして、先ほど申し上げた移住連の政策提言二〇〇二年版では、外国人人権基本法の制定が提言をされております。また、外国人との共生に関する基本法制研究会、ここでは多文化共生社会基本法の制定が提言されております。いずれも多文化、多民族共生社会の実現を目指す法制だと考えるわけでありますが、こうした法の制定に向けてこれまた検討を開始すべき時期に来ている、こう考えますが、いかがでしょう。
吉戒政府参考人 お答え申し上げます。
 法務省では人権擁護行政を所管しておりますけれども、この立場からお答え申し上げさせていただきますが、在日外国人の方につきましても、その方々の人権が尊重される社会の実現に努めることは極めて重要であるというふうに考えております。
 したがいまして、政府といたしましては、こういうふうな人権尊重社会の実現に資するために、人種、民族を理由とする不当な差別的取り扱いの禁止等を内容といたします人権擁護法案を提出しているところでございまして、今後とも人権擁護行政の充実強化に努めてまいりたいというふうに考えております。
金田(誠)委員 現在の法案はかなり趣旨が違うようでございまして、そのところは私どもの主張を既に明確にしておりますので、ぜひ御理解をいただきたいと思います。
 在日外国人というところに着目をしたきちんとした法体系、前段質問をした基本方針なり総合調整にもかかわることでございまして、したがって、本来であれば内閣官房なり内閣府、こう考えているところでございますが、重ねて要請をしておきたいと思います。
 次に、浜松宣言及び提言についてでございますが、これは、当面する最低限の事項だと思います。早急な実施が望まれるわけでございますが、政府部内でこれをどのように検討されていくことになるのか、お答えをいただきたいと思います。
加茂川政府参考人 外国人児童生徒の教育について御答弁申し上げたいと思います。
 現在、全国の小中学校等に外国人の就学者が約七万五千人おります。また、このうち、日本語指導が必要な外国人児童生徒が約一万九千人在籍していると承知をいたしておるわけでございます。こういう状況下で、御指摘がございました提言等にもございます、就学機会をより確保していくこと、または学校生活への適応をより図っていくことが教育上の課題であると私ども認識をしてございます。
 そこで、まず義務教育段階について申し上げますと、保護者が就学を希望いたします場合には、公立義務教育諸学校への無償での就学を現在認めておりまして、扱いも日本人児童生徒と同様の取り扱いにしてございます。例えば、教科書の無償配付でございますとか、就学援助等についても同様の扱いをいたしておるわけでございます。
 また、特に、希望する外国人児童生徒が学校への就学機会を逸することのないように、文部科学省といたしましては、市町村の教育委員会に対しまして、保護者に対して入学に関する事項を記載した就学案内を発給するように指導いたしてございます。すなわち、希望しながらも学校に就学することにならない、そういった者が出ないように手だてを講じているわけでございます。
 また、これに加えまして、外国人児童生徒ができるだけ早く我が国の学校生活に適応できますように、日本語指導の充実等を図っております。例えば、日本語指導のための教員の加配、配置でございますとか、母語、マザータングのわかる教育相談員の派遣等の施策もあわせて講じております。
 国のこういった施策とあわせまして、各地方公共団体でも、例えば日本語指導等協力者の派遣でございますとか地域ボランティア登録事業等を通じた学習支援等、さまざまな地域の実態に応じた施策を講じておるところでございまして、文部科学省といたしましては、関係する市町村、関係する教育委員会と十分な連携を図りつつ、これら外国人児童生徒の受け入れの体制強化のための諸施策を今後とも講じてまいりたいと思っております。
金田(誠)委員 今、文部科学省の方から御答弁があったわけでございますが、浜松宣言及び提言は各般にわたっているということでございます。それぞれの省庁から御説明をお聞きするのは可能でございますけれども、私がここで申し上げたいことは、これらを受けとめて全体を調整して、窓口となって、総合的に外国人の方々に対する施策を講ずるということを実は申し上げたいわけでございます。
 そういう意味で、冒頭外務省から御答弁をいただいたものですから、これらすべて、浜松宣言をどう受けとめてどうするかというのは、外務省が中心になって省庁の何らかの機関をつくって、そこの場でこれから検討されていくという答弁を期待したわけでございますが、それぞれがそれぞれ答弁なさるようでございまして、それが今の政府の実態なんだなということはよくわかりました。
 しかし、あれは一昨日でしたでしょうか、NHKの朝のテレビの番組でさまざまな問題が指摘されていた。それぞれあるわけでございます。各省庁がばらばらで、これにそれぞれの立場で対応していてはもはや対応し切れないということで取り上げられておりましたし、浜松宣言の趣旨も実はそこなわけでございます。それを十分踏まえていただいて、私は内閣官房か内閣府だと思っておりましたが、けさほど官房の方から、実は外務省になりましたという話でしたから、期待をしていたところでございますが、若干期待は裏切られたようでございます。
 ぜひひとつ、重ねて御要請を申し上げますが、外務省が取りまとめ役になったというのであれば、まとめて答えられるような、そんな形をぜひとっていただきたい、これは要請をしておきたいと思います。
 さらに、厚生労働大臣にお伺いをしたいと思いますのは、この浜松宣言にうたわれていることについて私は今申し上げました。一つは在日外国人にかかわる基本方針の策定、二つは総合的に調整する組織の設置、三つは仮称多民族・多文化共生社会基本法の制定、そして浜松宣言及び提言の早期実施、今私はこの四点を申し上げたところでございますけれども、厚生労働大臣、内閣の一員として、そしてこの問題に実務のレベルでは一番深くかかわりのある大臣が厚生労働大臣だと思うものですから、こういう立場からこの実現方について大臣としても御努力をいただく。取りまとめ役は外務省なら外務省でも構いませんが、この外国人労働者に最も深くかかわる大臣のお立場としての考え方なり御決意のほどを承りたい、こう思うわけでございます。
坂口国務大臣 結論から先に申し上げますと、浜松宣言及び提言というのは、尊重し、これを実行していくようにしなければならないというふうに思っております。
 外国人の労働者の場合に、個人にかかわります問題と、それから雇用、企業とのかかわりの問題と、それから社会保障、教育にかかわります問題と、大きく分けて大体三つあるというふうに思っております。特に、厚生労働省としてやっていかなければならない問題は、やはり雇用にかかわります問題あるいは企業とのかかわりの問題、それと社会保障の問題、この二つが大きいというふうに思っております。
 正式に日本におみえになっている方もございますし、そうでない方もございまして、外国人というふうに申しましても内容もさまざまでございますけれども、よく整理をして、そして、外国の皆さん方が日本で雇用についていただくということにつきましては、やはりそれなりに満足をしていただけるような努力をしていかなければならないというふうに思っております。
金田(誠)委員 よろしくお願いをしたいと思います。
 各省庁おいでいただいておりますが、改めて御要請をいたします。在日外国人にかかわる基本方針、そして総合的に調整する組織、これを受けて立っていただいたのが外務省だということでございますから、ぜひひとつお逃げにならずにこの役割をきちっと果たしていただきたい、こう思うわけでございます。
 次に、共生に関する基本法でございますが、法務省から御答弁をいただきましたけれども、そういう観点のものではない、こうしたものも受けとめて、外務省が窓口になるのなら、その窓口になるところがきちんと法案を取りまとめる立場にある。最初は基本方針でも、それが法律という形につながっていくという観点で、取りまとめ役だというのですから、ぜひひとつ御検討いただきたい、こう思うわけでございます。以上、御出席いただいた省庁には強く御要請をしておきたいと思います。
 文部科学省も、実は、今いろいろ御答弁ございましたけれども、それを超えて多くの問題がある。また機会を改めて申し上げたいと思いますが、よろしくお願いをしたいと思います。
 各省庁、以上で結構でございますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、単純労働者を受け入れない、このような我が国の基本方針について質問をいたします。
 このことは、一九九九年八月の第九次雇用対策基本計画にも、いわゆる単純労働者の受け入れについては十分慎重に対応するとされ、入管政策においてもこうした就労を不法就労として厳しく規制しているところだと理解をしております。
 しかし、実際は、専門的、技術的分野と単純労働者の区分に基づく労働政策は既に形骸化している、こう思うわけでございます。例えば、二〇〇〇年三月の第二次出入国管理基本計画では、在留資格の対象となる職種の範囲が拡大されている。さらに、単純労働とされる職種においても、日系人や不法就労者が入管法上合法的あるいは非合法に就労しており、その数は五十万人以上に及ぶと言われております。
 加えて、研修・技能実習制度の対象職種の拡大がございます。この制度は以前から移住労働者の偽装受け入れ形態としての批判もあり、KSD疑惑をめぐるアイム・ジャパンの問題も記憶に新しいところでございます。
 このように日本政府の基本方針が形骸化している背景には、外国人労働者を抜きにして日本経済は成り立たないという現実がございます。外国人労働者を抜きにして日本経済は成り立たない、私は、これが現実だと思うわけでございます。言うならば、これが我が国の本音でございます。
 その一方で、単純労働者は受け入れないという建前があり、そのもとで外国人労働者の方々は生殺与奪の権を握られているわけでございます。多くの外国人労働者は、この本音と建前のはざまで人権を著しく制約され、いわば使い捨ての状態に置かれている。
 外国人労働者をめぐる根本的な問題について、私なりには以上のように認識をしているところでございます。労働政策を所管する大臣としての御認識を伺いたいと思います。
坂口国務大臣 外国人労働者の問題というのは非常に難しい側面を持っているわけでありまして、私も、実は、前に労働大臣をさせていただきましたときからの課題にしているわけでございます。
 現在、御指摘をいただきましたように、専門的、技術的な分野の外国人につきましては来ていただいて結構でございます、しかし、単純労働の皆さん方の受け入れはできませんという建前になっているわけでございまして、そういう中で現在来ておりますし、そしてまた、現在のこの日本の中の雇用情勢もまことに厳しい状況にありますから、できる限り外国人ではなくて日本の方をどう雇用せしめるかという問題が中心になってくる。
 しかし、中長期的な展望で見ました場合に、やはり外国の皆さん方をどのように受け入れるかということにつきましても検討をしなければならない問題であり、そして、日本にお越しをいただきますときにはやはりそれなりの対策を立てなければならない、あいまいなままにしておいてはいけないということは御指摘のとおりというふうに思っている次第でございます。
 しかし、まことに厳しい状況の中で、日系外国人等が非常にふえているということも現実問題として実はあるわけでございます。私の地元におきましても、大変な日系外国人の方がおみえになりまして、四日市市でございますとか上野市でございますとか、そうしたところには非常に多いわけでございます。
 それでは、これをそのままにしておいていいのかどうか。そのままにしておいていいのかどうかといいますのは、日本で働いていただいている皆さん方の問題でいろいろのことが起こっております、そのことを現状のままに放置しておいていいのかどうかということも、率直に言って、地方自治体においてはたくさん起こっていることもよくお聞きをいたしております。少し整理をさせていただいて、今後に備えたいと思います。
金田(誠)委員 よろしくお願いをいたしたいと思います。
 さきに紹介したサンパウロ・ロンドリーナ宣言によりますと、日本に滞在したブラジル人は十五年間で四十万人を超え、それらの人々は、日本の文化的価値及び日本に関し、より大きな理解を吸収、同化したであろうに違いない、こう述べられております。さらに、ブラジル人の日本在住は、より大きな相互理解、したがって、両国民間の友好のきずなの緊密化と強化をもたらしている、こうも述べられております。こうしたことは、ブラジル人のみならず、日本に滞在する外国人すべてに言えることであろうと思います。
 しかし、本来であれば日本に関してだれよりも正しく理解してもらえるはずの彼らが、日本政府の本音と建前の使い分けの政策の中にあって、日本をどのように理解したか、私はおのずから明らかだと思うわけでございます。大変残念な事態になっていると思うわけであります。この問題は、人権問題であると同時に、我が国の国益という観点からも放置できない問題だと考えます。
 そうであるとすれば、我が国のとるべき道は、本音と建前の使い分けをやめることでございます。具体的には、単純労働者を受け入れないとしてきた基本方針を転換して、働きに来る人々なわけですから、そうした人には働く在留資格を保障する、すなわち、労働ビザを発給することであろうと思います。このことについて、労働政策、労働力政策を所管する大臣としての御所見を賜りたいと思います。
坂口国務大臣 先ほども申しましたように、基本的な考え方は先ほど申し上げたとおりでございますが、現状のこの政策は政策として存在するわけでございますし、したがいまして、今後、この問題をひとつ整理させていただいて、今後に備えたいというふうに思います。
金田(誠)委員 その整理をする場が、私は、内閣官房なり内閣府だと当初考えたわけでございます。しかし、今回の質問をめぐってのやりとりの中で、外務省がその役割をするということだったものですから、冒頭の質問では外務省に御答弁をいただきました。
 大臣、この問題は、例えば男女共同参画のように、内閣のあるいは内閣府の中に一定の部局を設けなければ難しいだろうと私は思うわけでございます。差し当たって外務省ということでございますから、そこに期待はいたしますけれども、どうぞひとつ、これは厚生労働省だけでどうこう判断すべきことでもないと思いますので、閣僚の一員というお立場から、その辺の日本政府としての検討の受け皿づくり、総合政策調整の受け皿づくり、これについて御配慮をいただきたい、これは御要請を申し上げておきたいと思います。
 次に、外国人労働者の社会保障について質問をいたします。
 世界人権宣言では、その第二十二条、社会保障、経済的、社会的及び文化的権利の項において、すべて人は、社会の一員として、社会保障を受ける権利を有し、かつ、国家的努力及び国際的協力により、各国の組織及び資源に応じて、自己の尊厳と自己の人格の自由な発展とに欠くことのできない経済的、社会的及び文化的権利を実現する権利を有するとされております。
 また、日本が一九七九年に批准した経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約、その社会権規約では、第九条、社会保障についての権利において、「この規約の締約国は、社会保険その他の社会保障についてのすべての者の権利を認める。」と定められております。
 これらの条約規定から見ても、また難民条約や子どもの権利条約にもほぼ同様の規定があることからしても、社会保障制度における無差別平等原則や内外人平等原則は国際標準である、このことは明白だと思うわけでありますが、お考えを伺いたいと思います。
木村副大臣 我が国におきましては、適法に滞在する外国人の方々に対しましては、日本人と同様の社会保障が行われております。
 また、外国人に対します社会保障の円滑な適用等を図る観点から、外国語のパンフレットを社会保険事務所に置くなどによる社会保険加入の促進、保健所における地域の医療機関の場所などについての外国語での情報提供、救急救命センターにおける緊急かつ重篤な外国人救急患者への救急医療の実施などの取り組みを行っているところでございます。
金田(誠)委員 問題は、適法に滞在するということは副大臣おっしゃるとおりでございますが、在留期間が切れた、オーバーステイの状態等の方々についても社会保障については同等の権利を有する、これが国際条約から見ても趣旨であろうということを伺っているわけですが、日本政府の解釈はそうではないんですか。
 現実は現実として、この国際条約の解釈についてどういう立場をとるのか。今の話では、オーバーステイになっていればこれはもう適用除外でもいいんだと言わんばかりでございまして、これは問題だと思うんです。
木村副大臣 今御指摘のございました不法就労、不法滞在など、入国管理法に違反している者に対しましては、これを前提とし、または容認するような形で社会保障制度が対応することは、このような違法状態を助長するようなことになるおそれがあることから、現状においては適当でないと考えております。
金田(誠)委員 今の答弁については、容認できません。ぜひひとつ、この国際条約の趣旨をいま一度十分御検討いただいて、きょうのところは大臣答弁は求めませんけれども、次の機会に大臣から適切な御答弁がされるように期待をいたしたいと思います。
 それでは、この社会保障についての具体的な問題といたしまして、国民健康保険について質問をいたします。
 国保法第五条によれば、「市町村又は特別区の区域内に住所を有する者は、当該市町村が行う国民健康保険の被保険者とする。」と規定をされております。また、外国人労働者は、在留資格の有無にかかわらず、民法上の住所を定めることができるのは当然でございます。したがって、外国人労働者は、在留資格の有無にかかわらず、国保の被保険者となり得るということでございます。
 ところが、自治体によっては、在留資格のない者は国保法上の住所を持たないというふうに解釈をするとか、あるいは、事業所に勤めていれば実際に被用者保険に加入していなくても国保の適用対象としないとするとか、このような運用がされていると聞いているところでございます。
 これについて、国は適切な指導を行って、在留資格の有無にかかわらず国保を適用する、国保法の規定に基づいて運用していただきたい、そのための措置をとっていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
真野政府参考人 御指摘でございますが、私ども、国民健康保険の被保険者資格を取得するためには、国民健康保険法上、日本国内に住所を有することが必要だというふうに考えておりまして、この場合、外国人につきましては、国内に生活の本拠を置くことができる法的地位を有しているかどうかという観点から、在留資格を有しているということが必要だというふうに考えております。
 したがいまして、在留資格のない不法滞在の外国人は、住所を有するという要件を満たしていないというふうに私どもは考えております。
 それから、先生御指摘の、民法上住所を有するという御指摘がございましたが、これは、民法二十一条に住所の規定はございますけれども、これは住所に関する一般的な定義をしていると私どもは考えておりまして、住所にかかわります要件、効果につきましては、それぞれ各法の解釈にゆだねられているというふうに考えております。
金田(誠)委員 もう一つ、答弁漏れ、被用者保険のところ。
真野政府参考人 被用者保険に適用されておれば、当然、健康保険その他の被用者保険法が適用されますので、国民健康保険法上は当然適用外といいますか、健康保険法その他が優先的に適用されるということでございます。
金田(誠)委員 いやいや、そうでなくて、質問、ちゃんと聞いていないとだめ。質問をちゃんと聞いて答弁しないと。時計をとめてください。――もう一回質問しますか。
真野政府参考人 済みません、失礼しました。
 事業所に勤めておれば、実際に被用者保険に加入していなくても国保の適用対象としないという取り扱いの御指摘がございましたが、これはまさに、事業所に勤めておれば、健康保険法上の適用対象であれば、健康保険法その他がまず優先的に適用されるということであって、そちらの方の適用をきちんとすべきというふうに思っております。
金田(誠)委員 だから、何で答えないんですか、そう何回も何回も。
 そうなっているけれども実際に被用者保険に加入させてもらえないという方が、日本人だってたくさんいるでしょう。そういう方が国保の申請をしたら、何で認めないの。大体、そういう運用をしているんですか。
真野政府参考人 もちろんそれは、事業者を通じまして、被用者ということになれば健康保険法の適用がなされるわけでございますので、そちらの方の指導をきちっとやるということであろうと思います。
金田(誠)委員 事業所に勤めていれば、実際に被用者保険に加入していなくても国保の適用対象としない、本当にこういうことをしているんですか。
 では、日本人であれば、事業所に勤めていて、社会保険の強制適用事業所になっていても適用をしていないというのは、山ほどあるでしょう。そういうところでも国保にやってくれというのは今どんどんふえているでしょう、厚生年金保険含めて。それは認めていて、在日外国人であれば認めない、そういう運用をしているんですか。
真野政府参考人 被用者に対する社会保険の適用ということでは同じでございますので、そういう違いのある取り扱いをしていることはないというふうに思います。
金田(誠)委員 何回も言わせないでくださいよ。今、日本人であれば、本来であれば社会保険の適用事業所であっても、そこから離脱している企業というのは山ほどあるでしょう、厚生年金も、それから政府管掌保険も。そういうところについてはみんな、国保を認めているんじゃないですか。認めていないんですか、そうしたら。
真野政府参考人 そこの御指摘は、そういう意味ではなくて、被用者保険の方の適用をきちんとすべきであるということを申し上げているわけでございます。
金田(誠)委員 質問に答えていないですよ、答えさせてください。
坂井委員長 真野保険局長、はっきり答弁してください。
真野政府参考人 今申し上げておりますように、被用者保険の適用を優先するということでございますので、被用者保険の適用をきちっとするということでございますが、そこのところで、その適用がないといいますか、健康保険に入っていないということであれば、当然国民健康保険の適用になるということでございます。
金田(誠)委員 最初からそう答えればいいわけでしょう、日本人についてはそういう適用をしていますと。本来は社会保険なんだけれども、何らかの事情で健康保険に入れてもらえないとかなんとか、いろいろあるわけですよ。そういう方は国保を認めていると今おっしゃった。
 外国人は認めないんですか、認めるんですか。そういう、同じ場合ですよ。
真野政府参考人 今申し上げておりますように、在留資格を持ち、日本国内に住所をお持ちの方については、同じ適用になるということでございます。
金田(誠)委員 まず、半分だけわかりました。
 次に、在留資格のない者は国保上の住所を持たないと考えているということでございますが、そういう解釈をするというふうに書いたものか何か、ありますか。
真野政府参考人 平成四年の三月に、国民健康保険課長から通知が出ておりまして、国民健康保険の対象となる外国人につきましての取り扱いを通知いたしております。
金田(誠)委員 その通知をいただきましたけれども、このどこを見ればそう書いているんですか。
真野政府参考人 在留期間その他に応じて、原則でございますが、入国当初の在留期間が一年以上という者について適用するということを通知いたしております。
金田(誠)委員 在留資格のない者は国保上の住所を持たないと考えるということと、これと、どう関係するんですか。何も書いていないじゃないですか、そんなことは。
真野政府参考人 在留期間を持ち、そういう取り扱いを行っている方々に対して適用するということでございまして、反面解釈として、そういうことであろうということでございます。
金田(誠)委員 国民健康保険法違反だと思いますね。国民健康保険法違反。在留資格のない方は住所を持たないというのは、何を根拠におっしゃっているんですか。民法上の住所でいいんじゃないですか。国民健康保険上の住所の定義なんというのはありますか、国民健康保険上の住所というのは。在留資格が切れたら住所は持たないというのは、どういう意味ですか。
木村副大臣 不法就労者等は強制退去のおそれがあるんですね。強制退去の対象となる者でございますので、要するに、その点から住所を有する者とは認められない、こういうような解釈をしておるようでございます。
金田(誠)委員 強制退去を求められる者は住所がないということはないでしょう。住所はあるんですよ、住所は。あとは、入管法の運用でどうなるかというのはまた別な問題じゃないですか。入管法は入管法で、法務省が対処すればいいことであって、国民健康保険は、国民健康保険法に基づいて措置すればいいわけですよ。これは何人も、居住要件のみによって、当該市町村の国保の被保険者となるんですよ。それ以外の解釈というのは、国民健康保険法上、できないでしょう。
真野政府参考人 先ほど来申し上げておりますように、日本国内に住所を有する者ということでございまして、先生は、民法上、住所という規定があるということでございますが、先ほど申し上げましたように、住所にかかわります要件、効果その他につきましては、それぞれ各法の解釈にゆだねられておりまして、私どもとしてはそういう解釈をいたしているわけでございます。
金田(誠)委員 大臣、これは、外国人登録もある、しかし在留期間は切れているという方は住所がないという解釈をしているんですね。これはおかしいと思いませんか。
 これは、今、問題提起させていただきました。ここで結論といったって、あと五分しかありませんから、同じ繰り返しになってもあれですよ。大臣、これは一回検討していただけませんか、どうでしょう。
坂口国務大臣 ここは裁判にもなっているところですね。一審と二審と違う判決等も出ておりまして、最高裁で、多分最高裁だと思いますけれども、争われているように記憶をいたしております。
 したがいまして、そうしたこともございまして、なかなかこれはどう判断をするかということが法律的にも難しいところであることも事実でございますので、その点の方もよく勉強しながら我々も政策は決めていきたいというふうに思います。
金田(誠)委員 東京地裁と横浜地裁で敗訴しているんですよね、国の方が。これからどうなるかわかりませんけれども、これは行政がきちんと対処すれば済むだけの話なんです。大体、裁判なんかになる方がおかしいということでございます。
 まず、病気やけがで病院に運び込まれた場合、医療保険の被保険者でないから、あるいは自費診療にするにもお金がないから、それで病院から帰せと言えますか、死ぬか生きるかという人が来たら。これは医師法違反になるんじゃないですか。しかし、それを治療した病院はお金をどこから取ればいいんですか。無料奉仕しろということなんですか。――いやいや、もう時間がないものですから。
 各自治体では、これを見るに見かねて、独自に医療補助の制度なんかつくっているわけですよ。そういうところまで自治体を追い込んでいるのは皆さんです。それも、国民健康保険法のきちんとした解釈をすれば済む話。こういう、命にかかわることですよ。ほかの法律では結構適用しているのあるじゃないですか、更生医療だとか。それは在留期間切れたって適用しているでしょう。何でこの命にかかわる国民健康保険というものを適用しないのか。
 これは強く申し上げて、大臣、ひとつ部内で御検討いただきたい。しかるべきときに、また改めて聞かせていただきたいと思います。
 法務省、帰りましたか。いますか。では、せっかくおいでいただいて、最後、一つだけ厚生省を抜かします。
 最後、法務省ですけれども、入管法第六十二条の通報義務というのがあります。国保を初めとして社会保険の加入や社会保障制度の適用が制約されている背景には、入管法第六十二条による公務員の通報義務、これがある。木村副大臣おっしゃるとおりの状態があるわけです。
 しかし、法務省は、一九八九年の衆議院法務委員会で、刑訴法の告発義務に公務員の守秘義務が優先する、入管法においても同様の考え方が妥当である旨の見解を示されております。この考え方に立てば、医療、保健、福祉等にかかわる公務員について、通報義務の免除は十分に可能ではないかと思うところでございます。
 しかし、通報されると思えば窓口にも行けないという、非人道的な扱いをされているわけですよ。せっかく外国から来て、日本をよく理解する立場にある方が、日本という国をこういう国だと理解して帰っていいんですか。そういう国益にももとることをやっておられる。
 したがって、この通報義務の免除について何らかの措置をとる、通報義務の免除、必ずしも拘束されないということを何らかの形で措置をしていただきたいと思いますが、法務省、いかがでしょうか。
増田政府参考人 入管法六十二条二項は、国または地方公共団体の職員は、その職務を遂行するに当たって退去強制事由に該当する外国人を知ったときは、その旨を通報しなければならないと規定しておりまして、医療、保健、福祉等に携わる公務員につきましても、法律上は通報義務はあるものと考えております。
 しかしながら、その通報義務を履行すると当該行政機関に課せられている行政目的が達成できないような例外的な場合には、当該行政機関において通報義務により守られるべき利益と各官署の職務の遂行という法益を比較考量して、通報するかどうかを個別に判断して、通報義務を履行しないで済ませるというようなことも運用していると承知しております。
 ただいま委員お尋ねの、この通報義務について何らかの措置を講じることはできないのかということでございますけれども、通報義務は出入国管理行政の適正な遂行のために必要な制度でございまして、一律に通報義務を免除するというような措置をとることにしますと、本来、通報されて入管法所定の手続を進めなければいけない者についても一律に免れさせる結果を生じさせかねないということがございますので、一律免除は必ずしも適当であるとは考えておりません。
金田(誠)委員 私も一律とは申し上げていないつもりでおります。何らかの措置がとれないか、引き続き検討をお願いしまして、時間でございますので、質問を終わります。ありがとうございました。
坂井委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時五分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時二分開議
坂井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。鍵田節哉君。
鍵田委員 民主党・無所属クラブの鍵田でございます。
 若干委員の方の出席が少ないようでございますが、時間が来ておりますから、私も質問を続けさせていただきたいと思います。一般質疑でなかったら、今ごろ委員会をとめていただくということになっておるはずでございますが、我が党も少ないものですから。
 この国会になりましてからもずっと、また以前からもそうですが、大臣とワークシェアリングの問題を議論させていただいておるわけでございますけれども、そういうことを中心にきょうは質問をさせていただきます。若干時間が短くなったようでございますので、できるだけはしょって質問をさせていただきます。
 まず最初に、十一月十二日に、政府は、既存の産業構造改革・雇用対策本部を抜本的に改組をされまして、産業再生・雇用対策戦略本部を設置されました。このこと自体、これまで政府がとってこられた施策が機能せずに、産業再生が大幅におくれ、そして雇用の改善も効果を上げ得なかったということが、さらに、産業再生を急ごうとすれば雇用もさらに一層悪化をしてしまう、こういうふうなことからこういう改組になった。
 したがって、雇用問題だけじゃなしに、産業再生も雇用対策も十分な成果を上げられなかった、そのためのこの改組であるというふうに認識をしておるわけでございますが、そのことについては共通の認識としてよろしいでしょうか。大臣のお答えをいただきたいと思います。
坂口国務大臣 御指摘をいただきますように、雇用情勢、刻々とまた状況が変わってまいっておりますし、それに対応するためにできたものでございますが、今までの対応だけではいけないというので、さらに新しくこういう制度をつくり上げる。
 今まであったわけでございますけれども、きょうも御指摘もありましたように、十分に機能していたとは言えないし、雇用対策だけではなくて、いわゆる産業の再生ということ、これはセットにしてやろうということでございますから、そうしたことで、今回新しくスタートをさせていただくということでございます。
鍵田委員 刻々と情勢が変化をしてというふうにうまくおっしゃったんですけれども、刻々と悪く変化をしておるということではないか。
 ということは、今まで全く無策であったということが今日の状況を生んでおるんじゃないかというふうに認識をするわけでございますが、過去の、特にこの四、五年の間、どういうふうな雇用対策を実施されてきて、そしてそれがどういう成果を上げたのか、上げられなかったのかということについて、事実関係、特に、目標を掲げて何十万人雇用だとかいうふうな看板は非常によかったんですが、それに対してどういう成果を上げられたのかということについて、事実関係をちょっと教えていただきたい。そこから議論を始めたいと思います。
戸苅政府参考人 これまでの四、五年の間、そのときの雇用情勢に応じまして雇用対策を講じてきたわけであります。
 御質問の、目標を設定した雇用対策について申し上げますと、まず、平成十年に緊急経済対策に盛り込まれまして、翌年、平成十一年の一月から実施いたしました雇用活性化総合プランがございます。これは、百万人の雇用創出・確保対策ということで講じたものでありますが、この百万人のうち、実は三十七万人は、GDPの押し上げ効果、それで雇用の弾性値を計算いたしまして三十七万人というのがございました。
 これにつきまして雇用創出効果がどのくらいあったのかということは、ちょっと私どもの方では検証が困難でありますが、それを除きました雇用確保・維持効果の目標数、約六十四万人でございますけれども、これにつきましては、全体として六十五万人という実績になっておりまして、目標を一応達成できたのではないかというふうに考えております。
 それから、平成十一年の六月に緊急雇用対策を講じました。これは、中高年の非自発的な失業者に焦点を当てまして、雇用機会の創出をするということを柱に緊急の対策を講じたものでありますが、目標は七十万人でございました。これに対しまして、これまでの実績は、約四十万人の雇用就業機会の創出ということになってございます。
 さらに、平成十二年の五月に、ミスマッチ解消を重点とする緊急雇用対策を講じました。これは、成長産業に必要な人材の早期育成でありますとか就職促進ということで、三十五万人程度の雇用就業機会の拡大の現実化を図るということで目標を掲げたものでございますが、これにつきましては、約三十二万人の雇用就業機会の創出ということになってございます。
 それからさらに、昨年の九月に総合雇用対策を策定いたしまして、現在これを推進中でございます。これにつきましては、例えば緊急地域雇用創出特別交付金につきましては、本年度の新規雇用の見込みを含めまして十六万人強の新規雇用の創出を見込んでおるところであります。それから、緊急雇用創出特別奨励金等につきましては、ことしの九月末までに約四万六千人の新規雇用の創出ということになってございます。
 これまでの雇用対策につきましては、現段階で一定の雇用に対する下支え効果を果たしているものというふうに考えておりますが、一方で、十分活用されていない助成金などもございまして、私どもとしては、今後、施策の周知にさらに努めますとともに、効果の検証あるいは必要な改善を行いながら、効果的な活用を図ることを通じまして、雇用対策をより実効あるものにしてまいりたいというふうに考えております。
鍵田委員 今の御答弁を聞いておりますと、百五、六十万人は雇用創出したということになるんじゃないかと思うんですが、では、失業者はそれだけ減ったんですか。
戸苅政府参考人 一方で新規雇用の創出をしているわけであります。中には、本格的な雇用の回復までということで、その間のつなぎの雇用対策というものも含まれておるところでございますが、その後の経済の低迷の長期化ということで、雇用を創出する一方で、新たに失業を余儀なくされる方、あるいは自己都合で失業される方、それから家庭の担い手、世帯の担い手が、残業時間が減ってしまうとか、あるいは不幸にして失業してしまうということで、世帯を支えるために、今まで仕事を求めておらずに家庭で働いていた、あるいは家庭におられた方が、新たに労働市場に出てきて仕事を始めて、失業者になったという方がいるということで、雇用創出の一方、失業者の増加ということがありまして、結果としては、残念ながら失業者の純増ということになっているところであります。
鍵田委員 お言葉を返すようですけれども、家庭におられた人が労働市場に出てこられて、それが失業してという。実際に今、失業者が職安に行っても仕事がない、だから就職活動をするのをあきらめた。だから、失業人口の中からも消えてしまっているというようなことがたくさんある中で、家庭から労働市場に出てきて、それが失業してというふうなのは、ちょっと何かこじつけ的な感じがしまして、現実の問題としては、やはりこれだけ新規の失業者がどんどん出てきておる環境の中で、それに対する施策が追いついておらない。いつも後追いで、後手後手になっておるという結果がこういうことになっておるんではないか。
 それが、失業者が若干でも減っているのなら、そういう雇用対策が機能しておるということが言えるわけですが、現実には、まだ減り続けておる、新規の失業がふえておるというような状況があるわけでございますから、そういうことを考えますと、雇用対策はやはり抜本的に見直すということが必要なのではないかというふうに思います。
 今までの認識についてはおおよそわかりました。
 それで、十月三十日にまとめられました改革加速のための総合対応策の中の雇用対策の推進では、全く新規の雇用対策というのはないわけでありますし、また、予算も新規のものは見当たらない。今までやっておった施策をどう組み合わせたり、また統廃合したりというふうな、見直しだけでしか対応されておらないというふうに思うわけなんです。
 産業再生を進めていく上においてどのぐらい失業者が出るのかということを、午前中の議論の中でも出ておりましたが、確かに、おっしゃられるように、予測はなかなか難しいと思いますけれども、しかし政府筋でも、二十万前後は、前後というより二十万以上の失業者が出るんではないか、こう言われておりますし、また、学者だとか、そういう専門家の意見を見ますと、五十万や六十万の新規失業がふえるんじゃないかというようなことも言われておるわけであります。そういうことに対して、今申し上げましたように、何ら予算措置をしないで対応するんだという方針を出されておるわけでありますけれども、そんなことで実際に乗り切れるのかどうか。
 補正予算の問題についても、今はまだ議論する段階ではないというふうなお答えでしたけれども、新聞事例では大体補正予算も五兆円規模とかいろいろ出ておりますが、そういうふうなことで何らかの予算的な措置もされようとしているのか、しなくてはならないと考えておられるのかどうか、その辺について大臣の方からお答えいただきたいと思います。
坂口国務大臣 御指摘をいただきましたように、十月に出しましたものは、これは今までの予算の範囲内におけるものをどう調整するかというだけでありまして、新しい予算が組まれていないものですから、それ以外に方法がございませんので、今までの予算の範囲内でそれをどう前倒しするか、そしてまた、現在見直したように、それをどう変形するかといったことに尽きているわけでございます。したがいまして、これはもう御指摘いただいたとおりでございます。
 では、これで十分なのかということになるわけでございますが、これは我々も十分でないというふうに思っているわけでございまして、補正予算が一体、今国会で組まれるのか、それとも次の通常国会の冒頭になるのか、明確でないものでございますから、どうもいらいらしながら我々も来たわけでございますが、とにもかくにも、補正予算を組むということだけは明確になってまいりました。したがいまして、その中でやはり雇用に対するセーフティーネットをどう組んでいただくかということに今度は入っていかなければならないというふうに思っております。
 その程度はどれだけかということになるわけでございますが、それは不良債権の処理のスピードにもよってくる、また、全体としてどれぐらいそれをやっていくかということにもかかわってくるということでございますので、その全体の動きを見ながら我々として十分なひとつ主張をしたい、こういうふうに思っているところでございます。
鍵田委員 大臣のお言葉ですと、この国会か、または通常国会、こうおっしゃっておられるわけでありますが、この国会ということになると、十二月の十三日までということで、時間もほとんどありません。まあ、国全体としてはまだ補正予算の作業を進めないにしても、しかし、現下の雇用情勢からいたしまして、どうしなくてはならないのか。もし補正予算を組むとしたら、どの程度の規模になるのかというようなことについての作業はもう進んでおらなかったら間に合わないんじゃないか。
 もしこの国会ということになったら、本当にもう一月ほどしかないわけですから、作業を進めなくてはならぬはずでありますが、それは進められているんでしょうか。いかがでしょう。
坂口国務大臣 詳しいことはまた局長から答弁があるかもしれませんが、とにかく、これからの方向性としましては、国だけでやはり雇用対策というのを組んでおりましてはいけませんので、いわゆる都道府県を中心としました地方とどうタイアップをしていくかということが大事になります。したがって、すべてを国の方で行うというのではなくて、各都道府県、地方でどういう雇用対策をしていただくか、それに対してどう我々が対応できるかといったこともひとつ重点項目の一つにしなきゃならないというふうに思っております。
 それから、それだけではなくて、いわゆる我々の厚生労働省の関係の分野、それから、とりわけ経済産業省だと思うんですが、こことの連携が非常に大事になってくるというふうに思います。中には国土交通省もございますし、ほかもございますけれども、特に経済産業省との連携が大変大事になってくるというふうに思いますので、その辺もしっかりと連携のできる体制を組んでいかなければならないというふうに思っているところでございます。
 厚生労働省としましてのより具体的なことにつきましては、これはもうかなり具体的な問題はこの中でやってまいりましたし、同じようなことを幾つも幾つも積み重ねましても、なかなか新しいものは出てこない。ですから、厚生労働省の範囲ではありますけれども、しかし、新しい起業をどう生み出していくかということにやはりかなり重点を置いた雇用対策というものをやっていかなければならないのではないか。そんなことを念頭に置きながら、今具体的な問題を詰めようとしているところでございます。
鍵田委員 今の大臣のお答えに関連をしまして、地方の自治体も非常に財政難で、なかなか雇用対策の方に回す財源がないというような面もございまして、むしろ厚生労働省にしっかり資金を出してくれという声が強いわけでございます。
 特に、地方によりましては雇用情勢が非常に厳しいところもございまして、先日も私、こちらへ来る前に大阪府と話をしておりますと、恐らく大阪府としての失業率は八%を超えてくるのじゃないかということを言われておるわけでございます。学者などにも、今五・四%という失業率だけれども、実際は潜在的な失業率も含めると一〇%ぐらいになってきておるのじゃないかというふうに言われる人もあるわけです。先ほども言いましたけれども、ハローワークに行っても仕事がないからといってあきらめてもうそういう活動をしない、これは失業率にカウントされてきませんから。そういう人が非常に多い。そういうのを含めますと、一〇%も行っておるということでございます。
 それで、私、前からずっと大臣にワークシェアリングの問題をお話しさせていただいておるわけでありますし、大臣も積極的に取り組みたいというお言葉はいただいておりますけれども、このワークシェアリングというのは非常に悩ましい問題がございます。経営者と労働組合では利害が相反しますし、それぞれ政党も利益団体等の関係もあって、国会の中でも片方だけに痛みを与えるようなやり方はなかなか合意が得られませんし、また反対の方に利害が及ぶような場合にも合意が得られないというふうなことがありますし、両方ということになるのもなかなか合意が難しいというのはございます。
 ございますが、先ほどからのお話をいろいろ伺っておりまして、今の雇用の状況というのは、ただ平時の、いわゆる労使の自治のもとで雇用をお互いに分かち合うというようなことを言っておって成果が上がるのかどうか。先日の質問の中でも、新しいワークシェアリングの予算を組んだ、七十億ほどですか、三年間で組んだ、こうおっしゃられているのですが、この五カ月ほど経過した中でまだ一件か二件だということでありますし、その規模も非常に少ない、十数人というふうな規模でございますから、これで雇用対策のワークシェアリングにはなり得ないわけでありますし、これからも、ではそれがフルに活用されるということになるかどうかというのは、私はちょっと疑問があると思います。
 そこで、政労使合意のこのワークシェアリングのペーパーがありますけれども、この中でも二の項で、「労使の自主的な判断と合意により行われるべきものであり、労使は、生産性の維持・向上に努めつつ、具体的な実施方法等について十分協議を尽くすことが必要である。」こういうふうになっておるのです。
 労使の自主的な判断ということになってくると、今は健全に企業がやっておられるところはそういうことを積極的にやる必要も何もないわけで、お互いに痛みのあることに関して手をつけようとはしません。といって、では、今非常に企業の再生をしなくてはならない大変なところでは、お互いに痛みを感じるような、そういうことをやってもそれで再生になるのかどうかということで、せいぜい補助金を活用して生き延びていくということぐらいしかされないわけでありますから、積極的な意味でのワークシェアリングというものを活用するというふうなことにはなかなかならないのではないかと思います。
 そこでまた、ワッセナー合意で非常にワークシェアリングを成功されておるオランダの例などにも倣って、政府が労使に呼びかけて、こういう紙切れの合意書だけではなしに、これを実施するためには一体何をしなくてはならないのか、お互いに痛みを分かち合おうじゃないか、そのかわり政府もそれに対して積極的に協力しましょう、こういう働きかけをして、それによって何十万人かの新規の雇用を創出していこうというリーダーシップが必要なときなのではないかというふうに思うわけでございます。そういう意味では、雇用が非常事態なんだ、そういう認識に立ってこの雇用問題を考えていただきたい。
 何か産業再生だけは非常事態だと言って、そろそろもう再生ができない企業にはお引き取りをいただきましょう、そのことには熱心だけれども、あとは若干セーフティーネットにしても手直しをするだけ、そして新しい雇用を創出するということにはもう一つ不熱心だ、こんなことで雇用問題が解決するはずがないと私は思っておりまして、再度、大臣にそのことについての御覚悟をお聞きしたいなということでございます。
 簡単に答えが出る問題ではないことは重々承知の上で質問させていただいておりますが、その辺についてよろしくお願いいたします。
坂口国務大臣 ワークシェアリングについてお話を申し上げる前に、一つ先ほど言い忘れましたが、やはり都道府県におきましても雇用の問題をぜひ進めたいというので、ハローワークだけではなくて、地方もそれができるようにしてほしいという話がございまして、それもぜひ法律改正をやりたいというふうに思っておりますし、それから民間の方もできるよう、もっとできやすくするようにしたいと思っております。
 それから、携帯電話等で今、仕事の状況を、ハローワークの状況等につきましてもお示しをいたしておりますが、今まではどこどこの企業から申し出があるということはその中には載せていなかったわけでございます。これを載せますと、やはりそれぞれの広告等のところでこれはだめだというふうに言われるところがございまして、新聞社あたりも広告を出しているのでそれは困るというふうな話があったわけでございますが、ここはひとつお許しをいただいて、載せさせていただく、もう一々ハローワークに行かなくても、直接その企業に行っていただいてもいいようにするといったようなことも、これはもう踏み切りたいと思っているところでございます。おしかりをある部分では受けることを覚悟しながらやりたいと思っております。
 それから、ワークシェアリングの問題でございますが、連合を中心とします労働者の方におきましては、やはり実際に労働時間が短縮して賃金が低下することはどうしても避けたいという御意見が強い、御指摘になりますことは私たちも痛いほどよくわかるわけでございますが、そこはやはり、ワークシェアリングであります以上、ある程度お許しをいただかなければならない。
 それから、日本経団連の方は、公正・均衡処遇につきまして、国が一律のルールをつくって均衡にいく、そして公正な処遇をする、短時間労働者に対しても公正な処遇をするといったようなことは、これは一律にやってもらうのは困るというお申し出がある。しかし、ここもある程度お許しをいただかなければならないところだと私は思っております。
 そうしたことで、両方とも、その辺のところで実はとまっているわけでございます。
 もうこれは時を待ったら解決できるという問題ではないだろうというふうに思っておりますので、ここのところは、我々の方でこういうことでどうかという案をお示し申し上げて、そして積極的に合意をしていただく以外にないだろうというふうに思っておりますので、お話し合いをいただく時期は大体これで一応終わった、この先は、これからお示しをして合意をいただく時期に来た、そういうふうに思っているところでございます。
鍵田委員 ぜひとも、そういうことで積極的に進めていただきたい。そのときに政府もこういう予算措置もして、援助をしましょう、これが小泉さんのよくおっしゃる三方一両損になるわけでございますから、経営側にも、労働者側にも、そして政府も痛みを分かち合うということがワークシェアリングを成功さす大きな要因になると思います。
 それから、ハローワークの問題については、もともと機関委任事務で地方にやってもらっていたのを全部今取り上げてしまったので、これをもう一度地方に移管してもいいんじゃないか。これは職安局長の職にも影響するのかもわかりませんが、その辺はちょっと私もわからないんですが、地方のそれぞれの特色を生かした、雇用の状況を生かしたハローワークの仕事をしていただくという意味では、もっと地方に裁量権を持ってもらうということも大事なんじゃないかというふうに思います。その辺はひとつよろしくお願いをします。
 経済産業省からも来ていただいておりますもので、幾つか質問をさせていただきたいと思います。特に、新産業の創出の問題でございます。
 時間短縮だとかそういうもので新しい雇用を創出しようというふうに今言っておるんですが、やはり産業の方で新しい産業をどんどん起こす、産業を活性化して、そして雇用を創出するということは本来一番必要なことでございますが、産業はどんどん今海外へ出ていったりして空洞化をするというような中で、雇用問題もなかなか改善されないということでいろいろなことを議論されていることは聞いておりますが、実際にどれだけ成果が上がっておるのかということにつきましても、もう一つ、目に見えた、そういうものが感じられない。
 昨日でしたか、本会議で知的財産の創造とか保護とかというふうな基本法が制定された。これもその一環だとは思うんですが、どういう施策を具体的にされておって、その成果がどうなのかということについて教えていただきたいと思います。
桑田政府参考人 お答え申し上げます。
 新規産業の創出につきまして、特に私ども、ベンチャー企業それから創業という観点で施策を重点的に講じてまいりたいと思っております。ともかく、新たな事業の創出、育成というのが現下の経済情勢の中で最も重要な課題であるというふうな認識でございます。そのために、現在、新しい事業といいますか企業を起こす際のリスクでございますとかハードルをいかに引き下げていくか、そのためには規制改革の問題、それから人材確保、有為な人材の方を確保するための制度の創設等々が必要でございます。
 先ほど御指摘ございましたけれども、知的財産の戦略、さらには今国会におきまして、本日の参議院の本会議で成立をしていただきました最低資本金、株式会社でございますと一千万円、それから有限会社でございますと三百万円という最低資本金の規制がございますけれども、創業後五年以内に限りましてこれの規制の撤廃をするという法律も成立をさせていただきました。そういうことによりまして、できるだけ企業が起こりやすい環境をつくっていきたいというのが私どもの感じでございます。
 特に予算面につきましても、こうした人材面、技術面、それから資金面支援ということで取り組んでまいっております。人材の方につきましては、新しい事業を起こすという方々のためにさまざまなセミナー、教育関連事業を実施してございますし、技術面につきましては、いわゆる日本版SBIRといったようなベンチャーとか中小企業の方が技術開発に提案公募で取り組まれる制度につきまして支援をしてございます。さらに、資金面でございますけれども、創業時に無担保無保証で融資を受けたり信用保証を受けるというような制度をつくってございます。最近のところですと非常に利用実績が伸びている状況でございます。
 成果でございますけれども、昨年五月に私どもの平沼大臣が新市場・雇用創出に向けた重点プランをつくりまして、この五年間、平成十八年までに開業、創業を現在の十八万社から三十六万社に倍増させるということで取り組んできておるわけでございます。まだ始まったばかりでございますけれども、私どもといたしましては、倍増に向けまして精いっぱい頑張っていきたいというふうに思っております。
鍵田委員 こういう施策というのは一朝一夕で成果が上がるというふうなことではございませんので、とにかく積極的にこれをやっていただく、そのことが国の経済活動全体に反映してくるわけでございますので、しっかり取り組んでいただきたいというふうに思います。
 そこで、関連しまして、実は今、日本の企業の海外進出ということが非常に活発に行われております。私は、特に欧米諸国の企業との競争上、やはり日本も海外に進出をして安い労働賃金でコストを下げて、そして国際的な競争に勝っていく、生き残っていく、そういう場合には、これはある程度やむを得ないことではないかというふうにも思いますし、また、その国の経済のレベルが上がってくれば、それはそれで我が国にとって新しい市場が生まれることにもなるわけでありますから、そういう技術の移転とかいうふうなことはいいとは思うんですけれども。
 最近の状況を見ていますと、とにかく自分の企業の利益だけを考えてどんどん海外に出ていってしまう、そして国内の競争、その中で自分が勝っていこう、ほかの企業を負かそうということで海外へ出ていって、安い商品をまた逆輸入して国内での市場競争に勝っていこう、こういうことをやっておりますと、結局みずから首を絞めることになるわけであります。そういう比較的まだ元気な産業がお互い共食いをして、そして国内ではリストラとかなんとかがどんどんやられておるというふうな状況がございます。こういう問題について、一つはどういうふうに考えるのかという問題。
 もう一つ、時間がありませんが、関連してお聞きしますと、そのときに技術が一緒についていってしまうんです。高度な基盤技術が一緒についていってしまう。そうしますと、技術が空洞化する。そして、中小企業なども一緒についていかざるを得ないとか、また、大企業が海外へ行ってしまうために、中小企業がもう成り立たなくなって廃業してしまう、そのときに高度な技術も一緒になくなってしまう。
 そういうことになってきますと、これはもう次の立ち直りをするまでの高度な技術者というのを育てるためには五年も十年もかかる、大変な時間を要することになるわけでありまして、そのことについてのいろいろなルールをつくるとか、それからまた、そういう空洞化がしないような施策というものをどうしていくのか。これは経産省も厚労省も両方にかかわる問題だと思いますので、両方からお答えいただいても結構です。よろしく。
桑田政府参考人 お答え申し上げます。
 先生の御指摘のとおり、製造業につきまして、海外の生産比率、この十年で、九〇年度の六・四%から二〇〇〇年度には一四・五%ということで、二倍近く伸びております。これはある意味では、我が国の中で、経済のグルーバル化の中で急成長するアジア市場へ入っていきたいという思いもありますし、片方では、先生御指摘のとおり、我が国の高度な技術に支えられた製品でございますとか高付加価値な品物を日本の中に残していき、これを伸ばしていくということが大事だというふうに思っております。
 他方で、私ども、日本の企業に昨年末からさまざまなヒアリングを展開してございますけれども、その中で、欧米の企業に比しまして、先生から御指摘ありましたように、技術の移転戦略とか技術流出防止についての意識が欧米に比べてやはり低いと言わざるを得ないという状況だと思っております。
 特に、具体的な例で申し上げますと、進出先のところから先端技術の移転が要請されたら、自分のところでの技術の影響の評価を十分にしないままに上の方が勝手にコミットしてきて、結果として意図せざる技術流出を招いてしまったとか、ライセンスの及ぶ地域とかについて具体的な契約内容を盛り込まなかったために輸出市場で自社製品と争うといったような事例も見られております。このように、私ども、企業の管理が不十分であることから、意図せざる海外への技術流出、これにどう対応していくかということが現下の課題だというふうに認識をしております。
 こういう観点から、実は、この三月、小泉総理が主宰されております知的財産戦略会議が、七月に知的財産戦略大綱をまとめられております。その中で、大綱の中におきまして、企業がみずから有するノウハウの海外への流出を防止するための戦略的なプログラムを策定できるように、参考となるべき指針を二〇〇二年度中に制定しろというふうに決まってございます。
 私どもといたしましては、こういった指針を年度内に策定するべく、また各企業が意図せざる技術流出をしないような形で対応を図っていきたいというふうに考えてございます。
鍵田委員 したがって、そういうルール化を明確にして、そして、これを通じて各企業にしっかり示達をしていただきたいというふうに思いますし、場合によっては、ココムがやりましたような、ああいうルール化というのも必要なんではないかというふうに思います。
 時間が大体、ちょっとおくれて始まったのでもう少しあるかと思いますが、一問ぐらいですか、もう終了ということで来ましたけれども、高齢技術者の活用問題について、特に、前にも申し上げたんですが、六十歳になったら定年でとにかく労働市場から排出されてしまう、こういう労働者、特に高度な熟練技術者、こういう人が、老後の生活をしていくために六十歳で仕事をやめるわけにはいかない、年金も六十五歳までもらえなくなるというようなことで、老後の生活のことを考えて、海外の企業から招致されて出ていくケースが今非常にふえてきております。
 こういう熟練労働者が海外へ出ていくことによって日本の企業とレベルが拮抗してきますと、市場で我々が非常に困ることになってくるわけでありますから、そういう高齢者の雇用の問題と技術の流出の問題とを両面からしっかり対応をしなくてはならないんじゃないかというふうに思いますので、その辺について厚労省の方でお答えだけいただいて、あと、雇用保険の問題もしっかりやりたかったんですが、ちょっと時間がございませんので、次回に譲りたいと思います。
坂口国務大臣 物づくり熟練技術者のお話だけちょっと申し上げておきたいと思いますが、これは、外国に出られる方を無理にとめるというわけにはなかなかいかない話でありまして、ここはなかなか難しいというふうに思いますが、しかし、問題は、それによって日本の国の中の技術レベルが低下をしましたり、そして外国から追いつかれることがありましても、日本の中でそれをさらに前へ進むことがないというようなことがあっては困る、こういうことだろうというふうに思っております。
 高度熟練技能者選定というのがございまして、物づくりの熟練技能者の後継者の育成でありますとか確保を行いますために、技能継承の必要性の高い高度熟練技能者の選定を行っております。これはまだ十業種でございます。大分ふやしてまいりましたけれども、現在、十業種。人数にいたしましても、まだ二千三百四十一名というふうにして、そんなに多くはございませんけれども、しかし、こうした人たちを選定いたしまして、そして、各企業に対しまして、情報の提供でありますとか実践的な指導を現在行っていただいているということでございます。こうしたことは、できましたらもう少し拡大をしていきたいというふうに思う次第でございます。
鍵田委員 ありがとうございました。終わります。
坂井委員長 次に、佐藤公治君。
佐藤(公)委員 自由党の佐藤公治でございます。
 前国会に比べますと久々の質問の時間をいただきましたことを心から感謝申し上げたいと思います。久しぶりの質問なもので、ちょっと緊張しております。ですので、失礼がありましたらお許しを願えたらありがたいかと思います。
 いろいろな委員会でも質問をさせていただいているんですけれども、改めて、坂口大臣の答弁というのは大したものだなと。本当に人を、質問者を煙に巻くというか、肩透かしに遭わせる。終わった後は何か共感、共鳴して、いい方向に行くのかなと思うと、実際はそうでもなかったりする。この才能というのは、大臣というのはすばらしいものがある。改めてそんな思いできょうここに立たせていただいております。
 でも、きょうはごまかされません。きょうはごまかされずに、大臣に率直に御意見を、または御答弁をいただきたい、こんな思いで立っておりますことを御理解いただけたらありがたいと思います。
 まずは、経済状況、景気状況、こういったものに関しては、やはり雇用問題等に関しては切っても切れないこと、この議論は今まで大臣とも随分してきました。私も専門家じゃございませんが、大臣も余り景気、経済のことをお話しするのは好きではない、何かそんなふうにもとられた答弁が多かったと思います。
 雇用情勢が深刻な事態となっていることは、今、改めて数字を挙げて申し上げるまでもありませんが、毎月の完全失業率は政府が発表するたびに上がり続け、またも過去最悪を更新いたしております。このとき、坂口厚生労働大臣は、記者会見で、雇用情勢は緊急事態を迎えたと述べられたようですが、その言葉とは裏腹に、政府には全く危機意識が感じられないと言わざるを得ません。この程度の情勢認識しか政府が持っていないがために、補正予算や、今ここで議論されている法案程度の対応しかとることができないのだと言わなければなりません。雇用情勢はもうどうしようもない状況にあると認識すべきなのであります。
 今読ませていただいたのは、去年の臨時国会、十一月十六日の代表質疑でのことでございます。実際、このとき、坂口厚生労働大臣も、本当に今大変な状況だ、緊急を要するという、非常に危機意識を持たれたというふうに委員会でも御答弁をされておりますけれども、果たして今回は、もっと悪い状況になっていると言わざるを得ないと思いますが、まず、この危機的意識、大変な状況だという意識、認識をどうとらえていらっしゃるのか、また前国会とどう違うのか、大臣、お答え願えればありがたいと思います。
鴨下副大臣 大臣が答弁をする前に、今の経済の現状につきまして厚生労働省といたしましてどういうような認識にあるのか、こういうようなことについてお答えをさせていただきたいと思います。
 先生御存じのように、十一月の月例経済報告におきましても、企業の収益等は少し改善の兆しがある、こういうようなこと、それから設備投資が下げどまりつつある、こういうようなことはあるんですが、しかし、今まで経済を引っ張ってきた輸出が弱含んでいるというようなことだとか、それから、生産も持ち直しの動きがさらに緩やかになってきた、これは表現が、言ってみれば表からの表現でありますけれども、私たちの認識からしても、極めて厳しい状況にあるということは間違いないんだろうというふうに考えております。
 また、それに伴って、雇用情勢については、有効求人倍率が若干改善しているものの、完全失業率等は依然として、おっしゃるとおり、五・四というようなことで高水準である、こういうようなことで、非常に厳しい状況であるということには間違いないだろうと思います。
 また、今後の景気の先行きについては、さまざまな不透明な要素もあるとは思いますが、一つには、アメリカの経済等への先行きの懸念だとか、今まさに株価そのものが非常に低迷している、こういうようなことで、全体的な経済のファンダメンタルは依然として極めて厳しい状況にある、こういうような認識でございます。
坂口国務大臣 認識は今副大臣から述べられたとおりでございますが、一つは、この九月の雇用指数を見ましても五・四と、なかなかよくなっていない。先ほど午前中にもお話ございましたように、非自発的といったところがふえている、少なくとも減っていない、そういうことがございまして、それが非常に悪いところでございますが、しかし、一面におきましては、製造業の雇用が十四カ月ぶりでございましたか、全面的によくなってまいりまして、八月、九月と非常によくなってまいりました。建設業以外のところは昨年をかなり上回ってまいりました。
 こういう状況は今までなかったことでございますので、そういう点では、プラスの方向を向いているのかなと。その中でも特に電子機械のところが非常に悪かったわけでございますが、ここが非常によくなってきているといったようなことがあって、いい面と悪い面とが混在をしているというのが現状ではないかというふうに思っております。
 しかし、ここで厳しさを増すのではないかというふうに予測をしなければならないのは、それは、この経済を立て直しますのに、立て直し方につきまして徐々に徐々にやっていくという行き方から、もう余り時間をかけずに一気呵成に、この現状の経済状況をよくしていくための治療を行おうと治療方法を転換してきているということが、雇用に対しまして大きな影響を与えるのではないか、こういうふうに認識しておるわけでございます。そういう転換の中に立って、我々は新しい雇用対策を考えなければならない、こういうふうに率直にそう思っている次第でございます。素直に申し上げたつもりでございます。
佐藤(公)委員 今の経済のお話は、多少悪いけれどもいいところもあるよ、まさにこれはGDPの推計方式の見直し等においての一―三月期の実質成長率はプラス〇・二%、四―六は一%、そしてこの次は〇・三%増ということで、年間換算で一・一%増だったと。全体では上がっているようなあれですけれども、そこにやはり、今のお話の中でデフレということの話の認識というのがほとんどなかったように思います。
 デフレということが歯どめがかからず、まさにきのうも竹中大臣もおっしゃっていました。名目成長率が実質を下回るということで、やはりデフレということに関しては、全体としては経済を非常に厳しい状況に追い込んでいる、こういうデフレということの話が今出ておりませんでしたけれども、副大臣、いかがでしょうか。
鴨下副大臣 今デフレという話がありましたけれども、巷間言われているように、例えばデフレがスパイラル状に動いていっている、こういうような認識は今の段階では持つ必要がないんだろうというふうに内閣府そして竹中大臣等も論評しておりますが、私たちも同じような認識であります。
 ただ、消費者物価等が当初の予定よりはさらに低目になってきている、こういうようなこともあって、そういう意味では、さまざまな社会保障制度全体の中でデフレというようなものは、言ってみれば非常に重大な要素になってきているんだろうな、こういうような認識ではあります。
佐藤(公)委員 今わかりました、認識の度合いが。まだデフレスパイラルに入っていない、まだ大丈夫だろうというような認識でいらっしゃるのかな。もう、実際大変な状況なんですよ。その意識を感じて、やはり大臣、副大臣、やっていただかなきゃいけない。もう時間がなくなったかななんてのんびり言っている場合じゃないんですよ。去年の段階でそれは私たち、民主党も含めてみんな言っていたこと。それを今さらになって、時間がなくなって、今やらなきゃいけない。
 さかのぼれば坂口大臣、平成八年の新進党のときの話を持ち出して恐縮でございますけれども、あのとき何という公約でしたか。もう私たちには時間がない、今すぐにでも構造改革をしなければ日本はつぶれる、こうおっしゃっていた方が、急に政権に入られたら時間があるみたいな話になっちゃう。これは僕はおかしいと思います。ここはごまかされない。
 そして、私が思うことは、このデフレ対策、きのうも自民党の大物の方がおっしゃっておりました。小泉内閣はデフレ対策ではなくてデフレ政策をやっているんだと。これは、でも当たっているんですよね。全部が全部じゃなかったとしても、やろうとしていることをやったらデフレというのは必ず私は迎えなきゃいけない部分がある。だから、ある意味で、デフレ政策をやっているというのも正しいのかなという気がする。ここの部分をやはりもっと考えて、やり方なんです、やり方をもっとやはり財金や経済担当大臣とも話し合って考えていただかなきゃいけない。
 僕たちは、不良債権処理を決して否定しているわけじゃない。健全化をしていくためにはいたし方ない、しようがないことだ。あとはやり方、タイミングの問題です。よく経済評論家も言っています。手術をするときにはやはり輸血や麻酔が必要だと。これは、皆さん、耳にたこができちゃっていると思いますけれども。輸血もせず麻酔もせず手術をしたら死ぬだけじゃないか、やはり、その輸血や麻酔というものをきちんとやるべき、これが全体がパッケージの日本のあるべき姿の政策なんじゃないか、こういう話も出ております。
 坂口大臣、お聞きしますけれども、坂口大臣は、竹中大臣のやろうとしていること、今の経済政策を全面的に推し進めて賛成をしていらっしゃるのかどうか。イエスかノーかでお願いします。
坂口国務大臣 それは少し議論が乱暴でございまして、この現状をイエス、ノーの両方で分けるということにはなかなかいきません。大変複雑な状況になっているわけでございまして、この状況を一日も早く直していくために一体どの道が一番正しいか、その選択を今迫られているんだろうというふうに思っております。
 現状を徐々に徐々に回復させようという手段をとってまいりましたけれども、しかし、そこがなかなかうまくいかないということになれば、ある程度もう少し速度をつけて、スピードをつけてここは治療をした方がいいんだ、こういう方向になってきているわけでありますから、それはそれで私は一つの考え方だというふうに思っているわけであります。
 それならばしかし、そういう手術をするんだったら輸血の用意が必要ですよということを、評論家じゃなくて私が一番最初そう言ったわけでありまして、評論家がそれをまねしておるわけでございますが、そう私が申しましたのは、やはり、急激にやるのならばそれはそうする必要があるということを申し上げたわけであります。そういう意味では、方法を変えるのであれば、それだけの準備をやはりすべきだということを申し上げたわけでありまして、そういう意味では、言うべきことは言っているということでございます。
佐藤(公)委員 こういう場だからおっしゃれないのかもしれませんが、大臣、やはり、おかしいと思ったらはっきり言ってくださいませ。おかしいと思ったらば言っていただいて、やはり大臣はもうわかっていらっしゃるんだと思います。おかしいけれども、やはり自分も内閣の一員としてはっきり言えないのかなというふうに思われているのかもしれませんが、私は本当に意識のことでちょっとお尋ねをしたい。細かい議論は余りするつもりはございませんし、これは厚生労働ということで、余り財金の話と経済の話をしていくのもどうかとも思いますが、切っても切れない部分。
 大臣の先般の厚生労働委員会の一般質疑、十一月一日ですか、ありました中でも、大島議員からの問いかけに関して幾つかのお答えがございました。これを読んでいると時間がなくなっちゃいますけれども、結論的に言いますと、今デフレになっちゃっている、デフレになっちゃっている、デフレ政策と言っていますけれども、これは私どもの自由党の藤井裕久幹事長も代表質問でも言っていますけれども、これは天から降ってきたものじゃないんですよ。皆さん方がつくり上げたものなんです。与党の皆さん方が政策としてやったことがデフレになっちゃっている。これをもっと意識してもらいたいということです。これを考えていただけたらありがたいと思います。天から降っているものじゃない、皆さん方の政策によって成っている部分があるということ、私はそう思いますよ。その責任を感じてもらいたい。人ごとみたいなことですよ。
 では、竹中さんはマスコミや何かで何と言っていますか。週刊誌や何か読んでも、とあるジャーナリストの方の、あなたはアメリカのハゲタカファンド、こういうところを応援してやっているんじゃないんですかというようなことの問いかけに対して、竹中大臣は何と言っているかといったらば、私たちは今までやらなきゃいけないことを怠ってきたことを今やっているだけです、ただそれだけですという言い方をしている。
 国家全体の国益とかみんなのことをどれだけ考えているんですか。やらなきゃいけないことはわかっている。でも、それにおける全体の政策というものをもう少し考えてやるべきなんじゃないかと思います。まず、そこがまるで人ごとだと思いますけれども……(発言する者あり)竹中さんに言え、これが無責任だというんですよ。だれが与党で、だれが与党の政党なんですか、政府で。いいときは一緒だと言って、悪いときになったら別々になる、こんなばかげたことをやっているから、こんな日本になっちゃうんだよ。(発言する者あり)では、与党の中でそれだけの疑問とあれがあるんだったら、ちゃんとやりなよと僕は言いたいね。やじだけを飛ばすんじゃなくて、やれよと。
 なんてことを言っていると時間が終わっちゃいますので、次の議題に移らせていただきますけれども、副大臣、これは本当にお願いしますよ。僕は、もう副大臣と大臣は、人柄、人間性、抜群、うそはつかない。だから、これをちゃんと正常化してください。構造改革なくして経済成長なし、構造改革を一番しなきゃいけないのはこの国会ですよ、政治家。ここを構造改革していかなくては、やはり経済成長はないんじゃないか、僕はこんな思いがしておりますので、意識を含めて、もう一回よく考えてくださいませ。
 と言う間に時間がなくなってしまいますので、次の議題に移らせていただけたらありがたいなと思います。ちょっと久しぶりなもので、興奮したり緊張したり、いろいろなことがございますが、お許しくださいませ。(発言する者あり)ありがとうございます。
 そういう中で、私、ちょっと細かいことに触れさせていただきます。
 雇用促進事業団が廃止され、平成十一年十月一日雇用・能力開発機構が設立され、その際に、暫定業務として、雇用・能力開発機構法で福祉施設を譲渡する業務を行おうとする、こういうことがございました。特殊法人等整理合理化計画において、勤労者福祉施設の廃止期限を明確にし、特に自己収入で運営費を賄えない施設についてはできるだけ早期に廃止をする、つまり譲渡をしていくということの話がございます。
 これに関しての譲渡の仕方を、委員の皆さん方も知らない方も多いと思いますので、簡単に御説明を願えたらありがたいと思います。
戸苅政府参考人 委員御質問のとおり、雇用・能力開発機構が保有しております福祉施設につきましては早期に譲渡をする、こういうことになっております。
 譲渡の仕方といたしましては、まず、国有財産に準じまして、譲渡に当たり、適正な対価で譲渡するということがございますので、譲渡価格を不動産鑑定評価の手法に基づいて評価をいたします。その上で、基本的には、まず所在地の地方自治体に譲渡をいたしたいと思っていまして、お買いいただけるかどうかをお聞きして、買う意思がないということであれば、今度は公募をかけまして民間への譲渡を進める、こういうことでやろうということであります。
佐藤(公)委員 大臣、副大臣、もうレクを受けられていると思いますけれども、では、これ、評価をしていくに際して、一件頭の評価というのは幾らぐらいかかるのか。また、これに関して、今まで何カ所が譲渡されたのか、その箇所だけ。大体の数でいいです。
戸苅政府参考人 勤労者福祉施設の譲渡価格を算定いたしますための不動産鑑定は、一件当たり約二十万円ということと承知しています。
 それから、これまで譲渡を進めてまいりまして、自治体も譲り受ける意思がない、それから民間も買おうというところがないというところは、取り壊しておりまして、そういったものを全部含めますと、現在のところ四百強ということであります。
佐藤(公)委員 譲渡する、この評価に関して、一件大体二十万円でよろしいですか。(戸苅政府参考人「はい」と呼ぶ)二十万円でいいですか。
 それで、この譲渡をしたお金、まあ譲渡先にもよるかもしれませんが、譲渡価格というのは、最高、最低ありますけれども、低いところで大体幾らぐらいのが多いでしょうか。
戸苅政府参考人 低いところということで申し上げますと、実は、もうほぼ償却が終わってしまっていて、申し上げますと、大部分の福祉施設は、土地を自治体が所有しておりまして、建物を雇用・能力開発機構が保有している、こういう関係になってございます。したがって、建物の価値が非常に低価格になっているものがあります。
 そういったものについて、取り壊し費用を勘案いたしますと、建物の価値よりも取り壊し費用の方が高くなってしまっているというケースがありまして、そういった場合は、数万円というか、そういったことでも譲渡している、こういうことでございます。
佐藤(公)委員 もう一つ、聞き忘れました。
 取り壊し費用というのは、大体どれぐらいかかるものでしょうか。
戸苅政府参考人 解体撤去費、予算要求単価で申し上げますと大体三十八万円、こういう感じでございます。
佐藤(公)委員 随分安いですね。私の方が調べたのはもう少し高いように思えたんですけれども、まあいいです、もう次のに移りますから、いいです。
 結論的に言いますと、譲渡をする施設に関して、実際問題、一万円とか十万円で譲渡しているのがかなりあるんですよ。つまり、評価の方が二十万円で高い。つまり、譲渡して、少しでも元を取ろうというのであれば、その気持ちもわからないでもないし、一つのルールということであれば、これは厳密にやられていることだから否定できないところがあります。
 ただし、譲渡するのに一万円、評価が二十万円、こういうのだったら、もう評価せずに、大体見ればわかる部分もあると思いますので、譲渡というお金でやるんじゃなくて、地方自治体に上げていったらいいんじゃないか。一々そのお金を、一万円とか二万円とか三万円取るんじゃなくて、ほとんど、ある一定の年数が過ぎていれば、それはみんなに上げていく。そのかわり、もう評価をせずに、そうすれば、一万円で売る、回収できたとしても十九万円の損。こういう民間的な発想でやっていった方がいいんじゃないかと思います。地方自治体全部、引き取るのを嫌がったらば、解体費用三十何万円と言いました、実際はもっと高いと思います、一戸百万円だとしても、全部やったらば、それだけで、とってもらえるだけありがたい。
 そういう意味でいえば、これを売るというのではなくて、民間に売ったり上げたりするんじゃないんですから、地方自治体で大変その地方に貢献した施設、地方との一体化の中になっている施設は、値段でも上下はあると思いますけれども、基本的には、譲渡ということに関しては、売るんではなくて、上げていってもらいたい。これが、私のお願いであり、この委員会における陳情でもございます。
 大臣、副大臣、いかがでしょうか。
戸苅政府参考人 先ほどは失礼しました。解体費用は、また調べて御報告いたします。ちょっと、私の勘違いでございます。
 それから、今のお話でございますが、話は大変よくわかるわけでございますけれども、この福祉施設、もともと雇用保険料を財源にいたしまして整備した公的な施設でありますので、国有財産に準拠した方法での処分、こういうことになりますので、適正な対価というものを不動産鑑定評価の手法で適正に算定することが求められているというふうに私ども理解していまして、今お話ございましたので、可能かどうか、ちょっと難しいんじゃないかと思いますが、ちょっと関係当局にも御意見を伺ってみたいと思います。
佐藤(公)委員 大変前向きな御答弁ありがとうございます。副大臣、大臣、どうか後ろから押していただきたく、お願いを申し上げたいと思います。みんな、地域の人たち、大変喜びます。
 ただ、新しい施設というのは非常にお金がかかって、まだ二年、三年しかたっていないというのは評価額が非常に高い。これはどうするかというのはいろいろとありますけれども、できれば、その地域のことを考えれば、多少の値段が高かろうが、それは地域、地方自治体の方に上げていっていただければ、譲渡していただければありがたいと思いますので、これはよろしくお願いいたします。
 これに関して一言、副大臣、いかがでしょうか。
鴨下副大臣 今局長が答弁しましたように、ある種のデュープロセスというのは重要なことなんだろうと思いますけれども、先生御指摘のように、地域で喜んで使っていただけるような施設はできるだけ有効に利用していただきたいというふうに思っています。
 ただ、非常に高い、例えば小田原にあるスパウザ小田原だとかサンプラザだとか、ああいうようなものについては、その後の負担が非常にかかるものですから、よく地域と相談をしながら、できるだけうまくやるように我々も努力していきたいと思っております。
佐藤(公)委員 ありがとうございます。
 続きまして、私も先般、ハローワークの方をずっと現場を歩いてきました。ハローワークの現場の方を歩いてきましたけれども、今、ハローワークで働いている方々から、どんな思いが、または本省に注文が、なかなか言えないと思います、言えないと思いますけれども、現場から声が、また、今の現状のハローワークのシステムを含めて問題点が挙がっているのか、全部挙げたら時間がなくなっちゃうと思いますので、その大きな何点かだけでもお話し願えればありがたいと思います。
鴨下副大臣 先ほど先生もお話しになっていたように、景気の状況、そして、言ってみれば雇用状況、非常に厳しいわけでありまして、そういう意味でいいますと、ハローワークを訪れる方々も非常に急速にふえている。こういうような状況の中で、言ってみれば、それぞれ対応する職員一人一人の負担量も非常に上がってきて、なおかつ、ある意味で、職業をどういうふうに選択したらいいかというようなことが余り明確でない若い方々も相談に来る、こういうようなことで極めて業務量がふえている、こういうような状況というのが一つでございます。
 それからもう一つは、多分先生の意図の中にもあったんでしょうけれども、さまざまな本省からの指示が来て、それをこなし切れないので大変苦労している、こういうようなお話もあるようであります。
 ただ、これは、今の緊急的な雇用の状況に応じて、我々も、ハローワーク、現場を通じてどういうふうに国民の皆様にミスマッチの解消等を含めてしていこうか、こういうようなことの努力の言ってみれば証左でありますので、できるだけ混乱のないように、なおかつ現場の対応が可能なような、こういうような指示の形態をしていきたい、こういうふうに思っております。
佐藤(公)委員 私も、現場の方からヒアリングを幾つかしてきましたけれども、やはりなかなかみんな最初は本音では話をしてくれませんでした。でも、やはりみんな共通して言えることは、自分たちが頑張ってやっても、この景気、経済状況をきちんと立て直してもらわなかったら、幾ら何でももう限界だというような本音の気持ちがみんなある。そういう意味で、やはり景気、経済というものをきちんと考えてやっていってもらいたい、もうこれがほとんどの多くだと思います。
 そのままの言葉をかり、大変失礼な言葉遣いもあるかもしれませんけれども、窓口、つまり現場をよく知って政策をつくっているのか、基本は、景気、経済の再生ができなければ現場ではもう限界である、リストラによって失業した方が、現実、再就職に際して条件、給与が悪いところに行かざるを得ないだろう。
 こんな話の中から、具体的な話でどう改善をしていけばいいのかという話の中では、やはり施設自体が、プライベートごとの話ができづらい。この施設自体をもう少し個別に、つまり、隣で話していることが全部聞こえてしまうということになったら、みんなも言いたいことも言えないし、小声になってしまったり、やはり本当に自分の心を話し切れない。そういう職場というか、相談窓口になっている。やはり、この形、施設をどう変えていくのかわかりませんが、一人一人がざっくばらんに声を大きく、お互いが本音で話し合えるような、そういった相談所にしてもらいたい。
 また、それを受ける側の人材が、やはりまだまだ育ってきていない。民間からの導入ということでカウンセリングということもございますけれども、現状いる人たちの人材のレベルアップ、こういうことももっともっと意識も含めて図ってもらいたい、こんな要望が出ております。これは極端なことを言えば、すぐにでもある程度、すぐにとはいきませんね、人を育てていくに際して。改善できるところはどんどん改善していただけたらありがたいと思います。
 そしてまた、失業認定においても、求職活動、こういうもの、意思なき者を判定ということが上から言われて、これをきちっと判定するようにということですけれども、現実、やはりこれはできづらい、こういうのが現場の方の意見でございます。
 実際問題、特に高齢者において、今までも質問ございました、高齢者の方々、実際、就職活動をしても職がない。行っても行っても、どこへ行っても相手にされない、もう最後には嫌になっちゃって、探す意欲もなくなってきている。こういう方々を目の前にしていくと、一体全体どこで線引きをしていいのか、やはりこういうジレンマというか気持ちがあり、ここをきちっと判定していけというのはなかなか難しい部分になり、形式的なものにしかならないだろう、こういう部分があります。
 実際、こういうものを厳しくやっていこうという政府の姿勢はわかりますけれども、現場の方々にやはりもう少しその辺の状況を聞きながら進めていく方式をとっていただけたらありがたいかと思います。
 では、ちょっと一回ここで、こういった意見が出ておりますけれども、副大臣、いかがでしょうか。
戸苅政府参考人 委員お話しのように、現在、ハローワークでは、職を求める方が殺到しておりまして、大変混雑しているというのは事実でございます。
 我々としては、すぐ就職できる方と、それからやはりきめ細かな相談を必要とされている方、そういった求職者の方々の態様に応じて適切に対応できるようなシステムをとにかく早く確立したいというふうに考えております。
 そういった意味で、先ほど、鍵田先生のときに大臣が申し上げましたが、ハローワークの求人をインターネットで企業名まで含めて公開する。自宅で求人会社を見て、自力で就職の活動ができる方には自力で行っていただく。それから、ハローワークにも自己検索のパソコンを置いて、そこで自分に合う求人を見つけられた方はすぐ紹介状を切るということで、クイック紹介とか呼んでおりますが、そういうことで、なるべく職員一人一人が、ハローワークの丁寧な、きめ細かなサービスを求めている方にできるだけ時間をかけて対応できるようにというふうな取り組みを進めておるところであります。
 それから、安定所が狭隘なものですから、隣に並んでいる求職者の方に相談の内容が聞かれてしまうというふうな苦情も確かにございます。これについても、なるべくパーティションを置いてみたりということで工夫をしたりしておるところであります。
 いずれにしても、第一線の希望等も十分踏まえながら、求職者の方それから職員が、できるだけ苦情というか苦痛というか、そういったものを感じないで済むような職場づくり、そういったものに心がけていきたいというふうに考えております。
 それから、雇用保険の認定の問題でありますが、これは大変重要な問題と我々考えておりまして、雇用保険財政が非常に厳しい中で、本当に職を求めている方と、雇用保険を掛け捨ての保険でなくて権利のように考えておられる方と、そのあたりはきちんと峻別していかないと、雇用保険の健全な運営ということでも問題だろうというふうに思っています。
 ただ、先生おっしゃるような気持ちが職員の間にあるとすれば、やはり職員一人一人がきちんと適切に事務ができるようにさらに工夫をしてまいりたいというふうに考えております。
佐藤(公)委員 この辺、現場の声を聞いて、できるだけ、まさに予算組みをも含めてお願いしたいと思います。
 そして、やはりハローワークの場所というのは、いい場所にあるところもありますけれども、余り場所がいいところじゃないんですよ。行きづらい。この辺の、やはり出入りがしやすい、時間や何かをかなり改善して、行きやすい時間帯や何かにしていただきましたけれども、やはりもう一歩二歩踏み込んだことでの、先を見た施設改善、場所の改善等をしていただけたらありがたいと思いますので、これはぜひともよろしくお願いいたしたいかと思います。
 そして、済みません、もう時間がなくなっちゃいまして、労働白書のことをお聞きしたかったんですけれども、時間がないので、きょうお答えになられる方、来ていらっしゃると思いますけれども、申しわけございません。これは、また次回、時間があれば聞かせていただきますので、よろしくお願いをいたします。
 もう最後になりますが、これはちょっと雇用ということとは、全くは関係がないとは言いがたいと思いますけれども、私、中村純友さんという方のこの「熱中症」という本を読ませていただきました。これを読んで、熱中症ということに関して、これはもう坂口大臣はドクターでもありますので、また、副大臣もそうでございますので、この辺はよく御存じだと思います。
 僕も熱中症なんというのは軽く考えておりました。軽く考えておりましたけれども、そういえば自分が学生のころ、運動部のころ、いろいろなことを思い返してみると、この熱中症に関しての定義、またはこういったことに関してのきちんとした知識というものが果たして一般に行き渡っているかなと思ったらば、やはりそうでもないような気がいたしました。結構、割と、これが原因で大事なお子さんを亡くされたという、これは話でございますけれども。熱中症、簡単なことですけれども、逆に、大きな病気になる前の予防措置として、この熱中症というのをきちんと国民の皆さん方、特にこれは文科省との関係もありますけれども、理解をしておくこと。
 ここに書かれていることは、もう大臣、副大臣よく御存じだと思いますけれども、水だけではだめで、簡単なことです、やはりNa、ナトリウム、塩ということをきちっと同じようにとっていかなければ大変な病気に、重大な事故につながってしまう。これは学校、特に暑いところでの運動部に多いというふうに言えます。昔のような悪い環境の労働条件はなくなりましたけれども、暑いところで昔は塩を置きながら、水を飲み飲み、塩をなめなめというようなことも、話を聞いております。
 こういう部分、熱中症に関してやはり厚生労働省として、もう簡単な、ささいなことかもしれない。でも、みんながちゃんとよく理解し切っていない。盛んに今民間の清涼飲料水とか、コマーシャルでもそういう話はありますけれども、まだまだ浸透度が低いと思います。この熱中症に関して、大臣、副大臣いかが、今のお話を聞きまして、厚生労働省として今までやってきたこと、また、これからやらなくちゃいけないこと、気にしておかなきゃいけないこと、御意見をお願いいたしたいと思います。
坂口国務大臣 熱中症の症状だとかそんなことはもう抜きにさせていただきまして、やはり、かつては皆、夏は暑いところで仕事をし、あるいはまた遊んでいたわけでございますが、最近のように、冷暖房が非常に行き渡りましたそういう時代でございますので、急に暑いところだとか、そうしたところで生活をするということが余りなくなってまいりました。したがいまして、熱に対する、暑さに対する弱さというものも、私はかつてと比べまして非常に多くなっているんだろうというふうに思います。
 したがいまして、今まで以上に、暑いとき、夏、非常に暑いところに出るときには、それなりのやはり服装等の準備もしなきゃならない、帽子もかぶらなきゃならない、あるいはまた、長くいるときにはどういう注意をしなきゃならないというような予防的なことをやはり皆さんによく知っていただいているということが非常に大事だというふうに思います。
 そうした意味で、小学校、中学校のときの教育の中で、あるいはまたいわゆる厚生労働省の関係の健康管理のところ等におきましても、熱中症の問題も忘れてはならない一つというふうに思っております。
佐藤(公)委員 ぜひよろしくお願いをいたしたいかと思います。
 もう時間でございます。最後にまた繰り返すようでございますけれども、今のこの日本の景気、経済状況、この社会状況をつくっているのは皆さん方、政府であり与党であり、皆さん方がつくり出していること、天から降ってきたものじゃない。これをよく自覚をして、今後政治に取り組んでいただきたいと思います。
 緊張ぎみで失礼があったらお許しくださいませ。これで私の質問を終わらせていただきます。
坂井委員長 次に、小沢和秋君。
小沢(和)委員 まず、雇用失業問題についてお尋ねをします。
 十月末に発表された九月の完全失業率は五・四%と、前月と同じ水準となっております。完全失業者数は三百六十五万人で、一年前より八万人もふえており、十八カ月間連続してふえ続けております。敗戦直後を除けば、我が国ではこのような厳しい失業情勢に直面したことはありませんでした。多くの国民が雇用と失業の不安を抱いております。
 このような状況の中で、小泉内閣がさらに不良債権処理の加速を決定いたしました。これが実施されれば、企業倒産は激増し、新たに膨大な失業者が生み出されることになります。我が党は、このような無謀な政策には断固反対をいたします。
 そこで、大臣にお尋ねをいたします。厚生労働省としては、不良債権処理の加速によって、失業率や失業者数がどこまでふえると考えておられるでしょうか。
青木政府参考人 不良債権処理の加速によって生ずる雇用への影響でございます。
 不良債権処理の加速問題につきましては、かねて対応策が講じられたところでございますけれども、その中で、産業再生を図りながら雇用対策も進めていくということが決められたところでございます。その際、現時点におきましては、今後の検討の中心になる産業再生の基本指針、これから定められていくこととなり、関係省において検討がなされております。
 また、そういったことに対応して、金融機関がどのように具体的に対応するかといったことも大きく影響する問題でございまして、現時点におきまして、定量的な影響、効果をお示しすることは困難でございます。
小沢(和)委員 要するに、ふえるだろうとは思うけれども、数はわからぬと。それなら端的にそう言ってください、時間のむだですから。
 いろいろな計算がありますけれども、中には倍近く失業者がふえるというような深刻な数も出ているということを前提にして、さらに議論したいと思うのですが、一昨年秋の臨時国会で政府は、雇用保険法を改悪いたしました。失業者への給付を大きく削減する一方で、保険料を引き上げた。失業がこれだけ深刻化する中で、いわばセーフティーネットを破るようなとんでもない改悪だったと思います。
 そういう中で、わずかな改善策として、職業訓練の受講機会を二回にふやし、その期間だけ雇用保険の給付を延長することといたしました。
 この間に職業訓練を二回受講し、延長給付を受けたのがどれぐらいの数になるか。実際にその技能を生かして就職できたのはどれぐらいの人数ですか。
戸苅政府参考人 委員御指摘のとおり、雇用対策臨時措置法、昨年秋の臨時国会で成立させていただきまして、ことしの一月から施行されたところであります。
 今御質問の複数回の訓練の受講者の状況でありますが、今ちょっと私ども、まず昨年度一月から三月までの複数回受講者の数、それから今御質問ありました、そのうち就職した方の数、これにつきまして、訓練が終わった後の六カ月後の就職状況を把握しよう、こういうことで地方に指示をしておりまして、この報告の期限が今月末ということになってございますので、ちょっと現時点でお答えしかねまして、申しわけございませんが、そういう状況でございます。
小沢(和)委員 要するに、これもわからないということですね。
 しかも、その一方では、雇用保険の給付期間が長ければ失業者は滞留するという理屈をつけて、給付期間を大きく切り下げております。その結果、本当に再就職が促進されたのでしょうか。
鴨下副大臣 前回の雇用保険法の改正で、給付期間が長いと失業者が滞留する、こういうような御趣旨のお話でありますけれども……(小沢(和)委員「我々がそう言ったんじゃないんですよ」と呼ぶ)いやいや、そういうようなことではないだろう、こういうような話でありますけれども、これは、例えば所定給付日数別の支給終了までの期間中の再就職率を見ますと、例えば四十五歳から五十九歳でありますと、九十日の場合は二四・九%、三百日の場合は一二・九%ということで、やはり、統計的に見ますと、所定給付日数が長いほど言ってみれば給付期間中の就職率が低くなる、こういうような状況にあることは事実でありまして、給付日数の見直しが再就職の促進に効果を与えている、こういうふうに考えるのが必然かなというふうに思います。
 また、失業者の増加につきましては、一つは、言ってみれば景気変動に伴う要因、それからもう一つは、産業、職業の構造変化、特に中高年齢層を含む労働移動の増加、雇用就業形態の多様化等、さまざまな労働市場の変化が影響しているんではなかろうかということでありまして、単に雇用保険の給付日数の見直しの効果を否定的にとらえる、こういうようなことについてはいかがなものか、こういうふうに考えます。
小沢(和)委員 給付期間が削減されると、失業している人は、どんなに低賃金でもパートでも、とにかく再就職しようということで必死になると思うんですが、それでも、受給期間を過ぎても再就職できない人が今どんどん滞留している。それが失業率の増加という形になってあらわれているというのが現状じゃないんですか。
鴨下副大臣 先ほども申し上げましたけれども、単純にそういうような理由ではなく、むしろ今の全体の景気の状況、それから労働市場そのものの構造的な変化、それから終身雇用だとか何かに対するいわば雇用の形態が変わってきた、こういうようなことも含めた総合的なものというふうにとらえる必要があると思います。
小沢(和)委員 民間企業の雇用吸収力はますます低下しております。先月の有効求人倍率を見ると、二十五歳から五十四歳までの全年齢層で昨年より低下しております。全年齢の平均でも、求人倍率は〇・五五で、昨年よりマイナスになっております。民間企業の雇用力だけでは到底今の失業者を吸収できなくなっているのではありませんか。
鴨下副大臣 ハローワーク等で一生懸命職業紹介を行っているわけでありまして、その中でも、平成十四年の四月から九月期の業務取扱量は、新規求人数が前年同期比の一・一%増の三百五十六万人、それから就職件数は百九万人となっておりまして、雇用状況は非常に厳しいわけでありますけれども、特にサービス業を中心とした新規産業の育成や雇用の創出、こういうようなことが、ある意味で今申し上げたような実績につながっている、こういうふうに考えております。
 それから、これからさらにミスマッチ等が大きくなることを懸念するわけでありますので、そういうことで、キャリアコンサルタント等の養成、それから官民で合わせた、先ほども大臣からも御答弁申し上げましたけれども、インターネット等を通じて求人情報をできるだけ詳細に開示していく。こういうようなことを含めて、できるだけ民間で吸収していただきたい、このように考えています。
小沢(和)委員 失業者がふえる、訓練延長を受けても再就職は難しくなるばかり、これで雇用保険が切れた後、どうやって生きていけというのでしょうか。
 今回の政府の改革加速のための総合対応策の中に、また不良債権処理就業支援特別奨励金の創設だとか、緊急雇用創出特別基金の活用だとかが挙げられておりますが、その程度のことで雇用がふえるものではもうありません。今一番重要なことは、失業者に実際に働く場を提供することであります。政府もそのために、緊急地域雇用創出交付金事業に、昨年の補正予算で三千五百億円を増額いたしました。今の状況のもとでは、この事業を抜本的に拡充する必要があります。
 ここに、労働運動総合研究所がまとめた、この交付金事業の改善を求める緊急提言を持ってまいりましたが、その中では、この事業への就労は失業者を優先すること、事業に就労した失業者が正規雇用に再就職できるよう支援措置を講ずること、現在の就労期間六カ月の制限を緩和し継続雇用を認めること、雇用創出効果の高い事業を実施していくことなどを提案しております。これらの提言をぜひ積極的に検討していただきたいと思います。
 私は、少なくとも失業率が三%に下がるまでは、こうした公的就労事業を臨時的に大規模に実施すべきだと思いますが、ぜひ早急に検討していただきたい。大臣のこの問題についての見解をお尋ねいたします。
坂口国務大臣 この特別交付金につきましては、十五年度、十六年度、あと二年間分もう既に市町村にこれは基金として渡してあるわけでございまして、これらをまずどういうふうに使うかということが大事だというふうに思っている次第でございます。
 今お話ございましたように、失業率が三%に下がるまでこうした基金によって全部それを賄えというふうに言われるのは、これは少し、なかなかできにくいことだというふうに思っております。そういうことをもしやったとしましても、それでは、それでその後雇用が改善されていくかといえば、それは難しいだろう。そうではなくて、失業者が出てこないような対策をどう打つかということが大事でございまして、そのことにより多くの財政を回すべきだというふうに私は思っております。
 もちろん、その間の雇用保険等につきましても、できる限り皆さん方の御要望におこたえをしなければなりませんが、いずれにいたしましても、雇用保険というのは相互扶助の中ででき上がっているわけでございますので、その点にもひとつ御留意をいただきたいと思います。
小沢(和)委員 だから私は、さっきからの質問の中で、雇用保険も重要だ、職業訓練をやって、それを再就職につなげるようなことも重要だと。しかし、そういう努力を幾らやっても、もう民間からの求人そのものが今非常に低調だという状況のもとでは、もう一歩進んで、国や自治体が就労の場を直接提供するということまで考えなければどうしようもないじゃないかと言っているんです。そういう時期に今来ているという認識は、大臣はお持ちですか。
坂口国務大臣 国や都道府県の中で新しい仕事を探すというのではなくて、これはやはり企業の中で新しい職場ができるようにどうしていくかということが一番大事でありまして、国や地方自治体がその人たちを雇っておりましても、その後、展望を広げることができるかといえば、それは広がらないと私は思っております。
小沢(和)委員 だから、私は、根本的には景気が回復するような手を打って、それで就労の場ができてきてということを一番願っているわけです。そうならない間は、三%程度に失業率が下がるまでは、雇用の場を国や自治体の責任で提供することを真剣に考えるべきだということを言っているんです。その点については、さらに検討していただくことを要求して、次の質問に移ります。
 次に、中労委の労働者側委員の選任についてお尋ねをいたします。
 この十年、労働者側委員の任命が不公正だとして、全労連や純中立懇などの労働組合から裁判まで起こされました。旧労働省が、公平な任命に努力するという意向を示したので、裁判は取り下げられましたが、その後も是正されておりません。
 労働者側委員については、昭和二十四年七月二十九日付労働省発第五四号という通牒で、委員の選考に当たっては、産別、総同盟、中立等、系統別の組合員数に比例させるという考え方が示されております。だれが考えてもこれが一番公平な考え方だと思うんですが、今でも厚生労働省の委員選考の基本的な考え方だというふうに理解してよいでしょうか。
青木政府参考人 お尋ねの昭和二十四年の事務次官通牒の件でございますけれども、これは、御案内のように、地方労働委員会の委員の任命に当たって考慮すべき事項を示したものでございます。
 中央労働委員会の委員の任命に当たっても、尊重すべきものというふうに理解をいたしております。
小沢(和)委員 しかし、現実には、労働者側の委員はこれまで十五名全員が連合の推薦を受けた人であります。
 我が国には連合のほかに全労連などというような有力な全国組織や、さらに純中立懇などの組織があることは厚生労働省も否定できないはずだと思います。ここからも毎回推薦が行われているのに無視され続けているというのは、どういうわけでしょうか。
青木政府参考人 中央労働委員会の労働者委員につきましては、内閣総理大臣が、労働組合から推薦を受けた方々の中から労働者一般の利益を代表するにふさわしい適格者を、御指摘の事務次官通牒に示された考え方も尊重しつつ、種々の要素を総合的に勘案して任命をしているものでございます。
小沢(和)委員 それならお尋ねしますが、厚生労働省は、今現在、連合、全労連、純中立懇などの組織をそれぞれ何名だと把握しているのか、人数を示していただきたい。
青木政府参考人 厚生労働省におきましては、毎年度、労働組合基礎調査というものを行っております。
 最新のものは、平成十三年六月時点の調査でございます同年の労働組合基礎調査でございますが、これによりますと、連合は約七百十二万人、全労連は約百一万人、全労協が約二十五万人となっております。なお、これら三団体に加盟をしていない労働組合については、分析の対象になっておりませんが、三百三十九万人の組合員がおられるということでございます。
小沢(和)委員 今の数字からすると、連合が七、それから全労連が一というぐらいの割合だというわけでしょう。そうすると、十五人全員が連合になるというのは、あなたは総合的に勘案してと言うんだけれども、数字の関係を基準にして考えるべきだということをさっき肯定しておきながら、総合的に勘案したらどうしてそれが、違う結果が出るんですか。
青木政府参考人 当該労働事務次官通牒は、地方労働委員会の労働者側委員の任命に関する事項等、さまざまな事項を通牒しておるものでございまして、あくまでも、その結論とするところは、労働者一般の利益を代表するにふさわしい適格者の方々を、そういった考え方に基づき種々の要素を総合して勘案して任命をすべしというものでございまして、その意味では、さまざまな要素が入るというふうに承知をしております。
小沢(和)委員 私が聞くところでは、昨年四月、独立行政法人化で公務員関係の労働組合のかなりの部分が中労委に関係するようになるので、労働側委員を二名増員したと聞いております。その新たに関係するようになる部分ではむしろ全労連加入の方が多数ということもあり、二名のうち一名は全労連などの推薦者を充てるということが厚労省から示唆されたので裁判を取り下げた。ところが、結局是正されなかった。私、先ほどはえんきょくに言ったんですが、はっきり言えば、そういうことだったんじゃないでしょうか。
 総合的に勘案してと言うんだけれども、私にはさっぱり理解できませんね。これは、厚労省の行政が特定の全国組織に偏っているということ以外に理解できないんじゃないでしょうか。
青木政府参考人 ただいま、国営企業あるいは独立行政法人関係の組合の方々についてのお話がございました。
 現在のところ、国営企業等担当委員を推薦することができる関係の労働組合の組合員数は、連合に加盟されている方々が約二十六万人、全労連に加盟している方々が約五千人というふうに承知をしております。
 しかし、いずれにいたしましても、これらの数も含め、さまざまな要素を総合的に勘案して任命をしておるところでございます。
小沢(和)委員 私が言ったようなことが事実としてあったのか、なかったのか。
 もっとはっきり言いましょう。そのときほとんど決まりかけておった話をストップさせたのは、大臣、あなたがストップをかけたのだということまで私は聞いているんですが、いかがですか。
坂口国務大臣 そんなことは全くありませんでした。
 これは、昨年の六月の二十八日、小池議員の質問に答えまして、私は、そのときにこう答えております。
 国営企業とそれから特定独立行政法人を担当するということでありますので、そこにお入りになっております労働者の皆さん方の人数で見ました場合に、連合系の方は二十六万人おみえになるわけでございますし、それから御指摘ありました全労連系の方は六千名おみえになるわけでございます。
  委員が御指摘になりますように、今後その組合にお入りになっております人数等がこれから変化をしていく、そしてこれから組み合わせがどう変わっていくかという今後の変化によりまして、当然のことながらそのことは今後の問題の選定に加味されるものと私は思います。
こうそのときに御答弁を申し上げているわけでありまして、そんな約束があったとか、それで裁判を取り下げたというような話は今初めて聞くわけでありますし、私がそれに対してとやかく言ったという覚えはただの一度もございません。
小沢(和)委員 そういうような経過が何にもなくて、常識的に、裁判を取り下げると思いますか。私は、今の答弁については到底納得できない。
 それで、この際、最後にもう一言この問題で申し上げておきますと、このことについては、ILOからも勧告が出ているわけです。この勧告は、すべての代表的な労働組合組織に対して公正かつ平等な取り扱いを与える必要に関する結社の自由原則に基づく適切な措置をとるよう求めるというふうに述べております。こういう勧告なども考慮して、私は、この中労委の労働側委員の選任を改善されることを強く要求しておきます。
 次の問題に入りたいと思うんですが、第三に、石川島播磨重工業、いわゆるIHIでのZC管理名簿のことについてお尋ねをいたします。
 先月、十月二十日付の朝日新聞に、今お手元に配付してあるような記事が載っております。この記事の冒頭にある「ある重工業大手企業」というのは、今言いました石川島播磨重工業、IHIのことであります。
 大臣にちょっと一言お尋ねしてみたいと思うんですが、ZC管理名簿という、このZCというのはどういう意味か、おわかりでしょうか。
坂口国務大臣 全然わかりません。
小沢(和)委員 この記事の中にあるんですが、ZCというのはゼロ・コミュニストの略語であります。共産党員やその支持者をIHIの職場でゼロにしていくという共産党員撲滅運動であります。
 この新聞報道の後で、私のところに、ここに書かれております管理名簿の現物が届けられております。これがそれです。これを見て私は本当に驚きました。ここには、IHIで全社的にZC運動が組織的、継続的に行われていることが生々しく示されております。
 その名簿のうちの一枚を皆さんのお手元に配付しております。これは、東京工場から呉工場まで、IHI全社の十数カ所の集計表であります。
 この記事にあるとおり、Aは共産党員、Bは有力支持者などとランクづけして分類されております。このほかに、各工場ごとの対象者一人一人の動き、労務担当者会議の要録などが送られてきております。それには、ここにごらんのとおり、厳秘、厳重に秘匿という判こが押してあります。共産党員やその支持者、同調者だけでなく、会社の門前でビラを受け取っただけの労働者まで記録されております。
 重大なことは、この人たちが幾らまじめに働いても、仕事や賃金、昇格で徹底的に差別されているということであります。
 かつて、東京電力や関西電力、中部電力などでも全く同じことが行われておりましたが、IHIの場合はそれより一層悪質であります。奥さんが地域で共産党の市会議員を務めていることから、労働者本人の病名まで全部記録してある。東京電力や関西電力、中部電力ではこれが大問題となりまして、二十年を超える裁判の結果、ついに最高裁で断罪され、違法との判決が確定しております。このように、最高裁でも違法とされたことを今も現に行っていることを私は断じて見逃すことはできません。
 特に私が強調したいのは、IHIは、海上自衛隊艦艇やジェットエンジンなどで大きなシェアを持つ、我が国の代表的な防衛産業企業であります。
 去る八日、インド洋で米軍を支援している自衛艦の修理のために、メーカーの民間技術者が十六人派遣されていることが我が党の赤嶺議員の指摘で明らかになりましたが、その修理した艦艇の中には、IHIが製造した護衛艦「ひえい」も含まれております。当然、IHIからも職場には内密で何名かが派遣されております。派遣された技術者は、現地で何が起きても防衛庁に補償を求めたりしない旨の誓約書まで書かされておる。ZCとは、民間技術者をこういう戦地に派遣したりするために物を言えぬ職場をつくることと一体のものであります。戦前、戦時中の暗黒時代を職場にまさに再現しようとするものであります。
 先ほども言いましたが、東京電力などの思想差別問題はとっくに最高裁で違法であることが確定し、差別は大幅に是正され、損害賠償や慰謝料まで支払われております。こういう人権侵害が今もIHIのような大企業でやられていることを大臣はどうお思いになるでしょうか。大臣。
坂井委員長 松崎労働基準局長。(小沢(和)委員「大臣」と呼ぶ)まずちょっと最初に……(小沢(和)委員「これは政策的な問題なんですよ、実務的な話じゃない」と呼ぶ)
松崎政府参考人 いや、まず、対応でございますけれども、御指摘の管理名簿の存否については私どもは存じておりません。しかしながら、こういった名簿があるなしにかかわりなしに、労働基準法三条では明確に規定がされておりますので、こういった労働者の信条などを理由として、賃金、そういった労働条件について差別的な取り扱いがなされたという場合には、厳正で的確な対応をしてまいっております。現に、過去においても送検した事例もございます。
小沢(和)委員 今、一般的な人権侵害に当たるだけでなく、信条を理由として賃金などの労働条件を差別してはならないという労働基準法第三条に違反している場合には、今まで処罰をしたこともあるというお話でありました。そのとおり、労働基準法三条違反は、同法第百十九条で六カ月以下の懲役刑に問われる重大な犯罪であります。
 新聞にもこのように報じられ、そして私も国会でこうやって公式に問題にしているわけですから、厚生労働省は直ちに事実の調査を行うべきであります。労働基準法違反については厚生労働省は司法警察権限を持っているのですから、必要があればその権限も発動して厳正な捜査を行い、このZCの即時中止、差別の是正、責任者の処罰を行う必要がある。
 今度こそ大臣に答えていただきたい。すぐ調査をしていただきたいが、いかがでしょうか。
坂井委員長 松崎労働基準局長。(小沢(和)委員「いや、大臣。大臣だよ、あなた。一度目はあなたが答えたのを私は許容したんだよ。二度目、大臣。大臣だというんだ。引っ込みなさい、あなた。あなたの答弁なんか認めていない」と呼ぶ)ちょっと静かにしてください。
松崎政府参考人 労働基準監督官については私が全責任を負っております。労働基準監督官の職務については私が最終責任者でございます。したがいまして……(小沢(和)委員「あなたの監督をしているのは大臣でしょう」と呼ぶ)
坂井委員長 ちょっと、御静粛に。
松崎政府参考人 こういった具体的な労働基準法違反という事実、そういったものが確認される場合には調査、監督はいたします。
小沢(和)委員 では、重ねてお尋ねをいたします。大臣はこれ、調査をしていただけるんでしょうか。
坂口国務大臣 局長の答弁のとおりでございますので、そういうふうにしたいと思います。
小沢(和)委員 ちょっと最後のところ聞き取れなかったんですが、処理したいと思いますというふうに言われたかと思うんですが、だから、調査をしていただけるわけでしょうね。大臣。
坂口国務大臣 局長の答弁のとおりにしたいと思います、こう言ったんです。
小沢(和)委員 いや、くどいようですけれども、だから、こういうことが新聞の記事にも出、私自身もこのことをこうやって公式の場で取り上げた。それであなた方も、違反があればこれは処罰までしなきゃいけないと言っているんですから、だから、当然関心を持って調査していただけるわけでしょう。
松崎政府参考人 こういった新聞記事等によりましていろいろ調査するということではございませんで、具体的に足りるものをお示しいただきたいということでございます。具体的な調査、監督に入るに当たりまして、十分なものをお示しいただきたい。
 従来扱いました事例につきましても、申告監督ということでございまして、具体的に差別の事例、そういったものを監督官の方に示していただき、それに基づいて監督、調査し、中には送検した事例もある、そういうことでございます。
小沢(和)委員 今の私の理解では、労働基準法に違反するようなことは申告をしてくれればちゃんと取り上げる、優先的に処理をする、こういうことですな。はい、わかりました。
 では……(発言する者あり)いや、うなずいたんですよ。もう一遍答弁してもらおうか。どうぞ。
松崎政府参考人 何回も何回も済みません。繰り返しになりますけれども、監督指導に入るに当たりましては、今までの例からいいますと、こういった差別的事案といったものは、大体、証拠がなかったりしまして非常に難しゅうございます。そういったことで、こういった調査、監督に入るに当たりましても、端緒となる具体的な基準法違反に当たる事例、実例、証拠といったものを示していただきたいということでございます。
小沢(和)委員 では、次の質問に入ります。
 今、政府の司法制度改革推進本部の仲裁検討会で審議されております新仲裁法についてお尋ねをいたします。
 まず法務省にお尋ねをしますが、新仲裁法で問題になっている民事仲裁の中には、労働者と使用者の争い、例えば解雇などの問題も含まれるでしょうか。
山崎政府参考人 お答え申し上げます。
 私ども司法制度改革推進本部事務局におきまして、現在設置されております仲裁研究会において新仲裁法を検討中でございますが、民事及び商事を含め仲裁についての一般法とすることが現在予定されております。したがいまして、労働者と使用者との間の労働契約に関する紛争、これにつきましても仲裁に含まれるということになりますけれども、最終的にどのような規律とするかということについては現在検討中でございます。
小沢(和)委員 今検討中ということですが、この新仲裁法が、労使間の問題、例えば解雇や転籍、出向なども対象にするということになれば、会社側が、労働者との雇用契約や就業規則で、そのような問題で争いが生じた場合仲裁によって解決すると定めておけばどうなるでしょうか。
山崎政府参考人 ただいまの点でございますが、仲裁という契約を結んでいるということになれば、その仲裁人の判断に服するということになるわけでございます。
 したがいまして、仮に裁判所に提訴をいたしましても、相手方が仲裁契約があるということを主張すれば、裁判所では判断がされないということになります。
小沢(和)委員 そうすると、確認の意味でお尋ねしますが、そういう定めがある中で、解雇や転籍、出向、賃金の切り下げなどで争いが生じても、労働者は裁判に訴えることはできなくなる、こういうことでしょうか。
山崎政府参考人 そのとおりでございまして、最終的には仲裁人の判断に従うという形になるわけでございます。裁判の方では判断が下されないということになります。
小沢(和)委員 この新仲裁法を労使関係に持ち込むと大変なことになるということが今の答弁ではっきりしたと思うんです。労働者の裁判に訴える権利が事実上奪われることになってしまう。だから、私は、こういうことは許すべきではないということをここではっきり申し上げておきたいと思うんです。
 そこで、この問題で厚生労働省にもお尋ねをしたいと思います。
 いわゆる裁判外の紛争解決手段、ADRについて、厚労省も具体的に何か検討しているでしょうか。
鈴木(直)政府参考人 今御指摘のADR、裁判外の処理手続でございますが、これについては、現在、個別労働紛争解決促進法というものがございまして、昨年十月から施行されて約一年強たっております。それに基づいて、相談件数それからあっせん件数ともに結構多数に上っていまして、そういう意味で、実効ある制度として機能しているというように考えております。
 それ以外のことは考えておりません。
小沢(和)委員 今、個別紛争解決処理促進法の話が出ました。これが施行されてから既に、私どもの聞いているのでは五十万件ぐらい相談や調停が行われているというふうに聞いておりますが、私が心配するのは、この法律を改正して、現在の調停委員会に仲裁機能を持たせることを考えているのではないかということです。
 こういう機能を持たせるようなことになると、先ほどの新仲裁法と同じく、労働者の裁判をする権利が狭められる、事実上、訴える権利が奪われる、こういうようなことになってこないかと思うんですが、こういうようなことは全く考えていないというふうに理解していいでしょうか。
鈴木(直)政府参考人 この個別労働紛争解決促進法につきましては、学識経験者それから労使の方も入った検討会において、こういった紛争解決に当たっては、当事者間の話し合いにより解決することを基本とし、両当事者から求められた場合には解決案を提示することができる制度、これが適当だ、そういう報告がありまして、それをもとにこういった制度ができたものでございます。
 現在、そういった仕組みのもとで実効を上げておると考えておりまして、この仕組みを変えることについては考えておりません。
小沢(和)委員 時間が来たので、これで終わりたいと思います。
 あともう一つ、鉄鋼産業での労働災害多発問題について聞く予定でした。実際、鉄鋼関係で労働災害が非常に多発している。この問題については、ぜひ取り組んでいただきたいということだけ申し上げて、きょうの質問を終わります。
坂井委員長 次に、阿部知子君。
阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。よろしくお願いします。
 私は、本日二十分ですので、前回の質問の折に、せっかく坂口大臣から御答弁をいただきながら、私の質問の趣旨と、それから大臣からいただきました御答弁で多少の食い違いがございました部分について詰めをさせていただければと思います。
 内容は、小児救急医療に関することと研修医問題でございます。私が、この間、個人勝手に集中審議している案件でございます。
 小児救急医療のことは、先回の私の質問で、日本全国の三百六十三、二次医療圏のうち、その六割の二百二十という部分がまだ未整備である、その私の質問に対しまして、坂口大臣の御答弁が、これから地域で、とりわけその地域の大学や医師会や関連病院の皆さんと御協議をいただいて地域での充実を図りたいというふうに御答弁をいただきましたが、そうした部分ももちろん推し進めていただきたいのですが、私が問題にしたいのは、さらに根本的な部分でございます。
 と申しますのも、二百二十の未整備の医療圏のうち百十三の医療圏は、アンケート調査において、例えば厚生省が診療報酬上の加算をする、あるいは地域で話し合うなどをいたしましても、もともと小児科の入院できる施設がない、あるいは小児科医がいない、これではどのような手だてをとっても解決がしないと百十三が回答しております。ということは、現在は確かにいたし方ないにしても、中長期的に考えて小児科医の配置を、あるいは子供たちが入院できる施設の配置を考えていかないと、少子化問題は、底割れどころか真っ逆さまに転落していくように思います。
 そこで、私が先回提案いたしましたことは、実は昭和四十八年度から文部省の政策で、各県に一医大、いわゆる無医県をなくそう、無医科大学県をなくそうという施策が昭和四十八年から五カ年計画で実施されております。そして、この計画の開始当時、人口十万単位の医師の数が百十三人弱であるので、これを五年計画で百五十人、大体十万単位にいるように配置しようという計画でございました。
 計画は、およそ数を達成いたしまして、現在は十万当たり二百人近くの医師がおりますが、にもかかわらず、そして小児科医も減ってはいないにもかかわらず、医師がいない、小児科の後方ベッドがないというところが、先ほど申しましたように、日本の医療圏の中で約三分の一を占めております。
 そこで、まず、担当であります文部省にお伺いいたしたいと存じますが、当初のこの計画は、もちろん医師の数をふやすと同時に、その地域の医療に責任を持てる体制を担うべく各県が率先して医科大学の設置をし、また国がそれに補助をして医療の提供体制を整えていこうという考え方であったかと思います。この件に関しまして、私は、ここまでやってきて、だがしかし現実のような状況があるということを、文部省は、とりわけ若い医師の養成にもかかわる、研修も大学病院においては文部省の指導下にございますので、先ほど申しました中長期的な展望に立って、現在総括と今後ということをお話しいただければと思います。
工藤政府参考人 今お話ございましたように、当時の医療需要の増大に伴いまして、昭和四十八年から無医大県解消計画を進めてまいりまして、昭和五十四年の琉球大学医学部の新設まで、計十六校の国立の医科大学、医学部を設置しまして、これによって、全く医学部がない県がなくなったわけでございます。その結果、昭和五十八年度には、人口十万人当たりの目標数でございます百五十人という当面の目標が達成されたと認識してございまして、しかも今日では、十二年度現在でございますけれども、十万人当たりでいいますと二百一人余りという状況と承知してございます。
 このように、日本全国、総数といいますか、トータルでいいますと目標値を上回る状況にあるわけでございますが、御指摘のございました小児科医でございますとか精神科医、あるいは救急医のように、診療分野により、あるいは地域によりまして一部偏在があるという御指摘があることを承知している次第でございます。
阿部委員 それでは私の説明を繰り返していただいたにすぎませんから、もう少し、これからどうしようということをやはり考えていただきたいかと思います。
 と申しますのも、実は、二年間の研修年限の中に、今回の研修義務化に伴って、小児科三カ月、あるいは精神科の素養、あるいは疫学、公衆衛生を取り入れるということは、大臣も御答弁くださいました。私は、そのことを前向きに評価した上で、既にやはり学生の教育段階から、あるいは研修医の教育段階から、自分の未来の医師像、そして国が個々の医師に要請している医師のありようをきちんと伝えられるためには、教育であるところの文部省と、実際に医療を提供し、国民に責任を負う厚生省が、より緊密に論議いたしまして、ぜひとも、医大がありながら医療過疎が累々としかばねのようにある状態を解決していただきたいと思うのであります。
 と申しますのは、五つの都道府県では、医科大学がありながら、二次医療圏で全く小児医療が無整備でございます。新潟などもそうでございます。青森もそうでございます。また、十六の都道府県では、二次医療圏、例えば六つ、七つ掲げても、たった一地区、大学があるところしか二次医療圏を担っておりません。
 こうなりますと、やはり縦割り行政の中で、医者を数だけ養成すればよい、あるいはとりあえず養成しておけばよいというのではなくて、より積極的に、厚生省の側の医療提供体制という、国民の基本的人権、子供たちの命ということを踏まえて、坂口厚生労働大臣としかるべく文部科学担当の大臣の間で、ぜひとも義務化に向けて、かかる現状について認識を共有していただいて、次のよい策を提案していただきたい、あるいは御検討いただきたいと思いますが、坂口大臣に御答弁を伺います。
坂口国務大臣 小児科医師が非常に少なくなっているという、とりわけ地方におきまして少なくなっているという話が多いわけでございます。事実そうなっているというふうに思います。
 なぜそうなっているのかということにつきましては、いろいろ原因もあるというふうに思いますし、また、新しく小児科医になる人が、以前に比べると若干最近減ってきていることも事実のようでございます。
 その原因としまして、小児科というのは、日夜を問わず診療をしなければならないし、そして、その割には恵まれないといったようなこともあるのも事実でございます。また、ある小児科医によりますと、いや、小児科とか産科というのは非常に訴訟が多い、そういう訴訟が多いので、もうそれに耐え切れずにやめた人もいるし、そういう先輩を見ていると、やる人が少なくなっていくというようなことを言う人もおります。
 しかし、そういう現実があるのは事実だといたしましても、しかし、自分はやはり小児科をやるんだという強い決意でもっておやりになる方も、私はあるはずだと思いますし、そういう、えらいからとか難しいからということで逃げるという人ばかりでは決してないと私は思っております。
 ただ、今御指摘になりましたように、それぞれの医科大学におきまして、あるいは医学部におきまして、多くの小児科医が生まれてはくるんですけれども、それが大学病院とかそういうところに集中されていて、地方に分散されていないということもあるというふうに思います。今、百十三とおっしゃったでしょうか、二次医療圏でほとんど小児科医師がいないというような状況、まことに悲しむべき事態でありますし、これは一刻も捨てておけない状況にあるというふうに私も思っております一人でございます。
 したがいまして、そういう地域にいかにして小児科の医師をふやしていくかということについて、それは対策は考えればあるんだろうというふうに思っております。文部科学大臣ともよく話をさせていただきまして、小児科医師が全国津々浦々、多くの場所でやはり診療に携わっていただける体制をどうするかということを考えたいと思いますし、それから、十六年から始まります研修医制度におきましても、小児科をこの研修のテーマの中の、三カ月研修という一つに取り上げさせていただきましたのも、そうした趣旨から取り上げさせていただいているところでございます。御趣旨を十分に尊重して、やりたいと思います。
    〔委員長退席、宮腰委員長代理着席〕
阿部委員 いつも明確な御答弁をありがとうございます。実際に小児科医が、幾ら何でも志だけではやはり頑張れない、二十四時間戦えない。なぜそういうことにきちんとした政策、施策のいわゆる目が向けられなかったか。
 私は、現在の厚生行政の中にも実は二つの大きな原因があると思います。
 このたび、小児科の入院加算というのをちょうだいいたしまして、例えば小児科医が一人のところは、一日患者さんを入院させると二千百点、小児科医が二人のところは、忘れましたが、三千何点、五人以上がまた三千六百点とか、段階が立てられました。
 ところがでございます。小児科医は、本当にしんどいのは一人か二人でやっているところでございます。お互いに交代交代、もうばてるまで当直を繰り返しながらでもみんな頑張っております。しかしながら、二人でやっているところでは、同じ小児の入院患者さんを診ても、点数が少ない。五人いれば高くなるとなれば、当然ですが、正直言って五人の方が楽です。五日に一回の当直と二人で交互では、緊張感も違います。
 そして、厚生省行政がよかれと思ってつけた加点、加算が、むしろ医者の数で、私は、看護婦さんの数で医療の充実度の、提供体制の、看護体制の加算をすることには賛成でございます。ただし、小児科医の数で、五人に厚くしたら、みんな五人のところに必ず一〇〇%流れます。
 特に、百床から百五十床の規模の病院が今危機に瀕しております。大体、そうした病院では、多くて二名の小児科医、まかり間違うと一名でございます。せっかく厚生省が加算してくださってもです。加算したがゆえに集中していってしまうのでは、ミイラ取りがミイラになると私は思います。
 そこで、お願いがございます。この間の厚生省のいろいろな調査の中では、地域中核病院、私はそう呼んでおりますが、急性期でも慢性期でもなく、でも地域にとって不可欠で、おじいちゃん、おばあちゃんの風邪から子供の風邪、熱、下痢、嘔吐、一般診療を担っている百床から百五十床内外の病院像が浮かんでまいりません。調査の実数も見たことがございません。そこで小児科医の勤務数も統計上見たことがございません。
 ぜひともここに光を当てて、そして願わくは、小児科医の医師の数で加算を変えるという方針について再度点検していただきたいと思いますが、大臣から御答弁をいただきたいと思います。
    〔宮腰委員長代理退席、委員長着席〕
坂口国務大臣 今御指摘いただきましたように、その数によりまして加算をしたことがかえって逆の方向に本当に向いているのかどうか、私も今定かにそのことにお答えをさせていただくだけの資料を持ち合わせておりませんけれども、それがもし事実であるということでありましたならば、その点は次の機会に改善をしたいと思います。
阿部委員 私の指摘した点は、実は四月の診療報酬改定で、各病院の手術件数によって、ある件数以上いけばフル、満額の診療報酬だが、それ以下のところは診療報酬をカットするという方針も厚生省は出しておられます。このことも同様に、地域中核病院にとって、実は、少ない医師で、各自の医師はある数をこなしているにもかかわらず診療報酬がカットされる、たくさんいれば、一人の医者がやる件数が少なくても加算が高い。
 私は、今回の診療報酬改定の一番の誤りは、何度も申しますが、地域はだれによって支えられておるかという視点を欠いて、集中化、専門分化、センター化という一側面にフォーカスが当たったことと思います。実はこの点について御答弁をいただきたいのですが、時間の関係で、恐縮ですが私の指摘のみにとどまらせていただいて、最後の一問に入らせていただきます。
 私は神奈川県の藤沢、寒川というところを選挙基盤としておりますが、実はこの地域で、戦時中と申しますか、ちょうど戦争当時、海軍の相模海軍工廠というのがございまして、化学兵器、毒ガス兵器をつくっておりました。ここで最近、その地域を縦貫道路が通りまして、掘り返しておりましたら、ビール瓶に詰まった液状物体が出てまいりまして、これを取り上げた作業員が皮膚のびらんを起こし入院をいたすということがございました。
 この毒ガスと申しますのは、もちろん急性期の症状のほかに、例えば五年、十年、二十年と発がん性が非常に指摘されており、現在マウントサイナイ病院におられる鈴木先生、この先生も実は相模海軍工廠で学徒動員でつくっておられたそうですが、四十年、五十年たったら発がん性があるのではないかと極めて深刻に案じておられた。
 今回被災した勤労者、労働者の皆さんには労災が適用されておりますが、労災と申しますのも、症状固定してしまえば、その後のフォローが本当に五年、十年、二十年、責任を持って行われるかどうか、非常に不安でございます。国が放置した毒ガスによって後年障害があらわれるということもまだまだあると思いますが、坂口厚生労働大臣にあっては、こうした事案について、今後厚生労働省として、疫学も含め、長期フォローも含め、医療費の負担問題も含めて、どのようなお考えをお持ちか、御答弁をお願いいたします。
坂口国務大臣 きょう阿部議員からそういう御質問があるということをけさお聞きしたわけでございますが、それまで私、全然そうした事例があることは知りませんでした。
 それで、今、労災が適用されているということでございますが、さまざまな法律もあるんだというふうに思いますし、その労災の適用だけでそれは今後だめなものなのか、またこういうケースはほかにも実際問題としてあり得るものなのか、その辺は少し整理をさせていただきたいと思っております。新しい法律というのもなかなか難しいので、今まであります法律の中のどれかで対応し、そしてそこが対応が十分できるようにしていくということにするのか、その辺のところもあわせて一度検討をさせていただきたいと思います。
阿部委員 ぜひよろしくお願いしたいと存じますが、実は、同様事件を昨年小沢委員が質問主意書で出しておられますので、あわせて御検討をいただきたく、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
坂井委員長 次に、金子哲夫君。
金子(哲)委員 社会民主党・市民連合の金子です。私は、内部告発事件にかかわる労働者の解雇の問題について質問をしたいと思います。
 簡単に経緯を申し述べたいと思いますけれども、広島県にあります学校法人古沢学園において、内部告発を行った人が、中国通産局に対して内部告発を行ったわけですけれども、それに端を発して、その御本人が解雇をされる、こういう事案であります。
 具体的に申し上げますと、平成十一年、一九九九年の三月二十九日から四月二日にかけて、過去三年分の出勤簿を、学校法人古沢学園広島工学院専門学校府中校において、第二種電気工事士養成施設の授業に関して、通産省の通達違反による出勤簿の改ざんを行ったという事案であります。この不正にいわば加担をさせられたというか、手伝いをさせられたAさんが、こういう作業を行ったことを非常に悩んで、同年の四月四日に当時の通産大臣あてに文書をもって内部告発を行ったわけです。
 そして、これに対して、これは明らかに通達違反ということで、その後、中国通産局を中心にして古沢学園側と話し合いが行われ、通産局の指導に従って四月二十六日に古沢学園がその改善を行ったということですけれども、その点についてまず御確認したいと思いますが、それには誤りはないですか。
佐々木政府参考人 ただいま先生の方からお話のありました本件に関する経緯につきましては、先生の御指摘のとおりでございます。
 重複になりますけれども……
金子(哲)委員 それだけでいいです。あと重ねて質問しますから。
 ということは、そういう事実があって、内部告発も行われ、そのことによって中国通産局は動いて、学園側を指導した。
 問題は、その処理の仕方であります。
 この二十六日の古沢学園による改善が行われるまでの間、中国通産局はいろいろやられたとは思います。しかし最終的には、四月十九日、この告発文そのものをコピーして、氏名も明らかにしたまま相手側に渡したということ、これも事実ですか。
佐々木政府参考人 事実でございます。同校の学園理事長に対して、告発者から送付された告発文書の写しを渡して、事実関係をただしたということでございます。
金子(哲)委員 この問題は今、極めて重要だと思います。内部告発者の名前が明らかになっている文書をあえて、事もあろうに、違法をしている学園側に対して渡しているという問題をまず指摘しておきたいと思います。
 結果は、同年七月五日、A氏はこの学園側から解雇を受けたわけです。その解雇の理由はいろいろ書かれておりますが、結局のところは、この内部告発が理由になって解雇をされている、こういうふうに認識しておりますが、この点についてはどうですか。
佐々木政府参考人 私どももそのように認識をいたしております。裁判記録によりますと、学園側は通商産業大臣あて文書通知をなしたことを解雇理由の一つに掲げておることを承知しております。
金子(哲)委員 その後、本人は組合に相談をし、裁判に訴えるしかなく、裁判に訴えました。そして、地裁、高裁ともいずれも学園側が敗訴をして、最高裁で争うというところまで来ましたけれども、最終的には、ことしの六月二十八日に会社側が上告を取り下げて、地位保全が行われたという経過になっております。この間三年間たっております。
 まずお聞きをしたいんですけれども、この経過について経済産業省は一体どのように責任の問題も含めてお考えか、お伺いしたいと思います。
西川大臣政務官 御指摘がありましたように、本件は告発のあった不正事実を学校が否定して認めなかった、こういうところにあったわけでありまして、不正を追及し、詳細な調査を早期に行いましたけれども、なかなかその詳細がわからなかった、こういう状況にあったわけであります。
 現時点で振り返りますと、確かに告発者の名前がわかるものを渡した点については適切でなかった、こう受けとめておりますし、その点については遺憾に思っております。今回の事案を反省材料といたしまして、今後このようなことが起こらないよう対応してまいりたい、こう考えております。
金子(哲)委員 今、遺憾であったというお話でありますけれども、この間、裁判が終わった後、中国経済産業局と話をしたときは、事実は認めるけれども道義的な責任もない、法的に責任もないけれども道義的責任もないという態度ですよね。今もって変わっていない。今政務官の方からそのようにおっしゃったわけですけれども。
 もう少しこの事実経過について申し上げたいと思うんですけれども、今おっしゃった点は、なかなか学園側がその事実を認めなかったから文書を渡したという話でありますけれども、その間、十九日に至るまで本人に一度でもお会いになったでしょうか。
佐々木政府参考人 当時の関係者から聞きましたところ、御本人には事前に御了解もとってないこと、またお会いしてないことを確認しております。
金子(哲)委員 しかも、この内部告発の文章の中にはこういうくだりがあるのを御存じですか。「この真実の報告で私が職を失うことになりましたら何とぞ、新しい職を紹介して下さるようにお願いします。どうかよろしくお願いします。」これが最後の文章です。つまり、御本人は、既にこの内部告発をした際に、かなりこのことによって自分が不利益をこうむるんではないかということを承知しながら、しかしそれであってもこの学園側の不正行為を許すことはできないということで告発をされているわけです。
 こういう文章がありながら、そういうことに対して全く配慮も払わずに、一方的にこのような内部告発の文書を相手側に渡す。それが、今言われたような、ただ時間がなかったとかそういうことには当たらないんじゃないですか。責任は重いんじゃないですか。
佐々木政府参考人 当時の記録と確認をさせていただきました。先ほど大臣政務官からの答弁にもございましたけれども、現時点で振り返ってみて、誠実性に欠けること、配慮に欠ける面が多々あったことは我々も確認をいたしております。
 当時、告発文を学園の理事長に手渡すときに、その旨、告発者の利益を損なわないこと、あるいは告発者の氏名についてはあなた限りであるというようなことは一応申した上で渡したということは聞いておりますけれども、いずれにしても、それは今から考えますと弁解になりますし、適切性を欠く行為であったと考えております。
金子(哲)委員 そこまで責任を感じられるなら、そのことによって解雇されたことについての責任はどのようにお考えですか。
佐々木政府参考人 その後、御本人が裁判もおやりになったということで、先ほど先生が御指摘になったとおりでございますけれども、私どもの公務員としての立場から申し上げますと、公務員法に触れるような行為ということは当たらないというふうには考えておりますけれども、いずれにしても適切性に欠く行為であったことだけは間違いなく、今となってみればまことに誠実性に欠けるということではなかったかと考えております。
金子(哲)委員 いいですか、一人の内部告発をした人が、しかも不正をただすために行った内部告発者が、そのことを理由にして解雇されて、それで、ただ誠実さに欠けたという程度のことであなた方の責任がとれるということですか。私はそれでは納得できないですよ、政務官。
西川大臣政務官 調査の過程で告発文書を示す必要があったかなかったか、こういう話もあるんですけれども、こちらで調査をしてもなかなか誠実に答えてくれなかった、これもまた事実でありまして、名前を出してしまった。その当時、もう少し配慮をしまして、氏名等マスキングするとかもっと配慮があればと、今になってその点については遺憾に思っております。
 御当人には、当省から今までの経緯をこれから改めて御説明をいたしまして、今回の対応に不適切な点があったことについて率直におわび申し上げることとしたい、こう考えております。
金子(哲)委員 ぜひそれは本人におわびは……。
 私が問うているのは、解雇をされた。しかも今説明があったときには、名前も外には明らかにしてはならないとかそういうことも私どもは言ったということは、そういうことが想定をされていたから。そういうことをあらかじめ想定もでき得る事態にありながら、その文書を渡しているんですよね。これは結果責任でしょう。結果として解雇された責任は経済産業省自身がつくったことになるんじゃないですか。改めてお伺いします。
西川大臣政務官 この点には、何度も申し上げますけれども、名前を出さずにいければよかったのでありますが、どうしても相手が聞いてくれない、こういう点で適切さに欠いた、こういうことで、私ども遺憾に思っております。
金子(哲)委員 その点、重ねて申し上げますけれども、いや、そもそも進まなかったとおっしゃるけれども、ではそのとき、先ほども確認されたように、一度たりとも告発者とも面談もしない、その状況も聞かない。それじゃ努力したということにならないじゃないですか。学園側とだけやりとりをして、向こうが言わなかったと。そして、告発者には何も聞かない。そして、自分たちが受けた文書までどんどん渡して、解雇をされた。この方が、私が先ほど読み上げたように、あらかじめそのことも想定されていたのにもかかわらず、その後の対処も何もやっていない。
 これは、ただ単にやり方がまずかったとか、そういう次元の問題じゃないんじゃないですか。
西川大臣政務官 御指摘の点は、私どもよく受けとめまして、反省をしております。ですから、きょうこの委員会が終わりまして、この後、できる限り早く本人のところへお伺いをいたしましておわびを申し上げてきたい、こういうことにしております。
金子(哲)委員 それじゃ、ちょっとお伺いしますけれども、今御本人はどういうことになっているか御存じですか。
佐々木政府参考人 現在、学校法人古沢学園の広島経営学院専門学校の方に復職されていると承知しております。
金子(哲)委員 その程度の認識しかないということですけれども、後でまた厚生労働省にもお伺いしますけれども。
 まず、大臣にちょっとお伺いしたいんですけれども、内部告発者が内部告発を行ったことを理由にして解雇をされる、しかも相手が国の機関である、そういう解雇が、もちろん裁判所もこれは明らかに不当だということで裁判所の判決が出ましたけれども、そのことについての厚生労働大臣としての御認識をお伺いしたいと思います。
坂口国務大臣 これはこの件だけの話ではなくて、一般論でございますけれども、使用者が労働者を解雇する場合には、これは判例上、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当として是認することができない場合には、権利の乱用として無効となる、こういうことにこれはもうなっているわけでございまして、このとおり、やはり、内部告発等がありましたときに、そこは、秘密にしなければならないものは秘密にしなければなりませんし、そして、それを理由として解雇することは、これは判例上も認められないと思っております。
 これは一般論でございまして、この具体的な例を私は存じ上げているわけではございません。
金子(哲)委員 時間がないので、もっと本当は聞きたいんですけれども。本来、国が行った行為でありますから、とりわけ今回の問題は。その点について見解をお伺いしたいと思いましたけれども、もう一つだけお伺いをしたいことがありますので、次に移りたいと思います。
 先ほど、今、六月の二十八日に上告を取り下げて地位保全が行われたことになっておりますけれども、これは厚生労働省にお伺いをしたいんですけれども、そういう場合に、地位保全が行われたら、大体どこに、例えば今解雇の問題ですから、職場はどこに復帰するのが、一般的な見解としてはどのようにお持ちですか。
松崎政府参考人 お答え申し上げます。
 今回の場合のように、労働契約上の権利を有することが確認されたという内容でございますから、基本的にはこの労働契約の解釈になろうかと思います。
 具体的に申し上げますと、職種を限定したり、また勤務地を限定したりということ等が労働契約の内容であれば、かなり細かいところまで制約された格好での職場復帰になろうと思いますし、また、もっといろいろ、配置転換なり職種の転換なんかもあり得るといった内容での労働契約であれば、ある程度その幅はあるんではないかということだと考えております。
金子(哲)委員 それは、厚生労働省は実に冷たいですね。相手側の、不当労働行為した側が、不当解雇をした側が一方的に新しい職場を勝手に決められるんですか。今の答弁だったら、そういうことは自由にできるという答弁でしょう。それは許されないですよ。
松崎政府参考人 ちょっと説明不足で申しわけございませんでした。
 原則としては、その職場があり、そういったことであれば、まず原職のところへ復帰するのが当然だとは思いますけれども、場合によっては、いろいろと、社内のローテーションであるとかそういったことで、転勤とか職種転換、そういうことがあり得る場合には、そういったことは少しは緩くなるのではないかということでございます。またさらに、例えばその職種が、いろいろ、職種転換等で、事業の転換等でなくなってしまうといった場合もございますから、そういったいろいろなことを考えなければならないというふうに思っております。
金子(哲)委員 最初にそのことを言ってもらえばいいんですよ。原則的なことをまず言ってもらわなきゃ。原則の話は言わずに後の方だけ話するなんてばかげた答弁はないじゃないですか。それで時間食わせてもらったら困るんですよ。
 では、今回のケース、言いますよ。原職復帰するのが当然でしょう。そしてまた、本人の意思があれば、それのために努力するのが古沢学園側がとるべき態度ですよね。
 そうしてまいりますと、今度のこのAさんは今どうなっているかといいますと、かつて担当していた科、講師でしたからね、かつて担当していたと同じような科目がありながら、現在は営業の職場へ行かされているんですよ。そして、そこは今、非常勤の、非常勤というか臨時の講師を二名雇っている。そして、本人は営業に行っている。それで、本人が今、それはおかしいじゃないかということで、労働組合も交渉しておりますけれども、それには応じない。それは、今局長が言われたことからいうと、不当解雇をした側が、本人の意思を全く無視して。
 だから、局長が言われるように、後の方の答弁をされるから、そういうことを企業側が幾らでもできるということになるんですよ。原則をきちっと答弁してもらわなきゃ。このケースだったら、学園の講師としての職場に戻るというのが、あれば戻るというのが当たり前じゃないですか。どうですか。
松崎政府参考人 この問題につきましては、御質問の点が、最高裁での判決が確定したということでございますので、使用者がその判決を履行しないということでございますれば、これは判決の執行の問題となってまいりますので、最終的には裁判所において対応いただきたいということになります。
 ただ、私どもは、厚生労働省におきましては、御案内のように、個別労使紛争の解決制度というものを昨年の、十三年の十月から設けております。具体的には、労働局でやっておりますので、そういったところに当事者の方から言っていただければ、そういう中でもいろいろな解決の方法があろうかとも思っております。
金子(哲)委員 もう質問時間になりましたので終わりますけれども、今の答弁を聞いて、それで、ああそうですかといって質問を本当は終わるわけにいかないんですよね。
 これだけ具体的に説明をして、原則、原職復帰だということを明らかに言えばいい、たった一言言えば済む話じゃないですか。それを、また裁判所だ、新たに地位保全。一番大切な労働者の、働く人たちの雇用や権利を守る側にある厚生労働省がそういう姿勢だったら、労働者の権利なんか守れるわけないと私は思いますよ。
 最後に、経済産業省の方から、今政務官の方からそのような答弁が行われましたので、ぜひこの問題を、今おっしゃったことも含めて、真摯な解決の方法をとっていただきたいということを最後に申し上げて、終わります。ありがとうございました。
     ――――◇―――――
坂井委員長 次に、第百五十四回国会、本院提出、参議院送付、社会保険労務士法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案は、前国会において本委員会提出の法律案とすることに決定し、本院で議決の上参議院に送付したものを、同院において継続審査に付し、今国会、原案のとおり議決の上本院に送付してまいったものであります。
 したがいまして、その趣旨は既に十分御承知のことと存じますので、この際、趣旨の説明を省略いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
坂井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
 社会保険労務士法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
坂井委員長 本案につきましては、質疑及び討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。
 第百五十四回国会、本院提出、参議院送付、社会保険労務士法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
坂井委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
坂井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
坂井委員長 次回は、来る二十日水曜日に委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時四十八分散会


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