衆議院

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第7号 平成18年3月10日(金曜日)

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平成十八年三月十日(金曜日)

    午前十時四十五分開議

 出席委員

   委員長 岸田 文雄君

   理事 大村 秀章君 理事 鴨下 一郎君

   理事 北川 知克君 理事 谷畑  孝君

   理事 寺田  稔君 理事 園田 康博君

   理事 山井 和則君 理事 福島  豊君

      新井 悦二君    石崎  岳君

      上野賢一郎君    川条 志嘉君

      木原 誠二君    木村 義雄君

      坂井  学君    清水鴻一郎君

      清水清一朗君    菅原 一秀君

      杉村 太蔵君    高鳥 修一君

      戸井田とおる君    冨岡  勉君

      西川 京子君    林   潤君

      原田 令嗣君    平口  洋君

      福岡 資麿君    松浪 健太君

      松本  純君    御法川信英君

      岡本 充功君    菊田真紀子君

      郡  和子君    仙谷 由人君

      田名部匡代君    古川 元久君

      三井 辨雄君    村井 宗明君

      柚木 道義君    上田  勇君

      高木美智代君    高橋千鶴子君

      阿部 知子君    糸川 正晃君

    …………………………………

   議員           小宮山洋子君

   議員           古川 元久君

   議員           山井 和則君

   議員           西村智奈美君

   議員           郡  和子君

   厚生労働大臣       川崎 二郎君

   厚生労働副大臣      赤松 正雄君

   厚生労働副大臣      中野  清君

   厚生労働大臣政務官    西川 京子君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房総括審議官)         金子 順一君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房技術総括審議官)       外口  崇君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  松谷有希雄君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局長)            青木  豊君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局長)            鈴木 直和君

   政府参考人

   (厚生労働省雇用均等・児童家庭局長)       北井久美子君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局長)           中村 秀一君

   政府参考人

   (厚生労働省老健局長)  磯部 文雄君

   政府参考人

   (厚生労働省保険局長)  水田 邦雄君

   政府参考人

   (厚生労働省年金局長)  渡辺 芳樹君

   政府参考人

   (厚生労働省政策統括官) 塩田 幸雄君

   厚生労働委員会専門員   榊原 志俊君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月十日

 辞任         補欠選任

  井上 信治君     清水清一朗君

  加藤 勝信君     坂井  学君

同日

 辞任         補欠選任

  坂井  学君     加藤 勝信君

  清水清一朗君     井上 信治君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 独立行政法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備に関する法律案(内閣提出第一八号)

 国の補助金等の整理及び合理化等に伴う児童手当法等の一部を改正する法律案(内閣提出第一七号)

 児童手当法の一部を改正する法律案(小宮山洋子君外四名提出、衆法第九号)


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     ――――◇―――――

岸田委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、独立行政法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備に関する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として厚生労働省大臣官房総括審議官金子順一君、大臣官房技術総括審議官外口崇君、医政局長松谷有希雄君、労働基準局長青木豊君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岸田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

岸田委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。岡本充功君。

岡本(充)委員 民主党の岡本でございます。一昨日に続きまして、引き続き質疑をさせていただきます。

 まず、私の一昨日の質問に関して御答弁をいただきました厚生労働省に関係する常勤の公務員の数、そして出向者を含むと言われた人数の把握、こういった部分について、私は受けた説明と違っていたということをお聞かせいただきました。私は最初、常勤の公務員の数、定員の中に入る公務員の数が、十二万九千人厚生労働省で十三年三月末にいた人員が、十二万二千人に十七年三月末になった、七千人減ったんだ、こういう前提で議論をしてきたわけですけれども、この数字が違っていたわけであります。

 これについては、改めてその説明と違っていた旨について御説明をいただきたい。それがまず一点であります。よろしくお願いします。

赤松副大臣 三月八日、今岡本委員がおっしゃった前回の本委員会におきましては、当たり前のことでございますが、独立行政法人に関する法案審議でございまして、後に独立行政法人となった特殊法人、認可法人等の職員を含んでいるか、こういうお尋ねであった、そんなふうに私は理解しておりまして、出向者についてのお尋ねがあったことから、私としましては、後に独立行政法人となった特殊法人、認可法人等に国から出向している職員に関するお尋ねであるとあの場面で認識をいたしました。国からの出向者についても、そうした特殊法人、認可法人等の職員数に含まれていることから、出向の職員も含まれている旨答弁したわけでございます。そのため、委員今おっしゃったような委員の御認識と、私の述べたものに差が生じたものである、そんなふうに理解をいたしております。

 なお、厚生労働省から他省庁への出向者及び独立行政法人等への出向者につきましては、委員に提出させていただいたものが現時点で把握しているものでございます。

 前回私が議員の御質問にお答えして、七千人の減、こういう説明をしましたことにつきましては、あのときにも申し上げましたけれども、これらを単純に比較することは適当でない部分がございますけれども、と前置きをしました上で、約七千人の減と答弁をいたしました。

 その約七千人の減と説明しました前提としましては、平成十三年三月の職員の中に国立病院の賃金職員、看護師を含んでおりますが、この賃金職員につきましては、正規職員と同じ勤務形態であって、独法移行後に正規職員としたことから、この点を考慮して比較することが適当ではないかとあの場面で思って、答えた次第でございます。

 以上です。

岡本(充)委員 さらに重ねて言わせていただきますが、賃金職員というのは非常勤の職員でありまして、厚生労働省に関する非常勤の職員のみを比較してみると、平成十二年七月一日と平成十七年七月一日、差を比べてみると、賃金職員の分を含めてトータルで見てみても差はほとんどない、四人ふえているということでありますので、これは恣意的に非常勤の職員を加算して、あたかも減ったような数字を提出されたということは極めて遺憾でありますし、これについては明確に私は抗議をさせていただきたいと思います。

 実際には、七千人減だと聞かされていたあの数字は、最終的には約千八百人の増であった。平成十三年三月末から比べてみると、平成十七年三月末で、およそですが千八百人の増であったということを改めて指摘をさせていただいて、私の質問にお答えいただけなかったことを抗議させていただきたいと思います。

 その上で、いまだにいただけていない資料がございます。

 厚生労働省から他省庁へ出向した平成十三年三月末日時点での職員の数や独立行政法人等への平成十三年三月末時点の出向者の数、並びに非常勤職員でございますが、独立行政法人労働政策研究・研修機構、国から行った職員、平成十三年三月末の数。また同様に、独立行政法人医薬基盤研究所の平成十三年三月末の、これは非常勤でございますが、同様に、認可法人医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構(一部)、そして独立行政法人医薬品医療機器総合機構、こちらから非常勤で行った人数の数、また国からこの独立行政法人に職員が移っているのではないかという中で、平成十三年三月末の人数の把握がまだできておりません。

 また、これとあわせて、それぞれ平成十三年三月末、平成十七年三月末時点、この職員の皆様方の給与の三月分トータルですね、それぞれ十三年三月分の給与、十七年三月分の給与についても資料をいただきたい旨通告をさせていただいております。

 いつまでにいただけるのか、明確に御答弁をいただきたいと思います。

赤松副大臣 まず、他省庁への出向等について時点修正を行いました上で、今委員いろんな部分御指摘がございましたけれども、そういう、国及び独立行政法人等の職員、非常勤職員数、出向者数の資料を来週中には提出をさせていただきたいと思います。

 なお、後段でおっしゃいました職員等に支払っている総人件費等についての報告につきましては、国及び独立行政法人等の人件費について、常勤職員と非常勤職員を通じた総額をお示しすることは極めて難しい側面もありますけれども、先日来の御指摘もあり、それを踏まえて、今月内には、必要に応じて推計を行うことも含めて、どのようなことが可能かしっかりと精査をしてまいりたい、そんなふうに思っております。

岡本(充)委員 それでは不十分です。ちゃんと出していただけるという明確な答弁をいただきたい。推計を含めてどのような形で答弁できるかを持ってくるだけでは、数字が出てきません。きちっと数字が出せるという御答弁をいただけないと、私は審議が進められない。どうかお答えをいただきたい。

赤松副大臣 先ほど申し上げましたように、いろいろ困難な部分もございますので、必要に応じて推計を行うことも含めて、どのようなことが可能か精査してまいった上で、今議員がおっしゃった点も含めて、しっかり努力をした結果を見ていただきたい、こんなふうに思います。

岡本(充)委員 数字を出していただけないということですか。イエスかノーか、それだけお答えください。

赤松副大臣 数字を出すか出さないか、イエスかノーかと言われて、直ちに今ここで答えるわけにはまいりません。それも含めてということです。

岸田委員長 という答えですが、赤松副大臣、答えは今のとおりですね。

 というお答えですが。岡本君。

岡本(充)委員 そうしましたら、続きまして、もう一点質問させていただきます。

 まず一点は、国土交通省所管における独立行政法人で、官民交流の名のもと、企業からの人材受け入れを行っているという話がありました。人材交流自体悪いことではありませんが、その受け入れ企業に対して当該独法が仕事を発注しているという事実が明らかになっております。民間からの人材選定が公募でなく指名で恣意的に選ばれている可能性を疑うこともできるわけでございますが、この調査は実は国土交通省所管の独法のみしかしておりません。厚生労働省所管の独法でも同様なケースがあるかどうかについてもぜひお調べをいただきたいと思うんですが、お調べいただけますでしょうか。

金子政府参考人 突然のお尋ねでございまして、今手元に必要な資料等もございませんので、その点も含めまして、少し検討させていただきたいと思います。

岡本(充)委員 調べるのか調べないのかを、調べるというお約束をいただきたいということです。

金子政府参考人 他の省庁の状況も踏まえまして、調べてみたいと思います。

岡本(充)委員 最後に一点、もう一点だけ。

 独立行政法人の、設立時期の違う法人がそれぞれ今後統合をしていく必要性も出てくると思いますが、例えば、十三年四月設立、そして十五年十月設立、十六年四月設立など設立時期の異なる独立行政法人それぞれが独立行政法人通則法の中で規定され、また個別法で規定されているさまざまな事業を行う中で、今後、統合についての検討をしていく必要があると思います。残念ながら、厚生労働省、今回見直しの草案の中ではこれらの法人との統合について検討をされた向きはありませんけれども、これからこれらの統合についても前向きに進めていくかどうか、大臣から御答弁をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。

川崎国務大臣 独立行政法人といいますのは、ある意味では、出向者に任せながらやっていく、そういう意味では、中期目標というものは大事にしてやりたいという気持ちは、私どもは持っております。中期目標というのは大事にしてやりたいと。しかし、世の中の状況が大きく変わってやらなきゃならぬというときは、それは私ども、考えてやることはあり得る。

岡本(充)委員 終わります。

岸田委員長 これにて岡本充功君の質疑は終了いたしました。

 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

岸田委員長 これより討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、順次これを許します。岡本充功君。

岡本(充)委員 私は、民主党を代表し、独立行政法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備に関する法律案に対し、反対の立場から討論をいたします。

 そもそも独立行政法人は、国の行政活動から政策の実施部門のうち一定の事務及び事業を分離し、これを担当する機関に独立の法人格を与えて、当該業務を効率かつ効果的に行わせることを目的に創設されたものであります。現実には、独立どころか省庁からの天下りが継続し、業務の効率と効果についても十分な検証がなされていないことが本審議を通じて明確になりました。本法案による独立行政法人の統合、職員の非公務員化だけではこれらの弊害を払拭することはできません。

 以下に、その理由を申し述べます。

 第一に、独立行政法人の事業を見直さないまま非公務員化を行っていることであります。

 国が省庁直轄で行う事業、民間でできる事業、そして独立行政法人が行うべき事業を抜本的に整理しないまま非公務員型の独立行政法人に移行したのでは、非公務員化の意義が見出せません。例えば、国立健康・栄養研究所が実施している研究や調査、試験許可業務については、民間にできるものがないのかさらなる精査をすべきです。

 職員の身分は非公務員化されるとありますが、実質は、国から交付される運営費交付金から全人件費が支出され、職員は非公務員でありながら国家公務員共済に加入したままであり、肝心の雇用面では公務員型が続いております。非公務員化という身分の位置づけが中途半端であるだけでなく、厚生労働省に関する公務員、そして出向を含む独立行政法人の総人員数の推移が不明確、そしてその人件費がどう推移していくかもあいまいなままであります。対象独立行政法人の存在意義、事業目的の妥当性の精査、検証をなおざりにして、いたずらに国家公務員の削減をしたかの誤解を与え、その手段に非公務員化を利用しているとの批判は免れ得ないと思っています。

 第二に、事業の効率を向上させる展望が欠落しています。

 産業安全研究所、産業医学総合研究所の統合によって相乗的な研究効果が上がるという具体的な説明はなされていません。現に、労働安全衛生研究所に統合されても、施設は清瀬市と川崎市に分かれており、職員の定数は変わらず、事務効率を向上させることはおろか、逆に往来に時間を費やし、かえって非効率化するのではないかという懸念さえあります。国立健康・栄養研究所についても、職員定数は変わらず、事業効率の向上に関する計画も具体性に欠けています。

 第三に、中央省庁との癒着体質を改め、独立行政法人の本来の姿を実現するための改革が欠落しています。

 そもそも、非公務員化の意義すら不明確であり、行政のスリム化、質の高い効率的な業務運営を目指すなら、同時に運営交付金の削減や独法の独立性を高める措置を講じるべきです。しかし、今回提出の法案では、非公務員化をうたいながら国からの運営交付金の額はほとんど変わりません。独立行政法人の独立性を高める独立行政法人の長の公募制の義務化、非特定独立行政法人役職員の天下り規制、独立行政法人における一般競争入札の義務化等の措置は何ら講ぜられておりません。これでは、独立行政法人が天下り規制の抜け穴となりかねず、官製談合の解消にもつながらない天下り隠しの非公務員化の批判は免れ得ません。

 このように、本法案は、独立行政法人をめぐる本質的な問題に踏み込まないまま、現実には役所の強い関与に縛られ、事務事業の効率性の向上をしない一方で、天下りや官製談合の温床となっている疑念が強く、単なる公務員削減の数合わせをしている、そう言われても仕方がない、そのように思う次第であります。小さな政府を見せかけ上進める手段にすぎないと言わざるを得ないわけであります。

 以上の理由から、民主党は本法案に反対することを表明して、私の討論を終わらせていただきます。(拍手)

岸田委員長 次に、高橋千鶴子君。

高橋委員 私は、日本共産党を代表して、独立行政法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備に関する法律案に対し、反対の討論を行います。

 反対する第一の理由は、研究所の統合や非公務員化のねらいが、行政機能のスリム化、効率化を理由に、公務員の削減を進めることにあるからです。

 産業安全研究所と産業医学総合研究所は、司法警察権を持つ労働基準監督官に協力し、労働災害の原因調査を行っております。また、国立健康・栄養研究所は、特別用途表示食品の大臣認可及び認可取り消しの根拠となる試験を行うなど、いずれの研究所も公権力の行使の前提となる業務を実施しています。

 これらの業務は、極めて高い公平性、中立性を有しており、企業からの独立性が保たれる公務員でなければできないものです。非公務員化は、こうした立場を突き崩し、ひいては国民の安全や健康に対する国の責任放棄につながるものであります。

 第二の理由は、非公務員化が研究環境を一層不安定にし、基礎的研究の後退を招くからです。

 各研究機関は、長年にわたって基礎的データを積み上げる研究など、採算性は見込めないが、他にかえることのできない貴重な研究を行っています。こうした研究の成果が、労働災害を防止するための法令改正に生かされるなど、国民の安全や健康にとって大変重要な役割を果たしています。

 一方、独立行政法人化後、職員数や運営交付金の削減、外部資金の確保が押しつけられてきました。非公務員化されれば、成績主義の人事評価制度と相まって、短期間で結果が出る効率のいい研究が優先をされ、各研究所が持つ本来の役割を果たす上で不可欠な基礎的研究の軽視につながることは明らかであります。

 以上を述べて、反対討論を終わります。

岸田委員長 次に、阿部知子君。

阿部(知)委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 私は、今回の独立行政法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備に関する法律案に反対の立場から討論を行います。

 勤労者の労働形態の多様化、さらには、それによる労働災害の多様化にどう対応し、また、今後の労働安全衛生をどう実現していくのかという、国の基本姿勢を問うことのない今回の独立行政法人産業安全研究所と産業医学総合研究所の統合そして非公務員化は、木を見て森を見ずの、単なる行政改革・組織いじりにすぎません。

 さらには、多発する労働事故に関して、立入調査を非公務員に行わせるということを労働安全衛生法を一部改正することによって可能とするなど、全く論外で、勤労者の安全、安心確保への後退と言わざるを得ません。

 また、国立健康・栄養研究所は、単に職員を非公務員化させるのみで、本来の国立の意味すら不明瞭なまま、国民的関心事である健康食品等による健康被害への対応も、全く今後の保障がありません。

 以上、独立行政法人労働安全衛生総合研究所と国立健康・栄養研究所の組織改編という数合わせの非公務員化を骨格とするこれらの法案には強く反対の意を表明し、討論といたします。

岸田委員長 以上で討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

岸田委員長 これより採決に入ります。

 内閣提出、独立行政法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備に関する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

岸田委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岸田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

     ――――◇―――――

岸田委員長 次に、内閣提出、国の補助金等の整理及び合理化等に伴う児童手当法等の一部を改正する法律案及び小宮山洋子君外四名提出、児童手当法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。

 順次趣旨の説明を聴取いたします。川崎厚生労働大臣。

    ―――――――――――――

 国の補助金等の整理及び合理化等に伴う児童手当法等の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

川崎国務大臣 ただいま議題となりました国の補助金等の整理及び合理化等に伴う児童手当法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 政府においては、平成十八年度予算編成の基本方針を閣議決定し、国と地方に関する三位一体の改革を推進することにより、地方の権限と責任を大幅に拡大し、真に住民に必要な行政サービスを地方がみずからの責任で自主的、効率的に選択できる幅を拡大するとともに、国、地方を通じた簡素で効率的な行財政システムの構築を図ることとしております。

 また、一昨年成立した年金制度改正法においては、平成二十一年度までに基礎年金の国庫負担割合を三分の一から二分の一に引き上げることとし、これに向けて、平成十七年度及び平成十八年度において、所要の税制上の措置を講じた上で、国庫負担割合を適切な水準へ引き上げるものとされたところであります。

 この法律案は、かかる政府の方針等を受け、児童手当における国庫負担の割合の見直し及び支給対象年齢の引き上げ、基礎年金の国庫負担割合の引き上げ、国庫補助金等の廃止等の措置を講ずるものであります。

 以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。

 第一は、児童手当及び児童扶養手当の支給に要する費用について、国、都道府県等の負担の割合を見直すとともに、児童手当においては、給付の支給対象年齢について、現行の小学校第三学年修了前までを、小学校修了前までに引き上げることとしております。

 第二は、基礎年金の国庫負担割合について、平成十八年度以降は、三分の一に千分の十一を加えた割合から、三分の一に千分の二十五を加えた割合に引き上げることとしております。

 第三は、特別養護老人ホーム等の施設整備に充てる都道府県交付金の一般財源化を行うとともに、介護保険施設等における保険給付費について、国と都道府県の負担の割合を見直すこととしております。

 第四は、市町村または都道府県による知的障害児施設等の施設整備に要する費用等について国庫負担の対象外とすることとしております。

 最後に、この法律は平成十八年四月一日から施行することとしております。

 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

岸田委員長 次に、小宮山洋子君。

    ―――――――――――――

 児童手当法の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

小宮山(洋)議員 このたび民主党から提出いたしました児童手当法の一部を改正する法律案、いわゆる子ども手当法案につきまして、提案者を代表して、提案の理由及び内容の概要について説明します。

 民主党は、チルドレンファーストを掲げ、どの党よりも早くから、子ども第一の方針でさまざまな政策立案に取り組んでまいりました。昨年の衆議院選マニフェストでも、月額一万六千円の子ども手当創設を初め、幼保一体化の推進、小児医療の充実、仕事と家庭の両立支援策など、子どもが安心して育つことができる社会の実現のための政策を打ち出しています。この子ども手当法案は、民主党の子育て支援策の柱の一つとして法案化したものであり、政府の児童手当法等改正案への対案として提出させていただきました。

 各種の世論調査で明らかなように、子どもを持てない最大の理由には経済的な負担が上げられています。子育て世代は収入に余裕がないことも多く、子どもを育てることで家計が圧迫されます。もう一人子どもが欲しいと思っても、経済的事情のために断念する人も少なくありません。子どもたちは未来の社会を担う貴重な存在です。子どもたちを大切にするためには、子育てをする人たちを社会全体で支援することが重要ということをぜひ御理解いただきたいと思います。

 また、子ども手当の財源は、配偶者控除や子どもの扶養控除などを解消することを中心にして確保します。民主党は、税の控除を解消し、社会保障のサービス給付に変える考え方をとっています。サービス給付の対象として、高齢者の十七分の一の給付しかない子どもに給付します。現在の所得税の控除制度は、相対的に所得の高い者に有利な制度であり、本当に支援の必要な人に対して適切な支援になっていません。民主党は、この控除を解消して手当に転換することによって、特に所得の低い層の子育てを応援したいと考えています。

 少子化への対応については、あくまでも産めよふやせよではなく、子どもを持ちたい人が安心して持てるように総合的な子育て応援政策に取り組むことが何より重要だということを申し上げ、以下、法律案の概要を説明いたします。

 第一に、題名を児童手当法から子ども手当法に改めるとともに、その目的を「児童を養育している者に子ども手当を支給することにより、児童の養育に係る経済的負担の軽減を図るとともに、次代の社会を担う児童の健全な育成及び資質の向上に資する」こととします。

 第二に、子ども手当は、義務教育終了前の児童を監護し、かつ、これと生計を同じくする父または母等に支給するものとし、子ども手当の支給に関し所得制限は設けないものとします。

 第三に、子ども手当は、月を単位として支給するものとし、その月額は支給の対象となる児童一人につき一万六千円としています。

 第四に、子ども手当の支給に要する費用は、その全額を国庫が負担するものとしていますが、暫定措置として、当分の間、子ども手当の支給に要する費用は、その百分の九十二に相当する額を国庫が負担し、地方及び事業主については、これまでの負担額を踏まえ、その百分の二・五に相当する額を都道府県及び市町村がそれぞれ負担し、その百分の三に相当する額を事業主からの拠出金をもって充てるものとしています。

 第五に、国は、子ども手当の支給に要する費用を賄うための安定した財源を確保するため、所得税に係る扶養控除等の改廃その他の必要な措置を講ずるものとしています。

 なお、この法律は、平成十八年四月一日から施行するものとしています。

 以上が、本法律案の提案理由及びその概要です。

 御審議の上、速やかに可決していただきますようお願い申し上げます。(拍手)

岸田委員長 以上で両案の趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

岸田委員長 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、政府参考人として厚生労働省職業安定局長鈴木直和君、社会・援護局長中村秀一君、雇用均等・児童家庭局長北井久美子君、老健局長磯部文雄君、保険局長水田邦雄君、年金局長渡辺芳樹君、政策統括官塩田幸雄君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岸田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

岸田委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。寺田稔君。

寺田(稔)委員 自由民主党の寺田稔でございます。

 本日は、ただいま提案説明のありました閣法第一七号、すなわち国の補助金の整理合理化に伴う児童手当法等の一部を改正する法律案、これにつきまして質疑を進めてまいりたいと思います。

 なお、民主党の方からも、対案といたしまして児童手当法の一部を改正する法律案、いわゆる子ども手当法案も提出をされております。この民主党案に対しましても、別の機会にじっくりと審議をすることができればというふうに思っている次第でございます。

 まず、政府より提出のありました今回の法案でございますが、先ほど大臣よりその趣旨の御説明がございました。すなわち、十八年度において国及び地方を通じました財政構造改革を進めていく、そしてまた、三位一体改革をさらに推進していく中で、国の補助金の整理合理化を図りますとともに、税制改革に伴いまして、児童手当の国庫負担金そしてまた児童扶養手当の給付の負担金、またさらには基礎年金に係ります国庫負担割合、この二〇〇九年の二分の一に向けまして一定率の率の上昇を行うというふうな見直しを行う所要の改正となっているわけでございます。

 まず最初に、非常に盛りだくさんの中身でございますけれども、児童手当関連につきまして質疑を進めてまいりたいと思います。

 まず、今回この児童手当の支給対象、これはちょうど二年前、すなわちおととしに小学校三年まで拡大をされました。そして、今回その児童手当をさらに小学校の六年生まで拡大をするということでございますが、まず、小学校六年生まで拡大をする趣旨につきまして大臣にお伺いをいたしたいと思います。

川崎国務大臣 今御指摘いただきましたように、児童手当の支給年齢、逐次引き上げてまいりました。少子化対策の流れの中で、若い二人の親に対して国や地方がどういう支援をしていくべきか、そういう意味では、流れ全体としては、まず保育というものに力を入れてきたことは間違いなかろうと思っております。

 二番目の課題として、経済的支援、そして、ことしまた法律を出させていただきますけれども女性の雇用の問題。出産、妊娠というものをきっかけに会社をやめられる方が多い、ここをやはりしっかり直していかなきゃなりませんねと。

 そういう意味では、経済的支援、保育、また雇用の問題、こうした問題を逐次解決しながら我が国の少子化に歯どめをかけなきゃならないというのが、政府全体の認識であり、与党、自民、公明の認識であろうと思っております。

 そういった中で、一方で財政的な問題もございますので、逐次引き上げてきたという経緯をたどっております。選挙後、政権の公約でもございましたので、財源問題も財務省なりに努力をしてもらいました。そして、どうにか今回、六年生まで引き上げることができた。そういった意味では、いろいろな方々の御協力を得た。少子化問題に、厚生省はもうちょっとしっかりやれよという御激励をいただくようになってきて、大変ありがたいことだな、その中で今回の法案提出になった、このような理解をしております。

寺田(稔)委員 ただいま大臣から御説明があったわけでございますが、今回の法案については、児童手当の支給の一部につきまして、三位一体改革そしてまた財政構造改革の流れの中で、一部の地方への移管がなされます。それに伴いまして、いわゆる補助率の変更を伴う。これまで国が三分の二というふうな支援をしていたものを、三分の一に減らす。すなわち、国と地方の費用負担割合を、これまでの二対一から逆に一対二に移していくというふうな補助率の変更がなされているわけでございます。

 この補助率の変更、すなわち三分の二から三分の一への変更につきましては、一体どのような考え方に基づいているのか、お伺いをしたいと思います。

北井政府参考人 今回の三位一体改革におきましては、まず児童扶養手当につきまして、国と地方の負担割合について、政府・与党において調整の結果、国四分の三、地方四分の一から、国三分の一、地方三分の二ということに変更することとなったわけでございます。

 それとあわせまして、児童手当につきましても、この議論の過程で、児童扶養手当と趣旨、目的は違うけれども、同じ子供に係る手当であることから、地方団体より国と地方の負担割合の整合性について御指摘を受けたこともございます。こうしたこともございまして、両制度とも国と地方が協力をし合って重層的に行っていくことが重要でありますことから、児童扶養手当と同様に児童手当につきましても国と地方の負担割合を見直したということでございます。

寺田(稔)委員 ただいま北井局長の方から、児童扶養手当との平仄もとって、重層的な整合性の問題というふうなことで御説明があったわけでございます。

 そうしますと、三位一体改革の中で、この児童手当の一部地方移管ということになるわけで、当然、地方自治体、この場合は都道府県と市町村、両方含まれるわけでございますけれども、地方自治体が児童手当事務を行う、そして実際の支給も行っていく。そうした中で、当然のことながら十分な財源を地方のために確保してやることが必要なわけでございますが、では一体、どのような形でもって税財源を国から地方に移譲していくのか、その具体の姿を御教示いただきたいと思います。

北井政府参考人 三位一体改革におきましては、今般の児童手当に係る税源移譲も含めまして、全体で約三兆円規模の税源移譲が行われることとなっております。

 この税源移譲につきましては、平成十七年十一月三十日の三位一体改革についての政府・与党合意におきまして、平成十八年度税制改正において所得税から住民税への恒久措置として行われるものとされたところでございます。そして、十八年度予算におきましては、税源移譲額の全額を、所得譲与税によって国から地方へ譲与されるということで承知をいたしております。

 さらに、児童手当は支給対象年齢の引き上げ等の制度拡大も行うわけでございますが、それに伴います地方負担増につきましては、総務省におきまして、児童手当に係る地方特例交付金の創設等によって適切に対処されると承知をいたしております。

寺田(稔)委員 ただいま説明がありましたように、政府・与党合意では恒久措置、すなわち、まさに税源そのものを地方に移していく、三兆九十四億円の内数でございます。

 今回のこの児童手当分については、千五百七十八億というふうな額が移譲になるわけでございまして、当然それは所得税から住民税、住民税のフラット化、一〇%化によって達成をしていくべきものでございます。したがって、十八年度におけます所得譲与税の措置というのは、あくまでこの恒久措置のためのつなぎでありまして、当然十九年度には住民税のフラット化によって実現をされるべきであるというふうなことかと私も認識をしているわけでございます。

 そうした中におきまして、今回の児童手当の増額、あるいはまた、三位一体でなくて少子化対策という側面に照らして見たときには、幾多の施策が同時に行われているわけでございまして、例えば放課後児童クラブの拡充、あるいは乳幼児に対します医療体制の充実などのパッケージとしての少子化対策を行っていくことも非常に重要であるわけでございます。そうすることによって、少子化の流れにストップをかけまして、経済社会の活力を維持していく中で、社会全体で子育てを支えていくというふうな姿に持っていく、そしてそのことが、結果としては、さまざまな社会の制度設計、例えば年金でございますとかあるいは医療制度、すなわち年金財政に対しましても将来的にプラスの貢献をするということ、これはもう論をまたないわけでございます。

 そのような観点から見ますと、これは将来的には、すなわち年金財政にも多額の貢献をする、年金保険料でもっても貢献をする、あるいはもちろん税負担によっても貢献がなされるわけでございまして、この税負担におけます貢献と合わせますと、一人の子供を産むことがかなりの社会的な便益を発生するというふうな費用対効果の計算もできるわけでございます。

 そうした意味からいいますと、現在あります百三十兆円の年金積立金の一部を、児童手当の増額などを含みます少子化対策全体のパッケージの財源として充当するようなことも、これは将来の課題として十分にあり得るというふうな立論も可能なわけでございますが、この点についての御所見をお伺いしたいと思います。

渡辺政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、少子化対策が進展し、その中で少子化の流れが変わるということになれば、これは長期的に見まして年金制度の持続可能性を高めるということは論をまたないと思うわけでございます。

 一方、委員御承知のとおり、年金保険料は年金給付に関係すること以外には使わないという考え方のもとで、一昨年の年金制度改革の中でさまざまな福祉事業の見直しなどを行ってきたところでございます。

 また、御指摘の年金積立金につきましては、その運用は、将来の年金給付の貴重な財源でございますので、長期的な観点から安全かつ効率的に運用を行い、予定された運用利回りを確保するということを第一義にして対応しておるところでございます。

 そうした背景の中で、御指摘のような年金積立金の一部を少子化対策あるいは次世代育成支援に充当するという考え方、御議論があることはよく承知しておりますが、保険料の集積である年金積立金の活用のあり方として本当に適切かどうか、要は、年金保険料のあり方といわゆる少子化対策のあり方、どういう接点があり得るかというさまざまな議論を踏まえる必要があると思っております。

 いずれにいたしましても、次世代育成支援、少子化対策、こういうような枠組みの中でどのような骨太な政策が将来に向けて形成されていくのか、そして、そういう中で年金制度が果たすことがふさわしいと思われる役割は何かということでございますので、年金制度の立場からも、今後の関連施策の展開状況を関心を持って見守ってまいりたい、こういうふうに考えております。

寺田(稔)委員 今後のそうした全体の施策展開の中で、もう一回全体の仕組みを再構築していくというふうな目も必要なのではないかというふうに思います。

 そうした中で、今回の児童手当の支給の拡大、小学校六年まで延長することによって、児童手当に係ります、これは国、地方合わせました国費あるいは拠出金も合わせました全体の費用は約五割増しになるわけでございます。かなりの増額になっているわけでございます。もちろん、国費負担分だけを見ますと、三位一体改革の進展によって減になっているわけでございますが、そうした中で、先ほどもちょっと申しましたけれども、児童手当を支給すること、すなわちこれは費用である。それに対します、子供がふえるあるいは安心して子供が育てられるというのは、これは便益。すなわち、そこの費用対効果、まさにBバイCのところを一回ここでやはりきちんと見ていく必要があるのだろうというふうに思っておりますが、この児童手当の支給拡大の費用対効果、これを一体どういうふうに見られているのか。

 あるいは、直近で申しますと、前回、すなわち平成十六年の四月に、小学校三年までの拡大というのがなされております。すなわち小学校一年生、二年生、三年生に三学年分拡大をした。約三百万人強の支給対象の拡大になるわけでございますが、そのことに対します政策評価もあわせてお伺いをしたいと思います。

北井政府参考人 児童手当につきましては、今回、支給対象年齢を小学校三学年修了前から小学校修了前までに引き上げることといたしておりまして、今御指摘いただきましたように、これによって支給対象児童数が、約九百四十万人から約千三百十万人ということで、約三百七十万人の増ということになります。

 さらに、十六年四月に改正をしておりまして、そのときには対象年齢を小学校就学前から小学校三学年修了前までに引き上げたわけでございますが、そのときには支給対象児童数が約二百七十万人増加をいたしております。

 こうしたことで、費用対効果というのはなかなか難しい御質問でございますけれども、こうした累次の対象年齢引き上げ等によりまして、これらの児童を養育される多くの家庭の生活の安定、児童の資質の向上に成果が上がっているというふうに考えておるところでございます。

寺田(稔)委員 なかなか、個別の費用対効果の算出、いろいろな前提の置き方あるいは推計の置き方等によっても変わるわけでございますけれども、私がラフに行った試算では、一人当たりに換算いたしますと、約二百三十万円のかかった費用に対しまして、将来的な便益、これも便益をどこまで含めるかというのはありますが、非常に狭く、その人が成人をして働く、そして平均的な就労者所得を得る、そして大体三十年強働いて退職をするという前提でございますが、税収ベースでいいますと約二百八十万円の税収増につながるということで、十分BバイCは大なり一というふうな算式も、これはもちろんいろいろな前提によって条件は変わってきますが、今回の拡大については何とかぎりぎり是認できる範囲かなというふうな気もいたします。

 そうした中で、この児童手当とともに措置をされておりますところの出産一時金の問題があるわけでございます。

 今回、三十万円から五万円増額いたしまして、三十五万円という増額になっていて、これは非常にウエルカムな施策であるわけでございますが、片や、現実に出産にかかります経費、これも、私が同僚議員とともに試算をいたしましたところ、地域によるばらつきもございます、そしてまた、いろいろな条件によって差が出るわけでございますけれども、大体五十万円から六十万円かかるというふうな試算もあるわけでございます。

 そうした中において、もちろん今回の引き上げはウエルカムでございますけれども、将来的には、五十万ないし六十万といったようなレベルを目指して、出産一時金のさらなる増額を行うべきというふうに考えますが、この点についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。

水田政府参考人 お答えいたします。

 今般の医療制度改革におきましては、少子化対策の観点も踏まえまして、お話のありましたとおり、平成十八年十月から、最近の分娩料の状況を踏まえまして、出産育児一時金を三十万円から三十五万円に引き上げることとしてございます。これにあわせまして、平成十九年度からは、産休中の間に支給されます出産手当金の水準を、従来の賃金の六割相当額から賃金の三分の二相当額へ引き上げ、さらに、平成二十年度から、二割負担となっております乳幼児の年齢を、三歳までから義務教育就学前までと引き上げることとしてございます。

 こういった健康保険法等の改正案を提出しているところでございまして、まずはその実現を図ることが必要であろうかと思ってございます。

 お話のありました出産育児一時金のさらなる引き上げについてでございますけれども、分娩料が地域や医療機関によってさまざまである中で、平均的な分娩料の水準をもとに設定しているということがございますので、これらを踏まえますと、厳しい医療保険財政のもと、慎重な検討が必要、このように考えてございます。

寺田(稔)委員 出産一時金の増額につきましては、仮に、現行の三十万を倍増する、すなわち六十万円にするというふうな前提で考えてみますと、事業費ベースで約三千六百億円、これは医療保険の負担になる。当然、医療保険がパンクをしますから、国費ベースでは、今の医療財政の現状を踏まえますと、約千五百億円を国費ベースの歳出としてつぎ込まなければいけないというふうなことにもなってくるわけでございます。

 したがいまして、現実的に、今、三十万から三十五万円への引き上げ、これは是とするものでございますが、将来課題として、財源をいかに確保していくか、そして、そうした財源確保の中で、トータルのパッケージとしての少子化対策、すなわち、どれだけ希少な財源を児童手当に振り向け、そして出産一時金に振り向け、あるいはさらに放課後児童クラブ等々他の施策あるいは医療関係の施策に振り向けるか、そういう全体の制度設計をこれから本格的に考えていかなければならないというふうに認識をしているわけでございます。

 そのような観点から見たときに、今後、本格的に子育て支援そしてまた少子化対策を行っていく場合、今も申し上げましたが、放課後児童クラブというふうな施策があるわけでございます。今回、拡充をされたやにお伺いをしておりますが、この拡充の中身、そして今後の方向性につきまして、御所見をお伺いしたいと思います。

北井政府参考人 放課後児童クラブの今回の拡充の状況でございます。

 放課後児童クラブにつきましては、子ども・子育て応援プランにおきまして、平成二十一年度の目標値を全国で一万七千五百カ所つくるということにしているわけでございます。現在、全国で一万五千百八十四カ所で実施をしているということでございますので、平成十八年度予算案におきましては、まずは、できるだけ早期にこの目標値を達成するために、対前年度九百カ所増の予算を計上いたしております。予算額も、十七年度は九十五億円ほどでありましたのが、十八年度予算案におきましては百十二億円ほどの予算を計上しておるところでございます。

 また、あわせまして、障害児の受け入れを推進するために、補助対象となる人数要件を撤廃するといったような改善も行っているところでございます。

 厚生労働省といたしましては、引き続き予算を獲得していきたいと思いますし、また、地方自治体に積極的な取り組みをぜひやっていただきたいということで積極的に促して、放課後児童クラブの推進のための努力をしていきたいというふうに考えております。

寺田(稔)委員 放課後児童クラブを拡大していくということでございますけれども、十七年度のクラブ数は一万三千二百であるというふうに認識をしておりますが、今言われました一万五千百八十四というのは地単分も入っての数字という理解でいいわけですね。わかりました。国費ベースでは一万三千二百クラブでございます。

 私は、全国のすべての小学校、三万校近くあるわけでございますが、やはりここまで最終的には拡大をすべきであろうというふうに考えております。

 また、今現在、文科省の方でも類似の施策を行っております。いわゆる子どもの居場所づくり事業ということで、文科省の方では七十億円の予算を投入しまして、全国で今八千カ所で行っております。

 そして、これも、放課後、学年の違う子供との交流、あるいはさまざまな地域の人々との交流、さらには、いわゆる人づき合いについて学んだり、当然自分の自学自習も行うというふうなことで、いわば放課後児童クラブとある意味似たような事業をお互い行っている。

 決して縦割りではいけないわけで、十分に横の連携もとられて、文科省との連携をさらに強化して、子育て支援につなげていただきたいというふうに思うわけでございます。

 そのように考えますと、少子化対策というのをこれからさまざまな側面から強化していかなければならないわけですが、今回の児童手当、少子化対策を行っていく上で、全体としての少子化対策のさまざまなパッケージの中で、児童手当というのを一体どういうふうに根幹的なものとして位置づけていくかというふうなことが、当然、厚生労働省としても中心的な命題になってくるというふうに思うわけでございますが、この点についての大臣の御所見をお伺いいたしたいと思います。

川崎国務大臣 先ほども申し上げましたけれども、経済的支援の中で、ある意味では一番わかりやすい支援としては、子供さんが誕生したら、国が小学校に上がるまではこういう形で支援をしますよというふうにやっていく。実は税でもかなり支援をしております。これは、手当でやるか税でやるか。簡単に言うと、税でやるとなかなか見えにくい。私は、手当というのは、ある意味では見えやすい方法であろうと思います。

 そういった意味では、諸外国の例も見ていますと、だんだん流れとしては税から手当に変わってきているなという感じを受けております。ただ、問題は、大学生とか高校生、一番教育費がかかるところですから、当然そこへも支援してやらないと、ある意味では教育という面での支援として税の支援がこの部分はあるのかなと。ですから、そこが、今、寺田委員が言われましたように、総合的に議論されながら最終の結論を出していかなきゃならぬ。

 ただ、そのときに、この手当問題だけで結論を出すのではなくて、総合的に少子化対策として何をやるか、何が有効、適切であるか、やはりその中の優先順位をつけてやりませんと、最終的には財政的な問題になってまいりますので、そういう意味では、先ほど委員がいろいろ数字を出して御指摘いただきましたけれども、まさに、我々もしっかりした数字を出しながら物事を議論して決めていかなければならないだろう。

 政府・与党としましては、六月ごろを目途に、この考え方を、一方で、政府全体としては歳入歳出問題、当然その中に社会保障問題というのは大きく絡んできます。社会保障問題の中で、当然、少子化対策というものを、縦の大きな項目になっていますから、そういったもの全体を合わせながら決めていかなければならないだろうと思いますけれども、国民にわかりやすい援助として、私は、やはりこの児童手当というのは大事にしていきたいし育てていきたい、こう思っております。

寺田(稔)委員 まさに私も同じ認識でございまして、ぜひ、六月のこの取りまとめに向け、これは、少子化対策という意味では内閣府の特命担当大臣として猪口大臣おられるわけでございますけれども、大臣の方からも、今のお考えを猪口大臣に御教示をいただければというふうに思うわけでございます。

 そうした中において、今回さまざまな施策を打ち出しておりますが、政府としてのこうした取り組みに加えまして、当然、重要なことは企業の取り組み、すなわち両立支援という側面、あるいは復職支援もございます。そのような取り組み。また、地域におけます取り組み、放課後児童クラブ等もその一環でございます。またさらに、家庭におけます取り組み。これらをまさに全体としてレベルを高めていくことによって、子育て支援を社会全体としてサポートしていく、支えていくというふうな姿勢が当然重要でございます。

 特に、企業においては、働きながら子育てができる、そういういわゆるファミリー・フレンドリーな企業をぜひとも厚生労働省としても推奨をし、大いにそういったような施策を後押しをしていただければというふうに思うわけでございます。

 さて、そうした三位一体改革の大きな流れの中で、当然、今回の法案、児童手当だけではございません。全体の、国から地方へという大きな部分を包含しているわけでございますが、国と地方との役割分担、あるいは費用分担が当然論点になってくるわけでございます。

 実は、昨年の後半も国と地方とで協議会を設けまして、地方側の意見、これは首長さんを中心に地方側の意見、それと関係各大臣の間で非常に濃密な議論が行われたわけでございます。そうした中で、地方に一体何を移すかという地方への移譲項目などについて一部で意見の対立がある局面があったのも事実でございます。そうした中の一つが生活保護分野であるわけでございます。

 この生活保護については、政府・与党合意で、最終的に、いわゆる補助率の変更は行わない、すなわち国庫負担率の変更は行わないというふうなことが合意をされました。

 しかしながら、当然のことでございますが、制度をちゃんと運用していくという意味での制度の適正運用が重要であるというふうなことも同時にうたわれたわけでございまして、制度を適正に運用していくということが重要であることは当然であるわけでございます。

 では、そうした中で、国として、今後の大きな改革の流れ、そしてまた、制度を適正に運用しなければいけない。特に、生活保護の制度運営については、当然所管大臣として川崎大臣が御担当になるわけでございますが、生活保護を今後一体どういうふうに進めていき、運用適正化を図っていかれるのか、お伺いをしたいと思います。

川崎国務大臣 二年前に生活保護の問題について、児童扶養手当とあわせて、国と地方で議論をしていこうということで昨年までやってまいりました。残念ながら、お互いの議論が煮詰まりませんでした。基本的にはどういう国家を目指すかというのがお互いまだ定まっていないのかなと私は思うんです。

 例えば、ドイツ型の分権まで行くんだということになれば、生活保護もドイツを見れば、これは教育も含めてですけれども、やはり州というのが基本ですね。しかし、フランスのような中央集権国家になれば、これは当然生活保護は全額国が持つ、こういう議論になる。ではアメリカはどうですかというと、やはり国と州がそれなりに負担をし合っていますね。我が国がどういう方向を目指すかというところが一番大事なんだろうと。

 その中で、最終、煮詰まりませんでしたので、私の方から、この問題、残念ながら煮詰まりませんでしたと。しかし、煮詰まらないまま国の方から強引にやるということはしない方がいい、国と地方はやはりお互いが重層的にかみ合いながらやっていく。したがって、そこで合意をいたしましたのは、生活保護費について適正化を図らなければならないということは、知事さんそして市長会の代表の皆さん方も合意をしていただきました。したがって、適正化をしなきゃならぬ。

 その中で、どんなことがあるかということになりますと、例えば資産調査の問題。財産を持っているけれども生活保護をもらっている人がいるんじゃないかという疑いを持たれている。実際、そういうものも出てくるわけですね。そういうものの関係機関との連携、これは地方自治体もありますけれども、税との関連もあります。そんなものをしっかりやっていこうと。

 それから、金融機関との関係が当然出てまいります。

 それから、年金を担保にする貸し付け、これは生活保護の方々にやめてくださいよという意見が地方から特に上がってきて、これはことしの四月からやめることになります。

 それから、新聞記事にも出ておりましたが、暴力団員がもらっているんじゃないか、これはだめだよということで対応してもらう。

 不正受給等が起きた場合は刑事告訴をするというようなこともやはりしっかりお互いがやっていかなければならないねと。

 これは、特に大都市が数的には多うございますので、大都市の方々と、今、東京なり大阪なり個別の議論に入らせていただいて、やはり大事な税でございます、適正に生活保護費というものが支給されるように環境整備を進めてまいりたい、このように思っております。

寺田(稔)委員 ぜひとも今後、その適正運用に努めていただきまして、自治体を大いに慫慂していただきたいと思います。

 終わります。

岸田委員長 次に、上野賢一郎君。

上野委員 自由民主党新人の上野賢一郎でございます。

 本日は、政府提出の法案につきまして、閣法につきまして、質問をさせていただきたいと考えております。

 今回提出されました法案ですが、これは三位一体の改革という観点とそして少子化対策という、大変大きな二つの視点を盛り込んだ非常に重要な法案だと認識をいたしております。私の本日の質問も、この二つの視点に沿った形で質問をさせていただきたいと存じます。

 今回の三位一体の改革でございますが、これは、地方にできることは地方にという小泉内閣の基本的な姿勢に基づき実行されたものでございますが、税源移譲につきましては三兆円、そして補助金改革は四兆円という、これまでにない大規模な、そして画期的な改革であった、地方分権を財政面で裏打ちをする大きな改革であったと認識をしております。

 そこで、お伺いをいたします。

 この三位一体の改革に際しましては、地方団体からの改革案、これをベースに検討を進められてまいりましたけれども、厚生労働省としてはどういった観点から今回の改革について検討を進めてきたのか、そのスタンスをお伺いいたします。

 それから、あわせてですが、今回、地方提案につきまして、その実現度合いということが問われておりますけれども、厚生労働省、ほかの各省に比べましてやや低い割合、十数%の実現度合いであったというふうに承知をしておりますが、この理由につきましても、あわせて御教示をお願いいたします。

塩田政府参考人 国民の安心と安全を守るという社会保障分野、厚生労働省の政策分野におきましては、さまざまな形で国と地方が重層的な形で役割を分担して、協力して仕事を進めていくことが不可欠な分野と考えております。こうした観点も踏まえまして、御質問にありましたように、地方にできることは地方にという方針のもとで、これまで三位一体の改革に取り組んできたところでございます。

 昨年の七月に地方六団体から提案がございました。全体で九千九百七十三億円でございました。このうち厚生労働省分が四千七百五十億円、全体の約半分が厚生労働省に関するものだということでありました。そして、中でも経常的経費が三千四百二十九億円を占めていたわけでございます。

 地方提案の中には、例えば、SARS対策のような健康危機管理対策、これは国が緊急時に迅速に対応する必要がある分野だと思います、でありますとか、ホームレス対策など地域偏在が著しい事業、こういったものが約四百億円ございました。それから、昨年改正していただきました介護保険法の施行に関するもの、あるいは新しく法律をつくっていただいた障害者自立支援法、そういう施行に関するもの、また今国会で御審議をいただく医療制度改革の実現のために必要なもの、こういったものが約一千八百億円ございました。また、少子化対策あるいは児童虐待対策など、国も責任を持って今後力を入れて対応すべきものが約一千百億円ございました。

 そういった意味で、廃止とか縮減が困難な補助金が大半であったわけでございます。このため、最終的な政府・与党合意の中には、地方六団体の要望の中に含まれていないものが盛り込まれているということでございます。他省庁に比べて若干成績が悪くなったという点があるわけでございます。

 そうした一方で、生活保護の国庫負担割合の見直しにつきましては、適正化については国と地方が協力してやっていこうということで合意ができましたけれども、負担割合の見直しにつきましては合意が得られなかったということで、実施をしないということにしたわけでございます。

 また、地方から特に要望の強かった施設整備費の補助金につきましては、可能なものについて運営費とセットで税源移譲の対象とするなど、地方の意見についても十分尊重したつもりでございます。

 いろいろな過程、真摯な議論を通じまして、政府・与党としての最終的な結論を得たものと考えております。

上野委員 ありがとうございます。

 いろいろな観点からの御検討をされたものと思いますが、また今後も引き続きですが、地方分権改革につきましては終わりがないということが言われておりますので、また第二期の改革が今後どういった形で出てくるのかは今後の検討次第でございますが、その際にも、地方からの視点ということも十分踏まえた上での御対応というものをお願いしたいと思っております。

 それでは、今回の法律案でございますが、児童手当につきまして、国と地方の負担割合の変更が規定をされております。三位一体の改革というのを考える際に、その重要な視点として、行政サービスが国民の満足度の向上につながるのかどうかという点が重要かと考えています。そうした点から申し上げますと、やはり地方の自由度ということが問われるのではないかと私は考えています。行政サービスを具体的に提供する、その提供の仕方、あるいは具体的な内容、そうしたことに関して地方の自由度というものがどれぐらいあるのかということが一つのメルクマールになるのではないかなという感じを持っております。

 そういう観点から申し上げまして、今回の児童手当についての負担の見直しは、そもそもは地方からの要望には入っていなかったものというふうに理解をいたしておりますが、これを三位一体の対象として取り上げられました、その理由をお伺いしたいと思いますし、また、あわせまして、地方の自由度というものがどのように確保されているのか、それにつきましてお伺いをしたいと思います。

 なお、この法案では、第二十九条第二項におきまして、地方からの意見具申というような制度も新たに導入されておりますが、この趣旨も含めて御説明をお願いいたします。

北井政府参考人 今回の三位一体改革におきまして児童手当が対象となった経緯でございますけれども、児童手当につきましては、この改革の議論の中で、児童扶養手当との整合性ということが議論になりました。児童扶養手当と趣旨、目的が違いますけれども、同じ子供に係る手当でありますことから、地方団体より国、地方の負担割合の整合性について御指摘を受けたことがございます。そうしたことも含めまして、結果的に、政府・与党において調整の結果、この両制度ともが、国と地方がともに協力し合って重層的に行うことが重要であることから、児童扶養手当と児童手当を同様に、国と地方の負担割合を、国三分の一、地方三分の二に変更することになったものと承知をいたしております。

 次に、地方の裁量ということについてでございますが、確かに、児童手当自体は現金給付事務でございますので、それ自体の直接的な地方裁量の拡大につながるものではございませんけれども、この結論については、地方団体とも十分な協議を行った結果、結論を得たものでございますし、この改革の趣旨は、税源移譲と一体で行われる改革全体の中で実現されるものと理解をいたしております。

 それから、御指摘の二十九条二項についてでございますが、やはり、事務の簡素化を初めとして、実務面において制度の円滑な運営を図るために、地方の声をいろいろ伺っていく必要がございます。そうした観点から、今般の改正において地方の意見具申ということを規定させていただいたということでございます。

上野委員 この意見具申制度というのは、私は非常に結構なことだと考えております。実際にいろいろな事務を行うに当たりまして、その運用上の問題になると思いますが、いろいろな観点から、地域の実情に合わせた形で給付ができるように、そうした観点も含めまして、また今後とも制度の円滑な運用ということをお願いしたいと思っております。

 三位一体ということはそういうことでございますが、今回は、少子化対策として児童手当の引き上げというものが定められております。少子化対策を進める上で、経済的な負担、これを緩和するということは最も重要な要素の一つだと私は思っておりますが、その意味でも、今回の改正案は非常に高く評価できるのではないかと思っております。

 そこで、お伺いをいたします。

 この児童手当ですが、少子化対策についてどのような効果を生むと考えていらっしゃるのでしょうか。これまで実施をされてまいりました結果の分析ですとか、あるいは出生率との関係、また諸外国の状況、そうしたものも含めて御説明をお願いいたします。

北井政府参考人 児童手当の引き上げと少子化対策への効果、こういうことでございますが、子育てに関する負担感という問題は、経済的な問題だけではなくて、仕事と家庭との両立といったような負担感など、さまざまでございますので、児童手当だけを取り出して効果を測定するということは大変難しいことでございます。

 しかしながら、そうした中で、諸外国の調査では、児童手当などの経済的支援と合計特殊出生率には、弱いけれども正の相関を示すということを示唆されている調査もございます。私どもでは幾つかの研究の成果も承知をいたしておりますが、必ずしも、国際的にもあるいは我が国内においても、明快に児童手当そのものと少子化対策との効果ということが立証できている研究はまだ十分ではないんじゃないかというふうに考えております。

 私どもとしては、さまざまな要因も影響しますので、諸外国の調査における手法なども勉強をしながら、そうしたことを参考にしながら、さらに考えていきたいというふうに考えております。

上野委員 私も、地元でミニ集会なんかを行いますと、特に三十代のお母さん方、既にお子さんをお持ちの場合ですが、もう一人産むかどうかというときに、経済的な将来の見通しがどうかということを考慮するというお話をよくお伺いいたします。確かに、そういう意味で、もう一人産むかという判断の際に、こうした経済的負担を緩和するような措置、児童手当の問題というものが生きてくるというか、そこで効果が働くのかなという感じを持っているところであります。

 今なかなか実証的な研究は難しいというお話がありましたが、先ほど寺田委員からもBバイCのお話が出ましたけれども、これだけ国の予算あるいは地方の予算を投入している非常に重要な施策でございますので、ぜひその効果というのを定量的に検証していただく、そういうことに努めていただきたいと思っております。

 平成十二年、十六年と支給年限が大幅に引き上げられてきて、対象も大幅に拡大をしておりますので、そうした状況も踏まえて、実証的な研究、ぜひこれはやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

北井政府参考人 御指摘の実証研究でございますが、やはり効果が検証できるようになるまではある程度かなりの期間を要するものでございますし、他のさまざまな要因も影響することからなかなか難しいとは思いますけれども、諸外国の調査における手法なども勉強いたしまして、考えていきたいというふうに考えております。

上野委員 ありがとうございます。ぜひ前向きな検討を進めていただきたいと思っております。

 それで、子育てにお金がかかり過ぎるというお話ですが、国立社会保障・人口問題研究所の第十二回の出生動向基本調査、これによりますと、子育てや教育にお金がかかり過ぎると答えた方の割合、これは妻の割合でございますが、三十歳未満ですと八〇%を超えているんです。しかしながら、三十代前半では七五%程度、それから三十代後半では約六割というふうに、年を重ねるごとに負担感というのがこの調査ではだんだん軽減されている、そう感じる人の割合が減っているという数字が実際にございます。

 私は、やはり子育て、特に若年層の親御さんたちについて非常に負担感が強いのではないかという感じを持っておりますけれども、少子化対策を考える際に、こうした若い世代の皆さん、また小さいお子さんを抱える世代の皆さんに焦点を絞った対策、これも児童手当のほかに重層的に対応していくべきではないかと考えておりますが、この点について、具体的な対応策等につきまして、御検討の状況があれば御教示をお願いしたいと思います。

北井政府参考人 児童手当以外の特に若い子育て家庭に対する経済的支援ということでお答えを申し上げたいと思いますが、今回の医療制度改革の中で、平成十八年十月から、出産育児一時金を三十万円から三十五万円に引き上げること、それから、平成十九年度から、出産手当金を従来の賃金の六割相当額から三分の二相当額に引き上げること、それから、平成二十年度より、乳幼児医療費二割負担の対象を、三歳までから義務教育就学前までに拡大することといった内容を含む関係法案を今回国会に提出をしているところでございまして、こうした乳幼児医療あるいは出産にかかわるところの経済的支援も行おうとしているところでございます。

 また、あわせて育児休業中の支援ということでございますが、雇用保険の被保険者たる労働者が、一歳未満の子を養育するための育児休業を行う場合に、休業開始前賃金の四〇%に相当する額の育児休業給付を支給するといったような施策を講じているところでございます。この四〇%は、育児休業期間中は社会保険料が免除されていること等を勘案しますと、実質五割を超える水準になりまして、失業者の給付と同等の水準にまでなります。こうしたことでも支援をしているところでございます。

 少子化対策は、いずれにいたしましても、幼い子供を抱える若年層も念頭に置きながら、経済的支援のみならず、さらに若年者の自立策といったようなことも含めて、総合的な取り組みをしていかなければならないと考えております。

上野委員 ありがとうございます。

 今出産費用の問題とか出ました。これも寺田委員から先ほどお話があったとおりでございますけれども、やはり地域によって差はあると思いますが、相当程度負担感があるというようなことだろうと思います。そうした出産費用の問題ですとか、あるいは幼児教育、これを今後どうしていくか、無償化という議論もございます。そうした問題について、幅広い観点から、今後総合的な検討をぜひ進めていただきたいと考えております。

 この点につきましては、文部科学省等他省庁に関連する事柄ですので、質問ではなくて要望とさせていただきたいと思いますが、若い世代の経済的な負担、この問題についての前向きな検討を今後ともぜひお願いしたいと思っています。

 先ごろ、八日でしたでしょうか、厚生労働省の方で発表されました二十一世紀成年者縦断調査によりますと、これは追跡調査のような形のものでございますが、平成十四年、その当時独身だった若者が十六年までの二年間の間に結婚した割合、これは、実は正規雇用者は一〇%を超えております。しかしながら、非正規の雇用者については約三%、無職の方はさらにそれより低い数字ということが統計の数字として出ております。非常に大きな差異が認められると思うのですが、少子化対策、一般に非婚化ですとか晩婚化、それが原因と言われております。そもそも結婚をしていただけないというような状況というのは解消していかないといけないと思っておりますが、そういった意味でも、若者、特に最近、ニート、フリーター、これが約二百万人と大変大きな数になっております。

 こうした人たちに対してどういう政策を講じていくのか、特に少子化という観点から、あるいは結婚を促すという観点から、どういう対策を講じていくのかというのも私は非常に重要な観点だと思っております。これにつきまして、具体的な対応等ございましたら御説明をお願いいたします。

鈴木政府参考人 若者の雇用と結婚の問題、確かに御指摘のような状況がございます。最近の雇用の環境を見ますと、全体の雇用情勢がよくなる中で、若い方の雇用環境、これも改善をしてきております。ただ、残念ながらまだ失業率で見ればかなり高い水準にありますし、今御指摘がありましたように、フリーターと言われる方、この二年間減少してきておりますが、まだ二百万人台でございます。

 こうした状況が続きますと、本人にとっては、必要な技能、知識の蓄積がなされずに、その結果将来の生活が不安定になるという懸念がございます。そういう観点から、少子化対策という観点からも、若者の雇用の安定ということが極めて重要というふうに考えております。

 そういう観点から、今年度はフリーターの方、年間二十万人に常用雇用化してもらう、そういう目標を立てまして現在取り組んでいる最中でございます。この目標の達成を確実なものにして、それから、来年度は目標を五万人引き上げて二十五万人の常用雇用化ということを考えております。そういう施策を積極的に講じながら若い方の雇用の安定を図っていきたいと考えております。

上野委員 なかなか政策として非常に難しい分野だとは思いますが、やはり若者の定職化というかそういう対策についてもぜひお願いをしたいと思いますし、今お話しのようなことをこれからも積極的に進めていただきたいと思います。

 ただ一方で、ニート、フリーターであっても子供を産めるというような観点も実は重要ではないかなと考えておりまして、これも私ども新人でいろいろ勉強会をしている中でそういう意見がございます。なかなか職がないと結婚できない、子供を産めないという状況は、それはそうなんですが、そうでなくても産めるというような発想の転換も私は必要ではないかなと思っております。これについては、また機会がありましたら別途議論をさせていただきたいなと思っております。

 さて、この調査ですが、同じく平成十四年の調査のときに既に第一子の方がいらした夫婦の場合ですが、その後夫の育児時間が増加をした場合には二二%の夫婦で第二子が誕生している。その後夫の育児時間が減少した夫婦の場合は一二%しか第二子が産まれていない。そういった形で、男性の育児参加というのが第二子を産むということに関して重要なファクターになっているというような調査結果が出ております。

 男性の育児参加については、これまでいろいろな施策がとられておりますが、なかなか実態として、例えば、育児休暇の取得率も低いですし、実際の育児を助ける時間というのも少ないというような調査結果があろうかと思いますが、こうした実態を踏まえて、男性の育児参加について、具体的な方策というものについて何かお考えはあるのでしょうか、お尋ねをいたします。

北井政府参考人 御指摘のとおり、少子化の流れを変えるためには、男性も女性もともに子育てにしっかりと力と時間を注ぐことができる働き方、そうした社会を実現することが重要であるというふうに認識をいたしております。

 こうしたことから、私どもとしては、幾つかの施策に取り組んでいるところでございます。

 例えば、一つには、男性の育児参加促進のためのモデル的な取り組みを行う企業二百社を選定いたしまして、この二百社に対する支援を行いまして、こうした取り組みの好事例を普及していくことといたしております。

 さらに、第二には、次世代法に基づきまして、男女ともに仕事と子育てを両立しやすい職場環境を整備するための企業の行動計画をつくっていただくこと、それからそれを具体的に実施して成果を上げていただくこと、これを支援するといったことに取り組んでいるところでございます。

 また、あわせて、昨年の国会で時短促進法を改正していただきまして、個々の労働者の健康と生活に配慮するとともに、多様な働き方に対応した労働時間の設定の改善を図るための法律ということに改正をいただいたところでございまして、本年四月からのこの法律の円滑な施行に向けて準備を進めているところでございます。

 こうしたことで、今後とも一層企業に理解と協力を求めて、男性が育児参加できるような職場環境の整備を進めてまいりたいと考えております。

上野委員 ありがとうございます。

 政府では、先ほど大臣からも答弁がございましたけれども、六月に、骨太の方針とあわせまして、総合的な少子化パッケージの政策を打ち出すというお話を聞いております。その中では、ぜひ新しい新規玉、新規の政策についても盛り込んでいただきたいと考えておりますが、私は、やはりこの中で、今質問をさせていただきました若者対策、それから男性の育児参加、これは今までの政策ではなかなかうまくいかないというか難しい問題だと思います。この二つの問題もぜひ大きな柱として取り上げていただきたいと思っています。

 特に、今局長の方からお話がございましたが、男性の育児対策で今モデル的に育児参加企業への支援を行っているというお話がございました。これは今、今年度から始める予定だと伺っておりますが、全国で二百社限定ということでございます。私は、もう少しこの枠を広げてもいいと思いますし、あるいは一般的な制度としてこうしたものを定着させていくという視点も必要ではないかと考えております。

 さらには、男性の育児参加ということですが、これもなかなか、いろんな政策があるんですけれども、うまく実効性が上がっていないという面があります。私は、やはり法律の中できちんとそうしたことも位置づけるというような視点が必要かと思っています。男性の育児参加について努力義務のようなものを法案の中で規定して、それを根拠にしていろんな政策を進めていくという視点も必要かなと考えているところでございます。

 いろんな方策が考えられると思います。私ども自由民主党も、自民党の部会ですとか、いろんな観点で党の方針をまとめていくわけでございますが、ぜひ政府の方でも、各省が連携をしてそういう政策を実行していただきたいと思っております。そうした点も含めまして、六月の取りまとめに向けまして、どういう観点で、あるいはどういう姿勢で少子化対策に厚生労働省として取り組んでいかれるのか、その方針なり姿勢につきまして御説明をお願いいたします。

中野副大臣 上野委員の御質問にお答えをしたいと思いますが、御指摘のとおり、若者の雇用の安定と男性が育児参加できる働き方というものは、少子化対策を推進するに当たって大変重要な課題であると認識をいたしております。厚生労働省といたしましては、子ども・子育て応援プランや若者の自立・挑戦のためのアクションプランに基づきまして、今日まで、今いろいろ御指摘もございましたけれども、取り組みを進めてきたところでございます。

 今後は、御指摘の、若者の雇用の安定といいましょうか若者対策と、それから男性の育児への取り組みに向けましてという二つの課題に対しまして、さらにどのような方策が考えられるかということについては、今御指摘のとおり、六月の骨太の方針、またその他の取りまとめに向けまして、関係省庁と密接な連携を図りながら、前向きに、積極的にこのことを検討してまいりたいということを考えておりますので、どうか御支援を賜りたいと思います。

上野委員 副大臣、ありがとうございます。

 この検討に際しましては、ぜひ、地方の声ですとか、あるいは民間で一生懸命頑張っていらっしゃる皆さんの声、そうしたものを積極的に勘案していただいて、政府としての方針を取りまとめていただきたいと切にお願いをするものでございます。

 それでは、また三位一体の関係に戻らせていただきますけれども、昨年末、政府内部でいろんな議論がございました。その中で、生活保護費の問題が最後大きな争点として取り上げられたわけでございます。これにつきましては、憲法上の要請ですとか、あるいはいろんな観点があろうかと思いますが、平成十七年の十一月三十日、昨年の十一月三十日の政府・与党合意におきましても、国と地方が一致した適正化方策については速やかに実施するというふうにされております。

 今、生活保護の実態でございますが、保護世帯を類型化いたしますと、昨年の十一月現在で、その約四割が高齢世帯となっております。今後、高齢化が進展するにつれまして、生活保護世帯の増加ということも懸念をされるところでございますし、その際、国民の最低限の生活を保障するという、これは憲法上の要請でございますのでもちろんしっかりと対応しなければいけませんが、一方で不正受給という問題もさまざま露見をしているということでございます。

 国と地方の財政環境、これからますます厳しいことが予想される中で、やはり生活保護政策、生活保護費の問題についても厳格な制度運用というようなことが求められると思いますが、この点につきまして、国と地方の協議会では幾つかの提案がされております。例えば、先ほど大臣お話がございましたが、金融機関の調査協力の義務づけですとか年金担保貸付制度の見直し、あるいは被保護者の資産処分の厳格化、これは、資産がある程度あっても、それを売却せずに生活保護費を受けていらっしゃるというような実態もあると伺っておりますが、こうした問題に関して、厚生労働省としての検討状況あるいは対応状況、どうなっているのかについて御説明をお願いいたします。

中村政府参考人 お答えを申し上げます。

 委員から御指摘ございましたとおり、国と地方で合意いたしました項目については速やかに取り組むということで、厚生労働省では、年度内に、地方側からの要望事項を含めまして、適正化方策を取りまとめまして、生活保護行政を適正に運営するための手引として地方自治体にお示しし、十八年度以降はこの手引に従ってさらなる適正化を図っていただきたい、こういうふうに思っております。

 今委員からお話のございました数点につきましては、先ほど大臣からも御答弁申し上げましたけれども、地方自治体から強く御要望がございました年金担保貸付制度については、来年度、十八年度からは、生活保護受給者の方に対しては年金担保貸し付けを行わないとか、過去に年金担保貸し付けを利用してそれが原因で生活保護を受給した方については、再度貸し付けを受けた場合には原則として保護を適用しないとか、厳格な措置を講ずることといたしております。

 資産調査の関係機関に対しましても、私ども、一層の御協力をお願いするとともに、地方自治体からは個人情報保護法があってなかなかうまくいかないというような御要望もございましたので、個人情報保護法との関係も整理し、きちんとやれば問題はないということも明らかにすることといたしております。

 また、二月には、地方自治体側とも私ども実務的な協議も続けておりまして、委員から最後にお話がありました資産の問題などについても、自治体からも御指摘を受けております。我々、今の保有基準が適正であるかどうかも含め、また、資産活用をするためにリバースモーゲージとかさまざまな手法が言われておりますが、これは一般の方でもなかなかうまくいかない、低所得の方に対してどうあるべきか、そういったことも含めまして、自治体側とも協議を進めまして、成案が得られましたら実施を図ってまいりたい、こういうふうに考えております。前向きに取り組んでおります。

上野委員 ありがとうございます。

 時間が参りましたのでこれで質問を終わりますが、最後お話にありましたリバースモーゲージの問題等も地方から非常に強い要望が出ておりますので、実態として難しい面もあろうかと思いますが、前向きな検討をぜひお願いしたいと思います。

 これで終わります。ありがとうございました。

岸田委員長 次に、松浪健太君。

松浪(健太)委員 自由民主党の松浪健太でございます。

 国の補助金等の整理及び合理化等に伴う児童手当法等の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。

 さて、今回のこの法案によりまして、三位一体の改革が着実に進んでまいります。しかしながら、この三位一体の改革、私も、この国の財政が逼迫する中、非常に重要なものであるということはわかっておりますけれども、地方には大きなしわ寄せが行くのも事実であります。

 こうした中、特にお年寄りの皆様は将来に対しての不安を大きく持っていらっしゃいます。また、今回、児童手当の方は拡充されますけれども、これも先進国に比べれば、我が国の子育て対策に使われているお金というのは非常に少なくなっているのも事実でございます。

 まずは、そうした不安について一つ質問をさせていただきます。

 今回の三位一体の改革に伴いまして、特に国の施設整備費五百億円が二百五十億円となって、半分になって地方に移譲をされるわけであります。確かに、介護保険導入後、多くの施設ができたのも事実であります。

 しかしながら、私も現場を回っているときにその声に耳を傾けてみますと、多くの古い社会福祉法人は、長年措置制度のもとで繰り越しなどはほとんど認められてきませんでした。こうした中で、介護保険が導入された後、やっと非常勤の勤務員をふやしたんだとか、または食堂を一部委託にして何とか内部留保金というものを募ってきてここまでやってきたというのが実情であろうかと思います。また、そうした中で、経営努力が限界に来ているのに、今まさに介護保険法の改正でさまざまな点数が下がっていくという追い討ちにも遭っているわけであります。

 そこで、特にこうした古い社福法人についてですけれども、施設の建てかえ及び改修というものへの影響をどのように考えておられるのか、答弁を求めます。

磯部政府参考人 今回の地域介護・福祉空間整備等交付金の見直しにおきましては、特別養護老人ホームなどの広域型の介護施設の新築あるいは改築等につきまして助成してまいりました都道府県交付金を廃止し、税源移譲することとしております。

 この場合、これに相当する補助を都道府県等が行う場合には、総務省におきまして必要な地方財政措置が講じられると承知しておりまして、お尋ねのようなケースにつきましては、今後、都道府県により適切な対応が行われるものと考えております。

 また、存続いたします市町村交付金におきましては、先進的事業の推進について対象とすることとしておりまして、従来型施設をユニット型施設に改修するといった場合にも対象としていきたいと考えております。

松浪(健太)委員 地方では、本当に今現場で厳しい声が上がっておりますので、こうした方々に不安を与えないような、そうした施策をもっと皆さんにアピールをしていただきたいと思います。

 次に、今回、児童手当の拡充がなされるわけでありますけれども、この児童手当の問題に入る前に、まず、子供というものを大臣はどのようにお考えになっているのか、子供というものは一体何なのかということを伺いたいと思います。

川崎国務大臣 私は、子供ができたのは八年目なんですよ。正直言って、サラリーマンの時代にできなかった。一回目の選挙に落選しまして、二回目の選挙に当選して、それからやっとできました。そのときに、授かったという思いをしました。天からの授かり物だなと。そういう意味では、子供というのは、そんな思いを持っております。

松浪(健太)委員 ありがとうございました。

 私も、実は母親が大臣より一つ年上でございまして、大臣にとっては子供のようなものかもしれませんし、実は前回の選挙で落選後十日後に親になりまして、子を持つ一児の親でもございます。

 そうした中で、私は、子供という言葉の表記の問題をちょっとここで取り上げたいと思います。

 実は、今、子供という表記が、こどもの日、また今文部科学省の方で論議されます認定こども園、これは全部平仮名になっております。そしてまた、新聞等では割と子供というのは漢字にするようにというルールがあるわけでありますけれども、一般に厚生労働省が取り上げる場合、子ども応援プランとかそういう場合には、子供はまぜ書きになっているわけであります。

 私は、子供はやはり、彼らは小さいけれども、本当に自立をした一個の人権として認めなければいけないと思います。そうしたときに、この子供のまぜ書きという問題ですが、私が子供のころから、この「子ども」のまぜ書きというのがございました。この「子ども」、私たち、実は子供心にどう思ったかといいますと、どうして「供」というのを学校で習っているのに平仮名にするんだろうかということを、我々非常に深く思ったわけであります。

 この「子ども」という、「ども」を平仮名にするために合理的な説明がなされたことは、今までなかなかなかったのではないかと私は思います。実際問題、厚生労働省等に伺いましても、何かこの「供」というのは、お供の「供」だから、そういう意味で差別的なんだという感じで使うのを避けてきたという経緯があるというようなことを聞きましたけれども、それに対する正確な経緯というのはないのが事実でございます。

 大臣は、「子ども」というこの表記についてはいかがお考えでしょうか。

川崎国務大臣 今も御説明いただきましたけれども、百科事典でこんなことが書いてあるんですよ。

 教育や福祉の世界では、要するに、「子供」と漢字の表現を避けて、「子」だけを漢字で書いて、「ども」は平仮名で表記が推奨されることが多い、その理由としては、子供の漢字の「供」の字は、お供え、すなわち子供が大人の附属物であることを連想させるため、また神にささげる供え物の意味につながるため、子供の「供」は当て字なので、漢字に意味なく平仮名にすべきだ、こんな議論もあったようです。こういう議論もある。

 一方で、私は正直言って、ねんきん事業機構というのは自分でつけたものですから、何でこれは平仮名で書かないんだと、「こども」全部、こういう議論をしたんです。いろいろな考え方があるんだろうと思いますね。漢字で「子供」と書いた方がいい、私のように全部平仮名で「こども」と書けという人もいる。

 そして、一般的な流れとして、これまで国会で御審議をいただき成立した法律はすべて、御指摘いただいたように、子供の「子」だけを漢字で書いて、「ども」は平仮名になっている。他の法律を見ますと、「こどもの日」、これは私の意見に合っているんですよ、平仮名で「こどもの祝日法」ということになります。

 そういう意味では、いろいろなこういう議論をしていくことが大事だと思います。今のところは大勢としては、「子」と書いて「ども」は平仮名で書くというのが世の中の大勢にはなっておるようでございます。

松浪(健太)委員 大臣のお考えもよくわかるわけでありますけれども、今御説明にありました、「供」が供えるとかそうしたイメージがあるというのは、あくまで個人の主観の問題でございまして、皆さんのお手元に産経新聞の五月五日の記事があるかと思うんですけれども、そうしたものには根拠がないというのは、これでおわかりになっていただけるかと思います。

 実際問題、民主党さんも今まさに子ども手当の法案を出していらっしゃるわけですから、ここでせっかくですから与党と違って見識をすぱっと見せていただければ、私はいいのではないかなと思うわけであります。

 あと、私も、こうしたところに書いてはいないんですけれども、「子ども」というのは、これは日本の伝統的な言葉遣いにしましては、私も元新聞記者ですので、非常に違和感があります。

 拉致というのは、「拉」は一時は平仮名で書かれていましたね、私が記者時代は。「拉」は常用漢字ではないから、拉致の「ら」は平仮名で、そして「致」だと。でも、「拉」という漢字は、てへんに立つぐらいはみんな読めるよと、ばかにされているような感じを大人も受けたわけであります。大人も受けたから、その拉致の「拉」、今皆さん新聞をお読みになって余り違和感は感じないと思います。常用漢字じゃないけれども、こんなばかにしたようなことはやめて使おうよということになっているわけであります。

 そして、もう一点だけ申し上げますと、「子ども」というのは、「ども」というのは複数形であります。複数形でありますから、女に「ども」をつけたら「女ども」、余りいい響きはいたしません。そういうふうに見ますと、やはり「子ども」の表記、私は考え直していただきたいと思います。

 まさに子供というのは自立した存在として、やはり彼らに合理的な説明を、学校でも、こんなどうしてばらばらなんだと聞かれて先生が困るようでは、私はやはり先生にとってもよくないことであると思いますので、これは政府一体となって、また文部科学省の所管のところで、私もお話をさせていただきたいと思います。まさに子供の問題で長くお話をして恐縮です。

 また、率直に申し上げまして、今回の児童手当の問題に移りますけれども、少子化対策としまして、やはりこれはある程度子供を持つ親の負担を軽減していくという考え方、これは非常に大事であると私は思っております。

 しかしながら、先週も私、地元でちょうどミニ集会をやりまして、それこそ三十代のお母さん方皆さんがいらっしゃって、児童手当、今、自民党案、民主党案、こうこうこうなっていますよというお話をしました。どっちもどっちやと言われてしまいました。お母さん方は割と優秀なお母さん方ばかりで、皆さん三人子持ちやとかいう方が多かったんですけれども、それでもやはり、子供を産むというのは、こうしたお金だけで子供を産む気にはなれないんだよというようなお話をされておりました。私も、それは非常にそのとおりだと思いました。

 実際問題、そろそろやはり日本は、平成元年の一・五七ショックからずっと、なかなか大きな政策転換を行えずに来たわけでありますけれども、この長期的に下がってきた出生率について、これまでのこうした政策をどのようにとらえていらっしゃるのか、これについての所見を伺いたいと思います。

川崎国務大臣 一つは、今、お金の話だけではないよというお話をいただきました。ドイツとフランスを比べるとまさにそうなっております。フランスはかなりいい数字まで変わってきた。ドイツは我が国同様、一・三台で悩んでいる。手当という面ではフランスよりドイツ、第一子からですからね、フランスは二万円ぐらい出していますけれども、第二子からですから。そういう意味ではドイツの方が経済的に、児童手当というだけでは実は多いわけですね。しかしながら、ドイツでは……。そうなると何ですかというと、やはり基本的な教育なり保育に対する考え方、ここがフランスとかなり違いますねというところがあらわれてくるんだろう。

 そういう意味では、日本も翻って考えたら、経済的支援と保育の面での支援、それから特に雇用の問題での支援、特に雇用の面は相当おくれているねと思わざるを得ない。したがって、この三つがうまくかみ合いながらやっていかなければならないんだろう。

 では、それで解決しますかと言われると、私はそうではないと思っているんです。特に、一人目をつくった人が二人目つくるときの子育て支援というのは物すごくプラスの面があると思うんです。問題は、一人つくる前の結婚という問題をもう少し考えなければならないんだろう。

 ヨーロッパより悩んでいますのはアジアの国々でございます。韓国、台湾ともに一・一台、シンガポールとか香港になるともっと低いですね。現実、この少子化問題というのは、アジア問題と考えた方がいいかもしれない。

 先日も韓国の方々と話をする機会がありました。そのときに、我が国は、実は私どもの出生率が四・三なんです。私は昭和二十二年です。昭和三十年に、七年ぐらいたったらもう出生率二・一に変わっているんです。何ですかと言ったら、家族計画、社会全体が余り子供が多いのはどうかなという形で切ったわけですね。方向性を切った。その流れがやはり来ていることは事実なんです。

 韓国はどうしてそんなに子供少ないんですかと言ったら、いや子供が多過ぎると言って、子供を少なくする方向へカーブを切った。その流れがずっと来た中に、先ほど言った社会の変化、特に女性の高学歴化、そして一方、高学歴で出た人たちを支えるものができ上がっていなかったというものが重なり合って今日の状況になっているんだろう。

 そういう意味では、子供の数が何で少ないんですかと言ったら、三分の二が結婚が少なくなっているという理由、三分の一が、実は今まで二・一あったものが、どうもこの調子でいきますと、皆さん方の世代はひょっとしたら二切る、一・七とかそういう数字になるかもしれない。今までは結婚したら二人子供をつくりますよと言ってきたけれども、どうもその数字が、今の若い世代、我々の息子たちの世代は違う数字になってきているな、こう思います。

 そこは、ですから、できるだけの支援をしなきゃならない。二人は産むような支援をしていかなきゃならない。しかし、もう一度、結婚というものについてどう考えるかというのをお互いがしていかなきゃならない。

 そこは、フランスは二つありますね。一つは、国全体でフランス人が多いということはいいことだ。これは韓国や日本のつい最近までの考えと違いますね。余り多過ぎるのはどうだと言ってきたのが、フランスは多いことがいいことだということが一つある。

 もう一つは、結婚というものの概念をフランスは緩めた。そうですね、婚外子というものは四五%になっている。事実上の結婚というものを認めて、戸籍まで入らなくても事実上結婚というものを認めて、社会全体として支援するような形になっている。

 さあ、そういった問題も複合的に、我々より、まさに世代を担う皆さん方でどうぞお考えいただいて、決めていかなきゃならぬのじゃなかろうかな、こう思っております。

松浪(健太)委員 まさに今大臣がおっしゃいましたパッケージの問題、そしてまた、若い者に結婚をしろと言われる。私も友人にはかなり勧めておるんですけれども、実際現場では難しいものがあるのも事実でございます。

 そして、今大臣おっしゃいましたが、確かにフランス、最近では、先日の新聞では一・九をさらに超えて、まだ上がっているというような報道もありました。確かにフランスでのやり方、非常に我々も参考にすべきところが多いとは私も思います。

 しかしながら、確かに今大臣おっしゃいました婚外子の問題、まさに日本と違う形態で生まれた子供の数が半分に近いような状況であると聞いておりますけれども、そうしたことが果たして、私は、日本ではそれはちょっと合わないんではないかと思います。やはり文化的な背景が違うわけでありますし、私は、日本は日本なりの、向こうでは二十を超えると、成人をしてしまうと、親も子も非常に自立をするから福祉が進んできた。

 しかしながら、我が国では、いまだに親と子の助け合いというのが非常に多く見られるところでありまして、私は、逆に、この核家族化した日本の中では、三世代で住めば優遇税制ぐらいを入れて、おじいちゃん、おばあちゃんも孫を見て、そして、それが保育のかわりになるし、子供たちにも教育になるといったような日本独自の補完のあり方があるべきであると思います。

 また、こうした家庭のあり方につきまして、一度中野副大臣に御所見を求めたいと思います。

中野副大臣 家族に対する考え方というものは、今大臣も申しましたけれども、国によっても、また国民一人一人の中でも違いがあるということは事実でございます。

 そういう中で、我が国としましては、少子化社会対策大綱にありますように、「家庭は、子どもが親や家族との愛情によるきずなを形成し、人に対する基本的な信頼感や倫理観、自立心などを身に付けていく場である。」こういう家庭の役割を大切にしながら、少子化対策としての施策を図っていきたい。

 ですから、いろいろな意味で、まだまだ大勢の人たちのいろいろな家庭観もございますけれども、やはり政策としては、この少子化社会大綱にあるような家庭観というものを持ってやりたいと思っております。

松浪(健太)委員 まさに我が国の文化を大事にした、こうした家庭観を大切にしながら少子化対策を行っていただきたいと考えております。

 さて、あと、今回の児童手当でございますけれども、我が国では、第一子、第二子までは五千円、そして次の第三子は一万円というふうに、三子についてインセンティブをつけているわけでございます。そして、民主党さんの案では、一律一万六千円ということで、すべて横並びということでございますけれども、まさにこうした二子、三子と子供がふえるにしたがってインセンティブをつけるということについての考え方をいただきたいと思います。

北井政府参考人 今御指摘いただきましたように、我が国の現在の児童手当の額については、一子、二子が月額五千円、三子以降が月額一万円ということになりまして、出生順位による差をつけているわけでございますが、この現在の姿になりましたまでの経緯についてちょっと簡単に御説明を申し上げたいと思います。

 児童手当につきましては、まず昭和六十年の改正において、それまでは、制度発足のときは第三子以降だけに支給しておりましたものを、六十年改正におきまして第二子に拡大をいたしましたが、その際に、第二子と第三子以降について、まず支給額について差を設けることといたしました。それからその後、平成三年の改正におきまして第一子にも支給対象とするということにいたしましたときには、第一子と第二子を同額といたしまして、現在の姿となっております。

 諸国の児童手当についての状況を見てみますと、ノルウェー、デンマークのように、順位にかかわらず一定額としておる国もありますし、イギリスのように、むしろ後の方が低くなっておる国もございますが、フランス、ドイツなどのように、後の方が高くなっている、日本と同じようなことになっているのが一般的と承知をいたしております。

 こうした出生順位によります児童手当の額の差は、子供の数がふえるほど、就業中断の期間が長くなり家計の収入減につながるといったようなことを含めて、子育ての負担はより大きくなるわけでございますから、こうした家庭に配慮する必要があるという観点から、むしろ出生順位による差を設けるということは意義あるということで考えております。

松浪(健太)委員 こうしたインセンティブをつけるということは、やはり心理的には重要なことであると私は思います。

 次の質問に移りますけれども、まさに少子化対策、本当に我々も、若い世代で友人たちが結婚しない、子供をつくらないということを見ておりまして、やはり心理的な要素というものが少子化というものには非常に大きいのではないかと思うわけであります。

 私も昨年まで浪人生活を送っておりました。先ほど申し上げましたように、浪人中に娘が生まれまして、娘も一歳になって、保育園に入りました。保育園というのはありがたいですね。収入がありませんから、月一万円で一歳の子供を預かっていただけるわけであります。

 では、一体どれだけの税金が投入されているのかということに思いをはせますと、私も行って園長先生に伺うと、一人当たり、ゼロ歳の方が何十万円とかかるのですけれども、当然十数万円のお金がかかる。保育所の規模にもよりますけれども、大きいもので大体十六万円ぐらいだとおっしゃっておりましたので、まさに十五万円の税金を我々は毎月いただいていた計算になるわけであります。

 そうした中で、やはり今皆さんおっしゃるのは、子供がいるのが非常に負担になると。経済的負担を理由に上げられる方が多いわけであります。例えば、年金の場合は平成二十年からちゃんと目に見える形のお手紙が届くというようになっているわけでありますけれども、それに似たような、まさに若い世代の方には、子供がいる世帯、そしていない世帯で、どのように優遇されているのか、どれぐらい包括的にお金がかかっているのか、国からのまた地方からのお金が入っているのか、そういうものを目に見える形でできる仕組みを何とかできないものか、大臣に伺いたいと思います。

中野副大臣 子育て家庭に対する支援につきましては、例えば、先ほども出ておりますけれども、児童手当については、一子、二子は年間六万円だ、それから、税制の扶助につきましても、子供一人当たり、所得税で三十八万円、地方税で三十三万円の控除があるわけでございまして、これは例えば、所得税一〇%、地方税五%というのが、大体標準的な税率が多いのでございますけれども、それについて申し上げますと、大体所得税で年間三万八千円、地方税で一万六千五百円の減税効果がございます。

 また、保育所につきましても、いわゆる保育サービス一人当たりの年額が平均五十二万円の公費負担になっておりますし、放課後児童クラブについても、平均的なクラブにつきましては、大体一クラブ二百六十四万円で、一人当たり六万円ぐらいの負担になっておるわけでございます。

 今お話しのように、支援については、いろいろな家庭の事情とか、いろいろケース・バイ・ケースで異なるものでございますから、子供のいる家庭が子供のいない家庭に比べてどの程度経済的な支援を受けているかということについて一律に申し上げるというのはなかなか難しいわけでございますけれども、今委員がおっしゃった意味といいましょうか、意義といいましょうか、それについてはおっしゃるとおりでございまして、子育てに対して相当程度の公的支援を今国も行っていることを広く国民に周知するようにこれからも努めてまいりたいと思っているわけでございます。

松浪(健太)委員 ありがとうございます。

 まさにコストの問題で一々それぞれの世帯を言うのはなかなか無理だということは私も承知をしているわけでありますけれども、当然、収入や地域間での制度の違い、コストの問題もあるかと思いますけれども、それであれば、せめて幾らかの標準世帯、標準世帯といっても、戦後のように、両親がいて、お母さんが配偶者で子供二人というのを標準世帯にするのではなくて、両親共働きで、そして子供が一人、二人、三人の場合、平均所得ではどれぐらいになるか、そういった標準的なモデルを国民の皆さんの前にわかりやすく示して、今、中野副大臣おっしゃったようなアピールをしていただきたいと思うわけであります。

 最後になりましたけれども、またこうした新たな仕組みづくりとか、さらには、識者によってはもう全部を廃止して年額一人百万円ずつ渡しちゃえなんていうことを逆説的に言われる方もいらっしゃるぐらいですので、今後また抜本的な試みというようなものをすべきかどうか、最後、大臣に決意を伺いまして、質問を終わらせていただきたいと思います。

川崎国務大臣 さまざまな政策の組み合わせによってやっていかなければならない。そういう意味では、総理がよく使われるのですけれども、特効薬はありませんよと、やはり、国民の意識の問題から始まって、みんなでしっかり子供を育てていこうという環境をつくっていこうと。特に、今回法改正でも女性の雇用が大きな問題になりますけれども、御指摘いただいたように、若い男の人の雇用、ここをやはりしっかりしていかないと、実際、生活がある程度安定してこないと結婚というものに結びつかない。また、安定しなきゃ子供を一人から二人にふやそうという話にならない。

 そういう意味では、経済をやはりしっかり立て直しながら目的に向かって着実に進んでいかなきゃならない。六月、いろいろな案をまとめて、そして財政的な検討を加えてやっていかなきゃならぬ。特に、私のようにもう団塊の世代がこれを議論しているよりも、皆さん方のように若い世代でぜひお考えいただいて、党の中でも御活躍をいただきたいと思います。

松浪(健太)委員 どうもありがとうございました。

岸田委員長 次に、高木美智代君。

高木(美)委員 公明党の高木美智代でございます。

 まず冒頭に、委員長より、本日両案審議というお話がございましたが、民主党さんへの質問は後日じっくりとさせていただくことにさせていただきまして、閣法のみの質問をさせていただきたいと思います。じっくりとさせていただきたいと思っております。

 まず私は、児童扶養手当につきまして質問をさせていただきたいと思います。

 昨年十一月、三位一体改革の総仕上げという中で、五千四十億の税源移譲を実現するという課題が厚生労働省に与えられました。最終的には、官房長官が裁定を行われまして、生活保護費の国庫補助率の見直しは見送りになりまして、児童扶養手当は四分の三から三分の一に、また、あわせて児童手当も三分の二から三分の一へということで、最終的な削減額は五千二百九十二億という決着がついたわけでございます。

 こうしたことを大臣がどのように受けとめていらっしゃったか、その所感をまずお伺いしたいと思います。

川崎国務大臣 地方の皆さん方と生活保護の適正化という問題について随分議論をいたしました。私も、直接その会合に出て、これは総務相も財務相も出ておりますけれども、地方の皆さん方の御意見も伺いながら、私どもとしても議論を進めました。

 その中で、地方からいえばこれは国が全面的に責任を負うべきだから、税源移譲を行うべきではないという御主張をされました。

 私どもは、正直申し上げて、我々の国はこれからどういうところを目指すんですか、極端なことを言う方は、外交防衛だけは国がやって、あとは全部地方に任せろ、こういう言い方をされる方がいらっしゃいます。しかし、社会保障という問題は、やはり国が責任を持つべき分野であります。しかし一方で、国だけでやる分野ではなくて、国と地方が重層的にかかわり合いを持ちながらやっていく分野だと思う。

 生活保護も、フランスという国をとれば、これは一〇〇%国であります。ドイツという国をとれば、これは一〇〇%地方が持ちます。また、アメリカ等は重層的にやっている。我が国はどうなんでしょうかと考えたとき、やはり重層的なんだろう、どっちかへ、国がやる地方がやるというものではなくて、四分の三、四分の一でやっていますねと。

 その中で、まず生活費そのものについては、確かに国かもしれぬなという議論があったんです。一方で、住宅とか医療という問題、医療は特に入院という問題とくっついていきますから、そこは介護という問題とやはりセットになっていきます。こういう選択というものは正直言って国ではわかりませんね、その部分は。まさに地方で担っていただく分野ですから。住宅とかそういうものについては、それでは裁量権も含めて全部地方がおやりになる、これも一つの考え方ですねということで御提案申し上げました。

 しかし、いろいろな議論の中でどうもかみ合わなかった、お互いが。お互いが後ろがありますから、かみ合わなかった。

 その中で、地方が特に御主張になりましたのは、生活保護費についてはお年寄りが多い、幾ら就労支援といったってそこは結びつかないじゃないかという御意見がございました。

 そこで、では、就労支援という切り口なら、同じ話をしている児童扶養手当、これについてはどう考えますかと。母子家庭に対する支援、自立の支援、経済的な支援という側面から考えると、やはり就業支援というのが大きな柱になりますね。そういう意味では、生活保護の話はお互い話がつかない、これをごり押しは私どもはしません。しかし、では、児童扶養手当はどうですかという中で、だんだん詰まってきまして、では、全部地方に任せたらどうだという意見も向こうからあったんです、今度は。

 しかし、そうなりますと、片っ方で、やはり国も当然責任の一端はある施策であろうと、そこは少しまずいですという議論の中で、児童扶養手当というものが就労支援という側面になるべく、地方が負ってもらおうという切り口がふえてきた。そこへ、先ほど北井さんから説明いたしていますように、では、児童手当が高い、半分ですか、持っている。一方で、こっちが三分の一まで下がっちゃうという、ありませんねという中で、それでは同じ施策にしましょうということで一つの決着がついた。

 一方で、先ほどから議論がありますように、できるだけ地方の裁量権のあるものを渡してほしい。今まで整備費とか公共事業は渡さないという考え方で来ましたけれども、それは、介護保険制度もかなり時間がたってきたから、地方に、都道府県に任せましょうということで整備費というものを実は思い切って渡しました。ただ、お渡しする以上は、設備がどんどん建っていけば給付がふえますから、給付についても都道府県はある程度責任を担うという形の中で整理してくださいよということで、先ほど委員から御指摘のように、最終的に官房長官がおまとめいただいて、数字的には、いろいろ時間がかかりましたけれども、税源移譲もあわせて、一つの合意に至った。

 最終的には、私どもは話し合いでやっていきましたので、知事さん、市長さんと私どもの合意が官房長官のもとでまとまった、こういう理解をいたしております。

高木(美)委員 ありがとうございます。

 今大臣から、重層的に行うべきというお話がございました。私もそのことに全く同感でございます。

 これから児童扶養手当の細かいことにつきまして質問をさせていただきますが、やはり国が補助をしながら財源をある程度保障する、そしてまた、地方がそれをしっかり受けながら財源も頑張りながら、その上で足りないものをどうマンパワーを活用しながら、工夫しながら遂行していくかというこの両方の、財源と知恵と、このミックスがなければ、こうした三位一体というのは最終決着がつかないというふうに理解させていただいております。

 ただ、その後の地方が、果たしてこの事業につきまして予定どおり遂行してくれているかどうか、やはり、ここの検証といいますか実績の評価、これは今後とも国としても責任を持っていかなければいけない点ではないかと思いますが、その点については、大臣、いかがでしょうか。

川崎国務大臣 まさにそのとおりであって、生活保護については適正化しようということで合意ができ上がりましたから、その目標に向かって今いろいろやっています。

 こちらは今法律を御審議いただいて、これが通りましたならば、その中において、地方というものと我々がしっかり話し合いをしながら、成果が上がるようにしていかなきゃならぬ。そして究極的には、やはり自立支援というものに結びつくような施策をさまざまな形でやっていかなければならないだろう。そういう意味では、数字もしっかりとらえながらやっていかなきゃならぬ、このように思っております。

高木(美)委員 よろしくお願いいたします。

 それでは、北井局長にお伺いさせていただきます。

 今、この児童扶養手当につきまして、母子家庭も大変急増しているという状況がございます。平成十五年のデータでございますが、既に百二十三万世帯ある。また、そのうち、離婚が八割、死別が一割、こういう数字でございますが、今具体的にどのような支援が行われておりますか。現状と課題をお伺いしたいと思います。

北井政府参考人 母子家庭への支援策でございますが、平成十四年の法改正によりまして、それまでの児童扶養手当を中心とする経済的支援のみといった支援から、経済的支援も含め、かつ、子育て支援、生活支援、それから就業支援といったようなことを含めた総合的な自立支援ということにかじを切ったわけでございます。

 そして、平成十五年度から、例えば、就業支援サービスや生活支援サービスを一貫して一つのところで提供する母子家庭等就業・自立支援センター事業、あるいは、教育訓練給付金などを初めとする就業支援を中心に新たな施策のメニューを導入いたしまして、地方自治体に御努力をお願いしているところでございます。

 現状でございますけれども、こうした就業・自立支援策におきます自治体の取り組みについては、年々進展いたしまして、成果も着実に上がっているところではございますが、まだ取り組みが進んでいない自治体もあるなど、地域間格差が率直に言って存在しておりまして、まだ十分とは言えない状況にございます。

 こうしたことで、子ども・子育て応援プランにおきましても幾つかの目標を掲げまして、自治体に対して、あらゆる機会をとらえて事業の実施の働きかけを行っているところでございますし、また、十八年度予算案におきましても、新たな取り組みとして、福祉部局と労働部局が連携して、個々の方々に応じた自立支援プログラムをつくって、自立に結びつけていくというような事業を全国展開していきたいというふうに考えておりまして、一層の努力をしていきたいというふうに思っております。

高木(美)委員 大変ありがとうございます。

 重ねて局長にお伺いをさせていただきます。

 今、母子家庭の就労といいますのは、常用雇用が四割、パートの方たちが五割、しかも収入は大体平均二百二十五万円程度、こういうデータでございますけれども、例えば、今も一部自治体でおくれた現状があるというお話でございました。

 特に、こうした常用雇用転換奨励金事業、これも今進めてくださっているわけですけれども、パートとして雇用して、その後、ジョブ訓練等を受けながら常用雇用に転換できた、こういう事業主の方に三十万円の奨励金を出すという、こういう制度も使っていらっしゃるようです。これにしましても、例えば、中核市、一般市、百九十七カ所、この申請をしているわけですが、二四・二%の実施率、こういう厳しい現状がございます。こうした実績の評価、これをまた今後どのように行われるおつもりなのか。

 また、あわせまして、私が考えますことは、やはり母子家庭の実態またニーズというのは実に多岐にわたっているのではないかと思います。お子さんの障害の問題であったり、また虐待の問題であったり、また、それぞれ背景としている家庭の問題、雇用の問題等々、また夫のDVとか、いろいろな形があられると思います。そうした実態、またニーズが多様である、このことを考えますと、一般的な福祉そして労働、こういう分野だけではおさまらない、そういう状況も多々あるというふうに伺っております。

 これは府中市の例ですけれども、ここにある社会福祉法人、ここが府中市と連携をとりまして、母子生活支援施設、旧母子寮ですね、ここと、子ども家庭支援センター、これは子育てを支援するところです、これを併設して運営をしている。それが母子家庭の自立支援に大変大きな効果を上げている。そこの法人には顧問弁護士もいらっしゃいまして、リーガルサービスとまでは言わないけれども、やはり適切な法律上の助言も受けることができる。

 今後、こういうネットワークを自治体としてどのようにつくっていくか、ここに解決のかぎがあるような、そういうふうに思うんですけれども、そうしたことにつきまして、局長のお考えを伺いたいと思います。

北井政府参考人 今御指摘をいただきましたとおり、母子家庭対策というのは、本当に、福祉、労働を初めとしてさまざまな分野で、よく検討、連携をして、有機的に資源を組み合わせて、総合的に実施をしていかなければいけないものだと思っております。

 地域の資源もそれぞれさまざまでございます。そうしたものをいかに地域の独自の工夫や努力によりまして有機的に活用し、組み合わせてやっていくかということだと思います。

 今お話のございましたような府中市の例は、総合的なサービスをやっておられる例でございまして、大変意義がある例でございまして、私どもの母子家庭就業支援白書でも、実は好事例として紹介をさせていただいております。

 こうしたようなことで、私どもの厚生労働省といたしましても、さらに一層総合的な自立支援の取り組みを自治体に促していきたいと思っておりますし、特に、先ほどの常用雇用奨励金につきましては、今度の予算案におきまして一部支給要件の緩和も行いまして、さらに実施率が高まるように努力をしているところでございます。

 また、弁護士を初めとする専門家の活用も必要なことになりますので、こうしたものにつきましても必要な助成措置をつけまして、さらに自治体に努力を促していきたいというふうに思っております。

高木(美)委員 ありがとうございます。ぜひ有機的なこうしたネットワークシステムができ上がっていきますように、今後のまた御努力をお願いしたいと思います。

 特に、平成二十年から手当の減額も開始されると先般の法改正で伺っております。当然、そのことによりまして、こうした相談・支援機関、どこが中心となってこういう方たちの相談をしっかり受けとめながら、総合的な支援、そしてまた専門性、またスピード、これを持って解決に当たることができるかどうか、最終的に自立支援までたどり着けるかどうか、これはまさに時間との闘いではないかと思っております。速やかな対応をお願いするものです。

 あわせまして、支援機関の相談窓口の質の向上ですけれども、特に、いろいろ事務所等にこうした母子家庭の方たちが行かれますと、大変扱いがぞんざいであったりとか、また、聞きたいところをきちんと教えてもらえないとか、いろいろなお声も実は入っております。

 できましたら、多岐にわたる相談であることから、担当職員の方たちの研修というものも当然必要ではないかと思われますけれども、その点につきましてはいかがでしょうか。

北井政府参考人 御指摘のとおり、多岐にわたる相談に応じます各自治体の相談窓口におきます担当者の資質という問題は、大変重要な問題であると認識をいたしております。

 そのため、特に、母子家庭等就業・自立支援センター事業の実施に当たりましては、例えば就業相談におきましては、そうした就業支援施策、あるいは雇用、労働の問題に非常に十分な知識、経験をお持ちの方々に担当に当たっていただきたいということや、あるいは、養育費の確保などの専門的な相談につきましては弁護士さんなどの専門家を御活用いただきたいというようなことを地方自治体にも御要請しているところでございます。

 あわせて、資質の向上の観点からの研修でございますが、毎年、全国七ブロックごとに、開催地の自治体の主催によりまして、センターの職員や、あるいは福祉事務所の母子自立支援員の方々にお集まりをいただきまして、研修を行っております。

 厚生労働省といたしましても、経費を助成したり、あるいは、場合によりましては職員を派遣して、研修に当たらせているというところでございます。

高木(美)委員 ぜひともよろしくお願いいたします。

 先ほどフランスの出生率というお話がございました。一月の発表では、三年連続で一・九四。大変うらやましいお話でございます。一人目のお子さんだけで見ますと、そのうち婚外子は五九%。私は、これは日本でも当然そうなんですが、婚外子の差別をどう解消するかという、こうした民法の改正にまつわる問題もございますが、ただ、女性が一人でも産み育てられる環境づくり、ここまで踏み込んでいくということも大事ではないかと思っております。

 現実に、御主人が大変多忙であられて、一人で奥様が仕事もしながらストレスも乗り越えながら子育てをしている、こういう例は大変多いわけでございまして、この点のところをもう一つ、どうあれ、子育てをしっかり自分で進めることができる、そこまでケアできる環境づくり、こうなると、私は、安心して子供を産むことができる、こういう社会に一歩進むことができるのではないかとかねてより思っております。

 そこで、これには当然経済的基盤が大事なわけでございまして、この母子家庭でいいますと、養育費の確保、これをどうするかということが課題でございます。

 伺いますと、養育費について取り決めているというところが三四%。中でも、今既に受給を続けているという方はわずか一八%。こういうことになりますと、どうしても経済的基盤が弱い。弱い中でまた自立しなければ、今後減額もされてしまう。当然、条件がございますので、そこは勘案されると信じておりますけれども。

 ただ、スウェーデン、イギリス、フランスを初め諸外国では、こうした養育費の立てかえ払い制度というのがございます。国として肩がわりするところもございます。こうした制度につきまして大臣のお考えを伺わせていただき、あわせて母子家庭への支援の御決意を伺わせていただければと思います。

川崎国務大臣 私も、初めて数字を見まして、養育費の取り決めをしているのが三四%、養育費を受けているのは一八%、五分の一ないという現状にあります。

 そこで、欧米の制度でありますけれども、基本的には離婚という制度が裁判によってのみできる、したがって、そこで当然取り決めが、裁判所がかんだ中ででき上がる、それの徴収を行政機関が手伝いをする、こういうシステムになっておるようでございます。

 我が国は、もう御承知のとおり協議離婚が九〇%という状況でありますので、協議離婚の中で養育費の取り決めができるかできないか、これが一番の問題であろうと。

 そうなりますと、まず各自治体に、養育費の手引、先ほど専門の職員をしっかり育てろと言いましたけれども、やはりその分野で、養育費の額の相場や養育費の取得手続等を示したものを、PRと言うとおかしいかもしれませんけれども、まず自治体の職員にしっかり認識してもらって、相談に来られた方にしっかり対応する。もっと言えば、弁護士さんに対応していただくということにもなるんだろうと思います。

 それから、離婚届用紙を手渡す、当然その届けが出ることになりますので、その際に、養育費に関するリーフレットをやはり配るようにしろということでやっております。

 一方で、民事執行法の改正がされました。養育費の強制執行について、直接強制のほか間接強制ができるような制度にもなってまいりましたので、そういう意味では民法的な方が担保されてきましたので、要は、離婚のときにきちっと養育費をもらえるような取り決めをしていく、当然の権利としてやっていくというところをどうこれから醸成していくか。地方自治体なり専門家によって、そうした困られた女性の方々にアドバイスができるようなシステムをしっかりつくり上げなければならないんだろう、こう思っております。

 いずれにせよ、子育て・生活支援、就業支援、また養育費の確保、経済的支援、さまざまなバックアップといいますか応援が必要であろう。そこをきめ細かくやりながら、少子化の問題のときにも申し上げましたけれども、一つの対策ではいかない、重層的な対策を組みながら母子家庭支援をしてまいりたい、このように思っております。

高木(美)委員 どうぞよろしくお願いいたします。

 これは答弁いただかなくて構いませんが、やはり婚外子の差別の問題ですね、相続分は婚内子の二分の一という。このことにつきましては、国際的にも、女子差別撤廃委員会であるとか子どもの権利委員会であるとか、そういうところから何度か勧告を受けてきたという経緯もあります。また、こうした差別を残している国は、ほかの国では、日本とフィリピンぐらいじゃないか、そういうふうに言うところもあります。こうした民法改正も大きな課題であるかと思っております。

 一方、先ほど大臣の答弁にありましたとおり、やはり司法へのアクセス、今なかなか裁判所が遠い、また、司法へのアクセスを踏み切るときになかなか使い勝手が悪い、これは今回司法制度改革で、また裁判員制度等もこれから始まりますけれども、これがもう少し一般的に、使い勝手がいい、こういう方向に進むことは今大きな流れであると認識をしております。

 そうしたことも含めまして、やはりこうした婚外子の差別であるとか、また、皆様がこうした知識を得て、法的な知識を持って生活基盤をつくっていけますように、あわせて、また今後の御努力をお願いさせていただきます。

 時間がなくなってまいりましたが、最後に児童手当のことをお話しさせていただきたいと思います。

 児童手当につきましては、先般も予算委員会で我が党の井上政調会長、質問に立たせていただきました。

 この児童手当、御存じのとおり昭和四十六年開始をされたわけでございますが、ここからも我が党、強い後押しをさせていただきながら、そして、後に、連立与党に七年前入りましたけれども、そのときの連立合意で、児童手当及び奨学金制度の拡充等、少子化対策を進める、これは連立与党の合意として始めたことでございます。必死になって公明党が、児童手当の拡充、財源を探しながら、またそれを見つけながら、一つ一つひねり出しながらやってきた。そこをまた自民党の皆様に後押しをしていただきながらここまで大きな拡充ができたというふうに思っております。

 これは事実のことでございますので、あえて申し上げさせていただきたいと思いますが、その都度、ばらまきであるという批判もずっと受けてまいりました。また、そうしたことによりまして、一般的な児童手当に対する認識、また、なかなか声にならない子育て世代のお母様たちの経済的な御苦労、これがかき消されてきたというのも一つの事象ではないかというふうに思っております。

 今、少子化対策ということで、そうした世代の方たちに大きく光が当たりまして、このような、これから我が党も四月にトータルプラン、取りまとめさせていただきます、また六月には政府としても最終的な少子化対策、取りまとめてくださるということで、これから、まさにことしは少子化対策元年という大きな変化のある年というふうに認識をさせていただいております。

 そこで、実は、現行の児童手当制度につきましては三つの目的が混在をしていると思っております。当然、お子さんを育てていらっしゃる御家庭の生活安定であり、また、児童の健全な育成であり、また、児童の資質の向上という三つの目的がこの児童手当という目的に入っていると私は認識をしております。ただ、今までそうした経緯の中でこの児童手当、育ててきたものでございますので、当然負担の割合につきましては大変いびつといいますか、そういう内容になっております。

 先ほど来、社会全体でお子さんを育てる、こういう認識のお話がるるございました。これは当然のことながら、これまでつくりました少子化社会対策基本法であるとか次世代育成支援対策推進法であるとか、そこの法の中に盛り込まれた理念が、子供は社会の宝であり社会を挙げて育てていくというこの理念のもとにつくられたものであると思っております。国、自治体、企業、そういった社会全体で支え合うこと、これがふさわしいというふうに私は認識をしております。

 ただ、ここまで来ますのに、いびつな構造もございます。そうした総合的な児童手当をこれからまたさらに大きく拡充していく上で、まず一つは負担についての見直し、整理のタイミング、また考え方の確認、こういうことにつきまして、大臣がいつの時期でどのように踏み切られるおつもりなのか、展望をお伺いしたいと思います。

川崎国務大臣 昨年の暮れに、自民、公明の両政調会長と私と総務大臣、財務大臣、五人で協議をいたしまして、財源手当ても行った上で、これは財務省にやりくりしてもらったわけですけれども、最終的に、児童手当、小学校六年生まで拡充しようということを決めていただきました。その過程の中で、公明党さんの強い御主張を入れながらやってきたということは間違いない事実でございます。

 児童手当につきましては、一時は、今委員自身が言われましたようにばらまきだという表現を使われた時代もございました。しかし、一方でだんだん成熟化してまいりまして、児童手当の方が、私も先ほど表現を使いましたが、見やすい。イギリスもスウェーデンも、見ましても、所得控除をやっていた時代から、もう手当に一本化してきているというように思っております。ドイツも所得控除と児童手当一緒にやっておりますが、これは有利な方を選ぶ、要は所得が高ければ所得控除を選んで、所得が低ければ当然手当でもらうという形でやっていますから、流れ全体としてはやはり児童手当の方にまとめていくことが必要なんだろう。

 ただし、ちょっと先ほど申し上げましたように、今度、教育の問題がかんできますね、高校生、大学生になると非常にそこで負担が大きくなりますから。その問題もあわせながら、当然これは文科省もかみながら全体の議論をしていかなければならないんだろう、このように思っております。

 いずれにせよ、企業というお話もございました。私は、実は前からこんなことを言っているんです。企業に、配偶者手当一万三千円、子供の手当が五千円ぐらいですか、場合によっては第三子で打ち切り、多分公務員も似たような数字になっておるんだと思うけれども、そこをそろそろ変える時期に来ているんじゃないか。女性も働く時代になっているんだから、子供一万円ずつで一挙に変えられないか、こういうお話をしたことがあるんです。

 そういう意味では、企業としての対応、これは人事院も含むんですけれども、この問題もあわせながら、今お話ございましたように、六月に議論はまとめていかなければならないだろう。ただ、これだけではなくて、全体的な問題をまとめなければなりませんので、委員の御協力を心からお願い申し上げます。

高木(美)委員 最後に、お願いでございますが、お手元に資料を配らせていただきました。色刷りの方の資料一でございますが、小学校六年まで、今改正で拡充となる予定でございます。この下の図の方の、緑の線が三つございます。これはどうしても、中学校、十二歳から十五歳、ここの間が今さまざまな手当ての面で抜けているという、その表示の図でございます。教育費は、小学校、公立二十九万、中学校四十三万、こういうふうにふえてまいりますけれども、中学校が抜けている。

 さらに、その裏の資料二の方でございますけれども、これは所得控除と児童手当の合算効果についてでございます。左の図を、これは現行について見ていただきますと、合算された山に谷間ができております。所得の七百八十万から八百万過ぎたところ、ここが、要するに児童手当と扶養控除、両方合わせた段階で、一気にこの七百八十万以下の収入の方たちよりも受ける報酬が下がる、手当が下がる、こういう形になっております。

 一方、右側の方をごらんいただきたいと思いますが、これは、今回の所得税、住民税、そこも含めまして、児童手当の合算効果でございますけれども、これによりますと、今度は所得が伸びます、八百六十万、今回、児童手当、ここまで拡充になります。ここまではいいのですが、この後、がくんと一千万前後が下がる、こういう税と児童手当のかみ合わせ、こういう点をぜひ勘案いただきまして、先ほど大臣から、税ではなくて児童手当という、手当に行く方向が一番公平ではないかというお話がありましたが、この点を勘案いただきまして、今後の児童手当のまたさらなる拡充を心よりお願い申し上げて、私の質問とさせていただきます。

 ありがとうございました。

    ―――――――――――――

岸田委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。

 両案審査のため、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岸田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、来る十四日火曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後一時二十二分散会


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