衆議院

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第8号 平成17年10月28日(金曜日)

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平成十七年十月二十八日(金曜日)

    午前十時五分開議

 出席委員

   委員長 鴨下 一郎君

   理事 石崎  岳君 理事 大村 秀章君

   理事 北川 知克君 理事 長勢 甚遠君

   理事 宮澤 洋一君 理事 仙谷 由人君

   理事 山井 和則君 理事 福島  豊君

      新井 悦二君    井上 信治君

      上野賢一郎君    岡下 信子君

      加藤 勝信君    上川 陽子君

      川条 志嘉君    木原 誠二君

      木村 義雄君    河野 太郎君

      清水鴻一郎君    菅原 一秀君

      戸井田 徹君    冨岡  勉君

      中山 泰秀君    西川 京子君

      林   潤君    原田 令嗣君

      福岡 資麿君    松浪 健太君

      御法川信英君   山本ともひろ君

      吉野 正芳君    渡部  篤君

      菊田真紀子君    五島 正規君

      郡  和子君    下条 みつ君

      園田 康博君    田名部匡代君

      三井 辨雄君    村井 宗明君

      柚木 道義君    古屋 範子君

      桝屋 敬悟君    笠井  亮君

      阿部 知子君    糸川 正晃君

    …………………………………

   厚生労働大臣       尾辻 秀久君

   厚生労働副大臣      西  博義君

   厚生労働大臣政務官    西川 京子君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局高齢・障害者雇用対策部長) 鳥生  隆君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局長)           中村 秀一君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    中谷比呂樹君

   厚生労働委員会専門員   榊原 志俊君

    ―――――――――――――

委員の異動

十月二十八日

 辞任         補欠選任

  岡下 信子君     渡部  篤君

  川条 志嘉君     山本ともひろ君

  内山  晃君     下条 みつ君

同日

 辞任         補欠選任

  山本ともひろ君    川条 志嘉君

  渡部  篤君     岡下 信子君

  下条 みつ君     内山  晃君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 障害者自立支援法案(内閣提出第一一号)(参議院送付)

 障害者の自立の支援及び社会参加の促進のための身体障害者福祉法等の一部を改正する法律案(山井和則君外五名提出、衆法第一〇号)


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     ――――◇―――――

鴨下委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、参議院送付、障害者自立支援法案及び山井和則君外五名提出、障害者の自立の支援及び社会参加の促進のための身体障害者福祉法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、政府参考人として厚生労働省職業安定局高齢・障害者雇用対策部長鳥生隆君、社会・援護局長中村秀一君、社会・援護局障害保健福祉部長中谷比呂樹君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鴨下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

鴨下委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。木原誠二君。

木原(誠)委員 おはようございます。自由民主党の木原誠二でございます。

 本日は、トップバッターといたしまして、三十分間お時間をちょうだいしております。政府提出の障害者自立支援法案につきまして、三十分間質問をさせていただきたい、このように思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 さて、さきの通常国会あるいは今国会の参議院の審議、本委員会での議論を通じまして、また、この委員会での参考人質疑を経て、この法案につきましてさまざまな論点、議論をされてきたわけでございます。その中で、この法案の持っている利点あるいはベネフィット、こういったことも次第に明らかになってきているというふうに思っております。

 そしてまた、本委員会の中でも一定の共通の認識ができているのかなと。具体的には、知的あるいは身体、精神障害、これら三つが一つの体系の中に入ってくる。特に、これまでとかく対策がおくれてきた精神障害につきましては、その改善のための一つの道筋ができてきているのかなと。あるいは、裁量的経費から義務的経費に変わるということで、国の財政的な義務、これも明らかになってきている。あるいは、サービスの実施主体あるいは計画の作成主体、これが市町村に一元化される。こういった面で、さまざまこの法案のよい点、共通認識ができているんだろう、このように思っているわけでございます。

 他方で、残念ながら、この障害者自立支援法につきましては、不安の声も多く上がってきております。障害者の皆様、そしてまたその障害者を支えていらっしゃる家族の皆様、そしてまた家族の皆様を支えていらっしゃる施設の、職場で働いている現場の皆様、さまざまな不安の声が上がってきているわけでございます。

 私のところへ、多分本委員会に所属されている委員の多くの方々のところにも、選挙期間中からメールが多数送られている、あるいは個別に会館に御訪問をいただいている。そしてまた、私自身も清瀬あるいは東村山、東久留米といった私の地元で幾つか施設を回らせていただいたわけでございますが、さまざまに不安の声も聞かれているわけでございます。

 私としては、やはりこの委員会の責務として、この皆様の不安をしっかり解消していくということが非常に重要だろうと思います。

 そういう意味で、本日の審議におきましては、これまでさまざまもう既に議論されていることも含めて、確認的にしっかりと御議論をさせていただきたいと思っております。

 尾辻大臣におかれましては、これまで非常に丁寧にそして真摯に御返事いただいているわけではございますが、本日も引き続き真摯に御答弁いただければというふうに思いますし、その点、ぜひよろしくお願いいたします。

 そこで最初に、非常に確認的なことではございますが、尾辻大臣として障害者福祉の現状をどのように認識されているかという点についてお伺いしたいと思っております。

 残念ながら、率直に申し上げまして、今の我が国の障害者福祉、まだまだ発展途上の段階にあるのかな、このように思っております。いろいろ御議論もあるわけでございますが、障害者福祉の現金給付、これが対GDP比でどれぐらいかということをOECDの諸国の中で比較してみますと、これは日本は比較的低い、かなり低い水準である。もちろん、定義の問題、データのとり方の問題、いろいろ問題はあるんだろうというふうに思っておりますが、しかしながら、現状でこれは高いとはなかなか言えないんだろうな、このように思っております。

 また、例えば知的障害者のホームヘルプサービスをとってみますと、依然としてまだ約四割、あるいは身体障害者のホームヘルプサービスをとってみるとまだ約二割の市町村でこれは実施をされていない。さらに、精神障害者のホームヘルプサービスを実施している市町村というのはまだ五割にとどまっている。このような現状なわけでございます。

 そこで、最初に大臣から、障害福祉の現状について、これがどのような現状かということを、十分な現状なのか、あるいは不十分だと認識されているのか。そしてまた、仮に不十分だということであれば、今後どのように取り組んでいかれるのか。そしてまた、今回御提案になっていらっしゃいますこの障害者自立支援法案、それがどのように貢献をすると考えていらっしゃるのか。まず総論的な御認識をお伺いしたいと思います。

尾辻国務大臣 現在の障害保健福祉施策がどのような状況にあるかというお尋ねでございますので、この障害保健福祉関係予算の推移でまずお答え申し上げたいと存じます。

 平成十五年度が六千六百五十九億円でございました。これに対して、平成十六年度は六千九百四十二億円となっておりまして、額にいたしますと二百八十三億円、比率でいいますと四・二%ふやしております。さらに、平成十七年度は七千五百二十五億円でございまして、額にいたしまして五百八十三億円、比率にいたしまして八・五%ふやしております。着実には伸びております。

 今回のこの障害者自立支援法案は、今後も新たにサービスを利用する方がふえることが見込まれます中で、精神障害者の方も含めまして、障害者の方が必要なサービスを利用できますように、サービスの種類ごとの必要な見込みを定めた障害福祉計画の策定の義務づけ、あるいは支給決定の透明化、明確化、利用者負担の見直しを行いまして、あわせて在宅サービスに関する国等の負担を義務的なものとすることとしておりまして、サービスに必要な財源を確保しながら制度をより安定的に運営することができると考えておるところでございます。

 障害のある方に必要なサービスを安定的に提供する体制をつくることは、これは極めて重要なことでございますので、今後とも制度運用に万全を期しますとともに、必要な予算の確保に努めてまいりたいと存じております。

木原(誠)委員 今大臣の方からお話がございましたように、この法案によりまして裁量的経費から義務的経費になる、そのことに大変大きな意義があるんだろうというふうに思います。

 ただ一方で、裁量的経費であれ義務的経費であれ、これは予算要求があり、そしてまた査定がある。義務的経費であれば補正予算が組みやすいという面はもちろんあるんだろうと思います。しかしながら、やはりしっかりと当初予算でその予算を獲得していくということが非常に重要でございますし、義務的経費になったんだからもういいんだということではないんだろうというふうに思っております。むしろ、義務的経費になったからこそ、しっかりと当初予算で要求できるものは要求していただき、また獲得できるものは獲得していただくということだというふうに思っておりますが、もう一度詳しく、十八年度の概算要求、これは恐らく自立支援法案を前提に要求をされているのではないかと思いますので、十八年度概算要求でどのような要求になっているのか、この点を御確認させていただきたいと思います。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 障害保健福祉関係全体の予算は、十八年度概算要求で、対前年度九・五%、七百十二億円増の八千二百三十七億円を計上いたしております。

 今委員から御指摘がございましたように、障害者自立支援法案の成立を前提にさせていただいておりまして、義務的経費につきましては、七・九%増の七千三百十四億円を要求いたしております。このうち障害福祉サービス予算につきましては、対前年度一〇・五%増の四千百四十三億円の概算要求となっております。とりわけ居宅分につきましては、大幅な伸びを見込むということで、一九・三%増の伸びを要求しているところでございます。

 裁量的経費につきましては、百七十三億円増の八百六十六億円ということでございまして、二五%の増を要求いたしておりますが、これは特に、地域生活支援事業でございますとか、自立支援法案の施行関係経費を重点に要求させていただいております。

木原(誠)委員 ありがとうございました。

 全体で一〇・五%増ということで、厚生労働省の決意、しっかりと伺うことができるわけでございます。大変恐縮でございますが、もう一度、その積算の根拠、これが下からの積み上げになっているのか、あるいは対前年何%という、いわゆるもう少し上からの大まかな計算になっているのか、その点の御確認をさせていただきたいと思います。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 概算要求の考え方でございますけれども、介護給付、訓練等給付、居宅分、施設分ございますが、積算といたしましては、十六年度から十七年度の予算の伸びなどを踏まえまして、予算の伸び率、居宅につきましては一九・三%増、こういうふうに要求いたしております。また、施設関係の経費につきましては、十三年から十五年の人員の平均伸び率を踏まえまして、直近の施設整備の実績を踏まえまして、その伸び率を伸ばして計算しているということで、委員のお尋ねに対しましては、基本的にはマクロ的に伸び率を踏まえて積算をしているということでございます。

木原(誠)委員 今、マクロ的にという御答弁でございましたけれども、義務的経費になったということでございますから、ここは今後も問題かもしれませんが、やはり市町村でつくる障害福祉計画というものをしっかり積み上げて、そして予算要求をしていただくというのが基本だろうと思います。そうでなければ義務的経費にしたということの意義が相当失われてしまうんだろうと思いますが、この点につきまして、いつごろから、例えば十九年度予算から、あるいは二十年度予算から取り組んでいかれるのか、その点、御確認をさせていただきたいと思います。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 おっしゃるとおり、障害者自立支援法案が成立いたしますと、市町村が地域のニーズを踏まえて障害福祉計画を策定していただく、そういったことがこの法律で義務づけられております。この障害福祉計画の策定は十八年十月からとなっております。

 各自治体の障害福祉計画の策定状況も踏まえながら今後は予算要求をしていくということが基本になろうかと思いますが、十九年度予算要求に例えば全市町村の障害福祉計画の策定が間に合うかどうかという実務上の問題はございますが、平成十八年度以降、そのような基本的なスタンスで予算要求を行っていきたいと存じております。二十年度以降になりましたら、確実に地域の自治体の障害福祉計画が積み上がる形になろうかと考えております。

木原(誠)委員 今、地域の障害福祉計画に基づいてしっかりと今後は義務的予算として要求をしていくんだという御決意を伺ったわけでございます。しっかり取り組んでいただきたい、このように思っております。

 そこで、今、障害福祉、しっかり拡充していくんだという決意のもとに伺ったわけでございますが、一方で、定率負担、一割負担と言われているものについて、今非常に大きな不安感があるわけでございます。この点について次に質問させていただきたい、このように思っております。

 私自身は、いろいろ御批判もあろうかとは思いますが、これから障害福祉予算あるいは給付をしっかり伸ばしていくという中で、そしてまた、それを政府として、厚生労働省としてもしっかり取り組んでいくという中で、やはり制度をしっかり持続可能なものにしていく、そしてまた、御負担をお願いできる障害者の皆様には、国民全員の負担という中でその負担の中に御参加いただくということには、これまた大きな意義があるのかなというふうに思っておるわけでございます。

 しかしながら、やはり不安感も非常に大きい。そして、その不安感の非常に大きな部分が、言葉が若干ひとり歩きしている面がある、これが応益負担なのか、あるいは本当の意味での一割負担なのか。私は、大臣が、これは限りなく応能負担に近づけた負担ですよとおっしゃっていらっしゃる、あるいは我が党の大村委員からは、これは上限つきの定額制なんだといったようなお話もあったわけでございます。他方で、私が施設等にお伺いしますと、一番大きな心配は、二十四時間重度の介護が必要な方、この方々が一割負担という中で将来サービスを受けられなくなってしまうのではないかといったような、非常に大きな不安感があるわけでございます。

 繰り返しになって大変恐縮でございます。大臣、何度もお答えになっていらっしゃる点ではございますが、この一割負担、どういう構造になっているのか、そして、さまざまな軽減措置がついております、この点について、わかりやすく、再度御答弁いただければというふうに思います。

尾辻国務大臣 このたびの障害者自立支援法案におきましては、一割の定率負担と所得に応じた月額の負担上限を組み合わせた利用者負担をお願いすることといたしておるところでございますけれども、障害のある方につきましては、年金だけで生活しておられる方や資産の少ない方がおられることに配慮いたしまして、負担額を減免する各般の仕組みを設けておるところでございます。

 具体的には、過大な負担とならないよう月額上限額を設定いたしますとともに、介護保険制度等とのバランスを考慮いたしまして、所得の低い方にはより低い段階的な上限額を設定いたしております。

 それから、グループホーム、入所施設で暮らす方で、資産が少ないなど負担能力が少ない方につきましては、月額六万六千円までの収入の方は定率負担をゼロといたします。それから、通所施設やホームヘルプサービスを利用して在宅で暮らす方につきましては、社会福祉法人減免によりまして、定率負担の月額負担上限額が半額となるように負担を軽減いたしております。

 また、入所施設の方につきましては、食費等の負担をいたしましても少なくとも手元に二万五千円が残るように負担を軽減いたしております。通所サービス等を利用する方につきましては、食費について、食材料費のみの負担といたしております。

 こうした軽減措置を講じてもさらにまだ利用者負担により生活保護の対象に該当するというようなことになる場合には、生活保護の対象に該当しなくなるところまでの負担の軽減をいたすということなどもいたしております。

 以上、申し上げたようなきめ細かい配慮措置を講じているところでございます。

木原(誠)委員 ありがとうございました。

 今伺っておりまして、私もこの大臣の説明、何度か、かなりの回数聞いております。それからまた、厚生省の皆様からも個別にお話を伺っておりますので、非常に理解が早いわけでございますが、正直申し上げまして、これを初めて聞いた方はなかなか理解が難しいのかなという感じがいたします。

 例えば、入所サービス、施設に入りながら一方で通所のサービスを受けられる方、今回、給付が個別になっておりますから、そういう方もいらっしゃるんだろうと思います。その際に、自分の減免措置が個別減免措置に当たるのか、あるいは社会福祉法人減免の方に入ってくるのか、それすらなかなか判断が難しいのだろうというふうに思っています。

 そういう意味では、ぜひ厚生省として、わかりやすい説明を今後も心がけていただきたいと思いますし、現場の方々から要請があれば、厚生省の皆様がみずから率先して説明に行くぐらいの気概を持っていただきたいと思いますが、今後どのようにこの措置を周知徹底していくのか、御決意をいただければというふうに思います。

尾辻国務大臣 これも何度も申し上げましたけれども、できるだけきめ細かな軽減措置をつくろうと思いましてそのようにいたしました。そうしますと、どうしても複雑な面は持ちます。そうしたことの御説明というのはまだ十分になされていない、そのことがまた利用者の方々の不安につながっている面はあろうかというふうに思います。

 したがいまして、私どもも、今後、もうできるだけきめ細かく、まさにきめ細かく軽減措置をつくりましたと申し上げておりますけれども、今度は御説明の方もきめ細かくなさなきゃならないということを考えておりまして、そのことは大変重要なことだと思っております。

 まずはわかりやすいリーフレットの作成、配付をいたしたいと思っておりますし、それからそのリーフレットの内容等を厚生労働省のホームページにも掲載させていただきます。また、都道府県の担当課長会議などを通じた市町村や事業者への周知のお願い、これも一層しなきゃならないと思っておりますし、途中でお話しいただきましたように、お求めがあれば私ども厚生労働省の担当の者が出かけていって御説明を申し上げたいと存じております。

木原(誠)委員 ありがとうございました。ぜひ丁寧に御説明いただければというふうに思います。

 そこで、一点確認をしたいと思いますけれども、先ほど来大臣から御説明いただきました個別減免措置あるいは社会福祉法人減免、これは、法案にはそうは書いていないわけでございますが、時限の措置だ、あるいは時限の措置というか見直しがあります、こういうことになっているかというふうに理解をしております。

 私自身、これだけこの負担に対して不安感がある中で、まさかこれを完全にやめてしまうということを前提にした時限措置ではないんだろうなというふうに理解をしておるわけでございますが、法案には特段、時限とは書いてございませんので、なかなか御答弁も難しいかもしれませんが、そのあたりの考え方、どのように三年後見直していかれるおつもりか、その点一度御確認をさせていただきたいと存じます。

尾辻国務大臣 これは法律の中では、所得保障などをどうするかということを三年後にしっかり見直すというふうに決めてございます。当然、そうした所得保障見直しとともに、こうしたことは関連するわけでございますから見直すということでございまして、何も今、それをやめると決めておるわけでもありませんし、そのときの所得保障を含むすべての見直しの中で、見直すということであれば見直すということになるわけでございます。

 したがいまして、この精神は当然引き継がれるものでございます。

木原(誠)委員 まさに非常に重要な残された論点として、所得保障という問題があるわけでございます。その点とあわせてしっかりと御議論いただきたいと思いますし、決して現状よりも結果として負担がさらに増すといったようなことがないように、御配慮をいただければということをお願いしておきたいというふうに思います。

 そこで、定率負担について今大臣から御答弁いただいたわけでございますが、定率負担を求めるに当たってより重要なことは、今所得保障という話も申し上げましたけれども、障害者の皆様がしっかり就労を通じて収入を獲得していく、あるいは所得を獲得していくということが非常に重要なのかなというふうに考えておるわけでございます。

 現状では、養護学校を卒業された半分以上の方々、半数以上の方々が、授産施設等あるいは福祉工場等に入られまして、そこからさらに一般就労に行かれる方は年間一%程度だというふうに伺っております。残念ながら、これはやはり我が国の障害者福祉、福祉施策のいわば失敗の一つの例じゃないかなというふうに思うわけでございます。

 今回の法案におきましては、就労継続支援事業あるいは就労移行支援事業といったようなものが入っておるわけでございますが、具体的にどのような方がこのサービスの対象になり、また、これまでの支援費制度のもとでのこういった就労移行のための事業と一体どこが変わってくるのか、その点、わかりやすく御説明いただければと思います。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 今度の障害者自立支援法では、今委員からお話がございましたように、就労ということを非常に重視し、新しくつくられる事業の体系におきましても、就労移行支援とか就労継続支援、その中でも雇用型とか非雇用型とか、まず就労に着目した政策体系をつくろうということが第一点でございます。

 第二点は、これまでも就労支援につきましては授産施設などを中心に取り組んでいただいてまいりましたけれども、委員から御指摘ございましたように、必ずしもアウトプットはよくない状況でございました。これは、障害者の方の能力や適性に応じた個別の支援が必ずしも十分でなかったのじゃないか、それから現実の一般就労に結びつく職場のあっせん、それから就職していただいた後、職場とのサポートに関して福祉と雇用施策の連携が十分でなかったのじゃないか、こういうふうに考えているところでございます。

 具体的には、就労移行支援事業、これは、一般企業への雇用または在宅就労等が見込まれる障害者の方でございますが、適性評価から職場開拓、就労後の職場定着に至るまで、段階を踏んで円滑にやる。それも、漫然とするのではなく、お一人お一人に目標期間を定めた個別支援計画の作成をし、それについての責任者も事業所に配置する。また、事業所に対する報酬面でもそういったことについて評価をしていく。ハローワークとの連携もする。また、就労後の相談支援や助言を行う。こういったことを通じまして、一般就労につながるような支援を強化してまいりたいと考えております。

木原(誠)委員 今まさに、アウトプット、成果を出していくんだという御決意を伺ったのかなというふうに思います。

 ぜひしっかりと取り組んでいただきたい、こう思うわけでございますが、一方で、雇用施策の面でもやはりしっかり取り組んでいただきたいと思うわけでございます。

 例えば、障害者の自立を促す委託訓練事業というものがあるというふうに聞いております。対象者数は六千人程度というふうに聞いているわけでございますが、実際にはその半分程度しかまだ対応できていないといったような現実もあるというふうに伺っております。

 まさに福祉と雇用、この連携強化というのが今後の障害者就労支援という中で非常に重要だというふうに思いますが、その点、雇用面からどのような施策を講じていくおつもりか、御確認をさせていただきたいと存じます。

鳥生政府参考人 お答えを申し上げます。

 障害者の雇用施策の強化につきましては、先般の通常国会で障害者雇用促進法を改正いたしまして、精神障害者の実雇用率への算定等精神障害者に対する雇用対策の強化、障害者の在宅就業に対する支援制度の創設、障害者福祉施策との連携強化等を行うこととしたところでございます。

 中でも、障害者の地域における自立を推進するためには、雇用施策と福祉施策との連携を一層強化することが必要であるというふうに考えておりまして、国及び地方公共団体の責務として、福祉施策との有機的な連携を図りつつ、雇用施策の推進を図らなければならない旨、規定をしたところでございます。

 このような規定の見直しに加えまして、具体的な連携事業として、ハローワークが福祉施設等と連携して、就職を希望する個々の障害者に応じた支援計画に基づきまして、一貫した就職支援を行う仕組みづくり、それから、福祉施設がノウハウを生かしてより効果的な職場適応援助を行うことを目的としたジョブコーチ助成金制度の創設、就業面、生活面からの一体的な相談、助言を実施する障害者就業・生活支援センターの増設といったことを行いまして、障害のある人に対して、雇用施策と福祉施策の両面から一貫した支援を行うこととしているところでございます。

 今後とも、障害者雇用施策と障害者福祉施策との有機的な連携等によりまして、障害者の雇用がより一層促進されるように努めていきたいと考えております。

木原(誠)委員 私の残り時間も少なくなってきてしまったわけでございますが、今の一般就労移行に向けた措置について、大臣に一言だけお伺いしたいと思います。

 私は、やはり企業のトップにいかにこの重要性を認識していただくかということであると思いますけれども、その点ではぜひ大臣に、各企業トップとよく話をしていただいて取り組んでいただきたいと思いますが、その点につきましてはいかがでしょうか。

尾辻国務大臣 お話のとおりでございまして、企業のトップの方々の考え方、姿勢が極めて強く影響をいたします。このことは、私どももよく実感をいたしておるところでございます。したがいまして、絶えずそうした方々にお話し申し上げ、またお願いもいたしておるところでございます。今後とも、そのようにいたしてまいります。

木原(誠)委員 最後になりますが、時間もありませんので、駆け足でもう一点だけ確認をさせていただきたいと思います。それは、小規模作業所についてでございます。

 今回の障害者自立支援法案に関連して、小規模作業所に従事される皆様の不安感が非常に私の地元でもございます。そして、その点に関しまして、大臣あるいは厚生労働省からは、今後のさまざまな個別給付、就労支援給付等々、法定内でやることができるようになりますといったような御答弁をいただいているわけでございます。

 他方で、私は、規模の要件等々でなかなか法定内施設に入ってこられない小規模作業所、今後も残るんだろうというふうに思っております。問題は、これらなかなか法定内に入ってこられない作業所について、引き続き厚生労働省としてしっかり支援をしていただけるのかということだろうと思います。現状、百十万円程度、補助金も出ておるわけでございます。これらがまさか打ち切られることはないんだろうなということを御確認させていただきたいと思います。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、予算の件でございますが、十八年度概算要求におきます小規模作業所に対する国の運営費補助については今年度と同額を要求しているということで、補助金を打ち切るとかそういうことにはなっておりません。

 また、委員からお話ございましたように、障害者自立支援法の体系の中で法定内施設等に移行される、特に個別給付の方の施設として移行される方、それから、地域生活支援事業の中の地域活動支援センターという形で、いわば市町村の指定を受けるというような形で地域活動支援センターとしていかれるタイプ、それからずっと法定外に残るというようなタイプ、さまざまあろうかと思いますので、いずれにしても、十八年度については今年度と同じ概算要求をしているところでございますし、これから法律が施行されました場合に小規模作業所の方々がどういう形で転換されていくのか、その辺も見ながら法定外の施設に対する運営費補助等についても引き続き考えさせていただきたいと思っております。

木原(誠)委員 時間が過ぎましたので終わりにいたしますが、今回の法案、私は障害者福祉の中において非常に重要な法案だと思います。ぜひ、関係者の理解を得る努力を続けていただきながら、しっかりと前に進んでいただきたいというふうに思います。

 本日はどうもありがとうございました。終わりにいたします。

鴨下委員長 次に、福島豊君。

福島委員 大臣、副大臣、引き続き御苦労さまでございます。

 この法案をめぐってのさきの通常国会、そしてまたこの特別国会における審議、きのう計算をいたしましたけれども、参考人等の質疑も踏まえると九十時間を超えまして、百時間に近づく水準になっております。私も十二年間国会議員を務めさせていただいておりますが、今までこれほど集中して障害者福祉の問題について国会の場で議論されたことはなかったのではないか。そういう意味では、私は画期的なことであるというふうに思っております。

 三年後の見直しがあるわけであります。今回のこの法案、施行になりまして、その後、具体的にどのようになっていくのか、このことが最も大切であります。三年後の見直しというところまで含めて、私は一体としての議論が必要なのではないかというふうに思っております。きょうは、そうした点に立ちまして、まだ残されております幾つかの点についてお尋ねをいたしたいというふうに思っております。

 まず、さきの国会におきまして、与党の修正におきまして、障害の対象範囲の見直しというものが検討規定として盛り込まれたわけであります。

 現在の障害者福祉施策の中で、十分にまだ適切に位置づけられているとはなかなか言いにくい高次脳機能障害であるとか発達障害、また難病など、見直しにおいて適切にそれが盛り込まれ、必要なサービス、医療というものが確保されるようにすべきであると私は思っております。そして、こうした見直しを進めるためにも、その検討というものはできるだけ早く進めなければいけない。実態の把握であるとか、また障害程度区分というものをどう考えるのかとか、そしてまた必要なサービスというのはどういうものであるか、検討すべきことは多岐にわたっているというふうに思います。

 今回の改革、それは決してこの法案の審議だけにとどまらない、そういう観点から、厚生労働省にはしっかりとした三年後の見直しに向けての取り組みを進めていただきたいと思います。

 そしてまた、もう一つ、いろいろと指摘されておりますことは、今回の障害者自立支援法案の見直し、利用者の負担のあり方等についても見直しがなされます。一つは、言いわけと言いますと聞こえが悪いのでありますけれども、そのことが契機になって、地方自治体が今まで単独で行ってきた事業についても見直しをする、こういうような声が現に聞こえ始めております。

 これはもちろん自治体の判断でありますけれども、私どもは、言ってみれば、こうした便乗するようなことで見直しをするのはいかがなものか、こういうような思いもあるわけであります。そういう地方自治体における取り組みということについても、私は、国の立場から十分にフォローしていただきたい、三年後の見直しに向けてこうした点について作業を進めていただきたいと思うわけでありますが、政府の御見解をお聞きしたいと思います。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 この法律の附則第三条で、今委員からお話ございましたように、施行後三年を目途として見直しを行うということにされております。

 特にお話のございました障害児の児童福祉施設の入所など、例えばそういった現行の福祉施策でも今法案でまだ十分手のついていない問題、それから、発達障害なり高次脳機能障害のお話がございましたけれども、障害者等の範囲を含め検討を加える、こういうふうになっておりますので、私ども、それらの点については、法律の施行を円滑にするというものとはまた別に、正面から取り組んでまいりたいと思います。

 お話のございました高次脳機能障害、発達障害、一部は今回の障害者自立支援法でカバーされる方もいらっしゃると思いますが、なお十分カバーできていない部分もありますので、障害者の定義の問題とあわせまして議論をしなければならないと思っております。また、障害児の方の障害程度区分のことについてはこれから開発しなければならないというような問題、発達障害の方につきましては、発達障害者支援センター等を通じてそれらの方々のニーズを把握し、また、今年度から実施する発達障害者支援体制整備事業の結果も踏まえて、発達障害者の方あるいは高次脳機能障害の方にふさわしい福祉サービスのあり方を三年の見直しに向けて今から準備していかなければならないと考えております。

 また、三年の見直しの際には、今お話のございました自治体の単独施策の扱いにつきましても、いわば施行後の状況といった場合に、自治体の単独施策の状況についてもやはり目配りをし、検討を加えて必要な措置を講ずるということになろうかと思いますので、自治体の単独施策の状況などについてもよくフォローしながらこの三年間について検討を加えてまいりたいと思っております。

福島委員 ありがとうございます。

 ただいま発達障害の問題について御指摘をさせていただきましたが、次に、自閉症という障害の対策についてお聞きをいたしたいと思っております。

 従来から、自閉症また自閉症スペクトラムと言っていいと思いますが、障害の問題が従来の法体系の中で谷間に置かれてきた、こういう御指摘があります。昨年、議員立法で発達障害者支援法が成立をしましたのも、そうした谷間に置かれてきた障害に対して、どのようにこれに対応するのか、救っていくのか、こういうことが原動力になったわけであります。

 今回の障害者自立支援法案をめぐって、こうした自閉症の障害と向き合ってこられた関係者の方々からもさまざまな要望が寄せられております。

 全国自閉症者施設協議会からは、このような要望がなされております。「自傷、他傷、パニックなどの著しい行動障害や、日常生活に困難な適応上の問題を抱える自閉症者が生涯にわたって行き場所を失ったり、現在以上に悲惨な生活状態に陥らないよう「自閉症者施設」ないしはそれに準ずる「居住と療育のための支援形態」を検討していただきたい。」このように言われております。

 さまざまな地域で、とりわけ親御さんの方々の努力によって、こうした施設が今までつくられてまいりました。今回の自立支援法案、事業形態も大きくその体系が見直されるわけでありますけれども、その中で果たしてやっていけるんだろうか、持続していけるんだろうか、こういう心配があることは事実であります。その点についても、意見というものを十分お聞きいただいて、適切な対応をしていただきたいと思っております。

 具体的には、このようなことが挙げられております。非常に細かい話にもなるのでありますが、要望を読み上げさせていただきたいと思います。

 一、一名以上の常勤者がいれば後はパート職員でも可とする「常勤換算法」に基づいた支援費の単価設定がなされる中で、高度な専門性が必要とされる自閉症支援の現場が維持できるか危惧されます。

 二、障害程度区分の判定により介護給付などの支給決定がなされるが、自閉症や強度行動障害の人たちの困難度が十分に反映されるものになっていない。さらに支援費制度において、かろうじて補完されていた強度行動障害加算費はどのようになるのか見えません。

 三、支援が大変な自閉症や強度行動障害の人たちはケアホームの対象になることが想定されますが、二十四時間一対一以上の支援員の対応が必要で、単なる介護・見守りではなく高度で専門的な療育支援が必要な人たちを念頭に置いた単価設定や人的配置が検討されているのか危惧されます。

 四、少なくとも以上のことが配慮されていなければ、自閉症や強度行動障害の人たちへのセーフティネットは維持されなくなります。

こういう指摘があります。

 尾辻大臣におかれましては、施設内の虐待に関連しまして自閉症者の施設を視察いただきました。大変ありがたいことだというふうに思っております。こうした背景の中には、こうした施設の運営をどうしていくのかということがベースにあるわけであります。十分に専門性を持った職員の方が処遇をする、こういう体制が維持されなければならないというふうに思っております。

 今後の事業体系の見直し等々の中におきまして、こうした点に十分配慮をいただいて取り組んでいただきたいと思いますが、政府のお考えをお聞きしたいと思います。

    〔委員長退席、北川委員長代理着席〕

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 自閉症の方々あるいは強度行動障害を有する方々、現行の制度におきましては、知的障害者の更生施設を中心に入所支援が行われているというのが現実だと思います。ですから、現行の制度といたしましても、いわば自閉症の方あるいは強度行動障害の方に必ずしも専門的な施設の体系になっているということではないのではないかと思います。

 私ども、今回のさまざまな事業体系の見直しを行いますが、それは現行の施設体系などが実際サービスを必要とされる方のニーズに合っていなかったり、あるいは専門性などについていけないというような、看板と実態との乖離があるというような点も非常に問題にしているところでございます。

 ですから、これからのサービス体系の中では大きなくくりのサービス体系にはなりますが、そういった中で、やはり今お話のございましたような自閉症の方、強度行動障害を有する方に対して、専門性の高い、あるいは人員配置が高いサービスが必要であれば、そういったことに対応できるサービス体系をつくっていくということが課題であり、そういったことは、まさに障害程度区分を入れたり施設体系を見直すという今回の自立支援法の中でやらなければならないことだと思っておりますので、今より悪くならないことは当然のことであり、むしろそういった方々に対してもっと適切なサービスが提供されるように、私ども、新しい事業体系の中で位置づけてまいりたいと考えております。

福島委員 よろしくお願いいたしたいと思います。

 また、自立支援医療との関連でお尋ねしたいのであります。

 自閉性障害の場合には、精神医療の現場でさまざまに対応がなされて、必ずしも福祉の現場だけではないという実態があります。精神病院に長期の入院をされておられる方も存在するわけであります。自立支援医療、この中でこうした自閉性障害に対しての医療というものが適切に評価され、位置づけられ、そして十分な支援を受けられることが必要だ、こういう関係者の意見があるわけであります。

 この点についての厚生労働省のお考えをお聞きしたいというふうに思います。

中谷政府参考人 御答弁申し上げます。

 この法案におきましては、障害にかかわる公費負担医療制度、これの利用者負担の仕組みについて横断的に見直しまして、現行の精神通院医療、更生医療及び育成医療を一元化しまして自立支援医療として盛り込んだところでございます。

 この自立支援医療の対象となる疾患につきましては、現行の精神通院医療、更生医療及び育成医療から変更しないということになっております。そして、現在も精神通院医療が必要な方につきましては自閉症も含めまして対象となっておりますので、自立支援医療におきましても、引き続きこの制度によりましてサービスが提供をされます。

 また、今御心配いただいておりますような、こういう制度の取り扱いですとか負担の仕組み、これはやはりよく御理解をいただかなければなりませんので、地方自治体や関係団体にも御協力をいただきながら、関係する方々への周知を図ってまいりたいと思っております。

福島委員 当委員会においても繰り返し質疑がされていることでありますけれども、利用者負担の問題、今回、大臣の御判断でさまざまな減免措置を講じていただきました。大変ありがたく存じております。ただ、これについて、減免措置は経過措置であって、いずれは当初の負担を支払うことになるのではないか、こういう懸念が現時点でも寄せられているということも事実であります。

 私は、これは経過措置であっても、社会福祉法人減免や育成医療における経過措置など、制度上これはやはりやむを得ないと感じるわけであります。そうしたやむを得ざる措置については、三年後の見直しにおいても引き続き継続すべきだ、そのように思っておりますし、私どもは党としてもそうしたことを求めていきたい、そのように考えております。

 現時点で、三年後のことでございますから、大臣も繰り返しさまざまな思いを込めて御答弁いただいておりますのを私は読んでおりますけれども、またお聞きいたしておりますけれども、政府の考えを改めて御確認させていただきたいと思っております。

中村政府参考人 この点については、大臣からも御答弁申し上げているところでございますが、委員から御紹介ございましたように、社会福祉法人減免制度等、きめ細かな配慮措置を講じさせていただいているところでございます。

 将来の取り扱いにつきましては、三年間これらの措置を実施した上で、その結果を踏まえて検討することとしております。法案の附則第三条において、この法律の施行後三年を目途として、法律の規定に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすることでございますが、三年たったらやめる、こういうふうに申し上げているわけではございません。

 委員からは、必要性が高いのではないか、こういう御指摘でございます。私どもは、しゃくし定規的な言い方で恐縮でございますが、三年間実施した上で、その結果を踏まえてまた検討させていただきたい。今の時点では、法律附則でそういうふうに規定されておりますので、そこを誠実に対応してまいりたいと考えております。

福島委員 この三年間というものは、立法府においては、障害者福祉施策がどうなっていくのか、こういうことについて引き続き注視をし、そしてまた責任を持たなければいけない、そういう期間であるというふうに私は認識をいたしております。先ほど申し上げましたように、この経過措置について、その必要性にかんがみて、私どもはその継続が必要であるということを強く訴えていきたい、そのように思っておるところであります。

 続きまして、先般の国会でもお尋ねをいたしたわけでありますけれども、お手元に資料がございます。社団法人全国脊髄損傷者連合会から寄せられた要望書であります。本日の質疑に当たって、ぜひともこの資料を委員の皆様にごらんになっていただき、また再度その必要性というものを訴えていただきたい、こういう強い要請がありました。重度の障害をお持ちの方が地域でひとりで暮らしていく、それを支えるためにはどのようにするのか、この大きな問題であります。

 「重度訪問介護を利用する一人暮らし最重度全身性障害者(全体の〇・〇六%、コスト比〇・八四%)には、地域生活に必要な二十四時間の国庫補助基準を確保していただきたい。」こういう御要請であります。さきの通常国会から、この点については繰り返し、どうしたら地域での生活が継続できるのかということについて御指摘があったわけであります。

 具体的な事例として、沖縄県宜野湾市、そしてまた福岡県筑後市、こういう事例があるということが二枚目に記されております。特性としては、両方の市とも元国立療養所の筋ジストロフィーの専門病棟があった地域である、療護施設もある地域である。そして、そうした施設があるということと関連して、両方の市におきましても最重度障害者の地域移行、これが進められているということであります。先日の委員会におきまして、さまざまな地域がある、そういう点については十分検討していきたい、このように御答弁があったかというふうに思います。

 二枚目を見ますと、どういうことが書いてあるかといいますと、こういう地域にあって、筑後市では国庫補助基準の範囲を超えてしまった、これは支援費制度のもとでのデータでございますので、今回の改革によってどのようになるのかということは一律には論じることができないわけでありますけれども、支援費制度の国庫補助基準の計算とそしてまた現実の自治体での必要な財政需要、これに差がある、必要な財政需要の予算の方が多くなることがある、こういう具体的な御指摘であります。

 こうしたことは、さまざまな地域でいろいろな事情がありますので違いはあるかと思いますけれども、二十四時間の最重度の全身性障害者の方を重度訪問介護で支えていく、今よりも後退させないということを考えた場合に、こうした現に支援費制度の中で起こっている地方自治体のいわば持ち出しというような実態ということも十分に配慮をして、今後の検討の中で適切な対応がなされる必要があるというふうに思っております。

 そして、全国脊髄損傷者連合会の方々は、再度申し上げますけれども、「解決策としては、一人暮らしの最重度障害者については、別途に国庫補助基準(月七百五十時間分、毎日二十四時間分のヘルパー報酬額)を設定することが絶対に必要である。」これは絶対に後退させないでくれ、こういう強い切実な要望だというふうに思っております。

 こうした声を踏まえて、どのようにこれを支えることができるのか、私は、知恵を絞って解決策というものを見出していただきたい、その思いでいっぱいでございます。この点について、再度の御質問になりますけれども、御答弁をお求めしたいと思います。

西副大臣 お答えを申し上げます。

 前回にも大変詳細にこのことについては委員から御質問をちょうだいいたしました。各自治体における、それぞれ障害別の予算をいかに苦労しながら、重度の皆さんが社会参加をし、また自立に向けて努力するために予算の支出をしていただいているかという実態についても御議論をいただいてまいりました。

 今回、御指摘のように、重度訪問介護、また重度障害者等包括支援という形で給付をする、またそれに対して国庫負担基準を設定していくということになるわけでございますが、今のところは月百二十五時間、二十二万円のホームヘルプの国庫負担ということ、現状ですね。それから、その利用実態を見ますと地域間でサービス水準に大きな格差がある、そんな中で、限りある国費を公平に配分していく必要があるということでございますけれども、特に、先ほど御指摘の、重度の障害者の方々の全国のサービスの利用実態等を踏まえながら、今回の自立支援法においてはこの水準を上げる方向で検討していくということを申し上げたいと思います。

 また、今回の制度改正で、全体としてサービス水準の低い地域の底上げをする。大臣はいつもおっしゃっておりますけれども、平均に持っていくのではなくて高いところに水準を合わせるということでございますので、現在使用されている障害者の方々の生活に大きな変化が生じないように、各地域におけるサービス提供の実績を踏まえて対応していきたいと考えております。

 その際に、現行制度において、今委員が御指摘のように、どのような事態がそれぞれの自治体に生じているのかということ、また、その一人一人の日常生活の状態等も十分考え合わせて検証してまいりたい、こう考えておるところでございます。

福島委員 十分検討していただきたいというふうに思います。先ほど申しましたように、この三年間、立法府としてしっかりと責任を持っていかなければいけない、そのように思っております。

 そしてまた、これは私の個人的な意見でございますけれども、医療においても高額医療の共同事業といったような形式があるわけであります。それぞれの小さな自治体では十分支え切れない、その場合に、都道府県なりの関与を求めてしっかりと最重度の方も地域での生活が維持できる、そういう仕組みを考えるというようなこともできるのではないか、そのような気もいたしますし、できる限りの検討を行って、そして地域での生活が支えられるというような仕組みをぜひともつくり上げていただきたい、私はそのように思っております。

 続きまして、限られた時間でございますが、幾つか、さきの国会では十分議論のされなかった点について確認をいたしておきたいと思っております。

 障害程度区分についての心配があるということも事実であります。モデル事業において、一次判定の精度が悪い、施行までに適切な判定ができるような仕組みを整備することができるのか。また、障害児の障害程度区分、先ほど局長から御説明がありましたけれども、三年かけて検討する、そのどのような進め方をするんだろうか。また、モデル事業では審査会への障害当事者の参加は限定されているけれども、さらに参加を進める必要があるのではないか。こういうような御指摘もあります。

 そしてまた、来年一月の障害程度区分の実施、自治体での準備は整っているのかと。先般、参考人としてお越しになられました名張の市長さん、しっかりとやっていきます、こういう力強い御発言があったところでありますけれども、全国の自治体においてこうした作業がスムーズに進むように特段の配慮が必要であると私は思っておりますし、そしてまた、モデル事業において新たな項目を追加するということが示されたわけでありますけれども、それについても早急に進めていただきたい。幾たびかこの質問はなされておりますけれども、再度確認ということから政府のお考えをお聞きしたいと思っております。

中村政府参考人 障害程度区分の試行事業の件は委員お触れになりましたので繰り返しませんけれども、障害程度区分のこれからの決め方でございますが、障害者の方も委員として加わっている社会保障審議会障害者部会において御意見を伺うとともに、当事者を含む関係者からヒアリングを行い、障害程度区分を決定したいと。年内には精度の高い、適切な障害程度区分を設定できるよう努力してまいりたいと思いますし、また、このことは地方自治体の担当者の方に御理解いただかなければなりませんので、そこの点の周知徹底、研修会等はきめ細かくやってまいりたいと思います。

 また、最初の方にお話がございました障害児の障害程度区分につきましては、発達途上という児童の方の特性があり、時間の経過とともに刻々と障害の状態も変化するとか、乳幼児の段階では通常必要となる育児上ケアとの区別が必要であるとか、検討課題が多いわけでございまして、現段階では直ちに使用可能な指標はございません。三年後の障害児施策の見直しは控えておりますので、そういった中で、障害児の方の障害程度区分の開発に向けまして国内外の知見を踏まえつつ、まずは指標の開発などの検討を進めさせていただきたいと考えております。

福島委員 従来の障害者福祉の中で、どの方にどの程度のサービスを提供するのかということは、現場の障害者の福祉に長く携わってきた、かなり知識の深い職員の方々の判断というものが随分大きな力を発揮していたんですね。限られた財源、予算の中である、どの方にどの程度の配分をするかと。そういう意味では、何といいますか血の通ったといいますか、そういう運営がなされてきたんだろうと私は思います。

 しかし、透明性を求めていく、公平性を求めていくということも一方では大事であります。ですから、こうした仕組みをきちっとつくる、この意義というものは大変大きなものだと思っております。ただ、実際にそれを動かし始めてみて、従来の評価と食い違ってくる部分、これはモデル事業の中で必ずしも私は十分に御説明をいただいていないと思うんですけれども、そういう変化がどう起こっているのかということについても十分配慮が必要だと思いますし、そういう意味では、これは現在進行形でよくしていくものでなければいけない、そして、よくしていく過程にあっては、十分血の通った対応をしていただく必要があるというふうに思っております。

 そういう意味では、そういう点も含めて、それぞれの自治体が余りしゃくし定規にならずにと言うと、またこれはもとに戻るようなことになりますけれども、十分障害者の実態を踏まえてこれを運営していただくということを御指導いただければと私は思っております。

 それから、もう残り時間二分ほどになりました。グループホームについても御心配がありました。グループホームを維持していくことができるのか、身体のグループホームについては新しい類型がなく移行先がない、また大阪の重度障害者の福祉ホームも新しい類型がない、どのような移行措置を考えるのか、これは参議院の地方公聴会での発言であります。また、グループホームの人員配置が現在の四対一のものが引き下げられると運営ができなくなってしまうのではないか、どのように考えるか、同じく地方公聴会の意見であります。

 今後の具体的な事業体系の見直しに当たって、そしてまた報酬等の決定に当たって、こうした不安の声というものを十分踏まえて御検討いただくことが必要であるというふうに思っておりますが、政府の御見解をお聞きいたしたいと思います。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 今度の自立支援法のグループホーム関係の部分といたしましては、介護給付の中で介護を要する知的障害の方、精神障害の方に対しまして、介護給付といたしましてケアホームという事業がつくられておりますし、介護が必要ではございませんけれども知的障害の方、精神障害の方で、就労または自立訓練、就労移行支援等を受けている方々のために、共同生活の場としてグループホームが用意されているところでございます。

 身体障害の方のグループホームの議論もございますが、他方、身体障害者の方々については、むしろ住居の整備、住宅施策の方を追求すべきではないかというような御意見もございまして、グループホームという点につきましては、まず、重度の身体障害者の方について試行的にケアホームの利用をお認めし、その効果等を検証しながら、身体障害者の方のグループホームというサービス形態があり得るのか、あり得るのかという言い方は変な言い方ですが、制度化が必要なのかどうかということを考えてまいりたいと思います。

 今お話の中に出ました身体障害者福祉ホームにつきましては、地域生活支援事業の中で今後も実施していくこととしておりますので、現在その制度を御利用の方については引き続き利用できるものと考えております。

福島委員 いろいろな意見があるということだと思います。ぜひそれを踏まえて、合理的な判断をしていただきたい。

 そしてまた、住宅施策のことを今局長おっしゃられましたけれども、本当にこれは大切だというふうに思います。住宅施策を同時にどう変えていくのか、障害者の方々が地域で自立して生活していくための一つの大きな柱、また精神障害の方もこれは同じだと私は思いますけれども、これは政府一体となって進めていく必要がある、そういうことではないかというふうに思っております。

 長時間にわたりまして審議を重ねてまいりましたけれども、先ほど申しましたように、三年後の見直しに向けて、この法案によって障害者施策がどう変わっていくのか、私は、財政的に国の財政がこれだけ厳しい状況の中にあって障害者施策というものをさらに拡大していくためには、この改革というものは避けては通れない、そのように思っております。そして、であればこそなおさらのこと、その着地点というものがすばらしいものになっていただきたい、私はそのように思っておりますので、大臣、また副大臣、また厚生労働省の皆様には全力で頑張っていただきたいということを要請いたしまして、私の質問を終わります。

 どうもありがとうございました。

北川委員長代理 次に、郡和子君。

郡委員 民主党の郡和子でございます。

 このたび初当選をさせていただきまして、こうして大臣に直接質問させていただく機会を得ましたこと、改めまして、選挙区の皆様方、そして民主党の先輩の議員の皆様方に御礼を申し上げます。ありがとうございます。

 私の選挙区は宮城一区、仙台でございます。少々古い話で恐縮なんですけれども、一九六〇年代に、障害を持った方々が町に出ようという運動を起こされました。仙台もその活動の拠点でございました。一九七三年に第一回車いす大会が仙台で開かれました。

 また同時に、筋ジストロフィー患者の方々が収容されておりました国立西多賀療養所というところがございますが、そこの患者の方々を、私が勤めておりました放送局でドキュメンタリーとして制作をいたしまして、それを放送いたしました。そうしましたところ、全国から大きな反響を得まして、障害を持った方々の私憤が全国の方々の公憤となって、宮城県仙台に車いす対応の歩道が初めてできたというふうに記憶しております。

 私は、またその後、筋ジストロフィーの患者の方々が実際に御自分たちの限られた命の中でどう考えているのかということを「車椅子の青春」「さよならの日日」という映画に制作いたしまして、これもまた大きな反響を得て、障害に対しての認識、また病気に対しての深い理解につながったと認識しております。

 また、浅野宮城県知事が就任されてからは、宮城県の福祉がどんどん前に進んでまいりました。私自身も、障害のある方々とのおつき合いが二十年余りでございます。そして、この六年ほどは重い障害を持った方々の施設の後援会の会長を務めさせていただいております。せっかく進んできたノーマライゼーションの流れをとめるわけにはいかないということで、さきの総選挙では障害を持った多くの方々が私を支持していただきまして、今この場に立っているということでございます。きょうは、その皆さん方の思いをしっかりと受けとめまして質問させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。

 まず、私は、障害者施策のあり方というのは二十一世紀のこの国の形を左右する大きなテーマだととらえております。例えば、先ほど木原委員からもございましたけれども、障害者施策に係る予算規模について、政府は一体どのようにお考えになっていらっしゃるのでしょうか。

 OECD基準で見た社会保障関連の社会支出の対GDP比率、詳しい数字は先ほど木原委員お述べになりませんでしたけれども、二〇〇一年の数字で、OECDの平均は二二・三%、EU十五カ国の平均ですと二四・五二%、スウェーデン、ドイツ、フランスでは二七%から二九%になっております。それに比べまして、我が国は一七・五%でございます。

 ちなみに、スウェーデンの社会保障支出というのは高水準でございますけれども、世界経済フォーラムの世界の競争ランキングで見ますと、スウェーデンは三位です。日本は十二位です。我が国では、社会保障費などの国民負担率が高いと競争力を阻害するというような常識が流布されておりますけれども、これは事実に反しております。

 また、我が国の国民の一人当たりの税それから社会保障負担の、社会保障給付として一人一人に還元される率を見ましても、各国に比べまして大変見劣りがしております。

 人への投資や社会の手厚いセーフティーネット、これに支えられました共生社会は、一国の活力、そして競争力の基盤だと考えております。障害者施策の予算をもっとふやして、この国の形というのをその方向に進めるべきだと考えております。

 大臣を初め厚生労働省、そして先輩議員の皆様方が、これまで大変な御苦労と真剣な議論を積み重ねてこられたことには大変敬意を表します。しかしながら、残念にもこの法案の中身はこの理念に反するところが多過ぎる、そのように私は思っております。

 それでは、具体的に質問させていただきます。

 まず、尾辻大臣は、この間の審議を通じまして、義務的経費の仕組みにするために建前として定率負担と言わざるを得ないが、実質は限りなく応能負担にしたというふうに御答弁されました。

 実際、限りなく応能負担であるならば、なぜ応益負担であらねばならないのでしょうか。所得保障が応益負担、定率負担の導入の大前提でございます。所得保障、所得確保のあり方やその道筋を検討して必要な措置を講じて、その実績が上がるまではこの応益負担、凍結すべきと考えますが、改めまして大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

    〔北川委員長代理退席、委員長着席〕

尾辻国務大臣 なぜ定率負担にしたか、こういうお尋ねでございます。

 これは再三申し上げてまいりましたけれども、このたびの障害者自立支援法案におきましては、障害福祉サービスを、契約に基づき、だれもが利用できるものといたしました。すべての障害をお持ちの方に利用していただける仕組みといたしました。私どもがユニバーサル化といって表現しておるところでございます。したがいまして、ユニバーサル化いたしますと、契約に基づくというところもございますので、やはり定率に全体の仕組みをするというふうに私どもは考えまして、まずこういう仕組みにいたしました。

 それから、もう一つ申し上げますと、やはりこれは民主党の御主張の中にもあるわけでございますけれども、介護保険との関係を将来どうするかということもございます。そうしますと、そうしたこととの整合性というようなこともございますし、やはりそういう意味でも定率制をまず基本にすべきだと私どもは考えたところでございます。

郡委員 しかしながら、大勢の皆様方が心配しているのはこの点でございます。そして、個々の負担につきましてさまざまな減免措置をとったというふうなことで御説明がございましたけれども、この審議の中でもさまざまな質問が出ましたが、それに対しての明確な御答弁はございませんでしたし、また問題も残されたままでございます。

 例えば、同じ期間内に介護や訓練、また自立支援医療、補装具など、複数のものを必要とする場合、複数の利用負担の合計額に対して負担軽減措置、上限設定も必要だと当然のことですが思われますけれども、そのような配慮も全くできておりません。これでは定率負担、応益負担の導入は私は納得できません。自立支援ではなくて、これでは孤立助長とならざるを得ないと思います。少なくとも原則応能負担とすべきではないでしょうか。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 今、委員の方からは、さまざまなサービスを使う場合の、複数必要になる場合の障害者の御負担の問題がございました。

 今般、障害福祉サービスと介護保険の二つの制度からサービスを利用する必要がある方については、高額福祉サービス費として、障害福祉サービスに係る自己負担と介護保険制度に係る自己負担を合算して上限を設定する仕組みを設けておりまして、介護に係るサービスを二つの制度にまたがって給付を受けることにより自己負担が増大しないよう配慮措置を講じたところでございます。

 それから、医療費と福祉サービス、介護サービスの関係でございますが、これはまず、一般制度であります医療保険の給付と介護保険の給付の自己負担が著しく高額になる場合の負担の軽減措置を図るということは、二〇〇二年の医療保険法案の附則でこれは実施しなければならないこととされておりまして、閣議でも、次期医療保険制度改正で、この点については、まず医療保険給付と介護保険給付の自己負担の合算が行われるよう措置することとされておりますので、次期医療保険制度改革の課題でございます。これができますと、先ほど申し上げましたように、障害福祉サービスと介護サービスとの合算はできておりますので、医療給付との合算も解決されるという形になります。

 補装具についての御指摘がございましたが、継続的に御利用される他の福祉サービスと給付の内容や性格が異なりますので、現在も他のサービスとは別に費用徴収をお願いしていることを踏まえ、今回、補装具については別途の費用負担ということで整理をさせていただいております。なお、補装具の負担が家計に与える影響を考慮して一定の負担の上限額を設けることといたしております。

 こういった措置を講じておりますので、サービスを多く利用される方が負担が重くなるということではなく、一定の上限が付されるということで、定率負担ということも御理解いただけるのではないかと考えた次第でございます。

郡委員 それでは、応益負担、定率負担の大前提となります所得確保、所得保障について伺わせていただきます。

 前国会におきまして、衆議院の厚生労働委員会の附帯決議で、

  附則第三条第三項に規定する検討については、就労の支援も含め、障害者の生活の安定を図ることを目的とし、社会保障に関する制度全般についての一体的な見直しと併せて、障害者の所得の確保に係る施策の在り方の検討を速やかに開始し、三年以内にその結論を得ること。

というふうにされております。しかし、なおその道筋が不透明でございます。三年以内にどのような場でどのような項目について議論をし、結論を得るということなのでございましょうか。

尾辻国務大臣 障害者の皆さんの所得保障は、これは障害者の方々が地域における自立した生活を送っていただくという上で、当然重要な問題でございます。私どももそのとおりに認識をいたしております。

 さきの衆議院での修正もございましたので、就労の支援を含めた障害者の皆さんの所得の確保に係る施策のあり方については、今お話もいただきましたけれども、検討規定に盛り込んでおるところでございます。

 その障害者の所得保障を検討するということに当たりましては、例えば、障害者の就労や所得の実態、それから障害年金や諸手当などの所得保障制度の体系のあり方、サービスを賄う負担のあり方、就労支援施策や家族、地域社会との連携、こういったような施策の対象者でありますとか仕組み等に係るさまざまな問題を整理する必要がございます。まず、この問題の整理が必要だと考えております。

 そうした整理の上で、またいろいろ私どもも検討いたしますし、国会での御議論等も当然のこととしてあろうかと思います。三年間かけてしっかりとした見直しをいたしまして、結論を得てまいりたいと考えておるところでございます。

郡委員 障害者年金や障害者の手当の引き上げ、それから、具体的に就労支援、就労機会の拡大、工賃の引き上げ、それから工賃の税控除の拡大などが実際にこれから整理して検討されるというふうに今の大臣のお話を認識してよろしいのでしょうか。

 前国会では、障害者の雇用の促進に関する法律も改正されました。先ほどもお話ございましたけれども、福祉的な就労から一般的な雇用への移行促進のために、障害者雇用の促進に関する具体的な数値目標というのは、それではお持ちになっていらっしゃるのかどうか。

 この二点、どのような手だてを実際に検討されるのかと障害者雇用についての数値目標はどうなっているのか、お尋ねをいたします。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 障害者雇用の問題、企業の方の雇用の問題は法定雇用率などの制度で障害者雇用率の目標が設定されておりますので、そちらの方から御答弁をさせていただきますが、まず私ども福祉サイドの方、障害者自立支援法の立場から申し上げますと、福祉施設を出て企業で就労したいという御希望を持つ多くの障害者の方のニーズにこたえていく必要があろうかと思いますので、新制度では、既存の授産施設などを機能に応じて再編いたしまして、就労支援のための新たな事業、就労移行支援事業と就労継続支援事業の二つの事業を設けて、就労を支援する仕組みを強化するということといたしております。

 特に、一般就労への移行は極めて大事でございますので、従来でありますと、授産施設などがこのことに取り組んでいただいておりますが、こういう授産施設のサービスによって一般就労に結びついたという成果を上げた事業者に対して、そういったことについて成果に応じて報酬面でも評価するなど、そういうインセンティブを与えるような政策を事業者サイドに対してはおとりしたいと考えております。

 また、当然、御本人が、就労に結びつくためには、個々の方の状況、それからその方のいわばお持ちの能力などによって個別の計画を立てて就労支援を行う必要がありますので、そういった計画を立てる責任者なども事業所に配置するなど、就労支援の促進を考えてまいりたいと思います。

 現在、施設利用者の約四割の方が一般就労を希望しておりますので、そういう希望される方について、できるだけ御希望に沿えるようにやっていくということが目標になろうと私ども考えております。

鳥生政府参考人 雇用率の関係について申し上げます。

 現在、障害者の雇用については、法定雇用率一・八%ということで定められております。現在の状況は一・四六%という実雇用率となっておりまして、さきの通常国会における障害者雇用促進法改正法案の審議におきましても、指導を強化すべきという御指摘をいただいておりまして、私ども、七月に各労働局に指示をいたしまして、雇用率未達成企業に対する厳正な指導の徹底を図っているところでございます。

 今後、雇用の促進に向けて、一層指導を徹底してまいりたいと考えております。

郡委員 今のお話を伺っておりましても、法定雇用率を守るようにという指導を徹底するように強化していくのだというふうなお話でしたけれども、その具体的なこともわかりませんし、また、実際に就労が一般雇用に移行できることが可能なのかどうかもわかりません。また、あるいは働くことができない人たちにとってはどうなるのかということが一切語られていないと思います。私は、この法案は実質障害者年金の減額に通ずるものではないかと言えるのではないか、そういうふうに思っております。

 余り時間がありませんので、とんとんとんと質問させていただきたいと思いますが、先ほどもございました小規模作業所の具体像が不透明であるということについて再度お聞きさせていただきたいと思います。

 施設系の障害福祉サービスを五年で新しい事業・施設体系に移行するというふうになっております。このうち、小規模作業所は生活介護、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援、地域活動支援センターの各事業を中心として新事業体系に移行することが可能ということでございますけれども、その設備基準ですとか職員の配置基準あるいは事業別の最低利用人員はどの程度なのか、あるいはまた、サービス管理者の要件はどうなっているのか、事業ごとの要件はどうなのか、それからまた、複数の事業の多機能型の場合はどうなるのかといったことがちっとも示されておりませんが、この点はいかがなのでしょうか。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 新制度における事業運営の基準や報酬体系についての御質問がございました。

 例えば、新体系におけるサービス利用のいわば最少人数についてどうかということでございますが、社会福祉法に定める最低人員は二十人でございますので、二十人を一応の原則と考えておりますが、例えば、離島、過疎地等において単独で二十人の利用を確保することが困難な場合は、その二十人を緩和することを検討いたしております。地域活動支援センターにつきましては、地域の実情により、より柔軟な運営を可能とするため、より少人数の最低定員とする方向で検討いたしております。

 さらに、複数の機能をお持ちになる場合、一つ一つの事業について最低人数ではなくて、四事業を行う場合でも、その四事業についてトータルで二十人の最低利用人数がいればそういうことができるというような柔軟な体系を考えております。

 最初の方の事業運営基準や報酬体系でございますけれども、私どもも、先ほど来御説明申し上げております十八年度の概算要求の額が決定することがまずスタートになろうかと思います。そういう中で、報酬面について、それぞれのサービスごとに利用者像や標準的なサービスに見合った職員配置基準を設定し、個別支援計画の作成等を行う責任者の配置も考えておりますので、報酬面でそれを評価していくこと、それから、施設面などでは、できるだけ規制を緩和するということを行い、地域の既存の社会資源を活用できるようなことを基本として検討を進めているところでございます。

 具体的な内容につきましては、社会保障審議会障害者部会等において、関係者の御意見も伺いながら、来年四月に確定することを目指しまして、年度内できるだけ早い時期に結論が得られるよう検討を進めていこうと考えております。

郡委員 つまりは、まだこの段階においても、はっきり固まったものはないということですね。大変な不安です。大勢の作業所の方々からも御要望が出されておりますけれども、小規模作業所というのは、利用者の数が八万六千人に上っております。しっかりとした自立支援法の中での位置づけがなされませんと、五年間、宙ぶらりんの状態が続きます。これは、運営なさっている方々、通っている方々にとっても大変不安でございます。

 次に、時間がありませんので、私どものところに寄せられているさまざまな要望をここで幾つか御紹介させていただきたいと思います。

 まず一点目、これから各委員の方々からも御質問が出るかもしれませんけれども、NPOについてでございます。

 一つは、NPOによる利用者負担額の減免について、地域で必要とされるサービスを行っている社会福祉法人がない場合という条件がついてございますけれども、この条件をなくすこと。それから、NPOによる障害福祉サービス事業については収益事業から外して非課税とすること。これを要望いたします。NPOと社会福祉法人との差別的な扱いというのは、小泉改革の官から民への理念が看板だけで内容が伴っていないことをあらわしているようなものだと思います。ぜひ御検討いただきたいと思います。

 そして、二つ目、グループホーム、通所施設の精神病院敷地内への設置についてでございます。

 病院敷地内にあるグループホーム、通所施設は、社会的入院の解消の期限である七年後にすべて解消すること。それから、この間、それらの運営について、支援者、地域住民の参加などによって地域に開かれたものにすること。尾辻大臣も、七月の委員会で、そして今国会でも御答弁されました。病院敷地内にあるということ自体、好ましいことではない、社会の中で生活していただくということが好ましい、当然そうあるべきだ、その方向で進めてまいりたいというふうにおっしゃっております。ぜひこのことを御検討いただきますように、強く要望をいたします。

 続きまして、今回の審議の中でもたびたび出ていることでございますが、詳しくは申し上げません、障害者程度区分のシステム、これは拙速である、そしてまた信頼性に欠けると私からも重ねて申し上げ、一点だけ御質問させていただこうと思います。

 障害者区分の審査判断におきまして、審査会とその委員の役割というのは極めて重要になってまいります。これまでの審議の中で、市町村の審査会の委員に、障害保健福祉の有識者であって中立かつ公正な立場で審査が行える者であれば、障害者を委員に加えることが望ましいことを市町村に助言するとのことでございましたけれども、この具体的な助言の方法それから内容、趣旨の徹底ができるのかどうか、これを伺わせてください。

中村政府参考人 お答えを申し上げます。

 自立支援法の事務は市町村の自治事務になっておりますので、国の方が指示したり、指揮命令がかつての機関委任事務のようにあるというものではないことから、国の方がこういった場合にお出しするガイドラインと申しますか、そういったことは、自治法上、助言、こういうふうに位置づけられておりますので、助言と申し上げております。

 審査会の委員については、今委員からお話があったとおりでございますし、国会の場で、障害当事者の方々がそういう適正、中立かつ公正な立場で審査が行える方であれば、障害者の実情に通じた方や障害者御自身を委員に加えることが望ましい、こういうことを申し上げているわけでございます。

 具体的には、法律ができましたら、私どもさまざまな通達、通知をお出しいたします。そこで、まず、この審査会の運営に当たってのガイドライン的なこと、これは自治事務の性格上助言となりますが、そういう助言という類型ではございますけれども、ガイドライン的なものをつくり、これを市町村の方にお示しをしていくということでございます。

 その周知徹底につきましては、全国の担当者会議などを通じまして、また都道府県を通じ、御要望がありましたら、私ども直接出向いて御説明するというような方法で徹底してまいりたいと考えております。

郡委員 二十一日の中村局長の御答弁でもございました、モデル事業を行っている自治体、六十自治体のうち八つの自治体、三百十二人の委員のうち九人が障害者であったという御説明がございました。これは、数に対して多い少ないという判断は分かれるんでしょうけれども、私はやはり明らかに少ないと思います。

 そして、なおかつ、中立かつ公正な立場で審査が行える者であれば、これは、障害者の委員に係ってくるまくら言葉のようなものでございましょうか、それとも全体に係ってくるものでございましょうか。うがった見方をしますと、障害を持った方々の排除の姿勢にとれなくもありません。

 実際、東京で、実施主体の区が、障害者は委員にできないというふうなお答えがございました。これに対して、都に問い合わせましたところ、本人でもよいのだと。そこでまた、問い合わせが今度、厚生労働省に行ったと伺っております。厚生労働省のお答えは何であったのか。望ましくないとして、障害者団体の相談業務に従事している障害者の方でございますけれども、審査会の委員を排除された例がございます。

 この中立公正というのは、一体どなたが御判断されているんでしょうか。大変大きな危惧が残りますが、いかがでございましょうか。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、この審査会というのは、今度の自立支援法に基づきまして審査会が設置されるわけでございますので、今、区のお話がございましたけれども、この審査会は、今制度上我が国には存在しておりませんので、そういった意味ではどの審査会のお話なのか、ちょっと今のお話は……(郡委員「モデルをやっているところですよ」と呼ぶ)モデルのお話ですか。制度上、これからスタートするものでございますので、まずその点が第一点でございます。今度の……(郡委員「モデルのお話を聞いています」と呼ぶ)

 お答えを申し上げます。中立かつ公正な立場で審査を行う方、これは審査会の委員の要件になっているわけで、障害者の方のみに係る要件では当然ございません。

 そういうことでございまして、参議院の附帯決議でも、

  市町村審査会の委員については、障害者の実情に通じた者が選ばれるようにすること。特に、障害保健福祉の経験を広く有する者であって、地域生活に相当の実績を持ち、中立かつ公正な立場で審査が行える者であれば、障害者を委員に加えることが望ましいことを市町村に周知すること。

こういうふうに言われておりますので、私ども、先ほど申し上げましたように、施行通達等により市町村に周知徹底を図ってまいりたいと思っております。

郡委員 周知するというふうにおっしゃっているそのモデル事業であってもこういう状況ですが、この点についてもう少し詳しく、どういうふうに思われますでしょうか。

中村政府参考人 お答えを申し上げます。

 モデル事業の目的は、実際に障害程度区分を設定するに当たりまして、第一次判定でどのような判定が出て、しかも七十九の介護保険で使われている項目で第一次判定をし、第二次判定ではそれに二十七項目を加え、医師の意見書を加え、特記事項を加えてやった場合にどういう結果になるかということを行うために実施させていただいたものでございまして、私ども、現にサービスを受けている三障害の方々についてそのことをやらせていただいて、障害程度区分の、特に七十九項目の結果、それから二十七項目を追加した結果によってどれだけの差が出るか、それによって第一次判定の新しいソフトを開発するということを主眼として行わせていただいたものでございます。(郡委員「それはもうわかっております。質問にお答えください」と呼ぶ)

 それで、審査会の委員については、五名の審査会の委員を……

鴨下委員長 答弁を簡潔に。

中村政府参考人 はい。委員をお願いし、三障害について通じた方を委員にお願いするということでモデル事業を実施したわけでございます。

郡委員 全然お答えになっておりません。では結構です、時間がありませんので。

 基盤整備と財源の確保について、次にお伺いしたいと思います。

 重度訪問介護や重度障害者等包括支援などの給付について、費用の四分の一の市町村負担については自治体の財政力を勘案した交付税措置が講じられるとのことでございましたけれども、これは総務省との合意ができていると理解してよろしいのですね。

中村政府参考人 お答えを申し上げます。

 再三申し上げておりますとおり、これらの措置につきましては十八年度概算要求でやっているわけでございます。それで、地方財政計画も含めまして、それらについては十八年度の、政府の予算案と申しますけれども、予算案決定の際に政府としては決定するということで、対財務省、対総務省も含め、今まさに折衝中でございます。

郡委員 交付税ということになったようでございますけれども、交付税というのは自治体の財政力の格差是正を行うものでございまして、その使い道というのは地方にゆだねられております。必ずしも障害福祉に使われるとは限らないわけですけれども、いかがでございましょうか。

中村政府参考人 地方財政上あるいは地方自治上、地方交付税も一般財源と考えられておりますので、当然、地方自治体として地方分権の視点から、地方自治体が御判断されて執行される、お使いになる、こういう財源に位置づけられております。

郡委員 昨年の十月に厚労省障害保健福祉部が発表いたしましたグランドデザイン案の説明資料の中で、障害福祉サービスの負担構造について、こう御説明されております。「国・都道府県の補助制度を義務として支弁する仕組みに改め、利用状況に応じて一律に支払う分と、均衡のとれた整備を促していくために使用する分(調整交付金)で構成。」そして、その調整交付金による調整の仕組みについても詳しく図解しておりまして、国から都道府県、そしてまた都道府県から市町村への交付金によって、都道府県間や市町村間の重度障害者の割合とそれからサービス水準の格差、この二つの格差を是正するというふうにしっかりと示してございます。その調整交付金制度がいつの間にか消えてしまいまして、交付税制度に変わってしまいました。

 説明資料の冒頭に、本案は厚生労働省の試案であって、今後関係機関等との調整を行いというふうにわざわざ断っていらっしゃるんですけれども、これは、財務省、総務省との調整の結果が交付税になった、そういうような理解でよろしいんでしょうか。どうも初めから及び腰ではないかと受け取れますが、いかがでございましょうか。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の財政の仕組みは、国が二分の一を負担し、地方が二分の一を負担するという義務負担になるわけでございますけれども、その地方負担分については、総務省と協議いたしましたところ、まさに自治体の財政力に応じて財政調整するのが地方交付税でありますので、地方の負担分につきましては、財政力格差は全額が地方交付税の需要額に算定されるので、屋上屋を架す必要はないという結論に達しまして、現在、私どもが折衝しておりますように、国が二分の一の財源を確保する、地方負担分についてはその全額について地方交付税の需要額に算定するということで地方の財源確保を図るという枠組みで考えているところでございます。

郡委員 財政安定基金という考え方もあるかと思うんですが、これはどうでしょうか。局長、お願いいたします。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 財政安定基金は、例えば介護保険でございますとか国民健康保険で行われておりますけれども、これは、当初設定した保険料が医療費なり介護費用に追いつかず、しかも、例えば介護保険については三年間保険料が固定されている、そういう仕組みの中で、安定化基金を置き、不足分については借り入れをし、三年後にいわば保険料を引き上げることによって財政基盤の安定を図るという制度でございますが、こちらは税を財源にしており、毎年毎年義務的経費になりますので、必要経費については国が二分の一を出すという形でございますので、そこに安定化基金というものは必要はないと考えております。

郡委員 なるほど、わかりました。財源のしっかりとした裏打ちもないというふうなとらえ方を私はさせていただきました。

 時間が来てしまいました。緊急基盤整備というのも大変少のうございますので、ぜひ基盤整備の緊急的な整備を図るべきだということを申し上げ、それから最後に、私は、今回審議されております障害者自立支援法が、身辺の自立ですとか、それから精神の自立ですとか、社会的な自立ということのみで語られているわけですけれども、これで帰結するわけではないと思っております。障害を持っている人たちが一人の人間として自由に生き方を選択できる、それこそが本当の意味での自立だと考えております。そうした意味での国の政策というのが今一番求められているものだと思います。冒頭申し上げましたこの国の二十一世紀に向けてのあり方は、そちらの方向に向かうべきだろうというふうに考えております。

 きょうも障害を持っていらっしゃる方々が大勢傍聴していらっしゃいますけれども、障害を持っていらっしゃらない方々も大変この法案に対して関心が高うございます。多くの方々が、セーフティーネットを張らずに社会保障全体を自己責任に転嫁することに通じると感じて、かたずをのんでこの審議を見守り、そして心配をされているわけでございます。どうぞ、この法案の拙速な成立にはなお危惧があると申し上げまして、私の質問、本当はもう少し伺いたいところがございましたけれども、終わりとさせていただきます。

 ありがとうございました。

鴨下委員長 次に、村井宗明君。

村井委員 民主党の村井宗明です。

 今回の障害者自立支援法についての質問をしたいと思うんです。

 先週水曜日、私もここで同じく障害者自立支援法についての質問を大臣に行わせていただきました。そのときに言うておったがです、結局利用者負担が皆さんは不安なんです。ここにお集まりの障害者の関係の皆さんも利用者負担がわからぬから不安なんです。だから、実際利用者負担のお金はどのぐらいになるがんか。特に、軽減措置を言っているわけですから、軽減措置を見て、どのぐらいのお金になっていって、どういうベースで厚生労働省は計算しているか出してくれ、そういう話をさせてもらいました。

 何回質問しても答えてもらえない。結局五回同じ質問をして、最後は大声を出しちゃったわけなんですが、あのときは申しわけなかったんですけれども、その後大臣が、資料を出していただけると言った。利用者負担、特に皆さんは、利用者負担が幾らになるかが不安だったわけです。

 そして、終わった後、今回私は本当に大臣を褒めたいと思うんです。大臣が後で詰め寄っていただいた、利用者負担が幾らぐらいになるかの資料をちゃんと出させますと言ってくださったんです。それで、きょう初めて皆さんにお配りするのが、利用者負担の減免を幾らぐらいで厚生労働省が見積もっているかという資料、多分皆さんは見られるのはきょう初めてだと思うんです。

 大臣、私、本当にこれを出していただいたのは大臣のリーダーシップのおかげだといって褒めたいがですけれども、この資料をいただいたのはいつだと思いますか。先週の水曜日に、出していただくという話をした。そして、その後何回も厚生労働省と私は話をさしてもろた。きのうの夕方に来たときに、大臣が出すと言っていた資料は出せません、ごめんなさいと厚生労働省が言いに来るんです。そんなばかなことはないでしょう、大臣が国会の中で出すと言ったんですから。

 実は、この資料が私と山井さんのところに届いたのはきのうの夜十一時ですよ。きょう利用者負担の質問をすると言っていて、きのうの夜十一時に届いた。まず、その届けた時期が誠実かどうか、大臣どう思いますか。きのうの夜十一時に初めて、質問すると言っていた資料を届けたということ自身、大臣どう思われますか。

尾辻国務大臣 私もその間の経緯をよく承知しておりませんので、経緯について、それでは説明をさせます。

中村政府参考人 お答えを申し上げます。

 委員からお話ございましたように、十月十九日のこの委員会で大臣並びに私に対してお求めがあり、その後、村井委員の方に対して何度か御説明もさせていただき、いろいろ御説明、それからなかなか難しい資料の点もございましたので、そういった点についてやりとりをさせていただいて、私どもも最終的に今委員から御指摘のありました資料をお届けすることになったわけですけれども、大変時間がかかりまして申しわけないことだというふうに思っております。

村井委員 ありがとうございます。一言謝罪いただいただけでも結構なんですが、少なくても、ようやく障害者の皆さんについても、いろいろな減免があるけれども幾らぐらいの影響額で支払いになるのかがやっときのうの夜十一時にわかった。ちょっとひどいな、それできょう審議するのかというのもびっくりするんです。質問の通告の内容と多少異なる点が、というのは、私が夜六時ぐらいに質問の通告をして、夜十一時に私と山井さんが打ち合わせをしているところにこの資料を持ってこられたという点だけ、質問通告と多少異なる点が仕方ないというのはわかっていただければと思うんですが。

 まず、一ページ目が今回の減免後の、大体幾らぐらいになるかという予算のベースでございまして、二ページ目の話をちょっとしたいと思うがです。この利用者負担が幾らになるかの積算の内訳なんです。実は、きのう夜十一時に持ってこられたときに説明はいただいたんですが、改めて大臣にお伺いしたいと思うんです。

 この二ページ目、見直し後の利用者負担額が幾らになるかの算定の中で、ここに表がございます。人員なんです。生活保護が一万三千七百七十八人、低所得一、低所得二が五万三千九百五十八人で、一般、つまり四万二百円の上限になる人が七千二百十八人だというふうに見積もっています。

 でも、大臣、一般の世帯がこんな少ないですかね。全体が十三万世帯だとして、十三万世帯のうち七千二百十八、つまり五%しか一般にならない、本当にそうですか。大臣、ここは本当に世帯所得で計算していますか、それとも個人所得で計算していますか。実際に世帯所得でそれぞれ所得額を把握していくはずなんですが、大臣、ここについてお答えください。

中村政府参考人 お答えを申し上げます。

 二ページの資料、人員の算出根拠の点でございますが、まずお答えをさせていただきますと、居宅サービスにつきましては、平成十六年四月の実績に平成十五年度の伸びを加えて推計したものでございますが、まず、所得階層区分の人員算出について御質問がございましたので、そこについてのお話をさせていただきます。

 三ページに、委員から提出いただいた資料を使わせていただいて恐縮でございますが、これは私どもが提出させていただいたものでございますので、三ページをお開きいただきたいと思いますが、所得階層区分はここに書かれているとおりでございまして、生活保護については十五年度の実績、詳しく申し上げますと十六年一月の実績を用いております。その他の所得については、平成十年の国民生活基礎調査、ここで所得階層区分の人員が出されているのは、この平成十年の国民生活基礎調査が一番直近のものでございますので、その数字を用いております。ここの人間は、障害者のいる家族の所得階層別の障害者の数でございます。

村井委員 ということは、これは個人ですか、世帯ですか、どちらでしょうか。

中村政府参考人 申し上げましたとおり、障害者のいる家族の所得階層別の障害者の数でございます。

村井委員 とすると、本当にこれが世帯所得だとしたら、本当に四万二百円コースに、上限が四万二百円になるのは五%だけなんですか。九五%は本当に低所得者なんですか。実際に運用するとき、本当にここにあるように大体五%前後しか一般にしないですよね。大臣、どうですか。大臣、責任を持ってお答えください。

中村政府参考人 私が申し上げましたとおり、これは平成十年の国民生活基礎調査に基づき所得階層区分の人員として出させていただいているものでございます。

 障害者の属する世帯の所得の状況については、前にいろいろ私どもも見積もりをお出しさせていただいておりますが、そういったことについては、障害者の属する世帯の所得状況については正確なデータがないことからいろいろ推計させていただいておりますが、この予算要求につきましては、申し上げましたとおり、生活保護と、その他の所得階層について、ただいま申し上げました平成十年の国民生活基礎調査に基づきまして、障害者のいる家族の所得階層が出ておりますので、その人員区分に見込んで階層別の障害者数を出した、こういうことでございます。

村井委員 中村さんおっしゃられたように、五%の世帯が四万二百円コースだけれども、九五%の世帯が本当に軽減措置を受けられるんだったら、本当にこれだけ皆さんが不安に思うんでしょうか。

 中村さんばかりなので、大臣、責任を持ってちょっとお答えください。

 大臣は、一般の世帯、つまり四万二百円が上限になる世帯は大体何割ぐらいになると推測していますか。何割から何割という推測で結構ですので、言ってみてください。本当にここにある五%なのか、それとももっと多いと思いますか。私ら民主党は、七割の世帯は四万二百円が上限になる、軽減措置が受けられないと予想しているんですが、大臣は本当に、この数字のとおり上限四万二百円、残り九五%は軽減措置の世帯になるというふうに読んでいますか。大臣は幾らぐらいだと推測していますか。大事な問題なので、大臣本人がお答えください。

尾辻国務大臣 私に推計でお答えしろとおっしゃっても、これは推計でとてもお答えできるものじゃありませんので、それは控えさせていただきたいと思います。

 ただ、事務的に計算根拠を持って計算をしたということを御説明申し上げておるところでございますから、それに対しての御不審があるならば、さらにお尋ねをいただきたいというふうに存じます。

村井委員 どうですか、自民党の議員の皆さんも、本当に五%の世帯だけが一般、残りは低所得の世帯だ、障害者のおられる九五%の世帯は低所得の世帯だと本当に思いますか。(発言する者あり)七割ですよね。

 今これで議論しておってもしようがないんですが、とりあえず役所の方が五%の世帯だというふうに言い張っている。来年、もう一回同じ質問をしたいと思います。実際にどれだけの世帯から四万二百円コースでカウントしたのか、本当に九五%ぐらいは低所得のコースでカウントしたのかは、来年もう一回、実際やってみてお聞きしたいと思います。

 そこで、さらにこの二ページ目、利用者負担の影響額、ここで低所得一から低所得二、一般、全部八千六百九十円でカウントしているわけですが、これは居宅の場合、一人平均八千六百九十円の負担増だというふうに推測しているわけですが、そういうことでよろしいんでしょうか。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 居宅サービスにつきましては、今回、制度改正において負担していただく経費につきまして算出をいたしました。

 もちろん、例えば居宅サービスでも、ホームヘルプサービスでございますとかいろいろなサービスがございます。十六年十月の実態調査、その後の実態調査でも出ておりますとおり、三障害によって差がございますが、それらの加重平均をさせていただいた数字をお出ししております。

村井委員 居宅の障害者の実際の負担額、ふえる量は平均八千六百九十円だというふうに推測をしているわけですが、さて、これは利用抑制を前提にしているんでしょうか。つまり、毎月居宅の方は八千六百九十円払えと言った場合、当然、今までと違ってお金がかかるということで、利用抑制がある程度かかると思うんですが、大体幾らぐらい利用抑制がかかると推測しておられるわけでしょうか。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 これは加重平均でございますから、当然のことながら人によって、一割負担にしても、サービスの使っている量に応じて違うということはおわかりいただけるかと思います。

 例えば、ホームヘルプサービスでは、十六年十月、十万七千人がホームヘルプサービスを使っておられますが、四一・八%、四万四千七百人の方は三万円未満でございますので、そういった意味で、居宅サービスの一人当たりの単価は月額それほど高くない。その十分の一でございますから、そういった数字でございます。

 私ども、これを計算するときに、利用抑制が起こるということを見込んで計算はいたしておりません。

村井委員 利用抑制を見込んでいないという点で、当然、利用抑制がある程度起こるわけです。それについては後でもう一回話をしますけれども、その辺でちょっとやはり積算が甘いのではないかなと思います。

 さて、次に四ページ目、通所施設の利用者負担の積算の内訳に入りたいと思うんですが、私、ここもやはり甘いなと思ったんです。

 下から六行目になるんでしょうか、これも所得階層、さっき世帯所得だとおっしゃられたものなんですけれども、私、入所する方は大体このぐらいじゃないかなと思うがです。入所される方というのは世帯から切り離されるわけですから、当然、本人だけになると、多分こんなものなのかな、もうちょっと低いのかなという気はするんですが、本当に通所施設に行く方の世帯の内訳、生活保護が三千二十四人、低所得一が三万四千八百二十六人、低所得二が三万六千百三十二人、一般が四千四百六十八人。これもまた圧倒的に一般の世帯が少ない見積もりになっているんですが、これも、先ほどおっしゃったように、一般の世帯というのが圧倒的に低所得一や低所得二より少ないという見積もりで計算しておられるんでしょうか、どうでしょうか。

中村政府参考人 お答えを申し上げます。

 この施設利用につきましては、実際に実績がございますので、平成十五年七月の実績に基づき所得階層区分を算出させていただきました。

 六ページをごらんいただきますと、入所されている方の実績がございますが、下から六行目、入所施設の場合はこのような実績になっておりまして、通所施設の場合の実績は、今委員御指摘いただきました四ページの資料の実態でございます。

村井委員 それもまた一般の世帯が五%という見積もりなんです。皆さん、本当にこれを信じますか。自民党の議員の皆さん、どうですか。

 普通、入所されている方は世帯の扶養が切れているので、多分、中村さんが言ったこの積算、今言った六ページ目の試算は、私は当たっているんじゃないかなと思うんです。でも、四ページ目のこの試算はどう考えても、つまり世帯単位で所得を計算していく中で、一般の世帯が五%しかないなんて、そんなばかな数字はあり得ないと思うんです。

 大臣、本当にやってみて五%になると思いますか、どうですか。少なくても過半数を超えると思いませんか。大臣の所見をお伺いしたいと思います。

尾辻国務大臣 今までの調査による実績値といいますか、わかっております数字でもって積算をした、こういうふうに言っておるわけでございますから、これは積算するとこのとおりになるんだろうと申し上げざるを得ません。これはそういう計算をしてこうなったと言っておるわけでありますから、それを何かこれがおかしいんじゃないかというふうに、これは私が申し上げるものではございません。

村井委員 そこにお集まりの障害者の皆さん、どうですか。皆さん首を振っていますよ。皆さん家族と同居して扶養を持っているんですよ。そんなに軽減措置が簡単に、九五%の人が本当に軽減措置を受けられるんだったら、こんなに皆さん大騒ぎしないはずですよ。四万二百円が上限になるんじゃないかという不安。五%じゃないですよ、やはり七割ぐらいの人が。

 では、これだけ利用者負担がどうなるのかについて徹底的な議論をしているわけです。今回の最大の争点はこの利用者負担、そして自民党さんがどんどん訴えている軽減措置がばっちりだという話、大臣が責任を持って答えましょう。軽減措置は大体何割ぐらいの障害者の世帯に与えられるんですか。推測でいいですから、大体何割から何割というものでいいですから、責任持ってお答えください。最大の争点なのに、大臣が答えないわけにいかないと思うんです。何割ぐらいの世帯が軽減措置を受けられると推測していますか。大臣もしくは副大臣が責任持ってお答えください。

尾辻国務大臣 先ほど来、事務的に計算したものを御報告申し上げ、お答え申し上げておるわけでございますから、もしそれについての御懸念があるならば、御懸念といいますかどこかおかしいというふうにおっしゃるのであれば、またそれも御指摘いただいて、事務的にお答えを申し上げたいと存じます。

村井委員 きょう採決するんじゃないんですか。一番肝心な数字がわからないまま、後日事務的に出しますなんて、そんなばかな話ないと思うんですが、どうですか。

尾辻国務大臣 私は後日と申し上げたつもりはありません。今お答えをしておるわけでございますから、それにここが違うんじゃないかというふうに具体的に数字を示しておっしゃれば、それについて事務的にお答え申し上げます、こういうふうに言っておるところでございます。

村井委員 では、副大臣の方にお聞きします。

 副大臣は、本当に一般になる世帯はどのぐらいになるとお考えですか。五%ぐらいだとお考えですか。

西副大臣 お答え申し上げます。

 今、事務的にきちっとした統計数字をお出しいたしましたので、その根底でお示しする限りは、私はこの数字は正しいと思っております。

村井委員 大臣、本当に四万二百円を上限にする世帯が過半数を超えた場合、五%だといって今回採決してくれというのはわかるんですけれども、後でやってみて過半数を超えた場合、当然政治責任が出てくるわけですが、そう思ってよろしいですよね。大臣、どうですか。少なくても倍かそこらぐらいだったらともかく、十倍違うというのは当然政治責任になりますよ。大臣、どうお考えですか。

中村政府参考人 先ほど来数字のお話が出ておりますので、その数字の性格をもう一度申し上げますと、この数字は支援費制度の実績でございまして、平成十五年七月の通所施設の実績に基づきまして低所得者割合を算出しているものでございます。十五年七月の時点ではこういう実績であったということでございますので、御理解賜りたいと思います。

村井委員 本人だけだったらこうだと思うのです。しかし、今回、世帯の所得でカウントするわけなんです。世帯の所得でカウントするのに、何かこれは個人の、多分、個人の所得で上限をカウントしていくんだったらこの数字でいい。そして、本当にそういうふうに法律の中身も直してもらえるんだったらいいんですよ。だけれども、世帯の所得で上限をカウントしていくのは間違いなんじゃないですか。

 ところで、この世帯のもの、ちょうど厚生労働省さんが出していました。これを見ていると、全然違う数字が出ているじゃないですか。確かに入所、一般は「極めて少ない」と書いてあります。居宅・通所系、身体障害者関係の一般の世帯は約七割。居宅・通所系、知的障害者関係は一般が約七割。

 あれ、全然関係ない。つまり、結局この積算はおかしかったんですよ。個人の所得でカウントしているんだったらちょうどこのぐらいの数字ですけれども、世帯の所得でカウントしている厚生労働省の資料が七割だと出している。精神障害者に関して言えば、ここにいう数字にほぼ似た割合になっているのでここについては問題ないのですが、一番大事な数字が間違っていて、採決なんて全くできません。自民党の議員の皆さんも今までだまされていたんです。

 というわけで、委員会を一時とめて。正確な数字を出すまで採決できませんので。

鴨下委員長 答弁で正してください。中村局長。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 村井委員が入所の場合だったらわかるけれどもとおっしゃいましたけれども、入所施設は、先ほど申し上げたとおり、十五年七月の実績では六ページにありますように一般はゼロになっている。これが実績です……(村井委員「六ページはいいです。多分合っていると思うので」と呼ぶ)実績でございますが、合っているとおっしゃっていただいたので、これが合っているということは四ページも合っているということでございますので……(発言する者あり)私どもが御説明申し上げているのは、予算要求でこういう要求をさせていただいている、この予算要求で、前回からの御質問はどういう予算の積算であったか、影響額は、二百六十億円はどういうふうに見込み、またそういったことについて予算はどういうふうに積算しているかというお話がございましたので、さきに二百六十億円、十七年度ベースでは影響がある、こういうことをお答えしたわけでございますので、その説明ということでお出しをいたしました。

 二百六十億円は、当初の提案に基づきますものでございましたので、その後、国会の御議論を踏まえ、さまざまなことも踏まえ、社会福祉法人減免を加えたものの影響の評価ということで、委員がきょう配っていただいております一ページの資料が出たということでございます。

 それぞれの積算については、先ほど申し上げましたとおり、居宅サービスについては先ほど申し上げた統計に基づいているもの、通所、入所施設につきましては、十五年七月、支援費制度の実績に基づいて積算をしてお出ししているものでございまして、こういう予算要求をさせていただいております。

 委員御指摘のとおり、こういうことで低所得者減免が相当行われるということになりますと国費も大変必要になりますけれども、そういった意味では、国費はこの分、私ども要求して用意されておりますので、そういった意味において低所得者減免が予定どおり効果を発揮いたしまして、最大限の低所得者減免措置が講じられましても、このごらんいただいておりますような予算積算になっておりますので、安定的な財源の確保、こういう意味で問題はないものと考えております。

村井委員 予算要求がどうこうというのは関係ないんですよ。

 結局、さっきから大臣、副大臣が言ったように、入所はともかくとして、通所と居宅で本当に一般と言われる世帯が五%だと断言したわけですから、これが本当に合っているのかどうなのか、一回理事会で諮ってください。間違っていたら先に進めませんので。

 少なくても、一番大事な数字をごまかしていた。障害者団体の人らもごまかされた数字で賛成していたわけですから、このままだとすぐ採決なんかできるはずはないのです。理事会で諮ってください。

鴨下委員長 村井君に申し上げます。

 村井君、質疑においてただしていただきたいと思います。質疑においてただしてください。

村井委員 大臣、本当に一般の世帯は五%ですか、居宅と通所において。もう一回確認します。自信持って言えますか。大臣が答えてください。さっきから一般の世帯は五%だと言い張っているわけですから、大臣が責任を持って答えてください。

尾辻国務大臣 先ほど来言っておりますことは、計算の根拠があるわけでございますから、その計算根拠を御説明申し上げておるところでございます。その計算根拠は、計算した事務方がお答えを申し上げております。

村井委員 そうしたら、もう一つ厚生労働省が配っているこの資料、後のところでもう一回配らせてもらいますが、居宅・通所系、身体障害者関係、一般、約七割世帯、居宅・通所系、知的障害者関係、一般、約七割世帯という文書も厚生労働省が公式に発表しているわけです。どっちが本当なんですか。大臣がうそをついていたんですか。それとも厚生労働省が出した資料が間違っていたんですか。調べるまでこたえられませんので、理事会でしっかり諮ってください。

中村政府参考人 お答えを申し上げます。

 先ほどから、五%であるということをお約束しろというようなお話がございましたけれども、お答え申し上げておりますとおり、十五年七月時点の実績で積算をしたのが四ページ、それから六ページでございます。

 それから次に、障害者の属する世帯の状況について、データが出されていた、今まで示されてきた例えば低所得者層三割、一般七割ということと異なるのではないか、なぜ異なるのかということでございますが、障害者の属する世帯の状況については正確なデータがないことから、他の資料などを利用して推計を行い、データをお示ししたところでございます。

 このため、既にお示ししている障害者施設等の利用者の所得階層につきましては、平成十三年度の国民基礎調査における手助けや見守りを必要としている者の世帯及び平成十六年一月のサービス利用者の生保対象者の実績から推計したものでございます。これが、今委員が御指摘になりました低所得者層三割、一般七割の推計でございます。

 一方、平成十七年度予算において、所得に応じた月額負担上限額の設定や……(村井委員「委員長、理事会で諮ってください。もう引き延ばしの答弁は結構です」と呼ぶ)個別減免制度などに低所得者の方に対するきめ細かな配慮措置を反映させ……(村井委員「質問に答えていないので、もう結構ですから。結局、簡単に言えば、今、頭に言ったように統計がないということなんですよね。それでいいじゃないですか」と呼ぶ)

 現在手元にあるデータから推測できる範囲で、低所得者の割合が最大であっても、予算に不足が生じサービスに支障を来すことがないよう見込んで予算確保に努めたところでございます。したがって、予算積算のデータは根拠に基づく数字に基づいて行ったものでございまして、その十七年度予算の積算を御説明したところでございます。

村井委員 もうこれは一番大事な数字、自民党議員さんもだまされていたんじゃないですか。一般世帯が本当に五%だと思っているんですか。

 これはだめですよ。一番大事な数字、理事会で諮ってもらわないと。大した根拠がないというのは、障害者の世帯についてはよくわからないというのが答えになって、一番大事な数字で、軽減措置がでたらめだった、こんなので採決できるわけないんです。理事会でしっかり諮ってください。理事会で諮ってください。委員長に質問しているんです。理事会でちゃんと諮るかどうかです。

中村政府参考人 先ほど来御質問になっております予算積算の数字……(村井委員「予算積算はどうでもいいと言っているじゃないか、何を言っているんだ」と呼ぶ)五%とおっしゃっているのはそのことであろうかと思いましたので御説明しているわけでございます。

 この所得分布が、階層分布が問題だとおっしゃるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、十五年七月の実績に基づき所得階層を予算で見込んでいるということでございます。予算では、先ほど来申し上げておりますように、軽減措置該当者が多いとお困りになるような御発言でございますけれども、軽減措置該当者が多くなると国費がかかるわけでございます。それから、軽減措置該当者の方の負担が少ないということは結構なことでありますから、そのために予算要求をしているわけでございまして、この予算要求で、そういう事態が生じましても国の予算に不足が生じないよう障害者施策がうまくいきますように予算要求をしておるわけでございまして、そういった意味で、軽減措置対象者が予算積算上多いということについて何か御批判いただくということは、大変私ども、ちょっと理解をしがたいわけでございます。

 そういったことについて、予算の要求の積算でございまして、十五年七月の入所実績に基づいて推計しているわけでございますので、予算の積算になっている、こういうことでございます。

村井委員 もう引き延ばしの答弁は結構です。大臣が必ず答えてください。さっきから大臣が言っていたとおり、一般の世帯は五%なんですか、それとも、厚生労働省がこれまで出していたとおり七割なんですか。

 まず、身体障害者の一般世帯は幾らなのか、知的障害者の一般世帯は何割なのかを大臣がお答えください。ほかはもう結構です。

尾辻国務大臣 先ほど来お答えいたしておりますように、十七年度予算をもとに満年度ベースで計算したらこうなりますという、その十七年度予算を要求したときの計算基準をお示ししておるわけでございますから、それで当てはめるとこうなるということを先ほど来申し上げておるわけでございまして、そのことにおいては何のおかしなところもないわけでございます。

村井委員 もう一度、ちゃんと答えてください。

 大臣は、実態、五%だと思っているんですか、七〇%だと思っているんですか、実態は大臣はどう思うんですか。

尾辻国務大臣 ですから、先ほど来申し上げておりますように、十七年度予算を計算したときにこういう計算をしましたということを申し上げておるわけでございます。それを満年度に直すとこうなりますということを申し上げておるわけでございます。

村井委員 予算がどうこうじゃないんです。実態、ここにお集まりの障害者の皆さん、全国の障害者の皆さんが、それによって全然暮らしが変わるんです。それにちゃんと答える気があるかないか。一般世帯は五%なんですか。軽減措置が受けられるのはどれだけなのかが全然変わるわけです。一番大事な問題を逃げずに、一般世帯が五パーなのか七〇パーなのか、全国の障害者の方にちゃんと答えてください。

尾辻国務大臣 私は少しも逃げておりません。軽減措置はこうしますというわけでございますから、そういう層の方はそのとおりの軽減措置をお受けになるわけでございまして……(村井委員「何パーですか」と呼ぶ)そこのところは、ですから、先ほど来……(発言する者あり)それは何%になろうとも、そうなるわけですから、そこのところで私どもはちゃんとお示しをしている。(村井委員「軽減措置を受けられるのは何%ですか」と呼ぶ)ですから、十七年度の予算を計算したときはこうなりましたということを申し上げておるわけでありまして、それを再三私どもはお答えしているところであります。

村井委員 十七年度の予算どうこうじゃなくて、実際に来年四月から障害者福祉、お金を取っていくわけですよ。軽減措置を受けられる人はどれだけか、全く変わるわけですよ。五パーなのか七〇パーなのかによって、法案の中身が百八十度違うし、全国の自民党が賛成していると言っている障害者団体の人も、全然話が違うじゃないか、百八十度法案の中身が変わる問題で、五パーか七〇パーなのかどっちなのか、ちゃんと答えてくださいよ。一般世帯は幾らなんですか。もうこれは五か七〇か、どっちかしか答えはないです。大臣、ちゃんと答えてください。

尾辻国務大臣 法案の中身は何にも変わるものではございません。法案の中身は何にも変わりません。そして、私どもが言っている軽減措置も何にも変わりません。(村井委員「何割なんですか、どっちなんですか」と呼ぶ)ですから、軽減措置の数字をお示ししているじゃないですか。そこが何が変わるんですか。私は、おっしゃっている意味がよくわからないんです。

村井委員 法案の中身は一緒でも、現実の運用は百八十度変わるわけですよ、大臣。五ですか、七〇ですか。実際軽減措置を受けられるのが過半数なのかほとんどないのか、全然変わるわけです。

 もう一回ちゃんと整理しますね。答えていただくのは、身体障害者関係の世帯、一般世帯は七割なんですか、それとも五%なんですか。逃げずに、五か七〇かでお答えください。この五も七〇も言わなければ、ただの逃げですよ。

尾辻国務大臣 ですから、十七年度の予算を計算したときの根拠でいうとこうなりますと申し上げておるわけでありますから、そのとおりに御理解をください。

 そして、何か先ほどからお聞きしていますと、えらいそのことの数字の変化によって法案の中身が変わるように、あるいは実際に軽減措置を受ける方の状況が変わるようにおっしゃいますが、軽減措置は決まっておるわけでありますから、そういう所得の方はそれをお受けになるわけですね。そこのところで何か変化するでしょうか。私は全く変化しないと思っております。

村井委員 結局、時間切れで最後まで、軽減措置が受けられる人がほとんどなのか、それともほとんどいなかったのかが結果的にわからずに、逃げられてしまいました。法案の中身がどうかじゃなくて、結局、全国の障害者の人たちが一番聞きたい問題を答えられなかったということだけ、皆さん、よくわかってください。委員会でしっかり今後、問題に答えられなかったことについて諮ってください。お願いします。

鴨下委員長 この際、暫時休憩いたします。

    午後零時三十二分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時十八分開議

鴨下委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。園田康博君。

園田(康)委員 民主党の園田康博でございます。

 午後も引き続きこの障害者自立支援法の質疑ということで、また今国会においても、私、この場で二回目の質問に立たせていただいたということで、こういう機会を与えていただいたこと、委員長初め理事の皆様方には本当に感謝を申し上げたいと思います。

 そして、思い起こせば、前国会からずっとこの問題で大臣と真摯なる答弁を積み重ねてまいりましたことに私も敬意を表させていただくとともに、最後の最後ではございますが、私自身に与えられたという形で思っているところでございますけれども、もう一度、大臣に幾つか確認をさせていただきたいと思っております。

 そして、まず本題に入る前に、大臣ももう御承知だと思いますけれども、昨日でございますが、ちょうどこの障害者自立支援法の審議の途中にといいますか、そのさなかに東京地裁からの判決が出たわけであります。言わずと知れた学生の無年金障害者に対する訴訟、これに対する東京地裁の判決でございました。御承知のとおり、国の不支給に関してはこれを取り消すという形の処分であったわけで、いわば学生側の勝訴という形と私は受け取らせていただいているところでございます。

 別紙で皆様にもお配りをさせていただいていると思うわけでございますけれども、その中で、東京弁護団のくだりを少しだけ読ませていただきたいと思います。これは昨日のことでありますが、「本日、東京地方裁判所は、学生無年金障害者訴訟において、原告らが初診日において二十歳未満であったという法三十条四所定の要件に該当しているものとして、不支給処分の取り消しをした。」

 これは、二十未満において医師の診療を受けていたものではないけれども、これはそういったものが要件ということではなくて、いわばその前からもう発症していたということが十分に確認できたものではないかという形になっているところでございます。

 一番最後に、国会及び政府はという形になっておりますけれども、「国会・政府は、本日の判決の主旨を尊重し、控訴しないこととすると共に所要の法改正を行い、直ちに原告らに対して、障害基礎年金を支給すべきである。」というふうになっております。

 これを受けて、やはり一つ御要望させていただきたいわけでありますけれども、法の趣旨、立法の趣旨というものを十分踏まえていただいて、ぜひとも控訴は政府としては断念をしていただいて、断念といいますか、控訴はせず直ちに障害基礎年金、これについての支給というものを、原告に対して速やかに支給すべきであるというふうに私は考えております。

 大臣、この裁判結果についての今の御見解をお聞かせいただきたいと思います。

尾辻国務大臣 二十歳前の傷病に係る障害基礎年金につきましては、二十歳以前に初診日があることが受給要件の一つとされております。これはよく御案内のとおりでございます。

 昨日の東京地裁の判決でございますけれども、統合失調症について発症が二十歳前であると認められる場合には、受診が二十歳後であったとしても、二十歳前に初診日があったものと拡張解釈して障害基礎年金の受給要件を満たしているとしたものでございます。障害基礎年金の支給要件につきましては、この判決は現行制度の考え方とは異なる大変厳しい内容であると私どもは受けとめておるところでございます。

 いずれにいたしましても、今後の対応につきましては、判決の内容を十分検討の上、関係機関と協議して対応させていただきます。

園田(康)委員 ぜひ、この判決の趣旨をとらえていただいて、適切な判断をしていただきたいと思うわけであります。

 同時にでありますけれども、与党の皆さんもよく聞いていただきたいですし、私ども野党も一緒に考えていかなければいけないわけでありますけれども、これは政府だけではなくて、国会の、国会議員としての役割というものも中では指摘をされていたわけで、判決文ではありませんけれども、その裁判過程の中において、国会議員が一体何をやっていたんだということもやはり問われた裁判ではなかったのかなという気が私はいたしております。

 したがって、国会の意思としてしっかりとこの無年金障害という考え方を、もう一度原点に立ち返って法の不備あるいは救済という形を考えれば、次のステップに私たち国会も取り組んでいかなければいけない、この警鐘を鳴らした裁判の判決ではなかったのかなという気がいたしておるところであります。

 したがって、政府とともに、私たち国会議員あるいは当委員会も含めて、この課題に引き続き取り組む必要があるということだけ指摘をさせていただきたいと思っております。

 さて、ようやく障害者自立支援法の話でありますけれども、午前中も、少なからずデータに対する準備不足というのもあっただろうし、あるいは、それに対する順序立てた説明をするという形を、この時間が制約された中でしっかり準備するというのは大変難しいことであったのかなという気はいたしております。しかし、それが残念ながらちゃんと伝わらないがために、今日までのさまざまな形でいわゆる不安と不満を増長させてしまったところにつながったというふうに思っております。

 私は、この委員会の質疑の中では一つ一つきちっと積み上げといいますか、極力内容を精査しながら検証していく作業をやるというふうに心がけてきましたし、それがこの施策の中では一番大切なことであるという観点から、私自身は残された時間の中でこの内容をもう一度明確にさせていただきたいですし、まだ触れていないテーマもございましたので、ぜひ残された時間の中でよろしくお願いをしたいと思います。

 まず、前回私もさせていただいたし、きょうの午前中の議論の中でも出ておりましたけれども、障害程度区分の決定のプロセスの中で、お配りをさせていただいた、前回の資料と同様でございますけれども、支給決定あるいはサービス利用のプロセス全体像という形のものがございます。

 その中で、法の二十一条の一項の部分でございますけれども、障害程度区分に至る前の二次判定の審査会の部分でございます。ここで、いわば一次判定においては今モデル事業を行って、その中で新たなコンピューターソフトを開拓して、それできちっと行っていくということでありますけれども、それではない、介護給付を希望する場合の二次判定という形で、非定型の場合はこちらに入ってくるわけなんですけれども、その二次判定の審査会において、さまざまな懸案事項といいますか、審査会の委員がその内容を審査する際に用いるデータ、書類、それがいわば医師の意見書あるいは特記事項という形で今のところ明記をされているわけであります。一次判定の結果、そして医師の意見書、そして特記事項という形で。

 きょうお配りした資料の中にはなかったですが、モデル事業の中でございますけれども、いわゆる認定調査票というのもございます。これはいわゆる概況調査と言われるものでございますけれども、あるいは、そのほかの資料といたしましては、サービス利用の利用状況票というものもあるわけでございます。すなわち、実際に障害者の方が利用されている一週間の利用状況ですね。何を何時間、どういう形で利用しているかといったサービス利用の利用状況票というものも別紙であるわけであります。特記事項とあわせて認定調査票の基礎調査票というのもあるわけでございますけれども、さまざまな状態像を示す障害程度区分の判定の中にも、いわば極めて公平に審査することのできる、そういうさまざまなデータ、文書というものはあわせて御用意をされていらっしゃるわけなんですね。

 私が申し上げたいのは、この二次判定の中で、いわゆる医師の意見書と特記事項だけがその対象となるというふうに今のところは考えていらっしゃるようでありますけれども、この間のモデル事業のいろいろな市町村からの御意見の中を拝見いたしますと、まあ確かに言い分としてはモデル事業だから、あるいは初めてのことですから、その状態像が、審査委員の中にも余り基準もなければ、それをしっかりと判断する材料というものが乏しいという形になってきていたのかもしれませんけれども、いわば医師の意見書と特記事項だけをもって障害当事者の状態を公平かついわゆる客観的に判断するというのは、大変難しいことの判断ではなかったのかなという印象を私は受けているし、今恐らくそういう検証を内部でされていらっしゃるのじゃないかと思うのですね。

 であるならば、医師の意見書プラス特記事項だけではなくて、ここで縛りをかけるのではなくて、またその他の文書も参考資料として用いることが当然できますよという法律の解釈の幅というのは、私は持っていてもいいんじゃないかなという気がするわけなんです。状態像をより具体的に判断する必要が生じた場合、審査会の判断においてそういうことが、他の文書を参考にする形にすることが可能であるかどうかという点だけお伺いをしておきたいと思います。

中村政府参考人 お答えいたします。

 審査会につきましては、ガイドライン的なものもつくらせていただきたいと思いますので、そういった中でも明らかにしてまいりたいと思いますが、先ほど、前にもこの議論を委員ともさせていただきましたが、市町村審査会は、障害程度区分の審査判定に当たって必要と認めるときは、障害者、その家族、医師などの御意見も聞くことができるというふうにされております。心身の状態の判定に関し、審査会が必要があると認めるときは、御本人に聞くこと以外に、これらのそういった参考になる事項の情報を求めることは当然可能でございます。

園田(康)委員 もちろん可能であるということでありますから、例えば、最初私が言われていたことは、それを法律的に各市町村に一律に認めてしまうと、それが混乱を来してしまうという状況も確かに可能性としてはあろうという予想があったがために、そこの法律事項まではしないと。しかし、審査会あるいは市町村が適切だというふうに判断した場合は、そういう対処もきちっとできてくるんだよと。それと同時に、やはりそういう本人からの求めがあったときに、ちゃんとそれに対して真摯にこたえていただきたいということまでは確認をさせていただきましたので、これはぜひガイドラインをつくる際にも、あわせて市町村に大臣からのいわゆる告知であるとか、そういう形をもって通知をきちっとしていただければなというふうに思っております。その点は確認をできましたので、私は大変前進であるというふうに考えます。

 それから、次のサービス利用の意向聴取という場合ですけれども、障害程度区分が認定をされました、認定をされた後に、サービス利用の意向聴取というものが、ここで初めて法律事項の中でしっかりと制度づけられているわけでありますけれども、そのサービス利用意向聴取は、当事者本人からきちっと市町村が話を、その内容を聞くわけなんですね。その後に、ここで支給決定案の作成というのが出てくるわけであります。これは市町村が策定をするわけでありますけれども、その際に、市町村が実際に話を聞いてその場で案をつくるということなのか、あるいは、お話を聞いて、その後持ち帰って、そこで市町村がその案をつくるという形なのか。

 その違い、つまりその場で意向を聞いてサービス利用の支給決定を書いていくということであるならば、どういう形で市町村が案をつくっているのかというのは、その場で当事者の方にわかりますよね。ところが、話だけまず聞きました、それを持ち帰って市町村が独自で判断するという形になると、本当の意味での当事者の意向がその中に反映されるかどうかというのは、当事者にとってみれば、その後のことはわからないわけなんですよね。

 そういう意図をもってもう一度確認をさせていただきたいんですが、サービス利用の意向聴取の後、支給決定案の作成の際には、その場で本人がかかわることが可能であるのかどうかということを確認させていただきたいと思います。

中村政府参考人 お答えを申し上げます。

 具体的なプロセスを考えますと、市町村が支給決定をするといった場合も、例えば町長さんに決裁が上がるのか、ある程度部長さんに任されるのか、そういったレベルの問題もあろうかと思いますし、また、御意向を伺った人間が一人で専決できるのか、そういった問題もあろうかと思います。

 ですから、具体的な部面に即して考えなければならないと思いますが、現実的なのはやはり、意向調査をさせていただいて、支給決定案を、担当の人あるいは意向を聴取した人が通常であれば案を作成し、市町村の中で協議して、最終的に決定される、そのときにまた障害者御本人に、これでどうでしょうかというようなやりとりがあるのが通常ではないかというふうに考えております。

 したがって、今委員のところで、その場で即決できるのかというのは、役所のいろいろな組織のことを考えますと、なかなか難しかろうと思いますけれども、支給決定プロセスに当事者の御意向を反映するというのは、やはり最終決定までの間にいろいろなやりとりもあったりするということもあるのではないかというふうに思いますので、そういったことについては私どももよく考えまして決めさせていただきたいと思いますが、まず、その場で即決というのは、よほど簡単な明々白々な事例以外は、通常はないと思った方が安全なのではないかと思って、今御答弁させていただいております。

園田(康)委員 当然そうですね。大変難しい事例であるならば、持ち帰ってきちっと各関係当局と話をした上でそれが案として決まるものだというふうに思うわけでありますけれども、簡略なものでしたら、そこの場でやりとりをしながら、ほぼそこで確定をしていくんだろうなと思うんですが。

 ただ、もう一度、この全体の流れの中で確認をさせていただきたいのですが、まずアセスメントがあって、一次判定があって、二次判定、そして障害程度区分がここで出ます。そして、障害程度区分の認定がここで決定されたならば、その次に、当事者の意向聴取というものがあるわけであります。障害当事者の方にとってみれば、アセスメントから障害程度区分認定の後のサービス利用の意向聴取、ここまでの間というものは、市町村から意向聴取をされる、その通知が来るまでは、本人は、認定区分がどういう形で付されたのか、あるいは、一次判定から二次判定に行ったという方もいらっしゃるわけですよね、まずこのときに、あなたは一次判定から今度は二次判定に移っていますよ、審査会に今かかっていますよというのが、決定がなされるまでは、その都度その都度本人にきちっと通知が行くものであるのかなという気がしているわけなんですね。

 なおかつ、その後、サービス利用の意向聴取の後ですけれども、またここで、今お話をさせていただいた市町村で案がつくられますよね。支給決定案の作成がなされて支給決定がなされる方と、それから、非定型の方に関しては、いや、ちょっと待ってくださいよと、もう一度、審査会の意向聴取というものがここでなされますよね。そうしますと、当事者の方は、支給決定案を作成したんですけれども、あなたはちょっと非定型です、今現在、審査会に意見を聴取していますよ、もうしばらくお待ちをくださいというような、そういう過程、プロセスが、その都度その都度本人にきちっと通知が行くものだというふうに理解をしてよろしいでしょうか。

中村政府参考人 詳しくお聞きいただいております。

 まず、私どもが考えております通常の通知についてでございますが、市町村が行う支給決定事務のうち行政処分であります障害程度区分の認定結果、それから支給決定の結果、支給の要否及び支給量は御本人に通知する、こういうことが原則であるというふうに考えております。

 介護給付を希望する場合は、判定につきましては、一次判定と二次判定、すべての方に二次判定までお願いすると考えておりますので、そういった意味では、二次判定に行くか行かないかという御通知はする考えはございません。皆さん受けていただくということでございます。

 定型か非定型かの判断などについては、申請から行政処分に至る手続の一連の過程でございますので、その過程すべてを通知するということは市町村に大きな事務負担にもなりますので、私どもの方からガイドラインにせよ一律にということを義務づけることは考えておりませんが、サービス利用の意向を聴取したり、そういった中で、例えばその方の状況が非常に複雑であるとか、そういったような方の場合については丁寧に応対をし、そういった状況についても中間的な経過をお伝えするというようなことは市町村の方でやっていただけるのではないかと考えております。

園田(康)委員 やっていただけるのではないかということではなくて、ぜひやっていただくようにという形で、さっき指導か助言かという話もありましたけれども、助言ぐらいはやはり私はするべきではないのかなと。いろいろな担当課長会議の中でも、それが望ましいであるとか、そうした方がいいよというような方向性だけは一応出していただけないかなという気がするんですけれども。

 もう一点、ちょっと今の御答弁の中で確認をさせていただきたいんですが、全員の方に一次判定から二次判定に行っていただくというお話があったんですが、非該当の方は二次判定ではなくてそのまま区分のところにおりるという形ではないんでしょうか。全員二次判定に行くというふうに理解しましたけれども、よろしいですか。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 認定申請がありまして、一次判定で例えばこの方は非該当だという方についても、二次判定に行って、一次判定では非該当になっているけれどもドクターはこう言っておられるとか、市町村の調査員の方が、この方はこういうニーズがある、そういうことを見るとやはり該当しているのではないかということがありますので、介護給付を希望される全員の方について二次判定まで行っていただくというふうに考えています。

園田(康)委員 そうですね。失礼いたしました。ちょっと勘違いをしましたので、理解をいたしました。

 そうしますと、そういう通知あるいは何らかの過程を、私はある種これは情報公開という形ではないですけれども、実はこういうふうに考えていたんですね。先ほど来、障害程度区分の審査会に係る医師の意見書であるとか、あるいは特記事項であるとか、あるいは本人のサービス利用時間、そういったもろもろの情報、あるいは本人にかかわる審査会にかける資料というものは、やはりそれは本人の個人情報であるというふうな位置づけになるものだと。

 であるならば、もう御承知だと思うんですけれども、個人情報ということであるならば、開示請求権というのは本人に対して発生するものであるというふうに私は理解をするんです。そういうふうになった場合に、さまざまな形で本人がそれを見せてくれと言ったときにはちゃんと見せてもらえるものだというふうに理解をするんですが、余りにもそれをやられるというか、そういうことをさせないためにも、どんどん市町村が積極的に、あなたは今こうなっていますからもうしばらくお待ちいただきたいですよと。

 つまり、申請から支給決定あるいは区分の間というのは、待っている本人にとってみれば大変不安な時期、どういう形になるかな、どういう決定がおりるかなというのは、今でも確かに、おりてくるまでに少し時間がかかった場合は、どうなっているのかというふうに私のところに問い合わせが来るときも時々あるんです。私から市町村に問い合わせをさせていただいてようやくその状況が出てくるという場合も、こういうふうになっていますからもうしばらくお待ちいただくように伝えてほしい、何で私が伝えなきゃいけないのかという状況もあるんですけれども。

 そういうことはきちっと市町村が率先して、本人への情報開示として理解をすべきであるというふうに私は思うんですが、どのようにお考えになられますか。

中村政府参考人 認定調査の結果や医師の意見書を初め、認定調査、支給決定に使用した資料につきましては、市町村事務にかかわる情報でございますので、各市町村の情報公開条例などに基づいて各市町村の判断で開示するかどうかを決定するということになると思います。

 基本的には、当事者御本人に関する情報ですから個人情報ということになり、お求めがあれば開示をすべき情報である。特別な例外事例、例えば告知の問題とか非常にセンシティブな病気なんかの場合で医師の判断などがあれば例外でございますが、基本的には開示情報だと考えておりますので、委員が御指摘のとおり、そういったものを求められれば全部開示するというのが基本になっているスタンスで、一々そういうことを求めなくても、できるだけ多くそのプロセスについて透明化、公平化ということを言っておりますので、当事者の方にもオープンにしていくというのが基本であろうと考えております。

園田(康)委員 それが本来の姿だというふうに思うわけでありますので、お願いをいたします。

 と同時に、これは先ほども御答弁をいただきましたので、審査会の判断において障害当事者の申し出がある場合にはいわゆる本人の意見表明の場というものが十分保障されるものであるというふうになるわけでありますけれども、その際に、いわばコミュニケーションを、審査会の委員に対してきちっと伝えることができるかどうかというのもこれは一つの大切なことであります。家族も含めていわゆる介護者であるとか、あるいは権利擁護の観点から弁護人等もその場に同席をするということが私は求められるものではないのかなというふうに思うわけですけれども、審査会におけるいわば弁護人あるいは支援者等が同席をしてコミュニケーションの保障等の支援がきちっと、すなわち、審査会の委員に対して本人からしっかりとその意図が伝わるための権利を保障しましょうという形がとられると私は思うわけですが、いかがお考えでしょうか。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 審査会はまさにその方の必要なニーズということを確定し、支給決定につながるさまざまな判断をするわけでございますので、その方のニーズなり御希望なり、ウオンツになるかもしれませんけれども、そういったものを基本的にお聞きするということは当然でございますので、コミュニケーションの障害があるような場合、あるいは直接本人から必要な情報を得ることが困難な場合などについて、しかるべき方が同席をされるということは当然認められるものと考えております。(園田(康)委員「弁護人もいいですね、弁護人は」と呼ぶ)

 お答えが漏れましたけれども、成年後見などのことを考えますと、そういった意味で成年後見に当たられる方なども対象になろうかと思います。

園田(康)委員 ありがとうございます。

 当然、成年後見制度という形が今、昨年の国会からこの委員会でも取り上げていただいておりますし、権利擁護の観点として大変重要なあるいは有益なものであるということから考えれば、それがきちっと制度の中に組み込まれていく、しっかりと理解をされてくるというふうに考えてしかるべきものだというふうに理解をいたします。

 そして、次でございますけれども、やはりコミュニケーション手段、支援という形を考えれば、今回の地域生活支援事業の中に相談支援事業というものがあるわけでありますけれども、地域における相談支援体制、きょうお配りをさせていただきました四枚目、五枚目の資料でございます。

 これに関連いたしまして、まず、これから地域における相談支援体制というものを構築していくという形でお示しをいただいているあらあらの案でありますけれども、いわゆる、ここの中心に書いてあるのが「地域自立支援協議会(仮称)」、こういったものの周りに、相談支援事業者であるとか行政機関であるとかあるいは就労支援を行うところ、あるいは保健・医療、学校、あるいは高齢者介護というカテゴリーの中で地域自立支援協議会というものを設置し、そしてそれによって利用者の相談支援をきちっとしていこうという形になっているわけであります。

 ここで見ると、相談支援事業者が二つありまして、「相談支援事業者(委託あり)」というのと、それからその左下に同じくやはり「相談支援事業者(委託なし)」という形が二つあるわけであります。上の部分は「中立・公平性を確保」というふうになっておりまして、両者とも県からの指定によってまず設置をされるんですが、それプラス市町村の委託を受けたものが委託ありという形になって本人に対する相談支援を行っていくという形になるわけであります。

 この委託ありと委託なしの違いでありますけれども、要件ですとか事業者に対する内容を何かもう想定されていらっしゃるんでしょうか、今の範囲でお答えいただきたいと思います。

中村政府参考人 お答えします。

 できるだけ簡潔にお答えをしたいと思いますが、相談支援事業は、まずこれは市町村の仕事というふうに位置づけられておりまして、サービスを使いたいなという方の相談、それから、いろいろ障害程度区分の認定の申請をするときの相談、申請の支援をするとか、支給決定された場合、今度はサービス利用に当たってのいろいろな連絡調整、そういったことを相談支援と考えております。

 これは市町村が行うわけですが、市町村みずから行うよりも、もっとそれに精通をした事業者の方に頼むこともできる、この頼むことができる事業者が委託ありの方の、市町村から委託を受けて相談支援をする事業者ということで、いわば市町村のかわりをやっていただく方というふうに考えております。

 そのほかの、では委託なしの方はどういうことをするかということなんですが、サービスを利用される方のうち、特に計画的な自立支援を必要とされる方については、サービス利用計画等をつくることについて自立支援法の枠組みの中で計画作成費もお出しすることができることになっています。このお一人お一人の計画をつくる相談支援事業者がいるということでございまして、これが都道府県知事から指定された相談支援事業者でございます。

 地域から委託を受ける場合につきましてはより公益性が高いということでございますので、一般の相談支援事業者、例えば専門的な相談員を置くとか、そういった要件に付加して、常勤の専門員を置く、そして、市町村が設置した地域自立支援協議会においてその運営内容について評価されるというような付加的な要件をつけていきたいと考えております。

園田(康)委員 そうすると、資料の次の五枚目にもありますけれども、現在、市町村の既存の相談支援事業として設置をされている生活支援事業、あるいは障害児や障害者に対する地域療育等支援事業、あるいは精神障害者地域生活支援センターという形で、実施主体がきちっと決まって行われているものがございますね。身体に関しては全国に、まだまだこれは数が少ないと思うんですけれども、四百十三カ所、あるいは知的障害児に対しては五百七十八カ所、精神障害については四百十五カ所というふうになっているわけです。今、いわゆるお墨つきというわけではありませんけれども、付加をされるという形になっているわけですから、当然今現在行われているこの事業体がその中に想定されるというふうに理解をしていいのかなというふうに私は考えているわけです。

 と同時に、これだけではなくて、もっともっとこれをふやしていかなければいけないわけでして、ちょっとこれは質問通告にはなかったかもしれませんけれども、自立支援協議会が大体どのぐらいの規模で設置をされていくのが適当だというふうに考えるんでしょうか。介護保険のときは、地域包括支援センターという形を地域でつくって、そしてそれを三万人規模で整えていくという形になっておりましたけれども、この場合だったら、一体どういう形でこれが設置をされていくのかなという大体の目安をお聞かせいただきたいと思います。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 最初のお話にございました、障害種別ごとに実施されております生活支援事業ですとか療育等支援事業などにつきましては、こういった事業をいわば組みかえて実施する、新しい相談事業として実施するということになりますが、そういった意味では、今こういう事業を担っていただいている方々が要件を整え、衣がえをしてやっていただくという形を考えております。

 それから、協議会の方は、基本的には市町村単位というふうに考えておりますが、当然、市町村の規模も大小があると思います。認定審査会についても共同して設置するというようなことも認める考えでございますので、むしろ、市町村相互に協議され、単独の協議会が難しいということであれば広域的にやるということも考えられるのではないかと考えております。

園田(康)委員 そうですよね。恐らく単独の町村などでは、今でも広域でやっているところがあるわけでありますので、市町村合併が進んでいるとはいえ、そういったまだまだ不十分なところがあるわけでありますから、ぜひその辺は弾力的に考えていくべきであろうというふうに私は理解をしております。

 そこで、程度区分のところに再度少し戻らせていただきたいのですけれども、大臣から先般、程度区分を大体六段階を想定しているという御発言があったわけであります。今のモデル事業で行われたこの六段階、資料の二枚目でございますけれども、これを見ると、恐らく要支援から要介護五、これが大体当てはまるのかなと想定して六段階とおっしゃったのかなというふうに私は受け取らせていただいたんです。

 六段階を仮に分けたといたしますと、その場合に、程度の低い、すなわちこの場合だったら要支援と要介護五との間では、いわゆる国庫補助基準というもののいわゆる高い低いという違いが恐らくここで出てくるんだろうな、出てきてしかるべきだろうなというふうに考えるわけなんです。

 また、今のA、B、Cの三段階でいきますと、Aが二十五時間、Bが五十時間、そしてCが百二十五時間というふうに、程度が上に上がってくれば上がってくるほど利用時間、国庫補助基準が上がっていくという形になるわけでありますけれども、その一番高い部分に関して、いわば法律の第五条の規定にもありますけれども、重度訪問介護あるいは重度障害者等包括支援という形のカテゴリー、そして行動援護という形で、より重度の方々に対する基準というものも別個に、同程度の、要介護五あるいは要介護四の中にも、先ほど午前中の福島委員のお話にもありましたけれども、いわば最重度の基準というものがここでやはり設けられるべきであるというふうに考えるわけなんですけれども、その点の、六段階というふうに一つ踏み込んでいただいたわけですから、その先のお考えをお示しいただきたいと思います。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、障害程度区分で六段階というようなことになりますが、それぞれのサービスメニューによって、この六段階によってどうなるかということは、かなり異なることも想定されます。

 ホームヘルプサービスなどは、ある意味では、この六段階に応じてそれぞれ平均何時間程度と国庫補助負担のときは考えるというようなことになろうかと思いますが、例えば入所施設などを考えますと、今の介護報酬もそうでございますように、いわば障害程度区分それだけ、一元的にそれでやるということを申し上げているわけではございませんが、例えば入所者の方であると、障害程度区分に応じて報酬の額が違ってくる、そういうもののいわばシグマにされる形で国庫負担基準というものは決まるというふうに考えています。

 そういった意味では、重度訪問介護とか重度障害者等包括支援、あるいは行動援護といった、重度の方、あるいは行動上著しい困難を有するというようなことに着目して組み立てようとしているサービスは、単に障害程度区分でリニアに決まるものではないと思いますので、まさにこういったところについては、具体的には、重度訪問介護なり重度障害者等包括支援の報酬が決まる、その報酬なども国庫負担基準を考える際に考えていかなきゃならないという形になると考えております。

園田(康)委員 わかりました。つまり、この今の六段階とはやはり別の形で、別といいますか、その中でも特性に応じたというか、サービスの今の実態をきちっと踏まえてそのカテゴリーをしっかりと包括をしていくという形なので、私もずっとそういう説明は受けてきておりましたので、これから恐らくその報酬基準というものが決まってくるという形なものですから、しっかりとそれはやはり実態を踏まえて基準を決めていただきたいと思うわけなんです。

 午前中の議論の中にもありました、私も、やはり調整交付金というような制度がぜひ考えられてほしいなというふうに思っているわけなんですが、当然、この法律の中身ではそれは考えられない、制度としては考えていないという話なんですけれども、やはり全体の省の中のそういう予算組みの中では、ぜひそういったことも検討をしていただきたいなというふうに思うわけなんです。

 大臣、これは極端な事例というふうにとらえていただきたくないんですね。実際に恐らく発生して、もう事務方の皆さんは御理解をいただいているところがありまして、いつもこういう話をすると、いや、そんな極端な話、やめてくださいよと言うんですけれども、例えば、ここで言う要介護五、すなわち最重度ですね、最重度に位置された区分で認定区分を受けて、それが要介護五になった。その方が、今現在、大体月に七百時間ぐらいのALSの方で、先ほど事例もありました、二十四時間利用をされている、そして月にそれだけ分の利用をしていらっしゃるという方がいらっしゃいます。

 その中で、では今回新しく報酬基準を決めました。それが基準として大体月二百時間しか国としては出せませんよというふうになったときに、あとの五百時間、ではどうするんだといった場合に、それが大都市であるならば、その程度区分の、例えば六段階の最重度のところで掛ける人数でやりますから、仮にその程度区分の中の最重度の六に位置した方でも、時々軽い方がいらっしゃるんです、軽い方とそれからそれ以上に使っている方と、区分内の流用というのは、これはやるわけなんですね。やれるわけなんです、この制度の中においても。

 ところが、その町が、大きい都市だったらいいのですけれども、町あるいは村で一人しかいない、流用ができない場面というのも出てくるということをやはり想定していかなければいけない。実際にこれはあると私は思っています。これは恐らく事務方の方もわかっていらっしゃると思います。

 では、その場合どうするんだ。ちゃんとこれは二分の一、そういう程度五まで行った最重度の方も、ちゃんと国庫補助基準を超えた形までしっかりと見ていただけるのかな。それを恐らくずっと最重度の障害者の方々はすごく心配されていらっしゃるんですね。その点をちょっと明らかにしてほしいんですけれども、いかがでしょうか。

中村政府参考人 お答えを申し上げます。

 実際に、十六年十月の実態調査を拝見しますと、ホームヘルプサービスにしろ居宅サービスにしろ、非常に多くの額を使われている方は確かに大きな都府県に集中しておられるということで、それはサービス提供体制の問題なのか、あるいはそういったことを担う市町村の財政力の問題なのか、あるいは、今の支援費制度の流用というお話もございましたけれども、そういう大きなロットでお金が動く中で、融通がきくということで大都市がそういったことを受けやすいのか、ここのところは分析していく必要があるというふうに考えております。

 今のことでは、小さな町村で非常に重度の障害者を抱えるようになった場合にどうなるかということでございます。いろいろな制度を考えますと、午前中にもお話が出ておりましたけれども、国民健康保険の主体であります市町村の方では、やはり高額な医療費の方が出た場合のことを考えて、再保険的な考えでいろいろ調整措置を講じているというようなこともありますので、そういったことをどう考えるか。これは、今後制度を運営していく場合にどのような事態が生じるかを検証した上で対応を考えていく必要があろうかと思います。

 いずれにしても、今サービスを受けておられる方がぱったりサービスがなくなるというようなことは、何度も大臣がお答えしておりますように、影響を受けるようなことがあってはならないわけで、そこのところの措置ということは当然でございますが、今委員のおっしゃったような、小さな自治体で大きなサービスを必要とする方が抱えられるかどうかという問題については、私ども、二分の一の国庫負担という制度はあるわけでございますが、そういった中でどの程度カバーできるのかということは検討をさせていただきたいと思っております。

園田(康)委員 ぜひその点も特段の配慮をしつつ、しっかりとした基準を設定していただきたいと再度強く申し上げておきたいと思います。

 ちょっと時間がなくなってまいりましたので、先を急ぎたいと思います。

 もう一度、これも先般の大臣答弁の中にもあったわけでありますけれども、地域生活支援事業の予算形態において、今回、統合補助金という形をとられていらっしゃるわけなんですね。来年度の概算要求は、これは二百億。局長は年間ベースの四百億という形をおっしゃっておられたわけでありますけれども、この部分に関しては、来年の十月からの施行ですから半年分の概算要求でいいという形として私は理解をいたしました。その地域生活支援事業の中の特に移動支援事業というのは、これは恐らく既存の現行制度の支援費の中でも大変大きな事業として行われているわけなんです。

 ここで確認をさせていただきたいと思うわけであります。十六年度、ことしの支援費における移動介護にかかった実績、これはどのような程度のものであったのかということと同時に、また今、概算要求で二百億という形をおっしゃっておられるわけでありますけれども、その中できちっと、ことし移動支援にかかっている実績が、この二百億の概算要求の中にちゃんと反映されているかどうかということを確認させていただきたいと思います。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 十六年十月の実態調査結果によりますと、移動介護に要した費用は二十二億円になっております。これを、国庫負担二分の一にいたしますと、半年分で必要な経費は六十六億円になります。私ども、移動支援事業として二百億円要求しておりますが、年間ベースに直しますと四百億円になります。移動サービス、移動支援については、六十六億円の倍、百三十二億円ということになりますので、四百対百三十二ということで、ここのサービス、それから、既存事業も地域生活支援事業に移行しますけれども、既存事業のサイズが九十億程度であったということでございますので、年間四百億ということは移動介護なり既存事業を吸収するということを考えても十分対応できる額だと私どもは思っておりますが、サービスは伸びますので、今後この額を確保していくことは重要な役割だと考えております。

園田(康)委員 今、最後にくしくも局長おっしゃっていただいた、既存のベースで考えると、確かにこの二百億、あるいは年間の予算で四百億という形でいいのかもしれません。いいのかもしれません。

 しかし、私から申し上げたいことは、今、厚労省がやろうとしている、政府がやろうとしていらっしゃることは、これから地域の底上げをしていくということですから、当然、今のことをベースに考えたら少な過ぎるんですね。少な過ぎるというか、私はむしろ少ないと思うんです。確かに、今のサービスの利用実態に即して見れば、この程度の予算でサービスは維持できるというふうに言えるのかもしれないけれども、これからの伸び率を考えて、もっともっと、恐らく皆さんも気づいていらっしゃると思うんですけれども、支援費制度の際には伸び率が大変高くなってきた、何度も私が口を酸っぱくして、申しわけなかったと思っていますけれども、苦言を申し上げたことは、ちゃんとその伸び率まで含めて予算をきちっと組まないとまた来年同じことを繰り返してしまうんですよと。

 したがって、この二百億、確かに積算根拠の中において出されてきたというのは私も理解をしました。だけれども、これからの伸び率を考えると、このままでは済まないでしょうということを申し上げつつ、まずしっかりと来年度スタートを、これはスタートが肝心ですから、このサービスの質と量と額、これがきちっと確保できるんだということを、大臣、もう一度私は確認させていただきたいと思います。

尾辻国務大臣 外出時の支援を行います移動支援につきましては、障害者の方々の社会参加を促進いたし、地域での自立した生活を支える上で意義のあるサービスであると私どもも認識はいたしております。

 したがいまして、必要なサービスが円滑に提供されますためには地域生活支援事業の予算の確保が重要でありますことは、今お話しいただいたとおりでございまして、私どもも当然そのとおりに考えておりますので、移動支援に係る経費も含めまして十分な予算額を要求しているところでもございますし、今後も必要な財源の確保に向けて最大限努力いたします。

園田(康)委員 最大限努力という大臣の言葉は、私も重いと思っております。

 ぜひこれは、私ども政治家、委員もしっかりとこの点は今後やっていかなければいけないことだぞと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。

 残り時間がわずかとなってまいりましたが、ちょっと急いで幾つか確認だけ局長にさせていただきます。

 この移動支援のガイドラインを国が作成しているというふうに伺っておりました。これはどのような形でどういったものを想定されていらっしゃるんでしょうか。特に、サービス事業者の方々は、その事業者に対してどういう要件で移動支援のサービス提供がなされるのかということ、これはいわば支給決定において個別的な契約というものが、現行と同様な形でこの自立支援法の中でも個別契約としてこれが担保されるのかどうかというのを確認したいんですが、そのこともあわせて、ちょっと簡潔にお答えしてください。

中村政府参考人 どのようなサービス提供体制の確保を考えているかということでございますが、市町村がこの事業を実施する際には、新制度における居宅介護など個別給付のサービス提供を行う指定事業者の方、それから、これまで支援費制度でガイドヘルプのサービス提供を行っている指定事業者の方々を活用した事業委託に努め、その事業者の中から利用者の方が任意に事業者を選択できるような運営方法についてガイドラインを示してまいりたいと考えております。

園田(康)委員 それから、あと、障害福祉計画の数値の積み上げについて局長にもう一点だけお伺いをして、その後、大臣にもお答えをしていただきたいと思うわけでありますけれども、この障害福祉計画、この数値の積み上げに関しては、当然のごとく、地域のサービスの実態と、それから需要の伸び、先ほどから私も御指摘をさせていただいておりますが、この需要の伸びを踏まえて策定されるべきであるというふうに私は考えております。

 政府としてこれからどのような基本方針を立てるというふうなおつもりであるのか。そして、その中では、今この法律の八十八条の六項と、それから八十九条五項にも書いてありますけれども、障害者基本法において設置をされております地方障害者施策推進協議会がございますけれども、ここに意見を聞くというふうになっているわけなんですね、この法律の形態の中では。したがって、こういったニーズ調査であるとか実態調査というものをこの中で含めて考えていらっしゃるのかどうかということも、あわせて確認をさせていただきたいと思います。

中村政府参考人 障害福祉計画の基本は、地域の障害者のニーズを予測し、必要なニーズを積み上げ、現在のサービス提供量を考え、不足分要整備目標を定めるという点が基本でございますが、当然、まずは、障害者のニーズを把握する観点から障害者の御意見を聞く機会を設けるなどの措置を講ずること、それから、地域のサービス提供基盤については直近のサービスの利用状況の把握、分析を行うこと、また、サービス提供体制側からは、サービス事業者、小規模作業所なども含まれると思いますが、新体系のサービスへの移行に関する希望の把握、こういったことが必要であると考えておりますので、私どもの方もガイドラインをお示ししてまいりたいと思います。

園田(康)委員 そうですね、当然そういった実態調査というものを踏まえてやっていくべきものだというふうに私も思っております。

 最後、大臣に、いわゆる精神障害者に対する社会的入院に関して、二問、グループホームも絡めて御質問させていただきたいと思います。

 今おっしゃっていただいた障害福祉計画に当たっては、精神障害者のいわゆる社会的入院、七万二千人の解消に向けての目標設定というものがこの中で行われるように、私は国のガイドライン、基本指針としてぜひ盛り込んでいただきたいと思っております。そのお考えはいかんということと、それから、先般から問題となっておりましたこのグループホームは、病院の敷地内におけるグループホームを建てるということではないということを、ぜひもう一度、今までの答弁もあわせて、それから、先般指摘をさせていただいたグループホームのハンドブックの中に書かれている内容、そして、前坂口大臣がおっしゃった、地域の中に戻っていただいて生活をするのが、これが本当の意味での立法の趣旨であるよということを、この場で再度、大臣、あわせて御答弁をいただきたいと思います。

尾辻国務大臣 まず、一点目についてお答え申し上げます。

 精神保健福祉施策におきましては、受け入れ条件が整えば退院可能な入院患者の方々の社会復帰を支援していくということは、これはもう重要な課題でございます。

 このため、この法案におきましては、精神障害を含め障害種別を超えて、市町村が中心となって福祉サービスを一元的に提供する仕組みに改め、市町村等に必要なサービスの見込み量を定めた障害福祉計画の策定を義務づけ、計画的なサービス提供体制の整備を図り、特に都道府県障害福祉計画については、医療計画と相まって精神病院に入院している精神障害者の退院促進に資するものとするなど、精神障害者に対する支援を抜本的に強化することといたしております。

 お話しになりました基本指針につきましては、精神病院から退院される方々のニーズも踏まえた適切なサービス量が見込まれるとともに、精神障害者の退院促進に資する支援が地域で展開されるよう、その具体的な内容を検討いたしておるところでございます。

 今後とも、入院医療中心から地域生活中心へという基本的な考え方に基づき、この新たな仕組みのもとで、精神障害者に対する社会復帰や地域生活の支援に全力で取り組んでまいりたいと存じます。

 最後に申し上げましたように、入院中心から地域生活中心へというこの基本的な考え方は、これは、先日来お話しになっております、平成十四年十二月十一日の厚生労働委員会におきます坂口大臣の答弁にもございますように、病院や入所施設から地域へ移行を進めること、これが極めて基本であるということ、改めてそれは基本だということをお答え申し上げて、二点目のお答えとさせていただきます。

園田(康)委員 ありがとうございました。

 もう時間が参りました。最後に一言だけ、私は、大臣あわせて政府にも申し上げておきたいと思います。

 まず、大臣、一年間本当にお疲れさまでございました。尾辻大臣が大臣になられる前、ドミニカ問題について、参議院の決算委員会で鋭く政府を追及されていたあの姿には、大変私は感銘を受けた一人でございます。一政治家として感銘を受けました。確かに、その勢いを厚労省の中に持ち込んでいただいたという意味では、私は本当に一歩進めることができたというふうに思っておりますし、これまで事務方の皆さんも大変御苦労されて、これまで積み上げてきていただいたと思っております。決して今の障害者の方々をないがしろにするものではないというふうな真摯なる態度を見せていただいてきましたし、私も、それと同時に一緒になって取り組んできたつもりであります。

 もう一つ、本当は、これで終わった後が大切な話なんです。この法律はこれからスタートなんですね。したがって、ぜひ大臣、これから私もそうですけれども一議員として、この問題、そして今回これだけ二つの国会にまたがったわけであります。これだけ大きな社会問題という形にも位置づけとしてなって、認識もしていただいたわけだと思っております。これは逆に言えば、いい話、雨降って地固まるじゃありませんけれども、いい方向に向いていくスタートラインにようやく立てたんだというふうに認識をいたしますので、ぜひ、西副大臣も含めて、厚労省の皆さんと一緒にこれから取り組ませていただくことをお約束させていただきまして、私からの質問を終わらせていただきます。

 委員長、ありがとうございました。

鴨下委員長 次に、仙谷由人君。

仙谷委員 時間が四十分でございますので、障害者自立支援法案を主としてお伺いしたいと思うのでありますが、その前に、通称旧植民地ハンセン病訴訟、台湾訴訟と韓国訴訟というのがあって、判決が二重に出た、この問題で、大臣の決断をぜひにお願いしたいというふうに考えて、質問をいたします。

 時間の関係で、割と事務的な質問をすることになるかと思いますが、昨日、大臣が原告の方々とお会いになった、参議院で答弁をされた、その前の日、つまり二十六日ですか、この委員会でも答弁をされておりますが、いまだ、これは政府総体としてなのか、厚生大臣そのものの政治的な腹構えといいましょうか、これが何らかの理由によっておできになっていないのか、いずれにしても、私から考えれば道はただ一つしかないのに、どうもまだ迷っていらっしゃるということのように見えます。

 そこで、こういう聞き方をさせていただきます。

 ハンセン病療養所入所者等に対する補償金の支給等に関する法律というのが、平成十三年六月二十二日に国会で成立をしたわけであります。同日付で、これは尾辻大臣の時代ではなかったわけでありますが、厚生労働大臣告示第二百二十四号というのが制定をされております。告示がされております。この厚生労働大臣告示を作成し告示するに際しては、今私が申し上げた法律第六十三号をどのように読んで告示をつくられたのか。

 つまり、旧植民地にこの種の施設が存在したという事実を知らないでつくったのか。つまり、国会の議論が多分そういう前提であったやに新聞にも、新聞といいましょうか判決にも書かれておりますし、私どもも確かにそこまで思い至らなかった部分がある。告示も、韓国と台湾と、当時は旧満州東北地方、関東州ですか、ここにもあったという歴史的な事実を全く知らないでこの告示はつくられておるのか、あるいは、知っていたけれども、この種の旧植民地は除外するんだ、排除するんだという前提に立ってこの告示がつくられておるんですか。その点、いかがですか。

尾辻国務大臣 私も、まず立法の趣旨がどうであったかということは、いずれにしても気になるところでございます。

 したがいまして、きのう、江田先生にも、その辺どうだったんでしょうということはちょっとお聞きをいたしてもみました。先生も、率直に言ってそのことについて議論をしていない、知っていたか知っていないかということはあるんだけれども、国会においてもそのことについて触れて議論をしていない、していなかったことは事実というふうに言われました。

 そこで、今度は、告示を私どもがつくっておるわけでありますが、そのときにそのことは承知してつくったのかどうかというお尋ねでもありますけれども、承知してつくったかどうか、私も今、いきなりのお尋ねでございますので、確認いたしておりませんからよくわかりませんが、少なくとも国会の御議論の中でそれがなかった、したがって、そのことは想定せずに告示はつくったんだろうというふうに予想はするところでございます。

仙谷委員 そうしますと、あえて言えば、台湾訴訟と同じように、旧植民地において朝鮮総督府や台湾総督府がつくったこの施設に入所をさせた人たちを、現在御存命の方々を排除する趣旨では、この法律も告示も、ともに排除する趣旨ではないということになるわけですよね。

 そうだとすると、この台湾訴訟のように類推適用というふうに判決文では書いてありますが、いわば私に言わしめれば、法律解釈における目的的解釈、つまり、この法律を改めて読んでみますと、これほど法律の前文で国会議員、国会が謝罪の意を込めてつくった法律というのは、私は少なくともお目にかかったことがございません。そういう日本人のハンセン病患者に対する、ある種の申しわけなかったという気持ちを、施策が失敗したけれども、それは行政当局が放置した、あるいは隔離政策を続けたことが悪いといいましょうか間違っていたということもあるけれども、国会議員もこれを看過し放置したという責任があるということを書いてあるわけですね。

 そういう法律のできた趣旨を目的的に解釈すると、これは「その他」のところでも台湾訴訟の判決が言うように排除していないわけですから、これはつまり、現在もといいましょうか、戦後、日本がまさに敗戦ということによって、諸外国でいろいろな取り扱いをした、諸外国というか旧植民地で取り扱いをした、あるいは不利益な処遇をした、あるいは人権侵害的処遇をした人々をある種ほったらかしにして、日本が施政権を放棄し、そして捨ててしまったような格好になっている人たちに対する処遇ということでありますから、これは先ほどから申し上げておりますような目的的な解釈をすれば、告示には書かれていないけれども、つまり積極的に書かれていないけれども排除されていないんだということで、むしろ拡張適用をあるいは運用を積極的にする必要があるのではないか、特に今の時点ではあるのではないか、こう思います。

 今、台湾訴訟については控訴をしないようにという要請があると思いますけれども、この台湾訴訟判決がもし確定をする、あるいは厚生省が無謀にも上訴して、まあせいぜい、私に言わしめれば、両訴訟とも裁判官もそれほど反人道的であったり、ひねくれたりしていませんから、多分原告の方々にとって最悪の結果としても和解でしょう、和解勧告が出ると思います、こういう基準がありますから。ただ時間はかかりますから、原告の方々にとってはたまらない、こういうことになります。

 そういう事実を前提にしますと、この告示という存在がありますから、もし判決に従って給付を行う、行わざるを得ない、厚生省の立場からいえばですよ、そういうことになったときには、これはもう一遍告示に台湾の楽生園ですか、これを書き込まないと、この支給の執行というのはできないんですか。それとも判決がこう言うんだから、現時点で大臣が告示をきょうでも変えて、つまり書き加えて、支給という予算執行といいましょうか、執行に臨むということも考えられるのではないかと思いますけれども、その点はいかがですか。

尾辻国務大臣 まず、冒頭言われましたことはまさにそのとおりであり、それで恐らく判決も分かれたんだろうなと私は理解をいたしております。言っております意味は、何も書いていない、ですから、排除していないというふうにも読めるし、入れていないじゃないかというふうにも読める、読みようなんだろうというふうに思っておるところでございます。

 そこで、お尋ねは告示のことでありますが、私もいずれ決断をしなきゃいけませんから、いずれに決断をするにせよ、いろいろなことをまた当然検討しておかなきゃならない。告示を変えればどうなるのかとか、あるいは法律をいじらなきゃいけないのかとか、いろいろなことを今事務方にも検討はさせております。

 ただ、それは何かを前提にして検討させておるわけじゃありませんで、まだ各省庁間とかいろいろ当然調整もしなきゃいけませんので、私どもだけの判断ではいけませんが、今お話しのようなことも含めて検討をいたしておるということでございます。

仙谷委員 では、もう一点だけ聞きます。

 私も改めて法律と告示の関係をつらつら眺めまして、法律ができたら告示が即日できているんですね。ということは、大臣が政治的な判断をされて決断をされれば、きょうにでも告示を変えられるということなんですね。

 つまり、憲法違反の告示をつくるというのは問題ですけれども、憲法とある種の判決に基づいて告示を変える。台湾訴訟の原告と韓国訴訟の原告に支給ができるように、つまり予算執行をするために、私は、台湾訴訟の判決のように告示を変えないでももうやった方がいい、やるということを言明された方が、これは大げさに言うんじゃありませんけれども日本のためにもいいと思っております。あるいは日本と日本人のために、これは直ちに早くやらなければならない課題だと思いますが、だから改めて申しますが、政治判断、政治決断ができれば、これはきょうでもできるということなんですよ。

 そのほかに何か手続が必要ですか。省議が必要だったり、何か関係閣僚会議の決定が必要だったり閣議了解が必要だったり、あるいは財務省の御了解が必要とかなんとか、そんなことがありますか、この程度のことで。

尾辻国務大臣 申し上げておりますように、訴訟にかかわることでございますので、当然法務省とも協議をしなきゃなりません。あるいは、今先生おっしゃったことの中に、外交的な考慮も必要だろうというお話を交えておっしゃったんだろうと思います。そうしたことの検討もしなきゃならないと思いますので、手続としてこうしなきゃいけないということじゃございませんけれども、関係省庁はございますので、十分協議はしなきゃならないということは御理解いただきたいと存じます。

仙谷委員 では、時間の関係もございますが、もう一点だけ。

 原告の弁護団のお話を聞きますと、大体、原告全員にこの基準に従って給付をすることになっても、総額で三十億円ぐらいだろう、こう言っています。

 この間、この国会で、平成十三年六月に行った厚生労働大臣告示第二百二十四号に基づいてどのぐらいの決算額、つまりどのぐらい支給をしたかということをお聞きしてみました。そうすると、ざっといって四百二十億弱。つまり、平成十三年度は四百四億円払っておりますけれども、十四年が十三億八千万、十五年が二億一千、十六年度が二億九千万、大体こういう金額なんですね。

 この旧植民地の方々の、今度の原告の人数、その他の、先般も何か申し入れがおありになったようでありますが、考えてみまして、原告弁護団は三十億ぐらいだろうと言っておるんです。

 私は、金額的にも、平成十三年度の当初予算は、当然のことながら平成十三年度はゼロでありますから、四百四億円も「予備費にて対応」というふうに書いてございますので、これの一〇%にも至らないのであれば決断いかんで直ちにこの程度のことは執行できる、こういうふうに私であれば思うし、私が尾辻大臣の立場か西副大臣の立場であれば、そうしてくれということを官邸に申し入れるか、財務省にもその説得をするであろうと思いますけれども、大臣はそこまでは現時点では言明できないですか。

 ここでおっしゃられた方がいいですよ、きょう。何か、あした韓国へ帰るとかなんとかおっしゃっているらしいじゃないですか、どうぞ。

尾辻国務大臣 確かに原告団の数でいいますと三十億ぐらいだろうと思いますが、今後また、いろいろなその辺の数字も、私どもがもし決断するとすれば詰めて決断をしなきゃならないということになります。

 そのときにどういう数字で試算してみるかというようなこともございますが、先生おっしゃるように、原告団の数だけであれば三十億ということになることだけは確かでございます。私どもも、数字のことも当然また検討はいたしておるところでございます。

仙谷委員 先般の共産党の笠井議員の質問の中にも出てまいりましたが、検証会議の報告書というのが、何か厚生省がつくられた、これはことしですか、報告書がつくられたのは。

 報告書をごらんいただくとわかりますけれども、これはもう明らかに二重の人権侵害だというふうに書いてあるわけですね。厚生省が二重の人権侵害だというふうな検証会議の報告書を受け取ったのがことしだとしても、ことしの段階では、これはこういう判決が出ておって、中身的には、やはりこれはもう厚生省としてもお認めになって、政府全体としては、早く人権侵害のわずかな回復としてでもこういう補償をするという方に踏み切った方が私はいいと思います。こんな報告書も受けているんですから。そのことだけを申し上げておきます。

 次の問題、この障害者自立支援の問題について、私の方から若干の質問をさせていただきます。

 大体ずっと、席を外したこともありましたけれども、この間の議論を伺ってまいりました。我が民主党からも、支援費制度を存続すること、そして、その費用は義務化、国家の義務として行うこと、それから、できる限り基盤整備事業を行う、こういう趣旨の対案を提出してあるわけでございます。この間の議論を聞いておりまして、傍聴席に詰められている方々あるいは国会前でずっと大変な苦痛に耐えながら見守っていらっしゃる方々のお気持ち等々もそんたくをしながら、なぜこんなことになるんだろうかと。

 まさか、厚生省も支援費制度、鳴り物入りの支援費制度で進めようとしてきたノーマライゼーション路線を意地悪く後退をさせよう、そんなおつもりでこの障害者自立支援法案をおつくりになっているはずはないのに、特に、尾辻大臣が指揮をとっていらっしゃる現在の厚生労働省でありますから、そんなはずはないのに、何でこういうある種の争い的になっているのか不思議で不思議でしようがないということを一方で感じながら、ずっと拝聴をしておったわけであります。

 これは、ここの委員会に出席しておる全議員あるいは関係者の皆さん方が全部お気づきになっていらっしゃると思うわけでありますが、先進国の中で、日本が、ノーマライゼーションが相当行き渡っているといいましょうか、実現できているというふうにはなかなか評価できないと思いますね。だから、厚生省の関係者も必死に何とかやろうと。浅野さんの障害福祉課長時代の資料がきのうも出てまいりましたけれども、これはもう相当前の話であります。

 私も、人生の中で余り多くの経験をしているわけではありませんけれども、地元の青年と十五年ぐらい前に触れ合って、車いすの方です、その人がロサンゼルスへ行ったらびっくりしたと言うんですね。ロサンゼルスというのは、アメリカですから、本来は、公費といいましょうか、国とか州の施策として障害者に殊のほか手厚いというわけではないはずでありますけれども、このロスという町は、何でこんなに障害者が町に多いんだろうと思ったと言うんですね。

 それは、よく考えてみたら、ロスに障害者が多いのではなくて、ロサンゼルスという町は、障害者が外に出てきて働いたり、遊んだり、活動したりできるいろいろな条件が整っている、サポートする仕組みがある。あるいはバリアフリーの町づくりができているとか、あるいは困ったらどこかへすぐ相談に駆けつければ、日本でいえばJAFみたいな人が助けに来てくれるとか、いわばそういうサービスの仕組みが行き渡っているから町に多い、こういうことなんだという話を聞かされました。

 ああ、そうなんですか、そこへいくのはなかなか大変ですねと。これは公費だけではこういう町の姿というか、あるいはライフスタイルをつくるわけにはなかなかいかないと思いますけれども、しかし、やはり公費が基本にならなければいけない、私はこう思いますね。

 後からそうじゃない話の部分もさせていただきますけれども、先進国の中で、対GDP比、いわゆるいろいろな障害をお持ちの方々に使われている給付費といいましょうか支出が、大臣、今度の十七年度予算を拝見すると、これですべてじゃないとおっしゃるのかもわかりませんが、七千七百億円の支援費の事業費、それから、この委員会で大いに問題になっている居宅生活の支援費は九百三十億円ということでありますから、五百兆のGDPに対比すると、やはりヨーロッパのこれは三分の一なのか、五分の一なのか、十分の一なのか、そんな感じなんだろうと私は思います。

 これは、医療費の問題では、経済財政諮問会議あるいは厚生省も、先般、二〇二五年の目標をある種掲げました。私は、ノーマライゼーションを進めようとするまさにこの障害者支援の関係予算こそ、目標値を掲げるべきだし、掲げてほしい。そのことがありますと、この間のいろいろな議論、論争のところは相当緩和されるといいましょうか、厚生省なり日本政府に対する、我々も、あるいは障害をお持ちの方々も、その御家族や関係者や施設の運営者というものも、随分考え方が変わると思うんですね。

 日本の場合、GDPに対する一%というのが御承知のように防衛費五兆円ですから、一%とは言いませんけれども、現在の七千七百億から進んで、せいぜい五年後にはこの倍はちゃんとやるんだというぐらいの、つまり二〇一〇年、一兆五千億ぐらいの支出が、給付が行われるぐらいの目標値を掲げてこの問題に対処するんだ、このぐらいのことはおっしゃれませんですか。

尾辻国務大臣 先ほどもお答え申し上げたところでございますけれども、平成十六年度の予算は六千九百四十二億円でございました。これに対しまして、平成十七年度が、今先生この数字を言っていただいたのだと思うんですけれども、七千五百二十五億円、すなわち額で五百八十三億円でございますが、比率でいって八・五%伸ばしております。

 ですから、私どもは、このように着実に伸ばしておりますので、毎年このとおり伸ばせるというふうにも申しませんけれども、十六年度から十七年度にかけて八・五%伸ばした。それからまた、十八年度の概算要求はもっと大きく伸ばして要求いたしておりますので、そうした積み重ねで、ぜひ、今先生おっしゃるように、我が国にふさわしい障害保健福祉関係の予算にしなきゃならないというふうに思っております。

 ただ、超長期的にといいますか、もっと長期的な数字を今私がここで申し上げるわけにはいきませんけれども、そういう努力はしなきゃならぬということは、私どももそのとおりに考えております。

仙谷委員 私は、この平成十六年度障害者施策の概況というのを拝見しました。こういうのを拝見しましたら、やはり、ノーマライゼーションを強力に推し進めるということであれば、相当気合いの入った予算の要求と目標値の設定と、そのことについての霞が関のみならず全国民的な意識といいましょうか雰囲気の涵養みたいなものがないと、なかなか今の財政状況下ではいかない。

 私は、この間の社会保障議論を拝見しておって、よく自助、共助、公助というような言い方がされます。しかしこれは、自助とか共助の世界というのは、障害者の自立支援というふうなテーマで自助や共助というような概念なりそういうシステムが当てはまる部分というのはあるんだろうかと。

 つまり、健康保険とか介護保険のような保険制度をやってみて、さあどういう範囲が障害をお持ちの方々のリスクを担保するのかというふうに考えますと、やはりこれは共助にはなじまない。自助を強調しても、これはなかなか容易ならざる話であることはもう自明。ということになると、自助の名のもとによる家族負担とか、結局もとのもくあみにかかって、座敷牢でもつくるかみたいな、もうむちゃくちゃな話に返らざるを得ない、そういうふうになっていくんだと思うんですね。やはり基本は公助ということにならざるを得ない。

 ただ、もう一つ私が最近気がついておりますのが、ここのところ、これから大臣にも気合いを入れて施策を進めていただきたいのでありますが、これは国全体、特に財務省の問題が大きいのでありますけれども、現場というか、我々が地元でいろいろな方々と接触をしますと、御家族、保護者の方々もいらっしゃいます。それからいろいろな、善意で集まって施設をつくり、あるいは施設がなくてもいろいろな行事を行いとか、この障害者の問題に取り組んでいらっしゃる方々は非常に多うございます。

 それで、異口同音に言われるのは、仙谷さん、寄附をしたいんだけれどもどういうふうにしたらいいのか、寄附の受け皿はどこなんだと。あるいは我々が、我々というのはその人たちが、活動しているところに少々のお金は出してもいいんだと。少々というのは、十万の人もおれば百万の人もおれば一千万の人もおるし。私が死亡するときには、遺産の遺贈先として、例えばそういう活動をしている団体に受け取ってもらうことはできないんでしょうか、例えばそういう相談というか話は受けます。

 そこで、さあこの世界、どのぐらい寄附を受けているのか、厚生省に聞いたんですよ。そうしたら、いや、統計がありませんと言うんですね、統計が。最近、NPO法人とか、何というんですか、特定、認定NPO法人ですか、何かそういうところの資料ぐらいあるんじゃないのと僕が言ったんだけれども、それも今のところありません、こういう返事でございました。

 私は、これはこの間のこの委員会の議論の中で、私もそういう友人や知り合いはおりますけれども、そういうというのは小規模作業所を運営している方々でありますが、この小規模作業所が寄附を受け取れるような仕組みとか、あるいは、もう既にNPO法人成りをしている団体とか、特にこの障害者の福祉をなさっている、その事業をなさっている団体が寄附を、寄附金控除、所得控除を受けられるようなことにもっと必死の努力をされたらいいのではないか。よその族議員のように、毎年末の自民党税調と政府税調が大げんかのもとになるぐらい、あの電話帳の中にやはり書いてもらうか何か、私はようわかりません、自民党のことは。しかし、激しくこの寄附金が、庶民の寄附金あるいは企業の寄附金でもいいんですね、障害者の支援の施策のところに入ってくるようなことをお考えになって、その前提としては、少々この調査統計をおとりになったらいかがかと思うのでありますが、いかがですか。

尾辻国務大臣 確かにおっしゃるとおりであると思います。

 障害者が地域で自立して、安心して暮らしていくためには、先生が先ほど自助、共助、公助というふうな表現でおっしゃいましたのでその表現で申し上げますと、公助として障害福祉サービスが必要であります。これはまずそのとおりであります。また一方、大きな意味での共助として、寄附を含むさまざまな地域の主体による支援もまた重要なことであるというふうに考えます。

 現に、各都道府県の共同募金会などによって障害分野を含む福祉事業に対して寄附金による支援が行われているところでもございますけれども、日本のこうしたことに対する今までのやり方というのは、外国と比べるとまた、かなりそういうことに対する国民の一般的な意識というのが大きくはないと私も考えます。

 したがいまして、今後、互いに支え合っていく生活、みんなで助け合いましょうということは、今回の障害者自立支援法の中でも申し上げているところでありますけれども、こうしたことというのはさらに進めていかなきゃならないと思っております。

 そこで、きょう、非営利活動に対する寄附金に対する税制のあり方についてもお話しいただきました。本当に参考になるお話をしていただいたというふうに思いますので、私どもも、社会保障をお預かりする立場からもこうしたことに対する研究もさらに進めてみたいと思いますし、もし可能であれば数字も集めてみたいとは思いますけれども、さらにそうした税制のあり方についても議論を深めていく課題であるというふうに認識をいたします。

仙谷委員 平成十七年六月、税制調査会、これは政府税制調査会です。基礎問題小委員会・非営利法人課税ワーキング・グループ、「新たな非営利法人に関する課税及び寄附金税制についての基本的考え方」というのが税調の方からも出されております。

 その中で、今私が申し上げていることとの関係ではこういうくだりがあります。「こうした中で、これまでになく、「民間が担う公共」の領域の役割が重要となっている。その主たる担い手が公益的な非営利法人であり、その活動を資金面で支えるのが寄附金である。」これを積極的に税制面からもそろそろ拡充をしないと、今までのように全部税金、税金とは言いませんけれども、税金で中央官庁に集めて補助金でばらまくとか、このやり方だけでは、あるいはそういうやり方が中心では、地域における障害者の自立とその支援というのは生き生きしたものになってこないと私は思うんですね。

 だから、公が中心でなければいけないけれども、くしくもここに書かれておりますように、民間が担う公共とか新しい公共というカテゴリーを実現できるようにひとつ施策をおとりいただきたいということを私の方から強調しておきたいと思います。

 もう一つの点は、実は、もう既に前国会で障害者の雇用促進という問題は法改正がなされておるということなんでありますが、私は、今度の自立支援法の論議を通じて、やはりノーマライゼーションで、障害をお持ちの御本人たちも、あるいは御家族の方々も含めて、あるいはノーマライゼーションの姿というのは、普通の仕事に勤められるという人が障害を持っていらっしゃる方の中で大きくふえてくることが一番ノーマライゼーションだと思うんですよね。

 ところが、改めて資料を拝見するとなかなかこれが伸びていらっしゃらない。実雇用率というのでしょうか、これが伸びない。それから、納付金も、三百人以上の企業は義務的な雇用数があって、そこで不足した分については一人五万円か何かを払わなければならないことになっているのに、依然としてそれをお支払いになっている企業も甚だ多いということのようです。あるいは、公共機関においても教育委員会が一番成績が悪いとか、こういうのが出ていますね。とんでもないことだと思うのでありますが。

 この納付金の問題とか、雇用率一・八%というのをもうちょっと拡大するとか、財界を中心とする経済界が少々抵抗しようとも、私は、ノーマライゼーションをより推し進めなければならないという決意があるのであれば、納付金を一人十万円にでもするとか、ちょっと大胆な政策をとらないと、依然として三十年間一日のごとき障害者雇用だみたいな話はよくないと思いますね。

 ここはひとつ大臣が、この際、決断をされるといいましょうか、政治的な判断をする、あるいはそういう議論を巻き起こすという決意をしていただいて、障害者のごく普通の企業における雇用を拡大していくことこそが大事なんだという、その施策を、新しい施策を打ち立てるんだ、その決意をお聞かせいただきたいと思います。

尾辻国務大臣 この法律でも、障害者の皆さんの所得保障ということについて、三年後にしっかり見直すということを決めておるわけでございますから、今お話しいただいたことも大変大事なことでございますし、ぜひ、今具体的におっしゃったようなことも含めて検討させていただいて、三年後の見直しはしっかりしたものにしたい、それに向けての議論の中で、今のお話なども、申し上げましたように具体的に議論をさせていただきたい、こういうふうに存じます。

仙谷委員 質問の持ち時間が終了いたしましたので終えますが、最後に一点だけ大臣に、前国会の審議の中で附帯決議がこの衆議院でも確認をされております。大臣自身も、前国会において付された附帯決議の趣旨、これを十分尊重して政省令の制定などに生かしていただけるというふうに我々が理解しておけばよろしいでしょうか。

尾辻国務大臣 前国会でしていただきました附帯決議につきましては、私どもも十分尊重をさせていただきます。

仙谷委員 終わります。

鴨下委員長 次に、笠井亮君。

笠井委員 日本共産党の笠井亮です。

 初めに、先ほどもありましたが、昨日、東京地裁で学生無年金障害者訴訟の判決が出ました。原告を救済するというものであります。この判決の趣旨を生かして、厚生労働省は控訴せずに原告の生活を守るようにすべきだ、私からも大臣に強く要望しておきたいと思います。

 そこで、障害者自立支援法の問題であります。政府・与党は、現場の期待にこたえるためにも一日も早い成立、こういうふうにしきりに言われておりますけれども、しかし、今国会で審議すればするほど、たくさんの不安、懸念が広がっている。午前中の与党議員の質問にも、いろいろな心配ばかりだ、そういう質問がありました。それでも何でやるのか。きょうも国会にたくさんの当事者、関係者の皆さんがおられますが、みんなの思いだと思います。

 さらに、東京都の北区議会からもこういう今国会での審議のさなかに意見書が寄せられております。「障害者自立支援法案の再検討を求める意見書」「国会及び政府に対し、障害者及び関係者の意見を十分に尊重し、真に障害者の自立を支援する制度とするため、障害者自立支援法案については、時間をかけて再検討するよう強く求めるものである。」大臣もこれはお受け取りになっていらっしゃると思うんです。

 さらに、全国各地でもいろいろな声があります。例えば、二十五日付の新潟日報で社説が出まして、「これでは自立できない」「政府、与党は衆院選圧勝をてこに、今国会での成立に強気である。 しかし、障害者の不安は少しも解消されていない。「介助サービスを利用して社会参加するにも自己負担を求められるとは、一体どこが自立支援か」という声が聞こえてくる。 衆院は障害者の声にいま一度真摯(しんし)に耳を傾け、審議を尽くしてほしい。」「障害者の生きる意欲をそぐような法案は自立を阻害するに等しい。」ここまで断じて厳しい声を上げております。政府と当委員会に課せられた責任は重大だと思います。

 そこで、具体的な問題を伺っていきたいと思います。前回、私の質問の中で、職員配置などを充実させるということで大臣からも御答弁をいただきました。私が重要だと思いますのは、その上でも、報酬水準をどう定めるか、この問題にあると思います。どのような水準になるかは今後の予算編成の中で決められていく、このように伺っております。

 そこで、大臣に確認したいのですけれども、サービスの水準は下げない、人員の拡充を可能にする報酬を決める、こういう方向で検討するということでよろしいですね。

    〔委員長退席、大村委員長代理着席〕

尾辻国務大臣 再三申し上げておりますように、今のサービスの水準を下げることはいたしませんということはお約束を申し上げております。

笠井委員 人員を拡充可能にするような報酬、こういうことを決めるのか、このことについてはどうですか。

尾辻国務大臣 今私どもが御提案申し上げております新たな事業体系におきましては、障害者の能力や適性に応じた良質なサービスをより安いコストでより多くの方に提供することが重要であるというふうに考えておるところでございます。

 現行のサービスにつきましては、施設の中に多様なニーズを有する利用者が混在し、状態像に応じた適切なサービスが必ずしも提供されていない状況にあることや、個別支援計画の作成は義務づけられているものの形骸化している等の指摘もあること、また結果として施設本来の目的である就労や地域生活への移行などが進んでいないことなどの問題があると考えております。

 新しい事業体系におきましては、こうした課題に対応いたしますために、サービスごとに利用者像や標準的なサービス内容を明確化し、これに見合った職員の配置基準を設定すること、事業者ごとに個別支援計画の作成やサービス内容の評価を行う責任者を配置するとともに、報酬面でこれを評価すること、一般就労への移行など、サービス提供による成果を報酬面に反映することにより、質の向上を促すことなどに取り組むことにいたしておるところでございます。

 なお、個々のサービスについて見ますと、対象者やサービスの機能がこれまでとは大きく異なることから、サービスごとの人員配置や報酬の水準を現状と単純に比較することは難しいというふうに考えております。

 今後、関係者の御意見を伺いながら、基準や報酬の具体的内容についてさらに検討を進めてまいります。

笠井委員 サービスの水準は下げない、そして必要なものは拡充する、しかし現状と単純に比較することは難しいというお話もありました。そこがとても問題だと思うんです。

 この法案は、今大臣言われたように、新しい事業体系に見直すというのが大きな柱になっています。それで、今大臣いろいろわかりにくいような答弁をされたんですが、私、これに関連して、今の答弁を伺ってこういうことだなというのはよくわかりました。

 最近の厚生労働省のある重要な検討資料を目にする機会がありました。そこには、達成すべき課題ということで、この報酬水準にかかわってこう書いてあります。

 要約しますと、まず、筋萎縮性側索硬化症、ALSなどの重度障害者、行動障害が強い知的障害者へのサービスは重点的に配慮するが、それ以外の対策については削減をする、こういう趣旨が書いてあります。知的入所更生、大規模入所、授産など具体的に上げて、高コストで長期間の漫然とした実態を適正化する、こんなことまで書いてあります。私は冷酷な態度だと思うんですよ。

 さらに、利用者数は民間を利用して拡大するけれども、しかし一人当たりの給付水準は抑制する、つまり、現行水準と比較して全体としては下げるということが書いてあるんですよ。しかも、旧体系の施設は平均よりも下げる、この水準をどれだけ下げるかによって新しい体系の報酬水準が左右される、こう書いてあります。施設利用が軽度だったり、長期利用者の場合は、要するに、ともかく低水準にするということです。極めて重大な方向で検討している、厚生労働省は。

 こういう考え方で新しい事業体系を見直そうというんじゃないんですか、大臣、いかがでしょうか。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 委員が言われた資料なりそういうこと、私、担当局長をしておりますけれども、そのような資料は見たこともありませんし、全くそのような資料については存じ上げません。

笠井委員 私、確かなものを言っているんですよ、ここに。「新しい事業体系に向けた見直しについて 個別の論点 九月二十一日 改革推進室」と書いてあります。見たこともないなんということはとんでもない話ですよ。大臣だって驚かれたような顔をされているけれども、こういう問題でおとといも、それからきょうも、私が聞いても、先ほどの大臣の答弁は何だかわけわからない話をしている。午前中の質疑もそうでした。局長、そんな答弁で本当に間違いないんですね。うそついていたら大変ですよ。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 私は八月二十六日に社会・援護局長に着任いたしております。今の日付で申し上げますと九月二十一日ということでございますが、私はそのような資料を見ておりませんし、そのような話も聞いたことがありません。

笠井委員 よく覚えておきますからね、そのことは。ちゃんと調べてくださいよ。では、ないと言うなら、そういう検討はしていないと断言できますか。私が今紹介したような、報酬水準について、報酬基準について、大変にひどいことを言っている。そんなことは決して検討しておりませんと、はっきり大臣言えますか。大臣です、大臣。だめだめ、大臣。大臣、答えてください。

尾辻国務大臣 局長も答弁いたしておりますように、検討はいたしておりません。

笠井委員 では、これまでの最低水準はきちっと保障して、そしてさらに前進させる、こういうことで言えますか。

    〔大村委員長代理退席、委員長着席〕

尾辻国務大臣 先ほど御答弁したとおりでございまして、水準はこれまでの水準を下げるというようなことを考えておるものではございません。

笠井委員 では、必ずこれ以上になるということで、私は重要な問題として受けとめました。

 この問題というのは本当に大事で、先ほど言ったような文書で本当に厚生労働省は考えているとしたら、そして法案が通って具体化していくとなったら大変な話ですよ。障害者間に新たな格差を、場合によっては差別を生むことになります。働けそうな障害者は手厚くするけれども、そうでない場合は施策から外れるということになります。障害者の地域での自立と社会参加の条件整備など、絵にかいたもちになっちゃう、その懸念が強い、私はこれを読んで、ひどいと思ったんですよ。

 一昨日の局長の答弁も大臣の答弁も、その文書と答弁をよく照らし合わせて見てみると、同じようなラインで言われている。最後、大臣も現状とは同じようにはならないとまでさっき言われたんです。今、きちっと最低水準は保持すると言われましたから、きちっとそのことはやっていただきたいと思うんですが、本当に重大な問題だと思います。

 こういう問題でも、検討しておきながらしていないというのか、知らないというのか、職員の拡充もそれで本当にできるのか、いろいろな大変な状況が本当に解消するのか。何の保証もありません。こんな法律をこのまま通すわけにはいかない。ますます強く痛感いたします。

 さらに伺っていきたいんですけれども、先日の参考人質疑でも、育成医療、更生医療の問題が取り上げられました。そこで、重度かつ継続の範囲についてでありますけれども、大臣は、一昨日の答弁の中で、精神の場合に三疾病に限定されないということを言われました。三つはそうだとはっきりしているけれども、それ以外が入らないんじゃないんだということを言われました。私、育成、更生医療についても、自立支援医療の中で、肝臓機能、小腸機能、そしてHIVなどの免疫機能障害だけに限定されない、こういうことで理解していいのかと思ってあの答弁を伺ったんですが、そういう趣旨でよろしいでしょうか。そして、育成、更生の場合、三障害以外について、やってきたことについてはいつまでに検討の結論を出すおつもりでいらっしゃるのか。

尾辻国務大臣 まず、精神通院医療の重度かつ継続の範囲についての御議論がございました。

 これは、申し上げたとおりでございまして、現在お示しをいたしております三疾病に限らず、どういった疾病について追加すべきなのか、これを検討いたしておるわけでございますので、そのように御理解をいただきたいというふうに存じます。

 そこで、さらに、更生医療、育成医療における重度かつ継続の当面の範囲といたしましては、今お触れになったわけでございますけれども、腎臓機能障害、小腸機能障害、免疫機能障害の三つをお示しいたしたところでございます。

 この重度かつ継続の範囲につきましては、まずは、関係団体からデータ提供のありました精神通院医療について、これは先ほど申し上げましたように、有識者による検討の場でさまざまな御議論をいただいたところでございまして、更生医療、育成医療につきましては、今後、これに引き続きましてデータの収集、検討を進めてまいります。

笠井委員 いつまでと言われず、今後ということでしたけれども。しかし、当事者の皆さんにとっては極めて喫緊で重要な課題なんです。なのに、負担増だけは来年四月からの実施なのに間に合わない、こういう段取りでいいのか、せめて明らかにすべきだというのは当然の声だと思います。そして、そういう点での基本的な根拠とか見通しもないままに負担増というのでは納得できない、これは当然だと思うんです。

 心臓病の患者団体の方々の指摘では、激変緩和の措置をとるという話ですけれども、その後にも、高額療養費の上限は月ごとなので、所得課税世帯の最低ランクD一の場合に、二百五十万円の手術をして、翌月五十万円の再手術をした場合、これまでの二千三百円から十六万五千四百九十円、実にそういうケースでは七十二倍もの負担増になってしまう。本当にそういう深刻な訴えがありました。窓口での支払いの場合には九十一万五千六百円にもなる。さらに、数年の間に何回も手術を繰り返さなければならないケースがある。これも高額の医療費が継続的にかかる例であります。

 私は、こうした心臓病の場合にも重度かつ継続という範囲に入れて当然ではないか、このような例も視野に入れて、まさに大臣繰り返されていますけれども、細やかな配慮、これが必要じゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

尾辻国務大臣 今、いきなり数字をお聞きいたしましたので頭の中で整理しようと思ったんですが、私の理解いたしますところでは、医療費は四万二百円でとまるはずなんですが、十六万という数字をおっしゃったので、それがどういう根拠でその数字をお出しになったのかなと思いながら聞いておったところでございます。私は今そう思うんです。(笠井委員「実際にそれだけの負担増がかかるんです。今度のやり方でいくとなるんです」と呼ぶ)ちょっとその内訳をお示しいただきますと、またお答えできると思います。

笠井委員 時間がないからあれですけれども、実際に大変な負担がかかるんですよ。月をまたぐと大変なことになる。

 今、具体的なケース、一つ申し上げましたが、いろいろなケースがあるんです。手術するのが月初めで、その月内に終わるということじゃないんです。月をまたいでまたいろいろなことがあったり、こういうケースがいっぱいある。それを結局大臣は、データがない、これから調べていきます、検討してもらいますという形でやっていって、まあ二年以内にという話ですけれども、そういう形で、いいですよ、大臣、具体的な数字の話は、こんがらがるとおっしゃったから、また言うとこんがらがるに違いありませんからしませんけれども。

 とにかく、心臓病の患者の皆さん、そして家族の皆さん、最近、内部障害者ということで、やはりそういう点では、見た目ではなかなかわからないけれども重度の方がふえているということがあります。そして、手術を繰り返す方がおられる。私は、そういう方々、やはり命に直結する問題ですから、心臓という問題では、まさにそういうことであります。当事者にとっては一日一刻の問題だと思うんです。私、申し上げましたけれども、いろいろなケースがあります。

 例えば、今七十二倍という話をしましたが、いろいろなケースで負担がふえる、大変になる、今までより何倍、何十倍になる、これは間違いないんですよ。厚生労働省だってそのことを認めているはずです。それを、まず対象にして、そして実証結果を見てから見直すということもあるんじゃないかというのが患者団体の中からも意見が出ている。そこはまさに大臣が繰り返し言われているようなきめ細やかな配慮をするという中に当然入れて、先送りせずにやはりきちっとやる必要があるんじゃないかと思いますけれども、そういう方向でということでの御意思の表明、いただけないでしょうか。

尾辻国務大臣 まず、私どもがこの際できるだけ負担を小さくするためにということで申しておりますのはもう御案内のとおりでありまして、一万円と四万二百円、この上限を定めております。ここまで定めたわけでございますので、私どもはまずこの額で御負担いただきたいというふうに申し上げておるところでございます。私どもはそれなりの努力をしてこういう額にしたということでございます。(笠井委員「いや、額ということじゃなくて、その対象にするかどうかの話。そっちの検討をもう少し、きちっとこういうことも念頭に置いてということです」と呼ぶ)

 今後の重度かつ継続に入れる範囲の話でありますか。(笠井委員「そうです。今、心臓の方の話はしましたから」と呼ぶ)それにつきましては、申し上げましたように、引き続き検討をいたしておりますが、これは急いで検討を進めてまいります。

笠井委員 心臓病の問題についても、やはり重要な疾病である、この点では重度かつ継続と。確かに重度かつ継続というのは、厚生労働省のグラフの資料がありましたけれども、かかる額が、お金が、こういう形で続いていくという場合だけじゃなくて、やはり手術して一気にこういうふうになって、また一たんは下がるけれども、また繰り返しすることによって、やはり違う波の形でも重度かつ継続ということがあり得るわけです。

 だから、そこのところは、病気の性格や疾病の状況、本人の問題、本人のそういう費用負担の問題も含めて、重度かつ継続というとこういうパターンしかないというんじゃなくて、やはり疾病に即して、そして負担に即してきちっと検討してもらいたいということなんですが、それはそういう方向でよろしいでしょうか。

尾辻国務大臣 ですから、普通の医療費の上限もございます。私も今手元に資料がありませんけれども、三カ月でしたか連続で上限まで来た場合には、またそのことを配慮するというふうにも定めておりますので、今おっしゃいましたように、疾病の形で、一遍うんとかかって、またそれがしばらく続くというようなこともありますので、そうしたことにも配慮してまいりたいと存じております。

笠井委員 やはり患者の皆さん、家族の皆さん、障害者の皆さんの立場に立ったときには本当に大事な問題だと思いますので、ぜひそういう方向で検討していただきたいし、一刻も早くそういうことでやってもらわないと困るということだと思います。今うなずいていらっしゃいますので、そういうことでぜひやっていただきたい。

 私、この間、この問題でも何回か質問に立たせていただきました。そして、やはり痛感するんですけれども、幾ら審議しても、これから検討する、激変緩和をしていくからということで、障害者、家族、関係者のお一人お一人にとって、この法律が通ったら一体サービスはどうなるのか、自分の負担が、家族の負担が具体的にどうなるのか、さっぱりわからない、聞けば聞くほど複雑怪奇でわかりにくい、こういうことでこの委員会も含めてみんなそういう共通の感想を持っていると思うのです。

 はっきりしているのは、応能負担を応益負担に大転換して、生きるために必死に頑張っている障害者の皆さんに、定率一割負担といういわば氷のように冷たい水を浴びせることだ。大臣は、限りなく応能負担に近づけると本当に繰り返し言われました。それなら応能負担にすればいい。応益負担と比べたら天と地であります。

 しかも、一たん定率ということにしますと、財政が大変だ、もっと大変になった、納税者の納得が必要だということになって、一割というのが今度、二割、三割ということになっていきかねない。そういう仕組みを今度つくろうとしているということです。医療費がそうだったのです。当事者、関係者の声や実態にこたえなかった大きなツケが必ず返ってくると言わざるを得ません。

 そこで、大臣に最後に伺っておきたいのですけれども、こういう法律を強行して、我々が委員会で指摘したような問題が、与党、野党、指摘しました、そういう問題が実際に、心配事が現実になった場合にどういう対応をとられるつもりですか、伺いたいと思います。

尾辻国務大臣 心配事が現実になったらとおっしゃいますが、まず具体的にどういうことであるかということもお聞きしませんと、また対応についても申し上げられませんが、一般論で申し上げますと、そういうことがないように、私どもは今後とも、法律の施行後、注意深く作業も進めますし、また施行後の運営もさせていただきたいと存じております。

笠井委員 先ほど来、三年後の見直しということもしきりに言われております。しかし私、三年後まで待てないというのが、障害者、関係者の皆さんの共通の思いだと思うんです。当事者、関係者の意見を聞いて、実態を踏まえて対応していく、必要なら定期協議もやるということが必要じゃないかと思います。

 くれぐれも、この法案の結果、自殺に追い込まれたり、人間としての尊厳を傷つけられたり、生きる希望、働く希望を失ったり、受診抑制が起こらないように、そういうことをしっかり努力する、そういう立場であることは間違いありませんか。

尾辻国務大臣 私どもは、障害者の皆さんが尊厳を持って生きていっていただきたい、また、そのようにぜひ私どもも、その施策をお預かりする立場から進めていかなきゃならない、そう思ってこの法律は出させていただいておるところでございますから、その方向で進むように、これは全力を挙げて努力をしてまいります。

笠井委員 私、そうお答えになるんだったら、今やるべきことはこういう法律をつくらないことだ、それが一番だと思います。

 この間の答弁や資料の問題でも、本当に私、率直に言ってごまかしがいっぱいあると思いました。本法案にある障害者、家族の負担増についても、私の質問でも、七百億という話、それ自体を局長は少な目に少な目に国庫ベースで言って、なかなか事業費ベースで言わない。そして先ほどの質疑でも、少なく見積もっているという問題が問題になりました。当事者にとっては本当に死活問題です。

 諸外国との関係でも、局長は応益負担的なものがほかにもあるかのように先日答弁しましたけれども、利用時間が多いと負担がふえることがあるという例があるだけで、一割の定率負担などどこにもありません。それは厚生労働省も後で聞いたらちゃんと認めました。

 そして、この法律を通さないと納税者が納得しないかのようにも答弁されました。しかし私、この間、障害者の皆さんにもっと負担させよなんというタックスペイヤーの声や提言などを聞いたことはありません。それどころか、内閣府が行った障害者に関する世論調査、これを見ても、国や地方公共団体に要望する、本当に非常に高いのが、年金や手当の充実。三三・九%の国民が、もっとやらなきゃいけない、支援しなきゃいけないと言っている。国民、納税者は障害者の皆さんに温かいです。当たり前です。

 私、冷たくて、そして納得していないのは政府、財務省であり、財界じゃないかと思って、この間質疑を聞いてきました。取り繕えば繕うほど説明が複雑になって、なおかつ、生きていけなくなるような負担増。大臣も局長も実はそのことが重々わかっているから、すぱっとちゃんと答えないで、のらりくらりだったり、違った話をする、こういうことになっているんじゃないでしょうか。

 障害者や家族の皆さんへの負担はこれだけじゃありません。この法案審議中にも、定率減税の全廃という話が出てくる、消費税を増税するという話が出てくる、医療改悪による負担増の具体化がどんどん出てくる。全部それはまた障害者の皆さんにかぶってくるわけですよ。

 まだ間に合います。関係団体の皆さん、ずっと二週間国会に詰めかけられて、二千五百人。皆さんのところにも要望書が来ていると思うんです。今からでも一人一人考えてほしい、本当に切実に書いてあります。私は、今からでも間に合う、納得の得られないような法案は今国会で廃案にして、障害者を真に支える本当の自立支援法案を出し直すべきだ、このことを強く求めて、質問を終わります。

鴨下委員長 次に、阿部知子君。

阿部(知)委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 私は、本日朝方八時ごろ、通勤の折に、まだ駅はいわゆるラッシュの時間でございましたが、車いすに乗った方を囲んで数人と、そして恐らく知的な障害をお持ちであろう方を囲んで数人の方がプラットホームで待っておられました。ああ、こんな時間にどうしたんだろう、珍しいなと思って一緒のボックスに乗り合わせました。そして、聞くともなくお話を聞きますと、まさにこの国会にいらっしゃる方々でした。だれに言われたのでなく、本当に心配だから、そして朝のラッシュ時に車いすでやってこられる方がいる。それほどに、本当にどうなっちゃうんだろう、本当にやっていけるんだろうか、そういう不安がまだ、日々これ大きくなろうとも、ちっとも消えていないんだと私は思います。

 そして、本日、聞くところによりますればというか、理事会などでは採決のお話も出ております。しかし、午前中の村井委員と中村局長あるいは尾辻大臣の答弁を聞きましても、なぜ障害者の所得が全く把握されていない、把握しようともしない中で、いわゆる相手を見ないで、実態を見ないで、現状を見ないで法律をつくろうとするんだろう。それは支援費で生じてしまったある種の失敗、いいアイデアであったと思います、でもお金が足りないからやれなくなったということの二の舞を踏むんじゃないかとすごく懸念しますし、その結果、負担や利用できない苦しい目に遭うのは障害のある方そのものです。

 そして、きょうは、私は本来であれば、そうした採決も迫ったと言われる状況の中で、骨格論議をしたいです。しかし、その骨格論議の前にまず事実のデータ確認を今もってしなきゃならない国会状況と、逆に厚生労働省の提出される資料のずさんさが今もってあることをすごく残念に思います。

 冒頭、中村局長にお伺いいたします。答弁はイエスかノーかのデジタル思考でお願いいたします、長々言われますとごまかされますので。

 きょう中村さんが御説明の障害者福祉サービスに係る利用者負担の見直しに対する影響、先ほど村井委員にお示しくださいました。この二ページの左端の人員、生保、低所得一、二、一般、これはその障害のおありの本人の所得ですか、あるいは世帯のものですか。必ず一言で、本人か世帯かお答えください。もう先ほどの長い説明は聞きましたので、最終盤ですからそれ以上は要りません。本人か世帯か、お願いします。

中村政府参考人 現行の支援費制度の実績は、本人所得に基づく費用徴収を基準といたしておりますので、その実績に基づくデータでございますので、本人の所得をもとに推計をいたしております。

阿部(知)委員 先ほどの答弁とは違うんですね、局長。先ほどの答弁とは違うんですね。本人ですね、本人ですね。イエスかノーかでお願いしますね。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 予算の考え方として、世帯の所得状況を推計するに際し、本人の所得がそのまま世帯の所得と同じであるとみなして推計を行っているものでございます。

阿部(知)委員 そんなばかな推計をしてはいけないのです。そんな推計の上にこんな論議はできないのです。

 では、委員長、申しわけありませんが、午前中の答弁とそごがあります。まず、世帯のものか本人のものか、この点をそちら側で明確にしてください。それまで時間をとめてください。

鴨下委員長 中村局長。(阿部(知)委員「恐縮です、中村さんには今もうお答えいただきましたので。委員長、きちんと仕切ってください」と呼ぶ)

 中村局長、答弁で正してください。

中村政府参考人 私が申し上げましたのは、午前中も申し上げましたのは、積算根拠についてお話を申し上げました。

 二ページの、制度改正のこの積算根拠は……(阿部(知)委員「そういう説明を聞いているんじゃないんです。時間を食わないでください。限られた時間です。そんなわけにいかないんです。世帯か本人かだけで結構です。尾辻さんにも同じことを伺います。世帯か本人かだけで結構です。今の、中村さんは、世帯の収入はイコール本人の所得だとおっしゃいました。そんなはずはないのです。その一点だけ明確にしてください。それじゃないと進められません。答弁にならないから言っているんです。けんか腰じゃないです」と呼ぶ)

鴨下委員長 阿部君に申し上げます。

 委員長の指示に従ってください。

阿部(知)委員 従いますが、では、確認してください。そちら側の意見をまとめてください。本人か世帯か。

鴨下委員長 それでは、中村局長、答弁で正してください。

中村政府参考人 答弁申し上げます。

 それぞれ積算が違うということを申し上げているわけでございます。世帯人員と申しましても、六ページのものは、先ほど申し上げましたように支援費制度の実態に基づきますものでございますから、六ページの統計につきましては支援費制度の実態は本人所得に基づく費用徴収を基準としているということでございますので、ここの部分は本人でございます。

 四ページでございますけれども……(阿部(知)委員「二ページを聞きました。ほかのことを答えないでください」と呼ぶ)ですから、それぞれ違うということを申し上げているわけでございまして、二ページにつきましては、三ページに書いておりますように、所得及び一般は平成十年の国民生活基礎調査の数字によるものでございまして、ここにつきましては、所得階層につきましては所得階層区分の人員を算出しております。

阿部(知)委員 それだけぐちゃぐちゃ答えても、本人か世帯かわからないんです。

 大臣、この二ページの左端は本人所得ですか、世帯ですか、お願いします。ここが出発点です。本人ですか、世帯ですか。二ページのここです。大臣。もう時間をつぶさないでください。

尾辻国務大臣 先ほど来お答えいたしましたのは、十七年度予算の計算方法をお答え申し上げております。この予算は、現行の支援費制度の実績等をもとに所得階層を考えておりまして、予算上はこれに基づき積算をしておる、このことを繰り返し申し上げておるわけであります。

 現行の支援費制度の実績は、本人所得に基づく費用徴収を基準といたしております。これもお答え申し上げております。

 予算の考え方としては、世帯の所得状況を推計する際にも、本人の所得がそのまま世帯の所得と同じものであるとみなして推計を行っておるということを御説明申し上げておるわけであります。

阿部(知)委員 では、大臣が今おっしゃった三つ目の根拠が間違っているんです。いいですか、三つ目の根拠が根拠レスなんです。

 理由は、きょう私は、たまたま同じ支援費で東京都で行われた十月四日のフォーラムに出された資料を入手しました。これは朝、電車の中で立ち聞きしたんです。低所得一、二の数、厚生省が出しているのと違うよねとおっしゃっていました。そこで、では、どんなデータがあるんだろうと私も耳がダンボになりました。そこでお話しだったのが東京都の支援費の本人と世帯の所得を分布したものです。きょう新たに資料として出させていただきました。大臣の三点目の、本人の所得を世帯の所得と類推するというのは、このデータを見ていただければ一目瞭然に違っています。

 このデータでは、小さい字で恐縮ですが、例えば御本人に着目すると、所得税課税六・六%、所得税非課税、住民税がお払いが二・一%、低所得の一、二が七〇・五%、大体このお示しの二のようなデータになります。しかし、世帯の所得に着目いたしますと、所得税課税が五二・六%、住民税が課税で所得税非課税が一三・二%、合わせれば六五・八%がここでいう低所得ではなくなるんです。一般になるんです。大臣、これくらい差があるんです。そして、資料は求めようと思えば求められるんです。これは東京都の事案です。十月四日に出された公なものです。

 大臣の三点目の、本人所得と世帯所得は同じとみなしてよいとする根拠はこれからはないですよね。どうでしょう、大臣、大臣。

鴨下委員長 中村局長。

阿部(知)委員 もう中村さんは結構です。ちょっと待ってください、委員長。今、大臣の答弁に私は伺っているんです。大臣が三点目におっしゃったから、大臣に伺っているんです。局長ではないです。大臣、お願いします。私の説明がわかっていないと申しわけないから。

鴨下委員長 尾辻大臣。

尾辻国務大臣 今先生お示しの、左側と右側のこれを見ております。さっきも申し上げましたように、十七年度予算ではこの左側の方の数値を根拠にして私どもは積算をし、予算要求したわけであります。

 右側のこの数字は予算編成には使えないと言っておりましたが、これは局長から使えない理由は御説明をさせますけれども、使えないと言っておりました。その理由は説明させます。

 ただ、その前に申し上げたいことは、私どもはできるだけ支援費もたくさん予算をとりたい。それで、できるだけとっても足らなかったのは御案内のとおりですから。ですから、予算額が大きくなる積算を使いたいというのは私どもの気持ちとして当然でございますから、二つ数字があっても、私どもの予算が大きくなる、障害者の皆さんの予算額が大きくなる方を使ったということは、いずれにしても決して間違いでない私どもの思いであったということだけは私は申し上げて、あとは必要があれば局長に答えさせます。

阿部(知)委員 では、大臣に二つお伺いします。

 前言の、本人の所得と世帯の所得はイコールであるということは訂正してください、これは大きく違いますから。大臣、議事録を見れば、三点目はそうおっしゃいました。それは違いますから。

 それから、いいでしょうか、一個ずつやる余力が私の時間にはないので。大臣は、本人の所得と世帯の所得はこの場合一緒であると、三点上げられた三点目にそうおっしゃいました。それはこのデータから見ても違いますよね。大きく違いますよね。いいですか。その後の大臣のお話には私もお答えがありますので、まずその一点だけ、本人と世帯は違いますよね。

尾辻国務大臣 先ほど三点目として申し上げましたのは、予算の考え方としては、世帯の所得状況を推計する際には、本人の所得がそのまま世帯の所得と同じであるとみなして推計を行っているもの、予算をつくるときの考え方として私どもがこうしてまいりましたということを申し上げ、そして、さらに申し上げましたのは、その方がやはり私どもの予算額が大きくなる、そういうことを申し上げておるところでございます。

阿部(知)委員 物事の考え方は、確かに、予算作成上、やはり厚生労働省予算を多くとっていただくということは肝要ですので、それは重々お認めいたします。

 しかし、大臣の頭の中から恐縮ですが抜けているのは、これは本人の所得だけじゃなくて家族世帯に着目しており、家族はその場合負担をするということです。厚生省は予算をとられるかもしれません。その予算が障害者本人に行くんじゃなくて、家族が一定以上であれば、ここの言う所得税非課税までの六五・八%の人は家族が負担するということなんです。

 大臣、おわかりですか。厚労省が予算をとりたいというのは本当に賛成です。だけれども、その中からすこんと抜けちゃうのが、だれがお金を負担しているかなんです。そして、みんなが心配なのは、それだけ負担して家族がもつだろうか、やっていけるだろうか、障害のある子を抱えて、ある人を抱えて、家族は本当に、日本の場合、家族に頼り過ぎの現状があるわけです。その方たちから取るわけです。

 厚労省の予算は、見せかけ上というか、本当に、こうやっておいた方が大ぐくりで、この話は財務省にちょっと聞かせられません、そういうところでしょう。でも、その負担をだれがするかというところが問題なんです。家族がそれを負担しなきゃならない、そこの重みがそこの家庭をさらに貧困化させたり、負担をふやす。

 実は、これがこの法案の最も根本的な問題にかかわっているのですが、日本の民法では、明治の三十一年の、たしか民法の八百七十七条から八百八十一条に関して、家族制度、扶養義務というくくりで、家族が責任を負う制度ができ上がっています。でも、障害者問題は、究極のところ、家族からの自立でもあるわけです。これは繰り返し繰り返しこの間の、一九八七年、施設のサービスでも障害御本人の所得に注目、二〇〇三年の支援費においても、在宅サービスについては親兄弟は外れました。少なくとも、福祉の流れは本人の所得に着目するように流れてきているんです。

 ここにあって、家族ということが、実はこの試算の中では、厚生労働省の予算としてはとられ、負担は家族がするんです。この大きな、逆に言うと問題点、ここが一番やはり、本当にこの法律でやれるんだろうか……(発言する者あり)そうです。まさに家族負担をやめて、この予算のとおり本人所得だけでやっていただけませんか。

 それと、中村さんだって、こういう東京都のデータだってとれる立場でしょう。あなたは、厚生労働省の局長として、日本の厚生労働行政に責任と本当に権限を持った方です。なぜ、実態はとろうとすればとれるのに、厚生労働省として把握しないのか。

 これは、けさのあのいいかげんな審議を聞いて、きょうされんから連絡があったものです。でも、私は電車の中で聞いていました。ちょうど同じ情報でした。みんな心配して、あのデータは違うんじゃない、また違うんじゃない、みんなそう思っているんですね。大臣、そんな中で信頼性のある行政ができるでしょうか。私は、本当に事態は深刻だと思うんです。納得と信頼がなければ、こういう問題は解決しないんです。

 確かに、最後の最後まで納得はいかないところはありますでしょう。しかし、やはりこんなにずさんなデータが出されて、私がおとといいただいたのは、世帯収入の七割という方が一般の範疇に入るというデータでした、大臣にお渡しした。二日たったら、今度は全然違うデータでの試算根拠が出てきました。私たちが求めているのは、実態を把握してほしい、どのくらいの人が家族にカバーされて生きているか。そして、それはすごく肩身が狭い。もっと自立したい、もっと自分たちで自由に生きたい、それがこの政策の根幹でなくてはいけません。

 大臣、いかがでしょう。この思いがおわかりでしょうか。そして、なぜボタンがかけ違っているのか。やろうと思えば出る実態調査、東京都ができること、なぜ厚生労働省ができないのでしょう。

鴨下委員長 中村局長。(阿部(知)委員「ごめんなさい、中村さんは私は指名しませんので、大臣に伺います。恐縮です、これは政治的マターなんです」と呼ぶ)

中村政府参考人 お答え申し上げます。(発言する者あり)

鴨下委員長 中村局長、申しわけないけれども、では、大臣に答えてもらいますから。

尾辻国務大臣 いろいろおっしゃいましたので、どこの部分でお答えすればいいのかというふうに思いますが、まず一つは、データにこだわっておられます。

 そのデータの話で言いますと、先ほどお示しいただきました、この右と左の数字でありますが、これは必要があれば局長から、右と左の違い、そして、なぜ、私どもが左を使っておるか、右の方は予算編成に使えないんだと言うかという理由は御説明を申し上げたいと思います。

 ただ、局長を御指名にならないので、そこまで私からお答えを申し上げておきます。もし必要があれば、局長を御指名いただきたいと存じます。

阿部(知)委員 大臣、私が聞いているのは、予算編成上どうかじゃないんです。予算編成上はこのような形もとることはあるでしょう。しかし、その方が世帯で暮らされていて、その世帯の方は六五・八%、今度は障害者の方の負担が加わってくるんです。そのことによって障害者が肩身が狭いというのがこの法律なんです。これはおわかりでしょうか。ここを大臣にわかっていただかないと。

 大臣は、予算編成のところでわかれと言いました。それはわかりました。わかっています。では大臣、逆に、六五・八%、家族で見たら、これだけの方はいわゆる低所得には入らないのです。六五・八%の方は、家族の収入も含めて負担が生じます。そのことはおわかりの上なんでしょうか。そして、それが家族からの自立も含めた障害者の基本施策を逆行させる、八七年にも二〇〇三年にも自立の方向は出ていたんです、逆行させているという認識はお持ちでしょうか。

尾辻国務大臣 先ほどお話しになりました一番基本の部分で申し上げますと、まず、今回私どもが言っておりますことは、利用者本人に御負担くださいということを基本で言っているわけであります。これは先生がおっしゃったとおりでありまして、私どもも、今回、負担をどうするかということで、利用者本人に負担してくださいということはまず基本に言っておるわけであります。

 ただ、負担上限額を世帯の収入に応じて設定させてくださいと。これは軽減措置をどうするかということで、そうさせてくださいということをまた申し上げております。その制度そのものは何も全然変化しないわけでありますから、個々の方がどういう軽減になるか、負担になるかというのは、全体の数字がどうなるかということとは、個々の方のそれぞれの、私どもの制度が何も変わるわけじゃありませんから、そこのところにおいては変化しないはずなんだけれども、先生が問題にしておられることがどこにあるのかなというのが、そこの部分は私、よくわからないわけであります。

阿部(知)委員 軽減措置のお話は、厚生省が配られた資料の中でこのようなグラフがございました。この一般以上に行く方が六五・八%だということです。うそも含んだこの図、ここの中で、この一番上の軽減措置されない方が、家族の収入も含めたら六五・八%だということですよ。だから困るんですよ、要は。収入だってそう多いわけではありません。

 大臣、どうですか。私はまだもう一つ、データの偽造問題をやらなきゃいけないので、おわかりになりますでしょうか。このグラフの一番上、これ以上の、一般以上の、負担軽減措置がなくなる人の方が多いんだということなんです。

尾辻国務大臣 ですから局長に答えさせた方がいいと思い、先ほど来、局長に答えさせましょうかと言っておるわけでありますが、今、先生が言っておられるこの数字は、支援費の扶養義務者の範囲であって、というのは、事実上、児童の親だけでありますから、世帯の全体像にはならないはずでございます。そこのところを局長に答えさせましょうとさっきから申し上げておるのでありますが、もう少し詳しく答えさせた方がおわかりいただけるんじゃないかと思うんです。

阿部(知)委員 ちょっと待ってください。今の答弁は大変です。これは子供の場合だけじゃなくて、世帯の全体像です。障害者を持っておられる世帯もそうです。子供がいる場合だけじゃないんです。そして、障害者年金も加算された上での世帯の全体像です。大臣、それは答弁と御理解が違います。

尾辻国務大臣 私が理解しておりますのは、扶養義務者の範囲でいいますと、二十以上の障害者の場合は配偶者及び子、それから二十未満の障害者、まあ障害児でありますが、その場合は配偶者、父母及び子、いずれも、障害者と同一の世帯に属し、かつ生計を同じくすると認められる者、こういうふうに理解してお答えをいたしておるところでございます。

阿部(知)委員 同一の世帯にいればその世帯収入になることは、この法案の全体を見れば明らかです。では、大臣、ここで逆に、二十以上であれば、その御本人の所得以外に着目しませんか。親は入れませんか。いいでしょうか。それならそれで、それは前向きです。二十以上であれば入れない。

尾辻国務大臣 障害者の場合は、同一の世帯にいても親は入らない、こういうふうに理解をいたしております。

阿部(知)委員 親兄弟は入らないということですね。

 私は、実は、この件をもっと詰めたいのですが、もう一つ宿題がありますので、本当に恐縮ですが、残された時間、使わせてください。それは、審議会に出た、世帯所得六百七十万円のお話です。きょう、資料の中で三枚目につけさせていただきました。

 これは、世帯所得六百七十万円以上の方が自立支援医療でその対象から外れるというお話でした。しかし、どう考えても、世帯所得六百七十万円の人は所得税三十万円になりません。もう本当に短時間で恐縮です。Dで、世帯収入六百七十万円であれば所得税十四・七。それからCで、給与収入六百七十万であれば所得税二十一・六。私はこれをきのう遅くまで計算しました。そして、あの審議会の資料が、障害者一級が障害年金を受給している世帯で六百七十万円、所得税三十万円となっていました。私は、審議会のデータの誤りだし、それがひとり歩きして随所で使われているということを申し上げました。

 厚生労働省のデータもずさんであれば、審議会のデータにも誤りがあります。その点はどう是正してくださいますのか。大臣、お願いします。

尾辻国務大臣 昨年の十一月に行われました第二十一回社会保障審議会障害者部会での資料におきましては、自立支援医療の対象外となる方の範囲としてお示しをいたしております所得税額三十万円以上の方の収入については、「概ね六百七十万円以上の収入」と記載をいたしております。これは事実でございます。

 この記載は、制度の検討過程において、自立支援医療の対象外となる方が最大でどれだけ発生し得るのかを見積もるために、各種控除等を勘案せずに試算した結果の数値でございまして、そういう意味では、この数字がまた誤っておるというわけではございません。

 しかしながら、今申し上げたような試算の前提について、注釈を加えるなどの表記上の工夫を行っておりませんので、六百七十万円という数値が確かにひとり歩きをしてしまいましたので、そういうことで混乱を生じさせたということであれば、この点は反省しなきゃいけないというふうに考えております。

 この所得税三十万円に相当する年収の試算の前提等については、社会保障審議会障害者部会の部会長にも、先生の御指摘もございましたので、御相談を申し上げ、御了解いただいた上で、同部会の委員の皆様方に対しては、取り急ぎ要点を書面で、これはファクスでございますけれども、御報告いたしますとともに、次回の部会開催時に経緯を改めて御説明することといたしておるところでございます。

 今後、自立支援医療の対象の範囲も含めた法案の内容について、障害者の方々に正確にお伝えできるように細心の注意を払いながら周知に努めてまいります。

阿部(知)委員 データもいいかげん、与えた負担もはかり知れず、そして、私は、やはり実態を見ないで政策をすれば必ずいい成果が生まれないと思います。私は、採決することに大きな異議を申し添えて、質問を終わらせていただきます。

鴨下委員長 以上で両案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

鴨下委員長 この際、山井和則君外五名提出、障害者の自立の支援及び社会参加の促進のための身体障害者福祉法等の一部を改正する法律案について、国会法第五十七条の三の規定により、内閣の意見を聴取いたします。尾辻厚生労働大臣。

尾辻国務大臣 衆議院議員山井和則君外五名提出の障害者の自立の支援及び社会参加の促進のための身体障害者福祉法等の一部を改正する法律案につきましては、政府としては反対であります。

    ―――――――――――――

鴨下委員長 これより両案を一括して討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、順次これを許します。北川知克君。

北川委員 自由民主党の北川知克でございます。

 私は、自由民主党及び公明党を代表して、内閣提出の障害者自立支援法案について賛成の立場から、民主党提出の障害者の自立の支援及び社会参加の促進のための身体障害者福祉法等の一部を改正する法律案について反対の立場から討論を行うものであります。

 障害保健福祉施策につきましては、障害者及び障害児の地域における自立した生活を支援することが不可欠であり、障害者自立支援法案は、まさにこれらの課題に対応するものであります。

 具体的には、まず利用者にとっては、身体障害、知的障害、精神障害といった障害種別にかかわらず一元的にサービスを利用できる仕組みを構築することにより、どの地域でも支援の必要度に応じたサービス利用が可能になります。次に、事業者にとっては、運営基準等の規制緩和により、より柔軟な事業運営が可能になります。また、地方自治体にとっては、今後とも増大するサービス費用について、国等の費用負担を義務的なものとすることにより、安定的、持続可能な事業実施が可能となります。

 このほか、関係者の方々が御心配の利用負担については、十分な配慮を求めてきた結果、実質的に定率負担上限制となっており、負担能力に応じたきめ細やかな配慮が設けられている点も評価をいたしております。

 このように本法案は、障害者が自立した生活を営み、障害の有無にかかわらず相互に人格と個性を尊重し安心して暮らすことができる地域社会が実現できるよう、障害保健福祉を抜本的に改革するものと高く評価しております。我が国の障害福祉サービスをすべての人が受けられるユニバーサルなものへと変革するためにも、この法案をぜひとも成立させることが必要であると考えております。

 続いて、民主党提出の障害者の自立の支援及び社会参加の促進のための身体障害者福祉法等の一部を改正する法律案について申し上げます。

 民主党の対案は、福祉のエージフリー化を掲げる民主党のマニフェストに矛盾するばかりでなく、サービス体系の将来像など何ら新しい姿を示さないまま現行の支援費制度のもとで財源だけを義務的経費化し、また、精神障害者に対する福祉サービスについては、その根拠となる法律も示さないまま来年四月の施行をうたうなど、およそ非現実的なものとなっており、重要な課題はすべて先送りするものであります。

 このような法案は、改革案の名に値しないものであり、到底賛同できるものではありません。

 私は、内閣提出の本法律案が施行されることにより、障害者の自立支援が図られ、我が国の障害保健福祉は大きな前進を遂げることになるものと確信いたしております。

 以上、内閣提出の障害者自立支援法案について賛成することを表明して、自由民主党及び公明党を代表しての私の賛成討論といたします。

 ありがとうございました。(拍手)

鴨下委員長 次に、田名部匡代君。

田名部委員 私は、民主党・無所属クラブを代表して、民主党提出、障害者の自立の支援及び社会参加の促進のための身体障害者福祉法等の一部を改正する法律案に賛成、政府提出の障害者自立支援法案に反対の立場から討論を行います。

 さきの通常国会において、私たち民主党は政府提出法案に反対をいたしました。地域に暮らす障害者の声を真摯に聞けば、政府提出法案が障害者の生活を踏みにじるものにすぎないと断ぜざるを得ず、さらに与党に求めた修正要求項目がことごとく退けられるに至り、反対を決しました。

 二〇〇三年度からスタートした支援費制度は、障害者の自立と社会参加実現に向けた大きなかけ橋となりました。問題となっている支援費制度開始直後から二年連続して生じた支援費の予算不足は、そもそも政府が見込みを誤っていたところに原因があります。

 障害者施策の喫緊の課題は、支援費制度によって施設から地域へと戻れるようになった障害者が、どこに住んだとしても必要なサービスを公平に受けられるように、さらなる障害者サービスの基盤底上げを行うこと、また、平成二十一年度に予定される介護保険のエージフリー化と時期を合わせ、障害当事者を交えて新たな障害福祉法制度を構築することであるはずです。これらの基本認識に立って障害者施策を進めるのが常道であると考えます。

 政府及び与党は、二度にわたる法案提出とその審議過程において、障害者の生活実態を理解しようとせずに、まず定率負担という制度が利用者の生活にどれほどの影響を与えるのか、そしてその心理的な影響はいかばかりであるのか、新しく導入する福祉施策によって現在のサービス水準が保障されるものであるのか等々の質問に答えようとしません。

 最近の政府提出法案に多くなっている政省令事項に関しても、その具体的内容は明らかにされていません。本法案でいうならば、障害程度区分はどのような体系となるのか、その区分においてどれだけのサービス利用ができるのかという障害当事者が一番懸念している事項でさえ、通常国会審議からおよそ半年の時間が経過しているにもかかわらず、明らかではありません。これで、政府案の議論が尽くされたとは言えるわけがないんです。

 さて、一方の民主党案です。本法案は、現行法体系の延長線上でサービス水準を引き上げようとするものです。

 現行法体系を単純に継続するものではありません。精神障害も支援費制度の適用対象にしますし、政府が裁量的経費にしていた在宅系サービスも義務的経費に切りかえます。就労継続支援、就労移行支援を設け、さらに社会参加に必要な移動支援等々の事業も三法案の中で明確化し、同事業に対し国が財政支援を実施することとしています。すなわち、三障害のサービス水準を底上げする形で均等化し、障害によって不公平があると言われる現行法の欠陥を埋める改正は行っています。

 現行法体系の拡充をした後はどうなるのかというその疑問にも、民主党案は明確に答えています。二年間かけて、三障害にとらわれずすべての障害を対象とした包括的障害福祉法制を検討する。新たな法制では、所得保障を含め所得確保のあり方も定める。そうして、介護保険のエージフリー化と同時に、新たな障害福祉法制をスタートさせる。いずれも法案に明記しています。

 障害者が自立と社会参加をいかに実現するのかを考えれば、いずれの法律案のとる道が正しいのかは明白です。

 障害者福祉を当事者抜きに決定することはできません。それは、厚生労働省であっても、財務省であっても、ましてや、自民党でもなければ公明党でも、私たち民主党でもできないのです。障害を持ちながらでも地域で一生懸命生きている障害者、その人たちの意思を尊重すべきではありませんか。障害者に光をではなく、障害者を社会の光に、この心を忘れてはなりません。

 民主党は、障害当事者の立場に立ったとき、当事者不在の政府法案を認めることはできません。障害当事者とひざ詰めで協議をし、当事者が納得できる制度を構築する枠組みをつくろうとする民主党案こそ、着実な前進を図るものです。

 これまでの議論の中でも、適切なサービスは維持すると政府は言い続けてきました。しかし、本当に障害者のためを考えるならば、今行われているサービスを維持すると言うべきです。そうでなければだめなんです。政府提出法案でサービスが受けられなくなったり、一割負担に耐えかねて生きる楽しみを奪われたり、もしもみずからの命を投げ出すような、そんな方が出てきたら、どう責任をとるのでしょうか。

 委員会の審議の中で、自立支援法によって障害者はこれだけの負担がふえますという厚生労働省の資料をもとにした、そういった答弁にも、全く誠意のある答えは返ってきません。余りにも、出してくるデータはいいかげん、ずさん過ぎると言わざるを得ません。提出者であり、法案に賛成している自民党、公明党の皆さんは、障害者の負担がどれだけふえるのかという基本的なことさえ調べていなかった、調べていなかったというよりも知ろうとしなかったんです。

 それだけではありません。先日、委員会終了後に、法案賛成のある議員の方がこんなことを言っていました。今から勉強しないと中身が全くわからない、聞かれても答えられないとおっしゃっていたんです。しかも、午前中の審議の中でも、民主党に質問の時間なんか必要ないとおっしゃった方がおられました。全く民主主義に反する御意見であります。都合が悪くなると、時間がない、終わりだと、私は本当に腹が立って仕方がありません。長期間にわたり、暑い日も雨の日も、朝も夜も思いが届くことを願い、あきらめることなく毎日反対運動をしてきた障害者の気持ちを考えたときに、私はその無責任さに本当に腹が立ちます。

 この段階になっても、あらゆる場面で、検討中、努力しています、今やっているところなど、大事なことが何も明らかになっていないじゃないですか。にもかかわらず、賛成する理由は一体どこにあるのですか。こんなに急いで法案を通さなければならないのは、障害者のためではなく政府側の都合にすぎません。政府の見込み違いで支援費制度が続けられなくなったにもかかわらず、そのツケを利用する障害者に押しつけることに断固反対いたします。

 我々国会議員は、お役所のために仕事をするのではなく、国民の幸せのために仕事をするのです。障害者の本当の苦しみはわかってあげられないかもしれません。しかし、少しでも気持ちを理解し、もっと時間をかけて障害者のための制度を考えることはできるはずです。今のままでは、障害者の思いは届かないままになってしまうのです。

 私はひよっこの議員であります。しかし、今この場に立って、少しでも多くの反対する障害者の皆さんの思いが伝えられればと、その思いで一生懸命にお伝えをしています。だれもが平等に与えられた生きる権利を守っていくのが我々国会議員に課せられた責務であります。一度しかない人生、たとえどんな境遇であっても、だれもが生まれてきてよかったと、そう思えるような人生にしてほしいし、だれもがそう思える社会をつくりたいと心から願っています。その意味においても、到底今回の政府案には賛成することができません。

 障害者は、我々に助けてくださいと心から訴えていると思います。ぜひ、ここにいるすべての委員がいま一度、後ろを振り返って障害者の願いを受けとめてくださるよう、そして、この場に来られない全国の障害者の心の叫びに耳を傾け、賢明な御判断をしてくださるようお願い申し上げ、民主党提出、障害者の自立の支援及び社会参加の促進のための身体障害者福祉法等の一部を改正する法律案に賛成し、政府提出、障害者自立支援法案に反対する討論といたします。

 ありがとうございました。(拍手)

鴨下委員長 次に、笠井亮君。

笠井委員 私は、日本共産党を代表して、政府提出の障害者自立支援法及び民主党提出の障害者の自立の支援及び社会参加の促進のための身体障害者福祉法等の一部を改正する法律案について討論を行います。

 まず、私は、このような形で、障害者、家族、関係者の納得を得ないまま採決を強行することに強く抗議いたします。

 政府提出法案については、断固反対であります。本法案は、一たん廃案となった前法案同様に、障害者の福祉サービスへの定率一割応益負担の導入を図ろうとするものであります。

 反対する第一の理由は、障害者にとって基本的人権である、コミュニケーションや移動、地域での生活を保障するサービスを利益として負担を求めれば、サービスを多く必要とする重度障害者ほど重い負担を強いられることになるからであります。

 負担上限や減免制度を設けて配慮したと言いますが、施設入所の場合、手元に残るのはわずか月額二万五千円にしかなりません。グループホームや通所施設に通う場合は手元に生活費が残る保証はなく、厳しい仕打ちを押しつけるものとなっています。このような応益負担は、障害者の自立と社会参加に逆行するものであり、断じて認めるわけにいきません。

 反対する第二の理由は、本法案が、精神通院公費、更生医療、育成医療という公費負担医療制度にも応益負担を導入し、ここでも障害者に重い負担を強いるものだからであります。この負担増は、障害者とその家族に大打撃を与えるだけでなく、障害者を医療機関から遠ざけ、必要な医療を受けることを妨げ、健康状態の悪化を招き、命をも脅かすことは明らかであります。

 本法案による障害者の負担は、少なく見積もった厚生労働省の積算でさえ、総額で年間七百億円にもなります。所得保障もせず、サービスを手に入れられない状態に障害者を置きながら、サービスは利益などと、そういう立場から負担を求めることは、まさしく、障害者の自立と社会参加、人権保障に真っ向から反する姿勢であることを厳しく指摘するものであります。

 第三の理由は、障害程度区分のモデル事業が示すように、障害者の実態把握が検証されていないこと、法案の根幹にかかわる二百を超える重要事項が政省令事項とされており、現在の検討状況から見て、障害者へのサービスが抑制されることが必至だからであります。

 多くの障害者や関係団体が、本法案の慎重審議、廃案を求めて声を上げています。これほど障害者自身が声を上げたことを国会は経験したことがありません。世界では、国連を中心に障害者差別禁止など大きな流れが広がっています。何より、我が国でも、障害者と家族、関係者の声にしっかりと耳を傾け、真に自立を支援し、社会参加を前進させる抜本的施策をとるべきであります。障害者の全面参加と平等を進める立場から見るなら、本法案は自立支援どころか自立を妨げるものであり、撤回すべきであります。

 民主党案については、応益負担を導入しないというもので、この法案に我が党は賛成します。

 以上、両案の賛否について主な理由を述べて、討論とします。(拍手)

鴨下委員長 次に、阿部知子君。

阿部(知)委員 私は、社会民主党・市民連合を代表して、障害者自立支援法案に対する反対と、そして、障害者の自立の支援及び社会参加の促進のための身体障害者福祉法等の一部を改正する法律案に対する賛成討論を行います。

 ナッシング・アバウト・アス・ウイズアウト・アス、私たちのことを私たちのいないところで決めないで、これは今日の障害者施策にかかわる根本の思想です。そして、本日、その実態の把握もないまま、ひたすらに膨大になる負担が押しつけられるその不安の中でこの法案が成立しようとしていることに、まず冒頭、大きな抗議を私はしたいと思います。

 まず、この政府提出の法案に反対の第一の理由は、分野の異なる障害者福祉と医療を強引に一つの法制度に押しとどめ、介護給付あるいは訓練等給付、自立支援医療等の支給について原則一割の応益負担を導入している点です。租税を財源とし、社会保障の扶助原理に立って行われてきた福祉制度を現行の応能負担から応益負担に転換することは、社会福祉の基本理念にかかわる重大な問題です。

 障害者福祉サービスの利用方法が措置制度から支援費制度へ移行した折にこの議論は一度は行われましたが、障害者の厳しい生活実態にかんがみて、応能負担は今日に至るまで継続されてまいりました。その後、本格的な障害者の所得把握あるいは所得保障、抜本的な就労対策などが行われたわけでもないにもかかわらず、また公式な場での議論も、当事者の意見を聞くことも、国民へ問いかけもないまま、国の財政削減のみを優先させて応能負担を応益負担に転換することは、許されてはならない暴挙だと思います。

 参議院の審議における我が党の議員の質問に対し、担当局長は、応益負担について、「新しい福祉の考え方」「サービスは買うものだ」と豪語しておりました。食事、トイレ、入浴など、障害者にとって生きるための最低限の介助をお金で買わせ、障害が重いほど、社会的な困難を抱えているほど費用負担を重くするという制度は根本的に間違っています。障害者基本法の基本理念、生活保障の権利、憲法二十五条、生存権に違反するものだと言わざるを得ません。多くの障害者が生活保護より現実には低い所得水準にある中で応益負担が導入されれば、障害者の生活の水準のみならず、それを抱える御家族あるいは日本の社会福祉の最低ラインが引き下がることは目に見えております。

 また、成り立ちもその意義も異なる精神通院公費、更生医療、育成医療を自立支援医療制度として一本化し、応益負担を導入することについても断じて容認できません。医療負担の増加は、障害者、障害児の受診抑制、医療の中断、新たな障害の発生、ひいては生命の危機に直結します。公費負担医療制度は現行どおり継続すべきです。

 反対する第二の理由は、障害程度区分、サービスの報酬額基準等の詳細が二百十三項目にも及ぶ政省令、告示事項にゆだねられ、現時点で一人一人の障害者の生活がどうなるのか皆目わからないという点です。障害者の生存を左右する部分を白紙委任することはできないのです。

 十月五日に障害程度区分判定等試行事業の結果が示されましたが、精神障害者は第一次判定で三三・二%が非該当です。さらに、第一次判定と最終結果との変更率は五〇%を超えております。障害程度区分はサービス支給決定の基礎となるものであり、本法案の骨格です。それを、さらなる試行事業もきっちりした検証も行わず、障害当事者の意見表明権の確保もあやふやなままで来年の四月から実施するということは、余りに乱暴です。

 第三の理由は、本法案において、障害者の地域生活、自立を支えるための社会基盤、すなわち就労の場、住居、人の支え等の確保を担保する制度設計が極めて不十分であるということです。障害福祉計画の策定等だけでは基盤整備は進みません。基盤整備によってサービス量が確保されてこそ障害者の地域生活、自立は可能であり、それを強力に推し進める特別立法が別途に必要です。

 本法案は、公平なサービス利用を建前に、障害程度区分や行政によるケアマネジメントが導入されています。しかし、社会的基盤が確保されなければ、これらは逆に、行政によるサービス利用の制限につながり、自立はますます遠のきます。さらに、利用者がサービス事業者を選択するのではなく、事業者が経済的により安定した障害者、家族を選ぶという逆選択の危険性さえ出てきます。

 本法案は、さきの第百六十二国会にも提出されましたが、数々の重大な欠陥が指摘され、慎重審議が強く望まれていましたが、今回政府が再提出した法案は、形式的な修正にすぎず、骨格の問題が全く是正されておりません。参考人質疑では、与党会派推薦の参考人からもさまざまな懸念が表明されています。全国の障害者、難病患者、その家族、関係者からは、拙速に法案を成立させないでほしいと必死の訴えが続いています。国会審議が深まることによって法案への疑問、不安が払拭されるどころか、審議を進めれば進めるほど障害当事者の不安が一層強くなるという事態は、まさに尋常ではありません。

 障害者の真の自立支援、そして完全な社会参加と差別のない社会、つまりノーマライゼーションを実現するためには、本法案は廃案とし、基礎データを積み上げ、障害保健福祉に係る予算を正当に見積もり、抜本的な再検討を図るべきです。

 そして、山井和則さん他提出の障害者の自立の支援及び社会参加の促進のための身体障害者福祉法等の一部を改正する法律案については、これまで対象外であった精神障害者を支援費の中に加え、応能負担制度を維持し、医療費の公費負担制度の継続、居宅生活支援等の国の財政負担の義務化など、直面する課題に対応する内容であり、今後、障害者施策を根本から検討し直すための時限立法として賛意を表明いたします。

 終わります。(拍手)

鴨下委員長 以上で討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

鴨下委員長 これより採決に入ります。

 まず、山井和則君外五名提出、障害者の自立の支援及び社会参加の促進のための身体障害者福祉法等の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

鴨下委員長 起立少数。よって、本案は否決すべきものと決しました。

 次に、内閣提出、参議院送付、障害者自立支援法案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

鴨下委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 この際、委員各位に申し上げます。

 ただいま議決いたしました障害者自立支援法案の施行に当たっては、前国会において付した附帯決議の内容を政府において十分尊重すること、また、政省令事項については、理事会に報告すること及び理事会においてフォローアップをすることが理事会で申し合わされましたことを御報告申し上げます。

 この際、政府から発言を求められておりますので、これを許します。尾辻厚生労働大臣。

尾辻国務大臣 ただいま厚生労働委員会理事会からありました申し入れにつきましては、厚生労働省として十分尊重し、適正な施行に努力してまいる所存でございます。

鴨下委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました両案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鴨下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

鴨下委員長 次回は、来る三十一日月曜日委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時三十六分散会


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