衆議院

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第24号 平成15年6月13日(金曜日)

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平成十五年六月十三日(金曜日)
    午前九時三十分開議
 出席委員
   委員長 中山 成彬君
   理事 熊代 昭彦君 理事 長勢 甚遠君
   理事 野田 聖子君 理事 宮腰 光寛君
   理事 鍵田 節哉君 理事 山井 和則君
   理事 福島  豊君 理事 武山百合子君
      岡下 信子君    金子 恭之君
      後藤田正純君    佐藤  勉君
      田村 憲久君    竹下  亘君
      棚橋 泰文君    西川 京子君
      平井 卓也君    松島みどり君
      三ッ林隆志君    宮澤 洋一君
      森  英介君    谷津 義男君
      山本 幸三君    吉田 幸弘君
      吉野 正芳君    渡辺 具能君
      渡辺 博道君    家西  悟君
      石毛えい子君    大石 尚子君
      大島  敦君    奥田  建君
      加藤 公一君    五島 正規君
      城島 正光君    三井 辨雄君
      水島 広子君    江田 康幸君
      桝屋 敬悟君    佐藤 公治君
      小沢 和秋君    大森  猛君
      金子 哲夫君    原  陽子君
      山谷えり子君    川田 悦子君
    …………………………………
   厚生労働大臣       坂口  力君
   厚生労働副大臣      木村 義雄君
   厚生労働大臣政務官    渡辺 具能君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    樋渡 利秋君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房総括
   審議官)         鈴木 直和君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議
   官)           小林 和弘君
   政府参考人
   (厚生労働省健康局長)  高原 亮治君
   政府参考人
   (厚生労働省労働基準局長
   )            松崎  朗君
   政府参考人
   (厚生労働省社会・援護局
   障害保健福祉部長)    上田  茂君
   政府参考人
   (厚生労働省保険局長)  真野  章君
   厚生労働委員会専門員   宮武 太郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月十三日
 辞任         補欠選任
  奥谷  通君     金子 恭之君
  棚橋 泰文君     渡辺 博道君
  大石 正光君     奥田  建君
  三井 辨雄君     大石 尚子君
  山口 富男君     大森  猛君
  阿部 知子君     原  陽子君
同日
 辞任         補欠選任
  金子 恭之君     奥谷  通君
  渡辺 博道君     棚橋 泰文君
  大石 尚子君     三井 辨雄君
  奥田  建君     大石 正光君
  大森  猛君     山口 富男君
  原  陽子君     阿部 知子君
    ―――――――――――――
六月十二日
 国立高度専門医療施設の看護職員の増員に関する請願(大森猛君紹介)(第三八〇三号)
 てんかんを持つ人の医療や福祉の向上に関する請願(佐藤勉君紹介)(第三八〇四号)
 同(棚橋泰文君紹介)(第三八〇五号)
 同(山本幸三君紹介)(第三九六八号)
 同(田村憲久君紹介)(第四〇九九号)
 社会保障の拡充、将来への安心と生活の安定に関する請願(不破哲三君紹介)(第三八〇六号)
 同(生方幸夫君紹介)(第三九二五号)
 同(長浜博行君紹介)(第三九二六号)
 同(阿久津幸彦君紹介)(第四〇三八号)
 同(筒井信隆君紹介)(第四〇三九号)
 あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律第十九条の改正に関する請願(粟屋敏信君紹介)(第三八〇七号)
 同(石田真敏君紹介)(第三八〇八号)
 同(太田誠一君紹介)(第三八〇九号)
 同(亀井静香君紹介)(第三八一〇号)
 同(栗原博久君紹介)(第三八一一号)
 同(後藤田正純君紹介)(第三八一二号)
 同(佐藤公治君紹介)(第三八一三号)
 同(下村博文君紹介)(第三八一四号)
 同(高橋嘉信君紹介)(第三八一五号)
 同(竹下亘君紹介)(第三八一六号)
 同(武部勤君紹介)(第三八一七号)
 同(虎島和夫君紹介)(第三八一八号)
 同(仲村正治君紹介)(第三八一九号)
 同(鳩山由紀夫君紹介)(第三八二〇号)
 同(林義郎君紹介)(第三八二一号)
 同(松野頼久君紹介)(第三八二二号)
 同(生方幸夫君紹介)(第三九二七号)
 同(亀井静香君紹介)(第三九二八号)
 同(後藤田正純君紹介)(第三九二九号)
 同(塩崎恭久君紹介)(第三九三〇号)
 同(原田義昭君紹介)(第三九三一号)
 同(平林鴻三君紹介)(第三九三二号)
 同(米田建三君紹介)(第三九三三号)
 同(相沢英之君紹介)(第四〇四〇号)
 同(赤羽一嘉君紹介)(第四〇四一号)
 同(浅野勝人君紹介)(第四〇四二号)
 同(石破茂君紹介)(第四〇四三号)
 同(岩永峯一君紹介)(第四〇四四号)
 同(大野松茂君紹介)(第四〇四五号)
 同外一件(七条明君紹介)(第四〇四六号)
 同(谷本龍哉君紹介)(第四〇四七号)
 同(野田聖子君紹介)(第四〇四八号)
 同(松野博一君紹介)(第四〇四九号)
 同(松宮勲君紹介)(第四〇五〇号)
 同(宮澤喜一君紹介)(第四〇五一号)
 同外一件(宮澤洋一君紹介)(第四〇五二号)
 同(山田敏雅君紹介)(第四〇五三号)
 同(山本公一君紹介)(第四〇五四号)
 国立病院・療養所の看護師増員に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第三八二三号)
 腎疾患総合対策の早期確立に関する請願(後藤田正純君紹介)(第三八二四号)
 同(大野功統君紹介)(第四〇五八号)
 同(西川京子君紹介)(第四〇五九号)
 同(宮澤洋一君紹介)(第四〇六〇号)
 あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律の改正に関する請願(佐藤公治君紹介)(第三八二五号)
 同(佐藤勉君紹介)(第三八二六号)
 同(森英介君紹介)(第四〇六一号)
 小規模作業所等成人期障害者施策に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第三八二七号)
 同(井上喜一君紹介)(第三八二八号)
 同(石井郁子君紹介)(第三八二九号)
 同(臼井日出男君紹介)(第三八三〇号)
 同(小沢和秋君紹介)(第三八三一号)
 同(大石尚子君紹介)(第三八三二号)
 同(大石正光君紹介)(第三八三三号)
 同(大幡基夫君紹介)(第三八三四号)
 同(大森猛君紹介)(第三八三五号)
 同(木島日出夫君紹介)(第三八三六号)
 同(小島敏男君紹介)(第三八三七号)
 同(児玉健次君紹介)(第三八三八号)
 同(穀田恵二君紹介)(第三八三九号)
 同(佐々木憲昭君紹介)(第三八四〇号)
 同(佐藤公治君紹介)(第三八四一号)
 同(志位和夫君紹介)(第三八四二号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第三八四三号)
 同(下村博文君紹介)(第三八四四号)
 同(瀬古由起子君紹介)(第三八四五号)
 同(竹下亘君紹介)(第三八四六号)
 同(津島雄二君紹介)(第三八四七号)
 同(都築譲君紹介)(第三八四八号)
 同(中林よし子君紹介)(第三八四九号)
 同(春名直章君紹介)(第三八五〇号)
 同(不破哲三君紹介)(第三八五一号)
 同(藤木洋子君紹介)(第三八五二号)
 同(冬柴鐵三君紹介)(第三八五三号)
 同(松本善明君紹介)(第三八五四号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第三八五五号)
 同(山口富男君紹介)(第三八五六号)
 同(吉井英勝君紹介)(第三八五七号)
 同(逢沢一郎君紹介)(第三九三五号)
 同(生方幸夫君紹介)(第三九三六号)
 同(江田憲司君紹介)(第三九三七号)
 同(大石正光君紹介)(第三九三八号)
 同(加藤公一君紹介)(第三九三九号)
 同(小島敏男君紹介)(第三九四〇号)
 同(塩崎恭久君紹介)(第三九四一号)
 同(鈴木淑夫君紹介)(第三九四二号)
 同(中山正暉君紹介)(第三九四三号)
 同(平沢勝栄君紹介)(第三九四四号)
 同(冬柴鐵三君紹介)(第三九四五号)
 同(町村信孝君紹介)(第三九四六号)
 同(宮腰光寛君紹介)(第三九四七号)
 同(山口わか子君紹介)(第三九四八号)
 同(山名靖英君紹介)(第三九四九号)
 同(渡辺周君紹介)(第三九五〇号)
 同(阿久津幸彦君紹介)(第四〇六二号)
 同(小沢和秋君紹介)(第四〇六三号)
 同(小沢鋭仁君紹介)(第四〇六四号)
 同(大野功統君紹介)(第四〇六五号)
 同(七条明君紹介)(第四〇六六号)
 同(田中甲君紹介)(第四〇六七号)
 同(谷畑孝君紹介)(第四〇六八号)
 同(筒井信隆君紹介)(第四〇六九号)
 同(中野寛成君紹介)(第四〇七〇号)
 同(西川京子君紹介)(第四〇七一号)
 同(野田聖子君紹介)(第四〇七二号)
 同(羽田孜君紹介)(第四〇七三号)
 同(松崎公昭君紹介)(第四〇七四号)
 同(松宮勲君紹介)(第四〇七五号)
 同(山口富男君紹介)(第四〇七六号)
 同(山田敏雅君紹介)(第四〇七七号)
 医療改悪を実施前に戻すなど社会保障の充実に関する請願(横路孝弘君紹介)(第三八五八号)
 同(生方幸夫君紹介)(第三九五一号)
 同(山口わか子君紹介)(第三九五二号)
 同(横光克彦君紹介)(第三九五三号)
 健保三割負担を二割に戻すなど患者負担の軽減に関する請願(不破哲三君紹介)(第三八五九号)
 同(川内博史君紹介)(第四〇七九号)
 同(木島日出夫君紹介)(第四〇八〇号)
 同(黄川田徹君紹介)(第四〇八一号)
 同(松本善明君紹介)(第四〇八二号)
 総合的な肝疾患対策の拡充に関する請願(岡下信子君紹介)(第三八六〇号)
 同(佐藤公治君紹介)(第三八六一号)
 同(平井卓也君紹介)(第三八六二号)
 同(水島広子君紹介)(第三九五五号)
 同(宮腰光寛君紹介)(第三九五六号)
 同(山谷えり子君紹介)(第三九五七号)
 同(吉田幸弘君紹介)(第三九五八号)
 同(大島敦君紹介)(第四〇八三号)
 同(松島みどり君紹介)(第四〇八四号)
 同(森英介君紹介)(第四〇八五号)
 てんかんを持つ人の医療と福祉の向上に関する請願(熊代昭彦君紹介)(第三八六三号)
 同(三井辨雄君紹介)(第三八六四号)
 同(水島広子君紹介)(第四〇八六号)
 総合的難病対策の早期確立に関する請願(岩崎忠夫君紹介)(第三八六五号)
 同(岩屋毅君紹介)(第三八六六号)
 同(尾身幸次君紹介)(第三八六七号)
 同(栗原博久君紹介)(第三八六八号)
 同(佐藤公治君紹介)(第三八六九号)
 同(津島雄二君紹介)(第三八七〇号)
 同(中川秀直君紹介)(第三八七一号)
 同(横路孝弘君紹介)(第三八七二号)
 同(小平忠正君紹介)(第三九五九号)
 同(自見庄三郎君紹介)(第三九六〇号)
 同(松岡利勝君紹介)(第三九六一号)
 同(水島広子君紹介)(第三九六二号)
 同(宮腰光寛君紹介)(第三九六三号)
 同(山口わか子君紹介)(第三九六四号)
 同(山谷えり子君紹介)(第三九六五号)
 同(山名靖英君紹介)(第三九六六号)
 同(吉田幸弘君紹介)(第三九六七号)
 同(岩永峯一君紹介)(第四〇八七号)
 同(江田康幸君紹介)(第四〇八八号)
 同(大島敦君紹介)(第四〇八九号)
 同(谷洋一君紹介)(第四〇九〇号)
 同(中野寛成君紹介)(第四〇九一号)
 同(西川京子君紹介)(第四〇九二号)
 同(野田聖子君紹介)(第四〇九三号)
 同(羽田孜君紹介)(第四〇九四号)
 同(松島みどり君紹介)(第四〇九五号)
 同(松宮勲君紹介)(第四〇九六号)
 同(森英介君紹介)(第四〇九七号)
 同(山井和則君紹介)(第四〇九八号)
 健保三割負担など医療費負担増の見直しに関する請願(渡辺周君紹介)(第三九三四号)
 患者負担の軽減に関する請願(生方幸夫君紹介)(第三九五四号)
 同(藤木洋子君紹介)(第四〇七八号)
 医師卒後臨床研修に対する国の十分な予算措置に関する請願(阿部知子君紹介)(第四〇三一号)
 同(石毛えい子君紹介)(第四〇三二号)
 同(小沢和秋君紹介)(第四〇三三号)
 同(金子哲夫君紹介)(第四〇三四号)
 同(春名直章君紹介)(第四〇三五号)
 患者負担の軽減と診療報酬の引き上げ等に関する請願(川内博史君紹介)(第四〇三六号)
 健保本人三割負担を二割に戻すなど患者負担の軽減に関する請願(達増拓也君紹介)(第四〇三七号)
 パートタイム労働法の実効ある改正に関する請願(石井郁子君紹介)(第四〇五五号)
 同(小沢和秋君紹介)(第四〇五六号)
 同(木島日出夫君紹介)(第四〇五七号)
は本委員会に付託された。
六月十二日
 小規模作業所等成人期障害者施策に関する請願(第二八七一号)は「三村申吾君紹介」を「河野太郎君紹介」に訂正された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 公益法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備に関する法律案(内閣提出第八四号)(参議院送付)


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     ――――◇―――――
中山委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、参議院送付、公益法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備に関する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として法務省刑事局長樋渡利秋君、厚生労働省大臣官房総括審議官鈴木直和君、大臣官房審議官小林和弘君、健康局長高原亮治君、労働基準局長松崎朗君、社会・援護局障害保健福祉部長上田茂君及び保険局長真野章君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
中山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
中山委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山井和則君。
山井委員 おはようございます。
 延長がなければ、きょうが最後の質疑になるかもしれませんが、きょうは、公益法人にかかわる質疑でありますけれども、この公益法人の見直しの最初にも、精神保健福祉の法律の一部改正ということも入っておりますので、精神保健福祉のこと、それと、この連休以降、最もこの厚生労働委員会で問題になっております木村副大臣のこと、改めて質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、坂口大臣、過去一週間ぐらい大変問題になっております、精神障害者の社会復帰施設の補助金が要望の二割しか今のところとっていないということについてでありますけれども、これは大問題だと思うんですね。
 昨年の心神喪失法案の衆議院の審議の際にも、心神法案と社会的入院の解消は車の両輪で、社会復帰に全力を挙げるということを坂口大臣そして木村副大臣、お約束をされたと思うんですけれども、その最も重要なところの予算が、今二〇%しかついていない。そして、このことに関しては地方自治体から、厚生労働省は言っていることとやっていることが違うじゃないか、はしごを外すのか、どれだけ本気でやる気があるのかという批判の声も出ているわけであります。このことについて本当に強く私は抗議をしたいと思います。
 坂口大臣、このことについて、やはりしっかりと、すべての予算がつくようにやっていく、そしてこの社会復帰に対する取り組みはいささかも揺るぐことがないということで、しっかりと答弁をお願いしたいと思います。
坂口国務大臣 一般精神病院を初めといたします、そこに入院をしておみえになります皆さん方も含めまして、早く地元に帰っていただいて、そして地元の方で生活がしていただけるような体制をつくり上げていく、これはもう定めました既定の方針でございまして、まず、十年ぐらいでこれを必ずやり遂げるということも申し上げているとおりでございます。
 その十年でやり遂げるにはどういうスケジュールでやっていかなければならないかということも今やっている真っ最中でございまして、そういたしますと、大体年間どのぐらいのことをやっていかなければならないか、また、人材の育成につきましてはどういうふうにやっていかなければならないかということも、これはもう自明の理でございまして、そうしたことに従いまして、これはもう着実に必ずやっていきたいというふうに思っております。
 今回のこの予算につきまして、新しくつくるところについては非常に少なかったではないかという御指摘がございまして、私もよくよく見れば、確かにそのとおりでございます。過去の継続をするものにつきましてはちゃんとついておりますけれども、新規のものにつきます予算が少なかった。
 いろいろ過去の例、過去からの経緯を見てみますと、やはりこの予算のつけ方が、今まで補正予算を頼りにして、当初予算ではなくて補正予算を利用してやってきたというような経緯があったりいたしまして、ここは少し、当初予算ですべてこれは見ていくという方針に変えていかないといけないというふうに思うんです。ところが、そこが少しうまくいかなかった。
 厚生労働省としましては、これはもう当初予算の方にかえていこうというので、当初予算の方の予算にするために、昨年の補正予算のときには今までほどの予算をそこに要求しなかった。そして当初予算でというふうにしたわけでございますから。ところが、今度は当初予算の方が、うまくそこがいかなかったということでございまして、しかし、ここは年間全体としてこれが維持できるようにしなければなりませんから、できるように最大限努力をしたいというふうに思っている次第でございます。
山井委員 私たちも国会で、本当にこの社会的入院の問題は真剣に議論して、そういう御答弁もいただいているわけですから、その約束をしっかりと守っていただきたいと思います。
 そして、それにも関連しまして、坂口大臣、次の質問ですが、今も答弁の中で、七万二千人の社会的入院を十年間でなくすという御答弁なんですけれども、私もこの委員会の中で、精神障害者の社会的入院ゼロ作戦というのをぜひともやってほしいというふうに要望したところであります。
 これについて改めてお聞きしたいんですけれども、七万二千人の社会的入院を減らすということは、七万二千人分の病床を減らすということですか、坂口大臣。
坂口国務大臣 入院の患者さんが徐々に減っていけば、当然のことながら、それはベッド数も減っていくということになるだろうというふうに思います。
 これは、しかし、ベッド数を先に減らすというわけにはなかなかいかない。やはり、患者さんを減らすということが先行して、それに後を追うようにしてベッド数を減らしていく、そういう順序が必要だろうというふうに思っておりますが、当然そういう結果になるだろうと思っております。
山井委員 どちらが先かという話でありますが、社会的入院の人が減っても、ベッドがあいているから、また新しい、必要性が薄い患者さんが長期に入院するというようなことが決してないようにしていただきたいと思います。
 それで、そのためにはどうすればいいかということなんですけれども、坂口大臣、昨年の十二月六日の私の質問に対しても、十年間で社会的入院をゼロにするためには、次のように答弁されているわけですね。「十年ということになると大体七年計画、七年間ぐらいでやらないと十年以内におさまらないことになるというふうに私は思いますから、少なくとも七年計画ぐらいは立てまして、計画的に進めていきたいというふうに思っております。」という答弁をいただいたわけですけれども、この七年の年次計画、これはもう立てられましたでしょうか。そして、もし立てられていないんでしたら、いつ年次計画を公表されますでしょうか。坂口大臣、お願いします。
坂口国務大臣 計画というのは、おくれることはありましても、早まるということはなかなかないものでございまして、大体おくれてくるものでございますから、私はできるだけ早くという意味でそういうことを申し上げたわけでございます。したがいまして、十年間でやり遂げていきますためには、少し早目ぐらいにそれが完了できるようなスケジュールを組んでおいて大体十年になるのではないかというふうに思っておりますので、ことしじゅうにその計画は立てたいというふうに思っております。ことし、もうできるだけ早く立てたいと思っておるところでございます。
山井委員 そうしたら、確認なんですけれども、ことしじゅうに年次計画を明らかにして公表するということでよろしいですか。
坂口国務大臣 そのようにお考えいただいて結構でございます。
山井委員 今も答弁いただきましたように、もう一年目がスタートしているわけですから、できるだけ早く、大急ぎでお願いしたいと思います。
 問題は、社会的入院が減ったという達成度をどうやってはかるのかということですよね。例えば、一年で一万人減らすという年次計画を立てられたとします。それで、一万人減ったかどうかというのをどうやって検証するのかということがセットでないと、計画の立て倒れになるわけで、そこを大臣、どのようにして達成度をはかるのでしょうか。
坂口国務大臣 毎年になりますかあるいは一年置きになりますか、その辺のところを決めたいというふうに思いますけれども、調査をずっと継続的にやっていく。どういうふうに達成されているかということを、全国的にも地域的にも見ていきたいというふうに思っています。
山井委員 そこは、ぜひとも毎年調査を正確にやっていただいて、社会的入院が減っているのか、そして、減っていないならばなぜなのかということで、まさに大臣がおっしゃったように、十年と言っているとまた延びてしまう危険性があるわけですから、七年ぐらいの計画にしていただいて、それで、約束ですから、必ず十年で社会的入院をゼロにするということをしていただきたいと思います。
 次に、木村副大臣にお伺いします。
 そこで、こういう精神障害者の社会復帰のニーズ調査を、今、日本精神科病院協会に委託して行われているわけですけれども、この結果は、答弁が長くなりますのでどのような調査かというのはもういいですから、いつ発表され、どのように生かすのか。木村副大臣、お願いします。
木村副大臣 おはようございます。
 調査につきましては、現在、入力したデータのチェック等を行っておるところでございまして、今後、外部の専門家を含む評価委員会を厚生労働省で開催いたしまして、分析及び報告書の取りまとめを行った後、速やかに結果の公表をするということにしたい。このように思っておるような次第でございます。
山井委員 速やかにというのは、いつですか。
木村副大臣 速やかにでございます。
山井委員 例えば、七月中でオーケーですか。速やかですから。
木村副大臣 分析の方は何とか七月中に終わらせたいというようなことの意向でありますけれども。それから、その分析からいろいろとまたあると思いますけれども、一応、今はそういうスケジュールになっておるんだそうでございます。
山井委員 これは割と重要なことなのであえて聞きますが、分析はそうなんですけれども、いつ発表になりますか。それを教えてください。
木村副大臣 その後できるだけ速やかにということだそうでございます。
山井委員 そこをちょっとはっきりしてください。八月中旬まで、お盆までとか。やはりこれは非常に重要なことですから。年次計画とかにまた関係してくるわけですから。
木村副大臣 分析を七月中に済ませたいといって努力しているようでございますので、その努力を見守っていただいたらどうでしょうか。速やかにとも言っておるところでございますから。
山井委員 ちょっと期限を区切ってください。速やかですから、そんなの、十二月とかだったらだめなわけですから。八月中でいいですか。
木村副大臣 そのような方向でできるだけ努力をしたいということでございます。
山井委員 そうしたら、八月中ということでお願いしたいと思います。
 それで、日本精神科病院協会も現場の方々のために頑張っておられると思いますが、一つ私心配なのが、七万二千人の削減目標というものに対して、多過ぎるんではないかという異論を唱えておられるわけなんですね。そういう団体にこの社会復帰のニーズ調査を委託するということについて問題はないのかなと思うんですが、これは坂口大臣にお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 参議院とか今までのいろいろな議論の中で、この日本精神科病院協会が七万二千人の削減目標は多過ぎるということで異論を唱えていられる。そこがこういう社会復帰のニーズ調査をやるということについて、いかがでしょうか。
坂口国務大臣 七万二千人というこの数字の出し方も、これは非常にアバウトな出し方であります。社会的入院とはいかなるものかという定義を明確にして、そして数えたわけのことではありません。したがって、それは見方によって若干の違いはあるかもしれませんけれども、しかし、これは一つの目安になっている数字でございますから、多少の上下はあるかもしれませんけれども、一応現在のところは、我々はこの数字を信じてやっていく、こういうことでございます。
山井委員 まさに目安ということなんですけれども。
 坂口大臣に重ねてお伺いしたいんですけれども、私ちょっと気になる話を聞いていますのが、今回、社会復帰施設への予算づけも二割しか進んでいない。そんな中で、地方自治体からは、この七万二千人という削減目標はそもそも下方修正されるんじゃないか。今回の調査とかを通じて、やはり社会的入院はそんなに多くないということで下方修正されるんじゃないか。それを見守ってからどれだけ頑張るか考えるというような声も地方自治体から聞いているんですね。
 そんなことはないと思いますが、坂口大臣に改めて念のために聞きますが、七万二千人という削減目標が、今回の調査とかで、七万二千人と思ったけれども、もっと少なかったから削減目標を減らしますというようなことになる可能性はあるんですか。坂口大臣、いかがですか。
坂口国務大臣 それは受け入れ態勢の問題だと私は思うんですね。だから、受け入れ態勢もないのにそんなに多くの人に戻ってもらっても、どうにも仕方ないわけで。それぞれの地域でやはり、患者であった人たち、そして、この人ならば社会復帰できるだろう、そのかわりに、その社会復帰できた人たちを見守っていく人たちがそれぞれの地域でみんな必要なわけで、それがなければまた再入院してもらわなければならないとか、大変な問題が起こってくるわけでありますから。そこは、そういう人材がどれだけできていくか、どれだけの態勢ができるかということと非常に大きなかかわりのある話だと私は思っております。
 社会的入院という言葉で片づけて、そして、この人は社会的入院、この人は違うというふうに明確に割り切るということも、それはなかなか難しい判断だとは私は思うんです、病院の方にいたしましても。しかし、この地域ならば、あれだけの受け入れ態勢ができているんだから、この程度の人ならば受け入れてもらえるだろう、こういうことになるんだというふうに私は思っております。
 したがって、それぞれの地域の受け入れ態勢をどうつくっていくかということを、これから熱心にやっていかないといけない。そうしないと、この七万二千人という数字が生きてこないというふうに私は思っております。
山井委員 まさにそこなんです。だから、改めてお伺いしますと、この七万二千人という削減目標が今回のニーズ調査によって千上下するとか、それぐらいは仕方ないかもしれませんけれども、これは割と根本的な数字ですから、七万二千人やると言っていたのが、そもそももうスタートラインから急に五万に減るとか六万に減るとか、そういう可能性というのは、大臣、あるんですか。そこはちょっと、七万二千人は動かないという答弁をいただきたいんですけれども。
坂口国務大臣 七万二千という一度決めたその数字はその数字、それは動かないと思うんですけれども。いかに七万二千というふうに言ったところで、地域の受け入れ態勢ができなければ、それは七万二千にならないだろうというふうに私は思っております。したがって、それぞれの地域で、少なくとも七万二千なら七万二千人を受け入れられる態勢をどうつくるかということを考えていかないといけない。私はそこが勝負どころではないかというふうに思っております。
山井委員 その七万二千人という削減目標が動かないということでほっといたしましたけれども。
 そこで、一月から三月に行われた調査なんですが、私ちょっと気になる点が二つあります。
 一つは、これは入院している患者さん本人に対するアンケートなんですね。坂口大臣、これはちょっと聞いていただきたいんですけれども、お医者さんですからわかると思うんですけれども、例えば、精神病院に入院している患者さん本人に対してこういう質問があるんです。あなたは、この精神病院を半年以内に退院を希望しますかと。それで、「一、退院を希望する」「二、退院を希望しない」「三、わからない」となっているんです。これは質問通告もしていませんが、坂口大臣、これは常識的に考えて、精神病院に入院している患者さんに、半年以内に退院を希望しますか、しないですかということをぱんと聞いて、正直なというか、答えが返ってくると思われますか。大臣、いかがでしょうか。
坂口国務大臣 それは、本人は正直なことを言うでしょうけれども、そうなれるかどうかということはまた別な話だと思うんですね。本人は、したければしたいというふうに言うでしょう、それははっきり言うと思うんです。だけれども、本当になれるかどうかは病状によるわけですから、それは、本人の希望と、なれるかなれぬかということとは少し違うと私は思いますが。
山井委員 これは、大阪府で行われていますこういう社会復帰のための調査とかを参考にしましても、社会復帰というのはなかなか簡単なことじゃない。そのためには、地域に帰ったらどういうサービスが受けられるのか、どういう生活ができるのかというようなことを患者さんに懇切丁寧に説明する、そして病院のスタッフもそういうことをやはり勉強する、そういうことをした上でないとなかなか退院できないということが明らかになっているわけです。
 そういう意味では、今までの調査からも、退院を希望するかと聞かれても、精神障害者の患者さんは、社会に帰るイメージがわかない。大体、どんなサービスがあるのかも当然わからないわけですよね。だから、私が心配しているのが、そういうふうな情報提供も十分せずに、半年以内に退院したいですかと言われても、多くの患者さんが、「わからない」とか「退院を希望しない」に丸をされるんじゃないか。もっと言えば、「退院を希望する」に丸をすれば、それを病院に提出するわけですね、そうしたら、この病院の居心地が悪いんか、何か文句あるんかというふうなことにも受け取られかねない。そういう意味では、私は、お世話している側の病院がこういう調査をやるということは、やはりちょっと、正確なデータが出てきにくいんじゃないかなというふうに思います。
 そういうこともあって、今回のニーズ調査で、七万二千人の社会的入院の削減目標と言っているけれども、患者さんに聞いてみたら、もう三万人ぐらいしか退院したいという人はいませんでしたよという統計が出てきても、必ずしもその統計が信用できないということになるのではないかなと思うんですけれども、そのあたり、坂口大臣、いかがでしょうか。
坂口国務大臣 どんな結果が出るか、これは結果を私も見せてもらわないとわからないわけでありますが、社会的入院であるかどうかということは、患者さんにお聞きをするだけでわかる話ではないと私は思います。
 ですから、そこは、医師がどういうふうに診断をしているかということとあわせての話でなければならないと思っておりますから、両方あわせて、どれだけかということがわかるようにしなければいけないというふうに思っています。
山井委員 主治医のお医者さんへのアンケートもセットでありますので、そういう危惧を持っているということを私申し上げます。
 そこで、また木村副大臣に戻りますが、昨年の十一月六日の日本精神病院協会の決起集会に行かれた、それで、十一月に献金を三十万円受け取られたということで、朝日新聞の報道でも、出された側の会長さんは、集会に来てもらった謝礼だということをおっしゃっているわけですけれども、木村副大臣、謝礼として受け取られたんでしょうか。
木村副大臣 先日の委員会で答弁した以上のものも、以下のものもございません。
山井委員 ちょっと、今もう一回聞いているんです、改めて聞きたいと思って。
木村副大臣 先日の委員会で御答弁をさせていただいたものでございまして、それ以上のものも、以下のものもございません。
山井委員 ちょっと、そうしたら、もう一回、今この場で言ってください。
木村副大臣 相手側の気持ちはともかく、私は通常の政治献金として受け取ったものでございまして、それゆえに政治資金規正法にのっとって適正に処理をしているところでございます。
山井委員 今、相手側の気持ちはともかくということをおっしゃいましたね。ということは、相手は謝礼として出したかもしれないということは認めるんですね、副大臣。
木村副大臣 私は、通常の政治献金として受け取ったものであり、それゆえに政治資金規正法にのっとって適正に処理をしているところでございます。
山井委員 今のは非常に重要な発言だと思っております。
 香川県の柔道整復師会の会長さんも、日経新聞の取材に対して、保険適正化の働きかけの謝礼として贈ったということをおっしゃった。ところが、不思議なのは、新聞の報道が出た後、何か、もう一回聞くと、いや、そんなことはなかったと言って、当然皆さん否定されるわけですね。でも、どっちが真実かというと、最初聞かれてうそを言うはずはないわけですね。ということは、やはりこれは十一月の集会の謝礼だということであると思います。謝礼をもらって、そういう集会に行かれたと。
 それで、問題は、心神喪失法案に関して、一方の、賛成側の大集会、そしてまた日本精神科病院協会は、先ほどの、七万二千人の削減目標は多過ぎると言って異論を唱えている団体、そういう会合にだけ副大臣が行ってあいさつするというのは、私は、何か公平性を欠くのではないかと思います。
 そこで、お伺いとお願いをしたいんですけれども、もう一方の、あの法案に関係しておられた、例えば精神障害者の当事者団体の会にもぜひとも一度は行っていただきたいと思うんですけれども、副大臣、行っていただけますか。
木村副大臣 どういう団体かもよくわかりませんし、今初めてお話を受けたことでございますので、直ちに、行くとか行かないとかいって、そういうような答える筋合いのものではないと思います。
山井委員 具体的な話は後として、一般論でいいです。これは、一方の集会に行かれた、ということは、ここしか行かないんですか。それとも、ほかの、こういう精神障害者の当事者や福祉関係の団体の集会に要望があれば、そういうことは参加を検討してくださるということですか。
木村副大臣 今申し上げましたように、その団体がどういうものであるか、またそういうような話を今初めて聞いたばかりでございますし、それでもって、出ろとか出ないとか、そういうことは、今直ちに即答できる話じゃございませんし。
山井委員 だから、今からもうノーと言うんですか。検討してみると言ってくださったらいいんですよ。検討はしてくださるんですよね。
木村副大臣 何回も申し上げておりますけれども、今初めてお話をお聞きして、どういう団体かわからないし、どういう御趣旨かもわかりませんし、そこは、今直ちにお答えできるような話じゃないでしょう。
山井委員 なぜ、検討するということも言えないんですか。検討したらいいじゃないですか、副大臣。
木村副大臣 今お話ししているとおりでございまして、どういう団体かも、今一度聞いただけで、名前がすっきり入るような話でもございませんし。それは、厚生関係の団体というのはたくさんあるんですよ。NPOも含め、FPOも含め、たくさんあるのでございますよ。それを、出席しろとか出席しないとか、どうだこうだ言われたって、それはなかなかすぐにお答えできるような話じゃないんじゃないでしょうか。
山井委員 だから、検討するでいいんじゃないですか。
 検討できないんですか、検討できるんですか。
木村副大臣 だから、今、山井先生のおっしゃった団体の名前も、すんなり落ちないわけですよ。だから……(山井委員「団体の名前、言っていない」と呼ぶ)だから、そういう何か漠然とした話にどうだこうだというのは、そんなに簡単に答えられるような話じゃないんじゃないでしょうか。
山井委員 ちょっと、副大臣の感覚を疑いますね。それで、なぜ、そういう話が出たときに、検討するとすら答弁できないのか、これはよくわかりません。
 それに関連して、医療で金を稼ぐ弁護士がいるということで、医療事故の被害者の方々が非常に怒っておられたあの木村副大臣の暴言についてなんですけれども、このことに関しても、東京女子医大病院被害者連絡会と埼玉医大病院被害者の会が、六月十一日付で改めて面談をお願いされています。それで、今後、よりよい医療行政を担っていただくためにも、医療被害者からの多くの声を直接お聞きいただきたいと存じておりまして、改めて、女子医大病院被害者連絡会として、できるだけ早い時期に、正式に公開にて面会の機会を賜りたくお願い申し上げますということですけれども、これについて、公開でこういうふうに面談してくださいますでしょうか。
木村副大臣 昨日になりまして、東京女子医大病院被害者連絡会及び埼玉医大病院被害者の連名で面会を求める旨の申し出があったと知ったところでございまして、私としては、当初からの面会の趣旨を踏まえた形であればお会いするつもりでおったんですけれども、先般は先方の方から面会のお断りがあったわけでございまして、また、その際に、今後二度と面会を求めることはない、こういうことでございました。
山井委員 そのときの主体と必ずしも一緒じゃないわけですね、これは。新たな面談の依頼です。それについてどうですか。
木村副大臣 いや、もう一度申し上げますけれども、昨日になって面会を求める旨の申し出があったと知りましたけれども、私としては、当初から面会の趣旨を踏まえた形であればお会いするつもりでおったんでございますけれども、先方から面会のお断りがあったわけでございまして、また、その際に、もう今後二度と面会を求めることはない、こういうことであったわけでございます。
山井委員 そういう答弁も本当に誠意がないですね。最初から公開の場で会いたいというふうに向こうが言ってきたのに、それを、お互いの行き違いかもしれませんけれども、前日になって公開で会えないと言って、相手を断らざるを得ない状況に追い込んでおいて、一回断ったからこういうのがもう一回来ても会えないと。副大臣、やはりそれは問題があるんじゃないですか。
 医療被害者の方が、別に文句を言うとか書いているわけじゃないですよ。ぜひとも医療事故の実態とか医療行政のことで会ってほしいと改めてお願いしているんですよ。それに対して検討もまだできないんですか。副大臣、いかがですか。副大臣ですよ。
木村副大臣 何回も申し上げておるんですけれども、私としては、当初からの面会の趣旨を踏まえた形であればお会いするつもりでおったんです。ところが、先方の方から面会のお断りがあり、また、その際に、もう二度と面会を求めることはない、こうおっしゃったのでございまして、私としては、甚だ残念なことだな、このように思っているようなところでございます。
山井委員 何か、こういう低次元な議論を国会ですることが私は本当に恥ずかしいです。本当に医療事故の問題とか、真剣に取り組む気があるんですか。
 また、先ほどの精神病院協会の問題に関しても、昨年三度献金も受け取っておられる。こういうふうな、本当に法案審議でいろいろ非常に大事なときに、一方の団体に行ってその集会に行った謝礼を受け取る、そういうのはやはり副大臣として信用できない。そして、こういう質問をしても公平な答弁をしないんじゃないかと思うわけですけれども、まだ副大臣の任期も残っていると思うんですが、今後もこういうような医療系の団体からの献金は自粛するということを約束してもらえませんか、木村副大臣。
木村副大臣 政治献金は、政治家の活動として法律上認められているものでございまして、政治資金規正法に基づきまして適正に処理をしているところでございます。
 私は、副大臣といたしまして、公共の利益のために職務を遂行しており、決して一部の利益のために影響力行使とかそういうことはないわけでございまして、また、今後もあり得ない、このように思っているような次第でございます。
山井委員 そういう重要な時期に一部からだけお金をもらうから、そういう疑惑を招くんでしょう。坂口大臣は、大臣在任中はそういうお金を受け取らないとおっしゃっているわけですよ。本当に、これだけ、一カ月もかけて厚生労働委員会で大騒動になって、そういう献金というのは問題じゃないかということになっても、なお自粛する気もない。そして、医療被害者や精神障害者の団体の方々が会ってほしいと言っても、検討するとすら答弁しない。そういう人間に副大臣の資格はないと私は思います。(木村副大臣「委員長」と呼ぶ)いいです、もう、ちょっと時間がないですから。これは、木村副大臣、次の質問に行きます。
 日本経済新聞の四月三十日付の報道で、整骨院の適正化指導見送りについて、この記事の中で、こういう見送りに関して議員が動いたんではないかというような問いかけに対して、こう記事に出ているわけですね。厚生労働省の担当者は、次のように言っているわけです。「複数の国会議員に説明し、業界の反発が強いという意見が強かったのも一因だった」と、日経新聞の記者に対して明確に答えています。
 ということは、厚生労働省の今の担当者が六年前のことを知っているということは、やはりこれは資料があったんですよね。先日、私が委員会で提出したあの資料を見て、ああ、確かに昔こうやって木村副大臣とかにも説明しているんだなという資料がないと、「複数の国会議員に説明し、」ということなんか答えられないじゃないですか。
 この厚生労働省の担当者が、こういう複数の国会議員に説明したと明確に答えた根拠は何ですか。
木村副大臣 担当課からの報告によりますと、四月三十日の日経記事に関する取材につきましては、保険局医療課の職員が対応したとのことでありました。また、その内容としては、一般論として、所管の施策につきましては、機会あるごとに関係する議員に対して説明を行うものであること、柔道整復に係る療養費については、平成五年の会計検査院の指摘を受けて適正化のための取り組みを行ってきたものであるが、実施に際しては、関係団体と協議の上、合意が得られたものから順次実施してきたものであることについて説明をしたとのことでございました。
山井委員 全然一般論じゃないですよ。これは、このことについての取材をしているんですよ。一般論じゃないですよ。もう一回答弁してください。
木村副大臣 もう一回答弁しろということは、もう一回答弁いたしますが、担当課からの報告によりますと、四月三十日の日経記事に関する取材につきましては、保険局医療課の職員が対応したとのことでございました。また、その内容といたしましては、一般論として、所管の施策につきましては、機会あるごとに関係する議員に対して説明を行うものであること、柔道整復に係る療養費については、平成五年の会計検査院の指摘を受けて適正化のための取り組みを行ってきたものでありますが、その実施に際しましては、関係団体と協議の上、合意が得られたものから順次実施してきたものであることについて説明をしたとのことでございました。
山井委員 全く納得できませんが、次に移ります。
 地元の社会福祉施設、高齢者施設のことについてお伺いしたいんですが、志度町にあります日盛の里とか、あるいは、最近、坂出市の加茂町に、西山脳外科が高齢者施設を今建設中というか申請中と聞いておりますが、こういう施設のことを知っておられますか。それと、その関係者から献金を受けられたことはありますか。
木村副大臣 いや、今直ちに聞いた話でございまして、もう一回、済みません、どこの、名前……(山井委員「志度町の日盛の里と、坂出市加茂町で西山脳外科が高齢者施設を今計画しているということ、その二つ」と呼ぶ)いや、よく存じませんが。
山井委員 その関係者から献金を受けたという事実はありますか。
木村副大臣 いや、直ちの話なのでよく存じませんけれども。
 いずれにいたしましても、献金を受けた場合には、政治資金規正法にのっとりまして適正に処理をさせていただいているところでございます。
山井委員 地元の新聞で、木村副大臣は、こういう口ききをして、国や県に認可を働きかける、そういうことによって口きき料をもらっている、そういう疑惑の報道が出てきているわけですね。
 それで、私も現地の関係者に聞くと、まあ、うわさとしては、何か木村議員に口きき料を持っていかないとなかなか認可が早まらないといううわさがあるということなんですが、木村副大臣、そういううわさについてどう思われますか。
木村副大臣 一々うわさのことに関しては……(山井委員「いや、これは新聞の記事に出ているんです」と呼ぶ)一々うわさのことに関してはコメントすることはできません。
山井委員 これは新聞記事に出ているから質問をしているわけです。
 それで、そういう認可を早くしてくれという、この記事に出ているような働きかけをした事実はありますか。
木村副大臣 一々うわさについてコメントしろと言われたって、それはとてもできるような話じゃございませんから。
山井委員 急で答えられないならば、調べて、働きかけをしたかと、それと、献金をもらっているかということを答弁してもらっていいですか。
木村副大臣 いずれにいたしましても、献金はいつも適正に処理をさせていただいておるところでございまして、これは政治資金規正法にのっとってちゃんとやらせていただいているところでございます。
山井委員 またこの問題も引き続き取り上げさせてもらいたいと思います。
 きょうのまた答弁を聞いて、私、副大臣に驚きましたのは、これだけ問題になっても、副大臣という自覚を持っていられない、それで献金の自粛ということに対してもやる気も全くない、そしてまた医療事故の被害者あるいは精神障害者の方々の団体の会に行くということも検討すらしていない、そういうことは本当に副大臣としての資格がないと思います。
 先ほど手を挙げて答弁しようとされていましたので、答弁してください。
木村副大臣 済みません、どういう質問だったか、もう一回言っていただけますか。
山井委員 ですから、そういう当事者の方々とも会おうとしない、それと、献金の自粛もしない、やはりそういう方に副大臣としての資格がないんじゃないかと先ほど言ったら手を挙げられたので、言い分があったら答えてください。
木村副大臣 ですから、そこは、向こうの方からお断りになったんです。それで、向こうの方から、もう二度と会わない、こういうふうにおっしゃられたんですよ。
山井委員 それは事実と異なりますので、またこの問題も引き続きやりたいと思います。
 ありがとうございました。
中山委員長 次に、大島敦君。
大島(敦)委員 民主党の大島敦でございます。
 きょうは公益法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備に関する法律案に関しまして質問をさせていただきます。非常に今回のこの法律案はテクニカルな法律でございますので、そんなところを踏まえながら質問をさせていただきます。
 一連の行政改革の流れの中で、今、根拠法がありましてできている特殊法人、そして、根拠法があって、かつ民間の設立の発意に基づいている認可法人、そして公益法人、国が関連する法人、さまざまございまして、今回は、国が関連する法人の中でも、特に行政委託型の公益法人の改革の一環として今回の法律が出てきたかと思います。
 まず伺いたいのは、検査機関、研修等の指定制度を登録制度に変更することととしておりますが、今回の改正の対象となっていない公益法人の改革についてはどうなっているのか、ちょっとお答えいただければ幸いでございます。
鈴木政府参考人 今回の法案につきましては、平成十四年三月二十九日に閣議決定されました公益法人に対する行政の関与の在り方の改革実施計画、これに盛り込まれた一部を実施するものでございます。この実施計画にはそのほかに、補助金依存型の法人のあり方、第三者分配型の補助金のあり方、それから役員報酬に対する助成を廃止する等のものも入っております。この法案以外のそういった問題については、これまでやっているものもありますが、全体として十七年度までに順次改善していくということになっておりますので、それについては着実に実施をしていきたいと考えております。
大島(敦)委員 大臣に御感想をちょっと伺いたいんですけれども、よろしいでしょうか。
 総務省から出ている公益法人に関する年次報告書というのがありまして、結構分厚い、日本の公益法人に関する年次報告書が出ております。
 その中で、厚生労働省関係も非常に多くの公益法人が設立されておりまして、やはり組織というのはほっておくと膨張していくのかなという、そういう気持ちを抱いたんですけれども、その点につきまして大臣のお考えをお聞かせください。
坂口国務大臣 御指摘のように、公益法人、特殊法人がたくさんございますし、厚生労働省関係のものも非常に多いわけでございます。これらのものの中には、先ほど部長が答弁しましたように、国からの補助金が大部分を占めているものもあるわけですね、そうでないものもございますけれども。したがいまして、国からの補助金が大部分を占めているようなもの、それから役員の報酬等を国が出しているようなもの、そうしたものを先行してと申しますか、優先的に改革をしていくということだろうと思います。
 それ以外のものもありますから、これはどこかが引き受けましたものを、それを丸投げするというようなものも中にはありますから、そうしたものにつきましても改革をしていかなきゃいけませんし、そして、中には全部なくしてしまうということもいかないものもございますけれども、民間の企業もそこに導入を、同じようにやれるようにして、やはり競争原理が働くようにしていかないといけない。
 そうした改革をやっていく、それで自然消滅するものは自然消滅しますし、あるいはまた、特殊な、非常に山間僻地、あるいはまた、特定の人たちだけにどうしてもやってあげないと民間が面倒をなかなか見てくれにくいというようなものにつきましては、これはやっていかなきゃならないというふうに思っておりますが、やはり手順としましては、そうした手順を踏んで改革を全部やっていくということだろうというふうに思っておりますし、我々もそういうふうにやっていきたいと思っております。
大島(敦)委員 先般できた制度でキャリアコンサルタントという制度がございました。厚生労働省の方に確認したところ、キャリアコンサルタントに関しては特定の公益法人はつくっていない、各民間の会社がその資格試験制度をつくり、それに対して厚生労働省として、資格として適当であるから助成するというような、そのような施策をとっていると伺っております。これまでですと、恐らく公益法人をつくり、そこがそのような資格制度を所管、あるいは考え、基準をつくり、そしてやっていったと思います。
 ですから、今後とも、大臣あるいは厚生労働省の方にお願いしたいのは、新しい施策をつくる場合に、公益法人はつくらないという前提で施策を進めてほしいんですけれども、その点についての大臣のお考えをお聞かせください。
坂口国務大臣 公益法人もいろいろですから、これからどういうふうなものができてくるかわかりませんが、やはり公益法人としてやっていかなきゃならないものもそれは中にはあるかもしれませんけれども、総論として、初めにおっしゃいましたように、今までのように何事も公益法人としてやっていく、あるいは特殊法人をつくってやっていくというような行き方は、もうこれは改革をしていかなきゃいけないわけでありますから、一生懸命それをなくそうとしているのに、一方でなくして、また一方でどんどんつくっているようなことではいけませんから、それはもう御指摘のとおりだというふうに思っておりまして、最大限民間の力を活用してやっていくという体制にこれから進んでいきたいというふうに思っている次第でございます。
大島(敦)委員 それでは、今回のこの法律案の中で、何点かについてお聞かせください。
 今回の中に、例えば、特定機械、これはボイラーとかクレーンに関する試験、製造時の検定とか性能検査、あるいは許可に関する改正がございます。この点についてまずお聞かせいただきたいんですけれども、今回の改正のポイントについてお聞かせください。
松崎政府参考人 今回の改正は、例えば、今例として挙げられましたボイラー、クレーン等危険な機械等については、製造時における検査、また設置時でありますとか、使用に従いまして何年に一度検査といったようなことが義務づけられております。
 こういった検査、検定につきましては、現行制度におきましては、いわば指定方式ということで、基本的には国が団体を指定しまして、その監督のもとに検査、検定というものを行うといったことでやってきたわけでございます。
 今回の改正におきましては、これを登録制度ということで、一定の登録要件、その法人なり団体なり、検査、検定を行う組織の要件というものを法律上明確にいたしまして、その要件に合致しているものについては必ず登録をするといって、登録機関にそれを行わせる。
 ですから、いわば事前にチェックをして指定するのではなくて、登録要件に合っておれば必ず登録をし、そこが、自由にといいますか、競争をしながら、各登録機関がいい意味での競争をしながら検査、検定を行い、何か問題があった場合には、事後的に改善命令でありますとか適合命令、さらに最終的には登録の取り消しといったこともありますけれども、そういったことで、事後的なチェックといったものを中心に行っていくというところがポイントだというふうに考えております。
大島(敦)委員 今回のこの法律案に関しては、相当悩まれて書かれたかと思います。公益法人の改革ですから、公益法人の改革を一刀両断で進めるためには一定の割り切りが必要で、その割り切りに基づいて、多分非常に御苦労されてつくられたのかなと思っております。
 例えば、今までですと、国の方で指定した機関というのが、ボイラーなりクレーンなりの性能の試験とか型式の認定とかをしていたかと思います。これからは、一定の要件を備えている会社であればどんな会社でも参入できることになるわけなんです。そうすると、企業規模としてはそんなに大きくない会社でも、あるいはこれまでの実績がない会社でも、今まで国が指定してきた機関の代替として、あるいはイコールの会社として参入できるかと思うんですけれども、その点について、私の認識は正しいでしょうか。
松崎政府参考人 今回の改正案でございますけれども、これは、今御質問にもございましたように、登録型という方式への変更でございますので、法令等ということで、具体的にはこの法律でございますけれども、法律に明示されております要件を満たせば、必ず国が登録しなければならないということにしておりまして、それも、今までのように、一定の事業規模であるとかそういったものは要件にしておりませんで、法律上は、個人といいますか、会社でなくてもいいということになっております。そういったことで、登録要件というものを法律に明定いたしまして、いわゆる行政の裁量の余地というものを排除して、国民に開かれた透明な行政というものへ転換を図ろうといった趣旨であるというふうに考えております。
 したがいまして、登録に当たりましては、各法律に書いてございますけれども、共通部分を申し上げますと、例えば、そういった各法律に違反して罰金以上の刑を受けた者が役員になったりしておってはならないとか、それからまた、検査等の実施に必要な能力を持っている者、そういった者がきちんといるといったような登録要件がございます。そういった登録要件を満たす機関であれ個人であれ、そういったものはすべて登録機関になることが可能になるわけでございまして、いろいろな形での登録機関というものが出てくるというふうに考えております。
 しかしながら、この登録はしっ放しではございませんで、一定期間ごとに登録の更新制度というのがございます。一定期間を経過した後に、また、再登録ということで、更新する場合にもう一回チェックするという点。さらに、繰り返しになりますけれども、登録要件を満たさなくなった場合には、登録要件に適合するようにという適合命令というものを国が出す場合がございます。
 また、適正な方法によって検査、検定を行わなければならないわけでございますけれども、そういった適正な方法によって行う義務に違反した場合には、業務の改善命令といったものも出すことができるようにされておりますし、こういった命令に違反して改善されなかった場合は、最終的には、一定期間の業務の停止命令でございますとか登録の取り消しといったことで、適正な検査、検定の実施というものを担保していこうというふうにしております。
大島(敦)委員 検査とか検定というのは、技術的な観点からいうと、極めて専門性が要求される職務であると考えます。例えば、世の中、検査機関がございまして、船舶の検査の場合を例にとると、船主が船を発注した場合、検査機関で検査してくれということを頼むわけなんです。そのとき、だれがその検査のコストを持つかというと、船主側が持つわけなんです。検査官は船主の代理として検査をするわけなんです。これが今の検査の実態ですよね。大体、買い主、購買する側がその検査の費用を持つわけなんです。
 今回のボイラーあるいはクレーンの場合ですと、その検査の費用はだれが持つんでしょうか。
松崎政府参考人 今回の改正によります検査、検定、こういったものは、検査を受けたいから受けるというものではございませんで、いろいろな法令によりまして、ほっておいては危険だということ、国民に大きな影響も与える、労働安全衛生法関係でいいますと、働いている労働者はもちろん一般の国民にも影響を与えることがあるといったような危険な機械、器具、そういったものについての検査、検定でございますので、これは各法律にいわば義務づけられている検査、検定でございます。
 したがいまして、この検査、検定の手数料を支払う方は、この検査、検定を法律上義務づけられている者ということでございますので、製造段階での検査、検定については製造する方が、また、使用段階での定期的な検査、検定を受ける場合には、この機械を使用する方がというふうになります。
大島(敦)委員 そうしますと、ボイラーとかクレーンの検査をできる人間というのは、今ここに指定されている指定検査・検定機関に非常に多くいらっしゃると思います。あるいは、船舶をつくっている会社、ボイラーをつくっている会社、その製造に携わっている方にも、恐らくボイラーとかクレーンの検査の業務にふさわしい方は多いかもしれません。
 今の松崎局長のお話の中で、製造時の検査については製造者がその費用を払うんですよというお話がございました。そして、一たん納めた後というのは、それを使用している人がその費用を払うというお話をしました。
 これから価格競争が起こるわけなんです。その場合に、製造者側が検査機関を指定した場合に、できるだけ安いところを指定しがちになるわけなんです。特に、今回の法改正の中で、事業者の自己確認あるいは自主保安を基本とする制度に移行することを基本原則としているというのがございまして、日本のメーカーの検査というのは非常にすぐれていると私は考えております。
 そうしますと、ボイラーとかクレーンをつくっている会社は大きな会社、しっかりとした会社が多いとすれば、自分のところの社内検査はもう十分である、したがいまして、第三者機関の検査会社、あるいは今回指定されるであろうボイラーとかクレーンの検査を行う会社に別に委託しなくても、十分問題なく使っていただけるだろうということで、できるだけ安い検査料、手数料ができるだけ安い検査機関、検査の会社を起用するおそれがあると思うんですけれども、その点についていかがお考えでしょうか。
松崎政府参考人 確かに、こういった検査料についても自由に決めるということが原則になってくるわけでございますので、登録機関の間で一定の競争関係、特に、検査料についての競争というのが起こってくるんじゃないかというふうに考えておりますけれども、こういった競争といいますのは、余りにも行き過ぎなければ、これは利用者に対するサービスの向上に資するという面があるというふうに考えております。
 しかしながら、一方で、こういった競争をし過ぎたために、検査に要する設備であるとか検査員の資格でありますとか、そういった登録基準に反するようなことになっては、適正な検査が行われないわけでございますので、そういった場合には、先ほども申し上げましたように、適合命令でありますとか改善命令、そういった国によります命令なり、最終的には登録の取り消しといったような処分を背景としまして、きちんと検査が行われるように担保していくということをする予定にしております。
大島(敦)委員 ボイラー、クレーンを設置した後の検査というのは、先ほど局長の方からも、つくった人ではなくて使っている人が検査の手数料をお支払いするというお話がありました。その場合に、使っている本人としては、できるだけ安い検査をする会社を選ぶのではなくて、コストも安いんだけれども、しっかりしている会社というところで選んでいくわけなんですよ。そうすると、私は別に、価格競争があったとしても、選ぶ方のリスクがあるわけですから、それは合理的だなと思うわけなんです。ただ、製造するときについては、局長さまざまおっしゃられましたけれども、なかなかそこの安全性を担保するのは難しいと思うんです。
 だから、その場合には、例えば製造者がその費用を持つのではなくて、仕組みとして、クレーンなりボイラーを買った人間が、製造した後に、この検査機関にお願いしますよ、この検査会社にお願いしますよといって、そのボイラーなりクレーンなりを検査させた方が、コストの問題とお客さんが求める品質の問題というのが、非常にリーズナブルに、多分接点が生まれてくると思うんですけれども、いかがでしょうか。
    〔委員長退席、宮腰委員長代理着席〕
松崎政府参考人 安全衛生法の関係で申し上げますと、例えば製造時の検査、それから、一定使用しているときの検査、大きくいって二種類ございますけれども、特に製造時検査というものを義務づけておりますのは、実際に購入してから使用者が使うというのではなくて、やはり危険のおそれがあるものは世の中に出回らないようにという、事前チェックということで、出回った場合に非常に大きな災害を起こすおそれがあるといったものに限定して行っておりますので、こういった製造時検査というものをきちんとやることがやはり今後とも必要であるというふうに考えています。
大島(敦)委員 なかなか、局長としても、そこの一言を踏み込んで言うと全部変えなくちゃいけないものですから、苦しい御答弁とは思うのですけれども。
 ただ、私たちの厚生労働委員会が扱っているものは、生命とか、非常に危険なものが多いわけなんです。医療機器についてもそうだと思います。
 例えば、今回の改正の中で、作業環境測定士指定講習制度というのがあります。これについては、講習ですから、民間の方に移管したとしても、そんなに大きい不利益を消費者がこうむることは恐らくないと思います。あるいは水道水質検査制度、これについても水道事業者が機関を選ぶわけですよ。そうすると、水道事業者は、個人、会社じゃありませんから、コストという観点よりも、よくやってくれる、しっかりと検査してくれる会社を選ぶはずなんです。しかしながら、医療と、今回のボイラーとかクレーンに関しては、コストというところがどうしても働いてしまうんです。
 ですから、今後この制度を見直していく中で、あるいはこれからつくられて充実させていく中で、製造者がコスト、検査費用を払うのではなくて、逆にエンドユーザー、購買者側がどの検査会社を使っていいかという観点、そこから会社を選べるようにするといい競争が生まれてくるかと思うのですけれども、ここで大臣、もう改正ですから、手直しするのはなかなか難しいと思うのですけれども、今後のあり方としてそのようなあり方が望ましいと思うのですけれども、いかがでしょうか。
坂口国務大臣 お話を聞いておりまして、なるほど理屈のある話だ、これはなかなか経験をしないとわからない話だと思いながら聞いていたわけでございます。しかし、こういう法律を出させていただきましたので、今後、いろいろの運用の仕方はあるというふうに思いますから、先生の御意見というものも十分拝聴して、そうしたこともやはり念頭に置きながら、安全がどう確保されるかということに対して十分に考えていきたいというふうに思っております。
大島(敦)委員 今回の一連の公益法人の改革、冒頭申し上げましたとおり、ばっさり割り切ってやらないことには公益法人の数が減らないものですから、割り切りは必要だったと思うのです。しかしながら、国民の生命とか財産に関する問題についてはより慎重に御対応をとっていただくことをお願い申し上げます。
 続きまして、今回、私どもの参議院の山本議員が、衆議院に先立ちまして、今回の改正案について審議をされております。その中で御質問させていただきたいのですけれども、公益法人の役員の報酬について国が助成をしているものがある、それについて、削減した場合の対応についてお聞かせいただければありがたいのですけれども。
鈴木政府参考人 役員報酬の問題でございますが、今削減というお話がございましたが、これにつきましては、先ほど申し上げました改革実施計画におきまして、補助金等によりまして役員報酬に助成することは、民間法人に対して国が関与することになりかねないという観点から、一律に廃止ということになっております。ですから、補助金等から役員報酬にいくということは、これからはなくなるということでございます。
 これについては、十七年度までにすべての法人についてそうなるようにすることになっております。したがいまして、そうなった場合には、各法人とも、各法人の自己収入の範囲内で取り扱うということになるものと考えております。
大島(敦)委員 松崎局長の御発言で、恐らく前回の御発言で、こういう御発言がございまして、いろいろな賛助会費、そういったもの、企業の方からいただきます賛助会費の値上げでございますとか、さらに事業主を対象といたしましたセミナー等の開催数、これをふやすとか、また出版事業、こういったものをもっと積極的にやっていくとかいうふうな自己収入の拡大というものに努めていくという御発言がありまして、ここの部分の賛助会費の値上げというところは余り芳しくないかと思うのですけれども、その点について局長の御答弁をいただきたいと思います。
松崎政府参考人 たしか、いわゆる補助金依存型の公益法人についての改革、じゃ、これからどうするんだという御質問に対するお答えだったかと思いますけれども、確かにそれは、法人として、まあ会員がおりまして賛助会員がいるということで、会費なり賛助会費というものの引き上げというものも法人としては考えていきたいというお話も聞いておりますので、それを御紹介をしたまででありまして、私どもとしましては、やはりそれは公益法人でございますので、会員等と相談して決めていくものではないかと思っておりまして、やめろとかやれとかいった話ではないと思っております。
    〔宮腰委員長代理退席、委員長着席〕
大島(敦)委員 先般新聞を読んでおりましたら、厚生労働省としては、新しい企業をつくる起業家に対する取り組みを充実させていくという方針だということを伺っております。
 大臣について伺いたいのですけれども、やはりその先鞭として、優秀な役所のOBの方たちが先頭に立ってこのような公益法人の業務改革に携わられて、自己の収益をどんどん営業して上げていく、賛助金を上げるのではなくて、本当に自己の活動でしっかりと賄えるような方向というのが私は正しいと思うのですけれども、その点について大臣のお考えを伺わせてください。
坂口国務大臣 それは全くそのとおりでありまして、自立の精神でぜひやっていただきたいと思います。
大島(敦)委員 もう一つ。これまでの指定法人、公益法人というのは、税金に関しては課税の対象にはなっておりません。これから民間の会社が先ほどの検査とかあるいは検定とかあるいは研修の事業に携わった場合には、民間の会社というのは課税対象になるわけなんです、収益というのがあると。そうしますと、今の公益法人でやっている検査、検定あるいは研修というのは収益事業であると思います。
 そうしますと、民間の会社としっかりとイコールフッティングというんですか、同等に競争するためには、この公益法人の経理について、区分経理をしっかり明確にして、民間との競争力でげたを履かないというのが必要だと思うんですけれども、その点についてお考えを伺わせてください。
鈴木政府参考人 公益法人につきましても、収益を伴う事業、これは収益事業として課税の対象になってまいります。それは業務全体の半分を超えてはならぬということで指導しているところでございます。今後とも、そういった指導をきちんとしていきたいと考えております。
 また同時に、それは当然、区分経理をしなきゃならぬということにもなっておりまして、あわせて、そういったところは厳格に指導してまいりたいと考えております。
大島(敦)委員 最後に大臣にお願いをしたいんですけれども、国の方のチェック機関としては、今回の行政改革の事務局あるいは会計検査院、総務省の中の行政評価局というのがございます。しかしながら、私たち立法府に属する者がしっかりと目配りをして、ここはおかしいということを言い続けませんと、組織というのは膨張してしまうと思います。ですから、大臣にお願いしたいのは、副大臣あるいは政務官の方に、ぜひ、この公益法人改革について、しっかりと日々チェックして、しっかりと確認して、今の実行段階がどのようになっているのかをフォローしていただければ幸いでございます。
 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
中山委員長 次に、加藤公一君。
加藤委員 民主党の加藤公一でございます。おはようございます。
 本日は、本来は木村副大臣が交渉担当をされているのでございますが、ハンセン病問題の全面解決に向けまして、どうも副大臣が担当になられてから遅々として進まない部分も出てきているようでございますので、あえて大臣と局長にしっかりと前向きな御答弁をいただきたいということで、きょうは取り上げさせていただきたいと思っております。短い時間ではございますけれども、前向きな、建設的な御答弁をいただければ、もっと短く済ませてもいいと思っておりますので、ぜひ局長には、その点、心してお願いを申し上げておきたいと思います。
 ハンセン病の問題は、もう私から申し上げるまでもなく、一日も早く解決をしなければいけないということでございまして、余り悠長なことを言っている状態ではないわけであります。交渉事であるということと同時に、時間との闘いもあるわけでございますから、その点、改めて、少し頭の片隅に置いていただきながら、きょうはお話を進めていきたいというふうに思います。
 先月、五月十四日でございますが、当委員会の質疑で高原局長からもお約束をいただきましたとおり、五月の二十八日の日に社会復帰・社会生活支援部会を開いていただきました。平成八年四月以前の退所者の方々に対する一時金について、その場で御提案をいただくというお約束でございましたが、それをちょうだいしたというふうに聞きました。
 実際、その細かな金額とか支給方法とか、それを私がここでああだこうだ言うつもりはないのですが、それは今後、前向きにさらに検討していただければいいと思うのですが、問題は、これは局長から御提案をいただいた中身を拝見したところ、どうも私、理屈として通らないのではないか、どうしてこのお金がこういうふうに支給されるのかということが、理解に苦しむものがあるものですから、きょうはその点をまず伺ってまいりたいと思います。
 その前段として、今回、回答をいただきました「社会生活支援一時金の支給について」という御提案がありますけれども、この中で、支給対象者から沖縄ハンセン病療養所社会復帰事業によって既に支給を受けている方々は除外をする、こういうことが決められておるということなんですが、それを踏まえて伺いますけれども、この略称沖縄事業と簡略化して言いますが、この沖縄事業の目的について、まず局長からお聞かせいただきたいと思います。
高原政府参考人 沖縄ハンセン病療養所社会復帰事業は、昭和二十七年四月二十八日のサンフランシスコ講和条約発効以降、昭和四十七年五月十五日の沖縄本土復帰までの期間に沖縄愛楽園または宮古南静園を退所し、それ以降ハンセン病療養所に再入所していない方々に対して、平成十二年度補正予算において実施された事業でありまして、具体的には、再入所することなく社会生活を継続していくための支援といたしまして、在宅療養に要する住環境の整備等の支援金百万円を限度に要した費用及び社会生活を継続するための支援として百五十万円、計二百五十万円を上限とする支援を行ったものであります。
加藤委員 沖縄の二園の方だけそうした支給をしたということでありますと、つまりは、これは、沖縄のその二園の方たちだけが、ほかの退所者の方と比べると、不平等、不利益をこうむっていた、それを是正する目的があったんではないかというふうに理解をするわけであります。
 沖縄ハンセン病療養所支援事業実施要綱というのを拝見いたしましたが、そこで今局長に御答弁いただいたような内容も書いてあるわけでございますけれども、仮に、この沖縄二園の、今おっしゃった昭和四十七年以前の退所者の方たちだけが不平等だったから、それを是正する目的で支給をしましたということ以外に、この方々に支給をする理由というのは存在し得ないと思うんですが、局長、いかがでございますか。
高原政府参考人 本土復帰前の沖縄におきましては、琉球民政府によって、外来診療の実施など、当時としては、それなりの社会復帰支援を行いながら、在宅治療を推進する施策がとられておりました。
 沖縄ハンセン病療養所社会復帰支援事業は、在宅治療を推進したことは、これは先駆的と評価できるわけでありますが、退所者自身としては、早期社会復帰をしたために、在宅での治療、療養環境に不安をお抱きになった、結果といたしましては、平成八年四月以降の退所者に支払われている社会復帰準備支援金のような支援も受けていないということから、本土復帰前の退所者に対して先行して実施したものでございます。
加藤委員 それを先行して実施したというのは、どうも違うんじゃないかと思うんですよね、それは。当時、そういう趣旨で支払われたわけではないですよね。これは平成十二年度の事業だと思いますが、皆さんに配るんだけれども、沖縄だけ先に配りますよ、先行してやりますよ、こういう話ではなかったというふうに私は理解をしておりますが、局長、違いますか。
高原政府参考人 らい予防法を廃止する法律、これが平成八年にできました。それから、現在の、二百五十万を上限とする、当時は、発足時点ではもう少し少額で短期間続いておりますが、いわゆる社会復帰準備支援事業の開始が平成十年三月でございます。それで、平成十三年一月に沖縄ハンセン病療養所社会復帰事業が始まった。この沖縄ハンセン病療養所社会復帰事業というのは、この平成十年三月に始まった社会復帰準備支援事業を横目で見ながら、それとの均衡というふうなものを意識しながら始められたものであるというふうに私どもは承知しております。その後、それでは平成八年以前の人はどうなるのかという問題が出まして、それについて先般お考えをお示しした、こういうふうな流れになろうかと思います。
加藤委員 私は一向に納得できませんが、仮に今の局長のロジックでいくと、平成八年以前の退所者の方とこの沖縄事業の支給対象になった方と全く同じ条件、全く同じ金額じゃなきゃおかしいんじゃないですか。ここをどうやって説明されるんですか。
高原政府参考人 今回お示ししております百五十万の部分につきましては、その社会生活を持続するというふうなニュアンスが強い、これはこの三つとも共通しておろうかと思います。
 それから、百万につきましては、社会復帰準備支援事業におきましては、退所準備でございますね、入所されている方が住環境を整える、家賃の前払いをする、そういうふうな住環境を整えるというふうな意味での百万円でございまして、これはいわゆる実費精算払い方式となっております。
 それから、沖縄ハンセン病療養所社会復帰支援事業、これも、特に沖縄の患者さんたちが高齢化なさっているということも考えまして、例えば軽費老人ホームの入所費用であるとか、または御自宅をお持ちの場合は、いわゆるユニバーサルデザインといいますか、療養環境に適するように改築するとか、これも実際に支払われた領収書を見せていただいて、それで精算をやっておるわけでございます。
 それで、平成八年以前の方でございますが、社会生活を維持するというふうな意味での百五十万相当分につきましては、これはもう過去に使ったかもしれない、どういうふうに使ったか知れないということで、慰労、功労という言い方もされておりますし、精算払いではなくて、これは全額をお支払いする。しかしながら、退所準備とか住宅整備とかというふうな点を、これから領収書を持ってきてお支払いいただくというふうなスキームというのは、なかなかなじみが悪いんじゃないか、なじめないんじゃないかということで、社会生活の支援ということに重点を置きまして、慰労、功労の意味も含めまして百五十万、これを精算払いではなくて全額お支払いする、そういうことを御提案申し上げている趣旨でございます。
加藤委員 一つ一つ条件を切り分けて、その中の理屈を今局長はおっしゃっているんだと思いますけれども、それで全体を見たら、行政の公平性とか一律性ということを言ったら、どう考えても私は筋が通らないと思うんですよ。
 大臣、ちょっと今の議論を聞いていていただいて御理解、御納得いただけたかどうかわかりませんけれども、今回の五月二十八日に厚生労働省から提示のあったこの「一時金の支給について」というところでいいますと、沖縄事業、つまり平成十二年度に支給をされた方だけが除外をされているということがどう考えても私は理屈に合わないというふうに思いまして、これは要するに平成十二年の沖縄事業が間違いだったのか、それとも今回やはりその方々にも支給をするのか、このいずれかしかないはずなんですよ。
 いいですか、ちょっと、本当だったらここでホワイトボードでも使って説明したいぐらいですけれども、平成十二年の沖縄事業は、底上げをして本土の療養所の退所者の方とそろえましょう、この不平等を是正するという目的のはずだったわけで、一律になったところから同時に上げないで、今度は沖縄はやはり払っていますから除きますといったら、これはどう考えても筋が通らないと思うんですよね。
 本当は局長とだけ話をして、細かい話になりますから、高原さんとだけ話をして納得できればそれでいいと思っていたんですけれども、どうも話が進まないので、大臣、これは議論を聞いていただいて、どうお考えになりますか。これは税金を使うわけですから筋が通っていなきゃいけませんが、私はどうしても納得いかないんですけれども、大臣、どうお考えになるか、御感想をお聞かせください。
坂口国務大臣 沖縄の場合には非常にややこしくて、なかなかわかりにくいんですが、昭和二十七年の四月二十八日から昭和四十七年の五月一日までの間に沖縄の療養所から退所された人に対しましては、いわゆる社会生活継続支援金として百五十万、それから介護等支援特別一時金として百万、お支払いしておるわけですね。これはお支払いしておる。
 それで、今問題になっているのは、それ以降、平成八年四月一日以前の退所者ですね。その八年四月一日以前の退所者で、この人たちに対しましても、社会生活支援一時金として百五十万は払っております、これは。それから、介護等支援特別一時金に匹敵するものを払っておりません、こういうことですね、結果としましては。
 ただし、この皆さん方に対しましては、いわゆる就労支援事業として、沖縄では十三・八万円、十四万円ばかり払っている。就労支援事業費として一回だけしか払っていない。それから、退所患者支度金として一・五万円。ですから、十五、六万しか払っていない、ここに差がある、こういう話ですね、今おっしゃっているのは。
加藤委員 いや。局長が言っていた理屈で言うと、沖縄は先に払っているから今回は対象から外すんだ、こういう理屈なんですよ。大臣、わかりますか。さっき局長が言ったのは、沖縄の方は平成十二年に先払いしているから、今回は払わないんだ、こういう理屈をおっしゃったわけです。
 でも、先払いなんだったら、平成十二年の沖縄事業の条件、金額と、今回の提示される条件、金額が一緒じゃなきゃいけないという問題点が一つと、沖縄だけ先に払った理屈が通らないじゃないですか。行政の公平性、一律性からいったら、どう考えてもおかしいじゃないか。つまり、おかしなお金を、先に税金を使っちゃったということですから、こんなばかな話はないでしょうと。ここで二つ問題なんですよ。
 これを筋を通そうと思ったら、というか我々の理屈からすると、沖縄二園の復帰前の療養所退所者の方々だけがより厳しい環境にあったから、それを是正する目的で、平成十二年の沖縄事業は先にあった。だから、そこでやっと横一線になったんだから、今回も同列で、その皆さんも支給対象にならなきゃおかしいじゃないですかと、こういう話です。こういう話を僕は申し上げているんです。
 ちょっと、局長、今の話でどうですか。僕の言っていることで合っていますよね、それは。
高原政府参考人 らいの療養所から退所された方、これは原理的に言いますと、平成八年以前であれ以降であれ、本土復帰以前であれ以降であれ、基本的には、ベーシックな部分については同じようにサポートする必要があるんだろうと思います。これは社会生活を維持する、ないしは支援する、そういう趣旨の、例えば百五十万を上限として精算払いを行っていて、払い方については、現在御提案申し上げておりますのは一括払いの方法でございますが、そういうものがある。
 それから、平成十年に始まりました社会復帰準備支援事業で百万円分、退所するために要する経費として、百万円を上限。それから、沖縄で二十七年から四十七年の間に退所されました方は、住環境を、比較的短期間で療養を切り上げて、一般社会、これは医療としてはこちらの方が好ましいわけでございますが、御不安もおありでしたろう、これから老化されて住環境というふうなものもお整えにならなければならない、そういうふうなところに着目して百万円、これも上限でございまして、実費精算ということでございます。
 それで、平成八年以前の方につきましては、これも基本的に社会生活を支援するというふうな意味での百五十万を現在御提案申し上げております。
 では、社会復帰支援事業のように、これから出るからいろいろ住環境を整えなければならない、その領収書を出してくださいということは難しい。それから、沖縄の場合は、高齢化で介護とか介護老人ホームとかそういうふうなものの入居費ということで見ておりますが、これも現在社会で生活なさっておる平成八年以前の方でございますので、これもこれからのものを領収書持ってきてくださいというのも変な話だ、そういうことでございまして、時期、場所は問わず、ハンセンの療養所から退所されたという事情というものは共通でございますので、そこに着目して、社会生活の維持という点で百五十万ということを御提案させていただいておるわけでございます。
加藤委員 局長、それは一昨年の十二月二十五日の確認事項書、もう一回よく読んでくださいよ。幾ら払ったからいいという話じゃないんですから。何のためにどういう目的でお金を使ったかですよ、税金使うんですから。そこをもう一回ちょっと確認していただけませんか。
 それから、大臣にお願いなんですけれども、これは小難しい話はしませんから、お願いなんですけれども、五月二十八日に局長の側から御提案をいただいた中身、僕は細かな金額とか支給方法を言っているんじゃなくて、税金を使うわけですから、そこはやはり筋通っていなきゃおかしいじゃないですか。それが、どう考えても筋が通らない、合理的ではないわけですよ。
 さっきも言いましたけれども、沖縄だけ先払いしたということであれば、沖縄に払ったのと今回と同じじゃなきゃ絶対におかしいんですよ、それはどう理屈を立てたって。平成十二年の沖縄事業が、私たちの理解では、その方々だけが苦しんでいたから底上げをして、これでやっと横一線です、こういう考え方で支給をしたんだから、そうなれば今回沖縄の方々も関係なく、一律じゃなきゃおかしい。どっちかしかあり得ないんですよ。明らかにこれは筋が通らない。
 ここにまず問題があるということは、大臣、ちょっと御理解をいただいて、今各論で答えを決めてくださいと言いませんから、もう一度検討していただけませんか。大臣、そこだけ最後お願いします。理屈が合わない。大臣が理屈が通ると思うような仕組みにしてください。
坂口国務大臣 済みません、頭の中、私も十分整理できてはおりませんので、最終結論にはまだ達していないようでございますから、一遍検討します。
加藤委員 ぜひ、本当、税金を使って困っている方を助けるわけですから、筋の通るようにお願いをしたいと思います。ありがとうございました。
中山委員長 次に、佐藤公治君。
佐藤(公)委員 自由党、佐藤公治でございます。
 本日は、三十分間の質疑をさせていただきます。
 法案審議も大変重要なことでございますが、それに入る前に、やはり前回、木村副大臣には大変申しわけございませんが、副大臣におきます一連の流れ、いろいろと疑惑等も報道されております。ただ、私は、本当に名誉にかかわることなんで、疑ってというよりも、この場で真実をきちっと明らかにしていく、そういう議論または御答弁をいただけたらありがたく、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 私はもう、一点だけ、柔道整復師に関すること。事実、事実ではない、そんなことの話があったかと思います。一つの流れとしては、陳情があり、それにおける旧室長と副大臣とのやりとりのペーパーがどこからともなく出てきて、そして圧力をかけた、かけない、またそれにおける謝礼というものの献金があった、こんな流れで、一時委員会も紛糾していたわけでございます。
 こういったことの問題の中で、大臣は、御答弁の中でも、省内における確認をしたということのお話があり、多少のお話がございました。これに関して、もう少し具体的に詳しく、大臣なり担当局長が調べたこと、また調べることを指示したこと、具体的に御説明願えればありがたく、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
真野政府参考人 この報道の後でございますけれども、大臣から直接、当時の担当者である元室長に対し確認を行っていただきまして、当時、さまざまな案件で木村議員を含めて関係議員に説明に行ったことはあるかもしれないが、この件で木村議員に説明を行った記憶はない、したがって、木村議員と会った際のメモと言われるものについては作成した記憶はないと。また、「負傷原因に関する覚えのメモ」という文書や「柔道整復療養費支給申請書に記載する負傷原因について」という文書についても作成した記憶はないということでございまして、これは私も本人から直接確認をいたしました。
 また、担当課におきましては、平成九年度の原議つづり、それから担当係が管理いたします平成九年度から現在までの書類つづり、それから担当者が個人的に管理する書類つづりにつきまして存否の確認を行いました結果、通知の原案とされる書類が担当係が管理する書類つづりに存在することが確認できましたので、先日、御提出を申し上げましたし、新聞報道にありました木村議員と会った際のメモと言われるもの及び「負傷原因に関する覚えのメモ」という文書や、柔道整復療養費支給申請書に関する負傷原因という文書は存在をいたしませんでした。
 このほか、担当課から、当時この案件に関与しておりました複数の職員に対しまして、面談または電話によりまして、当時通知の原案について木村議員と接触したことがあるかどうか、新聞報道にありました木村議員と会った際のメモと言われているもの及び「負傷原因に関する覚えのメモ」という文書や、柔道整復師支給申請書に関する負傷原因についてという文書を作成したり見たりしたことはあるかということについて確認を行いましたが、いずれの者も記憶にないということでございました。
 それから、昨年の十二月の医療課内の課内会議におきます報道がございましたけれども、これも会議を主宰いたしました医療課長に確認をいたしましたが、昨年十二月十八日に会議を行っているが、柔道整復師の療養費について負傷原因を記載させる通知が見送られたという問題が話題になったり、その件が特定の議員の影響で変更されたというようなことが話題になった記憶はないということでございましたし、また、担当課におきまして、会議に出席をいたしました職員に対し、面接または電話により確認を行いましたが、いずれもそうした記憶はないということでございました。
佐藤(公)委員 今までの副大臣の御答弁を聞いておりますと、まとめて言うと、ねじ曲げたり圧力をかけたり、そういった事実はないというふうにお答えになられているかと思います。それが一点。
 もう一つは、原室長とあの当日会ったというようなことは身に覚えがない、つまり覚えていない、わからないというふうにとらえることができると思いますけれども、そういうことでよろしいんでしょうか。
木村副大臣 先日の委員会で御答弁した以上のものも以下のものもございません。
佐藤(公)委員 では、そういうことだと私の方はとらせていただいて質問させていただきますが、副大臣の方にも私も質問いたしました。私どもの自由党の武山委員も質問いたしました。そのときは何となく右から左に聞き流してしまったんですが、もう一度振り返って読ませていただくと、大臣の御答弁の中で、やはり、非常に何か納得できない、消化不良の御答弁が幾つもあったように思えると思います。
 大臣、もう一度お聞きいたしますけれども、先ほどの局長からの御報告で十分納得し得ることということで、この件はなかったということで終わらせるということでよろしいんでしょうか。
坂口国務大臣 私が聞いておりますのも、先ほど局長が答弁を申し上げたとおりでございます。
佐藤(公)委員 大臣の武山委員に対しての答弁で、ペーパーがもしもあったとしても、本人が書いたんだったら、「相手の人のおっしゃることはメモするかもしれないけれども、自分の言ったことまではメモはしない、自分の言ったこと、相手から言われたことをメモをするというような形のこういうペーパーは、私が書いたとは思えないというふうに御本人も言っているわけでございまして、それは、私もそれはそうではないかというふうに思っている次第でございます。」
 こんなこと、普通、一問一答でのメモなんというのは役所に幾らだって存在することだと思いますし、私も役所の中に多少入らせていただいたときには、大体が一問一答をとるのが当たり前であり、私たち政治家が聞くに際して、相手が何と言った、あなたが何と言った、そういうものに対しての答えというものをきちっと用意しているのが役所の今までの習慣、慣習、ならわしだと思います。こんなことでは僕は納得できないと思うんですね。
 また、大臣も武山委員のところで、「出したその人を処罰するとかなんとかというような気持ちはさらさらございません。」こんなことの御答弁の中から「それができないところにジレンマがあり、私はそこに悩んでいるということを申し上げているわけであります。」
 何か、逆に、大臣が非常に省内をかばうような、また、いろいろなことがあるけれども、かばっているというか、もしくは省内でごまかされているようにもとれる、疑いが持てるような御発言があるんですけれども、大臣、今の局長だけの御報告もしくは確認だけでこの事件がすべて終わったというふうにお考えなんでしょうか。もう一度お聞きします。
坂口国務大臣 いろいろのことを聞きましたけれども、集約をすれば、局長が答弁をしたとおりでございます。
佐藤(公)委員 先ほど局長がおっしゃられた、まず文書の存在がないということ、そしてまた当日の事実関係というものがどうだったのか、また内容が当日どうであったのか、こういう幾つかの分け方ができるかと思います。
 確かに文書は存在しない、ねじ曲げたこともない、内容も、そんなこともしたことはない。ただ一点だけ、当日の確認ということができる方法論というのが幾つかあり得ると私は思います。大臣は忠実にお話をされている。確かに忠実に話をしているかもしれません。でも、誠実に話はしていない。誠実に努力してそれを確認しようとしているとは私は思えないわけです。
 では局長にお伺いします。役所の方が議員会館に行かれるとき、どういうルートで議員会館に行くことが考えられるか。幾つか今思い当たる節を御説明願えたらありがたいと思います。
真野政府参考人 ちょっと質問の御趣旨をどうとっていいかわかりませんが、私どもでしたらこういうバッジがございますので、議員会館で特に手続なく御訪問することができるかと思いますが、こういうバッジなり身分証明書を持っていない人間であれば、面接する先生のところを記入いたしまして申し込みをして会館へお邪魔するということになろうかと思います。
佐藤(公)委員 僕が聞いていることは、役所から、いろいろな役人の方、いろいろな場所から直接議員会館に行かれることがあると思いますけれども、議員会館に、役所だと仮定します、役所から議員会館に行く場合に、どんな交通ルート、徒歩、自分の自動車、タクシー、そして省内の車を使って議員会館に行くという、幾つかの方法論があると思いますけれども、そんな方法論でよろしいんでしょうか。(発言する者あり)自転車もあるかもしれぬ。
真野政府参考人 そういうことでいけば、公用車またはタクシー、それから地下鉄、それから最近では自転車、いろいろな方法があるんではないかと思います。
佐藤(公)委員 では、その中で、もしも記録が残っているというふうに考えられるとするんであれば、交通費、例えばタクシー、電車を使った場合には、そういったものを省内において請求をし、どこからどこまでをだれが使ったというようなことは、申請を上げることがあると思いますよね。そして省内における車、公用車を使った場合には、きちんと時間と、またその日にち、そしてどこに、だれがというのは全部記録が残っていますよね。いかがですか、局長。
真野政府参考人 交通費を請求するかどうかというのは、必ず請求するかどうかというのはちょっとわかりかねると思います。
 それから公用車の場合には、これも、私ははっきりわかりませんけれども、運行表というのが多分あるんだと思いまして、運転手の方が記入されていると思いますが、ただ、それの保存期間なり、そういうものはちょっと承知をいたしておりません。
佐藤(公)委員 これに関して、当然、おっしゃられるように、役所の方、行くに際して、交通費を自分でお支払いになられたり、自分の車で行くということもあり、歩いて行く方も、また、先ほど委員の方からありましたように、自転車で行くという場合もあるかもしれません。こういう場合はわからないにしても、当時の室長は大体公用車を使われるケースが多いように私は思います。
 私が言いたいことは、こういった事実確認の可能性をきちっと確認するのが誠意であり、誠実に尽くす、きちんと答えるべきことであり、そういったこともこういったことも調べたけれども、なかったというんであれば、私はわかるんです。こういう部分をきちっと調べたとかということをもう一度お聞きいたします。
真野政府参考人 今の先生の御指摘の交通手段につきましては、正直申し上げまして、調べておりません。
 ただ、私どもも事実関係の把握には努力をいたしておりまして、先ほど申し上げましたように、当時、挙がっておりました担当者と言われている者は室長でございますので、今申し上げました、身分証明書を提示して入れるという状態ではありませんので、必ず面会を求めて、もし行っているとすれば面会を求めて行っていると思いますので、それぞれの会館の面会録というものも調べようと思いましたけれども、これは保存期間が過ぎているということで、調べることはできませんでした。
佐藤(公)委員 おっしゃられるように、議員会館の受付所の保管は五年でございます。十二月三十一日で一つの区切りという、一月一日ということからすれば、九七年というのは、ことしの一月の上旬にすべて焼却処分をした状態になって、確認がとれません。つまり、議員会館の方に入る、パスで入った場合にはわかりませんけれども、多くの役所の方々というのは、面会を申し込んだ上で入られるケースが多いというふうに私は思いますので、そこら辺もある程度確認しましたら、もう保存がございません。ですので、議員会館でのきちんとした記録はない。あとは、車ということを使用した場合にそういったことがわかるかどうかという程度のことにもうなってしまっております。
 大臣、いかがでしょうか。そういったところまでやはり事細かに調べて、事実関係を調べていくことが、また指示していくことが、誠実に尽くし、そして逆に副大臣の身の潔白を証明することになり得ると思いますが、いかがでしょうか、大臣。
坂口国務大臣 車で行ったとしましても、第一議員会館なら第一議員会館に行ったとしても、その中でいろいろのところに行くんでしょうから、それはなかなか、その中でどこへ行ったかということを特定することはなかなか難しいと思いますし、それは電話で連絡をすることもあるんでしょうし、車の運行状況だけでそれを特定することは甚だ難しい話だと私は思います。
佐藤(公)委員 大臣、それが不誠実だと僕は言いたいんです。
 つまり、記憶にない、覚えていないというんであれば、思い出させるような、またはそれをきちっと明確にしようとする、そういう姿勢があって初めて信頼関係というのが生まれるんじゃないんですか。そういうことがなくして、先ほどの局長からだけの答弁でやっていったのであれば、私は誠実とは言いがたいと思います。
 ところで、きょう、刑事局の局長さんもいらっしゃっていただいておりますので、これは、本日、私が刑事局長に来ていただいたのは、今回の一連だけのことではなくて、やはり政治家というものが、政治資金規正法にのっとって献金というものを受けているわけでございますが、やはり政治資金規正法というのは、あくまでも透明性の中で、きちんとしたルール、そして、国民の目に資金の流れを明確にしていくというような目的の法律だと私は思います。でも、そのお金の性質的なことというのは余り、記録されている部分があるわけではない。
 そういう中で、これは政治家、私も含めてみんなもそうです、贈賄、収賄のケースですね、そういう場合には、自分たちの例えば政治信念、理念を持って、それを政策に生かし、そして政治、立法府においての活動をしていく。そういう中での政治活動においては、常にお金ということがまつわる。政治資金規正法に、きちんとした透明な中で献金はしているとはいうものの、そういった献金はきちんとルールの中でしているとはいうものの、贈賄、収賄が成立する一般論のケースというのはどういうケースか、お答え願えればありがたいかと思います。
樋渡政府参考人 今委員が御指摘になられましたように、政治資金規正法に定められる収支報告書等に掲載された金銭等でありましても、収賄罪におけるわいろに当たることはあり得るものと考えておりますが、その場合における収賄罪というものの一般的なこととして申し上げますれば、やはり収賄罪は、公務員がその職務に関しわいろを収受、要求あるいは約束したときに成立するものだと承知しております。要するに、職務に関してわいろを収受、要求、約束した場合におきましては、政治資金で報告がされている金銭等でありましても、わいろに当たることはあり得るというふうに考えております。
佐藤(公)委員 では、局長、これは今回のケースとは別ですけれども、ストーリーが、今回のような疑いが持たれているケースというのは、今回の柔道整復師ということの流れの中で、もしもこういったことがあった場合に、これは収賄罪的な要件を満たすということになり得るんでしょうか。
樋渡政府参考人 御理解をいただきたいと思いますことは、要は、具体的な犯罪の成否は収集されました証拠に基づいて司法の場において判断されるべきことでございますので、一定の仮定の事実を私が幾ら積み上げましても、その内容が全然違うこともございます。
 したがいまして、法務当局としてはお答えをいたしかねるわけなんでございますが、これも一般的に申し上げますれば、犯罪の嫌疑があるという場合には、検察は不偏不党、厳正公平に捜査をするものと信じております。
佐藤(公)委員 こういう中で疑いを持たれて、副大臣も大変迷惑をしているんじゃないかというふうに思う部分がありますが。
 副大臣、私が思うことは、これはマスコミも含めて、これは小沢委員もおっしゃられていましたけれども、やはり訴えてしまって、裁判にしてしまった方が明確に、はっきり、白黒はっきりつけられると私は思いますけれども、小沢委員がおっしゃったときにも、そういった検討も考えられるような話もあったかと思いますが、その後、裁判、訴えるということで考えていらっしゃっているのか、もうそういう作業に出られているのか、そういう意思があるのか、いかがでしょうか。
木村副大臣 それは私どものサイドの話でございまして、ここで先生方に一々お答えをするよう話ではないんじゃないかなあと、こう思えてならない次第です。その辺は先生の方がよくおわかりだと思いますが。
佐藤(公)委員 これは副大臣がおっしゃられたから、僕は逆に親切心を持って聞いているつもりなんでございます。これは副大臣のことであって、確かに副大臣のことでありますから、それは副大臣がお決めになってやられればいい。ただし、今副大臣という要職についている立場のことでこういった疑いを持たれるというのは、本当にこの委員会含めての非常に時間を費やすことになってきている、または法案審議に関してもスムーズにいかないところが現実あるわけですね。裁判にきちっと預けて、裁判で明確にしますということであれば、私たちもみんな、多分、もうこれ以上質問することも、疑いも結論が出るまでは持つわけないと思います。
 そういう意味で、その辺をきっぱりと線引きをされた方がいいのではないかなという気がいたしますが、もう一度、副大臣の御答弁をいただけたらありがたいかと思います。
木村副大臣 この件に関しましては、この委員会でも何回も答弁したものでございまして、それ以上のものでも以下のものでもございません。
佐藤(公)委員 そういうことなら、私が思いますことは、何遍も繰り返しになりますけれども、その文書の出どころもはっきりしないまま、これは出した方もきちんと明確にできない理由があるかと思いますけれども、やはり裁判、司法の手にゆだねて、きちんとそういったルートが明確になれば、それはそれではっきりできることではないかというふうに思います。そうすれば、余りむだな時間を過ごすことなく身の潔白を証明でき、そして委員会も法案審議がスムーズにいくと思いますけれども、大臣、いかがお考えになられますでしょうか。
坂口国務大臣 法案審議でございますから、できるだけ法案審議の御質問をいただきたいと思います。
佐藤(公)委員 もうそろそろ時間でございますので。
 本当にこれは、僕は人ごとじゃないと思います。別に副大臣をかばうわけでも何でもない。かばうわけでも何でもない。この一連のことというのは、実はだれもが同じような紙一重のところがあるということです。(発言する者あり)いや、僕は、自民党なんか、皆さん、紙一重のところがあると思います。これは、そういった、いや、おおとか、ううとか言っているんじゃなくて、やはりそういったところをきちっと明確にして、いいところ、悪いところ、そういうところをきちっとしない、そこが今、国民が政治に対して一番不信感を持っているところだと思います。
 だから、こういうのはきちっと明確にすべきだということを最後に申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
中山委員長 次に、武山百合子君。
武山委員 自由党の武山百合子でございます。
 持ち時間があと二十分ということで、法案の中身の方で私の方は質問をしたいと思います。
 公益法人の改革ということで、これは参議院先議だったものですから、参議院の議論の流れをずっと目を通しておりましたら、全国に公益法人は二万六千以上、今でき上がっているということでございます。いろいろな参議院の方の議論の中で、平成十七年には補助金を廃止するということを省庁の役人が述べられております。
 厚生労働大臣にお聞きしたいと思いますけれども、平成十七年には、今問題になっておりますこの補助金というものはすべてもう廃止するという意味なんでしょうか。それを確認しておきたいと思います。
坂口国務大臣 先ほども述べましたとおり、いわゆる補助金依存型の公益法人、一〇〇%ということはないかもしれませんけれども、ほとんどが補助金で賄われておりますような公益法人、それはなくしていく、こういうことでございます。
武山委員 それでは、平成十七年で補助金型のいわゆる公益法人は全く廃止されるというふうに解釈したいと思います。ほとんどが補助金依存型ということで、本当にそれが行われるのであれば大変な大改革の一歩ということになるかと思いますけれども。
 参議院でも議論されてきておりました中身で、天下り、この問題はどのように、補助金と一体になって改革するお考えなのか。この天下りの問題についてお聞きしたいと思います。
木村副大臣 例えば、役員の報酬を補助の対象にしないとか、それから役員の数を減らしていくとか、さまざまな方法をとりましてこの天下りの問題については取り組んでまいりたいな、このように思っているような次第でございます。
武山委員 天下りの問題は、全体の問題にかかわりまして大きな問題だと思いますけれども、この天下りは、今のお話ですと、今まで七人いたところを五人にするとか四人にするとか、そういうことの解釈なんでしょうか。それとも、もうきちっと、天下りはこのようにするという議論は十分なされておるんでしょうか。
木村副大臣 天下りの定義というのは、やはりいろいろと今まで議論されているところなんですね。それで、省庁出身の方々が全部が全部、すぐには就職できないまでも、何年か後までも就職できない、永遠に就職できないのかというよりは、むしろ、御本人がやはりそれなりの力量を持っている方々、才能を持っている方々、また精通している方、いわゆるプロフェッショナル性、いろいろとあろうと思うわけでございまして、いわゆる今までのような、自動的に天下っていって、そして、渡り鳥を行っていくような、そういうものはこれからもう当然なくなっていくのは当たり前の話でございますけれども、やはりこれは、今度はその個人個人がどのような方かということがこれからの中では一つの話題になってくるんじゃないかなと。それで、そういう才能がある方まで全部だめよ、かつて厚生省に一時在籍していたからこういう方々はだめだということは、それはそこまでは言い切れないものだと思うわけであります。
 それからまた、公益法人自体もこれからどういうような形になってくるか、これはまた公益法人全体の中で取り扱われる問題でございまして、今のままで公益法人自体が今後ともずうっと存続していくかどうか。これはやはり、これからどんどん見直しが行われていくことは十分に考えられることでありまして、そういう中で当然天下りの問題というのはより一層深められていく、このように思っているような次第でございます。
武山委員 参議院の議論をずっと見ておりますと、この天下りの問題で、今回公益法人のこの改革の中身の、いわゆる日本ボイラ協会とかいろいろな公益法人に労働基準局長等を経験された労働省のOBの方がみんな天下っているわけですね。
 それで、いわゆる六十歳まで、定年まで働くということが基本的にあるかと思うんですよ。それをしっかり基本に、やはりきちっと決めておかなければ、その中でやはり、自主的に自分の能力を生かすということであれば、それは自己判断ということで、当然自分の力で職場を見つけていくわけですから、今の副大臣の話は論外だと思うんですよね。基本的には六十歳まできちっと、定年があって、それで、その後の問題は本人の問題だと思うんですよね。その前にポストがなくなるという、この問題が一番あるために、結局は天下り先ということになるかと思いますけれども。
 今回の議論の流れの中で、天下りは、今の話のように、廃止になるんでしょうか、定年を過ぎてからなるんでしょうか。この問題、やはりきちっとしておきませんと、補助金は平成十七年には、ほとんどが国民の税金に依存しているということですので、ほとんどなくなるというお話を聞きましたけれども、では、天下りの方の議論は、どのような形でどういう方向性を見出しているのか、それをまずお聞きしたいと思います。
 それから、前提にこのお話をちょっとしておかなきゃいけないと思うんですね。
 この公益法人というもののでき方、これは明治三十一年につくられたということで、その後、民法の三十四条をもとにずうっと、明治三十一年、一八九八年の施行によってこの公益法人というものがどんどんできて、今二万五千以上の数になっているということなんですけれども、そもそもその当時の、いわゆる日本の明治維新ですね、その時代につくっているわけですよね。ですから、もう状況が全く変わってきておるわけです。ですから、そのときの公益と今の公益とでは中身が全く違うと思うんですよ。
 ですから、そういう時代背景を、百年以上もずっとこういういわゆる法律を存続させて、そこに本当に税金によらないそういう公益活動が行われていれば問題ないわけですけれども、ほとんどが補助金に依存している、いわゆる依存型の、国民の税金に巣をくっている、これが一番の問題なわけですよね。それに役職も求めて天下り先にと、それでどんどんふえていっているという、このことに対しての所見をぜひ聞きたいと思います。
木村副大臣 まず、前段の方の話でありますけれども、今回の法案は、公益法人改革の一環の中のある一部分と言ってもいいんで、検査とか講習とかいうその業務に対しましては広く門戸を開放していこう、こういうような中身でございまして、こういうところに民間の活力を入れていくという法案なので、先生に御指摘いただいている、天下りを直ちにゼロにするとか、そういうような中身にはこれはなっていないというのは御理解をいただいているというふうに思うわけでございます。
 それから、さっきに先生がおっしゃった、定年までどうするんだと。これは今、定年まではできるだけ働いていただこうということで、だんだんその慣行の見直しを今行っている最中でございまして、今、この進捗度合いをぜひ、もちろん私も見るわけでございますけれども、先生方も見ていただいて、先生今おっしゃっているような方向が出て、とにかく六十歳まではやはり一生懸命働いてもらうんだ、その後は自分で考えなさいよというようなことは、私はこれは一つの筋じゃないかな、こういうふうに思っているような次第でございまして、この辺は、この天下りの問題と慣行の問題にこれから十分に取り組んでいけるんではないかな、このように思っているような次第でございます。
 いずれにいたしましても、そういう中で、才能のある方が六十歳を超した中で、それは求められる場面もあるかもしれませんし、それはもうそれで、もう働きたくないからというような場面も出てくるかもしれないわけでございまして、かといって、さっき言ったように、六十歳までいたからもう全然だめよということにはならないんじゃないか。
 むしろ、これからの問題は何かというと、補助金依存型の法人、これは今大臣から御答弁いただきましたように、これはやはりできるだけそういうことがないようにしていくのは当然のことでないかな、このように思えてならないわけでございます。
 それは公益法人の中にも、立派な活動をしていただいているのもあります。百年来の中で、精査したことはございませんけれども、いろいろな形、歴史的な経緯のある法人もあろうかと、こう思うわけでございまして、それが一概に全部悪いとは言い切れないんじゃないか。それはやはりこれからの改革の中で、恐らく、いい悪いとか、いろいろな評価が出てくるんではないかな、こう思えてならないわけで、その中で、ではどうしていくんだという話になっていくんだろう、こういうふうに思える次第でございます。
武山委員 私が今言いたかったことは、百年前につくられた公益法人の考え方の基本、民法の三十四条、これに基づいてできた公益法人がどんどん数をふやしてきたわけですよ。それ自体を補助金という国民の税金で賄っているわけです。それがずうっと中身もほとんど補助金に依存して、もともとは国民の税金だということといわゆる公益との関係、そういうことを見直してこなかった。
 民間でできるものは民間でやっていくという、当然小さな政府を目指していくべきだと思うんですよ、国民の血と汗の税金なわけですから。そういう中で、なぜ見直されてこなかったかということですよ。全部が全部悪いというふうに私は言っておりません。ただ、そういう歴史的な背景があって、今までいろいろなことが言われてきました。天下りの問題、それから補助金の問題、天下りの報酬の問題、でも、ほとんど手がつけられてなかったと思います。そういう厚顔無恥な状態をずっと続けてきて、それで今ごろになって、でもまだ、今ごろになっても、これだけ批判を浴びていても、補助金に依存しているものだけは平成十七年にいわゆる廃止するということになっていますけれども、では天下りの問題はどうなのか、私は大きな話を聞いているわけなんです。
 天下りの問題は、先ほど副大臣は人数を減らすというふうに言っておりました、人数を減らすと。では、天下りは受け付けるということなんですよね、人数を減らすということなら。実際に天下りしている役人の数は大変多いです。参議院で議論になっておりまして、数字まで出ております。その天下りの問題はどうするんですかということを聞きたいと思います。
木村副大臣 先ほども申し上げたのでございますけれども、まず、公益法人自体の歴史的な性格なんでございますが、これは確かに、今先生がおっしゃった百年間続いている公益法人がどのようなものであるか、私はまだその辺は存じ上げないのでございますけれども、確かに歴史的な流れの中でいろいろと変遷してきたことだけは事実ではないか、こう思えてならないわけでございます。
 その中にあって、やはり本当に公益に合致しているかどうか、趣旨に沿った運営がされているだろうか、やはりその辺が重要なことではないかな、私はこういうふうに思っているような次第でございます。公益法人がまさに公益のために活動しているのであれば、これは、その存在意義というのは十分にあると思うわけでございます。
 そういう中で、問題点は、では、働く人がどういう方かという中で、前までどこかの役所におられて、それが役所をやめた途端にすぐに法人に天下って、高い報酬を得て、それも二、三年しかいずにまた次のところへ移る、いわゆる天下り転がしみたいなのがあるとすれば、これは確かに御指摘のように大変問題であろう、こういうふうに思えてならない。しかも、本当に仕事をしているかどうか、その中でも本当に仕事をされて、それなりの報酬に見合う御活躍をされているのかどうか、これはやはり十分に検証する必要がある、こういうふうに思えてならない次第でございます。
 それで、天下りの問題というのは、やはり人材でございます。これからこの少子高齢化の中で若い方々が数が少なくなっていく、やはり高齢者の人材として能力のある方、これは十分に活用していかなければいけないなと、私はこういうふうに思っているような次第でございます。
 その中で、その方がどういう報酬を受けて、どのような形でもって公益法人に移るかどうか、ここはやはりいろいろな御議論があろうと思いますし、今言ったように、これが天下りの方々の給料を払うための法人であるとしたら、これは大いに問題だろう。大臣がおっしゃられたような、十七年にこれはもうなくしていく、こういう方向性はまさにそのとおりだと、こう思うわけであります。
 ですから、それは、公益法人の仕事の中身がやはり問題であり、それから、天下りするにしても、すぐに行ってしまった、高い給料を得ている、報酬が仕事の中身に見合うものであるかとか、そういうのをいろいろと検証すべきであるわけでございまして、全部が全部直ちにこれがゼロだ、こういうのも、優秀な人材であればそれはもったいなくて、ここはむしろ活用すべきではないか、私はこういうふうに思っているんです。だから、ある意味で、個人から見ればケース・バイ・ケースでありますし、全体から見れば有用な人材は適切な報酬で働いてもらうというのは重要なことであろうと思います。
 そういう中にあって、先生が御指摘のような、直ちにというところは……(武山委員「済みません、早くしてください」と呼ぶ)はい、そこは十分これから考えていかなきゃいけない点だろう、こう思っているような次第でございます。
武山委員 簡潔に答えていただきたいと思います、ポイントは一つだけだったはずですので。
 それで、ぜひ検証していただきたいと思います。いろいろな役職、いわゆるポストを持っている人だけじゃなくて、平の人も天下っているわけですから、多種多様な方々が天下っている現実があるわけですから、それはぜひ検証していただきたいと思います。
 それから、中身のことでちょっとお聞きしたいと思いますけれども、登録要件の公正化、それから検査自体のいわゆる規制緩和、これがいわゆる行政の裁量の余地のない形で登録され、実施される、これは私は言葉のあやだと思っておるんですよね。どれだけ本当に登録要件が公正化されるのか。みんな補助金をもらっている方々がそこに働いていて、お互いに持ちつ持たれつの間に、今度は登録要件を公正化したって、そこに何の担保があるのかなということが一つ言えます。
 それから、いわゆる行政の裁量の余地のない形で登録され、実施される、これだって言葉で、何が本当に民間でそれだけ担保できて実施されるのかなという、このポイントが非常に問題だと思うんですよね。これが、本当に実効性のあるポイントというのは何なのでしょう。
木村副大臣 先生、登録というのは、今度は法律でそこはしっかりとその要件を書くわけです。要件に合致すれば今度は登録しなければいけない、こういう形になっているわけでございまして、ここは相当思い切った踏み込みをしたんじゃないかな、私自身もそういうふうに思っているような次第でございます。これは意外と踏み込んだなと、私自身はそういうふうに思えてならない次第でございます。
 そして、これをやはり十分に活用していただきまして、まさに民間活力の発揮につなげていただきたい。今度のは、検査や講習なんかでも要件さえ満たせばできるわけでありますので、先生が言われたように、要件さえ満たせばこれは登録しなきゃいけない、こういうことが最大のポイントであります。
武山委員 それでは、参議院の方の要件の中身も実は目を通しましたけれども、その要件ですね、だれでもできるという要件じゃないと思うんですよ。ある程度のきちっとした機械を持っている、それの技術力を持っている、研修を受けている、やはりそういう要件がないと結局登録できないわけですよね。ですから、一度にそれ全部の要件をクリアするというのは、やはり既存の、今までにやっていた方々だと思うんですよ。そこに民間活力というのは言えないと思いますよ。もともとかかわっていた方々しか、やはり経験と体験のある人にしか門戸が開いてないわけですよ。ですから、そこに登録の要件が緩和されたって、それほど変わってないと思います。ほとんど中身は同じ人が登録してくると思います。それがなぜ規制緩和になるんですか。
木村副大臣 今まではこれは指定していたわけですね。ところが、御要望があったような方々は、やはり同じような仕事をされている方々が大変多いんです。それで、今度はまず、全くの素人がすぐに出てくるということは、先生がおっしゃるようにこれは少ないかもしれませんけれども、類似なような業務をしたり類似なような仕事をしていたところは結構ございまして、そこから手を挙げてくるところが出てくるのではないかな、私はこういうふうに思えてならない次第でございますし、そういう方々、意欲を持っている方はお話を聞きますとたくさんありますから、先生のその点は杞憂に終わるんじゃないか、このように思っております。
武山委員 それでは、最後の質問になりますけれども、意欲を持っている方々の、そういう青写真をちゃんと描いてもちろんこういう法案をつくったと思うんですよね。では、どのくらいを見越しているんでしょうか、ニュービジネスとして。それを検証した上で、データをとった上でこういうものを考えていると思うんですよね。どのくらい新しい人が参入してくる、そういう想定をしてこういうものを考えていると思うんですよね。私は、ほとんどないんじゃないかと思っていますけれども、どのくらい新しいビジネスとして参入してきますでしょうか。
木村副大臣 どこどこの分野で幾つといって数字を挙げるというのは、これは難しい話だと思いますけれども、御要望がたくさんあったわけでございます。
 それから、私が感じております一つは、先ほども申しましたのですが、例えば水質検査とかそういうのも、皆さん同じような仕事をしていたところはやはり手を挙げるという声があるので、これは私は出てくる、ただ、具体的に、どこどこの分野で数が幾つだ、こういうのは今十分に把握していないところでございます。
武山委員 それでは終わりにしますけれども、別に分野ごとじゃなくても、このくらい要望があったとか、そういうことを言えないと、中身の、真実というのは余り訴える言葉となっていないと思いますよ。そういうものがちゃんとわかった上でこういう門戸が開放できますというふうに言えないと、今の状態とほとんど変わらないというふうに私は見ております。
 終わります。
中山委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午前十一時五十分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議
中山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。小沢和秋君。
小沢(和)委員 今回提出されております公益法人改革のための法案は、昨年三月の閣議決定、公益法人に対する行政の関与の在り方の改革実施計画に基づいて出されたと聞いております。特に、厚生労働省所管の公益法人は千二百余りの多きに上っておりますが、ここ数年を見ても、さきに判決の出たKSD事件とか病院寝具協会にかかわる厚生省汚職など、多くの問題が露呈し、国民の批判を集めてまいりました。
 我が党は、官僚の天下りの受け入れ先とか、補助金のトンネル、ピンはね組織とか、政官業の癒着と汚職事件の温床などの国民の批判を真摯に受けとめ、厚生労働省が公益法人のあり方を抜本的に見直し、不要なものは大胆に廃止するよう、まず要求をいたします。
 残念ながら、今回政府が提出した法案は、従来、公益法人を指定機関として委託してきた業務、特に検査、検定あるいは講習などの業務を、法令に明示された一定の要件を備え、かつ、行政の裁量の余地のない形で国より登録された公正中立な第三者機関による実施という登録機関制度に移行させる程度の部分的な手直しにすぎないものであります。また、補助金が主な収入となって存在を維持しているような公益法人に対する補助金の見直しも一部行っております。
 私は、この程度の改革法案では、到底、国民の公益法人批判にこたえていないと思いますが、大臣、まずいかがでしょう。
坂口国務大臣 改革も手順を踏んで順番にやっていかなければなりませんから、今回提出をさせていただきました内容、今までに比べますと、かなり民間の皆さん方にもお手伝いをしていただけるようにいたしましたしいたしますので、まずここに第一歩を踏み出したところでございます。
小沢(和)委員 私は偶然、一昨日、厚生労働省が発表した「厚生労働省所管公益法人に対する立入検査の実施状況について」というペーパーを見ました。
 それは、所管公益法人千二百五十八の約三分の一を検査した結果ですが、「主な指摘事項と改善措置」には、「各種台帳及び帳簿類が整備されていない。」「評議員及び評議員会が設置されていない。」「評議員会等を、定款等で規定している期間内に開催していない。」「事業規模が、総支出額の二分の一以上となっていない。」「内部留保額が過大となっている。」などの指摘がずらりと並んでおります。
 これを見ると、公益法人といっても、まともな運営がされず、大した活動もしていない組織が多い、そもそも存在意義があるものがどの程度あるのかと思うんですが、いかがですか。
鈴木政府参考人 今、立入検査の状況報告についてお話がありました。
 これは、三年に一度立入検査をする、三年間ですべてを実施するという観点からやっているものでございます。この立入検査につきましては、かつてKSD事件等もありました関係もありまして、厳しく内容を審査するという観点からやっております。
 御指摘のように、いろいろな指摘事項がございました。多いものとしては、財務・会計面、特に注記事項が不十分とか、あるいは法人運営面では、いろいろな台帳でも、台帳の一定の整備はあるが、もうちょっと整備が必要というようなものもございました。これについては、厳しく指摘し、改善を促しております。
 これからも、こういった公益法人につきましては、指導監督基準、これに基づきまして厳正に対処していきたいと考えております。
小沢(和)委員 私は、特に財政危機の折から、公益法人のむだな補助金を思い切って削らなければならないと考えます。
 初めに資料をもらったときには、昨年度の補助金二千三百五十億円が、今年度はこの改革によって千四十五億円へと一挙に半分以下に減るという数字を見て、これは相当なものだと思いました。しかし、よく考えてみると、例えば第三者分配型、つまり補助金を分配する単なるトンネルの役割を果たしてきた公益法人の場合、補助金の額を七三%も減らすというんですが、それはこの法人を通すことをやめるのであって、国や独立行政法人から直接これまで渡されたところに行くようになるだけのことではないんでしょうか。
 補助金の渡し方が変わるだけで、補助金が全然変わらないとすれば、これはちょっと何かインチキのような話に思うんですが、実際はどのぐらい減るんですか。
鈴木政府参考人 どのくらい補助金が減るかということですが、第三者分配型とか補助金依存型、これで分けて金額を積算してもなかなか難しい問題がございますので、全体で申し上げますと、十四年度から十五年度にかけまして、全体の厚生労働省所管の公益法人で見ますと、約四百六十五億円ほど減っております。
 いずれにしても、この補助金につきましては、公益法人であれそのほかであれ、その必要性を十分見直して、必要なくなったものは廃止するという観点から今後厳しく検討してまいりたいと考えております。
小沢(和)委員 私が、トンネル型を例に挙げて、トンネルを通すのを真っすぐ行くようにしただけだったら、ほとんど額は減らないんじゃないかという質問をしたのに対しては答えていないと思うんですが、その先に行きたいと思います。
 補助金の削減とともに私が大きな関心を持つのは、次官、局長など特権官僚OBの天下り先を思い切って減らすことであります。役員報酬に対する助成に使われてきた補助金も七二%と大幅に減らすというんですが、これは本当に、役員ポストを減らして、それに見合って補助金も全額削ると理解してよいのか、役員ポストを減らさないなら、結局ほかの名目でどこかで穴埋めして出し続けるということにならないのか、この補助金を削ることによって何名分の天下りポストが廃止されるか、残るポストはどれぐらいあるか、それもお尋ねします。
鈴木政府参考人 今回の改革実施計画では、補助金から役員報酬を出すことはだめということで、一律にそういった取り扱いにすることにしております。ですから、今後、補助金から役員報酬が出るということはできなくなるということでございます。十七年度までにそういったことを実施するということになっております。
 それから、どのくらい減るかということですが、今、公益法人に国家公務員出身者として役員に就任している者、これはそれぞれの分野の専門知識あるいは能力等を評価されて行っている者ということでありまして、今回の改革によってどうなるかということは、一概には言えないものと考えております。
 なお、厚生労働省所管の公益法人の常勤役員数、十三年と十四年で比べてみますと、常勤役員数で三百二十五人から二百九十八人ということになっております。
小沢(和)委員 私は、厚生労働省の局長以上経験者がトップとして存在している公益法人のリストをいただきました。全部で三十一もあります。大部分が今回の補助金見直しの対象に入っていないようなんですが、今回の見直しの対象になっているのはこの三十一の中に幾つあるのか。私の考えでは、このリストに並んでいるような法人こそ、特に見直しの対象にしなければならないのではないかと思いますが、なぜ外れているものがこんなにあるのか。
 私がざっと計算しただけでも、この三十一法人で、補助金約千四十一億円、委託金二百二十七億円がつぎ込まれております。中にはどちらもゼロという法人が幾つかあるのでよく見たら、例えば勤労者福祉振興財団のように、今国会で福祉センターや体育施設をわずか千五十円で投げ売りしたと大問題になった財団も含まれております。ここは一昨年度は、雇用・能力開発機構から、運営補てん金、業務委託金など約四億五千万円もらっている。こういう隠れた補助金も含めると、この三十一の法人は全部で国からどのぐらい補助を受けているんでしょうか。
鈴木政府参考人 三十一法人でどのくらい補助金があるかということは、手元の資料をすぐに計算できませんのでちょっとわかりませんが、ただ、今御指摘ありました三十一法人、補助金が全くないところもありますし、それから、かなりある、補助金依存型公益法人もございます。したがいまして、局長以上経験者が役員になっている、理事長、会長になっているという法人でも、そういった補助金依存型あるいは第三者分配型等、あるいは役員報酬が出ている、そういったものに該当するもの以外は今回の改革の対象にはなっていないということでございます。
 それからもう一点、特殊法人を経由して経費が支出されているというお話がございましたが、これは特殊法人の業務の効率的な実施の観点から公益法人に業務を委託するというケースでありまして、そういった業務の効率性の観点から、必要があればそういったことはあり得るものと考えております。
小沢(和)委員 今、いわゆる補助金を削る三つの型に入っていないから今回は対象にならなかったというお話なんですけれども、私は、この三つの型に入っていないということは、だからその公益法人が存在意義があるということの証明には全然ならないと思うんですね。
 大臣にお尋ねしたいんですが、以上の質問でおわかりのとおり、今回の法案というのは公益法人改革のごく一部にすぎないんじゃないかと思うんですね。肝心のところにはメスが入っていないということがはっきりしたのではないでしょうか。だから、これで改革を終わりにするのでなく、むしろこれから本格的に、不要な公益法人は廃止する、むだな補助金は全額削る、特権官僚の天下りポストは一掃する、こういう決意で改革に取り組んでいただきたいと思いますが、大臣の今後の公益法人改革問題に取り組むお考え、姿勢を承っておきたいと思います。
坂口国務大臣 小沢委員の御指摘のとおり、公益法人の改革はまだ緒についたところでございまして、今回その第一歩がここに踏み出されたというふうに先ほども申し述べたとおりでございまして、これからも引き続きこれはやっていかなければならないというふうに思っております。
 天下りの問題も確かにございまして、これにつきましてもしっかりやっていかなければいけないというふうに思っておりますが、天下りの問題は、もう小沢委員も御承知のとおり、いわゆる公務員のあり方ともかかわる問題でございますから、五十歳とか五十一、二歳でもう国家公務員からどこかにかわらなきゃならないというような、そういうシステムそのものも変えていかないといけないというふうに思って、両方見て、双方改善を加えていくべきだというふうに思っている次第でございます。
小沢(和)委員 公益法人問題でこの機会に取り上げたいのは、多くの有力な公益法人が政治連盟をその法人と表裏一体の関係でつくっていることであります。
 日本医師会、日本歯科医師会、日本看護協会などの事例はだれもがよく知っております。その地域の医師会に入会すれば、自動的に医師連盟に加入したものとされ、会費も徴収される。その医師連盟は、会費を資金にして自民党本部や都道府県連、自民党議員などに巨額の献金を行い、行政を動かそうとする。ここから癒着や腐敗が生まれるわけであります。
 こういうやり方に反発して連盟を脱会すれば、医師会からも退会させられる。これは会員の思想信条の自由を真っ向から踏みにじるものであり、憲法にも違反しております。これについては各地で紛争が起こっており、例えば私の地元福岡では、日本歯科医師会の会員七名が、公益法人である日本歯科医師会と政治団体である日本歯科医師連盟の峻別を求めて福岡地裁に提訴中ですが、いまだに解決に至っておりません。
 この問題は、一昨年五月、国会でも取り上げられ、小泉首相は、本人の自由意思は尊重されるべきであると答弁をいたしました。また、同年七月、福岡裁判の原告団、弁護団の申し入れに対し、厚生労働省の当時の伊藤雅治医政局長は、公益法人と政治団体とは峻別の必要があるとし、その立場から日本歯科医師会を指導したと聞いております。裁判そのものにはここでは立ち入りませんが、その後、日本歯科医師会会長、日本歯科医師連盟会長から相次いで、二つの組織を峻別すべきとの通達が出されております。しかし、多くのところでは今なお同時入退会を原則とし、歯科医師会が歯科医師連盟の会費を徴収するという状態が続いております。
 厚生労働省はこういう実情を知っているのか。至急実情を調査し、こういう状況を直ちに改めさせるため重ねて指導していただくように要求いたしますが、いかがでしょうか。
坂口国務大臣 医師会でありますとかあるいは看護協会でありますとかといった公益法人と、そしてそれらのところがつくっております医師連盟といったものとは別個のものでありますから、厚生労働省といたしましては、医師会なりあるいは看護協会というのは我々の範疇でありますから、しっかりとここは私たちも見ていきたいというふうに思っておりますが、医師連盟の方は我々の範囲外の話でございますから、ここにつきましては、また政治連盟の方を担当するところが明確に把握をされるだろうというふうに思っております。
 御指摘にありますように、例えば医師会と医師会の政治連盟とが同じ場所で同じ電話番号で、そして同じ人がその会長でというのはやはり好ましいことではないと私も思っておりまして、そこは明確に区分をしていただくように私たちも申し上げているところでございます。
小沢(和)委員 公益法人とその政治連盟を峻別する必要があるというのが本当に厚労省の立場であるならば、今のようにそれがなかなか進まないという状況を放置できないはずだと思うんです。今のように峻別できていない状況、私が例に挙げたのは日歯ですが、日医も看護協会なども大体同じような状況ですから、多くの公益法人関係で見られるこの状況を正すように重ねて指導をお願いしたい。いかがですか。
坂口国務大臣 そうした団体に対しましては、事あるごとにそうしたことを徹底していきたい、そういうふうに思っております。
小沢(和)委員 この機会に、木村副大臣に一言お尋ねをいたします。
 二〇〇〇年六月十三日、前回の総選挙告示日に、香川県で木柔会という団体があなたに百万円を献金していることが、あなたが支部長を務める選挙区支部の収支報告に載っております。木村の木と柔整の柔という字をとったものですが、この木柔会とはどういう団体でしょうか。
木村副大臣 御指摘の献金の件でございますけれども、前から言っていた……(小沢(和)委員「適正に処置している」と呼ぶ)そのとおりでございまして、適正に処理させていただいているところでございます。
小沢(和)委員 どういう団体ですかとお尋ねしている。適正に処置しているというのは、もうあなたがしょっちゅう言っているからわかっている。
木村副大臣 さまざまな団体から御協力をいただいているところでございまして、その団体からも政治資金規正報告書に届け出がされております。
小沢(和)委員 どういう団体ですか。木村の木と柔道整復の柔と合わせて木柔会と呼んでいるというんですが。
木村副大臣 いろいろな団体から御支援をいただいているので、そのうちの一つだろう、このように思っております。
小沢(和)委員 私は、そういう団体だから、もうよく御存じじゃないかと思いました。私にこの話をしてくれた人の話では、あなたはこの木柔会の出先のところまであいさつに行ったりしていることもあるというふうに聞いております。
 この木柔会というのは、御想像のとおり、木村副大臣の柔道整復師関係の地元後援会であります。ですから、私は前回の私の発言を一部訂正いたします。私は、二〇〇〇年の総選挙で、木村副大臣が橋本元首相と同額の三百万円の献金を受け取っているというふうに申しましたが、副大臣は四百万円で、単独トップということになります。改めて、柔道整復師関係でいかに頼りにされているかがよくわかりました。副大臣の名誉のために、単独トップであると訂正をしておきます。
 さて、ここから、前回に続いて、柔道整復の療養費適正化問題で質問をいたします。
 昨年十二月三日、参議院で西川きよし議員が、柔道整復師の療養費請求の適正化問題について質問をしております。これまでどの程度不正防止の効果があったかの調査と、一層の指導監査の充実を要求したものです。これに対し、真野保険局長は、柔道整復審査会で再審査請求をやって、施術者から意見を聞くようにしているので、それを通じて実態把握をする、保険者にもさらに指導を強めることを約束いたしました。これを受けて坂口大臣は、これは指導を強化しなければなりませんし、そして調査もしなければならないと発言されております。
 以上は会議録で私が承知した内容ですが、事実関係に間違いありませんか。
坂口国務大臣 そういう質問があったように思いますけれども、そういうふうに言うたかどうかは覚えておりません。
小沢(和)委員 それはちょっと困りますね。私、今読み上げたように会議録であなたが答弁しておられるんですから。
 それで、この西川議員への約束の後、十二月十六日にまた毎日新聞の報道で、会計検査院が九三年に、負傷した原因が具体的に記載されていないために支給の適否を確認できないと指摘したが、これがいまだに改善されておらず、旧厚生省が支給申請書の記載の簡素化を認めたままになっていると報じられました。事実上、そのために不正な請求が野放しになっていると指摘しております。
 これだけ国会でも改善と調査を要求され、マスコミに不正請求の原因まで指摘された翌々日に開かれた医療課の会議で、これが重大な問題になったのは当然であります。現行の頻度調査のレベルアップ、各県の柔道整復審査会の実態調査、各県の柔道整復師に対する指導監査の実態調査、保険者が行う患者の実態調査の四項目が当日問題になったことには前回も触れましたが、この四項目は、真野局長の国会での答弁内容とも一致しております。
 きょうはもう、重い健忘症にかかっている当局に、木村副大臣の話がまた出たかなどとは聞きません。大臣答弁と、それを受けての医療課の検討が行われてから、もう半年たつことになります。だから、きょうお尋ねするのは、その後これがどう具体化されているのか、お尋ねします。
真野政府参考人 先日来御答弁申し上げておりますように、そういう項目が会議の項目の中にあり、会議の最後の方で担当者から短時間にその旨報告されたというのは、私どもそういうふうに思っております。そしてまた、その課の会議の性格といたしまして、いわばさまざまな課題についてのフリートーキングだということも申し上げました。したがいまして、報告された四項目について、医療課として方向性を定めたものではございません。
 昨年の議論も踏まえまして、ことしの一月に、全国の地方社会保険事務局長会議におきまして、柔道整復の療養費に係ります審査や指導につきまして、さらなる充実強化に取り組むよう指示をいたしたところでございます。
小沢(和)委員 方針がフリートーキングでまだ定まっておらないといって、次に会議を開いたときにどういう指示をしたんですか。
真野政府参考人 柔道整復の施術に係る療養費につきまして、適正な制度運営を一層図ってほしいということで指導しているので、さらに適正化を推進してほしいということで、二点言っております。
 支給申請書に係ります審査委員会を設置されているわけですけれども、柔道整復療養費支給の適正化に尽力されて、必要に応じて重点審査事項を設定するなど、さらに審査の充実に取り組まれたいということ、それから、柔道整復師が療養費の支給対象となります傷病の範囲などについて十分に理解をすることが重要であるので、柔道整復師に対する指導の強化についても取り組まれたいということを指示したわけでございます。
小沢(和)委員 西川議員への答弁の中では、局長は、保険者が行う患者の実態調査を積極的にやってもらうようにしていきたいということを言っておられるんです。それはどうですか。
真野政府参考人 保険者におきまして、やはり療養費でございますので、保険者が支給をするということでございますから、保険者がいわばその状況を一番把握する、しやすいといいますか、地位にあるということで、保険者からそういう指導をしていただくというのは当然だということでございます。
小沢(和)委員 私は、今申し上げた保険者の実態調査をもっと進めていただくということが、直接実態を把握できる決め手になる、だから、ぜひ保険者に急いでそれを取り組むように指導を強めていただきたいということをお願いしておきます。
 私は、実態調査も大切ですが、不正請求をなくす一番確実で簡単な方法は、会計検査院が十年も前に指摘したことをすぐ実行することだと思うんです。負傷した原因を具体的に書いてもらえば、支給の適否がすぐわかるんじゃないでしょうか。
 きのう、支給申請書の見本をもらって確認しましたが、これには今でも負傷の原因を書く欄がちゃんとあります。もともと書いてもらうことになっていたのを、簡略化できるといって書かないようにしていたんですから、本来のあり方に戻したらいかがですか。
真野政府参考人 会計検査院の是正改善措置要求は四項目でございまして、今先生御指摘の傷病原因という部分は、いわば記述の中にはございますが、会計検査院の是正改善措置要求そのものではございません。私ども、会計検査院から指摘を受けました是正改善措置要求四項目については、これを順次履行するといいますか、そういう態勢をとりまして適正化に努めてまいりたいというふうに思っております。
 それから、傷病の原因欄につきましては、業務上外ということにつきまして記入をお願いするということを指導してまいっておりますし、地域によりまして、負傷の原因を記入されている地域また柔整師の方々もおられるということも承知をいたしております。
小沢(和)委員 その負傷原因の記載は会計検査院から要求されただけじゃないでしょう。
 九五年九月八日の医療保険審議会柔道整復等療養費部会の「柔道整復等の施術に係る保険給付について」との意見には、「適正な審査を行うためには、療養費支給申請書への負傷原因の記載が不可欠であるが、現在は、業務災害、第三者行為等の原因しか記載されておらず、記載方法に配慮し、具体的な負傷原因の記載が行われるようにする必要がある。」と明記されております。
 旧厚生省のブレーンの人たちでさえこういう意見を出したので、あなた方も一たんはその気になって、通達の案文まで書いた。しかし、その通達を発出する直前に木村議員などからとめられて、今はそれっきりになっているという経過じゃないんですか。しかし、ここを改善しなければ、部位数を抑えたりするくらいではどうにもならないということが改めてはっきりしてきたと思います。
 こういうあなた方の身内からまでそれをやりなさいと言われていることをどうしてやらないんですか。
真野政府参考人 平成九年当時検討されておりました具体的な傷病原因の記載といいますものは、多部位の施術等の場合に具体的な負傷原因を記載していただいて、不適切な多部位施術の請求を排除しようということを目的とするものでございましたが、この多部位への対応策ということにつきましては、審査体制の整備、それから多部位の施術の場合の逓減制、包括化の推進という、いわばそういう方策をとりましてその是正を進めてきたということでございます。
 負傷原因の記載につきましては、まさにそれは施術録にはきちっと記載をしていただくということになっておりますから、申請書と施術録の突合というような方法も通じまして、これは保険者なり審査委員会の審査というような手段でその突合を行うということで、その適正化を図っていきたいというふうに思っております。
小沢(和)委員 いや、だから、端的に聞きますけれども、厚生省の身内からそういう意見が上がって、一たんあなた方のその気になったことを、どうしてずばりやるというふうに今でも踏み切れないんですか。
真野政府参考人 これは、具体的な傷病原因を書いていただくのは施術者の方々ということでございます。したがいまして、その事務の問題と、それから今申し上げましたように、多部位の施術の是正ということを考えた場合に、多部位施術の是正というのは、今申し上げたような逓減制、包括化の推進、審査体制の整備、そういうような方策を進めることによって進展が可能だということから、そういう判断に至ったわけでございまして、傷病原因の記載につきましては、これは施術者の方々の事務の問題も含めて検討すべきものだというふうに思っております。
小沢(和)委員 多部位を抑えていくということと負傷原因を書かせるということとは別の話だと私は思うんです。これは今後も私どもはさらに追及していきたいと思います。
 不正請求をさらにやりやすくしているのが受領委任払いであります。前回、私のところに寄せられている訴えを紹介いたしましたが、その中にも、毎月初回の来院時、白紙の状態で署名させるため、その内容一切を患者側は知り得ないとの指摘がありましたが、この委任状をとれば、あとは何でも書き込んで請求できる、これも改善を要する点じゃないですか。
真野政府参考人 柔道整復師の療養費につきましては、柔道整復師が被保険者にかわりまして療養費を請求、受領する受領委任方式が認められております。この場合には、申請書に施術を受けた患者さんが氏名等を自署していただくということになっております。
 この申請書は、月を単位として請求をされるということでございますので、当月の最終の施術の際に委任をしていただくということが原則でございますけれども、患者さんがいつがその月の最後の受療になるかというのはなかなか難しゅうございます。一度だけお見えになって、あと予定はしていたんだけれども、なかなかお見えにならないというようなこともございますので、患者さんが月の初めに来所した際に書類を作成するという場合もあるというふうに聞いております。
 私どもといたしましては、受領方式というのはやはり患者さんの負担をできるだけ軽減しようという趣旨でありますので、何も柔道整復師の方々に全部を包括的に委任するということではございませんので、代理受領、受領委任方式の制度の趣旨にのっとって取り扱いが行われるように、関係団体の指導をしてまいりたいというふうに思います。
小沢(和)委員 私は、柔整師の人たちの中にも、そのような不正請求など一切行わず、まじめに仕事をしている人がたくさんおられるということは承知しております。この人たちにとっても、こういういいかげんな手続がそのままにされて、世間の誤解を招くということは耐えられないと思うんです。だから、ぜひそういう不正請求の余地がないような是正を急いでいただきたい。
 こういうやり方の結果として、この前から言っておりますように、柔整の療養費が平均的な医療費をはるかに上回る伸びをつくり出している。これと対照的なのが、あんま、はり、きゅうの療養費の伸びであります。こちらは医療費の伸びをはるかに下回っている、というより金額が下がっているわけです。
 こういう対照的な傾向を示している大きな原因が、請求の手続の違いにあるというんですが、同じ医療類似行為でありながら、どうして違うんでしょうか。
真野政府参考人 健康保険法によります給付は、保険医療機関または保険薬局によります医療の現物サービスの提供、現物給付を原則といたしておりまして、それが困難である場合などに限りまして、療養の給付にかえまして療養費払いという現金給付が認められております。
 したがいまして、鍼灸、あんま、マッサージにつきましては、対象疾患や医師の同意書等一定の要件を満たす場合に、療養費払いといたしまして保険給付の対象といたしております。
 ただ、柔道整復師に係ります療養費につきましては、原則はそういうことなんでございますけれども、施術を行うことのできる疾患が外傷性のもので、発生原因が明確であることから、他疾患との関連が問題となることが少ないこと、それから、柔道整復師は、捻挫、打撲につきましては医師の同意なく施術を行うことが認められておりまして、骨折、脱臼等につきましても応急手当ての場合には医師の同意なく施術ができるなど、医師のいわば代替的な機能も有している、それから、整形外科医が不足をしていた時代におきまして、被保険者が緊急に治療を受ける機会を確保することができたという歴史的な沿革があるということから、受領委任払いを認めてきているというところでございます。
小沢(和)委員 私は、柔道整復とあんま、はり、きゅうの手続の大きな違いが二つあると思うんです。
 一つは、今指摘した受領委任払いが柔道整復にだけ認められており、あんま、はり、きゅうの場合は、一たん窓口で全額支払い、患者が保険者に自分で療養費の支給を申請しなければならないということであります。もう一つは、あんま、はり、きゅうの保険申請のためには、医師の同意書が必要だということです。柔道整復では、捻挫や打撲では医師の同意書は要らない。これだけ違う手続をなぜさせなければならないのか、今の答弁では私は十分納得いきません。
 もちろん私は、受領委任払いが不正請求の温床になっていると言っているぐらいですから、あんま、はり、きゅうにもこれを認めろというふうに言っているのじゃありません。私が言いたいのは、なぜどう見ても不公平だとしか思えないようなこういう手続の差があるのか。その合理的な理由があるんだったら説明いただきたい。
真野政府参考人 今申し上げましたように、柔道整復に係る療養費の場合には、骨折、脱臼、打撲、捻挫に対する施術を支給対象といたしておりますが、打撲、捻挫に対する施術については、外傷性の疾患のため原因が明らかであるということから、医師の同意は療養費の支給の要件とはされていないわけでございますが、はり師、きゅう師の療養費の支給対象となります疾患は、こういう外傷性の疾患ではなくて慢性病でありまして、医師による適当な治療手段がないもので、主として神経痛、リューマチなどがこれに該当するということですので、医師の同意書、診断書によりましてこれを確認するという取り扱いをいたしているところでございます。
小沢(和)委員 私は、不公平は手続だけではないと思うのです。療養費の改定率にもそれがあらわれている。
 改定は二年置きに行われてきましたが、九〇年は、柔道整復一・七%アップに対し、はり、きゅう一・五%、あんま一・二%。九二年は、柔整二・九%に対し、二・七%と二・四%。九四年は、二・三%に対し、二・二%と二・一%。九六年は、二・一%に対し、二・〇%と一・九%。九八年は、〇・八%に対し、〇・七%と〇・六%。二〇〇〇年は、一・一%に対し、一・〇%と〇・九%。こういう調子で、過去六回の改定ではいつも格差がつけられております。
 もともと料金には格差がある。改定というのは物価変動などが主な原因ですから、このように差をつけなければならない合理的な理由はないはずだと思うのです。
 しかも、二〇〇二年、初めてマイナス改定が行われたときは、今度は一律にマイナス〇・六五%だった。どうして、上げるときは差をつけ、下げるときは一律なんですか。
真野政府参考人 今申し上げておりますように、柔道整復に係ります療養費の支給は、外傷性の疾患であります骨折、脱臼、打撲及び捻挫に対する施術でございます。はり師、きゅう師の場合は、外傷性疾患ではなくて慢性病であって、医師による適当な治療手段がないもので、主として神経痛、リューマチ等がこれに該当する。また、あんまマッサージ指圧師に係ります療養費の支給対象となります対象疾患は、筋麻痺、関節拘縮等でございまして、医療上マッサージが必要とされるものということになっておりまして、それぞれ対象疾患、施術の体系が異なっておりますので、そういうことから、改定幅その他について、それぞれの状況を把握して決めているということでございます。
小沢(和)委員 改定というのは大体物価などに対応してスライドさせるものでしょう。それが毎回毎回こうやって必ず柔整の方が多くて、あんま、はり、きゅうが低い。ずっとそうなっているのは一体どういうことなのか。柔整の人たちだけ物価が上がるんですか。そんなばかなことないでしょう。何か答えることがあったら伺いましょう。
真野政府参考人 もちろん物価、人件費、その他経済状況全体を勘案して料金の改定を行うということでございます。
小沢(和)委員 要するに、あなた、答弁不能だということですよ。そんなのはだれも納得しませんよ。
 さらに説明のつかない不公平がある。それは温罨法の料金であります。一日一回につき八十円という価格は一緒なんですが、柔道整復では部位ごとに加算できると解釈されているのに、マッサージでは一回しか請求が認められない。こういう違いはどうして生まれるんですか。
真野政府参考人 今申し上げましたように、あんまマッサージ指圧師に係ります対象疾患、施術の体系と、柔道整復師に係ります対象疾患、施術の形態によりまして異なっているわけでございますが、今先生御指摘のとおり、部位についてはそのとおりでございますが、柔道整復の場合には、骨折の場合は受傷の日から七日間、またその他の場合は五日間は算定できないということになっておりまして、いわばそういう術式の違いその他を勘案して取り決めているということでございます。
小沢(和)委員 だから、それもちっとも説明になっていませんよ。とにかくこういう不合理を正しなさいということです。
 何でこんな不合理がまかり通っているかといったら、私は、これを説明するのが政治力の差だと思うのです。
 私の調査では、あんま、はり、きゅうの関係者も全日本鍼灸マッサージ政治連盟を組織している。その顧問となっている国会議員の顔ぶれは、偶然かもしれませんが、大部分が柔道整復師連盟顧問議員と同じです。会長には橋本元首相がなっております。
 しかし、献金を受け取ったと報告されているのは、持永和見衆議院議員百万円、伊吹文明衆議院議員三十万円などというところが目ぼしいところで、柔道整復とは天地の開きがあります。あんま、はり、きゅうの有力者も、私たちも毎年国会議員や厚生労働省に陳情しているが、お金を余り出せない私たちの要望はなかなか通らないと嘆いておりました。
 あんま、はり、きゅう関係の四団体がことしも、はり、きゅう、マッサージ療養費支給の実施上の留意すべき事項の通知を発出してください、はり、きゅうの療養費支給対象疾患として新たに変形ひざ関節症を認めてくださいなどと切実な訴えを出しております。厚生労働省にも届いているはずだと思うのですが、大臣、こういう訴えにもっと真剣に耳を傾けるべきではありませんか。
坂口国務大臣 いろいろの職種がありまして、それぞれにふさわしい治療をやっていただいているわけでありますから、その内容に従ってすべては決定をしておりますから、よく見てそれは決定をしていきたいというふうに思っております。
小沢(和)委員 いや、だから、献金の額で差をつけずに、そういうお金を出し切らないような、あんま、はり、きゅう師の人たちの声にも率直に耳を傾けるという姿勢をとってほしいということです。
坂口国務大臣 献金の額で決して左右しておるわけではございません。私は全然もらっておりませんので、公平にいきたいと思っております。
小沢(和)委員 大臣はもらっていないそうですから、ぜひその公平な姿勢でやっていただきたい。
 今私は、あんま、はり、きゅう師の人たちからいろいろ不満が出ているという話をしましたけれども、整形外科の人たちからも、柔道整復に比べれば我々も差別されているという訴えが来ているのです。訴えを読むと、そういう問題がことしの日本整形外科学会でも正式に問題になっているというのです。
 訴えの内容そのものは、きょうは時間がないので触れませんけれども、大臣はこういう整形外科医の人たちからもこんな不満の声が上がっているということを御存じですか。
坂口国務大臣 厚い本にしたものをちょうだいいたしております。十分存じております。
小沢(和)委員 柔道整復関係への不当な優遇をやめなさいという要求は、今や、類似の医療に携わっている人々の中での強い要求になっているだけでなく、社会的な関心も高まっております。この批判にこたえて、今こそ厚生労働省として問題の抜本的な解決に真剣に取り組んでいただきたいということを重ねて申し上げまして、時間が参りましたので、質問を終わります。
中山委員長 次に、金子哲夫君。
金子(哲)委員 社会民主党・市民連合の金子でございます。
 公益法人に係る改革の推進のための法律の整備に関する法律案について、幾つか御質問させていただきたいと思います。
 今回の法案は、指定制から登録制へということの大きな変更があるようでありますけれども、どうもその中を見ておりますと、本当にそういう登録制に変更することで信頼性が確保できるだろうか、もしくはそういうことで進めない方がいいのではないかというような心配をされるものがあるわけであります。
 確かに、登録制に当たって、それぞれ法案を見てまいりますと、基準というものを明確にしながらということになっておりますけれども、まず、その信頼性の確保についてどのようにお考えかをお伺いしたいと思います。
松崎政府参考人 従来の指定制から登録制に変更するということで、法律上の登録要件に合致すればすべて登録するということになっているわけでございます。したがいまして、登録の要件というものを法律上明確に決めておるわけでございます。
 まず、各法律ごとにいろいろ規定があるわけでございますけれども、共通部分を申し上げますと、そういった各法律に違反して罰金以上の刑を受けた者、そういった方は登録を受けられないとか、またそういった方が役員になっている団体は欠格事由になるといった点、さらには、この登録の要件としまして、必要な設備、機械、そういったものを備えている、また検査等の実施に必要な能力、知識、経験を有する方、そういったものを法律に規定してございますけれども、そういった方がいるといったような明確な登録要件というものを定めております。
 さらに、これは登録時だけではない、一回登録したらそれっきりというわけではございませんで、一定期間ごとに登録更新を行うわけでございますけれども、その際にも、再度この登録要件に適合しているかどうかということをチェックするというのがまず登録でございます。
 また、実際に業務を遂行していく上でのチェックでございますけれども、登録機関が登録要件に合致して登録された以降、この業務をするわけでございますけれども、そういう過程で登録要件を満たさなくなった場合、そういった場合には、例えば、知識、経験を有する検査員が数が足らないとかいなくなったといった場合には、登録要件に適合させるようにといういわゆる適合命令というものを大臣が出す。また、登録機関が、適正な方法によって検査等を行うという義務があるわけでございますけれども、こういった義務に違反したような場合には、業務の改善命令というものを出すということにしております。
 また、適合命令でありますとか業務の改善命令、こういったものに違反した場合には、一定期間の業務停止でありますとか、最終的には登録の取り消しといった処分を行うということで、きちんと登録機関というものが適正に検査、検定、研修等を行えるということを確保するということにしております。
金子(哲)委員 今、労働基準局長がお答えになったんですが、この法案はあなたが総括してこれをまとめられたんですか。
松崎政府参考人 まとめたといいますか、これは厚生労働省関係……(金子(哲)委員「あなた、どういう資格で答弁しているわけ。どういう資格で答弁しているの」と呼ぶ)これは共通部分ということでございまして、これは各……(金子(哲)委員「大臣、副大臣は何のためにおるの。大臣、副大臣は何のためにおるんだ。あなたが何でそんな答弁、全体の法案をまとめて」と呼ぶ)
金子(哲)委員 これは全体をまとめて質問しているのに、何で一部局の局長が全体にわたって答弁するわけですか。大臣、副大臣は何のためにいらっしゃるんですか。
松崎政府参考人 これは内部的な分担かもしれませんけれども、厚生労働省関係で、今回の指定機関から登録機関へ変えるといった内容の関係の法律が七本ぐらいございます。そういった関係で、内部のことを申し上げますと、労働基準局、私のところの所管法律が二本あるといったことで、統括して、今度の法案の立案作業及びこういった審議、そういったものについての取りまとめということを行っておりまして、ただいまお答えしましたのも、各法律に共通な部分であり、また各法律を所管しております原局との調整を経た上でのお答えということでございます。
金子(哲)委員 では、これから全部あなたが答弁してください。
 水道の水質の問題についてお伺いしますけれども、水道の水質の検査というのは、日常的な、本当に国民の生活の中で毎日飲料するものだと私は思うんですよ。それで、今回、直接飲料するという問題にもかかわらず、登録制に変わるわけですね、この水質検査も。
 これは、いろいろなことがあって、この公益法人の改革というのは必要かと僕は思うんですけれども、水という極めて重要なものに、しかも大体公共企業、いわば自治体や公共企業体が責任を持って水道を配水しているわけですよね。その水質検査をするべき担当が登録制になる。これは本当にそういうことで、もちろん、言えば、基準がちゃんとありますから大丈夫ですというふうにおっしゃると思うんですけれども、しかし、これだけ重要なものをなぜ登録制に変更されるんでしょうか。――いや、どうぞ、基準局長。
中山委員長 高原健康局長。
金子(哲)委員 委員長、基準局長を指名です。
中山委員長 担当が違うから。
高原政府参考人 水道でございますので、私の担当しているところでございます。
 水道水の水質検査は、水道法第二十条に基づいておりまして、その供給する水について定期の水質検査を行わなければならない、まず水道事業者等が行うというのが一番大もとの原則でございます。
 しかしながら、水道事業者は全国に一万くらいありまして、定期の水質検査を行うのに必ずしも十分な知見がないところもある。そういった場合には、地方公共団体の機関、例えば衛生研究所であるとか保健所、ここでやることは認められております。それで、現在のところ、厚生労働大臣の指定する者に委託することができる、こうなっておりまして、今回、この指定する者を登録を受けた者というふうに切りかえるわけでございまして、前段の水道事業者がみずから行うということ、それから地方公共団体が行うということは何ら変更がないわけでございます。
 また、指定制から登録制への移行に当たりましても、要件の緩和ということは一切考えておりません。むしろ、改正案におきましては、登録要件として、信頼性保証の確保のための要件を明確化するとともに、更新制度の導入、報告徴収及び立入検査の実施、登録基準を満たさなくなった場合における登録基準への適合命令ないしは検査を行う義務に違反した場合の業務改善命令、さらに業務停止命令や登録取り消しと、一たん登録を受けた後の措置に関する規定につきましても新たに盛り込んでおるところでございます。
金子(哲)委員 今、健康局長が言われたのは、労働基準局長がおっしゃったことを繰り返し答弁されて、そういうことになっているということだけで、私が質問したことには何もまともに答えていただいていないわけですよ。
 つまり、今局長がおっしゃったように、本来、水を供給する側の自治体などが、大きい自治体はそういうふうになっているわけですよね、自分たちで検査機関を持ってきっちりと検査する。非常に多額の検査器具の費用がかかるということで、小さい自治体の場合はそういうことが不可能だから、ある一つの公益法人などでつくられた検査機関に持っていって検査をしているわけですよ。
 私は、その制度は、それはそれでいいということを言っているわけで、ただ、そういうふうに非常に大事なことだから、かなり厳しく水質検査というものは、そういう厳しい検査を受けたところの機関で、本来なら自治体が直接やればいいわけですよ。それができないためにそういうふうになっているにもかかわらず、今回登録制にあえて変えなきゃいけない理由がわからないわけですよ。
 それで、全体として登録制にしていくという理由は、つまりは民間も参入自由だというわけでしょう。だれでもできるというわけでしょう。そうであれば、結局、そういう安全性の問題について、水質の問題について、なぜそういうふうに登録制に変えなきゃいけないのかということが明確でないということを言っているんですよ。その後厳しくしているという問題ではなくて、今の指定制度から登録制度に変えるための意味が、なぜ今回、水という非常に重要なものの水質検査という重要なものにかかわらず、そういう登録制度に変えられるかということを言っているわけですよ。
 むしろ、私は、そういうことでいえば、国とかそういうところの機関の方がしっかりとした検査体制をとってやるべきだ、公共的なところが検査体制をしっかりして、そこで水質の問題については検査をするぐらいの方が本来のありようであって、何でもかんでも、今度の規制緩和ではないですけれども、登録制にして広げられるものは広げればいいという中に水という非常に重要なものが入るということが、今、局長の答弁では全く理解できないですね。理解というよりも、何も説明を受けていないですよね。そこをもう一度御説明ください。
 そして、なぜこのことを言うかというと、私も水道の現場の人にも聞いてきました。そうしたら、例えば継続性、ずっと水を同じところに出して調べていくということも非常に重要なわけですよ、そこで変化がないかということも含めて。
 さらには、先ほど言った採算性の問題も、機械の導入など非常に費用がかかる。そういった状況のときに、いわば登録制による民間も含めた参入をしたときに、民間は入ってみた、それで委託をした、だが、これは採算に合わないから引き揚げてやめましたというようなことが起こると、これは、定期検査というのは、短期間の場合もあるし長期間の場合も、かなりいろいろな基準があって、こういうものはこれの期間でやりなさいということがあるわけですよね。そうしたときに、自分のところの採算面だけで、これはちょっと余りもうかりそうもないからやめようと、これも自由なわけですよ。いわば、登録の制度に満たないからこちらがだめだという方法もあるけれども、参入した側からも、やはりもうかりそうにない、うちの事業としては、これだけの投資をしてもこれじゃだめだからやめます、撤退をしますということだって自由なわけですよ。
 そうしてきますと、自治体が委託をしたところがそういうことで自由になるとしたら、この水質の保全の確保というのは本当にできるんですか。そういう問題があるだけに、なぜ今回この問題を登録制にされるのかという疑問を持つからお聞きをしているんです。
高原政府参考人 要は、やはり水質検査の目的を達成し得るかどうかという点であるかと思いますが、これは指定制度から登録制になっても登録基準が変わるわけではない。したがって、十分政策目的は達成できると考えております。
金子(哲)委員 提案されたんだからそういう答弁しかできないでしょうけれども、何か全体で決まったからそういう、何でもかんでもある程度実績を上げなきゃいけないという、数で上げるという、これは私はちょっと無責任だと思うんですよ、やはり今のようなことは。
 日常的な水というものに対して、国民が毎日使う、そして飲食するものでしょう。そういうことに対しての検査基準をどんどん緩めるとは言いません。そう言えば、基準は緩めていませんというふうにおっしゃるんですけれども、むしろそういうことをもっときっちりと検討して決めていくということが非常に重要なわけで、そういう点でいいますと、先ほど言ったような問題の解決は、それじゃ、例えば途中で参入をやめるというようなことは自由なんでしょう。
高原政府参考人 指定機関でありましても登録機関でありましても、正当な理由があればやめるということはあり得ることでございます。別に、登録機関になったからやめやすくなるということは特に想定されない状態だと思います。
金子(哲)委員 引き受けるかどうかという話をしたわけじゃないですよ。つまり、自分が事業として撤退するかどうかが自由になるということを言ったわけです。
 では、今の指定機関が、簡単に、うちはやめますと言うことができるんですか。
高原政府参考人 正当な理由があればできます。
金子(哲)委員 今度は登録制になったら、では、正当な理由というのは一体何ですか。
高原政府参考人 例えば、これは一定の要件があることは委員御承知のとおりだと思いますが、その一定の条件を満たさなくなったとき、それから、これは主として現在公益法人等でございますが、この公益法人自身がその領域から撤退するということは、これは過去にもございましたし、これが企業登録制であれ指定制であれ、そのハードルが高くなったり低くなったりするようなものではないのではないかと考えております。事後的に、データの担保、仕様書等の整備により、より政策目的は達成されるというふうに考えております。
金子(哲)委員 そうなりますと、いろいろな要件を満たさなくなるときの登録の取り消しというのは、今度はかなり厳格に行われるということになるんですか。これは、水質の問題だけでなくて、全体としてお答えいただきたいんですけれども。
松崎政府参考人 これは全体の法律が共通でございますけれども、今回の改正によりまして登録制になるわけでございますけれども、登録機関の公正性、中立性といったものを担保するために、登録期間中に法律上明示されております登録要件を満たさなくなった場合、こういった場合には、繰り返しになりますけれども、適合命令といった必要な措置を講じます。また、適正な方法によって検査を行うといった義務に違反して、適正な検査等が実施できないといったような場合には、業務の改善命令ということを行います。
 こういった命令まで行いますけれども、こういった命令に違反した場合に、まずは、いきなり取り消しではございませんで、通常の場合は業務の一定期間の停止といったことを命じ、その間にまた改善といったものを図らせるようにするわけでございますけれども、それでも改善が見込めないといったような場合には登録の取り消しということで、法律上そういった仕組みを設けておるわけでございますので、こういったことによりまして厳正に対応できるというふうに考えています。
金子(哲)委員 次に、公益法人にかかわってちょっとお伺いしたいんです。
 今、情報公開ということが盛んに言われております。これは質問しておりませんので大臣か副大臣にお答えいただきたいと思いますけれども、国や独立行政法人では情報公開ということが今盛んに言われて、情報公開をする、情報公開条例によってそういうことになっておりますけれども、やはり公益法人にかかわっても、こういった情報公開の方向というものを進めていくということが大事ではないかというふうに思うんですけれども、その点について、もしお考えがあればお伺いしたいと思います。
坂口国務大臣 金子委員がどういう具体的なことを念頭に置いておっしゃっているかということがちょっとわかりにくいんですけれども、総論として言えば、御指摘のとおり、情報公開というものを進めていかなければいけないというふうに思っております。具体的なことがあれば、またおっしゃってください。
金子(哲)委員 もちろん、この公益法人の問題は、厚生労働省関係だけのものを情報公開すればいいということではなくて、全体で考えるべきことでありますから、一般的に情報公開、特定のことを意識して言ったわけではありませんで、一般的に、これからさまざまな意味で公益法人も情報公開をやった方がいいだろう、進めていく方向に進んだ方がいいんではないかということを申し上げましたので、大臣の御答弁いただいたことで、今後、そういう意見が政府全体の意見になって、情報公開が進むようにお願いをしたいと思います。
 そこで、午前中にもちょっと意見、質問が出ておりました精神障害者施設の補助金の問題についてちょっとお伺いしたいんです。
 内示の状況を見ますと、私が手に入れた資料ですと、先ほど、午前中では大体二〇%程度しかないということですが、二五%ぐらいという数字も出ておりますけれども、今後、午前中の論議も受けながらですけれども、大体いつごろをめどに、さらにこの拡大という方向に進めることができるのでありましょうか。ちょっとまずそこをお伺いしたいと思います。
坂口国務大臣 我々も、これは何とかしなきゃいけないと思っておりますが、予算のことでございますので、内部でなかなか融通のできる予算というのはそうたくさんあるわけではございません。したがいまして、でき得るだけのことはやりたいというふうに思っております。
 でき得るだけのことをやりながら、足りない分は、これは次の予算措置に結びつけていかないといけないわけでありますから、次の予算措置が来年の予算なのか、それともその前に何かあるのか、それは今ちょっとそんなことを我々も言えない立場なものですから、何ともそこを申し上げるわけにはいきませんけれども、できるだけそういうふうにいたしまして、御希望いただいておる地方自治体に対して御迷惑をかけないようにひとつ努力したいと思っております。
金子(哲)委員 この事業は、私が言うまでもなく、補助金の事業として行われるわけでして、これはたしか、建物部分についてこの補助金が出るということになりますと、実は、地元というか、これをやりたい人たちは、土地などをもう既に購入するかあらかじめ予定を立てなければ、この申請ができないということなんですよね。
 それで、従来、この内示の段階で希望、協議がほぼ満たされていくというような状況ですから、ことしもそうだろうということで、やはりそういうものを準備しているわけですよね。その中で、わずかに四分の一だ。しかも、継続事業がほとんどなわけですね。継続事業は、もちろん継続ですから、これを途中で切ることはできないからやっておりますが、それを除きますと、実にわずかしかやられていない。
 結局、めどが立たなければ、土地の購入、借り入れも含めて土地だけ手だてをしたけれどもということで、いつまで、どうすればいいかという、これは非常に大きな問題を現実に抱えているということでありますから、やはりこの問題については、できるだけ早く方向性を見出していただくということが極めて重要だというふうに思います。
 もちろん、今おっしゃったように、今の予算、次にどういう予算を組むのかという問題も、大臣がおっしゃったとおりでありますけれども、しかし、準備をしている側から見ますと大変な問題であるだけに、この点について強く申し上げておきたいと思います。
 それで、実は私は、内示状況、私どもが手に入れた資料が本当に厚生労働省がつくられた資料かどうか、ちょっとわからない点が率直に申し上げてあります。
 といいますのは、例えば広島県は、四件の協議申請を出して内示はゼロということで聞いておりましたら、いや、広島県は六件ですよという話も聞いて、どうもこの資料も信憑性がないのかというのも思うんですけれども、この内示が出た中で、継続事業は別にして、ある特定の県だけ、新規事業で一〇〇%この協議と内示がいっているところがあるんですよ。
 例えば三重県、五件の協議で五件の内示なんですよ。ほかに、横浜市、二件で二件の内示、そしてもう一つ特徴的なのは佐賀県、三件の協議で二件の内示なんですよ。そのほかのところは、山形県は一件あって一件、これも一〇〇%といえば一〇〇%ですね。なぜこういうことになるんだろうか。本当に簡単な素朴な疑問なんですけれども、政治的背景とかそういう思惑は全然私は考えずにこれを見ておりますと、広島県は六件あったと言われているんですけれどもゼロ件、ある県は九件も協議があったのにゼロ件、なぜ、どんな基準でこの内示というものが決まったのか、ちょっとお示しいただけませんでしょうか。
上田政府参考人 お答えいたします。
 今回の精神障害者社会復帰施設の施設整備費の補助採択に当たりましては、都道府県において今までにない種別等の施設であり、当該都道府県の優先順位が高い施設、あるいは障害福祉圏域において初めての精神障害者社会復帰施設、また障害福祉圏域において今までにない種別の施設であり、当該都道府県の優先順位が高い施設といった施設の整備を優先しつつ、また過去の整備状況なども含めまして総合的に考慮したものでございます。このため、ただいま委員御指摘のように、各都道府県において結果的にこの採択率に格差が生じたものでございます。
金子(哲)委員 それは、今の説明では全然納得できないですよ。これを見たら、例えば生活訓練施設、授産施設、福祉ホームの施設、福祉工場、地域生活支援施設、小規模授産施設などなどいろいろありますよ。その中で何が特徴的なのかさっぱりわかりませんよ、例えば三重県の五件の五件というのは。これは、透明性に関してどうしても疑問を持たざるを得ないですよね。
 今おっしゃったような説明では、例えばある県で特別なものがあった、五件のうち一件だけ認められたというようなことでなくて、押しなべてゼロ件になっているのに、ある特定の県だけ一〇〇%というのは、なぜそうなるかということを聞いているわけですよ。おっしゃったことを聞くと、三重県の場合は、今まで精神障害者社会復帰施設についてはほとんどゼロだった、何の取り組みもされていなかったということなんですか。
上田政府参考人 お答えいたします。
 三重県におきましては、過去四年間で社会復帰施設が一カ所しか整備されておりません。そして、他の県で、例えばこれは広島県でございますが、過去四年間で二十一カ所整備されているというような状況もございまして、先ほど申し上げましたように、それぞれの採択基準と今申し上げました過去の整備状況等々も踏まえまして、総合的に判断したものでございます。
金子(哲)委員 しかし、こういう状況でやられるとしたら、やはりどこでも納得できるような、公開して説明できるような資料を提示してわかるようにしてもらいたいと思うんですよ。こっちに聞けばこうですということでなくて、これはやはり、たまたま私はそれを見てそういうことを思っただけでして、その点については、どこでも説明できるようなことをぜひこれからお願いしたいというふうに思います。
 次の質問もあるものですから、次の質問に移りたいと思うんです。
 一九九一年に設立された公益法人のJITCO、いわゆる国際研修協力機構のことについてお伺いしたいんですけれども、この公益法人は、外国人研修・技能実習制度の受け入れというか、直接の受け入れ機関ではありませんけれども、指導したりする機関として設立をされた公益法人でありますけれども、それらのいわゆる外国人研修・技能実習制度による受け入れにかかわって、最近いろいろと問題が発生しているというふうに言われております。
 例えば、坂出で起きたケースでは、二社で、フィリピンからの研修生、技能実習生計四十五名を受け入れていたんですけれども、給与の支給が契約の半分であったり、そして以前のものに未払いがあったりというようなことで、今現地の基準監督署も指導に入っているというふうに言われておりますけれども、こういう事案が発生をして以降、JITCOなどの調査結果を見ますと、最低賃金法を下回るケースが二十一社、さらに例えば深夜勤務や時間外労働に対しての割り増し賃金の未払いが百三十五社、厚生年金の未加入が千三百四十五社、健康保険未加入は七百九十一社など、本来あってはならないことが実は起きてきているということで、これらの受け入れ企業に対しては、こうした問題に対してどのような指導や監督をされているんでしょうか。
松崎政府参考人 この技能実習生の労働条件の確保問題につきましては、従来から、私どもの労働監督行政におきましても重点の一つとして取り組んでおるところでございます。
 したがいまして、こういった技能実習生につきまして、労働基準法、最賃法、また労働安全衛生法といったような法律に違反するといった申告でございますとか情報でございますとか相談、そういったものがあった場合には、迅速に現地の監督署が監督指導を行いまして、法違反というものが認められれば、是正指導を行って是正をさせているということでございます。
 また、そうでなくても、一般の定期監督等がございます。そういったときに、技能実習生の有無を確認いたしまして、技能実習生がいるといった場合には別枠で監督を行っているということで、従来から実施しておるところでございます。
金子(哲)委員 この問題は、今申し上げましたように、そのほか、例えば厚生年金の未加入問題とかさまざまな問題が、事象が企業の中にあるということが、我々が調査したことじゃなくて、JITCOの方の調査でもそういう数字が出てきているわけですね、受け入れ企業の中の調査で。
 そうしてまいりますと、今、申告があったといったって、外国人なわけですから、言葉の問題も含めて、これは申告によって発生するというのはなかなか特異なケースで、よっぽどの問題のときはそういうことが発生すると思うんですけれども、やはり定期検査のときだけということでなくて、一度これらの状況というものを調査するようなことをする必要があると思うんですよ、これだけ出てくるということになると。そして、やはり適正な指導を労働基準監督署としてもやるべきだと思うんですけれども、その点についてどうでしょうか。
松崎政府参考人 これは、従来から現場の監督機関におきましては、こういった格好で、何でもかんでもむやみやたらに監督するわけにはいきませんので、いろいろマンパワーの面もございますから、そういったことでやっておりまして、やはり監督するに当たりましては、きちんとした情報といいますか、ある程度具体的な、違反と疑わせるような情報といったようなものを御本人なり御家族なりそういった方から出していただくというのが一番確実でございますので、そういったところを中心にやっていきたいというふうに考えています。
金子(哲)委員 もう質問を大体終わろうと思うんですけれども、局長にそういうふうに言われると、つい、先ほど申し上げたように、確かに日本人の労働者の場合には、そういう申告制度、それは普通で、それでいいと思うんですよ。
 ただ、やはり外国人の研修生、特に例えば契約なんかも、率直に言って、例えば日本語で書かれた契約、国の方の、出し側との契約の関係とか、説明がそんなに十分に行われていたかどうかということもあって、そこらが逆にある程度、悪用ではないですけれども、利用されて、実際には日本の国内においてはそういう事象が発生しているわけですよ。
 だって、日本の労働基準法のことだって知らないわけですよ。割り増し賃金のことだって、外国の人たちはそんなの知らないですよ。そういう人たちは、よっぽど、今回のケースのように、十五万円の契約をしていたけれども五万円しかもらえないとかいうことであれば、明らかにおかしいということで申告に行きますけれども、例えば、先ほど言った深夜労働とか時間外労働などを未払いであったとしても、割り増し賃金が出るなんということは、だれかが教えなきゃわからないわけで、そこらは全然指導していないわけですよ。それを、申告してください、そうしたら、事実がわかればやりますということでなくて、では、実際の問題の解決にならないんじゃないですか。
 そうでなくて、そういう制度があるとすればそこの中で、既に今指摘されたような、これまでにも、今までにもいろいろなところで問題になっていたわけですから、こういう問題についてもう少し丁寧な指導をしてほしいと思うんですよ。
坂口国務大臣 この問題、参議院でも実は取り上げられましてお答え申し上げたところでございますが、KSDのときに、JITCOの問題等、とりわけ外国からの日本への研修生の問題が大変大きな問題になりまして、あのときにはインドネシアかどこかからお見えになった皆さんの問題ではなかったかと思いますが、非常に大きな問題になった。
 これは、それぞれの日本の企業が雇い入れをして、そしていろいろのことを指導して研修をしてくれる、大変これはありがたいことでございますけれども、しかし、その人たちの問題というのは、これは外国から研修生としてお受けをしているわけでありますから、それなりにやはり研修もちゃんと行いながら、しかも賃金の問題や労働時間の問題もある程度気をつけてやってもらわないと、これは日本全体の問題にかかわる、外交にもかかわる話でございますから、そこはちゃんとやってもらいたいと思うんですね。
 したがいまして、引き受けてくれますそういう企業に対して、やはり最初に頼みますときに、こういったことを気をつけてぜひやってくださいという基本的なことはちゃんと言っていると思うんですけれども、さらにここは念には念を入れてこれからやっていかなきゃいけないというふうに思っております。
金子(哲)委員 ぜひ、大臣がおっしゃったこと、本当に、第一義的には企業の側がやはりきっちりとやってほしいということになりますけれども、全体として、制度としてこういうものを政府も確立したわけですから、その点については、政治の側の責任として、厚生労働省の側の責任が持てる範囲で、そういう事象が減っていくように指導していただきたいと思います。
 ところで、こういう事案が発生したときに一番被害を受けるのは、実はこの外国人のいわば研修生なんですよ。本人には全く責任がないんですけれども、企業がそういうことをやった場合には、そこにいた人たちが、今度は、入管の条件を満たしていないということで、すぐ帰りなさいという指導が最近ふえているわけです。
 この問題は、先日の十一日の日に法務委員会でもちょっと取り上げられて、入管の局長が、いわゆる本人の事情でなくてこういうケースがあって、その受け入れ企業がそういう実習・研修生をこれ以上受け入れることはできないとストップをさせられたというような場合に、やむなくこの人たちをこのまま日本に造船の研修生、造船の技能実習生として残してもらうという正当性、合理性は認めがたいということで、出国を指導したところでございます、これまでは今までの指導なんです。
 この事案を受けて、ただし、その四十五人の人について、一番近く在留期限が切れる人はことしの八月二十一日です。つまり、どんなに早くても八月二十一日までは、この四十五人の方は日本におられます。そこで、今後、我が国で習得した技術等を活躍できるような体制が別途構築される、例えば研修や技能実習の趣旨に沿った実施体制が、八月下旬までまだ二カ月半ぐらいございますから、その間に確保されるような場合には、引き続き我が国で研修・技能実習実施機関を変更するなどして対応すること、それは検討することは可能になると考えておりますということで、高松の入管に対してもこういう指導をされたというふうに聞いておりますけれども、そうしてまいりますと、今度は結局、次のところをどう見つけるかということになってくると思うんです。今までは、現場に聞いてみますと、二週間以内に帰れと言われるから、厚生労働省の現場でももう探しようもないんだという話だったんですけれども、入管の方もそういうふうに変えていくということになると、今度は実際に見つけるということが重要になってくると思うんです。
 特に、本人に罪がないだけに、本人の責任に帰さないだけに、そういうことは非常に重要だと思うんですけれども、私どもが聞いている中でも、JITCOや香川の労働局などでも、新規受け入れ先を探しておられるというふうに聞いておりますけれども、そのことについて、ぜひもっと積極的に、可能な限り厚生労働省としての支援活動をまずやっていただきたいと思うんです。
坂口国務大臣 担当のところに対しまして、できる限りのことをするように伝えたいと思います。
金子(哲)委員 ありがとうございます。
 それで、これは非常に大きな問題で、ここですぐ結論が出ないんですけれども、実は、今指導を受けているのは造船会社なんですけれども、造船会社もこのまま引き続き受け入れるな、そして今入管が、八月二十一日まで見込みが立てば、新しい受け入れ先ということで変更しますよ、それでどうぞ引き続いてやってくださいということになっているんですが、その見つけるまでの期間の生活の保障という問題が実は大きな問題として一つあるんです。
 このケース、いろいろありまして、二つの受け入れケースがありまして、今回の発生のように、外国、フィリピンに合弁会社をつくっていて、直接受け入れるケースと、それから中小企業の皆さんが集まって日本の側に受け入れの協同組合をつくって受け入れるケースと二つあって、そうすると、受け入れする企業がある程度責任を持つというようなことで対応できると思うんですけれども、なかなかちょっとややこしい話をしているようで難しいと思うんですけれども、今回のようなケースの場合、次を見つけるまでにまたいろいろ問題があると思うんです。
 そうしてまいりますと、次を見つけるまでの間、これは入管との関係もこれから整理しなきゃいけないと思いますけれども、やはり最初に受け入れた企業が一定程度生活の面倒ぐらい見るというようなことをしなきゃ、就労はさせてはならないけれども、それぐらいしなきゃ、悪いことをして、あとは関係ないです、金さえ払えばいいということではならないと思うんですよね。そこのところが、今後やはり解決してもらわなきゃならない課題として出ているということをぜひ認識していただいて、そのことも含めて、ぜひ現場の対応をしていただきたいというふうに思うんです。
 そうしてみますと、今のこの外国人の労働者研修受け入れ制度が、実はちょっとやはり大きなこういう問題点を持っている。受け入れ企業の違法行為によって、外国人の方がそこで働き続けられなくなって途中で帰らなきゃいけないというようなことが、現行の制度そのものからいうと、入管の条件からいいますと、そこの企業でこういう研修目的で働くんだということですから、入管法上からいえば確かにこれは問題があるということになるわけですけれども、しかし、日本に三年間なら三年間の研修をしたいということで来たのが、その受け入れ企業が不当の労働行為をやった、契約違反をやった、そのために、その働きたい希望を持っている人自身も帰国しなきゃいけないというような問題点があるわけですね。
 その点について、やはりJITCOができてもう十二年たちますから、少しこの制度全体について検討を、見直しを含めてやるべきではないかと思うんですけれども、その点について、もし大臣、見解があればお聞かせいただきたいと思います。
坂口国務大臣 なかなか難しい問題ではございますが、おっしゃる御趣旨はよくわかりましたので、大きな問題ですから、検討いたします。
金子(哲)委員 ありがとうございます。
 それでは、この国会も六月十八日で閉会になりますので、最後の委員会になると思いますので、この通常国会で何度か質問させていただいたことを幾つか最後に大臣に御確認させていただきたいと思います。
 在外被爆者問題なんですけれども、健康管理手当の問題について見直しを、方向性を含めて、在外被爆者の人が継続的に受け取れるような方向をぜひ目指したいという大臣の御答弁をいただいておりますけれども、その検討は大体いつごろを目標に進んでいるんでしょうか。
坂口国務大臣 八月までには結論を出したいと思っております。
金子(哲)委員 八月といいますと、八月六日、九日という日がありますので、ぜひその日を大きな目標にして、それまでに結論を出していただいて、ぜひ、また大臣、広島に来ていただけると思いますけれども、その結論をお持ちで来ていただきたいというふうに強くお願いをしておきたいと思います。
 そこで、在外被爆者の渡日支援事業が行われておりまして、これが当初、広島県・市、長崎県・市の四自治体が事業を行うということになっておりました。当初、いろいろな問題もありまして、この渡日支援事業を受ける在外被爆者の方は少なかったわけですけれども、昨年の十二月十八日の大臣の決断以降、新たな方向に向かって進みまして、そしてまた、今年度予算では予算額も増額をしていただいて、渡日支援事業で、この事業によって在外から日本にお見えになる方が急激にふえております。
 そこで、私は三月か四月ごろからもうそのことを指摘しておりまして、やはり四県市でなくて、例えば在日の韓国人の方の多い大阪でありますとか、近い福岡でありますとか、そういうところに拡大することによって、より使いやすい渡日支援事業にしていただきたいということを申し上げておりましたけれども、この検討状況はどうなっているでしょうか。
高原政府参考人 昨年から開始した渡日支援事業につきましては、実績等を踏まえ、広島県、長崎県、広島市、長崎市に対する補助事業として実施しているところでございます。
 この事業の利用を希望する在外被爆者が増加しているということは、委員御指摘のとおりでございまして、この事業を受け入れようとする他の都道府県等におきましても事業を実施することができるように、そのための検討を現在行っております。これは、自治体におきましてはやはり議会というものがありますから、ぜひできるだけ早くその検討結果を得たいと考えております。
金子(哲)委員 私が申し上げるまでもなく、局長もよく御存じのとおり、これは国の費用を受けて実施する自治体が、補正予算、自治体の独自の予算、追加をしなきゃいけないということになりますから、そうしてまいりますと、やはり受け入れの関係のいろいろな理解を得るという作業も出てまいります。
 既に六月の地方議会は今開会中のところも多くなっておりますが、次は九月ということになります。もちろん、自治体の裁量で行われることですから、国がすべてを指導することはできませんけれども、その準備のためにも、できるだけ早く決定していただいて、通達を出していただくということが必要だと思いますので、先ほどの健康管理手当の検討と同様に、やはり一つの大きな目標が八月というものがありますから、そこらをぜひ目標にしてやっていただきたいと思いますが、もっと早い方がいいんですけれども、その辺はどうなんですか。
高原政府参考人 現在調整中でございますので、一〇〇%というふうにはお約束できませんが、その方向で頑張りたいと思っております。
金子(哲)委員 それから、その事業の中で、特に手帳の取得希望者が非常にふえております。去年の六月一日の渡日支援事業の開始以降、広島市の場合は、五月の三十一日時点で事前審査の受理件数六百五十九件、そしてそのうち処理件数が百二十七件なんです。ということは、五分の一なんです。いろいろな事情があると思います。五百三十二件の未処理件数があるわけです。
 広島市は、独自に今年度から在外のこういう問題を処理するための担当者を一名増員して二名配置して、この審査やさまざまな健康管理手当の問題とか渡日治療の問題とか、そういう体制を準備されているんですけれども、しかし、それでもやはりなかなか時間的に間に合わないということがあるので、きょう確認したいのは、この渡日支援事業の費用というのは、いわば臨時的な人員の配置のために必要な配置、例えば通訳の問題とか、そういう手帳の取得を促進するための人員配置等々に活用することは、これは当然認められていると思いますけれども、それはそれでいいんでしょうか。
高原政府参考人 この事業につきまして、各県市とも前年の三倍増の職員を雇用できるための予算を確保したところでございます。四県市とも、事務職員の雇い上げ人数は、平成十四年度は二名を平成十五年度予算においては六名、相談員雇い上げ人員を、平成十四年度予算では一名を平成十五年度予算では三名と、いずれも三倍増したところでございます。
金子(哲)委員 いえ、確認したかったのは、そういうことで、これはもし必要なら、今言うように手帳が非常に滞っていますから、そういうものを急速に進めるために、例えば広島市がさらに増員をしたいというようなことで、臨時的なものですよ、恒常的なものじゃなくて、活用することはいいんですか。
高原政府参考人 これは自治体の御判断だと思います。
金子(哲)委員 それで、実はもう一つ、これは一生懸命努力されていることとは思いながらも指摘しておかなければなりませんけれども、三月一日以降、この健康管理手当等の、いわゆる五年間にさかのぼって遡及の支払いをするということで作業を始められたわけですけれども、きょうようやく総務課から資料をいただいたんですけれども、対象件数が七百十二件と言っていいのか六百十二件と言っていいのかわかりませんけれども、実際に、大臣、この三カ月間で遡及対象者に支払われた件数は何件だと思われますか。わずかに二十一件なんですよ。
 それで、その間にもう亡くなられた方も、例えば韓国では一月から五月の間に四十一名も被爆者の方が亡くなられております。もちろん、その方が対象かどうかわかりません。もちろんこれは、実は自治体にもいろいろお願いするわけですけれども、確かにこの作業をするのは自治体ですけれども、外国との関係とか、もちろん今私も、韓国とはどういう方法でやるかという協議をされていることはよく承知しております。ですから、韓国はかなりの人数ですから、数が少ないということも承知はしておりますけれども、しかし、三カ月たってやはり二十一名というのは余りにも少な過ぎるというふうに私は思います。しかも、健康管理手当の支給状況も、五月分は例えば一千八十七名対象であるのに、実際に支給ができたのは百六十九名ということなんです。
 せっかく大臣の決断でそういうふうにやっていただいた件でありますから、ぜひこの点についてはもう一度関係の自治体と、やはり政府が、外国との関係もありますから、もっと主導的な役割を果たしていただいて、ぜひその問題を早急に進めていただきたい。大臣にぜひその決意をお聞きしたいと思います。
坂口国務大臣 そのようにしたいと思います。
金子(哲)委員 これで終わります。ありがとうございました。
中山委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
中山委員長 これより討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、これを許します。大森猛君。
大森委員 私は、日本共産党を代表して、公益法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備に関する法律案について反対の討論を行います。
 もともと国民が求める公益法人改革とは、天下りの禁止や官業癒着の解消、公益法人の事業や財政の透明性と健全性を確保するというものでした。ところが、本法案では、国が公益法人に委託している検査・検定業務の事務について、指定制度から登録制度に変更するというだけのものになっています。改正六法案を見ても、指定制のもとでも既に民間企業が参入していたり、登録制に移行する必然性が乏しいものなどが数多くあり、国民が公益法人改革に寄せた期待を裏切るものであると言わざるを得ません。
 むしろ、この間、本委員会の論議では、輸入食品の検疫制度を現行の指定検査機関制度から登録検査機関制度に置きかえることで、民間企業の参入を認めることになり、その結果、本来国が負うべき検疫検査制度の信頼性を大きく損なう危険性があることが指摘されたところであります。
 さらに、行政改革推進事務局提出の「公益法人制度についての問題意識」で指摘された、公益法人が公務員の再就職先として安易に用いられていることに関連して、本委員会でも、雇用促進事業団や雇用・能力開発機構などの事業運営の乱脈ぶり、高級官僚の天下りと高額な退職金、役員報酬などが論議されましたが、この問題についても、本法案は全く解決策を示すものとなっていません。
 以上のように、本改正案が、天下りや官業癒着の排除、法人事業の透明性や健全性の確保という国民の求める抜本的な公益法人改革とはほど遠い内容であることを指摘して、反対の討論といたします。(拍手)
中山委員長 以上で討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
中山委員長 これより採決に入ります。
 内閣提出、参議院送付、公益法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備に関する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
中山委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
中山委員長 この際、本案に対し、熊代昭彦君外四名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、社会民主党・市民連合及び保守新党の五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。大島敦君。
大島(敦)委員 私は、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、社会民主党・市民連合及び保守新党を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。
 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。
    公益法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、適切な措置を講ずるべきである。
 一 公益法人制度の抜本的改革については、できるだけ速やかに、制度の基本的枠組み、改革スケジュール、税制の在り方等の取りまとめを行い、これに従って改革の具体化を図ること。
 二 公益法人が国から委託、推薦等を受けて実施している検査・認定・資格付与等の事務・事業を、登録機関による実施に改める際には、新規参入が可能となるようその登録要件を広く国民に明らかにするとともに、登録手続がスムースに行われるよう体制の整備を図ること。
 三 登録機関による実施に移行した後も、検査・認定・資格付与等の事務・事業の一層の整理・合理化に努めるとともに、その必要性について定期的に検証を行い、必要性が認められない制度については速やかに廃止すること。
 四 平成十四年三月に閣議決定された「公益法人に対する行政の関与の在り方の改革実施計画」に基づいて講じられた具体的措置内容を逐次公表するとともに、同計画の対象となっていない事務・事業等についても検証を行い、必要な見直しを行うこと。
 五 すべての公益法人において、役員名簿への公務員出身者の最終官職の付記が行われるよう指導を強化するとともに、財務諸表を含め所管する法人に係る情報を簡易な方法で入手できるよう努めること。
 六 登録機関による実施に移行した後も、検査・検定による安全性の確保が適切に行われるよう配慮すること。
以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。(拍手)
中山委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
中山委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 この際、坂口厚生労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。坂口厚生労働大臣。
坂口国務大臣 ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、努力してまいる所存でございます。
 ありがとうございました。(拍手)
    ―――――――――――――
中山委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
中山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
中山委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後二時四十七分散会


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