衆議院

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第28号 平成17年6月15日(水曜日)

会議録本文へ
平成十七年六月十五日(水曜日)

    午前九時三十三分開議

 出席委員

   委員長 鴨下 一郎君

   理事 大村 秀章君 理事 北川 知克君

   理事 長勢 甚遠君 理事 宮澤 洋一君

   理事 五島 正規君 理事 三井 辨雄君

   理事 山井 和則君 理事 福島  豊君

      青山  丘君    石崎  岳君

      宇野  治君    奥野 信亮君

      上川 陽子君    木村 義雄君

      小西  理君    河野 太郎君

      菅原 一秀君    中山 泰秀君

      西川 京子君    西村 康稔君

      浜田 靖一君    原田 令嗣君

      福井  照君    松野 博一君

      三ッ林隆志君    御法川信英君

      宮腰 光寛君    森岡 正宏君

      山際大志郎君    吉野 正芳君

      渡辺 具能君    石毛えい子君

      泉  健太君    泉  房穂君

      内山  晃君    大島  敦君

      小林千代美君    城島 正光君

      園田 康博君    中津川博郷君

      中根 康浩君    橋本 清仁君

      藤田 一枝君    水島 広子君

      横路 孝弘君    古屋 範子君

      丸谷 佳織君    山口 富男君

      阿部 知子君

    …………………………………

   厚生労働大臣       尾辻 秀久君

   厚生労働副大臣      衛藤 晟一君

   厚生労働副大臣      西  博義君

   厚生労働大臣政務官    森岡 正宏君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  岩尾總一郎君

   政府参考人

   (厚生労働省健康局長)  田中 慶司君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局長)            青木  功君

   政府参考人

   (厚生労働省年金局長)  渡辺 芳樹君

   政府参考人

   (厚生労働省政策統括官) 井口 直樹君

   政府参考人

   (社会保険庁長官)    村瀬 清司君

   政府参考人

   (社会保険庁運営部長)  青柳 親房君

   厚生労働委員会専門員   榊原 志俊君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月十五日

 辞任         補欠選任

  井上 信治君     浜田 靖一君

  上川 陽子君     松野 博一君

  菅原 一秀君     西村 康稔君

  中山 泰秀君     宇野  治君

  米澤  隆君     中津川博郷君

  高木美智代君     丸谷 佳織君

同日

 辞任         補欠選任

  宇野  治君     奥野 信亮君

  西村 康稔君     山際大志郎君

  浜田 靖一君     井上 信治君

  松野 博一君     上川 陽子君

  中津川博郷君     米澤  隆君

  丸谷 佳織君     高木美智代君

同日

 辞任         補欠選任

  奥野 信亮君     中山 泰秀君

  山際大志郎君     菅原 一秀君

    ―――――――――――――

六月十三日

 大牟田労災病院を高次脳機能障害リハビリテーションセンターとして整備することに関する請願(石毛えい子君紹介)(第二三五七号)

 同(楠田大蔵君紹介)(第二三五八号)

 同(小林千代美君紹介)(第二三五九号)

 同(古賀一成君紹介)(第二三六〇号)

 同(園田康博君紹介)(第二三六一号)

 同(照屋寛徳君紹介)(第二三六二号)

 同(楢崎欣弥君紹介)(第二三六三号)

 同(松本龍君紹介)(第二三六四号)

 同(山本喜代宏君紹介)(第二三六五号)

 障害者自立支援法案審議に関する請願(照屋寛徳君紹介)(第二三六六号)

 尊厳死法制化に関する請願(大前繁雄君紹介)(第二三六七号)

 同(岡本充功君紹介)(第二三六八号)

 同(北川知克君紹介)(第二三六九号)

 同(小平忠正君紹介)(第二三七〇号)

 同(佐々木秀典君紹介)(第二三七一号)

 同(田中慶秋君紹介)(第二三七二号)

 同(中谷元君紹介)(第二三七三号)

 同(中山太郎君紹介)(第二三七四号)

 同(根本匠君紹介)(第二三七五号)

 同(福島豊君紹介)(第二三七六号)

 同(細川律夫君紹介)(第二三七七号)

 同(増原義剛君紹介)(第二三七八号)

 同(武藤嘉文君紹介)(第二三七九号)

 同(保岡興治君紹介)(第二三八〇号)

 HAM及びHTLV―1ウイルス感染症の対策強化に関する請願(仲野博子君紹介)(第二三八一号)

 保育・学童保育・子育て支援施策の拡充等に関する請願(石井郁子君紹介)(第二三八二号)

 最低保障年金制度の創設に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二三八三号)

 同(志位和夫君紹介)(第二三八四号)

 臓器の移植に関する法律の改正及び臓器移植の普及に関する請願(二階俊博君紹介)(第二三八五号)

 精神障害者通院医療費公費負担制度に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二三八六号)

 同(石井郁子君紹介)(第二三八七号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二三八八号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第二三八九号)

 同(志位和夫君紹介)(第二三九〇号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第二三九一号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第二三九二号)

 同(山口富男君紹介)(第二三九三号)

 同(吉井英勝君紹介)(第二三九四号)

 腎疾患総合対策の早期確立に関する請願(谷本龍哉君紹介)(第二三九五号)

 同(二階俊博君紹介)(第二三九六号)

 最低保障年金制度の実現に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二三九七号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二三九八号)

 総合的難病対策の早期確立に関する請願(井上信治君紹介)(第二三九九号)

 同(石井郁子君紹介)(第二四〇〇号)

 同(河村建夫君紹介)(第二四〇一号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二四〇二号)

 同(志位和夫君紹介)(第二四〇三号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第二四〇四号)

 同(谷本龍哉君紹介)(第二四〇五号)

 同(筒井信隆君紹介)(第二四〇六号)

 同(仲野博子君紹介)(第二四〇七号)

 同(二階俊博君紹介)(第二四〇八号)

 同(宮下一郎君紹介)(第二四〇九号)

 同(山崎拓君紹介)(第二四一〇号)

 同(吉井英勝君紹介)(第二四一一号)

 同(渡部恒三君紹介)(第二四一二号)

 パートタイム労働者の均等待遇実現に関する請願(石井郁子君紹介)(第二四一三号)

 同(吉井英勝君紹介)(第二四一四号)

 視覚障害者のための職場介助者制度の適用期間延長に関する請願(山口富男君紹介)(第二四一五号)

 進行性化骨筋炎を難病指定することに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二四一六号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二四一七号)

 同(志位和夫君紹介)(第二四一八号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第二四一九号)

 総合的な肝疾患対策の拡充に関する請願(山口富男君紹介)(第二四二〇号)

 マッサージ診療報酬の適正な引き上げ等に関する請願(福島豊君紹介)(第二四二一号)

 厚生年金病院等の公的施設としての存続・充実に関する請願(園田康博君紹介)(第二四二二号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第二四二三号)

 小規模作業所等成人期障害者施策の拡充に関する請願(井上信治君紹介)(第二四二四号)

 同(井上義久君紹介)(第二四二五号)

 同(泉健太君紹介)(第二四二六号)

 同(市村浩一郎君紹介)(第二四二七号)

 同(小野寺五典君紹介)(第二四二八号)

 同(大石尚子君紹介)(第二四二九号)

 同(大島理森君紹介)(第二四三〇号)

 同(岡本充功君紹介)(第二四三一号)

 同(奥野信亮君紹介)(第二四三二号)

 同(梶山弘志君紹介)(第二四三三号)

 同(河村建夫君紹介)(第二四三四号)

 同(木村隆秀君紹介)(第二四三五号)

 同(菊田まきこ君紹介)(第二四三六号)

 同(岸田文雄君紹介)(第二四三七号)

 同(楠田大蔵君紹介)(第二四三八号)

 同(坂本剛二君紹介)(第二四三九号)

 同(田中慶秋君紹介)(第二四四〇号)

 同(滝実君紹介)(第二四四一号)

 同(谷公一君紹介)(第二四四二号)

 同(谷本龍哉君紹介)(第二四四三号)

 同(筒井信隆君紹介)(第二四四四号)

 同(徳田虎雄君紹介)(第二四四五号)

 同(仲野博子君紹介)(第二四四六号)

 同(永岡洋治君紹介)(第二四四七号)

 同(二階俊博君紹介)(第二四四八号)

 同(丹羽雄哉君紹介)(第二四四九号)

 同(西村真悟君紹介)(第二四五〇号)

 同(西銘恒三郎君紹介)(第二四五一号)

 同(葉梨康弘君紹介)(第二四五二号)

 同(林田彪君紹介)(第二四五三号)

 同(伴野豊君紹介)(第二四五四号)

 同(樋高剛君紹介)(第二四五五号)

 同(福島豊君紹介)(第二四五六号)

 同(古屋圭司君紹介)(第二四五七号)

 同(本多平直君紹介)(第二四五八号)

 同(松岡利勝君紹介)(第二四五九号)

 同(松下忠洋君紹介)(第二四六〇号)

 同(三ッ林隆志君紹介)(第二四六一号)

 同(水野賢一君紹介)(第二四六二号)

 同(宮下一郎君紹介)(第二四六三号)

 同(谷津義男君紹介)(第二四六四号)

 同(山口俊一君紹介)(第二四六五号)

 同(山崎拓君紹介)(第二四六六号)

 同(山名靖英君紹介)(第二四六七号)

 同(山本明彦君紹介)(第二四六八号)

 同(山本喜代宏君紹介)(第二四六九号)

 同(渡部恒三君紹介)(第二四七〇号)

 同(綿貫民輔君紹介)(第二四七一号)

 じん肺根絶に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二四七二号)

 同(石井郁子君紹介)(第二四七三号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二四七四号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第二四七五号)

 同(志位和夫君紹介)(第二四七六号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第二四七七号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第二四七八号)

 同(山口富男君紹介)(第二四七九号)

 同(吉井英勝君紹介)(第二四八〇号)

同月十四日

 総合的難病対策の早期確立に関する請願(赤羽一嘉君紹介)(第二五三三号)

 同(武山百合子君紹介)(第二五三四号)

 同(奥野信亮君紹介)(第二六六九号)

 同(黄川田徹君紹介)(第二六七〇号)

 同(田島一成君紹介)(第二六七一号)

 同(西川京子君紹介)(第二六七二号)

 同(原田義昭君紹介)(第二六七三号)

 同(松木謙公君紹介)(第二六七四号)

 同(松島みどり君紹介)(第二六七五号)

 同(森英介君紹介)(第二六七六号)

 同(赤城徳彦君紹介)(第二七七八号)

 同(中川秀直君紹介)(第二七七九号)

 同(中山泰秀君紹介)(第二七八〇号)

 同(三日月大造君紹介)(第二七八一号)

 同(塩崎恭久君紹介)(第二八六〇号)

 同(辻惠君紹介)(第二八六一号)

 同(中根康浩君紹介)(第二八六二号)

 同(細野豪志君紹介)(第二八六三号)

 同(御法川信英君紹介)(第二八六四号)

 同(山口富男君紹介)(第二九八二号)

 視覚障害者のための職場介助者制度の適用期間延長に関する請願(谷川弥一君紹介)(第二五三五号)

 同(福井照君紹介)(第二五三六号)

 同(西川京子君紹介)(第二六七七号)

 同(藤田一枝君紹介)(第二六七八号)

 同(中山泰秀君紹介)(第二七八二号)

 同外一件(菅原一秀君紹介)(第二八六五号)

 同(御法川信英君紹介)(第二八六六号)

 マッサージ診療報酬の適正な引き上げ等に関する請願(横路孝弘君紹介)(第二五三七号)

 同(米澤隆君紹介)(第二五三八号)

 同(小林千代美君紹介)(第二六八〇号)

 同(山井和則君紹介)(第二六八一号)

 同(中根康浩君紹介)(第二八七一号)

 同(藤田一枝君紹介)(第二八七二号)

 同(御法川信英君紹介)(第二八七三号)

 同(古屋範子君紹介)(第二九九三号)

 同(水島広子君紹介)(第二九九四号)

 同(山口富男君紹介)(第二九九五号)

 厚生年金病院等の公的施設としての存続・充実に関する請願(望月義夫君紹介)(第二五三九号)

 同(山井和則君紹介)(第二六八二号)

 同(肥田美代子君紹介)(第二八七四号)

 同(渡辺周君紹介)(第二八七五号)

 同(山口富男君紹介)(第二九九六号)

 小規模作業所等成人期障害者施策の拡充に関する請願(安住淳君紹介)(第二五四〇号)

 同(赤羽一嘉君紹介)(第二五四一号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第二五四二号)

 同(石井郁子君紹介)(第二五四三号)

 同(泉健太君紹介)(第二五四四号)

 同(岩國哲人君紹介)(第二五四五号)

 同(宇佐美登君紹介)(第二五四六号)

 同(漆原良夫君紹介)(第二五四七号)

 同(遠藤利明君紹介)(第二五四八号)

 同(小此木八郎君紹介)(第二五四九号)

 同(鹿野道彦君紹介)(第二五五〇号)

 同(海江田万里君紹介)(第二五五一号)

 同(河上覃雄君紹介)(第二五五二号)

 同(岸本健君紹介)(第二五五三号)

 同(高村正彦君紹介)(第二五五四号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二五五五号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第二五五六号)

 同(佐藤茂樹君紹介)(第二五五七号)

 同(志位和夫君紹介)(第二五五八号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第二五五九号)

 同(首藤信彦君紹介)(第二五六〇号)

 同(鈴木克昌君紹介)(第二五六一号)

 同(田中和徳君紹介)(第二五六二号)

 同(田村憲久君紹介)(第二五六三号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第二五六四号)

 同(竹本直一君紹介)(第二五六五号)

 同(武山百合子君紹介)(第二五六六号)

 同(玉沢徳一郎君紹介)(第二五六七号)

 同(土屋品子君紹介)(第二五六八号)

 同(照屋寛徳君紹介)(第二五六九号)

 同(渡海紀三朗君紹介)(第二五七〇号)

 同(中川治君紹介)(第二五七一号)

 同(中津川博郷君紹介)(第二五七二号)

 同(中野譲君紹介)(第二五七三号)

 同(福井照君紹介)(第二五七四号)

 同(冬柴鐵三君紹介)(第二五七五号)

 同(保坂武君紹介)(第二五七六号)

 同(牧義夫君紹介)(第二五七七号)

 同(村越祐民君紹介)(第二五七八号)

 同(山口富男君紹介)(第二五七九号)

 同(吉井英勝君紹介)(第二五八〇号)

 同(江崎鐵磨君紹介)(第二六八三号)

 同(江渡聡徳君紹介)(第二六八四号)

 同外二件(大谷信盛君紹介)(第二六八五号)

 同(黄川田徹君紹介)(第二六八六号)

 同(小宮山洋子君紹介)(第二六八七号)

 同(佐藤剛男君紹介)(第二六八八号)

 同(桜井郁三君紹介)(第二六八九号)

 同(須藤浩君紹介)(第二六九〇号)

 同(鈴木俊一君紹介)(第二六九一号)

 同(田島一成君紹介)(第二六九二号)

 同(仲村正治君紹介)(第二六九三号)

 同(長島昭久君紹介)(第二六九四号)

 同(西川京子君紹介)(第二六九五号)

 同(野田聖子君紹介)(第二六九六号)

 同(原田義昭君紹介)(第二六九七号)

 同(肥田美代子君紹介)(第二六九八号)

 同(藤田幸久君紹介)(第二六九九号)

 同(松木謙公君紹介)(第二七〇〇号)

 同(松崎公昭君紹介)(第二七〇一号)

 同(松島みどり君紹介)(第二七〇二号)

 同(松原仁君紹介)(第二七〇三号)

 同(村井宗明君紹介)(第二七〇四号)

 同(村上誠一郎君紹介)(第二七〇五号)

 同(森田一君紹介)(第二七〇六号)

 同(山内おさむ君紹介)(第二七〇七号)

 同(青木愛君紹介)(第二七八四号)

 同(赤城徳彦君紹介)(第二七八五号)

 同(石破茂君紹介)(第二七八六号)

 同(泉健太君紹介)(第二七八七号)

 同(今村雅弘君紹介)(第二七八八号)

 同(加藤公一君紹介)(第二七八九号)

 同(菅直人君紹介)(第二七九〇号)

 同(末松義規君紹介)(第二七九一号)

 同(鈴木康友君紹介)(第二七九二号)

 同(田端正広君紹介)(第二七九三号)

 同(高井美穂君紹介)(第二七九四号)

 同(高山智司君紹介)(第二七九五号)

 同(津川祥吾君紹介)(第二七九六号)

 同(中川秀直君紹介)(第二七九七号)

 同(中山泰秀君紹介)(第二七九八号)

 同(中山義活君紹介)(第二七九九号)

 同(古川元久君紹介)(第二八〇〇号)

 同(三日月大造君紹介)(第二八〇一号)

 同(三原朝彦君紹介)(第二八〇二号)

 同(室井邦彦君紹介)(第二八〇三号)

 同(森英介君紹介)(第二八〇四号)

 同(泉房穂君紹介)(第二八七七号)

 同(岩崎忠夫君紹介)(第二八七八号)

 同(北村誠吾君紹介)(第二八七九号)

 同(佐藤公治君紹介)(第二八八〇号)

 同(白保台一君紹介)(第二八八一号)

 同(谷口隆義君紹介)(第二八八二号)

 同(中根康浩君紹介)(第二八八三号)

 同(長勢甚遠君紹介)(第二八八四号)

 同(橋本清仁君紹介)(第二八八五号)

 同(船田元君紹介)(第二八八六号)

 同(古本伸一郎君紹介)(第二八八七号)

 同(細野豪志君紹介)(第二八八八号)

 同(松野博一君紹介)(第二八八九号)

 同(御法川信英君紹介)(第二八九〇号)

 同(笠浩史君紹介)(第二八九一号)

 同(和田隆志君紹介)(第二八九二号)

 同(渡辺周君紹介)(第二八九三号)

 同(渡辺具能君紹介)(第二八九四号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第二九九八号)

 同(石井郁子君紹介)(第二九九九号)

 同(穀田恵二君紹介)(第三〇〇〇号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第三〇〇一号)

 同(志位和夫君紹介)(第三〇〇二号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第三〇〇三号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第三〇〇四号)

 同(水島広子君紹介)(第三〇〇五号)

 同(山口富男君紹介)(第三〇〇六号)

 同(吉井英勝君紹介)(第三〇〇七号)

 大牟田労災病院を高次脳機能障害リハビリテーションセンターとして整備することに関する請願(稲見哲男君紹介)(第二五八一号)

 同(城井崇君紹介)(第二五八二号)

 同(佐藤謙一郎君紹介)(第二五八三号)

 同(松野信夫君紹介)(第二五八四号)

 同(横路孝弘君紹介)(第二五八五号)

 同(金田誠一君紹介)(第二七〇九号)

 同(北橋健治君紹介)(第二七一〇号)

 同(田島一成君紹介)(第二七一一号)

 同(辻惠君紹介)(第二七一二号)

 同(藤田一枝君紹介)(第二七一三号)

 同(佐々木秀典君紹介)(第二八〇五号)

 同(泉房穂君紹介)(第二八九五号)

 同(土井たか子君紹介)(第二八九六号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第三〇〇八号)

 同(東門美津子君紹介)(第三〇〇九号)

 同(水島広子君紹介)(第三〇一〇号)

 同(山口富男君紹介)(第三〇一一号)

 尊厳死法制化に関する請願(武山百合子君紹介)(第二五八六号)

 同(野田毅君紹介)(第二五八七号)

 同(鳩山邦夫君紹介)(第二五八八号)

 同(松野信夫君紹介)(第二五八九号)

 同(山田正彦君紹介)(第二五九〇号)

 同(江渡聡徳君紹介)(第二七一四号)

 同(岸田文雄君紹介)(第二七一五号)

 同(小宮山洋子君紹介)(第二七一六号)

 同(左藤章君紹介)(第二七一七号)

 同(竹本直一君紹介)(第二七一八号)

 同(野田聖子君紹介)(第二七一九号)

 同(馬淵澄夫君紹介)(第二七二〇号)

 同(松島みどり君紹介)(第二七二一号)

 同(宮路和明君紹介)(第二七二二号)

 同(山井和則君紹介)(第二七二三号)

 同(若井康彦君紹介)(第二七二四号)

 同(池坊保子君紹介)(第二八〇六号)

 同(今村雅弘君紹介)(第二八〇七号)

 同(高井美穂君紹介)(第二八〇八号)

 同(高山智司君紹介)(第二八〇九号)

 同(中川秀直君紹介)(第二八一〇号)

 同(平岡秀夫君紹介)(第二八一一号)

 同(泉健太君紹介)(第二八九七号)

 同(岩國哲人君紹介)(第二八九八号)

 同(川上義博君紹介)(第二八九九号)

 同(藤田一枝君紹介)(第二九〇〇号)

 同(増子輝彦君紹介)(第二九〇一号)

 同(笠浩史君紹介)(第二九〇二号)

 同(水島広子君紹介)(第三〇一三号)

 臓器の移植に関する法律の改正及び臓器移植の普及に関する請願(河野太郎君紹介)(第二六六七号)

 同(福島豊君紹介)(第二七七六号)

 同(佐藤公治君紹介)(第二八五七号)

 同(水島広子君紹介)(第二九七七号)

 腎疾患総合対策の早期確立に関する請願(市村浩一郎君紹介)(第二六六八号)

 同(室井邦彦君紹介)(第二七七七号)

 同(西村明宏君紹介)(第二八五九号)

 総合的な肝疾患対策の拡充に関する請願(西川京子君紹介)(第二六七九号)

 同(中山泰秀君紹介)(第二七八三号)

 同(菅原一秀君紹介)(第二八六八号)

 同(御法川信英君紹介)(第二八六九号)

 同(渡辺具能君紹介)(第二八七〇号)

 じん肺根絶に関する請願(金田誠一君紹介)(第二七〇八号)

 保育・学童保育・子育て支援施策の拡充等に関する請願(笠浩史君紹介)(第二八五六号)

 同(水島広子君紹介)(第二九七五号)

 パーキンソン病根本治療研究促進に関する請願(御法川信英君紹介)(第二八五八号)

 医療費負担軽減、介護保険に関する請願(古本伸一郎君紹介)(第二八六七号)

 てんかんを持つ人の医療と福祉の向上に関する請願(中根康浩君紹介)(第二八七六号)

 同(山口富男君紹介)(第二九九七号)

 改悪年金法の実施中止に関する請願(佐々木憲昭君紹介)(第二九六六号)

 介護保険に関する請願(肥田美代子君紹介)(第二九六七号)

 同(古本伸一郎君紹介)(第二九六八号)

 介護保険の改善に関する請願(古本伸一郎君紹介)(第二九六九号)

 乳幼児医療費助成への国保国庫負担減額調整の廃止に関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第二九七〇号)

 BSE全頭検査を維持し、アメリカ産牛肉の輸入再開をしないことに関する請願(山口富男君紹介)(第二九七一号)

 年金法の実施中止に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二九七二号)

 同(志位和夫君紹介)(第二九七三号)

 HAM及びHTLV―1ウイルス感染症の対策強化に関する請願(水島広子君紹介)(第二九七四号)

 混合診療の解禁反対、特定療養費制度の拡大反対に関する請願(穀田恵二君紹介)(第二九七六号)

 無認可保育所への公的助成等に関する請願(水島広子君紹介)(第二九七八号)

 精神障害者通院医療費公費負担制度に関する請願(志位和夫君紹介)(第二九七九号)

 同(山口富男君紹介)(第二九八〇号)

 同(吉井英勝君紹介)(第二九八一号)

 パートタイム労働者の均等待遇実現に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二九八三号)

 同(石井郁子君紹介)(第二九八四号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二九八五号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第二九八六号)

 同(志位和夫君紹介)(第二九八七号)

 乳幼児医療費無料制度の創設に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二九八八号)

 同(石井郁子君紹介)(第二九八九号)

 同(山口富男君紹介)(第二九九〇号)

 進行性化骨筋炎の難病指定に関する請願(山口富男君紹介)(第二九九一号)

 障害者自立支援法案反対に関する請願(穀田恵二君紹介)(第二九九二号)

 障害者自立支援法案審議に関する請願(東門美津子君紹介)(第三〇一二号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構法案(内閣提出第六二号)(参議院送付)


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     ――――◇―――――

鴨下委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、参議院送付、独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構法案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として厚生労働省医政局長岩尾總一郎君、健康局長田中慶司君、職業安定局長青木功君、年金局長渡辺芳樹君、政策統括官井口直樹君、社会保険庁長官村瀬清司君、社会保険庁運営部長青柳親房君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鴨下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

鴨下委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。丸谷佳織君。

丸谷委員 おはようございます。公明党の丸谷佳織でございます。

 本厚生労働委員会におきまして質問のお時間をちょうだいいたしましたことを、心より感謝申し上げます。

 本法律案の提出の経緯から考えまして、法案の趣旨、また内容について、賛成の立場から幾つか質問をさせていただきたいと思います。

 年金資金等への損失の最小化を図っていくということから、施設譲渡の対象となっております病院以外の年金福祉施設は二百六十一でございまして、一般競争入札により売却されることとなっております。この二百六十一施設、そもそもは、年金保険料を財源としまして、被保険者、また、より広くは国民の福利厚生の向上を目的にして設置されたものというふうに理解をしている次第でございますけれども、時代の移り変わり、そして生活環境の変化等により、設置当初の目的、その役割を完全に終えたと判断をできる施設がある一方で、利用率等から見て、地域に必要とされている、いわば今もって担う役割が大きい施設もあるのではないかというふうに考えております。

 この病院以外の二百六十一の福祉施設におきまして、公益的役割の差異があるのではないかということに関して、まず厚生労働省の見解をお伺いさせていただきたいと思います。

西副大臣 お答え申し上げます。

 この年金福祉施設等の役割につきましては、先生御指摘のように、被保険者、受給者等の健康の保持増進、それから福祉の向上等、また長期にわたって保険料を納めていただく被保険者に対する福祉の還元というようなことを目的として、今まで多くの皆さんに利用をしていただいておりまして、そのことを通じて一定の役割を果たしてきたというふうに認識をしております。

 また、各施設の現在置かれている状況に関しましては、これは、その設置されている地域の実情に応じてさまざまな状況があります。そういう意味で、地域から存続の要望が寄せられている施設も少なくないということを考えてみましても、そういう地元の皆さんのニーズも依然として高いところもあるということは、私どもも、同様、先生の御指摘のように考えているところでございます。

 しかしながら、近年のこの年金の制度をめぐりまして、厳しい財政状況、それから施設を取り巻く社会環境、またニーズ等の変化によりまして、今後は保険料を年金福祉施設に投入しない、それから年金資金等への損失を最小化する、こういう考え方に立ちまして、今回それらの施設の廃止、譲渡を決断したものでございます。そのこともあわせて御理解をちょうだいできればというふうに思います。

丸谷委員 今、副大臣に御答弁をいただきましたとおり、今後、そういった施設に対して年金資金を投入していかない、あるいは整理合理化を図っていく、この趣旨、内容は私も十分理解しております。

 ただ、副大臣が御指摘になりましたように、地域差がある、地域差があるというよりは施設差があるのではないかというふうに思っております。

 単純に地域差ということも言えない一つの例としまして、私の北海道の例で恐縮でございますけれども挙げさせていただくと、例えば北海道には、道南地域にグリーンピア大沼という施設がございます。ここは利用率が非常に低いという状況から考えてみても、当初の目的は達成した、その役割は終わったと言ってもいい施設だというふうに思いますけれども、その一方で、北海道厚生年金会館、さきの委員会で自民党の石崎委員が質問をされていた、また大臣の御答弁も拝見していた次第でございますけれども、この北海道厚生年金会館、昭和四十六年に開設をされまして、その年にはこけら落としとしまして国際オリンピック委員会の総会が開催をされました。各国よりオリンピック関係者が集いまして、平和の祭典が行われたという施設でございます。

 北海道厚生年金会館におきましては、北日本一を誇る大ホールでございまして、二千三百の座席を有しております。これまでの三十三年間、一千五百万人が来場をしておりまして、六千組を超えるアーティストが出演をしております。プロのみならずアマチュア、あるいは新人アーティストの登竜門として、いつか北海道厚生年金会館のステージに立ちたいというような夢を持って、その北海道厚生年金会館に出ることを夢として頑張っているアーティストも多いということから、北海道の文化の殿堂として、広く今でも親しまれている次第でございます。

 会館自体は古くなってきましたものの、照明ですとかあるいは音響の設備もしっかりしておりますし、また、奥行きがある舞台、そしてオーケストラピットを持っている唯一のホールということで、バレエですとか、あるいはオペラですとかミュージカル、そういった演目にとっては必要不可欠な施設でもございます。

 こういった施設の公益的役割を御理解していただいた上で、施設売却後の施設の用途変更について大臣はどのようにお考えになっているのか、この点についてお伺いいたします。

尾辻国務大臣 地域におきまして長年にわたり住民の手で形づくられてまいりましたさまざまな今お話しのような文化活動というのは、これは地域の貴重な財産であると考えております。そして、ただいまお話しになりました北海道厚生年金会館のことは、先日もお伺いをいたしました。

 こうした中での年金福祉施設の譲渡に当たりましては、これは、与党の方針にもございますので、そうしたものにも沿いまして、年金資金等の損失の最小化を図るという考え方に立ちまして、原則一般競争入札により譲渡するといたしておることは再三申し上げておりまして、御理解いただきたいと存じます。

 ただ、年金福祉施設の持つ文化的価値につきましては、地元の地方自治体ともよく相談をいたしまして、地域の文化の拠点として残したいと言っておられるその意向をどのように反映できるか、これはよく検討してみたいと存じますということはお約束を申し上げておるところでございますので、そのように検討もさせていただきたいと存じます。

丸谷委員 ありがとうございました。

 質問の時間がなくなりましたので、これで終わらせていただきますけれども、一般競争入札ということは賛成でございます。ただ、その上で、その施設の用途変更について、今後どのように地元と協力、相談しながら考えていただけるのか、この点は引き続き課題として考えていただきたいというふうにお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

鴨下委員長 次に、中根康浩君。

中根委員 おはようございます。中根康浩でございます。

 まず初めに、本日、尾辻大臣の御都合、郵政特別委員会の方の御都合の中で、質問順を福島豊先生がかわっていただいた、こういった御配慮をいただきましたことにまずもって感謝を申し上げたいというふうに思います。

 まず、本題に入ります前に、実はけさの我が民主党の厚生労働部門会議というところでも議論になったことなんですけれども、特別障害給付金、ことしの四月一日から始まっているもの、これにつきましてお尋ねしたいと思うんです。せっかく制度ができても、なかなか御利用になっている方が少ないというふうに聞いておりますが、現在、今までのところの手続をした人の人数とか、あるいは実際に既に受給が開始された人の人数、あるいは周知、広報、宣伝、そういったものが適切に行われているかどうか、こういったあたりのことにつきまして、御説明をいただきたいと思います。

青柳政府参考人 特別障害給付金につきましてのお尋ねでございました。

 この五月末日現在の請求書の受け付け件数、全国で五千七百二十八件、そのうち支給決定を受けた方は四百四十七名というふうになっております。ただ、照会の件数そのものは二万八千件以上参っておりますので、これら順次請求書の審査、支給決定という形に結びつけておるという段階に現在ございます。

 法律の公布以降、厚生労働省それから私ども社会保険庁のホームページによる呼びかけをさせていただいたり、市町村の広報誌への掲載、あるいは市区町村の窓口におけるチラシの配布、こういったことを行わせていただきましたが、あわせて、障害者団体の御協力なども得ながら、この制度の周知というものに努めているところでございます。

 なお、障害者の方々から照会、先ほど申しましたように、二万八千件からあるわけでございますが、こういった照会をいただきました際には、請求日が属する月の翌月分から手当金が支給されるということになっているから、なるべく早く請求を行っていただきたいということ、それから添付書類がそろわない場合でも、まずは請求書を出していただく、これを受け付けさせていただくということで説明も行わせていただいておりますし、対応もさせていただいているつもりでございます。

 いずれにいたしましても、市区町村の障害福祉担当部局等を通じた周知など、今後もさまざまな機会をとらえてできる限りの周知に努めてまいりたいと考えております。

中根委員 ありがとうございます。

 該当するかどうかはっきりしない方にも、まずは問い合わせてみてくださいということを積極的に働きかけていただきたいと思います。

 それから、例えば学生の無年金、この場合について、前から申し上げておりますように、昼間の学生さんの場合は任意加入だったけれども、夜間の学生さんの場合は強制加入であって、今回のこの特定障害給付金の対象にならないということもある。喜んで照会に行った、あるいはもえらると思って手続に行ったら、実はそういったいろいろなことがあって対象ではないというようなこともあって、民主党といたしましては、さらなる修正を、拡充をこの制度につきましてはこれから求めていきたい、国会全体で御理解をいただきたいというふうに進めていきたいと思いますので、どうぞ厚生労働省におかれましても、引き続きの修正、改善の作業をお願い申し上げておきたいと思います。よろしくお願いします。

 それでは、今回の機構法案につきましてお尋ねをしてまいります。

 どうも選挙をやる身としてしようがないことでもあるんでしょうけれども、まず初めに申し上げておきたいのは、それぞれ地元から要望が出る、これは私も同じなんですが、例えば、原則という言葉が先ほどの御答弁の中にもあったんですけれども、原則ということは例外もあるということの中で、声が大きくコネや利権の強い人、まあ与党の皆さん、こういった人が要望したものについては例外扱いして残されちゃうとか、野党が幾らお願いしても、必要性が高いものであっても残されない、一律廃止だということになってしまう、こういったことがないように、公平公正な取り扱いを、前もってといいますか、まずもってお願いをしておきたい。

 僕としては、今回のこの法案につきましては、ある意味評価しているんです。整理の対象となるものは三百二十八、最初に思うのは、三百二十八のリストを見て、本当にこれだけよくつくってきたものだなというふうに感じます。制度スタートからの累計で給付以外に五兆六千億円がこの分野に使われた、すなわち流用されたと国民は感じているわけであります。三百七十兆円分の五・六兆円というのは、今まで制度スタートからの分の一・五%に当たるというふうな計算にもなります。これ以上保険料は給付以外には使わないという原則を持っていただくということは、年金財政の健全な維持発展のために基本的に必要な姿勢であろうと思って、この考え方については私は評価をしていきたいというふうに思います。

 そして、昨年度からの社会保険庁に対する国民からの厳しい目は、一方で保険料を去年から見て十四年間にわたって引き上げ続けていく、その一方で、給付を削減するし、マクロ経済スライドというもので物価スライドも削減をしていく。こういった痛みや負担を国民に押しつけながら、他方、給付に使われると国民が信じていた掛金が天下り官僚あるいは癒着した業者、企業、そういったところに中抜き、流用、むだ遣いをされていた。天下り、随意契約、監修料がキーワードであったわけなんですけれども、そういったところでため込まれたプール金が、職員の皆さんの宴会とかあるいは不必要なタクシー代、こういったものに充てられていたという国民から見て信じられないような実態に、さすがに我慢強い国民性であると言われている日本国民全体から大きな怒りの声が発せられたということは、やはり忘れてはいけないというふうに思っています。

 公益法人をつくって、そこに天下って利権をむさぼる、そういった構造が、公的年金制度、少子高齢社会だから危ない、皆さん負担をお願いします、痛みを分かち合ってくださいと言うより前に、むだ遣い、中抜き、流用、そういったものが公的年金制度を傷めつけていたという実態に対して国民は怒っていたということをやはり忘れてはいけないと繰り返し申し上げたいというふうに思います。

 配付資料がありますので、お目通しをいただきながら議論を進めていきたいと思います。まず、厚生年金に限って申し上げますけれども、実態把握をしておきたいと思います。

 資料の1、厚生保険特別会計の年金勘定の積立金明細表というものをお手元に配付させていただきました。これをごらんになってわかりますように、平成十七年度につきましては、約五兆二千八百億円の積立金、大幅な減少に現実の問題として今我が国は直面しておるわけでございまして、やはり、むだ遣いをしている、掛金以外に使っていく余裕は一切ないというふうに見なければならないと思います。

 一円でも多く、今回の法案、もし通りましたらという言い方はおかしいんですけれども、売却がなされましたら、一円でもいい値で買っていただいて年金財政に戻していくということがやはり大切なことであろうと私は考えさせていただいておるわけでございます。

 この表で一つ質問を申し上げておきたいのは、「繰替使用中」という部分なんです。平成十七年度は九兆二千四百九十六億円の繰りかえ使用中の額が予定をされておりますけれども、これは、ずっとさかのぼってみたときに、六兆六千億円とか七兆四千億円とか、似たような数字といえばそうなのかもしれませんが、兆という単位ですから、一つ数字が違うだけでも相当違うわけでありまして、九兆二千四百九十六億円を手元に残しておくということの妥当性なんですけれども、本来なら、一円でも多く運用益を、果実を生み出さなければならないものだというふうに思っています。

 たくさん手元に置いておくということは、運用益を、機会費用といいますか、そういったものを損失するということになるわけであります。

 その一方で、公的年金制度の将来を見渡したときに、あるいは徴収率がなかなか上がっていかないという現状を見たときに、一円でも多くといいますか、少しでも多く手元に残しておかないと、当局としては不安な思いがあるのかどうか、こういったところ、本来運用益を生み出すものをどうしてこれだけの巨額、手元に置いておくのか、それは厚生労働省の不安のあらわれということであるのかどうか、こういったあたりを質問したいと思います。いかがでしょうか。

青柳政府参考人 ただいまお尋ねのございました年金積立金の繰りかえ使用ということでございますが、これは、年金の支払いのための費用が一時的に不足をいたします場合に、その不足分につきまして、積立金をその支払いの財源として一時的に繰りかえて使用するということを意味するものでございます。したがいまして、繰りかえ使用した額につきましては、当該年度が終了するまでの間には、その後に入ってきた保険料によって返還をするということが原則となっております。

 特に年金につきましては、御存じのように、年度の前半の支払い月、具体的には四月でありますとか六月でありますとか八月、この時期におきましては、保険料が、これは毎月入ってくるわけでございますが、言ってみればまだ十分に確保できていないという状況が生じるために、特にこういった時期において給付費の財源に繰りかえ使用の仕組みを活用しませんと支払いができなくなるというようなことになりますので、その都度、そういう繰りかえで使用するというやり方をとらせていただいております。

 なお、これは決して、むだに、私ども、単なる不安で抱えておるという性格の経費ではございませんので、例えば年度途中において保険料の収入額が給付費の支出を上回って現金に余裕が生じるといったようなことが生じた場合には、財務省の財政融資資金に預託をして運用するという形で万全を期しているものでございます。

中根委員 いずれにいたしましても、国民からの大切な預かり金であるわけでございますので、ぜひとも大切に、慎重に取り扱っていただきたい、そして、運用をうまくやっていただいて、果実をしっかりと実り多きものにしていただきたい、このことをお願い申し上げておきます。

 それから、この機構法案に対することなんですけれども、先週の一日目の質疑の中心は、今の丸谷議員さんのお話もそうだったんですけれども、地域社会において有用なものまで一律に廃止対象にするのはけしからぬではないかというようなものでした。

 確かに、この法案の中には、この法案を見るとき、廃止するんだからもういいだろうという、何というか、投げやりな感じといいますか、無責任さが透けて見えるわけであります。そして、今までの失敗に対する責任をだれもとっていないということに対して、やはり何か物足りなさといいますか、むなしさみたいなものを感じるわけであります。

 社会保険庁のむだ遣いはこの三百二十八の福祉施設だけではないわけです。そういった中でこの三百二十八のリストを見せられると、いや、いかにも抜本的な改革を行っていくんだ、小泉内閣の目玉商品であるかのように感じさせられてしまう、ごまかされてしまうような気がいたしますけれども、どこかやはり皆さん、議員の皆さんもそうですし、国民の皆さんも釈然としないものをこの法案にみんなが感じているのではないかというふうに思っています。

 地域社会に必要な、例えば病院なんかを廃止するということの前に、やることは、廃止の対象に本来すべきものがもっともっとたくさんあるのではないかというふうにまず指摘をしていきたいと思います。

 例えば四十七の社会保険事務局あるいは共同事務センター、昨年も申し上げましたけれども、その家賃も必要以上に高いところに入っている、そういったものを見直す必要があるのではないかということはかねてから指摘しているところでございます。

 社会保険事務局の賃貸料の総額は、平成十六年度におきまして、約二十一億五千万円ということになりますね。それから、それぞれの事務局に付随して存在する社会保険事務局事務センターの家賃の平成十六年度の総額は約十五億三千四百万円というようなことになっているわけであります。

 今、有識者会議の中でも議論がされている社会保険事務局のブロック化あるいは共同事務センターの整理、統合、廃止、こういったものを積極的に迅速に進めていくことによって、社会保険病院の一つや二つ、本当に必要なものをつぶさなくたっていいというぐらいのお金が出てくるわけでございますので、この見直しはどのように今行われているか、あるいは、社会保険事務局の高い家賃のところからもう少し安いところに移転をすべきではないか、こういったあたりはどうなっているか、いかがでしょうか。

青柳政府参考人 まず最初に、賃借料についての数字について御報告を申し上げます。

 事務局あるいは事務センターあるいはレセプト点検センター、こういったものについて家賃が高いのではないかという御指摘を昨年いただいたところでございます。

 私ども、平成十七年度の契約更新に際しまして、これらのものにつきまして貸し主と賃借料の価格交渉をさせていただきました。その結果の数字を御報告申し上げますと、今申し上げました三つの施設については、十六年度の賃料、十七年の一月現在の賃料でおよそ五十億円の賃料を払っておったわけでございますが、そのうちの五億二千六百万円程度、全体の一〇・三%、これを対前年度比で引き下げるということが何とか実りました。

 こういった形で事務コストの低減を図りまして、効率的な事業運営を図るという観点で、今後とも、価格交渉をきちんと行いまして、なお近隣相場より相当高いようなところにつきましては、将来的には移転をするということも視野に入れた検討をするということで見直しを行ってまいりたいと、まずは御報告を申し上げます。

 その上で、事務局についてのブロック化といったようなことをもっと前倒しでやってはいかがかという御指摘が今あったところでございます。

 この点については、今御紹介のございました有識者会議のお取りまとめの中でも、新しい公的年金制度を運営する組織の中ではこの社会保険事務局を今の都道府県単位からブロック単位に集約化するということがうたわれておりまして、平成二十年の秋ごろにはこれを実施する方向で検討しているところでございます。

 直ちに前倒しするという点につきましては、実は、昨年の年金制度改正に基づくところの対応というもの、特に年金の給付システムの方については、引き続きまだ大規模な改修をやりながらこれを逐次実施に移していかなければならないという状況にございますので、こういう大きな作業と並行して事務局のブロック化に伴うさまざまな移行措置を講じるということが、なかなか同時並行的には実施することが難しいということ。

 あるいは、今回の組織の見直しでは、政府管掌健康保険の仕事を分離いたしまして公法人組織として発足させるということをうたわれておるわけでございますが、この部分については、平成二十年の秋ごろまでは、逆に、現在の事務局が行っている事業を続けて、二十年の秋に新たな公法人に切りかえなければならないということがございますので、二十年秋までは、逆に言えば都道府県単位の組織が必要だというようなことがございます。

 したがいまして、全面的な移行というのは難しいわけでございますが、それまでの間におきましても、事務局の事務の一部は、可能なものからブロック単位に前倒しして集約化するということについては努力をさせていただきたいというふうに考えております。

 以上でございます。

中根委員 やはりやればできるというところをお示しいただいておるんだろうと思います。むしろ、今、政府組織の中で一番大胆に動きがあるのは社会保険庁だろうというふうに思わせていただいております。

 今申し上げました額は保険料財源から出ておるわけでございまして、これで十分かどうかわかりませんけれども、五億二千六百万円が見直されている。やはり大きな額なんですね。これはすばらしいことだというふうに率直に評価を申し上げたいと思いますし、さらに一層、合理化、効率化にお努めいただけますようにあわせてお願いをしておきたいと思います。

 まだいっぱいあるんですよ。

 例えば、収納率がなかなか思うように目標どおり上がっていかない。そういった中で、国民年金推進員あるいはまたさまざまなお仕事をしていただいている謝金職員というものがあって、これも、何十億単位でお金が保険料財源から人件費として使われているわけなんですけれども、こういった国民年金推進員あるいは特別国民年金推進員、謝金職員、こういったものについての見直しをすることによって保険料の節約ということはいかがでしょうか。

青柳政府参考人 国民年金推進員についての見直しのお尋ねでございました。

 国民年金推進員は、御存じのように、訪問先で直接保険料を収納するという仕事に加えて、地道な納付督励によります納付約束を取りつけること、口座振替を獲得すること、それから免除申請等を受け付けること、あるいはもっと広く年金制度を御説明する、被保険者の方々の御相談をお受けするというようなことを幅広く行わせていただいております。

 御承知のように、平成十四年から国民年金の収納業務が全面的に市町村から国に移管したということに伴いまして導入された仕組みでございますので、導入後三年が経過した状況に現在あるわけでございますけれども、正直に申し上げまして、当初国民年金推進員の方々がやっておられた状況に比べれば、その後の納付督励に関する経験もふえましたし、あるいは技量といったものも格段に向上してきているのかなというふうに私どもは自負をしておるところでございます。

 ただ、これは私どもの勝手な思いだというふうに言われるとそれまでなんですが、総務省さんからも、国民年金推進員の報酬に今後成果主義の要素を盛り込むようにという勧告をいただいております。本年十月からは、給与の見直しを行いまして、各国民年金推進員の活動実績を評価した上で、これに応じた給与の五段階格付ということを導入させていただきました。

 平成十九年度までに低下した国民年金の納付率を回復させるということが私どもの目標でございますので、国民年金推進員の役割というのは非常に重いものと考えております。必要不可欠の存在でもあるというふうにも認識をしておりますので、ただいま申し上げました活動実績の評価といったようなこと、これを反映した給与、あるいは全国レベルできちんと研修を実施することや、今後は、例えば、成績優秀な国民年金推進員に対して表彰制度ということでインセンティブを与える、こういったことを総合的に対応することによりまして、能力が最大限に発揮できるように今後ともきちんと見直しをしてまいりたいと考えております。

中根委員 国民年金推進員の導入に伴って、例えば、昨年、金銭登録機の不正取引というようなこともあったわけでありますので、国民年金推進員の方々に対する業務のあり方、こういったものに対する厳しい目は依然として続いているということで、実績主義、成果主義を導入していくということについてはやはり必要なことであろうというふうに思っています。

 あるいは謝金職員、特定の業者さん、企業からのOB、そういった者が謝金職員としていわゆる小さな天下りをしている、A、B、C、ランクがあって、特定の会社からの天下りにつきましては高いランクで高い謝金が払われている、こういった実態も以前指摘をさせていただいたところでございますけれども、こういった年金にかかわるさまざまな人件費につきましても、引き続き厳しいチェックを入れていっていただきたいというふうに思います。

 続きまして、社会保険事務局長の宿舎、これにつきまして、やはり廃止、売却、こういったものも必要なものもあろうかというふうに思っています。そういったことの中で保険料財源の節約ということも可能ではないかと思っておりますけれども、全国の社会保険事務局の局長さんの宿舎、これについてはいかがでしょうか。

青柳政府参考人 社会保険事務局長の借り上げの宿舎につきましては、平成十二年の四月にそれまでの地方事務官制度というものが廃止をされたことに伴いまして、それまでは県職員の宿舎を貸与されていたわけでございますが、これが貸与されなくなったということで、国家公務員宿舎として借り上げざるを得なかったということで対応させていただいたものでございます。

 平成十七年の一月時点では、二十四戸、まだ借り上げ数があったわけでございますが、ことしに入りまして順次解消に努めた結果、既存の国の宿舎に入居したりしたことによりまして、本年の四月末をもちまして借り上げは全戸解消したところでございます。

中根委員 やはりこの面でも改革を進めていっていただいているというふうに思います。

 それからもう一つ、東京と大阪にある配送センター、例えば東京の配送センター、墨田区にあるんですけれども、九千八百万円の建設費、土地の取得費が約一億四千七百万円、それぞれ厚生年金保険料、健康保険料から出ている。大阪配送センターは、これは結構立派なものでありまして、五億六千万円の建設費、土地の取得費が三千八百万円、それぞれこれも国民年金保険料または国庫を財源として建設をされておるわけでございます。

 東京配送センター、大阪配送センターにつきましては、財団法人社会保険健康事業財団というところに運営を委託しております。運営を委託されておりますが、社会保険健康事業財団からさらに、きょうはあえて名前は申し上げませんけれども、特定の運送業者に業務は丸投げをされているというような状況でもあるわけでございます。

 社会保険健康事業財団が行っている東京配送センター、大阪配送センター、それぞれ、業務のあり方、どのように見直しが行われているか、あるいはこれから行っていくか、このことについて少し言及いただきたいと思います。

青柳政府参考人 ただいまお尋ねのございました東京の配送センターそれから大阪の配送センターにつきましては、これは、年金手帳ですとか保険料の納入告知書、あるいはその他の社会保険事業の実施に必要な帳票類の管理業務、それから地方の社会保険事務局や社会保険事務所にそういった帳票を運送する業務、こういったものを円滑化するために、私どもが設置をして管理をしてきたものでございます。

 しかしながら、平成十七年度におきましては、これらの業務につきましても、効率化あるいは経費の削減という観点から抜本的な見直しを行わなければならないということで、東京配送センター及び大阪配送センターを廃止いたしました。そして、そのかわりに、保管、発送についての業務は一体として一般競争入札によりまして民間事業者に入札にかけまして、最終的にこういった民間業者に委託するということで進めておるところでございます。

中根委員 この東京配送センター、大阪配送センターにつきましては、特定の業者さんとの長年にわたる漫然とした惰性的な取引がある、あるいは配送センターが立派に設置をされていながら、配送センターに出入りしている運送業者さん、倉庫業者さんに、またそういった場所で倉庫の敷地を借りて保険料財源で家賃を払っていた、こういったこともあったわけでございますので、積極的に大胆にこの配送センターの見直しを進めていただいたということにつきましては、これは本当に高く評価をしておきたいというふうに思います。

 このように、まだまだたくさんあるんでしょう。三百二十八の、皆さんが、いや、これはうちの地域にとっては必要なんだ、この病院は必要なんだと、それぞれ、皆さんお一人お一人、議員さん、言い出せば切りがないぐらい三百二十八の中にはあるんだろうというふうに思います。そういったものを一律に投げ売りするということ以外に、やはり保険料の節約といいますか、社会保険庁の改革ということはやるべきところ、切り口は幾らでもあるということを指摘したくて、今幾つかの例を取り上げさせていただいたということでございます。

 引き続き、今それぞれのところをやっていただいておるようでありますので、まさにこのことにつきましては、聖域なきということで進めていただければありがたいというふうに思います。

 今まで、そういったことで進めていただいてはいるんですけれども、もう一つ、やはり国民が感じていること、そして我々が感じていることは、このような独法をつくる法案を出すに至った責任をだれがどうとったかということなんですね。だれもとっていないのではないか、だれもとっていない中で、何となく物事が進んでいってしまっているのではないか。せいぜい逮捕された課長さんと癒着業者さん、こういった方々が警察あるいは司法によって断罪をされたということなんですけれども、積極的に行政の分野で責任をとろうとした人、あるいはとった人ということがなかなか見えてこない。見えてこない中で、利用者あるいは施設の従業員の方々に痛みを押しつけているというような指摘が今までの質疑の中でも行われたわけでございます。

 天下りを受け入れていた、あるいは受け入れている利権公益法人、一つとして廃止されていない、つぶされていないわけであります。まず廃止すべきは、地域にとって必要性の高い施設というものではなくて、その施設をつくることによって利権を増殖させてきた公益法人ということとして、この年金の改革は進めるべきではないかというふうに思っています。

 公益法人を積極的に廃止を求めていく、あるいは天下りをもう絶対にやらないというふうに決めていく。また、天下り役員の給料や退職金をきちんと、庶民感覚から、あるいは、こういった不祥事を国民から厳しい目で見られているということに至った、そういった責任をとってもらう意味でも、給料や退職金にその意思を反映させていくというようなことを、財団法人等ですので、公益法人、民間団体と言ってしまえばそれまでかもしれませんけれども、厚生労働省あるいは社会保険庁として、何か意思を伝えるすべはないものかどうか、いかがでございましょうか。

尾辻国務大臣 年金福祉施設等につきましては、施設のあり方の問題に加えまして、今お話しのように、委託先の公益法人のあり方についてもさまざまな御指摘をいただいたところでございます。したがいまして、委託先の公益法人の整理合理化、これは避けて通れないものでございますから、いたします。

 その整理合理化に当たりましては、まず、年金・健康保険福祉施設の運営業務が主たる業務である法人については、施設の整理合理化の進捗状況を踏まえまして、法人の廃止を含めた抜本的な見直しを行う。施設がなくなれば、当然法人そのものが要らなくなるわけでございますから、当然のことをいたします。

 それからまた、年金・健康保険福祉施設の運営業務以外に主たる業務がある法人につきましては、こうした法人も幾つかございますので、それらにつきましては、施設運営業務以外の国からの委託業務の見直しを行った上で、法人の統廃合でありますとか組織の見直しを行うことといたしております。

 いずれにいたしましても、委託先公益法人のあり方の検討は、年金福祉施設等の整理合理化を進めていく上で当然避けては通れない問題でございまして、御指摘のように、必ず抜本的な見直しを進めてまいります。

青柳政府参考人 私の方からは、法人の給料、退職金、あるいは天下りについてのお尋ねについて、お答えをさせていただきたいと思います。

 年金福祉施設等の委託先の公益法人の給与体系につきましては、既に、財団法人の厚生年金事業振興団あるいは社団法人の全国社会保険協会連合会におきまして、かつて公務員準拠型の給与体系であったものを民間準拠型の給与体系に変更するという見直しが行われておりまして、その他の法人におきましても、給与の削減等を行っております。

 また、役員の報酬につきましては、これは平成八年九月二十日の閣議決定におきまして既に見直しを行ったところでございますけれども、今後、公益法人の整理合理化までの間におきましても、国民の理解が得られるように、民間の水準と比較して不当に高額となるようなことがないように、これは適切に指導してまいりたいと考えております。

 また、いわゆる天下りの問題の御指摘がございました。年金の福祉施設の整理合理化をこうやって進めなければならない中で、平成十六年の四月から、年金福祉施設の受託経営を主要な業務としております先ほど申し上げたような公益法人につきましては、事業それから法人の整理合理化のために求められている人材を除いては、現職からの再就職のあっせんは原則行わないということで進めているところでございます。

中根委員 続けていきたいと思うんですけれども、冒頭申し上げましたように、やはりなかなか公的年金の財政は非常に厳しい状況にある、こういう中での作業なんです。

 これから売り払っていくということなんですけれども、私の個人的な体験を申し上げますと、八年ぐらい前だったんですが、それまで住んでいたいわゆるマンション、安アパートを売って、それで自宅を、新しくうちをつくろうと思ったんですね。売却代金を少しでもと思ったんですけれども、一方で自宅建設の作業は進んでおりまして、最終的には、やはり投げ売り、買ってくれる人があればだれでもいいやというような、余り立地条件のいいところじゃなかったものですから、そうなってしまった経験があるわけなんです。

 五年という期限を設定して、これから売却を進めていくということになれば、必然的にそういう投げ売りというようなことも予想されるわけでございまして、非常になかなか難しい作業だろうなというふうに思っております。

 だからこそ、今までの責任をとるという意味合いも含めて、この難しい作業をだれが行っていくべきかということを考えたときに、やはり私は、新しく独法をつくるのではなくて、機構をつくるのではなくて、社会保険庁自体が責任を持ってこの作業を行っていくというのが一つの責任のとり方であろうというふうに思っています。

 今までの中でも、通常の業務の中でも、社会保険庁さんはいろいろな施設の売却とか廃止をした経験は当然あるわけなんですね。そういった部署があるわけだと思います。なぜ社会保険庁自体が責任を持ってやっていこうということにならなかったのか、御説明をいただきたいと思います。

尾辻国務大臣 まず申し上げたいことは、三百を超える施設を短期間で集中的かつ効率的に譲渡しなきゃならない、こういうことでございます。

 そのためにどうすればいいのかというふうに私どもも考えたわけでございますが、やはり理事長や職員を民間からお願いして、民間の知見を最大限活用できる専門の組織が必要である、こういうふうに判断いたしました。国においてこのような専門的な業務を行う組織をつくることは困難であると考えたところでございます。

 繰り返し申し上げますけれども、一つとか二つとか少ない数ならいいんですが、三百を超える施設を短期間で集中的に譲渡するとすると、やはり改めてそういう組織をつくることが必要とまず判断をいたしました。

 また、今回の整理合理化に関する業務は、民間の売却方法のように、売却手数料収入を得るために単に施設を売却すればいいというわけではございませんで、一つ申し上げておりますのは、年金への損失を最小化するという基本方針、そのもとで適正な時価で譲渡されることが確実に担保されなきゃならないと考えております。

 あわせて、地域において必要な医療の確保、これは先日来いろいろ御指摘もいただいておるわけでございまして、そうしたものに関して地方公共団体との調整を行いますし、また有料老人ホーム入居者の処遇に配慮する必要というようなこともございます。

 申し上げましたように、公共的な役割を果たす組織という面を持ちますので、どうしても、大臣の監督のもとで、厳格な評価体制のもとで業務を行うこととされている独立行政法人が最も適切な実施主体であると判断をいたしたところでございます。

中根委員 新しくつくる独法に民間人の理事長を登用して行っていくということなんですけれども、今まで申し上げましたように、社会保険庁が今までの失政の責任をとらずに、今回の独法の新しく就任する民間人の方に最終的に責任を押しつけるというようなアリバイづくりのようなことになってはいけないというふうにも指摘をしておきたいと思います。

 それから、一般競争入札ということで進めていくわけなんですけれども、この一般競争入札、具体的にはどういうことを行うのか。

 社会保険事務局に行くと、事務局の壁に掲示板があって、そこにぺらが一枚張ってあるという風景をよく見るわけなんですけれども、そういうことが一般競争入札ということであるならば、これは新しく独法をつくらなくたって、社会保険庁が、あるいは、そんなにたくさん業務量を抱えているわけじゃない四十七の都道府県の社会保険事務局というものが、当面残っていくということを先ほど御答弁をいただいたわけでございますので、その社会保険事務局がそれぞれの地域にあって行っていくとかいうことで対応できるのではないか。むしろ、新しく独法をつくって費用をかけて行うよりも、社会保険庁自身が通常の業務の中で精いっぱいこの仕事を行っていくべきではないか、独法をつくらなくてもいいじゃないかというふうに思うわけなんです。

 一般競争入札の具体的なやり方と、それから、改めて独法か社会保険庁かということは御答弁いただかなくても結構ですので、なぜこの一般競争入札というものが、一般競争入札なら、公告をして、それに対して国民あるいはいろいろな業者さんがそれを見てということですので、そんなに複雑な難しい仕事ではないような気がするんですけれども、この辺はいかがでしょうか。

青柳政府参考人 まず、一般競争入札をどのようなやり方でするのかということでお尋ねがございました。

 今後、独立行政法人ができてから具体的な話を詰めていかなければならないと考えておりますが、一つ例示を、例えば、事務局の掲示板にというようなことでお尋ねがありましたので、それに対応する部分だけ私どもの今の考えを申し上げますと、これは基本的には官報で公告をするという形でお示しするというのが一つのやり方ではないかとこの点については思っております。

 それから、その他、独立行政法人を新たにつくらなくても対応ができるのではないかという点につきましては、先ほど大臣がお答えしたことの繰り返しに一部なるわけでございますけれども、何せ、三百を超える施設を五年間という期間で整理合理化を進めていくということになりますと、一つ一つ施設を売っていくという売り方だけではなく、これらを例えばまとめて売るというようなことについても少し工夫が要るのではないかと現時点ではイメージしております。

 いずれにしましても、具体的なやり方は、独立行政法人が発足してから独立行政法人の中で、一番よい、一番効果的に、一番高額で売れるやり方を工夫していただくということが必要になってくるわけでございますが、私どもとしては、従来、国の機関等ではできなかったようなやり方も含めて、法律の許す限り、最もよいやり方を独立行政法人において選択していただきたいと現時点では考えております。

中根委員 独法をつくって、今まで考えもしなかったウルトラCのようなわざで全部売り払っていただくということが実現できれば、五年後に高く評価をして脱帽しなければならないということなんですけれども、ある意味で、この法案を審議していること自体で、与野党の数の関係でいえば法案は通っていくかもしれない、ちまたでそういうふうに推測をした人は、もう既にこのことに対して関心を示していたり、その動きは始まっているのかもしれないわけで、そういったことでいえば、三百二十八の売却対象のリストをどんと官報で公告すれば、それで欲しい人は来るし欲しくない人は来ないということで、それ以上のことでもそれ以下のことでもないような気がしてしまうわけなんです。優秀な方がここに集っていただいて、何かよっぽどいい売りさばき方があるのかということなんですけれども、その辺のところはこのあたりにしておきたいと思います。

 譲渡収入の取り扱いでございますけれども、譲渡収入から独法の運営に必要な経費を差し引いて各制度の財政へ納付をするということなんですが、これもまた、社会保険庁がみずから行えば、この独法の運営に必要な経費というものはなくなるわけでございますので、譲渡収入が丸々各制度の財政に、年金に戻るということになるわけなんですけれども、下手をすれば、独法に集う四十一人の職員の方々の単なる飯の種のための独法ということになって、単なる経費の中抜き機関という性質のものに、五年後、国民から笑われてしまう、また怒りを買うようなことになってしまうおそれがあるということ、心配をやはりぬぐい切れないわけでございますので、あえて今質問をしたり指摘をさせていただいているわけでございます。

 続きまして、皆さんよくごらんの資料でございますが、資料の3というところでございますけれども、この3の真ん中から下の四の図表に従ってやっていきたいと思います。

 まず、五年間の経費の総額、約三百億円ということになりますけれども、今までの議論の中で、百歩譲って独法の存在、設立を認めたとしても、五年という期限、これが果たして適当かどうか。

 もちろん、期限を切らなければ、なかなかいろいろなインセンティブが働かないということもあるんですけれども、五年という期限があるばかりに、四年、三年目以降ぐらい、だんだん焦ってきて、投げ売りを繰り返してしまうというようなことにもなりかねない。

 五年という期限を設定するということの中で、投げ売りというものが行われないというやり方があるのかどうか。いかがでしょうか。

青柳政府参考人 具体の売却につきましては、先週の委員会でも御質疑がございましたように、各施設における雇用への配慮でありますとか、あるいは施設によっては機能の維持なりをして売却をしなければならない種類のものもございますので、売り方については、そういう意味では大変慎重に、かつ神経を使って売却を進めなければならないというのは御指摘のとおりかと存じます。

 ただ、私どもは、独立行政法人という新たな組織をつくることの一つの中心となる考え方は、まさに不動産の売買等に精通をした専門家の方々にこの新独法のいわば中核を担っていただくということが非常に大事な点であろうかというふうに考えておりますので、売り方については、私どもは、やはりそういう専門家のいわば知識、経験を十分に生かさせていただいて、五年間という期間の中できちんとした成果を上げていきたいと考えております。

中根委員 続きまして、この経費総額約三百億円というところなんですけれども、この三百億円というのは上限と考えていいのか。あるいは、それ以下になればいいんですけれども、それ以上になることがあるということなのか。それ以上になるということが余りあってはいけないと思うんですけれども、その意味での歯どめというものは何か考えていないのか。そして、初年度はまず幾らぐらい借り入れをするのか。どの金融機関から、幾らぐらいの利率で、金利で借りるのか。その借入先は、天下りを受け入れているようなところであってはならない、あるいは年金資金の運用先であって特定の癒着関係があったりしてはいけない。

 そういったことも含めて、この三百億円について御説明いただきたいと思います。

青柳政府参考人 三百億円の内訳をごらんいただきますとおわかりいただけますかと存じますが、人件費が約六十億ということで計算しております。この人件費につきましては、売却が例えば予定よりも順調に進んで、現在およそ四十名程度の人員規模を予定しているわけでございますが、人員が早期により小さな規模で賄えるようになれば、この人件費は減少するという可能性はあるだろうと思います。

 ただ、不動産売却の経費としての鑑定料でありますとか売却の事務委託費、こういったものにつきましては、実は不動産の評価が幾らになるかということによって変動する経費でございますので、現時点では、ふえるか減るか、ちょっと見通しがつかない部分が正直言ってあろうかと存じます。

 また、不動産の管理経費につきましては、二十年を経過した施設については解体せざるを得ないのじゃないかということで、解体に全施設の二〇%を見込んでいるわけでございますが、この部分について、解体せずに売却が進むようであれば、若干これが軽減するということはあろうかと存じますが、いずれにいたしましても、三百億という金額については、五年間でおおよその見積もりを現時点で出させていただいた経費ということで御理解を賜りたいというふうに存じます。

 また、その場合の三百億の借り入れについてはどのような考え方で行うのかというお尋ねがございました。

 独立行政法人の設立当初においてはまだ施設等の売却が進みませんので、その譲渡収入がいわば見込めないということから、経営安定までの間に民間金融機関から運営資金の借り入れを行うということにしておりますので、譲渡が進んで譲渡収入が順調に入ってまいれば、借り入れを無理してしなくても済むという状況も十分に私どもとしては期待ができるかと思っております。

 なお、その具体的な借入先については、現段階では未定でございますけれども、機構が取引をする金融機関を今後選定する、そこからの借り入れという形で、つまり市中の金融機関からの借り入れということが予定されております。この金融機関の選定につきましては、いわゆる指名プロポーザル方式等によりましてさまざまな企画、御提案を金融機関からいただいた上で、透明性を持って決定をしてまいりたいというふうに考えております。

中根委員 続きまして、今触れていただいた部分でもありますけれども、この図で「人件費」のところなんですが、「理事長以下四十一名で試算」とあります。これは民間からの登用もあるということなんですけれども、民間からどれぐらい、あるいは女性の登用もきちんとこれは行っていかなくてはいけない、あるいは社会保険庁からどれぐらい行くか、それぞれ、今のところどういうお考えであるかということをお示しいただきたいということ。

 それから、たまたまけさの毎日新聞の朝刊に、この理事長候補が内定をしたということの報道がありました。水島さんという三井住友銀行の副頭取の方であるようでございます。この方がどれほどこの理事長職に対して適性があるとして今御検討されているかということにつきまして、あわせて御説明をいただきたいと思います。

青柳政府参考人 機構の職員構成についてのお尋ねがまずございました。

 機構の職員につきましては、機構の仕事は、施設の譲渡業務、さまざまな管理業務、それから総務、庶務業務といったようなことが想定されるわけでございますが、現時点で、職員数については全体で四十人程度ということが必要ではないかというふうに考えております。

 この職員の構成につきましては、いわゆる理事長就任予定者というものを決定していかなければならないわけでございますから、この理事長就任予定者がどういう形の、どういう人材が欲しいかということを一義的にはお決めになるということで対応すべきというふうに考えておりますので、民間と社会保険庁出身者の構成比を現時点でお示しすることはなかなか困難かと存じますが、あくまでも中心は、民間の専門家の方々を中心に構成する、この点だけは現時点で申し上げることができるかと存じます。

 それから、最後に、本日の毎日新聞の記事についてのお尋ねがございました。

 理事長の予定者は現在人選中ということでございますので、現時点では残念ながら申し上げることはできないということで、お許しをいただきたいと存じます。

中根委員 それから、やはり繰り返し申し上げますけれども、今回の法案で新しく独法をつくるということの問題点は、社会保険庁が本来みずから責任を持ってやるべきことを、あえて三百億円借り入れをしてまで、巨額の費用を使ってまで独法をつくって業務を行うということにあるわけなんです。

 では、独法をつくったから、その独法の四十一名のスタッフがきちんとやるかといえば、この図表を見てもわかるように、鑑定については委託をする、約五億円、売却事務の一部も約十五億円かけて委託をする、それぞれコンサルティング会社や不動産会社や信託銀行に委託をする。委託のまた委託、丸投げのまた丸投げということが、やはりここでも三百億円のむだ遣いということになるのではないか。いろいろ改革を進めてきていただいてはいるんですけれども、まだここに甘さがある、あるいは体質がぬぐい切れない部分があるのではないかというふうに思えてしまうわけでございます。

 この委託ということの妥当性あるいは委託先の選定に当たりましては、やはりこれも繰り返し申し上げますけれども、天下りが入っているところはだめだよとか、あるいはきちんと、随意契約でやるのではなくて、適正な価格を求めるためにここの部分についても一般競争入札を行うべきだというようなことを指摘しておきたいと思いますけれども、御答弁がありましたらお願いしたいと思います。

青柳政府参考人 確かに一部の業務については、御指摘ございましたように委託ということで、例えば、解体業者あるいは物品等の納入、鑑定、売却業務の一部委託、こういうようなことは念頭に置いておるわけでございます。

 こういった業者の選定に際しましては、御指摘もございましたが、公平さを担保するということが大事と考えておりますので、独立行政法人機構の会計規程等において競争入札等の契約に関する事項をきちんと規定を整備いたしまして、適切な業務管理を確保してまいりたいと考えております。

中根委員 もう一つ、独立行政法人をつくるということに関しまして指摘をしておきたいと思いますけれども、独立行政法人をつくれば評価委員会から評価をしてもらわなければいけないということになるんですが、この新しくできる独法につきましては評価委員会のどの部門で評価をしていただくことになるのか、教えていただきたいと思います。

井口政府参考人 お答え申し上げます。

 現在、厚生労働省の独立行政法人評価委員会におきましては、厚生労働省独立行政法人評価委員会運営規程に基づきまして、評価委員会総会におきまして、調査研究部会を初めとしました六つの部会でそれぞれ審議を行ってございます。

 新たに整理機構を担当する部会につきましては、法案の成立後、評価委員会の総会で部会構成の見直しをした上で同機構を担当する部会を決めていきたいというふうに考えてございます。

中根委員 その評価委員会なんですけれども、評価が適切に、公平、公正、中立に行われるかどうかということをきちんとチェックしていかなければならないんですが、独立行政法人の評価委員会に所属、委員として名前を連ねながら、厚生労働省あるいは評価対象の法人、独法から謝金あるいは研究費用、会議出席謝金、手当、こういったものを受け取っていらっしゃる方が、私どもの調査でも厚生労働省関係で十二名いらっしゃるわけなんです。

 例えば、あえて名前を申し上げますと、今野さんという方は、これは重複してかなり会議の謝金を受け取りながら評価をしている。どうしてもこういうふうにお金を受け取れば、やはり、別にいかがわしいお金じゃないということなんでしょうけれども、その評価の中身が甘くなってしまう、情が移ってしまうというのが、これが人間のやることだというふうに思いますけれども、こういうふうに評価委員になりながら評価対象から謝金などを受け取っているということについて、いかがお考えでしょうか。

井口政府参考人 今御指摘ございましたとおり、評価委員会の中で、例えば今野委員等御指摘のようなことがございます。

 ただ、今野委員につきましては、先ほど御指摘ありましたけれども、関連の雇用支援機構の方からさまざまな業務、仕事を請け負いまして出席謝金等をいただいているわけでございますが、これをもちまして、その委員の、専門家としての活動の対価としていただいているわけですので、それがそれぞれの独立行政法人の実績評価につきまして中立性を疑わせるというようなことに直ちにはならないのではないかというように考えておりますけれども、御指摘もございますので、今後、そういうような委員と法人との関係、どういうような関係であるべきかということにつきましては、改めて関係省庁とも御相談して考えてまいりたい、そんな気持ちでおるところでございます。

中根委員 今、あえて今野さん、今野さんは幾つか重複していろいろなところからもらっておられるものですから、名前を出してしまったんですけれども、ほかにも、今申し上げましたように、少なくとも今まで十二名の方が謝金等をもらいながら評価をしている。

 これは、本人に評価委員の方かあるいは会議にかかわることを、どちらかを辞退してもらう、自粛してもらうというのが本来であろうと思います。人材というものはこの方々だけにとどまらない、我が国には幾らでも人材はいらっしゃるわけで、選任の仕方は幾らでもあるだろうというふうに思いますので、そういう公正中立性を疑われるような実態につきましては、直ちに改善を求めてまいりたいというふうに思います。

 そういったこともあって、独法にしたからそれでいいということじゃないということを申し上げたいわけなんです。

 では、売却がどれぐらいで行われるかということなんですけれども、一つの参考がお手元に配らせていただきました配付資料の雇用・能力開発機構が行った売却の実績なんですね。

 これは本当に目もくらむほどあるわけなんですけれども、二千七十でしたか、売却をしたり廃止をしたりということでございます。もう時間がありませんのでまとめて質問してしまいます。

 一つは、この中に千二百四番と千九百三十四番、この二つが、いずれもほかのものはもう本当に投げ売りをされてしまったという状況なんですけれども、この二つについては建設費よりもかなりいい値で、上回る価格で譲渡が行われているわけなんですが、この辺のところはなぜかということと、うまく参考にしていただきながら作業を進めていただきたいということが一つ。

 それから、もう時間が来てしまいますので、あと二つだけ。

 一つは、それぞれ売却対象の中にある什器、備品、例えばペアーレなんかにある筋トレマシン、こういったものはどういうふうになっていくか、こういうことが一つ。

 それから、今回の独法の事務所の場所ですね。千葉に本店を構えるということなんですけれども、なぜ千葉かということと、千葉のどこかということ。それから、全国に何か支店のようなものをつくって、またそういったところで家賃の支出なんかが出ていくのかどうか。

 こういったあたりについてまとめて質問して今回は終わりたいと思いますが、いかがでしょうか。

青木政府参考人 まず、勤労者福祉施設についての御質問にお答え申し上げます。

 ただいま御指摘のように、建設費よりも高額で売れた施設がございます。これは御案内のとおり、勤労者福祉施設の大宗は土地を地方自治体が持って上物を機構がつくるという形でございますが、高額で売れたものにつきましては、土地建物とも機構の所有であったものと、それから、それまでの営業でかなりの利益が出るなど実績がよかったこと等だというふうに考えております。

青柳政府参考人 私の方からは二点。施設のいろいろな調度だとか備品、こういったものを施設と一緒に売却するかというお尋ねと、それから、機構の本部を千葉に置くということについてのお尋ねがございました。

 まず、施設の調度、備品の譲渡に関しましては、最終的には、機構が発足してから機構において決定するということになろうかというふうに考えておりますけれども、年金資金等への損失を最小化するという基本原則にかんがみますれば、例えば、調度や備品を一体的に譲渡する方法の方が価格において有利になるかどうかといったようなところが判断の基準になろうかと思いますので、そういったことを検討した上で決定していく必要があるかなと考えております。

 それから二点目、千葉に機構の本部を置くことについての理由等でございました。いずれにいたしましても、機構の運営経費をできる限り節減するということが求められているだろう、したがいまして、機構の主たる事務所については、新たにどこかの場所を借りるとかということではなくて、機構への出資が予定されております年金・保険福祉施設を活用するということをまずは念頭に置いたものでございます。

 その際には、例えば、全国への交通の便のよい首都圏に施設があるということが必要ではないか。さもなければ、先ほど議員からも御指摘のあるように、全県に何か支部みたいなものを置かなければいけなくなるというようなことも懸念されようかと考えます。

 また、転用のための経費を抑えるという必要から考えますれば、事務室に転用しやすいいわゆる教室形式の部屋というものが必要じゃないだろうかということが求められてこようかと思います。

 また、維持経費を抑えるという観点からは、建物の規模は必要最小限であると同時に、プール等の余分な設備がないということも必要条件になってこようかと思います。

 さらに、多極分散型国土形成促進法あるいは昭和六十三年七月の国の行政機関等の移転という閣議決定におきまして、原則として、行政機関あるいは特殊法人等を東京都区部から移転させるということを趣旨として踏まえなければならないということを考えました。

 以上の観点を総合的に検討いたしますと、千葉にございますちば社会保険センターがこの機構の本部としては最も適しているのではないかという結論に至ったものでございまして、私どもとしては、このちば社会保険センターを本部ということで現在予定しております。

中根委員 いろいろ指摘をさせていただきましたけれども、いずれにいたしましても、この独法を新しくつくるということが四十一名の職員の給料の中抜き機関になってはいけない、あるいは、売却益を食うだけの金食い虫になってはいけない、こういう懸念がやはり依然として残るということを指摘しながら、質問を終わらせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

鴨下委員長 次に、福島豊君。

福島委員 大臣、副大臣、大変御苦労さまでございます。

 今般の年金福祉施設等の見直し、これは大変大きな改革であることは間違いございません。昨年の年金制度改革に際してさまざまな議論があり、そして、国民の年金制度に対しての信頼を確保するためには、国民から拠出していただいておる年金の保険料については年金の給付に専ら充てるべきである、それを制度としてきちっと見直しをした、大英断であったというふうに私は思います。

 ただ、こうした年金福祉施設等がなぜできてきたのかということもやはり同時に過去を振り返って考える必要があるというふうに思います。

 かつて高度経済成長の中で、日本の人口もどんどんふえている、そうした中で、若い世代の方は、年金の保険料を納めてもそうした利益がすぐに返ってくるわけではありません。将来のことでありますから、国民に対して年金制度というものがいかに福利に資するものであるかということを説明するためにも、逆にこうしたものが求められたという側面もあると思いますし、財政的な制約の中で、これは特に厚生年金病院なんかが当たると思いますけれども、医療施設をどのようにして整備していくのか、これは国民から拠出していただいた保険料を活用するということも一つの考え方ではないか、そのような判断もあったというふうに思います。

 そういう意味では、時とともに国民の判断も変わってまいりますし、国民の声も変わってまいりますし、政治家の声も変わってくる、こういうことなんだろうと私は思います。ただ、問題は、そうした時代の変化に対して制度というものを適時適切に見直す、この必要性でありますし、また立法府においてもその責があるというふうに私は思います。

 今回、この独立行政法人を設立することについて、むだがあるのではないか、このような御指摘がありますけれども、こうした非常に膨大な数の施設の売却を効率的に行おうと思えば、これはやはり独立した組織として行うということが一番適切であるというふうに思います。本来、社会保険庁のあり方の見直しが行われておりますけれども、これとても独立行政法人にしたらどうか、こういう御意見もあるわけでありますが、こうしたものを専ら売却、いかにして高く売ることができるのかということを考えて行おうと思えば、これはやはり独立行政法人にすべきだ。そして、その中で、むだ遣いがないかどうかということは立法府の場でしっかりとチェックをしていただくということではないかと思います。

 ただ、今回の売却に当たりまして、譲渡に当たりまして問題な点は、こうした一つ一つの施設が、この委員会でも繰り返し質疑がありますように、さまざまな経緯があり、そしてまた歴史があり、地域のニーズがあり、そういうものをどう考えるのかということではないかというふうに思います。

 もちろん、年金の原資を回収する、年金の原資の損失を最小化する、こういう考え方は国民に対しての説明として極めて大切でありますけれども、一方で、それぞれの地域地域では、現実の問題として、例えば厚生年金病院であればそれを利用している利用者の方々、患者さんの方々がおられるわけであります。そういうことを考えていただくことも必要であるというふうに思っております。

 それで、順次お尋ねをしたいと思いますが、まず、厚生年金病院についてであります。

 厚生年金病院は、総合病院については、高度先進医療も提供できる地域の中核病院、また臨床研修指定病院として活躍をいたしております。また、専門病院についても、整形外科、リハビリテーションを主体とした広域な地域を診療する病院として、いずれも地域では重要な医療を担っている、これは間違いのないことであるというふうに思います。

 今回の方針について、地域住民を初め各方面から、地域で重要な医療を担っている厚生年金病院を公的病院として残してほしいという大規模な存続運動が展開をされております。これは、例えば東京厚生年金病院でありますとか、私の地元であります大阪厚生年金病院を初めとして、数多くの地域で行われている。既に、厚生労働大臣等への陳情や、地元議会においても意見書が決議されたり、病院全体では約三十一万人の署名が集まったというふうにもお聞きをいたしております。

 このようなことを十分に踏まえて、病院の譲渡に当たっては、病院機能の公益性、ここが一番大事だと思いますけれども、損なうことがないよう十分に検証した上で、適切な結論を得るべきである、そのように考えます。

 また、こうした厚生年金病院に保養ホームが併設されているという事例があります。これは、湯布院等の事例でありますけれども、事業の継続を条件とした一般競争入札の対象となっておるわけでありますが、退院後の患者のリハビリテーション等について厚生年金病院と連携をとりながら運営をしているところもあり、そしてまた大変高い評価をいただいているところもあります。こうした事業の実態、こういうものを十分踏まえて、一般競争入札に当たって対応すべきである、配慮すべきである、そのように考えますけれども、お考えをお聞きいたしたいと思います。

西副大臣 お答え申し上げます。

 委員が御指摘のとおり、地域医療にとっては大変重要な役割を果たしていただいている一つが厚生年金病院だというふうに考えておりまして、この厚生年金病院の譲渡に関しましては、既に与党の方でもきちっと整理をしていただいておりますが、「病院機能の公益性を損なうことがないよう十分に検証した上で、適切な方法によって結論を得るべき」というふうに結論を出していただいているところでございます。私どもとしましても、この考え方に基づきまして整理合理化を進めていくということに変わりはございません。そのとおりにさせていただきたいと思っております。

 その際に、地域医療を維持していくという上で必要な機能につきましては、それぞれの地方自治体と十分に協議をさせていただくというふうなことで、具体的な進め方につきましては、この厚生年金病院に係る整理合理化計画を、来年度執行でございますから、これから今年度中につくることになっておりますが、その計画を策定する過程で十分に検討してまいりたいというふうに考えております。

 ホームのことについては、担当からまたちょっと説明をさせます。

青柳政府参考人 厚生年金保養ホームにつきましては、栄養士による栄養相談、あるいは隣接する厚生年金病院との連携による運動指導等を行っておりまして、病中病後の被保険者等が早期にもとの生活に復帰できるということの支援に大いに役立っているというのが私どもの認識でございます。

 このように、地域の保健医療に貢献している保養ホームの譲渡に当たりましては、先ほど議員からも御紹介ございましたように、施設の中心的な機能の維持を条件として一般競争入札に付すということにしておりますので、保養ホームが地域において果たしている必要な機能は維持する必要がありますし、また維持していくことができるのではないかと考えている次第でございます。

福島委員 公益性、公的医療機関として存続をという声を十分反映できるように知恵を使っていただきたい、いろいろな工夫をしていただきたい、そのようにお願いをいたしたいと思います。

 先ほど公明党の丸谷議員の方から、厚生年金会館の御指摘もありました。こうした厚生年金会館等についても、地元住民、施設利用者、地元商工会議所等を中心として、かなりの地域において施設の存続を願う運動が起きております。地方議会への請願、また地方自治体等から厚生労働大臣等への陳情が行われている、そのようにお聞きをいたしております。

 施設の譲渡に際して、地域において存続の要望が強く、かつ健全な経営が可能な施設について、この施設の存続、施設の機能の存続を希望する地元の声を踏まえ、地方公共団体とまずよく相談すべきである、そのように考えております。先ほどの丸谷委員からの御指摘もありましたけれども、地域の文化にとって極めて大きな役割を果たしている、こうしたものを失うということは一つの大きな損失ではないかということも、一方では大変正しい御指摘、適切な御指摘ではないかと思います。政府のお考えをお聞きしたいと思います。

青柳政府参考人 年金の福祉施設等につきましては、繰り返しこの委員会でも申し上げさせていただいておりますが、近年の年金制度等を取り巻く厳しい財政状況、あるいは施設を取り巻く社会環境や国民のニーズの変化ということを踏まえまして、例外なく整理合理化を進めさせていただく、そして年金資金等への損失の最小化を図るということを基本的な考え方とさせていただいております。

 したがいまして、年金の福祉施設等の譲渡に当たりましては、例えば地元の自治体への優先譲渡といったような、あらかじめ譲渡先について制限を設けるというようなことはしないということで、不動産鑑定の手法に基づく適正な価格を予定価格として定め、原則一般競争入札により譲渡するということについては、繰り返し御理解をいただきたいということでお願いをしている次第でございます。

 ただ、先ほどの丸谷委員の御質問に対して大臣の方からもお答えがございましたように、そういう原則のもとで、御指摘のあった、例えば厚生年金会館等の持つ文化的な価値といったようなものについて、地元の自治体とも、これを設置するときにはいろいろ御協力をいただいたりいたしましたし、また、今後、譲渡等がある場合には、例えば雇用面等についてもいろいろと御協力をいただかなければいけないという面もございますので、地元の自治体ともよく相談をいたしまして、可能な限りそういった地域の文化の拠点を残したいというような御意向等、これをどのように反映できるかということについては相談をしていくということは、先ほど大臣からも申し上げたとおりでございます。

福島委員 一方で原則がありますので、そうした原則のもとで機能をどういうふうに確保していくのか、これもやはり相当知恵の要る話だと私は思いますし、担当者の方が最大の努力をしていただかないとなかなかそういう道が見えてこないということだろうと思うんですけれども、ぜひその努力をしていただきたいというふうに思います。

 また、優先譲渡の話、これは本委員会でも繰り返し取り上げられておりますが、厚生年金の福祉施設は被保険者や年金受給者等の保険料により設置された国民共有の貴重な財産であり、設置に当たっては地元自治体の強い要望があったという歴史があります。また、土地の提供は、市町村のみならず、公共的な施設をつくり、その用途に使うことを条件として一般の地権者からもかなり無理をして提供していただいた、このような経緯もあるわけであります。そういう意味では、年金資金の損失を最小化するということは大切なことなんですけれども、単にそれだけでは済まない、こういう経緯を考えますと。

 厚生年金の福祉施設を譲渡する際に、事前に地方公共団体の意見を聞き、仮に地方自治体に利用計画がある場合は優先して譲渡すべきだという声がこの委員会でも出されております。そうしたことを考え、地方自治体が入札に参加しやすくなるような、昨今、地方自治体の財政が大変厳しい、こういう中で、入札に参加しやすくなるような工夫をぜひしていただくべきだ。ですから、原則にあわせて、原則を踏まえながらも、地方自治体に対してどういう形であればそういうようなことが実現するのかと工夫していただきたい、そう思いますけれども、政府の考えをお聞きしたいと思います。

青柳政府参考人 今般の年金福祉施設の整理合理化が、年金資金等への損失の最小化ということをまずは基本原則として進めなければならないということは、繰り返しお答えをさせていただいている点でございます。したがいまして、年金福祉施設の譲渡に当たりましては、地元自治体へ優先的に譲渡するというような、あらかじめ譲渡先について制限を設けるということをせずに、不動産鑑定の手法に基づく適正な価格を予定価格として定めた上で、原則一般競争入札により譲渡するということを、これまでもこの委員会で繰り返しお答えをさせていただいた次第でございます。

 したがいまして、地方公共団体もこうした一般競争入札に参加をしていただくということはもちろん阻むものではございませんが、と同時に、ただいま議員から御指摘がございましたように、地方公共団体が入札に参加しやすいような環境を整えるということが一つの重要な視点ではないかという御指摘、先週の委員会でも御指摘があったところでございます。

 具体的にどのような方策が可能かについて、私ども、現時点ではっきりとした考えを持ち合わせておるわけではございませんけれども、しかし、そういう視点が非常に重要であるということについては、どのような方策が可能なのか検討してまいりたいというふうに認識をしておる次第でございます。

 なお、あわせて、こういった点で配慮しなければならないということで現在検討しております点を一つつけ加えさせていただきますと、例えば、公序良俗に反するような使用等が行われるというようなことをどうやって防ぐか。これは、入札の参加資格の制限というようなことになろうかと思いますが、これもなかなか難しい問題であろうかと存じますけれども、あわせて今後検討してまいりたいと考えております。

福島委員 ぜひ適切な対応をしていただきたいと思います。

 また、いろいろと工夫をしていただかなければいけないもう一つの課題は、雇用の問題であります。

 一般入札により施設が売却されることになりますと、職員等の雇用が一挙に失われることにもなりかねず、各施設で働く職員やパート、アルバイトの方々、その家族の方々は、今回の施設売却方針に対して日々大きな不安を抱えながら生活をしておられるということは容易に想像できるところであります。

 年金資金への損失の最小化と雇用の確保の両立は極めて難しい問題であるということは間違いありません。昨年の与党協の合意でも雇用問題への配慮を十分に行う、このようにさせていただきましたけれども、国や機構が、福祉施設の譲渡または廃止に当たって、今回の売却目的を踏まえ、雇用への配慮に最大限の努力をすべきである。一方では、これは条件とすべきだという声もありますけれども、そうした強い声もあるということを踏まえながら最大限の配慮をしていただくということが必要だと思いますが、政府の考えをお聞きしたいと思います。

西副大臣 お答え申し上げます。

 委託先の公益法人の職員の今後の雇用の問題についてでございますが、この問題は、一義的には現在雇っていただいております雇い主、つまり委託先法人が責任を持っていただくということでございますが、私どもも与えられた範囲で、今後この雇用の確保に向けて、またこの問題に向けて、最大限の努力をしていきたいと思っております。

 具体的には、この三月末に決めました整理合理化計画の中でもこのことをうたっておりまして、今後新しくできる機構と協力しながら、委託先法人が行う再就職の援助に対して可能な支援を行ってまいりたいと思っております。

 具体的には、国と新しくできます機構が協力いたしまして、施設を購入される方に対して雇用の依頼を行っていく、それから関連団体における求人情報の提供をお願いしていく、地方自治体それから地域の経済団体などへ就職の支援のお願いをしていくという形で、一人でも多くの皆さんが新しく雇用されるように努めてまいりたいと思っております。

福島委員 民間の企業の経営者の方であっても、みずからの企業が行き詰まった場合に、従業員の方々の雇用ということに対して最大限の努力を払ってその生活の安定を確保してあげる、そういう事例は多々あります。国がある意味で主導してつくってきた施設でありますので、最大の努力をすることは当然であるというふうに思っております。

 原則、今回の年金福祉施設等の見直しというのは、正しい方向性であると思いますけれども、結果としてそのことが国民から評価されるためにも、この五年の間、全力で努力をしていただくということが必要だ、きめ細かく努力することが必要だというふうに指摘をしたいと思います。

 そしてまた、同時に、大切なことでありますが、先ほども指摘がありましたけれども、この年金福祉施設等は多くの委託先公益法人により運営されておりました。今後、年金福祉施設等の整理合理化に伴って委託先の公益法人の整理合理化をどのように進めていくのか。このことも、年金制度改革に伴い国として姿勢が変わったということを明確に示す大変大切なことであるというふうに思います。この点についての御決意をお伺いいたしたいと思います。

西副大臣 御指摘のように、委託先の公益法人も同時に大きく状況が変わってまいります。

 二つの方向性を考えているわけですが、一つは、今回の年金・健康保険福祉施設の運営業務がほとんどである、こういう法人につきましては、施設の整理合理化の進捗状況を踏まえて、法人の廃止を含めた抜本的な見直しを行う。それからもう一つは、施設の運営以外に主たる業務がある法人もございます。その場合につきましては、この施設の運営以外の国からの委託業務が残るわけですが、これの見直しを行った上で法人を統廃合するとか、そういう形で組織の見直しも行っていきたいということで、すべての委託先法人の整理合理化といいますか全体の流れについては、これからの大きな検討課題だと思っておりまして、この問題も避けては通れない重要な問題だというふうに認識をしているところでございます。

福島委員 年金の議論も一年がたちますと大分遠のいたような気がしないわけでもありませんが、手綱を緩めずに改革を進めていただきたいというふうに思います。

 また、これは社会保険庁改革についても同じであります。先般、有識者会議の最終報告が行われました。私は、年金の問題については、これは、保険料の徴収というものは国の立場でしっかりやっていただく、保険料がきちっと徴収できる体制が一番大事だ、そのようにかねがねずっと思っておりますけれども、さはさりとて、同じ組織で済むという話ではないということだと思っております。

 全く一新された組織をつくり上げていく、これは年末までに具体的にやっていただく必要がありますけれども、そこのところの御決意をお聞きしたいと思います。

西副大臣 社会保険庁自体の改革につきましては、これは、一つの大きな流れとしては、内閣官房長官のもとで有識者会議が開かれておりまして、私も大臣とともに毎回参加させていただいておりますが、先般、最終とりまとめをいただいたところでございます。また、与党の方からも、特に公明党の部会の方からも私どもの方に提言をいただいているところでございまして、しっかりと取り組んでまいりたいというふうに思っております。

 具体的には、公的年金制度の運営と政管健保の運営を分離するということが決まりまして、政管健保は国から切り離して全国単位の公法人として設立をする。それから年金に関しましては、運営組織を国の機関として位置づけた上で、その中に意思決定機能を担う年金運営会議、それから特別監査官による監査官制度、それから外部専門家を登用していくというような、従来にはない新しい組織の姿をここで示していただきました。事業運営の効率化を図るための人員の大幅な削減、民間企業的な人事、処遇の導入、それから地方組織の抜本改革等、この組織の大幅な構造改革を進めていくことというふうにされたところでございます。

 この最終とりまとめを受けまして、これから早速、厚生労働大臣のもとにポスト有識者会議という形でこれを具体化するための組織を立ち上げようとしているところでございます。

 いずれにしましても、国民の皆さんの理解を得られるような年金制度、それから社会保険制度への信頼を回復していくことが我々に求められた最大の課題だというふうに考えておりまして、引き続き大臣ともども全力を尽くしてまいります。

福島委員 以上で終わります。ありがとうございました。

鴨下委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前十一時八分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

鴨下委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。三井辨雄君。

三井委員 民主党の三井辨雄でございます。

 すごく長い名前なんですが、独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構法案についてこれまで質疑をされてまいりました。私が思うには、大臣、この年金・健康保険福祉施設の設置経緯を見ますと、年金の福祉施設については昭和十六年の労働者年金保険法制定に始まりまして、一方の保健福祉施設については大正十一年の健康保険法の制定までさかのぼるということになっております。まさしくこの歴史的経過の中で、地域間のさまざまなニーズ、時には政治的な要望にこたえるうちに、現在全国に三百二十八施設を数えるまでになったわけでございますけれども、そのほか関連施設を入れますともっと多い数になっていると思います。

 私としては、この三百二十八施設、よくぞこれだけこういう施設をおつくりになったものだなと、驚きとともに、私も一介の中小の経営者とすれば大変理解できないものだ、こういうぐあいに思うわけでございますけれども、尾辻大臣、なぜこれだけの年金福祉施設の設置が許されてきたのか、また、これについて率直な御感想なり御意見をいただきたいと思います。

尾辻国務大臣 一つは、しっかりした目的があったことだというふうに思います。いつも言っておりますように、被保険者、受給者等の健康の保持増進、福祉の向上を図り、また、長期にわたり保険料を納める被保険者への福祉の還元を行うことを目的とするという、きっちりした目的があったということが、ずっとこういう施設ができてきた大きな理由の一つになると思っております。

 加えて、その時々に国民の皆さん方のニーズがそれぞれに存在した。それから、もっと言いますと、地方公共団体からの御要望もございましたし、関係審議会における関係者からの設置の推進の御意見というのもその時々にございます。やはり、そうしたものが後押ししながらこの数になってきたんだというふうに理解をいたしております。

三井委員 確かに、その当時はニーズがあったんでしょうが、今まさに黒字のところ、赤字のところ、お聞きしますと大体半々ぐらいだということを聞いておりますけれども、例えば私が一つの施設をつくるとすれば、イニシアルコスト、そしてまたランニングコスト、あわせて経営管理、あるいはその地域の事情、そしてその中で人口等々、あらゆる角度から見て一つの事業をなし遂げる。まさに子供を育てるのと同じなんですね。産む苦しみ、育てる苦しみ、その中でやはり何としても成功させたい、民間ならばそういう努力をしてまいりました。

 ですから、やはりそういう中で、本当に私はただただ驚くのは、私の能力ではこういう三百二十八施設なんて到底見ることはできませんし、まさに一つ一つ、今申し上げたような中でやるとすれば、本当に大変な作業だと思うんですね。

 そこで、質問に移らせていただきますけれども、この独立行政法人を設立するその目的の中で、実際にこれをつくるのに非常に私は不明確だなと。ここに目的としまして、国有財産の適用を外して高く売ることなんだ、それから年金財源を使わないこと、それから三番目には民間の知見を活用することにあると社会保険庁さんはおっしゃっているわけでございます。

 しかし、この年金福祉施設は、被保険者そしてまた事業主が拠出した年金保険料でつくられた貴重な施設であるということは言うまでもございません。国有財産として準用する必要があると私は思っております。また、年金財源を使わないということでございますけれども、譲渡した収益で費用を賄うということは、結局は年金財源を使うことになるのではないかと私は思います。そして、民間の知見を活用する方法は幾らでもある。何も新しい組織をつくる必要もない。先ほど福島委員もおっしゃっていましたが、社会保険庁の中に専門部署を設けるか、あるいは民間に業務委託をするとか、あるいは既存の独立行政法人等に業務を行わせる、そういう対処でできると思うんですが、いかがでしょうか。

尾辻国務大臣 午前中にもお答えしたわけでございますが、やはり、今数を言っておられましたように、三百を超える施設を短期間で集中的に、そしてまた当然効率的にということも加わるわけでございますが、譲渡するには、どうしても一つの独立した組織をつくらなければならないと私どもは判断したところでございます。今あるものの組織の中でというのがどうしても難しい作業になるというふうに考えております。そして、今先生が既におっしゃったわけでございますが、そうした中で私どもは民間の知見などを最大限活用できる組織にしていきたい、そういうものが必要だというふうに考えておるところでございます。そうした判断のもとで新しい独立行政法人ということを考えました。

 特にまた、さらに申し上げますと、これも午前中お答え申し上げたわけでございますが、単に売却をすればいいということだけでもございませんので、特にこれまで御質問いただきましたようなこと、地方公共団体との調整といったようなこともございますし、そうしたことまで考えますと、やはり今申し上げた公共的な役割を果たす組織として考えなきゃならない。そうなりますと、やはり大臣の監督のもとで厳格な評価体制の業務を行うことができる独立行政法人が最も適切である、こういうふうに考えたものでございます。

三井委員 確かに、午前中の御答弁の中で大臣から、最小限に食いとめたい、あるいは専門知識を持った人をやはり機構の中に入れたい、そういうことをおっしゃっていました。

 そこで、私は、ちょっとくどくなりますけれども、五年以内ですべての組織を譲渡するあるいは売却するという、今そういう状況なのかということもお聞きしたいわけです。

 例えば、グリーンピアなどと違って、この年金福祉施設は国が直接所有している年金資産でありますから、これは必要ならいつでも譲渡できるものだ、こういうぐあいに私は思っているわけでございます。また、年金は長期の給付であるわけですから、今すぐ売るよりも、むしろ、もっと有利なときに売るということも考えられるんじゃないでしょうか。

 施設を譲渡するか否かについては、年金資産を不動産で所有するか、あるいは積立金で保有するかの違いはございますけれども、しかし、現在約百五十兆円の積立金がある中で、年金給付のために年金福祉施設を五年以内で売却して積立金化しなければならないという状況にはならないんじゃないかな、こういうぐあいに私は解釈しているんです。

 そこで、これは長官にお伺いしたいんですが、村瀬社会保険庁長官は、損保ジャパンの副社長でもありましたし、金融の専門家でもあります。金融の専門的立場から御見解をお聞かせ願いたいと思います。

村瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 民間の場合ですと、どちらかといいますと、資産を有効活用するという観点で、バブル期に相当大幅な資産を保有していたものを、バブル期以降、ある意味では資産を売却してキャッシュフロー化しているというのは事実でございます。

 では一方、国の財産をどうするかという観点からいいますと、平成十七年度、御存じのように、厚生年金、国民年金とも、単年度の収支均衡を図るために、既に積立金の取り崩しを始めております。まさに厳しい財政状況というふうに言っていいのではなかろうかと思います。

 こういう段階におきまして、やはり福祉施設等を整理することが必要であろうということで、それも限られた期間で確実に施設を譲渡していくということで、しっかり仕事をやってまいりたい、このように考えております。

三井委員 私ごとで申し上げれば、私も、一つの事業をやって大変苦しんだことがありました。売るのか、あるいはこれを継続するのか。

 実は、これは介護保険と関連がございますが、私は入浴サービスを始めました。入浴サービスを一台で始めたときに、本当に一億円近い赤字をしたんですね、十年で。そうしますと、一台から始めて、これをどうして、もう本当にやめようかということも何十回と苦しみました。

 でも、おふろに入って死ねたらいいというその一言で、私は何とか、銀行をだましたと言ったらあれですけれども、銀行さんに、何とかこれを続けさせてほしいということでいろいろ知恵を出しながら、四人スタッフのところを三人にしながら、そして、北海道の場合、冬が厳しいですから、そういう中で地方にもあらゆるところに飛んでいってもらって、御希望があれば入れた。

 こういう中でやっと立ち直って、まだ借金はたくさんございますけれども、それでもやはり喜ばれることが大事なんだということで苦労した、個人的なことでございますけれども、そういうことがございました。

 そこで、この五年以内の措置に機構をつくる意味があるのかということをもう一度お伺いしたいんですが、午前中の質問でも前回の質問でもたくさんございましたが、地元から存続希望が大変強うございます。かつ、自立経営が可能な施設については、赤字または老朽化している、その時点で売却すべきだと私は思っているんですけれども、五年以内に譲渡または廃止するというその根拠は何もないと私は思っておるんです。

 また、加えて、毎年多くの被保険者あるいは年金受給者等が利用しているにもかかわらず一方的に譲渡または廃止するということは、それらの人々の福祉を奪うことになりかねないんじゃないかな、こういうぐあいに思っているわけでございます。

 この法案では、五年以内にすべての施設の譲渡、廃止ができなかった場合はまた国有財産に戻すとのことでございますけれども、極めて中途半端な措置であると私は思っております。五年以内の措置にこれだけの機構をつくる意味がどこにあるのか、お尋ねしたいと思います。

青柳政府参考人 今回の整理合理化につきましては、午前中からもお答え申し上げておりますように、三百を超える施設を対象とするものでございまして、このような多くの施設を集中的かつ効率的に売却するという観点で、理事長や職員を民間の方から、専門家から登用いたしまして、その知見を最大限活用できる、そういう専門の組織が必要だということでこの法案のお願いをしているわけでございます。

 特に、年金への損失最小化という基本的な考え方に立ちましてこの施設の譲渡を行うということでございますので、単により有利な価格で買い受けてくれるというだけではなくて、その譲渡先をきちんと開拓していくということが必要であるとともに、こういったことを大量に、かつ限られた期間で国がみずから行うことは困難であるということから、独立行政法人を創設するということを、先ほど大臣からもその創設の趣旨をお答えさせていただいたわけでございます。

 そして、この五年という点につきましてただいま御意見がございましたが、ただいま申し上げたような考え方に基づいて適切に施設の譲渡を行うということにするためには、期限を付して速やかに整理合理化を促す必要がある。

 期限を設けずにだらだらやるということでは年金資金の損失の最小化という目的は達成できないというふうに考えるわけでございますし、かといって、これを二年あるいは三年といったような非常に短い期間でやろうとした場合には、その準備、立ち上げの時間で相当時間を食ってしまったりして、所期の目的が達成できず、結果的にいわゆるたたき売りになってしまうという懸念もあるだろう。

 この両者を考えますと、御提案を申し上げているように、五年間という考え方で取り組ませていただくのが最も適切ではないかと考えている次第でございます。

三井委員 五年で売れればいいなと私は思っていますが、しかし、今競売物件もなかなか売れない。そういう中で、五年以内で本当に売却できるのかというと甚だ疑問でございます。確かに、期限を切ることは大事でしょう。でも、五年という根拠、これはお聞きしませんけれども、なぜ五年なのかということも本当にお聞きしたいぐらいなんですけれども、そういう中で期限を切って売られていくということでございます。この施設が全部完売することを祈らずにいられないとは思っていますけれども。

 そこで、売却額の試算については、建設した施設の簿価の評価額は約八千九百億だと聞いております。売却実績二七・五%を乗じると二千四百億円になると聞いておりますけれども、今申し上げましたように、果たして五年間でどれだけの施設を売却できるのかということ、もう一度お聞きしますけれども。また、独立行政法人の運営費の三百億円を見込んでいますけれども、本当にこの売却益が見込めて年金財源に返せるのかどうか、甚だ不明でございますし、どのような見通しのもとにこれを計算されているのか、お聞きしたいと思います。

青柳政府参考人 売却益の見込みにつきましては、先週の委員会でも御説明させていただいたところでございますけれども、私ども、その施設の簿価、八千九百億円というところをまずはベースにするわけでございますが、社会保険庁の方で平成十四年度以降現在までに売却をいたしました年金福祉施設のうち、土地建物等を一体として売却したものが六件ございます。

 この六件について、簿価に対する売却額の割合というのを見た場合に、低いものについては九・六%、高いものは六八・八%ということで、この平均を単純にとりましたのが二七・五%という比率であった。この二七・五%という比率と先ほどの八千九百億円を機械的に掛け算する。その場合には、すべての施設を解体せずに売却するという、これまた非常に大きな仮定を置いているわけでございますが、いずれにいたしましても、そういった機械的な計算によりまして、売却収入二千四百億円程度という一つの目安となる数字を出させていただいたわけでございます。

 これは、繰り返しになりますが、あくまでも機械的な試算でございますし、実際の施設の売却に当たりましては、その都度、その施設あるいはその土地といったものの適正な評価額を出しまして、これをもとに売却をするということになりますので、二千四百億というものを上回るケースも当然起こってこようかということは御理解がいただけようかと存じます。

 また、独立行政法人の方の経費についての御懸念がございました。

 先ほど来申し上げておりますように、民間から採用したスタッフの知見を最大限に活用して売却を進めるということでございます。あくまでも三百億円というのは一つの試算でございまして、毎年の売却状況を勘案しながら運営経費を計上するということを考えておりますので、売却収入が運営経費を下回るというふうなことにはならないというふうに、私ども、現時点では考えております。

三井委員 確かに、機械的におやりになって、売却益を下回らないということを信じたいんですが、しかし、これはやってみなきゃわかりませんし、そういう意味では、本当に幾らかでも売却益が出ればいいですけれども。

 この三百億円の根拠ももっとお聞きしたいんですけれども、通常、解体して解体費用というのはえらいかかりますよね。私もそういう経験がございますけれども、解体費用というのは莫大にかかります。この解体費用をどうするかということを、きょうたくさん質問がございますので、後ほどまたお聞きします。

 そこで、整理合理化の推進体制についてお聞きしたいと思います。

 厚生労働省並びに社会保険庁は、整理機構の職員の人件費等について、予備費の措置も講じずに借り入れで賄うこととしておりますけれども、この借り入れのめどはあるのかということが第一点です。

 さらに、機構の組織は、先ほどお話ございましたように、民間人が中心とのことでございますけれども、利害関係のない専門的知識を有する人材を短期間に採用することができるのかどうかということも甚だ疑問でございますし、それは二点目です。

 そして、約四十人、理事長さんを入れて四十一人の組織で全国に分散すると、先ほど言っています三百数施設、この状況をどのように把握して、また具体的に競売することは本当に可能なのかどうか。

 この三点にわたりまして、わかりやすく短く御説明願いたいと思います。

青柳政府参考人 順次お答え申し上げたいと存じます。

 まず、人件費等の借り入れについてのお尋ねでございますが、機構が設立された当初におきましては施設等の譲渡収入がございませんので、そういった譲渡収入が出て経営が安定するまでの間の借り入れということを民間の金融機関からお願いしたいと考えております。

 具体的にどういうところから借りるかについてはまだ未定でございますけれども、機構の取引先の金融機関となる取引金融機関からの借り入れということで行っていきたい。この機構の取引金融機関の選定そのものは、いわゆる指名プロポーザル方式ということで、これは例えば日本郵政公社さんとか国立病院機構であるとか、そういった、そのほかの先行している独立行政法人がそういう形で実際には決めておるようでございますので、そのやり方で、いろいろな御提案、御企画をいただいた上で、その中から決定するということで対応してまいりたいというふうに考えております。

 それから二点目の、機構の組織、人材が特に確保できるのかというお尋ねでございました。

 理事長や職員を民間から登用して、その知見を最大限活用するということがこの機構の生命線でございます。したがいまして、具体的な職員の確保は、理事長に就任される予定の方が任命されるということになるわけでございますけれども、今の段階で私どもがイメージしておりますのは、例えば、公募による採用、あるいは既に民間企業を退職した経験者の採用など、いろいろな形の組み合わせで有為な人材を得ていきたいというふうに考えております。その際には、御指摘もございましたが、利害関係が生じないような適任者の確保というものには留意してまいりたいと考えております。

 三点目のお尋ね、わずか四十人の組織でそういった対応ができるんだろうかという御懸念でございました。

 機構の職員につきましては、効率的な福祉施設等の譲渡を行うということのために、不動産取引に関する専門的知識や経験を有する方を中心として採用するということになろうかと思います。機構の組織構成についても、例えばでございますけれども、施設類型ごとにグルーピングする、病院関係、それから宿泊施設関係、あるいは老人ホーム関係等々の施設類型にグループ分けするというようなことが一つの考え方としてあろうかと思いますが、いずれにせよ、効率的、効果的な組織体制を組むということについては、御指摘を踏まえて対応してまいりたいというふうに考えております。

 なお、限られた期間の中での対応でございますので、例えば、入札物件に係る情報の収集でありますとか入札案内の作成などは、外部委託を積極的に行いまして、迅速で効率的な事業運営に努めてまいりたいと考えております。

三井委員 外部委託しつつ、この三百二十八施設、そのほか入れますともっと関連施設があるわけでございますけれども、私は民間のサイドで考えますと、到底五年間で、これはどれぐらいあるんでしょうか、三百二十八施設の、例えば病院ですと宿舎ですとか、あるいは医師住宅ですと看護師さんの住宅ですとか、いろいろなものがございますよね。こういうものが、実際もっと数がある。

 例えば、先ほど午前中の答弁で青柳部長がおっしゃっていましたように、まず一括で売ることも考えると。それは機構が考えることであるかもしれませんけれども、私は、そういうことばかり言っちゃいけませんけれども、本当になかなかこの経済状況の中で、今御答弁いただいたような中で、スタッフの四十人でやれるかということを、余計な心配かもしれませんが、大変危惧しているところでございます。

 いずれにしましても、機構が判断されるということでございますし、お金の調達も、機構がそのような取引先と調達するということでございますので、ぜひ成功することを祈っております。

 そこで、国有財産の取り扱いの原則についてお伺いしたいと思います。

 私は、公用、公共用優先の原則に反するなと実は思っているわけでございますけれども、年金福祉施設は、本来、保険料によりまして、被保険者、受給者等が出資した国民共有の貴重な国有財産だということは先ほど申し上げております。処分する場合には、やはり公用、公共用を優先的に充てることが原則だと思っております。しかしながら、整理合理化計画では、地方公共団体等へ優先する取り扱いになっていないんですね、これは。

 もともと施設誘致の際には、地方自治体や地域住民の要望に基づいて設けられたわけですから、まず、地方自治体との協議がやはり行われるべきではないかと思いますし、この点についてお考えをお聞かせ願いたいと思います。

尾辻国務大臣 この譲渡に当たりましては、あらかじめ譲渡先についての制限を設けることなく、不動産鑑定の手法に基づく適正な価格を予定価格として定めた上で、原則一般競争入札により譲渡するということにしてございます。

 ただ、地方公共団体に施設の買い受け希望がございますと、これは一般競争入札に参加していただくということにはなるわけでございますが、その際に、地方公共団体が入札に参加しやすい環境を整えることも重要な視点の一つと考えておりますので、この点については、どのような方策が可能か検討してまいりたいと存じます。

三井委員 先ほどの大臣の御答弁でも、やはり地方自治体や地域住民に大変お世話になった、これまで施設をつくってきたということを御答弁されていました。

 そこで、国有財産の処分についてということで、土地基本法第二条「土地についての公共の福祉優先」という条文がございます。これが今どういうぐあいに変わっているかわかりませんけれども、ちょっと私が入手した中では、この状況について御答弁願えませんでしょうか。

青柳政府参考人 ただいまお尋ねのございました土地基本法は、その二条の中で、「土地は、現在及び将来における国民のための限られた貴重な資源であること、国民の諸活動にとって不可欠の基盤であること、その利用が他の土地の利用と密接な関係を有するものであること、その価値が主として人口及び産業の動向、土地利用の動向、社会資本の整備状況その他の社会的経済的条件により変動するものであること等公共の利害に関係する特性を有していることにかんがみ、土地については、公共の福祉を優先させるものとする。」とあることを指しての御質問だろうというふうに思います。

 このような規定あるいは会計法二十九条などが、いわばそれの裏づけとして、地方公共団体等に随意契約をする場合に例外規定を設けているというふうなことについては、私ども、今回の検討に当たって十分に調べもいたしましたし、吟味もしたつもりでございます。

 しかしながら、今回の年金福祉施設の整理合理化の考え方は、年金資金等への損失の最小化、たびたびこの委員会でも繰り返させていただいておりますが、そういう基本的な考え方に立ちまして、地方自治体への優先譲渡など、あらかじめ譲渡先についての制限を一切設けることなく、不動産鑑定の手法に基づく適正な時価を予定価格として定めた上で、原則一般競争入札により譲渡する、こういう考え方で対応させていただいておりますので、土地基本法のそういった考え方は念頭に置きつつも、この年金福祉施設については、先ほど来繰り返しております、年金資金等への損失の最小化という原則を優先させていただいたというふうに御理解を賜りたいと存じます。

三井委員 そうしますと、これは独立行政法人に出資されるということになりますと、厚生年金福祉施設等は国有財産の取り扱いの適用を受けなくなるのでしょうか。その点が今の御答弁では非常に不明確でありますし、例えばグリーンピアの場合ですと、年金福祉事業団、現在の年金資金運用基金でございますが、これが所有していたにもかかわらず、国有財産の取り扱いに準じた指示が行われていたんですね。

 この法案ではなぜこのような扱いになっていないのか、私は甚だ疑問に思ったわけでございますけれども、もう一度御答弁ください。

青柳政府参考人 グリーンピアの譲渡に当たりましては、平成十二年の際に旧厚生省が譲渡方針を決定いたしまして、これは、あくまでもその施設を有効に活用していただくという観点を基本方針といたしまして、そのためには減額譲渡も行うということを活用しながら、地元の地方公共団体への譲渡を優先してきたという経緯がございます。

 一方、今度の年金福祉施設につきましては、保険料を年金福祉施設等に投入しないということとともに、年金資金等への損失を最小化するという考え方がむしろ基本となる考え方でございまして、そのためには、例外なく廃止、譲渡による整理合理化を進めるということでございます。

 この両者には、そういうことでの事情の違いがございますし、また、正直申し上げまして、グリーンピア等において、価格についてはいわば二の次と受け取られかねないような対応をしたことが、今回、この年金福祉施設を譲渡、売却する場合に当たっては一つの反省になっておったということも偽らざる事実かというふうに存じております。

 なお、最後に国有財産についてのお尋ねがございました。

 国有財産につきましては、必ずこれを例えば地方公共団体等に優先的に売却しなければならないという法的な規制があるわけではなくて、これまで、処分の慣例上そういうことが行われていたということであったというふうに認識をしておりますので、今回の年金福祉施設についての取り扱いが、例えば国有財産の処分についての法令上の問題と矛盾するということはないものと承知をしております。

三井委員 一般競争入札ということでございますけれども、例えば、民間人は今まで国有財産ですと一般競争入札にも参加できない、原則地方自治体あるいは特定医療法人とか、限られた中でしか入札に参加できなかったんですね。だから、今回の場合は非常に緩和されたというのでしょうか。

 先ほどから、最小限に年金の運用の部分、持ち出しを少なくするということはよくわかりますけれども、しかし、ちょっと私はここでやはり矛盾しているなと思うのは、なぜ、先ほど私が申し上げましたように、まだ百五十兆円の運用資金がある、それで、不動産として持っていいものも、売れるときに売れるという柔軟性も持ってもいいんじゃないかなと実は思っているわけでございます。ですから、この点もやはり柔軟的に、機構がお考えになるといったらそれまでかもしれませんが、ぜひ柔軟的なお考えをお示しいただきたいなと思っております。

 そこで、関連しまして、一般競争契約の観点から、三点まとめてお伺いいたします。

 施設を誘致しました地元の自治体あるいは地権者等の意向を無視しているという点も指摘したいんですが、厚生年金施設を設置するに当たって、先ほどからの繰り返しになりますけれども、地方自治体やあるいは地権者が公的施設であるがゆえに誘致を協力してくれた、こういう経緯があります。また、地元の存続希望の強い施設が、午前中にもずっと要請がございましたが、地元の自治体あるいは地権者等の意向も聞くことになっているのではないかな、こういうぐあいに思うわけでございますけれども、施設を誘致した地元自治体や地権者等の意向を無視している点もあるのではないかなと私は思うわけでございます。

 そして、二点目としまして、施設の用途指定等を問わない譲渡である点についてでございます。

 施設の用途指定等を行わずに一般競争契約で施設を譲渡することになると、買い手によって施設をどのように転用してもいいということになるのだと私は思うんですね。例えばこれを、一定の条件をつけるかどうかわかりませんが、風俗営業の施設になったりとか、あるいは暴力団が隠れみのにしてこれを転売する可能性もあるわけですね。この辺の制約というのはやはりきちっとつけるべきだと思います。

 また、雇用についてでございますけれども、一般競争契約になりますと、現在の機能を維持、継続している施設となるということは、全く不安であるわけですね。その中で、やはり職員だとか、あるいはそこで働いている臨時職員、あるいはパートの皆さんが雇用機会を失うというおそれがあると思います。

 地元に大きな影響を及ぼすと思いますし、以上の三点についてお伺いしたいと思います。

    〔委員長退席、宮澤委員長代理着席〕

青柳政府参考人 第一点目、地元の存続要望あるいは設立経緯を踏まえれば、地元あるいは自治体や地権者の意向というものを無視するべきではないのではないだろうかというお尋ねについてでございます。

 この点につきましては、今回の年金の福祉施設の整理合理化というのが、例外なく整理合理化を進めて年金資金等への損失の最小化を図るということが大原則ということになるわけでございますので、この点については広く御理解をいただくように努めてまいらなければならないというふうに考えております。

 したがいまして、実際の譲渡に当たりましては、年金の福祉施設等の地元自治体への優先譲渡などの、あらかじめ譲渡先についての制限を設けるということはなく、不動産鑑定の手法に基づく適正な価格を予定価格として定め、原則一般競争入札により譲渡するということでございますので、これは、例えば地元自治体によく御相談をしながら進めていくというようなことも、午前中、大臣の方からもお答えをさせていただいた部分があるかと存じますけれども、いずれにしろ、関係者の御理解をよく得ながら進めていくということについては、よく機構とも協力しながらやっていくべき話というふうに考えておる次第でございます。

 二点目、譲渡について、ある程度制約を課す必要があるのではないだろうかという御懸念でございました。

 この点につきましては、あくまでも私どもの考え方の大原則は、年金資金等への損失の最小化という観点から、一般競争入札により譲渡するということではございます。

 しかし、その際に、まず配慮しなければいけない施設というのをあらかじめ整理合理化方針で定めさせていただいております。具体的には、地域医療にとって重要な病院、あるいは入居者に配慮すべき有料老人ホーム、こういったものについての機能等に考慮しながら適切に対処するということ。それから、診療所とか健康管理センターなど、地域医療にとって重要な役割を果たしている施設につきましては、その中心的な機能の維持を条件として譲渡を行うということで対応するということは既に御説明したところでございます。

 なお、公序良俗に反する使用等が行われることがないように、これは具体的には、入札参加資格の制限をどのように考えていくかということになろうかと存じますが、こういった点については、今後十分に検討してまいりたいと考えている次第でございます。

 三点目は、雇用についての御懸念であったと存じます。

 年金の福祉施設につきましては、いずれにしろ、年金資金等への損失の最小化ということで私ども今回の整理合理化を進めさせていただかざるを得ないわけでございますが、施設や用地を購入された方がこれをもとに新たな事業をその地域の中で起こされる、その結果、その地域に雇用が創出されるというようなことも十分に私どもは期待も申し上げなければならないだろうというふうに思っております。

 地域における雇用対策としてさまざまな取り組みを従来から進めておりますが、そういった制度を活用できるかどうかというようなことも個々具体的にはよく相談し、またそういった制度の活用といったことを念頭に置きながら進めさせていただきたいと考えております。

三井委員 雇用の問題、特に地域にとっては大変な、今、失業率の高い中で、やはり雇用の問題は真剣に取り組んでいただきたいと思います。

 そこで、今度は大臣にお伺いいたします。

 先般も与党の石崎議員からも、北海道厚生年金会館でございます、きょうは丸谷議員からも質問がございましたが、私がとどめということで、大臣に、何としても、本当に北日本一の大ホールでございますので。大変記念すべきホールでもございますし、北海道の中にあっても大変利用価値のある、利用度の高い、そして設備も完備した施設でございますので、大臣のところには恐らく、私も新聞記事等あれしていますけれども、相当陳情が行っていると思いますけれども、私も地元でございますので、経済効果も出ておりますし、北海道の経済が厳しい中で、ぜひ何としてもこれは存続していただきたい、そういうことを御要望申し上げたいと思っています。(発言する者あり)そうだということで石崎議員もおっしゃっておりますので。丸谷議員はいらっしゃいませんけれども。

 特に、この札幌の年金施設は、出入り業者さんも約百社近くあるんですね。大臣、百社近くあるんですよ、出入り業者さんが。これはやはりこの経済効果というのは大変なものでございまして、ここがもし存続できないということになってしまいますと、札幌の経済にとっても大変な大きい打撃をこうむるということでございますので、最後のとどめで、大臣、ぜひ御答弁をお願いします。

尾辻国務大臣 ただいまのお話は、お話しのようにけさも御質問いただきましたし、また日ごろからいろいろお聞きもいたしておるところでございます。

 申し上げておりますように、地域において長年にわたり住民の皆さんの手で形づくられてきましたさまざまな文化活動というのは、これは本当に地域の貴重な財産であると考えておるところでございます。

 私どもが今お願い申し上げております年金福祉施設の譲渡に当たりましては、これは申し上げておりますように、年金資金等への損失の最小化を図るという考え方にも立ちまして、原則一般競争入札により譲渡することといたしておりますことはぜひ御理解をいただきたいと思います。

 しかしながら、とはいいますけれども、今お話もいただいておりますように、年金福祉施設の持つ文化的価値については、地元の地方自治体とも御相談をいたし、地域の文化の拠点を残したいという意向をどのように反映できるか、検討はさせていただきたいと存じます。

 どうぞ、とどめを刺されるお答えになりませんことをお許しいただきたいと存じます。

三井委員 ぜひ存続については、これはやはり、先ほども私は質問させていただきましたけれども、知恵を出しながら何とかこういういいものは残していこう。何でもかんでもバナナのたたき売りというのは確かによくありません。しかし、言葉は悪いかもしれませんが、腐ったバナナはしようがありません。しかし、生きのいいバナナはきちっと残すとか、そういうような知恵を、私も商人の出ですから、やはりこういうことは考えていただきたいと思うんですね。

 何でもかんでも、年金財源が赤字だから最小限に食いとめたい、その気持ちはわかります。熱意もわかります。ですけれども、やはり残せるものは残して、そしてここで頑張っていただくというのは、各議員の先生方もそうです、地元でいろいろな陳情を受けていられると思います。そういうこともぜひフットワークをきかせていただいて、柔軟性を持っていただきたいということを御要望申し上げたいと思います。

 続きまして、公的病院の売却に関する問題についてお聞きしたいと思います。

 公的病院として必要と考えますならば、現在の公的病院でございますけれども、なぜ売却してわざわざ経営形態を変える必要があるのかということと、それから、売却してまで変える理由は何なのか。

 政府・与党では、厚生年金病院が、小児救急医療の推進、あるいは緩和ケアの病棟、回復リハビリの病棟機能など、公的病院としてもこれらの機能維持が必要であると認識されております。一方で民間に売却することは私は矛盾しているのではないかと思うんですけれども、御答弁願いたいと思います。

西副大臣 お答え申し上げます。

 このたび、厚生年金病院もこの法案のもとで譲渡されるということになりましたが、一般的に、年金福祉施設等の譲渡に当たっては、年金資金等への損失を最小化する、こういう大原則のもとに、一般競争入札ということになっております。

 しかしながら、先ほどからずっと議論がございましたように、厚生年金病院につきましては、地域医療にとっては大変重要な病院としての位置づけがありますし、また、その機能を十分に考えながら適切に対処していきたいという意味では、少し例外的な考え方をとっております。

 このために、厚生年金病院の譲渡に当たりましては、まず、厚生年金病院が公的な医療機関として重要な役割をそれぞれ各地で果たしていただいているという、他の年金福祉施設とは全く異なる性格を有するということでございますので、全くと言うとちょっと語弊がありますが、異なるということで、その公益性を損なうことのないように十分に我々としても検証した上で、適切な方法によって結論を得させていただきたいという考え方を持っているところでございます。

三井委員 そこで、またこれは地元のことになりますが、石崎議員が質問しておりました登別厚生年金病院でございます。

 登別市というのは大変な温泉町でございますね、衛藤副大臣の湯布院と同じように。近隣を入れますと、人口約五万四千人の町なんです。ここに、これは大臣のところにも上野市長さんが陳情に上がったと思いますけれども、約十万四千人の署名が届けられたと思います。

 地元にとっては、平成十四年に国立病院が廃止されたんですね。唯一残っているのがこの厚生年金病院だけなんですよ。この厚生年金病院は、昔から温泉を利用した特に整形外科の病院でございまして、整形さんと言われるぐらい、町になじんだ病院なんですね。

 ここ登別からほかの病院にかかるとなると、約四十分から一時間ぐらいのところにしか行けないので、室蘭ですとか苫小牧ですとか、そういうやはり地域にとっては大変重要な病院、また、観光客も多いところでございます。

 そこにとっては、地域医療計画という中では、やはり地域の皆さんにとって大事な病院を存続させていただきたいということを陳情に来られた中で、ぜひともこれについても、とどめを刺すわけじゃございませんが、大臣からの御答弁をお願いしたいと思います。

尾辻国務大臣 お話しいただきましたように、五月の三十一日に市長さんから、市内唯一の公的な病院として、必要不可欠な病院である旨の存続の要望書もいただいておるところでございます。一方、もう何回もお答え申し上げておりますように、例外なく整理合理化を進めるという基本的な考え方がございます。

 この二つをどうするかということなのでありますけれども、厚生年金病院の整理合理化に当たりましては、厚生年金病院が公的な医療機関として重要な役割を果たしているという他の年金福祉施設とは異なる性格を有しておるということを踏まえまして、これは今も副大臣よりもお答え申し上げたとおりでございまして、そうしたことは十分踏まえなきゃいかぬと思っておりますので、関係する地方公共団体等とも協議の上、地域医療の提供に支障が生じることがないように、もう一度申し上げますけれども、地域医療の提供に支障が生じることがないように対応してまいります。

三井委員 ぜひ本当に、私も余り強い口調では申し上げておりませんが、やはり地域医療、あるいは、札幌の北海道厚生年金会館は単年度で黒字になっているんですね。こういうものをやはり残していただきたい。それと、地域にとって大変大事な病院であるということをぜひ御認識いただきたいと思います。

 そこで、今度は、この施設の売却について、本当に国民のニーズなのか。青柳部長は、国民のニーズ、あるいは社会環境の変化によって売却しなきゃならないと。そういう中で、本当に私は国民の声かということでお聞きしたいと思うんですが、これは衛藤厚生副大臣のところの湯布院の、私どもの米澤委員も御質問していましたけれども、ここはあえて衛藤副大臣に申し上げるまでもなく、約三万三千人の署名が集まっていると聞いておりますし、合わせまして三十一万人ですか、署名が集まっていると聞いております。

 これは、つまり地域住民が公的病院が必要であると望んでいるわけでございます。ことし二月の与党の社会保障政策会議の合意において、医療機能の公益性を損なうことがないように十分検証することが必要だとされています。高度先進医療やあるいは小児救急医療、緩和ケアや回復リハビリ等の機能を行っている中で、病院を売却すれば、これらの機能をすべて失ってしまうということであります。

 大臣は病院の売却について検討すると言っておりますが、検討するまでもなく、こうして寄せられている地元住民や患者団体あるいは地元医師会の病院存続の陳情や存続署名、あるいは地元自治体からの意見書、これこそが私は国民の声だと思っております。

 何をもって厚生労働大臣は施設を売却するということが国民の声だと言っておられるのか、ここをもう一度御説明をお願いいたします。

尾辻国務大臣 昨日、つい、総論賛成、各論反対というような表現を申し上げましたけれども、御地元のお声として今先生が言っておられるようなお声があるということも、よく承知をいたしておるところでございます。

 ただ、一方、大きく国民の皆様のお声というのはどういうものかなというふうにも思うところでございまして、そういうふうに考えますときに、福祉施設事業というものに対しましては、貴重な保険料財源の使い方として極めて厳しい批判がなされました。被保険者が納めた保険料というのは年金給付及び年金給付に関する経費のために充てるべきだという強いお声がございました。私は、そうしたものを国民の声というふうに表現させていただいたところでございまして、やはり大きく見ますと、こうした国民の方々のお声があるというふうに思っておるところでございます。

三井委員 これまでの大臣の御答弁で、身ぎれいにしたいという言葉をたびたび連発されておりましたけれども、私は、揚げ足をとるわけじゃございませんが、身軽にしたいという、最小限に抑えたい、身軽というお言葉が適当かなと思うんです。身ぎれいということでは、多少私は疑問を感じるんです。

 大臣、やはり身軽になりたい、今までの社会保険庁の一連の問題に関していろいろ御苦労されてきた、そういう中で、身ぎれいというよりも、理屈っぽくなりますけれども、やはり身軽にして、そして最小限に食いとめたいと言われた方がいいのかな、こういうぐあいに思っているわけでございます。

 そこで、時間がございませんので、まだ質問がたくさん残っておりますけれども、最後の質問にさせていただきたいんです。

 雇用の問題でございますが、特に、譲渡条件に雇用の確保が明記されていないんですね。特に雇用の条件をつけると譲渡価格が低く抑えられるという理由から、整理合理化計画では明記されていないということでございます。

 ところが、グリーンピアとか労働関係施設の売却については、雇用の条件がついていたんですね。今回、なぜこの独立行政法人については雇用の確保の明記がなされていないのか、一点お尋ねしたい。

 あわせまして、この整理合理化計画の中に雇用問題への配慮が記載されていますけれども、その内容は、見ても非常にあいまいなんですね。一番目に、独立行政法人の雇用の確保については、法案が組織法であり、実態的な内容を法文化できないということと、百余の独立行政法人の例でも条文化されていないということを理由にして、何ら明記されていないということなんです。

 しかしながら、本法案は五年間で施設を売却することを目的とするということでございますから、他の独立行政法人と性格を全く異にしています。その目的から、ハードの施設だけでなく、それに関連する職員の雇用の問題を法案に明記しても、何ら私は問題はないのではないかと思いますけれども、これについての御見解を述べていただきたい。

 それからもう一点です。昭和六十年のこれは国鉄民営化のときでございますけれども、国鉄清算事業団の際も、雇用の確保を法文化した例があるんですね。これについて、どうして今回のこの法案については明文化されていないのかについて、御答弁願いたいと思います。

青柳政府参考人 第一点目のお尋ねでございます、雇用の確保というのを譲渡条件に明記しなかった、されていない理由は何かという点でございます。

 今回の年金・保険福祉施設の整理合理化の基本方針は、何度も繰り返して大変恐縮でございますが、年金資金への損失の最小化ということを第一義の目的としているわけでございますので、雇用の確保を譲渡条件とすることにより、この年金資金への損失の最小化という目的が果たせない場合には、やはり支障が生じるということから、これを譲渡条件とすることは困難であると考えている次第でございます。

 ただ、その点については、施設職員の雇用を、一義的には雇い主である委託先の公益法人の責任というふうに考えておりますが、国と機構とで協力をして、施設の買い受けの方に対して職員の受け入れ等の依頼を行うなど、あとう限りの配慮はしていきたいというふうに考えている次第でございます。

 二点目、これは、機構法案が組織法案であるということから条文上に雇用の確保を明記していない、しかし、これは他の独立行政法人とは事情が違うのではなかろうか、こういうお尋ねでございました。

 独立行政法人の法体系、私ども、個別に全部調べさせていただきましたが、基本的には、この法体系は、制度の基本となる共通の法律事項を定めるいわゆる通則法と、それから、各独立行政法人の名称や目的、あるいは業務等の範囲を定める個別法から成っておりまして、既存の独立行政法人は百九法人ございますが、これらの個別法において雇用への配慮等に関する事項を規定した例はないということは、事実としてまずお伝えをしなければならないだろうというふうに思っております。

 また、三点目として、日本国有鉄道清算事業団法において雇用の配慮ということを明記した例があるではないかというお尋ねがございました。

 この点につきましては、実は、この日本国有鉄道清算事業団法は、事業団の目的そのものが、言ってみれば、職員のうち再就職を必要とする者についての再就職の促進を行うために必要な業務を行うことが事業団の目的そのものでございますので、したがいまして、この法律の目的規定及びこれに基づくところの業務の範囲の中に御指摘のような規定があったということでございまして、これを私どもの機構に置きかえてみますと、機構が固有の業務として行うものに付随して何か雇用の配慮を行うということを行ったのではなくて、むしろ、機構そのものが雇用の確保を目的とするということが業務であればそのようなことは可能であるというふうに置きかえられる問題ではないかと認識をしております。

三井委員 そう言いますと、すべて機構にありということになるわけでございますけれども、しかし、この雇用の問題というのはやはりこれからも、機構が判断することといいつつも、しかし、今私が質問した中で、雇用の問題、あるいは地域の問題、そして、地域で重要視されている問題、あるいは地域医療の問題含めて、ぜひともお考えをいただくように進めていただきたいということを強くお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

宮澤委員長代理 次に、五島正規君。

五島委員 今の三井議員の質問に続けて質問させていただきます。

 私は、この法案が出てきた経過から見て、通常、厚生労働省は、こうもスムーズに問題の処理に当たることは少ないのに、この問題に関してはえらくすいすいと進めているねという感じは持っておりました。しかしながら、率直に言って、この一年来の議論の中においてこういう処理をするということに至った経過については、議会にも責任があるのかなという感じは持っておりました。

 しかし、それにしても、今の青柳さんの話はひど過ぎる。今回、この厚生年金関係の事業に働いている人たち、政治の責任においてこれを廃止すると言っている。廃止する以上、そこに働いている労働者に対して、どのようにその人たちの雇用について考えるのか。当然のことです。まして、厚生労働省がこういうふうな、全く、通常でいうならば彼らは民間ですよ、公務員ではない、その人たちの職場を法律でもって奪った以上、当然、その人たちに対してどのように職業あっせんなりなんなりしていくのか。これは厚労省の義務です。事業団に委託しているという事実はあるにしても、それを廃止させるのは、法律によって厚生労働省がそういうふうにしていくわけですから、それに対して、どのようにこの雇用について配慮するのかを考えるのは当たり前じゃないですか。それを知らないというのは一体どういうことなんだ。

 こういうことを言ってみても、私の時間は少ないので、答弁を求めても時間がむだだとしか思いようがありませんので、後ほど大臣にまとめて答えてもらいます。

 まず、今回の売却措置によって、職員は結果的に解雇されることになる。解雇される以上は、退職金を払わなければならない。先日お伺いしたところによりますと、現在、それぞれ、この厚生事業団の中における退職金の引き当て、それから基金の引き当てをやっておられます。通常解雇で現時点において全員解雇すると、二百九十億の金が要る。これはあくまで通常解雇の場合です、通常退職の場合です。それに対しては、それぞれ、退職金引き当てが百二億、基金の引き当てが五十億足りなくて、その五十億を事業団の他の積立金の中から持っていくということで、どうにか二百九十億の通常解雇に伴うところの退職金はようよう出せるよという話であるということを聞きました。

 これは明らかに、普通の企業でいうならば、企業都合によるところの解雇です。企業都合によるところの解雇であれば、民間であっても退職金の積み増し金が二倍弱ぐらい必要なのは当たり前の話。その分は全然ないわけです。積立金にもない、そして事業団にもない。その金はどこから持ってくるんですか。私は、例の三百億の中にその金が入っているのかと思って聞きましたら、この金は、施設の解体に約二百億要りそうだというふうな話で、入っていないというじゃないですか。そうしますと、恐らくもう二百億以上の金が退職金の積み立てとして不足してくる。二百九十億ぐらいの金が足らなくなってくる。この金はどこから捻出するのか、お答えいただきます。

    〔宮澤委員長代理退席、委員長着席〕

青柳政府参考人 年金福祉施設等に従事する職員につきましては、実質的にも形式的にもそうでありますけれども、それぞれの委託先の公益法人の職員ということになりますので、一義的な雇い主である委託先の法人が責任を持って対処するというのが大原則ということになるわけでございます。

 したがいまして、今、退職金のお尋ねがございまして、財団法人の厚生年金事業振興団の例を引いてのお尋ねでございましたので、振興事業団についてお答えを申し上げますと、仮に全職員が平成十六年三月末をもって退職したと仮定した場合に必要な退職手当は、まず、事業団の本部が本体として積み立てる部分は百二億ということでございますが、これは、議員から御指摘がありましたように、全額、退職引当金として積み立てが行われております。

 また、それ以外に、割り増しがどこまでできるかということで考えますと、この本体部分につきましては、いわば厚生事業団の現金預金等が若干ございますので、これをどうやって、例えば、今の解体云々というほかの用途に充てるかどうかという議論はあろうかと存じますが、まず、現金として三百億からのお金があるということをどう充てていくか。

 そしてまた、事業団がいわば自分の資産として持っておりますその他の、現金以外の資産をどのように活用するかということがまだ今後の可能性としてあろうかと思いますので、これらをどうやって活用していくかということになろうかと思います。

 いずれにいたしましても、もう一点、議員から御指摘のありました、厚生年金基金という形で運用している退職手当負担分百八十八億につきましては、昨今の運用利回りの影響によりまして、全体の積立金に五十億余の不足が生じているということでございます。この点については、厚生年金事業振興団が責任を持って判断すべきものというふうに考えている次第でございます。

五島委員 確かに、百二億三千七百万の積み立てはあります。これは基金と合わせて退職金として必要な二百九十億の中に含まれるものですね。もし百二億三千七百万というお金だけで退職金を払うとしたら、一人平均二百三十万円しか払えません。

 そうではなくて、財団が積み立てている百二億と、厚生年金基金が欠損分としてまだ積み立てができていない五十億を持っていって百八十七億、それを合わせて二百九十億の退職金が払える。二百九十億のお金で六百二十三万の退職金が払えるという話じゃないですか。

 そうすると、これは通常解雇だから、常識的に考えてこれに対して倍近い退職金が要りますねと。これは財団の方でそれだけのお金があるんですか。この出していただいたデータの中には、別に三百億の金がどこかに隠れていたわけですか。そうではないんだと思います。このお金は足りないんでしょう。

 これが、財団自身が、それぞれの経営状況を見て、ここはもう廃止した方が資金運用にとっていいから廃止するというふうに判断されるんなら、委託先の問題だというお話はわかる。今回、十把一からげで廃止しよう、売却、廃止をしようというのであれば、これは財団が決めたことではないんだから、そのことについてどのように手当てをされるのか、お考えを聞いているんです。

青柳政府参考人 確かに、事情ということでいえば、財団が自分から決めたものではないという事情は御指摘のとおりかと存じます。

 しかしながら、委託先の公益法人と国の間の委託契約につきましては、例えば施設を継続的にもう委託をしなくなるという事態をもいわば想定をされている状況の中での委託契約でございまして、その意味では、各財団、委託先の公益法人が、その契約を受ける際にそういったリスクを織り込んで対応するということがこの契約のいわば前提となっているというふうに私ども認識をしておりますので、その限りにおいては、国が負うべき責任というものと財団が負うべき責任というものにはおのずと区別があるのではないかと認識をしている次第でございます。

五島委員 私は、もしそのような立場を国としておとりになるとするならば、私が財団の責任者なら、直ちに裁判を起こします。契約を一方的に廃棄されて、そして従業員に対して必要な退職金も払えないという状況に追い込まれたとするならば、そのような一方的な契約通告に対して私は裁判を起こしますね。なぜ、そういう乱暴な答弁しか用意できないような形でこの話を進めようとしているのか、そのことが私には理解できません。この点も含めて、もう一度後ほど大臣に一括してお答えいただきたいと思います。

 続きまして、今お話ございましたけれども、厚生年金病院の問題です。

 お互いにごまかしの話はやめましょう。厚生年金病院が地域医療の拠点、あるいは政策医療を担っている、一体どこがどこでどういうのを担っているのか、一つずつ点検するならば非常に問題が出てきます。

 しかし、かといって、この七つというか、三つは社会保険の方に、委託先が違うわけですが、当の厚生年金病院、これをばら売りして何ができるか。医療機関として存続させるのなら、医療機関というのはそれなりの公共性を持っているのは事実です。しかし、ばら売りすることによって一体どこがどう変わるのか。これだけの病院を売るとしたら、だれが考えても、資産をまともに計算したら一つの病院が何十億、恐らく四十億から百億ぐらいの間の価格がつくでしょう。そんなもので買うところはどこもない。結局、グリーンピアのときではないけれども、どこかにたたき売りしてまとめて売るしかない。

 厚生年金病院の中において、東京の厚生年金、大阪の厚生年金、あるいは湯布院や登別、それぞれ魅力のある病院です。そのほかの病院についていうと、ちょっと首をかしげるところがたくさんある。しかし、それを一体どういう機能の病院にしていくかという努力をこれまでしてこられなかったんですよね、皆さんが。

 例えば独法国立病院機構をつくったときに、私は、厚生年金病院と国立病院と一緒の独法にしたらどうですか、その中で整理統合したらどうですか、その方がはるかに機能としていいでしょう、医療ネットワークを組むについてもいいでしょうと申し上げましたが、そうはされませんでした。

 今また、厚生年金三病院を入れて、五十二の社会保険庁関係の病院があります。これもいずれ何らかの形でどうするかという結論を出さないといけない。そうだとすると、社会保険病院や厚生年金病院をまとめて一つの病院としてのネットワークを組んでいくのか、それとも、もういっそのこと独法国立病院にこうした病院を全部売る。現在独法の国立病院が百四十あります。約二百の病院にして、その中で統合していって拠点病院にふさわしい病院に変えていく、そういうやり方でもって、本当の意味での政策医療と地域拠点ができるようなやり方もあるわけです。国に売った方が、うまくいけば簿価で売れますよ。民間にたたき売るよりよっぽどいい。なぜそういう知恵を絞られないのか。

 厚生年金病院の中で一番経営状況が悪いのは、私の地元である高知リハビリテーション病院です。私には、あれが単独で経営が成り立つというのは到底考えられない。私自身が医療経営者としても、あの病院を買って単独で経営を成り立たそうなんて無理だと思います。人件費率も、大変な努力をされて、さんざんもめにもめた上でもまだ六十数%、湯布院も同じですが。そういうふうな病院が単独で成り立つはずがないんです。

 しかし、例えば高知には、同じ二次医療圏の中に高知国立病院があります。高知国立病院と統合して、何も建物は動かさなくてもいいんです、高知国立病院の分院としてこのリハビリテーション病院を位置づける。高知国立病院は四百床強の病院の中で約百五十床ぐらいの重心を持っている。そのために、一般ベッドの稼働が非常に少なくて困って、十分な機能が発揮できない。重心や回復リハはこのリハビリテーション病院に統合する。そして、このリハビリテーション病院が持っている一般病床を国立病院へ持っていって本院と分院の関係でやっていけば、まさに国立病院が拠点病院として機能できる。

 そういうところは各地にいっぱいあります。いなくなったけれども、大分でもそうでしょう。別府の国立病院と湯布院と、きちっとした一つの機構の中で提携してやっていけば、あそこの病院の機能あるいは医師の質、そういうものからいえば、間違いなく非常に高度な医療ができるようになる。これをばら売りしてごらんなさい、そのよさが全部なくなるんです。

 厚生労働省も、一方においては医療はネットワークだと言っている。そして、国立病院機構は地域の拠点病院として高度医療を担うんだ、総長も一生懸命おっしゃっている。そういうものとこの話が全然どこにもつながってこない。これはおかしいんじゃないですか。たたき売った方が高く売れるんですか。この機能を持つことによって、国立病院機能を強化することによって、国に一たん買い取ってもらって独法の方にそれを回していく、独法の方は四十年か五十年かかけてそれを支払っていくというシステムをとった方が、実際に売却価格も高くなるんでしょう。なぜそういうふうな知恵を絞った緻密なことをしないのですか。私は、そういうことは当然考えるべきだというふうに思っています。

 ついでに、時間もありませんからもう一つ言っておきます。

 恐らく、近々、労安衛法も議論しなければいけない。労安衛法の中には、大きな問題として地域のそれぞれの産業保健センターの問題が出てくる。まして今の時期、メンタルヘルスや何かでいろいろな労働者の駆け込み寺として、そして大企業も派遣やいろいろ分かれてきて、中小企業と称する事業所がふえてきている中において、そういう人たちが健康診断や健康相談ができる、そういう役割が期待されて産保センターができた。

 だけれども、できている産保センターを見てください。そのほとんどが、九割までが医師会館の中にあります。きょうお見えの皆さん方の中で、医師会館、医師会の中にある診療所に行こうと思う人は何人おられますかね。一番駆け込みにくいところにつくっているんですよ。

 そうであれば、なぜそういうふうな機能、あるいは介護保険にしてもあるいは今審議中の自立支援法にしても、いろいろな形で地域の支援センターや虐待の相談、そういうふうな便利なところに、地域に開かれたそういうふうな施設が必要になってきている。それは国がやるものもあるし市町村がやるのもあるけれども、その場所がまとまっておれば物すごく国民にとって便利だ。そうなら、こういう施設、国によって市町村に貸すなり、ワンフロアは、産保センターの金は労災保険から出ているんだろうと思いますが、そちら側から出してもらうなりして運用することができるじゃないですか。まず国が必要とする施設についてはやっていく。

 私は、北海道の皆さんがおっしゃったり京都の人がおっしゃっていることについてはあえて言いません。高知にもありますが、それを残してくれというふうなことは言わない。言わないけれども、なぜ何もかも、みそもくそも一緒にして袋詰めにして、福袋ではあるまいし、たたき売らないといけないのか。そうすることによって、せっかくの年金を運営してきたものを結局チャラにするじゃないか。国に売れるものは国へ売る、国が買う以上は簿価で買いなさい、そのかわりそれは何年かかけて回収していけばいいじゃないですか、そういうことをやっていくのがやはり大臣の役割ではないかというふうに思います。

 この辺で、大臣、どうお考えか、ひとつ御意見をちょうだいしたいと思います。

尾辻国務大臣 大変多くの御指摘をいただきました。そしてまた、退職金の話などを聞いておりまして、極めて深刻な話だなと思いながら、改めてそう思いながらもお聞きをいたしておりました。

 そこで、思いましたことは、非常に丁寧に丁寧にこの売却は進めていかなきゃいけないなというふうに思うところでございます。ただ、私どもがこれをお願いするに当たって、どうしてもできるだけ高く売りたい、高く売りたいというのは、損失を避けて、また年金の積立金の中に少しでも多くのものをお返ししたいというふうに思っておるものですから、そうした中で高く売りたいということを言ってはおりますけれども、今先生が言われるように、それがたたき売りになるというようなことでは私どもも考えておりませんから、もしまとめる方がよりよくいくのであれば、そして高く売れるという先生の、最終的に高く売れるんじゃないかというようなお話でございますから、そうしたものはよく検討しながら、申し上げましたように、丁寧に丁寧に一つずつ検討しながら売却を進めていくことが必要だというふうに思っております。

 そのためにも、今度独立行政法人にして民間から来ていただくことを考えておりますから、そうした民間の皆さんが持っておられる知見、より高く売るということについても、今先生が御指摘いただいたようなことも含めて、高く売るという民間の皆さんが持っておられる知見があると思いますし、また、そうしたものを十分生かして、重ねて申し上げますが、一つずつ丁寧な売却を進めていきたいと改めて思うところでございます。

五島委員 結局、民間で高く買ってくれるところに売るといえば、場所のいいところ、あるいは非常に安く買えるところ、そういうところが売れていくという話であって、用途について指定をしていけば高くは売れない、これは常識だと思います。

 そういう意味でいえば、できるだけ公共の施設として使えるところに売る。今市町村もそんな金がないから、月賦で売るという方法もあるんでしょう。私は、札幌の人たちがあそこまでおっしゃっているんですから、三十年月賦ぐらいで札幌市へ売ればどうかなと思うんです。帳簿価格で売れるのならその方がいいんだろうと思いますけれども。僕は、国なんかについても、国に買ってもらうということは最も売却損を減らす方法だろうというふうに思っております。

 いずれにいたしましても、もう私の時間もありませんので、大臣からも具体的な御答弁はいただけませんでしたけれども、退職金も足りない、三百億も足らない、その金をもう一回年金から出すの、もうそんなことできないわねと。そうすると労使紛争を引きずりながらがたがたするんですかという話で、そんなところに買い手はつきませんわねという話しかできない。これはもう少しまじめに、深刻に考えて対応していただかなければどうしようもないことだろうと思います。

 そしてまた、さっきからお話ありましたけれども、なぜ独法で、そして施設の解体の二百億も含めて三百億という金で、これも余り根拠のない、解体して売った方が解体せずにそのまま売ったときよりも絶対に得なのかどうなのかというのはケース・バイ・ケースでしょう、そういうこともせずに、なぜ三百億も出して、直接社会保険庁は処理せずに独法をつくらないといけないかどうか。

 いいか悪いかという前に、今自立支援法の議論をしています。自立支援医療という形で、少子化が進んできている中において、育成医療、例えば重度の心疾患を持っている子供さんたちの医療費、これも五%から一〇%に引き上げるという議論。私どもは大変それについては反対しています。だけれども、それによる原資というのは何ぼかというと、たかだか二十億ほどの金。一方で、本当に深刻な問題の話は二十億とかその辺の話、ところが、こういうトンカチが絡んできて何かわけのわからぬ話になってくると、どんぶり勘定で三百億。一体何を議論しているんだろうかと、本当にこの委員会での質疑がむなしくなってしまいます。

 こういうふうな状況について大臣にもう一度お伺いして、私の質問を終わりたいと思います。

尾辻国務大臣 今回、このことをお願いして、そして、この作業が進みますと、最終的には、私どもの試算でも国民の皆様方に一兆円ぐらいの損を与えてしまう、そのことに対する本当に申しわけないという思いでいっぱいであります。

 今お話しのように、支援一つをとりましても、それだけのお金があればどれだけできるんだと言われますと、本当に返す言葉もないところであります。今度のことを深く反省しながらこの作業をいたし、そしてもうこんな、国民の皆様方に損を与えるようなことはこれっきりにしなきゃいけないという思いで、私は今回のことをお願いいたしておるつもりであります。

 したがいまして、深く反省して、今回のお願いをするに当たって、私どもはもう本当にこれを最後にしますと強く申し上げたいと存じます。

五島委員 終わります。

鴨下委員長 次に、園田康博君。

園田(康)委員 民主党の園田康博でございます。

 今、大臣とそれから五島筆頭理事とのやりとりを伺っておりまして、何かもうまとめに入ってしまわれた感じがありまして、私自身が質問をすることがこれ以上あるのかなということを考えているわけでありますけれども、しかしながら、相変わらずといいますか、本当に、いつもながらに大臣のお言葉には、心あふれるといいますかお優しいというか、思いやりのあるお言葉が並べられておりまして、私も本当に大臣には大変恐縮をいたすといいますか、大変おかわいそうな立場であるなという気がいたしておるわけでございます。

 すなわち、思い起こせば、昨年のこの年金審議の中で、本当に積もり積もって国民の怒りというものが爆発をしたという形でありました。しかしながら、それも今の尾辻大臣がつくってきたわけでもないわけですし、その議論をやってきたわけでもないわけでありますけれども、一方ではつくるなと言われて、一方では残せと言われて、それのはざまに立たされているのが今の大臣の心境なのかなという気がいたしております。

 それにしても、官僚的な部長からの答弁しか聞くことができないというのは、私は、一方では大変悔しいといいますか、官僚ですから、官僚的というよりもそれぐらいのお答えしかできないのかもしれないわけでありますけれども、しかしながら、やはりもう少し大臣のような本当に心あふれるといいますか優しいお気持ちを持って、官僚の方々も今回の事例に対して当たっていただければなという思いがいたします。

 そういう意味では、今、三井委員あるいは五島理事からも話がありましたとおり、雇用の面というものは、やはりそこに生身の人間がいらっしゃるわけでありますので、ここで、はい、もう終わりですよ、後は野となれ山となれということでは、私は本当にいかがなものなのかなと。厚生労働をつかさどる所管の官庁の皆さんがそういうことではいけないのではないか、率先してやはり雇用はきちっと守っていくということを、大臣のお言葉からも私はお伺いをしておきたいなという思いがいたします。

 そこで、まず第一点目は、大臣にお伺いをしたいと思うわけでありますけれども、今回のこの議論で、年金資金への損失の最小化ということが目的に掲げられて、一方では国民のさまざまな批判があったわけでありますが、そういった国民の非難に対して、福祉施設を整理する、そして社会保険庁が身ぎれいになるということは信頼回復を旨とするんだというようなお言葉もあったわけでありますけれども、ここは一つ確認をさせていただきたいわけでありますが、今回のこの独法をつくるという法律の本来の趣旨、目的とするところは一体何なのかということを明確にお答えいただきたいと思います。

 あわせて、通告はいたしておりませんでしたけれども、先ほど、雇用を守るという観点から、この一連の流れの中で、今回出された問題の指摘に対して、大臣としては一体どのように取り組んでいくのかということも、あわせて最初にお聞かせをいただければなということを思っております。

尾辻国務大臣 まず最初の御質問でございますけれども、法案の目的に書いてございます、年金資金等への損失を最小化するためというような、この考え方というのはそのとおりでございまして、近年の年金制度等を取り巻く厳しい財政状況、施設を取り巻く社会環境及び国民のニーズの変化等を踏まえという表現を、目的は何だとお聞きいただきますと、お答えを申し上げるところになります。

 ただ、それは法律に目的として書いておるということでございまして、またそれはそのとおりでございますけれども、この法律案を出させていただきました背景ということで申し上げると、そこには、年金制度に対する国民の皆様方の不信とか不安がありますので、それを解消して、大きくは年金への信頼を回復したい、また社会保険庁に対する信頼も回復したいということ、そのことが背景にあるといえばそのとおりでございまして、両面あってこの法案をお願いしておるというふうに御理解いただければと存じます。

園田(康)委員 背景ということでおっしゃっておられたわけでありますけれども、確かにそういう位置づけになるのかなという思いはいたします。

 大臣、少しお聞きしていただければなという思いがしておるんですが、この独法の話が出てきてから、さまざまな部分でやはり混乱を、不安を与えてしまったのは事実ではないのかなという気がいたします。

 例をとりますと、ある病院などは、この法案ができることによって、私たち、すなわちそこで働いていらっしゃる方々が、この病院、なくなるんじゃないか。やはりその病院に働いていらっしゃる方々は、まずそういうふうに思ってしまいますね。例外なくすべて売却をしてしまうんだ、あるいは廃止をしてしまうんだというようなことが、いわゆる先に流れてしまうわけであります。そうしますと、ここで働いていても、この先の自分の行く末、生活も困ってしまう、したがって、では今のうちに、この法律が成立する前にやめてしまおうということで、通算でいきますと、この半年余りの間に、千人近く、ある病院ではやめられたという話を私も聞いております。

 そして、月平均八日ぐらいの夜勤であったわけでありますけれども、人が減ってくれば、当然それを補って、今残っていらっしゃる従業員の方々が、看護師であるとか医師も含めてでありますけれども、そういう方々が穴埋めをしていかなければなりません。そうなりますと、月八日余りであった夜勤が、十一日から十五日にまでふえてしまう。そうしますと、そういったところで過重労働にまた陥ってしまって、本来ならば、サイクルできちっと回っていた医療提供サービスというものが、そこで無理が生じてきてしまった。そうなってくると、この先また不安と混乱が起きてしまえば医療事故も起きかねない、そういう事態にも陥ってしまう危険性があるわけなんですね。

 したがって、やはりそういう無用な混乱というものを私は避けておくべきではないのかなということで、きょう、後で採決をされるようでありますけれども、その賛否につきましては後で御判断があるんだろうと思うわけでありますが、ぜひこの審議中にも大臣から、きちっとこの病院は守っていくんだというようなことも、御答弁で、国民に向かってのメッセージという形でいただければなというふうに思っているわけであります。

 声が大きく上がっているところ、あるいは陳情、さまざまな部分があるんだろうと思います。しかし、そこだけではなくて、もう一緒くたにすべてのものを例外なくやってしまうんだ、廃止あるいは譲渡、あるいはさまざまな形で形を変えていくんだということで言われてしまうと、それですべて、頭の中で単純に考えてしまうのは、やはりこの審議をつぶさに見ていない国民、あるいはニーズ、あるいはそこに至る周りの利用者、地域住民、そういった方々にも大変な影響が起きてしまうわけであります。

 一つ一つ丁寧にというお言葉も先ほどあったわけであります。したがって、大臣にとりましては、そういうお言葉をきちっと踏まえて今後対応していただきたいなというふうに思っているわけでございます。これは御答弁は後ほどで結構でございます。

 それでは、これまでを思い起こしてみますと、昨年のさまざまな議論の中で、国民の御批判あるいはニーズというふうに言われておりましたけれども、そもそもこの批判といいますのは、私は、三百幾つある施設がすべてむだだったというのが決して国民のニーズではなかったというふうに理解はしております。といいますのは、すなわち、あのとき国民の皆さんがしきりにだめだだめだというふうにおっしゃったのは、必要以上なもの、不必要なものをつくってしまったからではなかったのかなと。必要なものはちゃんと必要なものとして、それは理解ができていたと思うんです。必ずしも、私たちも全部が全部、すべてがこれはだめだと言っていたわけではなかったと思うんです。

 したがって、不必要なもの、例えば職員の宿舎はつくる、それは当然住居権を守るわけです、住居が、住む場所がなければだめですから、それはそれでよかったんです。ところが、そこにプラスアルファ、付加価値として何かそこに、ゴルフ練習場がついていたりとか、それに対してまたゴルフボールまでついていたりとか、そういう形で不必要なものまで加算されて、そこに保険料が使われていた。それに対して、そこまで使う必要があったのか、むだ遣いだという形で言われたのではなかったのかなと。

 したがって、つくったものすべてがむだなもの、あるいはけしからぬものであったというふうには私は理解をしていなかったんですけれども、その点はどのように考えていらっしゃるでしょうかということで、まず、国民年金法の七十四条と厚生年金法の七十九条を根拠にして、年金保険料の使い道として、年金給付以外にどのようなものに使われていたのかということをちょっと事務方の方から御説明願います。

青柳政府参考人 これまでに年金の給付費以外に、年金保険料から国民年金法の七十四条あるいは厚生年金法の七十九条等を根拠に、いわば被保険者の福祉の向上を目的として支出されたものの総額ということでございますが、昭和二十年度から平成十五年度までの総額で約五・四兆円となっております。

 その内訳、大きなものを申し上げれば、いわゆるグリーンピア、大規模年金保養基地や、被保険者の住宅融資関係並びに年金資金運用基金の事務費の交付金が約二・三兆円、本日話題になっております年金の福祉施設事業関係が約一・四兆円、被保険者サービスのための年金相談あるいは受給者等の年金給付にかかわるシステム経費等の経費が約一・五兆円、それから、義肢、装具等の支給等に係る委託費関係が約〇・二兆円となっております。

 なお、このほか、国の厳しい財政状況を踏まえまして、平成十年度以降、財政構造改革法を受けて、本来国庫負担とされておりました年金事務費の一部に保険料財源を充てさせていただいております。この特例措置の関係経費が約〇・五兆円。

 したがいまして、これは冒頭申し上げました五・四兆円とは別に〇・五兆円ということになりますので、福祉施設でいえば五・四兆円、それ以外のものも含めれば五・九兆円というのが数字でございます。

園田(康)委員 その中で、やはり先ほども少し触れましたが、福祉施設にかかわるものではない部分で、大変職員の方の、優遇措置ではありませんけれども、そのように使われていたものも一つある面問題になっていたわけであります。

 そういったものも含めて、この福祉施設、今回上げられている福祉施設だけが例外なく整理合理化されるということではなくて、本来、すべてにおいて、そういうふうに例外なくとおっしゃるのであるならば、ほかに使われたそういったさまざまな部分、ここも例外なく処理、整理合理化されるべきであると私は考えるんですが、どうでしょうか。

青柳政府参考人 ただいま申し上げました内訳に即しまして申し上げますと、大規模年金保養基地と年金住宅融資につきましては平成十七年で廃止をするということにしてございます。また、義肢、装具等の支給に係ります委託事業等についても平成十六年度をもって終了させていただいております。一方、年金相談業務等につきましては、被保険者等へのサービスの向上に直接寄与するという観点から、今後とも国民のニーズに応じて適切なサービスの確保を図っていく必要があるというふうに考えております。

 また、福祉施設費ではございませんが、事務費の一部につきましては平成十七年度に徹底的な合理化等を図ったわけでございまして、特にマッサージ機器等健康管理器具等について保険料が充てられていたようなものについては、新たに購入しないということで対応したところでございます。

 いずれにいたしましても、これらのものについては、特にそういった事務費関係のものについては、さきの年金制度改革をめぐる国会審議の中では、社会保険庁の予算執行のあり方が非常に問題があるのじゃないか、特に物品の調達等が非常に不透明ではないか、こういう観点からの御批判をいただいたものと私ども受けとめております。

 コスト感覚の緩みでありますとか予算執行の厳格さへの意識の不十分さ、こういったことが全体の背景としてあったものというふうに反省をしているところでございまして、この点につきましては、既に緊急対応プログラムの中で予算執行の透明性の確保という観点から取り組むこととしておりまして、具体的には、物品の調達に当たりまして調達委員会という形で厳正な審査を行いまして、競争性や透明性の向上を図るとともに、コストの削減に努める。さらに、先ほども御質問の中にございましたように、例えば地方の社会保険事務局等の庁舎の賃貸料についても、これについて削減を図るということで、事務の合理化、効率化を図りまして、経費の節減に努めているところでございます。

園田(康)委員 今お述べいただきましたように、いわば予算執行上の何か不透明な部分があった、そして不必要な部分で使ってしまったということに関して、今後使わないといった話もありましたけれども、その買ってしまった、あるいはつくってしまったものもちゃんと処分をしていかなければいけないと私は思っているわけでありますので、その辺も踏まえて御対応をしっかりと整えていただきたいというふうに思っておるところでございます。

 そして、次の質問に移ってまいりますけれども、この法案が通りますと、私は問題が多くあると考えておりますので、まだこれに関していかがなものかと考えておるわけでありますけれども、仮にこれが通ったとしますと、十月一日からこの独立行政法人整理機構というものが発足をされるわけであります。これよりも以前に、先ほども少し六施設がというふうにお話がありましたけれども、これ以前に譲渡あるいは廃止をされる施設というものがどのぐらいあるのかという質問と同時に、そのうち既に売却されたものはどのぐらいあって、三百幾つあるその施設の中からこの施設を売却するんだ、あるいは廃止をするんだということをだれが選定して、そしてだれが売却をしたのかということをあわせてお答えをいただきたいと思います。

青柳政府参考人 私ども、従前から、継続的に赤字運営ということになってしまうだろうという見込みが立ち、かつ今後の経営見通しが極めて厳しいような施設、あるいは借地上にある施設でありまして建物を解体し土地を所有者に返還する必要がある、こういったような施設につきましては、機構の設立前に、私ども社会保険庁の責任におきまして早急に譲渡または廃止するということで取り組ませていただいております。

 具体的に平成十六年度の実績を申し上げますと、厚生年金の老人ホーム等二十カ所の施設を廃止させていただきました。このうち売却した施設は三施設でございます。

 この売却業務につきましては、当該施設の国有財産としての管理者が地方の社会保険事務局長でございますので、地方社会保険事務局長がこの売却をさせていただきました。

園田(康)委員 そうすると、ではいいんですね、三施設ということで。私がきのういただいた、事前のペーパーでもそうなんですけれども。

 つまり、ここで本来でしたら、僕は、社会保険庁さんよく頑張っているじゃないかというお褒めの言葉を述べようかなと思っておったわけでありますけれども、この中身を見ますと、まず健康保険から、岩手健康保険保養所でございます。それから、厚生年金でサンピアの金ケ崎というところでございますね。それから、共通部分といたしましてはペアーレの今治、この三施設が売却をされたという形であります。

 すなわち、先ほどお話がありましたけれども、それぞれに売却、簿価の価値、資産があって、そしてそれに対する落札額というものがあるわけなんですけれども、岩手の健康保険保養所に関しましては、これは三億四千二百万円に対しまして落札額は四千五百万円ですね。それから、サンピア金ケ崎につきましては、これは十五億に対して一億四千七百万円ですね。割合でいきますとこれが九・七七%で、一割にも満たない価値でしか売れなかったということですね。それから、共通部分のペアーレ今治に関しては、これが九億四千七百万円で、落札額が四億三千七百万円。これは少し回収率がよかったわけでありますけれども、四六・一一%ということで、まあまあ割といい数字も上げているものもあれば、一割以下でしか売却できなかったものもということです。

 しかしながら、やろうと思えばやれるはずでありますし、社会保険庁の中には施設管理室というのがあって、そこで十五人ほどの職員の方がこの全国の管理室を行っているというふうに聞いておるわけでありますけれども、やる気になればこの方々だけでもこの施設をきちっと売却するという形に持っていけるのではないのかなと。国がちゃんと責任を持って、自分たちでつくったものであるならば自分たちできちっとこれを責任を持って処分していくということを行うべきではないのかなと私は思っているわけなんです。

 そして、この三施設の収支状況を見ますと、そんなに赤字というわけではない、むしろペアーレ今治さんなどは昨年度は黒字を計上しているわけでありますですよ。そういった中を、いち早くこの三施設をぱんぱんと譲渡してしまった理由が何かほかにあるのかなというふうにお伺いをしたいわけなんですけれども、もしお答えができるものであればお答えをしていただきたいと思います。

青柳政府参考人 先ほどもお答えをいたしましたが、売却したのが三施設でございまして、実は、十六年度に廃止をいたしました施設が二十ございました。したがいまして、二十の中からやっと三つが売れたというふうに御理解をいただければと思います。

園田(康)委員 いや、それは結構なんです。だけれども、ちゃんと三施設は売ることができたということでありますですね。しかも、それは社会保険庁の責任をもって、国の責任でもってきちっと売却をすることができたということと私は理解をしているんですけれども、いかがでしょうか。

青柳政府参考人 これは、言ってみれば、一つずつそういう形で時間をかけて売却をするということが許されるのであれば、私どもの力でもある程度売却が可能というのは御指摘のとおりかと存じます。

 ただ、今回お願いしております年金福祉施設の整理合理化に当たりましては、三百を超える施設を五年間という限られた期間の中で売却していくという一つの制約条件が課せられておりますので、これを専門的な知識もない私どもでこなしていくことはなかなかに困難であろうということから、今回この法案のお願いをしているということで御理解を賜りたいと存じます。

園田(康)委員 先ほどもちょっと議論になりかけたわけなんですけれども、ごめんなさい、これは質問通告にはなかったんですが、今のお言葉の中で、五年間という期限が切られているというふうにおっしゃっておられたわけなんですけれども、それを切られたのは社会保険庁さん御自身であるわけですし、先ほど、なぜそれじゃ五年間なんだ、ここを少し追及してみたいんだという御意見もありました。

 すなわち、これは、ある種だらだらと、長々とやっていたのでは、またさらに国民からの御批判も受けるかもしれない、しかしながら、たった一年、二年という期限でたたき売ってもいけない、その中で五年ぐらいが適当であろうということだろうなというふうに想像はしているわけなんですけれども、だからといって、五年間期限が限られているということをもって、それが国で売ることはできないんだという理由には私はならないんじゃないかなと思っているところでありまして、本来ならばもう少しこの辺をお願いしておきたいと思うわけであります。次の質問に移らせていただきますが、どうかそう焦らないでいただければなという気がいたします。

 そして、先ほども議論になっておりました厚生年金病院についてであります。

 今回、十施設の譲渡については、病院機能の公益性を損なうことがないよう十分に検証した上で、適切な方法によって結論を得るというふうにおっしゃっておられるわけであります。まず、この適切な方法というのは何を意味しているのでしょうか。

青柳政府参考人 厚生年金病院につきましては、地域医療にとって重要な役割を果たしているということで、この譲渡に際しましては、本年の二月二十五日の与党の合意事項におきましても、「病院機能の公益性を損なうことがないよう十分に検証した上で、適切な方法によって結論を得るべき」とされております。この考え方に基づきまして、私ども、整理合理化を進めていくということにしたいと考えております。

 その際、地域医療を維持していく上で必要なさまざまな機能につきまして、地方公共団体に確認をしたり、あるいは協議をするということが必要になってこようかと思いますので、適切な方法、その具体的内容につきましては、それぞれの病院がそれぞれの地域においてどのような役割を果たしているかといったような、個々の状況に応じて判断をしていくことが必要ではないかと現時点では考えております。

 いずれにいたしましても、具体的な進め方につきましては、この厚生年金病院に係る整理合理化計画を十七年度中に策定するというふうに考えておりますので、この過程において十分に検討してまいりたいと考えております。

園田(康)委員 そして、その一方で、「社会保険病院の在り方の見直しについて」ということで、平成十四年十二月二十五日で出された健康保険法の一部改正案の中で、三年で社会保険病院については見直しをしていくんだということが言われておるわけでありまして、三年という経過措置の期限が切られているわけであります。

 その中で、「社会保険病院の整理合理化計画の策定」といたしまして、まず第一番目「単独で経営自立ができる病院」、そして二番目といたしまして「単独での経営自立は困難であるが地域医療にとって重要な病院」、そして三番目といたしまして「その他の病院」というふうに書かれているわけであります。この一、二、三という形の基準的な部分、合理化計画の策定としてこの三つが掲げられているわけなんですけれども、どうしてこういった三つの基準、メルクマールというものが出されたのか、そして、その考え方と趣旨というものもあわせて聞かせていただきたいわけであります。

青柳政府参考人 社会保険病院の整理合理化につきましては、ただいま御指摘もございましたが、平成十四年の十二月二十五日に私どもが方針として定めました「社会保険病院の在り方の見直しについて」というところに基づきまして、最終的には平成十八年度に整理合理化計画をつくるということで、委員御指摘ございましたように、三年間かけてこれを三つのジャンルに分類するということを今進めておるわけでございます。

 あくまでもこれは、この社会保険病院が経営改善をやった結果として、どういうように将来的な経営の姿が導けるかということを見きわめるための期間ということでございますので、単独で経営自立できる病院というのは比較的メルクマールとしては立てやすいと思うわけでございますが、単独での自立は困難であるが地域医療にとって重要な病院というのは具体的にどういうことかということでございまして、例えば、地域における医療機関の状況の中でどうしてもその医療機関の必要性があるというようなことが例えば一つのメルクマールになるかと。あるいは、地域に他にも医療機関があるけれどもお互いに役割連携をしているようなケースについてもこれを考慮していく必要があるのではないかと現時点では考えております。

 また、三点目のその他の病院ということでございますけれども、これは一点目の経営自立のいわば裏返しみたいな概念にもなろうかと思うわけでございますが、具体的には、今後は政管健保についても保険料をこういった病院等の施設整備には投入しないということでやっておるわけでございますから、建物の更新費用等を積み立てた上で、その後の単年度の収支が黒字でなければなかなか経営自立とは言いがたいのではないかというようなことを現時点では念頭に置いておりますけれども、さらにこれは検討を深めていきたいというふうに考えております。

 なお、この三つの分類については、単にこの三つに分類するだけではなくて、十八年度以降、どのような経営形態でこの社会保険病院というのを運営していくかということについても十分にあわせて検討しなければならないと考えておりますし、また、その検討の結果として、その移行の形、あるいは統合の必要性、あるいは移譲、売却等の必要性というのを十分に検討した上で、整理合理化計画を取りまとめるに当たりまして、各病院の経営改善計画あるいはそういった収支の状況、地域医療における貢献度合いなどを総合的に評価して、最終的な整理をしたいというふうに考えております。

園田(康)委員 そうしますと、ことしの五月三十一日に出されました社会保険庁改革のあり方の最終とりまとめの中で、社会保険庁の在り方に関する有識者会議というものがありまして、その中の二番目の事項で、「政管健保の運営主体について」という項目がございます。

 その政管健保につきましては、「被用者保険の最後の受け皿として、安定した財政運営が図られる規模であること」、そして、保健事業の拡充などによって、医療費適正化や被保険者に対する情報提供等の保険者機能を十分に発揮すること、そして三番、「都道府県単位での財政運営及び地域での医療費を反映した保険料率の設定がなされるよう、各都道府県単位で一定の自立性を有すること等が求められる。」というふうになっておりますね。次ですけれども、「そこで、国とは切り離された全国単位の公法人を保険者として設立し、財政運営は都道府県単位を基本として、「保険給付」、「保健事業」、「保険料設定」等の事務を実施させることが適切である。」となっているわけであります。

 すなわち、全国単位の公法人という形で保険者を設定して、そして、保険給付あるいは保健事業等々の事業については都道府県単位で行っていくことが適切であるという指摘を受けていらっしゃるわけであります。

 したがって、この社会保険病院の考え方というものは、私は厚生年金病院のあり方にもすぐさま直結する形で考えていくものではないのかなと。

 すなわち、これは大臣に対する一つの御提言という形でお聞き入れをいただきたいわけでありますけれども、何が何でもしゃくし定規で、厚生年金病院は、ほかの福祉施設と一緒で、売り払ってしまう、あるいは処分をするという形で行うのではなくて、一方では社会保険病院のきちっとした有識者会議にのっとってこういう提言がなされて、そして、一つにはこの基準に従って今後行っていきましょうという形が言われているわけであります。この考え方を、当然のごとく、私は、確かにもともとの質では違う病院ではありますけれども、ただし、地域医療の中核という面からいえば、あるいは貢献度という面からいえば、それは変わらない話、どの病院も変わらないわけでありますから、したがって、そういう形から処分をしていくということではなくて、ぜひ、この社会保険病院の考え方、整理のあり方というものも、厚生年金病院のあり方という中にきちっと取り入れて考えていく必要があるのではないかというふうに考えるわけなんです。

 その中の一つのポイントとしては、公的な位置づけというもの、やはりこの売却、あるいは、先ほど少し国が買い取るべきだという話もありました。すなわち、これは何を意味しているかといいますと、厚生年金病院あるいは社会保険病院については公的機関という位置づけが必要になってくるのではないかということでありますけれども、大臣、その辺はいかがでしょうか。ちょっとこれは質問通告にありませんけれども、こういう考え方もあるんだということでございます。

尾辻国務大臣 今まで厚生年金病院などが果たしてまいりました公的病院としての役割、これは非常に大事なものでございますし、そしてまた、私どもは、こうした機能は今後とも引き続きその機能を果たしてほしいというふうに、当然のこととして考えておるところでございます。したがって、売却するとしても、そうした機能が維持できるようにという配慮は最大限しなきゃいかぬと考えております。

 厚生年金病院をどうするかという基本方針も、また私ども十七年中にということで定めることとしておるわけでもございますから、そうした中で、今の先生のお考えなどというのもまた参考にさせていただきながら、今後検討させていただきたいと存じます。

園田(康)委員 ありがとうございます。

 ぜひ、一律な基準でぶった切るということではなくて、この中でも厚生労働省から示されている意見だけではなくて、ほかのそういった切り口も持って取りかかってほしいということを申し上げておきたいと思います。

 残り時間、ちょっと少なくなってきたんですが、あわせて、この病院関係につきましてはもう一つだけお伺いしておきたいと思います。

 厚生年金病院と密接に関連するものとして、病院と在宅のいわゆる中間施設的な位置づけを持った、リハビリの機能を持った、あるいは生活指導や栄養指導を持った保養ホームというものがあるわけでありますけれども、これは全国で四つあるわけでありまして、そのうちの三つが、湯河原、玉造、湯布院。これは、先ほど申し上げた厚生年金病院に付随した形で建設をされているものであるというふうに私も理解をしているところでございますけれども、やはりこの厚生労働省の基準でいきますと、厚生年金病院につきましては、十分に検証した上で、病院の機能の公益性を損なうことがないようにということでおっしゃっておられるわけではございますけれども、この保養ホームにつきましては、施設の中心的な機能の維持を条件としたところまではいいんですが、一般競争入札という形で、この扱いが大きく変わっているんですね、病院と保養ホームと。

 したがって、私から言わせれば、やはり厚生年金病院、病院の位置づけとしてこの保養ホームというものも考えていかなければいけないのではないかというふうに思うわけでありますけれども、その点はいかがでしょうか。

青柳政府参考人 年金の福祉施設につきましては、いずれにいたしましても、年金の保険料を今後福祉施設に投入しないということとあわせまして、年金資金への損失の最小化を図るということを基本原則ということで、その整理合理化に取り組ませていただいております。

 ただいまお尋ねがございました厚生年金の保養ホームにつきましては、長期にわたる患者へのリハビリテーションあるいは生活指導等を行う施設ということで、大きな役割を果たしておるものと承知をしておりますが、病院と一体のものという位置づけでは医療法上もないというふうに認識をしております。

 しかしながら、地域の保健医療に貢献している施設であるということには紛れもございませんので、その譲渡に当たりましては、委員からも御指摘ございましたように、施設の中心的な機能の維持を条件として、一般競争入札によるということで譲渡を図りたいと考えております。したがいまして、保養ホームが地域において果たしている必要な機能というものは、何とか維持がされるものではないかというふうに考えております。

園田(康)委員 ぜひ、個別に対応というのも一つ考えとしてはあるのかもしれませんが、やはり地域的な部分で、グループということではありませんけれども、地域的な面で見ていただいて、その上で、どこが譲渡あるいは売却がいいのかということも考えて行っていただければなというふうに思っております。

 そして、もう時間がなくなってきましたので、ちょっと中間を、質問としては用意をさせていただきましたけれども、少し最後の部分に飛ばせていただきたいと思います。

 昨年の年金審議の中で、私も坂口前大臣に言わせていただいたことがございました。先ほど尾辻大臣も、今回、法の目的が、いわゆる背景としては国民からの信頼を取り戻さなければいけないということがあって、だけれども、お金をやはりむだに使ってはいけないんだ、そして、何とか回収をしていくんだというようなお話がありました。損失の最小化を図っていくんだということをおっしゃっておられました。

 それでいきますと、では、私も昨年御指摘をさせていただいたんですが、厚生保険の特別会計のうち、業務勘定で、御承知のとおり、特別保健福祉事業という形で一兆五千億が厚生年金保険の年金勘定からこちらに繰り入れがされているわけなんですね。

 したがって、私としては、お金がないない、ないないということであるならば、この一兆五千億というお金、これをきちっとやはりもとの場所に返すべきであるというふうに考えるわけなんですけれども、そのことも踏まえて、拠出金負担助成事業あるいは特別事業助成事業という形で二点行われているわけなんですが、この逼迫性というものは一体どの程度なものであるのかということも踏まえて、ちょっと西副大臣、お答えをいただきたいと思っています。

西副大臣 お答えをいたします。

 特別保健福祉事業資金といいますのは、厚生保険特別会計の中で、いわば業務勘定でございますが、一般会計から繰入金をもとにして、平成元年に設けられた資金でございまして、一兆五千億、先生のおっしゃるとおりでございます。その運用益を用いまして、医療保険の被用者保険が負担する老人医療費の拠出金の軽減など、老人保健制度の基盤の安定化を図るために使っているものでございます。

 御指摘のように二点ございまして、拠出金負担助成事業、これは、被用者保険の保険者の老人保健拠出金の負担に対して助成を行っているもの、十七年度で四十七億円。特別事業助成事業、これがもう一つでございまして、これは、被用者保険の保険者が行う老人医療費の適正化に関する事業、いわゆるヘルス事業、健康増進の事業、十七年度で四十三億円。この二種類、合計約九十億円ということになっているところでございます。

園田(康)委員 その運用益九十億円、当初は九百億円近くあったわけでありますけれども、これが年々の運用利率に関して減ってきてしまって、もう九十億円しかない。そうなってくると、私は、この業務勘定の意味そのものが体をなしていないんじゃないかなという気がいたしております。

 昨年、坂口前大臣は、早ければ十七年、ことしでありますけれども、遅くても十八年には国会に案を提示いたしますということをお約束していただいたというふうに私は受け取っているわけなんですが、今後、この業務勘定の廃止といいますか、厚生年金への返却ということも踏まえて、この医療制度の考え方をぜひとも大臣から、決意も踏まえてお答えをいただいて、私の質問を終わりたいと思います。

尾辻国務大臣 たしか昨年の四月だったと思いますが、先生が坂口前大臣にお尋ねになって、お答え申し上げております。

 改めてまたお答え申し上げますけれども、この今の資金のあり方というのは老人保健制度のあり方と不可分でありますので、したがいまして、今、来年の通常国会に高齢者医療制度の創設を含む医療保険制度改革のための法案を提出いたしたいと思いますので、その際にこのこともあわせてというふうに考えておるところでございまして、できるだけ早期に返済することを検討したいと存じます。

園田(康)委員 ありがとうございました。

 ぜひ利子もつけてお返しをいただきたいと思うことをお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

鴨下委員長 次に、山口富男君。

山口(富)委員 日本共産党の山口富男です。

 今回の法案は、私は二回目の質疑になりますけれども、年金行政や社会保険庁に対する批判にこたえるという名のもとに、国民生活にとっても地域にとっても大事な財産であるさまざまな社会福祉施設を一律に売り払ってしまおうという重大な法案です。

 これが実施に移されますと、厚生労働省自身が掲げております、医療分野でいえば健診や予防の問題、それから小児救急やリハビリ医療の問題、さまざまな問題と逆行する事態が生まれてしまう。しかも、大臣は私の質問に対して、この方向に行きますと国民の皆さんに申しわけないことになるというところまでお認めになりました。

 問題は、やはり、長年にわたってつくってきた私たちの財産を売り払うというわけですから、それが一体どういう状態に今置かれているのか、本当に真剣に、お互い立場は違いますけれども、そこに根差した議論をしなければ、それこそ質疑自体が国民に対して申しわけないことになるということだと思うんです。

 きょうは私、大臣に、厚生年金病院をめぐる問題と老人ホームの二つの問題を中心にして話してまいりたいと思うんです。

 先日、私、東京の厚生年金病院をお訪ねしまして病院長と懇談し、また、施設を拝見してまいりました。そのときに、きょう理事会の了解を得まして皆さんにお届けしました資料なんですけれども、今問題になっております全国の厚生年金の十の病院のそれぞれが各地域においてどういう役割を果たしているのかということをまとめた一覧表をいただきました。皆さんのお手元にも今届いていると思います。

 きょうも質疑で大分紹介されておりますが、例えば北海道の登別厚生年金病院、二百四十二床、ここでは、「登別市内唯一の公的病院として、また総合リハビリテーション承認施設として、地域の自治体等から強く存続を求められている。」というふうにあります。東北厚生年金病院、五百床です。「宮城県のみならず東北地方の基幹病院の一つである。病診連携を推進し、登録施設が二百を超える。救急告示病院、災害拠点病院として地域の救急医療を担っている。」それからまた、高知の厚生年金高知リハビリテーション病院では、「地域の公的病院では最も多くの人工透析を行っている。理学療法士等、人工透析従事者の研修指定病院である。」こういうことが、十の病院ごとにずっと書かれております。

 これを見まして、それぞれの病院が、つくられてから大体もう四十年、五十年たちますけれども、やはり地域の中でかけがえのない役割を果たしてきたんだなということを改めて痛感いたしました。

 もともとこの厚生年金病院というのは、厚生年金法第七十九条で、被保険者、受給権者の福祉を増進することを目的にしています。しかも、地域に根差しておりますから、多少のでこぼこはあったといたしましても、一番直近の例では全部黒字なんですね。

 私は、大臣にまずお尋ねしたいんですけれども、こうやって十の病院の現状を見ますと、いずれも本来厚生年金病院に求められている仕事を担っている、その努力を尽くしている、そういうふうに見ていいんじゃないでしょうか。大臣はどういうふうにお考えになりますか。

    〔委員長退席、宮澤委員長代理着席〕

尾辻国務大臣 今お話しいただいたことを繰り返すことになりますので、改めてとも思いますけれども、申し上げますと、厚生年金病院は、厚生年金保険法第七十九条の規定に基づき、保険者が行う福祉施設の一環として、疾病や事故により身体に障害を生じた被保険者等を対象に高度の整形外科療養やリハビリテーションを行い、職場への早期復帰を図ることを目的として設置されたものでございまして、地域医療において重要な機能や役割を果たしてきたものと認識をしております。

山口(富)委員 そういう認識をしていらっしゃるなら、今の厚生年金病院の果たしている役割から出発すれば、これを売却していいという理由はどこからも出てこないじゃないですか。

 私は、これをもう少し具体的に見てみたいと思うんです。

 東京厚生年金病院を訪ねたわけですけれども、ここは一九五二年につくられて、病床数五百二十です。非常に大きな病院になっています。東京の新宿ですから、都心です。温水の施設もありまして、一種のプールですね、水を使っての治療もできますし、体育館もある、総合的な高度なリハビリ施設を持っておりまして、発症期の急性期から回復期まで一貫したリハビリの体制ができる。しかも、感心いたしましたのは、医療機関の連携が大変密になっておりまして、紹介率が五一・三%なんですね。

 それで、後ほど大臣にもお届けしたいと思うんですが、この病院がつくりました、地域からどれだけの患者さんを紹介を受けているかという一覧表があるんです。わざわざ手書きでつくられた、見事なものだと思ったんですけれども、これを見ますと、例えば千葉でも、松戸、市川、浦安とか、全部入っているんですね。東京だけでなくて、首都圏の千葉、埼玉、神奈川、こういうところを含み込んだ拠点病院になっております。

 しかも、今、厚労省が介護問題を重視しておりますが、その中で、高齢者の場合、転倒、転んでしまうことが介護状態に陥る大きな理由の一つになっています。この病院は全国に先駆けまして転倒予防教室というのをつくって、自分の病院だけで自己完結するんじゃなくて、スタッフを育てて全国に出張してその教室をやっているんですよ。私はその教室も拝見してまいりました。それから、つけ加えますと、小児救急などのいわゆる不採算と言われる部門でも力を発揮しているようです。

 こうした取り組みの結果、厚労省も出資しております日本医療機能評価機構というのがあるんですけれども、ここがやりました病院評価で全国最高点の評価を得た。雑誌の日経メディカルが「良い病院ランキング」というのを発表しておりますが、これの全国第一位なんですね。

 大臣にお尋ねしたいんですけれども、私は、こういう厚生年金の病院が全国第一位の評価を得ているということは非常に大事な、厚生労働行政の側から見ても大事な経験だと思うんですけれども、こうした専門医療分野、それから地域の医療の分野で果たしている役割というのはとても一朝一夕にはできないと思うんですね。そういうものとして今の東京厚生年金病院の位置づけがあるというふうに私は思うんですが、大臣はどうお考えですか。

尾辻国務大臣 今のお話のことでいいますと、私も全くそのとおりに思いますというお答えになります。

 今言われたようなことを繰り返し申し上げることはもはや避けますけれども、また、お使いになった言葉で言いましても、そうした評価という、特に「良い病院ランキング」一位になるなんというのがまさに一朝一夕でできるものじゃありませんから、長い間の積み重ねでそういう評価を得られておるということに改めて、私が厚生年金病院に対してそういう表現を使うのはいかがかとも思いますが、敬意を表させてもらいたいなというふうに思います。

山口(富)委員 冒頭で、十の病院の地域で果たしている役割を紹介いたしました。それから、今また東京厚生年金病院について触れましたけれども、大臣は、これはやはり歴史的につくられてきたものだということで評価されました。

 では、改めてお聞きしますけれども、一体、売却する理由がその現状から出てくるんですか。全く出てこないじゃないですか。それこそ、政府側の年金行政の問題、社会保険庁への厳しい批判の問題、そこから生まれてきている理由であって、今の病院に何の責任もないんじゃないですか。この病院の関係者や利用している患者さん、それから広く国民の皆さんに、なぜ十もの厚生年金病院を売却しなきゃいけないのか、その理由を示していただきたい。

尾辻国務大臣 そこが、私が国民の方々のお声だというふうに私は判断していますと申し上げておるところでございます。

 例外なく福祉施設を売却しろというお声、これは極めて強いものがございましたし、今日なお強いものがあると私は判断をいたしております。

 率直に申し上げた方がいいと思いますから申し上げるんですが、この話が出ましたときに、私は、例外なく全部福祉施設を売却すべしという御意見に対して、そういう御議論が随分ありましたから、厚生年金病院も含むんでしょうかねと言ったこともあります。ただ、私がそう言った相手の方はお一人じゃなくて、かなりの方がそうだというふうに、私のそういう問いかけに対して言われたことも事実でございまして、ずっとそうした皆さん方の御意見を伺ってきた積み重ねで、私は、やはりここはもう例外なく、社会保険庁が持っている福祉施設と言われるものは売却しなきゃいかぬのだな、これが国民の皆さん方のお声なんだなというふうに判断してまいったところでございます。

山口(富)委員 この問題は前回の質疑でも私が指摘いたしましたけれども、その大臣の物の見方が間違っているんです。だって、国民の中には例外なしに厚生年金病院を売り払ってくれなんという声は全くありませんよ。一体、この病院にかかわる自治体で一つでも売り払ってくれという決議を上げたところがありますか。一つもありませんよ。私は、大臣は厚生労働行政の責任者なんだから、やはりまずその出発点の認識の誤りを正してもらわなければ、それこそ国民の皆さんに対して済まないことになると思うんです。

 私がこの点で改めて感じますのは、ここできょう十の病院を上げましたけれども、皆さん、この病院の地域における役割を見ていただきたいんですが、共通して出てくる言葉があります。それはリハビリという言葉なんです、リハビリテーション。

 なぜこれが十の病院全部に共通しているかというと、これは、私、前々回、森岡政務官の発言の問題をめぐって議論いたしましたが、戦後の厚生労働行政が、今は余りこの言葉は使いませんが、傷ついた兵士たち、私たちが子供のころは傷痍軍人と呼ばれましたけれども、その方たちの、負傷した兵士、旧日本兵のリハビリのために国がつくったわけですね。ですから、あるところは温泉に近いところにつくりましたし、今でも医療分野の研究で、リハビリ医療ではやはり国の厚生年金病院というのが非常に先駆的な役割を果たしてきたというのはもう間違いないと思うんです。

 幾つか例を挙げてみますけれども、例えば大分の湯布院厚生年金病院、ここに書いてありますが、高度医療と滞在型の温泉療養施設が連携して、総合的なリハビリテーションを提供している。ほかにも例を見ない貴重な医療保養施設で、そのために湯布院では人口一万二千人の方の四倍以上の存続を求める、これは廃止じゃありませんよ、存続を求める署名が集まっている。

 それからまた、神奈川の湯河原厚生年金病院、これは私が子供時代の話になりますけれども、私は、おばがこの病院の当時婦長をやっておりまして、おじが技師をやっていたものですから、本当に小さいときからよく通ったんです。そこで初めてスロープという言葉も知ったし、リハビリという言葉も湯河原で初めて知ったんです。この病院は、首都圏を中心として、呼吸器疾患の温泉リハビリ施設としては非常に大事な役割を果たしていると聞いております。

 また、島根県の玉造厚生年金病院、私は初め聞いたときに、玉造と聞いたものですから、大阪かと思って、意見を寄せられた方に怒られちゃったんですけれども、島根県の病院ですが、人工関節手術では西日本有数の高度医療施設である。ここでも地元自治体からの存続の意見書が出ている。

 大臣は先ほど、多くの声は売ったらどうだという声だという話でしたが、少なくとも今挙げたような病院をめぐっては、周りの自治体からはいずれも存続、続けてくれという声が出ております。その幾つかは大臣も直接聞いているというのがきょうの質疑でも明らかになりましたけれども、大臣はこういう存続してくれという要望にどうこたえるつもりなんですか。

尾辻国務大臣 先ほど率直に申し上げますというふうに申し上げました。私も厚生年金病院の歴史も承知はいたしておるつもりでございます。

 先ほど部長が園田先生へのお答えの中で、義肢、装具等の支給に係る委託事業ももうやめますというようなことを言いましたけれども、厚生年金病院の歴史の中で、こうしたことも厚生年金病院にやってきていただいたわけでございます。

 そうしたこともよく承知をいたしておりましたから、申し上げましたように、去年、例外なくという話が出ましたときに、先ほどのことをもう一回申し上げますけれども、私は厚生年金病院も例外なくですかと随分、正直に言いまして、言った一人であります。しかし、皆さん方のお声というのは、私の聞きました皆さん方のお声というのは、例外なくだと、厚生年金病院も含んで例外なくだというふうに私には聞こえたわけであります。聞こえたわけでありますというか、私はそれが多くの皆さん方のお声だったと理解をいたしまして、私がやるべきことは国民の皆さん方のお声にきっちりおこたえするのが仕事だと思い、この作業を進めてきたということでございます。

山口(富)委員 この話は、繰り返しになりますが、私が尋ねたのは、この病院のある地域からは、かけがえのない財産だ、これを存続させてほしいという声が上がっている、これに対してどう大臣はこたえられるのかという点を尋ねております。

尾辻国務大臣 そういうお声はよく承知を当然いたしております。これも先ほど来お答え申し上げておるとおりであります。

 地域の皆さん方のお声と多くの国民の皆さん方のお声、これを私もよくお聞きして、どちらのお声というのが多くの国民の皆さん方のお声なのかなということを私なりに判断しなきゃいかぬというふうに思いまして、今日までそのことを思いながら判断をさせていただいたということでございます。あるいは直接先生の御質問にお答えしていないのかもしれませんが、総論と各論という言い方をきのうから申し上げておりますが、やはり総論どちらが、総論といいますか、多くの皆さん方のお声がいずこにあるかということで私は判断をさせていただいたところでございます。

山口(富)委員 総論、各論ではこれはありません。出発点で大臣が、私は大臣にかわることができませんから一体どなたの声をお聞きになったのかはわかりませんけれども、多数の声が廃止の方向にあるというのは私は全く違うと思っているんです。大体、実情からいきましても、前回の質疑でも明らかにしましたが、三百二十八ある施設の七六%あるいは七七%は黒字なんですよ。それを三百億円かけて売り払うというんだから、私は、今の実態からいっても、本当に道理がないやり方だと思うんです。

 それで、きょうは医政局長にお越し願ったので尋ねておきたいと思うんですけれども、病院関係者が今大変心配しているのは、民間に売り払われた場合に、いわゆる不採算の部門がどうなってしまうのかというのは本当に深刻に出されております。

 例えば、九州厚生年金病院でいきますと、小児救急、産科救急を含めて北九州市全体の救急医療を担っている。ですから、地元からは、ここが民間に売却されると地域医療の混乱は必至だという声が上がっています。それから、大阪厚生年金病院、ここは大阪市の中核病院の一つとして、救急の二十四時間対応なんですね。ここでも小児救急の二十四時間対応をやっているんですが、非常に少ないんだと。大都市圏ではこれは今でも問題になっております。

 それで、小児救急の問題でいきますと、最近の厚労省の発表を見ましても、次の担い手をつくることにも皆さんなかなか苦労されているようなんですが、今あるこういう小児救急で大事な役割を果たしている病院が売り払われてしまう。

 しかし、医政局長に確認しておきたいんですが、この小児救急のような分野というのは、本来、公的な病院が率先して担うべき分野ではないのですか。

岩尾政府参考人 救急医療、特に小児救急は、地域住民が安心して生活する基盤でございますので、そういう医療機関を確保するということは重要だと思っております。

 厚生年金病院の一部、特に先生が御指摘になりました大阪厚生年金病院それから九州厚生年金病院は、二十四時間三百六十五日、小児救急を実施しているというふうに聞いております。地域医療の確保については、一定の役割を果たしているものと考えております。

山口(富)委員 医政局長が役割を果たしているとはっきりお認めになりました。

 大臣、これだけの役割を果たしているところを、大臣の聞いた声によって引き続きやはり売却するんですか。

尾辻国務大臣 この法律案をお願いいたしておるその立場はそのとおりでございます。したがいまして、売却するのかしないのかというふうにお尋ねになりますと、譲渡するための法案をお願いしておるわけでございますから、その立場に変化はございません。

山口(富)委員 では、具体的に聞きましょう。

 例えば、三月十日の与党の年金制度改革協議会の合意で、厚生年金病院の売却については、地域医療にとって重要な病院については、地方公共団体などとの協議の上、その機能が維持できるように十分配慮するとなっております。そして、厚労省が三月三十一日に出しました整理合理化計画を見ますと、「別途、平成十七年度に定める。」としております。恐らく、この与党の合意を踏まえたものになるんでしょうけれども。

 それで、確認しておきますが、まず、地方公共団体との協議というふうになっています。私、ちょっと調べたんですけれども、東京の厚生年金病院でも、昨年十月から十二月の外来の患者さんを調べた表があるんですが、東京と神奈川合わせて、一市十五区に及んでいます。

 そうすると、皆さん方がおっしゃる地方公共団体との協議というのは、この病院にかかわる、例えば医療圏ですとか利用者が住んでいる地方自治体ですとか、かなり広いところとの協議を尽くすというふうに理解してよろしいんですね。

尾辻国務大臣 私は、その病院が存在する地方公共団体というふうにこの文章は理解をいたしております。

山口(富)委員 それでは機能の維持にいかないわけですよ。現実には、各地域、その単独の地方自治体だけではなくて周りを含めた、だって、政府自身がそういう医療圏で対応しろと言っているんですから、それさえ踏まえていないんだったら、私はそれを撤回してもらわなきゃいけないと思うんですよ。

 やはりきちんと利用者を含めて、この関連する地方公共団体と協議を尽くすという立場に大臣はお立ちなんですね。重ねて答弁をお願いいたします。

尾辻国務大臣 ここに書いてありますように、「地域医療にとって重要な病院については、地方公共団体等と協議の上、その機能が維持できるよう十分考慮する。」と述べておりますから、これは当然守るべきことだというふうに考えております。

山口(富)委員 でしたら、その機能の維持の問題なんですけれども、病院というのは単なる建物じゃありません。そこには、お医者さんもいますし、医療の設備もありますし、看護師さんもいらっしゃいます。それから、附属のさまざまな、寮ですとか、一連のものがあるわけですね。

 そうすると、機能の維持といった場合に、当然、雇用関係の確保というのも大事になるわけですけれども、この機能の維持というのは、そういう広い意味での機能の維持なんだというふうに理解していいわけですね。

尾辻国務大臣 一言で言いますと、私は、今お述べになりましたような非常に広い意味での機能というふうには理解をいたしております。

山口(富)委員 きょうは私はこの厚生年金病院の問題で議論してまいりましたが、やはりこの機能を維持するという立場に立つのでしたら、一番やりやすいやり方は存続するということなんです。これは、法人をつくって買い手を探すという新しいプロセスをつくってしまうから、話がややこしいんです。

 もともと、私は、厚生労働行政というのが求められているのは、例えば厚生年金病院でも、これだけの力を発揮してきた、そういう歴史や経験をよく学んで、それを全国に普及する仕事だと思うんですよ。私は医政局長に確認しておきたいんですが、そういう仕事はきちんとやってきているんですか。

    〔宮澤委員長代理退席、委員長着席〕

岩尾政府参考人 医療計画に基づきまして、各地域で必要な医療資源をどのように提供していくかということは、医療法の中にも規定しておりますし、地方自治体の長がその旨計画を立てることになっておりますので、そういうような中で必要な医療資源としての病院は整備されているものというふうに理解しております。

山口(富)委員 何か、よくわからない答弁でしたね。

 私は、厚労省の戦後の歴史にもかかわるような、将来に向かって、二十一世紀に禍根を残すようなやり方はやるべきじゃないということを、重ねてこの厚生年金病院の問題では指摘しておきたいと思います。

 最後に、老人ホームの問題を取り上げたいんですが、資料の二枚目をごらんください。

 これは厚生労働省からいただいた長期入居型の老人ホームにかかわる資料なんですけれども、今、老人ホーム三十二施設中、長期滞在型が二十二ある。それから、休暇センターなどにある総合老人ホームが十七施設中に八ある。これに終身利用老人ホームが一つありますから、これを、既に廃止されているところを除きますと、長期入居の定員は千五百八十八人ということになっています。そして、今、いずれもこれも黒字なんです。

 大臣に確認しておきたいんですが、今入居されている方々の現行の契約の中に転居の要件などは示されていないということを、私は事前に厚生労働省から確認しております。なぜ転居の要件はこれまで示されてこなかったんですか。

尾辻国務大臣 厚生年金老人ホームの入居に当たりましては、入居条件等を記載した厚生年金有料老人ホーム利用規程をお示しいたしまして、入居者の方々の同意を得ておるところでございます。

 この規程におきましては、第十九条において「ホームの運営上、所長が特に必要と認めたとき」は入居を解約することができるとしておりまして、厚生年金老人ホームの移転、建てかえに係る入居者の取り扱いについては、これに基づいて退去していただくということにいたしておるところでございます。

山口(富)委員 それは別に転居の要件じゃないんです。いわば、厚生労働省側あるいは委託している側の、法人の側の都合によっていろいろなことが起こりますよということを述べているにすぎません。

 しかも、厚労省の資料によりますと、平均入居期間は、長期入居型で約七年十カ月なんです。終身利用老人ホームの場合は八年八カ月。はっきり言いまして、転居ということを全く念頭に置かないで今老人ホームに入っていらっしゃるんですね。大体、老人ホームと考えましたら、それまで働いてきた退職金ですとかいろいろなお金を出して入って、何とか年金で利用料を払って暮らしているという姿が大体私たちにもわかるわけです。

 ところが、今度の施設というのは、今の老人ホームに係る施設というのは、大体築二十年なんですね。そうすると、この間、前回から問題になっておりますが、築二十年というのはぶっ壊すというのが社会保険庁の方針なんですよ。そうすると、転居の要件さえはっきりしていないのに、二十年だから、恐らく売却になったら更地にするんでしょう。となりますと、売却という建てかえによって、現在住んでいる方々を追い立てるということになりはしないのか。この点、大臣、どうお考えですか。

尾辻国務大臣 これも御説明を申し上げておるところでございますけれども、老人ホームは現に入居者の生活の場となっておるわけでございますから、今回、例外なく売却しますとは言っておりますけれども、他の施設とはまたそういう意味で性格が異なるところを持っております。したがって、入居しておられる皆様の生活に支障が生じることがないようにする必要がある、これは当然のこととして考えておるところでございます。

 このために、一定期間の事業継続を売る場合の譲渡条件にいたしますとともに、転居先施設のあっせん等について、関係機関等とも連携を図りながら対応していきたいと存じております。

山口(富)委員 私は、生活している人に支障のないようにというのは、当たり前だと思います。しかし、その当たり前のことを言わざるを得ないところに、今回の方向が、やはり福祉に反した流れにあることのあらわれだと思うんです。

 もともと、社会保険庁や年金行政への不信、批判という点でいえば、流用したお金の問題ですとか天下りの問題ですとか、明らかにすべきことはたくさんあるわけです。それを年金福祉施設の売却の方向に持っていくということは、私は全く間違った厚生労働行政のやり方だということを最後に指摘いたしまして、質問を終わりたいと思います。

鴨下委員長 次に、阿部知子君。

阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 今週で本国会も閉じるわけでありますが、今、国会には暗雲が立ち込めております。理由の大半は、筋悪法案ばっかりで、例えば郵政民営化法案、国民のとらの子に手を突っ込んで盗み出すような法案。そして、このきょうの独立行政法人の売っ払い法案ですね、国民が一生懸命ためてきた保険料でつくった施設を二束三文で売っ払う、そうした法案。いずれも本当に、幾ら誠実な大臣が一生懸命答弁されてもだれの心も晴れない、ますます梅雨空が広がっていくような本日の審議だったと思います。

 そこで、しばしの清涼感として、本日のトピックスは、水道行政について聞かせていただきます。

 六月一日から一週間、いわゆる水道週間でございました。今、公共のさまざまな問題、普通、公共料金といいますと、ガス、水道、電気、それから郵便局も私はパブリック、公共だと思いますし、福祉施設、医療も公共だと思いますが、そうしたものの足元が揺らぐことによって、国民には多大な不安感が押し寄せておると思います。

 この水道行政についても、私は、やはりこの委員会の場でしっかりと確認しておかないと不安な点がございますので、きょうは冒頭お願いしたいと思います。

 現下の水道事業が直面する課題は、水質汚染が進む、あるいは、水道は皆水道に等しく敷かれたが、それの修理にお金がかかる、そして大地震問題、地震列島でございますから、そしてまた、修理をして維持するというのは必ずしも財政的には潤うものではない、おまけに水道事業者は小規模な事業体が多いという中であります。

 ここで、いわゆる地震災害等に強い水道づくりというのは、国土交通省も挙げての新たな課題となっておると思いますが、そのための予算措置並びに主体となる水道事業者への指導等の対応について、まず一点、お願いいたします。

田中政府参考人 お答え申し上げます。

 昨年六月に策定、公表いたしました水道ビジョンというのがございまして、この中で「災害対策等の充実」、これは非常に重要な柱として位置づけられておりまして、水道施設の耐震化、災害時の体制整備、その推進を図るということにしているところでございます。

 まず予算措置でございますけれども、緊急時の連絡管等の整備あるいは老朽管の更新などに対しまして従来国庫補助を行ってきておりますけれども、平成十七年度からは、基幹病院など災害時におきまして給水優先度の特に高い施設に対しまして配水を確保するための耐震性配水管の整備、このようなものを新たに補助対象としているところでございます。

 また、水道事業者に対する指導ということでございますけれども、水道施設の整備に当たり、計画的な施設の耐震化を図ることができますように、水道の耐震化計画策定指針、こういうようなものを策定しまして、水道事業者に対しまして技術的に支援を行っているところでございます。

 また、適宜、立入検査等の機会を通じまして、危機管理マニュアルの策定状況や応急給水体制の整備状況等を確認しているところでございます。

阿部委員 私が従来御質問をさせていただいているように、病院も大事なインフラですし、特に病院、今のお話にございましたが、透析等を行うにも水道というのは早急に必要になります。神戸の大震災でも、いわゆる透析をお待ちの患者さんたちが寸断された水道管の中できちんとした医療を受けられない、命綱がなくなるということがございましたし、スマトラにおいてもさようでございましたので、今御答弁の件をしっかりとやっていただきたい。

 あわせて、水道事業者が弱体でございます場合に、広域化というツールも利用していただきたいと思いますが、その点について一点。

 それから、この水道事業というのは、建築、土木、化学、物理、生物、電気、機械、総合的な技術力を必要としております。当然そこには、単にIT技術を導入してそれだけで済むというわけではなくて、実際にそこの職員の問題、技術水準の低下を招かないような施策も必要と思いますが、そこの点について、今の二点、お願いします。

田中政府参考人 まず、広域化の問題でございますけれども、我が国の水道というのは非常に小規模な事業者が多うございます。このため、統合あるいは広域化ということを従来行ってきたところでございますけれども、依然として、規模が小さくて運営基盤が脆弱な事業者が多いということでございまして、引き続き、統合、広域化によって運営基盤の強化を進めていきたい。

 先ほども引用いたしましたけれども、水道ビジョン、ここでもやはり地域の自然的社会的条件に応じた多様な広域化を進めるというふうなことが書かれております。単なる施設整備を中心とした広域化に加えまして、複数の水道事業におきます経営面での一体化あるいは管理業務の一本化などによります広域化についても、地域の実情に応じて推進していきたいというふうに考えているところでございます。

 それから、IT云々ということでございますけれども、基本的にはITというのはツールでございまして、より効率的に管理を行うという意味では活用するのは非常に大切だとは思いますけれども、施設の管理を行うのはやはり人でございます。こういう水道の技術を担う人材の確保、育成というのは非常に重要だと考えておりまして、こういうことは今後とも力を入れていきたいというふうに考えているところでございます。

阿部委員 では、最後に確認で、大臣の方から水道行政に対しての御所見をお聞かせくださいませ。その後、本法案に移りたいと思います。

尾辻国務大臣 私は、若いころに世界を放浪したことがございまして、そのときに、安全と水はただでないということを思い知らされております。そんなこともありまして、水の大切さというのは身にしみて感じておりまして、近年生じてきたさまざまな課題に対応し、次世代に継承するにふさわしい安心できる水道システムを構築することが重要であると考えておるところでございます。

 このことは、去る六月五日に岡山市で開催をされました水道週間の中央行事に主催者として出席した中でも申し上げたところでございます。

 こうした考え方に立ちまして、厚生労働省では、昨年六月、今後の水道に関する重点的な政策課題とその課題に対処するための具体的な施策等を示しました水道ビジョンを策定、そして公表をいたしました。これに沿った施策の展開を今図っているところでございます。今後とも、水道ビジョンの実現に向けて、とりわけ、お話しになりましたような災害に強い水道づくりや、安全で良質な水道水の供給を目指して努力をしてまいる所存でございます。

阿部委員 私は、今大臣が御披瀝いただきましたような水道行政に対してのきっちりとした厚生労働省の取り組みと同じように、公的な医療機関であるところの厚生年金病院、あるいはこれから審議されますような社会保険病院、そうしたものについても厚生労働行政が、せんだってもお尋ねいたしましたが、きっちりとみずからのビジョンを持っていただきたいと思うのです。

 先ほど、山口委員との応答の中で、医政局長が、例えば九州並びに大阪の厚生年金病院は、小児救急医療を担っておられる大事な病院です。大臣に伺います。もしこれが売却されて、その結果、小児医療が継続できなくなったとき、大臣は責任がとれますか。

 私がこんな意地悪な聞き方をするのは、私は、九〇年代から幾多の小児科が閉鎖され、小児救急がやれなくなった現状を通り抜けてまいりました。よほどの覚悟がなければ、それも国の政策医療のしっかりした中核に添えて備えていただかなければ、担い切れないのです。どういったって不採算です。どう努力したって不採算です。私は、小児医療が今、日本の中で危機的な状況にある、その中にあってこうした厚生年金病院の売り払いが考えられる、本当に恐ろしいと思います。

 大臣、もう一度伺います。もしこの売却によって小児医療が続けられなくなったとき、大臣はどんな責任がとれますか。

尾辻国務大臣 そうした病院が今持っております機能をそのまま存続させて売却が行われる、譲渡が行われる、そのことを望んでおるわけでございます。

 ただ、先生が、そうでなかったらというお話でございますし、私の責任ということでのお尋ねでございますけれども、決してそのことを外してお答えするつもりもございませんが、今私に与えられた責任といいますか役目というのは、国民の皆さんの年金、社会保険庁に対する信頼を回復して、もう一度年金を持続可能なものにきっちり立て直すことだというふうに思っておるところでございまして、私は、まずその責任を果たしたいというふうに考えておるところでございます。

阿部委員 私は、それでは大臣は未来への責任を果たせないと思うのです。ビジョンというのは未来に向けたものです。そして今、我が国が最も力を入れるべき、私は、少子化対策ばんそうこうではなくて、子供たちを育てるビジョン、子供たちを支える医療のビジョンだと思います。

 ほかにも医療というのはいろいろな役割を担っておりますが、私は、先ほどの山口委員と局長、大臣の答弁を重ねて聞くと、とても納得もできないし、これは予定外の質問ですが、不安はむしろ増大してしまいました。

 もっと具体的に言えば、例えば病院の売却問題が起こったときに、まず医師たちの間に動揺が起こります。新たな研修医が来なくなります。そのことによって、一番先に人手がたくさんいなければできない小児救急医療というのはパンクします。これは、幾多の経験の、私自身の通ってきた道です。

 私は、やはり厚生年金病院は、例えば事業税を払っていない分、公的だと思います。あるいは、そこの建てている施設についても、土地についても住民税等々は免除されております。それだけの公共性のかわりに、公的に大事な小児救急医療を担っていただいたり、リハビリ医療を担っていただいたりするわけです。

 だからこそ、今この場で私は大臣に伺いたいのは、一体、厚生労働行政の中で、これから公的な医療ということをどう位置づけていくのか。先ほど、五島委員の質疑の中に、私は極めて明確な答えがあったように思います。

 一つ一つばらばらに売り払われると、個々の病院は十分能力を発揮できないばかりか、まず医師が集められなくなるのです。ネットワークしていることによって、そこでの医師の充足なり研修なりも速やかに運びます。大臣はそのようなことを考えたことがおありでしょうか。私は、現場にいて本当にそういうものを幾つも見てきました。今ここでばらばらに売り払う、このことがネットワークを壊し、公的医療の役割を壊し、小児医療をなくす、この大きな、私は懸念じゃなくてもうすぐ来る現実だと思います。

 大臣は、そういうネットワーク機能ということをお考えになったことがおありかどうか、そして、そこでまず、どんな人たちが動揺し去っていくかということをお考えになったことがあるかどうか、お願いします。

尾辻国務大臣 先生は医療の専門家でいらっしゃいますし、まさに現場にもおられますから、十分にそうしたものを御承知であることは、今お話しのとおりであります。それに比べて私が現場を知っているかというふうにお尋ねになりますと、とても先生の域に及ばないと申し上げざるを得ないところであります。

 ただ、小児医療につきましても、小児科の先生が自殺をなさったり、幾つかの悲惨な例があるということも承知はいたしておりますから、小児医療、そして特に救急医療の必要性、そしてまた今日置かれておる状況、何とかしなきゃいけないという状況にあるということは承知をいたしておるつもりでございます。したがって、そのことについても、全力を挙げて厚生労働省としても取り組みたいと思っております。

 両方、私どもにとっては大切なことである。両方と申し上げましたのは、先ほども申し上げた、年金に対する国民の皆様方の信頼を取り戻すということと今の話を両方と申し上げたわけでございますが、どちらもまた欠かせない大事なことであるというふうに思っておるわけでございます。

 そこで、病院一つ一つということと、まとめて考えるということについてのお話もありましたけれども、これはそれぞれまた考え方があろうと思います。一つずつの立地条件などを見ながら、病院を見ながら売却するというか考えていくということも必要でありましょうし、また、幾つかの病院をまとめて、それがまたさらに大きな機能を発揮するという考え方も当然あろうと思いますし、これは、今後の、どうするかということの中でまた、そうした御意見などを踏まえながら私どもも対応してまいりたいと存じます。

阿部委員 今、郵政民営化でも、いわゆる郵便局のネットワーク機能を活用して、それは金融にももしかして活用できるかもしれない、簡易保険でも生きるかもしれない、そういう論議を私たちは一方でしているわけです。そのときに、ばらばらに売っ払って、そして、まして、きょう、もう一つ気になる答弁がございました。簡単な言い方ですが、保養ホームは一体的な運営ではないから先に売り払うと。しかし、保養ホームと厚生年金病院も、相乗効果でおのおの価値を高めております。これをばらばらにしたら、実は二、二が四の効果が一、一になるようなことも生じてまいります。

 私は、今回のこの法案、大臣が何度も国民のニーズと言われていますが、やはり、最大限そのおのおのが力量を発揮できるようにするために連携させたり、込みで考えたりする必要があると思います。保養ホームと厚生年金病院の一体的なつながりのもたらすメリットについて、大臣にもう一度御答弁いただきたい。ばらばらにするよりも相乗効果があると私は心得ますが、大臣はいかがですか。

尾辻国務大臣 厚生年金病院に隣接して設置されております厚生年金保養ホームは、病院との連携のもとで、食事療法でありますとか運動療法等を必要とする方々に、栄養士による栄養相談でありますとか温泉を利用した滞在型のリハビリテーションを行って、利用者の社会復帰に貢献してきたと認識をいたしておるところでございます。

 このような厚生年金保養ホームは、地域の保健医療に貢献している施設であることから、その譲渡に当たりましては、施設の中心的な機能を維持することを条件とした、私どもが申し上げております一般競争入札というこの原則は崩せませんので、その原則によって行いたいというふうには考えておるところでございますけれども、厚生年金保養ホームが地域に果たしておる必要な機能は維持できるように努力したいと考えております。

阿部委員 私の質問はもっと簡単で、両方がドッキングしていることによって厚生年金病院の機能も上がっているんだということを大臣には御理解いただきたいんです。これがないとやはり、私は、実はきのう、湯河原の厚生年金病院と保養ホームに行ってまいりましたけれども、見ると聞くとは大違いだと私も思いました。やはり、こうやって日本の中で二十年近く前に、いわゆるリハビリの、そしてかなりゆったりした、日本人が大好きな温泉というものを活用した施設があり、それが厚生年金病院の価値をも高めているということは、これ以上大臣に聞いても繰り返しになりますのでお伺いいたしませんが、ぜひ御認識いただきたい。

 そして、大臣がいうところの国民の声というところですが、実は国民というのはとても取りとめがなくて、でも、大臣がお聞きになっていない大事な相手があると私は思います。社会保障審議会の年金部会に、連合という労働者の労働団体の代表と企業側、両方出てこられていますが、厚生年金の保険料をお納めになっている、負担した方々の代表であります。なぜ、厚生年金の納めた代表者であるところの、企業も負担しておられました、社会保障審議会年金部会で、この独立行政法人のこういう機構でやるんだ、ここに保険料を使っていいかということをお聞きになりませんでしたか。

 私は、こんな売っ払いにも、あるいは、独法というへんてこりんなものをつくって不動産鑑定士ばかり入れ込むこの機構にも、実は本当は聞かなきゃいけないのは保険料を納めた方たちの代表である連合の皆さんや企業の皆さんだと思いますが、そこには一回も諮問されていないと聞きます。大臣、いかがですか。

青柳政府参考人 手続的なお話でございますので、私の方からお答えをさせていただきたいと存じます。

 まず、今回の私どもの年金・保険福祉施設の整理合理化につきましては、あくまでも、制度をいじるという問題ではなくて、事業の運営という観点であるというふうに位置づけをしております。したがいまして、そういう観点からいたしますと、実は昨年の秋から動き出したわけでございますが、社会保険庁の事業運営評議会という組織を実はつくらせていただきました。ここではまさに、そういった社会保険庁の行っておりますさまざまな事業につきまして、その運営について御意見をいただく評議会という組織を動かさせていただいたわけでございます。

 この中では、数回にわたりましてこの年金福祉施設の整理合理化の問題を私どもも問題提起として取り上げましたし、最終的に機構法案ができましたときには、この法案をお示しして、御意見を賜るというやり方をさせていただきました。この中には、大変口幅ったい言い方でございますが、労働組合の代表の方や事業主の団体の方も入っておられますので、その御意見も踏まえた上で最終的な対応をさせていただいているということについて、御理解を賜りたいと存じます。

阿部委員 参議院での参考人招致の中で、労働団体の代表である方が、自分たちの声が反映されていないという御指摘がございます。青柳さんがそうやって準備され聞かれたと言われることと当事者団体の間に、ずれがあるわけです。間違いなく被保険者の団体でございます。

 私は、その意味においても、この法案には瑕疵があると思います。きちんと国民の声を聞くとは、漠然と社会保険庁への批判を受けて、そして、トカゲのしっぽ切りのように、事なかれ主義に全部売っ払って、それこそ身ぎれいになってという、もしかして大臣の表現の中にはそこまであったのかな、そういうことではないんだと思います。

 厚生労働行政と、そして本当の被保険者の声を聞く努力を、今の青柳局長の答弁でも私は納得できませんが、大臣にもう一度伺うのも、これも指摘だけにとどめさせていただいて、私が願うところの主体的総括という点に移らせていただきますが、もう一点だけ大臣にはお願いいたします。

 今、この独立行政法人に四十一人の職員をお雇いになるというお話ですが、そして、そこのトップには民間事業者をお据えになる。きょう新聞に出た、例えば銀行の管理運営の経験のある方をお据えになるかもしれません。しかし、私は、この四十一人の中に必要なメンバーがあるとしたら、それはやはり医療行政や福祉行政にきちんとした見識をお持ちの方、そして、そういうことからして他の施設とは違うわけです、他の不動産とは違うわけです。ここが私は、今、例えば経済財政諮問会議も、あんないいかげんな会議はないと思うのは、医療関係者が全くいないところで、とらぬタヌキの皮算用的に、医療から幾らもうかるかという話ばかりをしております。

 大臣は、経済財政諮問会議に対しても一定の批判をお持ちだと思います。それはなぜかというと、厚生労働行政を預かれば、金算段だけではいかない。命がかかって、そして、そこで一番大事なものが見えてくるからであります。残念ながら、今度の独立行政法人の設置の中にはその例えば医療行政的視野、福祉行政的視野は見えませんが、そのことについて大臣はどうお考えですか。

尾辻国務大臣 独立行政法人をつくるということでお願いいたしましたこの御議論の中で、いろいろまた御指摘もいただきました。

 その中で、なぜ独立行政法人をつくらなければならないのかと私どもが考えました根拠の一つとして、売却するものの中に、こうした病院もあるし、また老人ホームもあります。そういうものの売却に当たっては、ただ単に売ればいいというものではない、独特の、そういう施設の持っているまさに機能があったり事情があったりする、そうしたものも考慮して売却しなきゃいけないわけでありますから、そこで、売却に当たってもそういう公的な面を持つということから、ぜひ独立行政法人にさせてくださいという御説明を申し上げたものでございます。

 したがって、お認めいただければ、新しくつくりますこの独立行政法人の中では、そうした視点は十分取り入れながらやらせていただきたいというふうに存じます。

阿部委員 今大臣がおっしゃった点は、参議院での先議の中でも具体的には浮かんできません。口を開けば青柳さんが不動産のお話。私たちは、そういうことでこの国民の大事な財産が扱われるのを本当に看過できません。それから、厚生労働行政がどこかに吹っ飛んでしまうことも賛成できません。

 最後に大臣に、きょう、大きな私の資料がございます、お目を通していただきたいですが、「健康管理センター設置前後の健診受診件数及び受診率」という表でございます。これは、全国十五カ所にございます、政府管掌保険の中からつくられた健康管理センターの業務の推移でございます。昭和六十二年にこの健康管理センターがつくられてから、主に政府管掌保険の被保険者で四十歳以上の方を対象に、受診率を経年的に追ったものでございます。

 私は、すべての厚生労働行政をきっちりみずから総括していただきたい。この六十二年から今日までにわたる受診状況と、それから、今後政管健保が、あるいは社会保険庁から分離されて独立した形で都道府県にゆだねられるかもしれない。そのときに、やはり健康管理センターの役割は都道府県にとっても大きくなってくる。それを今この中途半端な段階で売っ払う、一般競争入札にするという点も納得できません。社会保険庁については、平成二十年の秋に、医療保険をめぐる、政管健保をめぐる新たな制度ができ上がるようにも、有識者会議、五月三十一日、答申がされております。

 まず、この件に関しての主体的な総括。健診業務をこれから例えば国が都道府県にお願いする場合に、今、売っ払って、果たしてどうなるものか。そして、なぜ社会保険庁の今後のあり方の形が決まるまで待てないのか。この三つについて、恐縮ですが、大臣、まとめてお願いします。

尾辻国務大臣 まず、社会保険健康管理センターが果たしてきた役割についてでございますけれども、政府管掌健康保険の被保険者等の健康の保持増進を図ることを目的といたしたものでございまして、そうした中で、被保険者等の疾病の予防活動でありますとか、早期発見等の二次予防のために各種検査を実施することなどをいたしておりまして、被保険者等の健康の保持増進に役割を果たしてきたというふうに考えております。そうした意味で、役割を果たしてきてもらったというふうに考えておるわけでございます。

 ただ、そうした生活習慣病予防健診については、最近では民間医療機関を中心とした健診実施機関数が拡大いたしておりますし、また、健診単価の引き下げによる受診者数の数もふえておりますので、そうした意味で、充実がさらに進んできたというふうに思っておるところでございます。したがって、今この社会保険健康管理センターを売却しても、そうした流れは既にでき上がっておるというふうに考えておるところでございます。

 また、なぜ待てないのかという最後の御質問でございますけれども、これは、今回こういう法案を出させていただく、それは、このタイミングであるというふうに判断いたしましたから、全体を通しての法案として出させていただいたということでございます。

阿部委員 中小企業の置かれた実態、そこで働く労働者の健康状態、そして今後それを受けていかねばならないであろう地方自治体の大事なツールを奪うこの売り払い法案は、二重の犯罪だと思います。

 以上申し添えて、私の質問とさせていただきます。

鴨下委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

鴨下委員長 これより討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、順次これを許します。山口富男君。

山口(富)委員 日本共産党を代表して、独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構法案に対する反対討論を行います。

 反対する理由の第一は、この間の社会保険庁をめぐる一連の諸問題、すなわち年金財源の流用や採算無視の巨大施設への資金投入、監修料など特定事業者との癒着、官僚の天下りなどについて、責任の所在と十分な解決策を示さないまま、身ぎれいになると称して年金や健康保険の三百二十八施設の廃止、売却を強行しようとすることです。これでは、解明されるべき肝心の問題を施設の売却にすりかえるだけで、国の責任逃れであると言わざるを得ません。

 第二に、対象となる施設は、それぞれ固有の価値を持ち、公的必要性の高い施設があるにもかかわらず、一律廃止、売却を強行することです。戦後、半世紀をかけて培ってきた貴重な医療、福祉資源の売却は、地域医療と生活に不安と混乱をもたらすものです。

 しかも、対象となる三百二十八施設の二〇〇三年度収支は七七%が黒字で、これまでの累積黒字は約五百五十億円であり、この点からも廃止、売却の理由は成り立ちません。一方、本法案で設立しようとする独立行政法人の経費は五年間で三百億円かかります。黒字である施設を売却するのに三百億円も使う、これこそ年金問題で批判を浴びたむだ遣いそのものであります。

 第三に、廃止、売却に反対する多くの世論に反することです。東京厚生年金病院でも、存続・発展を願う会が地域ぐるみで存続を訴えています。湯布院、湯河原、玉造では、厚生年金病院と保養所の存続、拡充を求める連絡会が結成され、地元自治体、議会、商工・観光界、農協なども参加し、町人口を数倍も超える署名を集めています。存続を願う住民世論に背を向けたやり方は、国民の健康と福祉を増進させるべき厚生労働行政がとるべき態度ではありません。

 以上の諸点を指摘し、反対の討論といたします。(拍手)

鴨下委員長 次に、阿部知子君。

阿部委員 私は、社会民主党・市民連合を代表して、独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構法案に反対する立場から討論を行います。

 社会民主党は、昨年、年金改正法案審議の際、年金積立金などの運用をめぐる議論の中で、年金保険料の使途を厳格化するよう強く主張いたしました。しかし、そのことと、現在地域で重要な役割を果たしている厚生年金病院、各種の福祉施設等の運営から国が一切手を引き、それらを売却、廃止するということは、全く次元の異なる問題であります。まず、このことを確認し、以下、反対の理由を申し述べます。

 第一の理由は、これまで年金資金を投入して年金福祉施設等を運営してきた国の主体的責任が一切明らかにされないまま、売却、廃止を強行しようとしていることです。多数の天下りを含む公益法人の運営のあり方、年金財政に与えた損失の点検、施設がこれまで果たしてきた役割の検証、こうしたことを一切行わず、五年以内に年金福祉施設の売却、廃止をするというのは、国民には納得がいきません。

 第二の理由は、この売却、廃止のために新たに三百億円をかけて独立行政法人をつくり、国民の保険料をさらに毀損する愚策をとることです。

 第三の理由は、売却は単に市場原理に基づく一般競争入札がとられるため、国民の貴重な年金保険料で設置された各施設の先行きが全く見えず、利用者や地域住民に多大な不安を与えていることです。それぞれの施設が、国民、地域住民、利用者、入居者にどのような役割を果たしているのか、その役割を今後も継続するためにはどのような方法があるのか、地元自治体の意向はどうなのか、まずこれらの検討がなされるべきです。また、地方議会や地元団体からの存続を求める意見が多数出されていますが、これらは全く無視されたままです。

 第四の理由は、法案が、二十一世紀の健康政策にこれまでの厚生行政をどうつなげていけるのかという視点が全く欠けていることです。特に厚生年金病院は、地域医療の支え手として、また保養ホームと連携しリハビリテーション専門病院として、全国各地からも患者を受け入れている実績があります。また、政府管掌保険の運営とも深く関連した健診の位置づけも放棄されています。

 第五の理由は、雇用への配慮が全くなされていないことです。長年経験を積み、地域の医療、福祉に従事してきた労働者は、貴重な人的財産でもあります。雇用を守る方策がとられるべきです。

 最後に、本法案は、産湯とともに赤子を流すものであり、政府みずから厚生行政を否定するものであることを申し添え、反対討論といたします。(拍手)

鴨下委員長 以上で討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

鴨下委員長 これより採決に入ります。

 内閣提出、参議院送付、独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構法案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

鴨下委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

鴨下委員長 この際、本案に対し、大村秀章君外二名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党の三派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されています。

 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。古屋範子君。

古屋(範)委員 私は、自由民主党、民主党・無所属クラブ及び公明党を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。

 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。

    独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構法案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について、適切な措置を講ずるべきである。

 一 政府は、厚生年金病院の整理合理化計画については、地域の医療体制を損なうことのないように、十分な検証をした上で策定すること。

 二 政府は、終身利用型老人ホームの譲渡に当たっては、設置時の趣旨及び終身利用という事情を踏まえ、適切な結論を得ること。また、独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構(以下「機構」という。)は、老人ホームを譲渡又は廃止するに当たっては、入居者の新たな生活の場を確保するよう十分配慮すること。

 三 機構は、各種施設の売却に当たっては、地元自治体とも事前に相談すること。

 四 施設譲渡又は廃止に当たっては、施設に従事する者の雇用に十分配慮すること。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。(拍手)

鴨下委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

鴨下委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付すことに決しました。

 この際、尾辻厚生労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。尾辻厚生労働大臣。

尾辻国務大臣 ただいま御決議のありました本法案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、努力してまいる所存でございます。(拍手)

    ―――――――――――――

鴨下委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鴨下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

鴨下委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時二十六分散会


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