衆議院

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第6号 平成17年3月16日(水曜日)

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平成十七年三月十六日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 鴨下 一郎君

   理事 大村 秀章君 理事 北川 知克君

   理事 長勢 甚遠君 理事 宮澤 洋一君

   理事 五島 正規君 理事 三井 辨雄君

   理事 山井 和則君 理事 福島  豊君

      青山  丘君    井上 信治君

      石崎  岳君    上川 陽子君

      木村 義雄君    小西  理君

      河野 太郎君    坂本 哲志君

      菅原 一秀君    中山 泰秀君

      原田 令嗣君    福井  照君

      三ッ林隆志君    宮腰 光寛君

      森岡 正宏君    吉野 正芳君

      渡辺 具能君    石毛えい子君

      泉  健太君    泉  房穂君

      内山  晃君    大島  敦君

      小林千代美君    城島 正光君

      園田 康博君    中根 康浩君

      橋本 清仁君    藤田 一枝君

      水島 広子君    横路 孝弘君

      米澤  隆君    高木美智代君

      古屋 範子君    桝屋 敬悟君

      山口 富男君    阿部 知子君

    …………………………………

   厚生労働大臣       尾辻 秀久君

   厚生労働副大臣      衛藤 晟一君

   厚生労働副大臣      西  博義君

   厚生労働大臣政務官    森岡 正宏君

   政府参考人

   (総務省自治財政局長)  瀧野 欣彌君

   政府参考人

   (厚生労働省医薬食品局長)            阿曽沼慎司君

   政府参考人

   (厚生労働省雇用均等・児童家庭局長)       伍藤 忠春君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局長)           小島比登志君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    塩田 幸雄君

   政府参考人

   (厚生労働省老健局長)  中村 秀一君

   政府参考人

   (厚生労働省保険局長)  水田 邦雄君

   政府参考人

   (厚生労働省政策統括官) 井口 直樹君

   参考人

   (社団法人国民健康保険中央会理事長)       北郷 勲夫君

   厚生労働委員会専門員   榊原 志俊君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月十五日

 辞任

  西川 京子君

同日

            補欠選任

             高木美智代君

同月十六日

 辞任         補欠選任

  御法川信英君     坂本 哲志君

同日

 辞任         補欠選任

  坂本 哲志君     御法川信英君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 国の補助金等の整理及び合理化等に伴う国民健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出第八号)

 介護保険法施行法の一部を改正する法律案(内閣提出第一五号)


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     ――――◇―――――

鴨下委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、国の補助金等の整理及び合理化等に伴う国民健康保険法等の一部を改正する法律案及び介護保険法施行法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、参考人として社団法人国民健康保険中央会理事長北郷勲夫君の出席を求め、意見を聴取し、また、政府参考人として総務省自治財政局長瀧野欣彌君、厚生労働省医薬食品局長阿曽沼慎司君、雇用均等・児童家庭局長伍藤忠春君、社会・援護局長小島比登志君、社会・援護局障害保健福祉部長塩田幸雄君、老健局長中村秀一君、保険局長水田邦雄君、政策統括官井口直樹君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鴨下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

鴨下委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山口富男君。

山口(富)委員 おはようございます。日本共産党の山口富男です。

 きょうは、まず、いわゆる三位一体改革にかかわります国民健康保険法等の一部を改正する法律案、これからただしてまいりたいと思います。

 今回の国民健康保険法をめぐる大きな制度変更は、都道府県の負担を入れる、特に、都道府県財政調整交付金、これを創設されるということにあります。きょうは、理事会の了解を得まして、委員のお手元に配付資料をお届けいたしましたけれども、この冒頭にもありますように、これまでの国財政調整交付金と定率国庫負担、一〇%、四〇%というところに都道府県財政調整交付金が入るということになります。

 それで、一部改正案を見ますと、七十二条の二の中で次のように述べられております。「都道府県は、当該都道府県内の市町村が行う国民健康保険の財政を調整するため、政令の定めるところにより、条例で、市町村に対して都道府県調整交付金を交付する。」その次の項に、その額が「百分の七に相当する」というふうに書かれておりますが、主要な制度変更なんですけれども、法文上、中身を示しているのはここしかないんですね。

 そこで、改めてお聞きしておきますけれども、都道府県財政調整交付金、これの性格と、新たにこれを導入する意味について示していただきたいと思います。

水田政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、都道府県の財政調整交付金を導入する意義でございますけれども、これはまさしく今回の法案の意義そのものでございまして、高齢化の進展、あるいは失業者、低所得者の増加によりまして、国保の財政基盤は非常に脆弱、不安定であるという問題を抱えております。この問題を解決するために、市町村国保におきまして、保険者の再編統合を進めて、保険運営の広域化、医療費の適正化、保険料徴収の充実等の保険者機能の強化を推進しまして、効率的で安定的な運営を図ることが重要と考えておるところでございます。

 これらの改革を進めるべく、その第一歩として、今般、都道府県に財政調整機能の権限の一部を移譲いたしまして、都道府県が保険運営の広域化や医療費の適正化に当たりまして主体的に取り組んでいただく、そして都道府県が国の支援とあわせて重層的に市町村を支援するということを、今回の法案によりまして目的としているところでございます。

 この財政調整交付金の性格でございますけれども、これはまさしく財政調整権限を移譲したものでございまして、具体的内容につきましては、法文にもございましたとおり、条例の定めるところによりまして自主的に決定していただく、こういうものでございます。

山口(富)委員 財政の弱さということを導入の一つの理由に挙げたわけですけれども、この間、答弁を聞いておりますと、都道府県財政調整交付金について交付の方法を尋ねますと、大体二つの答弁が返ってきています。

 一つは、配分方法は県内の状況に応じて自主的かつ主体的に決定するということ。これは、先ほどおっしゃられた権限の移譲にかかわる話だと思うんです。もう一点は、具体的な財政調整の手法の検討に当たっては、専門的、技術的な要素が多いので、地方団体と検討の場を設けた上でガイドラインというものを示していきたいということなんです。

 私はお尋ねしますけれども、七十二条の二では、政令の定めるところにより条例で交付するというふうになっているわけですけれども、まず、政令で、都道府県財政調整交付金について、その交付のあり方についてどこまで定めるのか。

 それから、この政令と条例、それからもう一つあるガイドライン、これはどういう関係にあるのか。これを示してほしい。

水田政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のように、この財政調整交付金の中身そのものは条例で自主的かつ主体的に決定していただくということでございますけれども、ただ、政令におきましては、例えば所得や医療費の水準に応じて配分する、そういった配分の基本的な考え方を定めることとしてございます。条例におきましては、政令を踏まえて、より具体的な配分方法を定めていただくということでございます。

 さらに、この条例を制定するに当たりまして、専門的、技術的なことも多いということでガイドラインを設けることとしておりますけれども、その内容につきましては、現在、地方三団体、それから総務省並びに厚生労働省間におきまして検討の場を設けているということでございまして、基点といたしましては、やはりガイドラインということをめぐる地方団体と関係省の間の協議ということが基点にあるというふうに考えております。

 申し上げたいのは、政令におきましては条例で定める中身の大枠を決める。具体的な内容は自主的、主体的に条例でお決めいただく。そのとき、その検討に資するようにガイドラインをつくる。そのガイドライン策定に当たりましては、それは国が一方的にお示しするというわけでなくて、まさにこれは地方分権の趣旨を踏まえて、検討の場で検討をしていくということでございます。

山口(富)委員 政令、条例、ガイドライン、それぞれの性格づけについて説明がありました。

 となりますと、大臣に確認しておきますが、施行の予定日が四月一日ですね。もう目前です。となりますと、政令、条例、ガイドライン、この準備状況がそれぞれどうなっているのか、その準備状況について大臣はどういう基本的な認識をお持ちなのか、これをお話しください。

尾辻国務大臣 まず、今お話しのガイドラインでございますけれども、これは、地方三団体、知事会、市長会、町村会でございますが、これと総務、厚生労働両省等による検討の場を設けて作成することにいたしております。そして、現在では全国知事会が中心になって、地方団体等との間で策定に向けた調整を行っていただいている、こういうことでございます。まず、どこで調整するかというお話を申し上げました。

 それで、このガイドラインの性格については、今申し上げましたように、参考資料として各都道府県での検討に資するような内容にしたいと考えておりますから、まず条例を策定していただく必要があります。それで、条例制定作業に間に合うように、市町村において都道府県調整交付金の配分に関し混乱が生じないように、できるだけ早くお示ししてまいりたいと思っております。

 この調整交付金の配分が毎年十一月でございますから、まず概算払いが十一月、確定して最後にお払いするのは年度末ですが、まず最初が十一月ですから、そうすると、その十一月に間に合うように各都道府県の条例ができていないといけませんので、そうなると、最終的には各都道府県、九月議会がありますから、九月議会で条例を定めていただくということになる。そういう逆算をしていって、それに間に合うように私どもの作業も進めなきゃいかぬ、こういうふうに思っております。

山口(富)委員 結局、秋口までに何とかしたいという構えのようですけれども、となりますと、今度の法改正の一番のかなめなんですね、都道府県負担の問題と財政調整交付金の問題は。そのかなめのところの運用の具体的なあり方が示されないまま、一体法案審議ができるのかということになるんです。

 先ほど局長は、この三つの文書のそれぞれの関係について、ガイドラインというのは、条例を制定するに際してその検討に資するものなんだというお話でした。だったら、大臣、この場に、少なくとも政令なりで大枠を定めようとしている中身を、それこそ法案審議に資するように、今お示しになったらどうですか。

水田政府参考人 事務的な事柄についてお答えしたいと思いますけれども、まず法案の、この時点で御審議いただいている点につきましては、やはり新年度においての国と地方の費用負担のあり方、これを定めておく必要があるんだろうということで御審議をお願いしているわけでございます。

 それと、中身につきましては、まさに今回の法案の特色と申しますか、地方団体との協議を入念に行う必要があるということで、現在はそういう議論をしているところであるという状況を報告させていただいたところでございます。

尾辻国務大臣 まず、法律でありますから、一番大枠のところをお示しする、基本の部分をお示しする。それから、政令で定めてと、こういうところはまさしく政令で定めさせていただきたいと思いますし、そこの部分のいろいろな御意見は、先生方の御意見もおありだろうと思いますから、十分御審議いただいて、また私どもも、先生方の御意見を踏まえて政令は作成していきたい、こういう手順にさせていただきたいと考えております。

山口(富)委員 局長の答弁も、大臣の答弁も、この問題については全く踏み込んでいないと思うんですね。

 私が申し上げましたのは、重大な制度変更なのに、それがどういうふうに運用されるかという、いわば交付のあり方ですね、それについては、ここでの一定の審議も踏まえて政令等で考えるという、いわば先送りなんですよ。私がなぜ委員会の審議に資すべき内容を出すことを求めるのかといいますと、現状の調整交付金がさまざまな問題を含んでいるからなんです。これを出す出さないは押し問答になりますから、話を先に進めますけれども。

 配付資料の二を見ていただきたいんです。今、国保の給付費の財源構成で、国と県の調整交付金が併存することに今度なるということが提案されているんですけれども、国の財政調整交付金では、これまで、普通調整交付金について不交付の保険者、市町村があったわけですね。これは厚生労働省の資料ですから。平成十五年度ですけれども、不交付になっている保険者の、市町村の一覧表です。

 それでお尋ねしたいんですけれども、この不交付の措置を今後とも続けるのか、これを一点お答え願いたい。もう一点は、新たに設けられる都道府県の財政調整交付金においても同様の不交付の市町村が生まれるのか。この二点、示してほしい。

水田政府参考人 ただいま先生からの御指摘がありましたとおり、国保財政におきましては、医療費あるいは被保険者の所得の状況にさまざま違いがある、そういうことから市町村ごとに格差が生じているという問題がございます。これらの市町村間の財政力の不均衡を調整することを目的といたしまして、現在、国の調整交付金を交付しているところでございます。

 したがいまして、被保険者の所得が高いということ等によりまして財政的に安定している市町村につきましては、結果として、財政調整交付金は交付されないという状態が生じているところでございまして、この点につきましては、今回の改正でも変更するものではございません。したがいまして、今後とも、結果として、財政力が高いということから不交付となる保険者は生じ得るというふうに考えてございます。

 一方で、都道府県の調整交付金の配分方法につきましては、先ほどから御答弁申し上げておりますように、自主的かつ主体的に決定していただくものでございますので、国の財政調整交付金が不交付となっている保険者について、この都道府県調整交付金は必ずしも不交付となるわけではないと考えてございます。

山口(富)委員 どうも最後のところがあいまいなので、もう一度局長、県の場合は不交付になるのか、そういうことが起こり得るのか、明確に答えていただきたい。

水田政府参考人 まさに県が条例でお決めになることでございますので、その可能性はあると思います。

山口(富)委員 問題は、今局長が言われた、その可能性があるということなんですよ。

 つまり、現状でも、配付資料の一枚目、戻りましてごらんいただきたいんですが、国の財政調整交付金一〇%、ここから出るものが受け取れないところがある。今度の場合はこれが九%に国はなるわけですが、そこにとどまらずに、都道府県の七%のところからも来ないという不交付団体が生まれてくる。こうなりますと、これらの保険者は、より少なくなった定率国庫負担の三四%分しか入ってこないという、一つの数字の言い方はいろいろあるにしても、そういうことになるわけですね。私はこれは激変だと思うんです、こういうのは。

 ですから、当然、単にこれは都道府県の条例でそれぞれが自主的に決めるものだということにとどまらずに、起こるべき事態の問題として、国としてどう考え、どう対応するのか、そういうことを真剣に検討すべきじゃないですか。これは大臣にお答え願いたい。

尾辻国務大臣 今のお話、確かにそういうことは起こり得るということ、局長も申し上げましたし、そうなりますと、単純な計算をしますと四十分の三十四になる、こういうことがあり得るということは否定はいたしません。ただ、激変緩和の策だとか、いろいろそういったことはまたお願いはしていきたいというふうに考えております。

山口(富)委員 先ほど局長が、この不交付の理由について、財源がある程度あるからだということを示されましたけれども、いわば、そういう自治体でも、保険者でも、国からの旧来の四〇%を考えますと、それが三四%になるわけですから、当然その穴埋めの措置としていろいろなしわ寄せが生まれてくるということを踏まえて、私はこれをよく、再検討すべきだというふうに思っているんです。

 もう一点、配付資料の三ページ目をごらんいただきたいんですが、普通調整交付金について言いますと、この三ページ目の上の表ですけれども、国保の収納率によって減額を受けている保険者がいる。平成十五年度で千五ある。これは自治体でいきますと、三千二百二が基礎数になりますから、三一・四%、三割の保険者が、国保の収納率が低いということで減額措置を受けているわけですね。

 今、国保の滞納世帯数というのは四百六十万を超えておりまして、これは、世帯でいきますと、国保関係の約二割に達する規模になっております。これはいろいろな要因があるわけですけれども、やはりその加入世帯が相対的に収入が低いこと、その上、近年の長期の不況や雇用の不安定化がありますから、さまざまな要因で滞納になっていると思うんです。ですから、私はこれは、市町村の責任に帰すべき問題にとどまらない、国としてのやはり責任があると思うんですね、改善すべき。

 それで、にもかかわらず、収納率のいかんによって調整交付金を減額するんですから、これはやはり地方から悲鳴が上がってきます。

 きょうは一つ持ってきたんですけれども、全国市議会議長会、これは昨年秋に発表した要望書ですけれども、この中でも、「普通調整交付金における保険料収納割合による減額措置を撤廃すること。」とここに大きく書いてあります。

 こういうのが、私は地方の当然の声だと思うんですけれども、まず第一は、これまでの減額措置を地方の要望に基づいてこの際撤廃すべきじゃないか。もう一点は、都道府県の今度設けられるという財政調整交付金においても、収納率のいかんによっては減額措置が起こり得るのか。この二つ、答えてほしい。

水田政府参考人 お答えいたします。

 国保制度は、まさに保険でございますので、被保険者全体の相互扶助で成り立っております。そのため、その財源となる保険料の収納を確保するということは、制度を維持していく上で極めて重要でございますので、各保険者における収納率向上のためのさまざまな努力というものは、制度の運営上必要不可欠なものであると考えております。

 各保険者がさまざまな形で収納確保に尽力されているということは承知してございますけれども、調整交付金の算定に当たりましては、やはり公平な交付金の交付という観点から、収納努力の結果に応じて評価する仕組みというものは必要であるというふうに私どもは考えてございます。もちろん、収納に当たりましては納付相談をきっちりするなど、そういった配慮は必要だと思いますけれども、この仕組み自体は私どもは必要だと考えております。

 他方、もう一つ御質問がございました、都道府県調整交付金においてどうするのかということでございます。

 これは、繰り返しになりますけれども、自主的かつ主体的に決定していただくものでございますけれども、その前提として、先ほどの御質問に対するお答えにもなるわけでありますけれども、各都道府県におきまして、県内市町村の意見を十分に踏まえてほしいということもそのプロセスとして求めたいと考えておりますので、そういった過程を経て、現実に適応した形になろうかと思います。

山口(富)委員 本題に進む前に、局長にもう一回確認したい。

 あなたは、この国民健康保険について相互扶助だと言いましたけれども、国民健康保険法のどこに相互扶助と書いてありますか。

水田政府参考人 条文上、相互扶助ということは書いてございませんけれども、制度の立て方として、まさに国民健康保険であるということから申し上げたところでございます。

山口(富)委員 この法律は、第一条に目的を明確に定めているんです。私、読み上げるのが恥ずかしいですよ、局長に対して。

 こう言っています。「この法律は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もつて社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする。」社会保障なんですよ。もちろん、保険という形をとりますから保険料を納めていただきますけれども、それを国庫で、国が支えてきたわけでしょう。

 私が今問題にしているのは、国の本来支えるべき交付金、呼び名は財政調整交付金とかいろいろありますけれども、そこのお金の使い方が収納率で左右されるというやり方はおかしい、そちらを問題にしているんです。そうじゃないんですか、大臣。

尾辻国務大臣 余りそんなところでやったりとったりしていてもしようがないと思いますけれども、社会保障、今私が申し上げようというところの部分なんですが、ちょっと先生がお触れになりましたのであえて申し上げようと思うんですけれども、社会保障そのものがやはり保険で成り立たせておるところも多いわけでありますから、そういう部分において、やはりお互いの助け合いなんだというふうに思います。ですから、先生が最初に、目的であるというふうに言われた国民健康保険法の部分と局長の答弁、必ずしもというか、別に違っているものではないんじゃないでしょうかというふうに申し上げたところでございます。

 そうした中で、収納率を調整交付金の額に、収納率の部分で調整交付金のところを増減させるというそこの話でございますけれども、やはり私ども、各市町村に保険者としてきっちり仕事をしていただきたいというふうに思っておりますから、保険者機能というところで判断させていただくところはあるというふうに思っております。

山口(富)委員 大臣は局長をかばいますけれども、二人の話は大分違いますよ。

 といいますのは、皆さん方がよく使う言葉でわかりやすく言いますと、自助、公助、共助とよくおっしゃいます。局長が言われた相互扶助というのは、いわば自助と共助なんですよ。社会保障である以上、国の役割あるいは地方自治体の役割、この公助の部分が欠けたら成り立たなくなる。ここのところを私は混乱した答弁をするなと申し上げたので、次に進みましょう。

 収納率の問題なんですけれども、ちょっと驚くべき通達が出ているんですね。ことしの二月十五日に、「収納対策緊急プランの策定等について」という随分長い文書が都道府県に出ております。

 この文書を見ますと、結局、国保の収納率が悪いから、それぞれの保険者が収納率を上げたら、いわゆる特調ですね、調整交付金を上乗せしましょう、交付しましょうというものなんですよ。具体的に数字まで出ている。大阪市は〇・〇五%アップしたら十一億円差し上げます。札幌市は〇・一%アップしたら約六・六億円差し上げます。そして、三千の全市町村の一覧表までつけて、それぞれがどういうふうに収納率が変わったらお金がどうなるのかということを挙げている。

 これは、はっきり言いまして、厚生労働省として、交付金が欲しいなら収納率を上げなさいよ、そういう通達じゃないんですか。

水田政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど来申し上げておりますように、社会保険制度を維持していく上で、収納率を維持するということは被保険者間の公平な負担という観点から極めて重要な課題でございまして、保険者における収納率確保の努力を促すために、先生御指摘のとおり、一方で収納率が一定の割合に満たない場合には普通調整交付金を減額するとともに、収納率の改善が見られた場合は特別調整交付金の交付を行っているところでございます。

 まさに、私どもとしては、やはり市町村は保険料を集める義務というものを負っておりますので、その義務を適正に果たしていただくためにこういった措置が行われているところでございます。

山口(富)委員 私の言ったことを否定されませんでしたよ。つまり、交付金を、国保を支えようとすべき交付金のあり方、これをいわば入り口にして、収納率を、下げることはないでしょう、上げる方へ持っていけとけしかけているわけですよね。

 私が先ほど申し上げましたように、今の国保の世帯をめぐる問題というのは地方自治体だけの責任に帰せない問題なんですね、経済状態全体の問題が絡んできますから。ですから、私は、国がこういう通知を出して、はっきり言って収納率対策をとにかくけしかける、言葉は多少きついかもしれませんが、そういうやり方はやはりよくない。これは地方の意見も含めて、どうやったらこの大事な国保の収納率を上げることができるのか知恵を集めるべきであって、上げたら交付金を上げますよという一方的なやり方は、これはやめていただきたい。

 それで、国保の問題では、減額措置というのはこれだけにとどまらないんですね。配付資料の三の下なんですけれども、地方単独事業、いわゆる地単事業による国庫負担影響額の推移、これは厚労省に出していただいたんですけれども、こういう表があります。

 今、都道府県の場合、そして市町村の場合は、国保や乳幼児をめぐって要求が非常に大きいですから、いろいろな独自の施策をやっています。例えば、乳幼児医療費の無料化などの独自の施策をやろうとしています。そうしますと、これは国の制度をはみ出すということで、補助金の方が減額されるわけですね。それが平成十五年度で三百八十六億九千万あるということになっているんです。

 私は、この数値を見ますと、年々減ってきているんですね。平成十一年度の四百二十億から始まって、大臣、おわかりになるように、ずっと、三十数億減っておりますね。これはやはり、私、ここには地方の悲鳴が上がると思うんですよ。やろうとしたら、やるなやるなという仕組みがあるわけですから。ですから、やはりこうしたやり方が市町村の医療行政への一つの圧迫になるというふうに私は思いますので、大臣にこれはお尋ねしたいんですが、この際、再検討して、こういうあり方の是非を含めて、私はやめるべきだという提案をいたしますが、再検討する、そういう立場をお持ちかどうか、示していただきたい。

尾辻国務大臣 今の具体的なお話だけでなくて、私どもは、十八年度に医療保険、それから、医療保険のみならず医療提供体制全体について新しい御提案をしようと思っておりますから、そうした中で、いろいろなことは考えていかなきゃいかぬなとは思っております。

 ただ、今お触れになりました部分について申し上げますと、地方単独事業というのは、それぞれ地方団体が独自に判断してやっておられるわけでございます。そうした中で、乳幼児の無料化とかいろいろなことが行われておるわけでありまして、それはそれなりに評価をいたしますけれども、ただ、医療費ということでいいますと、医療費がどうしてもそこで増大する。そのことによってまた、無料化しますと、単にその料だけじゃなくて、量そのものが、無料なら、ただならというところでふえるようなところもどうしても出てくるものですから、私どもとしてはその辺のところを調整措置を講じざるを得ないという、今のところの私どもの、調整を行っておることだけは、今そういうことでやっていますというのを申し上げたところであります。

山口(富)委員 私は、その制度にかかわる問題を検討されるなら、その中にぜひこの問題の再検討を視野に入れていただきたいと思うんです。

 先ほど、ガイドラインの問題で、今知事会を中心に努力が始まっているところだという説明がありました。この知事会の中で、国保制度の都道府県負担やガイドライン作成を担っている方が、大臣御存じのように宮城県知事の浅野さんです。

 浅野さんがこの都道府県の財政調整交付金について、こういうふうに述べられているんですね。私が今指摘したことにかかわるわけですけれども、国の政策とは反対に、乳幼児医療費助成などによる国庫負担の波及増カット分の補てんに充てたい、こういうふうに提案されています。

 そうすると、大臣、これは当然認めるわけですね、地方がそういう判断をした場合。国はカットしておりますけれども、減額していますけれども、その部分を都道府県の財政調整交付金で補てんしたいと言っているんだから、これは認めるんですね。

尾辻国務大臣 都道府県調整交付金を交付する際に、医療費の窓口における無料化を行っている市町村を評価した調整を行うことにつきましては、国の調整交付金における調整の考え方も考慮していただきたいと考えておりますけれども、最終的には、都道府県調整交付金の配分を行う都道府県が、市町村の理解を得ながら適切に御判断いただくものと考えております。地方の方の御判断だというふうに考えます。

山口(富)委員 地方がそういう判断をして構わないという答弁だと思います。当然、そういうことですね、大臣。地方が判断することなんだから、そういうことですね。はい、おうなずきになられましたから、そういうことです。

 私は、きょう質疑してまいりましたけれども、その節々にあらわれたように、名前が財政調整交付金となるわけですが、国の方の財政調整交付金と県の方の財政調整交付金が、財政調整交付金という名前はついているんだけれども、使い方や交付のあり方はおのずと違うということになったと思うんですね。例えば、減額措置についても、地方が自主的な判断で補てんするのは構わない、そういう可能性はあるんだという説明だったんですから。私、そこに今度の制度改定の一つの大きな問題が存在していると思うんです。

 この浅野知事が二月十七日に出された、いわゆる浅野私案というのがあるんですね。「国民健康保険制度改革における都道府県負担導入への対応について」、この中でこういうふうに述べられています。今度のように、いわば二本立てになる、財政調整交付金が二重構造になる、これは「市町村国保運営の不確定要因を拡大させることになる。市町村国保の安定的な運営を確保するためには、公費投入額の割合を従来どおり財政調整交付金一〇%と定率国庫負担四〇%に戻し、財政調整交付金は都道府県による交付とするよう検討すべきである。」こういう提案をされているんですが、これはいかがですか。

    〔委員長退席、北川委員長代理着席〕

水田政府参考人 その点につきましては、浅野私案ということで、私どもも聞き及んではおりますけれども、まさに今後に向けての御提案だというふうに解しております。

山口(富)委員 これは、今度の提案されている政府提案に対する重大な提案なんです、逆提案なんですよ。

 大臣、これ、検討していないんですか。

尾辻国務大臣 今私どもはこのやり方で御提案を申し上げたところでございますから、それに対するいろいろな御意見がまた出てくるんでしょうけれども、とりあえずのところでは、私どもは今御提案を申し上げておるというのが立場でございます。

山口(富)委員 では、もう一点お尋ねしますが、保険基盤安定制度なんです。

 配付資料の一枚目に戻りまして、この表の一番下の段に保険基盤安定制度というのがありまして、これのこれまでの国の負担を、都道府県の四分の三に切りかえていくわけですね。なぜ県負担増としなきゃいけないのか。

 浅野私案を見ますと、こういうふうに書かれています。「保険基盤安定制度の都道府県の負担増は、都道府県の役割や権限の強化とは無縁の、単に国庫分負担を転嫁したものであり、従来の枠組みに戻すべきである。」

 私は当事者ならではの提案だと思いますが、これはどういうふうに検討されていますか。

水田政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の国保の財政スキームの見直しに当たりまして、まさに地方団体から、国庫負担と保険料負担を均等にするという基本的な考え方を維持すべきだという意見が出されたところでございます。これを踏まえまして、市町村の国保財政の安定化における都道府県の権限、役割の強化を図るために、都道府県が公費負担と保険料負担の軽減の両面から市町村を支援することといたしまして、公費分について都道府県調整交付金を導入することとあわせまして、保険料部分につきまして、保険基盤安定制度における国庫負担の見直しを行ったところでございます。

 今般のこうした財政スキームは、まさに地方団体の御意見を踏まえつつ決定したものであるということでございまして、これを見直すということは考えておりませんし、ただいまお示しになりました浅野知事は、個人的な見解であろうかと思います。

山口(富)委員 一方で、ガイドラインをつくる途上にある、地方の知事会を初めとして、そこでの自主的な検討を尊重するんだということを言いながら、もう一方で、そういうのは、今度の制度改正はこれまで十分相談してきたんだから、そういうものにのっとっているんであって、あくまで特定の個人の私案にすぎないということを繰り返すんだから、これは私はとんでもない話だと思います。

 続けて、私は、負担金、補助金の廃止の問題に進みたいと思うんですけれども、今度の負担金、補助金の廃止の中で、都道府県が設置しております麻薬取締員、それから麻薬中毒者相談員の活動に要する費用等について、国の負担を廃止するということが提案されています。

 これは、麻薬及び向精神薬取締法というものの改正という形で出てきているわけですけれども、配付資料の四ページをごらんいただきたいんですが、これは、厚生労働省が昨年十二月にまとめた「麻薬・覚せい剤行政の概況」という割と詳しい報告書からとってきたものです。

 今、薬物乱用では覚せい剤が八割を占めておりますが、国も薬物乱用防止新五カ年戦略というのを実施している、厚生労働省も他省と連携して、学校教育、地域、家庭の場における青少年への重点的な啓発活動に取り組むというふうにしているんですけれども、事態は改善に向かっているんですか。

阿曽沼政府参考人 麻薬を取り巻く環境は依然として厳しいものがございまして、私ども厚生労働省といたしましても、関係省庁と密接に連携をとって、前向きに取り組んでいるということでございます。

山口(富)委員 前向きに取り組んでいるということですが、昨年十二月のこの報告を見る限り、配付資料にもありますように、こういうふうに書いてありますね。「青少年の間で薬物乱用に対する警戒感や抵抗感が薄れ、薬物乱用の低年齢化、薬物汚染の拡大が懸念されるなど、「第三次覚せい剤乱用期」の深刻な情勢が続いている。」

 私は、こういう深刻な情勢に対して、総理を本部長とする薬物乱用対策推進本部というのを設けておるわけですけれども、その中で、国の責任として青少年による薬物乱用の根絶を目指すということを、これは目標としてはそのとおりですよ、やってもらわなきゃ困る、これを掲げている。そのときに、なぜ麻薬取締員や麻薬中毒者相談員などの活動経費を一般財源化しなきゃならないのか。これは五カ年戦略の趣旨にも反するものじゃないかと思うんですが、いかがですか。

阿曽沼政府参考人 お答え申し上げます。

 国としては、今おっしゃいましたように、青少年の麻薬の汚染の問題というのは大変大きな問題でございますので、全力を挙げて取り組んでいるということでございます。その基本姿勢に何ら変わるものはございません。

 補助金の問題でございますけれども、御指摘いただきました麻薬取締員の補助金でございますけれども、これは、都道府県の職員が、主に医療用の麻薬の適正な流通を確保するための指導監督を行う、そういう仕事をしていただいているわけですが、この業務は半世紀以上にわたり県の職員が行っていただいております。

 今回、十分同化定着しているのではないかということもございますし、地方六団体の方からも、これは廃止していただきたいという御要望もございました。そういう事情を踏まえまして、私どもとしては今回廃止に踏み切ったということでございます。

 ただ、麻薬対策といいますのは、国、地方を通じて、国と都道府県が緊密な連携をとって実施するということが必要でございますので、麻薬取締員制度そのものは存続をさせまして、私ども国といたしましては、平成十七年度から、新たに都道府県の麻薬取締員に対する研修事業をつくるといったようなことを踏まえまして、資質の向上を図っていきたいと思っておりますし、全国的な意味での取り締まり体制の整備、あるいは医療用麻薬の適正な流通の確保等ということに十分に意を尽くしていきたいというふうに思っております。

 したがいまして、今回、こういう形の交付金、補助金が廃止されたといたしましても、取り締まり体制が弱体化をし、あるいは麻薬の全体の体制が弱体化をするということはないものと考えております。

山口(富)委員 深刻な情勢という割には随分楽観的な見方ですね。

 私が取り上げました麻薬取締員は百二十三名、これは一番直近でそう聞いておりますが、いる。それから、麻薬中毒者相談員は百四十八名いる。この人たちが一体どういう仕事をなさっているのかということなんですね。

 私は、この概況報告、これはなかなかおもしろいですから、よくまとめられたと思うんですが、読んでみました。

 そうすると、先ほど学校教育の場でやらなきゃいけないという話がありましたけれども、今、薬物乱用防止キャンペーンということで、学校で講演をやっているんですね、講演会を。薬物乱用防止に関する講演を行うなど、青少年に対する薬物乱用防止の予防啓発活動をやっている。平成十五年度の活動実績を見ますと、学校等における講演回数は六百十九回。これが多いか少ないかというのは現状から見なきゃいけないと思いますが、その六百十九回のうち、麻薬取締員のOBがやっているのが百二十六回、現職の麻薬取締員がやっているのが二百九十五回、合わせて四百二十一回あるんですよ。約七割。これだけの仕事をされているんですね。

 ところが、今度の法改正では、条文の第五十四条、これの三項で、従来は、麻薬取締官、これはいわゆる麻薬Gメンですけれども、「麻薬取締官の定数及び麻薬取締員の都道府県別の定数は、政令で定める。」ということになっていたわけですが、この麻薬取締員の都道府県別の定数を政令で定めるという部分がごっそり抜けちゃうわけです。だから、単に財政的に一般財源の方に移そうじゃないかということにとどまるだけじゃないんですよ。政令自体で定めることを外しちゃうということになったら、これはやはりゆゆしき事態が起こるんじゃないか。

 局長は何か楽観的に、同化定着という、どうも最近厚生労働省に聞くとこの言葉がはんらんしているので、私は怖いんですけれども、そういう楽観的な見方は私はとてもできないというふうに思うんですが、これはいかがですか。

阿曽沼政府参考人 私どもとしては、麻薬対策の推進というのは大変重要だと思っておりますので、今後とも、都道府県と国が連携をして麻薬対策の推進をしていくということの基本姿勢に変わりはございません。

 ただ、この麻薬取締員といいますものは、都道府県の職員で、かつ全額の人件費負担でございますので、今回の三位一体の議論の中でいいますと、やはり地方に移譲すべきものだという判断に立って、今回、補助金の廃止に踏み切ったということでございます。

 ただ、麻薬対策そのものにつきましては、あくまでも国として都道府県と連携して推進していくということに何ら変わりはございません。

山口(富)委員 昨年この委員会で児童虐待が問題になったときに、児童相談所の体制の充実が問題になりました。そのときに、担当の部門からは、これを一般財源化しちゃったら、きちんとした制度の維持が危ないということまで示されて、国の負担というものがそのまま続いているわけですね。

 ところが一方で、第三次の非常に危険な時期に入っているという情勢を見きわめながら、その一方で、国と県が一緒にやろうとやっているときに、麻薬取締員の政令条項はなくす、財源についても、いわばはっきり言いまして、どう使うかは県の責任になってくるわけですね。そういうことで大丈夫なのか。局長は繰り返し基本に変わりないと言うんですけれども、私は、とてもそんなことは言うべきじゃないし、言えないと思うんです。

 それで、もう一つの麻薬中毒者相談員なんですけれども、この概況報告を見ますと、百四十九ページなんですけれども、薬物犯罪の場合は再犯率が約半数ある、だから、観察指導対象者が再犯を行う可能性が否定できず、現在、麻薬中毒者相談員の必要性について再認識されているんだと。つまり、これは大事だぞという認識をしていると書いてあるんですよ。そういう認識をしているなら、きちんと国が責任を負ったらいいじゃないですか。大臣、いかがですか。

尾辻国務大臣 ぜひ御理解いただきたいと思うのでありますけれども、私どもが、麻薬対策、薬物対策というのが大変重要であるということは、もうそのとおりであります。そして大変危機感も持っております。ただ、そのことと、今回この三位一体の改革においてやりましたことというのは、三位一体の改革の中でやるべきことをやったというふうに御理解いただきたいと思うわけであります。

 再三申し上げておりますように、地方六団体から、これはぜひ一般財源化してほしいという要望がございました。いっぱい要望が来たうちで、私どもがなかなかこたえていないではないかといって随分おしかりをいただいているわけでありますが、その中のこの二つは、まさにもう定着しておるということで一般財源化しようというふうにしたものであります。税源移譲をして一般財源化したわけでありますから、地方において今までどおりきっちり薬物対策はしていただくということを前提にして、私どもはまた国全体でこの薬物対策を、重要でありますから、果たしていこうと。こういうふうに、ぜひ、分けて御理解いただきたいということを申し上げたわけであります。

山口(富)委員 大臣、この薬物対策については、きちんと仕事を後退させずにやっていただきたい。

 今大臣は盛んに、地方の要望だと言われました。では、一体幾らなのか。麻薬取締員費等交付金約五億円、それから麻薬等対策推進費補助金、ここに麻薬中毒者相談員が入ってくるんですが、これが一億円。合わせて六億円なんですよ。ところが、国保の方は地方から県負担を導入しろなんという要望はなかったわけでしょう。一方で要望のないことをやっておいて、そしてこういう大事な、もちろん国保も大事ですけれども、この分野に行くと今度は手のひらを返すように、いや、これは地方の要望だと。そういう答弁は、私は全く成り立たないと思うんです。

 今度のいわゆるこの三位一体にかかわる一連の改正法案が十本出ておりますが、結局これは、私は、国が本来果たすべき大事な役割の部分を後退させるものになっている。それは、きょう、国保の問題でも今申し上げました薬物対策の問題でも指摘したとおりなんです。

 最後に、もう一本の法律である介護保険法施行法の一部改正、時間が限られてまいりましたので、これに進みたいと思います。

 この法律は、大臣の提案説明にもありましたけれども、旧措置時代に特養ホームに入所された低所得者の利用者負担の軽減措置を五年間延長するものだということなんですけれども、この軽減措置の対象者のうち、私が厚労省に尋ねましたら、生活保護の被保護者、これは直近の調査で、平成十五年ですけれども、千十一人いらっしゃるということでした。

 私がきょう尋ねたいのは、配付資料の一番最後を見ていただきたいんですが、平成十五年三月三十一日に厚労省が各県に出した通知があります。「生活保護制度における小規模生活単位型特別養護老人ホーム等の取扱いについて」。私、少し略しましたけれども、この中で、一の「利用を認める場合」の中のイ、これをごらんいただきたいんです。これを見ますと、「既に小規模生活単位型特別養護老人ホームに入所している者が諸般の事情により要保護状態になった場合及び被保護者が入所中の従来型の特別養護老人ホームが小規模生活単位型特別養護老人ホームに改築・改修された場合については、原則としては転所等の指導を行う」となっています。

 これを見ますと、二つ範疇があるんですね。一つは、既に特養ホームに入っている方で、諸般の事情で要保護状態になった場合、これが一つ。もう一つは、厚労省は今切りかえていますから、ここでは従来型といっていますが、従来型に入っている方の場合でも、小規模生活単位型に改築、改修された場合は転所の指導を行うというふうになっているんです。

 一体何でこんな指導を行うのか。そして、今、現にこの指導は継続して行われているのか、これを示してほしい。

小島政府参考人 お答えいたします。

 お尋ねの通知につきましては、平成十五年四月から、介護保険制度におきまして小規模生活単位型特別養護老人ホームが創設されまして、そこにおける居住費を徴収する場合が生じることとなったことから、それに伴う生活保護制度における取り扱いを定めたものでございます。

 通知におきましては、小規模生活単位型特別養護老人ホームについては、特別養護老人ホーム全体に占める割合が当面まだ小さいこと、それから、居住に伴いまして追加の負担が求められること、そういう理由で、高齢者、とりわけ高齢の低所得者との均衡を考慮しまして、当面、被保護者の入所を原則として認めない取り扱いということにしたことでございます。

 なお、地方自治体の単独事業による免除あるいは施設が居住費を徴収しない等により保護費で対応しなくても入所が可能な場合、また、先生今おっしゃいましたように、既に入っている方が要保護状態になった場合、それから被保護者が入っていた特別養護老人ホームが改築、改修された場合、この場合につきましては、原則として保護の実施機関は他の特別養護老人ホーム等への転所等の指導を行うこととするが、転所等が行われるまでの間については入所を認めて差し支えないということとしているところでございます。

 この転所等の指導につきましては、保護の実施機関が行うことになりますが、対象となる被保護者の状況等に応じまして適切に対応されているものと考えております。

山口(富)委員 適切に対応するということなんですが、一体何人転所させたのか、示してください。

小島政府参考人 今のところ、何人転所させたかという実数を把握しておりません。

山口(富)委員 私は、この通知のやり方もひどいけれども、出しっ放しというのはもっとひどいと思う。

 つまり、原則として生活保護者は特養ホームから出ていけということなんですよ、大臣。そのことを掲げながら、しかし、それぞれの諸般の事情によっては地方がいろいろ考えることもありますよということを言っているようだけれども、実際それがどうなっているか把握もしていない。驚くべきことじゃないですか。しかも、低所得者との均衡に配慮したというんですよ。(発言する者あり)配慮していないという声がありましたよ。そのとおりです。大臣、この通知は直ちにやめるべきじゃないですか、撤回して。

尾辻国務大臣 今申し上げましたように、私どもとしては、まさに一般低所得者との均衡を保つことが重要であって、その観点からこの措置を行っているというふうに考えておるところでございます。

山口(富)委員 そんなばかな話ないですよ。だって、今度の介護保険法施行法の一部を改正する法律案で、提案説明やこの間の質疑の中で何と言ってきたのか。この軽減措置をとらなければ、現実に生活保護の世帯の方々がいる、しかもまたそれに入っちゃう場合も起こり得る、そのことを防ぐためにも五年の軽減措置を続けなきゃいけないというのが提案ですよ。

 ですから、一方では旧措置の方々について軽減措置を継続するといいながら、もう一方では生活保護世帯に対する冷たい仕打ちをやる。これは行政上、全く統一性がないじゃないですか。

尾辻国務大臣 今ここで申し上げておりますのは、私どもがよくユニットと言っておりますが、わかりやすく言いますと個室の話でございますから、今先生がもう一つの例で述べられたものとはまた性格の違う話でございます。

 もし御入り用であれば局長から詳しく答えさせますが、大きく、とにかく違う制度、違う制度といいますか違う話だということを申し上げたところであります。

山口(富)委員 時間が限られていますから。

 違う話だといいますが、特養ホームが現実にあります。それは、従来型か、いわゆる個室、ユニット型か別にしましても。そして今度は、旧措置時代の方については軽減措置を続けるわけですね。その旗を一方で掲げていながら、数年前からの通知を出していて、生活保護の場合は原則として出ていってもらうという指導をやるというわけでしょう。これはおかしいじゃないか。一方で軽減措置を図るなら、こういう生活保護者への冷たい仕打ちはやめるべきだ、それが行政として当たり前の姿じゃないかと私は言っているんです。

中村政府参考人 今先生の方から、施行法の整理の問題と、それからただいまの生活保護の政策における扱いのお話がございましたけれども、この施行法の審議の際に御指摘がありましたので改めて整理させていただきますと、旧措置入所者は六万八千人おられます。六万八千人の旧措置入所者のうち、生活保護相当の減免の対象者が四万四千人おられます。それは、年収四十二万円以下の方、月収三・五万円以下の方でございます。実際に生活保護を申請されるかどうかはその方の申請でございますから、今先生からお話がありましたように、被保護者は旧措置保護者六万八千人の中から一千人程度だ、そういうことでございます。

 私ども、これの措置を継続いたしますのは、大臣からも御答弁申し上げましたように、また四万四千人の方が月収三万五千円以下の方でございますから、この方々が特別養護老人ホームの負担ができなくて退所するようなことがあってはならない、こういうことで法律の延長をお願いしているところでございます。

 生活保護の政策の方において、一般の低所得者の方と被保護者の方の均衡のお話がありましたけれども、先生、追い出すというお話がありましたけれども、転所を指導するということで、つまり個室はなかなか認めがたいということを保護の政策で言っていることでございまして、特別養護老人ホームの中にとどまるということは可能ではないかと思っておりますので、そういった意味での一応の整合性はあるのではないかと思っております。御理解いただきたいと思います。

    〔北川委員長代理退席、委員長着席〕

山口(富)委員 全く理解できませんね。一方では原則としてとどまる可能性はあるといいながら、実態をつかんでいないのだから。そんな無責任な答弁はやるべきじゃありませんよ。

 私は、きょうこの生活保護の問題を重ねて取り上げましたのは、一方で生活保護費の国庫負担の補助率の引き下げの検討というのを国がいまだに掲げているから、そしてこういう通知も出ているから、こういう冷たい仕打ちはやめるべきだということを申し上げる事例として、改めてきょうの質疑で取り上げた次第です。

 時間が参りましたので、終わります。

鴨下委員長 次に、阿部知子君。

阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 尾辻大臣には、参議院の予算委員会も一方に控えられる中で、合間を縫っての衆参での同時の御質疑の御答弁、大変に御苦労さまです。

 私は、そうした大臣の御苦労や、また本当に心身ともの御負担を考えながら、しかし、さりながら、一番本当に今国民が知りたい、そして日本の社会が、あるいは国が姿を変えようとしている三位一体改革の問題の中、わけても医療、教育、農業の三分野での、今進行しつつある三位一体改革と言われることの先行きが見えないことの不安というのを非常に強く思います。そして、本当に大事なテーマであるゆえに、先ほどの山口委員の生活保護の問題もそうですが、国民に見える形で国会での審議を十分にしてほしい。拙速に過ぎればやはり本当の次の時代の形が見えてこないと、冒頭、非常に私は懸念を抱いております。

 と申しますのも、特に国民健康保険の地方自治体六団体から上げられた意見と、それに対して厚生労働省が六団体からの意見の問題点として指摘されたことと、これは小林委員もせんだっての委員会質疑で御指摘ですが、厚生労働省の側は、地方六団体の意見に対して、一定水準のサービスをどの地域においても格差なく保障するという国の責任が果たせなくなるという形で、ずっと国の責任ということを、例えば医療や子供の問題や、あるいは生保の問題でも念頭に置いてこられたと思うはずです。

 ところが、ある時点からすっとやぶの中に消える形で、この国保の都道府県への調整交付金という形での移譲がと申しますか移管でしょうか、行われるようになってまいりました。そして、その中身はと問えば、先ほどの山口委員の御指摘もそうですが、政令もまだ中身がよくわからない、ガイドラインはもっとわからない、何だか全く見えない中で、とにかくこの法律だけを決めましょうというお話になっているように思います。

 私は、できればきょう、国民が一番知りたい骨格的な部分について大臣の御答弁をちょうだいできればと考えておりますので、なるべく私としてもゆっくり質疑したい、そう思っております。

 そもそも、国民健康保険制度は昭和三十六年にいわゆる皆保険として成立いたしました。これは、アメリカではクリントンが国民皆保険にしたいと思いましたが成らず、今日に至ってもアメリカは皆保険の国ではないわけです。

 我が国が昭和三十六年に国民皆保険をしいたとき、しかしながらこの制度の発足当時から、やはり国保というのは地域保険、地域でそこにお住まいの方が御高齢者も含めて入られる、あるいは、当時は農業者とか第一次産業の方、あるいは自営業者などもお入りになるという形ではありましたが、しかし、制度が発足以降ずっと、やはり財政的な多難さ、あるいは制度的にもいろいろな問題を抱えていたと思います。

 尾辻大臣が、今回の改革というのは非常に大きな転換点ですので、これまで昭和三十六年から現在に至るまでの国保運営における、例えば財政基盤の安定化や制度的ないろいろな支援策等々も含めて、ずっと一度経過をたどっていただきたく、なおその中に総括の視点をお述べいただきたいと私は思います。

尾辻国務大臣 今お話しになりましたけれども、国民健康保険制度は、これまで国民皆保険を支える基盤として極めて重要な役割を果たしてきたと認識をいたしております。まさしく、私どもはこの国民皆保険は宝だと思っておりまして、これを守っていくことが極めて重要なことだというふうに思います。

 一方、今これも少しお話しになりましたけれども、国保に関しましては、被用者保険に比べて財政力が弱い等の状況にありまして、これまでも、他の医療保険制度に比べ高率の公費負担を行いますとともに、高額医療費共同事業の創設等、財政安定化のためのさまざまな取り組みが行われてきたところでございます。そしてまた、保険者としての市町村の御苦労というのは、これはもういろいろな場面で私どもも聞いておりますし、そのことはよく承知をしておるつもりでございます。

 これらの取り組みにつきましては、その時々、国保をめぐる状況に適宜適切に対応し、講じられてきたものとは考えておりますけれども、これらの累次にわたる改正にもかかわらず、さらに高齢化の進展や低所得者の増加等により、国保をめぐる状況は依然として厳しい状況にあり、広域化等を通じた国保の基盤、体力の強化を図る必要があると考えております。

 都道府県負担の今回の導入につきましては、過去においても議論されてきたところでありますが、古くは昭和五十七年にも大議論がございました。そうしたいろいろな経緯を経ておりますけれども、今般、確実な財源措置が講じられる三位一体改革にあわせて、国保の基盤、体力を強化する観点から、都道府県負担を導入することにしたところでございます。

 大きな流れの中で進むべき方向のまず一歩としてこのことをお願いしておるんだということを申し上げたところでございます。

 以上、お答えを申し上げます。

阿部委員 私自身も、その大きな流れとしてこれから県が主体になってやっていただくということに実は異論はないのです。しかし、今の大臣のお話の中だと、国がそれをハンドルしていて、つかさどっていてやれなかった部分でやり残した部分、あるいは、ここの問題点がこうであったからこれは県にお願いしてやった方がよかろうという部分、そうしたものが、国の側からの、私は総括と申しましたが、担ってきた者としての主体的な視点がいま一歩明確ではございません。

 私は、今大臣が五十七年のお話をなさいましたので、これは、昨日の二十五年の衆議院議員としての表彰を受けられました堀内光雄さんも少し述べられておられた、土光臨調のときのお話だと思います。このときにも同じように、国保の問題で給付費の一部を都道府県が負担することも制度上考えられるという答申が出されて、しかし、その後でき上がったものは、いわゆる老人保健法の制定であったと思います。これは、老人保健という形で御老人を集めて一つの財政基盤を安定させるという形で、いわば、このときは、臨調ではそう答えながら老人保健法という形での答えを出したのではないかと、私は当時国会にもいませんし、わかりませんが、これは受けとめておるわけです。

 今、そのときと違って、そのときの解決法と違って、実はもう一つ解決策があったと思います。五十九年に国民健康保険法の改正で退職者医療制度をつくった。これは、退職なさってすぐ国保に行くんじゃなくて、前のお勤めと吹き抜けで担っていただこう。いわば、国保の歴史は、いろいろな制度を本当にあれこれあれこれ考えながらの基盤充実でもあったと思います。

 そうした中で、今回のこの改正がやはりそういう道、例えばそれは高齢者医療制度の道なのか、そうであれば、そのことがもう少し見えてからでないと論議がぐちゃぐちゃになるというか、見えなくなると私は思うのです。それが今混乱の大きな、国民側から見てもわからない、国会審議を聞いてもわからない、あるいは地方六団体と厚生省が話してもよくわからないという形になっていると思います。

 私は、申しわけないことに、尾辻大臣がこの土光臨調のころおられたかどうか知らないのですが、そのころと比べても余りにも骨格的論議がないんじゃないかと思いますが、現在大臣は、再度伺います、これを地方に任せる、地方をいわば主体となさるというお考えに際して、国側として本当にどのような総括をしていられるのか。もう一度お願いします。

尾辻国務大臣 大きな流れでいいますと、いつも申し上げておりますように、平成十八年度に私どもは医療提供体制、医療保険、新しい御提案をさせていただこうというふうに思っておりますから、そうした中でまたいろいろな御議論をいただきたいというふうにも思いますし、今先生お話しになりましたように、国民健康保険、国保を考えますときに、老人医療をどうするのか。これはもう避けて通れないといいますよりも、むしろ表裏一体と言ってもいいような課題でありますから、そうした答えをどう出すかというようなことにも大きくかかわってくる話だというふうに思います。

 一番大きな流れでいいますとそのとおりでありますが、今差し当たっての、今回御提案申し上げた国と地方との関係の部分で申し上げますと、医療計画をつくっていただくというのは都道府県単位であります。したがって、その医療計画をつくっていただく都道府県単位で医療をもう一回よく考えていただく、このことは基本的に必要なことだと思っておりまして、その考え方の中でぜひ都道府県にそれなりの役割を演じていただこうということを考えたのが、今回具体的に御提案申し上げていることの基本的な考え方の部分だということだけを申し上げておきたいと存じます。

阿部委員 医療計画の点は後ほどさらに御質疑をさせていただきたいですが、私が今伺いたかったのは、大臣のお手元にも配らせていただきましたが、「国保被保険者の年齢構成の年次推移」と、「世帯主の職業別世帯数構成割合の年次推移」という上下二つの棒グラフを、まず御参考にちょっと御一緒に見ていただきたいと思います。昭和五十七年は、先ほどの土光臨調に関係する時代のデータでありますし、平成十四年は直近ですから、現在私たちが立たされているものと近いと思います。

 昭和五十七年当時、まず国保被保険者の年齢構成を申しませば、いわゆる六十歳以上の方は二二・七、そして下の世帯主の職業別というところでいきますと、第一次産業の方もまだ一四・三、自営業が三一・六、無職は一七・四でございました。この時代に、先ほど大臣も御答弁くださいましたが、一度、都道府県を保険者にしてはどうかという答申があったが、さりながら、いわゆる高齢社会がもう見えておりましたから、この時期に老人保健制度という形での解決を図られました。

 現在、ごらんいただきたいのですが、平成十四年度ですが、これは何と六十歳以上の方は四六・五%、五十七年に比べても比率は二倍にふえておりますが、それ以外にも平成十四年度で大変に深刻でございますのは、下のグラフにございます無職。もちろん御高齢であれば無職でございますが、高齢者率よりもさらに高く、無職という形で、棒グラフの一番上、無職者五一・〇。

 これは、今、失業率がやや改善したといっても国保の加入者の半分は職がない、働けない、働いていないという状態で、この時代に見合った制度改革として何をすれば、私は地方への移譲はあっていいと思いますが、そのときに国として、こういう就労構造と申しますか被保険者の増、これを把握した上での地方との取り組み、どのように財政の調整をしていくかというときにも、非常に重要になってくると思います。

 私は、現在の国民健康保険に課せられた三重苦は、不安定雇用と高齢化と、そしてさらに、その不安定な雇用・就労形態からまたそこには労災を初めとして病も多発するという、病気、不安定雇用そして高齢化、三重苦の中で今私たちは立っておって、これを地方にお願いするわけであります。大臣としては、少なくとも、先ほど来何度も申しました、どのような形で、五十七年度より三倍に増加したこの苦労を地方にお願いするときに、お考えの骨格を問わせていただきたいと思います。

尾辻国務大臣 現在の状況についての認識は一致をいたしております。

 改めて、今先生がお述べになりました数字を私どもなりに申し上げますと、国保に入っておられる被保険者の平均年齢でいいましても、平成二年と平成十三年を比較いたしますだけで、四十六・三歳から五十二・五歳に上がっております。老人の加入率も一六・九%から二七%に上がっておる。それから、無所得の、所得のない世帯の割合が一九・二%から二五・六%に上がっておる。先生がいろいろお述べになりました、そのとおりの状況にございます。

 そういう状況の中、すなわち高齢化の進展、低所得者の増加等といった状況にありますし、また、国民健康保険には、小規模であるがゆえに、財政運営が不安定となるとともに、事務処理体制も脆弱となっております。すなわち、保険者機能の発揮が十分できない保険者がかなりあるということでございます。

 こうしたことから、まずは保険運営の広域化、これが一つのポイントだと思いますけれども、保険運営の広域化を通じた財政の安定化と医療費の適正化を進め、国保の基盤、体力の強化を図る必要があると考えております。そして、事務処理体制を整備し、保険事業の推進や保険料徴収の充実など保険者機能を強化する、これがまた大きなポイントになるわけでありますけれども、保険者機能の強化ということが課題であるというふうに考えております。

 今回の改革をもってすべての構造的な問題が解決されるとはとても思いませんけれども、まずは国保の基盤、体力の強化を図る上で、その第一歩として、今般、都道府県に財政調整機能の権限を移譲し、都道府県が保険運営の広域化や医療費の適正化に当たって主体的に取り組み、都道府県が国の支援とあわせて重層的に市町村を支援することにしたということでございます。

阿部委員 本来、広域化、あるいは都道府県が保険者としての役割を果たせるようなことへの取り組みというのは非常に大事だと思うのですが、しかしながら、不幸なことに、この国民健康保険における都道府県の役割というのは、発足当時からずっといろいろ論議はされながら、しかしまだ現実には私はほとんど進んでいないのではないかと思うわけです。広域化という一点をとっても、実は言うほどうまくいっていないのじゃないかと。

 局長で結構ですので、そのあたりはどうお考えか。広域化は当初厚生省の目指したゴールにどの程度、今何点行っているのか、到達点はどこであるのか、お願いします。

水田政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘の広域化についての目標という数量的なものは持っておりませんけれども、医療費の適正化に適合した保険者としてのあり方を考えますと、当面は二次医療圏を単位とするものに再編統合していっていただきたいと私どもとしては考えているところでございます。

 現実の進捗といたしましては、一方で市町村の合併の問題がございますので、国保そのものではございませんけれども、結果として広域化は相当程度進展しているというふうに思っております。

阿部委員 それはちょっと数値をお出しいただきたいと思いますし、印象だけでは語れないと思いますし、今おっしゃった医療費の適正化というのは、例えば、変な話ですが、先ほども山口委員がお取り上げですが、保険料収入の収納率の悪いところにはペナルティーを科してやっているような状況の中で、何だか言っていることとやっていることとばらばら、本当にひどいなと私は思っています。

 そして、二次医療圏の問題は後ほど伺いたいと思いますが、私は先ほどの質疑を伺いながらも、国が県に調整交付をお願いするに当たっては、やはりまだ国と県のしっかりした歴史的関係の見直しがなされていないし、県がそれを受け入れるときに、先ほどの浅野さんの御意見も開陳されていましたが、もっと胸襟を開いて、それは一人の知事の意見ですとか言っていないで、本当にこれは命をお任せするんですから、厚生労働省としても、自分たちのやれたこと、やれなかったこと、そして知事たちがこれから受けとめるボールの重み、そしてどうであれば、国がどんな支援策をほかにとれば事がうまくいくのかということを私はしっかり考えていただきたい。

 というのは、私はずっとこの間取り上げてきたのは、現在の医療の三重苦の一つの、高齢化というのは継続状況ですが、やはり雇用の不安定化、失業状態、そして今また産業構造もこの時期に変わろうとしています。そういう中で、実は医療給付の高い県は失業率が高い県だというお話もずっとしてまいりましたし、それは同時に生活保護の保護率が高い県であり、児童扶養手当の受給世帯数の有子世帯に対する比率が高い、みんな集まっているわけです。県の格差が本当に見える形で出てきている時期に、単に医療という、医療は入り口、そして大事な出口と申しますか、しかし、そのことを勘案するに、幾つものファクターをきっちりと押さえて、本当に命をお任せできるような体制をつくらないと深刻になるという認識です。

 大臣、本当に何度もで恐縮ですが、就労状況、ちなみに、それは所得で例えば調整交付金のあり方を考えるということかもしれませんが、私もこの間ずっと地方の姿ということを勉強していて、すごく大きな驚きだったんですが、一八九三年、これはまだ多摩区が東京都に一緒になる前には、国民所得の一番の県は新潟県でした。新潟が米どころで、国民所得も非常に、人口も高く所得も高い。ただ、そういう産業状況と非常にリンクして所得や人口状況もあるというところで、今、国は姿を変え、地方も姿を変え、また仕事も姿を変えていますので、ぜひ医療政策を考える場合に、仕事、就労、失業、そういう問題をきっちりと都道府県の状況を見てやっていただきたいと思うが、御答弁をお願いいたします。

尾辻国務大臣 まず、しっかりと都道府県の状況を見るということについては、全くそのとおりに思います。

 そこで、先生の御趣旨とちょうど反対側からまずは物を言うことになるのかもしれませんけれども、よく言われます老人医療費、平均が一人当たり七十五万、高いところはそれにプラス十五万、低いところはそれから十五万引く、プラスマイナス十五万の関係になる。やはり、こうした都道府県ごとの格差が非常に大きいということをまず私どもはどうするかという大きな課題を抱えておるというふうに思うわけでございます。それを取り巻く環境をどう判断するかというのが今の先生の御趣旨だと思いますから、これはまたそうした中で私ども、今後の医療保険制度、医療提供体制を、答えを出していきたいというふうに思うわけでございます。

 それから、就労率のお話もありましたけれども、そのことについて申し上げますと、就労率そのものは国保財政と直接関係があるわけではございませんので、それで財政調整というわけにはいかないと思いますけれども、当然その裏返しに所得状況がございますから、その所得状況は都道府県による財政調整を行う際に参考にすべき要素の一つになると思いますし、申し上げておりますことは、いろいろな要素をしっかり見ながら、今後の医療提供体制、医療保険制度を考えますということを申し上げたところでございます。

阿部委員 では、最後になるかもしれませんが、その医療提供体制ということについていえば、これも一九八五年の審議の中で、医療計画というものを各都道府県にお立ていただくということが決められまして、そして二十年が立ちました。

 私は、大臣が二月二十二日の本会議での御答弁で、当面は、国保について、二次医療圏の区域を基本として、都道府県内の医療費格差が大きくない状況にあれば、都道府県を単位に再編統合を行うことが適当であると考えておるという御答弁がありましたが、この場合の医療費格差とは、単に医療給付の格差、さっきおっしゃった七十五万を中心に上下というようなお金の出の格差じゃなくて、私は当然、医療提供の、提供されている医療の格差という問題も勘案していただかねばならないと思っております。

 そこで、果たして、医療計画施行二十年、地方はどのような形でこの医療提供体制ということを対象化、見える形にし、今どんな課題を抱えておるか、これについて西副大臣にお願いいたします。

西副大臣 お答え申し上げます。

 医療提供体制の現状と課題ということで御質問いただきました。

 各都道府県が医療を提供する体制を確保するという計画を定めておりますが、おっしゃられますように、昭和六十年から創設されたものでございます。

 今までは、これは各都道府県において、一つは病院の病床の整備を図るという意味で医療圏をまず定めまして、そしてどうするかということを議論していただきまして、そして、その医療圏の中で必要とする病床数はどれだけか、こういうことが主な目的、いわば医療のそれぞれの地域の量を重点に、医療供給体制の確保ということで議論をいただきましたが、これにつきましては、ほぼ達成されたというふうに見ております。

 一方で、これからの医療供給体制につきましては、これは医療機能の分化を推進していく、また、予防から治療、そして在宅での療養という多様な医療ニーズにいかにこたえるか、いわば質にかかわる問題でございまして、安全な医療サービスをいかに効率よく提供していくかということが課題になると思います。

 例えば、個別の問題で申し上げますと、小児救急医療をいかに充実していくかというような、このことによって、お子さんをお持ちの御家庭が安心して暮らせる環境をつくる、こういうことなどでございます。また、無医村をこれからどう解消していくか、また、僻地の保健医療体制をどう推進していくか、こういうことを通じて、国民もしくは患者の皆さんが安心して治療を受けられる環境をつくっていくというのが、今後の大きな課題だというふうに承知をしております。

阿部委員 量であるか質であるかという表現は、私は、例えば現在起こっていることは、地域の中核病院が非常に疲弊して、麻酔医がいない、お産ができない、小児科もいないと。それは、量的な不足であり、なおかつ質的なものにも結びつくと思います。

 このあたりも、ぜひ大臣には、医療格差ということの中身に医療の内容、提供されるサービスの内容も含むという御答弁を最後にいただいて、終わりにしたいと思います。

尾辻国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、十八年度に御提案申し上げようと思っております新しい医療提供体制に対する私どもの考え方、この中には、しっかりそうしたものは取り入れてまいります。

阿部委員 ありがとうございます。

鴨下委員長 次に、大島敦君。

大島(敦)委員 民主党の大島でございます。

 きょうの午前中の山口委員、そして先ほどの阿部委員の御質疑を聞きながら、若干そのことについて関連的な質問をさせてください。

 私も、大臣の所信に関して御質問させていただいたときに、今回の財政調整交付金のあり方について何点かお聞きをさせていただきました。そのときには、財政調整交付金について、国としては一応県の方にはガイドラインを設ける、それで県の方で条例で決めていただいて、各市町村の方にどうやって配分していくか、交付していくかを決めるというお話で、基本的には県の方が自由度はあるんですよと。では、ガイドラインは無視しても構わないんですよというところまで言われたのかなと私は理解しているんですけれども、まず、その点についてちょっと確認をさせてください。

尾辻国務大臣 再三申し上げておりますように、ガイドラインは参考資料にしていただくものという、私どもは参考資料というふうに申し上げておりますから、その言葉で御理解をいただきますように、まさしく参考資料なんですというふうに御理解いただきますように、改めて申し上げます。

大島(敦)委員 やはり、今までの国のあり方なんですけれども、国として財政調整交付金あるいは定率国庫負担を持っているということは、国として、日本国民、国民の健康に関してしっかり責任を持っていくというあらわれだったと私は思うんです。そこには、要は義務も生じるわけですから、物事を言えるという権利もあるわけなんです。

 今回の県の財政調整交付金については、私が知事だったら、非常にありがたいなと思うんです、もしもそれが自由に使えるんだと。そうすると、いろいろと自分の考えの中でめり張りをつけながらというのもあるかとは思うんですけれども、それに対する義務というのが県の方にあるのかなと思うんです。やはりそれは、お金を、要は国の方から財源を移譲されて、そして自分の方で自由に各市町村に対して交付をできるということは、非常にありがたい反面、そこに対する義務について、県の方の義務というのは何があるのかなと自分は思うんですけれども、その点について、大臣のお考えはいかがでしょうか。

尾辻国務大臣 基本的に申し上げますと、今回のことで私どもが配慮いたしましたことは、よく言われる、国が地方に対してはしの上げおろしまで言ってくるじゃないか、そういうものをできるだけ地方の裁量でやっていただけるようにするということを考えたわけでございまして、今のこの調整交付金の話もそうでございます。都道府県が御自身の判断で調整をしていただく、そういうふうに考えたところでございまして、では、その裏返しに責任を何か求めるかというと、私どもはまず考えましたのは、裁量の部分を大きくするということを考えておりますから、余りその裏返しの責任という部分について考えておりませんということをまずお答え申し上げます。

大島(敦)委員 そこのところが、今の大臣の御発言のところが、たびたび、私どもの山花議員あるいは先ほどの山口議員、阿部議員が発言した中で、のみ込めないところがあるのかなと私は思っているんです。

 やはり、県として自分の裁量で財政調整交付金を各市町村に、箇所づけというんですか、配分していくわけですから、それに関しては一定のルールがあるとともに、多少、それに対して濃淡が出てくるわけなんです。それに対して、私がもしも市町村側でしたら、県の方でそのように決めていただくなら、県の方である程度、例えば市長だったら、私たちの市のところの住民の健康管理についても応分の責任を負ってくれという発言は、市町村側としては県の方にはしたいなと思うんですよ。

 ですから、ここのところで、今の議論の中でたびたび出てきました、今回のその議論については、国の社会保障審議会の医療保険部会でずっと議論がされていて、その議論を飛び越えて今回という、多分、大臣も何回も質問を受けているかと思うんですけれども、そのように、しっかりとした議論ができなくて、大臣も御発言されていました、三兆円とか数字ありきでここの部分ということになってしまったので、そこのところは優秀な役所の方がうまくつじつまを合わせながらこのように落としてきたとは思うんですけれども。

 ただ、そこのところの、責任のところなんですよ。やはり県として、国のあり方として、多分来年の通常国会は、テーマとしては医療制度がテーマになるかと思うんです。保険者の役割をどうするのか、政管健保の問題あるいは国保の問題について保険者の機能をどうするのか、あるいは組合健保をどうするのかという議論が、多分来年はこの場で行われると思うんです。

 そうすると、今回のこの措置というのは暫定的なものだ、来年もう一回全体的な話をするんだから今回は仮置きの数字でいいのかな、私はそういうふうに考えてもいいのかなと思うんですけれども、その点についてはどうお考えでしょうか。

尾辻国務大臣 ちょっとかみ合わないお答えになるのかなと思いつつお答えを申し上げるんですけれども、私どもは、都道府県にそもそも責任があるんじゃないですかということをまず言っておるわけであります。

 そもそも責任があるんじゃないですかというのは、先ほど来お答えしていますように、医療計画というのは都道府県がおつくりになるわけだから、そこにまず基本的に責任がありますよねということを言っておるわけでありますので、責任の話でいいますと、何かそっちを私どもが先に言いますと、今の先生が求めておられる責任の話とちょっとかみ合わないのかなとも思いつつ、私どもは、まず責任という話でいうと、そう思って今度の調整交付金の組み立てをしましたということでございます。

大島(敦)委員 今の大臣の御答弁にありましたとおり、県の方でも医療計画をつくり、県全体の医療をどうするかということの計画をつくられて実施はされておるんですけれども、それは全体の話でございまして、県内での医療保険者は、国民健康保険だけではなくて組合健保の方もいらっしゃるし、さまざまな保険者がいらっしゃるわけなんです。

 今回、特に財政調整交付金を要は県が自分の裁量で交付するということは、やはり国が県として保険者としての機能を持たせたいのか、あるいは、もう持っているという認識をしていいのかというところだと思うんですよ。ですから、県が保険者として今後ともしっかりと県全体の、多分来年の医療制度改革の中で、県が保険者になるのか、あるいは市町村ごとに事務組合をつくって広域な保険者をつくり、それの集合体として連合体をつくって、それを県がしっかり管理監督していくとか、いろいろなアイデアが出てくると思うんですけれども、今回の改正案については、ある程度県が保険者としてのしっかりとした責任を持ってやっていただきたいという国の意思があるのかなと思うんですけれども、いかがでしょうか。

尾辻国務大臣 これは、今、政管健保の保険者の話まで含めていろいろな御議論が始まっておるところでありますから、私が先走って何か申し上げるのは、この場は控えさせていただきたいと思います。

 ただ、今先生のお話の中で、まずは言えることは、各市町村が保険者になっている、この基盤強化だけはきっちりしてもらわなきゃいけない、まずしておいてもらわなきゃいけない。その次にどう展開するにせよ、とにかくそこのところはまずやってほしい。そして、そのことについて、都道府県にそこをしっかり責任を持ってやっていただきたいということを言っておるつもりでございます。それから先の話はこれからのいろいろな御議論があるだろうというふうに思っております。

大島(敦)委員 ここのところは大臣も非常に答弁しづらいところだとは推察をしているわけなんですよ。踏み込んだ発言をすると今後のあり方が変わってきてしまいますから、保険者とはなかなか言えないとは思うんですけれども、やはり今回のこのあり方、五千億円という金額ですから、結構な金額を県の自由な裁量にお任せするというところで、もしも任せるんだったら、やはり保険者としてのしっかりとした機能を持ってもらって、自覚を持ってもらうということが必要なのかなと。

 多分、県の職員の皆さんも、今まで国保のことは事務としてやってきた経験がないのでよくわからないというのが実情だと思うんです。それは国の方からは、いや、市町村の人たちがよくわかっているから、そこを束ねている県だから、束ねればわかるわけだからということも言えるかもしれないんだけれども、それはちょっと乱暴な意見でして、県も初めて自分が配分するに当たって、ちょっと全然違う仕事で、責任は重い仕事をされるわけですから、これがガイドラインとして自由裁量を任せるんだったら、保険者としてしっかり自覚を持ってもらいたいと私は思うんです。さもなければ、ガイドラインじゃなくてしっかりとした、細かく、今までの国がやっている財政調整交付金と同じロジックで配分をして、一応急場はしのいでいく、それで来年の制度改正の中でしっかりとした議論をするという暫定的な措置に持っていった方が無難かもしれないわけなんですよ。

 今回の中で、例えば保険基盤安定制度に関しては、これは全く国の配分方法と同じ交付の割合で、それを県を通してお渡しするということにしていますから、これは全く県の自由裁量の余地はないわけです。

 そうすると、県の財政調整交付金についても二つあると思うんです。一つは、自由度を任せるかわりに、しっかり責任を持って、来年の医療制度改革の中でも県が主体的に国保についてやっていくんだという意気込みを県に示してもらうか。あるいは、一年間の暫定的な措置だから、国のガイドラインというのは自由にやっていいと言っているんだけれども、自由にやったら後に責任を負わされちゃ困るから、今までどおり国と同じような配分でやっていくのか。この二つだと思うんですよ。

 それについて、大臣の方は、総論としては、県に対して自由な裁量の幅をずっと持たせて自由にやっていいですよと言っていて、それに対する意識の問題、今後県の医療に対して、国保に対して自分たちがちゃんと責任を持っていくんだというふうに考えた方がいいのか、あるいは、暫定的な措置だから、一年間今までどおりやっておいて、来年の議論を踏まえて再来年ぐらいから自由な幅を持たせた方がいいかなという、多分国としても本音のところはあると思うんですよ。

 多分、国と県との間の議論というのが、本音の部分だと僕はそういうふうに受け取れるんですけれども、その辺いかがなんでしょうか。大臣としてはどちらの方がいいと思っているのかというところを伺いたいんですけれども。

尾辻国務大臣 これは、申し上げておりますように、大きな流れの第一歩と、これはもう本音でもそう思っておりまして、まずその第一歩の姿をお示ししたというふうに思っております。

 ですから、本音でどう思っているんだというお話でありますが、これは正直に申し上げて、本音で、大きな流れの第一歩を今やらせていただいている、この後また大きな流れの中でいろいろ次々に制度をつくり上げていかなきゃいけないというふうに思っておりますということをお答え申し上げます。

大島(敦)委員 なかなか大臣としても答えにくいかとは思うんですけれども。

 そうしますと、大臣の本音として大きな一歩ということは、県として、県の方で自覚をしなければいけないのは、ガイドラインがあって自由に裁量を任されているわけだから、自由になるということは県としては応分の責任は今後負担していただきますよ、そういう理解でよろしいでしょうか。

尾辻国務大臣 これは先ほど来申し上げておりますけれども、今回の措置というのは、したがいまして、大きな流れの一歩というふうに申し上げておりますから、まさしく恒久的措置であるというふうに御理解をいただきたい。決してその場しのぎのようなものではないという、大きな流れの第一歩でありますから、恒久的な措置だというふうに位置づけていただきたい。

 その中で、都道府県には、市町村国保の安定化のための役割をぜひ担っていただきたい。まさしく基盤の安定ということ、これはもう都道府県の大きな責任だと私ども思っておりますから、その都道府県の責任だけはしっかり果たしていただきたいというふうに考えております。

大島(敦)委員 その都道府県の責任なんですけれども、大臣がおっしゃることはよくわかるんですよ。ただ、国の方として、責任を持ってくれと都道府県に言っても、なかなか、財源はありがたいんだけれども責任の方はと多分とらえてしまいがちなんですよ。そうすると、立場として、保険者としてしっかり今後とも機能していただくんだから、その下準備をしなさいという方向が示されると、県としても、大変だな、やはり今後はいろいろな、自分のところの市町村の個々の健康管理について主体的に県が取り組んでいかないといけないし、また、いろいろな施策とかも積極的に出さなくちゃいけないなということになってくると思うんですよ。

 それで、県の方も、今までの医療計画は、いろいろな医療計画を、個々の市町村から上がってきたものを束ねているという側面もあるかと思うんです。そうじゃなくて、県がオーナーとして、しっかりとした医療計画を逆に今度は市町村に対して指導していくというような、役割が変わってくることになってくるのかなと思うんですけれども、その点について、やはり私としては、保険者の機能、保険者ということについて県がこれからどんな形にせよしっかりやっていくというところを国として方向を示しておかないと、なかなか御理解いただけないところもあるのかなと危惧するんです。

 その点について、大臣が、じゃ、県は今後とも保険者の方としてやっていただくんだと言っていただくと、県の方も多分びっくりしてしまって、じゃ、大変なことだな、財源だけ来るんじゃなくて責任もしっかり来るわけだから、しっかりやらないといけないなというふうになると思うんですよ。そこのところ、いかがでしょうか。

尾辻国務大臣 今、市町村が保険者になっております国保、これが、市町村単位で保険者でやっていくという、これはもう無理が来ているというのはもうほとんどの皆さんの御認識だろうと思いますから、この場で私から申し上げてもいいことだというふうに思います。

 そうなると、当然その先に広域化がございます。どういう広域化をするかということになるわけでありまして、それがどうなるかというのは、私どもも、また御議論をいただきながら、十八年度には答えを出しますと申し上げておりますように、出すつもりでありますけれども、そうしたことを広く都道府県の皆さんも視野に入れていただくと、やはり自分たちの責任がかなり重くなるなというのは御認識いただけるのではないかというふうに考えます。

大島(敦)委員 なかなか大臣も苦慮されているとは思うんですよ。あうんの呼吸で理解はするんですけれども、やはり明確な答弁として、今後、県としては、財源ももらうんだけれども、しっかりとした責任も発生するんだよと。

 今後、ひょっとして、多分、恐らく国の財政調整交付金の残りの部分も県に僕は移管していくことになると思うんです。国庫負担金もそうかもしれない。今回の七%ではなくて、将来的にはこの財源のほぼ全部を県の方に移管していく考え方に立つとすれば、今回、最初が肝心だと思うんですよ、何事も。この七%の五千億円の使い方について、最初から県がどういうふうに取り組むかということが、県の要は責任の自覚の仕方のまず第一歩に始まると思うものですから。

 そこで、やはり一定の方向性、やはり県の方は保険者として、あるいは連合体のトップとして、自分のところの健康保険の財源とかについてはしっかりやってほしいということを大臣も示されると、いや、確かにありがたいお金なんだけれども、結構責任もあるから、これからは積極的に各市町村の健康管理とかについて勉強して、県の方も口を出しながら、県全体としての、あるいは広域でのレベルアップをどうやって、財政が厳しい中、健康保険料はなかなか厳しいですから、どんどん高齢化が進めば医療費の方は上がっていく、それをどうやってうまく調和させるかというのが広域で取り組む県の仕事だと私は思っているんですけれども、そのあり方について、大臣のお考えをもう少し具体的に述べていただけるとありがたいんですけれども。

尾辻国務大臣 財源も移譲されたわけでありますから当然都道府県に責任がありますよね、こういう言い方をすると、それは先生が今までお述べになってきたことでいえば、精神論だろう、そんなもので本気になってやるかどうかというのは別なことだろうときっとおっしゃるんだろうと思います。

 もう少し本気になってやるような物言いを少ししろよ、こう言っていただいておること、大変ありがたくもあるんですが、今の、これから議論が始まろうというところで私が申し上げられることは限界があることは御理解いただきたいと思います。

 ただ、そうした中で、言えることの一つは、都道府県を保険者にしようという御意見もありますよねと、それはもう意見があることは事実でありますから、そうした意見もありますよねと。そうしたいろいろな御意見を聞いて私どもは答えを出していくつもりでありますから、どういう事態になっても都道府県はしっかり対応していただきますように備えてください、そこまでは申し上げられると思いますので、申し上げたいと存じます。

大島(敦)委員 そうしますと、私の理解では、今後の議論の進め方の中では県の方も保険者になる可能性も多分にあると。ですから、県の理解としては、自分がそうなる立場も想定しながら今回の財政調整交付金の扱いについては慎重にやっていただきたいというのが大臣のお考えだと理解してよろしいでしょうか。

尾辻国務大臣 もう何回も申し上げますが、都道府県が保険者になるとかならぬとかというのは今後の御議論でありまして、今私が申し上げることではありません。ただ、どういう事態になっても困らないようにきっちり備えていただきたい、それを都道府県にはやはりお願いしたいというふうに思います。

大島(敦)委員 ありがとうございました。

 なかなか、やはりこの健康保険の問題というのは、特に社会保障制度、私が国会議員になったのも、もともと社会保障制度をやりたくて、一回目、会社をやめて保険会社に行って、今その延長上でこういう取り組みをしているものですから。特に、日本の社会保障制度、医療制度は、僕は世界で一番いいかとは思っているんです。問題は多いんですけれども、これだけ安心して医療というサービスを受けられる国は私は少ないなと思っていまして、そのことがまだよく理解されていない面も国民の中であるのかなとは思うんです。

 ですから、丁寧に、私たちの最後の、これが崩れると我が国は本当に殺伐とした国になるものですから、お金のあるなしによって命が延びたり縮んだりする社会というのは非常によくない社会なんです、犯罪の発生率もふえてきますし。この医療というここのところ、医療の分野をしっかり保たないと我が国の秩序は保てないなと思っている人間なんです。ですから、そこのところは与野党ともに、大臣も含めて、厚生労働委員の皆さんは同じことだと思いますので、ぜひ取り組んでいってほしいなと思います。

 では、次の質問に移ります。次の質問は、今度は非常に細かい質問からしていきたいと思うんです。

 地域介護・福祉空間整備等交付金なんですけれども、それについて、まずは、財源規模がこれは八百六十六億円だと思うんですけれども、それでよろしいでしょうか。

中村政府参考人 ただいま先生からお話のありましたとおりでございまして、平成十七年度予算案に八百六十六億円を計上いたしております。

大島(敦)委員 この地域介護・福祉空間交付金、これはなかなか使い勝手がよさそうなんですけれども、これについて、さまざまな施設に対して、県あるいは市町村の施設に対して交付していく。この八百六十六億円の県と市町村に対する枠というのはあるんでしょうか。

中村政府参考人 先生、せっかくでございますから、お答えをさせていただきます前に、この交付金を入れました経過につきまして、よりどころといたしました考え方についてちょっと御説明をさせていただきます。

 これは昨年の七月三十日に社会保障審議会の介護保険部会の意見書で書かれているわけですが、何を考えたかというと「「高齢期になっても、住み慣れた地域で人生を送る」これは、多くの人々に共通する願い」だとその審議会の意見書は言っております。そのためには介護が重要で、「超高齢社会では、たとえ独居の高齢者が介護が必要となっても、それまでの生活を継続できるような社会を実現することが大きな課題」「その鍵を握るのは「地域」の有り様」で、「高齢者の自立した生活を支えることができる「地域ケア」」が可能であれば、高齢者の方が要介護になっても支えられる、こういうことでございます。

 それで、地域を支える基盤としては、地域はコミュニティーであって、単に福祉や医療関連の施設でなく、住まいや他の公共機関、そういったもののネットワークが大事だ、そのために「基盤整備においても従来のような個々の施設に対する「点の整備」ではなく、身近な生活圏域において様々なサービス拠点が連携する「面の整備」が求められる。また、地域住民が公共サービスを含めた様々なサービスの担い手として参加し、コミュニティの再生や新たな公共空間の形成に積極的な役割を果たすこと」が求められる。

 こういう意見書に基づきまして、それでは施設の整備についてはどういう枠組みがよろしいのか。いろいろ、施設整備につきましては地方自治体の御意見もありますので、そこを踏まえて、今回の交付金の制度をつくったものでございます。

 したがいまして、この交付金の枠としまして、従来、施設整備費は都道府県を通じてということで、都道府県経由一本でございましたけれども、先生御指摘ございましたように、市町村の交付金と都道府県の交付金を用意いたしております。広域型の施設は都道府県の交付金、それから小規模なサービス拠点は、市町村が介護保険の保険者でございますし、高齢者介護サービスは市町村の責任でやっていただくというのが平成二年以来の法律上の整理でございますので、市町村の方の施設整備も認めていく、こういう形でございます。

 枠につきましては、今八百六十六億円の財源の中で、あらかじめ配分をどうするということを決めているわけではございません。

大島(敦)委員 県に対する交付金については従来どおりの色彩が強いかなと思っていまして、市町村に対する交付金は、これは多分新しい取り組みかなと思っているのです。

 市町村に対する交付金の中で、さまざまなメニューがありまして、介護予防拠点とか地域包括支援センター、生活支援ハウス、高齢者の在宅生活を支えるための基盤形成とか、いろいろなメニューがありまして、具体的なイメージづくりなのですけれども、これは、具体的なイメージとしては、例えば町があって、町の中の商店街で、今なかなか、大手の大店舗にお客をとられていますから、空き店舗が多い。その空き店舗を使いながら、今言われました介護予防拠点を地域の中学校区ごとに、一つのアイデアをつくって、お年寄りがそこに集まっていただいて、介護予防、どんな予防をするのかというのは、またそれはいろいろとメニューがあると思うのですけれども、それをつくって、それに対して国が直接、事業主体に対して交付金を手渡していくということだと思うのです。

 事業主体というのは、これは民間もNPOも入っているということですから、これまでとは若干違うと思うのですよね。今までだと、社会福祉法人というのは、もともとは施設は国のものなわけですよ、社会福祉法人は。ただ、民間だと、民間に対して国の金が入るというのは、それは一つ一定のルールが必要だと僕は思うし、それは公平に行われなくてはいけないなと思うのです。その点について、どのようにそこのところを担保していくかについて、最後、御答弁をお願いいたします。

中村政府参考人 どのようなイメージの施設整備かという点につきましては、先生から一つ例示的にお話がありまして、私どももいろいろなことを都道府県、市町村の方とも御相談しながら詰めているところでございますが、先生のおっしゃったようなイメージは、まさに我々が考えているイメージの一つということでございます。

 市町村に行っていただきますが、市町村の計画のプロジェクトに対しまして一定の基準で交付金を交付する、その交付金を市町村が、今先生からお話にもありました事業主体に対してどのように助成するかということは、市町村のまさに責任でやっていただくというふうなことでございますが、当然のことながら、透明性、公平性ということが大事になると思いますので、その辺の運用の仕方について、私どもも市町村の方とも相談しながら枠組みをつくってまいりたいと思っております。

大島(敦)委員 それでは、ありがとうございました。

鴨下委員長 次に、中根康浩君。

中根委員 民主党の中根康浩でございます。

 一時間のお時間をいただきまして質問を展開させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 ただいまの我が党の大島議員の、まさにこの改正法案の本質をつく議論、そして私の後にはまた石毛先生など、本当に大変難解な質問が飛んでいきますので、私は閑話休題というような感じで、お口直しということでございますので、ぜひおつき合い賜りますようによろしくお願いいたします。

 まず初めに、本当に大臣には感謝しているのです。障害者虐待防止につきまして、常に前向きな姿勢を表明していただいておりますことに、関係者も大変勇気づけられておりますし、私どももこの問題について積極的に取り組んでいくに際して、まさに士気が上がるといいますか、そういう思いでございまして、カリタスにつきましては、その後、法人の全役員が入れかわりまして、新しい役員体制であの施設を改めて出直していく、立て直していく、本当に今そういう気概を持ってエネルギッシュに取り組んでいただいておると聞いております。

 また、その一方で、御多分に漏れず、虐待当事者である前施設長側に対して、一部の親の会の方々が嘆願書などをもって、前施設長が例えば逮捕されないように、あるいは施設に役員として戻れるようにというようなことも、動きもあるようでございます。その動きの背景には、前施設長自身が、私がこの施設から退却をしてしまったら、この施設に今まで無理やり私の力で入れていた重度の方々が施設に居続けることはできなくなってしまいますよというふうに、半分おどしのような、そういったことを言って、親の会の方々を巻き込んでいる。こういう障害者虐待、特に施設内の障害者虐待の問題にはよくあることが、やはりカリタスをめぐっても同じようなことがまた繰り返されているということでございますので、ぜひ厚生労働省といたしましても、福岡県などを通じて適切なカリタスの出直しが図られるように、見守っていただいたり、時にはアドバイスをしていただいたりということを行っていただきたいと思います。

 こういったことを機会といたしまして、先週の第二回目の障害者虐待問題についての勉強会にも参加させていただきましたけれども、ここでもやはり、掲示物あるいは全国調査、こういったものをいかに進めていこうかということも勉強会の材料として取り上げられていたわけなんですけれども、本当にそういったことについても感謝をしつつ、ぜひとも実行に移していただきたいし、以前に、大臣自身がこの福岡の方に乗り込んでいただくというか、御視察をいただくということについての前向きな姿勢もお示しをいただいたのですけれども、その後、やはり予算委員会等々続いておりますので大変お忙しいことと思いますので、ぜひ、例えば副大臣、副大臣も当然お忙しいのですけれども、お地元が九州の方でございますので副大臣でも、でもと言っては失礼ですけれども、動いていただくことによって虐待の抑止力になる、防止になる、本当にそういう立場の方々でございますので、そういったことにつきましてもぜひ誠意ある、誠実な御対応を賜りますように、まずもってお願いを申し上げる次第でございます。

 きょうは、国保の問題についてなんですけれども、国保中央会というものがあって、きょうは北郷理事長にもお出ましをいただいておるわけなんですけれども、この国保中央会というものが、当然、その名前のとおり国保事務を担当している。それから、関連性のあるということでしょう、介護保険事務も担当している。あるいは、支援費の支給事務も担当している。それから、今、これから議論をされていこうとしている自立支援法の中においても、その二十九条の八項というところでしたか、自立支援法における介護給付などの事務も担当していくということだと思うんですね。

 心配しているのは、これは取り越し苦労であればいいんですけれども、この国保中央会というものが第二の社会保険庁のようなものになって、年金をめぐる社会保険庁というものがあった、それが、国保をめぐる国保中央会というものがあったというようなことに後々なってしまってはいけないということで、改めて国保中央会というものについてきょうはスポットを当てさせていただきたいと思います。

 今、市場化テストということも言われているわけなんですけれども、そういったことで、官民、どの主体がそういった事業を運営していったら最も効率がいいかということをこれから競い合っていく、そういう流れにあるわけなんですけれども、そういった中で、国保中央会というものが、国保も、介護も、支援費も、自立支援法もすべてにわたって抱え込んでいくということについて、果たしてそれが本当に望ましいことであるかどうか、今の時点で何か見解がありましたらお聞かせをいただきたいと思います。

水田政府参考人 大変包括的な御質問でございますけれども、そもそもこの国保中央会、地方、各都道府県ごとの国民健康保険連合会、ここで国民健康保険の医療費の審査、支払いを行ってきたということがございます。この審査、支払いを行うという機能を活用して介護保険の事務についても行う、さらに、障害についても今後そういうことが予定されているわけでございまして、言ってみますと、一つの社会的なインフラみたいなものを持っている団体であるというふうに認識しておりまして、適切にこれを活用していくことは重要かと思っております。

中根委員 国保中央会のことにつきましては、また後ほど取り上げてまいります。

 制度改正が今度行われるんですけれども、そのたびごとに国民健康保険課の職員の皆さんがアルバイト料を荒稼ぎしていくというようなこともまたあってはならないというわけでありまして、国民健康保険課が国保に関して市町村から補助金の申請を受ける窓口であるわけなんですね。それで、その補助金支出を決定する業務を担当しているのが厚生労働省の国民健康保険課だというふうに理解をしております。

 この申請業務の際にどうしても必要なのが、コンピューター入力をするデータ入力ソフトということなんです。このコンピューターソフトにおいては、毎年制度改正が少しずつ行われるということに伴ってそのたびごとに更新されていくということで、これに関する業務は毎年発生をしていくということになっています。

 このソフトを作成する業者が集まって、国保事務電算化研究会というものをつくっておられる。この研究会に対して、国保課職員がその会議に出席をして助言をすることによって監修料が発生をして、受け取っていた。その人数や額は、平成十一年度、六人に対して千三百四十三万円、平成十二年度、十人に対して二千二百五十六万円、十三年度が四人に対して千三百五十三万円、十四年度が十一人に対して千三百五十一万円、十五年度が十三人に対して千三百五十万円というようなことが明らかになっているわけであります。

 つまり、ソフト会社が、研究会を迂回して厚生労働省に監修料を支払っていたということになるわけでありますけれども、ここでお尋ねをしたいのは、平成十年にシステム開発法人の四社が平河町の砂防会館内につくった国保事務電算化研究会というものは一体どういうもので、四社というのはどの会社であるかということをまず御説明いただきたいと思います。

水田政府参考人 ただいま先生から御指摘がありましたとおり、市町村等が国に対して補助金の申請を行う際に使うシステムにつきまして、民間のシステム業者がこれを市町村に販売をしているわけであります。このシステムにつきまして、これを共通仕様にするために、複数のシステム業者が、先ほどお述べになりました国保事務電算化研究会という研究会を組織いたしまして、ここでそのシステムの開発、改修を行う、それを受けて各業者がそれぞれ販売を行っている、こういう内容になっているところでございます。

 そのシステム業者の具体名でございますけれども、先ほど申しました民間のシステム会社、四社でございますけれども、当該法人四社の名称を公表することは、これは昨年十月の全省調査報告書でも申し上げましたとおり、当該法人の競争上の地位等に影響を与えるおそれがあるということから、公表することは差し控えたいと思っております。

中根委員 そこが問題なんです、当然のごとく。お聞きになっておられる方もおわかりのように、なぜ、補助金を使って行われている事業に対してある意味独占的にその事業を請け負って、しかも不正の温床とも言われている監修料の経由地であるこの国保事務電算化研究会の四社というものを国民の前に明らかにすることができないか。

 そういったシステム開発を行うことができる業者は、この日本にあるいは世界じゅうにもしかしたらたくさんあるかもしれないのに、そういったほかの会社が参入を阻まれている、この四社だけに独占的に優越的な地位が与えられているということなんです。

 これは、なぜ明らかにすることができないかというのは、今、競争上の地位をというような説明がありましたけれども、それでは納得できない、少なくとも僕は納得できないというふうに思いますけれども、これは明らかにしていただかなきゃいけないと思いますが。

水田政府参考人 四社の問題の前提といたしまして、二点申し上げたいと思います。

 一つは、これは補助事業というふうにおっしゃいましたけれども、この事業については国の補助金は出てございません。

 それから、独占的にこの業者が開発、販売をしているということをおっしゃいましたけれども、これは他のシステム業者の参入を排除しているものではございません。

 それから、名前を、具体名を申し上げるかどうかにつきましては、ちょっと繰り返しになりますのであれでございますが、やはり競争上の地位等から影響を与えるおそれがあるので、公表することは差し控えたいと思っております。

中根委員 誤解をしておりましたことにつきましてはおわびを申し上げなければいけませんけれども、しかし、この四社というものが、厚生労働省の職員と特別な関係にあり、大変近しい関係にあるということであるわけでありますので、その四社を明らかにできない理由というものが、やはり本日においても納得できるものではないということだけは申し上げておかなければいけません。

 この国保事務電算化研究会というものは、平成十年に設立されておりますが、いつの時点からかわかりませんけれども現在は休眠状態で、廃止予定というふうに聞いております。必要なものであって有効なものであるならば、なぜ廃止をこれからしていく予定であるのか。あるいは、休眠状態であるにもかかわらず監修料の受け渡しのようなことだけは行ってきたということであれば、明らかにこれは厚生労働省と国保中央会を結ぶ迂回監修料の隠れみのになっている、そういう存在であるというふうに言えるのではないか。

 しかも、監修業務そのものが、その実態があったのかどうか、それさえも疑わしいような状況になるということになるのではないかというふうに思いますけれども、この国保事務電算化研究会につきましては、ここでお尋ねしたいのは、必要なものとして、有効なものとして存在していたとするならば、なぜ今ここで廃止というものが見込まれているのか。それだけ、改めてお尋ねしたいと思います。

水田政府参考人 お尋ねのございました国保事務電算化研究会でございますけれども、これは会員制の任意団体でございまして、事情の詳細は承知しておりませんが、現在は活動していないと聞いております。

 それから、監修料につきましては、現在は当然ながらこれはもう受け取っておらないということでございます。

 それから三点目に、なぜ有用なものをという話がございましたけれども、こういったシステムの開発につきましては、現在では、問い合わせがあれば、それに対してお答えをするということで対処させていただいております。

中根委員 次に、国保中央会について話題を移したいと思いますけれども、厚生労働省と国保中央会の関係、あるいは国保中央会と国保連合会の関係をまず確認する意味で、国保中央会の収入のあり方について、その内訳を、概要で結構でございますので、説明してください。

北郷参考人 国保中央会の収入ということでございますが、十五年度の決算ベースで申し上げます。

 十五年度の決算では、収入総額で千八百四十二億円ということになっております。非常に高額になっておりますが、この大部分は全国決済の仕事に係るお金でございまして、全国決済の関係の金額が千六百十七億円ということでございます。

 これはどういうことかと申しますと、各医療機関は自分の所在する県の連合会にお金を請求いたしますので、各県ごとに債権債務が生じますので、その決済業務を中央会で実施いたしております。持ち出しの県とそれから支払いを受ける県の連合会とございまして、その決済に要するお金を中央会で受け入れて、それを調整してお払いする、各連合会に調整して払う、こういう関係の資金が千六百十七億円ということでございます。

 そのほか、補助金と会費収入、それから各連合会からの負担金収入、こういうもので構成されておりまして、十五年度決算ベースでは国の補助金が、ちょっと臨時的に多額になっておりまして、百四十六億円ということになっております。それから、各連合会の会費収入でございますが、三億円。それから、各県の連合会から負担金としてちょうだいしております、主としてIT化のためのシステムを開発するための経費でございますが、これが二十七億円。それから、超高額医療費というものについて再保険の事業をやっておりますが、この経費が三十二億円、こんなような内訳になっております。

中根委員 今御説明いただいたように、国保中央会の存在理由を認めるとするならば、それは全国決済業務あるいは再保険の事業、こういったものは必要かもしれませんけれども、果たしてそれ以外の部分、百四十六億円の補助金をいただいたり、あるいは負担金を連合会から二十七億円もらったり、会費を三億円払ってもらったりということで行うに本当にふさわしいかどうかということは、やはり今後きちんと検証をしていただかなくてはいけない。そうでなければ、繰り返しになりますけれども、社会保険庁のような、国民から大きな批判を受けるという事態にもなりかねない、そんなふうに思っております。

 連合会からの負担金にしても、あるいは会費にしても、そして補助金にしても、こういったものは、やはり、いずれにしてももとをただせば国民の税金であったり、あるいは保険料であったりということだと思いますので、そこにむだが生じていてはいけないということを念頭に置きながら論を展開してまいりたいというふうに思います。

 まず、国保中央会というものは、国から九九年度に二億円、そして二〇〇〇年度に一億円の補助金交付を受けて、国保事業に関する情報のデータベースというものをつくっております。この開発を請け負った業者から、国保課の十人前後の職員に監修料がこれまた支払われていたというわけであります。その額は、一九九九年から二〇〇二年度までの四年間で約二千万円。

 このシステムは毎年メンテナンスの費用もかかってきますので、二〇〇二年度は約九千四百万円、二〇〇三年度は約六千九百万円、二〇〇四年度が約七千万円のメンテナンス費用がかかっているわけであります。ここにももしかしたら監修料が発生しているのかもしれない。そうであるとするならば、それは補助金の還流ということで、非常にいかがわしいものとして見ていかなければいけないということになります。なければいいんですけれども、このメンテナンスについての監修料の有無は今御説明いただけますでしょうか。

水田政府参考人 ただいま先生御指摘のとおり、国保中央会におきましては、市町村ごとの医療費、年齢、あるいは所得等、国保事業に関するさまざまな情報をデータベース化しておりまして、医療費適正化の推進等に活用するためのシステムを構築しているところでございます。このシステムは、国保事業の安定的、効率的な運営に資するものであるということから、厚生労働省から補助金を受けたものでございます。

 これも御指摘のとおり、国保中央会から開発、改修を請け負っていた業者から国保課職員が依頼を受けてシステムの監修を行いまして、その対価として監修料を受け取っていたところでございまして、その内容につきましては、昨年十月の全省調査報告書において報告しているとおりでございます。

 なお、現在は監修料は受け取っておりません。

中根委員 これは当然いただいてもおかしいものではないというようなことの中で監修料というものが去年から説明をされてきて、我々は、これは本来業務であって監修業務ではないのではないか、あるいは、国家公務員がアルバイトを行うということに対して職務専念義務に反するのではないか、あるいは、この監修料というものが事実上のわいろとして機能してしまうのではないかとさまざまなことを御指摘申し上げさせていただいていた。

 しかしながら、役所の方は、これは正当な労働の対価として当然受け取ってもしかるべきものなんだということを御説明しながらも、こういった監修料が話題になってくると、監修料はもう受け取りません。まあ、校閲料という形でお受け取りになるのかもしれませんけれども、受け取りません。あるいは、国保事務電算化研究会は別にいかがわしいものではありませんといいながら廃止をしていくということで、うまくごまかしながら徐々にフェードアウトしていくというようなことがよくあるわけで、やり逃げ、やり得というようなことがこれからもまかり通っていってはいけないと改めて指摘をしておきたいと思います。

 厚生労働省の調査によれば、国民健康保険課、これは選択エージェンシーからの監修料の話です。国保事業でつくられた便利手帳というものの作成に当たって、選択エージェンシーから、十年度、六名が六百万円、十一年度、六名が六百万円、十二年度、五名が五百万円、十三年度、五名で五百万円、十四年度、六名で三百万円。それから、ビデオ作成に際しまして、十一年度、三名に三百万円、十二年度、五名で五百万円、十三年度、五名で五百万円、十四年度、八名に五百五十万円。しかも、これは、みんな国家公務員倫理法の届け出義務のない係長級以下の方が受け取って、そして課内にプールをして、タクシー代や宴会費に使っていたということは、もう厚生労働省自身がお認めになっているわけであります。

 これほどまでに手間暇をかけて監修業務を行い、監修料を受け取ってまでつくっていた便利手帳ですけれども、これまた監修料が問題になった途端、平成十六年度は作成をしない、平成十七年度も作成をする予定はないということになっているわけであります。もし本当に必要なもので今までつくられてきたとするならば、これは、それを使っていた保健師さんの業務にこれから支障が出るのではないか、そうでなければ、もともと監修料目当てで必要のないものをつくっていたということになるのか、このあたりはいかがでしょうか。

水田政府参考人 御指摘ございましたとおり、保健活動のための便利手帳は、平成十年度からの補助事業といたしまして、平成十五年度まで購入して、市町村保健師等に配付してきたものでございます。また、これと並行して、平成十一年度から、保健師のためのビデオシリーズも作成いたしまして、同様に配付をしてまいりました。これらの事業につきましては、このビデオシリーズの企画が五カ年計画でございましたこと、それから、選択エージェンシーをめぐる事件の社会的影響の大きさ、これらを考慮して廃止することといたしたところでございます。

 これらのものがなくなった場合の影響があるのじゃないかということでございましたけれども、現場の保健師活動の支援ということにつきましては、現在では、出版物以外の媒体の活用もしながら必要な工夫を行っていきたい、このように考えております。

中根委員 いろいろと監修料、監修業務について、改めて今までのこの一年間ぐらいのことを取り上げながら振り返ってみたわけでありますけれども、もう一度確認をさせていただきたいと思います。

 この監修業務というもの、校閲料として、これからも妥当なものとして厚生労働省は受け取っていくのか、あるいは自粛をしていくのか、このあたりについて、この際、はっきりとその姿勢を明らかにしていただければありがたいと思います。

衛藤副大臣 監修料につきましては、いわゆる大量買い上げだとか、あるいは一定の比率に応じて出ていくというようなもの、いわゆる監修料については一切ストップするということが原則でございます。ただ、いわゆるどの世界でもあります、ちゃんとした原稿として出している、個人としてやっているということについては、これは役所としてではなくてですね、そういうことについて一律禁止というわけにいかないだろう。それはまたちゃんと整理をするということでやって、今、社会保険庁改革の一環として、また役所の中全体としてもそのことをやっているところでございます。

中根委員 今の副大臣の御答弁は、やはり理屈で言えばそういうことだろうと思いますけれども、そういった言葉をかえる中で監修料なり校閲料なりを認めていってしまうというところに、つけ込まれるすきが生じてくるわけでありまして、やはり、国民から社会保障制度への、あるいは行政に対する信頼を再構築する意味で、ここは一度断ち切っていくという姿勢もあってもいいのではないかと思います。話は、お願いをするしかないということになりますけれども、そういう姿勢で、国民は、この監修料とか監修業務というものについて、やはり怪しいものだというふうに思って見ている、この一年間のさまざまな報道を通じて、もうそういうふうにすり込まれておられる。やはりそういうふうに思っていることに対しては、毅然とした姿勢を示していく、そのことが信頼関係の再構築ということになりますので、これはお願いをさせていただきます。

 改めて申し上げますけれども、これは警鐘を鳴らすということで申し上げておりますので、中央会が今そうであるというふうに受けとめられてもあれですけれども、存在自体が自己目的化したり、補助金の中抜き団体になったり、あるいは天下りの受け入れ団体になったり、監修料の迂回装置になったりというようなことになってはいけないということでございます。

 厚生労働省の国民健康保険課、二〇〇〇年に三億九千万円、二〇〇二年に七億三千万円の補助金を国保中央会に交付いたしました。何のためか。それは、医療保険制度改正や医療費の患者負担変更などの広報事業として、「コクホPLAZA」という冊子を五回にわたって作成をするためでありました。この事業に関して、国保中央会から主に二つのルートで厚生労働省の国民健康保険課に、これまた、監修料の話をまた持ち出して恐縮ですけれども、監修料が支払われているわけであります。

 改めて、ここで国保中央会というものについて再確認をしたいと思いますけれども、国保中央会の理事長は、きょうお越しいただいております北郷勲夫様でございます。北郷さんは、厚生省の官房長、薬務局長、それから社会保険庁の長官を歴任された後、社会保険診療報酬支払基金の理事、理事長をお務めになって、現在、国民健康保険中央会の理事長に御就任をしておられるわけでございます。

 この国保中央会の役員構成を若干かいま見てみますと、役員は基本的には無給ということが定款で書かれていますけれども、常勤の役員については、これは有給でもいいということになっております。その有給の役員について見てみると、これは役所からの天下りの方ばかりなんですね。北郷さんが、今申し上げましたように、もう本当に輝かしい経歴を持った北郷さんは理事長として、これは本俸だけで、私がいろいろな資料から推測すると百三十万円ぐらいのお給料を受け取っておられる。常務理事の櫻井さんは、元東海北陸地方医務局長ということで百万円程度のお給料、それから事務局長の百軒様は、元社会保険業務センター副所長ということで九十一万円程度のお給料、それから常勤監事の加々見さんは、元社会保険大学校の御経歴で九十一万円程度のお給料をもらっておられる。この国保中央会というものが厚生労働省、とりわけ社会保険庁関係の天下り先として存在しているというふうに見られなくもないわけなんですけれども、このあたりは、北郷理事長、いかがお考えでしょうか。

北郷参考人 国保中央会はそれなりの、国保、非常に難しい制度について運営を行って、お手伝いをしているわけでございまして、天下り先として設けられているものでは当然ないわけでございます。それなりに、それぞれに一生懸命仕事をしておりますし、一生懸命やりたいと考えてやっているわけでございます。

中根委員 まさに専門家集団として難しい仕事を、適材適所として天下ってその仕事についておられる。ついておられるにもかかわらず、いざ何か事業をやろうとすると、補助金をもらってそこに、専門家集団で難しい仕事を一生懸命やろうとしているにもかかわらず、監修料を払うような監修業務を厚生労働省の国民健康保険課の職員にお願いをしている。専門家集団だったら、自分たちが、その補助金の大切さを、そのもともとが税金であり保険料であるという、その大切さをかみしめながら、自分たちが自分たちで頑張ってやればいいじゃないですか。なぜ厚生労働省に監修料が発生するような監修業務を一々一々お願いするんでしょうか。

 この国民健康保険中央会、今申し上げました天下りの役員さん以外に、会長は斎藤十朗先生、そして副会長といたしまして、現職の二名の衆議院議員が就任をしておられます。自民党の鈴木俊一衆議院議員、自民党の西川京子衆議院議員、この二人の自民党議員さんが副会長としてここに入っておられることについては、どういう合理的な理由があると言えるのでしょうか。御説明をいただきたいと思います。

北郷参考人 両先生、副会長をお願いいたしておりますが、これは理事会におきまして学識経験者として地方選出議員から推薦を受けて、総会で承認を受けているものでございます。

中根委員 学識経験者としてこのお二人の方が最終的に選考をされたということなんですけれども、やはり国保中央会は、国民健康保険、そして介護保険、支援費、そしてこれから審議されていく自立支援、こういったものについて、まさに中立的な、公正な、公平な立場として業務を運営していかなければならない。これは年金の社会保険庁と同じように、これは社団法人でありますけれども、国民健康保険中央会はやはりそういった存在であってほしいというふうに思っております。

 それでは、例えば、その選考過程において、他党の国会議員、衆議院議員、参議院議員含めて、そういった者が選択肢として挙がったのか、あるいは、これから次の改選期に、私どもが例えば山井先生を御推薦申し上げたら、それは選考過程にのせていただけるのか、こういったことあたりについていかがでございましょうか。

北郷参考人 地方選出議員の推薦になれば、そういうことは当然あり得ると思います。

中根委員 あり得るということでございます。現在の役員の方々の任期が十八年の三月三十一日までということになっておりますからちょうど一年後でありますので、その際には、国保中央会の仕事についてぜひ私どもの意見も反映してもらえるような人選をしていただきますようにお願いをいたします。

 それで、この国保中央会のことを確認しながら、まず、国保中央会から厚生労働省の国民健康保険課に監修料が渡ったということは先ほど申し上げましたけれども、この監修料が実は、一つのルートとして有限会社コクホ中央研究所というところを経由いたしております。コクホ中央研究所経由で、平成十二年度に「コクホPLAZA」一号について十人、二千万円、十四年度に「コクホPLAZA」二号、三号について五人に五百万円の監修料が渡されております。

 実は、この有限会社コクホ中央研究所というのは、前代表の舩橋さんという方は厚生省の援護課長さんを退職された方、それから、舩橋さんはその後、社会保険大学校校長をお務めになって、このコクホ中央研究所経由で国保中央会から監修料が渡された当時、二〇〇〇年から二〇〇三年は、国保中央会の常務理事をお務めになっておられた。そして、現在の代表の門田さんも、やはり厚生労働省の御出身であるということで、国保中央会という天下りをたくさん受け入れている、北郷さんという、僕ははっきりわかりませんけれども、おっしゃる方がおっしゃると、この厚生労働行政においてはまさにドン的な存在であって、今でもまさに隠然とした力を誇っておられて、北郷さんに対して意見をすることなどとてもできないというような実力者であるというふうに聞いておるわけで、そういった国保中央会からやはり天下りを受け入れているコクホ中央研究所という有限会社を通じて厚生労働省に監修料が渡っている。

 それから二つ目のルートは、このコクホ中央研究所に加えて、厚生問題研究会という任意団体をさらに迂回先として経由されて監修料が渡っている。先ほど申し上げましたように、国保中央会の今の事務局長は百軒さんという方なんですけれども、この厚生問題研究会という任意団体の代表もまた百軒さんであるわけであります。

 まさに、中央会と、それから有限会社コクホ中央研究所、厚生問題研究会というのは、天下ったお役人さんが、ダブったりトリプったりといいますか、重なって役員が存在して、そしてそういうよくわからないものを経由して監修料が支払われているということで、こういった構造があるということ。

 こういったことが、先ほどから申し上げておりますように、我々の健康をつかさどる国保業務、こういったものについてその周りで行われているということについて、社会保険庁のようなものになってしまうのではないかという心配があるということを御指摘させていただいているところでございますので、こういった役員構成あるいはこういう迂回団体、そういったものをもうこの際きっちりと整理していただくということが必要であろうと思っております。

 この「コクホPLAZA」というものなんですけれども、実は、一号が四千八百二十万部、二号から三号は九百七十三万部、四号は四千五百万部つくられているわけなんですね。大体国民の半分近くの人数が刷られているんですが、どうでしょうか、ここにお座りの方々でこの「コクホPLAZA」というものを目にした方がおありでしょうか。非常に不思議な冊子ということであります。

 厚生労働省の国保課に「コクホPLAZA」の印刷会社をお尋ねしたところ、また民間会社ということしか言えないということで、この「コクホPLAZA」の印刷会社の名前を明らかにしてくれていません。

 改めてこの委員会でお尋ねをいたします。「コクホPLAZA」の印刷会社は教えていただけないでしょうか。

水田政府参考人 印刷会社の話の前に、全体の、コクホ中央研究所並びに厚生問題研究会がどのような経緯で関与したかということを御説明させていただきたいと思います。

 国民健康保険中央会がコクホ中央研究所に「コクホPLAZA」の製作を委託いたしましたのは、平成十二年及び平成十四年の医療保険制度改革に伴う法律の施行に当たりまして、大変大きい改正でございまして、高齢被保険者の費用負担を大きく変えるということがございましたので、それからもう一つは、法案成立から施行までの期間が極めて短い期間であったということから、全戸配付ということを目指しまして大変大量の部数で発行したわけでございます。

 平成十四年の改正分につきましては、十二年改正の際に作成過程あるいは印刷過程で混乱があったということが実務的にございまして、監修作業の進捗管理を厚生問題研究会に外注することにいたしまして、この研究会では、正確を期す必要があったことから厚生労働省職員に監修を依頼したものであると聞いておりまして、この内容につきましては昨年十月の全省調査において報告済みでございます。

 それから、この団体同士の関係はどういうものか、民間事業者間のものであるとはいいましても、やはり国民の信頼を損ないかねないという御指摘もただいまいただいたわけでございますので、中央会に対して指導を行いまして、その結果といたしまして、コクホ中央研究所は本年三月末に廃止の予定でございまして、また、厚生問題研究会につきましては、昨年六月に既に廃止されたところでございます。

中根委員 印刷会社はいかがでしょうか。

    〔委員長退席、宮澤委員長代理着席〕

水田政府参考人 この印刷に際しまして中央会が発注した先の印刷所につきましては、先ほどと同様、民間企業であることから公表は差し控えさせていただきたい、このように聞いております。

中根委員 だって、これは補助事業として巨額のお金がつぎ込まれている。繰り返し申し上げますけれども、それはもとをただせば我々の税金であったり保険料であったりするわけで、しかも四千万部も五千万部もつくられていて、本当に必要なものであったかどうかもこれは検証していかなきゃいけないんですけれども、なぜそういった事業が公明正大に印刷会社ぐらい明らかにすることができないのか、これは不思議でならないわけなんですが、もう一回だけそれを聞きます。いかがでしょうか。

北郷参考人 民間の企業でございますので、公表を差し控えることが適当だ、こういうふうに考えておりますので、もしまた、よく保険局長、厚生省当局とも御相談してお答えを申し上げたいと存じます。

中根委員 これは、民間だったらだめだということだったら、もうすべてだめになっちゃうわけで、どうなんですかね。ちょっと大臣か副大臣、このこと、どうです、おかしいと思いませんか。

水田政府参考人 ただいまの件につきましては、当該印刷会社の了承が得られれば公表したいと思います。

中根委員 これは了解を求めることでしょうかね、だけれども。明らかにできないというのは、本当におかしいわけで、これはもう一回最後に聞きます。

 中央会の広報事業について、引き続き、ちょっとまだいろいろありますので聞いていきますけれども、ほとんどが社会保険庁と同じように随契で行われているんです。このこと自体も、やはり中央会は社団法人、民間団体だからいいよというわけではないと思いますので、随契で明らかにできないような民間会社と契約をしているということ、このことについて、やはり中央会のあり方についてはしっかりと見直していただかなくてはいけないと思います。

 中央会がやっている広報事業の中に、約五百万円の随契で「ご存じですか?国保のことを」というビデオを作成した社会保険研究所という会社があります。この社会保険研究所という会社は、調べてみますと、厚生労働省及び社会保険庁と、平成十五年度に五十件で約四億円、平成十六年度に三十二件で約一億二千万円の取引があります。

 ちなみに、この会社の所在地は千代田区内神田二の四の六、世界貿易センター内神田ビルという所在地になっております。

 世界貿易センタービルといえば、思い出すのはあのカワグチ技研です。浜松町の世界貿易センタービルの二十三階にカワグチ技研がありました。

 この世界貿易センター内神田ビルというのは、たしか六階建てぐらいのビルなんですけれども、その五フロアをこの社会保険研究所というところが使っています。残りのワンフロアは年友企画という会社であります。

 年友企画……(発言する者あり)またかということなんです、本当にそうなんです。年金でも出てきた年友企画ということ。年友企画は平成十五年度に三件、約一億一千二百万円、十六年度に一件、三十八万円の厚生労働省及び社会保険庁との取引があるわけであります。

 実は、お手元に配付されましたでしょうか、神田には、このほか国保中央会の取引先として、月刊国民健康保険誌というものを印刷するキエイ印刷というところもあります。

 厚生労働省及び社会保険庁に、十五年度に三件、約二千万円取引のある、「国保のしくみ」とか「国保のしおり」とかというものを印刷している社会保険出版社という会社もあります。

 同じく、厚生労働省及び社会保険庁と、十五年度に二件、三十二万四千円、十六年度に二件、五十一万八千円の取引のある、社会保険新報社という会社もあります。

 また、内神田二の五の三のビルの中には、株式会社ゆうゆうライフ、社会保険企画株式会社、株式会社メディカルデータ、株式会社イーエルディなどの会社が存在をしています。

 これらの会社には、共通して、社会保険に関する業務とか、あるいはこれから筋トレなんかで利権が生ずるのではないかというふうに言われている介護機器の開発、販売、リースなどが定款にもう書かれている、そういった会社があるわけですね。

 この内神田のビルには、診療報酬請求事務能力認定試験を実施する財団法人日本医療保険事務協会というものも入っております。この医療保険事務協会という財団は、理事長の柳澤健一郎さんという方は、元厚生省の生活衛生局長、理事の竹中さんという方は、元厚生省の健康政策局長というふうな経歴を持っておられるわけでございます。この財団の副会長の田中茂雄さんは株式会社社会保険研究所や年友企画の役員をやっておられる。理事の関口成一さんは、社会保険研究所、年友企画、ゆうゆうライフ、メディカルデータ、イーエルディ、社会保険出版社というところの役員を兼務しておられるわけであります。

 このように、この神田周辺、今資料を配付させていただいておりますので、これをごらんいただけるとわかると思いますけれども、多くの方が、同じような業務の、年金とかあるいは保険とかということにかかわる、そういう仕事をしているところの役員を兼務している。そのうちの何人かは厚生労働省、厚生省の天下りの人である。そしてそういったものが、この内神田近辺に、もう目と鼻の先にみんな存在しているわけであります。

 随意契約、天下り、そして監修料というのが昨年からの年金をめぐる、社会保険庁をめぐるキーワードであったわけでございますけれども、これは、大臣、いかがでしょうか。つまらないことを聞くというふうにお思いになられるでしょうけれども、この内神田近辺にこういった会社が、こういった人物が集中しているということに、何かいかがわしさとか不自然さとか、そういったものをお感じにはならないでしょうか。

尾辻国務大臣 私も初めて見せていただきましたので、確かに集中しているということはこれでよくわかりました。

 ただ、よくわかりませんから、似たような会社というのはよく似たようなビルに入っている、そういうこともありますので、そういうことと、今お示しになった事実と、どういうことになるのか、にわかに私が申し上げられませんので。ただ、いろいろ先ほど来御指摘いただいておりますような、あってはならないというようなことが起きていないかどうかということについては、改めて、私も、このお示しいただいたもので調べさせていただきたいと存じます。

中根委員 確かに、今すぐどうこうではありませんけれども、こういったことが不正の温床になり得るような、あるいは国民から見て、やはりこういう、地図に落とさなくても、私はこれを全部回りましたけれども、もう本当に、車で行ったら車が邪魔になるぐらいぽんぽんぽんとあるわけなんですね。

 その中には、管理人さんに聞いたら、そんな会社あったのというような会社も実はこの中にはあるわけなんです。幽霊会社のようなものがあるわけなんですけれども、そういったものがこういう状況で存在をしている。天下り、随契、そういったものを仲立ちとして存在をしていて、それぞれ保険料や税金を使って利益を上げている。利益を上げているから存在しているんだと思いますけれども、そういったものである、そういう現状であるということだけをきょうは指摘をさせていただきたいと思いますし、その謄本をとってみると、ほとんど漏れなく介護機器及び衛生用品の開発、レンタル及び販売事業、こういったものが定款、目的に盛り込まれているわけであります。

 この定款は初めからそういうものなのか、あるいは最近になって、この介護保険の改正で、介護予防、筋トレマシンの需要が高まってくるということを見込んで定款変更がされたのかどうかというものはわかりませんけれども、私たちが余り知らなかったこういった会社に、ファミリーと言えるような会社に、そういった定款も盛り込まれておるわけでありますので、そこに私たちは、民主党といたしましてといいますか、私中根康浩といたしまして、しっかりとこれから監視をしていかなければいけないというふうに思わせていただいております。

 国保中央会、もう少しだけやります。

 国保中央会は、昭和二十六年から国際社会保障協会の正会員というものになっています。これは略してISSAというふうに言われていますけれども、このISSAには、昭和二十五年から社会保険庁が正会員として入っているわけなんです。社会保険庁の総務課から二名、ジュネーブに出向して、世界の国際的な社会保障業務といいますか体制について、研究、調査をしておられるわけでございます。

 社会保険庁が入っていて、国保中央会がダブって入っているということはむだだというふうに言えないこともないと思いますけれども、国保中央会がISSAに入っていることの妥当性を説明してください。

北郷参考人 ISSAと申しますのは、世界の社会保険関係の団体でございまして、国際的なレベルで社会保険関係の協力をしていこうという団体でございます。

 それで、加盟しておりますのは、社会保障の分野を管理します機関、政府部局、法人その他の団体が正会員ということになっておりまして、国保中央会も医療保険者を代表する組織の一人としてと申しますか、そういう立場で加盟しておるのでございまして、例えば健保連とかも加盟団体でございます。

中根委員 これはそうでなければいいという思いで指摘をするんですけれども、国保中央会が海外研修を行っているんですね。平成十四年、十五年、十六年と、ほとんど北欧へ行っているんです。十四年度、北欧方面へ三回、延べ四十二人、二千七百四十一万円。十五年度、北欧方面、三回、三十七人、二千四百六十三万円。十六年度も同じく北欧方面へ三回、四十七人、三千三百七十五万円。こういった海外研修が本当に必要なものとして行われたものかどうか。

 行き先を国で見てみますと、平成十四年度は、第一回目、五月から六月にかけては、デンマーク、スウェーデン、フィンランド。これは十五年度も同じなんです。十五年度も六月から七月に、デンマーク、スウェーデン、フィンランド。十六年度も五月に、デンマーク、スウェーデン、ノルウェー。それから、同じ時期に毎年行っていますので、十四年度の八月から九月には、イギリス、スウェーデン、ドイツ、スイス、フランス。十五年度も八月から九月にかけて、イギリス、スウェーデン、ドイツ、スイス、フランス。十六年度も八月から九月にかけて、イギリス、ドイツ、スイス、フランス、オランダ。それから、十四年度の十月には、ニュージーランド、オーストラリア。十五年度はやはり十月に、ニュージーランド、オーストラリア。十六年度も十月から十一月にかけて、ニュージーランド、オーストラリア。

 ということで、普通は、一回行ったら、精いっぱいそこで研修してきて、なかなか、もう二度と行けないということでやってきていただかなくてはいけないんですが、また来年も再来年も行けるということであれば、研修そのものも甘いものになってしまうと思いますし、こういった行き先や、あるいは時期も、春から夏にかけて、秋にかけて、とてもいい季節に行っていらっしゃるわけですね。

 社会保障のことをいえば、厳しい生活実態を見るために北欧方面に冬場に行くということも一つの方法だろうと思いますし、報告書を拝見いたしますと、報告書の一部だけ取り上げて言うのもなんだと思いますけれども、ある団長さんが向こうからこう言われたんですね。メンバーにどうして女性が少ないのかと言われて大変戸惑ったと。これは確かにそうですね。女性が少ないんだろうと思います。同じような人が、偉い人、男性がたくさん行っていらっしゃるんだろうと思いますね。

 それから、「豊かな自然が新緑に輝く中、鴎と戯れながら船に乗り、あふれる滝に歓声を上げ、ストックホルムの路地をそぞろ歩き、噂通りの美人の人魚姫に触れ、日本では食べられないトナカイやライチョウの食味など、生涯忘れられないことでしょう。」などと報告書に記されているわけなんですね。生涯忘れられないことは、視察先の健康保険や年金の状態が、どういう制度で、どういうふうに運営されているかということが生涯忘れられないものでなくてはならないのに、ライチョウやトナカイの味が生涯忘れられないものであっては、やはりこれはちょっと困るわけで、指摘をさせていただきたいと思います。

 それから、最後にもう一回だけ、これは委員長に、ぜひ、「コクホPLAZA」、これは、補助事業として巨額のお金を使って大量に印刷をされているものでありますので、どこの会社がどういう契約形態で行ったかということは、これは国民の前に明らかにされて当然のことであると思いますので、理事会で協議していただきますようにお願いをさせていただき、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

宮澤委員長代理 次に、石毛えい子君。

石毛委員 民主党の石毛えい子でございます。

 ただいまの中根委員の、本当に体を使って、心を使って、時間をたくさん使って、皆様に知っていただいているというこの内容は、社会保障制度が国民の信頼を得ることができるか、社会保険庁で一敗地にまみれているといいましょうか、大変な国民の年金不信を呼び起こしているときに、さらにこうしたことが本当に指摘をされているとおりに問題として存在しているのであれば、社会保障制度に対する国民の信頼を揺るがす大変重要な課題を中根委員が皆様に訴え、指摘されているというふうに、私は今この委員会で伺っておりました。

 ぜひとも、理事会で検討しますということでございますけれども、先ほどの「コクホPLAZA」、四千五百万世帯に補助金も投入して印刷している、その印刷所を明らかにすること、これは、直接役所が契約を結んだとは言えないにしろ、公契約の変形だというふうに私は理解いたしますし、ぜひそれを公開して、そしてきちっと中身を明らかにし、信頼を国民の皆様からいただけるように、そういう努力を積極的にぜひともしていただきたいというふうに、冒頭、ただいま中根委員の発言を伺っておりまして思いましたので、申し上げさせていただきます。

 それでは、私の質問に入ります。

 今回の補助金等の整理合理化法案に関してでございますけれども、国民健康保険につきましては、先ほど来といいますか大変な質疑が重ねられてきております。私は、この中で提起をされております補助金の包括交付金化という、言ってみれば新しい方法だと思いますけれども、それをめぐりまして、まず何点かお尋ねをしたいと思います。

 交付金化につきまして、少し中身に触れますと、例えば次世代育成支援対策交付金、これはハード、ソフト両面で交付金化されております。それから、地域介護・福祉空間整備等交付金、これも交付金化しておりまして、これまでですと、それぞれ厚生労働省の施策として個別事業をまとめて行われていたものが交付金化されております。

 伺うところによりますと、国の交付額は、必要額、これの算定もこれから明らかにされていくことになるわけですけれども、二分の一を確保するということですが、従来の補助制度では都道府県が負担していた分が地方財政措置をされることになりました。これは、もう少し普通の社会の理解しやすい表現で言えば、これから、すべての、今挙げました包括交付金化しているその内容につきまして、地方交付税不交付団体は、これまでは受けることができていた都道府県支出の補助金、これを受けられなくなるというふうに確認したいと思いますが、その理解でよろしいですか。地方交付税不交付団体につきましてです。

尾辻国務大臣 一言で言いますと、お話のとおりでありますということになるのでありますが、改めて申し上げたいと存じます。

 従来、国から市町村に対する助成については、市町村が行う事業に対して都道府県が補助する事業について補助、間接補助をしていたところでございます。今回の交付金化によりまして事業計画に対し定額を交付する交付金となりますが、従来の標準的な所要額も念頭に市町村に交付する仕組みとしていることから、市町村に対しては、基本的には、都道府県に対して行っていたものも含め、これまでと同等の地方財政措置を講ずるよう総務省に対し要望しているところでございます。

 なお、お尋ねのありました地方交付税の不交付団体に対する措置につきましては、市町村へ直接交付する交付金については、これまで都道府県が負担していた分も含め、実施主体である市町村の基準財政需要額等の算定が改めて行われ、地方交付税の算定が行われるものと認識をしております。

石毛委員 何だか非常にかたい、難しい答弁をいただいたという気がするんですけれども、基準財政需要額の中に事業項目を算定したとしましても、基準財政需要額を上回る収入額のある自治体は交付税は受けられないわけですから、計算していただいても、受けられない自治体からいえばそれは意味がないというふうに言って決して間違いではないと思います。このことにつきましてはもう一回後で触れたいと思います。

 私が申し上げるまでもなく、地域介護・福祉空間整備につきましては新しいアイテムが出されてきておりますので全部がそうだと言うつもりはありませんけれども、大部分のものがこれまで厚生省の施策メニューとしてあったものだというふうに理解をしております。

 これらにつきましては、知事会は補助金を廃止して一般財源化するように、ないしは税源移譲するようにというのが基本的な要望だったと思います。私たち民主党も、尾辻大臣知っていていただけるかと思いますけれども、所得税から五兆円の税源を自治体に移していくということですとか、一括交付金として自治体に、補助金をなくして移しかえていくというような、その枠の中で市町村が自主的、自立的に、あるいは地方公共団体が自主的、自立的に施策を遂行していけるように、そういう方向性を出しているわけでして、今回の地方交付金というこの新しい手法は、その意味では知事会の要望とも違っている側面があるというふうに言わざるを得ないと思います。

 それはちょっとおいておきまして、それを前提といたしまして、これから少し細かい質問になりますけれども。この包括交付金化によりまして、国の拘束性、補助金を受けるときに市町村は都道府県を経由したり、それぞれの事業費目につきまして一つ一つ申請を出したり、あるいは点検を受けたり、あるいはチェックをされたりということで、大変面倒くさいといいますか、いわゆるひもつき補助金、あるいは補助金を受けることの拘束性、縛りというようなことが大変問題視されてきたと思います。

 その意味では、包括というのは一つの新しい手法であること、その事実はそれはそうだと思いますけれども、包括交付金になりますと、これまでのように一々細かい申請だとかチェックだとか、そうしたことはなくなっていく、事務は簡素化される、効率化されるというふうに理解してよろしいんでしょうか。交付金化に伴いまして、市町村はそのあたりはどうなるのかというようなことの問題意識もお持ちだと私は理解をしております。

    〔宮澤委員長代理退席、委員長着席〕

尾辻国務大臣 まず、地方の裁量を大きくしようと思って交付金化したわけでございますから、裁量が大きくなるということについては、お話のとおりであります。

 それから、できるだけ事務の簡素化をしたいということで、これもそういうふうに変えたつもりでございますから、事務も簡素化されたというふうにお考えをいただければと思います。

石毛委員 簡素化されたという今の大臣の御答弁でしたけれども、それでは、その交付金の使用の中身ですとか目標の達成度ですとか、そういう評価はやはり厚生労働省の方でされるんですか。それとも、例えば基礎自治体が第三者機関なり評価委員会なりをつくりまして、そういうところで評価を求めていくという、基礎自治体に主体性を求めていく、あるいは主体性の発揮を促していくのでしたら、そこのあたりも移譲していく、権限の移譲も重要なことだと思いますけれども、そのあたり確認させてください。

中村政府参考人 先ほど大臣からお答え申し上げましたとおり、事務の簡素化、それから自主性、裁量性を高めるということはそのとおりでございまして、計画に記載した事業の追加、廃止等でなければ、計画内容の変更とかそういったことについての再協議などなしとか、個々の施設に対する整備の補助ではございませんので、プロジェクト全体に対する整備の補助でございますので、そういったことについても弾力化していくというふうに考えております。

 それから、評価はどうなるかということでございます。

 私どもも、交付金は公費でございますから、当然国としても、ちゃんと実施されているかどうかということについては評価は必要だと思いますが、何よりも、例えば私どもの地域介護・福祉空間整備等交付金におきましては、市町村の場合、まず市町村に計画をつくっていただきまして、その計画に対するプロジェクトにお出しするということにしております。ですから、計画づくりの段階から当然地域の住民の方の参画は好ましいものだと思っておりますし、評価につきましても、当然、計画達成度の評価というのは、その計画策定プロセス、その実施、評価は、当然、基礎的自治体である市町村、あるいは私どもは広域の補助金も出しておりますので、そういった場合におきましては、都道府県においても政策評価をしていただけるものと考えております。

石毛委員 そこにお住まいになる市民参画による評価という今の局長の御答弁は大変意味のある御答弁として受けとめさせていただきたいと思いますし、厚生労働省としましても省としての評価をされるというふうに今おっしゃいましたので、そこの点は十分に含意していただきたいというふうに要望いたします。

 それで、ちょっと話を、また先ほどの質問と重なることになりますけれども、市町村、基礎自治体に関しまして、地方交付税不交付団体は百三十三市町村に上るというふうに伺っております。

 実は私の地元市もその不交付団体の一つなのでございますけれども、東京中心から急行電車で三、四十分の、要するに住宅地ということになりますが、保育需要が大変多いところで、新設の保育所あるいは改築の保育所の申請をしております。既にこれは何年来の協議をしてきておりまして、ある程度目標が立ってきたというところで、自治体はその計画をつくり、自治体の予算計画をつくり、さてこの三月議会を迎える直前の一月、二月の段階で、不交付団体には、要するに、私は東京都でございますから、東京都からのいわゆる、こういう表現は、裏補助なんという表現はいい表現だとは思いませんけれども、厚生労働省の文書にもその言葉が使ってありましたから私も使いますけれども、それが来なくなるという事態になってまいりました。

 先ほど申し上げました地方交付税不交付団体百三十三全部がそうだというふうには思いませんけれども、不交付団体でも、例えば保育所の待機児童が、私の自治体は七百人ぐらい待機児童がいるというふうに聞いておりますけれども、そうした、保育ニーズが高いとかそれから高齢者の方のケアのニーズが高いとか、要するに、事業費目としては何としても予算を投入していかなければならないというところで、国からは二分の一を限度として交付はされるかもしれないけれども、あと四分の一は都からは来なくなった、不交付団体、ほかの自治体だったら県から来なくなったということになるわけですが、来なくなった。大変苦慮しているわけなんですね。

 この質問を実は大臣にさせていただくのは、ううんということできのう質問取りの方が大変苦慮しておりましたので、私は、この交付税体系の問題については総務省との協議ということになるわけですから、これ以上、裏補助について大臣の御見解を賜りたいということは控えます。

 例えばの話ですけれども、もう少し前からこの情報が検討段階でわかっていればというようなことも申し上げたいという気持ちもございますし、それから、もっと大胆に言えば、不交付団体であっても特定のニーズが多いところには二分の一ラインを加点していく、割り増ししていくというような考え方も、二分の一限度というのは、総予算の二分の一ということもありますでしょうし、それから個別のアイテムに対する二分の一ということもありますでしょうから、そこは、総予算は二分の一だと思いますけれども、個別の包括事業なりあるいはその中の重要なアイテムに関しましては二分の一にプラスアルファするということも理論立ての話とすれば可能だというふうに私は思います。

 ここは、大臣、答弁は結構でございますから、これから実施の段階に移っていくわけでございますので、いろいろな考え方を工夫しまして、子供のニーズや高齢者の方のニーズや、あるいはほかにもいろいろあると思います、きちっとニーズにこたえられるような検討をぜひしていただきたいということを、これは要請だけさせていただきたいと思います。

 次の質問でございますけれども、これは今回改正されてまいります介護保険に関連しまして少し、そちらの法案審議ということでいえば時間的には先取り的になりますけれども、何点かお尋ねしたいと思います。

 第一号被保険者の介護保険料に関しまして、制度発足当初から保険料負担のいわゆる逆転現象ということが問題視されてまいりました。時間の都合がありますので、その中身につきまして詳しい説明は省きます。

 今回、介護保険法が改正されようとしているわけですけれども、この逆転現象に関する解決策というのはいかがでしょうか。それについてお尋ねします。

中村政府参考人 お答えを申し上げます。

 大変難しい御質問で、先生の方からも時間の関係で逆転現象の中身は省略するというお話でございましたので、私の方からも長々その御説明は省略させていただきますが、基本の問題の所在をまずお話し申し上げ、今の考え方を御説明申し上げたいと思います。

 まず、介護保険の保険料は定額でございます。定まった額の保険料になっております。これは、六十五歳以上の方皆さんに一律の保険料をいただくということで、定額の保険料と申し上げますと、先生方は例えば国民年金の保険料をぴっと思い浮かべられると思います。国民年金の保険料はいわば一律定額で一本の保険料でございます。介護保険を導入するときに、どういう保険料の御負担をいただくかということをみんなで考えたわけでございますが、一律定額では低所得の方に対して逆進的な負担になる、そうかといって、なかなか定率の負担も技術的に難しいということで、所得に応じて五段階の定額負担にするという段階制をとろうということになったわけでございます。

 段階制をとるときに非常に問題点にぶつかりましたのは、私ども、所得の把握はやはり税の所得の把握しか使える物差しがない。ところが、六十五歳以上の高齢者の方の四分の三は非課税であるということになりますので、段階をとるにしても、上位四分の一と下位四分の三の方の物差ししかできない。これでは段階を踏んだことにならなくて、また国民年金のような保険料の御負担になってしまうという問題がございまして、低所得の方をどうやって分けるかということで問題が出てまいりました。

 そこで、低所得者の方の中で、低所得者の方というのは市町村民税非課税の方、四分の三が非課税の方でございますので、そこの中でどう刻むかというときに、極めて低所得の方、これは生活保護の制度がございますので、そこは一番低所得ということで分けられる。

 そうすると、四分の三の中のさらに二つをどうやって分けるかという問題にぶつかりまして、世帯全員が非課税のグループと、六十五歳以上の方御本人は非課税であるけれども世帯の中に課税者がいるというところで二つに分かれるだろうということで、低所得のところを二つに分けさせていただきまして、生活保護の第一段階、世帯全員非課税の第二段階、それから世帯課税の第三段階ということで、第二段階、第三段階に世帯概念を持ち込んでいるので、そのときに、個人個人の神様の目から見た所得に着目して見ると逆転が生じるということが問題になっているわけでございます。

 この問題につきましては、平成十四年八月から、私ども、保険者と協議をするということで、市長会の中に第一号保険料のあり方に関する検討会を置いていただきまして、私どもと共同作業でずっと検討してまいりました。

 今回見直しをいたしますのは、第二段階、世帯全員非課税のところも、年金の所得でいうと八十万円から二百数十万円まで、ばらつきが大きいので、そこのところをきめ細かくという点については今回解消することができる見込みになったわけですが、世帯概念を外すというところまでは、市長会の実務の方とも詰めに詰めましたけれども、踏み切ることができず、そういった意味では、石毛先生の御質問に対しては、残念ながら、世帯概念を導入していることで生ずるいわゆる逆転現象については一〇〇%今回の改革で解消までには行かなかった、こういうふうに御報告させていただきます。

    〔委員長退席、大村委員長代理着席〕

石毛委員 次の質問とも関連することなんですけれども、年金課税の強化等々によりまして住民税本人非課税の所得ラインが下がってまいります。そうしますと、場合によりましては、住民税世帯非課税のところの保険料負担額ないしは利用料負担の減免額と、それから課税所得ラインが下がって、そのすぐ上ぐらいの方の負担のところと比べますと、もっと逆転現象の、その乖離が激しくなってくるということが十分に想定されるんだと思います。

 ですから、局長が御答弁くださいましたように、大変難しい制度上のテクニックとそれから課題があるというその御指摘は私も理解はいたしますけれども、ここは思い切って、それこそ本当に個人単位に変えるとか、あるいは世帯概念を、夫婦二人の場合は世帯概念をとっても同居の子供の場合は外していくとか、もう少し地域を設定するなりあるいはサンプルを設定するなりして詰めていっていただかないと、今、御高齢の皆さんが集まれば大体、介護保険どうなるかということは必ずと言ってもいいほどテーマになってきまして、そのとき自分は年金幾らで配偶者は幾らでというようなことになりますと、この逆転現象というのは本当に普通の会話の中に出てくることなんですから、そこがきちっと納得いくような説明ができなければ、私は介護保険に対する信頼性が大幅に損なわれていくと思います。

 ぜひここは、個人単位の所得に応じて定率制にする、ないしは配偶者二人だけを世帯概念でとらえるとか、それから、これは私限りの私見でございますけれども、民主党は年金改革の中で納税者番号制を言っておりますから、それをどのように敷衍化するかということからも、ゼロの負担ということだってあるわけですから、言えるかというふうに思います。最後の部分は私の私見でございますけれども、いろいろな方策をして詰めていただきたいということ、これは要望として申し上げます。

 次の質問でございますけれども、もう一つ、尾辻大臣は坂口前厚生労働大臣から受け継いでくださっている課題だというふうに思いますけれども、この間、高齢者の方にかかわりましても税制が非常に変わってきております。もう時間がありませんから詳しい話はこれも省略しますけれども、老年者控除の廃止それから年金課税の強化等々で課税所得ラインが、私はこれは所得税で調査局に算出していただいたのですけれども、二〇〇四年、平成十六年は控除の合計額が二百三十三万八千円であったものが、平成十七年では控除合計額が百六十五万二千円ということで、控除合計額が七十万円も減っております。それだけ課税の所得ラインが下がったということになります。

 その下がったままを住民税、本人、今私は所得税で申し上げました、住民税はもうちょっと違いますけれども、でもほぼ同じという理解にしまして、そうしますと、住民税非課税の所得ラインがぐっと下がってまいります。ここで先ほど局長が言われました定額のところを一の保険料として賦課していくということになりますと、保険料負担は非常に重くなってまいります。連動して、これは制度的に直連動ではありませんけれども、事実としては国民健康保険の方にも響いていって、そちらの保険料も上がるということになっております。

 時間がありませんからもう一つ申し上げます。要するにホテルコストの問題です。

 特別養護老人ホームのホテルコストそれからショートステイのホテルコスト、全部、この本人非課税の課税のラインが変わることによって、言ってみれば課税所得層が物すごく負担がふえていくというふうに変化をしてまいります。

 そこで、結論をつづめるように申し上げますけれども、実質的な負担がふえないように工夫をしていただきたいということを申し上げたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

尾辻国務大臣 お話しのように、確かに介護保険料にいたしましても、あるいはまた補足給付にいたしましても、住民税が課税されているか非課税になっているかというところで、その額の違いが生じております。したがって、課税されるされないというところの境目の額を下げますと、今お話しのようなことになります。

 そこで、制度全般の見直しの中で、非課税措置の見直しを踏まえまして、市町村が被保険者の所得状況に応じきめ細かな保険料段階を設定するなど弾力的な設定を可能とすることで、被保険者の負担能力を適切に反映したものにしたいと考えております。

 また、補足給付の方の話でございますけれども、これも制度の持続可能性を維持するために、食費、居住費を保険給付の対象外とする趣旨を総合的に勘案して、今お話しのようなことも含めて検討することが必要だと考えております。

石毛委員 ホテルコストの方ですけれども、ごくごく最近の厚生労働省の参考資料でも、改正後の保険料段階の新三段階、年金八十万円を超えて二百六十六万円以下の者というふうに書かれております。これは、言ってみればことしの十月からということになれば、税制の方はもう変わっているわけですから、少なくともここのラインは二百六十六万円ではない、変わるのじゃないでしょうか。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 地方税の方の改正の施行が十八年四月になっております。また、十八年度、十九年度は地方税の方におきましてはいわば激変緩和措置がとられるというようなことを承知いたしておりますので、その表は現行の表でございますので、大臣からも御答弁申し上げましたように、十八年四月以降、そこのラインが変わるということがございます。

 今大臣から御答弁申し上げましたとおり、今回の、今回のと申し上げますのは、介護保険法等の一部改正法案で今先生手にしていらっしゃるような改革が行われるという趣旨も考えながら、また課税ラインが変わるということ、冒頭私お答え申し上げましたとおり、今の社会保障制度は基本的に税制に依拠して所得の把握を行っておる。社会保障独自に所得把握するというのは生活保護とごく一部のものしかございませんけれども、社会保障として独自の所得把握なり基準をつくるということになった場合、これは年金の御議論とも絡むと思いますし、まさに社会保障の中で所得をどう考え、どういう所得に応じた社会保障制度体系をつくっていくかというお話にもなると思います。

 そちらの方は、当面差し迫っての今の石毛先生の御指摘とはちょっとずれるかもしれませんが、そこにチャレンジしない限り、今税制しか所得把握がない、それを使っている限り、世帯概念も現場では手放せない。そうであるとすると、先生おっしゃる逆転現象は解消されないという話になりますので、そこの問題をクリアしない限り、社会保障体系における所得に応じた対応とか制度の一元化、いわゆる一元化というようなことは困難ではないかと思っておりますので、その辺につきましても一体的見直しの中で御検討を賜りたいと思っております。私どもも努力いたします。

石毛委員 これは、十月までの変更ですと、このラインで差し当たってはよろしいということになると思いますが、十八年に介護保険料が変わっていく、それから十八年に地方税の課税ラインが変わっていくと、当然これが変化していくわけですから、十分に情報を出していただきたいということと、それから、言葉はもう集約して申し上げますけれども、ホテルコストをどう考えるかというのは、これはオプションとしてついてくる部分ですから、本当は実質負担の概念をもう少し精査して申し上げなきゃいけないんですけれども、とにかく実質負担が意味としてふえないような方向性での制度設計をぜひ工夫していただきたいということを要請いたしまして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

大村委員長代理 次に、三井辨雄君。

三井委員 大臣も副大臣もおなかが大分すいてきたと思います。もう私もさっきからおなかが鳴っているところでございますけれども、もうちょっとお互いに辛抱して、御苦労ですけれども耐えていただきたいと思います。

 そこで、初めに、三位一体の改革については、国庫補助負担金にかかわる事業の見直しに取り組み国の関与を縮小し、税源移譲等により地方税の充実を図って、歳入歳出両面での地方の自由度を高めるものとされています。これによって、住民に必要な行政サービスを地方がみずからの責任で自主的に効率的に選択できるようにしていくとされているわけでございますけれども、しかし、この廃止、縮減される国庫補助負担金の具体的な選定理由だとか、あるいはいま一つわかりにくい今後の改革の進め方、あるいは工程表が明示されないためになかなか理解できないという点もあると思います。先ほど来いろいろと議論されていますけれども、まさにわかりづらいというところもたくさんございます。

 そこで、私は、きょうは、負担金と補助金の廃止関係と交付金を中心に、特に高齢者福祉施設、そして麻薬対策関係についてお尋ねしてまいりたいと思います。多少、今後審議を予定されております介護保険法改正案にかかわる点もございますけれども、あらかじめ了承していただきたいと思います。

 そこで、本題に入る前に確認させていただきたい点がございます。

 認知症のネーミングでございますが、認知症についてはこれからの介護保険の改正法の中でも審議の対象になるわけでございますけれども、既に厚生労働省や資料、あるいはマスコミ等によって、既成の事実として大変使われております。しかし、私は、この言葉に大変違和感を感じるといいましょうか、従来から痴呆症のネーミングが屈辱的だという御意見があったことは私も承知していますが、しかし、この認知症というネーミングも、何が認知なのかよくわからない。認知といえば、子供を認知するとか、物事を肯定的に扱う場合に使う言葉だと私は思っておりました。

 今回、どのような経過や手続を経て認知症が使われるようになったのか、まず私が認知できるように御説明いただきたいと思います。

中村政府参考人 三井先生の御質問にお答え申し上げます。

 経過をまず御説明申し上げますと、昨年四月でございますが、国の方で三センター設置しております、ここに痴呆という名前が出てくるのでちょっと皮肉でありますが、高齢者痴呆介護研究・研修三センターがございまして、その三センター長から当時の坂口厚生労働大臣に、痴呆という用語の変更について要望書が出されました。

 これは、現在、痴呆改め認知症でございますが、認知症については、早期発見が可能であり、また早期発見し治療の余地もある、完全に治るというわけではございませんが、進行をとめることができる、早期であればあるほどその効果が大きいというようなこともあり、早期発見、またハイリスクのグループの方にさまざまなアクティビティーをすることによって、予防活動の余地も出てきた。

 そういうことで、三センターの方で、一般の住民の方に、市町村、都道府県等とも協力して、そういういわゆる認知症の早期発見のための検診事業ですとか予防事業のアクティビティーをしようとする場合に、痴呆という言葉が、痴呆の検診であるとか痴呆の予防ということでお示ししたところ、参加者から大変抵抗があり、プロジェクトそのものがなかなかうまくいかないというようなことであり、これからの、当時の言葉で言う痴呆対策を推進するために、まず用語そのものも考え直す必要があるのではないか、こういう御要望をいただきました。

 六月に痴呆にかわる用語に対する検討会を立ち上げまして、九月三日から十月二十九日の間、さまざまな学会や国民からのパブリックコメントをし、そのときには、認知症、記憶症、アルツハイマー、物忘れなど六つの候補を挙げ、その他の用語についても一般に公募をするというような手続を経まして、十二月二十四日に、用語の変更といたしまして、痴呆から認知症というふうに変えるのが適当ではないかという報告書を取りまとめいただいたところでございます。

 早速、翌日の新聞各紙では「お断り」ということで、例えば、以後、一般用語としては新聞としては痴呆という言葉は使わず認知症という言葉を使う、ただし、医学用語として痴呆という言葉は診断名とかそういうことで使われておりますので、そこについては痴呆と使うこともあり得るというようなことで、ほぼ新聞の方では用語の変更が行われたり、さまざま、関係団体などでもそういう動きは広がっているということでございます。

 学会の方では手続が必要であるということで、もう一、二年、いわば医学用語としてどういう言葉を採用するかということについては議論されているようでございますけれども、神経精神学会の学会長からは、用語の検討委員会の高久会長に対して、プライベートなレターという形ではございますが、認知症という名前は一番受け入れられやすいのではないかというお手紙などもいただいた、こういう検討経過、これも検討会に御報告した上で、私どもとしては認知症が適切であると考えた次第でございます。

 そこで、法律用語、今回の介護保険法等の一部を改正する法律案でも提案させていただいていますが、国の法律で痴呆と書いてある用語につきましては、認知症という言葉に用語を変更するということで法律案も提出させていただいています。

 御説明の前後が逆になりましたが、主として問題とされたのは、字から見ても侮べつ感を感じさせる表現であること、また、最近、アルツハイマー病の方、患者さん御自身が発言する状況がふえてきておりますが、そういうことからわかってきたことからすると、そういう認知症の実態を痴呆という日本語が正確に表現していない、痴呆になると何もかもわからなくなってしまうというイメージが一般に流布しがちだ、それから、非常に痴呆ということについて恐怖感があり、早期発見、早期診断等の取り組みの支障になるということで、認知症という言葉に変えるという用語の変更が適切であるということになった次第でございます。

 なお、認知症という言葉については、検討会のメンバーのお一人である弁護士の堀田力先生の方からは、今先生御指摘のとおり、法律上の認知という言葉とも混同しやすいし、国民の皆様に定着する努力は必要ではないかということもございますし、単に名前を変えるだけでは事態が変わらないということもありますので、私ども、認知症を知る一年として四月から集中的に広報もさせていただきますし、何よりも、名前を変えるだけではなく、認知症対策の推進に努めてまいりたいと考えております。

    〔大村委員長代理退席、委員長着席〕

三井委員 今、中村局長が随分懇切丁寧に長々と、これは、こうであれば長々とこの認知症の説明を、国民の皆さんに、私もタクシーの運転手さんに聞いたんです、認知症というのを何人か聞きました。だれも知りませんね、認知症というのは。最近私たちがよく使うのは、最近、何か僕も年だからぼけてきたなとか、ちょっと痴呆ぎみになったのかなというのがなじみやすい言葉なんですね。

 いろいろ見ますと、そこで大臣にお聞きしたいんですけれども、パブリックコメントをとって、そういう中で認知症とした。しかし、ここでいろいろ今局長から御説明ありましたけれども、私が聞き及んでいる中では、日本心理学会、日本基礎心理学会、日本認知科学会、日本認知心理学会が連名で、痴呆にかかわる用語検討会の座長あてに認知症に反対する意見書を出しているんですね。それで、学会の皆さんは、対案として認知失調症を提案しています。

 それで、先ほど局長の答弁にありましたように、すぐ新聞紙上等では認知症のさまざまな意見が出されたわけでございますけれども、例えば精神分裂病から統合失調症に用語が変更されるときには、約七年かかって変更されているわけですよ。まさに、今回のこの認知症というのは何か拙速のような気がいたすのでございますけれども、もっと多くの御意見を紹介したいのでございますが、これはまた本体の法案のときにお話を申し上げたいと思います。

 そこで、大臣、今局長から御答弁ございましたように、この認知症を広く認知していただくのに、これから介護保険法案に入る前にどう認識していただくのか、大臣の御答弁をお願いします。

尾辻国務大臣 局長からお答えいたしましたけれども、痴呆という言葉がどうしても侮べつ感を強く感じさせるものですから、この言葉は変えたいということで認知症という言葉にしたわけでございます。ただ、変えたばかりでありますから、先生再三言っていただいておりますように、認知症という名前がまだ認知をされておるとは思っておりません。

 それで、どうするんだというお話でありますが、これも局長からちょっとお答えいたしましたけれども、ことしの四月からの一年間を認知症を知る一年と銘打って、地方自治体や関係機関、団体の協力を得て広報を進めていきたいと思っております。一年間かけて広報を進めていきますということでございます。

 そして、その際には、ただ単に、名称が変わった、その変わった名称を普及する、そういうことだけじゃなくて、認知症の正しい実態とか認知症高齢者の気持ちなどを国民に知っていただくこと、家族のかかわり方や地域住民の接し方、早期発見、早期診断の重要性、先ほど局長が申し上げたとおりでございます。あるいは、介護サービス活用の効果等についてわかりやすく情報を届けること、そうしたようなことが大切なことだと思っておりますので、それらのことに努めてまいるつもりでございます。

三井委員 まず、大臣、厚生労働省の皆さんもこの認知症という言葉を知らないという方が結構いらっしゃるということも聞いておりますので、まず厚生労働省の皆さんから認知症を知っていただくということが先決かな、こういうぐあいに思いますし、四月からそういうことで認知症を知っていただくということでございますので、ぜひ幅広く、違和感を感じないようにしていただきたいなというお願いでございます。

 それでは、養護老人ホームについてお伺いしたいと思います。

 今回、市町村が行う養護老人ホームの入所措置等に関する費用について国庫負担の対象外とする老人福祉法の一部改正が提案されているわけでございますけれども、市町村が行う養護老人ホームの措置に関する費用等については、地方六団体からの提案も当然含まれております。厚生労働省の代替案の中にも税源移譲が示されているわけでございますけれども、この措置に対する費用には、施設の事務費ですとか、あるいは入所者の生活費ですとか、あるいは医療機関等への移送費あるいは葬儀費用だとかが含まれている運営費を指しているわけでございますね。ここに従来は国の金が二分の一負担することになっていましたけれども、今回の改正によってこの部分を税源移譲する、市町村の裁量を拡大するという考え方からすれば、今までの養護老人ホーム等の保護費の負担金を廃止して約五百六十七億円の全額を市町村に税源移譲しようとのお考えと聞いております。

 従来の養護老人ホームの性格の定義と申しますと、やはり六十五歳以上の皆さんであって、体もしくは身体上の、あるいは環境の問題から経済的な理由によって在宅では生活が困難だ、そこで入所せざるを得ない、日常生活上必要なサービスを提供する施設であったわけでございますけれども、養護老人ホームは措置施設ですから、当然介護保険の対象にならないという施設であると思います。

 しかし、現実には、入所者はどんどん高齢化しておりますし、また病気になったとか、あるいは今度の介護の改正法案の中では、養護老人ホームの入所者も外部の介護保険サービスを利用することができる。養護老人ホームが介護保険施設になるわけではないので、同じ施設の中に、入所者に介護保険サービスと措置による行政サービスを受ける人が混在するわけですね。そこで、ここをどのように切り離していくのか、この辺をお伺いしたいと思います。

中村政府参考人 養護老人ホームの運営費に係る国庫負担を廃止いたしまして、いわば一般財源化する、こういうふうにさせていただきました。それに伴いどういうふうに変わっていくのか、どういう養護老人ホームの形になるのかということについての先生からのお尋ねでございます。

 今度一般財源化されます経費は国費五百六十七億円でございます。養護老人ホームは全国で九百六十施設弱でございまして、約六万七千人弱の方が今生活されております。九百六十施設、九百施設程度というのは実は一九七〇年くらいから変わっておりませんで、入所定員も変わっていないということで、養護老人ホームはここ三十数年間大体コンスタントに、ふえもしない、若干減少するというような状況で来ております。いわば同化定着をした仕事であるということで、地方六団体の御要望も踏まえ、一般財源とすることといたしたものでございます。

 養護老人ホームは、ではどういうふうに課題があり、これからどうしていくかということのお尋ねでございます。七万人弱の方が今入所されておりますが、要介護状態も著しくなっている。養護老人ホームが三十年間ふえませんでしたのは、要介護の方は特別養護老人ホームの制度ができてそちらで対応しているということもあり、措置施設の養護老人ホームは介護の方の仕事はしてこなかったということがございますけれども、要介護状態の方がふえておられます。養護老人ホームに入所されている方も介護保険料のお支払いはいただいておりますので、当然介護サービスを措置施設の入所者であっても使えるようにすべきだということで、今回そこの見直しをさせていただくということになっております。

 したがって、措置で入所されている方は、一人で生活するのが非常に困難な方で低所得の方でありますので養護老人ホームに、そこのいわば養護老人ホームの生活サービスは措置施設としての養護老人ホームのサービスとして出させていただきますが、介護状態に着目した要介護に対するサービスは、外部から介護サービスを入れていただくという形で対応するというのを一つ考えております。

 二つ目は、養護老人ホームの施設の方でも介護施設に転換したい部分があるというふうにお考えになった場合には、ケアハウスに転換していただいて、そこは介護保険の特定施設として介護保険施設というふうな運営もしていただくというふうに考えています。そうしますと、地元では措置施設も必要だ、また要介護状態に着目したケアハウスも必要だということになりますと、今の養護老人ホームのところを二つに分けて、契約施設でありますケアハウス部分と措置施設であります養護老人ホームと二つの施設を併設していただくということも対応策の一つではないか。そういうビジョンをつくりまして、お示しをしているところでございます。

三井委員 次にお聞きしようと思っていたんですが、今局長からもう御答弁いただきました。

 それでは、措置施設から契約施設、いわばケアハウスに変わる、この場合に低所得者は同一施設の中でどのように扱われるのかだけ簡単にお答えください。

中村政府参考人 簡潔に申し上げますと、一つは、公的な制度として、本当に費用負担ができないという場合は、契約施設の方におきましても、生活保護を受けていただいて、それに対応するということが一つ。

 それから、養護老人ホームの設置主体は社会福祉法人でございますので、社会福祉法人の方で低所得者のための法人としての減免措置を講じていただく。ここはある程度社会福祉法人の方の御負担になる点もあると思いますが、その分、社会福祉法人の方は税制上の優遇措置も受けておられますので、ある程度、社会福祉法人、施設として受けとめていただける部分もあるのではないかと思っております。

三井委員 そこで、市町村が措置施設から契約施設に移すといった場合にいろいろな問題が生じると思うんですけれども、やはりこういう問題が生じない形にしていかなければならないと思うんですね。要するに、市町村が、つまり措置施設でやっていたのがお金がないから契約施設に移ってくれ、こういうことになりますと、まさに入所難民というんでしょうか、そういう人たちが出てくるだろう。

 そこで、もう一度詳しくお聞きしたいんですが、養護老人ホームの将来像についてどうなるのかということを、先ほど、地域介護と福祉空間整備の交付金の中で都道府県と市町村の関係をそれぞれ、裁量をどう調整していくかということでございますけれども、そこに、国として厚生労働省はどうかかわるのか示していただきたいということと、それから、今の施設設置の判断の主体は市町村にあるということでございますけれども、厚生労働省は、養護老人ホームの将来像というんでしょうか、それをもう一度聞かせてください。

中村政府参考人 先ほど経過でお話し申し上げましたとおり、ここ三十年ほど、養護老人ホームについては、施設の数も入所者もほとんど一定であるということであります。

 そこで、私ども、都道府県、市町村、それから養護老人ホームの設置者の方々、お集まりいただきまして、現状をどう考え、将来どうしていくか、措置施設ということが必要かどうか、それ自体についても検討していただいたんですが、やはり行政の方は、さまざまな環境上の理由から自宅で生活が困難な方、またどうも地域の中でひとり暮らしできないという方は現実問題としておられる、例えばアルコール依存の問題とか、いろいろな問題も抱えておられるという方がおるので、措置施設である養護老人ホーム制度は残してほしい。ただ、養護老人ホームの側からいいますと、重度化しているから介護のニーズもあるので、介護保険も使えるようにしてほしいというのが一つでございます。

 それから、そういう措置制度ではございますけれども、入所者の方を見ると、経済的にある程度の費用負担もできる方がいらっしゃいますし、ケアハウスみたいな、もっと居住環境がよいようなところでお世話した方がふさわしい方もいるということですので、そういった養護老人ホームの一部はケアハウスとして転換していただけるのではないか、そうすると、ケアハウスになった部分については介護保険から介護の費用が出されるということがあるのではないかということで、いわばそういうビジョンを関係者の間で取りまとめ、公表させていただいたところでございます。

 そこで、養護老人ホームについて国としての関与あるいは交付金制度との関係、どうなるかということでありますが、養護老人ホームも老朽化しておりますので、建てかえをしたり、そういった必要があると思います。養護老人ホームは制度の位置づけとしては都道府県、広域的な制度と考えておりますので、ここは都道府県の交付金によって建てかえなどの交付金の事業の対象としてまいりたいというふうに考えています。

 以上でございます。

三井委員 それでは、これは局長、そうしますと、将来的には、やはり経過措置ですとかあるいは特定施設というような御理解でよろしいんでしょうか。

中村政府参考人 将来的には特定施設になる養護老人ホームも多いと思いますが、しかし、養護老人ホームをやっておられる方は措置施設としての養護老人ホームの必要性も強く言っておられますので、私の見込みでいえば、養護老人ホームの形を残しながら一部ケアハウスを併設するとか、あるいは養護老人ホームのワンフロアをケアハウスにするとか、そういうふうな形が一般的になるのではないかと考えております。養護老人ホームを設置しておられる法人の中には特別養護老人ホームも持っておられる法人もありますので、いろいろなパターンができると思います。

三井委員 時間が残り五分ということでございますので、まだ質問が六つほど残っているんですけれども、ちょっと先ほど大島委員に地域介護と福祉空間設備交付金については局長が御答弁なさっていましたので、申しわけないですけれども、質問を割愛させていただきます。

 それから、これも簡潔にお願いしたいんですが、市町村の交付金は、都市部では地域密着度が高いために小規模施設をつくりやすいのはわかるわけでございますけれども、とすれば、人口集積率の高い都市部ほど有利な交付金だということにならないかということを一つ心配します。例えば、北海道のような地域で市町村の交付金を申請できるとすれば、都市部、札幌ですとかあるいは旭川だとか、そういうところに限られてしまうのではないかなという懸念を実はするわけでございますけれども、過疎地を抱えた地域では特養老人ホームなどの広域型のものが施設のニーズとして多いのが現実なんですね。ですから、おのずと都道府県整備計画に基づく都道府県交付金を中心とした施設整備に向かうことも想定されておりますけれども、この辺はどうお考えになっておるか、済みませんが、簡単にお願いいたします。

中村政府参考人 先生、簡単にということでございますので、北海道の市町村、非常に大きい市町村があるので、ちょっとそのことを思うと、確かに北海道の事情はあるかとは思いますが。

 市町村の中でどういう計画をつくっていただくか、どういう単位で計画をつくっていただくか、私どももいろいろな市町村からお話を、試行事業を聞いておりますと、中学校区単位とか、公民館単位とか、合併前の旧行政区単位とか、現市街地、旧市街地、旧産炭地といった町で分けるとか、いろいろなやり方をやっているようでございますので、そこの辺は市町村の方の御判断が大きいのではないかと思っております。

三井委員 それでは、ちょっと時間もございませんので、今度は、先ほど山口委員も質問されておりましたけれども、麻薬でございますね。今回の麻薬及び向精神薬取締法の一部改正についてでございますけれども、先ほどの山口委員が質問されましたように、今回の負担金、補助金の廃止関係におきましては、麻薬取締員、確かに地方六団体の考えもございます。しかし、国を挙げて麻薬対策に取り組んでおられる、先日も尾辻大臣に私どもの園田委員も質問いたしました。大臣も当然副本部長になっておられます。そういう中で、第三次覚せい剤乱用期にあるわけでございますけれども、密輸事件等も、それから私が一番憂慮しているのは、やはり大麻ですとか合成麻薬、あるいは脱法ドラッグ、こういうものが中学生とか高校生、あるいは二十代、三十代、私ども、麻薬取締官事務所も、きょう五人ぐらいいますけれども、行ってまいりました。府中刑務所も行ってまいりました。山口委員のお話にございましたように、非常に再犯率が高いんですね、五三・数%と。そしてまた、女性が特に再犯率が高い、依存症になりやすい。

 そういうようなことでございまして、私は、今回の三位一体の中で、やはりこの麻薬の取り締まりというのは、それは六団体の考えもわからないわけじゃございません。しかし、国を挙げてやっている、第三次覚せい剤乱用期というのは、国が、やはり相談員についても、先ほどのお話を聞いても一億ですか、一億の上限があるということでございますけれども、全部で百二十四人という、こういう人たちにやはりしっかりと、病院だとか医療機関が対象だそうでございますけれども、私は、そのほかに相談員というのはやはり必要だと思うんですね。保護司さんですとか、民生委員ですとか、こういうものもすべて三位一体の中で廃止していくというのはいかがなものかなと思っているんですね。

 今後の取り組みについて、税源移譲しようということでございますけれども、そのお考えをお聞きしたいと思います。

阿曽沼政府参考人 もう時間もございませんので、今後の展開のことだけ申し上げますけれども、麻薬対策は、国と都道府県が密接な連携をして実施するということが不可欠でございます。したがいまして、今回、麻薬取締員制度そのものは存続をいたしますし、国のサイドの麻薬取締官も今回、増員をいたしております。また、平成十七年度から、新たに都道府県の麻薬取締員に対する研修事業も実施をするということも考えております。

 そんなような形で、全国的な取り締まり体制の整備をさらに徹底し、また医療用の麻薬の適正な流通を確保したいと思っております。

 それからもう一点、先生の方から御指摘ございました、相談員といいますか、そういうボランティアの方々の件でございますけれども、十七年度から、新たに都道府県と連携のもとで、麻薬取締員あるいは薬物乱用防止指導員の資質の向上をするための新たな研修事業を実施するというふうなことも計画しておりますので、今後とも、都道府県とも十分調整を図りながら、薬物対策の充実に向けて最大限の努力をしていきたいというふうに考えております。

三井委員 ぜひ、まだまだ本当に質問したいんですけれども、ただ、心配なのは、廃止することによって、都道府県が上限で決めているわけですから、うちは相談員置きませんよ、あるいは取締員置きませんよということになれば、これはまさに都道府県にゆだねられているわけですから、そうなれば後退していくのではないかという懸念が実はございます。

 それで、これは……(発言する者あり)わかりました。時間がないから急いでいるんですから。

 それで、皆さんのお手元に、私、実は二カ所の病院の聞き取りをしました。これは北海道の病院ですけれども、B病院では、ストレスケア・思春期病棟を持っているために、比較的若い患者が多いが、薬物中毒患者は手間がかかり、扱いも面倒なために、意図的に入院させていない、いわば、このような野放し状態になっていると。もう一カ所の病院を私、聞きましたら、ここもやはり同じことを言っているわけですね。そうすると、公的な機関に送るしかない。公的機関も調べてみました。ところが、公的機関も麻薬患者を受け入れていない、こういう実態があるわけです。

 ですから、そこで相談員なりあるいはそういう方が後退しないように、三位一体絡みとはいえ、やはりこれは国が権限を持ってしっかりと私は取り組んでいただきたい。このことについて最後に御答弁いただいて、終わりにしたいと思います。

阿曽沼政府参考人 国はもちろん、薬物乱用対策推進本部をつくって積極的に取り組んでおりますし、各都道府県におきましても、薬物乱用推進対策地方本部というものをおつくりいただきまして、都道府県も一生懸命やっております。

 それで、私どもといたしましても、先ほど申し上げましたように、麻薬の取締員あるいは薬物乱用防止指導員の資質の向上に十分努めていきたいと思っておりますし、お話のございましたような、特に高校生とか中学生とかの薬物中毒者の問題、大変大きな問題でございますので、その辺については、私ども全力を挙げてこれからも取り組んでいきたいというふうに思っております。

三井委員 まさにこの少子化時代に、中学生とか高校生が副作用に悩んでしまう、あるいは依存症になってしまう、大事な国の宝の子供さんたちが、まさにMDMAだとかエクスタシーとか、そういうものを使うというのは、やはりしっかりと国が取り組んでいかなきゃならないと思いますので、最後に副本部長の大臣から、御答弁お願いいたします。

尾辻国務大臣 今お話もございましたけれども、現在の薬物情勢につきましては、依然として第三次覚せい剤乱用期にあります。また、大麻やMDMA等の錠剤型麻薬の乱用が未成年者や二十代の若者層を中心に拡大するなど、極めて憂慮すべき状況にあると認識をいたしております。特に、この第三次乱用期で、中高生のファッション感覚による乱用急増などというのは、これはもう大変な問題だと認識をいたしております。また、さらに、最近いわゆる脱法ドラッグの問題も出てきまして、これも青少年を中心に乱用が広がりつつあります。

 こうしたことに対して、三井先生、かねて大変お取り組みをいただいておりまして、御礼申し上げたいと存じます。

 厚生労働省といたしましても、薬物に対する徹底的な取り締まりと青少年を中心とした啓発活動等の推進の両面から積極的に取り組み、薬物対策を強力に推進してまいります。

三井委員 ありがとうございました。

鴨下委員長 次に、北川知克君。

北川委員 自由民主党の北川知克でございます。

 尾辻厚生労働大臣には、二月にこの委員会室で、予算委員会等におきまして、社会保障全般の質疑をさせていただきました。その中でも、今、小泉内閣が小さい政府を目指していく、しかし、政府と国民の皆様方の意識の中に乖離、ギャップがあるのではないか、国民の皆様方はあれもこれもと、やはりどちらかというと大きい政府を望んでいるような傾向があります。そういう中での大臣の意見をちょうだいいたしましたけれども、きょうは、この三位一体の関連と言われる国の補助金等の整理及び合理化等に伴う国民健康保険法の一部を改正する法律案、この点についての質疑をさせていただきます。

 大臣、お時間がございませんので、一問だけお答えを願って、参議院の方へ行っていただければと思います。

 今回のこの三位一体関連の法案でありますけれども、地方の自主性を拡大し税源を移譲する三位一体の改革については、政府・与党として今進めているところであります。これまでの国の役割、また地方の役割を見直すという意味があると思っておりますが、年金、医療、介護そして生活保護などの社会保障制度は、私は、国民に安心感を与え、国と国民をつなぐ大事なものであろうと思っております。国の果たすべき役割は非常に大きいものがあろうと思っておりますし、今回の三位一体の改革において、社会保障における国の役割、そして地方の役割をどのようなものであると考えておられるのか、この点についてお聞かせを願いたいと思います。

尾辻国務大臣 社会保障というのは、国と地方がそれぞれの役割分担を果たしながらやっていかなきゃうまくいかないと思います。

 そうした中で、まず国の方の役割でございますけれども、これは全国民に対して一定水準のサービスを保障するということがありますし、さらに、社会保障の向上及び増進に努めるべきという役割を持っておると思います。

 一方、地方でございますけれども、これは住民の福祉増進を図る観点から、年金など地域ごとの実施になじまないものもありますから、そうしたものは除いての話でありますけれども、社会保障の実施主体としての役割を分担すべきだ、こういうふうに考えております。そして、それがうまくかみ合って、国全体の社会保障がうまくいく、こういうふうに考えております。

北川委員 ありがとうございます。どうぞ、大臣には。

 今、大臣の方からもお答えをいただきました。社会保障制度そのものの中には、やはりそれぞれの国の理念というものが反映をされると思っております。年金一つをとりましても、世代間の助け合い、もともと家族で親の面倒を見てきたのを社会全体で見ていこうではないか。そして、介護においては、家庭において家庭の方々がお年寄りを抱える、大変な苦労をされるそういう主婦の方々や家族の方々の負担を軽減していこう、こういう中で制度が確立をされてきたものと思っております。そういう国の理念というものが反映をされるわけであります。年金というのも、三十年、四十年かかって制度が根づく。

 こういう点を踏まえた中で今後の社会保障制度のあり方を考えていかなければならないと思っておりまして、私は、社会保障制度は国を統治していく統治機構としての役割を非常に大きく果たしていると思っております。それを踏まえた社会保障制度の姿を今後考えていく必要性があろうと思っておりますし、今回の三位一体の改革において、国と地方の関係については、果たすべきそれぞれの役割がどうしても不明確になりがちな連携ではなく、適切な役割分担を明確に示すことが必要であろうと思っております。

 単なる制度的な権限の分掌ではなくて、財源も含めた国と地方の機能、役割について、この点についても副大臣の方からお答えをいただければと思います。よろしくお願いいたします。

衛藤副大臣 仰せのとおりでございまして、三位一体改革もまさにそのために行われているというぐあいに思って間違いないと思います。

 また、社会保障制度が整っているということは、まさに国にとって一番の基本であります。我が国におきましても、外国と比べてましても、これだけ景気がいろいろ言われた中でもやはり社会保障制度が非常に安定していたということは、大変な国としての安定をつくってきた。これが戦前であれば本当に大変なことになっていたんじゃないのかというぐあいに私は思う次第でもございます。

 そんな中で、やはり住民に身近なものはできるだけ地方に、それから、全国的にやはりレベルを統一しなきゃいけないものは国にということを原則としながらやっていかなければいけないというぐあいに思っている次第でございます。

 費用負担のあり方につきましては、昭和六十年ぐらいに決めた方向がありますけれども、これはそれを参考にしながら、やはり私どもはこの議論の中でもっと明確にしていく必要があるのではないのか、今回の議論の中で明確にしていく必要があるのではないのかというように思っております。

 一応、昭和六十年に決めた我が国の方向としては、事務事業の同化定着の度合いを見る、それから、国としての関与の度合いやその実施を確保しようとしている関心の強さを見る、三点目に地方の住民に与える利益の程度、四点目に国と地方の財源状況ということを見ながら国と地方の分担をしていこうということで今まで考えておりますけれども、これを一つの大きな参考にしながら今後うんと議論をしていくということが必要ではないのかというように思っております。そういうことを総合的に勘案しながら、国と地方がどういうぐあいに協力して事業を行うかということを考えてまいりたいというように思っております。

北川委員 ありがとうございます。

 国としても、厚生労働省におきましても、各制度について不断の改善、改正を行っていると思っておりますが、それぞれが、個別の法律に基づいて五年ごとの見直し等々が行われております。

 五年ごとの改正というものについては、やはり社会保障全般を考えるときに無理が生じてきているのではないか。しかし、五年ごとの現実に対応しなきゃいけない、こういう部分もあるわけでありまして、社会保障全般をすべて網羅しながら今後社会保障制度全般を考えていただきたいと思っておりますし、五年ごとの改正となると、やはりすべてが中途半端な措置に終わりかねないと思っております。

 いずれにいたしましても、戦後六十年たった今、我が国の状況の中で、社会保障制度全般を見詰めた中でこのような三位一体の改革も行っていかなければならないと思っておりまして、社会保障全体のあるべき姿を視野に入れながら各制度の改革を整合性のとれた形で行っていかなければならないと思っております。今回の三位一体の関連法案で盛り込まれている国民健康保険の改正はどのような位置づけになるのか、この点をお聞かせ願いたいと思います。

衛藤副大臣 医療保険制度につきましては、御承知のとおり、各制度の改革を今進めようとしているところでございます。そういう意味では、全体の整合性を図りながら持続可能性を確保するということが必要であるというように思っております。また、御承知のとおり、医療費の大変な増加が高齢社会到来の中で見込まれる中、医療費の適正化につながるような改革もさらに二点目として必要であるというように思っております。

 これらの改革を進めるべく、今般、都道府県に財政調整機能の権限の一部を移譲して、都道府県が保険運営の広域化や医療費の適正化に当たって主体的に取り組めるように、都道府県が国の支援とあわせて重層的に市町村を支援するということを考えてまいりたいと思います。

 そういう意味では、私どもは、今回の国保改革は医療保険制度改革の具体化に向けた第一歩であるというぐあいに考えているところでございます。今後は、都道府県単位を軸とした保険者の再編統合、それから都道府県を中心とする地域における医療費の適正化等を図りながら、保険者、特に地域保険の基盤それから体力を強化することを通じて、高齢者医療保険制度の創設をも含めた制度改革全体の具体的な内容について今後成案を得てまいりたいというように考えています。

北川委員 ありがとうございます。

 今、副大臣の方から、それぞれの都道府県、国の役割等についてのお話をいただきましたけれども、国民健康保険については、今回、都道府県財政調整交付金の七%を創設していくという内容であります。

 いずれにいたしましても、国民皆保険を保つ重要な役割を持っておる国民健康保険について、今副大臣におっしゃっていただきましたけれども、もう一度、国は今後どのようなかかわりを持っていくのか。片方で、地方分権、地方の自主性の拡大の名のもとで、地方がかかわる分野が広くなる。そうすれば、国のかかわりというものが後退をしていってしまうのではないか。最初に申し上げましたけれども、社会保障全体は、やはり国が国家を統治していくというか、そういう重要な役割を果たしているわけでありますから、この点について国が関与をするという部分が後退していく、その部分についての疑問点といいますかバランスというものについて、もう一度お答えを願えればと思います。

衛藤副大臣 国民健康保険は、相互扶助それから共済の考えのもとに、国民だれもが必要な医療を安心して受けられる国民皆保険制度を支える最も重要な基盤であるというぐあいに考えています。

 今回、国保制度におきまして都道府県負担を導入することとしましたが、これは、国保における高齢化や低所得者の増加等が見られる中で、保険運営の広域化等を通じた財政の安定化を図る必要がある、それから、国保の基盤、体力を強化する観点から、都道府県の役割を強化する必要があるというぐあいに考えています。

 しかしながら、都道府県負担の導入をもって国の役割が後退するというのではなくて、今後とも安定的な運営ができるように、国として最大限努力してまいりたいというように思っております。

 さらに言いますと、ここに来るまで、御承知のとおり、県ごとあるいは県内ごとに大きな医療費の差が出てきました。これについては、やはり国だけが考えるのではなくて、先ほど申し上げましたように、広域化の問題だとか、あるいは基盤、体力を強化するという観点からも、県の関与をふやして、県にもっと主体的に取り組んでいただく必要がある、そのことが制度の安定につながるというぐあいに考えている次第でございます。

北川委員 ありがとうございます。

 いずれにいたしましても、来年は医療保険制度の見直しも控えておりますし、今回といいますか、政府も混合診療等にも取り組んできております。この保険制度を取り巻く諸状況が目まぐるしく変わってきておりますので、ぜひしっかりした理念のもとで取り組んでいただきたいと思います。

 続きまして、今回の負担金、補助金の廃止の中でありますけれども、母子保健法の一部改正ということが言われております。今回の補助金改革としての補助金、負担金の一般財源化が盛り込まれておりますけれども、その中でもこの母子保健法の一部改正、一歳六カ月健診、三歳児健診の費用を一般財源化するとしておりますが、国としては、今少子化対策が喫緊の課題として言われております。国がそのような対応をしていかなければならないときに、この点について地方へ任せてしまうということは、国としての対応が後退をしていってしまうのではないか、こういう危惧も抱いておりますけれども、この点につきましての御意見をいただければと思います。

伍藤政府参考人 健康診査の件についてのお尋ねでありますが、一歳六カ月健診は昭和五十二年から、それから三歳児健診は昭和三十六年から実施をされておりまして、既に三十年から四十年以上、長きにわたって実施をされておるということでございますし、私ども、今回考えましたのは、きちっとこの二つとも母子保健法に基づいて、法律に基づいて実施をされておる事務ということが一つの着眼点でありますし、実態としても全市町村で実施をされておる、それから、こういう長期間にわたって実施をされておるという同化定着度ということから判断をして、今回、地方の要望にもありましたので、一般財源化するということに踏み切ったわけでございます。

 しかし、重要性においては指摘のとおりでありますので、法律に基づくものであるということは堅持をしたいと思いますし、地方によって受診率の格差とかそういったことがないように、健診体制の確保などについては引き続き国としてしっかりやっていきたいと思っております。

北川委員 ありがとうございます。

 地方自治体等において、法律に基づいて運用されるということでありますし、ほとんどの自治体で実施をされ、定着をしてきた事業であるということは理解をできるのでありますけれども、今回、一般財源化しても実施に影響がないと今も言われるゆえんでありましょうが、しかし、一般財源化については慎重に行わないと、今局長おっしゃっていただきましたけれども、地域間格差、必ず、市町村の長や都道府県の長の取り組み方、施策によって地域間格差というものは生まれる可能性があろうと思っております。

 国全体として、最初に申し上げましたけれども、まとまりのある社会保障の考え方をしていかなければならないときに、不要な地域間格差が生じたときに、国民に戸惑いといいますか不公平感がまた出てくるのではないかなと思っております。こういう点はやはり避けていかなければならないと思いますし、今回の改正と、また今後の社会保障制度関係費の一般財源化に当たり、地方での適切な事業実施を行っていくために、国として今後どのような対策を講じていかれるのか。これは総務省になろうと思いますけれども、今後の三位一体の流れの中で、地方自治体における社会保障費全般も含んでそれぞれの地域間格差を、どのような体制で講じていかれるのか、この点についてお聞かせを願えればと思います。

瀧野政府参考人 三位一体の改革に伴います地域間格差にどのように対応していくかという御質問でございます。

 今回の三位一体改革におきましては、補助金を廃止して税源移譲を行うわけでございますけれども、その際には、個人住民税で税源移譲をしようという考えでございますが、その個人住民税につきましては税率のフラット化をいたしたい、それによって税の格差を少なくしていきたいというほかに、法人の事業税におきまして分割基準の見直しということも現在提案させていただいておるわけでございまして、こういった形でまず税源につきまして偏りをなくしていきたいというふうに考えております。

 こういった税制面での対応に加えまして、今回、税源移譲をする場合の交付税の算定につきまして、基準財政収入額の算定の仕方を変えていきたいというふうに考えております。これは、税源移譲に伴います増収分につきましては、基準財政収入額の算定におきまして一〇〇%算入というのを行うという考え方でございまして、こういった形で地方交付税におきます財政調整機能を強化いたしまして、地域間の財政力の格差というものを調整してまいりたいというふうに考えております。

 また、御指摘のような法律に基づきます健康診断事業、こういったものにつきましては、交付税におきまして、需要面におきましても全額を基準財政需要の方にも算入するということを考えてございまして、地方交付税の算定全般を通じまして地域間の財政力格差というものについては十分対応していきたいというふうに考えております。

北川委員 ありがとうございます。地域において格差が出ますと、住民の方々が、あっちの市町村は、市は福祉が充実しているからと、すぐに転籍をしたりできる方々はいいのでありましょうけれども、その地域で住まざるを得ない方々にとって、格差というものが生じてきた場合に、大変な混乱といいますかが起きることのないように、今後十分な国としての対応をしていただきたいと思っております。

 当初は法律に基づいてその業務をされるのでありましょうけれども、長年たってきた中で、地域が自立をしていく中で、それぞれの市町村長さんがみずからの考えで財源をどのように使うかという幅広い中での考えが出てきたときに、アンバランス、格差が生じることのないように取り組んでいただきたいと思っております。

 今回の法案のもう一点であります介護保険法施行法の一部を改正する法律案でありますけれども、先ほど来から各委員の方からも質問がありましたが、今回の、平成十二年の介護保険法のスタート前から特別養護老人ホームに入所されていた低所得者の方々につきまして、介護保険法施行法により利用者負担の軽減が行われてきた経緯がありますが、現在、この措置により負担を軽減されている方は、なお特別養護老人ホーム入所者の約二割、七万人にも及ぶと聞いております。

 その中で、この介護保険法施行法による軽減措置は今月末までとされているわけでありますけれども、対象となっている方々はそもそも低所得の方々であり、施行法改正により利用者負担の軽減措置を延長しなければ、これは大きな社会問題となると考えておりますけれども、この点についていかがでございましょう。

衛藤副大臣 今お話ございました約七万人の方々のうちの三分の一の方々は、措置の中で利用料を負担していらっしゃらない方々でございます。施行法による負担軽減を行わない場合は、これらの方々は被保護者となるおそれもある、あるいは、年齢でいいますと約八割の方々が八十歳以上であるという状況を考えますと、やはり軽減措置を延長しなければ、仰せのとおり、大きな社会問題になるのではないのかというぐあいに考えました。

 また、今回の制度改正を予定しておりますものも、いろいろな形での低所得者に対する軽減措置を考えてはいますけれども、やはりそれだけでは吸収し得ないのではないのかという判断の中でこのような措置をとるということを考えた次第でございます。

 こうした実態を考えますと、やはり措置を延長しない場合は、施設入所のための費用負担がふえまして、支払いが困難になるということが考えられますので、この負担軽減の延長を行うこととしたいというぐあいに考えている次第でございます。

北川委員 ありがとうございます。

 こういう大きな社会問題にならないように、しっかりとした中で取り組んでいただきたいと思っております。この後、今国会に提出をされ、審議が予定をされております介護保険制度改革において、施設の利用者の方と在宅の方との負担の公平を図る観点から、本年十月から施設利用者の食費、居住費、ホテルコストと言われておりますけれども、負担を見直すことが盛り込まれておりますが、その際、今回の介護保険法施行法改正により引き続き利用者負担軽減の対象となる方々についてはどのような配慮を行うお考えがあるのか、この点についてお聞かせを願いたいと思います。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 介護施行法が今度認めていただきまして期間が延長される、そういうことになりまして、実質的な負担軽減が延長される方につきましては、負担軽減を行ってきたことを踏まえまして、居住費、食費の見直し後も、制度施行以前の費用徴収額を上回らないよう、負担軽減措置を講じてまいりたいと考えております。

北川委員 ありがとうございます。

 十分な配慮を行った上で取り組んでいただきたいと思います。

 それでは、最後になりますけれども、最初から申し上げております今後の社会保障制度全般を考えるに当たりまして、国と地方の役割分担のみならず、自助、公助、共助、こういう適切な組み合わせ、そして財源のあり方を考える必要性があろうと思っております。厚生労働省として、そして国として、今後どのような姿を構築すべきであるか、この点についての見解をお伺いいたしたいと思いますし、私は最初に申し上げました、社会保障制度の中に、ぜひ国の理念というものが明確に示されるような取り組みをしていただきたいと思っておりますが、この点について、最後に副大臣の方からお答えを願えればと思います。

衛藤副大臣 社会保障は国民の安心や生活の安定を支えるセーフティーネットとして重要な役割を果たしております。社会保障制度を持続可能で安定的なものとしていかなければいけないというように思っておりますので、そういう中で、国民の将来に対する不安を解消すべく、年金、医療、介護、生活保障など、社会保障制度全般について一体的に改革を行っていく必要があるというぐあいに考えております。

 今後、急速な少子高齢化に伴いまして、社会保障に要する費用がさらに増大するという見込みである中で、給付の一層の適正化を図りながら、必要な財源については国民的な合意を得ながら、利用者負担、保険料負担、公費負担というものを適切に組み合わせていく必要があるというぐあいに考えております。

 いわばそれが、お互いにできるだけ自分でできることは自分でやりましょうという形の自助努力、それから、お互いに助け合いましょう、保険料の中で助け合っていこうという共助の努力をし、そして国も税の中で公費をできるだけ負担しましょうということで、今お話ございましたように、自助努力、そして共助、公助という形で、みんなで支え合っていくという制度がこれからの日本の社会保障の基本的な考え方ではないのかというぐあいに思っている次第でございます。

 そういう意味で、私どもは、自助、共助、公助という形での支え合いを明確にしながら、この大変な少子高齢社会を乗り切っていく、その改革を続けていかなければいけないというぐあいに思っている次第でございます。

北川委員 ありがとうございました。

 では、これにて質問を終わらせていただきます。

鴨下委員長 次回は、明十七日木曜日午後一時五十分理事会、午後二時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後一時四十五分散会


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