衆議院

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第22号 平成17年5月17日(火曜日)

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平成十七年五月十七日(火曜日)

    午前九時二分開議

 出席委員

   委員長 鴨下 一郎君

   理事 大村 秀章君 理事 北川 知克君

   理事 長勢 甚遠君 理事 宮澤 洋一君

   理事 五島 正規君 理事 三井 辨雄君

   理事 山井 和則君 理事 福島  豊君

      青山  丘君    井上 信治君

      石崎  岳君    上川 陽子君

      木村 義雄君    小西  理君

      河野 太郎君    菅原 一秀君

      高木  毅君    谷  公一君

      谷川 弥一君    中山 泰秀君

      西川 京子君    原田 令嗣君

      福井  照君    三ッ林隆志君

      三ッ矢憲生君    御法川信英君

      宮腰 光寛君    森岡 正宏君

      渡辺 具能君    石毛えい子君

      泉  健太君    泉  房穂君

      内山  晃君    大島  敦君

      城井  崇君    岸本  健君

      小林千代美君    城島 正光君

      園田 康博君    中根 康浩君

      藤田 一枝君    松野 信夫君

      水島 広子君    横路 孝弘君

      米澤  隆君    古屋 範子君

      桝屋 敬悟君    山口 富男君

      阿部 知子君

    …………………………………

   厚生労働大臣政務官    森岡 正宏君

   参考人

   (社会福祉法人日本身体障害者団体連合会事務局長) 森  祐司君

   参考人

   (社会福祉法人日本盲人会連合会長)        笹川 吉彦君

   参考人

   (特定非営利活動法人DPI(障害者インターナショナル)日本会議事務局長) 尾上 浩二君

   参考人

   (社会福祉法人全日本手をつなぐ育成会常務理事)  松友  了君

   参考人

   (財団法人全国精神障害者家族会連合会理事長)   小松 正泰君

   参考人

   (財団法人全日本聾唖連盟理事長)         安藤 豊喜君

   手話通訳         市川恵美子君

   手話通訳         松本美代子君

   参考人

   (社団法人全国脊髄損傷者連合会副理事長)     大濱  眞君

   参考人

   (日本障害者協議会常務理事)           藤井 克徳君

   厚生労働委員会専門員   榊原 志俊君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月十七日

 辞任         補欠選任

  中山 泰秀君     谷  公一君

  原田 令嗣君     三ッ矢憲生君

  三ッ林隆志君     高木  毅君

  園田 康博君     松野 信夫君

  橋本 清仁君     城井  崇君

同日

 辞任         補欠選任

  高木  毅君     三ッ林隆志君

  谷  公一君     中山 泰秀君

  三ッ矢憲生君     原田 令嗣君

  城井  崇君     岸本  健君

  松野 信夫君     園田 康博君

同日

 辞任         補欠選任

  岸本  健君     橋本 清仁君

    ―――――――――――――

五月十七日

 労働安全衛生法等の一部を改正する法律案(内閣提出第六〇号)

同日

 介護保険の改悪反対、改善に関する請願(小林憲司君紹介)(第一一七四号)

 同(長島昭久君紹介)(第一一八六号)

 同(羽田孜君紹介)(第一二〇一号)

 同(一川保夫君紹介)(第一二二一号)

 パーキンソン病根本治療研究促進に関する請願(河野太郎君紹介)(第一一七五号)

 同(松本剛明君紹介)(第一一七六号)

 同(石田真敏君紹介)(第一二〇三号)

 同(高木美智代君紹介)(第一二二二号)

 同(城島正光君紹介)(第一二四六号)

 同(寺田学君紹介)(第一二六一号)

 腎疾患総合対策の早期確立に関する請願(大畠章宏君紹介)(第一一七七号)

 同(渡辺喜美君紹介)(第一一八七号)

 同(長勢甚遠君紹介)(第一二〇四号)

 同(古屋範子君紹介)(第一二四七号)

 同(原口一博君紹介)(第一二六二号)

 同(田嶋要君紹介)(第一三〇三号)

 同(安住淳君紹介)(第一三二三号)

 同(塩崎恭久君紹介)(第一三二四号)

 同(菅原一秀君紹介)(第一三二五号)

 同(中村正三郎君紹介)(第一三二六号)

 総合的難病対策の早期確立に関する請願(河野太郎君紹介)(第一一七八号)

 介護保険・障害者福祉の利用制限や負担増などの改悪反対に関する請願(楢崎欣弥君紹介)(第一一七九号)

 同(山田正彦君紹介)(第一一八八号)

 同(北橋健治君紹介)(第一三〇六号)

 パートタイム労働者の均等待遇実現に関する請願(高木義明君紹介)(第一一九四号)

 同(中村哲治君紹介)(第一一九五号)

 同(細川律夫君紹介)(第一一九六号)

 同(川内博史君紹介)(第一二四八号)

 同(東門美津子君紹介)(第一二四九号)

 利用者負担の大幅増など介護保険の改悪反対に関する請願(羽田孜君紹介)(第一一九九号)

 HAM及びHTLV―1ウイルス感染症の対策強化に関する請願(松岡利勝君紹介)(第一二〇〇号)

 臓器の移植に関する法律の改正及び臓器移植の普及に関する請願(松岡利勝君紹介)(第一二〇二号)

 同(菅原一秀君紹介)(第一三二二号)

 カネミ油症被害者の抜本的な恒久救済対策の完全実施に関する請願(原口一博君紹介)(第一二六〇号)

 安心できる介護制度など社会保障の拡充に関する請願(小林憲司君紹介)(第一二七四号)

 乳幼児医療費無料制度の創設に関する請願(下条みつ君紹介)(第一三〇一号)

 同(永田寿康君紹介)(第一三〇二号)

 医療費負担軽減、介護保険の改善に関する請願(岡本充功君紹介)(第一三〇四号)

 同(牧義夫君紹介)(第一三〇五号)

 同(古川元久君紹介)(第一三二七号)

 医療・介護等の制度改革に関する請願(森英介君紹介)(第一三二〇号)

 視覚障害者のための職場介助者制度の適用期間延長に関する請願(五島正規君紹介)(第一三二一号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 障害者自立支援法案(内閣提出第三五号)

 障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第三六号)


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     ――――◇―――――

鴨下委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、障害者自立支援法案及び障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。

 本日は、両案審査のため、午前の参考人として、社会福祉法人日本身体障害者団体連合会事務局長森祐司君、社会福祉法人日本盲人会連合会長笹川吉彦君、特定非営利活動法人DPI(障害者インターナショナル)日本会議事務局長尾上浩二君、社会福祉法人全日本手をつなぐ育成会常務理事松友了君、以上四名の方々に御出席をいただいております。

 この際、参考人の方々に一言ごあいさつ申し上げます。

 本日は、御多用中にもかかわらず本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただき、審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。

 次に、議事の順序について申し上げます。

 最初に、参考人の方々から御意見をそれぞれ十五分以内でお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。

 なお、発言する際は委員長の許可を受けることになっております。また、参考人は委員に対して質疑することはできないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。

 それでは、まず森参考人にお願いをいたします。

森参考人 社会福祉法人日本身体障害者団体連合会事務局長の森祐司でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 また、このような機会を与えていただきましたことについて、冒頭、ごあいさつ申し上げたいと思います。ありがとうございます。

 それでは、私の方では、障害者自立支援法案につきましてレジュメを提出しておりますので、このレジュメに基づきまして御説明申し上げたいと思います。よろしいでしょうか。

 まず初めに、社会福祉法人日本身体障害者団体連合会(以下「日身連」という)は、組織内に、介護制度問題等にかかる検討委員会(委員長前田保日身連副会長)を設置いたしまして、検討してきました。そして、十六年十一月二十四日に、「障害者施策と介護保険制度の関係について 日身連の見解」として発表いたしました。本日は、本見解に基づきまして、障害者自立支援法案につきまして、以下のとおり御説明させていただきます。

 二、制度改正に関する日身連の基本的な立場でございます。

 まず、第一番といたしまして、現行サービスの水準を低下させないこと。

 第二番、障害者施策推進のための安定的な財源を確保すること。

 第三番、施設から地域生活へ、あるいは扶養義務者も含めた負担から個人本位へ、ニーズに応じた施設、サービス体系の再編など、これまで積み上げられてきた理念あるいは原則に逆行しないこと。

 四番、障害者基本法の理念に基づき、障害者の自己決定を尊重し、障害者の自立と社会参加を促進すること。

 五、全国どこでも必要なサービスを平等に利用できること。

 六、障害者が暮らしやすい町はだれにとっても優しい町、いわゆる共生社会の実現を目指すことということが法改正に当たりましての基本的な立場でございます。

 第三番、障害者自立支援法案に対する日身連の評価でございます。

 第一、身体障害者、知的障害者、精神障害者(三障害者)が同じ仕組みで福祉サービスを受けられるようになったこと。

 二、障害のある人が普通に暮らせる地域づくりや、障害のある人のニーズや適性に応じた自立支援など、障害者の地域生活の保障に主眼が置かれていること。

 三番、居宅サービスを含めた支援費を義務的経費化し、安定的な財政制度を目指す方向が示されていること。

 四、機能面に着目した施設体系等の再編、見直しを行っていること。

 五、自治体にサービス供給量の数値目標等を明記した障害者計画の作成を義務づけていること。

 こうした点は、これまでに日身連として訴えてまいりました障害者施策の目指すべき将来方向や、上記二の制度改正に関する日身連の基本的な立場と大筋において一致しているものであり、本案について基本的には賛成するものである。

 ただし、次の課題について解決を強く要請するものであります。

 四、解決を求められる具体的な課題。

 一、サービス水準。

 現行の支援費制度による障害者一人一人のサービス水準を低下させないこと。特に、最重度障害者の長時間介護サービスが確保できるよう必要な支援水準を確保すること。

 二番、地域間格差。

 サービスの利用に関する地域格差を縮小し、全国どこでも必要なサービスを平等に利用できるようにすること。

 三、利用者負担。

 利用者への定率、応益負担は、居宅サービスを含めた支援費制度予算の義務的経費化と表裏一体をなす本法案の大きな課題であります。

 利用者負担につきましては、まず、本人本位の観点から扶養義務者の負担を撤廃すること。特に、負担上限額の設定に際してもこの考え方を堅持すること。

 措置から契約への本質は、サービスを障害者本人自身のお金で購入することである。したがって、障害者の所得保障が前提となる。定率負担の導入を踏まえると、現行の障害基礎年金の水準では不十分であり、年金額の引き上げを含む障害者の所得施策について本格的な検討に着手すること。

 利用者負担額について、経過措置を講じ、あるいは段階的に引き上げるなど、きめ細かい低所得対策を行うこと。

 就労関係の施設や事業(就労移行支援事業、就労継続支援事業など)は、働くことを目的としており、類似の機能を有する職業能力開発事業等との取り扱いの整合性についても前向きに検討すべきである。

 四、ガイドヘルパー。

 視覚障害者のガイドヘルパーは、地域生活や社会参加を促進するために大変重要な役割を果たしている。移動や参加を保障するこのサービスについて、水準の低下や地域格差が生じないよう、国が責任を持って必要な財政措置等の措置を講じること。

 五、グループホーム、ケアホーム。

 身体障害者のグループホームの創設について検討すること。重度の障害者を対象としたケアホームは障害程度区分別に住む場所を特定化しないこと。グループホームやケアホームの定員、ホームヘルプサービスの利用など現行水準から後退しないこと。

 六、評価尺度基準及び市町村審査会。

 評価尺度基準は障害者の自立と地域生活を可能とする適切な基準とすること。市町村審査会の構成メンバーは障害者の多様な特性とニーズなどを十分理解している人を優先すること。

 七、地域生活支援事業。

 市町村の裁量にゆだねられるが、一定程度の水準は必ず確保されるよう位置づけの明確化と個別給付事業と同等の国の財政負担を保障すること。特に、地域生活支援センターになるであろう小規模作業所の位置づけ、移行期間、方法、財政的保障などを明確にすること。

 八、補装具等支給の償還払い。

 補装具等の支給を受ける場合に一時的に高額な費用負担が発生する場合には、高額障害福祉サービス費を受け取るまでの間に対応する貸付制度を各市町村が設けるなどの措置を講ずること。

 九、入所施設での利用者負担。

 施設生活をする障害者の負担軽減措置として、食費や居住費以外、その他の生活費として一定の額が残るよう補足給付制度を設けられているが、その額は障害者が地域生活へ移行するための準備にふさわしい水準にすること。一人部屋利用者について個室利用料の徴収が考えられているが、本来、プライバシー保護の観点等からも個室が当然のものであり、個室に着眼した特別な負担は慎重にあるべきである。

 その他。

 厚生労働省に対して、政省令、要綱等の設計に当たっては、日身連を初めとする各障害者団体との協議、相談の場を今後とも設けることを要望する。

 以上でございます。ありがとうございました。(拍手)

鴨下委員長 ありがとうございました。

 次に、笹川参考人にお願いいたします。

笹川参考人 ただいま御紹介いただきました日本盲人会連合の笹川でございます。座って発言するようにという指示がございましたので、座ったまま失礼をさせていただきます。

 今、全国の障害者は、一体我々障害者の将来はどうなるんだろうかと、大変不安な状況に置かれております。御承知のとおり、平成十五年四月から支援費制度がスタートいたしました。私たちは大変大きな期待と一面不安を持ってこの制度を利用したわけでございますけれども、御承知のとおり、二年にして完全に破綻をした状況でございます。そうした中で、このほど障害者自立支援法が上程をされ、今御審議をいただいております。しかし、私ども障害者自身、この法律の中身をまだまだ十分認識をしておりません。しかも、法律ですからまさに骨格が示された、そういうことで、一体我々はどう対応していいのか、それが率直な気持ちでございます。

 もしこの法律が成立をしなければ、再びあの不安な支援費制度が継続される、これは私どもとしてはかないません。したがって、この法律をぜひ今国会で成立をさせていただきたい、それはやまやまですけれども、このままでは到底、我々障害者の将来を希望を持って見出すことはできません。そういう意味で、いろいろと修正をしていただいて、本当に障害者がそれぞれの地域で安心して生活ができる、国際障害者年の基本理念であります社会への完全参加が実現できるような、そうした内容のものにしていただきたいと思います。

 この法律の精神は、すべての障害者が同じ法律のもとで同じサービス提供を受ける、つまり障害の総合化ということがうたわれております。また、これまでの保護的施策から、社会参加そして自立という方向を見出す、さらにはまた、この制度が継続的、安定的に実施される、こうした理想がうたわれております。もちろん、私どもはこのことについては異存はございません。

 ただ、総合化することによって障害の特性が無視される、そういうことがあっては絶対ならない。特に視覚障害者の場合は、見えないということからくるハンディがたくさんございます。やはりそういう面が十分配慮されて初めて私たちは社会参加ができるというふうに考えております。

 そういう視点に立ってこの法律を見たときに、特に重度障害者、視覚障害のある者にとりましては、移動の問題が大変重要なウエートを占めております。つまり、見えないということは、自由に行動できない、またもう一つ大きなハンディは読み書きが自由にできない。こういった面が保障されれば、私たちは安心してそれぞれの地域で生活ができる。

 特に、これまでの経過を見ますと、移動介護に依存する視覚障害者は大変多うございます。平成十三年に実施された全国身体障害者実態調査を見ますと、全国の在宅で十八歳以上の視覚障害者は三十万五千人と言われております。そのうち五一・五%が七十歳以上でございます。六十歳以上が七三・四%、つまり四人に三人は六十歳以上。しかも、その多くが高齢になってから失明をした人たちです。そういう方々はリハビリテーションをしてもひとり歩きはできません。どうしても移動介護というものが必要になってまいります。

 そういう意味で、これまでの政策では、この移動介護に対してヘルパーの派遣という大変温かい援助がございました。今回のこの法律を見てみますと、第三章の地域生活支援事業、この中に含まれておりますけれども、わずか四文字、「移動支援」、ただこれだけしか書かれておりません。大変私たちは不安です。

 しかも、この地域生活支援事業は裁量的経費で対応されるということになっておりますから、いわゆる義務的経費ではありません。年度内に予算がなくなったら一体その後はどうなるのか、この辺についても全く保障がない、こういう点では極めて不十分だと言わざるを得ません。せめてこの移動介護だけでも、いわゆる自立支援給付の方に含めていただきたいというふうに考えております。

 それから、費用負担につきましては、先ほど森参考人が申し上げましたので重ねて申し上げませんけれども、やはりこのサービスというのは障害当事者に対して行われるものであって、当然障害者本人の所得を対象とすべきだと思います。同一世帯の収入も含めるというようなことでは、障害者自身の権利は保障されません。障害者自身が選択をしてサービスが受けられる、これが基本だと思います。

 また、多くの障害者は極めて低い収入の中で生活をしております。そういう点から申し上げますと、何とか低所得者に対しては負担を軽減していただきたい。今、基準が示されておりますけれども、もし必要で利用した場合、すぐに日常の生活費にかかってまいります。そういう点は十分御配慮いただきたいということでございます。

 それから、今回のこの法律の中で、障害者の社会参加の基本となる就労の問題がうたわれております。これは画期的なことだというふうに私どもは受けておりますけれども、先生方御承知のとおり、障害者の中でも視覚障害者が最もこの就労に困難を来しております。つまり、見えないということで、働ける場というものが極めて制限をされてしまう。働きたい意欲があっても、なかなか働く場がない、これが実態であります。障害者の中でも、特に雇用という面では最も低率、劣悪な状況に置かれております。

 そうした重度の障害者に対する重度障害者介助者助成制度というものがございます。この制度は、十年間アシスタントとして介助者がついて職場で働く、こういう制度でございますけれども、十年間介助者があったからといって、目が見えるようになるわけでも何でもありません。仕事にはなれても、目が見えるようにはならない。したがって、十年でこの介助者制度を打ち切られた場合には、その後、継続就業ということは非常に困難になってまいります。ですから、やはりそういうものに対する援助、つまり、十年間をもっと延長する、あるいは対象となっている職種をふやす、そういうことを図っていただければ、視覚障害者の就業はもっともっと充実されるのではないか。

 今回のこの計画の中でも、空き店舗とか空き学級等の活用ということもうたわれております。そうしたものが重度障害者のために活用されれば大変ありがたいというふうに考えております。

 最後に、一つ触れておきたいと思いますけれども、この法律の中では、障害程度区分というものが行われることになっております。

 先般、この障害程度区分の調査の内容、これはごく一部、全国で六十一自治体で実施されるものですけれども、その内容を見せていただきました。驚きました。調査の内容は、百項目のうちの七十項目は介護保険そのものの調査でございます。障害者のための法律をつくる、その実態を調査するのに、七十項目もいわゆる介護保険のものがそれに含まれる。その中には、全く障害者には適用されないようなものもたくさんあります。

 特に視覚障害者の場合、問題になりますのは、今の介護保険では、例えば手が動く、足が動く、立ち上がりができる、こういった項目がありますけれども、視覚障害者はすべてそれはできます。しかし、たとえ手が動こうと足が動こうと、目が見えなければ、自分でお湯を沸かしお茶を入れるなんというような行為はなかなかできません。ところが、調査からすれば、手足が動けば丸になってしまう。その結果、介護保険では、重度の視覚障害者でもせいぜい要介護三度、それ以下、つまり一度から三度程度にしか評価をされない。しかし、できないことばかりです。

 そういった評価の仕方、認定の基準、これでは正しい意味での障害程度区分は行われないというふうに思います。したがって、本当に障害者の実態が把握できる、そしてまた実際に適用できるいわゆる障害区分にしていただきたいというふうに考えております。

 こうした機会が国会、特に厚生労働委員会で持たれた、つまり、障害者の代表が参考人として呼ばれて発言できる場が与えられたということは国会始まって以来というふうに聞いておりますけれども、私たち障害者は、もっともっと我々障害者の実態を国民の皆さんによく知っていただきたい、先生方はもう十分御承知ですけれども、国民の皆さんに知っていただきたい。そして、今身体あるいは精神に障害がなくても、いつ何どきそういう境遇に置かれる可能性がある、そういうことを国民の皆さんに十分知っていただき、障害者問題が決して一部の人間の問題ではなく、国民全体の問題であるということを認識していただきまして、特にこの障害者施策に対する財源、これは先生方のお力添えをいただかなければなかなか確保できませんので、ぜひひとつ財源確保につきましても最大限の御努力を賜りたいと思います。よろしくお願いいたします。(拍手)

鴨下委員長 ありがとうございました。

 次に、尾上参考人にお願いをいたします。

尾上参考人 DPI日本会議の事務局長をしております尾上と申します。きょうは、貴重な発言の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。

 私どもDPI日本会議、障害者インターナショナル日本会議は、国連が認めた障害者の国際組織の日本支部ですけれども、身体、知的、精神、あるいは難病、そういう障害種別を超えた当事者が集まっている団体でございます。特に、障害者同士、つまりピアによる支援を通じて、どんなに重度の障害があっても、地域の中で、町の中で暮らせる、そういったことを目指して活動を続けてきている団体でございます。そうした立場から、今回の自立支援法についての意見を述べさせていただきます。

 私たち、この自立支援法、やはり私たち抜きに私たちのことを決めないでほしい、これがまず第一点でございます。きょうもたくさんの障害を持つ仲間がこの傍聴席に詰めかけています。この法律がこのままいってしまえば、本当に重度の障害者の地域生活はどうなるんだろう、そういう不安でみんな集まってきているわけですね。まさに、私たち抜きに私たちのことを決めないでほしい、みんなそういう思いで集まってきているということでございます。

 そして、先日、先週ですが、日比谷で六千六百名もの障害者や関係者が集まった集会がございました。そしてそのとき、実はこの国会へ請願のお願いに上がりました。その国会請願が二千名、合計八千六百名、九千名近くの方が、この自立支援法、このままではどうなるんだということで、まさに不安を持って見守っているという状況であります。

 特に、この自立支援法が上程されて以降、ここ数カ月を見ますと、自立支援法の内容が知られるにつれて、障害者や関係者の間に大きな不安が広がっている。特に、全国各地で慎重審議を求める集会が開催され、団体の枠を超えてたくさんの、それこそ二千、三千という参加者が集まっている状況であります。私たちの声を国会に届けよう、障害者の地域生活を守ろうという声が地域からまさに噴き出しているということです。この法案上程後もますます波紋が広がっているということが、いかに拙速につくられ、問題が多い法律であるかということを物語っているのではないでしょうか。

 そして、先週からの国会審議を見ていまして、この法律、二百から三百が政省令の委任事項だという、まさに私たちのことがどうなるのかというのが、すかすかの状態で、政省令にほとんどゆだねられるような形で決められてはいけない。その政省令の案も含めて、しっかりこの国会審議で、つまり、この法律によってどういう生活が、どういうサービスがもたらされるのかということをしっかり国会審議で決めていただきたい。いわば拙速に上程された自立支援法案が十分な議論もないまま決められることがないよう、問題の徹底解明と慎重審議をお願いするものであります。

 その際、次の二点をぜひ念頭に置いて御議論をいただきたいと思っております。

 一点が、昨年五月のこの国会で決議をされました障害者基本法の改正に代表される、つまり自立と社会参加という視点から見たときはどうなのかということでございます。去年の国会で、差別の禁止ということが盛り込まれ、一方、自立への努力が削除された、非常に大きな意味のあった障害者基本法の改正であったと思っています。

 ただ、その点から見ますと、自立支援法では、その目的の中に、その有する能力及び適性に応じた日常生活及び社会生活というふうな言葉が入っています。これは、果たして障害者基本法との整合性はどうなのか。読みようによっては、重度の障害を持っているんだから、地域でサービスが得られない場合は、それこそ一生施設にいても仕方がないということが能力に応じた生活なんでしょうか。その点、しっかりこの国会の中で解明をいただきたいと思っています。

 そして、障害者基本法であらゆる分野への参加ということがうたわれておりますけれども、今回の自立支援法、就労以外の社会参加は一体どうなっているんだろうか。先ほど笹川会長さんもおっしゃっておりましたけれども、移動介護の問題です、これは後で申し上げたいと思いますが。ここの社会参加ということがこの自立支援法ではどうなっているのかということをぜひ御議論いただきたい。

 そしてもう一点が、障害者を取り巻く実態や生活実感とやはり大きく乖離している部分があるのではないかということを指摘したいと思うわけです。

 先週からの議論をずっと聞いておりまして、ほかの社会保障制度との整合性ということばかりが厚生労働省からは語られています。でも、肝心の障害者の生活実態との整合性はどうなのかということが、全然検証されていないというふうに思われてなりません。特に応益負担の導入は、ぎりぎりの生活の中で支援を得て生活をしている多くの障害者の生活実感からかけ離れています。重度であればあるほど負担が重くのしかかる仕組みでございます。

 これも国会の議論の中では、低所得者へのきめ細かな配慮をしたと言われていますけれども、その配慮の中身はどうなのかということで、皆様のお手元の資料、別刷りにしております資料の一枚目、二枚目を見ていただければと思います。

 例えば、一枚目のこの方は、一級年金その他で十万円の収入。家賃三万円、食費三万円、水光熱費二万円、その他二万円というぎりぎりの生活をしておられる。この方からも、障害基礎年金一級を受けているということで、二万四千六百円の負担が求められるわけですね。この生活の中でどうやって支払えばいいのか、そして、それならもうサービスの利用はあきらめなければいけないのかという問題がございます。

 同じく二枚目の、グループホームでの生活の方の場合も、六万六千円の二級年金に、あと、デイサービスで廃品回収等のお仕事をされて、何とか一月頑張って働いて二万円というようなぎりぎりの生活、九万円余りの生活の方なんですが、その中から、やはり二級年金を受けているということで、一万五千円の負担が求められるということです。

 これが果たしてきめ細かな配慮、十分な配慮と言えるんでしょうか。こういった具体的な、これはまさに生のデータでございます。こういった障害者を取り巻く実態との整合性はどうなのか、その点をぜひ御議論いただきたいというふうに思っております。

 その上で、私ども特に懸念をしておる問題点について、以下述べたいと思っております。

 今回、支援費制度への移行で、実際に重度の障害者の地域生活が少しは始まったということ、そこから考えたときに、やはりこの重度障害者の地域生活を維持、継続できるのかどうか。そしてもう一つは、障害者基本計画以来ずっと言われている、施設から地域へという流れが進むのか、むしろストップしてしまうのか、その点が非常に大きな問題ではないかと思っております。

 その点から考えたときに、七つほどの問題点を考えております。

 一つは、高齢者向けの要介護認定をもとにしたサービス尺度ということ。本人に会ったこともない人たちで決めてしまう市町村審査会。そして、自立支援給付で義務的経費になったと言われているんですが、これはあくまで上限といいますか、国や都道府県が負担すべきものの範囲という上限があるということを見逃してはならないと思っております。そして四点目は、移動支援事業がやはり裁量的経費のままの地域生活支援事業になる。

 そして五点目は、グループホームがケアホームと二つになるということですが、これまで地域生活の場ということで高く評価されてきたものが、これでミニ施設になってしまわないだろうかということがございます。特にケアホームは、法律の定義の中にも、地域生活とは一言も書いていません。グループホームには地域生活においてということが入っていますが、ケアホームの方は入っていない。そういう意味では、小規模施設なのではないかというおそれがございます。

 そして六点目は、先ほども申しました定率負担、応益負担と、さらに扶養義務の強化の問題がございます。そして、難病などの谷間の障害者、またも今回サービスの対象外、つまり身体、知的、精神、各法の障害者だけが対象になっているということでございます。

 この点、私たちの方で論点整理ということでまとめたものを資料の三ページから六ページまで入れておりますので、また後で見ていただければ幸いでございます。

 この七点の中で、特にきょう三点お話をしたいと思っています。

 一つは、重度障害者の地域生活は継続、進展できるんだろうかということで、国庫負担基準と審査会の問題でございます。

 先ほども申しましたが、義務的経費といいましても、実は国や都道府県が負担すべき範囲内においてということが入っている。本来でしたら、市町村がサービス提供に要する費用の二分の一や四分の一を負担するということでなければならないと思うんですね。特に、今回、区分に基づくということで国庫負担金が決まると言われていますが、重度障害者のひとり暮らしを想定した長時間サービスが確保されるような区分あるいは国庫負担基準になるのかどうか、そこの設定をぜひお願いしたい。あるいは、市町村で国が考える費用の範囲を超えてサービスを出さなきゃいけないと思ったときに、ちゃんと市町村で必要なサービスが確保できるような柔軟な財源の仕組みですね。市町村がしっかりと介護サービスを確保できるような財源の仕組みをぜひ確保していただけるようなことをお願いしたいと思っています。

 そして、サービスの共通の尺度、基準ということは、本当に重度障害者や知的や精神の障害を持つ仲間の特性やニードを踏まえたものになるかどうかが非常に疑問でございます。

 そして、審査会の役割には二つあると言われています。障害程度区分の二次判定と非定型の支給決定に対する個別審査ということで、皆様の資料の方の七ページの図、これは厚生労働省の図ですけれども、特に問題なのはこの下の方なんですね。これを見て、えっと思いましたのは、一番左の利用者、障害者とこの審査会の委員は、あくまで役所から来る書面だけを通じて支給決定に意見を述べる仕組み、いわば委員が障害者を見たことも会ったこともなく、本人の意向を確かめることもなく、意見を述べる。非常に危うい仕組みなのではないか。ここの下の方の非定型の支給決定は、本来はここの相談やそういったことでやられるべきことなわけですから、審査会の業務からはやはり外していただきたいというふうに思っております。

 そしてもう一つは、この審査会、必要がある場合は障害者の意見を聞くことができるというふうにはなっているんですが、本人が希望する場合、委員会に自分の意向、希望、自分の状況を説明することができる、つまり当事者の意見表明の機会をぜひとも与えていただきたい、そういう仕組みにしていただきたいと思うのでございます。

 そして、二点目でございますけれども、社会参加に不可欠な移動介護の問題でございます。

 移動介護は個別給付に残すべきだというふうに思っております。特に、今回、知的や精神を含めての共通の仕組みというならば、そうした仲間にも、見守りも含めた長時間利用の類型が必要なのではないか。そう考えれば、重度訪問介護の対象を肢体不自由者に限る必要は全くなくて、知的や精神の仲間にも広げていただきたいということを思います。

 そして、自立支援法で大きく変わると言われるのがこの移動介護ですが、特に知的障害者の移動介護について、単に外出の際の同伴にとどまらない深い意味があるということを申し上げたいと思っています。知的障害者にとっては、コミュニケーション支援や見守り支援を伴う、まさに家族以外の者の介護による外出を通じて自己決定を広げていく、そういう地域生活支援のかなめでございます。これをぜひとも個別給付に残していただきたい。

 といいますのも、地域生活支援事業になっていきますと、実は支援費の以前に、今回の地域生活支援事業に似たような仕組みでやられていたんですね、社会参加促進事業というものです。では、そのときにはガイドヘルプはどうなっていたか。例えば、利用者の制限、家族介護が得られない者に限って支給しますよ、あるいは外出目的も、市町村が認める成人式や障害者の日、そういったことに限りますよ、あるいは時間帯も九時から夕方の五時までですよ、九時―五時の範囲ですよ、あるいは、市町村が委託した事業所しか認められないために同性介護が得られなかったり、知的障害者とのコミュニケーションが得られない方が介護者として来られて、全然外出ができなかったというようなこともございます。

 そうした点が支援費で初めて、いわばみずから事業所と契約をし、必要なサービスを選べるようになったからこそ、知的障害者の移動介護は大きく伸びた、その点が高く評価されたわけです。そうした高く評価されている点まで今回のこの法律で消し去ってしまっていいんでしょうか。ぜひともこの点、移動介護については個別給付でお願いをしたいと思っております。

 この点の資料も、皆様のお手元に配っているものの八ページ、九ページにつけておりますので、時間の関係で、後でまた見ていただきたいと思います。

 そしてもう一点、最後ですけれども、地域で必要な医療を得るための精神通院公費負担制度の存続をぜひともお願いしたいと思っております。

 特に、医療の中断をもたらしてはいけないということで、社会的に精神障害者に対する差別が根強い現状の中で大きな役割を担ってきた通院医療公費負担制度は、やはり存続される必要があるのではないかと思っております。

 特に、去年の十二月からこの三月まで、わずか三カ月で二十一万人以上もの方がこの存続を求めて署名されている。つまり、当事者や家族からは非常に不安や反発、いわば医療の中断をもたらし、症状の悪化や自殺までも引き起こすという不安や反発が広く広がった、そのことが二十一万人以上もの署名につながっているのではないか。その声を受けた、しっかりした議論をいただきたいと思っています。

 特に、この部分、今回の精神通院公費負担の見直しが、自立支援法の中で自立支援医療という形で一本にまとめて、それとの関係で精神保健福祉法のこの部分を改正しますという、ある意味で非常に乱暴な出し方をしているのではないのか。

 つまり、本来でしたら、精神保健福祉ではどういうふうなサービスや制度があるべきであって、その中でどういうふうにしていくのかということがあるべきなのですが、その部分の議論がないまま負担の仕組みだけが変えられる。そういう意味で、ぜひともこの国会で丁寧な議論をお願いしたいと思っております。

 以上でございますが、あと一点、障害者の地域生活を確立し、安心して生活できるよう、ぜひとも皆さんの政治の知恵、政治の力を発揮していただきたいというふうに思っておるんですね。

 今回、支援費制度で財源が破綻したとよく言われますけれども、破綻をしたのは支援費制度の財源でしょうか。そうではなくて、むしろ、皆様のお手元の資料に、ちょっと上下逆さまになっております十ページにありますが、これは国立社会保障・人口問題研究所が公表されているデータからとったもので、障害者等の分野の社会支出が国民所得との比率でどうかということのデータです。日本は〇・九、アメリカは一・五三、フランスは二・九三、イギリスが三・三一、スウェーデンは八・一ということで、先進諸国の中でやはり極めて低い。こういう財源の状況で、いわば少し支援費で使いやすくなって不足をしたという問題なわけです。つまり、支援費制度そのものがどうこうというよりは、そもそもの予算の見積もり、予算の水準が低過ぎているということが支援費制度で明らかになったということなのではないでしょうか。

 そして、支援費制度、今回で義務的経費になると言われている部分は、十一ページにありますけれども、これは厚労省さん自身がつくっておられる資料ですが、この居宅生活支援費、つまり、実は全体の障害者関係予算の中の九%の部分でございます。全体の予算の九%をめぐって、これほど多くの障害者の不安や混乱を引き起こしてしか解決できないんだろうか、ほかの解決の手だてはないんだろうか。ぜひその点での政治の知恵、政治の力を発揮していただきたいなと思っております。

 以上、全国の多くの障害者や家族、関係者がこの審議を見守っております。その期待にこたえていただくような国会での議論を心よりお願いしまして、私の意見陳述とさせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)

鴨下委員長 ありがとうございました。

 次に、松友参考人にお願いをいたします。

松友参考人 社会福祉法人全日本手をつなぐ育成会常務理事の松友でございます。

 このたびは、障害者自立支援法案及び障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案の審議に際し、参考人として発言の機会を与えてくださいましたことに対し、関係各位に心より御礼申し上げます。

 私たちの会は、知的障害のある人とその家族を中心につくる、いわゆる当事者団体であります。主に市町村を単位に二千五百を超す地域の組織があり、そこにおよそ三十二万人の会員が属しております。全日本育成会は、その知的障害者運動の全国本部に当たります。

 私自身が、父親として運動にかかわってきました。ことしの夏に三十五歳になります長男は、生後すぐに難治性のてんかんを発病し、医療上のミスも加わり、重い知的障害をあわせ持ちました。本日は、親の一人として、全国の当事者を代表し、発言させていただきます。

 まず、制度が安定し、発展することを願いたいと思います。

 今回は、主に自立支援法について発言をいたします。なお、私たちは、グランドデザイン案や自立支援法に関する見解と提言及び要望をまとめ、本日も資料としてお配りいたしております。本日は、それらの文書に基づき、要点を絞って発言いたします。

 私たちは、この間の障害福祉をめぐる動きに対し、大変に不安を抱いております。支援費制度の予算不足による混乱は、制度崩壊の危機感さえ募らせています。制度が心配なく続き、さらに発展するように、確かな仕組みをおつくりいただきたいと切に願っています。

 それには、財政的破綻の原因を究明し、それに対する的確な対応をとることが不可欠であります。原因としては、一、財政基盤の未確立、二、予想外の利用の拡大、三、利用調整機能の不備等々が上げられていますが、それらの背景の分析と解決のめどは立ったのでありましょうか。

 私たちは、介護保険制度の拡大による財源確保を提言いたしておりますが、今回の法改正案では見送られております。今回も、若年障害者は積み残されたという感が否めません。しかし、自立支援法の内容は、まさに財源なき介護保険制度もどきのものであります。今回も財源基盤が未確立のままであっては、これがいつまでもつかが心配であります。改めて、介護保険制度の拡大の議論をお願いしたいと思います。

 さらに、予想外の利用の拡大ということは、知的障害者の居宅支援費において著しいものがありました。その背景に、従来のサービスの未整備と知的障害者の数の把握の不十分さがあります。我が国の法律には、何と知的障害についての定義がありません。それゆえ、使われている数は、都道府県知事が発行する療育手帳の発行部数であり、諸外国の三から八分の一の数でしかありません。法における定義を明確にし、正確な数をまず把握していただきたい。また、知的障害を中心とする発達期の障害、いわゆる正しい意味での発達障害をすべて含む法の整備が緊急に求められます。

 新しい制度で心配なことは、利用に至る手続の問題であります。すなわち、審査会の適切な運営と障害程度区分の適正運用の問題です。ケアマネジャーの公的資格制度も未確立の中で、利用者が納得できる判定が下されるのか。委員、特に都道府県不服審査会の委員には、利用者の立場を代弁する委員を強く求めたいと思います。

 また、障害程度区分の認定には、介護保険制度の要介護認定基準を基本にとされていますが、発達期の障害であり、日常生活での行動面や社会生活上のトラブル等への支援が重要な知的障害者の場合は、要支援ニーズが的確に評価されるのかどうか、大変心配であります。

 次に、豊かで安心した地域生活、これを可能にしていただきたいと思います。

 私たちのもう一つの、そして最大の不安は、新しい制度で豊かで安心した地域生活が送れるのかということであります。支援費制度においても、実に厳しいものがあり、多くの改善や整備を必要としました。それがかなわないうちに制度が変わります。不安を持つのは当然であります。

 まず、経済的な問題があります。応益、すなわち定率負担等の負担の拡大は、今でさえ苦しい生活を根こそぎに破壊する危険性を秘めています。負担そのものは理念的に理解できる点もありますが、問題は、障害のある人は負担能力は厳しい、負担能力がない人がほとんどであるという現実であります。低所得者に対する大幅な減免措置は当然としても、画期的な所得保障制度が前提になります。ましてや、同一生計世帯などという発想は御勘弁いただきたいと思います。

 就労支援の充実により就業、雇用での収入の増大を図るという方針は、理念的には評価できます。しかしながら、雇用促進法の改正法案を含め、具体的、画期的な提案はほとんどなされていません。このままでは理念倒れに陥ることは目に見えています。官公需への入札参入事業体の障害者雇用率の見直しや、継続的就労事業の支援企業への配慮など、パラダイムの転換が求められるのではないでしょうか。

 また、就労重視の方向性は、一方では、就労が著しく困難な人に対して不安感や疎外感を与えています。極めて障害の重い人への配慮が多面的になされていますが、果たしてそれで十分でありましょうか。問題は、そこまでいかない、しかし重度の人の場合であります。常時介護を必要とする重度の障害者という定義の範囲の柔軟な拡大運用が求められています。

 支援費制度の居宅生活支援制度は、地域生活の拡大に大変に有効でありました。そのため、豊かで安心した地域生活の到来を私たちは期待したのであります。しかし、この部分が裁量的経費であり、それゆえに利用の拡大等により財政的に破綻したわけであります。とはいっても、サービス内容が著しく新しい制度で後退する、そういう不安を私たちは抱いております。

 まず、グループホームとケアホームの件であります。人里離れた隔離された入所施設である、あるいは家族との同居という二者選択のサービスしかなかった時代に、グループホームの登場は画期的であり、それゆえ実践は大きな広がりを見せました。小型施設ともいうべきケアホームの創設により、グループホームの長所が侵されてはなりません。定員やホームヘルパーの利用など、現行制度の改悪は決して認められません。

 また、グループホームはもちろん、ケアホームが施設の敷地内に建設されるということには強く反対します。それでは、何を目的としたサービスかが不明瞭になり、混乱を来すだけであります。地域福祉、地域生活の重視という方向性だけは堅持していただきたいと思います。

 移動支援こそが支援費制度における、特に知的障害者にとって高く評価できるサービスでありました。知的障害者は物理的な面での支援は難しく、人の手による支援が前提になります。その意味で、社会参加のためには移動支援が有用であり、不可欠でありました。しかしながら、行動援護事業のみが介護給付、個別給付に位置づけられ、ほかは裁量的経費の地域生活支援事業となっています。ぜひ、個別給付である訓練等給付に位置づく事業を創設していただきたいと思います。

 最後に、小規模作業所の将来像について強く要望したいと思います。

 親などが中心となって、著しく不足する地域での日中活動の場として設立したのが、小規模作業所と呼ばれる無認可の通所施設であります。支援費制度で小規模通所授産施設の制度が実現したにもかかわらず、小規模作業所の数はふえ続け、現在では六千カ所を超えています。今回の制度改革でこれがどうなるのか、私たちは大変心配しております。

 私たちは、法内の施設、法内の事業へ移行することが基本的な方向性であると考えています。そのためには、施設設備あるいは定員等の要件の大幅な規制緩和と行政による強力な支援が必要だと考えています。そこへ向けて具体的な方策はどのようになされようとしているのか。また、法内化が実現するまでは、現行の補助制度を当面の間維持することが大事だと考えています。そのことにより関係者に安心と展望を与えていただきたいのであります。

 最後に、このような当事者における各種の不安を考慮すれば、今回の法案は十分な御審議をいただきたい。特に、政令、省令、実施要綱等で定められる内容について、明確に御確認をいただきたいと思います。支援費制度の理念を後退させることなく、財源論がサービス論の低下を容認しないように厳しく見守りたいと思います。

 また、真の財源問題を論じていただきたい。当事者のみに負担を強いることなく、国民の社会的連帯として、「お互いさま」と支え合う財源をぜひ追求していただきたい。その保障なくして、利用者負担のみの拡大は、認めがたいものがあります。その一つの策として、介護保険制度の拡大、いわゆる普遍化の検討を再度御提案したいと思います。

 最後に、障害福祉制度の持続を確実なものにするために、障害者自立支援法の今国会での成立を強く望みます。幾多の課題と限界を抱えた法案ではありますが、支援費制度が破綻を来した現在、サービスの断絶と停滞を許すわけにはいきません。その意味で、この法案は、修正が加えられたとしても、確実に可決いただきたいと思うのであります。

 短時間ではありましたが、私の意見を述べさせていただきました。御清聴ありがとうございました。(拍手)

鴨下委員長 ありがとうございました。

 以上で参考人の方々の御意見の開陳は終わりました。

    ―――――――――――――

鴨下委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大村秀章君。

大村委員 おはようございます。自由民主党の大村秀章でございます。

 きょうは、障害者自立支援法、そして障害者雇用促進法の改正法案につきまして、参考人の皆様方、午前四名、そして午後も四名の方に、各障害者団体を代表する皆様方にお越しをいただきまして、御意見をいただくということでございます。

 今も、一時間にわたりまして代表の皆様方からそれぞれお話をいただきました。大変貴重な御意見、御提言をいただきましたことを、この場をおかりいたしまして、厚く厚く御礼、感謝を申し上げる次第でございます。

 また、私は、昨年の春といいますか、一年ぐらい前から、私ども自民党の中で八代英太先生を中心にいろいろな勉強会をやっておりまして、その中でもよく御一緒させていただいた皆様方も多いわけでございまして、そういう意味では、この一年にわたりまして、大変貴重な御意見をいただいたこと、御指導をいただいたことも、改めて御礼を申し上げたいと思います。

 ただ、最近、水曜日の午前中にやることが多くて、御案内のように水曜日はこの厚生労働委員会の定例日でございまして、なかなか顔が出せなくて心苦しく思っておりましたが、こういうことでございますので、御理解をいただければというふうに思っております。

 さて、本題に入っていきたいというふうに思っております。

 今回のこの両法案、特に、まさに新たな体系をつくるという意味でのこの障害者自立支援法につきましての御評価、御意見、そしてこうすべきだという御提言も、本当にそれぞれの皆様方の見識に富んだ御意見、御提言をいただきました。本当に感謝を申し上げたいというふうに思っております。

 その中で、私も、昨年来ずっとこの議論に参加させていただき、昨年秋にはグランドデザインを役所がつくって、その中にもいろいろ御意見を申し上げさせていただいて、そして法律、今回の提案ということで、一連の作業に携わってきた者の一人として、やはり今回は、もちろんいろいろな課題、今までばらばらであったものを一つに統合し体系化をしていくということ、そして、今日ここに至った経過は、もう御案内のように、支援費制度がこういう形のなかなか安定しないという実態になってきたということも含めて、そういうもろもろの背景を全部総合して今回の体系に整備をしたということでございます。そういう意味で、私は、今回、いろいろな課題はまだまだたくさんあろうかと思いますし、この議論の過程の中でもさらにさらにいいものにしていきたいというふうに思っております。

 その中でも、今参考人の先生方からお話をいただきましたが、例えば、身体、知的、精神といった障害の種別を、今までばらばらだったものを一つに統合して一元化をしていくということ。

 そしてまた、支援費の反省に基づいて、今回、給付を義務的経費として安定させていくということ。これは、先ほど、最後に松友参考人からもお話をいただきましたが、やはり安定をさせて持続可能なものにしていく。これは、福祉制度、社会保障制度のやはり一番の基本だというふうに我々は思っております。そういう意味で、そういったことを盛り込んだということ。

 そしてまた、これは八代先生が常に言うんですが、就労支援、特に地域のいろいろな活動に参加をし、そしていろいろな仕事に参加をしていく、そういったことを、今回、特に精神障害の方の就労支援を促進する、そしてまた在宅での就労も推進していくということで、これこそ我々がこの一年来ずっと主張してきたことを盛り込ませていただいたものであります。

 そういう意味で、私は、もちろん課題はたくさんありますが、トータルでいえば、今回の法律の体系というのは一定の評価をいただいてもいいのではないのかなというふうに思っている者の一人でございますが、この点について、いま一度、四名の参考人の方から、時間が限られておりますので簡潔に、今回の法律の体系等々の評価について、森参考人から順次お願いを申し上げたいと思います。

森参考人 ただいまの御質問につきましてお答えさせていただきます。

 まず第一点でございますが、いわゆる三障害、この問題でございます。

 三障害につきましては、御案内のとおり、平成五年のときの障害者基本法から大体具体的にされてきたわけでありますが、なかなか進みませんでした。進まなかった理由というのは、私なりに解釈させていただきますと、すぐれて医療という点で整理されていたからだと思っております。今回はっきりと福祉という点から日の目を当てていただけたということにつきまして、私たち日身連というのはどちらかというと身体障害者団体でございますけれども、もうそういう一つの団体ということだけでなくて、三障害という形で今まさにこれをつかまないと、恐らく永遠にこれは一緒になれないんじゃないかなという危惧を持っておりまして、実は、この点につきましても賛成した一つの理由でございます。

 また、財政問題でございますけれども、もう御案内のとおり、居宅生活支援費におきましては、十五年度に五百十六億という中で百億以上のお金が足りない、こんな状態であった。十六年度も恐らくなるだろうと思いましたら、十六年度は二百何十億か足りなくなってしまった。こんなことが許されるわけがない。こんな不安定なままで、毎回毎回、障害者あるいは障害者団体が集まって、何とかしてくれ何とかしてくれという制度はやはり変えるべきだ。そういう思いもありまして、この基本は義務的経費の問題だと思います。したがいまして、義務的経費にできたというこの第二点は、我々としては大変評価しているものでございまして、賛成した一つの理由でもあります。

 また、就労問題でございますけれども、これにつきましては、今回、自立支援法案と同時に、障害者の雇用促進法の改正案という形で出てきております。これは恐らく二つの柱という形に考えてよろしいんじゃないかと私は思っております。なぜならば、大変大きな問題を含んでおると私は思っております。

 一つは、精神障害者を雇用の算定の対象にしたということでございます。また、短時間労働の者についてもこれを雇用率の対象の中に入れた。

 第二番目は、在宅就業障害者に対する支援システムを考えて出していただいている。

 第三番目は、これは、障害者福祉体系の改革と相まって、障害者雇用促進施策と障害者福祉施策の有機的な連携を図っている。例えば、地域障害者就労支援事業の創設。あるいは、ジョブコーチ助成金制度の創設。あるいは、障害者就業・生活支援センター事業に対する拡充、八十センターから九十センターへ。あるいは、社会福祉法人の活用に多様な委託訓練を実施するという点等も、実は我々もお願いしたところでございまして、これが入ったということで、これにつきましても感謝申し上げておりますし、ぜひこれは成就させていただきたい、こう思っております。

 以上でございます。

笹川参考人 まず第一に申し上げたいのは、先ほど、義務的経費になったので大変よかったという御発言がございました。確かに、自立支援給付、個別給付については義務的経費になっておりますけれども、一方、地域生活支援事業については裁量的経費になっております。我々障害者が最も利用する移動支援につきましては、残念ながら、地域生活支援事業に入っております。したがって、本当に安定した制度として利用できるかどうか、私どもはこの辺を大変重視しております。

 そういう意味において、移動支援については、自立支援給付、個別給付にぜひ入れていただきたいということをお願いしております。

 また、雇用促進法の関係ですけれども、在宅就労というものが今回加えられるということについては高く評価をしておりますけれども、それでは、重度の視覚障害者がその中に参加できるか、これは大変厳しい状況にあります。

 御承知のように、視覚障害者の多くは自営業です。つまり、伝統的にこれまで継承してきたはり、きゅう、マッサージを生業としております。よほどの条件が整わない限り、この雇用促進法の適用は受けられません。厚生省と労働省が機構として統一されたことについて、大変期待をしておりました。恐らく視覚障害者の就労も促進されるであろうと考えておりましたけれども、残念ながら、今のところこれといった成果はございません。

 そういう点からしますと、広い範囲で就労というものをとらえていただく、いわゆる自営業についてもいろいろと施策を講じていただく、そういうことで初めて本当に働きたいという意思のある者が働く場を得ることができるというふうに考えております。

 以上です。

尾上参考人 私どもDPI日本会議は、障害種別を超えてということで、身体、知的、精神、そして難病やさまざまな障害を持つ当事者団体が集まっております。そうした立場からしますと、本来、障害種別を超えて地域で当たり前に安心して暮らせる制度を心より望むものでありますけれども、その点、今回の支援法では、一つは、精神障害者、私たちDPIの加盟団体である精神障害の当事者の方々はかえって不安を感じている。その点をどういうふうに考えたらいいのだろうかと思うわけです。

 支援費が始まるときに、支援費と同じような当事者の自己決定に基づく制度に精神の仲間も入れてほしいということを言ってきたわけですね。今回、福祉サービスが使えるというふうに言われていますけれども、例えば先ほどの基準にしても、今の介護保険の要介護認定をそのまま当てはめたときに、さあこれから精神の人たちが使えますよといいながら、実際基準を当てはめてみれば、ほとんど福祉サービスの対象外だ、そして結果は医療の負担の増だけだったというふうになってしまわないか。そういう、三障害共通といったときの、この仕組みで本当に三障害共通して安心して暮らせるのか、不安がふえてしまうのか、その点をぜひ御検証いただきたい。それが一点でございます。

 そして、難病や今の三法、身体、知的、精神の各法で言う障害者の対象外の方、谷間の障害者の方の問題は一向に解決されていない。このことを忘れていただいてはやはり困ると思っております。ぜひこの点も御検討いただきたい点でございます。

 そして、義務的経費の件ですけれども、お手元の資料の四ページの下の方に九十四条、九十五条というのがございます。ここが今回の義務的経費と言われている部分ですが、先ほども申しましたけれども、市町村がサービスの必要のために支弁した費用の二分の一を義務的経費にするということが書かれているわけではなくて、市町村が支弁した費用のうち、国及び都道府県が負担すべきものとして、当該市町村における障害福祉サービス事業費等の支給に係る障害者等の程度区分ごとの人数その他の事情を勘案して定めるところということですから、いわばここで定めた以上のサービス費用が必要になる。

 特に、重度の障害者が必要になった場合、逆に市町村の負担になってしまわないか。この義務的経費と言われるものが、ちゃんと重度の障害者が地域で暮らし続ける、そういうことができるような義務的経費なのかどうか。そういうふうなものになっていただきたいと思っているわけです。

 そういう意味で、制度の持続的可能性ということがずっと言われていますが、その制度、財源は持続しても、私たち障害者の地域で使えるサービスが、そして生活が持続できなければ、ある意味で失うものの方がはるかに大きいわけですから、その点、本当に制度の持続性ということが、あくまで重度障害者が当たり前に地域で生きられる、そういうサービスや生活が持続できるのかどうかということを、ぜひ御検討いただきたいという点が一点。

 それともう一点は、実は義務的経費になったということに隠れて、知的障害で現在の移動介護の利用者の多くが裁量的経費になる、今は、個別給付だったものが、個別給付から外れて市町村事業になってしまっている、裁量的経費のままに置かれているということは、忘れられてはいけないと思っています。

 そういう意味で、重度障害者の地域生活が持続可能なのか、そして、知的障害、精神障害、いろいろすべての障害者が社会参加が可能になるサービスや仕組みなのかということを、ぜひ御検討いただきたいなと思っております。

松友参考人 私たちは、この評価について、大体三点ぐらいに整理できるかと思っています。

 まず第一点は、とにかく二カ月で支援費制度は破綻したわけであります。なかなか行政は破綻と認めなかったんですが、支援費制度は立派だけれども別の制度といったってだれも納得できないわけで、これは明らかに支援費制度の限界、それを踏まえた次の制度をやらざるを得ないというところを、まず理解せざるを得ない。結局、議論の余地がないような厳しい実態があるということがまず第一点です。

 二点目は、その具体的な中身としては、いわゆる戦略として評価できる面があるということと、もう一つは、しかし実際面では厳しい面がある、この二つに評価は分かれるかと思います。

 評価できる面は、大村先生御指摘のとおり、いわゆる総合化、障害を超えている、あるいは義務的経費化している。

 ただ、戦略として評価できる面でも、ただし不十分であるというのをどうしても言わざるを得ない。それは、総合化においても、尾上参考人がおっしゃっていましたように、いわゆる今までの三障害にとどまっている。これは、今回の法律が悪くなったというよりも、従来の欠点というか限界をこれを機会に広げようという意図がまだ見られていないという意味では、大きな課題であると思うんですが、高次脳機能障害であるとかさまざまな発達障害の部分等は、まだ非常に不十分な形でしか対応されていない。

 あるいは、財源問題についても、私たち繰り返して言っておりますが、この財源で本当に義務的経費化が持続できるのか。一方では三位一体の改革の話であるとか、いろいろな財源、きのうも社会保障制度の見直し等の議論があった中で、今のこの部分の、今までと同じような、ただ枠組みを入れたり云々するだけで、これで本当に安定した制度として今後もいけるのか、私たちはいけないと見ています。ですから、早急に、この緊急対応における今回の法とともに、本当に安定した制度を確固とする議論を続けていただきたい。こういう意味で、評価できる面があるけれどもまだ不十分だ、いろいろな問題がまだある。

 雇用につきましても、幾つかの、精神の問題、在宅雇用の問題、非常に踏み込んでいただいたことは評価しています。ただ、その二つだけと言っては失礼ですけれども、前回の法改正のときにはもっといろいろな部分に踏み込む必要があるという議論をしたはずでありまして、その踏み込みが弱い。今までの形では雇用の飛躍的な拡大には実質的につながらないだろうという意味では、不十分に思っています。

 厳しい面、これは従来から言っておりますが、いわゆる負担の発生及び増大であります。もともとなかった負担ができたり、あるいは今までの負担が非常にふえてきた。まさに個人的財源問題でありますが、これは実際、生活上非常に厳しい。

 最後に、利用の抑制というものがどうもかかってきそうだ。

 いろいろな形で、個別給付から裁量的経費に行ったり、あるいはいろいろな審査会の問題であるとか、そのあたりが厳しい面が表裏一体となっているという意味では、厳しさを縮小し、いわゆる評価できる面をさらに大きく発展いただく方向で御審議をいただきたい。

 以上でございます。ありがとうございました。

大村委員 熱心な御意見をいただきまして、ありがとうございました。三問か四問ぐらい私用意してきたんですが、どうもこれで終わりになってしまいそうでございます。

 もう残り時間が少ないので、私からちょっと申し上げたいことを何点か申し上げたいと思うんです。

 本当は、日盲連の笹川会長から先ほど御意見をいただきました職場の介助者制度につきまして、またもう一回御意見をお聞かせいただきたかったんですが、ちょっと時間がなくなってしまいました。職場で、重度の方に職場介助者を用意する、その配置の経費の一部を補助するという制度は十年が適用期限ということでございまして、それについての延長のいろいろな活動をしておられるということを、よく存じ上げております。このことは、我々自民党としても真摯に受けとめまして、その適用期間の延長だとか、そういった充実、拡充に向けましてしっかり取り組み、そして政府についても強く申し上げていきたいというふうに思っておりますし、その御意見を体して実現していきたいというふうに思います。

 それから、利用者負担につきましては、各参考人の皆様、そしてまたこの委員会でも御議論がたくさんございました。この点については、支援費制度のこれまでの経過を踏まえて、私は一面やむを得ない面もあるというふうに思いますけれども、問題は、現に福祉サービスを受けていて所得がない方もしくは十分にない方、そういった方からいただくということ、これは難しいと思うわけでございますから、例えば上限の設定そして軽減といったことをきめ細かくやっていくということを、我々はしっかり取り組んでいかなきゃいけないと思います。

 また、今必要な方が十分なサービスを受けられない、利用の抑制になるということにならないように、これもしっかりやっていかなきゃいけないというふうに思いますし、また、家族への依存から脱却をしていくということも、これもやはり制度でしっかり支えていかなければいけないと思います。

 この点については、昨年十二月、予算編成というのが、もちろんこれは国の予算ですからありました。役所だけではなかなか十分でなかったものですから、私ももちろんでありますが、何人かで財政当局とも直接交渉しまして、ここまである程度持ってきたんですが、さらにこれは、財政当局、財政の論理が先に立つようなことがないように、やはりしっかりとやっていきたい、そのことは申し上げていきたいと思います。

 最後に、介護保険との統合、拡大ということ、これは介護保険法の議論でもありました。与野党の議論の中で、附則そして附帯決議で、できるだけ早くこれを議論して、その方向を見出そうということで、これからも引き続き議論を進めていきたいと思います。ですから、また、きょうお越しをいただきました参考人の先生方に、ぜひその点についてもっともっと具体的に、その方向で進めていくことは不可避だと私は思っておりますので、できるだけ具体的に議論を深めていくということをやっていきたいと思います。また、ぜひ先生方にこれからもその御意見をいただきますことをお願い申し上げまして、質問とさせていただきます。

 どうもありがとうございました。

鴨下委員長 次に、古屋範子君。

古屋(範)委員 公明党の古屋範子でございます。

 本日は、参考人の皆様には、朝早くから国会においでいただきまして御意見をお述べいただきまして、本当にありがとうございます。深く感謝申し上げます。

 私の方へも、この障害者自立支援法案につきまして、連日のような御意見、お電話、またメール等々、今ファクス、山のように届けられているところでございます。本当に多くの障害者の皆様が大変この法案の行方について心配をされているというところでございます。

 本日は、皆様の御意見を参考にさせていただきながら、その御意見を法案の仕組み、運用に反映させるべく、よりよい制度改革に取り組んでいきたいと考えておりますので、ぜひともよろしくお願いを申し上げます。

 私は、今回の法案は、障害者別になっていた今までの福祉サービスが一元化をされたということ、また、財政基盤が強化をされるために法律に基づく義務的経費に転換をされたこと、就労支援の強化が盛り込まれたこと、評価されるべき点が多々あると考えております。

 まず最初に、森参考人にお伺いをしてまいりたいと思います。

 先ほどからも質疑になっておりますが、一昨年スタートをいたしました支援費制度、この制度を続けていきたいという御意見も一方でございます。私は、この支援費制度から今回の法案への変更、これは、何よりも制度の持続性というものを考えますと、避けられない改革であると考えております。一方では、障害者の皆様にとっては、サービス利用に伴う自己負担の面で大きな試練がもたらされているということでございます。そして、今回の改革の必要性については、サービスを受けられる立場の障害者の皆様、また多くの国民の皆様全体の理解を得ていかなければいけないと思います。また、そのための議論が必要であると考えております。

 そこで、障害者の地域生活を進める上で極めて重要な役割を果たしてきました支援費制度、これを新たな自立支援法案と変更する点について、どのようにお考えか、伺いたいと思います。

森参考人 お答えさせていただきます。

 支援費制度そのものはどういうことかということをまずお話ししなきゃいけないんじゃないかと思います。

 昭和二十五年から身体障害者福祉法が施行されてきました。その間、いろいろと施策の改善等もありました。まず基本的に言えば、いわゆる就労というものから重度の人たちに目が向いてきたということもありますし、また身体障害者から知的障害者、そして今精神障害者へ。しかし、その中の基本は措置ということだったんです。措置というのは行政から一方的にやるものです。それが、今回なぜうまくいっているかというと、十五年度からの支援費制度になったからです。それは、いわゆる契約制度なんです。ですから、これはお互いに尊重し合う立場になっている。そこで、今度の障害者自立支援法案が、支援費制度の考え方、これを継がないならば死んでしまいます。私はそれでいいと思っておりません。

 それと同時に、私は、今回何点かお話をさせていただきましたけれども、この支援費制度を判断する基準、審査、これは、私は先ほど述べたつもりです。例えば、現行水準をどうするか、あるいは施設から地域生活ができるかできないか、そういう基準を私は出したつもりです。

 特に問題なのは、特に言っておきたいと思います、扶養義務者の問題です。これは御案内のとおり、昭和六十一年度に障害者基礎年金ができたときです。その裏腹といたしまして、入所施設の方々に費用徴収制度を導入したんです。そのときに問題になったのは何か、扶養義務者の問題でございます。本人が払えなければ扶養義務者から取る。それは何でかというと、障害者の方々が、ここにきょういらっしゃいますけれども、赤ん坊扱いするなということなんです、端的に言ってしまえば。これを今また戻すという形が出てきているわけです。

 だから、私たちは、これは全部いいと言っているわけじゃないんですよ。つまり、今回、一番キーは、歴史の針を戻すな、そういう観点からの尺度で見てもらいたい。わざわざ私は二の三でちょこちょこと述べていますが、実はこれが一番大きな論点でございます。

 この中には、実は、施設内のプライバシーの問題も入っているんです。そういうことからよく検討していただいて、障害者の方々がよかった、安心するという言葉を発せられるような御審議のやり方をやっていただきたい。我々はもう既に行政ともやってきています。まだ不満はありますけれども、それである面で反映できるものにさせていただきました。私が載せているこの解決すべき問題というのは、政治的な立場で、力で、どうか解決していただきたいという気持ちで載せているわけでございますので、その辺お含みのほど、よろしくお願いいたします。

 以上です。

    〔委員長退席、大村委員長代理着席〕

古屋(範)委員 ありがとうございました。

 次に、笹川参考人にお伺いをいたします。

 先ほどの意見陳述の中にもございました、やはり移動介護サービスというのがいかに重要であるかというものだと思います。特に、先ほどおっしゃいましたように、人生の途中から視覚障害になられた方々については、やはり生活、移動というようなものも大変に困難であるということだと思います。

 その辺につきましても、先日も朝日新聞の記事にもございましたけれども、東大の助教授の福島氏が述べていらっしゃいました。自分も失明をして、その後聴覚も失って、見えない牢獄の中にたった一人でいるような感じがした。そこで、コミュニケーション支援、そういった生活支援というものはいかに重要であるかというようなことも新聞の中で述べられています。

 先ほども御要望等ありましたけれども、もう少し具体的に、移動介護サービスまた生活支援について具体的な御要望がありましたら、お伺いいたしたいと思います。

笹川参考人 お答えいたします。

 先ほども申し上げましたけれども、視覚障害者の実態というのは、まさに高齢化の頂点にあるというふうに思います。しかも、その多くが高齢になってから失明した方々です。まず、こういった方々に歩行訓練をする、あるいは盲導犬の使用を進める、全く不可能でございます。いわゆる人的な介助がない限りは、そういう方々はそれぞれの地域で生きていくことはできません。

 そのために、これまではガイドヘルパー制度と申しておりましたけれども、昭和四十九年度からこの制度がスタートいたしまして、なかなか町に出られなかった視覚障害者の方々が大変積極的に社会参加できるようになりました。そういう意味で、私たちは本当に制度を大事にしてきたわけですけれども、その移動支援が、今回のこの法律の中では、先ほども申し上げました、地域生活支援事業という財源的にはいろいろと問題のあるところで位置づけをされている、この辺に対して私どもは大変不安を抱いております。

 また、日常生活の面で、先ほども介護保険の認定基準のことも申し上げましたけれども、障害者、特に視覚障害者が画一的に同じ動作ができるということは決してありません。全く個人差がある。例えば、ガスの点火ができる人できない人、いろいろです。そういうことから考えますと、やはり見えないということのハンディの大きさ、これは決して軽いものではない。どうも、口も何とかしゃべれる、あるいは移動も介助者がつけば移動ができるということで、視覚障害という障害を軽く見られる傾向がありますけれども、現実は決してそうではない。このことを十分御認識いただければありがたいというふうに思います。

古屋(範)委員 ありがとうございました。

 次に尾上参考人にお伺いしてまいります。

 先ほどの意見陳述の中にも、障害者基本法改正に代表される自立と社会参加という御意見をちょうだいいたしました。もう少しこの法案を広い意味でとらえますと、地域社会での人々の心のバリアフリー、共生ということで質問をさせていただきたいと思います。

 障害者保健福祉政策、障害者の皆様に対する地域社会全体の大きな理解と申しますか、そういうものが非常に大切であると考えておりますが、今回の法案も、障害のある方々が地域において胸を張って普通に生きられる、そういった自立と共生の町づくりに寄与する枠組みでありまして、地域で普通に暮らすための改革の第一歩であると考えております。

 そのために、一人一人の心のバリアフリー化が必要である、やはり地域社会の理解が重要であると思います。そして、男性も女性も、また老いも若きも、障害の有無にかかわらず、すべての人がこうした中で快適に過ごすことができる社会づくり。その意味で、この障害者自立支援法案、多くの国民の皆様の理解を得なければいけないと考えております。この地域社会の理解をどう深めていくか、その辺の御意見があれば伺いたいと思います。

尾上参考人 私自身は、以前大阪に住んで活動しておりましたときに、全国で一番最初にできました福祉のまちづくり条例の制定なども進めてまいった立場なんですけれども、地域で当たり前に暮らす、そういう社会をぜひとも心より望むものなんですね。

 その点から考えたときに、やはり、先ほどからたびたび話題になっております、移動介護といいますか、社会参加をどう確保していくのか。つまり、地域で暮らすといったときに、最低限のぎりぎりの、いわば生存にかかわる介護だけを得て、あとはもう家の中に閉じこもっている。それでは全然地域の中での理解、共生というのが広がらないわけですね。その意味で、いろいろな分野に当たり前に社会参加ができるということが極めて重要なのではないか。

 その点から、一つは先ほどの移動介護、特に私、大阪市や大阪府というのは国の制度に先駆けて移動介護、特に知的障害者の移動介護を制度化した町でございます。それはどういうことかというと、まさに福祉のまちづくり条例ができた。では、車いすにとってのバリアフリー設備ということで駅のエレベーターが進むとするならば、知的障害者の移動支援といいますか社会参加支援は何かということで、移動介護、ガイドヘルプが制度化された。まさに、そういう共生の町づくりということで移動介護ができたということを御理解いただければということが一点。そして、そのときに、特に知的障害者の移動介護にとって、先ほどから申し上げておりますとおり、単に外出のときの付き添いではなくて、一人一人のコミュニケーションや見守りまで含めた支援だということでございます。

 地域の理解ということで非常に危惧をしておるということで、ペーパーを出して、ちょっと説明をしなかった部分がございます。時間の関係ではしょっていきますけれども、資料の八ページ、九ページです。これはある東北の地方の町でございます。これから移動介護は地域でという話になっているんですが、実は、今現在個別給付になっている支援費の移動介護ですらこういう制限が地域ではありますよということで、九ページなんですけれども、知的障害で月二十四時間の移動介護を受けておられる方、支給決定を受けているんですが、ところが、小さな町ですから、親が元気じゃないか、なぜ親ができないのかというふうな形で、御本人に支給決定されている権利のものすら制限をしておったり、その受給者証の下には、研修等の社会的な事由以外のときに使う場合は御連絡ください、つまり、自由に使ってはいけませんよというふうなことが鉛筆書きになっているんですね。今は支援費だから鉛筆書きですけれども、これが地域生活支援事業になったら、鉛筆書きではなくて要綱の中に書かれてしまうのではないか。

 つまり、地域の暮らしといったときに、いろいろな人と、社会と交わりながら暮らしていく、そのことが社会の理解、皆さんの理解を得ていくことの一番の大きなかなめだ、その点から移動介護の重要性をぜひ御理解いただきたいなと思っております。

古屋(範)委員 ありがとうございました。大切な視点であると感じました。

 次に、松友参考人にお伺いをしてまいります。

 我が党にもいろいろと昨年から、介護保険法の改正等につきましても御意見を承ってまいりましたけれども、介護保険法改正関連法案が可決をされまして、今回の法案には、被保険者、受給者の範囲の拡大について附帯決議が盛り込まれております。先ほどもございましたように、事故や病気で介護が必要な障害を抱える可能性は、年齢を問わず、だれでも、あすにはそうなるかもしれない。また、従来からの法体系の谷間に置かれている障害の方々の存在を考えますと、やはり、より包括的な、また普遍的な制度への転換というものが求められるのではないかと思いますが、松友参考人は先ほど意見陳述の中にも述べられておりましたけれども、普遍化について、その理念についてお話をいただきたいと思います。

松友参考人 御指摘のとおりでございまして、私は、今は知的障害の親の会におりますが、以前はてんかんという障害のてんかん協会にいまして、いろいろな谷間の経験をしてまいりました。人間が体において、あるいはいろいろな行動上において障害を受けることが、制度でもって分断される、障害種別で分断する、年齢で分断するというのは、これは行政上のある種差別行為だと思います。早急に、その人のニーズにきちんと対応する、そういうことになされなくてはいけないわけであって、そういう意味では、国民の理解、先ほど御指摘のあったことも含めて、早急に、どのような年齢、どのような障害、どのような形だろうとも対応できる方向に持っていく。そういう意味で、今までのパッチワーク的な対応を、一気にもっと本質的なところで総合化してほしい。

 特に私たちが介護保険問題の中で申し上げているのは、医療と比較すると、医療の場合には保険証というものを持っていくと、阿部先生のような小児科にかかっていても、精神科にかかっても、産婦人科にかかっても、具体的なケアというか具体的な支援というか、それは個別的に徹底的になされるわけですが、その財源論、制度論で一本化されて、総合的に強力にサポートするわけですね。そういう意味では、福祉はなぜこのように分断し細目化されているか、ここにやはり根本的なメスを入れていただきたいという思いであります。

 以上です。ありがとうございました。

古屋(範)委員 続けて松友参考人にお伺いいたします。

 障害者の人権の確保、擁護ということにつきまして、最後、御意見をいただきたいと思います。

松友参考人 今、国連の方で、障害者の権利条約についての特別委員会の議論がなされております。私も二度ほど傍聴させていただきました。

 御存じのように、言うなれば戦後処理としてつくられた国連でありますが、その第二次世界大戦の中で最大の大きな問題、悲劇の一つは、いわゆる障害者の計画的抹殺であったわけであります。これは日本ではありません、ドイツでありますが。そういう歴史を踏まえながら、世界的にやはり障害のある人がいかに虐待を受けるか、差別を受けているか、そこからどのように救済するかというのが世界的な課題でありまして、これは全く我が国の日本においても、さらには現実においても例外ではない。

 特に、知的障害の場合あるいは精神障害の場合は、御本人が主張が非常にしづらいということもありまして、施設において、学校において、職場において、残念なことには家庭においても、さまざまな虐待や差別事犯が続いているわけであります。これはやはり、心の問題というか、気合いの入れ方だけではなくて、法的な体制も含めてそれを防いでいく、そして権利をきちんと守り、回復していくという姿勢というか対応をお願いしたいということで、今勉強会等も開かれておりますので、ぜひ法制化についてよろしくお願いしたいと思っております。

 ありがとうございます。

古屋(範)委員 時間でございますので、本日の参考人の皆様の御意見をしっかり踏まえまして、さらに法案の審議をしてまいりたいと思います。

 ありがとうございました。

大村委員長代理 次に、横路孝弘君。

横路委員 民主党の横路孝弘です。

 参考人の皆さん方には、大変お忙しいところ御出席をいただきまして、貴重な御意見をいただきましたことを心から感謝申し上げたいと思います。

 最近の社会保障政策、年金にしても介護にしても、今回の自立支援法もそうですが、今の内閣の方針というのは、小さい政府、自己責任という流れで、いずれも給付をカットして負担は重くするという路線の中に位置づけられています。

 措置費から支援費に変わりまして二年間たちましてわかったことの一つは、やはり市町村で非常に格差がある、つまり、進めるだけの基盤的な整備というのがまだ十分ではないということだったというように思います。しかし、この支援費制度の理念であります施設から地域へ、あるいは障害者が、本人が自己選択をして自己決定するということは、これからもやはり非常に大事な一つのポイントだろうと思うんですね。

 そういう視点からこの自立支援法を見ますと、やはり問題は非常に大きいということでございまして、先週審議が始まったばかりでございますが、与党の議員の皆さんの質問を聞いても、問題点が多いという問題点の指摘をされておりまして、今の現状では賛成する政党は多分いないんじゃないかと思うような状況にございます。

 参考人の方の御意見を審議の早い段階で聞くというのも異例のことでございまして、それは、やはり皆さん方の意見を踏まえてしっかりと審議をしていこうという国会の私どもの意思でもあるということでございます。午後からもまた四人の方が来られますので、その意見を踏まえてしっかり議論をしていきたいと思っております。

 お一人お一人から御意見をお伺いしたいと思いますが、まず森参考人にお尋ねをいたします。

 森参考人は、五点ほど上げまして、基本的にはこの法案に賛成である、ただし、次のことを解決することを強く要請されるということで、他の団体の方が指摘されたのと同じような問題点の指摘をされました。

 そこで、お尋ねしたいんですが、賛成ということではあっても、つまり、要望されている項目というのが成立をする、要望が実現をするということの前提に立っての御意見なのかどうか、そこが一点。それから、移動介護について、他の三人の方はいずれも個別給付にすべきだというように御意見を発表されましたが、その点についての森参考人の御意見をお伺いしたいというように思います。二点についてお尋ねします。

森参考人 第一点でございますが、要望するということについて、要望が成就できなければやらないのか、どちらなんだということじゃないかと思うんですけれども、やはり私たちの要望は実現してもらいたいという考えでやっているわけです。したがって、これは政治の世界でやっていただきたい、先ほど私はこういうお願いをしているわけでございますので、要望が通らなければ成立していいのか悪いのか、そういうことを考えて言っているわけじゃございません。ぜひ、我々の力ではもうできないわけですから、政治の力でやっていただきたい。これは基本的なところの問題を私は全部出したつもりです。

 二番目の移動の問題でございます。

 移動もやはり、私は、笹川会長とは大変親しくおつき合いさせていただいてきました。先ほど、四十九年度ですか、いわゆるガイドヘルプができた。私、実は、ちょっとどうしようかと思っておったんですが、小さなところの行政もやっていた人間でございます。まさに四十九年、笹川会長から私が聞いた問題でございます。

 そういう歴史的なものを持っているわけですから、実際に使っている人の意見をちゃんと尊重してもらわなければ困るわけです。私が言っております歴史を戻すなということは、そういう意味も含めて言っておるんです。だから、一つ一つその歴史を見てもらってその中から判断していただかなければ、これはもったいないと思うんです。せっかくここまで進んできた。そうかといって廃案になってしまったら、また右往左往するわけです。

 私が日身連に来て何をやってきたかというと、この問題にずっと取り組むようになってしまったんですね、いわゆるホームヘルプの問題からです。非常に寂しい思いをしております。とにかく、ここまでつくった歴史をちゃんと育てていって、次の世代に引き継ぐべきだと私は思っております。しかし、ここに書きましたとおり、共生社会ということもやらなきゃいけない。やはり国民全体の意見もちゃんと把握した上で判断していかなきゃならない。

 つまり、六十一年度の年金のときも、こういうことだったんですね。いわゆる生活保護はもう嫌だ、子供扱いじゃないか。おれたちに財布を持たせてくれ、そして買いたいんだ、こういう形でやったわけですよ。まさに支援費制度は買えるんじゃないですか。だけれども、お金がなければ買えない、それを私はここへ書いたつもりです。

 したがって、その辺をしていただくと、移動介護は、笹川会長さんがおっしゃったとおり、本人にやはり個別給付という形でやっていただきたいと思っております。しかし、これも政治ですから、どうしてもできないとするならば、知恵を絞って、財政的な保障もまた、ガイドヘルプを使っている視覚障害者の方、知的障害者の方々が納得できる形で整理していただきたい。

 以上でございます。

横路委員 ありがとうございました。

 施設から地域へという場合の核は、やはり地域で生活するということですから、移動介護というのは非常に地域生活での核になるわけですね。

 そこで、笹川参考人にお尋ねしたいと思います。

 視覚障害の方からお話を聞くと、ホームなんかで転落したという経験を持っている方が結構たくさんおられます。そんなことも含めて、移動介護というのは本当に大事なことだと思って、個別給付という御意見は全くそのとおりだというように思います。

 そこで、支援費以前の状況、この支援費になってからも、移動介護をやっている市町村の実施率というのは意外と低いんですね。そんなに高くありません。それで、支援費以前の状況というのはどんな状況だったのかということを、ちょっとお話を聞きたいなというように思います。

 それからもう一点。障害区分の問題というのは大変重要なところでございまして、今まで、例えば精神障害、知的障害を含めて、そんなにノウハウが市町村にあるというようには思いません。そういう人材が本当にいるのかどうかということもわかりません。そうすると、どうしても医療的な観点からだけ判断されてしまって、生活全体をしっかり見るということ、実態を把握するということにならないんじゃないかと思うんですが、障害区分、審査のあり方について、御意見をさらにいただければというように思います。

笹川参考人 お答えいたします。

 まず、歩行の安全をいかに確保するか、これが、まさに我々視覚障害者にとりましては、社会参加できるかできないかの瀬戸際でございます。

 御承知のように、措置制度のころには、もちろん対象が限定されましたけれども、比較的スムーズに、また必要に応じてサービスが提供されました。しかし、支援費制度になりましてから、いわゆる支給量というものが決められました。その範囲で利用するということになりまして、この辺が各自治体間で非常に大きな格差を生じたものでございます。

 例えば、東京都内におきましても、ある自治体では月二十時間という基準を設けました、一方、ある自治体では月六十時間、三倍の支給量というものを認めるというようなことになりまして、かなり格差が広がりました。

 そういう中で出てきた声は、むしろ措置制度の方がよかった。大変残念なんですけれども、措置制度に戻してくれという声さえ聞かれました。それぐらいにやはり利用しにくくなった、あるいはまた必要に応じて提供されない、そういう面が出てまいりました。この辺は、社会参加する上で非常に大きな問題だと思います。

 それから、障害程度区分ですけれども、先ほど申し上げましたとおり、法律的にいいますと、介護保険とこの自立支援法とはかなり違いがございます。つまり、障害者自立支援法というのは、障害者がいかに社会参加できるか、そのための支援をどうするかという法律でございます。一方、介護保険につきましては、これは御承知のとおり、特に寝たきりのお年寄りを中心とした方々に対するサービスでございます。おのずから違う。その辺を明確にする必要があると思うんですけれども、先ほど申し上げたとおり、その認定基準の七十項目をそのまま横滑りして障害者の認定基準に持ってきている。これでは本当に障害者の実態というものは把握できません。しかも、数が大変少ない数でサンプリングされようとしている。こういうことで評価されたのではたまらないというのが正直なところでございます。

 以上でございます。

横路委員 ありがとうございました。

 次に、尾上参考人にお尋ねをしたいというように思います。

 一つは、今もお話ありました障害区分のところなんですが、障害程度区分の二次判定をやった後で、その区分の認定をして支給の決定案を作成しますね。その後で非定型的な支給決定等の場合、意見照会をして、ただ、その場合に、当事者の意見は、当事者の方からは意見を聞いてくれとは言えない仕組みになっています。

 ここのところは、結局は、複合的なサービス提供とか、ある程度は上限を超えたサービスというようなときにきっとかかるんだろうと思いますが、この辺の審査のやり方について、どんな御意見を持っておられるのか、どんな点を心配されておられるのか、そこを一点。

 それからもう一つは、やはり何といっても今回の問題は、定率負担というか応益負担を入れて負担が導入されるということで、皆さん方が、政省令もはっきりしていない点もありますから、自分たちの生活はどうなるかという不安がやはり一番強いと思います。

 先ほどの御意見の中で、低所得者へのきめ細かい配慮をしたと厚生省は言っているけれども、そんな配慮は全然していないという御意見でした。もちろん、所得の保障を確立することなど、問題点はたくさんあると思いますが、この点についてどういう配慮が特に考えられるのか、御意見があればお伺いしたいと思います。この二点について。

尾上参考人 御質問をいただきました一点目についてですけれども、先ほども示しました七ページの資料なんですが、こちらの方の「市町村審査会」の下の方、「非定型的な支給決定案等の場合」については、市町村が審査会に意見を求めて意見を個別審査していくということができる仕組みになっています。何をもって非定型とするのかとか、非定型という言葉自身がこの法律の条文には書いていなくて、これもまた政省令に基づいているということで、非常に危ういところかなと思っておるんですけれども。

 条文でいいますと、二十二条二項ということで、市町村が必要と認める場合は審査会などの意見を求めることができるということですが、この非定型というのは、例えば長時間のサービスの利用であったり複数のサービスの利用であったり、つまり、標準的なサービスから外れる方ということだと思うんです。

 この方たちの利用というのは、実は支援費まではむしろ障害者ケアマネジメントの課題である、つまり、利用促進やエンパワーメントの課題と言われていたのがこの非定型の部分なんですね。つまり、こちらの相談やいわば本人の支援の方の部分なのが、いつの間にか審査のところに来るというこの理屈が、どうもやはりわからないというか、むしろ、今まで言ってきた障害者ケアマネジメントをみずから否定するような仕組みになっていないかということが一点でございます。

 そして、何よりも、障害程度区分が、一定の障害状態ということに限ってとするならば、この後の非定型の支給決定は、例えば本人の意向や、あるいは障害状況のみならず、いろいろな、例えばそれまでの生活経験の有無や、例えば施設経験が長かったのか、親元での経験が長かったのかとか、そして、具体的に、重度の人が多分ここは多いですから、どういう部分にどういうサービスが必要なのかということを、本人と見たことも会ったこともない人が書類だけで審査をするという仕組みになってしまっている。だから、少なくとも、この場合、今現在は審査会が必要と認めた場合は障害者等の意見を聞くことができると書いているだけなんですね。意見聴取だけです。当事者の意見表明の機会をぜひお願いしたい。

 特に、先週の国会審議でも、大臣並びに部長さん、皆さん、支援費制度の自己決定や施設から地域への流れ、そういう理念をもちろん引き継いでやるんだと。とするならば、一番自己決定にかかわる、ここの当事者の意見表明がなければ、自己決定を引き継ぐとはやはり言えないんじゃないのかというふうに思っています。それが一つですね。

 二つ目が負担の部分でございますけれども、御指摘のとおり、所得保障が、例えば社会福祉法を皆さんに御議論いただいた二〇〇〇年から比べて、この五年の間で所得保障はどうか。年金はむしろ物価スライドで下がっています。障害者雇用は、実雇用率が一・四六から一・四一に逆に下がっているんですね。改善どころか、いわば悪くなっている。にもかかわらず、どうやって負担ができるんだろうかという問題がございます。

 他の社会保障制度との整合性ということが言われておりますけれども、やはり障害者の生活実態、就労の状況、そのこととの整合性を踏まえた、そこに照らし合わせた負担の仕組みを検討される必要があるのではないかなというふうに思っております。

 特に重度であればあるほどやはり負担が重くのしかかるということで、いわばもうそれでサービスの利用を断念してしまう。先ほどから出ています、制度の持続可能性は出ても、生活の持続可能性が失われてしまっては元も子もないのではないかと思っております。

横路委員 それでは最後に、松友参考人に二点お尋ねします。

 一つは、現行の小規模作業所でございますが、六千カ所以上あって、皆さんいろいろと御苦労されながら御努力されておるわけでございますが、この点、確かに明確な方向性が示されておりません。先ほど、事業、施設、設備要件の一層の緩和というようなお話がございましたが、この点についてもっとこうしてほしいという点などが、御意見がございましたら、その点をひとつお尋ねしたいと思います。

 それから、今国会での成立ということを最後におっしゃいました。同時にまた、いろいろな問題点、これはほかの団体が指摘されると同じ、共通している幅広いたくさんの問題点が指摘されていたと思います。その問題点は、私どもも全くそのとおりだというように受けとめてお話を聞かせていただきました。その問題点と成立との関係なんですが、先ほどは森参考人から政治が努力しろというお話がございましたけれども、松友参考人の御意見をお尋ねしたいと思います。

松友参考人 二点についてお答え申し上げます。

 まず、小規模作業所の問題でありますが、明確にこれはいわゆる無認可の通所事業、通所施設でございます。ですので、これがやはり法内化していく、法定化していくという方向にやはりきちんと行けるようにしたい。それにはハードルの高い部分を緩和できるものは徹底的に緩和すべきじゃないか。経営母体としてのいわゆる法人の緩和については大胆に打ち出していただきました。これは高く評価できます。

 問題は、中身というか運営。実は、利用する方から見ると余り悪くなってはいけないわけで、少し矛盾するところがあるんですが、いわゆる施設設備とか建物とか、トイレがあるかとかどうのとか、そういう次元ではないだろう。今回は、通所施設じゃなくて日中活動の場というふうに、いわゆる事業として大きく転換するのであるとすれば、いわゆる物理的な条件はこの際はもう無視していいのではないか。いわゆるサービスの中身が問題だろう。

 さらには、今一番心配しているのは定員問題でありまして、社会保障審議会障害部会で質問しましたら、二十人の現在の定員を参考にする、これが基本だという発言があって、関係者は騒然としております。小規模通所授産施設のときにはこれを十人に下げておきながら、また二十人という話は何なんだと。私は基本的には、個人の意見では、定員要件は要らないと思っています。事業であるとしたら、何で定員が要るかと。もし入れるとしたら、悪くても十人は死守していただきたい。そういう意味での要件緩和。

 しかし、では、サービスの質をどこで担保するのか。現に非常に不祥事があります。これをどのようにするかというのは、やはりこれはいわゆるサービスを実施する、提供する人の資格制度の問題であるとか、そういう分野で議論していただかなくてはいけないのではないか。医療と比較すると、医療は、例えば開業の先生のクリニックであろうが大学病院であろうが、いわゆる大きな柱としてのシステムができております。福祉にも、それに近いようなサービスの規制、いい意味での中身をコントロールするものは必要だろう、ただ、それを物理的な、あるいは経営母体でもってやるべきではない、これが第一点であります。

 二点目は、要するに、いろいろな各論といいますか条件を前提として今回のいわゆる法律化ということでありますが、これは森さんと全く同じでありまして、私たちは基本的には中身をさらに修正、前進させていただきたいんですが、これはやはり成立を避けて通れないだろうという考えを持っています。

 といいますのは、最初に申しましたように、一体我々のサービスはどうなるかという不安をみんなたくさん持っております。そのことで大混乱し、予算のいわゆる内部的な獲得等があったとともに、もう既にほかの事業、ほかの部分に影響が出ているという中で見た場合、新しい確固とした制度をつくらざるを得ないということが一つあるし、何といっても、知的障害のいわゆるサービス利用において支援費制度が破綻したかのように言われるように、まだまだ知的障害の方の利用は大きく伸びるはずであります。

 そういうことを踏まえていくと、やはりここではとにかく成立を来すことによって次のステップへ持っていくということにしないと混乱状態が続く、本当の意味での問題の突破につながらないだろうという意味では、当然各論についての改善を強く望みたいわけでありますが、それができないからこれは流すというわけにはいかないだろうというように考えております。

 以上です。

横路委員 時間が来たからこれで終わりにいたしますが、これからも慎重なる審議を続けてまいりたいと思いますので、お気づきの点がございましたらまた御意見をいただければというように思います。

 ありがとうございました。

大村委員長代理 次に、山口富男君。

山口(富)委員 日本共産党の山口富男です。

 きょうは、四人の皆さん、意見を述べていただきまして、どうもありがとうございました。

 きょう、朝から聞いておりまして、皆さんから、今度の法案への不安、それから、障害者の皆さんの意見をまず聞いてくれ、そして実態を見てくれ、こういう御意見が繰り返し出てまいりました。私は、今度のこの自立支援法を見まして、そういう声が出てくるのは当然だと思うんです。

 といいますのも、この法案がつくられてきた過程が大体、障害者部会の議事録を見ましても、きちんとした協議が十分なされないままで出発しているということがありますし、出てきた法案の中身そのものが、利用者負担の問題を初めとして皆さんに本当に不安を与える内容になっているからだと思うんです。

 きょう指摘していただいたさまざまな問題点は、私は、委員会の質疑でもきちんとそれをただして徹底した質疑を今後ともやりたいと、まず表明しておきたいと思います。

 さて、お述べになった順番に、森さんからお尋ねしてまいりたいんですけれども、利用者負担の問題なんですが、歴史の尺度をもとに戻すなという厳しい指摘がありました。それで、先ほど尾上さんからも指摘があったんですが、障害者基礎年金自体は、物価スライドがとられておりますから、この五年間ずっと下がりっ放しなんですね。そうしますと、森さんが、障害基礎年金の水準では不十分であり、年金額の引き上げを含む障害者の所得施策について本格的な検討に着手すべきだという提起をされているんですけれども、今の所得の水準からいって、この応益、定率負担を導入するには無理があるというお考えなんでしょうか。

森参考人 大変難しい問題でございますが、私の方では、これにつきまして、経過措置だとか年度で区切っていったらどうかとか、いろいろもう少し知恵を絞ってもらいたいということを考えております。

 個人的に言いますと、まさに六十一年度に障害者基礎年金ができまして、何か、社会の水準が下がったというたびに、低いにもかかわらずどんどん切っていった。私は外で見ていまして、大変ふんまんやる方なかったです。ですから、これまた、この障害基礎年金の問題を真剣になって取り組んでいただけなければ、これは障害者をただ泣かせるだけになってしまうだろうと、大変怖いわけでございます。

 とにかく、この所得の問題というのはそう簡単にすぐにいくわけじゃないということはわかっております。したがって、これは何も基礎年金だけのことを僕は言っているわけじゃないんです。その後にちゃんと所得の全体のことを言っておりますので、例えば、いろいろ手当もあるでしょうし、あるいは住宅的な扶助みたいなものもあるでしょうし、いろいろ知恵を絞る方法があるんだろうと。ただ、要は障害者が地域でひとりで独立して生きていけるお金かどうか、しかも、一番初めにお話しいたしましたとおり、生活保護を受けなくてもやっていけるかどうか、そういうような観点から高度の判断等をしていただきたい、審議もしていただきたい、これが私の願いでございます。

 以上です。

山口(富)委員 森参考人にもう一点お尋ねします。

 今指摘された中にも出てきたんですが、きめ細かい低所得対策を行うことという意見が述べられましたけれども、今の政府の提案ですと、利用者負担でいうと四つの区分をやるわけですね。ところが、この区分というのは、現実の年金からいきますと物すごく重たい上限なんですね。ですから、低所得対策どころか重さを与えるようなものになっているんですけれども、ここで、経過措置を講じ、段階的に引き上げるなどのきめ細かい低所得対策を行えということなんですが、もう少し具体的に、例えばこういうことはやってほしいという要望は何かあるでしょうか。

    〔大村委員長代理退席、委員長着席〕

森参考人 確かに、四区分でございますので、もう少しきめ細かい段階をできないかなということも考えております。

 それと、六十一年度のときに費用徴収をやって、扶養義務者のところに親兄弟があったわけですね。それを国は二分の一したんです。そしてそれを、私のところは言ってしまえば東京都でございますけれども、四分の一、その二分の一までやりました。そういうこともやって障害者の人たちがやはりやれるような形にしましたし、また、東京都の場合におきましては、既に重度心身障害者手当の支給など、いろいろやってきておりました。

 ただ、これは、持てるところはやるけれども、市町村はできないというのじゃ困るわけで、格差是正はやってはいけない。したがって、国の方で施策的に何かお考えできないかなと。ですから、横に縦にといろいろあると思うんですけれども、とにかく、やはり一応計算してみて、本当に大丈夫かと。例えば、今、補足的な形で減免のところもありますよね、食事や何か。そのときに、持てる金が、その他の経費で二万五千、あるいはそのうちに二万一千だよというんですけれども、施設でそんなのでいいのかなと。その辺をぐっとふやしたりなんかすることもあり得るんだろうと思うのです。

 ですから、これは政省令が出てこないとわからないので、したがって、私がお話ししているのは、政省令も含めた上での検討をお願いしたいということでございます。そういうことで、いろいろと検討する方法があるのかな、こう思っております。

山口(富)委員 続きまして、笹川参考人に二点まとめてお尋ねいたします。

 第一点目は、視覚障害者への就労支援の問題なんですけれども、御意見の中で、介助者の助成制度は十年で廃止という、今度出ております。皆さん方はこれをヒューマンアシスタント制度ともお呼びになっていますけれども。私は、これを廃止するというのはちょっと信じがたいんですけれども、つまり許されない方向だと思うんですね。今、視覚障害者にとって必要な就労支援というものはどういうものがあるのか、これを一点、お尋ねしたいんです。

 それからもう一点は、障害の程度区分の問題なんですけれども、今度、モデル事業を今やっと始めたんですね。介護保険でも一年がかりでモデル事業をやって新しい制度ということなのに、障害者の分野の場合は、法案を出してからモデル事業という本当にひどい話なんですが、笹川さんは障害者部会にも参加されていますのでお尋ねしますけれども、社会保障審議会の障害者部会では、障害程度の区分についてきっちりした議論をやっていたのか、いなかったのか。

 この二つ、お答えください。

笹川参考人 まず、就労の問題ですけれども、これは平成十三年の実態調査によりますと、視覚障害者の就業率は二三・九%ということになっております。大変低い就業率です。特に問題なのは、一般企業への就労というのが極めて困難だということでございます。したがって、先ほども申し上げましたけれども、ほとんどの視覚障害者で自立している者は、伝統的なはり、きゅう、マッサージに就業をしております。

 しかし、このはり、きゅう、マッサージの分野におきましても、今は大変厳しい状況に置かれています。特に、はり師、きゅう師の養成施設問題につきましては、憲法上の問題という、我々からすれば納得できない理由で無制限に養成施設が今できております。また、マッサージ分野におきましても、いわゆる無資格者が激増いたしまして、実際に、三年間、高校を出てから勉強し、国家試験を受けて免許を取得して開業している者の生活を著しく圧迫しております。

 そういう中で、特に最近大きな問題になってきたのは、日本とタイとの自由貿易協定の項目の中に、タイ式マッサージあるいはタイ式スパ、こういったものを導入しようという動きがあります。もしこれを導入するといたしましたら、さらに視覚障害者の自立の道は厳しくなります。場合によったら閉ざされるかもしれない、そういう危機的状況に今置かれております。

 一方、それ以外の職種の開発が可能かと申しますと、これは大変厳しい状況でございます。最近は、コンピューター分野に進出する者もおりますけれども、それは本当に限られた数でしかない。例えば、この三月に卒業した者の就業状況を見ますと、はり、きゅう、マッサージの国家試験にチャレンジした者は約六百人、それに対して、コンピューター関係の分野で就業を求めた者は十数名にしかすぎません。やはり、一般企業で我々視覚障害者が働くということはそれぐらいに難しい。

 そのために、重度の障害者に対する介助者制度があるわけですけれども、これが年限が限られて、十年たったら適用しないというようなことでは、もうそこで退職しなきゃならないというようなことになってしまうわけで、この辺をやはり十分対応していただく、つまり適用年数を延長する。

 ドイツの例を取り上げますと、ドイツでは、いわゆる司法関係に進んでいる視覚障害者がかなりあります。日本とは比較になりません。そういう判事ですとか弁護士に対してはきちっとアシスタント制度があって十分に活動している、そういったことも、実例がございますので、ぜひ参考にしていただきたいというふうに思います。

 それから、今度は障害区分ですけれども、これは先ほどから何度も申し上げておりますとおり、本当に身体あるいは知的、精神障害のある者の適切な評価ができるかどうか、これが問題です。

 何だか火事場に間に合わせるために調査をするみたいな、わずか六十一市町村で、しかも一市町村三十名、これだけの数でデータを出す。身体障害者の場合十名ということになっておりますけれども、身体障害者の中で視覚障害者が占める割合は一〇%です。したがって、十人のうち一人が対象になったとしても、その視覚障害者も一級から六級までありますから、どういう人が対象になるかわからない。それをコンピューターにかけてはじき出す。これでは、余りにも実態を無視したやり方だというふうに考えておりますので、私たちは、今厚生労働省に対してもこの点については改善を求めております。

 この障害程度区分の原案が示されたのは四月の二十六日の障害者部会でございます。十分中身を検討するだけの時間の余裕はありません。しかし、私どもの団体ではその資料を直ちに各団体に回しました。そして、問題点を指摘してもらいましたけれども、加盟五十九団体の中で、すべての団体が、これでは正しい評価はできない。拒否しろというような声さえ聞かれているのが現状でございます。

 以上です。

山口(富)委員 どうもありがとうございました。

 続きまして、尾上参考人にお尋ねしますけれども、きょうは資料もいただきまして、今度の利用者負担が地域生活の危機になるということが実態に応じて示されたんですけれども、これは憲法二十五条の定める生存権の侵害にも当たるぐらいの重さなんだという認識なんでしょうか。

尾上参考人 時間の関係ではしょったものですけれども、お手元にお示しをしていますとおり、今現時点で、いわば生活保護以下の収入水準で生活をしている人がやはり障害者の中にはいるんですね、現実に。なぜかといいますと、生活保護を本人は当然権利としてとりたいんだけれども、生活保護をとるぐらいなら地域生活をやめて施設に入りなさいという家族の意向のためにとりたくてもとれない。それで、何とか年金とその他で十万円のぎりぎりで生活をしている。そこからさらに、申し上げますけれども、今回低所得者に十分配慮したというのが、その十万円の生活の中から二万四千六百円をいただくという仕組みなわけですね。

 これはやはり、非常に大きな問題がある、地域生活が継続できないということですので、特に今回、個別減免という仕組みで、もしそれで生活保護に落ちる人は減免をしますよということが部会の中では出ているんですけれども、最初からいわば生活保護に落ちるということを一定想定して制度設計をするということ自身に大きな問題があるのではないでしょうか。

山口(富)委員 その生活保護の問題を前提にしているということ自身を取り上げても、私は人権問題だと思うんですね。

 それから、もう一点お尋ねします。

 精神障害者に対する通院医療の医療費の公費負担制度の問題なんですけれども、いわゆる三十二条ということなんですが、これは、もともとこの精神障害者の皆さんが継続的に病院に通院していただく、そしてそのことを通じて社会への参加、復帰という問題が実現する非常に大事な筋道なんですけれども、これを事もなげになくしてしまうという、これについてはどういうお考えをお持ちでしょうか。

尾上参考人 わずか三カ月で二十一万人以上もの署名が集まるというのは、私、こういう障害者運動を二十数年やっておりますけれども、本当に初めてなんですね。つまり、それだけやはり大きな不安をもたらしているということだと思うんですが、特に今回の法律のつくり方が、非常にここの部分は乱暴だなというふうに思っております。これは、先ほど申し上げましたとおり、自立支援法の中でも自立支援医療に一本化しますよ、精神保健福祉法はその関連で改正しますよという言い方になっています。

 本来は、もう一度申し上げますけれども、精神障害者を取り巻く状況を踏まえた精神保健福祉施策はどうあるべきか、そのことの議論の上で精神の通院公費負担はどうあるべきかというのがその次の議論としてなければならないんですが、その前提的な議論が全くない状態で出ているというのが今回ですので、ぜひその点、国会で丁寧な議論をやはりお願いをし、その二十一万人以上の署名におこたえをいただきたいなというふうに思っております。

山口(富)委員 どうもありがとうございます。

 次に、松友参考人にお尋ねしますけれども、先ほどの質疑の中でも、今度の利用者負担の問題で利用の抑制が起きる可能性があると。それは、やはり負担が重たいですから、それを耐え得るにはサービスを受けることを抑制するわけですね。それで、この間質疑で、厚労省側はこの負担についてぎりぎりの線でお支払いいただけると言うんですよ。果たして、松友さんからごらんになってこれは払えるものなんですか。

松友参考人 利用者負担の件でございますが、一番厳しいのは要するにグループホームで生活して通所の事業を利用される方であります。率直に言いまして、東京等の大都市にいらっしゃる方、今でも障害基礎年金では足らないというのが実態であります。ですから、当然ながら、それは一体どうなるんだろうというものがあります。

 その中で、やはり一番大きいのは家賃の問題でありまして、先ほど別の参考人への質問がありましたが、具体的に、やはり謙虚に削るなとかいうだけではなくて、払える体制をつくっていかない限りはこれは成り立たない。ということは、やはり家賃補助、要するにいわゆる生活保護における家賃補助等の水準に合わせたレベルの家賃に対する補てんがないと、財布の中にはお金がないというのが実態じゃないかというふうに思います。

 とにかく、確かに障害のある方というのもいろいろな事情があります。経済状況とか、入所している方には十年入所していると何百万もお金が残るとか、いろいろなことが言われておりますが、ですから個別的な部分についてはあろうかと思いますけれども、少なくとも障害基礎年金を基本とした収入をベースにした人にとっては、これは著しく危機的な状態であるというのは言えるかと思います。

 以上です。

山口(富)委員 松友参考人にもう一点なんですが、きょうお話をお聞きしまして、例えば知的障害の問題での定義の問題もきちんとしていないという話がありました。それで、今度の質疑を通じましても、政府側に答弁を求めると、推定ですとかいろいろなデータを集めるとこうなるとかいう形で、これだけ大きな制度改正をやろうとする割には基本的な資料、データという言葉はよくないかもしれませんが、皆さんの実態がきちんと把握されていないというのを痛感するんです。

 この点は、どうなんでしょうか。基本的なそういう作業を終えていないんじゃないかという御意見なんでしょうか。

松友参考人 きつい言い方で恐縮ですが、我が国の知的障害者施策のまさに根底を示す事態であろうと私は理解しています。

 先ほどから障害程度区分等の議論がなされておりますが、四十数年間定義を法の中にもつくれなかった我が国において適切なる知的障害に対する障害程度区分がつくれるのかというのは、だれが考えたって疑問であるし不安であります。

 やはり一番大きな問題は、我々親の会、親においても責任があろうかと思いますが、研究者や専門家において、もちろん行政がありますが、当事者が主張できないのをいいことにしてこれをきちんと議論してこなかった。それゆえに手帳制度も都道府県知事に任せている。それゆえに身体、精神に比べると国の制度としてない。結果としてデータが出てこない。

 ですから、データが出てこないだけじゃなくて、いかに知的障害がそういう差別的な排除された状況の中でこの間来たかということをこのことによって暴露されている。そのことで一気に、さあ知的障害者の利用がふえたので支援費が云々と言われたら、何をか言わんやと。

 ですから、この問題については、やはりこの法の中でということを通じて、さらには三法の統合等を含めた中で、きちんと歴史的なけりをつけていただきたい。そうしない限りは、また当然財政破綻するのはもう目に見えている。

 この問題は、やはりなかなか、知的だけの問題のように見えますが、実は、その周辺にいると言ったら失礼ですが、発達障害全般のこと等含めてやはり大きな課題であって、これを解決しない限りは、三障害の統合というだけでは何ら新しい展開にならないという意味でございますので、障害程度区分を含めて、ぜひこの件について、慎重なる御審議とともに画期的な方向性をお出しいただきたいというふうに期待しております。

 以上です。

山口(富)委員 時間が参りました。

 皆さんからの厳しい批判と不安の声に真っすぐこたえて、慎重審議、堂々とやってまいりたいと思います。

 ありがとうございました。

鴨下委員長 次に、阿部知子君。

阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 本日は、参考人の皆様、特に障害の当事者であったり、長く障害のある方々を支えて頑張ってこられた皆さんの貴重な御意見を拝聴することができ、私ども国会にいる者にとって本当に責任の重さを痛感する次第であります。そして、そうしたことと同時に、例えば先ほど尾上参考人の資料の中にございましたが、我が国の障害施策にかかわるそもそものパイの小ささ、このことが国会議員みんなに認識されないと実はこの法案はにっちもさっちもいかないんだと平易な言葉では思います。

 私どもの委員会の中で、例えば小泉総理に来てもらおう、あるいは谷垣財務大臣に来てもらおう、あるいは、きょうはちょっと御参加が少ないですが、もっと責任政党の自民党の委員の皆さんにもたくさんいてほしいと思います。

 というのは、この障害者問題、かつては障害者問題という部分問題でしたが、実はこれからの時代は、だれでもが障害を持ち得るし、また国の骨格的な政策であるからして、このことを避けては通ることができないという認識に立たないと、少子高齢社会のグランドデザインができないと私は思っております。

 そうした観点に立ちますと、きょう、四人の参考人の御意見というのは、実は、例えばこの法律ができなくて成立しなくても、後は野となれ山となれでは、あすから先が見えない谷間に落ち込んでしまう不安と、しかしまた一方で、私もその一人ですが、これで、この法案で本当にやれるの、これ大丈夫なのという不安が、本当に両方で渦巻いているような気がいたします。その一番の理由はもとのパイが少ないということですが、それ以外にも、理念的な問題も多々あるように思います。

 きょうは順次、御発言いただいた順番で限られた時間で質問をさせていただきます。

 冒頭、森参考人にお願いいたしますが、やはり御指摘の点で最も重要なのは所得保障の問題であります。これは六十一年に障害者年金という形で確立されておりますが、しかし私は、やはり先ほどの山口委員と同じように、今の障害をお持ちの皆さんの所得レベルで応益負担なるものを導入して、実はさらに、さらにさらに暮らしも苦しく、そしてある方は生活保護には落ちないと言う。これも私は不適切な言葉だと思います。生活保護というのは、もっと日本の中で捕捉率が少ないわけです。生活保護の現実の収入以下でお暮らしの方がたくさんいて、しかしさまざまに、貯金を持てないとか子供の就学のためのお金をためることもだめとか、とても使い勝手の悪い制度になっている中で、右にも左にも行きようがない政策になると思います。

 非常にわかりやすく教えていただきたいが、一体幾らぐらいあれば暮らせるのか、障害を持って、そしてこのシステムで。この点について、実は、私は党の中で年金担当の合同会議にも出ておりまして、我が党は国民年金と今言われております部分の基礎年金、基礎的暮らし保障年金八万円という試算を一応いたしました。このときも随分自分自身は苦労しました。しかし、いろいろなお声を聞いて、その基礎を一体幾らに置いておけばいいのかというのは、これからある程度の負担を皆さんにお願いするような社会の仕組みではやはり合意しておかないとスタートができないと思います。

 森参考人は、長い年月障害者施策をごらんになってきていて、さっきは、これは応益にしたって今ちょっと大変だから移行期を設けてやった方がいい、あるいは入所の方にも預貯金が残るようにしなきゃいけないという感覚をお述べくださいました。本当にそうだと思いますが、果たして、私たちの政治の責任で、住宅の費用とかもございますが、現金にかかわる収入は、障害をお持ちの場合、一体幾らと考えていけばよいのか、お考えをお願いいたします。

森参考人 大変難しい問題だなという気がしております。

 そもそも、生活保護ではいけないという意味は、私の考えでは、生活保護というのはやはり一時的なものであろう。したがって、更生というのがバックにあるわけですね。ところが、障害者の問題というのは生から死までしょっていっちゃう。そうすると、全く親がかりでいく、これはやはり脱却すべきだ、これは人間の冒涜ではないか、私はそう考えているんですね。したがって、本当は、地域の生活不自由の人たち、重度の人たちがひとり生活する一日の姿、一週間の姿、一年の姿、こういうものを描きながらやらなきゃいけないだろうと思っています。

 それで、額はどうかという難しい問題ではありますが、昔、費用徴収制度が入る前は、身体障害者関係の施設は、生活保護費計算の一・五倍、この収入があった人についてはいわゆる食費を納めていただきます、こういう制度だったのです。それが変わったわけです。それも一つのヒントかなと。つまり生活保護の一類、二類プラスあれで、これは地域によって違いますけれども、例えば一・五というのも一つの線かなというふうに思ったり、あるいは、そうすると今度はやはり国民の人たちが納得しないかなと思ったり、大変難しい問題だと思うんです。

 でも、やはり人間が人間をどう保障するかというのが障害者の問題だと私は思っていますので、その辺をやはり、我々の意見は意見ですけれども、皆さんがぜひ御解決していただいて、どうだと、こういう案を反対にいただきたいなという気がするわけです。

 それで、お互いに平等に共生社会をやるのならば、そういう形が、お互いにコンセンサス、ですから、私は応益とか応能とかというのじゃなくて、やはり物を買う、胸を張って買う、そのためのお金がどうなんだろうというような計算と、やはり哀れみだとか何かじゃないんですよね、権利。もうすぐですよ、権利条約が今さっき出ましたけれども、その後に出てくるのが何かといったらば、差別禁止法ですよ。恐らくそこへ行くと、今の法律のもっと集大成で、総合的な障害者法みたいなのができるかもしれませんし、そこまでのつなぎもあるわけです。目標はそこへ行くんですよ。

 ですから、その辺を踏まえた上でやっていただかなくちゃいけないし、そうかといって、これを廃案にしていいなんということは、私は、本当に障害者みんな不安になってしまいますよ。だから、やはりいろいろな障害者の意見を聞いて、みんなで知恵を絞っていい制度にしていただいて、法律はそれなりにしていただかなければ、やはりいつまでもこんな不安で、もう障害者の人たちが集まらなくてもいいような、胸を張って歩けるようなことをしていただきたいな。これは、やはりまだまだ差別というのはあるじゃないですか。

 それと、もう一つは、最後は、私は、いわゆるいろいろの法律は、だれでも利用できるというような法律になってもらいたい。特別の法律じゃなくたっていいんですよ。例えば公営住宅法でもそうでしょう。今度は知的障害者もあるいは精神障害者も単独で入れてもいいですよという話になってきた。あるいは年金だって、これはやはり一般的な国民の中のあれとしてやっているわけですよ。それとまた雇用の問題だって、社会的な問題としてみんなでやっていこうという考え、そういう考え方にしていかなくちゃいけないだろう。しかし、そこへ行くまでの間、やはり、この機会はいい機会だと私は思っています。

 なかなか、口で言うのは簡単ですけれども、その理念等についても実現していただきたいな、こう思っております。

 以上です。

阿部委員 差別禁止法の早期の成立ということは、ここに参加の委員の各位も思っておると思いますので、なお努力したいと思います。

 引き続いて、笹川参考人にお伺いいたしますが、私もきょう改めて自分の認識の甘さを思いましたが、視覚障害の方の半数以上が七十歳以上、そして六十歳以上が七三・四%、いわゆる年金受給年齢でございます。就労はかなり中途失明の方は難しいと。そうなりますと、先ほどの年金問題、現実の収入保障の問題がそこに厳然としてあるわけですが、果たして、これもまた重なって恐縮ですが、その年金額あるいは現実の収入で移動も含めて応益負担していかれる、可能でありましょうか。その点についてお願いいたします。

笹川参考人 私どもの団体、実は明日から三日間、山口県の下関市で第五十八回の全国盲人福祉大会を開くことになっております。その中で当然この障害者自立支援法は議論の中心になりますけれども、これまでにも私どもは、今の年金の給付額は極めて不十分、最低、一級を十万円以上に、また二級を七万五千円以上に引き上げていただきたいということで要求をしてまいりました。残念ながら、今日なお、その日を見ないわけでございますけれども、今回もし応益負担が導入されるとしたら、これはもう明らかに福祉は後退です。少なくとも年金で対応できるだけの引き上げをすべきだというふうに考えます。

 先ほど御指摘ありましたとおり、視覚障害者の場合は本当に年金生活者が大半です。そういう人たちが今度のこの制度で本当に必要なサービスが得られるかどうか、これは極めて私は疑問だと思います。結局はもう家でじっとしているしかない、全く今の時代の要求に反した方向へ行ってしまうんじゃないかというふうに考えております。

 欧米先進国に比べても今の年金水準は決して高くはない、低い。国力あるいは経済力に応じた年金の支給を図っていただきたいというふうに考えております。

 以上です。

阿部委員 ますます課題が重くなりました。ありがとうございます。

 引き続いて、尾上参考人に、私どもは、国会の審議をいたします場合に、やはり現実が見えないと何を私たちがやらなきゃいけないかが見えないという点で、きょう参考人がお示しいただいた資料というのは本当にリアルだと思いますし、こういう資料に基づいて、どうしなきゃいけないか、どうすることが可能かということになるんだと思います。

 いただきました資料のうちの二ページですが、「グループホームでの生活が危機?」とございます。本当に今の日本の障害者施策の中で最も欠けている住宅政策、というか、障害者だけじゃなくて全部の国の政治で欠けておりますが、ここの「グループホームでの生活が危機?」というところにつきまして、もう少し現状を私どもにお示しいただければと思います。

尾上参考人 このグループホームについても、今回、自立支援法でどういうふうになるのかと非常に懸念されるところでございます。

 資料の二で、グループホームでの移動介護は利用不可にというふうなことをまず一点書いておりますけれども、この点、まさに今回の国会審議の中で御議論をいただきたいところなんですが、今までは、グループホームに入居している人も、地域生活への第一歩ですから、そこからホームヘルプを使ったりガイドヘルプを使って、つまりそれを足がかりにして社会に出ていく、そしてそのことによって地域生活が可能になっているんですね。

 ところが、今回の法律事項の中には書かれていないにもかかわらず、今回の共同生活介護、共同生活援助で、グループホームやケアホームの利用者は移動介護は使えなくなるというような話が出ております。この点も含めて、国会でぜひ確かめていただいて、もしそうなったとしたならば、閉じ込めの間になってしまいます。

 そして、グループホームと、今回ケアホームというのが新しくできるということなんですけれども、この点、ちょっと条文の方、この資料の六ページを見ていただけますでしょうか。六ページのところの上から二段目ですけれども、ケアホーム、第五条十項というのは、「この法律において「共同生活介護」とは、障害者につき、主として夜間において、共同生活を営むべき住居において入浴、排せつ又は」云々という「便宜を供与する」というふうになっているんですが、地域生活というのは一言も入っていないですね。共同生活援助の方は地域生活というものが入っております。要は、この書き方というのは、条文を見ていただければわかりますが、ここの「共同生活を営むべき住居」ということをそのまま「入所施設において」というふうに置きかえれば、全く入所施設の文言なんですね。

 だから、この点、このケアホームは地域生活の場なのか、いわば小規模施設なのかということをぜひこの国会で御議論をいただきたい。私たちはあくまで、やはりこのグループホーム、ケアホームというのは地域生活の場でなければならないというふうに考えます。

 それと、あともう一点は、先ほど松友さんもおっしゃっておられたとおり、施設の横に併設したり、ましてや病院の敷地内につくるようなものを、ここで言うグループホームやケアホームと言っては絶対ならない。なぜなら、この法律は、少なくとも市町村は、障害者がみずから望むいわば場所において地域生活を営むことができるということを目標にしているわけですから、施設の横や病院の敷地内にできるようなホームがグループホームやケアホームと言われると、そもそもの法律の枠組みからも大きくずれることになるのではないかと思っております。

阿部委員 最後に、松友参考人にお伺いいたしますが、実は私は月曜日は小児科のお医者さんというのをやっておりまして、昨日も、長く診ているダウンのお子さんと御両親が来られて、その子は授産所で働いていて、パンづくり、パウンドケーキを焼いているんですけれども、もちろん工賃はゼロ。次に来た子は、長い難治性のてんかんのお子さんで、この子はクッキーを焼いていて、月に四千円もらっておる。私が言うのも変ですが、障害をお持ちのお子さんを長く抱えて療育してこられた親御さんというのは、本当に頭が下がるというか、こういう親のもとに神様はお与えくださったかと思うような、頭が下がる親御さんです。

 特に私が医療現場にいたこともあって、やはり、子供が障害を持ったり、てんかんもそうですし、心臓病もそうですし、先天異常のダウンもそうですが、そういうお子さんをはぐくみ、育てている育成医療の分野も、今度は自立支援医療という形でよくわからない範疇に投げ込む、精神障害に関する医療もそうですが。私は、これは、将来的にこの自立支援法が介護保険と統合するという方向は私は是とするのですが、そのときに医療の問題が、また、自立支援医療というわけのわからないボックスの中で行き場がなくなってしまう。介護保険は医療という範疇と違う部分で成立しておりますし、医療モデルがとられるということは望ましくないわけですから。

 その意味で、松友さんもお子さんのてんかんやいろいろなことでお悩みになり、またお金もかかったし、医療費以外にもかかるんですよね。そういうところで、今回、医療問題がこの障害者自立支援法の中にごそごそっと、私にしてみれば入り込んでいると思うのですが、この点は、親御さんの立場、特に、今までの児童福祉法ですと育成ということがメーンなんですね。そこから外れていく、もちろん障害ということは同じであるが。この点についての御意見を賜れればと思います。

松友参考人 全く予測していなかった質問であり、かつ、私たちの内部においては十分な検討をしていなかったテーマであります。

 ただ、御指摘のとおり、医療モデルではなかったとしても、医療的な支援というのはあらゆる障害の方にとって極めて大きいし、特に疾病、疾患がベースにある人にとって、あるいはそれが不足している人にとっては、欠かせないテーマであります。釈迦に説法ですが、児童期と成人期等においては対応等も異なるかと思いますけれども、やはり、医療システム、医療技術とともに医療費という部分に十分なるフォローがないと、障害を重くしたり、あるいはそういうことによって不幸なことになるというのを身をもって感じているところであります。

 ただ、率直に申しまして、十分なる検討を組織としても個人としてもしておりませんので、この具体的な意見については述べることはできませんが、やはり、医療問題がよくも悪くも障害分野において、知的の分野でもそうですけれども、ややもすると軽視されているというか、あるいは、医療でだめだからもうあとは福祉だ、あとは自立生活だという形でされていることについては、ある種、私は不幸なことだと思います。医療も一つの支援技術、支援システムの一つとして、先ほど言いましたようなきちんとした、医療費を含めて、体制が整えられていく、そのことによって社会生活も保障される面があると思いますので、この件も含めて十分な体制整備をお願いしたいというふうに思っております。

 ありがとうございました。

阿部委員 皆さんの貴重な御意見を生かしながら、これからの国会審議を進めてまいります。

 ありがとうございました。

鴨下委員長 以上で午前の参考人に対する質疑は終了いたしました。

 この際、参考人の方々に一言ごあいさつ申し上げます。

 参考人の方々には、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。

 午後三時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前十一時四十六分休憩

     ――――◇―――――

    午後三時一分開議

鴨下委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 午前に引き続き、両案審査のため、参考人として、財団法人全国精神障害者家族会連合会理事長小松正泰君、財団法人全日本聾唖連盟理事長安藤豊喜君、社団法人全国脊髄損傷者連合会副理事長大濱眞君、日本障害者協議会常務理事藤井克徳君、以上四名の方々に御出席をいただいております。

 この際、参考人の方々に一言ごあいさつ申し上げます。

 本日は、御多用中にもかかわらず本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただき、審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。

 次に、議事の順序について申し上げます。

 最初に、参考人の方々から御意見をそれぞれ十五分以内でお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。

 なお、発言する際は委員長の許可を受けることになっております。また、参考人は委員に対して質疑することはできないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。

 それでは、まず小松参考人にお願いを申し上げます。

小松参考人 ただいま御紹介にあずかりました全国精神障害者家族会連合会、通称全家連といっておりますが、そこの小松でございます。

 本日は、このような意見発表の機会を得まして、本当にうれしく思っております。

 まずは、障害者自立支援法案でございますけれども、過去に精神障害者が、過去というか現在もそうなんですが、保健、医療、福祉におきまして、他障害に比べまして非常におくれといいますか、格差が大きい。それから支援費制度が、いつも言われますけれども、精神障害者はこれからも外れているというようなことがございました。今度の法案におきましては、三障害の壁を取り払って一元化を図る、それから福祉予算の義務的経費化、また、現状のままで将来の精神障害者のサービスの需要増にどう対応できるんだろうかというふうなこともございます。そういう観点、及び、将来的には、年齢や障害のあるなしにかかわらず、普遍的な介護サービスがみんなが受けられるような、そういう制度化も視野に入れながら、この自立支援法案につきましては、私どもとしては、非常に期待が大きく、また大枠的には評価するものでございます。

 しかしながら、一方、この法案の中には、先生方のお手元の要望書にるる書きましたように、幾つかの課題がございます。十五分と時間が限られておりますので、一部省略しながら、要点を絞って御意見を申し上げたい、改善につきましてはひとつ強く要望をしていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。

 お手元の要望書をちょっとごらんいただきまして、一番ですけれども、費用負担の原則は個人単位の所得にしてくださいということでございます。

 この法案の名前のとおり、障害者の自立を推進することが目的であるとするならば、当然、障害者の自主性だとか人間性、個人性、これを尊重して、所得は絶対に世帯単位でなく個人所得にしてほしいということでございます。それから自立支援医療につきましては、後でまとめてちょっと申し上げますけれども、支援費制度で既に実現しているように、厚労省の施策では、民法に先んじて扶養義務者の考え方を廃止するべきであるというふうに考えております。

 それから二番ですけれども、応益負担や一律自己負担の導入の前に所得保障制度を確立すべきだ、こういうふうに見ております。

 精神障害者は、皆さん御存じのように、根強い世の誤解、偏見がございます。病気を隠さない限り、就労することはほとんど絶望的です。病気を隠して就労すればこれがまたストレスになって、服薬の影響もありますし、ともかく体力、気力が続かないというようなことから、勤めが長続きしないというケースがほとんどです。退院している家族会会員を見ますと、会員の八〇%の子弟が仕事も行く場も友達もない、家に何となくいるというようなことがございます。実は、我が家にも五十一歳になる長男が統合失調症で引きこもっております。その多くは、収入は障害年金だけです。また、精神疾患の発症年齢の関係もありまして、精神障害者の無年金者というのが非常に多い実態がございます。

 ですから、新法にある就労関係事業、これにつきましては、働くことが目的なんですから、そこから利用料の負担が生じること自体が矛盾している、だから、利用者負担を対象事業から除外していただきたいというふうに思います。

 所得保障の例につきましては、要望書に書いたとおりでございます。

 それから三番ですけれども、より多く障害者がサービスを利用できる制度にしてほしいということでありますが、ここで、精神保健福祉法第三十二条の通院公費負担制度がございますけれども、これが自立支援医療に移行した場合についての要望を前の一、二項に関連して述べさせていただきます。

 まず、自立支援医療費においては、かかった医療費の原則一〇%の応益負担となっています。そして、世帯合算の所得が幾らであるか、及び、重度かつ継続に該当するかどうかによって、負担上限額を段階的に設定しています。重度かつ継続というのは、これはまた一定所得以上の場合には経過措置にも影響します。

 そこで、要望なんですけれども、ここで言う所得というのを、先ほどと同じように、世帯単位でなくて本人の所得としていただきたい。精神疾病の発症年齢の関係、これはまた出てくるんですけれども、大体二十前後で発症します。そこに集中しているんですけれども、その関係で、親の多くは既に年金生活者です。所得のある現役の親もいますけれども、発症直後の入院、退院などで、これは精神の場合すべて自費なんですね、経済的にも疲弊しています。それから精神的にも疲労こんぱいしています。本人にとっては、もうこれ以上親に負担をかけたくないといった心情も無視できないわけでございまして、先ほど申し上げた所得保障が前提であることは、申し上げたとおりでございます。

 繰り返しますけれども、負担の上限額を決める所得は、世帯単位でなく、個人所得にしてください。

 次に、無年金者でほかの収入もないというようなケースがよくあります。支払い能力のない場合につきましては、当面負担率を五%とするなどの経過措置もひとつ配慮願いたいというふうに思います。

 それから、先ほど申し上げました重度かつ継続の範囲ですけれども、現在、三つの疾病に限定しているように見えます。これにつきましては、継続治療を必要とする精神疾患というような言い方にして、柔軟に、拡大を図って、必要な治療を受けやすくなるような、そういう配慮をひとつお願いしたいというふうに思っています。

 公費負担制度についてちょっと申し上げますけれども、昭和四十年に発足以来、もう四十年になるわけですね。地域の精神障害者が通院しやすく、また服薬の継続も容易にすることで、症状の再燃あるいは再入院を防止し、それから、社会参加、社会復帰のために大きく貢献してきまして、十分にその機能を発揮した、あるいは役割を果たしてきました。

 多くの精神障害者が一生服薬が欠かせない、これが現状です。医療費の自己負担増が、低所得者にとって、直接生活を圧迫し、医療離れにつながるのではないかという懸念や不安感が全国的に大変強いのが現状でございます。少なくとも、その影響が社会問題化することは絶対に阻止しなければならないというふうに考えておりますので、よろしくお願いします。

 それから、要望書の四番ですけれども、障害認定あるいはサービスの支給決定、評価、この辺ですけれども、医療モデルになりがちですけれども、そうでなくて、社会生活機能を重視していただきたいということでございます。

 それから、五番、新たな事業体系への移行の問題です。

 今の生活を維持できているということも、これは精神障害者にとっては重要な支援の一つなんですね。だから、精神障害者の社会資源の主体と言えるほどの、いわゆる小規模作業所というのがございますが、今全国に千七百カ所ぐらい精神のがあります。これが果たしてきた功績を高く評価して、社会参加支援事業的な内容を柔軟に新しい法の上で包含できるような制度にお願いしたいというふうに思います。

 それから、症状に波がございます、これは病気の特性ですけれども。だから、精神障害者の施設の個別給付化によって、施設の経営が不安定になるんじゃないかという懸念も非常に強くございます。

 それから、ちょっと飛びまして、七番ですけれども、サービスの提供主体を市町村に一元化するということは評価いたしますけれども、精神障害者施策については、従来余りタッチしていない、なじみが薄いんですね。専門職員も十分にいないというような現状を早急に改善するために、全国には家族会の組織がありまして活動をしておりますので、これと連携した専門職員の養成それから配置、これを国あるいは都道府県の責任において実施していただきたい。

 それから、地域生活支援事業の内容がまだあいまいな部分がございます。このまま市町村の裁量下に置かれるということに懸念もございます。この事業の適正な運営のために、ガイドラインの制定を急ぐと同時に、財政保障をしっかりとお願いいたします。

 あと、八、九とございます。これはお読みください。

 次に、障害者雇用促進法改正案でございます。

 長年の私どもの夢であった精神障害者の雇用率へのカウントが、みなしでございますけれども、今度実現しそうであるということ、それとあわせて、三十時間以下の短時間労働につきましても、〇・五人のカウントが実現しそうであるということで、非常に高く評価するし、また、長年この仕事に尽力された皆様に厚く感謝申し上げます。今はみなしで通りそうなんですけれども、できるだけ早い時期に雇用義務化をお願いいたします。

 それから、時間ですので、終わりに当たりまして、障害者を身内に持つ、私数え年だと八十歳になるんですけれども、この老理事長が、全国の精神障害者と家族のために、精いっぱい発言して、新法案の課題改善を訴えたつもりでございます。

 十分に論議を尽くしていただき、私たちの願いをかなえていただきたい。世の誤解と偏見のもとで、おくれた福祉に声を上げることもしない、地域の片隅でひっそりと孤立しがちな精神障害者とその家族も、この新しい法律によって明るいあすが迎えられることを心から念じております。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

    〔委員長退席、宮澤委員長代理着席〕

宮澤委員長代理 ありがとうございました。

 次に、安藤参考人にお願いいたします。

安藤参考人(手話通訳) こんにちは。私は、全日本聾唖連盟の理事長の安藤豊喜と申します。

 耳が聞こえませんので、手話通訳を通して話をすることになります。また、皆さんのお話を手話通訳を通して見ることになりますので、どうかよろしくお願いいたします。

 本日は、貴重な時間を割いていただいて、私たちの意見を聞いていただき、ありがとうございます。聴覚障害者の立場から、今回の自立支援法に対する受けとめ方、また考え方を御説明したいと思っております。

 自立支援法については、目指す方向とか理念については非常に画期的なところがあるのではないかと思っております。特に、身体、知的、精神障害者の一元化、市町村で施策を行うということ、これは、今までおくれていた障害者の労働について、もっと働ける社会をつくっていくというような方向というものに、私たちが待ち望んできた施策でもあると言えます。

 しかし、その方向をきちんと実施できるかどうか、課題が幾つかあると思っております。

 一つは、市町村が実施といいますけれども、それを受け入れる市町村の基盤が整備されていないというふうに思います。

 また、就職問題についても、私どもが社会の中で経験していることですが、不況になると真っ先に障害者が解雇されています。長引く不況の中で、仕事につけない障害者がたくさんいるということです。日本は競争社会でありますので、本当の意味で障害者が社会に参加して仕事を持って自立するということは、強い法規制がないと難しいのではないかと思いますし、実効的な方法を行ったとしても一定の期間が必要でしょう。そのことを考えると、方向づけとか理念については評価しても、現実的にきちんとその理念が生かされるかどうか不安があると思っています。

 また、障害者の受けとめ方ですが、昭和二十五年に身体障害者福祉法が施行をされて以来、今さまざまな制度が行われていますが、そのほとんどが、障害を持つ当事者また家族の皆さんたちの血のにじむような努力によって前進してきたのがほとんどです。いわば、半世紀にわたっての障害当事者また家族の皆さんの努力があったということです。

 その意味で、昨年の春から障害者福祉法が、介護保険との統合とか、また十月には改革のグランドデザインとか、そしてこの二月には自立支援法が出されるというような、非常に短期間で大きな改革が提案され、タイムリミットがあるということ、私たちには受け入れられないというような問題があります。そのような改革には、まず障害者や家族の皆さんとの合意が必要ではないかということです。

 ただ、私たちも考えなくてはならないことがあります。今、国も地方も財政的に非常に厳しい状況があります。国家予算にしても、四十兆円の収入しかないのに八十兆円の予算を必要とするというような状態です。その状態の中で、このままでは障害者福祉そのものを維持できるかどうか、私たち自身も考えなくてはならないということです。一定の負担の導入も今の状況では考えなければならないでしょう。

 けれども、方法が障害者自立支援法だけなのか。正直に言いまして、自立支援法は介護保険がモデルになっているような感じがします。将来的には、高齢者の福祉とか障害者福祉を区別するのではなくて、一体的に支え合うという方向で行うことも正しいでしょう。

 けれども、当面は、今の障害者のまたは家族の皆さんたちの心情を、また経済状態をきちんと押さえながら、段階的にどうしてできないのかと思います。つまり、負担があったとしても、介護保険と同じように一〇%負担というのではなくて、障害者の経済力に応じながら、当面は三%からスタートするというようなこと、また一方、それとあわせて、先ほど話しましたように、障害者が働ける社会的な環境というものを整備していく、障害者の所得保障の向上に合わせて負担金をふやしていくというようなことも考えられるのではないでしょうか。

 タイムリミットありき、一〇%負担ありきというようなことではなくて、もっと、先ほど言いましたように、半世紀に及ぶ障害を持つ当事者や家族の皆さんの御苦労の気持ちをきちんと酌み取った制度であってほしいと思っています。

 それで、私、立法府にお願いしたいのです。私の気持ちとして、今回の自立支援法については厚生労働省が非常に頑張って御苦労されているということは感じております。これからの障害者福祉というものは、厚生労働省だけはなく、政府が一体的に検討し、取り組む必要があるのではないかと思っています。

 今回の自立支援法に必要なのは、障害者の所得保障をどうするのか、低所得の障害者の皆さんの、特に二十四時間介護とかが必要な障害者の皆さんのサポートをどうするのか、非常に大切なことです。けれども、この問題は厚生労働省だけでは手に余るのではないでしょうか。やはり立法府の中できちんと論議し、方向づけを示すということが大事ではないかと思っています。特にそこをお願いしたいと思っております。

 それと、自立支援法の中で私たちが一番心配しているのは、コミュニケーション事業の保障ができるかどうかということです。自立支援法では、個別給付と地域生活支援事業に分かれています。個別給付については義務経費になっていて予算的にも担保されるようですけれども、地域生活支援事業についてはそうではなくて統合補助金というような補助金の形になっていますので、全国の市町村で漏れなく実施できる予算が確保できるかどうか、非常に心配しています。

 また、この生活支援事業については、項目が六項目ありまして、それに対する補助金です。特に、日常生活用具とか大きなお金を必要とする内容も入っていますので、市町村としてはその生活支援事業の中でのランクづけが出るのではないかと思うんです。日常生活用具とか相談、自立支援事業とかが優先ランクになって、コミュニケーション事業がどの位置に入るのか、非常に不安があるということです。

 また、利用料については、個別給付と違って、生活支援事業についてはそれを市町村の判断にゆだねるということになっているわけです。つまり、国としては利用料を取るか取らないかという判断をしないで、市町村に任せるということです。けれども、市町村としても今までどおり手話通訳を原則無料としてやっていくだけの財源が非常に難しいし、財政的に豊かな市町村では無料になる場合もあるでしょうが、それができない場合は、個別給付と同じように一〇%請求する場合も出てくるでしょう。または、四分の一の市町村負担の財源が見出せないということで、その事業を行わないというところも多数出るのではないか。つまり、全国の市町村でいろいろなばらつきが出てくるという心配があるわけです。

 そうすると、私たちとしては、政省令の中で財源保障を、そして全国一律に実施できる条件をぜひつくっていただきたいと思っています。

 もしもですけれども、私が心配しているように、情報やコミュニケーション事業が有料になった場合、今私は手話を通して音声の通訳をして皆さんに説明しています。また、皆さんの言うことを手話で聞いて理解をしているんですけれども、それは例えば生活の中で、聴覚障害者が病院に行って、自分の症状を説明し、診断の結果を医者から聞くにもお金がかかるということになるわけです。また、手話というものは、福祉法の中にも、身辺介護というよりも言語的な面が非常に強いので、手話通訳については、聞こえない私たちだけが必要ということではなくて、聞こえる皆さんの側も、聞こえない私たちに情報を発信し、コミュニケーションを必要とする聞こえる皆さん方にも必要なわけです。いわば、社会的なニーズがあるということです。そういうところもぜひ考えていただきたいと思っています。

 今、国連で障害者権利条約が審議されていますけれども、その権利条約の中で、手話というものを言語として認めていくという方向が出されております。また、国際的にも、先進国では、手話を公用語とか言語というように法律で認めているところも出ております。我が国でも、日弁連が最近、国は手話を言語として認めるべきという意見書が出されています。そのようなことを御理解いただき、コミュニケーション事業について、また手話については特別な配慮をいただきたいと思っています。

 では、具体的にどうするのかといいますと、つまり、個別給付の中でも、聾の重複障害者は制度を利用しています。また、個別給付の事業の中では、このようなコミュニケーションの保障をする、そういう障害者に対するサポートを行う予算というものが計画の中に入っていないということです。

 わかりやすく言いますと、今、介護保険制度がありますけれども、介護保険を申請し、利用するに当たっても手話通訳が必要ですが、介護保険の中では手話通訳が位置づけられておらず、今、社会参加総合推進事業の手話通訳派遣事業から対応しなければならないとなっています。介護保険の申請とサービス提供を受けるために、ほかの制度から予算を出さなければならないというような問題が出ています。今回の自立支援法では、そんなようなことのないように、制度の中できちんと手話とか要約筆記の保障をお願いしたいということです。

 また、先ほど言いました生活支援事業については、きちんと、手話が言語であるということと、聴覚障害者だけが必要とするのではなくて、一般的に、聞こえる人たちも、聴覚障害者の情報やコミュニケーションをするという大切な条件であるということを考えて配慮をお願いしたいと思っています。

 特に、そのようなことは、何度も言いますけれども、厚生労働省の枠の中では非常に困難な現状にあります。立法府としての御審議の中で、いい方向を定めていただくように重ねてお願いをして、私の意見を終わりにしたいと思います。

 ありがとうございました。(拍手)

    〔宮澤委員長代理退席、委員長着席〕

鴨下委員長 ありがとうございました。

 次に、大濱参考人にお願いをいたします。

大濱参考人 全国脊髄損傷者連合会の大濱です。

 このたびは、このような貴重な機会、私たちの声を聞いていただく機会を設けていただいたことに、厚生労働委員長の鴨下委員長初め委員の先生方には感謝いたします。本当にありがとうございます。

 早速ですが、私たち団体の基本的な認識ということでまず確認させていただきたいんですが、昨年の十月十二日、社会保障審議会の障害者部会の中において、この現在出されています自立支援法の骨子でありますグランドデザイン、これが初めて提出されたわけですが、この法案自体が予算関連法案ということになっていまして、短期間に上程されたという経緯があります。

 この部分については非常にやむを得ない部分がかなりあるので、私たちはそこら辺については、内容がかなり具体的になっていないということについて、皆さん、全部の障害者団体が認識をしているというのは、恐らく今小松さんなり安藤さんなりからもおっしゃられたとおりだと思っていますので、これは若干割愛させていただきますが、基本的には、これらの重要な具体的な項目、問題点が不明なままでこの法案が審議ということになると、本当に多くの障害者が不安を抱いたまま今日に至っているという状況をきちんと把握していただきたい。

 現実問題として、財源不足という現実が、この法案が現在行われている支援費制度より後退するのではないかという疑念を多くの障害者が抱くことは、これは当然の帰結であろうと私たちは考えています。

 また、その一方で、この法案の中で、三障害の精神、知的、身体という部分が一つにされたということと、地域生活障害者の介護給付サービス、この部分が義務的経費化されたということは十分に評価に値するということで考えております。

 したがって、現時点では、私たちここでぜひ議論していただきたいと思っていますことは、障害当事者が今抱いている不安、これから申し上げる課題について、この法案の審議過程でできるだけ具体的に踏み込んだ形で審議していただいて、障害当事者の不安を払拭するべく努力を尽くしていただきたい、十分な審議を尽くしていただきたい。その審議を尽くすと同時に、並行的に、やはり私たち障害者団体並びに社保審の中でもしっかりと議論を重ねていっていただきたいというのが私たちのお願いです。

 それでは、具体的に課題に踏み込ませていただきます。

 まず、基本的に、私たちとしては重要四項目ということで課題を掲げておりますが、第一点としまして、国庫補助金の配分の問題、これは障害程度区分の問題と絡みますが、この障害程度区分に設けられる基準額と国庫補助金配分の問題。それから二点目が、市町村審査会のあり方、この問題点です。三番目に、利用者負担の見直しについてという、先ほど来ありましたような応益の問題、一〇%の問題。そして、移動介護の問題です。そのほかに私たち以外の難病とか高次脳障害と言われる今まで谷間に置かれている障害者の取り扱いをどうするか、または精神の通院公費の問題もあります。

 余り時間がありませんので、私たちは主にこの四項目の中の、まず第一点目として、障害程度区分に設けられる基準額と国庫補助金の配分、この1から説明させていただきます。

 お手元の資料の1ですが、障害程度区分に設けられる基準額と国庫補助金の配分、ひとり暮らしの重度障害者については取り扱いは今後どうなるのかということで、みんな非常に不安を抱いております。

 きょうの朝八時半近くに沖縄から電話がかかってきました。あした、実は沖縄で決起集会があります、自立支援法になって私たちは本当に地域で生活できるのか、今までの支援費制度よりもはるかに後退させられるのではないかと。それは本当に重度の障害者がみんな抱いている疑念です。何でそのような疑念が抱かれるのかということを、これから具体的に説明させていただきます。

 今回の制度改正によって、国庫補助金の上限についてきちっと決められています。国庫補助金は、障害者の人数掛ける基準額、これが上限であるということになっています。しかし、今現在、厚生労働省の事務方といろいろ話していますと、その中の説明として言われていることは、細分化された障害程度区分ごとに独立的に計算して、それを上限とすると。要するに一つの程度区分をまたげないというような形の、そういう程度区分の仕分けになっているという説明を事務方からずっと受けています。

 これでは、やはり障害程度区分の重たい人、例えばひとり暮らしの重度障害者が地域で突然生活を余儀なくされたというときに、国庫補助金が足りませんというような事態が起こるということがありますので、やはりそこら辺につきましては、従来どおりの、財源が流用できるような形の国庫補助金の配分をお願いしたい、障害程度区分をまたげる配分ということでぜひお願いしたいと思います。

 私の御説明、あくびが出ますか。済みません。

 そして二点目ですが、最重度障害者に対する財源の保障ということで掲げております。

 ひとり暮らしの重度障害者の財源をどうやって担保していただくかということが私たちは必要だと考えています。障害程度区分に、二十四時間の介護が必要だということを配慮した最重度障害者程度区分、そういう部分もちゃんと設けていただきたい、現行の支援費制度をより発展する形で自立支援法をきちんとつくっていただきたいというのが私たちのお願いであります。

 ですから、この自立支援法、本当に義務的経費にしていただいておることは大変ありがたいので、ぜひ現在ある支援費制度をより発展する形での自立支援法にしていただきたいというのが私たちのお願いでして、そのためには、ちゃんと二十四時間の介護が保障される、そういう制度でなくてはならない、それが私たちの基本的な考えです。

 二点目の市町村審査会について、2の部分に移らせていただきます。

 市町村審査会の役割としまして、御存じのように一次判定と二次判定の部分がありまして、この判定の部分はアセスメント表によってやることになっています。

 この一次判定、二次判定は十分必要だろうということで考えていますが、次の、非定型な支給決定については、意見を聞くという照会の部分がありますが、これについてはもっと制限的にしていただきたい。非定型的な支給決定の意見は、例外的な判断内容として、限定的に、極力不要とする方向にしていただきたい。ある程度限定的な範囲内での非定型的なことを聞くということは、それは意見照会としてはあるでしょうが、非定型に当たる部分、要するに障害程度区分を超えた部分については何でもかんでもすべて意見を聞くというような審査会のあり方はやめていただきたいということを申し上げたいと思います。

 なぜそのようなことを私たちは言うかといいますと、市町村審査会というのは中立公平ということで、なおかつ透明性を持たせるということで審査会が設けられるわけで、そこら辺は私たちは十分理解しておりますが、その市町村審査会の委員の任命については全部市町村長が握っているわけでして、市町村長が委員を任命いたします。そういうことになりますと、市町村長に都合のいい委員が任命された場合は、審査会の方向がはっきりと中立公平な審査会ではなくなる可能性があるわけで、そういう場合を私たちは懸念しております。

 そのために、審査会の中に障害当事者がきちんと入る、それで中立公平を何とか担保していただきたい、それでこそ初めて担保できるんだという考え方でおります。この市町村審査会については、障害当事者がどういう生活をしているかということがわかる審査委員として障害当事者を入れるということはやはり重大なポイントだと思っていますので、これはぜひとも具体的にそういう方向を示していただきたい。

 特に、今、事務方の説明、厚生労働省の考え方として、十月ないし十一月ごろからもう研修に入る、場合によっては、早ければ来年の十月から全国で審査会を設けるということになっていますので、ぜひ十月、十一月に向けて、審査会の委員の選び方ということで、ちゃんとその位置づけ、方向性を早目にきちんと出していただきたい。場合によってはこの委員会の中でそういうこともきちんと議論していただいて、今後の通知、通達に反映させるような制度としていただいて、この審査会には障害当事者がいないと公平中立なものにならないということを確実なものにしていただきたいと思っています。

 せんだっての社会保障審議会、これは四月二十六日に開かれたわけですが、そこで初めてアセスメントについての考え方が打ち出されました。そこには百二項目のアセスメントの表がありますが、これははっきり言って医療モデルが中心であります。

 現在、国際的な評価基準としてICFという考え方がありますが、そのICFの考え方は、まず一つは、生活機能という考え方はどういうものか、要するに障害者を判断するにはどういう形でまず判断するかというのを基本的に三つのレベルでとらえています。これは、まず医療モデルである心身の機能それから身体構造、これが一つ目。それから活動に対する考え方、これが二つ目。それから参加の考え。この三つのレベルでとらえて、その背景にある環境因子と個人因子も含めて総合的に評価するというのが国際的な考え方です。

 したがって、現行のアセスメント表では、この三つのレベルのうちの活動とか参加という概念が全くなく、それから背景因子である環境因子と個人因子は全く配慮されていない、抜け落ちているという状況です。

 したがって、障害者の社会参加、新しく出る今回の、社会参加ということは就労にもつながりますし外出にもつながるということで、この社会参加の意欲、どうやってその本人、個人個人が本当に社会参加したいかということがアセスメントの中にないと、この部分は欠落したアセスメント表になるのではないかという考え方でおります。

 また同時に、障害者が置かれている環境としまして、本当にひとり暮らしなのか、そうじゃないのか。家族介護なのか。家族がいるのか。家族がいれば幾らかは介護を受けられるわけです。緊急の場合、家族を呼ぶなりなんなりもできますが、ひとり暮らしとひとりで暮らしていない、独居であるか同居であるかということで障害程度区分というのはやはり相当違ってくると私たちは考えていますので、やはりそういうことを配慮したアセスメント表じゃないとまずいと思っています。ここら辺についてはすぐできることなので、アセスメント表の中に、試行事業としてこれをやる段階でもこの部分は追加していただきたいという認識を持っております。

 次に、三番目としまして、利用者負担の見直しについてということで、これは、費用を徴収しサービスをより充実する方向にということで今度の利用者負担の見直しということになっております。これは午前中の委員会の様子を私はインターネットで何回か見させていただきましたが、かなり議論されていましたので皆さんも御存じだと思いますが、負担の範囲は基本的にやはり障害者本人の収入の多寡によって限定すべきであるということで考えております。世帯単位にすることには、やはりこれは障害者に対して、大人の障害者が親の収入に頼るとか、それは非常に肩身が狭く、精神的にも非常に苦痛を受けるということも考えまして、ぜひそのことは何とか取って、本人の収入のみに限定するということにしていただきたい。

 ここら辺の考え方は、高齢者の介護保険の場合と違って、高齢者は、それまで世帯を支えてきた人が高齢者になっているわけで、本来の世帯主であります。その世帯主に対して、過去において扶養された人たちがある程度負担するというのは、それは理屈としてかなっております。

 それと同時に、やはり高齢に至るまで、彼らは私たちと違って十分働く機会があったということで、ここに書いてありますように、高齢世帯は現在は平均二千四百万ぐらいの貯蓄があるという数字がデータとして出ていますので、高齢者についてと同じような形での応益の負担の考え方、一〇%というのは、これは非常に無理がある考え方なので、ぜひそこら辺は御配慮いただきたいというのが三点目です。

 四点目として、移動介護の問題、これは先ほど来安藤さん初めいろいろ出ていましたが、やはりこの移動介護が地域生活支援事業に組み入れられた部分がかなりあります。

 それで、何でこれが個別給付にならなかったのか、私たちはよくわかりませんが、漏れ聞くところによると、知的障害の方たちが非常に移動介護で時間がふえたので移動介護を地域生活支援事業に回したとか、そういう経緯があるようにいろいろ聞いておりますが、この移動介護の部分については、基本的にはやはり自立支援給付ということで個別給付にしなくてはならないだろう。

 地域生活支援事業の中で、もしも移動介護ということでやるのであれば、それは福祉移送サービスのSTSとかコミュニティーバスとか、そういう限定したものについてはそれはいいですが、そうじゃないと、やはりこれは私たちは非常に利用しづらい制度になるということで、移動介護の部分というのは個別給付にちゃんと戻していただいた方が、よりいい形で、安定した形で、一般的に私たちは外出できるというふうに認識しております。

 それで、最後の方になりますが、五番の部分は時間がありませんので飛ばしていただきますが、簡単に、谷間に置かれている障害者の方々の取り扱い、これはやはり今後、私たちの障害者手帳のあり方も含めて問題にならなくてはならないのではないか。それから、精神障害者の医療費の問題、これも先ほどありましたように、突然五%からいきなり変わるというのはかなり問題があると思っていますので、これは十分御配慮いただきたいと思います。

 一応、これらの課題、早急に解決する方向を厚生労働省は具体的に示していただきたい。現行の支援費制度より障害者に優しい、多岐多様な私たちの持っている障害特性と幅広いライフステージに配慮した自立支援法の内容をより具体的に明示して、今現在地域で生活して多くの不安を抱いている障害者の不安を払拭する努力をしていただきたいと思っております。

 将来展望として、単に財源論の問題で、障害者から費用を徴収しサービスをより充実するという方向という視点だけではなくて、場合によっては、日本の低い消費税をアップして、その一%程度を障害者福祉目的税へというような方向も視野に入れた配慮を、これは、はっきり申し上げて、消費税アップということになりますと、政権が倒れるとか、いつもそういう話がありますので、これは与党だけではなくて野党の先生方も、消費税を場合によってはアップするということも視野に入れた形で、きちんとこれは議論していただきたいということをお願いしたいと思います。

 ここに今参考資料として、昨年の十月二十一日の日本経済新聞から引用しますと、OECD加盟三十カ国の中で日本は二十七位ということで、非常に日本の税制というのは負担率が低い。その中でも、特に、このOECDのオーウェン・ディレクターによると、日本の特徴として、消費税が五%と加盟国の中で際立って低い水準になっている。参考までに、スウェーデンが二五%、イギリスが一七・五%、中国では一七%、ドイツで一六%、オーストラリア、韓国では一〇%です。日本の消費税は五%です。

 やはりここら辺はきちんと考えていただいて、場合によっては消費税を上げるということまで視野に入れて、その場合、ちゃんと一%程度を福祉目的税というところに位置づけた形で担保していただければということで考えております。

 以上です。よろしくお願いいたします。(拍手)

鴨下委員長 ありがとうございました。

 次に、藤井参考人にお願いをいたします。

藤井参考人 私は、きょう、午前中と午後で最後になりました。大分お疲れのことと思います。どうぞ、最後まで気をしっかり持って聞いてください。

 鴨下委員長、各理事の方々、委員の方々、本当にきょうはどうもありがとうございました。

 我が国十何万の精神病者は、病を受けた不幸のほかに、実にこの国に生まれた不幸を重ぬるものというべし。これは、大正時代の初期に、東京帝国大学の精神病医学教室の呉秀三が座敷牢の実態を見て言った言葉であります。呉秀三は、この一節の後にこう言っています。つまり、精神病者の保護と救済は実に人権問題にして、我が国政府の目下の急務といわざるべからず、こういうふうに記してあります。

 ここでは精神病者とは言っていますけれども、恐らく障害全体に共通して言ったというふうに解釈していいのではないでしょうか。すなわち、障害者政策というのは、今から九十年前、我が国政府の目下の急務、こう言っていたわけです。しかし、その後の流れというのは、この急務という二文字はかき消されました。つまり、絶えず後回し、そしてつけ足し政策、こういう道をたどってまいりました。

 こういう中で、今、日本の障害者の置かれている現状はもうおわかりかと思うんです。社会的入院という名がついた現代版の座敷牢問題は、一向に好転を見ません。物を言えぬ知的障害者、物を言いづらい知的障害者の入所施設の偏重政策は、これまた固定化の様相にあります。無認可作業所が六千カ所を超えているというのも、この国にしては似つかわしくない現象ではないでしょうか。難病や発達障害、こういった方々が正規の障害者に入れない、これも不思議な現象であります。

 そうした中で、今般の障害者自立支援法案、私たちは大きな期待を持って見守ってまいりました。どんよりとした暗雲が垂れ込めている中で、ようやく薄日が差し込んできたな、そういう印象を持ちました。しかし、この法案の実相を見るにつれ、言いようのない不安感が次第に募ってまいったことも事実であります。期待感を抱きながら、期待感を抱きながら、今、むしろこの不安感は危機感に変化しようとしております。

 私たちは、先週の五月の十二日、きょうここの参考人に立った皆様方の協力も得まして、「障害者自立支援法」を考えるみんなのフォーラムを開催しました。日比谷公会堂野外音楽堂には、定員をあふれる六千人であふれました。何とか交通費を工面して、いても立ってもいられない、そういう思いで参加した人々がほとんどです。テレビ、新聞等でその様子はおわかりかと思います。大変切迫した意見がたくさん出されていました。

 きょう、ここでその詳細を全部言うことは不可能です。しかし、私は、あえてこの日の意見や感想をまとめるならば、二つに凝縮されるように思うんです。

 一つは、障害保健福祉関係の予算を飛躍的に拡充してほしい、予算のパイをふやしてほしい、これが一点。国際比較あるいは障害者のニーズに対してそもそも見積もりが誤っていたんではないか。

 二点目は、現状の生活水準から後退してほしくはない。これ以上の切り詰めは、社会参加の機会を薄めるのと同じ意味であり、夢や希望を減らしなさい、これと同じ意味ではないかという感じを持ったわけです。

 さて、私は、残りの時間を、我が国の障害者保健福祉施策のあるべき像に少し言及してみようと思います。

 私はこの自立支援法に当初期待を持ったというお話をしましたけれども、もしかしたら、懸案事項、すなわち障害分野の基礎的で基幹的な政策課題がようやく検討に入るんだなという感じを持って見守っていました。確かに、与党、野党の先生方がおっしゃるとおり、たくさん前進面はあります。しかし、肝心な、重要な事項といいますよりは、決定的な事項が抜け落ちてはしないか、そういうことを言わざるを得ません。このことが、この審議を難しくし、また、審議がすっきりしない一因になっているのではないでしょうか。

 私は、大きく四つのことをお話ししようと思います。

 その第一点目は、所得保障、これを本格的にどう確立していくのかということであります。

 今、障害者の多くは障害基礎年金二級が大半であります。しかし、この二級、月額六万六千二百円は、お手元の資料にもありますけれども、生活保護費よりもはるかに低い額であります。

 私たち日本障害者協議会は、一九九八年にこの件で政策提言をしております。つまり、障害者の所得保障のあるべき像は、生活保護で言う生活扶助一類相当足す二類相当足す障害者加算、そして、もしほかで家を借りる場合には家賃費の補助をする、これが最低の所得保障の基本ラインだろう、こういうふうに提唱してきたわけであります。

 なお、所得保障の推進に関しましては、政府も、二〇〇二年度に策定しました障害者基本計画でその推進が触れられています。また、昨年この国会を通りました障害者基本法の改正案では、その第十三条で、国及び地方自治体は障害者の自立と生活の安定に資するために年金、手当等に関した制度を必要に応じて講じなければいけない、こういうふうに明言しているわけであります。

 この所得保障をどうするのかということは極めて大きい問題であります。今度の自立法案を見ていきますと、今最大の論点は応益負担、定率負担問題であります。私は、今の所得保障の状況では、恐らくこれを払うのは無理かと思っております。示された新しい料金、利用料は、これをもし払うならば、明らかに障害者の年金の目減り、これにつながっていくのではないでしょうか。すなわち、所得保障を議論している方向、これに逆行するのが今度の応益負担ではないかというふうに考えております。

 第二点目は、障害定義、認定制度に関する問題です。

 この問題がたくさん矛盾があることはもうおわかりでしょう。世界の趨勢は、社会生活モデルを軸としながら、既に環境因子をも考えております。しかし、我が国は、相変わらず医学モデル一辺倒、あるいはこれに近い状況が続いております。

 今度の法案に期待しました。その第四条でどう書いてあるかと申しますと、旧態依然たる三つの法律の定義をただ並べただけという奇妙な格好がこの法には続いております。私たちは、これをやはり世界の趨勢に合わせていただきたいということを強く願っているわけであります。

 そして、この定義問題というのは、単に定義にとどまらず、結局は、さっきも言いましたように、難病やあるいは発達障害は今度の自立支援法からも省かれるということになっています。我が国には既に障害者基本法の障害定義が、もう到達点としてあります。なぜこれを踏襲しなかったのか、大変深い疑問があります。ここが、障害者からしますと、受けられるサービスは障害定義とリンクしてきます。ぜひ認定のあり方、そして等級制度あるいは手帳制度をあわせて、この審議をここの中でしっかりとしていただきたいというふうに思います。

 第三点目の問題点は、これは、障害者が社会参加を果たしていく上で社会資源が圧倒的に足りないという問題であります。

 お手元の資料にも準備してありますけれども、例えば、グループホームあるいは通所型の施設が全くないという市町村が七割ぐらいあります。多少市町村合併で数は変わっていますけれども、しかし、絶対数が少ないことは変わってはいません。面積当たりも変わっていません。こういう七割に近い市町村で、グループホームがない、あるいは通所型の施設がないという状況が続いております。

 福祉工場に至りましては、これもお手元の資料にもありますように、何と三%の市町村でしかありません。この福祉工場は所得保障とも連動する大変大事な社会資源です。そして、昭和四十七年に制度化されて三十二年間で、たった四カ所から百十四カ所です。横ばい状況を脱していません。

 今度の自立支援法では、市町村の責務を随分強くしました。大変高く評価しています。しかし、幾らいい判定をしても、あるいは幾ら支給決定のプロセスに手直しを加えても、この後の現実的な社会資源がなければ、このプロセスは何の意味もありません。したがって、この社会資源をどういうふうにふやしていくのか。

 実は、去年の夏段階で、ある情報を大変うれしく聞いたことを記憶しています。それは、政府が、次年度の概算要求をつくる過程で、基盤整備に関する臨時措置法、これを特別立法でどうかということをちらりと述べました。メモに出ました。しかし、これはたちまち立ち消えになってしまったわけであります。その理由は、今度の法案で市町村の福祉計画を義務化する、こうなれば社会資源はふえるはずと言いました。しかし、これは甘いと思います。なぜならば、現在、既に障害者基本計画で市町村障害者計画というのがあります。この達成率が昨年三月で九三%になりました。つまり、高い達成率にはなったけれども、社会資源の増量には連動はしていません。

 こういう点で、私は、やはり立法府として、何らかの法的な根拠を持った社会資源をふやす、そういう方策を講ずるべきではないかということを思うわけです。

 最後に、四点目になります。それは行政組織についてであります。具体的には、雇用の部署と福祉部署、これの連携を図るために、厚労省内のこの二つの部署を統合すべきであるというふうに思っております。

 今回の法案は、就労支援で新しい方向を打ち出しています。しかし、掲げられた就労支援策は、あるいは地域の相談体制、調整体制は、ほとんど雇用と福祉の連携のないままにここでは書かれています。つまり、旧厚生省、旧労働省の統合効果は全くあらわれていないということであります。

 私は、この自立支援法案ができる前に出されましたグランドデザイン、この政策デザインというのは、何を書くか以上に、だれが書くか、これが大きいと思うんです。そういう点では、今度の障害者自立支援法というのは、結果的には厚生省のみの政策になっているという点では、大変残念に思います。隗から始めよではありませんけれども、こういう重要改革期に、厚労省みずからが自分たちのあるべき行政体系を示すべきではなかったか。これに対しては、立法府もぜひ探求をしてほしいと思います。

 障害といいますのは、環境との関係で重くもなれば軽くもなるというふうに言われています。私は、障害者にとって一番大きな環境は法律だと思っております。この自立支援法案が本当に近未来を規定する大きな社会環境になるのではと危惧をし、また、ぜひいい法律であってほしいと思っております。どうぞ、法案審議に際しまして、障害を受けたけれどもこの国に生まれてよかった、そう感じられますような、そういう審議をぜひとも切にお願いし、慎重審議を私はお願いしています。

 そして、私たちは信じています、この国の政治が私たちのことを忘れないということを、そして、あしたはきょうの続きではないということを。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

鴨下委員長 ありがとうございました。

 以上で参考人の方々の御意見の開陳は終わりました。

    ―――――――――――――

鴨下委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井上信治君。

井上(信)委員 自由民主党の井上信治でございます。

 きょうは、四名の参考人の皆様方、当委員会にいらしていただきまして貴重な御意見を賜りましたことを、大変感謝申し上げたいと思います。

 先ほど来お話がありましたように、この障害者自立支援法あるいは雇用促進法でありますけれども、昨年の十月にグランドデザインが発表され、そして二月には閣議決定されたということで、少し拙速ではあったんじゃないかというような御意見を伺っております。そういった意味では、この国会審議の中で、改めて利用者である障害者の皆様方の御意見というものをしっかりと伺うということは大変重要なことだというふうに私も思っております。

 実は私は、東京の青梅、西多摩地区というのですが、西の外れが地元であります。非常に自然環境のよいところでありまして、あるいは都心に比べて人口密度が少ないとか地価が安いとかいろいろな事情があるんだと思います、障害者に関する施設が比較的多い地域であります。そして、都心あるいは全国からの障害者の方々を受け入れているということで、私自身も大変関心を持ってこの法案の審議にかかわってきたところでありますけれども、地元でいろいろと、実際の障害者の方々の御意見を伺うような、意見交換会のようなものを数回開催させていただいております。

 そういったときにいろいろ賜った御意見であるとか、現場で実際に利用者として非常に困っている点、御要望、御意見というものを中心に、きょう、時間が限られている中ではありますけれども、伺わせていただきたいと思っております。

 まず、そもそもこの法案に関して、さまざまな御意見がある中で、基本的には理念あるいは大枠というものは評価する、あるいはまた、一部施策については評価するけれども、そのほか細部にわたってはこういった点が十分ではないというような御意見が、恐らく四名の参考人の皆様方の一致した見解だというふうに思っております。

 私自身も、三つの障害者施策というものを一体化したことであるとか、あるいは自立支援給付については義務的経費となったこと、そして一定の就労支援を行っていくことなど、評価できる点は非常にあるというふうに思っております。ただ他方で、例えば費用負担の問題、定率負担ということ、あるいは同一生計の世帯が判断基準になるということ、そして低所得者への配慮であるとか所得保障というものが十分ではないといったことについては、やはり批判のあるところだというふうに思っております。

 そういった中で、まずは三つの障害者施策を一体化したということで、特にこの中でも精神障害に関するものに関しましては、支援費制度の対象となった、あるいは医療費についても改正が行われる、そして就労支援に関しても法定雇用率への参入ということで、特に大きな改革だというふうに思っております。

 今まで、身体障害者や知的障害者に比べて一部対策がおくれていたというふうにも言われておりますけれども、特にそういった一元化に関しまして、まずは小松参考人の方に御意見を伺いたいと思います。

小松参考人 一元化について先ほども意見を述べさせていただきましたけれども、要するに、今までは精神は、支援費制度からも外れていたように、同じ土俵の上で論議されたというような経過がないわけでございまして、今回、それが一応は土俵の上に上がった。では目の前にどういうメリットがあるのかというと、これも非常に難しいところがございます。

 ただ、私がちょっと申し上げたいのは、昨年の予算あるいはことしの障害者福祉予算を見たときに、精神障害者は、障害者の数としては全障害者のうちの三十数%いるわけですよ。しかし、予算の額で見ますと、わずか三%前後。その中には通院医療費も入っていますので、これを除いても数%にすぎないというようなことがございます。

 そこで、それは何を意味するかというと、現在の精神障害者がやはり全体の障害者の中で十分な福祉の恩恵を受けていないんだということがございます。先ほど申し上げたように、ではもっと声を大にして獲得すればいいじゃないかといいましても、この障害の特性として、なかなかそういう人が少ない。今まで声が余り十分に上がらなかった。では利用しようとしても、社会資源が余りにも少ない。質的にも量的にも少ないです。ですから、そういうことになっています。

 いつまでもそれでいいかということがございます。それを、例えば支援費がスタートして二年の間に非常に需要がふえて、それで財政的に破綻といいますか、非常に危機に至ったということを考えますと、精神の場合も将来的には非常に需要がふえる可能性があります。そのときの予算を、例えば今度この一元化の法律に入らないで、精神だけ単独でずっとこの需要を伸ばしていこう、そういう予算を獲得していこうとしたときに、非常にやはり、従来も困難だったんですけれども、また支援費と同じように置いていかれる。いろいろな面で、精神だけで何か獲得しようとすることの困難さを感じております。

 そういうことからしますと、この一元化ということは、すぐ目の前にメリットは目立たないんですけれども、将来的には非常に大きな期待が持てるというふうに思っております。

 以上でございます。

井上(信)委員 続きまして、むしろ批判が一番多い問題点だというふうに私が思っております点でありますけれども、費用負担の話であります。

 限られた財政の中で利用者の方々にも一定の負担をしていただくということでありますけれども、この定率負担、いわゆる応益負担ということであれば、これは単純に考えましても、重度の障害者ほど負担が高いということで、この重度の障害者というのは、当然就労の機会はなかなか限られており、そして負担能力が低いということですから、こういった点が矛盾しないのかどうか。

 そしてまた、これはもう何度も指摘されておりますように、本人負担が原則という中で、しかし実際には、その負担能力の判断基準は生計を一にする世帯というものを基準にしているという、これが本当にふさわしいかどうか等々、いろいろ問題点があるというふうに思っております。

 そして、私が特に伺いたいのは、実際のところ、それでは本当にこの制度がこれから実施されて、もちろん細かい部分はこれから政省令で決められるということでありますけれども、実際のところ本当に負担ができるのかどうか、これを一番伺いたいわけであります。私自身が地元で聞きますと、本当にこれはもう無理だよ、難しいよ、今でも困っているのにという話をよく聞きます。そして、もしそういうことであれば、むしろこの制度を改正することによって利用が抑制されてしまうということになれば、障害者の自立ということに逆行するのではないかというような問題意識を抱えております。

 そういった意味で、特に重度の障害者の立場から大濱参考人に御見解を伺いたいと思います。

大濱参考人 ありがとうございます。

 この定率、それから応益という問題ですが、これははっきり申し上げて、年金が六万六千円の人たちから約一万五千円ぐらい取る、これは、年金六万六千円と申しますと、年収にして八十万以下の人です。その人から一万五千円ぐらいの部分を取るということは、これは収入に対して二五%ぐらいの支払いをしなくちゃならないということで、とてもじゃないですが、こういう人たちに対して二五%も負担をさせるということはかなり難しいということで考えていますので、ぜひそこら辺は具体的な御配慮をお願いしたい。

 と同時に、私の資料、お手元に3の資料がございますが、お手元の資料の中でありますように、所得の中の社会支出の部分が非常に少ないというのが日本の典型的な特徴でして、日本では社会支出に占める割合が約〇・九%しか障害者はないんですね。その中で、特に国内総生産、GDPに占める割合と申しますと、日本の場合は〇・六%、これは先進のOECDの中では非常に低い数字になっております。

 これが資料3にあるデータなので、この辺、障害者に対する国の全体の予算額が余りにも少な過ぎるというのが基本的なところでして、その前に定率とか応益の考え方を持ってこられるのは、やはり基本的に違っているのではないか。障害者政策に対してきちんとした財源配分があって、それでもまだ足りないよというのであれば、そこら辺私たちはうなずけるんですが、今はそうではない。

 はっきり申し上げて、障害者の部分に配られている予算がGDPに対してわずか〇・六六%、これは資料3をよく見ていただきたいんですが、これは本当に、OECDの中で非常に低い数字です。アメリカでさえ一・三六、イギリスで二・五六、ドイツで三・六、そしてスウェーデンでは五・七%あります。日本では〇・六六という、これは非常に低い数字ですので、この辺の障害者の財政的な配分をもっときちんと考えていただきたいということを提案していきたいと思っております。

 よろしくお願いします。

井上(信)委員 次に、就労支援について伺いたいと思います。

 就労支援ということで、今回さまざまな施策が導入されたわけであります。しかし、そうはいっても、実際のところの障害者の方々のニーズというのはもう少し違ったところにあるのではないかというような声も聞いております。定率負担ということであれば、これは当然のことながら、所得保障というものと表裏一体の関係である。広い意味での所得保障の一環が就労支援ということかもしれませんが、しかし、そうした措置が十分ではないのではないだろうかというような問題意識を持っております。

 実際には、この就労ということでありますけれども、むしろ、これは先ほど藤井参考人からもお話がありましたように、施設の数が絶対的に不足をしている、働きたくても働けない、あるいはまた、なかなか事業者、経営者側の障害者に対する理解が少ないということで、実際のところは受け入れが進んでいない。そしてまた、これは大変残念なことでありますけれども、実際のところ、就労した方々に対する嫌がらせやいじめなどが発生して、せっかく就労したのにすぐにやめてしまうといったような話も聞いております。私のところも、実際にはなかなか施設が少ないということで、往復数時間かけて近隣の市町村の施設にまで通っているというような方も決して少なくありません。そういう意味で、本当にこの就労支援が、今回の措置が適切かつ十分であるのかどうか、大変疑問を持つところであります。

 それにあわせて、先ほど来御指摘があるんですけれども、就労支援施設に利用料が発生するということ、これに関しても、利用料が発生することによってむしろ働く意欲をそいでしまうというような、これも逆行するような結果になってはということを大変懸念いたしております。

 このような就労支援に関しまして、先ほど安藤参考人からは、就労に関しては、実は不況になると障害者というのは真っ先に解雇されてしまうというようなお話もありましたけれども、この就労支援全般について、安藤参考人の御見解を改めて伺いたいと思います。

安藤参考人(手話通訳) 聴覚障害者の立場からの就労問題ですけれども、私たちは、長い間、職安ですけれども、ハローワークですけれども、そこに専任の手話通訳を置いてほしいという願いを持ってきたわけなんです。つまり、就職の窓口の職安できちんと聴覚障害者に対応する条件を要望してきたんですけれども、ここ二十年、全く前進がないんです。

 今、職安には、手話協力員といいまして、月に六時間ぐらい、月に三回、二時間ずつ程度、合わせて六時間程度の手話通訳しか置かれていないということです。また、その手話通訳については、決定権もなくて、窓口の相談員も、聴覚障害者の問題をつかめていない担当者への通訳をするだけです。そうではなくて、ハローワークの中できちんと障害者の実態をつかんで専門的な支援をする担当がいて、その人が手話通訳が可能であればその方がやればいいわけですが、それが難しかったらば、決定権を持つ手話の専門の職員を置くことによって、聴覚障害者の職業就労の条件はもっと広がると考えています。そのような初歩的な入り口のものさえ未整備であるということですね。

 それと、職安については、就職についてだけはサポートするんですが、就職した後の定着指導などについても十分な施策がないわけです。聴覚障害者の場合、職場の中で情報とかコミュニケーションが阻害されますので、それを企業としてどう保障するのか、また行政がどうサポートするのかというような、そういう十分な政策が行われていないということです。また、その職場の中でいろいろな人間関係などの問題が起こった場合、きちんとそういう社会性を持たせるような訓練の場というものもないわけです。

 聴覚障害者の場合は、ごらんのとおり手足が健全ですし、働く能力というものは高いものを持っていますけれども、それでもなお、社会の中では就職の面でさまざまな制限を持っているわけです。したがって、全身性障害者とか自己選択、自己決定などの能力に制限を持つ人たちの社会参加というもの、就労というものは、もっと踏み込んだ施策がないと非常に難しいのではないか。今、新しい方向が出ていますけれども、それを徐々に発展させるとしても、実際的な効果というものは五年、十年、二十年先になるでしょう。それほど難しい現状にあるということです。

 けれども、応益負担は待ったなしに、ことしの秋の十一月に始めます。そういうような背景といいますか、現状というものをつかんだ法律になっていないのではないかと思っています。

井上(信)委員 ありがとうございました。

 そのほかにもいろいろ伺いたいことがあるのですが、時間の関係上、大変残念であります。

 いずれにいたしましても、障害者施策ということで、利用者である障害者の方々に歓迎されて、そして、それらの方が積極的に制度を活用される、就労し、社会参加をされるということを、我々としても自立を支援、促進していかなければいけないと思います。そして、それを国民の皆様にも理解をしていただき、協力をいただいていくということを進めてまいりたいと思います。

 本日、いずれにいたしましても、貴重な御意見をいただきましたので、この御意見をこれからの審議にも活用して、十分な審議を尽くしてまいりたいと思います。

 本日は、大変ありがとうございました。

鴨下委員長 次に、福島豊君。

福島委員 公明党の福島豊でございます。

 本日は、各参考人の皆様には、国会までお越しいただきまして貴重な御意見を承りましたことに、感謝を申し上げたいと思います。

 障害者自立支援法案また障害者雇用促進法案、私は、いずれにしましても、この国会での審議を通じて成立をさせていくということが必要だというふうに思っております。それは、支援費制度が行き詰まる中で、将来に向かって障害者施策の大きな道をきちっと定める、このことが避けては通れない道だと思うからであります。

 しかしながら、午前中からの審議にもありましたように、当事者の利用者の方々の費用負担の問題については大変な懸念が示されているわけであります。この問題については、きちっとこの国会での審議を通じて御理解いただけるような結論を得て、そして柔軟に対応するということこそが求められているというふうに思っております。

 本日は、貴重な時間でありますので、私が何かしゃべるよりも、一言でも多く参考人の方に御発言をしていただきたいというふうに思っております。

 まず初めに、全家連の小松参考人にお尋ねをしたいわけでありますが、自立支援医療、この国会における審議におきましても、治療の中断に自己負担の増加というものがつながるのではないかという深刻な懸念が示されております。治療の中断ということがさまざまな不幸な結果をもたらしてはならない、これは私は当然配慮しなければいけない点だと思います。

 その中で、本人の所得を基本とすべきである、これが一つの大切な考え方だと思います。そして、もう一つの観点は、重度かつ継続、この対象となる人をどういうふうに定めるのか、そこのところの決め方がもう一つ大切になってくるのではないかというふうに思います。先ほどの御発言にもありましたけれども、この点についてより明確に御発言をいただければというふうに思います。

小松参考人 先ほど申し上げましたけれども、福島先生おっしゃるとおりでして、従来五%、それから地域によっては地方自治体がまたその五%を補てんしている場合がありますので、ゼロのところもあるわけでございまして、それが一〇%負担になるということは、やはりそれは大きな問題だと思っています。ただし、低所得者に対する上限設定ということでございまして、だから、その低所得者をどういうふうに見ていくかということが非常に私は重要だと思っています。

 今、これの詳細につきましては、私どもの会で専門家を交えたような委員会をつくって、いろいろ検討しています。まだはっきりした結論がありませんので、お答えとしては、ある程度私個人の意見も入るかと思いますけれども、設定している上限にどういうふうに当てはまるかということになっていくんじゃないかと思います。

 その所得の単位を世帯の所得として見ますと、やはりある程度広がっていくというか、所得が多いから上限も高くなるというふうなことになりますから、やはり本人の所得ということを絶対に守っていただきたい、これは私どもの切なる願いでございます。そうすることによって、ある程度上限が下がってくるということで、五から一〇に上がった負担額が減ってくるということでございます。

 それから、先ほど私ちょっと申し上げたように、ここに入っていないんですけれども、それでも支払い能力のない無年金者だとか、全く収入のない人もいます。そういう人にとっては、やはり特別な経過措置をつくっていただいて、医療が中断しないような、そういう措置をとっていただきたいというふうに思っています。

 それから、おっしゃられました重度かつ継続という対象者を決めておりますけれども、私どもとしては、基本的には病名で、統合失調症と狭義の躁うつ病、それから難治性のてんかんというふうな三つの疾病名が示されておりますけれども、これに限定しないで、継続的な治療を要する対象者については、ぜひ範囲を広げて、その適用ができる。これによりまして、一部、重度かつ継続の範囲に入る場合は上限がさらに下がるとか、あるいは、一つは、一定の所得以上の人で重度かつ継続の範囲に入れば経過措置が受けられるとか、そういうことに適用できればなというふうに私としては考えております。

 以上でございます。

福島委員 次に、大濱参考人にお尋ねをしたいわけであります。

 超重度の障害者の方々の地域での自立した生活、これをどのように継続していくことができるのかということが大切な課題だというふうに思っております。

 脊損連合会の皆様も、長年にわたっての大変な御努力で、さまざまな形でのサービスの拡大を実現してきて、そして施設から地域へということが確立されるに至ったわけであります。この流れを逆行させるようなことが決してあってはならないというふうに思います。

 今回の障害者自立支援法案の中で示されている考え方では、こうした地域での自立した生活が危機に瀕するのではないかという御指摘があったかと思います。例えば、突如として環境が変わる場合がある、家族のケアがなくなるような場合もある。そういう場合に、超重度の障害者の方が継続して地域で自立していくためには、それぞれの自治体でのサービスの給付に関して弾力的な運用が必要だ。そして、現にそれはそれぞれの自治体で工夫しながら行われているじゃないかという御指摘ではなかったかというふうに思います。

 この点について、どのような見直しが望まれるのかということについて、再度御発言をいただければと思います。

大濱参考人 資料の1の1と1の2をごらんいただきたいのですが、それと、追加でお配りしていると思いますが、資料の5の部分を参考にしていただきたいと思います。

 まず資料の5の方から説明させていただきますが、従来の支援費制度の国庫補助基準の配分の仕方はこういう形で、障害程度区分掛ける人数ということで、その予算内の全部の枠の中で、程度区分を超えても余ったところから移せるという制度でした。ところが、新たな区分の考え方は、今厚生省から示されているのは、障害程度区分掛ける実際の利用者数で、そこに要した費用のこの枠内でやりなさいというようなことが厚生省から今示されております。

 こういうことになりますと、現実問題として、ひとり暮らしの最重度の障害者がいきなり発生した場合に、その人が本当に地域では暮らせない。要するに、資料の1の1に書いてありますが、ひとり暮らしの独居の重度障害者特例区分を設けるなどの配慮をしないと、ひとり暮らしの障害者が国庫補助が足りなくなって地域で暮らせなくなるという現状が起こりますので、これはぜひ、二十四時間という、必要な部分についてちゃんと担保できるような制度にしていただかないと、やはり地域では生活できない。特にひとり暮らしの場合は全く違いますから、そこら辺を十分配慮していただきたい、そういうお願いであります。

福島委員 どうもありがとうございます。

 引き続きまして、安藤参考人にお尋ねをいたしたいというふうに思っております。

 先ほど御説明がありましたように、コミュニケーション事業、これが果たして保障ができるんだろうかという御指摘もありました。このことは、それに先立って、市町村の基盤整備も十分ではないのではないかという御指摘もあったというふうに思います。これは裏腹の関係にあるわけであります。基盤整備がなければ、おのずと、地域生活支援事業の中に位置づけられたとしても十分なものが確保されない、そこのところをどうするんだと。

 現状の格差、そしてまた、この法案を通じてどのようなことが必要であるのかということについて、再度御発言をいただきたいと思います。

安藤参考人(手話通訳) 今、厚生労働省の事業として、社会参加総合事業が行われています。その中で、手話奉仕員、または通訳者養成とか、通訳者の設置、派遣事業というのが行われています。従来、その事業は県レベルで行ってきたわけなんです。したがって、今、四十七都道府県のほとんどの県レベルでは通訳養成とか設置、派遣とかが行われていますけれども、市町村まで広がらなくて、今のところ市町村でやっているのは四%ぐらいです。それを今度の自立支援法の中で市町村でやるとなると、一番大きな問題は、手話通訳の可能な通訳者の絶対数の確保がなかなか難しいということです。

 手話というものは言葉でありまして、ただ会話的な手話ができればいいというのではなくて、今そちらにおられるように、専門的な言葉にも対応できる、日本語が十分でない聴覚障害者の手話にも対応できるような専門性が必要です。そのような人を養成するには、最低でも十年ぐらいかかると言われています。また、その通訳者の質によって、聴覚障害者の通訳の信頼が深まるかどうかという問題も出てきます。言葉ですから、病院などの通訳で間違うと、命にかかわるさまざまな問題が出てくるわけですね。

 そのように、通訳者の養成をこれからどう確保するのかという問題と、全部の市町村でやる場合にはたくさんの通訳者の養成が必要ですから、養成のシステムを考えなくてはならないということです。それは非常に難しいということと、それができるだけの予算というものが確保できるかどうかですね。非常に予算的な面が大きくなると思うんです。

 また、通訳制度というものは、手話通訳一人を置けばそれで済むということではなくて、中心的な通訳を設置し、登録の通訳を派遣するというようなシステムが必要です。それを地域生活支援事業の中できちんと担保し保障して押さえられるかどうか、非常に不安を抱えています。その点で大きな問題がありますので、私たちとしても、どう対応していくのか、非常に戸惑っているという状況です。

福島委員 こうした御懸念に対して、一つ一つ明確な道筋を審議の中でつけていかなければいけないのだというふうに思っております。

 藤井参考人にお尋ねいたしたいと思います。

 我が国に生まれた不幸という言葉がございましたが、私も、政治家になりまして十二年、これだけ障害者の問題がこの厚生労働委員会で、厚生委員会で集中的に審議されたということは少なかったのではないかという思いがいたしております。

 なぜ我が国では、財源の問題もそうでありますけれども、このような形で障害者の福祉というものが社会保障の中で一番その後塵を拝してきたということになったのか、御感想をお聞きしたいと思います。

藤井参考人 ありがとうございます。

 私は、今おっしゃるとおり、我が国に生まれた不幸、こう言いましたけれども、やはり障害問題というのが、高齢者とも違う、児童とも違う。なぜならば、高齢者も児童も、これはすべての国民が通過する分野です。障害者は特定階層しか通らないということもあって、国民的な課題になりにくい。むしろ、このことに、行政も、場合によっては立法府も乗っかってしまったんじゃないか。

 かつて、女性国会というのがありました。子ども国会もありました。私は、遅きに失した感はありますけれども、やはり障害者問題を政治の表舞台で、きょうは参考人ですから終わりだと思いますけれども、本当に、総理、あるいは財務大臣含めて、もっと表舞台で議論をしてほしいなと。私は、そのことを改めて先生方にぜひともお願いしておきます。

福島委員 本当に私も同感であります。

 また、引き続きまして大濱参考人にお尋ねをしたいのでありますが、先ほど、審査会のあり方についてお話がございました。非定型的な支給決定に関して、これが市町村でどのように行われるのか。これは先ほど、その委員は市町村長が任命をする、行政の側に都合のいい委員が任命されると一体どうなってしまうのかと。これは、私、長年を通じてサービスの拡大に取り組んでこられた立場であるからこそこうした御指摘があるのかな、やはり御苦労されてきたからこそこのような御指摘があるのかなというふうに思った次第であります。

 一方で、こうした制度には公平性でありますとか透明性であるとかが必要とされるということも同時に御理解いただけると私は思うのでありますけれども、再度、改めて、こうした地域での最重度の方々の生活を可能にするように、審査会としてどのようなあり方が望ましいと考えられるのか、御発言をいただきたいと思います。

大濱参考人 ありがとうございます。

 審査会に関する資料なんですが、参考資料2の1、それから、その後に2の2、2の3とつけてございます。

 繰り返しになりますが、本当に市町村審査会というのは、こういう中立公平な、透明性を持った審査会というのは確かに必要だと思っております。ただ、その市町村の審査会の委員は、くどいようですが、市町村長が任命するという形になっておりますので、その透明性を確保し、なおかつ、中立公平をきちんと確保したいということであれば、やはり障害当事者をその中に入れる、その担保がないとその部分はできないのではないかというふうに考えておりますので、ぜひその市町村審査会の委員の中に必ず障害当事者を入れるという視点を忘れないでいただきたいというのは、これはたび重なるお願いであります。

 そして、なおかつ、一次のアセスメント、二次判定についてのアセスメントの部分で、国際的な評価基準であるICFの部分が全く取り残されているというのも、これは非常な今、きょう資料の六として新たに追加しましたが、ここに障害程度区分の表を持ってまいりました。その中で、やはり社会参加の観念とか、自分がどういう活動をしたいのかという、その部分が全く抜け落ちている。

 それで、要するに、医療モデルだけでアセスメントするという今のアセスメントの国の考え方は、早急にこれは変えていただきたい。具体的に障害者が置かれている状況がどういう状況なのか、きちんと判断した内容にしていただきたいと思っております。

 ありがとうございます。

福島委員 そういう意味で、アセスメントのあり方も含め、障害者制度全体がやはり変わっていく必要があるんだというような思いが私はいたします。

 最後に、藤井参考人に重ねてお尋ねをしたいのでありますけれども、やはりいろいろな課題があったとしても、私は、それを一つ一つ答えをきちっと出して、将来に向けて、先ほどおっしゃられましたように、この国に生まれてよかったという道をつくるべきだ、そして、この自立支援法案についても、私は、きちっとした形で仕上げてその道をつくる一歩とすべきだ、そのように思いますけれども、御意見を改めてお聞かせいただきたいと思います。

藤井参考人 私たちは、実は今、大変苦渋の気持ちを持っています。それは、なぜならば、こういう政治の場でもってこういう大きな議論をするのはめったにないことなんです。かつて、振り返ってみても、本当にわずかの前進にたくさん時間をかけてきました。ですから、今回も、ぎりぎりにじり寄って何とかやりたい、その気持ちは変わりません。

 しかし、今度の法案の第二十九条第三項、余りにもぎらつきます。すなわち、百分の九十が公的で、言いかえれば百分の十は、このことを何とかできないのか。私は、ここがやはり一つの、自分たちとしてもさあ行こうということが言えない大きな問題です。

 ですから、非常に発展しているものはいっぱいあります、精神障害者の同列化、あるいは就労支援策の発展もあります、施設体系見直しもあります。ここがぎりぎり、振り返って、私はやはり、今この段階でプラスマイナスどうかということは大変難しい、でも、この応益負担はこれを打ち消して余りある、こういうふうに言っておきます。

福島委員 以上で終わります。大変ありがとうございました。

鴨下委員長 次に、横路孝弘君。

横路委員 四人の参考人の皆さんには、貴重な、そしてとても切実なお話をいただきましたこと、心から感謝を申し上げたいというように思います。

 最初に、全家連の小松参考人にお尋ねをしたいと思います。

 三障害の統合というのはみんなが望んでいたことでございますが、しかし、考えてみますと、精神障害者の人々への地域の対応というのは、都道府県の保健所が中心になってやってまいりました。市町村の方ももちろん努力してきた地域はないわけではありませんけれども、いわば、ほとんど市町村には人材もノウハウもないという状況じゃないかと私は思います。しかも、グループホームや通所の施設なども少なくて、厚生労働省が言うように、七万人の人を地域で受け入れてもらうというようなことのかけ声だけで、本当にそれを受け入れる基盤があるかといえば、大変不十分ではないかというように思います。

 全家連として、理事長さんとして御苦労が多かったと思うんですが、そういう地域の実情といいますか、現状といいますか、こういうものをどのようにお考えになっておられますか。そしてまた、どういう整備をこれから特に急いでいったらいいのか、その辺のところをお答えいただければと思います。

小松参考人 御指摘ございました、精神障害者が、従来は保健所中心あるいは都道府県中心でやってまいりまして、今度は市町村ということになりますと、冒頭に申し上げたように、そういう体制が今まで十分でない中で、専門家も少ない、あるいは対応する相談者も少ないという中でこの法案が通っていきますと、早急にその体制を構築する必要がございます。

 冒頭申し上げたように、今、実はうちの委員会でもそれを大きな課題として検討しておりますけれども、やはり家族会の組織といいますか、全国的に展開して活動していますので、その辺のパワーも活用していただきながら、要するに、市町村パワーがしっかりしなければ、せっかく法律はできても、現在も、施設も足りない、社会資源も足りない、だから利用者も少ないということも言えるわけでございまして、だから、いろいろな整備をこれからしていく上で、やはり市町村のそういうパワーを早急に育成あるいは配置するということが物すごく大事だというふうに考えております。その施策につきましては、今検討中でございます。

 以上でございます。

    〔委員長退席、北川委員長代理着席〕

横路委員 先ほど、今まで頑張ってきた小規模授産施設などについて社会参加支援事業というような事業を起こしていただきたいというお話がございました。新しく、今回の法律に基づくサービスの提供として先ほどそういうお話がございましたが、具体的にこういうサービスをもっと提供してほしいということがございましたら、お話をいただければと思います。

小松参考人 先ほど確かに申し上げたのですけれども、要は、精神障害者が、今度の法律の訓練等給付部分におきまして、どちらかというと就労、就労ということに重点が置かれているような傾向がございます。

 精神障害者の場合に、確かに就労を望む者、望んでもなかなかその機会が与えられていない人もたくさんいます。いますけれども、多くの人は、ようやくそこに行くことで、それも支援の一つよというような考えがございます。これはもう障害者特性として避けて通れない問題だと思いますので、ただ、それを、新たな枠をつくるというのも非常に難しいんじゃないかと思います。

 だから、問題は、現在の小規模作業所それから小規模通所授産施設、こういうものが、今度は地域で、市町村の配下で、市町村のサービス提供のもとでやっていくわけですけれども、そこでしっかりした基盤ができて、就労に直接ならなくても、そういう人たちが援助を受けて生活ができていくという、その施策を今検討中でございまして、ここで申し上げることはできませんけれども、具体的には今検討しております。

 以上でございます。

横路委員 社会的に、まだまだ精神障害者の方に対する差別というのが非常に強い現状だと思います。何か起きますとすぐ何かそんなことが議論される、まことに情けない現状にあるわけですが、そんな中で大きな役割を担ってきたのが通院医療費の公費制度でございますから、私どもこれを存続すべきであるというように考えていることだけお話をさせていただきたいと思います。

 次に、安藤参考人にお尋ねをいたしたいと思います。

 先ほどお話がありましたけれども、コミュニケーションの事業、手話通訳の話ですが、それは生きるための基本であって、社会的に必要なんだ、いわば手話は言語であるというお話ですが、もう全くそのとおりだというように思います。そして、この分野もまた地域における体制ができていない分野の一つでございまして、先ほどもお話がございましたけれども、これから人材の養成というのをしながら市町村の体制をつくり上げていかなければいけないわけでございます。

 今までいろいろと活動されてこられて、あるいは病気になって病院に行かれるというようなときを含めまして、本当にこの手話、市町村の状況は先ほど四%というお話でございましたが、そしてまた整備するのには十年はかかるのではないかというお話がありましたが、この人材の養成、これから政府を督促して急いでやっていかなければいけない点でありますが、この点についてさらにお考えをお聞かせいただければというように思います。

安藤参考人(手話通訳) 私たち聴覚障害者の社会参加をサポートする施設として、聴覚障害者情報提供施設が福祉法の中に位置づけられているわけです。ただ、四十七都道府県と政令指定都市すべてにあるのではなくて、今、大体二十カ所から二十四カ所ぐらいしかないわけです。そのような情報提供施設が全国において整備されれば、その施設の中で専門的な通訳者の養成とか派遣というシステムが前進するのではないかと思っています。小さな市町村では手話通訳の派遣ができなくても、広域事業の中で情報提供施設が派遣主体となって対応することができるのではないかと思っています。要するに、まず、聴覚障害者情報提供施設の全国設置というものを急いでいただきたいということが一つ。

 二つ目が、手話通訳については大きく二つに分かれると思っています。

 一つは、福祉の制度を利用する聴覚障害者の手話通訳保障をどうするかという問題です。例えば、介護保険とか今回の自立支援法の福祉の制度そのものを利用するというときには当然通訳の保障が必要です。制度の中できちんと手話通訳を保障する、位置づけるというふうにしていただきたい。

 もう一つは、福祉の制度を利用しないで、社会的な自立をしていて、例えば、教育とか医療とか司法などの問題など、利用する通訳というものもあるわけです。それについては、本当の意味で言語的な保障が必要です。ただ、それが公費で全額賄えるかどうか。言語というものは、公的な保障の部分と社会的な保障の部分が必要でしょう。さまざまな公立の病院とかセンターのようなところ、または、司法では、司法の現場の中できちんと手話通訳ができる人たちが養成され、保障されていくという考え方も必要でしょう。

 そのためには、まず、手話通訳そのものを見るのではなくて、それ以前に、手話という言語を言語として国が認定する、社会が認定する中で保障をどうするかということを並行して考える必要があるのではないかと思っています。御検討をよろしくお願いいたします。

横路委員 今のお話を受けて、私どももこれからさらにしっかり議論していかなければいけないという思いでいっぱいでございます。

 あと、ちょっと教育の問題。これは文部科学省ではあるんですけれども、例えば、聴覚障害の人の教育は、できるだけ学校に上がる前、義務教育の前の教育から必要だ。それから、今大学で教育を受ける場合のバックアップの仕組みをどうするかというようなこと。これは役所でいうと文部科学省といってしまうのかもしれませんが、先ほどおっしゃられたように、やはり政府が一体的に取り組むことが必要だと思うんですね。

 この教育の問題について、場合によっては、児童、障害児ももちろん対象になっているわけですから、そこを含めて支援費の中で考えることだって十分できるというように思いますが、安藤さん、その点どのようにお考えでしょうか。

安藤参考人(手話通訳) 聴覚障害児の教育ということは非常に難しい課題がたくさんあるんです。例えば、子供の聴力レベルで、口話で、言葉ということですが、補聴器をつけた口話できちんと教育ができる子供もいれば、そのような能力が阻害されていて、手話を言葉として教育することで発達する子供もいるわけです。

 ただ、今まで、聴能訓練といいまして、聴覚口話法が主流でした。それは、聴覚障害者とか手話に関する社会的な差別とか偏見の影響で、聾とか難聴児を持つ親の皆さんが手話とか聾学校とかから逃げたいというような気持ちもあったからです。けれども、手話の広がりの中で、そのような傾向が変わって、今は親の皆さんたちも、子供の学力、つまり人間的な能力を豊かにしていくということの考え方に変わってきて、聾学校も見直されるようになってきています。

 私どもは、その子供が能力に合わせた言語を使って持てる能力を伸ばすような教育であってほしいと思っていますし、そのような理念というものを今回の自立支援法の中にもきちんとおさめてほしいと思っています。

横路委員 ありがとうございました。

 それでは、大濱参考人にお尋ねをしたいと思います。

 いろいろお尋ねしたいことはあるんですが、先ほどお話がありましたアセスメントについて、もう少し内容を詳しくお話をいただきたいと思います。

 これは、百二項目のうち、ほとんど七十数項目は介護保険の基準を使うということが言われておりますが、本当に、医療モデルにさらになってしまうということ、特に、精神障害、知的障害の人については思います。

 そこで、生活機能を、心身の機能と、活動と、参加ということで、その背景にある環境と、それから個人因子も含めて総合的に評価するということで、特に先ほど参加ということを強調されたわけでございますけれども、ここに資料としていただいた国連の方の基準ですか、国際的な基準との関連で、さらにちょっと詳しくこういう点を強調されたいという点がございましたら、お話をいただきたいと思います。

大濱参考人 ありがとうございます。

 百二項目、そのうち七十九項目が介護保険と同じ形の項目になっております。そして、新たに加えられた項目は何かといいますと、これは正直申し上げて、精神の方々とか知的の方々の医学的な機能が盛り込まれたという形で百二項目という形になっていまして、社会参加の理念、それから活動の理念、どのように障害者が社会に参加していくか、どうやって社会に、勤労したいという形のものも含めて問題です。あと、まして精神の方たちで言われると、多分引きこもりの方たちが外出したいのに外出できないとか、そういう問題が本当に発生してくると思うんですね。

 それでありますから、やはり、現在行われているアセスメントの百二項目では、これはきちっとした形に変えていただかないと障害程度区分はとてもできないということです。ぜひ、せっかくつくった国際的な生活機能分類ということでのICFの考え方、この項目を厚生省はきちんとしっかり受けとめて、アセスメントの中にこの基準を入れて、それで障害程度区分をきちんと判定していただきたい。そうすれば、より現実的な判定区分ができていくのではないかというように考えております。

横路委員 時間がなくなってまいりましたので、藤井参考人にお尋ねしたいと思います。

 先ほども、お話の中で、社会的な資源が余りにも少ない現状であるというお話をされました。そして、確かに、精神障害者の人々の点を見ても、聴覚障害の人々への対応を見ても、ともかく全体的に資源が少なく、しかも、地域によって非常に格差があるという現状だというように思います。

 そこで、基盤整備づくりの時限立法のようなものが必要だというようなお話が先ほどちょっとあったかと思いますが、市町村を中心にしてどういう基盤整備というのをつくり上げていったらいいのかという点が一つ。

 それから、今も障害者区分の問題がございましたが、一体、精神障害の人あるいは知的障害の人をどうやって障害区分するのかというのも、今のアセスメントの絡みでこれもちょっとよくわからないところで、本当にそんなことができるのかどうかということも非常に疑問であり、今までやったことがないわけですから、その辺のところをどうお考えなのか。

 さらに、精神障害者の公費負担問題についても、藤井さんの御意見を伺うことができればと思います。

藤井参考人 まず、基盤整備に関しましては、これはやはり本当にこの国はおくれをとりました。

 私は、地域で暮らしを築く場合には最低四つの基幹的なサービスが要るだろうと。それは、働く場、あるいは日中活動の場、つまりデータイムの場ですね。二つ目は住まいです。三つ目には人の支え。そして所得保障。この四つは、障害種別を超えて、量と質がポイントなんです。基盤整備という場合には、所得保障も省きまして、今言ったように、働く場、あるいはアクティビティーという場と、二つ目には住まい、そして人の支え、このことをどうしても私は、新しい公共事業ということを含めて、何もこれはお金、消費ばかりではありません、雇用創出を含めて、やはり立法府の主導で何かできないのか。

 そういう点でいうと、後で資料をまた見てほしいんですが、余りにもやはり厳しい状況。きょうは詳しくお話しできませんけれども、ここにこういう三千二百の調査をしました。本当にお寒い状況です。やはりこれでは、社会資源の量の不足に合わせてアセスメントをするということが起こりかねないということですね。これを一点目、強調しておきます。

 それから二つ目は、時間もないと思いますので、私は、精神障害問題、きょうは当事者がいらっしゃいます、全家連がいらっしゃいますけれども、やはりこれくらい、社会的入院でつらい思いをしてきたわけです。そして、今、国は七万二千人と言いますけれども、本当はもっと数は多いでしょう。こういう状況がずっとあって、そして薬の多剤投与があって、そして精神保健法の定義もおかしいんです。あの定義は、もうおわかりのように、精神障害者イコール精神疾患という定義ですよ。あそこからは、医療政策は生まれても、福祉政策は生まれっこないんです。

 こういう点でいいますと、私は、この公費の負担問題は、やはり現段階でこれを五から一〇というのは余りにも酷である、今すべきことは、おかしな医療をもう少し手直しをするということ、あるいは国政でいうならば、精神科特例を一般医療並みに合わす、幾つかの手順を経るということをまずすべきではないか、こういうふうに思っております。

 そういう点で、特に私は改めて言っておきますけれども、社会資源問題とあわせて、全体にやはりお金の見積もりを誤っている。

 さらに、その背景には、今度の自立支援法案の厚労省の吟味、国会での吟味。基礎データがなくて吟味しているんです。このおくれをとった一番の一つの原因は、先ほど福島先生のお話もありましたけれども、私は、やはり、本当のデータがない中でのいわばヤマカンの議論、こういう点をどうするのかということを本当にきちんと考えてほしいと思っています。

横路委員 もう時間が来ましたので終わりにしますが、きょういただきました御意見を私どもはしっかり踏まえて、あしたからまた審議が始まりますので、その中で生かしていきたいと思います。

 ありがとうございました。

北川委員長代理 次に、山口富男君。

山口(富)委員 日本共産党の山口富男です。

 きょうは、四人の参考人の皆さん、御意見ありがとうございました。

 皆さんからは、改善すべき強い要望がある、それから実施に当たっての不安がある、不安どころか今や危機感だという表明がありました。私は、こういう御意見の裏づけとして、やはりこの法案をつくった過程に、障害者の皆さんの意見や協議をきちんと踏まえなかった、今データがないという話も出ましたけれども、そういう問題があり、しかも出されてきた法案に内容上多くの問題があるというところから、きょう皆さんがこぞってこの法案の問題を指摘されたというふうに思うんです。

 きょうは意見を述べていただいた順番にお尋ねしていきますけれども、小松参考人にまずお尋ねします。

 精神科通院医療費公費負担制度の問題なんですけれども、きょうの御意見で、この制度ができてきた経緯や精神科受診促進に果たしてきた役割を十分に踏まえなさいという指摘がありました。まず、ここのところをもう少し詳しくお話しいただけますでしょうか。

小松参考人 第三十二条といいますか、通院公費負担制度ができたのは昭和四十年と聞きますので、既に四十年がたっております。

 当時、世界の精神障害者の世界の趨勢としては、既に病院から施設へ、地域へという大きな流れがある中で、日本がちょっとそれがおくれておりました。それで、入院から地域へ、退院ということが問題になって、退院した後どうするかということになりますと、これは、冒頭申し上げたように、精神障害、精神疾病のほとんどが継続的な服薬が必要ですし、治療が必要です。これを中断しますと、再燃するとか、症状が悪化して再入院もあり得る、それからいろいろな問題が起きる可能性もそこで起きるわけです。ですから、絶対にやはり治療あるいは服薬の中断は避けたい。そのために、退院者が継続医療が受けやすいようにこの制度ができたというふうに伺っておりますし、私もその役割をこの制度は十分に果たして今日があるというふうに思っています。

 私も、実は実際に地元でも家族会の会長をしていますので、相当多くの精神障害者と接しています。統合失調症が多いかもしれませんけれども、非常に症状がよくなったなと思っている人が突然入院したりすることがあります。その状況を調べますと、実にほとんどがやはり服薬の中断か、もうよくなったと考えて薬の量を自分でかげんしている、その結果が再発に結びついているというような現状をつぶさに見ておりますので、やはり何とかして医療が継続することを重点に考えていかないと、今度の新しい支援医療は成立しないなと思っています。それが非常に重要だということを強く認識しておりますし、皆さんにも御理解いただきたいというふうに思っています。

 以上でございます。

山口(富)委員 小松参考人にもう一点、今の中断の問題にかかわってお尋ねしたいんです。

 今度の自立支援医療で、重度かつ継続というものが三つに限定されているんですね、統合失調症、躁うつ、てんかん。これはある調査によりますと精神障害者の大体四割台だと。これはいろいろ資料があるようなんですけれども。こういう限定をするということが、先ほどのお話ですと、継続治療を必要とする精神疾患にしてほしい、柔軟に対応してほしいということだったんですけれども、それは非常に大事だと思うんです。

 十月の実施となりますと、診断書を出せということになっているんですね。私はこれは大きな混乱が生まれる可能性があると思っているんですけれども、このあたりはどういうふうに見ていらっしゃいますか。

小松参考人 診断書の問題もあります。

 それから、おっしゃられるように、重度かつ継続の範囲の決め方でございますけれども、これは、もちろん私ども経験的に、病名で決めることに問題があるよということを申し上げていますけれども、実際にはたくさんの医療機関もございますし、専門の方々がたくさんおられますので、そういうところの援助も得ながら、協力しながら、これからは、範囲の決め方がいかにあるべきかについてはそういうふうに進めていきたいというふうに思っていますし、現に専門家のお力もかりながら今検討を進めています。

 それから、診断書という話なんですけれども、従来は三十二条を適用するためには二年間のなにがございまして、それから、かなり医療機関がその部分の仕事を代行していたというような事実もございます。今度はそれが一年間の更改になる。診断書をもらうためには、これは医療機関によって違いますけれども、数千円の診断書が必要です。

 だから、これも非常に大きな負担になるだろうということもありますし、診断書の手数料を払う側も大変ですけれども、こういう事務処理を今までの倍以上やっていかなきゃならないいろいろな関係機関が大変な労力になるかなということも私どもは明らかに予測ができます。その辺も含めて、やはりどういうふうに効率的にやっていくかということを真剣に考えていかないと、現実には難しい問題がたくさんあるんじゃないかなと思っています。

 以上でございます。

山口(富)委員 どうもありがとうございました。

 では、続きまして、安藤参考人に二点まとめてお尋ねします。

 一点は、コミュニケーション保障の問題で、私は、きょう本当に具体的なお話を聞かせていただきまして、今度の法案審議でもこれはきちんとしなければいけないと痛感いたしました。

 一点は、これは、制度利用の根幹にかかわる、もっと強く言いますと、皆さんが生きていく上での根幹にかかわるわけですから、このコミュニケーション保障について利用者負担を入れるというのは、これはなじまない、そういう御意見なのかというのが一点。

 それからもう一点は、手話通訳事業や要約筆記の事業なんですけれども、今市町村に任せるような基盤がなかなかできていない。そこで、広域的にやってはどうかという提案がありました。既に、経験として、広域的に対応しているような経験があるのかどうか。これについての一層の具体的な提案があれば、お述べいただきたいと思います。

安藤参考人(手話通訳) 一つは、自立支援法の中で個別給付があるんですけれども、私たちの論議の中で、財政的な心配があるので、コミュニケーション支援事業も個別給付に入れた方がいいのではないかという意見も出たわけです。けれども、個別給付に入れると、絶対的に応益負担で一〇%を払わなくちゃならないんです。つまり、言葉を話すのに、また言葉を聞くのにお金を払わなくちゃならないという問題が出ます。

 そのような論議の中で、地域生活支援事業であるんだったら、市町村長の判断ですから、今までどおり無料継続が可能ではないかというような期待も出たわけです。

 厚生労働省ともその面で話し合ったんですが、市町村の判断では無料の継続の可能性が高いというお話です。けれども、今まで応能負担がありまして、現に、支援費制度を利用する障害者の九五%以上が無料で利用しているわけですね。それは、応能負担ですから、原則無料というような環境があって、支援費制度の手話通訳派遣とか設置などは入っていませんけれども、無料という環境の中で私たちの手話通訳も無料で来たわけです。

 けれども、今回応益負担となると、それはもう有料というような環境に変わるわけですね。変わるわけです。変わると、私たちの手話も、その環境の中で手話通訳だけ無料ということは通らないんじゃないかというような危機感が非常に強いということです。

 さっき言いましたように、制度を利用する場合も通訳にお金がかかる。制度利用ではなくて、子供の教育の参観とか、自分が病院に行く場合の通訳にもお金がかかるようになるということ。これは、病院に行く場合にでも、通訳は私たちだけが必要とするのではなくて、その病院の先生、看護婦さんも必要なわけなんですね。どちらが応益、恩恵を受けるのかというと、同じだと思うんですね。そういう社会性があるんです。そういう面で絶対的に負担はなじまないし、するべきではないと思っています。

 また、設置、派遣の仕組みですけれども、現に、来年の十月から始まったとしても、全国の市町村で一斉にやるということは非常に難しいです。今まで、私たちの組織では、都道府県レベルでの手話通訳の養成とか設置、派遣を行っていましたので、その中で市町村対応の広域的な実施という経験は持っているわけです。

 ただ、それを行う場合の予算に限度があって、私は宮崎県におりますが、宮崎県の市町村全部で対応するということはとてもできなくて、大体一五%ぐらいの市町村にしか対応できないわけです。ですから、広域でやる場合には、それなりの予算規模の拡大が必要になりますし、手話通訳者の養成が必要です。

 それと、もう一つ、手話通訳の養成について法的に何があるかといいますと、今手話通訳士の資格制度がありますけれども、それは厚生労働大臣公認の試験であるわけです。つまり、国家試験にはなっていないんですね。公認試験でありますので、その難しい試験を合格して資格を取ったとしても、採用する受け皿がないわけです。今、手話通訳士の資格を持っている人たちは全国で一千四百人ぐらいいますけれども、その人たちのほとんどが通訳を職業としてやっているわけではないんです。そういう手話通訳の資格制度そのものも考える必要があるのではないかと思っています。

 以上です。よろしくお願いします。

    〔北川委員長代理退席、委員長着席〕

山口(富)委員 どうもありがとうございました。

 時間が限られてきましたので、大濱参考人に一つお尋ねいたしますけれども、きょうは冒頭で、当事者団体との十分な議論の猶予がなかったと指摘がありました。

 私は、社会保障審議会の障害者部会での大濱さんの発言は全部読みました。随分悔しい思い、残念な思いをされたと思います。

 ことしの一月の議論の中で、アセスメントの問題について随分詳しくお話しになっていますけれども、きょうも、今度の百二項目の表というのは医療モデル中心である、もっと国際的な流れであるICFの方に行くべきでないかという強い御主張だったんですけれども、なぜ、日本の行政はここに踏み込んでいかないんでしょうか。この一点、お考えをお聞かせください。

大濱参考人 ありがとうございます。

 なぜ日本の行政がそこまで踏み込んでいかないのか。私は、それを行政府の方に、むしろ逆に私自身が本当に聞きたいというポイントでして、本当にアセスメントの方法が、医療モデルだけでアセスメントをしようというその無理なところを、なぜそのような形かということで考えております。

 基本的には、厚生省の流れ全体の中にというか、国全体の流れとして、やはり財源がないということで、介護保険への誘導ということがあからさまに見えているわけでして、ユニバーサル介護ということが今非常に言われています。このきれいな言葉で、障害者が介護を受けづらい状態にはしていただきたくないということで考えておりまして、介護保険という形で統合するのを誘導するのではなくて、支援費制度、今ある制度をより発展するための自立支援法にしていただきたいというのが基本的な認識であります。

 この法案をめぐって、将来にわたって本当に障害者の福祉目的税という形での国税による施策で続けるべきか、それとも保険の制度による施策に向かうのかというのを、今まで本当に議論されたことがないので、国家国民的なレベルできちんとそこら辺を議論していただきたい。

 単純に、ユニバーサル介護というようなきれいごとの言葉で、一見きれいな言葉で全部片づけてもらうことだけはぜひやめていただきたいということは、ここにお願いしたいと思います。

山口(富)委員 今の大濱さんの意見、私は正面から受けとめたいと思います。

 藤井参考人にお尋ねしますけれども、先ほど、決定的事項が抜け落ちているということで四点指摘されました。この四つに全部つき合いたいところなんですが、残り時間が限られてきましたので、まず一つは、所得保障と利用者負担にかかわる問題なんですけれども、今の現状からいって、障害者の生活の実態からいって、応益負担に切りかえるのは、これは逆行する、無理であるということでした。そして、それにあわせて、戦後の皆さんの本当に血のにじむような努力の中でつくってきた応能負担、これを変えようというわけですから、障害者政策の根本のところを変えることにつながる、そういう意味での逆行でもあると私は思うんです。

 応益負担導入、これは現状ではそこに行くべきでないという御意見、もう少し具体的に聞かせていただきたいと思います。

藤井参考人 私は、本当に情けないと思うんですけれども、本当は応能負担にして、障害者がお金を払えれば一番いいんです。でも、応能になって、障害者はそれはほとんどいないという現実なんです、応能でやって。つまり、多くの障害者は、やはり所得水準が低い、働けないという状況にあると思うんです。きょうの参考人陳述の資料の中で、私は一ページ目に、今の障害基礎年金六万六千円がいかに低いかということをここに書いておきました。すなわち、生活保護費、これはまさに最低限度の生活をうたったものなんですけれども、ここと比べますと、はるかに低いんです。

 それで、私は中部ヨーロッパあるいは北欧なんかに行ってまいりました。応益負担という国はあります。それは前提が、標準所得まで国家あるいは企業が保障する、そのときにようやく自分も消費者として肩を並べて消費するということなんですね。したがって、私は、本当に現状においてはこれは考えられにくいという話をしたわけであります。

 すなわち、障害を持った人々の状況というのは、やっとこすっとこ精神科というつらい看板をくぐって病院に行って毎日の生活を維持してみたり、車いすというのは、考えてみれば、足がわりですよね。私は全く目が見えません。きょうもこうして一緒に来てもらいました。つまり、そうやってようやく他の市民と同等の行動ができるんです。でも、車いすを買ったら、足がわりであってもこれは応益負担。

 そういう点において、私は、単に応能か応益かということよりも、そもそも障害問題の基本は一体何かということだと思うんです。さっきから言いますように、他の市民と肩を並べるための最低条件が障害者施策なんですよ。これについてはやはり社会で考えてほしいということであって、これにおいては、少なくとも私は、所得保障という問題と、もう一方で、基盤整備ができ上がってくる。今これくらい基盤整備が弱かったら、結局事業者はどう見るかというと、お金はありますかということを無意識、意識のうちに、そういう財布の状況をこれは必ず見ますよ。結果的に、お金がなかったら、継続して払えないなとなれば、結局はお金持ちの方を選ぶ。選択とか自己決定といいますけれども、現状の基盤整備の状況でいいますと、逆選択なんですよね、今の状況というのは。

 こういう点において、所得保障という問題とそして社会基盤の整備という問題、これをまずは検討していただきたい、これを重ねてお願いしておきます。

山口(富)委員 時間が参りましたので終わりますけれども、きょうの皆さんの意見を踏まえて、徹底的な審議、問題点の洗い出し、これをやりたいと思います。ありがとうございました。

鴨下委員長 次に、阿部知子君。

阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 本日の参考人の皆様には、御高齢やあるいは障害をお持ちの当事者であるというきつい状況を押して長時間の参考人としての御参加、本当に御苦労さまでございます。

 私は、皆さんが参加された二十四回の社会保障審議会の障害者部会の議事録も、全部とはまだ申しませんが、かなり読ませていただいて、実は、この審議会の二十四回の論議の中でも十分に論議が尽くされない、皆さんのお気持ちの中に残った大きなしこり、そして、それを今度は国会審議が始まるからという形で閉じられた二十四回目の議事録、とても切ない思いで本日ここに立っております。

 と申しますのも、朝も申しました、もっともっと各委員はここに参加して、皆さんの期待に沿うような、声を聞くような努力をしないと、皆さんが二重に裏切られてしまうかもしれない。社会保障審議会のあり方も、従来のようにきっちりとした答申を上げてその声が反映されるという形にもなっていないし、国会論議にと投げられたボールを受けとめる側がどうかというと、これまた極めて安直な状況にあるんじゃないかと私は思います。その意味で、別に私だけが例外でもなく、私も含めての国会の役割ということと思っております。そして、そういう観点から幾つか質問をさせていただきます。

 冒頭、私は、きょう藤井参考人が、呉秀三、私の卒業した大学の精神科の教授でございますが、お話をしていただきました。私がまだ二十歳代の初めのころですが、この呉秀三の胸像の前で、本日御参加の全家連、精神障害者の家族の皆さんの団体に属しておられました渓さゆりさんという、歌人でもあります、歌を詠まれる方でした、御存命であればもう九十になられるでしょうが、その方から、御子息様を精神障害で抱えて、そして家族の連合会をつくって一生懸命やっているというお話を聞いたのが、私にとっては精神障害の皆さんの現状を知るきっかけでございました。もう四十年近く、三十数年前のことでございます。きょう小松参考人のお話を伺いながら、いかに御苦労の長かったことか、多かったことか、改めて、本当に襟を正さなきゃいけないと思って伺いました。

 私は、今回の法律がもし通過するのであれば、三つの改善点が絶対必要と思っておるものです。その私の考えから、まず冒頭、小松参考人にお伺いいたします。

 私は、精神障害者の医療を自立支援医療という形で取り込んでいくということが本来的な解決ではないというふうに強く思っております。と申しますのも、実は、先ほども紹介させていただきました、私は小児科の医者で、不登校の子供たちなどをよく診ておりますが、最近は、家族の風景、お父様が精神障害に会社勤めの途中でなられた、あるいはお母様が子育て中にそういうことになられた、非常に家族の、例えば子供を抱えて、従来であれば二十ごろの発症の方が多かったものが、最近では、本当に日常的、当たり前に生活の中からさらに精神障害ということをあわせ持つ方がすごく多くなって、そのことが一方で精神科通院医療の高騰にもつながっております。

 それを解決するのに一〇%の自己負担という形に返しても、かえって、家族の家計の支え手、それで子供もいるような方から高い医療費をいただくということになって、私は本末転倒の結果になるように思います。そして、従来、本来であれば精神医療のあり方のより本質的な改善として図られるべきものが障害者自立支援法の中に取り込まれて、そして逆に言えば、医療モデルをまかり間違うと障害者自立支援法の中に引っ張り込んでしまって、かえってどちらにとってもよいことが起きないんじゃないか。

 小松参考人の御意見では、例えば低所得者は五%の負担にしていただきたい、あるいは継続的かつ重度というのではなくて、もうちょっと広くとっていただきたいという御意見でした。でも、私は、そもそもこれをなぜ障害者自立支援法の中に引っ張ってこなきゃならないのか、そのことが、私が診る患者さんの風景からするとどうしても納得できません。

 そのあたりが、本当に財政事情が苦しく、そしてずっと御苦労してこられた、精神障害を抱えた御家族のやむにやまれぬ選択であるのかもしれませんが、逆に、本来的な精神医療の充実をそれとしてお求めくださるような流れについてどのようにお考えか、一点お願いいたします。

小松参考人 障害者本人の負担を一〇%にしないで、本来医療としてやるべきことがあるのではないかというような御質問だと理解しましたけれども、よろしいでしょうか。

 この支援法と今は連携がないんですけれども、さっき藤井さんもおっしゃったのですが、まず、精神科特例がありまして、このために、非常に手薄な医療スタッフが治療に当たり、あるいは入院患者のケアに当たっているというようなことがあります。そういうことと関連があったと思いますけれども、やはりこれも藤井さんがちょっとおっしゃったのですが、多剤大量処方という日本独特の医療がありまして、非常に種類も量も多い投薬がなされております。

 これが習慣的に、世界ではあり得ないことなんだそうですけれども、統計上、数字を見ますと、何か日本は、ゼロから一錠というのが二〇%ぐらい、それから二錠が四〇%、残り四〇%は三錠以上ですね。これが、ほかの国で見ますと、ゼロから一がほとんど一〇〇であって、なかなか二錠以上飲んでいるところは少ないというようなことがあります。これが、例えば、非常に薬がたくさん処方されているということは医療費を上げているんじゃないかなということはちょっと言えるんじゃないかと思います。

 ただ、私も専門家じゃございませんので、ただこういうのに関心があるものですから、いろいろな本やあるいは専門家に接触する機会は多いですから、ある程度伺っておりますけれども、これは専門の先生方にぜひ検討していただいて、こういう場があればそこでまた発言いただくとかいうようなことが必要ではないかというふうに思っています。

 以上でございます。

阿部委員 ありがとうございます。

 続いて、安藤参考人にお伺いいたしますが、私は、この法案が改正すべき二点目はやはり応益負担と言われておりますところの問題で、本日、安藤参考人から非常に、御助言というか、ああ、そういう考え方もあるかなという点をお聞きしたように思います。

 先ほど参考人は、所得保障と合わせて負担率を上昇させていってはどうか、例えば、現状で一割負担はやはり無理である、三%にするなり、所得が充実したときに率も考えていこう、私はこれは非常に現実的な提案であると思い、もう一度そのあたりを強く御説明いただけたらと思うのですが。

安藤参考人(手話通訳) ありがとうございます。

 私は、先生のお話の社会保障審議会の障害部会のメンバーの一人なんです。昨年の三月から問題が出てきましたけれども、その中でまず介護保険と支援費制度の統合という方向が出てきたわけなんです。

 ただ、その審議の中で私ががっかりしたのは、障害部会のあり方です。その部会では、事務局で企画され整理された内容が長い時間かけて報告されて、私どもがそれに異を唱えるとか変更を希望しても、全く、ほとんど受け付けられない。一つのセレモニーであって、厚生労働省が方向を一応建前として部会に出して、了解を得ましたというようになってしまっているということ。そうではなくて、きちんと障害部会で意見が反映され、修正されて国会に出されれば、私たちも参考人として説明しなくてもいいですし、皆さんの御苦労もないと思うんです。だから、この障害者部会といいますか審議会というものを、もっと権威のあるものに変えていただきたいと思うんですね。

 その時点で、私は、今の障害者の所得レベルでは、介護保険を前提とした一〇%の応益負担はなじまないし、私たちも福祉の制度の利用が抑制されることになるというようなことを言ったんです。ただ、介護保険との統合とか相互利用の目的というもののタイムリミットがもう既に決まっていたので、ほとんど聞いてもらえなかったという経過があります。

 さっきも言いましたように、国の財政状況などで国民の皆さんの納得していただく方法として応益負担がやむを得ないということならば、障害者の所得状況に合わせた段階的な実施というものを、それは国民の皆さんへの説得力になるし、私たち障害者も納得できる材料になるのではないかと思っています。これは絶対やるべきではないかと思っているわけです。

阿部委員 本当に御指摘のとおり、ありがとうございます。

 また、大濱参考人には、本当にお体がきついかと思います。私どもがちょっとあくびをしたかに見えたことがあれば、本当にお気持ちを傷つけて申しわけないと思います。

 大濱参考人が同じように障害者部会の中で疑問を投げかけながら、実はどう読んでも答えていないなという箇所も多くて、それは、障害者の所得状況と、施設に入っていて五万か六万で、その中から一万七千円出したらどうなるんだということを聞かれても、ほとんど厚生労働省側は答えていない。だから、ただいまの安藤参考人と同じように、本当にお怒りかと思います。

 その気持ちにさらに上塗りをしてしまったようで申しわけありませんが、私は、大濱参考人には、本日三つ目の改正点、すなわち、障害の認定にかかわる作業のときに、疾病モデルも本当に間違っておりますし、等級、段階づけというのも違う、そこで、環境モデルを導き入れて当事者性をどう持つかということが第三の改善点だと思います。

 大濱参考人の御意見の中に、やはり障害者、当事者を入れなさいということが明確に書いてございますが、これも厚生省に言うと、本人を入れると云々となります。でも、私はやはり当事者を入れるべきだと本当に思います。その点について御意見をお願いします。

大濱参考人 ありがとうございます。

 本当に、障害者部会、これははっきり申し上げて、一人何分も話をできる時間がないというような、いつもそういう部会になっております。それは現実問題です。

 それと、何点かありますが、今厚生省は非常にデータが少なくて、厚生省が出したデータ、唯一今ここに出ているのが、きょうの資料の1の定点調査というのがありまして、過去に調べられた唯一のデータらしいデータと言えるのがこの資料1の2です。そして、ここに書いてありますように、障害者の二十四時間以上の介護、定点調査をやった場合の二十時間から二十四時間の範囲で、わずか〇・一%しかないんですね、全体の一〇〇%に対して。

 それで、この二十時間から二十四時間、ここら辺についてはぴちっと守っていただきたいというためのアセスメントは、ではどういう方法ができるのかといいますと、これはもう医療モデルでは多分無理です。それはやはり限界があります。障害者個々がどうやって社会に参加したいか、それから社会ではどういう活動をしたいのか、そういうことを、やはりそういうほかの医療モデルじゃない部分をきちんと判断していかないとこれはできないと思っておりますので、そういう意味合いで、この資料、厚生省がかつてつくった資料をあえてここに添付させていただきました。

 ここにある資料の中で、あと、では、それにかかる費用はどれぐらいなんですかということなんですが、ここにございますように、これを合計しても、費用合計は一・三七%です。本当に最重度の障害者にかかる費用というのは非常にわずかな部分ですので、ここはぜひきちんと勘案していただきたい。

 そして、私どもは従来から、介護保険等の部会での話、今安藤委員からも話がありましたが、同じ委員として参加していまして、介護保険統合ありきみたいな障害者部会になっていたのが現実でありまして、その中で非常に、資料4としてきょうデータをお示ししましたが、介護保険の将来的な数字として二十兆円という数字が出ているわけです。それに対して障害者がどうなるかという数字を私たちが算出いたしましたが、それは、障害者はこれから伸びるということはなくて横ばいになるという数字でして、障害者介護の費用は五千億弱、障害者福祉全体でもせいぜいたかだか一兆五千億前後もあれば障害者は十分やっていける、きちんと二十四時間、制度として確保して地域で暮らせるんだという数字であります。

 したがって、本当に安易に介護保険の中に組み込むという施策がいいのか、国税できちんと担保する施策がいいのか、私はそれは今後議論がしっかりと尽くされていけば見えてくる問題であると思っていますので、私は保険に反対しているものではありません。別に反対しているものではないですが、将来的に必要であれば保険施策の中に入っていくこともやぶさかではないと考えていますが、その前に、二十四時間ちゃんと暮らせるような制度につくってしていただきたい。

 それが可能であれば、もちろん保険で賄われようと国税で賄われようと、それは最終的にはいいと思いますが、そこら辺がみんな不安で、きょう冒頭に申し上げたように、朝八時半から沖縄の方から電話がかかってきて、あした沖縄で決起集会をやるんです、本当に私たちは地域で生活できるんですかという声が上がってきているのが現状です。ぜひ、そこら辺、御配慮よろしくお願いいたしたいと思います。

 ありがとうございます。

阿部委員 改めてきっちり論議することの必要性を御指摘いただきました。

 最後に、藤井参考人ですが、私は、きょうお示しいただいた資料の一ページ目、いわゆる生活保護と比較いたしまして、生活扶助の一類、二類、障害者加算、そして住宅、これは当たり前の姿ですよね。これが全然なっていない中で、何か砂上の楼閣のような論議を私どもはしているわけで、所得保障がないということは最大の問題であります。

 そして、そういう思いで、参考人の資料の中で「所得保障」と書かれております二ページにわたるこれを読ませていただくと、非常によくできているというか、ああそうか、こうすればいいんだというような御助言にも近いものが、実は一九九八年に提案されておるわけです。今は二〇〇五年、七年間たっても、いっかな一歩も進まないどころか後退している中で、いかに皆さんの思いが歯がゆいか、あるいはこの審議が現実とかみ合わないかという思いを強くしておられるとは思います。

 しかし、きょう私は、藤井参考人の本当に四点にわたる改正点、非常にきちんと提案いただいたように思いますので、また、あえてもしもう一言おありであれば、済みません、時間が短くなりましたが、お願いいたします。

藤井参考人 ありがとうございます。

 私は、この国会というのは障害分野の歴史にとって非常に歴史に残ると思うんです、こうして参考人として招致してもらったということを含めてですね。

 私は、私自身も今、目が悪い。実は、だれにも言っていませんでしたけれども、私は今、通勤するときにうちの娘にお願いしているんです。ところが、一切どこも費用も出ません。娘は結局、少し早目に、通勤の前に相当早く一緒に出なくちゃいけない。このままもし応益負担等が進んだ場合、私は、この間与党に随分頑張ってもらったこともあって、収入認定につきましては、家族の収入は合算をしないという方向で検討してもらっている、これはうれしいんです、でも、一万五千円であっても二万四千六百円であっても、またこの負担が恐らく家族に及ぶんだろうと。つまり、つらいのは、やはり家族の中で肩身を狭くして生きていくということ、これは恐らくその身になってもらわなければ多分わからぬと思うんですね。

 私は、社会、ましてや家族の中ではせいぜいせめて解放されて生きていきたいという点において、この応益負担という問題は、結局は、本人がサービスの受給を我慢するか、または家族の負担か、サービス事業提供者がその負担をかぶるか、こうなってくるんじゃないかなと思うんです。結局は、過剰利用の抑制だとか、あるいは三年後の介護保険の統合ということを前提にしているということ、ここをもう一回、この根本問題を考えてほしいなということを思って、発言を終わります。

阿部委員 各参考人には本当にありがとうございます。しっかり頑張って審議していきます。ありがとうございます。

鴨下委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。

 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。

 参考人の方々には、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。

 次回は、明十八日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時五十六分散会


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