衆議院

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第23号 平成15年6月11日(水曜日)

会議録本文へ
平成十五年六月十一日(水曜日)
    午前九時二十三分開議
 出席委員
   委員長 中山 成彬君
   理事 熊代 昭彦君 理事 長勢 甚遠君
   理事 野田 聖子君 理事 宮腰 光寛君
   理事 鍵田 節哉君 理事 山井 和則君
   理事 福島  豊君 理事 武山百合子君
      岡下 信子君    小泉 龍司君
      後藤田正純君    佐藤  勉君
      田村 憲久君    竹下  亘君
      棚橋 泰文君    西川 京子君
      原田 義昭君    平井 卓也君
      松島みどり君    三ッ林隆志君
      宮澤 洋一君    森  英介君
      森岡 正宏君    谷津 義男君
      山本 幸三君    吉田 幸弘君
      吉野 正芳君    渡辺 具能君
      井上 和雄君    家西  悟君
      石毛えい子君    大石 正光君
      大島  敦君    加藤 公一君
      五島 正規君    城島 正光君
      三井 辨雄君    水島 広子君
      江田 康幸君    桝屋 敬悟君
      佐藤 公治君    小沢 和秋君
      藤木 洋子君    阿部 知子君
      金子 哲夫君    山谷えり子君
      川田 悦子君
    …………………………………
   厚生労働大臣       坂口  力君
   厚生労働副大臣      木村 義雄君
   厚生労働大臣政務官    渡辺 具能君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議
   官)           樋口 修資君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議
   官)           木谷 雅人君
   政府参考人
   (厚生労働省雇用均等・児
   童家庭局長)       岩田喜美枝君
   政府参考人
   (厚生労働省年金局長)  吉武 民樹君
   厚生労働委員会専門員   宮武 太郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月十一日
 辞任         補欠選任
  岡下 信子君     森岡 正宏君
  奥谷  通君     原田 義昭君
  松島みどり君     小泉 龍司君
  大島  敦君     井上 和雄君
  山口 富男君     藤木 洋子君
同日
 辞任         補欠選任
  小泉 龍司君     松島みどり君
  原田 義昭君     奥谷  通君
  森岡 正宏君     岡下 信子君
  井上 和雄君     大島  敦君
  藤木 洋子君     山口 富男君
    ―――――――――――――
六月十日
 公益法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備に関する法律案(内閣提出第八四号)(参議院送付)
同月九日
 社会保障の拡充、将来への安心と生活の安定に関する請願(今村雅弘君紹介)(第三一〇八号)
 同(大島敦君紹介)(第三一〇九号)
 あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律第十九条の改正に関する請願(池田行彦君紹介)(第三一一〇号)
 同(石川要三君紹介)(第三一一一号)
 同(石破茂君紹介)(第三一一二号)
 同(岩倉博文君紹介)(第三一一三号)
 同(小此木八郎君紹介)(第三一一四号)
 同(大木浩君紹介)(第三一一五号)
 同(奥野誠亮君紹介)(第三一一六号)
 同(梶山弘志君紹介)(第三一一七号)
 同(上川陽子君紹介)(第三一一八号)
 同(木村隆秀君紹介)(第三一一九号)
 同(岸田文雄君紹介)(第三一二〇号)
 同(北村直人君紹介)(第三一二一号)
 同(小坂憲次君紹介)(第三一二二号)
 同(近藤基彦君紹介)(第三一二三号)
 同(佐藤静雄君紹介)(第三一二四号)
 同(佐藤剛男君紹介)(第三一二五号)
 同(阪上善秀君紹介)(第三一二六号)
 同(桜田義孝君紹介)(第三一二七号)
 同(自見庄三郎君紹介)(第三一二八号)
 同(鈴木恒夫君紹介)(第三一二九号)
 同(砂田圭佑君紹介)(第三一三〇号)
 同(田中和徳君紹介)(第三一三一号)
 同(高木毅君紹介)(第三一三二号)
 同(高鳥修君紹介)(第三一三三号)
 同(高橋一郎君紹介)(第三一三四号)
 同(滝実君紹介)(第三一三五号)
 同(橘康太郎君紹介)(第三一三六号)
 同(棚橋泰文君紹介)(第三一三七号)
 同(谷洋一君紹介)(第三一三八号)
 同(谷川和穗君紹介)(第三一三九号)
 同(東門美津子君紹介)(第三一四〇号)
 同(中村正三郎君紹介)(第三一四一号)
 同(西野あきら君紹介)(第三一四二号)
 同(野中広務君紹介)(第三一四三号)
 同(萩野浩基君紹介)(第三一四四号)
 同(萩山教嚴君紹介)(第三一四五号)
 同(平沢勝栄君紹介)(第三一四六号)
 同(福井照君紹介)(第三一四七号)
 同(二田孝治君紹介)(第三一四八号)
 同(古川元久君紹介)(第三一四九号)
 同(古屋圭司君紹介)(第三一五〇号)
 同(星野行男君紹介)(第三一五一号)
 同(牧野隆守君紹介)(第三一五二号)
 同(松岡利勝君紹介)(第三一五三号)
 同(宮下創平君紹介)(第三一五四号)
 同(武藤嘉文君紹介)(第三一五五号)
 同(村岡兼造君紹介)(第三一五六号)
 同(村田吉隆君紹介)(第三一五七号)
 同(茂木敏充君紹介)(第三一五八号)
 同(森岡正宏君紹介)(第三一五九号)
 同(森田一君紹介)(第三一六〇号)
 同(八代英太君紹介)(第三一六一号)
 同(柳澤伯夫君紹介)(第三一六二号)
 同(山中貞則君紹介)(第三一六三号)
 同(渡辺喜美君紹介)(第三一六四号)
 同(池田行彦君紹介)(第三二一四号)
 同(奥谷通君紹介)(第三二一五号)
 同(金子恭之君紹介)(第三二一六号)
 同(亀井久興君紹介)(第三二一七号)
 同(岸田文雄君紹介)(第三二一八号)
 同(菅義偉君紹介)(第三二一九号)
 同(田中和徳君紹介)(第三二二〇号)
 同(谷川和穗君紹介)(第三二二一号)
 同(松浪健太君紹介)(第三二二二号)
 同(八代英太君紹介)(第三二二三号)
 同(保岡興治君紹介)(第三二二四号)
 腎疾患総合対策の早期確立に関する請願(川端達夫君紹介)(第三一六五号)
 あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律の改正に関する請願(熊代昭彦君紹介)(第三一六六号)
 同(田村憲久君紹介)(第三一六七号)
 同(棚橋泰文君紹介)(第三一六八号)
 同(八代英太君紹介)(第三一六九号)
 同(吉田幸弘君紹介)(第三一七〇号)
 同(奥谷通君紹介)(第三二二六号)
 同(八代英太君紹介)(第三二二七号)
 同(山井和則君紹介)(第三二二八号)
 小規模作業所等成人期障害者施策に関する請願(岩屋毅君紹介)(第三一七一号)
 同(海江田万里君紹介)(第三一七二号)
 同(金子一義君紹介)(第三一七三号)
 同(川端達夫君紹介)(第三一七四号)
 同(中西績介君紹介)(第三一七五号)
 同(日野市朗君紹介)(第三一七六号)
 同(古川元久君紹介)(第三一七七号)
 同(村上誠一郎君紹介)(第三一七八号)
 同(森喜朗君紹介)(第三一七九号)
 同(山口俊一君紹介)(第三一八〇号)
 同(青山二三君紹介)(第三二三〇号)
 同(松浪健太君紹介)(第三二三一号)
 同(山井和則君紹介)(第三二三二号)
 医療改悪を実施前に戻すなど社会保障の充実に関する請願(黄川田徹君紹介)(第三一八一号)
 同(重野安正君紹介)(第三一八二号)
 総合的な肝疾患対策の拡充に関する請願(加藤公一君紹介)(第三一八三号)
 同(鍵田節哉君紹介)(第三一八四号)
 同(五島正規君紹介)(第三二三四号)
 同(山井和則君紹介)(第三二三五号)
 総合的難病対策の早期確立に関する請願(川内博史君紹介)(第三二一〇号)
 同(川田悦子君紹介)(第三二一一号)
 同(武藤嘉文君紹介)(第三二一二号)
 同(保岡興治君紹介)(第三二一三号)
 障害者の介護・福祉制度の利用における親・家族負担の撤廃に関する請願(山井和則君紹介)(第三二二五号)
 健保本人負担を二割に戻すなど社会保障の充実に関する請願(吉井英勝君紹介)(第三二二九号)
 健保三割負担を二割に戻すなど患者負担の軽減に関する請願(大島令子君紹介)(第三二三三号)
 てんかんを持つ人の医療と福祉の向上に関する請願(山井和則君紹介)(第三二三六号)
同月十日
 社会保障の拡充、将来への安心と生活の安定に関する請願(川端達夫君紹介)(第三二六三号)
 あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律第十九条の改正に関する請願(熊代昭彦君紹介)(第三二六四号)
 同(倉田雅年君紹介)(第三二六五号)
 同(斉藤斗志二君紹介)(第三二六六号)
 同(中谷元君紹介)(第三二六七号)
 同(平井卓也君紹介)(第三二六八号)
 同(山口俊一君紹介)(第三二六九号)
 同(山口泰明君紹介)(第三二七〇号)
 同(赤嶺政賢君紹介)(第三三六八号)
 同(工藤堅太郎君紹介)(第三三六九号)
 同(佐藤謙一郎君紹介)(第三三七〇号)
 同(山口俊一君紹介)(第三三七一号)
 あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律の改正に関する請願(岡下信子君紹介)(第三二七一号)
 小規模作業所等成人期障害者施策に関する請願(安住淳君紹介)(第三二七二号)
 同(青山二三君紹介)(第三二七三号)
 同(倉田雅年君紹介)(第三二七四号)
 同(高橋一郎君紹介)(第三二七五号)
 同(星野行男君紹介)(第三二七六号)
 同(松浪健太君紹介)(第三二七七号)
 同(山田正彦君紹介)(第三二七八号)
 同(山村健君紹介)(第三二七九号)
 同(井上和雄君紹介)(第三三七四号)
 同(金子哲夫君紹介)(第三三七五号)
 同(高橋一郎君紹介)(第三三七六号)
 同(二階俊博君紹介)(第三三七七号)
 健保三割負担を二割に戻すなど患者負担の軽減に関する請願(児玉健次君紹介)(第三二八〇号)
 同(穀田恵二君紹介)(第三二八一号)
 同(土井たか子君紹介)(第三二八二号)
 同(藤木洋子君紹介)(第三二八三号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第三二八四号)
 総合的な肝疾患対策の拡充に関する請願(熊代昭彦君紹介)(第三二八五号)
 同(河野太郎君紹介)(第三三七八号)
 同(三ッ林隆志君紹介)(第三三七九号)
 同(吉野正芳君紹介)(第三三八〇号)
 総合的難病対策の早期確立に関する請願(荒井聰君紹介)(第三二八六号)
 同(石田真敏君紹介)(第三二八七号)
 同(岩倉博文君紹介)(第三二八八号)
 同(岡下信子君紹介)(第三二八九号)
 同(金田英行君紹介)(第三二九〇号)
 同(川田悦子君紹介)(第三二九一号)
 同(川端達夫君紹介)(第三二九二号)
 同(北村直人君紹介)(第三二九三号)
 同(熊代昭彦君紹介)(第三二九四号)
 同(小坂憲次君紹介)(第三二九五号)
 同(後藤茂之君紹介)(第三二九六号)
 同(左藤章君紹介)(第三二九七号)
 同(佐藤剛男君紹介)(第三二九八号)
 同(斉藤斗志二君紹介)(第三二九九号)
 同(坂本剛二君紹介)(第三三〇〇号)
 同(下地幹郎君紹介)(第三三〇一号)
 同(杉浦正健君紹介)(第三三〇二号)
 同(瀬古由起子君紹介)(第三三〇三号)
 同(田中慶秋君紹介)(第三三〇四号)
 同(高市早苗君紹介)(第三三〇五号)
 同(高橋一郎君紹介)(第三三〇六号)
 同(武部勤君紹介)(第三三〇七号)
 同(玉置一弥君紹介)(第三三〇八号)
 同(土肥隆一君紹介)(第三三〇九号)
 同(中川正春君紹介)(第三三一〇号)
 同(中村正三郎君紹介)(第三三一一号)
 同(中山太郎君紹介)(第三三一二号)
 同(西博義君紹介)(第三三一三号)
 同(西村眞悟君紹介)(第三三一四号)
 同(野中広務君紹介)(第三三一五号)
 同(春名直章君紹介)(第三三一六号)
 同(樋高剛君紹介)(第三三一七号)
 同(平井卓也君紹介)(第三三一八号)
 同(平岡秀夫君紹介)(第三三一九号)
 同(福島豊君紹介)(第三三二〇号)
 同(藤木洋子君紹介)(第三三二一号)
 同(藤村修君紹介)(第三三二二号)
 同(堀込征雄君紹介)(第三三二三号)
 同(牧野聖修君紹介)(第三三二四号)
 同(松本善明君紹介)(第三三二五号)
 同(村井仁君紹介)(第三三二六号)
 同(村田吉隆君紹介)(第三三二七号)
 同(山口俊一君紹介)(第三三二八号)
 同(山本幸三君紹介)(第三三二九号)
 同(吉野正芳君紹介)(第三三三〇号)
 同(阿部知子君紹介)(第三三八二号)
 同(粟屋敏信君紹介)(第三三八三号)
 同(鍵田節哉君紹介)(第三三八四号)
 同(梶山弘志君紹介)(第三三八五号)
 同(金子哲夫君紹介)(第三三八六号)
 同(金田誠一君紹介)(第三三八七号)
 同(川田悦子君紹介)(第三三八八号)
 同(北村誠吾君紹介)(第三三八九号)
 同(小西理君紹介)(第三三九〇号)
 同(河野太郎君紹介)(第三三九一号)
 同(佐々木秀典君紹介)(第三三九二号)
 同(佐田玄一郎君紹介)(第三三九三号)
 同(佐藤静雄君紹介)(第三三九四号)
 同(竹本直一君紹介)(第三三九五号)
 同(棚橋泰文君紹介)(第三三九六号)
 同(野田毅君紹介)(第三三九七号)
 同(保利耕輔君紹介)(第三三九八号)
 同(三ッ林隆志君紹介)(第三三九九号)
 同(三井辨雄君紹介)(第三四〇〇号)
 同(谷津義男君紹介)(第三四〇一号)
 同(柳本卓治君紹介)(第三四〇二号)
 同(山口泰明君紹介)(第三四〇三号)
 同(山元勉君紹介)(第三四〇四号)
 ウイルス肝炎対策の拡充に関する請願(河野太郎君紹介)(第三三六七号)
 パーキンソン病患者・家族の療養生活の質向上に関する請願(二階俊博君紹介)(第三三七二号)
 腎疾患総合対策の早期確立に関する請願(二階俊博君紹介)(第三三七三号)
 てんかんを持つ人の医療と福祉の向上に関する請願(金子哲夫君紹介)(第三三八一号)
同月十一日
 社会保障の拡充、将来への安心と生活の安定に関する請願(森田健作君紹介)(第三四六一号)
 同(中山正暉君紹介)(第三六六四号)
 同(林省之介君紹介)(第三六六五号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第三六六六号)
 あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律第十九条の改正に関する請願(稲葉大和君紹介)(第三四六二号)
 同(北側一雄君紹介)(第三四六三号)
 同(杉山憲夫君紹介)(第三四六四号)
 同(中山利生君紹介)(第三四六五号)
 同(嘉数知賢君紹介)(第三五五四号)
 同(黄川田徹君紹介)(第三五五五号)
 同(林田彪君紹介)(第三五五六号)
 同(福島豊君紹介)(第三五五七号)
 同(森喜朗君紹介)(第三五五八号)
 同(今川正美君紹介)(第三六六七号)
 同(岩倉博文君紹介)(第三六六八号)
 同(金子哲夫君紹介)(第三六六九号)
 同(後藤田正純君紹介)(第三六七〇号)
 同(長浜博行君紹介)(第三六七一号)
 同(松本和那君紹介)(第三六七二号)
 同(村井仁君紹介)(第三六七三号)
 同(望月義夫君紹介)(第三六七四号)
 同(山本有二君紹介)(第三六七五号)
 同(吉田六左エ門君紹介)(第三六七六号)
 同(渡辺博道君紹介)(第三六七七号)
 腎疾患総合対策の早期確立に関する請願(森田健作君紹介)(第三四六六号)
 同(後藤田正純君紹介)(第三六八〇号)
 同(山本有二君紹介)(第三六八一号)
 小規模作業所等成人期障害者施策に関する請願(金子哲夫君紹介)(第三四六七号)
 同(西博義君紹介)(第三四六八号)
 同(吉田公一君紹介)(第三四六九号)
 同(伊藤英成君紹介)(第三五五九号)
 同(菅野哲雄君紹介)(第三五六〇号)
 同(小泉俊明君紹介)(第三五六一号)
 同(田並胤明君紹介)(第三五六二号)
 同(高木陽介君紹介)(第三五六三号)
 同(達増拓也君紹介)(第三五六四号)
 同(徳田虎雄君紹介)(第三五六五号)
 同(吉田公一君紹介)(第三五六六号)
 同(青山丘君紹介)(第三六九一号)
 同(石井郁子君紹介)(第三六九二号)
 同(石井一君紹介)(第三六九三号)
 同(岩國哲人君紹介)(第三六九四号)
 同(臼井日出男君紹介)(第三六九五号)
 同(小沢和秋君紹介)(第三六九六号)
 同(大石尚子君紹介)(第三六九七号)
 同(大石正光君紹介)(第三六九八号)
 同(河村たかし君紹介)(第三六九九号)
 同(菅野哲雄君紹介)(第三七〇〇号)
 同(後藤田正純君紹介)(第三七〇一号)
 同(末松義規君紹介)(第三七〇二号)
 同(杉浦正健君紹介)(第三七〇三号)
 同(田並胤明君紹介)(第三七〇四号)
 同(中川昭一君紹介)(第三七〇五号)
 同(中曽根康弘君紹介)(第三七〇六号)
 同(中塚一宏君紹介)(第三七〇七号)
 同(長勢甚遠君紹介)(第三七〇八号)
 同(冬柴鐵三君紹介)(第三七〇九号)
 同(山本有二君紹介)(第三七一〇号)
 医療改悪を実施前に戻すなど社会保障の充実に関する請願(吉田公一君紹介)(第三四七〇号)
 総合的な肝疾患対策の拡充に関する請願(河野太郎君紹介)(第三四七一号)
 同(棚橋泰文君紹介)(第三四七二号)
 同(小沢和秋君紹介)(第三七一七号)
 同(大石正光君紹介)(第三七一八号)
 同(金子哲夫君紹介)(第三七一九号)
 同(後藤田正純君紹介)(第三七二〇号)
 同(長勢甚遠君紹介)(第三七二一号)
 総合的難病対策の早期確立に関する請願(伊吹文明君紹介)(第三四七三号)
 同(奥山茂彦君紹介)(第三四七四号)
 同(北側一雄君紹介)(第三四七五号)
 同(西博義君紹介)(第三四七六号)
 同(五島正規君紹介)(第三四七七号)
 同(高村正彦君紹介)(第三四七八号)
 同(田村憲久君紹介)(第三四七九号)
 同(林義郎君紹介)(第三四八〇号)
 同(原田義昭君紹介)(第三四八一号)
 同(前原誠司君紹介)(第三四八二号)
 同(宮下創平君紹介)(第三四八三号)
 同(森田健作君紹介)(第三四八四号)
 同(山内惠子君紹介)(第三四八五号)
 同(家西悟君紹介)(第三五六七号)
 同(石原健太郎君紹介)(第三五六八号)
 同(木島日出夫君紹介)(第三五六九号)
 同(黄川田徹君紹介)(第三五七〇号)
 同(児玉健次君紹介)(第三五七一号)
 同(穀田恵二君紹介)(第三五七二号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第三五七三号)
 同(塩田晋君紹介)(第三五七四号)
 同(達増拓也君紹介)(第三五七五号)
 同(徳田虎雄君紹介)(第三五七六号)
 同(中沢健次君紹介)(第三五七七号)
 同(中林よし子君紹介)(第三五七八号)
 同(中村哲治君紹介)(第三五七九号)
 同(原田義昭君紹介)(第三五八〇号)
 同(二田孝治君紹介)(第三五八一号)
 同(山口富男君紹介)(第三五八二号)
 同(吉井英勝君紹介)(第三五八三号)
 同(吉川貴盛君紹介)(第三五八四号)
 同(石井郁子君紹介)(第三七二三号)
 同(臼井日出男君紹介)(第三七二四号)
 同(小沢和秋君紹介)(第三七二五号)
 同(大石正光君紹介)(第三七二六号)
 同(奥谷通君紹介)(第三七二七号)
 同(上川陽子君紹介)(第三七二八号)
 同(後藤田正純君紹介)(第三七二九号)
 同(塩崎恭久君紹介)(第三七三〇号)
 同(武山百合子君紹介)(第三七三一号)
 同(谷本龍哉君紹介)(第三七三二号)
 同(中川昭一君紹介)(第三七三三号)
 同(長勢甚遠君紹介)(第三七三四号)
 同(鳩山由紀夫君紹介)(第三七三五号)
 同(平沢勝栄君紹介)(第三七三六号)
 同(堀之内久男君紹介)(第三七三七号)
 同(丸谷佳織君紹介)(第三七三八号)
 同(宮澤洋一君紹介)(第三七三九号)
 同(横光克彦君紹介)(第三七四〇号)
 透析患者が安心して療養できる診療報酬の緊急再改定に関する請願(藤木洋子君紹介)(第三五五三号)
 医療改悪を実施前に戻すことに関する請願(石井一君紹介)(第三六六三号)
 保育・学童保育予算の大幅増額に関する請願(大石尚子君紹介)(第三六七八号)
 パーキンソン病患者・家族の療養生活の質向上に関する請願(末松義規君紹介)(第三六七九号)
 最低賃金の引き上げ、全国一律最低賃金の法制化に関する請願(松本善明君紹介)(第三六八二号)
 あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律の改正に関する請願(小沢和秋君紹介)(第三六八三号)
 同(大石正光君紹介)(第三六八四号)
 同(後藤田正純君紹介)(第三六八五号)
 同(長勢甚遠君紹介)(第三六八六号)
 健保本人負担を二割に戻すなど社会保障の充実に関する請願(石井郁子君紹介)(第三六八七号)
 同(佐々木憲昭君紹介)(第三六八八号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第三六八九号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第三六九〇号)
 健康保険本人の医療負担割合二割への引き下げに関する請願(大森猛君紹介)(第三七一一号)
 健保三割負担を二割に戻すなど患者負担の軽減に関する請願(小沢和秋君紹介)(第三七一二号)
 同(佐々木憲昭君紹介)(第三七一三号)
 同(不破哲三君紹介)(第三七一四号)
 同(山口富男君紹介)(第三七一五号)
 保険によるよい歯科医療の実現に関する請願(小沢和秋君紹介)(第三七一六号)
 てんかんを持つ人の医療と福祉の向上に関する請願(小沢和秋君紹介)(第三七二二号)
は本委員会に付託された。
六月十日
 腎疾患総合対策の早期確立に関する請願(第二一三五号)は「久保哲司君紹介」を「斉藤鉄夫君紹介」に、小規模作業所等成人期障害者施策に関する請願(第三四六八号)及び総合的難病対策の早期確立に関する請願(第三四七六号)は「久保哲司君紹介」を「西博義君紹介」にそれぞれ訂正された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 次世代育成支援対策推進法案(内閣提出第一〇九号)
 児童福祉法の一部を改正する法律案(内閣提出第一一〇号)
 公益法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備に関する法律案(内閣提出第八四号)(参議院送付)


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     ――――◇―――――
中山委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、次世代育成支援対策推進法案及び児童福祉法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 両案審査のため、本日、政府参考人として文部科学省大臣官房審議官樋口修資君、大臣官房審議官木谷雅人君、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長岩田喜美枝君及び年金局長吉武民樹君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
中山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
中山委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。水島広子君。
水島委員 水島広子でございます。
 本日も、また引き続きまして質問をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 前回もいろいろ質問をしてまいったわけでございますけれども、やはり、考えれば考えるほど、読めば読むほどいよいよわからなくなってきたわけでございますので、最初にちょっと整理をしていただきたいんです。
 まず、今回提出されている法案のうち、法律をつくらないとできないというのは一体どの部分になりますでしょうか。大臣にお答えいただきたいと思います。
岩田政府参考人 今回の法案では、国と地方公共団体、企業が一体となって次世代育成支援対策のための取り組みを推進するわけでございますけれども、それによって、全国の四十七の都道府県すべて、約三千二百あります市町村すべてが行動計画の策定が義務づけられます。また、常用労働者を三百一人以上雇用する企業、これが約一万二千と考えられますけれども、そういった企業で行動計画の策定が義務づけられ、それ以下の規模の事業主には努力義務を課すということになっております。
 これらは、まさに、法律で行動計画の策定を義務づけるということで、初めてできることでございまして、冒頭申し上げましたように、この法律の制定がなければ、こういった国、地方公共団体、企業が一体となった次世代支援対策の取り組みというのは難しいというふうに考えております。
水島委員 法律で定めなければできない、あるいは法律で定めればできるというところを余り軽々に考えたくないなと思っているんです。
 と申しますのが、今回、このようにすべての市町村に義務づけをする、そのような法案を出されるに当たって、厚生労働省の方が今まで説明をされていたのは、市町村版のエンゼルプランというのが既にあるわけですけれども、それをちゃんと策定しているのは全体の三分の一にすぎないという、そのことを根拠として、法律で定めて義務づけていかなければ進んでいかないんですというような説明をされているわけでございます。
 実際に市町村版のエンゼルプランを策定しているのがそれほど少ないというのは事実だと思いますけれども、そもそも、できていない自治体ではなぜできていないのかという、その理由をきちんと自治体に調査されましたでしょうか。
岩田政府参考人 委員が今言われましたように、地方版のエンゼルプランを策定している市町村の数は千三百七十二でございます。策定をしていない市町村について、その理由を統計調査的に調査したものはございませんが、その策定状況を見てみますと、市では約八割が策定しておりますのに比べ、町では約三割強、村では二割弱といったようなこととなっておりまして、規模が小さい自治体ほど策定に消極的な傾向が見られます。
 この原因として考えられますのは、これまではこういったプランの策定が法律上義務づけられていなかったということの前提の上でございますけれども、規模の小さい自治体にとっては、プランの策定ということが、やはり事務負担があったのではないかというふうに思われること、そして、これまでの自治体の地方版エンゼルプランを拝見いたしますと、中心になっておりますのは保育所の整備計画でございまして、その保育所の整備計画に限ってみれば、規模の小さい町、村では、一般的に保育所が整備され、十分供給体制が整っているということがございますので、それ以上の対応が必要ないといったような認識だったかというふうに思いますし、保育施策以外の子育て支援対策については、その必要性についての認識が、必ずしもこれまでは十分ではなかったということではないかというふうに考えております。
 今般は、そういうこれまでの経験にかんがみまして、自治体の策定を支援するために、国が指針をつくりますということとあわせまして、マニュアルをつくりましたり、また先行的に五十余りの市町村にお願いしまして行動計画を早目につくっていただき、これらをモデルにして他の自治体が参考にするといったようなことも考えていきたいというふうに考えております。
水島委員 今、規模が小さいということでは一つその事情をお話しいただいたわけでございますけれども、自治体の方の話を聞きますと、やはりお金がないということをすぐにおっしゃいます。いろいろやってあげたいんだけれどもお金がないんですというのが、大体いろいろなところの首長さんとか議員の方なんかが使われる常套文句であるわけでございます。結局、今回、この法案が成立することによってやらなければいけないデスクワークばかりがまたふえていって、それでお金が来ないということになると、ますます自治体が大変なことになるのではないかというような嫌な予感がしているわけでございます。
 前回の審議の中で、私が、これを十年の時限立法にした理由というのを伺いましたところ、これは十年間で思い切って全部やるんですという、その意気込みで、そのために目標も決めてやるんだというふうに御答弁いただいたと思いますけれども、そうだとすると、この十年間でこれをきちんとやり抜いていくためには、今言ったような自治体の規模の小ささとかあるいは税源のなさとか、そういったことも含めて、きちんと十年間で解決できる見通しがなければ、できるとは言えないと思うんです。
 これは大臣にお伺いしたいんですが、この法案が成立しますと、市町村合併が進んだりあるいは予算が特別についたりあるいは地方への税源の移譲がにわかに進んだり、そのような効果もこの法案は持っているんでしょうか。
坂口国務大臣 金のないのは国も地方も同じでございますが、しかし、法律ができるということは非常に大きな意味があって、そして、そこでこの行動計画なりいろいろなものをつくっていただいて進めていく中で、何が必要かということが浮き彫りになってくるというふうに思います。そういたしましたならば、国としての予算の組み方というものがそれに影響されてくるというふうに思います。
 まず、その前に、国としてどういう予算の組み方をするかということも考えなければいけないというふうに思いますけれども、地方のそうした動きも見ながら、地方からの御要望も聞きながら、国としてできることは何かということもしなければならないというふうに思っています。
 法律なしにやっておりますと、どういうわけか国の予算というのはなかなかつきませんで、法律があるということが非常に大きな支えになることだけは間違いがないというふうに思っている次第でございます。
水島委員 それでは、法律があれば予算がついてくるというお答えをいただきまして、その法律の重要性について、これから審議をさせていただきたいと思うんです。
 まず、昨年の九月に少子化対策プラスワンが策定されまして、これは坂口大臣から小泉総理に報告をされていると伺っております。
 これがつくられましたのは、もともと、小泉総理から、これまでの少子化対策を改めて検討して、実効性ある対策を策定すること、めり張りのきいた対策を九月までに策定すること、特に育児休業の取得や看護休暇制度の普及について具体的目標を定め、安心して子供の産み育てられる職場づくりに努力することが指示をされたからと聞いておりますけれども、まず、これで認識としては正しいでしょうか。
岩田政府参考人 そのとおりでございまして、平成十四年五月二十一日に、総理から厚生労働大臣に対しましてそのような御指示がございました。
水島委員 そして、その少子化対策プラスワンを踏まえまして、ことしの三月に少子化対策推進関係閣僚会議が策定しましたのが、次世代育成支援に関する当面の取り組み方針というものであると理解をしております。この方針は、少なくとも、基本的な施策が今回の法案よりも明確だなと感じております。
 例えば、基本的な施策として、男性を含めた働き方の見直しとして、事業主の行動計画としては、残業時間の削減、一日当たり一時間、子供が生まれたら父親休暇を五日間、男性の育児休業取得一〇%、看護休暇普及二五%と、かなり明確な数値をもって高い政策目標が掲げられているわけでございますけれども、これらの数値は、今回の法案に基づいて策定をされます指針にそのまま横滑りでその数値が残ると理解してよろしいんでしょうか。
岩田政府参考人 次世代育成支援に関する当面の取り組み方針に盛り込みました、今委員が言われましたような育児休業の取得率等の数値目標値でございますが、これは社会全体で達成をしようという社会全体における目標を定めたものでございまして、これが自動的に個々の企業における目標値になるということではございません。企業の行動計画はどういう目標を掲げるのか、そしてその場合の目標値の水準をどの程度の水準にするかということについては、それぞれの企業がその実情に応じて任意にお決めになることではないかというふうに考えております。
 しかしながら、先ほど申し上げましたように、日本の社会全体としてこういう社会にしようという社会全体の目標を、政府として、当面の取り組み方針としてまとめさせていただいているわけでございますから、そういう条項は事業主の方にもお伝えをして、事業主が自主的に、そういった社会全体の目標も念頭に置いて、個々の企業の育児休業の取得率などの数値目標を定めていただくことが望ましいというふうに考えております。
 こういった考え方は、国がつくります行動計画策定指針やマニュアルやあるいは行動計画のモデル、そういったような中で示してまいりたいというふうに考えております。
水島委員 つまり、今御答弁いただきましたことをまとめますと、そもそも、小泉総理から坂口大臣に向けて、育児休業の取得や看護休暇制度の普及について具体的目標を定めという明確な表現をもって指示があって、それに基づいて少子化対策プラスワンが策定され、さらに次世代育成支援に関する当面の取り組み方針まで来たと。ここまではきちんとした数値目標が定められていて、小泉総理の当初の指示に沿った内容だったと思うんですけれども、最後、今度法案化になりますと、急にそれらの数値目標がぼこっと落ちてしまった。それまで一生懸命総理の指示に基づいて進めてきたものが、最後のところで急に何か実体を抜かれてしまったというふうに思えるわけです。
 そもそも、今局長が御説明されていたことというのは、もちろん言葉としては理解できるわけですけれども、先ほど大臣も、法律にするということは意味があるんですというふうにおっしゃいました。また、看護休暇のことですとか育児休業のことですとか、これらは個々の企業が目標値を定めてやっていくものであって、一律に強制できるものではないというような御趣旨のこともおっしゃいました。
 そうであれば、そもそも、いろいろな労働関係の法律というのは、それなりに事業主に何らかの義務づけをしたり、何らかの強制をしながらここまででき上がってきたという歴史もあるわけでございますので、それができないから今回も何もやりませんというのだと、法律というものをつくる意味もなくなってしまうのではないかと思います。こういう数値目標が抜けてしまったということ、ぜひこれは大臣に改めて総括をしていただきたいんです。
 あわせて申しますと、結局これらは、確かに、今回計画を立てて、数値目標を立ててというようなそういう話をしていると、なかなかこれは前に進んでいかない。すべての企業に何%という数値を法律の中に盛り込んでやっていくというのが非常に難しいというような御説明であるとすれば、やはりこうしたことは、育児休業、介護休業法の改正という形できちんと義務づけていかなければいけないことだと私は思っております。
 私たち民主党では、二年前になりますけれども、子供の看護休暇の制度化、育児休業分割取得を可能とし、またパパクオータ制の導入による男性の育児休業取得の促進、短時間勤務制を請求権とするというような施策を盛り込みました仕事と家庭の両立支援法案を政府案に対する対案として提出させていただいたわけでございます。残念ながら、与党の皆様の御賛成が得られなかったために、この法案が成立することはなかったわけですけれども、私は大臣に、子供の看護休暇の制度化は喫緊の課題だということを最後まで食い下がって申し上げていた記憶がまだ新しく残っているわけですけれども、最後まで大臣には御理解をいただけずに、本当に残念な思いをしたということも記憶に新しいところでございます。
 ところが、今回この看護休暇というのがまた出てまいりまして、この取り組み方針を見ますと、看護休暇普及二五%というような、二五%まで普及してくれば、今までの前例から考えてまいりますと、恐らくもう法律で義務化していいくらいの数値に達してきているんじゃないかと思います。何らかそういうガイドラインがあるわけではないんでしょうけれども、大体今まで、このくらいまで来ると法律になっていたという歴史を見てみますと、二五%という割合は、多分、もう法律事項になってしかるべきところなんだと思うんですけれども、こんなことを片方で打ち上げていながら、実際に育児・介護休業法の改正案も提案されてこない。
 今回、どうせなら、この次世代育成支援対策推進法案と児童福祉法の改正案とセットで育児休業、介護休業法の改正案というのも提案されなければいけなかったのではないでしょうか。数値目標が落ちてしまったことの総括と、ここの点も含めて大臣にちょっとまとめて御答弁いただけますでしょうか。
坂口国務大臣 先生に機関銃のようにぼんぼんぼんぼんと撃たれますと、どうお答えをしていいのかわからなくなってしまいますが、最初の方のお話は、国としての考え方というものは明確に示さなければいけないと思うんです。こういう数値目標を立てて我々はいこうとしておりますということを各市町村に示さなければならない。その上で、こういう目標に立ってやっておりますから、皆さん方の方ではそれぞれの行動計画を立ててくださいということをお願いする。
 したがって、国が立てておりますようなそういう目標値、そうしたものをそのままお取り入れをいただくところもあるだろうというふうに思いますし、あるいはまた違った表現でそれが達成できるような方法をどうしたらいいかをお考えいただくところもあるだろうというふうに思っております。
 したがいまして、結果として、国全体でそうした目標値が達成できるようになるということにしなければいけないというふうに思っております。また、いろいろ、都道府県等から、あるいはまた市町村等から御相談を受けましたときには、そうしたことも私たちは言わなければいけないというふうに思っております。ただ、国が書いております数値をそのまま書けばいいというふうなことは思っていないということを申し上げたわけでございます。
 それから、後半の方の病児休業の問題でございますが、これは大変大事なことでございまして、この前も御質問をいただいたわけでございますけれども、我々も決して軽視をしておるわけではございませんで、むしろ、お母さん方があるいはお父さん方が一番お困りになりますのは、お子さんが病気になったときのことではないかというふうに思っております。
 そこで、現在のところ、それでは、そういうお子さんをお預かりする、いわゆる病児保育というものがたくさんできてきているのかといえば、全国でまだ四百カ所前後だったというふうに思っておりまして、こちらが予定をいたしております五百カ所にもなかなか及んでいないというのが現状でございます。
 先般、大阪でございましたが、この病児保育をしていただいております病院の先生方のお集まりに出席をさせていただきまして、いろいろと現状につきましてもお聞きをさせていただいたところでございます。中には、もう戦前からやっているという大変古い歴史をお持ちになったところもございまして、いろいろ御苦労をお聞かせいただいたところでございますが、そういう皆さん方のお話もお伺いをいたしますと、国としても、これから考えてやっていかなければならない点が非常に多いというふうに思います。
 それから、ここまで来ればもう義務化をすべきではないかというお話もございまして、これは、いつの日かはそういうふうにしなきゃいけないんだろうというふうに思いますが、それに向かいまして、着実に一歩一歩前進をしたいと考えているところでございます。
水島委員 今、いつの日かというお話がございましたが、実は、近々、民主党では、先日、労働基準法が改正されまして、有期雇用の契約期間の上限が延びましたので、それに伴う若干の修正をいたしまして、仕事と家庭の両立支援法案をまた提出させていただく予定でおりますので、いつの日かとおっしゃらずに、その機会はかなり近いと思いますので、そのときには、与党の皆様にももう全力の御協力をいただいて、大臣の温かい御理解のもと、今度こそ私たちの法案が成立いたしますように、心から希望をするわけでございます。
 また、病児保育も進んでいない。けれども、幾ら病児保育が進んでいっても、恐らく最後までこの看護休暇というものは必要なんだと思いますし、実際に今、これから幾ら指針にそれが書かれていっても、個別の労働者が子供を予防接種に連れていこうとしたときにも、やはり看護休暇という形でとることが必要になってくるわけでございまして、それがとれないという場合には、結局、今回幾らこういった法案が成立していっても、その個別の労働者にとって何らかの新しい権利が生じるわけではないということは、これは非常に残念なことだと思っております。
 また、看護休暇がいつまでも必要だと思いますのは、病児保育と看護休暇というのは、本当に裏表の関係にあるわけですけれども、仕事によっては、例えば、大臣も、重要な御答弁をされるときには、どうしても仕事を休めないということもあるでしょうし、一方では、このくらいの仕事だったら、きょうはぜひ子供と一緒にいてあげたいというような、そんな仕事のときもあるでしょうし、そんなふうに病児保育と看護休暇、選択の自由をもって両方が存在できるようにしていかないと、どちらか一方だけでは、絶対に足りないのだと思っております。
 今、個別の労働者に対しては何ら新しい権利を与えるものではないということを申し上げさせていただいたわけでございますけれども、ここのところ、国会で、どうも子育てのことが審議されているということは少し知っている方がいらっしゃるわけです。
 次世代育成支援対策推進法ができると聞くと、何だか急に子育てがやりやすくなるんじゃないか、来年あたりもう一人産んでみようかと思う人が多いんじゃないかと思うんですけれども、実際聞いてみると、看護休暇がとれるようになるわけでもない、何にも変わらないというのでは、本当にまた、今さら何をやっているのか、こんなことが必要だというのはもう随分前から指摘されているじゃないですかとがっかりされるのではないかと思いますけれども、そうやってがっかりされる方たちに対して、大臣から一言メッセージをお願いいたします。
坂口国務大臣 まあ、子育てあるいはまた子育ちと申しますか、そうしたことが大事なことは言うまでもありませんが、それにはやはり環境整備というものが非常に大事でありまして、一つのことができ上がればそれで前に進むというわけにはなかなかまいりません。
 全体のレベルアップ、一カ所だけが百歩前進するということよりも、全体が一歩ずつ前進をするということが大事でございまして、そういう意味で、やや歩みはのろいように見えますけれども、全体を一歩前進させるという意味がこの法律の趣旨でございまして、どうぞそのように御理解をいただければありがたいと思います。
水島委員 まだ余り理解はしていないんです。といいますのは、やはり、大臣も法律にすることは重要だというふうに認識されていて、私も実際そう思っております。だから、どこか一つだけでも、看護休暇だけでも法律に盛り込まれることによって、突破口となって、またほかがバランスよく進んでいくということにもなりますので、これはもうできるところから早速手をつけていただきたいと思いますし、全体としてその枠組みを整備していくという、指針を示していくということも、当然国の役割だとは思いますので、その双方、法律で固められるところ、方向性を示すところ、それをきちんと続けていただきたいと改めてお願いを申し上げます。
 さて、今回、この事業主の行動計画なんですけれども、三百人を超えれば適用され、また三百人以下だと努力義務だとしている理由は何なのでしょうか。
岩田政府参考人 この法律に基づきまして、事業主に行動計画を策定していただくわけですけれども、理念としては、すべての事業主が行動計画を策定していただくということが求められているというふうに思っております。しかしながら、事業主の策定負担ということも勘案いたしまして、三百人以下の中小企業については、行動計画の策定や届け出について、一律に義務づけるのではなくて、その実情に応じて、策定、届け出をしていただくよう努力義務といたしたところでございます。
 厚生労働省といたしましては、中小企業にできるだけ策定、届け出をしていただくよう、さまざまな機会を通じて働きかけをしてまいりたいというふうに思っておりますし、また、あわせて、この法案の中に次世代育成支援対策推進センターを指定するということを規定いたしております。これは中小企業を念頭に置いた仕組みでございまして、事業主の団体を次世代育成支援対策推進センターとして指定いたしまして、このセンターが中小企業に対しまして計画の策定や実施についてさまざまな支援をする、そういうようなことも考えているところでございます。
 こういう形で、三百人を超える企業については法律で一律に義務づけ、それ以下の中小企業についても、なるべく策定していただけるようにさまざまな支援をしてまいりたいというふうに考えております。
水島委員 これを必ずやらなければいけない、その計画を必ず達成しなければいけないということであると、中小企業の場合、さまざまな事情があるということは十分に理解できますけれども、計画を策定するというのはメニューを提示するということでございますから、それであれば、恐らくすべての企業に義務づけてもできるのではないかと思います。
 恐らく、水島広子事務所というところもあるんですけれども、そこでも、行動計画だけでも策定しろと言われたら、できるかできないかはわからないけれども、策定ぐらいはできるんじゃないかなと思いますので、こんなに零細のところであっても考えられないでもないことですから、行動計画の策定までは義務づけられて、それを達成するところに関しては、いろいろな配慮があって、できないところはどういう援助が必要なのかということをまた見ていっていただくのがよいのではないかと思いますけれども、もし、それに関してお答えがあればということと、あと、そもそも、この三百人で切るということなんですけれども、これによって、三百人を超える事業所で男女それぞれについて労働者の何%がカバーされる計算になりますでしょうか。
岩田政府参考人 お尋ねの前の点についてでございますけれども、やはり行動計画を策定するというそのプロセスを考えますと、従業員のニーズを調査する、そして策定する過程で、従業員あるいはその代表である労働組合と話し合って策定をする、そして場合によっては、行動計画に盛り込む項目にもよりますけれども、就業規則や労働協約を改定するといったような一連の作業があるわけでございまして、そういったことの負担も考慮いたしまして、先ほど申し上げましたような、策定自体を努力義務にいたしたわけでございます。しかしながら、なるべく多くの事業所で策定していただけるよう働きかけたいということは、申し上げたとおりでございます。
 後の点についてですけれども、従業員の規模で見まして常用労働者がどの程度いるかということについてでございますけれども、十三年の事業所・企業統計調査報告によりますと、総常用労働者に対する三百人以上の規模の企業における労働者の割合を見ますと、約四三%ということになっております。
 この調査では男女別の集計ができませんので具体的な数値を申し上げられませんけれども、また別の調査などいろいろ勘案いたしますと、三百人以上の規模の事業所に雇用されている労働者については、男女労働者の規模別の就業の実態を見ますと、三百人以上の規模に雇用されている労働者の割合は、男性の方が高くて女性の方が低いというのが実態ではないかというふうに考えております。
水島委員 今きちんと男女別の数字というのでは挙げていただけなかったんですけれども、恐らく、本当に子育て当事者である特に女性たちは、規模の小さなところで働いている方が、パートの方あるいは有期雇用の方を含めて多いのではないかと思います。
 ですから、全体で見ると、私も最初説明を受けたときに四三%、大体半分というふうに聞いたわけですけれども、これで大体半分の人がカバーされるんですからと、そうやって乱暴におっしゃらないで、実際に本当に必要としている人たちがどこで主に働いているのか、それを見た上で、この三百人という切り方が正しいのかどうかというのをきちんと検証していただかなければいけないと思います。
 これは、パートと有期雇用と、あと派遣労働者の方たちを含めて計算をしていきますと、恐らく三百人以下のところに当事者が一番多く集中しているのではないかなと。これは私の勘ですけれども、そのような感じがいたしますので、これは改めてきちんと検討していただきたいと思います。
 三百人というのが、行政から見ればこのくらいのところでしょうと線を引かれるんでしょうけれども、その人が働いているところにそれが及ぶか及ばないかというのは、働いている側とすればこれは深刻な事態でございますので、切っているところが適正なのかどうかということを、全体で大体半分ですからという態度ではなくて、きちんと検証していただきたいと思います。これはぜひ、検証していただいたら、また後日お知らせいただきたいと思います。
 また、今回、国と地方公共団体という特定事業主の行動計画は公表を義務づけているわけですけれども、一般事業主の行動計画に公表が義務づけられていないのはなぜでしょうか。
    〔委員長退席、宮腰委員長代理着席〕
岩田政府参考人 国及び地方公共団体は公的な主体でございますので、民間の事業主に対して、いわば率先垂範して取り組みを進めることが求められているのではないかというふうに考えております。そういうことで、特定事業主行動計画については、策定しました計画自体を公表するということを法律上の規定といたしたところでございます。
 これに対して、一般事業主についてですけれども、個々の企業の労働条件の設定は、労働法規などに反しない限りにおいては、そもそも労使の自治にゆだねられるという性格のものであることとか、どのような計画内容にするかということは企業の人事戦略、企業の雇用管理のノウハウに係る面もございまして、この情報をすべて公開することを義務づけるということは、なじまないのではないかというふうに考えております。
 もちろん、企業によっては、むしろその方が企業戦略に合うということで、率先して公表される企業が出てくるということももちろん期待されるところではありますけれども、法律で公表を義務づけるということは、一般事業主の行動計画の性格から、なじまないというふうに考えております。
水島委員 公表しないとしても、その内容を厚生労働省に届け出るとか、そのように内容を知る機会はつくれるんでしょうか。
岩田政府参考人 法律案にもございますように、策定した計画は厚生労働省の方に、具体的には地方労働局になろうかと思いますが、そこに届け出をしていただくということになっております。行動計画自体を届け出していただくということよりも、計画を策定したということが確認できるようなものを考えておりますので、届け出をしていただいたときに、具体的な内容をつぶさに行政として把握するということは考えておりません。
 しかしながら、企業の一般事業主の行動計画に何を盛り込むことが望ましいかということについては、国として指針を定めるということにもいたしておりますので、そういったことを参考にしていただいた行動計画になることを期待いたしているところでございます。
水島委員 そうしますと、実際には行動計画を策定していないのに策定しましたと届け出たりとか、あるいは外向けに自分たちの行動計画はこうですと言っていることと実際が違っていたりするような事業主がいた場合に、それをチェックする仕組みというのはあるんでしょうか。
岩田政府参考人 この一般事業主の行動計画は、何度か申し上げましたように、企業の実情に応じて、企業が自主的にこういう取り組みをしたいということを従業員やその代表の労働組合と相談しながらつくるものでございますので、その意に反したものを強制されるということではありませんので、行政機関に虚偽の届け出をするとか、つくっていないのにつくったような形で届け出をするということは、一般的には考えにくいというふうに思います。
水島委員 一般的には考えにくくても、もしもそのようなことがあった場合にはどうなんでしょうか。実際にそこで働いている労働者が、うちの企業はひどいと思ったときに、でも、どうも企業は届け出を見るとちゃんとやっているというふうに、届け出ているようだという場合、それはどういうふうにすると解決されるんでしょうか。
岩田政府参考人 そういうケースは通常は考えられないというふうに思いますけれども、もしそういうことがございましたら、各都道府県にあります労働局の方に御相談いただきまして、労働局の方が企業の方に事情をお尋ねするということで、必要であれば助言をしていくということではないかと思います。
水島委員 なかなかハードルが高そうなんですけれども、これは私も事前にいろいろ伺いましたときに、今回のはそういう趣旨のものではなくて、とにかくいいところはどんどんオープンにしていって、そこにいい人材が集まって、そうやって自由競争の中で社会をよくしていくんだというような御説明も少々いただいたんです。
 これは、景気が非常にいいときで、労働者側が売り手市場というようなときであれば、どんどん企業が自己アピールをしていい人材を集めてとやっていけるかもしれませんけれども、今は、嫌でも、自分が気に入らないところでも働いていかないと職がないというような状況ですから、どこかしら常識では考えられないようなことがあるときにはどう対応できるか、そういうところでもちゃんと子育てしていけるようにするにはどうしたらいいんだろうかというような施策をぜひ考えていただきたいですし、そういう意味では、私はやはり本体の方の育児休業・介護休業法の改正というのはきちんとしていただかなければいけないんじゃないかなと思っております。
 今回、事業主が定めることになっております行動計画という中には、これは当然、有期雇用の方や派遣の方、パート労働者の方というのは含まれるんでしょうか。
岩田政府参考人 法律をお読みいただきますと、個々の事業主の行動計画の対象の労働者の範囲をどうするかということについての具体的な規定はございません。したがいまして、個々の事業主がどの労働者を対象としてどういう対策を講ずるかということは判断していただくことになるというふうに思います。
 しかしながら、次世代育成支援推進対策という対策の理念から考えますと、いわゆる正社員だけではなくて、パートタイム労働者、派遣労働者、契約社員、そういったような方も広く念頭に置いた対策になるということが望ましいというふうに考えております。
水島委員 それを何らかの形できちんと指針か何かに書いていただかないと、実際に、子育てをしている当事者の方たちは多分そういった非正規の形で働いていらっしゃる方が多いと思います。逆に、子育てという事情があるからそういう働き方をされているというケースもあるでしょうし、いろいろあると思いますけれども、そこをきちんと含まないのであれば、幾らつくっていってもほとんど意味がないということにもなってきますので、そこはきちんと強くアピールしていただかないと、事業主の方でも自分で決めていいということになれば、なかなかそんなリスクは冒したくないということになりますから、これはちゃんと決めていってほしいと思います。それをわかりやすく示していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 さて、時間も残り少なくなってまいりましたので、先に進ませていただきますけれども、前回、質問させていただいて、ちょっと行き違いがあって御答弁いただけなかったんですけれども、児童福祉法改正案の方なんですが、子育てしているすべての家庭を支援するということで、親が障害者であるような場合にはどうなりますかという質問をさせていただきました。
 これは、非常に重度な身体障害者とか、もう明らかにその親自身もケアが必要なような状態の方の場合には、今でもわかりやすい制度がないわけでもないと思いますけれども、この前挙げました例のように、親が聴覚障害者で自分の生活は何とかできる、子供が健聴者であるというような場合には、かなり子育て上いろいろと独特な悩みも生じますし、いろいろと特別な配慮が必要になるわけですけれども、そういった親はどこでサポートしてもらえますでしょうか。
岩田政府参考人 前回は失礼いたしました。
 親が障害を持っている家庭の子育て支援についてですけれども、これまでも例えば身体障害者相談員などが都道府県、指定都市、中核市に配置をされておりまして、この相談員は育児相談などにも応じるということでございます。
 また、支援費制度の中身でございますけれども、ホームヘルパーが派遣されますけれども、ホームヘルパーの仕事として、育児支援の観点から、沐浴とか授乳とかそういう居宅介護サービスを支援費制度の中で実施していただくということもできることとされております。
 また、今回の児童福祉法の改正法案におきましては、市町村が中心になりまして、地域の子育て支援の施策を拡充するということにいたしておりますけれども、その場合にはすべての子育て家庭を視野に入れた対策であるべきであるというふうに考えております。
 したがいまして、親が障害を持つ御家庭の子育て支援についても当然視野に入れるべきであるというふうに考えておりますので、例えばですけれども、市区町村はさまざまなサービスをみずから実施する、あるいはその地域のさまざまな担い手、社会福祉法人ですとかNPOですとか、個人のグループですとか企業ですとか、さまざまなサービスの担い手と利用者をつなぐコーディネートの事業を市区町村に実施を義務づけることといたしております。
 そういう中で、障害を持つ親御さんの子育て支援についても必要なサービスが図られ、どこに行けばそういうサービスにアクセスできるかということについても、このコーディネート事業を構築する中で、市区町村に工夫をしていただければというふうに考えております。
 国といたしましても、自治体の行動計画策定のための指針について、今委員が言われましたように、親が障害を持つケースについてどういう配慮が要るかということについても指針に書き込んでまいりたいというふうに思っております。
水島委員 ぜひそこは丁寧にお願いいたします。
 と申しますのは、前回の質問の前に、厚生労働省の方とお話をしましたときに、「すべての子育て家庭」と書いてあるけれども、親が障害を持つ家庭への配慮は一体どこに書いてあるんですかというふうに聞きましたところ、いや、これはすべての家庭を対象とするものですから、そういう特殊な家庭のことじゃないんですよというようなことをさらりとおっしゃいました。それは多分その方が不勉強でいらっしゃったということなんでしょうけれども。
 そんなふうに、「すべての子育て家庭」と言われたときに、悪気があろうとなかろうと、これは一般家庭への施策であって、そういう特殊なところを見ているものじゃないんだというふうに勘違いしてしまう方というのは多いと思うんです。これは、すべての市町村において、みんながそうやって一〇〇%正確に理解するわけではない。やはり、これはすべての家庭用なんだから、特殊な家庭はここには入っていないんですよというふうに勘違いする方は絶対にいると思います。
 厚生労働省の優秀な官僚の方でさえそういう勘違いをされていたわけでございますので、きちんとそこはわかりやすく、すべての家庭というのは平均的な家庭のことではなくて、あらゆる家庭なんだ、それはどんな事情を抱えている家庭だろうと、母子家庭だろうと、お子さんが障害を持っていらっしゃる家庭だろうと、親御さんが障害を持っていらっしゃる家庭だろうと、いろいろな事情がある家庭だろうと、自分の子ではないお子さんを預かって育てていらっしゃる家庭であろうと、すべての家庭がこの対象となるんですということを明確に示していただかないと、これは自治体の方で勘違いした場合に、私は、それは厚生労働省側の伝え方が不十分だったというふうに理解せざるを得ないと思いますけれども、その点、明確にしていただけますように、一言御答弁いただけますでしょうか。
岩田政府参考人 今委員が言われましたことはそのとおりだというふうに思いますので、政府として、行動計画策定指針を策定いたしますときに、そのことは十分考慮してまいりたいと思います。
水島委員 くれぐれもよろしくお願いいたします。
 さて、今回の児童福祉法の改正案を見ますと、乳児院や児童養護施設などが地域住民の相談に応じるよう努めるという規定がございますけれども、乳児院や児童養護施設の人員が非常に苦しい状況にあるということは現場からも指摘をされていることで、できるだけ中の子と一対一の関係をつくりたいというふうに思っていても、本当に忙しい。ただでさえ現場があっぷあっぷしていて、これから児童虐待防止法の見直しの中でもこういう関連施設の方たちの人員をもっと充実させていかなければいけないというのは重要なポイントの一つだと私は思っておりますけれども、ただでさえ現場が人員に乏しい中で、一体どうやって地域住民の相談に応じるような人員を確保されるんでしょうか。
岩田政府参考人 児童養護施設などの子育て支援の努力義務の規定に関してでございますけれども、児童養護施設などでは、いわば子育てについての非常に専門的な知識経験の集積があるわけでございますから、それをぜひ活用して、地域の子育て支援、例えば育児相談などについてでございますけれども、地域の子育て支援にもその役割を果たしていただきたいということで、そういう規定を今回設けたわけでございます。
 児童養護施設の職員態勢そのものについても大きな問題を抱えているということは認識いたしております。児童福祉施設の最低基準がございますが、それを確保していただくことのほか、例えば自立支援のための非常勤職員の配置ですとか、心理療法担当職員の配置、あるいは虐待を受けたお子さんに個別に対応することができるような態勢をつくるためのいわゆる個別対応職員の配置、こういう職員配置をしていただいたときに予算を加算するなどで、入所児童の処遇の向上といいましょうか、職員態勢の整備に努めてきたところでございます。
 虐待を受けたお子さんが新たに入所されるお子さんの半分ぐらいになってきておりますので、本当に児童養護施設などの処遇が困難になってきているということは理解をいたしております。そういうことから、ことしの五月に、社会保障審議会児童部会の中に社会的養護の在り方に関する専門委員会を設置をしたところでございまして、今、精力的に御議論をいただいております。その中で、児童虐待を受けたお子さんがふえているというようなことを背景として、職員配置の問題も含めて、これから児童養護施設がどういう役割を果たすべきか、入所児童に対して、あるいは地域の子育て家庭に対してどういう役割を果たすことができるかということについて検討したいと考えております。
水島委員 今の点について、今度は重ねて大臣にお伺いをしたいんですけれども、今、局長の説明で、このような対応をすると予算をつけるというふうにやってまいりましたというふうに御説明がございました。そうだと思います。
 ところが、本当に予算というのはつくんだろうかということを疑わせるような記事を読みました。六月九日の朝日新聞の夕刊でございますけれども、これによりますと、
  精神障害者の社会復帰施設の充実を重点施策に掲げる厚生労働省が、都道府県や政令指定都市から出されていた精神障害者の社会復帰施設の新規建設の補助金申請のうち約四分の一しか交付を認めていないことがわかった。これまではほとんど認められてきただけに、異例の事態だ。「十年間で社会的入院患者七万二千人の社会復帰」との厚労省の目標が、出だしからつまずくことになる。
  厚労省は「財政難で予算を十分に確保できず、申し訳ない。「国に、はしごを外された」と思っている自治体もあるだろう。補正予算や、来年度予算での獲得に努力したい」としている。
と反省の弁が書かれているわけでございます。
 この記事の内容はどうも正しいというように聞いているんです。こうやって鳴り物入りで去年からずっと審議をしていまして、鳴り物入りの精神障害者施策であっても、実際に自治体が希望しているものの四分の一しか交付できないということになりますと、今回、自治体が頑張れば予算をつけますと今胸を張っておっしゃっているわけですけれども、厚生労働省はちゃんとそれを実現できるんでしょうか。精神障害者ではできなかったけれども、次世代育成支援だったらできるというような保証は何かあるんでしょうか。これは大臣にお答えいただきたいと思います。
    〔宮腰委員長代理退席、委員長着席〕
坂口国務大臣 予算のつけ方でございますが、今まで悪い習慣がございまして、すべて本当はそういう予算は当初予算で組んでいかなきゃいけないんですが、補正予算でとって、それで込みにして決着をつけるという悪い習慣、ずっとこれは続いてきているんですね。私は、どこかで断ち切らないといけないと思いますし、当初予算でちゃんと組むべきものは組んでいかなきゃいけないというふうに思っております。
 そんなこともあって、当初予算の中に入っていない、さりとて、現在の段階で補正予算組みますとなかなか言いもならずという難しいところでございまして、そうしたことがございまして、地方自治体の皆さん方にも大変御迷惑をかけているんだろうというふうに思いますが、そこは謙虚に反省いたしまして、来年からはそうしたあり方をひとつ改めて、そして、当初予算の中にちゃんとそれが入るような工夫をしなきゃいけないというふうに思っている次第でございます。参議院でも同様の御質問をちょうだいいたしまして、お断りを申し上げたところでございます。
水島委員 今、大臣から本当に率直に、これは悪い習慣だというふうに御答弁がございました。
 私は、何か従来型の政治家みたいに、大臣には予算をつける力がないじゃないかとか、そういう下品な話をしたいわけではないんです。厚生労働省がよその省庁より力があるかないかとか、そういうことを言いたいわけではなくて、これはやはり悪い習慣であるわけですし、坂口大臣は厚生労働大臣であるとともに小泉内閣の一員であるわけですから、これはもう小泉内閣の姿勢として、こういう悪い習慣はやめて、財務省に権限ばかりが寄っているような体質を改めて、ちゃんとここに使うんだというのを、これは小泉総理の発言でそもそもが始まったということでありますから、ちゃんとそこで責任をとってもらって、その発言から出てきた最後に、この児童養護施設の人員の拡充というところまで今たどり着いてきたわけでございますから、そこの予算がつかないようでは、もうこれは内閣としての体をなしていないのではないかと。
 そのような点から、坂口大臣、必ず小泉総理大臣に小泉内閣としての姿勢を示すべきだという御提言をいただけるとお約束していただけますでしょうか。
坂口国務大臣 もちろん、お話し申し上げます。
水島委員 ありがとうございます。
 坂口大臣がいい方であるというのはもう十分わかっているんですが、その温かさが内閣全体にちゃんとしみ渡るような、そういう内閣になっていただかないと、何かいつまでたってもひとり相撲をしているような感じで、こちらもここで審議していて、大丈夫なんだろうかとだんだん心配になってまいりますので、ぜひそこは、びしっと毅然とした態度で御発言をいただきたいと思っております。
 さて、今回の児童福祉法の改正に当たりまして、施策が今まで保育に欠ける児童に偏ってきたんじゃないかという反省のもとに今回の改正があったというようなことをいろいろおっしゃっているわけですけれども、実際に、いわゆる保育に欠ける児童という子供たちに対しての施策が十分なのかといえば、そちらも全くもって不十分であるわけです。例えば児童養護施設も、要保護児童のための施設をそうじゃない子供にも広く使っていこうというのが今回の趣旨であるわけですけれども、保育の現場も養護の現場もあっぷあっぷのところで、そういうところの資源も不十分なのに、それ以外の子供に資源が分配できるのかというのは、これはもう素朴な疑問であるわけでございます。
 保育に欠ける児童、私はこの言葉は大変嫌いでございますけれども、この保育に欠ける児童という子供たちに対しての例えば延長保育、夜間保育、休日保育、病児保育などはまだまだ足りていないというのが子育て現場にいての実感でございます。確かに、厚生労働省からいろいろとデータを見せていただくと、目標値があって、ここまで達成してきましたとか、それなりに数字を見せて説明はしていただくんですけれども、それでも相変わらずで、自分自身も、例えば、急に今晩、夫がどこかに行っているときに自分のぐあいが悪くなって、さあ子供を夜どこかに預かってもらえるかというと、たまたま私は近所の方が預かってくださいますけれども、そうじゃないところに住んでいたらどうなるんだろうかと考えたときに非常に不安になるわけでございます。
 ですから、子育て現場にいるとまだまだ足りていないという現状がありますし、また、雑誌を読めば、相変わらず、保育所難民といって、保育園に入るためにどこかに引っ越してみたり、子供を産む時期を自分でコントロールしてみたりと、そんな記事ばかりが載っていて、こんなことではとても安心して子供を産めないのは当たり前ではないかと思っております。
 やっています、やっていますと言うけれども、一体、何で、現場での欠乏感というのが全然解消されていかないんだろうか、このずれは何なのかというのをお尋ねしたいと思うんです。
 それで、以前、旧厚生省時代に担当の方とお話をさせていただいていましたところ、厚生省側としては多様な保育を進めようとしているんだけれども、自治体側に、子供というのは夜は家に帰るものだとか、日曜日ぐらい親と一緒に過ごすべきだというような考え方が頑固にあるために、なかなか施策が進まないというような話を聞きました。二十四時間保育などをやってしまうと、親が引き取りに来なくなるんじゃないかということを真剣に心配している自治体の方もいたというふうに聞きました。
 こんなふうにやって保育を組み立ててしまいますと、母子家庭で夜や休日にお母さんが働かざるを得ないという家庭の子供が現実にどこに置かれているかということを考えるとぞっとする話でございまして、夜の保育とか休日の保育が要らないなんということは、子供の人権を考えてももう絶対に言ってはいけないことだと思いますけれども、そんなことだけではなくて、現実に、きょうあすは延長保育、休日保育が必要でないかもしれないけれども、多様な保育にアクセス可能だということは非常に大きな安心感をもたらすものでございます。
 ちなみに、私の子供が今東京で通っております無認可保育所では、必要があれば夜九時まで預かってくれますし、夕食も出してくれます。私たちは夫婦で何とかやりくりして、ゼロ歳から預けていて、今まで一度も夕食のお世話になったということはないんですけれども、それでも、何かがあったらあそこで夕食も食べさせていただけて九時まで預かっていただけるということは、もう非常に安心して暮らしていける根拠となっているわけでございます。
 もちろん、きょう何時まで預かってもらいたい、これから日曜日に仕事をする、そういうような現実のニーズを満たすのは大前提なんですけれども、ただ、子育てというのは、もう皆様も十分御承知だと思いますけれども、常に予測しないことが起こることが子育ての特徴でもあるわけでして、もしものときに対応できるゆとりというものが必ず必要だと思っております。今はまだ、現実のニーズを満たすところまでも来ていないというふうに思っておりますけれども、そういうゆとりの部分まで含めますと、まだまだやらなければいけないことというのは本当にたくさんあるのになぜ進まないのかというのを、ちょっと簡単に総括していただけますでしょうか。
岩田政府参考人 延長保育、夜間保育、休日保育、病児保育といったような多様な保育サービスのニーズにこたえていくということは、仕事と子育てを両立させていく上で非常に重要な課題であるというふうに思っております。
 これまで政府としましては、御存じのように、新エンゼルプランを策定いたして、それに基づいて実施をしてきたわけでございますけれども、新エンゼルプランの中には、延長保育、休日保育、病児・病後児保育、これらの具体的な数値目標を掲げているところでございます。このうち、延長保育、休日保育については十六年度の目標値を既に達成して、それを上回る水準で今整備が進んでおります。病児保育、病後児保育は目標まで到達するためにはもう一段の努力が要るというふうに思いますけれども、これも近年、少し整備に弾みがついているというふうに思っております。
 こういうぐあいに、現在の新エンゼルプランに基づく多様な保育サービスの整備は、エンゼルプランとの比較でいきますと、順調に、着実に整備がされているというふうに思っております。
 しかしながら、現場の切実なニーズとは乖離があるという委員の御指摘でございますが、一つは、私ども、全国の数値を見ておりますけれども、地域格差が相当あって、これらのサービスが提供できている自治体とそうではない自治体の格差があるのかなというふうに考えております。
 今回の推進法を成立させていただきますと、すべての都道府県、すべての市町村が行動計画をつくるわけですけれども、行動計画をつくるに先立って、やはり地域の子育てニーズを調査するというところからしっかりやっていただきたい。そのための調査の費用なども地方交付税で措置をさせていただいているんですが、そういう中で、本当に、延長保育や休日保育や病児保育や夜間保育、そういったニーズがどのくらいあって、どの程度対応しないといけないかといったようなことをまずは自治体の行動計画に盛り込んでいただくということが重要かというふうに思っております。
 そういった自治体の行動計画を総計して、国として、政府として、新エンゼルプランは十六年度で終わりますけれども、その次のプランをどういう形でつくる必要があるかということを検討していきたいと考えております。
水島委員 ぜひお願いいたします。
 また、今、保育の中で無認可保育所というのがやはりかなり大きな役割を果たしているわけですけれども、この無認可保育所の届け出制は、民主党の提案がきっかけとなりまして法制化をされたということは結構なことだったと思います。
 ところが、聞きましたところ、保育士の届け出を行う際に、資格証について、認可園では写しでよいけれども、無認可保育所では現物を出させられるというふうに聞いたんですけれども、これは事実なんでしょうか。この差別は一体どういうことなんでしょうか。
岩田政府参考人 私も、この御質問をいただいて初めて取り扱いを勉強してみたんですけれども、認可保育所と無認可保育所を差別しているということでは必ずしもないわけですけれども、前回の児童福祉法の改正に基づきまして、ことしの十一月二十九日から正式の登録事務がスタートいたすことになっております。その十一月二十九日よりも前に、今、予備登録というのでしょうか事前登録の事務を進めておりますけれども、その事務の中で、児童福祉施設、ですから認可保育所に勤務している保育士については、日ごろから都道府県が指導監査をしておりまして、保育士資格の保有状況などの確認をしているということがございますし、また、本人の証明だけではなくて、児童福祉施設側の証明もあわせて添付をしていただくという条件で、資格証明書の原本ではなくてコピーでもいいというふうにいたしているところでございます。これ以外の、無認可保育所で勤務している保育士さんですとか、資格はあるけれども今保育所には勤務なさっておられないような保育士さんについては原本をお出しいただくということになっているようでございます。
 きょう御質問いただきましたこのことも踏まえまして、また各都道府県とも相談し、こういった取り扱いが異なっていることについてどうするかというのは早急に検討したいと考えます。
水島委員 変な差別意識を生まないように、ぜひよろしくお願いいたします。
 時間になりましたので終わります。ありがとうございました。
中山委員長 次に、石毛えい子君。
石毛委員 続きまして、民主党の石毛えい子でございます。
 百五十六国会では、ちょうど軌を一にしたのだと思いますけれども、内閣委員会では少子化社会対策基本法案が審議をされまして、本日、採決になります。
 厚生労働省の方でお出しになっていらっしゃいます法案間の相互の関係を示す図柄を見ますと、次世代育成支援対策推進法案のそのベースに基本法案が位置づくというような図柄がございます。これは、基本法案を踏まえて個別法になる、こういう位置関係になるのかと思います。
 少子化社会対策基本法案の審議の中で基本的に大きな論点になりましたのが少子化社会対策という非常に微妙な表現でございまして、一つずれていきますと、例えば戦前の産めよふやせよという人口政策に傾きかねないというおそれがある。また、今日的に見ましても、優生思想といいますのは社会の中に根強く流れている、そうした事実もございますし、私はそういうふうに認識をしているわけでございます。
 少子化社会対策基本法案の質疑の中では、人口増加政策であるとか優生思想を持つとか、そうしたことは一切ない、一九九四年のカイロで開催されました国際人口・開発会議以降、北京の行動綱領によりましても、何人産むか、いつ産むか、どのような間隔で子供を産むかということはまさにカップルと個人の決定に基づく、リプロダクティブヘルス・ライツというのは日本も合意をしている国際的な確認事項であるということの答弁をいただいてまいったというのが内閣委員会での質疑の一端でございます。
 きょうも、修正もそのような文言を入れるということで確認をしていただいているのですが、そちらの審議とこちらの委員会のこの次世代育成支援対策推進法案、これを読んでおりますと、総則のあたりは、率直に言いまして、かなり気になりますというのがまずは私の認識でございます。
 そうした観点から、幾つか気になる点を確認させていただきたいと思います。
 例えば第一条の「目的」、それから法案タイトルそのものが次世代という表現になっておりますが、次世代をどのように規定するかというその定義はございません。第二条「定義」で「次代の社会を担う子ども」、このことを読めば読めるのかもしれませんけれども、必ずしもここも明確ではない。それから第七条のところで、これは主務大臣が行動計画策定指針をつくるという項目でございますが、第三項に、主務大臣は、少子化の動向を勘案して行動計画策定指針を必要があれば変更するというような規定になっております。ここのところは、読み方によりましては、例えば少子化が余りにも進んだ場合にはそれこそ人口増加政策を打ち出すというふうにも読めないわけではない。あるいは、次世代というこの対象年齢が、例えば胎児は何カ月から子供とみなすのかというようなことによっては大変微妙な論議に入ってくる、そういうおそれを私は持って、この基本的なトーンといいますか、そういうことを思うわけでございますけれども、この点に関しまして、どのように認識をされて立法されているかということを御答弁いただきたいと思います。
岩田政府参考人 この法律は、次世代、次代の社会を担う子供が健やかに生まれ、かつ育成される環境の整備を社会全体で推進するものでございます。子供を産みたい人が生み育てることがしやすい、そういう社会づくりを国、地方自治体、企業がこぞって支援をしようということでございます。
 次世代の定義、子供の定義は明確にないというお話でございましたけれども、明確な規定は設けておりませんけれども、具体的な対策の対象となるのは、おおむね十八歳未満の子供を念頭に置くものになるのではないかというふうに考えております。
 また、委員が言われました第七条の第三項の書きぶりでございますが、これは、国が策定する行動計画策定指針の見直し、変更する場合の規定でございますけれども、今「少子化の動向」というところを委員は読み上げられましたけれども、その後、引き続きまして、「子どもを取り巻く環境の変化その他の事情を勘案して」というふうに書いてございますので、子供の数がふえるか減るかとか、出生率が上がるか下がるかといったような数だけの問題ではなくて、まさに子供を取り巻く環境が十全のものになっているかどうかといったようなこと、そういったことを中心に総合的に判断した上で、必要があるときには見直しをするということであるというふうに考えております。
 例えば、少子化の動向ということの例で、出生率がさらに下がるということでありましたら、それは子供を生み育てやすい環境づくりが不十分であるということで、一層取り組みに力を入れなければいけないということについての一つの警鐘だと思いますので、そういう数字も見ながら指針の変更を検討するということだというふうに考えております。いわゆる産めやふやせよといったような政策につながるものでは断じてないというふうに考えております。
石毛委員 局長より、今、産めよふやせよという政策では断じてないというふうに明確に答弁をいただきましたので、そこは私もそのように思うことにしたいと思いますけれども、とてもこだわって申し上げれば、第七条の三項は、別に「少子化の動向」を入れなくても、主務大臣は、子供の生育状況あるいは子供を取り巻く環境の変化その他の事情を勘案して、でも十分に文意は通じると私は思うわけでございます。
 これについては答弁はいただきませんが、今局長が御答弁になられました内容で、児童福祉法と重ね合わせて、おおむね十八歳未満というふうに御答弁いただきましたけれども、ここはまた、例えば自立援助ホームを今一生懸命取り組んでいらっしゃる皆様のお考えの中には、十八歳という一律の線引きではなくて、子供がどのようなことに困っているか、あるいは成長段階でまだサポートをした方がいいという考え方に立てば、それこそ育成支援の考え方の中に入れてもいいのではないか、入れるべきではないかというようなお考えもおありになるようですので、私は、今局長にいただきましたおおむね十八歳に別に強い異論を申し上げるつもりはありませんけれども、このあたりはこれから丁寧に議論を積み重ねていって、一人一人の子供が成長していくそのプロセスで、場合によっては、児童福祉法で規定している年齢を超えてもサポートが必要というようなこともまた支援策に含めてもいいのではないかというふうに考えておりますということを申し上げたいと思います。
 それで、ぜひ大臣、今局長の御答弁をお聞きになりまして、大臣にも、これはまさに育成支援策であって人口政策ではないということの御確認をいただきたいと思いますが、お願いいたします。
坂口国務大臣 ここは最初、どういう法律をつくり、どういう名前の法律にするかということでいろいろ議論があってこういう法律ができ上がったというふうに思います。
 次世代育成という言葉の中には、これは次世代だけを見ますといろいろとある、次世代育成までまとめて読んでいただきますと、これは特に現在生まれました子供をどう育成していくかということに主眼がある。その育成をしていく環境を整えていくということができた場合に、そのことによって周辺で、二次的、三次的に、それじゃ環境が整うのならばやはり自分たちも子供を生み育てようかという方が生まれてくれるということであれば、それは結構なことだというふうに思っておりますが、まずは、今生まれております子供たちがよく育つということに主眼を置くということが大事だということで、こういう法律にしたということでございます。
石毛委員 ありがとうございます。
 生まれ出た子供ということの確認、とても大事な点だというふうに思います。誕生した子供は、例えば障害があるとかないとか、あるいは出生上どのような位置に今の法律で位置づけられているかとか、そういうようなことにかかわりなく、どの子も元気に自分らしく育っていく、そこを支援するというその意味を私も大切に確認をしたいというふうに思います。
 続いて、同じ質の質問になるわけですけれども、この法律の中で、第六条というのはやはりとても違和感を覚えます。「国民は、次世代育成支援対策の重要性に対する関心と理解を深めるとともに、国又は地方公共団体が講ずる次世代育成支援対策に協力しなければならない。」「国民は、」を「女性は、」というふうに読むとしますと、私が冒頭から質問していることの繰り返しになりますから、ここの疑念はもうないというふうに申し上げたいと思います。ですから、産めよふやせよの中に女性が巻き込まれるという意味ではないんだということはこれまでの御答弁で確認をいたしますけれども、国民はどうして次世代育成支援対策に協力しなければならないんでしょうか。
 私は、地域社会のいろいろな社会関係、自然の関係の中でお互いに助け合う、サポートし合うということはとても大事だと思いますし、そうした社会をつくっていく必要はあると思います。
 大臣から、生まれ出た子供に支援をすることによって結果的に子供を産みたいという人がふえていくだろう、先ほどそうした御答弁をいただきましたけれども、ここも、さまざまな支援施策が充実していき、その中に国民も、例えば地域協議会というような規定もございますから、そういう中で参加をしていく、あるいは、さまざまな機会が地域にできてくることによって対策に自然に協力をするという関係が形成されていくんだというふうに思いますけれども、ここに「支援対策に協力しなければならない。」というこの書きぶりになってきますと、国民は、例えば何かを言われてきたときに協力しなければならないのか、こういうふうに率直に読めるわけです。しかし、私には、素直に、そんな強制をするという意味ではありませんというふうにはとても受けとめられない。この法案の中で、こういう六条はない方がいい、あっても特別な意味がないのではないか、あるいは、あると特別な意味を持たされることになるのではないか、そういう危惧を私は覚えていますが、いかがでしょうか。
岩田政府参考人 この法律は、国、地方公共団体、そして事業主、さらには国民が、いわば社会全体が、こぞって次世代育成支援のためにそれぞれの役割を果たそう、そういう考え方に基づいているというふうに思います。
 そういうことで、今言われた第六条も含めてですけれども、国、地方公共団体の責務、事業主の責務、そして国民。国民はもちろんこういった支援策の受け手でもございますけれども、国民の責務というふうに、関係者すべての責務を整理をしているということだと思います。
 具体的な事業に対して強制的に協力を求めるとか、あるいは、冒頭言われましたように、子供を産む、もっと生めよ育てよといったようなことに協力を求めるというようなことでは全くございませんで、今、委員も例に出されましたが、例えば地域の協議会に、これはもちろんボランタリーにですけれども、強制されて入るわけではありませんけれども、地域の次世代支援の協議会にみずから参加をするとか、あるいは地域のさまざまなNPOやグループ活動で子育て支援活動に参加をするとか、国民がそれぞれの立場で、できる形でその地域の子育て支援にかかわろう、そういう問題が非常に社会全体として重要な問題であるということについての理解を深めよう、そういうことを求めている規定であると考えております。
石毛委員 これ以上議論をしても、恐らく同じ見解が行ったり来たりするだけかなと思います。けれども、率直に申し上げまして、この法律のつくり方は、私は、子供、次世代が育つということ、そのことに支援をするという法律の本質、あるいは枠組み等々から考えまして、非常にセンシティブではないというふうに思います。
 「協力しなければならない」というのは一般的な規定であって強制力はないというふうにおっしゃるのかもしれませんけれども、でも、やはり民主主義を大切にしていく、デモクラシーを大切にしていくということ、そして、地域の中での共同性がお互いの中で育っていくということを大事に考えるんだったらば、むしろ、今おっしゃられましたように、協議会に市民の参加、NPOの参加、さまざまな立場の方の参加を求めていく、そうしたことをとることによって、結果として社会が協力し合う、社会としての責任が果たせるというように法案はつくるべきで、ダイレクトに、「協力しなければならない」というような法文をつくるべきではないというふうに私は思っています。これは、御答弁は同じ御答弁になると思いますから、もう一回問うということはいたしません。
 それで、質問の時間はとても貴重ですので、第八条の中で、市町村が行動計画、あるいは都道府県も行動計画をつくることになるわけですけれども、二行目のくだりです。「母性並びに乳児及び幼児の健康の確保及び増進、」これはどういうふうに文章がかかるのかよくわかりませんけれども、「母性」だけでは通じませんから、「母性の確保及び増進」というふうに読むのだというふうに思いますけれども、ここはどうして「親性」ではないのですか。「母性」なのですか。
岩田政府参考人 ここの「母性」というのは、いわゆる妊娠出産時期における健康の確保でございまして、母子保健サービス等を的確に提供すべきである、そういう課題の領域をこういう表現であらわしているものでございます。
石毛委員 妊娠出産という限りでの母性だというふうにおっしゃられるのでしたら、それはそのように私も理解をいたします。
 であるとすれば、今地域の市町村保健センターとか保健サービスでは、配偶者が妊娠中あるいは出産を終えて幼いお子さんを育てている場合などに両親学級がされていて、それは男女の子育てに関する共同の感覚あるいは責任、そういうものが育っていく、性別役割分業ではなくて、お互いに協力し合っていくというふうなことで、とても大事だと思いますし、ひいては、それは職業生活と家庭生活の両立、つまり育児休業をとるという男性の認識、感覚にも通じていくというような側面も持つんだと思います。
 であるとすれば、親学級というようなこともきちっと規定していないというのは、私は、またここで申し上げるのはちょっときつい表現になるかもしれませんけれども、やはり子供は母親が育てるものという、そうした潜在的な観念がこのような記述に帰結しているというふうに思わざるを得ないということを申し上げたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
岩田政府参考人 全く私が考えていなかったようなことを御質問いただきましたので驚いているのですが、母性というのは、先ほど申し上げましたように、まさに妊娠出産時期、女性特有の健康管理の問題をここに書かせていただいているわけです。
 そして、今委員がおっしゃいましたように、子育て自体は男女が共同して行うというのはもう当然でございまして、ですから、例えばですけれども、ここに幾つか政策の領域が書いてございますが、「子どもの心身の健やかな成長に資する教育環境の整備、」ですとか「職業生活と家庭生活との両立の推進」ですとか、さまざまな領域が書いてございますが、こういった領域を、全体を通じて、男女で共同して子育てをすべきであるということは、しっかりそういった視点というのは入れていかないといけないというふうに思っております。
 具体的な子育て支援事業の中でも、例えば、中学生や高校生に赤ちゃんに触れてもらうような授業も始まっていますけれども、そういうものも男の子も女の子も一緒に体験してもらうということが重要だと思いますし、今、例で委員が出されましたような、保健所で行っているような両親学級というのも、男女、夫婦で受講するというのが大変大事だというふうに思います。
 そういうことで、子育て自体は男女が共同して行う、そういう考え方に基づく自治体の行動計画であり、また事業主の行動計画であるべきであるというふうに考えておりますので、国が策定いたします行動計画策定指針の中でそういう視点というのをしっかり書き入れて、各自治体や各事業主がそういう考え方を十分配慮した計画を策定していただけるようにやってみたいと考えております。
石毛委員 ぜひ、多分局長はもう当然の前提というふうに考えていたというおつもりなのでしょうけれども、私はまだまだというふうに思っておりますので、ぜひ、今御答弁いただきました趣旨を大切にしていただきたいと思います。
 次でございますけれども、第三条が基本理念で、ここは子育てについての第一義的責任を「父母その他の保護者」というふうに置いております。そして第四条に国、地方公共団体の責務を定めておりますけれども、この第四条の書きぶりは、「国及び地方公共団体の責務」、つまり責任と義務は、「次世代育成支援対策を総合的かつ効果的に推進するよう努めなければならない。」という書き方になっております。私は、この三条と四条、これをずっと眺めておりまして、どうも子どもの権利条約の規定の仕方とずれているという思いを強くいたします。
 例えば、子どもの権利条約は、「締約国は、」ということになっていて、第三条の第二項、「締約国は、児童の父母、法定保護者」等々ということで「児童の福祉に必要な保護及び養護を確保することを約束し、このため、すべての適当な立法上及び行政上の措置をとる。」というふうになっていて、国の責任が第一義的に書かれて規定されていて、そして第十八条、確かに、父母または法定保護者は「児童の養育及び発達についての第一義的な責任を有する。」という記述はありますけれども、締約国はその父母が第一義的な責任を果たせるように最善の努力を払う、こういう規定になっているんです。だから、社会の総体である国ないしは地方公共団体が、父母その他の保護者が子育てについて第一義的責任を果たせるように支援を行う、こういうとらえ方が子どもの権利条約、政府では児童の権利条約というふうに言われておりますが、その規定の仕方なんですよね。
 政府が提出しているこの法案は、第一義的責任を有するという基本的認識のもとに、出だしの主語が「次世代育成支援対策は、」になっていて、配慮するように行うというふうになっていますから、全く国や地方自治体が配慮していないわけではないわけですけれども、しかしながら、第四条の責務は「努めなければならない。」という努力規定になっているということで、私は、国及び地方公共団体に集約される社会の子育て支援に対する責任の規定の仕方が弱いというふうに思うわけですけれども、いかがでしょうか。
岩田政府参考人 認識は委員と本当に一致をしていると私は思っております。
 父母その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有するということは当然でございまして、当然だけれども、現状、我が国の社会ではこれを全うすることが困難な諸事情がある。そういう諸事情といいましょうか、困難にしているような障害があるとすればそれを除去しまして、子供が本当に健やかに生まれ育つような環境を関係者こぞって社会全体で推進しよう、こういう法案でございまして、そのことをここで書いているのでございます。
 三条については、「次世代育成支援対策は、」というのが主語で、受け身で書かれておりますので、この次世代支援対策を推進する者が表には出ておりませんけれども、法律全体を見ていただきますと、これは当然国であり、地方公共団体であり、事業主であるわけです。この三者が次世代育成支援対策を推進するときの配慮の義務を書いているということでございます。
 また、次の第四条ですけれども、総合的かつ効果的に推進するように努めなければならないという国、地方公共団体の責務がございますけれども、これは後の方の条文で具体的に、国には行動計画策定指針の策定義務が出てまいりますし、そして地方公共団体には行動計画の策定義務が出てまいります。
 そういう具体的な法律上の策定義務を包含して、全体として総合的、効果的な施策の推進を言っているわけでございまして、後の方の条文とあわせて読んでいただきますと、国、地方公共団体が、まさに父母その他の保護者の子育てがしやすいように支援をする、その責任は国、地方公共団体、事業主が負っているということを明らかにしているというふうに考えております。
石毛委員 局長の御答弁のとおりでしたら、第四条の結びは、「次世代育成支援対策を総合的かつ効果的に推進する」でとめていただきたい。「推進するよう努めなければならない。」というよりは、もっと積極的な法文にぜひしていただきたいと思います。私はそういう考え方を持っておりますということを申し述べさせてください。
 残りました時間で、児童福祉法の関連とあわせてお伺いしたいのですが、児童福祉法の一部改正に関しまして、第五十六条の八ということで、「保育の実施への需要が増大している市町村(厚生労働省令で定める要件に該当するものに限る。」というふうな規定になっております。
 そこでですけれども、今回この二つの法案の中で、それでは実際に都道府県や市町村、主に私は市町村という観点から申し上げたいと思いますけれども、まずは、市町村が子育て支援にかかわる行動計画を政府の指針に基づいて策定する、こういうことが一つある。それから、児童福祉法の一部改正の方ですと、需要が増大している市町村で保育計画を策定する、その需要が増大している市町村の要件というのは厚生労働省令で定めると。
 この「需要が増大している」、私は、待機児童ゼロ作戦などもありますから、増大という言葉があるのは一面では当然だというふうに思いますけれども、もう一つ戻りまして、市町村行動計画あるいは都道府県行動計画を策定するに際して、この骨子を見ておりますと、行動計画の策定プロセスにニーズ調査の実施、これは先ほど水島委員の御質問にも答弁されていましたけれども、ニーズ調査の実施というふうに書かれてございます。時間がありませんので、私の方からまとめて申し上げたいと思いますけれども、このニーズ調査は、ぜひ地域に暮らしているいろいろな状況の子供さんの立場にこたえて丁寧に実施していただきたい、こういうことがございます。
 例えて言いますと、私は最近でも、一体どうなっているんだろうという、お困りになっている御相談をいただいたのですが、障害のあるお子さんを地域の保育所が受け入れてはくださるんですけれども、薬を飲ませるということをしていただけない。それは、確かに薬というのは微妙なものですから、保育士さんの方が受けるというのはいろいろな要件を満たさなければ困難かもしれませんけれども、その方の場合は、主治医の方の御判断もいただきながら要請をしても、なかなかいい対応をしてもらえなくて、お仕事をするのにとても困っていると。仕事に出る親御さんでいらっしゃいますから、子供さんに薬を飲ませる、投与するのに保育所にいつもいつも行くわけにはいかない、こういうことで困っていて、障害児保育は一体どうなっているんだろうかというようなことを私のところに言ってこられています。
 ですから、本当に地域においてどんな課題があるのか、どんな問題があるのか、解決の方法は何が求められているのか、そうしたことも含めて、子供さんが置かれているあるいは親御さんが置かれている状況からきちっとニーズ調査をしていただきたい。
 エンゼルプランは、むしろ総枠として、これまでの施策をベースにそれを伸ばしてきたというようなつくり方だったというふうに私は思っておりますけれども、その新エンゼルプランやあるいは待機児童ゼロ作戦のプランのつくり方とここは違って、本当に地域でどのように子供さんあるいは親子、地域の方のニーズがあるのかということを明確にして、一遍それを全部オープンにする、そうしたことを勇気を持ってやっていただきたい。
 勇気を持ってという表現は、私はとても踏み込んだ表現をしたわけですけれども、次世代育成支援法の十一条は、国の援助は書いてありますけれども、財政上の措置は規定されておりません。それから、この間の報道等々に接しておりますと、どうも経済財政諮問会議やいろいろな動向の中では、補助金の削減あるいは一般財源化に伴った削減というような大きな動きがあって、既に報道では、保育所の国庫負担金につきまして一般財源化というようなことも出てきております。
 一般財源化をどう評価するかというのは、また丁寧にしなければならないと思いますけれども、一方では、財政上非常に厳しい状況の中で、市町村が計画をつくり国がそれをバックアップするというのは、事はそう並大抵のことではない。だから、本当に次世代育成支援を行うのだったら、きっちりと政策課題、必要性というものを出して、そして財政上の措置もきちっと担保をしていく。それは余分なものは要らないと思います。していくというその覚悟と勇気、あえてここでこういう踏み込んだ表現をさせていただくのは少し自分でも勇気が要りますけれども、ぜひこの際ですから、大臣からこのことに関しましての御認識とそして決意、覚悟のほどをお伺いしまして質問を終わりたいと思いますが、どうぞお願いいたします。
坂口国務大臣 財政上の問題につきましていろいろの意見が出ておりますことは、御指摘をいただいたとおりでございます。しかし、その中で、この次世代育成でありますとか子育てに対しましては、今さまざまな試みが始まったところでございますし、もう少し国の方がやはりリーダーシップを発揮して、そして都道府県や市町村にもお願いをしていかなければならない、そういう時期だというふうに思っております。
 財政上の問題もいろいろあって、既に都道府県や市町村が中心にもう十分にやっておみえになります部分もございますし、これからいよいよ本格的に市町村や都道府県をリードしていかなきゃならない部分と、さまざまあるというふうに私は思っておりますが、少なくとも、これからまだ国の方がリードをしていかなければならない分野、例えばこの少子化対策でありますとかこの次世代育成の問題でありますとか、そうした分野につきましては、これは国の方がやはりリードをいましばらくしていくべき、財政もそれに従って国の方が中心になってやっていくべきだ、そういうふうに私は思っている次第でございます。
石毛委員 二〇〇二年度末で新エンゼルプランを未策定の自治体が千八百七十六というふうに伺っております。半分以上の自治体が策定していないという状況。これは、四年度で終わりということでございますから、まだ多少年次はあるとは言いながら、つくれていない。そのつくれていないということをきちっと、なぜかという総括なしに新しく市町村行動計画をつくる法律を策定しても、私は、よほど国の方がきちっとした姿勢を持って、市町村とあるいは都道府県と協力協働をしない限り無理ないしはとても困難だというふうに認識をしておりますので、ぜひしっかりと地方自治体との協力協働関係を築けるその中身をつくっていっていただきたいと要望をして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
中山委員長 次に、山井和則君。
山井委員 これから一時間にわたりまして質問をさせていただきたいと思います。
 このたびの法案、次世代育成支援法、そして児童福祉法の改正ということですが、私は、前回にも引き続きまして、次世代育成の中で最もきめ細かな支援の要るケースを中心に質問をさせていただきたいと思います。具体的に言いますと、母子生活支援施設、児童養護施設、乳児院、そしてまた児童相談所や市町村における児童虐待防止ネットワーク、それと最後に行動計画指針について、また、文部科学省さんにも来ていただいておりますので、高校中退の問題、そのことについても、最後になりますが、質問をさせていただきたいと思います。
 そもそも、政治の役割というものを考えてみますと、やはり子供が安心してすくすくと育てる社会、また、人生の後半になられましたお年寄りが、体が弱っても、痴呆症になられても、安心して長生きを喜べる社会、また、そういうお子さんの世話をされる親御さんもしっかりとお仕事と子育てを両立できる社会、そういう社会をつくっていくことが政治の大きな目的であると思います。
 そんな中で、最もそういう当たり前のことが難しいケースの一つが、虐待のケースやそういう家庭環境で非常に御苦労をされているケースだと思います。
 そこで、まず最初に、また大臣に質問をさせていただきたいんですが、前回の質問の続きになりますが、先週私は、この質問のために改めて母子生活支援施設に行ってまいりました。大臣に見てもらおうと思ってこの写真をちょっと撮らせてもらってきたんですけれども、全国に三百ぐらいの母子生活支援施設というのがございまして、そこに約五千人の方が、五千人のお母さんとお子さん方が生活をしておられるわけであります。
 その中で、前回も質問しましたように、最近、お母さんが障害のあるケース、それで子供さんが障害のあるケースというのもふえております。そして、ここの写真にもありますように、これは小学生の子供たちと囲碁をやってきたわけなんですけれども、この母子生活支援施設でも、虐待を受けて心のケアが非常に必要なケースというのも年々ふえてきております。そんな中では、こういう一対一でじっくり指導員さんが向き合うケアというのが非常に重要になってくるわけです。
 また、最近ふえているのは、未婚の母ということで、男性の方とつき合って、それで子供が産まれたということがわかったら男性がどこかに行ってしまった、しかし、お母さんだけの力では育てることができない。また、そういうケースでは、お母さんが軽い知的障害であるケースや、知的障害とまでは認定されないけれどもボーダーラインのケース、そういう方々が、悪い言い方をすれば、男からだまされるというケースも非常にふえてきているわけです。
 そういう中で、この母子生活支援施設の機能というのはますますこれから重要になってくると思います。
 それで、大臣に最初に一つ、これは質問通告にもなかったんですが、お伺いしたいんですけれども、そういうさまざまな問題が出てくる中で、お母さんが精神疾患、軽い知的障害、そういうケースや、あるいはお子さんが軽い知的障害あるいは身体障害、あるいはお母さんもお子さんも障害があるケース、裏返せば、そういうケースだからこそ施設入所が必要になってくるんですけれども、そういうケースがこれからふえてくると思うんです。そういうある意味で困難なケースの母子を母子生活支援施設が受け入れるということに関して、坂口大臣、いかが思われますでしょうか。一般論でいいです。
坂口国務大臣 山井議員にいつも母子施設、あるいはまた障害者の皆さん方に温かい心を寄せていただいて、私も感謝を申し上げる次第でございます。
 今お話しになりましたように、母子支援施設におきましても、お子さんだけの問題もございますし、お子さんよりもむしろ、中には両親、中には片親どちらかという、そういう問題もございましょうし、また、そうした母子関係だけではなくて、そこに障害が加味されてきた、幾つもの形が存在するだろう、私も、それは当然あるだろうというふうに思うわけでございます。そのときに、その皆さん方を障害者という立場から見ていくのか、それとも障害者としてではなくて、母子家庭あるいはまたそれに類する父子家庭、そういう形で見ていくのか、あるいは両方の形で見ていくのか、いろいろな考え方があるだろうというふうに思いますが、現在、今お話しいただいておりますように、母子支援施設の方にお入りをいただいているというのは、現在の制度の中でいえば、一番そこが順当なところではないかと私も率直に思うわけであります。
 問題は、そのときにその皆さん方に対してどういう支援をするかという、こちらの、受ける側の体制の問題になるんだろうというふうに思います。今までは、そういうところまでは考えずに、ただ家庭に置いておけないお子さんを何人預かるかとか、あるいはまたお母さんと御一緒に何人預かるかということだけを考えていた。いわゆる量的な問題を中心にして、どういう質の人をお預かりするかというところまで、なかなか人的配置にいたしましてもそこまでは行っていないんだろうというふうに思っている次第でありまして、そういうふうにこれからなっていきます場合に、その状況によりましてどうするかということを考えていかなければならないというふうになっていくのではないかと思っております。
 今後の問題でございますが、現状をひとつよく把握をさせていただきながら対応させていただきたいと思います。
山井委員 今、大臣から、障害のあるお母さんあるいはお子さんが母子生活支援施設に入られるのは、今の現状では順当なことだという御答弁をいただきました。私も、そのとおりだと思うんです。もしここに入ることができなくて、地域生活ができなかったら、結局は、お母さんが障害者の施設に入るか、あるいはお子さんが障害者の施設に入るかということで、お母さんとお子さんがばらばらになってしまうわけです。これは国際家族年のモットーでもあります、精神でもあります、母子一体ということに反して、母子分離になってしまうわけですから。
 私もつくづく思うんですけれども、夫からの虐待、あるいは父親からの虐待で子供が苦しむ、それでお母さんと子供で逃げたけれども、お母さんも軽い障害を持っている、そういう意味では、これはダブルハンディキャップ、そしてトリプルのハンディキャップになってくるんですね。そういう方をどうやって社会が支えていくのか。これは、子供には全く何の責任もないわけですから。やはりこれは社会の温かさというのが問われてくると思います。
 そこで、現状の中では、私の聞いている範囲では、母子生活支援施設でも戸惑いがある。当然、障害のあるお母さんが入居されると、それこそマンツーマンで対応しないとだめだから非常に大変だ。中には、DVの被害で、私の知っている方でも、ホテルに三日間監禁をされて夫から暴行を受けて、その後遺症で本当に数年たっても落ちつかない、そういう奥さんもおられるわけです。とにかく、そういう精神疾患や知的障害のあるお母さん、そして知的障害あるいは身体障害のあるお子さんを受け入れるときに、母子生活支援施設としたら、ただでさえ職員の数が足りないから、そういうケースは断られる施設も多いわけですね。これは、ある意味で責められない部分もあるかもしれません。
 そこで、大臣にお願いしたいのは、もし厚生労働省さんが障害のあるお母さんや障害のあるお子さんも母子生活支援施設で受け入れるべきだ、母子を切り離さないためにも受け入れるべきだというお考え、あるいはお立場に立たれるならば、私は、額は幾らかわかりませんけれども、そういう障害者保護費の加算というものを入れるべきではないかと思っております。これについては、実は、児童養護施設とかほかの施設はあるんです。ところが、母子生活支援施設にはないんですね。これは今までの質問と多少重なるかもしれませんが、改めて、大臣、その障害者加算ということについて、いかがでしょうか。
岩田政府参考人 障害のある方や虐待を受けている方については、特に手厚い保護、指導が必要であるというふうに考えております。
 母子生活支援施設についてですけれども、母子のいずれかに障害がある場合、あるいは両方に障害がある場合についてもそうですけれども、処遇が特に困難な母子が入所している母子生活支援施設については、実は、一定規模以上なんですけれども、三十世帯以上の施設の場合には、そういった障害の方を受け入れる場合の非常勤職員を配置した場合の加算制度がございます。また、DVの被害者や虐待を受けたお子さんの心の傷をしっかり専門家がいやすということが大変大事かというふうに思いますので、心理療法の担当職員も配置をしていただいた場合には加算をするといった制度もございます。
 こういう制度も使っていただきながら、本当に重度で自立ができない方は別かもしれませんけれども、そうでなければ、障害のある方、虐待を受けた方が、親子が分離されないで一つの施設で生活できるという母子生活支援施設の役割の大きさを、委員の御質問を聞いても改めて再認識をしているところでございます。
山井委員 今の答弁、前回の坂口大臣の答弁と基本的には一緒なんですけれども、改めて申し上げますが、そういういわゆる処遇困難ケースに関する加算というのはもう既にあるわけですね。私が申し上げているのは、処遇困難ケースという一くくりではなくて、その中でも特に障害があるというケースはある意味でスペシャルなわけですから、その障害者児加算というものをぜひとも検討してほしいということですので、今まである処遇困難ケースとは別枠でぜひとも前向きな御検討をお願いしたいと思います。
 続けてもう一つ、母子生活支援施設についての質問なんですが、大規模な施設というのはしっかりしている反面、社会復帰ということを考えると、ちょっと地域社会とは距離があるというふうに思います。そういう意味では、軽度なケースやもうそろそろ地域に復帰できるというようなケースは、大きな施設ではなくて、厚生労働省さんが進めていられるようなサテライト施設、小規模分園施設というものがこれからますます必要になってくると思います。
 前回の質問の続きになりますが、これは、運営費は出るんですけれども、いわゆるアパートの借り上げ代とか施設整備費とか、そういうものが出ないので、私も幾つかの施設に聞いたら、やりたいとは思うんだけれども運営費しか出ない、五、六世帯、例えばアパートの借り上げなり、そういうものに対する家賃なり、そういう住まいに対する補助が出ないので、なかなか採算が成り立たなくてできないということをおっしゃっていられますので、サテライト施設、小規模施設の支援ということで、そういういわゆる施設整備、家賃補助的な面の補助というのを考えられないか。いかがでしょうか。
岩田政府参考人 早期に自立をできる方については、大規模な施設ではなくて、地域社会の中で小規模な施設で生活するということの方が望ましいというのは、先生のお考えに賛成でございます。
 十五年度から、初めてでございますけれども、サテライト型母子生活支援施設の運営費の助成を始めたのは、そういう考え方に基づくものでございます。現行では運営費の補助だけでございまして、建物の関係はないわけですけれども、例えば地方自治体が建物を無償で貸与するとか、あるいは、新しくつくるというよりも、もう使われなくなった企業の社員寮を活用させていただくとか、少し大き目の民間の家を借りていただくとか、そういうことを考えながら、とりあえず運営費の補助を始めたわけでございます。
 施設整備などに対する国庫補助が必要かどうか、可能かどうか、十五年度から始めたばかりでございますが、実施状況を見ながら検討したいというふうに考えます。
山井委員 検討していただくということで、ぜひともお願いしたいと思います。
 特に大都市では、この母子生活支援施設も、ある意味では満杯状態で、DVなどで苦しむお母さんが子供を抱えて逃げ込んでくるケースも非常にふえているわけですから、ぜひともお願いをしたいと思います。
 次に、児童養護施設について御質問をしたいと思います。
 実は私も、恥ずかしながら、先日初めて児童養護施設に訪問をいたしました。ここは、今話しました母子生活支援施設と違いまして、御両親が何らかの事情で子供をもう育てることができないということで、お子さんだけが入っていられるところであります。
 それで、坂口大臣、例えば、申し上げますと、私の行ったところ、私は三カ所行ったんですけれども、そのうちの一つは四十世帯入っておられるんですけれども、なぜお子さんが入居されているかというと、親が行方不明が五名、ところが、これもかわいそうな話で、最初は親御さんはいらっしゃったんです、ところが、施設に入れたらどこかに行方不明になっちゃったというケースとか、とんでもないですよね。
 それとか、私が行ったときにも、施設が割と大騒動になって、どうされたんですかと言ったら、三年前に一歳の子供を置いていったお母さんが、何の前ぶれもなく、私がちょうどいるときに三年ぶりに登場して、子供を返してくれと言ってきたというわけですよ。そうしたら、施設としても、それは、返してくれはいいけれども、ほんまに育てられるんかと。それと、育てる気があるんやったら、三年間どこで何していたんやと。それはまあそういうことになりますわね。当然、その男の子も、一歳のときに離れ離れになっているわけですから、お母さんですと来ても、それは、この人だれということになりますよ。
 この一例を考えても、どれほど対応が大変かということは想像を絶すると思います。
 私も聞いたんです。一歳や二歳のときに虐待を受けているんだったら、お子さんは覚えていられないんじゃないですかと施設の職員さんに聞いたら、そんなことはない、頭では覚えていないけれども、体が覚えている。火が怖い、水が怖い、いろいろなそういうことがあるわけですね。
 それで、続けますと、行方不明が五名、虐待が十八人、養育能力欠如六名、この中には、やはり御両親がそういう障害があるケースもあると思います。それと、養育意思欠如、育てる気がない、それと病気二名、就労四名。
 それで、例えば、この養育意思欠如なども虐待に入ると思うんですけれども、その結果、御飯をほとんど定期的には与えてなかった、カップラーメンぐらいしか与えてなかった。それとか、泣くこととか笑うことができないお子さんもいらっしゃって、赤ちゃんというのは、泣いたらだれか来てくれるから泣くわけですよ。ところが、泣いても一切ほったらかしということで、泣けない。感情表現ができないお子さん方がおられるわけです。
 それで、この施設でも、お子さんたちの部屋の近所に当然食堂がありまして、そこはダイニングキッチンになっているんですね。養護施設で安定した食事を提供するのがまず最初のケアだということで、どうしてですかと言うと、三食安定して食べさせてもらっていないと。私なんかにはちょっと想像がつかないんですけれども、小学生の中にも、ここに来て初めて人間らしい生活をした、おふろも入れてもらったことがない、そういうケースもあったりするわけです。そういう子供たちの心の傷をどうやっていくか。そのためには、例えば、こうやっておいしいものが一日に三回食べられる、それを一緒に、きょう何食べようと言いながら、メニューを考えて、料理する、そのこと自身が非常に重要なケアだということなんですね。こういうふうにマンツーマンでお世話をすることが非常に必要になってくるわけです。
 それで、現在、約五百五十カ所、三万人余りの児童がここに暮らしているわけなんですけれども、大臣、こういう現状について、一言、御感想というか、どうせなあかんということをちょっと、まず最初にお聞かせいただければと思います。
坂口国務大臣 お聞きをしますと、我々が想像をしております以上のことがいろいろ起こっている。せっかく子供を産んだのに、なぜそんなことになるのか、普通そう思うわけでございます。しかし、三食食べさせない、あるいはまたおふろにも全然入れないというような、普通考えられないようなことが起こっているということでございまして、そうしたお子さんがだんだんとふえてくるということは、これはいわゆる社会の中の基本的な形態が何か崩れてきているというふうな思いに駆られて、何となく背筋が寒々とするような気がするわけであります。
 基本的には、そうしたことがないような家庭をどう築いていくかということをやはり一方ではやらなきゃいけないんでしょう。それは、障害がありますとか、そういう御家庭は、これはもう格別でございますから、もともと手を差し伸べなければならないところでございますけれども、そうではなくて、どこから見ても正常な家庭がやっていけそうに思える、そういう家庭の中で、さまざまなことが起こり、暴力ざたになりといったようなことになってくるということになれば、そこを一体、日本の国として、全体、中長期的な問題も含めて、何が欠乏して、何をどうやっていけばいいのかという基本的な問題をひとつ考えていかなきゃならないんだろうと思います。
 それから、今起こっておりますことに対してどう対応するか。これはもう起こっているわけでありますから、これに対して対応しないわけにはいかないわけであります。それは、昔も暴力ざたというのはあったんだろうとは思いますけれども、最近とみにそういう話が多くなってきているということも事実でございまして、そうした状況に対して、現在の施設といったものでそれが皆賄い切れるのかどうかといったことにもなってまいります。児童相談所等も、私もお邪魔いたしましたけれども、毎年倍々ゲームでふえてきているというようなお話をお聞きをいたしまして、大変なことになってきているなという印象を私も持っているわけでございます。
 それらの問題、今起こっております問題につきましては、これは正直なところ、予算措置の問題もあるわけでございますし、そう一朝一夕にいかない話でもございますけれども、現実がそういうふうであります以上、これは、予算がどうのこうのと言っておれない側面もあるわけでありまして、そうしたところをどのように対応していくか。だから、厚生労働省なら厚生労働省の中の予算の枠組み、それはいろいろありますけれども、今まで続けてきた延長線上で考えていたのでは少し対応し切れない事態になってきている可能性もあるわけでありますから、しっかりとその辺のところを考えていかないといけないなという思いで、今聞かせていただいたところでございます。
山井委員 お心のこもった答弁、ありがとうございます。
 私も感じますのは、昔は御両親が病気で亡くなられたケースとかも多かったわけです。そういうケースはまだある意味では簡単なわけですよね。ところが、今は、親はいる、でもその親から虐待を受けたりしている。それと、私の知っているケースなんかでも、親と離れ離れになって里親に出されて、その里親から性的虐待を受けて逃げてきた女の子という子も先日私は出会ったわけなんですね。そうしたら、何を信じて生きたらいいのか。また、そういう人間に対する不信をどうやって取り除いたらいいのか。そのために現場で頑張っていられる職員の方々の御苦労というのは、もうすごいものがあると思います。
 そこで、三歳から高校三年生まで入居できるわけなんですけれども、やはり多くの児童が高校三年生までいる。裏返せば、途中で家族のもとに帰ることがなかなか難しいんです。大臣、このことについて、どうしていけばいいと思われますか。理想は、高校三年生までいるというよりは、途中で親と仲直りというか、そんな簡単なものじゃないと思いますけれども、やはり家族の再統合という形になるのが理想だと思うんですけれども、そのためにどういう取り組みが必要でしょうか。
坂口国務大臣 専門的なことは局長からまた答弁してもらいたいと思います。
 そういうお子さんの場合に、御本人もさることながら、家族の方に多分問題があるんだろうと思うんですね。そのときに、そういう家庭の中に返しますと、またそのお子さんももとどおり悪くなってしまうわけですね。高等学校の三年生ぐらいになっておみえになったら大分違うだろうというふうには思いますけれども、小学校あたりのところで、子供さんが心の痛手から回復をしてきた、だからといって返したらいいかといえば、家庭の方が回復をしていなければ、またもとどおりになってしまうわけですね。だから、そこは非常に難しいわけで、両方を見ていかないといけない。
 高校三年生のところまで成長をしておみえになって、いよいよこれから就職をされるという時期ですね。そういうふうな時期にまで成長しておみえになります場合には、ぜひこれは就職をしていただくなり、あるいはまた、最近のことでございますから、優秀なお子さんで、普通であってもそうですけれども、育英制度もあるわけでございますから、進学されるなり、それぞれの道をまた歩まれるということの方が私はよろしいのではないかというふうに思います。それは御家庭の状況次第、そこが回復しているかどうかということが大きな分かれ目ではないかという気がいたします。
山井委員 もう大臣のおっしゃるとおりで、子供が幾ら元気になっても、肝心の親にちゃんとなってもらわないと子供は帰れないわけなんですね。
 まさにそういう趣旨からも、私は二つポイントがあると思いますのは、一つは、子供の方に対しては、やはり児童養護施設で職員の数をふやして、本当にきめ細かな、そういう心の傷をフォローできるような、そういうお世話をするということが一点。しかし、親に対する取り組みをしっかりしないと、この問題は解決できないと思うんです。
 そこで、坂口大臣、今の点についてなんですが、とにかくこれは子供には全く責任はないわけですから、先ほど予算の枠を超えてでも何とかせなあかんということをおっしゃってくださいましたが、一つには、これは一九七六年の時点で改正されまして、六対一、お子さん六人に対して職員一人。ところが、これは三交代でやっているわけですから、実際は二十四対一なんですね。先ほどの、料理を一緒につくるとか囲碁を一緒にするとかしますけれども、やはり、一対二十四ではなかなか愛情が行き届きにくいというものがあると思います。そういう職員の配置をこの際ふやすべきではないかということが一点。
 それとともに、まさに今大臣おっしゃったように、児童養護施設に親のケアを担当する専門の職員を置く、そういうふうなことをしないと、今も親御さんへの多少のケアはもちろんやっていられますけれども、そういう専用の職員をしっかり置くというような位置づけをしないと、結局高校三年生まで帰れないんじゃないかと思うんです。そのような人員をふやすべきではないか。親御さんのケア、ある意味で加害性がある虐待の場合、そういうケアを担当する職員をしっかりと別個に置くべきではないか。この二点について、大臣いかがでしょうか。
坂口国務大臣 ここが一番難しいところですね。お気持ちはもう十分わかるわけだし、我々もそういう思いには同感できるところがあるわけでありますが、状況からいきますと、なかなかそう簡単にふえる状況にないわけであります。
 それで、こうした児童養護施設あるいは先ほどお触れになりました母子支援施設にいたしましても、こうしたところには、施設も、中もしっかりやっていかなきゃいけませんが、ここをバックアップをする体制というのも私は大事だと思うんですね。それが、市町村の問題もございましょうし、それから民間のレベルの問題もあると思うんですが、こういう施設、こういうところにおみえになる皆さん方のことを考えて、そしてバックアップをしようという体制がやはり必要じゃないかと思います。この施設の中の人員の問題もございますが、それを支援していただくようなバックアップの体制があれば、かなり施設の皆さん方の負担というのも減るというふうに思うわけでございます。
 ただし、そういうことが起こることを期待だけしてじっとしているというわけにもこれはいかないと思います。ですから、そうしたことをどういうふうに進めていくかということについて、やはり施設の職員をうんとふやしていくということができないのであれば、これまでもある程度ふやしてくることに努めてきたところでございますし、またこれからも努めていきたいというふうに思っておりますけれども、それが完全にできないというのであれば、そうしたバックアップ体制も含めてどうしていくかということをやはり考えていく時期に来ているのではないかというふうに私は思います。
 しかし、ぜひ努力はするつもりでおります。
山井委員 一九七六年以来、この六対一という基準は二十七年間放置されているわけですね。御存じのように、介護保険を機に、お年寄りの方は、四対一だったのが三対一というふうにアップをしてきています。
 では、二十七年間、養護施設の現状はどうなったのかというと、今のようなひどい虐待のケースや、親が精神疾患、知的障害があるケースもふえていますし、さらに、例えば最近不登校の児童なども来ているわけですね。親からの虐待で学校に行けなくなった。そうしたら、学校に行って帰ってくる子供のお世話と、二十四時間、三百六十五日施設にいる子供の世話をどうするのかでは手のかかりようが全然違うわけです。
 そういう意味では、心理療法の非常勤の職員の加算などいろいろな取り組みをしてくださっておりますけれども、ぜひともやはりそういうふうに、本当に大変なケースがふえているということで、職員をふやすことが必要だと思っております。
 次に、ふえている性的虐待の問題。
 これは、厚生労働省さんの資料を見ますと性的虐待がそれほどふえていないということになっているんですが、要は、これは表になかなか出ないわけなんですね。でも、現場の職員さんから聞くと、非常に悪質でひどいケースがふえている。それで、かつ性的虐待を受けた女の子のケアというのは本当に大変だということなんです。人生の大きな大きな取り返しのつかない傷になるわけで、これをどう防止していくのか。罰則が甘過ぎるという声も現場で聞きました。どう防止するのか、それとともにどうやってケアをしていくのか、そのことに関してお考えをお聞きしたいと思います。
岩田政府参考人 防止というのは本当に難しいことだと思いますけれども、まずやらないといけないことは、いかに早期に発見するか、自分からは言い出しませんので、性的な虐待が疑われるサインをいかに見逃さずに早期に保護するかということが大事だというふうに思っております。
 何人かの専門家とお話ししたことがございますけれども、児童虐待の中でも最も難しいのはこの性的な虐待であるというふうにお話を伺っておりますので、まず、そのサインを見逃さないためにどうすればいいかとか、それから、その初期の対応、性的虐待があったということを初めて知ったときに、その知る立場に立った大人はどういうふうにすればいいかということについて、厚生科学研究でも研究をいたしました。
 学校でそれがわかったときはどうするか、幼稚園、保育所でわかったときはどうするか、病院であればどうするか、保健師さんが発見したときはどうするかというように、場面場面に応じまして、性的虐待が疑われるサインというのはこういう形であらわれるとか、それがわかったときには、初期対応としてこういうことをやらないといけない、関係機関とこういう連携をとらないといけないといったようなガイドラインをつくっていただいたところでございます。
 こういうガイドラインも参考にしていただいて、保育所、幼稚園、学校、医療現場、そういうようなところが早期発見と適切な初期対応をするということ、そのために、まず関係職員のこういうことについての研修と、連携のための仕組み、ネットワークだと思います。
 それから、発見されたお子さんの保護とその後のケアも大変専門性が要るところでございますので、一つは、情緒障害児短期治療施設というのがあります。通所でも可能ですし、入所も可能なんですけれども、そういったところで専門的な治療を受けるとか、児童養護施設に入所をさせるときにも、特に、個別対応職員をつけるとか、心理療法士、精神科医に治療をお願いするとかといったような専門的なケアをしながら、本当にその子が安全感、安心感を取り戻すというのは、そこにたどり着くまでに大変な専門的なケアが要るというふうに伺っております。非常に深刻な重要な問題であるということで、しっかり取り組んでまいりたいと思います。
山井委員 今おっしゃった安心感ということで、性的虐待を受けたある女の子も、施設に入ってきて、二時間おふろに入って出てこなかった。ゆっくりおふろに入れたことが生まれて初めてだといって、二時間おふろにずうっと連日入っていられるという話も聞きました。結局、その彼女もその後不登校になってしまったわけなんですけれども、こういう本当に大変な、困難なケースがふえている。ところが、現場は、職員の数がもう手いっぱいだから、どっちかというと、軽い人なら受けるけれども、困難な人はもう無理だということにどうしてもなりがちなんですね。
 そこで、ちょっと聞きづらいことなんですけれども、欧米先進国の児童養護施設の人員配置基準、これは諸外国はどうでしょうか、いかがですか。
岩田政府参考人 実は、把握できておりません。恥ずかしい答弁をしなくちゃいけないんですけれども。
 それで、欧米の要保護児童対策がどうなっているかということについての概略はわかっているつもりでございまして、大型の児童養護施設に子供を預かるのではなくて、まず、できれば里親、そこで家庭的な環境で育てようということを優先しているようでございます。また、施設に入所してお預かりする場合でも、大型の施設ではなくて、グループホーム的なところでお預かりをしているというふうに聞いておりますので、大型の児童養護施設もないことはないと思いますので、最低基準もあると思いますが、まだそこまで勉強していなくて、大変申しわけない答弁になります。
山井委員 私も、老人福祉の研究をずっとやってきまして、今はやはりイロハですよね。諸外国ではどうなっているのかというようなことは、ぜひとも調査してもらって、また近いうちに調査結果を教えていただきたいと思います。
 それで、では、これからどうしていくかということで、一つは、ショートステイというところも私行かせてもらいまして、全国二百五十カ所、例えば週末だけお子さんを預かるというケースで、全国で約三万人がこういうショートステイを利用されています。これは、その小学生の方々が泊まる部屋なんですけれども。
 大臣も、こういうのを見ると、ショートステイというのは、お年寄りは聞いたことがあるけれども、子供もあるのかというふうに、もしかしたら思われるかもしれませんが、要は、月から金までは、お母さんも働いていられて、晩だけ子供と顔を合わす、学童保育とか行っていて。ところが、週末、二十四時間顔を合わせていると、どうしてもいらいらしてきて殴ってしまう、そういうふうなケースなんですね。
 こういうふうなショートステイの施設、現在全国で約二百五十カ所、約三万人が利用しているということなんですけれども。いい取り組みだと思うんですけれども、ぜひとも、こういうものに対する補助もふやして、数もふやすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
岩田政府参考人 私も、児童養護施設がショートステイという形でお子さんを受け入れていただく事業は拡充をしたいというふうに考えております。十三年度は二百四十九の市町村で実施をしていただきました。前年度と比べて二割ぐらい実施市町村がふえているので、大変喜んでいるところでございます。
 昨年の児童福祉法などの改正によりまして、この事業を強化するために幾つかのことをやりました。一つは、この事業を児童福祉法に第二種の社会福祉事業という位置づけをさせていただきました。また、国庫の負担率を、従来三分の一だったんですけれども、これを二分の一に引き上げるということをやりました。
 また、従来は、親が病気とか仕事で子供の養育ができないという場合にその利用の目的が限られておりましたけれども、今年度から新たに、育児不安ですとか看病疲れといったような親の身体的あるいは精神的な負担ということも利用できる理由の中に追加をいたしまして、もっと多くの方が利用していただけるようにしてまいりたいと思います。
山井委員 やはり私、このショートステイというのは非常に効果があると思います。例えば、児童養護施設から引き取って、また虐待してしまったというケースもあるわけですけれども、そういうときには、しんどくなったらまた週末だけ預けてくれたらいいよというような、そういうショートステイがあったり、あるいは、ショートステイに預ける段階で、ショートステイの職員さんがお母さんの、それこそ育て方の相談に乗るとか、やはりこういう使いやすい制度というのは非常に重要だと思います。
 続きまして、先ほど岩田局長からも答弁がありました、私もちょっとショックを受けたのは、欧米では大規模な施設は、そもそも児童養護施設は余りないということなんですね。社会復帰というものを目標とするならば、やはり家庭的なところで住んでもらうというのがこれからの流れであると思います。
 もちろん、今の大規模施設、日本で必要であって、今までもすばらしいお仕事をされているということはそのとおりでありますけれども、これからふやしていかれる場合には、そういう大規模施設を中心としたサテライトで、先ほど岩田局長もおっしゃったグループホームのような小規模のホーム、小規模児童養護施設をふやしていかれるべきだと思います。
 これについても私も行ってきましたが、本当に普通の家ですよね。それはやはり、子供にとっての安心感、安定感というのはこっちの方がいいですし、ここを経営されている人も、もう子供にとっては絶対的に小規模の方がいい、絶対的にいいということをおっしゃっていました。
 ただ、問題点は、先ほどの小規模母子生活支援施設と同じように、運営費しか出ないから、無償で自治体から借りなさいといったって、なかなかないわけですよね。だから、ここも二千五百万、法人が全額出して、家を一軒買ってやっていられるんですけれども。
 だから、多くの養護施設さんが、こういう小規模ホームをやりたいけれども、お金がなくてなかなかできない。例えば、五十人の施設でも、こういう民家の小規模ホームで暮らせる子供が半分ぐらいいると言うてはるわけですよね。そうしたら、そういう子供は入ってもらって、ある意味でもっと処遇困難なお子さんを大規模施設で見るというような機能分化もこれから必要となってくると思うんです。
 この点に関して、運営費だけじゃなくて、先ほどと似たような質問になりますが、やはり家賃補助とか、家を借りたり買ったりするときのそういう施設整備の補助も出して、こういうものをふやしていくべきじゃないか、そのことについていかがでしょうか。
岩田政府参考人 母子生活支援施設のときにも同種のお尋ねがございましたけれども、地域小規模養護施設も比較的新しい取り組みでございまして、十二年度にモデル的に十カ所、そしてその後、十三年度から本格的に実施をしているわけでございますが、十三年度二十カ所、十四年度二十カ所、十五年度は四十カ所ということで、運営費については、必要な予算措置を講じてきたところでございます。
 御指摘のように、施設の関係について今補助金が出せておりませんけれども、実施状況なども見ながら、なかなか大変な課題ではございますけれども、施設整備に対する国庫補助ができるかどうかということは検討してみたいと思います。
山井委員 これは高齢者の世界でもグループホームが切り札じゃないかと言われているし、知的障害者の世界でもグループホームが重要だと、こういう大規模から小規模へ、地域密着へというのは福祉のすべての流れだと思いますので、その支援をぜひともお願いしたいと思います。
 次に、乳児院。
 私、いろいろなところを今回初めて行かせてもらったんですけれども、乳児院に行ってまいりまして、ここは零歳から二歳の御両親が育てられないお子さんなんですね。私も、行って、さすがにここはちょっと、本当にさらなるショックを受けました。こういうふうな小さな小さなベッドに生まれて間もない赤ちゃんがいるわけですね。それで、なぜここに赤ちゃんがおられるんですかと聞いたら、例えば、お母さん今服役中ですとか、お母さんが産んだ後自殺してしまわれましたとか、それで、お母さんがそもそも産みたくて産んだんじゃないといって、産んでもうすぐにここに持ってきはりました、もともと育てる気がなくて産まはりましたというような話もあるわけですよね。
 それと、ここは二歳まで預かるわけですけれども、お子さんと遊んでいたら、何か涙目の子供がいるわけです。それで、どうしはったんかなと思って聞くと、かわいそうに、足と手がはれ上がっているんですね、足と手が。それで、これはどうしはったんですかと職員さんの方に聞いたら、要は暖房がその家になかった、暖房が、冬も。暖房のない部屋にほったらかし、だから手の指と足の指がただれてしまったわけですわ。(発言する者あり)凍傷、凍傷。だから、本当にかわいそうですよね。
 さらに、ある二歳の子供は、三カ月前に引き取ってもらった、家族が、親が引き取れるというから引き取ったにもかかわらず、また虐待してしまって、保育所がこれは大変だということで、もう一回その乳児院に来た。そうしたら、お母さんは、何で私の子を勝手に保育所から持っていったのよといってどなり込んでくるわけですね、私の子供を返せと。だから、職員さんたちがおっしゃっているのは、昔はよかった、子供の世話だけしていたらよかった、ところが、今はどなり込んでくる親の対応をしないとだめだ、でもそんなの私たちの専門じゃない、こう言うわけですね。
 それで、こういうことに対して、全国百十五カ所、三千人ぐらいが入所されているわけですけれども、個別対応職員、家庭支援専門員というのが非常勤でやはりついているそうなんです、そういう親に対するケアということで。しかし非常勤だということで、これを常勤にしてほしいというような要望なんですが、厚生省、いかがでしょうか。
岩田政府参考人 大変難しい、だけれども大事な課題であるというふうに思います。
 乳児院に限りませんで、児童養護施設あるいは児童自立支援施設のそれらにおける職員の態勢をどう考えるか、特に虐待を受けた子供、親の養育放棄の結果家庭で育てられない子供という、難しい子供さんを預かるケースがふえているわけですから、難しい課題になっていると思います。
 きょうの午前中の答弁の中でも述べさせていただいたんですけれども、五月から社会保障審議会児童部会の中に社会的養護のあり方に関する専門委員会を設置して、今専門家や関係者で議論をしていただいております。早急に取りまとめていただきたいと思っているわけですが、その中で乳児院の態勢の問題についてもぜひ検討してみたいというふうに思います。
山井委員 先ほど申し上げましたように、素人から考えると、零歳、一歳のころなんか忘れているんじゃないかというふうに思われがちかもしれませんけれども、非常に重要な、一番人間の人格の根本を形成する時期ですので、そこをぜひとも大事に、手厚くしてもらいたいと思いますし、きょう一枚だけ資料を入れました。大臣、これを見てください。これを私ぜひともお願いしたいんですけれども、やはり乳児院でも児童養護施設でも人手が少ない、とにかく人手だと。それで、要は、これは三歳児未満の場合、二対一なんですね、ここの乳児院の方が。ところが、これは二十四時間体制ですから、公休を考慮したりしたら八対一ぐらいになるわけです。一般の保育園はどうかというと、一日八時間が原則ですから、零歳児三対一、一歳児、二歳児六対一、こう考えたら、乳児院と同じぐらいか、乳児院の方が人手が少ないぐらいなんですね。
 それで、私も今回つくづく感じたのは、虐待とは何かということなんですね。虐待とは何かということは、親が手をかけてこなかったということなんですよ。放置してきたわけですよね、子育てを。放置してきた、あるいは、殴ったりけったりしていて、親が愛情や手をかけてこなかったというのが私は虐待の本質だと思うんです。では、それを、その虐待で傷ついた子供をどう優しくケアしていくかというと、今まで手をかけてもらっていなかった、今までは愛情をかけてもらっていなかった部分を補うしかないんですよ、これは。その愛情と手を補うためには、機械とかそんなんじゃだめなわけですよね。やはりこれは人で、人間の心と体でないとこの傷というのはいやせないわけです。だから、少ない職員で効率的にというのは、これはやはり無理なわけです。
 そういう意味では、ぜひとも保育園の人員基準よりも少ないというこの乳児院のスタッフの数ですね。お一人お一人の、なぜ乳児院に来られたかというケースは、言い出すと私も心が痛いので申し上げませんけれども、やはりこういうことをぜひとも前向きに考えていただきたいと思いますが、乳児院の人員配置の引き上げについて、大臣、いかがでしょうか。(発言する者あり)
坂口国務大臣 先ほども申し上げましたとおり、なかなかここが一番難しいところだというふうに私も思っております。
 先ほど申しましたように、職員の皆さん、それからこういう施設を取り囲みます環境をどうつくり上げ、そして支援をしていく体制をどうつくり上げていくのかということも大事な問題でございますから、そうしたことも、周辺からの支えるその体制も含めまして、鋭意検討していきたいというふうに思います。
山井委員 今、そんな家庭に金払う必要はないという意見も場内から出ておりましたが、私が申し上げたいのは、これは、子供には何の責任もないということなんですね。それは、親は私もおかしいと思いますよ。でも、子供はその家庭に生まれたくて生まれてきたわけではないですから、これはやはり社会の責任としてしっかりとやっていかねばならないと思います。
 では次に、児童相談所のこと。
 ちょっと時間も限られてきましたので急ぎますが、児童相談所、もちろんこういう虐待問題や子育て支援の一つの核でありますけれども、私もいろいろ知り合いの相談所に聞いてみると、先ほど答弁にもありましたように、倍々ゲームのように虐待の相談件数もふえている、それも困難ケースがふえているということで、そこで一つに質問を絞りますと、やはり、私の知り合いの保育所の先生とかに聞いたら、児童相談所に相談してもあかん、抱えてはる件数が多過ぎて丁寧に相談に乗ってもらえない、本当に当てにならぬという声が出てきていますし、また、私の知り合いの相談所では、去年、三人、過労で、相談に乗るケースワーカーが倒れてしまったというようなことになるわけですね。それで、かつ、親からは、子供を虐待だといって取り上げたら、何で子供をとるんやといって、殺すぞとか刺しに行くぞとか、そういうおどしも来るということで、非常に厳しい仕事だと言われています。
 そこで大臣に質問なんですが、だれもが相談所のケースワーカーさんは人手が少なくて苦しんでいるというのは認めるところですので、やはりこの人手をふやすということと、もう一つは、子供を引き離した職員が親のところへ行っても、子供を返せと、けんかになるわけですから、やはり親をケアする専門の職員というのを別個に配置すべきではないか、この二点について、大臣、いかがでしょうか。
坂口国務大臣 ここは、十分とはなかなか言えませんけれども、しかし、だんだんと職員の増員も実はしてきているところでございます。対象の数が、お子さんの数がふえてきていますから、これをふやしましてもなかなか、イタチごっこになっているわけでございますが、かなりふやしてまいっておりますし、これからもここはよく目をかけていかなければならないというふうに思っております。
 それから、専門の方を嘱託でというお話でございまして、これは嘱託でそういう皆さん方はたくさんおみえでございますので、御理解をいただいて、できるだけ御協力をいただけるような体制をつくり上げていきたいと思っております。
山井委員 ぜひともこの児童相談所の職員さんをふやすことをお願いしたいと思います。現場の方は本当にてんてこ舞いという状況であります。
 次に、虐待防止ネットワーク、現在何百か立ち上がっておりますけれども、こういうものもふやすべきだと思いますし、それとともに、ネットワークをつくってもその受け皿が必要なわけなんですけれども、そのことについて、とにかく大臣にだけ聞きますので、市町村の虐待防止ネットワークを今後どうやっていくか、大まかでお答えいただければと思います。
坂口国務大臣 虐待の背景は、もう本当に、先ほどからおっしゃいますようにさまざまな背景がございまして、多岐にわたっておりますことから、児童虐待を防止してすべての児童の健全な心身の成長、自立を促していく、そういう立場から、福祉関係者のみならず、これは医療それから保健、教育、警察など、そうした地域での幅広い連携をして、そして皆さん方の育成に努めていかなければならないというふうに思っております。その連携をいかにつくるかということが非常に大事な一つのポイントだと思っております。
 平成十四年の六月現在、児童虐待防止の機能を持っております市町村域でのネットワークの施設数は七百二カ所ということになっておりまして、計画中のものを含めますと千二十五カ所というふうに大分ふえてきていることも事実でございます。これはありがたいことだというふうに私たちも感謝をしている次第でございますが、今後、全市町村に虐待防止ネットワークの設置を進めていきたいと思いますし、そのネットワーク化を、機能が十分できるようにしていかなければいけないというふうに思っている次第でございます。
山井委員 ちょっと時間が迫ってきましたので早口でいきますが、要は、虐待の問題に関しては子供とともに親もセットでしっかりと研修というか教育を受けないとだめだと思います。その意味で、母子生活支援施設も、例えば意欲のある母子生活支援施設で一週間なり一カ月部屋があいているならば、このままでは虐待をしそうだというようなお母さんとお子さんをセットで預かる、そういうふうなことを母子生活支援施設にも機能として持たせてみる、そのようなことについて、大臣、いかがでしょうか。
坂口国務大臣 母子支援センターの方も、それはいろいろお忙しいでしょうから、そこまでなかなか受けていただけるかどうかという問題もございますけれども、そういう方もお受けをいただいて、そして、軽いうちに心のケアもしていただけるというようなところがあれば大変ありがたいと思いますし、どういう問題でもそうでございますけれども、初期の段階で早期にケアを行うということが本当に一番大事だというふうに思っておりますから、そうしたことも心がけていかなければならないと思います。
山井委員 大臣にもう一つ。
 今回、このような行動計画の中で、水島議員の話にもつながるのですけれども、ぜひともこういう虐待された子供や、あるいは一人親世帯の子供の支援ということもこういう行動計画の中に入れていただきたいと思いますし、それで、一つお願いなんですけれども、ぜひとも、今までも行かれていると思いますが、これを機に子育て支援に力を入れるという意味でも、児童養護施設にまた一度行っていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
坂口国務大臣 児童相談所等にはお邪魔をさせていただいておりますが、きょう写真を拝見いたしましたような、そういうさまざまな施設に行っているかと言われますと、そこまでは私もようお邪魔をいたしておりませんので、幾つか選択をさせていただきまして、そしてお邪魔させていただきたいと思います。
山井委員 時間でありますが、文部科学省さんに一問だけ、せっかく来ていただきましたので、最後に聞かせてもらいます。
 この子育て支援の中で、一つ違った面から今問題になっているのが、高校中退の増加であります。
 御主人が失業される、そのことなどで夫婦間が悪くなって、例えば離婚される。そんなことで、私学の高校から中退をせざるを得ない。そういうケースが本当に最近日本じゅうにふえております。やはり、そこで高校をやめてお母ちゃんを支えるために働くわといったときに、お母さんも、あんた高校ぐらいは出えと言い切れないぐらい、またお母さんもなかなかいい仕事が見つかったり収入を得ることができない。かつ、じゃ、それだったら離婚のときに養育費をもらったらいいじゃないかといっても、実際、今非常にこういう不況の中で養育費を払えない御主人も多いわけです。
 そういう中で、端的に質問申し上げますけれども、高校中退の増加の実態と、奨学金の高校、大学を含めた拡充、これについて、文部科学省さん、お待たせして済みませんでした、よろしくお願いします。
木谷政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、最近の高校中途退学者数の現状でございますが、平成十三年度の公私立高等学校の中途退学者数は十万五千人で、平成十二年度に比べて約四千人減少をいたしております。高等学校中途退学者数の高等学校在籍者数に占める割合は二・六%でございまして、ここ数年横ばいとなっているということでございます。
 ただ、この中途退学の理由の中には、経済的理由というものも当然にあるわけでございまして、文部科学省といたしましては、これまでも、親の失職を含め経済的理由で子供たちが学校を退学したり進学を断念したりすることがないよう、日本育英会の奨学金について充実を図ってきたところでございます。高校生に対する奨学金について申し上げますと、無利子で貸与を行っておりまして、平成十五年度予算におきましては事業費二百八十一億円で十二万二千人に貸与することとしておりまして、これまで貸与基準を満たす希望者は全員採用をしてきているというところでございます。また、大学生等に対する奨学金につきましても、毎年充実を図ってきておりまして、近年では、無利子奨学金と有利子奨学金をあわせて見れば、貸与基準を満たす希望者はほぼ全員採用しているというような状況でございます。
 特に、保護者の死亡やリストラ等によって家計が急変しても子供が勉学を断念することがないよう、高校生以上の学生生徒を対象にいたしまして無利子で貸与を行う緊急採用奨学金制度というものを設けておりまして、これは年間を通じて随時受け付けるということでございまして、これまで希望者全員を採用しております。平成十五年度予算におきましても、引き続き所要額として一万人分、三十一億円を計上しているということでございます。
 今後とも、教育を受ける意欲と能力のある学生生徒の支援のために、こうした奨学金事業の充実に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
山井委員 ぜひとも制度の充実をお願いしたいと思います。
 時間が来ました。どうもありがとうございました。
中山委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時八分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時一分開議
中山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。五島正規君。
五島委員 先ほど、内閣委員会で、法案を提出してから一たん選挙で廃案になった時期も入れますと四年越しで、少子化社会対策基本法を通していただきました。あの法案が通ったということを前提に考えますと、もちろん与党筆頭おっしゃるとおりにまだ衆議院を通っているわけではございませんが、委員会を通していただいたということで、これが成立していきますと、エンゼルプラン終了後、本格的に次世代育成についての対策がとれるようになったというふうに私どもは感じております。そういう意味で、この法案が本当に効果的なものとして成立するように心から願っているわけでございますが、本日は大臣に対して少し確認的に質問をさせていただきたいと思います。
 とりわけ、この少子化の歯どめという問題、あるいは次世代育成という問題、コインの裏表のような関係にあるわけでございますが、諸外国の例を見ましても、やはり子育てに対してどのような社会的なシステムが整備されているか、そうした問題が非常に大きな問題でございます。きょうの質疑の中にもございましたが、そうした点で質問していきたいと思います。
 まず第一に、育児休業制度という問題がございます。ヨーロッパ各国、ヨーロッパ各国といいましても非常にたくさんあるわけでございますが、とりわけ北欧等に比べまして、日本はまだ育児休業の取得率というのは非常に低い段階でございます。とりわけ、男性の育児休業の取得率というのは著しく低く、〇・五%というふうにも言われています。言いかえれば、まだ育児という問題について、男女の共同の行為としての育児ということについては道が遠いなという感じがいたします。
 その原因の一つとして、育児休業を男女が交代でとっていくということがなかなかやりにくい。育児休業期間中に一回に限って男女が交代して育児休業をとれるとなっておりますが、こうしたものを改めて、頻回の交代を認めるようにこの法律を改正するということは、今の企業優先社会という状況を改めていく中においても非常に重要な問題ではないかというふうに思いますし、また、育児休業取得権利は生後一年未満、こうなっておりますが、この取得期限を延長して間欠的な取得も可能とすべきではないか、そのように思うわけでございますが、その点について大臣の御所見をいただきたいと思います。
坂口国務大臣 育児休業制度等の見直しにつきましては、本年四月に労働政策審議会におきまして検討を開始したところでございます。厚生労働省としましても、同審議会での検討に際しまして、先生御指摘の点も踏まえ、男女労働者のニーズ、企業の負担等も勘案しまして、幅広く検討を行っていただきたいと考えており、その結論を受けまして、育児休業制度等がより利用しやすい仕組みになるように今後も努めてまいりたいと考えております。
五島委員 労働省として、こうした形で今後検討を加えていくように審議会その他において努力するということでございますので、厚生省はこの方向で努力していただけるということでお答えをいただけたものというふうに解釈をして、次に進んでいきたいと思います。
 次に、現在努力義務とされております病児介護休暇制度を確立していくべきだというように考えます。とりわけ、現状におきまして、病児保育所というものの設立が大変少のうございます。そのために、子を持つ親にとって、子供が急な病気になった場合に、結果において男女いずれかが仕事を休まなければいけない、その多くは母親にかかってくるわけでございますが、そのことによって、非常に急な休みということで、企業との間にトラブルが起こることが少のうございません。
 そういう意味では、努力義務としてなっております病児介護休暇制度というものをもっと幅広くとれるように、厚労省としてもぜひ努力をしていただいて、そしてこのことは当然のこととして男、女両性においてまずはとっていただく、そして同時にこの病児保育という問題についてもお考えいただくということが必要かと思いますが、その点については大臣はどうお考えでしょうか。
坂口国務大臣 子供の看護のための休暇につきましては、平成十三年の育児・介護休業法の改正によりまして、事業主の努力義務とされたところでございます。さらに、本年三月におきましては、次世代育成支援に関する当面の取組方針におきまして、その普及率についても目標値を設定したところでございます。今後とも、次世代育成支援対策推進法案に基づきます事業主行動計画の策定などを通じまして、その導入を促進してまいりたいというふうに考えております。
 なお、育児休業制度等の見直しにつきましては、本年四月に労働政策審議会におきまして検討を開始したところでありますが、厚生労働省といたしましても、同審議会での検討に当たりまして、先生御指摘の点も踏まえて、制度の普及状況を勘案しながら検討を行っていただきたいと考えております。その結論を受けて、育児休業制度等がより利用しやすい仕組みとなるように努めてまいりたいと思います。
五島委員 確かにまだ普及状況は非常に低い、とりわけ病児介護の休暇制度というものは、事業主に対する努力義務として課せられているということすら事業主も労働者もまだ知らないというふうな実態が数多くございます。こうしたことについても、この努力義務というものが社会全体の中できっちりと認識できるように、そしてそのことが労使の間において話し合われていく、そして普及をしていくという過程を一刻も早くつくっていただき、この努力義務というものが具体的な制度として確立されるべきだというように考えております。その意味におきまして、努力義務とされているこのものにつきまして、厚労省としても一段とこのことに関する事業主並びに労働者に対する啓発というものをお願いしたいというふうに考えます。
 さらに、もう一つ大きな問題がございます。先日、労基法の当委員会における採決に際しまして、委員会は決議をつけました。その中に、いわゆる有期労働やパート労働など、雇用の形態の違いに対する均等待遇ということが附帯決議の中に盛り込まれています。
 既にこの委員会でも大臣からも御指摘ございましたし、委員会でも多くの委員が指摘しましたように、今日、有期労働やパート労働あるいは派遣、さまざまな形での労働形態がふえてまいりまして、逆に問題になるぐらい常用労働者というものの数が減ってきています。それだけに、こうした今の複雑な、あるいはいわゆる従来型の常用労働者でない労働者に対してこの制度をどのように普及していくかということが、現実に次世代の育成ということを考えた場合、極めて重要な問題になってくるというふうに考えます。
 現在、育児・介護休業法においては、育児休暇は、いわゆる期間を定めている有期労働者やパート労働者には適用がございません。そういう意味におきましては、ぜひその方々に対しても、この育児に関する、あるいは病児に対するそうした均等待遇というものを進める必要があると考えるわけでございますが、大臣はどのようにお考えでしょうか。
坂口国務大臣 育児・介護休業法におきましては、育児休業は、期間を定めて雇用される者には適用がないものの、時間外労働それから深夜業の制限、勤務時間の短縮等の措置や子の看護のための休暇の措置は、期間を定めて雇用される者についても、期間の定めのない労働者と同様に適用されております。また、パート労働者でありましても、期間の定めのない契約の場合には育児休業も適用されるものであり、これらの点については今後とも十分周知してまいりたいと思います。
 さらに、現在、労働政策審議会におきまして検討を行っております育児休業制度等の見直しに当たりましては、国会でのこれまでの御議論も踏まえて幅広く検討を行っていただき、そして、この結論を受けて、育児休業制度等がより利用しやすい仕組みとなるように努めてまいりたいと考えているところでございます。
五島委員 この問題は大事でございます。少子化社会対策基本法の審議の中におきましても既に指摘がございまして、厚生労働省からも御回答いただきましたが、今日、公務員労働者においての育児休業の取得率は二十数%、そして民間労働者の取得率は一二%強というふうな状態。さらに、この民間労働者の中で期間の定めのない労働者、いわゆる常用労働者とパート労働者の間における取得率というものについては、まだデータは出されておりませんが、その辺を見ていきますと、若年の労働者も今非常にパート労働としてふえているわけですが、有給休暇の取得率というものは、制度として期限の定めがない場合は認められるといっても、実際の取得率は非常に低いものだというふうに想定されます。
 そういう意味では、これは労使の問題という以上に、次世代をどういうふうに育成していくかという大事な問題でございますので、今大臣が御指摘になりましたように、この労働政策審議会におきましても、そうした資料に基づきましてぜひ検討し、そして、具体的な方針として制度上確立をしていただきたいというふうに考えます。きょうは余り私時間がございませんので、そういうことをあわせて今の大臣の御答弁に重ねた形で御要望申し上げさせていただきまして、最後にもう一つ、次の問題に移らせていただきます。
 育児期間中にありましては、男女とも当然育児に責任を持つということが必要でございます。そして、育児・介護休業法の第十七条には、小学校就学時に達するまでの子供を扶養する労働者が請求した場合は、いわゆる残業に関して、一定の制限時間を超えて労働時間を延長してはならないというふうになっておりますし、また、第二十六条には、事業主は、育児を行う労働者に対して、就業場所の変更を伴う配置転換については、当該労働者の育児等の状況に配慮しなければならないことになっています。
 事実、この育児期間中における長時間残業、あるいはこの育児期間中における男女それぞれの遠距離への配置転換というものは、育児において非常に大きな困難をもたらしますし、また、そのことが男女の共同作業としての育児を困難にしていることは言うまでもありません。こうしたことを廃止させるために、より一層の努力が必要であるだろうというふうに思われるわけです。
 現在の育児・介護休業法の中にも、これもまた努力規定でございますが、これが本当に守られるように、また、単に残業時間だけでなくて、これがいわゆるサービス残業あるいは裁量労働のもとでそうしたことが起こらないように、ぜひ具体的に実施をしていただかなければいけないと考えておりますが、この問題に対する政府の努力についてどのようにされるおつもりか、お伺いしたいと思います。
    〔委員長退席、宮腰委員長代理着席〕
坂口国務大臣 育児・介護休業法第十七条におきましては、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者が請求した場合には、事業主は、一定の制限時間を超えて労働時間を延長してはならないとしております。
 また、同法の第二十六条におきましては、事業主は、育児等を行う労働者について、就業場所の変更を伴う配置の変更を行う場合には、当該労働者の育児等の状況に配慮しなければならないことといたしております。
 これらの制度は平成十三年の改正により盛り込まれたものでございますが、その実効を確保するために、引き続きまして制度の周知徹底を図りますとともに、事業主に対する助言指導をさらに進めてまいりたいと考えておるところでございます。
五島委員 ありがとうございます。
 今、大変企業も経営が厳しく、そして失業が増加している中で、この事業主とそれから労働者との直接的なかかわり合いに係る点については、現場においては、実体社会においてはないがしろにされやすい問題を持っています。しかし、子育てをされる、あるいは乳幼児あるいは小さなお子さんをお持ちの男女にとりまして、このあたりの問題がどのように整備されるかということが、現実問題として次世代育成の出発点とも言える重要な問題になると思います。
 そういう意味では、今大臣が、そのすべてについて前向きな御回答をいただいたわけでございますが、ぜひこの育児休業法の見直しに関して、労働政策審議会等においての十分な検討あるいはいわゆる努力規定となっている項目についての啓蒙啓発、周知徹底という努力を一層お願い申し上げまして、私の質問を終わります。
宮腰委員長代理 次に、武山百合子君。
武山委員 自由党の武山百合子です。先週の金曜日の続きの議論をしたいと思います。
 先週、私は、やはり私たちは、私自身の話ですけれども、かつては、結婚をして子供を持ち、子供を家庭で育てるというのをじかに味わってきたものですから、こうした家庭のあり方、すなわち、若者に対して、人生の先輩として普遍的な家庭のあり方というものを私たちが若い世代にきちっと示す、そういう責任が我々大人はあるのではないか。それからまた、このような家庭のあり方に関する議論、これが本当にあったのかなかったのか、この法案では余りよく見えてこない。そして、予算をつけてもこの少子化の問題は解決しないと思うんですね。
 こうした議論を深めるとともに、やはり結婚や子育てというもののイメージを若者にきちっと発信すべきじゃないかと思いますけれども、この点について副大臣の感想を述べていただきたいと思います。
木村副大臣 私も武山先生のおっしゃることに非常に共鳴を覚える次第でございまして、やはり今の風潮といいますかそういう中に、本当に何か背骨になるようなものがないんですね。そして、そこをやはりしっかりと、本当に言っている土台、まず土台が何か。そこは、おっしゃられるように、家族であり家庭がまず土台になっている。そして、その中で人間がやはり幸せというものを追求していかなきゃいけないな、こういうふうに感じるわけでございます。
 それで、ではその家庭や家族を築くにはまず結婚をしていかなきゃいけないんですけれども、その段階がまず非常に難しいのが今の状況になっているんじゃないか。
 昔は、やはり仲人さんというのが至る地域、至るところでいたんですね。そして、あそこでいい坊ちゃんがいる、あそこでいいお嬢ちゃんがいるとかいって、それで二人を会わせて、なかなか意思の疎通ができないところを仲人さんが上手に説得しながら、また人生の話をしながら、そして二人の気持ちを深め合わせて結婚をさせる。そして、家庭を築かせる。それで、そういう中で、そういう仲人になった方々がまたその二人に対していろいろな相談に乗っていく。そういう中から、恐らく、子供も生まれ、そして家庭も築くときにいろいろな悩み事が出てくる。その仲人さんも含めて大勢の方々が、家族をバックアップで支えながらも、やはりしっかりとした家庭を築くために出てきた。
 そしてまた、昔は核家族じゃありませんでしたから、兄弟もたくさんいれば、もちろん親も健在で、そういう中でしっかりとした家庭の形成ができてきたんだと思うんですけれども、昨今はどうしてもやはり少子化、一人っ子。そして、それが、子供がもう親の世代になっているわけでございます。よく言われる、例えば戦後、戦争を知らない子供たちという話がありましたけれども、もう戦争を知らない大人たちになった。それで、若い人たちは子育てを知らない。その子育ても、親の方が子育てを知らないというような場面も出てきたわけであります。
 そういう中で、やはり先生がおっしゃるような原点に戻ることの大切さは重要で、今回もこれは真剣に議論されたと思うんです。ただし、この法案の中では、そこは役所としてそこまで果たして踏み込めるものだろうかというような意見は一方であるのは事実でございまして、それは法案の過程の中で、余り家庭の奥深くまで突っ込むことはできないけれども、少なくともやはり責任の第一番は両親や家庭にあるというようなところは文章として入っているわけであります。
 そういうことも踏まえまして、おっしゃるとおり、家族や家庭、そこの重要さというのをこれからどうやって打ち立てていくかという場合に、私はここでもう一度考えなきゃいけないのは、やはり教育の問題も非常にあるな、こう思ってならない次第でございまして、どうしても今までの教育というものがそういう場面で、小学校、中学校、高等学校、大学にいる間も、やはり受験戦争に追われ、目先の点数だけをとることによって、本当に人生とは何か、人生の喜びとは何か、幸せとは何か、そういうような議論を十分に、議論というかそういうのを学ぶ機会がなく、そのままいってしまった。
 前はその中で、では自分で勉強したらいいじゃないかと、確かに多くの書物に接したり何かしている場面があって、そういうのを考えさせられる場面が、自分自身で自問をする場面があっただろうと思うんです。ところが、昨今はどうも新しいメディアに追われて、そういうふうな本当に深いところでの自分の幸せや哲学的なものを見詰め直していく機会が今の若い人たちにどうしても薄められているのではないかな、そんなような気がいたしてならないわけでございまして、ここはやはり根本的なところをもう一度我々が見詰め直す必要があるのではないかな、こんなように思っているような次第でございます。
武山委員 この法案で、まず柱が見えてこない、これはやはり根本の柱がきちっと示されていないというところが大問題であると思うんですよね。これはやはり、正々堂々と我々が若い世代に対して示せる責任だと思うんですよね。これはしっかり考えていただきたいと思います。
 それから、これまで政府は少子化対策ということで、基本方針の策定、エンゼルプランの策定、育児・介護休業法の改正等、さまざまな施策を行ってきましたけれども、その行ってきた結果に対して、少子化に対して歯どめがかかったかと思うと、全然かかっていない状況だと思うんですよね。
 それで、今、子育て後に再び職を得たいという人が大変多い。それで、支援することは大変私も賛成ですけれども、待機児童ゼロ作戦のように、今若い人に聞きますと、まず根本的に家庭で自分が見るという前に、ファッションのように外で働きたがっているという人もかなりの数が現実にいる。ですから、ファッションのように働きたいと思っている人を支援している予算でもあるわけですよね。ですから、少子化に歯どめがかかっていないというところもあるわけなんですね。
 ですから、こういうものに対して環境を整備するというのは大変いいことですけれども、このエンゼルプラン、いわゆる育児・介護休業法の改正等々行っても、その数値というのは、本当に目に見えて数字が上がっているかというと、そうでもない。これは何が原因なんでしょうか。今までこれだけいろいろと政策を打ってきて、なぜ少子化に歯どめがかからなかったんでしょうか。
木村副大臣 先ほどちょっと申し上げたんですけれども、少子化に歯どめのかからない原因、もちろんいろいろあるんですが、私は、先ほど申し上げたので一番のポイントは、まず最初の原点に戻りますと、若い人たちが結婚をしない、また結婚するにしても非常に晩婚化が進んでいる、これが非常に大きな原因の一つであろう、こう思っておるわけであります。
 それに対してはいろいろな理由がありまして、もちろん育児の不安もあります。今自分は仕事に打ち込んでいる、この仕事をこのまま続けたいという方もおられるかもしれません。いろいろな皆さん方の思いの中で、結婚をしないとか結婚をしても遅い、晩婚になってしまうとか、そういう場面もあるのではないか、こう思うわけであります。
 ですから、そこを何かいい方法がないかというのを、ただし、そこがまた逆に、そこまで厚生労働省が法案をつくって踏み込めるのか、これはやはり議論がたくさんあるところではないかな、こう思うわけでありまして、それは法律でもって結婚しろとかいうような法律をできるわけじゃありませんから、どういうふうに考えていいのか。
 それからすると、武山先生も私もそうなんですが、政治家として、法律をつくることだけではなくて、やはりそういう新たな意識、日本の国民の皆さんの、若い人たちの意識を、流れを変えていく必要があるのではないかなと。そこに踏み込んでいかないと、今の結婚しない、あるいは結婚しても、なかなか結婚しない晩婚化の流れというのが、先生が言ったような目に見えた数値であらわれてくるのは相当時間がかかるのではないかな、私はこう思えてならない次第でございます。その辺の意識改革をこれからできるかどうか、これは政治家としてお互いに取り組んでいかなきゃいけない問題だと思っております。
武山委員 そのお互いに取り組んでいかなきゃいけないことはもちろんですけれども、政権与党の責任というのはかなり、九九%政権与党の責任だと思います。
 それで、少子化は三十年前から指摘されてきている問題なんです。これはもう行政の対応のおくれ、危機管理の不足の結果、総合的に悪影響がたくさん出たということですよね。受験体制をつくって、勉強だけをすればいい、お子さんが大きくなったらいい高校に入り、いい大学に入って、いい会社に勤めてもらいたいという家庭の願い、そういうものも全部作用して、今のような社会になっているわけですよね。
 それで、中身の問題に入りますけれども、この法案の中で、事業主に行動計画の策定を義務づけるということが今回の大きな内容の一つとなっております。
 この中で、先ほど五島先生も御質問されていたと思いますけれども、有期の雇用者が適用除外になっているこの今の現状では、結局は追認するだけで、意味を持っていないと思います。それで、育児・介護休業法も改正して、有期雇用者も育児休業がとれるようにすべきだと思いますけれども、また先ほど御質問が出たかどうか、私、途中で来たものですから、ダブルで同じ質問でしたら申しわけないんですけれども、それに対してお答えいただきたいと思います。
木村副大臣 先生御指摘のように、育児・介護休業等の法律によりますと、第二条で、「この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。」となっておりまして、育児休業は、「労働者」と書いてありまして、「日々雇用される者及び期間を定めて雇用される者を除く。」となっているんです。確かにこのとおりでございまして、期間を定めて雇用される者は、今、適用の対象外になっているわけでございます。
 今まで、確かに有期雇用というのは一年間がある意味で原則でございましたものですから、その一年間のうちに育児・介護休業をとられてしまったのでは、まさにこの有期雇用の役割というものと非常に相矛盾するものになってしまうわけでありますけれども、この方々が、今度これが三年になるわけですし、中には更新をされている人たちもいるわけですね。だから、そういう人たちがこれからどういうようになっていくのだろうかというのは、やはりこれは皆さんにそろそろ考えてもらわなきゃいけないときになるのかな、このように思っているわけでございます。
 育児休業制度等の見直しにつきましては、本年四月に労働政策審議会において検討を開始したところでございますし、同審議会におきまして、この委員会での御議論を踏まえまして幅広く検討をさせていただいて、その結論を受けて、育児休業制度がより利用しやすい仕組みになるように努めてまいりたいな、このように思っているような次第でございます。
武山委員 今のお答えは省庁を代表した答えですよ。人が書いた文章を読むような、そういう副大臣の態度はとらないでいただきたい。あなたの言葉で言っていただきたいと思う。私は政治家ですので、あなたと議論して方向性を定めるという、政治主導にしたいという思いで質問しているわけですから、省庁の書いた言葉のとおりにあなたが答えるなんというのは、本当に心外でございます。
 それで、今度、労基法でいわゆる期間が延長になりますね。その期間の延長に対して、一年ではなくなるわけですから、一年とる方もいれば、一年ではない、期間が長くなるわけですから、そういう方々のいわゆる有期の雇用者もやはり入れるべきじゃないかと思いますけれども、あなたの答えは、副大臣の答えは、審議会で議論をしてなんて、また人に丸投げして、私、また同じことを批判、よい批判をしなければいけないんですけれども、審議会にまた丸投げしてそれを待ってなんて、そんな悠長なことを言っているから少子化に歯どめがかからないんですよ。国がきちっと方向性を示さないからなんですよね。
 それで、ぜひこの有期雇用の人も育児休業がとれるように、いろいろな多種多様な働き方を認めたいという労基法の改正だったわけですね、派遣法も。それでしたら、有期雇用の方も、これから期間延長される、一年から三年、そういうふうにして長くなる方も含めて育児休業がとれるようにするのは、私は当たり前のことだと思うんですよね、みんな機会が均等でとるという方向にもう流れているわけですから。
 ですから、この件に対してそんな悠長なことを言っているから少子化に歯どめがかからなくて、この法律も、次世代支援対策といったって、また言葉だけ走っているだけで、何の成果も上がらないと思いますよ、そんなことをおっしゃっていましたら。堂々と自分の言葉で語れないというところに一番問題があるわけですよ。ですから、ぜひ有期雇用も育児休業がとれるように、請求したらすぐとれる、そのぐらいの危機意識がないといけないと思います。
 この件については、私は、厚生労働大臣にお答えいただきたいと思います。
坂口国務大臣 副大臣に答えてもらうと思ってじっと聞いておりましたら、私の方にちょうだいをいたしまして恐縮でございます。
 有期の問題を議論いたしましたときにも、私は参議院でも御答弁を申し上げたわけでございますが、有期であれ派遣業であれ、大局的な立場で申し上げますならば、これは常用の労働者と何らその権利義務、そうしたものは異なるものではない、やはり同一の立場で考えていくべきだ、こういうふうに思っている次第でございます。
 しかし、大局的な立場をとりながら、その中で、有期とあるいはまた派遣とそしてまた常用と若干違うところもあるわけでありますから、そうしたことをどのようにこれからより具体的に考えていくかということをしなければいけないというふうに思っておりますが、まとめて申し上げれば、ひとつそこに差がないようにしていくというのが大前提、そちらの目的に向かって進むということが大事というふうに思っております。
武山委員 差がないようにというお言葉をいただきましたけれども、言葉だけで終わりそうですので、私はもう一言つけ加えさせていただきたいと思います。
 まず、有期雇用契約者にも育児休業をとらせることをきちっと明記すべきだと思います。それから、事業主が行動計画に必ずこれを盛り込むよう事業主を強く指導する、やはりそこまでしないとだめだと思うんですよね。
 相変わらず、日本は言葉だけ走っている。中身が、実効性が伴っていない。もうずっと少子化対策とやっていたって、実際は歯どめがかからないのが現状ですから。次世代育成支援対策とまたいったって、言葉だけなわけですから。
 国は、結局、ことしと来年にかけて方針を決めて、それから十年かけて個別法でやっていくということですけれども、そんな悠長なことを言っていられないと思いますよ。三十年前にこういうことを始めていたら、かなりの変化があったと思いますけれども、今ごろですからね。もう本当にどうしようもない状態になって、今やっと、今から方針を立ててというような状態ですから、必ずこれは今お話ししたことを、ぜひ事業主を強く指導していただきたいということをつけ加えさせていただきます。
 それから、保育サービスを充実することは、本来働く必要がない女性が働きに出るということにもつながっているという面もあるわけなんですね。何しろファッションのように外に出ていく。保育サービスは確かに大切ですけれども、子育てはやはり家庭が行うという基本を忘れてはいけないと思うんですね。
 それで、在宅で子供を育てる家庭に対するそういう優遇措置、この法案ですと、環境をつくる、それから子育てで悩んでいる人たちの相談をする、外に外に外に全部手を、全部外に丸投げしているわけですね。中で自分たちで努力してやるという議論は、家庭が基本なんですけれども、この家庭で努力してやるという議論はほとんど見えてこない。ですから、こういう在宅で子育てをする家庭に対する何か優遇措置をやはり考えるべきじゃないか。
 これですと、今、対策を考えるのは、外で全部やるわけですよね。外に預けた場合、外で相談する、外で見てもらう、全部外なわけですね。子育てというのは家庭が基本なものですから、では在宅で子育てしている人は何だということになると思うんですね。
 ですから、家庭で子育てをする方に何か優遇措置を考えるべきじゃないかと思いますけれども、この件に対してはいかがでしょうか。
木村副大臣 これは、例えばの話、現物給付とか現金給付とかという問題点を内包されているんですね。
 基本的には、一部現金給付のところもございますけれども、やはり大体現物給付というのが大勢な中でございます。そういう中で、先生、ファッション、ファッションと言われますけれども、このごろファッションの方々は非常に割合が減っておりまして、大部分の方々は、こういうような経済情勢もあり、やはり生活に対して、ある程度収入を得るということに対してのインセンティブが非常に多いわけでございますけれども、そういう方々はちゃんと保育で見ていただいているわけです。
 ただ、今先生がおっしゃられましたような、在宅で自分が専業主婦としてやっている方々にどのようなことを加えていくかというのは、いろいろな議論が行われてきたのは事実でございますけれども、そこで、今言った現金給付にするか、それとも現物給付にするかという問題点、それからどこまで本当に、今何が一番必要かというと、やはりそこは、例えば家族で一緒に、おじいちゃん、おばあちゃんと一緒に住んでいる方々は、相当にいろいろな意味で手助けもありますし、アドバイスもしてくれる。実際に一番困っているのは、核家族の中で、奥様一人が家庭でもって、自宅でもって赤ちゃんを一人で抱きかかえていて、相談する相手もいないし、自分もひとりぼっちで、いわゆる閉鎖された中に閉じこもられている、そういうような感覚になってしまうのが一番ここの問題点ではないかな、こういうことが考えられるわけでございまして、それはやはり周辺からいろいろな手を差し伸べていこう。
 それで、子供さんと一緒に外へ出る機会もあって、そういう支援センター等でいろいろな意見を聞いたりアドバイスを受けながら、子育てに関する、自分で子育てする自信を深めていただく、こういうことが重要ではないか、こう思うわけでありまして、やはり一人でいる中においては、まず自信を持っていただく、そこが大事だろうと思うんですね。
 その中においてはやはり、いかに子育てに対するそういう自信を持っていただくかということに力を入れていくことが、これは私は非常に大きないい結果が出てくるんじゃないかな、こう思うので、だから、お金でいくとかなんとかというのはその後じゃないか。
 実は、ちょっと時間を食って恐縮なんですけれども……(武山委員「手短にお願いします」と呼ぶ)済みません。曽野綾子さんが、前、インドかパキスタンかちょっと忘れましたけれども、そこへ行ったんですね。そうしたら、すごい貧しいところを見た。そうしたら、その貧しい中で赤ちゃんを抱えたお母さんがいた。すごい貧しいんですよ。もう見ていてもわかる。そのお母さんに子育てはどうと聞いたら、こんな楽しいことはありません、こう言ったんです。そのときのその人の目を見たら、本当にきらりと輝いていた、こういう話があるわけでありますけれども、やはり貧しい中でも子育てに対する幸福感、幸せ感、そういうものを持った母親というのがいかに強いものか、また美しいものかというのを恐らく曽野綾子さんはそこで感じたんじゃないかと思うんですが、そういう感覚が日本人のそういう母親の中にたくさんあっていただければ、もっともっと違った社会になってくるんではないかな、私はそのように思えてならない。
 なぜかといいますと、子育ての意味を問うという中においては、義務感に感じている人が多いんですね、女性の中では。それよりも楽しさというのを感じているという方が非常に少ない、二割ぐらいで、あとの五割とか六割という人たちがやはり義務感でもって子育てをしている、そういうアンケート結果もありますので、そういうことを踏まえて、やはり子育てに対する楽しさ、幸せ感というのをいかに子育てをする母親が感じていただけるか、そういうことを母親に理解していただくということが大事ではないかな、このように思っているような次第でございます。
武山委員 私の質問に手短に、それに簡単に答えていただきたいと思います。五分もお答えいただいたら、私の質問がなくなってしまいますので、簡単に答えていただきたいと思います、そんなことを聞いているわけじゃありませんので。
 先ほど、ファッション、ファッションと言うけれども、最近は減っているというふうにおっしゃいました。それでは、アンケート調査とかしたんですか。そういうことをきちっと数値の上であらわしていただいて、最近は減っているとか減っていないとかということを言っていただきたいと思います。
 それから、子育て支援事業、これはいわゆる国で方針を決めて、県や市町村が計画を立てるわけですけれども、一律にするのではなく、各市町村が地域の実情に応じて必要なサービスを提供するような形にこれはまずなっているんでしょうか、法案の中身が。なっているか、なっていないかだけで結構ですので、お答えいただきたいと思います。
木村副大臣 なっております。
武山委員 それでは、国が大きな方針を決めて、そしてその計画を県と市町村でつくるということですけれども、その地域の実情に合ってやはりすべきだと思うんですよね。それで、いわゆる出生率も地域によってやはり違うということを数値の上でわかっているわけですから、少ないところと、例えば先日聞いたお話ですと、鹿児島は二・五倍だ、でも全国の平均は一・三二だ。ですから、地域によって多種多様な、その地域のいわゆるどういうことをしたらいいかというニーズと、それからこういうことをしたらいいということと両面でやはり地域がつくるべきだと思うんですよね。
 それで、地域における子育てサービスということで、いろいろなメニューがそれぞれありますけれども、地域は大変いろいろなことを要求もしてくるかと思うんですよね、多種多様な。その中で、できるだけどれもこれも本当に考えて、必要だという政策は打つべきだと思います。
 それで、その中で、特に仕事と子育ての両立の支援ということで、子供の看護休暇制度の普及率が、これは努力義務で今まで行っておりますけれども、これは二五%、こんなにとっているのかなということを思いましたけれども、実態は、全国の平均になるのと、それから地域で行われている実態と違うと思うんですよね。このあたりの実態をぜひ御説明いただきたいと思います。
木村副大臣 今調査を実施しているところでございまして、現状は八%ぐらいだそうでございますが、これを今先生がおっしゃったような二五%まで、八を二五%まで引き上げたい、こういうことでございます。
 それから、先ほどファッションという話がございましたが、ちょっとお時間をいただいて。
 実は、これはパートの方ですが、家計の足しにするためというのが六〇%近いんです。それで、余暇時間を利用するためというのが二〇%そこそこなんですね。ですから、やはり家計の足しとか、そういう生活が本当にかかっている人たちが六割あって、先生の言うファッションというのは言葉が当たらないかもしれませんけれども、余暇の時間とかというのは二割ぐらいだ、こういうアンケート数字もありますので、よろしくお願いします。
武山委員 そうしますと、ここの厚生労働省からいただいた資料で、基本的な施策というところで、子供の看護休暇制度の普及率二五%というのは目標ですね。そういうことですね。実態は八%だ。非常に低いですよね。
 この子供の看護休暇というものも、やはりぱっと、学校やら保育園やら、あらゆるところで子供を預かっているところから連絡が来た場合はすぐ戻れるような、こういう場合は本当に社会全体が共通の普遍的な認識を持たないと、これは普及しないと思うんですよね。本来でしたら、子供の最悪な、熱を出したとか、緊急の事態ですので、やはりとれるようにすべきだと思いますけれども、これは努力義務ということで、今度義務化されると思いますけれども、この辺がきちっと義務化されないと、いわゆる仕事と子育ての両立ということでは一つの推進にはならないと思います。
 それから、育児休業取得率ということで、男性が実態は非常に少ないということなんですね。これは本当に実効性を高めるためにはどのようなことを考えておりますでしょうか。
木村副大臣 私もその辺に関しては余り偉そうなことは言えないんですが、男性がそういう育児休業をとれるということをまず理解していただくのが大事だな、こういうふうに思っているような次第でございます。
 さらに、そういう中にあって、あとは、今度は企業がそれぞれ自主的に行動計画というのを決めていただくわけでありますが、そこでどのようなことでどういう形で埋めていただくか、そこの中でできるだけ取り上げていっていただくということが重要ではないか、こういうふうに思えてならない次第でございます。
 それで、この企業の行動計画というのは、法律で決まっていること以上に幾らでもこれは企業で自主的にやれるんです。ですから、先ほど先生がおっしゃっておられた、例えば有期の方々の育児休業のことがありましたけれども、それは企業によってはどんどん先取りしていただいて結構でございますから、その辺は企業に活用してくれということで、そういう雰囲気もやはり盛り上げることも重要かな、このように思っているような次第でございます。
武山委員 やはり日本の社会は中小企業がほとんど、もっているところは中小企業でもっているわけですけれども、大企業の場合は少ないと思うんですよね。三百一人以上は千二百社という説明がありましたけれども、やはり中小企業で父親の育児休業取得というのは大変難しいと思うんですよね。
 ですから、その辺の、いわゆる子供が生まれたら父親が五日間の休暇を取得なんというのは、どういうふうにして実効性を高めるのか。その辺が非常に問題ですよね。大いにとってもらいたいと思いますし、男性も含めた働き方の見直し、それから多様な働き方の実現ということですけれども、労働時間の短縮、まず労働時間を短縮するということがやはり最大のすべきことだと思うんですよね。労働時間を短縮することによって、家庭で父親と子供と、また家族の過ごす時間というのがふえてくると思うんですよね。
 ですから、小学校就学の時期までの勤務時間短縮の措置とかということですけれども、これは本当に相当数の多い、小学校就学ですから六歳までだと思うんですね。これは本当にできるのかなと思いますけれども、この辺の道筋はどのように考えておりますでしょうか。
木村副大臣 これは、今申し上げましたように、まず男性の方がそういうものをとれるんだという感覚、むしろ男性の方からすると、残業代をもらわずに家に帰るよりは、できるだけ収入があった方がいいんじゃないかという思いを持つかもしれませんし、やはりどうも男としてできないななどと思う男性の方々もおられるかもしれませんし、それはある程度男性の方々が育児に対する重要性を持っていただく以外にない。私に言う権利があるかどうかはともかくといたしまして、そういうことがやはり重要じゃないかな、こういうふうに思えてならない次第でございます。
 それからもう一方では、やはりそれを受ける側の企業がどこまで理解が進むかということになるわけでございますけれども、そのために今度の次世代支援法というのをあえてつくらせていただいて、この法律の中において、まさに企業におけるそういう意識を高めていただく。そして、企業としてこういうことをやっていただくのが当たり前なんだ、それが理解が得られる企業だ、そこにまた優秀な人材が集まってくるんだというような、そういう先進的な施策をとる企業に優秀な人材、優秀な女性が集まってきていただける、また優秀な男性も集まってきてくれるんだということであれば、恐らく双方が、みんながいい方向になって、先生がおっしゃられたようなことが着実に進んでいくんではないかな、こう思えてならない次第でございます。
武山委員 これは行動計画で目標を定めて、目標達成のために講ずる措置をするということですけれども、結局、目標を定めて、目標を達成すると。目標とずっと口で何とでも言えると思うんですよね。口では、意識などと言うのは、一言二言で、意識ですからね。でも、その意識を変えるという、変わりましたでしょうか。少子化、少子化と何十年も言われてきて、実際はほとんど変わっていないわけですよね。
 ですから、意識を高める、意識を変える、目標を定める、目標を達成する、これは本当に変えられるのかなと思うんですけれども、その辺に対して、ただ口で言っていればいいんでしたら、百万遍だれでも唱えられると思うんですよ。でも、それを本当に達成するということはどういうことなんでしょうか。
木村副大臣 孟子の教えでも、三回言うととか、そういうあれをすると大分意識が変わってくるというような話もございますし、読書百遍おのずから意通ずというようなこともあるので、やはり耳にインプットされているということは、それなりに意識を高めるような一つの方針になると思います。
 そして、まさにそういう意識の変革のためにまずこの法案をつくったわけですね。だから、これはやはり一つのきっかけに十分なると私は思うんです。それで新しい流れをつくっていかなければいけない。そこはやはり先生も御理解いただいて、恐らくそういう先生のような御質問が出てくるのだろうと思うので、これはお互いに意識が高まっているからにほかならないわけであります。
 しかし、中には、おっしゃるように、変わっていないところもあるかもしれません。それは、これからやはりみんなが努力していく以外に方法がないわけでございまして、そういう中で、さっき言ったように、この厚生委員会の中で解決できる問題もあれば、そうではない、ほかの委員会にもまたがる、ほかの役所にもまたがる、あるいは政治の分野だけではできないような場面もあるかもしれませんけれども、そこは政治家がイニシアチブをとってやっていく以外に、この日本の国の少子問題、高齢化問題、それから次世代対策、こういうものを解決する道はないわけでありますから、それはお互いが苦楽をともにしながら前進をしていく以外にないのではないか、私はこのように思えてならない次第でございます。
武山委員 いや、苦楽をともにするんでしたら、もっときちっと考えて、そして柱をきちっと立てて、目標もきちっと立てて、それが実行できる、そういう目標を立ててやらないと苦楽はともにできません、正直言いまして。口では何てだって言えるわけですから。
 今まで改革、改革とずっと叫んできて、何ができましたか。例えば政府委員制度廃止とみんなで決めました。でも、実際は政府委員制度は廃止されていないですよね、現実には。政府参考人として名前を変えて来て、それで堂々と答弁しているじゃないですか。そういうふうにして、意識というのは、どれ一つをとっても変えていくということは大変なことなんですよね。
 ですから、私がここで言いたいのは、また同じように目標を立てて、目標を達成するために行動計画を立てる、同じことをいつも言っているわけなんですよね。少子化対策のためにエンゼルプランも立てた、何も立てた、育児休業も。でも、それに対して一定の効果があるといっても、それはほんのちょっと、ゼロよりは効果があったという程度で、五〇%以上の効果というのは目に見えてないわけですよね。
 ですから、今までのそういう経験と反省からもっと、ただの半歩や一歩じゃなくて、本当に達成できるための実効性のあるものをどうしてつくったらいいかということが大事じゃないかということを実は私は言いたいんです。ただ意識を変える、目標を定めて、口では何でも言えるから、ですから、それを実効性を高めるためにどうしたらいいかということが一番の問題だと思うんですよね。
 ぜひ厚生労働大臣に、実効性を高めるための、どうしたらいいかということをお答えいただきたいと思います。
坂口国務大臣 今までやってまいりましたことも、私はそれなりに意義があったというふうに思っておりますし、エンゼルプラン、新エンゼルプラン、それも実行されることによりまして、現実がかなり変わってきたことも事実でございます。
 しかし、子供を産む産まないの問題は、それぞれの時代を生きる人の意識の問題でございますから、そういうふうにしたからといって、子供の数がふえてくるという問題では必ずしもないというふうに私は思います。しかし、本当は産みたいんだけれども、現状が悪いので、この現状の打開が必要だというふうに言われるのであれば、我々はそれに対応して変えていかなければならないというふうに思っております。
 したがいまして、これからも多くの若い皆さん方が、本当は私たちは子供を産みたいんだ、そのためにはこういうふうに変えてほしいというふうにおっしゃるところについて、我々は改善を加えていかなければならないというふうに思っております。そういう点を中心にいたしまして、我々もこれからも努力をしたいというふうに思います。
武山委員 いろいろ若い人に聞きますと、やはり子育てに非常にお金がかかるという話がよく出ます。児童手当の拡充とかありますけれども、今の児童手当は額が非常に少ないわけなんですね。ですから、思い切って小学校、中学校、高校ぐらいまで卒業するぐらいまで、思い切った、本当にドラスチックな経済支援を個々の家庭にするとか、何しろ外に預けないとそこで支援ができない、外に預けないとそこで相談してもらえない、家庭の外に出ていかなきゃいけないというような今の対策なわけですよね。
 ですから、それだったらドラスチックにもっと大きな、半歩や一歩どころか、十歩も二十歩もという意味で、なるべく中学、高校と、やはりそのくらい児童手当の拡充なんかができたら随分違うと思います。これを最後につけ加えさせていただきまして、私の質問を終わります。
宮腰委員長代理 次に、阿部知子君。
阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
 本日は、共産党の小沢委員の心広い御配慮によって、私の方が質問時間を先に譲っていただきまして、この時間帯に質疑をさせていただきます。
 私は、まず冒頭、先ほど来の武山委員と、あるいは木村副大臣の御答弁などをお聞きしながら、やはりこの法案の趣旨というか基本理念と申しますか、何のためにこの法案をつくるのであろうかという骨格をちょっと論じさせていただこうかと思います。
 この次世代支援対策の推進法でございますが、開いてまいりますと、第三条ですね、「次世代育成支援対策は、父母その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本的認識の下に、家庭その他の場において、子育ての意義についての理解が深められ、かつ、子育てに伴う喜びが実感されるように配慮して行われなければならない。」とございます。
 この一文はある意味で当然といえば当然で、子育ての第一人者が親であり、そのミクロコスモスと申しますか、子供を取り囲む一番最小単位が家庭であるということは認識した上で、さて、例えば私どもの現代社会は、多様に働き方や家庭環境の変化やさまざまな変化要因がある中で、本当に子供たちをサポートしていくために、むしろ社会の側が何を組み立てていくかということで、次世代支援対策推進法というのがあると理解しておりますが、冒頭恐縮です、質問予告してございませんが、坂口大臣にその点の確認をお願いいたします。
坂口国務大臣 それは、今御指摘になりましたとおり、私もそのとおりというふうに思っております。
阿部委員 こういうことを申しますのは、実は私は小児科医療の現場にいて、もちろん現代の御両親というものが、やはり子育てということに対して、例えば坂口大臣とか私自身が子育てした時代とは違う環境に置かれていて、さまざまなストレスを感じていて、そしてそれがまた逆に、あなたたちの育児態度、あなたたちの家庭的責任、あなたたちの親としてのあり方が問題なんだというふうに返されたら、本当にそれで元気に子供を育てていけるようなパワーを得られるだろうかというと、決してそうではないと思うのです。
 昔々から振り返れば、時代は、三歳児神話というもののように、三歳まで親がしっかりと育てないと、子供は、例えばですが、昔よく言われました、ぜんそくになるぞ、不登校になるぞ、落ちこぼれるぞと。本当に親はやはり一番子供と密な愛情に結ばれておりますが、だがしかし、その親すら今社会の中の存在として不安定要因をさまざまに抱えているからこそ、子育てというところにまたいろいろな問題も出てきておると思うのです。
 私は、きょうここにお残りいただいた多くの議員の皆さんが、やはりこれまで、子供の問題はマイナーだし、それから子育てということがこういうところで論じられることもそうそうはなかったけれども、むしろこの視点、子育て中のお父さんやお母さんが、本当に子育てにリラックスして、本当の意味で自分たちの成長の一過程として取り組んでいけるよう、あるいは家庭という巣を失った子供たちにも、この社会が温かいはぐくみを用意できるような国でありたいと思って質疑をさせていただきますので、冒頭、前置きが長くなりましたが、一言確認させていただいてから、次の質問に入らせていただきます。
 これも質問予告していなくて恐縮なのですが、坂口大臣にお伺いいたします。
 私は、先回の質問で小児救急医療のことを質問させていただきました。昨今、子供がせっかく生まれてきて、そして医療を受けられずにみすみす死んでいくような時代になっちゃったということはとても不幸ですし、何とかせねばならぬ、これで質疑させていただきましたが、もう一方で、やはり私は、きょう山井委員も問題にされたと思いますが、児童虐待という問題が大きく現実に起きてきている、クローズアップされていると思うのです。
 大臣の御認識をちょっと伺うようで恐縮なのですが、大体児童虐待の報告されている数、年間にどれくらいおありか、御想像がおつきでしょうか。
坂口国務大臣 どうも十分な知識がなくて恐縮でございますが、今まで聞いた、二、三万程度でございましょうか、アバウトな数字しか覚えておりませんで、恐縮でございます。
阿部委員 私が六カ月前にちょうだいいたしましたデータによると、実は私はずっともう折あらば児童虐待を問題にしたいと思っていましたが、なかなか委員会審議でこのテーマを正面から取り上げる時間がなくて、六カ月前に質問をいたしましたことのデータをちょっとひっくり返してみると、平成十二年度で新規発生件数が三万五千人とございました、被虐待。もちろん、残念ながら年々ウナギ登りと思いますが、さらに近々のデータをお持ちでしたら、雇均局の方からお願いいたします。
岩田政府参考人 統計的に把握できますのは、全国の児童相談所に相談があった件数でございます。これは直近の数字が二万三千件でございます。
 今委員が言われました数字は、児童相談所が把握できていない、児童相談所には通報や相談がなかった件で、しかしながら病院ですとか保健所ですとかほかのところで、ほかの関係機関、施設で把握したものを調査されて全国推計をされた数字だというふうに思いますので、児童相談所が把握しているのは、全体の中の相当部分は把握できていると思いますけれども、必ずしも全部ではないということです。
 それで、児童相談所の最近の状況ですけれども、児童虐待防止法の制定前後から物すごい勢いで相談件数が伸びました。そして十四年度、まだ集計はできておりませんけれども、十四年度になって初めて増加の傾向の頭打ちが見られてきておりますので、従来のような増加傾向は一応おさまったのかなという感じはいたしております。
阿部委員 今の御報告を伺いますと、児童相談所で把握するものは全体の約三分の二、私のような、医療機関にいたり、あるいはそのほかの子供のホットラインのようなところ、あるいは学校関係者等々全部ひっくるめると、平成十二年度で三万五千。
 やはり私は、これはお願いでございますが、正しい状況認識を常に厚生労働省としては把握に努めていただきたい。本当にこの問題、なかなか子供から発信できないものですから、お願いをいたしたいと思います。
 重ねて大臣にもう一つ、恐縮ですが、御存じでしたらちょっとお答えいただきたいですが、この児童虐待防止法が制定されて以降、児童が虐待によって死亡した数の総数を、報告されている総数を御存じでしょうか。
坂口国務大臣 きょうは口頭試問みたいな日でございまして、申しわけございませんが、私存じておりませんので、局長の方から答弁させていただきます。
岩田政府参考人 私が把握しておりますのは、百八人ぐらいだったと思います。百十人には行っていなかったと思いますが、百人は超えております。
阿部委員 平成十二年度に児童虐待防止法が制定されて、三年後の見直しが迫っておりますけれども、私ども子供にかかわる者から見ますと、子供が一番死亡する原因として、今ほとんど重い病気が少のうなりましたので、それからあと救急医療も充実すればもっと少なくなりますでしょう、そういうことを勘案して、やはりこの百八という数値は非常に多いと思うのです。
 それが、子供が一番大好きな、子供は、例えば虐待している親であっても、その親が大好きなんですね。決して子供から自分の親が虐待したということを言わないくらいに親をかばうのです。その一番大好きな親から殺されている数が百八ということは、非常に社会として深刻に受けとめなくてはいけないことだと思いますので、冒頭、坂口大臣を試問して恐縮ですが、でもやはり大臣に深く認識していただければきっといい政策が生まれるという私の高い期待だと思って、お許しください。
 きょう私が冒頭ここで問題にしたいのは、いわゆる児童養護施設でございます。これは午前中の山井委員の御質疑にもございましたが、児童養護施設、今、日本全国五百五十カ所ほどございますでしょうが、そこの子供の保育にかかわる保母さんの数等々が非常に貧弱であるという指摘を水島委員も山井委員もしてくださったと思います。
 私が今ここで取り上げたいのは、養護施設で起こった児童虐待でございますが、まずもって、この養護施設、職員の手も少ない養護施設に近年入所する子供たちの特徴について、雇用均等局としてどのような把握がございますでしょうか。
岩田政府参考人 児童養護施設に入所する子供の近年の特徴ですが、二つございまして、一つは、その数がふえているということでございます。二番目は、その入所する子供の中に占める虐待を受けた子供の割合、これが上がっているということでございまして、直近の数字では五割を超えるといったようなことになっております。
阿部委員 本当に今のお答えにいただいたとおりで、子供の数全体は減っているのに、虐待をされて児童養護施設に入所しなきゃいけない子供の数はふえている。
 児童福祉法の一部を改正する法律で、今回四十八条の二で、児童養護施設が地域からのいろいろな子育て相談やさまざまな子育て支援の業務に取り組むように定めているわけですが、私から見れば、その受け皿であるところの児童養護施設が果たしてそれに足るだけの十分な人員、素養そして広がりを持っているかというところをきょう質疑させていただこうと思います。
 実は、私は、議員になる前に、湘南地方の鎌倉にございます病院に勤務しておりまして、その私の勤務しております病院のすぐ近くに鎌倉保育園という、保育園と名前がついておりますが、養護施設がございました。日本で一番古い養護施設で、一八九六年、今をさかのぼること百十何年前に、百十年近くですか、佐竹音次郎という小児科のお医者さんが私財を全部なげうってつくった養護施設で、本当の意味では、本当は社会貢献したいと思ってつくられた施設が、だがしかし、百年たった中で非常に深刻な児童虐待を起こしていた。職員が入所している子供を殴るける、そして親御さんのところに逃げ出して、お父さんが児相に通報してわかる。
 私はたまたまその近くの病院に勤めておりましたので、そこの子供さんがしょっちゅう私のところに受診してきて、体の上ではさして悪くないのに、どうしてこの子はしょっちゅう私のところに来るんだろうと思っていたので、とても鮮烈に覚えているのですが、今思い返せば、子供は私に、第三者である私に何らかのSOSだったのではないかと、その後に虐待事件が数多く発覚して思ったことがございました。
 前置きが長くて恐縮ですが、実はこうした事件は、一九九五年の福岡の育児院、一九九六年の千葉の恩寵園、そして一九九九年の城山学園そして鎌倉保育園と、一九九〇年代の後半から相次いで起こっております。
 このことをいろいろ分析するお立場に厚生省はおありと思いますが、まず、これらの児童養護施設における職員による児童虐待についてはどのような総括の視点をお持ちになり、今回この法案の中でこういう窓口にというふうになさったのかということを一点お伺いいたします。
岩田政府参考人 児童養護施設など施設の中での虐待が時々明るみに出ておりますが、こういうことは決してあってはならないことであるというふうに考えております。
 今委員が言われましたように、一九九〇年代の後半くらいからそういった事件が立て続けに出たということもございまして、厚生労働省としては、まず平成十年にやったことですけれども、児童福祉施設の最低基準を改正いたしました。施設長は懲戒権限を持っているわけですけれども、その施設長の懲戒権限の乱用を禁止するということを児童福祉施設最低基準の中で明記させていただいたわけでございます。
 それから、平成十二年になってでございますけれども、これは児童養護施設だけではなくて社会福祉事業全般についてのことでございますが、社会事業法の一部改正がございまして、利用者からの苦情の適切な解決に努めるための改正があったわけでございます。これを受けて、児童養護施設の関連については、例えば子供からの苦情を受ける窓口を施設の中で整備するということを徹底させましたり、また、施設の外の第三者機関として社会福祉協議会の中に運営適正化委員会などを設けるなどしまして、万が一発生をしたときに苦情が解決できやすいような、そういう仕組みを今整備してまいっているところでございます。
 こういう事件があるということは、もう本当にあってはならない残念なことなんですけれども、一つは、職員の子供の人権に対する理解の弱さというんでしょうか認識の低さと、それからもう一つは、やはり施設の閉鎖性ということがあるように思います。今後とも、施設内の虐待が決して起こることがないように、職員の研修その他、徹底してまいりたいというふうに考えております。
 今般の改正は、児童養護施設が、難しい問題と言ったら言葉が適当でないかもしれませんが、非行の子供あるいは虐待を受けた子供、そういったような子供もお預かりをして養護してまいっております。そういう長い歴史の中で、子育てについての高い専門性、深い経験を積んでいるというふうに思いますので、そういったものを地域における子育て支援に役に立てていただこう、児童養護施設というのは、入所施設の子供をしっかり養護するという大事な役割は持ちつつ、それと両立する範囲内で、地域における子育て支援に専門性を発揮していただこうというふうに考えているわけでございます。
 また、この取り組みは、施設を閉ざされたものから地域に開放したものに変えていくということでもございますので、先ほどの、あってはならない施設内虐待というのをなくすということにも結果としてつながることではないかと考えております。
阿部委員 私は、この問題に解決策を、思いつく限りでも五つくらいあると思うのです。一つは、山井委員が御質疑になりました、預かっている児童対職員の数の見直しでございます。ただでも虐待されて人間の信頼関係を築きづらい子供が入所者の半分を占めているわけで、これまでの職員基準でいいのかどうか。
 そして、基準は基準で、現実には基準を満たしていないところがいっぱいあります。例えば、今基準、六人対一人とした場合に、鎌倉保育園では、現実には十五人の子供を一人の保母さんが見ていました。そして、一室で寝起きして、朝四時に子供たちを起こして、一日じゅう一緒の生活です。そうすると、六時ごろには寝てもらわなきゃいけないから、就寝させたい、でも起きている子供がいる、ついついいらいらする。本当に職員基準はきちんと現実に配置されているのか。それから、児童の質というか抱える問題が変わってきているときに、なおこれで十分なのか。
 今回の法律ができて何が変わるんですかということを皆さん御質疑でいらっしゃいますが、本当にこの法律をきっかけにそういう現状の把握が一つでも前に進めば、やはり皆さんの熱心な審議の結果と受けとめたいと私は思いますので、この一点はぜひとも調査し、現実にどれくらい必要なのか、見直すということをお願いいたしたいと思います。
岩田政府参考人 児童養護施設など児童福祉施設につきましては、職員配置についての最低基準がございますので、これについては、各都道府県が定期的に立ち入って調査をするなどで、その履行の確保に努めているところでございます。
 また、この最低基準だけではなかなか対応しづらいような、虐待を受けたお子さんの入所比率が上がっているということもございますので、これまでのところ、例えば心理療法の担当の職員を配置する、あるいは虐待を受けたお子さんに対して個別に対応できるような職員を配置するといったようなことについて、予算上の加算をしてまいりました。
 これでもまだ十分ではないという御議論がきょう随分ございましたけれども、実は、社会保障審議会児童部会の中に、社会的養護のあり方について、専門委員会を五月から立ち上げて検討をいただいております。その中で、児童養護施設などの施設のあり方、職員の体制のあり方、そういう問題についても検討してまいりたいと考えております。
阿部委員 あと、実際に職員のキャリアなんですが、平均在職年数一年五カ月とか、短大を卒業されてそこの職員になって一年五カ月とか、若い方が大半だというような調査もございます。
 私は、年であればいいとかは思いませんが、やはりキャリアのいろいろな層の厚さがないと、子供の出してくる信号とかわがままとか甘えとか、さまざまなものに十二分に対処し切れない。今おっしゃったのは、こういう児童相談の専門員を置こう、あるいは心理のカウンセラーを置こうという、いわばぽつぽつぽつであって、職員全体の構成がどのようなものであるかというところも実態を把握していただきたいと思います。これは質問ではないので、要請です。
 そして三番目ですが、子供たちにとっての居住面積ですが、一人当たり三・三平米、二畳分ですね。ここで布団も敷き、勉強もし、何から何まで行うわけです。そして、一室に、先ほど申しましたように、多い場合は十五名とか入ってしまう場合もあって、これは場所によっては、男の子と女の子が高校生でも同室になってしまったりするところも現実にはあるわけです。
 居住空間三・三平米の見直しあるいは個室化あるいは施設のダウンサイズ、グループホーム化ということについてはどのような取り組みがあるでしょうか。
岩田政府参考人 今委員がおっしゃいました居室面積児童一人当たり三・三平米というのは、児童福祉施設最低基準の水準でございます。国が補助対象としております施設の面積は、ちょっと今手元に数字はございませんで、記憶していないんですけれども、これよりも相当広い面積に対して国の施設整備費の補助は出ることになっております。
 また、平成十二年度の予算におきまして、今委員がおっしゃいましたような問題意識から、施設整備の際の補助面積を大幅に改善いたしまして、従来、大部屋が中心でありましたけれども、これを二人部屋にできないか、またさらには個室をもっとふやせないかということで、改善できるような補助制度に改めているわけでございます。
 また、養護を必要とする子供、特に虐待を受けた子供などについては、できるだけ家庭的な環境のもとの中でしっかり養育していく必要があるというふうに思いますので、施設も大型ではなく小規模のもの、例えば、地域小規模児童養護施設という名前で呼んでいるんですけれども、平成十二年度から、六人ぐらいの子供に大人二人が一緒に生活をするような、そういった小規模の施設を整備していただけるような補助金制度もつくったところでございます。その箇所数を、十五年度予算においては、従来の二十カ所から四十カ所に拡大をさせていただいております。
 まさに、今委員が言われましたように、施設のあり方、小規模化ですとか大規模の施設の中でのユニット化ですとか、子供たちの居住環境といいましょうか生活環境の改善についても、先ほど申し上げました社会的養護のあり方に関する専門委員会などの場でこれから検討してまいりたいと考えております。
阿部委員 一つ確認ですが、平成十四年度の二十カ所は、現実に二十カ所できたでしょうか。
岩田政府参考人 二十カ所できております。
阿部委員 では、それがさらに四十カ所、そしてやはり小規模化ということが現実に、本当にどんどん進められることを私は期待しておりますので、よろしくお取り組みをお願いします。
 そしてもう一点、実は先ほど、子供が、自分が虐待というか、自分の不利益あるいは困難を訴えたいと思った場合に相談する箇所の問題ですが、岩田局長の御答弁では、その施設内に苦情受け付け窓口を置く、例えばポストですね、それから社会福祉協議会の中に窓口を置く、あるいは児童相談所の中に置く。
 ただし、子供はすごく賢くて、児相というのは自分を措置した、自分の処遇を決めたところですよね。自分の処遇を決めたところに自分が文句を言っていっても、どうせ施設と児相はツーカーじゃないかというふうに、これは子供の言葉です。何で言っていかないのと言うと、あっちに言っていったら、こっちにわかっちゃうものという言葉をよく私も聞きました。そして、鎌倉保育園をめぐる問題でも、その後のいろいろな検証で、児童相談所が十分そういう窓口にはなっていないという総括がありました。
 私がここでお願いしたいのは、やはり例えば子供ホットラインのような、本当に民間の方も参加したようなホットラインの設置を国が何らかの援助をしながらもっともっと広く行っていただく。要するに、自分と直接かかわりない第三者性があるところで子供たちがSOSを出せないと、なかなか子供にとっては助けの言っていく場がないと思います。これはまた、先ほど岩田さんがおっしゃった今後の検討課題に入るのかもしれませんが、ぜひそうした場合は第三者機関で、子供たちの措置に直接かかわらないところに窓口を設けていただきたいと思いますので、御答弁だけお願いします。
岩田政府参考人 児童養護施設の中に、最低限、苦情の窓口を設けるということは必要だというふうに思いますが、私が訪問した児童養護施設の中で、非常に進んだ取り組みをしている例では、そこに外部の相談の電話番号が張ってございまして、弁護士さんの電話番号なんですけれども、ここにいつでも電話をしなさいという掲示がございました。そういうことで、施設によっては非常に前向きの取り組みをしていただいているところもあるというふうに思います。
 子供のホットラインについてのお尋ねでございますが、やはり国として支援をしておりますのは児童相談所の取り組みでございまして、児童相談所の中には、子供の相談を専らできるような電話相談体制を講じているところもございます。また、民間の団体の活動でございますが、チャイルドラインという活動が今全国的に展開されておりまして、全国で今五十団体以上、五十以上の取り組みが広がっているのではないかというふうに思っております。
 公の役割、民間のそういった活動、それぞれあろうかというふうに思いますけれども、今後とも、子供たちが権利侵害を受けたときの救済の問題についてはしっかり考えてまいります。
阿部委員 私は、本法案の審議は、そうした社会的なセーフティーネットのあり方についてみんなが認識を深めて、一番権利の弱い子供たちに対して、あるいは本当に親の虐待というのも、親が虐待に走るときというのは、親自身も困難な状況を抱えたり、SOSを出せない状態にあるときですので、そういう周りの支援体制をここが論議する場であってほしいと思います。
 ここでまた坂口大臣にちょっとだけ質問させていただきたいのですが、坂口大臣は、病虚弱児のための養護施設というのが、今の私が質問していたのは普通の児童養護施設なのですが、病気を持って、例えば糖尿病とか腎不全とか、未熟児網膜症があったりしてお目が見えないとか、何か病気を持った病虚弱児のための養護施設というのが我が国にはあって、それが多分平成九年の児福法の改正で養護施設に一体化されるという経緯があったことは御存じでしょうか。
坂口国務大臣 それは聞いております。
阿部委員 私はこの問題でも、一体化するという方向になったのですが、そしてそれに伴って、実はことしの四月で、東京都が千葉の成東というところに持っております病虚弱児のための養護施設が閉鎖され、来年は一つ、静岡県にございますやはり同じような東京都の病虚弱児施設が閉鎖されるのですが、果たしてここで、病気を抱え、保育も必要、教育も必要という子供たちの行き場が十二分に受け皿として整備されたかどうかということが一点、非常に不安なわけです。
 私のところに寄せられたいろいろな声によりますと、病気がある程度以上重い子は、病院に三カ月とか入院して、またちょっとの間どこかに退院、そしてまた普通の病院に三カ月入院を繰り返しておったり、それから、児童養護施設の方で受け入れて、それなりの、保母さん以外に看護婦さんとかをつけて、設備を整えようということではあるが、看護婦さんが非常勤であったりして、十二分に医療的なケアのいわゆるカバーができないという指摘も受けておりますが、この件については岩田局長はどのようにお考えでしょう。
岩田政府参考人 虚弱児施設も、戦後の子供の健康問題を反映しているんだと思いますが、当初は結核のお子さんが大変多かったそうでございますが、その後、その比率が著しく小さくなりまして、今度は身体虚弱のお子さん、それからぜんそくのお子さんが大変ふえてきたという状況があったそうでございます。さらに、直近の状態では、登校拒否ですとか心身症ですとか、むしろ、体の虚弱というよりも、心の病気を持ったお子さんのウエートが高くなってきたということがございまして、そういったことを背景に、虚弱児施設は、制度として通常の児童養護施設の中に吸収されたというふうに理解をいたしております。
 そのときに確認されておりますことは、その結果、子供たちの処遇が低下するということがあってはならないということで、例えば看護師などについては、引き続き定められた人数を置いていただくということについて助成の対象にするなど、必要であればやってきておりますので、児童養護施設になったとしても、病虚弱児ということで、特に個別の対応が必要な場合には個別対応職員を配置するとか、今申し上げましたような看護師を配置するとかということで、必要な体制をとることが入り用だと思っております。
    〔宮腰委員長代理退席、委員長着席〕
阿部委員 私は、やはり厚生労働省として、もう少し緻密な子供たちのフォローアップをしてみていただきたいと思うんです。さっき申し上げたように、三カ月で病院をたらい回しという子もいるし、それから常勤のナースがいない養護施設もあります。
 私は、これから案じているのは、虐待によっても身体的な障害を残した子がやはり発生しているし、くると思うのです。その子たちにとっても、医療と同時に保育と、そして教育を受けられるような生活の場がないと、本当に私たちの社会は子供たちを見捨て去っているということになりますので、私は、今の、きょうの岩田局長の答弁はそれとして伺いますが、その実態把握、フォローアップ、追跡調査をちょっとしてみていただきたいです。そして、いずれそれが出た段階で、また審議を重ねたいと思います。
 坂口大臣にひとつ御答弁いただきたいですが、実は、こういう医療を伴っている児童養護施設、平成九年の改正で既に養護施設に吸収合併されていくことが決まったものについては、現在でも一応、成東まで入れると三カ所、みちのくみどり学園と、関西に健康の里、そして首都圏には成東というのがございました。今後の成り行きにもよりますでしょうが、やはり医療、教育、保育が三つ必要な子供たちがおるとすれば、エリアごとにそうしたことに国が力を、補助なりを入れていくということも私は考え得る。今の岩田局長のは、養護施設に個別にナースをつけたりなんなりしたと。それで十分にやっていければよろしゅうございますが、私は、反面、医療的ケアを要する子が、子供は少なくなっても、さまざまな事情であると思いますので、その点については、こういう問題の所在もどこか念頭にとどめておいていただくということをお願いしたいですが、いかがでしょうか。
坂口国務大臣 養護施設の中に入り切るのかどうか。入り切るといいますのは、お子さんの持っております疾病その他の問題で、その中に入り切れるのかどうかということもあるだろうというふうに思いますが、先ほど局長から答弁ありましたように、医療施設者もそこに加わって、そして、総体でそういうお子さんを見ていくというのも一つの方法ではというふうに私も思って聞いていたわけでございますが、今後、少し状況をよく見まして、そして、そうしたお子さん方が無事にやっていけるようにどうしたらいいかといったことを少し考えていきたいと思います。
阿部委員 重ねてお願い申し上げます。
 最後の質問ですが、今までの質問は、次世代支援対策推進法の一、二、三までを伺わせていただいて、これから四以下一括してただ一つだけ伺おうと思います。
 この法案は、地域において、あるいは企業において子育てがより支援しやすい体制になるようにさまざまな枠組みを決めておりますが、その中に、企業に対しては、次世代育成支援対策推進センターというものをつくって、そこで企業の事業主支援をするということが第六にうたわれ、第七には、次世代育成支援対策の推進を図るために、地域で次世代育成支援対策地域協議会を置くということがうたわれております。
 支援センターの方は、雇用者側がよりよい育児休業のとり方等について考えるわけですが、この点は後ほどきっと小沢委員が御質問と思いますので、私は、地域協議会の方に地域のさまざまな働く実態を含めて、教育関係者、福祉関係者、事業主、地方公共団体によってつくるという支援対策地域協議会の中に、労働団体、あるいは岩田さんがおられる雇用均等局、あるいは産休がきちんととれなかったということの駆け込み寺になるような労基署など、労働者の側にかかわる、勤労者の側にかかわる分野を担う方たちを入れるようなガイドラインにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
岩田政府参考人 地域協議会の構成ですけれども、第二十一条をお読みいただきますと、これはいわばだれがつくってもいいということになっております。例としては、地方公共団体が中心になって、その地域の事業主団体や労働組合や児童福祉の関係者、教育関係者、それらに広く声をかけられて、そして地域の行動計画を策定するに当たっての議論をする、あるいは行動計画の進捗状況をそこで評価するといったような、そういう地域協議会もあると思いますし、特定の領域といいましょうか、子育て支援をやっているようなグループが集まった地域協議会もあるでしょう。家庭教育の問題を議論するような教育関係の方のお集まりの地域協議会もあるというふうに思います。
 いずれにしろ、それぞれの地域で、やりたいと思う人が自由にやっていただいていいという仕組みでございますので、どういう構成メンバーになるかというのは、本当にその地域の自主的な判断次第でございます。労働組合が入るとか、私どもの地方機関でございます地方労働局の関係者が入るということもあっていいということでございますので、そういうふうに、構成については柔軟に、地域が自主的に判断できるということは、指針その他でしっかり明らかにしてまいりたいと思います。
阿部委員 せっかくつくられるんですから、きちんとした、本当に今の雇用均等局の声が入るようなものにしていただきたいと思います。
 終わります。
中山委員長 午後四時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後二時四十二分休憩
     ――――◇―――――
    午後四時開議
中山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。小沢和秋君。
小沢(和)委員 先日は次世代育成支援法についてお尋ねをしましたので、本日は児童福祉法改正案を中心に質問をいたします。
 これまで児童福祉は、主に共働き家庭の子供など、保育に欠ける子供及び要保護対策のための法律として発展してまいりました。今回、専業主婦のいる家庭を含め、すべての家庭の子育てを支援するものに改正するということで、この改正の意図はよく理解することができます。
 私は、専業主婦の方が共働き家庭の主婦より子育てに自信がないとか負担に感じている比率が高いという数字を見て驚きました。地域社会のつながりが希薄になっていることが、子育てをしている女性をばらばらに孤立させて、どんなに困難な状況に陥れているかを痛感いたしました。こういう女性たちにどういう子育ての援助を政策として展開していくのか、まずイメージがつかめるように簡潔に説明を伺いたいと思います。
坂口国務大臣 もうそれは御指摘のとおりでございまして、お勤めになっている皆さん方ばかりではなくて、地域においておうちにおみえになります皆さん方の子育てというものに対しましても、同じように支援をしていかなければならないというふうに思っている次第でございます。
 地域における子育ての支援事業の実情でございますが、現在のところ、まだ十分とは言いがたいところがございます。
 このため、児童福祉法の改正法案におきましては、地域子育て支援センター事業でありますとかつどいの広場事業などの子育て相談、交流支援、それから一時保育事業や子育て短期支援事業、こうした子育ての短期預かり支援、それから出産後の保育士等派遣事業などの、いわゆる居宅、おうちにおみえになる皆さんに対する子育ての支援、こうしたことを子育て支援事業として位置づけておりまして、市町村に実施の努力義務を課しますとともに、各市町村が委託等によって、これらの子育て支援事業に関する情報提供、相談、助言、利用のあっせんなどのコーディネートを行うことを奨励しているところでございます。
小沢(和)委員 今の大臣の御説明でも、市町村がすべての家庭の子育て支援のために必要な情報の提供を行い、相談に応じ、必要な助言を行い、事業の利用についてあっせん、調整、要請を行うということであります。
 これは結構だと思うんですが、私が理解できないのは、せっかくこれを新たな市町村の仕事だといいながら、それを民間などに委託できるということにしていることであります。これまでも民間などで、ボランティア的に子育て支援のためにこういう事業をやってきたところがあります。そういうところにそのまま委託を続けるというのであれば、これまでと変わりないんじゃないでしょうか。市町村がこういう新しい支援事業に直接取り組むところに私は意義があるのではないかと思いますが、大臣、いかがですか。
坂口国務大臣 市町村が直接おやりをいただくことも、これは大事なことでありますし、それを私たちは決して拒否をしているわけではございませんで、それはそれでおやりをいただいて結構かと思います。
 しかし、市町村だけではなくて、民間の各種団体におきましても、そういうアイデアをお持ちの皆さん、また今までのノウハウを積み重ねておみえになる皆さん方もおみえでございますから、その皆さん方にもお願いを申し上げて、そしてさまざまな角度からの子育てに対するお力添えをいただくようにすることが大事ではないかというふうに思っている次第でございます。
小沢(和)委員 次に、保育所の問題、特に大都市部で緊急の問題になっている保育所入所待ちの児童をなくす、いわゆる待機児ゼロ作戦についてお尋ねをいたします。
 この作戦は、二〇〇二年から三年間で入所児童を十五万人ふやすというものであり、まず初年度は新たに入所児童を五万一千人ふやしたと聞いております。しかし、その実態を見ると、多くは既設の保育所の定員をオーバーした詰め込みのようであります。年度初めは定員の一五%まで、九月までは二五%までのオーバーを認め、十月からは入れるだけ無制限に入れてよいということになっていると聞きました。私の地元、北九州市では最大一四二%も入れているというんです。
 福岡市のある保育士からは、問題なのは、保育所の広さや保育士の数などをあいまいにして、ぎゅうぎゅう詰めになるくらい子供たちを入れていこうとしていることです、ゼロ歳児の赤ちゃんが一部屋に二十人いる、子供たちがいっぱいいるために、保育士でもどこにだれがいるのかわからないという状況があちこちの保育所にありますという訴えも届いております。
 こういう状況が各地に出ているんじゃないんでしょうか。新たに五万一千人入所したうち、こういう定員増で入れた児童が何人か、新増設によって入れた児童がどれぐらいいるのか、その内訳をお示しいただきたい。
岩田政府参考人 待機児童ゼロ作戦の一年目は平成十四年度でございますが、その状況はまだわかりませんので、一年前の平成十三年度の状況を見てみますと、社会福祉施設整備費について統計がございますが、それによりますと、新たに保育所を創設したのが九十三カ所で、これにより約八千人の受け入れ増が図られたこと、増改築しましたのが百五十三カ所で、これにより約四千人の受け入れ増が図られたということになっております。
 また、従来から定員にあきがある状態であった場合に、空き定員を充足したり、今委員が言われましたように、定員をオーバーした形の、定員の弾力化と言っておりますが、定員の弾力化によって受け入れ増を図ったところもございまして、これらが約三万人ということになっております。その他に各自治体の単独施策による取り組みなどがございまして、総計で約五万一千人の受け入れ増が図られているわけでございます。
 なお、定員の弾力化については、保育所の最低基準、面積基準ですとか職員の配置基準などがございますけれども、その最低基準を遵守できるという範囲内での弾力化でございますので、無制限、無条件にお子さんをぎゅうぎゅう詰めにというようなことを認めているわけではございませんので、念のために申し上げました。
小沢(和)委員 今の答弁でも、やはり私が聞いているように、定員をオーバーして入れるというのが主なこの入所増の内容になっておりました。
 この入所増の中には、認可保育所のほかに、いわゆる駅前保育所や無認可保育所、さらに保育ママまで入所増として入っていると聞いておりますが、どうでしょうか。こういう施設などで保育されている児童数がどれぐらいか、種類別にわかるなら、それも示していただきたい。
 ついでながら、今までは、こういう形で保育されていても、父母があくまで認可保育所への入所を希望している場合は待機児童に数えていたのに、待機児童ゼロ作戦になってからは数えないようにしたというのは、待機児童を見せかけ上減らすための小手先細工じゃないかと思いますが、いかがですか。
岩田政府参考人 待機児童ゼロ作戦の根拠になっております閣議決定がございますが、その閣議決定によりますと、受け入れ児童数の拡大は、保育所でそれを図るほか、保育ママそして自治体における単独施策、幼稚園における預かり保育などが例に挙がっておりまして、それらの政策を総動員して、待機児童の解消を図ろうというものでございます。
 そういう考え方に基づきますことから、委員が今言われましたように、待機児童のカウントの仕方についても、自治体の単独施策、国の基準から見ると認可外ではありますけれども、一定の基準を満たし、自治体が補助金を出すなど深くコミットしている、そういった単独施策などでございますけれども、そういうところに入所できている方については、待機児童ゼロ作戦の観点からいくと、とりあえずの受け入れの体制ができているということから、待機児童とカウントすることはしないということにいたしたわけでございます。
 もちろん、従来からのカウントの方式でも引き続き集計をいたしておりますので、待機児童の状況を知るためには、従来からの継続性のある数値と、この待機児童ゼロ作戦の進捗状況を見るための数値と、二通り集計しておりまして、それぞれ公表しているところでございます。
 認可保育所以外の受け入れですけれども、保育ママ、自治体単独施策でございますが、これらはいずれも私的にやられているものではございませんで、自治体が関与している保育ママそして認証保育所などの自治体単独施策でございますが、これらで、前年度と比べて十四年度の受け入れ増が約二千人になるというふうに推計されております。
 幼稚園の預かり保育については、その増加の状況について、文部科学省の方で現時点では把握できていないということでございました。
小沢(和)委員 これだけ入所児童数をふやすためには、施設増もですけれども、それ以上に保育士の増員が重要だと思います。ここ数年、児童数に見合ってどのぐらい保育士を増員したか。それがすべて正規の職員の増員で対処されているか。その増員の中には臨時や無資格者も含まれているんじゃないかと思いますが、どのぐらい含まれているでしょうか。
岩田政府参考人 待機児童ゼロ作戦を推進する過程で、保育所の受け入れ児童数を毎年増加させておりますけれども、これにあわせて職員数も増加をいたしております。
 保育所における保育士の数の状況は、社会福祉施設等調査報告によりますと、平成十一年の十月一日現在では二十六万一千九十四人でございましたが、翌十二年の同月同日では二十七万四千九百九十八人、十三年の十月一日では二十八万九千七人ということで、ここ数年の状況を見てみますと、毎年一万四千人前後の増となっております。
 また、臨時の職員、場合によっては無資格者も含まれているのではないかということについてのお尋ねでございますけれども、短時間勤務の保育士の配置や、そして延長保育における早朝の部分そして夜間の部分の保育を担当するということで、資格のある保育士さんあるいは資格のない職員が従事している状況にあるというふうに思っております。現時点で、それらの方が何人いらっしゃるかという全体の数は把握できておりません。
 なお、十四年度の社会福祉施設等調査において、常勤、非常勤の数をそれぞれ把握することといたしておりますので、その集計ができましたらまた御報告できるのではないかというふうに思っております。
 最後に、無資格者についてですけれども、無資格者については、最低基準を上回って配置される場合についてのみ認められておりまして、こういう形で配置されている方が、平成十三年十月一日現在でございますが、三千八百六十人というふうに報告されております。
小沢(和)委員 一昨年、自治労連が保育職場実態アンケートをまとめております。全国の公立保育所で働く約一万三千人という多数の声を集めたものでありますが、これによると、慢性的な人員不足で半数近くが昼休み休憩を毎日とれない、三割は休憩室がない、年次休暇は十日もとれないという状況で、「とても疲れる」が四九・三%、「やや疲れる」四五・九%を合わせると九五・三%、ほとんどの人が疲れ切っているわけであります。児童をはいれるだけ入れる、しかしそれに見合う施設の拡充も保育士の増員もしない、そのしわ寄せがここにあらわれているのではないでしょうか。
 このアンケートには、正規職員一万三千人のほかに、臨時、非常勤の約四千三百人が答えている。一緒に働いている人たちだと思います。そうすると、公立保育所には約二五%の臨時、非常勤者が働いていることになる。入所増に対応するため、どこでもこのように臨時や非常勤を特にふやしているということじゃないんですか。
岩田政府参考人 先ほど申し上げましたように、正規の保育士そして短時間保育士、非常勤の保育士、こういったような区分での数が今把握できておりませんので、平成十四年度の十月の状況を調査し、集計中でございますので、そういった統計調査結果を見て状況の把握をしたいと考えております。
小沢(和)委員 だから、私が特に言いたいのは、そういう非常勤とか臨時というような人たちをどんどんふやす。それも、どんどんと私言ったけれども、子供たちが入っていく、ふえている数に比べれば遅々たるものですよね。だから、さっき言ったような大変な労働強化になっている。ぜひ、この増員のことについても真剣に取り組んでいただきたい。
 待機児ゼロ作戦で一定の成果があったことは私も認めますが、しかし、一年たった今年度初めの待機児数は余り減っていないと聞いております。特に二歳までの低年齢児が多いようですが、待機児は今現在何人いるか。これだけ入所児童数をふやしてもさらに待機児がふえる状況はどういうことを意味しているのでしょうか。
岩田政府参考人 平成十五年の四月一日現在の状況についてはまだ集計ができておりませんので、一年前の状況ですが、平成十四年四月一日現在でございますが、保育所の入所児童数は百八十七万九千人ということで、前年同月比五万一千人、先ほど委員も引用された数字ですけれども、一年前と比べて五万一千人の受け入れ増が図られております。しかしながら、その平成十四年四月一日現在ですけれども、待機児童は二万五千人ということで、前年同月と比べて四千人ということで増加をいたしております。
 ですから、待機児童が二万一千人いる状態で、五万一千人の受け入れ増を図ったのだけれども、待機児童は二万五千人という姿になっているということでございますので、これは、受け入れ児童数を増大させても、潜在的な保育需要、四月一日時点では待機児童のリストに載っていなかった方たちが、保育所の整備が進むということで、潜在的な保育需要が顕在化する形で出てくる、そういうことで待機児童が減少しないという状況になっているというふうに考えております。
小沢(和)委員 私は、この不況の長期化の中で、子供が少しでも大きくなったらすぐにも預けて働かなければならないという家庭が増加しているということではないかと思うんです。こういう状況が続けば、来年度までの三カ年で入所児を当初計画どおり十五万人ふやしても、この作戦を終了することはできないのではないかと思います。
 特に、昨年度までのように、既設保育所の定員についての解釈を変えて入所児をふやすというようなことはこれ以上すべきでもないし、限界に来ているとも思います。
 さらに長期的見通しを持ちながら、緊急の課題として国と市町村が直接責任を持って新増設を進めていく必要があるのではないでしょうか。そのための国の財源措置を含めて、どういう考え方か、お伺いします。
岩田政府参考人 現時点ではっきり申し上げられますことは、待機児童ゼロ作戦、平成十四年度に始まりまして、まだその途中でございまして、十五年度、十六年度ということでございますので、三年間で十五万人の受け入れ増を図る、このこと自体、大変大きな取り組みだというふうに思っておりますけれども、それは、必要な予算措置も含めて、確実に受け入れ増が図れるよう取り組んでまいりたいというふうに思っております。
 三年間が経過した後、十七年度以降でございますけれども、今予想されますのは、大都市部を中心に、三年間、ゼロ作戦でそれなりの効果が出たとしても、待機児童の問題が完全に解決されるということにはならないのではないかというふうに考えております。
 そこで、今御審議していただいております児童福祉法の改正案の中にございますように、待機児童が一定数いるような市町村、都道府県に対しましては、待機児童を解消するための具体的な保育計画を策定することを義務づけさせていただきたいと思っておりますので、まずは自治体がよくニーズの把握をしていただいて待機児童解消計画を立てていただく、私ども国もそれをしっかり支援するということが、十七年度以降も引き続き重要になってくるというふうに考えております。
小沢(和)委員 ついでながら一つ伺っておきたいのですが、数年前に、新しい保育所新増設の手法として、NPO、株式会社、学校法人などにも保育所の設置を認め、さらに、公設民営方式の一つとしてPFI方式まで認めました。こういう方式で、それぞれ何カ所ぐらい設置されて、児童がどれぐらい入所しているんでしょうか。
岩田政府参考人 公設民営を推進するというのは、平成十三年の児童福祉法の改正でも明らかにさせていただいたわけですけれども、公設民営方式その他、民間のさまざまな設置主体による参入を促進したいというふうに考えているわけでございます。
 お尋ねのPFIの実績でございますけれども、平成十三年度の第一次補正で、PFIを活用した公設民営型による保育所整備を促進するために、民間事業者、PFI事業者ですが、これが建設した施設を自治体が買い取って、それをまたその事業者に貸す、こういう形になるわけですが、こういった民間事業者が建設した施設を自治体が買い取る場合、その費用を補助対象としたというところがございました。(小沢(和)委員「だから、何カ所やっているのだと聞いているんですよ」と呼ぶ)現在、複数の自治体でその導入が検討されているというふうに聞いておりますけれども、十三年度、十四年度については、このタイプの補助金を使った実績はございません。
小沢(和)委員 その一方では、公立の民間委託などがかなり進んでおります。この一年でどれくらい民間委託化が行われたかも伺っておきたいと思います。
 また、二〇〇〇年度の定員充足率を見て、大変奇異に感じましたのは、全体として入所児童数が五万一千ふえたというのですが、公営の充足率は八九・六%、これに対して民営は一〇三・九%という極端な開きがあることです。民営は定員をオーバーしているのに、公営はがらがら、これは民営への入所をできるだけ優先させようという意図的な政策によるものではないんでしょうか。わざと公営に入れないようにして、公営の充足率が悪いなどといって民間委託を進めていくというようなやり方は私は許されないと思うのですが、これはどうしてこういうようなことになっているのですか。
岩田政府参考人 二つのことのお尋ねがございましたが、まず最初の保育所の民間委託についてのこの一年の実績でございますが、公立保育所につきましては、社会福祉法人への委託は従来からやっておりましたけれども、平成十三年の三月からは、社会福祉法人以外の例えばNPO、株式会社、学校法人などへの民間業務委託を可能としたところでございます。平成十四年の八月に調査したところによりますと、平成十四年度中のこういう形での業務委託件数は四十三件ということになっております。
 また、保育所の充足率が公立、民間で違うのはなぜかということについてのお尋ねでございますが、今委員が言われたような事情については私は聞いたことがございません。むしろ、公立の保育所の充足率の方が低いというのは、一つは、過疎地に参りますと公立保育所しかない、民営の保育所は都市部の方に多いといったような地域的な配置の違いも一つあるというふうに思いますし、やはり大きな理由の一つは、保育所の定員を上回って、最低基準は遵守しますけれども、現在の定員を上回って、定員の弾力化というやり方で多くのお子さんを受け入れる、そういう取り組みについての公営と民営の違いに起因しているのではないかというふうに思っております。
 現在は利用者が保育所を選択しますので、第一希望は公立のどこの保育所、あるいは社会福祉法人立のどこの保育所というふうに優先順位をつけて希望を出しますので、自治体の方が政策的にどちらかに子供を優先的に入れるというようなことはやっていないはずでございます。
小沢(和)委員 児童の受け入れをふやすために、保育水準を切り下げる動きが各地で見られます。
 私の地元福岡市は、受け入れ児童数をふやした点では全国十五位ですが、待機児童数では依然として全国十位、待機児童増加数では全国二位という状況であります。市も、市民運動の圧力によって、今年度から十五年ぶりに保育所を増設する方向に転換をしました。
 しかし、その一方では、同じく今年度から市立舞鶴保育所の民営化を強行しております。この舞鶴保育所は、市立といっても、これまで社会福祉事業団が委託を受けて運営をしてきた公設民営で、障害者教育のモデル保育所として高く評価されてきました。ところが、市が舞鶴保育所で夜間保育を実施することを決定したのに対し、事業団が、今までの基準どおりの人件費などで計算すると九百万円の赤字になるといって断った。そうすると、市は、この機会に保育所を全面的に社会福祉法人化、つまり完全に民営化して、夜間だけでなく昼間の保育も行うこととし、この四月から実施をいたしました。
 このやり方の強引さも市民を驚かせましたが、市営でも事業団でもやれないものを、完全民営化で、安上がりの嘱託やパートなどで可能にしようとしているのが一番の問題だと思うのです。
 このように、施設も人件費もともかく安上がりにして、保育水準を落として受け入れ数だけふやそうというやり方をどう思われるか。こういうようなやり方が続くと、また保育所での重大事故を発生させるというようなことにもなりかねないんじゃないか。局長のお考えを伺いたい。
岩田政府参考人 公立保育所の運営を民間委託するかどうか、あるいは民間委託する場合にはどこに民間委託するかということについては、基本的にはそれぞれの自治体が判断されることであるというふうに思っております。民間委託された場合であっても、当然のことですけれども、それは認可保育所の水準は満たしているわけでございますので、児童福祉施設最低基準を遵守すること、そしてサービスの質の向上に努めることということは当然のことでございますので、基本的な保育の質というのは、設置主体が公であるか民であるかということは問わずに担保されるべきであるし、担保されているというふうに思っております。
 今の福岡市の例については、詳細は存じ上げませんけれども、運営のやり方を変えるという試みは各自治体でなされているというふうに思います。関係者とやはりよくお話し合いをされて、関係者の理解を得て、そしてスムーズにそういった運営形態が変更されることが望ましいのではないかというふうに考えております。
小沢(和)委員 残りの若干の時間で、育児・介護休業法の問題で一つお尋ねをいたします。
 育児・介護休業法では、休業のほか労働時間の制限や深夜業免除、看護休暇の制度化などが決められており、次第に定着してきておりますが、今、日本最大の航空会社である日本航空、JALの客室乗務員の深夜業免除が大きな問題になっております。
 本年四月、JALとJASが統合した結果、JALでは、深夜便のない乗務が七十五名分しかなくなったとして、その人数を超える深夜業務免除要求にはこたえられないと、四、五、六の三カ月間は七十五名分に入り切らなかった人々を休業させる措置をとりました。これについては東京労働局も、恒常的に深夜業の制限を拒むことを前提に業務運営を行うことは問題であり、制限を希望する労働者が制限の適用を受けられるよう、人員体制の整備を可及的速やかに検討し、実施することという指導を行ったと伺っております。
 この東京労働局の指導の趣旨は、七月までの措置は育児休業法から見れば不十分なものではあるが、臨時当面の措置としてはやむを得ない、しかし八月以降はもっとその趣旨に合う提案がなされることを期待して注視している、こういうことだったんじゃないかと思いますが、そのとおりでしょうか。
岩田政府参考人 おっしゃるとおりです。
小沢(和)委員 極めて明快です。
 ところが、六月六日、会社から組合に提示されたのは、相変わらず七十五名分しか深夜業免除の業務量はない、それを申請者全員で分けるというものでありました。申請者全員のうち、既に九月まで申請して免除を認められている人がいるので、それを差し引いて分け合うと、組合の計算ではたった四日しか乗務できない人も出てくるということです。先ほど局長に事前にお渡しした組合発行の資料によると、三十四歳のある組合員をモデルにして賃金を計算すると、これまでの額面四十二万円がたった八万九千円になる。こういう状況が続いたら、だれが考えてもこの客室乗務員たちは生活していけないのではないでしょうか。
 九日、この問題について当局の説明を伺いましたとき、厚生労働省としては日航に、深夜業免除のためには、地上勤務とか同一グループになったJASへの出向とか、いろいろ工夫の仕方があるのではないかということまで示唆したと伺いました。また組合も、宿泊パターンを分割して帰りパターンをふやすとか、羽田の部署、つまり国内線に配置がえするなど、具体的な提案をしております。会社には、こういう示唆や提案を真剣に検討する責任があると思います。
 育児・介護休業法では、事業主は、労働者が請求どおりに深夜業の免除を受けられるように、通常考えられる相当の努力を求められております。今回の、七十五名分の業務量をそのままにして、それを申請者全員で分け合えなどという提案は、この事業主としての通常考えられる相当の努力をしているとはとても言えないんじゃないでしょうか。先ほどと同じように、明快にひとつ答えていただきたい。
岩田政府参考人 少し御説明をさせていただきたいと思いますが、八月以降の長期的な対応措置についての会社側の案が労働組合に提示をされ、今後、労使による協議がなされるというふうに聞いております。
 会社側が示された案は東京労働局の方にも知らされておりまして、それによりますと、深夜業の制限を希望する労働者全員について深夜業の免除を認める、日帰り乗務を可能な限り確保し、全員にできるだけ均等に割り振り、乗務しない日については就業を免除するというものであると報告を受けております。
 これを前提にお話しいたしますと、まず育児・介護休業法の第十九条ですけれども、請求した労働者に対して深夜に労働させないことを事業主に求めているものでありますが、深夜に労働しないことを求めた労働者に対して深夜以外の業務を新たにつくり出すということまでは、この法律は求めているものではございません。
 今回、会社側が労働組合に対して提出している内容は、申請者全員について深夜業を免除するとともに、可能な限り確保した日帰り乗務を申請者全員にできるだけ均等に割り振るというものでありますから、そういうことでしたら、育児・介護休業法に照らして問題はないというふうに考えております。
 なお、心配しておりますことは、これからのJALの企業の戦略で、お伺いしているところによりますと、ますます国際便に特化するというようなお話も聞いておりますので、将来的にこういう構想で対応が可能なのかということですとか、今委員が言われましたように、可能な限り日帰り便を確保すると言っておられますけれども、その努力を、本当に相当程度の努力をしていただいているのかどうかということは企業にお尋ねしなければならないというふうに思っております。
 また、今回提案された措置の内容について、処遇面、労働条件面で変更が生じると考えられますので、これについては労使で十分協議をしていただくべき事項ではないかと考えております。
小沢(和)委員 私も、新たにむだな仕事をこさえてでも深夜業を免除できるようにしろというようなことを要求しているわけじゃないんです。
 先ほども引用しましたように、事業主に対しては、通常考えられる相当の努力をするようにということになっている。そして、実際にこういうやり方があるんじゃないかということで、JALという巨大なグループの中でいろいろやりくりのしようがあるんじゃないかということを組合も言っているし、それから当局の方も、こんなこともあるんじゃないですかという示唆をされたともいう。そういうことについて本当に会社が努力をしたんだったら、私は、七十五名という業務量には変わりはないですということじゃなくて、もうちょっとそこで前進があってしかるべきじゃないかというふうに考えるわけであります。
 その点で、もう一つお尋ねしておきますけれども、今のお話では、今回の提案というのは、あくまで会社が提案したということですから、今後の労使での話し合いでよりよい合意に達するということを期待している、こういうお気持ちだというふうに理解しましたが、いいでしょうか。
岩田政府参考人 八月以降の長期的な対応措置、そしてこれに伴う労働条件にかかわる事項については、基本的に労使による協議に基づいて決定されるというふうに考えております。
 行政としても、子供を養育する労働者の雇用の継続や福祉の増進を目的とする育児・介護休業法を施行する立場から、どのような措置を講じられるのか、どのような労使協議による合意が形成されるのか、見守ってまいりたいと考えております。
小沢(和)委員 この問題は労使間でよく話し合って解決すべき問題だと私も思います。
 今、私たちは、少子化が日本の未来にとって深刻な問題であり、これを打開するために、若い親たちが安心して子供を生み育てられる条件をどうやって整備するかということを議論しているわけであります。その最中に、日本を代表する航空会社であるJALの客室乗務員たちから、こういう状態では今後子供を産む人は少なくなってしまいますという悲痛な訴えが上がるようなことでよいのでしょうか。ぜひ育休法の趣旨に沿って、この問題を正しく解決していただきたい。
 客室乗員組合は、今週中にも厚労省に交渉の状況を報告して、問題解決への援助を要請したいと言っている。ぜひこの女性たちの声を局長にも直接聞いてやっていただきたいと思いますが、最後にその点どうかということをお尋ねします。
岩田政府参考人 どなたがお話を伺うことができるか、ここでお約束はできませんけれども、JALの客室乗務員の皆さんの、何を考えておられるのか、どういう状況にあるのか、お話はしっかり聞きたいと思います。
小沢(和)委員 終わりますが、ひとつ局長自身ができたら聞いてやっていただきたい、そのことを重ねてお願いしておきます。
 終わります。
中山委員長 以上で両案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
中山委員長 この際、内閣提出、次世代育成支援対策推進法案に対し、小沢和秋君外一名から、日本共産党提案による修正案が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。藤木洋子君。
    ―――――――――――――
 次世代育成支援対策推進法案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
藤木委員 日本共産党の藤木洋子でございます。
 私は、政府提出の次世代育成支援対策推進法案に対する修正について、その趣旨及び理由を御説明いたします。
 本修正案は、次世代の社会を担う子供たちが、健やかに生まれ育てられる環境の整備を図る上で、国及び地方公共団体の財政上の責任を明確にすること及び国民の合意の形成と情報の公開が重要であることにかんがみて、修正を行おうとするものです。
 修正の第一は、国が行動計画策定指針の策定に当たって、国民の意見を反映させる措置をとること。
 第二は、次世代育成支援に対する国の市町村、都道府県への財政上の措置を明記すること。
 第三は、事業主が行動計画の策定に当たって、行動計画の内容について、当該職場の労働者との協議を義務づけ、その計画内容、達成状況を公表することであります。
 その理由は次のとおりです。
 子供たちを健やかに育てるための社会的条件の整備については、多様な指摘がされているところであり、広く国民からの声を国の行動計画策定指針に反映することが次世代育成支援施策の実現にとって重要であると考えます。あわせて、この施策の遂行に当たって、国の地方公共団体への財政上の支援が不可欠であることは明らかです。
 また、女性労働者や共働き世帯がふえている今日、子育てと両立する働きやすい職場が求められており、事業所の事業主行動計画が、当該労働者の意見をよく聞き、協議して策定されることが求められております。三百人以上の事業所では、その計画内容と達成状況を公開することが企業の社会的責任を果たす上からも必要だと考えます。
 以上、何とぞ、慎重御審議の上、御可決くださいますようお願い申し上げて、趣旨の説明とさせていただきます。(拍手)
中山委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
中山委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 内閣提出、次世代育成支援対策推進法案及びこれに対する修正案について採決いたします。
 まず、小沢和秋君外一名提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
中山委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。
 次に、原案について採決いたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
中山委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、内閣提出、児童福祉法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
中山委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
中山委員長 この際、両案に対し、熊代昭彦君外六名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党、日本共産党、社会民主党・市民連合及び保守新党の七派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。水島広子君。
水島委員 民主党の水島広子でございます。
 私は、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党、日本共産党、社会民主党・市民連合及び保守新党を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。
 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。
    「次世代育成支援対策推進法案」及び「児童福祉法の一部を改正する法律案」に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
 一 仕事と子育ての両立を推進するため、子どもの看護休暇については請求すれば取得できるよう、早急に検討に着手すること。各事業所における子ども看護休暇制度の導入を促進するため、事業主に対する格段の相談・指導・援助に努めること。
 二 男性の育児休業取得を促進するため、数値目標の達成に向けた取組みや子どもが生まれたら父親が休暇を取得することを促進するなどの有効な措置を講ずること。
 三 仕事と子育ての両立のための雇用環境を整備するために、政府目標である年間総実労働時間千八百時間の実現へ向けて、関係省庁間の連携・協力を一層強化し、政府が一体となって労働時間短縮対策を総合的に推進すること。特に、子育て期間における残業時間の縮減に取り組むこと。
 四 保育所の待機児童の解消を目指して、保育所等の整備、受入れ児童数の拡大を図るとともに、延長保育、休日保育、夜間保育、障害児保育、病児保育、乳幼児健康支援一時預かり事業、放課後児童クラブなどを少子化対策推進基本方針及び新エンゼルプランに基づき着実に推進すること。
 五 現在、縦割り行政の中で機能が分かれている保育所と幼稚園の連携を一層強化し、希望するすべての子どもたちに家庭以外のコミュニティの役割と育児支援の場として機能するようにすること。
 六 子どもの権利条約の趣旨を踏まえ、児童福祉法の理念及び在り方について早急に検討し、その結果を踏まえて必要な措置を講ずるとともに、施策の実施に当たっては、児童の最善の利益を考慮した取扱いが図られるよう努めること。
 七 男女労働者がともに職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするため、ILO第百五十六号条約の趣旨を踏まえ、職場における固定的な役割分担意識や職場優先の企業風土の是正に向けた労使の努力を促すよう努めること。
 八 次世代育成支援対策に対処するための施策を総合的に推進するため、各般にわたる制度の充実、必要な予算の確保等に努めること。
以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。(拍手)
中山委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
中山委員長 起立総員。よって、両案に対し附帯決議を付することに決しました。
 この際、坂口厚生労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。坂口厚生労働大臣。
坂口国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、政府といたしましても十分にその趣旨を尊重し、努力してまいります。
 ありがとうございました。(拍手)
    ―――――――――――――
中山委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました両案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
中山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
中山委員長 次に、内閣提出、参議院送付、公益法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備に関する法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。坂口厚生労働大臣。
    ―――――――――――――
 公益法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備に関する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
坂口国務大臣 ただいま議題となりました公益法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備に関する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 政府におきましては、国から公益法人等が委託等を受けて行っている検査、検定、資格付与等の事務及び事業について、官民の役割分担及び規制改革の観点からの見直しを行うため、平成十四年三月に公益法人に対する行政の関与の在り方の改革実施計画を閣議決定したところであります。
 今般、この計画の実施の一環として、厚生労働省関係の六法律において、厚生労働大臣がこれらの事務及び事業を行わせる者を指定する制度から、法律で定める一定の要件に適合し、かつ、行政の裁量の余地のない形で登録を受けた者がこれを行う制度へと改める等の措置を講ずることを目的として、この法律案を提出することとした次第であります。
 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律、水道法、建築物における衛生的環境の確保に関する法律、労働安全衛生法、作業環境測定法及び薬事法及び採血及び供血あつせん業取締法の一部を改正する法律の六法律に基づき実施される研修等について、厚生労働大臣の指定する者による実施から、厚生労働大臣の登録を受けた者による実施に改めることとしております。
 第二に、厚生労働大臣は、登録を申請した者が、これらの各法律に規定する登録基準に適合しているときは、登録をしなければならないこととしております。
 第三に、厚生労働大臣の登録を受けた者について、これらの各法律において、研修等の実施義務、業務規程等の届け出、財務諸表等の備えつけ、登録基準への適合命令、研修等の実施義務違反に係る改善命令、登録の取り消し等の規定を整備することとしております。
 なお、この法律の施行期日は、一部を除き、平成十六年三月三十一日までの間において政令で定める日としております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げる次第でございます。
中山委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 次回は、来る十三日金曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時五十二分散会


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