衆議院

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第8号 平成16年11月17日(水曜日)

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平成十六年十一月十七日(水曜日)

    午前九時三十六分開議

 出席委員

   委員長 鴨下 一郎君

   理事 大村 秀章君 理事 北川 知克君

   理事 長勢 甚遠君 理事 宮澤 洋一君

   理事 五島 正規君 理事 三井 辨雄君

   理事 山井 和則君 理事 福島  豊君

      青山  丘君    井上 信治君

      石崎  岳君    上川 陽子君

      木村 義雄君    小西  理君

      河野 太郎君    菅原 一秀君

      中西 一善君    中山 泰秀君

      原田 令嗣君    福井  照君

      三ッ林隆志君    御法川信英君

      宮腰 光寛君    森岡 正宏君

      吉野 正芳君    渡辺 具能君

      石毛えい子君    泉  健太君

      内山  晃君    大島  敦君

      小林千代美君    小宮山泰子君

      城島 正光君    園田 康博君

      中根 康浩君    橋本 清仁君

      藤田 一枝君    水島 広子君

      横路 孝弘君    米澤  隆君

      古屋 範子君    桝屋 敬悟君

      山口 富男君    阿部 知子君

    …………………………………

   議員           鈴木 俊一君

   議員           長勢 甚遠君

   議員           福島  豊君

   議員           泉  房穂君

   議員           橋本 清仁君

   議員           山井 和則君

   厚生労働大臣       尾辻 秀久君

   厚生労働副大臣      衛藤 晟一君

   厚生労働大臣政務官    森岡 正宏君

   厚生労働大臣政務官    藤井 基之君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局長)            青木  豊君

   政府参考人

   (厚生労働省雇用均等・児童家庭局長)       伍藤 忠春君

   政府参考人

   (厚生労働省年金局長)  渡辺 芳樹君

   政府参考人

   (厚生労働省政策統括官) 太田 俊明君

   政府参考人

   (社会保険庁運営部長)  青柳 親房君

   厚生労働委員会専門員   榊原 志俊君

    ―――――――――――――

十一月十七日

 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律等の一部を改正する法律案(水島広子君外五名提出、第百五十九回国会衆法第九号)

は委員会の許可を得て撤回された。

同月十六日

 医療・介護等の制度改革に関する請願(西田猛君紹介)(第一六八号)

 同(下条みつ君紹介)(第一七八号)

 同(前原誠司君紹介)(第二三一号)

 同(坂本哲志君紹介)(第二五六号)

 あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律第十九条の改正に関する請願(阿久津幸彦君紹介)(第一六九号)

 同(福島豊君紹介)(第二八三号)

 年金法の実施中止に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一八四号)

 同(石井郁子君紹介)(第一八五号)

 同(穀田恵二君紹介)(第一八六号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第一八七号)

 同(志位和夫君紹介)(第一八八号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一八九号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第一九〇号)

 同(山口富男君紹介)(第一九一号)

 同(吉井英勝君紹介)(第一九二号)

 利用者負担の大幅増など介護保険の改悪反対に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一九三号)

 同(石井郁子君紹介)(第一九四号)

 同(穀田恵二君紹介)(第一九五号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第一九六号)

 同(志位和夫君紹介)(第一九七号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一九八号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第一九九号)

 同(山口富男君紹介)(第二〇〇号)

 同(吉井英勝君紹介)(第二〇一号)

 社会保障制度拡充に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二〇二号)

 同(石井郁子君紹介)(第二〇三号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二〇四号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第二〇五号)

 同(志位和夫君紹介)(第二〇六号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第二〇七号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第二〇八号)

 同(山口富男君紹介)(第二〇九号)

 同(吉井英勝君紹介)(第二一〇号)

 ホームレス対策予算確保に関する請願(石毛えい子君紹介)(第二七〇号)

 同(泉健太君紹介)(第二七一号)

 同(稲見哲男君紹介)(第二七二号)

 同(小林千代美君紹介)(第二七三号)

 同(佐藤謙一郎君紹介)(第二七四号)

 同(津川祥吾君紹介)(第二七五号)

 同(中川治君紹介)(第二七六号)

 同(中村哲治君紹介)(第二七七号)

 同(藤田一枝君紹介)(第二七八号)

 同(藤村修君紹介)(第二七九号)

 同(松野信夫君紹介)(第二八〇号)

 同(山井和則君紹介)(第二八一号)

 同(吉田泉君紹介)(第二八二号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第三〇四号)

 同(石井郁子君紹介)(第三〇五号)

 同(北橋健治君紹介)(第三〇六号)

 同(穀田恵二君紹介)(第三〇七号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第三〇八号)

 同(志位和夫君紹介)(第三〇九号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第三一〇号)

 同(田中慶秋君紹介)(第三一一号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第三一二号)

 同(山口富男君紹介)(第三一三号)

 同(吉井英勝君紹介)(第三一四号)

 育児・介護休業法の改正に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二九三号)

 同(石井郁子君紹介)(第二九四号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二九五号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第二九六号)

 同(志位和夫君紹介)(第二九七号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第二九八号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第二九九号)

 同(山口富男君紹介)(第三〇〇号)

 同(吉井英勝君紹介)(第三〇一号)

 年金改悪法の実施中止に関する請願(塩川鉄也君紹介)(第三〇二号)

 有床診療所の存続に関する請願(原田義昭君紹介)(第三〇三号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律等の一部を改正する法律案(水島広子君外五名提出、第百五十九回国会衆法第九号)の撤回許可に関する件

 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出、第百五十九回国会閣法第三五号)

 特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律案(鈴木俊一君外三名提出、第百五十九回国会衆法第五八号)

 無年金障害者に対する障害福祉年金の支給に関する法律案(泉房穂君外二名提出、第百五十九回国会衆法第五二号)


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     ――――◇―――――

鴨下委員長 これより会議を開きます。

 この際、お諮りいたします。

 第百五十九回国会、水島広子君外五名提出、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、提出者全員より撤回の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鴨下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

鴨下委員長 第百五十九回国会、内閣提出、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として厚生労働省労働基準局長青木豊君、雇用均等・児童家庭局長伍藤忠春君、政策統括官太田俊明君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鴨下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

鴨下委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。藤田一枝君。

藤田(一)委員 おはようございます。民主党の藤田一枝でございます。

 先週から質疑が続いておりますけれども、きょうは、私の方からも確認の部分も含めて何点かお尋ねをしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。

 内閣府が先月発表いたしました世論調査、全国三千人を対象としたこの世論調査の中で、低い出生率が続くことで我が国の将来に危機感を感じますかという質問に対して、感じると答えられた方々が七六・七%に上ったということが報道されておりました。合計特殊出生率一・二九というのは、厚労省みずからが表現をされています、まさに国の存立にかかわる問題であろうかというふうに思います。

 同時に、その解決策の一つとして、産みにくい、育てにくい今日の状況を変えていく、子育てを社会全体で支える仕組みをつくっていくために仕事と家庭の両立支援というのが重要な課題であるということは、これは共通の認識であろうと思います。本法案も、そのために、現行法をもう少し拡大をし、使いやすいものにする、努力義務だったものを義務化させるということであろうと理解をいたしていますけれども、まず、資料の一をごらんいただきたいと思います。

 かつて、少子化は女性の社会進出が招いた結果だと言われてまいりました。今日、女性の社会参画、労働力率が高い国ほど出生率が高いということが知られるようになってまいりました。しかし、この資料を見る限りでは、かなり厳しい状況にあると言わざるを得ないわけです。

 さらに、深刻な日本の状況を裏づけるデータとして、国連開発計画、UNDPの人間開発に関する国際比較、ジェンダー・エンパワーメント指数というのがあります。女性の社会参画に関する指数でありますけれども、これは日本は七十八カ国中三十八位。人間開発指数、教育水準や平均寿命、国民所得などの指数、百七十七カ国中九位。これに比較いたしますと、いかに女性の参画がおくれているかということがおわかりになるのではないかというふうに思いますけれども、まず、この点についての御認識をお聞かせいただきたいと思います。

尾辻国務大臣 御指摘のお話は、労働力率と出生率の関係で、いわば労働力率が低ければ出生率も低いのではないか、こういうような御指摘だろう、こう思います。

 そこで、お答えいたしますけれども、我が国を初めといたしまして、主要先進国におきましては、女性の高学歴化と社会進出により、最初の子を出産する年齢が上昇傾向にありまして、これが出生率の低下の要因になっていることは事実だと思います。

 しかし一方、比較的高い水準で出生率の低下がとまっている国や出生率が回復傾向にある国において見ますと、三十歳代の出生の増加が確認をされております。こうした国々におきましては、各種の子育て支援のための取り組みや仕事と子育てを両立しやすい環境整備を整えた結果、出生率の低下がとまるとともに、労働力率も高くなっていることが指摘をされておるところでございます。

 一方、我が国におきましては、女性の労働力率が上昇する中で、保育サービス等がどこでも十分に行き渡っておる状況にはなっていなかったこと、働き方の見直しなど仕事と家庭の両立支援の取り組みが不足していたこと、こうしたことがありまして、晩婚化、晩産化が進行する一方で、三十歳代の出生の動きが鈍く、今日なお出生率の低下が続いておるのではないか、このように認識をいたしております。

藤田(一)委員 いろいろと状況についての数字を示していただきながらの御説明でしたけれども、もう少し率直にというか素直にというか、現実を見ていただきたい。確かに、晩婚化、晩産化という状況があるでしょう。そうなれば、それに対してどうしていくのかということが問われていて、その対策がやはりまだまだおくれているのではないかなということをしっかりと私は見ていただきたいな、このように思うところであります。

 もう一つ、認識の問題についてお尋ねをしたいと思うんです。

 育児休業取得率、女性が六四%、復職率八八・七%、男性の取得率〇・三三%。これは、先日から出てきた数字でございまして、厚生労働省の女性雇用管理基本調査の数字でございます。ところが、同じ厚労省の第一回二十一世紀出生児縦断調査というのを見ますと、第一子を出産すると出産前に就業していた女性の七割以上が仕事をやめているという調査結果が出ているわけであります。

 内閣府の「男女共同参画社会の実現を目指して」、こういう立派な冊子ができております。ごらんになったことがおありでございましょうか。大変立派な冊子ができているんですけれども、この中に、「常識のうそ!?」ということが書いてあります。ここの欄に「常識のうそ!?」と書いてあるんです。「女性は育児休業を活用している?」というクエスチョンマークがついています。その中身はどういうことかといいますと、要するに、育児休業をとっているのは残り三割のうちの六四%、結局最初に働いていた女性の二割程度にすぎないと記載をされているわけであります。

 これは一体どういうことなのか、御説明をいただきたいと思います。

伍藤政府参考人 育児休業でございますが、これは本来、希望者全員が取得できるということが望ましいわけでありますが、データ等でもいろいろ指摘されておりますとおり、職場の雰囲気その他の理由によってなかなか取得できないということが現実としてはあるわけでございます。そういった観点から、育児休業を取得しやすい職場環境づくり、こういったことを社会全体の目標として目標値を設定しておるところでございます。

 今お尋ねのありましたことでありますが、女性の取得率でございますが、女性労働者を対象とした調査によりますと、育児休業制度を利用しなかった理由として、職場の雰囲気とか、こういうのが四三%を占めておりますことから、この割合をゼロに持っていく、こういうふうに仮定をいたしまして、ゼロとした場合の数字を超える、そうすると七六%程度になりますが、これを超える八〇%を今目標にしておるところでございます。

 今は、出産を機にやめていかれる方々、離職する女性労働者が多いということも事実でありますし、これらの方を含めた場合の育児休業の取得割合が低くなることは御指摘のとおりでございます。

藤田(一)委員 それは非常にわかりにくいですよね。六四%という数字はずっとひとり歩きをしているじゃないですか。この委員会の審議の中でも、育児休業の取得率は皆さん六四%ということを前提にして話をされていましたよ、質問をされていましたよ。今のようなお話でいけば、六四%というのは何なのかということになるじゃないですか。

 しかも、同じ厚労省の雇用均等・児童家庭局が出されている「働く女性の実情」、これでいけば、要するに、妊娠、出産による退職者の割合は大きく低下をしているということがはっきりと、すごく大きな字で書かれているわけですね。そういうふうに分析をされている、あるいはそういう形でデータを公にされている、しかし現実にはそうではなくて、七割の人がやめていって、二〇%にすぎない。実際に本当の意味で育児休業を取得しているのは二〇%にすぎないということであれば、対策の立て方が全然違うじゃないですか。

 八〇%目標という少子化プラスワンの八〇というのだって、六四からの八〇と二〇からの八〇では全然違うんですよ。今、局長の御説明でいけば、非常に何だかよくわからない、やめられている方をその方のところに向けてとかおっしゃっているけれども、どこからスタートをさせるのかということではみんな共通の認識に立たなければいけないわけですね。こういう、数字のまやかしというんでしょうかトリックというんでしょうか、こんなことがあって、ちゃんとした対策が立てられるとは到底思えないわけですけれども、もう一度きちっとした御答弁をいただきたいと思います。

    〔委員長退席、北川委員長代理着席〕

伍藤政府参考人 出産を機にやめられる方もおりますし、結婚を機にやめられる方もおりますし、事情はさまざまでございますので、もちろん個人の事情でやめられる方もその中に入っておるわけでありますから。私どもが申し上げておりますのは、仕事を続けることを希望しながら、両立が困難であるために出産を機に辞職する、退職する、こういうことはぜひとも回避するべきである、こういう認識はきちっと持っているつもりでありますから、そういう観点から施策を進めていきたい、それにもかかわらず、やめざるを得ないというような状況があるとすれば、それはぜひ解消すべきであるという立場でございますので、認識は余り変わらないのではないかなというふうに思っております。

藤田(一)委員 認識は変わらないとおっしゃっても、六四%という数字を、国民の皆さんは日本の育児休業の取得率六四%と理解しちゃいますよ。実態と全然違うということじゃないですか。

 しかも、厚労省が行った調査なんですよね、二十一世紀出生児縦断調査というのは。ここにちゃんとそのデータもきちっと載っている。つまり、厚労省ではそのことを余り強調はされていないわけですけれども、内閣府ではそのことをしっかりと強調しているという現実があるんですね。そして、OECDの調査なんかでも、この二〇%の方の、この実態の数字を使っていろいろと指摘をしているんですよ。

 これは、私はやはりおかしいと思うんですね。調査のとり方というのはいろいろありますから、とり方によって六四にもなるし二〇になるのかもしれませんので、間違っているということを言うつもりはありませんが、発表するときにきちっと説明をする、六四%というのはこういう背景のもとに六四%になっている、実態はこうですよということをちゃんと説明して発表すべきであろうというふうに思うんです。そのことが抜けているということが誤解を与えて、数字だけがひとり歩きをしてしまう。日本は、そうか、女性の育児休業取得率六四%、ヨーロッパの国に比べれば、北欧の国に比べれば低いけれども、まあ何とかそこそこ上昇の途中なんだなという、こういう誤った認識を与えてしまうということではないですか。もう一度はっきりお答えいただきたいと思います。

伍藤政府参考人 やめる七割の方にもいろいろ事情があると先ほど申し上げましたが、現実問題として、自主的にやめる方もおりますし、それを機にやめたいと思っておられた方もおるわけであります。他の調査によりますと、私どもの、出産一年前に雇用者で現在は無職というような方々のやめた理由をお伺いしたデータによりますと、家事、育児に専念するため自発的にやめた、こういう方も多いわけでありますし、それから、出産、育児と関係ない理由でやめた、こういう理由もあるわけであります。

 その中で、仕事を続けたかったが仕事と育児の両立の難しさでやめた、こういう理由を述べている方々は、出産一年前に就業していて出産を機にやめた方々の中で二四・二%、こういう数字になっておりますから、何回も申し上げておりますが、七割の出産を機にやめたという方々が、すべて仕事を継続することを望みながらやむなくやめたという方々でないということは、認識をしていただく必要があるのではなかろうかというふうに思っております。

藤田(一)委員 そうしますと、内閣府が書いているこの記事というのが誤っているということになるんですかね。今の局長の御答弁は完全にそうですね。七割の人がすべて出産を機にやめたわけじゃない、自己都合でそれぞれの理由でやめているんだから、それをそのまま見てもらっては困るという御答弁です。ということは、ここに書いてある内閣府のこの記事は間違っているということですね。

伍藤政府参考人 内閣府の記事が間違っているということではないのではないかと思います。ここに書いてあるのは、「結局最初に働いていた女性の二割程度しか制度を利用していないというのが実情です。」と書いてあるのは、数字からいえばそのとおりなのではないかというふうに思っております。

藤田(一)委員 「第一子を産むと、」と書いてあるんですけれども、第一子を産むと約七割がと書いてあるんですよ。

 いずれにしても、数字というのはひとり歩きをするわけですから、そこはやはり、誤解のないように、きちっとした説明というものをしていただかなければいけないというふうには思います。厳しい実態のところから、厳しい現実を見るところからスタートをしていただきたい、こういうことを強く申し上げておきたいというふうに思います。

 今、このやりとりをしているときに、局長の方から、やめた理由がいろいろあるというようなことでお話が出てまいりました。その低い取得率の背景であるとか仕事をやめた理由、これもデータがいろいろ出ているわけですけれども、こういうものを見ていますと、仕事と家庭の両立支援とはほど遠い実態というものが浮き彫りになってくるわけです。

 収入が減って経済的に苦しくなるとか、とりにくい職場の雰囲気や、職場に迷惑がかかるとか、あるいは両立が難しくて体力がもたない、退職勧奨があった、こういうようなデータも出ています。そういうことを考えれば、本当に現実の状況というのは両立支援にはほど遠い実態がまだあるのではないか、このことをしっかりと見ていただきたいというふうに思います。

 かつて一・五七ショックというのがあったわけですけれども、このときに、いち早く働き方の見直しということを省庁連絡会議の中では掲げたわけであります。しかし、実際には、現実にはもっともっとそのころよりも厳しくなってきて、M字型雇用というのは全く変わっていない、七割近くの人がやめるということでありますから、M字型が解消されないというのも当然であろうというふうに思います。昨年十一月に出されたOECDの新報告書「仕事と家庭生活とのバランスについて」の中でも、「日本の将来の労働力不足を回避するには、働く母親への一層の支援が必要」だということが端的に指摘をされているわけであります。

 今日のこの低い取得率から浮き彫りになってくる働く女性の実態を変えていく、働き方を変える、働き方を見直すということなくして労働力率を高めるということはできないのではないかと思いますけれども、少し具体的な対策についてお聞かせをいただきたいと思います。

青木政府参考人 急速な少子高齢化が進み、働く人たちの意識とかニーズが大変多様化していくという中で、さらに日本の持続的成長を可能にするというためには、やはり働く方々が各段階において、心身ともに健康で、仕事と、さまざまなニーズ、家庭でありますとか地域活動でありますとか、あるいは教育訓練、学習のような、さまざまな活動がバランスよく組み合わされるということが必要だと思います。そういった多様なニーズに合わせていくためにも、働き方というのも多様な形のものがどんどん出てまいっていますし、そういったものの阻害要因となっているようなものを除去して、できるだけそういったことに対応していくようなことが重要じゃないかというふうに思っております。

 とりわけ、私どもとしては、労働時間の長時間にわたるようなものについては、生活でありますとか家庭あるいは地域、そういった活動との調和というものがなかなか難しいだろうということで、そういった観点から、時間外労働についても、限度基準なんかを設けまして指導をいたしておりますし、あるいは年次有給休暇などについても計画的な付与をしてもらいたいということで、そういった取り組みをする企業に対して支援を行ったり、あるいは、フレックスタイム制などを初めとします弾力的な労働時間制度、労働時間管理というようなものの活用を促進するというようなことを進めているところでございます。

    〔北川委員長代理退席、委員長着席〕

藤田(一)委員 いろいろ、残業時間の時間外労働の問題であるとか年休だとか弾力的な時間管理だとかというお話をいただきましたけれども、決定的に効果が上がっているかというと、大変難しい問題がまだまだあるのではないかというふうに思っています。

 ただ、その中で、労働時間の短縮というものが仕事と家庭の両立に大変有益だということはよく知られてきていることであります。その点は十分御認識をなさっていらっしゃると思うんですけれども、最近では非常に企業の方もいろいろと努力をされていまして、積極的に短時間の勤務制度というものを導入していくような企業もふえているということがよく伝わってまいります。

 先日も、短時間正社員制度の導入ということで日本IBMのケースが出ておりましたけれども、積極的に企業の中で短時間の正社員制度をつくって、そして、利用理由も限定をしない、給与は時間に比例をするというような形で努力をされているわけです。そのことによって雇用継続が大変可能になって、優秀な人材がずっと働き続けることができるという効果があるということも実は述べられているわけであります。

 やはり、企業の努力に任せるのではなくて、そういう仕組みをつくっていくということが非常に大事なことなのではないか、それが育児の社会化ということになるのではないかというふうに思いますけれども、その点の御認識はいかがでございましょうか。

伍藤政府参考人 柔軟な雇用環境をつくって、できるだけ育児と仕事が両立をしていくということは基本的に非常に推進すべき重要なことでありますので、私どもも、そういう観点から、今御指摘のありましたような短時間正社員を含めた多様就業型雇用慣行といいますか雇用条件、そういう職場をどうやってつくり上げていくかということを、いろいろな企業の実例等も勉強しながら、今研究会を設置して、いろいろ研究を進めておるところでございます。

藤田(一)委員 そのときに大変重要になってくるのが、やはりパートも含めた均等待遇の確保の問題であろうというふうに私は思うんです。

 雇用形態の多様化というのは、みずから働き方を選択できる一方で、現実には、安上がりで不安定な就労状況に追い込まれているという実態があるわけでして、この辺については男女共同参画基本計画の見直し論議の中でも指摘をされていますし、先ほど触れましたOECDの報告書の中でも、正規雇用と非正規雇用の格差の実態ということが指摘をされているわけです。特に、勤務時間の柔軟性という観点から大変有益なはずのパートタイムが、低賃金不安定就労の典型になっているということも厳しく指摘をされています。この点を解消していくということがやはり必要なのではないか。

 指針の周知徹底ということもさることながらでありますし、研究会報告でも間接差別の解消ということが指摘をされている中で、我が党も均等待遇法案を提出しております。今議論の途中であるということはわかっておりますけれども、均衡処遇ではなくて均等待遇に向けて踏み出していただきたい、このように思うわけですけれども、この点は大臣いかがでございましょうか。

尾辻国務大臣 今、均衡処遇と均等待遇のお話がございました。今私どもが精いっぱい進めておりますのは均衡処遇のところまででございますけれども、今後の課題として検討していきたい、こういうふうに考えております。

藤田(一)委員 均等待遇というのは、きちっとそのことを押さえて進めていくということが今非常に大事なことであろうというふうに思っていますので、ぜひしっかりとこの実現に向けて御検討いただきたい。お願いをしておきたいと思います。

 もう一つ、今回のこの法案の中からなかなか見えてこない問題についてちょっとお尋ねをしたいと思います。それは、再就職支援の問題でございます。

 今、日本は、先ほどもちょっと触れましたけれども、女性の人材開発が大変おくれていて、それは社会の損失ではないかということが言われているわけであります。男女共同参画基本計画の中でも、三つのチャレンジということが強調されておりまして、これも御存じだと思いますけれども、上、横、再チャレンジということでございます。上は政策意思決定の場への参画、横はあらゆる分野への参画、そして、子育てや何かで中断した人たちの再チャレンジであります。

 特に、この再就職支援ということについて、潜在的な労働力というのはあるわけですから、両立支援ハローワークの設置ということもこの間進められてきましたけれども、先ほどからお話があるように、七割がやめているというこの現実に対処できる支援策というものをしっかりと打ち立てるということが今求められているのではないかというふうに思いますけれども、この点についての御見解あるいは御決意というものをお聞かせいただきたいと思います。

尾辻国務大臣 先ほど来御指摘いただいておりますように、出産、育児等により離職した後に再就職を希望する方は多くございまして、その支援は重要なことだと認識をしております。

 このために、お話しいただきましたように、両立支援ハローワークにおける支援でありますとか、あるいはまた再就職希望登録者支援事業の実施でありますとか、支援を行っているところでございます。

 これらの取り組みを通じまして、再就職の支援に尽力をしてまいりたいと考えております。

藤田(一)委員 やはり労働力率を上げていくということになれば、現実に働いていたにもかかわらずやめてしまったというこの状況、M字形の雇用状況というものをどう変えていくのかということでありますから、そのためには再就職支援というのは非常に重要だというふうに思っています。これからもっともっと積極的に進めていただきたい、このことも強くお願いをしておきたいというふうに思います。

 次に、対象労働者の範囲の拡大について少しお尋ねをしたいというふうに思っています。

 今回、継続雇用期間が一年以上、かつ、子が一歳を超えて、引き続き雇用が見込まれる者ということになったわけでありまして、しかしこれはどういうケースなんだろうかということでございます。

 なかなかわかりにくいですし、フローチャートなどを見てもわからない部分もたくさんあります。しかも、労働政策審議会の建議では、育児・介護休業の取得を理由に雇いどめを行うことは不利益取り扱いに該当する、しかし、申し出や取得にかかわらない雇いどめは、別途その可否が判断されるというふうになっているわけです。

 そこで、お尋ねをしたいというか、確認をしたいのですが、更新制限がない場合は、これは問題ないわけでありますけれども、更新制限がある場合に、契約期間の末日が二歳より後の日であれば該当するというふうになっています。なぜここで二歳なのかということであります。

 復職後最低一年間は働くというようなことを前提に考えているということなのでありましょうか。それとも、どういうことを考えて二歳というものが出てきているのかなというふうに改めて思いました。

 特に、育児休業の場合は、一年間休まなくても、六カ月とか八カ月で出てきてもいいはずでありまして、二歳にしているということで、適用対象というものが非常に狭まってしまっているのではないかなというふうに思ったわけでありますけれども、この点についての御見解をお聞かせいただきたいと思います。

伍藤政府参考人 この有期への育児休業の適用拡大でありますが、育児休業をとっていただいて、職場へ復帰して雇用を継続する、これが大前提でございますので、基本的な要件として、過去における勤務実績一年ということとあわせて、育児休業は基本的に一歳まででありますが、一歳後も勤務をするということを一応条件にし、それから、継続して雇用されるということをどこまで見込むかということで、復帰後一年程度はその雇用の場で、またその職場へ復帰して事業主に貢献をしていただく、こういうことで、雇用を継続するという観点から、二歳、二年というところを一つの区切りにしたわけでございます。

藤田(一)委員 そうしますと、少し細かい話ですけれども、このフローチャートのケースは、例えば育児休業の申請が雇用されてから大体一年六カ月というふうな形でモデルが書かれているんですけれども、もうちょっと早くとって、育児休業そのものを一年とらないで六カ月で出てきた、そうする場合に、例えば、今回は更新の可能性がなければ、三年の有期の方たちは適用されないんですけれども、そういうケースでも、期間が短くなれば、育児休業そのものの期間を六カ月にして、あと一年ぐらい働けるという見通しであれば、適用できるということになりますか。

伍藤政府参考人 育児休業は一応一歳までとるということを原則に考えておりますので、今御紹介のありましたようなケースについては適用されないというふうな取り扱いになると思います。

藤田(一)委員 そういうケースは適用されない。

 一年間継続して雇用されていて、一年間休むことが前提で、なおかつ、一年間働ける、こういう単位になるわけですかね。何かそこは、ちょっと問題があるのではないかな。対象範囲の拡大が何のために行われているのか、雇用継続のためだと先ほどからおっしゃっているんですけれども、やはりできるだけ対象範囲を広げていくということが必要なんだろうと思うんですね。そういった意味からすると、この制度というのは使い勝手が少し悪いのではないかな、もう少し柔軟にいろいろな角度から使えるように工夫をするということがあっていいのではないかなというふうにも思います。そのことはまた後でちょっとお尋ねいたします。

 もう一つ、引き続き雇用が見込まれるというのはどういう状態を指すのかということでございます。

 不利益取り扱いの禁止ということも徹底をさせなければいけないわけです。特に有期雇用、有期契約に当たっては、前回の労基法の改正のときに、契約締結に当たっての告示とか通達とかいうことが出されました。

 事前に明示をしなければいけないということにもなったわけですけれども、この更新の有無とか判断基準の明示に関する告示とか通達というようなものが曲解をされることのないように、ガイドラインであるとかあるいは客観的に明示する指針であるとかというものをきちっとつくる必要があるのではないか。そのときに、本人が契約更新を望んでいるんだということも十分考慮をして、そのことの客観性というものを明示する必要があるのではないかというふうに思いますけれども、この点はいかがでしょうか。

伍藤政府参考人 有期の雇用者の方々に今回の法案がどう適用されるか、特に雇用継続の見込みの有無についてきちんと理解をしていただくということは大変重要なことだと思っておりますので、その考え方につきましては、この法律に基づき定める指針等で考え方を示していきたいというふうに考えております。

藤田(一)委員 指針をつくられるということでございますので、ぜひ具体的に、きちっと整理をしていただきたいというふうに思います。

 それからもう一つ、今回のこのフローチャートの中にも出てきているんですけれども、更新可能性があっても、六カ月契約の繰り返しでは該当しないというふうに、少なくともこの資料上はなっているわけです。しかし、現行法の指針においては、期間の定めのない契約と異ならない状態であれば適用する。つまり、雇いどめがなく、更新を繰り返していれば適用されてきたということがあるわけですけれども、こことの整合性。従来、指針に該当し、適用可能だった労働者は、そのまま指針が適用されると理解していいのかどうか。この点については、お答えを明確にいただきたいと思います。

伍藤政府参考人 議員から御指摘のありましたように、形式上は期間を定めて雇用をされているものでありましても、実態上その労働契約が期間の定めのない契約と実質的に異ならない、こういうケースにつきましては、従来から、育児休業及び介護休業の対象となるものであるということを指針において明らかにしてきたところでありますが、今回の有期への適用拡大ということにおいても、この基本的な考え方は全く変わりませんので、この考え方をまずベースに置いて、ここを徹底するということをしながら、さらに今回の改正法によりまして、その拡大を図っていく、こういう考え方でおります。

藤田(一)委員 要するに、指針はちゃんと適用されるということでよろしいということですね。はい。ありがとうございました。

 いろいろお尋ねをしてきたわけですけれども、今、有期契約労働者の置かれている状態というのが大変厳しいものがあります。契約更新をめぐって極めて不安定な状況に置かれているケースが多いわけであります。しかも、有期雇用の多くに更新回数制限、雇いどめというものが入ってしまっています。労基法改正で上限が一年から三年になったとは言われていますけれども、しかし実際は、一年契約で更新を繰り返して、そして更新二回とか四回とかという制限がそこにかけられているというのが多くの実態であろうというふうに思うんです。そうしますと、今回のケースでも、更新四回という人は適用されるんですけれども、二回は全然適用対象外なわけですね。どれだけの人たちがこういう状況の中で適用になるんだろうかということを大変疑問を持つわけです。

 もう一つ、そういう状況の中で懸念されてしまうのが、この有期雇用の実態というのが、三年契約で更新可能性がない、あるいは一年契約で更新二回までは該当しない、こういうケースにこれから雇用契約の実態というものが収れんされていく危険性があるんではないか、いわゆる適用除外の契約形態というものがふえてしまうのではないか、こういう心配をするわけでありますけれども、この点についてはどのような御認識をされているでしょうか。

伍藤政府参考人 有期契約の労働者が今回の育児休業の対象になるかどうか、これは申し出の時点において実態をよく見て判断するということが基本でございます。

 そういった観点から、今回の改正法の趣旨をいろいろな機会を通じて周知していきたいと思いますが、今御指摘のような、今回の法改正を機に事業主が、どういう行動に出るかといいますか、どういうふうな形でこれに対応するかということについては、この法改正の趣旨が没却されないように、私どももいろいろな形を通じてよく注視をしていきたいというふうに思っております。

藤田(一)委員 今の有期雇用の方々の実態というのは、多分皆さんの周りにもいらっしゃるんではないかなというふうに思うんですけれども、そういう方々の働き方、現実の契約形態を見たときにどうかということを、ぜひしっかりと踏まえていただきたいというふうに思うんですね。

 今、ただでさえ、一年契約、更新二回までというのが多くなっている。例えば、財団法人で働いていらっしゃるような方々で、嘱託で雇用をされて、しかも有期である、更新制限がかかっている、雇いどめがかかっている、こういう働き方の人たちが本当に多くなっているんです。そういう人たちはほとんど適用除外なんです。今回のことが拍車をかけることにならなければいいけれどもというふうに私は非常に心配をしています。そういった意味で、その点について十分留意をしていただきたいというふうに思っています。

 今回のこの対象労働者の範囲の拡大というのはそれなりに評価をするわけでありますけれども、先ほどから何度も申し上げていますけれども、現実の有期雇用の実態を見たときに、果たしてこの改正で本当に効果があるんだろうかということをやはり懸念いたします。

 仮に条件に合致をしたとしても、雇いどめになって、その先の雇用継続の展望がないときに、本人が育児休業というものを果たしてとるんだろうか、あるいは客観的に見てもとれるんだろうか。先ほどから、職場の雰囲気が悪いとかという、非常にとりにくい状況ということもデータで上がっているわけですから、そういうことから見ても、なかなかとれるとは思えないわけであります。

 そうしたことを何とかとりやすくするための努力、こういう方法が可能かどうかというのは私もよくわかりませんけれども、更新に当たって、休業期間というものを除外するとか、あるいは、雇いどめというものを、一定、留保して先に延ばすとか、何かそういう柔軟性というものがあっていいんではないか。

 先ほど一番最初に、一年、一年、一年と、非常に硬直化しているというか、そういうケースになってしまっていることを変えていくためにも、ここは何か方法を考えていただかないと、せっかく有期雇用の人たちにまで育児休業というものを適用したにもかかわらず、その効果というものが期待が持てない、薄いということになってしまうわけです。その点について何か御見解がございますでしょうか。

伍藤政府参考人 今回の改正によりまして、有期雇用者は、いろいろな、複雑な雇用形態がありますので、これにどう適用していくかというのは技術的にも大変難しい面があろうかと思いますが、まずはこの趣旨を踏まえて、対象となる有期雇用者がその希望に応じてきちんと育児休業ができるように、制度についての周知徹底を図っていきたいというふうに思っております。

藤田(一)委員 いずれにしても、有期契約の基本的な考え方というものが問われているのではないかというふうに思うんです。三年とか五年とかでその事業というものが完結をするということであれば、それは有期ということで理解をできるわけですけれども、現実に進行している有期契約の雇用実態というのは、事業は継続をしていて常態化している、にもかかわらず、雇用契約だけが一年契約で、さらにそれに更新回数制限というものがかかっているということであります。

 これはどういうことなのか。要するに、単に安上がりで、使用者側にとって都合のいい雇用形態としか言いようがないのではないか、そんなふうにも思うわけでありますけれども、有期契約の社会的ルールの確立ということがやはり必要ではないかと思います。この点について、大臣の御見解をお伺いしたいというふうに思います。

青木政府参考人 有期労働契約につきましては、これまで多くの有期契約労働者の人たちが、契約更新を繰り返す、そして一定期間継続して雇用される、それから、それをとめる、更新をとめるということ、お話にありましたいわゆる雇いどめということが行われて、それに伴うトラブルというものがやはり問題となっている状況があったというふうに認識しております。

 このため、ことしの一月一日から、先般改正されました労働基準法では、有期労働契約が労使双方から良好な雇用形態の一つとして活用されるということを期待いたしまして、契約期間の上限を延長したわけでありますが、その際、有期労働契約の締結時それから期間満了時において労働者と使用者との間に紛争が生ずることを未然に防止するため、厚生労働大臣が基準を定めるということにいたしまして、その基準に関しまして、行政官庁が必要な助言指導を行うというような規定にいたしたわけであります。そこでは、契約締結時に更新の有無を明示するとか、あるいは、雇いどめをするに当たりまして、三十日以上前に予告をするとか、あるいは、雇いどめの理由を明示する等々を定めているところであります。

 さらに、今申し上げました労働基準法の改正法の附則におきまして、施行されましたのが一月一日でありますけれども、その施行後三年を経過した場合において、その施行の状況を勘案しつつ検討を加えて、その結果に基づいて必要な措置を講ずるというふうにされております。また、法改正時のこの厚生労働委員会の附帯決議におきましても、具体的な検討事項というものを例に挙げられまして同趣旨の決議がなされております。

 私どもとしては、こういったことも踏まえまして、有期契約労働者に関します実態調査を行いまして、この施行状況などを踏まえまして、有期労働契約のあり方について引き続き検討していきたいというふうに考えております。

藤田(一)委員 実態的には、今有期というのは大変ふえてきているということはよく御存じのとおりだというふうに思うんです。そして、昨年の労基法の改正に当たって、三年見直しということも行われることは当然わかっているわけです。先ほど、今回この法律が適用されていく形でどういう影響が出てくるのかということについても、その動向をちゃんと注視しなければいけないというお話もありましたけれども、そういうこともしっかり勘案をして、実態調査も含めて、現実を見ていただいて……。

 私は、社会的ルールというものが、公正なルールがきちっと確立されているかといえば、難しい部分があるのではないか、実態の方がいろいろな形で先行していっているという部分がたくさんあるだろうというふうに思っていますので、その辺はしっかりと見きわめていただきたい。多様な雇用形態ということを否定するわけではありませんけれども、多様な雇用形態ということも、やはり公正なワークルールにのっとって行われなければいけないということであろうと思いますので、その点についてしっかりと取り組んでいただきたい。そのことはぜひ大臣の御決意をいただきたいというふうに思います。

尾辻国務大臣 いろいろ御指摘をいただきました。今、法律の改正もお願いいたしておるところでございますから、今後ともしっかりと取り組んでまいりたいと考えます。

藤田(一)委員 有期契約の問題について、ぜひしっかりと取り組んでいただきたい、公正なワークルール、社会的ルールの確立ということにしっかりと取り組んでいただきたいということをお願いしておきたいと思います。

 そのほか、今回、育児休業の期間の延長の問題あるいは看護休暇の取得の問題で、本人の申し出によるということになっています。

 この点についてはいろいろと指摘なんかもありましたけれども、本人の申し出であるということをきちっと使用者側に周知徹底させていただきたいというふうに思います。

 先日の質疑の中で、はっきりわからないような御答弁の中身で、非常に誤解を受けてしまうようなこともございました。例えば、看護休暇の問題で、慢性疾患というのが適用対象になるのかならないのか、そういったやりとりもあったわけですけれども、これはいろいろと調べておりますと、慢性疾患は今回の看護休暇の対象に当然なるんだというふうに私は理解をしたんですけれども、そういう理解で間違いがないかどうか、まず最初にお答えをいただきたいというふうに思います。

伍藤政府参考人 今回の看護休暇の創設でございますが、これは、「負傷し、又は疾病にかかったその子の世話を行うための休暇」というふうに法律に明記されておりますので、病気、けがの内容については特段の要件を課すものではありません。したがいまして、御指摘のとおり、慢性疾患の場合も当然対象になるものというふうに考えております。

藤田(一)委員 その点はしっかり確認をさせていただきたいと思います。慢性疾患も対象になるということで確認をさせていただきたいと思います。

 それから、今申しましたように、本人の申し出であるということをきちっと徹底させていただきたいと思いますし、指針というものをいろいろつくられることになるのではないかと思いますけれども、その指針の中身も十分吟味をしていただいて、現場が混乱しないように対処をしていただきたい、このように思いますけれども、いかがでしょうか。

伍藤政府参考人 改正法の実効性を上げるために、事業主あるいは労働者双方からこれを周知していくということは大変重要だと思っておりますので、各種機会を利用して、説明会の開催でありますとかあるいは個別の相談、そういったことを充実するとともに、例えば企業に対しては就業規則の規定のモデルみたいなものを情報提供する、そういったことも含めて、あらゆる機会をとらえて周知を図っていきたいというふうに考えております。

藤田(一)委員 ぜひ徹底を図っていただきたいとお願いをしておきたいと思います。

 もう一つ、この法案に関連をして、私は、これからの日本の社会のありようということを考えたときに、仕事と家庭の両立支援ということは性別に関係なく求められていることだというふうに思いますし、そのことは十分御認識をいただいているというふうに思います。

 そういった意味も含めて、本法案の両立支援の決意というものがこの法案を見て伝わってくる、そういうものにしていただきたいと思うわけです。そのために、私は、ぜひ法案の名称について検討していただきたいというふうに思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。

尾辻国務大臣 育児・介護休業法は、第一条の目的規定におきまして、職業生活と家庭生活の両立に寄与することをうたっております。したがいまして、両立支援の趣旨は明らかでございますが、内容をわかりやすく示す必要から改正法案のような題名にしておるところでございます。

 このようなことから、今お話しのように、題名にあえて両立支援を盛り込む必要はないとは考えておりますけれども、育児休業制度の充実やその取得促進を初め、職業生活と家庭生活の両立支援につきましては、これは施策として大きく掲げて推進してまいることは当然のことでございます。

藤田(一)委員 この法案そのものは、育児・介護休業あるいは看護休暇ということでありますから、そのことが名称の中に出てくるということはやむを得ないというふうに思うんですけれども、ただ、そこだけに特化されているということではなくて、法律が持っている趣旨というのはもっと幅広いものがあるんだということを私は鮮明にしていただきたいな、そういう意味で、両立支援ということがきちっと伝わってくるようなものにしていただいた方がわかりやすいし、元気が出るのではないかな、こういうふうに思ってお尋ねしたわけでございます。

 法案の名称というのは難しい部分があろうかと思いますけれども、もっとわかりやすいものであってもいいのではないかなと私はいつも思っておりまして、そういった意味では、今後そういう機会があればぜひ御検討をいただきたいとお願いしておきたいというふうに思います。

 そして、時間が余りなくなってしまったんですけれども、資料の二と三をごらんいただきたいというふうに思います。これも、先ほどからいろいろと御答弁いただいているように、出生率の向上とかあるいは子育て支援策というものを推進していくために包括的なパッケージが必要だということは十分認識をしていただいているというふうに思っているわけでありますけれども、そのためには家族政策としての展開ということがやはり必要なのではないか。しかも、それは大胆に展開をしていくということが今求められているのではないかというふうに思っています。

 きょう、あえて、資料の二と三、比較をちょっと出してみたわけでございますけれども、日本の場合は残念ながら予算の規模というものが非常にささやかではないかなというふうに思っています。これはOECDの調査の資料でございますけれども、労働力率の向上それから出生率との関連というもののなぞを解くのは家族政策にあるんだという形で、労働力率と出生率の関連と同じようなことなんですけれども、家族政策を手厚くするということがきちっとした支援体制をつくるということを示しているのが資料二でございます。

 そして、その家族政策への財政支出の状況、ちょっとデータが古いので、もう少し日本は上がっているかなと期待をしていますけれども、しかし、それほど大きく左に移行しているわけではないわけです。予算規模がやはりささやかなんではないかなというふうに思っています。出生率の低下というのは将来社会に高い経済コストを強いるということは指摘をされているわけでありまして、大胆な予算の振り向けということを私はぜひお願いしたいというふうに思っています。

 そういった意味で、大臣の御決意をお聞かせいただきたいと思います。

尾辻国務大臣 本年六月に閣議決定いたしました少子化社会対策大綱におきましては、「社会保障給付について、大きな比重を占める高齢者関係給付を見直し、これを支える若い世代及び将来世代の負担増を抑えるとともに、社会保障の枠にとらわれることなく次世代育成支援の推進を図る。」こととされております。すなわち、少子化対策について、決意をここで一つ示しておるところでございます。

 それからまた、これは冒頭お触れになりましたように、先月発表されました世論調査結果において、国民の八割が少子化の進行について危機感を感じており、多くの国民が、少子化の進行が年金等の社会保障制度に及ぼす影響を懸念しているところでございます。こうした中で、社会保障制度全般について一体的な見直しの検討を進めておりますが、さらに、この中で、次世代育成支援対策を重要な課題の一つと位置づけなければなりません。私どもは、そうした中で、今後努力を続けていきたい、こういうふうに考えております。

藤田(一)委員 この間、いろいろな形で施策が提起をされてきたわけですね、両立支援に当たって、あるいは少子化対策に当たって。しかし、少子化対策プラスワンなんかを見ましても、具体的な目標数値を掲げたということは非常に大事なことでありますけれども、実態との乖離を埋めていく展望がなかなか見えにくいということもあるわけです。少子化ということで、施策が今急ピッチで進められているということによって、どうしても総花的になってしまうようなことがやはり懸念をされるんではないか。それではなくて、包括的にきちっと推進をしていただきたいということを、これはもう強くお願いしておきたいというふうに思います。

 それで、一応、今育児・介護休業法に関連の質問をいろいろとさせていただいたんですけれども、これは通告をしておりませんでしたけれども、最後に一つだけ、大臣にちょっとお尋ねをしたいんです。

 私もちゃんと把握をしてきておりませんで、新聞斜め読みの話だったんですけれども、けさの新聞を見ておりまして、年金の問題でございます。年金保険料の問題と給付額の問題について、今まで非常に財政状況が厳しくて、一八・三%で五〇%保障するということが維持できるのかどうかという議論はいろいろあったわけでございますけれども、この間の議論の中で、坂口前大臣は五〇%を維持するということをずっと答弁されていた。ところが、新聞報道を見ますと、昨日でしょうか、尾辻大臣は、この五〇%というものを維持するということは難しいことがあるんではないかというような御答弁をされたというふうにちょっと見たわけでございますけれども、この点についての真意を少し御説明いただけないでしょうか。

尾辻国務大臣 きのうの委員会でその件を御質問がございまして、私が申し上げましたのは、この年金のことは、かねて申し上げておりますように、昨年は党の方の部会長でございましたから、そういう立場で議論をいたしました。その議論の中身についても御説明を申し上げたところです。

 私がまず申し上げたのは、負担の方をまず私どもは一番の基軸にして考えまして、それで、一八・三%という数字を提示しました。一八・三という、やや、中途半端という表現はよくないのかもしれませんが、切りが余りよくない数字であえて言っておりますのは、その裏にあったのが、代替率五〇%を何とか守りたい。去年の試算で、五〇%を守るためには一八・三%、こういう見方をしたということは正直に申し上げました。それで一八・三。その五〇%という気持ちをどこかにあらわしたいというので、法律の附則で五〇%というのを出し、ただ、法律の書き方は、五〇%を割るような事態になったらそのときにまたいろいろな議論をしましょう、こういう規定ぶりにした、こういうことであります。

 したがいまして、きのうのお話で、ではその辺の、五〇%を割るような事態になったときにどうなるかというようなお話でございましたが、それはそのときの議論でありまして、またいろいろなケースが考えられますということを申し上げたつもりでございます。

藤田(一)委員 この五〇%の問題、一八・三%もそうなんですけれども、非常に議論になったところなわけですね。さきの通常国会の中で、この委員会でもこの問題をめぐって大変議論が行われたわけであります。

 今御説明いただきましたけれども、ということは、やはり守れないこともあるということで、状況の変化によってはいろいろ変わっていくんだということをはっきりとおっしゃったということだと思うんです。これは大変大きな問題だと思いまして、年金の問題というのは、まだ私どもは問題が解決しているとは全然思っておりません。抜本的な見直しをしっかりやらなければいけないというふうに思っておりまして、今の大臣の御説明からも、私は、やはりこれは大変なことだというふうに思いました。

 ですから、きょうはもうそのことをこれ以上議論する時間はございませんけれども、きちっとまた議論をしなければいけないと思いますし、こういうことが国民の皆さんにさらに不安感をあおっていくことにつながっているということをしっかりと御理解いただきたいということだけ申し上げておきたいというふうに思います。

 きょうは、ほかにも少しこの育児・介護休業の関連で通告をしていたことがあったんですけれども、時間がなくなってしまいましたので、ほかの質問についてはまたの機会にお尋ねもしたいというふうに思います。

 これで質問を終わります。ありがとうございました。

鴨下委員長 次に、山口富男君。

山口(富)委員 日本共産党の山口富男です。

 育児と介護の休業の制度は、仕事と子育て、それから介護の両立を目指していろいろな要望や運動の中で改善を遂げてきた大事な制度だと思うんです。この問題で、今度の法改正に当たりましても、私は、この法改正が法律自体として今の職場や暮らしの実態にかみ合ったものなのかという面での検討と、もう一点は、やはりなかなかとりにくいという声が引き続き非常に大きいですから、社会的条件の整備がどうなっているのかという両面からの検討が欠かせないというふうに思うんです。

 それで、今回の法改正で、育児休業につきまして、いわゆる有期雇用労働者に対象が拡大をされました。これは前向きなことだと思うんですけれども、第五条の一項では、この拡大について二つの条件を課しています。一つは、「当該事業主に引き続き雇用された期間が一年以上である者」、それからもう一つが、「養育する子が一歳に達する日を超えて引き続き雇用されることが見込まれる」という二つの条件なんです。

 そうしますと、この二つの条件を置いた法改正で、育児休業の分野で一体どの程度の規模の労働者がこの制度を使えることになると見込んでいるのか、これを示していただきたいと思います。

    〔委員長退席、宮澤委員長代理着席〕

伍藤政府参考人 今回の改正で、具体的に有期雇用者はどのぐらい育児休業の取得者がふえるのか、こういうことでございますが、実態論として詳細な推計はなかなか困難でありますが、一定の仮定を置いて、ごく粗い推計でございますが、私どもの推計では約一万人程度、この程度は増加するのではないかというふうに見込んでおります。

山口(富)委員 その一万人程度と言われる根拠を幾つか示していただけませんか。

伍藤政府参考人 これは、年間の出生実数でありますとか出産前の勤務の状況でありますとか、あるいはパート、アルバイトのうちの有期の割合、幾つか指標がありますが、そういうものを置いて、一定の仮定を置いて、掛け合わせてはじいた数字でございます。

山口(富)委員 今幾つかの前提条件が示されたんですけれども、その中には、有期労働者の雇いどめまでの期間の問題も出ました。それで厚労省が出しています平成十三年有期労働契約に関する調査というものがあります。これを見ますと、有期労働契約で、三カ月から六カ月などの短期更新が繰り返されていて、一年未満が九三・四%といいますから、九割以上の方が一年未満の契約になっている。昨年の労働基準法の改正で、確かに上限が一年から三年に延びたわけですけれども、それに見合う実態の改善があったのかどうかというのは、これはいまだに定かじゃないんですね。

 そうしますと、法改正で二つの条件を課していますから、一方で、実態として一年未満の有期雇用者が九割を超えているということになりますと、法改正はしたものの、有期労働者の中で育児休業の制度を使える人たちというのは極めて限られたものになるんじゃないかというふうに危惧するんですが、この点はいかがですか。

伍藤政府参考人 今回の適用拡大に当たりましては、育児を理由として雇用関係が終了することを防いで、むしろその継続を図る、こういう育児・介護休業法の趣旨から、一定の要件をかけることにしたものでございます。

 その要件は、子が一歳となる日を超えて雇用が見込まれるということでありまして、この要件を満たせば、その契約期間が一年未満であっても対象となるというふうに考えております。

 なお、この要件の設定につきましては、審議会で、公労使三者構成で、労使の長い間の話し合いのもとに、事業主の負担でありますとか適用の容易さとか、いろいろな観点から御議論をいただいたということについて御理解をいただければというふうに思っております。

山口(富)委員 今の局長の答弁ですと、法律で二つの条件をかけるけれども、実態をよく見込んでやっていくつもりだということだと思うんです。

 それで、今、有期雇用の分野で、短期雇用を繰り返しながら、実際にはそれが事実上の長期雇用になっているわけですけれども、現行の、事業主さんへの育児休業をめぐる指針を見ますと、先ほども局長が読み上げていましたけれども、次のように定められています。「労働契約の形式上期間を定めて雇用されている者であっても、当該契約が期間の定めのない契約と実質的に異ならない状態となっている場合には、育児休業及び介護休業の対象となる」ということで、これは非常に大事な、今の実態に応じた規定だと思うんです。

 尾辻大臣にお尋ねしたいんですけれども、法改正に伴って、当然この指針も改正になるはずです。ですから、私は、こういう大事なところは、先ほどベースにすると局長が言われましたけれども、きちんとベースに置いていただいて、今の有期雇用の労働者の実態にかみ合って、この法改正に基づく申し出が行われ、育児休業をきちんととれるという方向での取り組みをしていただきたい、このことを大臣に答弁を求めたいと思います。

尾辻国務大臣 御質問の趣旨は、今お話しございましたように、私どもが平成十四年に出した指針の中で、現在も対象になっておるケースが、今度の法改正によって、そしてまた新しくできる指針によって適用外になる、そういうことはないだろうな、こういう御確認の御質問だと思いますが、一言で申し上げます。

 今度の改正によりまして、こうした考え方とか取り扱いを変えるつもりは全くございません。

山口(富)委員 大臣、申しわけないです、もう一点。

 私がお尋ねしたのは、先ほど局長が、これをベースに置きますという話でしたから、単にこの規定をそのまま残すという保守主義的な立場じゃなくて、今の、短期雇用を繰り返しながら、事実上、有期労働者が長期雇用になっているという実態がありますから、それに見合った法改正が具体化するように、指針でもきちんと手を打っていただきたい、このことを要望しているんです。

尾辻国務大臣 改めて申し上げます。

 議員御指摘のとおり、従来から、形式上は期間を定めて雇用されている者であっても、その労働契約が期間の定めのない契約と実質的に異ならない状態となっている場合には、育児休業及び介護休業の対象となるものであることを指針において明らかにしたところでございまして、このことを変えるつもりはございません。

山口(富)委員 どうも繰り返しの答弁になったようですが、しかし、指針も、そのことをベースにしながら、実態に見合ったきちんとしたものにしていただきたいと重ねて求めておきます。

 次に、育児休業の期間の問題なんですけれども、今度の法改正で第五条の三項で、ここもまた二つの条件があるんですが、いわば一歳から一歳半までの半年の期間の延長が可能になるということなんです。現状でいきますと、半年でもまだ足りないという声も非常に強いんですけれども、今度の法改正に当たりまして、半年間の延長という問題、これを考えるに当たってどのような検討がなされてきたのか、示していただきたい。

伍藤政府参考人 この点も審議会でいろいろ御議論をいただいたところであります。まずは、育児休業が、原則として子が一歳までの間の休業、一年であるということをベースに置いて、これをどこまで延長するか、こういう御議論がなされたわけでございます。そういった観点から、原則一年というものとのバランス上、どこまでこれを延長するか、こういうバランスの問題が一つありましたし、それから期間を延長すればするほど、事業主にとりましては、代替要員をどうやって確保するかとか、こういった負担もふえてくるわけでありますが、こういう負担をどこまで考慮するか、こういう二点からの議論が主としてございました。

 それからもう一つは、保育所になかなか入れないから延長すべきだ、これが背景にあるわけでありますが、統計によりますと、四分の三程度は六カ月ぐらいの育児休業を延長すれば保育所に入れる、こういうような実態もあるわけでありまして、そういったことを総合的に勘案して、審議会では、一年六カ月まで、こういう結論に落ちついたわけでございます。

山口(富)委員 今、検討に当たっての三つの中身が示されましたけれども、最後に言われた、統計によれば、四分の三程度の御家庭で、保育園に入れる期間で、やっと入れるというのが大体六カ月程度だろうという話がありました。

 私、調べたんですけれども、厚労省がその典拠にしているのは、平成十二年地域児童福祉事業等調査というものですけれども、これは希望する時期から保育所に入所できた世帯の割合なんです。現実には、今、待機児童がふえておりまして、入所できない人たちがいるわけですから、その方々を組み込んだ調査をしなければ、入れたのが、大体四分の三が六カ月程度だったというような話にはとてもならないと私は思います。

 それからもう一つ、よく厚労省が使います資料で、今名前は変わったようですけれども、日本労働研究機構が二〇〇三年九月に出しました、これはかなり本格的な調査です、育児や介護と仕事の両立に関する調査報告書というのがあります。これを見ますと、育児休業期間の延長の問題でどういう声があるかというと、半年間の延長をしてくれという声は四・二%、それから一歳六カ月から二歳未満までが一七・二%、最も多い希望は二歳六カ月から三歳未満で、ここに三一・六%あるんですね。

 ですから、この制度を使いたいと思っている方々が、半年じゃなくてもう少し延ばしてくれという実態をやはりまず踏まえるべきだと私は思うんです。

 その点でお尋ねしたいんですけれども、今、国家公務員については国家公務員の育児休業等に関する法律というのがありまして、三歳まで育児休業が認められています。公務員に三歳まで認めるわけですから、当然民間の働いている方々にも三歳までの育児休業を期間として認めるべきだというふうに私は思うんですが、この点の検討はいかがですか。

伍藤政府参考人 平成十三年の育児・介護休業法の改正によりまして、民間部門について、勤務時間の短縮等の措置、こういったものの義務の対象となる子の年齢が一歳未満から三歳未満に引き上げられたわけでありますが、これを受けまして、公務員の育児休業制度を民間の情勢に適応させるため、三歳までの育児休業が措置されたものというふうに理解をしております。

 すなわち、もう少しかみ砕いて申し上げますと、公務員の三歳までの育児休業でございますが、三歳までの勤務時間短縮等の措置のメニュー、民間に義務づけられておりますのは、短時間勤務制度でありますとか、フレックスタイム制とか、それから育児費用の援助措置とか、それに加えて育児休業の制度に準ずる措置、こういう幾つかのメニューを示して、これのどれかを講じなければならないというふうに義務づけられているわけでありますが、国の場合には、事業主として国がこの中から育児休業の制度に準ずる措置ということを選択したものということだというふうに理解をしております。

山口(富)委員 別に、かみ砕いて言っていただかなくても結構です。

 この問題は、今局長が言われたのは、二十三条ですよ。この中で、「一歳から三歳に達するまでの子を養育する労働者にあっては育児休業の制度に準ずる措置又は勤務時間の短縮等の措置を講じなければならない。」という規定が育介法の方にもありますよというのを、いわば公務員との関係でかみ砕いて言われたそうです。

 では、私もかみ砕いて言いますけれども、例えば、平成十五年度女性雇用管理基本調査。調査はいっぱいあるんですよ。これを見ますと、今、局長は二十三条の勤務時間の短縮等の措置を言われましたけれども、これを現実にとっている事業所というのは四五・三%しかないんです。しかも、同じ調査で、一年前、平成十四年の調査があるんですけれども、これを見ますと、育児休業制度の規定がある事業所における育児休業制度の期間というのは、子が一歳未満までというところが八六・一%なんです。

 ですから、片や公務員の方は三歳のがあって、そして、民間の方は、それに見合う二十三条の規定があって、いろいろな措置をとりなさいということになっているけれども、実態として見たらどうなるかというと、この勤務時間の短縮等の措置が四五・三%、それから、休業期間でいうと一歳未満というのは八六・一%というんですから、私は、こういう実態がある以上、やはり今度の一歳六カ月までというものを公務員と同等の三歳程度まで引き上げるのが、やはり実態からいっても要求からいっても欠かせないんだということを申し上げたんです。

 それで、私はもう一点、この育児休業をめぐりましては、期間の問題、制度の問題もあるんですが、とにかく取得がなかなかしにくいという声が引き続きありますので、次にこの問題を取り上げたいと思うんです。

 資料がいろいろありまして、厚生労働省の雇用均等・児童家庭局、ここが委託調査をやっています。どういう委託調査かというと、子育て支援策等に関する調査研究報告書、昨年の三月にある研究所が出したものですけれども、これを見ますと、父親、母親それぞれに聞いているんですが、「育児休業を取得しない理由」として、例えば、父親の場合は、「仕事が忙しく、同僚に迷惑がかかる」三五・六%、「取得しにくい雰囲気が職場にあった」二三・一%。お母さんの場合は、「取得しにくい雰囲気が職場にあった」二四・五%、「仕事が忙しく、同僚に迷惑がかかる」二二・四%、「職場に制度がなかったので取りにくかった」一七・五%。これらがずらっと上位に並ぶんですが、これはどう見たって社会的にも職場的にも制度として十分に充実されていない、その条件整備が急務だという結果になると思うんです。

 もう一つ、私もちょっと驚いたんですけれども、ニッセイ研究所というところが、育児休業を取得した場合に昇給や昇格にどういう影響が出るのかという調査をやっています。これは、男性の場合ですけれども、これを見ますと、昇格、昇給に対する影響で、休業期間が一カ月から二カ月の場合で三割の方が影響が出ている。影響というのは悪影響ですよ、いい方向に出るはずがないですから。それから、六カ月を超える場合は五四%の方が昇給、昇格に影響が出るといっているんですね。

 それで、前回の法改正で、十条で解雇その他の不利益な取り扱いをしてはならないということが盛り込まれて、これは事業主に対する指針でもはっきりさせられているわけですけれども。私は、育児休業がとりやすい環境整備にきちんと取り組むとともに、不利益な取り扱いがあった場合は、五十六条に基づいて、指導、勧告を含めて、きちんと対応をする、そういう姿勢を示すべきだと思うんですが、この点はいかがでしょうか。

伍藤政府参考人 御指摘のとおり、育児休業を取得しやすい職場環境の整備、これは急務でありますので、今、各企業に策定をしていただいております次世代育成支援対策推進法に基づきます行動計画、この中においてそれぞれの自主的な取り組みをぜひお願いしたいと思っております。それから、私どもは、従来から企業における仕事と家庭の両立のための各種助成金を支給しておりますが、こういった支援措置を引き続き実施をしていく、あるいは、先駆的な企業を表彰して、そういったものの企業のあり方というものをいろいろな場を通じて周知をしていく、ファミリー・フレンドリー企業といっておりますが、こういった施策をさらに推進していくということをやってまいりたいと思っております。

 それから、不利益な取り扱いを受けるなどのケースにつきましては、これはもう法律で禁止をされておることでありますから、各都道府県の労働局において、現在でもやっておりますが、そういう事案の把握に一層努め、適正な指導に努めてまいりたいというふうに思っております。

山口(富)委員 今、局長から、各県の労働局でも指導をやっておるという話がありました。

 それで、昨年の都道府県労働局雇用均等室における相談・指導の状況という資料があるんですけれども、これを見ましても、報告徴収を実施した事業場数というのは六千あるんですね。このうち、行政指導を実施した事業場数というのは九四・九%といいますから、五千六百九十六、いわば報告を求めたうちのもうほとんど全部が問題があったということなんです。

 この中で一体どういう問題が起きているのかといいますと、育児に関することでいうと、やはり育児休業がなかなかとりにくいという問題がかなり深刻に出ています。その中の一つに、深夜業の制限に関することということも多いんですね。

 それで、確認しておきたいんですけれども、これは、一九九九年の法改正で、第五章で育児介護中の深夜業を制限するという規定が設けられたわけですけれども、この立法趣旨はどこにあったのか、これを示していただきたい。

伍藤政府参考人 一九九九年の男女雇用機会均等法等の改正によりまして労働基準法も改正をされまして、女性労働者に係る深夜業の規制が撤廃されたわけでありますが、これにあわせて、育児または介護を行う労働者が雇用を継続しながら育児ができるように、男女を問わず、育児・介護休業法に深夜業の制限の制度を設けることとしたものでありまして、小学校就学までの子供を養育する家庭においては、できるだけ、いわば生活のコアタイムであります夜の時間帯に親子が一緒に過ごせるように、請求をすればその事業主はそれに配慮しなければならない、こういう趣旨でこういう改正をしたわけでございます。

山口(富)委員 となりますと、局長、かみ砕いて言いますと、働く方々の労働権と家庭責任、いわば子育てと仕事の両立を図るというところに立法趣旨があったというふうに考えてよろしいですね。

伍藤政府参考人 御指摘のとおりだと思います。

山口(富)委員 厚労省からいただいた資料を見ますと、この深夜業の制限の制度自身は、かなり事業所で広がり始めているようです。

 ところが、ある航空会社で、深夜業の制限を申請した乗務員に対して、それまで月二十日程度の勤務があったんですけれども、これが二日から三日となってしまって、残りが深夜業免除日とされて、仕事がないという事態が生まれています。私は、こういうことが起こりますと、精神的、経済的打撃というのは非常に大きいと思うんですね。

 局長が確認されましたように、深夜業の制限というのは、労働権と家族責任を果たす、仕事と子育ての両立というところにあるわけですから、いわば深夜業の制限ということの運用が労働権の方にまで踏み込むようなことがあったら、これは私、まずいと思うんです。

 ですから、大臣にこの点は答弁願いたいんですが、この立法趣旨からいきましても、深夜業の制限、申し出をした労働者に絶対に不利益などを起こさないように、その点はよく目を光らせて監督指導に当たっていただきたいと思います。

尾辻国務大臣 深夜業の制限に関しましては、指針におきまして、労働者が深夜業の制限を請求したことなどを理由として、その労働者に対して解雇その他の不利益な取り扱いをしてはならないとしております。この指針に従いまして、各都道府県労働局におきましては、不利益取り扱いと思われる事案を把握した場合には、事業主に対する指導を行い、その是正を図っておるところでございます。

 今後とも、不利益取り扱いしてはならない旨の周知徹底を図りますとともに、問題になる事案が生じた場合には、的確に指導を行いまして、その是正を図ってまいります。

山口(富)委員 では、周知徹底と、事案があった場合には必ずきちんとした指導をしていただくということを確認しておきたいと思います。

 次に、介護休業なんですけれども、これまで一回限りであったものが、今回、第十一条で介護を要する状態になったごとに取得できるということになりました。これも前進だと思うんです。

 それで、先ほど紹介しました労働研究機構の調査を見ますと、実際に介護の経験者の方に、介護休業制度が利用しやすくなるとするとどういう改善が必要かということを聞いているんですけれども、そこでは二つの要望が極めて強くなっています。

 一つは、同居していない、または扶養していない祖父母などの介護のためにこれを使わせてほしい、この声が四九・五%。これは、いわば対象を拡大してくれということですね。それからもう一つの要望は、三カ月を超えて介護休業をすることができる。今回九十三日ですけれども、これをもう少し広げてくれないかという要望なんですが、今後、厚生労働省の方でこの対象の拡大や期間を広げる問題、これは真剣に検討するおつもりがあるかどうか、これを確認しておきたいと思います。

伍藤政府参考人 介護休業の対象家族の範囲でありますが、これは、介護休業制度の創設の際に、そのときに既に導入されておりました企業における対象家族の範囲、あるいは実際に介護の対象となった家族の範囲を踏まえて決定をされたものでございます。

 その後、介護保険制度の導入など、介護サービスが社会的な制度として充実発展をしてきておりますので、そういうことを考慮いたしますと、対象家族の範囲を変えるというような強い社会的要請があるというふうには今のところ私ども考えておりません。

 それから介護休業の期間でありますが、これは、介護が必要な状態はさまざまでございまして、この介護休業の趣旨が、介護そのものを本人がずっとやるということよりも、介護についての長期的な方針を定める、そういう期間であるということで期間が定められておりますし、それに事業主の負担といったことを総合的に考えますと、介護休業の期間を延長することはなかなか困難ではないかなというふうに考えております。

    〔宮澤委員長代理退席、委員長着席〕

山口(富)委員 社会的要請はあるんですよ。私は、アンケートの調査で、現実に介護に当たっている方の要望として示した数字がはっきり示していると思います。

 それからもう一つ、看護休暇の新設の問題なんですけれども、先日の答弁で、五日にした根拠について、きょうも何回か使っている労働研究機構の調査を挙げたんですけれども、これは男女の合計なんですね。

 実際、女性で見ますと、六日以上休んだという方が二割、十日以上の方が三割で、合わせて五割いるんです。私はこの点でも、実態からいきまして、今回の五日でよしとしないで、引き続きこの看護休暇についても、一週間から十日程度、まず広げてみるということも考えていただきたいですが、この点はどうですか。

伍藤政府参考人 看護休暇につきましては、これまで努力義務でありましたものを今回初めて事業主に義務づける、こういうことでございますし、すべての労働者に適用されるということで、最低基準としての性格でございますから、事業主の負担といったことも勘案して、今回五日間、こういうふうにしたわけでございます。

山口(富)委員 ですから、私は今後の問題として、これで固定化しないで、広げていくという選択肢も考えていくのかと聞いているんです。

伍藤政府参考人 この点につきましては、従来、大臣からも御答弁申し上げておりますように、今回初めて義務化をする、こういうことでありますから、今後の制度の施行状況をよく見て吟味していくことだというふうに考えております。

山口(富)委員 施行状況を見て、よく吟味していただきたい。

 大臣に最後にお尋ねしますが、今、育児と仕事の両立の問題でどういうことを推進政策としてしてほしいかという調査を見ますと、三つ挙がっていまして、一つは、労働時間の短縮などによって、働きながら育児をしやすいようにしてほしい、二つ目に、職場や社会環境の整備をやってほしい、三点目が、保育所の整備なんですね。私は、こういうことはきちんとやってほしい。

 そして、今度の育児介護の休業法は、私、冒頭に申し上げましたように、いろいろな世論や運動によって改善を、徐々にではありますけれども、やってきた制度ですから、ぜひこの法改正後の施行状況もよく見ながら、引き続き必要な改善を積み重ねていくように、これは大臣に最後に求めたいと思います。

尾辻国務大臣 いろいろお話しいただいておりますように、育児・介護休業法はこれまでも見直しをその都度行ってきたところでございますが、今後とも変わることなく、適時適切に対応してまいります。

山口(富)委員 終わります。

鴨下委員長 次に、阿部知子君。

阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。冒頭、尾辻大臣に質問予告外のことでお願いいたします。

 私は、先回の私の質問時間の冒頭にもお伺いいたしましたが、今イラクのファルージャ、昨日ですか、モスクの中でイラクの全く武装していない市民がアメリカの海兵隊員によって頭を撃ち抜かれた映像がアメリカでも報道されております。

 私が先回お尋ね申し上げたのは、そもそもこのファルージャ攻撃の当初から、ファルージャ総合病院やあるいは診療所が空爆されたり侵攻の対象とされたりしている、この国際人道法にももとるような行為。そして続いて、イラクの赤十字の方々がファルージャの市内に入って救援活動をしたいという意向があったにもかかわらず、ファルージャの中には入れてもらえず、外で待機が続いておるという現状。遺体は道路に転がり、犬が食い荒らし、本当に目も覆うばかりの惨状だという報告もNGOの皆さんが届けてくれています。

 今イラクで起こっている地獄絵の現状について、我が国では、今、小泉総理はおられますが、町村大臣はおられません。私は、こうした本当にホロコーストに近い殺りくを一刻も早くとめさせるために、そこで何が起こっているのかということをきっちり政府として情報収集していただきたい。特に、人道に関しての相次ぐさまざまな出来事は、私たち政治にかかわる者が座して放置しておいてよいものではないと強く思います。

 先回お願い申し上げました、何らかの情報収集、おありになったかどうか。私は、実はこの質問に立つ前、きょうも外務省に、今イラクでどのような状態になっているのか情報を持っているのかということを尋ねました。現時点で、まだ何にも持っていないと。自衛隊員もあそこに派遣されております。このような形で、何の情報も入手できないままで、私たちは果たしてこのことを、歴史を一緒に生きている人間として正しく判断していけるのかどうか、非常に不安ですので、先回お願い申し上げました、国際赤十字等々からの情報入手が可能であったかどうか、再度尾辻大臣にお伺いいたします。

尾辻国務大臣 いずれにいたしましても、そうした情報をきっちりとることは、これはもう国にとって大変大事なことでございますから、やらなきゃならないと思っております。そこで、お尋ねでもございますから、まず、私からも外務省には尋ねてみようと思います。

 それからもう一点、赤十字についてのことでございますが、これについても、やれることかどうか調べてみたい、こういうふうに思います。

阿部委員 先回もお願いいたしましたが、ぜひ早急にしていただきたいです。

 いろいろな形で、非戦闘員と呼ばれている方々の犠牲が広がっております。私どもの国として、それを小泉首相は支持なさるという判断をしているわけですから、逆に言えば、私どもの国がその殺りくを支持していることにもなりかねません。事態は極めて重大な局面に入っていると思います。重ねてよろしくお願い申し上げます。

 さて、本日の審議に上っております法案についての質疑をさせていただきます。私で質問は最後と思います。

 一応、今回の法案の四本の柱のうち、一番目の育児休業の有期雇用者への拡大ということを除き、二、三、四の、例えば看護休暇、あるいは介護休業の取得の仕方の変更等々、あるいは育児休業期間の延長については、基本的に賛成するものでありますが、期間を定めた就業者、労働者に対しての育児休業にかかわります改正に関しましては、果たしてこの改正が前向きに、そうした有期雇用者の就労状況の継続に向かうのか、あるいは逆に、今回の改正によって育児休業がとりづらい状態になるのではないか。この懸念が、私は今回の審議をずっと聞いた中でも払拭されません。そこで、多分に繰り返しになる部分もあるやもしれませんが、重ねてお伺いしたいと思います。

 なお、私的なことを申し上げて恐縮ですが、私は小児科医で、現在お子さんをお育て中の世代を見ておりますと、実は子供が親といる権利も十分に保障されておりませんし、親が子といる権利も十分に保障されていないと思います。確かに、ゼロ歳児からの保育が開始されて、そこで子供たちが過ごしている現状もあり、保育の充実が図られるということは重要と思いますが、しかし、やはり基本的には、特に幼い時期、親も子にかかわり、子も親のかいなの中にいるということは、本当に大事なことだと思います。その意味において、ぜひとも育児休業がさらにさらに充実してほしい。

 きょうの冒頭の藤田委員の御質疑にもありましたが、これは今回拡大される有期の雇用者だけでなく、現状で期間の定めのない働き方をしている女性たちも、実は出産を契機にまだまだやめていっておられるということもあり、男性の取得も少ない等々の現状があります。しかし、今回の改正が、このことをさらにもう一歩も二歩も改善するものであってほしいと願っておる者の一人です。

 そこで、冒頭は伍藤雇用均等・児童家庭局長にお伺いいたします。

 今回の法の改正で、現状十万人が取得しておられると予測される育児休業の取得が、さらに有期契約労働者が一万人の増加をする試算だとお伺いいたしました。そして、その試算の根拠は、先ほど山口委員への御回答の中で、年度における出生数や出産一年前後の母親の就労状況、あるいは有期契約労働者の雇いどめまでの勤続年数等で計算しておるとおっしゃいましたが、私は、どうやって計算されたのか、ちょっと具体的なイメージがわきません。もう少しわかりやすく一万人の算出根拠をお示しください。

伍藤政府参考人 先ほど幾つかの条件を申し上げましたが、一年間の出生児数、それに、ゼロ歳児の母のうち出産一年前に勤めていた者の割合、あるいは、その中で現在の就業状況が仕事を探している、あるいは勤めている、こういった者の割合、さらには、雇用者に占める非公務員の割合でありますとか、パート、アルバイトのうち有期の割合、それから、以前の雇いどめまでの勤続年数が三年以上である有期契約労働者の割合、これに育児休業取得率というものを乗じてはじいたものでございまして、粗っぽい推計でありますが、私どもの手元に入るいろいろなデータの中から、このくらいは取得できるんではないかな、そういう条件を設定して、それを掛け合わせたものでございます。

阿部委員 私は、そういう数字の操作で果たして実態が把握されているかどうかを非常に疑問に思うものです。

 算出根拠をお示しいただきたいというのは、きのうの予告のときにもしましたが、実際には見せていただけませんでした。今の局長の御答弁は、今、有期という形態をとって働く方たちが育児休業をとりたいと思ったときにどのように対処しておられるかの実態からは、非常に遠いと思います。

 そこで、重ねてお伺いいたしますが、これまでのさまざまな調査の中で、有期労働契約に関する調査、平成十一年にございますが、育児休業ということと、有期という形態をとる、この二つをかけ合わせて、実際にそこで働いておられる皆さんあるいは雇用主に対して、この二つをキーワードにしてなされた実態調査、ございますでしょうか。

伍藤政府参考人 そういった形での調査はございません。

阿部委員 私は、この法律を改正するときに、当然まず第一になすべき調査であると思います。

 私が、この法案の審議に当たって、何人かの有期労働と言われる方々のお話を伺い、余りにも現実感覚から遠いという指摘を受けました。

 一事例の御紹介ですが、三十七歳のプログラマーで、登録型派遣で働いている女性です。週四十二・五時間働き、雇用保険にも入っています。

 この方は、当初三カ月の契約で派遣元のAからB社に派遣されて、その労働開始後一カ月のところで妊娠に気づきました。そのB社に対して、自分は今妊娠したけれども働き続けたいという意向を伝えました。しかしながら、B社は派遣元のA社に対して、この方を、雇用の継続をしないということを伝えました。

 そこで、A社の派遣元の方から彼女に来たメールの紹介です。

 お仕事の継続については、お客様たるB社がやめてほしいというのであれば、そうせざるを得ません。お金の出どころはB社ですし、ビジネスとはそういうものです。同じく続いて、同じ男として、面倒を見る自信がないのに子供を妊娠させたりは私はいたしません。私も妻がおりますが、家でごろごろしております。きっちり面倒は見ております。いつ妊娠しても大丈夫な経済的蓄えもございます。これは派遣元の方の上司に当たる方ですね。派遣先B社には、妊娠したということを言ってしまっており、B社もやめさせたいという意向が固まっております。またさらに続きます。やはり、妊娠という言葉は、即やめてくださいとなってしまうケースがほとんどですと派遣元のA社の上司がこの方におっしゃるわけです。通常、就職先が嫌でやめたいスタッフがやめる口実としてよく使う言葉というのが妊娠しましたという発言であって、妊娠しましたと言われてしまうと、派遣先としては続けさせようにも続けさせられないという判断でございます。だから、妊娠しました発言は絶対言ってはいけないのですと。

 となれば、言ってはいけないのであれば、妊娠したのを隠してぎりぎりまで働くか、しかし、おなかも目立ってまいりますし、太ったと言って言い抜けられる時間も限りがございます。このような実態は、個別特殊な事例ではなくて、今、派遣という形態で働く多くの女性たちは、やはりその期間内に妊娠したらどうしようという不安の方が大きいのが実情です。

 しかし、やはり、子供を産むことを選んで育てていきたいという気持ちを持っていただきたい、そして働き続けるようにしていただきたいと思うのがこの法案の改正点であれば、私は、さらに続けさせていただきますが、ぜひ、有期で働く皆さんと妊娠、出産ということに項立てをして、きちんとした実態調査をしていただきたいですが、尾辻大臣、いかがでしょうか。

伍藤政府参考人 有期雇用者に今回初めてこういう制度を適用するということで、大変難しいところではありますので、実際にどういう形で事業主が行動に出るか、あるいはどういう実態で労働者がこういう制度を利用できるか、こういうことについては、この法律を施行いたしましたら、当然のことながら、行政の責務として実情を把握することは当然必要だと思いますので、今回改正をしたこの内容が、どの程度社会に実態として受け入れられ、実効性を持つものであるか、こういうことについては、適切な形で私どもも把握するように努めていきたいというふうに思っております。

阿部委員 今回の改正で二点が加わりまして、何人かの委員が御質疑ですが、平成十四年のガイドライン、告示よりも後退することがあるんではないかと心配されています。

 懸念の点は二つございます。同一の事業主に引き続き雇用された期間が一年以上であるということと、またもう一点は、育児休業の申し出の折、子が一歳に達する日を超えて雇用が継続することが見込まれること。これは、これまでのガイドラインの、実態としての常用雇用と変わることのないものという規定から、場合によってはさらに踏み込んで考えられるわけです。

 今回、この、一歳を超えて継続ということを入れたことで、具体的に不利益が生じるような事案は考えておられますか。私のを繰り返さないで回答をお願いします。具体的に不利益が生じるようなケースについて、今、局長は頭に浮かびますか。

伍藤政府参考人 十四年のガイドラインで示しておりますように、実質的に期間の定めのない労働者と判断される場合には、当然、育児休業の対象になる。これは、この規定はそのまま尊重して、今後とも生かすわけでありますから、それに加えて、今回、そういうものと判断できない分野においても、今回の改正において一定のこういった要件を満たす者は育児休業の対象になるということでございますから、今回の改正を機に、新たな形で不利益になる者が発生をするということは想定しにくいことだというふうに思っております。

阿部委員 その辺がやはり現状の認識、現場の認識からかけ離れていると各委員から指摘されたと思います。三カ月、三カ月、三カ月、そして一年超えちゃ困るから、その次の三カ月はどうしようという形で。

 今度、一年という期限が与えられたことによって、雇用の形態自身、継続期間自身を変えてしまうということが起こり得るわけです。そういうことを念頭に置いていただかないと、この改正が、前に向けたものか、逆にとりにくくなるのかが浮かんでこないということです。

 そして、先ほど青木労働基準局長のお話にもございましたが、十六年の一月から、いわゆる雇用の最初の契約のときに次の継続についてきちんと明示的に文章化しなければいけない、明示的に約束しなきゃいけないということが指導に告示で入っております。

 果たしてこの告示は現状においてどの程度実施されているのか、何かデータはお持ちですか。

青木政府参考人 今御指摘になりました点でございますけれども、この基準は、まさに今おっしゃいましたように、ことしの一月一日から施行されておりますので、私どもとしては、改正基準法の施行とあわせ、この規定についても十分指導、啓発あるいは周知をするということで、集団指導でありますとか、あるいはもちろん個別の監督のときにも指導するというようなことでやってきております。そういうことで、専ら周知に心がけているところでございます。

 そういうことでございますので、この結果につきましては、もうしばらく見て、実態調査等をして把握していきたいというふうに思っているところでございます。

阿部委員 先ほど、青木局長がおっしゃった告示の内容が、各事業所に配られているものが、このような「雇止めに関する基準について」という、簡便な冊子です。例えば、この中で見ましても、「業務を遂行する能力が十分ではないと認められるため」というのが雇いどめの理由には事例で挙げられておりますが、これが、妊娠をされていて、そして雇う側がそれでは業務を遂行する能力が十分でないと認められるといった場合に、果たしてその判断がどうなるのかということがございます。

 ここで明確に答弁していただきたいのですが、雇用の継続を希望する労働者がいて、そしてその方が妊娠をされる、その場合に、その妊娠はここに言うところの業務を遂行する能力が十分でないと認められるという事案の中には含められないのですね。いかがですか。

青木政府参考人 それは、私どもは、基準法の施行関係については実態をもって判断するということにいたしておりまして、事業の内容でありますとか従事する仕事の態様でありますとか、そういったことによって判断をするということになると思っております。ケース・バイ・ケースで考える必要があるだろうと思っております。

阿部委員 それでは全く答弁にならないのです。この法律の趣旨は、妊娠そして出産、育児ということを通じて雇用が継続されることを推進する法律です。これが、妊娠を理由に作業から抜けるあるいは仕事が云々と言われたら、もともと労働基準法すら守れないことになりますから。

 しかし、現状で、果たして有期雇用の労働者の労働組合組織率はいかがなものでしょうか。

太田政府参考人 今お尋ねの有期契約労働者の労働組合の加入率でございますけれども、私どもで実施している労働組合基礎調査では把握していないところでございますけれども、民間に委託で調査に出したことがありまして、平成十三年の調査でございますけれども、当時の三和総研が調査いたしまして、有期契約労働者の組合加入率は六・六%となっているところでございます。

阿部委員 普通の常用雇用でも、雇用の継続、解雇などについては、争議の一番大きな問題になりますが、有期という形態をとった場合に、逆に、妊娠を理由とせずとも、期間の終了だという形で、合法的に雇用が中断、継続されないということが多々起こり得る。そして、その場合に、例えば労働者の側が相談を持っていきたい労働組合の組織率は六・六%と極めて低いと言わざるを得ないと思います。先ほど私が御紹介した事例も、この方がユニオンに相談を持ちかけて、ユニオンを介して雇用の継続が保障されたという事例です。

 一方で、低い労働組合組織率、そしていろいろなところで雇いどめが問題になり得る状況の中で、先ほど山口委員の御質疑にもありましたが、そういうときは雇用均等室の方にお申し出くださいということでありましたが、これはやはり労働基準監督局自身がきっちりとした対応をしていただかないと、先ほどの答弁ではとてもとても実際に雇用が継続されるようになるとは思えないのです。

 最後になりますが、大臣にお伺いをしたいと思いますが、私は、今回の法律改正が、やはり、そもそも改正の突端で現状をきっちりと把握されていないこと、そしてガイドラインよりも後退するような内容になる懸念が二点あるということ。

 これは、一年継続して働いた、あるいは一年後も働く意思があることを冒頭できちんと確約しておかなきゃいけないが、そのお互いの労使のやりとりは、まだ十六年一月から始まったばかりである。法は改正されて、果たしてよい方向に向くのか。とりづらくなり、さらに、有期で働く方たちはふえる。これからは多様な働き方はプロモートされるべきと思いますが、しかし、そのことが実際に子供を産むことから遠ざかっていくのであれば、一人の人間の生き方として大きなものをそぎ落としていくことになると思います。

 最後に大臣に、やはりきちんとした実態調査、そして、こうした告示がどの程度周知徹底されておるのかという調査もあわせて、陣頭指揮に立っていただきたいと思いますが、御答弁をお願い申し上げます。

尾辻国務大臣 まずガイドラインについて申し上げたいと思います。

 これは、今度法改正をして、それが逆に対象が狭まるとか、そういったような、逆のことになる、そういうことは決してありませんということを申し上げておきたいと思います。今までのガイドラインにプラスして、今度の法律改正、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。まずそのことを申し上げておきたいと思います。

 それから、改正法の施行状況につきまして、これはもう当然のこととして適宜把握に努めてまいりたいと思います。

 最後に申し上げますが、私どもは、女性が安心して働き続けられる職場環境の整備に今後とも努めてまいります。

阿部委員 その思いを素直に受けとめたいとは思うのですが、ただしかし、平成十四年度のガイドラインの告示前後で実態調査がしてあるわけでもなく、この法律が出るときにも実態調査がしてあるわけでもなく、そして、現実に、先ほど紹介したような派遣労働現場がこれありということですので、やはりイラクにおいても雇用現場においても、現実がどうであるかということを正しく把握して、きちんと実りある政策、法律の実行を心がけていただきたいと思います。

 以上で終わります。

鴨下委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

鴨下委員長 この際、本案に対し、大村秀章君外三名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、社会民主党・市民連合の四派共同提案による修正案が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。水島広子君。

    ―――――――――――――

 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律等の一部を改正する法律案に対する修正案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

鴨下委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

鴨下委員長 速記を起こしてください。

 伍藤雇用均等・児童家庭局長。

伍藤政府参考人 失礼をいたしました。

 先ほど、質疑の中で、看護休暇が慢性疾患にも適用されるかということで、適用されますとお答えいたしましたが、前回の議論で、水島議員の質問に対して、予防接種との関係で、慢性疾患とかそういうものが対象になるかということで、私が急性疾患というふうにお答えしたのではないかと思いますが、その点については、看護休暇は急性疾患のみならず慢性疾患も含めて、すべての子供の病気や負傷について適用になる、こういうことでございますので、誤解があった点についてはおわび申し上げ、きょうの答弁をもって正式な答弁にさせていただきたいというふうに思います。

 どうも失礼いたしました。

鴨下委員長 水島広子君。

水島委員 ただいま議題となりました育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律等の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党及び社会民主党・市民連合を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 本修正案は、附則に、この法律の施行後適当な時期において、本法の施行状況を勘案し、期間を定めて雇用される者に係る育児休業等の制度等について総合的に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずる旨の規定を加えるものであります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

鴨下委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

鴨下委員長 これより本案及び修正案を一括して討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 第百五十九回国会、内閣提出、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律等の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。

 まず、大村秀章君外三名提出の修正案について採決いたします。

 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

鴨下委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。

 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。

 これに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

鴨下委員長 起立総員。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

鴨下委員長 この際、本案に対し、大村秀章君外三名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、社会民主党・市民連合の四派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。小林千代美君。

小林(千)委員 私は、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党及び社会民主党・市民連合を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。

 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。

    育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。

 一 育児休業、介護休業制度の有期契約労働者への適用については、休業の申出及び取得を理由とした雇止め等不利益な取扱いが行われないよう、本法改正の趣旨の周知徹底を図るとともに、法施行後の有期契約労働者の休業取得状況等を勘案し、その在り方について検討を行うこと。

 二 看護休暇が子の看護のための休暇である趣旨から、取得に当たっては、子どもの負傷及び疾病が緊急かつ不測であることにかんがみ、取得手続きに十分な配慮を行うとともに、子の人数に配慮した制度とすることについて検討を行うこと。

 三 男性の育児休業取得をより一層推進するため、数値目標達成に向けて事業主に対する指導、援助を進めるとともに、男性が子育てに参加することができる有効な方策の検討を進めること。

 四 仕事と生活の調和の実現に向け、育児休業、介護休業等を取得しやすい環境を整備するとともに、「年間総実労働時間千八百時間」という政府目標を踏まえつつ、所定外労働時間の抑制及び年次有給休暇の取得を一層促進すること。

 五 有期契約労働者の均等処遇について所要の検討を進めること。

 六 育児や家族介護のために離職を余儀なくされた労働者の再就職支援をはじめ、働きながら育児や家族介護を行う労働者に対する地域における育児・介護サービスの充実に取り組むこと。

以上でございます。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

鴨下委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

鴨下委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、尾辻厚生労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。尾辻厚生労働大臣。

尾辻国務大臣 ただいま御決議のありました本法案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、努力してまいる所存であります。

    ―――――――――――――

鴨下委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鴨下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

     ――――◇―――――

鴨下委員長 次に、第百五十九回国会、鈴木俊一外三名提出、特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律案及び第百五十九回国会、泉房穂君外二名提出、無年金障害者に対する障害福祉年金の支給に関する法律案の両案を一括して議題といたします。

 提出者より順次趣旨の説明を聴取いたします。鈴木俊一君。

    ―――――――――――――

 特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

鈴木(俊)議員 ただいま議題となりました特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律案につきまして、提出者を代表して、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 我が国の国民年金制度は昭和三十六年に創設以後、原則、二十歳以上六十歳未満の自営業者等をその対象としてきたところでありますが、制度創設時において、諸般の事情を総合的に勘案の上、学生や被用者の配偶者は任意加入の対象としてまいりました。これらの方々については、その後の制度の発展に伴い、現在は強制加入とされておりますが、こうした国民年金制度の発展過程において、制度の対象としつつも、強制加入ではなく任意加入とされていた結果として、加入していなかったために障害年金や障害基礎年金の受給権を有していない障害者が生じております。このため、こうした国民年金制度の発展過程において生じた特別な事情にかんがみ、障害基礎年金等の受給権を有していない障害者に特別障害給付金を支給することにより、その福祉の増進を図ることとした次第であります。

 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。

 第一に、本法の対象となる特定障害者とは、その傷病に係る初診日において任意加入制度の対象とされていた、被用者年金各法の被保険者等の配偶者または大学等に在籍する生徒もしくは学生で国民年金制度に加入していなかったものであって、六十五歳に達する日の前日までにおいてその傷病等により現に障害等級一級または二級の障害状態にあるものとしております。

 第二に、国は、特定障害者に対し、月を単位として特別障害給付金を支給するものとし、その額は、一月につき、障害等級が一級の者には五万円、二級の者には四万円とすることとしております。また、特別障害給付金の額につきましては、毎年の消費者物価指数の変動に応じた物価スライドを実施することとしております。

 第三に、特定障害者の前年の所得が政令で定める額を超えるときまたは特定障害者が国民年金法の規定による老齢基礎年金その他政令で定める給付を受けることができるときは、特別障害給付金の額の全部または一部を支給しないこととしております。

 第四に、特別障害給付金の支給に要する費用は、その全額を国庫が負担することとしております。

 第五に、障害を支給事由とする年金たる給付を受けられない特定障害者以外の障害者に対する福祉的措置については、国民年金制度の発展過程において生じた特別な事情を踏まえ、障害者の福祉に関する施策との整合性等に十分留意しつつ、今後検討が加えられるべきものとしております。

 以上のほか、特別障害給付金の給付を受けている者に係る国民年金保険料の免除に関する特例、受給権の保護、公課の禁止等の所要の規定を整備することとしております。

 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容の概要であります。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

鴨下委員長 次に、泉房穂君。

    ―――――――――――――

 無年金障害者に対する障害福祉年金の支給に関する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

泉(房)議員 ただいま議題となりました無年金障害者に対する障害福祉年金の支給に関する法律案につきまして、提出者を代表して、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 ことし三月に東京地方裁判所において、また十月に新潟地方裁判所において学生無年金損害賠償訴訟の判決が下され、いずれの判決においても原告が勝訴いたしました。

 東京地裁判決は、障害を負った時期が二十未満なら障害基礎年金が支給されるが二十以上なら不支給となるのは、法のもとの平等を定めた憲法十四条違反であると、国民年金法の規定を違憲とする初めての判断を示しており、また、違憲状態を放置したのは違法であると、救済措置をとらず放置した立法不作為により、原告一人当たり五百万円の損害賠償の支払いを国に命じています。

 新潟地裁判決は、同じ二十以上でありながら、学生以外であれば障害基礎年金が支給されるのに学生であるために不支給となるのは、憲法十四条に違反するとし、二十未満の学生に障害基礎年金が支給されることからして、何ら非難されるものでない学生を二重のはざまに陥らせているとしています。その上で、学生に対して、昭和六十年改正において学生を強制加入とすべきところ、強制加入の対象としなかった立法不作為を違法とし、障害者にとって障害年金は自立に不可欠であるのに、何らの救済措置も講ぜず放置してきた国の責任にかんがみ、原告一人当たり七百万円の損害賠償の支払いを国に命じております。

 無年金障害に関する訴訟は学生によるものだけではなく、全国各地で行われており、国民年金制度の欠陥によって障害無年金状態の生活を強いられている方々は数多くおられます。

 民主党は、以前から、無年金障害者あるいは国籍条項による無年金者をなくすことを、また制度を改めるまでの間、福祉的措置も含めた実現可能な方策を早急に検討し、無年金障害者をなくす取り組みを進めることを提言してまいりました。

 行政サイドにおいても、坂口力前厚生労働大臣は、二〇〇二年八月に無年金障害者に対する坂口試案をあらわし、立法側も、超党派の議員連盟において、二〇〇四年三月に無年金障害者の早期救済を内容とする議連方針を取りまとめてきました。

 民主党は、超党派議員連盟が取りまとめた方針に基づいた救済策こそ現在実現可能な救済方法、救済水準であると考え、法律案を取りまとめることといたしました。

 すなわち、無年金障害となる分類を、国籍要件撤廃前に障害状態にあった在日外国人、六十一年四月の任意加入制度発足前に海外滞在中に障害を負った在外邦人、学生の任意加入期間に加入をせずに障害を負った学生、サラリーマン世帯の主婦が任意加入であった期間に加入をせずに障害を負った主婦、強制加入である年金制度に加入していない時期に障害を負った未加入者、保険料を滞納していたことにより支給要件を満たさない未納者に分け、制度上の欠陥によって無年金となっている在日外国人、在外邦人、学生、主婦を優先的に救済の対象とし、保障の水準を現行の障害基礎年金と同等とすること、未納、未加入を原因とする無年金障害者に対しても速やかに法制上の措置を行うことを求めるものです。

 東京地裁判決、新潟地裁判決が下した、制度の間に落ち、無年金状態の生活を強いられてきた経過の清算も必要です。そして、これからの生活を無年金状態にさせないための救済策が今求められています。その実現のために、本法案を提出することといたしました。

 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。

 第一に、昭和五十七年一月の国籍要件撤廃前に障害事故の発生した在日外国人、昭和六十一年四月の第三号被保険者制度創設前に国民年金に任意加入せず、その期間中に障害事故の発生した被扶養配偶者、平成三年四月の学生に対する強制適用前に国民年金に任意加入せず、その期間中に障害事故の発生した二十以上の学生、六十一年四月の任意加入制度発足前に障害事故の発生した在外邦人を対象として、障害福祉年金を支給します。

 第二に、障害福祉年金は、現在の障害基礎年金と同水準とすることとし、一級でおおむね八万三千円、二級でおおむね六万六千円としています。

 第三に、本法律案で救済の対象とできなかった保険制度未加入、保険料滞納を事由として障害年金給付を受けられない者に対し給付を行うことができるよう、速やかに必要な法制上の措置等を講ずることとしています。

 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決されることをお願い申し上げます。

鴨下委員長 以上で両案の趣旨の説明は終わりました。

 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前十一時五十六分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時二分開議

鴨下委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 午前に引き続き、第百五十九回国会、鈴木俊一君外三名提出、特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律案及び第百五十九回国会、泉房穂君外二名提出、無年金障害者に対する障害福祉年金の支給に関する法律案の両案を一括して議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、政府参考人として厚生労働省年金局長渡辺芳樹君、社会保険庁運営部長青柳親房君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鴨下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

鴨下委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小西理君。

小西委員 自由民主党の小西理でございます。

 厚生労働委員会、初の質問となります。よろしくお願いをいたします。

 まず、この問題、具体的な質問に入ります前に、ちょっと確認をさせていただきたいと思うことがあります。

 従来、障害者の問題を考えるときに、私が思っておりましたのは、歴史的には、この状態を何とかしなければならないという恩恵的なものから、ノーマリゼーションという動きを通じまして、私は、障害者問題を一つの理念として考えていかなければならない、そういうように思っております。非常に哲学的な話ですけれども、原点として大変大事なことだというように思います。具体的な事例の解決に当たっては、財政含めいろいろな事情がありますので、必ずしも理念に沿うことができないということもあると思いますけれども、この理念の部分を失っては政策として意味をなさないのではないか、このように考えております。

 そういう理念というのは、私といたしましては、障害者というのは偶然の事由によって障害者となった、ありとあらゆる人がいつでも障害者になる可能性がある、これを前提に考えなければならない。ここにおられる委員の皆様、そしてそのほかの皆様も、あす、障害者になるかもしれない。また、偶然事故等によりまして障害をこうむった場合に、いかに社会生活をそのまま続けることができるか、これは大変大きな国民の安心と安全の源泉である、このように思っているわけであります。

 そこで、各提案者の皆様並びに厚生労働大臣にお伺いしたいと思いますけれども、このような考えについてどのように思っておられるか、御意見を賜れればありがたいと思います。

長勢議員 障害者に関する理念は、今先生御指摘のような方向で考えられてきたと思いますし、私自身も、おっしゃるように、本人の意思とかかわりなく障害という状況になる、また、だれでもそういう状況になるということでございますから、これからの社会において、障害の有無にかかわらず、国民だれもが相互に人格と個性を尊重し合う、そして支え合う、そういう共生社会を目指していくべきものと考えております。

 そういう観点からしまして、単に恩恵的にどうするということではなくて、障害者の自立と社会参加を積極的に支援するということが重要でありますし、それに関する、国も相応の責任を果たすべきものと思っております。

 我が党におきましては、こういう観点から、障害者施策についてその充実に努めてきたところでございますが、今後ともその方向で私も一生懸命努めてまいりたいと思っております。

泉(房)議員 小西議員にお答えいたします。

 まず、福祉は恩恵なのか理念なのかという点でありますが、福祉は権利です。憲法第二十五条生存権、また国連人権規約九条社会保障の項にもあるように、福祉は権利であります。議員の理念というものはそういった権利だというふうに私は理解したいと思います。

 また、議員の三点につきまして、障害者は偶然の事情でなるものであって、ならざるを得なかったという点であります。まことにそのとおりであります。だれも障害者として生まれたくて生まれたわけでもありませんし、障害者になりたくてなるわけでもありません。また、障害者になる時期も選べるわけではない。その点、全く委員御指摘のとおりであります。

 また、だれもが障害者になる可能性がある、そのとおりであります。生きとし生けるものすべてが障害者になる可能性がある、そういった視点で見ていく必要がある、そういった委員の御指摘は、全く同感であります。

 また、その影響は最小限にとどめられなければならない、まことにそのとおりでありまして、単に食べていければいいということではなく、胸を張って、誇りを持って、笑顔で生きていける、こういった視点でもって検討していく、そういった委員の御指摘は、まことに同感でございます。

 以上です。

尾辻国務大臣 障害者福祉は厚生労働行政の原点ともいうべきものでございまして、すべての障害者の方が、誇りと役割を持って、地域で自立した生活を送ることのできる社会を築くことが、厚生労働省の使命であると認識をいたしております。

 委員御指摘がございましたように、だれもが障害者になり得るものでありますから、障害を国民一人一人がみずからの問題としてとらえ、障害者の方の自立の努力だけでなく、社会全体で支え合うことが大切でございます。こうした観点から、年金制度等の所得保障が重要でございますが、さらに、障害者の方の働く場の確保などの自立支援も今後の重要な課題でございます。

 先般、障害保健福祉のあり方につきまして、改革のグランドデザイン案を公表したところでございまして、就労や地域生活支援の各般の施策を進めることにより、自立と共生の社会の実現を目指してまいりたいと考えます。

小西委員 どうもありがとうございました。

 きょうここで、長年ずっとこの問題を取り上げてこられ、そしてまた、こういう法案を提出されました議員の皆様、また関係の皆様に、本当に心から謝意を表したいというように思います。きょう、ここでこの審議が始まることは、本当に皆様方の御努力のたまものだというように考えております。

 また、今回与党から提案が出されましたけれども、私もこの法案を読ませていただきまして、災害時の対応に始まり、不正受給者への対応、資料などの提供や調査、また、事務について詳細な規定を盛り込んであり、すぐにでも実施できるという必要十分な検討が加えられている案であるということについて敬意を表させていただきたい、このように思っております。

 そういう中で、議論になっております点が幾つかあろうかと思いますので、順次質問をさせていただきたい、このように思っております。

 まず一番目に、対象者の範囲でございますけれども、与党案と民主党案では若干差異がございます。まず、与党の提案者の皆さんにお伺いをいたします。

 坂口試案でも具体例として出ておりました、国籍要件撤廃前の在日外国人を今回のこの法案の対象から外している理由はどのようなものなのか、教えていただきたいと思います。

鈴木(俊)議員 先ほどの法案趣旨説明にございましたとおりに、私ども与党案におきまして特別障害給付金の支給対象としておりますのは、平成三年三月以前において任意加入であった学生や、あるいは昭和六十一年三月以前において任意加入であった被用者の配偶者、この方たちを支給対象としているところでございます。

 これらの方々を支給対象とした理由でございますが、これらの方々は、国民年金制度発足時には任意加入の対象とされておりましたが、現在は強制加入の対象とされているという経緯の中で、国民年金制度がその対象としつつも、任意加入か強制加入かという加入形態の違いによって、結果として障害基礎年金等を受給していないという特別な事情が生じた方々でございます。

 一方、御指摘の在日外国人の方々でございますが、そもそも昭和五十七年一月以前は政策的に制度の対象外となっていた方でございまして、障害年金等を受給していないことは、制度の発展過程の中で生じた事情によるものではなくて、学生や被用者の配偶者とは大きく事情が異なると言わざるを得ないと思っております。

 しかしながら、一方におきまして、日本国籍を有していなかったために障害基礎年金の受給権を有していない障害者の方が、さまざまな御苦労を抱えているということも事実でございまして、これらの方々に対する福祉的措置につきましては、各種施策との整合性等を踏まえながら、今後検討を行う必要があると考えているところでございます。

小西委員 どうもありがとうございました。

 あわせまして、任意加入制度発足前の在外邦人も同じように対象から外されているわけでございますけれども、これはどういう理由によるものか、お教えいただきたいと思います。

鈴木(俊)議員 在外邦人につきましては、昭和六十一年三月以前は国民年金の適用除外でございましたが、昭和六十一年四月以降、任意加入とされ、現在に至っております。

 一方、学生や被用者の配偶者の方々は、これは先ほどの御質問で申し上げたところでございますけれども、国民年金発足当時から制度の対象であって、任意加入とされていましたけれども、現在は強制加入の対象にされている、そういう経緯がございます。

 そういう中で、国民年金制度がその対象としつつも、任意加入か強制加入かという加入形態の違いによって、結果として障害基礎年金等を受給していないという特別な事情が生じた方々に福祉的な措置を講ずるというのが、私どものこの法案であるわけであります。

 任意加入の対象となる前の在外邦人については、そもそも制度の対象とされていなかったという点で、学生や被用者の配偶者と事情が大きく異なるものでございまして、給付対象としていないというふうにしているところでございます。

小西委員 どうもありがとうございます。

 同じ問題につきまして、民主党の提案者の方にお聞きします。

 対象の在外邦人として、どのような方が何人ぐらいおられるのか、もしわかれば教えていただきたいと思います。

泉(房)議員 御質問に対してでございますが、在外邦人の数につきましては、法案提出に当たり、随分いろいろと検討もさせていただきましたが、率直なお答えとしましては、正確な数字としては把握できていないという状況であります。

 もっとも、前厚生労働大臣の坂口試案におきましても、人数としては明記されておりません。その試案におきますと、無年金障害者の数は十二万人とされております。委員も当然御存じのとおり、学生が四千人、在日外国人五千人、主婦の方が二万人というふうになっております。そういった中におきまして、特に明記されていないことからいたしましても、実質的に財源論に影響を与えるような人数ではなかろうというふうに理解いたしております。

 以上です。

小西委員 ありがとうございます。

 次に、支給額について御質問をさせていただきたいというふうに思います。与党の提案者の皆さんにお伺いしたいと思います。

 与党の案では、支給額は、一級五万円、二級四万円ということで、いわゆる一般の障害者年金の六割水準というような数字を提示いただいておるわけでございますけれども、ここが六割とされている理由、これについてお伺いをさせていただきたいというように思います。

福島議員 お答えさせていただきます。

 本法案の特別給付金は、あくまでも年金制度を補完する福祉的措置として講じるという考え方に立っております。その福祉的措置を講ずるに当たりまして、保険料を拠出しなくても年金給付と同じ給付が得られるということになれば、拠出制の年金制度に対しても影響を与えざるを得ない、そのように考えたわけであります。したがって、年金給付よりも給付額や給付条件に一定の制約のあるものにせざるを得ない点については、ぜひとも御理解をいただければと思っております。

 その上で、福祉的措置といたしましても、政策効果の期待できるような水準でなければならない、そういう観点から、現行の福祉的措置の中でも最も高い水準とされておりますところの児童扶養手当、これは月額一級で五万九百円、二級で三万三千九百円でありますけれども、これらの水準に見合ったものとさせていただいた次第であります。また、二十歳前の障害基礎年金の国庫負担相当といったようなことも、保険料の拠出でなく租税をもって賄うという観点からも踏まえさせていただいた次第であります。

小西委員 ありがとうございます。

 与党の提案者の皆さんに、もう一点、お伺いしたいと思います。

 今回、対象者の国民年金保険料の免除について、一律ではなく申請によって免除を可能にするという規定になっておりますけれども、この規定を置かれた意図についてお伺いできればというように思います。

福島議員 この点につきましては、今回の特別障害給付金の水準が障害基礎年金の六割程度であるといったようなことを考え、可能な場合には無理のない範囲で保険料を納付していただく、拠出いただくことによって、老後において特別障害給付金よりも高額の老齢基礎年金を受給することができるように、一律に法定免除ということではなくて、申請免除としてその道を残したものであります。

小西委員 ありがとうございました。

 次に、実施主体ということで、与党の案におきましては、市町村を申請先ということにしておられます。

 我々国会議員がいろいろな法案をつくるときに、ちょっと私の個人的な感想になりますが、いわゆる市町村やそれぞれ役所における事務量であるとか、業務のプロセスだとか、実際の申請される方とのインターフェースだとか、そういうところへの配慮というのが、今までややもすると見落とされがち、見落としがちになってきたのではないかということを私は思っております。

 そういう意味で、今回、事務の手当てをこの法案に盛り込んでいただけたことは、大変、私は有意義かつ感謝するところでありますけれども、実際、今回市町村にこの事務がゆだねられることによって、どの程度事務量を想定されているのか、金額でも量でも結構ですので、お教えいただければと思います。

 また、この質問の中にはちょっと入れていなかったんですけれども、システムの開発、これも手が加わる可能性もあるかと思いますが、そちらへの影響も、もしわかれば教えていただければというように思います。

福島議員 大変大切な御指摘をいただいたと思っております。本法案が成立いたしましても、適切に事務が行われて、そして受給する資格のある方がしっかりと受給していただく、このことが大切であるというふうに私どもも考えております。

 今回のこの特別障害給付金に関しましては、支給申請等の受け付け事務は一番身近な市町村に行っていただく、そしてまた、障害の認定及び給付金の支給の事務については社会保険庁において実施をする、こういう役割分担をさせていただきました。

 事務量がどの程度ふえるのか、これはそれぞれの市町村、受給権のある方がどの程度おられるかということによって違うと思いますので、一律のことはなかなか申し上げられないと思いますが、社会保険庁の事務につきましては、特別障害給付金の対象者数が二万四千人、このように推計されておりますので、一・七%程度の事務量の増加になる、このように考えております。

 いずれにしましても、大切なことは、先ほど先生から御指摘もありましたシステムの開発ということもございますけれども、これらが円滑に行われるということであろうと思っております。厚生労働省また社会保険庁において必要な事務費の予算を確保し、そして平成十七年四月の施行に向けて、事務処理の体制の確立、そしてまた周知広報に努めてまいりたい、そのように思っております。

小西委員 ありがとうございます。

 市町村を窓口とされ、そしていろいろな手当てを考えておられることは、本当に利用者にとってはありがたいことだ、私も同感でございます。

 ここまで法案についてずっと質問させていただきましたけれども、今回、与党案また民主党案でも、積み残しと言うとおかしいんですけれども、今後の検討課題ということで、いわゆる未納、未加入者の問題があろうかというように思っております。

 これは早急に結論を出すというのもなかなか難しい問題であるというように思うわけでありますけれども、一方では、自己責任論、要は、みずからの意思で払わなかった人間に対して何で保障しなければならないのかという論から、みんな平等だから、たまたま忘れた者もあるかもしれないし、すべて全額見るべきだという議論まで、非常に幅の広い範囲で、理屈づけといいますか、論は立ってくるのではないかなというように思います。

 与党の提案者の皆様、そして民主党の提案者の皆様、そして政府、それぞれについて、現状で結構でございます、また私見でも結構でございますけれども、未納、未加入問題、今後どのように考えておられるのか、今時点でお聞かせいただけることがあればお聞かせいただきたいというように思います。

福島議員 まず、未納、未加入の問題については、これをいかに解消していくのか、軽減していくのか。現在、尾辻厚生労働大臣のもとで全力で取り組みが進められているわけであります。その成果を期待しなければいけないと思っておりますし、大臣には全力で努力していただきたい、そのように思っております。

 そしてまた、未納、未加入によって無年金となった障害者の方についてどう考えるのか、これは非常に大切な論点であろうかと思います。ただ、先生おっしゃられましたように、納付義務がありながら保険料を納めなかった方が、障害が発生した後に障害給付を受けるということにしますと、社会保険方式をとるという我が国の年金制度の考え方を踏まえると、やはり難しいのではないかという指摘があることは事実だというふうに思います。

 年金制度のあり方については、現時点においてさまざまな議論がなされているわけでありまして、将来に向けて、そうした議論を踏まえて、そうした考え方を踏まえて、対応が検討されることになろうかと思います。

泉(房)議員 お答えいたします。

 委員の御指摘の問題意識、全く同感でございますが、民主党案におきましては、いわゆる未納、未加入の無年金障害者につきましても、附則におきまして、速やかに必要な措置を講ずると明記いたしております。この問題は、すべての無年金障害者を救済するという視点からしますと、本当に急務であります。

 委員の方で自己責任というような御指摘がございましたが、この問題は具体的な事例を想定すべきだと思います。

 例えば、一つ未納といいましても、建前でいいますと払うべきなのに払っていなかったとなってしまいますが、現実のところ、未納と申しましても、例えば、国会議員にも多かったように、未納の状態にあった場合に、これはいけないと思って年金を払い始めても、直近一年間払い続けているか、ないしは三分の二の期間払い終えていないと、障害年金は出ません。ですから、今回のこの議論の中で気づかれて年金を納めかけた方が十一カ月目に障害に遭い、そして三分の二の期間納め終えていなかった場合、この方が未納の無年金障害者なわけであります。この方を責められるのかという問題であります。

 また、未加入の問題につきましても、例えば、OLが会社に勤めておって、いわゆる寿退社で会社をやめ、半年後の結婚を控えて、楽しみにしてウエディングドレスを着に行っている期間中に、そのときに、結婚すれば三号被保険者になる、そういった思いから特に手続をしなかった方、この方がそのときに障害に遭われた、これが未加入の無年金障害者なわけであります。

 こういった具体的な事例を想定しますと、自己責任論で語れるのか。やはりこういった方々に対して救済の手を差し伸べるのは当然であろうと私は考えております。

 以上のとおりでございます。

尾辻国務大臣 未納、未加入による無年金者は、強制加入の対象者でありながらこの義務を履行しなかった者でありまして、みずからの責任を負うという点で、任意加入期間に未加入であった者とは異なると考えます。

 納付義務がありながら保険料を納めず、制度に加入しなかった者が、障害という予想されない保険事故が発生した後に障害給付を受けることといたしますと、社会保険方式をとる我が国の年金制度の考え方の根幹を揺るがすことになります。

 そのような救済措置は、法律を遵守してきちんと保険料を納付するインセンティブを失わせ、制度運営上大きな支障を生じることになり、適当ではないと考えております。

小西委員 どうもありがとうございました。

 今回、この無年金障害者もしくは特定障害者の年金問題を離れまして、年金、社会保険制度につきましては、与野党含めて抜本的な議論を今後していかなければならない、そういう課題だというように思っております。

 私は、個人的ではございますけれども、消費税を導入することによって、全額消費税で、基礎年金、またはいわゆる生活保護含めて見ていくということが、一つ検討に値する案ではないかという考えを持たせていただいております。そうすることによれば、今回のような未納、未加入の問題というのも発生をいたしませんし、保険料の徴収漏れという問題もこれはなくなってくるのではないかというように思います。

 詳細のいわゆる数理の計算等をしているわけではありませんので、私見ということで申し上げますけれども、今後この年金問題を考えていく上での一つの選択肢として、それがオールマイティーとは申しませんけれども、一つの選択肢として、特に政府の方ではいろいろ比較対象、考慮のうちに加えていただければ大変ありがたいなというように思っておるところであります。

 今回いろいろ質問をさせていただきましたけれども、一日も早く本法案が成立いたしまして、特定また無年金障害者、言い方はいろいろありますけれども、救済されることを切に望んでおる次第でございます。

 大体時間となりましたので、私の質問はこれまでにさせていただきますけれども、重ねまして、提案者の皆様、ずっと検討してこられました御尽力に心から敬意と感謝を表させていただきまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

鴨下委員長 次に、古屋範子君。

古屋(範)委員 公明党の古屋範子でございます。

 本日は、特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律案につきましてお伺いしてまいりたいと思います。

 まず冒頭、本法案作成に尽力をされてこられた与野党の議員の先生方に、心から敬意を表したいと思っております。

 さて、今、国民の皆様が大変強い関心を持っていらっしゃるのが年金問題でございます。さきの通常国会におきましては、年金の給付と負担の均衡、また世代間格差の是正など、将来にわたる持続可能な制度にするための年金改革法が成立をいたしました。そして、課題として残されている年金制度一元化の問題、第三号被保険者の取り扱い、社会保険庁改革、そして今回の法案の目的であります無年金障害者対策など、積極的に取り組み、制度の信頼回復に努めていかなければいけないというふうに考えております。

 私は、これらの問題に取り組むために、本年五月の自民、公明、民主の三党合意に基づき、一元化問題を含む社会保障全体のあり方を議論することが急務であると考えます。政府におかれましても、細田官房長官の私的懇談会、社会保障の在り方に関する懇談会を立ち上げ、既に社会保障全体の見直し議論を進めていると聞いておりますが、三党合意の与野党協議を早急に始める必要について、まず尾辻大臣にお考えをお伺いいたします。

 また、三党合意にございました与野党協議を行うことについて、民主党の皆様も、年金問題を政争の具とすることなく、一刻も早く協議開始に応ずるべきと考えております。ここで、確認の意味で、民主党、与党の皆様にお考えを伺ってまいります。

尾辻国務大臣 さきの通常国会における改正年金法の御審議の中で、公的年金制度の一元化を含む社会保障制度の一体的な見直しが大きな論点になりました。そうした中で自民、民主及び公明の三党合意が行われた、こういうふうに理解をいたしております。

 政府といたしましては、この合意を受けまして、さらにまた経済界、労働界からの御要請もありましたから、社会保障の在り方に関する懇談会を設置いたしまして、年金一元化問題を含む社会保障制度全般の一体的な見直しについて議論を行っているところでございます。

 年金の一元化を初め、年金制度のあり方について引き続き幅広い議論が必要だと考えますので、三党合意を踏まえ、与党間におかれましても、国民的な見地から早急に真摯な協議が行われることを望んでおるところでございます。

山井議員 古屋範子議員にお答えいたします。

 通常国会の衆議院厚生労働委員会において強行採決が行われた後、民主党、自由民主党、公明党の三党の間で合意が行われました。しかし、参議院厚生労働委員会で、与党は再度強行採決をしました。その時点で与党の行為によって信頼関係が壊されたことは、先日の党首討論によって岡田代表が申し上げたとおりです。そういう意味では、まさに強行採決という手段によって、この年金協議を政争の具にしているのは与党だと言いたいわけであります。

 小泉総理も含め、与党は、三党合意を持ち出して早急に協議を開始することが必要だと言われますが、抜本改革案について責任を持って議論をまとめるというような姿勢は、小泉総理を先頭に、全く見られません。

 岡田代表も、再三、自民党総裁である小泉総理に提案をしております。それは三点であります。第一に、基礎年金ないし最低保障年金相当分について、全額税方式により一元化し、その財源に年金目的消費税を活用すること。第二に、いわゆる二階建て部分については、一元化を前提に、国民年金対象者を含めた負担と給付のあり方について検討すること。最後の第三に、納税者番号制の導入を行うこと。この三点を与党各党が約束するのであれば、与野党間の協議は意味あるものになりますから、すぐにでも協議に入りたいと考えております。さらに、私たちもこの厚生労働委員会において年金の集中審議を求めておりますので、来週からでもその審議を行っていただきたいと思います。

 本気で審議をする気がないのに、アリバイづくりのためにだけ与野党協議という場だけをつくるのは、結果的には国民をだますことになるので、断じて反対であります。

 以上です。

長勢議員 三党合意の経過につきましては、委員御指摘のとおりでございます。

 年金を初めとする社会保障制度についての国民の関心は非常に高いわけでございますから、党派を超えてきちんとした議論をすることが政治の責任である、このように我が党は考えております。

 今国会におきましても、今山井議員からいろいろお話がありましたが、本会議あるいは予算委員会、国家基本政策委員会等におきまして、総理から、るる御提案の三項目につきましても積極的に、また具体的な意思表明があったところでありますから、ぜひ早急に与野党協議を開始すべきものと考えております。

 このために、先日の当委員会理事会におきまして、与党から、本委員会としての年金改革に関する決議の案、また小委員会設置の案を、野党の皆さんにも具体的に提案をさせていただいたところでございます。この小委員会におきまして、年金の一元化を含む社会保障制度全般の一体的な見直しの議論はもちろんでありますし、また、今まで当委員会で議論となってまいりました年金未納者の問題、あるいは社会保険庁改革の問題も集中的に議論すべきものという御提案を申し上げておるところでありますので、野党においても、党利党略にこだわらず、ぜひ協議を開始していただきたいものと希望いたしております。

古屋(範)委員 では、先ほどの質問とも若干重複いたしますが、本法案について順次質問を行ってまいります。

 無年金障害者対策について、公明党は、学生が強制加入となった平成三年以降、主婦や学生無年金者から要請を受け、党の重点政策に掲げ、救済の実現を一貫して主張してまいりました。

 無年金障害者問題については、十年前の平成六年、衆参厚生労働委員会において、「無年金である障害者の所得保障については、福祉的措置による対応を含め検討する」との附帯決議が行われており、前坂口厚生労働大臣も平成十四年七月に試案を発表し、さらに、本年二月には、「無年金障害者については、その実態を踏まえた福祉的措置の在り方についてさらに検討し、必要な財源の在り方とともに速やかに結論を得ること」との与党合意、そして、四月六日の与党協議会では合意文書が示されております。

 このように、平成六年から長い間据え置かれておりましたこの問題に関し、今回、本法案が審議をされたということに至ったことについては、大変評価すべき英断であるというふうに考えております。本法案がここに至った経緯についてお伺いをいたします。

長勢議員 経過は御指摘のとおりであるというふうに思っております。

 大変検討に時間がかかったわけでございますが、御案内のとおり、この無年金の方々を年金制度で見るということになりますと、拠出に応じて給付を行うという年金制度の建前とは若干違うことになる。そういう意味で、年金として給付をすることには問題が多い。一方で、福祉措置として行うという場合にも予算の問題等々もありまして、いろいろ議論の経過、大変御党におかれましても御苦労いただいておったわけでございますが、今日に至ったものでございます。

 そういう中で、今お話しのように、平成十四年の坂口前厚生労働大臣の試案ということを契機として与野党間でいろいろな議論を行い、ようやく今回、福祉的な救済措置を講ずるという立場での結論を得て、本法案を提出するに至ったものでございます。

 ぜひ、早急に本法案を成立させていただいて、実施をさせていただきたい、強くお願いを申し上げます。

古屋(範)委員 やはり、関係者の方々においては本当に待ちに待った法案であるというふうに思いますので、ぜひ早急に成立させるべきというふうに私も強く望んでおります。

 次に、与党案のポイントについてお尋ねをしてまいります。

 まず、対象者の範囲についてお伺いいたします。

 現行法におきましては、年金を受給できない障害者が生ずるケースといたしまして、一つに、昭和五十七年一月の国籍要件が撤廃される以前に既に障害の状態にあった在日外国人、また二番目に、昭和六十一年四月前の海外滞在中に障害を負った在外邦人、三番目に、昭和六十一年四月に国民年金の強制適用となる以前に制度に任意加入していなかったサラリーマンの配偶者、また四番目に、平成三年四月に国民年金の強制適用となる以前に制度に任意加入していなかった学生、五番目に、強制加入である年金制度に加入していない期間に障害を負った未加入者、六番目に、保険料を滞納していたことにより支給要件を満たさなかった滞納者、以上の六種類があると言われております。本来であれば、これらの無年金障害者の方々すべてを救済することが望ましいと思いますが、財源問題等、なかなかそういうわけにもいかない難しい点があるということも承知をしております。

 そこで、この六種類のケースのうち、今回の法案の対象者を、平成三年度前の国民年金任意加入対象であった学生、そして、昭和六十一年度前の国民年金任意加入対象者であった被用者の配偶者である障害者に対して、救済の道が開かれました。この対象者に絞られたことについて、その理由を御説明いただきたいと思います。

 特に、在日外国人に関しましては、昭和五十七年まで国籍条項があり、入りたくても入れなかったという現実があります。年金制度から除外されていた実情を考えますと、任意加入のできた学生、主婦を救済するのであれば、任意加入さえできなかった外国人をここで救済する必要性はあるのではないかという意見もありますが、この点についてお伺いいたします。

鈴木(俊)議員 先生が無年金障害者で六つの分類に分けてお話がございましたが、御指摘がありますとおり、与党案におきましては、平成三年三月以前において任意加入であった学生、それから昭和六十一年三月以前において任意加入であった被用者の配偶者、この方々を特別給付金の支給対象としているところであります。

 そのようにした理由でございますが、その理由は、国民年金発足時には任意加入の対象でありましたが、その後、制度の発展に伴い現在は強制加入の対象とされているという経緯の中で、国民年金制度が対象としつつも、任意加入か強制加入かという加入形態の違いによって、結果として、障害年金、障害基礎年金を受給していないという特別な事情が生じた方々を救済する、そういう考えによるものでございます。

 先生が在日外国人の例をお引きになりましたが、この方々は国籍条項撤廃前は国民年金の対象の外にあった方でございまして、こうした今回対象にした学生、被用者の配偶者とはその事情が大きく異なると考えております。

古屋(範)委員 ありがとうございました。

 次に、特別障害給付金についてお伺いをしてまいります。

 本法案の特別障害給付金については、月額一級五万円、二級四万円の支給額で、拠出制障害者年金の趣旨を損なうことなく、福祉的措置として配慮を行うとされております。つまり、このことは、いわゆる年金制度として支払う趣旨ではないと理解されますが、この福祉的措置として配慮を行うとの部分について、いま少し具体的な説明をいただきたいと思います。また、一級五万円、二級四万円、この支給額について、このように決められた経緯をあわせてお伺いいたします。

福島議員 お答えいたします。

 本案の特別給付金は、委員も御指摘のように、あくまでも年金制度を補完する福祉的措置として講じられるものであります。その福祉的措置を講じるに当たりまして、保険料を拠出しなくても年金給付と同じ給付が得られる、こういう水準でありますと、拠出制の年金制度に対して影響を与えざるを得ないという観点から、年金給付よりも給付額や給付条件に制約のあるものにせざるを得ないというふうに判断したものであります。

 その上で、福祉的措置といたしましても政策効果の期待できる水準の給付額としなければいけない、そういう観点から、現行の福祉的措置の中で最も高い水準である特別児童扶養手当、これは月額一級五万九百円、二級三万三千九百円でありますけれども、これらの水準に見合ったものといたしました。

 また、二十歳前障害基礎年金の国庫負担相当、これは月額一級で四万九千六百五十六円、二級で三万九千七百二十五円でありますけれども、これもあわせて水準を考えたものであります。

古屋(範)委員 ありがとうございました。

 このような無年金障害者について、中には御自分が対象であるということも全く知らない方々も多くいらっしゃるのではないかと思っております。また、もう既に自分は救済は受けられないとあきらめてしまっている方々もいると思いますし、また、そういう方々は、役所でありますとか社会保険庁へみずから出向いて、みずからこれからこういった措置を受けられる、そういうこともなかなか知りにくい環境にあるのではないかという気がいたしております。この対象者御本人、または御家族の方々に、この制度ができましたら、これについてどのように周知徹底が図られていくか、ここが大変重要であると考えております。

 そこで、特別障害給付金の対象者が確実に申請することができるよう、市町村の広報紙などを通じた通常の周知方法に加え、障害者団体、また障害者施設を通じた情報提供などを行うなど、積極的に努力をしていただきたいと考えております。この点の取り組みについてお伺いいたします。

尾辻国務大臣 特別給付金の対象者につきましては、個別にはなかなか把握できないのが現状でございますから、特別給付金の制度に関する広報等の情報提供が重要であると考えております。

 このため、社会保険事務所等による広報に加えまして、障害者と接することの多い行政の障害福祉担当部門や、相談支援事業等の障害福祉サービスの事業所、施設、障害者団体等の関係者にも協力を求めまして、可能な限り広く情報が特別給付金の対象者に届くように、積極的に取り組んでまいりたいと考えます。

古屋(範)委員 ぜひ全力を挙げて周知徹底をお願いしたいと思います。

 次に、まさに無年金障害者の問題につながる未納者の問題についてお伺いをしてまいります。

 私は、未納問題と無年金障害者の解決の問題は、切っても切り離せない問題と考えております。さきの通常国会ではこの未納問題が大きく取り上げられ、年金加入への関心も高まっております。

 しかし、会計検査院報告によりますと、未納のまま時効となり、徴収できなくなった国民年金保険料が、昨年度分で八千四百七十六億円に上り、過去最悪となったことがわかりました。これは九年前と比べて約二倍になっております。この現状を放置すれば、年金制度そのものが崩れかねない大問題であります。

 そこで、時効額が増加した原因とその対策について、社会保険庁にお伺いいたします。

青柳政府参考人 ただいま保険料の時効消滅額が大変増加しておるということでのお尋ねをいただきました。

 これの原因を一言で申し上げれば、国民年金保険料の納付率が低下しておるということに尽きるわけでございますが、国民年金の保険料の納付率は、平成十四年度までずっと低下をし続けております。しかしながら、平成十五年度の納付率は六三・四%ということで、前年度よりも〇・六ポイント上昇いたしました。ただし、納付状況は依然厳しい状況にあるというのが私どもの認識でございます。

 このような納付率の長期的な低下要因といたしましては、一つには、長期的な経済低迷の中で、離職等により国民年金の一号被保険者となる方が増加しておられるわけですが、この方々が、経済的な状況等にかんがみて、結果的に納付状況が非常に低くなっているということ。

 それから、二つ目は、平成七年度以降、実は二十に到達したような方につきましては、私どもの方から二十到達ということを確認した上で年金手帳をお送りして、いわば強制的に適用というのをしておるわけでございます。しかしながら、これらの方々は、御自分のことがなかなか年金ということと結びつきにくいということもあろうかと思いますが、年金制度への関心や、あるいは保険料納付の意識が比較的に薄い、このようなことが原因としてあるわけでございます。

 納付率につきましては、私ども社会保険庁改革のいわば一つの象徴といたしまして民間から迎えました村瀬長官のもとに、平成十九年度までに八〇%にこの納付率を回復するということを当面の目標として設定して、納付率の低下要因に応じた収納対策に全力で取り組んでいるところでございます。

 特に、今般、この対策といたしまして、年次目標を盛り込んで、かつ、それを社会保険事務局、社会保険事務所単位ごとに目標という形で設定する行動計画を策定いたしまして、この進捗管理をきちんと行うとともに、私ども、必要に応じて現地に赴いたりして、きちんと本庁としても進捗管理をし、また指導を行っていくという体制をしかせていただいているところでございます。

古屋(範)委員 今のお話のとおり、民間から入られた村瀬長官を筆頭に、目標の八〇%、これを目指して、ぜひとも徴収率アップを目指していただきたいと思っております。

 次に、会計検査院の調査では、六十歳未満の現役の被保険者のうち、年金保険料の支払い期間が規定の二十五年に満たず、今後払い続けても国民年金の受給権を得られない人が督促状名簿から外されており、その数が約四十万、そのデータを社会保険庁が持っていることが明らかになりました。これは、現役の被保険者に含まれる無年金者の実態に近い数字と会計検査院は判断しており、これに六十五歳以上の無年金者約四十万を合わせますと、推計で八十万を超えることが明らかになりました。

 こうした無年金者の増大は、生活保護費の膨張など、社会保障の圧迫原因になるだけでなく、社会不安の拡大になるおそれがあると考えております。そして、この八十万という推定値には、六十から六十四歳の数字が抜けており、無年金者の実態を正確に把握したものとは言えないのではないかと思います。

 これまで、なぜ厚生労働省はこのような無年金者の実態を把握されてこなかったのか。早急に調査をし、実態の把握に努めるべきだと思いますが、大臣、この点いかがでございましょうか。

尾辻国務大臣 無年金者八十万人という数字は、一定の条件のもとに二十五年の受給期間を満たさない可能性のある者を集計したものでございますけれども、こうした数の中には、社会保険庁において把握していない共済加入期間等を有する者も含まれておりますし、すべてが無年金者またはそのおそれがある者というわけではないと考えております。

 これまで、国民年金の受給権を確保できないおそれのある方などの実態につきましては、社会保険庁が管理している被保険者記録の限界や、個々人の状況を特定するための前提条件の定め方など難しい面もございまして、確たる数字をお示しすることができなかったところでございます。

 しかしながら、今後は、国民の皆さんにいたずらに不安や誤解を与えることがないような形で、これらのデータについても調査をいたしまして、公表する方向で検討してまいります。

 いずれにいたしましても、将来、支給要件を満たさないというような方が出ないよう、今後も国民年金の収納対策に全力を挙げて取り組んでまいります。

古屋(範)委員 こうした危機的状況に対しまして、厚生労働省また社会保険庁の皆様の抜本的な意識改革をお願いしたいと思っております。

 次に、年金の受給権に関して、国民年金法には二十五年規定というものが明記されておりますが、平成十四年の社会保険庁の調査では、国民年金加入者の四割がこの規定を知らないと報告されております。この二十五年規定によって、無年金者がさらにふえているということが考えられます。

 外国の場合、年金受給権を得るのに必要な期間は、フランス三カ月、またスウェーデン三年、ドイツが五年、アメリカが十年となっており、日本は群を抜いて長期間となっております。特に、日本で働いている優秀な外国人にとっては非常に厳しいこの二十五年規定がございます。社会保障制度が違う外国とは単純に比較できないことは言うまでもありませんが、この日本の加入期間の長さというものは大きな問題ではないかと思っております。

 日本が国民皆年金を標榜する以上、こうした加入期間の問題はどうしても克服しなければならない問題であります。ここで改めて、この二十五年規定の根拠について大臣にお伺いをいたします。

尾辻国務大臣 老齢基礎年金についての二十五年の受給資格期間につきましては、基礎年金制度導入前における国民年金の老齢年金の受給資格期間を引き継いだものでございます。

 我が国の公的年金制度は、そもそも、すべての国民に加入していただくことにより老後の所得保障を確保することを目的といたしまして、強制加入を前提とした、お話しのように国民皆年金制度にしております。このため、現役世代のすべてに加入していただき、四十年間保険料を納めていただくことを原則といたしております。

 ただし、低所得等で保険料負担が困難な方には、免除制度等を御活用いただきまして、免除期間も受給資格期間に含めるとともに、六十歳から六十五歳まで任意加入できる道も開いておりまして、ここでまた二十五年に到達していただくようにということでございますが、こうした制度を利用することによって、少なくとも二十五年の受給資格期間を満たしていただくこととしておるものでございます。

古屋(範)委員 若干時間がございますので、本法案から離れますが、三位一体改革の中での生活保護の問題について、大臣にお伺いしたいと思っております。

 無年金者がふえる、多いということ自体、生活保護の増大につながるのではないかというふうに推察されますけれども、大臣は就任のごあいさつの中で、「地方自治体に自立・就労支援について一層の役割を担っていただくことに対応する生活保護制度における費用負担の見直し等の代替案の方針をお示ししたところでありまして、引き続き、これらについて議論を深めてまいります。」と述べられております。私は、これは、憲法二十五条、また生活保護法第一条の目的条項に照らして、国の責務であると考えております。

 この点、生活保護につきましては、さまざま運用面について改善していかなければいけない点があるということも承知をいたしております。この件について、大臣の御真意を伺いたいと思います。

尾辻国務大臣 お話しいただきました生活保護の件でございますが、大きく言いますと、私のところにこのたびのことでいろいろ御意見をお寄せいただいたりいたしました。その中で、一つには、全国の市長会の皆さんがお見えになりました。その御意見の中に、生活保護は制度疲労を起こしておるというような御意見もございました。こうした認識というのは、かなり共通した認識であろうというふうに思います。したがいまして、私どもがまず今御提案申し上げておりますのは、とにかく広く生活保護の制度というのを見直す必要があるのではないかということでございます。

 ただ、それは、三位一体の改革の中で私どもが御提案申し上げましたから、そのことについてのお話だろうとは思いますけれども、今、生活保護の地域間格差というのがかなり大きなものでございますので、そうしたことにも着目をいたしまして、地域の裁量権を大きくいたしまして、そして補助率を変えるということを御提案申し上げたところでございます。この地域の裁量権を大きくいたします方法、いろいろ考えておりますが、このことについては、また機会を見つけて御説明申し上げたいと思います。

古屋(範)委員 ありがとうございました。

 地方六団体も、移譲対象としない国庫補助負担金というふうに主張をしております。ぜひとも、大臣におかれましては、この地方の声に耳を傾けていただきたいということを強く望みまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

鴨下委員長 次に、三井辨雄君。

三井委員 初めて尾辻大臣に質問させていただくわけでございますけれども、きょう、この法案の前に、昨日の日経新聞、「混合診療 解禁へ一歩」という報道がございました。ここで大臣は、現行制度の手直しで十分ということで、諮問会議、規制改革会議の皆さんと激しく闘っているということですね。ぜひとも私たちも応援してまいりたい。細かいことにつきましては、今後、ここに規制改革会議なり諮問会議なりの代表者をお呼びして、ぜひとも集中審議をしたいということを強く望みたいと思います。

 それで、早速、今回の無年金障害者法案についてでございますが、いよいよこの救済措置について、本日ようやく本委員会で審議することになったわけでございますけれども、障害当事者の皆さんは、まさにこの日を一日千秋の思いで待ち焦がれていたわけだと思います。提出されております民主党案、また与党案それぞれに対して、本委員会として真剣にしっかりとした審議をしてまいりたいと思う次第でございます。

 私の前にも、先ほど与党のお二人の方から質問がありました。私、民主党は、無年金障害者問題を極めて重要な課題として取り組んできた経緯もあり、多数の私どもの民主党の委員、仲間が質問を準備しておりますので、まず私からは総括的な点についてお尋ねしてまいりたいと思います。

 まず、尾辻大臣にお聞きしたいのでございますが、尾辻大臣の御自身のことで大変恐縮でございますが、先日の十月二十九日の本委員会におきまして、我が党の内山晃議員の、年金未納に関する質問に対しまして、大臣はこのように御答弁されているわけです。これはあくまでも議事録のままでございます。

 昭和三十六年十月に、私、実は防衛大学を中退いたしておりまして、三十九年四月に東京大学にまた入学いたしました。その間は加入義務がございますけれども、保険料未納の期間がございました。これは、当時失念したといいますか、正直言いまして知らなかったのではありますけれども、大変申しわけないことだったと存じております。

このように答弁なさっておられるわけでございますけれども、これは議事録のままでございます。

 いかに現職の尾辻厚生労働大臣にいたしましても、当時は学生の年金加入について十分な認識をお持ちでなかった。この点について大臣はどのような御感想をお持ちか、御答弁願いたいと思います。

    〔委員長退席、北川委員長代理着席〕

尾辻国務大臣 お答えしたとおりでございまして、三十六年十月から三十九年にかけて未納期間がございました。そしてまた、お答えしたとおりに、もう正直に言いまして、そのころといいますと、国民皆年金になりましたのが三十六年四月でございますから、承知はいたしておりませんでした。

 ただ、今、年金を預かる大臣の立場で、そのころの未納のことについて問われますと、やはりこれは大変申しわけないとおわびを申し上げたところでございます。

三井委員 本当に私も学生時代はわかりませんでした。しかし、そのときは私の親が年金をかけていてくれたということで、今は亡くなりました親に大変感謝しているわけでございますけれども、そこでお伺いいたします。

 主婦の任意加入率約七〇%、これは私、ちょっと社会保険庁の昭和五十九年のデータを引っ張り出したんですが、その当時、七百六十万人、約七〇%の方が入っていらっしゃるんですね。ところが、平成元年で成人学生の加入率が一・二五%で、大変低い加入率でございまして、これに対しては大臣はいかに思われますでしょうか。

尾辻国務大臣 主婦と学生との加入率の違いについてということでお答えすればよろしゅうございましょうか。(三井委員「はい」と呼ぶ)

 確かに、おっしゃるように、主婦に比べまして学生の任意加入者が少ないところでございます。これをどう見るかということでございますが、主婦の場合は、将来自分名義の年金が受け取れないことへの心配や、配偶者の収入等から保険料を負担できる場合が多かったと考えますし、一方、学生の場合は、一般的に自分の収入がなく、保険料負担能力が乏しい上、年金はどうしても遠い将来のことであるという意識などによるものではないかと考えております。

三井委員 政府の姿勢について私なりに思うのでございますが、特に基本的に問題があったのは、加入しなかった学生ではなくて、むしろ、先ほども質問がございましたが、現在のように広報活動せずに、また、国会や行政に改善を求める障害者団体あるいは個人の声があったことも聞こうとしない、また制度を改善しようとしない、また救済をしないという行政の姿勢そのものが、私は基本的に問題があったのではないかと思うわけでございます。

 いみじくも、前任者であります坂口前大臣が、二年前の五月の参議院におきまして、厚生労働委員会でこうおっしゃっているわけです。無年金障害者問題について省内で検討を始めたが、年金局は、うちの関係じゃない、そしてまた障害福祉部も、それはうちの方じゃございませんと、私の言いますことがたらい回しになっているわけです、いつまでもたらい回しになってはいけませんので、今国会最終までには私の案を示したい、こうおっしゃっているわけです。坂口試案がこのとき出てきたわけですね。

 まさに厚生労働省の最高責任者も辟易するような、このような行政の姿勢というのは、ここに私はやはり基本的に問題があったと思いますが、いかがでございましょうか。

尾辻国務大臣 大臣をしてそのようなことを言わしめるということは、これは極めて遺憾なことであります。そしてまた今日、今、私が大臣でございますから、そういう省であってはなりませんので、もしそういうことがあれば、きっちりと体質改善に努めてまいりたいと存じます。

三井委員 またこのまま、大臣は誠意を持ってお答えいただいておりますけれども、いずれにしましても、言うはやすし、やるはかたしということがございますけれども、本当にきちっとした対応をしていただかなければ、これはまさに今、無年金障害者の方々に本当に申しわけが立たないということでございますので、先ほども申し上げましたけれども、きちっとした議論をさせていただきたいと思っております。

 そこで、厚生労働省にお伺いいたします。

 学生無年金障害者国家賠償訴訟についてでございますが、学生無年金障害者の約四十人、三十人とも言われます、あるいは四十人とも言われる皆さんが、平成十三年の七月五日、東京、新潟を初め全国九カ所で、行政訴訟及び国家賠償訴訟という裁判による救済を求めて、一斉に提訴をいたしております。本年三月に東京地裁で出された判決に続いて、十月二十八日には新潟地裁においても、国家賠償訴訟に対する原告勝訴の判決がありました。立法措置を怠った国の責任を認めるというものであります。

 今回の判決においては、学生無年金障害者問題が明らかになったにもかかわらず、昭和六十年の法改正において学生を強制加入の対象にしなかった国会の責任も厳しく判断を下していると思います。私たちも厳粛に受けとめなければならないという点で、だからこそ、今回の両案の審議に真摯に取り組まなければならないと思っているところでございます。

 そこで、この判決を受けて、障害者、当事者の皆さんからの控訴断念を求める声が強くございました。これに応ずることなく、十一月十日、国は控訴を行いました。当日、大臣は、国の法的責任を認めることはできない、当時の判断が直ちに不合理とは言えない、任意加入制度の周知、実効性を伴わないとの点は制度の評価として適当でないという趣旨の談話を発表いたしております。

 ここでお聞きしますが、これまでの制度が合理的であるというならば、任意加入の主婦と学生を強制加入にしたというのはどういうことでしょうか。

渡辺政府参考人 お答え申し上げます。

 年金制度の中で、主婦それから学生の扱いというのは、昭和三十六年国民年金制度創設以来、非常に悩ましい論点として今日まで至ってきております。とりわけ老齢給付、老齢年金ということから見ますと、今の三号被保険者問題でありますとか学生の未納、未加入問題に照らして強制適用ということが一体是か非かという議論は、いまだにまだくすぶっている、こういうような面も一面あろうかと思います。

 そうした中で、主婦につきまして、あるいは障害者につきまして、それぞれ、女性の年金権の確立という観点から、昭和六十年改正では主婦の強制適用というところができましたし、学生につきましても、六十年改正、御指摘ございましたけれども、その時点におきましても、国会におきましても、どうしたらいいのかという点、それから、厚生省の審議会においてどういう議論だったのかという点など、さまざま御議論がございました。

 ただ、総じて申しますと、その時点では、学生の適用に関する議論は、所得のない者に保険料納付義務を負わせるべきではなく、強制適用とした場合にはその親に保険料を払わせるのか、あるいは、強制適用とした上で全部免除すればいいではないかという御議論もあったようでございますが、同世代で稼得活動に従事して保険料を納めている方との公平を欠くのではないか、こういうようないろいろな議論が交錯の末、従来どおり任意加入とするとともに、国会において修正がなされて、無年金障害者の問題も踏まえて、この学生適用問題について引き続き検討することとされ、そしてその附則を踏まえて、平成元年の制度改正において、初めて学生も強制適用の対象としたという経緯でございます。

 年金制度、いろいろな角度から見まして大変難しい問題がございますが、その対象者を徐々に議論を踏まえて拡大してきた、こういう経緯ではなかったかというふうに考えておりまして、一挙に当時から強制適用にしなかったといって、その時々の政策判断が一概に不合理だというふうに言えるのかというところが論点ではないかというふうに考えております。

三井委員 今まさに、強制加入にするかどうするかという議論は確かにあったと思います。

 そこで、もう一度お聞きします。

 平成三年に学生を強制加入とした理由の一つに、学生無年金障害者の発生を防止云々かんぬんと言っておりますけれども、任意未加入で学生無年金障害者となっても合理的と言っているのに、強制加入の理由に学生無年金障害者の防止というのは、これはなぜなのか、お答えください。

    〔北川委員長代理退席、委員長着席〕

渡辺政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほどのお答えの中と一部重なるところはございますが、昭和六十年法改正において、国会におきましてもさまざま御議論をいただいた結果、この学生適用問題について附則に検討条項が置かれた。その背景には、当時から、無年金の障害者となってしまった学生だった方々の話があったわけでございます。その附則に基づきまして、審議会等における検討の結果、平成元年の改正において強制適用案というものを国会にお諮り申し上げた、こういう経緯でございますので、その時々の政策転換の契機というものが、昭和六十年改正当時以来からの議論を引きずって平成元年に決着を見た、こういうふうに理解をしております。

三井委員 いずれにしましても、大変、私にとってもわかりづらい答弁でございます。

 最後に、私の地元の札幌地裁においても、田中士郎さんという原告代表初め四名の原告によって、裁判が今係争中でございます。既にもう十六回という大変な裁判を闘っておられるわけでございますけれども、各回の裁判の報告を読みますと、証人尋問の様子がはっきりと伝わってくるんですね。障害を負った体で、車いすを押して三年以上の裁判闘争を続けなきゃならない、こうした状況をいつまでも許してはならないということを私は強く申し上げたいということで、結びにさせていただきたいと思います。

 そこで、与党提出者の皆さん、民主党提出者の皆さんに、お待たせしました、質問させていただきます。

 救済措置の目的でございますが、救済措置の目的として、民主党案では、障害福祉年金の支給により生活安定及び福祉の増進としたという点と、また与党案では、特別な福祉的措置の観点から特別障害給付金の支給とした点について、それぞれ理由をお聞かせ願いたいと思います。

長勢議員 年金を受給できないでおられる障害者の方々をどのようにするかということについては、今お話ありますように、年金の中でやろうかという話と、福祉的な措置でやろうかという話とがあるわけでありますが、国民年金の制度の発展過程の中で、任意加入時代、任意加入しなかったということによって年金を受給できなかった方々を年金制度の枠内で救済しようということになりますと、拠出に応じて給付を行うという社会保険方式の中でこれに対応することは、制度上、無理がございます。

 しかし一方で、こういう方々を何らかの形で救済しなければならないというのが、公明党さんも我が党も長年の懸案でございました。

 前の先生からの御質問の中にもありましたように、坂口試案というような経過を経まして、与党の中で協議をいたしまして、ようやく、福祉的な救済措置等を講ずるということで今回法案をまとめ、提案をいたしたという次第でございます。やり方は若干違いますけれども、この救済を待ち望んでいる方も大変多いわけでございますので、ぜひ早急に成立を図っていただきたいとお願いをいたします。

泉(房)議員 三井議員にお答えいたします。

 目的のところでありますが、今回の民主党案と与党案、ともに救済を目指すものでありますが、違います。一番の違いであります。それは何か。年金制度の枠内でするのか、枠外かであります。この問題は、無年金障害者が生じた理由、それをどう見るかにかかわっているところであります。与党の方は、年金制度は間違っていなかったという視点に立っておりますので、枠外でということになっていると理解をします。

 しかしながら、今回、三月そして十月と、地裁におきまして違憲判決、しかも立法不作為の違憲判決等が続いております。どうしてなのか、これをしっかりと見詰める必要があると思います。新潟判決はこう言っています。学生らに何ら非難されるべきいわれはない、そして国会議員らの過失、こういった言葉が判決に語られるわけです。それはどうしてか。

 判決、五、六行ですが、読ませていただきます。ここがポイントです。「昭和五十年代の障害者団体による活動の状況や昭和六十年法の改正審議等立法経過に照らせば、」もう二十数年前の話であります、「昭和六十年改正当時には、国会議員においては、学生無年金障害者の問題について十分認識でき、保険料負担問題の具体的解決案の検討もなされていたのであるから、この時点で二十歳以上の学生を強制適用の対象とする法改正が可能であった。にもかかわらず、国会議員らは、」こう書いておるんです、「前記の立法作為」、つまり、ほったらかして法律を変えた。そして、または立法「不作為」、その後何もしてこなかった。そのことを「行ったのであるから、原告らに障害基礎年金が受給できる地位を取得させず、これが支給されない結果を招いたことにつき過失があるものと認められる。」これが判決の文章であります。

 国会議員は、法改正のときにこれら無年金障害者の救済を図らず、それ以降もこれまでほうっていた、この事実をどう見るかにかかわっているわけであります。こういった方々に責任があるのか、そうではなくて、我々国会議員も含めて、これらの方々を救済しなかった側に責任があるのか、それにかかわっているわけであります。

 ですからして、私どもの民主党案は、この問題につきましては、年金制度の枠内で救済を図るという立場で考えており、この法案を提出させていただきました。

 以上です。

三井委員 大変大きい声で御答弁いただきまして、よく聞こえました。ありがとうございました。

 そこで、先ほど御質問されたお二方と重複いたしますが、対象者の範囲についてでございます。

 民主党案では、国籍要件撤廃前の在日外国人、任意加入制度発足前の在外邦人をその対象としておるわけでございますが、これに対しまして、与党案では対象としていない理由はなぜでございましょうか。簡単でございますが、きょうはクエスチョンタイムが三時からございますので、簡単に御答弁をお願いしたいと思います。

鈴木(俊)議員 与党提案の法律案につきましては、平成三年三月以前において任意加入とされていた学生、それから、昭和六十一年三月以前において任意加入とされていた被用者の配偶者、この方々を特別障害給付金の対象といたしております。これは、国民年金制度の発展の経緯の中で、国民年金制度の対象でありながらも、任意加入か強制加入かという加入形態の違いによって、結果として障害年金、障害基礎年金を受給していないという特別な事情が生じた方々を救済するという考え方によるものであります。

 そして、お尋ねの国籍要件撤廃前の在日外国人、任意加入制度発足前の在外邦人を対象にしていないその理由ということでございますが、昭和五十七年一月より前に障害になった在日外国人や、昭和六十一年四月より前に海外で障害者となった在外邦人などの方々は、その時期においては国民年金制度の対象外であったわけでありまして、いずれも、本法律案が国民年金制度の発展過程において生じた特別な事情にかんがみ支給対象とする学生や被用者の配偶者とは事情が異なることから支給対象としていないというのが、その理由でございます。

泉(房)議員 お答えいたします。

 在日外国人、在外邦人を含んでいない与党案に対しましては、残念という言葉ではなくて、怒りを感じます。

 この問題につきましては、無年金障害者は大きく三類型に分かれます。一つは、在日外国人、在外邦人のように、入りたくても入れなかった、入らせてもらえなかったと言ってもいいかもしれませんが、入らせなかったと言った方がいいかもしれません、そういった方々の問題。そして、今回の学生、主婦のように、任意加入、入ろうと思えば入れたが入っていなかった方々の問題。でも、学生さんはその当時、百人のうち一人入っているかどうかでありまして、実質的には入れなかった状況にありました。そして未納、未加入、強制加入下だけれども入っていない方。この三つであります。

 今回与党案は、二番目の、入ろうと思えば制度的には入れたけれども、でも入っていなかった方々を救済します。その実質的な理由は、判決にも書いてありますけれども、実質的には入れなかったからであります。この在日外国人の問題は、入ろうと思っても入れなかった方々であります。とすれば、今回、任意加入制度下の方々を救済するのに、在日外国人らを救済しない理由は全く理解できません。

 また、この問題は、いわゆる在日外国人の参政権の問題とは異なり、既に一九八二年以降は在日外国人もすべて強制加入下できっちりと給付している問題であります。在日外国人のうち、一九八二年以前に障害のあった方のみを取り残している。これをまた取り残すのか。この結果、また改めて違憲判決が出ることを私は恐れております。

三井委員 例えば、超党派による無年金障害者問題を考える議連、八代英太会長、津島元厚生大臣が顧問の議連がございました。私も一会員として参加しておりましたが、この議連の方針といたしまして、救済対象として、在日外国人、在外邦人、主婦、学生を優先保障とすることという方針を上げております。さらに、坂口前大臣の試案にもございますように、国籍要件撤廃前の在日外国人を対象にしていた点からも、私は、これはまさにここにございますように、二〇〇二年の十二月四日に議連で決議していることなんですけれども、これは後退していると思いませんでしょうか。どのようにお考えでしょうか。

長勢議員 今お話しの点も含めて、いろいろ議論の経過があったことは事実でございます。しかし、与党の中でるる協議をいたしまして、今同僚議員から御答弁を申し上げましたように、今回は国民年金制度の発展の過程において年金をいただけないという方を生じたケースに限って法案を提出しようということで、今提案をしておるわけでございまして、今回の附則におきましても、この問題も含めてさらに検討するということにいたしておるところでございます。

三井委員 では、逆に、民主党の提出者は与党案についてどうお考えか、簡単に御答弁願います。

泉(房)議員 一言、本当に不十分であり、論理的に整合性が保たれていないと言わざるを得ないと考えております。

三井委員 そこで、もう一度与党案の提出者にお尋ねいたします。

 特別障害給付金の額を一級で月額五万円、二級で月額四万円とした根拠は何なのか。また、この額では、到底、無年金障害者の生活安定に結びつくものではないと思うわけでございますけれども、いかがでございましょうか。

福島議員 本法案の特別給付金は、あくまで年金制度を補完する福祉的措置として講じるとしたものであります。

 その福祉的措置を講じるに当たりましては、保険料を拠出しなくても年金給付と同じ給付が得られるということになれば、拠出性の年金制度に対して影響を与えざるを得ないという判断から、給付額や給付条件について制約のあるものにせざるを得ないと判断したものであります。

 その上で、福祉的措置としたとしても、政策効果の期待できる水準の給付額としなければならないという観点から、現行の福祉的措置の中で最も高い水準であります特別児童扶養手当、月額一級五万九百円、二級三万三千九百円等の水準に見合ったものといたしました。また、二十歳前障害基礎年金の国庫負担相当額、月額一級ですと四万九千六百五十六円、二級三万九千七百二十五円、こういう点も考慮したわけであります。

 諸制度との整合性ということを踏まえ、このような水準と判断をさせていただきました。

三井委員 それでは、民主党の提出者にお伺いいたします。

 与党案の給付金と相当差があるように思うんでございますけれども、民主党案では、月額一級は八万四千円、二級は六万七千円と、本当に格差があるんですね。

 また、議連で給付水準について今後も議連として検討したいという中でも、これはまさにこのとおりでございまして、超党派の議連でもやはり一級で八万四千円、二級では六万七千円ということをお示ししているわけでございますけれども、民主党案の提出者にお伺いしたいと思います。

泉(房)議員 お答えいたします。

 与党案では、本当に不十分であると言わざるを得ないと考えております。

 保険制度を前提といたしましても、現行の制度でも二十前の拠出をしていない障害者に対しましては満額を出しておりますので、保険制度を理由といたしましても、満額を出さない理由にはならないと考えております。

 この問題につきましては、障害者の所得保障に対してどの程度が必要かという視点から考えるべきでありまして、当然のことながら、現行の八万四千円、六万七千円でも私は十分だと思いませんが、その程度は必要だと考えております。

三井委員 時間も迫ってまいりましたので、最後にお伺いいたします。

 無年金者をつくらないシステムの構築について、今後、立法府の責任においてこのシステム、法整備を構築していかなければならないということについて、どのような方向が望ましいのか。簡単でございますけれども、与党、民主党それぞれの提出者からお尋ねいたします。

長勢議員 無年金者をつくらないということは、この制度を維持していく、または信頼を得ていく上で、大変大事な問題でございます。今までもさまざまな改善が行われてきたわけでございます。

 民主党さんは反対でございましたが、さきの年金制度改正におきましても、多段階免除の仕組みを導入するとか、若年者納付猶予制度を創設するとか、国民年金の高齢任意加入の対象者の拡大といったような新たな措置も講じておるわけでありまして、未納、未加入等のケースを除けば、基本的には、仕組みとしては相当完備をされてきたのではないかと思っております。

 今後、無年金者をつくらないということになりますと、この未納、未加入の問題をどうしていくかということにかかっておるわけで、この対策の徹底を図っていくことが大変重要である、このように思っております。

 その一環として、我が党から前国会に未納対策法案も提出しているところでありますし、また、今般、与党から提案をいたしました小委員会等におきましても、この問題も与野党間で協議をしたい、こういうふうに考えておるわけでございまして、一緒に議論していきたいと思います。

泉(房)議員 お答えいたします。

 三井議員御指摘のとおり、無年金者をつくらないシステムが本当に必要であります。今のままだと、今の国民年金の未納率からいきましても、日々、無年金障害者を生み出している今の年金制度、これがいいはずはありません。年金制度の抜本改革か、もしくは障害者の新たな所得保障制度か、いずれにいたしましても抜本的な改革が必要であると私は考えております。

三井委員 大変ありがとうございました。

 いずれにしましても、無年金者を生まないこと、また、今係争中の皆さんが本当に、厚生労働省が、国が控訴をしない、まさに救済制度をきちっと確立することが大事だと思います。

 以上をもって私の質問にかえさせていただきます。ありがとうございました。

鴨下委員長 午後四時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後二時三十三分休憩

     ――――◇―――――

    午後四時七分開議

鴨下委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。小林千代美君。

小林(千)委員 民主党の小林千代美です。

 引き続きまして、無年金障害者につきまして、この救済についての各法律案、民主党案、そして与党案、そして政府の方からも質問を伺わせていただきたいというふうに思います。

 この無年金障害者の皆さん、本当にこの間、長い間運動を継続されていらっしゃいました。ここずっと、この間も院内集会を行っていらっしゃいました。障害を持った方々、そして収入がないということですから、ここ国会まで来るだけの交通費をかけることもできない、大変厳しい中で、国会あるいは政府に対して訴えを続けてきた方々なんです。

 こういった方々、無年金障害者の方々を、一日も早く、すべての人を救済したい、こういった思いは、与党の提案者の皆さんも、民主党の提案者の皆さんも、もちろん政府側の皆さんにしても、思いは同じだと思います。

 そして、一番最初になんですけれども、東京地裁、そして十月の新潟地裁で判決が下されました学生無年金障害者の訴訟について質問をしたいと思います。

 三月の東京地裁、そして十月の新潟の地裁でも、国民年金法の違憲判決というものが下されまして、それぞれ国に対して損害賠償が決定をいたしております。新潟の地裁では東京地裁のときよりもさらに一歩踏み込んだ判決が出ておりまして、東京地裁のときには損害賠償の金額は一人当たり五百万円だったんですけれども、新潟地裁のときには、その判決文の中に、国の責任にかんがみという一文も入っておりまして、一人頭七百万円の損害賠償を命ずる、こういった判決が下されておりました。

 先ほどの質問の中で、民主党の答弁者の方からもお話がありましたとおりに、新潟地裁の判決文の中に、国の責務、そして国会議員の過失というものが含まれておりまして、これは、私たち自身にとっても大変反省をしなければいけない一つだなというふうに思っております。

 判決文の中には、現在に至っても無年金障害者の救済のための立法はなされていないというふうに指摘がありまして、この間、障害者団体の方々の運動というものは、昭和五十年代から一生懸命に活動をされていらっしゃった、そういう状態を国会議員は重々知っていたはずだと。昭和六十年の法改正のときにおきましても、これによりまして、在外邦人の任意加入と、それから被扶養者、いわゆる専業主婦の方々の強制加入というものが法改正に至ったわけでございますけれども、この当時でさえも、学生無年金障害者の問題というものは十分に国会議員は認識をできたはずだというふうに指摘がされております。

 この時点で学生を強制適用の対象とする法改正ができたにもかかわらず、国会議員はそれを行ってこなくて、この間ずっとほったらかしにしていた、こういった国会議員の立法作為または不作為を行ってきたのだから、国会議員に対しても過失があるというふうに判決文の中に書かれておりまして、これは、私にとってみましても、立法府の一員として大変責任を感じているところでございますし、それは、ここにいらっしゃる委員の皆さん一人一人も責任があると私は思っております。

 また同時に、国に対しての責任というものも判決文の中にあるわけでございまして、まず初めに大臣にお伺いをいたします。

 こうやって、二十年以上にわたって放置してきた学生無年金障害者の方々に対する政府の過失、そして不作為の指摘を受けたわけなんですけれども、この判決を大臣はどのように受けとめていらっしゃるでしょうか。

尾辻国務大臣 東京地裁に続いて新潟地裁でも国に賠償を求める司法判断がなされたことは、政府としても重く受けとめております。

 しかしながら、一方で、当時においても、二十になった学生に対し国民年金への任意加入を呼びかけるなどの周知広報は行ってきたこと、また、そもそも国の立法不作為行為等をめぐる判例の解釈や、拠出制の年金制度に加入しなかった方々に障害年金を支給しなかったことについての国の責任のとらえ方など、法的に基本的な部分で問題があると考えており、関係機関と協議の上、政府としては上級審の判断を仰ぐこととしたものでございます。

小林(千)委員 国の過失というものも私は十分にあると思います。それは任意加入だったということを大臣おっしゃいましたけれども、しかし、その当時の学生の加入率というのはわずか一%そこそこだったんですよね。そういうところで広報活動も不十分だった。入らなければどういうことになるのかといったようなコンセンサスは、国民の間には一切、ほとんどされていなかったという状況の中で障害者になった、こういったことなんです。ですから、私は、国に対しても大変大きな過失があると思います。

 そしてまた、同時に、この間の国会議員の不作為ということも指摘を受けているわけでございまして、もちろん私たちにも重大な責任があると思っております。

 大臣にもう一つお伺いをいたします。

 この間、二十年間にわたってこの状態を放置してきた。前坂口厚生労働大臣も、この点に関しましては、この間、法改正のたびにさまざまな附帯決議がくっついていたりしたわけなんですけれども、こういった無年金障害者の救済のために坂口試案を二年前に出す等、さまざま検討をされていたことと思います。坂口前大臣も、無年金障害者の置かれている現状認識、あるいは早期救済の必要性というものの認識を持っていたと思います。

 そこで、今回大臣になられた尾辻大臣、尾辻大臣も、この無年金障害者の置かれている現状、そして早期救済に対して、どのようなお考えを持っているでしょうか。もちろん、ここで同意を、取り組みますというふうに答えてもらわないと困るわけなんですけれども、担当所轄の最高責任者といたしまして、ここで尾辻大臣の決意をお伺いしたいと思います。

尾辻国務大臣 坂口前大臣の御見識に敬意を表します。そして、私自身、問題意識として全く同じ思いをいたしておりますということを申し上げるところでございます。

 障害基礎年金等を受給できない方々がさまざまな御苦労を抱えておられることを認識しておりまして、今回御提案いただいております法律案に対する御審議を踏まえ、私どもも適切に対応してまいりたいと考えております。

小林(千)委員 続きまして、与党の提案者、そして民主党の提案者、それぞれ皆様にお伺いをしたいと思います。

 このような新潟判決、立法府にある国会議員にも過失があるというふうな指摘を、どのように受けとめていらっしゃるでしょうか。この新潟判決は学生無年金に対しての判決だったわけなんですけれども、無年金障害者の問題は学生だけではありません。この無年金障害者の課題に対してどのように皆様方はお考えになり、そういった上での今回の議員立法になったのか、それぞれお伺いいたします。

長勢議員 御指摘の判決、地方裁判所の判決ではありますけれども、重く受けとめるべきものと思っております。

 この判決の内容そのものにつきましては、国の立法不作為等に関する判例解釈、あるいは国の責任のとらえ方等々、基本的な問題があるわけでありまして、よって、政府も今控訴をされているということでございますが、それはそれとして、この判決とは別に、無年金障害者の方々の置かれている状況を何らかの形で救済しなければならないということは、多年の懸案であったわけでございます。

 与党の中で、坂口試案があったことでもあり、真剣に議論をした結果、これを早急に解決するということが課題であるという認識に立って、与党協議会でいろいろ議論をし、今回の法案の提出に至った次第でございます。早急に成立を図っていただきますようにお願いを申し上げます。

橋本(清)議員 本年三月、東京地裁における学生無年金障害者訴訟において違憲判決が下り、新潟においても違憲判決が下されました。

 そして、今回の新潟地裁の判決文にございます国会議員の立法作為または不作為による過失の指摘につきまして、非常に重く受けとめております。このような制度的欠陥により、今もなお犠牲者が発生し続けている、そして苦しみを与え続けている現行の年金制度に怒りを感じるとともに、抜本改革に全力を尽くす決意でございます。

 今回の議員立法に至る決意、経過につきましては、民主党は以前より、学生無年金障害者に対する救済を初めとし、年金法案の制度的欠陥の犠牲者である方々をなくすことを、そしてまた、制度を改めるまでの間、福祉的措置をも含めた実現可能な方策を早急に検討し、無年金障害者をなくす取り組みを進めることを提言してまいりました。また、行政側の坂口力前厚生労働大臣の坂口試案、立法側、超党派の議連方針などの取りまとめもございました。

 民主党は、以上のような経過を踏まえた上で、現在実現可能な救済方法、救済水準であると考えられる法律案を取りまとめました。現行の年金制度の制度的欠陥により、法の谷間に落とされ、長くつらい闘いをなさってきた方々を救済すべく、第百五十九回通常国会におきまして無年金障害者に対する障害福祉年金の支給に関する法律案を提出し、そして今回、第百六十一回臨時国会での審議に至りました。

 我々民主党は、今回原告になられた学生無年金障害者の救済はもとより、すべての無年金障害者の救済とともに、いまだ無年金障害者が発生し続けている現行の年金制度の抜本的改革に全力を尽くします。

小林(千)委員 確かに、これは法の欠陥により生じた問題ですから、そういった不作為というものを正していくべく、私たち国会議員は、こういった無年金障害者の方々、この欠陥の法のはざまに陥っている方々を救うための、本当のこれからの立法にしていかなければいけないというふうに私も強く思っているところでございます。

 次の質問に移らせていただきます。

 今回のこの無年金障害者の救済のための法案、それぞれ、与党から出てきている法案、民主党から出てきている法案。そもそも、そのそれぞれの法案がどういった性格を持っているものなのかをはっきりさせておきたいと思います。

 そもそも、この無年金障害者の生じた原因といいますのは、新潟の判決にも書いてありますとおりに、年金制度の欠陥により発生をしてきた課題でございます。年金制度のはざまにおっこちてしまった、欠陥により、自分自身は過失は全くないのに、一切ない中でこういった問題が生じてしまったことでありますから、もちろんこれは、原因は年金制度にあるわけなんです。与党の皆さんは法の成熟過程の中というふうにおっしゃるかもしれませんけれども、どっちにしたところで、年金制度の枠の中で起きてしまった問題であることは間違いない事実だと思います。

 制度さえ整っていれば発生しなかった課題なんですから、ゆえに、年金による救済というのは私は当然の結果ではないかなというふうに思うわけなんですけれども、もちろん、今の拠出制年金、これを守っていかなければいけないという考え方があるのは、私も十分に存じているところでございます。

 そこで、与党提案者の方々にお伺いをいたします。

 今回、与党の皆さんの提出をしてきているこの与党案、題名を見ますと、特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律案とあります。この法律案は、年金的要素によって救うんでしょうか、福祉的要素により救済するんでしょうか、お願いいたします。

福島議員 先ほど来、各委員の御質問にお答えいたしておりますが、本法案におきましては、拠出制の年金制度とは別に、福祉的措置による特別障害給付金として構成をいたしております。

小林(千)委員 同じように、民主党提案者の方にお伺いをいたします。

 民主党案の方の名前は、無年金障害者に対する障害福祉年金の支給に関する法律案、こういった法案の名前になっております。これは、年金的要素で救済をするという意味なんでしょうか、それとも福祉的要素で救済をするという意味なんでしょうか。

橋本(清)議員 民主党案は、年金的要素におきまして、年金制度の制度的欠陥により無年金障害者として苦しまれていらっしゃる方々を、制度的欠陥、法の不備を認めた上で救済させていただきたいと思っております。

 ただし、年金保険料を持ってくるということではなく、全額国庫負担でやらせていただく枠組みで考えております。

 これは、従前の障害福祉年金のときも全額国庫負担でございました。その中で、できるだけ障害者に対する所得保障を充実化しようという中で、年金保険料も上乗せし、より厚い充実を図った給付をしてきた経緯もございます。

 民主党案におきましても、そういった経緯を踏まえた上で、全額国庫負担でやらせていただきたいと思っております。

小林(千)委員 与党案の方は福祉的措置、民主党案の方は年金的要素に福祉的なものも加味してということでよろしいでしょうか。そういった性格の差がある二つの法案だなというふうに感じております。

 それを踏まえた上で質問をいたします。

 無年金障害者と言われている方々はさまざまなカテゴリーに分けられると思います。在日外国人というカテゴリー、在外邦人というカテゴリー、学生、被扶養配偶者、いわゆる専業主婦ですね、そして未加入、滞納、いわゆる未納者という理由により無年金障害になったという、大体この五つぐらいに分かれるのかなというふうに考えております。

 本来ならば、無年金障害者全類型を救済すべきだというふうに考えておりますけれども、現実性の問題、あるいはどこを一番最初に救済すべきなのかといったような迅速性、こういったものを考えると、在日外国人、在外邦人、学生、いわゆる専業主婦、この類型の方々を優先にして救済をすべきというふうに私は考えるわけなんです。

 それでは、与党提案者の方にお伺いをいたします。

 第一条の条文の中に「障害基礎年金等の受給権を有していない障害者」というふうに書かれております。この方々の中に、それぞれの、先ほど申し上げました五つのカテゴリーの方、どなたが含まれていて、どこは含まれていないのでしょうか。

鈴木(俊)議員 私どもの案で含まれておりますのは、先生が示された、学生と、それから被扶養配偶者、いわゆる専業主婦でございます。

 繰り返しになりますが、ちょっと中身を御説明させていただきたいと思います。

 今回私どもが対象と考えておりますのは、国民年金制度発足時には任意加入として制度の対象とされておりましたが、その後の制度の発展に伴って、現在は強制加入の対象とされているという経緯の中で、任意加入という加入形態の違いによって障害基礎年金を受給していないという事情を有する方々でございます。

 具体的に申し上げますと、現行においては強制加入の対象とされておりますけれども、平成三年三月以前において任意加入であった学生、それから昭和六十一年三月以前において任意加入であった被用者の配偶者、この方々をその対象といたしまして、特別障害給付金を支給することといたしております。

 したがいまして、昭和五十七年一月前の、適用除外時代の在日外国人につきましては、国民年金制度の対象とされていなかったことから、本法律の対象にはなっておりません。

 それから、在外邦人についてでございますが、昭和六十一年三月以前は適用除外とされ、六十一年四月以降から現在も任意加入とされておるわけでありまして、国民年金制度の発展過程で生じた特別な事情に当たらないために、対象といたしていないところでございます。

小林(千)委員 先ほどの質問で、与党の今回の法律案は、福祉的措置の性格を持っているということを確認させていただきました。そして、前の委員の質問の中で、たしか、福祉的措置により救済をする、それが福祉の理念であり、民主党の答弁者いわく、それが権利だというふうにおっしゃっていたわけなんです。

 本当に福祉的手当として価値を出すためには、障害者の方々すべてに手を差し伸べるべきものである、それが福祉の理念なんじゃないんですか、福祉の権利なんじゃないんでしょうか。それが福祉的措置というふうにおっしゃるんだったら、これはすべてのカテゴリーの方が対象にならなければいけないのではないでしょうか。

 たしか、前通常国会の中で、坂口試案、いっぱい坂口大臣が答弁をされていた中で、福祉的措置というふうな理念でこの救済を図るとするならば、それはすべてのカテゴリーの方を対象としないといけないだろうということを法制局から言われたというような答弁もありました。

 どうですか。福祉的措置というふうにおっしゃるんだったら、これはすべてのカテゴリーの方が対象となるべきではないんでしょうか。

鈴木(俊)議員 今回の法律案で支給対象としている方々につきましては、もう繰り返し御答弁しておりますので申し上げませんけれども、そうした方々以外のすべての無年金障害者の方々を対象にするということは、福祉的措置とはいえ、制度に加入していることを前提に給付を行おうとする拠出制年金そのものの根幹に大きな影響を及ぼすことになると考えますので、対象にすることは適当でないという判断に至りました。

小林(千)委員 ですから、先ほども確認をさせていただいたんですけれども、与党の皆さんの法律案は、年金の要素は含んでいないんですよね。年金制度の枠の中で救済をするのではなくて、これはあくまでも福祉的措置ですよというふうにおっしゃっているんですから、それを、福祉的措置を対象とするのに、その対象の方のカテゴリーの中で、いやこの方は年金制度の対象者ではなかったんだからそれは除かれるというのは、矛盾しているじゃないんですか。福祉的措置というふうにおっしゃるんだったら、すべてのカテゴリーが対象になるはずでしょう。年金は関係ないんでしょう。

鈴木(俊)議員 年金的措置でないというのは、年金の対象にさかのぼって入れるとかそういうことではなしに、全額国庫で福祉的な措置でやる、そういう意味で、福祉的な措置で対応するということを申し上げているわけであります。

小林(千)委員 だから、年金は関係ないんだったら、条件に合っただとか適用範囲だったということは関係ないはずなんですよ。そうですよね。福祉的措置なんですから。

 これは、ちょっともう一回後で出てきますから、用意しておいてください。そこに矛盾があるんですよ。最初に確認しました、これは福祉なのか、それとも年金的要素なのかということ。だから確認したんですね。これは矛盾なんです。

 同じように民主党さんにも伺います。

 先ほど民主党さんの答弁の中で、年金的要素により救済をするというふうに伺いました。年金的要素が強いというならば、さっきと同じ理論になるんですけれども、拠出をしていない人に対して年金の枠の中で救済をするのか。それは年金の保険料を払っている身からすれば、やはり、保険料を支払っていないのに、同じだけの給付をもらおうだなんて虫がいいんじゃないのという声も確かにあります。

 そこで、民主党の案の中にもそこの矛盾は私も一つあると思うんですけれども、拠出をしていない人に対して年金を給付するという課題、この問題をどのように民主党案は考えていらっしゃるでしょうか。

橋本(清)議員 年金ならば拠出をしていない方々に対して年金を給付してよいのか、そういった議論もございますけれども、現行の年金制度におきましても、二十未満の方に対しては、年金保険料は払っていないにもかかわらず、全額支給をしているわけでございます。しかしながら、この二十未満で拠出していない方に関しましては、所得制限がございまして、二十未満の年金保険料を納めている方とは違って、個人の所得を見て、所得のある方には給付をしないという形で、そこで明確に区別化を図っております。

 民主党の案も、そこに着目いたしまして、拠出していない方に対して給付をするという以上、二十以上の方とは違って、二十未満の障害基礎年金同様の処理をするというような形で区別化を図るという処理もしております。

小林(千)委員 話をもとに戻したいと思います。

 対象者の範囲です。与党の案の中には、在日外国人と在外法人は含まれておりません。なぜ、今回、対象から外れたのでしょうか。先ほど答弁をいただきました、そもそも制度の対象外だったからという答弁をいただいたわけなんですけれども、在日外国人、在外法人、この方々は、特に在日外国人ですけれども、自分たちに過失というものは何一つないわけなんですよ。入りたいけれども制度上入ることができなかった、国籍要件があって、年金の保険料を払いたくても払えなかったという方々なんです。自分たちに自己責任があるかどうかという問題でも何でもありません。

 そして、これを救済する、そのためには、福祉的措置というならば、それこそさっきの話に戻りますけれども、この与党の提案理由の中に「福祉の増進」と書いてあるんですよね。では、何なんですか、この「福祉の増進」という。この立法趣旨を伺いたいと思います。

長勢議員 今回の法律案を提案いたしておりますのは、制度が任意適用であったがゆえに無年金障害者になったという方々をいかに救済するかという範囲の中で、いろいろ今まで議論してきた経過でございます。

 そういう方々について、制度上やむを得ないことであったわけでございますが、年金制度の中では、先ほど先生も御指摘のとおり、無拠出の方でありますので、対応できませんので、これらの方々をほうっておくわけにはいかない、これを福祉の観点から救済をしたいということでこの法案を提出している次第でございます。

小林(千)委員 だから、何でその対象者の中に在日外国人の方が入らないのかが、私は不思議で不思議でしようがないんですよ。

 この在日外国人の方というのは、もう改めて言うまでもないんですけれども、過去の歴史的な背景の中で、日本に定住をされている方々なんですよね。その中で、家族単位で世代交代をしていって、今たしか五世ぐらいの方までいらっしゃるはずなんですよ。日本で生まれて、日本で育って、同じように税金を支払って、一緒に住んでいる。そんな中で、国籍条項という一つだけで年金制度への加入というものが阻まれていた。これはまさに法の欠陥なんですよ。そこを救済するんですから、当然今回含まれてしかるべきじゃないでしょうか。

 内外人平等の難民条約にも日本は加入をしております。自国民と同一の待遇というふうにそこには書かれているんですよ。ですから、この在日外国人を分けるという合理性というものが、私には残念ながらわかりません。立法の段階でその人たちが制度の対象から外れてしまったとするならば、新潟の判決でも法の違法性というものが言われているんですから、その法律を今変えるときに救済しなくてどうするんですか。

 福祉的措置というふうに言うんだったら、二つの点で言いたいんですけれども、一つは、制度的な問題で救われるべきである。もう一つの理由は、福祉的措置というふうに与党の皆さんがおっしゃるんだったら、福祉の枠組み、範疇としてでも救われなきゃおかしいでしょう。いかがでしょうか。

福島議員 先ほど給付の性格について御答弁しましたので、私の方から答弁させていただきますが、福祉的な措置として行うわけでありますけれども、その措置を行う対象の方の状態が発生をしたのは、年金制度にかかわる変遷によって発生したわけであります。ですから、現在、障害者の方々の所得保障は、さまざまな形がありますが、大きくはやはり年金制度によって行われている部分があるんだろうと私は思っております。

 そういう事情を勘案して、年金制度の変遷によって、その年金制度による障害者の所得保障の対象になっていない方々について、やはりそれは何らかの福祉的措置を講ずるべきではないかということで我々は法案を提出した、そういうことであります。

小林(千)委員 新潟の判決でも、立法不作為、国会議員の責任ということを言われているんですけれども、今法律案を私たちがこうやって審議をし、この後採決ということになるんでしょうけれども、そのときに立法府にいた一人として、私も、立法不作為にあなたは加担したというふうに言われたくないんですよ、将来、当事者の方々から。今このときに、立法不作為をしようとしているんじゃないんですか。後々、違法判決が出たら嫌ですよ。

 こういった制度的欠陥から生まれた方々を何で今回救済できないのか、何でそういった法案をつくろうとしているのか、教えてください。

福島議員 これは附則の検討事項にもかかわることであるというふうに私は思いますので、答弁させていただきますが、今回、さまざまな議論がある中で、国民年金の制度的な変遷に基づいて、そのことによって障害無年金となった方、そういう事情に着目してこの制度を御提案しているわけでありますけれども、確かに、御指摘のように、今回のこの救済措置のみによってすべての方が救済されるわけではない、それはそのとおりの御指摘だと思います。であればこそ、さらに引き続き検討するという附則を設けたわけであります。

 さまざまな意見の方が立法府におるということは事実であります。そして、どのような措置を講ずるのかということにおいて、必ずしもすべての立法府のメンバーの意見が一致するというわけでもない。

 その中で、今回コンセンサスとしてこういうものが得られて、我々は法案を提出しているわけでありますけれども、しかし、そのことは、決してそれ以外の問題について目をつぶるということではない。目をつぶるというわけではないということの証左として、附則で検討するということを規定しているわけであります。

小林(千)委員 さらに引き続き検討するというふうにおっしゃっているんですけれども、そんなに悠長に、長く待っている暇は当事者の方々にはないんですよね。今、きょうの今、生活するのだって大変な方々なんですよ、障害を持ちながら収入が全くないという状況の中で。そういった方々を私たちは一日も早く救済をしなければいけない。それは当然おわかりでしょう、思っていらっしゃるでしょう。

 ですから、もう二度と同じ間違いを私たちは、国会議員は犯してはいけないはずなんです。昭和五十七年に国籍条項が撤廃をされました。そのときには経過措置がとられなかったんです。ですから、こういった在日外国人の無年金障害者という方々がずっと今まで発生をしてきてしまったんですよ。私はこのときの立法不作為というものもあると思います。

 ですから、同じ間違いを犯さないために、今ここでちゃんと私たちは法律をつくりたい、こういうふうに思っているんですが、また同じ立法不作為を犯すんでしょうか。

福島議員 御主張の点はまたよく理解できるわけでありますけれども、それぞれのお立場で、どのような範疇で福祉的措置がとられるべきであるか、必ずしも意見が一致するわけではないということだと私は思っております。

 先生の御主張は大変よく理解できます。であればこそ、継続して検討するという規定が盛り込まれたわけでありまして、そしてまた、民主党の先生方からも、今後、この立法府において、これは年金制度全般の議論ともつながってくるわけでありますけれども、この無年金障害者の問題についてどのように対応するのかということも含め、ともどもに議論を深めさせていただければ、そのように思っております。

小林(千)委員 では、もうちょっと視点を変えて伺いたいんですけれども、例の坂口試案、この案の中には、対象者は大きく未納者のカテゴリーの方々まで含まれております。当然、在日外国人の方々も坂口試案の中には適用となっているんです。それは、先ほども申し上げましたとおりに、坂口試案というものは福祉的措置によるものだからということなんです。

 同じように福祉的な性格を持っているこの与党案、これが何で坂口試案のカテゴリーからこれだけ後退をしてしまったのでしょうか。

福島議員 後退をしたという御指摘でありますが、先ほどからも申し上げておりますように、それぞれのカテゴリーがある、これは共通の認識であります。その中で、今回のこの法案の提出においてさまざまに検討する中で、福祉的措置としてどういった方を対象にするか。それは、国民年金という年金制度そのものが歴史的に変遷をしている、そしてその中で無年金障害になられた方について、これを対象とするということが合意をいたしました。

 そしてその後、それ以外の類型というのもまだあるわけでありますから、それについて引き続き検討する、こういうことになったわけであります。そしてまた、未納、未加入の方々については、在日外国人の方々ともまた若干性格が違います。そして、それぞれをどのような形で対応すべきかということは、これは必ずしも全員の一致があるというわけではないと私は思っております。

 坂口前大臣の試案というものはこれはあるわけでありまして、私ども公明党の立場で申し上げれば、広く救済されるべきであるという認識は持っております。しかし、実際の立法行為の中におきまして、さまざまな立場の方々の意見というものを集約していくことが必要である。そして、何よりも大切なことは、今回このような判決も出されたわけでありますけれども、具体的に法案を成立させて、そして一人でも多くの無年金障害者の方を救済するということが一番大切なことだというふうに私は思っております。

 ですから、立法府における議論というのは、先生も先ほどおっしゃられましたように、いつまでたっても検討ではいかぬではないか、こういう御指摘がありましたけれども、きちっと制度として仕上げるということ、速やかに仕上げる、これは非常に大きな責務であるというふうに思っております。そういうことを考えた場合に、コンセンサスがまず得られたところから実現をしていく、非常に現実的な対応だと私は思っております。

 しかしながら、それ以外の類型の方について、これはそれぞれ若干性格の相違はあるわけでありますけれども、それについて、決してその道を閉ざすということではなく、引き続き鋭意努力して検討していくということを附則に定めたわけであります。

小林(千)委員 障害をお持ちの方々は、これはその当事者の方が学生であろうと、主婦であろうと、在日の方々であろうと、同じ状況だと思うんですよ。

 制度的な面で申し上げれば、在日の方々という方は一番自分たちに責任はない、だって、制度で入れなかったんだから。言ってみれば、一番優先順位が高くてもいいんじゃないかと思うんですね。学生、主婦の方々は任意で加入をできたわけなんですから、一%とはいえ、入ろうと思えば入れたというところはあるでしょう。しかし、その方々以上に、自分たちの過失というものは在日外国人の方々にはないんですよ。全く自分には責任がない。そういう方々をどうして今回救えないのか。

 先ほどるるおっしゃっておりましたけれども、福祉的措置をとって、福祉の増進に資するためにというふうにおっしゃるんだったら、これはやはり政治家として決断をしてほしいんですよ。いかがでしょうか。

長勢議員 今回の法案は、無年金障害者の方々をいかに救済をするかということで議論してまいりました。そして、よって、年金制度の中での無拠出の方に何らかの福祉的措置を講ずるということでございますから、拠出をされている方々との均衡等も考えなければなりません。

 そのようなことも考えながら、今回我々が提案いたしておりますのは、任意適用であったので、その結果として無年金になっておる、しかも、その後強制適用になって、つまり制度が発展した後では強制適用になっておるわけですから、もらえることになった方々を、この際きちんと救済をさせていただきたいということでありますので、例えば未加入、未納の方々は本人の御責任ということもありますので、拠出されている方々とのバランスも考えて適用されていない、こういう形で整理をさせていただいて、御提案を申し上げておるわけであります。

 障害者の方々の福祉をどうするかという観点からの今の御意見も当然あるわけでありますけれども、今回、無年金障害者という範疇の中で、ほかとのいろいろなバランスも考えながら、こういう判断をいたして提案をさせていただいておる次第でございます。

小林(千)委員 この法律は議員立法なんですよね、与党案にしてみても、民主党案にしてみても。閣法じゃないんですよ。議員の皆さんが、政治的な判断をもってこの法律案を今出していらっしゃるわけなんですよ。大変責任は重いと思いますし、政治家としての思いというものがやはりここには私は入っていただきたい。

 まだまだ納得していないんですけれども、では、民主党提案者の方に伺います。

 今回、民主党案の中には、在日外国人、在外邦人も含まれております。今回含めた理由、どういった観点から含まれているか、そして、こういうふうにおっしゃっている与党案に対してどのように思っていらっしゃるか、お聞かせください。

橋本(清)議員 民主党案におきましては、時期はずれますけれども、制度的欠陥で苦しむすべての無年金障害者を救済させていただくべく、今回の法案を提出させていただいております。もちろん、委員が先ほどからおっしゃっているように、在日外国人、そして在外邦人、学生、専業主婦、それぞれの無年金障害者は、当然、救済されるべき無年金障害者に含まれております。

 こういった、年金制度の制度的欠陥の犠牲者として、無年金障害者として苦しまれていらっしゃる方々を当然救わなければならない、救済させていただかねばならないということで、今回の法案の提出に至りました。

 そして、委員から、今回の与党案に対しての意見ということで言われましたけれども、やはり、こういった本当に制度的欠陥で苦しんでいらっしゃる方々を救い切れていないというところで、まだまだ不十分であると言わせていただきたいと思います。

小林(千)委員 ちょっと年金の性格そのものについて、次に質問をしたいと思います。また戻ってきますからね。

 昭和三十六年に国民年金が制定されたとき、三十六年から始まったんですけれども、そのときでも既に障害を持っていらっしゃる方も当然いらっしゃいましたし、そのとき既にもう高齢になっていて、自分はもう満額支払うことはできませんよ、拠出の年数足りませんよという方だって当然いらっしゃったわけなんです。そのときは対象は在日の方は入っていませんけれども、日本人ですけれども、どういうふうにこの障害を持っている方、高齢者の方に対応されてきたのか。

 また、その後、小笠原、沖縄の日本復帰時にも多分同じことは起きていると思います。中国帰国者の方もいらっしゃると思います。どのように、この年金のがちがちの制度の中でこういった方々は救済をされてきたのでしょうか。これは政府の方に伺います。

渡辺政府参考人 お答え申し上げます。

 たくさんの要素を今御指摘になりましたので、順を追って簡潔に申し上げます。

 一つは、国民年金創設時に、老齢年金から見たときに、既に一定の年齢に達していて加入期間がたくさん得られないという方、あるいはその時点でもう障害をお持ちの方、こういうような方々の扱いでございますが、老齢年金の関係につきましては、二十五年間の受給資格期間につきまして二十四年から最低十年まで短縮する措置、そして障害をお持ちの方につきましては障害福祉年金ということで対応をさせていただきました。

 それから、お触れになりました沖縄のケースでございますが、沖縄占領時の方につきましては、日本復帰前の沖縄の年金制度の加入期間、これを日本の年金制度に引き継ぐなどの措置を講じました。また、老齢年金受給額が低額となる場合もありますので、その後、平成二年及び平成七年に特例納付等の措置が講じられてきているということでございます。

 それから、お触れになりました中に中国の話もあったかと思いますが、同様なジャンルで申し上げますと、小笠原復帰時の方、それから中国残留孤児の方につきましては、日本復帰前の期間や帰国までの期間を加入期間とみなした上でその間の保険料の免除を行う、それぞれの期間について特例的に追納することができる、こういうような特例がございます。

 最近では、北朝鮮拉致被害者につきまして、その極めて特殊な事情にかんがみまして、拉致されていた期間を国民年金の被保険者として、その間の年金保険料に相当する費用を国が負担する、こういうことにしております。

 ただ、この沖縄、それから小笠原、中国、北朝鮮、これらいずれの方々につきましても、未加入期間に発生した障害について事後的に障害給付を行うという措置は講じられておりません。

小林(千)委員 三十六年の制定時や、沖縄、小笠原、中国帰国者の方々にはそういった経過措置がとられていたわけなんですよね、実際には。

 ところが、昭和五十七年に在日外国人の方々が強制加入になったとき、このときは、このような経過措置あるいは特例というものが何もなされていないんですよ。その以前にさかのぼって、みなし期間というんでしょうか、空期間というんでしょうか、そういうものは全くなしで、いきなりずどんとそこからスタートになってしまっているんですよ。ですから、その当時もう五十歳を超えていた方、あるいはその当時もう既に障害を持っていた方というものは、適用をされていなかったわけなんですね。

 ですから、この昭和五十七年の強制加入、こういった法律ができたときに、この在日外国人の高齢者やあるいは障害者の方々にもきちんと経過措置みたいなものが、あるいは特例というものが同じようにとられていれば、今この問題は発生をしていなかったわけなんですよ。私は、この昭和五十七年の法改正のときも、これは国会議員による立法不作為があったのではないかなというふうに思わざるを得ないんです、今の状況を考えてみると。それと同じことを今ここで繰り返したくないわけなんですよね。繰り返すわけにいかないんです。

 ですから、この問題を解決するためにはここで法律で救わないと、どうするんですか。永遠に、引き続きこの方々は救済をされないということになってしまうんじゃないですか。なぜこのように、日本人の場合と在日外国人の方の場合とで経過措置がある、ないというようなことになってしまったのか。それは内外人の差別ということに、平等という難民条約に違反するものではないんでしょうか。そして、何で今回救済されないんでしょうか。

渡辺政府参考人 今の御質問のうちの、かつて、昭和五十七年のときの整備につきましてだけ御答弁申し上げたいと思います。

 昭和五十七年に国民年金制度の国籍要件が撤廃されましたが、これは国民年金制度の適用の順次拡大という流れとは別に、難民条約を批准するために必要な措置ということで、難民条約が、内外人無差別、内国民待遇を外国人にも実現するというために必要な措置ということで、国民年金法が改められた経緯がございます。

 その際、この措置は条約の要請に基づき、あくまでも将来に向かって適用範囲の見直しを行う、こういうものでございましたものですから、過去にさかのぼってという日本人に対する経過措置とは違う扱いがその当時なされたというふうに承知しております。

小林(千)委員 そうやって先にわたって見直しをしていくといったことが昭和五十七年のときにされて、昭和五十七年から今まで何年たっているんですか。二十年以上ずうっとそのままで来たわけなんですよ。ですから、今回のせっかくの、この法案が各議員立法で出てきている、ここでぜひ救っていかなければいけないと思うわけなんですよ。

 与党提案者の方からは、いろいろ制度の問題ですとかなんとかということをおっしゃっていただきましたけれども、それは皆さん政治家ですから、ぜひここで政治的判断を下していただかないと、救済されないんですよ、この方々は。いかがでしょうか。

長勢議員 先生の御意見は承っておるわけでありますが、再々繰り返しておりますように、無年金障害者の方々について救済をする、その範囲をいかにするかということにつきまして、年金制度の発展過程等の経過の中でこういう仕切りをして御提案を申し上げておるということでございますので、五十七年の状況のことも御発言ございましたが、そこまで議論が行きますと、ほとんど見解も一致しない部分もあるわけでございまして、我々の趣旨はひとつ御理解をいただきたいと思います。

小林(千)委員 今、制度の発展過程の中で生じた問題というふうにおっしゃったんですから、制度が問題だったわけなんですよ。制度の発展過程の中で生じた問題だったら、制度で救わなければいけないわけなんですよね。そういった意味からも、在日外国人の方々はそのカテゴリーに入らなければおかしい。また、福祉的措置というふうにおっしゃるんだったら、福祉というような理念、権利の上からでも救わなければいけないはずなんですよ。そこが抜け落ちているところが、どうも私は、今回の与党案は理解することができないわけでございます。

 先ほど、ここで聞くのも嫌なんですけれども、私の言っていることは理解できるというふうにおっしゃっていただきました。だからさらに引き続き検討をするということをおっしゃっておりまして、これは附則の二条のことをおっしゃっているのではないかなというふうに思っているわけなんですけれども、今回、与党案の中の附則の二条に、「特定障害者以外の障害者に対する福祉的措置については、」「今後検討が加えられるべきものとする。」というふうにあります。この「特定障害者以外の障害者」というのは、先ほど申し上げましたカテゴリーのどこに当てはまる方でしょうか。

福島議員 本法律案では、平成三年三月以前において任意加入であった学生、昭和六十一年三月以前において任意加入であった被用者の配偶者のうち、任意加入されていなかった結果として障害基礎年金等を受給されていない方々を対象といたしておりますけれども、これら以外の障害基礎年金等を受給することができない在日外国人の障害者の方々等に対する福祉的措置について、今後さらに検討を進めていくことといたしております。

小林(千)委員 その今後さらに検討をしていきたいと思いますというところなんですけれども、今後、今後いつ検討するんですか。さらにどのような検討をするんでしょうか。

福島議員 そもそもの年金制度のあり方についてもまさに与野党の間で議論がなされようとしている、そういう大変大枠の話も一方であるわけであります。これは非常に大きな政治の動きでありますから、当然、そういったものの流れということも踏まえていく必要があるんだろうというふうにも思います。

 具体的なスケジュールということが今直ちにお答えできるわけではありませんけれども、政治というものは常に動いていくものでありますので、その中で真摯に議論してきたい、そういうことであります。

小林(千)委員 国民年金法の改正につきましてはいろいろと今議論が出ているところですけれども、そこの中で救済を図るという意味なんですか、先ほどの答弁ですと、この検討というのは。それでよろしいんですか。

福島議員 そこの中で図ると言ったわけではありませんで、例えば、民主党の御提案になっておられるようなことは、従来の年金制度のあり方そのものとは全く違った制度の御提案をなさっておられるわけであります。それはもう、先生は民主党の先生でございますから十分御理解だと思いますが。そういうことがまさに議論されようとしている、その中でということではなくて、そうした動きということも踏まえながら考える必要がある。そして、先ほどから申し上げておりますように、真摯に努力をしていきたいという思いであります。

小林(千)委員 真摯に努力するというふうにおっしゃっていても、当人、当事者にとってみては、きょうのあすのの問題になるわけなんですよ。この方々、主婦、学生の方々は、これは施行がいつからかわかりませんけれども、救われる。片や、自分は適用から外れてしまって、今後いつになるかわからないというのは、すごく無責任だと思いますし、その方々を今後どういうふうに救済していかれる予定なのか。この附則の二条についてはもうちょっと明確に答えていただきたいのですが。

福島議員 再度繰り返しのようになって恐縮なんでございますが、今回の無年金障害者の救済をめぐって、通常国会におきまして、私どもさまざまな議論をさせていただいた。その中で、さまざまな意見もあったわけであります。そして、コンセンサスを得ましたのが、この法案として提出をさせていただいた、国民年金制度の変遷によって発生したところの無年金障害者の方に関して、それを救済する福祉的措置をとらせていただくということであったわけであります。

 民主主義というのは、コンセンサスを形成するということがその本質であります。したがって、コンセンサスの得られたことから、着実に、これは速やかに実施をしていかなければならないと思っております。

 そして、さまざまなカテゴリーの方がおるわけであります。すべてにおいてコンセンサスが形成されたわけではありません、率直に言いまして。したがって、これを附則の検討項目といたしたわけでありまして、立法府の仕事というのは、このコンセンサスをつくるために引き続き努力をしていくということではないかと思っております。

小林(千)委員 当事者にしてみれば、国民のコンセンサスが得られていないから自分たちは救済をされないんだというのは、とてもこれはわかりづらい論理だと思います。法のはざまの中で自分たちが被害に遭ってしまっている今の現状を、国民のコンセンサスだけでその解決の方法として考えていいのでしょうか。これは、私は大変大きな疑問に思っているところでございます。

 もう時間がないので、最後の質問にしたいと思うんですけれども、附則の二条で検討をしていただくほかにも、そういった対応となる人は、在日外国人の方の無年金者というのは、先ほど申し上げましたように、高齢者の方もあるわけなんですよ。昭和五十七年の法適用のときに、もう既に五十歳になっていた方ですね。そういう方々に対する今後の取り組みというものを、最後に、政府側、そして与党提案者、民主党提案者、それぞれお伺いいたします。

尾辻国務大臣 私どもの立場ですと、保険の現行の制度の中でお答えをするしかございません。

 そうなりますと、保険料の拠出を求めなかった方々について、制度の対象にしなかったということを理由に事後的に保障を行うということは、制度の対象とされた保険料を納付してこられた方々との均衡上、難しい面があると認識をいたしております。

福島議員 ただいま大臣から御答弁があったわけでありますが、私ども、無年金障害者の方々についてこれをどのように救済するのかというところから議論を出発しております。ただいま先生からは、障害の有無ということではなくて、在日の高齢者の方についても検討してはいかがか、こういう御指摘ではなかったかと思います。その御指摘は踏まえ、私も考えさせていただきたいと思います。

橋本(清)議員 我々民主党は、こういった年金制度の制度的欠陥で苦しんでいらっしゃるすべての無年金障害者、時期はずれますけれども、こういった方々を救済させていただくということで今回の法案を提出させていただいておりますから、こういった無年金障害者だけではなく、年金制度の谷間に落ちた在日外国人無年金高齢者などに対する給付金の支給など、きちんと取り組んでいくべきものだと考えております。

小林(千)委員 時間が来てしまいました。まだまだ納得していないんですけれども、あさっての民主党のバッターに任せたいと思います。

 社会保険庁、済みません、お呼びしていたのですけれども、時間がなくて聞けませんでした。

 終了させていただきます。

鴨下委員長 次回は、来る十九日金曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時九分散会


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