衆議院

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第4号 平成18年2月24日(金曜日)

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平成十八年二月二十四日(金曜日)

    午前九時三十一分開議

 出席委員

   委員長 岸田 文雄君

   理事 大村 秀章君 理事 鴨下 一郎君

   理事 北川 知克君 理事 谷畑  孝君

   理事 寺田  稔君 理事 仙谷 由人君

   理事 山井 和則君 理事 福島  豊君

      新井 悦二君    井上 信治君

      石崎  岳君    上野賢一郎君

      加藤 勝信君    川条 志嘉君

      木原 誠二君    木村 義雄君

      坂井  学君    清水鴻一郎君

      菅原 一秀君    杉村 太蔵君

      高鳥 修一君    戸井田とおる君

      冨岡  勉君    西川 京子君

      林   潤君    原田 令嗣君

      平口  洋君    福岡 資麿君

      松浪 健太君    松本  純君

      御法川信英君    山内 康一君

      内山  晃君    岡本 充功君

      菊田真紀子君    郡  和子君

      園田 康博君    田名部匡代君

      三井 辨雄君    村井 宗明君

      柚木 道義君    上田  勇君

      高木美智代君    高橋千鶴子君

      阿部 知子君    糸川 正晃君

    …………………………………

   厚生労働大臣       川崎 二郎君

   総務副大臣        山崎  力君

   厚生労働副大臣      赤松 正雄君

   厚生労働副大臣      中野  清君

   厚生労働大臣政務官    西川 京子君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   浜野  潤君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  松谷有希雄君

   政府参考人

   (厚生労働省健康局長)  中島 正治君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局長)            鈴木 直和君

   政府参考人

   (厚生労働省職業能力開発局長)          上村 隆史君

   政府参考人

   (厚生労働省雇用均等・児童家庭局長)       北井久美子君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局長)           中村 秀一君

   政府参考人

   (厚生労働省老健局長)  磯部 文雄君

   政府参考人

   (厚生労働省保険局長)  水田 邦雄君

   政府参考人

   (厚生労働省政策統括官) 太田 俊明君

   政府参考人

   (社会保険庁運営部長)  青柳 親房君

   厚生労働委員会専門員   榊原 志俊君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月二十四日

 辞任         補欠選任

  上野賢一郎君     山内 康一君

  戸井田とおる君    坂井  学君

同日

 辞任         補欠選任

  坂井  学君     戸井田とおる君

  山内 康一君     上野賢一郎君

    ―――――――――――――

二月二十一日

 患者負担増に反対し、保険で安心してかかれる医療に関する請願(細野豪志君紹介)(第三七五号)

 同(川端達夫君紹介)(第四六七号)

 同(中川正春君紹介)(第四六八号)

 同(玄葉光一郎君紹介)(第四七九号)

 同(高木義明君紹介)(第四八〇号)

 同(中井洽君紹介)(第四八一号)

 同(牧義夫君紹介)(第四八二号)

 同(三日月大造君紹介)(第四八三号)

 同(森本哲生君紹介)(第四八四号)

 同(荒井聰君紹介)(第五〇二号)

 同(古本伸一郎君紹介)(第五〇三号)

 同(山田正彦君紹介)(第五〇四号)

 じん肺根絶に関する請願(阿部知子君紹介)(第三八三号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第三八四号)

 同(石井郁子君紹介)(第三八五号)

 同(笠井亮君紹介)(第三八六号)

 同(金田誠一君紹介)(第三八七号)

 同(穀田恵二君紹介)(第三八八号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第三八九号)

 同(志位和夫君紹介)(第三九〇号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第三九一号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第三九二号)

 同(吉井英勝君紹介)(第三九三号)

 同(阿部知子君紹介)(第四一五号)

 ホームレス対策予算確保に関する請願(金田誠一君紹介)(第三九四号)

 患者・国民負担増計画の中止に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第三九五号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第五〇五号)

 同(志位和夫君紹介)(第五〇六号)

 保育・学童保育・子育て支援施策の拡充等に関する請願(阿部知子君紹介)(第四三九号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第四四〇号)

 同(石井郁子君紹介)(第四四一号)

 同(岡本充功君紹介)(第四四二号)

 同(奥村展三君紹介)(第四四三号)

 同(笠井亮君紹介)(第四四四号)

 同(北橋健治君紹介)(第四四五号)

 同(穀田恵二君紹介)(第四四六号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第四四七号)

 同(志位和夫君紹介)(第四四八号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第四四九号)

 同(園田康博君紹介)(第四五〇号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第四五一号)

 同(吉井英勝君紹介)(第四五二号)

 同(菊田真紀子君紹介)(第四六九号)

 同(馬渡龍治君紹介)(第四八五号)

 同(平野博文君紹介)(第五〇八号)

 同(保坂展人君紹介)(第五〇九号)

 医療制度改革関連法案反対に関する請願(阿部知子君紹介)(第五〇〇号)

 乳幼児医療費無料制度の創設に関する請願(志位和夫君紹介)(第五〇一号)

 国民皆保険制度堅持等に関する請願(志位和夫君紹介)(第五〇七号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 厚生労働関係の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

岸田委員長 これより会議を開きます。

 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣府政策統括官浜野潤君、厚生労働省医政局長松谷有希雄君、健康局長中島正治君、職業安定局長鈴木直和君、職業能力開発局長上村隆史君、雇用均等・児童家庭局長北井久美子君、社会・援護局長中村秀一君、老健局長磯部文雄君、保険局長水田邦雄君、政策統括官太田俊明君、社会保険庁運営部長青柳親房君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岸田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

岸田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。谷畑孝君。

谷畑委員 おはようございます。

 川崎大臣におかれましては、公私ともども、いつも温かい御指導をいただいていること、この場をもちましてお礼を申し上げておきたいと思います。

 さて、百六十四国会、今国会は小泉総理の誕生から五年たつ最後の国会ということで、まさしく小泉内閣の総決算をしていく国会である、このように思っておるわけであります。あの失われた十年という中で、しかも、中小企業等を含めて企業の倒産、金融システムの崩壊等を含めて、非常に厳しい状況の中から小泉内閣が発足をし、そしてその中で、デフレの脱却、景気の力強い回復をしていくということ、また、国と地方を合わせて七百兆円を超える借金、この財政再建というのも非常に大きな課題になっておると思います。

 また同時に、今国会の小泉内閣の中で、少子化担当という大臣を、私の記憶では初めてじゃないかと思うこの専任大臣を置いたわけでありますけれども、これもやはり少子化という問題が大きな今国会のテーマじゃないか、このように思っておるわけであります。

 同時に、最近では格差社会と言われることで、貧富の差だとかそういうことも大きな議論になってまいりました。

 それで、川崎大臣にお聞きしますけれども、今国会の最後の小泉内閣の中で、厚生労働省の果たす役割、まさしくセーフティーネットといいましょうか、医療であり、あるいは年金であり、あるいは労働であり、さまざまな課題があろうかと思いますけれども、まず川崎大臣の、この最後の小泉内閣における一翼を担っておる大臣としての決意をお伺いいたします。

川崎国務大臣 国会対策時代に大変谷畑委員にお世話になりました。厚生労働行政関係では先輩でありますので、どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。

 谷畑委員も私も昭和二十二年生まれ、戦後のベビーブーム、団塊の世代で生まれた子供たちでございます。もうそろそろ六十になりそうになってきた、そういった意味では、六十五歳から年金と考えればあと七年、また、今回の後期高齢者医療ということから考えれば十七年、このベビーブームで生まれた我々が、国からさまざまな援助を受けなければならない。

 ある意味では、掛けてきた権利があると同時に、そうはいうものの、若い人たちのいろいろな意味での援助も受けていかなきゃならぬ世代に変わっていく。人口構成の大きな変化というものに対して対応できる社会保障政策にしていかなきゃならない。そういった意味では、持続可能なシステムをつくり上げる、すなわちそれがセーフティーネットにつながっていくというように考えております。

 そういった中で、二年前に年金改革、昨年は介護保険の問題、ことしは医療制度改革ということで、持続可能性というものを皆さん方と議論をしながらしっかり練り上げていかなきゃならない、こんな役目を私自身しょっているだろうと思っております。

 一方で、まさに経済の源になります労働の問題、この問題につきましては、例えば当面十年を考えますれば、団塊の世代の我々がもう少し働く、女性の雇用それから若者対策というものをしっかりしていかなければなりませんねという課題と同時に、今回、副大臣に昨年の十二月から各地域を回ってもらいました。景気がよくなってきた、すべての県が有効求人倍率を回復いたしましたけれども、しかしながら、例えば私の県の三重県とか愛知県と比べると、青森、北海道、高知、沖縄、こうした県は非常におくれている。そこへどうした施策をしていくべきか。そういう意味では、言われるとおり、弱い部分に対してどう国としてさまざまな配慮を加えることができるかというのが政治の要諦だろうと思います。

 地域もそうであり、また一人一人の人たちもそうであろう、そういう意味では、言われるとおり、セーフティーネットというものをやはりきちっと敷きながら、我が国の活力というのを求めながらやっていかなきゃならないだろう、このように思っております。

谷畑委員 ありがとうございました。

 次に、少子化の問題で少し質問をしたいと思っております。

 一つは、出生率が一・二九ということで、これも非常に驚きであったわけであります。また、昨年は七千三百六十一人という人口減ということになりまして、いわゆるこれも大きな出来事である、このように思っております。また、少子化対策というのはいろいろな角度で行われてきたと思います。児童手当の問題もそうだし、あるいは男女共同参画社会という形の中で、保育所の充実であったり、あるいは子供を育てるための育児休暇の制度だとかいろいろなものがあるわけでありますけれども、にもかかわらず人口が減少していくということで、なかなか決め手というものがないと言われるわけであります。

 しかし、厚生労働省が発表しました資料を見ておりますと、児童・家族関係の給付費というのは三兆一千六百二十六億円、こうなっておりまして、これは平成十五年度でありますけれども、高齢者関係給付費が五十九兆三千百七十八億円ということで、社会保障給付費の八十四兆二千六百六十八億円の中から比較しましても、児童・家族関係が三・八%、高齢者関係給付費が五十九兆云々と、余りにも差が大きい。

 こういうことは、言いかえれば、もう少し子供、児童に対する予算をしっかりと配分していくということが、少子化問題については非常に大事じゃないか、このように思っております。

 同時に、さまざまの少子化に対する対策があるわけですけれども、その中でも、やはりめり張りをつけて、どれをどうしていくかということもしっかりとシグナルを送っていく必要があるんではないか、このように思います。

 つきましては、この少子化についての予算配分を、十年間ではこれぐらいの配分に変えるんだとか、そういうシグナルを送っていただいたら非常にわかりやすくていいのではないかと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

川崎国務大臣 まず、この表ですけれども、私もこれを見ましてびっくりしたんですけれども、一方でこの内容をもう少し詰めろという指示をいたしております。

 例えば、公明党さんから、児童手当をもう少し拡大をしろ、一方で税による支援、公助ですね、それを減らしたら、こういう御意見もある。そういう意味では、今は税による支援と児童手当という支援、これ二つでやっているわけですね。だから、これだけで数字が出てきてこれがすべてだと言われると、やはりよく見えないな。公明党さんの御主張のとおり、全部児童手当ということで、税に対する支援をやめてしまえば数字は上がってきます。ですから、資料的には私は不足だろうと思っているんです。もう少し精査してくださいというのが第一点。

 第二点は、我が国とフランスを比べた場合に、我が国がおくれておるということは認めざるを得ないだろうと思っております。しかし、一方で、あの六・九という数字のドイツと我が国の出生率はほぼ同じでございます。そういった意味では、金額的な数字だけですべて決まっていく話ではないということも、しっかり押さえておかなきゃならぬだろう。

 結論から言えば、若い御夫婦に対して、経済的な支援、雇用の面での支援、それから子育て、保育という面での支援、これを社会全体がどう気配りをしながらやっていくかということが大事だろう。そういう意味では、経済界の皆さん方にももう少し理解を深めてもらわなければならない。というのは日本経済の基盤の問題ですから、もう少し経済界の皆さん方にも御理解をいただきながら、この三つの施策をどう進めていくかということが大きな課題であろうと思っております。

 一方で、この少子化問題というのは、ある意味ではアジア問題かもしれない。我が国より低いのは、御承知のとおり韓国、台湾、シンガポール、香港も低いんでしょうか。まさにアジアの、経済が伸びてきている国々が極めて低い状況になってきている。ある意味では、我々はヨーロッパばかり見ながら議論をしてまいりましたけれども、アジアというものもしっかり見ながら、何が足らないでお互いにここまで下がってきてしまったのかなというものを検証しながらやっていかなきゃならない。

 いずれにせよ、今回は、児童手当、出産のお祝い金ということで拡大をさせていただきましたけれども、皆さん方からまだまだ足りないという御意見、ある意味では御支援をいただいておりますので、六月、猪口さんのもとで最終的な取りまとめをしていこうという考え方の中で、しっかり議論を進めて、ある程度数字も整理した上でもう一度お示しをしたい、このように思っております。

谷畑委員 ぜひひとつ、めり張りのある少子化対策を強力に推し進めていただきたい、このように思っております。

 次に、医療問題で二つほど質問したいんですけれども、私の選挙区の一番大きな町で二十八万都市の八尾市というところがあるんです。公立の市立病院を新しく建てかえてやっているわけですけれども、聞きますと、平成十六年度では十九億という赤字、そして昨年などは十億を超えたぐらいのレベルで赤字、ずっと続いていくんですね。八尾市は税収は三百八十三億、そして、それぞれの国とかいろいろな形を、起債だとかいろいろ入れて、八百十九億ぐらいの規模の町なんですね。

 そこへ、聞きますと、大体経常経費というのは九二%ぐらいで、これはどうしても給料だとかそういう社会保障制度にかかわるお金だとか、さわりようがない。まさしく使える金というのは五%あるかないか。そういう状況の中で、公立病院を抱えて十億を超える赤字を毎年続けるということは、これは非常に大きな負担になってきています。

 四つの市がありますけれども、もう一つの市はさらに同じような状況です。だから、これからの公立病院のあり方というのか、もちろん総務省との関係もあろうかと思いますけれども、厚生労働省としてはどういう形で指導していくのか、このことが一点。

 もう一つは、私どもの八尾市民病院も、産婦人科がこの半年間、医者が一人もいない状況になりました。もう市民から見たら、一体この市民病院はどうなっているんだ、こういうことになりまして、もう市長は駆けずり回って、ようやく確保してきたということです。もちろん、小児科もそうだと思います。

 私は、診療報酬制度で少し産婦人科なり小児科の先生方をふやしていく手だてをするんだ、こう言いますけれども、それが本当にできるのかどうか、少し……(発言する者あり)えらい支援をいただきましたけれども、そんなことを思っておりますけれども、何かありましたら、副大臣、お願いいたします。

赤松副大臣 今谷畑委員から御地元の御様子等を交えてのお話、私も自分の地元等で、今例示に挙げられたようなことを痛感をいたしております。

 まず基本的な物の考え方といたしまして、今回の医療制度改革において、まず官から民への流れ、そして官民のイコールフッティングを踏まえて、従来公立病院が担ってきた医療を漸次民間の医療法人も積極的に担うようにという、こういう考え方で基本的に推進していこう、こんなふうに思っております。

 具体的には、従来公立病院が担ってきました小児救急医療、災害医療、僻地医療等の医療サービスを民間の医療法人も積極的に担う仕組みとして、社会医療法人制度を創設することにいたしております。

 このほか、医療計画制度を見直して、これらの医療を地域で特に確保の必要性が高い事業として計画にしっかり位置づけて、地域で連携を図りながら医療を確保していく、こういうことにしておりまして、社会医療法人にも積極的に貢献していただきながら、地域において真に必要な医療を安定的に提供する体制の整備ということに厚労省は取り組んでまいりたい、そのように思っております。

 あともう一点、皆さん強く意識をしておられます、私も厚労省にお仕事をさせていただくようになりましてから、さまざまな角度で小児科、産婦人科のお医者さんが足らないという陳情を、地元だけじゃなくて、いろいろなところからお聞きをいたしております。そういう中で、昨年、各都道府県に対しまして、公立病院を中心に、小児医療や産科医療の機能を集約化、重点化するための検討を平成十八年度末までに行うようにまず要請をいたしました。

 今回提出いたしました法案におきまして、救急医療、小児医療、周産期医療等の従事者の確保を推進するために、各都道府県が中心になりまして、大学病院など地域の医療関係者と話し合いを行っていただいて、各病院に医師を派遣する仕組みというものをしっかり検討してもらって、実施していく枠組み、医療対策協議会の制度化など、法制度面からも必要な措置をしっかり講じてまいりたい、こんなふうにまず考えております。

 さらに、お金の予算面では、一つは、乳幼児の保護者に対する小児の救急時の対応方法にかかわるガイドブックの作成、配付や、講習会の実施、二つは、地域の小児科医により行われる小児患者の保護者向けの夜間電話の相談体制の充実、また、三つ目には、女性医師のライフステージに応じた就労を支援するための女性医師バンク、仮称ですけれども、こういったものの設立や講習会の実施などの予算を計上いたしております。

 最後に、このほか、先ほど谷畑委員も御指摘になりましたけれども、診療報酬改定におきまして、小児医療にかかわる地域の中核的な病院や深夜の小児救急医療、また産科医療におけるハイリスク分娩などを重点的に評価することにいたしまして、引き続き総合的な医師の確保、とりわけ産科、小児科の医師の確保に取り組んでまいりたい、このように考えております。

 以上です。

谷畑委員 産婦人科、小児科というのは、子供たちをしっかりと育てていく、そういうことで少子化対策の観点から見ても非常に大事なことだと思いますので、ぜひひとつ成果を上げていただきたい、このように思っております。

 次に、ニートだとかフリーターの問題で少し質問をしたいなと思っています。

 私自身も、このニート問題、フリーター問題におきましては、私ども労働政策議連の、私も事務局長という立場の中でこの問題を取り上げたり、あるいは副大臣時代にも各副大臣のテーマとして取り上げたり、あるいは省内におきましてもワーキングチームを立ち上げたりして、そういう中で、若者塾だとかあるいはジョブカフェ含めて、若者たちが喫茶店に行くような雰囲気の中で、その人々のさまざまの能力を見きわめながら就職を成功させていく、こういういろいろな制度ができ出してきたわけですけれども、しかし、私は、このフリーターとかニートの問題をやってみて、実は三つぐらい感じるんです。

 一つは、もう大学卒業間際になっても、あるいは高校卒業間際になっても、将来何をしたいかということがはっきり認識をされない。そして同時に、いわゆる社会性が弱いというのか、人づき合いができない、こういう点があります。

 そうすると、基本的な働くということの意味というものが理解できない、こういう人が相当ふえてきたのじゃないか、このように思っています。特に、人づき合いが弱いというのは、これは、私は社会人になっていくに当たっては非常に大事なことであろうかと思っております。

 それともう一つは、働くことの意味ということですけれども、私は若いときに、美輪さんという女優の「ヨイトマケの唄」というのか、おっかちゃんのためならえんやこらと、あの歌を聞いて、私は本当に感動したというのか涙を流したというのか、働くということはこういうことなのかなと思いました。

 時代はどんどん変わってしまいまして、働く形も大きく変化しておると思うんですけれども、いずれにしましても、このフリーター、ニートの若年労働者の問題というのは私は大事だと思うので、時間がありませんので一言だけ、何か見解がありましたら答えていただきたいと思います。

川崎国務大臣 実は、あした大阪でタウンミーティング、ニート問題で小坂文科大臣と二人でやります。ぜひ御参加を。

 今の認識どおりだと思うんですね。ですから、文科大臣と私、文科省と厚生労働省がしっかりこの問題について連携を組みながら対応していく必要があるだろうと。逆に言えば、学校教育の中で、働く喜び、また働く経験、これをどう根差していくかということがまず大事なことであろう、委員の御指摘のとおりだろうと思っております。

 今、ニートが六十四万、大変な数になってきてしまったなという中で、一つは、御指摘いただいたように、若者自立塾、何しろ若い人を引っ張り出す、そしてキャンプとかそういう経験をしてもらいながら、引っ込み思案を少しずつ直してもらうということが大事だろう。

 もう一つ考えているんですけれども、本当は親子の間でこの問題を解決できて、そして自分は働いてみるということになればいいんですけれども、どうも親子の間だけでは解決できない。かつては、親戚のおじさんや隣のおじさんが、おう、勉強もしないで、仕事もしないでいるなら、ちょっとおれのところへ仕事に来いやと、こう引っ張ってくれたけれども、なかなか引っ張ってくれない。

 したがって、きっかけをどうやってつくるかということの中で、親子で解決できないから悶々としているというのを何とか解消しなきゃだめだ。そういう意味では、サポートステーションに、正直言って、お父さん、お母さんだけでもいいからまず相談に来てください、専門家が知恵とかいろいろな経験を授けますよ、そして、若者を引っ張り出してきて、専門家のアドバイスを受けながら、地域全体、社会全体でこの若者を仕事というものに対して目覚めさせていくということが一番大事なんだろうと。

 そういう意味では、親子の共同作業でありますけれども、親子だけでは完結できないというところに早く親御さんに気づいてもらうことが大事じゃないかなと。あしたもその辺を少しお話し申し上げたいと思います。

谷畑委員 ありがとうございました。

 もう時間がなくなってきましたけれども、最後に、障害者の問題について二つほど質問をしたいと思います。

 障害者の自立支援法、昨年通りました。私は、この障害者の問題を考えますと、昔は、障害児を抱えた家庭は、世間から恥ずかしい、こういうことで、一歩も外へ出さずに、まさしく座敷牢のような感じであったと思います。しかし、それから徐々に同情論があったり福祉論になったりしてきました。そしてまた、この十年来から、告発といいましょうか、障害者の人権というのか怒りというのか、そういうものが大きな社会を動かす力となって、いわゆる障害児問題というのは広がってきたと思うんですね。そして、基本的にはノーマライゼーションというのか、健常者と障害者がともに暮らすんだ、こういうことになってきたんじゃないか。

 そういう中で、自立支援法。私は、そういう意味では、自立支援法というのは、福祉の枠だけれども、そういうことじゃなくてまさしくノーマライゼーションの精神の中で、町の中でみんなと一緒に生きていくという、これは非常に大事なことだと思うんです。

 そこで、時間がありませんけれども、二つ。

 この障害者の自立支援法ですけれども、自立とは一体何か、これは私は非常に大事なことだと思う。これは、自立とは一体何だろうという、この点をどう認識するかということがこの問題についての非常に大きなことじゃないかということが一つ。

 二つ目は、将来この法律に基づいてグランドデザインというものができていくんだろうと思うんですけれども、現在ある授産所とか小規模作業所というのはどうしてもやはり施設の中でありますし、そして、将来どうなっていくのかということが、頭ではわかっても、実際にはどうなっていくのかがまだちょっと理解しにくいところがあろうかと思うんですね。

 授産所というのは、能力で、少し訓練をすれば仕事ができる人から、あるいはなかなかそういうことはできない、どうしても施設でそのままという方とか、いろいろな人たちが混在しておられるわけですけれども、それを将来少し分離しながら、職業訓練というものをしっかりとしながら、いわゆる社会生活として送っていける、そういうこともグランドデザインの中にあろうかと思うんですけれども、もう時間がありませんので。

 いずれにしても、現実はやはり不安がっていると思いますので、ここをしっかりとしないと、この自立支援法が本当によかったのか悪かったのか、こういうことになってしまうんじゃないか、こう思います。どうでしょうか。

川崎国務大臣 三月の初めに、法律に基づいて、さまざまなものを最終決定したいと思っております。決定をいたしましたら、委員が言われるとおり、あらゆる手段を使いながら、また地方に厚生労働省の役人が出向きながら、しっかり説明をする責任がまず第一にある。わからないがゆえの不安が多うございますから、そこはしっかりやらなければならぬだろうと思っております。

 それから、自立の概念といたしまして、身の回りに関する自立、経済的自立、それに限定することではなく、地域社会の中で、自分のやりたいことを主体的に決定し、必要な支援を受けながら生活を送ること、幅広い概念として、自己決定によって自分らしい生活を送ることであるという認識で進めてまいりたいと考えております。

谷畑委員 時間がやってまいりました。どうもありがとうございます。これで終わります。

岸田委員長 次に、大村秀章君。

大村委員 おはようございます。自由民主党の大村秀章でございます。

 三十分という時間をいただきました。川崎大臣初め御当局の皆様方に大臣所信表明を受けましての質疑をさせていただきたいと存じます。

 その前に、まず冒頭、きょう朝、私、起きてテレビをつけましたら、トリノ・オリンピックで荒川選手が待望の金メダルをとられておりまして、大変きょう一日、私自身もでございますが、日本全体が気分がいい日じゃないかなというふうに思っております。この気分のよさでこの審議もずっと進めていければと思います。

 お聞きしましたら、赤松副大臣は朝五時から起きられて見られていたという、大変御熱心だったということですばらしいなと思っておりますが、どうかきょうの質疑も実りの多い質疑になりますように、お願いを申し上げたいと思います。

 それではまず、今回、大臣の所信表明を受けまして、そしてまた今般の、今の厚生労働施策の中で最重要課題であります医療制度改革についてお聞きをしたいと思います。

 これは、これから健保法そしてまた医療法、関係の法律の改正の審議の中で十分に議論をし、そしてよりよいものにしていくということになろうかと思いますが、まずそのさわりにつきまして、きょうは少し御質疑そして意見の交換をさせていただければというふうに思っております。

 健康で長生きをしたいというのは国民共通の願いでございます。それをかなえていくのが私ども政治、そしてまた政策の一つの大きなポイントでもあるというふうに思っております。

 私ども日本は、昭和三十六年から国民皆保険制度を実現し、そして世界に冠たる保健医療水準、そして世界一の長寿国を実現してきた、これは私ども戦後の自民党政権での私は成果の一つだというふうに思っております。大いに誇るべきものだというふうに思っておりますが、そういう中で、しかしながら、やはり急速に少子高齢化が進んでまいります。また、経済も低成長、そしてまた国民の意識の変化などなど、やはり医療そして保険をめぐる環境というのは大きく変化をしてきております。

 そういう状況の中で、この医療制度を、だれもが安心して、健康を守るための医療を受けられるというこの制度を維持していくためには、やはり不断に改革の努力を続けていかなければならないと思うわけでございます。

 そういう意味で、社会保障制度につきましては、一昨年の年金制度改革、昨年の介護保険そして障害者の福祉施策等々の改革を進めていって、いよいよことし、今回、医療制度改革に取り組むということでございます。

 これはまさに、社会保障制度の本丸と言ってもいいと思っておりますが、そういう社会保障制度全体の改革の流れの中で今回医療制度改革に取り組む、この点についての思い、そして、何を念頭に置いて、ポイントとして取り組まれていこうとされるのか、その点についてまず、個々の話をお聞きする前に、川崎大臣の政治家としての、この医療制度改革に取り組む基本的なお考えをお聞きしたいというふうに思っております。

川崎国務大臣 今、国の予算が七十九兆、御審議をいただいております。社会保障の給付八十四兆円という時代を迎えている、これがふえていくことはだれも否定しないだろうと思っております。そんな中で、年金、介護と改革をしてまいり、ことしは医療制度改革を中心に国会で御議論をいただくということになります。

 医療というものを考えたときに、給付二十八兆円のうち十一兆円、これが七十五歳以上の、これから後期高齢者と呼ぶことになりますけれども、医療になるだろう。先ほどの議論の中にも申し上げましたように、私ども団塊の世代が七十五という年を迎えるときを想定いたしますと、十七年後、そのときに、今七十五歳以上が千三百万人、これが二千万人を超えるであろうと。一方で、少子化の影響で子供の数は、若い世代の数は減っていく。

 そうした中で、どうやってこの後期高齢者医療を支えていくかということが一番大きな問題であろうと思います。多分、例えば四十八兆と想定いたしましたら、そのうちの半分、二十四兆ぐらいがこの後期高齢者医療ということになるだろう。そこを国民の負担の中でどうやって支えていくか、持続可能なシステムにどうつくり上げていくかという中で、大村部会長にも大変お世話になりました予防の問題と入院の問題、ここをどう解決していくかというのが一つ大きなテーマであったと思っております。

 またもう一つは、年金は基本的には国が責任を持つ、また、介護は基本的には市町村が中心になってまいります。そういった中で、医療というものは、もう少し県を中心とした制度に変えていった方がいいのではなかろうか。医師の問題も出ております。さまざまな制度について、国の責任、県の責任、市町村の責任、そこをやはり少し変えさせていただきながら、国と県が一体となって取り組む、こういう形に変化をさせていきたいというのが今回の改革の大きなねらいではなかろうか、このように思っております。

 いずれにせよ、法案の審議の中でさまざまな御議論を賜りたいと思っております。

大村委員 今大臣言われました。確かに、国、県、市町村の役割、みんなで役割分担を明確にしながら支えていくということは大変大事な点だろうというふうに思っております。また、これからの審議の中でその点もぜひ明らかにしていければというふうに思います。

 そこで、先ほど大臣が言われました、今後、七十五歳以上の後期高齢者がこうやってふえていく、その分の医療費が、今十一兆円が、どんどんふえて半分ぐらいになるだろうということ、そういう予測がやはりされるわけでありますが、いろいろな制度改革をやる上におきまして、この医療費をどういうふうに見込んでいくのか。今回の医療制度改革の中で、やはり大きなポイントが医療費の適正化。伸びていくのはもう仕方がない、その伸び方をどういうふうに負担と給付のバランスをとり、そして国民の御理解をいただける水準に持っていくのかということの適正化といったことが、一つの大きな柱になっているのは事実でございます。

 この医療費の水準でありますけれども、今の保健医療水準でありますとか国民経済の動向を見ながら、現在の医療費の現状というのをどういうふうに認識しているのか。そしてまた、これを将来、二〇〇五年、二〇〇六年を二〇二五年に見通したときにどういうふうに見通しておられるのか。この点について、当局の御見解をお伺いできればというふうに思います。

水田政府参考人 お答え申し上げます。

 まず最初に、医療費の現状、この水準についてどのように認識しているかということでございます。

 まず、保健医療水準との関係で申し上げますと、これは先生冒頭おっしゃいましたように、我が国の平均寿命で示される保健医療水準、大変高いわけでございまして、WHOからもそのような評価を受けているわけでございます。

 その一方で、医療費の水準をどうはかるか、これもいろいろ御議論あるところでございますけれども、GDP比で見ますと、我が国の医療費のGDP比、OECD諸国の中でさほど高水準にあるとは言えないわけでありまして、一口で申し上げまして、良好なパフォーマンスを示している、このように評価を受けているところでございます。

 しかしながら、これも先生御指摘のとおりでございます、今後の急速な高齢化の進展に伴いまして、一人当たり医療費の高い高齢者が増加をするということで、医療費の増大、それからこれに伴う財政支出の増大が見込まれているわけでございます。

 したがいまして、この皆保険制度を堅持する、将来にわたって医療保険制度を持続可能なものにするということにつきまして、今のうちから医療費適正化に総合的に取り組んでいく必要があるものと認識をしているところでございます。

 それからもう一つ、今後の医療費の見通しについてお尋ねがございましたけれども、医療費の推計につきましては、内外を通じて、実は確立した手法というものがございません。したがいまして、私ども、足元の医療費をもとに、過去の一定期間の実績、すなわち制度改正がなかった時点、もっと具体的に申し上げますと、制度改正がなかった平成七年から十一年を測定期間といたしまして、そこで実績から得られました一人当たりの医療費の伸び率を当てはめて機械的に延ばしているわけでございます。

 それで、現行のまま推移をいたしますと、二〇二五年に医療給付費が五十六兆円に達する、このように見通されているわけでございます。いわばこれがベースラインでありまして、これにつきまして、さまざまな中長期の対策、短期の対策を組み合わせまして、医療給付費につきまして、先ほど大臣からお話ありましたとおり四十八兆円にとどめる、これを目安として立てているところでございます。

 私どもとしましては、これをまた実績と照らし合わせて評価をして、必要な施策を講じていく、こういったサイクルで取り組んでいきたい、このように考えてございます。

大村委員 まさに医療制度改革、医療の改革の中で、医療費をどういうふうに見て位置づけていくのかというのは大変大きなポイントになりますので、これは常に常に、やはり足元を固めながら、数字をしっかりやっていただきたいと思います。これまで、どうも正直言って、言葉は適当かどうかあれですけれども、余り当たっていないなという話があるものですから、そういうものはぜひしっかりとやっていただきたいというふうに思います。

 それから、そういう前提の中で、今回の、今後の改革の中で大変大事なポイントとして厚生労働省がやっておられるのが、一つは生活習慣病対策ということ、それから在院日数の短縮ということ、この二つを大きなポイントとして挙げておられるわけであります。この点についても、これはそれぞれ、後ほど申し上げますが、個別の施策を積み上げながら、やはり有効な施策をつくっていくということが必要だろうというふうに思いますけれども、この点についての厚生労働省のお考えをお聞かせいただければというふうに思います。

水田政府参考人 今回の改革におきまして、大きな柱といたしまして医療費の適正化があるわけでありますけれども、そのまた柱は、予防、それから平均在院日数の短縮、長期入院の是正、こういったことを立てているところでございます。

 まず、予防についてでございますけれども、生活習慣病に焦点を合わせまして予防対策を講じることとしております。その中での今回の柱、主な対策といたしましては、医療保険者の役割、これを明確にいたしまして、四十歳以上の加入者を対象といたします糖尿病等の生活習慣病の予防のための健診、それから保健指導の実施、これを義務づけることとしてございます。

 具体的には、国が定める基本指針に沿って、医療保険者におきまして実施目標を立てていただいて、実施率の引き上げを図っていくということが新たな取り組みでございます。これを国それから都道府県が策定いたします医療費適正化計画において位置づけまして、生活習慣病の有病者、予備軍の減少に関する数値目標というものを掲げまして、実績評価をしながら着実に進めていくということが、まず予防について言える事柄でございます。

 もう一つの、平均在院日数の短縮ということでございますが、これにつきましても、国と都道府県の医療費適正化計画におきまして具体的な政策目標を掲げるわけでございます。

 具体的には、医療の必要度が必ずしも高くない高齢者の方々が数多く、しかも長期間にわたって入院しておられる療養病床の再編成にまず取り組むということとしてございます。この医療療養病床につきましては、今後は、医療の必要度の高い方を対象にしたものと位置づけまして、それ以外の方を老人保健施設等に転換していくということによりまして、在院日数の短縮を図ることとしてございます。

 また、さらにこれに加えまして、地域連携クリティカルパスという手法がございます。地域の医療機関相互の連携を図る中で、急性期から回復期、それから在宅に至るまでのサービスが一貫した治療方針のもとで提供される、こういった形で地域医療の見直しを進めることとしてございまして、これらによりまして平均在院日数の短縮も図っていき、その結果として、医療費についても適正化を図っていきたい、このように考えてございます。

大村委員 今、最後に局長の答弁の中にありました療養病床の再編というのが、今回の医療制度改革の中でのやはり一つの大きなポイントだろうというふうに思っております。これは、自民党の中の大議論、四週間にわたる大議論を経て、今回方向づけをすることができたわけでございます。この点につきましては、私も、その議論の中でいろいろな御意見をいただきながら取りまとめをさせていただいたところでございます。

 いわゆる社会的入院の是正というのが大きな課題でございました。そして、今言われましたように、医療の必要性の高い方により厚い医療サービスを、そして、介護が必要な方には介護のサービスを提供していく。限られた医療資源や福祉資源をめり張りをつけた形で提供していくということが、今後の医療でも福祉でも大きな施策の方向だろうというふうに思っております。特に、医療の部分で冗漫な部分を適正化して、その資源を急性期に振り向けていくというのが、これは喫緊の課題だというふうに思っております。

 そういう思いで、今回、この療養病床の再編を位置づけさせていただいたところでございます。その際、もちろん経過措置はしっかり十分とるということ、これは介護保険も医療保険でも、その経過措置をしっかりとる、そして病床転換を円滑に行う。そしてまた、これから老健とか介護施設に転換をしていく中で、今の老人保健施設の性格、位置づけでいいのか、やはり受け皿として十分なのかということも含めて検討をしていくことも、位置づけさせていただきました。そしてまた、今回の診療報酬改定でも、当初の考え方から少し緩やかにして、医療区分を一、二、三として、医療区分でも、医療の必要性が低くても介護の必要性が高い方のところは重点的にその部分を配分したことも事実でございます。

 そういったいろいろな配慮をして、今回これを位置づけさせていただいたというふうに思っております。その間、私の方から大分役所の方にも指示もさせていただきました。

 そういう流れの中で、今回この方向づけをさせていただいたということを、医療制度改革の中で大きな前進だというふうに私は思っておりますが、この点について、今後の取り組み、そしてまた今後どうしていくか、これは大臣のお考えをお伺いできればというふうに思っております。

川崎国務大臣 党内取りまとめの責任者からの御質問でございますので、確認の質問だろうと思います。

 療養病床は、医療の必要度の高い方々を受け入れるものに限定し、医療保険で対応するとともに、医療の必要度の低い方々については、老人保健施設等で対応することとし、介護療養型医療施設を平成二十四年の四月に廃止することとしております。この場合、基本的には、こうした方々を現に受け入れている療養病床が老人保健施設等に六年の間に転換すること等により、主な受け皿となることを想定いたしております。

 その際、療養病床の老人保健施設等への円滑な転換を促進する観点から、平成二十三年度末までの経過的な措置として、既存の施設を活用して、改修することなく老人保健施設に転換できるよう、床面積の基準を経過的に緩和する、医療保険、介護保険の双方において、医師、看護職員の配置等を緩和した療養病床の類型を創設する等の措置を講じます。さらに、入所者の状態に応じてふさわしいサービスを提供する観点から、老人保健施設及び特別養護老人ホームの基本的なあり方や、これらの施設の入所者に対する医療の提供のあり方等について検討を行う旨の規定が盛り込まれております。

 こうしたところにしっかり配慮しながら、転換を進めてまいりたいと考えております。

大村委員 円滑な転換といいますか円滑な措置をぜひお願いしたいと思います。また、これは引き続き我々も一緒になって議論をし、方向づけをしていきたいと思います。

 次に、今回の改革案の中で、先ほどの大臣のお話にもありましたが、七十五歳以上の後期高齢者の方をどう位置づけていくかというのが大変大きなポイントであるというふうに思っております。要は、保険全体で、若い人も高齢者の方もすべて同じように扱っていくというのはなかなか難しい。それぞれ切り分けて、めり張りをつけていくということが、今回の一つの流れの中でこういう形が出てきた、こういうふうに思っております。そういう意味で、今回の制度改革の中で本当に大きなポイントであります。

 ただ、これから、広域連合も含めて、どういうふうに具体的に肉づけしてやっていくのかというのは、本当にまだまだやらなきゃいけないことはたくさんあると思います。そういう大きな大きな制度改革だというふうに思っておりますが、この点について、後期高齢者の医療制度についての考え方を、これは赤松副大臣にお聞きをできればと思います。

赤松副大臣 今、大村委員御指摘のように、今回の医療制度の改革で、いろいろな長い時代的な変遷を経て、この日本の医療制度、今日まで歴史を持っているわけですけれども、急速な高齢化という状況の中で、今大胆な制度改革が求められている、そういうことでいるわけでございます。

 概括的な現状における問題点としましては、従来の老人保健制度というものが、保険者間の共同事業として構成されているために、一つは運営主体が不明確だ、もう一つは、今も御指摘ありましたけれども、高齢世代と現役世代の費用負担の関係が不明確だ、こういった問題点が指摘されております。そういった中で、負担のあり方について国民の皆様の納得と理解が得られるようにするために、高齢世代と現役世代の負担を明確化してわかりやすい制度にする必要がある、こういう点が一つあります。

 また、財政運営の責任主体を明確化するとともに、高齢者の保険料と支え手である現役世代の負担の明確化、公平化を図らなくちゃいけない、こういうふうなことを大きなねらいとしまして後期高齢者医療制度の創設を考えたわけでございます。

 さらに、後期高齢者の心身の特性等にふさわしい医療が提供できますように、新たな診療報酬体系を構築したい、こんなふうに考えているところでございます。

大村委員 まさに、社会保険としての機能をきかせていく、めり張りをつけていくということが大事だろうというふうに思います。また、引き続きこれも十二分に議論をしながら中身を詰めさせていただければというふうに思います。

 この医療制度の改革につきまして、今議論を進めさせていただいておりますけれども、もう一度冒頭の私の考え方を申し上げさせていただきますが、国民の健康を守る医療というのは、まさに国民共通の財産だと思います。まさに公共財と言っていいというふうに思っております。

 これをみんなで支えて守ってきたというのが、これまで、昭和三十六年以来の四十五年間の歩みであったというふうに思っております。これからもこうした先人の方の御努力にさらに我々も汗をかいていかなきゃいけないというふうに思っておりまして、そういう意味では、今回の医療制度改革というのは、この数年来の関係者の皆さんの御努力の集大成だろうというふうに思っております。

 こういう多くの努力を重ねていった上で、それでもどうしてももうこれ以上やっていけないということであれば、では次に何があるんだということになるんだろうと思うんですが、どうもこの数年来、いろいろな方の御意見を聞いておりますと、いや、そうじゃないんだ、医療費はもうどんどん伸びていくんだから頭からキャップをかぶせて抑えていくんだというような御意見も、御議論もあるのは事実でございます。

 ただ、私は、これはどうも賛成するわけにはいかないなという気がいたします。そしてまた、実際に頭からキャップをかぶせてそのとおりになるかどうか、それも相当難しいんじゃないかというふうにも思います。必要な医療を確保していくという点でも問題が多いと言わざるを得ないと思うんですね。ですから、そういう意味で医療費の適正化にしろ医療制度の安定にしろ、あくまでも個々の具体的な政策の積み上げ、積み重ねでやっていかざるを得ない、やっていくしかないというふうに思うんでございます。

 そういう意味で、こうした考え方も含めて、医療制度の安定化、持続可能性、医療の確保、こうした点について、川崎大臣の考え方をいま一度お聞かせをいただければというふうに思います。

川崎国務大臣 経済界の皆さん方から、GDPの伸びに合わせて医療費を決めろ、こういう話が出ていることは事実でございます。私は明確に申し上げておりますのは、一つは人口構成の変化、したがって、GDPの中に抑えろというのは無理でございます、これをはっきり申し上げています。それは無理だ、我々年寄りがふえてくるんだから、それは無理な話だ、そこは乗れません。

 もう一つは、キャップをかぶせて、それでプラン・ドゥー・チェック・アクション、QCサイクルを回せという御主張をされるけれども、実は私、松下電器でそういう仕事ばかりやっておったんですけれども、会社でも、初めから販売目標なり経営目標があって、それでプラン・ドゥー・チェック・アクションを動かせなんという会社はありませんよ。すべて生産現場そして営業現場というものが積み上げていって、そして会社の目標というのは決めていく話であって、社長がこうだからやれという話は実はないと思いますよ。

 医療も、まさに医療の現場というものがあって、そこでどのような方策をしていくかというものを一つ一つ単位ごとに積み上げながら考えていくという方向でいきたい。したがって、厚生労働省の中に、キャップをかぶせてそれでプラン・ドゥー・チェック・アクションで伸びてきたらそれを下げるような方策をやれ、こういうのは正直言ってついていけませんねということを二、三回申し上げております。

 そういった意味では、個々の政策、そして医療の一つ一つの現場、地域の声を聞きながら政策を積み上げてやってまいりたい。この基本方針は私がやっている限りは堅持するつもりでございます。

大村委員 ぜひそういった形での政策の積み上げを、やはり大臣のもとで、そしてまた我々も党の立場で、しっかりキャッチボールしながら積み上げていければというふうに思います。

 最後に、医療関係の質問をしたいと思いますが、今回のそういった医療制度全体の改革の流れの中で、医療の提供体制についても大きな改革をされるわけでございますし、これは、これまでずっと日本の医療供給体制というのは、大病院があってそしてまた診療所があって、とにかく、保険は公的セクターですけれども提供は民間セクターが多いという特徴があるわけでございますが、機能分化と連携をどう組み合わせていくのかというのが一つの大きなポイントだろうと思っております。

 この機能分化と連携をどういうふうに進めていくのか、この点について、これは大事なポイントでありますから、きょうは時間がないので、これはまた今後の議論にさせていただきたいと思いますが、先ほど谷畑委員の御質問の中にもありましたが、そういう中で、特に医療資源が大変窮屈になってきている小児科とか産科、そういった部分についてこそ特にこの機能分化と連携というのが大事だというふうに思っております。

 そういう点から、この小児科、産科、そして機能分化と連携についてどういうふうに考えたらいいのか、この点について、いま一度赤松副大臣にお聞きできればというふうに思います。

赤松副大臣 この御質問、今大村委員からもありましたように、さっき谷畑委員から御指摘がございました。

 その際にも申し上げたわけですけれども、一つは、平成十八年度末までに小児科また産科の機能の集約化、重点化をしっかりしていくということをまず要請をいたしましたことが一点であります。

 それから、もう一つのポイントといたしましては、都道府県が中心となって、大学病院などの地域の医療関係者と話し合って、先ほど大村先生おっしゃったそういう連携というものについてしっかりとした枠組みをつくっていこうというふうなことで、そうした医療提供の偏在という問題についてしっかりと体制をとっていこう、こういうことを重点的にやろうとしているところでございます。

大村委員 ぜひ、その点もまたしっかりと進めていきたいと思います。

 最後に、新たな介護保険制度がこの四月にスタートいたします。昨年、党の部会でも大議論をし、そしてこの委員会でも大変長時間にわたって審議を積み重ね、そして五年に一回の大きな改革をさせていただいたと思っております。介護予防と地域密着型のサービス、こうしたものを中心にこれからの介護保険、介護の施策を大きく、転換でもないんですけれども、現状に合わせて進めていくということになろうかと思います。準備も万端、怠りなく進んでいるというふうに思って我々認識をしております。

 ただ、大きな大きな改正でもありますし、あわせて今回介護報酬改定もございました。より重い方に手厚く、これもサービスのめり張りをつけていくという方向での制度の改革と報酬改定だったというふうに認識をしておりますけれども、この四月からの新しい制度のスタートに向けて、ぜひ現場が混乱なく円滑に進んでいけるように、どう取り組んでいかれるのか、この点について大臣のお考えをお聞かせいただければというふうに思います。

川崎国務大臣 新しい制度がスタートする、当然でございますけれども、どう周知徹底をするか、都道府県の担当者、実施主体になります市町村、そして事業者、そして利用者である国民、ここへしっかりとした周知徹底を図らなければならない。これは、障害者自立支援の方も全く同じスキームでございますけれども、あらゆる手段を講じながらやっていかなければなりませんし、厚生労働省の人間もできるだけ地方に出ながら説明をしていくという姿勢をとってまいりたい。

 また、国民へどうやって新しい介護保険制度、特に予防を中心とした考え方を徹底させるかということについて、今、もう少し議論を深めろということで指示をいたしているところでございます。

大村委員 時間が参りました。

 とにかく、課題山積でもありますが、日本のまさに内政のかなめでもありますこの厚生労働施策を、川崎大臣初め厚生労働省の皆さんと、引き続き、建設的な意見を積み上げて、中身をしっかりと詰めて、よりよいものにしていきたいというふうに思っております。どうか、これからもよろしくお願い申し上げまして、質問とさせていただきます。どうもありがとうございました。

岸田委員長 次に、北川知克君。

北川委員 自民党の北川知克でございます。

 谷畑、大村両先輩議員に引き続きまして、川崎厚生労働大臣、そして厚生労働省関係の皆様方に質問をしていきたいと思っております。

 まず、年金制度につきまして質問をしていきたいと思っておりますけれども、所信におきまして、大臣は、持続可能で安定的な社会保障制度の構築のため不断の改革に努力をされるという表明をされたわけでありますけれども、年金問題、二年前に改革をされて、その二年の推移の中で、ことしは我々の国会議員年金が廃止、こういう状況にもなってきております。二年前にもあったのでありますけれども、年金問題を議論するときに、国民年金と生活保護との問題点、格差等が生じているのではないかなというお話もありました。

 しかし、私は、この年金を初めとする医療、介護、こういう社会保障制度というものは、国民の皆さん方が国や地方自治体を信用というか信頼されて税金や保険料を納められて、その税金や保険料を国や地方自治体の機関がその機能を発揮して分配されていくという、ある意味、日本の国家統治機能の重要な一部を担っていると思っております。さまざまな要素で国家というものは統治をされていると思うのでありますけれども、そういう重要な国家統治機能でありまして、国民との信頼関係が何より重要であろうと思っております。

 そういう点で、先ほど申し上げました国会議員の互助年金の廃止があったわけでありますが、川崎厚生労働大臣、前議運の委員長として、議長のもとで、諮問委員会等が、今の年金制度をもとにした中で、この国会議員年金の改正等についての議論もされてきたと思っております。今回、この国会議員年金が、我々国会議員みずからが痛みを分かち合い、そして改革を断行していくという結果でありますけれども、この年金の廃止というものが今後の我が国のこれからの年金の制度の改革にどういう影響を及ぼしていくのかという点が一点であります。

 もう一方は、今、この年金制度につきまして、政府・与党においても被用者年金の一元化の議論がなされてきております。例えば、公務員の年金水準が民間のサラリーマンの方々よりも高くなっていること、また給付に係る保険料率の違い等々、こういう点をどうするかという議論がなされているところであります。

 川崎厚生労働大臣に、こういう点を踏まえて、先ほどの国会議員年金の廃止の影響と、今後の被用者年金の一元化にどのような姿勢で取り組んでいかれるのか、この点をお伺いできればと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

川崎国務大臣 二年前に年金の改正をお願いして、成立後、大きな課題は、公平と信頼性の確保、したがって、社会保険庁問題と被用者年金制度の一元化、この二つであろうと理解をいたしてまいりました。

 実は、議員年金は、正直私は縮減をしてから厚生年金への乗りかえ、これをかいていたわけですけれども、総理から、縮減というのはまどろっこしい、一回廃止してから考えろということになりましたので、縮減、厚生年金への流れ込みという少し時間がかかるテーマについてはやめろと言われましたので、とりあえず廃止という形になりました。

 その総理の考え方は、基本的には特殊な年金制度というのはもうやめた方がいいじゃないかという議論であろうと思います。もちろん、先輩の方々も含めて、OB問題をどうするかというのはまた違う議論として、今の現役の者はこういう考え方でいくという整理をされたのだろうと私は思っております。そうしますと、被用者年金制度の一元化という考え方、まず、電電公社、国鉄からありました。そして、この問題は、いろいろな経過はありますけれども、厚生年金に統合された。

 実は、最近の流れの中で私が心配しておりますのは、独立行政法人化をいたしました、そして、公務員型ではない、民間人型を選択される時代になってきている、しかし、年金はというと国家公務員共済の中に入っているんです。正直、郵政公社も民営化をする、ではそのときの年金はどうするんですかといったら、国家公務員共済にするのか厚生年金にするのかまだ判断が決まっていない、こういう状況にある。これはもう厚生年金でしょうと私どもの立場から言わざるを得ない。

 そういった中で、社会保険庁改革で政管健保を担当する職員、これは民間になります。民間になります。この人たちは厚生年金に入ってもらうことになります。そういう意味では、今までの独立行政法人の扱いとは違う方向で、すぐ厚生年金に入ってもらう。その整理をいたしております。

 そういった意味では、年金の官民格差、それはあってはならないだろう。そうなりますと、掛ける率、もらう年金、これはイコールにしていこうという発想でいかなければならないだろう。三階建ての方の問題とか、追加費用の問題が先に出ていますけれども、私はそうではないと思っているんです。基本的には、同じ負担をし同じ年金をもらう、この発想でここだけは早く整えてほしい、早く整えてほしい。その上で、OBの問題や追加費用の問題や三階建ての問題は、別に詰めていけばいい議論だろう。原則として、官も民も、サラリーマン、被用者年金はみんな同じ掛け率で同じ年金にするというところに合わせてほしいな。

 そういうことで、年金局長以下、いろいろな各役所との議論の中で頑張っているところですので、どうぞ御支援をよろしくお願いいたします。

北川委員 ありがとうございます。

 いずれにいたしましても、先ほど申し上げました公的年金というものは、国等を信用、信頼をしてお金を預けて、そして将来その給付を受け取っていくという制度でありましょうから、今回は我々のことでありますから、ある意味、短期間の中でばっさりというのもこれは納得をする点でありますけれども、今後の年金の制度の改革については、やはり、国民の皆さん方、今までこういう制度のもとでお金も納められてきたわけでありますから、その制度を改革していくときに、新たな不公平感のつながりにならないようにしていただきたいと思いますし、国民の方々に十分な説明とそして理解を求めていっていただきたいと思っております。

 続きまして、ニート、フリーター等の問題、先ほど来から、谷畑議員初め大村議員の方からもお話があったと思いますが、全国的に見て雇用情勢の改善が見られると言われております。しかし、将来的な不安として、ニート、フリーターをいかに雇用の場に結びつけていくか、こういうある意味大きな社会問題であろうと思っております。

 そこで、最近とみに格差社会の問題が取りざたされてきておりますけれども、有効求人倍率が全国平均で見れば回復をしているものの、地域間での格差、年齢層での格差というものがあると思います。

 実際、私どもの近くのハローワークにおいても、三十歳を過ぎた中でハローワークに行くと、なかなか雇用の場がないというような意見も聞くわけでありまして、この点につきまして厚生労働省の方から御意見をいただきたいと思います。

鈴木政府参考人 雇用の実態についてのお尋ねでございますが、御指摘のように、全体で見ますと、昨年十二月の有効求人倍率、一・〇〇ということで、十三年三カ月ぶりに一倍台になりました。そういう意味では、全体の雇用情勢は、厳しい面はあるものの改善が進んでいるというふうに認識をしております。

 その中で、地域あるいは年齢別にどうかという点でございますが、地域別には、すべての都道府県で、今回の景気回復が始まった平成十四年に比べますと改善をしてきております。ただ、先ほど大臣からもお話がありましたように、東海など、有効求人倍率が一倍を上回っていて、また失業率が三%台前半、そういった地域がある一方で、北海道、東北、九州のように、有効求人倍率が〇・六から〇・七倍台、完全失業率が五%台、そういった地域もあるということで、地域間の格差がございます。そういった面で、雇用情勢の悪い地域に重点を置いた対策が必要になっているというふうに認識をしております。

 それからまた、年齢別でありますが、若い方、若者につきましては、求人倍率は高い水準にありますが、完全失業率がそれに反して相対的に高水準ということで、いずれにしろミスマッチが大きいという状況がございます。ただ、そういう中で、この若者層につきましても、求人倍率の上昇とかあるいは完全失業率の低下という状況もありますし、フリーターも十六年には十五年に比べて減少しているという状況がございます。

 また、年齢別には、高年齢者の有効求人倍率は相対的に低いという状況がありますが、その中で、年齢不問求人の割合が高まるとか、あるいは、完全失業率、これがほかの年齢層に比べて相対的に高い割合で改善してきているという状況がございます。

 ただ、いずれにしても、若年者、高齢者、そういったところでミスマッチが生じないように、その就職促進に全力を挙げて取り組んでまいりたいというふうに考えております。

北川委員 ありがとうございます。

 今の国内でのニート、フリーター問題があると思えば、片方では、この労働力の点について、外国人労働力を我が国でも活用をしていこうという意見もあるわけでありますけれども、私は、安易に外国人労働者の労働力に頼るだけではなく、まず足元の日本人の雇用を最優先に考えていくべきであろうと思っておりまして、若年層を確実に雇用につなげていく効果的な施策が必要と考えておりますし、今後、この点についてどのように取り組んでいかれるのか。

 また、人口減少局面に既に入っているわけでありまして、我が国において、いわゆる団塊の世代の定年退職が目前となってきております。そういう点における高齢者の方々の雇用対策も、国としての労働市場、労働力の維持の観点から非常に重要になってきていると思っておりますので、この点についていかがでございますか。

鈴木政府参考人 今御指摘がありましたように、これから我が国社会、労働力人口が減少することが見込まれております。そういう中で、その減少幅を抑えて経済社会の活力を維持していくというためには、若い方あるいは高齢者、そういった方を含めて働く意欲のある方がその能力を十分に発揮していける、そういう環境整備が重要だろうというふうに考えております。

 そういう観点から、若者につきましては、ジョブカフェあるいはハローワークによる就職支援、そういったことによりまして、現在、フリーター二十万人常用雇用化プラン等の施策を講じております。さらには、来年度はこの施策を二十五万人に引き上げるということで、若年者の対策を強化しようというふうに考えております。

 それから、高年齢者につきましては、定年の引き上げとかあるいは継続雇用制度の導入など、高年齢者が幾つになっても働き続けることができるような、そういった環境を整備していきたいというふうに考えております。

 同時に、御指摘ありましたように、団塊の世代の引退過程がこれから始まってまいります。そういう中で、若者がものづくり等の現場の戦力になるための環境整備を図るという観点から、実習併用職業訓練の創設とか、あるいは、団塊世代の引退過程、そういったことを踏まえて、技能の継承に取り組む企業に対する支援、そういったことを重点的に行っていきたいというふうに考えております。

 そういう施策を講じる中で、働く意欲のある方が十分にその能力を発揮できる、そういう環境整備をつくってまいりたいというふうに考えております。

北川委員 ありがとうございます。この点につきましても、しっかりと取り組んでいっていただきたいと思っております。

 続きまして、今国会、総合施設、いわゆる認定こども園についての法案が提案をされますけれども、この認定こども園とそして少子化対策について御意見を伺いたいと思います。

 先ほど来から、人口減少社会を迎える、我が国が迎えたわけでありますけれども、少子化対策は喫緊の課題とも言われております。しかし、乳幼児そして子育て世代に対する支援策等々についてはまだ十分とは言えないと思っております。先ほど、大臣の方から、これは予算だけではなく、それこそ税体系等も含めた中で考えていかなければならない問題とは思いますけれども、いずれにいたしましても、こういう子育てに対してのさらなる充実が図られるべきであろうと思っております。

 今国会、児童手当の拡充のための法案も提出をされたわけでありますけれども、少子化対策、その財源確保は重要であります。しかし、ただ、この財源確保、経済的な問題、お金をかければいい、こういう問題だけではないと思っておりまして、幼児期をいかに子供たちが健全に、どういう恵まれた環境の中でどのように過ごしていくかということが重要であろうと思っておりまして、そういう観点からの施策と支援が重要であろうと思います。

 そして、片方におきましても、社会全体が今、格差が生じてきていると言われておりますけれども、実際、小学校に入学をされたときに、その幼児期の環境の中で、一年生で例えば学級編制をするときに、落ちつきのない子供が多くてなかなか思うように学級運営や授業がうまくいかない、こういう声も聞くわけであります。そういう点においても、今後の子供の過ごし方、教育のあり方が大きな課題となってくると思っております。

 しかし、教育というものは、やはり原点は家庭であると思っております。家庭においてのしつけ、子育て、教育があくまで原点でありますけれども、しかし、現実に、就学をしていく前の保育所やそして幼稚園、こういう就学前の大事な時期を子供たちがどのように過ごしていくのか、こういう点について、今回のこの認定こども園を初め、今後、政府全体がしっかりと取り組んでいっていただきたいと思っております。

 今回のこの認定こども園につきまして、法案が提出をされておりますけれども、認定こども園、この総合施設を制度化することにおきまして、子供そして保護者にとりまして、メリットというのもおかしいんですけれども、どのような利点があるのか。この点について厚生労働省の方からお答えをいただきたいと思います。

北井政府参考人 いわゆる認定こども園につきましては、現在、法案を準備させていただいているところでございますが、今般、こうしたいわゆる総合施設の制度化に当たりましては、この総合施設は、幼稚園や保育所などが、保護者が就労している、いないにかかわらず、就学前の子供さんに教育、保育を一体的に提供する機能と、それから、子育て相談や親子の集いの場の提供といった、親御さんの子育てを支援する機能、両方を備える場合に、都道府県から認定こども園としての認定を受けることができる仕組みを設けようとするものでございます。

 このメリットについてでございますが、現在、保育園、幼稚園におきましては、親の就労の有無で利用施設が限定され、例えば、親が就労することをやめたりあるいは復職したりということになりますと、施設をかわることになるわけでございますけれども、このいわゆる総合施設の制度化によりまして、親が就労を中断したりあるいは再開をいたしましても、子供さんが施設をかわることなく一貫した教育、保育を受けることができるようになると考えております。

 それからさらに、少子化の進行によりまして、地方を中心に幼稚園、保育所別々で子供集団が小規模化いたしておりますが、子供の健やかな成長にとって大切な集団活動や異年齢交流の機会が確保できることになると考えております。

 あわせまして、育児不安の大きい専業主婦家庭への支援も含む地域の子育て支援が充実をするという効果が期待されているところでございます。

北川委員 ありがとうございます。

 この総合施設につきましては、新しい施設をどんどん建てればいいということではなく、既存の保育所等の施設が地域のニーズに応じて機能を付加していくという、機能面からとらえることが重要であろうと思っております。

 実は先日、地元で公立保育園が今民営化をされていっておりますけれども、民営化をする上において、保育所に預けられている子供たちやそして保護者の方々が不安に陥らないようにというか、その施策といいますか、自治体においての対応等について、円滑な民営化が図られるということの点につきましても、厚生労働省の方がどのようにお考えか、ちょっとお聞かせを願えればと思います。

北井政府参考人 公立保育所の民営化につきましては、地域の実情に応じて民間の活力を活用することも重要なことであると考えておりますが、一方で、住民や職員の理解を得るといったような配慮すべき一定の事項があると考えております。

 平成十三年の児童福祉法の改正で、保育所の公設民営化についての規定が置かれた際に通達を出しまして、公有財産の貸与先あるいは保育所運営業務の委託先の選定に当たりましては、手続の透明性それから公平性に配慮すべきことを自治体に周知したところでございます。

 また、あわせて平成十六年には、保育所の民営化によりまして、質の高い保育サービスを提供しておられる自治体の取り組みを事例集として取りまとめております。その事例集によりまして、保護者への早期の情報提供であるとか、あるいは保護者への説明の場の機会の確保、あるいは行政との意見交換の場の提供、それから公民双方の保育士さんによります引き継ぎ保育の実施などによりまして、子供の保育環境の激変緩和といったようなことが大事であるというようなことを周知しているところでございます。

北川委員 ありがとうございます。

 もう一点、保育所が総合施設に円滑に移行できる、また総合施設となった際の柔軟な運営等についてもしっかりとした措置をぜひ講じていっていただきたいと思っております。

 次に、先ほど小学校入学時の問題等のお話もさせていただきました。こういう問題点を踏まえて、子供の育ちにとっての教育や保育の重要性は近年大変高まってきていると考えております。そこで、子供の視点に立ち、これから保育所における就学前教育、保育の充実に向けどのように取り組んでいかれるのか、川崎厚生労働大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

 我々は小さいとき、自然等にも触れ合う機会がありました。私のおふくろの里が大臣のお地元でありまして、三重県の、それこそ上野でありまして、大変自然も残っております。小さいときによくそういうところへ連れていっていただきまして、自然に触れ合う機会もあったわけでありますけれども、なかなかそういう機会もなくなってきております。

 そういう点について、子供の視点に立って、就学前、どのように厚生労働省として取り組んでいかれるのか、この点、ぜひ川崎大臣の御所見をお伺いをいたしたいと思います。

川崎国務大臣 御指摘いただいたように、幼児教育の重要性というものが強く指摘されている世の中になってきている。一方で、総理が御就任以来、保育の待機児童ゼロ作戦ということで、保育を充実させろということで、随分予算的にも御配慮いただきながら進めてまいりました。一方で、女性の働く人たちがだんだんふえてきて、幼稚園で受けられる方々よりも保育で受けられる方々が多くなってきた。しかし、現状を見ておりますと、やはりどの施設に行っても適切な幼児教育、保育というものが受けられるという社会のニーズに変わってきているんだろうと私は思っております。

 そういった意味では、やはり文科省と厚生労働省、先ほどニート問題でも少しお話し申し上げたように、どうも共同作業が随分多くなってきたなという感じを受けております。例えば、幼稚園教育要領と保育所保育指針というんですか、ここをやはりそろそろきちっとしていかなきゃならぬな、幼稚園教諭免許と保育士資格、これを両方持ってもらうとか、そういう形で、お互いに乗り入れの時代、差がないような時代にだんだん進んできたのかな、こんな感じがいたしております。

 そういうものの一つの成果として、今回の総合施設という法案を御審議いただくことになった、そういう意味では、いろいろな方々のバックアップを受けながらだんだん進んできたなという認識をふやしております。よりこうした考え方が進んでいけるように努力をしてまいりたいと思います。

北川委員 ありがとうございます。

 今、大変前向きな御意見もちょうだいをいたしまして、ありがたいなと思っておりますし、この問題は、児童保育の点もそうでありますけれども、文部科学省との連携というのが非常に重要になろうと思います。明日、川崎労働大臣、大阪でタウンミーティングをニート問題で小坂大臣とされるようでありますけれども、ニートだけではなく、やはり幼児教育という点について、就学前の保育所での総合施設等についても十分連携を密にしていただいて、厚生労働省もこの点に積極的に取り組んでいただきたいと思っております。

 時間があと少しでございますけれども、今後また医療の点については法案が提出をされ、その法案についての審議の中で各委員から、同僚の委員から細かい点は議論をされると思っておりますし、先ほど、谷畑委員、大村委員の方からも、小児科の医師の問題、そして産婦人科医の問題、こういう医師の方々の不足の問題が指摘をされました。

 私は、医療制度の議論をするとき、二年前にちょうど研修医制度というものが導入をされるときにも質問をさせていただきました、あの後に研修医制度等々が導入されたわけでありますけれども、その研修医制度の今後のあり方、そして、逆に、研修医を終わられた後の若い医師の方々がお礼奉公的な形での無給助手という、こういう点もあるわけであります。

 こういう点において、ある意味、現場の若い医師の方々のモチベーションが下がれば、それが患者の皆さん、国民の皆さんに影響を来してはならないわけでありまして、こういう点についてもぜひ厚生労働省として取り組んでいただきたい課題であろうと思いますし、研修医制度の推移等について御所見をお伺いをいたしたいと思います。

松谷政府参考人 委員も御指摘のとおり、臨床研修が必修化される以前におきましては、多くの研修医の処遇が不十分であるという課題がございました。そこで、平成十六年四月に必修化された現在の制度、新制度におきましては、臨床研修病院の指定に当たりまして、研修医に対する適切な処遇を確保することを条件とするということなど、研修に専念できる環境の整備が基本的な考え方の一つとしてございます。

 また、研修医の指導体制を確保するための補助金の確保、それから臨床研修機能に着目した診療報酬上の評価もあわせて行ってきたところでございます。

 その結果といたしまして、研修医の、端的に申します平均年間給与額でございますが、制度改正前の平成十五年の調査によりますと約二百六十五万円でございましたが、改正後の平成十六年度におきましては、その調査では三百六十五万円と、約百万円の改善が図られたところでございます。

 さらに、臨床研修終了後につきましては、地方厚生局におきまして、プログラムの内容や処遇を研修医に紹介する機会の提供、あるいはホームページを通じた情報提供を行っているところでございまして、このような機会の提供を通じまして、適切な処遇を行う医療機関が選択されるよう取り組んでいるところでございます。

北川委員 ありがとうございます。

 時間が参りましたので質問を終わらせていただきますけれども、いずれにいたしましても、最初に申し上げました、社会保障制度というものは、やはり国民の皆さんと国を結ぶ大事な機能でありますので、今後とも、川崎厚生労働大臣初め厚生労働省の方々にぜひ国民の皆様方の信頼にこたえる形で諸課題に取り組んでいただきたいと思っております。

 どうもありがとうございました。

岸田委員長 次に、高木美智代君。

高木(美)委員 公明党の高木美智代でございます。

 本日は、川崎大臣に初めて質問をさせていただきます。

 まず、この質問の機会をいただきましたその際には、時間変更につきまして自民党の皆様に御配慮いただきましたことを、この場をおかりしましてお礼を申し上げたいと思います。

 まず、私は子育て支援につきまして質問をさせていただきたいと思います。

 先ほど来、認定こども園の問題、そしてまた少子化の問題等々、お話がございました。今回の医療制度改革におきましても、乳幼児の医療費を就学前まで二割負担に拡大をしていただくとか、またさらに、ほかの法案でございますけれども、児童手当を小学校六年まで拡大をしてと、来年度予算に大きく盛り込んでいただきましたことをまずお礼を申し上げたいと思っております。

 その上で、放課後の子供たちの過ごし方につきまして質問をさせていただきたいと思います。

 先ほど来、就学前のことにつきましては、幼稚園また保育所、両方の機能をあわせ持つ認定こども園、これがこれから法案提出される予定と伺っております。これは、親御さんの就労状況に関係なく、だれもが利用できるサービスということで、恐らくまた今後拡大をされていくというふうに認識をしております。ぜひとも円滑な推進をお願いしたいところでございます。

 課題は放課後でございます。今、魔の八時間等と言われる言葉もあります。それにつきまして厚生労働省では、放課後児童クラブにつきましても、来年度百十二億の予算を盛り込んでいただいております。また、箇所数につきましても一万三千二百から一万四千百カ所まで拡大をする。これは、どちらかといいますと、放課後、児童を預かる、遊びの場も提供する、こうした方向性でございます。

 また一方、文科省では、地域子ども教室としまして、八千カ所から、やはり来年度一万カ所に拡大をします。これは、地域のボランティアの大人の方たちの力をかりまして、例えば土日も開催をしたり、それはスポーツであるとか文化活動であるとか、こうしたことをいたしますけれども、平日は毎日ではないというところが多いようでございます。

 またさらに、今度は放課後、終わりましたその後は、親御さんたちが帰りが遅い、そういう方については、今、生活塾という形でモデル事業を行ってくださっている、このことも伺っております。私は、やはり、親の働き方の多様性が今大変進んでいるところでもございますので、安心して子供を預けられる、そのような場所が必要である、これはだれもが認識をされるところだと思います。

 そこで、例えば幼児期から小学校六年生まで、今児童手当も小学校六年まで細く延びたところでございますけれども、一貫した切れ目のない子育て支援、このトータルプランが必要なのではないか、こういうことをずっと思っておりました。

 特に、放課後の整備につきましては、先ほど来大臣からも、文科省と最近連携をとることが多くなったというお話もございました。ただ、今の進め方を見ておりますと、どうしても保育所型の放課後、また幼稚園型の放課後、省庁によりましてこのように分かれている。やはり、放課後のこうしたことにつきましても、親御さんがどのように子供たちに過ごしてほしいか、また何よりも、子供たちが放課後どのようなことをしていきたいか、こういうことについて、放課後の整備につきまして大臣のお考えをお伺いしたいと思います。

川崎国務大臣 私も、文部省側の施策を質問を受ける前に聞いてきたところで、正直言って、もう少し厚生労働省側の施策と一致させてやった方がいいなと、それこそ小坂さんにも申し上げなきゃならぬなと思っていたところでございます。

 私どもとしては、基本的には、子ども・子育て応援プランということで、平成二十一年度の目標値を全小学校区の四分の三に当たる一万七千五百カ所、できるだけ早くこれを進めたいということで、今高木委員から御指摘いただきましたように、ことしも予算をふやさせていただいているところでございます。

 逆に言えば、できないところをどうするんだ、こういう議論もあるんだろうと思います。そういう意味では、地方自治体と私どもの連携、もう少し積み重ねていかなければならないだろうと思いますし、それから、厚生労働省と文科省との話し合いというものを進めていかなきゃならぬだろう。いずれにせよ、どこかで抜けているところがありますとさまざまな問題点が出てくるように思いますので、やはり漏れがないような政策をしっかり打たなきゃならぬ、こんな認識をいたしております。

高木(美)委員 大変お力強い大臣の御決意を承りまして、感謝申し上げます。

 やはり、放課後につきましては、よく伺う話でございますけれども、今、育児休業制度等も整備をされまして、出産に係る退職というものは、だんだん整備をされてきたと思っております。また、それが今般、男女雇用機会均等法等々でまたさらに論議をされるところであると思っております。親御さんにとりましては、今度は子供たちが小学校に入りましたときにどうしても帰りが早い、そこをどうするか。そのために職場の配置転換を申し出たりとか、またそこでやむを得ず、子供たちの健全な成長のためにということで御自分が退職をされたりとか、まだまだそういう事態が続いております。

 そうしたことも含めまして、今、抜けているところは補わなければいけないという大臣のお話ございましたとおり、ぜひとも質の高い、やはり子供たちが健全に育っていくための質の高い放課後の整備、このことにつきましてぜひお願いをしたいと思っております。

 今お話ございましたとおり、ぜひとも文科省としっかり連携をとっていただきまして、それぞれのまた特色、いいところ、認定こども園でここまで大きく前進をさせていただきましたので、この放課後につきましても同様な手当てをお願いしたいと思っております。よろしくお願いいたします。

 重ねまして、同じく子育て支援になりますけれども、医師不足の解消の問題でございます。

 これも、今回の医療制度改革につきましても一つ大きなテーマとなっているところです。そこに係るものにつきましては、特に女性医師がどのように就業を継続できるかという、この整備が大変大事ではないかというふうに認識をしております。

 例えば、医師全体を見ますと、これはもう御承知のとおり、女性医師は今一五・六%。ただ、小児科医になりますと、全体に占める割合は女性は三〇・七%。その中でも、今度は四十歳未満、ちょうど子育てに当たる年代につきましては四〇・六%という女性医師の割合でございます。

 また、産科におきましても二〇・六%。これが、四十歳未満になりますと四二・二%。ですので、一番不足をしているという小児科医、産科医、この四割は女性である、このことをぜひとも国民の皆様にも知っていただきたいと思っております。

 そこで、こうした小児科医また産科医、この数は、実は、わずかながら増加しているという話もございます。しかし、活動性につきましては低下をしているのではないか。それは、どうしても仕事と家庭と両立できる環境の整備がまだなされていない、このことに係るものが多いようでございます。

 ということから、これは我が党もずっと主張させていただいておりまして、まず一つは、来年の予算にも組み込んでいただきました医師再就業支援事業ということで、女性医師バンクを立ち上げていただく、こういう流れができました。これは一億二千万円の予算措置と伺っておりまして、私は、これは高く評価をしたいと思っております。

 女性医師は、御存じのとおり、やはり大変過酷な、男性同様に過酷な労働環境に置かれております。したがいまして、育児、出産等につきましては何かしら配慮もあっていいのではないかと思っております。

 まず、この女性医師バンクのことでございますけれども、やはりこの運営につきましては、何よりも当事者の女性の声を、意見を大事にした運営になっていただきますように、厚生労働省の指導監督をお願いしたいと思っております。恐らく委託をして進めていただくという形になるかと思っておりますけれども、まず、この女性医師バンクにつきまして、そのような運営を要望させていただきます。

 その上で、先ほど申し上げました育児環境整備でございますけれども、キャリアをお持ちの女性であるとか、また研究者であるとか、女性医師など、働く女性の進出を支援するためにはどうしてもこうした環境整備が必要となってまいります。キャリアの方は、それぞれに今、保育所、待機児童ゼロ作戦、地域にお預けになる、そしてまた、その足りないところはどのように補っていくか、地域サポートセンター等々と相談をしながら進めてくださっている。

 一方、研究者につきましては、これは女性の雇用とも関係があるかと思っておりますけれども、本来は文科省の管轄であるとも思いますが、例えば大学での雇用につきましては、ポストはやはり成果を上げなければ生き残っていけない、どうしても転職、再任は厳しいという競争の状況もあります。任期も三十五歳以下というふうに年齢制限があるところもありまして、そうなりますと、どうしても子育て、そういう時期にまさにここにぶつかってしまう。アメリカでも同様の競争が研究面であるわけですが、学内に夫婦用アパートがあったり、また学内保育所が整備をされていたりという環境整備がなされていると思っております。

 そこで、この女性医師の方たちにつきましても、一たん医局に入りますとどうしても二十四時間以上の勤務、こういう状況もありまして、私は、やはりこれは院内保育所の設置、こうした環境整備を至急に進めていただくべきではないか、また、今、こうした院内保育所が全国でどのように配置をされていて、どのような要望があり、どのように配慮をされているのか、こうした実態調査も至急に進めていただくべきではないかというふうに思っております。

 こうした女性医師の育児環境整備についてお伺いをさせていただきます。

松谷政府参考人 医療機関で働く女性、特に女性医師が男性医師に伍して仕事をしていく上では、そのライフステージに合ってきちんとした環境整備が必要だと私ども認識しているところでございます。

 御指摘の病院内の保育所につきましては、一般の保育政策に基づくものとあわせまして、特に病院勤務の特殊性にかんがみまして、当初は、看護職員の勤務の特殊性から、その離職防止等の観点からも、職員の乳幼児の保育を行う事業に対しまして、その運営費の一部について補助を行ってきたところでございますが、平成十四年度からは、看護職員にかかわらず女性医師等の医療従事者の児童につきましても、当該事業の補助対象として追加をしているところでございます。

 この拡大につきましては、都道府県を通じまして周知をしているところでございますけれども、今後とも、その事業の趣旨が反映されるよう、積極的な周知を図っていきたいというふうに考えております。

高木(美)委員 やはり私は、本来、この女性医師バンクを立ち上げる、これも大変大事なことであると思っております。ただ、どうしても、一たんやめた後、再就職するというのは、医学も日進月歩でございますので高度医療が進んでおります、再就職は気持ちの面でも大変ハードルが高い、こうした女性医師のお声も多くあることも伺っております。ですので、本来は、再就職支援、これももちろん大事、しかしながら、育児環境を整備して継続就労ができる、この形をぜひとも強く推進を希望するものでございます。

 これにつきまして大臣の御決意を伺いたいと思います。

川崎国務大臣 御指摘のように、女性医師が、その技術を持ちながら、結婚もしくは子育てを一つのきっかけとして医療の現場から去られてしまう、結果として、地域によっては医師の数が足りないという現状が起きていることは事実であろうと思います。

 そういった意味で、今、高木委員が御指摘いただきましたように、再就職支援とあわせて、やはり継続して仕事ができるような体制という意味で、今局長から答弁がありましたけれども、できるだけの支援をしてまいりたいと思います。

高木(美)委員 まず国立病院からぜひとも始めていただきたいことを、重ねて御要望申し上げます。

 それではもう一点、医療制度改革につきまして質問をさせていただきたいと思います。

 今回のこの医療制度改革、大変大きな改革であると思っております。まさに国民が注目をする改革でございまして、今まで、社会保障制度の改革につきましても、年金、医療、介護、年金につきましてはもう既に持続可能な措置がとられております。また介護は、既に今、介護保険料の算定等々、各自治体で終わっているところと聞いております。

 また、いよいよこれは医療というところに手をつけるわけでございますけれども、やはりふえる部分、どうしても医療費が増大する部分につきましては、このツケは先送りしてはならない、この認識をまずしっかり持たせていただきたいと思っております。当然、弱者の方たちに配慮をしながらでございますが、やはりふえる部分につきましては、分かち合い、また支え合いながら今の世代できちんと終わらせていく、このような姿勢を堅持してまいりたいと思っております。

 我が党も、昨年九月、福島議員を中心にずっと討議をしてまいりまして、その考え方を取りまとめ、多くの要望をさせていただきました。当然、予防重視と医療の質の向上、また効率化、そしてまた、患者のニーズにこたえる医療の実現と医療の質と効率の向上であるとか、また医療費適正化のための総合的な対策として政策目標を実質的に定めるべきであるとか、また都道府県における医療費適正化計画の導入であるとか、こうした点を要望させていただいております。

 今回は、医療保険制度、医療提供体制、そしてまた診療報酬改定という三つにわたりまして行われる大改革でございます。やはり、この改革に当たりましては、従来、今回も厚生労働省、努力をしてくださいましたように、患者第一の立場から、国民の目線に立った改革がなされなければならないと思っております。

 そういう意味から、きょうは二点、大きく御質問をさせていただきたいと思います。

 一つは、予防シフトということでございます。これは、我が党がずっと申し上げてきたところでございますけれども、やはり予防の実効性をいかに上げるかという課題でございます。

 これまでも、例えば、平成十二年からスタートしました健康日本21、これは十二年から二十二年まで行われる予定でございます。またさらに、もう中間取りまとめができたところでございます。またその後、健康増進法、これは平成十五年に施行されまして、ここでは健康増進のための多くの施策を、やはり目標値も打ち出されております。そしてまた、平成十七年から約九年間にわたりましてスタートしました健康フロンティア、こういう多くの、まさに数値を織り込んだ予防重視のための政策が続いておりますけれども、では、果たしてこの生活習慣病、減っているかどうか、ここが大きな問題でございます。

 例えば、今、適正体重、肥満という、私も余り大きな声では申し上げられないことですけれども、健康日本21のこの中間取りまとめを見ましても、例えば肥満の方、男性二四・三%、これが制定時でございます。では、果たして五年たって今減っているかといいますと、二九・五%までふえている。目標値は、もう五年たったときには一五%、こういう目標値でございます。また、女性につきましても、やはり、少し女性は少な目でございますけれども、策定時二五・二、目標は二〇、しかしながら今は二五、こういう数値でございます。

 こういう実効性を上げるために、今後どのように取り組んでいかれるのか。やはりそれは今回のこの医療制度改革、負担を国民の皆様に少しお願いをしながら、しかしながら、一番の大きな決め手は、医療費削減のために国民の皆様に御自分の健康管理をきちんとお願いしていこう、こういう方向であるとも思っております。

 こうした実効性を上げるために、今後どのように取り組んでいかれるのか、そのことにつきまして、まずお伺いをさせていただきたいと思います。

川崎国務大臣 この答弁が私は一番苦手でございまして、大臣になってから三カ月で二キロほどはやせました。ただ、八十四キロもありますので、なかなか答えにくうございますけれども。

 いずれにせよ、今回の医療制度改革においては、四十歳以上を対象とする生活習慣病予防のため、健診や保健指導について医療保険者に実施義務を課すということにしております。これによりまして、各医療保険者によって、丁寧な指導、また健診を進めてまいりたいと思っております。

 一方で、医療保険者による保健事業だけではなく、やはり地方自治体の皆さん方からの日常的な働きかけ、これをあわせてやっていかなければならないだろう。普及啓発活動が重要だろう。そういう意味では、健診のときに、こういう形で自分で予防してくださいよということをしっかり組み合わせながらやっていくことが大事であろうと思っております。

 いずれにせよ、両者が連携して、新しい制度になって取り組みが進みますよう、最大限の努力をしてまいりたいと思います。

高木(美)委員 今大臣の御決意も伺いまして、ぜひ、これは国民運動の展開でもあると思っておりますので、先頭に立っていただきまして、お願いをしたいと思っております。

 やはりこれは、健康予防、健診の充実、そしてまた運動の推進が予防のために大事ではないかと思います。これまで、今も申し上げさせていただきましたように、なかなかそれでも実効性が上がらなかった。そこに、今大臣からお話ありましたとおり、連携が大事であるというお話でございました。やはりこれは、だれが一人一人を継続的にフォローしていくのかという現実的な細かいフォローがありませんと、このシステムというのは動いていかないと思っております。

 最終的に一人一人までどう手を届かせていくかというこのきめ細かな点につきまして、再度大臣のお考えを伺えればと思います。

川崎国務大臣 本当は副大臣から、もう実行者でございます、私と二十キロ体重違うようですから、人より心がけている方々からお話しいただいた方が説得力があるように思いますけれども。

 いずれにせよ、この制度がきちっと機能いたしますためには、地方自治体との連携というものが欠かせないものになってまいると思っております。そういった意味で、法律が通りましたならばしっかりやるというお答えを、きょうはここで御勘弁を賜りたいと思います。

高木(美)委員 大変にありがとうございました。

 例えば、国は地方にやりましょう、また地方は地方で、都道府県また市町村はお金がない、こういうところで宙に浮いて終わらないように、ぜひとも実効性のある予防シフトの推進をお願いしたいと思います。

 もう一つ、先ほど申し上げました療養病床の見直し、先ほど来質問の中にもございました在宅シフトということにつきまして質問をさせていただきたいと思います。

 これはある学者の方のお話でございますけれども、高齢化の進展は、最終的には大量死の時代を迎える、今、年間百一万人亡くなっているわけでございますが、恐らくピーク時は百七十万人を迎えるであろうというお話でございます。私は、やはりこれは、国民から見れば、御自分の最終章をいかに支え、またどこでみとってもらえるのか、こういう自分にまさに降りかかってくる密接な問題であろうかと思っております。

 また、一方、日本の医療は病院一辺倒である、こうした御批判もございます。高齢者の生活の質をどのように大切にしていくのか、そしてその上で、どこで最終章をみとっていくのか、そうしたことであると思っております。

 今、大変、少子社会の対応につきましてはるる子育て支援を進めていただいておりますけれども、超高齢社会に向けまして、こうした負担、お金の話ではなくて、もう一つ、高齢者の方たちへの安心できるメッセージを発していけるような今回の制度改革の論議でありたいというふうに思っております。

 多くの人は、御希望されますのは、畳の上で死にたい、そういう御希望がございます。こういう国民の思いからいきまして、療養病床の見直しにつきまして大臣はどのようにお考えか、伺わせていただきます。

川崎国務大臣 御指摘のとおり、今回の医療制度改革で、療養病床の問題は大きな柱でございます。長期にわたる療養を必要とする患者のための病床である療養病床については、医療保険適用の病床、約二十五万床でございます。介護保険適用の病床、十三万ございます。この中で、医療の必要性が必ずしも高くない患者が多く入院しており、在院日数も長くなってきております。

 療養病床の問題は、昭和四十八年の老人医療費無料化以降、病院が高齢者の介護の受け皿となってきた老人病院問題として三十年来の懸案となっており、介護保険法施行後六年を経ました現在、介護基盤の整備も進んだことから、積年の課題を整理し、いわゆる社会的入院を是正したいと考えております。

 見直しに当たっては、患者の状態に応じた施設の適切な機能分担を推進することとし、具体的には、療養病床については医療の必要度の高い患者を受け入れるものに限定し、医療保険で対応する、医療の必要性の低い患者については、より居住環境のよい老健施設等の介護施設、居住系サービスまたは在宅で受けとめたいと考えております。

 特に、療養病床からの転換、老健施設等を中心にしながら、しっかり準備をこれからしてまいりたい。そして、病院から出されてしまうのではないかという御不安に対して、いや、こういうところでしっかり私どもがケアさせてもらうということをメッセージとして出していかなきゃならないと思いますし、また理解をお願いしていかなければならないだろう。

 今委員が御指摘のように、自分の家で、在宅で最期を迎えたいという希望が多いわけでありますから、そうした方向性をしっかり大事にしながら進めてまいりたいと考えております。

高木(美)委員 ありがとうございました。

 やはり、もう御存じかと思いますけれども、施設に入れたいけれども入れる施設がないということで、やむを得ず病院に入れていらっしゃる、その方たちが出されるという、今大臣から御決意を承りましたが、そうした不安になりませんように、そのシフトをどのようにしていくのか。これはまた法案審議の中でしっかりと論議をさせていただきたいと思います。

 この受け皿につきまして、人員、場所の確保等々、これも大変大きな課題であると思っております。それとあわせまして、今後、在宅医療を重視すべきではないかと思います。

 このことにつきまして、今後どのように推進をしていかれるおつもりなのか、あわせて質問をさせていただきます。

松谷政府参考人 患者さんがQOL、いわゆる生活の質あるいは生命の質の向上の観点から、できるだけ住みなれた家庭や地域で生活を送れるよう、また身近な人に囲まれて在宅での死を迎えることができるように、患者さんが希望する場合に在宅医療が受けられる体制の構築を一層推進する必要があるわけでございます。

 このため、今般の医療制度改革におきまして、在宅医療の推進を図るための医療法の改正や診療報酬の評価などを講じることといたしているところでございます。

 具体的には、主治医の役割の発揮、あるいは介護を含む多職種での連携が図れるように、地域で在宅医療に係る連携体制を構築いたしまして、医療計画にその機能をはっきりと明示するということ。

 それから二つ目には、患者の退院時に他の医療機関など在宅医療を提供するものなどとの連携を図る、いわゆる退院調整機能の推進を図る。

 三つ目には、複数の医師の連携によります二十四時間往診可能な体制の確保を図っていく。

 それから四つ目には、在宅療養中の症状急変時の対応といたしまして、入院機能を有する医療機関を活用するといったようなこと。

 さらには、患者さん、国民への情報提供として、医療機関などが在宅医療を実施していることがわかるような一定の情報を都道府県にきちんと届け出ていただきまして、その情報を都道府県が公表する制度をきちんと導入する。

 また、ケアハウスなど居宅系サービスの充実、さらには多様な居住の場での在宅医療の充実など、各般の措置を講じて在宅医療の確保を図ってまいりたいと考えております。

高木(美)委員 ありがとうございました。

 あと、医療情報の公開であるとか、また多くの課題もあるかと思っております。またしっかりとこの法案審議に臨ませていただきたいと思います。

 時間になりましたので、以上で終了させていただきます。ありがとうございました。

岸田委員長 次に、高鳥修一君。

高鳥委員 自由民主党、高鳥修一でございます。厚生労働委員会におきましては初の質疑に立たせていただきます。どうかよろしくお願いをいたします。

 なお、本日は、我が党の先輩三名の方々が既に質疑を終えておられます。なるべく重複する質問は割愛をしてまいりたいと思いますが、多少関連をする事項が出てくるかと思います。御容赦をいただきたいと思います。

 まず初めに、医療保険制度改革についてお伺いをいたしますが、実は私は、そんなに長い期間ではございませんが、アメリカに居住をしていたことがございます。そのときに痛感をいたしたのでございますが、日本の医療保険制度というのは本当にありがたいものだな、そのような思いを強くしたのでございます。

 アメリカにおりますと、医療費が高い、高いと周りから言われるものですから、絶対に病気になれない、風邪を引きそうになったら精神力で押し返すといいますか、非常にいつも気を張っていなければならない、そういうことを覚えております。ところが、日本に帰ってまいりますと、ぐあいが悪くなったら、いつでも、またどなたでもお医者さんに診ていただいて、そして技術水準の高い医療を受けられて、なおかつ、そんなに目の玉が飛び出るような請求をされるということはないわけであります。

 先ほど来お話が出ているとおりでありますけれども、少子高齢化あるいは人口減少時代に突入したということでありますが、いかに将来にわたって今の制度を維持していくかということが私は非常に重要であるというふうに考えております。

 国民の側からすれば、医療制度改革は負担増であるという御批判があることももちろん承知をしているわけでございます。しかし、私の周囲では、しっかりとした医療、年金、介護、こういったものを含めた社会保障の制度を確立してもらいたい、しっかりやってくれるのであれば、むしろ負担増はもうやむを得ないんだというような意見があることも事実でございます。

 そこでお伺いをしたいと思いますが、高齢者医療に関する部分については、大村先生が質問された内容と重複する部分を割愛させていただきたいと思いますが、違った観点からお伺いをさせていただきます。

 医療制度改革また診療報酬改定を進めることが医療サービスの低下を招く、あるいは患者負担の見直しということが診療抑制につながる、こういったことが懸念をされると思いますけれども、こういったことに対する御認識をお聞かせいただきたいと思います。

水田政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、平成十八年度の診療報酬改定についてでございますけれども、これは委員御承知のとおり、昨年末の予算編成過程におきまして、診療報酬本体の改定でマイナス一・三六%、薬価等の改定でマイナス一・八%、合計でマイナス三・一六%ということが決定されたわけでございます。

 これも今回の医療制度改革の一環として位置づけられるものでございまして、政府・与党で決定されました医療制度改革大綱におきましても、「引下げの方向で検討し、措置する。」こととされたところでございます。

 また、その内容についてでございますけれども、これにつきましても、先日、中医協から答申があったわけでありますが、これも先ほど申し上げました医療制度改革大綱、それから社会保障審議会で取りまとめられました基本方針におきまして、小児科、産科、麻酔科あるいは救急医療、それから急性期入院医療の実態に即した看護配置、こういった重点的に評価すべき領域については、これらの評価を進めるように、一方で、慢性期入院医療等の適正化を図る領域について、これらについてはまさに適正化を図るということで、めり張りをつけた評価とするということが定められたわけでございまして、私ども、今回改定によりまして、必要な医療を効率的に提供する体制が確保できるものと考えてございます。

 それから、もう一方で、患者負担のお話もございました。

 これも御指摘がありましたとおり、高齢化を見据えまして、世代間の負担の公平化の観点から、高齢者にも応分の御負担をいただくという必要があると考えてございまして、今回の改革案におきましては、具体的には、現役並み以上の所得を有する高齢者の方々につきましては、現役世代と同じ三割負担とするなどの見直しを行うこととしてございます。

 ただ、こういった見直しを行った後におきましても、高齢者につきましては、月額の自己負担限度額というものを設けておりますほか、低所得者につきましては自己負担限度額を据え置く、こういったきめ細かな対策をとっておりまして、過度の受診抑制とならないような配慮を行っているところでございます。

高鳥委員 ぜひとも、適正かつきめ細かな対策を今後とも取り組んでいただきたいというふうに思います。

 次に、医療費を抑えていくには、健康増進といいますか、生活習慣病の予防ということにも力を入れていく必要があるというふうに思います。私は、ヨーロッパにおいて、医療、スポーツそして温泉などを組み合わせた、医師の指導のもとで転地療養ができる、このような施設もあるやにお聞きをしているわけでありますが、我が国におきますスポーツを取り入れた健康増進に対する取り組みについて、お聞かせいただきたいと思います。

中島政府参考人 ただいまの御質問でございますが、健康づくり対策の中におきまして、最近では、栄養と並んで、御指摘のような運動が重視をされてきているという状況でございます。

 このため、特に運動施策につきましては、国民の間での運動習慣の定着を図るために、科学的な知見に基づきます運動所要量及び運動指針につきまして現在見直しを行っておるところでございまして、これを普及、定着させていくこととしておりますほか、健康増進施設の認定を行いまして、運動を含む良質の施設の普及を図っているところでございます。さらに、運動指導者の養成及び資質の向上に関する指導などに努めているところでございます。

 今回の医療制度改革におきまして、生活習慣病対策が重要な柱の一つとなっていることも踏まえまして、運動施策の一層の充実強化に取り組んでまいりたいと考えております。

高鳥委員 ぜひとも、生活習慣病対策、力を入れていただきたいと思います。

 次に、医師の偏在、不足の問題について、また小児科医療の体制についてお伺いをしたいと思います。

 先ほど来お話が出ていることではございますけれども、過疎地における医師不足というのは大変深刻な問題でございます。

 私、ある村長さんから実際に聞いた話でございますけれども、なかなか過疎地の農村にお医者さんに来てもらうというのは大変な苦労をするということでございます。例えば都会、あるいは違うところから過疎の村に来てもらうということになりますと、今までの収入以上のものを出さないと、なかなか来てくれる人は実際にはいないわけでございます。これが村の財政を大変圧迫するというような話も出ております。

 過疎地の医師不足に対してどのような対策を考えておられるのか、お考えをお聞かせください。

松谷政府参考人 僻地の医療対策につきましては、定期的にその対策計画を立てておるところでございまして、昨年にもまた年次計画を立てたところでございます。その中では、僻地における担当医師の確保の対策として、僻地の中核病院及び中核病院から派遣される医師の手当て等の対策を中心といたしまして、巡回その他の手当て等も含めて対応をとっているところでございます。

 また、来年度予算につきましても、中核病院から出てくるドクター、お医者さんについてのその対応、特に、留守になってくる場合の病院における手当て等もその中で行おうということで、来年度予算にも組み込んでいるところでございます。

 また、今般の医療制度改革、医療法等の改正の中で、御存じのとおり、都道府県において策定いたします医療計画の中で、僻地も含めましてその対策をきちんと明示して、数値目標を持ってその対策を進めるということもあわせて行っているところでございます。

高鳥委員 ぜひとも実効ある対策を打っていただくことを御期待申し上げたいと思います。

 次に、小児科でありますが、医師の不足によって、医師不足が大変深刻な問題になっているということでございます。特に、時間外の病院での救急が大きな課題になっているということでございます。これは、親の都合によって時間外に診療を求めるということも一つ要因としてはあるようでありますけれども、医師をふやすか、あるいは仕事を減らすかしかないということでございます。

 そんな中で、小児科外来診療料というのは実際には上がっていないという話も聞いております。診療報酬をやはり上げるべきであるというふうに私は思いますが、一方で、国が小児時間外診療を受け付ける病院に補助金を出している、こういう現状についてはいかがでございますか。

松谷政府参考人 小児の救急医療についての御指摘でございますけれども、地域により小児科医の深刻な偏在が見られるというようなことも深刻に受けとめておりまして、昨年十二月に、都道府県に対しまして、医師確保が困難な地域における小児医療の機能を集約化、重点化するといったようなこと、それから、二十四時間体制で小児救急に対応できる効率的な仕組みを構築するための検討を来年度、平成十八年度末までに行うよう要請したところでございます。

 また、今御指摘ございましたように、平成十八年度の診療報酬改定におきましては、小児医療について重点的な評価を行うこととしておるところでございまして、小児科を担う病院等と地域で小児科を専ら担当する診療所等の医師の連携による夜間、休日の小児救急医療体制の構築を支援するため、小児を二十四時間診療することができる手厚い体制に係る評価を新設するとともに、乳幼児の深夜加算に係る評価を引き上げるなどの措置を講ずることとしてございます。

 また、休日、夜間の小児救急患者のほとんどが軽症の患者さんということもございまして、保護者等の不安に適切に対応することによりまして医療機関における小児科医の負担が軽減することから、平成十六年度から全国統一番号による電話相談を実施しているところでございますが、今後さらに、休日夜間急患センターにおける初期小児救急体制の充実、それから、救命救急センターにおきましても、小児救急専門病床を確保して、二十四時間、重篤な小児救急患者を受け入れる体制の整備、そして、各都道府県での医学部や医療関係者の協議を通じた小児医療確保や小児医療の連携体制の構築などによりまして、小児救急医療体制の充実にさらに取り組んでまいりたいと考えてございます。

 今後とも、患者さんの状態に応じまして、適切に小児救急医療を提供できる体制づくりに、一つの手段だけではなくて、いろいろな面から対応してまいりたいと考えてございます。

高鳥委員 この問題は、現場から本当に悲痛な叫びが上がっているというふうに認識をいたしております。

 谷畑先生も御指摘になられたことではございますが、小児科医療体制の充実というのは子育て支援の観点からも大変重要であると思いますから、ぜひとも力を入れていただきたいというふうにお願いを申し上げます。

 次に、女性の雇用環境の整備について、そして、特に中小企業で働く女性に対する支援についてお伺いをいたします。

 女性の社会進出が進んでいる、しかしながら、妊娠、出産に伴って退職をしなければならない、このような慣行はまだ根強く残っているというふうに思います。そして、このことが働く女性を妊娠、出産に対して消極的にさせているとすれば、私は大変問題であると思うわけでありますが、この点に関して、大臣の認識をお伺いしたいと思います。

川崎国務大臣 若い御夫婦に対してどういう支援を行うか。一つは児童手当等の経済的支援、それから雇用環境の整備、それから子育てのための保育所等の整備、こういう考え方でやってきております。

 特に、雇用の問題について、やはりもう少し経済界の理解を求めなければならない。経済界の皆さん方も、少子化という現実に対応して、少子化対策を打たなきゃならぬ、予算をふやさなきゃならぬ、いろいろな形で御発言をいただいておりますけれども、そういった意味では、自分の会社の中の女性の雇用の問題というものにみずから取り組んでいただかなければならないだろう、こう思っております。

 今、政府におきましても、民間人の皆さん方、経済界の皆さん方もお入りいただいて、少子化対策をどうすべきかという中で、今御指摘がございました、女性が継続して働ける、子育てをしながら働ける環境をつくっていかなきゃならぬ、国もしっかりやらなければなりませんけれども、やはり経済界の皆さん方に一段と理解を得ていかなきゃならぬ、こういう問題と認識いたしております。

 そういう意味では、国民全体挙げて少子化対策を進めていかなければならない、こんな認識で、一生懸命頑張りたいと思っております。

高鳥委員 今大臣がおっしゃられた経済界の理解というのは大変重要なことであるというふうに思っております。また一方で、地方の中小企業の経営者にとっては現実的になかなか難しい問題もあることも事実でございます。

 私は、個人的には、国と企業がお金を出し合って基金のようなものをつくって、そして育児休業をとりやすい環境を支援する、そういう仕組みをつくるべきではないかというふうにも考えておりますが、国としてはどのような対策を考えておられるのか、お聞かせ願います。

北井政府参考人 両立支援に対する中小企業への支援ということでございますけれども、平成十八年度予算案におきましては、大企業に比べまして育児休業の取得などが現実に立ちおくれております中小企業を重点的に支援するという観点から、五年間の特別措置といたしまして新たな助成制度の創設を盛り込んでいるところでございます。

 具体的には、従業員百人以下の中小企業におきまして、育児休業の取得者、それから短時間勤務の適用者が初めて出た場合に、一人目百万円、二人目六十万円を上限として支給することといたしております。

 また、従来からある助成金でも、育児休業で休んだ人のかわりに代替要員を雇われた場合の助成金であるとか、短時間勤務や残業をさせない制度などの多様な勤務形態をとられた事業主に対する助成金などもございまして、中小企業には手厚い助成額となっております。

 こうしたことを一層周知して、中小企業にも理解を求めていきたいというふうに思っております。

高鳥委員 ありがとうございます。

 今御説明をいただいた制度が、育児休業を今までとっていなかった企業、こういうところに対する突破口になるように御期待を申し上げます。

 次に、障害者の福祉についてお伺いをいたしたいと思います。

 障害者自立支援法に対する不安の問題がやはりまだまだあると思います。谷畑先生が先ほど御指摘をされましたので答弁の方は結構でございますけれども、私も、十一月に地元の方で、厚生労働省の御支援をいただきながら、自立支援法の徹底説明会というのをやらせていただきました。今後とも、十分な機会をまたつくっていただきまして、不安を解消するための努力をしていただきたい、このことをまずお願いだけいたしておきます。

 そして、自立支援法によって小規模作業所がなくなるのではないか、このような不安が障害者団体の間で出ております。この小規模作業所を、今後、地域活動支援センターなど新たな形態に円滑に移行させていくことについてどのように取り組むのか、お考えをお聞かせ願います。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 小規模作業所につきましては、現在はいわば法定外の事業として活動されている方が多く、全国に約六千カ所、八万人の方が活動されておりまして、障害者の方の働く場、社会参加の場として重要な役割を果たしていると認識いたしております。

 私どもといたしましては、今委員の方から御指摘ございましたように、地域活動支援センターといった事業など、これは法定事業になるわけですが、そこにお移りいただける方々が多いのではないかと思っておりますが、そのほか、今度の障害者自立支援法の中で就労移行支援とか就労継続支援といった事業もつくられておりますので、やっておられる小規模作業所の活動の性格によって、御希望される部分についてはそういった法定の制度に移行できるようにしたいと考えております。

 そのために、NPO法人等の法人による運営を可能とすることや、さまざまな地域資源、例えば民家の活用でございますとか空き店舗の活用など、そういったことができるような規制緩和も考えております。予算的には、とりあえず四千二百カ所くらいは地域生活支援事業の中の、今先生からお話がありました地域活動支援センターになるのではないか、そういうふうなことを見込みつつ作業をしているところでございます。

 関係者の方々によく周知徹底を図りまして、御不安がないようにしてまいりたいと考えております。

高鳥委員 今お話をいただきましたことでございますが、ぜひとも不安解消のために温かい、きめ細かい御支援をいただきたいというふうに思います。

 次に、成年後見制度についてお伺いをしたいというふうに思います。

 高齢者の介護、福祉というのは、親でありますから、順番からいくと親の方が先に亡くなるわけであります。しかし、障害者の介護、福祉ということになりますと、特に知的障害者の場合は親が子を見ているわけであります。ですから、障害児者を育てている親の立場からすると、一番の心配というのは親亡き後のことでございます。我が子が幸せに人生を終えることができるのかどうか、それをできることなら見届けてから自分は逝きたい、これが共通の親たちの願いであるというふうに思います。

 成年後見制度というのがあるわけでありますが、これに関する支援事業についてお聞かせを願いたいと思います。

中村政府参考人 今委員からお話ございましたように、障害者の方あるいは高齢者の方にとりまして、そういう必要が生じた場合の成年後見制度というのは非常に重要なものだと考えております。

 これまで障害の分野におきましては、知的障害の方々について、今委員からお話がございました成年後見制度利用支援事業の対象といたしておりましたけれども、今度障害者自立支援法で精神障害者の方々もいわば法の対象になりますので、私ども、この成年後見制度利用支援事業の対象に精神障害者の方も加えまして、それで今度の法律でつくられました地域生活支援事業、これが平成十八年十月以降実施されることになっておりますので、その事業の中で市町村が行う相談支援なども通じまして、この成年後見制度の利用が進みますように手当てをしてまいりたいと考えています。

 具体的には、成年後見に必要となります申し立て手数料でございますとか、登記の手数料、鑑定費用、それから成年後見人等の報酬に必要となる費用、そういったものなどについて、市町村の方が必要ある方に対して助成をする、こういうような制度になっております。

高鳥委員 障害者団体の間では、なかなか手続がまだまだわかりにくい、あるいはお願いした際にかなり高額の費用がかかるとか、そういう懸念が出ておりますので、引き続き御支援をいただきたいと思いますし、この障害者福祉のことに関しましては、私も今後皆様方から御指導をいただきながら特に力を入れて取り組んでまいりたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いをいたします。

 最後に、年金制度改革及び社会保険庁の改革についてお伺いをいたしたいと思います。

 年金制度改革に関しましては、やはり国民からの信頼回復というのが大前提であるというふうに思いますが、一々申し上げませんけれども、社会保険庁、何かと問題が指摘をされたところでございます。解体的な出直しを図るべきであるということでございますが、大臣の改革に取り組む決意をお聞かせ願いたいと思います。

川崎国務大臣 二年前の御議論以来、社会保険庁、今御指摘いただきましたとおり、解体的出直しを行うということで、組織の見直しと同時に人事の問題にまず着手をいたしました。職員のやる気、業務改革、これをどう進めるか、これはすぐできる話でございます。そういった意味では、村瀬さんという長官に民間から来ていただいて、長官自身ほとんどの現場を見てもらった、その中で、リーダーシップを持ちながら、業務改革と職員のやる気、この問題にまず取り組んでいただいております。

 組織改革でございますけれども、まず、基本的に政管健保と年金とは分ける、年金のみの組織としようということで、二十年十月を目途にねんきん事業機構という形で新しくスタートをさせたいと思っております。平成二十四年度までの七年間に常勤、非常勤合わせて一万人程度のまず人員削減をしたい、民間企業的な人事、処遇の導入をしたい、また、都道府県ごとに設置されている社会保険事務局を廃止しブロック単位に再編をするということを考えております。

 また、コンピューター等の要員につきましては外部から人材を入れたい、また、国税庁等とも相談しておりますけれども、新しい人材の受け入れも考えていきたい、そうした組織全体の見直しの中で、しっかりやらせたいと思っております。

 三番目に、当然その目的は国民からの信頼回復、その大前提は収納率を上げるということでございますから、それに取り組ませていただく。その中で私自身指示しておりますのは、まず母数をはっきりさせろ。厚生年金に入るべき事業所が入っていないのではないか、そこは徹底的にやった方がいい。一方で、大学生等免除を受けられるのにその手続を行っていないでそのまま残っておるというものもある。したがって、そこはもう少しきめ細かく、まず母数の確定をするようにしてほしい。

 その上で収納率というものをどう上げていくかという中で、市町村との連携、国保との連携もございます。事業主からの協力、それから社会保険関係者、要は、医療機関や介護施設等、そういったところでまさか掛けていない人はいないでしょうなという形で詰めをし、場合によってはペナルティーがありますよという形で詰めをしていくということによって収納率を上げて、国民の信頼回復をしたいということで、三つのことを柱として今取り組ませていただいているところでございます。

高鳥委員 今大臣の方から大変力強い御決意をお聞かせいただきましたが、若干、もう少し具体的にお聞かせをいただきたいということがございます。

 今、人員削減ということもお話が出ましたけれども、旧の職員がただ漫然とそのまま新しいねんきん事業機構に移行するということでは、やはり意味がないというふうに思うわけであります。目的外閲覧の問題とかいろいろな問題があったということは国民も承知をしているわけであります。こういうことに対して、服務宣誓あるいは能力評価をどのように具体的にされるおつもりか、お聞かせをいただきたいと思います。

青柳政府参考人 社会保険庁が新しい組織に移行する際にどのように適正を図っていくのかというお尋ねがただいまございました。

 新組織が真に国民の信頼を回復できるものとして再出発するということのためには、これまで社会保険庁におきまして事業運営上さまざまに御指摘をいただきました問題あるいは不祥事案、こういったものの背景に組織の構造問題がある、これを一掃すべく、事業運営の効率化、公正性、透明性が徹底された組織に改めていく、これが基本的な考え方になろうかと思っております。

 そのために、先ほど大臣から全体像というものをお答えさせていただきましたが、それに加えまして、具体的な問題といたしまして、まず組織のスリム化につきましては、システムの刷新でありますとか市場化テストによる外部委託の拡大、こういったものを通じて大幅な人員削減を図ることとしております。具体的に数字を上げさせていただきますと、平成十八年度から平成二十四年度までの七年間に、常勤公務員の二〇%以上、それから常勤及び非常勤を合わせて一万人程度の職員の純減を図ることとしております。

 また、ねんきん事業機構におきます旧社会保険庁の職員の任用に関しましては、与党におきましても十分な御議論をいただいたわけでございますが、これを踏まえまして、まず行政機関の廃止に伴いまして、通常であれば法律に規定される職員の引き継ぎ規定というのを設けまして移行するわけでございますが、こういった規定を設けずに個別に転任の手続を図る。そしてその際には、業務目的外の閲覧による処分といったものを重視しつつ、勤務成績等に基づいて公正な任用を行うということにしたいと思います。

 また、今国会に提出予定のねんきん事業機構法案におきまして、公的年金事業の重要性を自覚し、強い責任感を持って職務を遂行するという内容の服務の宣誓、こういうことを行うことを義務づけてまいりたいというふうに考えております。

高鳥委員 時間が大分押してまいりましたので簡潔にお答えいただきたいと思いますが、人員削減をしてスリム化を進めても、年金に不公平感というのがあってはならないと思います。未納、未加入の対策について簡潔にお答えください。

青柳政府参考人 未納対策につきましては、大きな柱が二点ございます。

 一つは保険料を納めやすい環境整備を進めるということで、特に、今後の対策といたしましては、クレジットカードによる納付といったものをコンビニあるいは今までやっておりましたものに加えてまいりたいというふうに考えております。

 またもう一点、未納対策として非常に大事なのは、未納者の属性に応じた効果的、効率的な対策というのが必要でございまして、具体的には、負担能力が乏しくて免除を受けることが可能な方については、先ほど大臣からもお話ございましたようにきちんと免除手続を行っていただく、そのための手続の簡素化なりを図っていくことが必要であろうかと思います。

 また逆に、十分な負担能力がありながら納付義務を果たさないというような方に対しましては、現在、強制徴収による厳正な対応というものをやっておりますが、これを量的にも質的にも拡充いたしまして、将来的には、年間六十万人程度の方にはこういった強制徴収の一連の手続に当たるところの最終催告状を交付する、こういったことができるようにしてまいりたいと思います。

 また、その中間の方に対しましては、市場化テスト等を活用してきめ細かに納付督励を行う、これを進めてまいりたいというふうに考えております。

 最後に、未加入の問題につきましては、現在、二十歳に到達した方にはすべて、いわば職権適用ということで年金手帳をお送りするというところでかなりこの未加入者対策は進んでおりますが、さらに、厚生年金から国民年金に移る方など手続が滞りがちな方に対しましてより重点的な対応を図ると同時に、例えば三十四歳というワンポイントできちんとそれまでの納付記録をお伝えすることによってその適正化を図ってまいりたいというふうに考えております。

高鳥委員 国民が、ああなるほど、これだったらと、だれもが納得するような改革をぜひとも進めていただきたいというふうに心からお願いを申し上げまして、私の質疑を終了いたします。

 ありがとうございました。

岸田委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時四分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

岸田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。仙谷由人君。

仙谷委員 この国会で、厚生労働大臣の所信演説をいただきまして、それに対する野党の一番バッターとして質問をさせていただきます。

 そこで、ある種、大臣に時代認識といいましょうか、社会認識をまずはお伺いをしておかなければならない、こういうふうに思います。

 といいますのは、昨年の国会でも私は申し上げましたけれども、この時代、この時期、そして日本という先進国の置かれた諸々の条件が社会保障政策あるいは社会政策と言われるものにどう影響するのか、あるいは、いろいろな環境条件で社会政策の発想を変えなければならないのではないか、こういう問題意識からお伺いをするわけでございます。

 何といいましても、今の時点、この二〇〇六年二月の時点というふうに考えますと、一番大きな衝撃的な事実でもございますし、日本のこれから最も考えなければ、考えても解決は難しいわけですが、衝撃的な事実は、私は人口が昨年をピークとして減少に転じたということだろうと思います。

 一昨年、平成十六年の人口が一億二千七百六十六万人、そして昨年は一億二千七百六十五万人という、ある種の推計的な要素も含むわけでありますけれども、どうも人口が減少に転じた。既に、十五歳から六十五歳までのいわゆる労働力可能な人口の部分がどんどん減って、さらに六十五歳以上人口はふえ続けるという事態は、十年ぐらい前から続いておったわけであります。

 もう一つは、厚生省の人口問題研究所の特殊合計出生率の下位推計よりも下回る出生率がずっと続くという、つまり、ゼロ歳から十四歳までの人口が絶対数がどんどん減ってくるというこの事態、これは、ついにそのことが総人口の数の上でもあらわれたという意味では、極めて大きな衝撃的な事実だと思うんです。

 そういう人口構造、社会構造を背景にしながら、今日本は、これはメディアでもそろそろ問題視してまいりました格差の問題、小泉さんは、いわば景気については六本木ヒルズと丸ビルへ行ってみればいかに日本の景気がいいかがわかるとうそぶいたわけですが、これは、徳島の片田舎の木頭というところへ行ってみれば、その反対の事実はわかるわけです。あるいは徳島の銀座通りというところを歩いてみていただければ、その反対事実もまた極めて衝撃的な格好で出ておるわけであります。

 その景気経済論争をこの委員会でやるつもりはありません。きょうはあえて詳しい格差の数字を並べ立てることをするのは控えますけれども、問題は、この経済的あるいは所得の格差、これは地域間でも同一世代の中でも世代間でも起こっているようでありますけれども、このことが固定化をしつつあるのではないか。つまり、階層が階級化しつつあるのではないかということが、もしそうであるとすれば、これは大変ゆゆしい深刻な事態になるわけでございます。

 厚生労働大臣に、ちょっと一般的に過ぎるかもわかりませんけれども、この日本の、今、格差と言われ、あるいは格差拡大、格差固定化というふうに言われておる事態、そしてこの人口問題、あるいは日本で今起こっております家族や子供に対するさまざまな事柄、このことについてどのような御認識をされておるのか、まずその点を伺っておきたいと思います。

川崎国務大臣 随分広い角度から御質問いただきましたので、二、三の角度からお話ししてみたいと思います。

 一つは、私、就任いたしまして直後に副大臣、大臣政務官にお願いしましたのは、かなり有効求人倍率はよくなってきている、すべての県がよくなってきていると思うけれども、極めてスピードが遅い県があるね、北海道、青森、沖縄、長崎、鹿児島、高知、秋田でしょうか、そんな県へ直接行って事情を聞いてみてくれ、こういう話をいたしました。

 その全体の数字を見ていますと、私が三重県だから言うんじゃないんですけれども、よく言いましたのは、東京ひとり勝ちというのが今まで言われておりました。今回はそうではなくて、ものづくりを中心にしながら、名古屋ひとり勝ちじゃないか。東京もよくなってきましたから、東京、名古屋、二極化、こんなことが言われている。そういう意味では、地域の事情を見ていますと、かなり違うな。

 例えば、先生の御地元の四国をとりましても、香川県という県は相当違う状況を示している、もう先生御承知のとおりでございます。そういった意味では、やはり地域、地域が創意工夫しながらやっていく。そして、先ほど格差というお話がございましたけれども、負けっ放しじゃない。三重県はずっと負けっ放しだったんです、今まで。たまたま今度勝ち組に入れましたからあえて申し上げておりますけれども。そういう意味では、各地域ともやはり努力をしていくということは大前提になりますねという認識を私、持たせていただいております。

 したがって、この各地域の雇用条件を改善していくのにどうしていくか。かつての内閣ならば、自民党流の手法で公共事業をふやしてその地域の雇用をつくる、こんな政策を打ってまいりましたけれども、基本認識としてそれはしない。何とかお互いの知恵、特に地方での知恵というものを生かしながらチャレンジをしてほしい、そのチャレンジを我々はお手伝いをしたいという角度を持たせていただいておる。まず地域間の問題は、こんな認識をいたしております。

 一方で、私自身、団塊の世代の生まれでございますので、我々が小学校に入ってどんどんどんどんクラスがふえていった時代、勤めるようになって日本の高度経済成長、私はよくこういう話をするんです。初任給三万九千八百円でございました。翌年四万九千八百円、売り上げも毎年三割ずつぐらいふえていった時代。まさに団塊の世代の我々、塊が大きいだけに、働き始めたということで日本の経済が大きく成長してきた。しかし、我々がそろそろくたびれてきた。そろそろ年金という時代になってきて、次の時代を迎えつつあるという認識をしなければいけないんだろう。

 しかし一方で、我々が、もうあすから、六十を過ぎたら働かなくなるのかといえばそうではないように思う。我が国の最大の特徴、ヨーロッパとの最大の違いは、高齢者の労働意欲でございます。六十から六十四、七〇%の人が労働力人口、すなわち働きたいという意思を持っているわけですから、そういう意味では、団塊の世代が六十を過ぎた段階において、日本の新しい考え方というのが出てまいるであろう。

 これを、単純な高齢者雇用とか働くとかいうことではなくて、NPOの問題も含めて、新しいシステムの中で我々自身が行動することによって、日本の国はもう少し変わっていくんではなかろうかな、こういう認識を私自身はいたしております。

 一方で、それじゃ何年もつんですかといえば、二十年後、三十年後はとてもこういう構造だけではもたない。したがって今から変えていかなければなりませんねという中で、年金問題や介護保険、そしてことしは医療の問題を御議論いただくという私自身の理解をいたしております。

 それからもう一つの問題は、民主党も御主張でございますし、我々もそうだと思っておりますけれども、国ですべてを決めていた時代から、そろそろ地方へ、地方の知恵という時代、地方の特色を生かした時代に変えていきたい。それによって我が国は変わることができるんではなかろうかという中で、社会保障制度全般を見ましたときに、年金はやはり国が責任を持つべきであろう、新しく入りました介護保険制度は基本的には市町村がその主体になっていただいている、そういった中で、今回の医療の問題については、やはり県というものが、もう少し役割を明確にさせていただきながら、主体になっていくべき時代を迎えているんではなかろうか。

 もちろん、国民年金の徴収にしても市町村に少し知恵を出していただきたい、情報をいただきたいということで協力をお願いしていますとおり、国、県、市の重層的な関係はあると思いますけれども、そのウエートというものは少しずつ変わってきていいんだろう、こういう認識の中で、それぞれの今までのやり方というものを変えていかなければもたないですねという認識を私はいたしております。

仙谷委員 大臣から、雇用といいましょうかあるいは仕事といいましょうか、景気、経済の話で、ある意味で楽観的な部分も含めてお話しいただきましたので、ちょっと雇用の話をまずさせていただきます。きょうは医療の話を中心に問題提起をしようと思ったんですが、雇用の話をちょっとさせていただきます。

 といいますのは、今、中京地域を中心に、あるいは東京近郊を中心に、これはさすがに景気循環の問題もあって、いいといえばいいんですね。これは明らかに体感温度が私どもも違います。地元へ帰ったときとこちらに出てきているときは体感温度が違います。随分日本も、中の上といいましょうか、裕福な人がふえたんだなという感覚でこの港区あたりは歩いておるわけでありますが、これも、この今の循環がそろそろピークに来ているんではないかという見方を私しておるんです。

 よく新聞や雑誌等々でも言われておりますように、見てみますと、しょせんはアメリカの住宅バブルと中国の設備投資バブルで、つまり外需主導型の景気回復ということにしかすぎない、あるいは大企業、製造業中心の好景気にしかすぎない。つまり、中小零細企業、とりわけサービス業を中心に、その切り口から見ると、とても内需主導型の景気回復でもなければ七五%を占める中小零細企業に働く人たちの雇用所得が上がっているわけでも何でもない、大変苦しい状況にいまだにある、これが実態だと思うんですね。

 そこでお伺いしたいのは、五年前のことでございます。五年前に小泉内閣が発足をしまして、二〇〇一年六月に、五百三十万人雇用創出計画というのができました。産業構造改革・雇用対策本部というのができまして、ここで、小泉さんの最初の所信表明でも、五百三十万人の雇用を創出すると大々的にぶち上げたわけであります。

 一体、この五百三十万人雇用創出というプログラムはどう実行されてどう成果が上がったのか。これは雇用の担当である大臣でも結構でございますけれども、本部長が総理大臣でございますので、この問題に、この雇用創出計画に責任のある部署の方でも結構でございますけれども、どうなったんだ、これをひとつお答えいただきたいと思います。

浜野政府参考人 お答えいたします。

 平成十三年当時、景気の低迷等に伴いまして、失業率が五%を超えるといったように、雇用を取り巻く環境が大変厳しい中で、御指摘のように、雇用の安定確保を図るために、平成十五年六月に五百三十万人雇用創出プログラムというものを取りまとめまして、関係省庁の協力のもと、具体的な施策の推進に努めてきているところでございます。

 このプログラムの中で取りまとめられております各般の施策の実施、あるいは小泉政権下で進められました構造改革の結果、経済状況の好転と相まちまして失業率が四・四%まで低下するといったようなことで、このプログラムの策定時に課題とされておりました雇用情勢の改善には、一定の成果が得られたものというふうに考えております。

 このプログラムによります具体的な雇用創出の数についてでございますけれども、ベースとなります統計上の制約がございまして、厳密なことを今、現時点で申し上げられないわけでございますけれども、利用可能な統計をベースに、一定の条件のもとで仮定計算をいたしますと、おおむね四百万人程度の増加が見込まれるのではないかというふうに想定をしております。(仙谷委員「何百万人」と呼ぶ)四百万人程度。(仙谷委員「五百三十万のうち四百ですか」と呼ぶ)はい。

仙谷委員 何というか、かすみをつかむような話で、一体全体、当初ぶち上げたサービス業中心の雇用創出なんということが今日本でできているのか。もっと虚心坦懐に、私は、謙虚に物事を見ないとこれからのまともな政策も出てこなくなる、そう思います。

 マクロ的な数字でいうと、雇用もふえていなければ、いいですか、就業者もほとんどふえていないじゃないですか。平成十三年、二〇〇一年、就業者数六千四百十二万人、昨年の十一月、就業者数六千三百四十四万人。就業者数が減っているじゃないですか。雇用者数、最大限サービスして読みますけれども、二〇〇一年、平成十三年の雇用者数は、男女合わせると五千三百六十九万人、辛うじて、十七年の十一月には五千四百十四万人、少々ふえていることはふえている。しかし、男性で見ますと、雇用者も、男性は三千二百一万人から三千百八十二万人に減っている。女性が二千百六十八万人から二千二百三十三万人にふえているだけ。ということは、単にパート、アルバイト、そういう方々がふえているということを示して余りあるじゃないですか。

 詳しく申し上げれば、よく言われるように、非正規の劣悪な労働条件のところで働く方々がふえている、これしかないじゃないですか。

 そして、鳴り物入りであなた方がおっしゃった、個人・家庭向けサービスが五年後に百九十五万人ふえる、こんな数字が果たして検証されているんですか。何か、個人・家庭向けサービス、これが百九十五万人ふえ、社会人向け教育サービスが二十万人ふえ、企業・自治体向けサービスが九十万人ふえ、住宅関連サービスが五十五万人ふえ、子育てサービスが三十五万人ふえる、高齢者ケアサービスが五十万人ふえる、医療サービスが五十五万人ふえる、リーガルサービスが二十万人、環境サービスが十万人、合計五百三十万。

 こういうふうに御託宣を並べた、大安売りの看板を並べたようなこの看板がどうなっているか、これはだれか検証しているんですか。どうですか。どこかで調べているんですか、調べていないんですか。

浜野政府参考人 先ほども申し上げましたように、サービス業の特に業態別におりた数字につきましては、統計のデータが五年ごとに行われております事業所調査を待たないと出てまいりませんので、先ほど申しました数字も、マクロで、大づかみな仮定計算をしたものでございます。個別の詳細については統計の調査を待って調査をするということであろうと思います。

仙谷委員 いやいや、だって、あなた、これは大慌てしたんでしょうが、失業率が五%超えるとかなんとか言って。

 それで、労働力人口、労働力可能人口のところが減ってくるという時代の中で、さらにその上で失業率がふえる、何なんだこれは、こういうことでしょう、基本的には。今だって労働力不足という話はいっぱい転がっているじゃないですか、一方で。

 その中で、大慌てしたから本部をつくったんでしょう。それだったら五年間待ちましょうなんて、そんなのんきな話がどこにあるんですか。全く真剣に取り組んでいないということじゃないですか。単なるラッパを吹いているだけ、これじゃないですか、これは。もうちょっと就業とか雇用とかそういうものに、本部をつくったんだったら真剣にならないと。すべての政策が、これから医療政策についてもそのことを申し上げますけれども、全く根拠に基づかない、でっち上げのラッパを吹いておいて、後は何年たっても知らぬ顔だ。

 このごろはやりの言葉は、今度、厚生労働省の医療関係の文書の中にも出てくる、横文字を使えばいいというものじゃないんですよ、PDCA、プラン・ドゥー・チェック・アクション、何ですか、これは。では、これは計画のPはあるけれども、DとCとAはどこにあるんですか。

 私は本当にこの国の、そのときに緊急にやらなければいけないことというふうに大臣、官邸が決めたのであれば、そのことを資源を投入して真剣にやらなければならない。旧労働省に同情的に言いますと、だからだめなんだということになるんだと私は思うんだけれども、全く、本部をつくられても、一年間に一回会合するだけだ、そこで何かもっともらしい計画はつくられるけれども、別に予算がふえるわけでもない、人員がふえるわけでもない、あるいは都道府県と一体になって何かをやる枠組みができるわけでもない、どうしたらいいのかわからない。この雇用政策なんかその典型ですよ、私に言わせれば。

 やったのは雇用調整臨時交付金。あの効果はどこに行ったんですか。今何か蓄積として残っているものはあるんですか。毎年毎年二千五百億円ぐらい使ったんですよ、あれは。すべてが、お母さん、あの麦わら帽子はどこ行ったんでしょうかみたいな話ばっかりじゃないですか、これは。

 川崎大臣、ここは大臣の、日本の政治というか、今の与党の中でも影響力を最大限行使して、労働、雇用、就業、そして、実は前回の質問でも私が提起しましたように、教育問題と一体にならない限り、大人の教育問題と一体とした政策を考え出さない限り、あるいは実行しない限り、これは徳島のことをさっきおっしゃっていただきましたけれども、徳島も、各地域、無理です。早急にやろうと思ったら、公共事業でもやるしかないんです。だけれども、これはどつぼに入るだけです。ますます病気は悪化します、これをやると。

 中期的に考えるとすれば、大人の教育、職業再教育とか再訓練とか、そのことと一体となった労働市場政策を展開する、地域でそのことを展開する。つまり、今、都道府県労政訓練課という甚だ弱体な部課があります、労働省の各部局もあります、労働組合もあれば、経営者協会もあるし、県庁もある、いろいろな部署はあるんだけれども、全部ばらばらなんですよ。あるいは地方の大学もほとんどこれに関心を向けていない。私は、ここは川崎大臣のリーダーシップで、日本において初めて労働市場政策を、労働大臣が主導的な立場でつくってみようかという気になっていただきたいと思います。

 余りこの問題だけで時間を食うのもなんですけれども、本当に統括官、これはマクロ的にどうのこうのと言ったって、マクロ的にも我々理解できないんですよ、これは。マクロの数字で減っているのに、マクロ的に四百万人ふえたなんというような話は、定年退職者がその間四百万人減ったとか、六十五歳以上人口がその間四百万人ぐらいふえて仕事をやめただろう、ほとんど就労者人口が減らないからその分ふえているんだろうなんて、こんないいかげんな話では、雇用政策とも言わない、労働政策とも言わない、労働市場政策とも何にも言わない。

 まさに、サービス化する時代において、先進国、成熟経済の中で、どういう産業構造、経済構造、就労構造をつくり得たのか、そのことが付加価値創造にどういう成果があったのかというぐらいの調査を絶えずしないと、どうにもならぬじゃないですか。内閣府なんというのは、調査担当職員というのは物すごいおるんでしょう。全然まともなデータが出てこないんですよ、この国は。困ったものだと思って。

 ひとつその点、今後とも、今のお立場を最大限行使して、まともな就業、雇用、労働、そしてその質にまで踏み込んだ調査をしていただきたい、このことをまずは要望しておきます。

 それでは医療問題に入ります。

 川崎大臣、今回の医療制度改革は、何か医療適正化というのが最大の眼目のような趣でありますが、私はそうは思わないんですね。この適正化という言葉は何なのか。これは改めて厚生白書を拝見すると、十年ぐらい前からやはり適正化というようなことを言っているんですね。

 私は、厚生省が、もし医療費総額、あるいは給付費のことを提起するのならば、この問題に謙虚に反省のお立場をとっていただかない限り、このヤシのバナナのたたき売りみたいな話ではだれも信用しないということであります。

 つまり、我々にもよくわからないのでありますが、わからないというのは、用語がよくわからないのでありますが、国民医療費推計値の推移、これの推移を見ますと、一九九四年に二〇二五年の国民医療費を推計したら百四十一兆円かかる、こうおっしゃっていた。それが、三年後の九七年には百四兆円になった。二〇〇〇年には八十一兆円に下がってきた。二〇〇二年には七十兆円、二〇〇四年には六十九兆円、二〇〇五年には六十五兆円。これは一体何なのか。なぜこんな大きい金額の差異が、調べれば調べるほどというか、発表すれば発表するほど異なった数字としてあらわれてくるのか、どなたかこの理由についてお答えできますか。

 あるいは、こんなに誤ったのはまことに申しわけないです、我が党の永田君に謝れ謝れと言っていますけれども、厚生省も、これはひとつ、なぜこんなたぶらかしのような話になっているのか、お答えをいただきたいと思います。

水田政府参考人 お答え申し上げます。

 これは午前中のときにも御答弁させていただきましたけれども、まず、医療費の推計に当たりまして、内外を通じて確立した手法というものはございません。

 したがいまして、私どもは、将来推計ではございませんで、過去の一定の期間を測定期間といたしまして、そのときそのときの時点におきまして、一人当たり医療費の伸びというものを算出いたします。それを機械的に将来に向けて投影する、こういう手法をとっているわけであります。

 したがいまして、ただいま委員御指摘の、大変高い医療費見通しを立てたこともございますけれども、それはやはり、バブル期の大変高い賃金、物価水準の高い時期があった、その時代の経済動向、そういったことを反映いたしまして高い水準になったものだ、このように考えてございます。

 したがいまして、実額では大変食い違いが大きいわけでございますけれども、国民所得、経済の規模との対比で見ますと、必ずしも大きなぶれは出ていない、こういうのが現状でございます。

仙谷委員 そこで、そういう開き直ったようなことをおっしゃるのだったら、私の方からお伺いしましょう。

 我々が渡されている資料、いいですか、これは厚生労働省の医療制度構造改革試案。私が今見ておりますのは五十八ページ。あるいは三十九ページですか、給付費の方が載っています。

 これは、私に言わしめれば、何で十五年まではあるけれども、十六年、十七年というのがないんですか。まだ統計がないということなんですか。あるいは、この間の伸びというのは、皆さん方の推計、つまり、平成五年、六年、七年、八年、九年、このあたりに行った推計に合致していたんですか、合致していないんですか。老人医療費と国民医療費、これについてお答えください。

水田政府参考人 数字の突合につきましては、事前に御指摘いただいておりませんので、しておりませんけれども、まず、委員御指摘の、医療費の動向で、十五年度まで出ている、その後どうしたのかということにつきましては、これは実績を見ておりまして、特に公費負担医療につきましては結果が出てくるのが遅いものですから、実績値としては十五年度まででございます。

 その上で、予算の見積もりで、もう一つ、将来の見通しを出すに当たりまして、足元で平成十八年度の数字を出しておりますけれども、これは予算の見積もりでございまして、当然ながら、実績を見ながら、それに即して予算を組み立てているわけでございますので、そういった大きな乖離はないものと承知をしております。

仙谷委員 そうしますと、一方では二〇〇六年度予算ベースというのがありますよね、医療給付費の将来見通し。ところどころで、国民医療費という概念、老人医療費という概念、医療給付費という概念、まあそれぞれ違うんだろうと思うんですけれども、これを一遍整理して出してくれませんかね。

 それから、いいですか、この医療費の動向の方から見る限り、平成十一年度からは老人医療費は十一・八、十二年度は十一・二兆、十三年度は十一・七兆、十四年度、十五年度も十一・七兆。つまり、いろいろな施策が成功したということもあるのだろうと思いますけれども、いずれにしても、少なくとも伸びていないわけだ、これは。

 それで、先ほど私が一番冒頭に申し上げた総人口における高齢者人口のふえ方というものをここに当てはめてみると、少なくとも高齢化率は四、五%ふえているでしょう、この間。いいですか、そんな時代環境の中で、ここまでの政策が成功したのか、あるいは他の要因なのかはともかくとして、少なくともこの三年間は、私どもからいえば、名目値としては伸びはゼロになっているわけですね、これは、十一・七兆で。

 そうすると、二〇〇六年、これは予算ベースで、改革実施前だと二十八・五兆円というふうに書かれておるんだけれども、こういう数字と、あるいは改革案だと一兆少ない二十七・五兆円というふうに書かれているんだけれども、これは一体全体、国民医療費を幾らとして措定して、想定して、あるいは老人医療費を幾らとして想定、措定して、つまり、平成十五年から十八年まで、二年の間にどのぐらいの伸び率でこれを計算したのかがさっぱりわからないんですよ。

 我々がもらっている数字だと、年率四・二%、これは全体の国民医療費だろうと思うんですが、四・二%で巡航速度にしてふえていく、高齢者医療費は年率四・五%でふえていく、こういう前提で二〇一〇年の数字、あるいは二〇二五年度だと年率五・六%、年率三・五%でふえていくという数字をいただいておるんだけれども、どうも、少なくともこの三年、五年、この数字はそんな高い率の伸びはしていない。

 私も、きょういらっしゃっている浜野さんのような経済のプロではないけれども、少なくとも私の算数とか経済の知識によると、平成十年から平成十五年まで、そんな三%とか四%の伸びなんということはどうしても私の頭からは過去の実績値として出てこない。

 さっき水田局長は、その時点での実績値を前提にして伸び率を計算するとおっしゃった。バブルのときだからこんなに百四十兆なんというようなばかげた数字が出たんだと。このときの局長かだれかがばかなんだと言わんばかりの話でありましたけれども、しかし、今の時点で、今の諸条件を勘案して前提にすると、そんなにふえていないんだから、どういう根拠でこの伸び率をひねり出してきたのか、そのことを教えてください。

水田政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、医療費の動向でございますけれども、平成十二年度以降は大変大きな制度改正が相次いだわけでございます。十二年度には介護保険制度が導入されて、介護に移った部分がございます。そういうことで、十一年から十二年の、これはむしろ医療費として下がっているという状況がございます。

 ただ、制度改正のなかった十三年につきましては、十二年から十三年全体で一兆円伸びております。すなわち、三十兆円医療費でありますので、三%程度伸びているわけであります。

 十四年度には、診療報酬、薬価のマイナス改定がございました。それから高齢者の一割負担の徹底ということがございました。その結果として、ここでの医療費の伸びはございません。

 十五年度には、これは被用者保険、本人でございますけれども、三割負担への引き上げということがございまして、国民医療費の伸びは五千億にとどまっているわけでございます。

 いずれにしましても、十二年度以降は、こういった相次ぐ制度改正があった年には医療費が抑えられているということは、これははっきり数字から言えるわけでございます。

 私ども、将来見通しを立てる上におきましては、この十二年度以降は余りにも制度改正の影響が大き過ぎるんじゃないかということで、私ども、その制度改正の前であります平成七年から十一年、この期間を測定期間といたしまして医療費の分析をした結果といたしまして、高齢者につきましては、一人当たり医療の伸びが三・一、それから若年者につきましては二・一%という年率の伸びがこの測定期間から計算されたものでございますので、それに基づきまして、今後の人口構成の変化とこれを掛け合わせまして将来の見通しを立てたということが実態でございます。

 冒頭、医療給付費あるいは国民医療費の概念がさまざまじゃないかという御指摘がございましたけれども、二〇二五年時点で、国民医療費ベースでは六十五兆円でございました。患者負担がありますので、医療給付費としては五十六兆円、こういう数字になるわけでございます。いろいろな数字がふくそうするということで、この医療給付費の姿でお示しすることが多いわけでございますけれども、実態として、私ども国民医療費の見通しも立ててございますので、必要がありますれば、それは提出することは可能でございます。

仙谷委員 今の伸び率算定の数式を一遍お出しいただけますか。何か、それはさっきも自分でおっしゃっていたけれども、確立された算式、数式ではない、こうおっしゃいましたよね。つまり、どこかでこういう数式で伸び率を算定すればいいんだという話じゃないと一番冒頭におっしゃったと思うんだけれども、厚生省の腹一つでこの伸び率が算定されたんじゃたまらないと思うんですね、私は。

 当然のことながら、消費者物価指数やあるいは企業物価指数や名目、実質の経済成長率との関係をどう勘案しているのか、していないのかということだって問題になります。

 というのは、これはよく言われるように医療費の半分は人件費だということになっておるわけですよね。医療に従事する方々の人件費、医療機関というのは、これは労働時間は劣悪だけれども、賃金としては、時間当たり実質賃金としては劣悪だけれども、しかし絶対額としては、私が先ほど申し上げた企業の中の中小零細企業の、つまり今どんどん雇用者所得として落ち込んでいっている層とは少々違うんですね、これはやはりさすがに。それほど劣悪な話ではないわけですよ。

 そうすると、医療費の半分を占める人件費ということになれば、これは当然のことながら経済成長の動向と関係があるわけですよね。施策との関係も全くないわけではない。あるいは人口構成との関係も出てくる。しかし、経済の成長率、金利の動向というふうなものとも相関関係にあるわけですから、そういう点を勘案して、どういう根拠で、何か、あえて十二年からの分は考慮に入れていない、こういうふうにおっしゃいましたよね。何でそんなことになるのかが、私は大問題だと思うんですよ。

 ここを一つお示しいただかなければ納得できない。こんな、ただここまで高くなるから負担をせよとか、あるいは医療のサービスを切り刻むというふうな話では、とても私どもは納得できない。どうです、お示しいただけますか。

水田政府参考人 先ほど申し上げましたように、医療費推計、つまり将来の医療費を的中させるという意味での確立した手法というものは、内外通じて、私ども寡聞にして存じ上げません。

 したがいまして、そういった推計ではなくして、過去の実績に基づいて将来を投影させるという形で、私ども、目安としての将来見通しを持とうというものでございます。

 その持ち方として申し上げましたのは、制度改正のなかった、つまり制度改正の影響の少なかった平成七年から十一年という五年間を測定期間として、先ほど言いました実績値として、若人の一人当たり医療費の伸び、老人の伸び、これを持ち出したということでございます。

 しかし、この結果としての伸び率を見ますと三%程度ということに、三から四%というふうになるわけでありますけれども、これは、現に平成十二年度以降の制度改正がなかった年の医療費の伸びというものを見ますと、大体そういうことにも当たっているわけでございまして、それほど、あながちおかしな数字ではないと思っております。

 いずれにしましても、これは物事を考える上での目安として用いるものでありますので、実際には、これと実績を点検、評価いたしまして必要な施策をとっていく、こういう繰り返しになろうかと思っております。

仙谷委員 続いて山井代議士の方からもこの点について質問があると思いますが、いずれにしましても、これは前提問題ですから、今度の医療費適正化の。

 いろいろな資料が出ておるわけでありますが、平成十八年二月二十三日、厚生労働省、健康保険法等の一部を改正する法律案についてというのがございます。ここで、先ほど申し上げた二十七兆五千億とか三十一兆二千億とか、いろいろな数字が書いてあるわけだ、これは給付費ということになっておるんだけれども。

 したがいまして、この数字、経済成長率の関係も、何かよくわからないけれども一応は書いてある。あなたがおっしゃった数カ月前にお出しになった国民医療費ですね、医療費の動向、国民医療費、老人医療費、これとの関係も含めて、これを図にしていただいても数表でもいいんだけれども、今の時点でどのぐらいの推計値を各項目について出しておるのか。その数値はどのような伸び率をもとにしてはじき出した数字なのか。そしてその伸び率は、どのような与件、条件をどのように勘案してというか想定してというか、変数として措定してつくられた伸び率なのか。これを一度この医療関連法案の審議が始まる前に明らかにして教えてください。いいですね。

水田政府参考人 いずれにしましても、数字の整理はいたしたいと思います。

仙谷委員 時間の関係もございますので、医療提供体制の問題を少々聞いておきます。

 実は、大臣、厚生労働白書というのをちょっと十年分ぐらい読み返してみたんです。読み返した。そうしたら、これはがん治療について、遅々として進む、こういう最大限の賛辞を私が送ったんでありますが、まさにすべてが遅々としてしか進んでいないのか、遅々としても進んでいないのか、遅々として進んでいるのか、まあいずれにしても、遅々というこの言葉をつけざるを得ない、こういうふうに思うのであります。

 例えば、これは厚生労働省の医政局の方にお伺いしたいわけでありますが、平成十四年の医療提供体制の改革スケジュールというのが四年前につくられておりますよね。十四年白書に載っている。工程表まで出ています。工程表は、ほとんどが平成十八年、つまり今からいうとあと一年ぐらいでほぼ、完了するというのはおかしいけれども、一つの到達点に達する、こういうふうになっているわけです。

 その項目と去年出された平成十七年の白書、この項目を比べると、つまり白書でいえば三年のそこにはタイムラグがあるんですが、ほとんど同じことが書かれているんですね。医療提供施設の機能分化と連携とか、医療における情報提供の推進とか、人材の育成確保、医療安全対策の総合的推進、救急(小児医療)体制の整備、医療機関経営に関する規制の見直し、あるいは安全の促進とか書いてあるんです。

 ところが、一つだけ去年の白書の中で記載がなくなっているのがありました。そのなくなっていることについてちょっとお伺いしたいんですが、医療におけるIT化の推進というのを殊さらに落としたのか、なぜ書いていないのかわからぬけれども、要するに昨年の白書では書いていない。

 なぜかというと、それについては平成十五年の白書でも、IT化は、四百床以上の病院の六割、診療所の六割以上に普及させるという数値目標を立てて、これは電子カルテとかレセプトですよ、そういう行動計画を策定し、平成十八年には目標達成の検証をするというふうに書いてあるんですよ。ところが、平成十七年の白書では、このIT化の問題について記載がないんですよね。一体全体、先般の診療報酬改定の段階でも、どうも電子カルテの問題とかレセプトの電算処理の問題というのが我々には見えにくいというのか、どうなったのかよくわけがわからない、こういうことになっておるわけであります。

 この数値目標、四百床以上の六割、診療所の六割以上に普及をさせる、行動計画を策定してやるんだ、まさにP、行動計画ですがPですよね、ドゥーがどうなったのか、どなたかお答えいただけますか。

水田政府参考人 お答え申し上げます。

 病院の電子カルテの問題あるいはレセプトの問題でございますけれども、残念ながら、平成十八年までに六割という水準は現在は達成できていない状況でございますけれども、これにつきましては、昨年の十二月一日の政府・与党医療改革協議会で決めました医療制度改革大綱におきまして、少なくともレセプトにつきましては、「平成十八年度からオンライン化を進め、平成二十三年度当初から、原則としてすべてのレセプトがオンラインで提出されるものとする。」ということで、私ども、レセプトにつきましてはこういった形で強力に進めていきたい、このように考えてございます。

仙谷委員 水田さんの係じゃないからこんなことを言うのは気の毒だと思うので、大臣、申し上げたいのは、医療提供体制のプログラムというか、これはちゃんと本当にそれなりに整備されて、いや、これが実現されたらちょっと期待できるなと思っているわけですよ、我々も。とりわけ、時間があったらまたやりますけれども、がん治療をどう進めるのかなんというのはその典型なんですよね。ところが、計画倒れというか、言うだけになっておるのではないかと。

 なぜそうなるのかといえば、それは資金と人材が投入されないと絶対そうなりますよね。この電算の問題を診療報酬の内側だけで処理しよう、あるいは、がん治療、小児医療、人材養成、そういう問題を診療報酬の内側だけで処理しよう、保険だけで処理しよう、こういう行政、政治である限り、絶対にすべてが、何年やってもずっと十年間同じことを書き続けなきゃいけないわけだ。

 IT化の問題は実は重要な問題ですけれども、私はたまたま、この医療提供体制改革の平成十四年版をもし何でありましたらお読みいただきたいのでありますが、これだけは特記してあるんですよ、数値目標を掲げ、行動計画をつくり、平成十八年には検証する、特記してあるから聞いているわけ。そこまでお書きになって、堂々と売り文句にしたわけだ、当時の。

 小泉内閣の、いわばEガバメントか何か知らぬけれども、そういう格好のいい話、これの一つの医療部門での売りにしたわけですよ。もしうまくいけば、個人情報保護の問題を除いては、私もその方がいいと思います。今の各病院で電子カルテ化がされれば、診療、治療の前進にも大いに役立つし、効率化される部分もあると思います。機能の分化や特化やあるいは連携にも大いに役立つ。これは少々見学したら、地域の中核的な病院のところに行きましたら、開業医との関係でもそのことができれば、画像をファイルで送っていただければそのことの方がずっといいんだ、これは当たり前の話じゃないですか。

 だから、ある意味では期待もしていたんだけれども、どうも今、水田さんのお話でもちょっと頼りないお話になってくる。依然として、このことを抜いて、ほかの項目については平成十四年度と十七年度がほとんど同じ記載しかない。

 ということは、私が申し上げたように、厚生労働省も本気でどこかからお金をつくってきて、この問題に資源を投入する、診療報酬の外側ででも資源を投入する、予算を投入する、体制をつくる、そういう発想を川崎大臣が、小泉さんか小泉さんの後の人か知りませんけれども、これに強力に働きかけて、そのことに政府一体となって一丸となって邁進するぐらいのことじゃないと、幾らたっても、医療の提供体制の改革とかサービスの増進なんていうのはできないと思うんですよ。これは鴨下先生が一番よく御存じ、あるいは医療に従事している関係者はすぐわかる話であります。

 細々と診療報酬の内側でちょっとずつとってきて、ではこっちへ今度、今度はこっちへつけようとか、こんなことをやっていてもほとんど前へ進まないと思うんです。無駄は大いに削り込まなきゃいかぬ、効率化しなきゃいかぬと思いますし、医療の世界に無駄がないとは言いません。私も相当部分知っております。しかし、今日本が置かれた状況から、医療という問題の重要性にかんがみて本格的にこの体制を改革、整備するというときには、そのぐらいの覚悟がないとできないということを申し上げて、質問を終わります。大臣、ひとつ頑張ってください。

岸田委員長 次に、山井和則君。

山井委員 民主党の山井和則でございます。三十分間、限られた時間ですが、川崎大臣と赤松副大臣に質問をさせていただきたいと思います。

 内容は、医療制度改革、そして、四月一日の担当者会議で政省令とかいろいろな単価とかが出てくると言われております障害者自立支援法、その二つについて質問をさせていただきたいと思っております。

 お手元に今、資料を配らせていただきました。ちょっと量が多いんですが、お許しをいただければと思います。これは十五ページになっておりまして、一枚一枚、字も小さいものもありますが、時間節約のために見ながら質疑をさせていただきたいと思っております。

 まず最初に、今の仙谷先生の話にもつながるんですけれども、今回、医療制度改革の政府案が出ました。これで、特に今の病院の救急医療の空洞化の問題、きょうも午前中、谷畑先生からも御指摘がありました産科の問題、小児科の問題、本当にこの政府案で状況は改善するのか。もう一言言えば、今の仙谷先生の話にもありましたように、ずっとこの間、やるやると言って放置してきて、その中で事態は深刻化しているんじゃないか、逆に。それと同じ改革に今回なるんじゃないですかという心配を持っているわけです。

 そこで、まずこの一ページ目を見てください。

 これはおとついの朝刊であります。読売新聞、「小児科避ける新人医師 志望者が四割減 激務で敬遠か」。そして隣の日経新聞、要は、文章の中にこう書いてあります。「大卒時点では小児科志望の研修医が臨床研修中に「労働条件がきつい」などの理由で内科などに志望を変えるケースが多い。」そして読売の方では、「日本小児科学会の衛藤義勝会長は「このままだと、地域の小児救急医療が危機的な状況に陥る恐れもある。小児科医の労働条件を改善するなど抜本的対策も必要だ」としている。」と書いてあります。

 そこで、まず川崎大臣にお伺いします。なぜこういうふうに小児科を志望するお医者さんが減っているんだと現状認識をされておられますか。

川崎国務大臣 まず全体的な数字ですけれども、平成六年から平成十六年まで過去十年間で、小児科の医師数一万三千三百四十六人から一万四千六百七十七人、一〇%の増加となっております。医師全体の伸び率が一六%でしょうか、それからすると低いことは事実でございます。一方で子供さんの数が少なくなっていることも事実。また一方で、小児科の救急医療というものが大変時間的なものもかかるということも事実でございます。その数字をあわせながら、一〇%の増加というのをどう考えるかということになれば、基本的にはこのラインを維持していくべきだろうというように考えております。

 一方で、この新聞記事は、これはもう委員もよく御承知のとおり、私の三重県でもそうでございますけれども、大学の医局に残らない、研修医制度というのは変わってしまったという中で、大学医学部の小児科に入局予定の医師が激減するという数字を書いたわけですね。そういう意味では、民間病院、そういう全体の数の掌握、これを私どもは急がなければならないだろうという認識をいたしております。

 したがって、この新聞記事に書いたことが、小児科のお医者さんが少なくなったんだというストレートな判断はいたしておりません。

山井委員 私は、そういう危機感のなさが現場と非常に違うというふうに思っております。

 次のページを見てみてください。「小児救急 三十二時間勤務の「戦場」」、文章をちょっと読みますと、「月八回の当直。午後五時から翌朝九時まで一睡もせずに診療し、そのまま夕方まで病棟で勤務する。前日朝からの三十二時間連続勤務。」と書いてございます。そして、その次の三ページ。小児科医の不安のトップが「体力・健康への不安」、「翌日業務への影響」というふうに書いてございます。どんどん進みます。次の四ページ目。どれだけ小児科の勤務医が超過労働をしているか。月の超過勤務を百時間以上している人が三分の一以上いるということなんですね。

 それで、ここでこういう問題について、先ほど仙谷先生からもありましたが、既に平成十四年から小児科医師の勤務状況の改善をするということを、平成十六年の厚生白書に平成十四年からやっているということが書いてあるわけです。それで、平成十六年に出た報告書を見ると書いてあるわけですね、時間外労働が六時間をはるかに超えている、医療安全管理上も問題であると。義務労働時間の制限は医療安全上も緊急の課題であるという結論が出ているわけですよ、二〇〇二年から研究をやって。にもかかわらず、今、現状ではこの新聞報道にもありますような激務が放置されているんですね。

 そこで川崎大臣にお伺いします。

 これは救急全体の問題でありますけれども、今は小児救急に絞ってお伺いしますが、こういう夜間、宿直でやっているのか夜勤でやっているのか。御存じのように、夜勤だったら翌日は続けて勤務ができないことになるわけですけれども、夜勤でやっているのか宿直でやっているのか、そういう実態の調査をやっておられますか。やっておられるなら結果をお出しください。

川崎国務大臣 宿日直勤務にかかわる許可を受けている医療機関に対して、平成十四年度以降、宿日直勤務の適正化のための取り組みとして、平成十五年度から十六年度にかけて、約六百の医療機関に対し個別の監督指導をいたしております。

 認められた法違反について誠実な是正を図らせるとともに、宿日直勤務にかかわる認可基準を満たしていないものについては、当該基準を遵守するよう粘り強く指導しております。

 現実、こういう実態があるということは承知いたしております。

山井委員 小児救急に限ってそこを、宿直なのか夜勤なのかという調査はされていないんですよ。大臣、やはり労働条件の改善を図ることが小児救急医療を救う大きなかぎなわけですから、小児救急の現場において、宿直でやっているのか夜勤体制でやっているのかということはきっちり実態を把握しないと、労働基準法に違反しているのかどうかもわからないわけですから、根本的な問題だと思っております。

 そして、その次のページにありますように、小児救急医療拠点病院というのを国の補助金で五十八カ所もやっておられます。こういう場所も含めて、夜勤でやっているのか宿直でやっているのか、こういう実態調査というものを、やはりこの医療制度改革の審議の前にその実態を調査して出していただきたいと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

川崎国務大臣 当然、労働関係での大きな課題でありますので、調べさせます。

山井委員 やはりこれは委員会審議、別にやみくもに批判する気はありませんけれども、正確な現状認識をしないと議論が成り立たないわけですから、この新聞に書いてあるように、宿直と言いながら、一睡もせず仕事をして翌日また夕方五時まで仕事をする、これは若いお医者さんもそういう状況を見たら、特にきょうの朝、公明党の高木先生もおっしゃいましたけれども、三割以上の小児科医の方が女性ですよ。やはりそういう中では両立できないと思われるのは当然だと思うのですよ。

 だから、そういう意味で、この小児救急医療をよくする一つの重要なポイントとして、国会で、労働条件がちゃんといっているのかということを議論する必要があると思います。

 今、川崎大臣からも御答弁がありましたように、六ページにありますように、五百の病院に労基局が監査に入った、それによって次の七ページにありますように多くのところが違反の疑いがあるという指導を受けたわけですね。大臣、この結果についても、既にもう集約されているわけですか。平成十六年十一月に指導したわけですけれども、その後どうなったかということは集約されているのですか。されていなかったら、早急に出していただきたいと思います。

川崎国務大臣 これらの指導を受けての医療機関における体制整備の問題については、来週末までに取りまとめて委員会にも御報告を申し上げます。

山井委員 ぜひそういう現状を認識して、やはり労働条件をよくしていくというのは非常に重要なことであります。

 それでは、全くテーマが変わりますが、次に、障害者自立支援法の話に入りたいと思います。

 これは障害者の方々の人生、命にかかわる問題であります。

 そこで、資料としてきょうお配りしております中で、十二ページを見ていただけますでしょうか。

 これはここ数日間、厚生労働省が障害者団体の方々に配付をされているものです。この障害者自立支援法というのは、難病の方々も含む重度障害者が施設や病院ではなくて地域で暮らせるようにしていこう、そういううたい文句であったと理解をしております。しかし実際には、本当に重度の方が在宅で今回の自立支援法で生活できるのかという不安が、非常に今高まっております。

 その一つ、十二ページにありますように、厚生省の資料には二つだけイメージが出てきているんですね。

 一つが、家族と同居するALS、筋萎縮性側索硬化症、難病でありますね、この方のイメージ。イメージ二が、重症心身障害者がケアホームという施設みたいなところ、ケアホームに住んでいるパターン、この二つしか出てきていないわけです。

 大臣にお願いをしたいのですが、十も二十もと言いませんが、せめて家族と同居しているイメージを出しているんだったら、家族と同居せずひとり暮らしをされている、人工呼吸器をつけておられるALSの方だったらどういうイメージでこの自立支援法で生活できるのかということを、それと、夜間もサービスを利用する脳性麻痺の障害者が自宅で生活するにはどういうイメージでサービスを受けられるのか、このような表をぜひとも御提示いただいて、ああ、なるほど自立支援法でこういう生活ができるんだなということで、障害者の方々に御安心を与えていただきたいと思うのです。大臣いかがでしょうか。

川崎国務大臣 昨年、全国の六十の市町村で実施した障害程度区分判定等試行事業の対象となったケースのうち、同じ最重度の脳性麻痺の四十代のひとり暮らしの男性の例、ホームヘルプサービスを月三百四十三時間という方もいらっしゃいます。また、月二十六時間という方もいらっしゃいます。

 そういう意味では、地域で暮らす重度の障害者の方のサービス利用について、個々の利用者のニーズ、介護者の状況、居住環境などによって多様であり、また給付水準に関する市町村の判断も地域によって大きな格差が現在あります。特定の障害者像を想定して、これがあります、これがあります、これがありますという形でサービスモデル自体を今お示しすることは、なかなか難しいと考えております。

山井委員 特定というよりも、脳性麻痺の障害者が夜間サービスを利用して在宅で暮らせる、これは障害者自立支援法の一つの大きな目的でありますよ。そういうイメージ図くらい出していいんじゃないですか。

 それともう一つ、特定のケースはイメージ図を出していけないとおっしゃいますが、家族と同居しているALSの方については実際出しているわけですから、これを家族と同居していない方も出してくださいと言っているわけです。

 それで、大臣、逆に私心配していますのは、家族と同居しているケースは出せます、同居していないケースは出せませんと厚生省が拒否しているということは、ALSの患者さんや御家族がどう思われると思いますか。やはり家族が同居しないと、あるいは家族の大幅な支援がないと、人工呼吸器をつけて生き長らえられないんじゃないかなというふうに思われるわけなんです。

 何で私がこんなことを聞いているかというと、実際私の知り合いの若い方で、このままいけば時間の問題で人工呼吸器をつけないと命がなくなってしまう、そうなったときに、家族も体がかなり弱っているから、生きられるんだろうかということで大きな不安を感じている人がいるんですよ。

 そういうイメージ図が出るかどうかで、全国のALSの患者の方が今七千人くらいと言われていますが、その方々が人工呼吸器をつけて生き続けようと判断するかどうかの瀬戸際だと思います。ぜひとも大臣、家族と同居するケースだけは出して家族と同居していないケースに関してはイメージ図は出せないとか、そういうことは言わないでいただきたい。

 今言いましたようなALSのケース、脳性麻痺のケース、今おっしゃったようにさまざまなケースがあるでしょうけれども、一つのイメージ図でいいんですよ、障害者の方々、難病の方々を安心させるために、ぜひともお願いしたいと思いますが、いかがですか。

川崎国務大臣 イメージ図を出すということで、ある程度例ができ上がっている場合は確かにそれが基準になっていいわけですけれども、まさに今回の制度全体が一つ一つの状況に応じて判断しましょうということでございます。そういった意味では、御答弁が気に入らないということになるかもしれませんけれども、ひとり暮らしのケースを見ても、先ほど御答弁申し上げたように違います。

 したがって、標準的なサービスモデルを今示せと言われても、なかなか難しいと考えております。

山井委員 この問題はぜひとも引き続き取り上げていきたいと思っております。これは生存権にかかわる問題ですから、ぜひともよろしくお願いしたいと思います。

 次に、赤松副大臣に療養型病床の削減の問題についてお伺いしたいと思います。

 このことについては、私も十七年間介護問題に取り組んでおりますので、言いたいことは山ほどありますが、きょうは一つに絞ってお伺いします。

 どういうことか、療養型病床の自己負担、患者さんが払っているお金は幾らなんでしょうかという一番根本的なことをお伺いしたいと思います。

 きょうお配りしてあります資料の十一ページを見てください。これが昨日厚生労働省からいただきました自己負担の表です。議論が拡散してはなんですので、医療保険の七十歳以上というところについて議論をいたします。

 委員の皆さんも見てください。現行九・四万円。これはおむつ代一・五万円、日常生活費一・五万円、すべてを含めて保険外負担も含めたのが、十一ページにありますように現行九・四万円と厚生労働省は認識をしているわけなんです。

 赤松副大臣、これが本当にそうなのかということなんですが、私は実感として、こんなに安いか、皆さんもどう思われますか。

 それで、私、昨日これを見てみました。神奈川県川崎区で市民団体が冊子を出しておられるんです。どんな老人ホームどんな療養型病床がありますかという冊子を出しています。別に高いところだけ選んだのではありません。

 読み上げます。にじのまち病院療養型病床一カ月十四万円、有馬病院二十万円、麻生リハビリ病院三十五万円、たま日吉台病院十九万円、鶴見総合病院十五万六千円プラスアルファ、横浜病院八万円、横浜いずみ台病院十五万円、江田記念病院二十万円、サンフラワー新港北病院二十万円、つづき病院十九万円、浦賀病院十二万円、相模原伊藤病院十五万円、言い出したら切りがないんですけれども、こういうのがついているわけです。これは三十一カ所選び、ここに書いてあるところをこのままのとおりピックアップしました。平均幾らになったと思われますか。

 これは、厚生労働省が九万四千円とおっしゃっているわけですね。最初に申し上げておきますが、これはもちろん、地方は安いです。でも、一応これは首都圏のところが載っています。三十一病院の平均が、赤松副大臣、十七万六千円なんですよ。

 この療養型病床の議論というのは、今回の制度改正の大きなポイントですよね。その現状認識で、厚労省は九・四万円と認識しています。でも、少なくとも首都圏では平均は十七万六千円ぐらいだというのが、こういうふうに普通に調べたらだれでもわかるわけです。この開き、どっちが正しいのか。

 それで、厚生労働省に、九・四万円というんだったらデータを見せてください、どういう計算で、どういうデータでこれは出てきたんですかと言ったら、いや、それは出せないというわけなんですよ。

 だから、やはりここはデータを出していただいて、かつ、地方が安くて大都市が高いんだったら、それはそれでまた考えないとだめなわけですから、今回の食費、医療費などの負担の増に関しても、九万四千円なのが十二万四千円になりますよという法案を議論するのか、首都圏の人にとっては十七万六千円平均が二十万六千円になりますよという法案を議論するのとでは、全然議論の前提が違うと思うんですね。

 赤松副大臣、これは改めてデータを出してもらって、地域別のやはり実態をもう一回データで出してほしいと思うんですけれども、副大臣、いかがでしょうか。

赤松副大臣 今、山井委員から具体的に、川崎を中心とした首都圏の三十一の部分につきまして、十七万六千円、こういうふうな数字が挙げられました。

 今、既に山井議員は厚労省とのお話の中でもう知っておられると思いますが、皆さんいらっしゃるのであえて申し上げますと、その九万四千円の金額を算出した経緯というのは、一月当たりの一部自己負担の平均額に、病院団体を通じた調査で把握したおむつ代、日常生活費の平均額を加えて平均的な額を推計したということで、九万四千円という数字が出てきたわけでございます。

 それに対して、今、余りに差が大きいじゃないか、どうしてこういう数字が出てきたのか、実際にそういうデータの提示をしろ、こういうふうな御指摘だろうと思いますが、私どもがやった調査というのは、昨年七月に日本療養病床協会を通じて、調査目的を明確に示した上で、今回緊急に協力を得て調査を行ったということで、今、個々の医療機関のデータを改めて提示しろということにつきましては、その時点の調査の目的外ということに当たりますので、改めてやり直さなくちゃいけないということになります。慎重に考えなくちゃいけない、こんなふうに思っております。

山井委員 そうしたら、もう一回やり直してもらって、そのデータを見てまた審議をすべきだと思いますが、これはいつ出してもらえるんですか。

 今言ったように、首都圏じゃ平均が十七万六千円、この三十一見たところでは。ところが、厚生省の実態は九・四万円、これじゃ差があり過ぎると赤松副大臣、思われませんか。このまま本当に突っ込んでいいんですか。これはずっと私も言い続けますよ。これは実態の問題ですから、現状認識が間違っていたら、法案なんか全然意味をなさないですよ。

赤松副大臣 委員御自身がおっしゃったように、首都圏ということに限定された話ですし、こちらの方は首都圏だけではなくて全国というような部分があって、数も違いますし、それぞれの、さまざまなデータの集め方にも違いがあると思うんですね。

 したがって、今、我々の出した平均的な額を加えて平均的な額を推計したというものと、今の御指摘との差というものについて、一概にはそう言い切れないんじゃないか、こんなふうに思っております。

山井委員 首都圏とこれは二倍近く違っているんですよ。

 委員長、これはちょっと理事会で、ぜひこのデータを出してもらうのと、地域別のものを精査しないと、このままじゃ、それは審議の前提が全然違ってくるわけですから、委員長、よろしいですか、理事会で協議ということで。

岸田委員長 改めて理事会で協議いたします。

山井委員 続いて、仙谷先生もおっしゃっておられました二〇二五年度の医療給付費、これも、時間に限りがありますので余り長々とは申し上げませんが、大きく、過大に書き過ぎているんではないかと思うんですね。

 ここの資料にも入れさせていただきましたけれども、九ページにありますように、二〇二五年の、これは国民医療費の方ですけれども、百四十一兆と以前は言っていたのが、今では六十五兆になっている。この説明は先ほど水田保険局長がされましたが、私は納得しておりません。

 川崎大臣に一言だけ申し上げたいんですけれども、五十六兆になるというものを四十八兆に抑えるために今回法案が出てきたわけですから、この五十六兆という前提が大きく狂えば、この法案の趣旨も、前提が変わるんですから、この法案の趣旨が大きく変わるということでよろしいですか。この一問だけ聞かせてもらいます。

川崎国務大臣 国民医療費もしくは給付、それがどのぐらいの想定になるか、一つの立案を立てる過程の中で、GDPの伸びとかいろいろな数字を入れながらやっていきますね、当然。過去は大きく状況が違いました。そういう意味では、百何十兆と数字を出したのは明らかに間違いであったんだろう。もしくは、そのときの経済状況が余りにも上昇志向だったということは間違いないと思うんですね。

 今現在として、私どもは五十六兆になるという数字をお出ししたわけですから、それを前提に法案ができていることは事実でございます。

山井委員 今、いいことを言ってくださいました。百四十一兆と思ったけれどもそれは間違いであったと。では、十年ぐらいたって、五十六兆と思ったけれどもあれは間違っていたということになったら、この法案、この法改正は必要じゃなかったということに後でなりかねないわけであるから、そこの部分はきっちりと精査をしていきたいと思っております。

 それでは、次の質問に、時間にも限りがありますので、参ります。

 また障害者自立支援法についてですが、大臣にお伺いしたいんです。先ほどの質問にも関連するんですが、これは、重度の方々がやはり施設から出て在宅で暮らすためには、グループホーム、ケアホームというものが非常に重要なんですね。前国会で尾辻大臣は、サービス水準は落とさない、議事録をこの後ろにもつけてありますが、そういうことを約束しておられるわけです。

 そこで、川崎大臣にお伺いしますが、重度障害者は、今回の自立支援法への移行によって、グループホームで、今までのサービス量、受けていたサービス量は確保できるのですか。水準を維持するということですから、グループホームで、重度障害者は自立支援法に移行しても今までの受けていたサービス量は確保できるのですか。この一点をお伺いします。

川崎国務大臣 今度の制度全体はおわかりになっていると思います。新しく設けるケアホームにおいては、利用者にふさわしいサービスが提供されるよう、利用者の数や障害程度に応じ、サービス管理責任者や介護サービス等を提供する生活支援員を配置するとともに、重度障害者に配慮した加算を設定する、夜間体制をとっている場合には報酬加算といった仕組み、こうした状況の中で、基本的には、このケアホームにおいてサービスが提供されるということでございます。

山井委員 そこはやはり、後で園田議員も言ってくださると思いますが、サービス量が維持されるということをきっちり言ってもらわないと、説明を聞いてもしようがないんですよ。約束は、サービス水準を落とさないということなわけですから。

 それで、大臣にもう一つ、さっきに戻りますが、お伺いしたいと思います。

 ちょっと確認をしたいんですけれども、ALSで人工呼吸器をつけた人がひとり暮らしをされるのを、厚生労働省としても自立支援法で支えていってくださるわけですね。そこは明確にしておいていただきたいと思います。

川崎国務大臣 現在対象になっている方は、基本的にはそのままの政策が続けられると考えております。

山井委員 これからのことも非常に重要なわけですから、今までの人はいいけれども、今後はもう無理ですよということじゃ話にならないわけです。

 そうしたら、大臣にもう一つお伺いします。

 これも、私、本当に自立支援法に関しては百ぐらい聞きたいことがあるんですが、もう時間に限りがありますので、もう一点だけお聞きしますと、精神病院の社会的入院の患者さんを十年以内に七万二千人減らすということを、医療観察法案の審議のときに、四年前に当時の坂口大臣、約束をされました。

 しかし、今回、何と病院の敷地内に地域移行ホームというのをつくって、同じ敷地内、あるいはちょっと改築しただけで社会的入院が減りました、そういう計画を出してこられているんですよね。議事録もつけましたけれども、坂口大臣も、社会的入院を解消するという以上は地域に帰ってもらわないと意味がありませんと明確に言っておられるわけです。

 大臣、まさか同じ敷地内にいて、定義が地域移行ホームに変わっただけで社会的入院の数が減ったというふうに統計的に処理されるなんてことはないでしょうね。それでは厚生労働委員会で半年かけてあのとき議論したのは何だったのか。常識で考えたら、社会的入院から地域に復帰するということは地域に復帰しないとだめで、そこにいて、看板が変わったから、ちょっと改築してよくなったから社会的入院じゃありませんよ、これは介護施設です、それではおかしいと思うんです。

 ぜひとも、社会的入院の解消という部分にその数をカウントすべきではない、敷地内から出た時点でカウントするということにするのが極めて当たり前の考え方だと思います。大臣、いかがですか。

赤松副大臣 今の御指摘でございますけれども、私たちは、今入っておる病院施設から実際にいわゆる地域移行型ホームを経て、そして現実にグループホームやケアハウスに行くという流れの中に、原則として二年の地域移行型ホームをつくったわけですが、これはやはり、一言で言えば、社会的入院解消に向けての一歩、準備段階、そういう第一歩を踏み出したもの、こういうふうな位置づけにしてまいりたい、そんなふうに思っております。

山井委員 いや、だから、準備段階だったら解消したということにはならないわけですね。その部分は社会的入院のカウントの中に入るわけですね、まだ準備しているわけですから。

赤松副大臣 あくまで中間的な準備段階、こういうふうな位置づけであります。

山井委員 だから、社会的入院の解消というか、入院のカウントからは減らされないわけですね。

赤松副大臣 直ちにそういうことにはならないと思っております。

山井委員 医療制度改革はこれから議論が始まりますし、自立支援法については、本当にこれ、深刻に人の命と生活がかかったことでありますし、日本の本当の豊かさとは何かということを問う問題でありますので、これからもきっちり議論していきたいと思います。

 ありがとうございました。

岸田委員長 次に、岡本充功君。

岡本(充)委員 民主党の岡本でございます。

 きょうは、大臣所信に対する質問ということで、答弁者を川崎大臣だけにさせていただいて、大臣に直接御質問させていただきたいというふうに思っております。

 今回、私が取り上げますのは、BSE問題に関しての質問でございます。

 大臣も、もちろん細かな部分についてまで子細に把握はされていないということは承知をしておりますけれども、そういった中でも、大臣として基本的にどういう御認識をされているか、そしてまた今後の方向性についてどのようにお考えになってみえるか、そういった部分は恐らく政府参考人の方が見えなくてもお答えがいただけるというふうに考えまして、きょうは大臣のみの答弁とさせていただいているところでございます。どうぞよろしくお願いします。

 さて、まず、大変失礼な質問になるかもしれませんけれども、川崎大臣はこれまでも国務大臣を務めてこられている御経験がおありだとは思いますけれども、このBSEの問題、大臣としてはいつごろからいかような御関心をお持ちであったのか、お聞かせいただけませんでしょうか。

川崎国務大臣 私は、国会対策、議運が長うございますから、委員会での議論というのは、大まかなところは承知しておりますから、そういう意味では、知っているといったら知っている。しかし、委員会等での細かい議論について知っているかといったら、全く知っていない。これが事実でございます。

岡本(充)委員 恐らくは、大臣就任のときにレクを受けられてBSE問題についても知識を深められたというのが実情なんじゃないかというふうに私は推察をさせていただいておるわけですけれども。

 そういった中で、今確認をしておきたいことは、米国のBSEの汚染状況、これについては大臣はどのような御認識をされているのか。まず、それについてお聞かせをいただきたいと思っております。

川崎国務大臣 BSEで人間にうつって発病したケースについては、イギリスが百五十何人でしょうか、アメリカが二人でしょうか、そういう形で数字的には聞いておりますし、頭の中に入っております。

岡本(充)委員 米国で飼育されている牛におけるBSEの汚染状況、これについてはどのように御認識をされていますでしょうか。

川崎国務大臣 正確に掌握しておりません。

岡本(充)委員 米国産牛肉のBSEの問題がこれだけ大きなテーマになってくる中で、米国のBSEの汚染の状況を把握していないというのは、私は、大臣として甚だこれは問題なんじゃないかという気がするんですね。今大変驚いたわけなんですけれども、米国におけるBSEの汚染状況、そしてまた、米国で起こっている、実際、人への感染を疑われる症例、こういったものについてもぜひ御認識をいただきたいと思っています。

 もちろん、人に感染をしたという確証はない、牛から人への感染を確認するというのは極めて難しいわけですけれども、例えば米国では、ニュージャージー州のチェリーヒルというところで、本当に小さな町でありながら、住民が十六人でしたかね、立て続けにクロイツフェルト・ヤコブ病になった。そして、その小さな村で、普通は百万人に一人自然発生をするというのに、人口が本当に一万人そこそこの町で立て続けにクロイツフェルト・ヤコブ病が発症した。人間版BSEと言われているクロイツフェルト・ヤコブ病でございますから、これが立て続けに発症したことがおかしいということになって、調べてみたら、皆さんが共通の食堂で御飯を何遍か食べていた、そういうような話も聞かれているのが実情であります。

 そういう意味で、実際に発症したという認定をするのは非常に難しいけれども、立て続けに例えば疑惑のあるそういう村があったり、実際にその村で皆さんがある一定の食堂で御飯を食べている、そういう事実があったりとかする中で、疑わしい事例があるということもぜひ大臣は御認識をいただいて、人への感染を日本で防ぐためには安全な牛肉を供給しなければいけないということをぜひ胸に刻んでおいていただきたいと思っているわけでございます。特に、米国産牛肉のBSEの汚染状況について、委員会の場で全く知らないというようなことは、私は大変不十分なんじゃないかというふうに指摘をさせていただきたいと思います。

 そして、もう一つお伺いをしたいんですけれども、欧州におけるBSEの汚染状況については、どのように御認識をされているんでしょうか。

川崎国務大臣 イギリスが基本的に問題になっておりますし、こういう事件が、アメリカのこういう問題が起きる前にヨーロッパの国から子牛は入れてくれという話があったことは承知しております。

岡本(充)委員 大臣、例えば、これまた大臣にもぜひお知りをいただきたいと思いますけれども、これも米国の話につながるわけですが、米国で今牛肉、BSEの検査、されているのは一%前後であります。ヨーロッパ、いろんな国が、うちはBSEの感染国じゃない、清浄国だと言って主張をしていた。そういったいろんな国が、実際は、サーベイランスを強化していったら、次々BSEの牛が見つかってきた。例えばスペインなんかは、二〇〇〇年までは二頭しかいないと言っていたのが、二〇〇一年、サーベイランスを強化したら八十二頭、二〇〇二年は百二十七頭、二〇〇三年は百六十七頭、二〇〇四年は百三十七頭と、次々BSE感染牛が見つかってきたんです。そういう意味で、サーベイランスを強化してみたら、清浄国だと主張している国も、決して清浄国でないということが明らかになった事例があるわけです。

 そういう意味では、米国のサーベイランスの状況について、私は今、不十分なんじゃないかという認識を持っているんですが、大臣はどのようにお考えでしょうか。

川崎国務大臣 食品安全委員会からの答申の中に入っておりまして、アメリカにも、サーベイランスをきちっとするようにということで、私の方からもアメリカに対して、きちっとするようにということで申し入れをいたしております。

岡本(充)委員 大臣の言う、きちっとというのはどういう申し入れでしょうか。

川崎国務大臣 一般的に伝わっております、来年以降予算を減らすなんという話は困りますねという、私自身の見解でございます。

岡本(充)委員 米国は、まだ予算がもちろん決まったわけではないでしょうけれども、サーベイランスを減らす方向だということを私も聞いております。頭数をきちっとある一定の頭数、できることであればそれは全頭検査でするのが、全量検査をするのがサーベイランスとしては科学的に徹底をしているわけですけれども、しかし、できないのであれば、きちっとしたサンプリングをした調査をしなければならない。その質の問題でも米国には問題があるということを、あわせて大臣、ぜひ申し入れをしていただきたいというふうに思うわけですが、質の面でもぜひ申し入れしていただけますでしょうか。

川崎国務大臣 食品安全委員会の答申の附帯事項において、健康牛も含めた十分なサーベイランスの継続等の必要が指摘された。私どもは、食品安全委員会の一つの見解というものを踏まえながら、アメリカとの交渉に立っておりますので、この見解を示すということになろうと思います。

岡本(充)委員 そうしましたら、基本的なBSEの認識の問題はここら辺までにさせていただいて、大臣、実は前回、二月十五日、覚えてみえると思いますけれども、BSEの集中審議が予算委員会である中で、私、大臣に幾つか御質問させていただきました。

 そのときに大臣にお話をさせていただいたのは、米国の食肉検査官が、ノンコンプライアンスレコード、NR違反と言われるこの違反の、いわゆる指摘をしてきたケース、そのレポートが千三十六件あるという話をさせていただいた。それについては、事前に通知をいただいていないから、日本が査察に行った十一施設の中でNRの状況がどのようになっているのか、これについて書類を持っていませんので、後でお知らせしますというふうにお伺いしたんですけれども、あれ以来十日ぐらいたつんですが、まだいただけていません。それについては今どうなっているんですか。

川崎国務大臣 この間話題になりまして、申し上げましたように、個票でもらっているので、一つ一つ精査させているという報告を受けたのが今週だったと思いますので、そろそろまとまるんじゃないかと思います。お出しするようにします。

岡本(充)委員 ということは、現時点でもまだ千三十六件の精査というのはできていないということでしょうか。あの時点では書類をお持ちでなかったからお答えになられなかったのか、それとも、厚生労働省として、私が指摘をしたから精査を始めたということなんでしょうか、どちらですか。

川崎国務大臣 たしか御質問は、認可になった三十八施設、その中の今回見に行った十一施設とこの千三十六ですかとの関係をきちっと頭の中に入れて行ったのかという御質問をまずいただいたわけですね。そこは十分精査し切れないまま行ったことは事実でございます、ただ、当日、行ったときに、検査官がそういう話をしていたことは事実だ、こう御答弁をたしか申し上げたと思うんです。

 逆に、御質問がありましたのは、それではその十一施設にどういうことがあったということはやはり明確にしなさいということで、それは調べてお出しするようにしましょうというふうにたしかお答えしたように記憶しているんです。

 ですから、それに沿いながら出させていただきます。

岡本(充)委員 実際にまだということは、調べができていなかったということであるわけであります。

 あのときにも指摘をさせていただきましたけれども、その十一施設についても精査が十分されていなかったということであれば、大臣が御答弁になられた、施設に対して、それぞれ今回の指摘についてきちっと確認をしてきた、改善がなされているかどうかを確認してきたというふうに答弁されているんです。私の質問に対して、十一施設については直接行きましたので、その場において確認をしてきた、確かめてきた、きちっと改善がなされているか見てきたんだというふうに言われたんですが、今の御答弁だと、十一施設についてどういう違反があったのか今調べているのに、どうして査察に行ったときに、十一施設、違反が改善されているかどうか確認することができたわけですか。今調査をしているわけですね。お答えください。

川崎国務大臣 当時申し上げたのは、事前にこの施設には、この違反、千三十六あった、それは持っていっていません、持っていっていませんと、これは明確に申し上げました。

 それで、基本的には、アメリカの方からすべてが改善されたという報告を受けて行った。当然その場でそれが話題になって、ちゃんとアメリカからの報告のようにきちっとしているんでしょうねという確認をしたということでございます。

岡本(充)委員 ということは、向こうに包括的に、ちゃんとやっているんですよねと聞いて、ええ、やっていますと言われて、その口返事で一応確認をしたということになるのであれば、これは確認としては極めてあやふやな確認であります。やったのか、ええ、やりました、何をやったのかというその言葉の指すものもわからないまま、もし今御答弁のとおりだとすれば、査察に行ったのだとすれば、これは本当に査察の状況として不十分であったということを改めて指摘をさせていただきたいというふうに思うわけであります。

 査察の状況、これからもまた恐らく査察に行くのであろうと思うのでありますけれども、そのときに同様のことが起こる可能性すら私は危惧をしているわけでありまして、ぜひその点について、どういう手順で確認をしたのか、そしてどういった人がどういった施設で確認作業をしてきたのか等についての書類をお出しいただきたいと思っています。

 担当の方に伺いましたら、四月の中旬にならないとその書類は出せないと言われておりますけれども、そんなにかかるものではないと私は思っておりますので、早急に、できれば三月頭、上旬にでもいただけないかというふうに思うわけですけれども、それについて大臣、御決意をいただけませんか。

川崎国務大臣 現実に何をいつ見てやってきたのだと、脊髄除去を見たのか、扁桃除去を見たのか、回腸遠位部の除去を見たのか、部分肉処理を見たのか、もしくは、向こうの工程を見たのか、要は日本向けではなくそういう工程を見たのか、A40による月齢判別を見たのか、そんなことでずっと書かせました。そして、一方で、アメリカから指摘を受けたことはきちっとしたのか、この確認の一覧表だけはつくってあります。

 一方で、当時もそういう御答弁を申し上げたと思うんですけれども、内容等について、民間企業のことですから向こう側に了解をもらった上で出したいということで、それを精査するまで少しお時間を下さいと申し上げました。どのぐらい早く出せるか、もう一度検討させます。

岡本(充)委員 そうは言われますけれども、ちょっと一例を挙げさせていただきますと、日本が査察に行った施設のうちの一つで、SRM除去関係でこんな指摘もされています。

 牛の場合、舌から口蓋及び舌扁桃を除去するために、有郭乳頭の後部を横に切断することとされているが、この規則の遵守がなされていなかったという指摘がされているわけですね。

 つまり、タンの出荷をするときに、タンの、舌の後ろには扁桃腺がありますから、ちょっと専門的な話ですけれども、そこを切り取ってから出荷をすることになっています。こういうところがなされていないよという指摘が、日本が実際に見に行った、日本向けの輸出認定されている施設でも指摘をされている。

 例えば、本当に、リンパ節をきっちり取る、特定危険部位を取るということができていないというふうに指摘されているけれども、こういうことは改善されていますね、こうやって聞きながら確認をしなきゃいけないはずなところが、今の話ですと、包括的に、ちゃんとやっていますか、ええ、やっていますよ、こんなやりとりだけで終わっていたとするのであれば、不十分だということを指摘させていただいているわけです。

 いいレポートをいただけることを期待しております。

 さて、今回もう一つお伺いしたいのは、先日出ました対日牛肉輸出証明プログラムに関する調査結果・対策報告書、これは在日米国大使館ホームページよりの訳でいただいたものを私は拝見しておりますけれども、今回、先週、米国側が一月二十日の不適正輸出についてのレポートをまとめたというふうに私は認識をしているんですが、大臣、これはどういった形で大臣は御報告を受けているんですか。

川崎国務大臣 今、ホームページだとお話ございました。アメリカにおいて、十七日午後九時、現地時間ですと朝七時のようです、ジョハンズ米農務長官から米国農務省の調査結果が公表された。調査報告書については、同日午後九時ごろ、十七日の午後九時ごろに在京米国大使館より、事務的に当省の担当部局が受け取ったという報告がまず第一でございます。

 それを受けまして、内容については、農林水産大臣が記者会見されておりますとおり、一つ一つ精査をさせている。現実問題、まだ出てきておりません。

 ただ、概要については一応報告を受けております。報告書全体の要旨、食肉処理施設における食肉検査及び衛生管理の監督権限を有する食品安全検査局の調査報告、政府の施策の実施状況を調査し、勧告する権限を有する米国農務省(USDA)監察官室(OIG)の調査報告、調査結果及び実行計画、報告書全体の結論、報告書作成の際の証拠書類等の参考資料の構成になっているという報告を今もらっているところで、内容の細かいことについてはまだ聞いておりません。

岡本(充)委員 大臣、この書類、僕は大変不思議なのは、だれがだれに対する報告書ということがこれは書いてないんですね、何も。いきなりサマリーからスタートするんですけれども、本来であれば、例えば、川崎大臣じゃなくてもいいとは思いますけれども、しかるべき事務担当者がそれなりの責任ある人に、こういう報告書がまとまりましたのでお持ちしました、もしくはカバーレターで、例えば中川大臣あてでも川崎大臣あてでも結構ですけれども、そういうふうな方法で米国側から伝えられるべき話だと思うんですが、これはホームページにアップをされました、日本もそれをプリントアウトしました、こんな簡単なものでいいんですか。

 向こうとしては、今回の出来事について、今回はインシデントと書いていますけれども、この出来事については私たちにいろいろ非があるということを認めていながら、その報告書はホームページにアップされました、私たちはそれをダウンロードしました、そういうような報告書の受け取り方というものがこれまでにもあるんですか。その点についてちょっとお答えいただけませんか。

川崎国務大臣 アメリカのシステムと我が国のシステムが基本的に違うということが一つあると思います。したがって、彼らといたしましては、外務省に来られた、そこへ農水省と私どもの担当部局が行って受けた。そういう意味では、基本的な窓口、対外交渉でございますので、外務省がまず一元的に受けたという理解であろう。しかし、現実問題、リスク官庁は農林水産省と私どもに分かれている、かつ、向こうはジョハンズさんですから農務省、常に外交問題のカウンターパートナーとしては中川さんがいらっしゃるわけですから、お話をされている。

 しかし、日本の場合は、私もそういう意味では半分は責任があるわけですから、そういう中において、アメリカとしては、農林省に持っていっても厚生省に持っていっても、それじゃ外務省にきちっと持っていきましょうという対応をされましたので、あて先があったかどうかは私は確認しておりませんけれども、対応としては向こうの対応で間違いはないんだろう、こう思っております。

岡本(充)委員 いや、ぜひ大臣、戻られたら、この三十四ページを見ていただけると、ちゃんとこのレポートの書いている内容は、マイク・ジョハンズさんあてに、例えばOIGがレポートをまとめました、こういうような、だれそれさんあてにこういうものをつくりましたというふうに書式は出ていますよ。こういう書式を見ていただければわかる。普通はこういうふうについてくるはずのものが、ぽんとホームページにアップされましたから、それをダウンロードして日本政府は入手しましたというのでは、余りにも情けないんじゃないか。

 私は、米国がそういうふうに、総理が米国の責任だ、米国側の責任だとああやって言われている以上は、米国にきちっとしかるべき人が、きちっとやってもらわなきゃ困るじゃないかといってクレームを言わなきゃいけないし、逆に、報告書をきちっと受け取るのが筋なのに、それを、アップロードされているから私もらってきました、ダウンロードしました、大使館の事務官が事務官あてに持ってきましたと。しかるべき公使なり大使なりが外務大臣にお持ちをしました、こういう話ならわかるけれども、聞くところによると、米国大使館にいる日本人スタッフが、持ってきましたといってぴゅっと持ってきた、こういうふうな話も聞いている。これでは余りにも情けない。日本がなめられているんじゃないか。

 私は、きちっとしたしかるべき人にきちっと報告書を受け取る、そうじゃなければ、これに対して日本は答える必要もないじゃないですか。何も必要ないよ、これは。ただ単にアップロードしただけだもの。そうじゃないんですか、大臣。

川崎国務大臣 手続論で余り細かいことは言いたくないんですけれども、形としては、米国の大使が中川農林水産大臣のところへ来て、まず報告があって、そして次に、外務省に向こうのスタッフが来て、農林省と厚労省のスタッフが行って受け取ったわけですから、手順的に御指摘いただくような遺漏があったとは私ども考えておりません。

岡本(充)委員 いや、きのうちょっと伺った話では、大使は大臣のところに来て、いついつ何時にホームページに載せるから見てくれという話、これを持ってきたわけではないというふうに私は聞いていますよ。いついつ何時にアップロードする、ついては、概要はこんなふうになっている、ぜひ見てください、こういうような話だったと聞いているから、私は、これはなめられているんじゃないかと言っているんですよ。

 だから、本来であれば、その場で大使が、外務大臣のところにお持ちしたんですか、農水大臣にお持ちしたんですか。違いますよね。それは私は違うと聞いている。その点について私は不十分なんじゃないかと指摘をしているんです。それについてぜひお答えをいただきたいと思います。

川崎国務大臣 大使がわざわざ中川農林大臣のところへ来て、これからお出ししますと言ってきて、そして後は外務省という場で両省が立ち会って受け取っているんですから、どうして遺漏があるんですか。

岡本(充)委員 いや、私が言っているのは、いついつ出ますと言っている、そのいついつ出ます、それはそれで報告の一つでしょう。ただ、内容についてはこれですよといって、普通は、例えばこの三十四ページを帰って見てください、今お持ちじゃないでしょうから。見ていただければおわかりですけれども、だれそれさんがだれそれさんあてにこういう報告書にしました、これが報告だと私は思う。そう指摘をさせていただいているわけでありまして、これは水かけ論になるのかもしれないから、私はそう大臣に指摘をさせていただくということです。

 最後に、ちょっと時間が少なくなってまいりましたので、確認をしておきたいことがあります。

 先般の、これまた予算委員会で私は、時間がなかったから各大臣にお聞きできませんでしたけれども、御記憶おありだと思いますが、私は松田大臣に、食品安全委員会のいわゆる今回のアメリカ産牛肉のリスクと日本産牛肉のリスクの差を比較した答申について、もう今評価は成立していないですよねと確認をしましたら、成立していないと松田大臣はお答えになられましたけれども、もちろん食品安全委員会の所管ではないお立場でありますが、リスク管理官庁として、この評価は成立していないというふうに、大臣も当然同じ内閣でありますから認識をされていると確認をしておきたいと思います。

川崎国務大臣 何回もやられていましたので私も覚えていますけれども、基本的には、プログラムを守ることが前提で評価は成立する。そのプログラムが破られたんだから、破られた状態に今あるわけですから、したがって今は成立していない、プログラムをきちっと守るようになったら、それは復元する、こういう理解をいたしております。

岡本(充)委員 その復元をするかどうかは、食品安全委員会がもう一度確認をしなきゃいけませんよね。大臣が復元をするというふうに言い切る話ではないと私は指摘をしたいんだが、それについては大臣はいかがですか。

川崎国務大臣 いや、当時の松田大臣の認識もそうであったと思います。松田大臣の認識も私と同様な認識をしている。

岡本(充)委員 違います。私が聞いているのは、大臣、復元するかどうかの判断は、厚労省が復元するという判断をするわけではありませんよね、それを判断するのは食品安全委員会ですよねと私は質問をしています。

川崎国務大臣 という答弁を松田大臣がされた。

岡本(充)委員 では、私の指摘のとおりの答弁を松田大臣はされたということですね。

 そうしますと、その上で確認をしたい。

 大臣も、だから松田大臣と同様に、今後、その輸出プログラムがどういうふうに機能していくかまた見ていかなきゃいけないと御認識なんだろうと思いますが、これについては当然、食品安全委員会に再度諮問をする、そういう理解でよろしいんでしょうか。

川崎国務大臣 何かこの話で、随分松田さんと委員との間であったと思うんですけれども。我々はリスク官庁として、きちっとプログラムが守られれば、あのとき松田さんは、要するにしっかり見ていますという表現を使いました、ウオッチしていますから、両大臣が復元したということになれば評価は成立するという答弁だったと思っております。したがって、我々が安全委員会にこのことについて諮問をすることは考えておりません。

岡本(充)委員 いや、それは私、議事録をもう一度読んでいただきたいと思いますけれども、明らかに松田大臣は評価は成立しないというふうに答弁をされた。それは、現時点で評価が成立していないわけだから、評価が成立するかどうかについては独立機関である食品安全委員会がきちっと判定をするべき話であって、評価が成立するかどうかを、申しわけないけれども、川崎大臣初め厚労省が判断する立場にはないわけなんですね、組織上。

 したがって、今評価が成立していないわけですから、再び評価が成立するかどうかは食品安全委員会にかけなければいけないことは明白であるということを私は最後に指摘をさせていただいて、時間が参りましたので終了とさせていただきます。

 どうもありがとうございました。

岸田委員長 次に、園田康博君。

園田(康)委員 民主党の園田康博でございます。

 午前中から障害者自立支援法に関するお話が何点かございましたので、私も昨年からこの法案につきましては注視をさせていただいておりましたので、それを中心にきょうは大臣にお伺いをさせていただきたいというふうに思っております。

 その前に、私もシャイな男でございまして、なかなか大臣にお目にかかる機会もございませんでしたので、この場をおかりいたしまして、大臣には一言御礼を申し上げたいというふうに思っております。今まではずっと責められるばかりのお話がありましたので、一つだけ私は大臣に御礼を申し上げなければいけないことがございます。

 忘れもしない昨年の七月の十五日、思い出していただきたいんですが、衆議院の本会議でこの障害者自立支援法が、第百六十二回通常国会のときでありましたけれども、一度衆議院では賛成多数で通過をされました。その際に、私の知人、友人の障害者の方が本会議を傍聴しておりまして、衆議院を通過いたしましたその瞬間、思わず怒りの声を上げたわけでありますけれども、その上においては、処分といいますか、一時的に確保といいますか隔離をされまして、その処分を議院運営委員会で諮るという話になりました。

 その際に、当時の議運の委員長でありました川崎現大臣でありますけれども、寛大な処分をいただきまして、御本人も反省をしていることであろうから無罪放免という形で、その場には何も処分がなかったといいますか、無罪放免をしていただいたということでございました。

 本来ならば、早く大臣に私は御礼を申し上げなければいけない、御礼を申し上げるといいますか、本当に寛大なお優しい処分をいただいたということでありましたので、この場をおかりして、私はそのことだけまず一言申し上げておきたいというふうに思っております。

 ただ、それと法律そのものは別次元の問題でございまして、それはそれでしっかりと、この法律の施行に向けて、四月一日から施行されるわけでありますので、これをしっかりと私は見させていただきたいというふうに思っております。

 午前中から本当に、谷畑元副大臣も含めていろいろ御指摘があって、大臣も午前中にもおっしゃっていただきました。今、各地域でいろいろな障害者の皆さんへの御説明に担当の役人の皆さんが回っていただいているということで、また、三月一日以降、三月一日に恐らく全国担当課長会議があって、そこである一定の水準、基準等がお示しをされるのであろうというふうに思うわけでありますけれども、ぜひそれに向けても、そういった説明の機会というものを幾つも持っていただきたいということをまずお願いを申し上げておきたいと思います。

 と同時に、先ほど山井委員からも御指摘がありました。確かにおっしゃるとおりで、障害者の今の生活実態というものはさまざまな態様になっております。単身者の方あるいは家族の介護を必要とされておられる方、さまざまな形があります。ただ、この障害者自立支援法の精神は、やはり障害者の方が、その方の生きる権利、生活する権利、障害者の人間としての権利、これを尊重し、そしてそれが、いわば地域の生活の中で人間らしく、人らしくきちっと生きていくことができる、そういうことをいわば法律の面からもきちっとサポートしましょう、生活のさまざまな福祉サービスの点からもサポートをしていきましょうという法律の趣旨であります。

 したがって、多様化しているそういう実態もあろうかと存じますけれども、そういう説明の中には、こういう場面もあり得る、こういう場面もあり得る、こういう場面もあり得るということで、ぜひ、イメージ図というふうに限定しなくてもいいのかもしれませんけれども、あらゆる形を想定して、これからこの法律が施行されることによって地域の生活がどういうふうになっていくのか、その人にとってどういう生活を今後選択をしながら持っていけるのかということを、その都度お示しをしていただければいいのかなというふうに思っております。

 昨年のその法律の議論の中で、私も何度か御指摘をさせていただきました。やはり残念ながら、我が国の障害者基本法が成立をするまでの経緯、あるいは基本法が成立をしてからもでありますけれども、なかなか障害者施策全体をぐっと引き上げていくということにはまだまだ至っていない、不十分な点がたくさんある。これは、国全体の中で見てもそうでありますし、現行の制度は支援費制度でありますけれども、支援費制度の中においても、いわば利用者数というものが、完全な形で利用されているというふうには言い切れない、あるいは地域間格差もある。

 そういういろいろな観点から、あるいはもっともっとグローバル的な話を申し上げれば、大臣も御承知のように、OECD諸国の間で、いわゆるGDP比、国内総生産に対する社会保障政策に対するいわば予算的な措置というものは、下から数えた方が日本は早いという現状にあるわけです。

 したがって、本来ならば、この障害者自立支援法とともに、ことしの秋ぐらいになろうかと思いますけれども、今国連の中でいろいろなお話をしていただいておりますが、障害者の国際権利条約というものが批准に向けて今動きを見せているということもあります。

 まず、大臣、私と同じ認識を持っていただいているかどうかということを、確認を持ちたいわけでありますけれども、我が国の障害者施策の現状、これについての御認識をお伺いしたいと思っております。

川崎国務大臣 御指摘のように、障害者の福祉サービス、平成十五年度から支援費制度を施行してまいりました。さまざまな問題が指摘されました。障害種別間の格差、未実施市町村が多いなどサービス水準に大きな地域間格差が存在する、在宅サービスを中心に予想を大幅に上回ってサービス利用が拡大したことなどの問題がある、そうしたところから、必ずしも必要な人に必要なサービスが十分効果的に提供されていない。

 そういった反省の中で、昨年、法案の御審議をいただきました。身体障害、知的障害、精神障害といった障害種別にかかわらず、一元的にサービスを利用できる仕組みを構築する、サービス水準の地域格差を是正するため、障害福祉計画の策定を義務づける、利用者負担の見直しや国の財政責任の明確化を通じて制度の安定化を図るなどの改革を行うこととしております。制度がより安定的かつ持続可能なものとなり、障害福祉サービスの一層の充実が図られる、そういう意味では、今少し弱いという認識は共有をしているんだろうと思うんです、一層の充実が図られる、このように考えております。

 障害福祉サービスをできるだけ効率的、効果的に行うことが必要である、そうした要請にもこたえつつ、障害者が地域で安心して暮らしていける社会の実現に向けて努力をしてまいりたい、そのように考えております。

園田(康)委員 ありがとうございます。ぜひその認識を共有していただきたいというふうに思っております。

 もう一つ、ただ、午前中の議論の中でもございました、医療費制度の分野ではキャップをはめないんだ、総額医療の抑制という観点ではなくて積み上げ方式でやっていくんだということを力強くおっしゃっていただいたわけでありますけれども、恐らく、この障害者施策の中においても地域間格差があるというふうにおっしゃっていただきました。その地域で未実施のところがいっぱいあるし、まだまだ行き届いている事業者もない、実施できる事業者もないというところもあります。

 そういった面では、その方々を、どんどん何が一体利用ニーズとしてあるのかということをきちっと障害福祉計画に基づいて把握をしていただいて、それに対して、その積み上げた上においての国としての予算措置というものを、やはり私は考えていかなければいけないのではないかなというふうに思っております。

 ただ、御承知のとおり、総額合わせて、平成十八年予算は四千百三十億円ということで、医療費の何十兆円、あるいは何百兆円というお話が出ておりましたけれども、残念ながら、この分野においてはまだまだ低い予算額でもあるというふうに言わざるを得ないのかなということからすれば、積み上げ方式でいけば、もっともっと必要なところに必要な箇所が私は出てくるというふうに思っております。

 こういった面では、厚生労働省におかれましても、その辺をもっと強く主張していただいて、ぜひ財務省との間もしっかりと交渉をしていただければなというふうに思っております。

 御苦労をされているのは私も伺っております。したがって、であるならば、やはり政治の責任で、我々も、その中できちっとした政治的な決断というものもこの国会の中ではしていかなければいけないのかなと思っておりますので、決して厚生労働省任せの話ではないのかなというふうに思っております。そういう点では、与党の皆さんの力強い後押しも私は要るのではないかなと思っております。

 そこで、昨今のこの状況の中で、我々は昨年からことしにかけて障害施策を一生懸命勉強し、そして、さらには、それの真剣な議論をしてきたわけでありますけれども、最近になりまして、大臣ももう御承知だと思います、東横インの話でございます。何か、当初は建築基準法違反あるいはハートビル法違反ということで言われていたわけでありますけれども、それが、一度つくったものを、それをまた壊して客室に直したり、あるいは荷物置き場にしていた。

 障害者の方が利用できるように、あるいはそういった方々でも安心して泊まれるようにという形で、建築基準法やあるいはハートビル法というものがあったわけであります。そして、先ほどの話の中にあったノーマライゼーションではありませんけれども、健常者も障害者も同じような形で地域の中で生活ができるというような形をつくっていかなければいけない、そういう国の大方針があったにもかかわらず、いや、そんな法律があったのか、あるいは、少しぐらい、六十キロで規制をかけられているところを六十七、八キロで走っているようなものだ、はははと言って記者会見をしたあの会社、私は断じて許せるものではないというふうにこの場で申し上げておきたいと思っております。

 したがって、昨日の厚生労働省から出ました、厚生労働省の管轄でいきますと、これは旅館業法が関係してくるわけでありますけれども、今後、厚生労働省としてこの対応についてはどのように考えていらっしゃるでしょうか。

川崎国務大臣 まず、東横インがやったこと、建築関係法令違反であると同時に、私どもの役所が所管します旅館業法違反ということになります。特に我が省は障害者の福祉を担当する役所でございます。極めて遺憾なことであると考えております。

 一方で、旅館業法という法律自体は、基本的には我々は取りまとめ、各都道府県知事にすべての実行権をゆだねております。したがって、実態をきちっと掌握して皆さん方に公表していくこと、これが一番大事であろう。一方で、都道府県知事さんにきちっとやってくださいというお願いをする、あわせて、二度とこのようなことが起こらないように都道府県知事と連携をとる、こんなことが私どもの一番大きな課題だろう。また、あわせて、早く復元をするように指導もいたしているところでございます。

園田(康)委員 恐らく大臣のお気持ちの中でも、今回の事件、これは事件と私は呼んでもいいと思っておりますけれども、大変遺憾な事件であったというふうに思っておるところでございます。ぜひ強力な指導をしていただきますように再度お願いをしておきたいと思います。

 さて、障害者自立支援法の話に戻ります。

 自立支援法成立時に、御承知のように、衆議院、ここの委員会でもそうでありますし、あるいは百六十三の特別国会の成立時では参議院でも同じく附帯決議が付されたわけであります。この附帯決議、川崎大臣に御就任をいただいているわけでありますので、衆議院と参議院で付された障害者自立支援法に付された附帯決議でありますが、再度これに対する政府のお考えをお聞かせください。

川崎国務大臣 昨年の特別国会において付された附帯決議は、国会における真摯な議論の上議決されたものとして大変重く受けとめております。

 附帯決議については、これまでの施行準備段階においても、低所得者へのきめ細やかな配慮、自立支援医療における重度かつ継続の範囲の検討に当たって関係患者団体の意見に配慮するなど、障害者自立支援法の円滑な施行に向けてその趣旨を尊重して準備を進めてまいりました。

 今後とも附帯決議の趣旨を尊重しながら、障害福祉計画の策定、障害者雇用の促進、地域生活支援事業の実施などさまざまな課題について誠実に検討し、実行してまいりたいと思います。

園田(康)委員 ありがとうございます。

 それでは、何点かその附帯決議の中について確認をさせていただきたいと思います。

 まず、これは衆議院、参議院ともしっかりと明記されているわけでありますが、障害者の所得の確保という面が大変な議論になったわけでございます。したがって、今回のこの法律は、障害者の福祉サービスの利用に際して定率負担を課していく、その場合にはしっかりとした軽減措置というものも一方では用意をされているわけでありますけれども、しかしながら、根本的な問題として、障害者の所得がまだまだしっかりと確保されていないという現状があるというふうに私どもは認識をいたしておりました。

 それに対しての政府の今後の対応といいますか、どのようにこの所得確保を行っていくのか、その策を、簡単で結構ですからお述べいただきたいと思います。

川崎国務大臣 まず、参議院厚生労働委員会の決議は、「三年以内にその結論を得る」となっております。したがいまして、昨年十二月に事務次官を本部長とする障害者自立支援推進本部を設置しまして、検討に着手をいたしました。また、障害者自立支援法については、施行後三年を目途として法律の改正について検討することとしております。

 そういった意味で、三年間のうちに結論を出し、実行に移さなきゃならぬ、このように思っております。

園田(康)委員 その所得の確保というのは大変重要な問題だと思っております。一方では就労支援促進というものも言われているわけでありますので、それとあわせてぜひ行っていただきたいと思います。

 ちょっと時間がないので、これは質問通告がございませんでしたので、私からの指摘というふうにしておきたいと思います。

 その就労支援の話の中で、障害者の法定雇用率の問題がございます。国の機関の場合は、少し民間よりも高くて二・一%という形で、法定は一・八%ですけれども、国の場合は二・一%という形になっております。大臣、民間の場合の実雇用率でいきますと、まだ一・四九でございますね、これはたしか予算委員会の中でも大臣に対して御質問をさせていただいていたと思うのですけれども。

 一方で、国の機関の状況を見ていきますと、ちなみに厚生労働省でいきますと二・一二ということで、辛うじて法定雇用率は超えておりますけれども、例えば金融庁さんは〇・三二%なんですね。それから、消防庁、〇・七七%。

 さらには、これは立法機関でありますけれども、衆議院法制局、一・二七%。一方で、参議院事務局の法制局でいきますと、二・八六%で、衆議院が特に悪いんですね、参議院と比べると。この点は何か理由があるのかもしれませんけれども、一度ごらんになって、調べていただきたいと思います。

 もう一つ、民間の実雇用率よりは上回っておりますけれども法定雇用率を下回っているのが、警察庁、それから公正取引委員会、そして資源エネルギー庁という形でございます。

 ぜひ、各省庁の中にもさまざまな分野もありますし、仕事もあろうかと存じますけれども、厚生労働省も頑張ってやっているんですが、それ以上に頑張っているところが、ちなみに申し上げておきますと、同じような規模で申し上げましょうか、国土交通省さんが二・一五%。厚生労働省よりも上回っております。ぜひ、国土交通省に負けないように、厚生労働省もさらに上乗せという形も考えてもいいのではないかなというふうに思っております。

 そこで、さらに所得の確保というものをきちっとやっていかなければいけません。

 それから、もう一点確認をさせていただきます。

 定率負担がこの四月から施行される、今それに向けての準備段階において所得認定作業が行われているわけでありますけれども、その際、本人か、それか世帯かの選択可能という形で、これは政省令の部分で行っておりますけれども、この選択制は、この四月一日から施行される段階において本人が申請をした段階でその選択制というものがきちっと間違いなく確保されるものであるというふうに理解をしてよろしいんでしょうか。

中村政府参考人 今お尋ねの件でございますけれども、附帯決議にもございました。これにつきましては、まさに附帯決議のとおり政省令に規定するということで、政令については一月二十五日に公布済み、省令については現在公布手続中でございます。委員御指摘のとおりの措置を講ずることといたしております。

園田(康)委員 引き続きまして、あと、市町村の審査会の確認も同時にしておきたいと思います。

 やはり、附帯決議で、これは衆議院の場合は四番目に記載をさせていただきました。「市町村の審査会は、障害者の実情に通じた者が委員として選ばれるようにすること。」そして「特に障害保健福祉の学識経験を有する者であって、」というふうになっておりますけれども、「中立かつ公正な立場で審査が行える者であれば、障害者を委員に加えることが望ましいことを市町村に周知すること。」というふうに言わせていただいております。

 すなわち、障害当事者の方がこの審査会の委員に入って、そして、自分たちのことは自分たちで決めたいというのがやはり障害者の方々の強い御希望でもありました。したがって、こういうことが望ましい、あるいは、それが中立公正な立場でしっかりとした地域における障害当事者の方々の生活実態をきちっと踏まえて審査会の中で認定をすることができるというふうに私は理解をしておりますけれども、これが望ましいということでこのまま進んでもよろしいと理解をしてよろしいでしょうか。

川崎国務大臣 御指摘のとおりの御理解で結構でございます。

 市町村審査会の委員は市町村長が任命することになりますが、全国会議や障害程度区分の説明会において、障害者の保健福祉の学識経験を有する者であって、中立かつ公正な立場で審査が行える者であれば、障害者を委員に加えることが望ましいという発言をいたしております。

園田(康)委員 その学識経験者というものの概念も、私はもっと広げていいのではないかな、解釈は広げられると考えておりますので、必ずしも、いわば通常いう学問上の方であるとか、学問上というのもちょっと抽象的ですね、大学人であるとか、そういった人間には限らないというふうに私は理解をしております。

 さらに、午前中からもずっと審議がございました、現行のサービス水準を下げないというふうな答弁も前国会では幾つかございました。そして、先ほど大臣もサービス水準は下げないというふうにおっしゃっていただいております。

 この点についてはもう変更はないかというふうに私も確認をさせていただいておりますけれども、ただ、確かに全体的なサービス水準というものは今回の施策の中で見てもわかるように上がっているというふうに見受けられます。つまり、きょう委員長のお許しをいただいて皆さんにお配りをさせていただきました資料の二枚目でありますけれども、「自治体の支給水準と国庫負担基準」という形で、全市町村の平均で、この図でいきますと五・四万円という形になっております。今回は、これよりも右寄りにした国庫負担基準を決めていくという形で、この基準額というものが幾らになるのかということが今後の議論になってくるのかなというふうに思っております。

 ただ、そういう形のサービス水準を下げないということではなくて、私たちとしては、これは政府と私たちの認識の違いかもしれませんけれども、あるいはまた、我々がしっかりと勉強しておかなければいけなくて、さきの国会でその点をきちっと確認をしておけばよかったのかもしれませんけれども、今現に個々の障害当事者の皆さん方が受けておられる利用サービス、このサービス水準というかその利用数が、あるいは利用基準あるいは利用時間、これが減らないようにすることということがいわば我々にとってのサービス水準を下げないと。

 あるいは、低いところと高いところというのがありますけれども、低いところを高いところに引き上げるという議論もやはりさせていただきました。これも、いわば全体的な水準の低いところから高いところに上げるということではなくて、個々のサービス水準を、低いあるいはまだまだやっていないところから上に上げていくということを私たちとしては念頭に置いていたわけでありますけれども、この点はまだ求めはいたしませんが、そうなってくると、恐らく、多少いろいろなサービス利用の形があってというふうに御答弁をいただくわけでありますけれども、とにかくサービス水準を上げていくんだという方向性だけ大臣から確認をさせていただきたいと思うわけですが、いかがでしょうか。

川崎国務大臣 御指摘は二つの切り口があると思います。

 一つは、重度の障害のある方の地域生活に配慮する観点から、現在の支援費制度における国庫補助基準額、月二十二万円を、最大で約二倍の四十五万円程度に引き上げる方向で検討しております。また、新制度への移行に当たっては、経過的措置として、三年間にわたり、障害程度区分別に国庫負担基準額を適用するのではなく、すべての区分の基準額を合算して適用する、いわゆる流用を認めることとしております。それでも新基準を適用した場合に不足が生じるような場合には、平成十七年度実績をもとに交付するいわゆる従前額保障を行うなどの措置を講じることにより、現にサービスを利用されている方々の生活に大きな変化が生じないようにする。

 片一方、市町村の問題でありますけれども、ホームヘルプサービスのサービス基盤に大きな地域格差がある中で、限られた国費をできるだけ公平かつ効率的に配分する観点から、国庫負担基準を設けることとし、全国の九割の市町村がカバーされる水準に設定をいたしております。

 国庫負担基準を上回る自治体、すなわち従前額保障の対象となる自治体は、これまでも独自の上乗せ措置などにより長時間のホームヘルプサービスの提供などを行っている実情がある、十八年度においてホームヘルプサービスの報酬単価を見直すことにより十七年度と比べて一定の財源確保が期待されております。また、こうした自治体では、これまでの取り組みを踏まえ、それぞれの地域の実情に応じて所要の財源を確保する等により、新規利用者を含め適切に対応されるものと考えております。

園田(康)委員 まさしく次の質問にまでお答えをいただいたわけであります。関連しておりますので、大臣から先にお答えをいただいたんだろうと思います。

 この図でいきますと、国庫負担基準の右手でありますけれども、「従前額を保障」という部分で、この部分をしっかりと今後確保していかなければいけない。新たな利用者に対しても、いわば地域生活支援事業等々も含めて、その部分をしっかりと認定していくというふうに理解をしております。

 ぜひ、そういう形で対応をしていただかなければ困るというわけで、この図そのものも、本来ならば従前額の保障プラスアルファもちゃんと我々は考えているんですよということをこの中に読み込ませていかなければいけないわけであって、この図だけで、従前額を保障だけというふうにしたのでは、これから新しい制度がスタートしていく際には、しっかりとした新たな対応、利用者数も含めて、この制度の弾力的な運用というものができるんだよということを私はぜひ言っていただかないと困るんだということだけ指摘をさせていただきます。

 それから、次の質問でありますが、地域生活支援事業、十月からの施行でありますので、半年間での二百億円、年度でいえば四百億を計上されておられるわけでありますけれども、お配りをさせていただきました資料の次のページであります。地域生活支援事業でこの予算配分比率というものは一体どういう形で考えておられるでしょうか。局長、簡単で結構です。

中村政府参考人 年額にすると四百億規模、委員御指摘のとおり、十月施行でございますので二百億円を計上いたしております。

 配分につきましては、この事業が地域の実情に応じて柔軟に実施すべき事業でございますので、いわば、個別の補助金のように積み上げ方式はとらず、地域にお任せするということで、一種の統合補助金方式をとりたいというふうに思っております。

 そうだとすると、基本的には、その自治体の規模とかそういったものに応じて配分されるのが究極の姿ではないかと思いますが、それでは、現在の地域格差がございますので、先ほど来お話しになっておられますように、大変サービスを使っておられるというところとそうでないところということもあります。この補助金、目指すところは、いわばサービスの少ないところは水準を上げるということもございますので、将来的には規模に応じてということが基本になると思いますが、当面はいわば事業実績割り分と人口割り分で配分をしたい、こういうふうに考えておりまして、市町村と都道府県を九対一に、また事業実績割り分と人口割り分を当面八対二というふうに考えております。

 だんだん均てん化してきますと、事業実績割り分は低下していく傾向にあるのではないか、このように考えているところでございます。

園田(康)委員 恐らく、それは究極的な将来の、つまりどの自治体もちゃんとサービスが利用されて、しかも水準が上がってきたという部分に対しては、いわゆる自治体規模で予算配分というのが考えられるんだろうなと思うわけでありますけれども、今、現時点ではそういうところもないわけですから、こういう事業実績割り分というのが出てくるのは当たり前だというふうに思っております。

 このお配りをさせていただいた資料の中の一番下の部分の括弧書きにもありますけれども、必須事業で今回、相談支援、コミュニケーション支援、日常生活用具あるいは移動支援、地域活動支援センターという形の必須事業が市町村に課せられます。その中で、ぜひごらんいただきたいんですけれども、事業評価の指標といたしまして、この部分でいきますと、一番心配するのは移動支援の部分であります。利用者数がその事業評価の指標となっております。

 事業評価を利用者数、利用者の人数で評価をしてしまうと、一体どういうことが起きるのかというと、人数だけで、では一人頭幾らというふうに換算して配分をされます。そうなってくると、一人一人の利用時間というのは違うわけですね、短い人もいれば長い人もいる。すなわち、それによって、人数で割ってしまうと、ひょっとしたら足りない状況も出てくるのではないかという懸念もあるわけでございますが、ここに書いてあるような利用者数というものはどういうふうに理解をしたらよろしいんでしょうか。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 今委員がお示しいただきました資料は、昨年十二月に私どもが全国担当課長会議でお配りをしたものでございまして、十月実施でございますけれども、できるだけ早く事業のイメージをつかんでいただくということ、それから、地方公共団体の皆さんからの御意見もちょうだいすること、また、事業者、障害当事者の方々からも御意見をいただく、そういった趣旨がございまして、お出ししているものでございます。

 ここに書いてありますように、必須事業について事業評価はしたいと思っております。指標については、例という形でお出しをいたしております。移動支援のお話がございましたが、それはサービスを利用している方の数がよろしいのか、そこの地域で使っている単価がよろしいのか、あるいは時間数がよろしいのか、いろいろな御意見があると思います。

 今、私どもも、どういう指標がふさわしいのか、あるいは組み合わせということがあるのか、そういったことについて、各方面からの御意見を踏まえながら、時間的に間に合わせるという必要もございますけれども、できるだけよく考えて、最適な配分、事業評価指標ということを考えてまいりたいと思います。

園田(康)委員 ということは、昨年の課長会議のこの資料でありますけれども、これで固まったということではないんだというふうに私も今受け取らせていただいて、今まさに、実態を見ながら、どういう形で予算配分をしていったらいいのかということをこの中で検討していただいているということでありますので、ぜひ、これもやはりまだ制度の発足段階でありますので、実態を見ながらやっていただきたいなというふうに思っております。

 すなわち、先ほど大臣もおっしゃっていただいた、サービス水準を下げない、上げていくんだということからすれば、今の利用実績、利用時間数も含めてこれだけ分のお金がかかるのだということであるならば、まずそこはきちっと確保することから始めていかなければいけない。それプラス、今度、やっていない市町村の事業というものをどんどんどんどん引き上げていくということ、これもやはり同時並行的に積極的に行っていくという形をぜひお願いしたいと思います。利用者数だけで割り振るのではない、あるいは自治体の規模だけで割り振るのではないんだということを、この制度移管の部分に関して大変重要な視点だというふうに私は考えております。

 そして、時間がなくなってまいりましたけれども、赤松副大臣にお伺いをしておきたいと思います。

 先ほどから精神病院の社会的入院が言われております。やはりこれは、しっかりと解消をしていく方向にやっていかなければいけない。だけれども、追い出しになってもいけない。そして、やはりこの自立支援法の精神であるところの地域生活を確立していくということからすれば、もっともっとここの部分もしっかりとした施策を講じていかなければいけないわけでありますけれども、ここで出てきたこの地域移行型ホームというものであります。次の資料でお示しをしたいと思うんですが、いわゆる考え方としては、「入所・入院から地域生活への移行プロセスを支える「地域移行型ホーム」と位置付け、」というふうに書いております。

 私は、二年間の暫定措置、すなわち原則二年間というふうになっておりまして、要は、精神患者の方々が地域で生活できるような形でしっかりと移行していかなければいけない、その暫定措置といいますか中間段階だとおっしゃっておられたわけでありますけれども、これは、この法律の概念からは、原則的なものではなくてあくまでも例外的な事例であって、これが本則というふうに次から次へと長い時間、いわば継続、継続、継続というような形にならないように今後気をつけていかなければいけないんだと理解をするんですが、いかがでしょうか。

赤松副大臣 今、園田委員のおっしゃったとおり、そういうふうに、原則二年がだんだんずるずると延びるということがないように、あくまで例外的な措置として認めている、こういうことでございます。

園田(康)委員 でしたら、この部分も、グループホームであるとかケアホームであるとか、そういった部分をもっときちっと伸ばしていくというか、そちらを行っていかなければいけない。

 したがって、いわゆる報酬単価の部分も、グループホーム、先ほども少し出ましたけれども、報酬単価等々も含めて、少し厳しい状況が今御提案をされているように聞いております。

 現行で申し上げますと、大臣、重度と軽度という形で二種類に分かれているわけなんですが、これは聞いていただくだけで結構であります。重度が一月十三万円という単価が示されておりまして、軽度が六万六千円、プラスアルファ、ホームヘルプサービスを利用できるという形になっているのが現行の形だというふうに御認識をいただきたいと思うわけであります。

 それに比べて、今考えていらっしゃる、まだ固まっているわけではありませんが、想定されているのが、区分二でいきますと六万三千円、これは少し下がりますね。それから、区分三で八万二千円、区分四で約十万七千円、区分五で十三万六千円、区分六で十六万四千円という形で、この区分五であるとか六の最重度のところに移行する方というのはかなり少ないものではないかというような懸念もあります。したがって、もう一回、この月額の報酬単価の現状と、それからこの単価が、今の現状と新しい基準の中での単価、これがきちっと合うものであるのか、合致するものであるのかどうかということもあわせて検討しながら、ぜひ報酬単価基準を決めていただきたいというふうに思っております。

 時間が来てしまいましたので、用意させていただいたあとの一番最後の部分もちょっとできなくなりました。

 これで質問を終わらせていただきますが、三月一日にこういう基準が示されるわけであります。これは委員長にお願いをさせていただきたいわけでありますが、ぜひこの衆議院の厚生労働委員会でも、障害者自立支援法、三月一日以降に、示された以降に、集中的な審議ではありませんけれども、中身をしっかりと国民の皆さん、障害者の皆さんにもお示しができるような形で、集中的な審議を行えるようにぜひお取り計らいをお願いしたいと思っております。ぜひよろしくお願いをして、質問を終わらせていただきます。

岸田委員長 ただいまの件につきましては、理事会で協議をいたします。

 次に、高橋千鶴子君。

高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 午前から医療制度改革についての議論がされておりましたけれども、私もそのことで伺いたいと思います。

 まず最初に、大綱にも当然盛り込まれている問題でありますが、政府として国民皆保険制度の堅持、維持という方針に変わりはないのか、このことについてまず確認をさせていただきます。

川崎国務大臣 国民皆保険制度は我が国が誇れる医療制度だと思っております。全力をもってこれを維持していきたいと考えております。

高橋委員 ありがとうございます。

 そこで、今回の医療制度改革、いろいろな問題がございますが、きょうは高齢者の窓口負担の増加の問題について伺いたいと思います。

 ことし十月から七十歳以上の高齢者のうち、現役並み所得者は二割から三割負担になる、またそれ以外、課税所得のある七十歳以上の高齢者は一般と分類され、二年後になりますが、一割から二割負担になる、そういう案であると思います。

 そこで、最初にお配りした資料で比較していただきたいんですけれども、厚労省が出している表でありますと、まず、一般の所得の方が現役並みに移行するのが九十万人という矢印ございます。それから、低所得者の二の方で一般に移行する方が五十万人になるという矢印でございます。なぜこのようになるのか、このことをまず伺いたいと思います。

水田政府参考人 お答え申し上げます。

 老人医療、現行制度でございますけれども、現役並み所得を有する方につきましては、一割負担ではなく二割負担としているところでございます。この現役並み所得、この判断の基準でありますけれども、課税所得百四十五万円以上、これを原則としているわけでございます。

 御指摘の資料の前提でございますけれども、これは、平成十八年、本年に施行されます税制改正におきまして、まず公的年金等控除の最低保障額が百四十万から百二十万円に引き下げられるとともに、老年者控除、四十八万円でございますけれども、これが廃止されまして、控除額が縮小するために、この課税所得百四十五万円以上に該当する方が九十万人、一般から現役並み所得者に矢印で書いてあります九十万人がこういう方々でございます。

 それから、もう一つ、五十万人の方でございますけれども、これは老人医療の高額医療費の自己負担額につきまして、世帯員全員が住民税非課税の世帯につきまして軽減をしているところでございますけれども、この点につきましても、平成十八年に施行されます税制改正におきまして、六十五歳以上の方につきまして前年の合計所得金額が百二十五万円以下の場合に個人住民税を非課税とする措置が廃止をされるということがございます。これを受けまして、この世帯員の中に住民税課税対象者が生じるということになります。このために、一般の所得区分に該当する方が五十万人と推計しているところでございます。

 私ども、このことに対しまして、平成十八年八月から二年間、激変緩和の観点から、こういった公的年金等控除の見直しに伴う現役並み所得者につきましては、自己負担限度額を一般に据え置くという措置、もう一つは、老年者に係ります住民税非課税措置の廃止に伴う自己負担限度額につきましては、世帯の中に非課税者がいる場合には、その非課税者につきましては低所得者の自己負担限度額を適用する、こういった経過措置を講ずることとしているところでございます。

高橋委員 今、公的年金等の控除が縮減、あるいは老年者控除の廃止など政府の税制改正の中で課税すべき所得がふえた、こういう説明だったと思います。このことは、課税すべき所得がふえたのであって、収入がふえたわけではないですので、非常にこのことの影響が大きいなということを、私、ちょっと考えてみたのでございます。

 それで、資料の二枚目を見ていただきたいんですが、税金は、例えば住民税ですとか国保料、国保税などというのは、自治体によってさまざま算出の基準が違いますので、一概には言えませんけれども、これは一つのある市の場合を適用して計算をしてみた場合であります。

 二百六十万の年金収入のある六十五歳以上の夫婦の負担増の具体例ということで書いてみました。それで、公的年金控除が、さっきおっしゃいましたように百四十万から百二十万に減っていることなどと、控除の関係が老年者控除の廃止で五十万減っておりますね。そのことによって、これまでは所得税がゼロだったわけですけれども、二〇〇六年から、所得税、住民税それぞれ発生をしております。それに国保料や介護保険料が連動する形でこのように上がりまして、合計額でいいますと二十一万九千八百四十円の負担増になるのではないかと。そうすると、二倍強になりますので、かなり大きな負担になるというふうに言えると思うんですね。

 そうすると、今までは非課税世帯ということで低所得者扱いでしたけれども、当然、ここは一般扱いになるわけですね。その区分による医療費の値上がりというのも一定ありますよね。ここは確認させていただきたい。間違いないでしょうか。

水田政府参考人 ただいまの前提といいますか、個々に見なきゃいけないわけでありますけれども、当然ながら、この公的年金等控除の見直しの問題、それから老年者控除の見直し、これによりまして、各市町村によりまして保険料の算定方式が区々でございます。それから、保険料水準自体の問題もございますので、一概に言うことは難しいわけでありますけれども、そういった税制改正によりまして負担関係が変わってくるということは事実でございます。

高橋委員 これまでであれば非課税世帯で低所得者だったのにということになるんですけれども、問題はこれだけにとどまらないわけですね。

 四月から介護保険料が改定されることになると思います。

 例えば、今わかっている範囲ですけれども、十四政令市の現行介護保険料は平均で三千四百九十六円。四月に各市が予定している値上げ率を調べたところ、大体二割から三割台のアップであります。最高で四千九百円という数字もございます。このように、当然改定もされますし、同時に、今お話しされた所得区分の変化のために負担増になる方がいると思うんですけれども、それはどのようになるでしょうか。お願いいたします。

磯部政府参考人 十六年度の税制改正それから十七年度の税制改正によりまして、いずれも、御指摘のとおり、平成十八年度の市町村民税の計算から影響が生じてまいります。

 介護保険におきましても、市町村民税を単位としておりますので、その影響を受けまして、第一号被保険者の約一六%の方が保険料段階が上昇するという試算を私どもとしてはしております。これは、既に全国課長会議等でも昨秋示しております。

 なお、非課税限度額の廃止につきましては、地方税法上の経過措置が十八年度から二年間設けられておりますので、介護保険の保険料につきましても二年間の激変緩和措置を講ずることとしております。

高橋委員 いずれにしても、一六%増加ということをお話しいただいたと思います。

 そこで、大臣に伺いたいんですね。

 本人の収入がふえたのではない、しかし、結局、税制改正の影響で、あなたはこれからは現役並みの所得者ですよと区分される、あるいはあなたは低所得者ではございません、そのことによって負担がふえる、医療費も大きく変わりますし、今お話あったように、介護保険にも影響する。私は、これは何か数字のマジックのような、非常に納得いかないものがあります。

 本人が収入がふえたのではない、だけれどもこんなにも大きく変わってしまう。このようなやり方は到底納得が得られないと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

川崎国務大臣 既に答弁がありましたように、これから高齢者がどんどんふえていく中で、世代間の負担の公平の観点、高齢者にも現役並みの所得がある方々については御負担をいただくという形で整理しているのは御承知のとおりでございます。

 一方で、今御指摘いただいた問題について、激変緩和、省令において、八月、約二年間の激変緩和措置を講じたい、そういった意味でやはり目配りもしなきゃならぬだろう、こう考えております。

高橋委員 激変緩和と言いますけれども、しょせん二年間なわけですよね。しかも、その先も、年金は目減りする、あるいは高齢者医療保険制度の創設など新たな負担増が用意をされている。所得が改善されるということは絶対にないわけですよね。そういう中での極端な負担増ということが言えないか。

 その点で、公平だとか現役並みだとか、それはきょうは議論しませんけれども、それにしても、本人がふえていないのにここまで急激に変わるということに対していかがでしょうか、もう一度お願いします。

川崎国務大臣 税制改正によって急激に変わる、したがって、これから省令で二年間の激変緩和措置を講じたということでございます。

高橋委員 このことは、激変緩和の措置をしたということ自体が、やはりそれは負担が大きく変わるということを認識されているということでもあると思うんですね。

 だから、私は、今言ったように、そうはいっても二年間では所得は改善されないんだ、それにしても痛みはかなり大きいんだ、このことをしっかり受けとめていただきたい。国民はとても納得できるものではないということを指摘しておきたいと思います。

 次に、では、具体的に心配される問題、いっぱいあるんですけれども、きょうは一つ考えてみたいのは、療養病床に入院する七十歳以上の高齢者の食費、居住費が十月から自己負担になります。これは、いわゆるホテルコストと称して、介護保険で昨年十月から導入された考え方と同じだと思います。食費が二万四千円から四万二千円に、居住費一万円プラス、合わせて五万二千円は取られるということになります。

 まず、介護の現場では何が起こっているか。負担増により退所した方や、あるいは利用を制限するなどの問題が起きているのではないかと心配されますけれども、調査をされているか伺いたいと思います。

磯部政府参考人 昨年十月施行の介護保険施設等におきます食費、居住費につきましては、在宅の方との負担の公平性の観点等から保険給付の対象外として負担をお願いしたところでございます。

 見直しに当たりましては、低所得者にとって過重な負担とならないように、所得に応じた負担上限額を設けることなどにより負担の軽減を図っているところであり、保険者その他の方々から、昨年十月以降、費用負担の増加によって介護保険施設等から退所するというケースはほとんど聞いておらず、実態調査を行っておりません。

高橋委員 今のお答えは、実態調査を行っていないけれども、退所するとかそういう話は聞いていないということですね。

 私、これは驚く認識だと思うんです。全国の開業医さんでつくる保険医協会、保団連という団体がございますが、全国で調査した資料がございます。実態は大変深刻です。十月から十二月まで、把握できた数字だけでも二十県から三百九名が退所を余儀なくされた、こういう実態がございます。

 私の地元の青森県の調査では、直後の十月とことしの一月、二回に分けて調査を行っています。これによると、十月では二十九名が退所をし、退所を検討している方が十五人いらっしゃいました。また、一月の調査では、退所した方は八人、しかし、そもそも入所を取りやめた方が三十九人に上っております。ほとんどないというのとはかなり違うのではないか。あるいは、滞納者がふえたとか、通所介護やリハビリなどで利用者が減ったということが広がっております。

 幾つか実例を紹介したいのですが、例えばこうです。山形の方、老健施設の利用料負担増で退所して家に帰ることで家族と相談したが、共倒れになると家族にとめられた。宮城の方は、病院に入院中退院可能になり、自分で特養を探してほしいと言われたが、どこも二百人から三百人待っていると言われた、老健施設では、入所期間が三カ月から六カ月と言われて困っている。老人保健施設に入所中だ、本人の年金は月八万五千円、月六万円から十月からは月十万七千円に値上げし、差額を援助していた家族も病気で入院した、これ以上援助できない、どうすればよいか、このような声がるる聞かれています。

 大臣、どこにも行き場がない、あるいは家族が共倒れ、こういう実態が広がっています。これを深刻だと思わないのでしょうか。この実態が医療に持ち込まれたらどうなるのか、目に見えているのではないでしょうか。大臣の率直な感想を伺いたいと思います。

川崎国務大臣 今読まれた中には、いろいろな問題が含まれていると思います。ただ、御質問は、基本的には、十月施行の食費、居住費の見直し、これによって退所せざるを得なかった人が多いという御指摘であったと思うんですね。そうですね。

 もうおわかりのとおり、生活保護受給者の場合ですと、利用者負担、平成十七年十月前で二万五千円、今度の制度も二万五千円で変わりません。それから、八十万以下の人で、利用者負担が四万円だったものが三万七千円、これは下がっておると承知いたしております。第三段階、八十万から二百六十六万の人、四万円から五・五万、こういう数字を私も見せていただいて、現実にこの食費、居住費が上がったから退所せざるを得ないということには余りならないのではなかろうかというように思っております。

 他の理由の場合は別ですよ、他の理由は別ですけれども、これが起因するから大量の退所者が出たという情報はまだ得ておりません。個別の問題でございますので、事例がありましたら調べてみたいと思います。

高橋委員 これもまた驚く話ですね。ですから、私が今紹介した数字は、食費、居住費の負担増が理由で退所をされた方、そういう形で把握した数字なんです。

 そもそも実態調査をしていないとおっしゃったわけですから、そのことが問題じゃないでしょうか。だったら調査をしたらどうですか。

磯部政府参考人 先ほども申し上げましたように、我々といたしましても、市町村の方々、あるいは都道府県の方々、あるいは施設の方々等とも多くの機会を持ってお話をしているところでございまして、そういう方々からの報告によりまして、そうした負担が原因で退所するというケースはほとんど聞いておりません。

 確かに、一見そういうふうに見えても、またいろいろな事情がございまして、例えば在宅でもできる方であったとか、そういったこともございまして、なかなか一概にそういう原因が直接的に負担であるかどうかというのを判明するのは難しいところもございますが、我々の認識としては、先ほどから申し上げているとおりでございます。(発言する者あり)

高橋委員 そうなんですよ、実態をちゃんと把握しないで、そういう認識と、何でそうなる。

 実は、さっき大臣が、低所得者対策を据え置いている、ですからその影響は余りないんじゃないかと、多分そのことが根拠になっていると思うんです。

 実は、厚労省が昨年、介護保険の改正に当たって負担増を試算したときに、一番重い要介護五で所得が第四段階の場合、ユニット型だと月十万前後から十三万四千円くらいになるだろう、多床室では月五万六千円から八万七千円くらいになるだろう、つまり三万強の負担増だというふうな試算をしています。そして、低所得者は今言ったとおりなんですよ。

 問題なのは、私が今読み上げた、例えば青森の二十九名、そのうち二十五名ですか、第四段階の人なんです、所得が第四段階。ですから、今私が読み上げた厚労省の試算、三万強の負担、まさにこの方たちなんですよ。

 厚労省は、そのくらいはふえるというのはわかっていた、ふえるけれども、まあ第四段階だからどうってことないだろう、そう思っていたことになるんです。だけれども、そういう人たちがまず退所を余儀なくされたという実態があるんです。それでも調査をしないんですか。

磯部政府参考人 先ほど私が申し上げましたように、いろいろなチャンネルで我々も情報を集めておりますが、確かに先生御指摘のとおり、第四段階の人が退所したというような情報も得て、それを先ほど申し上げましたように追跡したところ、必ずしもそういう負担ではないというようなこともありまして、私どもとしては、負担が原因で退所したということではないのではないかというふうに思っています。いろいろな原因の一つかもしれませんが、それが主たる原因でということではないのではないかと承知しております。

高橋委員 大臣、私、今、局長だと答弁できないのかもしれないので、大臣に伺います。

 午前の質問の中で、自民党の委員に質問されたことに対して、大臣のお言葉で、現場や地域の声を聞く、その立場をしっかり堅持していく、私が大臣をやっている限りはその立場を堅持するとお答えになりましたよね。なぜ現場の声を聞かないんですか。

川崎国務大臣 個別の事情については、先ほど局長から、そうした話を聞いて、現実、二百六十六万所得以上の人が三万負担がふえたから退所した、それだけの理由かということで調査した限りは、そういう事例ではないという御答弁を申し上げました。

 個々の事例でございますので、もう少し調べてみたいと思います。

高橋委員 午前に大臣の答弁、大変心強いなと思ったんですが、午後になって何でこんなに違うのかなと。調査をすること自体がなぜそんなにためらわれるのか、全然理解ができません。後で私のところに来ている数字もお出ししますけれども、これは絶対調査をしていただきたい。その上で、影響がないならないと言っていただければいいし、現実に全国でさっき読み上げたように三百九名が退所されている、それも負担が理由なんだ。でも、これもまだ私は一部だと思っているんですよ。一部なのかどうか、それも含めてきちんと反論するべきではないか、このことを強く要望しておきたいと思います。

 そこで、きょう、ちょっと最後の資料を見ていただきたいと思うんですけれども、二枚つけておきました。

 厚生労働科学研究、こころの健康科学研究事業というのをやっていらっしゃるそうで、高齢化社会の中での在宅介護者の現状というもので、介護をする方の年齢は七十歳代がピークであり、五十歳以上は全体の八九・五%、配偶者介護が四割という老老介護の実態が浮き彫りになった、このように示されています。

 さらにショッキングだったのは、めくっていただきたいと思うんですが、在宅介護者の四人に一人がうつ状態。そのうち実に、治療を受けている方は少ないんですが、六十五歳以上の介護者の三割以上が、希死念慮という大変難しい言葉を使われているんですが、まあ簡単に言えば、死にたい、そう思っている。大変深刻なデータではないかなと思います。

 これは、厚生労働科学研究の中で出てきた数字ですので、非常に興味深い。しかし、現場ではこのようなことが起こっているということは、私は直視する必要があると思います。

 介護から追い出され、今また医療からも追い出されようとしています。今度の医療制度改革は、医療の現場にも格差を持ち込み、皆保険制度を壊し、生存権を脅かすことにもなります。大臣が最初におっしゃったように、皆保険はしっかり守る、その立場に立って見直しを検討されることを強く求めて、質問を終わりたいと思います。

岸田委員長 次に、阿部知子君。

阿部(知)委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 本日は、各委員の皆さん、長時間の御審議、御苦労さまでございます。

 また、川崎厚生労働大臣には、本日、初めて大臣としての所信を受けて私が質疑をさせていただきますので、冒頭ですので、やはり一番国民の期待も高く関心も高い厚生労働分野で、これまで私が御質疑申し上げた二人の大臣、坂口前大臣あるいは尾辻前大臣、今、国は決して豊かにお金をふんだんに使えるという時代ではない中で、しかし、誠心誠意、その方の人格そのもので厚生労働行政に取り組んでいただき、この質疑を生かしていただいたと思っておりますので、きょうはそうした観点から、川崎新厚生労働大臣に期待し、また大臣らしい、お人柄の出る、いい厚生労働行政を行っていただきたいと願って、一問目の質問に入らせていただきます。

 実は、私と川崎大臣とは、大臣がお気づきであるかどうかわかりませんが、全く同年代、世で言う団塊の世代でございます。

 私は、先ほど山井委員の大臣に対する御質疑、特に小児医療のことを伺いながら、今、私たち団塊世代が小児科からリタイアいたしますと、本当に深刻な二〇〇七年問題が生じます。このことをまず大臣に冒頭認識していただきたいなと思いながら、私はきょうの御答弁、ちょっと納得しがたいのです。

 と申しますのは、実はこの私も、昨日、夜八時から十一時まで、小児の夜間救急をやってまいりました。国会議員をやりながらやっている。半分は自分が子供の医療をライフワークとしているからでもありますが、半分は現実に小児科医が足りません。その両方の中で、しかし、私はもともと議員になりたいと思った最も根幹は、子供の問題、わけても小児医療の問題ですので、きょう山井委員がお取り上げくださったこと、本当にこうやってまとまった資料と綿密な討議で、ありがたいと思いました。

 しかし、その中での大臣の御答弁は、例えば、小児科医が減っておる、志望者が四割減だというのは、これは大学病院の話じゃないかという御答弁でした。しかし、大臣、ここはよくお考えいただきたい。大学病院よりも市中病院の方がもっと状況はシビアなのです。小児科医が二人か三人でやっているところが大半で、大学であればまだ年代の世代のプールがあったとしても、市中病院は、私の世代も含めて、本当にもうぎりぎりの当直をしております。

 今、本当に医学教育の中でも、どうやって小児科医、産婦人科医を育てて、地域に定着してもらうか、その連携も必要ですし、まず何よりも、山井委員がおっしゃったように、実態が把握されておりません。きょう、山井委員の御提示の資料の二枚目、人の資料を使って恐縮ですが、病院の小児科が二二%減だと。まさにこのような状態でございます。大学病院だけでなく、市中病院も次々と小児科病棟を閉鎖しております。実は、これは一九九〇年代に入ってからの、私自身も勤めていて本当にせつなく思いながらやってきた分野です。

 大臣は、本当に今迅速に、少子化どころか、もう少子そのものです。少子化が進んでいるといっても本当に深刻です。この新聞の左の端には、川崎市で子供が五カ所救急病院をたらい回しになり亡くなっていっています。私は、先ほどの、小児科医が減だ、あるいは病棟が閉鎖されている、このことに、本当に今大臣が早急に実態を把握されて、解決策に一歩なりとも手を打っていただきたい。

 ただし、その場合の解決策とは、例えば、そこで労働基準法以外の宿直というのがございます。労働基準法が外されています。これをやらせているからその病院を指導するというだけでは、事が足りません。そこまでやらないと小児科がもたないから、私たちは来る日も来る日も働き、ある人は討ち死にし、うつ病になり、あるいは戦線を離れていきます。

 私は、チェックのためのチェックだったら何の意味もない。本当に持続可能な子供たちを支える体制のために大臣に頑張っていただきたいですが、まず、御決意のほどを一点お願いします。

川崎国務大臣 先ほどから、仙谷さん、また山井さんとの議論の中で、正確なデータで話をしましょうと言っているわけです。したがって、小児科医の数については一万四千六百七十七名、この十年間で千三百三十一名ふえましたと申し上げたんです。一方で、新聞でお示しになったのは、大学の医局へ残る人が減ってきている、これは研修医制度全体の議論をしていかなきゃならぬ話でしょう。しかし、現実はそうです。大学の医局の話と、全体の小児科の数という問題は別だ。

 しかし一方で、小児科の救急という問題になると、委員が御指摘のとおりでございます。ではどうなんだ。簡単に言えば、開業をされる人が多くて、残念ながら救急の小児科というものに仕事をしてくれる人が少ない、これをどうやって解決するかという議論を皆さん方としっかりしていかなきゃなりませんね。そういう意味では、急性期の医療というものをしっかりしていく位置づけをしなきゃならぬ。それから、県としっかり話し合いをしながら、実は私の地域もそれがありまして、一年間もめたんです。

 実は、大学の方からの提案は、各市に一つ一つそれを持たれたのではとてもできない、したがって集約してやってくれないかという御提案がありました。しかし、現実問題として、市長さんの立場からいうと、我が市に小児科の救急がない、これでは立たないということで、大阪の方からも人員を頼んで、どうにか両市が今持っておる状況にあります。しかし、現実的には、できるだけ小児科医療というものを、いい救急医療を仕上げようとしたら、三重大学から御提案されたように、両市が合体した中できちっとつくった方がいいことは事実だ、したがって、こうしたものを踏まえながら、よく議論をしながらやっていこうと。

 私、小児科の実態が足りているという感じでは、委員が御指摘のように、思っておりません。ただ、数字の事実だけ申し上げたということでございます。

阿部(知)委員 そういう実態の中では、とりわけ小児科のベッドがないんです、入院できるベッドが。これが非常に深刻で、厚生労働省に何回も何回も伺いましたが、数は把握できないと。もちろん、あるときは大人用に使い、あるときは子供用に使いしている実態もあると思います。ただしかし、その地域に確保されているベッドがなければ、五カ所たらい回し、亡くなるとなっていきますから、ぜひそこも含めて大臣には御尽力いただきたい。

 そして、そうしたハードの分野だけでなくて、小児科医にとってもう一つのプレッシャーは、ソフトの分野でも存在すると私は思います。

 実は、小児科医はすごくやりがいがあるし、子供たちの回復する力の大きさ、すばらしさにも感動できるし、本当に感動したという分野です。でも、一方で、きょう私が質疑の一番目に取り上げたい、例えば日本における三種混合ワクチン、これは、ワクチン禍、ワクチン被害の中でも物すごく小児科医の心のトラウマになったものでございます。

 皆さん、余りお小さいお子さんがいないからおわかりじゃないかと思いますが、三種混合というのは、はしかと風疹とおたふくの予防接種を三つ込み込みで一回にやったら一回で済むじゃないか、子供もいいし、痛くないしということで、一九八九年に始まりました。

 私たち小児科医は、大体、新しい薬が出たりワクチンが来ると、その説明書を見ます。そこには大したことは書かれていません、本当に、正直言うと。だから、使うときも、それは、自分でまあその程度の情報で突っ込んでいかざるを得ない。そして、ワクチンというのは元気な子に打つので、そのワクチンの安全性が、このMMRという三種混合で問題になったようにがたがたになると、親との関係も含めて、自分が子供に重い障害を生ませてしまったという医師としての立ち直れない本当に大きな傷を負います。

 私は、この一枚目に「日本のMMRワクチン「人災」から何を学ぶか?」、人災とあえてさせていただきました。予防接種被害にもいろいろありますが、近年のものとしてはこのMMRが最も顕著です。

 一九八九年、日本で開始され、二カ月もしないうちから、打っている小児科医自身が、何かこのワクチンを打つと、髄膜炎といって脳の中にウイルスが入って、子供がけいれんしたり、吐いたりすることが多いぞと多くの小児科医が思いました。おかしいなおかしいなと、打って二カ月としないうちから感覚がありました。

 しかし、そうした小児科医の実感はどこにも実はまとまって拾い上げられることなく約半年が経過し、余りに多い髄膜炎の発生に、やはりこれは問題があろうかということで、厚生労働省の方でも、実は一九九一年までかかるのですが、MMRワクチンの何が問題なのかの検索に入ります。

 そして、中のワクチンの一種類を変えたのがやっと九一年なのですが、何と、この間に千七百人を超える髄膜炎。子供の髄膜炎というのは、親にしてみれば死んでしまうかと思うような病気です。しかし、幸いに回復をされた方もいますし、いわゆる予防接種被害として認定された方は千四十人でございました。このうち、死亡例が三例ございます。

 一枚めくっていただきますと、いつの時点でだれがどんなことになったかという重症例の一覧表がございます。これは、三種混合の接種によって生じた被害者を救済する会というのが親御さんたちの自発的な取り組みででき上がり、その後、被害認定や、認定されない方の場合は訴訟、訴えて、今度の四月二十日にも大阪で判決が出るケースもございますが、それも含めて重症例をここに挙げてございます。

 八九年の五月九日の接種例は、五月十六日に突然死。あるいは、上から四段目の八九年の十月二十五日は、この人は髄膜炎で死亡。九一年の三月十五日は、子供の独特な脳症であるライ症候群になり、死亡。この右の端の欄に二重丸がついているのは、いずれも予防接種による被害と認定されて、いろいろな一時金や、あるいは障害が残って障害年金を受けた方ですが、しかし、断トツにMMRという予防接種は被害が多かったものであります。

 今厚生労働省は、この三種からおたふくを抜いて、二種でもう一回やってみようかという方針を決められています。既に多くの小児科医の中から不安や、小児科学会の会長みずから懸念や、いろいろな意見を寄せました。しかし、強行されようとしています。

 まず、大臣に伺います。このMMRという、厚生労働省にとっても大きな問題だったと思います、この件について、今厚生労働省はどのような総括の視点をお持ちなのか。一点目です。

川崎国務大臣 まず、MMRワクチンの接種により千人以上の健康被害が生じたことは重く受けとめており、今後とも安全な予防接種行政に努めてまいりたいと考えております。

 ただ、この案件が今大阪高裁で裁判中、もう御承知のとおりでございます。細かい内容については、この段階では差し控えさせていただきたいと思います。

阿部(知)委員 私は、予防接種行政がそのようなものであるなら、次のステップは待つべきだと思います、今大臣がおっしゃったような見解であるならば。

 これは、ワクチン自身の性能も問題でした。副作用、副反応が起きたときの報告体制も問題でした。その後の認定にも時間がかかりました。救済に至るまで、今も裁判が続いています。

 何度も申しますが、健康な子にウイルスを入れるわけです。万全でなければ、でも、それはないことかもしれない。でも、私たち小児科医は、子供を守りたいその一心で、どんなにハードなワークでも、長時間労働でも、みんなやっています。それが自分自身の誇りだからです。

 しかし、このたびの二種混合の新たな採用は、開いていただけると三ページ目、資料がございます。

 実は、こうした三種混合とか二種混合という、はしか、風疹、おたふくを一緒にやったら楽じゃないかという方式で、一回接種して、そして何年かたってもう一回接種するという方式は、アメリカやヨーロッパでもなされています。ただ、日本ほどのワクチン被害は生んでおりません。何らかの日本のワクチン行政の問題であったと思いますが、それを今横に置いたとしても、今回厚生労働省がなさろうとしていることで最も小児科医が懸念し、そして、きょう、ぜひとも大臣に見ていただきたいのは、上にございます枠は外国の使っているワクチンです。風疹、おたふく、そして麻疹、はしかのことです。

 ここにワクチンのウイルスの単位が書いてあります。十の三乗のTCID五〇、これはウイルスの力、力価と申します。下の段に今度日本で使われるウイルスの力価が小さい字で書いてございますが、これが五千PFUあるいは五千FFU。この単位はおのおのほぼ同等。確かに、少しの国による違いはありますが、通常で比較しますと、日本では五倍のウイルス力価のものを使うことになります。

 これは現在も使われておりますので、このこと自体をどうこう直には申しませんが、しかし、今度、今までは別々に打っていたものを合わせて打って、今度の接種ではこの新しい、新発売のウイルスしか使用できなくなります。今までの長い歴史の中で、MMRの三つがだめなときは、また単品に使用を戻すことができました。今度は、厚生省御推奨の葵の御印籠つきのものはたった一種類で、今まで使っていた二種類は使えません、単品は。

 小児科医たちは、みんな、今までの長い年月の中で、経験で安全性を持って使ってきたものを併用できる道はないかと願っています。それが、先ほど山井さんもお取り上げになった小児科学会の会長の衛藤さんの、十七年六月二十六日の厚生労働省の結核感染課長の牛尾さんあての要望です。概して小児科医というのは穏やかですから、私自身はどうかはわかりませんが、小児科医はめったに強いことは言いませんが、ここの文章の中に、今回の措置は「「子どもに対して優しい」感染予防対策と言えるものでは到底ありません。」小児科医がこれだけの言葉を述べるというのは、物すごく決意が要ります。勇気が要ります。

 子供にとって優しい予防接種行政じゃないと言われている今回の判断、厚生省がお墨つきを出して、でも、これは新しいワクチンだから、実はやってみなければ副反応はわかりません。またMMRの、この前みたいなことがあるかもしれません。そして、臨床現場で子供を守っている小児科医は、今までのものも使いたい、安全性が長い年月の中で確立したからと、望んでいます。

 これは現場サイドで結構です。大臣には問題の所在を認識していただきたい。

 私たちは、臨床というその場から学び、子供たちを守るべく、ワクチンの安全性を何例も何例も何例も何例も積み重ねた結果の使用をしてございます。なぜ、あえてこれだけ要望が強い要望を切り捨てて、今回の厚生省御推奨の、まだ副作用も未知数の、たかだか三百例か二百例でやった治療経験に基づくワクチンだけを採用されるのか。その根拠を教えてください。

中島政府参考人 ただいまの御質問でございますが、まずMR混合ワクチン、二種混合のワクチンにつきましては、現在使用されております麻疹ワクチン、そして風疹ワクチン、これらを混合したものでございますが、その臨床試験におきましては、これら両ワクチンを混合することによる副反応が、頻度がふえるとか、あるいはその程度が増強するといったような所見は認められないという結果が示されているところでございます。

 定期の予防接種によります副反応に対する監視体制につきましては、平成六年、予防接種後の健康状況調査及び予防接種後の副反応報告が行われておりまして、これをいかに改善していくかということなどについては、現在検討を進めているような状況もございます。

 また、こういった状況のもとでございますが、今回、麻疹及び風疹の対策の強化という観点から、この二回接種という仕組みを導入することになりまして、これに当たりましては、行政が勧奨接種を行います予防接種の接種液として、今お話にありますMR混合ワクチン、二種の混合ワクチンを採用することとしたわけですが、その理由としては、一つは、MR混合ワクチンを使用することによりまして、麻疹及び風疹の両方のワクチンの接種率の向上が図れるということ、それからまた被接種者の利便性、接種費用の軽減などの観点からも有用であるということが専門家からも指摘をされたというようなことを考慮したものでございます。

 以上でございます。

阿部(知)委員 実は、今おっしゃったようなことはMMRのときも言っていたんです。三つを一遍にやったら楽だろう、利便性がある、安全性も確認されたと。

 でも、ワクチンというのは、やってみないとわからないのです。だから、現在まで歴史を持って使われているものも、おのおの単品で風疹とはしかとあるんだから、使ったらどうですかと小児科医は言っているんです。そして、安全性が確認されたと何度も言いますが、たかが二百人とか三百人で試験をしているんです。これが、一回予防接種としてお墨つきで使われるときは百万人単位に広がるんです。非常にリスクが高いんです。

 そして、大臣、最後の一点、お願いします。

 私は、きょう、資料の中に「予防接種による健康被害に対する救済制度の比較表」というのを出しました。先ほど言った、一級の障害、二級の障害、死亡されたときに、今度は厚生省が新発売したMRワクチンしか予防接種法による救済には乗らず、現状で私どもが日々使っているはしかや風疹のこれまでの長い経過のあるものについては、これは独立行政法人の医薬品の機構法の方で救済される。

 しかし、救済の額も違う。本当にすごく差があります。死亡時一時金は、予防接種法であれば四千三百万円、これまで私たちが使っていた方は、これからは任意の接種、自分でお金を出す、あるいは地方自治体はお金を出すかもしれない。しかし、一たん事が起こったら、この救済機構には乗らなくなります。扱いの面においても差別だし、何よりも、親が選べません。

 親たちは今までの安全性の確立されたものを使いたいんです。今まで三百人にやって、これから急に百万人に、あなたが人体実験だと言われているような形のワクチンは、本来であれば、親が選んでしかるべきです。親がみずから、二回よりは一回がいい、だけれどもこれはまだ実績は三百人だよ、それでも今までの二つをまぜたものだからね、二回痛いより一回がいいかなと私たちは話して、親に勧めることになります。でも、今は、それは選ぶんじゃなくて、もうこれっきゃない路線になりました。

 何度も申します。小児科医は、この子供に優しくない予防接種行政の急激な変化、改変を望んでいません。実は、予防接種行政は、去年、ツベルクリンのBCGの接種の問題でも、一方的に厚生労働省が変えました。小児科医は六カ月以降も希望者にはやれるように道を残してとお願いしました。大事な子供を守る、私たちは何よりも安全性と親の意見を聞いた選択のもとにやりたい。

 私はきょう、大臣にこの問題を初めて、大臣にしてみれば、現場に任せておられることだと思います。しかし、親と子を守る小児科医にとっては、ワクチンという問題ほどストレスフルで安全性を担保されねばいけない問題はないのです。

 もう一度、まだ四月までは日時がございます、問題の所在を検討していただけまいか、御答弁をお願いします。

川崎国務大臣 医師であり政治家である阿部委員の説得力ある御質問をいただきました。

 正直申し上げて、大変迫力がありますので、そうかなと思うと同時に、行政側の判断もございました。私も、専門家の意見を違う立場から聞いてみたい、こう思います。

阿部(知)委員 よろしく御検討をお願いいたします。

 残余はまた後ほどお願いします。

岸田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時三十三分散会


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