衆議院

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第25号 平成15年7月16日(水曜日)

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平成十五年七月十六日(水曜日)
    午前九時四十四分開議
 出席委員
   委員長 中山 成彬君
   理事 熊代 昭彦君 理事 長勢 甚遠君
   理事 野田 聖子君 理事 宮腰 光寛君
   理事 鍵田 節哉君 理事 山井 和則君
   理事 福島  豊君 理事 武山百合子君
      岡下 信子君    倉田 雅年君
      後藤田正純君    佐藤  勉君
      田村 憲久君    竹下  亘君
      棚橋 泰文君    西川 京子君
      平井 卓也君    松島みどり君
      三ッ林隆志君    宮澤 洋一君
      森  英介君    谷津 義男君
      山本 幸三君    吉田 幸弘君
      吉野 正芳君    渡辺 具能君
      家西  悟君    石毛えい子君
      大石 正光君    大島  敦君
      加藤 公一君    五島 正規君
      城島 正光君    仙谷 由人君
      古川 元久君    三井 辨雄君
      水島 広子君    渡辺  周君
      桝屋 敬悟君    丸谷 佳織君
      佐藤 公治君    小沢 和秋君
      山口 富男君    阿部 知子君
      金子 哲夫君    山谷えり子君
    …………………………………
   参議院厚生労働委員長   金田 勝年君
   厚生労働大臣       坂口  力君
   厚生労働副大臣      木村 義雄君
   内閣府大臣政務官     大村 秀章君
   厚生労働大臣政務官    渡辺 具能君
   政府参考人
   (防衛庁人事教育局長)  宇田川新一君
   政府参考人
   (法務省大臣官房審議官) 山下  進君
   政府参考人
   (文部科学省高等教育局長
   )            遠藤純一郎君
   政府参考人
   (厚生労働省医政局長)  篠崎 英夫君
   政府参考人
   (厚生労働省健康局長)  高原 亮治君
   政府参考人
   (厚生労働省医薬食品局長
   )            小島比登志君
   政府参考人
   (厚生労働省医薬食品局食
   品安全部長)       遠藤  明君
   政府参考人
   (厚生労働省労働基準局長
   )            松崎  朗君
   政府参考人
   (厚生労働省職業安定局長
   )            戸苅 利和君
   政府参考人
   (厚生労働省社会・援護局
   長)           河村 博江君
   政府参考人
   (厚生労働省社会・援護局
   障害保健福祉部長)    上田  茂君
   政府参考人
   (厚生労働省老健局長)  中村 秀一君
   政府参考人
   (厚生労働省保険局長)  真野  章君
   政府参考人
   (水産庁漁政部長)    山本 晶三君
   厚生労働委員会専門員   宮武 太郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月二十日
 辞任         補欠選任
  山本 幸三君     杉浦 正健君
同月二十六日
 辞任         補欠選任
  杉浦 正健君     山本 幸三君
七月八日
 委員奥谷通君が死去された。
同月十六日
            補欠選任
             北川 知克君
同日
 辞任         補欠選任
  岡下 信子君     倉田 雅年君
  家西  悟君     古川 元久君
  大島  敦君     仙谷 由人君
  江田 康幸君     丸谷 佳織君
同日
 辞任         補欠選任
  倉田 雅年君     岡下 信子君
  仙谷 由人君     大島  敦君
  古川 元久君     渡辺  周君
  丸谷 佳織君     江田 康幸君
同日
 辞任         補欠選任
  渡辺  周君     家西  悟君
    ―――――――――――――
七月一日
 母子家庭の母の就業の支援に関する特別措置法案(参議院提出、参法第一五号)
同月十五日
 胆道閉鎖症の特定疾患対象疾病への認定に関する請願(石毛えい子君紹介)(第四一六五号)
 同(福島豊君紹介)(第四一七八号)
 同(金田誠一君紹介)(第四一九四号)
 同(中川智子君紹介)(第四二一六号)
 同(斉藤鉄夫君紹介)(第四二四三号)
 同(山井和則君紹介)(第四二五八号)
 同(鈴木恒夫君紹介)(第四三二六号)
 あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律第十九条の改正に関する請願(村上誠一郎君紹介)(第四一六六号)
 同(大畠章宏君紹介)(第四一七七号)
 同(葉梨信行君紹介)(第四一八四号)
 同(筒井信隆君紹介)(第四一八九号)
 同(永岡洋治君紹介)(第四一九二号)
 同(持永和見君紹介)(第四一九三号)
 同(小野晋也君紹介)(第四二〇二号)
 同(西田司君紹介)(第四二〇三号)
 同(荒井聰君紹介)(第四二二〇号)
 同(石井啓一君紹介)(第四二二一号)
 同(金子哲夫君紹介)(第四二二二号)
 同(丸谷佳織君紹介)(第四二二三号)
 同(吉川貴盛君紹介)(第四二二四号)
 同(伊藤公介君紹介)(第四二二七号)
 同(児玉健次君紹介)(第四二二八号)
 同(横路孝弘君紹介)(第四二二九号)
 同(斉藤鉄夫君紹介)(第四二三六号)
 同(細田博之君紹介)(第四二三七号)
 同(保利耕輔君紹介)(第四二五六号)
 乳幼児医療費無料制度の創設に関する請願(大森猛君紹介)(第四一六七号)
 同(中林よし子君紹介)(第四二三八号)
 同(石井郁子君紹介)(第四三一四号)
 同(瀬古由起子君紹介)(第四三一五号)
 同(中林よし子君紹介)(第四三一六号)
 同(藤木洋子君紹介)(第四三一七号)
 最低賃金の引き上げ、全国一律最低賃金の法制化に関する請願(児玉健次君紹介)(第四一六八号)
 小規模作業所等成人期障害者施策に関する請願(児玉健次君紹介)(第四一六九号)
 同(前田雄吉君紹介)(第四一九〇号)
 同(中川智子君紹介)(第四二一四号)
 健保三割負担を二割に戻すなど患者負担の軽減に関する請願(小沢和秋君紹介)(第四一七〇号)
 同(中林よし子君紹介)(第四一七一号)
 同(藤木洋子君紹介)(第四一七二号)
 同(木島日出夫君紹介)(第四二〇四号)
 同(中林よし子君紹介)(第四二〇五号)
 同(春名直章君紹介)(第四二〇六号)
 同(不破哲三君紹介)(第四二〇七号)
 同(藤木洋子君紹介)(第四二〇八号)
 同(山口富男君紹介)(第四二〇九号)
 同(赤嶺政賢君紹介)(第四二三九号)
 同(小沢和秋君紹介)(第四二四〇号)
 同(中林よし子君紹介)(第四二四一号)
 同(不破哲三君紹介)(第四二四二号)
 同(石井郁子君紹介)(第四三二二号)
 同(瀬古由起子君紹介)(第四三二三号)
 同(中林よし子君紹介)(第四三二四号)
 同(藤木洋子君紹介)(第四三二五号)
 安全で行き届いた看護の実現に関する請願(瀬古由起子君紹介)(第四一九九号)
 同(春名直章君紹介)(第四二〇〇号)
 健保三割負担を二割に戻し患者負担の軽減に関する請願(小沢和秋君紹介)(第四二〇一号)
 無年金障害者の早期救済に関する請願(中川智子君紹介)(第四二一二号)
 同(八代英太君紹介)(第四二一三号)
 総合的難病対策の早期確立に関する請願(中川智子君紹介)(第四二一五号)
 同(熊谷弘君紹介)(第四二二五号)
 同(玄葉光一郎君紹介)(第四二三〇号)
 健保本人三割負担を二割に戻し患者負担の軽減に関する請願(藤村修君紹介)(第四二三五号)
 総合的な肝疾患対策の拡充に関する請願(江田康幸君紹介)(第四二五七号)
 介護保険の改善に関する請願(石井郁子君紹介)(第四三〇六号)
 同(瀬古由起子君紹介)(第四三〇七号)
 同(中林よし子君紹介)(第四三〇八号)
 同(藤木洋子君紹介)(第四三〇九号)
 輸入食品の残留農薬等の検査強化、検査員の大幅増員に関する請願(石井郁子君紹介)(第四三一〇号)
 同(瀬古由起子君紹介)(第四三一一号)
 同(中林よし子君紹介)(第四三一二号)
 同(藤木洋子君紹介)(第四三一三号)
 妊産婦健診や不妊治療、リンパ浮腫治療への保険適用に関する請願(石井郁子君紹介)(第四三一八号)
 同(瀬古由起子君紹介)(第四三一九号)
 同(中林よし子君紹介)(第四三二〇号)
 同(藤木洋子君紹介)(第四三二一号)
は本委員会に付託された。
七月六日
 社会保障の拡充、将来への安心と生活の安定に関する請願(第一二一号)、健保三割負担など医療費負担増の凍結・見直しに関する請願(第一二二二号)、腎疾患総合対策の早期確立に関する請願(第一六一五号)及び小規模作業所等成人期障害者施策に関する請願(第三一七六号)は「日野市朗君紹介」を「今野東君紹介」にそれぞれ訂正された。
七月八日
 社会保障の拡充、将来への安心と生活の安定に関する請願(第二八一号)、腎疾患総合対策の早期確立に関する請願(第一四九一号)及び総合的難病対策の早期確立に関する請願(第三七二七号)は「奥谷通君紹介」を「森田健作君紹介」に、小規模作業所等成人期障害者施策に関する請願(第二四四一号)及びあん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律第十九条の改正に関する請願(第三二一五号)は「奥谷通君紹介」を「石田真敏君紹介」に、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律の改正に関する請願(第三二二六号)は「奥谷通君紹介」を「田村憲久君紹介」にそれぞれ訂正された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 母子家庭の母の就業の支援に関する特別措置法案(参議院提出、参法第一五号)
 厚生労働関係の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――
中山委員長 これより会議を開きます。
 この際、御報告申し上げます。
 本委員会の委員として御活躍されておりました奥谷通君が、去る八日、逝去されました。まことに哀悼痛惜の念にたえません。
 ここに、委員各位とともに故奥谷通君の御冥福を祈り、謹んで黙祷をささげたいと存じます。
 御起立をお願いいたします。――黙祷。
    〔総員起立、黙祷〕
中山委員長 黙祷を終わります。御着席願います。
     ――――◇―――――
中山委員長 参議院提出、母子家庭の母の就業の支援に関する特別措置法案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。参議院厚生労働委員長金田勝年君。
    ―――――――――――――
 母子家庭の母の就業の支援に関する特別措置法案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
金田参議院議員 ただいま議題となりました母子家庭の母の就業の支援に関する特別措置法案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 現在、我が国の経済情勢は非常に厳しく、母子家庭の母は、就業面で一層不利な状況に置かれており、その生活は極めて厳しいものとなっております。
 母子家庭の母については、総合的な自立支援策を実施するために、平成十四年十一月に母子及び寡婦福祉法などの関連法律が抜本的に改正されましたが、あわせて、児童扶養手当法も改正され、支給開始から一定期間を経過した場合等における手当の一部減額措置が導入されたところであり、その就業を促進することが従前に増して強く求められております。
 本法律案は、こうした状況に対処するため、母子家庭の母の就業支援について特別の立法措置を講じることにより、母子家庭の福祉を図るものであります。
 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明を申し上げます。
 第一に、母子及び寡婦福祉法に基づく基本方針及び自立促進計画について、就業支援に特別の配慮がなされたものとしなければならないこととしております。
 また、厚生労働大臣及び関係行政機関の長は、施策の充実が図られるよう、相互に連携を図りながら協力しなければならないこととしております。
 第二に、政府は、就業支援施策及びその実施状況を国会に報告しなければならないこととしております。
 第三に、政府は、母子福祉資金貸付金の貸し付けについて、就業が促進されるように特別の配慮をしなければならないこととしております。
 第四に、国は、民間事業者に対し、母子家庭の母の就業の促進を図るために必要な協力を求めるよう努めることとしております。
 第五に、国は、母子福祉団体等の受注の機会の増大が図られるよう、配慮することとしております。
 この場合、国の物品及び役務の調達については、予算の適正な使用に留意することとしております。
 第六に、地方公共団体は、民間事業者に対する協力の要請及び母子福祉団体等の受注機会の増大への配慮について、国の施策に準じて、就業の促進を図るために必要な施策を講じるよう努めることとしております。
 最後に、この法律の施行期日は、公布の日から起算して一月を超えない範囲で政令で定める日とし、また、本法律は、平成二十年三月三十一日限りで失効する時限立法となっております。
 以上が、この法律案の提案の理由及び内容の概要であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
中山委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
中山委員長 本案に対しましては、質疑、討論ともに申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 参議院提出、母子家庭の母の就業の支援に関する特別措置法案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
中山委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
中山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
中山委員長 次に、厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として防衛庁人事教育局長宇田川新一君、法務省大臣官房審議官山下進君、文部科学省高等教育局長遠藤純一郎君、厚生労働省医政局長篠崎英夫君、健康局長高原亮治君、医薬食品局長小島比登志君、医薬食品局食品安全部長遠藤明君、労働基準局長松崎朗君、職業安定局長戸苅利和君、社会・援護局長河村博江君、社会・援護局障害保健福祉部長上田茂君、老健局長中村秀一君、保険局長真野章君及び水産庁漁政部長山本晶三君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
中山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
中山委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松島みどり君。
松島委員 自由民主党の松島みどりでございます。
 きょうは、大きく分けて三つの点について質問させていただきたいと思っております。
 まず第一に、社会福祉法に基づきます民間のホームレスの宿泊所にかかわる問題でございます。
 今、東京ではこうした施設の建設が非常にふえておりまして、ことし三月末には百四十七施設、五千六十人の定員となっております。三年前に比べて倍増いたしました。社会福祉法におきましては、第二種社会福祉事業として、こういう施設をつくった後、一カ月以内に都道府県に届け出をすれば全部オーケー、そういう仕組みになっております。もちろん善意からこういう施設をつくる方もいらっしゃるわけで、それは差し支えないんですが、今、かなり問題のある施設がふえてきております。
 と申しますのは、ホームレスの人たちを寮みたいなところに集めて収容して、生活保護費を受給してもらう。その一部として住居費というのが、東京の場合、一人当たり五万三千七百円出ることになっております。それで、寮に人をいっぱい集めておいて、生活保護費を受給してもらって、そこから住居費あるいは食費というものを納めてもらう。それをいわば事業のように営んでいるところが多々出てきておりまして、そういうわけで、今申しましたように、定員がこの三年間で二倍にまでふえている事態でございます。それで、近隣の人たちがそれに対して、つくってくれるなとか、いろいろ摩擦を起こしているところも出ている次第でございます。
 私の地元におきましても、荒川区東日暮里に、これは神奈川県の川崎で幾つかそういう施設を運営している組織というか株式会社というか、そういうところが出てまいりまして、つくっている、今、届け出を東京都にしようとしているところでございます。
 それで、東京都は、これが非常にふえているものですから、ガイドライン、設置のための基準を全国に先駆けて四月に設けました。ただ、法律には届け出ればいいということだけになっているものですから、都としてもそんなに厳しい基準をつくるわけにいかなくて、一人当たりの居住面積が三・三平米以上必要だとか、そういうふうな基準になっております。
 三・三平米といったら非常に狭いわけでございまして、それで、例えば住居費を五万三千七百円受け取らせて、設立母体がそこからもらうというようなことになりますと、どんどんもうかる、そういう仕組みのことになっております。
 このような問題について、もともと、この社会福祉法に決めている事業は、篤志家が、善意の方がこういう事業を行う、そういう良心的にという前提に立ってできていると思うんですけれども、現実がそれに即応しなくなっておりますので、国として、規制とか法律を変えるとか、そういうお考えはあるかどうか、このあたりと、そしてまた、住居費のこういう支給の問題についても、どのようにお考えになるか。
 せんだっても、私も、地元の荒川区議会が厚生労働大臣に意見書を出しましたので、その代表の方と一緒に、坂口大臣にもちょっと御理解を求めるために参らせていただいた次第ですけれども、厚生労働省としての取り組みもお聞かせいただきたいと思っております。
坂口国務大臣 先般もお聞かせをいただいたところでございますが、御指摘のような事例につきましては、今もお話のございましたように、他の生活保護受給者との比較からいきましても、バランスを欠く点があるというふうに思っております。
 したがいまして、今後、この無料低額宿泊所に生活保護受給者が入所をいたしております場合には、その住宅扶助費の額が適正にこれが行われているかどうかといったことをはっきりさせなければいけないというふうに思います。
 例えば、小さなお部屋に四人も五人も入れるというようなことになっておりますと、それは、一人一人から同じ額の住居費を取るということは少しおかしいのではないかというふうに思うわけでありまして、そうしたことにつきまして、これはもう来月にはその具体的な取り扱いを全国に周知徹底する予定になっております。基準も明確にしたいというふうに思っております。
 今後、これは法律にかかわることなのか、それとも現在の法律の中で処理できることなのか、いろいろの角度から検討をさせていただいております。現在の法律の中でも処理できることであるならば、来月にもこれは通知を出したいというふうに思っている次第でございます。
松島委員 今、大臣から、八月にも是正策をというふうに期限を切っていただいて、非常にありがたいと思います。
 今の中身なんですけれども、一応、確認のために教えていただきたいのは、一つの部屋に何人入るか、そういうことによって住居費というものを区分して見直すということになるわけでしょうか。大臣も言われたように、小さい部屋に四人も五人も入っている場合には一般的な住居費が適当じゃないと言われたんですけれども、例えば人数によって額の上限を下げるとか、そういったことでしょうか。
河村政府参考人 議員お尋ねのとおり、一つの部屋に一世帯が入るか、あるいは複数世帯が入るかによって、そこは人数と申しますか世帯数に応じて扶助費の額に差をつけていきたい、合理的なものにしたいというふうに思っておるところでございます。
松島委員 ありがとうございます。
 つまり、例えば営利目的でこういう施設を運営しようとする人が不当にもうけにならないような、適正な形でこれがなされることによって正しく事業を行うというか、福祉の心でやる人だけが参入できる、そういう仕組みに誘導していっていただきたいと思っております。
 それに加えて、ちょっと要望といいますか、問題を指摘させていただきたいのは、今、旅館の場合は旅館業法で、学校など教育施設などから百メートル以内で悪い影響を及ぼすようなおそれがあるときは、旅館の運営というか旅館の開設が許可されないことになっております。
 今申し上げましたホームレスの収容施設もある意味では同じというふうに、ずっと固定した住居ではなく、やはり、そういう生活保護費をもらってホームレスの人が住むところというのは、次の職業を得るまでのある臨時期間で、出入りが激しいというふうに考えましたら、ある意味では旅館に準じた扱いを今後考えていただきたいな、そのように希望させていただきます。よろしくお願いします。
 次のテーマについて伺わせていただきたいと思います。
 これは、身体障害者補助犬法というものが超党派の議員立法ででき上がりまして、昨年十月に施行されました。ここの委員の中にも、その主要なメンバーとして尽力していただいた方が何人かいらっしゃいます。
 それで、盲導犬は今全国で九百二十七頭、それに対して、耳の聞こえない人を導く聴導犬はおよそ二十頭しかいない。そして、身体に関する介助犬は三十頭しかいません。
 私も不勉強ながら、こういったことを知りましたのはつい最近、松本江理さんという東京の三十代の女性が、子供さん二人を育てながら、聴導犬を本格的に導入された最初の方ですけれども、その本を読みながら、例えば外を歩いているときに、車のクラクションとか自転車のベルの音、これを聴導犬によって知らせてもらう、あるいは、赤ちゃんを産んで、赤ちゃんの泣き声を聴導犬が知らせてくれる、そういう話を読みまして、ああ、なるほど、そういうものなのかというのを初めて知りました。
 盲導犬も、全国で九百二十七頭いるといっても、なかなか需要が強くて、順番待ちが大変な、訓練がそれに追いつかないような状況でございます。以前からあります盲導犬はもちろんですけれども、聴導犬や介助犬について、どうか訓練その他を進めていっていただきたいと思っております。
 例えば、私の知っている自治体の公共施設にポスターが、恐らく厚生労働省から配付されましたポスターで、身体障害者補助犬法成立というポスターがあって、その横に、従来どおりの、盲導犬以外のペットの入館を禁ずというステッカーが張ってありまして、これなんかももう少し世の中に知らしめる努力を厚生労働省としてもしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。簡単にお願いします。
上田政府参考人 厚生労働省といたしましては、訓練事業者の育成のため、介助犬及び聴導犬の育成費用についても、今年度から盲導犬と同様に補助対象としたところでございます。また、補助犬の認定を行う法人についても本年六月三十日付で指定を行ったところでございまして、今後とも適切な法人が指定されるように努めてまいりたいというふうに考えております。
 また、より多くの障害者の方々が補助犬を使用され、社会参加が一層推進されるためには、多くの国民に補助犬の役割について理解を深めていただくことが重要であるというふうに考えております。本年十月からは、民間施設においても補助犬の同伴が拒めないこととされたところでございます。この法律の趣旨あるいは内容につきまして、引き続き関係機関に対し都道府県や業界団体等を通じて周知徹底を図るとともに、ポスター等各種の媒体を通じながら、この補助犬の役割の重要性について広く国民に理解を深めていただくよう努力してまいりたいというふうに考えております。
松島委員 済みません、時間がないので、三つ目のテーマでお願いしたいと思います。
 視覚障害者の職業の問題でございます。
 あんまマッサージ指圧師は、かつて六割が視覚障害者でございました。今は二八・五%と三割を切っています。はり師、きゅう師も、五割近かったのが今は二二%というふうに減っております。視覚障害者の独立した職業としてこれまで安定しておりましたのが、様相が変わっているわけでございます。
 視覚障害者の方々の間に、いわゆるあはき法ですね、これの法律十九条にはり師、きゅう師の規定を加えてほしいという要望が強いんですが、つまり、はり師やきゅう師についても、晴眼者のための学校を制限して視覚障害者の方がここにしっかりとつけるようにということでございますが、これについてお考えいただけないでしょうか。どうでしょうか。
篠崎政府参考人 御指摘のいわゆるあはき法の十九条におきましては、視覚障害者の職域を保護するという観点から、昭和三十九年の法改正によりまして、視覚障害者にとって適当な職業とされていたあんまマッサージ指圧業につきまして、晴眼者のあんまマッサージ指圧師を養成する養成所の認定ですとか、あるいは生徒の定員の増加を承認しないことができるという旨を定めた規定でございます。
 はりきゅう師についても同様の規定を設けるべきという要望をいただいてはおりますけれども、法律第十九条の改正、今申し上げましたような改正の経緯を踏まえて、また、これについては現時点でもさまざまな御意見がございます。そういうことを踏まえまして、なお今後慎重な検討が必要なのではないか、こういうふうに考えておるところでございます。
松島委員 役所が慎重な検討というと、大体何もやってくれない場合が多いんですけれども。
 これは一方で、もちろん職業選択の自由を侵すという意見があるということは存じておりますけれども、一方で障害者の雇用を何とか促進しようと。今、特にこれだけ不況の中で、一般の会社に雇用されることが難しいという状況がございます。どうかこれも御検討いただけるようにと思います。
 つけ加えてなんですけれども、こういう要望が出てくる背景の一つを考えまして、今、周辺業務、例えばカイロプラクティックとか足裏マッサージとかリフレクソロジーとか、そういうのが伸びておりまして、仕事として圧迫されているのではないか、そういう懸念を持っております。
 このあはき法、国家資格にこれが定められているということを世の中には知らない人も多いので、できるならばというか、国家資格であるということ、あんまやマッサージというのはそうだということをしっかりと宣伝していただく。さらには、できれば免許証を診療所に掲示しなきゃいけないとか、せっかくの国家資格であるということで、いわゆる出張マッサージなどのときにも免許証を見せることを義務づけて、それだけのこととして確立していただけるようにお願いしたいんですが。
篠崎政府参考人 先生御指摘のことは理解できることでございまして、今、あんまマッサージ師、はり師、きゅう師が国家資格であって、厚生労働大臣が与える免許であるということを広告することは可能である、そういうことを明確にしようと考えておるところでございます。これによりまして、今申し上げましたのが国家資格であり、施術者が国家資格を有している者であるということを認識しやすくしたいというふうに考えておりまして、現在、そのための手続、パブリックコメントを出しておるところでございます。
 また、先生が今御指摘の、免許証を義務づけたらどうかというお話でございますが、義務づけますと、それを逆に、提示しなかったらその義務づけに違反ということになってしまうわけでございまして、ちょっとそれも適当なのかなという気がいたしますので、むしろ法律で義務づけるまでもなく、各施術者やあるいは団体において積極的にその免許証の掲示などを進めていただくというのでどうかというふうに考えておるわけでございます。
松島委員 どうもありがとうございました。
中山委員長 次に、桝屋敬悟君。
桝屋委員 公明党の桝屋敬悟でございます。
 きょうは一般質疑ということで、限られた時間でありますから、介護保険制度、特にその中で訪問介護サービスのあり方について若干大臣にも聞いていただきたい、こんな思いから、二、三の事例を紹介しながら議論をしてみたいと思います。
 介護保険制度、始まって三年以上たちまして、その間、施設だけではなくて、居宅サービス、当初はなかなか利用もなかったわけでありますけれども、随分利用が伸びてきているということがある、それはうれしい話であります。
 と同時に、サービス量がふえれば当然ながら介護保険の給付費そのものがふえていくわけでありまして、したがいまして、それぞれの市町村では、一号被保険者の保険料が高くなるということで、保険料の算定がえも相当各市町村で、全国の市町村で差も出てきているし、高いところは頭を抱えておられるところもあるわけであります。地域においては、介護保険が今日まで進んでまいりまして、この段階における悩みも出てきているな、こう感じているところであります。
 そうした中で、例えば訪問介護、ホームヘルパーさんのサービスでありますけれども、今回の介護報酬の改定で、従来の身体介護中心業務、それから家事援助中心業務、その複合型というパターンを二パターンに改定されまして、身体介護以外に、生活援助型のサービスというものが新たに創設されたわけであります。
 この生活援助型、いわゆる身体介護でないヘルパーさんの業務について、以前から、当然ながら生活援助でありますから、家事援助等は基本的には同居家族がいないということが条件かと思うんです。あるいは、いらっしゃっても生活援助ができない、同居家族が障害者の場合とか、そうした場合に認められている。なおその他それに類するような特殊な事情がある場合は、そこは生活援助型のサービス、従来であれば家事援助型のサービス、これは提供されるという整理であったと思っております。このあたりは、その他いろいろな事情というのは、私はやはり自宅における生活を支援する観点から弾力的に運用されてきたのかなと思っておりますが、さっき言いましたように、相当給付量がふえてまいりますと、この辺が画一的な規制といいますか、例えば今の生活援助型のヘルパーさんについては、ともかくも同居家族がいればだめなんだと、一律的な規制がかかってしまう。これはすぐれて僕は都道府県単位だろうと思っておりますが、そういう地域があるやに聞いております。
 たとえ同居家族がいたとしても昼間独居になっているとか、あるいはケアマネジャーさんから見れば生活援助型のサービスがどうしても必要だというケースもあろうかと思うんですが、画一的なサービス規制というのは、私はどうかな、いよいよそういう総量規制のところへ入ってきているのかなというふうに感じておりますが、何かそんな認識を厚生労働省はお持ちでしょうか。
中村政府参考人 桝屋先生の方から、訪問介護、ホームヘルパーさんのお仕事の関係につきましてのお尋ねでございます。
 まず、訪問介護の状況でございます。
 先生も御指摘ありましたように、介護保険の利用が大変伸びておりまして、今年度五兆四千億の規模というふうに考えております。訪問介護につきましては、全体五兆四千億の中のおおむね一〇%程度が今訪問介護に使われておりますけれども、訪問介護の伸びにつきましては、対前年同月比で申し上げますと二七%くらい、これは二〇〇二年の十二月サービス分でございます。二〇〇一年の十二月サービス分に比べて、金額で二七・一%伸びているということで、大変訪問介護については伸びも著しく利用も進んでいる、こういうふうに考えております。
 先生お尋ねの生活援助中心型の訪問介護でございますけれども、先生からも御指摘ございましたように、高齢者の御本人が家事ができない、また御家族の助けが得られないという場合に介護保険の給付の対象としているということで、同居する家族の方が家事ができる状態にある場合には給付対象とはしていないところでございます。したがいまして、給付の適用につきましては、これも先生から御指摘ございましたように、単身の世帯に属します利用者の方、あるいは、御家族と同居されておりましても、御家族が病気とか障害を持っておられる、あるいは家事を行うことが困難である、こういう方につきましては、介護保険の給付の対象になるというふうに考えております。
 先生から日中独居というお話がございましたけれども、御家族と同居されており、御家族が例えば心身が御健康であって家事ができる状態でも、勤務されたりしておられて、日中、要介護の高齢者の方がお一人のような場合については、介護保険の給付の対象になる、こういうふうに考えております。
 このように、家事援助が必要なケースにつきましては、個別に判断して給付を提供するという姿勢で臨んでおります。
 今先生の方から、都道府県単位で、介護保険財政が厳しいので一律の総量規制の考え方で給付制限かけているんじゃないか、そういうところが見られないかという御指摘でございますけれども、私どもは、そういうことは当然好ましくありませんし、介護保険の仕組みから申し上げまして、給付の請求があれば個別に、具体的にはケアマネジャーさんが判断して妥当と認められる場合には給付するというのが当然の仕組みになっておりますので、そういうところがあると認識しておりませんが、御指摘のような運用によって必要な介護が利用できないということがあれば、私ども、そういった都道府県に対しましては、あるいはそういった自治体に対しては、具体的に指導してまいりたい、こういうふうに考えております。
桝屋委員 ありがとうございます。
 まさに、局長がおっしゃったように、介護保険の言ってみれば非常に微妙な部分でありまして、現場における円滑な介護サービスの提供という観点では大事な視点だと私は思っております。なお都道府県の実態等を把握しながら、適切な御指導をお願いしたい。
 それからもう一つは、これも総量規制に当たるかどうかですが、例えば家政婦さんが派遣をされているケースあたりで、これも、家政婦さんが派遣されている家庭に訪問介護が行くということは一律的にだめですよというような指導が現場でなされている、そういう事例も聞いております。
 これは制度は別物でありますし、どうしても居宅生活を続けざるを得ないケース、得ないといいますか、本当は続けていただきたいと思うんですが、利用者からすると続けざるを得ない。そうした中で、さまざまなサービス、社会的な資源を活用しながら頑張っておられる、そういうケースの中で、一日のうちある部分家政婦さんが入っていれば、機械的にこれは介護報酬算定はできませんよというような画一的な規制があるということも聞いておりまして、これは厚生労働省の方からQアンドAも出していただいて、大分調整をしていただいているようでありますが、ケースはさまざまでありまして、そんな現場の声にもまた耳を傾けていただきながら、きょうは問題提起ということでお話をさせていただきますが、ぜひそんな整理もお願いをしておきたいというふうに思います。
 利用者からすると、もう必死になって、自分たちの資力と、社会的資源、回りにあるものを全部整理して、何とか施設に入らずに、在宅で頑張ろうという方があるわけでありまして、そうした方は、当然ながら介護保険は優先的に使いたい、何のために保険料払っているのかという声にもなるわけでありまして、どうぞ現場の声も聞いていただきたいとお願いをしておきたいと思います。
 いずれのケースも介護保険の制度で総量規制だけが、さっき局長からお話がありましたように、給付費が最初はそれこそ四兆円前後のものが、今五・四兆円ぐらいになっている。どんどん膨らんできますと、やはり、適正にという言葉はそうなんでしょうけれども、私は不適正に一律的なコントロールが行われているんじゃないか、それはやはり介護保険の制度の根幹を壊す、魅力を壊すものだ、こう思っております。
 私は、大事なポイントは、ケアマネジャーにお任せする。制度もここまで進んできたわけでありますから、基本的な考え方は国が示して、あとはやはりケアマネジャーさんの現場における処遇論。ここにお任せをするという姿勢があっていいのではないかな、そういう時代に入ったのではないかと思っておりますが、局長、いかがでしょうか。
中村政府参考人 桝屋先生の方からいろいろ御指摘いただいております。
 最初の、家政婦さんと訪問介護の問題も、大変難しい問題だと思いますが、私ども、基本的には、介護保険による訪問介護と個人契約による家政婦サービスさんとどうやって組み合わせていくか。御本人が在宅で暮らし続けたいという御希望、そういった中で、公的な介護保険を使い、かつ、プラスアルファとして御自分で個人契約の家政婦さんをお使いになるという問題だと思います。
 私ども、制度の側からいえば、またいろいろ問題もございますけれども、前向きな方向で、合理的な方向で、在宅で暮らし続けたいという御意欲がうまく生きるように、しかし公的な介護保険としてきちんとした、筋も通るように、そういうことで、建設的に問題解決を図っていきたいということで、この問題につきましては、先生からも御紹介ございましたが、ことしの介護報酬の改定に伴いまして、いろいろ現場からも御疑問をいただいておりますので、QアンドAという形で考え方もお示しし、理解も得ていただいているところだと思います。
 個別のケースではいろいろまた問題があると思いますので、そういった際、特に重要になりますのは、やはりケアマネジャーさんが、介護保険の制度では利用者の方々の心身の状況に応じましていろいろなサービスが利用できるように、事業者の方とも連絡調整を行って、介護保険の在宅サービスを提供していくという、まさに介護保険制度の軸になる役割を果たしていただいていると思っております。
 私どもも、ケアマネジャーさんそれからケアプランというのが、要介護認定などと並んで介護保険の重要な要素だと思っておりますので、きちっとやっていただきたいと思っています。
 また、それはやはりケアマネジャーさんの専門性にかかわることでございますので、まさにそこの専門性が十分力を発揮していただくということで、行政的に一律に、あるいは財政の制約から締めつける、言葉が適切かどうかわかりませんが、そういったことは行わないつもりでございます。
 ただ、今の介護保険制度を三年間やってみた課題といたしましては、私どもの高齢者介護研究会、有識者に集まっていただいた中でも指摘されているんですが、そういう大事なケアマネジャーさんの役割、ケアマネジメントでございますが、きちんと行われているかどうかについては課題もある。
 例えば、利用者の方々の心身の状況を把握して、いわゆるアセスメントを行う、生活上の課題を分析することをケアマネジャーさんがケアプランをつくる上で前提としてお願いしておりましたり、それから、高齢者の方々の心身の状況は移ろいますので、常にその状況を把握していただく、モニタリングしていただくというようなことをお願いしているわけですが、そういったことが必ずしも十分実施されていないんじゃないか、そういう御指摘もございます。
 もちろん、そういうお仕事をやっていただくためには、ケアマネジャーさんに対します報酬の問題ですとか処遇が十分か、あるいはそういった点についての研修とか、そういったことが必要じゃないか、それは国なり都道府県の役割ではないかという御指摘もまた逆にいただいておりますので、今回の介護報酬でも、ケアマネジャーさんの介護報酬については平均一七%引き上げさせていただきましたし、また、研修等につきましても、ケアマネジャーさんが本来果たすべき機能を十分発揮していただくように、私ども、研修事業も予算を計上して実施しておりますので、こういった努力を積み重ねる中で、先生が御指摘になりましたケアマネジャーさんが介護保険制度の中心としてサービスを利用者の方に結びつける役割をそれこそ適切に果たしていただくようにお願いしてまいりたいと考えております。
桝屋委員 ありがとうございます。
 終わりますけれども、今局長がおっしゃった財政上の理由から一律的な締めつけというようなことがあってはならぬということは、ぜひお願いを申し上げておきたい。ただ、局長、ケアマネは報酬上げて何とか手を打ったとおっしゃっているけれども、現場に行きますと、よくぞよくぞあんなことをしてくれたなといつも怒られるんです。決して甘い状況ではないということも申し上げておきたいと思います。
 最後に大臣と議論したかったのですが、やはり大臣、介護保険も、今回の介護報酬の改定は、全体のパイをふやせない、ふやすと保険料が上がるという悩みの中でやったわけでありますが、場合によっては支え手をふやす、あるいはパイをふやすというようなことも含めて政治がそろそろ議論をしなきゃならぬ段階に入ったなということを、私、大臣に申し上げて、きょうのところは質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
中山委員長 次に、山谷えり子君。
山谷委員 保守新党、山谷えり子でございます。
 つい先日、二〇〇三年七月七日の新聞でございますけれども、二十九歳以下で子宮頸がん、若い女性ですね、十年で四倍、性感染症が一因かという調査結果が出ております。また、昨年の十二月七日、厚生労働省研究班調査で、十九歳女性の十三人に一人が性感染症推定罹患者であるという調査結果が出ました。
 この調査結果、二つの記事について、大臣はどのような御感想をお持ちでしょうか。
坂口国務大臣 若年者の性感染症あるいはまた子宮がんの罹患率の上昇につきまして、私も先日、新聞を拝見したところでございます。
 子宮がんの問題につきましては、これが性との関係でどういう関係にあるのかということを、つまびらかでございませんけれども、これからだんだんと研究されていくだろうというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、若い皆さん方に性感染症があるということはゆゆしき問題でございまして、何とかこれに対して対応しなければならないのではないかというふうに思っております。先日通していただきました次世代育成支援対策推進法の中で積極的にこうした問題も取り組んでいきたいというふうに思っております。
 やはり、性に対する指導援助を行います一方、個人の問題であると同時に、それは社会的にも非常に大きい問題でございますから、性の問題は自分自身の問題であると同時に社会的な責任を伴うものであるということについてよくお話をしていかなければいけないというふうに思っております。
山谷委員 現在、乱交、フリーセックス文化が若者の間に広がっております。一月の警察庁の発表では、中学生、高校生の六八%が、同年代の女の子が見知らぬ人とセックスすることを本人の自由としております。また、四五%が、セックスでお金をもらうこと、売春を本人の自由としております。
 今、過激な性教育が全国に広まっておりまして、この「ラブ&ボディBOOK」というのは、昨年、厚生省の女性健康手帳検討委員会の報告をもとに厚生労働省国民運動計画の主要課題の一つとして作成されて、厚生労働省所管の財団法人が作成して、百三十万部、全国の中学三年生に配ろうとしたものでございます。
 この中に、セックスを非常に安易にとらえる記述が目立つこととか、例えば、資料をお配りしました、「日本では中絶することが許されている。」「日本のお医者さんの中絶手術の技術は信頼できるけど、」とか、ピルは中学生は飲んではいけないんですが、WHOでもそう言われておりますが、「男の子に頼らず、女の子が自分で避妊できるのが最大のメリット。」「失敗率一%」という、この数字も間違っておりますけれども、副作用も書かずにこのようなことが書かれている。
 非常に問題ではないかということで、回収を求めました。文部科学大臣も再三回収してほしいと言いましたけれども、厚生労働省の方は、去年の十一月、政府参考人、「直接回収する考えはございません。」ということでございました。
 資料をさらに見ていただきたいんですが、東京都がこの前、七月二日にいろいろな調査に入りまして、これは小学校五年の理科の授業で、お父さんとお母さんのセックスのことを細かく書いて、注意、人のセックスのことは、学校では教えるが、お父さんお母さんの秘密なので、やたらに質問しないで、うちではそんなことを習ったことを教えないでと書いてあるわけです。
 これがお人形さん、裸体の人形がございますが、一つの学校から十九体出てきたという学校もございました。これでセックスとはどうするものかという実習をさせるわけですね。次に、男性性器。コンドームの装着授業がもう小学校から始まっております。豊中市の中学では、三分の一の学校がこういう実習をやっております。三分の一というのは、私は、多いとも少ないとも言えない。そのくらいの規模で、決して一部の学校で何か勘違いした先生がやっているという規模ではないということでございます。等身大の男性と女性のお人形を使って、このようなことも子供にさせているわけでございます。
 都議会で取り上げられて、石原知事は、あきれ果てたとおっしゃいました。
 私は、長年ジャーナリストとして教育問題を取材し、またPTAの会長とか教育委員もしておりまして、この十年、年々このような過激な性教育が小学生にまで広がり、しかも量的にも無視できない形で広がってきているわけです。
 おとといの衆議院決算行政監視委員会で小泉総理に質問いたしましたところ、果たして小学生にこんなことを教える必要があるのか、行き過ぎじゃないか、私は考え直す必要があるとおっしゃいました。また、きのうの文部大臣も閣議後の記者会見で、発達段階に応じて適切に教育されるべきで、どの程度まで行われているのか、これが気になるというふうにおっしゃっておられます。
 まるで、本当にアダルトショップのような教材を使ってやっているんですけれども、これは先生たちが開発しているものもありますし、いろいろあるんですが、平成十四年十一月、厚生労働省政府参考人、性育の強化は大きな課題、来年度、十五年度の概算要求におきましても、子供の発達に応じた性育ができますよう研究教材を開発研究していきたいとおっしゃいました。
 どのくらい予算がつきましたか、つきますか、どのような研究教材を開発するおつもりですかと私は厚生労働省に聞きましたけれども、お答えがまだきのうまでございませんでした。どのような研究教材を開発しようとなさっていらっしゃるのか、厚生労働省の姿勢というのをお伺いしたいと思います。
 子供のころの脳というのは性行動と攻撃性の中枢がそばにあって、性衝動と攻撃性が性的サディズムを起こすということも言われております。このところ、痛ましい事件が続いておりますし、また大学生による集団のレイプ事件などもございます。
 厚生労働省が進める性育とは何か。そしてまた、このような過激な性教育が現場に無視できない形で広がっていることを厚生労働大臣は御存じでございましたでしょうか。このような教育についてどのような感想をお持ちか、お聞かせいただきたいと思います。
坂口国務大臣 総理もお答えになっておりますし、私もそれ以上のことを申し上げることはできませんが、知識というのは常にもろ刃の剣であることは間違いございません。したがいまして、小学校のときにこれをやるかどうかという問題も当然ございますし、そして、知識を与えるときに、それに対してプラスして、どういうふうに全体の性ということについて教えているかということだと私は思います。そうしたことを抜きにして、ただいわゆる生理的な行動のみを教えるというのでは、私は、性教育ではないというふうに思います。
 したがいまして、性教育が大事だという総論につきましてはすべての人がこれは同一でございますが、その中身につきまして、さまざまなことが行われている。ただ現実を教えるというだけでは、性教育ではない。そしてまた、先ほど、文部科学大臣のお話にもあったということでございますが、やはり年齢に応じた性教育というものを行うべきであるというふうに思いますし、そうした方向でこれからどのようにしてやっていくかということを、現在、プラスしてどういうことが行われているのかということまで私よくわかりませんけれども、もしもそういうことが何ら行われていないとすれば大変な問題でありますから、これはよくお話し合いをさせていただかなければいけないというふうに思っている次第でございます。
 したがいまして、厚生労働省としては、いわゆる心身ともに健全な青少年をどう育成するかという観点に立ってやっていかなければいけないわけでございますから、そうした範疇の中での性教育ということで、我々も真剣に取り組んでいかなければいけないと思っているところでございます。
山谷委員 ぜひ厚生労働省の研究開発の体制の中で、性感染症の増加とか、それから脳科学の研究とか、子供の意識調査、実態調査、それから欧米ではどのような教育にシフトしているかというような、新しいことを知っている方を委員に選んでいただいて、新しい体制でやっていただきたいというふうに思います。
 もう欧米では、このようなコンドーム教育ではむしろ中絶とか性感染症がふえるということで、人格教育、生命尊重教育、クリントンの時代にもたくさん予算をつけて、ブッシュはクリントン時代の二倍の予算をつけるようにしております。そして、いい結果が上がってきております。また、ヨーロッパも、親の教育権というのが大事だから、性教育をする場合は教材を見せて、親に、こういう内容の教育をしますよということを、選ばせるんですね。そのような欧米が本当に何をしているか。日本は二十年おくれのことをやろうとしているんです、勘違いを。同じ失敗をしていただきたくないというふうに考えております。
 青少年育成推進本部、これも非常におかしいですね、健全育成推進本部というふうになぜできないのか。その辺にいろいろ悩ましい部分があるというふうに思っておりますけれども。青少年育成推進本部の副本部長でいらっしゃいます文部科学大臣、また厚生労働大臣、性教育について、ぜひこの本部の青少年健全育成の推進のためのいろいろなメニューの一つに本格的に入れていただきたい、また実態調査をしていただきたいと思うんですが、いかがでございましょうか。
坂口国務大臣 まだできたところでございますから、これからでございますが、こうした性教育の問題も、その中でしっかりと取り上げるように主張したいと思います。
山谷委員 もう少し大きな視野で、厚生労働省としては青少年の健全育成についてのこれからの取り組み、性教育だけでなくて、どのような方向で考えていらっしゃいますでしょうか。
坂口国務大臣 先ほども申しましたとおり、青少年の心身ともの健全な育成ということでございまして、そうした立場から我々は取り上げていかなければならない。特に厚生労働省の場合には、健康面といったものが非常に重視されるわけでありまして、そちらの方を私たちは中心にしてふだんから見ているわけでございますから、健康面、食生活、あるいはまたこの性の問題におきましても、健康面から見て現在どういう弊害が生まれているか、あるいはまたどういうプラスの面が存在をするかといったところを科学的に整理をして、そしてそのことを運動論に結びつけていかなければいけないというふうに思っております。
 食生活におきましても、量を少なくして、大変やせておみえになる方がある、生まれてくる赤ちゃんの体重まで減ってきているといったような現状もあるわけでありますから、そうしたこともあわせて我々は見ていかなければいけないと思っております。
山谷委員 過激な性教育というのは、本当に人格形成をつくっていくことを阻害いたしますし、せつな的な、イージーな生き方をしてしまうというような、人格面でも人生を歩んでいく面でも大きな影響を持っているものでございます。この「ラブ&ボディBOOK」も、まだ保健所にたくさん置いてあって、養護の先生に希望したら配付できるからというようなことを働きかけている方もいらっしゃいまして、もちろん善意だと思うんですね。しかし、やはり何か大きな勘違いをしているんじゃないかと。
 小学生に人形を使って性行為を教えるというのが、知的障害学級とか養護学級にまで及んでおります。また、この「ラブ&ボディBOOK」の中に、「家族からの性行為の強要」、相手は実の父、兄だったり、おじさんだったりする、これは性犯罪だというふうにコラムで書いてあるんですが、このアニメも小学生に見せているんですね。そうしますと、家族関係もずたずたに壊されますし、本当にこれは、一部の方たちがやっている何だかおかしなということではなくて、非常に教育界の中で、そしてまた保健所の中でも広まっている動きだということを御認識いただいて、実態調査、対策をおとりいただきたいと思います。
 ありがとうございました。
中山委員長 次に、五島正規君。
五島委員 民主党の五島です。
 この通常国会、大変多くの問題がございまして、大臣の方にお伺いしておかなければいけない課題がたくさん残っているわけですが、会期も大体終わりに近づいてまいりました。そういう意味を込めまして、きょうは幾つか大臣にお答えいただきたいと思います。
 まず第一に、この四月に、健康保険の本人の自己負担が二割から三割に引き上げられました。また、昨年、老人の自己負担が一割引き上げられました。この自己負担の引き上げによりまして、受診抑制が働いているのかどうか。また、この引き上げによって、とりわけ医学的観察を、あるいは継続的な治療を必要とする、主として生活習慣病の患者さんの受診行動というものが変化してきたのかどうか、そこのところについてお伺いします。
真野政府参考人 医療費の動向でございますが、現在、平成十五年の二月分まで把握をいたしております。
 先生御指摘の平成十四年十月前後、高齢者医療費の動向を比較いたしますと、対前年同月比でございまして、十四年の四月から九月の平均では二・一%の伸びでございましたが、同年十月から十五年二月の平均では一・四%のマイナスの伸びとなっておりまして、医療費の伸びが九月以前に比べて減少をいたしております。
 しかしながら、受診延べ日数の動向を見ますと、改正前後で若干減少はいたしておりますものの、制度改正の影響がほとんどなかったいわゆる高度の受診日数の伸びも低くなっている。また、昨年九月にいわゆる駆け込み受診が認められまして、その反動で十月は受診延べ日数が低目になっているというようなこともございまして、昨年十月以降の医療費の低下が、すべて制度改正の影響と判断することはできないのではないかと考えておりますが、今後、十四年度全体の医療費の動向を取りまとめたいというふうに考えておりまして、それも踏まえまして、制度改正の影響について分析をしていきたいというふうに思っております。
 また、今年四月から、健康保険本人の三割負担が導入されましたが、その影響につきまして、医療費の動向につきましては、現在のところ、データがそろっておりませんので、把握をできておりません。
 それから、御指摘がございました生活習慣病の関係でございますが、これにつきましても、平成九年に政管健保でサンプル調査をしたということがございますが、その全体につきましては、私ども、これまで、その動向を把握してきておりません。
 したがいまして、今後、各種実態調査、政管健保なり船員保険の医療給付の受給者状況調査、それから国民健康保険の医療給付実態調査、そういう実態調査におきまして、疾病別の受診率の動向等を通じましてその把握に努めたいというふうに考えております。
五島委員 時間がまだ足りないのでほとんど調査できていないというお話でございますが、例えば、腎透析の治療費だけで年間一兆円を超しました。そして、今日ではその大半が糖尿病からの患者であるということは御承知のとおりですね。結果として、国民の健康状態が悪化することによって医療費が伸びていくというのは、最悪の政策選択であるだろうというように思います。
 そういう意味も込めまして、大臣、ぜひ、この一年間、定期の調査だけじゃなくて、こういう大きな変化のあった場合、そのことが国民の健康にどういう影響を与えているだろうかということについての調査はより迅速に、あるいは、そういう生活習慣病の問題につきましても、サンプル調査でも悉皆調査でも結構ですが、そういう調査をぜひ厚労省としてやっていただきたいというように思いますが、いかがでしょうか。急いでやっていただきたい、お願いします。
坂口国務大臣 制度が改正されますと、それに対する医療の対応というのが変わることもございます。そうしたことが国民生活にあるいは国民の健康にどう影響を与えるのかということを十分考えていかなければならないというふうに思います。
 例えば、腎透析のお話が出ましたが、腎透析のいわゆる医療費というものを、今まで時間によって幾つかに分けておりましたのを、丸めて一つにした。そうしますと、今まで五時間やられておりましたものが、四時間を切ってきている、三時間半とかそういう短い時間になってきているというような訴えも先日ございまして、一遍、そうしたことも、私たちも調査をしたいというふうに思っております。多少丸められたことはありますけれども、しかし、だからといって、五時間していたものをもっと短くするというのは、これは医の倫理にも反することだというふうに私は思っております。
 したがいまして、我々が反省をしなければならない点、そしてまた医療機関として反省をしてもらわなければならない点、やはり両方あるというふうに思っておりますので、双方しっかりと私は調べておきたいと思っております。
五島委員 既にいろいろな医療団体がデータを出して議論をしているようでございますが、厚生労働省として、ぜひその辺についてきちっとした調査を急いでやっていただきたい、お願いしておきます。
 次に、今日、総合規制改革会議やあるいは経済財政諮問会議から、いろいろと医療に関係した御発言がございます。
 前提として申しておきますと、今日、そうした内閣府の諮問委員会その他において、例えば、医療費が非常にかかり過ぎる、むだである等々の御指摘が発言としてございます。こうした発言が、本当にそう言っておられる方々が本気で思っておられるかどうか、言葉を信じるか、行動を信じるか、いずれに真実があるかという問題ですが、そういうことを声高に言っておられる方に限って、株式会社による医療の参入を求めたりしておられます。まさにこれは、言葉でそう言いながら、そこにおいて、本当に医療費を抑制するのでなくて、新たなビジネスチャンスをつかみたいと考えてやっていることはもう目に見えておるというように思います。
 そういうふうな前提のもとで、二、三、お伺いしたいと思います。
 まず、先日、大臣自身が発言されておりますが、コンビニにおける医薬品の販売ということが出されてきています。それに対して厚労大臣の方は、医薬部外品をもう一回再検討して、医薬部外品はいいよ、そうでないものはコンビニで売らすことはできないという趣旨の御発言をなさっています。その言葉だけとってみると、そのとおりだろうと私も思います。
 問題は、大臣のおっしゃっている医薬部外品というのは何を指すのか、実は私は、そこのところに若干の不安がございます。副作用の全く心配のないような、そういう剤料、これは従来だって医薬部外品として扱ってきたし、もし扱っていないものがあるならば、それは当然、医薬部外品としてどこで売ってもいいようにしていいんだろう。ただ、総合規制改革会議等々の御発言が強いために、若干、薬の有害部分あるいは有効部分を少な目にしてしまったものなら医薬部外品にしてもいいとお考えなのかどうか。
 私は、そういうふうな医薬部外品の範囲というものをいいかげんな形でやっていくと、これは、一見、言葉では激しく対立しているようですが、国民にとって大変大きな障害になるんではないかと心配しています。そういう意味で、大臣がおっしゃっている医薬部外品というのはどういうふうなものをお指しになっているのか、そこのところを明確にしていただきたいと思います。
坂口国務大臣 これはなかなか難しい話でありまして、サンドバッグみたいなものであって、両方からたたかれるわけでありまして、私も本当に苦労しながらやっております。
 今お話しになりましたように、やはりコンビニ等で売れるものにつきましては、作用がマイルドで、そして副作用のほとんどないもの、人によりますからゼロというわけにはいかないんだろうと思いますけれども、ほとんど認められないもの、そうしたものを医薬部外品として今日まで扱ってまいりました。
 ただ、そうは言いますものの、その薬を医薬品として販売するか、医薬部外品にして販売するかということを初めに決めますときに、いわゆる製造業、メーカーの方の意向をある程度聞いているという面もなきにしもあらずなんですね。これは医薬品として売ってほしいとかなんとかというような、そういうことも私は若干なきにしもあらずと思っておりまして、そうした、本当は医薬部外品でいいんだけれども医薬品にしているというようなものについては整理をして、ちゃんとやらせていただきたいというふうに思っております。
 私の方の主張は、副作用のあるようなものはコンビニで売らすわけにはいかない、こういう主張でございますが、最終の結論は、安全性のあるものについては、これはコンビニで売らしてもいい、こういう話でございます。これは裏表から言っておるわけで、同じことだと私は思っておりまして、作用がマイルドで副作用のないもの、そうしたものがやはりコンビニ等で売ってもいいもの。
 これは今、医薬部外品というのは七万二千種類あるんですから。そんなにたくさんあって、棚に並び切れないほどの種類があるわけですから、まだ要るんですかと私は言いたいわけでございます。医薬品の方は一万四千ですね。ですから、まだ必要ですかと言いたいわけでございますが、しかし、そういう方も一方ではおみえになりますしいたしますので、そうしたことを整理させていただきたいというふうに思っているわけでございます。
五島委員 薬の副作用の危険性も本人の自己責任だなんてばかなことを言っている人の言葉に耳をかされずに、今おっしゃったことを毅然と守っていただきたいと思います。
 私は、利便性の上からコンビニで医薬品を売らせる、それに国民のニーズがあるということについてはそうなんだろうと思います。しかし同時に、国民は、医薬品が安全に提供されるということを、調査しておらないけれども、当然望んでおられる。厚生労働省として、コンビニで医薬品を売らすかどうかを検討されるのなら、当然、医薬品をコンビニで売らす以上は、コンビニに薬剤師が常駐しているということを前提としてでないと認めるべきでないということを申し上げておきます。
 同じような問題が、特区における自由診療の問題。
 この問題につきましても、厚労省は一貫して、高度医療はいいけれどという前提でお話しになっている。一体高度医療とは何なのかという問題が非常に疑問になってまいります。
 しかも、この高度医療の問題につきましては、例の二〇〇〇年の保険の第三分野の解禁以後、多くの生命保険会社、とりわけセコムなどが中心になって、がんをターゲットにした自由診療保険というものをどんどん出している。
 高度医療というものは一体何を指しているのか。その意味について、先日、厚生省は一応のおまとめになったわけですが、私は、あの内容が高度医療を指しているとは思えない。従来、いわゆる診療報酬の対象外であった美容整形であってみたり、あるいは一部の不妊治療、というよりも生殖補助医療、これは診療報酬の対象になっておりませんので自由診療です。これを高度医療だというとすれば、そのほかにもそれの類似の高度医療というのはたくさんある。高度医療なら構わないという言葉だけがマスコミを通じて喧伝されているわけですが、一体どういう範囲を高度医療としてお使いになっているのか、明確にしていただきたいと思います。
坂口国務大臣 この問題もなかなか、いつまでたちましても決着のつかない話でございますが、私たちはついたというふうに思っておりますけれども。規制改革会議におきましては、また年末にかけまして、今までの決め方では不十分だというのでまたお出しになってくると。もう閣議決定したわけでありますから、これがいいか悪いかを一遍見て、それでその後をどうするかを言うなら、それは話はわかりますけれども、閣議決定したもう直後に、また次の年末までにこうしろああしろというような話が出てきている。大変私は残念に思っているわけでございます。
 高度な医療ということで、呼び名は一応それで妥協いたしました。それは、私は、自由診療の中の高度先端医療、こう言ったわけですが、高度先端医療というのはわかりにくいと言うから、高度な医療ということにしてほしいという話でございますので、それは、呼び方はどうでもいいと思っておりますが、中身は高度先端医療ということに限定をしたいというふうに思っております。自由診療でありますから、社会保険には、いわゆる保険制度には影響を与えない範囲の中で行う。
 先般、一つのガイドラインとして示しましたのは、五点挙げまして、再生医療として、脊髄損傷患者に対する神経細胞の再生、移植、それから遺伝子治療として、肺がんや先天性免疫不全症の治療、それから、特殊な放射性同位元素を用いるPET等の画像診断、高度な技術を用いる美容整形医療、提供精子による体外受精、倫理上問題のない生殖医療、その他、倫理的、安全性の問題がなく、これらに類するもの、こういうふうに挙げたわけでありまして、この程度のところで高度先端医療としておやりいただくのならば、保険医療に大きな影響は及ぼさない、こういうふうに思っております。
五島委員 私は、そのガイドラインの中の後ろの二つについては同意しますが、最初の三つについては、後ほど申し上げますが、若干異論がございます。
 問題は、それはそれといたしまして、今大臣そのようにおっしゃったわけですが、現実に日本の国内において、がん診療あるいは自由診療保険として、いわゆる診療報酬の五割増しの保険での給付を前提として、自由診療を対象とした保険が売られています。そして、保険会社みずからがセカンドオピニオンの役割を果たすというふうなことをやっています。これはもうアメリカにおいて、私は失敗が確定したと思っておりますが、HMO方式そのものを導入しようということだろうというふうに思われますし、これに、具体的に、総合規制改革会議のメンバーその他がかかわった企業がそういうことをやっておられる。果たしてそういうことでいいんだろうか。
 その人たちが、先ほども申しましたが、一方において医療費の増大について批判をしながらそういうようなことをやっている。結局、皆保険制度をつぶして、その中で自分たちの商売を拡大させると言っているんじゃないか、そういうふうにしか思えないわけですね。これについては、大臣の立場からはお答えにくいでしょうから、私の意見ということで申し上げておきます。また、城島議員に対して何かあったようですが、個人的批判があっても結構です。私はそう思います。
 そして、こういうふうな議論の中で、一つ私が厚生労働省として整理していただきたいのは、特定療養費という問題です。
 特定療養費というものが入る関係上、いわゆる混合医療あるいはそういう自由診療との関連がどうしても出てくるんだろうと思います。アメニティーに関する特定療養費、差額ベッド等々の問題、あるいは、私自身はいい制度ではないと思っておりますが、慢性患者に対して、一定の期限を過ぎたときに特定療養費にする、そういうふうな制度は、その制度自身は反対でございますが、それは法律で決まったことだと思っております。
 問題は、新たな医療技術の問題。新たな医療技術が導入された場合に、その医療技術が丸々特定療養費として自己負担になりますと、その治療を受けられる患者さんというのは本当に限られた人になってまいります。同時に、それがまだ技術としてもあるいは設備としても全国に普及していない段階において、診療報酬にそのまま載せるわけにいかないという問題があることもよく理解します。だからといって、それを自由診療にしておくのがいいのかどうか。そうした、純粋に医療にかかわる技術の採用については、一定、それが普遍性を持った、皆保険制度のもとで提供できる段階になるまでは、私は、診療報酬上で限度額の償還払い制度を導入すべきではないか。
 例えば、PET―CTの場合であれば、PET―CTを受診した場合に、今は非常に限られた範囲でしかPETの保険の適用を認められていません。しかし、その機械に対して一定効果があることが確認されているとすれば、例えば、MR検査と同額の保険料を療養費払いとして支払っていくとか、あるいは、神戸で今回導入されようとしております粒子線治療のような、非常に高度の施設も要り、お金もかかるような治療、一回受ければ百万円と言われています。恐らく、脳腫瘍の患者さんがそこで治療していくとすれば、一カ月なり一カ月半の間に、一回に三百万ぐらい、それが年間に何回かということになるのかなと思うわけですよ。そういうふうなものについては、例えばガンマナイフとか、そういうふうなものの点数に準じたところで特定療養費としての償還払い制度を導入していく。あるいは、がんの薬等々についても、まだ認可されていない薬について、医師の責任において自由に使えるようにした上において、それと同じような効果を期待する薬を前提とした償還払い制度というものを導入することによって国民にとって必要な医療の技術を皆保険制度の中に入れていく、皆保険制度の外に置くべきでないというように私は考えるわけでございますが、大臣、その点についてどうお考えでしょうか。
坂口国務大臣 御主張になる趣旨は私も理解できるつもりでおりますが、しかし、一定の有効性、安全性が得られます医療技術につきまして、保険診療と保険外診療との区分というものを今明確にしておるわけであります。その費用のうち、高度先端医療以外の部分につきましては保険給付を行っているわけでありますが、高度先端部分につきましては自己負担で今お願いをしているわけでございます。
 先生おっしゃるのは、ここの部分を償還制度にしてはどうかということをおっしゃるんだろうというふうに思っております。医療にかかわることだから、国民の命にかかわることだからすべて医療保険でやれるようにしろ、こういうお話だろうというふうに思いますけれども、御承知いただいておりますように、全体としての医療費というものも非常に莫大になってきているという現状の中で、この先端医療部分まで保険の中で見るというのはなかなか至難のわざでございまして、これからどんどんどんどんこの高度先端医療という部分は膨らんでくるんだろうと私は思います。さまざまな研究が今進んでおりまして、遺伝子治療等も進んでまいりましたから、ここは非常に大きくなってくる。その高度先端医療のところをすべて保険で見ていくということになりますと、保険全体の医療費を一体どうするかという問題にはね返ってくるというふうに思わざるを得ません。
 そうした点で、いや、それらはみんなお互いに出し合っていこうという合意が得られるのならば私はいいというふうに思いますが、なかなかそうもいかないということになりますと、一定限度のところは保険で見、そしてそれ以上特別な部分につきましては自己負担もお願いをするというのは、一つの方法として、これはやはりそうせざるを得ない状況ではないかというふうに私は理解をしているわけでございます。
 しかし、これは国民全体の合意が今後どう得られていくかということでございますから、国民の皆さん方が、いや、それはもうみんな見ていこう、そのかわりに出すべきものは出そう、こういう御趣旨になっていただければ、それはまたそのときにそうしたことを考えるということだろうと思いますが、今は必ずしもそうなっていないという状況の中でどうするかということだろうと思っております。
五島委員 繰り返しますが、私は、高度先端医療であったとしても、それが皆保険制度にふさわしい普及の状態になれば、それは皆保険制度の中で認めていかざるを得ないだろう、しかし、その技術そのものがまだ十分に普及していない状況において皆保険制度の中で見ていくかどうかということについては問題があるだろう、そう申し上げているわけです。
 だからといって、それを保険制度の外に出すということによって保険における医療の技術的な発展に制約を加えるべきでない。結果において、例えば診療報酬で丸々全額認めるとすれば、本当に必要であるかどうかは別として、これまでの医療の実態として、高度の検査機器あるいは治療機器に軸足が移ってきたという一つの事実がございますし、そういうことを避けるためにも、私は、やはりそうした技術が普及する段階までは限度額の償還払い制度という形でもって皆保険制度の枠の中に閉じ込めていく、そのことによって、大臣が御心配のように、医療費が大変膨大になっていくというふうには思えません。
 先ほども申しましたが、PET―CTを受けて二十万円を本人が払うとしても、MRの検査をしたときと同じ点数が払われるということであれば、MRそのものは今多くの医療機関が持っているわけで、非常にたくさん撮られています。そういう意味では、そのことによって医療費が膨大化するわけではありません。これから発展する医療の技術をこの医療保険制度の範囲の外に締め出すことによって皆保険制度が崩されていく口実になることをぜひ何とか阻止していただきたい、そのことをお願い申し上げておきます。
 そして、医療に関しましてもう一点、もう時間がございませんので、これも私の意見を申し上げておきますが、今回の二十一世紀のビジョン案を見ましても、盛んに医療の現場におけるIT化の問題、関連で電子カルテ等々の問題が出されてきます。今回、特定機能病院に導入されたような、そういう日本版のDRGのようなやり方、あるいは、現在、中医協等々においても議論されておりますRUGなどの支払い方法、そういうふうなものをもし仮に一般医療の中に導入されるということになれば、当然、その場合には、治療計画なりそういうものがきちっとあって、それに沿ってどういうふうに治療がなされたかということを点検しながらそれぞれの包括した点数での支払いになっていくんだろうと思われますから、ますますそうした電子カルテなんかの普及というのは必要なんだろうと思います。
 ただ、問題は、かつて厚生省が、昭和四十年代のころからレセプトの電算化については取り組んでこられました。当初、非常にコストが高くて、なかなか普及しなかった。いつから普及したかというと、レセコンのソフトがオーダーメードからレディーメードになった段階で急激に普及した。価格も大体百分の一ぐらいまで下がったという経験を私自身も経験しています。
 今、この電子カルテ等々を普及させるためには、厚生省が、今のような形で、やりなさいと言うだけでなく、また、各医療機関とメーカーとがそれぞれオーダーメードさせていくという形で非常に高いコンピューターあるいはソフトの構築化をやらせていくのでなくて、それぞれの規模、それぞれの専門病院あるいは診療所、それぞれに合った電子カルテについてもう自由につくらす、そして、厚生省が患者さんのセキュリティーの問題とか最低限必要なことがその電子カルテにおいて備わっているかどうかのチェックだけをして、いわゆるレディーメードの電子カルテというものを大量に発行していけるような、メーカーが競争できるような、そういう市場をつくることに力を入れるべきではないかと思いますので、そのことをぜひ検討していただきたい。
 時間がございませんので、後に二つほど大きい問題を抱えておりますので、この問題について、後ほど、もしまとめて御答弁あればお願いしたいと思います。
 次に、年金問題でございます。
 基礎年金に対して公費五〇%導入というのは、元大臣の時代からこれは国民への政府の約束でございます。しかるべき財源を求めるという言葉も途中で入りましたが、どういうふうな形で財源を捻出するかということは別といたしまして、今何か議論を聞いていますと、新たに消費税の引き上げを導入しないとできないよと。これでは、やはり何ぼ小泉さんが公約大したことないと言われたとしても、これは小泉内閣以前からの国民に対する大きな約束ですから。これができないことには、年金改革で次に一歩を踏み出せないだろうと思っています。これについては、どのように実施するお考えなのか、お伺いしたいと思います。
坂口国務大臣 電子カルテ、一言だけ触れておきたいと思いますが、これは御主張のとおりと私も思っております。したがいまして、汎用性、互換性のある、同じように使える、そうした機器の開発に努力をしていくということにしたいというふうに思っておりますし、今そういうふうで進めております。
 それから、年金の問題でございますが、これは来年度の大問題でございますが、年金制度の諸改正、その中におきまして、やはり国庫負担の三分の一から二分の一への引き上げ、これはもう既に出ているわけで、もう法律に書いていただいてあるわけでございますから、これは国民に対する約束事というふうに私も理解をいたしております。これはどうしても、来年の制度改革におきましてはちゃんと道筋をつけなければいけないことだというふうに思っておりまして、それを行うためにどういう手だてがあるのか、今後の年金制度の全体の中でこれはどうしていくのか、全体の改正の中で考えていくということにしなければならないというふうに思います。
 消費税のお話がございましたが、私も、当面、消費税をどうこうしなきゃこれができないというわけではなくて、ほかに方法はあり得るというふうに考えておる次第でございます。
五島委員 この年金の問題、本当に国民が不安と不信感を持っている中で、約束事項はきちっと果たしていくというところからしか、これからの少子高齢化社会の中における安定した年金制度というのはつくれない。そういう意味では、今の大臣の御決意、重く受けとめて、ぜひその方向に進めていただきたいというふうに思います。
 時間がありませんのでそのほかのところを省きますが、最後に一つ、疾病対策の問題でお伺いしておきたいと思います。
 実は、HIVの対策やクラミジアの対策等々についても質問をしたいと思っていたわけですが、昨今、線維筋痛症という病名が非常に脚光を、テレビでも取り上げられ、問題になってきています。そして、その発症者は、女性で二%、男性で〇・五%、非常に大きい数だというふうに言われています。ところが、この線維筋痛症というのは、非常に程度が重症の人にとっては本人の苦痛は大きいけれども、診断というのについて言いますと、医師の触診、それと自覚症状、そういうものぐらいしか現在ない。多くの場合は、この病気はリューマチ関係の学会で議論されたり、そうした意味において、リューマチを専門とする医者あるいは整形の医者のところで診られています。しかし、同時に、これは果たして、かつてよく言われました慢性の、疲労性の症候群とどう違うのか、あるいは心療内科の分野が担当すべき病気ではないのか、さまざまな指摘がございます。
 これについて厚生省の方は、今、リウマチ学会に若干ゆだねられているような状態があるとは思うわけですが、果たしてリウマチ学会にゆだねて、あらゆるリューマチ反応がマイナスであり、そういう意味においてはリューマチとは診断できない、ただ、どうしてもそういう痛み、苦痛があるものですから、リューマチ関係のお医者さんに行かれることは事実なんですが、そこだけで対応をお願いしていいものかどうか。そういう意味においては、厚生省としてはこれについて、学会を、いわゆる一医学会だけでなくて広範な学会に調査を依頼するか、あるいは厚生省自身が調査班をおつくりになって、直ちに難病指定になるかどうかは別として、予後がそれほど悪くありませんので難病指定になるかどうかは別として、これだけ大きな病気、数が外国でも非常に多いとなってきますと、それに対する適切な治療、対策、予防というものをやはり厚生省としてはぜひ打ち立てていただきたい、その点についてどうお考えなのか、お伺いしたいと思います。
坂口国務大臣 線維筋痛症というのは新しい呼び名でございますが、もともと多少あったんだろうというふうに思いますが。痛みというのは人にわからないわけでございますが、しかし、とにかく、その痛みは普通のリューマチ等の痛みの十倍とも百倍とも言われておりまして、耐えがたい痛みであることは間違いないようでございます。もう一つは、いかなる検査をしても陽性反応が出ないということだそうでございまして、この二つの中からこれはどうしていくかという大変な問題だというふうに思いますしいたしますが、これは、厚生労働省といたしましても、検討会、ひとつつくりまして、検討したいというふうに思っております。早く解明に向けまして、関係の学会の皆さん方にもお願いをしたいというふうに思いますが、厚生労働省も検討したいというふうに思います。
五島委員 ありがとうございます。早速この場で大臣にそのような御答弁をちょうだいいたしまして、お礼申し上げたいと思います。
 私も、かつて現場にいたときに、頸肩腕の患者さん等で余りにも症状が強過ぎるということで、何だろうかと首をかしげた経験もないわけではありません。そういう意味では前からあった病気なんだろうけれども、なぜ今の時期になってこのようにふえてきているのかということもございます。ぜひしっかりとした調査を早急にやっていただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
中山委員長 次に、仙谷由人君。
仙谷委員 昨年の五月二十九日に厚生労働委員会で質問をさせていただいたわけでございます。そのときに、主として医療提供体制の問題の提起をさせていただいて、さらに、がんの治療の問題を坂口大臣にお伺いしたわけでございます。それに先立つ昨年の四月二十四日に申し入れをさせていただきまして、ことしもまた、今度は抗がん剤の適応拡大について、がんの患者団体の皆さん方と一緒に申し入れをさせていただいたわけでございます。一年たちましたから、事態がどのぐらい改善されたかということで、きょうはぜひお伺いをしなければならないと思っておりまして、機会をちょうだいいたしましたので、二十五分間でございますけれども、質問をいたします。
 まず、大臣、昨年問題になりました一つに、抗がん剤適正使用ガイドラインというのが作成をされているらしいというか、されているわけでありますが、これが案にとどまって物になっていないという問題が一つ。
 抗がん剤適正使用ガイドラインの中に、使用をすべき、つまり、EBMという観点からも、標準治療という観点からも、がんの化学療法としては使用した方がいい、あるいは使用すべきだというふうに書かれている抗がん剤が、当時、昨年の時点で八十以上、これは日本では未承認とか適応外とかというふうに言われておるようでありますが、使えない、こういう問題を指摘したわけでございます。
 まず、抗がん剤適正使用ガイドラインは、その後いかなる存在になったんでございましょうか。何か一つのオーソライズされたものとして世の中で使われるようになっておるんでしょうか、なっていないんでしょうか。その点はいかがですか。
小島政府参考人 ただいま先生御指摘の抗がん剤適正使用のガイドラインでございますが、これは平成十年から十二年にかけまして、私どもの関係学会医薬品等適正使用推進試行的事業の一環として実施しております委託事業でございます。
 がんにつきましては、日本臨床腫瘍学会には平成十年、日本癌治療学会には平成十一年、十二年度の二カ年度にわたりましてこの事業を委託いたしまして、安全性に関する情報の収集、評価、その結果に基づく適正使用のためのガイドラインの作成というものをやっていただきまして、また会員に対する情報提供というものをやっていただくというためのものでございまして、これはこの十二年で終了しているというふうに考えております。
仙谷委員 終了するということでありますが、終了してどうなったんですか、これは。何か、世の中の治療に使われることになったんですか、使われることになっていないんですか。
 つまり、そこが大事なんですよ。患者あっての医療であって、あなたの今言った話は、がんの患者なんか全然関係ないという話じゃないですか。そんなふざけた話があるか。ちゃんと答えなさい。
小島政府参考人 もちろん、このガイドラインにつきましては、各医療機関から、患者治療のための参考として使用されているということでございますし、先生御指摘の、確かに適応外使用の医薬品八十一件もこのガイドラインに載っております。それにつきましては、私どもとしては、できるだけこの適応外使用がなくなるように業者の関係に対して指導もしていますし、できるだけ早く承認申請が出るようにということで、承認申請が出た場合にはまた速やかにこれを承認できるようにということで努力をしているということでございます。
仙谷委員 結局これは、適正使用ガイドラインというのが厚生省が公認するようなガイドラインになっているんですか。
 例えば、EBMに基づいて診療ガイドライン、優先十疾患をつくるということを去年もおっしゃいました。それと同じようなレベルの権威づけがされているんですか。あるいは、されているとしても、こんなものは、あなた、がんの治療において、もうつくられてから二年もたっちゃったら古くなっているというじゃないですか。もっと日々更新をしなければ、このようなものはほとんど意味がなくなってくるという話を臨床腫瘍学会の方もしているんですよ。
 これはどうなんですか、あなた、公認されているんですか、どういう存在なんですか。何かまま子みたいな、宙ぶらりんに浮いているんじゃないですか。僕が聞くと、いや、まだ決めてくれないんですよねみたいな話がずっと聞こえてくるじゃないですか。どうなっているんですか、これは。
坂口国務大臣 薬の問題に対するさまざまな御批判のあることは私もよく存じておりまして、それで、先生からも何度かお申し入れもいただいて、特にがんに対する薬のお話がありました。
 一番大枠のところはこういうふうに変えたいというふうに思っております。
 それは、今、がんならばがんの中で、最も優先をして承認をしなければならない薬は何か。これは、今まで厚生労働省の中で順位を決めてきたわけです。順位を決めると言うとおかしいですけれども。それはもちろん申請してもらわなきゃいけません。しかし、そこのところを少しオープンにしたい。それで、関係の専門家の皆さん方にもお入りをいただいて、そして、優先承認をすべきものは何かということを議論していただいて、そこで決定をしていただくというふうにしておる。そして、最も優先すべきものは、諸外国で認められているもの等につきましては、半年なら半年の間で結論を出すということにしたいというふうに思っておりまして、この四月にそういうことをスタートさせまして、現在、その人選を進めているところでございます。
 間もなく人選が決定をいたします。その皆さん方に、ことしはちょっとおくれましたけれども、来年からはもっと早くやりますが、ことしの優先的に議題にすべきものは何と何ということを御議論をいただいて決定をしていただいて、そこをオープンにしていくというふうにしたいと思っている次第でございます。
仙谷委員 昨年も坂口大臣は、半年ぐらいで、外国で特にEBMに基づいて標準治療として使われているような抗がん剤、化学療法に使われているような薬剤については使えるようにしたい、こういうふうにおっしゃっていただいたわけですが、一年たってもなかなか進まないということで、私は申し上げておるわけであります。
 この一年間というのは、実は、あの申し入れに行った人の中で三人が死にました。新山さんという患者さんは亡くなった。一緒に私と伺った日野市朗先生も食道がんで亡くなった。今井澄先生も胃がんで亡くなった。どんどんどんどん亡くなっていくんですね。抗がん剤が使えるようになっていたとしても生き延びたかどうか、それはわかりません。しかし、少なくとも患者にとって選択肢が広がっておったことだけは間違いない。
 そして、どうもこのがんの治療というのは、選択肢があればあるほどいい。特に化学療法は、始めても耐性というんですか、何か効かなくなる時期があって、次の療法に変えるとか、その薬の量を変えるとか、単剤ではなくて併用していくことによってQOLをよくするとか、そういうことに現在の臨床研究なりあるいは臨床試験でなってきつつある。ここが臨床腫瘍医も専門的でなければいけないということでありますし、日々新たなところにどうやって厚生省についていってもらうかという大問題があるわけですが、私がこの一年間横から見ておる限りでは、どうも遅々として進まないという感じがあります。
 そこで、MVAC療法という泌尿器がんの治療方法について、当然のことながら、先ほど申し上げました抗がん剤適正使用ガイドライン、この中の泌尿器がんというところを見ましたら、このMVAC療法については、特にMVAC療法はCISCA療法を対照とする大規模無作為化比較試験で有意に有効性が確認されており、広く普及されている。
 こういうふうに、ガイドラインでは広く普及しているというところまで書かれておるものが、さる大大学の病院でこれを使っておりましたら、これは適応外の薬品を使っている、したがって、保険点数といいましょうか、保険請求をして取得した金額を返せ、返却せよという指導が厚生省から行われたということを伺いました。何でこんなことになるんだというのが私の疑問でございます。
 抗がん剤適正使用ガイドラインをむしろ公認したものにしないというのは、どうもこういうところに原因があるんじゃないか。つまり、これを公認した扱いにしますと、そこで使われなければならない薬剤が、適応外のものとか未承認のものがいっぱい出てきて、厚生省の方がむしろ困ってしまうというところに原因があるんじゃないかと思うんです。そういうふうに考えることは患者にとっては逆さまの話でありますから、日々このガイドラインを更新をすること、そして、今大臣おっしゃられましたように、未承認、適応外のものについては、あらゆる手段を使ってこれを早く使えるようにするということをお願いしたいと思うんですが、もう一度答弁をお願いしたいと思います。
坂口国務大臣 今言われました、MVACと言われましたかね、M、V、A、C、これは四つとも、御承知のとおり、薬の頭文字でございます。この四つの薬は既にもう承認されているものばかりでございます。
 ただ、問題なのは、今おっしゃいましたように、Mというメトトレキサート、それからもう一つは硫酸ビンブラスチン、この二つ、いわゆる頭文字がMとそれからVのものというのが、これは承認をされておるんだけれども、がんに対する効果があるということで承認を受けていない、こういうことでトラブっておるという話だというふうに思うわけです。あとの二つは、これはもうがんとして出ておりますから問題はないわけで、この二つ、MとVのところを、がんとしての承認をとるというふうにしてもらえばこれは済む話でございまして、こうしたのは、この申し出をしてもらって、早くそれを承認をすれば済む話でございます。既にほかのものにはこれはもう適応されておるわけでありますので、そんなに時間のかかる話ではないと思っております。したがって、それは手順をどうするかという話だろうと思う。
 厚生労働省としての立場からしますと、それは申請してもらわないことには受けられぬじゃないかというところがある。しかし、患者さんの側からすれば、そんなのは、わかっていたら早くしたらどうだというところがある。そこのところがいつもぎくしゃくするというふうに私も思っているわけでありまして、そういうふうなところにつきましては、関係の医療界なら医療界からも、これについては、製薬会社がどう言おうとこう言おうと、早くするようにしてほしいというような御要望を出していただくということが私は第一だというふうに思っております。
 したがって、そうしたメーカーと厚生労働省という形だけではなくて、そこで実際にそれを使用して、効くか効かないかがはっきりしておみえになる先生方にもお入りをいただいて、そして御指摘をいただくということがこういう問題を早く解決することになるというふうに思っております。
仙谷委員 ただ、この問題は、平成十三年、十四年、両年ともに泌尿器学会から要望書が厚生省には出されているんですよね、早く適応外から適応できるようにしてくれ。厚生省の態度は、そんなこと言ったって、薬屋が、メーカーが申請してこないんだからしようがないじゃないか、こんな話なんですよ、これは。
 そこで、患者団体も動いて、厚生省もそこそこ説得したのかもわかりません、最近申請中ということになっておるというふうに、昨日のレクのときに聞かされましたけれども、しかし、この種のものは、やはり厚生省は、いや、そんなことを言ったって、申請してこないんだからしようがないじゃないかみたいな、そんな態度は、私は、国民の健康を守るとか、あるいは国民病というふうに位置づけたがんをどうやっつけるかということを厚生省が本気で考えるんだったら、こんな悠長な話はないんじゃないかというのが私の考えているところでございます。
 そこで、この適応外の問題がややこしいのは、これは何か、もし、例えば現時点でこのMとVを使うとすれば、これは特定療養費制度でこなすんですか、それとも医師主導の治験ということでこなすんですか、それとも、ほかの領域は保険適用をするけれども、このMとVの薬剤費だけは、これは病院が持つとかそういう話になるんですか、どうなんですか、これ。
真野政府参考人 現在の取り扱いでございますが、平成十二年に「医療機関等において患者から求めることができる実費について」という通知を出しておりまして、その中で、「実費徴収が認められないサービス」という項目の一つといたしまして、いわゆる適応外使用の医薬品というのを挙げております。いわばそれは、そういう意味では、医療機関におきまして御負担をいただきたいということを言っておるわけでございます。
仙谷委員 そうしますと、病院が、そういうことをする医者はけしからぬ、これはもう病院経営はみんな苦しいですからね、特に国立病院あたりでも、これは独法化されるので、そんな医者はもう出ていってもらうとか、なるべくそういうことをしないように、こういうふうにインセンティブは働くんですよ。事実上できなくなるじゃないですか。
 それから、昨年導入された医師主導の治験、これは何か、がんの抗がん剤治療について、化学療法について、どこかから申請出てきましたか。つまり、私が現場に聞きますと、費用がないんだ費用が、メーカーが主導する治験であればメーカーが全部費用を持つんだけれども、医師主導の治験なんて言われたって、これはだれが金を出すんだ、その費用を。人件費もかかれば薬代もかかる、全然進まないじゃないかという声が聞こえてくるんですが、いかがですか、こういう点。つまり全然、できないようにできないようにやっているんじゃないかというふうに私は思えてしようがないんだ。どうですか。
小島政府参考人 医師主導の治験のお尋ねでございますが、これは昨年薬事法が改正されまして、施行は今月三十日でございますので、まだその申請は出てまいりません。私どもねらっておりますのは、いわゆる各医療機関で行われております臨床研究の結果をそのまま医薬品の開発に結びつけていく一つの手段ではないかというふうに考えておりまして、臨床研究につきましては、各種研究費等々があるとは思いますが、基本的には各医療機関の医師の費用負担でお願いをするということになるんじゃないかというふうに思います。
仙谷委員 だから、もし、これは後でも聞くんだけれども、がん克服十カ年戦略などという大層なことをまた来年の春から進められるとおっしゃるのであれば、こういう臨床試験の部分、つまり臨床のところにいかに資源をつぎ込むかということを考えてもらわないと、医師主導の治験だとか特定療養費制度とかいろいろなことをおっしゃるけれども、ほとんど進まないんですよ、これ、現実には。それで、結局、形式的には違法なことをやらざるを得ないみたいな話が出てくるんじゃないですか。
 だから、良心的な医者ほど苦しんで、結局、治療そのものとしてはやみで行わざるを得ないみたいな話になってくるんじゃないですか。ところが、そのやみで行われている治療そのものは、標準治療であり、抗がん剤適正使用ガイドラインで堂々と、普及しているとか、これをやるべきだと書かれている治療方法じゃないですか。どうなっているんだという話になるんですよ、これは。
 話を次の話に進めますが、イレッサ問題というのが起こりました。昨年、私のところにも、いや、世界じゅう一番のスピードでこれを承認して、いい薬ですというから、いや、よかったねと。確かに分子標的治療薬と称するもので、肺がんの患者に効く人がおるんですね。劇的に効いた人がおる。私もそれは聞いております。そういうふうに伺っております。
 いいのでありますが、副作用死亡例がどんどん出てきた。私これを見ておりまして、またメディアは、副作用例が出た、厚生省が何か誤って、安全性を確認しないで承認したんじゃないかみたいな記事も一方で出ます。
 しかし、私は、こういう抗がん剤なんというものは、よく効く薬ほど副作用が強いというのは、これは常識で考えていなきゃいかぬ。物とはさみは使いよう。頭は使いよう。つまり、専門的な医師が、臨床腫瘍の専門医が使えば、こんな死亡例がばんばん出るような話になっていないと思うのです。腫瘍をほとんどやっていない人が、何かいい薬が出たというので、それでたまたま経口薬だから、ぽんぽこぽんぽこ渡して、使わせたんじゃないかという疑いを実は私は持っています。
 この臨床腫瘍内科というか、臨床腫瘍の領域というのは、やはり患者の個体差とかジェンダーとかいろいろなことを配慮しながら、あるいはどのステージにおるかとか配慮しながら、使い方の工夫とか、それからいろいろな検査をあわせてしてフォローアップをするとか、相当、専門領域の世界ではないかということを最近感じるんです。
 ところが、今度はまた、この臨床腫瘍医というのはどのぐらいおるんですか、今日本で。アメリカと日本の臨床腫瘍医の数というのはわかりますか。わからなかったら、時間がもったいないから聞きます。本当の専門医は、アメリカは約一万人というふうに言われています。日本は千人弱。九百人説もあるし七百人説もある。ただ、学会としては、臨床腫瘍学会は昨年立ち上がったばかり。こういうことになっておるわけですね。
 私は、このイレッサ問題は一つの教訓であって、やはり臨床腫瘍医の養成ということが、目的意識的に資源をつぎ込んで行われないと、がん克服ということができない。ましてや、QOLというふうなコンセプトを立てるんであれば、あるいはEBM、標準治療というふうなコンセプトを立てるんであれば、この臨床腫瘍医の養成、これを本格的に行うということと、抗がん剤、この日進月歩する薬剤と治療法をどんどん日本が取り入れる。
 日本は基礎研究と外科は相当進んでいるというふうに言われています。ところが、この臨床が、特にがんの臨床腫瘍医というのが不足している、あるいはそこが進んでいない。これはがんセンターの所長でも総長でもみんな、十年はおくれていると認めているじゃないですか。
 この点について、大臣、時間がなくなりましたので大臣に聞きますけれども、今度新たにつくる十カ年戦略では、目的意識的に臨床腫瘍医の養成とこの化学療法、これを世界標準並みに向上させるんだということを取り入れていただきたいんですが、いかがですか。
坂口国務大臣 一言で言えば、そうしたいと思います。
 臨床腫瘍医というのは、各科の領域でそれぞれエキスパートはおみえになるというふうに思いますが、それを、今までは内科とか外科とか各科に割り振りになっていたのを、その中で特に腫瘍に対する研究あるいは治療に非常に卓越した皆さん方がお集まりになって学会をおつくりになった。だから、ここを我々も頼りにする以外にないわけでありまして、この皆さん方と連携を密にしながら、そしてその専門医をいかにして数多くしていくかということを、数が多いだけが能でなければ、いかにその能力を深めていくかということにしていかなければいけないというふうに思います。これは一つの大きな柱に取り入れるように努力いたします。
仙谷委員 終わります。
中山委員長 次に、家西悟君。
 御発言は着席のままで結構でございます。
家西委員 民主党・無所属クラブの家西悟です。
 まず、この七月十日に性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律が全会一致をもって成立しました。これに伴って、この性同一性障害という問題が多くの方々に御理解をいただけたものと私は思っております。そこで、今後の課題として残っている問題を二、三質問していきたいと思います。
 まず最初に、雇用の問題に関して、例えば、多くの方々が今現在アルバイトで生計を維持されているというふうに当事者の方々からお伺いしております。そこで、求職のカード、それについて、男女の性別というものはもうこの機会に廃止してはいかがかということをお尋ね申し上げたい。
 これによって多くの方々が支障を来している。要は、見た目と実際に申告されている問題が違うということで、不当な扱いを窓口でされて、不愉快な思いをされるということを多くの方々が経験されているわけです。そして、男女雇用機会均等法もあるわけですから、男女の性別というものはこのカードからは外していく方向で御検討はあるのか否か、また私自身は外すべきだというふうに思っていますけれども、これについてお伺いしたいと思います。
戸苅政府参考人 おっしゃるとおり、現在、ハローワークにおきます求職票の取り扱いにつきましては男女別の取り扱いをしています。
 これは、理由は大きく二つあるわけであります。
 一つは、例えば失業率とかあるいは労働力人口ですとか就業者数、これも男女によって労働市場での行動が違うということがあって、そういったものも男女別にとらえているということで、ハローワークの求職者の全体の数字、あるいは職業別の数字、そういったものについて、やはり男女別に統計として把握しておくのが雇用対策上必要であるというのが一つの理由であります。
 それからもう一つは、今御指摘のとおり、雇用機会均等法におきましては、原則として男女の募集、採用における差別は禁止されておりますけれども、例えば、モデルさんですとか、あるいはモデルを兼ねながら化粧品のセールスを行ったりといったようなこと、それから守衛、警備員、そういった方については雇用機会均等法上の例外が認められていて、そういった場合は男女別の求人が出てくるということもありまして、そういったことから、今、先ほど申し上げたような取り扱いにしているところであります。
 ただ、御質問のとおり、性同一性障害者の方の求職者も確かにおられるわけであります。御質問があったものですから、実際の運用をちょっと確認いたしましたところ、法律上の男女ということに余りこだわらずに、実際の運用といたしましては、ハローワークの窓口で御本人の意思を尊重して運用しているというふうなところが多いように把握しております。
 ただ、委員御指摘の、不愉快な思いをされている方もおられるということでありましたら、我々としては、その運用について、御本人の申告あるいは申し出、これを基本に弾力的な運用ということで、要は、委員御指摘のとおり、仕事にきちんとつくということが基本でありますので、弾力的運用で、実情に沿った、トラブルのない運用に心がけていきたいというふうに考えているわけであります。
家西委員 弾力的にとおっしゃいますけれども、これはやり方だと思います。それととらえ方だと思うのですよ。
 要は、何も、カードに記載しなくても、窓口で私はこうこうこうですというふうに言えば、それで男女の振り分けをするということも可能だと思います。
 また、カードを書くことによって男女の求職率をというお話を言われましたけれども、これは本当に窓口で言えばいい話だと思います、運用の仕方次第だと。そして、性別変更が認められない段階においては、やはり体と心は違うわけですから、一致していないわけですから、弊害が起こっているわけですから、そこの配慮ということをぜひとも考えていかないといけないのではないか。
 これは、国会の意思としては全会一致です。戸籍を変更することも全会一致でされたわけですけれども、その戸籍変更をすることは、一定の期間のカウンセリングやいろいろな条件をクリアしていった人のみが認められるわけです。それ以前の人は、出生時に男性と判断されれば男性、女性と判断されれば女性という扱いをされるわけですから、実際問題として、収入を得るために求職活動をするというのはまた国民の義務でもありますから、当然そういうふうに配慮していっていただきたいという思いで今訴えているわけです。いろいろな問題もあるということも承知をいただいているわけですから、ぜひとも早急にそのような検討をしていただければありがたいなということをお願い申し上げておきます。
 次に、保険証の問題についてお伺いします。
 健康保険証についても、やはり男女の性別が記載されているように思います。これについて、こういうことがあるために満足に医療にもかかれないという方もおいでだということを当事者の方々にもお伺いしています。本日、傍聴席に当事者の方がおいでです。ぜひとも、その点についても何らかの工夫を、または保険証からはそういったものを外していく。名前は変わっていて、えっ、このお名前で男性ですかとか女性ですかと言われるような不愉快な思いをし、医療にかかれないということのないようにするための特段の措置並びにそういった考えはないのかをあわせてお尋ね申し上げます。
真野政府参考人 先生御承知のとおり、保険証は医療機関で受診する際に使用するものでございまして、男女の性別を明らかにいたしておりますのは、性別特有の症状、診察、診療方法があるということからお願いをいたしております。また、審査をレセプトを通じて行うわけですが、その場合にも、やはりそういう性別欄ということから審査を行う。通常はレセプト、カルテには保険証の性別欄から医療機関におきまして転記をいたしておりますので、私どもといたしましては、保険証の性別欄というのは必要ではないかというふうに思っております。
 ただ、先生御指摘の何らかの工夫ということでございますが、今のところそういう意味で保険証に性別の欄は必要だと思っておりますが、果たして何かそういう具体的な方法があるかどうか。この性別欄そのものは私ども残す必要があると思っておりますけれども、果たしてどういう方法があるか、それにつきましては検討させていただきたいと思っております。
家西委員 では、問診はなぜするんでしょうか。問診の段階でレセプトに請求は書けるはずです。そして、診療の体系が違うとおっしゃるのなら、その問診でもわかるはずです。何も保険証で確認するわけじゃないです。
 そして、保険証によって不当な、例えば先ほど言いました求職の問題についてもそうです。保険証を持ちたいけれども、要は見た目が男性であるとか女性であるということで、これを会社に言うことによって忌み嫌われるのではないかということで求職活動をまともにできない、正社員として採用されないという方がおられるわけですから、ぜひともそれは検討をいただくべきであって、全会一致で国会で決めたということを忘れていただいては困るということをあわせて申し上げたい。
 この点について、局長、いかがお考えですか。
真野政府参考人 もちろん先生方は問診をされているわけですが、今申し上げましたように、カルテは先生方が問診の後お書きになります。しかしながらレセプトは、今申し上げましたように、医療機関におきましては、事務部門が通常、保険証の性別欄から転記をいたしております。もちろんカルテの、先生が問診をされたところから書けばいいじゃないかということもあろうかと思いますが、今のところは大部分そういう取り扱いということでございますので、今申し上げたことでございます。
家西委員 それでは、あわせて次の質問へ入りますけれども、この問題、非常に私は姿勢が前向きな御答弁ではないように思えてなりません、今までのこの二つの質問については。
 それで、性同一性障害ということを障害ということで認めて、国会としても、戸籍上の変更も認めたわけです。しかしながら、医療という場においてはこういった実態があるということ、そして、一たん性転換手術を行った方々については、ホルモン療法は生涯続けなきゃならないという問題もあるわけですけれども、これについて保険適用はお考えなのかどうか、あわせてお尋ね申し上げます。
坂口国務大臣 性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律の成立を一つの契機にいたしまして、それに合わせて、今後どうしていくかということを、すべての面で見直しをしていかなければいけないというふうに思っております。今までであれば、例えばホルモン剤の使用でありますとかそうしたことにつきまして、その使い方によって認めたり認めなかったりしてきただろうというふうに思います。この新しい法律に乗っかって、これからこうした見直しも全体にしていかなければいけないんだろうというふうに思います。
 先ほどの保険証の問題にいたしましても、私も先ほどから、今までそんなに私、考えたことなかったわけですが、男女の性別というものを書かなければならない理由が存在するかどうかですね。今までそういうことを余り考えずに性別を記入してきたわけで、それは考えずにといいますか、それはそれぞれの意味があってしてきたわけではありますけれども、だけれども、どうしてもそれが必要なものであるかどうかといったようなことも、これは検討しなきゃいけないことになってくる、新しい法律のもとに。
 したがいまして、ホルモン剤の使用等につきましても、これは今後どういうふうにしていくかということをこれから考えていかなければいけないというふうに思いますが、現在の段階におきましては、ガイドラインにおきまして、精神療法の次にホルモン療法を実施する、こういうことになっておるわけですね。それで、第一段階であります精神療法につきましては、保険適用が認められている。第二段階でありますホルモン療法につきましては、薬事法によります承認を受けていないことから、適用を認めていないのが現状でございます。
 これからこうした問題につきましてどういうふうにしていくか、これは医学界の皆さん方のいわゆる治療方法といったようなことも十分にお聞きをしていかなければいけないというふうに思いますが、そうしたこと全体を含めまして、今後ひとつ検討させていただきたいというふうに思います。
家西委員 ぜひとも検討いただきたいと思います。
 私は、正直申し上げて、司法はこの問題に関して立法に期待をするというふうに言われて、おくれてきた。それが今一番おくれているのは行政であるということを言わざるを得ません、この問題に関しては。行政として検討を早急にお出しいただければ幸いです。
 続きまして、京都拘置所でHIV感染者に対する差別的待遇ということで、この七月の五日にマスコミ報道がされました。
 そして、皆様に配付しております「HIV(エイズ)を保菌している被収容者に対する留意事項について」という、平成十五年二月、墨塗りになっています、何日、というふうな文書が出ているわけですけれども、この資料を一番最初にいただいたのは、当委員でもあります川田悦子議員の方からいただきました。
 そして、私はこれを見たときに、我が目を疑ったというのが正直なところです。なぜかと申し上げますと、読んでいただいたらよくわかると思います。二番、食事を給与するときは、室内に備えつけの食器に移しかえて配食し、炊事場から配付された食器を室内に入れないこととか、一番すごいなと思ったのは五番、「運動・入浴について」「戸外運動、入浴は当分の間、中止する。なお、室内体操は許可する。」まるっきり時代錯誤も甚だしいこの通知、これを処遇首席指示第九号ということで出されているわけです。私は、これを見て本当に驚いたというのが正直なところ。
 そして、昨日、法務省より資料をいただきました。その前に、先週ですけれども、法務委員会でも質問をさせていただいたわけです。そして、何かマニュアルやそういうような対応するものがあるのかということを法務省にお伺いしたところ、そういったものはないというふうに言われていながら、その二日後にはこういうものが出てくる。そして、きのう、これだけの資料があるということがわかりました。
 大阪管区から、北海道管区、全国の管区に対して出されているもの、そして一番ひどいのが京都だった、京都で行われたもの。ほかのガイドライン、管内矯正施設内におけるHIV感染症対策に関するガイドラインということで、札幌矯正管区から福岡管区までずっとあるわけですけれども、ほかはまあまあそれなりのことを書いてある。京都は、これは大阪管区になるんでしょうけれども、どうしてこんなものが出てきたのかということを改めて法務省にお伺いしたいと思います。法務省おいででしょうか。
山下政府参考人 お答えをいたします。
 矯正施設におきましては、拘禁施設としての責務を全うするために、被収容者の置かれた立場や心情に十分配慮してきめ細かな処遇をしなければならないという必要がございますし、また、不慮の出血事故等によって二次感染が生じないようにというようなことも、それを予防するための措置もとらざるを得ないということで、京都の拘置所ではこういったものを準備したというふうに理解しております。
家西委員 当たり前の文でありながら、これは、矯正業務六法と言われる、赤本と言われるものの写し、きょう持ってきています。ここにも「処遇」というところにそういうことは書いてあるわけです。そして、入浴の問題については、これは慰安のものではないからということ、これは昭和二十一年の七月の段階に出されている。慰安じゃないということも書いているのに、健康管理やそういったものについてうたわれているわけですよ。これは、法務省の赤本と言われているものですよね。非公開になっているもの、これにちゃんと書いてあるわけですよね。
 そして、坂口大臣にお尋ねします。
 基本的な部分です。HIVは菌でしょうか。HIV、エイズというものは、菌で感染するんでしょうか。菌と言うのでしょうか。大臣いかがでしょうか。
坂口国務大臣 HIVは、細菌ではなくてウイルスによって感染するものでありまして、特に体の中でいえば血液などによって感染するものでありまして、したがって、食事だとか入浴だとか、そうしたことによって感染するものではございません。
家西委員 ぜひとも坂口大臣、今おっしゃられたこと、森山法務大臣にもお伝えいただきたい。ぜひとも法務省にはお勉強をしていただきたい。余りにも幼稚過ぎる。余りにも情けない。HIVをいまだに菌というふうに称する、ウイルスであるものを菌と言う、菌とウイルスの区別もつかないようなことで、どうして人権に配慮をすることができるのか。人権侵害を犯しているということもあわせて御理解いただければと思います。これは、ぜひとも坂口大臣の方から法務省の方に対してそういったものをお伝えいただければ幸いかというふうに思います。
 次に、平成十五年七月、医務課長指示第二号ということで出されているもの、これを読みますと、これの後ろの方になると、「備考」ということで書いてあるものには、「HIVの主な感染経路は、「性行為」「感染した母親から子への感染」「注射器、注射針の使い回し」であり、」握手や、せきやくしゃみや、空気やらで感染するものではないということまで書いているわけです。
 そして、これはなぜ七月に出ているのかということを私は聞きたい。なぜならば、この当事者の方は、六月の末ぐらいに人権救済を求めて、人権侵害が行われているということを訴えられて発覚したんです。そして、七月の段階でマスコミにこの記事が載った。これは法務省のアリバイづくりではないのでしょうか。慌ててこういったふうに対応すべきだということをやっていたんじゃないのでしょうか。
 そして、もう時間がさしてありませんので、あわせてお尋ねします。
 二月から七月の間、この方はふろも入れていなかったんじゃないのでしょうか。お尋ねします。
山下政府参考人 幾つかございましたが、ちょっと蒸し返すようで申しわけございませんけれども、HIVは菌でなくウイルスである、当然でございますが、現地に確認をいたしましたところ、保菌者という言葉にかえて保有者という言葉も検討したようでございますが、職員のわかりやすい言葉を使ったということでございまして、(家西委員「保菌者じゃない、感染者と言うんだ」と呼ぶ)ええ。ただ、保菌者という、英語で言いますとキャリアということでございまして、そういう点を考慮したというふうな……(家西委員「言葉の遊びをするな」と呼ぶ)はい。
 それから、二点目でございますが、確かに、七月になりまして新たな処遇指示を出しておるわけでございますが、これは取り急ぎ確認をいたしましたところ、京都の拘置所では、六月の中ごろから、本人の病状の推移あるいは心情等を勘案しながら、新たに本人の処遇に関する指示の発出を同所医師とともに検討していたということでございますが、発出がおくれて七月になったということでございます。
 それから、ふろの点は、確かに二月の指示では「当分の間」ということになっておりますが、取り急ぎ確認いたしましたところでは、二月の十日から実はふろは使用させていたというふうに聞いているところでございます。
家西委員 皆さん、これを、各委員に見ていただいていると思いますけれども、非常に情けないものだということは御理解いただけたのではないかということを私は申し上げたい。そして、坂口大臣も、お読みになってどういう御感想をお持ちになったのか、一言述べていただければ幸いです。
坂口国務大臣 先日、HIV原告団の皆さん方とお会いをさせていただきましたときにも、差別、偏見という問題が非常に大きな問題だというお話がございまして、この問題を解決していくためにどうするかというお話もございましたから、そのときにもお答えをしたわけでございます。やはり、この病気の医学的な知識、科学的な知識というものを正確に国民の皆さん方に御理解をいただくことが一番大事ではないかというふうに申し上げたわけでございます。
 役所の中におきましても、役所外におきましても、それは当然同じでございまして、正確な知識を皆さん方にお持ちいただくということに努力をするということであろうというふうに思っております。
家西委員 時間が来たので終わりますけれども、厚生労働省として、関係省庁、またこういった問題が発生しないためにも、ぜひともお取り組みをいただき、そして職員を初めとした教育を徹底して行われるよう切にお願い申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
中山委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時十一分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時一分開議
中山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。三井辨雄君。
三井委員 民主党の三井辨雄でございます。
 きょうは、医薬品の一般小売店における販売規制緩和について、内閣府及び厚生労働省に質問をさせていただきます。
 去る六月二十七日に骨太二〇〇三が閣議決定されたわけでございますけれども、その中に、医薬品の販売体制の拡充についてということで、安全上特に問題がないとの結論に至った医薬品について、本年度中に検討がされるという結論が出されておりますけれども、この閣議決定を見ますと、私は、利便性だけに重きを置いて、全く医学とか薬学の専門的な見地から判断されたとは考えられないわけでございます。私も一薬剤師でございますが、大変納得がいかないということで、外から見ていても、専門家不在による偏った議論しかされていない、実はそういうぐあいに感じるわけです。
 それにもかかわらず、規制改革推進のためのアクションプラン、十二の重点検討項目に関する答申がなされましたが、医薬品という特殊なものを全く無視するような、国民の健康や安全を無視した、利便性と経済性ばかりに目を向けた報告がなされているわけでございます。
 そこでお伺いいたします。この総合規制改革会議はどのような専門性を有するメンバーで構成されているのか、政務官にお伺いしたいと思います。
大村大臣政務官 お答えをいたします。
 総合規制改革会議のメンバーについて御質問をいただきました。
 総合規制改革会議の委員は、御案内のように、政令によりまして、「優れた識見を有する者のうちから、内閣総理大臣が任命する。」というふうに定められているところでございます。委員の人選に当たりましては、産業界の各般の分野に属する方、また学識経験者、それと男女の別のバランスといったようなことで、幅広い分野、属性等に立脚をし、偏りなく、適切に選定をされているというふうに承知をいたしております。
 委員に任命された方々は、いずれも規制改革全般にわたりまして高い識見を持っている方々というふうに思っております。大所高所から幅広い議論をしていただいて、この議論を進めていただいているというふうに認識をしているところでございます。
三井委員 政務官、そうおっしゃいますけれども、このメンバーを見ますと、経済界、特に経済に造詣の深い方ばかりなんですね。専門家といっても、この専門委員の中に医療法人の河北病院の理事長がお入りになっているだけですよ。これを見ますと、この中で専門的な意見交換をされたのかどうかですよ。全くされていないんじゃないんですか。
 それと、これだけの委員の中で、お医者さんが入っていらっしゃるのはたった一名だけですよ。せめて薬学に詳しい専門家をこのメンバーに加えるべきだ。ですから、これを見てみますと、ただ、国民の生命、安全を守るんでなくて、利便性という建前だけでこれを議論されているんでないかということを非常に私は不満に思うわけでございます。
 やはり薬というのは、私も一薬剤師でございますけれども、私自身もアレルギーは持っています。薬というのは非常に怖いものだ、薬は、毒にもなるし薬にもなるんだということをぜひ御認識いただきたいと思うんですね。
 それでは、次にお伺いします。
 この総合規制改革会議においては、医薬品の安全性、これを全く確保されていない、無視されている、そして、先ほども申し上げましたけれども、利便性だけに、そこだけに重きを置いて、また、医学、薬学の専門家がメンバーにいない場で議論されたのであれば、全く偏った内容でしかない、これについてはどう思うか。政務官、御答弁願います。
大村大臣政務官 委員、まさに御専門のお立場からの御質問ということでございますけれども、今おっしゃられましたように、この総合規制改革会議の調査審議の過程においては、当然、課題の内容に応じまして専門的な立場の方に入っていただき、そして、そういった専門的な方の御意見をいただきながら議論を進めてきたわけでございます。
 委員も御指摘のように、医療の関係者であれば、今言われました河北さん、まさに専門家として、専門委員として入っていただいておりますし、また、この議論を進めていくに当たりまして、もちろん規制改革会議だけの議論ではありませんで、当然、厚生労働省の医薬局初め、関係の知見を持った専門家の皆さんと十分意見交換を重ねながらこの方向を、特に今回の基本方針二〇〇三では、利用者の利便と安全の確保について十分検討を行いまして、安全上特に問題がないという結論に至った医薬品について、薬局、薬店に限らず販売できるようにする、こういうことの方向を決めさせていただいたところでございます。
 そういう意味で、専門的な知見、専門的な方の御意見を十分入れて議論を進めさせていただいた、こういうふうに認識をしているところでございます。
三井委員 同じような答弁をいただくわけですけれども、これは本当に、先ほどから言いますように、薬局や薬店で販売されている医薬品といえども、これは政務官は御存じだと思いますけれども、SJS、スティーブンス・ジョンソン症候群とか、薬害被害者団体なんかでも、こういう副作用に苦しんでいる方、たくさんいらっしゃるんですね。
 そういう中で、このメンバーの中で、実は皆さんのところに資料をお配りしてございますけれども、この総合規制改革会議のメンバーの中で、SJSは百万人に一人の確率で起こる可能性があるが、副作用問題は患者の自己責任であると、非常に無責任な言い方をしているわけです。
 そこで、百万人の一人が九十九万九千九百九十九人に迷惑を与えるという談話が掲載されていますけれども、これは被害者の痛みを全く無視しているんですね。非常に私は遺憾に思うわけです。医療だとか医薬品というのは、その一人を救うために存在しているのだということを、この中で通る議論がされたんでしょうか。
 この「リスファクス」、見てください。これには、自己責任で守るですとか、国家がけしからぬではなく自己責任で守る、これが基本だというようなことをおっしゃっているわけですね。そのような体質なら自分で注意しないといけないと。スティーブンス・ジョンソン症候群ですよ。これは一般の薬局、薬店で売っている薬でなるわけですから。このSJSにかかっている方は、薬剤師もいますし歯医者さんもいますしお医者さんもいるんですよ。先ほども私は申し上げましたけれども、私自身も、実際、学生時代に売薬を飲んで全身に湿疹が出ました。いまだにその薬を飲むと湿疹が出るんです。今私は五種類ぐらいの薬がだめなんです。ですけれども、これを知るまでに何十年かかっているかですよ。それを安易に、総合規制改革会議のメンバーが簡単にこういうことを言えるんでしょうか。本当にこういうことを議論されているんでしょうか。私は、このような間違った認識をされていることは、政府全体の方針としてよいものかということで、甚だ疑問に思うわけでございます。
 今、規制緩和に反対と言いますと、とかく守旧派に見られますけれども、しかし、緩和していいものと悪いものとをきちっと分けませんと、別に私は省益のためにやっているわけでもございませんし厚生族の議員でもございません。ただ利便性だとか、あるいは、どう見ても経済優先としか見えないんですね。それを薬局、薬店からコンビニで売ろうという、単純な経済的なものでしか考えていない。これに非常に怒りを覚えるわけです。
 そこで、次に質問させていただきます。
 安全上特に問題がない医薬品についてどのようにお考えになっているのか、またその考え方をぜひともお示しいただきたいと思います。
大村大臣政務官 御質問をいただきました医薬品を、先ほども御答弁をさせていただきましたように、今回、基本方針二〇〇三で決定をさせていただきました。特に、利用者の利便と安全の確保について、この平成十五年中に十分な検討を行いまして、安全上特に問題がないという結論に至った医薬品について、薬局、薬店に限らず販売できるようにする、こういうことでございまして、このこと自身は、今回、御案内のように、小泉総理の裁定によりましてこういう方向が固まったというものでございます。
 そういう意味で、これから、まさにこういう観点に立って総合規制改革会議、それからまた、当然、一義的には厚生労働省御当局の中で十二分に御検討していただいて、その方向で具体的に決定をしていただけるというふうに認識をいたしておりますし、その過程において十分協議、調整を進めていきたいと考えているところでございます。
三井委員 政務官はどうですか、薬、あるいは食べ物でも結構ですけれども、そういうアレルギーはお持ちですか。これは通告してございませんけれども。
大村大臣政務官 基本的には、私はアレルギーはおかげさまで持っておりませんが、ただ、私の一番上の娘がアトピーでちょっと苦しんでおりまして、そういう意味では、このアレルギーとかそういったことは大変身近な問題で、本当に考えております。そういう意味では、大変重要なことだというふうに思っております。
三井委員 政務官、ありがとうございます。
 本当に、食品安全基本法の問題でもそうでございましたけれども、今、食い合わせ、そういう中で、ビタミン剤も、例えばビタミンAの過剰摂取によって、妊婦の方に非常に影響があることとか、害にもなる。そして、人間の体でつくられないビタミンはあるわけですよ、これは蓄積されるものとあるいは排せつされるものと。私は、そういうところで、もっとやはり深刻にこの問題を考えませんと、安易に医薬品から医薬部外品にしていくということは非常に危険だと思っております。
 そこで、今政務官から御答弁いただきましたように、配置販売業、特例販売業、特にこのアクションプランの中では特例販売業ということを盾にとっていらっしゃいます。それと利便性ということ。
 しかしこれは、今政務官からもお話がございましたように、各先生方のところにも資料が行っていると思いますけれども、平成十年から十四年までの間に、副作用の症例が九百五十六例あるわけでございます。例えば、この五年の間、この中で、薬剤師あるいは薬学に詳しい人が指導して、あるいは服薬指導した中でも百十一例にも至るような薬の副作用があるわけです。本当にこの実態を把握されているのかということを疑問に思うわけでございます。
 私は、むしろこういう中で、実態が悪いことについては改善しろというのであればともかく、実態が悪いから規制を緩めろ、薬店でも薬剤師がいないじゃないか、だからコンビニで売って、利便性だけを考えていいじゃないか、こういう短絡的なものでなくて、こういう議論のすりかえをするのでなくて、例えば道路で申し上げれば、時速三十キロのところを六十キロで走っている、だから六十キロにしろと言っているのと同じじゃないですか。私は、こういうことをやはり真剣に受けとめていただきたい。
 それから、私が知るところによりますと、一般小売店において風邪薬や解熱鎮痛剤を置くべきとの意見が出されているように聞いておりますけれども、しかしながら、先ほど申し上げましたように、この一般医薬品こそSJSだとかアナフィラキシーショックなどの副作用が起こるものなんです。これをよく御認識いただきたいんですね。
 私は、風邪薬ですとか鎮痛剤、このような品目が一般小売店において販売されるという議論の俎上になぜ上がるのか、甚だ疑問に思うわけでございます。ある程度医薬品に知識のある者でしたら別ですけれども、ない者が単純に、風邪薬もいいじゃないか、鎮痛剤もいいじゃないかと、そういうわけにいかないんですね。
 私のところにもいろいろな団体から来ております。薬被連からも、あるいはスモンの患者団体さんからも、あるいはHIVの患者団体さんからも、ぜひこれはやめてほしい、コンビニで売るのはやめてほしいと。アメリカはセルフメディケーション、要するに、全然国のシステムが違うんですよ。私は、この辺をぜひ御認識いただきたい。
 そして、もしこれが自由化になって売られるようになれば、責任はだれがとるんですか。総合規制改革会議のメンバーが、議長を初め、皆さんがおとりになるんですか。とられないでしょう。先ほども申し上げましたけれども、薬は毒にも薬にもなるわけですから、薬の規制緩和というのは、事故が起きたときの責任の問題というのはきちっとはっきりさせるべきだと私は思います。
 そこで、お伺いします。
 この一般小売店においての風邪薬、解熱鎮痛薬を置くべきとの認識が持たれたようでありますけれども、どのような品目が安全上特に問題がない医薬品に該当するのか。あるいは、専門家の判断にゆだねるべきだと私は思うんですが、いかがでしょうか。
大村大臣政務官 委員御質問のように、今回の総合規制改革会議でこのアクションプランをつくっていく、議論をしていく過程の中におきまして、その規制改革会議の委員の中で、副作用の非常に軽微な薬、効果の大きくないものについては緩めたらどうかという意見があったのは事実でございます。
 そういう意味で、そういういろいろな議論、そして厚生労働省の方々との議論を集約いたしまして、最後は総理が御判断をされて、そして、先ほど申し上げましたような、安全上特に問題がない医薬品について、この十五年中に検討を行って、薬局、薬店に限らず販売できるようにする、こういう方向が決められたわけでございますが、この中で、安全上特に問題がない医薬品につきましては、委員御指摘のように、第一義的には、まさに厚生労働省御当局で、医学、薬学等の専門家の意見を十分聴取しながら検討が進められていくというふうに承知をいたしております。
 ただ、今回の基本方針二〇〇三、これは閣議決定でございまして、そこでは、安全の確保とともに利用者の利便といった点も十分検討を行う必要があるということがここに記されているわけでございます。そういう点を十分踏まえまして、厚生労働省御当局での御検討と、そして私ども規制改革を担当するところ、特に規制改革会議とで十分協議、調整をしながら、その方向を、具体的に十五年中に結論を得るように進めていきたいというふうに思っております。
三井委員 今御答弁いただきましたように、閣議決定された、その後にこういうようなアクションプランが出てきているわけでございますけれども、この中で私が疑問に感じるのは、「「基本方針二〇〇三」における決定事項」、「安全上特に問題がないとの結論に至った医薬品すべてについて、薬局・薬店に限らず販売できるようにする。」そしてその次の、「総合規制改革会議としての現状認識及び今後の課題」、以下の理由からということで、人体に対する作用が比較的緩やかな医薬品については、少なくとも特例販売や配置販売と同様に、薬局、薬店以外のコンビニで販売できるようにすべきだと。しかし、これは、安全上特に問題がないという結論に至った、その後、今後の課題の中に、人体に対する作用が比較的緩やかな医薬品群についてと。これはどう解釈すればいいのか、私はちょっとよくわからないんですね。(発言する者あり)だから、今福島先生からお話がございましたように、本当に何も考えていないんですか、これ。
 それと、申し上げたいのは、「薬疹情報」というのを私はいただいたんですが、これは九州の皮膚科の先生がお出しになった「薬疹情報」。こんなにあるんですよ、これ、見られたらわかりますけれどもね。これだけいろいろな薬の副作用があるんです。こういうものをやはりよく理解していただいて、先ほど申し上げましたように、簡単に、ドリンク剤といっても、これはまたさかのぼるかもしれませんけれども、平成十一年に十五品目やりました。その中で、例えばドリンク一つとっても、エタノールが入っているドリンクで、アルコールに弱い人は発疹が出たり、あるいは顔が赤くなったりとか、そういう副作用もあるんですよ。だから、今度はどのようなものが緩和されるかわかりませんけれども、私は非常に危険性を伴うものは絶対に入れるべきじゃない、そういうぐあいに思うわけでございます。
 そこで、時間があと少々ございますので、お伺いをしたいのは、先ほど申し上げました薬被連、そして薬害被害者団体の皆さんや薬害に苦しむ人たち、潜在的にも、どの薬が私に合うのか合わない、日常飲んでいる薬の中の、その日の体調によって副作用が出る場合もあるんです。食べ物と同じなんです。例えば、サバを食べてあたる人がいる。サバが今まで何ともなかった人でもサバを食べてあたってしまったとか、生ものにあたってしまったというケースもあるわけですよ。ですから、やはり私は安全性をきちっと重視する中で進めていただきたいと思うんですね。
 そこで、時間もございませんので、最後にお伺いしたいわけでございますけれども、これは厚生労働省にお伺いさせていただきます。
 今後、年末にかけて、安全上特に問題がない医薬品について検討を行っていくと思われるわけでございますけれども、医学、薬学の専門家の意見を十分に聞いていただいて、国民の健康や安全に十二分に留意していただく、この検討をしてほしいと思いますが、先ほど私どもの五島委員からも質問ございましたけれども、大臣の御答弁、御見解をお聞きしたいと思います。
坂口国務大臣 先ほどから御答弁がありますように、安全な医薬品というのは、裏を返して言えば、副作用のないと言うと副作用のない薬というのはないわけで、副作用が極めて少ない薬ということになるんだろうというふうに思いますし、また、効能が非常にマイルドなものというようなことにもなるんだろうというふうに思いますが、そこは専門家の御意見を十分に拝聴して決定をしたいというふうに思います。
三井委員 これは実は、「暮らしの窓」という、TBSの報道局社会部の牧嶋さんが出していらっしゃる。ここに、最後の方に、「医薬品の規制を緩和することにはそもそも無理があるのです。「自由と便利さ」と引き換えに、日本の国民がそこまで「自己責任」を負う覚悟があるのなら別ですが。」ということを述べられているんですね。ですから、規制緩和の中に薬を入れることは無理なんだ、これは別なんだということをおっしゃっているわけですよ。
 特に、最近は、風邪薬も、間質性肺炎とかそういうので、今厚生労働省が指導しております。一般の薬局で売られている薬についても、風邪薬についてもこういう指導がなされているわけですよ。そういう中で、こういう専門家が入らない議論をされているというのは、私は大変遺憾に思いますし、これからやはり専門家を入れて、国民の健康と安全をきちっと守る。そして、利便性、経済ベースだけで、経済優先の規制緩和を私はしていただきたくない。極端なことを言えば、これはコンビニの売り上げ増にただ視点が当たっただけだと思うんですね。薬は、この牧嶋さんがおっしゃっているように、安全性というのが大事なんだ、そして薬剤師がきちっと服薬を指導して、そしてそれを確認してから飲まれるというのが、国民の健康と安全を守るということが大事じゃないでしょうか。
 そういうことを最後に申し上げまして、きょうは大村政務官には大変お忙しいところをおいでいただきましたけれども、ひとつぜひともこれから坂口大臣には大いに頑張っていただきたい。
 薬害被害、あるいは、毎日のように報道されていますように、医療事故、薬の副作用、こういう問題は出ているわけですよ。こういう中で時代に逆行したような規制緩和は、私はすべきでないということを最後に申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
中山委員長 次に、古川元久君。
古川委員 民主党の古川元久でございます。
 きょうは、薬の優先審査についてと、重度心身障害者医療費助成事業について、限られた時間でございますがお伺いをしたいと思います。
 優先審査につきましては、午前中に質問した同僚の仙谷委員の質問の中でも触れられたようなんで、若干重複するところがあるかもしれませんけれども、その点はお許しをいただきたいと思います。
 まず、大臣にお尋ねをしたいと思います。
 ことしの二月の予算委員会の分科会で私が新薬の承認について質問したのを覚えていらっしゃると思います。私は、そのときには、世界で標準薬と言われているような薬で、そして日本で承認されていないような薬については、これは国内でも、もう事実上の標準薬として、ほかの薬とは別の形で、早期に承認するようなそういう手続にすべきじゃないかということについて、私は大臣の御所見をお伺いしたというふうに解しております。
 ところが、大臣の回答は、どういう薬を早く承認し、どれをじっくりとするのか、それをオープンに議論をする場をつくりたい、見える形で機構を変える、そういう御答弁だったという理解を私はしておるんですけれども、この大臣の御答弁の趣旨というものについてもう一度確認をさせていただきたいんです。
 この大臣の、どういう薬を早く承認し、どれをじっくりとするかをオープンに議論をする場をつくるというのは、これはそもそも優先審査の基準を見直すという趣旨であったというふうに理解してよろしいんでしょうか。
坂口国務大臣 そのように理解をしていただいてよろしいと思います。今まで、どの薬を優先審査をするかということにつきましては厚生労働省の中ですべて決定をされてきた。しかし、そこでは、実際にその薬をお使いになっている現場の声というのがなかなか届きにくいというような弊害もあるというふうに考えておりまして、そうした意味で、いわゆる臨床の現場におみえになります専門の先生方にもお入りをいただいて、そしてことしはどういう薬を優先的に審査をするかということを、優先順位を決めていただいて、優先的に行うべきものを決めていただくというのがよろしいのではないかというふうに思っております。
 特別にそうした先生方を選びまして、そして発足できる段階に大体なっている、もう既に発足したかもしれないというふうに思いますが、そうした中でやっていきたいというふうに思っております。
 それから、先ほど先生が言われましたように、諸外国、とりわけ先進諸国で既にもう採用されておりますようなお薬、そうしたものにつきましては、日本の国内において一からその薬の治験を行ったりする必要はないのでありまして、多くの国々がおやりになっていることを基礎にしながら、日本としてそれにプラスアルファとして何かすることがあればそれを行う、そしてその薬を採用するということでよろしいのではないかというふうに理解をいたしております。
古川委員 三月七日の閣議後記者会見で、大臣はこんな話をしておられるんです。薬の優先審査の話について、現在の医薬局の中で薬の優先審査をいたしますとか、どういうふうなものを優先していくというようなことを一つの課だけで決定しておりましたが、もう少し外部の皆さん方も入れました研究会をつくりまして、そしてそうしたところで何を優先をするかといったようなことを議論していただく、そしてそのことについて審議会で検討をしていただく、少し透明性を高めたいというふうに思っているという御発言があった。
 そこのところを見ますと、私が先ほど質問したのは、優先審査の基準を見直すという趣旨かどうかというふうにお尋ねしたんですけれども、この大臣の閣議後の記者会見をそのまま受け取ると、これは優先審査の基準を見直すというよりも、その審査の仕方の透明性を高めるために、今大臣が御答弁されたように、外部の人を入れたそういうものをつくる、いわば組織をつくるということを言っておられるというふうにも、ここのところの、閣議後記者会見を受けて、また今大臣が御答弁になったように、そういう組織をつくっていくところだというふうに言われますと、何となくそんな、透明性を高める、つまり、優先審査をする承認の仕組みの透明性を高めるというところに重点があって、私が先ほどお伺いした優先審査の基準自体を見直すというところには踏み込まないような気もいたすんですけれども、その点のところを、どういうことか確認をさせていただけますでしょうか。
坂口国務大臣 外部の皆さん、外部といいますか、臨床の専門家の先生方、あるいは中には研究者もおみえになると思いますが、そうした先生方の御意見を聞くということは、これはある意味では、今まで純薬理学的に見た検討というのとは少し私は違うというふうに思っておりまして、そういう意味では、基準も若干変わるというふうに私は理解をいたしております。
 何をどう優先するかということを決定いたしましたときに、そうした臨床上で最も話題になっている、最もこれが必要だというふうに思われるようなものを優先するという考え方がそこに入ってくるわけでありますから、私は、今までの行き方とは、やはり基準そのものにも変化を来すというふうに考えております。
古川委員 大臣、基準に変化を来すというふうに言われているんですけれども、この優先審査をする組織ができているのかどうか。きのう私のところにレクに来ていただいた方は、平成十五年四月から、もうそういう専門家の研究会みたいなものはスタートしておりますというような回答があったと思っているんですけれども。
 要は、そこに付託されるためには、まず、そもそも優先審査を行う医薬品等というので、オーファンドラッグのような希少疾病用医薬品だとか、その他医療上特に必要性が高いと認められるものという条件があって、その他医療上特に必要性が高いと認められるものというものの中には、二つの条件をまたクリアしなきゃいけない。適応疾病が重篤であると認められること、また、既存の医薬品または治療方法と比較して、有効性または安全性が医療上明らかに優れていると認められること。このいわば入り口の条件、ここのところは専門家の、その外部の研究会の人がチェックするわけじゃないんですね。これは今までと同じように厚生労働省の中でやられるわけですね。ここをクリアしないと、そこの専門家の審査のところに行かないというふうな御説明だったというふうに私は理解をしたんですけれども、それで違いますか。
坂口国務大臣 いかに有効であるかということは、それは厚生労働省の中よりも、現場で実際に診療に携わっておみえになる先生方が一番よく御存じでありまして、どの薬が一番効果があり、そして副作用が少ないかということはよく理解をしていただいているわけでありますから、厚生労働省の中で決定するということよりも、その先生方の御意見を聞いて決定するという方が正しいというふうに私は思っております。
 もし、今までどおりに、中で決めておいて、ただ相談するだけということになっておりましたら、そこは変えさせていただきます。
古川委員 ちょっと議論がうまくかみ合っていないような気がするんですけれども。
 大臣のお話を今聞くと、今厚生労働省が通知で出している「その他医療上特に必要性が高いと認められるもの」というものの「次のいずれの要件にも該当」、さっきも言ったように、「重篤である」というそういうものと、あと「既存の医薬品又は治療方法と比較して、有効性又は安全性が医療上明らかに優れていると認められる」、こういうかなり具体的な条件がここは決まっているんですけれども、そこも含めて外部の専門家の人が柔軟に判断できるというふうに理解してよろしいんですか。
坂口国務大臣 「適応疾病が重篤であると認められること」、それからもう一つは「既存の医薬品又は治療方法と比較して、有効性又は安全性が医療上明らかに優れていると認められること」、この二つについては、これは、今までも同じような薬があって、そしてそんなに急いでやらなくてもいいというものは、それはやらなくてもいいんだと私は思うんですが、そうではない、この種のものはないということであり、しかも適応疾患が重篤であるというこの二つの、大きく言えば原理原則だというふうに思うんですが、この原則を踏まえて、私は柔軟に解釈してよろしいんだというふうに思っております。
古川委員 ここは実は入り口要件なんですね。ここをクリアしたものについて優先審査、本当にこれをするのかどうかという、中身を判断していくという手続になっていると思うんです。先ほどから私が聞いているのは、この入り口の判断のところでその外部の専門家の人たちのそういう判断を入れるんですか、あるいは、それともそこは今までと同じように役所が判断するんですかということなんですが。
坂口国務大臣 そこは、外部の皆さん方の御意見もお伺いをいたしまして、決定をするということにしたいと思っております。
古川委員 外部の方々の意見も含めるということになる。ということは、先ほど大臣も言われたように、この要件というものは今までよりはもう少し柔軟に理解していくというふうに考えてもよろしいんでしょうか。
坂口国務大臣 柔軟という言葉が当たるかどうかはわかりませんけれども、私は、現場に即した意見がそこに反映されるというふうに思っております。
 どこへ行きましても、製薬業界の皆さん方からも、こちらが思うことがなかなか通らないという反発がかなりございますし、あるいはまた医療関係者の皆さん方からも、我々が主張するものが通らないという御意見がございますし、患者団体の皆さん方からも、自分たちの思うような薬がなかなか通らないという御意見がございます。
 こうしたことを考えましたときに、もう少しそこは、厚生労働省としても、外部の意見を十分に反映させていくということが大事ではないかというふうに考えている次第でありまして、そこは、この専門的な皆さん方の御意見を十分拝聴して、決めていきたいと思っております。
古川委員 そこで柔軟にということになりますと、やはり、この要件でいくと、重篤というものをどのように定義するか、理解するかというところにかかってくるんじゃないんかと思うんですけれども。
 先日私が御質問したときにはリューマチの話を挙げました。
 大臣は、リューマチのような病気については、ほうっておくと関節が固まって、寝たきりになる一つの要因になっている、また、本人にとっても、関節が動かなくなるだけでなく痛みを伴うので、これが耐えがたい、だからこれは早く何とかしなきゃいけない、そのような御答弁があったわけなんですけれども、例えばリューマチのような、ほうっておくとどんどん悪化をしていく、進行をしていくというようなものも重篤という中に入るというふうに考えてよろしいんですか。
坂口国務大臣 骨でありますとか筋肉でありますとか関節でありますとか、こうしたいわゆる体の骨格を構成しておりますところの病気、こうしたものをほうっておきますと、その人たちは、すべて寝たきり、あるいはまた車いす生活にだんだんとなっていきます。
 したがいまして、そういうことになってまいりますと、この高齢化社会を迎える中で非常に大変な問題になってくると私は考えております。そういう意味で、こうした疾病にも重篤な疾病がその中に含まれる。すべてがそうとは言いません、リューマチの人すべてが重篤とは申しませんが、重篤な疾病がその中に含まれるというふうに思っております。
古川委員 そういう御理解であると、例えば、今申請がされて、その中の幾つかはもう既に承認がされたリューマチ用の生物製剤。こういうものは、きのう厚生労働省の方に来ていただいて聞いたときには、そもそも優先審査の申請がなされていなかったからそういう手続はやりませんでしたという話なんですけれども。
 では、例えばこういうものの優先審査の申請がなされていたら、それについては優先審査するに十分値する薬だというふうに理解はされますか。
坂口国務大臣 それは、効能がどうかということにもよりますけれども、私は、申し出があれば、それは優先順位に該当するというふうに思います。
 また、今回、外部の専門家の皆さん方の御意見を聞くということは、いわゆる製薬会社が発言をしなければできないというわけではなくて、現場から、これは優先して認めるべきだというような御意見も出るだろうというふうに私は思っている次第でございまして、そういう意味で、特にメーカーの方からそういうお話があれば、それは当然、その内容にもよりますけれども、該当すると考えます。
古川委員 その仕組みなんですけれども、今大臣が言われたように、別に製薬会社から申請がなくても、その専門家の人たちが必要だということであれば優先審査に持っていくという、その仕組みは、きのうの話じゃ何かできているというような、もう既にワークしているというような話もあったんですが、そこのところの事実関係、できているのか、あるいはこれからそういうものをつくるのか、そこについて確認をさせていただきたいのですが。
小島政府参考人 御指摘の優先審査でございますが、現在のところは、やはり、申請企業からの優先審査の希望ということに伴って私どもの方でアクションをとるというふうな建前でございまして、それがなくても優先審査を発動するかどうかというのは、これからの検討課題だというふうに考えております。
古川委員 ちょっと、それは大臣の御答弁と違いませんか。大臣は、申請がなくてもそういうふうになるんじゃないかという。なるというか、まあ、大臣の意思として、そうやっているわけですよね。
 今私が聞いたのは、そういう研究会なり、きのう聞いた話だと、何かもう既にできているという話でしたけれども、それはできているのか、あるいは今大臣が言われたようなものをこれからつくるのか、そのことについて、お答えください。
坂口国務大臣 これは、できたばかりなんです。先日来、どういう学者の先生方に御依頼をするかというような、メンバーのところまで見たところでございますから。発足したか発足していないかというところまで、私、きょうは答弁する用意ができておりませんけれども、そこまで来ているわけであります。
 それで、今後は、その先生方のそういう、検討会といいますか、研究会といいますか、検討会と言った方がいいと思いますけれども、そこの御意見を聞いて、いや、ここはぜひ優先すべきだというような御意見が、私は多分出るだろうというふうに思います。そうしたときに、それは、製薬会社に対しましても、ここはこういうふうにしようじゃないかということを言うというふうにしないといけないというふうに思っております。
古川委員 政府参考人に聞きますけれども、できているんですよ、今大臣が言われるように。組織は、もうできているというふうに理解してよろしいんですね、局長。
小島政府参考人 大臣の御指示に従いまして、今積極的に鋭意審議を進めているというところでございますが、正式に発足というところまではまだ至っておりません。
古川委員 では、そうすると、きのういらっしゃって答えた方が違うという話ですね、それは。できていない。じゃ、これからできるということですね。それはまた、具体的になったらというか、具体的なその経過も、ぜひこれからもまたお示しをいただきたいというふうに思います。
 時間が限られておりますので、次に、重度身体障害者医療費助成事業について、ちょっとお伺いしたいと思います。
 まず、これは、各都道府県が主管してやっていて、そして、市町村によってはそれに上乗せしたりしているということになっているようでありますけれども、都道府県、各市町村でどういう対応になっているか、その点について、全体を厚生労働省の方では把握をしておりますか。
上田政府参考人 お答えいたします。
 地方自治体においては、それぞれ独自の判断に基づき、重度障害者を対象として、風邪などの一般的な治療全般に係る医療費を助成する制度が実施されている場合があるというふうに承知しております。
 そして、この身体障害者に対する医療費助成制度につきましては、私ども市町村レベルにつきましては把握しておりませんけれども、都道府県におきます実施の状況については、申し上げますと、一級から二級の身体障害者手帳を所持している重度の障害者を対象としているところが二十六の府県でございます。また、それ以外の障害者も対象としているところが二十一の都道県であるというふうに承知しております。
古川委員 要は、市町村は把握していないということなんですね。
 これは大臣、実は、かなり格差があるんです。例えば神奈川県でいいますと、県は今御答弁があったように一級、二級だけ補助するんですけれども、例えば大磯町になりますと六級まで補助するんですね。そうすると、住んでいる場所によって自己負担が相当変わってくるんです。
 こういう格差が全国的にあるようなんですけれども、そもそも、そういう格差以前の問題として、どういう形でこの助成事業がなされているか、これを役所として全体を把握していないということは、別に問題がないとお考えですか。あるいは、ここはやはり把握すべきだというふうにお考えですか。大臣、いかがですか。
坂口国務大臣 いわゆる国民保険の問題につきましては、高額療養費制度によりまして、所得が低い方には出す、一定の支援を行う、それから、特に障害の除去だとか軽減を目的として、いわゆる更生医療の給付というのを行っているわけでございますから、そのほかのことにつきましては、それぞれの都道府県あるいは市町村にお任せをしているというのが現実でございまして、今おっしゃるように、多分格差があるんだろうというふうに思っております。
古川委員 私が質問したのは、その格差がある事実というか、全体の状況さえも把握していないということ自体がいいのか、あるいは、やはり格差があることは、それはある程度は仕方がないと思いますけれども、どういうところがどうなのかという事実ぐらいは把握していなきゃいけないんじゃないかと思いますが、そこはいかがですか。
坂口国務大臣 それは、把握した方がいいと私も思います。もう少し私の方も把握させていただきます。
古川委員 格差というのはある程度は仕方がないのかもしれませんけれども、これは余り差があるといかがなものかという気もするんですね。
 例えば、先ほどからリューマチの話を例に持ち出しておりますけれども、これは、今度新しく承認されたような生物製剤を使うとなると、自己負担三割でも、全部自己負担すれば年間六十万から八十万ぐらいになるんじゃないかという話もあるわけなんです。よくリューマチの患者さんは、リューマチになって、女性が多いわけなんですが、そのことによって離婚してしまったりとかそういうことで、経済的な負担をするのが非常に苦しい状況に追い込まれることもしばしばあるというふうに言われています。
 そういうような状況の中で、これだけの格差が、都道府県といいますか市町村によって余りにもばらばらですと、要は少しでも助成がいいところ、ケアがいいところにこういう人たちが移っていくようなことにもなりかねないわけでありまして、果たしてここまでの格差を認めてもいいものかどうか。まずそこを、現状の把握からしっかりとしていただきたいと思うんです。
 また、格差をある程度認めるにしても、今のように一級、二級という級数、そこのところで助成するかしないか決めるというやり方が本当にいいのかどうか。リューマチのようなだんだん進行していくようなものについては早く手を打てるような、それが結果として、患者さんがひどくならなくて、医療費も全体として見れば少なくなるということにつながるということであれば、早目に手を打った方がいい、そういう病気というのも幾つかあると思うんですね。それを、今の医療費の助成事業のように、とにかくひどくなって、一級、二級になると助成がある、そうならないと全くこれは助成がないという。
 病気によっては、ひどくなってしまわない前に何とか手を打つような、そこで何か手を差し伸べるような、医療費を助成するにしても、そういうやり方の方がいいんじゃないかなというふうに思うんですが、その点について最後に大臣の御所見をお伺いして、質問を終わりたいと思います。
    〔委員長退席、宮腰委員長代理着席〕
坂口国務大臣 今御指摘の点は、これは障害者だけにとどまらず、これは生活習慣病を含めました疾病、特に慢性の疾病全体に言えることでございまして、固まってしまったらそうするというのでは少し遅過ぎるわけでございますから、いわゆる診療報酬体系の中にそういう予防的措置をどう入れ込んでいくかということともかかわってまいりまして、その辺のところも今検討させているところでございます。
古川委員 ぜひ現状を把握した上でまた検討していただきますようにお願い申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
宮腰委員長代理 次に、石毛えい子君。
石毛委員 民主党の石毛えい子でございます。
 本日は一般質疑の機会をいただきましたが、遺伝子組み換え食品をめぐりまして、このたびといいますか、先月ですが、厚生労働省が実施されましたパブリックコメントをめぐりまして、そのパブリックコメントのあり方と申しましょうか、そういう点について主に御質問をしたいと思います。
 それで、まず最初に、この遺伝子組み換え食品、トウモロコシにつきまして四種、そして綿が二種で、計六品目のパブリックコメントを求められているわけですけれども、まず、事実経緯といたしまして、それぞれの企業からいつ安全性審査の申請がなされ、パブリックコメントを締め切るまでどういう段取りで進んできたかということをお教えください。
遠藤(明)政府参考人 企業から申請が上がってまいりましたのは本年の五月二十九日のことでございます。その後、調査会でまず検討いたしまして、その後、六月十二日に食品衛生バイオテクノロジー部会、薬事・食品衛生審議会の食品衛生分科会の下にございますけれども、部会で審査を行いました。その後、六月十三日から十八日までパブリックコメントを求めまして、六月二十七日の食品衛生分科会で御議論いただき、御答申をいただいたというふうな経緯でございます。
石毛委員 十二日に、バイオテクノロジー部会でしょうか、そこで承認されて、それで十三日にパブリックコメントを求めて、十八日に締め切りということで、これは実質五日か六日、そんなものですよね。大変短い期間でパブリックコメントがなされたわけですけれども、こういう短い期間で十分にパブリックコメントを求めたというふうに言えるのでしょうかどうか、そのあたり、どんなふうにお考えでしょうか。
遠藤(明)政府参考人 遺伝子組み換え食品等に関しますパブリックコメントにつきましては、平成十三年の安全性審査の義務化以降、国民の関心も特に高いというふうなことで、バイオテクノロジー部会終了後、食品衛生分科会の開催までの間、通常一カ月間を募集期間としてきたところでございます。
 今回の六品種の安全審査につきましては、六月十二日のバイオテクノロジー部会、それから六月二十七日の食品衛生分科会というふうなものが日にちがセットをされてしまったものですから、間の期間が非常に短く、六月十三日から十八日までの募集期間としたところでございます。今後、食の安全に関するパブリックコメントを募集するに当たりましては、募集期間を可能な限り確保するように努めてまいりたいと考えております。
石毛委員 今後可能な限り期間をとるようにという御答弁でございましたけれども、六月二十七日の分科会の日にちは動かすことができなかったんでしょうか。
 そこを動かせば、パブリックコメントの期間はもっと長くとってもよかったはずだと思いますし、今御答弁の中に触れられておられましたように、遺伝子組み換え食品の安全性につきましては消費者の関心が大変高いわけですから、タイムスケジュール的な御説明はいただいたと思いますけれども、意味としての御説明ということでは私は納得しかねるという思いで承りましたけれども、いかがでしょうか。
遠藤(明)政府参考人 今回の六品種の安全性審査でございますけれども、今回の申請ございました品種は、遺伝子組み換え品種同士をかけ合わせた品種、もともとの遺伝子組み換え品種につきましては既に安全性が確認をされているという性格のものでございまして、このような遺伝子組み換え品種同士をかけ合わせたもの、いわゆるスタックの後代交配種と申しておりますけれども、親品種と実質的には同等であるというふうな考え方がFAO、WHOの合同報告書におきましても示されておりまして、海外におきましては、こういったいわゆるスタックを含めました後代交配種につきましては、個別に審査をしている国は承知しておりません。
 我が国におきましては、こういったものにつきましても審査を行っているというふうなことではございますけれども、内容的には、親の品種との実質的同等性が確かめられればよいというふうなことで、比較的審査が容易であるというと変かもしれませんけれども、部会でも問題なく通ったというふうな性格のものでございまして、比較的短期間のパブリックコメント期間でも今回の場合はやむを得なかったのではないかというふうに考えているところでございます。
石毛委員 そこで、まず私がインターネットで入手をいたしましたパブリックコメントといいますのは、大変簡単な、六品目を並べて、例えば一番目のトウモロコシは、「ラウンドアップ・レディー・トウモロコシGA21系統とMON810を掛け合わせた品種 除草剤耐性、害虫抵抗性 日本モンサント(株)」こういうことで、以下同じようなパターンで六品目並んでおりまして、それから、パブリックコメントを求めますという中身につきましても、こういう書きぶりになっていまして、非常に簡単といいましょうか、説明はほとんど何もなくて六品目が並べてあるだけ、こういうパブリックコメント。
 きのう、質問をとりにいらした方にお伺いいたしましたら、厚生省のホームページを開けばわかりますというふうに書かれていまして、それでうちの事務所のコンピューターを開いて帰ってくださったんだと思いますけれども、これをあけてみても私にはこれ以上、書かれている内容、多少詳しく書かれていますけれども、書かれている内容は余り変わっていないというか、それほど詳細丁寧に書かれているというふうにはうかがえないわけですけれども、そのことについて、まず、どういう御説明をいただけるのかということ。
 それから、パブリックコメントは、インターネットで公開しているということは、広くあまねく不特定多数の方がパブリックコメントを出せるようにという趣旨でされているんだと思いますけれども、パブリックコメントの対象はどういう人たちを念頭に置かれているのでしょうか。
遠藤(明)政府参考人 まず、提供した情報についてでございますけれども、パブリックコメントを求めるという旨だけではなくて、バイオテクノロジー部会の報告書もホームページに掲載をしておりまして、そこに審査の内容等が書いてあるわけでございます。
 ただ、パブリックコメントの募集ページとの間にリンクが張られていないというふうな問題点があったようでございますので、今後、こういった情報提供のあり方につきましては、改善すべき点があったというふうに認識をいたしております。
 それから、パブリックコメントを求める対象は一般国民ということでございます。
 インターネットでしか求めていないというふうなことになりますと、それに対するアクセスができる人というふうなことになってしまいますので、もう少し時間があればほかの方法でもコメントをいただけるというふうなこともありますので、そういった点も含めまして、十分検討をさせていただきたいと思います。
石毛委員 確かに、出していただきましたのは、ちょっと細かくなりますけれども、例えば「安全性の審査を経た旨の公表がなされたラウンドアップ・レディー・トウモロコシGA21系統とMON810を掛け合わせた品種に係る報告書」ということですので、部長がおっしゃった報告書は、今私が手元に持っているこれだというふうに思いますけれども、ここに書かれているのは、余り時間を使うのはどうかと思いますから、適宜摘出しますけれども、(一)で書かれているのは、「除草剤(グリホサート)耐性、鱗翅目害虫抵抗性のそれぞれの性質がいずれも変化していないことが確認された。」それから(二)は、「いずれもデント種のとうもろこし同士の掛け合わせであり、亜種間で掛け合わせたものではない。」(三)が、「掛け合わせた品種についても、摂取量、食用部位、加工法等については変更ないと考えられる。以上の結果から、」「人の健康を損なうおそれがあると認められないと判断される。」これだけなんですよね。
 大変失礼な表現になってしまって恐縮ですけれども、部長はこれで、御専門家でいらっしゃれば御理解できるのかと思いますけれども、私が申し上げたいのは、一般消費者はもっと詳しく情報を提供してもらわなければこれではわからないという感想しか、活動している方ですとか、いろいろあろうかと思いますけれども、もう少し丁寧な情報の提供というのは必要なのではないでしょうか。どの程度これから情報提供をされていかれるのか。
 ちなみに、この国会でカルタヘナ議定書に対する賛否で、これは賛成されたんだと思いますけれども、その附帯決議でも、情報公開とパブリックコメントが重要であるというような附帯決議が付されていまして、それから、私がるる申し上げるまでもなく、この通常国会で、大変大きな意味を持つ法律として、食品安全基本法が成立されましたし、これの最も大きな課題はリスクコミュニケーションであるわけです。
 話を戻しまして、パブリックコメントを求める際の情報の公開、これは情報の公開に該当すると思いますけれども、情報の公開をこれでよしというふうにこれからも御判断されるのか、あるいはもう少し丁寧に出していくのか。それから、もう一回期日の問題に戻りますけれども、これからもう少し期日について配慮するというふうに先ほど御答弁いただきましたけれども、そこはどうなんでしょうか。
遠藤(明)政府参考人 先ほども申し上げましたけれども、今回審査をいたしました六品種につきましては、遺伝子組み換えの親品種同士のかけ合わせというもの、いわば特殊な形のものでございます。その親品種について、既に安全性審査はそれぞれ終了をしているということで、その親品種から受け継いだ性質を、かけ合わせた子品種がそのまま受け継いでいるのかどうかというふうな観点で審査が行われている。
 具体的には、組み換えDNA技術により新たに獲得された性質、親品種で獲得された性質でございますけれども、これが後代交配種においても変化をしていないということ、それから亜種間、少し離れたところでの、亜種という離れた種での交配が行われていないということ、それから摂取量、食用部位、加工法等の変更がないこと、そういった観点から審査をすれば足りるというふうなことで、この報告書は比較的簡単なものになっております。
 通常、初めての品種の場合には、非常に多くの項目について審査をしているところでございまして、そういったものについてパブリックコメントの際にも公表しているというものでございます。
石毛委員 私もこうした知識は持ち合わせているというふうには申し上げられないんですけれども、もう一度確認させていただきますと、親品種の安全性については情報公開は十分になされていて、その情報公開が十分になされているものについてGMとGMをかけ合わせればどうなのかということだから、もとについての情報公開は必要はないという御認識、安全なものと安全なものをかけ合わせたものは安全だという趣旨でこの報告書はつくられている、そういう確認でよろしいんでしょうか。
遠藤(明)政府参考人 最後の、安全なものと安全なものをかけ合わせたものは安全というところは、そこまで簡単に済ませているということではなくて、その二つの形質、父、母とは余り言わないかもしれませんけれども、両親のそれぞれが獲得した新しい形質同士が代謝的にお互いに干渉し合うようなものであれば、また十分な審査をしなければいけないとも考えられますけれども、今回の場合には、二つのその新しい形質がお互いには干渉し合わないような性格のものであるというふうなこと、それからかけ合わせた品種同士が亜種の関係にはないというふうなこと、さらには摂取量、食用部位、加工法等の変更がないというふうなところから、安全であるというふうな結論が出されたところでございます。
石毛委員 パブリックコメントを求められまして、寄せられたコメントに対してはどういう扱いになるのでしょうか。どのように公表をされるのでしょうか。それから、寄せられたコメントの意見、中身を含めまして、その中身をもう一度例えばバイオテクノロジー部会に戻して回答を出すようにするのか、検討をするのかどうか、そこのあたりはどうなんでしょうか。
遠藤(明)政府参考人 得られましたパブリックコメントにつきまして、特に問題がなければ、バイオテクノロジー部会に戻すということではなくて、その次の段階であります食品衛生分科会の方で御報告をするというふうな手順にしております。
石毛委員 寄せられたパブリックコメントをもう一度厚生労働省のホームページ上で皆さんに公開をされているということはなさっていらっしゃるんでしょうか。
遠藤(明)政府参考人 今回のものに関しましては、結果について公開をしておりません。
石毛委員 なぜ公開なさらないんでしょうか。
遠藤(明)政府参考人 個々の意見については公開をいたしておりませんけれども、食品衛生分科会の方で要約をして御報告いたしておりますので、その資料として公開をさせていただいております。
石毛委員 パブリックコメントを寄せられたというのは、国民の参加を求めたわけですから、その参加に対しまして、部会か担当事務局か、あるいは分科会での討議の結果を踏まえてか、いずれかはあるかと思いますけれども、どのような認識をし、理解をし、どのように結論を出されたかということは公開すべきではないでしょうか。そうしないと、コミュニケーションにはならないんじゃないでしょうか。
遠藤(明)政府参考人 いただきましたパブリックコメントにつきまして、個々にお答えをするということはいたしておりませんけれども、取りまとめました形で食品衛生分科会に報告をするときには、厚生労働省としての考え方を付して説明をいたしておりますし、その結果を公開しているという形で、パブリックコメントを出された方にも結果的に厚生労働省としてのお返事が表示されるというふうなことになっております。
石毛委員 御答弁は少しあいまいであったように思いますけれども、丸めで食品衛生分科会に伝えて、それを丸めで食品衛生分科会の考え方としてアウトプットされれば、それはある意味で答弁したというふうにはなるのかもしれませんけれども、そこのあたりが今クリアには御指摘いただかなかったと思います。
 例えば、プライバシーの問題がありますから、個別、個人のお名前を出すかどうかというのは、全くこれはなしの話だと思いますけれども、コメントで指摘された中身をきちっと項目ごとに整理されて、それについてどういう結論を出されたかというふうに、食品衛生分科会の結論を通してもう一回インターネット上に開示をされるんだったら、それはお答えを出したというふうに言えるんだと思いますけれども、そこのところが少し今の御答弁では不透明だったように伺えました。そこがきちっとされないと、繰り返しになりますけれども、リスクコミュニケーションにはならないのではないかというふうに思います。
 と申しますのは、私の手元に、やはり幾つか御専門の方から、今回のGM交配品種の安易な認可というのは問題であるということで、恐らくこれは厚生労働省の方にも伝わっていると思いますけれども、問題点を全部で、もう時間がありませんから省略しますけれども、七点御指摘いただいて、その中で、私は素人ですから、こういうことなのかもしれないというふうに思いましたのは、親世代、親同士で安全なものと安全なものというふうにかけ合わせるわけですけれども、そのかけ合わせるときに、その親の方の種の、種というか品目の、その遺伝子の近い座に何か背景になるものがあるとすれば、それがかけ合わせたものがどういうふうな作用をするかというのはわからないというような理論があるというふうに伺っています。
 部長も先ほど、安全と安全をかけ合わせれば安全だとは言い切れないという御答弁をなされましたけれども、そういうようなことが指摘をされているところでもありますので、やはりプロセスを丁寧にきちっと最後まで情報公開されて、リスクコミュニケーションを続けられていくということをなさいませんと、とても食の安全に対する消費者、市民の信頼をもう一度回復するということは難しいのではないか。
 実は私はいろいろなものを拝見しておりまして、なるほどなと思うような御意見もほかから寄せられておりますので、もう少し、先ほど部長が少しぼかして答弁されたというふうに私は受けとめたんですけれども、やはりパブリックコメントに示された中身にきちっと沿って厚生省は説明責任を果たされるべき、そのことを情報公開すべきだというふうに考えますけれども、もう一度そこで御答弁をいただきたいと思います。
遠藤(明)政府参考人 バイオテクノロジー部会の報告などを示してパブリックコメントを求めるわけでございますけれども、それに対して厚生労働省としての考え方を取りまとめまして、食品衛生分科会にも報告をし、また、それをホームページにも出しているという形で行っているところでございます。
 また、今後のリスクコミュニケーションのあり方につきましては、この遺伝子組み換えの審査が、食品安全委員会の方に今後お願いをするというふうなことにもなりますので、食品安全委員会の方とも十分に連携をとりながら、よりよいリスクコミュニケーションの方法などを今後とも研究してまいりたいと考えます。
石毛委員 食品安全委員会に移行する時期でありますからこそ、急ぐ必要はなかったということを申し上げたいと思います。
 それで、時間がもう過ぎたんですけれども、一点だけ、大変恐縮です、すぐ終わります。
 違った質問ですけれども、医療従事者の方がお使いになる教科書で、肝炎に関しまして正確とは言えない記述がされている教科書の御指摘を肝炎の患者さん団体の方からいただいたんですけれども、厚生労働省としまして、こういうことに対してどういう対応をされているのかということを簡単に御答弁いただきたいと思います。それで終わります。
篠崎政府参考人 教材につきましては、できる限り最新の知見を反映したものであるということが当然必要であると考えておりまして、そういう医療従事者の資質の向上の観点からも、適切な教材による養成が行われるようしなければならないと考えております。
石毛委員 終わります。ありがとうございました。
宮腰委員長代理 次に、渡辺周君。
渡辺(周)委員 民主党の渡辺でございます。
 早速質問に入らせていただくわけでございますけれども、私がきょうお尋ねをするのは、先般、六月三日に、厚生労働省の医薬局が、厚生労働省がホームページでも今いろいろとこの点については一生懸命フォローしていますけれども、例の魚介類の水銀含有の発表についてでございます。
 私、選挙区は静岡県の東部でございまして、伊豆半島の下田港が、実は静岡県自体がこの中で名指しされましたキンメダイの水揚げの八割を占めるわけでございます。そのうち八割が伊豆半島の下田港で揚がるわけでございますけれども、今回、キンメダイを、特に胎児を持つ妊婦さんがこれを摂取すると影響があるというようなことを発表されました。
 その後、御案内のとおり、大変な風評被害が起きておりまして、先日も下田の漁協にお尋ねをしたところが、今もやはり注意喚起以前の相場には戻っていない、大体二百円から三百円競り値で安い値で取引をされている。
 そして、当然魚をとる人だけではなくて、それを加工して首都圏なんかに販売をしている、またこういう方々にもお会いをしてきました。例えば、キンメダイをみそ漬けにしたりかす漬けにしたり干物にしたりして売っているところでは、東京のデパートなんかに、今の時期、ことしの暮れ、流通の世界ではそのようでありますけれども、例えばお歳暮、暮れの贈答用のカタログギフトなんかの中から外してほしいというような話も実は来ている。
 あるいは、これから夏の観光シーズンを前にして、地元のホテルですとか旅館ですとか民宿が、これは大臣も行かれたことがあるかと思いますが、海岸線を走りますと、キンメの料理を目玉にして料理屋さん、食堂なんかが建ち並んでいるわけですけれども、例えばそこにある旅館や民宿なんかも、どうもキンメダイというのは何かよくないらしいから、とにかく食卓から、おかずから、献立から外してほしいというような話も実は来ておりまして、大変な風評被害に遭っているわけでございます。
 読めば、子供も含めて一般の方が食べる分には大丈夫だというふうに書いてあるんですが、ただ、発表されて、そして報道されたことによって、これは新聞等の見出しですけれども、例えば、キンメダイについて、妊婦は水銀に注意して、あるいは、これは正直言ってネガティブな、キンメダイ、妊婦さん週三食は御法度、厚生労働省が名指しで制限とか、水銀濃度、胎児に影響もとか、こういう非常にネガティブな言葉がどうしても、私も新聞記者をやっているからわかるんですが、新聞の見出しというのはセンセーショナルにネガティブなことをまず出すわけでございます。
 これによって今大変な風評被害を受けているわけでございますが、この点を今どう御認識していらっしゃるのか、そしてまた、この点についてのやはり正しい理解のために今後どのようにして厚生労働省として考えていくのか。私自身は、これはもう少し県あたりに、発表する前に何らかのすり合わせがあって、できれば関係者にこういう形で発表するけれどもという何らかの配慮があってもよかったとは思うんですけれども、今回の公表の仕方について、配慮が欠けていたんじゃないかということを指摘しながら、今後どのような形でこの風評被害に対応するのかということについてお尋ねをしたいと思います。
遠藤(明)政府参考人 今回の魚介類の水銀に関する注意事項の発表に当たりましては、母子保健分野を担当します都道府県あるいは関係団体へも通知をいたしますとともに、その正確な理解を促すための解説文書の公表あるいはQアンドAの公表などの措置を講じてきたところでございます。さらに、日本産婦人科学会等の関係学会あるいは関係業界でございます大日本水産会へ赴き、説明あるいは質疑応答も行ってまいりました。
 このような状況でございますけれども、魚介類の摂食を取り巻きます状況の推移を見守りまして、必要に応じて、より多くの消費者に正確な理解が得られますよう努力をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
渡辺(周)委員 必要に応じてというふうにおっしゃっていただくんですけれども、具体的に、例えば私の地元のある船主さんがおりまして、大型船から小型船で下田港で百隻ぐらいのキンメ漁をやる船がいますけれども、今後こういう風評被害が続いて、まだ正確な理解が伝わらないようだと、船主さんにしてみると、船員さんを何人か当然乗っけているわけですから、今のこの二、三百円安い相場では、とてもじゃないけれども、あと数カ月もしたらみんなに給料を払えなくなるというような切実な声も寄せられているわけなんですね。
 ですから、これはできれば、これは静岡県のことばかりじゃないです、銚子港もそうでしょうし、高知県もそうだと思いますが、こういう関係する自治体やあるいは漁協なんかとどういう形でこれから密接に連携していくのかということについては、具体的にどうなんですか。今どのような取り組みをしているんですか。
遠藤(明)政府参考人 今回の発表に当たりましては、平成十四年度の厚生労働科学研究で行いました調査結果が取りまとめられたというふうなことで、その結果を薬事・食品衛生審議会の部会にお諮りするというふうな形で審議を進めさせていただいたわけで、その席でどういった形の指導をすればいいかということを含めて御議論をいただき、公開の場で御議論いただいたというふうなことで、事前に関係者の間で調整をする時間はなかったというふうなことがございます。
 今後、このような情報を取り扱うに当たりまして、より適切な方法があるのかどうか研究も進めてまいりたいと思っておりますけれども、事後的に関係団体とも十分話し合いをさせていただき、御理解も深めていただいているというふうな状況であると認識をしております。
渡辺(周)委員 ですので、例えば、そういう風評被害の実態とかあるいは相場がどうなっているかと、連日のように関係する自治体やあるいは漁協等と今も当然のことながらやりとりしているということで御理解していいですか。
遠藤(明)政府参考人 当日の部会にも水産庁の方からも御出席を賜っておりましたし、その後、水産庁を通じまして魚介類の取引の状況などについて把握をしてきているところでございます。
渡辺(周)委員 当日じゃなくて、今、これからをどうするかということなんです。
遠藤(明)政府参考人 現在も引き続き情報収集等を行っているところでございます。
渡辺(周)委員 それで、一部では大分鎮静化してきたのではないかというような話ももちろんあるわけでございますけれども、ただ、現実問題としてはこれはまだまだ……。
 例えば、一つイメージが、実はこの下田港はかつて二十年ほど前にやはりクロムツを例に挙げた風評被害がありまして、この地元の方々は、そういうトラウマといいましょうか、かつての痛い思い出を持っているわけでございます。
 そのことがあって、当時はまだクロムツ自体はそんなに漁獲高が多い魚種ではないものですから、それについてはある程度、被害はそう大きくなかったと当時のことを知っている方々はおっしゃっていましたけれども、ただ、こういうのは一つ念頭に残ってしまうと、頭の中に残ってしまうんですね。詳しい内容はわからないけれども、そういえばキンメダイというのは何かで昔問題になったな、何か体によくないとか水銀を含んでいるという話がひとり歩きをしてしまうわけでして、本当に、人のうわさも七十五日といいますけれども、なかなかこういう食べるものについては、とにかくかき消すのには大変な時間とそれを払拭するための努力が要るわけでございます。
 今後、具体的にどのような形で、例えば安全を呼びかける、あるいはBSEのときは、例えば、お肉は安全です、当店の牛肉は大丈夫ですというようなことを、さんざんキャンペーンをお金を使ってやったわけですけれども、例えばこういうことについて何か働きかけがあった場合は、厚生労働省としては何か対応するようなことは考えていらっしゃるんですか。
遠藤(明)政府参考人 今現在、具体的に何かというふうなお話を受けておりませんので、直接何かをする計画があるというふうなことではございませんけれども、こういった種類の情報につきまして、国民の正確な理解を得ていくという努力をこれからも機会をとらえて続けていかなければならないと考えているところでございます。
渡辺(周)委員 それでは大臣、この話は当然御関心あると思いますけれども、もちろん、必要以上に妊婦がとるといかぬということですが、例えば、ではなぜマグロは外されたんだということも、これはそういういろいろな議論の中にあったことも、幾つか資料を読みながら我々も理解しているんですけれども、つまり、キンメダイをなぜここで直接的に名前が名指しされたのか。
 もっと言えば、ここにある例えば国民摂取量の調査を見ると非常に少ないわけでありまして、もっと言ってしまえば、マグロなんかは大変大勢の方が食べている。だけれども、これは一回当たりの平均摂取量が少ないからマグロは大丈夫なんだみたいなことですけれども、そんなこと、これだけの人がたくさん食べていれば、非常に偏って食べている人だって危険なんだよということが本来ならあってしかるべきだったんですけれども、時間がありませんからそれはもう言いませんけれども、非常にこれはキンメダイだけを、あるいはメカジキを、あるいはイルカ、鯨類なんかも含めて、名指しされたことによってこういう大きな風評被害を発生させてしまったわけでございます。
 この点について厚生労働大臣に、一言御感想、御所見がありましたらぜひお尋ねをしたいと思います。
坂口国務大臣 この水銀の問題につきましては、情報があります以上、早くこれは公表しなければならないという一面がありますのと同時に、公表いたしますと多分いろいろの被害が生ずるであろうということを、私もその話を聞きましたときに率直にそう感じた次第でございます。
 例のO157のときに、カイワレ大根で随分、厚生労働省、いろいろとその発言の仕方が悪かったといっていろいろ言われたものですから、ある程度配慮をしながら発表してもらったつもりでございますが、厚生労働省の審議会あるいはさまざまな研究会、皆オープンでやっているものですから、すぐそこで検討することが外に漏れてしまうということもありするものですから、発表せざるを得なかったということもあるわけであります。
 それで、私も先日四国に参りまして、四国でも随分キンメダイのお話を伺ったわけでありまして、やはり至るところそれぞれ影響が出ていることも事実でございますので、これは農林水産省ともよくお話し合いをしなければいけませんけれども、本当に国民から見てそれがどうしても有害であるもの、これはやむを得ないというふうに思います。しかし、さほど問題のないことがあたかも大きな問題があるかのごとく国民の皆さんが受け取っておみえになるということになれば、そこをおさめていくためにどういうふうにするかという手だてについてやはりよく話をし、そしてそれを、どういう方法がいいかということについて、やはり具体的にしていかないとちょっとぐあいが悪いなというふうに思って、つい先日も四国から帰ったところでございます。
 きょうはたまたま、また先生からもこういうお話を伺いまして、農林水産省と、亀井大臣とも一遍よくお話しさせていただいて、どういうふうな手だてがあるか、そうすることによって皆さん方に対する風評被害を減らしていくことができるか、よく検討したいと思います。
渡辺(周)委員 まさにO157でカイワレ大根をむさぼり食べていた何とかという大臣がいましたけれども、まさにあれで、あれでもやはりまだカイワレ大根のイメージは消えないんですよね、厚生大臣がむしゃむしゃ食ったところで。
 今回も、キンメダイを食べてくれとは言いません。ただ、当然消費者に対してやはりこのキンメダイの正確な情報を提供するということはもちろんのことでありまして、これを隠ぺいしたり何らかの手心を加えるようなことが絶対あってはいけないわけでありますが、ただ、大臣が行かれたような四国の方も、あるいは我々静岡県の伊豆半島もそうですが、そこにはやはり生産をしている人たちがいる、漁獲して、加工して、生産している人たちがいるんだということを配慮しながら、ぜひとも今後こういうものの公表については配慮いただきたいと思います。
 最後に、水産庁がせっかくお見えでございますので、例えば、今回こういうことで万が一長引いた場合に、これは漁業者が大変な影響を受けるわけでございますが、こういう方々に対して、風評被害の緊急融資のような形で、何らかの現実的な支援ができるのかどうかという点が一つ。それから、今回のことが魚離れにならないように今後取り組んでいただけるように要望しながら、今後具体的にどういう支援ができるのか、お考えがありましたら伺いまして、質問を終わりたいと思います。
山本政府参考人 ただいま御指摘のございました今回のキンメダイの件でございますけれども、キンメダイを水揚げする漁業者を対象としたいわゆる低利資金につきましては、漁業経営に必要な運転資金としての制度、それから、漁業経営の維持が困難になった場合の制度、負債整理資金という制度がございます。これは、具体的に、それぞれ例えば漁協が窓口になっておりますので、そういう場合については私ども適切に対応したいと思っております。
 またさらに、先生御指摘のございましたように、水産物につきましては健康面でのメリットがあるわけでございます。そういうふうなことにつきまして、私ども今後とも、従来魚食の普及活動を展開しているわけでございますが、さらに、いわばリスクコミュニケーションとあわせまして、しっかり対応してまいりたいと考えております。
渡辺(周)委員 風評被害対策についてぜひとも注意深く関心を払っていただいて、いろいろと御支援をいただきますようにお願い申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。
宮腰委員長代理 次に、武山百合子君。
武山委員 自由党の武山百合子です。
 きょうは一般質問ということで、乳がんのいわゆる早期発見についてと、それから、平成十二年になりますか、もう三年も前になりますけれども、水道水の弗素化ということで質問した件がその後どうなっているかということでお聞きしたいと思います。
 まず乳がんなんですけれども、日本の乳がんは年々増加して、女性のがんのトップである、特に壮年期の女性のがんの死亡率のトップであるというふうに統計で出ております。しかし、トップであるにもかかわらず、早期発見、早期治療が叫ばれていましても、全国乳がん患者の登録報告のいわゆる発生頻度、この辺を見ておりますと、ここ三十年間ほとんど変化がないという、この変化がないということは、もう嘆かわしい状態である。
 そうしまして、乳がんの発症年齢としてまず一番多いのは四十代から五十代で、社会的にも家庭にいても役割が多い、働き盛りの年代であるということ。
 それから、乳がん啓発のいわゆるシンボルであるピンクリボンというのがアメリカでは本当に日常的になっておりまして、若くして幼い子供を二人残して亡くなった女性のお母さんが、同じ悲しみを繰り返さないためにという思いで幼い子供と一緒にリボンをつけたというのが、乳がんで命を落とさないために早期発見、早期診断をしようというメッセージの始まりだったと言われまして、今、日本でもこのピンクリボンというのがつけられ始めております。
 では、日本はどうかということですね。なかなか乳がんの早期発見による死亡率の低下というのが実現できない。そのために、社会のあらゆる側面でこの乳がん啓発活動と、それから、乳がんの早期発見をするために検査の実施体制をつくる、やはりそういう体制づくりが非常に大事じゃないかということをまずきょうここの委員会で取り上げたいと思います。
 それで、まず、乳がんの死亡率が壮年期の女性のがんの死亡率のトップであるということを御存じかどうかですね。
 それから、私、今回いろいろ勉強しましてわかったことなんですけれども、健康診断をするとき、まずこういう検査は特にないんですね。女性特有の子宮がんの検査それから乳がんの検査というのは、特に健康診断の中に取り入れられていない。
 いわゆる定期健康診断というのがありますね。企業で行われる健康診断また地方自治体で行われる健康診断という中に、乳がんの検査というものが特に定期健診の実施の項目に入っていないということで、これはやはり女性特有の、女性だけが持っておる子宮がんとそれから乳がんという、女性の体に関する特有のものなんですけれども、これが定期健康診断の中で実施項目に入っていないということなんですけれども、これに対して今後ぜひ考えていただきたいと思いますけれども、その辺の所見についてお聞きしたいと思います。
木村副大臣 まず、御指摘のありました、女性にとって乳がんが死亡率のトップかという件でございますけれども、壮年期の女性についてはトップだということでございます。
 それから、御指摘の健康診断の件でございますけれども、要するに、四十歳以上の女性に関してはこれは位置づけられているところでございます。
武山委員 位置づけられておりますけれども、どこで位置づけられておるんでしょうか。定期健康診断の中には入っていないんですね。
木村副大臣 老人保健事業の中で昭和五十八年から導入されておりまして、四十歳以上の女性に導入をされている次第でございます。
武山委員 それは自治体でされているということなんですか。私、国会で健康診断しましたけれども、何もいわゆる定期健診の中に義務づけられておりません。そのお話はどこでどう義務づけられているのか、御説明いただきたいと思います。
木村副大臣 済みません。さっき、五十七年は子宮がんでございまして、六十二年が乳がんでございました。
 それから、今言った、各市町村で健康診断をやっているんです。その中の項目に四十歳以上の女性が昭和六十二年から追加をされたところでございます。
武山委員 そうしますと、家庭にいらっしゃる女性を対象に市町村で行っているということだと思うんですね。そういうふうにして理解できるかと思うんです。
 そうしますと、職業を持っている方々、職域の中では、ないんですよね。これに対して、今後職域の中で、いわゆる定期健康診断の項目にぜひ入れていただきたいというのが私の質問なんです。
木村副大臣 職域も含まれているそうでございます。
武山委員 いつからでしょうか、職域の方でそういうふうになったのは。
木村副大臣 老人保健事業におきまして、市町村で職域の方も受けることができるわけでございます。
武山委員 いえいえ、その話は先ほど聞きました。自治体で、老人保健でそれができたと。ところが、一般にそれは家庭にいる方々の、御婦人の方を対象にしている。私の質問は、職域、職場にいる人に対しての質問なんです。
 職場に来ている人は、職場におるものですから、わざわざそちらでできないわけですよね、一般の、普通の。それで、職場は職場で定期健康診断というものを行っているわけなんです。私も国会議員として国会で定期健康診断をしたんですけれども、そういう項目はないわけなんですね。
 そうしますと、婦人科にわざわざ行かなければいけない。現実にはオプションで、今、年一回の健康診断で、定期的な健康診断の基本的な実施項目には、婦人を対象としたものはオプション扱いになっている。ですから、このオプション扱いを現在の女性の就労率の増加に、すなわち、今みんな仕事につきたい、仕事についていますね。そういうどんどん外に外にと女性が社会参加をしておりますので、こういう検診項目もきちっと入れるべきじゃないかというのが私の質問です。
木村副大臣 先生御指摘のように、これは実はオプションになっておりまして、職域では自動的にできないわけでございますが、手を挙げていただいて、医療機関に行っていただければ、さっきの老人保健事業として位置づけられておりますので、料金を払うことなく、言ってみれば無料で乳がんの健康診断を受けることができるようになっている制度でございます。
武山委員 オプションということ、ということは、希望しないとできないということですので、希望が必要だということをやはりお知らせのときにきちっと言うべきだと思うんですよ。
 それで、一般の仕事をしている女性は全部、定期健康診断の中にはないというふうに解釈しているわけなんですよ。ですから、わざわざ別のところに行って検査をしなきゃいけない。これが煩わしいので、定期健康診断の中に入れたらどうですかというのが私の質問です。
木村副大臣 恐らくそれは企業側のいろいろな御都合があるんではないかと思うんですが、市町村といたしましては、そういう方々も無料で受けることができるという広報は市町村が行っているそうでございますので、ぜひ手を挙げていただければな、このように思っておるような次第でございますし、恐らくそれは、それぞれの企業の中においてその辺を周知徹底していただくことは、企業にとっても大事なことではないかな、こう思えてならない次第でございます。ただ、市町村は、そういう広報事業は行っているということでございます。
武山委員 市町村といわゆる働いている人とは別だと思うんですよね。予算の組み分けが別だと思うんです。ですから、そこに問題があると思うんですよ。市町村でも、家庭にいる方でも働いている方でも両方が受けられるというふうに私は今解釈したんですけれども、それでよろしいんですね。
 それで、オプションで受けたい、そうしましたら自治体でお金を出していただける、そういう意味ですね。それを、職場で定期健康診断をやっておるわけですね。乳がんだけ市町村でオプションするというのは煩雑だという意味だと思うんですよね。ですから、ここに入れていただきたい。
 それから、恐らく周知徹底されていないと思います。職域で、職場の人は、ないという頭でいらっしゃると思うんですよ。ですから、受診率、すなわち私が乳がんの検査をしたいという受診率、受けたいという希望率が少ないんだと思うんですね。大変低いんです、受診率が。
 ですから、その辺をオプションじゃなくて、職域でも企業が積極的にやる。これはもう定期健診を、実施項目というのはきちっとつくっているわけですから、そこに入れればいいことなんですよね。ですから、選択できるということを入れるということが大事だと思いますけれども、いかがでしょうか。
木村副大臣 先ほどからお話し申し上げているんですけれども、市町村側としてはちゃんと広報にも載せており、今先生がおっしゃられたように、希望する方があれば、たとえ家庭の婦人ではなくても受けることができるわけでございまして、そのときはもちろん無料でございます。
 それで、企業の方でどうするかは、それは企業の方の判断に今のところはゆだねられておるようでございまして、今まで企業にどうしろというようなことを検討させたようなことは、今のところはまだないようでございます。
 いずれにいたしましても、市町村ではしっかりとそういう方々も受けられるという広報は行っておるわけでございまして、ぜひそれを利用していただいたらいいなというふうに思えてならない次第でございます。
武山委員 それでは、この定期健診実施項目というのはだれが決めたんですか。企業で行われる定期健診実施項目というのはだれが決めたんですか。そういうことに質問が行くと思うんですよね。要は、働く人が職場で、職場の近くで、どこででもできたらいいという意味でこういう質問をしているんですね。みんなその方が利便性があるという意味なんです。
 それで、地方自治体でやっていることは、地元にいる、家庭にいる、その地域にいる御婦人方を対象にしているわけですよ。ですから、そこまで行かないといけないという意味なんですね。あるいは、土曜、日曜じゃないと受けられないということで、職場で、あるいは職場の近くで要はできないかという質問なんです。
木村副大臣 職域の方は労働安全衛生法で決められておるそうでございまして、そちらの方でどういう項目を挙げるか、基本的には今の労働安全衛生法の観点から恐らくその項目を決定したというふうに思われるわけでございまして、ここは、先生の御指摘のところはまだまだ取り入れられていないのが現状でございます。
武山委員 これからいわゆる年金をもらう年齢というものが、だんだん年齢を高くし、六十五歳になろうとするわけですね。そうしますと、みんなそれまで社会に出て働きたい。ということは、壮年のいわゆる四十代、五十代というのは一番働き盛りなわけですよね。ですから、女性も頑張らなきゃいけない、こういうものを職域で検査できるように。男性にも協力していただかなきゃいけない。
 健康日本21ということで、これはやはりともに国を挙げて、それから一人間としても、ともにやはり地域でできる定期健診の中に実施項目として入れる、これは大切なことだと思うんですよね。どう聞いたってそれに入れないという方が、むしろ何の不都合もないと思うんですよね。ですから、入れてあげるという、入れた方が便利だ、その方が死亡率の低下にもつながるという意味でこれをつけ加えさせていただきます。
 それから、乳がんの検診というものが、実際に機械で行ういわゆるマンモグラフィーという検診、それから、見て、さわって、がんの部分を発見すると、乳がんというのは二つの方法でするわけですね。
 アメリカでも聞いたことがあるんですけれども、その検査をする人の技術力、その技術力によって乳がんの死亡率を抑えることができる。それで、アメリカでも今大問題だというわけなんですね。
 この機械をきちっと読みこなせる、それから、さわって、それで見て判断する。これは非常に難しい判断だ。一ミリでも五ミリでもそういうものを発見しなければいけない。そうでなければ早期発見につながらないということで、マンモグラフィーの検診精度管理中央委員会というものが立ち上げられた。これは日本乳癌検診学会が中心になってやっておる。この中で、教育・研修委員会、これはもう今私が話しましたように、その診断の精度、本当に質の高い精度かどうかというものを読むための、それは撮影の教育研修、その結果、評価を受けるわけですね。その評価の仕方によって大きな差が、命の、本当に死ぬか生きるかに影響するわけなんですね。それから医療機器の設備、画像の評価委員会、この二つに分かれておるようなんですね。
 私も今回初めて勉強してわかったことなんですけれども、非常に精巧な、密度の本当に高い、そして評価をする質の向上といいますと、人材育成、それからその機械、精密な機械をきちっと標準に合ったものが使われているかどうかということも非常に大事な問題になってくるわけなんです。
 それで、評価の基準に合格しているかどうか、実際にこれを査定する機関があるわけなんですね。その査定をされている機関というものが現在百七十二施設あるんですけれども、評価がAランクとかBランクとか、人材の質とそれから評価の仕方、そこで評価のB以上の施設が百四十六だというわけです。百七十二施設のうち百四十六の施設がそういういわゆるB以上の施設だということですね。
 ですから、このマンモグラフィーの精度の管理、その仕組みの整備というんですか、すなわち、もっとわかりやすく言えば診療の受け皿ですね。医療機関が十分な診療の受け皿をつくっていくという意味で大変重要なことだと思いますけれども、この点について厚生労働省はどんなふうに思っていますでしょうか、今私が話したことに対して。
木村副大臣 人材の育成というのは一番大事なことでございまして、これは特に専門医の認定を受けるわけでございますが、例えば専門医の学会に入って経験が十年とか、そういういろいろな要件を課して、それから読影の場合には講習会とかそういうのも経まして、そういう人材を今養成しているというふうに聞いているところでございまして、先生おっしゃるとおり、人材の育成に関してはこれからもできるだけの取り組みをしてまいりたい、このように思っているような次第でございます。
武山委員 人材の育成なんですけれども、医師のいわゆるマンモグラフィーの講習会で、二千八百名が受講した。しかし、この中で十分な、読んで撮影もできるという、評価されている人というのは、評価のB以上は、全国で千九百九十名となっておるというんですね。
 それで、実際にこの数字なんですけれども、半分以上はいっているわけですけれども、でも五〇%ちょっとなわけですね。すなわち、やはり人材育成がそこまでいっていないわけなんです。ですから、がんのトップから、すなわち死亡率というものが高く高くなっていくばかりなんですね。
 それから、十分な体制をつくっていくということは、やはり保険点数の見直しが必要じゃないか。質の高い人材を輩出していく。それから、乳がんの早期発見、早期治療をするために、機械も高度なきちっとした機械を、基準をつくって、そういうものをつくっていかなきゃいけない。機械もいいかげんな機械を使っているところがある。ですから、基準がしっかりしていない。そういうところをやはり厚生省は今後どういうふうにしていくか。その辺、あいまいな答えでは、こういう本当に死亡率の高い――健康日本21によりますと、乳がんの早期発見事業の強化は必要だと言いながらも、答えはあいまいだと思うんですよね。
 それで、この質問はこれで最後にいたしますけれども、がんの検診の受診者、すなわちがんの検診をしようとする人、このしようとする人の目標値、本当に少ないので私驚きました。平成九年で一二・七%の人しか受けていないというんですね。これを五割以上の増加を見込みたいというわけです。この目標を実現するために、各自治体レベルでやはり具体的な事業、ただはがきを出して受診してくださいというだけではだめだと思うんですよね。そういう意味で、もっと具体的な展開が必要じゃないかと思いますけれども、これを最後に、この件についてはまた別の機会にしたいと思います。自治体レベルでの事業の具体的な展開というものをぜひ聞かせていただきたいと思います。
坂口国務大臣 皆さんの乳がんの検診率を上げるというお話につきましては、これは一朝一夕でなかなかいかない面があろうかと思いますけれども、それだけに努力をしなきゃいけないと思っております。
 胃がんの検診を見ましても、各市町村、大変な努力をしてくれるんですが、なかなか上昇しないということがございまして、がん検診というのは、必要性というものは皆さんおわかりになっているわけでございますけれども、なかなか受診率というのは上がっていないというのが現実でございまして、恐らく、今一二%というふうにおっしゃいましたでしょうか、そういう数字があるのも現状としてはそんなところかなと私も思うわけでございます。おっしゃいますように、これは死亡率がかなり女性の中で高いわけでございますしいたしますから、非常に今大事な部門でございます。
 ただ、女性の皆さん方の中には、ある程度自分でわかるのではないかという、そうした思いも私はあるのではないかというふうに思いますが、なかなか御自身ではこれは実際のところわかりにくいわけでございまして、やはりこれは専門的な検査をお受けいただくということが大事であろうというふうに思っておりますので、これからさらにこの受診率が上がっていきますように我々も努力したい。そのためには、大体、目標を掲げて、そしてその目標に向かって何をするかということを決めていかなければなりませんから、そのようにしたいというふうに思っている次第でございます。
 もう一つございましたか。
武山委員 それで結構です。
 自治体がやはり自主的にやらないと恐らくだめだと思うんですよね。自治体が自主的に自分たちで、ただはがきを出したり知らせるだけではだめだと思うんですよね。そういう具体的な例というのは、やはり国がこういう例もあるんだということをつくるということが大事じゃないかと思うんですね。
 それから、現実問題、費用や人材不足なんですよ。やはりお金にかかわる問題なんですよね。それから、早期発見、早期治療すれば助かる命が、現実に発見される率が、進行中に発見されるということなんですね。それでどうしても死亡率が高くなるということです。
 それから、次に移ります。
 平成十二年十一月のたしか十七日だと思いますけれども、私は、虫歯の予防ということで、日本は子供の虫歯が大体たしか二・四本ということで、非常に高い虫歯率だということで、虫歯の予防、予防医学という意味で、水道水の中に弗素を入れたらいいんじゃないかと。
 私、長いこと外国生活しておりまして、アメリカの話なんですが、みんな歯がきれいなんですよね。もう驚きました。結局、学校でも弗素を塗っていて、水道水にも弗素が入っているということなんですね。それから、歯磨き粉にも入っている。日本の場合も、歯磨き粉の中にも入れる、それからぶくぶく弗素でうがいをする、それから塗る方法と三種類やっておるということは聞いておるんです。
 ところが、当時いろいろ聞きましたけれども、二〇一〇年までに、健康日本21というもので、目標として、学齢期においていわゆる弗素化のいろいろな歯磨きとかぶくぶくだとか弗素を塗る、こういうものに対して九〇%以上にするんだというふうにこのとき、平成十二年にお答えいただいているわけなんですよね。私、これはもう通告してありましたので、恐らく議事録を見られてわかっていらっしゃると思うんですよね。
 それで、虫歯の数も、平成十一年では、十二歳児において日本は二・四本なんですよね。虫歯が非常に多い国なんです。十二歳ですよ。それを、虫歯一本以下にしたいという目標を立てるということを当時の福島政務次官がお答えになったんですよね。ですから、この辺のことに対してどの程度進んでおるのか、ぜひ状況を説明していただきたいと思います。
木村副大臣 このたびの健康増進法の中に虫歯予防の点を取り入れまして、今着々と進行しているところでございます。
武山委員 そんな答えでは私は納得いきません。
 当時、研究期間というものを三年として、平成十二年の四月一日から平成十五年の三月三十一日ということで研究期間を設けたということでございます。そして、次に、期待される成果ということで、「国民への適切な情報提供と自由選択を支援するための総合的なガイドラインを早急に提供することに主眼を置いている」というふうに当時答えられたわけなんですよね。
 ですから、その後、本当にどういうことになっているのか。研究班の研究期間というものがちょうどことしの三月三十一日に終わっておるわけなんですよね。ですから、この辺で今後どういう研究の結果、研究期間が過ぎたわけですから、ガイドラインをつくられたというふうには聞いております。でも、ぶくぶく洗うガイドラインというふうに聞いておりますけれども、その辺について、ぜひ国民にきちっと説明していただきたいと思います。
木村副大臣 先生が今御指摘いただきましたぶくぶく洗うガイドライン、これをフッ化物洗口ガイドライン、こう言うわけでございますが、確かに先生のおっしゃるとおり、このガイドラインは、厚生科学研究費などでこれは終わったんですが、あとのところは今まだ続いておりまして、今まだ鋭意取り組み中であるわけでございます。
武山委員 では、ぶくぶく洗う、洗口ということですね、それがガイドラインができたんですか。それだけをつくったんですか、研究期間三年を置いて。たった弗素でぶくぶく洗うために三年もかけたんですか。口でぶくぶくぶくとやるだけのことを、三年もかけて、たったぶくぶく洗うだけのことを決めたんでしょうか。それを説明していただきたいと思います。
木村副大臣 栄養の関係とかいろいろな方面で今研究中なんですが、たまたま国の見解としてまとまったのは、先生がおっしゃったぶくぶく洗う洗口のガイドラインが意見がまとまったということでお示しをさせていただいた、こういう現状でございます。
武山委員 研究班が三年もかけて、費用対効果を考えて、水道水に弗素を入れたら本当に一ドルもかからないような、本当に一ドルぐらいでできる、国民一人百円ちょっとでできる。それで虫歯が予防になって、子供がかかる虫歯率というのが一本以下になる。そんな簡単に、お金もかからないでできるのに、三年も研究班がかけた結果、ぶくぶく弗素で口を洗うだけのガイドラインをつくった。情けないじゃないですか。もっと実のある結果を出さなければ、何のための研究班だったんですか。
 では、そんなちょろちょろとした説明で終わらないで、三年かけたその研究班のガイドラインというものをぜひきちっと説明していただきたいと思います。
 それで、久米島、沖縄ですかね、九州の鹿児島ですかね、久米島と、それから栃木県の西方町という町でもともと実際にいろいろと実施が行われたと聞いておりますけれども、その辺の話もよく御存じだと思うんですよね、厚生省の方は行っておるわけですから。それで、なぜそういうガイドラインになって、どうなったのかということをきちっと説明していただきたいと思います。
木村副大臣 まず、やはり一番問題というのは安全性なんですね。今アメリカの方でも、ちょっと安全性に関してはまだいろいろな意見も出ているようでございます。
 それから、やはりこれはもう前に先生が質問されたときもお話が出たと思うんですが、基本的にはこれは自治事務でございまして、それぞれの市町村がどういう判断をするかということが最終的なところのポイントなんでございます。
 そして、今先生が御指摘になった沖縄の久米島の件なんでございますけれども、平成十二年に沖縄の久米島の一村におきまして、行政当局が水道弗化物添加の意向を表明して、厚生省に対して支援の要請がございました。厚生省といたしましては、住民の合意、地方行政の対応、歯科医師会からの支援を前提といたしまして、技術支援はできるよ、こういうことで回答したわけでございます。
 しかしながら、その後、沖縄県や歯科医師会等は支援を表明したわけでございますし、また、厚生労働科学研究班も、来るべき技術支援におきまして、米国とも協力いたしまして準備をしていたわけでございますけれども、その村が、例の平成の大合併、町村合併がございまして合併してしまったんです。それで、住民合意の確認等の具体的な試みが、現在、その合併のために中断をしておるようでございまして、厚生省に対しましても、その後の支援の要請は途絶えているわけでございます。
 それから、西方町の方も、何か構想はあったようなんでございますけれども、現段階においては厚生省の方には支援要請が来ていない、こういうことだそうでございます。
 いずれにいたしましても、まずやはり地元の市町村のお取り組み、これが最大の前提でございますし、先ほど申しましたように、安全性におきましてもまだまだ議論の余地もあるようでございます。基本的には、水道水の中において〇・八ppm以内であれば、それは差し支えないということにはなっているようでございますけれども、その辺も含めまして、今後その辺の議論が、安全性とか市町村の合意とかその辺が詰まれば、これは先生御指摘のような方向性が出てくるのではないかな、このように思っているような次第でございます。
武山委員 アメリカはもう歴史があるんですよ、弗素の。それはもう全然比較にならないくらい歴史がある。歯もみんな丈夫なんですよ。すごいですよ、みんな。皆さんテレビで見ても歯並びがきれいじゃないですか。それは、もうあの中で、そういう生活習慣の中で、土地のいわゆる弗素の状況だとかいろいろなもののバランスの中で行われているわけですから。アメリカも問題がある。問題がないなんてところはないわけですよ。でも、針の穴みたいな問題が、さも大きなこんな問題といってこの問題を片づける、そういう発想がよくないと思いますよ。
 それで、私がお話ししたいのは、この西方町の上水道の弗素の濃度は〇・〇八ppm以下になっているので、虫歯予防の観点から〇・七ppmに濃度を調整していただきたいというのがスタートの根幹だったそうです。私、聞いてまいりました。ここの部分に対しては聞きました。
 それで、この町は人口七千名の純農村で、歯医者さんが一カ所しかないというんですね。もう虫歯の子供たちが多くて、夜、その順番をとりに来るというんです、朝一番だととれないということで。それで、歯医者さんもそれから医師会も、みんな学校を挙げてこういう試みをした。しかし、最終的には、何しろ小学校に上がる前に既にもう八〇%の幼児が虫歯だというんですね、この西方町では。ひどいものだと思いますよ、現実的には。それで、二〇〇〇年の二月、NHKの朝のニュース「おはよう日本」で、この西方小学校の弗素の、ぶくぶくとやるんですね、この全国放映がされた。これも現実にあるわけですね。
 ところが、これはもう厚生労働省の意見という形で、これは研修と質疑応答も実際に行っているんですよね、厚生労働省がここで。それで、結果的に、厚生労働省がおっしゃるように、地方で、自治体でやってくれと。ところが、自治体の議員さんというのはよくわかっていない人がいるわけですよ。わかっていたらこういう問題が起きないと思うんですよ。わかっていないというところが問題なんですよ。わかっていないということがまたわからないとだめなんですよね。
 ですから、地方自治体が自分たちの町でやるのが当たり前だと言ったって、やることすらわからなかったらどうするんですか。意識がそういうふうになるまで待っていたら、虫歯だらけになっちゃいますよ。みんな投げて、地方は地方で自分たちのところでやってくれと言ったって、情報が提供されていなかったら、どういうふうにして判断するんですか。
 ですから、私がきょう言いたいのは、平成十二年からこの十五年まで三年間、研究班が結局研究してきたわけですよね。ですから、この研究結果、弗素化応用の総合的研究というのが、三年間研究し、結果が出されていると思うんですよ。これをやはり国民に正しい情報として提供すべきだと思うんですよね、国としての正しい情報を。それは、誤解を招くということがありますので、努力をしていただきたいと思います。
 この点について、ぜひ国民に正しい情報を提供していただきたい。そのための研究班だったわけですよ。その情報を、国民のためなわけですから、いいところも悪いところもきちっと情報提供する、この情報提供を、結果を公表していただきたいというのが私の今の質問です。
木村副大臣 先生御指摘のその情報提供につきましては、積極的に取り組んでまいりたい。まさに先生御指摘のように、議会で問題になった、そこは、先ほどから申していますように、住民合意というのが大変大事でございまして、なかなかその住民合意がとれていない典型例の一つではないか、こう思っているわけでございまして、厚生労働省といたしましても、そこはできるだけ情報を公開して、御理解をいただけるような努力をしてまいりたい、このように思っているところでございます。
武山委員 努力なんておかしいと思いますよ。情報なんて、国民の情報ですから、きちっと出すべきだと思う。何で努力しなきゃ出てこないんですか。そこを聞きたいと思います。何で努力しなきゃいけないんですか、国民のための情報なのに。努力しなきゃいけないなんて、何でそんなむだな努力をするんですか。おかしいと思いますよ。
木村副大臣 いやいや、適切な検討が、今言ったように、先生、ぶくぶくの方だけガイドラインができているわけですから、そのぶくぶく以外のところももっともっと中身が進む、そこを努力するという話でありまして、できたものは、また発表できるものはできるだけ速やかに発表してまいりたい、そういう意味で言ったわけでございます。
 努力するのは、その発表以前のところまでを、今やはり進行中、現在進行中でございます、研究費も続いているわけでございますので、その続いているところをできるだけ努力させて、速やかに発表できるようなふうに努力をしたい、それで、できたものは発表したい、このようにお話をさせていただいているところでございます。
武山委員 これは平成十二年から十五年にわたって、厚生労働科学、科研と言っているところですね、フッ化物応用の総合的研究班が三年間研究し、結果が出されている。この結果を公表していないというんですね。もう既にとっくに終わっている総合研究なんですね。この結果を公表していただきたいということなんです。どうして結果が公表されないんでしょうか。
木村副大臣 これは、三月にシンポジウムをやって、この場で公表しているようでございます。
武山委員 これはぶくぶくのことじゃないですか。ガイドラインのことじゃないですか。この三年間の研究の結果、この結果をやはり情報提供していただきたいという、これは歯医者さんたちの願いなんですよね。ですから、これは提供されていましたら、こういうことを言ってこないと思います。国民に正しい情報提供をしていただきたいということです。
木村副大臣 シンポジウムの場でございますので、恐らく時間的な制限があったのか、それはわかりませんけれども、いずれにしても、その場で公表しておりますし、それから、今後も日本歯科医師会等を通じましてできるだけ積極的に公表したい、このように思っているようなところでございます。
武山委員 それでは、その公表したというものがありましたら、私のところにすぐ届けてください、本当に公表したんであれば。
 それから、今、歯科医師会等ということですけれども、それはどういうことなんでしょうか。歯科医師会が何だというんですか。はっきりしていただきたいと思います。
木村副大臣 これは歯科医師さんがやっておられるわけでございましょう。だから、そういう場面も通じまして御協力をいただいて公表すると。もう公表したわけですよ、基本的に。それで、先生のところにもできるだけ速やかにお届けするようにいたします。
武山委員 それでは、先ほどの平成十二年から十五年の、ことしの三月まで行われた、それは公表されましたか。
木村副大臣 公表しているとのことでございます。
武山委員 これは公表されておりませんよ。公表されたのは、ぶくぶくというガイドラインだけです。ぶくぶくと口をゆすぐだけのガイドラインだけです。公表されていないんです。ことしの三月三十一日が研究期間ということなんですよね。それで、ことしの三月三十一日で公表したのは、ぶくぶくという口をゆすぐだけの、弗素を入れてぶくぶくというガイドラインだけなんですよ。公表しているのはガイドラインだけなんです。
木村副大臣 先ほども御答弁させていただいたんですが、シンポジウムにおきまして、とりあえずその全体の概要を御説明させていただいているんですね。あとは恐らく時間等がなかったので、その場で話が進まなかったのではないか、こう思えてならないわけでございまして、その他いろいろな場面で機会があればどんどん出しているということでございますので、決して意図的に公表を控えているとかそういうことではないようでございます。
武山委員 でも、きちっとこういうふうにして議事録にも残っておるわけですから、きちっと見出しをつけて公表すべきだと思います。
 それで、その都度公表しているとおっしゃいましたけれども、それだったら私のところにその都度公表したものをぜひ下さい。何が何だか、ちょろちょろ出しているのは全然わかりません。正々堂々ときちっと出すべきだと思います。それは、私、ぜひ言っておきたいと思います。
 それで、この研究期間というものを三年間もかけたわけですから、ガイドラインだけをまとめただけじゃないと思いますよ。そんな、三年もかけたというものは、もっと国民は期待しているわけですよ、これに対して、弗素の水道水への利用化とか。
 では、今までどおり三つのやり方ですね。歯磨き粉に弗素を入れる、ぶくぶくと口をゆすぐ、塗ると三種類しかないわけですよ、今のところ。それは、やはり厚生労働省の説明が悪いからなんですよ。厚生労働省の説明がきちっとしていれば、やはり後ろ向きの考え方を一言でも言いますでしょう、アメリカでも問題があるとか、昔の斑点状の問題があるとか。
 日本の場合は、水道水に入っている弗素の量が地域によって違うと思うんですよね。地域でやることに対して私も大賛成。しかし、画一的な物の考え方がもうインプットされているわけですから、どこかでやらなきゃ、そういう意識が日本人のどこかにあるわけですよ。特に役所が持っているわけですよ。ですから、こういうふうにしてやりたいという研究結果を町がしても、最終的には情報がきちっと入ってこないということと、後ろ向きの発想で、やってみなかったら虫歯が本当に予防できるかどうかもわからないじゃないですか。議論ばかりを百万遍繰り返したって虫歯予防にならないんですよ。
 それで、結局は医療費の削減にもなるわけなんですよ。今これだけ税収が少なくなっている。しかし、高齢者の医療はどんどん上がっていく。それでいて子供のこういう虫歯も大変多いということになれば、医療費の削減なんてだれでも国民一人一人考えているわけですよ。ですから、そういうことでやはり水道水の弗素化というのは大切なことじゃないか。
 それで、自治体によって大いにそういうものをやりたいというところは、むしろいろいろな支援をしていきたい、技術的支援をしていきたいと厚生労働省は答えているんですよ。そういうところの足を引っ張っちゃだめだと思いますよ。それで、そういうときに後ろ向きの発想をする人がいましたら、きちっとやはり説明をしてさしあげるべきだと思うんですよ。
 それで、本当に医療費が抑制されて、子供のうちに虫歯が少なければ、子供は発育にも大変大きく影響しますので、そして、その虫歯というのは高齢者にまでずっと影響するわけですよ。乳歯、またその後永久歯というふうに生えていくわけですから、虫歯のところにまた永久歯が生えれば、またなる可能性は多いわけなんですよ。
 ですから、ささいなことのように思えますけれども、大事な一つだということで私はこの質問をいたしました。厚生労働大臣が手を挙げたようですので、ぜひこの件に対してお答えいただきたいと思います。
    〔宮腰委員長代理退席、委員長着席〕
坂口国務大臣 口を弗素水でゆすぐという場合と、水道水に入れましてその水を飲み続けるということとは若干違うんだろうというふうに思っております。弗素を水道に入れますときに、一番いつも問題になりますのは、それによりますいわゆるプラスの面とマイナスの面と両方あるものですから、そこをどう見るかということだというふうに思います。
 水道水に入れます場合には、どういう人も皆その水を飲むわけでございますので、人によりましてはそれによる影響を受ける人たちもいるということで、慎重にならざるを得ないという部分がある。そうしたことから、それじゃ、飲むのではなくて口をゆすぐといいますか口を洗うといいますか、そうしたことに弗素水を使うということならばいいではないかというようなことがあってその研究をしてきている。それならばいわゆる身体に対する影響もない、こういうことが今回の結論ではないかというふうに今も私ちょっと見たところでございまして、もっとしっかりしたものを先生のところにもお届けさせていただきたいと思います。
武山委員 これで最後になりますけれども、水道水に入れるというのは、私は一番安くて虫歯を予防できる方法ではないかということで、これだけずっとしつこく質問してきたわけなんです。
 それでは、それは一人一人に影響が可能性としてあるという今のお話ですけれども、モデル地区でもつくって実際に三年間なりやってこられたんでしょうか。そうしましたら、その研究結果を公表していただきたいと思うんですよ。ただ口で一人一人が違いますよと言われても、私は納得いきません。
 本当に、どれだけの弗素を入れて、濃度が、例えば量を多くしたとき、それから少なくしたとき、それからそういう結果というのは、虫歯になるかならないかというのは長期的予測だと思うんですよ。ですから、一年や二年で虫歯が減ったとか減らないとかなんという数値は出ないと思うんですよね。
 ですから、私は水に入れる方がもっと効果があるという意味で言ったんですけれども、もしそれが一人一人に影響があると言うんでしたら、そういうデータもきちっとお示しして、こういう結果だからこうだという説明がしかるべきじゃないかということを私、申し添えまして、終わります。
中山委員長 次に、小沢和秋君。
小沢(和)委員 初めに、昨年十月から老人医療費の一割負担とセットで実施された窓口負担の超過分を償還する制度、高額医療費についてお尋ねをいたします。
 私たちは当時、高齢者にこういう手続をさせたら、実際上は超過分が本人に戻らないのではないかと、こういう制度をやめるように要求いたしました。あれから十カ月近くたちますが、私たちが危惧したとおりになっているのではないか、現在までの状況はどうなっているか、お尋ねします。
真野政府参考人 高額療養費につきまして、高齢者の申請に基づき支給されるということでございますけれども、高齢者の申請事務の負担をできるだけ軽減するということから、該当する高齢者に対しまして市町村から通知を行い、申請漏れを防止する、支払いを口座振り込みで行うことにより、窓口に受け取りに行く手間を省くというようなことにつきまして、都道府県を通じて市町村に対し指導を行っているところでございまして、引き続き指導をしてまいりたいというふうに思っております。
小沢(和)委員 状況はどうなっているかと聞いているんですよ。何にも今、状況を答えていないということじゃないですか。
 それで、去る六月に、開業医の団体である全国保険医団体連合会が、全国の市町村にアンケート調査を行っております。それによると、約三十都府県分でありますが、昨年十月分の平均償還率は七割にとどまっており、この一カ月分だけで未支給額が七億二千九百万円に達しております。残念なことに、私の地元、福岡県が、未支給額が一億八千二百万円で全国一多いんです。県によって償還率は五割から九割と極端なアンバランスがあります。
 このような差が出た一番の原因は、市町村が償還の対象者に個別の通知をきちんと行い、患者の立場に立った手続の簡素化を行ったかどうかにあると思われます。厚生労働省が、手続の負担軽減のため、個別の通知、領収書の添付不要、初回申請のみで可とするなどの通知を二度にわたって出していることは承知しておりますが、それでもまだ自治体の取り組みにこれだけの差が出ております。さらにこの通知を徹底させる措置が必要ではありませんか。
真野政府参考人 おっしゃるとおり、一部の市町村におきまして、該当者に対します通知がおくれているというようなことから、申請率が低いという状況があることは承知をいたしておりまして、私どもも、状況を把握次第、それぞれの都道府県を通じまして市町村に対する指導をお願いしているわけでございますが、一層指導を強化したいというふうに思っております。
小沢(和)委員 愛知県の一部の市町村では、全老人保健対象者に申請書を送付し、事前申請を進め、一〇〇%償還を実現しております。また、同じ方法で、人口の多い名古屋市でも九〇%を超える償還を実現しております。
 本当に支払い超過分を確実に返そうと思うなら、この愛知県の経験を全国に普及すべきではないか、私はそういう提案をしますが、いかがですか。
真野政府参考人 御指摘の方法も一つの方法であると思います。また、それぞれの自治体におきまして、御工夫をいただいております。
 そういう意味で、私どもといたしましては、そういう非常に成果を上げておられる市町村の取り組みというものを御紹介することによって、それぞれの市町村の取り組みをさらに強化していっていただくようお願いをしたいというふうに思っております。
小沢(和)委員 七十五歳以上の人には手続上の負担軽減がされておりますが、それ以下のいわゆる前期高齢者には、毎月の申請を求めるなど、軽減策を講じていない自治体が多いわけであります。
 これは、厚生労働省の通知がそうなっているからだと思いますが、七十五歳の前と後で手続に差をつける意味は全くないと思います。前期高齢者についても、同様の手続上の負担軽減を行うのが当然ではありませんか。
真野政府参考人 現在の負担軽減というのは、先生御承知のとおり、平成十四年の十月の定率一割負担の導入に当たりまして、老人医療対象者とされておられた方々が、これまで定額負担または月額上限制というようなことで、そういう高額療養費の仕組みを必要としなかったというようなことも勘案をいたしまして、支給手続の負担軽減を講じたものでございます。
 一方、老人医療対象以外の七十歳以上の方々につきましては、これまでも高額療養費の申請を行っていただいておりましたので、私どもとしては、引き続きお願いをしたいというふうに考えております。
小沢(和)委員 次に、柔道整復師の療養費請求の適正化の問題でお尋ねをいたします。
 私は、この問題を何度も取り上げた中で、はり、きゅう、あんまの関係者や整形外科医からも訴えが寄せられているということは既に明らかにいたしました。実は、最近になって、柔道整復師関係団体の有力幹部の方からも、ぜひ適正化を進めてほしいと内部告発がありました。このままでは不正診療がますます広がり、業界が国民の糾弾を受けて自滅してしまうとの痛切な思いを込めてのものでありました。
 きょう、私は、その人から提供された不正請求を示す大阪府柔道整復師会取り扱いのレセプトのコピーを皆さんにお配りしております。
 まず、資料二、四枚目を見ていただきたい。ちょっととじ方がおかしくて、四枚目からの話で恐縮ですが、これは大正十年生まれの女性についての一昨年のレセプトであります。
 このときに八十歳だった人が四カ所のけが、腰と左右のひざ関節、右股関節の捻挫の通院治療を受けたというものであります。このうち三部位が同じ日に負傷、股関節捻挫は他の三部位の二日後に負傷したとレセプトにあります。
 かなりの高齢者がどうやって一遍にこれだけのけがをするというのか。しかも、四カ所も捻挫をしている八十歳の人が一体どうやって通院治療をするというのか。大臣に、医師として、これがまともなレセプトだと思われるかどうかの診断をお願いいたしたい。
坂口国務大臣 ちょっと見せてもらっただけでは、どういうことなのかよくわかりませんね、これは。
 十二年の十一月一日、これはどう読むんですかね。何枚目……(小沢(和)委員「三枚つけてあります。そのうちの三枚目の話です」と呼ぶ)三枚目の話。腰部捻挫、左膝関節捻挫、このお話ですか。(小沢(和)委員「それです」と呼ぶ)これがなぜ起こったかというんですか。ちょっと診断つきかねますね。
小沢(和)委員 私は、質問を始めるときには資料を配ってくれというふうに言っておったので、当然話が通じていると思ったんですが。
 もう一度申し上げますけれども、この方は八十歳なんですよ。四カ所のけが、腰と左右のひざ関節、右股関節の捻挫の通院治療を受けたということになっておりますが、このうち三部位が同じ日に負傷、股関節捻挫は他の三部位の二日後に負傷したというレセプトになっているわけです。そうでしょう。
 だから、かなりの高齢者がどうやって一遍にこれだけのけがをしたというのか、しかも、四カ所も捻挫をしている八十歳の人が一体どうやって通院治療をするのか、この点についておかしいことはないかというふうに言っておるわけです。いかがですか。
坂口国務大臣 通院というのは、自分で行くこともありますし、車に乗せてもらって行くこともありますししますから、高齢者だから通院できないというわけではないでしょうし、それは、それだけでもってどうこうと言うわけにはいかないと思います。
 それよりも、一度に三つも四つも捻挫なり骨折をどうして起こしたかということであれば、それは、その理由というのをよく読まないとわからない、こういうことだと思います。
小沢(和)委員 だから、不可思議なレセプトを三枚そこにつけてあるわけですね。
 一枚前を見ていただきたいんです。昭和八年生まれで一昨年には六十七歳だった人が、やはり四部位の負傷なんです。これはおかしなことに、最初の負傷は十二月五日、二つ目が十二月二十一日、残り二部位が翌年一月三日なんです。けがをして治療中なのに、次々にけがを重ねる。こんなことがあり得るのかということです。
 厚労省が一昨年十月に柔整師のレセプト五万枚を抽出して調べたところ、三部位以上の人が三〇・八%、四部位以上が八・七%で、合計全体の三九・五%にも上った。三部位以上というのは九八年度に二八・四%、四部位以上が四%でしたから、この間に大きく三部位、四部位が伸びたと言わざるを得ません。
 私に訴えてきた柔整師の方も、階段から転げ落ちるようなことでもなければ体のあちこちを捻挫したり打撲するなんてあり得ない、本当は月に一、二件がせいぜいと述べております。結局、これほど多部位のけががふえているというのは、これらのレセプトで明らかなとおり、不正請求がふえたためということではないのか。
 大臣は、本当に国民の中に三カ所も四カ所もけがをする人がふえてきているとお思いになりますか。
坂口国務大臣 これを見て、そして三部位、四部位あるから、これは全部間違いだというふうに言い切ることもできない。それは、そういうことだって中にはあるんだろうと思うんですね。ですから、例えばこれですと、十二月の五日なり二十一日なり、十二月に二カ所捻挫をして、それで年が明けてから足を引きずって歩いておったらまたこけてということだってそれはあり得ますから、全然これはない、これは間違いだというふうに言い切るわけにもいかない。
 しかし、今おっしゃるように、どのカルテを見てもみんな四カ所も五カ所も捻挫するように書いてあるということは、通常考えると、それは少しおかしいんではないかというふうには思いますけれども、一つ一つの例を見せられて、これが本当かどうかと言われたって、それはなかなかちょっと答えにくい話でございます。それは医療の問題でもそうでありまして、これは本当かどうかと言われたって、それは第三者から本当とも違うともなかなか言えない話でございます。
小沢(和)委員 だから、告発してきた柔整師の人も、月に一件や二件はこういう例はあるでしょうと。階段から転げ落ちたりしたような場合にですね。それがたくさんあるということ、それを私はおかしいじゃないかというふうに言っているわけです。
 初診から三カ月を超えて治療を継続する場合には、一昨年から長期理由書が求められるようになりましたが、これについても、配付した資料三、五、六枚目にありますが、大阪府柔整師会などは、レセプトが通りやすいように、「症状、経過の例文」なるものを作成して配付し、「長期理由書は患者の症状のみではなく、経過に応じた治癒遷延と継続の場合は治療効果が期待できることを文章とするようにし、資料の短文を全て書き写すことないように願います。」と御丁寧な説明をつけているわけであります。
 驚いたことに、レセプトに長期理由を書き込むためのコンピューターソフトまで販売されているんです。それが次の資料四、七枚目であります。
 こんなやり方で療養費を少しでもふやそうと悪知恵を絞っているのを放置しておいてよいのか、お尋ねをします。
真野政府参考人 大阪府の柔整師会の先生がお示しの文書を、私どもも、申しわけございませんが、きょう初めて見させていただきました。
 当然、長期の場合に、その理由を書いていただくということの際に、その表現ということでつくられたのだというふうには思いますけれども、私どもが長期で必要としておりますのは、通常、捻挫等の場合に、三カ月を超える治療というのは普通はそう多くはないということから、その理由を記入していただいているわけでございまして、その実態並びにその状態をきちんと書いていただくように指導したいというふうに思っております。
小沢(和)委員 だから、きちっと書いてくれというのはいいんですけれども、自動的に書けるようにそういうソフトまで販売してやっているというようなことについて、放置していいんですかということを私は問題にしているわけです。
 こうしたことが蔓延している背景には、先般来本委員会で指摘されてきたとおり、木村副大臣を初めとする自民党の有力議員との、政治献金や選挙での支援を通じた癒着関係があると言わざるを得ません。
 香川県整骨師会は、整骨師政治連盟を結成し、会の代表者がそのまま政治連盟の代表者も務めておりますが、そのほかに木柔会、藤柔会、大柔会などという政治団体をつくっております。いずれも、代表者、会計責任者が県整骨師政治連盟と同じです。
 最初のが、既に先日の本委員会で紹介したとおり、木村副大臣の分ですね。二番目のが藤本孝雄元厚生大臣、三番目のが大野功統衆議院議員を支援するための柔整師の会で、これらの会を通じて県政治連盟からの政治献金も渡っております。香川県選管に行ったところ、パーティー参加費の支払いも行われており、木村副大臣は、九九年から二〇〇一年までに計百万円を県整骨師政治連盟に購入してもらっております。同連盟の政治資金収支報告書でわかったパーティー参加費支払い額と二〇〇〇年の政治献金の額などを、資料一、最初のページのところにまとめてあります。
 また、香川県整骨師会の会報も調べてみましたが、木村副大臣は、支部レベルの総会や忘年会にまで欠かさず参加しておるではありませんか。県整骨師会の幹部から聞いたところ、木村さんを応援するようになったのは、九七年に県当局が療養費請求について個別指導の強化を図ったことに対して、余りやらないよう働きかけてほしいとお願いしたところ、うまくやってくれたからと述べております。現に、この年、九七年十二月に、木村議員は県整骨師連盟から五十万円を献金されております。
 木村副大臣にお尋ねしたいんですが、私の秘書が香川県に直接出向いて調査したことでわかったことは以上のとおりですが、間違いありませんか。
木村副大臣 政治献金やパーティーによるそういう政治献金等は、しっかり適正に処理をさせていただいているところでございます。
小沢(和)委員 だから、そのせりふはこの前から聞き飽きるぐらい聞いておるわけですよ。だから、今度は私どもは新しい事実も調べてきて、パーティー券を買うてもらっておるというようなことも今度はわかったんですが、そういう調査結果についてあなたに確認していただきたいが、間違いありませんかとお尋ねしているんです。
木村副大臣 政治献金やパーティー券による収入等につきましても、政治資金規正法にのっとりまして適正に処理をしているところでございます。
小沢(和)委員 だから、私は、では、あなたが否定はできなかったというふうにそれを承って、先に進みたいと思います。
 これは香川県だけのことじゃないんですね。調べてみたら、大阪府柔道整復師会の関係でも、塩柔会というのをつくって塩川正十郎財務大臣を支援しております。大阪府柔道整復師会の広報にも、資料一、表紙についておりますように、塩柔会会長の大臣就任祝いのあいさつが載っております。会のホームページでは、会長がわざわざ塩川大臣の自宅まで上がり込んで陳情している写真を公開し、その親密ぶりを誇示しております。
 大臣にお尋ねしたいんですが、このように、業界が政治連盟のほかにわざわざ個々の自民党議員を支援する会をつくり、政治献金やパーティー券購入等で癒着を深め、行政への働きかけを要請する、こういう実態が柔道整復師の療養費不正請求が横行する背景になっているのではないか。これを正すことが本当に緊急の政治課題だとは思われないか、お尋ねをします。
坂口国務大臣 政治献金と捻挫の数は関係ないと私は思いますね。そんなことは関係ない。政治献金は、これはどの政治連盟ともやっていることでございますから、そのことそのものが悪だというわけでは決してないと私は思います。
 ただし、各団体とも、正すべきところは正していかなきゃならないことは事実でありまして、先ほどから御指摘になりますように、どのカルテを見ても捻挫の数が四つも五つもあるというのであれば、それはちょっとおかしいんではないかということになるだろうというふうに思いますが、しかし、そうしたことはみんな一遍見てみないとわからない話で、きょう挙げていただいた例が、その中で数の多いのを持ってきてもらったんだったら、それはどうにもこうにもならないわけでありまして、全体として、全体の中で一体どうかということを見ないとわからない、そういうことだと私は思います。
小沢(和)委員 大臣は公明党の出身です。野党時代の公明党はもう少し政治献金について厳しい姿勢だったと私は思うんですが、今のように、自民党がこれだけお金をもらっているという事実を私が指摘してもそれを擁護するような姿勢ということは、本当に残念だと思います。
 この際、労働関係でもお尋ねをしておきたいと思います。
 その一つは、第一交通産業による徹底した労働条件切り下げ、労働組合つぶしなどを常套手段とするタクシー事業の全国展開を放置しておいてよいのかという問題であります。
 第一交通産業は、もとは私の地元、北九州市の中小タクシー業者だったんですが、あっという間に北海道まで全国各地にグループ企業網をつくり上げ、今やタクシー五千台を超える日本最大のタクシー業者にのし上がりました。私が問題にしたいのは、その余りにもえげつないやり方であります。
 企業を買収するや、まず、どこでも身分一新と称して全員を解雇し、会社が提示する大幅賃下げを認めた者だけを再雇用する。労働組合との協定などはすべて一方的に破棄し、組合活動そのものを認めない。労働組合を脱退しない者は、毎朝、どんなに寒くても暑くても、業務指導と称して屋外で長時間の点呼、朝礼を行うなどの嫌がらせを行い、特に組合幹部ねらい撃ちで懲戒解雇をする。これでも組合つぶしができないときは、今大阪の佐野第一で闘いになっておりますように、会社の偽装倒産まで強行する。
 このような不当、不法に対し、裁判所での違法との判決、行政機関による摘発が相次いで行われておりますが、なかなか是正しようとしません。このような悪徳業者がタクシー業界のトップにのし上がり、さらに事業を拡大し続けることは、そこで働く労働者の生活と権利を脅かすだけでなく、国民の交通安全にかかわる重大問題としても看過できません。
 今日まで、第一交通グループが全国で労働基準法、道路運送法、労働組合法などにどれくらい違反してきたか、行政として第一交通グループが極めて悪質な企業であると認識して対応しておられるかどうか、お尋ねをします。
松崎政府参考人 まず一点目でございますけれども、個別の事業場、この第一交通産業につきましての労働基準法違反等の状況でございますけれども、これはもう従来からお許しいただいておりますように、個別の事業場に係る問題でございますので、答弁は差し控えさせていただいております。
 いずれにいたしましても、現場の監督機関におきましては、基準法等、労働基準関係法令の違反が認められた場合には早急に指導監督を行いまして、必要な是正指導を行っているということでございます。
 また、不当労働行為の問題でございますけれども、これは全国各都道府県の地方労働委員会におきまして救済申し立てがなされていると思いますけれども、これは所管外でございますので私ども把握する立場にございませんが、いずれにしましても、この問題につきましても、個々の申し立てにつきまして各地方労働委員会におきまして適切に対応しているというふうに考えております。
小沢(和)委員 私は、そういう答弁は絶対認めることはできません。
 なぜ個別企業のことだったら答えられないのか。今まででも、それが国政上の重要な問題である場合は、個別企業のことでも当委員会でどんどん議論され、当局も答えてきました。私は、日本のタクシー業界が法を全く無視するような悪徳企業によってじゅうりんされようとしている、そういうことを許してよいかと質問しているんです。個人のプライバシーにかかわるようなことを答えろというようなことを言っているわけじゃないんですね。重ねて答弁を求めます。
松崎政府参考人 この個別の企業名を出すということ自体が、これはもう先生御案内のように、名前を公表するということ自体が一つのペナルティーといったことにもなるわけでございまして、私ども労働基準監督機関におきましては、違反状況といったものを将来に向かって是正していくというのが第一の目的でございます。したがいまして、天下に名前を知らしめてペナルティーを科すということは次の手段でございまして、第一の手段ということで是正指導を行い、それがきちんと遵守される以上、名前を出さないということにしております。
小沢(和)委員 是正するために名前を出さないというのは、まことに不思議な話なんですね。一番効果があるのは、日本じゅうにこういう悪徳企業がひどいことをやっているということを知らせることが、是正することになるんじゃないですか。
 私が自交総連本部からいただいた資料によると、昨年二月以降の道路運送法違反、具体的には運輸規則二十一条、運転者の過労防止義務違反で処分された第一交通グループ企業は、全国で七社八件あります。これはいずれも問題企業に対する重点監査によって摘発されたものであります。
 国土交通省は、昨年二月の法改正を機に、各運輸局ごとに処分された業者名や処分内容を公表して、国民だれもがこれを知ることができるようにホームページで公表しているんです。それなのに、同じ国の役所である厚生労働省は、国民に公表することはおろか、国会で質問されても、個別企業にかかわるということを理由にして答弁を拒否する。余りにもこれは差があるんじゃないですか。国土交通省が公表できて厚生労働省は公表できない、こんなばかな話がありますか。
 委員長にお願いしたいんですけれども、こういう答弁拒否がまかり通るということは、私は国会の権威にかかわると思うんですね。ぜひ答弁させてください。
松崎政府参考人 ほかの法律制度のもとにおいては私は存じませんけれども、労働基準法違反また労働安全衛生法違反、こういった問題につきましては、従来からお答えしてございますように、その目的といいますのは、安定的な労使関係というもののもとで、将来的にそういった各労働基準関係法律の違反状況というものが起きないようにといったことを確保するということが最大の目的でございます。
 したがいまして、言い方はちょっと失礼かもしれませんけれども、見せしめ的に名前を公表するよりも、きちんと是正指導を行うといったことに重点を置いて行っているというのが私どもの労働基準行政のやり方でございます。
小沢(和)委員 だから、名前を伏せてこっそり指導するということが本当に是正をすることになるんですか。そういう悪徳企業については、社会的にも名前をはっきりさせることによって是正せざるを得ないように国も追い込んでいく、これが私は正しい姿勢じゃないかと思う。あなたが考えているのは全然間違っているんじゃないかと思いますが、重ねて答弁を求めます。
松崎政府参考人 労働基準法の是正のやり方については今申し上げたとおりでございますけれども、ただ、非常に悪質なといいますか、例えば是正指導に応じないとか、また、違反を是正したけれども繰り返して行うといったような場合、そういった場合には、御案内のとおり、司法処分ということで送検を行っております。また、場合によって、証拠隠しといったことがある場合には、新聞等でも一部報道されましたように、強制的な家宅捜索といったことを行っておりまして、そういった悪質なものについては、その都度、必要に応じて発表はしております。
 したがいまして、一番ひどいところについては発表しておりますけれども、是正していくという段階におきましては、名前を出して見せしめ的なものは行っていないということでございます。
小沢(和)委員 残念ですが、時間がありませんので、このことについては一両日中に質問主意書を出して、さらに詳しくお尋ねをするということにいたしたいと思います。
 もう一点だけ指摘しておきたいのは、第一交通産業からも、自民党の有力国会議員に多額の献金が行われているということであります。
 私が調べたのは、一九九五年から二〇〇一年までの七年分でありますが、第一交通産業の本拠地、北九州市小倉などを選挙区にしている自見庄三郎衆議院議員は八百万円を献金されております。このほかに、九州出身の有力者である山崎拓衆議院議員に三十六万円、運輸大臣経験者でもある古賀誠衆議院議員に百九十万円、江藤隆美衆議院議員に百四十八万円など、合計千百七十四万円が献金されております。
 今、柔道整復師業界と自民党国会議員との癒着を指摘したばかりですが、第一交通産業の問題でもこのとおり同じ構図であります。こういう業界と議員の癒着で行政をゆがめる構造を正すということが緊急の課題だということを重ねて強調しておきたいと思います。
 時間がありませんから先に進みますが、労働関係の二つ目として、最近の鉄鋼産業における重大災害の続発についてお尋ねをします。
 去る七月十一日、私の地元、北九州市の新日鉄八幡製鉄所製鋼工場で、とりべが転倒して千六百度を超える溶鋼百二十トンが流出し、その直撃を受けた三名の労働者のうち一名が死亡するという重大事故が発生しました。ことしになって半年余りの間に、新日鉄八幡では死亡災害が三件発生しました。この機会に、亡くなった人に心から哀悼の意を表します。
 八幡だけでなく、鉄鋼業は、ここ数年重大災害が続発しております。二〇〇〇年に九件だった死亡事故が、二〇〇一年には二十二件、二〇〇二年には二十四件に急増しております。余りのことに、昨年十月、鉄鋼業を管轄している経済産業省が、保安体制の強化について、鉄鋼連盟に対し緊急の要請を行いました。しかし、その後も重大災害が続いており、本年五月初めまでに十件を超えました。昨年を上回る多発ぶりに、厚生労働省も五月十二日、労働災害防止対策の徹底について重ねて鉄鋼連盟に要請するに至りました。
 このような一つの業界への安全確保のための要請が特別に行われたのは十数年ぶりのことだと聞いておりますが、間違いないでしょうか。それだけ事態が重大だと政府自身が認識しているというふうに私は受けとめますが、そうでしょうか。
松崎政府参考人 十数年ぶりかどうかということは正確には記憶しておりませんけれども、特定の事業者団体につきましてこういうふうに行ったということは、最近では余り記憶はございません。
小沢(和)委員 だから私は、それだけ重大な事態だと認識しているんですかということもお尋ねしたんです。まあ、それはそういうふうに受けとめておられるというふうに確信します。
 お尋ねしたいのは、今回の要請の中で、それだけの重大事態にふさわしい安全対策が提起されているのかということであります。
 要請されている四項目のうち二つは、安全管理体制の充実強化と安全教育の徹底ですが、これは結局、職場の労働者にもっと安全に気をつけて働けというこれまでの安全運動の繰り返しではないでしょうか。
 鉄鋼業での今日の重大災害多発は、私の考えでは、一九八〇年代から二十年も続く徹底した人減らし、コスト削減のために、多くの仕事がひとり作業となり、技能の継承も十分に行われず、機械の点検、補修もぎりぎりまで手抜きされているところから起こっていると思います。職場では、食事も落ちついて食べられない、年休もとりづらくなって、人間らしい生活が崩されてきている。こういう根本的なところにメスを入れることなしには、幾ら労働者に気をつけろと呼びかけてもどうにもならないのではないでしょうか。現に、昨年から経済産業省、厚生労働省が立て続けに安全対策強化を要請しても、災害続発に一向に歯どめがかからないということ自身が、従来型の対策の無力を証明していると思います。
 今こそ安全対策の根本的な再検討、転換が求められているのではないかと思いますが、いかがですか。
松崎政府参考人 御指摘のように、例えば経済情勢がどうであれ、また各企業の状況がどうであれ、やはり職場における労働者の安全衛生といったものは一番事業者が守らなきゃならない第一のものだというふうに私ども考えております。
 そういった考えに基づきまして、従来からこうやって、いろいろな職場の安全衛生、そういったものにつきまして、必要な監督指導、また労働災害防止団体等、そういった団体を通じましての指導といったものを行っておるわけでございますけれども、確かに、最近における心配というものは御指摘の点があろうかと思っております。
 特に、技能の伝承といいますか、そういった熟練技能の伝承というものが途絶えかねないということ、さらに現場において、やはり安全衛生についての専門家といったものが例えば退職した場合になかなか補充し切れないといいますか、その安全衛生の専門家といいますか従事しておった熟練した方、そういった方のノウハウというものがなかなか組織の中に残っていかないといったような問題もあろうかと思っております。
 そういったことで、やはりどういうふうに組織が変わろうと、また人がかわろうとも、職場の中におきます安全衛生の管理システム、そういったものがきちんと生き残るようにといったことで、マネジメントシステムという経営手法を応用しました安全衛生に関しますマネジメントシステムといったものを推奨して、こういったものの定着に今努力しているところでございまして、こういったことによりまして、どういった時代、どういった構成になろうとも、職場における安全衛生というものが脈々と引き継がれるといったことをきちんと確保していきたいというふうに考えております。
小沢(和)委員 鉄鋼の安全対策についても近く質問主意書を出すということを予告して、最後に、自衛官の自殺問題についてお尋ねをいたします。
 最近私が驚いたのは、新聞に自衛官の自殺が増加していると報じられたことであります。すぐ防衛庁に実情を伺ったところ、お手元に配付しております資料の五、最後のページの分をいただきました。
 これで明らかなとおり、ここ十年間で六百一名もの自衛官の自殺が出ております。一九九三年度、四十四名だったものが、ほぼ年ごとに増加し、昨年度は過去最高の七十八名に達しております。今年度は既に二十九名になり、下手をすると百名を超える勢いであります。
 きょうは防衛庁にも来てもらいましたが、こんなに自殺者が多くなっている原因は何か。社会全体では、不況の長期化、深刻化による不安の増大が自殺激増の背景にあると思いますが、自衛隊に特有の問題は何か、お尋ねをします。
宇田川政府参考人 自衛官の自殺についてのお尋ねであります。
 過去十年で見ますと、平成八年度までは、御指摘のようにおおむね四十名から五十名程度でありましたが、平成九年度以降においてはおおむね六十名から七十名前後であり、平成十四年度は御指摘のように七十八名に上りました。
 自殺の原因についてであります。病苦、借財、職務、家庭、その他不明という分類を行っておるところでありますが、過去十年で見ますと、各年度とも最も多いのがその他不明であります。二番目に多いのが借財であります。三番目以降は年度によって異なります。
 このような自衛官の自殺でありますが、これは、隊員個人及び残された家族にとって不幸なことであると同時に、有為な隊員を失うことは組織にとっても大きな損失であり、極めて残念なことであります。その防止に最大限努力する必要があると考えているところでありますが、自殺防止のためには、その傾向と原因を明らかにして対応する必要があります。
 ところが、今申し述べましたように、その他不明というのが大変多うございます。なぜこうなっているかというと、自殺者のプライバシーにかかわる問題でもありまして、従来から、部隊の人事担当者等がごく限られた情報に基づき原因を推定してきたということがもとになっていると思います。
 このため、現在、私どもとしましては、自殺事故が生起した部隊から要請があった場合に、自殺事故の拡大防止と自殺事故の要因分析のために、アフターケアチームというものを派遣しております。精神医学とか心理学の専門家を含むチームでありますが、このチームによる詳細な要因分析を今実施しているところであります。
小沢(和)委員 防衛庁が二〇〇一年度までの三年間で試算したところ、三十代前半の自殺者は、一般男性が十万人当たり二十八人に対して、自衛官は三十四人と大きく上回っているとの結果が出ております。一般的には、自衛官は普通の労働者より地位も生活も安定していると思われるだけに、自衛官の方が自殺率が高いということは重大だと思います。
 実は、今回私がこの問題を取り上げることにしたきっかけは、九九年に護衛艦での勤務中に自殺した海上自衛官の母親からの訴えを受けたことであります。その母親は、自殺の原因は艦内での上官からのいじめだと主張しております。しかし、海上自衛隊側はこれを認めず、自殺者本人の任務と能力のギャップが本人を苦しめたものと決めつけたために、裁判の場での争いになっております。
 私たちも独自に自衛隊関係者への聞き取りを行いました。ほとんどの人が身の回りで自殺事故に遭遇しており、例外なく、自衛隊独特の上下関係を背景にしたいじめの存在を指摘しておりました。ある自衛官は私たちに、自衛隊は黒いものでも上が白と言ったら白になる世界、上下関係は他の世界にないくらい厳しいと訴えました。
 このような自衛隊独特の上下関係を背景にしたいじめを根絶することなしに、自殺の多発、増加を食いとめることはできないのではないかと思いますが、いかがですか。
宇田川政府参考人 二点御質問があったと思います。
 平成十一年十一月八日に「さわぎり」で起きた自殺の話が第一点だと思います。
 この平成十一年十一月八日に「さわぎり」で起きた自殺の件でありますが、これにつきましては、遺族から当該自殺の原因がいじめであったというふうな訴えがありましたので、佐世保地方総監部は、この総監部の幕僚長を委員長としました事故調査委員会を設置しまして、自殺の原因等について調査を実施したところであります。
 自殺の原因については、職務上の上司、同僚等部隊関係者、本人の身近な関係者から事情聴取を行い、自殺者個人に関する要因、教育訓練、指導に関する要因、服務規律に関する要因等、多方面からの調査を行ったわけでありますが、遺書等もなく、自殺原因を特定するには至りませんでした。
 また、いじめの件でございます。
 自衛隊において、特にいじめについての定義はございませんが、過去十年間に、上位の階級にある者が部下等に対して指導の範囲を逸脱して暴行を行ったという、いわゆる私ども私的制裁と呼んでおりますが、これに関して懲戒処分を行った例は七十五件はございます。
小沢(和)委員 防衛庁も自殺の問題を重視して、二〇〇〇年十月には自衛隊員のメンタルヘルスに関する検討会からの提言を受けております。その上で、自衛隊の全組織を挙げてメンタルヘルスを重視し、これに取り組むことになっていますが、その中心は指導的立場にある上官の研修に置かれています。服務指導組織には相談しにくい悩みをサポートする窓口としてカウンセリング体制を充実することになっていますが、先日、防衛庁から聞いたところでは、このカウンセリングは、結局、研修を受けた先任曹などの上官が行うことになっていると聞いております。
 これでは、服務指導組織には言えないような悩みをその服務指導組織に相談しろということになる。こういうことでは、本当に悩みを解決できないのではないか。結局、提言等を受けても、自衛隊内の指揮系統に沿った絶対的な上下関係が損なわれるのを嫌って、カウンセリング体制が十分にできていないのではないでしょうか。こういうやり方に限界があったことは、七月からカウンセリング会社に外部委託しての電話相談を開設したことでも明らかです。
 この際、指揮系統とは無関係に、上官からのいじめのような問題でも相談できる、部外を含めた第三者によるカウンセリング窓口の確立やサポート体制の充実を図るべきではないか、お尋ねをします。
宇田川政府参考人 現在の防衛庁におけるカウンセリング体制、これは、この前電話相談を入れましたが、二つに分かれております。部内カウンセラーと部外カウンセラー制度であります。
 今先生の御指摘は部内カウンセラー制度のことだと思いますが、自衛隊の駐屯地、基地等では、カウンセリング教育を受けた隊員をカウンセラーに指定したり、人事相談室にカウンセラーを配置して隊員の相談を受ける、こういうような部内カウンセリング制度を導入しておりますが、この部内カウンセリング制度を行っていますカウンセラー、必ずしも指揮系統だけではございませんで、その指揮系統を離れた人間も相談するとか、そういうような形式になっておりますので、必ずしも御指摘のように指揮系統に相談するという制度にはなっておりませんし、また、部外の方も招聘しましてカウンセリングをやっていただいていますので、この部外カウンセリングについては指揮系統とは全く外れた組織になっております。
小沢(和)委員 最後に、自殺した自衛官の処遇についてもお尋ねをしておきたいんです。
 私は、自衛官は特殊な立場の国家公務員であり、団結権も団体交渉権も一切認められない、最も弱い立場の労働者であると思います。この自衛官が厳しい訓練と独特の上下関係に耐えられず自殺に追い込まれた場合、この自殺の業務起因性は明白であり、一般の労働者であれば労災による死亡と認定すべきケースが多いのではないかと思われますが、そのような扱いはされているのか。もしされていないのであれば、今後、そのような扱いに改めるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
宇田川政府参考人 防衛庁職員の公務上の災害のあった場合でありますが、これは国家公務員災害補償法が準用されまして、一般職の国家公務員と同様の公務災害補償が行われております。
 自衛官が自殺した場合でございます。
 一般論で申し上げますと、自殺は、基本的には、故意にみずからを死に至らしめた自損行為となりますので、原則として公務上の災害とは認められないということになるわけであります。しかしながら、業務に関連して過重な負荷を受けたために精神疾患を発症し、この疾患に起因して自殺に至ったものと認められる場合には公務上の災害に該当することとなりまして、これまでも公務災害補償の適用について適切に対応しておりますし、実際に適用した例はございます。
小沢(和)委員 適用した例があるというお話ですけれども、実態としてはどれぐらい適用しているか、もう一度お尋ねします。
宇田川政府参考人 これまで防衛庁におきまして自殺を公務災害に認定したのは二件ございます。ただ、認定された個々の事案につきましては、個人のプライバシーにかかわりますもので、お答えすることは差し控えさせていただきます。
小沢(和)委員 これで終わりますけれども、先ほど私申し上げたように、この間に六百人以上の方が亡くなっている。そういう中には、私、今言った業務起因性を認定できるケースがもっとずっとたくさんあるはずだと思うんです。ぜひ今後その運用の改善に努力していただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
中山委員長 次に、阿部知子君。
阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
 冒頭、坂口厚生労働大臣に、先ほど小沢委員がお示しくださった資料の一部を用いて、追加の質問をさせていただきたく存じます。これは通告外ですので、あえてお許しください。
 きょう、小沢委員がわざわざ御提示でございますこの柔道整復師関係の療養費の支給問題でございますが、私も大臣も通常のいわゆる西洋医学の医者でございますので、余りこのような療養費のシートというのも見たことがない。私もないですし、大臣も余りないと思われますが、大臣にあっては、この表を見まして、患者さんというか施療を受けた方が窓口でお支払いされる分と、それから、一番下に書いてございます委任欄で委任して、結局はこの施術された方に入っていくお金との明細、御理解がつきますでしょうか。恐縮ですが、一問お願いします。
坂口国務大臣 ちょっと今おっしゃったことが十分に理解されておりませんが、先ほど小沢委員が挙げられました例えば八十歳の女性の場合でありましたら、請求金額が三万四千五百円、そしてその一部負担金が三千二百円、ここのところの話でしょうか。(阿部委員「そうですね」と呼ぶ)
 それで……。
阿部委員 窓口でお支払いになる分がお幾らで、そして、実はこの施療を受けた方は、自分の施療にかかわって、全体幾らの出費が行われたかということを確認する手段がないんだと思うのです。この施療全体にかかわる費用は恐らく三万四千五百円で、これは施療者から療養費の担当部署に請求がある。窓口では多分三千二百円をお支払いと思いますが、この表はそのように理解してよいか。
 あえて大臣に伺いましたのは、私は西洋医学ではレセプトの開示という問題を一生懸命やってきまして、やはりお一人お一人が自分にかかった医療費というものを点検していける仕組みが大事だと思うのですが、この療養費制度にあっては、施療を受けた方が御自身の施療費全体をチェックするような情報公開の仕組みがあるかないか、非常に不確かですので、ちょっとあえて質問を追加させていただきました。
坂口国務大臣 これを拝見いたしますと、左側の一、二、三、四というのは、これはかかった日でしょうか、回数でしょうか、それぞれによって額が書いてある。一番右の端に一万一千六百円、一万一千六百円、九千二百八十円、五千二百二十円、これだけ書いてある。これがいわゆるかかった日数、回数なのかどうかということ、ちょっとよくわかりませんけれども、それ以上具体的なことはわからないということですね。
阿部委員 こういう質問をさせていただくのは、実は、柔道整復師の療養費に関しましては、不正請求ということがずっと厚生労働省内でも検討の課題で、それで、先ほど小沢委員がおっしゃられたような三部位とか四部位とか多部位については、おのおの理由を書くというふうに指導がなされてきていると思うのです。
 その一方で、私が一番思いますのは、患者さんにとって、幾らかかった治療なのかがわからない、開示を要求できない仕組みにいまだなっているように私の理解では思います。もし原局の方がおられたら教えていただきたいですが、その開示が進んでいないと、不正請求かどうか、先ほど大臣がおっしゃった、捻挫の数と政治献金は比例するかどうかということも、なかなか実は透明にならないと思うのです。
 昔から言われておりますことは、疾病をあえて言えばつけ加えて、委任状をとっておりますので、後々多く請求なさるということが生じていたのではないかという疑義があって小沢委員がお尋ねだったと思うのです。私がこんなことをつけ加えなくていいのですが、私は、この柔道整復師政治連盟からの政治献金に関しまして、本来はまじめに診療している柔道整復師の方もいっぱいおられる中で、否定的な部分ばかり取り上げられて、逆に何をなすべきかが明らかじゃないとずっと思ってきたんです。
 私は、一つには不正請求をなくす、それから、かかられた患者さんが自分の医療費というのは一体幾らだったんだろうということをきちんと知ることができるシステムをまずつくる、そうしたら、えっ、私はあれで三万四千五百円かかったのと思ったときに、やはりコントロールもきくと思うんです。
 これからの時代は、やはり利用者、よく大臣がおっしゃいます、医療は提供するが、受益者中心に事が進んでいかないと正しい点には到達しないと。ぜひとも、この療養費の開示が進んでいるものかどうか、次期国会でも結構ですし、もう一回委員会があればお尋ね申し上げますので、そのあたりが不正請求の一つのネックになってくると思います。そして、そういうことをあわせて、また柔道整復師の中には、柔道整復師会と別途に接骨師会というのをつくられて、不正請求をみずから点検していこうという流れもございますので、それほどに問題になっている分野だという認識を大臣にも改めて持っていただきまして、事の正しい解決の方向に向かうように冒頭お願い申し上げます。
 もともとの質問の予告の件に関して質疑を続けさせていただきます。
 私はいつもこの季節、必ず千鳥ケ淵のことを取り上げさせていただいております。ことしは、後ろ側にありました納骨堂と前面の納骨堂の一体化の工事が終わりまして、そのことによって大変御遺族にも喜んでいただけましたし、大臣の御裁量でそこまで進んできたことを一つ大きくお礼申し上げながら、一方では、私はせんだって朝日新聞を読んでいて非常に胸を打たれたのですが、イラクで息子さんがサダム・フセイン軍に徴兵されて、米軍によって殺されて、そしてその遺骨をお母さんが捜し歩くというお話でした。最後の最後にたどり着いたのが歯で、この歯が息子のものであるかどうかということを、これまた歯の治療歴を求めて戦火の中を捜し歩いたというお話でした。
 私があえてこういうことを申しますのは、一見平和な時代に生きる私たちは、御遺骨とか戦死とかいう問題に関してドラマの上のことのように考えているが、現実に我が国で起こった戦死、海外戦没者について礼を失した対応がなされていまいか、直していくべき点はないかということでございます。
 本年三月にも私はお尋ねいたしましたが、実は、去年四百十柱、ことし千十三柱が千鳥ケ淵に納骨されましたが、これらは海外で収骨してきたものを集めて一緒に焼くという方式がいまだ継承されております。私は三月段階で大臣から、個別性の識別できるものはなるべく個別で、歯の一つですら、先ほどのイラクのお母さんにとっては我が息子なんだと思うんです、個人なんだと思うんです。それが千十三柱一緒に業火の中で焼かれる。あるいは、集めてきて現地で焼却して、焼骨が足りないからまた焼骨するんだという理由はあっても、なるべく個々に焼骨していただけまいか。本当に、骨片一つでも遺族にとっては一つだと思うのです。
 その点について、今後の大臣のお考えというものと、それからもう一点、遺族から強く申し入れを受けております、私が窓口になっております案件で、再焼骨のところに立ち会わせてほしいと。現地で遺骨収集してもそこに立ち会えない、再焼骨といっても自分の肉親かどうかはわからない、でも、同じように戦争を戦い、亡くなっていって、だれも焼骨を見送る者がいないということが耐えられない、そのような声も多く寄せられています。
 再焼骨に立ち会わせていただくわけにはいくまいか。それからもう一つは、個別性ということを徹底してもっともっと追求していただけまいか。この二点についてお願い申し上げます。
坂口国務大臣 海外で太平洋戦争のときにお亡くなりになりました皆さん方、既に五十有余年の歳月を経ているわけでございます。ソ連におきますように、ハバロフスクでありますとかその他のところで亡くなられた皆さん方がお一人お一人の墓の中に埋葬されている、こういった場合には、そのお一人お一人、お名前がなかなか確定はできないといたしましても、それぞれの御遺骨というものを一人一人日本に持ち帰り、そしてそれをそれぞれおおさめするということ、これは可能でございますし、ぜひそれはそういうふうにしたいというふうに思っております。
 問題は、南方の方で、例えば一つのごうを掘って、その中に多数の皆さん方が折り重なるようにしてお亡くなりになっている、その御遺骨を一体どうするかということだろうというふうに思います。あるいは、それは日本の兵士のみならず、その土地の皆さん方もあるいは御一緒であったかもしれない。しかし、戦争によってお亡くなりになったことだけは間違いがないわけでありまして、その御遺骨に対する尊厳と申しますか、やはり日本にお帰りをいただいて、日本で心を込めて、その皆さん方にそのお気持ちを察しながら御供養を申し上げるということが私は大事だというふうに思っておりますが、たくさんの方が一つの中でお亡くなりになっているようなケースの場合には、それを判別することはなかなか難しい。
 御遺族のお気持ちとしては、一人一人それを選別できれば、そういうふうにお思いの皆さんもおみえでございましょう。しかし、そこはなかなか難しゅうございますので、これは御一緒に焼骨させていただかざるを得ないケースもあるというふうに私は思います。そのことを私は遺族の皆さん方にお願いを申し上げる以外にないのではないかというふうに思います。
 こういう遺伝子の時代になってまいりましたから、一本一本の遺骨、それを遺伝子的に分析をしてということも、それは中には不可能でないケースもあるだろうというふうに思いますけれども、しかし、もうこれだけ風化が進んでおりまして、それすらも不可能になったケースもあるわけでございますから、そこはお許しをいただきたいというふうに私個人は思います。
 しかし、先ほど申しましたように、お一人お一人完璧に遺骨をお迎えすることができる方は、それはそういうふうにぜひしたいというふうに思っております。
 焼骨に対する立ち会いのお話でございますが、これも御遺族のお気持ちとしては、なるほどそういうお気持ちはあるだろうというふうに思います。私も兄をインパール作戦で亡くしまして、やはりあの御遺骨のところへ行きますとそういったことを思いますから、それはやはりそうだろうというふうに思いますが、それが可能かどうかということまで私もちょっと相談をしておりませんしいたしますので、そうしたことを御遺族の皆さん方にもお立ち会いをいただいて、そして処理をさせていただく、処理をするという言葉は適当ではございませんが、焼骨をさせていただくということが可能ならば、そのようにしたいというふうに思っております。
阿部委員 大変に前向きな御答弁、ありがとうございます。
 実は、私は、この件を取り上げて三年間、ずっと原局とやりとりをしてきて、都度、原局サイドからは焼骨には立ち会わせることができないというお答えでした。私は、そうやって遺族が求めるものと厚生行政の間にずれが生じれば、余分な不信感が高まり、悲しみがいやされないと思うので、そこは、どういう形式が可能かということの譲歩はもちろんございますから、なるべく御遺族のお気持ちに沿っていただけるよう大臣の御指導をお願いいたします。
 そして、実は、南方方面で収集されたものでも、ことしは十体、十柱分だけは分けて、DNA鑑定用と思いますが、未納骨で残していただいております。これは、三月に私が質疑いたし、そしてその後DNA鑑定の件が開始されることになったという、双方の、科学の歩みと厚生行政の中でのこの御遺骨をめぐる前向きな取り組みと思いますから、重ねて御尽力を心からお願いするものでございます。
 続いて、労災問題でお尋ねをいたします。
 私は、せんだって、造船業における労災の状況について、実際に造船現場で働く方から少しお話を伺いましたが、そのうちで最も気になりましたのが、昨年度の労災七百四十五件中で、いわゆる転落事故が百八十三件と、約四分の一に上ることです。
 造船業は今、先ほど小沢委員もお尋ねの鉄鋼業と同じように、構造的な不況を抱えて、大変に現場労働者も高齢化しており、全体の業務量も少ない人数でやらなくちゃいけないという幾重のしわ寄せを受けておりますが、転落事故と申しますと、高いところからの転落ですので、死亡にも結びつきやすいと思います。
 それで、私が労働基準局にお伺いしたいのは、どのような体制でこの労災、転落事故の防止に取り組んでおられるか、御答弁をお願いします。
松崎政府参考人 御指摘の労働災害におきます転落、墜落事故でございますけれども、これは造船業に限らず、全体としても非常に多いわけでございまして、特に高所作業が多い、また仮設物が多いといったことから、建設業でございますとか、また造船業において非常に比率が高くなっております。
 こういったことで、私ども従来から全体対策におきましても、この墜落、転落の防止といったことを労働災害防止の重点に置いておりまして、いろいろな対策を講じておるところでございますけれども、具体的には、やはり高いところから落ちるというわけでございますので、きちんとした足場をつくるということ、また、その足場については手すりを設けるということ、そういうことがどうしてもできない場合には、必ず命綱をつけて作業するといったこと、こういったことはすべて労働安全衛生法なりに決められておるわけでございますけれども、なかなかそれが現場におきましては一〇〇%守られておらないといったことから、残念ながらこういった事故が起こっているというふうに認識しております。
 そういったことで、建設業、造船業のように、元方、それから下請、孫請といったいろいろな会社が混在して入っているところにつきましては、そういう現場でございますので、まず、その現場全体を統括いたします元方の責任として、きちんとほかの孫請、下請の従業員の安全衛生につきましても元方の責任者の方に責任を負っていただいて、そうやって現場でトータルとしての安全衛生管理体制をつくるということが第一でございますけれども、それに加えて、やはり一人一人が自分の身は自分で守るといった意識を持っていただく。きのうまで安全だったからきょうも安全だと思うんじゃなくて、やはり原則に返っていただいて、きちんと作業手順なり命綱といったものをつけるといったことをきちっと守っていただくといったことをもう一度徹底するということによって、こういった災害の減少を図っていきたいというふうに考えております。
阿部委員 今御答弁の中にあえてつけ加えさせていただければ、例えば高所作業中の安全監視員の配置という問題も、今、作業部署での人員が少なくなると、安全監視のために下に人を配置できなくなっております。先ほど私がお願いしましたのは、厳しい労働条件下で現場がどうなっておるかということをもう一度再点検していただきたい。そのためには、転落事故をきちんと検証していただくことも大事かと思います。
 あと、ネットが張ってあるかどうかとか、はしごが固定されているかどうか。先ほど、安全さくや手すりの問題は言われたかと思いますが、はしごの固定、監視員、特に下で監視していただかないと、高いところからの転落、お互いにふっとした気の緩みで、危ないという声の一つ、やはり違うと思いますので、これは特に作業の折に部局として注意、検討していただきたい点かと思います。
 引き続いて、MMRワクチンの予防接種被害についてお伺いいたします。
 これまでに御提供いただきました資料で、MMR接種で発生した副作用の被害者は、死亡者を除いて一千七百五十四人、いわゆる任意接種で被害が起きて認定を受けた方を加えると二千七十五人となっておりますが、果たしてこの認定を受けた患者さんたちがその後どのように症状の経過を抱えておられるか。
 例えば子供の場合ですと、幼いころに髄膜炎をやりますと、何年かたっててんかんが出たり、あるいは微妙な部分での発達のおくれが出たりいたしまして、実は、今厚生省がお示しのデータは、認定時に死亡か治療中かあるいは治癒か、認定時だけでございます。もう年月は五年、十年とたってございます。その間の長期フォローはいかがになっておるや、お教えください。
高原政府参考人 委員御指摘の認定時の方につきましては、ほとんどが既に治癒されている、ないしは、現在、年金受給者が四人、死亡一時金の受給者が三人いらっしゃるわけでございますけれども、この人たちについても、数が少ないということもあって把握しておる。
 それから、治癒したというふうな形になっている方が再び予防接種が原因と考えられる疾病に罹患した場合には、申請なさいますと再度医療費の支給が行われるわけでございまして、実体的なサーベイランス体制というふうなものはできているんだろうと思っております。
 しかしながら、御指摘のような、これに必ずしもかかっていないというふうな問題意識というものにつきましては、厚生労働科学研究におきまして、感染症対策の中で予防接種関係の研究も対象としているところでございますので、そういうふうな研究の御希望の方がいらっしゃった場合には、この厚生労働科学研究の中で申請をしていただく、そういうことになろうかと思います。
阿部委員 最後に大臣にお願いしたいのですが、今の高原局長の御答弁は、研究者の中でそういうことがやりたいといった場合に、厚生労働科研費を出しましょうと。私は、逆転していると思うんです。これは国が起こした予防接種禍です。そして、長期の予後ということは、私は国として責任があると思います。やはり国としてきちんとした予後調査に取り組むべく、その姿勢で例えば厚生労働科学研究を募集なさるとか、そういうのが私は筋だと思いますが、その点についてもう一度大臣のお考えを。
 私は小児科医ですから本当に、昔髄膜炎をやったら、何年かしててんかんが出てくる子供たちを多く見ております。ですから、その分だけ不安も強うございますし、それは、患者さんの方から言ってきたら、あるいは主治医が言ってきたらという問題ではないだけの、これは国が認可したワクチンが偽造されて問題を生じた事件でございます。あるいは、期限切れワクチンで被害が生じた。責任問題は、私は、せめて健康の実態調査くらい国が率先して行うべきと思いますが、お考えをお願いします。
坂口国務大臣 予防注射によって被害を受けられた皆さん方が成人されてどうなっているか。
 私も、地元に一人おみえになりまして、今までからずっと、幼児のときからお会いをしてきたわけでございますが、先日、何十年ぶりかに、お父さん、お母さんとお会いをさせていただきました。立派に成長されたと申しますか、もう二十七、八でございますからかなり立派でございますが、非常に卓越した能力をお持ちで、いろいろのことに取り組んでおみえになるようでございますけれども、全人間的に言うならば、全人間的にすべてが正常というわけではない、部分的に非常に能力があるということのようでございます。
 そうした方がかなりおみえになるのではないかと私も思いますが、今御指摘になりましたように、厚生労働省として、今どういう状況にあるかということを把握できるかどうか、ちょっと聞いてみないとわかりませんが、その当時、その障害のありました皆さん方の住所、氏名というものをしっかりと把握させていただいたといたしましても、それからかなり時間がたった後で、住所等もお変わりになっている場合もございましょうし、把握できるかどうか、あるいは、都道府県なり市町村にお願いをして、そこが把握できるかどうか、そんなこともあろうかと思います。
 一遍やってみますと言うだけの自信はなかなかございませんけれども、そうしたことが可能かどうか、一遍ひとつ議論をしてみたいというふうに思います。
阿部委員 ぜひとも前向きにお取り組みいただきますようにお願い申し上げて、終わらせていただきます。
中山委員長 次に、金子哲夫君。
金子(哲)委員 社会民主党・市民連合の金子です。
 きょうは、最後の質問になりますけれども、五十八回目の八月六日がもう間もなくやってまいりますので、被爆者問題について幾つかお尋ねをしたいと思います。
 昨年来、日本被団協が中心になって、今、原爆認定申請が急増しているというふうに聞いておりますけれども、さらには、ことしに入りましてから、各地で認定却下をめぐって裁判も今起こっているという状況にあります。
 ここで私は、被爆者認定問題について、まず最初にお伺いをしたいと思います。
 まずお尋ねしたいのは、援護法の第十条で、医療給付にかかわって、「厚生労働大臣は、原子爆弾の傷害作用に起因して負傷し、又は疾病にかかり、現に医療を要する状態にある被爆者に対し、必要な医療の給付を行う。」というふうに書かれております。「原子爆弾の傷害作用」という言葉が使われておりますけれども、この「原子爆弾の傷害作用」ということについて、厚生労働省としてはどのような理解をお持ちか、まずお伺いしたいと思います。
高原政府参考人 被爆者援護法が制定されておる趣旨にもかかわるわけでございますが、原子爆弾の放射能に起因する健康被害が他の戦争被害とは異なる特殊の被害であるということにかんがみまして、被爆者に対して、一般の戦災者とは異なり、保健、医療、福祉にわたる総合的な援護対策を講じることとされております。
 このため、原爆の傷害作用としては、もちろん爆風、熱線、放射能があるわけでございますが、爆風、熱線による負傷または疾病につきましては、法十条のただし書きに「治癒能力が原子爆弾の放射能の影響を受けているため現に医療を要する状態にある場合に限る。」と明記されているところでございまして、爆風、熱線だけによる負傷または疾病については、放射能の影響でその負傷等の治癒能力が低下していることが明らかでなければ、原爆症として認定できないというふうに考えております。
金子(哲)委員 今、御回答いただいたんですけれども、傷害作用というのは、まず傷害作用ということだけで限定して言いますと、これは、放射能傷害のみならず、熱線、爆風を含めたものを「原子爆弾の」とあえて、この法律上には「原子爆弾の傷害作用」ということですから、今局長が答弁されたように、そういうものを含んで総合的な作用というふうに考えなきゃいけないと思いますけれども、その点はそれでいいんですか。
高原政府参考人 これは原子爆弾ないしは通常爆弾でありましても、共通するような熱線であるとかそれから爆風であるとか、そういうふうなものはあるわけでございまして、そういうふうなものは、やはり被爆者援護法では原子爆弾の放射能に起因する健康被害に着目して立法が行われているわけでございますので、その放射能起因性の健康被害ないしは放射能による負傷または疾病について治癒能力が影響を受けている、そういうふうな状況があれば、これは対象になるわけでございましょうが、そういうふうな放射能の影響がないということであれば、これは対象にはならないのではないかと思います。
金子(哲)委員 つまり、それは複合的なものということで考えるべきだと思うんですよね。
 現在の認定作業の中で、ほとんどの場合、却下のときの理由は放射能の起因ということのみが書かれて、認定却下の文書が返ってきているんですよ。つまり、総合的な原子爆弾の傷害作用全体を検討した結果としての認定却下の理由にならずに、圧倒的多くは放射能に起因しないということだけによってやられていることに大きな問題があると思うんですよ。松谷訴訟などの問題も、複合的な問題ですからそういう状況になっていて、放射能起因のみを取り上げるというのは、根本的に問題があるというふうに私は思っております。
 もっとこの法律に言われているような、「原子爆弾の」と、あえてそこでは、放射能に起因ということではなくて、最初に「原子爆弾の傷害作用に起因して負傷し、又は疾病にかかり、現に」ということが書いてあって、そこの最初の文言の中にはあえて放射能に起因するものという表現はないわけです。「ただし、」ということのみで、後になってそれが出てくるわけでありまして、それを狭く放射能起因だけに限定してとらえてやっていき過ぎているんじゃないかという疑問を私は感じておりますけれども、その点についてもう一度お答えいただきたいと思います。
高原政府参考人 確かに、初めのところでは入れて、それで「ただし、」というところで抜いてある。抜いた形で運用されている以上は、やはり放射能起因性というのはかなり重要な問題であるということだろうと思います。
 それで、放射能の影響でございますが、最新の疫学調査のデータをもとに、死亡及び発生による原爆放射線被曝の寄与リスク、原因確率を出しまして、一定程度、一〇%以上の被害がふえるようなものについては、放射能の影響があるというふうに判定しておるところでございます。
金子(哲)委員 この問題でこれ以上時間がとれないので申し上げておきたいと思いますけれども、私は、今局長もちょっといみじくも言われたように、放射能のみを限定的に見るということはできないと思うんです。総合的にそれがかなり重要な部分を占めるということはありますけれども、この援護法の十条に盛られた精神を生かすとすれば、原子爆弾の傷害作用に起因するという傷害作用の起因という問題について、もっと広げてやはり私は考えるべきだというふうに思っております。
 そこで、そのことと関連をして、これは大臣はお医者さんですのでぜひお伺いしたいと思いますけれども、この認定申請を出す際に、医者の証明というかそういうものを添付して出すわけですね。ところが、申請した人たちから見ると、添付をして出した医者の証明というものが、どうもほとんど一顧だにされていないんじゃないかという気持ちが非常に強いわけです。
 つまり、一番患者とというか申請をする被爆者と身近に長期間にわたっていた人々、そして一番状況もよく知っている人が担当のお医者さんだと思うんですけれども、そのお医者さんが出したそういう申請にかかわる医師の判断というものが尊重されていないように思うんですけれども、その点について、もし大臣のお考えがあればお聞かせをいただきたいと思います。
坂口国務大臣 お出しをいただきました医師の診断書というのはやはり尊重されているんだと思うんですが、疾病と療養の状況、これは医師の意見書として出していただくわけですが、このことと、もう一つは被爆状況と二つで決まっているわけですね。
 被爆状況の中にもいろいろなことがありますけれども、一番この中で重要視されているのは年齢と被爆距離の二つだと思うんです。受けたときの年齢、そして被爆距離、この二つ。そのほか、性別だとか被爆場所でありますとか、遮るものがあったとかなかったとか、いろいろありますけれども、距離とそのときの年齢、そして医師の意見書、大体この辺のところが大きなポイントになっているというふうに思います。
 医師の意見書を出していただいて、それが切々たるものであったといたしましても、被爆距離がうんと離れているというようなのはなかなか私は難しくなっているんだろうというふうに思っておりまして、その三者の間にそれなりの整合性、特に距離との間の整合性があるということがやはり問われているというふうに私は思います。
金子(哲)委員 私は、現実にこの認定審査会の作業状況を見ますと、今大臣もちょっとおっしゃいましたように、確かに距離というものは非常に重要です。重要な問題だと思います。
 しかし、そのことだけが強調されて、そして放射能起因だけが、私もその数字を持っておりますからあれですけれども、そこだけが強調されて、そういう医者の意見書であるとか、それから全体としての傷害作用などにかかわっての審査が十分にやられていないんではないか。そこらに、今回被爆者の皆さんが裁判も訴えざるを得ない状況があるんではないか。
 私自身もそういう相談を受けておりまして、その点は、審査会の中身というのを一遍に変えられないかもわかりませんけれども、やはり一回検討してみていただく。今大臣も言われたように、三つの柱として、現地の医者が出す、担当のお医者さんが出す意見書というものをやはりもうちょっと重視して検討していただきたいというふうに思うんです。
 といいますのは、なぜそんな意見が多く出るかというと、実は、この認定被爆者の数をずっと見てみますと、一九八六年、もう十六、七年前ですけれども、二千四十七人ほど年度末で認定患者がいたんです。その後、申請があり、認定され、却下され、繰り返しをしてくるわけですけれども、大体二千人から二千百人の間に数が一定しているんですよ。例えば、私が厚生労働省からいただいた資料でいいますと、平成五年、九三年は二千五人です。平成十一年では二千八十二人です。
 つまり、予算もありますから、どうもそこの中に実は数が抑えられているんではないか、こういう意見がやはりあるわけです。そして、確かに平成の十二年以降はやや増加をしておりますけれども、これも、平成十二年以降の数字を言いますと、二千百十五人、次の年が二千百八人、その次の年が二千百七十二人です。つまり、平成の十二、十三、十四年度末です。
 実際に申請件数を見ると、平成十三年は六百五十七件、平成十四年度は九百二十四件も申請が上がっています。しかし、奇妙なことに、認定をされている年度末の認定者数は、今申し上げたように、一九八六年からほとんど数に変化がない。二千人ちょっとの数を推移している。これは余りにも奇妙といえば奇妙な数字の一致なんです。
 それは、審査会は正当にやられている、当たり前のことですから、そのことではないとは私は思いますけれども、しかし、現実にこういう数字になると、余りにも機械的な認定審査会がやられているんではないか。そこで、私が申し上げましたように、そういう本当にもっと総合的なことを加味した認定審査というものが実際上行われていくということがないと、どうしても被爆者の皆さんの、申請した人たちの中の不信感が広がっていくと思うんです。
 もうこの質問はこれで終わりたいと思いますが、大臣、もし今の私が読み上げた数字をお聞きになっての御感想があれば、一言お願いしたいと思います。
坂口国務大臣 審査は科学的にやっておるわけでありますから、二千人過ぎたからこれで打ち切りというような、そんなことをやっているわけでは決してございません。
 ただ、もう原爆からそれこそこれも年月がたってまいりましたから、いわゆる本格的な被爆者というのは先にどんどん申請されるわけでありますから、なかなか判断の難しい人がだんだんとふえてくるということは、私はあり得るというふうに思うわけでございます。
 しかし、毎年毎年二千人から二千百人の間に皆入っておるというようなことでは誤解を与えることにもなりますしいたしますから、そんなことを決してやっているわけではないということだけ申し上げておきたいと思いますし、それから、予算があって、予算がなくなるから人数を制限するというようなことは一切いたしません。これだけはここでお約束を申し上げておきます。
金子(哲)委員 ぜひこの問題は、本来裁判で争うべきではなくて、被爆行政の中でできるだけ包含してこの問題を解決していただきたいというふうに私は思っております。やむにやまれず裁判を起こされるわけでありますけれども、今後の認定審査行政の中で、救済が可能な人たちについてはできるだけ救済をしていくという方向をぜひ求めていただきたいというふうにお願いをしておきたいと思います。
 次に、この国会が始まりましてからずっと言い続けてきました在外被爆者問題について、最後になると思いますけれども、また二、三お伺いしておきたいと思います。
 といいますのは、大臣のいろいろ努力もありまして、私ども、在外の被爆者の皆さんから見れば不十分だとおしかりを受けるわけでありますけれども、手当の関係については、日本を離れた後も引き続いて支給をしていくという一定の改善をしていただいたわけでありますけれども、それを三月から行うということでありました。それぞれ今、作業をやっておられると思うんですけれども、私は、きょう質問しておきたいことは、先日説明を厚生労働省からお受けしたんですけれども、どうも作業のテンポが遅過ぎるんじゃないかと思う点があるんです。
 といいますのは、今回の措置で、もし支払いすべき対象があれば過去五年間にわたって支払いを行う、遡及して支払うということでこの措置をしたいということになっておりました。大体、調査によると六百十二名が対象者になっているというふうにお聞きをしております。そのうち、六月末までに相手がわかり、送金口座もわかって送金できた、処理できた件数が五十件しかありません。
 もちろん今、韓国赤十字社との間で、この過去分の支給問題のみならず今後の手当の支給方法について、業務代行を行っていただけないだろうかという協議をされているということでありますから、韓国関係は、今六百十二名と申し上げた数字のうち大体四百名ぐらいだというふうに、これは厚生労働省から先日お伺いしております。
 そうしてまいりますと、大体二百十二名が韓国以外だということになると思うんです。そのうち五十名だということになりますと、百六十名もの方が、いまだ過去の分の支払いができていないということになっているわけですね。これは一体どういう事情によるんでしょうか、ぜひお伺いしたいと思います。
高原政府参考人 出国なさった被爆者に対する手当支給につきましては、これは委員の方にも御報告申し上げていると思いますが、一月末に外務省と、広報周知の方法や被爆者の連絡先、現状の確認方法などにつきまして打ち合わせを行いました。それに基づきまして、在外公館に対しまして広報周知を依頼したわけでございます。
 それから、ただいまのお話にもございましたが、韓国の被爆者の方につきましては、大韓赤十字社に手当支払い事務、これはずっと今後とも……(金子(哲)委員「韓国の方はいいです、時間がないですから」と呼ぶ)はい。
 それから、そのほかのものにつきましては、いつまでにできるかという明確な時期を申し上げるというのは極めて難しいところがございます。これは、連絡先の把握が都道府県市において困難であるという話を大分聞いております。しかしながら、国といたしましても、在外公館等を通じて所在確認に努力して、都道府県市を積極的に支援しまして、できるだけ早く努力してまいりたい、こういうふうに考えております。
金子(哲)委員 大臣、今局長の答弁にありましたように、この援護法の法律上、一義的には都道府県、広島市、長崎市がその事務手続はやらなければいけないということになっているわけです。しかし、現実に、在外にいらっしゃる方が対象だということになりますと、これはやはり国がかなり大使館を含めてやらなければ、確かに一片の周知は行われたと私も承知しております。しかし、もう個別的に、具体的に名前がわかっているわけですから、その方をどう捜していくのかという問題は、国がある程度責任を持って協力してやらなければ、中心的にやらなければいけない。
 といいますのは、例えば亡くなっていらっしゃる方がおられるわけですね。そうしてまいりますと、この亡くなった方のところにも遡及分を払うということになりますと、どうするかといったら、相続人を捜さなければいけないわけですね。第一相続人の方に支払うということになっているわけですね。そんなことまで都道府県や広島、長崎市ができるわけがないんですよ。もし仮に間違って支払ったりしたら、これは担当が大変な問題になるんです。
 私は、これは先ほども言われたように、自治体からも声が上がっているという局長の言葉がありましたけれども、改めて、現在の進捗状況では到底もう間に合わないわけですから、いつまでというようなことをおっしゃっていましたけれども、それではせっかくのこういう措置がいつまでたってもできないということになっていくわけです。それは何人か残るかもわからないけれども、ある程度めどを立てなければ、二百人余りもあるうち百六十人も残ったままだということでは困るわけで、厚生労働省と外務省とで、名前がわかっているわけですから、特に南米、北米の場合は日本国籍を持たれている方も随分多いわけですから、これはやはり国でぜひやっていただきたいと思うんです。
 その点について、ぜひ大臣のお答えをいただきたいと思います。
坂口国務大臣 南米や北米の場合に、在外被爆者の被爆者の会もあるわけですね。ですから、その皆さん方が把握をしておみえになる方というのは、これは把握しやすいだろうというふうに思うんですが、在外被爆者の会の皆さん方も把握をしておみえにならない方をどのようにして捜すかということなんだろうというふうに思います。
 外務省ともよく相談をいたしますけれども、外務省がちゃんとそうしたことも把握しておってくれれば、すべて、米国なら米国におる人の居住を全部把握しておってくれれば、それは捜すことができるだろうというふうに思いますが、それが把握できないということになるとなかなか難しいということになる。一遍、それは相談いたします。
金子(哲)委員 ぜひその点は、今大臣の答弁のとおり外務省と、可能な限りのことをやっていただきたいと思います。今おっしゃったように、逆に言えば、外務省でも掌握できないものは都道府県はなおさら掌握できないということになりますので、ぜひ厚生労働省と外務省との間で具体的な協議をしていただきたいと思います。
 あともう一つ、これはきのうの質問通告で出しておりませんけれども、健康管理手当の期限、更新手続を事実上なくしていく方針を出していただいて、八月一日からでも実施をしたいということを言っていただいて、ぜひやっていただきたいと思うんですけれども、実は、八月分の更新をする際には、もう都道府県の方は、もうそろそろ皆さん今度は八月に更新しなければいけませんよという通知を出す時期になっているんです。
 そうしますと、その人たちはどうするかというと、また健康診断書をとりに行って準備をしなければいけないんです。ところが、八月一日からもうオーケーですよということになると、都道府県はできるだけ早くやってほしいということがある。
 八月一日からの実施ですけれども、実施時期は八月一日からで結構ですけれども、通達をできるだけ早く出していただきたいということと、もう一つは、改めて、どの病気は更新が必要ですということも明確にしていただきたい。今もし案があれば、この時期ですからもうほぼ大体、きょう十六日ですから、もう固まっていなければいけないと思うんですよ。それで、現場で都道府県に裁量をある程度任すということになると、もちろん最終的にはそこになりますけれども、きちっとした明確な方針がないと、現場が非常に混乱をするという問題になると思うんです。
 その点について二つ、早急に出していただきたいという問題と、それからその病名について、今明らかになる範囲で明らかにしていただきたい、その二点。
坂口国務大臣 一つは、早く出せという話。これは、できるだけ早く出すようにいたします。
 それで、あらあら中身は詰まってきております。近いうちに御説明に上がるというふうに思いますが、例えば鉄欠乏性の貧血みたいなものは、貧血は時々によって変わるわけでありますから、こうしたものは三年ぜひお願いをせざるを得ない。現行どおりでございます。それから、潰瘍による消化器系の機能障害、胃潰瘍とかそういうものはやむを得ないと思うんですが、ほとんどのものは五年から無期限に変更するということでございますので、おっしゃったことに大体近づいてきているのではないかというふうに思っております。
金子(哲)委員 時間になりましたから、終わります。
 今大臣がおっしゃっていただいたとおりで、私が申し上げたかったのは、病名をきっちりと限定していただいて、現場が判断しなきゃならない範囲というのをできるだけ狭めていただいて、担当者だれでもわかりやすい指示を出していただきたい。その点を最後に要望して、終わりにしたいと思います。ありがとうございました。
中山委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時十一分散会


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