衆議院

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第16号 平成18年4月21日(金曜日)

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平成十八年四月二十一日(金曜日)

    午前九時三十二分開議

 出席委員

   委員長 岸田 文雄君

   理事 大村 秀章君 理事 鴨下 一郎君

   理事 北川 知克君 理事 谷畑  孝君

   理事 寺田  稔君 理事 園田 康博君

   理事 山井 和則君 理事 福島  豊君

      新井 悦二君    井上 信治君

      井脇ノブ子君    飯島 夕雁君

      石崎  岳君    稲田 朋美君

      岩永 峯一君    上野賢一郎君

      遠藤 宣彦君    小野 次郎君

      加藤 勝信君    川条 志嘉君

      木原 誠二君    木村 義雄君

      清水鴻一郎君    菅原 一秀君

      杉村 太蔵君    高鳥 修一君

      戸井田とおる君    冨岡  勉君

      西川 京子君    西本 勝子君

      橋本  岳君    林   潤君

      平口  洋君    福岡 資麿君

      藤井 勇治君    細田 博之君

      馬渡 龍治君    松浪 健太君

      松本  純君    御法川信英君

      村田 吉隆君    市村浩一郎君

      小川 淳也君    岡本 充功君

      菊田真紀子君    郡  和子君

      仙谷 由人君    田名部匡代君

      田村 謙治君    西村智奈美君

      藤村  修君    古川 元久君

      三井 辨雄君    村井 宗明君

      柚木 道義君    上田  勇君

      高木美智代君    高橋千鶴子君

      阿部 知子君    糸川 正晃君

    …………………………………

   厚生労働大臣       川崎 二郎君

   文部科学副大臣      馳   浩君

   厚生労働副大臣      赤松 正雄君

   厚生労働大臣政務官    西川 京子君

   政府参考人

   (内閣府食育推進室長)  香川 弘明君

   政府参考人

   (防衛庁防衛参事官)   西山 正徳君

   政府参考人

   (防衛庁長官官房審議官) 道明  昇君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 大谷 泰夫君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           磯田 文雄君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  松谷有希雄君

   政府参考人

   (厚生労働省健康局長)  中島 正治君

   政府参考人

   (厚生労働省医薬食品局食品安全部長)       松本 義幸君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局長)            青木  豊君

   政府参考人

   (厚生労働省老健局長)  磯部 文雄君

   政府参考人

   (厚生労働省保険局長)  水田 邦雄君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房審議官)           高橋 直人君

   厚生労働委員会専門員   榊原 志俊君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月二十一日

 辞任         補欠選任

  石崎  岳君     飯島 夕雁君

  上野賢一郎君     藤井 勇治君

  加藤 勝信君     岩永 峯一君

  木原 誠二君     小野 次郎君

  清水鴻一郎君     村田 吉隆君

  高鳥 修一君     稲田 朋美君

  戸井田とおる君    馬渡 龍治君

  原田 令嗣君     井脇ノブ子君

  福岡 資麿君     橋本  岳君

  松浪 健太君     遠藤 宣彦君

  菊田真紀子君     小川 淳也君

  古川 元久君     藤村  修君

同日

 辞任         補欠選任

  井脇ノブ子君     原田 令嗣君

  飯島 夕雁君     細田 博之君

  稲田 朋美君     高鳥 修一君

  岩永 峯一君     加藤 勝信君

  遠藤 宣彦君     松浪 健太君

  小野 次郎君     西本 勝子君

  橋本  岳君     福岡 資麿君

  藤井 勇治君     上野賢一郎君

  馬渡 龍治君     戸井田とおる君

  村田 吉隆君     清水鴻一郎君

  小川 淳也君     田村 謙治君

  藤村  修君     古川 元久君

同日

 辞任         補欠選任

  西本 勝子君     木原 誠二君

  細田 博之君     石崎  岳君

  田村 謙治君     市村浩一郎君

同日

 辞任         補欠選任

  市村浩一郎君     西村智奈美君

同日

 辞任         補欠選任

  西村智奈美君     菊田真紀子君

    ―――――――――――――

四月十八日

 保育・学童保育・子育て支援施策の拡充等に関する請願(仙谷由人君紹介)(第一四九八号)

 同(笠井亮君紹介)(第一六五六号)

 同(笠浩史君紹介)(第一六五七号)

 安心して透析を受けられる医療制度改革に関する請願(仙谷由人君紹介)(第一四九九号)

 同(阿部知子君紹介)(第一六〇七号)

 無免許マッサージから国民を守る法改正に関する請願(萩原誠司君紹介)(第一五〇〇号)

 同(木原稔君紹介)(第一五一三号)

 同(高木義明君紹介)(第一五一四号)

 同(中村喜四郎君紹介)(第一五一五号)

 同(川内博史君紹介)(第一六一一号)

 同(笹川堯君紹介)(第一六一二号)

 同(篠原孝君紹介)(第一六一三号)

 同(望月義夫君紹介)(第一六一四号)

 同(永岡桂子君紹介)(第一六三四号)

 同(山田正彦君紹介)(第一六三五号)

 同(新井悦二君紹介)(第一六六一号)

 同(保利耕輔君紹介)(第一六六二号)

 同(宮路和明君紹介)(第一六六三号)

 腎疾患総合対策の早期確立に関する請願(仙谷由人君紹介)(第一五〇一号)

 同(土井真樹君紹介)(第一五〇二号)

 同(井上信治君紹介)(第一五一六号)

 同(谷本龍哉君紹介)(第一五一七号)

 同(中川秀直君紹介)(第一五一八号)

 同(盛山正仁君紹介)(第一五一九号)

 同(岩永峯一君紹介)(第一六一五号)

 同(坂口力君紹介)(第一六一六号)

 同(土屋品子君紹介)(第一六一七号)

 同(土井亨君紹介)(第一六一八号)

 同(細野豪志君紹介)(第一六一九号)

 同(臼井日出男君紹介)(第一六三六号)

 同(古賀一成君紹介)(第一六三七号)

 同(野田聖子君紹介)(第一六三八号)

 同(平沢勝栄君紹介)(第一六三九号)

 同(渡辺博道君紹介)(第一六四〇号)

 同(上野賢一郎君紹介)(第一六六四号)

 同(七条明君紹介)(第一六六五号)

 同(鈴木克昌君紹介)(第一六六六号)

 同(谷公一君紹介)(第一六六七号)

 同(戸井田とおる君紹介)(第一六六八号)

 患者・国民負担増計画の中止に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一五九八号)

 同(石井郁子君紹介)(第一五九九号)

 同(笠井亮君紹介)(第一六〇〇号)

 同(穀田恵二君紹介)(第一六〇一号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第一六〇二号)

 同(志位和夫君紹介)(第一六〇三号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一六〇四号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第一六〇五号)

 同(吉井英勝君紹介)(第一六〇六号)

 同(笠井亮君紹介)(第一六五五号)

 患者負担増計画の中止と保険で安心してかかれる医療を求めることに関する請願(佐々木憲昭君紹介)(第一六〇八号)

 同(鈴木克昌君紹介)(第一六六〇号)

 青年の雇用に関する請願(志位和夫君紹介)(第一六〇九号)

 パートタイム労働者の均等待遇実現に関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第一六一〇号)

 安全で行き届いた医療・介護に関する請願(笠井亮君紹介)(第一六五四号)

 無認可保育所への公的助成等に関する請願(笠井亮君紹介)(第一六五八号)

 パーキンソン病患者の療養生活上の諸問題救済策に関する請願(戸井田とおる君紹介)(第一六五九号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出第三七号)

 良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律案(内閣提出第三八号)

 小児医療提供体制の確保等のために緊急に講ずべき施策の推進に関する法律案(小宮山洋子君外四名提出、衆法第一七号)

 医療を受ける者の尊厳の保持及び自己決定に資する医療情報の提供、相談支援及び医療事故等の原因究明の促進等に関する法律案(園田康博君外三名提出、衆法第一八号)


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     ――――◇―――――

岸田委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、健康保険法等の一部を改正する法律案、良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律案、小宮山洋子君外四名提出、小児医療提供体制の確保等のために緊急に講ずべき施策の推進に関する法律案及び園田康博君外三名提出、医療を受ける者の尊厳の保持及び自己決定に資する医療情報の提供、相談支援及び医療事故等の原因究明の促進等に関する法律案の各案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 各案審査のため、本日、政府参考人として内閣府食育推進室長香川弘明君、防衛庁防衛参事官西山正徳君、長官官房審議官道明昇君、総務省大臣官房審議官大谷泰夫君、文部科学省大臣官房審議官磯田文雄君、厚生労働省医政局長松谷有希雄君、健康局長中島正治君、医薬食品局食品安全部長松本義幸君、労働基準局長青木豊君、老健局長磯部文雄君、保険局長水田邦雄君、農林水産省大臣官房審議官高橋直人君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岸田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

岸田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。三井辨雄君。

三井委員 おはようございます。民主党の三井辨雄でございます。

 きょうは、川崎大臣に質問をできることを大変光栄に思っているところでございます。また、議運委員会のときの委員長でもあられました。大変御指導を賜りましたことを、この席をおかりして厚く御礼申し上げます。今も、大臣から、議運の理事は質問しちゃいかぬということを言われたのでございますけれども、あえてこの厚生労働委員会で質問させていただきたいと思っております。

 早速でございますけれども、今回のこの高齢者の医療制度改革法案でございますが、一つは、本年十月から、七十歳以上の現役並み所得者については二割を三割負担に、それから、平成二十年四月からは、七十歳から七十五歳を一割から二割に引き上げるという案であります。

 二つ目は、療養病床に入院する七十歳以上の高齢者について、本年十月から食費、居住費を徴収する、そして、二〇〇八年四月からは、六十五歳から七十歳についても食費、居住費を徴収するという案であります。

 三つ目は、現役世代にもかかわることでありますが、高額療養費制度の自己負担限度額の引き上げであります。

 いずれも高齢者にとって相当な負担増になるわけでございますけれども、私は、これだけの負担をまた強いるということは、まさに高齢者虐待じゃないか、こういうぐあいに思っているところでございます。

 まず、皆様のお手元に資料をお配りしてございますけれども、当然といえば当然かもしれませんが、女性の方が長生きされるわけでございますから、年齢が重なるごとに女性がふえていくというこの資料を出させていただきました。

 そこで、質問でございますけれども、最近の政府の見解を見ていますと、高齢者は若人に比べて遜色のない所得水準にあると言っておられるわけですね。しかし、高齢者の世帯の六割以上が公的年金とかあるいは恩給に依存しているというのが実態であります。こうした年金水準は、一昨年のマクロ経済スライドの導入、あるいは年金の課税強化とか、あるいは定率減税の縮小、廃止によって低下する一方であるわけです。さらに、地方税、医療、介護保険料の負担もまた大きく影響しているわけであります。

 そこで、振り返ってみますと、七十歳以上の高齢者に定率負担が導入されたのは、四年前、二〇〇二年の十月からなんですね。まだ四年しかたっていない。こういう中で、自己負担を二割から三割、一割から二割へと引き上げるわけです。これはまさに、猫の目行政と言われますけれども、ころころころころ、このようにたった四年の間に変えてしまう。まさに、冒頭に私が申し上げましたように、高齢者虐待じゃないかと思うわけでございます。今後どこまで負担がふえるのか。

 また、手元に残る金額はどんどん減る一方なんですね。そうしますと、高齢者の生活は極めて不安な状態に置かれてしまう。金持ちの高齢者はいるとおっしゃいますけれども、本当に一握りなんですね。一握りしかいないわけですよ。多くの高齢者は、資料にもあるとおり、ほとんど二百万前後で生活をなさっているというのが、今、実態でございます。

 このことについて、大臣、どのようにお考えなのか。あるいは、高齢者の負担をふやす前にやるべきことがもっともっとあるんじゃないだろうか。例えば受診回数を減らすとか、現行制度でもっと知恵を出して見直すことも、私は必要じゃなかろうかと思うんでございますけれども、大臣の御見解をお願い申し上げます。

川崎国務大臣 三井議員から初めて御質問を賜りました。私からも、議運の時代は大変お世話になりましたと御礼申し上げておきたいと思います。

 予算委員会で民主党の皆さん方からこういう質問をいただきました。年金一つ取り上げても若者の負担は大きい、この制度のアンバランスをどうするんだ、こういう御質問をいただきました。私は、それに対して、確かに、若者が掛ける金額に対して将来もらえる年金の額、今お年寄りがもらわれている、掛けた金額ともらう額と比較すると、若者にとっては不利な面があることは間違いない。

 しかし、一方で、今のお年寄りの皆さん方、簡単にいえば私の父親、母親の世代でございますけれども、公的援助がないという時代に平均四・三人の子供を育ててきた。そして、私の祖母、祖父が亡き後、祖母に対して仕送りを続けながら、社会の一員として懸命な努力をしてきた、そういう意味では、私的負担の時代から公的負担の時代へ変わってくる中で、お年寄りが得だ損だ、若者が得だ損だ、これは一概に言えない話ではないでしょうか、こういう議論をさせていただいたところでございます。

 そういった中で、年金改正につきましては、若者に、厚生年金でありましたら企業と合わせて一八%の負担をお願いし、国民年金も負担金額を毎年上げる、こういうことをお願いいたしました。一方で、お年寄りにはマクロスライドの導入、あわせて、国の方は税による負担を三分の一から二分の一まで上げましょうと。しかし、これも税による負担ですから、国民全体でしょってもらう、負担をお願いしていかなければならない。そういう意味では、少子高齢化社会のスピードが非常に強まる中、この制度を持続可能にしていくためには、お互いに協力してもらわなければできない、そういう意味では高齢者の皆さん方にもお願いをさせていただく以外ないですね、こういう話をさせていただいております。

 三井議員の御指摘のとおり、いろいろな面の対応はいたしておりますけれども、高齢者の御負担がふえることだけは間違いなかろう。特に、現役並みの所得がある方々については三割負担という、ある意味では、老人医療無料という時代から比べたら大変な御負担をいただくことにはなるだろう。しかし、社会の構成員として、若者もお年寄りの皆さん方も互いに支え合う社会をつくらなきゃならないという中で、御理解をお願いしていきたい、こう思っております。

 一方で、低所得者の問題については、やはりできるだけの配慮を今回もさせていただきました。やはり弱い方々への配慮というものはしっかり気をつけながら、今後も進めてまいりたいと思っております。

 一方で、長期的な見通しをもう少し明確にすべきではないかと御議論がございました。確かに、我が国が抱える、国においても五百兆円以上の借金、この間、菅先生からいろいろ御質問をいただいて、大変な借金を抱えたこの国家をどうするんだというものについて、やはり六月ごろには私どももしっかりとしたものを国民に出していかなければならないだろう。民主党さんからもいろいろな御議論をいただきながら、国としての対応を誤りなきようしていかなければならない、このように思っております。

三井委員 まさに大臣から今御答弁がございましたように、これは若人でなくて、国全部の、やはり国民がすべて協力していかなければこういう制度というのは成り立たないだろうということは、私も当然熟知しておるところでございます。

 そこで、今回のこの高齢者医療制度についてでございますけれども、政府は、新たに高齢者医療制度というものを、七十五歳以上の高齢者に、要するに独立した後期高齢者医療制度を創設される、また前期高齢者医療制度も提案しているところでありますけれども、私は、特にこの後期高齢者医療制度について質問したいと思っておるわけでございます。

 まずは、現行の老人保健制度は一九八二年に創設されましたけれども、この制度は、老人医療費の公平な負担を制度の基本的な理念とするということで、保健事業の総合的実施と医療保険制度の各保険者間の拠出金方式による共同負担という枠組みをつくられたわけでございます。

 しかし、この拠出金は、御存じのように年々ふえ続けているわけでございますけれども、各保険者は、退職医療制度の拠出金と合わせて、保険料の収入の四割以上を拠出しなければならないという状況下になっているわけでございます。また、この拠出金を賄うためにも、みずからの加入者の保健事業を縮小したりとかあるいは保養所を閉鎖したりといった努力を今保険者は重ねてきているわけでございます。保険者の我慢ももはや限界に来ているのではないかというのが実態だと思っております。

 その拠出金のふえる額に対する不満はもちろんでありますけれども、保険者としての医療費の適正化の努力などが反映されていないという状況下にあると私は思っているんですね。請求されたとおりに拠出金を支払わなければならないこと、全くチェックがされていない、この不満が大きな原因になっていると思っているわけでございます。

 まさにノーチェック、これが大変な問題になっていると私は思っているわけでございますけれども、こうした保険者の努力が反映されないで、制度運営に参画できないというこの拠出金制度のあり方について、政府はどのような認識を持っておられるのか、また、政府が提案している新たな高齢者医療制度ではこうした問題が解決されると考えておられるのか、お尋ねしたいと思います。

川崎国務大臣 現行の老人保健制度についての問題点、三井議員が御指摘をいただいたとおり、さまざまな御批判をいただいております。特に保険者の拠出金負担の問題について、現役世代がどこまで負担すればよいのか、現役世代と高齢世代の負担が不明確である、医療費の支払いを行う市町村と実際の費用の負担を行う保険者が分かれているため、だれが財政運営に責任を持っているのかが不明確である、こうした問題を私どもも意識しております。

 このため、今回の改革においては、後期高齢者について独立した制度を創設し、給付費については、高齢者の保険料を一割、現役世代からの支援金を約四割、公費を五割という負担割合で賄うこととし、高齢者の保険料と支え手である現役世代の負担の明確化、公平化を図るとともに、都道府県単位ですべての市町村が加入する広域連合を運営主体にすることにより、まず第一の課題でございました財政運営の責任の明確化を図る。

 また、もう一つは、今御意見がございました、払う側の意見の反映の場という形で、既に各都道府県に設置されております保険者協議会において、新たに、高齢者医療制度の運営や医療費適正化に関する保険者間の連絡調整等を行うこととしており、後期高齢者支援金を負担する各医療保険者と、後期高齢者医療制度を運営する広域連合の間で相互に議論する場として活用していただきたい、この場で活発な議論をいただきたいと思っております。

 また、この四割負担の問題で将来的な問題としては、やはり働く世代というものをどのぐらい確保できるか。今、労働力人口として六千六百万、私ども、十年後は女性の雇用を三百万、高齢者の雇用を百万程度ふやしながら、人口減に対応しながら六千五百万の労働力人口を維持していきたいと思っておりますけれども、その後の展望になりますと、確かに、日本全体の少子化、人口減というものが新たな課題になってくることは間違いないであろうと思います。

 その辺の議論は、やはりこれから五年ごとの見直しの中でしっかりとした議論をしていかなければならないな、こんな思いをいたしております。

三井委員 今御答弁いただきましたように、広域連合についてはまだまだ問題点もございますし、後ほどまた質問させていただきます。

 今回のこの老人保健法の改正でございますけれども、これはやはり、私も二〇〇二年の六月に、健康保険の二割から三割負担のときにここに立たせていただいたことがありますが、まさに今回のこの保険法の改正も、冒頭に申し上げましたように、私は、高齢者の医療の確保に関する法律として独立した制度の創設をするというにもかかわらず、新法ではなくて現行老人保健法の一部改正としたというのはなぜなのかということをお伺いしたいんです。

 それで、この高齢者医療制度は、なぜ高齢者医療保険制度ではないのかということを局長にお伺いします。

水田政府参考人 まずは立法形式についてのお尋ねでございますけれども、現行の老人保健法におきましては、御存じのとおり、大きく分けて二つの事業を定めているわけであります。一つは、高齢者に対する医療の給付とその費用の負担、それから四十歳以上の方に対する健診等の保健事業、これを定めているわけであります。

 今回の法律改正におきましては、現行の老人保健法の目的である適切な医療の確保、これを引き続き規定した上で、まず一点目、高齢者に対する医療の給付及び費用負担につきましては、現行制度を発展的に継承いたしまして、後期高齢者医療制度を創設するとともに、前期高齢者の財政調整を設けることとしております。また、もう一点目は、健診等の保健事業につきまして、四十歳以上の加入者につきまして生活習慣病健診を保険者に義務づける、こういうことを内容にしているわけであります。

 こういった現行老人保健法の趣旨との連続性を踏まえまして、新法の制度ではなく、現行老人保健法を改正して、法律の題名を老人保健法から、ただいま御紹介ありましたとおり、高齢者の医療の確保に関する法律に改めることとしたものでございます。

 なお、法律の内容が大きく変わる場合に、法律の一部改正によりまして法律の題名も含めて改めるということは、これは法制的に可能でございまして、現にこういった前例もあるわけでございます。

 それからもう一点、この後期高齢者医療制度について、なぜ医療保険ではなく医療制度としたのかということでございます。

 この後期高齢者医療制度についてでございますけれども、これは、後期高齢者を被保険者として保険料を徴収する、そして医療給付を行うという意味で、社会保険方式をとっていることは間違いないわけでありますけれども、ただ、この被保険者であります後期高齢者からいただきます保険料、これは給付費の一〇%でございまして、残りは公費及び現役世代からの支援により賄う、こういう仕組みになってございます。

 したがいまして、健康保険法等、他の社会保険制度と比較いたしますと、被保険者である後期高齢者からの保険料で賄う部分が小さい、こういうことを考慮しまして、新たに創設される制度につきまして、後期高齢者医療制度という名称を用いることとしたところでございます。

三井委員 今聞いていても大変難しいなということが実感としてわかるわけでございますけれども、本当にこの制度をよくするということになれば、私はやはり高齢者の医療保険制度にすべきだ、こういうぐあいに思うということをつけ加えておきます。

 では次に、きょうは盛りだくさんございますので、次から次に矢継ぎ早に質問させていただきたいと思います。

 次は、七十五歳以上の後期高齢者、約一千三百万人と言われておりますけれども、その根拠は何かということと、どのような統計数値に基づいて推計しているのかお聞きしたいと思います。

水田政府参考人 医療費の将来見通しにおきましては、平成二十年度におきます後期高齢者医療制度の対象者数を、ただいま御指摘ありましたとおり約千三百万人と見込んでいるところでございます。これは、現在の老人保健制度の対象者、この年齢が、平成十四年改正におきまして、平成十九年にかけまして七十歳から七十五歳に段階的に引き上げられるわけでございますので、これを引き継ぐ形で推計をいたしまして、将来推計人口における平成二十年度の高齢者の増加の影響を織り込んだ数値としてお示ししているものでございます。

 もう少し内容を申し上げますと、七十五歳以上の推計人口、平成二十年度は千三百万人でございます。これから、生活保護の受給者、これは対象としておりませんので、百万人、これを引くという形になります。ただ、これに加えまして、六十五歳から七十四歳の障害認定者、いわゆる寝たきりの方につきましてはこれを対象としておりまして、その数、百万人と推計しておりますので、差し引き、もとの千三百万人、こういう数値に至り着くわけでございます。

三井委員 これは、きょう細かいことは申し上げませんが、例えば国民年金あるいは厚生年金、共済年金の受給者数を見ても、どうも数字が私のあれでは合わない。それから、厚労省からいただいた平成十四年の中位推計、これをしても、一千三百万人ということではなくて、むしろ逆にこれはふえているというような状況にありますので、また詳しい資料を出していただきたいということをお願い申し上げたいと思います。

 そこで、次に、四番目でございますが、今回の第五条、保険者の責務について、保険者が独立制度である高齢者医療制度の運営に対して健全かつ円滑に実施されるように協力しなければならない、協力義務がかかっている根拠は何なのか。あるいは、保険者が財政赤字になっても協力しなければならないのかということをお聞きしたいと思います。

水田政府参考人 お答えいたします。

 高齢者の医療の確保に関する法律におきましては、後期高齢者医療制度におきます保険者の義務といたしまして、後期高齢者支援金を負担するということ等が規定されているわけでございます。

 この後期高齢者支援金につきましては、国民皆保険制度のもとで、特に一人当たり医療費が高くて今後増大が見込まれる、こういった後期高齢者の医療費につきましては国民全体で支え合うべき、こういった社会連帯の精神に基づいて保険者に負担していただくものでございます。

 この責務につきましては、この法律の第一条に目的が規定されているわけでありまして、国民共同連帯の理念に基づき、後期高齢者に対する適切な医療の給付等を行うために必要な制度を設ける、こういった目的が掲げられているわけでございまして、この目的を達成する上で保険者に対して必要な協力を求める、こういう構成になってございます。

三井委員 次に、お尋ねいたします。

 それでは、保険者は支援金を負担することということになっていますけれども、各保険者が保険者機能を発揮して医療費の適正化を努力しても、この支援金について、こうした保険者の努力とは関係なく請求されるのではないか。

 また、昨年十二月一日に政府・与党が取りまとめました医療制度改革大綱によりますと、保険者との意見交換の場を設けるとありますけれども、このことをもって運営に関与できるとするのであれば、到底納得できるものではないと私は思っております。

 また、支援金として運営に協力している以上、その運営のあり方について保険者が参画できる仕組みをつくるべきであると思いますけれども、これでは現行の拠出金制度と全く同じではないでしょうか。また、保険者の不満は全く解消されないということになると思います。参画できる仕組みをつくるべきだと考えますけれども、いかがでございましょうか。

水田政府参考人 まず、保険者の医療費適正化の努力と支援金との関係でございますけれども、これは保健事業等の実施状況によりまして、支援金にプラスマイナス一〇%の範囲で増減をつける、めり張りをつけるという形で、各保険者の努力というものが反映されるような仕組みとなってございます。

 それからもう一点、後期高齢者の医療制度の運営に対する関与のあり方でございますけれども、先ほど大臣から、保険者協議会、この仕組みについてお答えさせていただきましたが、この保険者間の協議につきましては、後期高齢者医療制度の運営に関して支援金を負担する各医療保険者が意見を述べるだけではなくて、先ほど申し上げました保健事業のような面につきましては、むしろ後期高齢者医療制度が現役の制度に対して意見を述べる、こういうこともあろうかと考えてございます。いわば双方向の議論の場というふうに考えておりまして、こうした場としては、やはりこういった協議会という形が適当なのではなかろうかと考えてございます。具体的なあり方につきましては、今後さらに検討していきたいと考えております。

三井委員 今の御答弁にありますように、まさに総合的な意見交換の場にしていただきたいということをお願い申し上げたいと思います。

 また、今回の政府案、老人保健制度は廃止するということでございますけれども、すべての七十五歳以上の後期高齢者が加入する独立制度と今回おっしゃっているわけですが、なぜこれが七十五歳以上を切り離して独立制度にするのかというのは、私はちょっと疑問でならないわけでございます。例えば、心身の特性だとかあるいは生活実態の違いというのは具体的にどういうことなのか。あるいは、七十四歳と七十五歳で、そんなに急激に心身の特性に変化が生じるのかな、一歳違いでございますから、年齢で区切れるものかなということを甚だ疑問に思うわけでございますけれども、これについていかがでしょうか。

水田政府参考人 まず、経緯から申し上げますと、先ほども申し上げましたように、現行の老人保健制度におきましても、平成十九年から七十五歳以上の方を対象にする、こういった経緯もあるわけでありますけれども、本来的な御説明といたしましては、やはり、高齢者の健康面の状況ということから考えますと、生理的機能の低下あるいは日常生活動作能力の低下、こういった症状が増加する。それから、入院による受療が増加する。外来と入院の関係を見ますと、七十五歳を境にしてやはり入院がふえるということもございます。そういった健康面での特性。

 それからもう一つは、老年医学の立場から言われていることでございますけれども、専門家の見解もございますが、七十五歳以上の後期高齢者につきましては、単に一つの疾病だけを診て診療するのではなくて、その機能を総合的に評価して、かつ、それが衰えないようにする、こういった視点に立つ必要がある、こういった指摘がなされているわけでございます。

 そのほか、就業している方、九%という大変少ない数字でございまして、心身の特性あるいは生活実態におきまして、他の世代とは異なる状況にあろうかと考えてございます。

 ちなみに、申し上げますと、六十五歳から七十四歳の方につきましては二七・六%の方が就業されているわけでありまして、こういった前期高齢者につきましては、現役世代に支えられる側ではなくて、むしろ支え手に回っていただく必要がある、このように考えているところでございます。

三井委員 大変、年齢で分けるというのは、甚だ疑問に思うわけでございますけれども、今局長の御答弁にありましたように、六十五歳から七十四歳までは二七・六%が現役ということでございました。

 そこで、心身の特性と言うのであれば、そもそもこの七十五歳以上の後期高齢者、若人と比べれば、今おっしゃったように、疾病やけがのリスクが高いわけでございます。また一方で、回復力も弱い。そういうこれらを幅広い世代で支え合うリスク分散をするというのが、先ほどの御答弁にもございましたように、大筋の法則であると思います。保険制度の基本であるわけでございますから、経済的にも身体的にも弱くなった年齢層だけ集めて独立制度とすることに、どのような合理性があるのかということをちょっとお伺いしたいと思います。

水田政府参考人 今後、急速な高齢化に伴って医療費の増大が見込まれるわけでありまして、その負担を何らかの形でしなければならないわけであります。その際に、国民の納得と理解を得られるようにするということが必要でございまして、そういう意味では、高齢世代と現役世代の負担を明確化して、わかりやすい制度とする必要がある、このように考えてございます。

 これまでの老人保健制度におきましては、それぞれの制度に加入して、それぞれの制度に保険料を納めるという形になっておりましたので、若年者の負担と高齢者の負担関係が必ずしも明確でない、こういうことがあったわけであります。今回の独立制度にすることによりまして、そういった関係が明確になるわけでございますので、そういった点で納得と理解が得られやすい、このように考えているわけでございます。

 具体的には、先ほど御紹介ありましたとおり、高齢者の保険料につきましては一割というふうに定めております。それから、現役世代からの支援金は約四割、約五割の公費というものを投入することにしているわけでございます。ただ、リスクがふえるんじゃないかということでございましたけれども、財源としては、ただいま申し上げましたような、保険料と公費とそれから支援金という形で支え合うものでございまして、社会保険としてリスクが高まるというものではないと考えております。

三井委員 ちょっと考え方が大変違うと思いますけれども、後ほど同僚議員の園田議員が前期高齢者について質問をされますので、その場でまた質問をさせていただけるものと思います。

 そこで、これもまた私は甚だ不思議でならないんですが、この後期高齢者の支援金、そもそも独立制度として創設するのに、現役の保険者、しかもゼロ歳から七十四歳までの頭割りでこの支援金を負担するというのは、どのような理由によって提案しているのかということであります。これをお聞きしたい。

 それから、高齢者は現役世代が支えるという考え方自体は、先ほどの御答弁にありましたように、これは否定するものではありません。それならば、所得のないゼロ歳から支援金負担の対象となるのか、また、支援金の法的性格あるいはこの位置づけはどのようなものなのか。

 また、被用者保険の被扶養者も含めて支援金の対象とすることは、これは財政運営的にも、とりわけ被用者保険に重い負担を強いることになるのではないでしょうか。

 さらに、子供の多い世帯ほど負担が多くなるのは、少子化対策に逆行していると思いませんか。これについて御答弁をお願いいたします。

水田政府参考人 今、四点ほど御質問ございましたので、順次お答えしてまいりたいと思います。

 まず、後期高齢者支援金につきまして、なぜゼロ歳から七十四歳までの頭割りで負担するのかということが一点目にあったかと思います。これにつきましては、まさに後期高齢者の医療費につきましては、社会連帯の精神に基づき国民全体で支え合うべきものという考え方に立っておりまして、具体的には、各保険者が負担すべき支援金は保険者ごとの加入者数に応じて算定する、これは現在の老健制度と同様でございますけれども、加入者数に応じて算定するという形になっているわけでございます。

 ここで、なぜ負担能力のない方、例えば、ゼロ歳とおっしゃいましたけれども、二十歳未満の方を除外すべきではないかという御議論も一方であるわけでありますけれども、負担能力を個別に見ていくという観点でございますと、例えば無職者やフリーターなど二十歳以上の方でも所得のない方がおられます。一方で、二十歳未満でも就労して所得がある方がおられるということがございます。

 それから、負担能力ということを、ゼロ歳にはないじゃないかというお問いかけでございましたけれども、こういった負担能力を勘案するためには所得調整をもっとすべきであるという議論ございますけれども、国民健康保険、被用者保険を通じた公平な所得把握がなかなか難しいという現状ございまして、そういったことを考えますと、やはり、国保、被用者保険を通じた共通の物差しとしては加入者頭割りという形をとらざるを得ない、このように考えているわけでございます。

 この支援金の法的な性格いかん、あるいは根拠いかんということでございました。これは、先ほど申し上げましたように、基本的には社会連帯の考え方に基づくわけでございまして、現行制度を継承したものでございますけれども、さらに観点を変えて申し上げますと、従来、老人医療費を負担してきました国民健康保険あるいは被用者保険の保険者にとりましては、この後期高齢者医療制度をつくることによりまして、老人保健制度からの移行という観点からは、従来の老人保健拠出金の負担を免れるということがございます。

 さらに、より根本的に申し上げますと、後期高齢者を被保険者にしないでいいという形になるわけでありまして、こういった方々に対する医療給付を免れるという意味で、受益に対する負担という性格があるものと考えてございます。

 それから、被用者保険の被扶養者も含めて支援金の対象とすると保険者に重たい負担になるということでございますけれども、これは、先ほど、加入者の数に基づいて御負担をいただくということにつきましては、共通の物差しとしてはやはりこういったものをとらざるを得ないということでございます。

 少子化対策として逆行するんじゃないかという御質問でございましたけれども、これにつきましては、別途、今回の改正法によりまして、二割負担の範囲を、年齢を義務教育就学前まで拡大する、あるいは出産育児一時金の引き上げを行うなど、別途改善を図るということで対応したいと思っております。

三井委員 いずれにしても、これからまだまだ質問していきますけれども、十分理解できないわけでございます。

 それでは、この七十五歳以上の独立制度の運営についてお伺いしたいと思います。

 まず、市町村が保険料徴収を行う、また、すべての市町村が参加する広域連合を各都道府県に設置して行うとされておるわけでございますけれども、また、広域連合では、保険料の決定、あるいは賦課の決定、あるいは医療費の支給等の事務も行うとしています。

 では、この広域連合は法的にどのような性格を持った組織なのか、あるいは法律上、保険者に広域連合が明記されていないのはなぜなのか。先ほど大臣の御答弁にございましたけれども、広域連合という言葉だけが出てまいりますが、しかし、これがなぜこの法律上、保険者に広域連合が明記されていないのかというのは私は不思議でならないわけでございますけれども、御答弁をお願いします。

水田政府参考人 まず、後期高齢者医療制度の運営主体であります広域連合の位置づけでございますけれども、これにつきましては、都道府県単位ですべての市町村が加入する地方自治法に基づく特別地方公共団体、法的にはこのような位置づけになってございます。

 なぜこれが法律上、保険者というふうに明記されていないのかということでございますけれども、これは、そもそも、先ほどの制度の名称で、医療保険ではなくて後期高齢者医療制度ということにしたのかという理由にかかわるわけでございますけれども、先ほど申しましたように、後期高齢者の保険料は給付費の一〇%、残りは公費と現役世代からの支援、こういう仕組みとしていることなどを考慮いたしまして、法律上、医療保険という名称を使わない、医療制度という言葉を使ったわけでございまして、それを踏まえまして保険者という規定を置いていないわけでございます。

 ただ、先ほど委員御指摘のとおり、保険料を決定する、あるいは保険給付を行うということは広域連合が行うわけでありまして、そういった財政責任を持つ運営主体という意味では広域連合が保険者であると考えております。

三井委員 それではお伺いします。

 それでは、この広域連合はどのようなメンバーで構成されるのか、また、構成メンバーの選出はどのように考えられるのか、また、この広域連合の事務局はどこが担うのか。例えば広域連合の構成メンバーは、私の聞いているところによりますと、当該の各都道府県の全市町村議会の議員と聞いているわけですけれども、これはどうやって選出するのか、あるいは運営していくのか、現段階では明確にされていないわけですけれども、これをお聞きしたい。

 それから、例えば私の地元であります北海道であれば、道内の各市町村を一つとした広域連合となるのか、あるいは、なったとした場合に、制度運営は道内一つの広域連合で可能なのか、また、保険料は道内で一本となるのか、その場合、現在の低いところから、あるいは高いところの調整はどう行うのか。北海道は大変広いところでありますから、これを一つの広域連合とするのかということについてお伺いしたいと思います。

水田政府参考人 まず、広域連合の議会の議員の構成及び選出方法ということでございましたけれども、これは、先ほども申し上げましたとおり、この広域連合は都道府県単位ですべての市町村が加入する地方自治法に基づく特別地方公共団体でございまして、地方自治法の定めによりまして、この議会の議員につきましては、この広域連合を設立する際に定めます規約において定めることとなっております。

 その規約におきましては、とり得る選択肢は二つございまして、一つは広域連合を組織する市町村議会の議員及び長の選挙権を有する方が選挙人となって行う投票、これは直接選挙の方式でございます、これか、または広域連合を組織する市町村の議会における選挙、これは間接選挙でございます、このいずれかによりまして選挙をすることになっておりまして、各広域連合の規約にゆだねられている事柄でございます。

 なお、これまでに設立されております介護保険の広域連合などの例を見ますと、市町村議会の議員あるいは市町村長等から選出されているという実態があるわけでございます。

 それからもう一つ、広域連合の事務局の方でございますけれども、これは基本的には独自の事務所、職員を有するわけでございますが、これもこれまでに設立されました例を見ますと、構成市町村からの出向職員あるいは広域連合として独自に採用した職員、これらによって組織されているものでございます。

 それから、例えば北海道ではどうなるのかということでございますけれども、これは基本的に他の都道府県と同じでございまして、都道府県単位ですべての市町村が加入する一つの広域連合を設立していただくことになろうかと思っております。

 ただ、その際、保険料につきましては、原則として広域連合の区域内は均一の保険料とすることといたしておりますけれども、離島など医療の確保が著しく困難な地域につきましては、広域連合の判断によりまして異なる保険料を定めることも可能としております。

 それからもう一つ、経過的な措置といたしまして、従来から医療費が低くて、保険料を低く抑えてきた市町村につきましては、保険料負担の激変緩和の観点から、平成二十年度から六年以内の範囲内で、広域連合条例で定める期間に限りまして不均一保険料とすることを可能とする、これによりまして段階的に都道府県内の差を解消できるよう、このような配慮を行っているところでございます。

三井委員 まだまだ質問がありますので、駆け足で参ります。

 それでは、この後期高齢者医療制度の最終責任者というんでしょうか、これはどこになるのかということと、それから、四月六日の衆議院本会議で、我が党の仙谷議員の質問に対して川崎大臣は、運営責任は広域連合が、財政的責任は都道府県と国で担うと答弁されておりますけれども、これは、本来、運営と財政は一体のものと考えるのが普通じゃないかと思うんですが、仮に財政が破綻した場合、運営責任はどうなるのか、また、どこに責任をとらせるのかということをお伺いしたいと思います。

川崎国務大臣 これは事務局もチェックいたしましたけれども、「最終的な財政運営の責任は広域連合が担うことになる」という答弁をさせていただきました。

 言われるとおり、運営責任、財政責任、ともに広域連合がしっかり負っていただくということでございますので、御理解を賜りたいと思います。

 今、現状で、私の地域で申し上げると、例えばごみとか病院の経営問題、広域でやっております。県全部ではありませんよ、地域でやっている、それはやはりこういう形で運営がされておるというように思っておりますし、介護等につきましてはもう既に福岡県等がこういう形で実施されているということも事実でございます。

三井委員 はい、わかりました。

 そうしますと、これは運営、財政面はすべて広域連合が責任をとるということでございますね。

 そこで、この支援金を強制される保険者が運営に関与できないということでは、現行の老健の拠出金と同じではないかと思うわけでございますけれども、きょうは、前期高齢者の医療制度については、先ほど申し上げましたように、後ほど園田議員が質問に立つと思いますが、後期高齢者の医療制度だけでも相当な問題点があると私は思っています。

 今までの質問に御答弁いただいた中にも、深くは突っ込みませんでしたが、きょうはお聞きするだけにして、後ほど精査してまた質問したいと思っておりますけれども、この案は、まさに今聞いているだけでも、期間を限定するなり、あるいは再検討するなり、そしてもう少し慎重に議論すべきだということと、広域連合といいましても本当に広うございますし、これは周知徹底するまでの期間とかいろいろなことを考えた場合に、本当に果たしてこの制度ができるのかということも甚だ疑問でございます。

 そういうことも含めまして、ぜひ私は、今回は再検討する必要があるのではないかということを申し上げておきたいと思っております。

 そこで、地域医療問題についてお伺いしたいと思います。

 地域医療の崩壊ということはたびたびほかの委員からも質問されているわけでございますけれども、私は、先ほど申し上げましたように、二〇〇二年の健康保険法の審議の際にも地域の医師不足の問題を取り上げさせていただきました。率直なところ、この四年間で地域の事情、地方がますます悪化しているというのが実態なんですね。

 川崎大臣は、何度か私もここで御答弁を承ったわけでございますけれども、医師は不足しない、医学部の新設や定員増は行わない、診療科や地域に偏在があり、医師の不足感があるが、それぞれの自治体のリーダーシップ、病院設置者の努力が必要、地域偏在は地域で話し合いをして解決すべき問題だと答弁されているわけです。しかし、私は、地域の医療は地域で解決せよと言うだけでは到底できるものではない、まさに生半可な状況では解決できないと思っております。

 私も、ここに資料を添付してございますけれども、これは北海道の状況でございますが、既にこのように医師がどんどん少なくなってきているわけでございまして、確かにいただいた資料の中では、これは文科省でしょうか、小児医もふえているんですね、確かにふえているんです。しかしなぜ減っているのかということは後でお聞きしたいと思っているんですが、産婦人科は減っております。それから外科も減っております。しかし、少ないと言われる麻酔科の医師もふえているのは、大臣が、御答弁の中にありましたように、医師は不足していないと言うところには当てはまるのかなと思っております。

 各先生方のところにお配りしましたこの北海道新聞の調査結果にも報道されていますように、北海道の道内の百六の自治体病院の四分の一に当たる二十六病院が、もう道内の三つの大学から医師の派遣を打ち切られたわけでございます。引き揚げをされたわけでございますね。引き揚げされた医師の数が、ここに書いてございますように、新聞報道にありますように、八十七人、大変な数なんですね。札幌から離れた自治体の中核病院で打ち切られる例が特に目立っておりまして、そこで、北海道の地域医療の危機的状況、この記事をごらんになって、川崎大臣、どのような御感想と認識をお持ちか、御答弁をお願いしたいと思います。

川崎国務大臣 まず、北海道に関する認識でございますけれども、十万人当たりの医師数は二百十六ということでございますので、国全体の状況からすれば北海道は医師数は不足している地域ではない、こう思っております。

 しかし、一方で、この間、阿部委員との質疑の中で少し新潟問題も議論いたしましたけれども、札幌というところに医師数が偏在をしていることは間違いないだろう。それから、先ほど御質問がありましたように、診療科目によってやはり不足が出ているのではないか。そういう意味では、ある科目が多いということになると思うんですけれども、そんな感じをまずいたしております。

 一方で、時間もないことですので、後の御質問にもあるわけですけれども、臨床研修医制度に変わって、北海道で研修を受けられている人はどのぐらいいるんだろうかという数字で見ますと、現実、十五年が二百八十八、旧制度でございます。それが十六年度では三百二十八、昨年で三百十九でございますから、結果として、北海道から大学を卒業された方々が出ていってしまったということではない、それぞれの医療機関で研修をされておることも事実であろうと思っています。

 一方で、例えば旭川の病院では、十五年が四十八人いたのが二十五人になっている。札幌医科大が八十七人が五十八人になっている。要は、北海道内のより研修医が勉強しやすいところへ移っていっているということも事実であろう。

 さあ、この三百二十八でしょうか、これから二年たちましたので、この三百二十八の方々が北海道内のどういう病院に勤務をしていただけるか、もしくは開業されるのか、こういう問題を総合的にやはりまず北海道内で御議論いただきませんと、国の方から直接的にその議論に入っていくということについてはまだ早いんだろうと思っております。そういった意味では、まず、北海道内でこの研修の数、そして、各地域で受けられている人たちがどう北海道に定着しながらやっていくのかということをぜひ御議論を賜りたい。

 そして、その仕組みとして、既に北海道は、大学を中心としながら医師の派遣を行っていたものを、北海道が関与しながら、三大学あるんでしょうか、三大学をまとめながら各地域に派遣するという制度に変わっていっている。そういう意味では、いろいろ、国の方がもっと直接的にやるべきではないかという御議論もありますけれども、やはり北海道が中心となりながら御議論いただく中で、私ども、例えば小児医療や周産期医療、僻地医療の問題、公的医療機関や医療従事者に対し地域医療の確保の取り組みに協力する義務というような形でさせていただく、また診療報酬という面でさせていただくというようなことでバックアップをしてまいりたい。

 そういう意味では、国の責任を回避するつもりはございません。しかし、やはり時代の中で、まず北海道というものがしっかりした計画をお取り組みいただく中で、我々としてできることをしっかりしていかなきゃならぬというのが一つだろう。

 もう一つは、私の三重県で申し上げると、やはり地域枠、三重大学の先生とも話しているんですけれども、ことし五なんです、正直言って三重県は。五という数字では、我が県は百八十ぐらいしかありませんからね。それではとても進まないんじゃないんですか、私自身、三十以上は設けられてもいいんじゃないですかというアドバイスを二、三年前からさせていただいておりますし、大臣になりましても変わらずこの見解を示しているところでございます。

三井委員 ありがとうございました。

 大臣がおっしゃるように、私も、これをちょっと資料を取り寄せたんですが、大臣の御地元の三重大学では五人なんですね。三十人というのは、これは限界なんでしょうが、まさに全大学を、今何カ所でしょうか、十六大学見ましても百二十一名という地域枠しかございません。

 そこで、これは大臣に一つ申し上げたいんですが、医師が消えたという、これはどこの新聞でしょうか、これを私は見たときに、三重大学の医学部の附属病院の内田院長が、研修が義務化されてよかったことは何もありませんわと嘆いていたと。つまり、研修医制度には何も義務化されてよかったことはありませんわということで、この資料を見ましても、今大臣の御答弁にありましたように、北大を見ましても、百三人のうち〇六年度では六十人。札幌医大では〇四年度の七十人が〇六年度は五十人に減った。三重大学では〇六年度ではわずか三人。東北大学も六人。弘前大も九人。地方の大学の医師流出は全国で起きている現象だということは言えるわけですね。

 それで、時間もありませんので、あと六問ぐらい質問があるんですけれども飛ばさせていただきまして、この臨床研修医制度の見直しに対して、今私が申し上げたようなことで、大臣も残念ながら五人だということをおっしゃっておりましたが、このことについて、大臣にちょっとコメントをお願いしたいと思います。

川崎国務大臣 この二、三年、三重大学と話をすることが多うございます。その中で、正直言いまして、独法に移っていく過程の中で、大学病院全体の近代化がおくれたことは間違いないだろう。ことしからやっと工事に入ることになりました。しかし、当初は二十年計画で病院を直すんだという話でありましたので、二十年たったらまた直さなきゃならぬじゃないかという議論をしながら、全体の大学病院の近代化というものを図らないと、新しい制度の中で、大学病院で学ぼう、研修を受けようという人が減ってきていることは間違いないですね、ここはやはりしっかり直していかなければならないだろうと。

 また、大学の関係者からもとの制度に戻ったらいいのになという御希望があることは事実でありますけれども、もとの制度の弊害はまた委員が一番よく御承知だろうと思います。やはり古い制度、余り言い過ぎないように心がけますけれども、もとの制度に戻るということはないと思います。そういった意味では、この研修医制度の結果を、まさに二年たちましたので、しっかり分析をしながら、やはりどうあるべきかというのは議論をしていかなければならないであろうと思っております。

 そして一方で、いずれにせよ、今、研修を終えられた方々がいらっしゃるわけですから、これを、三重県の各病院に来てくれるようにしっかり対策をやっていかなければならない、こういう認識をいたしております。

三井委員 また、資料をお手元に出させていただきました。離島ですとか僻地医療について北海道のマップで出させていただきましたけれども、特に、僻地の拠点病院、十九病院のうち八病院が対象になっているわけでございますが、ここは医者が引き揚げられた。さらに、半径四キロ区域内に五十人以上が居住している地域で簡単に医療機関を利用することができない、いわゆる無医地区を有する市町村が五十九もあるんです。北海道においては実に百五十五の無医地区があるということであります。

 これについて、このような地域住民にとって、まさに医療のフリーアクセスが担保されているとお考えなのか、副大臣、簡単にでございますが、御答弁をお願いいたします。

赤松副大臣 先ほど来、大臣がお答えされておりますように、医師の偏在というものに対しましては、都道府県において、医療機関の集約化、重点化を検討するということで、北海道においても今一生懸命なされている、特に三大学を中心に関係者から成る協議会を設定してやっている、こんなふうなことを聞いております。拠点となる病院とそのほか医療機関との連携によって、地方医療の確保に向けた取り組みが大いに進められている、こんなふうに思っております。

 具体的には、入院を必要とする患者には重点化、集約化した医療機関において診療が行われ、外来診療を必要とする患者に対しては身近な医療機関で診察が行われる、そういうことで、患者の病状に合った診療がなされる体制を整えるために、今委員御指摘のように、医療のフリーアクセスは担保されているかということに対しましては、医療のフリーアクセスは担保されている、こんなふうに考えているところでございます。

三井委員 どうもありがとうございました。

 時間が本当になくなりましたので、きょう、文科省からもおいでいただいておりますので、最後に質問させていただきたいと思います。

 先ほどから議論されております地域枠の拡大についてでございますけれども、平成九年に、北海道で申し上げれば札幌医科大学で導入されまして、なかなか枠の拡大というのは進みませんでした。しかし、昨年までに、先ほども申し上げましたように、七大学、五十六人、本年、十八年度には一気に十六大学、百二十一人とふえたわけでございますけれども、今までの地域枠の採用が進まなかった理由はなぜなのか、また、そもそも地域枠の位置づけはどのようなものだったのか、お尋ねしたいと思います。

磯田政府参考人 お答えいたします。

 いわゆる地域枠の設定につきましては、特に国立大学におきましては、全国の受験生に対して広く受験機会の平等を確保する、こういう考え方から導入されなかったわけでございますけれども、平成五年の大学審議会報告におきまして、合理的な理由があり、かつ、教育の機会均等を損なわないよう配慮しつつ、適切な方法で実施するものであれば認めてもよいのではないかということで検討を促し、さらに平成九年六月の中央教育審議会答申では、地域に根差した大学づくりを進める、あるいは若者の地域定着を進める、こういう観点から、地域枠を導入することも有意義であるということで意義を認めたわけでございます。

 そして、近年の医療におきます医師不足の問題ということから、各大学が地域に貢献する大学づくりの観点で積極的に取り入れている、かような状況でございます。

三井委員 時間もありませんのであれですけれども、もっともっと地域枠をふやしていただきたいということをお願い申し上げたいのと同時に、自治医科大学の二〇〇二年の概要を私は取り寄せたんですが、このマップで示された中でも、ほとんど都市部に偏在している、こういう形になっているわけですね。特に義務年限九年を終えますと、ほとんどが都市部に戻ってしまっている。こういう状況下の中で、今、自治医科大学だけでなくて、地元枠というのを拡大して、ただ単純にそれだけでは解決しないと思いますけれども、そこに何らかの拘束力をつけるとか、そういうこともやはり今後考えていく必要があるのではなかろうかと思っております。

 それと、きょう、医療療養型について質問したかったわけでございますけれども、時間もございませんので次回やらせていただきたいと思います。きょうはありがとうございました。

岸田委員長 次に、田名部匡代君。

田名部委員 民主党の田名部匡代でございます。

 私が議員になる前から、医療制度というのは、抜本的な改革を行う、そういう言葉を何度か聞いてきたような気がします。しかしながら、ここまで、小手先の改革と言わざるを得ないような改革にすぎなかったのではないか。社会保障とか教育、また国民の命、財産、そういったものにかかわるものこそ、国がしっかりと責任を持って、時には厳しくリーダーシップをとって行っていくべきものであるはずだ、そのように思っています。

 きょう、委員の皆様のところにたくさんの資料をお配りさせていただきました。多少、お邪魔になるかもしれませんが、これは本当に一部でありまして、本来であれば、もっともっと地元の実情を皆様に知っていただきたい、これでも削って削って配付した資料でございますので、どうか御理解をいただきたいと思います。

 今回の医療制度改革、安全、安心はもちろん、納得できる医療制度にするために、十分な議論が尽くされなければなりません。国民の関心も大変高く、またお医者さんの関心も大変高い、たくさんの問題を抱えた重要な法案であります。

 今回、医療制度を議論するに当たりまして、私も、自分の地元を本当にたくさん歩かせていただきました。私は医療の専門家ではありません。しかしながら、だからこそ、できるだけ地元の実態をしっかりと受けとめてこの場でその思いを届けたい、その一心で、何度も何度も地元の診療所、また県庁、役所、市立病院、開業医の皆様、たくさんの方々からお話をいただいてきました。国会議員という仕事を通して、本当にこの国のためになること、そして国民のためになることを本気で議論し合いたいと思っています。そのために、私欲を捨ててしっかりと取り組むべきだと考えています。それはここにおられる皆さんも、もちろん同じであると信じたいものであります。

 しかし、我が党が提出しましたがん対策基本法がいまだに議論されていないこと、また、小泉総理がこの場に出てこないことなど、私には、本気で議論をしようという姿勢には感じられません。

 特に、がん対策は必要だということを一月の本会議の場で小泉総理も発言しておられます。それは大臣も発言をしておられます。本来であれば審議をされてしかるべきではなかったのかな、なぜ審議がされないのかということが、私は本当に疑問であります。理由はわかりませんけれども、想像にすぎませんが、私たちの政党が先に出したからとか、だれの手柄だとか、何かそういったことで審議がされていないのではないかと疑わざるを得ません。

 その審議のあり方が国民そっちのけの審議にならないように、議論にならないように、しっかりと時間をかけて、どうぞ大臣、それが当たり前だと思いますので、ぜひよろしくお願いをいたしたいと思います。

 先日から、我が党の委員が、医療現場の声や地方の実態をお話ししておられました。先ほどもお話ししましたが、私の地元でも、まさに医療現場は崩壊状態でありました。日本一深刻だと言っても過言ではない、そのように思っています。

 実は、一週間ぐらい前でしょうか、NHKでも特集が組まれました。東北の医師不足というタイトルでありました。それだけではありません。お配りしている資料、デーリー東北さん、そして東奥日報さん、地元の新聞でも、連日のようにこの医療の深刻さを、また抱える問題を訴えておられました。

 ぜひ、きょう私は青森県民のその悲鳴を代弁したいと思いますし、これは何も青森だけの話ではありません、東北全体が悲鳴を上げている、さらには全国で悲鳴を上げている。新潟も、また、先日千葉にも視察に行ってまいりました、千葉の医療現場でも青森と同じような声が聞かれました。全国の、医師不足の問題を抱える、また多くの医療問題を抱えている地域の代弁をさせていただきたい、そのように思っております。

 皆様お手元の資料で、たくさんあるんですけれども、一、二、四、七と地元の新聞を見ていただきたいと思うんですけれども、地元の公立病院から産科医がいなくなりました。しかも、そこには個人の開業医もいないんです。市立病院の産科に通っていたが、その産科がいなくなり、市外の開業医に通い始めたら、今度はそこの病院で先生の都合で休診になってしまった、一体どこで子供を産んだらいいんだろう、そういう悲痛な叫びが聞こえてくるわけであります。

 皆様のお手元に一枚物で青森県の地図を配らせていただきました。ぜひそれも一緒にごらんいただきたいんですけれども、上十三地区、そして、むつ、下北地区というところに黒く囲いをしてまいりました。上十三地区というのが、今話をした地域であります。公立の野辺地病院、そして十和田の市立中央病院、どちらもこの医療圏内の三分の一の子供たちの命を診てきた、そういう現状があります。しかしながら、現在公立病院で出産ができるのは、この圏内で三沢市だけとなってしまいました。さらには、この野辺地と十和田市の間にある七戸病院も閉めてしまった。

 しかし、これはまだいい方だ、そういう声が県内からは上がっております。それが、むつ、下北、下北半島のところでありますけれども、ここはむつ市に二カ所お産ができる病院があるだけです。地図ではわからないかもしれません、これはマグロで有名な大間町、大間町からこのむつ市の診療所まで、片道一時間かかるんです。片道一時間かけてむつの産科まで通っているんです。さらにこの隣の佐井村、これは一時間半かかります。まして、冬に大雪が降ることをどうぞ皆さん考えてください。片道二時間以上かかるんです。これはこの地図で示した地域だけではなくて、青森県内すべての地区で同様の状況が見られております。

 大臣、こういった地方の現状を聞いてどう思われるでしょうか。こういった現状があるということを御存じだったでしょうか。

川崎国務大臣 まず、青森県でございますけれども、十万人に対して百七十三・七、先ほどの北海道の状況とはまた違う問題を抱えておるという認識はいたしております。一方で、診療科目による偏在、地域的な偏在があることも事実であろう。そういったものに対して各都道府県が基本的な計画を書きながら、我々もどうバックアップをしていくかということの中で、昨年の八月に医師確保総合対策を文科省それから総務省と一緒に決めました。基本は、医療対策協議会の制度化、医療連携体制の構築等、さまざまな課題を上げさせていただく中で取り組ませていただいているところでございます。

 基本的には、先ほど北海道の例でお示しいたしましたように、やはり大学等と県が全体一緒になりながら、どうあるべきかをまず考えていただかなきゃならないだろうと思っております。その上で、私どもとしてどのようなことができるか、しっかりとした応援体制を考えていかなきゃならない、こう思っております。

田名部委員 大臣、今からどういう支援をしていくか考えたのでは遅いのであります。こういったことがいつから、今起こったことだと思っていらっしゃるのでしょうか。お答えください。

川崎国務大臣 医療全体の背景について日本の国をどう評価するかということについては、前回の審議、前々回の審議を通じて申し上げました。WHO等から国際的に高い評価を受けている、日本は一番であるという評価を受けている。一方で、周産期医療、また、例えば幼児の医療、乳幼児の医療等、世界的にどうであるか、こういう比較をさせていただいても、日本全体のレベルとしては極めて高い位置にあるということは事実であろうと思います。

 しかし、一方で、国内的に見た場合にさまざまな問題を抱えている。したがってそれを一つ一つ解消していかなければならない。こういう立場の中で努力をさせていただいているところでございます。

田名部委員 私がお伺いしたのは、この問題はいつからこんなひどい状態になっているという認識があったのか、今始まったことだとお考えなのかということをお伺いしたわけです。お答えください。

川崎国務大臣 先ほど申し上げましたように、全体的な問題としては、我が国は極めて高い水準にあると申し上げました。しかし一方で、僻地の問題、小児医療の問題等、抱えている問題がありますので、それぞれ御相談をしながらやらせていただいている。全体の認識と、そして、例えば今お示しいただいたような僻地においてこういう問題が生じている、それをどうやって解決すべきかということは、これは何十年来大きな課題として抱えていることは事実でございます。

田名部委員 今大臣の御答弁にありました僻地に対する対策、これは何年から行っているのか、お答えください。

川崎国務大臣 何年かは、先に通告を受けておりませんので資料を持っておりませんけれども、今回の僻地医療対策が第九次の僻地医療対策でございます。

田名部委員 僻地医療対策について、これは役所からいただいた資料です。昭和三十一年度から僻地医療に対する対策をとってきたんです。にもかかわらず、今に至ってまだ、これから対策を考えるというのは一体どういうことでしょうか。世界において高い医療水準とはいえ、実際にここにおられる委員の皆さんは思っていらっしゃるんじゃないでしょうか。全国の、田舎から出てきて、それぞれ地元の実態を聞いていらっしゃるはずであります。

 そういった中にあって、これは、もう本当に今始まったことではないんです。これは地元の新聞でも……(発言する者あり)随分前からひどい状況、ずっとやっていても改善されていないということを言っているわけです。

 地元の新聞でも随分前から特集が組まれておりました。二〇〇二年の新聞の記事でありますけれども、これも津軽地方における小児科の問題であります。片道一時間かかる上に、おなかが大きくなって自分で運転ができないから、タクシーで往復二万円をかけて病院に通って子供を産むんです。こういった実態が今始まったことではないというのは、大臣も、また役所の皆さんも十分にわかっていたはずであります。しかも、先ほど三井先生もおっしゃっておられましたが、四年前よりもひどい状態になっているんです。ただ計画を立てて旗を掲げればいいというものじゃないんです。

 それでは、これだけ何年も何十年もかけて計画を立ててきたことが進まないということは、計画が悪いということか、何かほかに理由があるということであります、それを実際に検証して、もう一度計画を見直すというようなことをしてきたんでしょうか。大臣、どうお考えですか。

川崎国務大臣 ですから、僻地医療の問題については、今回九次になるように、国の中の大きな問題として取り上げながら努力してきていることは事実です。しかし一方で、なかなか偏在化の問題が解消できていないという認識もいたしております。(発言する者あり)

 したがって、今回も、都道府県で医療計画はきちっと書いていただいて、大学病院等ともしっかり連携をしながらやっていただきたい、我々もしっかり応援していこうという形で書かせていただいているところでございます。

 今一部出ましたように、二百八十二いる徳島県においても、偏在問題ということでいろいろ御指摘いただくことがあるわけです。したがって、まずそれぞれの県の中で、問題点を掌握していただく中でやっていかなければできない課題でありますので、どうぞ御理解を賜りたいと思います。

田名部委員 私、今の大臣の御答弁を伺っていて、医師がたくさんいる徳島県でも偏在の問題があって、医師が足りないということですよね。それでは、全体として医師不足ということになりませんか。

川崎国務大臣 東京も二百七十八でございます。それに引っ張られるように、逆に千葉県や茨城県、そういうところの数値が低くなっております。しかし、全体としてどういうふうな数字になるかといえば、関東圏としては足りておるという数字になるんでしょうと。

 偏在問題をどうやって解消していこうか。しかし一方で、働く方々がどこで仕事をしたいという権利を奪うこともできない。したがって、そういった意味で、みんなが苦労しながら、努力をしながら積み重ねていく以外にはない、こう申し上げております。

田名部委員 厚生労働省の方々も一生懸命取り組んでおられることを、私もこうして毎日お話を伺っていてそれは理解をさせていただきました。何も、ただほったらかしにしてきただろうとは言っていません。しかし、計画を立てても前に進んでいないのであれば、やはり反省をして、検証をして、新たな対策を打ち出さなければならなかったんじゃないでしょうか。

 先ほど僻地対策のことを申し上げました。三十一年から始まりました。先ほど委員の皆さんからも、対策はやっているんだとおっしゃいましたけれども、ごらんになったんでしょうか、これ、第六次計画からほとんど同じ計画が上がっているんです。一つか二つ新しい計画が追加されるだけであります。逆に申し上げますと、掲げている計画が解消されていないのに新しい目標をつけ足して、こんなことで本当にこの国の医療は改善される、僻地対策はこれで間違っていないと言えるんでしょうか。

川崎国務大臣 問題点があるという認識があるから、第一次から九次まで詰めてきている。しかし一方で、即効性があるのかということになれば、今申し上げたように、いろいろな策をしながらやってきた。今回も、都道府県で雇用した医師の派遣、地域でのキャリア形成システムの構築等、新しいスキームを加えながらやらせていただいております。また、この間御質問がありましたけれども、その他の対策として、自衛隊医官との連携というのも当時打ち出させていただいた問題でございます。

田名部委員 きちんと実態を把握していれば、本来何をすべきかというのは見直されて、もう少し早くこういった対処ができたのではないかと私は思っているわけです。以前山井委員が御質問で訴えたように、医師が確保できないことで、そこの地域の医師が過重労働を強いられる。つまり、労働条件とか過重労働の実態をもっとちゃんと調査して把握して、もっと早い時期に対策を打ち出していればこんなことにはならなかったのではないかと私は思うんですけれども、大臣、医師の過重労働の実態を把握していらっしゃるか、もしくは過重労働を強いられている、そういう感じは思われますでしょうか。

川崎国務大臣 僻地問題から急に変わりましたけれども、僻地問題で検証ということになりますと、これも通知をもらっていませんから、今数字をもらったんですけれども、昭和四十一年のときに意識をいたしましたのは、無医地区数、お医者さんがいらっしゃらない地区数が二千九百二十、対象人口百十九万という想定の中で政策を積み重ねてきて、平成十六年で七百八十六地域、十六・五万人がその対象になっておるということでございます。

 ただ、医療の質に対する国民の要求は大きく変化してきておりますので、こうしたものだけでは十分なものになっていないという認識はいたしております。したがって、その中でまた検討、しっかり計画を積み上げながらやっていかなければならない、こう思っております。

 一方で、小児科医等の勤務の実態、これはもう、この間、山井議員からもいろいろ御質問を賜りました。

 この問題については、小児科医はふえているわけですから、数の問題というよりも最終的にはやはり集約をさせていかなければならないだろうという中で、先日も富山県の知事さんとお話し合いをさせていただく機会がございました。

 これは射水の問題とあわせてやらせていただきましたけれども、そこにおいても、知事さんが中心になりながら、県の四つの病院に問題を集約化させていこう、そうしなければやはり一つ一つの病院の医師数と小児科医というものが足りなくなる、したがって一人一人のお医者さんに極めて過重な労働をお願いせざるを得ない、こういう形になるから、医師数を一つずつが確保していく、それによって今の過重な労働というものをやはり緩めていく方向を示していかなければならないだろう、そのためには集約化を図る以外ない、こういう認識をいたしております。

田名部委員 僻地の問題から急に変わったというお答えでしたけれども、僻地の問題と医師不足の問題は同じなんです。僻地にお医者さんが行かないわけですよね、そういったことでこの僻地対策でも随分とその対策の中身に、僻地に医師確保をしようということで書いてありました。その中に、研修機能の強化というものがあります。

 先ほど、私は、やはりこの計画というものはしっかり見直すべきだ、実態を調べるべきだと申し上げました。この研修機会の強化というのは、僻地に来たお医者さんが自分の技術を磨く場がないから、なかなか僻地に来てくれない、僻地に医者がいないということの理由にそういったものが一つ上げられるわけであります。

 そこで、この僻地対策にそういったことが載っておりました、研修に行っている間にかわりのお医者さんを確保することは可能ですかということをお伺いしました。そうしたら、僻地拠点病院からかわりのお医者さんを確保する努力をしているということをおっしゃっていました。僻地に医者がいないだけではなくて、僻地拠点病院にさえ医者がいないのが田舎とか地方の実態なんです。

 だから、もう一度きちんと検証して、本当にこういうことができるのか、できないのであればその前にどういう手の打ち方があるのかということをしっかりやるべきなんじゃないか、私はそのように思っています。

 先ほど、その勤務実態のお話を聞きました。大臣、中間報告をお読みでしょうか。勤務状況、労働時間について調査をしている、その中間報告はもうごらんになりましたでしょうか。

赤松副大臣 医師の勤務状況実態調査の中間報告ということですね。

 病院常勤医師の休憩時間等も含めた一週間当たりの在院時間は平均で六十三・三時間であったこと、その中で、外来診療及び入院診療の時間は一日およそ七時間から八時間程度であったということが報告をされておる、こういうことでございます。

田名部委員 私、このことをお伺いしましたら、小児科、産科においては平均よりも長時間の勤務時間となっているという回答がありました。しかし、この報告書の中身を見ましたら、特に小児科医、産婦人科医にアンケートをとったわけではないんです。内科医、外科医、そういった方々が三〇%前後、そのほかに、精神科医、麻酔科医、そういうすべての診療科目の先生方にアンケートをとっています。

 その中で、同じ病院に三年以上勤めた方で今までよりも負担がふえたと答えた方は、約七〇%近くいらっしゃいました。そして、診療科別の一週間の勤務時間、役所から御回答、御答弁をいただいた、小児科、産科は特に長時間勤務と。とんでもないです、内科も外科も麻酔科も同じぐらいの勤務時間を強いられているわけです。つまり、この医師不足の問題というものは小児科とか産婦人科に限ったことではないと私は思うのですが、大臣、いかがお考えでしょうか。

川崎国務大臣 全体的な数字として、内科、外科等が我が国において足りないかということになれば、足りなくはない、私はこう思っております。

 一方で、小児科については、全体数はふえてきておりますけれども、開業医が多い、勤務医が少ない、その少ない勤務医の中でどういう体制をしいていくか、子供の数は減っていくわけですから、集約化をして物事に対応していかなければならない、このような思いをいたしております。産婦人科医につきましては、確かに数が減っております、お産の回数も減っております。そうした比例関係からいえば、産婦人科も急激に減ったという認識はいたしておりません。

 しかし、一方で、周産期医療のああした事故というものを見る中で、やはりこれも集約化を図っていかなければならないという中で、先ほどから申し上げておりますけれども、都道府県でそうした計画を書いていただいてそれに沿って物事が進むように、私ども、国の行政の方からバックアップをしてまいりたい、こう申し上げております。

田名部委員 大臣は先日から、医師は不足ではないというふうにおっしゃっておられます。医師は不足ではないと言う医師の需要の基準というのは、一体何なのでしょうか。

川崎国務大臣 必要な医師数については、医療技術の進歩、疾病構造の変化、医師一人当たりの診療患者数等のさまざまな要素を勘案して求めてまいりました。平成九年にそうした中で一つの閣議決定がされ、一方で、検討会において、医師の需給に関する検討会を立ち上げて十二回開催し、検討を行ってまいりました。

 この結果を踏まえながら、夏ごろまでには、需給に関するモデルの作成を行い一つの考え方を出したい、このように思っております。

田名部委員 私も、何度も医師は足りているんだという御答弁を聞いて、一体どうやって医師が足りている、足りていないということを判断するんだろうと思ったので、役所の方に二度伺いました。二度ともそれに対する答えはなく、現在、医師の需給に関する検討会を開催しており、本年度夏ごろまでに取りまとめたいと。医師の需給の基準について今検討中だ、それはこういうことではないんでしょうか。

川崎国務大臣 平成九年の段階で一つの閣議決定をさせていただいたことは事実だ、それから、これから毎年三千人、四千人のお医者さんの数がふえていくという中で三十万人体制になるということについて、一つの、そのぐらいの目標でいいんだろうという中で動いてきたことは事実でございます。

 一方で、先ほど申し上げたように、医療技術の変化、さまざまな変化がございますので、改めて今見直しはさせていただいている、こう申し上げております。

田名部委員 その基準を今検討中でありまして、つまり、これまでの間に、研修医制度が立ち上がったり、患者さん一人にかかる時間が長くなったり、いろいろな変化があった中で、本当に医師が足りているのかどうかというのはわからないまま今の審議が進んでいるということでしょうか。大臣、どうお考えですか。

川崎国務大臣 ですから、基本的な認識としては、三千人、四千人が増加していく中で、三十万人体制でまず全体の医療は行えるものだろうと考えております。

 一方で、新しい需要の変化というものも常に頭に入れながら勉強しなければなりませんから、今、再度検討をさせていただいている、こう申し上げております。

田名部委員 何というか、危機感が足りないというか、地方は本当に苦しい状況でありました。私は、私が思っていた以上に本当に苦しい状況だというその現場を見てきました。それは皆さんも同じなんじゃないでしょうか。医療の現場に足を運んで、医師が足りている、十分満足している、そう言った方がいらっしゃいますか。

 そういった中にあって、今回この医療制度改革が行われることがわかっていたわけです。であれば、こんな基本的なことは前もって調べておくべきであって、私、いろいろ資料を見ましたら、平成十七年度中にこれは取りまとめて出すというふな資料が幾つも出てきました。いまだに出ていないというのはどういったことでしょうか、まだ取りまとめが行われていないということでしょうか、お答えください。

川崎国務大臣 お答え申し上げましたけれども、もう一度お答え申し上げます。

 ことしの夏ごろまでには取りまとめを行いたいと考えております。

田名部委員 本当に、私は疑うわけではありませんけれども、もしかして今までの見通しが間違っていて、もうデータは出ているけれども出すに出せずにいるんじゃないかとさえ思えてなりません。

 本来、こういった国民の命にかかわるような大事なことを審議するに当たって、基本的なデータがないまま審議が進むというのは大変おかしなことだ、そのように思っています。しかも、大臣、先ほどから何度も、八年も九年も前のデータをもとに医師が足りているというお話をされているわけであります。本当にそのデータをもとに今この審議を進めて間違いないんでしょうか。夏に出てきたデータが正しければそれでもいいですよ、もしも間違っていたらどうするんですか。もう一回審議をやり直しますか。

川崎国務大臣 医師数全体として、今、毎年三千人、四千人ふやしながら三十万人体制になっていくということを前提にしながらお話し申し上げております。

田名部委員 財源を確保するための改革ではなくて、本当に、この国のどこに生まれても同じように命が守られて、同じように健康が維持できる、そういう制度をつくるために私たちは今審議しているのではないでしょうか。こんな基本的なデータもなくて、医師が足りていると言われながら、青森に行けば、医師がいなくて、一時間も二時間もかけて産婦人科に行かなきゃいけないという、そんな実態を私は目の当たりにして、このまま審議をとても続ける気にはなりません。

 大臣、もしもこのデータが間違っていたら、さっきもお伺いしましたが、もっと早くにこのデータを出すことはできないでしょうか。審議中に出すことはできませんか。

川崎国務大臣 夏ごろまでに取りまとめると御返事申し上げました。

田名部委員 その基本的なデータがないまま審議できるとお考えですか、大臣。私はできないと思います。

川崎国務大臣 先ほどから申し上げておりますとおり、全体の流れとして、今の体制の中から三十万人体制に医師が進んでいくというものを想定しながら、我が国の医療体制がどうあるべきかというのを書かせていただいておるのが今回の医療制度改革全体の話でございます。

田名部委員 委員長、基本的なデータであります、このことを理事会でぜひお諮りいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

岸田委員長 理事会で協議いたします。

田名部委員 私が、なぜこんなに、全体的に医師不足なのではないかということを何度も何度も申し上げているかといえば、皆さんのお手元にもお配りした記事の中にもありますが、決して小児科、産婦人科だけの問題ではない。先ほど、役所でも出していただいている中間報告にもありましたように、全体的に過重労働を強いられているわけであります。

 例えば、この「仮眠は一時間くらい」、これは小児科、産科の先生じゃありません、市内の病院の循環器内科のお医者さんなわけであります。少し中の記事を御紹介しますが、増員したいけれども全県的な医師不足で確保は困難、ぎりぎりの人数で過酷な労働が恒常的になっている、そのようにお話をされています。日中の外来診療を終えて、そして午後の零時過ぎ、昼食もそこそこに一時からまた五時間ぶっ通しで四件の手術をこなしている。この方は前日からほとんど寝ずに仕事をしていらっしゃるわけです、連続約四十時間の勤務です。

 これは、お医者さんの立場だけではなくて、患者の安心とか命にもかかわる大事なことであります。しかし、このお医者さんが何をおっしゃっているかといえば、自分は必要とされているんだ、だから激務に耐えているというふうにお話をされております。今のは循環器の先生でありますが、その後のは、「麻酔科医は深刻な状況」。

 本当に青森県の実情をお伝えしようと思ったら、とても一時間では足りない。しかし、そういった地方の現状があるんだということを私はこの場で本当に御理解をいただきたい、それこそが地方に住む者の心の叫びなんだということをぜひ私は御理解をいただきたい、そのように思います。

 つまり、内科、小児科、産婦人科以外に過重労働を強いられているのであれば、やはりこれは全体的な医師不足の問題なのかなと。もう一つ追加で御紹介します。精神科医も足りません。

 先ほど来、大臣は、各自治体で努力をしていただきたい、そのようにお話しになっておりました。自治体はもう十分に努力をしています。青森県でも、いろいろな計画を細かく立てて何とか医師不足を解消しようと県も総力を挙げて頑張っているし、各町村も同じであります。弘前大学に足を運び、県庁に足を運び、他県の大学に足を運び、それでも医師が確保できない、そういう現状があるわけです。

 大臣、これは国が責任を持って医師確保に取り組むべきではないでしょうか。

川崎国務大臣 全体の仕組みとして、都道府県、青森県が懸命に御努力いただいているというお話をいただきました。その青森県と我々がしっかり話し合いをしていくということについては、これは否定はいたしません。もちろんそこをしっかり支援をしなければならない。

田名部委員 どういう支援をお考えですか。

川崎国務大臣 私自身、青森県とまだ話をいたしておりませんので、そういう細かい掌握はいたしておりません。

田名部委員 青森県だけの問題ではなくて、青森県と話をしていなくても、医師を獲得できない都道府県とお話をされていると思います。そういう方々とお話をして、どうやってこの医師不足を解消しようかと大臣自身がお考えなのか、お聞かせください。

川崎国務大臣 多分、青森県と直接話をした局長なりがいると思いますから、そこに御答弁を求めていただいても結構ですし、また、私が後から聞かせていただいて答弁してもいいと思います。

田名部委員 この医師不足というのは大変大きな問題であります。どこの県と直接話し合った人がどうかということではなくて、私は、国が責任を持って医師不足の解消に、医師獲得に取り組むべきではないでしょうかとお伺いをしているんです。お考えをお聞かせください。

川崎国務大臣 先ほどから申し上げておりますように、診療科目の問題については申し上げました。産科の問題、小児科の問題については集約を図っていかなければならない、集約を県に書いてもらうようにお願いをしたい、こう申し上げているところでございます。

 一方で、地域の偏在問題がございます。この問題について、どう解消していくかというのは、基本的には、やはり地域の皆さん方でなければ地域の実情というものを十分御存じとは言い切れない。これは行革の審議の中でも民主党さんの方からさんざん出た御意見でございます。そういう意味では、地域の実情に通じた青森県の皆さん方の意見を聞きながら、国として何ができるかというのを支援してまいりたい、こう申し上げております。

田名部委員 地方でできることまで国でやってくださいとお願いしているのではありません。地方でどんなに努力をしても医師を獲得できないでいるから、そこに国として責任を持って支援ができませんかということをお尋ねしているわけであります。先ほど集約化の話がありました。地方の現状を本当に御存じなんでしょうか。集約ができないという状況にあるんです。

 それではお伺いしますけれども、小さな町や村に一軒しかない診療所、そういうところがたくさんあります。そういうところはなくしていくべきだとお考えですか。

川崎国務大臣 例えば、小さな村、小さな町といいましても、私の地域にもございますけれども、三十分車で走れば大きな病院がある地域もあるし、逆に言えば、遠く離れた町村で、離島等、そういう問題をどうするかという問題は個々の問題でございますから、これがこうだ、これがこうだという話ではございません。一つ一つの問題として解消をしていかなければならない問題と考えております。

田名部委員 大臣のところは、車で三十分走ったら設備の整った病院があるかもしれません。しかし、青森の実態は、先ほど冒頭に御紹介をしたとおりであります。一時間も二時間もかけて、特に冬場は一山越えるのに二時間かけて、命をかけて子供を産みに行っているんです。それが地方の現状だと冒頭にお伝えしたばかりじゃないですか。そういう実態をぜひ御理解いただいて、できる支援が何かを御検討いただきたい、そのことを申し上げているわけであります。

 例えば、これは何も小児科、産科の問題だけではありませんが、それに限って言うと、集約さえできない状況があるというのを、これは大臣のお手元にお配りしておりませんけれども、紫色の地域は産婦人科医も助産師もいない地域であります。いないのに集約して拠点病院を、いないんです、集約しようにも医者がいない、病院がないんですよ、どうやって集約するんですか。しかも、それであれば、小児科救急支援何とかという事業をやっておりますけれども、それだって何年もかけてほとんど進んでいないのが現状ではないんでしょうか。

 大臣、こういう地方の実態を踏まえた上で、例えば中長期的に考えて集約化を図るというならわかります、一次医療もないのにどうやって集約化を図っていくんですか。その町村のその診療所が要らないというのであれば別ですけれども、一時間も二時間もかけて行かなければいけない診療所を私は残すべきだと考えています。そして、各町村もそのために努力をしています。年間三千万から五千万の赤字を背負って、しかしながら、運営を、町民のために村民のために何とかこれを維持してやっていかなければならない。小泉総理の行った三位一体改革の中で、あらゆる痛みを受けながら、この医療問題に関しても一生懸命努力をして頑張っているんだと。

 そのことを御理解いただいた上で、今回、医師も獲得できない、病院もない、いろいろなほかの問題を抱えているのに充足率を引き上げました。これはなぜですか。

岸田委員長 厚生労働省、答弁いかがでしょうか。

赤松副大臣 大変に失礼いたしました。突然飛んでまいりましたので。

 医療法上の医師等の人員配置標準数を一定の比率以上欠く場合の減額措置について見直しを行ったことについて、どういうことかということだろうと思います。

 中医協におきまして公開のもとで審議を行ってきましたほかに、本年一月には当時の検討状況を取りまとめて公表しまして、国民の意見、皆さんの意見を募集した上で、本年二月に決定をされました。さらに、医療機関への周知徹底についても十分配慮をいたしました。

 唐突感というものがあるという指摘がなされておりますけれども、本年一月、二月、そして国民への周知期間ということをやりまして、一定の期間をかけた。さらにその上で、激変緩和の必要性、これは当然あろうかと思いますので、医師等の確保が特に困難であると認められる医療機関につきましては、一定の条件のもとに経過措置を設けた、こういうことでございます。

田名部委員 地元の話ばかりをするつもりはありませんけれども、全国で同じようなところはたくさんあると思うんですね。青森県では四つの病院が基準を達成できない状況にあります。充足率の基準をいつ下回ってしまうかわからない、つまり、毎年お医者さんと契約をして一年ごとにいなくなってしまう、次の年に本当にお医者さんが来てくれるかわからないというのが現状なんですけれども、こういった地域の実情に合わせてこの充足率をもっと緩和するわけにはいかないでしょうか、大臣。

赤松副大臣 より良質な医療を提供していく観点から、医療法上の医師等の人員配置標準数を一定の比率以上欠く場合の減額措置を見直した、こういうことでございます。

田名部委員 このままでは地域医療が崩壊してしまうという、この充足率の問題で地域の医療関係者からその声が上がっています。やるべき対策というか、改革の順番が私は逆だ、そう思っています。

 先ほども委員の方から声が上がりました、充足率を下げたら医師の過重労働になるんじゃないか。つまり、やはり医師が足りないから医師を確保しなければならないというところにつながっていくんです。障害者支援法のときもそうでした、所得の確保や職場の確保というものをしないまま負担だけを押しつける。今の医療制度でも充足率を厳しくして、罰則を与えるということで、地方の医療がますます悪くなるのではないか。つまり、充足率を上げる前に、医師の確保に国を挙げて、総力を挙げて取り組むべきではないのか。

 多少、役所の方々ともお話をさせていただきまして、これは大変難しい問題だ、急に医者がふえるわけではないんだ、そうおっしゃっておりました。それは十分わかっています。しかし、急に医者が減ったわけでもないんです。何年も何年もかけてこの医者不足は深刻化をしてきたわけでありまして、どういった方法があるかといえば、ある程度の強制力を持つことも一つかもしれません、もしくはインセンティブを持たせてもっと小児科の診療報酬を上げることも一つかもしれません、小児科医のお給料の問題かもしれません。何か対策を考えなかったら、自治体任せではこれは解決をしない、そのように思っておりますし、どうぞ、ぜひ大臣の強いリーダーシップでこのことを何とか解決していただきたい。

 罰則を先に与えるというやり方に私は反対ですが、大臣、どうお考えでしょうか。

川崎国務大臣 先ほど私の三重県の例を申し上げたら、それは別だ、青森県の話だという話で青森県の話に戻りましたけれども、青森県の個別の問題については、私ども、十分聞かせていただいて対応してまいりたいと先ほどから申し上げております。必要に応じては、私が知事さんとしっかりお話し合いをさせていただきたい、こう思っております。

 一方で、今御提案いただきましたことは、まさにそのとおりでございまして、小児科医につけるとそれは開業を促進するだけである、急性期の小児医療というものをどうしようか、救急の小児医療をどうしようかという切り口から点数をしっかりつけて回らなければならないね、これは、こういう現実問題、今回の診療報酬改定でもその方向にさせていただいた。もうちょっとそれを加速すべきだ、こういう御意見は私もそのように思いますので、できるだけその方向で努力してまいりたい、こう思います。

田名部委員 その診療報酬も含めたそういった抜本的な改革を、大臣のリーダーシップを持ってぜひ早急に取りまとめていただきたい、何らかの手を打っていただきたい、そのように思っています。

 何度も何度もこの委員会の議論の中で、自治体に任せるとか、自治体の努力でとか、自治体にお願いをしてという言葉を聞いてきました。私は、地方分権だとかそういったことに反対をしているのではありません。国でできることは国で、地方でできること、また民間でできることはやっていけばいいんです。しかし、この現状を見る限り、地方ではもうこれで限界だということを私はお伝えしたい、そのように思っております。

 先ほど集約化の話等がありました。そこの話に戻りたいと思うんですが、小児救急支援事業、これを政府はまた立ち上げをいたしました。何度も申し上げておりますとおり、せっかくいい計画を立ち上げたのであれば、しっかりと検証をして前に進むようにしていただきたい、そのように思っているわけですが、この小児救急支援事業、一体、現在どのぐらい整備されていらっしゃるのか、大臣にお伺いして、おわかりになれば教えてください。

川崎国務大臣 わかりました。この問題については、国が国補事業として、小児救急医療支援事業としてやっております。原則として、二次医療圏ごとに地域の病院が交代制で小児の休日、夜間救急に対応することを支援する事業でございます。県内において一地域も補助対象とされていない都道府県、平成十七年九月現在で、新潟、石川、長野、岐阜、京都、島根、佐賀、熊本、宮崎、鹿児島の十府県が御参加をいただいておりません。

 この問題については、県独自でこうした事業をやっているからいいという御判断もあるかもしれません。また、この国の基準というものが、県の考え方に合わないということがあると思いますけれども、しかし一方で、残りの三十七都道府県が参加をしていただいておるものでございますので、ぜひこうしたものの理解をいただくよう我々も努力をしてまいりたい、こう思います。

田名部委員 こういった計画がなかなか前に進まないというのは、地方の財政の厳しさにあるのではないか、私はそう思います。

 先ほども町村の診療所の話をいたしました。冒頭にも申し上げましたように、この国の教育だとか社会保障だとか、そういった国民の命、財産を守ることには国が責任を持って主体となってやるべきだ、私はそのような考えを持っております。それが財政が厳しくてどうにもならない状況にある中で、ことし予算を幾らつけて、その予算でどのぐらいの新しい拠点が整備されるのか、予算が全く足りないのではないか、そういうような思いをしておりますけれども、大臣、どのように思いますか。

川崎国務大臣 この議論は、行革の議論も含めて十分与野党話し合わなければならない話だろうと思います。

 よく、国がやる責任は、防衛、外交等々であると。今委員が御指摘いただきましたように、教育とか社会福祉、こうしたものはできるだけ地方にゆだねるべきだ、こういう切り口もある。私の立場は、正直言って、できるだけ国が全体のセーフティーネットはしくべきだという立場でございますけれども、世の中の議論としては、正直言って、今委員が御指摘いただいたとは逆の議論が多いことは事実だ、そういう意味では、お互いに手を握りながらしっかりやらなきゃならないな、こういう認識をいたしております。

 一方で、今御指摘いただいた小児救急医療拠点病院運営事業に対しては八億七千二百万、小児救急医療支援事業、これに対しては九億六千五百万という数字でございます。もちろん、私どもも数字はできるだけ伸ばしたい、こういう気持ちがございます。一方で、すべての県がこうした問題に乗ってきてくれるだろうという前提で予算を組みましたけれども、現実問題、先ほど申し上げた十の府県が乗ってきていないということから、ことしの積算についてはそこが入っていないという前提の中の積算になっておりますので、御指摘いただいたように若干下がった予算額等になっているということは事実でございます。

田名部委員 何でも手厚く政治が面倒を見ればいいと、私もそんなことを申し上げているのではありません。

 ただ、すべてにおいて一律に予算をつけたり支援をしたりしなくても、全国の中で本当に困っているところ、早急に手を打たなければならないところに対しては、やはりそれは考えていってもいいのかな、そのように思っているわけであります。

 財源が苦しい、どこの自治体も同じだと思います。そして、どの自治体も努力をしていると思います。できるだけ自分たちでできることをしようとしているはずであります。ただ、それだけではどうしようもできないところに関しては、それは何も社会保障、医療の問題だけではありません。どんなことに至っても、やはり生活ができないとか命が危ないとかそういうことに関しては、ぜひ力強い支援をしていただきたい。

 雪国に生まれたから病院に行くのに時間がかかったってしようがないだろうということでは決してないと私は思うんです。どこに生まれたって同じように生きていける、私はそんな国をつくりたい。私はまだまだ未熟者であります、しかしながら、そういう国をつくるために必死で地方の声をこれからも届けていきたい、そのように思っています。

 先ほどから皆さんのいろいろな声が上がります。その財源のないことを、産業がないわけです、青森県には。農業をやって、この国の食料を一生懸命つくり出してきました。そういったことも含めて、ぜひ皆さん、あの青森県のような地方にも、片田舎にも、しっかりと目を向けた政治を皆さんで一緒に行っていただきたいな、そのように思います。

 時間がだんだんなくなってまいりました。いろいろな政策を掲げ、また計画を立てて、私はそのすべてを否定するものではありません。集約化に関しても、やはりそういった方向で長期的には進んでいくべきだろう、そのように思っています。しかしながら、短期間で少しでも早急に支援できることをもっともっと有効に予算をつけて考えて、また、計画を立てたら必ず検証をして、見直しながら前に進んでいただきたいと思うわけです。

 その中に、女性医師バンクの創設というものがありました。これは一体どういう仕組みで行われるのかと具体的なことをお伺いしたいわけですが、時間が押し迫ってきましたので、伺いましたところ、会議費だとか研修費だ、何かシステム開発費だとかそういったことに予算を使うという御報告がありましたけれども、そのとおりでしょうか。

赤松副大臣 それも含まれておりますけれども、それだけじゃなくて、再就業を支援するための講習会を実施するとか、女性医師バンクの発展に向けましてさまざまな予算を計上しております。

 実施主体となる公的団体に運営を委託し、効果的な就労支援となるように、実施主体と具体的な検討を行って、これから取り組みを一層進めてまいりたい。そうした事業を通じまして、一たん離職した女性医師の職場への復帰をしっかり支援いたしまして、特に女性医師の多い小児科、産科などを中心に、医師不足感の解消につなげていきたい、こんなふうに思っております。

田名部委員 せっかく予算をつけてそういう制度を立ち上げるのであれば、会議だとかシステム開発だとかそういうことではなくて、本当にこの医師不足を解消するための対策として有効にやっていただきたい、そのように思います。

 そして、これは女性の働く環境の整備とかそういったことにもなっていくと思います。女性医師バンク、その創設だけではなくて、やはりこういう夜の救急患者、小児患者がふえているという中には、お昼に仕事をしているから病院に連れていけない、仕事が終わってから夜に駆け込む、また、不安だから、一度病院に行ったのにまた夜に駆け込むといったいろいろな要素があります。

 ですから、これもお伺いしたかったのですが、国で小児科医テレフォンサービスというのを行っていますが、ことし減額になっております。この事業に関しても、これは医師が前面に出て直接相談をしなければ国の補助がおりないというシステムになっていますけれども、もうちょっと地元というか地域の自由に任せて、看護師さんが前面に出て、また医師がサポート体制を組んで、そういう体制のとり方で事業を実施しているところにも、ぜひ国で面倒をというか支援をしてあげていただきたいと思います。

 女性医師バンク、それと同時に、やはり働く女性のことを考えて、例えば保育園、幼稚園、小学校、そういったところに保育士さん、保健師さんを配置する。そういった方々が、ある程度のルールは決めなければならないけれども、お母さん方がお仕事に行っているときに、その人たちの判断で病院に連れていけるとか、そういった、親御さんの安心とか働く環境とか、そういったことをすべて含めて、より有効的な対策をとっていただきたい、そのように思います。

 きょう、一時間お話をさせていただきました。基本的なデータがないことも含めて、私はまだまだ時間が足りない、もっともっといろいろなことをお伺いしたかったわけでありますけれども、きょう一時間の答弁では、この医療制度改革が本当に国民のためになるのか、そして、本当に地方の医療の現場が改善されていくのか、私には全くわかりませんでした。どうぞ国民の命を、そして財産を守る、その政治家の責任として、ここにおられる委員の皆様は、ぜひ、より一層の時間をかけて、真剣に、本気で議論をしていただきますよう心からお願いをして、終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

岸田委員長 午後零時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前十一時四十一分休憩

     ――――◇―――――

    午後零時三十一分開議

岸田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。糸川正晃君。

糸川委員 国民新党・日本・無所属の会の糸川正晃でございます。

 先日もお話ししましたが、我が国の国民皆保険という制度に関しましては、これは世界に誇るべきものだというふうに私は思っております。ただ、今急速に高齢化が進展していく中で、国民の安心の基盤である国民皆保険制度を堅持していくためには、医療制度のさらなる改革というものは避けて通れないというふうに思っています。

 そこで、今回の法案では、安心・信頼の医療の確保、それから医療費適正化の総合的な推進、新たな医療保険制度体系の実現というこの三つの大きな柱を掲げて改革に取り組んでいくこととされておるわけでございます。

 きょうは、その中で新たな医療保険制度体系の実現を中心にお伺いをしていきたいというふうに考えておりまして、あわせまして、昨年十二月に取りまとめられました医療制度改革大綱におきまして、医療制度の一元化を目指すとされておりますので、今回この改正において、医療保険制度における負担の公平と財政運営の安定化を図る観点から、都道府県単位を軸とした国保及び被用者保険の双方について再編統合を行うとともに、新たな高齢者医療制度を創設することとされておるわけでございます。

 そこで、今回の改正案の中で、各医療保険制度についてどのような方向、道筋が示されているのかもあわせてお伺いをしていきたいというふうに思います。

 まず大臣に、政府管掌健康保険についてお尋ねします。

 今後の医療制度改革というものにおいて、保険運営の安定化と保険者機能の発揮のため、保険者について都道府県単位を軸とした再編を推進することとされております。こうした中で、中小企業等の被用者の方々が加入する政府管掌健康保険について、被用者保険の最後の受け皿として政府みずから運営してきたところなわけです。この政管健保について、保険者の再編統合の観点からどのような見直しを行うのか、まずお聞かせいただけますでしょうか。

川崎国務大臣 政管健保でございますけれども、国みずから運営し、全国一本の保険料率が、今御指摘いただいたように適用されておりました。一方で、地域の実情に応じた保健事業を実施するなど保険者機能の発揮が十分でない、地域の取り組みや努力によって医療費が下がっても、保険料率に反映されないといった問題が指摘をされてまいりました。

 このため、政管健保については、国と切り離した公法人を保険者としてまず設立し、都道府県ごとに地域の医療費を反映した保険料率を設定するなど、都道府県単位の財政運営を基本といたすこととしております。また、公法人においては、都道府県ごとに支部を設置し、地域の実情に応じた保健事業や医療費適正化に向けた取り組みを推進するということになります。

 いずれにせよ、都道府県単位という形で全体が再編の方向になってくるということの中で、政管健保もこうした形をとらせていただきました。

 特に、今回予防という問題にも力を入れることになりますので、保険者みずからがやっていくということになると、国全体でやるということについては不適切であろう、こう思っておりますので、やはり地域の実情に応じた予防というものがされる、こういうふうに考えております。

    〔委員長退席、北川委員長代理着席〕

糸川委員 それでは、今、政管健保法人においては、都道府県別に保険料率を設定する都道府県単位の財政運営を行うということでございますが、この保険料率を設定するに当たっては、保険料を負担される被保険者や事業者の方々のコンセンサスを得ながら進めていくことが重要であるというふうに考えております。

 そこで、この公法人において都道府県別の保険料率は、具体的に今支部を設立してということをおっしゃられましたけれども、どのようなプロセスを経て決定されるのか、お聞かせいただけますでしょうか。

水田政府参考人 公法人におきます都道府県別の保険料率の設定に当たってのプロセスについてでございますけれども、この新たな公法人におきましては、自主自律の運営を確保するという観点から、被保険者、それから事業主等から構成されます運営委員会、これをまず本部に設けることとしております。また、各支部には同様の構成の評議会というものを置きまして、保険料を負担する方の意見が保険料率の決定に反映される、そうした手続を経ることとしてございます。

 具体的に申し上げますと、公法人の各支部におきましては、あらかじめ本部から保険料の算定基準等が示されておりますので、これに則して、医療給付費等の見込み額、それから、ただいまお話がありました地域の実情に応じて定められる保健事業の事業量、こういったものに基づきまして、評議会の意見を聞いた上で保険料率の案を本部に申し出る、これが第一のステップでございます。

 第二のステップにつきましては、この本部におきまして、各支部から申し出のありました保険料率の案につきまして、これに後期高齢者支援金など全国一律に賦課される保険料率分、これを合算いたしまして、運営委員会の議を経た上で最終的な保険料率の決定を行う、こういった手続を経ることを想定してございます。

糸川委員 それでは、次に、健康保険組合についてお尋ねをしますが、健康保険組合については、被保険者が組合員として組合の管理、運営に参加していることですとか、みずから徴収する保険料で積極的な保健事業を展開するとか、自主自律の運営が既に行われているというふうに考えております。一方で、健康保険組合の中には、財政的な問題から保険料率を高くせざるを得なかったりとか、小規模なため安定した保険運営が困難だ、そういう組合もあるというふうに聞いておるわけでございます。

 この保険運営の安定化と保険者機能の発揮のため、都道府県単位を軸とした再編を進める中で、健康保険組合については都道府県単位の再編に向けてどのような措置を講じるのか、お聞かせいただけますでしょうか。

水田政府参考人 健康保険組合についてでございますけれども、まず、改革の前提といたしまして、全国に展開している健康保険組合あるいは都道府県単位の健保組合でも、健全かつ安定的な運営が確保されているものにつきましては、引き続き自主性、自律性のある保険運営を行っていただくこととしてございます。

 一方、都道府県単位の健保組合のうち、お話のありました小規模な組合または財政窮迫ということによりまして安定した保険運営が困難な健保組合につきまして、都道府県単位での再編に向けまして、選択肢の一つとして、新たに、業種にとらわれない合併が可能となる地域型健保組合の設立を認めることとしてございます。

 その際には、設立時におきまして同種同業要件を撤廃することに加えまして、設立後五年間の不均一な保険料率の設定を認める、こういった措置を講じることとしてございます。

糸川委員 ありがとうございました。

 今度、国民健康保険制度というものについてお尋ねしたいんですけれども、国民健康保険制度というものは、今、国民皆保険制度を支えている最後のとりでというふうに位置づけられて、国民の信頼を維持して継続して安定的な運営を行う、そういうことが必要なわけですが、そのためには、市町村における保険財政の安定化というものが不可欠であるというふうに思います。

 ただ、近年、この国保財政を取り巻く状況というものが、加入者の高齢化の進展ですとか低所得者の増加ですとか、これが極めて厳しい状況となっておるわけでございます。

 今般の法案では、平成十八年の十月から保険財政共同安定化事業、これを創設することとされておるわけでございますが、この事業のねらいというものはどのようなものなのか、お聞かせいただけますでしょうか。

水田政府参考人 御指摘ございましたとおり、国民健康保険制度は、我が国の皆保険を維持する上で不可欠の制度でございます。他方、その国保の財政を見てみますと、高齢化の進展あるいは低所得者の増加といったことによりまして大変厳しい状況にございまして、保険財政の安定化を図るということを目的として保険運営の広域化が必要である、このように考えてございます。

 保険財政共同安定化事業についてでございますけれども、これは都道府県単位で、三十万円を超える医療費に係る給付費すべてを対象といたしまして、各市町村が拠出を行うことによりまして、高額医療費の発生リスクの分散あるいは保険料の平準化を図る事業でございまして、国保の保険財政運営を都道府県単位という視点で広域化をいたしまして、その安定化を図ろう、こういう目的のもとに行おうとしているものでございます。

糸川委員 この都道府県単位でというところが問題になってくるのかなと思うんですけれども、例えば今度新設される後期高齢者医療制度についても、都道府県単位ですべて市町村が加入する広域連合というものが財政運営の主体となることとされております。

 この広域連合の設立について法律で義務づけられておりまして、平成二十年四月から施行されること等考えると、市町村にとって準備期間というものが長くないんじゃないかなというふうに思います。この広域連合の設立までのスケジュールについてはどのようにお考えなのか、お聞かせいただけますでしょうか。

水田政府参考人 広域連合につきまして、まず時間的なフレームで申し上げますと、この設立、平成二十年四月から制度が施行されるわけでございますので、平成十九年度中に所要の条例の制定あるいは保険料の決定等の準備が必要でございますので、法律上、平成十八年度の末日までに、つまり平成十九年三月までに広域連合を設けるというふうに定めてございます。

 広域連合の設置に当たりまして、その業務につきましては、規約案をつくるといった設置の準備もございますし、また市町村におきまして広域連合の規約の議決をする必要がございます。また、都道府県におきましては設立を許可するということがございます。それから、保険料率の決定、こういったことがあるわけでございますので、法案が成立次第、速やかに施行準備業務に入っていただく必要があるものと考えてございます。

 地域によりましては、もう法案の内容をもとにいたしまして既に準備業務に着手している地域もあると承知をしてございますけれども、私どもといたしましても、各種会議の開催等を通じまして、スケジュールでありますとか施行準備作業の内容について明らかにするということを通じまして、円滑な施行に向けて努力をしていきたい、このように考えてございます。

    〔北川委員長代理退席、委員長着席〕

糸川委員 この広域連合が後期高齢者医療制度の運営主体となったとしても、保険料の未納ですとか高額な給付といった財政リスクが生じるおそれがあることは、完全に否定できないことでございます。

 そこで、このような財政リスクに対してですけれども、広域連合のみに責任を負わせるんじゃなくて、国や都道府県も共同して役割を果たす、こういう仕組みにする必要があるというふうに考えますが、具体的にどのような措置を講じることとしているのか、お聞かせいただけますでしょうか。

赤松副大臣 今、糸川委員御指摘になりましたように、この広域連合のみに責任を負わせるのではなくて、国、都道府県も共同して役割を果たすべし、そのように御指摘ございましたけれども、私どももそのとおりだと思っております。

 具体的にどのような措置を講じるかというには、大きく三つございます。一つは、高額な医療費について、高額を超える部分の二分の一を公費で負担する。もう一つは、保険料未納や給付の見込み違いなどにつきましては、国、都道府県及び広域連合が三分の一ずつを拠出いたしまして、都道府県に設置する財政安定化基金により貸し付け等を行う。三つは、後期高齢者の八割から九割につきましては、保険料の年金天引きを実施する。

 こういったことを通じまして、国や都道府県も財政リスクの低減について責任を負う、こんなふうな措置を講じることにいたしております。

糸川委員 しっかりとそこは取り組んでいただきたいと思います。

 続いて、安全で安心な医療の確保についてお尋ねをしたいと思うんです。

 国民が安心して医療を受けるためには、この安全の確保というものがしっかりなされていることが重要であるわけでございます。近年、医療事故がマスコミ等でも多く取り上げられておりまして、また医療紛争が増加傾向にある、こういうふうに私も認識しておるわけでございます。

 これまで厚生労働省は医療安全対策についてどのような取り組みをされてきたのか、また、今回の改正でどのように充実を図っていくのか、お聞かせいただけますでしょうか。

松谷政府参考人 医療安全の確保についての御質問でございますが、これにつきましては、国民の関心も高く、医療政策における最も重要な課題の一つであると認識しておるところでございます。

 医療事故に関する現状といたしましては、入院患者の六・八%に医療事故が発生しており、発生頻度で申しますと、諸外国と比較してほぼ同程度の頻度であるとの調査研究報告がある一方、医事関係の訴訟事件の新規受け付け件数につきましては、最高裁判所調べで、平成七年度には四百八十八件でございましたのが、平成十六年度には一千百七件と二倍以上に増加しているという状況にございます。

 厚生労働省では、これらを背景といたしまして、これまで、まず病院や有床診療所におきまして、医療安全に関する研修の実施や医療事故などの院内報告制度など、安全管理体制の整備を義務づける。次に、特定機能病院等におきまして、医療事故等に関する第三者機関への報告を義務づける。さらには、地域において患者さんからの相談等に対応するための医療安全支援センターの設置の推進など、さまざまな取り組みを行ってきたところでございます。

 今回の、御提案申し上げております医療制度改革におきましては、これまでのこのような取り組みに加えまして、安全管理体制の整備や院内感染制御体制の整備をすべての医療機関に義務づけるなど、医療機関における医療安全の確保のための取り組みの充実強化に努めていただく。次には、都道府県等の設置いたします医療安全支援センターを制度化いたしまして、医療事故等についての患者さんの相談への対応や医療機関への助言を行うなどの機能を法律上明記することといたしました。また、行政処分を受けたドクター、お医者さん等に対して再教育を義務づけるなどの措置を講じているところでございます。

 こうした総合的な取り組みを通じまして、医療の安全の確保に努めてまいりたいと考えております。

糸川委員 千百件を超える、こういう紛争があるということでございますので、これは利用する側が本当に安全の確保というものをやはり望んでおるわけでございますので、ぜひここはもう本当に全力で取り組んでいただきたいなというふうに考えます。

 もう時間がございませんので、最後に大臣にお尋ねいたします。

 患者が保険医療機関等にかかった際にですけれども、患者自己負担分の費用を支払うこととなります。今でも、費用を支払うと総額のみしか表示されていない、そういう領収書しかないということもあります。

 近年のこの医療にかかわるコスト意識の高まりというんでしょうか、こういうものがあって、患者から、自分が一体どのような行為にどれだけお金を払ったのか、どういう負担をしているのか、その内訳を知りたいという声が高まっております。

 今般、保険医療機関等に医療費の内容のわかる領収書の交付が義務づけられるとともに、さらにその詳細な内容がわかる明細書の発行については、努力義務ということとされました。これは、患者の視点から大きな前進であるというふうには私も評価できるところでございますが、明細書の発行が努力義務にとどまるということは、批判されている点もあるというふうな意見もある、そういうことも私は聞いておるわけでございます。

 今回のこの明細書の発行が努力義務とされたのは、どのような考え方に基づいてなのでしょうか。また今後、努力義務というところをそれも何とか改正していくという方向があるのか、お聞かせいただけますでしょうか。

川崎国務大臣 御指摘のように、患者本位の医療という観点から、できるだけ明細書についても患者、国民にわかるようにしていきたい。そういう意味では、個別点数ごとの詳細がわかる明細書については、診療等の都度、時間を置かずに詳細な明細書が発行できるシステム、これをしっかりつくらなきゃならない。そういう点では、まだ事務の機械化というんですかコンピューター化、これがおくれておる診療機関がございます。この診療機関がそれにこたえられないということで、法律的にきちっと決めてしまいますと、義務違反、最終的には保険医療機関の指定取り消しという構図になってしまう。そこはまだ行き過ぎではなかろうかと。

 一方で、レセプトのオンライン化、これは省令でしたかね、省令か政令かでもう出させてもらいました。したがって、レセプトのオンライン化、要は、今度は保険機関からお金の支払いを受けるためにはオンラインでなければだめだというシステムに変えますから、当然機械化が進んでいくことになります。

 そういう意味では、今回は努力義務といたしましたけれども、当然、オンライン化に合わせて事務の機械化が進んでいくもの、そういった段階においては、言われますとおり努力義務からもう義務に変えても構わないんだろうと思います。

 ただ、今申し上げたような状況がございますので、確実に進めてまいりたい、このように考えております。

糸川委員 ぜひ、利用者が安全で安心な医療の確保ができたと認識できるような取り組みをしていただければなというふうに思います。

 終わります。ありがとうございました。

岸田委員長 次に、園田康博君。

園田(康)委員 民主党の園田康博でございます。

 本日、この医療制度改革関連法ということで実質的な審議に入っているわけでございますが、実質的な日数でいえばまだ二日目であろうかなというふうに思っております。四月の六日に本会議で代表質問をさせていただきましてから、入り方に少し不幸がありまして、なかなかきちっとした議論ができてこなかったということは、私も大変残念に思っている次第でございます。

 同時に、私も、きょうは幾つかの論点に分けさせていただきまして質問をさせていただきたいと思っておりますが、その観点の中には、残念ながらまだまだ不十分というか、今回の構造改革、この法制度改革そのものが何となくまだわかりにくい部分があります。そして、それを解明していくのがこの委員会の審議、質疑であろうと思っておりますので、私もできるだけ一つ一つ丁寧に質問をさせていただきながら、丁寧にお答えをいただければなというふうに思っておりますので、ぜひよろしくお願いを申し上げたいと思います。

 すなわち、今回の改革、改正の中身が、幾ら何度も何度も質問を伺って、そして説明に来ていただいても、半分納得できたようで半分まだ納得ができないというか理解ができていない、私の理解不足だと言われてしまえばそれまでなのかもしれませんけれども、きょうの午前中の三井議員の質問とも関連をいたしますが、この議論は一体だれのための議論であるのかということを、きちっとやはり原理原則に戻らなければいけないのではないかなという気がいたしております。すなわち、国民の医療といいますか生命、あるいは生活不安を取り除いていく、そして安心した生活を我々は築いていかなければいけない、これはそのための一つの審議ではないのかなと。

 すなわち、午前中の議論で、医師不足あるいは偏在等々の議論がありました。それに対する集約化という議論もありました。確かに、今の現時点では必ずしもすべてがすべて医師が足りていないとも言い切れないし、足りているとも言い切れない、総体で足りているという議論は恐らくそれはできるのかもしれません。

 しかし、一つ一つの偏在化とそれから診療科の一つ一つを見ていって、そしてあるいは僻地の一つ一つの状況を見てとらえていくと、全体では確かに何らかの形で医師の数が多い少ないという議論はできるのかもしれませんけれども、確実にそういう偏在あるいは不足している部分、これはやはり素直に私はお認めいただきたいなというふうに思っておりますし、それに対して、ではどういう形で対応策をとっていくのか。これは、やはりお互いに、あるいは本来の国民の生命財産を守るという観点からすれば、国のいわばそれをつかさどる厚生労働省が責任を持って、しっかりとしたものを打ち出していかなければいけない。

 ここで一つ大臣の午前中の答弁で気になったことは、とはいえ民主党さんは地方分権を掲げていらっしゃいますよねという議論がありました。確かにそうです、地方にできることは地方にやっていただきたい。将来的には、この間三位一体の議論の中でも、私は大臣と恐らく認識は共通できたのかなというふうに思っておりますけれども、現物給付に関しては地方が、そして現金給付については国がやる、その大まかなすみ分けは恐らくできるのではなかったのかなという思いがしています。

 それは、地方に対して権限と財源、これが確実にきちっとあって、そして決定権も主体的に地方が決めることができる、そういう状況になったときには、それは国の口出す話ではないであろうというところに行き着くんですが、今現状で我々が何をすべきか、何をやらなければいけないか、その議論の過程で、いやいや、あなた方は地方分権と言っているんだから、言っていることとやっていることが違うじゃないですかと。つまり、今の完全なる地方主権の自治体運営がなされていない状況下においては、やはり国が責任を持ってこの過程においてはきちっとした施策を打ち出し、そして、そこには裏づけのある財源と権限を持たせていく。それを、できるならば、この法制度の改正の中でどれだけ打ち出してくれるのかなということを私たちは期待をしていたのです。

 だからこそ、そういう一つのトピックスをとらえて、大臣あるいは厚生労働省あるいは政府に対して、医師不足であるとかあるいは偏在、僻地の状態、それをきちっと皆様方に御認識をしていただきたいということでこういう形を、質問という形でとらせていただいたということは、ぜひ御理解をいただきたいというふうに思います。

 そこで、私から、一時間きょうお時間をいただいておりますので、後半戦においては、先ほどの医師不足と、私なりに考える今の国が打てる施策、これは、きょうは防衛庁の方にも来ていただいておりますけれども、省庁を超えた国全体の救命救急体制、あるいは集約化をめぐる一つの対応策として考えられるものはないであろうかということで、一つ提案を逆に言うならばさせていただきたいというふうに思っております。

 そこで、前半でございますが、午前中の議論で、後期高齢者、あるいは前期高齢者、六十五歳から七十四歳まで、そして七十五歳以上という形で、今回独立した機能を持たせるというふうに法の創設をうたっておられるわけでありますけれども、その前において、まず特定健診、今まで老人保健法の位置づけの中で健康診査というものが市町村の役割で行われていたというのは事実でありますね。言うなれば、これは、原理原則に基づけば、こういう地方の自治体の役割の一つとして、やはり予防事業も含めて住民のそういった健康は自治体が担うものであるというのがこの老人保健法のつくりであり、そしてそれが機能をしていたと私は理解をしておりました。

 今回、その老人保健法を改正して、そして高齢者の医療の確保に関する法律、いわば高齢者医療法と言われるものでありますけれども、ここの法改正を行って、いわば老人保健法は改廃するというか、なくし、そして、この従来の老人保健法の柱であった健康診査に関しては、保健事業の位置づけとしては言わずと知れた市町村であったにもかかわらず、今回、この改正である法律においては特定健診の実施の保険者への義務づけという形でされたわけであります。

 そして、この保険者に義務づけをしたということでありますけれども、先ほど来からずっと出ておりますいわゆる公法人、市町村が集まって、そして都道府県単位の公法人を設立するという形になっているわけでありますけれども、なぜ老人保健法を改正して、そして実施主体を市町村ではなくて保険者に義務づけしたということになるのか。その根拠をまずお示しいただきたいと思います。

川崎国務大臣 午前中の議論に少し付言がありましたので私の方から申し上げますと、基本的には、社会保障制度については、国、県、市町村が重層的な役割を担っているんだろう、どこだけがやっていくという問題ではない。例えばこの保険制度にいたしましても、まず市町村に保険料を集めてもらわなきゃならないという作業から始まっていく。しかし、広域調整の話はやはり県が絡んでいかないとできませんねという中での一つのスキームになってくると思っております。

 一方で、先ほど午前中の議論の中で青森の問題を、私もちょっと昼休みに勉強してみたんですけれども、全体的な傾向からいきますと、一県に一つの医科大学がありますので、小さな県ほど実はお医者さんの数が多くなる、医科大が定着しますと。しかし、青森の場合は残念ながらそういう数字にはなっていない。一番低い数字が出ていますが、新潟とか静岡が、大きな県でありながら一つ医科大ですから、現実に数が低いんですね。茨城等もそうです。一方で、小さな県、先ほどちょっと徳島の例を出しましたが、徳島とか香川になりますと割合、二百六十とか七十という数字になる。そういう意味では、医科大学と県というものがやはり密接的な関係にあることは事実だろうと。

 しかし、ちょっと見させていただいて、午前中の三井さんの質問とも合うんですけれども、弘前大学に合格される方の県外の数がいかに多いことか。多分、卒業されて青森に残られないということが今日の問題になっておるんだなと。したがって、これは先ほどの三井さんの御提案のように、やはり地域枠ということをしっかりしていかなきゃならぬなと思いますと同時に、だけれども、それは六年、七年後の話になりますから、今の問題をどうやってみんなで解決しようかというのは、しっかり知事さんと話ししていかなきゃならぬな、こういう認識を、ちょっと前半、一時間ほどやらせてもらいましたので、少し勉強もさせていただいて、半分御回答させていただきました。

 実は、この特定健診の問題でございますけれども、やはり一番抜けているのがサラリーマンの配偶者であろう、こういう認識をいたしております。保険者みずから保健をやっている場合もありますけれども、もっと言うと、労働法制の中でサラリーマンは当然企業に義務づけているわけです。保険ではない、企業に義務づけている部分でかなりの部分をサラリーマンはしている。しかし一方で、サラリーマンの奥様方ということになると、極めて手薄であったですねということが実態であろうと思います。

 そういった意味で、糖尿病等の生活習慣病に関する健診の体制、市町村、企業、医療保険者がばらばらに実施しており、特にサラリーマンの配偶者などの被扶養者に対する取り組みが手薄であった。実施主体の中心を医療費の支払いを行う医療保険者とすることにより、責任の所在が明確になり、また、被扶養者に対する取り組みを充実させることで健診の受診率の向上が期待できる、このように考えております。

 したがって、国保という立場であれば変わらない、市町村という表現から、国保の保険者ですから変わらないという話になります。それから、後期高齢者ということになれば、実際は、保険の健診というよりも医療行為の中でもう行われていることが多いんだろうと思うんです。現実問題、病気をしてお医者さんにしょっちゅう通っている。当然、お医者さんは医療行為の中で、後期高齢者の場合はかなり吸収される部分があるんだろうと思いますけれども、いずれにせよ、広域という形の中の連合になりますけれども、実際のお仕事としてはやはり市町村が絡んでいくことになるんだろう、このように思っております。

 法的な根拠については、高齢者の医療の確保に関する法律第十八条において、厚生労働大臣が、糖尿病等の生活習慣病に関する特定健診とこの結果に基づく保健指導の基本指針を策定し、同法第二十条において、医療保険者に対し、四十歳以上の加入者に対する特定健診等の実施義務を課したところでございます。

 なお、後期高齢者医療制度の加入者については、同法第百二十五条において、特定健診等の実施の努力義務を課しているところでございます。

園田(康)委員 そうしますと、本来、この特定健診というものは、今大臣おっしゃっていただきましたが、サラリーマンの配偶者等が抜けていたという観点がありました。ただ、保険という概念からすると、リスクへの対応というのが当然あってしかるべきわけでありますけれども、この構図でいきますと、リスクの予防の対応という形で、リスクへの対応という形には法の形式からいうとならないのではないかなという気がするんですね。予防という概念をこの中で入れておくということであるならば、私はさらに違う法形式が必要ではなかったのかなという気はするんです。

 その辺は、つまり、本来の保険の観点からいくと、みずからが、あるいは自分の扶養している家族、それらのいわば医療行為が将来的に発生するかもしれない、それに対してリスクがあるからこそ保険料を先に払っておきましょう、それを保険者がきちっと管理をして、医療機関との関係でそれが払われるという形になっていくわけであります。

 そうなってくると、予防という概念は、これがいわゆる老人保健法の概念であったわけでありますけれども、予防健診というのはその保険の概念とは切り離してやっていく。予防をその中で入れ込んでいくということで、私は、だからこそ市町村が、いわば今までの被保険者と保険者との間ではなくて、さらに市町村という公的な第三者がかわりに老人保健法の予防という概念を代行するというか受け取ることによって、そのいわば予防という広い概念で国民のそういった健康を守るという形でつくることができないだろうかということで、この制度が一方であったのかなと私は思っていたんですけれども、実際のところ、今回はそれを廃止して新たなものをつくり出していこうということでありますので、であるならば、もう少しこの辺を、法的な関係を明確にしておくものであるならば、保険者の機能と、それから保険者のいわば法的関係をもう少し明確にしておいてほしいなというふうに思った次第であります。

 したがって、自治体の中心主義の原理原則に戻っていくというのがこの分野においては本来のあるべき姿ではないかなと思っていたわけなんですけれども、つまり、今回の医療制度改革をそういう方向性で進めていくのか、あるいは、いや、そうではありませんよ、もっともっと広い形で持っていかなければいけませんよという、一体、政府というか厚労省は何を将来的に目指しているのか、その最終的な終着点というものをもっと明確にしてほしかったんですね。

 であるならば、さらにお伺いをしていきますけれども、後期高齢者と前期高齢者、先ほどの議論でありましたけれども、自治体が一緒になって、そして広域連合を形成してそれが行うという形になっていたわけでありますけれども、では、その保険者、いわば保険者が広域連合である、逆になれば、広域連合が保険者である、そう見ていただいても結構だというふうに午前中の答弁であったわけであります。

 では、さらにちょっとお伺いを先にしておきたいんですけれども、その際に設立要件というものは何かその中にあるんでしょうか。すなわち、広域連合を構成するためにはこういう形でないとできませんよ、広域連合はつくれませんよ、そういう設立要件というのはこの中にあるんでしょうか。ごめんなさい、ちょっと質問を変えました。

水田政府参考人 後期高齢者の運営主体である広域連合についてでございますけれども、これは、まず、組織体としては地方自治法に基づく地方公共団体であるということでございます。今回のこの後期高齢者医療の運営主体である広域連合につきましては、全市町村が加入をするということが要件になっているわけであります。

園田(康)委員 それで、全市町村が加入をするということなんですけれども、午前中の答弁であったじゃないですか、財政運営とそれから実施運営の責任、運営と財政責任、この主体は広域連合が担うというふうに言っていたわけですよね。財政運営とそれから実施運営主体、これを担うということであるならば、では、自治体そのものが全部加入すればそれでいいということになるんでしょうか。

水田政府参考人 御質問の趣旨をもしかしたら取り違えているのかもしれませんけれども、私ども、今回、こういった全市町村が参加する広域連合ということを考えましたのは、この制度を運営する上で、やはり安定的な運営をするためには広域化が必要であろう。その一つの典型的な形として、都道府県を単位として全市町村が参加する広域連合というものを考えた。これにつきまして、地方団体の方からも一定の理解が得られたということで、こういう提案を法律においてさせていただいているわけであります。

園田(康)委員 そうすると、逆になれば、保険者になるためには、別に何か設立要件があるということではないということで理解をしてよろしいんですね。

 つまり、広域連合イコール保険者と位置づけてもいいということでしたよね、午前中の答弁でいきますと。広域連合イコール保険者として保険者機能を有するんだというふうに答弁していただきましたよね。そうすると、保険者になる設立要件というのは、その財政運営とそれから運営主体が担えるものであればいいということで理解をしていますから、であるならば、市町村の集合体が参加して広域連合をつくればそれが保険者になるというふうに、イコールとして結びつけてもよろしいんですねということを確認しているんです。

水田政府参考人 広域連合は、それぞれの目的に照らして具体的な形というのが定められるわけでありまして、今回の後期医療制度に関する運営主体としての広域連合というのは、まさしく、この全市町村が参加する都道府県単位の広域連合というものがそれにふさわしいという判断を政府として行ったということでございます。

園田(康)委員 ちょっと、ごめんなさい、僕の質問の仕方がまずいのかもしれませんけれども。

 つまり、保険者としての機能を果たしてもらうわけですから、イコール保険者として考えているわけですよね。であるならば、この法文の中においても、なぜ保険者という文言として規定をしなかったのかなという疑問が残る。私は今でも残っているんです。

 だから、保険者として皆さん方は考えていただいていて、それのことを、都道府県単位の全市町村が参加をして広域連合を構成するんだ、それは保険者としての機能を有しているわけだから、イコール保険者として見てもいいんですねと。だったら、保険者としてこの法文の中になぜ規定をきちっとしなかったのか。

 先ほどの午前中の議論でいきますと、この一割の負担しかない、したがって、あとの九割は、被用者保険からの支援金と公費負担とによってこれを構成するものであるから、完全なる保険という形は言えないものであるという解釈が、一つ、おっしゃっておられましたよね。違いますか。

水田政府参考人 いろいろな要素がありましたので、どういうふうに、どの順序でお答えしていいかあれでございますけれども、一つは、午前中も申し上げましたとおり、法律上、保険者という名称は用いておりませんけれども、保険料を決定し、保険給付を行うという財政責任を持つ運営主体であるという意味では、この広域連合が保険者であると考えているわけであります。この名称を用いていない理由といたしまして、今委員から御指摘ありましたとおり、高齢者御本人の保険料については一割というわずかなものであるということでございます。

 これは、完全な保険者かどうかという議論というよりは命名の仕方の問題でございまして、例えば、国民年金につきましても、社会保険方式で運営されているのがその主体でございますけれども、国民年金保険、厚生年金保険のような保険ではなくて、国民年金という名称を用いているわけでありますので、その成り立ちの実体に即して名称というのを考えるということで、私ども、まず後期高齢者医療制度とし、その結果として保険者という名称は用いなかったということでございます。

園田(康)委員 名称に別にこだわる必要はないのかもしれませんが、今回のこの法文のつくり方の中で、例えば、この後期高齢者に対する医療制度の中に、支援金が入る、あるいは納付金が入る。この制度の中に、出どころは一緒なんですけれども、少し違うか、いろいろなお金の使い方、あるいは使われ方というものがあるわけなんですね。恐らくそれぞれに意味があってこういう法律の文言を変えているのかなと私は思っておったわけなんですけれども、決してそういうわけではないと、今の答弁でいきますと。

 決してそういうわけではなくて、高齢者医療制度というものを創設するから、それは保険原理をこの中に入れるんだけれども、いわば保険の名前を使わなくてもそれでいいというような観点でこの医療制度というものがつくられたというふうに理解をしてしまうんですけれども、それでよろしいですかね。何かちょっとうなずいておられましたけれども。

水田政府参考人 これにつきましては、午前中も答弁させていただきましたけれども、後期高齢者医療制度につきましては、被保険者である後期高齢者の保険料は給付費の一〇%、残りは公費及び現役世代からの支援により賄う仕組みとしていることなどを考慮して、法律上、医療保険という名称はしていない、これを踏まえて、保険者という規定は置いていないということでございます。

園田(康)委員 このぐらいの議論にしておきたいと思いますけれども、要は私が何を指摘したかったかというと、私もいろいろ資料をいただいて、今の高齢者世帯の生活、あるいは男女間格差もあります、それから年齢によってもさまざまな格差が生じているという現象も細かく見ていけばあるという形で、もう少し丁寧に見ていくと、決してこの七十五歳以上が本当に適切であるかというのが、私はもう少し慎重な議論を要してもしかるべきではなかったのかなという気がいたしておるんですね。

 そこで、大臣にちょっとお伺いをいたしますけれども、もう一度この原点に戻って、この後期高齢者のを創設する本当の必然性というものは実際のところあったんだろうかというところなんですね。むしろもう少し、私が勘ぐってしまうのは、昨年の十二月の医療制度改革大綱で出た、いわゆる保険の一元化の問題があったわけでございますけれども、将来においてこの医療保険制度の一元化を目指していくんだというようなことがうたわれているわけなんですが、これもある面、この一元化を目指す上の一つのステップであるのかどうかなという勘ぐりも持っているわけなんです。

 そこで、再度大臣にお伺いしたいんですが、なぜこの七十五歳以上の後期高齢者医療制度を構築する必要がこの時点であるのかということを明確にお答えいただきたいと思います。

川崎国務大臣 委員が御指摘のようなところまでしっかり考えて一元化のためにこれを入れたということになると、かなり前向きな取り組みで、もっと胸を張れるんですけれども、必ずしもそうではないと思っています。

 今後、急速な高齢化に伴い医療費の増大が見込まれる、その医療費の中心がどこにあるんだというところが私は基本的な議論であったと思います。医療費の負担のあり方について国民の納得と理解が得られるようにするためには、一番医療費がかかる世代というものを明確にしながら現役世代の負担を明確にし、わかりやすい制度とする必要がある。

 では、七十五歳ということで何で切ったんだということになりますと、一つはやはり、先ほどもちょっと、これも数字を見てきたんですけれども、六十五歳以上の方、七十歳以上の方、どのぐらい働いておられるのかなという数字で見てみましたら、日本人というのは七十を超えても働いている方が二割ぐらいおられます。そういう意味では、我が国の労働意欲というのは極めて高い。

 その中において、先ほど申し上げたように、医療費というものに着目すれば、やはり七十五歳以上の医療費が極めて高くなってくるということは事実だろうと思います。生理的機能の低下や日常生活動作能力の低下による症状が増加するとともに、生活習慣病を原因とする疾患を中心に入院による受療が増加する傾向にあること。

 また、老年医学では、七十五歳以上の後期高齢者は、単に一つの疾病だけ診て診療するのではなく、その機能を総合的に評価し、それが衰えないようにするという視点に立つ必要があると指摘されていること。

 それから、先ほど言いました、六十五歳以上の方、七十歳以上の方はまだまだ労働意欲が高うございますけれども、七十五歳以上になりますと、就業している者の割合が九・〇%という数字になってまいります。そういった意味では、比較的就業者も多く、意欲も高い六十五歳から七十四歳という前期高齢者とはかなり意味合いが違ってくるなというふうに思っております。

 それからもう一つは、将来推計の中で、これもいろいろ議論のあるところでありますけれども、例えば、四十八兆ぐらいの将来推計、すなわち我々が七十五を迎えたときでありますけれども、そのときにおいて、国民医療費また給付という側面から見まして、約半分が私どもの世代で使わせていただく勘定になる。というのは、今、千三百万人が対象でありますけれども、二千万を突破することになる。したがって、そういった展望もしっかり見ながら、しかし、我々の七十五を超えた世代がそれを負担せいといってもなかなかできるものではありませんので、若者にその理解を求めるという中で、できるだけ明確にしていこうというのが今回の最大のねらいだろう、こう思っております。

園田(康)委員 そうしますと、大臣、医療費の適正化というか、適切な医療を提供する、あるいは医療費の負担を一つの問題としてとらえて、この七十五歳以上の後期高齢者医療制度をつくらなければいけないんだということであるならば、今の現行制度から、わざわざ七十五歳以上を独立させて、そして、さまざまな支援金、納付金等を取って運営をしなければいけないかというと、そうではなくて、まずは現行の制度の中において、さまざまな診療報酬制度の見直しであるとか、そこにおいて適切な診療報酬制度の中の点数と、それから、さまざまなそういう項目を抜き出してきちっきちっとまずはつけていって、ではどういう結果が出るのかということも一つ策としてはあったのではないでしょうかという私からの指摘としてとらえておいてほしいんです。つまり、今、現行制度で打てる策も当然あったでしょうと。

 だけれども、あえて、これは数年来からのずっとした議論の中で、ことしがきちっと改正をしなければいけないということで踏み込んできたんだろうというふうに思っているんですが、しかし、その中においてももう少し議論が、この年齢層のところも見ても、午前中の議論もありましたけれども、確かに私も見せていただいて、その七十五歳というものを超えるか超えないかで入院の形態であるとかいうのは変わっていると思います。

 しかし、これが、今はそうかもしれませんけれども、すなわち、私もずっと見させていただきましたが、十年前の七十歳の形態とそれから今の七十五歳とで大体同じような数値になっているんですね。そうすると、十年後には、ひょっとしたらもう少し医療の技術が進歩して、今の七十五歳が今度は逆に七十八歳あるいは八十歳というところまで上がっていくということも実は考えられるのではないでしょうか。そうなってくると、この七十五歳で区切っていることに対する整合性というか、では今後これをさらに引き上げていくということもあるんでしょうか、そういう弾力的な制度になっておりますか、見直しを今後きちっとこの中で入れていくことがありますか、ということが逆の質問として私はあるんだというふうに思っております。

 したがって、きょうは、これは通告をいたしておりませんので、そこまでの回答は求めませんが、そこら辺も次の機会にぜひお聞かせをいただきたいと思います。

 時間がなくなってきておりますので、この前期高齢者の費用調整、財政調整ですね、この部分に触れておきたいと思います。

 今ちょうど大臣からもお示しをいただきました、六十五歳から七十四歳の前期高齢者、約一千四百万人。まずは、ごめんなさい、これは通告をしておりませんけれども確認です。この前期高齢者の一千四百万人のうち、国保の対象者数、それから被用者保険の対象者数、これは国保が一千百万人と、それから被用者保険が約三百万人、この数値でよろしいでしょうか。

水田政府参考人 まず、前期高齢者の対象者数でございますけれども、六十五歳から七十四歳で約千四百万人でございます。そのうち、八割が国保に加入しているということでございます。

園田(康)委員 ごめんなさい。これは通告していなかったので。

 恐らく、私の手元にいただいたこの財政調整、この図柄、これは厚労省がつくっている図柄ですけれども、前期高齢者医療費に関する財政調整、平成二十年度の推計であります。

 対象者数は、六十五歳から七十四歳の前期高齢者が約一千四百万人。ここまではいいですよね。今八割と局長おっしゃっていただいて、この図でいきますと、市町村国保等は四・二兆円で八四%、約八割でいいですね。そうしますと、これで計算しますと、対象者数が一千百万人、前期高齢者の全体の数が一千四百万人のうち一千百万人が国保の方である。いいですね。そうなってくると、被用者保険はあとの残りの三百万人。まず、この割合はよろしいですよね。

 そうしますと、そういうふうに雑駁な形ですけれども、約八対二という割合で対象者数はあるんだということをまず頭に皆さんも入れていただきたい。今度それを、七十五歳未満、つまり七十四歳まで、ここの六十五歳に入った途端に財政調整をするわけなんです。

 そうすると、今までは八対二の割合で対象者数がいて、その方々でそれぞれの国保なら国保あるいは被用者保険、それぞれの保険、健保で運営をされているという形でよろしいですよね、ここに入った途端に。いわゆる七十五歳以上になると、これは切り離して独立したものにまずつくるという制度ですね。そこに至るまでの間のこの六十五歳から七十四歳までは、財政調整をしながら七十四歳までいくという形をとっているわけですね。

 そうなってくると、今度、これが私がまだ逆に言うならば腑に落ちていないのは、これは、ごめんなさい、皆さんに資料としてお配りをしていないんですが、八対二の割合で対象者数があるにもかかわらず、それぞれ、国保、政管健保それから健保、共済という形であるわけなんですけれども、それが今度は、財政調整をしたら四割が市町村国保になり、四二%が市町村国保になり、そして残りの五八%がいわゆる被用者保険という形になりますよね。これはいいですね。

水田政府参考人 今委員御指摘のとおりでございまして、前期高齢者を見ますと八割が国保に加入している、二割が被用者保険に加入している。それに対しまして、財政調整上におきましては、国保が約四割、それから被用者保険が約六割、四分六で負担をしていただく。これがまさに前期高齢者財政調整制度でねらっているところでございます。

 まさに、その八割、退職者、退職を契機にいたしまして、サラリーマンOBが国保制度に加入するという実態がまずあるわけであります。これをそのままにして国保の若年、現役世代に持たせるというのは、それはやはり前期高齢者の偏在を国民健康保険における現役にかぶせることになってしまう、これはいかがなものかということで財政調整をして負担の調整をする。その仕方として頭数で割るということにいたしまして、結果として四対六の割合でこの費用を持ち合いをしていただこうということを考えたわけでありまして、まさに、今おっしゃった八、二と四、六ということがこの前期高齢者に係る財政調整の本質でございます。

園田(康)委員 だから、大臣、後でお伺いをしたいんですけれども、ここももう少し議論をしたいんです、局長。午前中の議論もありましたけれども、後期高齢者でも頭割りでいわゆる支援金が現役世代から出ていく。つまり、負担をしている数と、それからいざ拠出する額が、これは頭割りでいくと不公平が生じませんかということなんです。

 先ほど申し上げたように、本来の対象者数でいくと八対二なんですね。それを現役世代まで含めてしまうと、途端に四対六の逆転現象になってしまう。つまり、健康保険を初め被用者保険の方々がより多くさらに負担をここで強いられなければならないという状況になっていくわけなんですよ、頭割りでいきますと。

 そうなると、本来この制度のあるべき姿というものは、つまり、いわゆる財政調整をする概念が、果たして一〇〇%人数割りで行って、一〇〇%財政調整でやっていいのかどうかというところを、今までの老人保健法の概念の中にもあったわけでありますけれども、果たしてそれが公平公正な財政調整というか負担のあり方であるということが言えるのかという批判がかつてからあったわけですよ。

 したがって、今回のこの財政調整そのものが必ずしも今までの不公平、それを是正するような制度であるということは言えないのではないかというふうに私は思うわけなんですけれども、その点は、局長、いかがお考えですか。

水田政府参考人 繰り返しになるわけでありますけれども、なぜ国保において前期高齢者が八割おられるかということを考えてみますと、これは被用者保険のOBが退職されて国保に入るということでございます。したがって、やはり前期高齢者が国民健康保険に偏在をしているということでございますので、そのしわ寄せを国保の現役の方に負担をお願いするというのはそれは行き過ぎであろうということで、この財政調整をまず行うこととしたわけであります。

 次に、これをどの程度、どの物差しでやるかということでございますけれども、これもいろいろな考え方がございます。例えば、稼得能力のないゼロ歳の方あるいは若齢者の方は除くべきである、こういった考え方もあるわけでございますが、それは午前中申し上げましたけれども、二十を過ぎても所得のない方がおられます、逆に二十未満でも所得がある方がおられます。そういったことはありますし、また、国民健康保険と被用者保険、特に健保組合、比較をいたしますと、現実の所得水準でかなり大きい差がございます。一方の議論としては、こういったところまで踏み込んでいわば財政調整をもっとやるべきだという議論があるわけであります。

 そういった双方の立場のお話の中で、最終的に共通の物差しとしてはやはりこの頭数ということにいかざるを得ないんじゃないか、こういう判断をしてこの考え方の方式をとることにしたものでございます。

園田(康)委員 ごめんなさい、ちょっと時間が余りにも過ぎてしまったので、これにこだわるつもりはありませんけれども、ただ、所得把握をきちっと本来ならばやっておけば、いわゆる二十以下、ゼロ歳からというのはそれは極論過ぎるというようなお話をしておられましたけれども、二十以下の所得のない方あるいは無業者の方、所得のない世帯というものもあるわけでありますので、そういったところも含めた頭数できちっと割っていくということが、果たして本当の意味で妥当なものであるのかどうかというのをきちっと議論をしていただきたいわけなんですね。

 であるならば、先ほど言った、今の現行の中で選択肢はもうこれしかないということではなくて、これは年金制度でもそうでしたけれども、所得把握をすることをまず第一義的として皆さん方は考えなければいけないんじゃないでしょうか。それをきちっとやった上で、それでもできないということであるならば、それは現役の皆さんも負担をお願いしましょうよという形で次のステップに入ってくださいよ。

 その前の段階で、所得把握はどうせできないからそれはできませんよと、はなから、頭からこれはもうないという制度の中で考えるのではなくて、これをまずきちっとどうやったら考えられるのかということをどうして考えていただけないんでしょうか。その辺が、私は、まだこの制度の納得のいかない部分であるということが一つ。

 それから、きょうはもう時間がなくなってきましたから触れませんけれども、であるならば、退職者医療制度、これも本来ならば、二十六年度でこれはなくなるという話でありますけれども、従来からこの制度に対する拠出のあり方、拠出金の不透明さ、これも指摘をされていたところであります。

 したがって、この点をきちっとやはりとらえていくならば、単なる頭割りの財政調整、これだけをすればすべて物事がうまくいくという考え方から早く脱皮をすることが、私は、一元化に向けた次のステップに行く一つの布石になっていくのじゃないかなと思うんです。まあ、一元化がいいかどうかは、これはまた別議論ですけれども、そう思っております。

 きょうはちょっと時間があると思って、余りなくなってきたので、本来私が申し上げておきたいことが次にありますので、大分飛ばさせていただきます。

 小児科医師の労働環境の中でさまざまな議論がありました。やはり集約化をしなければいけないのであろうというのも、今の態様、体質でいくならば、それも一つのというか、まずは短期的にというか、目の前で行う対策ということであるならばそれしかないのかなと。いろいろ私自身も頭を痛めましたし、いろいろな方々から御意見を伺って、何かいい方法はないか、厚生労働省の中だけで何か解決をしようとなると、あるいは後で議論があるかもしれませんが、文科省さんの御協力をいただきながら、中長期的に見れば、奨学金制度などを用いて医師の地域へのいわば誘導策というものを用いることができるのではないかなという気はするんです。

 この姿勢の中で、首尾一貫して姿勢を貫いていただきたいのは、これはあくまでも都道府県のやることですよ、地域がやることですよと最初から投げやりになってしまっている厚生労働省さんの姿勢そのものは、私はいかがなものであるかということだけは指摘をさせていただきたい。

 すなわち、本来、これだけの医師不足あるいは偏在というもの、そこにおいてはやはり集約だけはしておかなければいけませんねというところの結論を見出しているのであるならば、その集約がどういう形になるのかということを、今までの施策の中で本当にこの集約化がとれるのかどうか、大臣御自身もお悩みだろうと思うんですけれども。いわばうまくいかない、この自治体とこの自治体が病院をとり合って、それによってどちらに行くのかということの議論になってしまって、いわば平成大合併の代替の議論になってきているような心配を私はしているわけなんですね。

 したがって、今のこの集約化によって何がどういう形で劇的に変わるのかということと、それから、厚労省だけの中ではなくて、ほかの省庁からの支援要請というものも厚労省が主体となってお願いをする、それぐらいの気概を持って、あるいは都道府県に、もう少しきちっとした医師不足を解消するだけの知事に対する権限の付与、あるいはそれだけの裏づけをする財源、これをきちっと投入するという御意思をちょっと大臣からお伺いしたいと思うわけですが、いかがでしょうか。

川崎国務大臣 他省庁への議論というのは、まさにそのとおりでございまして、僻地問題一つ考えましても、三重県は南北に長うございますから、南の地域の問題がございます。したがって、高速道路をつくってもらうときの最大要件になりましたのが今の医療の問題でございます。やはり一時間かかって通わなきゃならぬ、したがってこの高速道路だけはどうしてもつけなきゃならぬ、これが実は県、市町村を代表した強い意見という中で、今高速道路の計画が進んでいる。そういう意味では、一つの厚生労働省という切り口だけで僻地の医療というものをしっかりしていくわけにはいかない、これは間違いないと思っております。

 そういう意味では、複合的な政策の中でどう医療圏というものをつくり上げていくか。医療圏がより大きな医療圏になればなるほど、交通体系というものはきちっと整備されていかなければならない。場合によってはヘリコプターの問題も考えなきゃならぬ、こういう切り口も当然出てくるだろう。そういうものに総合的に取り組まなければならないということは、言われたとおりだと思っております。

 一方で、財政的にどのぐらいあるかと言われますと、正直申し上げて、これは極めて厳しい。国に財政的なもの、もしくは厚生労働省に財政的なものが十分あればあれですけれども、そこはなかなか厳しいのはぜひ御理解賜りたい。その財政の中でできるだけのことはしていかなければならないという強い意識を持ちながら進んでいかなきゃならない、こう思っております。

園田(康)委員 そこを何とか、何とかというのもなんですけれども、大臣の気概をお示しいただければなと思っているんです。

 したがって、だからこそ我々民主党としては、いわばその象徴的になるような、いわゆる小児科の救急体制を構築しなければいけない、あるいはがん対策というようなもの、そして患者の権利というようなものを、きちっと今の国の施策以上に予算を組んで、これが国民のために、納得、安心、安全、そういう観点、あるいは国民のためのこれが政府の責任を果たしているんだよというのを、やはりそういう、特別立法ではないですけれども、措置法を用いてでも、私は通常のルーチンの法改正の中で何とかやりくりをするというだけのものでは少し無理になってきたのではないかなというふうな気がいたしているんですね。

 したがって、そこに大臣がどう政治的な判断を下していくか、責任を果たしていくかという姿勢を国民がしっかりと見ていますよということをお伝えしておきたいと私は思うわけであります。

 そこで、労基法の違反の話ですけれども、これを議論していると、少しまた短目にお願いをしたいと思うんですが、先般の山井委員からの質問に対して、時間外労働に関しては、時間外労働に関する協定、いわゆる三六協定を締結して、割り増し賃金が支払われていれば直ちに労基法違反にはならない、大臣、こう御答弁されましたよね。確かにそのとおりであります。

 そこで、確認をしておきますけれども、まず、この三六協定を結ぶことによって、しかし、基準はあると思うんですが、幾ら、時間外労働で三六協定を結べば多少の長時間労働、時間外労働はできるというふうに言ったとしても、限度というものを厚生労働省としては考えているんだというところをまずお示しをしていただきたいと思います。

青木政府参考人 三六協定は、その協定で定めた範囲内で時間外労働させることができるというものでありますけれども、この三六協定で定める時間外につきましては、長時間にわたる時間外労働を抑制するため、平成十年に、労働基準法第三十六条第一項の協定で定める労働時間の延長の限度等に関する基準、いわゆる限度基準告示を制定いたしまして、一カ月四十五時間、年間三百六十時間などといった限度となる時間を定めているところでございます。

園田(康)委員 したがって、それを超えるということは、余りにもこれは法の想定を超えるものであるということでありますから、これ以内におさめていくようにというのがまず一つの指針としてありますね。これはそうなんです。

 したがって、確かに法文上は青天井に結べるのかもしれませんけれども、一定の歯どめはあるんだよということは御認識をいただきたいと思いますし、あるいは、これは確認ということになりますけれども、いわば当然でありますが、三六協定を結んでいて、それ以外のさらに長時間労働を行った場合は、これは当然に法違反となるものであるというふうに理解しておりますが、それでよろしいですね。

青木政府参考人 御指摘のとおり、三六協定は労使で協定した範囲内で時間外労働させることができるということでありますので、その協定した延長時間を超えて時間外労働させた場合には、労働基準法違反ということになります。

園田(康)委員 ぜひ、そういうことがあるわけでありますので、お医者さんの方も厳しい環境の中、誠意を持って携わっておられるということをかんがみて、もう少しこれを緩和させられるような方策を逆に積極的に打ち出していただきたいというふうに思うわけであります。

 さあ、そこで、集約化が本当にできるのかどうか、この検証を今後この審議の時間内でまだまだちょっと時間をかけてやりたいと思っているんですが、私からの一つのきょうは提案ですけれども、平成十三年から始まったこの集約化の、先ほど大臣も一言触れられましたけれども、ヘリコプター、長い時間を、いわば地理的に不利益な条件を一気に解決するとは言いませんけれども、集約化の一つのツールとして、私はこのヘリコプターの利用というのは大変有効なものであると考えております。これがあればかなり集約化もできるのではないかなというふうに思っております。

 現に、この間千葉の、皆さんにお配りをした資料の中の一番最後になりますが、「千葉県内のドクターヘリの運用状況」というものを添付させていただいております。まだ千葉県においては一機しかありません。

 いわば半径五十キロ以内が約十五分で行けるというのがこのヘリコプター、いわゆるドクターヘリと言われるものでありますけれども、それが活用されているということで、これが劇的な集約化、あるいは医師不足を解消するものではありませんけれども、それを補う一つのツールとして大変有効なものであるというふうに思っております。

 そこで、十三年から始まって、これは十機しかまだ我が国においては配備をされていません。なぜこんなに配備状況が少ないんでしょうか。当初は五年で三十機、日本に配備をする、全国に配備をするというふうに計画を立てておられたわけですけれども、それが余り配備の進行状況がない、この状況はどのように考えていらっしゃいますか。

川崎国務大臣 十機でございますけれども、例えば、三重県と奈良県、和歌山県、過疎地域が紀伊半島の先にくっついていまして、そういう意味ではこれは三県がお互いに協力し合っておりまして、この和歌山県のヘリコプターを三重県、奈良県も使わせていただいているというようなことで共同にやっておる。そういう意味では、十県だけが対象になっているわけではないというふうに御理解を一つは賜りたい。

 もう一つは、やはり多少県によっては負担がゆえにちゅうちょされる側面がある。一方で、いや、我が県は自衛隊に御協力いただいておるという県もございます。それから、既に自分のところは消防の防災ヘリをかなり有している、これを活用しているという県もございます。

 しかし、今御指摘のように、四十七都道府県が何かの形でこのドクターヘリというものを持つ、もしくは共同運航するということは大事であると考えておりますので、しっかり進めていく課題の一つであると考えております。

園田(康)委員 少し触れていただきましたが、確かにいろいろな、今、全国の自衛隊あるいは消防のヘリコプターの利用というものもなされておりますし、後ほど防衛庁の方、きょうは防衛庁の方に来ていただいておりますので御答弁をいただきたいと思っておりますけれども、長崎などでは患者の搬送にももう既に御協力をいただいて使われているという現状がございます。

 そこで、なぜドクターヘリがそんなに進まないかといいますと、御承知のとおり、お金がかかるんですね、運用費には。その補助率が、いわば国が半分、二分の一、県が二分の一というところがあります。この財政難の御時世に、やはり県独自でこのドクターヘリをそのまま運用するということは大変厳しい状況にある。

 むしろ、この間も千葉県さんから伺いましたけれども、もう一機実は欲しい。半島の先端の方にもっともっときめ細かなそういう、つまりこの上の方の日医大附属千葉北総病院から出ているのは、県外、すなわち茨城県からの要請もありますから、茨城県にも飛んでいっている。それだけ要請があるわけなんですよ。

 したがって、その有用性とそれから重要性をかんがみれば、この施策をぜひ、県から声が上がってこないから進まないんだという御意見もありました。でも、そういう観点ではなくて、それは当然ですよ、県はお金がありません。独自でこれを運用するということもなかなか難しい。補助金がおりているからといっても、それもなかなか難しい。したがって、それをきちっとやっていくためには、ぜひとも厚労省から、こことこことここぐらいはきちっと計画的に配備をすることが必要であるということをぜひ調べてお伝えをしていただきたいと思うわけであります。

 時間がなくなりました。ごめんなさい、防衛庁の方のちょっと意気込みだけ、きょう聞かせてください。

 厚労省さん、大臣も聞いていただきたいんですけれども、防衛庁が今すごく協力をしていただいているんですよ。全国の自衛隊病院まで一般的な開放をして、そういう国民の医療を担おうということを言っていただいているわけでありまして、現にもう四つの自衛隊病院は一般開放をしていただいています。さらに、今年度も、二つの病院は今検討中だという形も言われております。

 そういう形で、いわばほかの省庁からも、そんなに大変だったら助けてあげますよというような声も聞こえてくるわけでありますので、ぜひ大臣に、防衛庁の協力の形をぜひ参考にしていただきたいと思いますし、協力体制をとれるところはしていただきたいと思います。

 防衛庁さん、一般開放していただいている病院でありますけれども、今後さらなる一般開放というものが可能であるのか、それをお聞かせいただきたいと同時に、防衛医官そのものも実はまだ充足率は達していないわけでありますね。したがって、それをきちっと今後充足をしていかなければいけないということをどのように防衛庁自身で考えていらっしゃるか、そのことをお伺いしたいと思います。

西山政府参考人 委員御指摘のとおりでございまして、現在、自衛隊中央病院、自衛隊富士病院、それから自衛隊横須賀病院において、一般診療、すなわちオープン化を行っていまして、十八年度においては自衛隊札幌病院とそれから福岡病院を新規にオープン化する。あわせまして、自衛隊の横須賀病院を、現在週一日程度ですけれども、それをフルにオープン化していこうということで地元の調整をしております。

 今後のことでございますけれども、今回のオープン化の効果を見きわめた中で判断をしていきたいというふうに考えていますが、いずれにいたしましても、オープン化する自衛隊病院については、自衛隊医官に臨床経験を積ませることのみならず、地元の地域医療への貢献が図られるものと考えております。

 それから、二点目でありますけれども、現在、自衛隊医官は、災害派遣ですとか国際緊急援助活動、あるいはイラクにおける人道復興支援というようなことで活躍しておりますが、実は臨床経験不足を理由に、義務年限、九年間でございますけれども、その前にやめる方が三割程度おられるというようなことでございます。現在二百八十九名の欠員状態が生じているというようなことで、部隊の業務にも支障を来しているというようなことでございまして、今申し上げました自衛隊病院のオープン化を図りまして臨床症例をふやしていくというような方策と、それから防衛医学研究ということで、熱帯医学ですとか国際活動医療にかかわる研究の推進、それから災害ですとか救急医療に関する研究、あるいは再生医療に関する研究ということで、十八年度二・六億の予算を確保いたしております。

 そういったことで、自衛隊医官が、自衛隊医官としての使命感、責任感をより一層強固なものにしつつ、自信を持って職務に専念することを期待しているところでございます。

 以上でございます。

園田(康)委員 ありがとうございました。質問を終わります。

岸田委員長 次に、岡本充功君。

岡本(充)委員 民主党の岡本でございます。

 きょうは医療制度改革の審議でありますけれども、冒頭、どうしても確認をしておきたいテーマが二つあります。

 かねてより私の請求しております資料の提出の件でありますが、本法案とは直接は関係がないものが一件ありますけれども、恐縮でございますが、まず厚生労働大臣の方から、アメリカの食肉工場査察についての査察報告書、いつ御提出いただけるかの御答弁と、そして、きょうは文部科学省より馳副大臣、お越しをいただいておりますけれども、こちらは医療制度改革に関連があります、全国の大学病院における医療行為の実態含めたアンケート調査をされていると思います。このアンケート調査の報告、いついただけるのか。それぞれ、まず御答弁をいただきたいと思います。

川崎国務大臣 昨年の十二月に実施いたしました査察の結果につきましては、報告書の素案ができ上がりまして、二月の十七日に米国側に提示しております。今、米国側において、英訳の上、企業秘密に関する事項や個人情報等公開できないものについて確認作業を米国が行っております。

 現段階では、米国側から四月中に返答できるのではないかとの回答を得ております。したがって、米国側から返事が返りましたら、公開して構わないということになれば、査察の詳細な結果を、この委員会でようございますか。(岡本(充)委員「はい」と呼ぶ)それでは、厚生労働委員会に提出するようにいたします。

馳副大臣 三月一日の衆議院予算委員会分科会において岡本先生から御指摘をいただいて、実態を調査した上で、それを踏まえて適切に対応すべきという答弁をさせていただきました。

 その後、三月二十日から二十八日まで、全国の対象となる七十九の国公私立の病院で調査をさせていただきました。来週早々にも報告をさせていただきたい、こういう最終段階に入っておるということをまずお伝えいたします。

岡本(充)委員 川崎大臣、私、実は農林水産委員会でも同じことをお伺いしたら、四月の中旬に報告書が米国から返ってくるんだ、したがって、公表は四月の二十八日までには必ずできる、必ずとは言われませんでしたが、四月の末までに報告をするというふうに言われておりますが、四月の二十八日までにはこの厚生労働委員会の理事会に提出をしていただけるという確約でよろしいわけですね。

川崎国務大臣 中旬という御答弁をされましたが、もう中旬を過ぎましたよね、二十一日ですから。

 私の段階では、今確認しましたところ、まだ返ってきておりません。したがって、中旬までには返ってきていない。しかし、四月中に返せるという報告をもらっているということですから、我々でそんなに時間をかけるわけではございません。しかし、米国側の事情によっておくれた場合については、それは岡本委員、少し御容赦を賜りたい。向こうに問いかけているところでございますから。ただ、中旬ということでは、いまだ返ってきていないということでございます。

岡本(充)委員 そうしますと、私が農林水産大臣より御答弁をいただいた答弁と違ってくるわけなんですけれども。

 共同でなされている査察でありますから、当然それに関する査察内容の公表は同時に行われるものと認識をしておりましたが、これは時期がずれるというふうに認識をするべきなのか。それとも、四月中旬には米国からの返事が来る、こういうふうに聞いていたにもかかわらず、その返事が来ていない状況の中、さらなる要求、早く報告をしろと国会でせっつかれていると、中川大臣は農務長官とお話をされているようでございますけれども、そういった情勢を米国が承知していないということなんでしょうか。私は大変不可解に思うわけなんですが、両省のお答えが違うこと、きょうは残念ながら中川大臣は来られておりませんけれども、それでは不一致であって、私は納得することができません。

 四月の二十八日までには必ず返事が来るというふうに御答弁をいただけませんでしょうか。来ない場合には、米国に早急に督促をするというふうに御答弁はいただいているはずであります。

川崎国務大臣 きょう岡本委員からこういう御趣旨の御質問があった、私の方からは今言った答弁をさせていただいた、両省の意見が違うようだけれども、しっかりすり合わせろという御指摘を委員会でいただいたということを農林省に伝えて、統一した御返事を申し上げたい、こう思います。

岡本(充)委員 これは、きのう質問通告しているはずですよ。きちっとした答弁がきょうもらえないのでは、これを確認した上で医療制度改革の質問に入るというお約束になっているわけですから、きちっとした御答弁を今いただきたい。

川崎国務大臣 いや、ですから、今現在、米国から返事が返ってきていないことは事実です。きちっとした御答弁を申し上げています。

 そして、私が申し上げているのは、四月中に返ってくるという返事をもらっていますから、返ってきたら速やかに出すようにいたしますよと申し上げた。しかし、米国から今返ってきていませんから、四月の二十八日まで出し得るかどうかについては、一〇〇%大丈夫ですよという御答弁を申し上げたら、かえって、審議まで絡めての御質問でございますから、私の方からそこまでの確約を申し上げるわけにはいかない。そういう経過については、そういう御質問ならば、私ども、理事会に正式に御報告をさせていただきます。

岡本(充)委員 時間がなくなるので、余りこれに固執はしたくないんですが。

 四月の中旬だと言われた、米国からの返事が。四月の中旬に米国からの返事が来ていない。現段階で、来ていない段階で、では、四月中旬以降きょうまでに米国側に督促をされたんですか。

川崎国務大臣 それはぜひ農林省にぶつけていただきたいし、私も農林省にぶつけますよ、そういう御返事を農林大臣がされたようだけれども、厚生労働省にはまだ返っていないと。私は、きょう現在の事実を岡本委員に包み隠さず申し上げているわけですから、そういう御質問があったということも、先ほど申し上げたように農林省に伝えましょう、調整した結果、それでは理事会に御報告しましょうと今お答えいたしました。

岡本(充)委員 四月の中旬からきょうまでの間に、米国に督促をしたか、していないかだけお答えいただけますか。

川崎国務大臣 四月の中旬まで回答をよこすようにという御質問はいただきましたか、私に。きょう初めてですよね。ですから、私が督促する立場ではなくて、確かに、お答えになった農林水産省は督促する義務を持たれていると思いますよ、委員と大臣の関係ならば。

 ですから、そのことがあったことは農林水産省に私は伝えますと申し上げた。そして、場合によっては、意見が違うならば、回答が違うと申し上げるならば、両省調整した結果を理事会に戻します、こう申し上げました。

岡本(充)委員 そうしましたら、では、私は期日をしっかり含めて、今週はもうきょうで終わりでございますから、来週中に御提出いただけると伺っておりますので、それを提出していただけることを信じております。

 それでは、馳副大臣にお答えいただきましたので、その話は後ほどさせていただきますから、ぜひ、そちらの方の資料についても来週早々、私は月曜日だというふうに伺っております。月曜日だということで、まず、間違いないんですよね。

馳副大臣 担当の高等教育局医学教育課長の方から、今のところは最終取りまとめしておる段階でありますけれども、月曜日ないしは火曜日には必ず報告をさせるということをお約束させていただきます。

岡本(充)委員 それでは、医療制度改革の本題の方に入っていきたいと思います。

 まずは、医療費の適正化の話について少し質問させていただきたいと思います。

 今回の医療費の適正化の政策目標として、平均在院日数の縮減や生活習慣病の減少、こういうような目標が立てられています。

 生活習慣病の減少ということについては後ほどちょっと議論をしたいと思いますけれども、これらの目標、あいまいだというふうに指摘をされても仕方がないところがあると思っておりますが、こういった目標だけではなく、工程表の作成や医療費の伸びの抑制に対する毎年のPDCA管理など、実効の担保策を設けるべきではないか。

 例えば、都道府県レベルでの医療費適正化計画を策定します、そしてこの適正化の取り組みを行うとしていますが、具体的に毎年の目標や計画のPDCA管理、そして目標達成のための工程表、こういったものをつくらずして、どのようにして目標達成を担保していくおつもりなのか、まず御答弁をいただきたいと思います。

川崎国務大臣 まず、医療費適正化の問題でございますけれども、今回の改革において、国と都道府県がともに平成二十年度を初年度とする五カ年計画である医療費適正化計画を作成し、その中に、生活習慣病の有病者、予備軍の減少、平均在院日数の短縮に関する具体的な数値目標を掲げることとしております。

 このための具体的な方策としては、生活習慣病対策として、保険者に四十歳以上の加入者に対して糖尿病等に着目した健診、保健指導の実施を義務づけること、平均在院日数の短縮のため、療養病床の再編成を進めるほか、医療機能の分化、連携や在宅療養支援の強化などを進める、こうしたことを通じて医療費の適正化を図っていきたいと考えております。

 また、PDCAの話でございますけれども、今は、まずプランの話になると思います。医療費適正化計画の策定から三年目の中間年に計画の進捗状況、チェックになると思いますけれども、進捗状況、計画終了年の翌年度には計画の実績に関する評価を実施するとともに、実績評価の結果を踏まえ、アクションになると思いますけれども、都道府県の診療報酬の特例や生活習慣病対策の進捗状況を踏まえた後期高齢者支援金の加減算といった措置を講じていくこととしており、こうした一連の流れの中で、実効性ある取り組みを進めていきたいと考えております。

 五年を一つのサイクルにしながら、また、先ほど申し上げたような支援金の加減算という問題も加えながら、まさにプラン・ドゥー・チェック・アクションのサイクルを動かすように、各都道府県、また国はやってまいりたいと考えております。

岡本(充)委員 やはり明確な目標達成のための工程表をつくっていく必要がある中で、今大臣おっしゃられましたけれども、厚生労働省としてそう考えるということであって、本当に実効性が上がるのかどうかということに甚だ疑問を感じているということであります。

 二つ目の私の医療費適正化に関する質問としては、ジェネリック医薬品の普及を進めていく上での政府の対応策、これについてこの場ではっきりとお答えをいただきたいと思います。

川崎国務大臣 ジェネリック、後発医薬品を普及させることは、患者負担の軽減や医療保険財政の改善に資することから、政府として積極的に推進する考えでございます。

 しかしながら、我が国の医薬品市場において後発医薬品のシェアが諸外国と比べて低くなっており、その原因としては、後発医薬品企業が医療関係者の信頼を獲得できていないこと、この辺は実は私も薬剤師会の皆さん方とお話しいたしましたけれども、そうした意見が多いことは事実でございます。一方で、医師が先発医薬品の商品名で処方するために患者が後発医薬品を選択しないこと等が指摘されております。現実的な数字は、アメリカにおいては五三%、英国は五五%、ドイツが四一%、日本は一六%でございます。

 特に、後発医薬品企業が信頼を獲得できない理由として、医療機関等からの注文に対し速やかに納品できない場合がある。医薬品企業に求められる副作用等の情報提供が医療関係者から見て不十分であるととらえられている場合がある。三番目に、汎用規格のみが供給され、さまざまな患者に対応できない場合があることなどが上げられております。

 このため、後発医薬品の安定供給の確保、情報提供の充実及び医療上必要な規格の収載について徹底するよう後発医薬品業界に対し今指導を行っております。一方で、医師が発行する処方せんの様式を変更し、後発医薬品への変更を可とする署名欄を設けて対策を進めてきております。

 全体の反応として、随分テレビコマーシャルも、委員も見られたと思うんですが、あれの反応はあるように思います。また、私自身は痛風でございますので、もう二十六年間薬を飲んでいまして、お医者さんの方から、大臣、高いのを使わなくてもジェネリックで十分ですよと御指摘いただいて、今月からジェネリックを使わせていただいております。医療関係者からそういう形で適切なアドバイスが加わっていくといいんですけれども、まだそこまで十分成熟していないな、そういう意味では、後発の医薬品メーカーがもう少し努力するべきところがあり、こんな感じを受けております。

岡本(充)委員 もう一つ突っ込んで聞きたいんですけれども、後発医薬品メーカーへの指導と言われましたけれども、具体的にはどういった指導をされているんでしょうか。

松谷政府参考人 お答え申し上げます。

 今大臣から御答弁申し上げましたように、後発医薬品の安定供給の確保、それから情報提供の充実、医療上必要な規格の収載、先ほど申し上げました医療品企業に求められているいろいろなことについてまだ医療現場から不満足だと言われている点につきまして指導しているところでございまして、これにつきましては、先般、関係の業界等に対しまして通知を発出したところでございます。

岡本(充)委員 いや、しつこいようですけれども、その通知がどういうものでどういうふうな目標を持って何をしろ、先ほどのPDCA管理じゃないけれども、そういうことがきっちりしていなければ、通知を出したところでこれは改善されない可能性がある。それが何なのかということを聞いているんです。

松谷政府参考人 先般出しました通知でございますけれども、一つは、後発医薬品の保険収載に当たり必要な規格を全種類そろえるよう行ったところでございます。これは、保険収載に当たりまして、ある汎用の規格だけですと、患者さんによっては非常に少量あるいは大量のものが必要でございますので、そういったいろいろな規格がそろっていないとやはり使いづらいということで、これをきちんと保険収載に当たってはそろえるようにということでございます。

 それから、安定供給という点では、その確保のために製薬メーカーに対する安定供給を要請するとともに、保険医療機関や保険薬局からの苦情をきちんと受け付けて、そして必要に応じて調査、指導を行うといったようなことにつきましても、関係団体に対して指導、通知を行ったところでございます。これは、保険医療機関あるいは保険薬局においてジェネリックの薬を使おうと思っても、そのときたまたまない、電話してもすぐに来ないというようなことが、やはり先発メーカーの場合はきちんとその辺の供給が行われていることが多いわけでございますけれども、後発医薬品の場合はまだそういうことが行われないこともあるということでございますので、そのような指導を行ったところでございます。

 また、三つ目には、添付文書に記載する情報をきちんと充実する。最低限のことは書かれているわけでございますけれども、もう少し使う人にとってわかりやすい、薬剤師さんにとってあるいは患者さんにとってわかりやすいような形での情報提供をしていただく。これについても、いわゆる先発医薬品というのは開発の段階からいろいろな情報をみずから得てございますので、それをもとに添付文書がつくられているわけでございますが、できるだけそれに近づけるような努力をしていただきたいということで指導しているところでございます。

 なお、このほかに処方せんの様式につきましては、先般の保険の改正において署名欄が追加されたということでございます。

岡本(充)委員 そこまでですと、プランとドゥーをされた、あとはチェックをしてアクションをするということになるわけなんですが、それについても今後引き続き行われるというふうに理解をしてよろしいですね。もう時間がないから、いいですね。うなずかれていますので、次の質問に入りたいと思います。

 今回の高齢者医療制度について少し議論をしたいと思います。

 年金の議論をして恐縮ですけれども、年金のときは、百年安心の年金だ、持続可能性が重要だ、こういう話で年金の話が始まったのを記憶しておるわけですが、今回示された改革を実施した場合の総合的な財政影響の試算には、制度導入時における各保険者の負担の増減、これは示されているんですが、制度導入時だけでなく将来的な経年変化及び内訳も明確にした試算を示すべきではないかというふうに思います。そうでなければ、持続可能な医療保険制度を再構築するため責任ある議論ができない、そういうふうに思うわけであります。

 それぞれのいろいろな事情は複雑にあるとは思いますが、未来予想図をやはりきちっとお示しいただきたいというふうに思うわけなんですが、それについて御答弁いただけますでしょうか。

水田政府参考人 お答えいたします。

 新たな高齢者医療制度の創設の影響でございますけれども、平成十八年度の診療報酬改定の影響も含めまして今回の健康保険法改正を実施しなかった場合と実施した場合の財政影響につきまして、二〇一五年度、平成二十七年度について申し上げますと、所要保険料で申し上げますと、政管健保八千五百億円の減、健保組合三千五百億円の減、市町村国保につきましては二千四百億円の減、こういった見通しを立てているところでございます。

岡本(充)委員 その各保険者の負担減になるという概算根拠や将来の数値について、きちっとした報告という形で公表されるおつもりはありませんでしょうか。

水田政府参考人 特段、報告書という形でまとめる予定はございませんけれども、審議の過程で必要なものはお出ししていきたい、このように考えております。

岡本(充)委員 ではお伺いしますが、その各保険者の負担減となる概算根拠、それをお示しいただきたい。今二〇一五年、二〇二五年と言われた、それぞれの概算根拠、計算をどのようにされたのか、それをこの場でお示しいただけるのでしょうか。

水田政府参考人 まず、二〇二五年についてのお尋ねでございますけれども、これは、年次としまして二十年後のことでございますし、また、附則にございますように、五年見直し規定ということもございます。

 それから、医療費の長期見通しというものについて積算をしているわけでございますけれども、審議の過程で何度も繰り返し申し上げましたように、これは機械的に算出したものでございますので、それ自体いわば目安でございます。したがいまして、実績を踏まえて適時政策の見直しを検討するという性格のものでございますので、二〇二五年の数値というものはお示しすることは適切でない、まずこのように考えてございます。

 その上で、二〇一五年の数値を先ほど申し上げたわけでございますけれども、当然ながら、これは、一つには診療報酬改定がございました、マイナスの三・一六%というものがございました。その影響がございます。それから、患者負担の関係での異動がございます。それから、後期高齢者、前期高齢者ともに含めまして高齢者医療制度を創設することに伴う影響、これらを含めまして、先ほど申し上げましたような財政影響が出てくるというものでございます。

岡本(充)委員 その説明では、全く数字が入っておりませんから、なぜ先ほどの数字になったかわからない。きちっとした計算式を含めて早急にお持ちをいただきたいと思うわけですが、この委員会で結構です、提出をいただきたいと思うんですが、提出いただけますか。

水田政府参考人 資料の提出につきましては、先ほども申し上げましたように、現在予定はしてございませんので、必要に応じまして、具体的に御質問を事前通告いただければお答えをしたいと考えております。(発言する者あり)

岸田委員長 もう一回質問してください。

岡本(充)委員 なぜこう言っているかといったら、各保険者がそれぞれどういった財政負担をしていくのか未来予想図がなければ、持続可能かどうかがわからない。それは、五年に一度見直すんだとか、この制度が未来まで続く制度じゃないんだと今お認めになられたわけなんですけれども、二〇二五年のときにはもうわからないと言って。ですけれども、二〇一五年の数字を今お話しになった。どういう計算根拠で、どういうふうな数字を入れてその式になったのか、数字としてきちっと御報告をいただきたいと要求を出しているわけです。これについての資料提出を求めるわけでありますが、それがなければ、この各保険者がどういうふうな未来図になるかわからない中で、審議ができないじゃないですか。ちゃんと出してください。

水田政府参考人 二〇二五年につきましては、先ほど申しましたような将来推計の見通しの目安としての性格がございます。ただ、それに基づいても、持続可能であるかどうか、こういう判断基準を示すということで、総体の国民医療費あるいは医療給付費につきまして経済の規模との対比というものをお出ししているわけでございますので、そういった形で御判断いただけるんじゃないかと考えております。(岡本(充)委員「二〇一五年は」と呼ぶ)

岸田委員長 水田局長、今の質問に対して、二〇二五年についてはお話がありましたが、二〇一五年についてお答えが今なかったと思いますので、それをお願いします。

水田政府参考人 二〇一五年につきましては、個別具体的な御要請があれば、またこれは委員会の定めに従いまして対処したいと思います。

岸田委員長 というお答えですが、岡本君、どうぞ。

岡本(充)委員 だから、個別具体的に今頼んだんです。出していただけますね。

川崎国務大臣 先ほども申し上げたように、さまざまな資料の提出については、最終的には委員長が御決定をいただいて、我々に言っていただければ最大限の努力をいたします。(発言する者あり)

岸田委員長 今そういうお答えがありましたので、その資料の提出につきましては、理事会で協議をいたします。

岡本(充)委員 先ほど午前中の質疑でもあったと思いますけれども、例えば広域連合の財政的責任はだれにあるんだと言ったら、広域連合にあると大臣はお答えになられたでしょう。その責任を問うのであれば、どういう未来図になるか出さなければ、彼らに責任はあると言っておいて、そしてその未来図はわかりませんと言っておいて、責任だけ広域連合ですか。それはおかしくないですか。やはりきちっと出した上でなければ、この保険制度が続くのか、だって、保険というのは持続可能じゃなきゃいけないんですよ。年金だって持続可能じゃなきゃいけないと皆さん言われたじゃないですか。

 持続可能な医療制度をつくっていくという必要性を、私は今お話をする中で、そんなもの、今決めた、二年後の、平成十八年はこうです、試算を出しました、その先はわかりませんでは、これでは審議ができない。これはまず資料を出していただかなければできない。ぜひ、きちっと資料を出すとここでお答えいただければいい話じゃないですか。お持ちなんでしょう。出していただけませんか。(発言する者あり)

岸田委員長 御静粛にお願い申し上げます。

川崎国務大臣 委員会で委員に御質問をいただきました。そのことについてどういう形で処理をするかということについては、基本的には委員長、理事会でお決めいただくものだと私どもは思っておりますので、そういう御答弁を申し上げたわけで、どうぞ理事会等で御協議いただいて、我々は御指示に従いますと申し上げております。

岡本(充)委員 わかりました。

 では、理事会での協議でこの資料については御協議をいただくという話であれば、次の、医療制度についての同じく資料の話もしたいと思います。

 まずは、今回、支援金という話で、後期高齢者の医療制度を支えるお金を健保組合も含めて各保険者に拠出をお願いするわけなんですが、この支援金がある意味これから先どのくらいふえてくるのか、これまた試算が欲しいと思われるところでありますが、例えば、今後の支援金の総額、また対保険料に対する割合、こういったものについては試算をされているのでしょうか。もしあるようであれば、二〇〇四年の現在、あと二〇〇八年はいいですね、二〇一五年、二〇二五年、それぞれ数字をお答えいただきたいと思います。

水田政府参考人 現在持ち合わせております数字が二〇〇八年度と二〇一五年でございますので、それについてお答えをいたしたいと思います。

 まず、二〇〇八年度、現役世代、七十五歳未満の方の保険料負担が全体で十六・二兆円でございます。そのうち、後期高齢者支援金の負担が四・五兆円、公費を除きます保険料部分が三・六兆円でございますので、後期高齢者支援金の保険料に占める割合は二二%となってございます。

 二〇一五年について申し上げますと、現役世代の保険料負担十九・五兆円、それから、後期高齢者支援金負担から公費を除いたものが五兆円でございますので、この割合は二六%となってございます。

岡本(充)委員 二〇二五年についてはいかがなんでしょうか。

水田政府参考人 それにつきましては、先ほどから申し上げましたとおり、二〇二五年度の数値でございますので、あわせて御検討いただきたいと思います。

岡本(充)委員 図らずも、保険局長、二〇二五年まではこれは持続しないということをお認めになられているわけなんですが、二〇一五年の段階で考えても、今お話しになられた数字というのは、いわゆる保険料収入に対しての割合ということでよろしいんですね。

水田政府参考人 御答弁いたしましたとおり、現役世代の保険料負担総額に対する支援金負担のうち、公費を除く部分というものでございます。

岡本(充)委員 公費を除く部分というところがくせ者なんだと思います。そこを、この数字をまた後ほど私もチェックをしたいと思うんですが、どういった根拠でその数字を出されたかについての、その資料の積算根拠、それも後ほどお示しいただけますでしょうか。

水田政府参考人 これも、先ほど来の一連のお求めであると思いますので、理事会の御判断に従いたいと思います。

岡本(充)委員 いや、その資料がなければ、同じ話なんだけれども、私が試算をすると、どうやら、いわゆる支援金等への使途が、もしかしたら保険料収入の半分を超えるんじゃないかというふうに試算をする方もみえるんです。これは、試算の式がなければ比較のしようがない。

 今回、私がお伝えをしたいのは、給付と負担が連動しない支援金、給付と負担が連動するのが保険ですよ。保険という名だけれども、給付と負担が連動しない支援金への使途がその半数を占めるようになってしまったら、もうこれは保険とは言えないんじゃないか。だから、この数字が一体どうなのか、これが保険と言えるのかどうか、その根拠だから極めて重要なんです、きちっと根拠と数字を出していただきたい。

 私は、今回、今すぐとは言いませんが、委員長、重要性、おわかりいただけましたよね。委員長もうなずいてみえますので、その重要性が高いゆえに、ぜひ理事各位も提出をするようお諮りをいただきたいと思います。

 次の質問に移ります。

 では、その支援金の影響によって、健保組合においては、負担減となる組合と大幅な負担増となる組合と、この二極化にするおそれがある。今、現時点でも、厚生労働省からお示しいただいた資料によると、例えば健保組合の保険料率の分布を見ると、確かに、三〇パーミル、三%ということですね、今保険料率が三%から、九五パーミルですから九・五%ということだと思いますが、この枠組みの中でやっているが、もう既に上限に達している健保組合が十三組合あるというふうに、その資料をいただいております。

 もう既に負担率の上限九・五%まで行っている、だから、今度法律を変えて上限を一〇%までふやすんだ、もう少し保険料率を高く設定できるようにしてあげましょうと言ってはいますが、ちなみに、最低の三〇パーミル、三%の組合数は七であります。それに対して、もう上限まで取っているところが十三もある。これを一〇%にしたからといって、この健保組合が本当に生き長らえるのか。

 もっと言えば、いやいや、そういう組合は、どうぞ再編統合をして地域型の健保組合に移行してくださいと言われるが、これだって、給与水準の低い従業員がたくさんいる会社が幾つも集まったところで、得られる保険料は、申しわけないけれどもそんなにたくさんの額は得られない。弱い者同士が集まれば保険者機能が本当に強くなるのかという議論も含めて、どのくらいの財政負担があるのかということをはっきりしなければ、地域型の健保組合をつくっても、これが破綻したらまた、財政責任はあなたですよ、こういうことになりかねない。したがって、この数字を出すことが極めて重要だというふうに思っているわけであります。

 今回、今御指摘をさせていただいたとおり、この今の改正によって自主自律の健保組合の存在が大変危うくなる、こういった状況になり得る可能性についての政府の見解を伺いたいと思います。

水田政府参考人 今回の健保法等の一部改正によりまして、個別の保険者ごとに負担にばらつきが出てくるのは、これは事実でございます。

 先ほどお答えいたしましたのは後期高齢者支援金の数字でございますけれども、このほかに、前期高齢者に係ります調整金等の負担があるわけでございます。これらの支援金等の負担が著しく重い保険者の著しく重い部分につきましては、全保険者で再按分する負担調整措置を講ずるということを考えているわけでございます。

 そういった支援金等でございますが、各保険者における義務的支出に占めます支援金の割合の分布状況を勘案しまして、全保険者の上位三%程度に該当する保険者につきまして、こういった再按分措置を講ずることによって負担調整を行おうということを考えているところでございます。

岡本(充)委員 いや、負担調整を行うというのは、それはわかっていますよ。ただ、今お話をしているように、弱い健保組合が幾つも集まっても、弱いと言ったら語弊があるかもしれないけれども、政府は財政逼迫というような表現をこのいただいた資料の中で使っておりますが、財政が大変に厳しい状況の健保組合を幾つも統合したところで、厳しい状況は変わらないのではないですかというお話をさせていただいているわけなんです。

 こういった状況になると、健保組合自体の存在が大変厳しくなる、だから、健保組合はどんどん統合して、苦しいところを含めて、健保組合自体がなくなっていってもいたし方ないというような見解に基づいているのかどうか。改めて、そこについて、イエスかノーか、簡単で結構でございますからお答えをいただきたい。

水田政府参考人 これは、本日も答弁させていただきましたけれども、基本的に、今全国展開している健保組合あるいは都道府県単位の健保組合で安定的な運営が行われているもの、これについては、引き続き、自主的、自律性のある保険運営を行っていただくこととしてございます。

 先ほどお話のありました地域型健保組合でございますけれども、これにつきましては、広域化といいますか、リスク分散の単位を広げるという観点から行うものでございまして、一定程度の効果があろうかと考えております。

岡本(充)委員 続きまして、今回の高齢者医療制度改革の一つの目的に、高齢者の医療費を公費によって重点的に支えていこうというお考えがあるように私には見受けられます。

 私が昨日の段階で質問通告したときには、マクロの財源構造を見ると、六十四歳までの若人の公費負担の割合が二割ではないか、六十五歳から七十四歳の医療費については一八%公費が入っているんじゃないか、七十五歳以上については五割公費が入っているんじゃないか、こういう指摘をさせていただいたところ、当初はそうですねという話だったんですが、けさになってからファクスが入ってきて、ゼロ歳から六十四歳の給付費に占める公費負担割合、平成二十年は二三%、前期高齢者、六十五歳から七十四歳は二六%だというファクスを、きょうの九時四十五分になって私の事務所の方に入れられたようでございます。

 私、きのうの段階ではそうだというふうに伺っていたんですが、こういうふうに数字が変わってきた、その計算の方式が変わったのかどうか、この部分について、どういう根拠でこの二三と二六という数字が出てきたのか、お答えをいただきたいと思います。

水田政府参考人 お答えいたします。

 まず、委員が御紹介されました数値というものは、ある団体が出したものでございまして、ゼロから六十四歳についての公費は二〇%、六十五から七十四歳につきましては一八%、こういうものをある団体が言っているわけでございますけれども、これは、六十五歳以上でありますと国保に加入している方が多いわけでありますので、五割の公費を受ける方が多いわけでありますし、また、子供の、若年被扶養者の数で考えますと健保組合の方が多いわけでありますので、定性的に考えまして、前期高齢者に対する公費負担の方が若年者に対する公費負担よりも多いのが当然でございまして、このある団体がなされました計算過程、どのようなものかは私ども承知しておりません。

 ただ、定性的に考えてみましてもこれはおかしいわけでありまして、私どもとしては、委員が御紹介ありましたとおり、前期高齢者についての公費の割合は二六%、ゼロから六十四歳については二三%、このように承知をしております。

岡本(充)委員 だから、どのように計算をされたか、私もその団体からその話を伺った、恐らく同じことを言ってみえると思いますが、この団体はそれぞれ計算式お持ちのようであります。政府側の計算はどのような計算式で公費の負担割合を出されたのか、それはお聞かせいただけますか。

水田政府参考人 これにつきましても、一連のデータでございますので、先ほどと同様の扱いにさせていただきたいと存じます。(発言する者あり)

岸田委員長 一応答えがあったから、ちょっと質問を続けてください。

岡本(充)委員 いや、どれもこれも全部理事会だという話になってくると、これは委員会で質問をしている意味がなくなっちゃうじゃないですか。私が質問して、出してくれますか、はい出します、こういう答弁があれば、これは審議が進んでいくのはわかる。この資料を出してください、これは理事会です、この資料も理事会です、あの資料も理事会です、そういったことであれば、理事会をうんと、きょう委員会何時間ですか、六時間ですか七時間ですか、やる前に六時間か七時間理事会をやっていただかなきゃいけないという話になっちゃうから、ここできちっと数字を出すと言っていただければいい話なんですよ。お答えいただけませんか。

岸田委員長 水田保険局長、お答えください。

水田政府参考人 ですから、これは二〇〇八年、二十年度におきます各制度、例えば国民健康保険の人数が幾らであって、それに対する公費が、したがって五〇%であるので公費は幾ら出る、政管健保であれば一三・四%、健保組合であれば基本的に出ない、こういった計算を積み上げてなすものでございますので、詳細なデータにつきましては、扱いにつきましては、一連のものでございますので、先ほどと同様の扱いにしていただきたいと思います。

岸田委員長 保険局長、最後ちょっと語尾がはっきりしなかったので、最後をもう一回。

水田政府参考人 委員長の御指示でございますので、もう一度お答えさせていただきますけれども、これは、二〇〇八年度、平成二十年度におきます国民健康保険制度、政府管掌健康保険、それから健保組合、これらに対する加入者の数、医療費に応じまして、公費の負担割合が決まっておりますので、それを積み上げて計算したものでございますが、詳細につきましては、理事会のまた御指示に、先ほどと一連のものでございますので、御指示に従いたいと思います。(発言する者あり)

岸田委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

岸田委員長 速記を起こしてください。

 水田保険局長、もう一回答弁をお願いします。

水田政府参考人 お答えいたします。

 先ほどの公費の負担割合の計算過程は、先ほど申し上げたとおりでございます。したがいまして、二〇〇八年度、平成二十年度につきましては、これは一連のデータではございますけれども、用意をして提出したいと思います。

岡本(充)委員 二〇一五年のデータも同様に出していただけますね。二〇二五年については、これも同様に、持続が、この制度がどのように変わってくるかわからないから出しづらいけれども、二〇一五年であれば同じように積算根拠を含めて出していただけますよね。

水田政府参考人 二〇一五年度につきましては、先ほどと同様な扱いにさせていただきたいと思います。(発言する者あり)

岸田委員長 とりあえず、今そういうお答えが出ました。岡本さん、それに対して質問を続行してください。(岡本(充)委員「資料がなきゃ質問できないじゃないですか、聞けないもの」と呼ぶ)

 今、一応答えが出ました。質問者、それに対して御質問をお願いします。

岡本(充)委員 では、一つだけ。

 二〇一五年の数字、私が言っているのは、先ほどまで理事会で協議をすると言われたものと全く違うんですよ。給付費に占める公費負担の割合、ゼロ歳から六十四歳の割合、前期高齢者の割合、それぞれ計算ができるはずであります。二〇一五年の分についても、そして、二〇一五年は制度が持続しないと思われるから出せないということでよろしいわけですか。そしてまた、二〇一五年については、これは当然出していただけますよね。これについて、これがなければ、これまた保険と言えるのかどうかという議論の中で、一体これは持続可能なのかどうかという大変根本的なところなんですよ。これを答えてもらわなきゃ、私、質問を続けられない。

水田政府参考人 それではお答え申し上げます。

 二〇一五年度の数字につきましては現在手元にございませんが、これにつきましては検討させていただきたいと思います。(岡本(充)委員「二五年は」と呼ぶ)二五年度の数字については、出すことは適切でないと考えております。

岡本(充)委員 さっきの説明と違うじゃないですか。何で適切じゃないんですか。

水田政府参考人 二〇二五年度の数字につきましては、先ほどお答えしたつもりでございますけれども、二十年先でございます、したがいまして制度がそこまで同じ前提で続いているかどうか、五年後の見直し規定もございます。

 それから、医療費の見通しにつきましては、これは目安として出しているものでございまして、医療費適正計画、五年ごとに実績と照らし合わせて見ていこう、こういうものでございますので、今ここで個別の数字を出すということにつきましては適切でない、このように考えております。

岡本(充)委員 そうしたら、二〇二五年、それは目安だと言うけれども、二〇二五年までの間の国民の医療費と患者の負担の推移を含めて数字を出されているわけですよ。これをもとに医療費を適正化していかなきゃいけないという話が出て、きょうやりたかった生活習慣病の話も、食育の話もできないじゃないですか、時間がなくて。これはきちっと数字がなければ、残念ながら、この制度が持続するかどうかわからないと言っている段階で、生活習慣病という長いスパンでかかるそういう医療費の話も、そんな話もできないという話になるじゃないですか。根拠がなければ審議が続けられない。きちっと数字を出す、そう言っていただけないと、この質問、続けられません。

水田政府参考人 二〇二五年度の国民医療費並びに保険給付費につきましては、これは一定の前提を置いて機械的に試算をしたものでございます。マクロの試算でございます。したがって、個別の数値を積み上げたものではございません。そういうものとして理解をしていただきたいと思います。(発言する者あり)

岸田委員長 岡本君、どうぞ質問を続けてください。

岡本(充)委員 二〇二五年の数字、二〇一五年だって積み上げたものがあると言われたでしょう。二〇一五年は少なくとも積み上げたものはない、数字がない。それだけ、先ほど答えられたすべての数字、先ほどの数字を含めて、これは根拠がないということですか。先ほどお答えになられたのは、積み上げるものがあったというふうに言われたじゃないですか。いろいろ計算をして、こういう要件、こういう要件を考えて、この数字になったと言われた。ちょっと私もメモっていないから正確には覚えていないところがあるけれども。

 だけれども、この数字をきちっと積み上げたんだという話であれば、その積み上げた根拠を示せばいいだけじゃないですか。そんなこと全然難しいことじゃないじゃないですか。それを踏まえた上で、保険者機能がもつのか、強化になるのかどうか、それを議論しなければ、これは話が始まらない。

水田政府参考人 先ほど申し上げた、個別の積み上げということを申し上げましたのは、これは二〇〇八年度、二十年度の数字でございます。したがいまして、これについてはお出しをするということでしたわけであります。

 二〇一五年につきましては、検討させてくださいと申し上げたわけであります。

 二〇二五年につきましては、私ども意味があるのはマクロの数字だと思っておりますので、個別の数値を出すのは適切でない、このように考えているところであります。(岡本(充)委員「判断できないよ、出してもらわなきゃ」と呼ぶ)

岸田委員長 それでは、水田保険局長、もう一度整理をして御説明ください。

水田政府参考人 まず、二〇二五年につきましては、これは何度も御説明させていただいていると思いますけれども、平成七年から十一年の実績というものをもとにしまして、高齢者につきましては一人当たり医療費の伸びが三・二%、若年者につきましては二・一%というものを基礎にいたしまして、これに人口要因を加えたものでマクロの数字を出しているところでございます。

 それから、二〇〇八年度につきましては、これは個別の制度の積み上げ、制度の切りかわりということもございますので、制度に即したものを積み上げたものでございます。

 それで、その途中、二〇一五年につきましては、先ほど来申し上げておりましたとおり、これにつきましては検討させていただきたい、このように言っているわけであります。

岸田委員長 というお答えですが、岡本君、質問をお願いいたします。

岡本(充)委員 だとすれば、先ほど言われた各保険者、もとに戻って、さっきわかりましたと言ってしまったけれども、これは各保険者の負担の減の数字言われた、二〇一五年は幾ら減になるんだと言われた。さっき答弁いただいたこの数字だって根拠がないということじゃないですか。だって、積み上げたものがあると言われたじゃないですか、二〇一五年も。

水田政府参考人 先ほど提出いたしますと申し上げたのは二〇〇八年度の数字でございます。したがいまして、答弁に矛盾はないと存じますが。

岡本(充)委員 違う。二〇一五年の数字も答えたでしょう。二〇一五年はこれだけ負担減になると言われたんでしょう。

水田政府参考人 失礼いたしました。二〇一五年につきましてもそれぞれ所要保険料の減と、失礼をいたしました、これは数字を出しております。その内訳につきましては、今現在持っておりませんので、検討させてくださいと申し上げております。(岡本(充)委員「出すと言ってください」と呼ぶ)

岸田委員長 水田保険局長、もう一回答弁をお願いします。

水田政府参考人 それでは、二〇一五年の数字につきましては、提出すべく検討させていただきたいと思います。

岡本(充)委員 いつまでに、今私がお願いしたのは、各保険者の負担減の数字のこと、二〇一五年についてですよ。それから、保険料収入の半分が支援金になるんじゃないかという指摘の中で、二〇一五年の支援金等の金額、対保険料の割合。さらにもう一つ、今お話をさせていただいたのは、給付費に占める公費負担の割合、ゼロ歳から六十四歳、前期高齢者六十五歳から七十四歳、それぞれの割合、二〇一五年の数字、二〇〇八年の数字、それぞれいつまでに出していただけるのか、はっきりお答えをいただきたいと思います。

水田政府参考人 二〇〇八年度それから二〇一五年についてのお尋ねでございますので、それにつきましては、来週を目途に提出を検討させていただきたいと思います。

岡本(充)委員 では、その数字が出てから審議ということになるわけですね。これがなければ私の質問が続行できないので、委員長、この数字が出てから私は残余の時間、質問させていただきたい。

岸田委員長 岡本君に申し上げますが、我々が審議しているテーマ、大変幅広いものがございます。この一点をもってほかすべて質問できないというのはちょっといかがかなと思いますが、ほかの部分につきましても質問は不可能でありましょうか。

 岡本君、どうぞ。

岡本(充)委員 ほかの部分については当然審議はできますが、この部分についても、数字が出てきた後きちっと審議をさせていただきたい。それがいつ出てくるかはわかりませんけれども、来週を目途に出るのであれば、それを踏まえて私はこの部分についても審議をさせていただきたい。

岸田委員長 その部分につきましては、おっしゃるように、資料を待ってという理屈はわかるのですが、我々は四つの法案を審議しております。大変幅広いテーマについて議論をしております。その幅広い議論の中、要するに今のテーマに直接かかわらない部分もたくさんあるわけでありますので、その部分につきまして、せっかくのこの貴重な審議時間でございますので、有効に御活用いただきたいと存じますが、いかがでございましょうか。

岡本(充)委員 では、残余の質問をいずれ理事会で協議をした上でさせていただけるというふうに理解をしてもよろしい、残余のというのは、今の部分について、資料が出た後、その部分については質疑をさせていただけるということであれば、次の質問に移ります。

岸田委員長 委員会の持ち方につきましては理事会で当然議論をさせていただくものだと思いますので、その中で取り扱いは御協議させていただきたいと存じます。

 質問を続行してください。

岡本(充)委員 では、全然違うテーマに行きます。

 今後の質疑でまた私は取り上げたいと思っていますが、きょうは、労働基準局長ですか、来られています。確認をしておきたい。労働とは一体何なのか。きょうはここまでしかできない、労働とはどういうものを指すのか。そしてまた、その労働をしている者は労働者とみなされるわけですけれども、その労働者に対しては使用者はしかるべき責務を担うと思いますが、労働基準法第九条等に書いてあるその定義、解釈を含めて、きちっとこの場でまずお答えをいただけませんでしょうか。

青木政府参考人 労働者の定義が労働基準法第九条にございまして、「この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。」というふうになっております。

岡本(充)委員 労働者ではないです。労働とは何なんですか。賃金を支払われるのは労働者だから支払われる、労働とは何かと聞いています。

青木政府参考人 労働という言葉を法律上定義したものはないと思いますけれども、そういった使用従属関係にある法律関係、これを労働関係と呼んでいるというふうに理解しております。

岡本(充)委員 使用従属に関する解釈というのは、労働基準法の第九条の解釈集の中に入っています。その中に書いてある労働者の使用従属性に関する判断基準、指揮監督下の労働に関する判断基準は、使用者の具体的な仕事の依頼、業務従事の指示等に対して拒否の自由を有していれば指揮監督関係を否定する重要な要素になる、これを拒否する自由がない場合は、一応指揮監督関係を確認させる。そして、業務内容及び遂行方法について使用者の具体的な指揮命令を受けていることは、指揮監督関係の基本的かつ重要な要素である。そして、勤務場所及び勤務時間が指定され、管理されていることは、一般的には指揮監督関係の基本的な要素であり、これらを満たしていれば、労働、もしくは、こういう関係にある状況にあれば指揮監督下にあり、指揮監督下の労働というふうに判断をしてもよいというふうにこの場でお答えをいただけますでしょうか。

青木政府参考人 ただいまおっしゃいましたのは、十分メモをとっていたわけではありませんのでちょっとあれでありますが、おおむねおっしゃった内容だと思います。指揮監督、使用従属性に関する通達で判断基準を示しておりまして、それにつきましては、お話しになりましたように、指揮監督の有無でありますとかいうことで、個別に重要な要素を示しているところでございます。

岡本(充)委員 時間が参りましたのできょうはこの辺にしておきますが、次回を楽しみにしておきます。終わります。

岸田委員長 次に、高橋千鶴子君。

高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 きょうは、本法案の大きな柱の一つである療養病床の廃止、削減問題について伺いたいと思います。

 今回、十三万床ある介護型療養病床を二〇一二年に全廃し、二十五万ある医療療養型病床も四割削減、合計三十八万床が十五万床に減らされるという提案がされました。これについては、昨年十二月に数字が出たということで、非常に唐突であり、関係者からは強い批判の声が上がっております。大臣、まず、このことについて関係者には十分な説明をされたんでしょうか、このことを伺いたいと思います。

川崎国務大臣 済みません。ちょっと聞き落としがあって、だれに説明したと。

高橋委員 療養病床の廃止、削減の方向について、関係者です、ですから、病院関係者もいらっしゃると思いますし、自治体関係者もいらっしゃると思います。

川崎国務大臣 さまざまな形でお話をさせていただいていると思っております。

高橋委員 では、局長に、そのさまざまの中身を少し具体的にお話ししていただけますか。

磯部政府参考人 昨年の秋に、慢性期の療養病床の状態につきまして中医協で資料が出されて以降、具体的には社会保障審議会の介護報酬の給付費分科会、これには、保険者であります地方公共団体の方々、それから介護療養病床その他の介護保険施設関係の方々、それから患者あるいは患者の家族会の方々、それから保険料を支払っております労使の方々等も入っておりますが、その分科会の場におきまして、十一月以降、議論をいたしまして、十二月のたしか半ばだったと思いますが、その意見書が出されました。

 そこにおきまして、厚生省の意見もなおまとめるようにということがございまして、十二月の二十一日でしたか、省内の改革本部におきまして、この方向を出し、またその結果を同じく分科会に、十二月の二十八日、それから一月にも戻しまして御議論をいただいたということでございます。

高橋委員 今の説明は、前回の委員会でも一定あったかと思いますけれども、分科会の中でいろいろな関係者の方から意見が出て、十二月の半ばに厚労省の考え方をまとめるべきだと、それについて二十一日に示していただいたというだけで、削減や廃止の方向について検討されてきた方たちに考えを述べただけであって、それが具体的に波及する関係者の方たち、つまりこれまで議論に参加をしていなかった方たちにはほとんど説明がされていなかったということになると思うんですね。

 私が聞いたさまざまというのは、大臣がさまざま説明をしたとおっしゃったので、さまざま、いろいろな方に説明したんだろう、いろいろな機会を設けたんだろうと思って局長にあえて聞いたわけです。それがこの答えだったので非常にがっかりしています。

 それで、このことが現場にどんな混乱をもたらしているのかというのは、与党の方々も十分御承知で、たくさんの意見を上げてこられたと思います。

 全日本民医連が、ことし三月、全国の病院長、すべての病院の院長さんにこの問題での意見を送りまして、返送されてきた病院の院長さんからの意見をまとめたものを拝見しました。

 現在の入院患者が動揺しています。追い出さないでこのままこの病院で死なせてほしいと訴えています。安定はしていても常に医療を必要としている患者は大勢います。老健を併設していますが、老健には移せず、家に帰ることができない患者のため、赤字を覚悟で診療を続けるつもりです。病床は満床で減少はできません。介護難民、療養難民、看護職のリストラ、倒産等、社会問題は避けられない、などなど、もっと激しいものもございました。こういう声がたくさん寄せられております。

 私たちは簡単に二十三万床という数字で言いますけれども、その二十三万床とはまさに生身の人間のことなのだということを改めて突きつけられた思いがいたします。

 そこで、まず伺いますが、六年間で二十三万床をなくすという、その二十三万の数字の根拠を教えてください。

水田政府参考人 二十三万床を減床するという療養病床の再編成の根拠でございますけれども、まず、事柄の起こりといたしましては、平成十五年三月に閣議決定をされました医療制度改革に関する基本方針、これを受けて、中医協のもとに慢性期入院医療の包括評価調査分科会というものを設置いたしました。

 この分科会におきまして、療養病床を有する約九十の病院を対象にいたしまして、七千人の慢性期入院患者の実態調査を行いまして、またそのうち三千五百人につきましては、患者を対象とした医療従事者のタイムスタディー調査も実施をいたしまして、患者分類の試案を設けたわけでございます。さらに、この試案そのものの妥当性のほか、個別の患者にどの医療区分が適用されるか、そういった結果も示しまして、その妥当性についても調査を行った上で患者分類をまとめたところでございまして、医療の必要度に応じた三区分、それからADLの三区分、これらを基本にした患者分類をまとめたところでございます。

 療養病床の再編成についてでございますけれども、医療の必要性の高い医療区分の二と三それから回復期リハビリテーション病棟の入院者につきましては医療療養病床で対応する一方、医療の必要性の低い医療区分一の入院者は老人保健施設等で対応することを基本として考えてございます。

 ただし、老人保健施設におきましては、常勤医師が配置されておりまして、一定の医療の提供が行われるということでございますので、医療区分二の該当者の中にも一部、老人保健施設での対応が可能でありかつ適切な患者が含まれていると考えてございます。

 具体的には、うつ状態でありますとか褥瘡などの状態を想定してございまして、こうしたケースを含めて全体、三十八万床のうち六割、二十三万床の入院者が介護保険に移行するとの前提を置いて積算をしたものでございます。

高橋委員 六割という数字が出てまいりましたけれども、今、厚労省が各種の説明会で使っているデータですけれども、療養病床における医療提供体制に関する調査、医療経済研究機構が行った調査ですけれども、そこで、容体急変の可能性は低く福祉施設や住宅によって対応できるとしたのは、いずれも三割弱であります。単純に掛けると十一万床にしかすぎません。つまり、容体急変の可能性は低いけれども一定の医学的管理を要する方というのがいらっしゃって、介護型では三五・四%、医療型では三七・八%、この部分の方たちも六割の中に含まれてしまうということになるわけですよね。

 では、それがどうなっていくのか。今お話しした、低いけれども一定の医学的管理を要するという方たちも十分に対応できる、受け皿があるという意味でしょうか。

水田政府参考人 先ほど申しましたように、二十三万床の根拠として用いましたものは、より精度の高い慢性期入院医療の包括評価調査分科会におきます大規模な調査の結果を踏まえてのものでございまして、個々の患者さんの態様、それに対する診療の内容、こういうものを含めまして検討した上で、こういった二十三万床という積算を行っているところでございます。

高橋委員 より精度の高いとおっしゃいましたけれども、それが数字ではさまざま割り切れない、介護型と医療型と行ったり来たりする場合があるんだということは十分御存じだと思うんですね。だからこそ、診療報酬にも、その容体が急変というか、そういうことを盛り込んでいる、そういうことがあったかと思います。

 まず、それはいいとしましょう、二十三万床の数字を今どうするか。

 具体的に受け皿の問題ですね。では、特養ホームの待機者などもまだまだ多い中で、ではこれを具体的に、在宅はどのくらい、あと老健施設はどのくらいというか、そういう目安はあるんですか。

磯部政府参考人 介護保険によって最終的には対応することになります二十三万床の転換先につきましては、療養病床の入院患者の状況あるいは医療機関の動向等によるため、一概に申し上げることは困難でございますけれども、相当数の療養病床が老健施設に変わるというような仮定に基づきまして推計いたしますと、現在の病棟の建物が活用できるよう一定期間老健施設の基準を緩和する経過措置を設けること等を踏まえまして、老健施設に十五万から十七万床程度、その他につきましては、ケアハウス等の居住系サービスや、あるいは御本人の希望があり可能な場合には在宅への移行が想定されているところでございます。

高橋委員 今年度から既に三年間の介護事業計画がスタートをして、参酌標準の変更はできない。ですから、六年、六年とよく大臣もおっしゃいますけれども、実質三年間ではないかという指摘がございます、その標準の変更はできないから。この指摘は、実は医師会が、新しい会長さんの新しい体制のもとで最初に開いた会議の中でそういう指摘がされていて、今後十分検討するということがあっていたので、当然それは厚労省も認めているだろう、まず、そのことをどう考えるかということです。

 それから、二十三万という数字、そのほかに何があるかということですよね。今、特別養護老人ホームの待機者がどのくらいかということを、先月、我が党の小池参議院議員が参議院の委員会で質問したときに、三十八万五千人という数字が出てまいりました。ただ、いろいろダブりがあるよとか、あるいは在宅以外の人は六割ですよというふうな話があったんですから、ちょっと四割掛けてみまして、それでも十五万人はいるだろうという計算になります。その方たちと、どっちが先かというか、プラスで考えなくちゃいけない。

 それから、医療病床においても、では、どうでしょうか。例えば、先ほど紹介した病院長の声の中に、兵庫の方です、医療病床だが、経管栄養を行っている寝たきり患者が当院に入院するには、平均二、三カ月待機する状況、そういうことを指摘されていました。ですから、医療型の療養病床の中でも待機ということが現実にあるのではないか、そのことをどうお考えなんでしょうか。

 そうすると、現実には、今の政策の中で医療、介護から引き離される人が二十三万人よりも多いと見るべきではないか、いかがですか。

水田政府参考人 医療療養病床の利用者についてのお尋ねでございます。具体的には、待機という一つの現象でとらえたらどうかということかと存じますけれども、医療療養病床につきましては、各特別養護老人ホームとは異なりまして、具体的に各都道府県が独自に調査を行っている、このようなことがないわけでありますので、どういう状況になっているのか一概に申すことはできませんし、また、かなり地域差がございますので、これもなかなか判断が難しいところでございますけれども、特別養護老人ホームの利用率は九八%程度であるのに対しまして、療養病床の病床利用率は九三ないし九四%ということでございますので、これを踏まえますと、一般には、医療療養病床の方が、特別養護老人ホームと比較すれば逼迫はしていないのかなという気がいたします。

高橋委員 これ、何か調査をしていますかという相談をしましたら、それはないというお話であったんですね。ただ、それを踏まえなければならないということは当然あるかと思うんです。

 医療療養病床、決して固定できないですよね。結局、急性期から運ばれてきて、その後の後方支援という形でやっていく場合、それから、一般病床が在院日数が限られているので、退院また入院を繰り返している場合、そういうさまざまな事情がある。そういう中での、実際に手当てをしなければならない、この先、定員なりいろいろなことを考えなければならない、そういう方たちは実際にはもっといるだろうという、その認識では一致できますね。

水田政府参考人 介護施設とあわせまして、そういった需要を抱えておられる高齢者の方がおられるという認識はもちろんございますけれども、具体的にどの程度かというところまでは承知はしてございません。

高橋委員 これ、またさっきみたいにやりとりするつもりはありませんので。ただ、重大な問題でありますので、さっき読み上げたように、介護難民、療養難民という言葉が言われているわけですから、一体どういうことが起こるんだろうかというのを、単に数字で、今あるベッド数に六割掛ける、そういうやり方ではなくて、実態をよく見ていただきたい。そのことをまず指摘をしておきたいと思います。

 二月二十四日の本委員会で私が指摘したように、今現在、介護の現場では、ホテルコストの導入により、介護施設を退所している方がふえております。今回、長期入院患者へのホテルコストの導入並びに医療区分による診療報酬の大幅な引き下げにより、病院は赤字覚悟か、あるいは患者追い出しかを迫られることになるのではないか、私は、このようなやり方はやめるべきだと言っておきたいと思います。

 そこで、一九九五年、「健康保険」三月号で、当時の厚生省健康政策局が書いた「療養型病床群とその概要」という文章がありますが、そこでは、療養型病床群の制度化のねらいについて、今後ますます高齢化が進行することを考慮すると、長期間にわたる入院生活を送る患者に対して、老人病院制度のような個別例外的な制度では十分に対応できないと考えられたため、このような病院を一つの医療施設類型として正面から位置づけるべきと考えたと説明しております。

 医療提供体制の充実は厚生行政の中でも重要な目標の一つであり、医療の質的な充実と量的な充実という二つの視点があるけれども、今後注視されるのは医療の質的な充実であるとして、医療の技術的な向上もさることながら、療養環境の向上も重要であり、こうした観点から、療養型病床群の普及は非常に有意義なものであると述べられております。

 個々の医療機関にとって病床転換することは大きな選択であるからこそ、税制、融資、国庫補助という形で整備を支援すると当時言っておりました。しかし、その後、また二〇〇〇年には病床区分の見直しがあり、医療機関は二〇〇三年九月一日までに、二年半で、一般病床か療養病床かの届け出をしなければならないと、ここでも大きな選択を迫られました。

 この間、何か社会的な入院が何十年かの議論をされてきた、今回ついにメスを入れられた、そういう描き方がされているわけですけれども、私は、やはり、厚労省自身が療養環境こそ重要だと言ってきたこと、また、療養型病床群の制度化と病床転換への後押しをしてきた、そしてその後、療養病床、そういう背景があるからこそ、つまり、背景があるというのは政策がいろいろ二転三転してきたという意味で、転換を迫られる病院関係者が怒るのは当然ではないかと。

 そういう関係者の皆さんにどう説明をするのか、また、療養環境の向上という重要性は今はないのか、それを伺いたいと思います。

松谷政府参考人 患者さんにとって、療養環境というのは大変大事な観点だと思います。生活の質の向上ということは、在宅の医療であってもあるいは入院であっても、そして介護の施設であっても同様であるというふうに考えてございます。介護の保険ができ、介護でのいろいろな体制の整備ができた状況とかつての状況とは状況が違うというふうには思っておりますが、その時々において、しかしその基本的な考え方は変わらないというふうに認識しております。

高橋委員 例えば病院長の中から、一般病床から資金をかけて転換し、戻さない念書もとっている、詐欺的で犯罪行為に等しい、この国に生まれたことが悲しい、そういう指摘をされた方、病室と廊下幅を拡大してやっと療養型に対応しました、一億二千万かかった、途中ではしごを外すとは不満がいっぱいだ、そういう怒りの声が寄せられております。

 こうしたことに対して、政府の責任、政策に一貫性がなかったという点での責任はどのように考えていらっしゃいますか。

磯部政府参考人 はしごを外したというようなお話でございますけれども、療養型の病床から老健施設に移行していくにつきましては、医療保険、介護保険ともに、例えば廊下幅あるいは部屋の大きさ等につきまして、暫定的なといいましょうか経過的な措置を設けるということでございまして、そうしたことによりまして、今のような御指摘は当たらないのではないかというふうに考えております。

高橋委員 準備病床みたいな形で経過措置をとる、それで御指摘は当たらないというのであれば、それはそのまま、また病院長の皆さんたちに聞いていただきたいなと思いました。

 先日、山形で老健施設などを経営している医師の話を聞いてきました。この先生も介護型の療養病床を持っていらっしゃるんですが、増床の認可を四月から申し出て、断られました。当然なんですね。もう六年で廃止になるんだから、それでもよかったらどうぞと言われたそうです。でも、その先生は赤字覚悟でもやりたいとおっしゃるんですね。なぜかというと、やはり御自身の身近であの一家心中事件が起きた、そのことにどうしてもこだわりを持って、そういう思いをもう二度としたくないということなんですね。

 母親が要介護だ、息子は無職だ、父親は痴呆だ、どうやってこの先生きていくかと、行き詰まった末の事件だった。家庭で介護する条件や体制があればそれにこしたことはないけれども、現実は深刻だ、そう簡単にいかないということを知っているからこそ、赤字覚悟でも病床をふやすんだ、あるいは維持していきたいんだという声があるのではないでしょうか。

 今お話しした一家心中のようなことは、最近では新聞をよくにぎわすようになり、決して珍しくなくなったと思います。ことし二月にも山形で、寝たきりの六十八歳の夫が六十二歳の妻に絞殺されました。夫を殺して自分も首をつって死のうと思った、そう答えているそうです。この夫は二〇〇四年の十一月、脳梗塞で入院し、左半身不随となり要介護三の認定を受け、昨年八月からは自宅で療養していたと地元紙が報じています。

 介護、病気、障害、そして無職、そうした幾つもの困難、一つじゃないんですね、そういう幾つもの困難を抱えた中で家族が無理心中事件を起こす。そういう状態になるほど今深刻な事態になっているということをしっかり踏まえなければならないと思うし、そうした中で必要な医療、介護を提供したい、そう思っている関係者に対して、国は感謝こそすれ、切り捨てるべきではないと私は思うんです。

 そこで、大臣も最近こうした事件が相次いでいるのを御存じだと思いますから、それを踏まえて、患者を路頭に迷わせるようなことはしないとお約束いただけるでしょうか、大臣に伺います。

川崎国務大臣 先ほどから療養病床のお話をいただいておりますので、療養病床の再編に当たっては、入院している方々の追い出しにつながらないようにすることが大前提でございます。

 お話がありましたように、六年間は医療、介護、双方の病床について円滑な転換ができるよう、経過的な類型を設けることといたしております。そういった形で私どもも進む覚悟でございます。

高橋委員 もう少し心がこもったお答えがちょっといただきたかったなと思ったんですけれども、大前提であるとおっしゃいましたので、その言葉をいただきたいと思います。

 そこで、今お話しされた転換についての支援策でありますけれども、新たに盛られている医療保険財源による転換支援金とはどのようなものか。支援金は都道府県に交付されるといいますけれども、対象法人はどのようになっているのか、あるいは予算はどのくらい見込んでいるのか、伺いたいと思います。

水田政府参考人 医療保険によります療養病床の転換の助成事業についてでございますけれども、単価等の詳細につきましては今後検討することとしてございまして、したがいまして、事業規模につきましても精査が必要でございますけれども、最大で年間約四百億円程度とする予定でございます。

 この事業の財源でございますけれども、まず公費があるわけでありますが、この公費以外の部分につきましては医療保険者が納付する支援金を充てることとしてございますけれども、この趣旨は、療養病床の長期入院者の大半が後期高齢者でございまして、老人保健施設等への転換によりまして後期高齢者の医療費の適正化につながるということから、この保険料財源を活用することとしたものでございます。

 それから、相手先ということでございましたけれども、まさにこれは医療施設に対しまして助成金を出す、都道府県事業として仕組んでございます。

高橋委員 局長、実は次の質問も答えていただきまして、要するに、医療保険財源を、有料老人ホームなどいろいろあると思いますが、そういう転換のために使うのはおかしいのではないかということを伺いたかったんですが、今お答えいただいたように、医療費適正化のために必要な支出というふうな認識だったのかなと思うんですね。

 医療費適正化という大目標がございますけれども、ございますというのは私の目標じゃなくて、皆さんの目標ですけれども、しかし、そうなると、二〇一二年までに介護型療養病床は廃止する、医療型も削減をする。では、そこで生まれる医療費の削減効果は幾らでしょうか。

水田政府参考人 療養病床の見直しによります給付費への影響についてでございますけれども、一定の前提のもとでごく粗く見積もりますと、平成二十四年度、二〇一二年度ごろにおきまして約四千億円程度減少するものと考えてございます。

高橋委員 約四千億円というお答えでした。先ほど伺った医療保険財源による転換支援金は四百億円ですので、それを支出したとしても三千六百億円なわけですね。

 そうすると、路頭に迷うかどうかということが言われているさなかに経済効果としては三千六百億円というのは、医療費全体から見ては非常に小さいのではないか。私はここに、そのために今必要なのだということは余り、そこまで言わなくてもいいんじゃないのかなということを思います。これは指摘をしておきたいと思います。

 そこで、もう一つの介護療養病床の機能転換について市町村交付金を使うとされております。

 それで、そのモデルはどんなふうなものを考えているのかということで、資料をつけさせていただきました。これは四月十三日の厚生労働省の療養病床に関する説明会の資料で、「介護老人保健施設の人員、設備及び運営に関する基準」、基準と書いている以上は、勝手にだれかがつくるわけではないでしょうから、これは何かと聞いたら、三月に出された介護保険の省令の中にあるとおっしゃいました。

 私は、こういうものが膨大な省令の中に隠れて余り知らされていないということ自体、やはり非常に問題ではないかと思っております。本来ならば、委員会の審議の中でただすべきではなかったかな、介護保険の昨年の見直しの中でただされるべきではなかったかなと思っております。それは、まず指摘しておきたい。

 それで、配った資料、アンダーラインが引いてありますが、これは私が引いたのではありません。資料に最初から引いてありましたのでそれがきっと重大なんだろうと思って、そこを読ませていただきます。

 小規模介護老人保健施設の人員基準の緩和。サテライト型小規模介護老人保健施設、これについては、本体施設の職員、つまり、サテライトなので近いところに本体の施設があるという意味なんですね。サテライト型小規模介護老人保健施設の入所者の処遇が適切に行われると認められるときは、医師、支援相談員、理学療法士または作業療法士、栄養士、介護支援専門員について配置しないことができると書いております。そして、施設基準の緩和のところで同じように、適切に行われると認められるときは、調理室、洗濯室または洗濯場、汚物処理室を有しないことができる云々ということで、かなりの規制緩和なんですね。

 しかし、介護老人保健施設としては当然備えていなければならない人的体制や施設なども、ここまで解除していいというのはいかがなものかと思うんですね。本当にこれで安全、安心なサービスが提供されるのだろうかという危惧を抱くわけですが、その背景と、安全、安心、大丈夫かということについてお答えいただきたいと思います。

磯部政府参考人 御指摘の小規模の介護老人保健施設の創設の目的は、地域の中に立地しまして在宅に近い生活環境のもとで在宅復帰支援を行うということでございまして、できるだけ早期の在宅復帰に重点を置いたサービスの提供を行うということから、介護報酬の算定期間も百八十日間を限度としているというような性格のものでございます。

 また、御指摘のとおり、サテライト型につきましては、近所に本体の老健施設がある、また、医療機関併設型はもちろん敷地内に医療機関等があるということでございまして、そういった関係で、できるだけ割愛して効率的にできる部分につきましては、人員にしろ施設にしろできるだけそれを使っていく。御指摘のとおり、なかなかここは本来の機能の維持と兼ね合いが難しいところでございますけれども、そういった観点から省けるものを省いて、それは本体の方の施設を使う、あるいは人員を使うということで対応していこうということでございます。

 そうしたことで、繰り返しになりますが、百八十日という限定された期間での利用であること、それから本体施設やあるいは併設される病院、診療所との密接な連携が確保され、施設、人員を利用することによってこれらの施設の入所者の処遇が適切に行われると認められる場合に限って、こうした施設を認めていこうということでございます。

高橋委員 スープの冷めない距離だという説明を受けたわけなんですけれども、しかし、本来の機能を維持しつつこのサービスをやっていくというためには、やはり決定的に欠けるのはマンパワーなわけですよね。

 小規模な施設をサテライトとして幾つかやっていく、近いところに本体施設があるからいいじゃないかとおっしゃいますけれども、しかし、逆に言うと、それをきめ細かに見て回らなければならない、いつでも何かあったら駆けつけなければならない。それだけ、一つの施設でかかわるよりもやはり人的体制は充実させなければならない、当然そうなると思いますが、いかがですか。

磯部政府参考人 老人保健施設につきましては、医師の配置、あるいは看護、介護職員等の配置、あるいはPT等の配置が基本的には義務づけられておるところでございます。その中で、PTあるいはOTのように、週に二回を基本として訓練をするといったものにつきまして本体施設からの派遣をする、医師につきましても同様でございます。

 それに比較いたしまして、看護あるいは介護職員については、その小規模のところにおいても必置としているということで対応できるものと考えております。

高橋委員 ですから、手厚い体制が必要だということになりますよね。それは間違いありませんね、全体としては本体とサテライトと含めて。今までのところと同じ体制の中でサテライトがふえるというわけにはいきませんよね。いいですか。

磯部政府参考人 その意味では、本体とそれからサテライト部分を含めまして、全体として老人保健施設の人員基準、施設基準を守る必要がございます。

高橋委員 この点は、今後どうなっていくのか非常に注意をしたいと思うんです。

 保育のときも分園という形で同じような考え方が提起をされておりましたけれども、やはり待機者が非常に多い、あるいは施設が足りない、そういう中でいろいろな知恵を出して、こういう給食施設がなくてもいいじゃないかということが出てくるわけですが、でも、やはり規制緩和ということは、やはり本当の意味でこれまでの十分な体制がとれることにはならないし、あるいは安全面でも十分とれるかということには、やはり危惧は残るわけですね。この点は強く指摘をして、今後これが全国展開していくのかどうかということも含めて十分指摘をし、注目をしていきたい、次の機会にまた聞いてみたいなと思っております。

 それで、きょうは、今マンパワーの話を少ししましたけれども、看護体制の充実についてぜひ伺いたいと思うんです。この間ずっと医師不足の問題が議論されてきました。私は、やはり医師も足りない、同時に看護師の問題、本当にやはり一体として充足させなければならないと思っております。

 今回の診療報酬改定で、現行の二対一看護職員配置基準が一・四対一看護職員配置基準へと十八年ぶりに改定されることになりました。安全な医療提供体制を求める労働団体や病院関係者の長い間の運動が反映されたものと思っております。同時に、現場で実際の看護職員が確保できる見通しがあるかという問題では、非常に困難がございます。

 昨年の十二月二十六日、厚労省が発表した第六次看護職員需給見通しに関する検討会報告書では、看護職員の需要数が、二〇〇六年、百三十一万四千人から、二〇一〇年には百四十万六千人とされました。この需要見込みは、四年間で九万二千人、七%の伸びにとどまり、それ自体が不十分なものだと私たちは思っております。ただ、その不十分な見込みに対してさえ、二〇一〇年には一万六千人の供給不足が見込まれております。不足だということはお認めになりますね。

松谷政府参考人 御指摘のとおり、昨年末に新たに作成をいたしました看護職員需給見通しにおきまして、平成十八年末の約百三十一万四千人から、平成二十二年末には百四十万六千人、供給見通しにつきましては、十八年末の約百二十七万二千人から、平成二十二年には約百三十九万一千人に達するものと見込んでおります。したがいまして、その需給差は、約四万二千人から一万六千人と改善が進むという状況でございます。

高橋委員 不足をしている、そういう中でどう充実させていくかということが問われていると思うんです。

 きょうは、委員の皆さんにこのリーフを配らせていただきました。これは、日本医労連が昨年行った看護職員の労働実態調査についてでございます。グラフがたくさんあって見やすいので、大変申しわけないんですが、これをこのまま使わせていただきたいとお許しを得て、配付をさせていただきました。

 ちょっと開いていただきたいと思うんですが、ふえ続ける業務量、六二・七%の方が看護業務がふえたと答えております。そして、そのために休憩や年休取得がままならない状況がグラフで一目だと思います。

 そういう中で何が起こっているかということで、一番を見ていただきたいと思うんですが、労働条件が一層悪化をしている、そして、これは生理休暇がとれていないとか、残業代がきちんと払われているのは四割にとどまっているとか、そういう労働条件があるわけです。

 その中で、労働条件というのは、看護職員の問題であると同時に患者の問題であるという形で、二番を見ていただきたいんですけれども、三年間でミス、ニアミスがあったというのにあると答えた方が八六・一%、十分な看護はできていないと答えた方が六五・三%。その理由は、人員が少な過ぎる、業務が過密になっているという方が五割を超えている。そういう状況なんですね。

 そして、その後で、ではどうなっているかというと、バーンアウトが進行しているということで、六四・七%が健康不安を訴え、慢性疲労が七七・六%。まさに、本来ならば手厚い看護をしなければならない看護の現場の皆さんが、自分自身の健康が危ぶまれる、そういう状況に追い込まれ、同時に、その中で仕事をやめたいと考えた方が、いつもあった、しばしばあった、時々あった、合わせると七三・一%にも上っているんですね。

 私は、このバックデータを見ていますと、中でも深刻だなと思いますのは、やめたいと思った割合が二十九歳以下が七五・七%で、全年齢の中で一番多いんですね。その次が三十歳代なんです。

 ですから、若い皆さんが希望に燃えて看護の現場に入ってきたけれども、現実はそうではなかったと。本当は患者さんの声にこたえて手厚い看護をしたいんだけれども、その声にちょっと待ってねとしか言えない、ナースコールが鳴っていてもこたえてやることができない、そういうジレンマに悩みながら、仕事そのものをやめたいと思わざるを得ない、そういう状態になっているということがこのデータで本当に読み取れるのではないかと思うんです。

 大臣に率直な感想を伺いたいと思います。今日の医療体制を支える看護職員の労働実態をどう認識されておりますか。また、これがどうした要因でこのような事態が起こっているか、その点について伺いたいと思います。

    〔委員長退席、大村委員長代理着席〕

川崎国務大臣 今、局長から答弁いたしましたように、全体的には足りているという判断をしているんだろうと思いますけれども、正直申し上げて、資格を持っている方々の中で看護の現場で働かれていない方が多い、どうもう一度医療の現場に戻っていただくか、こうしたものにしっかり視点を当てながらやっていかなければならないんだろう、こういう問題意識をいたしているところでございます。

 個々の現場においてどのような議論がされているか、これはまさに個々の現場の話でございますけれども、まさに医療の管理者が適正な職員の仕事の実態というものを把握しながら進めてもらわなければならない、このように思っております。

高橋委員 ちょっと今驚きました、今全体的には足りていると大臣はおっしゃいましたので。さっき淡々と聞いたんですよね、厚労省が調べた需給見通しの調査からいっても、需要と供給数で見ると足りないという数字が出た、そのまま読み上げましたよね。何で足りているという答弁になるんですか。

川崎国務大臣 先ほど申し上げましたように、看護師の資格を持った人たちの数は足りている、しかしながら医療現場に入っていただけない方々がいらっしゃる、そういう意味ではそこに意を用いなければならない、こう申し上げたんです。

高橋委員 病院の現場の皆さんも、資格を持っている人をもって足りているという言い方をしないでくれ、そういう声を上げているんです。

 では、どうしてそういう実態になっているんですか。(発言する者あり)

川崎国務大臣 今声が出ましたように、そこの問題を基本的には解決していかなければならないんだろう、そういう意味では、医療現場において、それぞれの責任者がきちっとした職場管理をしていかなければならないということだろうと思います。

高橋委員 議事録で後で見ると中身がわからなくなりますから、毎年やめているという今の声があったのに対してそのとおりだと大臣がおっしゃいましたので、やめていることはわかっているということですよね。

 それですが、やはり労働の実態が当然あるわけですよね。診療報酬の引き下げの問題がございます。あるいは夜勤配置の改善など、まだまだ労働条件をもっと改善していかなければならない、そこにこたえてほしいと。だからこそ、今読み上げたような実態を紹介させていただいたんです。

 国が看護師の確保に責任を持っている、これは平成四年に法律をつくったわけですから、それはもう揺るぎのないことだと思うんですね。その責任をどのように果たそうと考えていますか。

川崎国務大臣 現実の話として、看護師資格を持ちながら医療に従事されていない人たちが多い。ここに対して、例えば医療現場から離れた時間が長うございますから、もう一回研修を行う、そういうようなことも当然やっております。

 また、各県において、現実にどういう方々が医療現場から離れてどういう状態にあるか、しっかり掌握しながらやっていかなきゃならない。医師会等からそういう情報をくれというお話もございますけれども、個人情報をある団体にお渡しするということについては余りいい話ではないだろう、したがって、そこのところはやはり、ハローワークというものを兼ね合わせながらやっていかなければならないだろう、このように思っております。

高橋委員 個人情報云々の話じゃないんです。

 中には、いろいろな条件があって一たんは休んでいるけれども、復活したいと思っている方がいらっしゃるかもしれない。そういう方に応援するのは当然やっていただきたい。しかし、やはり今言っているように、二十代、三十代の方が最も仕事をやめたいと思っているような状況、そこに歯どめをかけなかったら、絶対この先ふやす方法はないわけですよ。

 そこで、労働条件の確保だとか、サービスがきちんと確保できる診療報酬だとか、そういうことを見直していくと言ってくださらなければ、やはりそれは解決できないんだろう。そういう個人情報云々、そんな話にしないでいただきたいと思うんです。

 さて、私は、ちょっと時間がなくなるともったいないので、紹介したいことがございます。

 医療費適正化云々ということが盛んに言われて、在院日数の短縮が打ち出されています。しかし、同時にそのことが、入退院が余りにも頻繁に繰り返される、そのために看護師さんの業務量をふやしているという実態もございます。

 まずそのことを指摘しておいて、二〇〇六年の「厚生労働」二月号の中で、聖路加国際病院理事長、名誉院長の日野原先生、御長寿で大変元気で有名な先生ですが、この日野原先生が厚生労働審議官の辻さんと対談をされている記事がございます。この中で、先生の聖路加病院というのは平均在院日数が九日だという、非常に短い、それはなぜかということを先生が紹介しておりまして、看護師の数が国立の大学病院の看護師数の約二倍いるんだと言っているんです。

 看護する時間が短くなればなるほど、単に入院させるというだけではなく、検査やさまざまな処置を行い、つまり手厚い看護ができるということだと思うんですね、手術後、早く退院していただくためのさまざまな指導ができます。そういうことをお話しされて、在院日数が長くなるのは看護師が少ないところなんですとまで指摘をしています。

 同時に、それは在宅ケアにおいても同じだと。医師だけではなく看護師の、しっかりしたチームを組んで役割を果たすことによって、在宅ケアもしっかりと体制がとれるということを紹介されているのに対して、厚生労働省の辻審議官は、看護師が果たす役割は非常に大切だということだと思いますと答えていらっしゃいます。厚労省が言っていることですからね。そういう立場に立って、やはり看護師の役割は非常に重要だ、それを確保するために頑張っていくということをもう一言いただけますか。

川崎国務大臣 先日も看護協会の幹部の方とお話をする機会を得ました。もう少し看護師の資格制度を上げて、広い分野で看護師が働くようにしていった方が医療現場全体としていいことではないだろうか。医師また看護師、また、例えば放射線技師や麻酔を専門にされる方々、そういう方々のチーム医療の時代を迎えている。したがって、あらゆる現場で看護師の職域というものがもう少し広がっていくよう、もう少し教育のレベルを上げていきたい、こういうお話をいただきました。全体的には、私自身もそうであろうと思っております。

 一方で、私の頭の概念にありますのは、看護師が足りないから外国から入れろという大変強い圧力がございます。しかし、それについては、やはりしっかりとした日本での資格を取っていただいた上でないと、そういうものに私はこたえるわけにはいかないねというお話をいたしているところでございます。

 そういった意味で、看護師資格を持ちながら残念ながら医療の現場で働いていない方々に、どう働きかけをしながら医療現場で働いてもらえるような体系をつくっていくか、これが一番今日の大きな課題であろう、このように思っております。

高橋委員 日野原先生の貴重なアドバイスをしっかり受けとめて、国の責任を果たしていただきたいということを要望して、終わります。

 ありがとうございました。

大村委員長代理 次に、阿部知子君。

阿部(知)委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 私は、先回のこの委員会で、いわゆる医療現場、人によって支えられる、人が人の命を支える医療現場において、その支え手である医師や看護師サイドに起きていることをお話し申し上げました。

 きょうの委員会では、また各委員が、先回の新潟の例に引き続いて、きょうは青森での、田名部委員がお取り上げになった実際の人の配置が、看護婦さんも医師もいない、産婦人科の医師もあるいは助産婦さんもいないような状態の中で、どうやって次の命が生まれ得るのかというようなお話もございました。

 私は、こうした問題がこの委員会で取り上げられる都度、果たして本当に厚生労働省の皆さんは、今の医療の実態をどの程度把握して今回の改正案を出されてきたのかということにおいて、非常に疑問が広がるばかりでございます。

 きょうは、冒頭、こうした医師の偏在、診療科別の偏在、地域別の偏在、そして、あえて申しませば、医師のモラルにおける崩壊や、あるいはやる気がうせていくということも含めた三つの難局を抱えた中で、今回、厚生労働省が医師の派遣業法に道を開かれました。派遣といえば、この間、小泉改革の中でたくさんの非正規雇用がふえまして、パート、アルバイト、派遣、請負などで働く方々が一千六百万人ということで、我が国の社会を揺るがす大きな問題になっております。

 しかしながら、従来、医師においては、この派遣という問題は実は極めて限られた分野で、例えば、紹介をして、その後の実際の勤務が保障される形の紹介予定派遣が十六年三月、あるいは、いわゆる社会福祉施設等で行われる、老人保健施設とか、そういうところでの医師の派遣は、労働者派遣として平成十五年三月から解禁ということをとっておりますが、今回、厚生労働省が政令の改正でこの四月一日から解禁された医師の派遣の内容について、冒頭、事務サイドから御答弁ください。

松谷政府参考人 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律の施行令の改正がこの平成十八年三月十七日付でございまして、従来、紹介予定派遣の場合以外禁止されておりました医師、看護師等が派遣労働者として病院等で行う医療関連業務につきまして、二つの場合について認められることとなっております。

 一つは、産前産後の休業、それから育児の休業、または介護休業中の医療関係労働者の業務を代替する場合、いわゆる休業代替の派遣です。それから、僻地にある病院等において医師が医業を行う場合、医師確保のための選択肢の一つということで変更になったものでございます。この場合の僻地の範囲につきましては、離島振興法等七法のいずれかの地域をその区域内に含む省令で定める市町村となっております。

 以上です。

阿部(知)委員 簡単に言えば、一つは、女医さんがお産で休まれたときに、これを代替のために派遣をなす。ただし、これは業としてなす派遣であります。紹介には派遣の手数料が取られ、女医さんたちはその派遣のプールの中に入っていかれるわけです。

 後者は、僻地とおっしゃいましたが、一体、日本全国の中でどのくらいの地域がその派遣による、派遣業法の業者から医師を受け入れることを可能にしたか、全体の自治体数と利用し得るエリアについてお答えください。

松谷政府参考人 平成十八年四月一日現在で、先ほど申しました離島振興法の離島の区域等七つのカテゴリーがございますが、これらを含む市町村は千百六十ございますので、千八百二十市町村の六四%に当たります。

 ただし、具体的な地域までのデータはちょっと手元にございません。

阿部(知)委員 簡単に言えば、日本全体の六、七割で派遣が可能になったということであります。

 私は、ここには二つ大きな問題がある。一つは、派遣業法、派遣業者が行う派遣になったということであります。従来、医師の研修の義務化の以前は、確かに大学等々で無料で派遣という形態をとることがございました。しかし、これからは、医師も一つの派遣労働者としてここに私は門戸がある意味では開かれた。

 しかし、我が国の、先ほど来、私がさきの委員会でも、また、きょうの委員会でも取り上げましたが、一体、医師の実際の需給状況や現地での配置状況に、厚生労働省が根本策を持たないまま派遣という道を選んだ場合に起こり得る弊害の方が、私は、目前の多少の、本当に産休代替の人が欲しい、そういう気持ちはあると思います、しかし、その目前の利益以上の私は医療界の崩壊、モラルの崩壊であったり、あるいは医師たちが自分の将来をどのように計画し、研修し、育っていくか、強いては、国民の命を支える医師の倫理や価値観や何を尊厳とするかという点において、大きな変容が起こると思います。

 厚生大臣に伺います。

 私は、これまでの委員会の何度かの質問の中で、一般の、他の派遣問題でも、やはり基本は、本当にその人が仕事を続けられる、キャリアアップできる、安心して働ける、そうした正規雇用というものを中心に重く見ていくべきではないか。もちろん、一方で選べるという働き方は必要であります。しかし、とりわけ医師という、非常に重い責任と、そして社会の、あえて言えば生命観、生命倫理を実践する分野の人間にこの派遣業法を導入された、このことはどんなお考えがあってのことなのか、お伺いいたします。

川崎国務大臣 午前中からも、僻地の問題を、さまざまな議論をいたしてまいりました。いろいろな方策を重ねながら、この問題に対処をしなければならないことは事実であろう。

 それをやる手段としてさまざまな対策が考えられる中で、今回、へき地医療支援機構による僻地研修を派遣される前に原則として受講すること、派遣先の選択に際しては、原則として派遣された医師のみが勤務することにならないことという条件をかぶせて、今日の構成をつくらせていただきました。

 いろんな御議論はあるんだろう、阿部委員のは阿部委員の御主張としてあるんだろうと思いますけれども、私どもは、今僻地医療に課された課題というものを考えるときに、ここに踏み込ませていただいたということでございます。

阿部(知)委員 私は、このような重要なことが、国会の審議もなく、政令の改正だけで行われていく。例えば、派遣業法の業法を十六からたしか二十六に開いた、九六年の改正であったでしょうか、そのときも論議がございました。それから、二〇〇四年に製造業への派遣を解禁するときにも論議がございました。一つは、当然、その分野が抱える問題が何であり、派遣という形態が何をもたらすのか、このことに私は、国民も周知のもとに行われるべきである。

 そして、もっと言わせていただければ、今派遣業という、なりわいとしてなされた場合に、これは大臣がどの程度御存じかどうかわかりません、今医師たちは、自分の時間当たりを幾らで売るか、あるいは一月を幾らで売るか、給与によって自分の行き先を決める人も非常に多くなりました。そのことが医療界にもたらす負の弊害、当然大臣は勘案されたのでしょうか。

 一点目は、なぜ国会審議を経なかったかです。

 二点目は、ただでも足りないと言われている、そして、地域によっては高いお金で医師たちに来てもらわなければいけない。これも、従来もちろんあったことです。ゼロではなかった。しかし、こうした形で、業となり、なりわいとなり、そこに医師たちがそのルートの中で動く、こういうことをやる前に、根本的になすべきことがあるのではないですか。本末転倒。私は、誤った選択をしたと思います。

 派遣業法としてなさるのでなければ、まだバンク形式のいろんな方法もあったでしょう。しかし、これは派遣業の、なりわいとしてやるわけです。このことがもたらす医療崩壊の上に瓦解させる、もう崩壊も瓦解もそれは一緒だと言われれば、そうかもしれません。しかし、現実の深刻さを大臣はどこほどお考えになってこの道をとられたか。再度お願いします。

川崎国務大臣 阿部委員の御指摘も一つの切り口であることは間違いございません。一方で、午前中から議論しておりましたように、僻地医療に課せられた課題というもの、極めて重いものがある。そういった中で、今回政治として判断をさせていただいたということでございます。

阿部(知)委員 何度も申しますが、政治としての判断ならば、きちんと国会で審議していただきたい。派遣の解禁は、これまで、私が先ほど例示しましたように、極めて慎重にこの委員会でも論議されたことであります。

 そして、私は、きょうで三回目の審議といたしましたときに、厚生労働省から根本的な、医師の医療提供体制における偏在の問題、診療科ごとの格差の問題、モラルの崩壊の問題、サボタージュ、やめていきたくなる気持ちの問題、このことに厚生省が本来的に対策している御答弁をまだ一つもいただいたことがございません。医師が足りないという指摘がされれば、全体の数は足りております、偏在があると言われれば、地方で御尽力いただきます、しかし、それでは済まされない状況がある中で、厚労省が唯一と言っていいほどやったことは、派遣業者に任せようと。

 これでは、なぜ医師は国家資格なのですか。そして、国が医学教育にどのくらいのお金をかけているか。厚生労働大臣、伺います。一人の医師を養成するのに、一体幾らかかると思われますか。

川崎国務大臣 一人にどのぐらいかかるかということについては、なかなか積算がないようでございます。

 御質問いただいておりましたので調べさせましたけれども、数字として出てまいりますのは、医科の大学ですね、要するに単科大学、そこで運営費交付金が、十八年度、例えば旭川の医科大学をとりますと五十三億円でございます。それを人数で割ったらいいのかどうか、これはいろんな議論のあるところでもございますので、その詳細については私の方から申し上げるべきではないだろうと思います。

阿部(知)委員 この質問を厚労省にお伺いいたしましたときから、厚労省は実は真剣に考えていないんだと思います。資料を求め、どのくらいの費用がかかって一人の医師が養成されていくのか。今、例えば旭川医大の五十三億円であれば、いろいろな設備も含めて、いろんなものが合算された額ですから、確かに川崎大臣がお答えになったように、なかなか適切な数字が思い浮かばれないのでしょう。

 しかし、求めよ、さらば与えられんです。どういうことかといいますと、私は、きょう大臣のお手元に、あけていただきまして、資料の三枚目をごらんいただきたいと思います。これは、出典を明示しませんで恐縮でありますが、日本私立医科大学協会という加盟二十九大学の医学部でおつくりになっている資料から拝借いたしました。

 医師の教育にかかわる経費、学生一人当たり一年間というのが上のグラフでございます。これは、私学において教育にかかる費用が、やはり多くの補助を入れていただいている国公立よりは重いということで、こういう向きにとりわけ私学は敏感でなくては運営がしていけませんから、その結果で調査されたものであります。

 平成九年度から平成十六年度まで推移してございますが、一年当たり、学生一人当たり一千六百五十六万円です。現在、まあ、もうちょっとふえたでしょう。これを六年という年限、単純に掛けたとしても、約一億近いお金がかかっております。

 医師を養成するとは、それだけ手間暇がかかり、なおかつお金もかかっていることです。そして、それを国民の命を支える安心と安全の担い手として送り出すために、医師国家試験を国は行うわけです。私は、そうしたことをやった結果育てた大事な大事な人材を、派遣業法の中にたたき込むというそもそもの感覚を大きく疑います。

 大臣、下をごらんください。ここには国立大学の医学部と私立医科大学で、学生の平均納付金比較というのがございます。上は国立大学で、六年間合算すれば、近年でも約三百四十万円です。私学では三千二百四十九万円です。これだけ、もちろんこの数値があるからこそ、私学の大学には比較的富裕な御家庭のお子さんしか行けませんし、国立大学でも、六年間で三百数十万というのは決して安いお金ではありません。

 ただしかし、先ほど申しましたように、全体は年に一千六百万円かかり、六年間を経過してそれだけ、他はほぼ税で賄っているものであります。もちろん私学にも税が入っておりますが、今、私学の皆さんは、先ほど来申しますようにこの官民格差に、非常にお金のあるおうちの人しか医師に養成できないということに、逆に私学も悩んでおられます。

 まして、これだけの税金、お金をかけて医師を養成しているという事実を果たして川崎大臣、お考えになったことがあるかどうか、一点お願いします。

    〔大村委員長代理退席、谷畑委員長代理着席〕

川崎国務大臣 医学教育経費ということでお示しいただきましたけれども、多分、下にもありますように、高校時代、中学時代からの親御さんの負担も含めて、実際問題、私はもっと大きな金額だろうと思っていました。何億円という金額が一人当たりかかっているんだろう、こう思っていました。

 それを、税という形で国立大学の支援という形でやっている場合と、先ほど申し上げたように親御さん等の支援、また自分等の働きによる支援というものでやっている人たちがいるだろう。それは、医学というものを学ばれる六年間の教育、またその後の研修も含めまして、大変な経費がかかりながら一人の医師が養成されていることは間違いない。それは、私は正直、もうちょっとかかっていると思っておりました。

    〔谷畑委員長代理退席、委員長着席〕

阿部(知)委員 ここはあくまで六年間の医学部における経費でございます。そしてこれが、何度も申しましたが、私学であればそのうち三千万から四千万は授業料です。国立であれば三百万から四百万が授業料で、残りは、何度も申しますが、税金から出ているわけです。幾ら大学が独立行政法人になっても、この部分についてはほぼ変わることがありません。

 ですから、私は、この問題の当初に、これは長期的に見た医師の教育体制と、そして国が教育に責任を持つ限りにおいて、いろいろなところに、例えば僻地研修も、その後の何年間かの義務年限も、私は設けていいんだと思います。それは職業選択の自由云々以前の、これだけ経費をかけて育てているのです。私もまたそうやって育ててもらいました。このことを忘れて、あるいはこの官民格差を忘れて、何度も申しますが、派遣業で、何ぼのものか、何ぼ安いか高いかという基準の中にたたき込んだら、私は世の中のルールがおかしくなると思います。

 そして、あえて言えば医学教育ということについて、教育は文部科学省、医師の配置は厚生労働省とやってきたこれまでのやり方では、こういう実態も御存じないままに、厚労省は勝手にこれからは地方自治体の首長やあるいは病院関係者にいろいろな義務を課していくわけです。無理です。

 何が無理かというと、入り口でどうつくるか、どんなことをこの方たちには義務としてお願いするか、その大前提がなければ、その先を、派遣業者に任せるか、片一方には、自治体には義務を課して、こんなアンバランスなことをやって、日本の未来の医療が保たれるかどうか、私は本当に深く懸念し、また憤るものであります。

 私は、実は医学教育に幾らかかるのという問いは、ずっと厚労省に投げておりました。そして、ずっとさっきのような御答弁でありました、事務サイドも。これは文科省にお願いして、私学の私立の医科大学から出していただきましたが、大臣には、そこまできっちりと自覚して私は政策を打っていただきたいんです。余りに安易に過ぎます、選ばれる道が。

 また、女性たちの問題、例えば産休や代替要員がないからということで派遣にも道を開かれたと言いますが、こちらの方は、あくまで厚生労働省がやられようとしている女性の医師のバンクの方で私はやるべき、いわゆる無料職業紹介で十分いいのです。有料でやるべきことではないんだと思います。

 なぜ業に任せたのですか、大臣、もう一度お願いします。

川崎国務大臣 前回も御議論を賜って、医師というものは高い倫理性を持ちながら、そして国もこれだけの資本、資本といいますか、税を投じるんだから、多少、社会主義的というんでしょうか、義務をかぶしても構わないんだという御主張をいただきました。

 先日の答弁で私は、正直言って、行政もそれに対して魅力を感じるし、また、知事さん等からも、研修制度の中で僻地医療や急性期の医療を医師に課すことはできないか、こういう御相談を受けたことも事実でございます。しかし、一方で、これは職業選択の自由もあり、さまざまな皆さん方の御意見がある中でございます。

 そういった意味では、阿部議員の切り口としてはそうした切り口でございましょうけれども、今日そこまで、医学部を卒業した人たちに、もしくは研修を終わった人たちに義務をかぶせることが、方向性も含めてできるかということになりますと、正直、もう少し議論を煮詰めなければならないんだろうと私は思っております。ただ、方向性としては私ども一度示したことでありますので、また与党内でしっかり議論をしたいな、こういう思いは持っております。

 ですから、そうしたものと、さっき女性が産休をとる場合はというお話がございました。しかし、産休同様、僻地医療についてもいろいろ御議論いただいているように、極めて厳しい現状にある中でこの判断をした。阿部議員の切り口からいえば否定されるべきものかもしれませんけれども、私ども、さまざまな議論をし、パブリックコメントもいただいた中で決断をさせていただいたと申し上げたとおりでございます。

阿部(知)委員 私が指摘させていただいたのは、派遣業法にゆだねれば価格競争になるということであります。このことは大臣が思っておられる以上に深刻な、実態、現状をさらに悪化させるものを生むであろうということです。

 そして、女性医師の産休代替の問題も、厚生労働省は女性の医師たちの労働実態を御存じでしょうか。今、医師不足と言われている診療科別の格差は、少ない科と言われている産科、小児科、麻酔科、これらはいみじくも女性医師の比率の高い診療科であります。そうした女性たちの労働実態、例えば、お産が終わって預けられる保育園が彼女の勤務のすぐ近隣にあるのか、子供が、我が子が熱を出したとき病児保育として預けられるのか。

 私は、まず厚生労働省がやるべきは、何度も申しますが、安易に派遣業法にこれを投げ込むのではなくて、女性医師たちの労働環境、これをきっちり調べる、そして必要な施策を打つということであると思いますが、どの程度の実態を把握しておられますか、お願いします。

川崎国務大臣 後で局長から詳細を答弁させますけれども、先ほどの看護師さんの話と少し違うと思っております。

 医師の資格を取られた方々は、基本的には医師としての仕事にそのまま継続してつかれていると承知いたしております。したがって、先ほど言いましたように、医療という仕事を自分の天職として仕事を続けたいという気持ちは高いものだと思っております。

 看護師さんの場合は、職場の問題もあったんでしょう、残念ながら、職場を離れて医療の現場から離れる方々が多い。こうした人たちをどうやって再研修しながら医療現場に戻すことができるかというのが大きな課題。

 医師の現場は、働きたいという意欲は強いわけでありますから、どうやって医療の行為をしていただくかというところに結びつけるのにはどうしたらいいかというところで、もちろん今お話ございましたように、保育の施設の問題、また、何といっても医療を預かる責任者の人たちが、女性医師の仕事がやりやすいような方法を選択していくというところにしっかり着目しなければならないのであろう。

 そういった意味では、まだまだそこまでできているんですかといえば、足らざる面があるのだろう、このように思っております。

阿部(知)委員 私は、今大臣がおっしゃった現状認識はやはりちょっとずれていると思います。

 今、女性医師たちも多く臨床を離れております。続けられない状況があるのと、やはり、きついよりは自分の子育てなり自分の時間を充実させようという向きが多くなりました。これは、一つは価値観の問題でありますが、しかし、続けられる体制を日本の社会がとっていないという状況もあります。看護婦さんだから離職する、女性の医師だから離職しないというのは、もちろん程度に多少の差はあったとしても、私は、今それに近い状況が起きているからこそ、小児科も麻酔科も産科も大変に倍加して医師不足が、現実には数が登録されても、深刻になっていると思います。御答弁どうぞ。

松谷政府参考人 女性医師でございますが、現在、全医師の中で女性医師の割合は一六・四%になってございます。近年、医学生の中で女性の医学生が占める割合は多くなってございまして、医師国家試験の合格者でいいますと三分の一程度となっているところでございまして、今後増加の傾向にあるのではないかと思ってございます。

 女性医師の労働状況でございますけれども、これは、ひとり医療界だけではなくて、女性の労働の問題というのは厚生労働省としても大きな課題として取り組んでいるところでございますけれども、女性医師について先般の調査等を見ますと、女性の医師は男性の医師に伍して、まさに今御指摘いただいている長時間労働にも耐えてやっているという状況にあるというふうに認識してございます。

 ただし、女性医師の場合は、先生御指摘のとおり、小児科、あるいは最も多いところは皮膚科、眼科、そして麻酔科、産婦人科というように、診療科によって若干偏りがあることは事実でございますけれども、それぞれの分野で男性の医師と同様に働いていらっしゃるという状況にあると思います。

 こうした女性医師が医療の分野でも非常に多くなっているということですから、女性医師にとって、女性としての出産、育児といったようなライフステージに応じた対応ということが迫られていることは御指摘のとおりだと思っておりまして、ライフステージに応じた就労の支援のための女性医師バンクの設立とか、講習会の実施、あるいは女性医師の労働環境の改善に必要な経費の補助などの予算を計上しているところでございます。

 また、別のところで御質問ございましたけれども、保育につきましても、保育政策全体の問題ではございますけれども、従前の看護職員の児童のための院内保育所につきましても、女性医師を含む職員の児童を補助対象に追加しているところでございます。

 女性医師を含めた一般女性労働者についてのいろいろな施策と相まって、やらなければならないことがまだまだあろうかと思っておりますけれども、今申し上げたような、女性医師の割合がふえてその労働力というのは医療界で大変重要な課題であるということを認識して、さらに進めていきたいと考えております。

    〔委員長退席、谷畑委員長代理着席〕

阿部(知)委員 簡単に、伍して働いているとおっしゃいましたが、その陰には幾多の苦労もございます。一例挙げられたように、看護婦さんのお子さんならば入れる保育所も、女性医師である場合は預けられないところも現実まだまだございます。どういう保育がそこで保障されるか、先ほど言った病児保育もそうです、つまびらかにもっと実態に密着してぜひ厚労省は調べられるべきです。

 何度も言いますが、そういうことをしないで安易な派遣に投げ入れるということは、女性医師たちの、仕事を続けるというやはり生涯の本当の誇りを失わせていくと思いますから、もっときっちりしたデータがあるなら、後ほど私の部屋にいただきたいと思います。

 もう一点だけ、今は医師の、人間の方の問題を言いましたが、今度は地域の方の問題に振りかぶって、病床数のことで一点だけお願いいたします。

 この間、厚生労働省はずっと日本の病床数は多い、多いと言ってこられました。そして今度の改正で、先ほど高橋委員もお取り上げでしたが、いわゆる療養型病床群を医療型と介護型、おのおの転換させていって十五万床くらいに、現状三十八万から十五万床に減らそうというお考えも述べられております。

 このことの細かな取り上げは別途させていただくといたしまして、果たしてそうした計画の結果、日本の残る病床数はそれでもなお多いのでしょうか、厚労省の認識を伺います。大臣、お願いします、簡単なことですので。

川崎国務大臣 簡単なことですから、私から答えます。

 OECDの調査による我が国の人口当たりの病床数は、ドイツやフランスなど、欧米諸国と比べて実際問題かなり多いようでございます。人口千人当たり病床数、日本は十四・三、ドイツは八・九、フランスは七・七、イギリスが四・二、アメリカが三・三という数字のように承知いたしております。

 ただ、欧米諸国については、一般病床だけの数値がないために正確な比較は困難であると思っております。精神病床や療養病床を除いた我が国の一般病床だけの数値であっても、精神病床などを含んだ欧米諸国の数値と同じ程度か多くなっていることから、我が国の病床数が多いという傾向は基本的に変わらないと考えております。

阿部(知)委員 大臣の御答弁、御丁寧でしたが、もともとOECD諸国との比較の十四・三というのは、大臣がおっしゃったように精神病床や療養型病床群を含んだものです。我が国は何せ精神科の病床が多いわけです。それと、先ほど私が申しました療養型病床群を除いて果たして本当に多いのかどうか、数値で御検証いただきたいと思います。そして、その結果は、きょうでなくて結構です、また審議させていただきます。

 さらに、もしそれで多いとしても多少です、私は余り変わらないと思いますが、多いとしても、病床がそこにあるということは、単に地域経済にとっても、日本の社会にとっても、もちろん患者さんたちにとっても果たしてマイナスなんだろうかということを、きょうは大臣にお伺いしたい。

 理由は、例えば、今、この委員会ではございませんが、まちづくり三法等々の中で中心市街地の空洞化ということが言われております。病院や市役所や公的機関が郊外に出て、そうすると中心市街地が空洞化いたします。病院というのはいろいろな人間がアクセスできる、地域でも人の行き交う一つの場になってございます。私は、今後、厚生労働行政を考える大臣にあっては、単に外側からのマクロなものだけでなく、医療というものが高齢社会の中で地域基盤として重要なんだという視点をお持ちにならないと、いたずらにそろばんで、机上で削減していくということを進めた結果、結局は、人もいない、病院もない、何もないという結果が出てくるのではないかと思います。大臣、いかがですか。

川崎国務大臣 そこのところは、まさにこれから十年後、二十年後、医療費がふえていく中、だれが負担していくべきか、私たちが負担をしますよといえば、よりベッド数をふやしながらお年寄りにより優しい政策を進めていくということは、まさに阿部委員の御指摘のとおりだろうと思います。

 しかし、その費用は若者が負担をしなければならない。そういう意味では、OECDの例を取り上げていただいてこうした議論に入るならば、どうぞ今度は、その負担というものをどういうふうに考えていくか、そういう意味では、我々、六月には歳入歳出計画をやりますけれども、どうぞ消費税等の議論についても活発な議論をお願い申し上げたいと思っております。

阿部(知)委員 もちろんそれを避けるものでもございません。ただ、その前提には、医療は単なる消費ではないということをどの程度厚労省がしっかりと自覚しておられるかです。単純に対GDP比でも、もちろんさらに私は上げるべきだと思います。単に消費で、御高齢者が荷物だ、医療にかかるのは金食い虫だ、こういう形でこの長寿高齢社会を考えるのであれば、私たちは、果たして何が富を生んでいるか、何が財になっているか。私が指摘させていただきたいのは、医療とは社会的公共資本だということです。いろいろな数値も合わせて、次回でも私も審議させていただきたいと思います。

 きょう、総務省にお越しいただきましたのは、総務省は、この間、地域が病床を削減したら、その分財政措置において多少の目配りをするというお話ですが、総務省のこうした案が出てくるもとにも、病床が多いんだ多いんだという御認識でこうしたことが出てきているのでしょうか。お願いします。

大谷政府参考人 お答え申し上げます。

 道路交通網や情報通信網の発達、あるいは、僻地等を中心とした条件が不利な地域における医師の不足等、病院経営を取り巻く環境が大きく変化しておるところでございます。これに伴いまして、自治体病院におきまして、地域におけるこうした自治体病院の役割を明確にし、診療科目あるいは病床規模等について見直しを行うとともに、必要に応じ、病院の再編、ネットワーク化など、医療機関相互の連携あるいは機能分担を推進して、医療提供体制の見直しを検討するということが必要というふうに考えてございます。

 そのために、平成十七年度より、自治体病院の医療提供体制の見直しによりまして病床の削減が行われた場合につきまして、削減後五年間に、当該の削減病床数がなお存在するものとして扱うという普通交付税措置を含む地方財政措置を講じたところでございます。この措置が自治体病院の再編やあり方の見直しのインセンティブとして働いて、経営の健全化、効率化につながるということを期待しておるところでございます。

 総務省といたしましては、こういったことで引き続き、そういうネットワーク化の支援を進めてまいりたいということでございます。

阿部(知)委員 もう少し簡略に、そして私の聞いたことに本当は答えてほしいですが、私は、わざわざまちづくり三法の例まで出して、単に病床数が云々でなくて、その地域の、先ほどおっしゃったような道路交通網も含めて、人の流れも含めて、どんなものであるのかという目を医療について持たないと、本当に無益な削減と税の使われ方がすると私は思いますから、今、わざわざこの委員会にお呼びいたしましたので、御答弁は御答弁として承りますが、私のお伺いしたい点にはちょっとお答えでなかったと思わせていただきます。

 引き続いて、私は、きょう、医療提供体制の問題と同時に、その医療を受ける患者さんサイドの問題、そして、ずっとこの間、問題にさせていただいている医療過誤、医療事故の問題について少し追加的に質問をさせていただきます。

 皆さんのお手元にお配りしてある一面は、いわゆる医療過誤における逮捕事案でございます。ここの三点目の福島県警察というのは、あの大きな騒ぎになった大野病院ですが、一番上にございます東京女子医大で、人工心肺を回す中で、平柳明香ちゃんというお嬢ちゃんが心臓手術の中で亡くなっていかれたという事案がございます。

 この事案は、これまでもいろいろな取り上げられ方もいたしておりますが、カルテの改ざんがあり、それに伴う医療費の保険上の不正請求があったということで、同大学が特定機能病院という病院であったことの取り消しと同時に、その他、白紙のカルテがたくさん出てきたり改ざんがあったということで、厚労省の方からも、恐らく去年の四月から七、八回に及ぶ立ち入りの監査が行われたと思います。その結果、現段階で、大臣、何が明らかになり、厚労省としてどんな方針をお持ちであるのか、お教えください。

    〔谷畑委員長代理退席、委員長着席〕

川崎国務大臣 御指摘の事案、東京女子医科大学病院における問題については、現在、事実関係を調査中であることから、具体的な対応については、現時点では確定的なことは申し上げられない。これはお許しを賜りたいと思います。

 なお、一般論として申し上げれば、改ざんされたカルテなどに基づき診療報酬の請求が不正に行われた場合には、その態様に応じた処分や措置が行われるものであり、今回の事案についても、仮にそのような事実が確認されれば、厳正に対処してまいりたいと考えております。

阿部(知)委員 私は、先日来、この委員会でも、例えば医師たちが警察によって逮捕されるというような事態の前に、医療として、医療行為としての適切さと、そして、それに、きちんと法令にのっとった医療ができるように、まず医療現場自身がしっかりしたものになるように、厚生労働省に御指導いただきたいということを申し上げてきました。

 このカルテの改ざんということに関しては、実は、医師法上は何ら罰則がございません。医師法の二十四条では、簡単に言えば、カルテは速やかに書かねばならない、そういう条文はございますが、改ざんをしてはいけないとか、改ざんした場合どれだけの罰則があるとか、そういうことがございません。

 私は、医療がもっと信頼されるものになるためにも、この医師法という医師ののっとる法律の中で、カルテの改ざん問題にきっちり厚労省として法制化をするべきだと思いますが、大臣、いかがですか。

川崎国務大臣 医療事故を隠すという目的のために診療録を改ざんする、これは医師の職業倫理に著しく反する行為であり、法律以前の問題だと考えております。

 十五年九月に策定した診療情報の提供等に関する指針、平成十六年十二月に策定した医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドラインにおいても、診療録等を不当に変える改ざんを行ってはならないと記載しております。このような行為が行われた場合、医事に関する不正等があったものとして、医師免許の取り消し等の処分の対象ともなり得ると考えております。

 したがって、カルテの改ざんという項目だけを立てて、これの罰則規定をつくるかということまでは必要ないのではなかろうか。医事に関する不正等があったということでございますので、厳正な対応をしなければならない課題と考えております。

阿部(知)委員 カルテという言い方はドイツ語を、日本の医学がドイツから輸入して始まったところによりますが、英語ではこれをヒストリーといって、患者さんの診療録はその方の歴史である、その方自身の生きた歴史であるというふうな教えられ方をします。それを改ざんするということは、やはり大臣が今おっしゃったような一般的な医療上のこととは違う重みを持っていると私は思います。そこに書かれたものがすべてであります。

 何度も申しますが、医療の中できっちりとした体系なり法ができれば、それは医療の中でおのずと解決していける道を開くことです。大臣の今の御答弁は、私が納得し得ないばかりか、数多い医療の中でのカルテの改ざんという事例について、やはり厚生労働省がどのほどに御自覚であるのかということを疑わせますが、とりあえず、次の案件に移ります。

 こうした医療の中の問題を、何度も申しますが、検察ないし逮捕という形で解決されるよりも、やはり医療現場での、医療事故が起きた場合のきっちりした報告、そして報告を受けた場合の立入調査並びに患者救済というような仕組みを、一貫して考えるべきではないかと思います。

 特に、きょう大臣に伺いたいのは、この間厚労省がやっておられるモデル事業は、亡くなられた方を病院がそのモデル事業にお願いしたり、あるいは医師法二十一条に基づいて、検察からこれはこのモデル事業にどうですかということを受け取られて、十四件の死因の分析をなさっています。

 でも、医療事故というのは単に死因、この方が何で亡くなったかだけではなくて、どういう過程で事故が起きたかということも含めて、やはり医療現場に厚生労働省が、行政立入権を持ってきちんと調査に入ることというのが不可欠と思います。

 皆さんのお手元に配らせていただきましたが、ことしの三月の新聞に載せられました記事で、ああ、前向きかなと思いましたが、「病院の強制調査も」と、行政処分を強化するというような報道がございました。しかし、今回のいろいろ御説明を私がこの医療法の改正の中で受けた中で、果たして予算措置、人員措置がどうなっているのかが見えません。

 大臣、これは厚労省としてどの程度真剣に、そして人の配置やお金も伴って取り組まれるものであるのかをお教えください。時間の関係で、大臣にお願いします。

川崎国務大臣 予算内容の詳細については、時間があれば担当者から申し上げます。

 このモデル事業、医療機関が遺族の同意を得た上で調査依頼を行う仕組みとなっております。これは、調査を行うに当たって、診療録の提供、医療従事者からの聞き取りなど、医療機関の協力が必要であるためであります。

 このため、本事業では、遺族が直接調査依頼を行うことができない仕組みにはなっております。遺族からモデル事業に参加したいという相談があった場合には、モデル事業の担当者が医療機関に対して御遺族の意向を伝え、モデル事業の趣旨を説明して参加を促すことという仕組みにしております。

 問題は、今後、モデル事業の実施状況を踏まえ、死因究明制度等について検討を進めることとしておりますが、その際に、医療機関の同意がない場合であっても、遺族からの依頼に基づき調査を行うことが適当かどうか、これは大きな検討課題、このように考えております。

阿部(知)委員 大半の医療事故は、患者さんサイドと医療者サイドの対立がある中で生まれてまいります。この対立が極限になれば逮捕とかいう事案も生じます。医療サイドもこの問題は悩んでいます。

 私は、厚生労働省がきちんとした立入調査も含めて、例えば労働災害では、その事案が発生すれば、きちんと何が原因でどんなことが起こったかということをつまびらかにするだけの権限をお持ちです。是正勧告もなさいます。労災の救済もなさいます。そういう制度がきっちりこの医療事故について保障されることによって、逆に、医療の中で安心して私どもも患者さんと向き合える体制ができるのだと思います。

 大臣は、きょうの私の質問時間はこれで終わりましたので、今私が申し上げたことをよくお聞き取りいただいて、本当に真剣に、そして早急にこうした体制を整えていただきたいと思います。

 終わらせていただきます。

岸田委員長 北川知克君。

北川委員 動議を提出いたします。(発言する者あり)

 ただいま議題となっている各案審査のため、その審査中、参考人の出席を求め、意見を聴取し、その日時、人選等は委員長に一任することを望みます。(発言する者あり)

岸田委員長 北川君の動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

岸田委員長 起立多数。よって、動議のように決しました。(発言する者あり)

 次回は、公報をもってお知らせするとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時四十四分散会


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