衆議院

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第7号 平成17年10月26日(水曜日)

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平成十七年十月二十六日(水曜日)

    午前九時四十二分開議

 出席委員

   委員長 鴨下 一郎君

   理事 石崎  岳君 理事 大村 秀章君

   理事 北川 知克君 理事 長勢 甚遠君

   理事 宮澤 洋一君 理事 仙谷 由人君

   理事 山井 和則君 理事 福島  豊君

      新井 悦二君    井上 信治君

      上野賢一郎君    小野 次郎君

      岡下 信子君    加藤 勝信君

      上川 陽子君    川条 志嘉君

      木原 誠二君    木村 義雄君

      河野 太郎君    清水鴻一郎君

      柴山 昌彦君    菅原 一秀君

      戸井田 徹君    冨岡  勉君

      中山 泰秀君    西川 京子君

      馳   浩君    林   潤君

      原田 令嗣君    福岡 資麿君

      松浪 健太君    御法川信英君

      山内 康一君    吉野 正芳君

      内山  晃君    菊田真紀子君

      五島 正規君    郡  和子君

      園田 康博君    田名部匡代君

      三井 辨雄君    村井 宗明君

      柚木 道義君    古屋 範子君

      桝屋 敬悟君    笠井  亮君

      阿部 知子君    糸川 正晃君

    …………………………………

   議員           園田 康博君

   厚生労働大臣       尾辻 秀久君

   厚生労働副大臣      西  博義君

   厚生労働大臣政務官    西川 京子君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局高齢・障害者雇用対策部長) 鳥生  隆君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局長)           中村 秀一君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    中谷比呂樹君

   厚生労働委員会専門員   榊原 志俊君

    ―――――――――――――

委員の異動

十月二十六日

 辞任         補欠選任

  木原 誠二君     山内 康一君

  菅原 一秀君     柴山 昌彦君

同日

 辞任         補欠選任

  柴山 昌彦君     馳   浩君

  山内 康一君     小野 次郎君

同日

 辞任         補欠選任

  小野 次郎君     木原 誠二君

  馳   浩君     菅原 一秀君

    ―――――――――――――

十月二十六日

 中小自営業の家族従業者等に対する社会保障制度等の充実に関する請願(小川淳也君紹介)(第一六三号)

 同(篠原孝君紹介)(第一六四号)

 同(後藤斎君紹介)(第一七七号)

 同(佐々木隆博君紹介)(第一七八号)

 同(田中眞紀子君紹介)(第一七九号)

 同(筒井信隆君紹介)(第一八〇号)

 同(大畠章宏君紹介)(第二九六号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第二九七号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第二九八号)

 同(吉井英勝君紹介)(第二九九号)

 同(阿部知子君紹介)(第三四三号)

 同(玄葉光一郎君紹介)(第三四四号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第三四五号)

 同(鷲尾英一郎君紹介)(第三四六号)

 同(秋葉賢也君紹介)(第三九一号)

 同(長浜博行君紹介)(第三九二号)

 同(渡辺周君紹介)(第三九三号)

 保育制度の改善と充実に関する請願(木村義雄君紹介)(第一七五号)

 ホームレス対策予算確保に関する請願(伴野豊君紹介)(第一七六号)

 同(山井和則君紹介)(第一九四号)

 同(阿部知子君紹介)(第二九四号)

 同(仙谷由人君紹介)(第二九五号)

 医療等の制度改革に関する請願(村田吉隆君紹介)(第一九三号)

 同(村井宗明君紹介)(第二九三号)

 同(桝屋敬悟君紹介)(第三四二号)

 同(武正公一君紹介)(第三八九号)

 同(松野頼久君紹介)(第三九〇号)

 小規模作業所等成人期障害者施策に関する請願(山井和則君紹介)(第一九五号)

 同(阿部知子君紹介)(第三〇四号)

 同(桝屋敬悟君紹介)(第三四八号)

 同(吉井英勝君紹介)(第三九六号)

 原爆被害者への国家補償に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二七三号)

 同(石井郁子君紹介)(第二七四号)

 同(笠井亮君紹介)(第二七五号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二七六号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第二七七号)

 同(志位和夫君紹介)(第二七八号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第二七九号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第二八〇号)

 同(吉井英勝君紹介)(第二八一号)

 原爆被害の国家補償に関する請願(五島正規君紹介)(第二八二号)

 同(山田正彦君紹介)(第二八三号)

 同(松本大輔君紹介)(第三四九号)

 同(山井和則君紹介)(第三五〇号)

 原爆被害への国家補償に関する請願(仙谷由人君紹介)(第二八四号)

 同(高木義明君紹介)(第二八五号)

 同(保坂展人君紹介)(第二八六号)

 同(三谷光男君紹介)(第二八七号)

 同(近藤昭一君紹介)(第三五一号)

 同(斉藤鉄夫君紹介)(第三五二号)

 同(柚木道義君紹介)(第三九七号)

 国民の命と暮らしの保障に関する請願(笠井亮君紹介)(第二八八号)

 障害者自立支援法案における定率負担の中止に関する請願(仙谷由人君紹介)(第二八九号)

 障害者自立支援法案廃案に関する請願(阿部知子君紹介)(第二九〇号)

 同(阿部知子君紹介)(第三五三号)

 同(辻元清美君紹介)(第三五四号)

 同(照屋寛徳君紹介)(第三九八号)

 同(日森文尋君紹介)(第三九九号)

 男女雇用機会均等法改正に関する請願(阿部知子君紹介)(第二九一号)

 年金改悪反対に関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第二九二号)

 安心できる介護制度など社会保障の拡充に関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第三〇〇号)

 最低保障年金制度の実現に関する請願(佐々木憲昭君紹介)(第三〇一号)

 障害者自立支援法案反対に関する請願(笠井亮君紹介)(第三〇二号)

 障害者の福祉・医療サービスの利用に対する応益負担の中止に関する請願(吉井英勝君紹介)(第三〇三号)

 同(笠井亮君紹介)(第三四七号)

 同(阿部知子君紹介)(第三九四号)

 同(山井和則君紹介)(第三九五号)

 緊急の保育課題への対応と、認可保育制度の充実に関する請願(金子恭之君紹介)(第三八四号)

 原爆被害への国家補償の制度化に関する請願(仲野博子君紹介)(第三八五号)

 同(三井辨雄君紹介)(第三八六号)

 国民医療を拡充し、建設国保組合の育成・強化に関する請願(武正公一君紹介)(第三八七号)

 人工内耳に関する請願(田村憲久君紹介)(第三八八号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 障害者自立支援法案(内閣提出第一一号)(参議院送付)

 障害者の自立の支援及び社会参加の促進のための身体障害者福祉法等の一部を改正する法律案(山井和則君外五名提出、衆法第一〇号)

 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律案起草の件

 厚生労働関係の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

鴨下委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、参議院送付、障害者自立支援法案及び山井和則君外五名提出、障害者の自立の支援及び社会参加の促進のための身体障害者福祉法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、政府参考人として厚生労働省職業安定局高齢・障害者雇用対策部長鳥生隆君、社会・援護局長中村秀一君、社会・援護局障害保健福祉部長中谷比呂樹君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鴨下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

鴨下委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。福島豊君。

福島委員 おはようございます。大臣、副大臣におかれましては、連日の御答弁、本当に御苦労さまでございます。

 ちょうどグランドデザインが公表されてから一年と少しが過ぎたわけであります。この間、障害者福祉をどのように改革するのかということで、いろいろと私も考えてまいりました。率直に言いますと、昨年グランドデザインが出たときには、支援費制度を改革する大変大切な改革であるけれども相当これは大変だなというふうに私は思いました。ですから、秋の臨時国会で、大臣にも、よく障害者団体の声を聞いて進めていただきたいということをお願いいたしました。そして、この一年間、大臣におかれては、本当に真摯に御努力いただいて、この改革に向かって取り組んでいただいてきたというふうに感謝をいたしております。

 昨日、参考人からいろいろと御意見をお聞きしました。ある方が、支援費制度でようやくこれから障害者福祉サービスが変わっていく、そういうふうな道が開けてきたのに、それがこの改革でついえてしまうのではないかというような心配を持った、こういう趣旨のお話がありました。

 私は、そうではなくて、支援費制度でようやくこれだけ多くの障害者福祉サービスの需要というものが掘り起こしをされて、とりわけ在宅におけるサービスの利用というものが拡大をして、そしてみずから選択するものとして障害者福祉サービスを利用することができる、そのようになった、このことを将来にわたってどう維持していくのか、この道を、ようやく開けてきたものをしっかりと確実にしなければいけないと。

 今回の改革は、その道を開くためには避けては通れない改革だということで、一年間いろいろと悩んできましたけれども、やはりこれはやらなきゃいけない改革だというふうに私は思っております。せっかく開いてきたものが、現在の国家の財政状況ですから、その中にあって道が閉ざされてしまう、給付が抑制されてしまう、こういうことになってはならないと私は思います。

 先進諸国と我が国の障害者福祉の比較ということがこの委員会でもなされましたけれども、まだまだ我が国の障害者福祉サービスの水準というものは低い、これは事実だと思います。自立と社会参加ということを本当に進めていこうと思えば、今までの何倍にもサービスというものを拡大していかなきゃいけない。そして、今回のこの法律は、国がしっかりそれを後から押していきますよということを約束する、今まではそういう約束ではなかったわけですから、そういう意味ではぜひ、いろいろな経過はありますけれども、かち取っておかなきゃいけない、通過しなければいけない改革だと私は思っております。

 ただ、最初にそのグランドデザインが出てきたときに、ああ、この負担というものは障害者の方々に本当にお願いができるんだろうか、何とかこれは、現在の障害者の方々の所得状況を考えて、それにふさわしいといいますか、受け入れてもらえる、そういうところまで頑張らなきゃいけないという思いでやってまいりました。この点については、大臣を先頭にいろいろと見直しをしていただいて、そして、最終的に先日の国会におきましても方針が示されたわけであります。

 私は、負担をどうするかというお話、今回、大きく当初の案から見直しをしていただいたということは大変感謝すべきだと思っております。ただ、障害者の当事者の方々からは、それ以外にも多くの心配の声が寄せられております。そうした声に一つ一つやはり丁寧にこたえて、そして、こういう方向に向かっていくんだということを、この残された審議の中で明らかにしていかなきゃいけないと思っております。

 きょうは、私は、小規模作業所の問題についてまずお聞きをしたいと思います。

 全国六千を超える小規模作業所は、障害者の方々、例えば重度の方々にとっても大変大切な日中活動の場であります。今回の改革によってこの日中活動の場が失われることになってしまうのではないか、ややもするとそういう心配の声があるわけであります。昨日の参考人の方からも、こうした小規模作業所というものは将来どうなるのか具体的に示していただきたい、こういうお話がありました。まことにもっともなことだと私は思っております。

 障害者の保護者の方々、いろいろな御苦労をしながらこういう日中活動の場をつくってきたわけでありまして、そうした御努力というものが今回の改革の中にあっても将来に向かってより確実なものとなっていくような取り組みが私は必要だと。小規模作業所はいろいろな状況がありますけれども、共通して言えることは、やはりその運営というものが財政的には大変厳しいということではないかというふうに思います。今回の改革によって、新しい事業形態の中へ移行する中で、小規模作業所の方々が、安定した運営で、そしてまた多くのマンパワーも確保することができ、そしてその質も高めていくことができる、そういうふうに変わっていかなければいけないと思います。

 こうした小規模作業所の今後の移行ということについて、どのように厚生労働省として取り組んでいくのか、まず大臣に御決意をお聞きいたしたいと思います。

尾辻国務大臣 今お話しいただきました小規模作業所は、障害者の働く場、創作活動の場、社会参加の場として重要な役割を果たしておるというふうに考えております。

 障害者自立支援法案におきましては、より障害者本人の支援につながるよう、既存の施設や事業についてその機能に着目し、就労移行支援、就労継続支援、地域活動支援センターといった事業への再編でありますとか、あるいはまたNPO法人による運営を可能とすることなどの規制緩和を行うこととしており、良質なサービスを提供する小規模作業所については、これら障害者自立支援法案に規定する事業を選択して実施することにより活動の幅がさらに広がるものと考えております。

 国といたしましては、これを支援いたしますため、本年度から小規模作業所に対する経営セミナーの開催など、その充実強化を図るための事業を新しくつくったところでありまして、本事業や各種の規制緩和を活用し、都道府県の障害福祉計画に基づきながら計画的に新たな事業形態へ移行できるようにしたいと考えておるところでございます。(発言する者あり)

福島委員 余り不規則発言はやめていただきまして、大臣がしっかりと進めていく、こういう決意を表明していただいたわけであります。

 これからの取り組みが本当に大切でございますので、引き続き御努力をよろしくお願いいたしたいと思います。

 では、どうぞ大臣、御退席くださって結構でございます。

 その中で、いろいろと具体的な点について関係者の方からは要望をいただいております。ただいまの大臣の御答弁で、小規模作業所はさまざまな事業をすることができる、地域活動支援センター事業、また生活介護事業、就労移行支援事業等々でありますけれども、この中で、地域活動支援センター事業、これも非常に大切な事業として担っていかれることになるのだろうというふうに思います。そして、担っていただくためには、やはり財政的な裏づけというものが大切だというふうに私は思っております。

 小規模作業所に対して、現在交付税措置がなされておりますけれども、地域活動支援センター事業を実施する場合に、こうした交付税の財源というものをベースにした上で、より今まで以上に安定して事業を行っていくことができるように、それに加えるような形できちっとした支援をしていかなきゃいけない、そんなふうに私は思うわけでありますけれども、政府としてどのようにお考えかお聞きしたいと思います。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 現在の小規模作業所に対しましては、国として、一定の要件を満たす場合に一カ所当たり百十万円の運営費補助を行っておりますほか、今委員から御紹介ございましたように、地方交付税措置が都道府県分、市町村分として講じられております。

 私ども、今お話がございました小規模作業所からの移行が多く見込まれる地域活動支援センターを今度位置づけようと考えておりますが、今委員からお話がありました交付税財源措置も含めまして、安定的な事業運営が可能となるよう、予算編成過程でこういったことについて、交付税措置については総務省にもお願いしなければなりませんので、その辺はやってまいりたいと思っています。

 また、地域活動支援センターにつきましては、今の財源のほかに、地域の特性を踏まえた柔軟な運営の確保とか、先ほど申し上げましたように小規模作業所から移行が多いと思われますので、そういったことも踏まえた対応を、私どもとしても財政基盤をきちんとするように努力してまいりたいと思っております。

福島委員 そしてまた、地域活動支援センター事業だけでなく、先日もこの委員会での答弁で明らかにされましたけれども、多機能の事業経営、こういうことが示されたわけであります。実態としては、小規模作業所においては、さまざまな障害程度また種別の方々が一緒に活動しているというのが現実だというふうに思っております。そういう現実を踏まえて、安定して事業を行っていくためには、地域活動支援センター事業という一つの事業だけではなくて、就労移行支援、または就労継続支援、こういったさまざまな事業が同時に行える、お一人お一人の特性に応じて行える、こういうことが必要だろうというふうに思うわけであります。

 そのときに、こうした個々の事業のユニット、単位をどう考えるか、小規模作業所、二十人程度でございます。このユニット自体が非常に大きい基準になってしまうと組み合わせの自由度が失われてしまう。ですから、五人ぐらいとか、小人数でユニットを組んで多機能の事業を運営していくことができる、こういう柔軟な経営を認めるべきではないか、こういう意見があるわけであります。

 この点も、法案が成立した後、具体的に作業に入られると思いますけれども、政府としてのお考えをお聞きいたしたいと思います。

中村政府参考人 ただいまお話ございましたように、一つの事業所が多くの機能を果たしておられる。新しい制度になりますと、生活介護事業でございますとか自立訓練事業、就労移行支援事業、こういった事業を一つのところで行う、こういうことも考えられるわけでございますので、地域の特性を踏まえました柔軟な運営が可能になるよう、複数の日中活動サービスを実施する多機能型を認めたいと考えております。

 その場合、複数の事業利用人数を合計し、社会福祉法に定める最低利用人員、これは二十名ですけれども、それを満たしていればよいということが考えられますし、したがってそれぞれの事業については最低利用人員を下回ることも可能とする。それから、設備等につきましても、できる限り基準を緩和し、相談室や洗面所などの設備の共用を可能とするというようなつくりやすい工夫も考えたい、こういうふうに思っております。そういったことを進めることによりまして、地域におきます多機能の拠点をつくっていく、こういう方向で進めてまいりたいと考えております。

福島委員 どうもありがとうございます。これからどのように移行していくのかということでそれぞれの地域で計画がつくられていく、国としてもその計画がきちっと進むようにしっかりと予算を確保しバックアップをしていただきたい、そして我々も努力をいたしたいというふうに思っております。

 就労支援の問題についてお尋ねをいたしたいと思っております。

 今回のこの改革では、工賃収入に対して三千円の控除を認める、こういう仕組みになっているわけでありますけれども、利用者負担が入るということで、ややもすると就労意欲というものを阻害するのではないか、こういう御指摘があります。それに対してどうするか。就労意欲を阻害し、そしてまた授産施設に通所することが少なくなる、こういうようなことはやはり避けなければならない事態だというふうに思います。この三千円をもっと高い水準にする、こういう考え方もありますし、そしてまた、より安定した事業運営をしていただくことによって、より高い工賃水準を実現する、こういう考え方もあります。

 どちらにしましても、適切な対応によってこういう就労意欲が阻害されないような運営というものを実現していかなければいけない、私はそのように思います。この点についての政府の御見解をお聞きしたいと思います。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいまお話ございました就労意欲を阻害しないようにということで、グループホームを利用される方の負担の限度額を算定するに当たりまして、六万六千円を超える収入があり、その超える収入が就労、年金による場合には、三千円の控除を図った上で、その他の収入である場合と比べてより低い上限額を設定するなど、特段の配慮措置を講じさせていただいております。

 また、自宅から通所される方の場合には、社会福祉法人減免により、定率負担部分の月額上限額が半額になる配慮措置や、雇用契約に基づく就労継続支援事業、雇用型について、障害者を雇用する企業と類似しておりますことから、就労の現場の実情を尊重し、事業主の判断で事業主の負担により利用料を減免することができる仕組みを導入しております。

 こういった仕組み全体を通じて、働くことを通じて障害者の方々の自立を目指すという観点にも十分配慮させていただいているものと考えております。

福島委員 先日の委員会でも質疑がありましたけれども、通所施設の報酬が日払い方式に移行する、これについて、精神障害をお持ちの方々など、出勤率が必ずしも高くないという場合があるわけであります。そして、日払い方式に移行すると、当然、安定して通所していただける他の障害の方に事業所そのものがシフトしてしまうのではないか、そういうような心配もあるわけであります。こういったことも起こしてはならない事態だと思いますし、そういう意味では、こうした出勤率について、ある程度弾力的に対応ができるような、そういう仕組みも想定しなければいけないのではないかというふうに思っております。

 激変緩和措置を講ずると先日局長から御答弁がございましたけれども、この点についてお考えをお聞きしたいと思います。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の見直しに当たりまして、いわゆる通所施設への報酬のお支払い方を、日々の利用の状況にかかわらず毎月一定額の報酬をお支払いする月払い方式から、日々の利用実績に応じた報酬を支払う日払い方式に改める、こういう考え方を持っておりますが、やはり、実施する場合には現場の実態にかんがみ、今御指摘ございましたように、利用者の方の心身の状況あるいは入院というようなこともあり、利用者の急なキャンセルなど一定程度発生し得ることを勘案いたしまして、日払い方式を導入するとしても、報酬を設定する際にそういったことについての配慮を行うということ。

 それから、施設の定員の取り扱いにつきましても変動があるわけでございますから、より多くの利用者を、例えば定員を上回る場合の御利用も一定期間は認めるなど、定員の取り扱いの柔軟化を図るなどそういった措置を講じながら、単に激変緩和ということではなく、合理的な事業の実態に合った日払い方式の導入を考えてまいりたいと思っております。

福島委員 ありがとうございます。

 今回のこの改革では、就労支援のサービス体系というものが大きく変わるわけでありますけれども、一方で大切なことは、そうした支援と同時に、実際に受け入れてくれる企業のサイド、ここのところをどういうふうに並行して開拓していくのか、その就労支援サービスを支える地域の体制というものをどうつくっていくのか、この両輪でなければいけないと私は思います。

 昨年の九月二十九日、厚生労働省の障害者の就労支援に関する有識者懇話会が共働宣言というものを発表いたしました。大変大切な取り組みをしていただいたというふうに思っております。この懇話会の取り組みに関して、企業の取り組みの好事例集、さまざまな参考になる事例集を取りまとめる、こういうようなことがあったやにお聞きをいたしております。こうした情報についても積極的に公表していただきたい、そういうふうに思っております。

 そしてまた、今後の就労支援のサービスを進めていくときに地域の受け皿をどうしていくのか。それは、行政そしてまた福祉関係者そしてまた経済関係者、こういった方々が協議会なりをきちっと地域でつくって、こうした障害者の就労に向かっての福祉サービスの前進に対して、それを支える仕組みを同時につくっていくようなことも進めていく必要がある、そのように私は思っております。この二点について、政府の御見解をお聞きしたいと思います。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 前段の障害者の就労支援に関する有識者懇話会につきましては、昨年九月、障害者の就労支援について、福祉関係者、企業関係者と行政関係者が一堂に会して議論していただいたわけですが、昨年九月、これらの議論を取りまとめました「障害のある人の「働きたい」を応援する共働宣言」を公表したところでございまして、この共働宣言につきましては、障害者の就労支援について関係者の御理解を深めるため、議論のまとめをパンフレットとして各種セミナー等の会場で配布させていただいております。議員御指摘の非常によい事例を集めた本につきましては、現在編集作業を進めているところでありまして、早期の出版を目指したいと考えております。

 就労支援に関する地域での連携につきましては、現状でもハローワークと福祉施設や企業等の連携というようなこと、あるいは、就職を希望する地域の障害者に対しまして、地域の企業や行政と連携しながらさまざまな支援を行う障害者就業・生活支援センター等の事業を実施しておりますが、自立支援法において就労移行支援事業を実施することとしておりますので、地域のネットワークをつくるということが大事だと思っております。私ども、その点についても力を尽くしてまいりたいと考えております。

福島委員 小規模作業所の今後ということについての懸念と並んで、現時点でも非常に心配されているのが、重度の障害者の方々のサービス水準が一体どうなるのか、この点だろうというふうに私は思っております。

 先日の参議院における地方公聴会においても、重度の障害者のサービス利用の水準が低下しないようにするべきだ、全国の平均ではなく高い水準を実現しているところを基準とすべきではないか、こういう意見があらわされました。重度訪問介護を利用するひとり暮らしの最重度全身性障害者の方々〇・〇六%、少数であると言われておりますけれども、現実に二十四時間、月間では七百五十時間になりますが、介護サービスの利用によって施設ではなく地域での生活が可能になっている、この現実があるわけであります。

 今回の改革で再びこうした方々が施設に戻らざるを得ない、こういう結果になることは避けなければいけないと私は思います。今回の改革が障害者福祉施策を将来に向かって大きく進めていくものである、こういうことを国民に対して発信していくためにも、こうした最重度な方々であっても地域での生活が継続できる、このことがやはり私は約束されなければいけないというふうに思います。

 参議院の附帯決議でも、重度障害者等包括支援や重度訪問介護の対象者について、「重度の障害のある者のサービスの利用実態やニーズ等を把握した上で設定することとし、そのサービス内容や国庫負担基準については、適切な水準となるよう措置すること。」こういうふうにされております。適切な水準となるよう措置するためにはどのような方策を講じるのか。障害程度区分間の財源の流用というようなことも現時点でも行われているわけであります。規模の小さい自治体、ここでどうするか、こういうことも考えなければいけません。

 いずれにしましても、いろいろな工夫をして、いろいろな知恵を出して、こうした最重度の方が必要とするサービスというものが利用できる、こういう方向をやはり明確にしていくべきではないかと私は思います。この点についての厚生労働副大臣の御答弁をお聞きしたいと思います。

西副大臣 お答え申し上げます。

 委員御指摘のように、地域で暮らす重度の障害をお持ちの方を支えていく、これは大変重要な課題だというふうに考えております。そんな意味で、今回、重度訪問介護それから重度障害者等包括支援、こういう制度をつくって、そして国庫負担基準、それから報酬基準ということを今後検討していくわけですから、サービスの利用実態、それから障害程度区分の試行事業の結果の分析を行いまして、適当な水準になるよう検討していきたいと思っております。

 今御指摘のように、一部の自治体で実際に行っていただいているような、軽度の障害者の使わなかったサービスの部分を長時間サービス利用者に、いわゆる流用というふうに言っておりますが、そういう取り扱いが現実に行われておりまして、障害種別を超えて調整をしていただいている。今回、支援の必要度に応じたいわゆる障害程度区分ということで、障害種別にかかわらず一元化をしていくわけですが、そういう趣旨からすると本来的には適当ではないというふうに思うわけですが、しかし一方では、今回の制度の変更に伴って、今、現にサービスを受けている、利用していただいている方に大きな変化を生じないようにする、これは委員御指摘のとおりだと思います。

 そういう意味で、今回、こうした流用の取り扱いについては、新たに設定する国庫負担基準の水準などを勘案しながら、私どもとして検討をしてまいりたいと思っております。

 もう一つの点で、では、小規模な自治体における人数の少ないところでいわゆる流用の可能性が非常に狭まっていることに対して、どう解決するのかという御指摘がございました。

 確かに、そういう意味では選択が非常に難しいということもございますので、どういうような事態になるかということを我々としても検証させていただいて、そして対応の必要性も含めてこれから取り組んでまいりたいというふうに考えておるところでございます。

福島委員 障害程度区分の認定、これは公平な制度の運営ということにおいては極めて大切でありますし、サービス給付ということについてやはり透明性のある決定がなされる必要がある、そのように私も思います。そしてまた、国の立場であれば、全国の水準といいますか、平均的な水準はどうかということも当然考えるということも、発想としてはわかるわけであります。

 ただ、それぞれの地域によってさまざまな事情があります、さまざまな水準があります。そういう透明性、公平性というものを確保して、なおかつこうした最重度の方々についても、それをどう支援するかということについて自治体が判断できる、こういうことをやはり私は考えるべきではないか。おのずと国とまた地方の立場というものも違うと私は思いますし、公平性、透明性ということが確保された上で、最重度の方が地域で生活できる、こういうものもあるということをやはり判断できるような余地は残さなきゃいけない、私はそのように思っております。このことを要望しておきたいというふうに思います。

 次に、時間がありません、申しわけありません。次は、地域生活支援事業について、これもいろいろと御心配いただいているわけであります。

 参議院の地方公聴会において、地域生活支援事業の年間予算は四百億だ、人口比でこれを配分すれば、私の地元の大阪市では八億円にしかすぎない、平成十六年の実績では二十八億円だ、到底不足する、どのようにして現在のサービス水準を維持していくことができるんだ、こういう御指摘がありました。

 これもごもっともなことでありまして、国として、この地域生活支援事業の予算をしっかり確保するということは一つ必要でありますけれども、同時に、それをどういうふうに配分するのか、このことについても十分配慮しなければいけないと思います。政府の見解をお聞きをいたしたいと思います。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 障害者福祉の地域における推進の観点から地域生活支援事業を創設することといたしておりますが、この事業につきましてはさまざまなメニューがございますし、また、そういったメニューについて、市町村で必ずやっていただかなければならないというような事項にもなっております。一種の統合補助金でございますので、基本的には個々の事業の所要額に基づく配分というよりは、一定の基準に基づきまして配分する予定、その際、今委員からお話がありました人口規模等というのも一定の基準に入ると思います。

 しかし、もう一つ、現在の事業の実施水準について、これは問題になっておりますけれども、かなり地域格差があることも事実でございまして、非常にサービスが行われている地域、それからまだ全くサービスがない地域ございます。そういった現状に対して、機械的に配分するということは、ある意味では進んでいる地域を抑制することにもなりかねませんので、現在の事業の実施水準ということもよく考慮いたしながら、この事業費の配分ということはさせていただきたいと思います。

 基本となりますのはやはり事業の計画的実施でございますので、地域において障害福祉計画をつくっていただくということが基本になろうかと思いますが、ある意味ではそれの積み上げということも十分考慮していく必要があると考えております。

福島委員 時間になりましたので、私の質問は一たん終わりにさせていただきますが、引き続き、政府におきましては、関係者の方々に、よりわかりやすい御説明をまたいただきたいと思います。ありがとうございました。

鴨下委員長 次に、林潤君。

林(潤)委員 おはようございます。自由民主党の林潤であります。

 当委員会におきます質疑というものは、先々週の労働安全衛生法の改正案に続きまして二度目であります。今回、こうした初当選の新人にこのような機会を与えていただいた先輩諸氏と、そしてこの場に送っていただいた地元神奈川四区の支援者の皆様に感謝するとともに、本日、ふなれな点もあるかと存じますが、どうぞよろしくお願いいたします。

 本日は、ノーマライゼーションの理念を本当の意味で実現するための障害者自立支援法案につきまして質問をさせていただきます。

 この法案につきましては、福祉サービスを一元化すること、あるいは障害者の就労を支援すること、そして国の財政責任を明確化することなど、これまでの国の障害福祉サービスにおけるさまざまな課題に対して正面から取り組んでいる、こういうふうに考えているわけであります。

 しかしながら、この法案をこうして審議している間に、利用者負担の見直しを中心にしまして、障害者やその家族の方々から不安の声が上がってきているのもまた事実であります。現実に、私のもとには毎日数十通、合わせて千通以上の手紙やファクスが今届いておりまして、そして切実な願いが書かれているわけであります。これらの内容を大きく分けますと、定率負担を導入するかどうか、あるいは家族の負担が今後求められるのではないかということ、そして医療費など、こうした実費負担だけでも導入しないでほしい、こうした要望があるわけであります。

 これらの点については、法案を提出する前から、あるいは法案を審議中も含めまして、与党といたしまして政府に対してさまざまな配慮を講ずるように指導をしていきまして、その結果、相当な配慮措置を講ずる答弁をいただいたわけであります。しかしながら、まだその内容や、負担をしていただく、こうした基本的な考え方が理解されていない、こう思いますので、こうした観点から幾つか質問をさせていただきます。

 先日、私は、地元の横浜におきまして、小規模作業所が併設されている知的障害者の施設、これはさかえ福祉活動ホームというところなんですけれども、こちらを訪問させていただきまして、スタッフや利用者あるいはその家族から話を聞いてきました。デイサービスと障害者施設、合わせて利用者は三十人、障害が重い方が多く、かつて就労していた方一人を除いては就労は難しいとのことでありました。利用者の方々は、日常は資源の回収や花壇の管理などを行い、月三千五百円から四千五百円の工賃をもらっているわけであります。

 現在、デイサービスとこの小規模作業所、利用料が同じなわけでありますが、自立支援法が施行され、この中から利用者負担をすることになりますと、デイサービスの利用者というものは、負担に耐え切れず、ほとんどが小規模作業所へ移行せざるを得なくなる、こうした御家族の話も聞いたわけであります。

 そこで、利用者負担につきまして、こうした所得の低い方が、働く喜びあるいは意義を失わないようにきめ細かな減免措置を望みますが、その内容についてお聞かせください。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 今議員の方から、障害者自立支援法の利用者の御負担について御質問があり、負担を減免する各般の仕組みについて御説明するようにということでございましたので、具体的に御説明をさせていただきます。

 まず、一割の定率負担と所得に応じた月額の負担上限を組み合わせた利用者負担をお願いしておりますけれども、その水準が、過大な負担とならないよう、一般の月額負担の上限のほかに、所得の低い方にはより低い段階的な上限の設定をさせていただいております。

 特に、グループホームや入所施設で暮らす方で資産が少ない方につきましては、月額六万六千円までは、定率負担、一割負担と言われておりますが、ゼロとなる仕組みを講じさせていただいております。

 また、今お話のありました通所施設、ホームヘルプサービスなどを利用する在宅で暮らされている方につきましては、一般の月額上限が、社会福祉法人制度の減免によりまして、定率負担の月額負担の上限額がさらに半分になるように負担を軽減することといたしております。

 また、通所サービスを利用される方について食費の御負担もお願いすることといたしておりますが、その際、食費については食材料費のみの負担とさせていただきます。

 さらに、施設に入所されている方、今の議員が訪問されたケースではないわけですが、重度の方で施設に入所されている方がおられますが、そういった方については、食費等の御負担をいただいた場合でも手元に二万五千円が残るように負担を軽減するということをさせていただいております。

 なお、今働いて賃金収入があるお話がございましたが、特にそういう年金や工賃収入につきましては、利用料に充てていただく場合に手元に残る額が多いような設定もさせていただいておりますので、年金や工賃収入の範囲内で利用者負担額は御負担いただける水準になるものと考えております。

林(潤)委員 また、こういった減免措置を講じる際、所得の範囲というものが世帯全体の収入によるということでありますが、障害者の地域生活を促進する観点から、本人のみの所得で見るべきだという声もあるわけであります。この点についてはどのように配慮するようにいたしたのでしょうか。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、費用負担につきましては、今までの支援費制度は扶養義務者にも負担義務が課されておりましたけれども、障害者自立支援法案においては扶養義務者の負担は廃止し、御負担については障害者本人のみを法律上の負担義務者とさせていただいております。ですから、負担は御本人のみを考えるということにしております。

 ただ、今議員からお話がございましたように、減免措置を講じる場合、世帯の単位の所得に応じて負担の限度額を考えるという仕組みになっております。その場合でございましても、障害者と同一の世帯に属する御家族がいる場合であっても、その御家族等が税制と医療保険のいずれにおいても障害者の方を扶養していない、こういうところになった場合には、障害者本人、配偶者がおられる方については障害者本人と配偶者の所得に基づき負担能力を判定することも選んでいただける、選択できることといたしております。

林(潤)委員 さらなるこうした配慮を重ねていただき、きめ細かな減免措置というものをさらに望むわけであります。

 そして、次に、障害者の就労支援についてお尋ねをいたします。

 今回の障害者自立支援法案におきましては、その目指すものとして、障害者が地域で自立して暮らせるような社会の構築が挙げられると思います。そのための最も重要な施策の一つが就労支援であります。

 しかしながら、現状においては、働きたいという意欲のある障害者の個々のニーズに応じた十分な支援がされてきたとは言えないわけであります。私は、障害者が地域で自立して暮らしていくためには、福祉のサイドからも働きかけをすること、支援をすることが重要であると考えているわけであります。現在、授産施設の施設サービスを利用されている障害のある方のうち、施設を出て企業で働きたい方が約四〇%おられるのに対しまして、実際に施設を出て働く方は一%程度である、こうした現状ではそのような支援の充実がまさに今望まれている、このように考えているわけであります。

 一方で、昨日参考人として来ていただいた福井のC・ネット、松永参考人のように、都市部とは異なりまして障害者の就労が難しいと思われるこうした地方においても、知的障害者の就労支援に真剣に取り組み成果を上げられている、こうした事例も、一部ではありますが現実のものとなっているのもまた事実であります。

 松永参考人の話によりますと、重度の障害者であっても、その人その人に応じた支援や仕事の開拓をしていけば就労は可能だ、まさにサービスで個々の障害者の個性や特性に応じた個別支援を実現できていく、こうした質が確保されることが重要であるということでありました。

 そこで、まずこの法案について、働く意欲と能力があっても働けない、こうした障害者の方々に対しまして福祉サイドからはどのように支援を行うこととしているか、また、その支援内容については、こうした先進の取り組み事例を踏まえると、障害者それぞれの能力や個性あるいは適性に応じていくことが重要であると私は考えますが、具体的にどのように取り組むか、お聞かせください。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 障害者の方の一般就労の状況は、今議員から御指摘いただいたとおりでございまして、授産施設の利用者の中で一般就労に結びついている割合が極めて低いということと、他方、今福井の参考人の事例を御紹介になりましたけれども、非常に先進的に取り組まれている事例もあると承知しております。

 私ども、今度就労移行支援事業を取り入れようとしておりますが、こういった先進事例などのやり方も踏まえまして、今御指摘ありました利用者の適性評価から職場開拓、就労後の職場定着に至るまで、段階を踏んで就労に結びつけることが必要だと考えておりまして、具体的には、今お話ありましたように、利用者ごとに目標期間を定めまして個別支援計画をつくり、そういった中で、事業所ごとに責任者を配置いたしまして、障害者の方の一般就労に向けて責任を持って当たっていただく、報酬面でもこれを評価することとさせていただいています。二つ目は、ハローワーク等と連携して、障害者の方の適性に合った職場探しを行って就労に結びつける。三つ目は、就職された後も利用者の方の相談支援や助言が必要ですので、職場定着に向けた支援を行う。

 まさに、これがいろいろ先進的な事業者の方がやっておられる方法でございますが、そういった方法を踏まえて、この新しい就労移行支援事業に取り組んでまいりたいと考えております。

林(潤)委員 あわせまして、今後各地で質の高い支援を実現していくためにも、こうした成功事例、これを全国に普及させていくことが大切だと考えるわけであります。国としてはこれにどう取り組むのか、御説明をお願いします。

中村政府参考人 全般的に申しますと、まだまだ一般就労へ結びついていない状況でございますので、ただいま申し上げました成功事例、こういったものについて集積し、それを地域で実践されております一般就労に結びつける事業をやっておられる方に対して普及していく必要があると考えておりますので、私ども国といたしましても、まず成功事例の集積を行うこと、それからサービス管理責任者、先ほど責任者を置いていただくと申し上げましたので、事業所の責任者に対して研修の機会を設ける、そういった際にこういった事例研究を行うというような方法で効果を広めまして、各事業者に、具体的に障害者の方を一般就労に結びつける支援方法に関する理解を深めていただくことがまず大事ではないかと考えております。

林(潤)委員 こうした先進の事例について、さらに普及に努めていただくようにお願いいたします。

 先ほどの工賃のことについて、またさらに質問をさせていただきますが、先ほどの利用者負担の件で、工賃と年金を合わせた額がその方の収入である、こうした御説明がありましたが、こうした意味で、障害者の所得保障というものを考える場合、就労支援がいかに現実のものとなるかが重要ですし、工賃といいましても、先ほどのように月数千円、あるいは多いところで十万円程度もらっていると、非常に幅が広いのが現状であります。この額をできるだけ引き上げていくような取り組みも重要と考えます。

 現に、昨日の松永参考人のところでは、それぞれの障害者に目標工賃の額を設定いたしまして、その実現に向けて努力をしているということでしたし、重度かどうかということだけではなく、支援の質が重要ということでありました。

 そこで、今後の工賃水準の引き上げに向けてどのように取り組んでいくのか、そこをお聞かせ願います。

中村政府参考人 今、工賃水準のお話がございましたが、従来の授産施設におきましてはさまざまな能力の方がおられますけれども、工賃の実態は月一万円未満の方が全体の四五%を占めているということで、工賃水準の引き上げが本当に重要な課題になっております。

 これまで地方公共団体の方では、物品調達に当たりまして授産施設などへの優先発注を進めるなどの取り組みが行われてきておりますが、私ども、そういった従来の取り組みに加えまして、新制度では、雇用契約に基づく就労機会を提供する就労継続支援事業につきましては、障害者以外の方の雇用も認め、障害者の方と障害者以外の方とともに働くということで生産性を高めていく、そういった形の中から工賃の引き上げということが一つあるのではないかと考えております。

 こういう非雇用型の場合におきましても、今お話がございましたけれども、事業所ごとに目標工賃水準を設定するということと、実際の工賃水準の公表などを通じましてその引き上げを図りたいと思っておりますし、できる限り雇用型への移行を促すため、そういったことを促進するような、またそういったことが進められるような、事業所に対する報酬面での手当ても進めてまいりたいと思います。

 このほか、授産施設については、参議院の審議の際には、もう少し工賃を引き上げるという観点から経営努力が必要ではないかという御指摘もございましたので、そういったことも含めまして、私ども考えさせていただきたいと思っております。

林(潤)委員 ぜひとも、こうした自立支援法によりまして福祉サイドからの就労支援、そして先般改正された障害者雇用促進法による雇用サイドからの支援が有機的に連携し、そして障害のある方の就労支援が一層進むことを期待しているわけであります。

 次に、これも昨日の参考人の意見陳述に関連をいたしまして、精神障害者の関係についてお尋ねをいたします。

 今回の法案によりまして、精神障害者の福祉サービスが身体、知的障害と一緒になりまして一元化することにつきましては、評価する意見が昨日も述べられたわけであります。一方で、特に地方では医療や福祉の基盤整備がおくれておりまして、精神障害者が安心して暮らせる環境になっていないということや、精神病院への社会的入院の問題など、まだまだ解決すべき課題が残されている、こうした意見も述べられたわけであります。

 そこで、まず精神障害者保健福祉施策のこうした現状と社会的入院の解消方策、精神障害者の福祉サービスの基盤整備など、今後の方向性について御説明をしていただきたいと思います。

中谷政府参考人 御答弁申し上げます。

 我が国の精神保健福祉施策におきましては、平均在院日数の長さなどの精神医療の現状、退院後の地域生活を支える資源の乏しさなど、取り組むべき課題が多いと考えております。そうした中で、精神障害者の社会復帰の促進は重要な課題でありまして、精神障害につきましては、現在は支援費制度の対象となっておらずサービス提供基盤の整備もおくれているなど、その対策が急務であると認識をしております。

 このため、今般御提案しております法案におきましては、議員が御指摘されましたとおり、精神障害を含め福祉サービスを一元的に提供すること、第二に、市町村等に必要なサービス量の見込み量を定めた障害福祉計画の策定を義務づけ計画的なサービス提供体制の整備を図ること、また、都道府県障害福祉計画については、医療計画と相まって精神病院に入院している精神障害者の退院促進に資するものとする、こういうことでいわゆる社会的入院の問題にも対応しようとすること、このように精神障害者に対する社会復帰や地域生活の支援などにつきまして根本的に強化する、このように考えておるところでございます。

 今後とも、入院医療中心から地域生活中心へという基本的な考え方に基づきまして、新たな仕組みのもとで、精神障害者に対する社会復帰や地域生活の支援に全力で取り組んでまいります。

林(潤)委員 こうした精神障害者を取り巻く環境につきまして、さらなる改善に向けて取り組んでいただきたいと思っております。

 現状のこうした施設のことについてお伺いしますが、現状の施設には、施設利用に関して応諾の義務があるということを伺っております。この自立支援法におきましては三つの障害に共通のサービスを提供することができるため、例えば知的障害の施設に精神障害者の方が利用を希望される場合、現状の利用者の主な障害と異なる障害のある方の利用につきまして、施設にノウハウがない、ノウハウが乏しい、こうしたことによってサービスの低下を招く、こうした懸念があるわけであります。この応諾義務について、本法案ではどうなさるかを、御見解を伺いたいと思います。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の自立支援法は、従来の身体障害、知的障害の方に加えまして精神障害者の方も対象とし、いわば施設の体系なども障害種別ごとに制度化されてまいりましたものを超えて一元化を図る、体系的にはそういう施設で、そういう見直しになっておりますので、場合によっては一つの施設で異なる障害を持つ方にサービスを提供できるような形も認められる制度となっております。

 他方、実際のサービス提供においてはさまざまな専門性がありますので、それぞれの施設が障害の特性に応じましたノウハウを持っておられたり、またそれに習熟されている、また専門性も十分持っているということがありますので、実際上、それぞれの専門性に応じまして、最も適切な利用者の方に対応する、また利用者の方もできる限り最適な施設の方を利用される、こういう形になろうかと思いますので、いわゆる合理的な理由なくサービスの提供を拒んではならないという規定と、自分のところの専門性でどういった利用者の方を主として考えるかということの両立を図っていかなければならないと思いますので、そういった意味で、専門性については十分配慮されるような運用ができるようにしてまいりたいと考えております。

林(潤)委員 ぜひともこうした障害種別ごとに専門性といったものをしっかり認めて、障害者が地域で安心できる生活を送るように一層望むわけであります。

 また、今度は小規模作業所、先ほど小規模作業所を伺いましたけれども、利用されている方は全国で八万五千人おられると聞いているわけであります。この法案によりまして、将来作業所がどうなるか不安に思っている方も少なくないと聞いているわけであります。障害者がそれぞれの地域において働くための体制づくりには、現在法定外の施設であります小規模作業所も本法案に基づく事業に積極的に移行していただく、こうしたことが必要であると考えておりますが、具体的にどのような規制緩和を行うことにより移行が可能になるのか、またその移行について支援を行う予定があるのか、こうしたことについてお聞かせ願いたいと思います。

中村政府参考人 法定外の施設であります小規模作業所が、今度の法律のいわば法定内の施設へ移行しやすくするという点につきましては、第一といたしまして、設置主体の規制が緩和されまして、NPO法人などの運営が可能となるようになっております。二つ目といたしまして、空き店舗や空き教室、民家の活用など、地域の社会資源が活用できるようにしてまいりたいと考えております。

 こういったことによりまして、現在法定外で活動されております小規模作業所も、希望される場合に、障害者自立支援法の規定する事業所となる道が開かれるのではないかと考えております。

 支援策といたしましては、小規模作業所に対する経営セミナーの開催など、今後、そういう意向に備えまして、小規模作業所の方々がノウハウを習得できるような機会を設けるとともに、都道府県が障害福祉計画を策定いたしますので、都道府県の方にも、その障害福祉計画の中で地域における小規模作業所の位置づけということについて考えてもらいたいと思っております。

林(潤)委員 時間が迫ってまいりましたが、最後に、支給決定手続についてお尋ねをいたします。

 自立支援法におきましては、支援の必要度合いに応じてサービスが公平に利用できますように、利用に関する手続、そして基準の透明化、明確化を図ると聞いているわけであります。そのために、心身の障害の状態について障害程度区分が導入されるということですが、これによって現在通所している施設に通えなくなってしまうのではないか、こうした不安の声を私は施設を訪問して聞いたわけであります。

 この点についてどのような配慮を行うこととしているか、大臣にお伺いしたいと思います。

尾辻国務大臣 現在の支援費制度では支給決定の手続や基準が明確ではないという課題がございましたので、新しい制度では障害者の福祉サービスの必要度をあらわす障害程度区分を導入することといたしております。

 この新制度におきます支給決定は、障害程度区分のみならず、介護者の状況、障害者の利用意向等を勘案して、一人一人の状況に応じて行うことといたしておりますけれども、仮に新たな基準では利用対象とならないと判定されるようなケースでも、来年十月の時点で現行制度により通所施設を利用している方については、その施設が新体系に移行した後においても、平成二十四年三月までの約五年間は引き続きその施設を利用し続けることができるような経過措置を設ける方向で検討いたしたいと考えております。

林(潤)委員 障害当事者のこうした支給決定に当たりましては、本人の利用の意向を十分に伺いまして、本人のニーズにそぐわない内容の決定が行われないように、ぜひ御配慮をしていただきたいと思います。

 この法案におきまして直接的な影響を受けますのは、やはり本人とその御家族であります。この法案によって、障害者が不安にあえぎ暮らしにくいような状況ができることは絶対にあってはならないわけでありまして、あくまでも、行政本位ではなく障害者の視点に立った、そしてその意向を尊重した政策及び政令の実現をお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

鴨下委員長 次に、菊田真紀子君。

菊田委員 おはようございます。民主党の菊田真紀子でございます。

 障害者自立支援法案につきましては、今日まで大変長時間にわたり審議が重ねられてまいりました。尾辻大臣におかれましても、連日、大変御苦労さまでございます。

 しかし、率直に申し上げまして、幾ら議論しても、むしろ議論が深まるほどに、この法案の細かいところはどうなるのか、全容が明確になっていません。また、今後政省令事項として決められるということが余りにも多く、全国の障害者団体から、連日たくさんの不安や疑問の声が国会に届けられております。私の会館の部屋にも本当に多くの方々が要請、要望に来られておりますし、たくさんのメールやファクスが届けられております。

 また、きのうの参考人質疑の中でも、障害を持つ子の親としてせつない思いが語られました。障害のある子供を残しては死ねない、自分が先に死んだ後、この子は一体どうなるのかとおっしゃられました。

 一つの法案が障害者や御家族の生活に大きな影響を与え、そして人生までも左右してしまうのです。日本の福祉政策が大きく前進するのか、それとも大きく後退となるのか、まさにその分け目の重要な法案です。私は、改めて拙速であってはならないということを冒頭申し上げたいと思います。

 それでは、質問に入らせていただきます。

 きょうも朝から多くの障害者の皆さんが傍聴にお見えでございます。しかし、せっかく国会の審議をリアルタイムで見たり聞いたりしていただくのに、国会は十分な配慮がなされているのでしょうか。私たち抜きに私たちのことを決めないでというのは、世界の障害者の共通のスローガンであります。

 現在、聴覚障害者が本会議及び委員会を傍聴したり参観する際に、手話通訳等の配置はどうなっているのか、現状をまずお聞かせください。

中村政府参考人 お尋ねでございますが、議会の運営に関することでございますので、私どもが御答弁するのが適切かどうかということはあろうかと思いますが、承知していることをお答えさせていただきますと、聴覚障害者が本会議及び委員会を傍聴される場合については、衆参両院の運営に関する規定などにより、必要に応じて手話通訳の派遣がなされるものと承知いたしております。

菊田委員 ありがとうございました。

 必要に応じて手話通訳者が配置されるということでございますけれども、これは院の公的制度として派遣をされておられるのか、それとも個人で手配することになっているのか、現状をお聞かせください。

中村政府参考人 大変申しわけありませんけれども、ちょっと私ども、そちらの手続とか、どういう状況で派遣されているのかは承知いたしておりません。

菊田委員 障害者の政治参画や社会参画を考えていく厚生労働委員会の場でそのような余り関心のないような御答弁があるということは、私は残念に思います。

 それでは、お伺いしますけれども、この障害者自立支援法案の中の地域生活支援事業にコミュニケーション支援がございます。現行法における要約筆記は、通訳行為という専門性の位置づけがない要約筆記奉仕員となっておりますが、自立支援法案ではこれをどう位置づけるのでしょうか。手話通訳と同等の要約筆記通訳として位置づけることになるのか、お聞かせをいただきたいと思います。

    〔委員長退席、石崎委員長代理着席〕

中村政府参考人 お答えを申し上げます。

 聴覚障害のおありの方など意思疎通を図ることに支障がある障害者の方々にとって、コミュニケーション支援は極めて重要であると認識いたしております。

 このため、今般の障害者自立支援法案においては、手話を用いて会話する手話通訳や、中途に聞こえなくなったり難聴になった方に対しまして、手書きやパソコン等を活用して話し手の話をわかりやすく伝える要約筆記などのコミュニケーション支援施策を、地域生活支援事業として市町村が実施しなければならない事業の一つとして位置づけたところでございます。こういったことにより、意思疎通を図ることに支障がある障害者の方々の各市町村での手話通訳や要約筆記など、適切な利用が可能になるものと考えております。

 要は、コミュニケーション支援施策でございますので、その地域の状況、活用できる資源に応じてこういったことをやっていただきたいと考えております。

菊田委員 今ほどお話がありましたとおり、要約筆記というのは、特に中途失聴者にとっては大変有効な情報の保障手段でありますし、聴覚障害者の中で手話を自由に使える人は二割にも満たないというのが現状でありますので、もちろん、そういった地方自治体、市町村でしっかりと取り組みを行っていくことは当然でありますけれども、その前提として、まず国会において手話通訳者と要約筆記者の配置を求めてまいりたいと思っておりますが、このような考えについて、尾辻厚生労働大臣、どのようにお考えでしょうか、お聞かせください。

尾辻国務大臣 聴覚障害者などの、意思疎通を図ることに支障がある障害者の方々のコミュニケーション支援施策というのは、極めて重要であるというふうに認識をいたしております。

 そうした中で、国会でそうした皆さんに対してどういうふうに対応していくか、これは一義的には院がお決めになることでございますから、私がそういう意味で申し上げる立場にございませんけれども、障害者の皆さんの施策を大きくお預かりするという立場で申し上げますと、いろいろな場所でそういうことが進んでいくということは大変好ましいことだというふうには考えております。

菊田委員 ぜひ、尾辻厚生労働大臣からもその先頭に立って御努力をいただきたいと思っております。これはもちろん、議院運営委員会で検討される事項であることは当然承知をしておる上での発言でございます。

 それでは、続きまして、グループホームについてお伺いしたいと思います。

 これまでグループホームは、地域生活の場として、施設から地域への移行のための社会資源として大切な役割を果たしてきました。今回の改正で病院の敷地内にグループホームを置くことを認めるのであれば、町中のグループホームで障害当事者が自立生活を営むノーマライゼーションを目指していたはずが、病院内の隔離政策へと逆戻りしかねないと思います。

 厚生労働省のグループホームのハンドブックの規定にはこのように書かれております。「グループホームにおける入居者の生活は、基本的に個人生活であり、本人の希望により契約が継続する限り続くものである。その意味で仮の宿ではないことを関係者は銘記し、一市民の地域生活にふさわしく、プライバシーが確保され、一市民としてすべての権利が保障されるよう最大の配慮をしなければならない。」「グループホームとして使用する住宅は、原則として一般住宅地内に位置し、その外観は一般の住宅と異なることのないよう配慮されていなければなりません。」「立地条件としては、精神薄弱者援護施設や通勤寮と同じ敷地の住宅は望ましくありません。 やむを得ず同一敷地内の住宅を使用せざるを得ない場合も、そこが一般住宅地の中にあることは絶対の条件です。」

 これは、厚生労働省の児童家庭局障害福祉課が出している「グループホームの制度化 設置・運営マニュアル」の中にあるわけですが、このようなハンドブックの規定にも反すると考えますし、また、障害者の自立支援という本法の趣旨にも反すると思いますが、どうお考えでしょうか。

尾辻国務大臣 グループホームでありますとか、ケアホームは、病院や施設とは異なりまして、地域に住む人と自然に交わりながら、住居から離れた日中活動の場へと通うという点に特徴があると考えております。

 御指摘の設置場所の問題につきましては、関係者の間でもこれは本当にいろいろ御意見があるところでございまして、入所施設や病院の敷地内に設置する場合、入所、入院と大きく変わることなく、認めるべきではないのではないかといったような御意見があります一方で、設置場所にかかわらず、施設や病院との独立性が担保されていれば認めてよいのではないか、こういった御意見があることも事実でございます。現実には直ちに十分なサービス量を地域に確保することが困難な中で、一定の条件のもと、施設や病院の敷地を利用することも否定できないのではないか、こういった現実を見てという御意見もあることは承知をいたしております。

 申し上げたように、この点につきましてはいろいろ御意見があるものですから、社会保障審議会障害者部会などの場において、今お話しいただいたようなことなども含めて十分に意見を伺いながら、私どもも具体的な取り扱いについてさらに検討を進めてまいりたいと考えております。

菊田委員 仮に病院の敷地内や通勤寮内に中間施設を置くことを認めるとしても、これは従来のグループホームとは中身が違ってまいります。ですから、これをグループホームと呼ぶのだけはやめてほしい、そういう運動が出ていることを大臣はどのように受けとめられるでしょうか。こうしたグループホームは、これまでの施設の中から出て地域の中で自立して生活するためのグループホームとは全く違うんだ、ぜひ名前を変えてほしいという意見が出されております。

 私も、今までのグループホームと、これからそのような敷地内の中でできるグループホームというのは全く目指す姿が違ってくると思います。その点についてどのようにお考えでしょうか。

尾辻国務大臣 申し上げましたように、そもそもどうするのがいいかという御意見が大きく分かれておるといいますか、いろいろな御意見がありますので、その御意見をまた十分お伺いしながら、私どもは検討を進めていかなきゃならないと考えておるわけでございます。

 ただ、そういう中で、もし認めればという今のお話でありますけれども、まさにそういう前提でお尋ねでございますので、もしそういうことがあって、そしてまたそのときの名称をどうするんだというお尋ねでございますけれども、私どもはそもそもそのことを認めるべきかどうかということで今検討いたしておりますので、そうなった場合の名称ということについては、今お答えすることは控えさせていただきたいと存じます。

菊田委員 現在のグループホームはほとんどが四人から五人という少人数の規模になっておりますけれども、二十人程度のホームというのはグループホームとして意味をなさず、現在の通勤寮や援護寮、または福祉ホームがただ看板をつけかえただけにすぎないと思いますが、厚生労働大臣の見解をお聞かせください。

尾辻国務大臣 新しい制度におきますグループホームやケアホームの定員についてでございますけれども、大規模なグループホーム等を認める場合、実質的に入所施設と変わらないこととなり、適当ではないとする意見がございます。また、一方で、地域で居住するサービス基盤が不足している中、既存の社会資源を有効に活用して整備を急ぐべきとする御意見もございます。

 こうした御意見が今ございますので、この点につきましても社会保障審議会障害者部会等において御議論いただいておりますし、そういう御議論の中で、今また先生御自身からの御意見も伺ったところでございますけれども、私どもも、さらにこの点の検討を進めてまいりたいと考えております。

菊田委員 さまざまな意見があり、まだ結論が出ていないということですけれども、一体いつになったら決まるんでしょうか。こんなに大事なことがまだ検討中、まだ結論が出ないということでこの法案を通してしまってよいのか、私は本当に不安になります。

 では、続きまして、民主党案に質問をしたいと思います。

 昨日の参考人の方々からも、応益負担というなら、まず所得保障を先にやってほしいという意見がございました。障害者の多くは、月額六万六千二百円の二級年金が主な収入源となっており、利用者負担の見直しに当たっては、まず障害者の所得保障の確立が不可欠であります。

 しかしながら、政府案ではこの点が不明確なままです。この点、民主党案はどうお考えでしょうか。お伺いします。

園田(康)議員 お答えを申し上げます。

 今菊田議員からも御指摘がありましたように、昨日の参考人質疑の中でも、大変多くの関係当事者の方から、この所得保障、いわゆる所得の確保というものに対する考え方あるいは不安というものがお示しをされているという形を持っております。私どもは、この所得保障という考え方については、昨日も出ておりましたいわゆる就労支援という考え方、これが大きな柱の一つであるというふうに考えております。そこで、障害基礎年金等の引き上げというものも同時に考えていかなければいけない、障害手当というものもあわせて検討が行われるのではないかというふうに考えております。

 そこで、就労支援関係の事業につきましては、障害者が自立して社会参加をすること、この一環としていわば就労を促進するものであるということでありますけれども、これは二つの概念が考えられると思います。

 一つには、まず就労が可能な人に対しましては、先ほどからも議論が出ておりましたけれども、一般就労につなげるための知識であるとか、あるいは能力の向上のための訓練を行っていくということであります。先ほども御議論が出ておりましたけれども、成功事例などの研究を行い、さらにそれを研修して実績につなげていくということを、これは私ども民主党も同じ考え方に立っております。そして、重度障害者等で一般就労が困難な方に対しては、就労の場というものを、これはやはり国の責任で提供しつつも、知識や能力の向上のための訓練を行うということも想定をいたしております。

 そしてさらに、いわばこの就労支援ということだけではなくて、やはりもう一点考えなければいけないのは、今菊田委員からも御指摘があったように、障害基礎年金、一級は八万二千七百五十八円、二級は六万六千二百八円という大変低い現状にあるというふうに私も認識をいたしておりますので、これはやはり年金制度の抜本的な見直しの中で、さらなる支給額の改定というものを行っていく必要があるというふうに考えております。

 同時に、特別障害者手当というものが、各委員の方々も御承知だと思いますけれども、現状では、特別障害者手当は特別障害者に対しての福祉的措置の一環として、重度の障害のため必要となる精神的、物質的な特別の負担の軽減の一助として手当を支給するという形になっておりまして、現在の手当額、これは平成十六年度の四月現在でありますけれども、月額二万六千五百二十円。さらには、障害児福祉手当、そして福祉手当、これは経過措置分といたしまして、いわゆる二十以上の従来の福祉手当の受給資格者のうち、特別障害者手当の支給要件に該当せず、かつ、障害基礎年金も支給されない方という形に対して、月額一万四千四百三十円が支払われているものであります。そのほかには、特別児童扶養手当という形がなされているわけであります。

 いずれにいたしましても、これらの障害手当に関しましては、政府も積極的に取り組んでいただく必要があるというふうに私は考えております。

 今後この手当分に関しては、いわば福祉的な措置として、各党、公明党さんもしかり、それから自民党さんもしかり、そして私ども民主党もしかりでありますけれども、その他、共産、社民という方々も、一同にこれをしっかりと検討していく必要があり、そして、これは財源的な問題もあるわけでありますけれども、しっかりとこの手当の引き上げということを念頭に置いて行っていくということを、いわば政治的な責任でこれを進めていく必要があるというふうに私は考えております。

菊田委員 続けて民主党案に質問いたしますけれども、今まで障害者が利用してきたさまざまのサービスがどのように維持されていくのか、お伺いをいたします。また、福祉サービスを一元化すれば、すべての問題が解決してバラ色の制度となるというわけではございません。この点、民主党の考えをあわせてお聞かせください。

園田(康)議員 お答えをいたします。

 まず、現在受けているサービスについての現状維持が私ども民主党の案で可能であるかどうか、担保されるかという御質問からでございますけれども、当然、民主党案では、現在の支援費制度を維持し、そして、その費用については義務的経費化を主張させていただいております。

 すなわち、支援費制度を拡充し、そして、そこにおいては精神障害の支援費制度を導入するということと、在宅系のサービスについての支援費の義務的経費化を行うということが柱でありますので、現行の支援費制度を拡充しつつ継続していくということでありますから、当然に、現在のサービス水準そのものは保障をされるものであるというふうにまずお答えをさせていただきたいと思います。

 しかも、現行の制度では、サービス利用者の申し出により契約という形式でサービス量が決定されている支援費制度でありますので、これの継続というものと、それから、国の財政責任を明確にした上で、今後三年以内に私ども民主党としては、包括的な障害福祉サービスというものが拡充されるようにということで、包括的な障害者の福祉法というものを制定する作業に移っていかなければいけないというふうに考えております。

 支援費制度の現在でございますけれども、障害者の地域生活あるいは社会参加を進めるということの役割は、現在、真っただ中に果たされているとまず認識をする必要があるんだというふうに思っております。

 そして、サービス需要がどんどんどんどん伸びている、そういう需要があるということでありますので、そのことに対して、残念ながら、残念ながらでございますが、政府の方では、利用者の急増、これでいわば支援費制度の維持が困難になってしまったということを御主張されていらっしゃったようでありますけれども、これは支援費制度の問題そのものではなくて、いわば障害者のニーズに対する拡大というものを政府がしっかりと見ていなかった、あるいは読み間違ったものではないか、私はそういうところに問題があったのではないかというふうに考えていたわけであります。

 にもかかわらず、支援費制度を問題だという形にして障害者施策を転換し、そして、需要を抑制する措置というものを組み込もうというのは、これは私はいかがなものであるかというふうに考えております。逆に、表に現在出てきつつある需要実態というものをまず把握していかなければいけないということであります。その上で、何度も申し上げておりますけれども、包括的なそういう障害福祉サービスというもののあり方を決定することが絶対必要ではないかというふうに思っております。

 ずっとこの委員会の中の御議論の中でも出てまいりましたけれども、いわば法律体系をつくったのはいいんだけれども、その中身がなかなか見えてこないという、先ほどのグループホームの話でもそうでございますし、障害程度区分のところでもそうでありますけれども、枠はつくったけれどもその中身が全然見えてこないという形では、これまた、抑制策をされたままの状態では、現状のサービスが維持できるということにはつながっていかないのではないかという危惧があるということを御指摘させていただきたいと思います。

 当面、支援費制度を継続するに当たりましても、制度の欠陥とも言える箇所というものでいわば裁量的経費というふうに位置づけられた居宅生活支援費等については、やはり私ども民主党は、義務的経費化を行って予算不足による混乱を生じさせないようにすること、そして二つ目には、支援費制度の枠外に外されてしまっている精神障害の方々についても、支援費制度を適用するということで改善を図っていかなければいけないというふうに思っております。

 そしてさらに、三障害一元化がすべての問題の解決になるのではないかという誤った認識が、まだまだ委員の中にもあるのではないかなという気が私はいたしております。すなわち、身体、知的障害あるいはその他の障害を持った方々に対しても、それぞれの定義やあるいはサービスの質、量、これらに関して確保をあいまいにしておきながら、サービスの統一であるとか一元化であるとか、そういったことを行っていくというのは、これはいわば幻想であり、妄想ではないかというふうに私は考えております。

 いわばしっかりとした、それぞれの手帳制度に基づくだけではなくて、さまざまな形で、身体や知的、今、知的の中ではしっかりとした定義そのものも確保されていないわけでありまして、その問題が取り残されたまま次に移行するというのは、私は、議論が拙速過ぎるのではないかというふうなことをあわせて御指摘をさせていただきたいと思います。

菊田委員 ありがとうございました。

 続きまして、時間も残りわずかとなってまいりました、政府に対して質問をさせていただきます。

 市町村が行う相談支援事業について伺います。

 三障害の一元化によってこの事業はどのように変わるのか、まずお伺いいたします。

中村政府参考人 お答えいたします。

 障害者に対します相談支援は、これまで身体障害については市町村が、知的、精神障害については都道府県がそれぞれ中心となって行ってまいりました。新制度においては、できるだけ身近な場所で相談支援を行うことができるよう、また今度の法律が障害種別にかかわらず市町村でいろいろ仕事をしていただく、こういうことになっておりますことから、市町村が行う地域生活支援事業の必須事業として位置づけた上、関連する既存の事業を再編成いたしまして、相談支援事業については市町村で一元的に実施していただくこととなりました。

 これは、障害者の方が市町村にまずいろいろ申請をされる、障害程度区分の調査もある、スタートが市町村でございますので、その市町村がまず相談支援事業も実施する。それは、障害程度区分の判定、その後のサービスの決定、またサービスを実際に受けられているそこのフォローもずっと続くというふうに考えております。

 ただ、現状では、非常に地域間に格差がありますし、直ちに市町村で十分な対応を行うことが困難な場合も想定されますので、まず都道府県が市町村に対し積極的に支援を行うことといたしております。一つは、専門的職員を市町村に配置すること、都道府県がアドバイザーを置き、出向いて市町村の応援をすることなどを検討することといたしております。

菊田委員 確認をさせていただきたいと思いますけれども、今回、参議院で出された附帯決議の中に、「市町村の相談支援事業が適切に実施されるようにするため、在宅介護支援センターなど、」という文言が入っておりますけれども、在宅介護支援センターよりも、これまでケアマネジメントのノウハウや実績を積み重ねてきた既存の支援センターや事業者が中心になってやっていくという認識でよろしいのでしょうか。この在宅介護支援センターとの関係について御確認をお願いします。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 今度の制度では、市町村が相談支援事業を行うことといたしておりますが、相談支援事業を、専門性を有し、かつ中立公平性が確保できると判断される指定相談支援事業者に委託することができるということとしております。具体的な委託先の選定については、個々の市町村が判断すべきものであると考えておりますし、今議員から御指摘がありましたように、具体的に地域でそういう相談支援を行っている方がいらっしゃると思いますので、そういった方々がこの要件に当たれば有力ではないかと思います。

 参議院での議論は、高齢者の在宅介護支援センターについても、そういったただいま申し上げました、障害について専門性を有し、かつ中立公平性が確保できると市町村が判断した場合には候補者の一つになり得る、委託の対象になり得る、そういうことの議論であったと承知いたしております。

菊田委員 まだまだお聞きしたいことはたくさんありましたけれども、時間が参りましたので、これで質問を終わりにさせていただきます。ありがとうございました。

石崎委員長代理 次に、田名部匡代さん。

田名部委員 民主党の田名部匡代でございます。

 時間が三十分という短い時間でございますので、早速質問に入らせていただきます。

 まず、障害程度区分についてお伺いいたします。

 障害程度区分の認定は市町村レベルで行うわけですが、その時点で全国の障害者に公平な認定がなされる必要がございます。つまり、自治体の財政状況、また審査委員の選定の仕方などによって、ばらつきや不公平が生じる可能性も決して否定できないと思うのですが、認定の基準はどのようになっているのか。また、全国の市町村で同一の認定がされるためにどのような防止策がありますでしょうか。お答え願います。

尾辻国務大臣 そもそも、今の支援費制度がどうしても市町村間のばらつきをつくっておるという私どもの反省もありまして、今度の障害者自立支援法案をお願いいたしておるところでもございます。したがって、全国統一の基準をつくらなきゃいけないということで今このことを申しておるわけでありますから、ばらつきがあっては困るというそもそもの話でございます。

 そうならないように、それではどうしているんだというお尋ねでございますから、改めてお答え申し上げたいと思います。

 障害程度区分の認定に至る一連の作業手続には、まず最初にアセスメント、次にコンピューターによる一次判定、次に市町村認定審査会による二次判定、こういった手続で進めるということにいたしております。

 そして、この作業の中で、まず、全国共通のアセスメント項目を設定いたしますとともに、調査のためのマニュアルを作成いたします。それから、一次判定をコンピューター化し、事務の統一化を図ります。さらに、二次判定について、審査会運営に関するマニュアルを作成いたします。加えて、都道府県が認定調査員研修や市町村審査会委員研修を実施することにより、従事者の資質の向上を図りますとともに、小規模市町村につきましては、複数の市町村で市町村審査会を共同設置するように促したり、都道府県が市町村審査会の業務を受託するといったようなことも考えておりまして、こうした措置を講ずることにより、御心配のような市町村間の格差が生じることのないように努めてまいります。

田名部委員 障害程度区分の支給決定においてですけれども、何よりも当事者の意見が反映されることが大事だと考えます。このことはもう既にこれまでの質疑の中でも何度も議論されてきたこととは思いますけれども、障害者の皆様の多くの要望というものは、二次判定の前、つまり区分けがされる前に自分たちの意見を聞き入れてほしい、そういった意見が大変多く寄せられているところでありますけれども、意見をきちんと聞きます、そういう言葉だけではなくて、このことを法案に明記するとか、例えば再度審査を検討し直す、つまり後戻りができるような、そういう制度にすべきではないでしょうか。大臣、いかがお考えでしょうか。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 この障害程度区分認定は、いわばサービスを受けようとする方全員に認定作業をするということでございまして、委員会でも議論になりましたけれども、審査会の方で当事者の方が意見を言いたいというお話があった場合については、委員会の方でお受けするということはあるけれども、まさにこれは全員の方に認定していただくわけですから、一律に御意見をお聞きするということは、むしろ、審査会の実務あるいは市町村の負担、そういったことも考える必要があるのじゃないかというのが一点。

 第二点は、実際にサービスの利用決定に当たっては、市町村がそれぞれの障害者の方にサービス利用をお伺いするシステムになっているという状況でございます。

 三点目は、この認定に不服がある場合には不服審査会の方に提訴できるということがありまして、都道府県知事が任命する不服審査会でその障害当事者の方の不服を審査するという形になっておりますので、救済の制度化が法律でされているということでございます。

田名部委員 今局長からもお話がありましたけれども、市町村の認定に納得がいかない場合、都道府県に対する不服申し立て、不服申請ができるとのことですけれども、この不服申請自体が非常に簡単で便利な制度でなければ利用されないと思っております。また、市町村での審査以上に障害者の意向が反映される審査会でなければなりません。

 そこで、都道府県レベルで行われる不服申請審査で、やはりここでも、当事者の意向を聴取する機会、たとえ当事者じゃなくとも当事者の気持ちやニーズに十分こたえられる、また理解できる方をその審査会の中に入れるべきではないかと考えております。家族やこれまで本人の生活に深くかかわってきた方、また障害者の代表といった方をこの審査会に入れる、そういうお考えはおありでしょうか。

    〔石崎委員長代理退席、委員長着席〕

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 不服審査会の委員は法案の第九十八条の三項で規定してございまして、「人格が高潔であって、」「処分の審理に関し公正かつ中立な判断をすることができ、かつ、障害者等の保健又は福祉に関する学識経験を有する者のうちから、都道府県知事が任命する。」というふうにされております。

 ということでございますので、障害者の実情に理解のある方が委員となることが望ましく、障害保健福祉の有識者であって、ただいま申し上げました要件に該当する方であれば、障害者を委員に加えることは望ましいものと考えております。

田名部委員 私は、障害者、当事者の意見がどこまで反映されるのかということが大事だ、そのことを申し上げているわけでありまして、有識者の皆さんがどれだけその本人の気持ちが理解できるのか、また生活の実態を把握しているのかということは不明だ、そのように思っております。

 何度この議論がなされても、障害者、当事者の意向がどこで反映されるのか、くみ上げられるのかというものが私には全く伝わってまいりませんが、ここで民主党案にお伺いをしたいと思います。この障害程度区分に関して民主党案ではどのようにお考えでしょうか。

園田(康)議員 お答え申し上げます。

 先ほども申し上げたわけでございますけれども、民主党案では、確かに現行の支援費制度をベースに考えておりますので、現行制度では、御指摘のあるように全国一律な統一基準ということにはなっておりません。そういった点では、まだまだ現行の支援費制度におきましても問題点はあろうかと存じますし、さらに、これをしっかりとした基準というものをつくっていかなければいけないということは、私どもも当然のごとく考えております。

 したがって、今回私どもから提案をさせていただいた法律の形態からまいりますと、この法律を通していただいた後に、しっかりと今の支援費制度を継続、拡充していった上で、今の問題点をもう少しきちっと、障害当事者の方々の意見を反映させながら、しっかりとした基準づくりをしていくというのが私どものスタンスでありまして、拙速なまでの、内容がまだ明らかになっていないままスタートさせるということに関しては、やはり少し疑問を持たざるを得ないということ。

 それから、それは確かに、この点については来年の十月からの施行でございますけれども、現段階におきまして政府案の提案をされている中身、これに関しましては、障害程度区分あるいは審査会のあり方、そして障害当事者の方々の意見の反映がしっかりと担保できるということがまだ明確になっていない状況の中で、採決という形に言われていらっしゃるというふうにお伺いをしておるわけでありますけれども、私は、既存の制度を改定していく、あるいは既存の制度の中でそれを拡充していくということであるならば、それはある程度当事者の方々にとってみれば想像がつくわけでありますけれども、そうではなくて、新しい制度をここで構築しようということでありますので、であるならば、その障害程度区分の内容、これは法律だけではなくて政省令の部分に係るものでありますけれども、しかし、ここをセットにしてきちっと当事者の方々にもお示しをする政治的な責任が私はあるのではないかと考えております。

 したがって、今現在における私どもの考え方は、あくまでも現行の制度の中で問題点を明らかにしながら、三年後の包括的な障害者福祉法というものに向けてしっかりとした議論を積み重ねていくべきであるというふうに考えて、御提案をさせていただいております。

田名部委員 続きまして、都道府県レベルに上げる不服申請書、この申請後に認定された結果に納得がいかなかった場合、その先の不服についてはどういった手続が考えられるでしょうか。

中村政府参考人 まず、不服の手続ということでございますので、お答え申し上げます。

 都道府県が行う不服審査につきましては、障害者自立支援法案のほか行政不服審査法が適用されることから、文書による請求に加え、不服審査を請求した障害者が申し出を行った場合には、都道府県に対し口頭で意見を述べることができることになっておりますので、そういった意味で、まず都道府県の不服審査において障害者の方が申し出を行って、口頭で意見を述べることができるというのが手続になっております。

 全体の流れをもう一度申し上げますと、支給決定は市町村の事務でございますので、行政不服審査法の定める原則によれば、それに不服がある方はまず市町村に対して不服の申し立てを行うことになります。しかしながら、この新しい制度では、障害程度区分の判定など専門的な内容を含む処分も含まれていることから、行政不服審査法の特例といたしまして、都道府県が不服審査会を設置して、先ほど申し上げました審査官を置いて専門的な審査を行うことで、障害者が不利益をこうむることのないよう一連の配慮をしているものでございます。

 これが不服審査としては最終でございまして、国において不服審査を行うというようなさらに上級のものはございませんので、これ以上の手続になると裁判の方に、行政不服審査ではなくて一般の訴訟の方になるというふうに考えております。

田名部委員 今局長からお答えいただきましたように、都道府県レベルで、障害者の皆さんが自分たちの意向が反映されていない、その認定に不服であるという場合は、訴訟ということになるわけでありますが、裁判ということになりますと非常に費用もかかるわけです。実際、障害者の皆さんにとって現実的には不可能に限りなく近いと私は思うわけであります。

 そこで、最終的に全国レベルでの不服申し立て制度を設ける必要があるのではないかと考えるわけです。例えば、労働災害や自動車事故の後遺障害の等級認定は、障害の区分認定とは異なりますけれども、最終的に中央で不服審査を行う制度になっていると聞いております。障害程度区分認定でも同様の制度を設けないと、先ほど申し上げましたように、市町村レベルでばらつきがあるとか障害者の意向がしっかりと反映されない、そういった不公平なままに取り残されてしまうおそれがあると思いますけれども、大臣、いかがお考えでしょうか。

尾辻国務大臣 先ほどお答え申し上げましたように、基本的にそういうばらつきがないように仕組みをつくったわけでございまして、ばらつきはそもそも起こらないということが前提でございます。

 ただ、今、不服審査のお話でございますから、お答え申し上げますと、支給決定は市町村の自治事務であります。したがいまして、行政不服審査法に定める原則によりますと、そのことに関する不服申し立てといいますのは、当然決定を行った市町村に対して行うということになります。

 しかしながら、私どものこのたび御審議をお願いいたしております新しい法律、新制度の場合は、障害程度区分の判定など専門的な内容を含む処分も含まれておりますので、そうしたことがありますから、行政不服審査法の特例として、これは特例として、都道府県が不服審査会を設置して専門的な審査を行うことで、障害者の皆さんが不利益をこうむることがないようにさらに一層の配慮をしておるものでございます。

 今申し上げましたように、本来、市町村固有の自治事務でありますし、特別に都道府県が審査することで障害者の皆さんの利益は十分に保護されておると考えておりますから、それ以上、そういう表現を使わせていただきますと、屋上屋を重ねるようなことで、国において不服審査を行う必要はないと私どもは考えております。

田名部委員 先ほども申し上げたんですけれども、障害者の方々の要望というものは、自分たちの声が本当に聞き入れられるのか、そのことをきちっと明確にしてほしい、そういう声が多いわけです。ですから、法案に明記をするとか、公平な、また公正な、そういうきちんとした制度にしていくことが必要だ、私はそのように思っておりますし、今大臣がおっしゃっておりましたけれども、障害者の側に立った考え方というものがとても大事だと思います。

 これまでも多数要望が寄せられたということをお伝えしましたけれども、個別の生活ニーズにこたえるためにもっと時間をかけて説明し議論を重ねてほしい、そう願っている方が今でも多数いらっしゃると思います。今まで御質問させていただいた部分に関しても、当事者の意向が必ずしもきちんと反映されるとは、私はとても思えません。それだけではなく、今日までの調査も、また説明責任も不十分だ、そのように思っております。

 五百回にわたり説明やまた意見交換会をしてきたと前国会で小泉総理がおっしゃっていたそうでありますけれども、それについても、以前家西参議院議員が御質問されたとおり、障害者の疑問に答えることも、また要望に責任を持って耳を傾けることもほとんどないまま、一方的に制度変更の報告、そういったものが行われてきたにすぎない、私はそのように思っております。利用者の立場に立っていない、そう思えて仕方がないのであります。

 この制度をスタートさせるにふさわしい時期だ、説明は十分に果たされた、そして利用者の理解は得られた、大臣はそうお考えでしょうか。

尾辻国務大臣 このことはこの委員会でも再三申し上げてまいりましたけれども、そもそもこの法案の話が出てまいりましたときに、といいますよりも、支援費制度はこのままでいいのかということはございましたので、勉強会をつくりました。これは八代先生が中心になってつくられた勉強会でございまして、障害者団体の皆さん方も、主な団体の皆さんに御参加をいただいて、ずっとこの勉強会がございました。私も当時は大臣じゃありませんで、党の方の部会長という立場でございましたから、この勉強会にもずっと参加をさせていただきました。一つ申し上げると、そういうことを私どもは積み重ねてきて、その積み重ねの結果で、この法案をつくり、今御審議をお願いしておるわけでございます。

 また、大臣になりましてからもずっと、厚生労働省がこのことについてどういうふうに皆さんの御意見を吸い上げるか、また御説明を申し上げるか、このことも注意深く見てまいったつもりでありますけれども、私が見ておりますところで、できるだけの努力をして、本当に土日休まずに全国を駆けずり回ってそうしたことをしてきたというふうに私は理解をいたしております。

田名部委員 大臣がおっしゃったとおり、役所の現場の皆様も努力をされてきたかもしれません。それは決して否定するものではありませんけれども、この制度が変更されることによって、障害者の皆様は生活に、それぞれの人生にかかわっている大事な問題であります。皆様の苦労はもちろんでありますけれども、やはり障害者の立場に立って十分に時間をかけて納得をしていただく、その努力がもっともっと必要だったのではないでしょうか。

 それは障害者だけではありません。地域生活支援事業については、市町村が直接の窓口になり、障害者自立支援を促進していくことになります。しかも、裁量的経費で行わなくてはなりませんし、このままいけば非常に短期間での移行となります。市町村にまずそのような財政的な力があり、そして人員も確保でき、さらには職員を含めたこの制度にかかわる人たちへの教育がこの短期間の間に間に合うとお考えでしょうか。もしも間に合うとお考えであれば、その制度スタートまでにスムーズに移行させるためにどのような計画が立てられているのか、大臣、お答え願います。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 地域支援事業についてのお尋ねでございますが、地域支援事業は、十七年度において市町村で義務的ではなく任意でなされている事業なども取り入れ、例えば既存事業として年間九十億円の事業がございますが、そういった事業も取り入れ、また支援費制度では個別給付として行われております移動支援事業なども取り入れ、既存の事業十二カ月分で九十億円、その他の新たに取り入れる事業を取り込みまして、十八年度は四百億円の事業として地域生活支援事業を実施することとしているわけでございます。

 市町村は、ある意味では既に既存の事業として日常生活用具ですとか相談ですとか研修事業をしているわけでございますが、そういった事業の基盤の上に立って、新たに精神障害者の方が入るとか、そういったことを実施していただくわけでございますので、私ども、これは予算的に拡充するということはあっても、市町村が従来やっていただいていることについて、国が二分の一財源を用意して、既存の枠でいうと九十億円を四百億円に、新規に入るものもございますけれども、膨らませて実施するということで、地域生活支援事業につきましては、それほど市町村の方で、計画を立ててやっていただければ十分対応できるもの、こういうふうに考えております。

田名部委員 もう一つお伺いいたします。

 申請してから判定され、支給決定されるまではどのぐらいの日数がかかるのか、そしてそれは全国一律でばらつきがないのかということ、そして支給が決定されるまでの間保障はどうなるのかという点を大臣にお答え願います。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 特に支給決定までの期間ということが区切られているわけではございませんけれども、当然迅速に決定するということが求められると思いますし、差し迫った場合あるいは真に必要がある場合、そういった事務が間に合わない場合につきましてはさかのぼって適用するという道も開かれておりますので、そういった意味で、障害者の方に御不自由をかけることはないと存じます。

田名部委員 先ほど菊田議員もおっしゃっておりましたけれども、この時点になっても、これから検討するとか、迅速に行いたいとか、努力をしますという、そういう答弁が大変多いような気がしてなりません。私は本当に不安を感じているところでございます。

 先ほども就労支援のことがありました。中村局長の御答弁でありましたけれども、私、局長の御答弁を聞いて、やるべき順番が逆なのではないか、そのことを感じました。社会に参画をしてください、自立をしてくださいと大変いいことをおっしゃっているんですけれども、その実態が伴っていない、働く場が整っていない、環境が整っていない、社会整備がされていない、所得の保障もされていないわけであります。しかし、社会に参画しろ、自立しろといっても、障害者の皆様にとっては無理なことではないか、そのように思うわけでありますし、負担だけが押しつけられているような気がしてなりません。

 就労支援についてでありますけれども、負担を求めるからには雇用促進についてちゃんとした見通しが立っていると思いますけれども、どのような見通しを立てていらっしゃるのか、大臣、お答え願います。

鳥生政府参考人 お答え申し上げます。

 障害者の雇用につきましては、雇用率制度がございまして、現在一・八%という雇用率が定められているわけでございます。法定雇用率が適用されます五十六人以上規模の民間企業の平成十六年六月一日現在におきます実雇用率は一・四六%、法定雇用率未達成企業の割合は五八・三%となっております。

 雇用率未達成企業の解消を含めまして、実雇用率を一・八%に近づけていくために、雇用率達成指導あるいは雇用支援の取り組みに従来以上に力を入れて取り組んでいきたいというふうに思っております。

田名部委員 次に、時間がなくなってまいりましたけれども、NPOについてのことをお伺いしたいと思います。

 障害の程度の重い方に対しての支援活動というのは社会福祉法人よりもNPOの皆さんがサービスを行っているのではないか、その割合が多いということを聞いております。社会福祉法人が存在しない場所、社会福祉法人がサービスを提供していない場合には、市町村の判断によってNPOがサービスを提供できるということであります。この場合、中心的な役割を担っているNPOに対して、社会福祉法人と同等の減免措置というようなものはお考えではないでしょうか。

尾辻国務大臣 今社会福祉法人減免についてお尋ねがございました。

 このことにつきましては、社会福祉法人は、他の法人と異なりまして、低所得者が福祉サービスを利用できるようにすることを目的とする公共性の高い法人として制度上位置づけられておりますので、そのことから、社会福祉法人がみずから負担することで利用者負担を減免することを認めまして、また一定の範囲の方に対する利用者負担の減免については、特に公費による助成を行うことにより、その実施を促進することといたしておるところでございます。

 ただし、これらの措置につきましては、地域で必要とされるサービスを行っておる社会福祉法人がない場合については、NPO法人も含めて、市町村が認めた社会福祉法人以外の法人についても認めることとしたいと考えております。

田名部委員 少しマクロ的な視点から一つお伺いします。

 厚生労働省が概算要求された予算、これが確保されなければ障害者の方々に対する今回のこの自立支援は絵にかいたもちになるように理解をしております。大臣は、この点について、もちろん自信がおありになって法案を提出していらっしゃると思いますけれども、この予算が確保できなくなるという事態が発生した場合、この法案の前提が崩れてしまうと思います。障害者に負担だけを押しつけて実際は内容の大幅に後退した障害者福祉となってしまうのではないか、そのことを懸念するわけでありますけれども、私はこの法案には反対ですが、大臣、現在概算要求中の関連予算が満額認められた場合に限り施行するというような条項をつけ加えられたらどうでしょうか。

尾辻国務大臣 概算要求は来年度に向けてのものでございますから、これは来年の通常国会で認められる、その時期と、いろいろな法を施行していく時期との関係もございますが、そんなことを申し上げますよりも、今おっしゃるようなことがあるから私どもはこの法案をお願いしておるわけであります。言っておりますことは、義務的経費にするという、これが一番大きなこの法案をお出しすることの柱の一つでありまして、義務的経費になれば国は当然義務的に支出するわけでありまして、その予算がつかないということはあり得ないわけでございます。そのことを申し上げたいと存じます。

田名部委員 もう時間が来ました。障害者の皆さん、この支援費制度が二年でだめになった、それはやはり見通しが甘かった政府の責任だ、そのように私は思っております。財源が不足したのも、やはり障害者のせいではなくて政治の責任であります。そのツケを今障害者の皆さんが押しつけられようとしているわけです。

 これまでの政治のいろいろな場面でそういうことが見られたのではないでしょうか。例えば、道路一本通すときに、この分が通らなければ予算が合わないから、道路をつくりたいから、交通量を先に、数を出してくるというようなこともあるわけであります。必要な改革というか、そういったことを後回しにして、国のやってきた失敗のツケを国民に、また障害者に押しつける、このような制度には私はとても賛成ができません。

 どうか、国民の皆さんから思いを託されてここに集まられた皆さん、政治家としてだけではなくて人間としてきちんとした判断を下していただきたい。その判断を下したときに、この法案に賛成する方はいらっしゃらないのではないか、そのように私は思うわけです。これから努力をするとか、障害者の生活が、人生がかかわっている大切な法案でありますから、どうかしっかりと判断をしていただきたい。そのことを心から願って終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

鴨下委員長 午後零時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前十一時四十七分休憩

     ――――◇―――――

    午後零時三十五分開議

鴨下委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。五島正規君。

五島委員 民主党の五島でございます。

 まず、この障害者自立支援法につきまして、最初に尾辻大臣にお伺いしておきたいと思いますが、前国会、この委員会においては採決がされて、参議院において審議未了、廃案となったわけでございますが、前国会、随分と議論してまいりました。その審議の過程の中において大臣が御答弁なされた内容、それは基本的に、廃案になった法案に対する御答弁ではございますが、基本的に今回、中身的にはほとんど変わっていない内容でございます。そういう意味では、前国会での大臣の御答弁はそのまま引き継いだ議論でいいということでございますか。

尾辻国務大臣 そのとおりでございます。

五島委員 それでは内容に入っていきたいと思いますが、七月一日の私の質問に対する大臣の御答弁の中で、現在、身体障害者一、二級を受けておられる方々、その中で、内部障害その他いわゆるホームヘルプサービスの対象にならない方を除きました、百十八万人中、ホームヘルプサービスの支給決定者は七万六千人で六・四%であると。これは非常に少ない数字であるわけでございますが、なぜ当然ホームヘルプサービスの対象になるべき人たちが六・四%しかサービスを受けていないか、その原因はどうなのかということをお伺いしたところ、原因を今分析中である、さらによく検討して今後に備えるというふうに御答弁なさいました。

 あれからもう既に三月以上経過したわけでございますが、この分析と結果はどうであったのか、そしてそれについてどのようにお考えなのか、お伺いしたいと思います。

尾辻国務大臣 お答え申し上げましたように、身体障害者手帳一級、二級の所持者の方々というのは百十八万人おられます。ただ、そうした中で内部障害一級及び二級に該当する方、この方々が約五十万人おられます。したがいまして、百十八万人のうちで七万六千人といいますと六・四%という状況でございますが、そうした方々、まずホームヘルプをお受けになるということはないというふうに思いますので、そうした方々を分母から引きますとまた六・四%という数字は変わってくるとは思っております。基本的にそういうことがあるということをまず申し上げたところでございます。

 その上でお答えいたすわけでございますが、支援費制度がスタートいたしました平成十五年四月から平成十六年十月までの一年半の身体障害者のホームヘルプの支給決定者数は約一・四倍に伸びておりまして、身体障害者の方々のホームヘルプに対するニーズは極めて大きいものがあるというふうには考えておるところでございます。

 しかし、今冒頭に申し上げましたように、御指摘の百十八万人という数字は、心臓機能障害等の内部障害の方、それからまた介護を行う家族と同居しておる方など、身体障害一級及び二級であっても実態として必ずしもホームヘルプを必要としていない方が多数含まれておると認識をいたしております。

 また、肢体不自由一級及び二級の方の支援費制度におけるホームヘルプの利用状況について、高齢の方の肢体不自由一級及び二級の方の介護保険制度におけるホームヘルプの利用状況と比較してみますと、支援費制度では約一八%、介護保険制度では約二二%となっておりまして、この間に大きな格差はないというふうに考えております。

 いずれにいたしましても、身体障害者のホームヘルプに係るニーズは潜在的に存在するものと考えておりまして、今後、サービスの種類ごとの必要な量の見込みを定めた障害福祉計画の策定などを通じて必要なホームヘルプの提供体制を整備してまいりたいと考えております。

五島委員 その御答弁では、分析をして検討したとは言えないんじゃないですか。

 介護保険の適用になるそういう身体障害者一、二級をお持ちの方でも二二%である、これは、現在高齢者で要介護になっている人のサービスの利用量に比べても低いわけですよ。なぜ身体障害者である方々が、現在の支援費制度あるいは介護保険の利用率がこのように低い状態に置かれているのか。そこのところが、今大臣が言われたように、家族の介護に任せているんだろうとかいうような話でいいのかどうか。もし家族のそういう障害者に対する介護に任せているということであれば、介護保険においても介護を社会化しようとしてきました、障害者施策においてはその社会化が大変おくれているという現状にあるということでなければならないと思います。

 この点について、なぜ、介護保険とそれから若年者の障害者、若年者の障害者も、聴力障害者その他を除いて本来のサービスが受けられる人たちの中でそのサービスの利用者が一八%にとどまっているのか。そこのところが明らかにならないと、本当にこういう議論をしておりながら、必要なサービスがあまねく提供されるのかどうか、そこのところの議論にならないじゃないですか。それについてどうお考えですか。

尾辻国務大臣 御指摘のとおりに、さらに私ども、こうした数字について、原因の分析でありますとかそうしたことは進めなきゃならないと思っております。私がきょうお答え申し上げましたことで十分なお答えであるというふうには私自身も思いません。さらなる原因の分析、これは必要だと思います。

 そして、申し上げますと、やはり私どもが障害者の皆さんへのサービスを続けていく中で、またぜひ障害者自立支援法をお通しいただきたいと思っているわけでありますが、こうした制度によるサービスが進んでいく中で、さらにまたこうした分析というのは進んでいくというふうにも考えておりまして、いずれにいたしましても、絶えずこうしたことの原因の分析というのは進めなきゃいかぬと思っておりますし、今後も続けさせていただきたいと存じます。

五島委員 それでは、今回この支援費制度から自立支援法に政府は変えようとしておられるわけですが、もしこの自立支援法に変わった場合、このホームヘルプサービスを利用される、そういう利用者の方々に変化があるのかどうか。ふえるのかふえないのか。もし変化があるとすればどのように変化すると想定なさっているのか、お伺いしたいと思います。

中村政府参考人 先ほど大臣もお答え申し上げましたように、今委員御指摘の肢体不自由一級、二級の方について、介護保険制度がある六十五歳以上の方は一級、二級の方の二二%が利用されている。介護保険の適用がなく、支援費制度では肢体不自由の一級、二級の方が一八%ということで、四%の差があるわけですが、この四%が、肢体不自由の一級、二級の方の六十五歳以上であるかないかによって、いわば高齢化の状況によって差があるかないかというところが、多分供給サイド、制度論から申し上げまして、支援費制度の方がまだ介護保険に比べて普及していないという前提に立った場合に、その差、年齢の差がないと考えれば、介護保険制度的に今度の自立支援制度がサービス量なども普及していくとすると、今の四%くらいが差になるのではないかというふうにも考えられますが、いずれにしても、ここのところはもう少し詳しく考えてみなければならないと思って、今委員の御指摘を聞かせていただきました。

 他方、今回の改革のときに、ホームヘルプサービスの十六年十月の利用状況を見ますと、かなり地域的な差もあるということ、それから、肢体不自由のお話ではございませんけれども、精神障害の方が対象になっていない、そういったことを考えますと、サービス量は、特にサービスの利用が普及していないところとか、そういったところについてはかなり伸びるのではないか、こういうふうに想定しているところでございます。

 いずれにしても、具体的にサービス量がどれだけ必要かということは、障害福祉計画を全国でつくっていただいて、サービス量の見込みを市町村がやっていただくところでかなり積み上がるというふうに思いますが、私どもとしては、当面は支援費制度のサービスの伸びなどを前提として、十八年度については、在宅サービス、居宅サービスが相当必要だということで、大幅な増の予算要求をさせていただいているところでございます。

五島委員 わずか一八%しか、本来なら障害者福祉サービスを受けることができる人が受けていない。介護保険適用者である人たちが二二%だから、それとの差を問題にする。だけれども、一般の高齢者の、いわゆる障害手帳をお持ちになっていない高齢者の要介護の人たちのこのサービスの受給状況からいって、障害者に対するサービスの行き渡り方というのは非常に低いという認識をお持ちにならないといけない。支援費制度は行き渡っていないとおっしゃったけれども、その面はあるにしても、では、なぜ自立支援法ができれば行き渡っていくのか。自己負担が一割必要になって行き渡っていく理由というのはあるのか。

 これは、まさに今中村局長も言われたように、市町村を中心としたこうしたニーズ調査、そういうふうなものの積み上げが今までなく、そして、それに対して適切なサービスの提供という体制がない中で一八%、二二%という数字がある。このことは事実の問題として認めなければ、今後この障害者問題というものを議論しても、たかだか必要な人の二割の人に対してだけの議論になってしまいます。

 そこで、少し話を進めまして、今回、いわゆる三類型のサービスが提供されることになりました。介護給付、訓練等給付、地域生活支援事業、この三つが中心になりますが、この提供されるサービスを三つに類型して、そしてそれぞれの費用の予算の比率はどれぐらいをお考えなのか。先ほど同僚議員に対して中村局長は、地域生活支援費は四百億にふやします、今は八十億、九十億ぐらいですと、えらく胸を張っておられました。

 介護給付あるいは訓練等給付は幾ら幾らで、そして地域生活支援費というのは四百億と言われるけれども、この比率はどうなるのか。これは固定的に将来もそうなのか。もしニーズが当然サービスを受けられる人の五〇%までふえてきた場合、あるいは今入っていない精神障害者が入ってきた場合、地域生活支援事業費というのは幾らぐらいまで、そして自立支援全体が定めている予算の中において何%ぐらいまでになるとお考えなのか、お伺いしたいと思います。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、予算で概算要求、これは障害者自立支援法の成立を前提にお願いしているわけでございますが、障害保健福祉関係の概算要求では、対前年度、十七年度に対して七百十二億円増、九・五%増の八千二百三十七億円を要求いたしております。

 このうち、義務的経費は七千三百十四億円を要求いたしておりまして、この義務的経費の中に介護給付、訓練給付、公費負担医療等が入ってまいります。特別児童扶養手当の費用も入ります。

 それから、裁量的経費、ここは、対前年度百七十三億円増の八百六十六億円でございますが、その中に地域生活支援事業等も含まれております。

 義務的経費と裁量的経費の割合としては九対一、こういうふうになっているところでございます。

 次に、委員は、裁量的経費がどの程度膨らむことになるのかということでございますが、私ども、当然十九年度、二十年度予算という点については、十八年度のサービスの伸びの実績、そういったことを踏まえて必要な予算を確保してまいりたいと思いますが、最終的にきちんと全国ベースでのニーズが積み上がるというのは、各自治体が障害福祉計画を策定していただくということが前提になりますので、そういう計画がつくられ、当初は二十年度まで、それから三年ごとの障害福祉計画がつくられているということになりますので、そういった計画が策定され、地域支援事業などのニーズ予測などが立ちましたら、例えば次の三年間、義務的経費と裁量的経費の割合がこの程度になるという姿が出てくるものと考えております。

 現在は九対一という状況でございます。

    〔委員長退席、北川委員長代理着席〕

五島委員 現在、九対一でやっているというんですが、その裁量的経費のうち約四百億を地域生活支援事業費というふうに、先ほどたしかおっしゃっていたと思うわけですね。

 問題は、この地域生活支援事業というのは、二分の一が国の負担、四分の一が県の負担というふうになっていまして、この計画は市町村がやっていくということになっています。これは裁量的経費ですから、裁量的経費というのは、市町村のレベルにおいての裁量的経費なのか、それとも国のレベルにおいての裁量的経費なのか、これは非常に違うわけです。

 すなわち、国が二分の一負担するというけれども、仮に市町村がトータル一千億の地域生活支援事業を計画したとします。そうしますと、自動的に国は五百億の負担を担わなければいけないんだけれども、これは義務的経費ではないわけでしょう、ということは、国のところで義務的経費として決めた金額の枠の中でやりなさいという内容であって、その場合は、今度は市町村には何の裁量権もないということになってくるんじゃないですか。

 その辺の関係、裁量的経費と義務的経費と、これまでもずっと使い分けられてきました。しかし、一方で、国が二分の一持ちますよ、県は四分の一持ちますよとなっている。この総額とそれぞれの予算の枠の決定権はどこにあるのか。もし市町村にあり、市町村が計画さえ立てれば、自動的に国はその二分の一負担するということであれば、それは義務的経費ですよね。一体そこのところはどうなっているんですか。

中村政府参考人 まず、私の方から制度の御説明をさせていただきたいと存じます。

 義務的経費と裁量的経費、この区分は、いわば国庫補助の補助の性格の差をあらわしているものでございまして、今度の障害者自立支援法、市町村が主として実施主体になっておりますので、自立支援に関するさまざまな給付、事業の実施主体は市町村になっております。

 ですから、費用の支弁は市町村でございますが、その費用の支弁に対しまして、その二分の一を国が必ず負担するというのが義務的経費でございます。

 それに対して、裁量的経費の方は、二分の一の範囲内で補助することができるという規定でございまして、ここのところは、いわば国が予算制度で予算を立て、十八年度であれば概算要求では四百億でございますが、四百億の範囲内で市町村が地域生活支援事業の経費として支弁したものに対して補助をすることができる、こういう規定になっているということでございます。

五島委員 それであれば、例えば、地域生活支援事業が膨らんできた場合、二分の一までで補助できるんだから、一応、建前として二分の一までと言っているけれども、国の予算の状態によっては、それが四分の一であることもあり得るという話なんですね。確認します。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 法律では、九十五条第二項などの規定で、国は、予算の範囲内において、市町村及び都道府県の実施する地域生活支援事業の実施に要する費用の百分の五十以内を補助することができるとされておりますので、百分の五十以内ということと規定されております。

 十八年度の概算要求においては、私どもはそこを百分の五十という補助率で四百億を要求しているわけでございます。

五島委員 それでは、自治体がその辺について、地域生活支援事業をきちっとやっていこうとしても、国が二分の一負担してくれるかどうかわからないという状態では、それぞれの市町村の財政状況がもろに出てくる。そして、その結果、そこの地域生活支援事業というものは、極端に少ないところ、大きいところが出てくるねという話になりますよ。それで本当にいいんでしょうか。

 これまでもさまざまな制度上のペテンをやってこられた。前回の委員会でも質問しました。介護保険とそれから障害者福祉サービス、自立支援との関係においても、介護保険において一定の数を使わないと併用できないということについて、これは当時中村局長の方が、それを改正するというふうにおっしゃいました。

 今回も、例えば介護給付や訓練等給付、こういうふうなものを一定の水準において消化した上でないと地域生活支援事業は受けられないよという形になってくれば、これは非常に小さいものになってくるだろうし、あなた方がこれまでやってきたさまざまな手の中で、サービスを縮小させる方法というのはすぐにあなた方は思いつかれるはずです。二分の一以内でというふうな言い方で、そのままでやっていって本当に三事業と言えるのかどうか。後ほど全体として質問いたしますが、大変これはまやかしじゃないかと私は思います。

 次に、これもまた前回の質問の中で、これは塩田当時障害福祉部長の答弁でしたが、障害者というのは資産形成にハンディを持った人たちである、そして、障害者の所得保障をどうするかというのは極めて大きな課題である、今後、所得保障のあり方全体を検討する中で検討していきたい、まず省内でいろいろな形で勉強を始めたい、このようにおっしゃっていました。

 これは省内でどういう形で議論をなさっておられるんでしょうか。もう四カ月もたちます。結論は出ましたか。

尾辻国務大臣 今回の障害者自立支援法案の中でも、障害者の所得保障は障害者の地域における自立した生活を考える上で重要な問題と私どもも認識いたしておりますので、さきのこの委員会で御審議いただきましたあのときの修正を踏まえまして、就労の支援を含めた障害者等の所得の確保に係る施策のあり方についての検討規定は盛り込んでおるところでございます。御案内のとおりでございます。

 そうした前回の御議論の中で、今御指摘いただきましたように、当時の塩田部長が「障害者の所得保障を充実するかについては、まず省内でいろいろな形で勉強を始めたいと思います。」と御答弁を申し上げております。障害者の所得保障を検討するに当たりましては、障害者の就労や所得の実態、障害年金や諸手当などの所得保障制度の体系のあり方、サービスを賄う負担のあり方、就労支援施策や家族、地域社会との連携など、施策の対象者や仕組み等に係るさまざまな問題を整理することがまず必要でございます。

 したがいまして、今、私どもはこうした整理をしなきゃならないということで整理も始めておる、かねて整理いたしてもおりますが、改めて、三年後の見直しというふうに言われておりますので、その作業から始めておるところでございます。三年後の見直しまでにはきっちりと私どももこうした検討を、勉強を重ねてまいりまして結論を得てまいりたいと考えておるところでございます。今、まだ作業の準備の段階であるということだけを申し上げたところでございます。

五島委員 今回の障害者自立支援法は数多くの欠点も持っているわけですが、私は、障害者施策の基盤整備というのが我が国において全くされてきていない、大変立ちおくれている。これは前国会において桝屋議員の質問に対してお答えになった内容ですね。これは非常に大事な問題。そして、障害者施策全体の中における基盤整備というのは何なのか。

 まず第一に大事なのは、地域生活支援事業、これがどういうふうな形態になっていくのか、自治体はどうしていくのかというふうな問題に対する一つのすきっとした方策。もう一つは、所得形成にハンディをお持ちになった、あるいはそのチャンスさえ持たれなかった方々からもし定率の利用料をお取りになるとするならば、すなわち、そのほかの介護保険や何かと同じような方法をとるとするならば、そこにきっちりとした所得保障というものが制度として組み込まれていないといけない。この二つがやはり基盤整備の中心になるわけです。

 この基盤整備をどうするかという議論を抜きにしたままの自立支援法になっているところが最大の問題点。本来なら、この自立支援法を実施する前に基盤整備法のようなものをおつくりになって、それを前提にして議論するというのが筋だろうと思います。

 しかし、今、それは全然ない。本当に基盤整備について、当時塩田さんも、彼に質問したいぐらいなんですが、桝屋さんの質問に対して、基盤整備が一番大事だとえらい力を込めておっしゃったことを覚えています。基盤整備というのは決してトンカチの話じゃないんです。まさにこの大事なところをどうしようとしているのか。全部、前回の時期からもう既に三カ月、四カ月たとうとしているけれども、何か、三年後までに議論をすればいいんだと言わんばかりの話ですが、それでは、その間どうなるんですか。きのうの参考人の質疑の中でも、たしか名張の市長さんがそのあたりについての不安を訴えておられました。当たり前だと思います、市町村の担当者であれば。

 例えば、一つ例を挙げましょう。非常に高度の障害をお持ちになった、例えばALSの患者さんでも結構でございます、人口一千名の村に発生して、その方は在宅で生活をし始めている。その方々に対する費用というのを、今の状態でいえば、市町村が責任を持たなければいけません。だけれども、それを市町村が持つとすれば、恐らく小さな千名以下の村なんかではその人一人すら抱え切れないでしょう。どうするんですか。

 この法律の中にはありません。現実に起こってくることなのにない。では、どうするんだろうか。想像すれば簡単です。必死になって、施設の中におってくださいと言われるんでしょう。まさに、自立支援じゃないんです。そういうような基本的な基盤整備や、あるいは僻地やそういうところにおける支援の制度、それをどうするのかということがないのではないですか。その辺、どうお考えですか。

中村政府参考人 今委員から基盤整備として挙げられましたのは、地域生活支援事業、それから所得保障の問題、また重度の障害者の方の問題が挙げられたわけで……(五島委員「例ですよ。ほかにもいっぱいありますよ」と呼ぶ)ええ、例として挙げられたと。

 それで、ALSの患者さんの問題につきましては、地域で暮らす重度の障害者の方々を支えていくというのは本当に大事であるということで、委員も御承知のとおり、障害者自立支援法で重度の訪問介護や重度の障害者等包括支援、こういった制度を設けてここに対処しようとしているところでございます。

 委員がおっしゃっておりますのは、そういった場合に、小規模な市町村において非常に困難な事態になるのではないかという御指摘であります。

 まず、重度訪問介護や重度障害者等包括支援につきましては、適切なサービス水準を設定し、またそれに対する国庫負担基準ということを設定する必要があると思いますけれども、そういった際、小規模な自治体において大きな費用が発生した場合に、どういう問題が起き、そういったことについて国庫負担基準として配慮することがあるかどうか、そういったことについては十分考えてまいりたいと思っております。

 また、ALSのような重度な方については、単にこの障害者自立支援法で対応するだけではなく、委員から御指摘がありました、年齢にもよりますけれども介護保険制度の活用の問題、また、在宅で暮らし続ける場合に、今の訪問看護なども含めまして医療的なサイドからの支援、そういったことを総合的に考えていかなければならないと思いますので、私ども、基盤整備、そういった観点からは、ALSのような超重度な方々に対する在宅でのサービス提供体制のあり方、それを支える諸制度の連携の仕方、そういったことについては、この自立支援法の円滑な実施を図るという観点以外に、その問題について総合的にまさに基盤整備の観点から取り組んでまいりたいと考えております。

五島委員 基盤整備の問題は、私が挙げたのはごく一部でございまして、例えば精神の問題も今後この問題に入ってくるとすれば、まさに基盤と言えるものは全くないわけですから、基盤整備というのは非常に大きな問題でございます。

 今中村局長の方からALSなどの超重度の人についてのお話ございました。そこでお伺いしますが、重度障害者についての重度障害者包括支援やあるいは重度訪問介護というものの国庫の負担基準や報酬水準のあり方については、適切な水準となるように検討するという御答弁が前国会でございました。今も基本的には同じようなお答えです。

 問題は、この適切な水準というのがどうなのか。それは、わかりやすく言えば、現在ようやく大変な思いで、しかし社会参加に踏み切られた重度の障害者、その人たちが現状どおりのサービスが受けられるかどうか、そこのところにかかっているんだと思います。そこのところは現状水準を維持するのかどうか、それについてお答えいただきたいと思います。

 また、それとの関連で、ようやく中村局長は少し前向きな話をされたわけですが、これまで障害者施策は障害者だけですべてを取り仕切る、医療の問題のときは医療だけで話する、介護の問題は介護だけで話するというふうな状況の中で、一人の人が生きていくに当たって、総括的に連携をとり合ってどのようにサービスを提供するかという観点は非常に少のうございました。

 例えば、これまでもALSの患者さん、あるいは重度の筋ジスの患者さん、あるいは頸椎損傷の患者さん、直腸、膀胱障害を起こします。したがって、何らかの第三者の介助によって排尿、排便をやらざるを得ない。だから、私どもがよく聞かされたのは、ボランティアの看護婦さんを抱えないと、サービスがないと在宅でやっていけないという訴えをよく聞かされてまいりました。

 今局長の方から、訪問看護まで含めたお話がございました。では、重度の人に対しては、介護の側面、医療の側面、福祉からの提供の側面、総合的に一人の人に対するサービスの体系を調整し、提供するというふうにお考えだと受け取ってよろしゅうございますか。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほども申し上げましたとおり、また委員からも御指摘ありましたとおり、例えばALSの患者さんなど、そういった方々を地域で支えていくためには、狭義の障害福祉のみならず、医療施策や介護施策との連携が大事になってまいるというふうに認識しております。

 また、現在の医療のサービスあるいは現在の介護のサービスでもなかなかそこまで、いろいろな意味で制約があって、こういった患者さんあるいは障害者の方を在宅や地域でケアするためには不十分な点、あるいは今のサービスではなかなか円滑にいかないという課題があります。私が前に介護保険で担当していたときもそういった問題がございます。

 例えば、たんの吸引の問題などについても、家族のレスパイトの観点から、例えば訪問看護ステーションなどに患者さんに通っていただくというようなサービスのあり方もあるんじゃないかという構想は出されておりますけれども、まだそこの実現はできていないというふうなことで、それぞれの分野で課題がございますが、それらの分野の課題を解決するとともに、それらの福祉と介護と医療と組み合わせた対応ということをこれから研究し、つくり上げていかなければならない、それが基盤整備、委員のおっしゃる意味での基盤整備だと思っておりますし、私どもの障害福祉施策の方向であると考えております。

五島委員 それが皆さんが考えられる福祉施策の方向であるとするならば、やはり、今まさに局長言われたように、そういうことがきちっとコーディネートできることが基盤整備なんです。その基盤整備がない、ない中でのこの法案の論争ですから、極めて神学論争的な不毛な論争になっている。通ってみても、障害をお持ちの方々にとって何の利益もない、不安が増してくる。だからといって、放置してみても、二割足らずの人に対するサービスしか提供できない。今必要なのは、まさにそういう基盤整備をどう進めるかということではないんでしょうか。

 また、今重度の障害者について、医療制度との関連の問題についてお話しになりました。そこをお話しになるのなら、育成医療や更生医療についてもそこに踏み込めるんじゃないでしょうか。

 御案内のように、今腎透析の患者さんに対しては月額一万円という上限を切っている医療保険制度であります。エイズに関してもそういう制度があります。そして、先天性の心疾患を持っている子供さんたち、これは医療保険の上でどうやるのか、その議論は全くない。障害者施策の中に取り込んで、やれ四万二百円だとか二万何ぼだとか、そういうふうな上限規定を全くアプリオリに言い募って議論している。何回も手術を受けなければならないような子供をお持ちの若い御両親や子供さんのために、医療制度の中で考えてくれと私はおっしゃればいいと。大臣は、厚生労働大臣、保険局も介護保険も老人の方も障害者の方も責任者です。

 折しも、医療制度の改革案というのが出されておりまして、率直に言って中身はろくすっぽありません。しかし、それを議論するのであれば、せめて小児医療、中でも先天性の疾患で二百万、三百万の手術を幼いときから何回も受けないと生きていけない子供に対する医療費をどうするのか、医療制度の中で結論を出せればいいんじゃないですか、障害者福祉の中でやらなくても。また、そういうふうな方が二十を超えて、まだあと一回、二回手術しなければいけない、そういう更生医療に引き継ぐ方法というのも、医療制度の中に持っていけばその問題の処理は簡単なんだと思います。

 それを、何か障害者と名がつけば障害福祉部で抱え込まなければいけない。ほかは一割負担だからここも一割負担だ。何か本当に話をするのも嫌になるような形でこの議論を進めてきている。ようやく、重度の障害者、特にALSや重度の筋ジスや頸椎損傷の問題なんかについて医療サイドからも応援が要るということはお認めになった。そうであれば、育成医療やそのあたりに対しても医療制度の方からこの問題を検討するということはあってしかるべきと考えますが、大臣、いかがですか。

    〔北川委員長代理退席、委員長着席〕

尾辻国務大臣 まず医療保険制度について申し上げますと、原則として障害の種別、程度といいますよりも、あるなしにかかわらず、これは国民が医療を受ける際に必要な費用を支える役割を果たしておるものでございます。一方で、障害に係る公費負担医療制度は、障害の特性等に応じて負担の軽減を図りつつ、障害の軽減や適正な医療の普及を担ってきたものでございます。百も御承知の先生にあえてこういうことを申し上げておりますのは、両制度がそれぞれの趣旨、目的を持って発展してきたということを改めて申し上げたところでございます。

 そこで、現時点において、先生がもう医療で全部見てやればいいじゃないかというふうなきょうのお話でございますけれども、私どもは、申し上げましたように、医療保険制度は医療保険制度の原則がありますのでその原則と、それから今公費負担医療制度で障害者の皆さんの医療を考えておるというこの両制度、両制度を組み合わせて対応していくのが現実的だと考えておりまして、やはり私どもはこの両方の制度の組み合わせの中で考えてまいりたいというふうに思っておるところでございます。このことを申し上げたところであります。

五島委員 私は、その先天性の障害をお持ちになった子供をすべて医療の中でやれとは言っていない、医療の部分については医療の中でやればいいじゃないかと言っているわけです。現実に、難病の問題やさまざまな問題について、公費医療制度が医療制度の中にございます。先ほども言いました透析についてもそうです。糖尿病から透析になった人たち、その人たちに対しては月一万円の上限で透析の医療を提供しています。透析しなければ命にかかわるという緊急性に応じてやっているわけです。

 なぜ、先天性の心疾患を持っている人に対して、この医療のサイドの中でそういう問題に広げていくということができないのか理解できない。全体の医療保険制度の問題が云々かんぬんと言われるけれども、育成医療全体が年間たった十二億円、それぐらいのお金が、三十兆を超している医療費全体の中において負担の不公平などという内容でないことは、大臣、一番わかっているじゃないですか。そんな省内における部局の縄張りみたいなもので障害者問題というのはやはり解決できませんよ。それはぜひ早急に考え直していただきたい。そのことを強く強く申し上げさせていただきたいと思います。

 そして、時間が余りなくなりましたので、もうきょうは一時間でいいわと言ったのが私の間違いでしたので、お恨みはしませんが、二、三お聞きしておかなければいけない問題がございます。

 先ほど来からいわゆる二次判定の問題についてさまざま御意見がございました。その中でも、現状を完全に把握し、そして障害者の御意見も聞けというふうな話がございました。今後、二次判定をしていく上に当たって、いわゆる障害程度区分の判定票なるものに基づいて調査がされることになっています。

 そして、その調査票を見ますと、一つは、サービスの利用状況票というのがございます。そして、その後に認定調査票(基本調査)というものがございます。そして、特記事項、医師の意見書というふうなものが書かれたものが出されてまいりましたが、その中で、実施に当たっては現在用意されておりますこのサービスの利用状況票というものはもう使わないんだ、すなわち、現在サービスを受けておられる方がこれまでどのような時間帯にどのようなサービスを受けてきたか、そういうことについての調査はやらないんだというふうにおっしゃっているようでございます。

 まさかそんなことはないと。私は、これはある障害をお持ちの方々の団体から訴えられたわけでございますが、これまでの話からいっても、サービスについてはさまざまな状態がございますし、できるだけ既存のサービスについて必要なものについては提供する。そのサービスの内容が、その種類によっていわゆる介護給付になるのか地域生活支援事業に移るのか、それぞれあるにしても、市町村が行うこの調査の段階においては、患者さんの現状があるいは障害者の現状がすべてわかった上で判定されるものと思っていました。ところが、このサービス利用状況票というものはもう調査しないんだ、調査員のところにはこれは出さないんだという話があるということでございますが、まさかと思いますけれども、そういうことはないでしょうね。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、この調査票を調査しないとかそういったことはございません。現にどういうサービスを受けていてどういう状態にあるか、そういったことは市町村が支給決定を行うに際して非常に大事な情報でございますので、障害程度区分のほか、障害者御自身のサービス利用の意向や社会活動状況、介護者、住居の状況などとともに、このサービスがどう利用されているかということは非常に大事でございますので、この調査はするということでございますし、当然のことながら、市町村が支給決定案を作成するに当たっては、御本人に面接し、御本人のサービス利用の意向も十分に聞かせていただくということといたしております。

五島委員 この利用状況票というのは、深夜、早朝、昼間含めて一体どの時間帯にそのケースの人はサービスを必要としているかということを知る上においても極めて大事なデータでございます。これはやはり調査員の方に対して、判断していく上においても、あるいは判定をなさる場においても、当然参考にされるべき内容なんでございまして、こういうふうなものについてこそ非常に大事に扱っていただくということで、今後使わないということはないという御返事でございますので、今までどおり使う、大事にしていくということでございますので、きょうのところはこの問題はこれ以上は申し上げませんが、強く申し上げておきたいと思います。

 そして、もう一つお伺いしたいと思いますが、非常に細かいことではあるんですが大事な問題でございます。

 これは第九十四条の「障害福祉サービス費等の支給に係る障害者等の障害程度区分ごとの人数その他の事情を勘案して」ということで、いわゆるサービスの融通のし合いのところを書いた部分ですが、「その他の事情を勘案して」という表現が入っています。このその他の事情というのは何を指しておられるのか。すなわち、障害者の重度の問題であったり、実績の問題であったり、そういうふうなものであるのかどうか。現在の水準を後退させないために、そういうふうなある種の自由さを担保するという内容であるのか、その辺についてお伺いしたいと思います。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま委員が引用されましたのは、九十四条でございますから、国及び都道府県が負担すべき費用の範囲を決める際の費用の基準でございまして、障害の程度区分ごとの人数その他の事情を勘案してということで、その他の事情は何か、こういうことのお尋ねだと思います。

 私どもとしては、現在のサービスの利用実態などを想定いたしております。

五島委員 現在のサービスの利用実態あるいは重度というものを配慮してこういうことがあるということであれば、しゃくし定規ではなくて、やはり市町村の中において一定の融通があってもいいというふうにお考えなんだと受け取らせていただきます。

 大体時間がなくなってまいりました。もう一度繰り返しますが、この法案について、基盤をどう整備するのかという中心がないままに上部構造の議論だけをやっているわけです。これでは本当に、支援費制度のときもそうでした、支援費制度がもっときちっと拡大していくために必要な基盤整備をどうするのかということがないままに、結局、それほどふえないだろう、裁量的予算でいいんだろうという形でいってパンクした。

 今回も、義務的経費にしたというけれども、これを単に市町村に地域生活支援事業費とかいう形でもって持ち込んだだけであって、これがどんどんと必要な福祉施策をやっていくとすれば、小さい市町村ほどそれはやっていけなくなる。そうであれば、町村と県との関係、その他国との関係、そういうものを含めてどうきめ細かくやっていくのかというそういう基盤の整備。あるいは、ハンディキャップを負うたがゆえに資産形成ができない、介護保険が適用されるときにどうするか。

 民主党の提案者が先日申し上げておりましたけれども、介護保険の提供する範囲と、それから障害者福祉に提供される範囲には差がある、介護保険で提供できる範囲は介護保険で、その他の部分は障害者福祉で提供すべきだという主張をしておられました。恐らくこの考え方は政府と変わらないんだと思うんです。

 ところが、この問題は、障害者福祉で提供されるサービスというもののその中身の基盤について何もない。これでは本当に、こういうふうな大論争をし、二つの国会にまたがって議論しながら、自立支援法ができ上がってきても同じような状態で終わるんじゃないでしょうか。

 私は、与党の皆さんにも申し上げたい。この法案を本当に通したいとおっしゃるんなら、基盤整備法をおつくりになったらどうですか。そのことを強く申し上げたいと思います。

 最後に、私は委員長に一言お願いがございます。

 前国会におきまして、この法案が採決に付せられました。その際、私どもは反対ではあったわけですが、しかし、衆議院の当時の厚生労働委員会、鴨下先生がやはり委員長でした、そのもとにおいて、全会一致で十一項目の附帯決議が決議され、そして、立法者の意思としての意思はそこで表明されたと思います。全会一致での附帯決議というのは非常に重いし、立法者の意思を表明したという意味は大きかったと思います。

 残念ながらといいますか、この法案は一たん廃案になりましたから、あの全会一致の附帯決議という採決については、現在、立法者の意思としての何らの存在価値はございません。しかし、その経過を重く受けとめていただいて、ぜひ理事会において、この全会一致で確認された附帯決議、今回おつけになるのかどうか、それは理事会にお任せしますけれども、ぜひ議論をしていただけたらと思いますが、いかがでしょうか。

鴨下委員長 五島君の趣旨につきましては、理事会で協議をいたしたいというふうに思います。

五島委員 終わります。

鴨下委員長 次に、山井和則君。

山井委員 民主党の山井和則でございます。

 一時間、尾辻大臣に質問をさせていただきます。まさにこの自立支援法の根幹的な部分についてお伺いしたいと思いますが、まずその前に、少しだけ時間をいただきまして、昨日、東京地裁の判決が出ました。台湾、韓国のハンセン病の元患者の方々、療養所の入所者の方々が厚生労働相の処分の取り消しを求める東京地裁の判決が出たわけでございます。

 御存じのように、台湾側勝訴、そして韓国側は敗訴ということになったわけですが、大臣も御存じのように、四年前、ハンセン病の元患者の方々、そして被害者の方々を一括救済するということで議員立法で法律をつくったわけでありますが、その法律が不十分であったということで国会の責任も今回問われているわけであります。

 この問題は、まさに患者の方々も大変御高齢になっておりまして、もうこれ以上、第二、第三の被害というものを、これ以上苦しめることは、本当にこれは日本の恥であるというふうに思います。植民地支配、またそれに続く隔離政策、そしてさらに、今日においてもまだこのような日本の政府の態度というのは、当然国際的に見ても許されるものではございません。このことに関しては、この議員立法において十分そういう想定がされていなかったという国会議員の責任もございますが、はっきり申し上げて、法改正ではなく告示を変えれば済むということであります。

 そこで、尾辻大臣に二点お願い、御質問を申し上げます。

 一点目は、この原告の方々、元入所者の方々が今日本におられるわけですから、ぜひともお目にかかって直接お話を聞いていただきたいということが一点。それともう一つは、まさにこれは法改正は必要なく、告示を変えれば、その運用解釈を変えれば済むことでありますから、尾辻大臣の政治的判断で早期に決着を図っていただきたいと思います。尾辻大臣、いかがでしょうか。

尾辻国務大臣 昨日出ましたハンセン病の訴訟に関して二点お尋ねがございました。

 一点は、原告の方々とお会いすることを考えてはどうかということでございました。これにつきましては、多くの方からもそういうお話がございますので、近くといいますか一両日中にはお会いしたいというふうに考えております。

 それから、今後の対応についてのお尋ねでございます。改めて申し上げるまでもないことではありますが、昨日東京地裁で判決が言い渡されました二件の訴訟は、いずれも、戦前、日本が韓国、台湾に設置をいたしましたハンセン病療養所の元入所者の皆さんが、ハンセン病補償金の支給請求を棄却いたしました厚生労働大臣の処分の取り消しを求めておられたものであります。

 今回の判決では、これもお話しいただきましたけれども、韓国のハンセン病療養所である小鹿島更生園の元入所者を原告とする訴訟については、海外の療養所が当然には補償の対象となるものではないということで国の勝訴になっておりまして、一方、台湾の療養所でございます楽生院に係る訴訟につきましては、国の敗訴という結果となりまして、全く同じといいますか、同様と言った方があるいは正確なのかもしれませんが、争点でもあるにもかかわらず司法判断が分かれたところでございます。

 こういうふうに司法判断も分かれておりますので、今後の対応をどうするかということになりますと、やはり判決内容もいま一度詳細に検討する必要もありますし、また、私どもだけで結論が出せるわけじゃございませんで、関係省庁とも協議をしなきゃなりませんが、そうした上で対応は決めさせていただきたいと存じております。

山井委員 先ほども申し上げましたように、これは法改正は必要ありませんし、まさに告示の部分の解釈運用を変えれば済むことでありまして、これはまさに全面解決するかどうかは尾辻大臣の政治判断にかかっているわけであります。原告の方々も御高齢であり、本当に、植民地支配、また戦後の強制隔離政策、これ以上の悲しみを与えるということは、国際的に見ても人権上の観点からも許されるわけではありませんので、早急な尾辻大臣の政治決断をお願いしたいと思います。

 それでは、障害者自立支援法の議論に移らせていただきたいと思います。

 この障害者自立支援法、半年審議をしておりましたが、まだ不明な点が多過ぎるし、障害者の方々も不安で不安でたまらないということをおっしゃっておられます。そんな中で、私は本当にきょうの限られた時間の中で最も根幹的な部分を幾つか取り上げさせていただきたいと思っております。

 まず、尾辻大臣にお伺い申し上げます。

 厚生労働省は、今から十年以内に七万二千人の社会的入院を精神病院から解消するということをお約束されていたと思います。また、この法案でも、脱施設、脱病院、地域で暮らせる社会にということを目指しておられるのではないかと私は今までの答弁を聞いて思っておりますが、その社会的入院の解消、そして脱施設、脱病院という方針について、尾辻大臣、間違いはないか、最初に確認をしたいと思います。

尾辻国務大臣 障害者の皆さんが地域の中で暮らしていただくということが一番いいことでございますので、私どもは、その方向でぜひ世の中が進んでいくようにということを考えて今回の法案もお願いをいたしておるわけでございます。

 特に、精神障害者の皆さんについて見ますと、どうしてもやはり今まで入院中心でございましたから、これを居宅中心といいますか在宅中心といいますか、その方向に持っていきたい、これは私どもの願っておるところでございます。したがいまして、今先生がおっしゃったことはそのとおりでございます。

山井委員 今の、精神障害者の方々に対しては在宅中心、居宅中心でやっていきたいというのは、非常に重い発言だと思っております。

 それでは、資料をちょっと見ていただきたいんですが、私の配付させていただいた資料の五ページ目、大臣、見ていただけますでしょうか。これは先日、柚木議員からも指摘があった資料であります。厚生労働省作成、利用者負担額の影響額。居宅においては、見直し前の負担額が十三億、しかし、見直し後は七十三億。通所においては、約六億が見直し後七十六億。入所施設においては、二百十七億が三百四十七億。つまり、居宅においては約六倍、利用者負担額がトータルでふえていく、そして通所施設においては約十二倍、負担額がふえているわけです。

 先ほどおっしゃった、在宅中心が障害者の願いであるからその方向で進めていきたいという大臣の話と、利用者負担は在宅では六倍、通所の作業所や通所施設では十二倍、言っていることとやっていることが違うのではないですか。自己負担をこれだけふやすということは、当然、利用しにくくなるということじゃないでしょうか。大臣、いかがですか。

尾辻国務大臣 まず、お示しいただきました資料でございますが、利用者負担額の影響額として私どもがお出ししたものでございます。そして、これはマクロの数字で、総額であらわしておりますけれども、倍率を計算すれば、これはこの倍率であることは間違いありませんから、それぞれの皆さんの負担がどうなるかという計算をした今の倍率は、そのとおりであるということをまず申し上げるところでございます。

 今回の利用者負担の見直し、そもそもどういう考え方でお願いするかということについては、何回も申し上げておりますから、改めて申し上げません。

 ただ、今回の利用者負担の見直しにおきまして在宅サービスの上がり幅が大きいのは、従来入所施設は、応能負担のころより、まあ従来よりというふうに申し上げた方がいいわけでありますけれども、約九割の方に費用負担をいただいておりまして、その利用者負担率も食費を含め約一割程度の負担を既にいただいていたということがございます。従来、入所施設の方にはそれなりの負担をしていただいていた。それに対しまして、在宅の方でございますけれども、ホームヘルプサービスでありますとか通所サービスについては、費用負担をしていただいている方は約五%程度にとどまっておりまして、また、利用者負担率については約一%という低い水準にとどまっていたということが背景にございます。

 すなわち、今までの水準が低かったので、今回皆さんにみんなで支え合おうということで負担をお願いしまして、そういたしましたら、その上がり幅が大きくなったということは、そのとおりでございます。

 ただ、ぜひ申し上げたいことは、私どもは在宅中心にしたいということを申し上げております。そのことは、私どもは予算額で皆さんに私どもの気持ちはお示しをしておるつもりでございまして、平成十八年度の概算要求では、居宅サービスについては二百七十八億円増、すなわち、割合にして三二・六%増、給付費全体の伸びの一〇・八%を大きく上回る伸びを見込んで要求をいたしております。すなわち、総額で在宅に対して大きな予算要求をし、そこに予算をつぎ込んでこのサービスの量をふやそう、まさに在宅に力を入れようということを申し上げているところでございます。

山井委員 いろいろ説明はございましたが、数字は紛れもない事実を物語っているわけです。今よりも通所と在宅の負担を急激にふやして、在宅サービス、通所サービスを受けづらくする法律である、このことは数字が紛れもなく語っているわけですね。

 それで、今、在宅中心ということをおっしゃいました。尾辻大臣、改めてお聞きします。在宅中心、在宅移行、在宅という言葉の定義ですが、その在宅という言葉には病院や施設の敷地内は含まれていないですよね。当たり前ですが、確認します。

尾辻国務大臣 恐らく、今そのお尋ねであれば、この後グループホームだとかケアホームの話が出てくるんだろうというふうに思いますけれども、あえて先走ってお答え申し上げるのもいかがかと思いますので、今のお話でいえば、極めて常識的に言えば、それは、病院の敷地の中が自宅だということにならないということはまず申し上げたいと存じます。

山井委員 それで、まさにここからが問題なんですが、きょうの朝も菊田議員から質問がありましたが、厚生労働省は、今後、知的障害者のグループホームやケアホームを知的障害者の施設の敷地内につくることを許す方向で検討している、そして、精神障害者のグループホームやケアホームに関しても精神病院の敷地内につくることも含めて検討しているということを、きょう菊田議員の質問に対する答弁でおっしゃいました。

 しかし、今おっしゃったように、地域移行と在宅中心ということを言っているわけでしたら、病院の中のグループホーム、施設の中のグループホームというのはあり得ない話であります。グループホームの理念は、地域で暮らすということであります。

 そして、資料の一ページ目をごらんください。これは厚生省児童家庭局障害福祉課が監修した平成元年の「グループホームの設置・運営ハンドブック」、当時の浅野史郎障害福祉課長、まさにこのグループホーム政策を進められた、原動力になった浅野史郎課長の際に作成されたものであります。これも午前中の菊田議員の質問と重なりますが、「グループホームとして使用する住宅は、原則として一般住宅地内に位置し、」「施設や通勤寮と同じ敷地の住宅は望ましくありません。」そして、「一般住宅地の中にあることは絶対の条件です。」ということが厚生省の監修として書かれております。

 そういう意味では、今議論されているケアホーム、グループホームは、当然地域の中、つまり施設の敷地内ではない、病院の敷地内ではないと私は理解をいたしますが、大臣、いかがですか。

尾辻国務大臣 あえて先生が私にだけに答弁を求めておられる、まさに政治家同士で議論をしようと言っておられる御趣旨を私も理解しておるつもりでありますので、余り役人が答えるみたいな細かい部分にひっかかってお答えするつもりは全くありません。

 ただ、一つだけ申し上げさせていただきたいことは、先ほどのお答えの中でもそう申し上げておるつもりでありますけれども、今後のグループホーム、ケアホームのあり方についての議論の中で、いろいろなことを選択の中で議論しなきゃならないということを申し上げたところでありまして、知的障害者の皆さんのケアホーム、グループホーム、それから精神障害者の皆さんのグループホーム、ケアホーム、これもどう整理するか、同じ中で考えるか分けて考えてみるかとか、そうしたことは今議論をしておるところでありまして、決して一定の方向を持って先ほど御答弁申し上げたつもりでないことだけは申し上げておいた方がいいかなと思うものですから、申し上げたところでございます。

 そこで改めて、今の御質問についてお答え申し上げますと、グループホームやケアホームは、病院や施設と異なりまして、地域に住む人と自然に交わりながら、住居から離れた日中活動の場へ通うという点に特徴があると考えられます。また、今回私どもが言っておりますことの一つに、一つの施設の中で昼も夜も生活なさるよりも、夜お休みになるところ、住居とするところと、昼は通っていくという、その場所の移動、変化ということはぜひやっていただきたい、私どももその方向で考えたいと言っておるわけでございまして、そうした中でこうした問題も考えておるわけでございます。

 まず基本に、そういうふうに思っております。したがいまして、基本に病院や施設とは異なるということを申し上げたところは御理解いただきたいと思います。

 ただ、これは、これから先を申し上げると先ほどと同じことになりますので申し上げませんが、両論あるものですから、私どもは、その両論の御意見をよく伺いながら今後の答えを出したいというふうに考えておるところでございます。したがいまして、私どもが方向を持って考えておるということはないことだけは申し上げておきたいと存じます。

山井委員 これはもう結論が出ているはずなんですよ。七ページ目に、平成十四年十二月十一日、私の質問に対する坂口大臣の答弁がございます。このときは医療観察法案という非常に問題が多い法案を審議しておりまして、その中で厚生労働省は何度も社会的入院七万二千人を解消するということを約束いたしました。民主党に対して約束をいたしました。

 その中で私が、病棟を改築したり敷地内につくって看板をかけかえて、それでまさか社会的入院をなくすということではないでしょうね、社会復帰ということは、隔離された病院の社会から地域に社会復帰することだと思うんですけれども、施設の敷地内ではなくて地域に社会復帰するということでいいのかということを聞きました。

 坂口厚生大臣はこう答えております。「それはやはり、地域にお戻りをいただかないと意味がありませんから、そのように理解をいたしております。しかし、病院が存在するのも一つのその地域でありますから、その病院が存在するところの地域について、どこにつくるかということは、あるいはその病院に近いということだってそれはあり得るというふうに思いますが、そこに入っている人が、それぞれの郷里の、郷里と申しますか、おうちがあります地域にやはりお戻りいただけるようにしなければいけない」明確に地域に帰ることだと坂口大臣は約束しているわけです。

 いろいろな議論があるんじゃないんですよ、尾辻大臣。もし、この厚生省の正式の答弁、大臣の約束を変えるならば、一回整理してください。この答弁、変わっているんですか、それ以降。

尾辻国務大臣 今、坂口大臣の答弁を私も見ておりますけれども、お読みになったとおりでありまして、「それぞれの郷里の、郷里と申しますか、おうちがあります地域にやはりお戻りいただけるようにしなければいけないというふうに思っております。」という答弁をしておりますが……(山井委員「明確に言っているじゃないですか」と呼ぶ)これはこのとおりでありまして、私どもも全くそのとおりに思っております。先ほどから申し上げておるとおりでございます。

 ただ、ここで禅問答みたいなことを始めてもしようがないと思うんですが、これを読みますと、坂口大臣がその前に何と言っておられるかというと、「病院が存在するのも一つのその地域でありますから、その病院が存在するところの地域について、どこにつくるかということは、あるいはその病院に近いということだってそれはあり得るというふうに思いますが、」という何か表現をしておられますから、その表現の中ではいろいろなことを意味されたんじゃないかなと、私は今これを読み返して理解をするわけであります。

 改めてですが、こういう議論ですから率直に申し上げた方がいいと思いますので、改めてですけれども、さっき七万二千人の話もなさいました、その人たちを、やはり、まずできるだけ早く自宅に帰っていただきたい、それを進めたいという思いは、先生もそうおっしゃいますし、我々もそう思っております。

 それを進めるときに、これは御意見の中にあるということで申し上げるんですが、多くの御意見の中には、直ちに十分なサービス量を地域で確保することが困難な今状況にある、ですから、現実的には、先ほど来先生がそれはやめるべきだと言っておられるようなことも、まず一定の条件のもとで考えてみたらどうだという御意見もあるということだけは事実でございますし、私どもはまた、そうした御意見をお聞きしながら答えを出していかなきゃならぬと思っております。

 ただ、余り私がこういうふうに言いますと、何となく印象としてその方向で私どもが考えているというふうに理解されるとまた困ると思いますのであえて申し上げますが、決して、今、私どもがそういう方向で答えを出そうとしておるということではないことだけは繰り返し申し上げたいと存じます。

山井委員 ノーマライゼーションの社会をつくっていく、施設や病院から出て、地域で障害のある方が暮らしていく社会をつくる、その中のグループホームというのは一番根幹じゃないですか。そして、そのグループホームが地域の中にあるというのは世界の常識じゃないですか。もしそんなグループホームを病院の敷地内や施設の敷地内につくったら、世界の福祉関係者から笑われますよ。そんなことをしている国はどこにあるんですか。

 これはやはり根幹的なことですよ。大臣、私たちは国会審議しているんですからね、国会審議では根幹的なことは詰めないとだめなんですよ。大臣、この問題は、もし精神病院の敷地内にグループホームや看板のかけかえを許すのならば、社会的入院なんか二、三カ月で解消してしまうじゃないですか。大臣、このことはやはり国会審議中にはっきりさせてくださいよ。根本的な問題ですよ、これは。大臣、いかがですか。

尾辻国務大臣 外国のこともお話しになりましたのであえて申し上げますと、やはりその国々のそういうことに取り組んできた経緯、歴史もありますから、その中でそれぞれのやり方でやっておるというふうには理解をいたしております。ですから、日本はまた日本の与えられた条件もあります、これまでやってきたこともあります。そしてまた、今申し上げましたように、現実的に判断しなきゃならないということもあるわけでございまして、そうした中での判断をしなきゃならぬということでございます。

 ただ、先生はそうおっしゃいますけれども、先生はそうおっしゃるんですが、また一方から強い御意見もあるわけでありますから、そうした御意見、国民の皆さん方の御意見であります、声であります。国民の皆さん方の声はやはりよく私どもはしっかり受けとめて、どこに答えを出すのが一番適切なのか、これは十分吟味をさせていただきたいと思います。

山井委員 そういう根本的な政策変更というのは国会審議のほかでやることは許されませんよ、それは。

 委員長、これまた理事会でこの問題は、やはりこの問題はこの法案の根幹にかかわることですから、きっちり、審議の終局までにこのことをはっきり方向性を出してもらうということで理事会に諮ってほしいと思いますが。委員長。

鴨下委員長 後刻理事会で協議はいたします。

山井委員 これは、日本の全国のこういうグループホーム関係者や大多数の福祉関係者は、尾辻大臣、もう悲鳴を発しておられるんですよ。こんな世界の笑い物になるような、今までの施設から出て地域に暮らそう、病院から出て地域に暮らそうということを百八十度ひっくり返すようなことを軽々と答弁しないでくださいよ。これはしっかり坂口大臣も言っているんですから、地域に戻ってもらわないと意味がないということは。そのことはぜひとも強くお願いをしたいと思います。

 次に、きょうの午前中の答弁でも、精神障害者の病院からの社会復帰ということを部長さんもはっきりと答弁をされていました。しかし、今回の政府案で、本当に精神障害者の方々が地域で暮らしやすくなるのでしょうか。尾辻大臣、これは私もたびたび質問している三十二条、精神通院公費の問題ですからおわかりだと思います。

 簡単に申し上げますと、厚生労働省は、三疾病、ここに資料がございます、この資料の三ページ、統合失調症、そして躁うつ病、てんかん、この三疾病に、三十二条を変えていくときの重度かつ継続の範囲を限るということを言っているわけですね。これは大臣も、二週間前に質問したことですから覚えておられると思いますが、この資料を詳しくは説明しませんが、しかし現場では、前回も申し上げたように病名では全く区切ることができないということになっているわけです。

 地域で精神障害者が暮らすためには、服薬やクリニックやデイケアは、医療のベースからやはり不可欠なんですね。まさにこれから社会的入院を解消していくためにも、一つの命綱として非常に重要な役割を果たしているんです。それを今厚労省はなくそうとしているわけです。そしてその一部分を重度かつ継続で救おうとされているわけですよね。

 それについて心からのお願いですが、疾病名で削るというのは現場の方々にとっては不合理だ、何で病名で削れるんだということは一致した意見です。ぜひとも、前回も質問しましたように、疾病名ではなく状態像で区切ってほしい。そして尾辻大臣は、そのときこう答弁されましたね、お約束いたします、もう一回、私もよく皆さんの意見を聞いてみます、そして判断いたしますということを二週間前に答弁をいたしました。この国会もあと五日間で終わろうとしております。ぜひその判断をお聞かせ願いたいと思います。

尾辻国務大臣 こういうやりとりでありますから、先ほどの理事会でお求めになりました件につきましても、私からも改めてお願いをしておきたいと思うのでありますけれども。

 私どもが例えば坂口大臣の答弁を変えたというふうに決めつけておられるんですが、私はさっき申し上げましたように、一番基本の精神のところでは坂口大臣の答弁のとおりに私どもは思っておりますと、まずそのことを認めました。それから、坂口大臣がその前段で言っておられることというのは、これは禅問答みたいなところがあって、必ずしも先生が言っておられるようなことを否定された答弁ではないのじゃないでしょうかというふうにも申し上げました。

 先生が御議論をお進めいただくときに、どうぞその辺についても先生のお考えを明確にお示しいただいて、私どもとの違いというのをはっきりさせていただいた方が、また私どもも議論がしやすいと思いますので、あえてお願いをいたしたわけでございます。そのことは私からのまたお願いにもさせていただきたいと思います。

 ところで、三十二条の議論でございます。これは、私も実は、率直に言いますけれども、不思議に思っていることが一つあるんです。これは最初は状態でと言ったはずなんです。それが専門家の皆さんの御意見が、私の理解しているところを言いますよ、途中から三疾病になったと私は理解しています。これが私にとっては正直に言って不思議に思っているところなんです。先日、先生に私なりによくもう一回調べてみますと言ったのは、実はその辺の思いがあって申し上げたことを今改めて率直に申し上げます。

 それで、その後私も担当を呼んで、一体この辺はどうなっているんだ、私にもようわからぬということを言って、いろいろごしょごしょごしょごしょ言っていましたが、何かちょっと、これも正直に言います、ここで申し上げにくいようなことも言っておりました。何か本音のところはこうなんじゃないですかというような話もしておりました。私なりにその辺を不思議に思っていて、そのところは私なりによく調べてみたいと思って先生にお答え申し上げ、その後、私なりに聞いたところはございます。

 ただ、そんな話を今していてもある意味で前進にはなりませんので申し上げるのですが、これだけは、この前もその思いを込めて申し上げたつもりでありますけれども、三疾病で限るなんということは絶対に思ってもおりませんし、そうするつもりもありません。

 そしてまた、専門家の皆さんの御議論で、症状で判断できるというような話であればそれもよしと私は思いますし、いや、やはり疾病名だとおっしゃるならば、それでは疾病名をどうしましょうかと。今とりあえずどなたにも文句がないのが三疾病だというふうに私は理解しているんですが、その三疾病はだれも文句を言わないのだから、とりあえずその三疾病はそうしておきましょうと。それで、今後これにどう加えていきますかねという御議論をしておられるさなかだと私は理解しておりますので、そういう御議論をしていただければというふうに思っておるところでございます。

山井委員 今のは非常に重要な点でありますので、確認をしたいんですが、先ほども私の知り合いの方から電話がありまして、やはりこの三十二条だけは何とか救ってほしいと。要は、精神障害者の方あるいはうつの方、本当に閉じこもりがちになって社会復帰できない、あるいは社会参加できない、もっと言えば本当に自殺をするかどうかわからない、そういう方々を現場の方々が必死になって支えておられるわけですよね。その方々がデイケアに行ったり服薬を受けたりクリニックに行く、その命綱がこの重度かつ継続の部分になるわけなんです。

 そういう意味では、現場にぜひ裁量の余地を持たせてほしい。しゃくし定規に三疾病とか決めてしまうと、もう現場としてはにっちもさっちもいかなくなってしまうんですね。これは現場の方々の切なる願いであり、悲鳴であり、日本の社会がどうやって自殺を減らしていくのか、精神障害者に優しい社会をつくっていくのかという、まさにこの一番重要なところですので、三疾病に限らず、状態像で判断していくということをぜひ明確に御答弁いただきたいと思います。

尾辻国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、このことにつきましては専門家の皆さんの御議論をずっといただいております。ですから、ぜひその専門家の皆さん方がきっちりした御意見を出していただき、結論を出していただきたい。せっかく専門家の皆さんに集まっていただいて議論していただいているわけですから、これは私から言わせていただくと、しっかりした答えを出していただかなきゃ困ると思っておりまして、ぜひその答えを出していただきたい。その答えが出る前に私が何か予断を持って申し上げるというのはやはり避けておこうというふうに思っておりまして、先ほども状態でという答えが出ればと言っただけでありまして、そっちの方向がいいとか、何とかと言っていることでないことだけは、誤解があるといけませんので改めて申し上げたいと思います。

 ただ、少なくとも、言っておりますことは、今の三疾病に限りと、そんな狭くこの問題をとらえようという、そういうことではありませんということだけは、そのとおりでありますから申し上げておるところでございます。ぜひ御理解いただきたいと存じます。

山井委員 これは本当に、そういう大事なところを国会審議中にやはり明らかにするのが当たり前でありまして、ぜひともそういう答えが出るまで国会審議を続けていきたいというふうに思っております。

 次に、この法案の最大の不安の一つが、尾辻大臣、障害者の方々からこういう声を聞くわけです。私のサービスはこの法案になったらどうなるんですか、維持されるんですか減るんですか、あるいは、障害程度区分で幾つぐらいになるんですか。そしてまた、その障害程度区分というのは国庫補助基準で幾らぐらいになるんですか、それがないと不安で不安で仕方がないという切実な声が連日のように私のもとに届けられております。

 尾辻大臣、そこで、もう半年も審議しているんですから、そして障害者の方々がどんなサービスが利用できるのかさっぱりわからないというふうに不安のどん底におられるわけですから、障害程度区分は幾つに分けるのか、そして、それぞれの基準はどういうふうな基準で分けるのか、また、それぞれについてどれぐらいのサービスの量や国庫補助基準にするのか、やはりそろそろ明らかにすべきだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

尾辻国務大臣 何点かお述べになりましたので、まず障害程度区分の基準というところでお答え申し上げたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。その後、お述べになりましたことで御質問がありましたら、また改めての御質問をしていただきまして、お答え申し上げたいと思います。(山井委員「簡略にお願いします。そろそろ明らかにしてくれという質問ですから」と呼ぶ)

 それでありましたら、まず、どの程度の段階を考えておるのかということでございましたので、六段階程度を考えておりますということは申し上げたいと思います。

 それから、今、これはもう御案内のとおりでありますけれども、試行事業をやってその分析をいたしておりますので、この後、この分析も進めますと同時に、まさに関係団体の皆さんの御意見も聞かなきゃいけませんし、また同時に有識者の御意見も伺いながら、年内には必ず、必ずと言いますとまた後でということがありますので、年内にはという表現に改めさせていただきますが、年内には適切な障害程度区分を設定したいというふうに考えております。

山井委員 先ほども聞きましたように、六つに分けるということで、その中で、それぞれ、例えば一番高いランクだったら何時間ぐらいのホームヘルプが受けられて、どれぐらいの国庫補助基準になるんでしょうか。

尾辻国務大臣 より詳しくお答え申し上げるなら局長からお答え申し上げた方がいいと思うのですけれども、きょうのところは先生は私に答えろということでございますから、私に答えられる範囲で申し上げますと、それぞれの程度区分において基準はつくりますけれども、その基準の中でサービスを受けていただくということでございます。ただ、介護保険のように限度額を決めてここまでというやり方ではございませんので、適切なサービスを受けていただくということが一番基本でありますし、また、契約を基本にしておるわけでございますから、契約に基づいてということになるわけでございます。

 今先生がお尋ねになっておられる、一番最初の不安というふうにおっしゃったことで大きくお答え申し上げますと、今まで受けておられる適切なサービスが受けられなくなる、そういう意味での水準を落とすということは、決していたしませんということは繰り返し申し上げておるところでございます。

山井委員 今まで受けている適切なサービスは水準を落とさないと言っても、個々の人にとったらさっぱりわからないわけです。ある私の知り合いの方は、市役所に行って、この自立支援法が通ったら私のサービスはどうなるんですかと聞いたら、市役所の担当者は、さっぱりわかりませんと答えているんですよね。尾辻大臣、私たち国会で法律を審議する人間として、障害者の方々が自分たちのサービスがどうなるかが全くわからない、それで法案を通すということができると大臣は思われますでしょうか。

 例えばALSの方々も、多くは重度訪問介護というのに当たると思います。ALSの患者さん方、そしてまた重度の障害者の方々、二十四時間的なサービスを必要とする方々、多くの方々、私もいろいろ話をしておりますけれども、その方々にとっても、重度訪問介護というのは、国庫補助基準、何時間ぐらいサービスを利用できるのか、それをぜひ知りたい。それが三百時間なのか五百時間なのか、それによって今までの生活が続けられるのかあるいは続けられなくなってしまうのか、人工呼吸器をつけている方は地域で暮らせるのか暮らせないのか。そういうことが決まるのは、やはり数字が出ないとだめなんですね。

 尾辻大臣、この重度訪問介護、一カ月大体何時間ぐらいのホームヘルプが受けられるのか、そして国庫補助基準は幾らぐらいでしょうか。

尾辻国務大臣 再三申し上げておりますように、障害をお持ちの方で今サービスを受けておられる方、この方々が適切なサービスを受けておられるという、その水準を私どもが下げるということは決して考えておりませんし、また、そんなこともいたしません。ですから、必要なサービスは必ず受けていただきますということだけは繰り返し申し上げておるところでありまして、それはそのように御理解いただきたいというふうに思います。すべての方々にそのことはお約束をいたしておるところであります。

 もう一回言いますけれども、必要なサービスは受けていただきます。受けていただけるようにしますということでございます。そして、その金が足らなくならないように、ちゃんと予算の措置もします。必要な経費として、義務的な経費として国は責任を持ちますというところも申し上げておるところでございます。

 ただ、今そうした中で、では重度の障害をお持ちの方は一体どうなるんだというお話でもございましたので、そのことについても改めて申し上げておきたいと存じます。

 地域で暮らしておられる重度の障害者の方々を支えていくということは、これは極めて重要な課題であると私どもも当然認識をいたしております。そこで、これももう繰り返し繰り返し申し上げておるわけでございますが、新しい制度においては、重度訪問介護、それから重度障害者等包括支援といった新たな給付の仕方をつくるところでございます。

 今後、その重度訪問介護や重度障害者等包括支援について国庫負担基準を設定してまいります。このぐらいの国庫負担をいたしますという基準を設定いたしますけれども、その場合に、現在、全身性障害者に係りますホームヘルプサービスの国庫負担基準は月に二十二万円、約百二十五時間程度、一日四時間で計算しておりますので大体月に約百二十五時間、そして基準額として二十二万円でありますけれども、それが今の基準であるということをまず申し上げました。

 その利用実態を見ますと、地域間でサービス水準に大きな格差がありますから、限りある国費を公平に配分していくことが必要だというふうにも、当然のこととして私どもはしなきゃなりません、考えなきゃなりません。まず、申し上げた現在の月二十二万円という水準について、特に重度の障害者の方々の全国のサービス利用実態などを踏まえて、今度は上げる方向で見直していく。この基準額は、まず国庫負担基準額は上げる方向で見直していくということはお約束を申し上げておきたいと存じます。

山井委員 要は、百二十五時間じゃ重度の方が生活できないのは当たり前であって、上げる方向でというのは、それが二百時間なのか三百時間なのかどうなのかがわからないと、今受けているサービスが維持できるかどうかがわからないんですよね。

 尾辻大臣、くしくも必要なサービスは維持されるとおっしゃいますが、障害者の方にとっては、今、圧倒的多数の方は必要だからサービスを利用されているわけなんですよ。それをどう判断するのか。そういう意味では、尾辻大臣、障害者の方々はやはり安心と担保が欲しいとおっしゃっているわけですよ。このままの法案で通ってしまったら、来年の四月か十月、認定というか支給決定を受けるまで、私は今のサービスが受けられるのだろうか、どれだけ減るのだろうか、そういう悶々とした思いをずっと抱えないとだめなわけですよね。

 だから、私が尾辻大臣に申し上げているのは、重度訪問介護やあるいはトップの障害程度区分で幾らぐらい、あるいは幾らぐらいの時間なのか、せめてそれを明らかにするか、あるいは、今受けているサービスは原則として維持しますよ、今どっちかのことを言わない限り、障害者の方々は、私の生活どうなるのと。これは死活問題で、一生続いていくことなんですよ。

 きょうも傍聴人も来られていますが、国会周辺に多くの方がきょうも来られています。その不安な顔を大臣もごらんになりましたか。私の一生がどうなるかわからない、この法案で。さっぱりわからないわけですよ。それでは国会で法案審議をやったことにならないんじゃないですか。やはり、今のサービスは維持する、個々人に対して原則維持するということを言うか、あるいは、障害程度区分で一番重いところは何時間、幾らぐらい、そういう具体的な数値を出すか、やはりそれをしないと、私たち国会議員は法案審議をやったことにならないんじゃないですか。

 与党の議員の方々も、地元に帰って、この法案通ったら私のホームヘルプサービスはどうなるのと聞かれて、どう答えられるんですか。半年か一年、決まるまで待っていてくださいと言うんですか。そんなことも言えないのでは、私たち国会議員としたら、審議したという責任を果たせないんです。

 大臣、やはり障害者の方々の安心と担保をしっかり約束できるような答弁をお願いします。

尾辻国務大臣 まず、御質問に対して外してお答えするつもりはありませんけれども、最初に申し上げたいことは、今回、これももう本当に何回申し上げたかわからない、何回お聞きになったかわからぬとおっしゃるだろうと思うんですけれども、支援費制度の中で地域間格差がある、その格差を小さくして、全体のサービスの水準の底上げを図るんだという、まずこの私たちのやろうとしておること、これは御理解をいただきたいと思うわけであります。

 ただ、そういって、これもそのときにいつも私が申し上げておることは、高い水準にある地域の引き下げを行おうとするものではないということは、これまた何回も申し上げました。全体の量を……(山井委員「個々人のことを聞いているんですよ、個々人のことを」と呼ぶ)ですから、申し上げております。全体の量を等しくして下を上げるというと、当然上が下がるわけでありますから、平均化されてそれは上が下がるということになりますけれども、私どもが今申し上げているのは、先ほどの予算額でも申し上げました、全体を大きくして底上げをしようとしておるわけでございますから、下の水準は上がりますけれども、上を下げようということは考えておりません。

 決してそんなことにはならないんだという基本的なところは、申し上げておるとおりでございますから、ぜひそのとおりに御理解いただきたいと思います。

 ただ、やや慎重に申し上げておりますのは、その水準の一番高いところ、それもいろいろな状況の変化などがありますから、状況の変化によってもサービス量が下がったりいろいろするわけでありまして、それを絶対下げないと私が言って、妙に言葉じりにひっかかってしまわれたりとかいうことがあってはならないとつい思ったりするものですから、やや慎重にそこの思いを申し上げておるところでありまして、サービスの水準は下げません、適切なサービスは必ず受けていただきますと言っておりますことの御理解は、ぜひ賜りたいと存じます。

山井委員 必要なサービスは受けてもらうとか適切なサービスを受けてもらうとか、それじゃだめなんですよ。障害者の方々はそれぞれの人生がかかっているわけですよ。自分のサービスがどうなるのかわからないわけですよ。だれが適切、だれが必要と判定するんですか。障害程度区分もはっきり決まっていない、本人の意向も二次判定まで聞いてもらえない、今までの実績、どれだけサービスを利用しているのかも現段階では二次判定まで聞いてもらえない、そういう状況でどうやって安心しろと言うんですか、障害者の方々に。

 繰り返し言いますが、この法案をこのまま通したら、支給決定するまで障害者の方々はどうやって安心して晩眠れるんですか。何ら担保がないじゃないですか。必要なサービス、適切なサービスを受けられるというけれども、自分のサービスはそれのどこに当たるんだろうかと。私は、この法案の最大の問題点の一つは、肝心の一人一人のサービスがどうなるのかということがこの国会審議でさっぱりわからないということなんですよ。当事者不在ということなんですよ。国会で審議するのは、やはり一人一人の障害者の暮らしがどうなるのか、そのことはしっかり担保しないと私はだめだと思っております。

 だから、そういう意味では、尾辻大臣にもぜひとも、原則としてサービスはやはり維持するということを言うなり、やはり先ほども言ったような具体的な時間数あるいは国庫補助基準を出してもらわないとだめだと思います。

 委員長にこれもお願いしたいと思います。理事会で、ぜひとも、やはり審議が終わるまでに、ある程度のこういう数字のめどを出すと。これこそが国会議員が国会で審議をしている意味じゃないでしょうか。

 皆さんいかがですか。そんな肝心なことも国会で決められなくて、何をやっているんですか、私たちは。もしそれに反対するのならば、そういうことも決めないで与党の議員は地元の障害者にどう説明するんですか。多分大丈夫だと思うよと言って、半年後、一年後、支給決定が低かったらごめんなさいで済ますのですか。その人の人生はどうなるんですか。

 それで、時間も残り少なくなってきましたので、チラシ問題に入ります。

 皆さん、このA3の裏表のチラシを見てください。見たことがある人、ありますか。尾辻大臣、見たことありますか。不思議と民主党議員にはほとんど配られておりません。私も取り寄せてもらいました。

 そして、右上を見てください。「皆様の御理解・ご説明用に厚生労働省・障害福祉課において御用意しました。」話によると、十月上旬に用意したらしいですね。そして、「真のねらいは何なのですか。」「財政対策がねらいなのではないですか?」右上の方に「定率一割負担」「サービスが受けられない利用者が出てきませんか?」「ご安心下さい。」と書いてあるんですね。安心装置一、二、三、四。

 そして、私が一番ショックを受け、かつ、多くの障害者の方々がお怒りになっているのは、この下です。「この法案には、当事者である障害者団体も反対しているのではないですか?」ということに対して、これこれの団体が賛成しているということが書かれています。

 まず尾辻大臣、一点目。安心装置二、三と書いてあるけれども、これは三年限りの経過措置です。そういうことをしっかり明記しないとだめじゃないですか。通信販売でも、この商品いいですよ、こんなにいいですよと書いてあって、実はそれは三年限りですよ、そんなもの詐欺じゃないですか。「ご安心下さい。」と書きながら、実は三年で終わりだ、そんなものばらまいてどうするんですか。

 それと、この「法律の成立を望む要望書が出されています。」という各団体の名前が書いてありますけれども、ある団体の人に聞いたら、こんなことをチラシに入れられているのは私は知らないと幹部の人も言っているわけですよね。障害者団体の了解も得ずに、勝手にチラシに入れて配っていいのか。

 さらに、尾辻大臣、御存じのように、尾辻大臣もわかっているでしょう、ここに書いてある団体でも、中央のトップと地域では全然意見が違うんですよ。昨日お見えになった育成会の参考人、全家連の参考人、このままの法案じゃだめだとおっしゃっていたじゃないですか。全く違うじゃないですか。でも、こんなチラシ配ったら、全国のそういう団体の方々が賛成しているのかと思うじゃないですか。こんなチラシ配りますか、厚生省が。

 大臣、私は、やはりこういうチラシは大問題がある、そして、障害者団体の方々の気持ちを逆なでする、やはりこのことには私は強く抗議したいと思います。大臣、いかがですか。

尾辻国務大臣 まず、このチラシと言っておられますものでありますが、これは、基本的には先生方に御説明申し上げるためにつくったものでございまして、したがいまして、先生……(山井委員「野党には来ていない」と呼ぶ)いや、ですから、説明をお求めいただいた先生のところに持っていっているだけでありますから、何かこれ、大量で配布したとか何とかというものではありません。ぜひそこは御理解いただきたいと思います。説明に来いとか、持ってこいとおっしゃった先生のところにお持ちしているだけのものであるということをまず申し上げます。

 したがいまして、どういう経路で地方に行ったとかいうお話、今、たしかおっしゃったようでありますが、その辺について、わざわざ私どもが地方まで持っていって配るとか、そんなことをしたものではないということをまず申し上げます。

 それから、障害者団体も反対しているのではないですかということに対する団体のお話がございましたけれども、障害者自立支援法案の特別国会での成立を強く要望しますというふうに意見をお寄せになりまして、これは九月にお寄せになったんですが、その中に、ここに書いてあります団体全部、連名でそういうふうに意見をお出しになった、それをただそのとおりに書いてあるというだけでございます。別に、意見書をお出しになったわけですから、こういう御意見をこういう団体の皆さんがお出しになっておられますということがついているだけでありまして、いわば事実が述べてあるだけのことだというふうに考えます。

 以上、お答え申し上げます。

山井委員 このような団体に中央と地方とで大きな違いがあるということも大臣は御存じはないんでしょうかね。そして、こういうふうなチラシをやることがどれだけ障害者の方々の気持ちを逆なでするのかということもおわかりにならないんでしょうか。

 そろそろ時間も終わりに差しかかってまいりましたが、やはり大臣、きょうの質問、一時間させていただきましたが、最初質問した、この法案は脱病院ですか、脱施設ですかということに対して、大臣は、在宅です、在宅というのは施設や病院の中ではないですということをおっしゃりながら、次の質問になったら何かトーンダウンして、施設や病院のグループホームやケアホームも議論中ですということをおっしゃる。

 また、精神通院公費のまさに命にかかわる問題に関しても、検討会に任せると。では国会は何なんですか。細かいことは検討会でやるというのはもちろんありますよ。でも、根幹的な、ノーマライゼーションの核であるグループホームを地域につくるのかどうか、やはりそういうことは国会で議論しないでどうするんですか。そしてまた、重度包括支援や障害程度区分も、時間も限られていない。決まっていない。そしてまた、今のサービスが受けられるかどうかもわからない。

 これでどうやって障害者の方々にこの法案がいいと言えるんですか。私は、この法案というのは、本当に徹底して当事者不在であると。もし当事者不在じゃないと言うならば、当事者の方々を安心させるための基準を、やはり審議中に出していただきたいというふうに思います。

 政治というのは、やはり最も弱い方々を体を張ってでも守っていく。しかし、この法案では、世界の流れである地域生活移行、ノーマライゼーション、在宅に移行するということがきっちりできるかどうかわからない。逆に、さっき言ったような三十二条やグループホームのような逆行する面もあるわけなんですね。

 そういう意味では、この法案、きっちりと慎重審議をしてやはり障害者の、この法案の主人公はあくまでも障害者なんですから、障害者の方々がこの法案で私の生活どうなるかわからぬという状況での審議終了ということは決して許されないということを最後に申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

鴨下委員長 午後四時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後二時三十八分休憩

     ――――◇―――――

    午後四時二分開議

鴨下委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。笠井亮君。

笠井委員 日本共産党の笠井亮です。

 本題に入ります前に、昨日の韓国、台湾のハンセン病補償訴訟の判決をめぐって、私も大臣に伺っておきたいと思います。

 先ほどの山井議員の質問に対して大臣は、判決内容を検討して、関係省庁とも協議して対応を決めると答弁されました。私、ハンセン病補償法の立法趣旨から見て、こういう今こそ全面解決に国が踏み出すべきときだというふうに思っております。

 二〇〇一年に熊本地裁の判決があり、そして小泉内閣の政府声明がありました。ハンセン病補償法が議員立法でつくられました。私も当時、参議院で大臣とも御一緒しておりましたけれども、療養所を私自身も訪問しながら、超党派の取り組みに参加をいたしました。

 あの立法趣旨は明確で、日本のハンセン病の強制隔離政策が国立ハンセン療養所等に入所させられた人々に耐えがたい苦痛と苦難をもたらした歴史的な経過を踏まえて、精神的苦痛を慰謝し福祉の増進を図る補償金を払うこと等を目的としておりました。この立法趣旨に立てば、同様に日本の隔離政策によって入所を余儀なくされた韓国、台湾のハンセン病元患者の皆さんも当然、公平、平等に補償対象にすべきだと思います。立法者の意思は明確であります。政府にはこの法律を誠実に実行する義務があると思うんです。

 私も昨日、平均八十一歳になられる原告の皆さんに直接お会いしました。本当に胸が詰まる思いでありました。大臣は何より、時間は短い、命あるうちに人間の尊厳を回復してほしいという原告の叫びを真摯に受けとめて、いわゆる台湾訴訟の控訴は国は行わずに、そして直ちに大臣の判断で告示を改正して、旧植民地の元患者の皆さんも補償の対象にすべきだと思うんですけれども、そういう経過を見ていかがでしょうか。

尾辻国務大臣 いろいろな経過がありますことは私も当然のこととして承知をいたしております。

 ただ、昨日判決が出たところでございます。やはり、いろいろな経過があり、今先生がお話しになったようなことも当然あるわけでありますが、事は、訴訟が始まって、訴訟の今判決が出てというところに来ておりますので、どうしてもそれを踏まえての対応ということにもなるものですから、先ほどもお答え申し上げましたように、判決内容をまず詳細に検討もしなきゃいけませんし、関係省庁とも協議をした上で対応は決定をしなきゃならないというふうに申し上げているところでございます。

笠井委員 私、今立法の趣旨を申し上げましたけれども、しかも、厚生労働省のこの間の検討の経過があったと思うんです。そういう点からも今決断すべきということを強く申し上げたいんですけれども、平成十三年の、あの年の五月二十九日に当委員会で、当時我が党の瀬古由起子議員が質問したのに対して坂口大臣が、戦前の韓国でのハンセン病対策については、具体的内容を十分に把握していないので、歴史を検証していく中で検討していきたいというふうに答弁されました。

 私、尾辻大臣も当然そういう立場で検討しているということで承知したいんですけれども、その点はいかがでしょうか。

尾辻国務大臣 坂口大臣がお述べになったことは当然私としてもまた同じように引き継ぐべきことというふうに、当然そう思っておりますから、そのように申し上げます。

笠井委員 その検討ということでいいますと、裁判ということで一方で進行中のことし三月でありますけれども、大臣がお受け取りになった報告書があると思うんです。ハンセン病問題に関する検証会議の最終報告書、私もこれを読みましたけれども、小鹿島の更生園とそれから楽泉院についても「日本国内の国立療養所と同等に扱われている。日本国内と植民地における政策の一貫性をあらためて指摘しておく。」ということで結論づけております。

 大臣は先ほども関係省庁との協議ということも言われましたが、御自身も議員として当時立法にかかわっておられた、そして厚生労働省の検討の経過ということもそのとおりだと言われたので、まさに厚生労働大臣御自身の政治的決断が何より大事だと思うんですけれども、明確に踏み出すということで答弁をいただけないでしょうか。

尾辻国務大臣 今お話しいただきましたように、最終報告書、私がじかにちょうだいいたしました。そして、そのときに申し上げたことは、今そこへ現物を持っておられますから、結構分厚くて物理的にも重かったんですが、そういう意味ではなくて、本当に重い報告書として受け取らせていただきますということを申し上げました。その中にどう書いてあるかということは、今もう先生お読みになりましたから、繰り返し読みません。おっしゃるとおりに書いてもございます。そうした経過があるということは、私も当然、そのとおりでありますから、そのように申し上げるわけでございます。

 ただ、きょう私がお答えできますことは、やはり先ほど来、もう同じ繰り返しになりますけれども、きょうのところは、関係省庁とも協議した上で対応を決定してまいりますというお答えを繰り返させていただきたいと存じます。

笠井委員 大臣が今、この報告書をまさに重く受けとめて受け取ったということをおっしゃったので、私もそのことは非常に大事だと思います。これ以上国が裁判で長い時間を費やすんじゃなくて、加害責任を認めて、すべての被害者を救済するために、ハンセン病問題の早期全面解決の道に踏み出すべきだということを重ねて申し上げたいと思います。

 そこで、本題に入ります。

 私、この間も審議をしてきたこの障害者自立支援の法案についても、まさに、今ハンセン病の問題ということで御質問しましたけれども、政府、厚生労働省がどれだけ一人一人の人間を大事にするか、そして当事者、関係者の立場に立って、そこに何より心寄せて、そして施策をやるかという点で、ある意味本当に共通した政治の問題、国の行政が問われているというふうに改めて痛感いたしております。

 昨日の参考人質疑の中でも、障害者の皆さんとその家族、そして関係者の皆さんの長年にわたる苦労とつらい体験が出されました。そして、陳述の中では、この法案は障害者の自立を侵すということまで厳しく言われた御意見もありました。本当の意味での障害者の自立支援、そして社会参加を進めていく、そのための抜本的な施策が急務だと改めて痛感したところであります。

 その観点から見ますと、本法案は、前回も質問いたしましたが、応益負担という最大の問題を初めとして多くの問題点を含んでいて、その一つ一つについて当事者と関係者の皆さんが納得いく、そういう徹底審議がいよいよ必要だと思っております。その立場から、幾つか御質問したいと思います。

 まず一つ伺っておきたいのは、障害者福祉の重要な担い手といいますか、支え手である施設の職員の方々や、いわゆる福祉労働者の皆さんの確保の問題であります。私、この法案も拝見していろいろと勉強しましたけれども、率直に言ってそのことが盛り込まれていないのかなと。事業体系の見直しの中で、職員の配置基準の問題も明確に示されてはいない。

 支援費制度の今でも、非常勤化が進んで、正規の皆さんの負担も相当なものだ。そして、パートの皆さんも大変。まともに食事がとれないほど忙しく、やはり障害者の皆さんということで接して頑張っておられる。子育て中の正規職員の中には、やはり時間中にできないので家に持ち帰って仕事をしなきゃいけないというほど、実際にはサービス残業ということにならざるを得ない状況がある。知的入所施設の場合にも、伺いますと、重度の障害者の皆さんがふえているという中で、やはり一対一の対応が必要なのに、なかなかそれができない。夜の配置も、五十人ぐらいのところで二人だけで、一人で二十五人も見なきゃいけないということで、いざ地震になったらパニックだと懸念が広がっている。

 何より、障害者お一人お一人の生存権、発達権、そして社会参加権を保障して十分に支えるような、十分にサービスが提供できるようにするために、必要な職員数をやはり確保して、それぞれ生きがいを持って、働きがいを持って仕事に当たれるようにする必要があるんじゃないかとつくづく痛感するわけです。

 そういう点では、職員の配置基準などをきちっとやはり義務化をして、そして改善を図るということが必要だと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

尾辻国務大臣 新しい事業体系におきましては、障害者の能力や適性に応じた支援を行うという観点から、障害種別ごとに複雑となっております既存の事業体系を見直しまして、就労支援でありますとか地域生活支援など、それぞれの施設が果たすべき機能に着目して再編することとしておりまして、そのために、サービスごとに利用者像や標準的なサービス内容を明確化いたしまして、これに見合った職員の配置基準を設定することとしております。お話しのように、見合った職員の配置基準を設定いたします。

 そしてまた、サービスの質を確保するために、事業者ごとに個別支援計画の作成やサービス内容の評価を行う責任者を配置いたしますとともに、報酬面でこれも評価することといたしております。

 まず、以上申し上げます。

笠井委員 基準というのは、どういう形ではっきりさせるんでしょうか。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 サービスの事業者につきましては、具体的には都道府県知事がサービス事業者を指定することになりますが、その指定基準がございます。それは、施設の基準、それから人員配置の基準、そういったもの、あるいは、場合によりましては、配置される職員の職種、資格、そういったことの基準になります。

笠井委員 それは、政府はどういうふうに関与しますか。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 それぞれのサービスの配置基準などにつきましては、厚生労働省の方で最低基準といったものはお出しをする、それに従いまして都道府県知事が指定をする、そういう関係になります。

笠井委員 どういう基準で、どんな中身になっているんでしょうか。それはどういう形で出すんですか。政省令とか、そういうことになりますか。

中村政府参考人 指定基準は厚生労働省令で規定いたします。

笠井委員 今現場の皆さんが、障害者の皆さんを支えていくという立場に立つときに、本当に大変だと。しかし、今こういう新しい体系になるもとで、実際にどういう基準になって、これまでよりも改善されるんだろうか、本当に支えていく、本当に障害者の皆さんとともに頑張っていくということでできるんだろうかという、すごい不安があるわけですよ。

 これは働く皆さんにとって当然ですけれども、何より障害者の皆さんにとって本当に生きるかどうかということにかかわる問題だと思うんですが、これは本当に改善するという方向できちっと基準を検討されているのか。具体的中身があれば言ってもらいたいんですが、今は抽象的な話ばかりなんだけれども、どうでしょうか。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 今度の法律で事業体系を大幅に変えますので、基準につきましては、もちろん新事業体系に向けての基準をつくりますとともに、今委員がおっしゃっていますのは、現在のさまざまな施設についても改善する余地がないか、少しでも改善をするというお話だと思います。

 そういったことにつきましては、やはり今回、十八年四月を目指して基準の見直しをしたいと思っております。それに合わせまして、もちろんそれぞれの事業に要します報酬基準というものも決めなければなりません。人員配置を決めても、その人たちの賃金が払えないと困るわけです。そういったことを一体としてやらせていただきます。

笠井委員 四月に向けて基準をこれから考えてつくっていくというわけですが、報酬基準についても配置基準についてもこれからという話ですね。あと半年後です。実際に、この法案をめぐって現場の皆さんは本当に不安を持っているという中で、私は、この問題もそうですけれども、障害者や関係者の皆さんが知りたい中身が、結局、何でも政省令とか、先ほど来ありましたけれども告示ということで、二百十三項目という話もありましたが、そんなことまでがいっぱいある。それが一切この法案を審議しているときにはわからずに、成立後に具体的にどうなるかはそれから考えますということでは、行政に白紙委任するということになってしまうんじゃないか。これは本当に不安は大きいと思うんです。来年四月といったらもうすぐ目の前ですから。

 やはり人間あっての障害者福祉であります。そして、障害者の皆さんの一人一人の尊厳を大事にして、きめ細かに見守って、支えて真の自立を支援する。そのためにも、やはり本当に配置基準というものの改善ということは根幹の一つだし、報酬の問題もありますけれども、やはりそういうことが具体的にどうなるのかということが全然見えない。今の話でも、これから検討します、よくなるようにということですが、どうなるかわからぬ。抜本的に体系を見直すからという話もありました。これではますます不安が募るばかりだ。こういう形で法案を通してしまうということは絶対許されないというふうに私は思います。

 次に、自立支援医療にかかわって幾つか伺いたいと思います。

 施設から地域へという精神障害者の社会参加の上でも、地域でも十分な医療へのアクセスが保障されることが大事であります。しかし、昨日の参考人質疑でも触れられましたけれども、精神障害者をとってみましても、施策というのが非常に貧弱であるということが共通して出されました。

 そこで、精神通院医療について伺いたいと思います。

 大臣は、精神通院医療の意義は変わっていないというお立場だと思うんですが、精神医療公費の制度が、一九六五年になりますか、精神障害の適正な医療を普及し、できる限り早期治療の機会を多くすることによって、少しでも精神障害の予防、医療の効果を高めようとする、そういう見地から導入されたと説明されております。それから四十年たちました。この意義というのは、地域で生活できる条件の整備、それからうつ病などの新しい精神疾患への対応からいって、現在でも強調されなければならないというふうに思うんですけれども、大臣はいかがにお考えでしょうか。

尾辻国務大臣 精神通院医療公費負担制度につきましては、昭和四十年でございますが制度をつくっております。その昭和四十年の制度創設以来、精神障害の適切な医療の普及を推進する役割を担ってきておりまして、その趣旨は今回の見直しにおいても変わりはないということを申し上げております。改めて、変わりはありませんということを申し上げたいと存じます。先生のお尋ねの趣旨はそういうことであったと思いますので、お答え申し上げます。

笠井委員 まさしく、今大臣も変わらないとおっしゃいましたけれども、精神通院医療の役割は大きいということであります。そこに現行の五%の負担から一〇%への一割応益負担を強いることになれば、私は、精神障害者の医療を後退させる、適正な医療から遠ざけて命をも脅かすことになりかねない、まさに自立に逆行する、そういうことになってしまうんじゃないか、こういう危惧と懸念を持ちますし、皆さんもそういうことで大変に心配している、そういう問題だと思います。

 実際に、きょうもこの国会には関係者の皆さん五百名がお見えになっているというふうに私は伺っております。そして、私も現場に行って、将来ある若い方からもいっぱい声を聞いてまいりました。例えばこういう声でした。

  僕はうつの治療をはじめて十一年です。半年前からカウンセリングの治療もはじめました。毎週通って保険診療でやってもらっています。精神公費負担で五%だから治療ができます。これが自立支援法になると治療の中断もしなくてはいけなくなります。三万人の自殺者が毎年出ているのに、これ以上増やさないで下さい。

 もう一つ紹介します。

  私は今、お弁当屋さんで働いています。今回の障害者自立支援法案が成立すると、医療負担が現在の五%から一割になるそうですが、そうなると、医療費を支払うのが大変になるので、ぜったいにこの法案は廃案にしてほしいです。

 いずれも痛切な、切実なものばかりであります。

 大臣に伺いたいんですけれども、今回の法案によって、実際には、意義ということでさっき確認いただきましたが、早期治療の機会を多くするというそもそものこの精神医療公費の意義を薄めて弱めてしまうことになるんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

尾辻国務大臣 先ほどもお答え申し上げましたけれども、私どもが考えておりますこと、そしてこの法案に盛り込みました趣旨といいますことは、今までこの制度が精神障害の適切な医療の普及を推進する役割を担ってきておるというそのことについて少しも変わりはないものでございます。私どももそのように考えております。

 そこで、五%が変化したということでのお話でございますけれども、二点申し上げたいと思います。

 そこで、そこでといいますのは、五%が変化することによって負担ができなくなるような方が出ないようにということで上限額をきっちり決めておるということが一つと、それから、今までですと、五%というのはどこまで行っても五%でございましたから、額がふえますと、五%の額という絶対額が大きくなる方もおられる。そういう方に対しては逆にその上限額が低くなったはずでありますし、いろいろなことが言える。

 ただ、私どもからすると、私どもからするとといいますよりも、今回の見直しにおいては、再三申し上げておりますように、その従来の役割は一つも変えていないというふうに申し上げているところでございます。

笠井委員 大臣は繰り返しその説明をされているんですが、私、実際の当事者の方々が、そういう説明を何度聞いても納得できない、これでは重くなるばかりだというのがさっきの紹介した声なんですよ。

 それで、もう一つ、私は、精神障害者の皆さんの実態についての認識をやはりもっと率直に持ってほしいというふうに思うんですけれども、例えば東京都の出している平成十五年度の「障害者の生活実態」という調査報告書がございます。これを見ましても、「仕事をしていたが現在はしていない」、精神障害者の中で五九・二%ということで、三障害の中でも特に高い数字であります。生活保護費を除く収入額でも、「収入なし」が身体障害者五・八%、知的障害者六・三%に対して、精神障害者の場合は二四・二%と断トツな数字になっています。「平日の日中に過ごす場所」について見ても、「自分の家」というのが精神障害者の場合に六一・二%も占めている、こういう実態がある。

 しかも、昨日の参考人質疑でも強調されましたけれども、精神疾患に対する偏見というのはやはりまだ根強い、通院していることが職場にわかれば仕事に差しさわるという風潮もあります。元気そうに一見見えても仕事になかなかつけない、こういう方もたくさんいらっしゃいます。

 私、この一割負担ということが、やはりそういう実態を踏まえると、通院への足を一層重くする、軽くすることはない、一層重くするということは明らかじゃないかと思うんですけれども、大臣はその点率直にどう思いますか、重くなる、足が。

尾辻国務大臣 私が申し上げたいことは、足が重くなるかどうかという表現で今言っておられますから、足を重くしてはならない、重くしないように仕組みをつくったつもりでありますということでございます。

笠井委員 私、精神障害者の皆さんの生活実態を見れば、影響は本当に深刻だと思うんですよ。これは本当に知ってもらいたい。

 これもまた声を若干紹介しますけれども、こういう声があります。「もう一度、この自立支援法案で日本の障害者の命を守れるのか考えてください。精神病院から退院し、やっと地域で自分らしい生活をはじめた人達を見捨てないでください。」「障害者にも健常者と同様、清潔できちんとした生活をする権利があると思います。経済力が及ばなくても最低限の暮らしがきちんとできるようにしてほしい。」

 私は、大臣にぜひ、やはりそういう実態に立って、そうした一人一人の障害者の皆さん、精神障害者の皆さんもそうですし、身体、知的、それぞれの障害者の皆さんと一人一人向き合っていただいて、日本国憲法二十五条があるわけですし、そういう立場から、やはり応益負担というのはうまくないな、こういう形できっぱりやめるべきだと思うんですけれども、政治家として、一人の人間としてのやはり御意見を伺いたいと思うんですが、いかがでしょうか。

尾辻国務大臣 二点申し上げたいと思いますけれども、いろいろお話しになりました、精神障害を取り巻くお話がございました。ですから私どもは、この障害者自立支援法を御提案申し上げ、御審議をお願い申し上げているということでございます。

 どうしても精神障害の部分というのが、私の表現で言いますと、障害施策全体がそういうところがありましたことは御指摘もいただいておりますし、また私もそういうふうに思っておりますが、谷間になっていた、そのまた谷間の谷間というのが精神障害の部分であったというふうに考えておりまして、それを今回、サービスの一元化をしよう、大きく一元化しようということでこの法案を御提案申し上げておるということを一点申し上げたいと思います。

 それから、今度は負担の話でございますけれども、私も大臣としてこの法案を提案いたしますときに大変気にいたしましたことは、そのことでございます。そして、本当に私が自分で、自分の良心に照らして、出していい、この法案、ちゃんとお願いすべきだというふうに思わなければ絶対に出さないつもりでおりまして、その負担のところはそう思っておりましたから、ずっと詰めてまいりました。いろいろな仕組みをつくって、これも申し上げておりますけれども、そのためにかえって複雑にしてしまったところもありますけれども、これはやはり負担を軽減しよう思うとどうしても複雑な仕組みになってしまいました。しかし、そこまでやって、皆さんにこの御負担ならお願いできる、したい、こういうふうに思ったところまで軽減措置ができましたので、この法案をお願いいたしておるところでございます。そのことだけは申し上げておきたいと存じます。

笠井委員 今、複雑にしたのはということでいろいろと言われましたけれども、私は、複雑にしたのはやはり応益ということを持ち込んだゆえだと思いますし、その結果、やはり負担に耐えられないという人がたくさんいる、多くいるということが現実であります。これだけ審議してもそういう声があり、そして納得できないというわけであります。しかも、公費負担医療というのはそれぞれ特性があります。全部一緒くたにして、一律に一割の応益負担、こういうことで押しつけることになりますと、これは余りに乱暴なことになると言わざるを得ないと思います。

 時間が参りましたので、私、まだまだ問題点ばかりだ、引き続き次回、審議、質問をしていきたいと思っておりますけれども、このままこんな法案を通してしまったら、拙速に通したら、障害者や家族はもちろん、国民から国会の重大な責任も厳しく問われる、障害者の福祉後進国として、この問題でも日本の政治が厳しく問われる、こう思います。さらに徹底審議を求めて、質問を終わります。ありがとうございます。

鴨下委員長 次に、阿部知子君。

阿部(知)委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 冒頭、本日は、民主党の山井委員、そして先ほどの共産党の笠井委員がお取り上げくださいましたが、昨日のハンセン病における台湾並びに韓国での療養施設におられた方に対しての判決の差といいますか、明暗を分けた事態をこの国会、立法にかかわる私どもとしてどのように考え、どのようによりよい、本当に人間的な施策に向けていくかということで先ほど来御指摘があったと思います。

 一つには、やはり台湾の問題に関して控訴をしないという本当に大事な判断と、もう一つ、大臣は、韓国の収容されていた方にも、また台湾の方にもお目にかかってくださるということですので、火急に、年齢も八十を超えておられるということで、本当に国会の意思は何をしなければならなかったか、そして、それは私どもみんなに課せられた問題ですので、どうか大臣がリーダーシップをとって、本当によかったと言われる解決方法に向けていただけるよう、冒頭、一点、これはお願いを申し上げます。

 そして、本日の質疑に入らせていただきますが、本日もたくさんの方が傍聴でいらして、本当に自分の自己負担はどうなってしまうのか、あるいはサービスはどうなってしまうのか、まだまだ審議を重ねても重ねてもどんどんやぶの中状態になっているように思われていると思います。

 そして、大臣が先ほど御答弁で、それは負担を軽減するためにいろいろ複雑にしてしまったかもしれないというお答えでしたが、私も、そのような視点というか、そのようなことはあると思いますが、やはり根本の応益負担と応能負担というところに立ち返って、これはこの法案の骨格ですし、日本の福祉行政の骨格にもなると思いますので、冒頭はまずその問題を取り上げさせていただきます。

 先日の委員会でも私は、一九九九年の合同企画分科会の抜粋を上げさせていただきました。これは、二〇〇〇年の社会福祉関連法の改正法案をめぐって、身体あるいは中央児童福祉関連、さまざまな分野からの福祉に関しての論議が闘わされた、論じられたところですが、その中で、せんだって御紹介しましたように、一つには、応能負担の考えに基づいて、本人の所得に応じた利用者負担とする、もう一つには、応益負担の考えに基づいて、サービスの内容等に応じた定率の利用負担として、低所得者については減免措置を講じるという二つの選択肢が与えられたところは御紹介したとおりです。そして、そのときの論議は、後者をとらず前者にいたしました。応能負担でやろうという形で、支援費もそのような中で誕生してまいったものだと思います。

 そして、なぜ前者をとったかという判断の根拠は、いわゆる所得の問題でございました。所得には二つ問題があったと思います。所得が保障されていないという現状と所得が把握されていないという現状、私は恐らく二つあったと思います。そして、支援費制度が始まり、応能負担ということである程度利用量も伸び、しかし財政的な問題が生じてというこの間の一連の事態になるわけですが、根本に立ち返って、このとき投げかけられた二つのどちらの手法をとるかということについては、その後どこの審議会資料を見ても、論議が深められ、なされたという形跡がございません。

 社会保障審議会の二十一回目の議事録も、きょう改めて繰り返し読んでみましたが、これは利用者負担のあり方というところで、ぽんと利用したサービス量に応じて負担するということが述べられ、そして、定率負担があたかも大前提であるかのように述べられていきます。

 大臣、一点目、もう何度も何度も恐縮です、なぜ応能負担になさらなかったのでしょう。そして、であるならば、後者をとるならば、所得の問題が生じると指摘されております。このことについて、この四年ないし五年、一九九九年から今日まで、何か厚生労働省としてそのことを覆すに足るデータ、お持ちになっているでしょうか。二点お願いします。

尾辻国務大臣 これは、先日の先生の御質問でお答えしたところでもございますけれども、今回私どもがいたしましたことは、障害をお持ちの方すべての方、どなたにでもサービスを受けていただくという仕組みにいたしました。すなわち、障害をお持ちの方でも、所得の低い方もおられれば、高所得の方もおられます。そのすべての方にサービスを受けていただくというまず仕組みにいたしました。このところ、ユニバーサルなものへと変革をさせましたということを申し上げておるところでございます。そうしますと、所得の低い方から高い方まですべての方にサービスを受けていただくということを考えますと、やはりそこは定率負担という考え方が適切であるというふうに考えて全体をそういうふうにした、まずこういうことであります。

 ただ、その中で、この前も申し上げましたけれども、それでは低所得の方々はどうなるんだということがありますから、そこを上限額を細かく決めていって、私の表現で言わせていただきますと、限りなく応能負担に近づけたというふうに思っておるわけでございまして、その基本的な考え方といいますか姿勢というのは変わっていないということをこの前も申し上げたところであります。

阿部(知)委員 大臣、やはりだれでもすべての人が受けられる、これは応能負担だって可能なんだと思います。お金を持たない方は、それなりの自分の所得、収入に応じた負担をなさればいいわけです。だから、だれでもすべての人が受けられるために定率負担、応益負担にしたというのは、やはりうそだと思います。

 これは本当に大臣が、ここは本当に大事なところだからみんな障害のある人はすべてやはり利用したい、それは同じです。そして応能負担していこうとも思っておられると思います。そこに定率負担、おまけにです、大臣、利用したサービス量に応じて定率負担したら重い障害の人は負担が重くなる、これはもう当たり前のことです。そこで大臣は、複雑な減免措置をそこに持ってきた。

 もともとなぜ応能負担じゃいけないんですか、教えてください。

尾辻国務大臣 支援費制度のときから契約という考え方を入れました。契約という考え方は、今度の障害者自立支援法でも引き継いでおります。やはり、すべての人がサービスを受けられるようにする、そしてそれを契約に基づいてやるというふうになりますと、どうしても定率負担という方が自然になると私は考えております。

阿部(知)委員 支援費も契約なんですよ、契約に基づいて応能負担したわけです。それで皆さんサービスも利用できるようになった、ただ基盤整備は足りない、このことは前回指摘させていただきました。でも、今の大臣の御説明は、契約だから定率負担だと。

 では、支援費はどうなるんですか。そして、支援費のときは、何度も申しますが、その一九九九年の会議で一案、二案ととって、所得が不十分な把握ないしは十分じゃないから応能負担を当面しますよというお話なんですね。その後、何がどう変わったんですか。ここが理解されないと、あるいは御説明いただけないと、本当に何度審議したって利用者サイドの納得というのは来ないし、不安ばかりが大きくなります。

 大臣、お願いします。なぜ応能負担じゃないんですか。応能負担ではなぜいけないんですか。

尾辻国務大臣 そもそも応能負担ということは、以前の高齢者介護もそうでありましたけれども、低所得者を対象とした制度でございます。ですから、そういう応能負担というのが低所得者を対象とした制度でありますので、今回ユニバーサル化するということで、そこを定率負担に変えたということを先ほど来申し上げておるところでございます。

 それから、先ほどから言っておられます以前の考え方でありますけれども、正確にはこう書いてございます。「応益負担的な考え方の導入を求める意見もあったが、新しい利用制度への円滑な移行、障害者の所得の状況等を勘案し、引き続き」前に(1)というところがあるわけでありますが、「(1)で記述した現行の利用者負担の考え方に沿って、具体的な利用者負担を設定していくことが適当である。」というふうに書いてありまして、ここに書いてありますことは、やはり円滑な移行ということも考えてということが述べられておるわけでございます。

阿部(知)委員 今大臣が読んでくださったとおりですよ。所得の状況を勘案したんですよ。所得の状況を勘案して、やはり応能負担しかこの場合できないだろう、円滑な支援費への移行に。そして、私が伺いたいのは、では、その後所得の状況、変化がありましたか。障害者の所得が上がりましたか。

 これはきのうの参考人もおっしゃいました、所得保障をまずしてくれ、それが第一の障害者の声でした。そして、そのことにまだこたえられていない私たちの国会なんですよ、現実に。その中で大臣は、今まさにお読みになったところです。

 所得の状況といえば、厚生労働省がこの法案の審議のためにお出しくださった所得の状況は、きょう私のお配りした資料の二枚目、こんな簡単なペラ一枚です。ここには「入所系」と「居宅・通所系」の「生活保護対象者」「低所得」「一般」という、本当に大ぐくりな推計の値しかありません。そして、私が前国会で盛んに求めた精神障害者のデータは、これは世帯ではありませんし、精神障害で社会復帰サービスを受けている方たち、ごく一部の方たちのデータですよ。例えば、精神障害関係でもし世帯所得だったら、一般世帯に入る人は「極めて少ない」なんということはないわけです。

 どのデータを見ても所得なんて把握されていないんです。それから、所得状況だってよくなっていないんです。その中でサービス利用に基づく定率負担をしたら、今お金のない人が、そこからお金がふえるわけがありません。減っていくともふえはしないのです。この点が日本の社会の貧困化を招く、障害のある人たちがさらに収入も、暮らしづらさも増していくということで、せっかく国の義務的経費に取り込んだ、いい、本当にいい取り込みなんだと思います、しかし、その先がこういう定率負担で、所得把握もなし、所得保障もなしでは、何にも夢がなくなっちゃう、夢が消えちゃうということは、もう大臣が繰り返しこの審議、実はおわかりなんだと私は思っています。

 そして、先ほどおっしゃいました高齢者のいろいろな制度、介護保険でも医療制度でも、その定率負担に、応能負担は一定の低所得者の対策だとおっしゃいましたが、そちらは、何度も言いますが、保険制度です。保険制度の中で、その保険の負担のある程度できない方の問題です。今は税を財源にして、何度も言いますが、そこでサービス利用をするときに、重い障害の人に重ければ重いほど負担を求めるという仕組みはおかしいということを先日来言わせていただいています。

 私に与えられた時間の中でぜひきょうはやらなきゃいけないことがあるので、今のことに御答弁は求めません。しかし、もうおわかりのことだと思います。そして、わかっていて突入するというのは、私は、不作為じゃなくて作為だと思います。

 例えば、皆さんのお手元のきょうの一枚目は、私はここに、生活保護受給の方々のいろいろな理由のうち、特に障害と疾病でお受けになっている方の、世帯じゃなくて人員数を上げていただきました。生活保護に対しての統計は、なかなか厚生労働省でも本当に信頼に足る数値が上がってこないのですが、これは昨夜また遅くまで御苦労願って担当部署でおつくりいただいたもので、大臣には特にこれをよく見ていただきたいのですが、ここではあえて六十五歳以上の方を抜きました。生活保護で高齢ゆえにという方で障害を持っていても、それは抜かせていただきました。逆に言うと、六十五以下の方で、例えば全体の数八十五万人のうち、障害や疾病は四十五万人。そして、例えば精神障害を見ていただくと、平成十一年から十六年に至る間に約二万人ふえておられます。また、疾病の方に入る精神病も一・六万人ふえておられます。

 私は、逆にこの法律が通ることによって、ただでも少ない所得の方が本当にそれこそ生活保護を利用せざるを得ない状態、もちろん生活保護は重要な施策ですから、それもあり得ることと思いますが、しかし、このような形でどんどん障害を理由に生活保護になっていかれる人が多くなるのではないかと懸念するわけです。

 その理由は、大臣、これから質問です。先ほどの二枚目をおめくりいただいて、ここには生活保護対象者というのと低所得と一般と分けてございます。大臣は、この低所得の中に、現実に生活保護以下の収入でお暮らしの方がおいでになるのを御存じでしょうか。ここはあたかも生活保護、低所得、そして一般と段階があるように言われていますが、日本の社会には現実に生活保護以下の収入でお暮らしの方がおいでです。そのことを、大臣に伺っていますから中村さんではありません、大臣は知っておられますかと、私は単純な問いなのです。

尾辻国務大臣 それこそ、そこの部分の数字だけでいえば、そういう方がおられるというのはそのとおりだと思います。

 ただ、あわせて申し上げたいのは、やはり生活保護の制度というのは、またそれなりの制度であります。それなりのというか、生活保護をお受けになるためのいろいろなことがありますから、単純にそこの部分というか、その月の例えば収入だけで比べるというのは非常に難しい面もあるということはもう御存じの上でお聞きになっておられるとは思いますが、そこの数字だけを比べれば、そういうケースは当然出てくるというふうには承知をいたしております。

阿部(知)委員 もちろん、お金のフローとストックのお話がありますから、大臣もそれをおっしゃったんだと思いますが、しかし、まず普通は、日本は、生活保護を受けておられる方が生活保護以下の所得でお暮らしの方の何%を占めるかというのを捕捉率といいますが、そういうものをしっかりお出しになってやはり所得の状況を把握すべきなんだと思います。とにかく審議に足る基礎データがなく、政策を検証できるデータもない中で突入して、こんな負担をかけていけばどうなるか。

 そして、捕捉率のお話でも、冷たいですが、私はあと二つやらねばいけないので先に行かせていただきますが、その次のページを見ていただきますと、ここには今回の障害者自立支援法でモデルとした、例えば障害の重い方でいろいろな減免措置を受けられてという中で、手元に幾らお金を残したらよいかということにかかわるデータのときに、上から二番目の年収二百万円未満の二人世帯というのを使われました。年収二百万円以下ですね。未満ともなっていますが、多少の差はあるでしょう。

 年収二百万円以下といえば、大体日本全体の家計所得を見たときにどの階層に入るか、大臣、御存じでしょうか。これは一万世帯の下百六十四です。そして、生活保護のモデルとしているのは一万世帯の下千のところ、十分の一のところで生活保護のモデルをつくるわけです。

 私は、これは二十一回の審議会に出てくるんです、年収二百万円以下の最低の生活の消費レベルで、障害者のモデル像で幾ら残すかということを検討される厚生省の姿勢に、では本当に障害のある方たちは生活保護以下のお暮らしのモデルでやっていけというのか。そして一方では、生活保護に落ちない、落ちないと言われます。落ちないという言葉も失礼と思いますが、しかし、厚生労働省が紛れもなくつくるモデルが年収二百万円、未満でも以下でも多少の差です、そういう中でつくられているということも大臣にはぜひ念頭に置いていただきたいと思います。

 私は、この施策が、いろいろ配り物がつくられて、生活保護には落とさないとか以下にしないと言うけれども、そもそも生活保護以下の実態で暮らしている人にすら、例えばこの二番目のケースにすら、ここのわきの一・六万円は払えるじゃないかという施策が今回の施策です。ぎりぎり残り二・一万円だ、それで全部の生活必需品、これはちなみに一カ月の床屋さん代だと三百円しか出ないお金です、いろいろ計算すると。そういう試算の中で障害者の生活が語られるということがどうしても私も納得できず、また障害者の皆さんだってそうだと思います。

 そして、きょうは私はまたまたデータの問題を触れさせていただきます。私はいつもこういうことばかりやりたくないのですが、余りにも私どもに渡されるデータあるいは審議会のデータがずさんであると思いますので、先般取り上げさせていただいた自立支援医療の中の患者数の問題で私はさきにお尋ねをいたしましたが、今度は自立支援医療にはかからない、要するに上に出てしまう方のお話です。逆に収入がどれくらいだったら自立支援医療は受けられないかというお話として御理解ください。

 皆さんにお配りした四ページ目の中ほどに、今度自立支援医療はいわゆる医療の体系の負担の上限カットと同じになるということが書いてあります。所得ベースで医療保険における一定以上所得者と同じ範囲の方はこの障害給付対象の外とするという文章です。所得ベースで医療保険における一定所得以上と同じ範囲の方はこれ外とする、そしてそこに線が結ばれて、所得税額三十万円以上というふうになってございます。

 実は、参議院の審議で、ではこの所得税額三十万円以上というのは大体収入にしてどれくらいですかと私どもの福島みずほが問いました。お答えは、八百万円くらいというお話でした。ところが、ここには、その下に書いてございますが、障害者を含む三人世帯で年金一級受給の場合は六百七十万円以上の収入に相当という数値がございます。どう見ても六百七十と八百では話が合わないということで、この積算根拠を求めて、厚生省に先ほどお出しいただいた資料が後ほど最後に追加させていただいた一枚の資料です。

 これは、右側が委員会答弁でのお答え、そして、もし左側がこの資料で審議会でかけたデータであるとすると、実は六百七十万円という収入額で所得税三十万円になるという計算は、どうひっくり返ってもできません。本当に何度もやってみましたが、どうやっても出ません。ここの収入六百七十万円であれば、所得税は約二十三万円にしかなりません。そして、おまけにいろいろな所得控除、いわゆる障害者の控除とか扶養控除を入れなくても、この値にはならないのです。根拠のない数字を並べて審議会に出し、それで現実には本当に患者さんたちの日々の生活がかかわっています。

 実は、この六百七十という数値はひとり歩きして、せんだってここで参考人に来られた子供さんの心臓病の家族の会の方がつくられた中にも出てまいりました。年収が六百七十万円と八百万円では大きに違います。この制度が受けられる方と除外される方が大きく違ってまいります。果たしてどっちが本当なのか。そして、本当に所得税三十万円とは一体幾らぐらいの収入の方を指しているのか。三つ目は三十万円の根拠。この三つを上げていただきたい。これは中村局長で結構です。

 そして、あわせて、私は何度も言いますが、こういうお金にかかわる微妙なことの審議会資料が違うということは、それを審議している方たちにもイメージがわかないことだと思います。どのように善処していただけるのか、これは大臣に伺います。

中谷政府参考人 御答弁申し上げます。

 ただいまのお出しいただきました資料の五ページでございますけれども、問題になっておりますのが、自立支援医療の給付対象外とする一定所得をどういうふうに切るかというところでございまして、対象の、いわゆる三割の医療負担と同じだけ払っていただく方の数が所得額が高ければ高くなるほど少なくなるわけでございます。

 それを前提に、ただいまのお尋ねでございますけれども、所得税額三十万円、こういうふうにしておりますが、第二十一回社会保障審議会の部会では年収六百七十万円と書き、また、せんだって十月十三日の参議院で私は年収約八百万と答えておりますので、そこはどうなんだということでございますので、御答弁を申し上げます。

 所得税額三十万円を年収に換算した場合どうであるかというお尋ねが十月十三日でございました。世帯によって控除などが異なるために一概には幾らと言うのはなかなか難しいわけでございますが、仮に夫婦と障害を持った子供の三人世帯の場合であって、一般的な控除といたしまして、給与所得控除、基礎控除、配偶者控除、扶養控除、障害者控除それから社会保険料の控除、これらを勘案しまして試算をいたしました結果、おおむね八百万円というふうにお答えをしたところでございます。

 一方、第二十一回社会保障審議会の障害者部会、昨年の十一月でございます。ここにおきましてのこのペーパーの一番の問題は自立支援医療の対象外となる人をどれだけ見込むかということで、この見込みの場合にはどれだけ対象を最大限見込んだらいいかという観点から非常に厳しい試算をいたしまして、最低限の控除のみというので、障害者控除、扶養控除における障害者加算など、これらを勘案せず、一番厳しい、非常に厳しい試算を行いますと六百七十万円ということで、ここに記載したわけでございます。

 ここで所得税額年間三十万円以上というものの設定でございますけれども、やはり医療保険における一定以上の所得者ということを念頭にこの三十万円というのを考えたわけでございまして、結果といたしまして八百万円それから六百七十万円と二つの数字が出ているわけでございますけれども、それぞれ計算の前提が異なっておりますので違った結果になってしまったということでございます。

阿部(知)委員 時間の制約がございますので、一点だけきっちりさせていただきたいです。

 ここには三人世帯で障害基礎年金一級受給の場合と書いてあるんです。障害基礎年金一級受給でどうして障害者の控除を受けない世帯があるんですか。そして、障害基礎年金一級受給は約百万円をここに加算しなきゃいけません。となれば、当然これは、六百七十では、今の御説明は二つまたうそがあるんですよ。いろいろな控除を受けるはずの人の仮定を設けて、受けない場合を出して何の意味がありますか。そんなむちゃくちゃをなぜ公の場で出すんですか。

 私は、きょうの限られた時間ですからここで終わりますが、この問題がきっちりと、逆におわびなり善処なりされない限りは、そんなずさんな数値では本当にだれが対象の外になるのかわからないということを申し添えて、次回の質問のとき、きっちりとお答えをいただきたいし、大臣には善処策をお考えいただきたいと思います。

 終わります。

     ――――◇―――――

鴨下委員長 この際、厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。

 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律案起草の件について議事を進めます。

 本件につきましては、先般来各会派間において御協議をいただき、今般、意見の一致を見ましたので、委員長において草案を作成し、委員各位のお手元に配付いたしてございます。

 その起草案の趣旨及び内容について、委員長から御説明申し上げます。

 近年、我が国においては、介護保険制度の普及、活用が進む中、一方において、家族が介護の必要な高齢者を放置したり、暴力を振るうなどの虐待事例が数多く報道され、深刻な社会問題となっております。

 これまで高齢者への虐待事例は、家庭内や施設内の密室で起こっているため、ほとんど発見されることなく社会的に放置されてきたと言っても過言ではありません。

 しかし、介護保険制度が導入され、ホームヘルパーが家庭を訪問し虐待を発見するなど、その実態が顕在化しており、このため、虐待の早期発見及び虐待防止のための官民挙げての取り組みが強く要請されているところであります。

 このような状況にかんがみ、高齢者虐待の防止等に関する施策を促進し、高齢者虐待を受けた高齢者の保護のための措置等を定める本案を起草した次第であります。

 次に、本起草案の主な内容について御説明申し上げます。

 第一に、この法律において、高齢者虐待の定義を行うものとしております。

 第二に、生命または身体に重大な危険があると思われる高齢者虐待を発見した者は、速やかに、市町村に通報しなければならないものとするとともに、通報を受けた市町村は、その者を一時的に保護する措置等を迅速に講じなければならないこととしております。また、市町村長は、高齢者の住所等に立入調査等をすることができるとともに、所轄の警察署長に援助を求めることができるものとしております。

 第三に、市町村は、家庭における養護者の負担軽減のため、緊急の必要があると認める場合に高齢者が短期間養護を受けるために必要となる居室を確保するための措置を講ずるものとしております。

 第四に、市町村は、家庭における養護者による高齢者虐待の防止等の適切な実施のため、介護保険法により設置された地域包括支援センター等との連携協力体制を整備しなければならないものとしております。

 第五に、介護施設等の職員は、みずからの施設で高齢者虐待を発見した場合は、速やかに、市町村に通報しなければならないものとするとともに、通報を受けた市町村長は、高齢者虐待の防止等を図るため、老人福祉法または介護保険法による監督権限を適切に行使するものとしております。

 第六に、市町村は、不当な取引による高齢者の財産上の被害について、相談に応じ、または、関係機関の紹介等を行うものとしております。

 第七に、高齢者以外の者であって精神上または身体上の理由により養護を必要とするものに対する虐待の防止等のための制度については、速やかに検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとしております。

 なお、この法律は、平成十八年四月一日から施行することとしております。

 以上が、本起草案の趣旨及び内容であります。

    ―――――――――――――

 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

鴨下委員長 お諮りいたします。

 お手元に配付いたしております草案を高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律案の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

鴨下委員長 起立総員。よって、そのように決しました。

 なお、本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鴨下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時十分散会


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