衆議院

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第21号 平成17年5月13日(金曜日)

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平成十七年五月十三日(金曜日)

    午前九時三十分開議

 出席委員

   委員長 鴨下 一郎君

   理事 大村 秀章君 理事 北川 知克君

   理事 長勢 甚遠君 理事 宮澤 洋一君

   理事 五島 正規君 理事 三井 辨雄君

   理事 山井 和則君 理事 福島  豊君

      青山  丘君    井上 信治君

      石崎  岳君    大前 繁雄君

      奥野 信亮君    加藤 勝信君

      上川 陽子君    木村 義雄君

      小西  理君    河野 太郎君

      坂本 哲志君    菅原 一秀君

      寺田  稔君    中山 泰秀君

      西川 京子君    葉梨 康弘君

      原田 令嗣君    福井  照君

      古川 禎久君    三ッ林隆志君

      御法川信英君    宮腰 光寛君

      宮下 一郎君    森岡 正宏君

      渡辺 具能君    石毛えい子君

      泉  健太君    泉  房穂君

      内山  晃君    大島  敦君

      城井  崇君    小林千代美君

      城島 正光君    園田 康博君

      田島 一成君    中根 康浩君

      藤田 一枝君    松野 信夫君

      水島 広子君    横路 孝弘君

      米澤  隆君    古屋 範子君

      桝屋 敬悟君    山口 富男君

      阿部 知子君

    …………………………………

   厚生労働大臣       尾辻 秀久君

   厚生労働副大臣      衛藤 晟一君

   厚生労働副大臣      西  博義君

   厚生労働大臣政務官    森岡 正宏君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           山中 伸一君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  岩尾總一郎君

   政府参考人

   (厚生労働省健康局長)  田中 慶司君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局高齢・障害者雇用対策部長) 金子 順一君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    塩田 幸雄君

   厚生労働委員会専門員   榊原 志俊君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月十三日

 辞任         補欠選任

  菅原 一秀君     大前 繁雄君

  谷川 弥一君     坂本 哲志君

  中山 泰秀君     宮下 一郎君

  小林千代美君     松野 信夫君

  橋本 清仁君     城井  崇君

同日

 辞任         補欠選任

  大前 繁雄君     加藤 勝信君

  坂本 哲志君     古川 禎久君

  宮下 一郎君     中山 泰秀君

  城井  崇君     橋本 清仁君

  松野 信夫君     田島 一成君

同日

 辞任         補欠選任

  加藤 勝信君     菅原 一秀君

  古川 禎久君     葉梨 康弘君

  田島 一成君     小林千代美君

同日

 辞任         補欠選任

  葉梨 康弘君     寺田  稔君

同日

 辞任         補欠選任

  寺田  稔君     奥野 信亮君

同日

 辞任         補欠選任

  奥野 信亮君     谷川 弥一君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 障害者自立支援法案(内閣提出第三五号)

 障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第三六号)


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     ――――◇―――――

鴨下委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、障害者自立支援法案及び障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。

 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。

 両案審査のため、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鴨下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、政府参考人として文部科学省大臣官房審議官山中伸一君、厚生労働省医政局長岩尾總一郎君、健康局長田中慶司君、職業安定局高齢・障害者雇用対策部長金子順一君、社会・援護局障害保健福祉部長塩田幸雄君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鴨下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

鴨下委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。園田康博君。

園田(康)委員 おはようございます。

 障害者自立支援法案の審議が始まりまして、本日で二日目でございます。私も、前回から引き続き、また質問の時間をいただきました。三十分でございますので、大臣、ぜひ、私もこの障害者自立支援法案、本当に真剣な思いで取り組ませていただいております。どうか大臣、この思い、そして障害者の思い、受けとめていただきますように、まず冒頭お願いを申し上げます。

 大臣、御承知でしょうか。昨日でございますが、日比谷公園、五月十二日、「障害者自立支援法」を考えるみんなのフォーラムといたしまして、全国から、報道によりますと八千人もの方々が、障害を持った方々、あるいはそのお世話をしていらっしゃる方々が日比谷公園に集まって、そしてデモを行い、そしてきのうは国会請願ということで、緊急の請願という形で特別決議を行っていただいて、私どもにいただいたわけでございます。

 本当に多くの、これだけの多くの皆様方がこの自立支援法案に対しまして不安を持っていらっしゃる、この数字のあらわれではないでしょうか。私は、多くの障害者の皆様方が、この東京・日比谷公園に、国会に集まってこなければいけなかった、そういうことは、本来だったらばあってはならないことではなかったのかなと。こういう皆様方に、事前にこの法律の内容がどういう形であるのか、そしてこのような障害者の皆様方が不安を持つようなことがあってはならないような、そういう丁寧な説明、そういったものが求められたのではないでしょうか。

 大臣、ちょっとお聞きください。そのフォーラムの中でのアピールでございます。

 私たちは、きょうここ日比谷公会堂・野外音楽堂に、たくさんの市民の皆さんとともに、全国の障害当事者とその家族、関係者などが集いました。

  戦後、わずかずつ積み重ねてきたわが国の障害者福祉ですが、今般の障害者自立支援法案と一連の関連する動きは、これを大きく転換させるものです。気になるこの法案ですが、わたしたちの気持ちとはまだまだ距離感があります。なぜ、こんなにも早いテンポで進めなければならなかったのか、鳴り物入りで始まった支援費制度の総括はどうなっているのか、どの程度の基礎データの下で法案づくりが進められたのかなど、釈然としない点がたくさんあります。

 そして、「残念ながら、肯定的な答えは見出し得ません。」ここまで言われております、大臣。

 そして、五項目のアピールが出されております。

 まず第一点目。「障害保健福祉関連の予算を大幅に増額してください。これまでの「見積もり」は、誤っていたように思います。」私が前回指摘をさせていただいたことが、まさしくここでも当事者の皆さんの声として出てきております。「財政難にあっても、必要で充分な予算額を確保してください。」

 二点目。「応益負担の導入は余りに乱暴です。本人が負担できない場合に家族に負担が及びますが、これは障害者にとって心苦しく大きな屈辱です。また、働きに行った場で費用負担が生じるのは納得できません。」ここまで言われております。

 三点目。「現在の法案では、難病や発達障害など、いわゆる「谷間の障害」と言われている人々は対象から外されています。分け隔てのない法律としていかなければなりません。」これも、本来ならば、総合的な障害者の福祉法というものをここで確立していかなければいけなかった、この声にもあらわれています。

 四点目。「働く場をもっと増やしてください。そのためには、雇用と福祉の一体的な体制が図られなければなりません。雇用や仕事の発注面で、企業も応援してください。」社会の皆さんが、全員が障害者の皆さんを支えていかなければいけない、そのあらわれだと私は思っております。

 五点目。「自分の人生や生活は自分で決めたいのです。個々のサービスの決定にあたっては、障害当事者の自己決定を尊重してください。市町村は、勝手に決めないでください。」

 大臣、これが悲痛な思いの今の障害者の皆さんの本当のお気持ちなんです。そして、これは命をかけた抗議文だと私は受け取っています。

 昨日、私、国会から宿舎に帰るところで、ある障害者の方、夜中も遅い時間でありましたけれども、お目にかかりました。今でも、朝見ましたら、ずっと昨日から泊まり込んでいらっしゃる方が、障害の方々がいらっしゃいました。その方々に率直に私もお伺いしました。私たちは今一生懸命この自立支援法案について審議をさせていただいています、だから、どうか体は気をつけてください、そして皆さん方の命を大切にしてくださいと申し上げたのです。ところが、その人たちは、そんなこと言っていられないんですよ、この法案が通ってしまったら私たちの生活がどうなるのか、本当に不安でしようがない、そして応益負担を負担、負担という形で結びつけられる、自分たちに押しつけられる、それじゃ生きていけないじゃないですか、私たちは命をかけて今抗議をさせていただいているんですと。本当につらい思いをさせていただきました。

 本来、命をかけてやらなければいけないのは、私たち政治ではないんでしょうか。彼らに命をかけさせてどうするんでしょうか。大臣、この自立支援法案、根幹の考え方をぜひともお酌み取っていただきたい。彼らの思いを受け取っていただきたいのです。

 ちょっと感情的になっておりますけれども、私自身、この法律、本当に彼らの身になって考えなければいけないこと、これを強くお訴えをさせていただきたいと思います。

 それで、きょう、大臣、三十分という時間であります。この法律全般をならしていかなければならないという責任感もありますので、しっかりとまず定義の内容を話していきたいと思います。

 まず、ちょっと前回できなかった部分で、自立支援医療についてお伺いをしたいと思います。

 大臣、この法律の中で、彼らのサービス、福祉サービスの利用についていわば負担を、一方で一割負担という定率負担を導入しようとしておられます。私たちにとってみれば、それは応益負担以外の何物でもない、言葉が少し、定率負担という言葉でされておられるわけですけれども、これが何か彼らの、利用されているのだったら彼らも負担しなさい、それはある面、制度の維持をするという面では、そちらの面からいえばそうかもしれません。しかし、だけれども、彼らの今の生活状況からすれば余りにも酷ではないか。

 それと同時に、この自立支援医療でも定率負担を導入されようとしておりますね。この自立支援医療、さらに彼らの生活の中に上乗せをする、私はどうもこれは納得ができるものではないと思っております。

 厚生労働省は、二〇〇二年の三月、ここで精神障害者通院医療費公費負担の適正化のあり方に関する検討会報告書が出されたわけでございますが、これを受けて同月の二十九日、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第三十二条に規定する精神障害者通院医療費公費負担の事務取り扱いについて各都道府県に通知を出しておられます。

 これに基づいて、本来ならば、ここで指摘をされていた認定審査の適正化、そして医療費の請求の支払い決定の適正化が行われるはずであったと私は思っておりましたけれども、まず、大臣、厚生労働省としての、この報告書を受けて検証及びその対応についてお伺いをしたいと思います。

塩田政府参考人 精神通院公費医療の問題点につきましては、先ほど御指摘がありました二〇〇二年三月の検討会の報告書を受けまして通知をしたということでございます。

 その際の通知の趣旨としては、公費負担医療の対象を明確にするということで、精神疾患に起因するものにその対象をしっかりきちんとしましょうという趣旨の提言をいただいたところでありまして、診断書の様式を変更したり、あるいはその内容をチェックするために精神保健福祉センターでチェックするとか、そういった仕組みを導入したところでございます。

 その仕組みを導入いたしましたが、その後、実際の医療費の伸びというか、なかなか改善されなかったということでございます。私どもも精神保健福祉センターのセンター長会議などで趣旨の徹底とかを申し上げたところでありますが、なかなか今の仕組みではうまい解決策がないということで、問題の解決に苦慮しているということでございます。

 そういうことで、今回、限られた財源の中で本来の精神通院公費制度を含めました障害者の公費負担医療制度が制度として持続していけるようなという観点から、利用者負担の導入もさせていただいたということでございます。

園田(康)委員 部長、ちょっと待ってください。これは本来ならば、医療機関の適正化ということで、その判断のチェックをしていく、そしてその精神保健福祉センターの中でチェックをして、それでも医療費の伸びは抑えることができなかった。それで苦慮しておられる。その結果が、今回のこの自立支援医療の中で利用者の負担に押しつけることになったんですか。

 本来ならば、聞いてくださいよ、本来ならば、この医療費の伸びを抑えるということを、医療機関の側の適正なチェックのもとできちっと抑えていかなければいけなかったんじゃないですか。これが報告書の中で指摘されているじゃないですか。それを安易に、苦慮している、伸びをなかなか抑えることができなかった。その結果がなぜ利用者の方に負担を押しつけることになるんですか。これを説明してくださいよ。

塩田政府参考人 精神通院公費負担医療制度は非常に重要な制度でありますので、この制度は引き続き持続してちゃんと運営していかなければいけないと思っているところでございまして、一方で、財源というのは限界がございますので、限られた財源をいかに、最も効率的に、最も政策の実現にいい形で使っていくかということが非常に重要なテーマだと考えているところでございます。

 精神通院公費負担医療制度に医療機関も含めましていろいろな問題があるということは十分承知しております。そういう意味で、チェックはきちんとしないといけないと思っていますし、今回の改正でも、医療機関についての指定制度を設けるとか、医療機関に対するチェックもちゃんとできるような仕組みは考えたつもりでございます。そして、医療費の負担についても、低所得者に対して限度額を設けるとか、可能な範囲のきめ細かな配慮をしたつもりであります。

 こうしたことによって精神通院公費負担医療制度は引き続き持続をしていくことができますし、利用者負担というものを求めることになりましたけれども、精神障害者の保健福祉という観点全体をぜひ見ていただきたいと思うんですが、全体としては地域で暮らしていくための底上げの財源になると考えているところでございます。

園田(康)委員 財源不足、財源不足ということはやはり私はまだ気になりますよ。それをもって、本来ならば、この医療機関の適正化の部分について、指定医療機関という形で今回はやった、そこでチェックをするとおっしゃっておりますが、その内実がどのような検証になっているのかということなんですよ。その上でこの指定医療機関という形が出されてくるものであると。本来ならばそうではなかったんですか。どこに問題があるのかということをまずその中できちっと検証した上で、問題点を全部さらけ出してから、洗い出してからその次に進まなければいけない話じゃなかったんでしょうか。だから、それで見切り発車と言われてしまうんですよ。

 今までのきちっとしたデータに基づいて、問題点はどこにあったのかということをきちっと検証して、そしてまずそこの部分を直した上で、それでもまだ財源不足でなかなかこの制度全体の維持をしていくことができないということで、改めてそこで障害当事者の皆さんに、これだけ一生懸命私たちが努力をしたんです、医療機関も努力をしたんです、それでもこれで制度が維持できなくなってきたんです、最後に求めるのは当事者の方々じゃないんでしょうか。順番が私は違うと思うんです、順番が。大臣、そう思われませんか。その点を私たちは申し上げさせていただいているんです。

 だから、なぜ今回、この十月から施行で、一番最初に公費負担医療で、自立支援医療の部分を利用者の方々に負担を、まだこの検証がきちっとなされていない。大臣、ひょっとしたらこれは初めて聞いた話かもしれません。今回の上辺だけの話で来たものだから、この内実がきちっと検証されてきて、そしてその上でこの制度ができてきたということでないんだということを御認識いただきたいんですよ。

 その上で、大臣のちょっと御見解をお伺いしたいんです。これは本来、検討会でもきちっと報告書が出されて、そして検証をもっとこの部分でしなければいけないんだと。いいかげんな話じゃないんですよ。負担だけ押しつけるということを、なぜこれは先に当事者の方々にやってしまうんですか。もう一度考え直すその機会をいただけないでしょうか。

尾辻国務大臣 今のお話は、今回の法律をこういう形でお出しをする、お願いをする、そのことの基本的な考え方、まさにそこのところの御指摘だというふうに思っております。

 先日もお答えしたように、私どもが今考えておりますのは、とにかく障害者の皆さんの施策というのを総合的にさらに前進させていかなければならない、でもそのためにどういうふうに一歩ずつでも進めていくかということを考えておるわけでありますけれども、そこで、まず今度の法律も出させていただいた。とにかくまず全体としての整合性、社会保障の仕組みの全体の中で障害者の皆さんに対する施策、法律というものの整合性をとりたいということでお願いしておる、その全体の整合性という中で今のお話も出てくる、御指摘の部分も出てくるということをまず御理解いただきたいと思うわけであります。

 一方からは、これは正直に申し上げておりますけれども、支援費が行き詰まった財政的な事情もあるということも申し上げておるところであります。ただ、全体の整合性ということの中で、私どもがまたこうした法律の仕組みを全部整理していきたいと思っているということをまず御理解いただきたいと思います。

 そうしますと、今御指摘のようにそれぞれのケースでいろいろなケースが出てきますから、まず全体の仕組みをこうさせていただきますということを言わせていただいて、お決めいただいて、それで、その上で、ではこういうケース、こういうケースというふうに、私どもはぜひそういう手順での取り組みをさせていただきたい。

 したがって、この場でのいろいろな御議論もいただきながら、また私どものこうやりたいということは御説明申し上げますし、また先生方のそうした御指摘を、それぞれのケースについての御指摘をいただきながら、それをちゃんと尊重させていただいて、今後進めていきますということを申し上げておるつもりでございます。

園田(康)委員 ぜひ大臣、これは大変な大きな問題でありますし、命がかかっている問題でもあると私は思うんです。

 そうしますと、見切り発車という形になってしまう可能性が往々にしてあるんだということなんですね。まず、大臣としての立場はわかりますし、厚生労働省からの立場はよくわかっています。わかっているから、だからこそその部分を、全体を見直して、こういうふうにお願いしますというふうに言われたら、その前にきちっとやはり検証して、そしてそこからスタートでもいいんじゃないですか。その見直しの部分、私はもう一度思い直していただきたいんです。

 ただ単に発車をする、そして、決めてからその施行されるまでの間につじつま合わせのような形で出されてきたのでは、私たちは困るんです。まず最初に、きちっと、どういう点があるか、そして、この制度改正によってそれがどのように改善されるのか、それが明らかになって初めて負担をお願いする、そういうふうに結びつけていくものじゃないんでしょうか。まず始めて、それから整合性をとって、それから御理解をください、そういうことでは、私は納得ができる答弁だとは思っていません。

 大臣、ぜひこれはもう一度、きょうは、この問題点、投げかけをさせていただきましたので、この審議が終わるまでに、一定の結論、この十月施行というものの結論をどういうふうに考えて説得をするのか、説明をするのか、それをもう一度お考え直していただきたいと思っております。

 そして、これだけで時間が過ぎてしまうとまずいと思っております。もう一つ、次の点に移ります。

 この精神の通院医療に関しまして、公費負担を必要とする者の範囲、きょうお配りをさせていただきました資料の二ページ目の中段に、注書きの二のところがございます。「当面の重度かつ継続の範囲」といたしまして、自己負担の範囲、これについて一律に疾病名等によって限定をしていらっしゃいますね。ここで「当面の」というふうに書いています。「重度かつ継続の範囲」として、「疾病、症状等から対象となる者」として、精神は、統合失調症、躁うつ病(狭義)、そして難治性てんかん、更生、育成については、腎臓機能、小腸機能、そして免疫機能障害、こういった形で限定をしていらっしゃるわけでございますが、この理由というものはどういった理由なんでしょうか。

塩田政府参考人 今回の自立支援医療の考え方ですけれども、低所得者の方々とか、重度で継続する疾病で負担が重たい方についてはきめ細かな対策を講じるということにしているわけでございます。この表では、「重度かつ継続の範囲」について一定の疾病を掲げているところでありますけれども、あわせて、この範囲については、広過ぎるという御意見でありますとかあるいは狭過ぎるという双方の御意見がございますので、今後、臨床実態に関する実態的な研究結果も踏まえまして対象の明確化を図るということでありまして、結論を得ましたものから、ここに掲げております疾病に限らず、順次対象にはしたいと考えております。

 それからもう一つ、疾病で限定しているという仕組みだけじゃなくて、米の二のところにありますように、疾病にかかわらず高額な費用負担が継続する者について、医療保険制度の多数該当制度というのがございますが、こういう場合については低所得者対策の対象にするということで考えているところでございます。

園田(康)委員 先ほどの検討会の報告書でも出ておりましたですけれども、ちゃんとこれは、疾病名だけではなくて状態できちっと判断をしていかなければいけないんだという指摘もあるわけですよ。

 それで、部長、今の答弁でいきますと、ことしの十月施行から、そこまでに検証がされていない部分もあって、まずその対象になっている人から始まっていく。その施行後に対象となった人に、その間は全額自己負担にさせるということになるんでしょうか。範囲の対象が確定したところから順番にやっていくというふうにおっしゃったわけですね。最終的に全部検証できるのはいつなんでしょうか。

 本来ならば、検証がきちっとされた上で、これもそうですよ、見切り発車で行うというのは。これまた人の間で、その対象の間で、当事者の間で不公平感、あるいは、それによって、対象になるまでに幾らの人たちのまた負担がふえてしまうんでしょうか。この点、明確にしてください。

塩田政府参考人 現在考えております制度では、重度かつ継続の対象はここに書かれている疾病を当面考えているわけでありまして、それに該当した疾病については負担上限額の五千円とか一万円の制度が適用されるということでありますが、その対象にならないものは、低所得者の場合は一番左の表の二千五百円とか五千円とかになりますが、その他の方は一割負担になるということでございます。

 この対象の範囲については、繰り返しになりますけれども、実証的なデータに基づいてなるべく早く、この法律の施行、十月ということになっておりますけれども、これからでも直ちに調査研究には着手したいと考えているところでございます。

園田(康)委員 またこれは繰り返しをしてしまうんですね。本当に怖いですよ。しっかりとこの点をやらないと、また混乱が起きてしまう。本当に、問題点、これで納得をせいという方が私はちょっとおかしいと思っているんです。

 もう一つ、精神障害者に関しての入院の公費負担というものが対象になっておりませんですね。これはいかなる理由なんでしょうか。

塩田政府参考人 入院のうち措置入院につきましては、精神保健福祉法によりまして行政の処分として医療が提供されるということで公費負担医療になっているということでありまして、それ以外の任意入院とか医療保護入院については、そういう制度ではないということで通常の医療保険制度による対応になっている、そういう整理をしているところでございます。

園田(康)委員 だから、なぜそういう形になっているんですかというふうにお伺いしているんです。なぜそこだけ負担が公費負担の対象外になっているんでしょうか。

塩田政府参考人 任意入院、医療保護入院の場合については、医療保険制度の中で御本人の負担も対応できるのではないかという前提でこういう制度になっているのではないかと思います。

園田(康)委員 これは、財源の問題からということで、前回、検討会の中でも、失礼しました、その前ですね、財源からの問題として公費負担は困難と同意入院に関してはおっしゃっておるわけですね。財源の問題から負担を押しつけるという状態になってしまっていること自体、私もやはりこれも問題である。

 精神障害者の方々に対してもこの公費負担というものをきちっと考えていかなければ、制度間の公平性ということをしきりにおっしゃっておるわけなんですよ、そこからすると、ここだけ対象外にしてしまうということも、やはりこれは整合性に欠ける、私はそのように思っているんですが、もう少しこの辺を整理させていただきたいと思います。

 そしてもう一点。育成、更生医療につきまして一律に定率負担を導入するということで、これは高額療養費制度においての保険適用というもので少しでも軽減をしようということになるわけでございますが、しかし、それ以上に、また過重な負担ということになってしまう危険性があると私は思っておるんですが、この点もいかがでしょうか。

西副大臣 お答え申し上げます。

 この自立支援法案におきましては、障害者に係る公費負担の医療につきましては、先ほどから委員御指摘のとおり自立支援医療として再編をいたしました。その際に、必要な医療を確保しながらその費用を皆でできるだけ支えていただくという考え方、また、その制度にするために、医療費とそれから所得に応じた御負担をお願いするという基本的な考え方でございます。

 そんな中で、低所得の方、それから障害の程度が、先ほどの議論にありますように重度かつ継続的に医療費負担が生じる方、そういう人など、医療費が家計に与える影響の大きい方に対して、例えば住民税非課税世帯の方に対しましては、月額二千五百円または五千円といったように所得に応じた負担の限度額を設定しまして、そのことによってきめ細かな配慮をさせていただくということに今回しているところでございます。

 いずれにいたしましても、必要な医療が確保されるように今後十分留意をしながら制度を運営してまいりたいと考えております。

園田(康)委員 とはいいましても、ここに二ページ目でお示しをさせていただきましたように、厚生労働省としては、完全なる応益負担というものをここで求めていくということで明確にうたっていらっしゃるわけですよ。三つの制度をここで整合性をならしていくということとはいっても、そして低所得者対策を行うといっても、ここで大きく負担割合がふえてしまうという実証がここで出てくるじゃないですか。これでは、本当の面でこの制度そのものを維持する、当事者の方々が、ここで多くのまたさらなる入院がふえてしまう、あるいはそれによって医療費を使うことをみずから抑制してしまって命を絶ってしまう、そういうことにつながる可能性が十分あるんだということをよくよく考えていただきたいんです。

 そして、先ほど申し上げました、この十月からの施行ということを、きちっとしたデータに基づいて検証をしていかないと、これはまたさらなる混乱を生むのであるということを私は申し上げたいと思います。ぜひこの審議が終わるまでにちゃんとした考え方をお示しをいただきたい、それを強く申し上げておきたいと思います。

 きょうは、幾つか御質問の内容を用意させていただきましたけれども、また少し残してしまったわけでございますが、ぜひまたこの質問をする時間をいただくことをお願い申し上げまして、園田からの質問を終わらせていただきます。

鴨下委員長 次に、中山泰秀君。

中山(泰)委員 おはようございます。自由民主党の中山泰秀でございます。

 きょうは、質問の機会をちょうだいさせていただきましたことに、委員各位の皆様そして委員長に心から敬意を表しますと同時に、まず冒頭、感謝、御礼を申し上げさせていただきたい、かように思う次第でございます。

 そしてまた、私もちょうどおととしの衆議院選挙で初当選をさせていただきまして、まだ若輩でございますけれども、そしてまた、浅はかな知識で御質問に立たせていただきますことをおわびを申し上げたいと思います。

 私は、国会議員と地方議員の役割の違いというのは具体的に何かと考えましたら、やはり国会議員の専権事項というのは国の治安を維持すること、そしてまた外交、防衛、そして何よりも日本の国民の文化そして伝統を継承するための教育の中身というものをしっかりと充実させていくという、その審議を行うのが国会議員の役目であるというふうに考えております。

 特に冒頭申し上げたいのは、JRの尼崎駅で、先般、百七名の方がとうとい命を絶たれました。人間、何が突然、災難は降ってくるときはいつかわからないわけで、一寸先はやみという世界の中で、特に障害者の方の中では、交通事故ですとか糖尿病である日突然失明をなさったりとか、中途障害者のような方もいらっしゃるわけで、ある意味そういった災いというものをヘッジできるようなことがもし政治の立場からできるのであれば、そういったことをできるだけ施策として講じていきたいということを考えておる次第でございます。

 そしてまた同時に、実はきょう質問を考える中で、当初大臣がおいでいただけるということでございましたので、いろいろと私なりのアイデアで御質問させていただこうと思ったんですけれども、急遽、参議院の方にお出かけになられるということで、質問の内容を朝五時ぐらいに変更させていただいたことを厚生労働省の方にもおわびを申し上げたいと思うんです。

 逆に、朝五時半ぐらいに会館を出まして表に出ました。ゴールデンウイークまでの方がかえって暖かかったのですけれども、急に寒くなってまいりまして、実は、第一議員会館と第二議員会館の急な坂がありますけれども、第二の角に、寒い中、今回のこの法案に反対をするという立場の障害者の方が、本当に寒い中、車いすに毛布をかけて一生懸命夜通し頑張っていらっしゃったお姿というのを私も拝見をさせていただいて、私は与党の立場でこの法案を通したいという立場でございますけれども、政治というものに対して、お体が不自由で、そして障害をお持ちにもかかわらず一生懸命頑張っていらっしゃる態度というのは、私どもからも拝見させていただいて本当に敬意を表したいと思います。

 と同時に、やはり政治に無関心層というのが特に若年層に多いということ。その中で、この政治の意味というもの、先ほど私は、治安、外交、防衛、教育の中身という話を申し上げましたけれども、それと医療とかこういった厚生労働行政とか、すべての問題がかかわっているということ、それこそ北朝鮮から一発ミサイルが飛んできてしまえば、私どもがここで審議していることというのはすべて水泡に帰すということ、そういったことも思いながら、しっかりと今回のこの法案の審議というものを煮詰めて、そして熟成をした法律というものを施行していきたいということを冒頭申し上げたいと思います。

 それでは、質問に入らせていただきたいと思います。

 まず、今日本というのは、少子高齢化社会の典型的なパターンを迎えているという中で、社会保障費というのがこれからどんどん膨らんでいくということが簡単に予想されるわけでございます。そしてまた、団塊の世代という方々がそろそろリタイアをされる時期が同時に重なってくるわけでございますが、まさに年金の問題に関しましても、給付と負担の割合、水準というものを変更していかなければいけないという時代に入ってきたような気がします。

 その中で、今回この障害者の自立支援法に至る経緯の中で、特に現行の支援費の制度、これが初めから、逆に言えば、予算が大幅に不足をしてしまう致命的な今の制度というものをどうしてあえてつくってしまったのかということを冒頭お伺いをさせていただきたいと思います。

塩田政府参考人 支援費制度は平成十五年度からスタートしたわけですけれども、この制度の趣旨は、障害を持つ方々が地域で普通に暮らせる社会を目指そうということでありまして、障害者自身が決定し、サービスを選択できるような仕組みをつくろうということでスタートしたものでございます。この制度がスタートした結果、多くの方がその支援費によるサービスを利用されまして地域生活ができるようになっていきつつあるということで、制度のねらい、方向性は、私どもは評価すべきものと考えているところでございます。

 ところが、一方で、予想した以上に財源が必要になったということで、今の支援費制度の中で財源を確保する仕組みがしっかりしていないということでありますとか、地域でのサービスの格差が是正されるインセンティブに乏しいでありますとか、精神障害者の方々へのサポートが十分でないとか、いろいろな課題を抱えているということで、そういう中で支援費制度の理念をさらにどう継承して発展させるかという観点からいろいろ検討させていただいているところでございます。

中山(泰)委員 いろいろな見方、角度から今塩田さんから御答弁いただいたわけでございますけれども、少なくとも支援費、いわゆる在宅サービスの予算というのは、二〇〇三年度で予算が五百十六億円、赤字が百二十八億円、二〇〇四年度で予算が六百二億円、そして赤字は二百五十億円以上ということが、結局は結果として出ているわけです。

 お言葉の中に評価ができる制度だという言葉もありましたけれども、私は逆に、評価ができるのであればこのまま続ければいいということも言えるんじゃないかと思います。

 しかし、評価ができないから、そしてまた、社会のいろいろなこれから予測される、社会保障費の上昇と先ほど私も申し上げさせていただきましたけれども、そういうことが予測される中で、変えていかなければいけないという意識が役所の方にも、そしてまた私ども政府・与党の方にもはっきりとあるからこそ、内閣提出でこういった法案が今ここの場で審議をされて、そして私たちが真剣に議論をしているわけでございますから、今の御答弁というのは、私自身もいろいろな角度からという意味ではわかりますけれども、しかし、変えていく意識の中での答弁としては、ちょっと残念な意識というのを私は同時に抱かざるを得ないというふうな気がいたします。

 ですから、それを踏まえた中で、よりいい制度に今回この法案の中でつくり込んでいくという意識をもうちょっとしっかりとお聞かせいただけたらありがたいと思うのですけれども、もう一度御答弁をお願いします。

塩田政府参考人 今御指摘があったように、支援費が目指した、地域で障害を持つ方が暮らせるようにという意味で、もっときちんとした仕組みにしたいということが今度の自立法案のねらいでございます。

 そういう中で、一つは、すべてどこの市町村でも、身体障害者、知的障害者に限らず精神障害者も含めて、市町村が一元的にきちんとしたサービスをできる体制をつくるということが一点ございます。それから、働くことを目指す障害者をきちんと応援する仕組み、厚生省と労働省が一緒になったわけですから、そういった政策をきちんと打ち立てるということ。それから、地域の限られた社会資源をフルに活用して地域で障害者が暮らせるような仕組みをつくるということ。それから、財源の問題はかなり大きな問題ですが、今まで支援費の在宅のサービスは裁量的経費ということで、国の財政の今の仕組みの中ではサービスに伴う必要な財源を国として確保できないという問題がありましたので、その部分について義務費にしていただくということ、それとあわせて、議論になっておりますが、利用者の方にもある程度の御負担をお願いするというような大きな改革を行ったところでございます。

 これは、大きな改革の、いろいろなサービス、制度の普遍化を目指した第一歩であると私どもは考えているところでございます。

中山(泰)委員 今御答弁の中で、将来的な展望というものをもうちょっと聞きたいなと思うんです。いわゆる安定的に財源を確保するために応分の負担を強いるという今回の法案、そしてまた、一部報道とか私が聞き及びますところによりますと、介護保険制度と将来的に統合をするということを視野に入れて検討を進めてきたというふうに聞いておりますけれども、こういったことに対してしっかりした情報をなかなか得られない国民の皆さん、そしてまた障害者の皆さんというのは非常に憂慮していらっしゃる部分があると思うんですね。ですから、お答えできる現時点での範囲内で、明確な将来展望というのがどういうものなのかということを教えていただけたらありがたいと思います。

塩田政府参考人 障害福祉サービス、今度の障害者自立支援法と介護保険との関係をどう整理するかというのは大変大きな課題であると思っております。障害者福祉のサイドからいえば、基礎的な共通の介護ニーズを提供するのが介護保険制度ということでありまして、仮に介護保険制度を障害者福祉のサイドからも活用できれば、障害者福祉の基盤はかなりしっかりしたものになることは多くの方からも指摘されているところでございますが、一方で、税と保険の関係でありますとか、障害者福祉と高齢者福祉の関係をどう整理するかとかいった課題があることも事実でございます。

 そういった観点で、この委員会でも、さきの介護保険法改正法案の審議の際に、介護保険制度の被保険者、受給者の範囲につきまして平成十八年度末までに結論を得られるよう検討を行うとされたところでありまして、私どもも、いろいろな方の御意見を伺いながら、今後障害者施策と介護保険との関係をどうするかということについて検討を進めていきたいと思っているところでございます。

中山(泰)委員 恐らく、傍聴席から見ていらっしゃる方もしくはインターネット等でこの審議をごらんになられている方、そしてまたマスコミを通じて、メディアを通じて、国民の皆さん、この問題に対して非常に注目をなさっていると思うのですね。

 そしてまた同時に、政治家がこうやっていろいろな議論を交わしている、いわゆる代議制度の中で、しかし同時に、今塩田さんが行政の立場としてお答えになられていることというのが、やはり国民の目から見ていると、今小学校でもアンケートをとれば、一番なりたい職業は何だ、国家公務員です、なぜだ、安定をしているからといって母親が教えている。では、一番なりたくない職業は何だ、政治家だ、なぜだ、母親がうそつきだと教えているということ。その中で、行政の立場として塩田さんがこうやって御発言なさっていることというのは、ある程度本当に国民の皆さんがそのお言葉一つ一つ、一言一句に耳を傾けていらっしゃる、そして注目をしていらっしゃるということでございますので、今お話をいただいた将来的展望ということに関して、それが本当に今おっしゃったような形で具現化され、実現されるような法案であれば、しっかりと私どもとしてもバックアップをさせていただきたいというふうに考えておる次第でございます。

 ちょっと話題を具体例にかえさせていただきたいと思っております。

 まず、昨今、現代人の生活様式の変化というのは著しいものがあると思います。特に食生活の変化というものが大きい部分があります。成人病の発症率というのがどんどんどんどん伸びつつある中で、今、我が国の糖尿病の疾患を有していらっしゃる患者数というのは実に約六百万人いらっしゃる。そのうちの約二〇%の方が、糖尿病から起因をしております糖尿病網膜症という病気におかかりになられて、そして失明の可能性がある。大体毎年三千名の方々が視覚障害等を起こしているという事実があります。

 そんな方のお一人に、仮にAさんとさせていただきますけれども、このAさんというのは、毎月約三十時間程度の介助サービスを受けていらっしゃいます。

 ほとんどのそういった障害者の方というのは、最初はやはり、突然目が見えなくなるわけでございますので、非常にショックを受けられて、それこそ自殺まで考えられたりする。しかし、そういったがけっ縁から一生懸命立ち直って、そして目が見えない中でも、視覚障害を持っている中でも、自分自身でできる部分はやっていこうという努力というものをそれぞれ御本人がやっている。当然このAさんというのも、食事とか洗濯というのはある程度自分で基本的には御努力をされてなさっていらっしゃるんですけれども、それでもやはり、買い物に行ったりとかそういったときには、どうしても介護サービスを受けて、目が見える方、健常者の方にお手伝いをしてもらわなければいけない。一生懸命切り詰めていっても、毎月約三十時間程度のサービスを受けなければいけないということ。

 しかし同時に、このAさんというのは障害者年金しか収入がないということで、現行の制度であれば負担はないですけれども、今回はやはり一割負担をしなければいけなくなってしまうということがこの法案には書かれているわけでございます。

 同時に、私どものこの社会というのは、今申し上げた、病気から起因するもの以外にも、普通に道路を歩いていても、それこそ冒頭申し上げたJRの尼崎の列車脱線事故と同じかもわかりませんけれども、交通事故というのも年々増加傾向をたどっているということ。特に、交通事故から起こった後遺障害の件数というのは、平成十一年、四万五千三百五十三名の方がいたわけでございますが、平成十五年には実に六万二千六百十九人、どんどんどんどん交通事故に起因する後遺障害者数というのもふえているということがわかります。ということはどういうことかといいますと、我々健常者でも、横断歩道を歩いていたら、信号無視したバスとかトラックとか車にいつひかれるかわからない、そんな可能性も持っているということでございます。

 仮にBさんとしますけれども、そんな中の一人のBさんという方が、同じように交通事故を起因とした後遺障害を持っていらっしゃる。その方の月の収入というのが八万五千円。今回の法律では、自己負担の限度額の上限設定において世帯所得をその算定基準としているということでございますが、その場合、実はこのBさんというのは、生計を一にする母親の年金を加算して考えてみますと、実に月の収入の半分、四万二千円の自己負担に、今と同じサービスを受けるという中で負担をしなければいけないということになってくる。現在の我が国の物価状況等をかんがみますと、御本人、このBさんが生きていく上で最低限の介助も受けられなくなるのではないかという懸念、それと同時に、生活自体が厳しいというか、もうできなくなってしまうという心配をお持ちになられているということをおっしゃっていました。

 それに関して、ほかの委員からも類似した質問があったかと思いますけれども、ちょっとお考えをお聞かせいただきたいということが一点。それと、利用者負担の上限設定における世帯の認定について、どのように考えているのかということを教えていただけたらありがたいというふうに思います。

塩田政府参考人 障害を持つ方が地域で暮らしていく上でのサービスを確保する上で、国、都道府県、市町村だけでなくて、御本人、利用者にもある程度の御負担をしていただきたいというのが今回の趣旨でありますけれども、低所得者の方が大変多いという障害者の生活実態も一方でまた事実でありますので、きめ細かな低所得者対策は必要だと思っているところでございます。そういった観点から、幾つかの限度額の制度を設けているということでございます。

 その際に、世帯単位で収入を計算するということになっております。その世帯の範囲がこの委員会でも既に何度も議論されているところでありまして、その範囲をどうするかということで、一方で、障害者本人に限るべきだという御意見があることも、障害者の自立という観点からそういう主張があることも私ども十分承知しておりますが、一方で、例えば医療保険制度の家族扱いになっている場合とか税制の障害者控除の対象になっている場合、こうした場合との関係をどうするかといった問題も一方でございますので、こうした問題についてどこまで整理できるか。この委員会の審議も踏まえまして、適当な結論にたどり着くことができるように、私どもも引き続き検討させていただきたいと思っております。

中山(泰)委員 特に御心配をしていらっしゃる方、すべてではないと思うんですけれども、一部の方なんかには、この自立支援法という法案のネーミングすら、本当に障害者の自立支援を考えているのか、逆にそれができないからこういった名前をカムフラージュでつけているんじゃないかというストレートな御批判をなさっている方もおいででございます。その件に関しては、塩田さん、どのようにお答えになられますか。

塩田政府参考人 この法案の趣旨は、あくまで障害を持つ方々が地域で自立して生活していくことを目指すという、そのサポートを市町村を中心にしてどう築くかということに尽きる法案であります。

 市町村がサービスを提供する上でも財源の担保が不可欠でありますので、その観点から御本人にも応分の負担ということを求めておりますが、あくまでそれは御本人が暮らしていく上で支障がない範囲の応分の負担でなければならないということは私ども十分承知しておりますので、法案の名称どおりの政策の体系あるいは政策の内容になるよう、それにつきましては、この委員会の御審議も十分踏まえて、自立支援法の名にふさわしいものになるように努力していきたいと思っております。

中山(泰)委員 健常者の方でも、それぞれの御本人の人生における御努力で、その方の一生涯の収入というのは変化があるし、当然上もあれば下もあるし、自分がこれで満足しているなと思わない限りは、上を見れば切りがないし下を見ても切りがないということは言えると思います。

 障害者の中でも、例えば有名な方で、よくテレビなんかに、マスメディアにお出になられている乙武さんなんかは、恐らく御本の収入なんかも相当あったんじゃないかな。一方でそういう障害者の方もいらっしゃれば、逆に、本当に毎月の生活が厳しくて、月の収入、本当に考えられないような収入で生活をし、周りに、その方々を温かく見守って、本当の意味でのボランティアとしてゼロからサポートをし、そして同時に、そのボランティアの方がマイナスを受けながら頑張っていらっしゃる方もおいでだと思うんですね。

 そういった方々が実際いる中で、今の塩田さんの御発言というのが、本当に考えてくれているのかなという心配が、これは私自身も健常者で、車いすに乗ったこともありませんし、せいぜい骨を折って三カ月ほど入院をして苦労をして、そのときでも本当につらい思いをした、それが長い間、一生死ぬまで続くのかという思いの中で、本当に自分の人生のこれからということと今の塩田さんのお言葉というものを、御本人の立場にとってみれば、自分の体のことですから、当然てんびんにかけて比較をなさっていると思うんですね。

 その中で、塩田さんも、逆にここまで言われたら、役人として、日本が誇る、そして厚生労働省の一生懸命障害者の福祉の充実のために頑張ってこられた塩田さんとして、個人的見解というのはこの場で言っても公になってしまうかと思いますけれども、障害者に対する個人的な考え方とか思いというものがあれば、お聞かせをいただけたらありがたいと思います。

塩田政府参考人 個人的な見解ということでありますので個人的なお答えになりますが、私は、地域の中で、障害を持つ人も持たない人も、高齢者も大人も子供もいろいろな人がいる社会というのが健全な社会だと思っておりますし、そういう健全な社会をつくる上で今は障害者の観点の対策とか施策は十分じゃないと思っておりまして、身の周りにどこにでも障害を持つ方がいて、それが当たり前の社会だということを実現するためにこの自立支援法は貢献する。特に、市町村にしっかりとした仕事をやってもらうという意味で、これまで市町村は必ずしも障害者対策にまで目が向かなかった自治体が多かったと思いますので、その意味ではその一歩になると思っております。

 その際に、障害者御本人に負担を求めておりますが、その負担はあくまで市町村や都道府県や国が財源を負担する際に納税者の理解を求める上での財源の負担でありまして、その負担が利用者の負担能力とかけ離れたものであったりとか、あるいはその負担をすることによって生活に逆に支障が出るというような趣旨であってはいけないと思っております。

中山(泰)委員 塩田さん、ありがとうございます。

 質問通告には載せていなかった質問でございまして、逆にこういった法案の審議の中で、恐らく反対派の方から見ましたら、塩田さんというのは敵のターゲットみたいな感じに見られていると思うんです。ですけれども、実際法案をこうやってつくっている皆様も同じ人間ですし、それこそ、いつ交通事故に遭って障害者になるかもわからない。あすは我が身という感覚で、ぜひ人間性の部分を私はお聞きをしたかったものですから、今の御質問を突然させていただいたことをおわびを申し上げさせていただきたいというふうに思います。

 また、この先、障害者に限らず、この日本という我が国自体が少子高齢化というものが予測されて、いろいろな困難な問題とか、特に、私は今三十四歳、ことし三十五歳でございまして、ちょうど七〇年の万博生まれです。結婚をして、今赤ちゃんを九カ月育てています。娘の顔を見ていたら、なかなか選挙区に帰って会えないものですから、たまに会うと、寝顔なんか見るとほっとするんですね。ですけれども、そのすやすやしている娘の寝顔を見ていて、同時に、この子たちの将来、この日本の国の財政とかそういったものはどうなるんだろうかと非常に心配を覚える機会も多うございます。

 そういったこれからの次世代に対して高負担を強いることというのが予測されている中で、特に国民年金の問題に代表されるような社会保障費の問題等がいろいろな角度から検証されて、今改革することというのが非常に重要だというふうに私は認識をいたしております。

 今回の議論の中にも、介護サービスの無料の負担について、介護や福祉が、商品のようにお金で買うという感覚のものじゃなくて、障害者の権利として保障されるべきであるとの議論もありますが、これは、モラルハザードという言葉はあれども、過剰なサービスの利用を誘発するという現実がないわけでもないというふうに私は思っています。

 例えば、お金が払えない、出せないという理由でサービスを利用できないような事態というのは必ず、これは絶対我々が、与野党そして行政とも一致して防がなければいけないということは必須事項でございますけれども、同時に、お金を支払うことによって、応分の負担をすることによって、サービスの権利性が保障されるという意味も私は同時にあると思いますが、今なぜ、何ゆえにこの時期にこのような改革が必要なのかということを、ぜひ教えていただけたらありがたいというふうに思います。

塩田政府参考人 地域で障害を持つ方が暮らす上でいろいろな公的なサポートが必要だということでありまして、そういう公的サポートを質的にも量的にも充実、拡充するという意味で、国、自治体の財政負担をしっかりすると同時に、利用者の方もそれなりの御負担をということになると思います。

 御負担をする意味はいろいろあると思いますが、一つには、恩恵的なサービスであれば、あるいは逆に、お金を出していないんだからサービスは辛抱しろということにもなりかねない部分があることも事実だと思いますけれども、応分の負担をしている場合は、そのサービスについて質を求めることも、先生言われたような権利性も出てくると思います。障害者サービスの質、量を本当に変えようと思えば、それなりの負担ができる場合には負担しようということは必要だと思いますし、そのことが、今不十分な市町村のサービスをこれから伸ばしていくきっかけにもなると思いますし、住民の方々に対する説得力を持つのではないかと思っております。

中山(泰)委員 言葉だけ聞いていれば本当にそのとおりだとは思うんですけれども、さあ、いざほっぺたをつねって現実に戻ってみれば、先ほどの質問で申し上げたように、非常に収入が少ない方が多うございます。

 ですから、そういった意味で、今おっしゃっていただいたような、先ほど人間性としては確認をさせていただいたわけでございますから、ぜひ塩田さんのお考えを、そしてまた我々でこの法案を審議しながら、今おっしゃったこと、それを実施行政として各地方自治体に、そして市町村に運用していただくときに、間違いのないような形で、そしてまた、この法案が通過してこの制度が新しく、法律が実質施行されるときに被害を受ける方がないような形。

 そして、そのときにまた、今回支援費制度を二年で見直したわけでございますけれども、同じようにあと三年たったらまたやり直しだとか、そういったこと。いい方に改良していくのであればそれは歓迎をさせていただきますけれども、悪い方にならないように、しっかりと我々のこの厚生労働委員会で審議をさせていただけたらありがたいというふうに考えております。

 現行の支援費制度という制度では、障害者の方がみずから受けたいサービスというものを自己決定して、そして選択が可能でありました。今回のこの自立支援法案の中では、介護保険と同じシステムを導入して、コンピューターで介護の必要度というもののランクづけを行って、そして同時に要介護認定を行って支給決定を行うということになっておりますけれども、サービスの内容というものに、それぞれの生活パターンに違いのある障害者個人の意向、そしてまたニーズというものが十分反映されるのかということを憂慮なさっている利用者、将来的利用者の方もいらっしゃいます。これがかけ離れたものになってしまうというのであれば意味がないわけでございますから、そういう懸念が存在する点におきまして、実質どうなのかという部分、それを率直に教えていただけたらありがたいと思います。

塩田政府参考人 一人一人の障害者へのサービスは市町村が最終的に決定するということでありますが、市町村がサービスを決定するまでにはさまざまなプロセスがあろうかと思います。

 その第一段階が障害程度認定区分というものであります。これについては、ある程度客観的なデータに基づいて、全国一律にコンピューターを使って判定、答えが出るというものだろうと思いますが、実際のサービスの決定はこれのみで行うのではなくて、一人一人の置かれている状況、まさにそれぞれ区々まちまちでございますから、介護者がおられるのか、あるいは住まいの状態がどうなのか、御本人に働く希望があるかとか、一人一人の希望とかニーズとかをきめ細かく市町村がヒアリングをして、最終的に市町村が決定するということであります。いろいろなステップで、市町村は、御本人とか家族とか介護者の御意見、御意向とか実情をよく聞いていただいた上で、最終的には、個別のケースに沿ったサービスが提供できるような決定をしていただきたいと思っているところでございます。

中山(泰)委員 これも質問通告はしていないんですけれども、塩田さんの御指導をいただきたいんです。

 今、きめ細やかな審査ということをおっしゃいましたね。例えば、私の選挙区なんかは、大阪市といって、日本では二番目に、政令指定都市としては一番大きな町なんです。行政区だけで二十四区あるんですね。ところが、この市町村審査会というのを設けて障害程度区分の二次判定を行う中で、この審査会の委員というのは、申請者、事業者、市町村と利害関係のない学識経験者などで構成することになっているんですけれども、実際、この介護給付の決定に当たって、全権この審査会にゆだねられるとされているわけですが、そのような学識経験者という人材を本当にそれだけの人数確保することができるのかということ、それが私どものような大都市圏では非常に心配をされているわけでございます。

 資格とか学識経験者に限定をしないで、より広範囲で審査会の委員の要件を議論していく必要性があると思うんですけれども、その点に関していかがでしょうか。

塩田政府参考人 障害者サービスを決定するに当たって審査会の役割をどう考えるかという議論になると思いますが、あくまで最終的には、市町村長さんがいろいろなお一人お一人の状況に応じて決定するというのがこの制度だと思っております。

 審査会は、専門的立場から、客観的、公平な観点から、障害程度認定区分が妥当かどうかということとか、市町村が決めたルールと違ったケースについてこれでいいのかという市町村長の御判断でやる位置づけになっておりますので、審査会のメンバーは、学識経験者が適当であろうと思っております。

 どういう方が学識経験者で適当かについては、それぞれの市町村の実情に応じて御判断していただくしかないと思っております。大都市部では比較的そういう人選は可能ではないかと思っておりまして、大阪市で難しいという話を聞いて、それであれば普通のもっと小さな市町村はもっと大変だろうと思います。いずれにいたしましても、障害福祉に理解のある方、いろいろな組織の仕方はあると思いますが、基本的には五人程度の審査会をつくっていただきたいと思っているところでございます。

中山(泰)委員 その点に関しては、実施行政の立場の地方自治体、市町村と、国の中央とでしっかり連携をとっていただくということを担保していただけたらありがたいというふうに考えております。

 それから、そういった中で、コンピューターで一律に、一緒くたにしゃくし定規にやるということに対する御懸念の一部で、我が国の財政状況というものを予測している中で、そしてまた、特に社会保障の部分において不安があって、今回この法律をつくるということによって、役所の方針もしくはそのときの内閣の方針で将来的に給付抑制に向かおうと思ったらいつでもその方向に向かっていけるような仕組みだとの意見もありますけれども、そんなことを考えてこの制度をつくっているわけじゃないですよね。

塩田政府参考人 この制度は、これから、地域での障害者へのサポート、福祉サービスをどう伸ばしていくか、伸びていく、また伸ばしていかねばならない福祉サービスに対する財源をどう確保するかという観点から考えておりまして、サービスを抑制するという観点でなくて、サービスの伸びにたえられる仕組みをどうつくるかという観点から立案をしたつもりでございます。

中山(泰)委員 ありがとうございます。ぜひ今の御答弁の方向で頑張っていきたい、私どもも頑張りたいと思っております。

 あと、地方自治体のお話、中央との連携という観点から、実施スケジュールという点に関してお伺いをさせていただきたいと思います。

 支援費制度のもとでサービス利用者というのが増大をしたということに加えて、これはある意味、かゆいところまで手が届いて利用者がふえてきたという意味では非常に歓迎すべき点だな、角度だなと思います。また、この新たな制度では、先ほど申し上げた市町村審査会を初め、障害区分認定事務というのも増大しているにもかかわらず、支援費制度からの移行準備期間というのがある意味短くなり過ぎているんじゃないか。こうした状況下で、サービス利用希望者の利便を損なうことなく円滑な移行を実施するにはいささか移行準備期間がタイトな気が実は私はいたしておるわけでございます。

 先ほど申し上げた私の住む大阪市は、支援費制度導入に際しましても、措置制度からの移行に、居宅サービス利用者に半年、施設サービス利用者に半年と、一年を要したことから、今回のこの法律施行に当たっては、十分な移行期間が確保されるのかということを心配しておりますけれども、その点に関して教えていただけたらありがたいと思います。

塩田政府参考人 今度の法案の施行までの期間が短いということ、市町村にとって準備期間が十分ではない、タイトであるということはおっしゃるとおりでございます。なぜそうなったかにつきましては、支援費制度が置かれている状況がそれだけ厳しいということでありまして、私どもとしては、支援費制度のねらいを実現するためにも、一日も早くしっかりとした制度にしたいということでございます。準備期間が短いことは重々承知しておりますが、支援費制度のねらいを持続可能にするためには、なるべく早くしたいということでございます。

 都道府県、市町村、特に市町村は新たな事務がふえるということで大変かと思いますが、できるだけ市町村の御意向も聞き、またブロック会議とか連絡者会議とか、いろいろな形でサポートして、施行に万全を期したいと思っております。

中山(泰)委員 ありがとうございます。

 そういった、結局行政手続の不備というかしっかりと準備できないままで、結果的に利用者の方がマイナスの被害をこうむるようなことがないように、しっかりと連携してやっていただけたらありがたいというふうに考えます。

 あえてここでお聞きするのもなんなんですけれども、障害者というのにはどのような分類があるのかということをちょっと教えていただけたらありがたいと思います。

西副大臣 お答え申し上げます。

 大変幅広の御質問でございますけれども、一応現行の法体系で申し上げますと、障害の種別、大きく分けて三つございます。身体障害、知的障害、それから精神障害、この三つに大きく分類できます。さらに、このうちの身体障害は、視覚障害、聴覚・言語障害、それから肢体不自由、さらに内部障害というような分類がございます。知的障害におきましては、これは知的機能に障害のある人、それから精神障害は、知的障害を除く、例えば統合失調症、それから精神作用物質による急性の毒性、依存症、それから精神病質等の精神疾患を有する人を精神障害、こういうふうにいっております。

 今回、この障害者自立支援法におきましては、これらの種別にかかわらず一元的にサービスを利用していただける仕組みをつくらせていただくということで、とりわけ今まで対策のおくれていた精神障害の皆さん方に対する福祉の面では大きく進むのではないか、こういうふうに考えております。

中山(泰)委員 ある意味、障害というのは非常に広範囲で、私は別にドクターでもありませんし、一般人として今お伺いをあえてさせていただいたわけでございます。恐らく、一般の、普通に生活していて、障害者の方と余り接する機会をお持ちになられないような方にしてみたら、そんなにあるのかという気持ちもあるかと思いますけれども。

 その中で、きょう、実は新聞をちょっとお配りさせていただいておるんですけれども、この新聞というのは、つい先日少女を監禁して逮捕された事案でございます。この被疑者が、取り調べに対して、自分は統合失調症だということを言っているわけでございます。

 私は、これは大変大問題で、しかも重要な問題だと思っています。なぜかといいますと、今回、障害者の雇用を支援する法案も同時に審議をしておりますけれども、健常者でも、いい人悪い人、牢屋に入るような行為をする人もいるわけでございます。同時に、精神障害者の中でも、御自身が障害を持ちながらも、一生懸命病気を治したり、お薬を飲みながら、そしてまたドクターと相談をしながら治療をしていく中で、一生懸命生活をしている方もいらっしゃる。この被疑者自体が本当にそうなのか否かというのは別問題としましても、雇用をする側の企業の立場として、果たしてこういったことというのが事例にあって、大変だなと。障害者の方、精神障害者の方も一緒になって、せっかく一・八%という数値目標、行政側もその雇用を促進した企業に対していろいろな制度をつくる中においても、こういった事件とか事故があるたびに、逆に障害者の立場が悪くなってしまうようなことがあったら、これはいけないことだと思います。

 そういった観点から、ぜひしっかりとした法手続、司法手続というものを司法に対しても期待すると同時に、障害者の雇用というものを伸ばす観点から、私たちもしっかりと審議をしていかなきゃいけないというふうに考えております。

 同時に、この例から見えますように、先ほど私も申し上げました、障害者の方となかなか接することがない、例えば、ホテルとか、電車とかに乗って、車いすで、もしくは横断歩道の段差のときに上っていらっしゃる方を見てお手伝いをしたり、もしくは、最近日本というのもだんだん冷たい世の中になっていますから手伝わなくて、けれども横目で見てわかっているという、そんな人も多い中で、私はもっと障害者に対する理解というものを深めていく必要性というのがあると思うんです。

 先ほど塩田さんが、私の、個人的見解で結構ですという質問に答えてくださった中に、一生懸命、その障害者の方と健常者の方が一緒に、本当に安心して暮らせるような社会というものを実現したいんですというお言葉をいただきました。そのためには、この障害というものに対する理解とかというものをふやすために、学校教育というものも私はぜひ生かしていくべきじゃないかなと。小学校ですとか幼稚園ですとか、障害者の方を普通に当たり前に受け入れられるような、そういった学校の現場、社会資本整備というものも同時に行っていくということ、そしてまたそれに対する教育、啓蒙活動ということ、それが、長い目で、十年たち二十年たったら、そのとき小さかったお子様が、障害者と一緒に暮らした、そしてまた生活を営んだ、学校で同じ教育を受け同じ思い出をつくったということが、将来、明るい社会というものを確立する意味において大きな意味をなすと思うんですけれども、その点に関してどのようなお考えをお持ちでしょうか。

森岡大臣政務官 お答えさせていただきます。

 私も中山先生と同じような考え方を持っておるわけでございまして、障害者の皆さん方のためにも、また健常者が障害者と交流を深めながら、そしてお互い生きがいを感じながら充実した生活を送っていける、そういうことが大変大事なことだと考えております。

 私ごとを申し上げて恐縮でございますが、今武蔵野市に、自閉症児と混合教育をやっている武蔵野東学園というのがございます。私も自分の子供を二人ともそこへ入れまして、自閉症児と健常者とが一緒に学ぶ、そういう学校でございますけれども、障害者の皆さん方の回復にも非常にいい効果があらわれておりますし、また、私の子供は幸いにして健常者でございますけれども、健常者にも非常にいい効果があらわれておった。

 私は、そういう経験からいたしましても、今中山先生がおっしゃっているようなこと、文部科学省と一緒になりまして、厚生労働省といたしましても一層そういう教育効果が上がるように一生懸命頑張っていきたいな、そんなふうに思っているところでございます。どうもありがとうございました。

中山(泰)委員 この障害者の雇用の促進の法律というのが確立されても、紙に書いたものなんというのは果たして本当に信用できるのかというのが一番大きな問題だと思っています。

 実際、この障害者の雇用を本当に将来的に伸ばしていくためには、今森岡政務官にも御答弁いただいたような形で、教育の中に盛り込んで、当たり前のように両者が生活ができる部分というのをつくっていくことによって、将来的に、紙に書いたものプラスアルファで、人間の心でもってこの障害者の雇用というものを促進できるということ、これは私は大切なことだと思いますので、ぜひとも実現をしていただきたいということを最後にお願いを申し上げ、ほかにもまだまだ、障害者の集団要望なんかに出かけていって、本当に細かい要望もたくさんあります。

 身体障害者の手帳が四十七都道府県ばらばらだ。パスポートなら更新があるのに、身体障害者の手帳は何年も更新がない。バスに乗ろうと思ったら、障害者手帳という表の文字が消えていて、写真も何十年も前ので、これはあなたのにせものだと言われて乗車拒否をされた、割引を受けることができなかったような障害者の方もいらっしゃる。

 今、バイオメトリックスとか、パスポートですらICチップを入れて、新しい技術を使って、どんどん障害者の生活の利便性を上げようという議論がもっとなされるべきじゃないかという点も思うので、そういった障害者の、本当に地域の細かい要望というのも、行政そして私ども政治家ももっときめ細やかにお聞きをして、こういった場で早く具現化できるように議論を煮詰めていきたいということを、私自身も頑張ることを申し上げさせていただいて、私の質問を終わらせたいと思います。

 本日は、どうもありがとうございました。

鴨下委員長 次に、小林千代美君。

小林(千)委員 民主党の小林千代美です。よろしくお願いします。

 今回のこの障害者自立支援法案、審議が始まりましたけれども、審議の前から言われておりました一番の問題点は、やはり自己負担、一割負担、そしてホテルコストの負担、ここの部分だと思います。障害者の当事者の方々の所得の状況というものが大変十分ではない。年金だって、六万円から八万円の中で暮らさなければいけない。こういうような方々に対して利用者負担を求める、これは本当に正しいことなのかと私は疑問を感じております。

 障害者の当事者の方々も、自分が所得が十分に保障されているんだったら、それは払いますよ。払えるんだったら払います。年金が十分に確保されているんだったら払えます。働くことができれば、労働して、所得というものを、給料というものをしっかりと得られていれば払うことができるでしょう。ところが、年金だって十分ではない、雇用の場だって全く十分にはない。今のような状況で当事者に利用料を負担させるのは、余りにも自立を阻害するものであるとしか私は思いようがありません。

 今回、雇用の促進に関する法律の一部改正というものも一緒に審議に上がっております。障害者の当事者の方々にもお話を伺いました。当事者の方々だって、私たちは働きたいんだと思っている。働くことによって、自分の持っている力というものを社会に還元したいと考えている。そして、自己実現を果たしたいと考えている。国民の権利でもあります、義務でもあります納税というものを果たすことによって、自分自身も社会の中で役割を果たしたいというふうに考えていらっしゃる。ところが、まだまだそういった環境には十分でない、非常に十分ではないと考えております。

 今回のこの障害者の雇用の促進に関する法律の一部改正案、これを見てみますと、これもやります、あれもやります、これもやりますというふうに書いてあるんですけれども、本当にやる気があるのかというような法案に思えてなりません。実際には、これで障害者の方々の雇用の促進あるいは就労への参画というものがどれだけ進むかということが、私は大変明確ではないように思えてならないんです。

 まずは一番最初に、この法案の一番のポイントでもあると思いますが、今回、障害者、特に精神障害者の方々の実雇用率へのカウントというものが算入になりました。ところが、法定雇用率には含まれません。精神障害者の方々を実雇用率に含めるだけでは、これは分母は変わらなくて、分子に加わるだけです。ですから、数字の上では実雇用率は向上します。しかし、分母は変わっていないんですから、新規雇用というものには全く働きかけが行われません。なぜ今回法定雇用率を引き上げなかったのか、これが本当に精神障害者の方々も含めて障害者の方々に対する雇用の改善に資するものなのか、大臣にお伺いをいたします。

尾辻国務大臣 精神障害者につきましても将来的には雇用義務制度の対象とすることを考えておりますけれども、現状では精神障害者の雇用に対する企業の理解と雇用管理ノウハウが十分に普及しているとは言いがたい状況にございます。

 このため、今般の改正では、精神障害者を各企業の雇用率、今お話しいただきましたように実雇用率に算定することとし、精神障害者を雇用する企業の努力を評価することとしたところでございます。まずそうしたいということで、このような改正をいたしました。

 今後でありますけれども、厚生労働省としては、まず今回の法改正をしまして、企業の理解と雇用管理ノウハウの普及を図り、そして精神障害者の雇用環境の改善に努めてまいりたいというふうに考えております。

小林(千)委員 今大臣は、将来的には法定雇用率への算入も考えたいというふうにおっしゃいました。

 振り返ってみますと、身体障害者の方々が実雇用率から法定義務化されるまで十六年間かかっております。そして、知的障害の方々も法定雇用に算入されるまで十年間かかっております。

 今回の精神障害者の方々、少なくとも将来的にはそういうふうに考えているというんだったら、これからいつ法定雇用率への算入というものを目指していくのか、それで本当に雇用の促進に資するものにしていくのかということを、ここの場で、今この法案審議をしているうちに、しっかりと明確に将来的なめどというものをつくっておくべきではないんでしょうか。いつごろというふうに今お考えでいらっしゃいますか。

尾辻国務大臣 今お話しいただきましたように、努力義務から義務化に至りますまでに、それぞれ大変時間がかかってまいったことは事実でございます。

 では、精神障害者の皆さんの雇用義務化ということで、どういう努力をするんだということでございますけれども、これは今申し上げたとおりに、もう一回申し上げることになりますけれども、現状では精神障害者の雇用に対する企業の理解と雇用管理ノウハウが十分に普及しているとは言いがたいものですから、今回の改正におきまして、現行法定雇用率はそのままに、精神障害者を各企業の雇用率に算定して、精神障害者を雇用する企業の努力をまず評価することによりまして、企業の理解と雇用管理ノウハウの普及を図ることとしておるところでございます。すなわち、一歩前進をさせたい、こういうふうに考えております。

 このような制度改正によりまして、精神障害者の雇用事例を今から地道に積み重ねていきまして、精神障害者の皆さんの雇用環境の改善を図ります中で、できるだけ早期に雇用義務の対象とすることができるよう、法律の改正法施行後も引き続き私どもは検討を進めてまいりたいと考えております。

小林(千)委員 できるだけ早期にというふうにおっしゃいましたけれども、知的障害者の方々のときと同じように、また十年間かかるんでしょうか。企業の理解を深めて十分にさせていくのに十年も時間がかかるんでしょうか。それよりも短いですか。できるだけ早期にというのは、どのぐらいの期間を考えていらっしゃいますか。

尾辻国務大臣 今申し上げられますことは、できるだけ早期にというふうに考えておりますということでございますけれども、重ねてのお尋ねでございますから、一つの目安といいますか、申し上げますと、附則におきまして施行三年経過後の見直し規定がございます。したがいまして、精神障害者の雇用義務を対象とするということにつきましても、この三年後の見直しの際にぜひ検討をさせていただきたいというふうに考えておるところでございます。

小林(千)委員 同時に、やはり雇用をする企業側の理解、あるいはともに働く労働者の理解というものも十分に進めていかなければいけないのは重要なことです。

 今回、この精神障害者の方々を雇用率、実雇用率に算入されるまでは、この間歴史的にもさまざまな背景がありました。特に、平成十四年にこの障害者の雇用の促進に関する法律の一部改正があったときには、附帯決議の中で、人権に配慮した対象者の、精神障害者の把握、確認方法をしっかり実施するようにというふうな附帯決議もつけられております。

 今回、実雇用率に算入をすることによりまして、例えば、現行は企業で働いている精神障害者の方々、この人をカウントすれば納付金を払わなくていいですとか調整金をもらえるですとか、こういったインセンティブが企業には働くわけなんですけれども、そういったところで、無理やり精神障害者の方々に手帳を所持させるですとか、あるいは、今雇用している従業員の中で精神障害者がいないかというような掘り起こしがあっては決してならないことだと思います。

 こういった、企業におけるプライバシー、人権に配慮するための努力、あるいは、そういった精神障害者手帳を持っていらっしゃる方々に対して、企業が例えば査定でマイナス評価をするですとか、不利益取り扱いをさせないための配慮というものはどのように考えていらっしゃいますでしょうか。

衛藤副大臣 実雇用率に算定するに当たりまして、現在勤められている方々の人権に対する配慮の問題でございますけれども、お説のとおり、本人の意に反した把握や確認が行われないように、そしてまた、手帳所持者であるということが明らかになることによりまして本人が不利益をこうむらないようにとか、そういうことをちゃんと図ってまいりたいと思っております。

 なお、そのために、各企業にガイドラインを示したいというぐあいに思っている次第でございます。ガイドラインの内容につきましては、企業にとりまして、わかりやすく、的確な把握、確認ができるように留意してまいりたいというように思っております。

小林(千)委員 ガイドラインの中身については、今現在どのようなことで考えていらっしゃいますでしょうか。

金子政府参考人 お答え申し上げます。

 ガイドラインの内容につきましては、今後、有識者の方、企業の方、専門家の方々にもお入りいただいて、そこでよく御検討していただくことになるわけでございますが、一つは、やはり企業にとってわかりやすい内容にする必要がございますので、具体的な手順とか事例といったようなものを示したり、あるいは不利益取り扱いのようなこともございます、こういった禁忌事項について示す、そういった内容のガイドラインということになるのではないかと現段階では想定をしております。

小林(千)委員 このガイドラインの作成につきましても、例の三百にも及ぶ政省令の中に含まれる、法案成立後に決められる内容になると思いますけれども、このガイドライン策定につきましては、ぜひとも、今までのこのような附帯決議ですとか歴史的背景、こういったものを十分に考慮した上でのガイドラインになりますことを注意させていただきたいと思います。

 続いて、現在の法定雇用率あるいは実雇用率について質問をします。

 本日は資料を用意いたしました。(1)と書きました一ページ目をごらんになっていただきたいと思います。これは私、別に間違えて曲がってコピーをとったわけではありません。このグラフは、厚生労働省からいただいた資料ですけれども、横に年度、縦に実雇用率と障害者数が書いてありますけれども、この縦のところの実雇用率が一・五で終わっているんですよ、このグラフ。今法定雇用率は一・八なんですから、少なくとも上限一・八までグラフをつくっていただかないと意味ないですので、来年同じグラフをつくるかもしれませんけれども、法定雇用率の上までちゃんとグラフをつくってください。ですから、これは、エクセルでつくるのもばからしいから、汚いですけれども自分で手書きで書きました。

 今、法定雇用率と実雇用率はこのような状態になっております。特に、実雇用率と法定雇用率の差を見ていただきたい。平成十年まではそれなりに実雇用率も頑張っています。ところが、平成十年から法定雇用率が一・八に上がりました。これは、知的障害者の方々が法定雇用率にカウントをされるようになったからです。ところが、この平成十年以降、一・八に法定雇用率が伸びたにもかかわらず、実雇用率は横ばいあるいは低下をしている状態になっております。特に平成十年からこの六年間、この差が埋まらない、実雇用率が伸びていかないという、この現状の認識、そしてそれに対する責任について、厚生労働省はどのように考えていらっしゃいますか。

尾辻国務大臣 まず、このグラフといいますか図の示し方の御指摘もいただきました。確かに、実雇用率が一・五以下のところでずっと推移しているものですから、ついつい一・五のところまでで、上があかないようにというようなことでグラフはお示ししておりますけれども、お話のとおりでございますから、また工夫もさせていただく必要があろうかと存じます。

 まあ、申し上げたとおりでございまして、民間企業の実雇用率は平成十年以降横ばいで推移しておりまして、これは近年の厳しい経済情勢が背景にあるとはいいましても、雇用率未達成の企業の解消は行政として極めて重要な課題であると認識をいたしております。私どもがさらに努力を続けなきゃならない、このことは肝に銘じておるところでございます。

 厚生労働省では、従来から、実雇用率の低い企業に対しては雇い入れ計画の作成を命じておりまして、同計画に基づく指導を実施いたしますとともに、こうした指導によってもなお改善が見られない場合には企業名の公表も行っておるところでございます。また、こうした指導とあわせまして、企業の障害者雇用の取り組みを支援いたしますために、未達成企業に対する障害者の求職情報の提供でありますとか、あるいはトライアル雇用、ジョブコーチの活用など、ハローワークの窓口等においてもきめ細かな対応はさせていただいているところでございます。

 こうした雇用率未達成企業の解消を含めまして、実雇用率を一・八%に近づけていくため、こうした雇用率達成指導や雇用支援の取り組みに従来以上にまた力を入れて取り組んでまいりたいと存じます。

小林(千)委員 平成十年以降、特に厳しい経済状況の中で伸びなかったという答弁をいただきましたけれども、私はそれは言いわけでしかないと思います。

 法定雇用率の算出方法というのは、一般労働者と同じ水準において常用労働者となり得る機会をはかっているわけですから、全体的に社会の失業率が上がっても法定雇用率というのは下がりません。ですから、その中で実雇用率が下がっているということは、失業者が、一般労働者よりも障害を持っている方々の方がより多くリストラされている、職を奪われているということになるのです。ですから、大臣がおっしゃった厳しい経済状況を反映してというのは、私はこの算式からいっても認識として正しくないと思います。

 この厳しい環境の中で、より多くの障害を持っている方々が職を奪われていっている、だからこのような実雇用率の状況になっている、これは間違いないですね。

尾辻国務大臣 確かに、今お話しいただきましたように、実雇用率の分母は雇用する常用労働者の数でありますから、景気が悪くなってここが減れば分母も減っているわけだから、それを理由にするのはおかしいだろうとおっしゃるのは、計算方式でお述べいただいたことにおいてはそのとおりだと思います。

 ただ、申し上げましたのは、こうした計算方式だけでなくて、やはり全体が大変厳しい状況になるとどうしてもいろいろなところに影響が出てくる、その中でということを申し上げたつもりではございます。申し上げましたように、私どもはそうしたことを言いわけにせずに努力を続けてまいる、これは大変必要なことでありますし、肝心なことだと考えております。

小林(千)委員 今のような経済状況の中、特に障害を持っている方々に対して厳しい雇用状況にある。ですから、そこのところはやはり十分な対策をとっていかなければいけない。これは間違いなく言えることだと思いますし、厚生労働省では、平成二十年には雇用障害者数というものを六十万人までふやすという目標を持っております。ですから、ここに向けての努力というものを今後さらにしていかなければいけないはずです。

 その努力のあり方について次にお伺いをいたします。

 資料の二枚目をごらんいただきたいと思います。

 これは、法定雇用率未達成企業に対して、つまり、一・八まで達していないところには、例えば障害者が一人足らない、二人足らない、そういった足りないところに対しては、納付金というものを納めなければいけない制度になっております。この納付金というのは、障害者一人に対しまして、月五万円ですから、年間六十万円納付金というものを納めなければいけません。

 しかし、この表を見ていただけますように、納付金を納めた企業というものは大体ここ数年余り変わっていません。ちょっと下がっておりますけれども、全国で七千五百社ぐらいが納付金を納めている、つまり、法定雇用に達していない企業です。

 いただいたデータの中にもあるんですけれども、全国の企業のうちの大体六割から六五%ぐらいは法定雇用率に達していない状況でこの納付金を支払い、そして、納付金の金額の推移を見てみましても、大体二百五十億から二百四十億程度でずっと横ばいになっている状況です。

 ところで、この納付金の性格ですけれども、支払う企業にしてみたら、雇用しなければいけない障害者を雇っていないわけなんですから、それで年間一人頭六十万円支払わなければいけない、これは多分ペナルティーとして感じていると思います。しかしながら、この納付金というのは、説明を伺いますと、ペナルティーではないというふうに厚生労働省はおっしゃいます。だったら、この納付金の性格というものは何なんでしょうか。

 納付金というのは、これは減らさなければいけないですよ。法定雇用率というものに目指していくならば、この納付金というものは、納める企業の数も納める額も減っていかなければいけない。横ばい。金さえ払えば障害者を雇わなくていいのかということになってしまう。この納付金の性格をどのように理解していらっしゃいますか。

金子政府参考人 納付金制度の性格といいますか、これについてのお尋ねでございますが、障害者雇用促進法におきましては、障害者雇用納付金ということで、雇用率未達成企業から、これは三百人以上ということになっておりますけれども、納付金を徴収する。その一方、雇用率を達成している企業に対しましては、それを財源に調整金を支給するという仕組みがあるわけでございます。

 これは、今議員御指摘になりましたけれども、障害者の雇用につきましては、事業主、企業の共同連帯ということで障害者の雇用を進めていこうという考え方が障害者雇用促進法の中にございます。こういうことを具体化していく過程で、ある企業においては雇用率以上に障害者の方をお雇いになる、ある企業においてはそれを大きく下回るような形で雇用しているということになりますと、障害者の方を雇うことによる追加的な費用ということも当然企業にかかるわけでございます。そういったことで、企業相互間の経済的な不整合といいますか、そういったことが出てくるということで、このことを調整する仕組みとして納付金制度というのが設けられているわけでございます。

 今、一人月額五万円ということになっておりますけれども、この五万円という金額も、今申しましたような趣旨から、障害を有する方を雇用する場合に健常者の方に比べてどのぐらいさらに費用がかかっているかというようなことを実際に調査いたしまして、こうしたような額を基準にして五万円というのも設定されているということでございます。

小林(千)委員 この後、未達成企業に対する厚生労働省の指導というところに対しても質問していきたいと思っているんですけれども、この納付金の性格というものは、厚生労働省は、ペナルティー的意味合いは持っていない、それはあくまでも、未達成の企業と、達成している、頑張っている企業に対しての調整だというふうに考えている。

 ところが、未達成企業というのは、納付金を支払っているところについては、約六割の企業が法定雇用率に達していないわけなんですから、義務を果たしていない企業なんですから、そこに対してはペナルティー的な要素の強いものにしていかなければ、それはお互いに法定雇用率に達しようというようなインセンティブには働かないのではないかというふうに感じます。ですから、多分、金さえ払えばというようなよこしまなことを考える企業経営者も出てきてしまうのではないかと考えます。

 次に、その未達成企業に対する厚生労働省の指導のあり方について質問をいたします。

 資料の三ページ目をごらんください。これも厚生労働省から資料をいただきました。

 どのような指導をしていますかというふうに伺いました。毎年毎年六月一日に、その一年間の雇用状況というものを全国六万三千社、六万四千社の企業から報告を厚生労働省は受けております。その中で一・八に行っている、行っていないということを判断されるわけですね。その中で、平成十六年のデータを見てみますと、五十六人以上労働者のいる企業の中で法定雇用率に達していないのは、計算すると約三万七千社です。六割近くは達成をしておりません。

 その中に対してどれだけの指導を行っているか。その次の矢印を見ますと、雇い入れ計画作成命令というものを達成していない企業、余りにも達成率が低い企業に対しては厚生労働省は指導をしているわけなんです。ところが、この数は、下のところを見ていただければわかりますとおりに四百三十三社です。つまり、三万七千社も義務を果たしていないのに四百三十三社にしかアプローチをかけていない。残りのところはお金さえ払えばいいという、さっきの議論になってしまいます。

 これは、法定義務を果たしていない企業にはすべて押しなべて計画作成命令なのか、それとも改善計画というものを促すべきではないんでしょうか。なぜ四百三十三社だけに、余りにもひどいところだけに限定するのか、その意図を聞かせてください。

金子政府参考人 雇用率達成指導についてのお尋ねでございますが、議員御指摘のように、雇用率未達成企業が五十数%に及んでいるという現状でございまして、このための達成指導を的確に遂行していくというのは極めて大きな課題だろうと私どもも思っております。

 具体的な指導の進め方でございますが、議員御指摘になりました、四百三十件余の年間の件数というようなことで、少ないというようなお話でございますが、仕組みから申し上げますと、雇用率達成指導は、法律に基づきました一連の指導でございますが、これは三年がかりで一応やることになっておりまして、十六年度は四百三十件というようなことでございました。今、そういうことで、過年度に指定をしたものもございまして、大体一千二百件ぐらいが指導対象になっているかと思っております。

 それで、この雇い入れ計画の作成命令を初めといたします達成指導なんですが、特に不足数の大きい企業を主に対象にいたしまして雇い入れ計画の作成命令を行って、その次のステップとして適正実施勧告、最終的には企業名の公表という一連のプロセスの中で取り組んでいるものでございます。

 その一方で、こういった雇い入れ計画作成の対象になっていないというところは、要するに不足数が少ないところというふうに理解をしていただければよろしいと思います。こういったところに対しましては、私ども、できるだけ広く理解をしていただく必要があるだろうということで、こういった未達成企業全般に対しましては集団指導というようなことをやっております。

 それから、雇用率、あと一人で達成という企業もあるわけでございまして、こういったところにつきましては、ハローワークにおきます障害者の紹介の中で特に配慮をしてやっていくとかというようなことで、大幅に達成が不足しているところと、あと一歩というところと分けた形で指導を実施していくことが効果的ではないか、こういうような考え方から今申し上げたような件数になっているわけでございます。

 いずれにいたしましても、未達成企業に対しましては、まず適正、厳正な指導をしていくということが大事だろうと思っております。そういったことで、今後とも障害者の雇用の促進に努めてまいりたいと思っております。

小林(千)委員 指導の最後の最後は公表という行政措置をとるわけですね。これは、公表するといったらもう本当に悪質ですよ。三年間、改善計画だとか特別指導というものをやりながら、それに従わなかった企業ですので、本当に意識のない企業、これに対して厚生労働省として的確な行政罰というものを与えなければいけない、これは私は当然のことだと思います。

 この公表のあり方をどういうふうにしているのかというふうに聞きましたら、次にお配りをしています、ページの(4)、(5)、(6)、(7)まで、資料を厚労省からいただきました。公表方法をどういうふうにするんですかと言ったら、記者クラブに投げますと言うんですよ。余りにも無責任じゃないですか。記者クラブに投げて、出た結果がこの四枚の新聞のコピーです。これは、拡大コピーしてこのサイズになっていますから大きく見えますけれども、現物だったらきっと何センチ角ぐらいのちっちゃい記事ですよ、新聞紙の中に。

 しかも、これは確認しましたら、新聞では、毎年六月に公表するそうですけれども、最初はこの二枚、日経と朝日と共同の配信しか持ってこなかったんですよ。それでいいの、それで厚生労働省の行政処分としていいのというふうに言いましたら、地元が長野の企業でしたので、地元紙の信濃毎日と毎日新聞の地方版にも載りましたと言って、プラスして(6)と(7)を持ってきたんですけれども。

 行政処分、行政指導の方法として、記者クラブに丸投げ、後は記者クラブがどういうふうに記事を扱おうと、それは厚生労働省の知ったこっちゃない。確認したら、テレビあるいはほかのマスコミ、マスメディアの媒体で流れたかどうか把握していないというふうに言っていました。余りにもこれは無責任じゃないですか。行政指導、行政の罰というものが記者クラブに丸投げですか。これは余りにも指導としては正しくないと思いますが。

金子政府参考人 企業名の公表の仕方についてのお尋ねでございます。

 今議員から、記者クラブに投げるというような表現があったということでございまして、もしそういうような説明の仕方をしているということでございますれば、おわびを申し上げたいと思います。投げると申しますのは、記者クラブにおいて公表するという意味で申し上げたんだろうと思いますが、記者クラブにおきまして資料の説明をいたしまして発表するということでございます。

 それからもう一つ、テレビ等の報道でございますが、どうも聞きますところでは、今のところ、実際に放映があったかどうかの確認がとれなかったということだというふうに聞いております。

 ただ、いずれにいたしましても、今申し上げたように、私ども、企業名の公表というのは非常に重たい社会的な制裁でございますので、決してそういったようななおざりなことで取り組んでいるわけではございませんし、もしそういう御指摘があるというのであれば、真摯にそれを受けとめて、きちんとした対応をこれからしていきたいと思っております。

小林(千)委員 記者クラブに投げる、投げるは適切じゃないというんだったら、発表するということは適切な行政処分なんですか。記者クラブがその記事をどう扱おうと、その社の勝手じゃないですか、早い話が。私たち民主党だって、民主党のいろいろな政策を発表したくて記者クラブにいろいろとアプローチをしますよ。でも、悲しいかな、自民党の政策は新聞にたくさん載るけれども、民主党の記事はこれしかなかったりして、これをどうしようかというふうに私たちは死に物狂いにやります。

 ですけれども、厚生労働省の行政処罰、行政指導として、記者クラブに発表いたしました、後どう扱おうと記者クラブの勝手です、これは余りにも行政処罰あるいは行政指導の方法として不適切ではないでしょうか。これが新聞に載るか載らないかは、厚生労働省が指導できるんですか。どのぐらいの記事を何段組で書いてくださいという指導が厚生労働省はできるんですか。

金子政府参考人 企業名の公表のやり方についてでございますが、少し正確に御説明させていただきますと、一つは、報道発表ということで今申し上げたことを言ったわけでございますが、それに加えまして、厚生労働省のホームページの方に掲載をさせていただくということ、それから、関係者の方、国民の皆さんからもお問い合わせがございますので、そういった場合に資料を配付する、こういうようなことで、公表、違反企業名を社会的に周知するということに取り組んでいるわけでございます。

小林(千)委員 この間の指導のあり方を見てみても、あるいは納付金の性格、色合いというものを考えてみても、それが企業に対してどのぐらい痛いかということは、余り真剣に障害者を雇用しようというふうに厚生労働省が意識を持っているとは、とてもじゃないけれども、今のこの公表状況や納付金のことを考えてみると、思えない。これだったら年間六十万さえ払っていればいい、だから実雇用率が上がらない、今こういう現状に来ているのではないかと思います。

 この指導のあり方、あるいは納付金の性格といったものを、もう一度実雇用率を上げるための手段として真剣に厚生労働省に考えていただかなければいけない。それでないと、幾ら法定雇用率を高く設定したとしたって、それを実現するのは難しいですよ。本当に障害を持っている方々の雇用に、就労に結びつくものとしていかなければいけません。ぜひそのところをもう一度真剣に考えてください、お願いします。

 そして、もう一つ、最初の表に、一ページ目に戻っていただきたいんですけれども、これを見たときに、平成二十年、あと三年後に六十万人まで達成させるの、このグラフを見て、ここまでびょんといきなり伸びるの、どう考えたって無理じゃないかと思ったところ、いや、ここのところには見えていない数字がありまして、ここに載っているのは五十六人以上規模の企業に雇用されている障害者だけです。このコピーは下が入らなかったんですけれども、この下のところには、五十五人以下の企業に雇用されている障害者の方々の数が載っていました。合計すると五十万人ぐらいになります、平成十六年現在。ですので、ここのグラフには二十五万八千人しか書いてありませんけれども、残りの約二十五万人は、常用従業員五十五人以下という中小零細企業で働いているんです。中小零細企業の方が頑張っているんですよ。

 そういうところには、これからいろいろな手だてを厚生労働省としてもやっていくようですけれども、中小企業、零細企業のところにはそういった手というのはなかなか届きづらいんですよ、ジョブコーチだのハローワークの支援ですとか。でも、実際に頑張っているのはこういった中小零細企業。こういうところに対して、例えば督励金でも報奨金でも奨励金でも、そういうメリットというものを中小企業に対してより厚くしていく必要があるのではないでしょうか。

    〔委員長退席、北川委員長代理着席〕

衛藤副大臣 仰せのとおりでございまして、現在、いわゆる三百一人以上の企業から集めましたところの納付金、障害者一人頭五万円でございますけれども、それに対して、三百一人以上の企業におきましては月額二万七千円を調整金として出させていただいております、三百人以下の企業に対しましては報奨金として二万一千円を支給させていただいているところでございます。

 今言いましたように、もっと障害者の雇用に頑張っている中小企業に手厚くしたらどうかということでございますが、御承知のとおり、この制度は三百一人以上の企業から集めたところの納付金によって賄うということになっておりますので、そういう中で、三百一人以上の企業に対して支給される調整金の額を、三百人以下の企業に対して支給される報奨金は上回ることはできないというぐあいに決められておりますので、今そういう金額になっている次第でございます。

小林(千)委員 どうやら私の望みが今のお答えの中には入っていないようなんですけれども、大企業の方が社会的道義、責任というものも大きいですよ。大企業の方が法定雇用率未達成企業の割合は多いんです。大企業ほど社会の中でそれだけ役割を求められているにもかかわらず、それを達成していない。頑張っているのは中小企業。そういったところにもっともっと、三百一人以上にお金をもらったから、そこは三百一人までのところにしか還元できない、中小企業はちょっとまけてお金を渡す程度、そのようなことだったら、本当に頑張って雇用の改善に努めている中小企業、零細企業に対して、余りにもそれは優しくないんじゃないかなというような気がいたします。ぜひこういうところを充実して、地域の中小零細企業で障害をお持ちの方がしっかりと働けるように、あるいは頑張って雇用をしている中小企業に対して手厚いメリットというものができるようにお願いをしたいと思います。

 そしてもう一つ、私が大変不満なのが、法定雇用率二%が適用される教育委員会に対してです。一般の企業は一・八%の法定雇用率ですけれども、例えば地方公共団体や国、あるいは教育委員会というところにはより高い法定雇用率というものが課せられています。これは、当然、その社会的役割を果たすためです。国の機関、都道府県の機関、市町村の機関、地方公共団体は二・一%を全部クリアしております。教育委員会は、二%をクリアせずに、一・三三という大変低い数字です。

 これは、各教育委員会ごとのそれぞれの数字を全部公表していただいてもいいと思います。それだけの役割を教育委員会は果たさなければいけない。特に、障害を持っている子供たちに対する、学習の権利というものをしっかりと文部科学省は果たさなきゃいけないはずです。統合教育というものをより推進しなければいけない。それをやらなければいけないおひざ元の省庁が、実雇用率一・三三%って、これは一般の企業より低いんじゃないですか。これはどのように文部科学省は対応される予定ですか。そして、文部科学省としての社会的役割をどのように果たされる予定ですか。

山中政府参考人 文部科学省でございます。

 先生御指摘のように、都道府県、市の教育委員会の障害者の雇用率でございますが、平成十六年の六月一日現在でございますけれども、一・三三%ということでございます。十五年度は一・二四%でございましたので、若干の改善はございますけれども、先生御指摘のとおり、依然として法定雇用率の二・〇%を下回っているという状況にございます。

 この背景でございますけれども、一つには、都道府県、市の教育委員会の雇用します職員の大部分、これが学校の先生方、教員でございまして、教員に採用する場合には教員免許状を取得しているというところが一つの基本になっておりますので、教員免許状を持っておられる方の中に障害者の方が数が少ないという状況にあるというところが、都道府県、市の教育委員会の障害者の雇用率が低いということの一因になっているのではないかというふうには思っております。

 ただ、私ども文部科学省としても、しっかり都道府県、市の教育委員会に対して指導しなきゃならないというふうに考えておりまして、採用に当たりましての選考方法の工夫でございますとか、単に障害があるといったことをもって不合理な取り扱いがなされないように都道府県に対して指導をしているところでございます。例えば、平成十六年の採用選考でございますけれども、点字による受験を認めておりますのが四十七県市でございますとか、あるいは試験時間の延長を認めている県市が三十九県市、あるいは障害者に対する特別選考を行っている、若干名ということでございますけれども、そういうところもございます。

 ただ、今まで各教育委員会、いろいろ取り組んではおりますが、下回っているという状況でございますので、文部科学省といたしましても、毎年こういう教育委員会、任命権者が各県市の教育委員会でございますので、どういう取り組みをしているのかといった事例集、そういうものをまとめまして、そういうものを参考にしながら、ぜひ積極的な雇用について努力していただきたいということでやってまいりましたが、そういう取り組みを私どもしっかりとしていきたいと思っております。

小林(千)委員 今の話をまとめると、やっています、例えば試験では点字で問題をできるようになっているですとか、そういったアクセスを確保していますというふうに言っています。だけれども、もともと学校の先生になる障害者が、こっちは雇用したいと思ってもいないんだという言いわけですよね。採用したいと思っても、当事者がいないから採用できないから一・三三%。それは言いわけですよ。

 学校の先生を養成しているのはどこですか。文部科学省ですよ。そこまで養成してきていないということでしょう。それを、先ほど私は文部科学省としての責任ということを言っているんですよ。そういうところを振り返らずに、いや、対象の障害者がいなくて、教員免許を持っている障害者がいなくてと。それは言いわけです。どのように取り組まれますか。

山中政府参考人 先生御指摘のように、免許状を持っているかどうかというところの前提として、それは大学における教員養成の段階からの問題ではないかということであろうかと思います。

 平成十六年の国公私大学の入学状況でございますけれども、これは大学の方からいただいた数字を、それをやっているところでございますが、四年制大学でございますと五百七十七ということで〇・一%でございますとか、あるいは短期大学で〇・一九%というふうな状況でございまして、私どもも、入学試験をやるという段階、そういうときから障害を持った方の入学についての配慮ということもお願いしているところでございますし、そういう指導もやっているところでございますけれども、そういう実態があるということでございます。

小林(千)委員 私は、そういった答えを聞きたかったわけではありません。高等教育、学校の先生になるための高等教育だけではありません。そこまでの間に、障害者の方々がどれだけ学習の権利というものをしっかりと確保されているか、そういったことが奪われているから、結局教育大学に入れないんでしょう、教員免許状を持っている人が少ないんでしょう。ですから、文部科学省には、そういった段階からしっかりと障害児の学習の権利に対する責務を果たしていただきたいんです。そこだけについて答弁をお願いします。

山中政府参考人 先生御指摘のとおり、障害を持つ子供たち、児童生徒に対して、その子供たちが持ちます可能性を最大限に伸ばして、自立しあるいは社会参加していく、そういう力を培っていくのが学校教育だというふうに思っております。そういう教育の充実のために、私どもも、さまざまなカリキュラムでございますとか指導方法、あるいは学校というものを用意しながらやってきたところでございますけれども、これからの社会、障害のある子供たちが、いろいろな教育的なニーズ、そういうものにこたえて最大限能力を伸ばせるような教育、それに努めていきたいという思いは同じでございます。

小林(千)委員 その子供の持っている能力を最大限引き出す、そういった教育を与えていく、これは障害児でも健常児でも同様のことです。当たり前のことです。ぜひとも、文部科学省、言いわけをせずに、しっかりとこういった子供たちの学習の権利というものを今後も果たしていただきたいというふうにお願いします。

 この間ずっと、就労、特に雇用される障害者について質問してきましたけれども、ここまで一生懸命頑張ってやってもらっても、平成二十年までの障害者の雇用目標はわずか六十万人です。障害者は全国で何万人いらっしゃいますか、六百五十万人。そのうち六十万人だけ今述べてきた該当する方々です、目標を達成したとしても。一割にも達しません。大まかに、本当にまけて、十八歳から六十五歳までの労働人口だけ考えてみても、今までの話はその対象者の障害を持っている方の一五%ぐらいまでしか適用されません。残りの圧倒的多くの九割の障害を持っている方々に対する就労への機会をどういうふうにしていくか、あるいは就労というものをどういうふうに積極的に促進していくか、そっちの方が私はもっともっと大切だと思います。

 雇用ももちろん大切ですけれども、残りの圧倒的多くの方々は、例えば働けない、働きたくても働けない障害者であったり、あるいは授産施設や小規模作業所で働いている障害者であったり、こういう方々なんです。ですから、私は、障害者の就労促進というテーマで頑張るとするならば、そういった方向により多くの力を注がなければいけないと考えております。

 しかしながら、今回のこの法案の改正を見ましても、そちらの方に対して十分に支援の手が伸べられているかと思いましたら、残念ながらそうではないようです。今回、在宅就業者に対する支援の一環といたしまして、在宅就業支援団体に対していわゆるマル適マークみたいなものを厚生労働省が認可して登録して発行して、そこに対して発注をした企業については、その企業に対して発注報奨金、調整金を支払うというシステムができるというふうに考えております。ここに対する支援というのも充実をさせていかなければいけないと思いますけれども、特に在宅就業支援団体というものをどのように考えていらっしゃるか。

 特に、今障害者の方々が地域で就労している、あるいはデーアクティビティーの場として、多くは小規模作業所です、全国に六千カ所ある。授産施設は全国に六百カ所あります。そういうところで、障害を持っている方々がデーアクティビティーをしながら就労への移行あるいはチャレンジというものをしている。そういったところにこういった制度が適用するものであってほしい、あるいはそういった障害者に対して適用してもらいたい制度だと私は思っています。この制度の根幹となります在宅就業対策の対象となる支援団体、あるいは対象となる障害者、あるいは対象となる業務、これをどのようにお考えでしょうか。

金子政府参考人 今回新たに導入することといたしました在宅就業支援の関係での団体に関するお尋ねでございますが、この在宅就業支援団体につきましては、適正な業務の実施を確保するために在宅就業支援の業務を継続的に行うこと、こういったような登録要件を設定しているところでございます。具体的には、現在、IT関連などで在宅就業支援に取り組まれている団体もございます。こういったところを対象として考えているわけでございますが、その一方、今お話がございました授産施設あるいは作業所といったところにつきましては、就職に努力されているというようなことで一定の要件に当たる場合には在宅就業支援団体の登録を受けることができるようにしてはどうかというふうに考えております。

 それから、在宅就業の支援の対象となります就業場所でございますが、これは在宅でございますので自宅ということに相なるわけでございますけれども、それに加えまして障害者の就業のために配慮されたような場所も想定をしているところでございます。こうしたことから、小規模作業所などについても対象になり得るというふうに考えておるところでございます。

 また、対象業務でございますが、先ほど申し上げましたようにITを活用いたしましたホームページの作成といったようなことも現在行われておりますけれども、こうしたような業務に限定せずに、物品の製造、サービスの提供等の業務も対象業務にしていきたい、このように考えております。

小林(千)委員 そのように地域で頑張っている小規模作業所が、こういった指定団体になりまして登録できればいいと思っているのですけれども、登録するのに税金がかかるのですね。厚生労働大臣による登録をするためには、初回登録には登録免許税の納付が必要ですというふうになっています。納付の金額を聞きましたら十五万円です。

 お配りしました資料の一番最後のページをごらんになっていただきたいのです。十五万円も登録免許税がかかる法人登録。見てみますと、そこに書いてあります、金融機関の証券業務の営業の登録、証券業者が営業するのに法人登録をするのに登録料十五万円。貸金業者の登録十五万円。それと同じレベルですか。先ほどおっしゃっていただきました小規模作業所、人数が少ない、十人、十五人ぐらいのところでやっている、そういうところで、やっと仕事をもらってきて、受注を受けてやっているところが、十五万円稼ぐのに、利益を出すのに一体どれだけの苦労が要るでしょうか。こういった小規模作業所というところは営利目的でやっているところではありません。なのに十五万円の登録免許税が必要です。

 財務省に伺ったら、これは登録の制度として横並びで十五万円なんです。横並びというのは何と横並びかなというふうに思いましたら、貸金業者と横並びなんですよ。これは本当に、財務省に聞けばこれが制度ですと言うのかもしれませんけれども、大臣、厚生労働省が障害者の福祉的支援の一環としてこの制度を就労支援のために行うのに、やみ金融と一緒にしないでください。十五万円も支払うようでは小規模作業所はマル適マークを受けられません。この十五万円だけ何かいい方法はないですか。まけてもらうわけにはいかない、ほかに何か許可だとかなんとかという方法はないですか。十五万円は払えないですよ。これは政治家としてぜひ御決断をお願いします。

衛藤副大臣 今お話ございましたように、登録免許となれば十五万円ということになりますので、別の制度をつくるかということになりますけれども、正直言ってそこはまだ検討をいたしておりません。ちゃんとした登録としてやっていきたいというぐあいに今のところ思っております。

 ただ、横並びの十五万円、あんまりじゃないかということでございますので、そのとおりでございまして、ちょっと別の工夫をこれから考えたい、今思案中でございますけれども、なかなか結論は出ておりませんが、何らかの工夫をさせていただきたいというぐあいに思っているところでございます。

小林(千)委員 ぜひそこは、貸金業者みたいに営利目的で稼ぐために認定される団体じゃないのですから、それは厚生労働省の立場で、ここのところはぜひとも十五万円もかからないようにお願いをします。

 そして、結局、こういった作業所に通うためにも、今度は利用料がかかるんですよ、一割の利用料負担が。最高一万九千円。お昼そこで食べれば、一回五百円で一月一万円。そこで働いている方々が工賃としてもらっているのは、月々五千円か一万円ですよ。働く、就労移行の場としてそこに通うのに、働いた分まで全部持っていかれる。余りにもひどいじゃありませんか。こういうところの利用料をどのようにお考えでしょうか。本当に就労移行、就労目的としてこういった小規模作業所あるいは授産施設というところの役割を重要だというふうにお考えなら、こういったところから利用料を取るのは余りにもひどいと思います。

尾辻国務大臣 そういうお考えがあることもよく承知をいたしております。

 そこで、きっちりした契約になっておる就労については、これはまた扱いが別なわけでございますけれども、そうでないケースをどうとらえるのか、福祉サービスとしてとらえるのか、就労と考えるのか、この辺、どういう理解をするかというところがあることは事実でございまして、私どもは、今、福祉サービスの一つとしてとらえるときに、これに対して、先ほど来ずっと申し上げておりますけれども、定率の御負担をお願いするという考え方でございますから、そうした中でのお願いをいたしておるところでございます。

 いろいろな考え方がありますので、将来にわたっては私どもも検討をすべきことだとは考えております。

小林(千)委員 先ほどの法定雇用率の件にしましても、今回のこの就労支援にしましても、本当に障害をお持ちの皆さんの雇用の促進、就労の促進、デーアクティビティーに対して改善になるのかと思うと、本当に疑問に思えてなりません。障害者の方々のこういった社会参画も自立の一つです。それに結びつく法律にぜひともしなければいけない、このままじゃとてもじゃないけれどもならない、そこのところを指摘しまして、私の質問を終わります。

北川委員長代理 次に、山口富男君。

山口(富)委員 日本共産党の山口富男です。

 障害者自立支援法は、一回目の質疑でも私示しましたけれども、政府提出に至った法案のつくられ方にまず大きな問題がある。これは、障害者を含めた当事者の皆さんのきちんとした意見を聞いたり協議するということを抜きにやってしまったということ、この点は尾辻大臣も、急ぎ過ぎた、それから障害者の皆さんの理解をいまだに得ていないということは前回の質疑でお認めになりました。

 それで、きょう、理事会の了解を得まして資料をお手元にお届けしたんですが、民主党の園田議員も指摘されましたけれども、昨日、障害者の方々の大きな集会が開かれました。ここには全政党が出席してそれぞれ意見を述べたわけですけれども、名あて人の一人が尾辻大臣なんですね。どういうアピールなのか、私、これから読んでみたいと思うのです。

 幾つか時間との関係で抜きますけれども、障害者自立支援法案について「なぜ、こんなにも早いテンポで進めなければならなかったのか、鳴り物入りで始まった支援費制度の総括はどうなっているのか、どの程度の基礎データの下で法案づくりが進められたのかなど、釈然としない点がたくさんあります。」「二千五百万人におよぶ障害のある人と家族の置かれている本当の姿はどうなっているのか、わたしたち一人ひとりのニーズはどうすれば実現できるのか、そもそもわが国の障害者施策の水準は妥当なのだろうか、」「肯定的な答えは見出し得ません。」「わたしたちは、死活問題と言ってもよいこの障害者自立支援法案の国会審議の行方を、まさに固唾を呑んで見守りたい、そんな心境です。同時に、審議を通してわたしたちのニーズと実態を、社会全体にもっと知ってほしい」、尾辻大臣含めまして私たちも「国会を挙げてわたしたちのことに真剣に向き合ってほしい」という訴えを受けました。

 まず尾辻大臣に、障害者と、こういう訴えとどう向き合うのか、述べていただきたい。

尾辻国務大臣 昨日、このフォーラムが開かれました後、主催者の方々が私のところにおいでいただきました。そして、その方々ともお会いをし、このアピールも改めてお聞きをし、いろいろなまた話もさせていただいたところでございます。まず、お話は伺いましたということ、直接伺っておりますということをまず申し上げます。

 それから、そのアピールの内容につきましては、いろいろな数字が出ておりますけれども、少なくとも六千五百名を超える多くの障害者とその御家族がお集まりになった、そのフォーラムのアピールでございますから、その一つ一つが極めて切実なものであるということも受けとめさせていただいております。

 同時に、アピールの内容は、いずれも本委員会で昨日来いろいろ御指摘いただいておるもの、そのものでもございますので、その意味でも、障害者自立支援法案を、このただいまの本法案を、本委員会で御審議いただく中でより一層御理解いただけるように、私どもも御説明申し上げたいと思いますし、努力もいたしたいと思います。また、まさに国民の代表として先生方がお述べいただくその御意見一つ一つも大事にさせていただきながら、また、私どもにできる努力というのは、当然のこととして精いっぱいやらせていただきたいと存じます。

山口(富)委員 切実なものとして受けとめたということです。

 この要求は五項目上がっておりまして、冒頭が「障害保健福祉関連の予算を大幅に増額してください。」予算関連の問題です。そして二つ目に、「応益負担の導入は余りに乱暴です。」と。今度の制度改正の大きな中身である負担の問題が入っております。きょうは、私、この問題を中心に取り上げてまいりたいと思うのですが、まず塩田部長に示してほしいのですけれども、現行の支援費制度で応能負担をとっている、その理由を示してください。

塩田政府参考人 一昨年から始まった支援費制度導入に当たりまして、利用者負担をどういう考え方で整理するか、当時も議論になったところでございます。

 その際には、一つには、所得にかかわらず必要なときに必要なサービスができるようにするということ、それから、全体としてそれまでの間の公費負担の水準を維持するという二つの観点から、二つの方法が検討されました。一つは、本人の所得などに応じた利用者負担を導入するという考え方、もう一つが、サービスの内容などに応じた定率の利用者負担を導入する、この二つの案が当時検討されたところでございます。

 いろいろな議論があったと承知しておりますけれども、最終的には、支援費制度の前の措置制度と同様の応能負担の考え方をとるということになったと承知をしているところでございます。

 今回の障害者自立支援法案において、ではどういう考え方に基づいたかということでありますが……(山口(富)委員「いや、それはまだいいです」と呼ぶ)はい。では、わかりました。

山口(富)委員 今の説明にありましたように、障害者が希望するサービスを、その所得の状態もありますから、きちんと受けられる一種の前提条件なんですね。そういうものとして応能負担から出発しているわけです。

 ところが、今回、塩田さんが今説明しかけたから次に移りますけれども、資料の二枚目をごらんいただきたいのですが、利用者負担を求めていく、そのときに、十二月十四日の社会保障審議会の障害者部会に対して説明したときは、これはサービス量に応じた応益負担なんだと説明をし、その二週間後には、十二月二十七日に、いや、これは定率負担なんだというふうに言っている。

 私は説明してほしいのですが、応益負担と定率負担はどう違うのか、そして、この二週間で一体何が変わったのか、示してほしい。

塩田政府参考人 今回の法案におきます利用者負担の考え方でありますけれども、サービスの量に応じて御負担をしていただくとともに、所得に応じて御負担をしていただく、この両方の考え方をミックスしたもので制度を設計したいということでございまして、その制度設計の考え方自体は一貫した考え方で整理をしているところでありますが、言葉遣いの点においていろいろな混乱があったことは、このように二週間で変わっているということは事実ですので、それは認めたいと思います。

 その場合に、応益負担という言葉が持つニュアンスといいましょうか、それが与える語感といいましょうか、それが必ずしも今回私どもが導入している利用者負担の考え方と、整合性というか、きちんと反映した言葉じゃないのではないかということで、より正確を期すという意味で、サービスに応じた定率負担と所得に応じた負担という二つの考え方で言葉の統一を図ったということでございます。

山口(富)委員 では、応益と定率は同じなんですね。

塩田政府参考人 サービスの伸びに応じて御負担をしていただくということをどういう角度から表現するかということだと思います。結果的に採用された方が、率、何割という負担であればそれは定率負担ということでありますし、受けたサービスを受けて負担するという意味では応益という言葉、同じことを違う角度から言っているのだと思います。今回について言えば、その部分については意味はそんなに変わっていないと思います。

山口(富)委員 まず、あなたが、今度の制度設計というのは応益負担、サービス量にかかわってはそういう形をとっている、しかし、一方で応能負担をとっているということを言いました。私、それは違うというのは、これからの質疑の中で示していきたいと思います。

 それで、となりますと、この制度は、障害の重い方は当然サービス量がふえるわけですけれども、障害の重い方ほど、サービス量がふえますから、定率負担が重くなる、こういう制度なんですね。

    〔北川委員長代理退席、委員長着席〕

塩田政府参考人 サービス量が一定水準までの段階では、サービス量に応じて御負担をいただくということでありますので、障害の重い方の方が負担は重くなるということになりますけれども、この提出された、私どもがつくった資料を見ていただきましてもわかりますように、サービス量がどんなに多くても限度額は四万二百円ということにしております。そういった意味で大変重たい方への限度額というのはきちんと設定されておりますので、障害が重ければ重いほど負担が重いという、必ずしもそういうことになっていないと思っております。

山口(富)委員 それは限度額と全く関係ない話です。福祉の制度において、障害の重い方に支援をする、サービスを受けていただく、これは当たり前のこと。ところが、そのサービスが必要な方がそれを得ようとすると負担が重くなるという仕組みは、尾辻大臣、これは福祉の制度としてはおかしいんじゃないですか。

尾辻国務大臣 申し上げておりますように、社会保障全体の制度を考える中での整合性ということも私どもは今回重視しておることの一つでございます。そうした中で、利用していただいておる、その利用に対するまさに定率の御負担をいただくというこの仕組みというのは、申し上げております整合性ということにおいては間違っていないのではないか、こういうふうに考えておるところでございます。

山口(富)委員 私は、前回の質疑でも、国連の障害者の権利宣言を紹介いたしました。その中にも、障害者が同年齢の市民と同等の基本的権利を持つ、このことは、可能な限り通常のかつ十分満たされた相当の生活を送ることができる権利を意味すると。これは日本も賛成したもので、今これを条約にしようという作業まで進んでいるわけですけれども、そういう意味でいきますと、同等の状態に行くまでの手だてというのは、これは当然支援の対象となるわけですね。いわば権利なんですよ。そこのところを充実させようとすると、あなたは重たいから負担も重くしますよというのでは、福祉は死んじゃうんですね。

 私、だったら、これをもう少し具体的に詰めていきたいと思うんですけれども、ここに、資料の三枚目なんですが、定率負担に係る措置の上限措置の表が出ております。これを見ますと四区分に設定されるということになっておるんですが、一般、低所得二、低所得一、生活保護、この四つの区分で、推定で結構ですから、障害者がどの程度になるのか示してほしい。

塩田政府参考人 直接的なデータがないということから、いろいろなデータで推計するということになりますけれども、まず、入所施設の利用者の方々についての階層区分についての推計を申し上げたいと思います。

 まず身体障害者の場合ですけれども、生活保護対象者が約一割、それから低所得者、市町村民税非課税者が、これは一と二を合わせたものですが、約九割と推計をしております。それから知的障害者ですけれども、知的障害者の場合は、ほとんど全員の方が低所得者グループ、市町村民税非課税のグループに入ると推計をしております。それから精神障害者につきましては、生活保護が約三割、低所得者、市町村民税非課税者が約七割という割合を一応推計として持っております。

 それから、居宅、通所サービスの場合の分布状況ですけれども、これは国民生活基礎調査におきます手助けや見守りを要する者のいる世帯という所得金額の階層の調査がございます。そういったものなどから、これも推計でございます。

 まず身体障害者ですけれども、生活保護対象者が約一・五割、それから低所得者、市町村民税非課税の方々が約一・五割、一般のグループが約七割でございます。それから知的障害者、これは、低所得者、市町村民税非課税者が約三割、一般が約七割。最後に精神障害者、生活保護対象者が約三割、低所得者、市町村民税非課税者が約七割という推計を現時点ではしているところでございます。

山口(富)委員 この推計は法案審議で非常に大事なものになってきますから、厚労省が推計にした土台の資料、それを当委員会に提出いただけますね。

塩田政府参考人 そのようにさせていただきます。

山口(富)委員 そうしますと、この問題で、私は利用者の本人所得を基本にすべきだというふうに考えておりますが、きょうの質疑の中でも、これは世帯収入での四区分なんですが、その区分は政省令の事項ですから検討するという話がありました。私はこれは本人所得にすべきだと思いますけれども、仮に政省令でそれをいじった場合に、例えば本人所得で考えたときも、ここにある四区分、生活保護、低所得一、二、一般、この四区分に変わりないんですね。

塩田政府参考人 区分自体は変わりませんけれども、扶養義務者の範囲によっては、分布状況については当然変動するということはあると思います。

山口(富)委員 この区分は変わらないということが確認されました。となると、一体どういうことが起こるのか。

 まず、低所得一の方は、大体障害年金でいいますと二級の方になります。私、社会保険庁に聞きましたら、二月末で、一番新しいところで月収六万七千五百三十五円。それから低所得二の方は、基礎年金一級の方々ですから、同じく八万三千三百一円なんです。ところが、この所得に応じた月額負担上限を見ますと、低所得一の方は一万五千円、二の方は二万四千六百円になるんですが、計算しますと、二級相当の方で収入の二割なんですよ、上限が。それから、一級相当の方で収入の約三割なんです。

 あたかも所得に応じた上限をとっているようなことを言い、きめ細やかにやったと言うけれども、普通に考えてくださいよ。収入の二割、三割を納めろというようなことを障害者に求めて、どこにきめ細やかさがあるんだ。これは、私は、障害者の生存権の侵害にもかかわる非常に重たい上限だというふうに思うんですが、いかがですか。

塩田政府参考人 私どもが提案している世帯のとらえ方とか限度額については、いろいろなほかの社会保障制度との整合性とか税も見ながら設定したものでありまして、ぎりぎり御負担できる範囲内ではないかと考えて御提案をさせていただいております。

山口(富)委員 どこにその根拠があるんだ。その根拠を示してほしい。

塩田政府参考人 いろいろな世帯とかいろいろなそれぞれの家庭の状況等があるので一律には言えませんけれども、一般的にはほかの制度でも、こういう階層区分に入った場合にはこの程度の負担ができるということで、いろいろなほかの制度も区分が設定されておりますので、社会保障全体との整合性も考えながら、こういうことで御提案をさせていただいているところでございます。

山口(富)委員 だから、全く資料が示せないじゃないですか。私は、一回目の質疑から、これは障害者の生活と人権にかかわるんだから、そういうものとして対応しようじゃないかということを申し上げまして、尾辻大臣は、そのとおりだ、これは人権の立法だという話もされました。しかし、この肝心の仕組みのところでさえ、今の部長の答弁だと資料がないんだから。これは私は本当に深刻だと思うんです。

 私がこの問題を重ねて申し上げたいのは、この間のお話で、財政との関係で、予算の確保のためにこういう切りかえが必要なんだという説明が繰り返しあったんです。しかし、厚生労働省の長い歴史の中では、財政の確保、そのことを理由にして人権抑圧をやった誤りというのは本当にたくさんあるんですね。その一つがハンセン病の問題です。

 この三月にハンセン病問題に関する検証会議が報告を出しました。ここの場にも来ていただいて、私たちも話を聞きましたけれども、そのときも指摘をされたんです。どういうふうに指摘しているか。なぜ人権抑圧法であるらい予防法の廃止がおくれたのか。理由ははっきりしているんです。厚生省が、入所者の処遇改善に必要な予算を獲得するため、金が要るからということで隔離条項の存在を強調し、これを最大限利用したと。だから、この検証会議の報告書は、最後に再発を防止するために九つの提案というのをやっているんですね。その九つの提案の第四番目にちゃんと書いてあるんです。「このような歴史に鑑みると、人間の尊厳及び人権の尊重に立った新たな予算編成上の原則を」つくる必要があると。そうなってないじゃないか。三月に私この問題を取り上げたときに、大臣は、この検証会議の報告を大変重く受けとめる、そして、再発防止の提案についてはそれを具体化するとまで私に答弁したんですよ。この法律、そうなってないじゃないですか、大臣。

尾辻国務大臣 ハンセン病の反省というのは、私どももいたさなきゃなりません。そして、お答えしたとおりでございまして、大変重い報告をいただいておりますので、私どもはそれに向けてまたきっちり私どもなりの施策を進めていかなきゃならない、これは申し上げたとおりでございます。

 ただ、今お述べになりました、予算を獲得するからという意味におきまして、それで人権を抑圧するとか人権が無視されるとかということになれば、これはその報告書にも書いてあるとおりにあってはならないことでございます。

 この法案の中で私どもが申し上げておりますのは、繰り返し申し上げておりますけれども、まず原理原則だけはしっかり決めたい。そして、原理原則を決めた上で、それぞれのまたいろいろなケースがあるだろうから、そのケースについてきめ細かく対応させていただきたいということを申し上げておるところでございまして、先ほどの収入の話も、障害者年金の額でまずはとりあえずおっしゃったわけでありますけれども、その他の収入を加えていろいろな収入のある方もおられる。そういうところとの、そういう皆さんのいろいろなケースの中でまず原理原則を考えて、そして、どうしても無理だというケースについてはそれなりの対応をさせていただく、こういうことを今申し上げておるところでございます。

山口(富)委員 大臣、財源、財政優先的にやったというのは、政府自身が、提案者自身が繰り返し述べていることなんですよ。しかも、私は、この上限なるものが、障害者年金の二級の方でいうと収入の二割、一級の方でいうと三割まで納めていいというわけだから、そうなっちゃったら、これは障害者の生存権のぎりぎりのところまで踏み込んでいってしまう、人権問題になるということを言ったんです。

 では、具体的に事例を挙げて紹介します。例えば、こういう声があります。大阪ですけれども、堺市の十七歳と十四歳の二人の障害児を持つお母さん。「二人目の子どもの負担金がゼロの今でも、」大阪の場合、いろいろあるんでしょう、「ガイドヘルパー、ショートステイ、外出経費などで月三万三千円ほど負担しています。応益負担になると二人分の費用が必要となり、負担額が一気に引きあがってしまい、とても生活していけません」。

 次の方。本人収入が一級年金のみで、ホームヘルプ月三十二時間、移動介護月百二十時間、その他ショートステイ、通所授産施設、補装具、日常生活用具等の制度を受けて生活している吹田市の女性の障害者。「我が家は障害者と病人をかかえ、年間二百万円にも満たない年金でぎりぎりの生活をしています。この上負担が増えると、どうやって生活して良いかわかりません」。

 もうお一方、吹田市の障害者。「現在でも負担金の上に、小遣いや外出時の」、グループホームの、授産施設なんですが、「小遣いや外出時のヘルパーさんの経費などで年金額をオーバーしています。これ以上負担が増えると生活できません」。

 全部結論は、これじゃ生活できないじゃないか。これが私が言っている、このやり方をとったら障害者の皆さんの生存権を脅かすようなことになるぞと。大臣、そうじゃないですか。

尾辻国務大臣 ですから、その御負担いただく額、生活保護までに立ち至らないようにというそこのところでの、負担していただく額をきっちり軽減させていただくという措置をとっておるわけでありますから、そのところで御理解をいただきたいと存じます。

山口(富)委員 大臣、社会福祉の政策に、これをやったら生活保護世帯になる可能性があるということを前提にしてやるような政策があるんですか。社会福祉じゃないよ、そんなのは。

尾辻国務大臣 誤解があるといけないんですが、そことの比較といいますか、そうならないようにということで必ず軽減措置をとりますということを申し上げておるわけでございますから、きめ細かく軽減措置をとらせていただきますという意味で申し上げたところでございます。

山口(富)委員 だったら、一体どこにきめ細やかな軽減措置があるんですか。

 障害者基礎年金のかかわりで、先ほどこの四区分で報告がありましたよ。例えば身体の方ですと、低所得のところに、一、二で七割の方がいらっしゃる。それから、知的の方ですと九割の方がいらっしゃる。こういう七割、九割の方の収入の二割、三割を負担させるというわけですよ、上限と称して。どこにきめ細やかさがあるのか、はっきり説明してほしい。

尾辻国務大臣 改めて申し上げますけれども、この法案において、一割の定率負担と所得に応じた月額の負担上限額を組み合わせた、そうしたことで利用者負担をお願いすることといたしておるわけでございますけれども、その際に、これも今繰り返し申し上げておりますように、障害者の方が暮らしていただく上で支障がないように、負担額を減免する各般の仕組みを設けておるところでございます。

 具体的に申し上げますと、今具体的にということでございましたので具体的に申し上げますと、収入の状況に応じた数段階の月額負担上限を設定いたしますこと、あるいはグループホーム等で暮らす方で収入が乏しい方に食費等の実費負担を軽減するための補足給付を行いますこと、あるいはグループホーム等で暮らす方で一定額以上の預貯金のない方に対してという、そこは条件がついておりますけれども、個別の収入に着目して利用者負担を減免できる仕組みを激変緩和措置として設けることにいたしておりますし、そうしたようなことを今申し上げておるところでございます。

山口(富)委員 時間が限られてきましたから、もう一つの例を挙げるようにいたしますけれども、これは、今大臣が幾つかの措置をとっているというふうに具体的な例を挙げたのは、私が先ほどの上限の表で説明したのとほとんど同じなんですよ。これは実際にはきめ細やかな対応になっていないと言ったんですね、私は。

 塩田部長は先ほど応益負担、定率負担という言葉の方がいいように皆さん方は言っているようだけれども、応益負担と応能負担のセットだという説明をしたけれども、この応能部分というのは、現実には、本来所得に応じて払っていただくというその考え方と相入れないんだ、これは。言葉だけなんだ。その具体的な中身を、きょうは心臓病の子供たちのことでちょっと示しておきたいと思うんです。

 資料の一番最後をごらんください。

 きょう提出した資料で幾つか紹介できない資料があるので、これは次回の質疑のときに示していきたいんですが、全国心臓病の子どもを守る会から資料をいただきまして、了解を得て配付しているものなんです。今度、自立支援医療が導入されて公費負担が見直されるわけですけれども、この場合、事例として、三十歳でひとり暮らし、これは更生医療ですから。お子さんの場合はその一ページ前の育成医療の六ページのところに載っておりますが、時間が限られてきましたので最後のページで紹介したいんです。例えば、今度は重度かつ継続ということで、五千円、一万円、こういう上限額がある。これは塩田さんによるときめ細やかな対応だというんですよ。

 ところが、食費を取り、医療費は一〇%になりますから大変な変化が起こるんですね。このDの一という所得税を払っている方では一番低い世帯ですけれども、ここになりますと、負担は何と五十・二倍ですよ。こんなことがあるのかと。これより下がる所得の方でも三十四倍、二十六倍。これがあなた方の言うきめ細やかな対応をとっている、そういう姿なのか。私は、ここにも障害者の皆さんの人権を踏みにじるような政策が出ている。大臣、どうですか。変えてくださいよ。

尾辻国務大臣 今お示しいただきましたものは初めて見ますので、いろいろなケース、それぞれのケースでまた精査しなきゃならない数字でございますので、私どもなりに、いただきました数字もまた精査もさせていただきたいと存じます。その上でまたお答え申し上げたいと存じます。

山口(富)委員 これは大事なものですから、どういうことが起こり得るのかということはきちんと精査してほしい。

 そして、私はきょう冒頭で昨日の集会のアピールを読み上げましたけれども、このアピールが結んでいる、「応益負担の導入は余りに乱暴です。」この言葉に込められた中身は、きょう私が紹介してきた事例そのものだということを申し上げまして、私の質問を終わります。

鴨下委員長 午後零時四十五分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時二十三分休憩

     ――――◇―――――

    午後零時四十六分開議

鴨下委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。阿部知子君。

阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 冒頭、本法案の審議に入ります前に、また本日のトピックス、一つ大臣にお願いいたします。

 きょうは、在外被爆者問題で、実は、五月の十日に広島地裁におきまして、アメリカにお住まいの被爆者手帳をお持ちになった方が、お連れ合いがお亡くなりになって、葬祭料の申請や、あるいは御自身の健康手当の申請を、もう既に手帳はお持ちの方ですが、アメリカからもともとの広島、もと広島にお住まいですから、そこになさいましたところ、今の厚生労働省のお預かりの被爆者援護法では、御自分のお住まいの市町村にそれを申請しなきゃいけないということで、アメリカに住んでいて広島に申請したらだめだという決定が下されて、しかし、それはおかしいんじゃないのというふうに裁判を起こされて、広島地裁の判決が、例えば手帳をお持ちでアメリカに今お住まいであれば、それは広島に居住で広島にお出しにならなくても、当然、被爆者はどこにいても被爆者であるから、その事実に確かに相違はないので、これは広島市の判断が不当であるという判決がおりました。

 実は、こういう同じような判決は各地で相次いでおりまして、高裁判決でも同様の結果を見たものもございます。

 そろそろといいますか、この在外被爆者問題、実は、坂口前厚生労働大臣に非常に御尽力いただいて、わざわざ手帳の申請のために、御高齢者が例えば韓国あるいはアメリカから日本にやってこなくても、あちらで申請できるようにというお取り計らいもやっていただいた経緯もございます。

 引き続いて、こういう手当あるいは埋葬料の、お亡くなりになって、夫が死んだ、それでは埋葬料、被爆者であるということの申請を、そのもともとの手帳を申請した、あるいはもともとのお住まいでなくても、海外からも郵送による申請で受けられるように、厚生省本体の、国の政策自身の方式を変えていただきたいと思います。

 そうでないと、訴えられた市町村は、広島にしろ、長崎にしろ、国の枠がそうでございますから、自分のところでは受けられないと思いながら、非人道のきわみだという立場に立たされて、実は、広島市長の秋葉さんは談話されて、もう市としては控訴せずという形をとられるということですが、この苦悩の自治体の首長の立場を考えますと、やはり国の法の枠の中で、海外からの申請も可能とするというふうに御判断いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

尾辻国務大臣 手帳をとるということは、あるいはまた手帳を持っておられる方が今度は手当を申請するといったような、それぞれの段階でどうするかとか、細かな議論はいろいろございます。ただ、確かに今、被爆者の皆さんが御高齢になっておられるということを考えますと、また今私どもがどういう施策を考えるかということは、それを検討する時期にあるということは私もそのように考えております。

 ただ、今一番身近な問題といいますか、今お述べになりました広島地裁判決についてどうするかということについては、これは広島市の考え方もまだ聞いてもおりませんし、それから、各方面と協議をしなきゃならないというようなこともございますので、その協議をして、また私どもも私どもの方針というのを決めたいと思っておりますので、そこの部分について今申し上げることは差し控えさせていただきたいと存じます。

阿部委員 既に御紹介しましたように、広島市は控訴せず、これは首長の英断です。と申しますのも、繰り返しこういう同じような訴えが、そして訴訟という形をとって被爆の御高齢者を苦しめるということは、もう人道にかんがみて、いかんせん、国の仕組みが悪いために首長がそこで非常に苦しい立場に立たされるということですから、広島市長の英断も踏まえて、現在として国の判断をよろしく早急にお願いしたいと思います。

 幾つかの係争では、国と自治体双方が訴えられるというケースもございますが、この場合は広島市が被爆者の方から訴訟を起こされ、そして市は控訴せず、海外からの申請だから却下するということはしないというふうに、ある意味では単独で考えるわけですが、しかし、本当は国の法の仕組みですから、ぜひ国としての御判断をよろしくお詰めいただきたいと思います。

 引き続いて、障害者自立支援法に入らせていただきます。

 本日で二日目でございまして、論議もだんだんに、急速にと申しますか、盛り上がってまいりました。と申しますのも、昨日の日比谷の集会、集計八千人と言われる障害者並びにその方たちを支援する方々、やはり今回のこの自立支援法では本当に障害者の生存もおぼつかないし、いい方向への改革となるにはほど遠いということで、一部の障害のある皆さんは、みずから国会の外に座り込むという形での抗議行動を繰り返されているわけです。

 大臣のお目にもとまりましたでしょうし、実は、私もきのうの夜十時過ぎ、国会を出ましたところ、園田委員が熱心に座り込みの皆さんのお体を気遣って、またお話に耳を傾けておられて、本当に握手をすれば手も冷たいし、外は寒うございましたし、お体にさわるということは本当に懸念されますし、また衛視さんたちも、ドアをあけて明かりが外に出るような形で、衛視さんたちも大変に御配慮してくださっている。御苦労だと思います、お手洗いに行きたい方も多いし。

 でも、私は思いますけれども、この国会にお勤めのすべての、私ども国会議員で立法に携わりますが、国民の大事な立法府を預かるという思いに支えられてお仕事をなさる衛視さんたちも、本当にあそこでなぜあの方たちが体が不自由なのにいろいろな思いをかけて座っておられるんだろうということで、御自身の労働強化もあえて苦とせず見守ってくださっているんだと思います。私は、ここで何か大きな御不幸がなければいいと、きのうは寒かったですし、本当にそう思いながら、園田先生よりは先に帰らせていただいた次第です。

 そういう必死な思いの中で行われている審議ですから、もちろん担当の厚生省の塩田さん初め、あるいは尾辻大臣もあだやおろそかなことではないとは思いますが、しかし、それにしても、気持ちがそうでないとしても、現実に出てくる法案は、障害者の現実をきっちり見ていないということにおいて、結果的におろそかな法案が出てきていると私は思います。

 まず冒頭、塩田さんにお伺いいたしますが、この間、支援費制度のある種の立ち行かなくなった理由、お述べでございます費用が膨張したこと、当然ながらそれは、ニーズ、予測、そこにどのくらいのニーズがあるかということを見誤った、もしくは想像ができなかった、あるいは下準備調査がなかった、この三つくらいが一番大きいと思いますが、塩田さん、担当してみられていかがですか。

塩田政府参考人 支援費導入が、地域で障害を持つ方が暮らせるようにということを自己決定、自己選択という趣旨で導入されたことは評価されていいことだと思っておりますが、同時に、政策立案者として、それを支えるための財源の仕組みでありますとか、あるいはサービスをきちんと適正に把握する方法とか計画的な手法が足りなかったという点については、御指摘のとおりだと思います。私は当時は担当者ではありませんでしたが、一般的経費、裁量的経費という中で、ほかの分野に比べてかなりの額の増額の予算を当時も組んでいたことは事実でありますし、それを上回るサービスの伸びがあったということで、支援費制度の導入自体は正しかったと思います。

 ただ、当時、障害者福祉分野は、高齢者分野に比べまして基礎的なデータが足りないということもまた事実でございます。それから、市町村によって、都会の市町村はかなり充実したサービスが行われておりますが、多くの市町村においては、高齢者福祉や児童福祉に比べて、ほとんどデータもなければ担当の職員もいない、そういう段階でスタートしております。

 そういう基礎的データのない中で予算不足になり、こういうような事態になったことは、ある意味では歴史の避けて通れないステップであった面もありますので、過去、私どもの対策、政策立案に問題点があったことは率直に認めたいと思いますが、大事なことは、支援費の理念を今後どう実現するかということでありまして、そのために制度をどう立て直すかという観点から御提案をしているつもりでございます。

阿部委員 やはり物事は、実態を見なければ正しい判断も処方せんも出ないわけです。

 ここで西副大臣にお伺いいたしますが、では、今のような支援費の経過の中で、今度のデザイン、グランドデザインという大仰な名前がついていますが、実態を見たのか。先ほど谷間の障害者の問題の御指摘もありましたし、現実に、例えばこれの手帳のある知的障害者の数でも、二十四回目の審議会の中である委員がお話しですが、日本は、知的障害者の数四十九万というふうに出しますが、実際はもっともっと多いだろう。他の諸国の知的障害の発生率が人口の〇・五から二・五%と言われている。日本は〇・三六%くらい、この四十数万人では。となると、本当にグランド、地に足のついたデザインかどうか。実態はまだ把握されていない、走りながらやるといっても、デザインの方はできてしまおうとしている。

 やはり物の手順は、しっかりと調査なり把握なりをしてそのことを国民的共通認識として、これだけの人がいて、この方たちは、あすは私たちかもしれないし、例えば、障害を持つ子を持つ確率も、自分が更生医療の腎透析のお世話になる確率も、あるいは年をとって身体障害者になる確率もみんながあるよと。要は、国民的納得に持っていかないと、私は本当のいいモデル像というのは出てこないと思うのです。そして昨日、八千人の方がお集まりであった。私たちが予測する以上に多くの方たちが現在障害に直面し出している時代だと思います。

 グランドデザインという発表からわずか二カ月で成案を見たこの法律、果たして地に足はついておるや否や、西副大臣にお伺いいたします。

西副大臣 私も、昨日の大規模な集会終了後、尾辻大臣のところに代表の皆さんがおいでになりまして、その後に直接お目にかかる機会がありました。御要望いただくと同時に生の声を聞かせていただいて、皆さん方の不安の御様子が手にとるようにといいますか、本当に胸に響くような思いで聞かせていただきました。

 今回のこの新しい障害福祉施策、これを進めていくに当たりましては、先生御指摘のように、障害者の皆さんのニーズをまず踏まえる、それから基礎的なデータをきちっと確立するということが大事であり、残念ながら今までは、今部長からも御説明申し上げましたように、そのことが必ずしも確立されていない状態であったということは反省すべきことだというふうに思います。

 その内容がわかりまして初めてきちっとした方向性が出るということは事実でございますが、そのために、今回の法案におきましては、それぞれの市町村に地域の障害者の状況を踏まえてサービスの数値目標を決めていただく。これは障害福祉計画というふうに今呼んでおりますけれども、この中で、どういう障害者の皆さんが何人いらっしゃってどういうニーズがあるかということをきちっと初めて数値的にも出させていただく、この作成を義務づけさせていただきました。

 このことをもとにして、それぞれの市町村におきまして、その地域の実情に合わせてサービスが見込まれていくということでございます。それを、県を通じて国の方できちっと必要量を把握して、その上で計画的に国としても施策を整備し、また実行していくという体制を今回初めて、この法案を成立させていただきましたならばつくらせていただきたい、こういうふうに考えているところでございます。

阿部委員 もしそのように取り組むのであれば、私は、また介護保険と一緒ですが、この国会審議は準備不足、実際のデータがない、十分に当事者の声や関係者の声を聞いていない、それで法律の審議にかかるということで、あえて言えば、出し直していただきたいです。だって、こんな不十分な状態で、実態も把握されていない、当事者の声も聞いていない。

 そして、もう一つ言わせていただきますが、私は、きょうまた私の選出の神奈川県の自治体のいろいろな要望書、これは十七年の二月に出されたものですが、手元に持ってまいりました。この十七年の二月に出たものは、実はさきの十月に出たグランドデザインへの見解をまとめたものです。グランドデザインへの市町村の見解がまとまらない、やっと出されるころにもう法律が出されてしまっています。それでは当事者になる県や市町村が準備不足に戸惑い、ここにはまたまたいろいろな懸念も書かれております。

 全部を紹介する時間がございませんが、大臣、やはりグランドデザインを出したとき、グランドなのですから、実体のないグランドなので蜃気楼かもしれませんが、でも、少なくとも各市町村や都道府県にこのグランドデザインに対してのきっちりとしたコメント、骨格について、考え方についてのコメントを得られたのか、聞かれたのか、どう理解されたのか、この点をお伺いいたします。

塩田政府参考人 支援費につきましては、市町村で御苦労していただいておりますが、一方でいろいろな問題が発生しておりまして、市町村が障害を持つ方にサービスを提供していく上で、財政面を含めて制度の手直しが急務であった、そういう背景のもとで仕事をさせていただいたつもりでございます。

 審議会で議論をしていただいただけじゃなくて、市町村の関係者とも、例えば市長会、町村会とは、たまたま介護保険の議論もございましたので、何度も私自身伺いまして、いろいろな形で首長自身から御意見を伺いましたし、市町村、自治体の関係者の意見も踏まえながら立案をしたつもりでありますが、いかんせん、確かに予算編成、要するに財源を確保するということがサービスの前提になりますので、その作業も見ながらの作業でありましたので、十分説明が足りていない部分があったことについては率直に反省をさせていただきます。

阿部委員 何でも反省する、反省するといって先に進んでいたら反省といわないんです。そういうのを馬耳東風というんです。

 大臣、私、塩田さんまじめですから、こんな意地悪なこと言いたくないんですけれども、でも自治体だって、きっちりした文書でグランドデザインへの要望書を出したばかりです、二月に。そうしたら、もう法律ができてきちゃっていた。それはあんまりだし、これは自治体だけじゃないです、各種、例えば私の手元には自立支援法案に関する要望書という形ですが、精神科七者懇談会、精神医療にかかわる七者懇という懇談会からも大きな懸念の声が寄せられている。でも、それもあれも、ああ不十分でした、不十分でしたと、実は聞く耳持たず法律をつくるんだったら、だれにとってもうまくいくわけないんです。

 大臣は、一つでも、例えばグランドデザインに対する各自治体からの、市町村からの、県からの要望書をお目通しのこと、ありますか。お答えをお願いします。

尾辻国務大臣 いろいろな要望書をこの件につきましてもいただきましたので、そのうちの一つでいただいたのかなと思いますけれども、今、ではどこからのものでいつだったかと明確に覚えておるかと言われますと、正直に申し上げまして、記憶にございません。

阿部委員 では、大臣も公務多忙でございますし、要望書もたくさん寄せられると思いますが、もう数多いので、きょう私が特に取り上げたい点の公的公費負担医療の見直しということについて、神奈川県の上げている要望書を少し取り上げさせていただきます。

 ここには、障害に係る公費負担の見直しについては、精神通院公費、更生医療及び育成医療の対象者の範囲を狭めることについては、障害の軽減や再発予防等の目的からしても不適切であり、行わないこと、そして二番目が、公費負担の医療の見直しに当たっては、今地方が既に重度の障害者に対する持ち出し分として行っているものがあるので、十分慎重に制度の調整を行ってやってくれということなどが書いてございます。

 実は、この公的公費負担医療の見直しについて、審議会を含めてどの程度きっちり論議されたのかということで、さきの委員会で山口委員がお取り上げになった二十四回までも含めて、私はこの社会保障審議会の部会のお話し合いの中から公費医療にかかわる部分を目につく限り拾ってみました。私の知らない部分もあるし、読み落としもあると思いますが、塩田さん、お伺いいたします。公費負担医療について、この二十四回の部会の中で取り上げられた時間、御発言はどの程度ありましたか。

塩田政府参考人 審議会については、その都度大きなテーマを決めて議論をしていただいたわけですが、テーマに限らずいろいろな分野の話を、意見交換とか御意見をいただきましたので、何回やったとか、今現在、直ちにお答えするだけの資料を持ち合わせておりませんでしたが、何回かはそういういろいろな議論をさせていただいたと記憶しております。

阿部委員 担当者にしてその程度では、これは審議するに足らずですよ。いいかげん、本当にいいかげん。そして、患者さんたち、そこには命がかかわっているんです。申しわけないけれども、今の塩田さんの答弁では答弁にならず、値することなしです。

 この次きっちりと、何回、どんな論議が出て、そして論議がどこまで深まったか。さっき御紹介しましたように、県は県で不安を上げてきているわけです。患者さんも、負担は増える、範囲は狭まる、自分のあすはどうなっちゃうんだろうと、本当に切実です。そして、しかしそのことを受けとめるはずの塩田さんが、何回か覚えていない、どこだったか覚えていない、あったかもしれない、なかったかもしれないという論議では、本当にこの落差は埋めがたいのです。

 私が確かに見たのは二十一回の、それも恐らく三十分くらいの論議でしょう。ほかにあれば教えてください。私のところに持ってきてくださいと、きのう私は厚生労働省に頼んだんですから。ほんのちょっとの資料が来ました。

 しかしまた、私はきょうこの場で、厚生省の資料のずさんさについて、本当にこんなことで論議ができるのかということをお話し申し上げさせていただきたい、きょうの私のメーンテーマとしたいと思っております。

 実は、皆さんのお手元に配らせていただいているのは「通院医療・更生医療・育成医療の件数の推移」、これは、通院医療というのは精神医療、それから更生医療は腎不全とかその他いろいろお体のお悪い身体障害の方の医療、そして育成医療は十八歳までの子供たちの医療です。ここの図は、実は私が厚生省にお願いして後からつくっていただいたものでありますので、皆さんが審議会の中でお使いになった資料とはどんなものであり、何をおっしゃられたかということを、まず、皆さんの資料の中の一番最後のページをお開きいただきたいと思います。

 皆さんがこの二十一回の審議会に際して御利用になった、そして主な説明のもとになったのは「公費負担医療に係る総医療費、公費の推計」、これは、このままでいくと公費負担医療はどんどんウナギ登りになって公費の負担も大変だよということを印象づけるためにつくられた資料です。八年間で一・八倍という数値が述べられています。

 これは確かにうそではありません。でも、物事を審議するにはうそがございます。この図は、実は、精神医療も更生医療も育成医療も全部ここにぶち込んで、そして費用が増大するということのみを強調したいがためにおつくりでございます。

 一枚さかのぼっていただきますと、十というナンバリングのある資料がございます。ここには、精神医療が平成十六年度から十七年度に五百四十七億、更生医療と育成医療が百十一億から、今度少し自己負担を取りますので、それで減って百八億という、改正効果と言われるものが、自己負担をしていただければこんなに安くなりますよという図です。この二つを合わせると、公費負担医療の政策は費用が増大するから患者負担を取りましょうという結論を誘導するための二つしか資料がない、これはお話でございます。

 そこで、私がお願いいたしましたのは、さかのぼって一枚目。では、一体医療費を押し上げている本当の原因は何であり、精神医療、更生医療、育成医療、おのおのに見た場合にどういう解決策が来るのか。もし皆さんの懸念の点が費用が増大しているよという点であれば、実は解決は幾つもありますが、少なくとも二つあると思います。

 なぜその疾患がふえて、その疾患が重症化して、かかるお金がふえていくのか。尾辻大臣は、介護のときには予防介護、予防介護とおっしゃって、重症化を防ごうよとおっしゃったわけです。こういうときだって本当に、医療ですから、同じ、もっとそういう発想がきいてしかるべきです。

 ここの一段目、通院医療は確かに平成六年度から十五年度までを比べますと約二倍半にふえてございます。これも、もしかして入院よりは通院がふえればそれはいいことでございますし、単に数だけではこれは比較できません。精神医療には精神医療をどうやってよくするかという本来の考え方と処方せんがございます。二番目の更生医療も確かにふえてございます。これが実は一番ふえている部分で、金額では一番でございませんが、数では一番です。この更生医療を押し上げているものは、今腎透析の患者さんがふえて、これの多くの原因が糖尿病でございます。もともとの、なぜその疾病がふえてきてそういう状態にならざるを得ないかというところに手だてして後、初めて患者さんの負担の問題や立ち行かなくなる医療の問題が論じられてしかるべきと思います。

 でも、私はきょうの時間でこの二つを深く立ち入ることができませんので、最後の、とんでもない育成医療問題をやらせていただきます。

 育成医療は、皆さんのお手元の二枚目には、育成医療においては、何と親御さんの負担増をすることによって総枠のかかる費用も二十八から二十二億円と減っておる。これは、ほかの精神とか更生は、患者負担をさせてもなおやはり少しずつ増大する。ところが、育成医療の場合は、かなりの部分を患者負担に持っていき、総額も抑制されています。果たして我が国は子供の育成をしなくていいのかと、私は真剣にこのことは怒り、大臣に本日ぜひ検討していただきたいことのテーマでございます。

 大臣は、内閣の開催されます少子化問題の会議に出ておられると思います。そこでは、果たして子供たちの健全育成ということにおいて、厚生をつかさどる長としてどんな御発言をしておられるのか。これは、大臣が内閣府の中でどんな発言をしてくださるかによって、子供がどのように産み育てられ、守られ、生きていけるかが決まってまいりますので、大臣が、内閣府の少子化対策会議でどんな御発言で、こういう子供たちの育成のための医療あるいは小児慢性特定疾患のための必要な経費をどのように皆さんにお伝えであるか、お願いいたします。

尾辻国務大臣 少子化問題の会議も官邸でも開かれるわけでございますけれども、その中で、その都度いろいろな発言は当然いたしております。

 そうした中で、今お話しの部分について申し上げますと、私がよく言っておりますことは、少子化対策といっても、分ければ二つあるのではないだろうか。一つは出生率を上げるという少子化対策、それからもう一つは、今確かに子供の数が少ない、その少なく生まれた子供たちを大事に育てるという少子化対策、大きく分けてこの二つあるだろうということを申し上げまして、その少なく生まれる子供たちを大事に育てるということの中で、当然、子供たちの疾病に対する対策、予防といったようなことも十分やらなきゃいけないということで、また各大臣にも協力をお願いしておるところでございます。

阿部委員 言葉だけではだめなんですね。やはり子供を育てるには現実にはお金もかかりますし、子供が病気であれば余分な出費も多うございますし、私は、本当に障害を持ったお子さんを育ててくれている親御さんは、社会がむしろ感謝状を出してもいいくらい。私もたくさんの障害児と親御さんを見てきましたが、本当に一生懸命愛護して、子供たちの命を大切にするという価値観を私たちの社会に教えてくださるわけです。

 にもかかわらず、この全体費用は、そもそも、二十八億が果たして全体予算の中で多いか少ないか。これだって本当に決して多くはない、それを二十二億に抑制して、親御さんの自己負担を強いて、それで果たして我が国が少子化対策云々できるのか。失礼な言葉ですが、ちゃんちゃらおかしいと私は思うのです。

 小児慢性特定疾患の折にも親御さんの応能負担をお願いいたしました。やむを得ない措置だった面もあると思います。しかし、その小児慢性特定疾患でも、親御さんから子供さんの育成のための、治療のための食費を取るようなことはいたしておりません。今度は、更生医療、精神医療、全部上がっているというこの三つの図の中にたたき込まれて、子どもの医療はさらに削減されて親の負担がふえていく。こんなことで本当に少子化対策ができるのか。

 そして、少子化対策の基本要綱とかいろいろ出てございます。重点施策。この重点施策の中には、成育医療に関する全国的なネットワークを構築するという一項がございます。それほどに成育医療は、例えば子供さんの心臓が悪い場合、腎臓が悪い場合、御病気を治し、障害を軽減し、社会参加を図る本当に重要なつえでございます。

 この部分をやたら親御さんの負担を増し、ただでも、申しわけないが、障害をお持ちのお子さんは被虐待児になりやすいんです。今多い児童虐待でも、障害児の虐待される率は高いんです。親御さんにさらに経済負担をかける、社会は冷たい、こんな中で子供を育てようなんということは、私は到底この国の政治が本当に少子化に直面し、改善していこうという意思があるとは思えません。

 大臣、私がまたこの次、続けて質問をさせていただきますが、この育成医療、なぜこんな値上げが許されるのか、どんな論議がされたのか、この次で結構です、きっちり御答弁いただきたい。そして、その答弁がもしも不十分なものないしは根拠無根なものであれば、しっかりと少子化対策会議に出て、子供の医療を削ることはまかりならぬ、親に負担をこれ以上かけることもまかりならぬ、国の不幸であるという御発言をお願いしたいですが、御答弁をお願いします。

尾辻国務大臣 最後の御質問につきましては、次回ということでございますので、次回整理してお答え申し上げたいと存じます。

 そして、今お話しのように、少子化対策について私が官邸におけるさまざまな会議で発言することは当然でございますし、主張することも当然でございますので、今後とも続けてまいります。

阿部委員 他の医療問題についても、また次回よろしくお願いいたします。

 終わらせていただきます。

鴨下委員長 次に、松野信夫君。

松野(信)委員 民主党の松野信夫です。

 私の方からは、障害者自立支援法の基本中の基本と申しますか、障害者とは一体何であるか、障害とは何であるか、まずこの点について尋ねていきたいと思います。

 もちろん、この障害者自立支援法、これは身体、知的、精神の三障害を念頭に置いているということは、法案の第四条の障害者の定義のところでも規定はしているわけであります。しかし、障害者はこの三障害だけではないわけであります。当然、昨年の十二月には発達障害者支援法もできました、そのほかにもいろいろな難病、特定疾患の方々もおられる。やはり、障害の問題を扱うということであれば、この三障害だけにとどまるのではなくて、ありとあらゆる障害を見据えた上で扱っていかなければならない、こういうふうに思っております。

 したがって、この障害者自立支援法案の審議に当たりましても、この三障害だけではないという点をしっかり見据えて、障害の定義の点もこれは根本からある意味では見直す、こういう姿勢でぜひ臨んでいただきたい、こういう姿勢で質問をさせていただきたいと思います。

 それで、まず、障害者の定義は今申し上げましたように第四条に記載があって、一応、身体、知的、精神、こうなっているようにも思えますが、しかし、法案の第一条を見ますと、条文の中には「その他障害者及び障害児の福祉に関する法律と相まって、」こういうふうにも第一条の目的のところではうたっているわけでありまして、そして「必要な障害福祉サービスに係る給付」云々となりまして、「障害の有無にかかわらず」「人格と個性を尊重し」、こういうふうに第一条の目的のところではうたっているわけで、どうもこの第一条のところから見ると、何も三障害だけを念頭に置いているというわけでもないように読めるわけです。

 まず大臣に、この障害者の定義、障害者というものをどういうふうにとらえておられるのか、この点についてお伺いしたいと思います。

尾辻国務大臣 申し上げておりますように、この障害者自立支援法案といいますのは、私どもが三障害と言っております身体障害、知的障害、それから精神障害の三障害を対象といたしまして、障害種別にかかわらず一元的にサービスを利用できる仕組みを構築したいということで、今御提案を申し上げておるところでございます。

 一方で、障害者基本法は、障害者自立支援法案と同様に三障害を基本としておるところでございますけれども、昨年の障害者基本法の改正の際の参議院の附帯決議において、発達障害を有する者であって、継続的に生活上の支障があるものは、同法の障害者の範囲に含まれるとされたところでございます。

 したがいまして、こうした附帯決議なども私どもの念頭に置いてこの法案を考えておるということを申し上げたところでございます。

 また、お述べになりました発達障害者支援法でございますが、これは初めて発達障害が法的に定義されたわけでございます。新たな谷間を生まないように、幾つかの谷間があるということもまた事実でございますから、そうした谷間を生まないようにということで、相当広範な定義になってございます。

 この発達障害も概念的には精神障害に含まれておりますために、精神障害に含まれているということでいえば当然のこととして障害者自立支援法案の対象になりますので、今後また、発達障害者のニーズについては発達障害者支援センター等を通じて的確に把握もしなきゃならないというふうに考えておるところでございます。

 今私どもが、お述べになりました幾つかの法律についてどういうふうに考えておるかということを申し上げたところでございます。

松野(信)委員 今、大臣の御答弁で、障害者自立支援法としては三障害を一応前提に、そしてその点は障害者基本法も同様である、こういうようなお話があったかと思います。

 確かに、昨年に改正をしております障害者基本法、これも一応前提としてはいわゆる身体、知的、精神の三障害を前提にしている、こういうふうにも読めますけれども、しかし、必ずしも障害者基本法でも三障害にとどまっているというわけではないというふうに十分読めるのではないかと私は思っております。

 例えば、昨年に改正になりました障害者基本法の第三条のところに基本的理念というのをうたっているわけですね。この基本的理念の第三条の第一項のところを見ますと、「すべて障害者は、個人の尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有する。」こういうような書き方になって、「すべて障害者は、」ということで第一項がうたわれ、第二項が社会参加、それから第三項のところで、「障害を理由として、差別することその他の権利利益を侵害する行為をしてはならない。」こういうふうに基本理念をうたっているわけであります。

 そういう点から見ましても、ある意味では、この障害者基本法の方は、三障害にこだわるというよりか、幅広く障害者問題を全体としてとらえているのではないか、このように思っておりまして、この障害者基本法における障害の基本的な理念というのをぜひやはり踏まえた上で、この障害者自立支援法における障害の定義というものも十分考えて、あるいは見直していかなければならない、こう思いますが、大臣のお考えをお聞かせください。

尾辻国務大臣 障害者基本法、その精神、理念は今お述べになったとおりでございます。

 そしてまた、第二条で、「「障害者」とは、身体障害、知的障害又は精神障害があるため、」と、やはりこの三障害を基本に置いておるということはそのとおりでございまして、そして、「継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者をいう。」障害者の定義を第二条でこのように述べておりますから、大変広く障害者を定義づけておるということは、先生が今お述べになったとおりだというふうに考えます。

松野(信)委員 それともう一つ御指摘をしておきたいと思いますが、障害者基本法にはきちっと難病というような文字が入ってきている。この障害者自立支援法については、難病という言葉もない、特定疾患という言葉もない、発達障害という言葉も残念ながらないわけであります。しかし、障害者基本法の方は、これは第二十三条をごらんいただきますと、第二十三条の三項にこういう記載があります。「国及び地方公共団体は、障害の原因となる難病等の予防及び治療が困難であることにかんがみ、障害の原因となる難病等の調査及び研究を推進するとともに、難病等に起因する障害があるため」云々と、努力義務が記載をされているわけです。

 したがって、ここの障害者基本法のところを見ますと、きっちり「難病等」ということで、それがある意味では視野に入って障害というものをとらえている、このように考えられるのではないかというふうに思います。

 それで、念のためにお聞きしておきたいと思いますが、この障害者基本法の二十三条の三項で、「難病等」というふうに「等」というのが入っております。この「等」というのには、私は、当然医学の進歩とか社会情勢の変遷とかいろいろ、これを十分踏まえて、例えば発達障害、昨年十二月に法律も成立しております、そういう発達障害などもこの「等」の中には入ってしかるべきだというふうに考えておりますが、この点はいかがでしょうか。

塩田政府参考人 障害者基本法は、すべての障害者を対象として、谷間のない法律であると理解をしておりまして、すべての国、地方自治体の障害者施策の基本になる大事な法律だと理解しておりますが、二十三条の第三項の「難病等」の中に御指摘のありました発達障害は入っていると理解をしております。

松野(信)委員 ありがとうございました。

 そのほか、先ほど大臣も言われましたけれども、この障害者基本法の改正法案における審議の中で、参議院で附帯決議がなされているわけでございます。これは昨年の五月二十七日の参議院の内閣委員会の方で附帯決議がついているわけでありまして、この第六項のところで、「「障害者」の定義については、「障害」に関する医学的知見の向上等について常に留意し、適宜必要な見直しを行うよう努める」「また、てんかん及び自閉症その他の発達障害を有する者並びに難病に起因する身体又は精神上の障害を有する者であって、」云々、「施策をきめ細かく推進するよう努めること。」こういうような附帯決議が上がっているわけで、先ほど大臣もこの点については御指摘されたかと思います。

 それで、大臣、どうでしょうか、この障害者基本法の改正法案についている附帯決議、第六項、障害者の定義については十分見直しをしろ、この内容については遵守されているというふうに大臣はお考えでしょうか。いや、大臣に聞いているんですよ。

    〔委員長退席、宮澤委員長代理着席〕

塩田政府参考人 障害者基本法の改正の際の附帯決議の後の私どもの対応ですけれども、発達障害の問題については、厚生労働省としても大変重要なテーマだということで、文部科学省と一緒に、有識者の方、団体の方々と一緒に勉強させていただきまして、そういう勉強会の中から議員立法の発達障害者支援法につなげていただいたと理解をしているところでございます。

 それから、今回の障害者自立支援法も、こういう障害者基本法の対象とする障害者を対象とする第一歩、将来はそういう普遍化した法律を目指すということで、当面は、市町村がきちんと政策的に対応できている三つの法律、身体障害者福祉法の身体障害者、知的障害者福祉法の知的障害者、精神保健福祉法の精神障害者を対象とした制度として法律は体系をつけたということでありまして、将来、今後の制度普遍化の第一歩だと理解をしております。

尾辻国務大臣 今改めて私も、お述べになりました平成十六年五月二十七日参議院内閣委員会の附帯決議を見ておりますけれども、ここに、「「障害者」の定義については、「障害」に関する医学的知見の向上等について常に留意し、適宜必要な見直しを行うよう努めること。」こう述べてございます。当然のこととして私どもはこれを守っていかなきゃならないわけでございまして、今回の法案提出に当たっても、当然こうした中で考えなきゃいけないということはお述べのとおりだということを申し上げたいと存じます。

 そこで、そうした方向に向かっておるのかということでの御質問でございますけれども、今部長からもお答え申し上げましたように、私どもが、障害者の皆さんの法律の整備をさらに前進させる、そしてまた施策をよりよいものに持っていくために考えておる、そしてまた、普遍化という言葉も言っておりますけれども、そうした中で、大きな意味において、こうした障害者の定義についても、今回の法律の中で少しでも見直しをしながら御提案を申し上げておるものであるということを改めて申し上げたいと存じます。

松野(信)委員 ぜひ、そういう方向を遵守していただきたいと思います。

 それで、発達障害者支援法ですけれども、これは昨年十二月に成立いたしまして、ことしの四月一日から施行ということになっております。まだ施行されて間もないということになろうかと思いますが、この発達障害者支援法については、大変多くの人たちから期待が持たれた法でありまして、ぜひ、この法律がしっかり施行されて、発達障害者の支援につながるような運用をしていただきたい、こう思っております。

 それで、まず、概略的なところで結構ですから、現在の施行状況について御説明ください。

西副大臣 お答え申し上げます。

 当委員会の委員の皆さん初め大勢の皆さんの御努力によって発達障害者の支援法ができ上がり、また、本年四月一日から施行されたということでございますが、我々といたしましては、円滑なこの施行、それから周知等のために、各都道府県に対して文部科学省と連名で施行通知を発出させていただきました。

 この法の施行に当たりまして、まずやはり発達障害ということへの理解、それから専門的な知識を有する人材の確保、こういうところから早急に取り組んでいかなければならない、こういうふうに考えております。また、この発達障害に関しましては、できるだけ早期に発見をして、そして適切な支援を行っていくということが大変大事だと言われておりますので、関係者、地域で協力しながら、本人並びに家族の皆さんに一貫した支援を行っていくことが必要である、そういう意味でも早急に立ち上げる必要があるというふうに考えております。

 そのために、本年度の予算において、発達障害のある方々を乳幼児の時期から成人の時期までそれぞれのライフステージに対応した一貫した支援体制を早急に整備するために、保健、医療それから福祉、教育、雇用、それぞれの関係者がチームを組んで問題を解決するために、発達障害者支援体制整備事業というものを実施することにしておるところでございます。

 今後とも、この発達障害者の支援の体制強化に全力で取り組んでまいりたいと思っております。

松野(信)委員 概略的なところはわかりました。

 少し中身に入りたいと思いますが、この発達障害者支援法の第十四条のところに発達障害者支援センターの規定がありまして、これは都道府県知事が指定をするということになっているわけであります。実際、発達障害者に対する支援にかかわっておられる方々何人かからいろいろお話を聞きますと、この支援センターに対する期待というものもかなりのものがあるように私は感じております。この指定状況がどういう状況になっているのか、これについて教えてください。

塩田政府参考人 地域で暮らす自閉症などの発達障害者の方々の相談に応じたり支援をする発達障害者の支援センターは大変大事な役割を果たしていると思いますが、平成十四年度から整備を進めてまいりまして、新たにできた発達障害者支援法において法律上位置づけられたということでありまして、平成十六年度末の箇所数が全国で二十三カ所になっているところでございます。

 そして、本年度予算編成に間に合う形で法律をつくっていただいたということで、大変厳しい財政状況の中で、この分野は大変重要だということで、十七年度予算では十六カ所の増加が認められたところでございます。

 また、これも法律をつくっていただいた効果であると思いますけれども、昨年末につくられました新新エンゼルプランの中でも発達障害者支援センターの整備目標、数値目標が書かれまして、十九年度末までに全国で六十カ所、すべての都道府県、指定都市に設置する、そういった目標まで定めていただいたということでございます。

 今後とも早急な指定に努めてまいりたいと考えております。

松野(信)委員 そうすると、平成十九年度末までに少なくとも各県に一つはつくっていく、こういうことかと思います。

 それで、この支援センターに対する期待は大変高いというふうに申し上げたんですが、いろいろ聞いてみますと、やはり人手が足らない、人手が足らないので人的な手当ての補充というものを何とかならないか、早くこれをしてほしい、こういう要望もかなり聞いておるんですが、この人的な、人手の手当ての拡充、この点についてはいかがでしょうか。

塩田政府参考人 現在の発達障害者支援センター運営事業でありますけれども、国庫補助の対象としては四名の職員を前提としておりまして、心理療法などを担当する職員が二名、相談支援を担当する職員が一名、就労支援を担当する職員が一名ということでありまして、大変限られた人数だと思います。まずは箇所数の増ということで取り組んでいるところでありますが、人員の充実というのも課題であると認識をしているところでございます。

松野(信)委員 それから、法二十条のところにあります民間団体への支援という点についてですけれども、民間団体、例えば発達障害についてはネットワークが近々できる、こういうようなことで、例えば自閉症協会とか全国LD親の会とか、いろいろそういう民間団体もございます。民間団体への支援というものも、この二十条で、これは国及び地方公共団体が行う、こういうことになっているわけですので、この点についての今の取り組み。

 そして、二十三条のところでは、専門的知識を有する人材の確保ということで、医療とか保健とか福祉とか教育とか、そういうような専門分野での人材の確保というのがうたわれているわけであります。その前提として、十九条には、専門的な医療機関も確保して情報の提供などをしなさい、こういうふうにうたっているわけで、このあたりの現在の取り組みがどういう状況になっているか、これも教えてください。

塩田政府参考人 まず一点目の民間団体への支援、法二十条関係ですけれども、発達障害者支援法の制定の過程でも民間団体の方々がすごく活躍されたということでありまして、例えば社団法人の日本自閉症協会、全国LD親の会、NPO法人えじそんくらぶ、その他もろもろのNPOの御活躍、貢献でできたと理解しておりまして、私どもも、NPOとの勉強会などで、この問題の重要さ、国としてどういう支援ができるかということについてもいろいろ議論をさせていただいているところでありまして、今後ともそういう形でお互いに学び合いながら努力していきたいと思っているところでございます。

 それから、専門的知識を有する人材の確保も大変大事な問題でありまして、特に小児科医、児童分野の精神科医が大変不足しているという問題が指摘されているところであります。これは雇用均等・児童家庭局の方で担当しておりますけれども、ことしの三月に、子供の心の健康に関する研修の充実を目指しまして、子どもの心の診療に携わる専門の医師の養成に関する検討会というところで、小児科あるいは児童精神科領域における専門の医師の養成方法などについての検討にも着手しておりますし、国立精神・神経センターでの医師を対象とした発達障害の研修、それから、国立の秩父学園でもこういった行政職員を含めた研修の充実などに努めているところでございます。

 また、専門の医療機関の整備も大変大事なものでありまして、国立成育医療センターとかがございますけれども、この分野もかなりおくれていると認識しておりますので、都道府県とも連携しながら整備に努めていきたいと思っております。

松野(信)委員 今の御答弁で、研修に努めている、専門的な人材の確保に努力している、こういう御答弁がありましたけれども、しかし、どうも実際のところは必ずしもそれが実を上げていないんじゃないか、こういうふうに言わざるを得ないかと思っております。

 その一つが、今申し上げた社団法人日本自閉症協会、全国LD親の会、あるいはNPO法人えじそんくらぶ、そのほかの人たちがいろいろ発達障害者支援法の推進の取り組み状況ということで調査を行って、その調査の結果を五月九日に報告しております。これは新聞にも報道がありましたように、厚生労働省の方にも報告がなされたということでございます。

 その中身を見てみますと、実際に乳幼児健診に携わる保健師の人たちの基礎知識あるいは研修の実態、これについては、ほとんど十分な研修を受けたこともない、自閉症についての正しい知識も持っていない、こういうような結果が明らかにされております。つい先日、五月九日で、その内容は厚労省の方にも届けられているはずであります。アンケートで見ますと、実際の診断の研修を受けた人はアンケートの中では四分の一ぐらいだというようなことで、実際に乳幼児健診をしている保健師の約六五%の人が自閉症の基本兆候も正しく回答できていない、こういうようなことが報告されております。新聞にも報道がありました。

 残念ながら、そうすると、今のところ、例えば乳幼児健診に当たってみても、それに携わる保健師さんたちが例えば自閉症一つとってみても十分な知識を持っていない、あるいは誤った知識しか持っていない、また十分なスキルもないままに子供さんたちの支援という形になっている。これが現実だということで、五月の九日、公表がなされております。

 まず、こうした事態については厚労省はどのように受けとめておられますか。

塩田政府参考人 発達障害者の支援は今まさに始まろうとしているということであろうと思います。現場の保健師さんたちの理解が現時点で不十分であるというのは事実だと思いますし、その事態を解決していくことが必要だと思っております。

 そういう観点で、法律が制定したことで今年度から発達障害者支援体制整備事業という予算をいただきまして、全国で、すべての県で福祉分野と教育分野で関係者の協議会をつくっていただく、そしてその中で保健師さんも含めたいろいろな研修をことしから取り組むということにしておりますので、この間発表されたデータも参考にして、啓発活動をきちんとやらせていただきたいと思います。

松野(信)委員 確かに、発達障害者支援法はことしの四月一日施行されたばかりですので、余りやかましいことを最初からわあわあと言うのはどうかなという気もしますけれども、今のところそういう状況で、まさにゼロからのスタートに近いんじゃないか、これが恐らく実態ではなかろうか、こういうふうに思っております。

 それで、五月九日に公表された自閉症協会ほかの組織からの報告を見ますと、最後のところのまとめ的な内容としては、発達障害者支援法の施行がなされたものの、行政側の動きがゆっくりな状況で、当事者団体が積極的な啓発活動を行っている、こうやらざるを得ない状況で、行政サイドのもっとスピーディー、的確な対応を期待しているというのが今の現実ではないかと思います。こういう状況について、大臣、率直にどのようにお考えになられますか。

尾辻国務大臣 確かに、私どもがそうしたことで期待されておるものが大きいということは当然感じておるところでございます。

松野(信)委員 それから、やはり基本として考えるのであれば、発達障害者の方々の実態をまずしっかりとらえる、これが大事だろうと思います。それで、発達障害者の方々がどこにどれくらいおられるのか、そういう数的な把握というものはどの程度なされているんでしょうか。

塩田政府参考人 発達障害者の数の把握という、大変難しい課題がある問題でありまして、正確な数は把握されておりませんけれども、例えば平成十四年に文部科学省が実施した調査、学校の先生方へのヒアリング調査だったと思いますけれども、知的発達におくれはないものの、学習面や行動面で著しい困難を持っていると担任教師が回答した児童生徒の割合が六・三%という数値が一つございます。

 それから、欧米のデータ、これは学者の方々のデータになりますけれども、例えば、自閉症が八歳以下の場合〇・六%、注意欠陥多動性障害が学齢期の三ないし五%、学習障害が生徒の五%といった数値もあるところでございます。

 正確な数値は厚生労働省としては現時点では把握しておりませんが、本年度、厚生労働科学研究で発達障害の問題をテーマにしておりまして、その中で定量的な把握ということも各専門家の方に検討していただくことにしております。

松野(信)委員 今の答弁でいいますと、欧米ではこういう数字になっている、あるいは文部科学省が調査したところでは、学校の先生にアンケート、聞いたぐらいでは大体六%ぐらいの人たちが落ちつきがないとか、注意しても聞かないとか、そういうような数字しか出ていない。つまり、厚労省としては、発達障害に関するきちっとしたデータすら現時点では把握していない。これが、情けないですけれども今の現状です。

 そもそも、発達障害者支援法の法律を見ますと、第二条にきちっと定義が書いてあるわけです。第二条を見ますと、「「発達障害」とは、」ということで「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害」、ADHDですね、こういうようなのがきちっと具体的に、それぞれの障害名が上げられているわけです。

 障害名が上げられているのであれば、例えば自閉症が大体これくらいになっている、アスペルガーがこれくらいになっていると、せめて厚労省としてはある程度の数字をつかんだ上で取り組みというのが必要ではないか。

 先ほど、もう既に研修が始まりました、あるいは予算をとりました、専門的な人材の育成にも努めていますと。それはそれで、それを否定するわけではありませんが、やはり、何といっても、きちっとした基礎的なデータを厚労省として持っていなければ、これはどうしようもないなと。文部科学省がやったデータというのは、学校の先生にアンケートをとったぐらいですから、どういう障害なのか、具体的なところは恐らく何も出ていないんですね、極めてラフなところのデータしかないわけで。

 これはどうなんでしょうか。厚労省としては、例えば自閉症はどれくらい、アスペルガーはどのくらい、LDがどれくらいというような、そういう基礎的なデータをしっかりとらえる、こういうようなお考えないし予定はあるんでしょうか。

塩田政府参考人 発達障害者への支援については、御指摘のように、これまでの福祉行政の分野では、法律もなく、発達障害の立場からの施策がなかったということで、発達障害者支援法ができたことによって、福祉分野での取り組みを本格的にできるきっかけになったということでございます。

 また、発達障害の範囲についても法案の審議の際でもいろいろな御議論がありましたし、政令をつくるのにも専門家の方々の御意見を聞いて、政令の公布も三月末に固まった、そういう状況でありまして、発達障害者の範囲とか対象者はどのぐらいいるかという基礎的な数値を把握するのもこれからという状況でありますが、先ほど申し上げました厚生労働科学研究の中で、本年度の研究の中で、今御指摘になったような自閉症がどのぐらいおられるとか、アスペルガー症候群の方がどれぐらいおられるとかいうことについては、厚生労働省できちんと把握したいと思っております。

松野(信)委員 ぜひ、やはりそういう具体的な傷病名ごとに、全然違うわけです、自閉症は自閉症、アスペルガーはアスペルガーで違うわけですので、やはりそれごとに実態をしっかり把握した上で対策というのを立てなければ、幾ら予算とりました、今研修をしています、そんなこと言ったってだめじゃないか、こういうふうに思っております。

 それから、やはり注意しなければいけないのは、発達障害者の中で、例えば知的障害が加わっている、あるいは精神障害が加わっている、そういうような知的障害が加わっている人もいれば、加わっていない人もいる、そういうことでのいわゆる重複障害。恐らく厚労省も重複障害というものの存在は否定はされない、そういう重複障害の存在は認識はしておられるだろうと思いますが、まずその点と、もしそれについて数的な把握がされているのであれば、お答えください。

塩田政府参考人 発達障害の場合に、知的障害を伴う場合と伴わない場合がある、知的障害と発達障害が重複している方がいらっしゃるということは、事実として認識しております。

 知的障害を伴っている方については、これまでの福祉の枠組みの知的障害者福祉法の対象になるということで、さまざまな支援のサービスを受けられるということになっております。

 でありますけれども、知的障害を伴わない場合は、これまでは法の谷間になったということであります。知的障害がないから支援の必要性が少ないということでもないという問題だと認識しているところでありまして、今度の自立支援法案では、精神保健福祉法の精神障害に該当する場合は今度の障害者自立支援法案の制度的には対象となりますので、知的障害を伴わない発達障害の方も今度の自立支援法案では一応制度的にはサービスは、ぴったりのサービスのメニューが多分ないのが現状だと思いますが、いずれは知的障害を伴わない方へのサービス、メニューも市町村でできるようになれば、今度の法案で知的障害のあるなしにかかわらず制度の対象になっていくと考えております。

松野(信)委員 やはり、知的障害がある人については今回の自立支援法の対象になる、知的障害がないと対象にならない、こういうようなことであれば、ある意味では患者さん、あるいは患者さんの家族が分断をされるということにもなりかねないわけで、この辺のアンバランスが生じないような制度設計、あるいは運用というものをぜひお願いしたいというふうに思います。

 それから、念のためにちょっと確認をしておきますが、いわゆる難病、特定疾患ですね、これについては恐らく大体数的な把握はされていらっしゃるんだろうと。発達障害はちょっと、数的な把握はまだ全然できていないようですが、難病については把握はされているんじゃないかと思いますが、その点はどうですか。

田中政府参考人 お答え申し上げます。

 原因が不明であって治療方法が確立していないいわゆる難病のうち、治療が極めて困難で、かつ医療費も高額である疾患につきまして、医療の確立、普及を図るとともに患者の医療費の負担軽減を図ることを目的に、特定疾患治療研究事業、いわゆる難病事業というものを実施しております。

 この事業の対象となっている者は、平成十五年度末現在で五十三万件でございます。

松野(信)委員 発達障害の人たち、あるいはお医者さんとか支援にかかわっている人たちといろいろお話を聞いてまいりますと、確かに、経済的な支援、いろいろのお金はかかる、お医者さんにかかるにしても非常に時間もかかる、あるいはコストもかかるということで、経済的な支援というものももちろん必要だ、こういう声はよく聞くわけです。

 しかし、経済的な支援もさることながら、いろいろな形での専門的な人材だとか、あるいはいろいろとサポートしてくれる人的な組織、そういう意味の人的な支援が今まさに決定的に不足をしている。発達障害の人は、どこに行ったら支援してもらえるのか、どういう人たちがいろいろ情報を与えてくれたり支援をしてくれるのか、どういうサポートをしてくれるのか、ここのところがよくわからないので、どうかすると家の中に閉じこもってしまう、こういうことにもなりかねない。こういうことでありまして、経済的支援ももちろん重要ですけれども、それ以上に、やはり人的なサポート、人的な支援が重要だというような話を私は多数聞いております。

 この点について、大臣はどのようにお考えでしょうか。

尾辻国務大臣 私、一度、本当に一度だけなんですが、発達障害の子供たちが集まっているところへ行きまして、一緒に五目並べをして遊んだことがございます。

 そのときに、ついてこられた保護者の皆さん方とか周りの皆さん方とお話も申し上げました。口々におっしゃったのが、今先生御指摘のことでございました。すなわち、できる限り早期に発見し、適切な支援を行っていくことが重要なんだ、そしてまたこれが大変難しい面を持っているということを言われたわけでございます。

 我が国では、発達障害児やその家族に対応できる技能を持つ児童精神科医でありますとか小児科医等の専門家は極めて少ない現状にあると承知をいたしておりますし、また、そのときのお話でもそのようにお聞きをいたしました。

 このため、こうした専門家につきまして、国や地方公共団体におきましても、国立機関における医師、保健師等を対象とした研修でありますとか、発達障害者支援体制整備事業の一環として行います都道府県内の保健師、保育士等に対する実務研修など、さまざまな養成研修を行うことによりまして、発達障害などに対する専門的な技能を持つ医師などの確保に努めてまいる必要があると考えております。

松野(信)委員 ぜひよろしくお願いをしたいと思います。

 それから、これは発達障害の人たち、例えば自閉症のような人たちについては、なかなか法制度的にどうしたらいいかというのは難しい問題があるんですが、案外身近なところでのトラブルに巻き込まれるというケースがよくあります。

 私はもともとは弁護士をしておりまして、いろいろな事件、特に消費者の問題についてよく扱ってきたんですが、中には、明らかに障害を持っていらっしゃる、家に閉じこもりみたいな、恐らく自閉症に近いような方からの相談もありまして、要するに、ある意味では悪徳商法にひっかかっているわけです。

 幾つかやりましたが、そのうちの一つは、訪問販売などにひっかかって、もうある意味ではろくでもない商品をたくさんクレジット契約を締結させられて購入して、家に行きますとその商品が山積みしているというケースもありました。

 それからまた、別の人は、何でこうだまされたかよくわかりませんけれども、絵画ですね。今この周りに絵画もありますが、ああいうのに近いような絵画を幾つも、何十万というような絵画を家に来て買わされているんですね。結局、クレジット契約しているものですから、クレジット会社から、やれ請求書が来たり、裁判が来たりして、確かに名前は書いた、判こはついた、しかし、ろくな説明も受けていない、何で自分はこんなの買ったんだかよくわからない、こういうようなケースもありました。こういう悪徳商法に、ともすればひっかかってしまうというようなケースが散見されるわけです。

 そう思って見ていましたら、つい先日、新聞報道にもありましたが、これは認知症の姉妹、おばあちゃんたちですね、八十歳と七十八歳の認知症の姉妹。埼玉県富士見市に住む方が、これまた多分悪徳業者じゃないだろうかと思いますけれども、訪問リフォーム業者にうまいことだまされて、約五千万円ものリフォームの工事を繰り返されて、全財産をとられて、なおかつ住んでいるところまで家屋敷が差し押さえを食らう、こういうような状況になっている。

 こういうことで、私が申し上げたような悪徳商法、こういうのも、一体どういうふうな形でこれにひっかからないようなサポート体制をしていくかというのは、なかなか現実問題としては難しいところもあるのかなという気がしてはおります。しかし、これは大変大事なところであります。

 今度の障害者自立支援法でサポートに近いようなものは何かあるかなと思って私も見てみたのですが、ぴったりのものはないのですけれども、せいぜい市町村での地域生活支援事業、こうした中でこういう悪徳商法にひっかからないようなこともある意味では考えられるかなというふうに思って、こういう地域生活支援事業について、発達障害の人たちにある程度活用できるような、そういうような方向性はどうだろうかというふうに思っておるのですが、この点はいかがでしょうか。

    〔宮澤委員長代理退席、委員長着席〕

塩田政府参考人 今度の障害者自立支援法案の解釈として、発達障害者は精神保健福祉法の精神障害に該当しますので、自立支援法案が予定している相談事業の対象に発達障害者も含まれますので、地域でのそういう相談事業の中で発達障害者の権利保護もできるように、市町村に対して指導はしてまいりたいと思いますし、バックアップもしていきたいと思います。

松野(信)委員 この障害者の問題については、少しまとめ的に大臣の方にお話しいただきたいと思いますが、やはりどうしても基本は三障害ということにベースとしてはなってくる。そうすると、ある意味では谷間の障害というものが制度的に出てきてしまうわけで、これをぜひ、排除するとか無視するとかいうのでなくて、そういう谷間の部分もある意味では取り込んで、今後とも法的な制度設計をしっかり立てる、こういう意味での御検討をお願いしたいと思いますが、この点は、大臣、いかがでしょうか。

尾辻国務大臣 今回の法律を提案させていただきましたのも、そもそもそういうことでございますけれども、障害者の施策におきましては、支援の必要な方が適切にサービスをできること、これが大変重要なことだと考えております。そのために施策を進めていかなきゃならない、また法律も整備していかなきゃならないというふうに考えておるところでございます。したがいまして、谷間をつくるということは、これは避けなければなりません。

 そうした中でのこの法案でございますけれども、私どもは、普遍的な制度への第一歩になる、大きな一歩になるものと考えておりますということを申し上げております。また、介護保険法改正のときにも、私どもは普遍化という言葉を使わせていただいておりました。

 そうした中から申し上げるわけでございますが、今後、介護保険制度の被保険者等の範囲に関する検討でありますとか、るるきょうお述べいただきました発達障害者支援法の施行の状況なども踏まえながら、今後の検討にさせていただきたいと存じます。

松野(信)委員 残された時間について、障害者施設の運営主体の問題について若干触れて、私の質問は終わりたいと思います。

 授産施設とかいろいろな障害者センターとか、そういう施設については、国とかあるいは地方公共団体が運営主体になっているものもあれば、あるいは民間の団体、ほとんどは社会福祉法人、一部は医療法人もあるかと思いますが、そういうもの、そしてさらにやや例外的には独立行政法人で行っているものもある、これが実態であろうかというふうに思います。そうすると、公的な運営主体、民間の運営主体、それから独立行政法人の運営主体、この三種類があるわけですが、このバランスをうまくとって、それぞれの特徴を生かすような形の運営というものをやっていかなければいけないだろう、こう思っております。

 非常に例外的かもしれませんが、独立行政法人というのでは国立のぞみの園、これは昔は国がやっていたけれども、今は独立行政法人に変わって、重度の知的障害の人たちの施設になっているというわけですね。だから、その辺のバランスを今後どういうふうにとっていくかというのは、私は大事なことだろうと思います。

 独立行政法人というふうになりますと、いわゆる中期計画を立てなさい、そして第三者による評価を受けなさい、こういうふうになっているものですから、あるいはそういう評価の中で、利益が余り上がらないというようなことであれば、利益が上がるのに特化して、もうからないものはやらないということにもなりかねない側面があるのではないか。これで果たしていいだろうか。この三者のバランスをどのようにとっていくのか、この点はどのように考えておられますか。

塩田政府参考人 障害者の施設の関係の運営主体はさまざまであるということでありますが、数的には民間の方々が多くて、そこが中心に担っているということでありまして、御指摘のように、国とか独立行政法人の役割と民間法人の持つ施設の役割は違うと思いますし、それぞれの役割分担で仕事をしていく必要があると思っております。

 国立である以上は、民間施設に比べて先駆的なことをやっているとか、指導的役割を果たすとか、そういったことが期待されていると思います。例を申し上げれば、国立身体障害者リハビリテーションセンターというのがありますが、ここでは高次脳機能障害の判断基準とか、社会復帰プログラムとか、そういう開発に努めておりまして、こういった全国の先駆的な事業を今後ともやっていただきたいと思っております。

 それから、御指摘のありました独立行政法人の、略してのぞみの園ですけれども、国立施設の時代に最重度の知的障害者が生活される場としてスタートしたわけでありますが、さまざまな懸案を抱えている中で独法化をしたわけであります。今現在はそういう最重度の方でも地域で暮らせるという取り組みをしておりますので、この分野で、かつて国立であり現在は独法でありますけれども、民間の例になるような取り組みをしていただきたいと思っているところでございます。

 いずれにしても、御指摘のような国、都道府県とかの地方公共団体立の公的な施設、それから独立行政法人の施設、民間の施設、それぞれが役割をきちんと果たしていくことが必要だと思っております。

松野(信)委員 それぞれがそれぞれの特徴を生かしてというのは、それは結構ですが、私は地元のいわゆる社会福祉法人、大分歩いていろいろ御意見なども聞いてまいりました。中には、率直に物を言わせていただくとということで、今回の自立支援法でうちの組織、社会福祉法人は本当にやっていけるかどうかわからない、もしかしたらもう閉鎖せざるを得ないかもしれない、そういう状況に追い込まれるというのが本当に切実な声で、この点はどの社会福祉法人の皆さんも口々におっしゃっておられます。大変経済的には厳しいということですね。

 別に、国とか地方自治体が行っているのをとやかく言うのもあれかもしれませんが、国とか地方自治体の方は、社会福祉法人の人たちから言わせれば、上の人たちは給料、高給取りをしてやっているじゃないか、我々は理事はほとんど給料なんかもらえない、あるいは今後もまた減らさなきゃいけない、減らさないとやっていけない、こういう声も聞いておるわけで、これは率直に民間の社会福祉法人の実態だろうというふうに思います。

 そういう声をぜひやはりこの審議の中でも生かしていただきたいし、こういうことは厚労省の方で検討されているならぜひ調べていただきたいと思うんですが、例えば、国とか自治体がやっている公的な援護の施設とほぼ同等の民間の施設は予算幾らぐらいで回していっているのか。恐らくもうかなり低い金額で回さざるを得ない、そういう状況になっていると思いますが、例えばそういうようなデータはお持ちですか。

塩田政府参考人 今度、障害者自立支援法案を仮に成立させていただくとすれば、施設は、旧来の施設ではなくて、機能に応じて再編成をしていただくということで、報酬体系も新たなものにしていくということでございます。その前提として、民間の施設の経営実態がどうだということで現在調査をしておりまして、その中で、民間のいろいろな、人件費の問題とか先生の御指摘の数値も出てくると思いますし、国公立のデータもそれなりに集めまして、それをちゃんと比較していきたいと思っております。

 いずれにしても、今度の新しい制度でサービスの質を確保するというのが大前提でありますので、そういう観点から、また、簡素化とか行政改革、効率化も大事ですけれども、いろいろな観点から検討いたしまして、民間の経営者の方が不安を持つことのないよう、これも大事な今回の法案の配慮事項だと思っておりますので、そういう気持ちで取り組ませていただきます。

松野(信)委員 もう時間が参りましたので終わりますが、まさに民間の人たちは、もしかしたらもう自分たちの施設はつぶれるかもしれない、つぶさざるを得ない、そういう危機感を持っている。その気持ちがあるものだから、国とか地方自治体がやっているのはつぶれないからまだいいな、これが民間の人たちの率直な声だというのをぜひ踏まえて、この法案についても当たっていただきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。ありがとうございました。

鴨下委員長 次に、山井和則君。

山井委員 これから一時間、質問をさせていただきます。尾辻大臣、西副大臣、どうかよろしくお願いを申し上げます。

 そしてまた、きょうも多くの傍聴の方々、全国からお越しいただいております。現場で働く方、また御家族の方、そして何よりも当事者の方々も、目の不自由な方、また、いろいろな障害の方も来ておられます。本当にこういう方々は、全国数百万人と言われる方々を代表して、自分たちのこれからの生活、命、人生を左右する法案がどう議論されるのか、もっと率直に言えば、やはりこの法案では非常に困る、そういう憤りと不安を抱えて傍聴に来てくださっているんではないかと思います。

 そういう方々を前にして、私はこの一時間、この自立支援法案が、本当に名前のとおり自立支援する法案なのか、逆に自立を阻害する法案なのか、そのことをこの場で皆さんと一緒に考えていきたいと思っております。

 私も、二十ぐらいのころから福祉施設でボランティアを始めたりして、福祉に人生をかけようと思いまして、それ以来、二十数年福祉の道を歩いてきて、福祉をよくしたいという一心で政治家になりました。その中で、やはり究極の福祉というのは、重度の障害の方が地域でひとり暮らしをできる、そういう社会こそが本当に豊かな社会なんだと。

 バブルのころに言われました、日本人はエコノミックアニマルだと。私は当時、福祉のことでアメリカやスウェーデンに留学をしておりましたが、本当に声を大にして反論したかった。日本人はエコノミックアニマルなんじゃない、世界で最も人間を大切にし、人間を愛し、そういう、人間を大切にする国なんだということを言いたかった。しかし、残念ながら、今の現状、日本は福祉、特に障害者福祉が非常におくれております。

 この連休も、一週間スウェーデンに行きまして、精神障害者の方々、知的障害者の方々の作業所やグループホーム、そういうところを訪問させていただきまして、改めて日本との落差というものを痛感し、日本のように、精神病院に多くの精神障害者が入っている、三十四万人も入っている、あるいは知的障害の方も多くは施設に入っている、やはりこういう先進国では恥ずかしい状況を一日も早く変えねばならないというふうに感じました。

 きょう、九枚、資料をここに添付させていただきました。ぱらぱらっと説明しますと、傍聴席の方、なくて申しわけありませんが、一枚目、世界、諸外国の福祉制度の概要ですが、何が言いたいかというと、最初にもう言っておきますが、世界の中で、障害者福祉のサービスに応益負担を導入し、重い障害の人ほどたくさんお金を払ってもらうというような制度をとっている国は、人類史上まだありません。この法案が通れば、日本が初めてになります。そのことですね。

 二枚目は、これによって、まだ未定稿ですが、昨日、障害福祉部からいただいたもので、今回、一割負担を導入したら、年間二百六十四億円ぐらいお金が入ってくる。この二百六十四億円のために今回の自立支援法があるというのも、一つの言い方ではないかと思います。

 それで、次のページは、きょうは二つのテーマ、前半は、精神科の通院医療公費負担の削減の問題、三十二条問題についてやりたい。後半は、重度の障害者の方々が地域でひとり暮らしをできる法案なのかということをやっていきたいと思いますが、四ページ目、五ページ目、六ページ目、七ページ目は、精神障害者の方々の生の声をここに添付させていただきました。

 それで、八ページ目が、ほかでもありません、きょうも多くの議員が指摘されているように、昨日、六千人あるいは八千人の方々が集まられて、大集会がございました。「聞いてください、わたしたちの声」という集会の状況です。大臣、この写真を見てください。私、午前も午後も行ってまいりましたが、この八ページ目です、朝日新聞の記事にも出ておりますが、本当に私は、この場に大臣にお越しいただいて、本当にこの法案を不安に思っている障害者の方々の声をぜひとも聞いていただきたいというふうに思いました。

 それで、まず最初の質問から入ります。

 前半は精神障害者の問題でありますが、これに関しては、厚生労働省が宿題を持っていると思います。二年前、私たち民主党が大反対をした心神喪失者医療観察法案の審議の中で、精神障害者の社会的入院、三十四万人のうち約七万人が社会的入院、つまり、地域に受け皿とサービスがあれば復帰できるのに、精神病院にずっと入院せざるを得ない、こんな非人間的な扱いを受けている方々が七万人もいる、これを十年以内に社会復帰してもらうというふうに約束をされたわけです。そのことについて、現状、あれから二年たっておりますが、いかがでしょうか。

尾辻国務大臣 精神障害者施策におきましては、受け入れ条件が整えば退院可能な入院患者の社会復帰を進めていく、このことは極めて重要な課題だと認識をいたしております。そこで、今、宿題だというお話もございましたけれども、平成十四年十二月から、精神保健福祉対策本部を設置いたしまして、その実現に向けての施策に着手をしたところでございます。

 それで、この課題は、今お話しいただきましたように、十年間という目標を持って解決していくということを申し上げておりますから、市町村を中心として、地域で暮らすために必要な福祉サービス、住まい、生活訓練、質の高い医療など、そのために各般にわたる支援を実施していく必要がある、こういうふうに考えておるわけでございます。

 そこで、このたびお出しをいたしております障害者自立支援法案におきましては、精神障害を含め、障害の種別を超えて、市町村が中心となって障害者福祉サービスを一元的に提供する仕組みに改め、精神障害者に対する社会復帰や地域生活の支援を抜本的に強化をすることといたしておるところでございます。

 これもいつも申し上げておりますけれども、精神障害の皆さんを入院医療中心から地域生活中心へという基本的な考え方に基づいてそのように変えていく、そのためにはいろいろな条件整備をしなきゃいけませんけれども、大きなそのうちの一つがやはり社会的に受け皿をつくるということでございますから、その社会的な受け皿づくりとして今度の障害者自立支援法案をお出しした。そういう面もあるということを、そういう面もあるといいますより、そのことを強く願いながら私どもがこの法案を出したということを今申し上げておるところでございます。

山井委員 答弁を聞いて、私は悲しい気持ちでいっぱいです。

 質問通告でもしましたから、私の質問の意味はわかっておられると思うんですよね。二年前に、今後十年以内に七万二千人の社会的入院をなくしますということをこの場で約束した。それから二年間たってどういう状況で、その計算でいけば二〇一二年までに七万二千人は社会復帰できるんですかという趣旨の質問をしているのに、全く答えられない、答えることができない。つまり、全く進んでいないわけです。

 それで、私、この答弁はもうこれ以上結構です、はっきり言って時間のむだですから。私が言いたいのは、二年前にそんなことを約束しながらも二年間も全然進んでいない、そういう状況の中でこの法案が出ているということであります。

 そこで、今回の法案の最大の問題の一つであります、きょうも午前中園田議員が非常に厳しく批判してくれました、三十二条の問題に入りたいと思います。

 この資料の中で、(3)の中に「精神科通院医療公費負担の削減ではなく、存続を求める署名」というのがあります。二十三万人もの署名が集まったと聞いております。精神保健福祉法三十二条に規定された精神障害者の外来通院医療に係る公費負担制度がこれは削減されていくわけなんですね。五%から一割負担になっていってしまう。

 しかし、これは大臣御存じのように、まさに今大臣が答弁された、精神障害者の方々が地域で生活するときの命綱がこの外来であり、またデイケアになるわけなんですよね。それを今減らそうとしているわけです。これによって、ちょっとでも負担がふえれば、精神の、心の病に苦しむ方々はやはり外来やデイケアに行くことができなくなって、それによって症状がかえって悪化する、あるいは逆に入院がふえる、そして最悪の場合は自殺がふえるんではないかということで、今、現場は大混乱に陥っております。まさに人の命を奪うことにすらなりかねない大問題だと思っております。

 この点について、この通院の、この三十二条を自立支援医療という名で自立支援法案の中に移すことは、やはり悪化、入院、自殺の増など、費用的にも結局は高くつく、そのようなことについて、大臣、問題と思わないか、いかがでしょうか。

尾辻国務大臣 これは御説明申し上げておりますように、今度の障害者自立支援法という新しい法律をつくる、そうなりますと、そのつくったことによって、今まで幾つかの法律があって障害者の皆さんの法体系をつくってきた、それとの関連が出てきて、整理をしながらやっていく。そうすると、今度の障害者自立支援法の本法の本則で書いてあることに照らし合わすと、それぞれの法律をいじらなきゃならない部分が出てくる、それについては附則でいじらせていただきますという整理をしておるということは、もう申し上げておるとおりでございます。

 そうした中で、今お話しのようないろいろな話が出てくるわけでございますけれども、法律全体を整理しておるわけでございますから、そして、今度の法律に三障害の皆さんの対応を……(山井委員「いや、その理由を聞いているんじゃなくて、こういうことで悪化をしたり自殺がふえたりしないかということを聞いているんです」と呼ぶ)ということをまず法律自体で整理をさせていただいておりますから、基本的に、政策を変えるわけじゃございませんので、私どもは今度の法律をつくったことによって自殺がふえるというふうには考えておりません。

山井委員 そうしたら、ほかの聞き方をしましょう。

 自己負担がふえることによって受診が減るというふうに認識されていますか、それとも減らないと認識されていますか。自己負担はふえるんですから、これは。大臣お願いします。

尾辻国務大臣 今のお話で申し上げますと、まず、現行の精神通院公費というのは、医療費の多寡にかかわらず一律五%、こういうことになっております。低所得者の方であっても高額の医療費の場合には五%ですから、その高い負担を求められる、こういう制度でございます。

 したがって、制度が変わりますから、負担が大きくなる方も小さくなる方もそれぞれにあるわけでございまして、制度を変えると負担の大きくなったり小さくなったりするということは当然起こるということはあるわけでございます。

 ですから、そうした中で、私どもは、一方で大きくなったり小さくなったりする面はありますけれども、低所得者の方々に対してのきめ細やかな対応をするということでそこを解決したいと思っておりますから、必要なサービスは、サービスといいますか医療というのは受けていただけるものというふうに考えておるところでございます。

山井委員 要は、そう思って、この資料でも二ページ目をつけたのですけれども、言いますが、大体年間、これを自立支援医療に移すことによって、三十億円自己負担がアップすると書いてあるのですね。明らかにもうデータで出ているわけですよ。ということは、自己負担がふえるわけですよ。減る人もふえる人もいるというんじゃなくて、トータルで見るとふえるわけですよ。つまり、ふえることによって受診抑制がかかるんじゃないかと言っているにもかかわらず、そのことに関して明確な答弁がないわけです。

 そこで、これはもう水かけ論になりますので、厚労省の現状認識はそれでわかりましたから、具体的な話に入りたいと思います。

 やはり答弁を聞いていると、精神障害者の方々の置かれている現状をなかなかわかっていただいていないんじゃないかと思います。

 そんなことで、今回、公費通院医療の三十二条の制度を利用している方からこれだけ、ぜひ国会で読んでほしいという手紙を私いただいてきました。これを、大臣のお手元にも届いていると思いますが、読ませていただきます、その一部を。

 ちょっとはしょって読みますが、二十五歳、匿名の男性の方です。「私は、」「「そううつ病」になった者です。」と。それで、ちょっとはしょりますけれども、この七ページ。「そんな私に対して周囲は冷淡でした。」「家族も社会の人達も、私が精神的に弱く、物事から逃げているだけだとしか判断しませんでした。」

 そして、「身内も含めた世の中全てに絶望し、本気で大した迷いもなく死のうとしました。それが一番、自分にとって良いことなのだと思ったからです。その時、死ぬ前に今も通院している診療所に行くだけ行ってみようと思いました。それから、紆余曲折を経て、何とか死を思いとどまり、長い時間をかけて、少しずつ回復していくこととなりました。その長い間、私のほとんど唯一の居場所だったのが、」この診療所の「デイケアだったのです。」「自分と同じか、あるいはそれ以上の病状の人達、そして理解あるスタッフの方々と一緒に過ごすことで、私は再び正気に戻れました。」「デイケアとはそういうところなのです。」ということを書いておられます。一カ月の総出費、十一万円、家賃等込み。うち、食費は二万円。

 このデイケア、私も先日行きましたが、例えば焼きそばも、三人で食べられるときに二玉しか自分たちでつくって食べられないのですね。三人で焼きそば二玉ですよ。何でですかと言ったら、いや、焼きそば代がもったいないから、お金がないから。一カ月の食費二万円、一日平均六百五十円、それだけ切り詰めてやっておられるのです。厚労省は今回の三十二条の改正でちょっとしかお金はふえないから大丈夫だと言っておられますけれども、そういう感覚じゃだめなんです。

 その次、大臣、もう三ページ前、四ページを見てください。この方は実名を公表してもらって結構ですということで、あえて、国会議員の皆さんへ生の声を聞いてほしいということで、すぎもとはるなさん、二十三歳の女性です、書いてくださいました。三ページ、ちょっと長いですが早口で読みます。

 私は、この病院に二年ほど前から通院しています。最初は学生のときでした。そのころ会社に入りましたが、病気を理由に職につかしてもらえず、今はアルバイトで暮らしています。月の収入は五万円ぐらいです。

  幸い今は、病気と相性のよい薬と出会う事ができたので、自分のおこづかいくらいは稼ぐことができますが、同じ年の友達に比べれば家族に依存していることばかりで、ほんとに、情けなくなります。

  働きたいのに、働けない、頑張って就職活動して受かった会社で働けず、親に頭を下げて東京から地元に帰ってきた時の私のみじめさを想像して下さい。

 そこで、大臣、一つお願いがあるんです。その後の文章をちょっと六行ぐらい読んでみてほしいんですね。大臣、ありますね、この四ページ目の「生きている価値がない、と何度死にたいと思ったかわかりません。」そこから一段落だけちょっと読んでみていただけますか。(発言する者あり)

尾辻国務大臣 お求めでございますので、手元にありますものを読ませていただきます。

  生きている価値がない、と何度死にたいと思ったかわかりません。

  昨日だって、会社を休んでしまいました。なまけている、といわれればそれまでかもしれません。でも、一生懸命働こうと思っても、心に負担がかかりすぎて、体のガソリンがきれてしまうのです。車なら、あと十リットルのところで、ランプがつきますが、私たちはガソリンがつきるのがわからない。その結果、エンストしてしまう。そんな病気とつきあいながら、それでも社会とつながっていたい一心で、生と死の間をさまよっているのです。

山井委員 どうもありがとうございました。本当に申しわけありません。

 それで、本当に失礼なことで、申しわけなく思っておりますが、私は、今のことも失礼かもしれませんが、それを言うならば、この法案の方が、生と死をさまよっている精神障害者の方々に対してもっと失礼な法案だと思います。

 その後を読ませていただきます。

  今の病院、カウンセラー、そして薬に出会わなかったら、私は今、生きていないと思います。きっと人生がつらすぎて、自ら、命を絶っていると思います。ほんとに病気と向き合い、共に生きていくのは、一人ではできない、そして、長期的なスパンでの専門的治療を要する病気を、私は、背負ってしまったのです。

というふうに書いておられます。

 ですから、私がこういうふうな手紙を今読ませていただいているのは、私も含めて、本当にこの精神障害というのはわかりづらくて理解しづらい。そういう方々の苦しみというものが本当にわかって今回の三十二条の改正が行われているのかということであります。

 それで、あるデイケアの人に聞いてみたら、一週間に百人ぐらいが通っておられる。その中で、今回の三十二条が自立支援医療になることになってどういうリスクがありますかと言ったら、じっと考えていろいろ調べてくださって、もしかしたらその百人ぐらいの中の多くが、やはり自己負担がアップすることで、今まで週に四回来ているのを二回にするというふうに減らすかもしれない。その中で、百人中、顔を思い浮かべられるだけでも六、七人、自殺のリスクが高まる人がいるかもしれないということを言っておられました。

 もしこの法が、きょうの午前中も園田議員から指摘がありましたが、十月から施行されて、それによって来にくくなった人が自殺でもしたら、これは大変なことになります、私たち国会議員の責任は。そういう意味では、自立支援医療という名のもとで、自殺支援医療ということにもなりかねないわけです。絶対にそんなことはしてはならないというふうに思っております。

 大臣、お一言で結構です。この法改正は、自殺がふえることは絶対ありませんと責任を持って断言しますということを、ちょっとここで決意を語ってください。

尾辻国務大臣 今、自殺の問題というのは、大変大きな問題になっております。国全体の大きな問題だというふうに私も理解をいたしております。そうした問題になっている中で、また、今お話しいただいておりますように、精神通院医療の役割というのは、これはもう極めて重要なことだと考えておるところでございます。

 そうした皆さんの公費負担医療制度につきましては、対象となる方の増加によりその費用が急増しておりまして、これも先ほど先生がお出しいただきました、未定稿だとおっしゃった資料の中の数字にも、このこともまた同時に述べていただいておるわけでございまして、費用が非常に急増をいたしております。

 その急増をしておる費用が、限られた財源の中でどうやって私どもは確保できるか。特に、必要な医療を確保するというのは大変重要なことでございますから、そのことを果たすためにまず今回お願いしているのは、費用を皆さんで公平に支え合う仕組みにしていただきたい、させていただきたい、そういうふうにしていただきたいということを申し上げておりますし、それから同時に、低所得の方や重度な障害でかつ継続的な医療を要する方など、医療費の家計への影響の大きい方に重点化した仕組みにしたい。

 そういうことで、必要な医療を引き続き受けていただきたいということを願っておるわけでございまして、そうした中で、自殺という悲しいことにならないようにということを、精いっぱい努力してまいりたいと考えております。

山井委員 実は、たくさんの方が書いてくださって、これは後で大臣にお渡ししたいと思いますので、ぜひ読んでいただきたいと思います。(発言する者あり)

 そして、これは百人のデイケアでもそういう状況ですから、もしかしたら、日本全国だったら本当に百人とか何百人という数の方がこれによって治療が減って、そういう自殺の危機に瀕する可能性があるわけです。

 これは、資料で見たら、年間三十億の負担増じゃないですか。ということは、例えは悪いですけれども、もし三十億円のために百人亡くなられたら、一人の命の値段というのは三千万円ですか。これは人の命の話ですよ。そこはしっかりお願いしますよ。

 それで、もう一つ、今まさに重度かつ継続の話になりましたが、ここは朝の園田議員の話にもありましたが、適正化のあり方の検討会の調査報告書の中で、こういう対象となることに関しては疾病はだめだ、疾病名による対象の限定はかえって差別、偏見助長につながるから、そうではなくて状態像だということになっているじゃないですか。このことに関しては、まさに現場の専門家であります水島議員が来週水曜日ももっと質問してくださると思いますが、我が党の朝日先生を先頭に、この問題はやはりこの自立支援法の最も深刻な問題の一つだ、一歩間違えば自殺支援法になりかねないということで、今後も取り上げていきたいと思います。

 ちょっとその辺で何か、人の手紙を読んで何とかというのがありましたが、きょうは違います。読んでくれといって向こうが書いてきて、持ってこさせていただきましたので、言っておきます。

 それで、次に、「ニュースJAPAN」という番組を先日見させていただきました。大臣も出演をされていたんですけれども、連休中の番組、大臣、これはごらんになりましたよね、御自分も出られていたので。三夜連続で十分ずつだったと思っております。そういう障害のある方五人がどういうふうに自立支援法案で変わるかということをされていまして、その方々についてお伺いをしたいと思っております。

 これは、私、その連休中はスウェーデンに行っておりましたので、父母がビデオに撮ってくれておりまして、とてもいい番組だから見なさいということで見させてもらって、本当に感動し、怒りを感じました。

 まず最初のケース、知的通所授産、奈良のちいろば園、パンなどをつくったりして、知的障害の方が通所授産という形で働いておられます。工賃が月に一万円。今は自己負担ゼロ。ところが、この法案が通ると、自己負担が二万円か二万九千円になるわけですね。一カ月の工賃が一万円で、自己負担が二万円から二万九千円になる。

 私の近所にも通所授産が幾つもありまして、もう怒り心頭に達しておられるわけなんですね。今まで、できるだけ家にこもらないで出てきなさい、出てきなさいといって通所授産を勧めてきたのに、逆にこれだけお金を取ったら当然利用が抑制される、引きこもるか、施設に入るか、自立に逆行するというふうに怒っておられます。

 やはりこういうのは問題ではないでしょうか。尾辻大臣、お願いします。

尾辻国務大臣 「ニュースJAPAN」で取り上げられました幾つかの例でございますが、その中で、ちいろば園のケースというのが取り上げられておりました。あそこで取り上げられたものというのは、報道の内容だけでは詳細はわからないところもありますので、ある程度仮定を置いて私どもも判断しなきゃいけないわけでございますので、そのことはお許しをいただきたいというふうに思います。

 そこで、あそこで取り上げられたちいろば園のような通所授産施設を利用される方の利用者負担額でありますけれども、新制度におきましては、定率負担が、作業所で十五万円の通所費用、これも新制度になってこれが幾らになるかというのは、どういう施設になるかというのはあるわけでございますが、今現在十五万円という通所費用だというふうに見ますと、一割ですから一万五千円とまずなります。

 それから、食費及び光熱水費等の実費負担分というのは……(山井委員「いや、もうそれは今私がしゃべりましたので、そのことについてどう思うかということを聞いているんです」と呼ぶ)ですから、今先生がおっしゃった数字というのも、仮定の置き方なんですけれども、いろいろな数字に変化するものですから、必ずしもおっしゃった数字にもならないということをまず御理解いただきたくて、こういうことを申し上げておるわけでございます。それは御理解ください。

 したがって、今私が申し上げているのは、きめ細かに減免措置などをとりますから、そうしたものの中でまず負担をできるだけ小さくしたいというふうに思っておりまして、その仮定を置くわけですけれども、仮定を置いてその負担額を改めて計算しますと、大体、この前テレビで言われておったものよりはやはり小さい額になると、私どもはきのうもそれなりに計算しながら判断したわけでございます。

 したがって、今私が申し上げたいことは、できるだけ、今後またそういうきめ細かな減免措置をとることによって、そうした額を小さくしていきたいと考えておりますということを申し上げているところでございます。

山井委員 ちょっとテレビの名誉のためにも言っておきますが、一応厚労省からきのうもらった資料では、テレビでは一万五千円と出ていたけれども、厚労省で計算したら二万円から二万九千円となっているというふうに逆のことが書いてありますので、申し添えておきます。

 それで、結局、工賃一万円のところから、とにかくそれを上回る利用料を取ることがおかしくないのかという根本的な問題なわけです。

 次に、どんどん似たような話を行かせていただきます。

 次の「ニュースJAPAN」の方も、視覚障害の六十一歳の男性の方で、盲導犬を利用されておられます。中途障害でありまして、月三十時間、介助やショッピングに視覚障害のためにサービスを利用しておられます。収入は年金のみで、一割負担。この人は、今無料なのが、月に約五千五百円になるわけです。

 それと、次、もう一人のケースの方も、四十三歳の男性の方で、自動車事故で脊椎損傷、車いすになっておられます。一日十時間程度、月三百二十時間の介護を受けられて、収入が年金等で十万七千円。十万七千円収入の方が、二万四千円、今回の自立支援法で負担が発生をいたします。

 これは、大臣、素朴な疑問なんです。自立支援ということは自立をしやすくするわけですよね。自立をしやすくする法律でありながら、これを見てみると、法案が通ったら、自己負担が発生して二万四千円とか払えなんて、どう考えてもこれは自立しにくくなるように思えるんですが、大臣、いかが思われますか。

尾辻国務大臣 今、また二つの例をお述べになりました。

 私どもも、きょう御質問いただくということを昨日お伝えいただきましたから、こうしたケースについてもそれぞれ、先ほど来申し上げておりますように一定の仮定を置かなきゃいけないわけでございますが、仮定を置きながら、私どもなりの計算をさせてもいただいております。ただ、きょうそのことを申し上げて、またそのことをお聞きになっておるわけでもありませんから、先ほど来申し上げておるように、私どもは軽減措置できめ細かく措置をしたいということを申し上げておる、そこのところは御理解いただいておるだろうというふうに思います。

 ただ、では、自立支援といいながら負担がふえるじゃないか、こういうことでございますけれども、これはこの法案をお出ししたときに申し上げておりますように、社会福祉、こうしたもの、障害者の皆さんの施策も社会保障全体の法律の体系の中できれいに整理をしていきたい、そしてまた、その他の社会保障の法律、仕組みなどと整合性を持たせたいということでのお願いをしておりますし、また障害者の皆さんにも、ぜひ皆さんの中でのお互いの助け合いも考えてくださいというようなお願いをしておるわけでございまして、そうした中で負担が一部ふえるということは、これはぜひお互いの助け合いだと思ってやってください、そうでないと制度そのものが持続可能でなくなりますということをお願い申し上げておるところでございます。

山井委員 ちょっと私、気になっているんですが、先日の質疑のときから大臣は助け合い、助け合いとおっしゃるんですけれども、そもそも最初の助け合いは、それこそ健常でばりばり働けるお金のある人が障害者の方々を支えるというのがまず根本的な助け合いであって、今言っているのは、本当に障害で苦しんでおられる方々からお金を取るという話なわけですよ。

 だから、ここで大臣、落差があるんですよ。大臣や厚労省さんは自立支援、自立支援といいながら、利用者の方は自己負担がふえるだけなんですよ。自立阻害なんですよ、利用者の方にとったら。そこが問題なんです。

 そこで、根本的なことをお聞きしたいと思います。この法案で、重度の障害を持つ方がひとり暮らしはしやすくなりますか。大臣、これはもうシンプルな質問です。

尾辻国務大臣 その重度の方の収入だとか、その他いろいろな環境があろうと思いますから、それ次第だというふうに申し上げざるを得ません。したがって、私どもから申し上げますと、生活が苦しくなったりやりにくくなったりしないように、精いっぱいさせていただきたいと存じますということを申し上げます。

山井委員 だから、もう答弁一つ一つが何か根性論なんですね、頑張ります頑張りますと。でも、実際、データ一つ一つは明らかに自己負担はアップしていっているわけですよ。この資料にもありますように、年間自己負担は、書いてあるんですよ、二百六十四億一割負担でふえると言っているわけなんですね。

 それで、では具体的な話、昨日会ってきました。(パネルを示す)この「ニュースJAPAN」に出られたお一人の牧井さんという方に、その集会の中でお目にかかってきました。

 この方、脳性麻痺でおひとり暮らしです。一日十時間、月三百二十時間利用されております。収入は年金等で十万七千円。この方に、今まで無料だったのが、負担が二万四千六百円発生する。これは厚労省も認めておられるわけなんですね。それに対して牧井さんはどうおっしゃっておられるかというと、牧井さんのお写真ですけれども、どうおっしゃっておられるか。びっくりしますよ、僕らの生活ってこれからよくなっていくと思っていたのにということをおっしゃっているんですね。

 それで、今までだったら、施設に入っておられたわけです、牧井さんは。それで、在宅生活の方がいいということで、仲間の人にも施設から出てこい出てこいと言っていたけれども、この法律になるんだったら、制度不安があるので、仲間に施設から出てこいとは言いにくくなるということまでおっしゃっておられるんですね。それで、自己負担がふえたら、二万四千円の自己負担が発生したら、今一日十時間、月三百二十二時間介護を受けているのを減らすことにもなるかもしれないということをおっしゃっておられます。

 大臣、それで、きょう、その牧井さんが傍聴に来られているんです。大臣、入り口の方を見ていただければ、一番端っこにいられる方です。牧井さん、電動車いすで西宮から来てくださっています。この法案に対して素朴な疑問を持っておられます。ぜひ、一言、一日十時間、月三百二十時間の介護ということで、この方に対して、ぜひともどう思うのか、大臣、答弁をしてください。(発言する者あり)大臣、答えてください。いや、私が聞いているんですから。

尾辻国務大臣 委員会のあり方として、傍聴席に向かって私が申し上げるというのはいかがかと思いますし、また、私はできるだけ多くの方とお話ししたいと思っておりますから、このケースの方についても、もしまた時間でもあれば、機会があれば、よく、これはこの場で先生にお答えする言葉として申し上げますけれども、お話もさせていただきたいというふうに思います。

 これは、できるだけ多くの皆さんの御意見を伺いながら、よくお聞きしながら、この法案も御理解をいただきたいと思いますし、また、いつも言っておりますように、細部を政省令で決めるところが多いわけでございますから、そこに持っていきたいというふうに思っておるわけでございます。

 計算の仕方で随分違うわけでございまして、牧井さんの場合も、私どもが今計算をして出しております数字でいいますと、最大限が二万四千六百円ということでございまして、その間いろいろな数字が出てこようと思いますし、よくそれぞれのケースでお話をお聞きしながら、本当に何回も言っておりますけれども、皆さんにきめ細かな対応をさせていただきたいということをまた改めて申し上げたいと存じます。

山井委員 それでは、もうお一方のお話をさせていただきたいと思います。

 「ニュースJAPAN」に出ていられた海老原宏美さん、脊髄性筋萎縮症で、車いすでおひとり暮らしであります。昨日、集会に来ていられて、私もお目にかかってまいりました。きょうも傍聴席にお見えになっております。牧井さんの隣に座っておられます。この方も、収入が給料十二万円と年金。この方の場合は、自己負担が厚生労働省さんの試算によると二万四千六百円かあるいは四万二百円になるということなんですね。こういうふうに、非常に自己負担が発生する。

 この海老原さんがどうおっしゃっているのかというと、結局、買い物に行く、駅に行く、おふろに入る、食事をする、トイレをする、一日大体十数時間介護を受けられているわけですから、ほぼ全介助になるわけです。夜は人工呼吸器をつけて眠っていられまして、介助者の方がつきっきりでないとだめなわけですね。この海老原さんの素朴な疑問は、食事をする、買い物に行く、駅に行く、おふろに入る、トイレに行く、普通の人だったら当たり前のことをするのに、なぜこれだけお金が発生してくるのかということです。それも一カ月、二カ月のことじゃない、一生、この法案が通ればそういうことになる、それはやはり納得できないということをおっしゃっていられます。

 就職活動もされたそうですが、車いすで、トイレも介助が必要と言った段階で、面接さえしてもらえないで、結局門前払いに遭ったということなんですね。

 私は、そういう意味では、牧井さんや海老原さんのような方が地域でひとり暮らしをされている、それこそがある意味では日本の誇りであり、そういう方々がいらっしゃるおかげで日本という社会はよりすばらしい、いい社会になっていると思うんです。でも、自己負担のアップによってそういう方々が生きづらい社会をつくっていくというのは、逆に問題だと思っております。

 そこで、大臣、先ほどおっしゃってくださったんですけれども、ここという場ではなんなのでまた個別にお話をしたいとありがたい言葉を言っていただいたので、大臣がそうおっしゃってくださるのなら、牧井さんと海老原さんに、もちろんこの場でなくてよろしいので、来週ぐらいに、もう短い時間でも結構ですから、ぜひ直接お目にかかって生の声をぜひとも聞いていただきたいと思います。

 それで、私がお願いしたいのは、これは私、こういう個別の方の例をきょうあえて挙げさせてもらったのは、要は、全国の何百万人という方が本当に似たような思いを感じておられるんです。二日前に傍聴された方にも、終わってから私聞きました。感想、どうでしたかと言ったら、僕の暮らしはこの法案が通ったらどうなるのかわからないと言うんですよね。わからないというわけですよ。だから、そういう意味では、ぜひ、牧井さん、海老原さんをそういう重度の障害で勇敢にもひとり暮らしをされている方の代表としてお目にかかっていただきたい。それで、どこかでこそっとお目にかかっていただいて大丈夫だよと言ってもらってもしようがないわけですから、テレビとかにも入ってもらって、ぜひとも、そういう、悪いことにはならないからということを公の場で言っていただきたいと思います。

 まず、大臣、先ほど会っていただけると言っていただいたので、ぜひ御検討いただきたいと思います。大臣、お願いします。

尾辻国務大臣 この場ではまさしく一般論でお答え申し上げますけれども、これは、これまでの審議の途中でも、先生からも御示唆いただきましたら、いろいろな現場に私も行かせていただきました。先生に言っていただいて出かけたところ、もう五カ所ぐらいあるかなと思ったりもいたしております。

 そのように、私、現場にあちこち行かせていただいておりますから、そうした努力は絶えずさせていただきますという、まさにこの場では一般論でお答えさせていただきたいと思います。

山井委員 そうしたら、大臣が先ほどおっしゃったように、私が言うまでもなく、大臣の方から、この場で言うのもあれですから個別にお目にかかりたいと言ってくださったので、大臣の自由意思ということでお目にかかっていただけるということを御確認したいと思います。お二人に会ってくださると先ほどおっしゃったわけで……(発言する者あり)いや、大臣が先ほどそうおっしゃったので。

尾辻国務大臣 私が申し上げておりますのは、できるだけ多くの皆さんの御意見を伺って事を決めていきたいと思っておりますし、できるだけ多くの現場を見ておきたいということをいつも申し上げておるわけでございますから、私はそのようにさせていただきますということを申し上げます。

山井委員 昨日の六千人の集会の中で、本当に多くの障害のある当事者の方々が口々におっしゃったのは、当事者抜きに、私たちの声を聞かないで法案をつくって法案を採決するのはやめてほしい、私たちの人生と命にかかわることなんだからということなんですね。それで、それこそ全員に会えるわけではないので、私は、代表としてだれかに会ってほしいという話をしているわけであります。

 それで、やはりこれだけ何百万人もの障害者が、これは自立支援法なのかな、本当にそうなのかな、逆に自立を阻害しているんじゃないかという不安を持っているのは事実なんですよ。だからこれだけ大きな集会にもなっているわけなんですね。だから、もし大臣がそれは誤解だとおっしゃるならば、私は、どんどん大臣がその中に入っていって説明をされて、説得をされて理解してもらったらいいと思うんです。法案に自信があるならば、そのことをぜひお願いしたいと思います。

 それで、この法案審議の中で、財源が足りないからこういう障害の当事者の方々から自己負担をふやす、そういう選択をしたという話がありました。ちょうど昨日の集会でも、この資料の最後にあります「アピール(案)」、先ほど同僚議員からもありましたが、その中に「「障害者自立支援法」を考えるみんなのフォーラム」、その中にどう書いてあるかということは、「また、尾辻厚生労働大臣だけではなく、小泉総理大臣や谷垣財務大臣などにも、そして国会を挙げてわたしたちのことに真剣に向き合ってほしいのです。」と言っております。

 この問題は、やはり厚生労働省さんも、もちろんこれは義務的経費にするためにとか必死で頑張ってくださったわけですね。塩田部長も必死で頑張ってくださった。やはり、そういう意味では、これは財務省の責任者も呼ばないとだめだと思います。ぜひ、小泉総理や谷垣財務大臣もこの場に呼んできて、この自立支援法の審議の答弁の場に立ってほしいと思います。

 これは、委員長、後で理事会で諮ってください。

鴨下委員長 その件につきましては、後刻理事会で協議をさせていただきます。

山井委員 これはやはり、本当に何百万人もの方々の命と生活と人生ずっとにかかわる問題ですから、国会を挙げて、総理や財務大臣も来てもらって、当然議論をすべき問題だと私は思っております。

 そこで、お金の問題に戻りますが、二ページを見てください。定率一割負担によって幾らぐらい国庫に影響するか。二百六十四億円入ってくるということなんですね。

 それで、私が心配なのは、この自己負担をふやせば利用抑制が当然かかるということなんです。先ほどの海老原さんも、自己負担が発生したら、そのお金を払う当てもない。もっと病気が悪化したときのお金のために蓄えもしておかないとだめだ。そうしたら今のサービスを減らさないとだめかもしれない。晩、人工呼吸器をつけて暮らしている。そんな中で、サービスを減らしたいけれども、減らして、もし何かのことで命絶えてしまったら、そんなふうにはなりたくないとおっしゃっているんですね。

 そこで、大臣、この二百六十四億円収入がふえるわけですね、自立支援法で、定率一割負担で。それによって逆に利用抑制がかかるわけですよ、それは値上げをしたら。どれぐらい利用が抑制されると厚労省は予想されているんでしょうか。

西副大臣 今回の利用者負担の増加により、サービス量がどれだけ抑制されるかという質問でございました。

 この法案におきましては、一定の定率負担と所得に応じた月額の負担上限、これを組み合わせた利用者の負担をお願いしておりますと同時に、在宅福祉サービスに関する国の負担も同時に義務化ということで強化をさせていただきました。

 この負担をお願いするに当たりましては、所得の少ない方にきめ細かく配慮するとともに、激変緩和のための措置も同時に織り込ませていただいております。そのことによって必要なサービスは確保されるというふうに考えておりまして、サービスの抑制ということにつきましては、今のところは私どもは見込んでおりません。

山井委員 皆さん、今の答弁聞かれましたか。定率一割負担を導入して、それによって厚労省はサービス利用抑制が起こるとは考えていないと。この現状認識で、だからこの法案が出せるんですね。

 現場の方々、当事者が何で苦しんでいられるかというと、自己負担がアップしたら、当然お金がないから利用できるサービスが減っちゃう。それでさっきの精神障害者の場合は、それが減ったら自殺につながっちゃうかもしれない。それだけ深刻に悩んでいるときに、法案を提出する側が、応益負担を入れても利用が減るとは考えていませんよと。それはあんまりじゃないですか。だからこれは、厚労省にとっては自立支援しているつもり法案だけれども、当事者にとっては自立阻害法案と言われるわけですよ、そのギャップが。

 先ほどの精神障害者の方の通院の話に少し戻りますと、あるクリニックの方はこうおっしゃっているんです。自殺しそうな方には毎日来てもらう。毎日顔を見て、きょうは自殺しないでね、きょうは自殺しないでねと一日一回約束する。それによって、自殺の意識がありそうな人には、とにかく何としてもこの緊急事態を抜け切って、命をもち長らえてもらおうと思っている。しかし、時々、きょうは自殺しないでねと帰るときに言ったときに、約束してもらえないときがある。そういうときは、その方がクリニックから出ていく後ろ姿をずっと見詰めて、本当にあしたこの方来てくれるんだろうかと思うことがある。しかし、約束してくれなかったら、やはりその日の晩に首をつって亡くなられたということがあるというんですよね。

 それぐらいの厳しい現実で、お金もかからないから来てね、そう言って来てもらっているわけですよ、自殺してもらわないために、現場は。それを、お金払ってまで来てとか言いづらいわけですよ。

 そういう、現場がぎりぎりのところで障害者の暮らしや命のために闘っているのに、厚労省が応益負担で一割負担入れてもサービス利用が減るとは考えていないというのは、これはあんまりじゃないですか。大臣、いかがですか。

尾辻国務大臣 私どもは、そのことによって、受診抑制といいますか、そうしたことがないようにしたい、とにかくその努力をしますということを申し上げたのが先ほどの副大臣の答弁だと私は理解をいたしております。

 とにかく、私どもは、何回も申し上げますけれども、ケースに沿ってきめ細かく対応することによって、そういうことが起きないようにしていきたいということを今申し上げているところでございます。

山井委員 この法案、私ずっと考えてきて、どうしても許せないなと思ってずっと考えてきて、なぜなのかなということを考えたら、要は、きょうも同僚議員から指摘があったように、応益負担、これは一ページ目の資料にありますように、障害者のサービスに応益負担、つまり、重い人ほどたくさんお金を払ってもらえるという制度を導入した国は人類史上ないんですよ。何でないんだと思われますか。あり得るはずないじゃないですか、障害が重い人ほど仕事もできなくて苦しんでいるわけですから。だから世界のどこにもこんな制度がないんですよ。

 大臣、これは世界に先駆けて、胸を張って、日本という国は、日本の国の障害者福祉というのは、重い人からたくさんお金を取る、そういう画期的な制度にするんですと胸を張って諸外国の人に言えますか。

 私は、この法案が、正直言って与党の方も気が重いと思っています。なぜ気が重いのかとずっと考えたら、この法案というのはやはり人の道に反しているんですよ。要は、お金が足りなかったらお金のある人から出そう、あるいは健康な人から出そう、それがまず物の順序なんですよね。ところが、今回の法案では、財源が足りないからといって、障害が重い人からお金を取ろうということになっているわけです。そういう意味で、私は、この自立支援法案、名前をつけさせていただきました。やはりこれは弱い者いじめ法案だと私は思います。

 大臣、どう思われますか。鹿児島の九州男児とお聞きしておりますが、別に、男性も女性もそういう弱い方々をきっちり守っていかないとだめなので、このことは男性も女性も全く一緒なんですが、大臣の生きざまからして、お金が足りない、そのときに、障害の重い、重度の人がより多くのお金を払うこの法案というもの、人の道に反していると思われませんか。

尾辻国務大臣 私も一人の人間として、できるだけお役にも立ちたい、また弱い方がおられれば助けてもあげたい、それはそう思います。そう思うことは、今私が申し上げたら何か言われるかもしれませんけれども、私もあえて言わせていただくならば、その思いは人後に落ちないつもりでございます。

 ただ、どうぞ御理解いただきたいのは、一番基本のところで支援費制度が大変窮屈になって危うくなってきた、ここを何とかしたいという私どもの思いが、こういう形で私どもなりの解決策としてこの法案をお出ししておる。何とかこの制度を、制度といいますかこの考え方を続けていきたい、この制度を、大きな意味でのこの制度を維持したい、その思いであることを御理解いただきたくて申し上げたところでございます。

山井委員 ある意味で大臣も思いは共有してくださると思いますが、政治の役割とは何かというと、これは与野党を超えて、政治の役割というのは、弱い立場の方々の盾となって弱い方々を守るのが政治の最高の使命なんですよ。そして、その先頭に立つのが、役所であれば厚生労働省であって、厚生労働大臣なんですよね。

 今回のこの支援費制度、財源がパンクしつつある、それに対して補正予算を確保して、義務的経費に持ってくる、そのために本当に奔走されたことには敬意を表します。敬意を表しますが、しかし、今言ったような、最も障害の重い、最も弱い立場の方々からお金を取ってきてその財源を穴埋めするという考え方は、これはやってはならない、人の道に反する禁じ手であると思います。国民の理解は得られない。

 先ほども言ったように、先日も私、一週間、連休中にスウェーデンに行って、スウェーデンの障害者のグループホームの方々とこの議論を一週間してきました。今度、日本ではこういう制度に変えるんですよ、応益負担といって障害の重い人からたくさんお金を取る、そんな制度に変えるんですよと言ったら、英語でスピーチしていましたが、向こうの人は理解できないんですね。え、何て言ったの、何て言ったのといって。結局、発想の中にないんですよ、そんな考え方は。そんな、重い人からたくさんお金を取るなんて、それは福祉じゃないというんですよね。やはりそれは、普通、どこの国でも、その考え方というのは共通なのではないでしょうか。

 そして、そういうこととともに、今回、昨日の集会でもあったように、十月にグランドデザインが出てきて、そして十分に当事者の方々の声を聞くまでもなく、二月に法案が出てきて、そしてこれから審議をちょっとやって法案を通す、それじゃあんまりですよ。

 先ほども大臣が繰り返しおっしゃったではないですか、ケースによって、いろいろな状況によって、自己負担は幾らになるかは正確にはわかりませんと。大臣がわからなかったら、だれがわかるのですか。大臣がわからなかったら、一般の人がわかるはずないじゃないですか。もちろん全くわからないと言っているわけではありませんので、それは。だから、それほど制度が複雑なんですよ。だから、そういうことを短期間に納得しろというのは無理なんですよね。だから、そういう意味では――大臣、どうぞ。

尾辻国務大臣 一点だけ、誤解があるといけないと思って、手を挙げさせていただきましたのは、そこのことだけは申し上げたいと思います。

 先ほど「ニュースJAPAN」のケースについて、仮定を置かざるを得ません、よくわかりませんと申し上げましたのは、それぞれのケースが、より、どういうケースかというのがわからないと計算ができないのですということを申し上げたわけでありまして、決して私が制度を理解していないから計算ができないのですということを申し上げたものでもありませんので、そこのところだけは御理解いただきたいと存じます。

山井委員 いや、私は大臣を責めているのではなくて、制度を責めているんです。

 今回も政省令が多くてわからない。厚労省と話をしても、この方のケースは幾ら自己負担になるのですかと言ったら、厚労省の担当者と私と議論しても、二、三時間考えないと幾ら払うのかもわからないぐらいだから、一般の人がわからないのは当然なわけなんですね。

 ですから、きのうの六千人の集会の方々の怒り、憤りというのは、自分たちの人生や命がかかっていることが、自分たちの声を聞かなくて、今国会で決められようとしていることなのです。

 ですから、大臣にお願いですが、やはりこの法案は、継続審議にするなり、もっと法案を詰めて出し直すなり、もっと時間を決めてやらないと、これはどう考えたって障害者の方々が納得できるはずがないじゃないですか。大臣、いかがですか。

尾辻国務大臣 これはいろいろな見方、言い方があろうかと思いますが、障害者の団体の方々、代表の方々と、私が大臣になる前でも、もう勉強会で相当いろいろな意見交換をさせていただいておりまして、そういうのをずっと積み重ねてやってきた、それはもう厚生労働省は当然、省としてそういうことをやってきた、この積み重ねがあることもまたぜひ御理解いただきたいと存じます。

山井委員 冒頭に、この法案は自立支援法案なのか自立阻害法案なのかという話をしましたが、私はこの一時間を通じて、やはり、厚生労働省にとったら自立支援しているつもり法案かもしれないけれども、実際、当事者にとっては自立阻害法案、引きこもり支援法案、閉じこもり支援法案、自殺支援法案、そして弱い者いじめ法案ではないか、そのことを強く申し上げて、私の質問を終わります。

鴨下委員長 次に、泉健太君。

泉(健)委員 本当に長い時間の審議でありますけれども、その時間以上に、障害者の皆様は苦しみを今負っているのではないのかなというふうに思います。そういった意味で、誠実な御答弁をぜひとも大臣、お願いをしたいと思います。

 私も地元の幾つもの障害者の団体の皆様からお話をお伺いしてきました。そしてこの場でも、いろいろな議員の皆さんが、ぜひ障害者の声を聞いてほしいということをおっしゃられていますけれども、私はもう一歩必要だと思っています。

 大臣も、前回、私が別な問題で審議をさせていただいたときに、大臣、政治家の仕事を終えられたらどうされますかですとか、大臣は老後をどう迎えますかなんという話をしたことがありますけれども、地域で大臣が、例えば地元に戻られて、地域を普通に回ったときに、そこに障害者が当たり前におられるのか、それともやはり地域にいられなくてどこかの施設に入らざるを得ないのか。大臣が地元を歩いたときに、そこらじゅうに障害者の皆さんが当たり前にいるという社会をこれから私はつくっていくべきだと思いますし、喫茶店に行っても、映画館に行っても、自転車に乗っているときでも、何をしているときでも障害者と出会う、そういう社会が今目指されているのではないのかなというふうに思います。

 ですから、その意味では、大臣には、障害者の話を聞きに行って、聞き終わったらそれで終わり、そういうものを目指すのではなくして、障害者の皆さんと当たり前に地域で過ごせるということをもう一度考えて、それを頭の中にイメージとして置きながらこの法案の審議に入っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

尾辻国務大臣 私もそのとおりだと思っております。先ほども申し上げました。

 特に、そういう意味で一番おくれているのが、やはり精神障害の皆さんに対する対応だというふうに思っております。そうした皆さんがぜひ、今はどうしても入院中心の中でおられる、それを社会の中の一員として生活していただくということを、そういう世の中にしたい、こういうふうに思います。

 そして、それをつくるためにいろいろなことをしなければいけませんけれども、大きなやらなければならぬことの一つが、社会の中にそうした受け皿がなければどうにもなりませんから、病院から出てこられて、受け皿たる社会がそういうものをちゃんと用意して、受け皿の部分を用意して待っていなければ、これはどうにもなりませんから、そうした受け皿づくりのためにも、今度の障害者自立支援法の中でぜひその受け皿をつくりたいということを今申し上げているところでございます。

 したがいまして、思いは同じでありますということを申し上げたところでございます。

泉(健)委員 そうしますと、改めて、支援費というのは私はすばらしかったと思うのですね。支援費制度で、多くの方々が外に出たかった、地域に根差したかったという、その感情のあらわれが、ある意味、予算の増加につながった、経費の増加につながったというふうに思っていますけれども、これは再三あるように、決して、無理に外に出ろという話でもないし、無理にお金を使えという話でもなくて、自然と、障害者の皆さんの声の結集がそれだけの額になったということだというふうに思っています。

 そういう意味では、支援費が果たして何が問題だったのかという話になるわけですね。今大臣おっしゃいました、精神障害の方々というところのサービスが含まれていなかったというところが一つあるでしょう。では、それを盛り込めば、何も一割負担ということは要らないのではないかというふうに思いますが、もう一回、そこの、なぜ一割負担をしなければならないのかということについてお願いします。

尾辻国務大臣 率直に申し上げます。

 先ほども申し上げましたけれども、支援費制度というやり方、これが財政的にどうしても厳しくなってまいりました。これはもう申し上げるまでもありません。昨年も補正予算も組みました。そうしたやり方をしないと足らなくなってきた。このままでは支援費制度というのが、そういう意味で財政的に危機に瀕する、何とかしなければいけない。特に、支援費というのが義務的な経費として認められていたわけではございませんから、制度としてきっちり義務的なものの中に入れていけば、今後はこの制度を変えない限りにおいて、対象の皆さんがふえれば、義務的経費ですから、それだけのものはちゃんと措置される。措置されるというのは措置制度と混同しますからよくない表現かもしれませんが、とにかく義務的経費としてきっちり見てもらえるというふうに私どもはやりたい、その願いが今度の自立支援法でございます。

 したがって、支援費の制度にどこか欠陥があったということを私どもは今申し上げているわけじゃありませんで、あの理念、考え方というのは継承しながらこの法案をつくらせていただいたということでございます。

泉(健)委員 今、支援費制度に欠陥があったわけじゃないというふうにおっしゃられましたけれども、障害者の名誉のために改めて言いますが、では、不適切な支援費の使われ方、サービスがあったわけではないということで、これは明確によろしいですね。

尾辻国務大臣 制度として、そういうことを私どもが申し上げているところではございません。

泉(健)委員 ですから、ちょっと今の答弁はわからなかったんですけれども、この支援費制度の中で、これだけ財政が膨らんだ、経費が膨らんだということについて、ここに不適切なサービスがあったということは、厚生労働省の理由としては全くないということでよろしいですね。

尾辻国務大臣 個々のケースを一つずつ見ていきますと、そういうことが全くなかったということも私どもは申しません。それは個々のケースでいろいろなことはございますし、また私どもなりに指摘をさせていただいたこともございます。

 それで、今お話がございますので、後ほど舌足らずになったということになりませんように、改めて申し上げておきたいと思います。

 支援費制度におきましては、市町村が支給決定を行うに当たって、支援の必要性に応じた客観的な基準がないことから、今まで、制度において、そこのところは制度上私どもも客観的な基準があるべし、こう思ってきたわけでございます。そうしたことはありましたので、個別のサービスの利用について、一概に不適切があったか否かというのをそのケースで判断するのは難しいんですけれども、少なくとも私どもがこの制度の中で反省すべきこととして申し上げておりますのは、サービスの支給量に大きなばらつきがあることは事実でございます。もう一回申し上げますが、サービスの支給量に大きなばらつきがあることは事実でございます。そうした面は今度の自立支援法の中で是正をしていきたいというふうなところはございます。

 後で舌足らずになってはいけないと思って、あえてこのことだけはつけ加えて申し上げました。

泉(健)委員 これまでの支援費の地域差でいきますと、支給決定者数で地域差が、これは都道府県単位ですけれども、七・八倍、一人当たり平均利用時間の地域差が四・七倍というふうになっている。この地域差を是正をされたいということでしたが、具体的な数字はございますか。

塩田政府参考人 障害者福祉サービスは高齢者福祉に比べて市町村格差が現時点では大きいということでありまして、それは、サービスにまだ着手していない自治体もありましてこれから伸びていくという一方で、地方圏でサービスがないと特定のところに集まって、サービスにすごくばらつきがありますので、私たちは、全国どこの市町村でも、最低限の、地域で暮らせるサービスは確保したいということであります。

 そういうことからしますと、まだ実施していない市町村が、ちょっと今データなしで参りましたけれども、半分ぐらいある。身体障害者の場合にはかなり進んでいますが、知的障害、精神障害を見ますと、まだまだサービスゼロ地帯のところがございますので、少なくとも平均の水準に上がるぐらいのところまで底上げをしたいということでございます。

泉(健)委員 いや、ですから、目標があるかないかということをまずちょっと聞きたいと思うんですが。

塩田政府参考人 現時点で国としてどこまでという目標は固まっておりません。そのために、今度の法案では、市町村で、それぞれの中での福祉サービスの目標を決めてくださいということをお願いしてありまして、それを県で積み上げ、国に積み上げ、そして国として必要な財源を充てていくということにしております。そのためにも、義務費としておけば必要なサービスに対して国として財政責任をちゃんと果たせる、そういう仕組みとして提案しているつもりでございます。

泉(健)委員 これはほかにもいろいろ論点がありますから余り長くはできないですけれども、義務的経費にしたからということで、それでそのかわりに一割負担ということが一般的には出てきているわけですけれども、それは何も交換条件のものではないと思うんですね。

 あくまでこれは義務的経費にしていただくということはぜひやっていただくべきだと思いますし、それは前進だというふうに思っていますけれども、しかし、それよりさらにまた予算が足りなければ、それは義務的経費ですから手当てをするということでしょうけれども、だからといって一割負担なのかというところが、私はやはり、これはほかの皆さんからも指摘がありますが、そうではないんじゃないのかなというふうに思います。厚生労働省として、より財務省なりと闘っていただくべきだ、よりしっかりと強い要望をしていただくべきではないのかなというふうに思っています。

 その厚生労働省を見ていて特に弱いなと思いますのは、障害者福祉に対する投資、財源の使い方について、余り効果ということを打ち出されていないのではないのかなということを私は思うわけです。これまで障害者福祉、例えば介護保険制度についての経済波及効果ですとか、あるいは障害者施設を建てたときの経済波及効果ですとか、そういったものについて何か出されたものがあれば、ちょっと説明をしていただけますでしょうか。

塩田政府参考人 障害保健福祉部として経済効果を試算したことはございませんが、一般的に、福祉も投資であって、雇用の活性化とか、障害を持つ、例えば家族の方が安心して生産活動に行けるとか、地域社会の発展とか経済発展に大きな効果がある、土木事業と変わらない効果があるという立場で厚生労働省としては仕事をしているつもりでございます。

泉(健)委員 大臣、これはどれぐらい経済効果、額とか規模とかじゃなくて結構なんですが、例えば公共事業と比べてどれぐらいだというふうに思われますか。

尾辻国務大臣 今、手元に資料がございません。

 ただ、私が経済財政諮問会議でこうした議論をしましたときに、厚生労働省としての資料で示した記憶がございますので、すぐ調べまして、後ほどまたお届けをいたしたいと存じます。

泉(健)委員 例えば、これは北海道で道庁が調べた資料なんですけれども、社会福祉施設整備の経済効果というのがあります。もちろん、社会福祉施設を建設するということについては、いわゆる波及倍率というものですけれども、一・八四倍ということで、これはほかの公共事業と一緒の数字なんですね。そこからさらに第二次、第三次の波及効果というものがあるわけですけれども、これも大体一・二から一・五ぐらいのところで、グループホームを建てれば波及倍率一・二六等々の数字が並んでいます。

 実は、ほかと比較するために、私はちょっと別な数字を持ってきたんですが、ある都道府県におけるロボット関連産業がもたらす経済波及効果というのがあります。ある都道府県というか割かし都市部なんですけれども、この場合の波及倍率が一・〇五あるいは一・二九という数字が上がっていまして、例えば、こういった製造、ロボットの先進技術に関する産業と同じぐらい、あるいはそれ以上の経済波及効果があるというのがこの福祉の分野なんですね。

 あるいは、介護保険についても実はこれと同等の研究が行われていまして、ちょっと読み上げさせていただきます。

  生産波及効果は、一次効果で見ると施設介護サービス(一・六〇倍)・在宅介護サービス(一・五四倍)ともに、建設や医療よりも若干低いが、社会福祉よりも高い結果であった。三次効果まで見ると、施設介護、在宅介護のいずれの部門でも二・八倍程度であり、建設や医療とほぼ同等であった。

  付加価値額については、一次効果で見ると施設介護サービス・在宅介護サービスは、中間投入が少なく付加価値率が高いことから、建設や医療を上回っており、さらに、三次効果まで見ても、施設介護サービス・在宅介護サービスは、建設や医療を上回る結果となった。

  雇用誘発については、一兆円の需要増大に対して施設介護サービス・在宅介護サービスともに約二十五万人の雇用創出が想定され、医療、建設では、ともに約二十一万人となっており、介護サービスの方が雇用誘発効果は高い結果となった。

例えばこういう資料があるわけなんですね。

 私も、きのう、六千人を上回る障害者の皆さんのデモを見ました。そのデモを見ていますと、やはり車いすの方で介護の必要な方は、一人一人それをサポートするヘルパーさんがついておられる。

 この方々に対しての認識を、皆さんは経費、経費、税金を投入して大変だ、お金がかかり過ぎてしようがないというふうに言っておられますけれども、これは、国土交通省や農林水産省が進めるさまざまな事業と、向こうは一生懸命効果をどんどんと喧伝しているわけです、同じあるいはそれ以上の雇用効果、経済効果というものがあるということが、いろいろなこういった調査結果で示されているわけですね。こういったことを踏まえて、ぜひこの支援費というものを考えていただきたいと思うんです。そうすれば、何もこれはむだではないですよね。物すごく効果を生み出すすばらしい雇用対策であり、しかも、福祉を通じた雇用対策。私はすばらしいと思うんです。

 この辺について、今、大臣は具体的な数字がないというふうにおっしゃられましたけれども、これから、財政諮問会議等々も含めてもっともっと売り出しをしていただきたいというふうに思いますが、ぜひ答弁をお願いします。

尾辻国務大臣 これは私どもが経済財政諮問会議等で主張すべきことであるということはもう仰せのとおりでありまして、私もそうしたことは主張しないわけではございません。

 ただ、それぞれの数字の見方もありますし、また、今、とにかく財政規律ということでいいますと、支出増をどうやったら抑えられるかというところがまずは視点になるものですから、社会保障に対しても大変厳しい見方になってしまうというところもありまして、そんな中での議論をいたしておるところでございますということを申し上げるところであります。

泉(健)委員 改めて確認をしますけれども、大臣は、ほかの公共事業と同等にこういった福祉の経済効果というものがあるということを御認識いただいたということでよろしいですね。

尾辻国務大臣 これは、そうした面があるということは私もかねて理解をいたしておるつもりでありますし、また、時によってはそういう主張もいたしておるところでございます。

泉(健)委員 次に、多くのほかの皆さんからも指摘がありましたけれども、この法案のスケジュールがやはり無理があり過ぎるんじゃないのかという話があります。

 例えば審査会の件でいっても、私もヒアリングを何度か受けましたけれども、これも秋までに決めていきます、そして、グループホームについても秋までに決めていきます、障害程度区分についても、これは五月からモデル事業を実施し始めた、ついこの前ぐらいから説明を開始して、そして今、各都道府県と政令市六十数地区でこの障害程度区分についてのモデル事業を始めたということのお話をお伺いしまして、政令、省令が数多くある、しかも中身がほとんどわからない、そういう中で国会で議論をする、答弁はみんな、後で決めてまいります、これはやはりまずいんじゃないのかなというふうに思うんですね。

 これは、厚生労働省に幾らまずいんじゃないかと言ってもしようがないのかもしれなくて、それこそ厚生労働委員会の中でこの法案をもう一回しっかりと見直して、政令の部分、省令の部分というのが本当に政令、省令でよいのかということをもう一回やり直さなきゃならないんじゃないのかなということも思っているわけです。

 この政令、省令が多過ぎるんじゃないかということについて、大臣、改めて答弁をお願いいたします。

尾辻国務大臣 法律のつくり方そのものといいますか、その他の法律についても同じような御議論というのはいろいろあるところだろうというふうには思っております。

 そうした中でございますけれども、今お出しをいたしております障害者自立支援法案におきましては、本制度の骨格である基本的な事項について法律上明記をした上で、実情を踏まえながら弾力的に見直しを行うことが必要な事項については政省令等に委任しておる、こういうものでございます。

 これらにつきまして、今後具体的な検討を進めていくわけでございますが、現段階で想定しております内容につきましては、これはこのところの委員会で早急にお示しをするということも申し上げておりますから、そのとおりにさせていただきます。これは来週早々にでもお出しをしたいと思っておりますけれども、またさらに、新たな制度が適切な内容になるように、それを踏まえて私どもも政省令ということにしたいと存じておりますので、どうぞ御審議をいただきますようにお願いを申し上げます。

泉(健)委員 先日、山口議員の質問の中で、来週早々にお出しをいただくという話が出てきましたけれども、その出していただくというのは、例えば審査会やグループホームや障害程度区分、こういったことの具体的な姿を見せてくださるということでよろしいんですね。

塩田政府参考人 政省令の中身はいろいろありますけれども、例えば、利用者負担を決める際の世帯のとり方とか、先ほど議論になった限度額とか、そういった問題から、単なる読みかえ規定のものから、いろいろありますけれども、できる限りこの委員会での御審議でこれからの方向性をきちんと議論していただける、現段階で固まっているものをできるだけ具体的なものとしてお出ししたいと思っております。

泉(健)委員 ぜひお願いします。

 これは、納得がいかなければ、それだけ審議が延びるということに当然なってくるんだというふうに思います。資料がなければ議論のしようがありませんので、納得のできる資料の提供、情報の提供をお願いしたいというふうに思います。

 そういう中で、同じく前回山口議員が、この法案が権利と人権にかかわる法案だということを認識してもらいたいと。そして大臣はそれに対して、そのように認識をしておりますというふうに御答弁をされたと思います。

 権利と人権にかかわる法案だということで御認識をされているということですので、もちろん全体を通してはそれはそうなんですけれども、特に、私は、例えばグループホーム、今回、共同生活援助、共同生活介護というふうに分けたりする、そうすると、居住の自由、そういったものに制限がかかってくるのではないのかというふうにも思っています。

 障害の程度によって住む場所を変えさせられるケースが、すぐにはなくても今後出てくる。あるいは、この人と一緒に住みたい、こういった障害を持った人たちと一緒に住みたい、そういったケースには、これは権利が制限をされる。やはり自由にかかわる問題だと思っておりますが、大臣、いかがでしょうか。

尾辻国務大臣 今回、グループホームをさらにグループホームとケアホームに分けるということについてのお尋ねでございますし、そのことが住まいの自由を奪うのではないかというようなお話でございましたけれども、私どもは、そういうふうには考えておりません。自由にお住まいいただく上での、程度の違いによって分かれていただくということでございます。

 特に、申し上げておりますのは、重度の方がグループホームの方、軽い方の中におられるというのは、何か問題があったらいけませんのでケアホームの方に入っていただくということにはいたしますけれども、軽い方がケアホームに一緒に入っていただくというようなことも考えておりますし、決して私どもは、利用される方にふさわしいサービスを提供するという観点からは、別にそうした、今お話しのような御懸念のあることではないというふうに考えております。

泉(健)委員 ごまかしなのか、非常に興味深い答弁をいただいたような気がします。

 そうしますと、前回の審議の中で、すぐに住んでいる場所を移動させられるようなことはないというようなことはお伺いをしました。これは、では今後も居住の自由ということを、今の大臣の御答弁だと何かお認めいただけるような感じですから、いろいろな障害の程度があるわけですけれども、でも、その障害者当人同士は、一緒に住みたい、あるいは同じく近い場所にあるこの施設、このグループホームで生活をしたいということはあると思うんです。それは認められるということでよろしいですね。

尾辻国務大臣 それでは、改めて申し上げたいと思います。

 先ほども申し上げましたけれども、本法案におきましては、支援が必要な方に対して、それぞれの状態にふさわしい支援を行っていく、これは一番大事な観点でございます。その観点から、現在のグループホームを、介護が必要な方を対象とするケアホームと、就労しておる方などを中心としますといいますか、軽い方の方々を対象とするグループホームに分けるということにいたしております。これはもう従来申し上げておることでございます。

 そこで、本来、必要な支援の内容や状態等が異なる方々を、事業者みずからのサービス提供体制が整っていない中で、同じホームでサービスを提供することは、かえってサービスの低下を招くおそれがあると考えておるわけでございます。

 しかしながら、グループホームにおきまして、現にさまざまな障害の程度の方々が同居しておられるという実態がございますから、その実態から、事業者が、利用される方に良質なサービスを責任を持って提供するということを前提に、グループホーム対象者とケアホーム対象者を一つのホームで支援を行うための具体的な条件については、先ほども申し上げましたように、検討してまいりたいというふうに考えておるところでございます。

 検討していく方向性もいろいろございますけれども、まず基本的にそういうふうに考えておるということを申し上げたところでございます。

泉(健)委員 検討していくというと、では検討をお願いしますといって話が済んでしまいそうなんですけれども、今の例も、例えばサービスが整っていない場合はだめで、サービスが整っていればグループホームでもやっていけるというような話だと思うんですが、では、そのサービスというものはどんな要件が今言われているのかは全然わからないわけですよね。何を指しているのかが全くわからないわけです。

 今の話でいくと、検討もされているということですから、まず、ケアホームの方については、いろいろな障害を持った方々が程度が違っても一緒に生活ができる、そしてグループホームの方は、もし介護が必要な方々に対してサービスを提供できる環境があれば、グループホームで一緒に生活をすることが可能だということでよろしいということですね。

尾辻国務大臣 基本的な認識で、まず私からお答え申し上げます。その後、部長からも答えさせますけれども。

 まず、基本的に、ケアホームの場合は、夜間のケアができるということが一つの条件になっておる。したがって、そこで夜間のケアができる人がいるということが、ケアホームの方に入っていただくということにするということで考えておるところでございます。

 残りは部長から答えさせます。

塩田政府参考人 グループホームが障害者の住まいとして大変重要な役割を果たしているという認識で考えております。

 それで、現在のグループホームは、入っている方の障害の程度とかサービスの必要度にかかわりなく、一つのグループホームに一人の指導員というか、機械的に箱に一人ということになっていますので、そこを改めたいと。より重たい介護とかサービスの必要な人にふさわしいグループホームとしてケアホームをつくったということでありまして、ねらいはあくまで、入っている方のサービスの必要度に応じた必要な職員が配置されるようにということであります。

 今度の新しい法案で新しい体系になるときには、入っている方の障害の程度によって職員の数とか報酬とかそういうものを決めていくということであります。重たい方を介護できるグループホームであれば、当然軽い方も介護できるということでありまして、そこは入っている方のサービスに応じた体制にするという趣旨でつくっておりますので、これまで一緒に入っている方を、ばらばらになりますとか、そういう考えでやっているものではございません。

 そのあたりの実情もよく踏まえて基準は検討してまいりますので、そこら辺も関係者の意見もよく聞いて、混乱をするためにやるのではなくて、入っている方のサービスを充実するという観点で検討するということでございますので、よろしく御指導をお願いしたいと思います。

泉(健)委員 今話をしましたのは、居住の自由というところをぜひやはり重視をしていただきたいと思います。障害者の皆さんからの話を聞きますと、それはただ住む場所ということだけではない。一緒に住むメンバーということについてだって、普通、我々健常者は自由に選んでいるでしょう。無理やりだれかと一緒に住まされるなんということは基本的にないわけですよね。ですから、経過措置だけで、最初はそういったものを認めますということじゃなくして、これからも制限があってはいけないということだと思うんです。

 こういったグループホーム、ケアホームが分かれることについて、障害者の皆さんから非常な不安、懸念が寄せられているということは、皆さんもきっと御存じのはずです。この辺をぜひ、改めてまた後で触れますけれども、考えていただきたいと思いますし、そういう意味では私は、この法律というのは、大臣も前回答弁をされましたけれども、権利と人権にかかわる法案であり、各それぞれの条ごとも、個人の自由やあるいは権利の、中には制限や侵害にかかわってくるような条文というのは、当然これはあるというふうに思っています。

 そういうことを考えると、実は、法律の世界でいうと侵害留保説という説がありまして、これは、個人の自由や権利の侵害にわたる場合には法律の根拠が必要であるというふうに考えられている説なんですね。この考え方に基づくと、例えば、政令や省令で、法律の委任がある場合を除いては、国民に義務を課したり国民の権利を制限する規定を設けることはできないというようなことが一般的な法理としてあります。

 そういったものから考えても、これは確かに、政令で定める、省令で定めるというふうに書いてありますから、それで抜けられるのかもしれないんですけれども、しかし、国民の権利、人権にかかわるという問題について、全部、政省令で定めると書いてあるからそれでもういいんだということには、これは決してならないというふうに思います。そこはこの侵害留保説というものを少し拡大解釈をすれば、やはりできる限り法律で定める、あるいは、通じて言えば、この委員会の中で具体的な議論まで行うということだというふうに思います。

 改めて、大臣、この侵害留保説という説についてもで結構ですけれども、これは国家行政組織法の第十二条の三項の方でもこういった規定がありますので、省令の中に当然ここはかかわってくるわけですけれども、ぜひこういった考え方を忘れずに持っていただきたいと思います。

 その意味で、改めてこの政令、省令が多いということについて、多い、少ないだけじゃなくして、もう一回検討して、政令で決める、省令で決めるという部分を変えられる余地がないのか、ちょっと答弁をいただきたいと思います。

尾辻国務大臣 今、お話が、法案の修正という部分について何かおっしゃっておられるとすれば、私どもは今この形で法案をお願いいたしておりますので、私どもが修正結構ですと今申し上げるものではございません。やはりこのままの形でぜひお認めをくださいということを申し上げるところでございます。

泉(健)委員 多分水かけ論になると思うので、これ以上は言いませんが、ぜひこの法案のスケジュールについては、本当に多くの皆さんが不安を感じています。私たちは、この自立支援法の中で評価をする点というものも、当然幾つもあるというふうに思っています。でも、やはり、早過ぎてつくってしまっては、その間違いというものに気づかないまま法律がスタートをしてしまってはいけないというふうに思っておりますので、ぜひとも慎重に審議をし、あるいは継続ということも頭に入れて、さらに慎重に検討をしていただきたいというふうに思います。

 続いて、障害者の皆さんの家計について少しお尋ねをしたいというふうに思います。

 実は、私もいろいろ調べておりまして、やはりどうも厚生労働省さんの考えられている障害者の家計と実態が違うのではないかということを感じざるを得ません。先ほどの山井議員の話にもありましたけれども、本当に障害者の皆さんは日々苦しい生活をされているわけでして、それからすると、厚生労働省の認識というのは随分甘いのじゃないのかなというふうに思っています。

 厚生労働省の出した資料で、「支出の実態」という資料があります。これは、一般家庭における年収二百万円未満の平均世帯というものの数字を上げて、グループホームの費用負担の状況ですとかを、また同じように食費、居住費というふうに上げているわけですけれども、年収二百万円未満の世帯平均、これは家計調査からとった数字だというふうにお話をいただきました。食費が一万六千円、そして居住費が一万二千円。そして一方で、グループホームを利用している費用負担の状況というものを見ますと、食費が平均二・四万円、居住費が全平均二・八万円。

 実は、この厚生労働省の平均についても、けさの毎日新聞で、グループホームの家賃の地域格差が二・五倍に上っているというような調査結果、日本グループホーム学会の実態調査結果が明らかになったばかりのところです。大都市圏では平均三万七千八百九十七円。でも、地域、過疎地などでは平均一万五千二百六十三円で、二・四八倍の格差があった。家賃でもこれだけの格差があるわけですね。

 そして、この記事に書いてあるわけなんですけれども、厚生労働省の基準内で居住費を賄えている入居者は全体の二三%しかいないということなんですね。

 全体の二三%しか当てはまらないというような状況がこの新聞にも書かれているわけでして、その意味で、この年収二百万未満の世帯平均と比べることの意味について、まずちょっと改めてお聞かせをいただきたいと思います。

    〔委員長退席、北川委員長代理着席〕

塩田政府参考人 グループホームに住んでおられる方についても、今度の法案が通れば、原則として一割の定率負担がかかるということでありますけれども、その一割の定率負担についてもきめ細かな低所得者対策が必要だということでございます。

 今私たちが考えているのは、六・六万円の基礎年金の額までは、一割負担の計算上、算入しない。六・六万円を超える収入、例えば工賃があった場合には、八割以上の工賃については一割負担の計算の対象外にして、働けば働くほど手元に残るようにする。あるいは、仕送りがある方もありますので、こういう方についても半分は一割の定率負担の対象にしない。そうやって個別にいろいろな工夫をして、基礎年金だけの、六・六万円だけの収入の方がグループホームにいる場合には、今回の一割負担については実質負担がないというようなところまで個別の減免をしたいということであります。

 グループホームの実態がさまざまであって、このモデルケースにあるようなものが二割三割というのも、それはおっしゃるとおりだと思います。いろいろなタイプのグループホームがあって、東京のように家賃補助があるところもあって、実際の住居費も、高いところもあれば、地方に行けば基礎年金の中でやれるところもあると思います。

 いろいろなグループホームの形態があると思いますが、それぞれにおいて、そこに住んでいる方の状況に応じて減免措置が講じられるように、ですから、まさにどういう減免措置を厚労省として考えていて、それが障害者の生活実態に合っているものになっているかというところは、資料をお出ししますので、ぜひまたこの委員会で御審議いただきたいと思っております。

泉(健)委員 年収二百万未満の世帯平均の数字を出している理由は何ですかということについては、また後でお答えいただきたいと思いますけれども、さっきも言いましたが、全体の二三%しかこの基準内で居住費を賄えている人はいないわけですね。

 さらに、この記事には続きがあります。

 厚生労働省障害保健福祉部企画課は「グループホームの家賃が地域によって幅があることは承知している。基準をどこに置くかは議論が分かれるだろうが、現在のところ見直しは考えていない」というふうにコメントをしているということなんですね。見直しを考えられていない。何も直す気はないというふうに聞こえざるを得ないんですけれども、見直しは考えるべきじゃないですか。

塩田政府参考人 先ほど御答弁いたしましたように、いろいろなケースにおいて、厚労省が考えている減免制度がこれでいいのかということについては、いろいろな方の事例を資料等でお出ししますので、御審議をしていただきたいと思います。これでなければ絶対いけないと私どもは頑迷固陋に考えているわけではございません。障害者の方がきちんと地域で生活できるために今度の改革はしているわけでありますので、その観点からの御批判、御指示は当然受けたいと思っております。

 それから、二百万円世帯を標準にしているということには異論があるかもしれませんが、現実に障害者の生活実態がこの層にあるということを前提に、とりあえずそこを念頭に置いたシミュレーションをしているということでございます。

泉(健)委員 部長はこの全体の二三%しかなかったということを知っていたのか、知っていなかったのか、後でもう一回お聞かせをいただきたいと思います。

 二百万円未満の世帯の皆さんと比較をするということについて、私はこれは問題があるというふうに思っています。

 というのは、例えば低所得一、この金額は、負担額は上限が一万五千円というふうになっているわけですが、これを算出するに当たっては、障害基礎年金二級月額六・六万円マイナス五万円ということで、年収二百万未満世帯の一人当たりの支出額、そこで約一・五万円になるわけでして、それでこの一・五、一万五千円という数字が出てきているということだと思うんですが、この出し方そのものがどうもおかしいのではないのかなというふうに思っています。

 例えば、私もあるときは年収二百万未満の世帯だったころもあるわけですけれども、健常者がいろいろ生活をするに当たって工夫して節約するというか、例えば食費にすれば、百円のものを買って済ませることができるかもしれない。自分の足を使って買い物に行って、一束百円のおそばを買ってきてゆでて食べれば、それで百円だということができるかもしれないけれども、では、障害者の皆さんはそういったこと、あらゆる生活の面を含めて、できますか。これはできないですよね。

 食費にしたって、私はきょう資料をお配りしていますけれども、私の地元の地域で知的障害者の通所授産施設に通う方の食費を見てみても、これは施設で食べれば一食六百五十円。そして、家で食事をするケースもあって何とか節約をしていたり、グループホームの中での食費の中でも節約をしていたりというような努力をしていても、やはり健常者の皆さんと同じような節約の仕方というのは当然できないというふうに思うんです。

 そういう中で、食費や居住費、これは居住費にしたって、やはりいろいろな、建物に対して改修もすることもあるでしょうし、もっときめ細やかな居住に関する費用というのは障害者の方々の方が当然かかってくる。それが、この「グループホームの費用負担の状況」という中で、食費が高かったり居住費が高かったりする。

 あるいは、その他生活費ということで、一般の方々は二・一万円というふうになっていますけれども、実は障害者の皆さんは、その他生活費、ある意味、一つのことをするにももっともっとお金がかかるケースもあるわけですね。保健医療にしても、健常者の皆さんよりはかかりやすいということもあります。あるいは、交通、通信には、特別な機器を使ったりしなければ交通、通信ができないというケースもある。

 いろいろなお金のかかり方があるわけですけれども、この年収二百万未満の世帯平均ということと食費、居住費を比べて、あるいはその他生活費を比べて、こういった例えば低所得者一の負担額が決められているというのは、私はこれは問題があるのではないかと思いますが、大臣、いかがでしょう。

塩田政府参考人 障害サービスの利用料負担の考え方ですが、一定のサービスのところまでは定率の一割で、超える場合に所得の状況に応じて限度額を定めているということでありますが、この限度額の定め方、低所得者の範囲のとり方は、基本的には他の社会保障制度との整合性といいましょうか、これから、障害者の分野も一般の施策を活用するとか、いろいろな整合性を図っていくということが必要でありますので、医療保険にしろ介護保険にしろ、基本的には同じような考え方で当該世帯の所得と御負担できる限度額というのは決められておりますので、一般的なルールに従って決めたものであります。

 それから、グループホームについては、いろいろなグループホームがあるということは私は承知しております。ただし、それが何%になるか、正確なあれはございませんでしたが。

 都会にあるグループホームと地方にあるグループホーム、さまざまですし、また実際に入っている方も、工賃収入がある方もいれば、基礎年金がある方もいれば、無年金の方もいれば、仕送りのある方もあれば、預貯金のある方もありますし、いろいろなタイプがありますので、それぞれのタイプについて御無理のない範囲内で御負担を願うということで、利用料については考えていきたいと思っております。

泉(健)委員 さっきの家賃地域格差二・五倍という記事の、この基準内で居住費を賄えている人が二三%しかいないという数字、これをぜひ部長も覚えておいていただきたいと思います。そして、見直しをしないということはこれを前提にされたおかしな話ですので、ぜひ改めて基準についての見直しを図っていただきたいというふうに思います。

 そして、私の地元の方、まさに障害を持っている方のコメントのところにも、お金をやりくりしなければいけないので、楽しみのお出かけも、交通費のかからない近くのスーパーへ歩いて出かける、そして、それもおにぎりを持って出かけて、お昼はそのおにぎりで済ませています、スーパーにはマクドナルドもあればたこ焼き屋もあるけれども、それを横目で見ておにぎりでおなかを満たす、今でさえこの状態ですというようなことが書かれています。

 本当に、今でさえ苦しい生活を送っている中で、さっきも山井議員から話がありましたが、少し一生懸命働いて工賃を得ても、それ以上に利用料が取られてしまうということで、差し引き額、この方の場合は二万八百十円というマイナスが計算上は出てしまっているというとんでもない状況になっています。こういったことを何としても改めなければならないというふうに思います。

 そして、もうお一方の場合も、ホームでの食事代が二万円、そして通所授産施設での食費代、昼食代が約一万円。これがもし私個人であれば、もっと節約できるとかいろいろ考えられるかもしれない。でも、障害者の皆さんには、食事を自分で、その価格を一生懸命抑えようという努力をするにも限界がやはりあるということ、常にいろいろなものに限界が伴うということも、ぜひおわかりをいただきたいというふうに思います。さっきの方もありましたけれども、一生懸命、自分でおにぎりをつくって、それで生活をしていても、それでもやはりお金がかかってしまうということを、ぜひ忘れずに考えていただきたいというふうに思います。

 続いて、もう少し中身の方に入らせていただきたいと思います。

 まず、グループホームのことについて改めてお話をさせていただきたいと思いますが、このグループホーム、法案を見て、やはり幾つか修正をしなければならないのではないかなというふうに思うことがあります。

 先ほども大臣の答弁でありましたけれども、グループホームとケアホームを分けるということについて、少し、大臣の答弁が本当にそのまま現実のものになるのかどうか、多少またその答弁もはっきりしないというところもあって、多くの方々が不安を感じています。

 現行グループホームがあります。そのグループホームにはさまざまな障害を持つ皆さんが生活をされています。そして、そのグループホームが大好きだと言っています。そして、このグループホームで、これからも引き続きこの地域の中で生活をしたいというふうに思われています。この方々の思いはこれからもかなっていくんでしょうか。もう一回、大臣、お願いします。

塩田政府参考人 グループホームが障害者が地域で住むという意味で重要な役割を果たしているということは十二分に認識しておりまして、仮に、先生が言われたようなグループホーム、いろいろな障害の程度の方が一緒に助け合って暮らしているというグループホームがあるとすれば、今度の新しい法案でいえば、それはケアホームというジャンルに該当するんだろうと思います。

 そして、ケアホームというジャンルにはいろいろな障害の程度の人がいるわけですから、それにふさわしい人の張りつけ、報酬基準をつくって、入っている方にふさわしいサービスを提供する、そういう考え方でありまして、入っている人をばらばらにする、そういうあれではございません。

 仮に、軽い人ばかりの、就労に出ていって、夜のケアがいない人ばかりのグループホームがあったとすれば、今度の新しい法案ではそれは狭い意味のグループホームでありまして、重い方と軽い方が一緒のものについては、新しい法体系ではケアホームと。若干、法律が机の上で書いてありますので混乱されるんだと思いますが、法律というのは実態に合ったものを観念的に整理しているので難しいところがあると思いますが、そういう趣旨であります。

泉(健)委員 ちょっと、多分それではだめでして、まず一つは、今のグループホームの体制がすぐには変えられない、要は、すぐには移転を迫られることがないということは私もわかったんです。これが引き続き移転を迫られないということで、あるいは、これから入る人も、その障害の区分、程度によって無理やりに、この人と一緒に生活をしたいという状況でも離されてしまうのかなんですよ。そこを明確に答えていただきたい、これが第一点。

 もう一つは、やはり障害を持っている方々の懸念があるのは、共同生活介護、ケアホームの方は「地域において」という文言が入っていないんですね。これはどういう意味を指すのか。「地域において」という言葉が入っていない。

 「この法律において「共同生活介護」とは、障害者につき、主として夜間において、共同生活を営むべき住居において入浴、排せつ又は食事の介護その他の厚生労働省令で定める便宜を供与することをいう。」一方で、共同生活援助の方には「地域において共同生活を営むのに支障のない」というふうに入っていまして、共同生活介護に「地域において」という言葉が文言に入っていないということで、ある方は、これは地域で生活をするなということを言っているのかというふうに言っている方もおられるんです。

 これはもう、多分そんなつもりはないんでしょうから、両方に「地域において」というふうにまず入れることを考えてみたらどうですか。

塩田政府参考人 表現が若干違っておりますが、趣旨において、地域において生活をする場のタイプですので、趣旨は全く変わりません。条文上の書き方の差だと思いますが、どちらも地域において重要な役割を果たしていることについては変わりはございません。

泉(健)委員 もう一回、その最初の。

塩田政府参考人 グループホームに入っている方に対して適切なサービスを提供するというのが、この法律改正、新しい法律づくりの目的、現にあるグループホームもそういう目的だと思いますが、そういう観点からすれば、一緒に住んでいる方に外に出てくださいというのは、私はあり得ないと思います。

 ただし、処遇体制がないようなグループホームが仮にあったとすれば、夜間のケアもできないのにもかかわらず重度の人が行っているようなところは、ないと思いますけれども、仮にあったとすれば、そういうところはいけないと思いますが、今もきちんとしたサービスが提供されていて、いろいろな方がおられるグループホームの方々を追い出すようなことは毛頭考えておりませんし、そんなことはあってはいけないと思います。

泉(健)委員 これまで何か問題があったわけですか、障害の程度が違う方々が一緒に生活をしていて。何かそんな報告は聞かれていますか、部長。

塩田政府参考人 私自身、そういうグループホームがあったということは聞いたことがございません。

泉(健)委員 そうしたら、多分、大臣が聞いているのかもしれないですね。大臣、聞かれていますか。

尾辻国務大臣 部長が聞いていないものを、私が聞いているということでもございません。

泉(健)委員 とすると、大臣も部長も聞いていないものを、先ほどまさにおっしゃいましたね、机の上で書いていますのでということで、これは書いたんじゃないでしょうか。そうとしかこれは思えないですよね。

 やはりだれも困っていないわけですよ。改めて言いますが、これはだれも困っていないわけです。だれも困っていないんですよ。今、皆さん、楽しく生活をされているんですよ。なぜそれをあえてばらばらに、なぜそれをあえて分けてしまうのか、全くわからないんですね。

 これは、改めて私は、共同生活介護と共同生活援助を統合していただきたいというふうに思います。大臣、答弁をお願いします。

塩田政府参考人 あくまで、重い、介護の必要な人に対してグループホームでも適切なサービスができるようにということで、そういうタイプのグループホームを考えたということでございまして、二つが混在したタイプのもの、むしろそちらの方が私は多いと思いますし、専ら重い方のところもあってもいいし、混在しているタイプもあってもいいし、軽い方があってもいいし、それは地域の実情に応じていろいろなグループホームができるんだと思います。

 例えば、福祉工場の近くに同じようなレベルの人が働いているケースがあったとします。例えば、車いすの方が、ITで一連のオンラインで仕事をされている。その近くにこの方が住むグループホームが必要だとすると、そこは軽い方ばかりのグループホームになるわけですし、そういうこととは関係なく、地域で暮らす上で、いろいろな方がいるところは混在型のグループホームになると思いますし、あるいは、場合によっては重たい方ばかりのグループホームもあると思います。それをケアホームという形で整理したということであります。

 要は、中に入っている方に対して必要なサービスが提供できるように、報酬単価も決めるし、配置基準も決めるということでありまして、現在のグループホームは、一つのグループホーム、何人いようが一人とかいう極めてシンプルな制度になっておりまして、この制度のままでいいということは私は決していかないと思いますし、よりよいサービスができるグループホームなり新しいケアホームなり、とにかく、よりよいものを目指すという観点で御提案申し上げておりますので、その観点からのアドバイスをしていただければと思います。

泉(健)委員 その観点からアドバイスしているつもりなんですけれども。その観点からのアドバイスなので、ぜひ聞いてください。これは分ける必要はないというふうに私は思います。

 もう一つは、共同生活援助のところで、「共同生活を営むのに支障のない障害者につき、」というのが入っているんですね。これもちょっとおかしいんじゃないのかなというふうに思っていまして、大臣、「共同生活を営むのに支障のない障害者」、これは、障害を持っているということは、何だって多分、我々だってですよ、人間関係の支障があったりするわけですから、支障のない人間なんていないわけでして、ましてや、障害者ということで、今共同生活をしようとしているときに、「共同生活を営むのに支障のない障害者」というのは、全くこれは意味がわからないんですよね。

 なぜそんなことを書かなきゃならないのか。別に、支障のあるなしは現場で判断すればいい話じゃないですか。何もここに書いて、支障のある人はどこか外に行ってくださいね、ケアホームに移ってくださいねなんという、分離に見えるようなことをわざわざやることないんじゃないですか。もし大臣、そういうつもりがないんだったら、これは省いちゃいましょう。どうですか。

尾辻国務大臣 たしか、今のグループホームの書き方でもそんな書き方になっているんじゃないかと思うんですけれども、要するに、今のグループホームをつくっていただいている方のことを念頭に入れての書き方といいますか、今の書き方もたしかそうだったと思うのでという、そういう書き方だと私は理解をいたしております。

泉(健)委員 では、改めて言いますが、サービスが適切に提供されれば、これはやはり居住を制限されてはいけないと思うんです。

 サービスがちゃんと提供されるのであれば、グループホームの中でどんな方々も生活できるというのが私は本来の姿だというふうに思います。そういうふうにぜひ考え方を持って、それで、適切なサービス、サービスというふうに言いますけれども、多分ここに高い要件を設けて、結局は分けて、でも、分けたって何のメリットもないですよ、厚生労働省に対してだって何のメリットもないですから。これは分けてもしようがないですから、多分。

 だから、この共同生活援助、共同生活介護、グループホームとケアホームをわざわざ二つに分けるということは、ぜひやめていただきたい。もし、先ほど部長がおっしゃったように、一名のところに何か問題がある、あるいは、ほかの要件について問題があるというのであれば、そこは直したらいいでしょう。でも、ケアホームとグループホームを分けることそのものには私は意味がないというふうに思っていますので、ぜひ、そこはもう一回御検討をいただきたいというふうに思います。

 ほかにもいろいろあるわけですけれども、審査会の件や移動支援サービスの件、これも政令、省令が大変多いです。

 最後に、ちょっとこれに関連して、全然違う話なんですが、今、経済学の分野で幸福研究、ハピネスリサーチというのが注目されているそうなんですね。これは、経済的豊かさと幸福感にはギャップがあり、それを埋めるものが人々の政治的参加度であると解釈することもできる。

 要は、幸せを求めるということは何なのか。決して障害者の皆さんは、ただお金をくれ、ただお金をくれ、制度を厚くしろ、そればかりじゃないわけです。幸せになりたいんです。皆さんと同じように幸せになりたい。そういう中で、経済水準、全く同じものは目指せないけれども、私たちは地域に参加をしたい、それが幸せにもつながるんだ。

 でも、今の制度は地域におりてこられないじゃないか。地域で根差して生活をできないじゃないか、皆さんと一緒に生活できないじゃないか。まさに政治参加すらできない方々もたくさんいる。そういう状況もぜひ考えていただきたい。彼らは決してただ物を要求しているのではない、当たり前に地域で生活をしたいということを言っているということを、最後に改めてお伝えしたいというふうに思います。

 私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

北川委員長代理 次に、中根康浩君。

中根委員 中根でございます。

 金曜日の、早く地元に帰りたい方も中にいらっしゃるでしょう、大変お疲れのところ、最後の質問者としておつき合いを賜りますようによろしくお願いを申し上げます。

 ぜひとも、賛否それぞれ、この法案に対する姿勢はいろいろあるんでしょうけれども、ここに今残っていらっしゃる方というのは、まじめに、真剣にこの法案に取り組んでいらっしゃる方だということで、お互いに尊重し合いたいなというふうに思うわけであります。

 まず初めに、いろいろ財源の話とか、もしこの法案が、例えば否決をされるとか廃案になるとかということになったら、与党の皆さんが心配しておられるのは、というか、政府の皆さんも心配しておられるのは、来年の支援費制度のお金が十分確保できないじゃないか、こういう理屈で、例えば十月に決まったものは十月から始める、一月からのものは一月からだ、だからこの国会中に通させてくださいということなんでしょうけれども、これは再三みんな申し上げているように、この支援費制度が財源不足になった、予算不足になったというのは、もともとの予算のとり方が少ないから不足をしてしまったわけであって、その辺の障害政策に対する認識を、そのスタンス、立ち位置をきちんと改めていただかなくては議論がかみ合っていかない。

 今まで不足をしてきたということは、申しわけないですけれども、やはり政府の皆さんや、それを許してきた与党の皆さんにその責任があるんだということを、真摯に、謙虚に受けとめていただいて、この法案に対して、本当に国民のためになるのか、障害者、当事者の方々、家族の方々のためになる法案なのかということを、この審議を通じて感じ取っていただかなくちゃいけないというふうに思っております。

 まず初めに大臣に、これは通告をしておりませんので、知っているか知らないか、イエスかノーかで結構なんですけれども、済みません、話は変わります、地域ケア政策ネットワークというNPO法人、御存じでしょうか、御存じないか。イエスかノーか。

尾辻国務大臣 存じません。

中根委員 存じません、残念ですね。

 実は、大臣、もしかしたら話を聞けば思い出すのかもしれませんけれども、これは大変、スーパーウルトラNPOでして、代表理事は大森さんという東大の名誉教授、それから光武さんというのかな、長崎県の佐世保市長、それから元日本経営者団体連盟社会保障特別委員会副委員長の若杉さんという方が代表理事ですね。理事の中には井形昭弘さん、いろいろ、切りがありませんけれども、顧問に元人事院総裁の内海さんという方が並んでおりまして、ここでやっている事業が、いろいろあるんですけれども、介護予防、筋力向上、また申しわけないですね、筋力トレーニングの介護予防についていろいろ普及啓発をしている活動をしていまして、平成十六年の六月の二十一日と二十二日に連続して講座を開いているんですね。

 二十一日の月曜日の十六時五十分から十七時五十分には、「介護保険四年の検証と介護保険改正に向けて」ということで、このNPO法人主催の講座に山崎老健局総務課長が講演をなさっているんですね。二日目も、九時から十時には「介護給付適正化事業について」ということで、老健局介護保険課の藤木課長がお話をしておられて、その後何人か話をされて、午後になると、十三時十分から十四時十分、厚生労働省老健局振興課の香取課長がお話をされておる。それから、一人置いて十五時二十分から十六時三十分には、厚生労働省老健局計画課の福井久計画官という方が御講演をしておられる。

 すばらしいメンバーを取りそろえることができるNPO法人で、それから、加えて言いますと、平成十五年の七月二十五日の金曜日には、中村老健局長が「介護保険見直しについて」十六時二十分から十七時〇五分、それから、当時の渡辺芳樹厚生労働省雇用均等・児童家庭局審議官が十七時十分から十七時五十五分までお話をしておられるというすごいNPOなんですね。

 こういうふうに、平日の昼間ですからお休みをとってNPOのこの講座にきっと行かれているはずだと思うんですけれども、そういう自分の、大臣のスーパーエリート部下がこうやって講演に行かれているNPO法人ですよ。これは知っておいた方がいいと思います。またこれについては決算行政監視委員会でやらせていただきます。

 引き続きまして、僕は、大臣も塩田部長も、それから村木課長も本当に好きなんです。この支援費制度といいますか、居宅サービスにかかわる経費を義務的経費にさせていただいた、このことに対する皆さんのその御努力というものは本当に目の当たりにさせていただいております。そのことについては、言葉だけではなくて敬意を表させていただいておるということは間違いありません。本当にそうなんですよ。みんなそうなんです。

 それで、悪いのは一体だれなんだろうと。一割負担、この発想、応益負担、定率負担を導入させたのは一体だれなんだろうということを追求していく意味で、やはりこの委員会に、さっき山井議員が要求したように、財務大臣あるいは最高責任者である総理大臣にここにお越しいただくという必要がますます高まってきているんだろうというふうに思わせていただいています。

 一割の発想、厚生労働省は一生懸命義務的経費化した、その裏腹に、そのしっぺ返しじゃないけれども、見返りにといいますか、反対給付みたいな形で一割が押しつけられてしまうという、厚生労働省はある意味で気の毒なのかもしれません。そのことが気の毒なのかどうなのかということを、やはり財務大臣を呼んでここで明らかにしたいと思いますので、ぜひともまた理事会で諮っていただきますようにお願いをいたします。

北川委員長代理 その件は、先ほどの委員長の発言で終わっております。

中根委員 それで、私どもは、介護保険の審議でだめだだめだというふうに言っているのに、老健局は介護保険の枠外に二千億円使うんですね。皆さん、これはよく覚えていらっしゃると思います。介護予防と称して介護保険の枠外に二千億円、そのうちの六百八十五億円、最高で言えば六百八十五億円は介護保険料から流用される、こういうふうな仕組みを介護保険の方ではつくってしまっているわけなんです。

 年金と同じように、保険外に保険料を使っていくということは、保険料の流用、むだ遣い、こういうものにつながってしまって、行く行くは制度の破綻につながる、そういう心配をさせていただいたということは、よく皆さん御記憶におとどめのことだと思います。

 この保険の枠外に使う筋トレを初めとするそういう介護予防の活動、こういったものをやめれば、そこに二千億円出てくるじゃないですか。そうすれば、必要だと言われている九百三十億円ですか、ことしの支援費制度、それだってその半分の額で賄っていけるじゃないですか。お金がないないと言っているわけですけれども、お金はあるんじゃないですか。いかがですか、部長。

塩田政府参考人 支援費制度が財源不足になったということでありますが、今の支援費制度、先刻御承知のとおりでありますけれども、現在の国の財政状況の財政ルールの中では、サービスの伸びに対する財源を確保することは事実上難しい。これは、国のみならず、都道府県、さらに市町村においてそうだと私は思っています。地域の障害者を支援するシステム、障害者の場合は、多くの市町村でこれから取り組んでもらう課題、高齢者の場合と違ってこれから取り組んでもらう課題であります。その際に、市町村の財源が将来とも障害者に対してきちんと確保できるような仕組みをつくるということは緊急の課題だと私は認識しております。そういった観点で、支援費のねらいを考えながら新しい制度を立案しているということでございます。

 その際に利用者の負担をしてもらうのは、財務省から言われたからではなくて、いろいろな財源、税の財源、これから非常に厳しくなる中で財源を障害者対策に回してほしい、そのためには我々関係者もある程度の負担をしよう、そういう発想でしているわけです。そのときの制度設計が定率一割であり、所得に応じた負担、このミックスのものを御提案しているわけであります。それが障害者の生活実態に合っているかどうかは、まさにこれから、私どもは提案しておりますが、国民の観点からそれは議論していただければ、御批判は受けていかなければならないと思っているところでございます。

 それから、障害者の自立支援法である程度の財源基盤をつくったとし、さらに将来を展望すると、地域福祉という観点で、私が市長であり町長であれば、障害のあるなしにかかわらず、年齢にかかわらず、介護については、基本的なところは同じルールで同じ財源の中でやりたいと思うのも、これももっともだと思いますし、そういう考え方に対してはこの委員会でも議論があったと聞いておりますが、いろいろな考え方があるので、まだ現在のところは国民的コンセンサスは得られていない。

 そういう中で、将来のいろいろな他制度との関係等も視野に入れながら、費用負担のあり方について提案をしているということでございますので、ぜひいろいろな角度から御審議をしていただきたいと思います。

中根委員 多分、間違えやすいところは、僕はあえてきょう申し上げますが、先ほども少し後ろの方から声を出した部分なんですけれども、私どもは、例えばこの連休中にもそうなんですが、その前にも、私は地元は愛知県の岡崎市というところなんですけれども、岡崎で障害者の方々が集まってこの自立支援法に対するシンポジウムが行われたときに、大村議員と一緒にやらせていただきました。それから、名古屋で行われたときには、山本保参議院議員と行わせていただきましたし、また園田議員と一緒にやったこともあるんです。

 そういうふうに、各地でこの自立支援法に対する関心といいますか、心配が高まってきているわけなんですけれども、厚生労働省の皆さん方が聞いておられるのは、東京にいらっしゃる各団体の代表者のような方々、そういう方々からのお話が中心だと思うんです。この東京で、中央で活動しておられる方々と、同じ団体の中にいらっしゃっても、地域で、現場で暮らしていらっしゃる方々とは残念ながら温度差があるというのは、なぜこの法案に対して審議がやりにくい部分があるのかなと実は思っていましたら、そこに存在しているんだろうということを気づかせていただいております。

 きのうの日比谷公園で行われた、日比谷公会堂で行われたフォーラムでもやはりそれを感じました。壇上に上がっていらっしゃる方々と、それから普通の会場の客席にいらっしゃる方々あるいは外で取り巻いていらっしゃる方々とは、やはり立場が違うといいますか、目線が違うんじゃないかなと。

 代表の方々には申しわけない言い方ですが、僕も実は、皆さん御案内のとおりといいますか、育成会の会員の一人でございます。育成会の会員ですから、松友さんなんかとはよくお話ししますし、松友さんや藤原理事長の御発言に対しては注意深く関心を持って見聞きしているわけなんですが、会員の一人として思うときに、地域で私たちがこの法案に対して語り合うことと、やはり認識のギャップがあるということは正直言って否めないところなんです。

 だから、皆さんも、代表の方々と話し合いをするのはもちろん入り口としては大切だと思いますけれども、やはり地域の生の現場の声を、今までもいろいろな議員から要望がありました。ありましたけれども、私からも、改めて、もう一回、どうぞ大臣、水戸黄門になっていただいて、地方を行脚していただいて、この法案は、一日や二日、忙しいといって通り過ぎてしまえばすぐに審議が終わっていっちゃうんですね。それでは覆水盆に返らずということになりますから、今どこかで時間を見つけていただいて、ただ、大臣が行くというとみんな構えちゃいまして、代表の方がまた集まってきましてあれですので、どうぞ地元の九州の方面で結構でございますし、東京の近辺でも結構でございますので、何とか生の声を肌で感じるという機会を今からでも持っていただきたい。

 それから、これから政省令をつくっていく、政省令をつくっていくという話をすると、法案が成立した後の話になりますので余り言いたくないんですけれども、その際にも、当事者の方々にその声を聞く、当事者の方々がその政省令の作成に参加できる、その仕組みを確保できるように、どうぞお約束をしていただけないでしょうか。お願いします。

衛藤副大臣 大臣に指名でございますけれども、その前に、ぜひ御理解をいただきたいというように思っております。

 支援費制度は、御承知のとおり、私もずっと三十年間ぐらい育成会、知的障害者の育成会、身体障害者の各団体とか、家庭まで入っていろいろやってまいりました。また、精神障害者団体の方とも、小さなころからのつき合いでございまして、そういう中に入って一生懸命やらせていただいているつもりでございますので、一言。

 支援費制度は、御承知のとおり、措置制度という、かわいそうな方だから国が措置しますよという形から、選択できますよ、それをみんなでバックアップするんですよという形に変えました。いわば、そういう意味では共生の思想に基づいて変えたわけであります。

 同時に、どこがもう一つ大きく転換したかといいますと、それまでの、先ほど住居の話もございましたけれども、どちらかというと、障害者という方については、奥の方、コロニー式で閉鎖的なところに閉じ込めておくという形で面倒見るという方が多かった部分を、明確に、地域の中で何とか一緒に暮らせるようにしようではないのかという形でやりました。ですから、移動支援というようなものもずっとふえてきたわけであります。

 そういう中で、支援費制度は、国の段階でいいますと、平成十五年が五百十六億、それから十六年が六百二億、そして今十七年が九百三十億というぐあいに必死でふやして、そしてそれを義務的経費としてみんなで努力してきたところでございます。

 そういう中で、一割の問題が出てきました。それはお金が足りないという問題と、もう一つは、先生もよく言われるところの、障害者に対する基本的な考え方でございます。

 老人、高齢者に関しましては、いわゆる介護保険という形で、一割の自己負担をお願いできないでしょうか、そして、そういう中で、年金等もずっと整ってきました、その介護については、だれもがかかわる可能性があるんです、ですから、高齢者ということもみんなと同じなんですという発想に基づいてであります。

 障害者も、たとえ、いろいろなハンディがあるかもしれない、障害があるかもしれない、しかし、みんな同じ人間として自立している存在だ、その自立している存在をお互いに助け合いながら、この社会の中でどう実現していくかだ、そういう意味で、この地域生活を何とか支えたい、それをちゃんとやっていくという思想のもとに、この法を出したということでございます。そういう意味では、先生のふだんからの主張と私どもは全く一致でございます。

 その上で、同じような人間として、自立した存在としての人間として、すばらしい存在としての人間として、全く同じように地域の中で生活できるようにいかに頑張るかというところが、この支援費制度の中で出てきた精神であります。そしてまた、今回の法の中において、それをもっと長期的に安定させていこうという精神でつくられたものであるというぐあいに私ども認識をいたしておるところでございますので、そういう意味で、ふだんの先生の主張と私ども、逆に言えば、これは全く同じだと思っています。

 ただ、生活の、いわゆる所得の問題がどうしてもそれに伴いますから、所得の低い方につきましては、この方については、やはり所得を見ながら、利用について一応一割という原則は決めていますけれども、必ずその中でいろいろな所得についての配慮をしていくということについて頑張っていこうというぐあいにする制度でございます。

 そういう制度について、ぜひ、私ども、逆に言えば、今まで先生が主張してきただけに、御理解いただきたいというぐあいに思っている次第でございます。どうぞよろしくお願いします。

中根委員 副大臣のお言葉に何となく説得されてしまうようなペースになってきましたので、ちょっと話題を変えます。

 金子みすゞさんという詩人がいらっしゃいまして、僕の好きな詩を一つ紹介いたしますが、「私と小鳥と鈴と」という詩なんですけれども、

  私が両手をひろげても、

  お空はちっとも飛べないが、

  飛べる小鳥は私のやうに、

  地面(じべた)を速くは走れない。



  私がからだをゆすっても、

  きれいな音は出ないけど、

  あの鳴る鈴は私のやうに、

  たくさんな唄は知らないよ。



  鈴と、小鳥と、それから私、

  みんなちがって、みんないい。

ということなんです。この「みんなちがって、」の部分なんですけれども、これは何が違うと思われますでしょうか。

 では、二者択一にいたしましょう。能力が違うのか、個性が違うのか。違うという部分は能力なのか個性なのか、どちらかだとしたら、どちらだと思われますか、「みんなちがって、みんないい。」というのは。大臣。

    〔北川委員長代理退席、委員長着席〕

尾辻国務大臣 つい、やはり両方とも違うのかなと思ったりもいたしますが、二つのうちのどっちかで答えろとおっしゃれば、やはり性格が違うのかなというふうに思います。

中根委員 それで、やはりこれは性格、個性だと思うんです。

 この法律の第一条に、皆さんが問題にしておられる文言があるんですね。「障害者及び障害児がその有する能力及び適性に応じ、」という部分なんです。「その有する能力」、能力に応じて自立した社会生活を送りなさい。能力があれば、せっせと稼いで、たくさん利用料を払って暮らしなさい。能力がなければ、能力がないなりに貧しい生活を送りなさいと読み取れてしまうわけなんです。これは、やはりこの文章は変える必要があると思います。

 例えば、今申し上げたように、「能力及び適性」ということではなくて、「能力」の部分を、例えば「個性」とか、そういうふうに変える必要があると思います。いかがでしょうか。

塩田政府参考人 この自立支援法案の目的の「能力及び適性に応じ、」という言葉ですけれども、この前提は、すべての障害者は能力を持ち、適性を持っているという大前提でございます。どんなに重い障害者も能力を持っている。例えば、生きるというその姿自身も能力という大前提で、すべての障害者は能力を持っているという前提で書いておりますので、その能力をいかに生かすか。それは、働くこともそうですが、生きようとする姿もそれだと思います。すべての障害者を応援しようという趣旨で書かれた条文であります。先生がおっしゃった趣旨、個性を生かす、個性に応じ、適性に応じも、当然同じ趣旨で含まれていると考えております。

中根委員 この法律の目的、一番精神が書かれていると思われる一条に、能力に応じてというふうに書かれているわけなんです。ところが、その利用者の負担は、今までの応能負担から、能力に応じてという応能負担から、応益負担へ、一割負担へ変わってしまうわけです。これは、自己矛盾していると思われませんでしょうか。

塩田政府参考人 今度の法案の利用者負担の考え方は、繰り返し申し上げておりますけれども、みんなで障害者福祉のサービスを伸ばすときの負担をどうするかという観点から考えたつもりでありまして、国も都道府県も市町村も、そして障害者も、それぞれの立場でできる限りの負担をしようということでありまして、その際に、一定のサービスのところまでは定率でお願いし、一定以上になれば定額、四万二百円というところで抑える、そういう考え方でありますので、応益とか応能とか、そういう一つの言葉でその考え方をあらわすべきじゃないと思っております。

 これから障害者が地域で暮らす、特に精神障害者も含めて、市町村でいろいろな仕事をやっていく上で、将来も含めてどういう財源の仕組み、どういう制度の仕組みを活用することによって障害者が地域で本当に暮らせるようになるかという、将来を見通した場合にどういう制度設計をするかという観点から、介護保険制度とかいろいろな制度もにらみながら参考にして、とりあえずこれではどうかということで御提案を申し上げているつもりでございます。

中根委員 やはり応益はだめですよ。だって、応益だったら、それがいいと思うならそれを貫けばいいじゃないですか。なのに、上限を設定したり、ハイブリッドと言ってみたり、応能的な要素を入れてみたりと、やはりどこかに後ろめたいところがあるからそうしているわけじゃないですか。

 それから、もう一回聞きます。この上限額の根拠、四万二百円とか二万四千六百円とか一万五千円とか、これは何か合理的な根拠があったんでしょうか。もう一回、きちんと簡潔明瞭にお願いします。

塩田政府参考人 ほかの社会保障制度、老人保健制度とか介護保険制度とかいろいろな制度の横にらみで、この所得の場合にはこの程度が限度額という考え方でそれぞれ設定されておると承知しておりますので、その考え方に準拠して障害者自立支援法案の利用者負担についても提案をしているということでございます。

中根委員 やはりそこなんですよ、部長。制度ありきで、法律の整合性や制度の整合性は成り立っても、障害者の暮らしがそこで崩壊をしてしまったら、この国は崩壊をしてしまいますよ。政府も破綻をしてしまいますよ。そんな国にだれが住みたいと思いますか。私たちは、そういう弱い人、困った人、そういう人たちに使ってもらいたいと思って税金を納めているんじゃないですか、その税金を有効に使えば。無理やり一割負担という概念を取り入れてみんなで支え合うと。みんなで支え合う中には、何で障害者が、自分たちが支えてもらいたいと思っているのに、ちょっと支えてもらいたいという言葉じゃないかもしれませんが、何で支える側にここで無理やり回されなければいけないのかと、どうしても納得できないわけなんですね。この一割負担、あるいは四万二百円、二万四千六百円、一万五千円、この合理的な説明が、制度の整合性じゃなくて、障害をお持ちの方々の、あるいはその家族の暮らしをきちんと見据えた上で説明がなされない限り、この法案はやはり私たちは賛成することができないじゃないですか。

 部長、もう一回、制度の横並びじゃなくて、暮らしを見詰めた上でどうだということを、恐らくもう一回私たち、もう一巡はさせてもらえると思いますので、それまでにきちんとした正しい答えを見つけてきてくださいよ。そうでなきゃ、やはり困りますよ。これはそのときまででいいです、二回目で。

 それで、やはりみんなが心配しているのは、十月からということなんです。あるいは一月から、それから来年の十月から。特にこの自立支援医療の部分は、何で十月からなんだと。それが一年延びても、例えば同じ制度をやるにしても、その制度をやっちゃいけないんですけれども、例えば一年先じゃいけないのか。これは何でなんですか。素朴な、素朴過ぎて申しわけないんですけれども、何でなんですか。

塩田政府参考人 財源のことばかりと怒られるかもしれませんけれども、福祉サービスにしろ公費負担の医療サービスにしろ、今の構造では、国、都道府県、市町村がこのままでシステムを維持することは大変難しいということでありまして、特に支援費に関して言えば、去年もおととしも、いわゆる私たちの世界のルール破りをしてお金を確保したということでありまして、そういうようなことではなくて、やはりきちんとしたルールで堂々と予算を獲得したいという意味で、一日も早くそういうものにしていただきたいという気持ちで提案しているところであります。

中根委員 ルール破りといったって、それはお役所の中のルールかもしれませんが、国民はそのことは何も怒っていませんよ。それは大丈夫なんです、そのことは。安心してやってください、これからも。大丈夫です、それは。

 それはともかくとして、十月から自立支援医療を開始しなきゃならない、その理由をもう一回答えてください。

塩田政府参考人 なるべく早く改正をしたいということでありまして、準備が整い次第ということであります。

中根委員 なるべく早くしたいというのは部長、部長とは言いませんけれども、厚生労働省あるいは政府の御都合であって、当事者の方々はなるべく遅い方がいいと言っているわけです。これは、国民の代表として我々国会議員をやらせてもらっている、国民の奉仕者として公務員をやっていらっしゃる、何で国民の意見がそこに反映されないのか。国民を代表する両者がやっていて、何で国民が疎外されるという結果だけが生まれてしまうんでしょうか。もう一回お願いします。

塩田政府参考人 障害福祉に関する予算全体をいかにこれからも確保していくかという観点からいろいろな制度を立案し、制度の施行時期も立案したということでありまして、公費負担医療の見直しの時期については、今年度予算においても十月を前提で予算編成をいたしましたし、繰り返しになりますけれども、そういうことであります。

中根委員 やはり納得できる理由になっていないんですよ。大臣、いかがですか、ここは。なぜ十月から、十月からでなきゃいけない理由。いいじゃないですか、それが例えば来年の四月になっても。本来いけないんです、この法案はだめなんですけれども、そこは物の言い方が難しいんですが、例えば来年の十月じゃいけないんですか。いかがですか、これは。

 余りにも、本当に、就労支援、就労とかあるいは所得の確保が前提だと言っていますね。今、五月ですよね、今から四、五カ月、法案が成立してからでいえばもう二、三カ月ということになるかもしれません。その間に就労状況あるいは所得状況が改善するわけがないじゃないですか。やはりそういったものが前提だというふうに皆さんも言っていらっしゃるわけですから、そのことが改善されて初めて、障害者の皆さんに負担をお願いする部分は初めてそれはお願いしますということが言えるんじゃないでしょうか。

 このスタートの時期、やはりそこは当事者の方々、なぜなんだろうというふうにみんな思っていますよ。私たちもそう思います。今までの議論の中でも、やはり納得できません。特に医療の部分、なぜ十月から、急がなきゃいけないんでしょうか。大臣、お願いします。

尾辻国務大臣 部長が支援費制度が財政的に大変厳しくなってといったところから御答弁申し上げたあたりをもう一度申し上げることになるわけでありますけれども、そうした今までの支援費制度の中で大変厳しい財政的な状況が生まれた、そして、部長なりの表現で言いましたけれども、昨年補正予算を組むということ、この補正で組んでもらうということ自体、大変私たちは厳しい状況の中で何とか補正予算を組んでもらったということを改めて今率直に申し上げるわけであります。

 そうした中でずっとやってきて、再三申し上げておりますけれども、私たちの思いとして、毎年毎年こんなこととても繰り返せやしない、これはどうしても義務的経費の中に繰り入れておかないと将来危うくなるというふうに思って、とにかく義務的経費に組み込みたい、今年度予算を義務的経費の中で組みたいということを一生懸命考えて何とかそれに向かって事を進めてきたということは、ぜひ御理解いただきたいと思います。そしてまた、そのことについて先ほど評価していただいたことは、本当にありがたいと思います。

 結局、そういうふうにして持っていく中で、私どもも、この法律をつくって、そしてやれるものは一つずつどんどんやっていくからという前提がなければ、やはりそこまでいかないという。したがって、法律をつくって、やれるものは一つずつちゃんと早目にやりますからと、これはやはり言わざるを得ない、それが私どもの約束になるということもまた御理解いただきたいと存じます。

中根委員 それは、国民の皆さんが喜ぶことだったら、やれるものはなるべく早くやりましょうということなんでしょうけれども、困ることをなるべく早くやりましょうと。それも、その理由が、もう今まで二年間してきた苦労はしたくないと。皆さんが苦労したくないことのあれを、今度は、皆さんが楽になるかわりに障害者の方々が御苦労することになっちゃうんですよ。これはやはり納得できないんじゃないでしょうかね、今の大臣とそれから部長の御答弁では。

 老健局だったら、こんなことを言いませんよ。言っても、人間味のない彼らでは、もうあきらめますよ。だけれども、尾辻大臣だし塩田部長だから、僕はあえてこういうことを申し上げるんですよ。もしかしたら、言えば変えてくれるかもしれないという望みがあるから言っているんですよ。お願いしますよ、何とか。

 障害を持つ親、福島先生も、福島先生の名前を上げては申しわけないんですけれども、みんな闘い続けているんです。子供が障害を持った、障害を持った子が生まれたというふうなことを、その事実を突きつけられたときに、どれほど葛藤をするか。その事実の受容にどれだけ苦しんで、あらゆるところに相談したり、医者でもないのに医学書を買い込んできていろいろ調べちゃったり、いろいろなことがあるんですよ。みんな、そうやって苦労しているんですよ。それをみんなで支え合うというふうに言われても、それはだめですよ。

 だけれども、払えるものは払う。みんな、障害者の親でも障害者本人でも、それは甘えてばかりでもいけないというふうには思っています。払えるんだったら払いますよと。

 例えば私の家庭では、支援費制度、三十分で八百円です。うちの妻は、三十分八百円、一時間千六百円ですよね、ひいひいいっていますよ、正直な話。それでも、応能負担というふうに言われれば、それだけの所得があるから、それは義務としてといいますか、払いますよ。それは、能力に応じて払える人は払う、払えない人は国がきちんと責任を持ってバックアップしていきましょうという制度でなきゃ、福祉国家とは言えないじゃないですか。

 定率負担という言葉に変えられましたけれども、ハイブリッドといって、応能という仕組みも導入して上限を設けたということであるならば、ここは思い切って、今まで支援費制度が応能でやってきたわけじゃないですか。それを皆さんは喜んで、本当は喜んでいるわけがないと思うんですが、喜んで受け入れて、この制度で私たちの暮らしはもしかしたら展望が開けるかもしれないということでやってきたら、たった二年、三年で変えられてしまうということじゃないですか。一たん取り入れた応能というものを、もう少し試してみてもいいんじゃないでしょうか。

 義務的経費とセットになった一割負担というから、みんな納得できないのであって、そこに合理的な理由があれば納得できるかもしれない。でも、今までの質疑の中で、その納得できる理由は全く示されていない。やはり、この法案は今のままでは受け入れることができない。そこを変えれば、納得してくれる方もふえるかもしれないじゃないですか。上限を設けて、そんな、丸々の一割じゃないわけですから、もともとこの法案自体が。もう少し頑張って、国民の皆さん、障害者の皆さんが、それだったら安心だねというふうなところまで考え直すことはできないんでしょうか。

 部長、もう一回お願いします。

塩田政府参考人 繰り返し申し上げておりますが、これから地域で暮らす障害者を応援するサービスをどう伸ばすかという観点から、関係者がいろいろな負担をしていこうという観点から御提案を申し上げておりますので、それが基本原則でありますし、将来のいろいろな社会保障の活用とか、いろいろな整合性等も見ながら、どういった負担のあり方があるかについては、この委員会でぜひ御審議をしていただきたいと思います。

中根委員 幾つか確認をしながら、もう少し進めてみたいと思います。

 要するに、最もたくさんサービスを利用する方、その上限が百二十五時間だといううわさが流れていますけれども、どうなんでしょうか。そうなっちゃうんですか。

塩田政府参考人 現在の支援費制度の国と地方公共団体の補助金の計算上、限度額が百二十五時間というのがあります。

 今度、仮に議論していただいている法案で新しいシステムに入った場合には、障害程度に応じて、もっときめ細かな国と地方公共団体のお金のやりとりの標準的な額というのを決めたいと思っております。百二十五時間というものではないと思いますし、かつ、法案でも書いておりますように、最重度の方へのパッケージのサービスのジャンルでありますとか重度の方への訪問介護でありますとか、きめ細かに法案ではメニューを書いておりますので、それぞれのメニューのサービスの高さがどのぐらいになるかについては、これはまたしかられるかもしれませんが、今いろいろな調査をしておりますので、そういうものを見ながら、関係者の意見も、自治体の意見もよく聞いて設定していくということでありまして、百二十五時間ということはありません。

中根委員 百二十五時間であるとかあるいは想定されている額が八十万円とか、そんな、二十四時間介護、ケアの必要な方々にとってはとても耐えられない数字がまかり通るような政令であってはいけないということ、そうであるはずがないということを確認させていただいたと思います。

 移動介護、ガイドヘルプは、やはり人それぞれなんですよ。個別給付に変えるべきです。法案を修正すべきです。ここは絶対にやってください。やらなきゃ、私たち、賛成できませんよ。また僕、造反しなきゃいけなくなっちゃいますよ。どうしますか。ちょっと答えてください。

塩田政府参考人 この法案でも重度の方とか行動障害のある方については個別給付という整理にしているところでありますが、その他の方については今度の法案では地域生活支援事業ということで、自治体の方の事業でニーズに応じて弾力的にできるようにという観点で整理をしております。

 私も、おいっ子が知的障害を持っておりますけれども、やはり知的障害の場合、ケースによっては、みんなで突然行ったりとか、臨機応変に受けるというサービスのあり方も一つだと思います。

中根委員 自治体がやってくれればいいんですけれども、そこがやはり不安なんですよ、みんな。どこの自治体だって、お金がない、お金がないとかと、みんな言っていますよ。国ができないことを自治体にやらせて、何で自治体がやるという確証がみんな持てるんですか。国だって、お金がないからできないということで自治体にやらせているというのがあるんでしょう。まあ、それはいいです。

 だから、もしそのことで、必ず確保できるというふうに言いますけれども、それは言葉だけ今言ってもしようがないかもしれませんが、もし地域間で格差が生じたら、Aという町に住んだらたくさん利用できる、でも、Bというところに住んだら、今度の日曜日でないとガイドヘルプさんがついてくれない、一週間待たないと買い物に行けない、映画も見に行けない、そういうことに、地域間格差が大きなものになっちゃったら、部長、どうするんですか。

塩田政府参考人 市町村中心にいろいろなサービスを提供していただくわけですが、そういう観点から、今度、市町村にとって最も財政負担が重いという部分、在宅サービスのホームヘルプとか重たい部分について義務費にしたということであります。その一方で、比較的、地域活動とかの部分については、自治体の裁量に任せるということで補助金という整理をしたということでありまして、今までは全体が補助金で裁量的経費であったものの、大きな部分、重たい部分は義務費にしたということでございます。

 それによって自治体にとってはかなり財源の負担は軽減されるはずですし、その中で工夫はしていただけると思いますが、補助金であっても、私どもとして最大限、これまでと同じ、これまで以上に予算確保に努力はしないといけないと思っておりますし、それは私どもも、大きな部分が義務費になっているということによって、裁量的経費の部分についてさらに一層獲得に向けて努力できる、余地ができるということになりますので、頑張ってみます。

中根委員 これは、もしそういう我々が心配している事態になってしまったら、部長、そのとき部長でいるかどんな役職でいるかわかりませんけれども、その職をかけて今ここで約束してくれるということですね。大臣も、大臣は九月まででしょうから、国会議員のその職を賭してこの法案を出している、障害者の方々の暮らしに大きな支障が出てしまったらその責任は何らかの形でとってくれるということですね。そこまでの覚悟があって法案を出しているということですね。副大臣も、みんなそうですね。

 うなずいていらっしゃるから、そのときに、そうなったらまた改めてどういう責任のとり方をしますかということをお尋ねさせていただきますので、そうならないように当然願っていますけれども、そうなるということが本当に今のうちから、この段階でかなりの蓋然性で心配されるじゃないですか。心配されることを今こうやって審議している間にお互いに修正していけば、あるいは法律そのものをもう一回出し直すとかつくり直すとかしていけば、みんな納得できるじゃないですか。それを、心配がいっぱいある法律を何で今無理やり通そうとしているのか、これが納得できない。

 それぞれ個性も違う、能力も違う、障害も違う、種類も違う。共通の尺度というのはできるんですか。

塩田政府参考人 障害程度区分の御質問と理解して御答弁申し上げます。

 障害程度区分については何人もの委員の方から御質問を受けましたが、全国一律の物差しでつくりたいと思っています。しかし、実際のサービスの決定に当たっては、一人一人の置かれている状況、介護する方がおられるのか、住まいの状況はどうかとか、就労の意欲があるかとか、個別にいろいろ勘案しなきゃいけないことがありますので、最終的には市町村長が一人一人のニーズに応じてサービスを決定するということでございますし、そのサービスを決定する際には、御本人とか御家族とか介護者とか、いろいろな方の意見をよく聞いて、その人に合ったサービスを、市町村が責任を持って一人一人に合ったサービスを決めていただく、そのための応援をどうするかという議論をさせていただいているのだと思っております。

中根委員 サービスを決定する際、障害程度区分を決める際、必ず審査会には当事者を入れてもらうことを約束してください。

 それから、今の支援費制度でも、その程度区分、サービスの支給量を決定する際、例えばうちでもそうです、市役所の方にお越しをいただいて、お互いに面談し合って、子供を真ん中に入れて話し合って、子供を見てもらいながらやるんです。書類だけで審査しないで、必ず当事者に会う。審査会に当事者を入れるということ、決定の際には本人に必ず面談をするということ、この二つ、約束できないでしょうか。

塩田政府参考人 市町村長が責任を持って最終的なサービスを決定しますので、市町村長がかかわるプロセスは、一番最初に相談員の方が面接されますけれども、そのときには当然、御本人の意向、親御さんの意向、介護者の意向、個別にきちんと聞かねばいけないと思いますし、審査会に出す案をつくる際にも、私が市町村長なら部下に対してちゃんと聞いてこいと申し上げますし、最終決定をする際にも必ずそう申し上げると思います。

 ただ、審査会というのは、これは意見が分かれるかもしれませんが、公平、客観的に専門家の方に審査していただくということになっていますので、私は、審査会の中にも障害を持っていて専門性があるという方がいればぜひ入っていただきたいと思っていますが、それも最終的には市町村長が御判断されると思いますけれども、市町村長さんは常識に沿った賢明な御判断を必ずされると思いますし、審査会が必要に応じて障害者の御意見を聞くことも当然あってしかるべきだと私は思っております。

中根委員 専門家と言われている人ほど怪しいものはないということなんですよ、残念ながら。世の中の専門家の方には申しわけないけれども。当事者が入らないとやはりだめです。あるいは、百歩譲っても家族、親族。当事者が入るということを約束してもらえないでしょうか。今、一つは約束してもらいましたよね。必ず障害者本人に、書類だけで審査するのではない、当事者に必ずだれかが会う。もう一つ、その審査会の中に当事者を入れるということを約束してください。お願いします。

塩田政府参考人 審査会は客観性、専門性の観点から障害者福祉に関する学識経験者になっていただくという法律になっております。

 障害者であってそういう専門性のある方、いっぱいいらっしゃるはずですので、そういう方に入っていただければと思います。

中根委員 もしこの法案がこのまま通ったら、介護保険も改悪をしてしまった、障害者自立支援法でまた障害者福祉を改悪する。大臣、このままでは歴史に名を残す悪大臣ということになってしまいますよ、本当に。尾辻大臣のようないい大臣が、歴史に残ったときに、その本来のよさをあらわすことなく、障害者福祉と介護保険を改悪した大臣だということで記されてしまうということは僕にとっては耐えられないことなんです。

 だから、ここは大臣のリーダーシップを発揮していただいて、今私たちが求めているさまざまなこの法律の修正、あるいは、それができないようであれば、凍結といいますかもう一度つくり直すというようなこと、そういったいろいろな私たちが求めていること、それはすなわち国民や障害者が求めているということ。このことをきちんと受けとめてもらう。そうでなければ、尾辻大臣じゃないじゃないですか。

 大臣、例えば、法律のことも今申し上げていますけれども、障害という言葉あるいは自閉症という言葉。みずから心を閉ざす、そういう勝手なわがままな子、つき合いの悪い子、暗い子、そういうふうに受けとめられてしまうようなそういう言葉。言霊と言われるように、言葉というのはやはり大事なんです。できれば九月以降も残っていただきたいと思いますけれども、尾辻大臣の間に、この障害という言葉、自閉症という言葉、あるいはこの自立支援法を改めてもらうように、用語の問題から含めてお願いをしておきたいと思います。

 あの大臣のときに障害という言葉がなくなった、自立支援法という形で本当に障害者が文字どおり自立できる法律がつくられた、そういうふうに、大臣、名前を残しましょうよ。尾辻大臣の名前がそこで残れば、ここで審議している私たちの名前も大臣と一緒に残るわけですから。いいことばかりじゃないですか。

 大臣、この法律は、やはり当事者の方々、特に地方の声、現場の声をきちんと聞くことによって十分変えていくことができるはずなんですよ。今までそれをしてこなかったんだから。今からでも遅くない、それをやればいいじゃないですか。別に無理やり十月から自立支援をやらなくたって、全く、全くと言ってはあれですけれども、恐らく支障はないでしょう。(発言する者あり)十六億のために。

 二十九条の八項というところで、この自立支援法の支払い事務を国保連合会に委託するということになっています。国保中央会の副会長である西川京子先生もここにいらっしゃいますけれども、なぜ国保連合会なのか。介護保険との統合というもの、活用というもの、将来の介護保険との合体というもの、一本化というものを見据えた国保連合会への委託、あるいは一割の定率負担ということじゃないでしょうか。そこに、制度ありきで国民の暮らし置き去りということが、この二十九条の八項、国保連合会へ事務を委託するということにもあらわれているんじゃないでしょうか。なぜ国保連合会なんですか。

塩田政府参考人 御指摘がありましたように、この法案では、給付費の支払い事務につきまして、市町村が国保連合会に委託できるという規定を入れているところでございます。

 この趣旨は、今度の法案によるサービスと介護保険のサービス、両方受けている場合に、限度額を計算するのに合算して計算するという特例を設けておりますので、介護保険に関するいろいろなデータを持っている国保連合会を活用するということが利用者の立場に立って必要だという観点からこういう規定を入れさせていただいております。

中根委員 国保中央会は、国保連合会からの上納金をかすめ取って悠々と活動している、北郷理事長を初めとして。既得権益、権益ばかりを拡大させることばかり考えていて、そして国民の暮らしは、障害者の暮らしは犠牲にする。そこにも、国保連合会に委託するというこの一つにも、いかがわしい気持ちがあらわれているんじゃないでしょうか。

 最後になってしまうと思いますけれども、大臣に一つ聞きたいと思います。

 自立という言葉、どうしてもこの法律を読んでいると、自立というのが、職業自立というような言葉に受けとめられてしようがないんです。

 障害を持っている方、あるいは病気の方、働けない方、稼得能力の少ない方、もしこの方々が何か不法行為等で命を落とすことになった、死んでしまった、そして民事裁判を行って損害賠償請求が行われた。そのときに、障害者、障害を持った方々、作業所とか授産施設で一年間に十万円しか稼げない人、この方々の逸失利益というもの、それから、大臣のように何千万円も稼ぐ方の逸失利益。障害を持った方々は就労状況も所得状況も厳しい状況にある、そういった方々が命を落としたときに、賠償を求められた。逸失利益は、たくさんお給料をもらっている方よりも少なくなってしまう。この命の価値の不公平について、大臣、どう思われますでしょうか。

尾辻国務大臣 自立という言葉から始まっての今のお話でございますので、私も、先生がどういうことを言いたいと思っておられるか、あるいは私にどういう趣旨で御質問になっておられるかということ、そういう意味で私なりに理解をして今の御質問にお答えさせていただきたい、こういうふうに思います。

 これも先日申し上げたかと思いますけれども、私はやはり、今言っておりますことは、少し最初の部分を冗談っぽく言いますと、昔は揺りかごから墓場までと言ったんだけれども、今はお母さんの胎内のときに虐待が始まったりするとかいうから胎内からかななんて、そこの部分を半分冗談を交えて言っているんですと、こういうふうに言う部分でありますけれども、そんなことはおいておきまして、とにかく、人間が一生を通して尊厳を持って生きていく、自分らしく、人間らしく生きていく、このことが一番肝心なことだと思っておりまして、社会保障の精神というのも、まさに国民の皆さんに、そうやって生きていけるようにちゃんと整備をする、セーフティーネットもつくっておくということが仕事なんだというふうに思っておるわけでございます。

 私が自立というふうに言いますときに、その自立という意味は、決して今先生が狭い意味でおっしゃったような、仕事をして稼ぐ、そういう意味で自立するという意味じゃありませんで、やはりその人らしく尊厳を持って生きていくというのがまさに自立だと思っておりまして、今度の障害者自立支援法における自立という意味もそういう意味で言っているんだということを改めて申し上げたいと存じます。

中根委員 職業がなければ、働けなければ、稼げなければ、命の価値が、一人の人間の価値が下がってしまうというような社会であってはいけない。今まさに大臣が御答弁をいただいたような意味合いでの自立というものが実現されていってほしい、そんな思いでございます。

 きょうは、そのほかにも、障害者雇用促進の関係で独法の高齢・障害者雇用支援機構についてもいろいろと質問をしたかったし、それから、カリタスのことを初めとした虐待問題についても質問を予定させていただいておりましたけれども、恐らくまた来週以降もう一度機会を与えていただけるものと思っておりますので、その際にお願いすることといたしまして、切りのいいところで終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

鴨下委員長 次回は、来る十七日火曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時二十六分散会


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