衆議院

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第2号 平成16年2月27日(金曜日)

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平成十六年二月二十七日(金曜日)

    午後一時五十四分開議

 出席委員

   委員長 衛藤 晟一君

   理事 鴨下 一郎君 理事 北川 知克君

   理事 長勢 甚遠君 理事 宮澤 洋一君

   理事 城島 正光君 理事 三井 辨雄君

   理事 山井 和則君 理事 福島  豊君

      井上 信治君    石崎  岳君

      加藤 勝信君    上川 陽子君

      木村  勉君    木村 義雄君

      菅原 一秀君    竹本 直一君

      棚橋 泰文君    中西 一善君

      能勢 和子君    早川 忠孝君

      原田 令嗣君    平田 耕一君

      福井  照君    三原 朝彦君

      吉野 正芳君    青木  愛君

      泉  房穂君    内山  晃君

      大島  敦君    小宮山泰子君

      五島 正規君    園田 康博君

      中根 康浩君    橋本 清仁君

      樋高  剛君    藤田 一枝君

      古川 元久君    前田 雄吉君

      増子 輝彦君    水島 広子君

      西  博義君    古屋 範子君

      桝屋 敬悟君    山口 富男君

      阿部 知子君

    …………………………………

   厚生労働大臣       坂口  力君

   厚生労働副大臣      谷畑  孝君

   厚生労働副大臣      森  英介君

   厚生労働大臣政務官    竹本 直一君

   政府参考人

   (司法制度改革推進本部事務局次長)        古口  章君

   政府参考人

   (法務省民事局長)    房村 精一君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房長) 鈴木 直和君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房技術総括審議官)       上田  茂君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  岩尾總一郎君

   政府参考人

   (厚生労働省健康局長)  田中 慶司君

   政府参考人

   (厚生労働省健康局国立病院部長)         冨岡  悟君

   政府参考人

   (厚生労働省医薬食品局食品安全部長)       遠藤  明君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局長)            松崎  朗君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局長)            青木  功君

   政府参考人

   (厚生労働省職業能力開発局長)          坂本由紀子君

   政府参考人

   (厚生労働省雇用均等・児童家庭局長)       伍藤 忠春君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    塩田 幸雄君

   政府参考人

   (厚生労働省老健局長)  中村 秀一君

   政府参考人

   (厚生労働省年金局長)  吉武 民樹君

   政府参考人

   (社会保険庁運営部長)  薄井 康紀君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房審議官)           岡島 敦子君

   政府参考人

   (環境省自然環境局長)  小野寺 浩君

   厚生労働委員会専門員   宮武 太郎君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月二十七日

 辞任         補欠選任

  三ッ林隆志君     早川 忠孝君

  内山  晃君     前田 雄吉君

  桝屋 敬悟君     西  博義君

同日

 辞任         補欠選任

  早川 忠孝君     三ッ林隆志君

  前田 雄吉君     内山  晃君

  西  博義君     桝屋 敬悟君

    ―――――――――――――

二月二十七日

 児童福祉法等の一部を改正する法律案(内閣提出第二四号)

同日

 年金改悪反対に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第六二六号)

 同(石井郁子君紹介)(第六二七号)

 同(穀田恵二君紹介)(第六二八号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第六二九号)

 同(志位和夫君紹介)(第六三〇号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第六三一号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第六三二号)

 同(山口富男君紹介)(第六三三号)

 同(吉井英勝君紹介)(第六三四号)

 社会保障制度拡充等に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第六三五号)

 骨髄バンク利用にかかる患者負担金への医療保険適用に関する請願(谷本龍哉君紹介)(第六三六号)

 同(寺田学君紹介)(第六三七号)

 同(小宮山洋子君紹介)(第六七六号)

 同(寺田学君紹介)(第六七七号)

 同(小宮山洋子君紹介)(第六八四号)

 同(寺田学君紹介)(第六八五号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第七〇五号)

 同(上川陽子君紹介)(第七〇六号)

 同(小宮山洋子君紹介)(第七〇七号)

 同(志位和夫君紹介)(第七〇八号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第七〇九号)

 同(寺田学君紹介)(第七一〇号)

 同(櫻田義孝君紹介)(第七二二号)

 国立病院に働く職員の雇用継続に関する請願(佐々木憲昭君紹介)(第六三八号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第六三九号)

 年金・医療・介護等の社会保障制度確立に関する請願(牧野聖修君紹介)(第六四〇号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第六七八号)

 同(達増拓也君紹介)(第七一三号)

 あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律第十九条の改正に関する請願(中川正春君紹介)(第六七四号)

 同(松本龍君紹介)(第六七五号)

 同(後藤茂之君紹介)(第七〇三号)

 同(松原仁君紹介)(第七〇四号)

 同(小坂憲次君紹介)(第七一九号)

 同(田島一成君紹介)(第七二〇号)

 同(松原仁君紹介)(第七二一号)

 同(島聡君紹介)(第七六六号)

 同(松原仁君紹介)(第七六七号)

 保育・学童保育施策に関する請願(高井美穂君紹介)(第六八六号)

 同(上川陽子君紹介)(第七一二号)

 パートタイム労働法の抜本的改正等に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第六九四号)

 同(石井郁子君紹介)(第六九五号)

 同(穀田恵二君紹介)(第六九六号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第六九七号)

 同(志位和夫君紹介)(第六九八号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第六九九号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第七〇〇号)

 同(山口富男君紹介)(第七〇一号)

 同(吉井英勝君紹介)(第七〇二号)

 青年の雇用に関する請願(山口富男君紹介)(第七一一号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第七二三号)

 同(石井郁子君紹介)(第七二四号)

 同(穀田恵二君紹介)(第七二五号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第七二六号)

 同(志位和夫君紹介)(第七二七号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第七二八号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第七二九号)

 同(達増拓也君紹介)(第七三〇号)

 同(山口富男君紹介)(第七三一号)

 同(吉井英勝君紹介)(第七三二号)

 同(石毛えい子君紹介)(第七六八号)

 同(松本龍君紹介)(第七六九号)

 健保三割負担を二割に戻すなど患者負担の軽減に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第七五六号)

 同(石井郁子君紹介)(第七五七号)

 同(穀田恵二君紹介)(第七五八号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第七五九号)

 同(志位和夫君紹介)(第七六〇号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第七六一号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第七六二号)

 同(山口富男君紹介)(第七六三号)

 同(吉井英勝君紹介)(第七六四号)

 年金・医療・介護の制度改革等に関する請願(達増拓也君紹介)(第七六五号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 厚生労働関係の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

衛藤委員長 これより会議を開きます。

 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として司法制度改革推進本部事務局次長古口章君、法務省民事局長房村精一君、厚生労働省大臣官房長鈴木直和君、大臣官房技術総括審議官上田茂君、医政局長岩尾總一郎君、健康局長田中慶司君、健康局国立病院部長冨岡悟君、医薬食品局食品安全部長遠藤明君、労働基準局長松崎朗君、職業安定局長青木功君、職業能力開発局長坂本由紀子君、雇用均等・児童家庭局長伍藤忠春君、社会・援護局障害保健福祉部長塩田幸雄君、老健局長中村秀一君、年金局長吉武民樹君、社会保険庁運営部長薄井康紀君、農林水産省大臣官房審議官岡島敦子君及び環境省自然環境局長小野寺浩君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

衛藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

衛藤委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。北川知克君。

北川委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、先日の坂口厚生労働大臣の所信表明に関しましての質問をさせていただきます北川知克でございます。何分初めての質問になりますので、失礼の点がありますればお許しをいただきたいと思います。

 まず、質問に先立ちまして、このたびの質問の機会を与えていただきました衛藤委員長、そして我が党の先輩、同僚議員の皆様方にまずもって感謝を申し上げる次第であります。そして、日ごろより厚生労働行政に携わっておられます坂口大臣初め皆様方に、改めて敬意と感謝を申し上げる次第であります。

 そこで、まず、昨年の総選挙でも選挙の争点になりました、今国民の皆様方の非常に関心の高い年金制度でありますけれども、この年金制度について、御質問をしていきたいと思っております。

 まず、坂口大臣にお尋ねをしたいのは、このたびの改正案は、昨年の総選挙前に、我が党自由民主党そして公明党、保守新党という三党が、十月十日に衆議院選挙を戦う前に、その衆議院選挙後に取り組む重点政策の一つとして、安心の年金制度の構築という、このことを合意いたしました。

 将来にわたって安心の年金制度を構築するため、基礎年金の国庫負担割合を二分の一に引き上げる、また、年金、医療、介護など社会保障制度について必要な給付を確実に確保する一方、将来にわたる負担を過重なものとならないようにする、特に、実際に費用を負担しサービスを受ける国民の立場から、総合的な視点に立って、安定的で効率的な社会保障制度の構築を図る、こういう政策の合意を見た中で選挙戦を戦ったわけでありますが、この点に今回の改正案というものは沿った内容であるのかどうか、まず大臣にお伺いをしたいと思います。

坂口国務大臣 どうぞよろしくお願い申し上げます。

 今御質問いただきました年金制度につきましては、今お話ございましたとおり、三党合意を基本といたしまして組み立てたものでございます。

 特に、今回のこの年金制度改革というのは、中長期的な展望に立ちまして、そして負担と給付を可能にするためにどうするかということを考えたものでございます。

 その中で、今お話のございましたとおり、基礎年金の国庫負担を二分の一に引き上げる、その道筋も明確にする、あるいはまた積立金の利用につきましても合意をしていただいた、そんな中で、負担と給付、それを今後どのようにすればいいのかということを決めさせていただいたわけでございます。

 このままで、例えば基礎年金の国庫負担を三分の一のままで、そして今のような状況で今後推移をいたしますと、どんどんと負担率が高くなりまして、厚生労働省の計算では、最終的には二六%ぐらいの負担になってしまう、二分の一に引き上げましても二三%ぐらいまでは上ってしまう。それだけ高くなりますと、お若い皆さん方に御負担をいただくのが余りにも多くなり過ぎる。どの辺のところで御辛抱いただくかということをいろいろと御議論をいただいたわけでございますが、最終的に一八・三〇という数字になったわけでございます。

 お若い皆さん方の御負担もある程度お願いをしながら、今度は年金を受ける皆さん方の方も、十分にというところまではいきませんけれども、しかし最低限の生活が保障できる若いときの手取りの五〇%というものを確保するという、まあ、双方のところの歩み寄りによってでき上がったものでございます。そうした案を今回出させていただいて、御審議をいただきたいというふうに思っている次第でございます。

北川委員 ありがとうございます。

 私も、昨年の秋の総選挙におきましては、この連立合意をもちまして選挙戦の中で年金改革というものを訴えてまいりました。選挙の結果は御承知のとおりでありまして、連立与党が過半数を制し、今政局を運営しているわけでありますけれども、本来、選挙戦で訴えた公約を実現していく、昨年秋はマニフェストと言われておりましたけれども、この選挙の公約を守り、そしてこの選挙の公約に近い案をまとめていくのが政権を担っている者の使命であると思っております。そういう点から申しますと、今回の改正案については、政党や政治家が国民の皆様方に信を問うて、その結果において守るという一面を果たしているのではないかと思う次第であります。しかし、一部におきましては、今回の改正案は抜本的でないという批判もあります。

 私は、年金制度は、高齢者の生活の安定を図り、若い世代が将来を考えて安心して生活をしていく上でもかけがえのない役割を果たしていると思います。このような年金制度が、少子高齢化が進行する中におきましても、将来にわたり持続可能で安心できる制度となるようにすることが重要であろうと思っております。

 今回の改正案につきまして、基礎年金の国庫負担率の二分の一への引き上げの道筋や財源を示して、そして負担と給付のバランスがとれるようにするための一つの数値を示すことによって、国民の皆様方に安心感を与えようとする改革であると私は理解をいたしております。

 そして、この年金制度につきまして、より安心できる制度の確立に向けて、厚生労働省や坂口大臣の今後のお取り組みや、今回の年金制度改正の意義についてどのようにお考えになられているのか、大臣の所見をお伺いできればと思います。

坂口国務大臣 大枠のことにつきましては、先ほど申し上げたとおりでございます。

 いずれにいたしましても、年金というのは、財政面で見れば負担と給付、もうそれに尽きるわけでありまして、ここをどうするかということを決めることが一番中心だというふうに思っております。ここが定まらないとほかのことはなかなか決まらない。一番根っこのところの、どのように負担をし、どのようにそれに対して給付、すなわち年金額をお出しをするかということが一番中心であるというふうに思っております。そういう意味で、我々は、ここを抜本改革だというふうに思っているわけでございますが、人それぞれ、抜本改革ということを思っておりますイメージが違うものでございますから、年金につきましてはいろいろの御意見が出るというふうに思っております。

 いろいろの御意見をお持ちいただくということは、これは結構なことでありまして、いろいろの御議論をいただいていいのではないかというふうに私は思っております。そうした中で、できる限り幅広い御議論をいただきながら、そこで、やはりこれしかないんだというものをまとめなければならないというふうに思っております。

 この提案をさせていただきました年金制度、そういう意味では、財政的にも一番基本になりますところでございまして、ここをどう考えるかということが定まらないと、ほかの問題についてなかなか進んでいかない。そういう意味から、この一番中心になりますところをぜひ御理解をいただきたいと思いますし、また御議論をいただき、そしてまとめていきたいと考えているところでございます。

北川委員 ありがとうございます。大臣には、ぜひ今後も、この年金制度を初めといたしまして、厚生労働行政に全力で取り組んでいただきますよう心からお願いを申し上げる次第であります。

 それでは、続きまして、医療の問題につきましてでありますけれども、時代の流れの中で、今まで予想だにしなかった医療の問題というものも起きてきております。先日の新聞報道でもありましたけれども、着床前の診断、男女の産み分け等々、こういう医療の問題が生まれてきております。

 そして、今年度から実施をされます臨床研修医についてでもあります。今までの制度を改めながら、この臨床研修医の制度というものは、アルバイト勤務を初めとして、過酷な中で医療事故が起きてはならない、財政的にも安定をさせた中で一つの病院で研修をしていこう、こういう制度であろうと思っております。

 今後の課題といたしまして、きちっとこういう研修医の方々に、病院側もその条件をクリアしながら、研修医の方と病院側が協調し合いながらこの制度が生かされていくことをお願いをいたしながら、この点につきまして、厚生労働省の今後の対応、そして取り組みについてお考えをお聞かせをいただければと思います。

岩尾政府参考人 医療事故を防止するために万全を尽くしたいと思っております。

 先生御指摘の、新しく医師の臨床研修制度が始まるときに、処遇の問題も含めて、どのように取り組むかということでございます。

 来年度の予算に百七十億円の臨床研修関連の予算を要求しております。その中で、私ども、この研修医の処遇につきましては、厚生労働大臣が臨床研修病院を指定する際に、指定基準に基づいて処遇しているということを確認する、また、その後変更が生じた場合にも、厚生労働大臣に報告していただきたいということを述べております。そして、先ほど言いました予算の補助金の執行の際、研修医の処遇についても報告を受けることとしておりまして、適切な処遇が確保されていないと認められる場合には、是正に向けて必要な指導を行うということにしております。

北川委員 今後、きちっとそういうような対応をしていただきたいと思います。

 では、時間もございませんので、次に、介護保険制度についてお伺いをいたします。

 先日、私ども自由民主党の出張政調会といいますか、出前政調会と言われるもので大阪へ行ってまいりました。それぞれ第一線で活躍をされている方々の意見を聞く会でありまして、その中で、この介護保険制度に現場で携わっておられますホームヘルパーの方々や介護ボランティアで活躍をされている方々から、一つの意見といいますか、今の介護保険制度に対しての矛盾点、当初制度が成立をしたときと今の現状が乖離をしてきているのではないかという話がありました。せっかくある制度であるから使わなければ損である、こういうような話もありました。

 家庭でその親御さんの介護で大変な方々がおられる。お嫁さんやそういう方々のこういう苦労を一つでも少なくし、社会全体で老後を見ていこうということで元来スタートしたわけでありますけれども、昨年の十一月の統計にも、今こういう要介護の方がたくさんふえてきた現状があるわけであります。三百七十四万人。当初スタートをしたときは二百十八万人。もう七一%もふえてきている。この中で、本当に介護が必要である方が受けられているのか。こういう点におきまして、今後とも、やはりきちっとした診断の中で、受給をされる方、そうでない方を見分けながら、本当に必要な方にこの介護保険の制度というものを適用していかなければならないのではないかと思っております。

 その中で、人間の欲望といいますか、際限がないということも言われております。人は、身に一つの病があると、この病がなかったらよかったなと思う。こういう欲望には際限がないわけでありまして、倫理観等も問われるわけでありますけれども、診断の中できちっとした対応をしていっていただければと思っております。この点においても、今後の利用者がふえてきた場合に、また介護保険を治める国との財政的な問題等が生じてくるわけでありまして、今回の年金等と同じような形にならないように、今後もこの制度をより存分に生かしていただければと思っております。

 そして、話は変わりますけれども、先日、私は、今話題になっておりますけれども、「半落ち」という映画を見てまいりました。大臣や谷畑副大臣初め、見られましたでしょうか。委員の方も、見られた方もおられると思いますし、まだの方はぜひ見ていただければと思っております。私は東映の宣伝マンでもありませんけれども、この映画を見ていただければ、厚生労働行政を考えていく上においても非常に重要なテーマを与えてくれていると思っております。人間の生と死というものを考える上で、そして、骨髄バンクの問題やアルツハイマーの問題等々を扱っておりまして、こういう高齢化の中で、アルツハイマーの方々も非常にふえてくるのではないかと思っております。

 この介護保険制度の中で、アルツハイマーを初めとする痴呆の問題をどのように考えていかれるのか、そして介護保険制度がより高いサービスを提供し、高齢者の安心の確立をつくる上においても重要な制度であるわけでありますから、ぜひこの制度を守りながらよりよき方向に持っていっていただければと思っておりますが、この点につきまして、厚生労働省の今後の対応をお聞かせいただければと思います。

谷畑副大臣 北川先生のこの委員会で初めての質問だということでありまして、私も副大臣として初めて答弁をするということで、同じ大阪で育ち、また大学の後輩でもあるということで、非常にうれしく、また頼もしく思っております。

 介護保険制度、スタートいたしまして、平成十二年の四月でありますから、もうかれこれ四年になってくるわけでございます。この介護保険制度、国民の期待も非常に大きかったわけでありますし、そしてこの四年間の中で、この介護保険制度が非常に国民に深く定着をしてまいりました。平成十二年の四月では、高齢者の約十人に一人、一〇・一%が認定を受けたわけでありますけれども、直近におきましては一五・四%、七人に一人ということで、非常に急激にこの保険制度を利用されておる、こういうことであります。これは、私どもにとりましては、保険制度の趣旨からいっても、定着をしたということは非常に大きな行政的効果を上げたのではないか、実はこのように思っておるわけでございます。

 しかし、今先生がおっしゃいましたように、私どもも少し考えさせられる場合があります。例えば、痴呆症の場合でも、その生まれた家あるいは育った家で、できる限り今までと同じ風景で、同じことを精いっぱいその場で自分たちが努力して、家族も見守りながらやっていますと、いわゆる進行度合いが遅くなります。しかし、一たん施設に入所しますと、あれよあれよという間に重度化してしまう。私どもも、身の近くにたくさんそういうものを見てしまいます。それが本当にその人にとってみたら幸せなのかどうか、そういうことも非常に強く疑問に感じるところでございます。

 先生がおっしゃるように、多くこの制度を利用していただくことが非常に大事だし、また、みんなのハッピーのためにも大事だと思いますけれども、そういう点については、確かに、先生が指摘されるように、私どもも非常に懸案事項というのか、そういう問題もあろうかとも実は思っております。

 それで、急激に要介護の度合いが増加したわけですけれども、要介護一だとか、そういう軽度の方も増加をしております。それから、先ほど言いましたように、すぐに進行が進んでいくということでありますから、今後、やはり介護の予防、そしてまたリハビリテーションの充実、こういうことが非常に大事になってくるんじゃないか。

 それと、先生が指摘しました痴呆性の高齢者の対策につきましては、実はますますふえてまいっております。要介護認定者の二人に一人の方が痴呆症だといわれています。痴呆症の場合は、さまざまな方がいられるわけですけれども、できる限り、住んでおった地域、それから、少人数といいましょうか、グループホームだとか、そういうのが一番効果がある、こう言われております。私どもも、そういう意味におきましても、今後ともこの痴呆性高齢者対策の充実ということを、いろいろな角度から検討し、さらに進めていくことが非常に大事じゃないか、実はそういうふうに思っております。

 それと、何と申しましても、この四年間で介護保険制度というのが定着してきたわけでありますけれども、これがさらに定着をし、持続可能にしていこうとすれば、やはり給付と負担というのか、こういう点が非常に大事になろうかと思いますので、私どもも、そういう点もよく推移を見ながら、必ず持続が可能な状況の中で、いろいろな検討を加えていかなければならないんじゃないか、そういうふうに思っております。

 以上であります。ありがとうございました。

北川委員 時間が参りましたので、申しわけありませんでした、雇用対策につきましては、また後ほど同僚議員の方からもお尋ねがあろうと思います。

 最後に、私たち、問題ありますけれども、厚生労働行政というものは、一人でも多くの人たちが健康で幸せに、そして、与えられた環境の中で希望を持ちながら力強く生きていけるよう、今後の坂口大臣初め皆様方のお取り組みをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

衛藤委員長 次に、福島豊君。

福島委員 大臣、また副大臣、大変御苦労さまでございます。

 本日は、社会保障制度改革全般につきまして、重点についてお話をお聞きしたいと思っております。

 まず初めに、年金制度改革の件でございますが、先ほども北川議員からも御質問ありましたけれども、今回の年金制度改革の意義というものは何なのか、そしてまた、抜本改革であると言い得る点はどのような点にあるのか、簡単に御説明をいただきたいと思います。

坂口国務大臣 先ほども北川議員にお答えを申し上げたとおりでございますが、今回の年金改革につきましては、今まで五年ごとの見直しをしてきたということでございますが、その五年ごとの見直しが、いつもそれによって中身が変わってくるということで、そのことに対する不信感が非常に大きかったというふうに思っております。したがいまして、長期的な展望の中でどうあるべきか。長期的な展望の中で負担と給付というものを位置づけさせていただいて、そして、その大きな流れというものをお示しさせていただいたところに今回の意義というものがあるだろうというふうに思っております。

 基礎年金の問題その他もその中に含めさせていただいたわけでございまして、そうした大きな流れの中で、そしてこれから具体的な問題につきましても議論をしていただくことだというふうに思っております。

福島委員 そして、今回の法案におきましては、パート労働者への厚生年金の適用の問題については五年後を目途に検討するということになったわけでございまして、残された課題もあるわけでございます。しかしながら、残された課題があるからといって今回の改革が抜本改革ではない、このような主張というものは私は全く当たらないと思っておりますが、残された課題について、簡単に政府参考人から御説明いただければと思います。

吉武政府参考人 今、先生がお話ございましたように、短時間労働者の方の厚生年金の適用の問題につきましては五年後を目途に検討を行うという形になっておりますので、今後、被用者としての年金保障を充実する観点あるいは企業間の負担の公平を図る観点から、短時間労働者の厚生年金の適用のあり方の見直しに向けまして検討していく必要があるだろうというふうに思っています。

 それから、さらに、例えば、完全に個人単位の制度とするのかどうかといったような長期的な制度体系のあり方の問題がございますが、これにつきましては、例えば税制の問題でございますとか、あるいは賃金の体系の問題でありますとか、あるいは男女の賃金の違いの問題でありますとか、年金制度以外のその基礎となりますいろいろな制度に係る大きな議論が必要な問題だというふうに考えておりまして、そう簡単なことではないだろうというふうに考えておりますが、今回の改正法案の早期の成立を期しまして、給付と負担に関しまして、将来に向けたレールをきちんと引いた上でその次の議論に着手し、腰を据えて議論していかなければならない、そういう課題だろうというふうに考えております。

福島委員 若干追加してお尋ねをしたいわけでございますが、最近の週刊誌等でとみに取り上げられますのは、年金官僚の堕落といったような見出しが躍るわけでございます。厚生年金の積立金の問題については、その利用ということで、例えばさまざまな福祉施設でありますとか厚生年金病院でありますとか、そういったものが運営をされてきたわけでございます。

 昨日、与党自民党におきましても、そしてまた公明党におきましても、その見直しということについて一定の合意が得られたわけでございます。問題は、このことを受けまして、どのようにしっかりと取り組んでいただくのかということであろうと思いますし、その点につきましての政府参考人の御見解をお聞きしたいと思います。

吉武政府参考人 大規模年金保養基地につきましては、今回提出しております法案にも盛り込んでおりますけれども、平成十七年度までに事業を廃止いたしまして、地方公共団体を中心として譲渡を進めてまいりたいというふうに考えております。

 それから、直接の担当ではございませんが、社会保険庁の福祉施設につきましては、与党でそれぞれ御検討をいただきまして基本的な方向性が導き出されておりますし、これから多分、与党の年金制度改革協議会で与党全体としてのお考えの取りまとめがあるというふうに思いますので、私どもはそのお考えに即して、福祉施設についてのいわば整理合理化といいますか、これを検討してまいりたいというふうに考えております。

福島委員 今回の年金制度改革では、厚生年金の保険料率を将来どのような水準で上限と定めるのかということが大きな問題になったわけでございます。

 しかしながら、社会保険というのは年金だけではございません。医療保険もあれば介護保険もございます。こうした負担が総体としてどうなるのか、これは国民一人一人にとっても問題でございますし、そしてまた、企業の負担ということにおいても同様であろうというふうには思っております。本来は、税のあり方と同時に、こうした制度横断的な社会保険の保険料負担はいかにあるべきなのかということを検討しなければならないのだろうというふうに思っております。

 この数年間は、社会保障制度、年金制度のみならず、介護保険制度をどのように見直しをするのか、そしてまた、新しい高齢者医療制度をどのような枠組みで創設するのか、こうした極めて重要な課題が毎年のようにそびえておるわけでございます。こうした社会保障制度全体の改革の道筋ということにつきまして、御見解をお聞きしたいと思います。

坂口国務大臣 社会保障を全体としてこれからどういう方向に持っていくのかということは、大変大事なことだというふうに思っております。年金のみならず、来年は介護、その次にはまた医療制度の抜本改革と、引き続きまして御議論をいただかなければならないわけでございます。一つ一つやっておりましても、それらをまとめて見たときに一体それがどうなるのかということが大事でありまして、その全体としての道筋も考えていかなければなりません。

 現在、保険料によりまして年金なり医療なりの支出をしていただいておりますし、これがそれぞれ一つ一つを見て、それを積み上げていきますと、だんだんと大きなものになり過ぎてしまうということもあるわけであります。

 私は、この際に一度初心に返って整理をしなければならない問題があると考えております。それは、一つは、この社会保障の中にも、その職域において負担をすべきもの、職域連帯として負担をすべきもの、それから、職域だけでは少し負担のし切れない、もう少し幅広く国民的な負担の中でやらなければならない、国民的連帯と申し上げた方がよろしいのかもしれませんけれども、そうした基本のところを少し整理して次のステップに進むということが非常に大事な時期に来ているというふうに思っておりまして、個々の御議論をいただくと同時に、全体としてのそうした御議論をしていただいて前に進めていただきたいというふうに思っておりますし、我々もそのことをまさしく議論しなきゃならないときに来ていると考えている次第でございます。

福島委員 と同時に、私が指摘を申し上げたいことは、我が国の社会保険制度というのは、社会保険という名前でございますけれども、必ずしも給付と負担というものが明確に結びついているわけではない制度に今日でき上がっているということが言えるのではないかと思います。

 年金については、賦課方式ということであれば、給付と負担が明示的につながらなくてもよろしいわけでございますが、かつては修正賦課方式ということで、積み立ての要素があるんだ、こういうことを言ってきたわけでありますし、そしてまた、医療保険制度におきましては、老人保健拠出金という本人の給付とは何の関係もない負担というものが行われている。ですから、社会保障制度全体の見直しを行うときには、この給付と負担の関係をどのように整理するのか。

 ただいま大臣は、職域で担う方がいいのか、国民が担う方がいいのか、そういった視点もあると思いますけれども、給付と負担の関係をより明確化していく、そして、それは本当に保険料で賄った方がいいのか、それとも税金で賄った方がいいのか、これは大臣の発言にも通じるところがございますけれども、国民にわかりやすい社会保険制度に再構築すべきである、そのように私は思いますけれども、医療制度改革の検討の状況もあわせ、簡単に御所見をいただければと思います。

竹本大臣政務官 医療保険制度につきましては、保険者の規模が小さ過ぎまして安定性に欠けるといった問題点がありますし、また、今後とも増大が見込まれます高齢者の医療費については、これが医療保険財政を圧迫するという問題もあります。こういった問題を踏まえまして、昨年三月に閣議決定いたしました基本方針に基づきまして、保険者の再編、統合、新たな高齢者医療制度の創設等につきまして、現在、医療保険部会において検討が進められているところでございます。

 この基本方針におきましては、平成十七年三月ごろを目途に順次制度改正に着手するということを目指しておりますが、二十年度に向けて実現を目指すということを念頭に置きながら、遅くとも十八年の通常国会には改正案を出したいと思っておる次第であります。

 以上です。

福島委員 精力的にお仕事を進めていただきたいというふうに思います。

 時間が限りがありますので、若干通告いたしました質問を省略させていただきたいと思っております。お許しをいただきたいと思います。

 続きまして、介護保険制度の見直しに向かっての検討状況について御説明いただきたいと思います。

中村政府参考人 介護保険制度でございますが、法律の附則で、施行後五年を目途に制度全般に関して検討を加え、必要な見直しを行うこととするとされておりますので、現在、社会保障審議会に介護保険部会をつくりまして議論をしていただいているところでございます。

 見直しの課題といたしましては、制度当初から言われております例えば被保険者の範囲。現在四十歳以上になっておりますが、それをどうするのか。それから、受給される方の範囲。現在は六十五歳以上の方が基本で、老化に伴う障害が対象となっておりますが、それをどうするのかといったことが制度当初からの課題でございますし、施行後見えてきた課題といたしましては、先ほども議論になりましたけれども、要介護認定で該当される方が非常にふえている、サービスを利用される方がふえている、在宅重視と言っておりますけれども、施設を御希望される方も根強い、こういった中で、どういうふうな給付のあり方を見直すのか。また、制度の持続可能性がやはり問題でございますので、今御議論にありました費用の問題、保険者のあり方をめぐる課題、さまざまございます。

 厚生労働省といたしましては、介護保険制度は、介護だけではなくて、年金、ヘルス、医療、福祉、各分野に関連もいたしますので、省全体で検討に取り組むため、先月、介護制度改革本部を省内に設置いたしまして、幅広い検討を進めることといたしております。

 いずれにしても、十七年、来年の通常国会に改正法案を提出することを目指して年内に見直しの案をまとめたいと考えておりますので、鋭意作業を続けてまいりたいと思います。

福島委員 近年の検討におきまして、例えば介護予防でありますと、転倒の防止でありますとか、フットケアでありますとか、口腔ケアでありますとか、いろいろなことが言われるようになってまいりました。

 振り返りますと、二十二年前に私は老年科という医局に入りましたが、そのころ、老人医学の中でこうした点が大切だと言われておりながらも、医療の中でございましたので、なかなか光を当てられなかった。そうした一つ一つの大切な課題というのが、介護予防ということでようやく光を当てられるようになってきた、そのことの必要性というものに本当に社会が気づくようになってきた、そんな思いがいたしておりまして、ぜひとも力を注いでこの見直しを実現していただきたい、そのように思っております。

 介護保険制度の見直しに関しては、障害者の支援費制度との関係をどうするかということが極めて大切な課題でございますし、また新聞でもるる報道されておるところでございます。関係者も、多くの方から懸念、そしてまた期待、両方の意見が表明されているわけでございます。

 この点について御説明をいただく前に、支援費制度の施行状況というものはどうなっておるのか、そしてまた現下の課題についてどのように認識をしておられるのか、政府参考人から簡単に御説明いただきたいと思います。

塩田政府参考人 平成十五年四月より、障害者の主体性を尊重し、利用者本位のサービス提供を基本とする支援費制度がスタートしたところでございます。とりわけ、ホームヘルプサービスあるいはグループホームといった居宅のサービスが大きく伸びているところでございます。これにつきましては、制度が着実に浸透しつつあるものと考えております。

 なお、現状におきますサービス利用の状況を見ますと、サービスの普及の度合いなどの地域差が大変大きく、今後は、必要なサービスが必要な方々に適切に提供されるよう、サービス基盤の一層の整備に努めてまいることが必要であると考えております。

 いずれにしましても、支援費制度の理念を実現し、障害者の方々が安心して必要なサービスを利用できるよう、制度のより安定的かつ効率的な運営に努めてまいりたいと考えております。

福島委員 スタート以来さまざまな問題もございましたけれども、二年目に入ったわけでございまして、より安定的な運営をするということが今後の施策の展開にも極めて大切であろうというふうに私は思っております。

 そして、るる新聞等で報道されておりますところの支援費制度と介護保険制度、この統合ということについて一体何が最大の課題なんだろうか。

 私なりに考えてみますと、支援費制度をスタートいたしましてサービス給付が急速に伸びている、財源の確保というものが急務である、安定した財源を確保するためにはどうしたらいいのか、こうした視点は十分に理解できるわけでございます。

 ただ、一方では、障害者の支援費制度の中におきますサービス給付のあり方というものは、介護保険制度における介護給付のあり方とは本質的に異なった部分もあるわけでございます。そうしたものをどのように整理していくのかという点。そしてまた、先ほども各市町村におきましてサービス提供の体制というものはまちまちであるという御指摘もありました。こうした点についても同時に現実問題として変わっていかなければ、そのことは一つの障碍になるだろうと私は考えておりますけれども、何をもって最大の課題と考えておられるのか、簡単に御説明いただければと思います。

塩田政府参考人 支援費制度を初めとする障害者施策の今後のあり方と介護保険制度との関係につきましては、障害者の地域生活の支援、あるいは自立支援を進めるということが重要であると考えているところでございます。こうした観点から、一つには障害者に対するケアのあり方、二つ目には重度の障害者への支援のあり方、三つ目に要介護認定のあり方、そして利用者の一部負担のあり方などを検討していくことが必要であると考えております。

 この場合、当事者であります障害者の方々はもとよりでございますが、地方自治体あるいは広く国民の合意を得ることが重要であると考えております。関係者、国民の合意こそが最大の課題と考えております。

 具体的には、今後、社会保障審議会の障害者部会あるいは介護保険部会におきまして精力的に御議論をいただくことにしておりますが、さまざまな機会をとらえまして国民各層の関係者の方々と広く議論をしながら、慎重に検討を進めてまいりたいと思っております。

福島委員 ぜひしっかりとした議論をよろしくお願いいたしたいと思います。

 先般、厚生労働省におきまして、文部科学省と共同で、発達障害に向けての研究会がスタートしたところでございます。私も数年前からこの問題に取り組んでおりまして、この発達障害に対しての対応というものが現下の児童福祉の世界においても極めて大切である、そのように認識をいたしております。

 また一方では、例えばアスペルガー症候群と犯罪、こういった不幸な事例があるわけでございます。こうした報道がなされることによって関係者の方は極めて不本意な思いもいたしておりますし、こうした発達障害に対しての社会の認識というものがより深まっていかなければならないし、適切な対応というものができるような体制づくりが私は大切だと思っております。

 この発達障害に向けての取り組み、現在、これから、どのように進めていくのか、厚生労働省の考えをお聞きしたいと思います。

塩田政府参考人 御指摘のございました自閉症、ADHD、注意欠陥多動性障害、LD、学習障害等の発達障害につきましては、一つには、小児人口における頻度が従来考えられていたよりも高いと見られること、あるいは、適切な指導や環境を整えることにより社会生活への適応が期待できるにもかかわらず、一般国民の理解が薄く、診断できる専門家、あるいは適切な療育指導ができる機関も少ないということ、特に、知的障害を伴わないケースにつきましては支援体制が整っていないこと等の課題が指摘されております。これまでの保健福祉施策で必ずしも十分に対応できていなかったものと認識しております。

 平成十四年度からは、自閉症・発達障害支援センターの整備を行うことなどによりまして支援対策を進めているところでありますけれども、先生の御質問にございましたように、現在、文部科学省及び省内各部局と共同いたしまして、医療、福祉、教育等の関係領域の専門家や保護者等との勉強会を行っているところでございます。早期発見と診断、相談対応、治療、教育、指導、地域生活、就労等、幼児期から成人に至るまでの各場面で当事者や家族が直面する困難や施策の有機的な連携のあり方などにつきまして、幅広く意見交換を行っているところでございます。今後さらに検討を深めてまいりまして、施策の推進に役立てたいと考えております。

福島委員 よろしくお願いいたします。

 本日、テレビで報道されておりましたが、鳥インフルエンザが京都でも発生をしたということでございます。山口、大分そして京都と、散発的に発生をしている。これはなかなか深刻な事態であるというふうに私は思っておりますが、この鳥インフルエンザの原因の究明、そしてまた防疫の強化といったようなことにつきまして、関係省庁、農林水産省、また環境省、そして厚生労働省から簡単に御説明いただきたいと思います。

田中政府参考人 高病原性鳥インフルエンザと人インフルエンザに同時に感染しますと、感染者の体内において、人から人への強い感染力を有します新型インフルエンザウイルスに変異するおそれがありますために、健康被害の防止に向けた取り組みというのが大変重要であるというふうに考えております。

 このため、厚生労働省では、発生状況等に関します情報収集、流行が確認されている地域への渡航者に対する注意喚起などを行うとともに、鳥の処分に従事する者に対するインフルエンザワクチンの接種、感染防御及び健康監視を徹底すること、さらに、高病原性鳥インフルエンザにかかった疑いのある者を診察した医療機関から直ちに報告を求め、当該患者に速やかに抗インフルエンザウイルス薬を投与する体制を確保すること等を自治体にお願いしているところでございます。

 今後とも、関係各省庁あるいは関係機関と密接な連携を図りながら、人への感染防止対策に全力で取り組んでまいりたいと考えております。

岡島政府参考人 高病原性鳥インフルエンザの防疫措置についてお答えいたします。

 まず、発生予防措置としまして、発生国からの生きた家禽などの輸入をその都度直ちに停止するということ、それから、野鳥などの鶏舎への侵入防止、あるいは農場への立ち入り制限や消毒などの措置の徹底などを行ってきたところでございます。

 また、発生した場合の蔓延防止措置といたしまして、マニュアルに基づきまして、本病の症例を発見した場合の届け出の励行などの徹底とあわせまして、発生農場におけるすべての飼養鶏の殺処分及び汚染物品の埋却、それから、発生農場の周辺地域を対象とした移動制限などを的確に実施することとしております。

 また、我が国での発生につきましては、疫学調査などによります感染ルートの解明に努め、さらなる発生の防止に役立てるということ、それから、輸入検疫を的確に実施するということ、全国的な監視体制及び発生予防策の強化を図っていくということを考えておるところでございます。

小野寺政府参考人 感染ルートの解明のために、基礎的あるいは背景的なデータとして、渡り鳥の渡来ルートが重要であるということは、十分今回のことで改めて認識をいたしたところであります。

 我々は、標識調査といいまして、足輪をつけて外国で発見されるか否かを調べる調査、あるいは発信器をつけて衛星で追跡する調査等を行って、飛来ルートの確認、把握に努めてきているところでありますが、今回のことを十分認識いたしまして、今後とも、諸外国、専門家との関係を深めて、渡来ルートの調査研究を進めてまいりたいと思っております。

福島委員 以上で終わりましたが、これだけ散発的に発生するということは、渡り鳥がどのような感染を起こしているのかということについてより知見を深めなければいけないということだろうと思っております。

 最後に、「生殖補助医療の光と影」ということで、きょう、国立成育医療センター総長の松尾総長のお話が読売新聞に載っておりました。これを読みますと、生殖補助医療によって何が起こるかといえば、「多胎児や超未熟児、極小未熟児出生数の一層の増加である。」というような極めて短絡的な書き方がされておりまして、不妊治療をすると、不妊治療によって生まれてきた子供というのは何かみんな不幸な子供を産むようなことが書かれている。これは実際に不妊治療を受けておられる方にとっては、私は大変な誤解を招くのではないかと。そしてまた、「不妊の世代間連鎖」という言葉が書いてあります。不妊治療を受けた者が子供が生まれたとしても、再び不妊になるんじゃないかと示唆するようなことが書かれているわけでございます。これが科学的に本当に正しいのか正しくないのか、こういう書き方が医者としてよろしいのか、しっかりと厚生労働省には認識をしていただきたいということを要請して、話を終わります。

 以上でございます。

衛藤委員長 次に、大島敦君。

大島(敦)委員 民主党の大島敦です。

 先般行われました厚生労働大臣坂口大臣の所信表明に対して、質問をさせていただきます。

 昨年は、通常国会の冒頭の初日に、昨年の所信表明に対して、大臣の心が本当に入っているんですかと、ちょっと残念だったという発言をさせていただきました。今回の所信表明は、昨年の所信表明に比べれば、大分改善されていると認識をしております。

 さて、その中の論点なんですけれども、私が考える論点として、例えば、この一年間、さまざまな報道が厚生労働省に対してされております。例えば、会計検査院報告では、税金のむだ遣い四百億円のうち百二十二億円が厚生労働省で、十四年連続最多となった。あるいは、雇用助成金の不正、不適正は過去十年間で五十一億円に上り、回収は十九億円のみである。あるいは、広島労働局での一億円に上る裏金づくり、不正経理事件があったが、同問題は広島労働局だけの事件であったかどうかという問題。さらに、職能大学校水戸短期校で、廃校方針が決まった後の一九九八年に、三億八千五百万円をかけて完成したばかりの学生寮も取り壊しとなるようである。あるいは、国立帯広病院で四年間に名義借りで裏金四千万円を捻出していた等々ございます。

 今回の所信表明の中に一つ抜けている点が、厚生労働省の不正あるいは疑惑に対する政治側、大臣あるいは副大臣のお気持ちだと思うんです。やはりこれだけ、新聞を見ると、一番、厚生労働省関係の疑惑の事件が極めて多いと認識しております。

 この点について、所信表明に私はしっかりと明記すべきであると考えておるんですけれども、大臣のお考えをお聞かせください。

坂口国務大臣 どうも、お久しぶりでございます。

 今、大島議員から御指摘を受けましたように、厚生労働省の取り組んでおります範囲というのはまことに広いわけでございまして、しかも、それぞれが国民の生活に非常に密接に関係をしている、そうした意味で、大変重要な役割を果たしているところだというふうに思っております。

 それだけに、やはり国民の皆さん方から疑惑を持たれるようなことがあってはならない。そこは我々が一番気をつけていかなければならないところでございます。大変広範囲な中であるということもございますけれども、しかし、各方面からいろいろ御批判をいただくことが出てきていることはまことに残念なことであるし、私といたしましても責任の重さを感じているところでございます。

 医療事故等も含めまして、毎日の幅広い厚生労働行政の中で、誤りなきを期していかなければならない。一つ一つが、起こっておりますことをつなぎ合わせていきますと、大変大きなことになってしまう可能性もあるということを思っておりまして、責任の重さを感じながら、これからも、そうしたことが起こらないようにどうしていくか、一つ一つチェックをしていきたいというふうに思っているところでございます。

大島(敦)委員 過去、自民党のある大臣の方が、これは昔の通産省の時代に石油公団の事件を取り上げられて、官僚の人たちが資料を持ってこないので、大臣室に全部資料だけいただいて自分で解析をして、要は一兆三千億円の不良債権があるということを追及して石油公団が廃止になったという、僕は政治家として非常に尊敬申し上げています。やはり私たち政治家は役所に対しては、私たち厚生労働委員というのはどうしても性善説に立つ議員が多いものですから、たまには性悪説に立って、しっかり管理監督していくことが必要かなと思っております。

 特に、今回のイラクのサマワの事件で、サマワについて評議会があるとかないとかいう議論がありましたよね。これは私は、今官僚機構が相当弱っているかなと思っているんです。今ここにいらっしゃる局長さんの時代とは大分変わっていまして、恐らく、今の二十代、三十代の方の伝達能力あるいは情報伝達能力の共有化というのができていないのかなと。だから、私たちの今の日本の組織というのは非常に弱くなっていると考えております。

 したがいまして、与党も野党も政治家の責任は重くなっておりまして、今回、大臣及び副大臣、そして政務官の方にはぜひ性善説を捨てていただいて、性悪説でしっかりと管理監督、そしてこのような事件が今後起きないようにしていただきたいと思います。

 きょうは谷畑副大臣いらっしゃっておりますので、その件について御所見をお伺いさせてください。

谷畑副大臣 今大島先生の方から、厚生労働委員の皆さん、あるいは役人も性善説が多いんじゃないかということで、私も振り返ってみましたら、私ほど性善説に立つ者はいないのではないかと。涙もろいし、もう聞けばすぐ感動しますし。

 しかし、今先生おっしゃいましたように、厚生労働省におきましても、雇用保険の三事業についても不正受給ということが明るみに出ておりますし、また、広島におきましても職員が不正を働くということでありますから、先生の御叱責のとおり、必ずそういう犯罪的、悪事的なものがあるんだということの中で、それを防止するのもやはり国民の立場ではないか、そう思っておりますので、今後ともしっかりと取り組んでまいりたいと思います。

大島(敦)委員 なかなか悪事の追及については、野党側はネタがないものですから、結構取材等苦労しておりまして、多分与党の皆さんはネタがたくさんあると思いますので、ぜひそこのところはお願い申し上げます。

 そして、次の論点。今回の所信表明に基づいて、私の気になる論点について質問させてください。

 まずは、年金についてなんですけれども、今回、年金積立金管理運用独立行政法人に関する法案が提出されるかもしれません。まだ決まったわけではございませんので。そして、今回の独法化について、今までの年金資金運用基金と今回の独立行政法人、この責任のとり方について伺いたいんです。

 大臣も、ことしになってから予算委員会等で、この年金運用については私たち同僚の議員から相当厳しく追及されていると思うんですけれども、どういうふうな責任のとり方、だれが責任をとるのか、その点についてお聞かせいただければ幸いです。

坂口国務大臣 年金問題の中で一つの大きな柱は、やはり百四十数兆円というこの積立金があるわけでありまして、これをどのように運用していくかということでございましょう。これをきちんとやっていくということが、やはり国民の信頼にこたえる一つの道であるというふうに思っております。

 今までの運用は、いわゆる財政投融資として旧大蔵省、現在の財務省にお預けしてある分と、そして厚生労働省の方で自主運用しておりますものと、二つあったわけであります。今までは、財投の方にお預けしてある分の方が非常に大きくて、ごく一部を厚生労働省で運用していたということでありますから、問題はありましたけれども、大きい分は財投でありましたから、今まではそれほど騒がれずに来た。

 しかし、これからは、これが全部厚生労働省の方に返ってくるわけでありますから、これを全体を運用していくというのは、やはりよほどしっかりしたものを立てていかないといけない。今までの厚生労働省の運用は、厚生労働省の中か、あるいは周辺でと申し上げた方がいいのかもしれませんけれども、運用をしてきた。そこに、厚生労働省という素人集団が金の運用をしていいのか、そういう不信がついて回っていたというふうに私は思っております。

 ここは、厚生労働省から切り離した形で専門家の皆さん方にゆだねて、皆さん方にお願いをする。よくポートフォリオという言葉が使われますけれども、どういう割合でどういうふうに運用していくかということは厚生労働省が決めて、今まではその運用のところにお願いをしていたわけでありますけれども、そのポートフォリオそのものも新しくできます独法の中で今度お決めをいただいて、そしてそこで運用をしていただくというふうに今後はしたいと思っております。

 だから、今までと一番違うのは何かといえば、一つは、全く外へ独法という形で出して、そして、ポートフォリオそのものもそこで決めていただいてやっていくというところが一番違うところだというふうに私は思っております。そうした新しい組織をつくらせていただいて、そこで誤りなきを期していきたいというふうに思っている次第でございます。

大島(敦)委員 年金の運用の積立金は百四十兆円。これは、四〇一k、四〇一kは外国の名前ですから確定拠出型年金かな、そのときの議論の中で、要は、基金の金額が大きくなると、その運用利率というのはほぼ経済成長率に見合うというお話をさせていただきました。その点についての理解というのは、厚生労働大臣も同じと考えてよろしいでしょうか。

坂口国務大臣 どういうふうなポートフォリオをおつくりいただくかということにかかってくるわけでございますが、やはり経済成長に見合っていくものでなければならない。そうしませんと、賃金は上昇いたしますし、それについていけないということになりますと、国民の皆さん方にお支払いする年金の額がだんだんと縮小してくる可能性があるわけでありますから、実質的な賃金上昇に合わせて、やはり運用が必要になってくるというふうに思っております。

大島(敦)委員 その点の理解は、若干、大臣、違うんです。

 要は、今の、例えば株式で運用するとして、一部上場企業のトータルの金額というのは二百兆円台だったと私は記憶しています。百六十兆円という金額は、それを運用すると恐らく経済成長率にリンクする、あるいは、日本生命さんとか大きな生命保険会社の運用利回りもほぼ経済成長率にリンクしておりまして、これが原則なんだと思います。

 そうすると、百六十兆円という金額は、例えば、日本で運用すれば日本のオーナーになるわけですから日本のパフォーマンス、あるいは外国の株式とか外国の債券を買えば世界経済のパフォーマンスにほぼイコールになっていくということになります。

 ですから、この運用について、要は納得感だと思うんです、国民の。今まで大臣が責められているのは、厚生労働省の方たちあるいはOBの方が決めていたから、おかしいじゃないかと言われるわけです。今回は、厚生労働大臣が、理事の方、理事長の方、あるいは今回の仕組みの中ですと運用委員の方を指名していくわけです。そうすると指名者としての責任が必ず出てきまして、その点についてまた、運用で失敗をすれば、何でこんな人を選んだんだということになるかと思うんです。

 そうすると、今回の独立行政法人、この法案の縛りが非常にきつくて、もともとの独法化のシステム自体、独法化の枠組みが狭いものですから、本来の改革はできていないのかな、あるいは、独法化にはなじまなかったのかなと思っているんです。ほかの独立行政法人は国民にそんなに不利益じゃないです、恐らく失敗したとしても。ただ、今回の百四十兆円、全部足せば百六十兆円のこの金額というのは、独立行政法人の運用には僕は適していないと思っている人間なんです。

 ですから、その点について、再度大臣の方から、いや違うんだよというのがあれば、ちょっとお聞かせいただければ幸いです。

坂口国務大臣 独法化するわけでありますが、この独立行政法人の枠組みというのは確かにあるわけで、その枠組みの中でやっていかなきゃならないことは御指摘のとおりでございます。

 先ほど御指摘のありました中で、確かに理事長は大臣が任命することになっておりますが、理事の方は理事長が任命することになっております。そこは若干違う。

 それで、いずれにいたしましても、百四十兆、これからそれがまたさらにもうしばらく大きくなるというふうに思いますけれども、そうしたものを運用していかなきゃならないわけでありまして、この運用をほかの株式会社あるいは他の会社と同じようにやっていかなければならないかといえば、それは少し私は意味合いが違うと思っております。

 ただ、この運用につきましては、一方におきましては、それが安全でなければならない、リスクを余り大きくしてはいけない、リターンの方をやはり十分に考えていかなきゃならないといったような、そこにはおのずから縛りがございますから、他と同じようにはいかないですけれども、リターンのことを十分考えてリスクを最低限に抑えるという範囲の中で、しかし、経済の動きというものとかけ離れたものであっては、国民の方にその結果が返ってくるわけでありますから、そこは考えていかなければならないということを私は申し上げたつもりでございます。

大島(敦)委員 今回の独法化における改革というのは、この間、私のところに来ていただいた若い方から非常にいい意見、それは、人としての正当性じゃないかという意見なんです。今までは役所の人がやっていたから文句が来た。民間にすれば、人としての、要は民間人だから、専門家だからという、人の正当性をとったのかな、そういう考え方もできるかと思うんです。

 ただ、百六十五兆円を一人の理事長が運用するというのは、僕は物理的に不可能だと思っていまして、例えば、独法化という考え方にとらわれないとすれば、この運用委員会のメンバー構成を、各政党の比例配分で各政党から指名してもらうという考え方もあると思うんです。運用に失敗したときの国民の納得感なんです。

 今回も、理事長がやって運用に失敗すれば、必ず彼のところに、どうしてこういう人事をしたんだということで、必ず国民の不満がそこにいくわけです。私たちが選んだ運用委員会なんだから損してもしようがないな、その理解がないと、運用に失敗したときに年金を引き下げられないんです。要は、そのリスクを政府がとることになるんです。

 それは国民として、例えば十人運用委員がいるとすれば、自民党さんから五人、民主党さんから四人とか、あるいは、百六十兆円、百四十兆円という意見もありますけれども、まあそのくらいだとすれば、自民党で例えば八十兆円運用してみるとか、民主党で五十五兆円運用してみるとか。

 そうやって、正当、要は、そのプロセスについてしっかりとした国民に対する納得感、これがないと、運用に失敗したときに必ず年金下げるなという議論が出てくるんです。みんなで選んだ人なんだから、失敗したときに、しようがないな、じゃ、年金も下げてもしようがないなと思えるような、そういう仕組みが必要かと思うんですけれども、大臣の御所見をお聞かせください。

坂口国務大臣 議員を選んでおりますときに、この人が株の運用がすぐれているかどうかということを基準にして選んでいるわけではございませんし、さまざまな分野での専門家、そうした意味で選んでいるわけだろうというふうに思います。

 したがいまして、それぞれ政党が応分の責任を持ってもらうというのは、それはありがたい話ではございますけれども、ここはやはり政府が責任を持たなきゃならない部分なんではないかと私は思います。

 例えば、民主党さんが天下をおとりになったら、そのときには、やはり民主党さんの天下のその政府が責任を全部しょい込んで頑張っていただくということでないと、ここはうまくいかないんではないか。民主党さんがこれは失敗をした、あるいは公明党がここは失敗をした、あるいは共産党さんがどうだというようなことになっては、私はなかなかうまくいかないのではないかというふうに思いますね。

 そこは、やはり政府が責任を持ってやっていかなきゃならない、そういう種類の一つではないかというふうに私は思います。

大島(敦)委員 これは、私たち議員が運用するのではなくて、運用する運用委員会のメンバーの選定に関して、党の議員の比例分で各党が指名した方が、より透明度が高くなって、国と全体としての責任が発生するのではないかな、そういう指摘なんです。

 今までは、政府の責任と申し上げましたけれども、政府というのはイコール官僚になっておりまして、昔は、非常に優秀な官僚の人たちに国家運営を任せておけば大丈夫だった。官僚の方たちも、政治家に任せておくと何か悪いことをしてしまうかもしれないから、なかなかそれを放さなかったところがあると思うんですよ。

 ただ、今の時代というのは、多分、政治の責任をもっととってもいい時代なのかなと私は考えていまして、ですから、この運用に関しても、今後の厚生労働委員会での年金の運用の議論の中でさせていただきますけれども、もう少し国民にとって納得感がある仕組みが必要かなと思うところを述べさせていただいて、次の議題に移らせてください。

 今回の所信の中で、食品の安全についての問題、これはもう全然年金から離れて食品の安全の問題なんですけれども、昨年の四月二十三日に当委員会で私の方から指摘している点がございまして、要は、食品衛生法では食品の添加物表示については原則表示しなくちゃいけないと。それで、当時のファミリーレストランのメニューにどうして食品添加物表示がないのかという議論を、この場で二十分ほどさせていただきました。

 これは、大臣の方から答弁として、セントラルキッチンで、要は工場でつくる食材については、例えばコンビニエンスストアで表示してあるように、ファミリーレストランのメニューの中でも表示できるのではないのかなという御発言がございました。

 今、農水省と厚生労働省は、食品の表示に関する共同会議で食品の表示に関して検討していると聞いております。ですから、大臣としてもぜひ、これは、同じところでつくってあるのに、どうしてコンビニのおむすびには食品添加物の表示があるのか、どうして同じようなところでつくっているのにファミリーレストランでは表示がないのか、この平等性の問題ですよね。同じところまで引き上げるべきだと考えておりまして、この点について、ぜひ大臣の方にもお願い申し上げて、厚生労働省としてはこちらの方向でやっていきたいというお考えをいただければと思いますので、いかがでしょうか。

坂口国務大臣 よく覚えております。大島議員からファミリーレストランの御指摘をいただきまして、そして、そのメニューにも表示をしてはどうかというお話をいただきました。

 しかし、いろいろ考えてみますと難しい面もございまして、現在、結論を先に申し上げますと、その中でお持ち帰りをいただくようなもの、レストランならレストランの中で、そこへ行って、そこでたくさんいろいろなものがつくられていて、そしてそこで買ってお持ち帰りをいただくというものについては表示をしようということで、そこまでは来たわけです。

 しかし、そこでいろいろなものを利用してつくり上げるというものまで表示が果たしてできるかというのは、使います材料もそのときそのときによって違うわけでございますしいたしますから、入っているか入っていないかということならばいざ知らず、どれだけの量が入っているかというようなことになってくると、それはなかなか難しいのではないかといったような議論が今されておるところでございます。

 しかし、半分は、おっしゃいましたように、そこでつくってあるものでお持ち帰りをいただくというものについてはちゃんとできるんではないか、しようじゃないかという話になってきているということでございます。

大島(敦)委員 大臣、私もサラリーマンをやった時代がございまして、サラリーマンは原則仕事はしたくないんです。ですから、役人の、官僚の方たちとお話しするときも、本当に仕事をしたいのか、したくないのか。よくよく仕事をしていただいた方がいいかと思うんです。

 今、ファミリーレストランでお弁当を買うことができます。そのお弁当には表示ができます。食材は同じなんですから、メニューで出しているものとお弁当。それは、前回の質問の中で、スーパーマーケットのおむすびについての私の議論がございまして、握って売るときには表示する必要はないんだけれども、置いてお客さんに選んでいただくときには表示が必要だという議論をさせていただいております。

 ですから、今回も、要は、同じ食材を弁当に詰めかえると表示は必要だ。その同じ食材なんですよ、これは。工場でつくっているんですから、そんなに極端に、毎回毎回違う材料でつくっていないですから。それを、メニューで出すときには表示を免除してやろうというのは、ちょっと今の実態とは離れておりまして、その点についてもう一度大臣の方からぜひ、整合性がとれないと私は思いますので、その点についての大臣の御所見をお聞かせください。

 要は、同じなんです。同じものを、パッケージに詰めるとそこには表示が必要なんだけれども、それをそのままレストランで出した場合には表示が必要ないという話であって、原材料は同じだという理解なんです。その点について御所見をお聞かせください。

坂口国務大臣 一品料理で、一品しか、もうこれしか出さないというおそば屋さんを私は知っておりますけれども、それなら私はできると思うんですね。

 だけれども、いろいろのものを……(大島(敦)委員「ファミリーレストランですから」と呼ぶ)いや、ファミリーレストランにしろ、いろいろなものをつくるわけで、それぞれのメニューによって中身は違うわけですから、それは全部一緒というわけにはなかなかいかない。

 ただし、おむすびをつくって、そこにもう、これはお持ち帰り用でございますよというふうにつくってあるものと一緒のものをつくってもらうというのは、それはできるだろうというふうに私は思いますけれども、大島議員言われるように、何が入ってもできるではないかとおっしゃる。しかし、注文によっては中身が違ってくる、いろいろなものを入れる。中には、辛い方がいいというふうにおっしゃる人もあるし、それは要らないという人もあるし。

大島(敦)委員 恐らく大臣は今の外食産業の実態がよくわかられていないのかなと思いまして、一度ぜひ、おそば屋さんとか町の中華料理屋さんのお話をしているのではなくて、何店舗も出しているファミリーレストランの話ですので、その点についてはもう一度この場で議論させていただきます。

 続きまして、次の論点として、今回の三位一体の改革なんですけれども、今後、三位一体の改革の中で、今回ですと、財源として二千八十七億円が削減されております。これは、地元で行政に携わっていらっしゃる方とお話しすると、国の方で削減したんだから、その分、国の方の人員の合理化があってもしかるべきじゃないかという発言があります、お考えがあります。

 やはり、今後、三位一体の改革の中で税財源を移譲していく場合に、厚生労働省内での仕事の合理化についてのフォローアップというのは、されるお考えはございますでしょうか。

谷畑副大臣 先生指摘されますように、厚生労働省としましては、公立保育所の運営費の一般財源化をやっていくということが非常に大きな柱でございます。今後とも、保育所の運営費の交付事務は都道府県を通じて行っておりますし、また、民間保育所の運営費については引き続き国庫負担の対象とするということでありまして、これはやはり厚生労働省としても大事な仕事を担っておる、こういうように思っておるわけでございます。

 また、公立、民間を問わず、延長保育等、多様な保育サービス提供のための政策的な補助、あるいは保育所整備に対する支援は、今後とも国が引き続き行うこととしておりますので、今後ともさらに、限られた人員の中で効率のいいように、しっかりとしたいい仕事をしていかなきゃならない、このように実は思っております。

大島(敦)委員 では、最後に一言だけ。

 財源が減っても人は減らない、残業代が減るんだよ、そういう考え方もあるかもしれませんけれども、やはり、今後、さらに財源を減らすということは仕事も減っていいと思いますので、その点についてのフォローアップをお願い申し上げまして、私の質問を終了させていただきます。

 ありがとうございました。

衛藤委員長 次に、城島正光君。

城島委員 城島でございます。よろしくお願いをいたします。

 この国会は、最重要法案と言われております年金問題の重要性はもとよりでありますけれども、その他、昨今話題になっております、再び話題になっていると言った方がいいと思いますけれども、BSEを初めとする食の安全の問題、あるいは鳥のインフルエンザ、SARS対策、医療問題、介護保険の問題、雇用問題などなど、国民がまさに注視する重要かつ喫緊の課題が山積をしているわけでありまして、これは大臣が所信でもお述べになったとおりであります。国会審議は、法案審議というものが重要であることは論をまちませんが、こうした社会問題についても幅広く論議をし、解決をしていくということが、国民の期待するところも大きいんじゃないかというふうに思っております。

 そういう面で、こうした問題についてもこの委員会で幅広く論議をしていく必要があるというふうに私は思っておりますけれども、まず、この件についての大臣の御見解を承りたいと思います。

坂口国務大臣 御指摘のとおり、厚生労働省が所管をいたします範囲の中で、非常に重要な問題、しかも、最近、大きな話題になりますようなことが幾つもあることは、もう御指摘のとおりでございます。そうした問題を、やはり全体をひとつ御議論していただかなければならないというふうに思っておりますから、そこは御指摘のとおりだというふうに思っております。

城島委員 そこで、きょうは限られておりますが、まず第一番目に、BSEに関する質問をさせていただきたいと思います。

 最近、我が国でも十頭目のBSEが発見をされましたけれども、何といっても、昨今のこのBSEの問題では、アメリカでBSEが一頭発見をされた、それに伴って我が国への米国産牛肉の輸入が禁止をされております。これは、そのこと自身は私も適切な措置だというふうに思っております。その結果、御承知のように、例えば牛どんのチェーン店ということ等を含めて、牛どんが消えるといったような社会的な多くの影響が出ていることも御案内のとおりであります。

 実は、私は、日本でBSEが最初に発見をされる、発生をするというのが見つかった四年前の一九九七年三月の農林水産委員会で、このBSE問題を最初に取り上げたものであります。その時点で既に、私は、肉骨粉が原因と思われていると、今ヨーロッパで発生しているBSEですけれども。したがって、その肉骨粉の流通のあり方といったことも含めて、BSE対策の強化というものを当時の農水大臣に強く要請いたしました。それ以降、このBSE問題について、私は、一貫して追跡調査あるいは勉強を含めてやってきているわけであります。

 そこで、これは幅広い論議なので、きょうは、あくまでも前提を、大臣、科学的な視点というところに限定をさせていただいて、論議を若干させていただきたいというふうに思うわけであります。特にその中で、全頭検査という、この点について、しかも科学的見地に立ってという条件の中で質疑をさせていただきます。

 そこで、まず、質疑をするに当たって、総括する意味で、今日までの世界でのBSEの発生状況についてお尋ねをしたいと思います。

遠藤政府参考人 これまでのBSEの発生状況でございますが、国際獣疫事務局によりますと、本年二月二十三日現在で、これまでに我が国を含め二十四カ国において発生が確認をされております。発生頭数が多い国として、英国十八万三千六百十六頭、アイルランド千三百五十三頭、フランス八百九十一頭、ポルトガル八百五十八頭、スイス四百五十三頭などとなっているところでございます。

城島委員 今、代表例で例えば英国を挙げられましたけれども、これは、確かに今まで累積でイギリスでは約十八万頭のBSEが認められて、発生をしている。最近の例を見ても、肉骨粉の流通が全面禁止されて以降、確かに効果的にどんどん発生が減っておりますが、それでもまだ年間千頭のBSEがイギリスでは発生をしているという状況でありますし、ヨーロッパにおいては我が国なんかの比ではない状況であった、そしてまた、あるんだ。

 まさに、社会的なパニックが起こったのはイギリスを中心としてのヨーロッパ全体であったと思いますが、そういう状況の中で、ヨーロッパにおけるBSEの検査のあり方、検査基準、これは一体どういうふうになっているんでしょうか、お尋ねをしたいと思います。

遠藤政府参考人 ヨーロッパで食用に供する牛のBSE検査の対象月齢につきましては、健康牛については、ドイツ、スペイン、フランス及びイタリアにおいて二十四カ月齢以上、その他の国において三十カ月齢以上、神経症状を呈する牛につきましては、ギリシャがゼロカ月齢以上、つまり全頭でございます、ベルギーが十二カ月齢以上、その他の国においては二十四カ月齢以上を検査するということになっております。

城島委員 これだけの大きな被害、さらには、BSEから感染した異常プリオンによる新型ヤコブ病で亡くなった方が、恐らくイギリスで百三十七名、世界全体で百四十八名という大変な状況が起こったこのヨーロッパにおける検査体制がこういうことだということですよね。

 それで、実は、先週、BSEの世界的な権威のキム博士が日本に来られましたね。シンポジウム等を開かれまして、私も、出席はできませんでしたけれども、その内容についてかなり詳細なレポートを手に入れさせていただきました。

 それによると、大体こういうことだというふうに思います。すなわち、キム博士も、いわゆる科学的根拠ということに限定してみると、全頭検査というのは科学的な見地からいうと意味がない、結論的に言うとそういうことをおっしゃっている。

 それは、結局、要約するとこういうことになるわけであります。すなわち、検査というのは、二点ありまして、一点目は、検査そのものは、安全を確保するということではなくて、その国においてBSEがどれぐらい汚染をされているかということを知るための、ある面ではサーベイランスをするための手段である、これが主目的である。安全を確保するのは特定危険部位を徹底して除去するということに尽きるし、ある面でいうと、それが完璧にできれば完全である。この全頭検査というものの持つ、検査の持つ意味というものが今申し上げたところにあるというのが一点目でありました。

 もう一点は、今の日本で行っている全頭検査というこの検査が、ヨーロッパ等では、今説明あったように、二十四カ月齢あるいは三十カ月齢、その国の汚染度あるいはその国によって若干違いがありますけれども、そういうふうになっている背景は、今の検査の性能でいうと、異常プリオンが一定の量以上に達しないと反応しない。わかりやすく言うと、例えば、数字で挙げるとわかりやすいと思いますけれども、今の検査は、異常プリオンが百なら百以上のときに初めて、もし百以上あったら陽性を示す。ということは、逆に言いますと、ゼロから九十九の場合は陰性になるということですね。

 そして、このBSEの症状というのは、感染をして徐々に異常プリオンが危険部位に広がっていく、徐々に広がっていくというところがまさに、あれだけパニックになったヨーロッパにおいても、二十四カ月齢とか三十カ月齢といっているのはそこにあって、検査して、感染しているかどうかというのが異常プリオンの量にかかわりなく全部ちゃんと反応するのであれば、全頭検査というのはそれなりの意味がある。しかし、一定量以上でなければ反応しないというか、いわゆる正しく感染しているかどうかがわからないというのが今の検査なんですね。

 ところが、一般の多くの方々は、全頭検査というと、それこそ全部ちゃんと、わずかな量の感染している牛であってもひっかかってくると思っているわけですし、大体そういう認識なんですけれども、実はそうじゃないというところに、このキム博士なんかも、科学的根拠からいうと、それはわかりやすく言うと意味がない。

 すなわち、検査が、ある程度安全確保のためにというところでいうと、きちっと反応していく一定年齢以上のところにやるのだったらまだ意味があるけれども、その基準が二十四カ月なら二十四カ月齢でもいいですよ、どこの月齢でもいいんですけれども、それ以下は、仮にBSEに感染していたとしても、今の検査をやって、それが陽性に出る検査ではないということが指摘されているところでありまして、大きく言うと、やはり、今の科学的というところに限定して言いますと、しかもそれは科学的イコール安全確保というところに限定すると、今言ったように、日本で行っている検査、しかも全頭検査というのは問題があるというか意味がないというふうに指摘をされている。

 しかも、全く同様のレポートが、間もなく発表される「安全医学」の第一巻第一号、これは特別寄稿の中で、日本学術会議会員で東大の名誉教授の唐木先生が、全く同じような趣旨の論文を「安全の費用」という中で出されておりますが、こういったキム博士やあるいは実態について、大臣の御所見をいただきたいと思います。

坂口国務大臣 BSEにつきましては私はそれほど専門家ではございませんので、御意見を拝聴させていただいておりましたが、私の知り得る知見から言うならば、BSEについてはまだ十分にわからない側面も多い。中にはプリオンの異常ではないと言う学者もおったりいたしまして、非常に、科学的知見としてはいろいろの意見が今出されているところである。

 そして、肉にはプリオンは発生しないというのが一つの通説になっておりますが、しかし、中には、いや、動物実験では肉にも出るんだと言う人がいたりして、少し、そこは整理が完全にできているのかどうかということを私ももう少し勉強しなきゃいけないというふうに思います。

 ただ、今おっしゃったこともこれは確かに一理あるわけでありまして、一番最初にBSEが発生をいたしましたときに、日本の国の中で検査をする、その検査をするときに、何カ月以上をするかというので随分あのときにも問題になりました。

 あのときの記憶を呼び戻してみますと、初めは二年半以上でいいんじゃないかという意見が強かったと思うんですが、しかし、日本の牛は、これが二十カ月なのか三十カ月なのかということは顔を見ただけではわからない。その生まれ、そして生まれてからの経歴といったようなもの、どこで育ってきたかとか、何年何月に生まれたかというようなことが、一頭一頭明確になっていない。だから、これは二十カ月だと言われたら、もうそれを信じるのかというような御意見が一方であったように、今、記憶をいたしております。

 そんなこともあり、それから、いわゆる国民の安心というものを考えたときに、一遍とにかく全頭からスタートしてはどうかということではなかったかというふうに私は記憶をいたしております。あるいは、専門家の間ではもう少し違った御意見が、御議論があったのかもしれません。

 そして、今日までその検査をずっと続けてまいりまして、その中で十頭の異常の牛が見つかったということでございます。その中には、今まで発生しないというふうに言われていた二十一カ月、二十三カ月のところで一頭ずつあったといったようなこともあって、現在のところは二十四カ月以上とか二十六カ月以上というようなことにしなくて、若いところもやっていたからこれは見つかったのではないかという御意見もあるわけでございます。

 しかし、科学的な根拠というものについて言うならば、そうしたことも踏まえておりますけれども、しかし、ここを、それじゃ未来永劫今の形が一番いいのかということになれば、やはり科学的知見に基づいてやるのがいいんだろうと私も思っております。ここまで実績を積み重ねてまいりましたが、今後ももう少し実績を踏まえて、その時点でどうするかということを日本の国も考えるときが来るんだろうというふうに思っております。

 そうした意味で、国民の全体の心理的なものもございますし、純科学的に言うならばこうだという知見の問題もあるわけでございまして、それらのことが明確になってくるときを待ちながら、今後の問題というのは考えていくべきものではないかというふうに私は思っております。

    〔委員長退席、鴨下委員長代理着席〕

城島委員 今おっしゃったように、安心というものとのバランスというので、最後に私、実はそこに触れようと思ったんですけれども、そういう中で、いろいろな面で最終的な判断をしていくことはそのとおりであります。しかし、一方で、それが科学的にどうかということをきちっとやった上で、その安心のレベルをどういうふうにしていくかというのが政治の責任でもあり、行政の責任だと思っているわけであります。

 そこで、実は私は、この問題の本質は、まさに今、ある面でいうと、大臣が御指摘になりましたけれども、安全イコール安心になっていない、安全と安心との間に大きな乖離が現実に日本ではあるということを象徴的にあらわしているんだと思っているんです、このBSE問題は。できるだけ安全と安心というのが、それは完全に一致することはどんなところでもあり得ないと思いますが、できるだけ近い方が私は理想的だと思っているわけです。これだけ大きく乖離しているのは、少なくともBSEに関しては日本が圧倒的に大きく乖離をしている。

 したがって、極端に言うと、科学的ではないにしても、例えば全頭検査というと、全部検査すれば、それで陰性になればこれはもう感染してないだろうというふうに思うわけですね。さっき言ったように、それは一定量以上になったときに初めて有効で、感染しているかもしれないけれども、若いときはほとんどその量に達していないからそれも陰性になってしまうんだということも含めて、皆さんが理解しているとは余り今思えない。しかしそこに、やっていればということでは、これはまさに安心料ですね。そういうことの中で、今、日本はそれが成立しているということだと思うんですよ。

 したがって、私はこの問題は、去年この場で、まさに食品安全委員会のときにこれも大臣に強くお願いしたのは、これからの食の安全は、日本におけるキーは、まさにリスクコミュニケーションだということをしつこく申し上げたと思いますね。安全と安心の乖離を埋めるのはこのリスクコミュニケーション以外にない、私はそう思っているわけです。

 ですから、このBSE問題でも、そしてまた鳥インフルエンザの問題でも、実はきのう、鳥インフルエンザについても、東京都の鳥肉の卸をやっている業界の方々が東京都に対して、ある業者は鳥肉の売り上げが半減している、要するに風評被害だと。正しいあり方、正しい知識をもう少し東京も啓蒙してほしいという要請をきのうされているわけでありますが、こういういわゆる風評被害、間違ったことによる風評被害というのは、そういうお仕事をされているような人、あるいは生産者、業者だけでは実はなくて、そのギャップを埋めるために膨大な税金を使っているわけですね、ある面でいうと。したがって、ギャップがあるというのは、消費者も含めて、実はみんなが不利益をこうむっているわけです。

 そういうことに立って、食の安全委員会も含めて、そうしたギャップを埋めるためのリスクコミュニケーションの強化というものをぜひお願いしたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。

坂口国務大臣 そこは御指摘のとおりだと私も思います。

 今おっしゃいましたように、これは安心料というものも確かに現在は含まれていることも事実でございまして、これだけ、アメリカも含め、カナダも含め問題になってまいりますと、諸外国との貿易上の問題からいきましても、共通の認識、共通の検査基準といったようなことにつきましての議論が今後だんだんと盛んになってくるだろうというふうに思います。そうした中で、本当の安全とは一体何なのか、専門的な立場での本当の安全はどうであるかということが議論になると思いますし、そこは専門家の御議論の結果というものを我々も参考にして考えなきゃならないだろうというふうに思っている次第でございます。

 ただ、その専門的な御意見とあわせて、国内におきましては、何が安心かということについての議論、そうしたものも両方これはやっていかなきゃならないわけでありまして、国民の理解というものも得ながら、そこは進んでいかなければならないものだというふうに思っております。

城島委員 いや、だから、まさにそこがリスクコミュニケーションの果たす役割のところでありまして、それの充実強化以外にはこれを埋めるところはないというふうに思います。この問題については、また改めて別途時間をとって論議をさせていただきたいと思います。

 次に、ちょっとどうしても確認をさせていただきたいところがございます。公益委員の役割につきましてであります。特に、審議会、分科会、部会における公益委員の役割であります。

 厚生労働省所管の労働政策審議会、これは、厚生労働省設置の際に労働行政関係の複数の審議会が統合されたもので、労働政策に関する重要課題を総合的な見地から調査審議するための唯一の審議会ということで設置され、このもとに分科会、部会が設置され、今国会に出される、あるいは出された法案というのは、こうした部会、分科会において論議をされた上で提出をされてきているというふうに理解をしているわけであります。

 労働法は、その法体系におきまして、労働市場、個別的労働関係、集団的労使関係という一種独特な社会関係をその対象としているわけでありますが、今後さらに、社会の少子高齢化による労働者像の多様化、あるいは市場競争の激化といったような複雑な変化が予測をされることからも、こうした審議会などが公労使、この三者構成となっている点は極めて重要でありますし、また評価するところであります。

 ところで、その中で公益委員の役割というのは一体何であるのか。さらに、例えば労働政策審議会令の三条によりますと、「委員は、労働者を代表する者、使用者を代表する者及び公益を代表する者のうちから、厚生労働大臣が各同数を任命する。」こうなっているわけですね。公益委員であれば、人選の基準はどうなっているのか。国の労働政策を策定するに当たって、それなりのこれは報酬も払われているわけでありますし、その原資は、今のリスクコミュニケーションじゃありませんが、税金でもあるわけであります。

 そういったこともあわせて、重要性もあわせて、この公益委員の役割と人選基準はどういうふうになっているのかをお尋ねしたいと思います。

谷畑副大臣 厚生労働省に設置されております審議会というのは、先生も御存じのように、労働政策を審議する労働政策審議会、また最低賃金等を審議する中央最低賃金審議会、そういう審議会があるわけでございまして、この審議会は、これも先生が指摘しておりますように、使用者側、労働者側、そして公益という三者で構成をされておるわけでございます。

 この公益側というのは、どういう役割を持っており、またどのような選定基準なのかということでございますけれども、公益と申しますと、やはり中立的な立場が非常に大事でありますし、また、広く国民全体の利益を一般的に代表していく、こういうことだろうと思います。また、その審議会の審議をする対象についての専門的な知識あるいは経験、そういうものから公益が選ばれてくる、こういうように思っております。

城島委員 それでは、時間が参りましたので、残り一点だけ、要望と質問をしておきたいと思います。こうした審議会、分科会、部会の議事録の開示についてであります。

 当然、この厚生労働委員会における法案審議に当たっては、審議会での議論過程というのは、法案作成者の意思を我々がきちっと酌み取るためにも極めて重要な要素なんですね。昨年の国会での、まさに労働基準法改正のときもそうであったように、極めて重要であるわけであります。今国会に出されております、あるいはその予定であるところの分もありますが、高年齢法改正案、これは雇用対策基本問題部会において論議されておりますし、育児・介護休業法改正案、これは雇用均等分科会、それから、これから出される労組法改正案は労働委員会の審査迅速化等を図るための方策に関する部会、これにおいて論議をされているわけであります。

 平成十一年四月の閣議決定である審議会等の整理合理化に関する基本的計画、これを読んでみますと、審議会等の運営に関する指針が定められ、審議会等の運営については、「会議又は議事録を速やかに公開することを原則とし、議事内容の透明性を確保する。」こうなっているわけであります。議事内容の透明性の確保というのは物すごく当然重要でありまして、こうした議事録を我々はしっかり読んだり国民も読まなければ、何をどういうふうに論議しているのかわからないわけでありまして、議事録の検証というのは、国会における審議を託された我々にとって、しっかりと検証することは責務であるというふうに思っているわけであります。

 ところが、指摘をさせていただきますけれども、この労働委員会の審査迅速化等を図るための方策に関する部会については、厚労省のホームページに議事録がまだ出ておりません。それから、雇用均等分科会の議事録、これについても、こういったものについて委員会の審議までに一定の時間をいただかないと、当然余裕を持って公開されるというふうに理解してよろしいんでしょうか。

 また同時に、発言者の名前が出ていないんですね。ぜひ、先ほど聞きましたように、公益委員も含めて、人数はそう多くないわけですから、きちっとどなたがどういう発言をしたかということを明らかにしていただきたいと思います。

 雇用対策基本問題部会の議事録も、当然、委員会審議入りまでにはきちっとホームページに記載されるということを期待しておりますし、また、そうでなければ十分な審議はできないわけなので、それを要請と同時に、どういう状況になっているか、お答えいただきたいと思います。

谷畑副大臣 城島先生指摘されましたように、やはり、審議会等を含めてその会議または議事録を公開すべきだということにつきましては、その趣旨が閣議決定もされておることでもありますし、また当然のことだ、このように実は思っております。さらなる公開を進めていくよう全力を尽くしてまいりたい、このように思っております。

 また、先生が指摘されました雇用均等分科会の議事録ということでございますけれども、これは、平成十四年九月の同分科会において公開のあり方について検討し、会議自体の公開は決定したものの、発言者名の掲載については、自由な意見表明に支障が生じるとの委員の御意見があったことを踏まえ、会長、会長代理、公益委員ということで、固有名詞は載せられていなかったわけであります。

 しかしながら、他の審議会の公開の状況にもかんがみ、発言者の名の公開について委員の御理解を得るよう、さらに働きかけてちゃんとしてまいりたい、このように思っております。

城島委員 ぜひ、そういう委員の名前も含めて、しっかり、そういう人選をされているわけなので、名前も含めた、そして早い段階での公開をお願いしたいと思います。

 以上で終わります。

鴨下委員長代理 次に、樋高剛君。

樋高委員 民主党の樋高剛でございます。

 きょうはちょっと欲張りまして、三本立てでまいりたいと思っております。

 まず最初に、三位一体の改革についてでありますけれども、特に生活保護費の負担金、国と地方の割合、今全国各地で地方議会も行われておりますけれども、この行方がどうなるかということを物すごく注目されているわけであります。

 まず、ここに資料がございますけれども、これは去年の十二月十九日、三位一体の改革に関する政府・与党協議会のペーパーでございます。この中で、国庫補助負担金についてということで、地方向け国庫補助負担金について一兆円の廃止、縮減等を行うということになっております。そして、厚生労働省としては、二千百五十億円程度、さまざまな費目で国庫補助負担金の改革を行うということのようでございます。そして、注目をしなくてはいけない部分なんですが、要は、「生活保護費負担金の見直しについては、」ここの記載のところですけれども、「自治体の自主性、独自性を生かし、民間の力も活用した自立・就労支援の推進、事務執行体制の整備、給付の在り方、国と地方の役割・費用負担等について、地方団体関係者等と協議しつつ、検討を行い、その結果に基づいて平成十七年度」、つまり来年度、今、予算で審議しておりますのは、これは十六年度でございますけれども、「十七年度に実施する。」というふうに言い切っているわけであります。今現在は、いわゆる生活保護費の負担金につきましては国対地方は三対一でありますけれども、この見直しを今後いかなる方針で、検討を行うとさっきの文書にも書いてありましたけれども、行うのか。いわゆる生活保護に関して、今後国庫補助負担金を縮減する可能性はあるのか、お尋ねをいたします。

坂口国務大臣 三位一体の問題は、これはこれからも進めていかなければならない課題だというふうに思っております。

 補助金の問題、いつも出るわけでございますが、国全体の中で半分は厚生労働省関係でございまして、二十兆あります中で十兆円は厚生労働省の所轄でございます。

 その中身を見ますと、一番大きいのが国保、そしてその次に介護、それで生活保護、そして保育所と障害者、これでもう少なくとも九五%ぐらいはいくんじゃないかというふうに思いますけれども、そうしたものが含まれているわけでございまして、それでは、その中でどこを地方に主体的にお願いをするかということが一つ問題点としてあるというふうに思っております。さらに加えて、それでは、補助金の額としては減らしても、全体としての予算というものはやはり地方もなければやっていけないだろう。その予算をどう確保するのかという問題と両方あるというふうに思っております。

 ことしは公的な保育所だけにさせていただきましたが、公的な保育所はそれぞれの地方自治体がみずからおつくりになったということもあって、主体的にいろいろおやりをいただけることもあるのではないかというふうに思っております。

 次に、生活保護の問題につきましても、これは生活保護を都道府県別に見ますと、十倍ぐらいな格差がある。二パーミリと二〇パーミリというふうに十倍の格差がある。そういうこともございますし、それぞれの地方によってかなり状況の違うところもあるわけでございます。

 状況が違うということは、それぞれの地域で自由裁量でおやりいただけるところもかなり大きいというふうにも思っているわけでございまして、いずれにいたしましても、財源をやはり確保するということを中心にしながらやっていかなきゃならない問題であるという認識は持っておりまして、そうした意味で、これから関係省庁と、あるいはまた地方自治体とも協議を重ねていきたいというふうに思っているところでございます。

樋高委員 要するに、確認でありますけれども、いわゆる国庫負担割合を引き下げて、地方の方の負担割合をふやすという可能性が高い、そういう御答弁でよろしいんでしょうか。

坂口国務大臣 そういうふうな方向でいろいろと協議をしなければいけないというふうに私は思っているということを申し上げたわけであります。

樋高委員 要するに、地方の方も、もちろん国の方も財政逼迫している、これはもうだれもがわかっている話でありますけれども、一方で、地方においても予算、お金が足りなくて困っているという中で、今大臣も触れられましたけれども、まさしく、いわゆる地方で負担がふえた分をどういうふうに補てんするのかということを、やはり国としても、きちっとした方向性、方針、ビジョン、政策というものをきちっと提示して、そして各地方とも十分な協議を経て御理解をいただいた上で実行されなくてはいけないと。

 そもそも、現在、それぞれ地方地方で生活保護を受けている方がいらっしゃるわけであります。もちろん地方それぞれによって、すぐにその財源が独自に開発というか、いわゆる捻出をすることもできる地域もあるかもしれませんけれども、必ずしもそうでない地域も多いわけでありますから、いわゆる生活保護費負担金の減額、つまり、昨年の暮れは政府が負担率三対一から二対一にしようというふうになさったわけでありますけれども、その財源確保をしっかりと前提にしてやっていただきたいというふうに思いますけれども、これは確認で、大臣、御所見をお願いします。

坂口国務大臣 財源確保に私たちも努力をしなければいけないというふうに思っておりますし、しかし、地方の方も、先ほど申しましたように十倍の格差があるというような状況でございますから、地方の方にお願いをしなきゃならない部分もあるだろう、そういうふうに思っております。

樋高委員 地方自治体が不足する財源について心配することがないように、もちろん、地方はそれぞれ努力をすると思いますけれども、しっかりと政策を講じていただきたいと思います。

 次に参ります。戦没者の遺骨収集、慰霊事業につきましてお尋ねをさせていただきます。

 大臣も所信表明の中で触れられていらっしゃいました援護行政ということでありますけれども、今日も多くの戦没者の御遺骨がいまだ回収されずに祖国への帰国を待ち望んでいると思われます。その一つに、モンゴルのノモンハン事件の戦没者が挙げられると思います。

 ノモンハン事件は、一九三九年のことですから、今からもう六十年以上、約六十五年前の話でありますけれども、満州国とモンゴル国境のノモンハン付近で起きた日ソの軍事衝突事件でありまして、日本軍は一万数千人規模の死傷者を出したとも言われております。

 二年前の平成十四年五月でありますけれども、この厚生労働委員会におきまして、私は坂口大臣、そして副大臣と議論をさせていただいて、その三カ月後、平成十四年の八月でありますけれども、日本として初めて厚生労働省が現地に調査に赴きました。これは、私は素直に一歩前進であったと評価をさせていただきたいと思います。

 そのかいあってか、昨年暮れの話ですけれども、十一月二十一日には、モンゴルのエンフバヤル首相が訪日をして、総理と会談をいたしまして、ノモンハン事件の戦没者遺骨収集をモンゴルとして、国として認める考えを表明し、日本人抑留者に関するすべての情報を提供するという意向が示されました。そして、同じく去年の十二月の四日でありますけれども、モンゴルの大統領が訪日をして、日本とモンゴルの共同声明の中でも同様のことが確認がなされております。二〇〇三年十二月四日付の文書なんですけれども、いわゆる共同声明という形で、このように書かれております。「日本側は、モンゴル側に要請していたノモンハン事件戦没者の遺骨収集の実施及び戦後抑留者の個人情報の提供について、モンゴル側が前向きに決定し、関連する資料の一部を今回日本側に提供したことは、進展しつつある日本国とモンゴル国との間の良好な関係を反映するものとして謝意を表明した。」ということであります。

 二年前の現地調査のときには、七柱の遺骨が発見されましたけれども、当時はモンゴルの許可がおりませんで、仮埋葬のままであります。また、去年は現地調査も遺骨収集も実施されておりませんので、放置されたままであります。

 今申し上げましたとおり、去年の年末には、いわゆるモンゴルは国として遺骨収集を認めるとともに、日本人抑留者に関する情報提供にも協力すると合意をなさったわけでありますから、しかも、その遺骨収集というのは、地域の気候の関係で、やはり夏しかチャンスがないんだそうであります。このノモンハン事件のいわゆる戦没者の遺骨収集の予定につきまして、お尋ねをさせていただきます。きょうは、その御遺族の方が傍聴に見えられておりますので、がっくりしない、前向きな御答弁をお願いいたします。

谷畑副大臣 樋高委員の御尽力といいましょうか、ノモンハン事件における戦没者の遺骨収集という、遺族にとりましても非常に心の中にずっと残っていく課題というのか、そういうことだろうと思います。そういう尽力のおかげで、過日、モンゴルの大統領が訪日をされて、小泉総理との会談、こういうことが実現をいたしました。そういうことによりまして、平成十六年の七月ごろに実施をしたい、こういうことでございます。

 今後とも、相手国の了解を得ながら、遺骨収集に積極的に取り組んでいくということを申し上げたいと思います。ありがとうございました。

樋高委員 遺骨収集に関しましては、十六年度予算案では七地域、二億三千万円計上しているそうでありますけれども、しっかりとお願いをいたしたいんであります。

 二年前に調査に赴いたときに、モンゴル政府の外務省さんからは慰霊碑を建立なさってはどうかという提案があったと聞いておりますけれども、それについては政府としてどのようにお考えでしょうか。

坂口国務大臣 前回、そういう御指摘をいただいたことをよく覚えております。

 ノモンハン事件というのは、ここにおみえになる議員の皆さん方はほとんどが御存じないわけでありまして、私だけ、私が幼少のみぎりに、生まれていたということでございましょう。大変前の話でございますけれども、そういう前の話を委員がお取り上げをいただいたということに敬意を表しております。

 今お話にございましたように、モンゴルの外務省から慰霊碑を建てることも慰霊の一つの方法ではないかというお話をいただいたことは事実でございまして、政府としましても、主戦地域、そういう地域には今までからも、そこで亡くなられた皆さん方はもちろんでございますが、その地域の国民も含めて慰霊をする思いを込めて慰霊碑を建立してきたところでございます。ノモンハン事件の戦没者につきましても、先ほど答弁しましたとおり遺骨収集を行いますとともに、また慰霊碑の建立につきましても、皆さん方と協議をこれから深めていって、そして実現をしたいと考えておるところでございます。

樋高委員 六十年以上野ざらしになっていて、残念ながら遺骨ももう残っていない戦没者の方も多くいらっしゃると思いますけれども、またその方々のためにも、また御遺族のためにも、ぜひ今度は慰霊碑の建立も含めましてしっかりと対応していただきたいと思っておりますし、ノモンハン事件だけではなくて、世界各地の多くの戦没者の遺骨収集にも引き続き御尽力をしっかりといただきますように要望をさせていただきます。

 そして、次のテーマに移りますけれども、少子化対策であります。

 今国会は年金国会とも言われておりますけれども、少子化の問題は、いわゆる年金の改革、今回の年金の政府案は私は改悪法案だというふうにまず意思表示をさせていただきますけれども、まず少子化対策をいかに行うかということも、私は、この年金問題を考える上で物すごい重要な入り口の部分ではないかというふうに思っております。

 そんな中にあって、今日の政府の少子化対策、私は、なっていない。それは、なぜならば、まず結果を出せていないからであります。もちろん、結果をすぐに出し得るものでもないというのもわかってはおりますけれども、しかしながら、今日の現状を考えたときに、緊張感を持って、そして覚悟を決めて、これは政府として、国として、しっかり取り組んでいかなくてはいけないというふうに思っております。

 人口動態統計、厚生労働省大臣官房統計情報部から資料をいただいたんですけれども、出生数及び合計特殊出生率の推移。出生数の推移を見ると、一九七〇年代前半には、一年間に生まれてくる子供の数はおよそ二百万人前後でしたけれども、近年では百二十万人を下回るまでに減少を続けている。合計特殊出生率が二・〇八人を下回れば、親世代より子世代の数が少なくなり、やがて総人口は減少へと向かう。二〇〇二年の合計特殊出生率は一・三二であった。

 そして、その後の日本の人口がどうなるのかということなんですけれども、日本の将来推計人口、これは平成十四年一月に国立社会保障・人口問題研究所が出している数字でありますけれども、我が国の総人口は二〇〇〇年時点でおよそ一億二千六百九十三万人、その後二〇〇六年、つまり二年後ですけれども、一億二千七百七十四万人をピークにして減少に転じると予測されております。そして二〇五〇年にはおよそ一億人、そして、もう我々は生きておりませんけれども、二一〇〇年にはおよそ六千四百万人にまで減少すると見込まれている。国の人口が半分になるという大変な局面に今立たされているわけであります。

 そうした中で、少子化が進行した背景としていかなる原因があるというふうに認識をしているのか、また、政府が示したいわゆる次世代育成支援に関する当面の取り組み方針の概要はいかなるものなのか、御説明いただきたいと思います。

谷畑副大臣 樋高先生が指摘されておりますように、少子化の問題というのは我が国にとりましても非常に大事な問題だ、このように思っております。また同時に、これだという決め手というのか、なかなかそれがないというのか、そういう意味では非常に難しい問題だと思います。

 過日、私ども副大臣会議におきましても、この少子化問題が非常に大事だということで大きなテーマになりまして、それぞれが報告し合って、またそのことについて意見を述べて、少しでも政府の少子化対策にさらなる政策を提言したいということで今私どもも張り切っておるところでございます。

 先生の、原因は何かということでありますけれども、やはり晩婚化、未婚化、結婚をしないというのか、そういう点もあります。

 晩婚化と未婚化の進行ということで少しデータを見ますと、二十五歳から二十九歳の未婚率ということで、男性が、昭和五十年には四八・三%であったものが平成十二年におきましては六九・三%と、未婚がぐっと上がっておりますし、また女性は、昭和五十年におきましては二〇・九%から平成十二年におきましては五四%ということで、これもまたぐっと上がっております。だから、まず結婚をしないとやはり子供が生まれてこないわけですから、ぜひ、未婚化という問題もどうすべきかと思います。また、晩婚化というのは、これまた御存じのように、晩婚になってからの子供の出生というのは非常に危険を伴うということでもあろうかとも思います。

 これらの問題を背景として、育児の負担や子育てと仕事の両立の負担の増大、そして個人の結婚観、価値観の変化、親から自立して結婚生活を営むことへのためらいなどといった点がこの少子化において指摘されているところでございます。

 こうした急速な少子化の進行は、今後の我が国の社会経済に重大な影響を与えるものであり、改めて国の基本政策として、その流れを変えるためにもう一段の取り組みを進める必要がある、このように思っております。

 このため、昨年三月に、少子化対策推進関係閣僚会議において、次世代育成支援に関する当面の取り組み方針を決定したところでございます。この方針において、従来の待機児童ゼロ作戦の推進等、仕事と子育ての両立支援の取り組みに加えて、男性を含めた働き方の見直し、地域における子育て支援、社会保障における次世代支援、子供の社会性の向上や自立の促進といった四つの柱に沿って、改めて政府、地方公共団体、企業等が一体となった取り組みを進めることとしているところでございます。

 また、昨年及びことしの二年間を次世代育成支援対策の基盤整備期間と位置づけ、一連の立法措置を講じることとし、昨年には次世代育成支援対策推進法等が成立したところでございます。

 以上です。

樋高委員 いわゆる少子化の問題でありますけれども、政府の方で今まで、過去二十年ぐらいでどういう取り組みをしてきたというのを全部私、ちょっと自分なりに検証もさせていただきましたけれども、問題は、結果を出せていないということであります。

 政治はやはり結果責任。どんなに一生懸命おれはこんなにやっているんだと言ったって、やはり結果が出せなくちゃいけない。もちろん、努力してもなかなか結果が出ない部分もあるでしょうけれども。しかしながら、私は、今副大臣おっしゃった決定打というものを政府は考えていく責任があるし、それを実行し、きちっとした成果を出していく責任が問われているし、そこの覚悟、そしてその意識が欠如しているんではないかと、ちょっと辛口ではありますけれども、申し上げさせていただきたい、御指摘をさせていただきたいと思います。

 今、少子化によって国家存亡の危機にある、ちょっと大げさに聞こえるかもしれませんけれども、そのぐらいの意識啓発、いわゆる国民、市民の皆様方に対して御理解をいただくという努力が足りないのではないかというふうにも思いますし、また政府が、日本の将来は五年後、十年後、二十年後、三十年後、こういう社会にするんだ。さっき申し上げましたとおり、日本の人口はもう二年後をピークにしてどんどん減っていきます。そうしたら経済も労働力の低下によって縮小するかもしれない。また、今後さまざまな世界の激変環境の中にあって、日本が生きていくためにはやはり人材を育てていく、人によって日本は成り立っている国家でありますから、やはり政府はきちっとした国家ビジョンを、社会ビジョンを示していかなくてはいけないと私は思いますけれども、副大臣、きょうは積極的に御答弁いただいておりますので、副大臣の御所見を伺いたいと思います。

谷畑副大臣 樋高先生おっしゃっているとおり、この少子化問題というのは、我が国にとりましても非常に重大な問題でありますし、また、まさしく各省庁を乗り越えて、やはり全体でこの少子化問題に取り組んでいく、そういうことをしなきゃならぬし、また、今指摘されましたように、成果をやはりしっかりと上げていかなきゃならぬと思います。

 今までは、結婚して子供が生まれる、そして、その生まれた子供を、一人よりも二人ということで児童手当だとか、あるいはまた、生まれた子供たちを共働きでも育てることができるようにということで保育所だとか、あるいは子育てに向けた有給休暇だとか、そういう制度をいろいろつくってきたわけですけれども、しかし、先ほど言いましたように、それはいろんな枝と言ったらおかしいですけれども、やはり根本的には結婚ができる社会というのか、結婚して家庭を持つのが人生にとって最も幸せなんだと、こういうふうに樋高先生がおっしゃる、そういう日本の社会というのか、そういうものを、もっとしっかりとビジョンというものを、おっしゃるとおり、結婚して家庭を持ち、そしてこの社会の中でしっかりと生きていくことが人生においてはすばらしいことなんだと、こういうことを私どもがいろいろな角度の中から示していくということが非常に大事ではないか、こういうふうに思っております。

樋高委員 それから、さまざまな取り組み、細かい積み上げというのももちろん私は重要だと思いますけれども、政策にはプライオリティー、優先順位というものをつけていいんじゃないか。それと同時に、わかりやすさ。こういうことをやっているからみんなで、国の将来のため、日本のため、子供たちのため、孫たちのために、そして国家の繁栄のために頑張ろうじゃないかという雰囲気づくりも私は必要なんではないかというふうに思いますけれども、まず、それぞれの政策、どの政策も重要でありますけれども、優先順位をつけるということについてどのようにお考えか。

 それと、若い方々、若い世代が将来の日本をしょって立つわけでございますから、若い方からもどん欲に奇抜なアイデア等々も吸収をしていただいてそれを政策に反映する、それはもちろん私もやりますし、我々もやりますけれども、それは国家一丸となってやっていかなくちゃいけないと思いますけれども、どのようにお考えになりますか。

谷畑副大臣 少子化問題におきまして、先ほど申し上げましたように、子育ての問題だとかあるいは育児休暇の問題だとか、ニーズが多様だと私は思います。

 そういう意味におきましては、ある意味でいったら、小出しじゃなくて、もう少し国民全体が関心を持って、非常に大きな、骨太な、ああなるほど、これが少子化対策だ、こういうものも今先生指摘しているように、そういうことは国民の啓蒙においても私は非常に大事ではないか、こう思っておるし、今のところはそういういろいろなニーズもしっかりと踏まえながらしていきたい、こう思っています。

樋高委員 きょう、私自身具体的な提言を持ってきたんですけれども、ちょっと時間がございませんので、例えばですが、男性の育児休業。もちろんこれも賛否両論ありますけれども、例えば、子供が生まれたら男性はもう、これを法律で定めてしまって、男性の育児休業を一カ月とらなくてはならないとか。もちろん、その分中小企業は大変でしょうから、それは国として支援策を講じなくてはいけませんけれども。あるいは、小学校入学前は病気にかかりやすいわけでありますから、医療費はもう自己負担はゼロにする、その分国が全部面倒見るんだというぐらいの、わかりやすい、そしてすごく意欲をかき立てられるような少子化対策というものを講じていかなくちゃいけないと思います。

 最後に大臣に、済みませんがお伺いをさせていただきます。

 具体的な提言につきましては、対案というか、私の意見につきましては、また機会がありましたらお話をさせていただきますが、いずれにしましても、この少子化対策は国の最重要の課題の一つとして、政府として覚悟を決めて取り組んでいかなくてはいけないというふうに思いますけれども、重要性についてどのように認識なさっていますでしょうか。

坂口国務大臣 副大臣からるる御答弁を申し上げたとおりでございますが、いずれにいたしましても、これは日本民族滅亡の危機に瀕しているというふうに言う人もあるぐらいでありまして、今後、やはりこのことは日本の経済あるいは社会全体に大きな影響を及ぼすことでございます。したがいまして、この少子高齢社会への対応ということが最も望まれる課題である、ここをやはり政策の最優先課題にすべきであるというのが私の意見でございまして、そのためには、今御指摘になりましたように、いろいろのことの積み重ねによってそれはやっていかなきゃなりませんが、その中で何を優先するのかということも多分あるだろうというふうに思っております。

 男性の育児休業のお話もございましたけれども、現在、男性は〇・三三%でございまして、これは人の前で言うのもなかなかはばかられるような数字でございます。こうしたことも踏まえて、しかし、そういうふうな皆さん方が育児休業をとったそのことによって、一部の企業だけが大変大きな負担をするということではいけませんから、そこを日本の社会全体でどう支えるかといったこともあわせて考えていかなければならない問題だというふうに自覚をしているところでございます。

樋高委員 もちろん政策にはプライオリティー、優先順位をつけることも重要でありますし、また、ただ単なる個別的な政策の積み上げだけじゃなくて、やっぱりもう少し、年金ではありませんけれども、抜本的な対処、政策を推進するということも私は必要なのではないかというふうに思います。

 いずれにいたしましても、この少子化対策、今の政府が成果を出し得ないのであるならば、やはり政権交代によって民主党が政権をとって、そして成果を出していかなくてはいけないのかなというふうにも思います。きょうはありがとうございました。

鴨下委員長代理 次に、泉房穂君。

泉(房)委員 民主党の泉房穂です。

 一昨日の法務委員会にて成年後見制度につきましての質問をさせていただきましたが、こちら、きょうの厚生労働委員会におきましても引き続き、成年後見制度の、質、量ともの充実化に向けての質問をさせていただきます。

 私は、弁護士をしております。町医者のような弁護士をしておりますので、毎日のように高齢者の消費者被害、そういった相談を受けます。痴呆になりかけたひとり暮らしのお年寄りのもとに呉服を売りに来る、浄水器を売りつける、そんなことが絶えません、何度も何度も繰り返す。そして、あげくの果てに、家族が耐えかねてやむなく施設の方に入所を決断する、そういったことを毎日のように見ています。

 また、親族といってもいろいろな方がおられて、ふだん交流のない親族、おいっ子が養子に勝手に入ってしまって、本当はまだ地域で暮らせるその方を施設に入所させてしまう。私はたまたま事件でそのことに気づき、養子縁組を無効にするために一年かけて裁判をしました。しかしながら、養子縁組を無効にした一年後には、その方は、施設での暮らしの中で痴呆が進んでしまってもう地域で暮らすことができない、そういった状況になってしまいました。お金を取り戻したとしても、もはや痴呆が進んでしまって地域で暮らせない、そういった現実を日々感じながら、この問題はどうすればいいのか、そういうふうに思ってきました。

 この問題は、例えば、ひとり暮らしのお年寄りがそういった消費者被害に遭っても、クーリングオフ期間を過ぎても取り消しができる、そういうことができればいいわけです。また、親族が勝手に養子に入っても、そんなことはだめだ、勝手に施設に入れたとしても、そうではなく、本人の意思に従ってちゃんと地域で暮らしていける、そういったことをサポートできればいいわけです。

 こういう制度はあります。それがまさに成年後見制度なわけであります。

 私は、この成年後見制度の充実化こそが、障害があっても、また、年をとって痴呆になったとしても、地域で暮らしていくため、そういう社会をつくるためには不可欠の制度である、そう確信いたしております。

 国会議員になり、この問題を取り上げたいと思い、関係各省に連絡をしました。ところが、法務省に電話をしても、うちは法制度だけです。最高裁は、運用だけです。厚生労働省に至るや、うちは違いますという答えが返ってきました。私は、てっきり厚生労働省には成年後見課というような課があるのだと思い込んでいましたが、そうではないようであります。

 しかしながら、私は思います。そうであれば、法務省、最高裁、厚労省が一体となってこの問題に取り組んでいっていただけばよいわけでありますので、きょうは、そういう観点から、一昨日の質問を踏まえまして、それぞれ順次質問をさせていただきます。

 まず、法務省に対してであります。

 一昨日の質問に対しまして、この成年後見制度でありますが、二〇〇〇年四月、介護保険と一緒に車の両輪として導入されました。そのときの附帯決議には、この制度趣旨を周知徹底させるべきである、これが附帯決議の一であります。四は、登記所を拡充させる、そのように附帯決議には定められております。しかるに、四年たってもほとんど周知徹底はされていない。登記所も、いまだ東京法務局の一カ所。そのことを質問したところ、法務省の方としては、周知徹底させます、登記所も、十六年度中に五十カ所に拡充させます、そういう答えでありました。

 では、質問いたします。

 周知徹底と申しますが、これまでは、こんなパンフレットを法務局に置いている。あとはホームページぐらいです。こんなことで周知徹底はできません。本当にこの制度を必要としているのは、知的障害者、精神障害者、痴呆性の高齢者であります。在宅介護支援センターなり、そういった施設に周知徹底活動が必要であります。

 また、内容でありますけれども、これを見ましたら、登記のことばかりが書いてあります。しかし、成年後見制度はそういった趣旨ではありません。成年後見制度の趣旨は、先ほどから申し述べているように、痴呆になっても、精神障害、知的障害があったとしても、その人の自己決定権、意思を最大限尊重していこう、その人にまだ判断できる力があればそれを尊重していこう、そしてまた、みんなでそういった方が地域で暮らしていけるよう支えていこう、それがこの理念であります。そういったことをちゃんとパンフレットに書いて、この制度はこういう制度です、ぜひとも利用してください、そういったことを書くべきであります。

 その点から、この周知徹底につきまして、配布先、そしてこの内容につき質問いたします。また、あわせて、登記所、十六年度中に五十カ所とのことでありますが、何年何月から運用を開始するのか、明確にお答えください。

房村政府参考人 お答え申し上げます。

 まず最初に、成年後見登記に関する証明書の交付事務を取り扱う登記所を全国五十の法務局、地方法務局に拡大するという点でございますが、これは、平成十七年の一月中に運用を開始できるように現在準備を進めているところでございます。

 それから、パンフレット等の配布の件でございます。

 御指摘のように、現在までは、このパンフレットを、法務局の窓口あるいは市町村の窓口等に置いていただく、そのほか、司法書士会とか弁護士会等にもお願いしておりますが、それが中心でございました。ただ、先日の法務委員会における御質問、あるいは本日も、成年後見制度を必要とする人の多い障害者等の施設に配布する必要があるのではないかという御指摘でございます。これは、私どもも、そういう御指摘を踏まえまして、関係機関とも協力をした上で、配布先については拡大の方向で努力をしたいと考えております。

 それから、このパンフレットの内容でございます。

 確かに、御指摘のように後見登記事務の事項も多く記載されておりますが、これは、成年後見制度の改正に伴いまして、新たに成年後見登記制度というものが設けられまして、従来の禁治産、準禁治産等は戸籍に記載していたものを、全く新たな制度として登記制度をつくったということもありまして、この制度内容について、利用の方法等も含めて広く知っていただきたいという思いもありまして、この成年後見登記制度についての分量が相当多くなっておりますが、御指摘のような成年後見制度そのものの趣旨につきましても、我々として、もちろんこれを広く利用していただくということを望んでおるわけでございますので、御指摘の点を踏まえて、パンフレットの内容についても検討を加えたい、こう考えております。

泉(房)委員 今ので確認ですが、十七年一月中には運用を開始できるということですね。結構です。

 それから、あと、登記所は全国六百九十九カ所あります。五十ではまだまだです。六百九十九に向けてぜひとも取り組んでいただきたい、そのことを申し述べます。

 それから次に、最高裁に関しましては、一昨日、運用改善に向けての努力を図るとの答えを得ましたので、運用の状況を見ながら改めて質問をしていきたいと思います。

 次に、司法改革推進本部に対してであります。

 司法改革関連法案の関係で、司法ネット構想も進んでおります。司法ネット構想で大事なのは、利用する市民の方から見てそれが本当に必要な制度であることが必要であります。まさに、この成年後見制度というのは、それに似つかわしい内容であります。一昨日、そのことを質問いたしましたところ、法務大臣より、司法ネット構想にもこの成年後見制度を位置づけるとの回答を得ました。しかしながら、今までの司法ネット構想につきましては、関係機関、弁護士なり司法書士会なりとの連携はあるようですが、社会福祉分野との連携については余り聞こえてまいりません。しかしながら、今の時代、司法の分野と福祉の分野が連携しなければ、真の意味で、本当に被害者救済なり市民の利益にはつながりません。この成年後見制度は、まさに司法と福祉が連携しなければ、本当に意味のない制度になってしまいますので、その点、今後、司法ネット構想を進めるに当たりまして、社会福祉士会その他社会福祉関係団体とも連携をとりながら司法ネット構想を進めていくという理解でいいのかどうか、御答弁をお願いします。

古口政府参考人 お答え申し上げます。

 司法ネット構想は、司法を国民により身近なものとするために、民事、刑事を問わず、あまねく全国において法による紛争の解決に必要な情報やサービスの提供が受けられるような総合的な法律支援の体制を整備しようとするものでございます。

 司法ネットの中核となる運営主体においては、相談窓口における相談受け付け、情報提供などの業務を行うこととしておりまして、成年後見制度につきましても、適切な情報の提供がなされる必要があるものと考えられます。運営主体がその業務を行うに当たりましては、地方公共団体や弁護士会、裁判外における法による紛争の解決を行う者など、関係する機関、団体との適切な連携協力が図られなければなりません。御指摘の日本社会福祉士会など社会福祉分野の公的な団体とも、利用者に法的トラブルなどへの対応に必要な情報を提供するという観点から、適切な連携協力を図る必要があるものと考えております。

泉(房)委員 今の答弁により、福祉分野との連携が今後なされていくと理解いたします。本当に司法と福祉両面でやっていかないと、これからは片方だけではだめな時代ですので、ぜひとも福祉分野との提携をよろしくお願いいたします。

 この成年後見制度ですが、今聞いておられる方も、なかなか聞いたことがない方も多いかと思います。実際、この制度が予定している人数ですが、これも一昨日、厚生労働省に質問をいたしましたところ、厚生労働省より、痴呆性高齢者は百四十九万人、知的障害者は四十六万人、精神障害者は二百五十九万人。これを足しますと、四百五十四万という数字が上がります。もちろん、その中には判断能力がかなりある方もおられますからそのとおりではありませんが、少なくとも法定後見だけ見ましても、四百五十四万人が潜在的な利用を予定している状況にあろうかと思います。

 諸外国を見ますと、大体人口の一%が既に利用しています。ドイツでは、八千百万人の人口のうち百万人が利用しております。日本に直しますと百二十万人。日本の方が高齢化が高いと思われますので、実際のところ、日本で百三十、百五十万人がこれを利用してしかるべき制度なわけです。しかるところ、今の日本の状況はわずか四万程度です。

 一昨日、最高裁に、現在一体何人が利用しているかと聞いたところ、はっきりわからない、これまで審判をした、裁判をした、その数は足せます、しかしながら今一体何人が利用しているかも把握していない、こんな状況であります。たった四万の状況から百万の状況に向けて努力するには、本当に抜本的な発想の転換、努力が必要であります。

 私が思うに、この成年後見制度とは、登記の話でも裁判の手続の話でもなく、まさに痴呆性高齢者、精神障害者、知的障害者、四百五十四万人に対して、その方々が地域で暮らしていけるためにどうしていくのかという課題でありますからして、まさに厚生労働省が全力を挙げて取り組むべき課題であろうと私は理解しております。

 厚生労働省のトップであります大臣の成年後見制度の問題につきます意気込みのほどを、まずはお聞かせいただきたいと思います。お願いいたします。

坂口国務大臣 御質問いただきましてありがとうございます。

 この後見制度、この委員会におきましても、昨年でございましたか一昨年でございましたか、かなり熱心に議論されたことがございます。今お話がございますように、厚生労働省こそこの問題をやらなきゃいけないわけでございます。

 知的障害者の皆さん方の問題もそうでございますし、それから、痴呆性老人の皆さん方がだんだんとふえてくるわけでございますから、ふえましても減るということはないわけでございますので、これらの皆さん方に対しまして後見人の皆さん方をつくっていくということは、もう避けて通れない話でございます。

 しかも、社会福祉の制度そのもの、政策そのものも、これからさまざまな選択制になってまいります。それぞれの人がどれを選択していただくかということを選んでいただくようになってくるわけでありますから、御自身で選べないときに一体だれがそれにかわってするのかということは大変大事な問題でございますので、今お話を聞きながら、いや、これは厚生労働省しっかりやらないといけないというふうに思いながら聞かせていただいたところでございますので、心を入れかえて今後しっかりと頑張っていきたいと存じます。

泉(房)委員 本当に心強いばかりの御答弁、ありがとうございます。しっかりとその大臣の努力を期待しつつ見させていただきたいと思います。

 ところが、実際のところ、厚生労働省が今やっている事業といたしましては成年後見制度の利用支援事業、ぐらいと言っては失礼ですが、があります。しかし、ほとんど利用されておりません。この点、改善に向けてどのような努力をなさるおつもりなのか。

 そしてまた、あわせて、介護保険制度の見直し論議が盛んでありますが、御存じのとおり、介護保険の導入に合わせてこの成年後見制度は導入されました。当時から、まさに車の両輪と言われ続けたわけであります。車の両輪である片方が見直し論議がどんどん進んでいるにもかかわらず、もう片方の成年後見の部分だけほったらかされたのでは話になりません。この成年後見制度につきましても、当然のごとく、介護保険の見直しに合わせて議論がなされていくべきものと考えますが、その点、あわせてお答え願います。

坂口国務大臣 これは、やはり政策の立て方によりまして、この問題は一挙に浮上するというふうに私は思います。

 昨年、いわゆる障害者の皆さん方の問題、これは地域によりましては非常に進んでいる地域と非常におくれている地域とあったわけでございますが、政策転換を少しいたしましたことによりまして、全国津々浦々、障害者に対する大変な取り組みが進んでまいりました。したがいまして、この後見制度につきましても政策の立て方によって私は急速に進むのではないかという気がいたします。

 来年は介護制度のちょうど見直しにもかかっておりまして、ことしはその議論を皆さん方にもしていただかなければならない年に当たっております。その制度見直しに当たっての議論の中でこの問題もあわせて取り組みをさせていただいたら、私は大きく変化するのではないかというふうに思っております。

泉(房)委員 本当に、このようなありがたい答えがすぐ返ってくるとは、ありがたいばかりであります。

 あわせて質問いたします。ただ、この成年後見制度につきましては、実際のところ、申し立て費用、お金がかかる。第三者が後見人につけば、その報酬の面の問題になります。その点、実際のところ、きれいごとを言ってもお金はかかります。介護保険見直し論議の中で支援費制度の統合も言われております。実際、お金のない中、しかしながら福祉を充実させる、難しい問題であります。

 そうであれば、この成年後見制度にかかるお金の問題も、これからの議論でありましょうが、その保険料の対象にするであるとか、いろいろな工夫がなされてしかるべきであろう。そうでなければ、四万の数を百万に上げることはできないと考えます。

 また、あわせて指摘させていただきたいのは、もう一点、これは弁護士として強く思ったことでありますけれども、私も、支援費の制度の導入の際にもたくさんの施設の契約書をつくりました。契約書をつくる際に、利用者にわかりやすい契約書をつくってくださいと言われました。一生懸命わかりやすい契約書をつくろうとしました。漢字に振り仮名も振りました。しかしながら、知的障害者、重度の方にその契約書を示したとしても、理解できるはずがありません。その方に対して、名前を書いて判をついてくださいという、こんなことできません。どうすればいいのかと厚生労働省に問い合わせたところ、答えは返ってきません。なぜなら、法律的には、当の本人に契約締結能力がなければ契約は無効だからであります。厚生労働省は、信頼できる保護者がすれば何とかと、しようがないようなニュアンスのことを言われましたが、それは法律的には本当にむちゃくちゃな話で、あり得ない話であります。

 介護保険の導入も同じであり、また、支援費制度もそうでありますが、利用者の契約に基づいて介護保険制度、支援費制度が成り立っている限り、そのもととなる利用者本人がしっかり判断して、有効な契約でなければ、制度自体が本来無効なわけであります。

 そういった点も含めましたときに、戻りますが、介護保険制度の見直しの中で、お金の問題も含めてしっかりとした議論がなされるべきであると思いますが、大臣、再度、御答弁よろしくお願いいたします。

坂口国務大臣 具体的な問題につきましては、私も十分にわかっているわけではありません。先生は専門家でございますから、またいろいろ御意見をお伺いしたいと思いますが。

 そうした中で、確かに介護の問題も、全体を見ましてもそうでございますけれども、これは金のかかる話でございます。上手事だけでは済まない話に最後はなってくるわけでございまして、そういたしますと、大臣は大きなことを言ったけれども、その割に進まないじゃないかというふうに言われる可能性もまたあるわけでございます。

 その辺のところを一体どうするか。必ずしも金をかけなければできないことばかりではございません。これは金をかけずにどういうふうにするかということもあわせて考えていかなきゃならない。しかし、では全然出さないで済むかといえば、それはそんなことにはならない。そういうことになりましたときに、全体でみんなでどう支え合うかの話でございますから、しかし、そこをどのように国民の皆さん方にお願いをするかということに最後にはなってくるというふうに私は思います。

 そのときに、一番最初、福島議員にも、私、お話し申し上げたところですけれども、すべてを職域におきます保険でお願いするというわけにもいかない。これは、企業にプラスになるとか、そこに働く人たちにプラスになるとかという問題を超えた、国民全体の中で支え合わなければならない部分というのはあるというふうに思っておりますし、そこをどういう形でこれから財源とともに実現していくか、やはり知恵を絞らなければならないところだというふうに思っております。

泉(房)委員 これからも議論が進められていくと思いますが、一点だけ問題点を指摘しておきたいと思います。

 私自身後見人をやっております。先月も三件申し立てをいたしました。そういう中で感じますのは、お金を使わずにいようと思うと、親族が後見人をすれば費用がかからないことが多いです。しかしながら、現実には、親族が後見人をしたケースにおきまして解任事例、つまり親族による横領事件が激増しています。

 これは、本当に難しい問題でありまして、よく理解していただきたいと思うのでありますが、親族は必ずしも本人のためになるとばかりは限りません。親族は往々にして推定相続人に当たりますから、兄弟がたくさんいた場合、一生懸命親の介護をしているのに相続分が一緒だと、これはおかしいという思いもあります。そうすると、どうしても後見についた方が少しずつ生活費として流用してしまう、こういった規範性の薄い中でそういったことが本当に常態化しています。

 また、逆に、親族が一人の場合、黙っていればお金は遺産になります。すると、当の本人はお金をかけてでも、たくさんのホームヘルプサービスを利用してでも、死ぬまでにお金を使い果たしてでもその地域で暮らしたいのに、その選択をせずに施設に入れて、そして遺産がそのまま降ってわいてくるのをじっと待つというような構造になってしまいます。

 親族につきましてはそういった構造的な難しい問題を含んでいるわけでありまして、その点もよく御理解いただいた上で、第三者による監督など、そういった実質的な現場の声などをきっちり踏まえた対応をよろしくお願いいたしたいと思います。

 きょうは本当に大臣の方から前向きな御答弁をいただきましたので、成年後見制度につきましてなお一層、私も各省等当たりまして詰めてまいりたいと思っておりますけれども、きょうはもう一つ議題として取り上げていきたいと思いますので、そちらの議題に移らせていただきます。

 これは、大臣も今御苦労といいますか、頭を悩ませておられます薬害肝炎問題であります。きょうの御答弁からいたしまして、この問題につきましても大臣からのよい答弁が得られるものと期待しつつ質問させていただきます。

 厚生労働省は、この薬害肝炎問題につきましての公表問題、医療機関の利益を害するおそれがあるとの理由で不開示にしてまいりましたが、今月二十日、内閣府の情報公開審査会の答申によりまして、医療機関の利益よりも人の命、健康の利益の方が上回るんだ、そういった答申がありまして、公表すべきということでありました。これを受けまして、新聞報道でも出されておりますが、大臣みずから公表に向けての取り組みをしておられるというふうに理解しております。

 では、その公表につきまして、今回の公表の対象となっております約五百、そしてそれ以外の七千とも五千五百とも言われる医療機関につきまして、いつまでに、どのような形で公表なさるおつもりなのか。この問題は単に公表すればいいという問題ではありません。三十万人とも言われる方が投与を受けておりまして、少なくとも一万人以上の方が恐らくC型肝炎ウイルスに感染されているであろうと言われております。その問題につきまして、単に公表すれば済むという問題ではなく、厚生労働省として、検査体制、そしてそれらの方に対する呼びかけをどのようにしていくかという問題は非常に重要な問題であります。この点につきまして、大臣からの明確な答弁を求めます。

坂口国務大臣 きょうは押されぎみでございまして……。

 このC型肝炎の問題につきましては、前議員の家西議員が熱心にお取り組みになっております。

 このフィブリノゲンの問題につきまして我々がちゅうちょいたしておりましたのは、決して、病院名を隠そうとかなんとかということではございません。C型肝炎になりましたのは、これはフィブリノゲンだけではなくて、輸血の血液から、その他の血液製剤から、もう多くの理由によりましてC型肝炎になっている。それを、このフィブリノゲンだけ的を絞ってしまって、そしてそこを発表すると、それに関係のない人は、それでは自分は大丈夫だというふうに思ってしまわれても困る。もっとここは幅広く、この医療を受けた皆さん方が、自分は大丈夫かということをやはり一遍確かめてもらう必要があるというふうに実は思っていたわけでございます。

 しかし、今回、この名前はやはり出した方がいいだろうということでございますから、ここは速やかに出せるように、今手続を進めているところでございます。いつまでというふうに切られますとなかなか難しいんですけれども、これはそれぞれの医療機関に了解をとらなきゃならない話でございますので、今、速やかにそれを進めているところでございます。そうした手順を踏みまして公表させていただきたいというふうに思っております。

 それから、五百とも、本当は四百七十なんですが、そのほかの問題につきましては、例えば、七千四十カ所ですとか、五千五百カ所ですとか、実は幾つもの数字が出ておりまして、本当にそこが明確になっているものは一体幾つなのか、病院を指定できるものはどれだけなのかということを、正直なところは余りはっきりしていない。もう一度そこははっきりさせてほしいということを今業者の方に依頼をしているところでございまして、ここが明確になりましたら、また今回と同じような手順を踏みたいというふうに思っているところでございます。

泉(房)委員 そして、公表した後の手順につきましても事前に通告しておりましたので、呼びかけ及び検査体制につきましてはどういうお考えでしょうか。もし現時点でお答えいただけないのであれば、いつまでにそういった方針を示す予定なのか、その時期だけでもお答えください。

坂口国務大臣 現在わかっております四百七十カ所の医療機関につきましては、先ほど申しましたような手順で進めたいというふうに思っております。

 さて、その中には、かなり前のものも含まれるわけでございますから、病院によりましては、そこでどの人に投与したかということが判明しないことがあるわけでありまして、そのときに一体どうするかという問題は必ず残ってくるというふうに思います。しかし、そういう医療機関の名前を挙げることによって、そこでかつて治療を受けられた皆さん方の中で、ひょっとしたら自分もその可能性がありはしないかといったようなことを思い起こしていただいて、そして治療をお受けいただくということも含めなければならないというふうに思っております。病院の方が、いや、これこれの人に使ったということがはっきりする場合には、それは、医療機関の方から、いや、こういうことだということを言っていただくようにしたいというふうに思いますし、その皆さん方には検査をお受けいただけるようにしたいというふうに思っております。

泉(房)委員 質問時間が終了いたしましたので、あとは検査体制ですが、その際には無料にて検査が受けられるということは当然だと思いますので、その点もあわせて申し添えた上で、引き続き、次回質問させていただきます。

 ありがとうございました。

鴨下委員長代理 次に、園田康博君。

園田(康)委員 ただいま御指名を受けまして、私も、大臣に初めて質問をさせていただきます。ずっと午後からの御答弁でございますので、大変お疲れだとは存じますけれども、やはり私も、国民の代表として大臣に大変重い質問をさせていただきたい、そのように思っておりますので、何とぞよろしくお願いを申し上げます。

 今、同僚の泉委員からも御指摘がありました。あるいは先ほどになりますが、福島委員からもお話がありました。やはり私も支援費制度について引き続きお話をさせていただきたい、質問させていただきたいと思っております。

 平成十二年、社会福祉基礎構造改革の一環として始まったこの支援費制度でございますけれども、このときには、身体障害者あるいは知的障害者及び障害児の福祉サービスについて、今まででしたら行政がサービスの内容を決定し、そして、それに対して措置制度という形で行われていたものを、ここから、障害者みずからがサービスを選択することによって、利用者本位のサービス提供を基本としてつくられている制度だと私も思っております。

 また、今、泉委員からも指摘がありましたように、契約に基づいて利用される制度の仕組みであるというふうに私も理解をして、去年の四月からスタートしたわけでございます。一年目の制度でございますので、やはり幾つかの混乱が生じてくる、あるいは、先ほども大臣が御答弁されましたように、財政的な裏づけ、こういったものがなかなか厳しいものであったというふうに私も新聞等報道によって理解をさせていただきました。

 そこで、昨年の十二月の九日に、我が党からも、この予算確保についての申し入れをさせていただいたところでございまして、障害者政策のワーキングチームの座長朝日俊弘、それから障害者施策推進PTの座長であります石毛えい子両名の申し入れによりまして、まず、今年度の予算執行においては、障害者在宅サービス関係の必要となる予算額を確保すること、それから、国は、次年度、平成十六年度予算でございますけれども、障害者在宅サービス関係の必要となる予算額を確保することという二点の申し入れをさせていただいたところでございます。

 そこで、一つ私からまず御指摘をさせていただきたいのは、この制度そのものが、財源の裏づけが、先ほど話がありましたように、介護保険とは違った形で、国庫負担でこれを行うという形で制度がスタートしたわけでございますけれども、その財源の裏づけがきちっとなされていなかったということに対して、根幹的な制度の問題がどこかにあったのではないかということの指摘をまずさせていただきたいと思います。それについての御答弁をお願いいたします。

    〔鴨下委員長代理退席、委員長着席〕

塩田政府参考人 平成十五年四月から、障害者の主体性を尊重し、利用者本位のサービス提供を基本とする支援費制度がスタートしたところでございます。おおむね順調なスタートを切っていると思いますけれども、ホームヘルプサービスを初めとする居宅サービスにつきましては、当初の予想を大幅に上回る利用の伸びが見られたところから、先生御指摘がございましたように、予算を上回る国庫補助所要額が見込まれたところでございます。

 具体的には、ホームヘルプサービスにつきましては、平成十五年度におきましては、事業費ベースで三割増に耐えられる予算措置を講じておりましたが、実際の実績ベースでは六割から七割増になる見込みになっております。グループホームにつきましても、当初の予想を大きく上回る伸びになるということでございます。その結果、国費ベースで、かつ国庫補助基準内で、全体で百億円程度の不足が見込まれたということでありまして、この問題につきましては、省内の財源を流用するなどでおおむね確保できる見込みになっているところでございます。

 このように予想を上回りサービスが伸びたということでありますけれども、これは、知的障害者や障害児を中心に、新たにサービスを利用し始める人が増加するなどが理由だろうと思っております。

 このような利用の伸び自身は支援費制度が目指したものでもありまして、着実に支援費制度が浸透しつつあることと考えているところでありますが、制度のいろいろな問題点についても、今後、どのような対応ができるか検討していきたいと思っております。

園田(康)委員 今、さまざまな形で、予想をしていなかった部分で利用者の伸びがあったということでございました。したがって、この制度をきちっと充実させていかなければいけないという点が一つあろうかなというふうに考えております。

 そんな中で、前年度における見通しの甘さということがやはりどうしても私にはひっかかるところでございまして、予算を立てる上において、その地域の事情あるいはニーズというものが今年度の予算の中にどれだけしっかり反映をされているのかということに対する数字的な根拠というものを、まず御提示していただければと思っております。

塩田政府参考人 昨年の四月から始まった支援費制度でありますけれども、ホームヘルプサービスを初めとしまして、知的障害者あるいは障害児を中心に、これからも大きくサービスが伸びるということでございます。

 来年度予算編成、大変厳しい中でありまして、特に裁量的経費については増額は認めないという中で、私どもとしましても最大限の努力をしたわけでありまして、例えば、ホームヘルプサービスにつきましては、その厳しい財政状況の中、前年度比で二三・〇%増、三百四十二億円の額を計上させていただいたところでございます。

 今後とも、サービスの利用の伸びが予想されるところでありますので、これから地方自治体あるいは障害者団体等の方とも相談しながら、いろいろな工夫をして、予算の範囲内でサービスの質を落とさずサービスが提供できるようにできないか、いろいろな方策について、関係者とも議論しながら検討していきたいと思っております。

園田(康)委員 今御答弁をいただいているわけでございますけれども、いわば、予想をしていなかったサービス利用者というものが出てきているということに対する利用者からの大変な不安と、それから、不安が今度はこの制度に対する全体的な不信につながってしまっているわけですね。

 それと同時にですけれども、ただ、これだけサービスの伸びがあったということに関しましては、やはりこの制度そのものの理念は私は大変よかったと思っているんです、理念そのものは。

 すなわち、先ほど私の方からもお話をさせていただきましたけれども、今までは行政がこういう形で、勝手と言っては大変恐縮でございますけれども、行政がサービスの内容を決める措置制度という形から、利用者が使い勝手のいい形へとその形を変えていくための制度としてこの支援費制度がつくられたということに関しては、私もこの制度そのものの理念に関しては大変敬意を表するといいますか、高い評価をさせていただいているわけでございますけれども、それが始まってしまってから、では、この制度がどんどん進展してくる、あるいはさまざまな形で今後広がりを見せていったときに、予算がどんどんどんどん、立てれば立てていくだけ、またさらに年度途中で足りなくなってしまう、またそこから何らかの形で補充をしていかなければいけないということの繰り返し、こういうことにならないように、ぜひ今後、この運営等もお願いをしたいと思っているところでございます。

 したがって、前年の反省を含めて、そういった利用者の不安それから不信に対して、まず大臣から、これを払拭するだけの今年度に対する決意というものをお聞かせいただければなというふうに考えております。

坂口国務大臣 この支援費制度を導入するに当たりまして、これを導入したらどれだけふえてくるのかということを私たちも十分に想像することはできなかったわけでございますが、今までは、非常に熱心にお取り組みをいただいていたところは非常に多くの予算が行っていた。しかし、全くと言っていいほどおやりになっていなかった地域もあるわけでございまして、そうした地域が今度は大きく伸びてきたということでございますから、全体的にレベルが上がったという意味では、大変私はよかったというふうに思っております。

 さて、そういうふうになってまいりますと、今御指摘のとおり、財政上大丈夫かという話に今度はなってくるわけでございます。そこを何にこれは頼っていくのか。いわゆる国費だけに頼っていくのか、それとも保険制度のような中でこれを考えていくのかということについて、これは議論を深めなければならない時期に来ているというふうに思います。

 先ほど言いましたように、一般財源から措置費のような形で導入するということになりますと、これは景気がよかったり悪かったりすることもあるわけでありますから、そうしますと、その時々によって若干伸びたり伸びなかったりというようなことが起こってくる可能性もある。そうしますと非常に不安定になりますから、そこを安定的に供給するためにはどういう制度がいいのかということを、この一年かけて、一年といいましても、ことしの特に前半から夏ごろにかけて、これは議論を重ねなければならないときを迎えている、先送りしてはいけない時期に来ていると考えているところでございます。

園田(康)委員 大変心強いお言葉をいただけたと思っております。やはりこの制度、全国的に今注目をされている部分でもあろうかなというふうに考えております。したがって、先送りをするのではなくて今年度前半までにというような大臣からの決意のほどが今聞かれましたので、それをとらえて、さらに私自身もこの問題に対してはさまざまな観点から問題を取り上げていきたいというふうに考えております。

 そこで、その問題点のとり方でございますけれども、私が聞いております話でいきますと、各自治体からの意見聴取、定点調査という形で行っていらっしゃる。一県大体二カ所ぐらいからということでございまして、また全国的には百市町村、こちらで行っているようでございます。ただ、そのほかに、それと同時に、やはりそれはあくまでも自治体あるいは行政の側の意見を聴取するという形になってくるわけでございまして、利用者からの声、これを吸い上げるといいますか引き上げるといいますか、そういう観点の調査をあわせてやっていただきたいというものでございます。

 それを要望として申し上げておくと同時に、そのほかに、各自治体からさまざまなこの支援費制度に対する要望、意見というものが多数提出されているというふうに私も聞いているところでございます。まず、その全国的な自治体からの要望の件数ですね、大体どのぐらいあったのかということを、もし今あれば、お聞かせをいただきたいというふうに思います。

塩田政府参考人 支援費制度の充実を図る上で、実際に事業をされている市町村を初め地方自治体の方の生の御意見を聞くということは、非常に大事だと思っております。

 先生から御指摘がありました定点自治体との意見交換だけじゃなくて、ブロック別の担当課長会議あるいは全国の担当課長会議、あらゆる機会を通じて自治体の意見を吸い上げているつもりでございます。来週の三月三日にも全国課長会議を予定しておりまして、その際には、一方的に国の考えを申し上げるだけじゃなくて、円卓で率直に意見交換をして、自治体の生の声を吸い上げたいと思っております。

 自治体からはさまざまな御意見をいただいておりまして、例えば、制度全般に関することでいえば、国庫補助を含めた安定的な財源の確保、先ほどの御議論のような中長期的な課題も含めた御指摘だと思います。それから、実際のサービスの支給決定に関する具体的なガイドラインをつくってほしいという意見でありますとか、利用者負担の応益化、あるいは負担額の引き上げ、また、老人介護では制度化されておりますケアマネジメントの制度化といった課題について御意見をいただいております。

 また、個別の運用に関することでも、例えば、短時間のホームヘルプサービス利用に対応した単価の設定でありますとか、早朝、夜間、深夜におけるホームヘルプサービスの加算額の算定の見直しなど、多岐にわたって御意見をいただいております。その数は数え切れない、ちょっと今持っておりませんが、何百何千のオーダーの数だと思います。

 そういった地方公共団体との意見交換、生の声を吸い上げるだけじゃなくて、実際の利用されている方々の意見を吸い上げることも、非常な重要な課題であると考えております。現在、全国を組織している団体八団体の方と、毎週一回二時間程度の意見交換をしております。いろいろな形を通じまして、障害者、実際の利用者の声も吸い上げていきたいと思っております。

園田(康)委員 確かに、それが一番、利用者本位の制度でございますので、そういった利用者からの声というものを直接聴取しながら、この制度の欠陥部分、あるいはどこか抜けている部分、そういったものを補充していきながら運営をしていっていただきたいというふうに考えています。

 そこで、さまざまな何千何百という支援費制度に関する意見が、要望あるいは意見という形で提出をされているというふうに今お伺いをしているところでございます。実は、私自身にもそういう話もございました。これは二月の二十五日の、今回初めて初当選をしてきたわけでございますけれども、私の地元の岐阜新聞という新聞に載った記事でございます。これは、肢体不自由児あるいは障害児を持っていらっしゃる親御さんが県に対して一つの要望を行った事例が載っているわけでございます。

 これによりますと、少し具体的な話で恐縮でございますけれども、まず、児童福祉法の第七条に規定されている児童福祉施設、これは今までは、今でもそうですけれども、措置制度として運営されている場合でございます。これは県にあるわけでございますが、肢体不自由児施設や知的障害児通園施設に通いながらですけれども、各地域に療育施設があるわけでございますけれども、今まではその児童デイサービスの施設を利用していたんです。この措置制度に関する社会福祉施設、児童福祉施設と同時に、今度この支援費制度が始まってから、地元で行うデイサービスの施設というものを利用できなくなってしまったという逆の弊害が出てきてしまっているという状況が生まれました。

 そこで、そういう親御さんたちが県に対して、まず地域の療育施設と併用利用できるようにということで、一万三千九百十人の署名を、たった一カ月でこれだけの署名が集められて、そして、それを携えて知事に対して要望書を提出したところでございます。これに対して県は、国に対して制度の変更といいますか制度的な要望をするとともに、平成十六年度からはその助成制度というものを導入して、県独自でこのお子さんたちがデイサービスを利用できるようにという形へ行ったというふうになっているわけでございます。

 これは大変具体的な話になってくるわけでございますけれども、こういった支援費制度が始まってから、恐らくまだまだ混乱があろうかと思うんですけれども、このお子さんの中には、この支援費制度を、サービスを受けるためにわざわざ、わざわざです、隣の町に引っ越して、そちらの制度の方がより柔軟に活用されているということから、わざわざデイサービスを受けるために隣の市まで引っ越して、そこで児童のデイサービスを受ける、支援費サービスを受けるという形にまでなっているのが現状なんですね。したがって、こういったものに関して、やはりさまざまな問題があろうかと思います。

 例えば、この近辺、東京ですとか横浜では、児童福祉施設というものがたくさん県内各地にある。したがって、障害児をすぐさま、一時間なら一時間以内、あるいは三十分以内にその施設に送り迎えができる、あるいはそこに通園させることができるという状況がこの近辺にはあろうかと思います。しかし、地域の事情によっては、県に一つ二つ、あるいは岐阜県においての例ですけれども、四つしかない。そうなってくると、へんぴなといいますか、地域のところからそこの箇所に通う場合に、一時間半あるいは二時間かけて、片道それだけの時間をかけてその通園施設に通わなければいけない。

 そうなってくると、そこで毎日毎日サービスが行われればいい、療育、治療というものが行われればいい。しかし、そういうふうになっていない現状であるならば、地域の児童デイサービスの施設を利用したい。だけれども、そこがなかなか解消できていない、あるいはそのサービスに対応できていないということからすれば、そういう形で、距離的な部分というのも、この制度のいわば欠陥的な部分が出てきてしまっているんですね。

 そういう具体的な事例があるということを、身近な施設として利用できるような形へと、これは施設の問題と同時に、そういうサービスがいろいろな部分で措置制度と重なっている部分、ここを何とか切り離すような形をもって柔軟に対応していけば、このサービスそのものが地域の子供たちでも受けられる、そういう形への対応というものも今後考えていく必要があるんではないかという事例を一つ挙げさせていただいたわけでございます。

 その点に対して、省の方の御見解をお聞かせいただきたいと思います。

坂口国務大臣 それは多分、通園施設というのは、そこへ通っている方というのはいわゆる月間で、月単位でその費用が支弁されているということなんだろうと思うんですね。月単位でそこへ通園している人の措置費みたいなものがその通園している施設に出ているものですから、それとは別のデイサービスを受けようと思いますと、それはもうあなたの分はこちらで全部出ていますよということで、多分うまくいっていないんではないかというふうに想像いたします。

 二つの施設をどういうふうに併用できるかという問題だというふうに思いますので、そこは一度検討をしなきゃいけない問題だと思いますが、局長の方から少し具体的なことは答弁させます。

塩田政府参考人 事務的に補足いたしますが、児童デイサービスは、地域福祉センターなどの身近な施設に通って訓練をするという施設でありまして、これは支援費の発足後は支援費制度でやるようになったということであります。一方で、障害児通園施設は、施設に行っていろいろな訓練をしていただくということで、これは従来どおり県の事務として残ったということで、措置費制度によって運営されているということでございます。

 実務的には、さっき大臣がおっしゃられましたように、月払い、日払いの二重払いの問題をどう解決するかという実務的な課題がございますが、当事者、利用される立場からすればほぼ同じような機能を持つ施設でありますし、どういう形で併用できるかということにつきましては、事務的にも検討させていただきたいと思います。

園田(康)委員 図らずも大臣みずから御答弁をいただいたというふうに、重く受けとめさせていただきます。恐らく制度上の問題でございますので、またこれは別途私もきちんと調べをさせていただきたいというふうに考えております。

 ただ、この中にも、月払いで行われているというふうにお答えをいただいたわけでございますけれども、実態として全く、月単位あるいは週単位ですべて通しで行われているというのであれば、これは何の問題もなかったわけでございます。しかし、少なくとも私が聞いている話では、週に二度しか開かれていない、でもほかの曜日も開かれている、ただ、開かれているんだけれども、なかなかそこに距離的な部分で毎日通うことができない、そういう部分も出てきてしまっているんです。

 先ほど横浜市の例を挙げましたけれども、神奈川県の場合は、すぐ、本当に三十分なら三十分という近い距離の中で通うことができている状況であるならば、それは何の問題もないわけでございますけれども、先ほど申し上げたみたいに、岐阜県というのは大変広い、山間部から岐阜市まで、大体、電車を使ったとしても片道一時間半かかるわけです。車だったらもっとかかる、二時間以上かかってしまう。そういう距離的な状況があるんだということになれば、毎日毎日通うということにはなかなかなっていかないわけですね。

 同時に、先ほど申し上げたように、では、そういう施設を利用したいということであるならば、先ほど申し上げたように家族総出で引っ越しをしなければいけないという事態も現場としては出てきているんですよということだけ、私はきょう皆さんにお伝えをして、大臣も含めて、ぜひお酌み取りをいただきたいというふうに考えております。

 この制度、確かに、最初にも申し上げましたとおり、制度が導入されてスタートをいたしましてから、これでようやく一年目を迎えようというところでございます。先ほど来からお話が出ておりますように、介護保険制度との統合あるいはさまざまな制度の見直しの中で、この支援費制度をもっともっと拡充していくという考え方が一方にはあろうかと思います。

 ただ、私の私見を申し上げさせていただくならば、この制度、やはりころころころころ変わったのでは、現場で、もしくは本当に利用されていらっしゃる方々のお母様方、親御さん、あるいは障害者御本人からすれば、毎年毎年制度がどんどん変わって、ころころ変わっていくようでは、やはりこれは本当に不信を抱かざるを得ないものであろうかと思います。

 きちっとあれだけの議論をして、また、さまざまな混乱の中で、何とかこれでいくんだということでスタートさせたこの制度でございます。したがって、きちっとこの制度をより拡充していくことを念頭に置いて、少なくとも三年なら三年、あるいは五年なら五年というスパンを、きちっとこの制度が最後まで、最後までというのは利用者が本当にこれでいいんだというふうに納得していただけるまでの制度として、ぜひつくり上げていただきたい、充実をさせていただきたいということでございます。

 したがって、先ほど申し上げた、地域生活の支援をするケアマネジメントの問題の位置づけ、あるいは地域間のさまざまな不均衡の問題、そして今回のような、こういった措置制度やほかの制度との中でのまだまだ整理をしていかなければいけない部分というのはあろうかと思いますので、その点も踏まえて、最後になりますが、大臣からの、そういった地域事情も踏まえた今後のこの制度に対する所見、決意というものをお聞かせいただきたいと思います。

坂口国務大臣 先ほど部長も答弁をしたとおりでございまして、検討させていただきたいと思いますし、全体の制度といたしましても、これから、その年その年、毎年変化をするようなことではなくてというのはそのとおりでございますから、永続的に、できるだけ続けられるような制度というものをつくっていくように努力をしたいと思います。

園田(康)委員 限られた時間でございますので、この一点だけの質問をさせていただきましたけれども、やはり、この制度も踏まえて、今後こういう障害者あるいは障害児の方々が本当に将来に向けて安心して、信頼の置ける、そういう制度へと行っていくようにということで、要望と、それから、私も一緒にこの制度をしっかり見守っていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いを申し上げて、私からの質問とさせていただきます。

 ありがとうございました。

衛藤委員長 次に、中根康浩君。

中根委員 中根康浩と申します。民主党でございます。

 質問をさせていただきますので、どうぞ誠意ある御答弁を賜りますように、よろしくお願い申し上げます。

 まず初めに、障害者の地域生活を支える小規模作業所、一九八一年で厚生労働省の調査だと六百三十八カ所、それが二〇〇三年度には六千カ所以上にふえている。利用者は一カ所当たり約十五人ぐらい、総数九万人以上の知的障害者、精神障害、身体障害、自閉症、あるいは引きこもり、難病の人たちが利用しています。

 なぜこれほど小規模作業所が増加し、多くの人たちが利用されているか。あるいは、逆に言えば、もしこういう小規模作業所というものがなかったら、今こうして利用しておられる方々の生活はどうなっていたか。それを推測するならば、もしそれがないとしたならば、この利用者たち、障害をお持ちの方々は、あるいは自宅にこもり、あるいは施設や病院に戻る。今や小規模作業所は、障害のある人たちにとって、地域生活を成り立たせていく上で欠くことのできないものになっています。

 裏返せば、障害者のための公的な社会資源が余りにも少なく、親たちがみずからお金を出し合ってつくる。あるいは、養護学校卒業後の進路としても、親たちみずからが、みずからつくったものに対して期待している。そして、それが低賃金の職員のまさにボランティア的なお仕事によって支えられている。こういう小規模作業所に頼らざるを得ない日本の福祉の実情を、どうぞ厚生労働省は真正面から受けとめてほしいと思います。

 そういった小規模作業所に共通する課題は、財政基盤の脆弱さ、あるいは、言いかえれば慢性的な資金不足と言えると思います。国は、地域生活を基本とする新しい障害者計画を標榜しながらも、二〇〇三年度には小規模作業所に対する補助金を一割カットして、百十万円から九十九万円としてしまいました。この点について、ぜひ納得できる説明を求めたいと思います。よろしくお願いします。

塩田政府参考人 小規模作業所が障害者の方々が地域生活を暮らす上で非常に重要な役割を果たしているという認識においては、厚生労働省も同じ立場でございます。

 特に、親の会などによる地域に根差した取り組みとしていろいろな創意工夫を凝らされて、財源の厳しい中で、全国で六千カ所強でそういう小規模作業所がふえているということでございます。それはやはり地域の中で暮らしたいという障害者の声の反映だと思いますし、一方で、授産施設から一般就労への流れが必ずしもできていないという、いろいろな背景があると思っております。

 残念ながら、予算の面におきましては、国としての考え方としましては地方交付税で措置をしているということでありまして、その地方交付税による措置を前提に、民間団体を通じて補助金の上乗せをして運営費の補助をしているということでございます。

 平成十六年度予算案におきましては、民間団体への補助金を一律に一割削減するという大方針のもとで、やむを得ず、小規模作業所の箇所数を一割減に当たる二百五十二カ所分の削減をしたということでございますが、一方で、小規模作業所の削減だけにとどまってはいけないわけでありまして、より安定した運営を確保するために、小規模通所授産施設への移行ということも進めておりまして、十六年度予算案におきましては、小規模作業所一割削減見合いの二百五十二カ所を、新たに小規模通所授産施設の新規増分として計上しているところでございまして、いろいろな形で、与えられた環境の中でそれなりに努力しているつもりでございます。

中根委員 今、図らずも、やむを得ずという言葉が使われたわけなんですけれども、やむを得ずという言葉をお使いになるお気持ちがあるならば、ぜひ、今からでも遅くない、二〇〇四年度の予算では、少なくともこのカット分をぜひもとに戻してもらいたい。これが本当の意味での、小泉さんが言う改革ということであるならば、こういうところに政治の光を当てていくということが本来的な改革だと思わせていただいておりますので、どうぞ今からでも省内で、あるいは政府内で御検討を賜りたく思っています。

 まさか、二〇〇三年度で一割カットしたのを二〇〇四年度でもまた一割カットして、九十九万掛ける〇・九なんという数字になるということはないかどうか、お尋ねをいたします。

塩田政府参考人 障害者の方々が地域の中で暮らす上で、いろいろな形の就労の一つの形態として小規模作業所の持つ意義は大変大きいということは、私どもも十分認識しているつもりでございます。一方で、予算の制約がございますので、その中で最大限の工夫をするということで対応していきたいと思います。

中根委員 予算の制約ということが本当簡単に言えるわけなんですけれども、国債発行して八十二兆円のお金を用意しておるものですから、ばらまき的な、農業土木あるいは公共事業、これはやめにして、本当に単位が違うんですね、そちらの方に使うのと。こっちは何十万とか何百万とか、そういう数字で我々はお願いしているわけなんですから、ぜひともこういったことの、よくおわかりだと思いますけれども、これは具体的に実現してもらわなければ、障害者の暮らし、日々の暮らしということになりますので、どうぞよろしくお願いをいたしたいと思っています。

 そして、これがすべての小規模作業所に百十万なり九十九万なりが交付されるかと思いきや、実は三年に一回とかぐらいしか回ってこない、こんな話も聞きますけれども、いかがでしょうか。

塩田政府参考人 小規模作業所に対する国の補助ですけれども、基本的には、地方交付税で市町村に対する対応の上に、全国をカバーする団体を通じて所要の補助金を一カ所百十万ということで対応しておりまして、おっしゃいましたように、すべての小規模作業所に毎年百十万が行く仕組みではなくて、三年とかに一度という仕組みになっております。

中根委員 とにかく絶対的に足りない。さっきの支援費のお話もありましたけれども、日本の福祉に対する行政のあり方、まあ気持ちの問題だと思うんですけれどもね、最終的には。本当に、お金の問題を今議論しているんですが、何とかしてほしいと思うんです。

 それと、小規模作業所として五年以上の実績を積む、あるいは一千万円以上の基本財産を持つと、先ほども言葉に出ましたけれども、小規模通所授産施設という社会福祉法人化することができるということになっていますけれども、この社会福祉法人化された小規模通所授産施設というものも、やはり台所事情は苦しいのは同じことで、そして、障害者の地域生活にとって必要不可欠である、このこともまた同じことであるわけでございます。

 この小規模通所授産施設に対する運営費補助金、施設整備費補助金、設備整備費補助金、これは三種類、またいずれも削減をされてしまうという話なんですが、いかがでしょうか。

塩田政府参考人 小規模作業所と同様に、小規模の通所授産施設も、障害者の方々が地域で暮らす上で重要な役割を果たしていると思います。

 来年度予算案の編成に当たりましては、先ほど来議論になっています支援費の伸びに対してどういう予算を確保するかという問題とあわせて、障害者福祉予算全体を、非常に厳しい財政の中でどういう形で実現するかという懸案があったわけでございます。

 小規模授産施設につきましても、その中で、数の伸びをとるか、あるいは若干の、一カ所当たりの補助金の額をとるかという厳しい選択であったわけでありますが、一応、政府原案におきましては、小規模作業所の減に見合う小規模通所授産施設の数の確保がより優先するだろうという判断のもとで予算編成を行ったわけでございます。その結果、小規模通所授産施設の一カ所当たりの単価につきましては、人件費とか物価の動向を加味いたしまして縮減を図ったところでございます。

中根委員 二百五十二カ所ふやせばそれでいいというわけでもないと思うんですね。一つ一つの施設は大変厳しい、苦しい。しかしながら、自分たちが撤退してしまっては、この利用者たちは、この子たちはどうなってしまうんだろうという、そんな思いで、必死の思いで毎日毎日やりくりしていらっしゃると思いますので、ぜひ、繰り返し申し上げますけれども、ばらまき公共事業はやめてこういった部分にお金をかけていただきますように、大臣からぜひ小泉総理にお伝えをいただきたいと思います。今説明にはなかったかもしれませんが、一千百万円の補助金が五十万円カットされて一千五十万円になるんですね。みんな本当に困っていますよ。たかが五十万円ということじゃないんですね。

 まさに、繰り返しになりますけれども、小泉構造改革というのは、こういうところを見ると、やはりまやかしで、福祉切り捨てで、弱者いじめで、弱いところにしわ寄せをもたらして、改革だ改革だと格好つけている、そんな実態がこういうところから露呈をされてくる、明らかになってくるというふうに思うわけなんです。

 もう一回お願いをするんですが、大臣、今度は大臣からお声を聞きたいんですけれども、この補助金、本当はふやさなきゃいけないんですけれども、せめて二〇〇三年度並み、削減をしない、カットをしない、お約束できないでしょうか、お願いいたします。

坂口国務大臣 これは、だんだんと施設の数がふえてくる、全体につきましての予算額はふやしているんだけれども、一カ所当たりが数に追いつかず減ってきている、こういうことなんだろうというふうに思います。

 これは、いわゆる小規模作業所と小規模通所授産施設の二つあるわけでありますが、小規模通所授産施設の方をふやして、そして小規模作業所の方は少し数を減らしている、こういう状況でございまして、小規模通所授産施設の方は、社会福祉法人格を取得してということ、こういう一つの枠がはまっているものですから、皆さん方の方ではなかなか大変なのかもしれないというふうに思うわけですが、こちらの方をふやしていきたいという意向だというふうに私も思っております。

 今御指摘になりますように、どれだけこれからふやしていくかということにも関係してくるわけであります。数をふやしていくということばかりに余り気をとられますと、全体の予算をふやしましても一カ所当たりが少なくなるということになってしまうわけでありますので、その辺のバランスを今後どう考えていくかということにもなってくるというふうに思っております。

 いずれにいたしましても、限られた予算の中で行うわけでございますので、できるだけ皆さん方の御要望にこたえられるようにどうしていくか、今後の問題として十分検討させていただきます。

中根委員 大臣は優しい方だと、最初に支援費制度のことでお願いに行ったときに僕はそう感じたんですが、どうも、お優しい感じの割には、お答えいただく内容は非常に冷たい。

 バランスをとるとか、どっちかをふやしてどっちかを減らすとか、そういう次元の話じゃないんですね、この世界というか障害者福祉は。支援費制度もそうなんですけれども、需要がわっと爆発的に伸びたということで、導入してよかったよかったということなんでしょうけれども、もともとがなさ過ぎているんです。もともとのレベルが低過ぎる。だから、今、バランスをとるとか、どっちかをふやすとか、どっちかを減らして数字合わせをする、そういう話じゃないということをぜひ御理解をいただきたい。

 それから、通所をふやすという話なんですけれども、要するに、法人化するということは結構ハードルが高いことで、通所をふやすということは、その目的としては、補助金をもらうということもあるし、市民権を得る、社会的信用を高める、グループホーム、ホームヘルプサービス、デイサービス、相談支援事業、こういったさまざまな事業を拡充するためにもやるんですね。それから、寄附金を受け入れやすくするとか、職員の待遇をよくするとか、税制面で優遇を受けるとか、いろいろあるわけなんですが、そもそも、この法人化をするためのハードルがちょっと高い。

 もう、毎日毎日本当に厳しい財務状況の中でやっている。そういった中で、自己資金一千万円をつくらなきゃいけない、あるいは借地の場合で、借りている土地がほかの抵当権に入っていたりする場合に法人化を阻害する、こういったことが結構あるんですけれども、法人化へのハードルを緩和するようなお考えはないか、お尋ねをいたします。

坂口国務大臣 ここは、規制緩和の時代でございますし、ハードルはできるだけ緩和をしていきたい、低くしていきたいと思っております。

中根委員 ありがとうございます。やっと、本当に大臣らしい答弁をいただいたなと思います。

 この作業所について、最後に、今、この小規模作業所も、それから法人化された通所授産施設も、支援費制度の対象になっていないんですね。これは、ぜひ今後、支援費制度の対象に位置づけていただけますようにお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

塩田政府参考人 小規模通所授産施設につきましては、支援費制度施行前から、利用者と施設との契約に基づく利用方式の施設ということで弾力的な運営が図られているということでございまして、一方、支援費制度は、市町村が利用者からの申請を受けて、いろいろな相談とかあっせんとかを行うという仕組みでありまして、小規模通所授産施設については支援費制度の対象にならなかったということでございます。

 法改正が必要な事項だと思われますので、いずれにいたしましても、小規模作業所、小規模通所授産施設とも障害者の方が地域の中で暮らすという意味で非常に重要な役割を持っておりますので、施設体系全体をどうあるべきかということを議論する中で、これから小規模通所授産施設を法的にどこに位置づけるかということについても検討していきたいと思います。

中根委員 ぜひこういう施設を支援費制度の対象にしていただきたい。改めて要望して、次の国民年金のことについて質問を移させていただきたいと思います。

 国民年金は、当然、御案内のとおり、月額一万三千三百円の保険料、これを政府案としては、二〇〇五年四月から二百八十円ずつ十三年間にわたってずっと引き上げ続けていって、一万六千九百円まで持っていく。こういうことによって、実質的に国民年金の給付を十数%カットするということにもなろうかと思いますけれども、厚生労働省は当初、六百円ずつ上げると言っていたと聞こえてきました。

 それが途中、三百円という数字が出てきたり、結局二百八十円という数字に落ちついたわけなんですけれども、こういう迷走の状態が、そもそも国民年金に対する明確な理念を持ち合わせていない、まさに小泉内閣の数字合わせの象徴のような、そういう事態だったと思うんですけれども、この二百八十円という数字を国民に対してきちんとした説明ができるかどうか、ちょっとお尋ねしたいと思います。

吉武政府参考人 お答え申し上げます。

 国民年金の保険料の引き上げ幅につきましては、昨年末に、厚生年金につきまして、その時点で一八・三五%からさらにできるだけ引き下げることがあれば引き下げるという形で保険料の引き上げスケジュールが決まりまして、年が明けてからさらに検討を続けたわけでございますが、基本的には、厚生年金の引き上げ期間とほぼ同じ期間をかけて国民年金の保険料についても引き上げをさせていただこう、そういう考え方のもとに毎年の引き上げ額を計算いたしまして、二百八十円という結論に至った次第でございます。

中根委員 恐らく、自民党さん、与党さんからのいろいろなプレッシャーがかかって、これじゃ参議院選挙は戦えないよとか、そういった中で、妥協の産物として二百八十円という数字が編み出されたものと思いますけれども。

 国民年金なんですけれども、議員年金の廃止という話題の中で、どこかの代議士が、議員年金を廃止されて国民年金だけになったら食っていけませんよなんていって、思わず本音を言われたことがあるようなんですけれども、まさに、四十年間現状で一万三千三百円で払って月額もらえるのが六万六千円程度、こういう額に対して、ましてや満額もらっている人ばかりじゃない、満額もらっていない人にだって物価スライドをかけて引き下げていこうなんていって、今政府はやろうとしているわけですから。

 この六万六千円という額、これは妥当な数字だと庶民感覚からして思われているでしょうか、ちょっとお尋ねしたいと思います。

吉武政府参考人 基礎年金の水準でございますが、現在の夫婦で受け取られます基礎年金の水準、十三万三千円でございますが、これは、高齢者夫婦世帯におきます消費支出と比較をいたしますと、基本的には、いわゆる基礎的消費支出と言われます衣食住を中心とした部分をカバーいたしておりまして、そういう意味で、全国民共通の老後生活の基礎的部分に対応した給付となっているというふうに考えております。

中根委員 恐らく合理的な説明をしておられるつもりだと思うんですけれども、暮らしの感覚からするととてもじゃない、とても納得できない。だから空洞化という問題も起こってくるんだと思うんですよね。

 国民年金の空洞化についてお尋ねしますけれども、今現在、保険料の未納率はどれぐらいか、ちょっとお聞かせください。

薄井政府参考人 お答えいたします。

 平成十四年度の国民年金の納付率でございますけれども、保険料を納めるべき人に対しましての納付率は、六二・八%という数字でございます。ただ、これは十四年度分の保険料を十四年度に納めた数字でございまして、過年度分、十三年度分、十二年度分を入れますと若干高くなるわけでございます。

 以上でございます。

中根委員 こういう六〇%そこそこの人しか納めていない、まさに皆年金というものに値するかどうか疑わしいような状況なんです。

 深刻な空洞化の理由として、景気が悪い、その上に保険料が高過ぎる、あるいは免除の認定が甘過ぎるんじゃないかとか、さらには収納対策が不十分ではないかとか、そしてこれが一番大きい問題だと思うんですけれども、年金制度に対する不信感、こういったものが考えられると思いますけれども、厚労省の御見解、今挙げたもののほかにあるかもしれませんが、空洞化が進んでいる理由はどういうところにあるか、お尋ねいたします。

吉武政府参考人 六二・八%という形でいわゆる検認率が低下をいたしましたが、その一つの理由は、従来、特例免除という形で所得以外の事由で割と裁量がある幅で免除していたということがございまして、これを基本的には所得に対応して免除を運用しようという形に変えまして、その影響によりまして四%程度低下したというのがございます。もちろん、免除は前年の所得に対応して実施をいたしますので、例えば、失業された方でありますとか、あるいは災害に遭ったような方につきましては引き続き特例免除を残しておりますが、そういう意味では、先ほどお話がございました免除基準については、より明確化したというところがございます。

 それから、未納の背景を申し上げますと、未納の方は、所得面で見ますと納付された方とそれほど大きな差はございません。それから二点目でございますが、未納の方でも半分以上の方は生命保険あるいは個人年金に加入をしておられまして、そちらの民間保険では相当額の保険料を払っておられるという実態がございます。それから、未納の方の意識をお聞きいたしますと、御自分の老後につきまして特に考えていないという方が多いというような状況にございます。

 ところがその一方で、先ほど申し上げました、低所得者の方には免除制度が設けられておりますが、所得がない方でも四割ぐらいの方は実は保険料を納付しておられます。これは申請による制度でございますので、申請をされなければ所得がなくても納付しておられるということがございます。

 こういうことから考えますと、納付者となるか、あるいは未納付者となるかというのは、所得の問題もございますけれども、老後の生活に対する意識、あるいは公的年金に対する理解の差といった問題があるのではないかというふうに思いますので、私どもはそういう面でも、この国民年金制度あるいは公的年金制度の役割について、粘り強く、いろいろな手段で周知、広報をしたり、あるいは若いころから、文部科学省とも連携をいたしまして、学校で年金の意味をお話しさせていただくというようなこともやっておりますので、こういう点もより力を入れていく必要があるだろうというふうに考えております。

中根委員 この国民年金の問題なんですけれども、もう時間がなくなってまいりましたので、本来ならばもう少し掘り下げて、民主党がマニフェストで提案した税方式化とか、あるいは最低年金保障とか所得比例とか、こういった民主党の抜本的な年金改革案を採用していただければ、いろいろな国民年金の周りにある問題も解決していく、そう思っておりますけれども、またの機会にさせていただきます。

 今おっしゃられたように、この年金の空洞化に対して、年金広報を充実したり、あるいは政府は、国民年金特別対策本部というものをつくって、中長期的な目標として納付率八〇%を目標にして頑張っておられるということなんです。

 そういうふうに納付率を高めるということの御努力は、これはしていただかなきゃいけないんですけれども、やり過ぎるとこういうことになるというのが、御案内のとおり、これは一件落着したような話かもしれませんけれども、ちょっと改めて、初めてこの国会に議席をあずからせてもらってから取り上げさせていただきたいと思うんです。

 これは、岐阜の社会保険事務局でつくられたもの、もう大臣、謝罪広告も出しておられますのでよく御案内のことと思いますけれども、「年金妖怪大辞典 年金を納めていないとこうなるかも?!…」「ぬけがけババア サラリーマンの妻で年金を納めなくてもよかったが、結婚をしたとき届け出をしなかったため、年金を受けられなくなった妖怪。」「大泣きジジイ 年をとって働けなくなったというのに、年金に加入してなかったので収入はゼロ。毎日ワンワン泣いてばかりの高齢妖怪。」「セビるマン ケガで働けなくなり、暮らしに困って友人や親戚にお金をセビってばかりいる妖怪。障害基礎年金のことを知らなかったんだね。」なんて書いてあります。これは水木さんのゲゲゲの鬼太郎か何かからやったんでしょうけれども。

 こういう人権感覚の方々が年金行政をやっているから年金に対して不信感があって、そんなもの払えるもんか、こういう気持ちに国民はなっちゃうんじゃないでしょうかね。

 そもそも、これはどう思いますか、大臣。どこかできっと御意見を述べられたことがあると思いますけれども。

薄井政府参考人 岐阜社会保険事務局のその広報につきましては、一部に本当に不適切な表現があったというふうに私どもも感じているところでございます。

 私どもといたしましては、やはり年金制度の広報というのは、当然のことではございますけれども、内容とか表現が誹謗なり中傷につながったり、あるいは差別と受け取られる、こういうふうなものであってはならないことは言うまでもないことでございまして、今回のその広告を契機に、全国の事務局に対して改めて注意を喚起させていただきましたし、岐阜の事務局に対しましても厳重に注意をさせていただいたところでございます。

 今後とも、その辺に気をつけながら、必要な広報活動を実施してまいりたい、かように考えております。

中根委員 これは恐らく、岐阜だけの問題に矮小化していると思いますけれども、もし岐阜がちょっと勇み足じゃなかったら、全国でやっていたんじゃないでしょうかね。

 それで、その謝罪広告、こういうときだけコスト意識を働かせるんですね。何かほかの国民年金のこういう大きなチラシの中の上の方に謝罪広告を載せるんですね。謝罪するんだったらもっと誠意ある謝罪の仕方をしないと、こういうときだけコスト意識を働かせてついでにやるような、こういう誠意のないやり方に対して国民は、年金制度全体に対しての不信感を持ってしまうということになるんではないかなというふうに思います。

 しかも、さっきのこの「年金妖怪大辞典」、これは保険料でつくられているんですね。私たちが支払った保険料がこういうものに変わっている。それでしかも、謝罪広告も保険料で払われている。どういうことでしょうかね、これは。本当にその感覚を疑うわけなんですが、これからこの国会は年金が最大のテーマ、国民に痛みや負担をお願いしていくという政府の立場からして、こういうあり方では、とても国民の皆様に十分な納得できる説明をし得る立場にない、資格がないと言わざるを得ないと思っています。

 年金周りのことについてはまだまだいっぱいありますので、この国会、しっかりとやっていきますので、どうぞよろしくお願いを申し上げさせていただき、そろそろ時間でございますので終わらせていただきます。ありがとうございました。

衛藤委員長 山井和則君。

山井委員 これから三十分間、坂口大臣、そして谷畑副大臣に、児童虐待の問題を中心に質問をさせていただきたいと思っております。

 今の障害者福祉のお話とも似ているんですが、来年度は児童虐待関連の予算が三・五倍ということで、本当に厚生労働省さんもすごい御努力をされたというふうには思っております。しかし、残念ながら、もともとが余りにも少な過ぎたということでありまして、この児童虐待に対する取り組み、この三・五倍でまだまだ十分とは全く言えません。

 具体的に言いますと、今回の岸和田で起こった虐待の事件、十五歳のお子さんはまだ意識不明でありますけれども、本当にこれは氷山の一角であって、ある調査によりますと、年間百八十人ぐらいが虐待で死んでいるのではないかという調査もあります。警察の発表は四十二人ですけれども、研究者の調査によると、実際はその四倍ぐらいが虐待死ではないかと。そういう意味では、まず最初に、この岸和田の事件からお伺いをしたいと思っております。

 私も、今までからこの委員会で言いましたように、政治に志した一つの原点が、学生時代、母子寮、母子生活支援施設でボランティアをずっとしておりまして、そこで、親から虐待を受けた子供たち、家庭が崩壊したそういう子供たちの遊び相手をする中で、この子供たちが自立していけるように、もっと社会が、政治が目を向けないとだめだということを本当に痛感したわけであります。

 そういう意味では、今回の虐待の事件、私も現場に行かせていただきまして、その前日には谷畑副大臣が岸和田子ども家庭センターに行かれて、現場にいち早く行かれたということで、まず、谷畑副大臣にお伺いしたいと思います。

 この事件に関して、今の児童虐待防止法の不備なのか、あるいは、法律そのものではなくて、運用というか現場の問題なのか、そのことも含めて、この岸和田の事件に対して御見解をお伺いしたいと思います。

谷畑副大臣 今、山井先生がおっしゃいましたように、私も、二月の五日、岸和田に行ってまいりました。率直に申し上げまして、実の父親と同じマンションで暮らしながら、しかも実の子供を衰弱死寸前まで虐待ができるものだろうか、人間としてそこまでできるのかという、非常につらい、私自身も、このことが頭から離れないというのか、そういう気持ちでございました。

 それと同時に、もう一つは、子供は親を選ぶことができない、しかも、その子供にとっては、親を頼らないと生きていけない、ここが私、この事件のたまらないところであったのではないかと。私自身も大阪でありますから、ぜひひとつ現場を見、そしてまた、その子供をできましたならばお見舞いもしたい、もう私そういうつもりで行きました。残念ですけれども、お見舞いをすることはできませんでしたが、病院の事務局長にお会いをさせていただきました。願わくはぜひ回復をしていただきたい、私はこういうように実は思っているわけでございます。

 その中で、その周辺の、近所の人々も、薄々虐待ということはわかっておる、学校においてもわかっておる。そして一番、児童相談所というのは法律に基づいて立入調査ができる機関である、そこがその子供を救出できなかったという、これもまたつらいことだと。私は、そこをしっかりと分析をしながら、どうしたら今後こういうことがないようにできるのか。今、年間四十二名の児童が虐待によって死んでいるという、また、先生のお話ではもっと多いんじゃないかと、こういうことでありますから、私どもはもっとしっかりとひとつやっていかなきゃならない、こういうように実は思っているわけでございます。

 その中で、厚生労働省におきましては、この事件を踏まえて直ちに、組織的かつ迅速な対応をすぐやる、また、子供の安全確保の優先という基本に立っていこうということで、各都道府県に通達を出させていただいた。そしてまた、児童相談所内の連携体制の再確認、学校等の地域の関係者との協力、連携の確保、そして遺漏なきを期すようということで、通知をさせていただいたところでございます。

 そしてまた、先日、国会に提出いたしました児童福祉法の改正法案によって、やはり地域の関係者のネットワークをさらに強くする、市町村を含めて、学校あるいは保育所、PTA等を含めて、関係の機関がしっかりと協議会をつくったりして連携を密にしていく、そういうことを可能にしていくということでございます。

 また、保護者指導に関する司法の関与の強化ということが非常に大事だというように思っています。今後とも、しっかりと取り組んでいきたいと思います。

 最後に、どう言ったらいいんでしょうか、例えばこのことでも、弟さんの不登校について児童相談所が、四十回か、回数は正確にわかりませんけれども、接触はあったわけでありまして、その中で兄貴の状況も少しわかりながら対応できなかったという、ここは私非常に残念でありまして、そこには、意識の改革というのか、一人ではできないことがありますから、全体の、児童相談所を含めての高いレベルを持った人たちと交流をしながら、組織的に対応できるということが非常に今後大事じゃないか、こういうように実は私は思っているわけでございます。

 今後とも、厚生労働省としましても、一人の犠牲者も出さない、こういう決意でさらに取り組んでまいらなきゃならないということを、私自身もそういう決意をいたしております。

山井委員 本当に、余りにも悲惨なことで、どうしてこの子供を救うことができなかったのか。私も現場に行かせてもらいましたが、この部屋に数カ月、食べ物はほとんど与えられなくて、何か報道によると、もう親も、餓死するのを待っていたとか。それでありながら、救うことができなかったという、本当に余りにもひどい状況だったわけです。

 そのことに関して、きのうの新聞で、児童福祉司の量、質ともに充実をと。いろいろ連携がうまくいっていなかったとか、いろんな議論があるけれども、そもそもこの岸和田の子ども家庭センターでは、二人の虐待担当が年間二百四十件ぐらい担当していた。一人当たり百二十件。それで、これからいろいろ児童福祉法の改正や児童虐待防止法の改正で、もっと児相頑張れというふうに責任を重くされたって、もうこれ以上は無理だと言う声も出てきているわけであります。

 そのことに関して坂口大臣にお伺いしたいと思います。

 この資料とその次の二ページ目の資料をちょっと、坂口大臣、見ていただきたいんですが、私驚きましたのは、日本では児童福祉司さん、ケースワーカー、虐待担当のケースワーカーさんが何人ぐらいケースを担当しているのかという資料を、海外と比べた資料を下さいときのう言ったらこのファクスが送られてきたんですが、坂口大臣、これを見てもらって不思議だなと思われるのは、左が日本の東京なんですよね。あとはほかの海外なんですけれども、国際比較の資料を下さいと言ったら、日本のところだけ、担当ケース数、一人のケースワーカーさんの虐待の担当ケース数の部分は空白になっているわけですよね、坂口大臣。

 それで、私、これはおかしいなと思って、外国が空白で日本はわかっているというんだったら普通ですよね、それは。ところが、外国は一応データを書いていて日本はわかっていないというので、厚生労働省さんに、このデータ、きょう質問したいので下さいと言ったら、このデータがまだよくわからない、こういうことなんですよね。

 やはりこういう基礎的なデータというのはきっちり踏まえておかないと、ケースワーカーの数が少ないのか多いのかという議論も成り立たないと思うんですが、坂口大臣、ちょっと、こういうことに関していかが思われますでしょうか。

坂口国務大臣 地域によりまして、虐待が起こる数というのも、これは違うんでしょうし、さまざまだというふうに思いますが、この福祉司の数、質、そうしたものをやはり充実しなきゃならぬというのはそのとおりなんだろうと思うんですね。とりわけ、非常に残念ながら、虐待等がたくさん起こるような地域、そうしたところに対しては、やはりそれ相応の人的配置をしなきゃいけないだろう。全国一律ではいけないんだと思うんですね。そうしたこともやっていかなければいけませんし、そして、一人の人がどれだけをやっているのかということも、これはちゃんとやはり責任を持ってやっていかないといけませんね。ちゃんとやるようにいたします。

 児童福祉司だけにお願いをしていいのかという問題もあるわけでありまして、先ほど谷畑副大臣からもありましたとおり、もう少し各職種の人たちが連携を密にしていかないといけない、すべてを児童福祉司にお願いしていたのではいけないというふうに思う次第であります。ですから、その辺のところをやっていかなきゃなりませんし、それから、既にもう大体、虐待数が多い地域少ない地域、それらはかなり浮かび上がってきているわけでありますから、そうしたことも十分勘案をしながら人の配置というものをしていかなければならない、その辺も考えていきたいというふうに思います。

山井委員 改めてお伺いしたいんですが、やはりこれからこの児童福祉法の改正、あるいは児童虐待防止法の三年後の見直しで、こういう基礎的なデータというのは非常に重要になると思いますので、今もこれから調査をきっちりしてデータを出しますという趣旨の御発言でしたが、早急にこういうデータをつくって出してもらうというお約束のことが一点と、もう一つは、やはりこの児童福祉司の専門性を高めて数をふやしていくということをセットでやらないと、私はこの岸和田の事件の再発は防止できないと思うんですよ。私も現場に行きましたが、現場としては百件ぐらい抱えて、もうこれ以上は本当に限界だというような、悲鳴に似たものを聞いたんですが、そのことも含めて、坂口大臣、改めて、この岸和田事件の再発防止と、今の資料をきっちりつくるということに関して答弁をお願いします。

坂口国務大臣 数の問題につきましては、先ほど申し上げたとおりでありますけれども、質がどれだけの高さかというのは、それは今日までのそれぞれの人が積み重ねてまいりました経験にもよりますし、その人の素質にもよるわけであります。とりわけ、この数年でございましょうか、それぞれの児童相談所も倍々ゲームで虐待のお子さんの人数を多く扱ってきているというような状況もございますので、そうしたことも考えていかなければなりませんし、これからの虐待に対する対応の仕方というのは、やはりかなり高度な能力というものが要求されると思うんですね。

 虐待をしている家庭というのは、私のところは虐待していますとは言わないわけで、そこをどう判断するかという、非常に専門性と申しますか難しい判断が求められるわけでありまして、それは児童福祉司の人だけでできないこともございましょう。他の職種の人と連携をとってやらなきゃならないこともございましょうし、しかし、その連携をとらなきゃならないというふうに判断を下すのも、それはその人でございますから、そうしたことも含めて、これから本格的に考えていかなきゃいけないというふうに思います。

山井委員 まさにそのことをこの赤井子ども家庭センター長も、大体虐待に対応できるようになるには最低七、八年かかる、特に深刻な性的虐待とかだったら、親と子供の両方の指導には、二十年ぐらいやはりかかるということをおっしゃっていますので、法改正も重要ですけれども、やはり児童福祉司の質と量を充実するということをぜひともやっていただきたいと思います。

 それに関連して、次は、きょう、朝、青少年特の参考人質疑の中で多くの方がおっしゃっていられたのは、虐待のケースで子供を保護するのは確かに大事だ、でも問題は、日本では保護した後の施設が余りにも貧し過ぎるということが指摘をされました。昨年の私の質問でも、多くのお子さん、かわいそうですけれども、保護されたら高三ぐらいまでもう十年、十五年ぐらい入っていられるわけなんですよね。その中で、人員が少ないとか、部屋が何人か部屋だということがあるんですけれども。

 ちょっと大臣に聞きづらいことなんですが、大臣、この児童養護施設、虐待された子供たちが入る児童養護施設に行かれたことがあるかと、多分行かれたことがあると思うんですが。それと、行かれたことがあったらその御感想、もし行かれていなかったら行くというお約束をいただければと思いますが。

坂口国務大臣 ございます。埼玉県の方におじゃまをいたしまして、もう東京に近いところでございますけれども、おじゃまさせていただきました。

 幾つかの写真も拝見させていただきましたし、それから、入所している皆さん方のところも拝見をいたしました。かなり明るくグラウンドでスポーツをしておみえになりましたから、少し安堵したわけですけれども。しかし、今おっしゃいますように、そこも満杯になっている、数がこれ以上はもうはめられないということを言っておみえになりまして、そして、この施設を男性、女性をちゃんと別々にするということは、これ以上もう不可能になってきているというお訴えも聞いたところでございます。

 現場が非常に、今までと違って多くの皆さんが訴えておみえになる、倍々ゲームになってきている、それに対してどう対応するかというので、現場は大変御苦労をしていただいているということを十分に存じておりまして、ぜひそうしたことに対する対応もしなければならない。

 今までは、余り福祉の面の中でも重視されてこなかった側面だというふうに思います。しかし、今後これは重視していかなきゃいけないというので、まだ少ないというふうに御指摘いただきましたけれども、三倍に上る予算をことしは確保したということでございまして、今後もこの分野に対して充実をしていかなきゃいけないというふうに思っている次第でございます。

山井委員 本当に、まさにその現場で坂口大臣がお感じになったとおりでありまして、本来心傷ついた子供たちが安らぎを感じないとだめなところで、逆に、なかなか安らぎを感じられない状況というのがあるわけです。現場の方々は精いっぱい頑張っておられます。そして、その人員配置をもっとふやさねばならないという、六対一というのが二十数年変わっていない、これはもちろん大前提としてあります。

 それとともに、私がきょう取り上げたいのが小規模グループホームのことなんですね。

 一つは、中学、高校生になっても部屋が二人部屋、三人部屋なんですね。そのお子さんの生の声を聞くと、大学進学のことや将来のことや親のことを考えるために一人になりたいことがあるというわけですよ。ところが、一人になる空間がない。もちろん普通のお子さんとはまた話が違うんですよね。本当にそういう、悩んで心傷ついているお子さんたちが、一人になれる空間がない。

 また、ある女の子に聞いたら、同室の女の子と仲が悪いから、もう一人の子供が部屋に入ってきたら私外に出るんだ、口もきかないんだと言っているわけなんですよね。繰り返しになりますが、施設に入っている子供の半分以上が虐待経験で、本当は一番心安らがないとだめな子供たちがそういう状況に置かれているということ。

 それと、時間に限りがありますので続けて質問しますと、やはり大規模な施設よりもこういうグループホームの方がはるかにいいということは現場の方がおっしゃっておられるわけです。私も、この一週間で四カ所グループホームも行ってまいりました。グループホームになると、多くの場合、個室とかもできるわけですね。やはり中学、高校生、いろいろなことを考えたりする、プライバシーの問題もあるからこういう個室も必要だと思っておりますし、やはりグループホームになると、雰囲気も普通の家ですから、家庭的な環境なんです。

 私、一番ショックを受けた話は、ある大規模施設で十五年暮らした女の子が結婚した、ところが、残念ながらまた家庭崩壊しちゃったと。その理由は、物心ついたころからずっと大規模な施設にいて、家庭というものがどんなものかわからなかった、だから結婚生活がうまくいかなかったというわけですね。

 では、欧米でも、大規模な施設にそういう子供たちが住んでいるかというと、前回の私の質問に対して岩田局長さんが答弁されたように、実は欧米では虐待された子供たちが大規模に長期間入っているというケースはほとんどないんです。

 きょうも資料にも入れましたが、今の日本では、九二%が施設、里親が七%、グループホームに入っているのはたった一%にすぎないんですね。また、もう一つの次のページの資料を見れば、イギリスと日本を比べてみたら、イギリスでは、九割が里親やグループホームに住んでいるわけです。こういう家庭に住んでいるわけです。ところが日本は、九割が大規模施設、一割が里親やグループホームなんですね。確かに来年度には百カ所になりますけれども、正直言って、私は、千カ所ぐらいにならないとだめだと思うんです。

 そのことについて、坂口大臣、やはりこれは急速にやっていかないと、保護した子供たちがきっちりと自立していけるようにしないとだめなんです。この個室の問題、グループホームの問題、大臣、ぜひとも推進していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

坂口国務大臣 部屋の問題は御指摘のとおりでありまして、やはり年齢に応じた部屋を与えなきゃいけない。小さなときには、一人で置いておくということはかえって悪いかもしれませんけれども、大きくなってくれば、やはり一人の人格形成がされてくるわけでありますから、ふさわしいお部屋を用意しなきゃいけないというふうに思います。それは努力をしたいというふうに思います。

 それから、もう一つのグループホームの方は、お年寄りのグループホームについて、山井議員、いつも御指摘をいただいているところでございますが、ここのお子さん方につきましても、グループホームというのは大きな役割を果たすんだと思うんですね。余り大きな施設でたくさんいるということは、かえって家庭的な雰囲気を失うということがございますから、グループホームというのは非常に大きな役割を果たすんだと思う、大事だというふうに思っております。

 里親制度も、本当はもう少しこれを推進できるようにしなきゃいけないんですけれども、日本におきまして里親制度というのがありますけれども、なかなか数がふえていかないということがあって、ここをどうするかという問題があるというふうに思います。しかし、これは皆さん方にお願いをして、少しでも里親制度というのを充実させていかなければいけないんだろうというふうに思っております。

 もう少しその辺のところを、分析もしっかりして、なぜ日本で里親制度がもう少し拡大できないのかといったようなことも十分に議論しながら進めていきたいというふうに思っております。

山井委員 次に、谷畑副大臣にまたお伺いしたいと思います。実は、進学、就労支援のことなんです。時間に限りがありますので、簡単にお答えいただければと思うんですが。

 要は、私も施設を訪問してお子さんたちの悩みを聞くと、まず一つは、就職したいと思っても住む家がない。寮がついているところしか就職できない。そうしたら、もう職業選択の自由というのが大幅に狭められる。それと、進学したいと思っても、また住む家もないし、お金もかかる。十八歳になったら施設を出ないとだめなわけですよね。

 そういう意味では、大学進学の準備をしながらアルバイトをして、五十万ぐらいためないと大学へ行けないとか、もしひとり暮らししながら仕事をするなら、やはり五十万ぐらいアルバイトでためないとだめだとか、そういうことになっているんですね。そのプレッシャーに打ちかてないで挫折する子供もいるわけです。

 ある施設の先生は、家なし親なし学歴なしと施設の子供は言われる、でも、これをもうちょっと温かく支援してくれないか、そうしないと、幾ら十八歳まで面倒見ても、社会にうまく自立していけなかったら意味がないんだということをおっしゃっておられました。

 谷畑副大臣、このあたりの進学、就労支援について一言、お願いいたします。

谷畑副大臣 子供はやはり社会の宝でもありますし、また、先ほど言いましたように、子供は親を選択できない、しかし、親にすがりたい、そういう愛情が欲しい、そういうにもかかわらず、最終的に、児童虐待という形の中で、親と、あるいは家族と切り離されてしまう。そして、言葉は悪いですけれども、また逆に言えば、生涯孤独というのか、一人で生きていかなきゃならないという、こういう状況の中で、私どもそういう施設があるわけですから、今先生がおっしゃいますように、ぜひその点については、就労の支援、進学の支援についても私も少し勉強させていただいて、さらにいい政策についてしっかりと前向きに取り組んでまいりたい、このように思っております。

山井委員 坂口大臣からもぜひともこのことについて一言お考えを。

坂口国務大臣 これは副大臣のおっしゃったとおりでございまして、私も同感でございます。

山井委員 この児童虐待防止のことは、本当にこれは子供に罪は全くないわけです。それで、こういう岸和田の事件も起こったわけですから、そしてまた、ことし、児童福祉法の改正、児童虐待防止法三年後の見直しもあるわけですから、これをやっても、来年以降もどんどん虐待死がふえ続けたということになったら、国会議員は何をやっているんだということに本当になるわけです。ぜひとも、これからこの真摯な議論をやっていきたいと思います。

 時間に限りがありますので、最後に一つ、坂口大臣に、ソロクト問題、このことを質問させてもらいたいと思います。

 お聞き及びかと思いますが、先日も、韓国のハンセン病の元患者の方々が日本にお見えになりました。それで、二年前にハンセン病の補償の議員立法の法律ができたわけですけれども、実際、日韓併合のときに日本が韓国につくったソロクトの療養所の人たち八十五人が、自分たちにも補償してほしいということで、補償請求が出ているわけです。これは坂口大臣も御存じのことだと思います。

 このことに関して、坂口大臣は、国内を想定しているんであって、外国の人まではこの法律というのは想定していなかったんではないかというようなことを記者会見ではおっしゃっていたわけなんです。ただ、これは議員立法の法律で、調べたら、当時の委員長提案で、鈴木俊一衆議院議員のときの委員長提案なわけで、これは正直言って議員立法なわけですから、どういう立法府の意思だったのかということは確認しないと、はっきり言いまして、厚生労働省だけで判断できる問題ではないと思うんですね。そういう意味では、その当時の関係者も含め、議員が審議をして、そのことを通した上で、ぜひとも前向きな結論を出してほしいと思います。

 坂口大臣の答弁をお願いいたします。

坂口国務大臣 これはまさしく議員立法でおつくりをいただいたものでございます。

 その当時の皆さん方の御意思というものがどういうものであったかということを私たちも今聞いているところでございますが、当時の皆さん方がひとつお集まりをいただいて、どういう趣旨でこれをつくったか、その中に海外の問題も含まれていたかどうかといったようなことを御論議をいただくことは大事なことだというふうに思っております。その皆さん方の御趣旨、そのときの立法の意思というのがどの辺にあったかということもお聞きをさせていただいて、最終結論を出したいと思っております。

山井委員 この補償法で、国内では、昭和三十何年以前の入所者の方も補償の対象になっているわけですから、やはりこれは日本に責任がある問題ですので、ぜひとも坂口大臣の政治的な決断を、議員で議論した上で、補償をするという方向で決断をいただきたいと思います。

 時間が来ましたので、これで終わります。ありがとうございました。

衛藤委員長 山口富男君。

山口(富)委員 日本共産党の山口富男です。

 この四月から全国の国立病院が独立行政法人化されますけれども、ちょうど二年前、この同じ部屋でしたが、私は、法案審議の際に、独立行政法人化によって医療、患者サービスが低下するようなことがないこと、それから、これまで国立病院で働いてこられた皆さん方が、雇用や働く権利の問題で、それが維持されること、このことを繰り返し坂口大臣に希望いたしました。そして、求めました。

 きょうは初めに、この国立病院の独立行政法人化にかかわる問題について尋ねてまいりたいんです。

 きょうは理事会の了解を得まして、委員のお手元に配付資料をお届けしたんですが、これは昨日厚生労働省からいただいた資料なんです。いわゆる賃金職員と言われる方々が各病院や療養所の就職相談の窓口に訪れている状況を示した資料なんですが、二月一日付です。この下から二段目の欄に、「就職斡旋を希望していない者」として「五百九十人」と明記されております。ここで言われている「就職斡旋を希望していない」というのは一体どういうことなのか、示していただきたいと思います。

冨岡政府参考人 お答え申し上げます。

 これは、御自分で仕事を探されるという方、それから、仕事をしばらくしない、こういった方から成るものでございます。

山口(富)委員 随分あっさりしたお答えですが、私は先日、大分県の別府市に行ってまいりました。あそこは温泉があることもありまして、国立病院が集中して三つありますけれども、関係者に集まっていただいて、こういう数字があらわれてくる背景について聞いてきたんです。そうしましたら、パート化になりますと、やはり給料の面でも労働条件の面でも非常に深刻な問題が起きるんですね。給料が半分になってしまう問題ですとか、ボーナスにかかわる問題ですとか。私は、そういうことを根拠にして就職を希望していないという形で厚生労働省はここにあっさり書かれていますけれども、この五百九十人の方のいろいろな胸の内が出てくる数字だと思うんです。

 坂口大臣にお尋ねしたいんですが、もともと賃金職員という方は、国立病院の中で医療や看護の分野で、また現業の分野でどうしても欠かせない人たちだったんですけれども、定員法の関係で、国の都合で賃金職員で一年で切ってしまったわけですね。この方々の雇用が、厚生労働省の発表の資料、これは保育所関係の職員は含まれていないというふうに明記されておりますが、ここでも五千二百五十九人の方のうち五百九十人、一割を超える方が職を維持できなかった。このことは、今後の公的医療のことを私たちが真剣に考えていく上で、今非常に重く受けとめておくべき問題だと思うんです。この点について坂口大臣の考えをお聞かせください。

坂口国務大臣 国立病院の独立行政法人化に伴いまして、組織運営の大幅な見直しというのが現在行われているわけでございます。常勤職員と短時間非常勤職員、この双方によりまして効率的な職員配置ができるように今しているところでございまして、今まで賃金職員制度があったわけですが、その中で、総数では五千二百五十九名、約五千三百名程度というふうに聞いております。この中で、看護師さんの皆さん方につきましては、御希望のある限り全員採用をする、そして、現在のところ採用予定者は二千七百五十八名。看護師さんの中で、私はもう非常勤でいいとおっしゃる方、その方が百三名ということでございます。

 こうした内容になっておりまして、それ以外の皆さん方はどこかに再就職をしたいというふうにおっしゃる方で、できるだけそれは就職をしていただけるように職業あっせんをいたしております。御希望の方につきましては全員職業あっせんをするということで今やっているところでございまして、かなりな人数、既に決定をしている方もおみえになる、こういうことでございます。

山口(富)委員 私がお尋ねしたのは、一割を超える方々がこの国立病院で、今度は独立行政法人になりますけれども、そこに職を維持できなかった点を、やはり公的医療をこれから進めようとする場合に重く受けとめていただきたいということだったんです。そのお答えはありませんでしたけれども、重ねてこの点は坂口大臣に求めておきたいと思います。

 さて、もう一つ私、お尋ねしたいんですが、資料の二枚目なんですけれども、今各地の重症心身障害児、障害者の親の会の皆さんなどから、独法化に伴って、これまでどおりの医療や患者サービスが、低下するんじゃないか、受けられないのではないかという危惧の声が上がっております。

 例えば、その中で一部紹介いたしますと、これは天竜病院の方の親御さんたちの会から上がっている要望書ですけれども、賃金職員の方々が、「三月末で雇い止め、もしくは短時間雇用の非常勤職員となると聞いております。これら職員の方々は措置入院している私どもの子ども達の治療看護、療育指導、生活介助はもとより、家族も含めた援助・支援をなされており、父母会としても重症心身障害児病棟の運営上、必要かくべからざる職員と思っております。」と。

 そして、私が聞いたところでは、例えば、三時に配られるべきおやつが昼食時に一緒に出てきてしまったり、おむつの交換の回数を減らしたり、そういう事例が徐々にですがあらわれてきているというんです。

 私は、なぜこういうことが起こるのかということの背景の一つに、資料の二にありますように、これは厚生労働省から昨日私がいただいたんですが、重心の場合、新設四十床で、大体、定員内で二十七、賃金職員が十三、計四十という態勢、これは一つの目安だということですけれども。となりますと、この賃金職員の方の十三という、いわばその病棟にとって四人に一人の方の雇用が安定するかどうかというのが非常に大事になるんですね。

 しかも、今度のパート化というのは、一年限りで週三十時間、一日に直したら大体六時間なんです。そうしますと、これまで重心の分野で介護職員としてですけれども、頑張って仕事をしてきた方々が、一日の労働時間が六時間に限られていく。そこに、今紹介したいろんな不安や問題が起きてくると思うんです。

 私は、今度の四月の独法化への移行の問題では政府としても真剣に対応すべき問題だと思うので、この点をどうなさるのか、この不安にどうこたえるのか、明確な答弁をいただきたいと思います。

冨岡政府参考人 ただいまの御質問につきましては、先ほど大臣がお答え申し上げましたように、看護職の方につきましては、病棟勤務の方につきましては御希望の方につきましては常勤職員として採用するということでございます。それから、介護といった方につきましては、御希望の方につきましてはパート職員として採用する、そういうことでございます。

 お尋ねの、そういった場合にどのように業務をこなすのかということかと思いますが、私どもは、今後、独立行政法人になりまして病院運営を効率的、かつ、サービスを維持するという観点から、病院業務全体につきまして見直しまして、工夫を凝らして効率化を進めるという考え方でございます。

 例えば、職場や時間帯によりまして業務の繁閑というものがございます。そういったことを考えまして配置を工夫していく、それから仕事を固定せずに柔軟に他の業務といったことも担当していただく、それから直接患者さんの体に触れるような業務、こういった業務につきましては、常勤職員やパートの助手さんにしていただきまして、そうでない、例えば整理整とん、それから清掃、配ぜん、下ぜん、このようなものにつきましては委託に回すといった、全体の業務の見直しを図ることによって対応できるものと考えております。

山口(富)委員 私は、今の答弁を聞きまして、公的医療の分野をどう支えるかという発想でなくて、効率化、そこからあらゆる物事を考えるという姿勢にやはり今変わってきている、あなたの答弁は。患者さんや親御さんたちがこれだけ心配しているのに、今の答弁だったら、外部委託を含めていろいろな手を打ちますよと。患者の視点からじゃないですよ、その答弁は。

 私は、この問題で坂口大臣にもう一問だけお尋ねしておきますが、このパート化の問題というのは一年を限りにしているということになっていますから、必ず一年後に同様の問題が起きてしまいます。この点では、病院の実情に合わせて、パート化の問題でも、正規の職員に振りかえていったり、新しい雇用をふやしたり、そういうきちんとした対応ができるスタンスで臨んでいただきたい、このことを最後に、この問題ではもう一点、坂口大臣に求めておきたいと思います。

坂口国務大臣 今後、独法化されまして、その中でどう運営されていくかは、これは独立行政法人の中で決定をしていただくことでありますから、そのことを私がとやかく言う立場にはありませんけれども、必要な人はまた雇われるということも多分あるんだろうというふうに思っております。

 それから、先ほどの五百何人かの人について、それは、その中には、本当は仕事をしたいんだけれどもその中に入れてもらっていないんだというようなお話がありましたけれども、他の場所で就職を御希望の方、そういうお申し出があれば、それは申し出ていただきましたらその皆さんのお勤めの先をあっせんするということを、今もほかの人たちではやっているわけですから、その皆さん方の中に、五百名ばかりの中にそういう人がお見えになるというんだったら、お申し出をいただきたいというふうに思っております。

山口(富)委員 賃金職員の五千人を超える方々の一割を超える方々が職の問題でみずから希望されないという態度を表明された点を、私は重ねて、これは重く受けとめるべきだ、ここに何があるかは、やはり国自身がその現場に足を運んでよく実情を調べ、耳を傾けていただきたい。これは四月から独立行政法人になるから、もうそちらの問題だ、そういうふうにしてはいけない問題であるということを指摘しまして、私は、きょうは次の問題に移りたいと思います。

 職場の問題を取り上げたいんですが、労働基準局にお尋ねいたしますけれども、労基法の八十九条で、常時十人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成し、労働基準監督署に届けなければならないというふうに定められています。

 通常、就業規則では、就業時間が定められて、従業員はそれに従うわけですけれども、管理監督者の場合、その適用除外とされています。ここで言う管理監督者というのはどういう労働者を指すのか、示してください。

松崎政府参考人 御質問の管理監督者でございますけれども、これは労働基準法の第四十一条第二号に規定がございます。ここには、事業の種類にかかわらず監督もしくは管理の地位にある者または機密の事務を取り扱う者につきましては、労働時間、休憩及び休日に関する規定は適用しないということで、これはいわゆる管理監督者というところでございます。

 こういう規定が設けられております趣旨でございますけれども、これは、事業経営上の管理を行う立場にある者などにつきましては、この労働時間などの規制を超えまして活動しなければならないという企業経営上の必要が認められますので、いわゆる管理監督者といたしまして、先ほど申し上げた労働時間、休憩、休日の規定を適用除外としているわけでございます。

 管理監督者の範囲でございますけれども、これはまず、一般論といたしましては、例えば部長でありますとか工場長でありますとか、そういったように、労働条件の決定などのいわゆる労務管理につきまして経営者と一体的な立場にある者というふうにされております。その場合、今、部長、工場長という名前を申し上げましたけれども、そういった名称にかかわらず、実態に即して判断すべきものというふうにされておるところでございます。

 したがいまして、具体的には、ある特定の方が管理監督者に当たるか否か、それにつきましては、その方の人事管理上の資格でございますとか職位の名称、そういったものにとらわれるのではございませんで、その職務内容、責任、権限、勤務態様、そういったものにより具体的に判断する必要があるということでございます。

 なお、この場合、賃金や待遇面につきましてもやはり無視できないものがあるわけでございますけれども、一般の労働者に比べまして賃金が高いといったように、賃金面での優遇措置が講じられているからといいまして、実態のない役付の方が今問題になっております管理監督者に含まれるものでは当然ございません。

 いずれにしましても、管理監督者に当たるか否かにつきましては、今申し上げましたように、それぞれ実態に即して具体的に判断するというものでございます。

山口(富)委員 昨年、労働基準法の改正問題で、随分ここで議論したものですけれども、今のお話は、基準局が監修している労働基準法のコメンタールに大体出ている内容です。

 それで、ここに、一九八八年三月十四日付の基発第一五〇号通達というのがあります。これを見ますと、労基法の第四十一条二号、これは今説明なさったところですけれども、これについて、管理監督者の範囲について、「企業が人事管理上あるいは営業政策上の必要等から任命する職制上の役付者であればすべてが管理監督者として例外的取扱いが認められるものではない」、こういうふうに念を押されております。さらに、「現実の勤務態様も、労働時間等の規制になじまないような立場にある者に限って管理監督者として法第四十一条による適用の除外が認められる趣旨であること。」そして、「その範囲はその限りに、限定しなければならないものである」と、何重にも厳しく定めてあります。

 この背景になっておりますのは、大体一九七〇年代から八〇年代にかけまして、随分、銀行業界などで、管理監督者という一種の違法な部分をかなり広げまして、顧客獲得競争をやって、それをどうやって法の枠内におさめるかということで、管理監督者とは何かというのを非常に厳密に定めてきたわけですね。

 この基発第一五〇号、この通達の考え方に今も変わりはありませんね。

松崎政府参考人 御質問の基発第一五〇号通達でございますけれども、これはもともとの発基一七号、この元始通達を一部修正したものでございまして、その後変更してございませんので、現在もこの考え方は変わっておりません。

山口(富)委員 資料の三枚目から四枚目をごらんいただきたいんですけれども、これは石川島播磨重工業での就業規則等の資料なんですが、この会社では、基幹職という管理職のもとに、ES勤務職という制度が二〇〇二年一月に設けられた。この制度の適用を受ける労働者は約二千人いるということですけれども、月に六万円の手当だけで、いわば管理監督並みですから、残業を幾らやっても割り増し賃金が支払われないということになっています。

 これは配付資料の四枚目ですけれども、第十三条の三という項目に、「管理者代行的立場にある従業員が、」という形でこの制度が明記されております。そして、このES勤務制度に関する規定というのは、もう一枚めくっていただきまして、最後のページの中に詳しく記されております。これらによりますと、ES勤務職に該当する労働者は、資料の五枚目の第二条のところにありますように、「管理者代行的立場にある従業員」とされると。

 端的に聞きたいんですけれども、こういう規定というのは、結局、今も生きているという基発第一五〇号通達が規定しております「企業が人事管理上あるいは営業政策上の必要等から任命する職制上の役付者」ということになって、「職制上の役付者であればすべてが管理監督者として例外的取扱いが認められるものではない」とわざわざ通達に明記したわけですけれども、この通達に該当するそのものじゃありませんか。

松崎政府参考人 先ほども御説明申し上げましたけれども、例えば個別の企業におきます職制の制度の被適用者といいますか、それが適用される方、そういった方が、この労働基準法四十一条第二号のいわゆる管理監督者に該当するかどうかということにつきましては、先ほど申し上げましたように、その企業の中の制度の運用の実態を初め、さらにそれぞれの方の先ほど申し上げました職務内容、責任、権限、勤務態様、そうした具体的な内容に即しまして慎重に判断する必要があるというふうに考えております。したがいまして、今お示しのこの資料だけでは、私はこれは判断いたしかねます。

山口(富)委員 今の答弁ですと、具体的には実態や職務内容、権限等に即して判断するということでしたので、これからお示ししたいと思います。

 このES勤務職は、一番最後の資料にありますように、これが設けられる理由というのは、「生産性向上ならびにより一層の意識高揚をはかるため、」なんです。もしこういうことが導入の理由になったら、これはもうほとんどの労働者が管理職になっちゃいますよ。現に一万二千人の従業員の中で二千人管理職がいる、そのもとに新たに二千人、この制度をつくったんですから、この会社では三人に一人が管理職なんです。こういう事態が起こっている。

 しかも、「自己裁量の下で業務を行う」というふうにされておりますけれども、実際には会社の職務権限規程を見ましてもこのES勤務職には自己裁量権などは与えられておりません。そして、私たちが聞き取りをしましたところ、職場の全員がフレックスタイム制になっておりますからコアタイムというのがありまして、一定の時間、全員がそこに出勤するわけですけれども、そして打ち合わせをしているわけですけれども、自己裁量どころか、実態として部長、課長の事実上の指揮監督のもとに置かれている。

 こうなりますと、この石川島播磨重工におけるES勤務職というのは、このES勤務制度に関する規程にもはっきり書かれておりますように、「生産性向上ならびにより一層の意識高揚をはかるため、」を掲げたものであって、基発第百五十号が、この通達が厳しく規定している「重要な職務と責任を有し、現実の勤務態様も、労働時間等の規制になじまないような立場にある者」というものには到底合致しないものだと思うんですが、いかがですか。

松崎政府参考人 繰り返しになりますけれども、労働基準法の各条項、条文に違反するかどうかといったものは、その形式だけではございませんで、勤務実態、就労実態、そういったものを監督官が現場で臨検監督という場を通じまして具体的に把握をして、それで判断いたします。したがいまして、こういった文書だけ、伝聞だけでは判断はいたしかねます。

山口(富)委員 だからこそ、この石川島播磨重工業の従業員の人は、実際に労働基準監督署に申告しているわけでしょう。あなた、知らないんですか。私は、昨日、この問題を聞くからきちんと東京局に確認しておきなさい、こう言っているんですよ。

松崎政府参考人 労働基準法を初めとしまして、労働安全衛生法、そういったような労働者保護法規の適用、運用につきましては、現場の労働基準監督署が責任を持って対応しております。したがいまして、現場の労働基準監督署に持ち込まれた案件がすべて私のところへ上がってくるわけではございません。

山口(富)委員 そんなことはわかっていますよ。ですから、きのう、東京局にきちんと聞きなさいと。この会社の亀戸署ですとか中央署にちゃんと申告が上がっているんですから。ところが、実態がどうなっているかわからない。この問題を聞くからきちんと東京局に確認しなさいと言ったんですが、しなかったんですね。

松崎政府参考人 繰り返しになりますけれども、個別の案件につきましては、現場の監督署において適切に対応されているものというふうに考えております。

山口(富)委員 では、もう一回確認いたしますけれども、労働者から申告があった場合に、これは労働基準法に定められているわけですけれども、申告を受けた監督官ないし監督署は、これを優先、迅速に処理すべき事項として扱うんじゃないんですか。

松崎政府参考人 今御質問の優先処理というのがどういう意味かはわかりませんけれども、私ども三十年前、監督署で実際この申告を扱ったことがございますけれども、そのときの経験から申し上げますと、申告、相談があった場合には、まずそれが労働基準法等の法律違反に該当するおそれがあるかないか、これを判断いたします。それで、おそれがない場合には相談案件として処理しますけれども、おそれのある場合には、申告事案として受け付けて、これにどう対応するか上司と相談をいたします。その中で、上司、監督署長のもとで、各申告事案につきましてどれを優先順位でやっていくか、そういったものを判断して、優先順位の高いものから順に処理をしていくというものでございます。

山口(富)委員 どうも、あなたより私の方が労働基準監督行政に詳しいのかもしれません。私は、昨年、全国の労働基準監督署を随分訪ねましたよ。そこで、申告というのは一体どう扱われるんだと聞きますと、決まって同じ回答が出てきたんです。それは、申告事実は優先、迅速に処理すべき、こうなっておりますと言うんですよ。何を指しているかわからないという、冗談じゃない。

 坂口大臣に確認したいんですけれども、確かに相手は大企業です。しかも、国からのいろいろな発注を受けている会社です。こういう会社でも、やはり労働者からきちんと申告があって、おかしいという話があれば、労働基準監督行政としてきちんと監督を行うし、臨検も行うし、そういうことをやるべきじゃないでしょうか。

 坂口大臣に。もう時間がないので、大臣に。

松崎政府参考人 済みません、個別の案件については私が責任を務めますので、お答え申し上げますけれども、これは、過去のいろいろ実例、新聞記事等もごらんになればおわかりいただけますように、大企業でありましても関係なく、厳正、公正に対応をしております。

坂口国務大臣 それぞれの監督署は、自分の所管のところから出てきましたいろいろの案件につきましては、それは誠心誠意それに対応しなければならないというふうに思います。

 具体的な問題につきましては、局長が言っておりますように、それぞれの所管のところで対応しているかどうかよく調べさせたいと思います。

山口(富)委員 労基法の九十二条第二項は、「行政官庁は、法令又は労働協約に牴触する就業規則の変更を命ずることができる。」こういうふうに定めております。私は、この石川島播磨重工の場合は、明らかににせ管理職扱いになっている、これを是正させるべきだ、こういうふうに考えます。

 このことを最後にきちんと東京局に命じて、督促して、臨検の監督検査も含めてやっていただくことを重ねて要求しまして、私の質問を終わります。

衛藤委員長 阿部知子君。

阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 委員長初め各委員の皆さんも、長時間の御審議、大変御苦労さまです。わけても、坂口厚生労働大臣は、今国会、年金国会ともまた相なりましょう、この非常に重い国会の中で、連日の各所での御答弁、そして集中した皆さんの質疑への応答も含めまして、大変に御苦労さまと思います。

 そして、その分、坂口厚生労働大臣に寄せられた期待が重いということで、私もまた、きょうも大臣にぜひともいい答弁をもらおうと思ってやらせていただきますので、よろしくお願いいたします。

 きょうの私のテーマは、坂口厚生労働大臣の所信表明に目を通しまして、全般にわたり非常にお心配りあるものと思いますが、一方で、今、本当に地域の中で、暮らしを支える年金と命を支える医療の問題で、特に地域医療の衰退と申しますか、非常に医者がいないという現状が各所で取り上げられております。これは、私も先般、予算委員会で労災病院の廃止問題などもお伺いいたしましたが、今、日本の医療提供体制は非常に揺れておる、新たな取り組みをしないとその命綱が絶たれていくという認識に立って、まず、これは関係当局にお伺いいたします。

 北海道での二〇〇二年八月の医師の名義貸し問題が発覚いたしましてから、名義貸しだけじゃなくて、医者がアルバイトを非常に多くしていた、あるいは医師を派遣した教授がお金をもらっていたなどなど、医療の、医師の配置をめぐる問題は極めて深刻と思います。また、自治体病院、各調査においては、特に大学病院の医師の研修の義務化、非常にいいことですが、この大きな制度の変更があることに伴って、自治体病院からも医師の引き揚げを経験したという声が多く上がっております。

 こうした地域医療の実態について、まず、関係当局として、この間のお取り組みを伺います。

岩尾政府参考人 先生御指摘のようなさまざまな医療提供体制、特に医師にかかわる問題が出てまいりました。医師の偏在ということですが、大変大きな問題で、私どもも重要な課題と認識しております。

 昨年の十一月に厚生労働省、文部科学省及び総務省で設置いたしました関係省庁連絡会議におきまして、医師確保が困難な地域における医療提供体制の確保方策につき協議を進め、昨日、当面の取り組み及び今後の検討課題ということで整理いたしまして、取りまとめさせていただきました。

阿部委員 もう少し取りまとめの内容にも言及していただいてよろしゅうございましたが、私の質問時間が短いことを御考慮いただきました御答弁かと思いまして、次に大臣にお伺い申します。

 地域の医療対策協議会というものを、大学病院と、自治体と関連の大学というか大学病院ではなくて大学自身、地域自治体の病院、自治体関係者並びに地域の医師会などで協議会を設けるということで、応急処置的には、足りないところ、どこに足りなさがあって、どういうやりくりをしていくかということではよろしいと思いますが、先ほども申しましたように、医師の研修の義務化がことしの四月から始まりまして、これに伴う大学への医師の引き揚げも含めて、根本的にやはり今医療提供体制が見直されるという認識をお持ちと思いますが、その骨格的な認識と方向性について、大臣の御所見を伺います。

坂口国務大臣 初めに、優しい言葉をかけていただきまして、まことにありがとうございます。社交辞令であるとは思いながら、大変光栄に思っております。

 さて、医師の問題でございますが、これはいろいろの要因が重なっているというふうに私は理解をいたしております。特に、北海道の場合などは、やはりあの広い地域に多くの皆さんがお住まいでございますから、いわゆる人口割りにしますと、北海道というのは平均値に近いわけでございます。医師数は平均に近い。しかし、ああいう広い地域でございますから、他の地域と人口割りで見るだけでいいのかということもあるだろうと思う。恐らく、北海道の皆さん方は、そうしたことを念頭に置きながら、御苦労をなすっているんではないかというふうに思っております。

 そういう地域でございますから、やはり病院のベッド数も大変多いということもございまして、さらにその医師不足というものに拍車をかけているということがある、そこを今後どうしていくかという地域的な問題がございます。

 さらに、それだけではなくて、こちら側、我々の側の対応も今後検討していかなければいけないわけでありますが、地域における医師数あるいは看護師数といった人の配置の基準、あるいはまたその他の基準も含めてでございますけれども、いかなる場所であっても同じ基準に今なっているわけで、それはどこでも同じ基準でいいかどうかといったことにつきましても、議論を少し進めていかなければならないというふうに思っている次第でございます。

 言い足りない部分もあるかもしれませんけれども、そうしたことを総合的に考えていかなければなりませんし、今回の研修制度は、単なる一時的な問題だけではない、もう少し根の深いものを含んでいるというふうに考えている次第でございます。

阿部委員 そうした多面的な原因の所在を把握するためにも、私といたしましては、やはり、地域医療の実態調査というものをぜひ厚生労働省でお取り組みいただきたい。

 実は、これは二月十五日の朝日新聞ですが、千六十六の自治体病院の調査で、アンケート調査でございますが、自治体病院のみならず、その地域の基幹病院で、一体どのような診療科で、どのように医師が不足しておるか、あるいは、診療の質が下がっておるか。よく言われますのは、私のやっておりました小児科、あるいは産婦人科、あるいは麻酔科などの医師が足りないという声は上がってまいりますが、いずれも断片的でございます。

 これは新聞社のアンケート調査でございますが、やはりこれは、主管する厚生労働省が医療提供体制に責任を持つためにも、私が名づけます地域医療白書、私は何でも白書が好きでございますから、というのは、実態を把握しないとやはりいい処方せんができないということで、昨日行われました会議でも、例えば、私がきょういただきましたファクスでは、地域医療計画の見直しや、医師の配置や、医師の養成システムのことや、医師確保のシステムや、提供体制のあり方やと、いろいろな論点は挙げられておりますが、まず事実を把握する、その取り組みに、これは昭和三十年代に次ぐ厚生省の大仕事だと私は思いますので、地域医療の実態調査を省として行っていただくお考えは、大臣はいかがでしょうか。

森副大臣 一回ぐらい答えさせていただきたいと思いまして、出てまいりました。

 まさに委員御指摘のとおり、僻地等の地域における医師確保の問題を含め、医療提供体制のあり方を検討していく上で、その現状、実態についてできる限り正確に、また広く把握することは、まことに重要なことであると思います。

 くしくも、昨日、関係省庁連絡会議において、当面の取り組みとして、地域における医療対策協議会の開催を推進していくことといたしましたが、その協議会においても、地域ごとの実態把握や分析をお願いしたいと考えております。

 また、こうした地域の取り組みだけではなく、厚生労働省としても、医療計画の見直し、医師の養成、就業の実態、地域や診療科による偏在等を総合的に勘案した医師需給見通しの見直しなどに取り組んでいきたいと考えております。

 こうした取り組みを進める中で、制度等の見直しに必要となる実態の把握や、関連データの収集等を幅広く行ってまいりたいと思います。

 ただ、大変恐縮でございますけれども、今後とも、例えば厚生労働白書の中で、他の分野とあわせて必要な情報提供等を行っていきたいと考えておりますので、地域医療白書といったものまで作成することは考えておりません。

阿部委員 森副大臣も半分前向きと評価いたしまして、しかし、今御答弁いただきましたように、実態というものをきちんと把握する、それが厚生白書でも結構であります、しかし、そこの部分を手厚くしていただきますことに全力を傾注していただきたいと思います。

 と申しますのも、私は今回、国会で二期目の仕事をさせていただいておりますが、最初にこの国会というところにやってまいりまして、厚生省にいろいろお尋ね申し上げても、ああ、何でこんな地域の実態を知らないんだろう、どうして私たちがこうやって苦労して苦労してやってきた実態を何にも行政当局が知らないんだろうということで非常に残念な思いをいたした、その思いから、やはり事実を知らずして次の手は打てないということで、お願い申し上げました。

 森副大臣の御活躍も心から期待しております。よろしくお願いいたします。

 三点目の質問に行かせていただきますが、そうした時局下にありまして、実は、医師や看護婦の派遣労働の解禁ということがここにひたひたとやってまいっております。規制改革会議で、ことしのもう三月一日からになると思いますが、医師や看護婦も、派遣労働者として六カ月間お試し雇用をして、よければその後雇いなさい、だめならまたその次のということになっておりますが、私は、屋台骨がぐらぐらぐらと揺らいでいるときに、この派遣労働という問題は、極めてやはり問題が多いと思います。

 実は、若い医師たちと私が話しましても、彼らは非常に今不安に揺れております。新しいシステム、研修の義務化が始まり、一方で医局というものがその役割を終えたと言われる時代に、自分たちが、ではそういう派遣元に登録して、あっちこっちウ匠に操られるウのように行くのか、これは悪くとった方です。それから、よくとれば、ああ自由だ、自分の望む賃金のところで、望む労働条件で、本当にパラダイスで働けるんだろうかという、この二極に揺れながら、しかし、やはりこの間の医師の偏在、特に都会で情報量も多くあるところに行きたい気持ち、これはある意味で当然、今の社会の反映ですから。

 しかし、そのようになってしまえば、逆に、一言で言うと市場の原理だというのだと思いますが、何ぼの賃金でどこにどういうふうに派遣されていってという形になった場合に、今でも屋台骨が揺らいでいる地域医療はどうなってしまうのだろうということであります。

 この時期、いろいろな規制改革会議のプログラムの中に組み込まれたとはいえ、派遣労働が解禁されることと、現状で地域の医師を、きっちりと計画立って、医療計画を含めて補てんしていかなきゃいけないという難局に、厚生労働大臣はどのような見識を持ってお臨みになりますでしょうか。

坂口国務大臣 派遣というのは、一時的なつなぎにはそれはなるんだろうというふうに思いますが、医師や看護師のように非常に数が足りない、そういう職種において派遣業で募集をしても、だれも私は来ないのではないかというふうに思います。制度としてはできますけれども、現実問題としてはなかなかそれは難しい職種ではないかというふうに思っております。

 ただ、医師だとか看護師だとかというのが一時的に、例えば病気をされる、そして二カ月なり三カ月休まれるといったようなことになりましたときに、その穴埋めをするのに派遣制度というのがあって、それは二カ月でも三カ月でも行くよと言っていただく方があるというふうになれば、それはそれなりの役割を果たすことができるのではないかというふうに思っておりますが、しかし、現実問題として、派遣業のところに登録をされる医師や看護師がそんなにおみえになるとは私は思っておりません。

 制度としてはつくりますけれども、そんなに機能するものではないのではないかというのが私の現在の認識でございます。

阿部委員 ある種の希望的観測をすればそうかもしれませんし、しかし一方で、医師不足に本当に悩む、自治体病院を含めて地域病院があります。そうなりますと、逆に、先ほど申しました、きちんとした医療提供体制がしかれる以前に派遣という不安定な形で医師たちがそこの穴埋めになるということも、これは考えられない未来像ではないと私は思います。

 そうした場合にどんなことが一番懸念されるかというと、いわゆる医療事故の問題でございます。

 現在でも、例えば研修医の医療ミス、非常に問題ですが、これが、派遣労働として行かれた医師がそこでミスを起こした場合に、果たしてだれに責任があるか。三つの責任の所在が考えられます。派遣元の派遣業者である場合、あるいは当人の医師である場合、そして派遣先の病院である場合。雇用関係は派遣元にございますから、当然、いろいろなケースをシミュレーションすれば、派遣元にある場合もあるでしょう。あるいは医師の素質で御本人、そして派遣先。

 派遣先の場合は、大体の病院は、医賠責といって、医療事故に対する賠責保険に入ってございます。しかし、残る二者、個人の医師、そして派遣元の派遣業を営む方たちは、医賠責に入っておられないケースが、これから始まるわけですが、十分に想定されます。そういたしますと、結局は、補償されない被害のそのツケは患者に回ってまいります。

 いろいろな事態が、医療被害の数多い分析をしてみますとあり得ると私は思いますが、そうしたことへのお考えはいかがでしょうか。

青木政府参考人 一般的には、民法七百十五条の解釈といたしまして、派遣労働者の業務遂行に伴い第三者に損害を与えた場合には、派遣元労働者と派遣先との間においては、派遣労働者に対して実際に指揮命令を行う派遣先が使用者責任に基づく損害賠償責任を負うものと解されます。

 こういったことは、今後、関係者に十分に周知をしてまいりたいというふうに思います。

阿部委員 そうしたケースだけでないので伺ったのです。例えば、その方がお酒に酔ってなさった場合だってあると思います、お医者さんで。実際、医療ミスの数多い分析をするといろいろなことがございますから、そうした構えでこの派遣労働を取り入れるのであれば、ツケは必ず患者に行くと思いますから、これは担当部局としてきちんとシミュレーションをしていただきますように。

 それから、最後の質問ですが、そうした医療被害が起きたときに、これは派遣労働と限りません、このたび、医療機能評価機構という第三者機関に各病院で起きた医療ミスを調査、報告するような仕組みをつくられました。しかし、医療機能評価機構というのは、その病院の機能を評価する一方の役割を持っておりますから、例えば、ある病院にとって、自分のところで起きたミスを、そこの第三者機関、同じ評価機関に上げるかどうかという問題も生じてきます。

 この上げられた医療情報のミスの情報は、果たして医療機能評価に生かされるのかどうか、この点について最後の御質問をいたします。

岩尾政府参考人 先生御指摘のように、この医療事故に関する第三者機関、医療機能評価機構を予定しております。これは、この機構が、医療機関の医療提供システム全般を客観的に評価するという知見を有しておりまして、国民あるいは医療機関から信頼される中立的な第三者機関としてふさわしいと考えたことによります。

 収集した情報の秘密保持に関しましては、この評価機構の内部で、事故事例を収集する部署を完全に独立した体制とすると聞いております。厚生労働省としても、事故情報等の漏えいが起こらないような十分な配慮を求めているところでございます。

阿部委員 質問が違うんですけれども。あちらに寄せられた情報であちらで評価するときに、こちらの情報があちらに行くのかと聞いているんです。ちゃんと質問を聞いてください、ただでも少ない時間なんだから。それも、予告もしてあるじゃないですか。ここが報告しなければ評価が変わってくるでしょう。

 あなたが言ったのは、報告されない仕組みだと言ったんです。それでは困るという質問をしたのですけれども、まあ、皆さんも遅いですし、次の回に、また同じ質問をさせていただきます。

 ありがとうございました。

衛藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後七時十分散会


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