衆議院

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第19号 平成18年4月28日(金曜日)

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平成十八年四月二十八日(金曜日)

    午前九時四分開議

 出席委員

   委員長 岸田 文雄君

   理事 大村 秀章君 理事 鴨下 一郎君

   理事 北川 知克君 理事 谷畑  孝君

   理事 寺田  稔君 理事 園田 康博君

   理事 山井 和則君 理事 福島  豊君

      新井 悦二君    井上 信治君

      石崎  岳君    上野賢一郎君

      加藤 勝信君    川条 志嘉君

      木原 誠二君    木村 義雄君

      清水鴻一郎君    菅原 一秀君

      杉村 太蔵君    高鳥 修一君

      戸井田とおる君    冨岡  勉君

      永岡 桂子君    西川 京子君

      西銘恒三郎君    林   潤君

      原田 令嗣君    平口  洋君

      福岡 資麿君    松浪 健太君

      松本  純君    御法川信英君

      岡本 充功君    菊田真紀子君

      郡  和子君    仙谷 由人君

      田名部匡代君    古川 元久君

      三井 辨雄君    村井 宗明君

      柚木 道義君    上田  勇君

      高木美智代君    谷口 和史君

      高橋千鶴子君    阿部 知子君

      糸川 正晃君

    …………………………………

   厚生労働大臣       川崎 二郎君

   厚生労働副大臣      赤松 正雄君

   厚生労働大臣政務官    西川 京子君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 清水  治君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           徳永  保君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  松谷有希雄君

   政府参考人

   (厚生労働省健康局長)  中島 正治君

   政府参考人

   (厚生労働省医薬食品局長)            福井 和夫君

   政府参考人

   (厚生労働省医薬食品局食品安全部長)       松本 義幸君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    中谷比呂樹君

   政府参考人

   (厚生労働省老健局長)  磯部 文雄君

   政府参考人

   (厚生労働省保険局長)  水田 邦雄君

   政府参考人

   (厚生労働省年金局長)  渡辺 芳樹君

   政府参考人

   (社会保険庁運営部長)  青柳 親房君

   厚生労働委員会専門員   榊原 志俊君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月二十八日

 辞任         補欠選任

  加藤 勝信君     西銘恒三郎君

  清水鴻一郎君     永岡 桂子君

  高木美智代君     谷口 和史君

同日

 辞任         補欠選任

  永岡 桂子君     清水鴻一郎君

  西銘恒三郎君     加藤 勝信君

  谷口 和史君     高木美智代君

    ―――――――――――――

四月二十八日

 障害者の福祉・医療サービスの利用に対する応益負担の中止に関する請願(園田康博君紹介)(第一六八九号)

 同(郡和子君紹介)(第一七一〇号)

 同(田名部匡代君紹介)(第一七一一号)

 同(山井和則君紹介)(第一七一二号)

 同(村井宗明君紹介)(第一七三一号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第一七八八号)

 同(三井辨雄君紹介)(第一八〇〇号)

 無免許マッサージから国民を守る法改正に関する請願(小渕優子君紹介)(第一六九〇号)

 同(伴野豊君紹介)(第一六九一号)

 同(森山裕君紹介)(第一六九二号)

 同(石破茂君紹介)(第一七〇七号)

 同(寺田学君紹介)(第一七八五号)

 同(土肥隆一君紹介)(第一七八六号)

 同(羽田孜君紹介)(第一七八七号)

 同(石崎岳君紹介)(第一七九八号)

 同(二田孝治君紹介)(第一七九九号)

 同(秋葉賢也君紹介)(第一八一四号)

 同(金子恭之君紹介)(第一八一五号)

 同(郡和子君紹介)(第一八一六号)

 同(柴山昌彦君紹介)(第一八一七号)

 同(田中眞紀子君紹介)(第一八一八号)

 同(長島忠美君紹介)(第一八一九号)

 同(西村智奈美君紹介)(第一八二〇号)

 同(林田彪君紹介)(第一八二一号)

 同(福井照君紹介)(第一八二二号)

 同(宮下一郎君紹介)(第一八二三号)

 同(木村隆秀君紹介)(第一八三七号)

 同(松岡利勝君紹介)(第一八三八号)

 腎疾患総合対策の早期確立に関する請願(橋本岳君紹介)(第一六九三号)

 同(松本純君紹介)(第一六九四号)

 同(冨岡勉君紹介)(第一七〇八号)

 同(西村康稔君紹介)(第一七〇九号)

 同(大口善徳君紹介)(第一七三〇号)

 同(川端達夫君紹介)(第一七四二号)

 同(上田勇君紹介)(第一八二四号)

 同(山本公一君紹介)(第一八二五号)

 カネミ油症被害者の抜本的な恒久救済対策の完全実施に関する請願(冨岡勉君紹介)(第一七〇一号)

 同(吉田泉君紹介)(第一七〇二号)

 同(山崎拓君紹介)(第一七四一号)

 安心して透析を受けられる医療制度改革に関する請願(冨岡勉君紹介)(第一七〇三号)

 同(平沢勝栄君紹介)(第一七二六号)

 パーキンソン病患者の療養生活上の諸問題救済策に関する請願(遠藤利明君紹介)(第一七〇四号)

 同(田名部匡代君紹介)(第一七〇五号)

 同(寺田学君紹介)(第一七〇六号)

 同(伊藤渉君紹介)(第一七二七号)

 同(高村正彦君紹介)(第一七二八号)

 同(斉藤鉄夫君紹介)(第一七二九号)

 同(萩生田光一君紹介)(第一七八三号)

 難病、長期慢性疾患、小児慢性疾患に対する総合的対策を求めることに関する請願(高村正彦君紹介)(第一七二四号)

 国民皆保険制度堅持等に関する請願(長島昭久君紹介)(第一七二五号)

 患者負担増計画の中止と保険で安心してかかれる医療に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一七六九号)

 同(石井郁子君紹介)(第一七七〇号)

 同(笠井亮君紹介)(第一七七一号)

 同(穀田恵二君紹介)(第一七七二号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第一七七三号)

 同(志位和夫君紹介)(第一七七四号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一七七五号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第一七七六号)

 同(吉井英勝君紹介)(第一七七七号)

 同(下条みつ君紹介)(第一八〇一号)

 最低賃金の引き上げと全国一律最低賃金の法制化に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一七七八号)

 同(穀田恵二君紹介)(第一七七九号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一七八〇号)

 国民の命と暮らしの保障を求めることに関する請願(笠井亮君紹介)(第一七八一号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一七八二号)

 男女雇用機会均等法等の改正を求めることに関する請願(辻元清美君紹介)(第一七八四号)

 患者・国民負担増計画の中止に関する請願(下条みつ君紹介)(第一七九七号)

 助産所と自宅における出産の安全性の確保と支援に関する請願(川端達夫君紹介)(第一八三五号)

 はり、きゅう治療の健康保険適用の拡大を求めることに関する請願(寺田稔君紹介)(第一八三六号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 委員派遣承認申請に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出第三七号)

 良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律案(内閣提出第三八号)

 小児医療提供体制の確保等のために緊急に講ずべき施策の推進に関する法律案(小宮山洋子君外四名提出、衆法第一七号)

 医療を受ける者の尊厳の保持及び自己決定に資する医療情報の提供、相談支援及び医療事故等の原因究明の促進等に関する法律案(園田康博君外三名提出、衆法第一八号)


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     ――――◇―――――

岸田委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、健康保険法等の一部を改正する法律案、良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律案、小宮山洋子君外四名提出、小児医療提供体制の確保等のために緊急に講ずべき施策の推進に関する法律案及び園田康博君外三名提出、医療を受ける者の尊厳の保持及び自己決定に資する医療情報の提供、相談支援及び医療事故等の原因究明の促進等に関する法律案の各案を議題といたします。

 この際、委員派遣承認申請に関する件についてお諮りいたします。

 各案審査の参考に資するため、来る五月八日月曜日、福岡県及び福島県に委員を派遣いたしたいと存じます。

 つきましては、議長に対し、委員派遣承認申請をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岸田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 なお、派遣委員の人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岸田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

岸田委員長 引き続き、お諮りいたします。

 各案審査のため、本日、政府参考人として総務省大臣官房審議官清水治君、文部科学省大臣官房審議官徳永保君、厚生労働省医政局長松谷有希雄君、健康局長中島正治君、医薬食品局長福井和夫君、医薬食品局食品安全部長松本義幸君、社会・援護局障害保健福祉部長中谷比呂樹君、老健局長磯部文雄君、保険局長水田邦雄君、年金局長渡辺芳樹君、社会保険庁運営部長青柳親房君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岸田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

岸田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。福岡資麿君。

福岡委員 自由民主党の福岡資麿と申します。

 本日は、質問の機会を与えていただきましたことを、まず心から感謝を申し上げます。

 今地元でいろいろな方々とお話をさせていただく機会がありますが、やはり今国会の目玉と言われる医療制度改革関連法案、これに関する皆様方の関心が非常に高いというのを肌をもって感じております。そういった中で、大臣がいつも御指摘いただいておりますが、将来にわたって持続可能な制度としていくことというのは何よりも大事であることは言うまでもありませんが、一方で、国民一人一人の方々にとってみれば、この改革が自分の生活にどのような影響を及ぼすのかといったところが一番関心が高いわけでございます。

 今回、生活習慣病の予防等も含めて、予防を重視していくというすばらしい方針が打ち立てられました。やはり今後の医療のことを考えたときに、まずは病気にかからない体をつくっていくことが大事でございますが、その次には、ちょっとぐあいが悪くなったときに、早期に発見して早期に治療をしていくというのがやはり医療の原則ではないかというふうに思っております。

 そんな中、今回、七十歳から七十四歳の方々の患者負担が上がる、また現役並み所得者の負担も高齢者については上がるというような内容となっておりますが、特に七十歳から七十四歳の方々にとってみましては、ふだんは年金等で生活をされておるわけですから、所得の増加が見込めない中で、今回医療負担がふえてしまうというようなことが生じてしまうわけでございます。

 今回のこの法案の中身についても、自己負担の限度額等を定められたりして配慮をされているということは十分に認識をしておりますが、そんな中で、やはり今回のこの高齢者の負担の増加というのが、ちょっとぐあいが悪くなったときに病院にかかりづらくするといったような、早期受診というのを阻害してしまうのではないかというような懸念の声というのもいただくわけでございます。

 そういったことに対しまして、見解をぜひお聞かせいただきたいと思います。

水田政府参考人 お答えいたします。

 患者負担の点でございますけれども、基本的には、私ども、急速な高齢化に伴う医療費の増大ということが見込まれますので、高齢者の方々にも応分の負担をしていただく、これが必要であると考えてございます。

 今回の改革案の中身でございますけれども、これも何回か申し上げておりますが、現役並み以上の所得のある高齢者につきまして、現役世代との負担の均衡を踏まえまして、現役世代と同じ三割負担とする、こういった見直しでございまして、ある意味で、この高齢化の状況を考えますと、この程度の御負担はお願いせざるを得ないんじゃないかなというふうに考えてございます。

 これも委員御指摘がございましたけれども、見直し後におきましても、高齢者に係ります高額医療費につきましては、入院と外来を合わせた自己負担限度額のほか、外来に係る自己負担限度額、これは全所得階層に通じますけれども、設けております。したがいまして、外来にかかりやすいということが一つ担保されているわけでございます。

 その上で、高齢者一般につきましては現役世代よりも自己負担限度額を低く設定しておりますし、さらに、低所得者の方々につきましては自己負担限度額を据え置く、こういったきめ細かな配慮を行うこととしてございまして、必要な医療は妨げるものではない、このように考えております。

福岡委員 今御答弁いただいたように、配慮がいろいろなされておることは承知しておりますが、本当に医療が必要な人にとって医療が受けられないというようなことがあっては一番いけないことでございますので、そういった意味においても、今後ともしっかりと施行後も見守っていっていただくことを心から希望させていただきたいというふうに思っております。

 次の質問に移らせていただきますが、今回のこの改革の中で、在宅を推進するといった方針が立てられているわけでございます。これ自体は非常にすばらしいことだというふうに思いますが、かつてと比べて、今世の中の社会情勢も大きく変化をしてきておるわけでございます。

 例えば、核家族化が進んでおるとか、また、共働き世帯がふえていることによって日中はだれもいないというような家庭が非常にふえているとか、そういった社会状況が大きく変化をしてきている中で、本当に在宅を推進するということができるのかどうかという疑問の声が上がっております。

 そういった中で、やはり今回のこれがこの社会情勢と合わないのではないか、お題目を唱えるだけで、実態に即していないのではないかというような御指摘がある中で、どうやってこの在宅を推進していくかということについての見解をお聞かせください。

松谷政府参考人 社会環境が変化した中での在宅医療の推進についての御質問でございますけれども、先生御指摘のとおり、核家族の進展等世の中の状況が変わっている中で、在宅での医療を進めるということを打ち出しているところでございます。

 患者さんの立場に立ってみれば、生活の質の向上といったような観点から、できるだけ住みなれた家庭や地域で生活を送れるよう、希望する場合には在宅医療を受けられる体制の構築ということを推進すべきであるということは論をまたないところでございます。しかしながら、先生御指摘のとおり、自分の自宅だけではなかなかいかない、そういう場合には、ケアハウスその他のいわゆる自宅に準ずる場所の提供ということもあわせて進めていかなければならないと思っております。

 今般の改革におきましても、主治医の役割の発揮、あるいは介護などの多職種での連携を図るため、地域で在宅医療に係る連携体制を構築していただいて、医療計画にはその機能をきちんと明示をして、だれでもその情報にアクセスできるようにする。あるいは、複数のお医者さんによります二十四時間の往診可能な体制の確保。それから、先ほど申しましたケアハウスなどの居宅系サービスの充実、多様な居住の場での在宅医療の充実など、医療法の改正や診療報酬など各般の対策を講ずることとしているところでございます。

福岡委員 今御指摘がございましたように、今回この在宅という中には、今まで療養病床等に入られていた方を老健施設に移していくといったことも意味の一つとして入っているというふうに承知をしております。

 そういった中で一つ御質問させていただきますが、今回この療養病床の再編成について、今まで療養病床としてあった既存の病院があるわけでございます、こういったところの病床をなるべく有効に使っていった方がいいのではないかというような観点というのも当然あるわけでございます。そういった中で、例えば、これまで一階は診療所で二階にベッドがあるような有床診療所の場合であったりとか、また、大病院であっても一部を療養病床で使っていたようなところを、その病院の中で仕切りを区切って、病院の部分と老健施設の部分を同時に併存させたりといったことが可能かどうか、そういったことの今後の活用策について御見解をお聞かせください。

松谷政府参考人 今回の療養病床の再編では、療養病床は、医療の必要度が高い患者さんに限定をして医療保険で対応するとともに、医療の必要度が低い方々への対応としては、療養病床が老人保健施設等の介護施設に転換することによって大きな改修をすることなく受け皿となることが可能ではないかと考えております。

 具体的には、まず、療養病床が老人保健施設等の介護施設へ円滑に転換できるよう、次のような措置を講ずることといたしてございます。

 まず、既存の施設を活用して大きな改修をすることなく老人保健施設に転換できるように、床面積の基準を経過的に緩和する、あるいは、医療保険、介護保険の双方におきまして、医師、看護職員の配置等を緩和した療養病床の類型を、平成二十三年度末までの時限措置でございますけれども創設をする、それから、医療保険、介護保険双方の療養病床につきまして、転換支援の助成を実施するなどの措置を考えてございます。

 先生御指摘の病院、診療所と老人保健施設との併設、例えば同一フロアの場合といったようなものも含みますけれども、これにつきましては、一定の要件のもとに認めるということを既に通知として発出しているところでございまして、今後、さらにその取り扱いについて周知をしていきたいと考えております。

福岡委員 今御指摘いただいたように、さまざまな経過措置があるということは伺っておりますが、聞くところによると、六年間の経過措置ということでございますが、本当にその期間の中でスムーズに移行できるかどうかということはしっかり見守っていただいて、柔軟な対応を今後もとっていっていただくことをぜひ希望させていただきたいというふうに思います。

 また次の質問に移りますが、今回この医療の適正化計画ということが定められる中で、都道府県ごとに場合によっては診療報酬の設定が可能というようなこともうたわれているわけでございますが、例えば今、医療費の問題で、都道府県ごとに非常に医療費にばらつきがあるというようなことが言われている中で、一部の地域の方々にとってみましたら、やはり、医療費がたくさんかかるということは、努力を怠っているということも全くないわけではないのでしょうけれども、地域的な事情によってどうしても疾病になる確率が高いようなところ、そういう環境面も含めてそういった問題もあるんじゃないかというような声というのもたくさんあるわけでございます。

 そういった中で、本人の努力に帰すべきところではない、環境とかそういった問題においてたまたま疾病率が高いような地域において、それが、すべて都道府県ごとの再編になったときに、各保険者であったり、もしくは診療報酬をたたかれてそこの医療機関にしわ寄せが来るということは適当ではないのではないかというような御意見もあるわけでございますので、その件につきましてどのような御見解かをお聞かせいただきたいと思います。

水田政府参考人 都道府県ごとの診療報酬の特例についてでございますけれども、仕組みをまず申し上げますと、厚生労働大臣が医療費適正化計画の終了年度の翌年度に、その実績に関する評価を行った結果を踏まえて、医療費適正化の推進のために必要と認めるときに設定することができることとしてございます。

 したがいまして、時期的なことを申し上げますと、第一期の医療費適正化計画は平成二十年度から二十四年度まででございますので、平成二十五年度に実績評価を行った上でこういった検討を行うということでございます。

 お尋ねの、地域の実情への配慮という点でございますけれども、今回の法案の中におきまして、特例の設定につきましては、あらかじめ都道府県知事と協議するということ、それから、地域の実情も踏まえながら、適切な医療を各都道府県間で公平に提供する観点から見て合理的であると認められる範囲内において設定することを明記してございます。したがいまして、都道府県間で不適切な格差が生ずるようなことがない仕組みとしてございます。

 具体的に、病気の発生状況が違う、こういう点をどうするのかというお尋ねでございますけれども、地域の実情には、御指摘のように、疾病そのものの地域ごとの罹患の特性、こういったことも検討の対象になるものと考えてございます。

 いずれにしましても、この特例の実際の適用は相当先、七、八年先の話でございます。御指摘のような観点をどのように取り扱っていくか、今後、十分時間をかけて検討を深めていきたいと考えております。その過程で当然ながら都道府県知事さんとの協議ということもございますし、中医協での審議も経た上で、最終的に国が設定していく中で地域の実情にも適切に配慮していきたい、このように考えてございます。

福岡委員 今御指摘いただきましたように、地域の実情に配慮するというようなことでございますが、非常にまだまだ漠としたものでございますので、そういったところがしっかりと反映していけるようなシステムというのを今後しっかりと構築していっていただきたいというふうに思います。

 次でございますが、今回、この医療の適正化計画については、三年目に進捗状況の検証を行い、そして五年経過後に実績の評価を行うということにしてあるわけでございますが、あくまでもその枠組みを維持した上で、しかしながら、社会情勢、いろいろな面で変化していくということが考えられるわけでございます。

 例えば、経済状況が大きく変化したりとか、また少子高齢化のスピードが想定と違ってきたりとか、そういったいろいろな状況が生じてくるということが考えられるわけでございますが、そういった場合においては、やはりその変化に応じて、中途年度でも検証、議論を絶えず行っていくというような柔軟な対応が必要ではないかというふうに思うわけでございますが、その点につきまして見解をお聞かせください。

赤松副大臣 今委員御指摘のように、医療制度につきましては、急速な高齢化の進展ということに伴いまして、医療費の増加が見込まれていくわけですけれども、将来にわたり持続可能なものにしていくために、委員先ほど御指摘ありましたように、諸情勢の変化に対応し、柔軟に取り組んでいくということが必要だろうと思います。

 既に御承知のように、今回の医療制度改革におきましては、政府・与党医療改革協議会の医療制度改革大綱における決定に沿いまして、一つは、将来の医療給付費の規模の見通しを示して、これを医療給付費の伸びの実績を検証する際の目安となる指標としまして、一定期間後、この目安となる指標と実績とを突き合わせることによって、医療費適正化方策の効果を検証し、その検証結果を将来に向けた施策の見直しに反映させる。

 もう一つは、現実に医療給付費の対国民所得比等の一定の増加が見込まれる場合、どのような要因に基づいているのかを検証し、適時施策の見直しの必要性についての検討を行う。こんなふうにしておりまして、社会情勢等の変化により、必要がある場合に柔軟な対応を図ることにしております。

 なお、さらに今回の法案におきまして、先ほど委員御指摘ありましたように、附則の中におきまして、高齢者医療制度について、制度の実施状況、保険給付に要する費用の状況、社会経済の情勢の推移等を勘案して、施行後五年をめどとして全般に関する検討を行って、必要があると認めるときには、所要の措置を講じることとしております。

 先ほど来委員御指摘のような角度で、しっかりと社会情勢の変化を見きわめながら柔軟な対応をしてまいりたい、こんなふうに考えております。

福岡委員 副大臣、ありがとうございました。しっかりとした対応をお願いさせていただきたいというふうに思います。

 最後の質問に移らせていただきますが、これまでも各委員から何回か質問が出たと思いますけれども、終末期医療に関する問題でございます。

 富山県の射水市民病院の人工呼吸器を外すといったような事件というのは皆様方の記憶に新しいことだというふうに思いますが、やはり地元の医師の方々とお話ししても、しっかりとしたガイドラインというのが決められていなければ、裁量がすべてお医者さんにゆだねられているようだったら、怖くてなかなか自分自身の決断ができないというようなお話というのもあるわけでございます。

 やはり家族としてみれば、一分一秒長く生きてほしいというのが身内の心情でございますけれども、過度の延命治療というのは当然ながら医療費の増大を招くというようなこともあり、終末期のガイドラインといったところの策定というのが求められてくるのではないかというふうに思いますけれども、そのあたりについての御見解をお聞かせください。

松谷政府参考人 終末期医療に関する国民の関心が高いことは承知しておりまして、望ましい終末期医療のための環境整備を促進していくということは大変重要なことだと考えております。

 一方で、終末期医療のあり方やその法制化につきましては、それぞれの方の死生観にかかわる問題でございますので、国民の間でも判断が分かれる難しい問題であるというふうに認識しております。

 現在、厚生労働省では、終末期における患者の同意等を確認するための手続等の整理を含めまして、終末期における望ましい医療に関する研究を支援しているところでございますけれども、医療現場の実態も踏まえまして、回復の見込みのない末期状態の患者さんに対する治療行為の中止など対象分野を絞るなどいたしまして、関係者の理解が得られたものから早急に取り組んでいきたいと考えております。

 なお、検討に当たりましては、治療行為の中止を行う場合、医師個人の判断ではなく、医療機関としての組織的な対応を求めることや、本人、家族の意向の確認の仕方など、手続面の整理を中心に検討を進める予定としております。

福岡委員 早期の対応をお願いしたいと思います。

 最後に、こういった医療というものは、私は人と人との信頼関係が一番大事ではないかと思います。お医者さんと患者さんの信頼関係ももちろんでございますが、例えば制度を行う国とお医者さんたちの信頼関係、また国と患者さんたちの信頼関係、それぞれがやはりしっかりとした信頼関係に基づいた上で制度を構築していくということが大切だと思います。

 そういった観点では、今、少しそういった信頼が薄れつつあるといったこともあると思いますので、しっかりと今後とも対策をしていただくことを心から希望させていただきまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

岸田委員長 次に、上田勇君。

上田委員 おはようございます。公明党の上田勇でございます。

 きょうは、川崎大臣、参議院の本会議で途中退席ということでございますが、どうか遠慮なさらず、十分な移動時間を持った上で退席していただければと思いますので、よろしくお願いをいたします。

 きょうは、両法案につきまして、若干細かい点も含めまして、何点か御質問させていただきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いをいたします。

 まず最初に、今回の医療法の改正によりまして、有床診療所に対する四十八時間の入院期間制限の規定が廃止をされることになっております。この点は私も二年前の国会質疑で取り上げさせていただきまして、改善を要請したところでありますので、今般の対応については評価をいたしているところでございます。

 そこで、改めて大臣に、今回の改正の理由をお伺いしたいというふうに思います。

 また、有床診療所には、地域において質が高く専門性のある医療を提供している機関が多く、重要な役割を担っているものだというふうに承知をいたしております。また、特に病院の少ない地方では、地域医療の中心的な役割を担っているケースも多いというふうに承知をいたしております。

 そこで、有床診療所が今日果たしている役割、また今後期待される役割などにつきましても、大臣の認識をあわせてお伺いしたいというふうに思います。

川崎国務大臣 この件につきましては、平成十六年の三月の予算委員会で上田委員からも取り上げていただきました。

 有床診療所については、短時間の入院を前提とした施設として、これまで四十八時間の入院期間制限の努力義務が課されてまいりました。

 一方で、有床診療所については、身近な場所で医療サービスを提供できる利便性のある医療機関として、地域の医療を支える一定の役割を果たしてまいりました。その提供する医療はさまざまであり、入院期間も平均して、十四年でございますけれども、十六・六日となっております。四十八時間を超える入院を一律に制限する規定を今後とも維持する必要性は乏しくなっていると考えております。

 このため、今回の医療法改正案において、入院患者の病状の急変時に備えて診療所の医師が速やかに診療を行う体制の確保に努め、他の医療機関との緊密な連携を確保することを管理者に義務づける規定を設けました。したがって、四十八時間の入院期間制限の規定を廃止することといたしました。

 有床診療所については、地域医療を支える一定の役割を果たしてきたところであり、今後、さらにその特性を生かしつつ、往診の実施など在宅医療の推進における積極的な役割や、医療に関する情報提供や相談、他の医療機関への適切な紹介など、患者にとって身近なかかりつけ医としての役割等を発揮していただくことを強く期待いたしております。

上田委員 ありがとうございます。

 ぜひ、そういった特性が十分発揮をされて、地域医療にさらに貢献をしてもらえるような政策を引き続き行っていただきたいというふうに考えております。

 次に、今般の診療報酬の改定におきまして、患者から見てわかりやすい医療、それに向けての各種改定が行われました。これは基本的にいいことだというふうに思っております。

 ただ、先日、歯科医師の方々と若干こうした点について意見交換をした際に、新たに導入されました、医療費の内訳が詳細にわかるような領収書交付をすることとか、また治療計画あるいは指導管理の内容などを逐一文書で情報提供するといった今回の措置というのは、方向としては理解をするものの、事務量が大幅に増大をして、人員が限られている開業医などでは大変困惑をしている、治療や相談に充てる時間も逆に限られるなど、支障も出ているというような声を伺いました。また、患者さんたちからも、適切な情報提供というのは重要なんだけれども、実は、一つ一つ全部文書で手渡されても、逆に情報過多になっているのではないかという声も出ているというように伺ったところであります。

 事務に追われて治療や相談などがおろそかになるとするならば、せっかくの今回の改定の目的に沿わないことになりかねないわけでありまして、こうした現場の関係者の指摘について、どのようにお考えなのか。

 また、今月から始まったばかりの措置でありますので、当面、こういう形で実施をしていくことが必要なんだというふうには思いますが、ただ、今後は、その実施状況などにつきまして、関係者の意見もよく聞いていただいて、また調査も行っていただいて、患者への情報提供と医療機関の事務負担、こうしたバランスについて、必要がある場合には柔軟に見直しを行っていっていただきたいというふうに考えますけれども、お考えを伺いたいと思います。

水田政府参考人 今回の歯科診療報酬の改定におきまして、委員御指摘のとおり、患者への情報提供を推進するという観点から、病状、治療計画、それから指導内容等につきまして患者に説明を行う、それから、これを文書により患者に情報提供することを指導管理料の算定要件としたところでございます。

 私どもといたしましては、保険医療機関の事務負担にも考慮しながら、必要かつ適切な範囲でお願いすることとしたつもりでございますけれども、過剰となっているのではないかという御懸念がただいま示されたわけでございます。

 これにつきましては、今回の改定の結果の検証作業というものがついてございますので、この中で実態把握に努めるということが一点。それからまた、具体の運用に当たりましては、関係者との意見交換をするなどいたしまして円滑な実施に努めていきたい、このように考えております。

上田委員 十分な情報提供を行っていく、患者側から見てわかりやすい医療にしていく、これはもう重要なことで、進めていただかなければいけないんですが、逆に事務量が非常に過多になるために、かえってそうしたことが阻害されるということがないように、それは患者側の御意見も伺ってもらいたいですし、また医療提供者側の意見もこれから十分伺っていただいて、適切なバランスでできるようにぜひ今後努めていっていただきたい、このように御要請したいというふうに思います。

 もう一点。診療報酬改定の中で、小児食物アレルギー負荷検査が新設をされました。私も今公明党のアレルギー疾患対策のプロジェクトチームの座長を務めておりまして、これは関係者からの非常に強い要望でありましたので、今回こういうふうな措置がとられたことは大変評価するものであります。

 今回は、九歳未満の入院患者を対象に年二回に限られてそれを認められたわけでありますが、専門の医療関係者などに伺いますと、こうした検査というのは外来で行うことの方が妥当なケースというのも結構ある、また、通常はこうした食物アレルギーというのは数種類の食品にアレルギー反応を起こす、例えばエビと卵と牛乳とか。そうなると、年二回では、そういった抗原がたくさんあるわけでありますので、十分に対応できないというような御意見も伺っております。

 乳児の食物アレルギーの有病率が五から一〇%にも達するというふうに言われておりますので、これは厚生労働省でも対策の充実が必要なんだろう、これは間違いがないことでありますが、今後、外来での負荷試験も一定の条件のもとで対象に加えることや、また回数も、一つの抗原ごとに回数を決めるというようなことに拡充するなどの充実の方向について、御検討いただくお考えはないでしょうか。

水田政府参考人 まず、新たな医療技術、今回の場合ですとこういう検査でございますけれども、これを診療報酬に導入するに当たってのプロセスでございますけれども、これは科学的な根拠に基づく有効性等の評価が必要でございます。したがいまして、具体的には学会等から希望書というものをいただきまして、中医協のもとの専門家における組織において評価を行っているところでございます。

 今回の診療報酬改定におきまして、こういった科学的評価を経まして、従来、血液検査あるいは皮膚テスト、こういったものは保険で評価されていたわけでありますが、これらに加えまして、アレルギーの原因食物を直接投与する小児食物アレルギー負荷検査に係る評価を新設したところでございますけれども、先ほど申し上げました学会からの希望書等の中で、二点指摘がございました。

 一つは、検査によりまして数時間経過した後に重篤なアレルギー症状が出現する場合も想定され、その場合に対応できる医療設備が必要であること、これが一点でございます。もう一つが、標準的な年間実施回数は患者一人当たり一回から二回程度であること。こういった御指摘をいただいていることに基づきまして、今回は、入院患者に対して実施した場合に、年二回に限り算定できることとしたものでございます。

 新しく認めたということでもございますので、まずはその算定状況の把握に努めた上で今後どうするかということをまたさらに検討していきたい、このように考えております。

上田委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いしたいというふうに思います。

 それで、今度の医療制度改革につきまして、先日の参考人質疑で、医師会の方が、今後の医療費の将来予測について、医師会の試算では二〇二五年度の見通しが四十九兆円であると。これは、厚生労働省が示しています改革を行わない場合の医療費の将来予測六十五兆円と比べると、大幅に下回っているわけでございます。

 この医療費の将来予測の数値というのは、今行っております医療制度改革論議の前提となる非常に重要な条件だというふうに考えております。専門家であります医師会の推計値と行政側の推計値がこれほど乖離をしていると、その議論が成り立たないのではないのかなという感じであります。

 また、先日の参考人質疑の中で、これまでの厚生労働省による医療費の将来推計というのがいずれも結果としては相当過大であったということから、今回の推計値も結果的にそうなるのではないか、あるいはわざと大きくしているのではないかというような指摘もありました。実際にはこれほど大きくならないのではないかというようなことの主張でありましたけれども、こうした点につきまして、厚生労働省としてどのようにお考えなのか、見解を伺います。

水田政府参考人 ただいま委員御指摘のとおり、日本医師会におきましては、国民医療費の将来見通しとして二〇二五年度四十九兆円、私どもの自然体が六十五兆円ということに比べまして、小さい数字を示されているわけでございます。

 私どもの将来見通しそのものにつきましては、これまで何度も御説明させていただいておりますように、近年は制度改正が相次いでおりますので、それがなかった平成七年から十一年、この制度改正の影響を除いた伸びを用いたわけでございますけれども、日本医師会の推計におきましては、平成十四年度を除きます平成十三年から十七年度の実績を用いておりまして、健保の三割負担導入など、制度改正のあった時期における、制度改正の影響を含めた医療費の伸びをもとに算定しているわけでございます。

 これは、言ってみますと、近年実施したような、こういった三割負担のような制度改正が将来も同様に行われるということを前提として算出したと言うことができるわけでありまして、こういった近年のような大きな制度改正の影響を含めた医療費の伸びがそのまま将来も続く、こういう仮定を置いて見通しを作成するのはいかがなものかというふうに考えてございます。

 ただ、近年の医療費の伸び率、それ自体を見ますと、大きな制度改正のあった時期を除きますと、診療報酬改定による要因を除いた場合の医療費の伸び、これはおおむね三から四%で安定的に推移してございますので、私どもが平成七年から十一年度の実績を用いたことは、これ自体は適切であると考えてございます。

 それから、数字が大きく動いたじゃないかということでございます。確かに、かつては大変大きい伸び、将来見通しを出したわけでございますけれども、それはやはり過去の見通しの作成時点に比べまして、近年の物価、賃金が伸びていない、かつては非常にこれが伸びていたわけでございまして、そういったものが趨勢として医療費にも反映したものだと考えてございます。

 いずれにしましても、私ども、この医療費の将来見通し、これにつきましては、医療政策のあり方を議論する際の一つの材料として提示することでございまして、あくまでも目安としてお示ししているところでございます。今後、実績と照らしまして検証して、必要な措置を講じていきたい、このように考えてございます。

上田委員 今御答弁いただいて、これはあくまで将来の推計値なのでいろいろな前提があるということでありますけれども、御答弁の内容というのは、厚労省の方の推計というのが今後の考え方としておおむね妥当であって、医師会の方で行っている推計値というのは、いろいろな特殊要因や制度改正、そうしたことによる伸びの抑制みたいなものが盛り込まれていて、それはちょっと甘過ぎるのではないかというような御評価だったのではないかというふうに思います。

 ただ、これは、単に全く関係のない素人が行っている推計ではなくて、専門家の集団であります医師会がそういうような推計をしているわけであります。そうなると、行政と専門家の方々の間の見方にこんなに開きがあると、一体どっちが信頼性があるのかということが我々にとっても非常に疑問に感じるわけであります。

 そういう意味では、今いろいろと御説明をいただいたのですが、さらに答弁の中でも、今後、実績はまた検証していく、そしてそれに応じて見直しを行っていくということでございましたけれども、これは、これから例えば五年後に検証しましょうというようなことではなくて、やはりもっときめ細かく、どういうような動向にあるのか、そういったことを検証しながら、その都度、必要があれば、将来見通しについて機動的な見直しを行っていくというような方向で対応していくべきだというふうに考えますけれども、その辺はいかがでしょうか。

水田政府参考人 重ねての御説明になりますけれども、私どもの医療費の将来見通し、これは機械的に算出したものでございまして、当然ながら、今回も、昨年出しましたものと足元の医療費単価が動けば変わるということはございます。

 そういう意味で、私ども、その状況あるいは実績の変化に対応して、それに応じてまた将来を見通していくという作業はしていきたいと思っております。

上田委員 わかりました。将来の医療費の動向というのは、医療制度の設計自体にかかわる重要な条件の一つでありますし、また、医療制度のみにとどまらず、社会保障政策をどうするのかということ全体にかかわってくることであり、さらに、今の社会保障制度が国の予算の中に占める割合を考えれば、今行われています財政健全化の議論、この議論の前提としても非常に大きな条件になるわけでありますので、こうした点はぜひ細かく検証していただいて、その都度必要があれば見直しをしていただく、そういうような機動的な対応をぜひお願いしたいというふうに思います。

 最後にもう一点、今回の医療制度改革では、生活習慣病の患者、予備軍を二〇一五年度までに二五%減少させるなどの予防の強化によりまして、将来の医療費の増大を抑制するという考え方がとられております。この生活習慣病予防の計画といたしましては、一九九七年ですか、健康日本21が策定をされ、現在もその計画に基づいて施策が行われているというふうに承知をいたしております。

 この健康日本21では、二〇一〇年、それに向けて目標を達成するための施策が示されているわけでありますが、先般厚生労働省が行いました、この目標に対する達成度合いについての調査によります実績値を拝見いたしました。それを見る限り、このままでは目標達成は相当困難なのではないかなということを実感いたしました。そうなりますと、今回の医療制度改革の見通しが果たして達成可能なものなのか、妥当なものなのか、これも疑問に思わざるを得ないわけであります。

 これまでは十分にそうした効果が達成できなかった、だけれども、これからは達成できるようにするんだということでありますが、そのためには従来の施策をやはり抜本的に見直す必要があるんだろうというふうに考えております。しかも、健康日本21の今までの実績を見る限りにおいては、やはり早急に抜本的な対策を講じる必要があるというふうに考えておりますけれども、今日、具体的にどのようなことを考えられているのか、御説明いただきたいというふうに思います。

川崎国務大臣 一つは、お互いに認識をしっかりしておかなきゃならないんだろうと思います。

 我が国は長寿社会をつくり上げてきた、その大きな要因として、医療の進展と、それから日本型のやはり食生活というものが基盤にあった、私はこう思います。しかし一方で、こうしたものが、一つは車社会の進展、それから欧米型の食事というものがふえてきた、それによってかなり変わってきているのではなかろうか。

 その一番端的な例が沖縄県でございます。日本の中でも長寿社会の県と言われておりますけれども、沖縄県の男の方は、今全国で二十六位、そして、ある意味では、肥満度ということになると大変高い数値になってきてしまいました。これはやはりアメリカ型の食生活というものがある程度進展してきた結果であろう。

 そういう意味では、我が国は今、肥満度も含めて、諸外国に比べるとかなりいい数値にはなっているんだろう。しかし、今後、次の世代がどうなるのかということになると、かなり問題点はあるという認識でこの予防というものを進めていかなければならないという切り口と、より医療費を適正化するために、予防を進めておけばもっとよくなるんだ、この二つの側面があるんだろう。簡単に言えば、ほっておけば我が国のこうした医療の質は下がっていく、それをまず下げないようにする、いや上げていく、この目的を達しなければならないんだろう。そうしませんといけないんだろうと私自身は思っております。

 そういう意味で、生活習慣病対策として健康日本21を推進してきましたけれども、現実的な数字として肥満者の割合、それから、先ほど言った車社会の進展でございますから歩く歩数、これはもう圧倒的に減ってきてしまっているというのが実態で、策定時より実際悪化しているというのが現状だろうと思います。必ずしも十分な成果が上がっていない面がある、これもしっかりとした認識を持っていかなきゃならない。

 こうしたことを踏まえて、今回の医療制度改革において予防の重視を柱の一つに位置づけ、生活習慣病対策の強化を図る、こうした観点から進めさせていただきたい。

 そういう意味では、もう一度我々は、今日の長寿社会をどうやってつくり上げてきたんだという原点に戻りながら、一方で、生活は変化しておりますので、新たなる施策を加えながらやっていかなきゃならない、このように思っております。

 具体的には糖尿病等の有病者、予備軍の減少に向け、運動、食生活、喫煙面での生活習慣の改善に向けた国民の意識啓発に積極的に努める、医療保険者の役割を明確化し、効果的、効率的な健診、保健指導を義務づけるなど、本格的な生活習慣病予防の取り組みを、はっきり言えば、よっぽど進めていかなければ下がってしまうのではないかなという思いを私自身は持っております。

上田委員 ありがとうございます。

 今大臣からもお話があったんですけれども、この健康日本21ではいろいろな施策が盛り込まれているんですね。ところが、それに対する目標は、今は道半ばではありますけれども、到底このままではその目標としているものが達成できそうな様相ではないわけであります。

 そうすると、これまで厚生労働省の方としてとってきた施策、もちろんこれは何もやってなかったということではないんでしょうが、推進してきた施策に、こうした目標を立てながらなぜそちらの方に進まなかったのか。何らかの問題点があるのか。行政の機関の中でそういった国と地方との協力関係などの問題があったのか。そうしたことをやはり検証していただかないと、これは今までできなかったわけでありますので、これからできるようにしていくためには、今までの問題点なども検証していただかなければいけないというふうに考えております。

 この予防推進をしていく、このこと自体は私は大変すばらしい発想だというふうに思うんですが、問題は、目標だけ立てて具体的な施策を伴わなければ、結局今の、この健康日本21の現状と同じものがまた繰り返されてしまうのではないか、そのことを懸念するものであります。

 そこで、この件に関して、先日、糖尿病の専門医の方と意見交換をした際に、その先生からは、厚生労働省や地方自治体では、生活習慣病予防のための専門家による研究なども、これまでかなり質の高いものも実施をしてきている、そしてその中ですぐれた成果も多く出ていると。ただ、問題は、実際にそうした成果が政策に十分に反映されていないというようなことおっしゃっておりました。

 また、全国各地の自治体では、さまざまなそういう生活習慣病予防のための取り組みが行われておりまして、かなりの成果が上がっている事例も少なくないわけであります。しかし、そうした成功例が全国に普及をしない、あるいはそうした成功した政策について、全国に、そういったものが参考にされていないというような批判も伺ったわけであります。

 こうした非常にすぐれた研究成果あるいは先進的な地域での取り組み、そうしたものをもっと広く支援をしていただいて、そうした施策を普及していくことがこの予防の効果をさらに高めることになるのではないかというふうに思いますけれども、こうした背景に対しましてどのようにお考えか、御意見を伺いたいと思います。

中島政府参考人 ただいま御指摘をいただきましたように、生活習慣病予防の推進に当たっては、研究の成果でありますとか地域における先進的な取り組みを国の施策に反映させることは大変重要であると考えてございます。

 これまで国としてどのようなことをやってきたかと申しますと、食事摂取基準あるいは食事バランスガイドを作成するなど、最新の知見をできる限り速やかに国の施策に反映するよう努めてきたわけでございます。

 また、今回の医療制度改革におきましては、関係学会においてまとめられた科学的知見を踏まえまして、内臓脂肪症候群、いわゆるメタボリックシンドロームでございますが、これに着目をした健診、保健指導を医療保険者に義務づけることとしております。

 国としましては、効果的、効率的な健診、保健指導が全国で広く展開できるよう、これまでの科学的知見や地域における先進的な取り組み事例なども踏まえまして、標準的なプログラムを作成することとしております。

 このため、健診、保健指導の内容あるいは実施方法などにつきまして、第一線で成果を上げてこられた研究者や有識者にも御参加をいただきまして、検討会において御議論をいただいているところでございます。医療制度改革の円滑な施行に向けまして、精力的に検討を進めてまいりたいと考えております。

上田委員 時間になりましたので終わりますが、きょう取り上げさせていただきました幾つかの問題、今度の医療制度改革で、その内容、方向としては評価できる点もたくさんあるわけでありますけれども、では、具体的にそれをどうやって実施をしていくのか、達成していくのか、そうした点で、これまでの実績等も考えたときに、まだまだ疑問に思わざるを得ない点もあります。

 そういう意味では、ぜひ、これからの実施に当たって、よりしっかりと議論をしていただいて検討していただいて、実績の上がるような施策を実施していただくように要請をいたしまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

岸田委員長 午前十時二十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前九時五十六分休憩

     ――――◇―――――

    午前十時二十二分開議

岸田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。糸川正晃君。

糸川委員 国民新党の糸川正晃でございます。

 我が国は、国民皆保険制度のもと、世界に誇れる医療水準と世界一の平均寿命を実現してきたわけでございます。しかしながら、今後急速に高齢化が進展していく中で国民の安心の基盤である国民皆保険制度を堅持していくためには、医療制度のさらなる改革は避けて通れない課題であると考えております。最も大切なことは、人口構造の急激な変化の流れに対して医療制度を将来にわたって持続可能なものにする、そういうことが必要なことでございまして、この再構築をしていくこと、さらには患者の視点に立ち、患者本位の医療を実現することではないのかなというふうに考えます。

 そのような観点から、今回の法案では、安心・信頼の医療の確保、医療費適正化の総合的な推進、新たな医療保険制度体系の実現というこの三つの大きな柱が掲げられております。

 そこで、川崎大臣にお尋ねいたしますが、この医療連携の推進に関しまして、前回、地域連携パスについてお伺いをしたわけでございます。厚生労働省はこれまでも医療機能の分化、連携を推進すると言ってきたはずでございますが、その結果、どのような現状認識を持っていらっしゃるのか、また、現在どのような課題があるというふうに考えられ、それからまた、今回のこの改革で具体的にどのように対応をされるおつもりなのか、わかりやすく説明をしていただきたいと思います。

川崎国務大臣 限られた医療資源を有効に活用し、効率的で質の高い医療を実現するためには、今御指摘いただきましたように、各医療機関が適切に役割を分担し、医療機関同士が連携して、疾病の状況に応じた適切な医療を患者に提供していくことが求められ、これまで、地域の実情に応じた機能の分化、連携について都道府県の取り組みを促進してまいりました。

 具体的には、医療計画制度の導入、地域医療支援病院の位置づけ、診療情報提供の推進等の施策を推進してきており、医療機能の分化、連携について一定の成果は上げてきたものと考えております。

 しかし一方、患者の視点を重視し、患者のQOLの向上等を図っていく観点からは、まだ全国的に見て分化、連携の実態が必ずしも十分進んでいないと考えており、今回、医療計画制度を見直し、がん、小児救急医療、周産期医療など、事業ごとに地域における医療連携体制を構築し、急性期から回復期を経て自宅に帰れるまで、切れ目のない医療提供体制を実現していくことを具体的に医療計画に位置づけ、住民、患者に医療機関や連携の状況をわかりやすく示すこととしたところでございます。

糸川委員 ありがとうございました。

 僻地医療の確保につきましては、特に医師の確保が困難である、こういう事情がございます。火曜日の参考人質疑でも、自治医大出身の奥野先生からも御示唆のある御意見が伺えました。

 国民の安心を支える医療提供体制の実現に向けては、必要な医療をどこまで受けられるのか。僻地における医師の確保について、今回の改正でどのように進められるのか、お聞かせいただけますでしょうか。

赤松副大臣 糸川委員今御指摘の点は、先般の参考人の皆さんのお話にも出た、あるいはまた先週あるいは先々週の当委員会でも、委員の中から僻地における医師の確保についての強い御要請があったことを十分に認識をいたしております。

 もう、今回の改正以前、昨年の八月の段階で医師確保総合対策を取りまとめておりまして、各般の取り組みを進めておりますけれども、改めて今回の法改正によりまして、所要の措置を講ずることといたしております。

 具体的には、僻地医療、救急医療等の従事者の確保を推進するために、各都道府県が中心になって大学病院など地域の医療関係者と話し合いを行って、一つは各病院に医師を派遣する仕組み、もう一つは、医学部の卒業生の皆さんが地元に残るようにする方策、奨学金等を通じてですけれども、そういったものを検討して実施をしていく枠組み、医療対策協議会を制度化することにいたしております。

 また、医療計画制度を見直して、僻地医療など必要性の高い医療について重点的に医療計画に位置づけるとともに、地域において連携体制を構築して、その状況を医療計画に明示するなどの措置を講じているところでございます。

 厚生労働省としましては、平成十八年度より、都道府県が第十次僻地保健医療計画を定めて僻地などの地域における医師の確保について実効性のある対策を行えるよう、所要の支援を行う等により、引き続き、僻地における医師確保対策を実りあるものとして、実効のあるものとして推進をしてまいりたい、そんなふうに考えております。

糸川委員 それでは、今、この僻地の問題の中で、離島の医療というものは、アクセスの面などで特別な課題があるんじゃないのかなというふうに考えますが、より具体的に対策をお聞かせいただけませんでしょうか。

松谷政府参考人 離島の医療につきましては、一般の僻地医療とはさらに異なる特別な面があるということ、御指摘のとおりでございます。その特性に応じた対応が必要であると考えております。

 島内でどうしても対応できないような緊急の医療需要が生じた場合には、例えば自衛隊の航空機による搬送が行われるなど、県によりましてさまざまな対応がなされているところでございますが、そのような実情を考えますと、離島を抱える都道府県におきまして、消防防災ヘリの効果的、効率的な活用、あるいは必要によりましてドクターヘリの導入などによりまして、迅速に救命医療を行うということが離島医療に有用な側面もあるというふうに考えております。

 また、慢性の患者さんなども含めまして、専門医の確保が困難な離島では、ITの技術を活用した遠隔医療によりまして、専門医の診断に基づく治療を行うということなども有用な方法でございまして、厚生労働省としては、今後とも、都道府県が離島医療の充実について実情に応じた実効性のある対策を行えるよう、必要な支援策を行ってまいりたいと考えている次第でございます。

糸川委員 医療というものは、どこでも同じようなサービスが受けられるというふうにすることが必要なわけで、地域によってリスクが高いとか、そういうことのないようにしていただきたい。またこれは後日質問させていただければなというふうに思います。

 火曜日の参考人質疑の際、産婦人科について、現在勤務医が置かれている非常に厳しい状況が考えられる、その集約化が欠かせない、こういう御意見をお伺いしました。厚生労働省も産科や小児科について集約化の方向性を打ち出している、このように理解しておるわけでございます。

 集約化を実現していくために、関係者は具体的にどのような取り組みをされていくのか、これはたくさん問題があると思うんですが、この問題点も踏まえてお聞かせいただければと思います。

松谷政府参考人 不足感が深刻な御指摘の産科医あるいは小児科医につきましては、地域における広く薄い配置が、個々の医師の労働条件の観点からも、あるいは医療安全の観点からも好ましいものではないため、早急に医療機能の集約化、重点化を実施するための検討を行い、具体的な対策を取りまとめることといたしているところでございます。

 それに当たりましては、一つには、都道府県が中心となりまして、地域の大学病院や小児科、産科を中心とした医療関係者にも協力を求めて、協議会で具体的対策を検討するとともに、地域における連携体制を構築し、関係の市町村とともに、住民にも集約化の意義の理解を求めるなど、関係者が一体となって取り組むことが重要であるというふうに考えております。

 集約化によりましてアクセスが若干犠牲になるわけでございますし、あるいは、行かなければならないところとまとめられたところとのバランス、そこら辺についてもこの中で考えていく必要があると考えております。

 厚生労働省といたしましては、本年三月末には、改めて都道府県からその検討状況等を報告していただきまして、進捗の現状を把握することといたしておりますが、こうした把握等を通じまして、モデル的な検討事例を紹介することや、全国的に見て医師数が少なく医師確保に困難があると考えられる都道府県を中心に、都道府県とともに要因分析を行うなどして、具体的対応策としてどのようなものが考えられるか、さらに検討して実効ある支援策を講じてまいりたいと考えております。

糸川委員 集約化は患者の心理的な問題もあるというふうに、この間の参考人の方もおっしゃられていました。医師だけの問題ではなくて患者のサイドに立ってしっかりと考えていただかないと日本の医療制度が崩れてしまうのかなと思いますので、ぜひ、これに関しましては慎重にお考えいただきたいと思います。

 医療へのアクセスということを考えると、自分の住んでいる地域にどんな病院があって、どんな医療を行っているのか、どういう特色がある医療機関なのか、こういう基本的な情報が必要になってくる。集約をされてくると、どの先生がどこに行ったのかなど、いろいろな情報が広く住民に提供されることが重要になってくる。これは、水曜日の参考人質疑でしょうか、渡辺参考人もおっしゃられていたことだと思います。

 厚生労働省はこのことについてどのような取り組みをされるのか、お聞かせいただけますでしょうか。

松谷政府参考人 住民が、地域の医療機関に関する基本的な情報、あるいは、自分の疾患に関する地域の医療提供体制の状況に関する情報を十分に受けられる環境を整備していくということは、大変大事なことでございます。

 このため、今回の医療制度改革におきまして、治療方法など医療機関に関する一定の情報につきまして、医療機関から都道府県への報告を義務づけ、都道府県がインターネットなどを通じて広く住民に情報を提供する制度を創設するとともに、医療安全支援センターを制度化するなど、都道府県や医療機関における相談機能の充実もあわせて図りたいと考えております。

 また、医療計画制度を見直しまして、がん対策、小児救急医療対策、周産期医療対策といった主要な事業ごとの医療機関間の連携の状況につきましても、各医療機関の所在地と医療機能がわかるように医療計画に明示をして情報提供ができるような仕組みといたしてございまして、これらの政策に取り組むことといたしてございます。これらによりまして、都道府県による地域住民への医療に関する情報提供を一層推進していきたいと考えております。

糸川委員 ありがとうございます。

 もう一つ、医師と患者の関係でいいますと、この間、渡辺参考人が、医療情報の第二番目として、医師と患者との間の情報というものを上げられていたというふうに思います。

 いざ入院となったときに、自分の症状がどういうものなのか、今後どのような治療が行われ、退院までの見込みはどういうふうになっていくのか、そういったことは最低限知りたい情報であるというふうに考えています。

 このような患者への情報提供の充実について、お考えをお聞かせいただけますでしょうか。

松谷政府参考人 患者さんが、例えば入院などをしたときに、提供される医療について医師等の医療従事者から適切な説明を受けた上で、これを理解して医療を受けるということは大変重要なことでございまして、これまでも、医療法にインフォームド・コンセントの理念に関する規定の創設を既にいたしておる、あるいは、診療情報の提供に関する指針というものを示しその趣旨の徹底をするなど、医療の提供に当たって、患者さんへの適切な情報提供を推進してきたところでございます。

 今回の改正におきましても、インフォームド・コンセントの理念の具体化の一環といたしまして、患者さんの入院時に、診療を担当する医師等によりまして、主治医の氏名、主要な症状、入院中の治療に関する計画などを記載した文書の作成及び患者さんまたはその家族に対する文書の交付及び適切な説明が行われるようにすることを病院、診療所の管理者の義務として新たに規定したところでございます。

 また、病院や診療所の開設者または管理者に対しまして、提供する医療に関する患者さんまたはその家族からの相談に適切に応ずる責務を新たに規定したところでございまして、今後とも、医療の提供に当たりまして、患者さんへの情報提供というものの重要性にかんがみて、その推進を図っていきたいと考えております。

糸川委員 先日、私が医師会の方に今回の改正案をすぐに成立させるべきかという質問をいたしましたら、即答ができない、そういうこともございました。ただ、改正が必要だということは認識をしておりますし、本当に慎重な審議の中で、慎重なところを少し考えていただければなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

 ありがとうございました。

岸田委員長 次に、岡本充功君。

岡本(充)委員 民主党の岡本でございます。きょうは民主党議員が総勢四人立つわけですけれども、その四人で、きょうは、がんのことについて特に重点を置いて御質問をさせていただきたい、そういうふうに思っております。

 まずは先頭を切って、私、岡本がやらせていただくわけですけれども、がんのことをやらせていただきたいと言っておいて、冒頭、違う話をして恐縮でございますが、先般来お願いをしておりましたアメリカ産牛肉のBSEの報告書、きのういただきました。

 お約束どおりいただいたと。やっとという思いはありますけれども、出てきたのはいいんですが、きょう、よほど皆さんにお配りをしようと思ったけれども、資源の無駄なんですね。これはもう真っ黒、黒塗りばかり。これで本当に査察ができていたのかどうかということについては、検証のしようがない。議会の役目としては、私は、査察がきちっと行われていたのかどうか、行政側の活動を見ていくことも議会の大きな仕事である中で、これだけ黒塗りで、もう出すのも、インクの無駄だと思われるような資料だったから、あえてきょうは皆さんにお配りをしませんでした。ぜひ、私、幾つか質問点出しておりますけれども、この部分について公開をしていく取り組みをするべきだというふうに考えております。

 まずは米国から報告が来た。そして、それに対して日本は議会で報告をしたら、こんな真っ黒ではとてもじゃないけれどもチェック機能が果たせないと言われた。したがって、さらに公開部分を求めていく、そういう交渉をしていくべきだと考えております。しかも、期限を区切ってやらなければ、同じようにまた三カ月かかるという話になると、日米の牛肉の再びの輸入再開が、これはまたもっと遠のくことになります。

 そういう意味でも、いつまでにどういうふうな方法でこの報告書の未公開の部分を公開していくのか、そういった方針について、期日を含めて答弁を求めます。

川崎国務大臣 基本的には、委員と多少考え方の違いがあるようでございます。

 私どもは、昨年十二月に農林水産省と共同で実施した対日輸出認定施設等の査察及び調査の結果報告書については、日本側の査察作業が適正に実施されていることについて、国民への説明責任を果たす観点から、昨日、農林水産省と連名で開示をさせていただきました。その結果も委員に御報告をさせていただいた。国民への開示でございます。

 結果報告書の開示に当たっては、施設における具体的な作業工程や取引先など企業の営業情報、米国政府との協議内容等、多く含んでいることから、非開示部分についてあらかじめ米国側に対して確認を行い、米国側の要請により非開示された情報を除いたすべての情報について、日本側として開示をさせていただいた。

 このような経緯を踏まえますと、さらなる情報の開示は基本的には難しいと考えておりますが、一方で、開示の可能性があると思われる二、三点については、米国側に対して再確認を依頼したところでございます。

 非開示部分で私どもが基本的に考えておりますのは、まず、企業の営業情報、従業員数や処理頭数等の基礎データ、処理手順、衛生管理など作業工程、いわゆるノンコンプライアンスレコードの交付歴及び先方企業関係者の氏名、肩書等、こういうものについては基本的には難しいと私どもも判断いたしております。

 一方で、営業情報や米国との協議内容に該当しない可能性がある、各施設のFSIS、食品安全検査局の検査官の人数、日本人向け品質評価システム、QSAプログラムの概要や処理工程など、営業情報のうち、一般的に行われると考える事項等について開示の可能性があると考えておりますので、重ねて検討を依頼したところでございます。

岡本(充)委員 その御報告をいつまでにもらえるように、その目安をお願いするというふうにきのうは伺ったんですが、その期日については、大臣はある程度お考えの部分もあるのでしょうか。米国任せでしょうか。

川崎国務大臣 アメリカ側から回答が返ってきて、今申し上げたように、基本的にはアメリカ側の考え方を聞いた上で開示をいたしました。昨日、開示をした、私ども、国民に開示したという基本的スタンスに立っております。

 一方で、私どもの目から見ても、もう少し開示していいのではないかというものについては、きのうアメリカに打ち返しをいたしたところでございますので、きょう、きのうの夜から始めたことを、急に、いついつまでに出せというのは、現時点では私からは申し上げられない、もう少し詰めないと日程的なものは申し上げられないだろうと思っております。

岡本(充)委員 また三カ月待つというようなことにはならないようにしてもらわなきゃいけないわけでありまして、常識的に考えても、アメリカ側の対応が遅かったからといって公表が三カ月もおくれるということ自体が信じられない話でありまして、同じことを繰り返すべきではない。これはまた場を改めて、きょうは違いますから、きっちり詰めさせていただきたいというふうに思っております。

 まずは、BSEの話はそこまでにしておきまして、きょうの本題であるがんの話に移ろうと思います。

 御案内のとおり、民主党はがん対策基本法案を今通常国会に提出をさせていただいておりますが、残念ながら本委員会でまだ審議されるに至っておりません。私どもといたしましては、さまざまな疾患がある中で、多くの患者様がこのがんと向かい合って、そして、日々、苦戦を強いられながらも、希望を持ちながら絶望することなく頑張ってみえるこの状況に何とか報いてあげたい、そして、それに報いるためには国としてももっと力を入れて取り組みをしていくべきだ。そういう思いの中で、これまで行われてきた対がん十カ年総合戦略、これについても後ほど触れさせていただきますけれども、これを超えて基本法を制定するべきだという観点で、今、与党側にも審議入りのお願いを重ねてしているところであります。

 その概要等は、まだ審議をしておりませんから、皆様にお知らせをしておりませんけれども、今回の民主党が考えているがん対策の中身を少し披瀝させていただいて、それと対比する形で、政府の対がん十カ年総合戦略について質問をしていきたいと思っております。

 まず、私たちは、お手元の資料を見てください、「民主党は「がん」と闘う」という資料を用意しました。一枚紙の紙であります。日本のがん医療は、地域格差、情報不足、専門医の不足など問題が山積しています。政府も、がん医療水準均てん化や終末期医療の充実などの目標は掲げてはいるが、予算措置は乏しく、かけ声のみの印象がぬぐえない。

 こういった中で、今回、民主党として、一つ目の柱として、がん情報のネットワーク化を構築していこう。がんの情報のネットワークをつくって、全国どこでも情報を受け取れる、医療機関、専門医についての情報、治療法についてもその情報が集約化され、そして、それが提供される環境をつくっていこう。これが一つの柱です。

 二つ目が、全国どこでも標準治療が受けられる体制を整備しなきゃいけない。まずは、標準治療というのが一体何なのか、これすら、今、政府としてきっちり定められているものはないわけでありまして、特に終末期になると難しいところはあるかもしれないけれども、例えば大腸がんだ、例えば白血病だ、治療方法は、それは学会単位では標準治療法を定めている学会はあるけれども、残念ながら、これがどういうふうに公的に評価をされるかということについては、まだその道筋も立っていない。そういった中で、この標準治療をまず確立して、標準治療を受けられるようにしていかなきゃいけない。二次医療圏のがん拠点病院の充実も含めて体制の整備が重要なんだということを私たちは訴えています。

 三つ目が、専門的な人材の育成と資格制度の推進です。中核拠点病院の教育機能の重視、がん治療の専門医、腫瘍内科専門医などを育成していかなきゃいけない。また、看護師さんや薬剤師さんにもがんに対するきちっとした専門認定のスキームをつくっていかなきゃいけない。こういうふうに訴えています。

 また、今回の法案の中では納得が一つのキーワードなんですが、がん患者が納得して医療を受けられる、相談体制、緩和医療、さらには精神的なケアを含めた患者さんの心の部分でのケア、こういった部分にも国は対策をとらなきゃいけないんじゃないか、こういうふうに訴えています。

 そして、五番目が、がん治療研究の推進とその成果の普及です。

 国も対がん十カ年総合戦略などということで、今般、第三次の対がん十カ年総合戦略をつくっておりますが、この中で、がん研究の推進、例えば抗がん剤等の治験とがん治療法の臨床研究の推進、平成十八年度予算は一千百万円です。一千百万円で一体どれだけの治療研究ができるのか、一千百万円でどれだけの新しい薬がこの世に日の目を受けることができるのか、こういうことを考えたときに、極めて脆弱だと言わざるを得ない。

 六番目は、がんの早期発見と予防の推進、検診精度の向上と書かせていただいております。

 これも対がん十カ年総合戦略の中ではうたわれている部分があります。これについても後で聞こうと思っておりますが、今回、今後の対応では、難治がんの早期発見法の開発、がん予防の推進、こういうふうに書いてありますけれども、難治がんを見つけることが根治につながるわけではありません。根治できる、治療可能ながんを早く見つけて、それを治療することが重要なのであって、申しわけないけれども、難治がんで早く見つかっても、最終的には亡くなるということは、これは今の医学の力上、どうしようもないところがある。早期に見つけて、助けられる人を助けようじゃないか、こういうふうな方針でなければならないと思うわけでありますけれども、この部分についても、私は政府と民主党案の大きな違いだというふうに思っております。

 今ざっと披瀝をさせていただきましたこの民主党のがん対策について、大臣、まず御意見があればお伺いをしたいと思います。

川崎国務大臣 全体を私、精査したわけではありませんので、個々のことについては触れませんけれども、がん対策を全体的に進めていこうというのは与党の中にも合意がございますし、また民主党もこうした法案を提出された。私ども、基本的に今進めておりますのは、行動として、先日もお話し申し上げたように、がんセンターを中心としながら一つの高き山にしなければならない。

 そういう意味では、ここに書いてありませんことを申し上げれば、がんセンターというものをどうとらえるか。医療全体の機能を上げるときに、できるだけ高度な病院を一つつくり上げていく、そこへ情報を収集しながら、またその集まってきた情報を各地域の拠点病院に流しながら全体の体制を構築していくことが大事だろう。また、そこで現実にさまざまな医療に当たる技術者、医療関係の方々も含めて、しっかり養成をしていくことが大事だという中で、先日、独法化という形で進めていこうという一つの決断をさせていただきました。そうしたものを一つの頂点にしながら、まあ、書いてあることは基本的にはそう違わないわけでありますけれども、方向性を定めながらやっていかなければならないなと。

 一方で、予算全体について、細かい御指摘も少しございましたけれども、私どもとしては、かなり研究費も、がん対策については各研究機関に対して出させていただけるような状況になってきたのではなかろうか。これは必ずしも私どもだけの予算ではなくて、文科省も含めて予算の配分をさせていただいておる、そんな感じを今受けさせていただきました。

岡本(充)委員 大臣、私、がんの今の高度機能病院もしくはがん情報の均てん化、これについては冒頭お話をしたとおりです。

 一番のところを見てください。がん情報のネットワークの構築と、相談体制の確立という中に、がん情報ネットワークを構築し、全国どこでも情報をひとしく受け取れるようにしなきゃいけない、それから二番のところに、二次医療圏でがん拠点病院の充実を含め、体制を整備する、こういう話を先ほどさせていただいたはずでありまして、私たちががんの高度な研究もしくはその情報の均てん化をこの法案の中で欠損している、欠落しているというわけではないわけでありまして、書いてないことを言いますとと言われましたが、書いてありますので、それはしっかりお読みをいただきたいと思います。

 そういった中で、冒頭お話をしました民主党案と、そしてまた政府の第三次対がん十カ年総合戦略、今、これを少し対比させていただきました。そして、さらにこの対がん十カ年戦略の中身の話を少しお伺いしていきたいと思っています。

 まず、そもそもですが、これは、第三次というからには、第一次、第二次がありました。昭和五十九年から始まった対がん十カ年総合戦略、どういう反省に立って、どういう総括をして次にそれをつなげていこうと考えたのか。

 対がん十カ年総合戦略、一点一点上げていけば切りがないけれども、例えば一つ、新しい早期診断技術の開発に関する研究、これは、対がん十カ年総合戦略、昭和五十九年から平成五年で取り組まれたんでしょう、これに取り組まれて、その結果としてどういうふうな早期診断ができてきたか。例えば、ヘリカルCTという方法がいいのではないか、早期診断につながるのではないかと考えられたんだと思う。そして、次の平成六年から平成十五年のところでも、同じく、新しい診断技術の開発に関する研究というものが載せられています。

 これでも、新しい診断技術が例えばできてきたとする。では、このヘリカルCTの普及が今、どのぐらい進んで、検診にどれだけ導入されているのか、こういったところについて政府は把握をしているんでしょうか。まずそれについてお答えをいただきたいと思います。

中島政府参考人 ヘリカルCTの普及の問題でございますけれども、現在、ヘリカルCT、これは、らせん状にCTを撮っていく、詳細な画像を撮るものでございますけれども、国内の医療機関におきましてかなり広く導入をされるところとなってきております。日常の診療に活用されているという状況でございます。

 一方、ヘリカルCTを用いました肺がんの検診ということになりますと、これは、いまだいろいろ議論がございまして、より早期の段階でがんを発見することが可能であるということは事実かと思いますけれども、現時点で、その結果、肺がん死亡が減少するか否かというような点については、まだ必ずしも十分な立証ができていないというところがございます。それからまた、このヘリカルCTによる放射線被曝の問題もあるというようなことでございまして、今後、データの蓄積を待ってその評価をしていきたいというふうに考えてございます。

岡本(充)委員 二点言われたので、私もそれに対してきちっと反論させていただこうと思う。

 ステージ1で肺がんが見つかった場合の治癒率、それからステージ3で見つかった場合の治癒率、それぞれ局長は御存じですか。お答えいただけますか。

中島政府参考人 今、たまたま手元にがんの統計二〇〇五年版というのがございますので、これに基づきましてお話をさせていただきたいと思います。

 国立がんセンターのデータによりますと、ステージ1の肺がんにつきましては、五年生存率が、ちょっとここで見てざっとでございますけれども、七〇%程度、もうちょっと高いですか、八〇%程度というようなデータが出ております。それから、ステージ2でございますか。(岡本(充)委員「3」と呼ぶ)3ですか。ステージ3につきましては、3のAと3のBがございますけれども、おおむねでございますが三〇%、五年生存率で三〇%というようなデータが出ております。

岡本(充)委員 委員の皆さんも聞かれておわかりだと思いますが、ステージ1は確かに七〇%を超えている、それからステージ3は、AとBがあるけれども、五年生存率は三割だけれども、最終的には亡くなられる方の方がさらにこれよりふえます、一割前後に落ちるという評価が定まってきているわけであります。そういった中で、早期発見をすれば八割助かる、見つけられなければ一割しか助からない、こういう話になってきたときに、この有用性がどうなのかというのは論をまたないわけであります。

 もう一つ、放射線被曝の話をされました。例えば、局長、出張でニューヨークに行くことがあるでしょう。北極圏を飛ぶ飛行機、時期にもよるけれども、この北極圏を飛ぶ飛行機の中で被曝をする被曝量、そしてまた一回のヘリカルCTで被曝をする被曝量、どちらがどう多いか、そういうことについて、中島局長は当然、医官でもありますし、御存じなんですよね。

中島政府参考人 これにつきましては、私の持っておりますデータは東京―ニューヨークを操縦するパイロットの被曝量でございますけれども、〇・一九ミリシーベルトというようなことになっておりまして、それに対しましてCTでは、これはヘリカルCTのどういうタイプかというようなことにもよりますけれども、CT全般に言いますと、一回六・九ミリシーベルトというようなことでして、相当に多い被曝になるというようなことでございます。

岡本(充)委員 いや、パイロットは一回だけじゃないですからね、往復するのは。考えてみれば、年に一回CTを撮る被曝量とパイロットが乗っている被曝量と、年間にトータルしたら、委員の皆さんも考えてみればわかるはずです。今の〇・二というのは通常期です。それが太陽の状況によっては被曝量はもっと上がる、御存じのとおり宇宙線がふえるから。そして年に何回も飛ぶ。パイロットが、そういう意味で被曝の量が多いから、それは被曝の量が多いと言われていますけれども、これが長期に続けられない仕事ではありません。同様に、ヘリカルCTはもっと被曝量を少なくしてCTを撮ろうという話ですから、単純に考えれば、今の被曝量という話もこれで否定されるじゃないですか。そういうふうに考えて、ヘリカルCTを導入していくべきだという話を今から少ししたいと思います。

 きょうお配りをしている胸部のレントゲンを皆さんごらんください。これは、まず一枚目、ぱっと見たところ何も異常がないのかな、こういうふうに思いきや、この同じ方をヘリカルCT撮ると、二枚目をごらんください、これはヘリカルCTの中でも、十ミリスライスですから、一センチごとに切っていますので余り細かなCTではなくても、これでも矢印の先に肺がんがあることがわかります。これで、この方はヘリカルCTによって、肺がんであり、これはステージ1であるからこの方は助かる、こういう話になる。ところが、胸部レントゲンの検診だけだったら、これはこのまま放置されていて、一年後に、ステージ3になりました、ああ済みません、残念でしたね、こういう話になりかねない。

 三枚目見てください。もっと顕著なのは、これも同じく左が、同じ人の胸部レントゲン単純写真ですが、この方、十ミリのヘリカルCT、そして次が二ミリですから、もう少し精密なヘリカルCTになりますが、CTで見ると、右のちょうど背中の部分、この部分に、矢印のところに肺がんがあります。

 何で胸部レントゲンで写らないかというと、これは横隔膜がドーム状になっていまして、横隔膜が背中の方ではへこんでいるから、この裏側についていたら横隔膜の陰で見えない、肝臓の陰で見えないということで、これは胸部レントゲンで見つけ切れなかった。この方もヘリカルCTを撮ったから手術ができた。こういう話であります。

 そういうふうに考えると、この方も一年ほっておくと、これだけの腫瘍がありましたから、一年後には恐らくはもっと進行した肺がんで見つかって、この方も、ああ残念でしたね、こういう話になる。こういうことを防ぐためにも、今のお話をしたヘリカルCTを進めていくべきじゃないかと考えているんですが、例えば、政府の第三次対がん十カ年戦略、今までの対がん戦略ではヘリカルCTの肺がんの早期発見と書いておきながら、今はそれがすりかわって、膵がん、スキルス胃がんなど難治性のがんの早期診断、こちらにどうやらスイッチしているように書いてあるけれども、難治性のがんを見つけても、申しわけない、くどいようだけれども、早く見つけてもその帰結は一緒、同じ。

 だとすれば、治るがんをより早く見つけることの方が重要であって、今までの話を総合すると、第三次対がん十カ年戦略だって、本来はヘリカルCTをもっと導入していく、検診に入れていく、こういうものも入れていかなきゃいけないのに、それが抜け落ちている。ましてや、政府はどれだけ検診で使われているかも把握をしていない。これでは、本当にこれまでの対がん十カ年戦略を踏まえて第三次をつくったのか、こういう疑問が生じてもしようがないと思う。これについて御答弁いただけますか。

中島政府参考人 第三次の対がん十カ年につきましては、当然、第一次、二次の成果を踏まえまして、今後取り組むべき課題ということで整理をして取り組んでいるという状況でございます。

 それから、先ほどのヘリカルCTにつきましては、決して導入をしないことを決めたということではなくて、先ほども申し上げましたように、その評価を今専門家にもお願いをしている最中であるということでして、検診に使うということにつきましてはいろいろな面からの評価が必要だということで、その検討をしているという状況でございます。

岡本(充)委員 ということは、これからヘリカルCTの導入を推進するかどうかもこれから考えなきゃいけないというお考えなんですか。私は、今、もうここまでお話をしたとおりで、その効果、それを論を待っていて、いつまでも導入をしない、ましてや、これまでの対がん十カ年計画ではヘリカルCTによる肺がんの早期発見と書いていたのが、今これはないわけでしょう。それを盛り込んで、もっとヘリカルCTを導入していきますという話をするべきじゃないですか。

中島政府参考人 一次、二次の対がん十カ年で、ヘリカルCTについてはその開発を進めてきたということで、それを踏まえてどのように進めていくかというのは、今現在の我々の課題であるというふうに思っています。

 また、このCTの手法については、さらに日々技術が日進月歩ですので、放射線被曝量の減少とか、さらに詳細な画像とか、いろいろな面で、どの時点でどういう技術を検診に導入するのがいいのかということについては、やはり専門家の意見を十分に聞いていきたいというふうに考えております。

岡本(充)委員 では、これまで専門家の意見も定まらないものを推進してきたんですか。そういうわけじゃないでしょう。これが被曝量も少なくて有用な検診となり得ることが、もうほぼ明らかになってきているじゃないですか。私は、政府としてきっちり把握をして、これは推進していっていただきたい。

 大臣からも、今までの私の話を聞いていただいて、専門家の話云々と言うけれども、では、これまでの対がん十カ年戦略の中でその話はしてこなかったのかという話になりますよ。評価も定まらないものを推進してきたのかという話になっちゃいますよ。これは評価がある程度確立している、海外でも使用されている、こういう話の中で推進してきたはずなんだから、これをさらに推進するというのは、当然これまでを踏まえた第三次のあるべき姿だと私は思いますよ。そういう意味で、大臣、御決意をいただけませんか。

川崎国務大臣 まず、基本的な認識として、国内導入台数二千六百十六台になっていることは事実ですね。したがって、日常の診療にかなりの面で使われている、医療機器としても当然承認されて使われているということであります。

 一方で、これをもっとどんどん進めるんだということについて今局長からお話しさせていただきましたけれども、我々政治家がそういうものを本当に決断すべきかと。岡本さんはまさに医学者でございますから自信を持って話されておるでしょうけれども、私は医療の技術者でもございません。したがって、専門家の意見を聞いて最終判断をしていかなければならないだろう。こういう御提案をいただいて、改めて私の方から専門家の意見を聞いてみたい、こう思います。

岡本(充)委員 大臣、その台数は診療に使われているという話であって、検診とはまた別の話ですから、ぜひ、そこの点、私は検診での早期発見に活用していくべきだ。費用の面は確かにかかるのは私も難点だとは思いますが、ぜひもう一度お考えをいただきたい。

 それから、二点目、対がん十カ年。私は、先ほどからお話ししているように、成果を踏まえて第三次をつくったと御説明をされますけれども、どういう成果を踏まえたのか。例えば、一番最初の昭和五十九年から平成五年の対がん十カ年戦略の中で、若手研究者の育成、活用を図るための制度、そして第二回の平成六年から平成十五年のがん克服十カ年戦略で、若手研究者の育成、活用、そして、こういうような目標をもとに組まれたこの第三次対がん十カ年戦略の中で、では、これが一体どういうふうに実際若手研究者が育成され、そして実際にどういうような総括をされているのか。

 ちょっと私が疑問に感じるのは、例えば、今、日本の大学の医学部の大学院、特に臨床系、基礎系、どちらかというと基礎ですから基礎の人も含めてですけれども、こういう大学院を卒業した人は、ほとんどの方、臨床に戻る方は別として、研究を継続する場合、自分の大学に残る方はみえますが、海外に行く人はいるけれども、国内に留学するという方は少ない。本当に、若手の研究者を育てる国立がんセンターだと今大臣言われました、冒頭。国立がんセンターで、では、何人受け入れているのか。それも短期間じゃないですよ、きちっと受け入れているのか。

 また、もう一つ、質問としては、外国人研究者の受け入れというのも対がん十カ年総合戦略で言っていた。では、外国人の研究者がどれだけ日本で定着して研究しているんですか。それがどういうふうな研究結果を生んだんですか。こういうことだって、お題目としては掲げているけれども、実際にそれは推進されてきていない、日本のがん研究が進んでいないということを私は強く感じるわけなんですが、これについての総括、そして、これを踏まえた第三次へのこの進展がどのようになっているのか、お答えをいただきたいと思います。

川崎国務大臣 私が、がんセンターと言ったものですから、がんセンターの分だけお答え申し上げます。

 今、レジデントと専門修練医というんでしょうか、まず三年間で百三十五人の受け入れをいたしております。それに対する予算は五億二千七百万、平成十八年度。それから、専門修練医については、六十五人、二億五千五百万で養成をいたしているところでございます。

岡本(充)委員 日本全国で百三十五人と六十五人ですか。そんな数字、それはがんセンターだけだと言われますけれども、そのほかのところはほとんど進んでいないはずですよ。ほかのところの数字も同様に把握をされているんですか。お知らせいただけますか。

岸田委員長 厚労省、どうでしょう、数字把握されていますか。(岡本(充)委員「質問通告しているはずですよ」と呼ぶ)

中島政府参考人 そういった形での質問を私どもは認識しておりませんでしたので、現時点ではがんセンター以外の数字についてはお答えできません。

岡本(充)委員 これが国を挙げてやっている対がん十カ年総合戦略の現状ですよ、委員の皆さん、これが現状。大体、百三十五人で五億の予算だって、年間の給与が一人幾らなんですか、四百万ですか。医学部を卒業して、レジデントだという名前で、まあそんなものですよ、実際の給与、三十万あるやなしやのお金でやっているという話を私も仲間から聞いている。それは、あなた、修練をしてください、頑張ってください、東京の築地のあんな一等地で、三十万の給与で家を借りられるんですか。それは、宿舎をちょっと貸す、そういうような配慮を若干しているところもあるようですけれども、みんな苦労していますよ。

 この医療制度改革全般に言えることなんですけれども、医者の我慢で、医者の努力で、そして医者の善意でこの医療制度を何とか取り繕っていこうというのが見え見えじゃないですか。対がん十カ年戦略のきちっとした総括なくして、期限が来たから第三次だといって出しているこの実態に、私は大変な驚きを禁じられないわけでありまして、委員の皆様方もきょうおわかりいただいたと思います。こういう状況で本当にがん対策をやらなくていいのか。民主党の法案を審議する中で、さらにこれについて、与党も出してください、もっと深めていこうじゃありませんか。

 時間がないので、次の質問に移ります。もっとやりたいんですけれども、しようがないから次の質問に移ります。

 今度は、悪性腫瘍の治療薬の承認の問題です。

 私は、以前別の委員会でもお話をしましたが、そもそもこの世界にやってきた一つの大きな要因が、抗がん剤の治療薬がなかなかこの日本で承認をされない。私自身も研究をしてきた、そして開発をする仲間は、残念ながらその開発した薬が海外に行き、日の目を見られるかどうかなかなかわからない、日本でも治験が進まない、こういう話をしてきた。そして今回、私、幾つかの悔しい思いをする中で、日本の治験のあり方はどうなのか、もっと言えば、日本発の薬はつくれないのか、こういう思いを持って国会の場に来させてもらいました。

 そして、調べれば調べるほど私は疑問が深まってくる、こういう状況にあるわけでありまして、きょうは、薬の治験そしてまたその後の薬価収載までの期間、こういった期間についてもう少し短縮ができないのかという話をしたいと思います。

 皆様方のお手元には残念ながらちょっときょうは時間の都合で配れませんでしたけれども、厚生労働省より私がお聞かせをいただきました今の治験の状況、どのくらい時間がかかるのか、まずは、抗がん剤だけではありませんが、さまざまな薬の審査側の審査期間について、大体、平成十五年が十一・三カ月、平成十七年が十二カ月。これは、治験が終わってから審査をして、そしてその後に薬価収載という時間がかかります。その後にある薬価収載の時間は、おおむね六十日から九十日を原則とするというふうに、これは厚生労働省医政局長そして保険局長名で、全国の都道府県知事そして社会保険事務局長あてに平成十八年二月十五日に発出されている通達から見てとれるわけですけれども、これで大体六十日から九十日かかる。なおかつ、その前の審査に一年かかる。

 海外で有用性を認めている薬であれば、海外のデータをもとに、もちろん日本人の特殊性はあるのは事実です、欧米人と同じ量でいいかどうかは議論があろう。しかし、有用性が認められている薬についての審査には、もう一工夫、二工夫があってもいいのではないかと聞いたら、未承認薬使用問題検討会議という会議を設けて、きのうまでで第八回をやらせていただいて、未承認薬の推進を今図っているんだ、こう言われるけれども、まだまだこれは遅いんじゃないか。欧米では同じく一年ぐらいかかっていると言われますが、日本は、一番最初の、新発の薬じゃないんですね。海外である程度の実績が出ていて、海外である程度のエビデンスを得られている、こういう薬の審査にはもう少し早い審査があってもいいのではないか。

 また、抗がん剤だけをとってみても、平成十五年が審査側の審査期間が中央値で十一・九カ月、平成十七年が中央値で十一・五カ月。

 優先審査という枠組みをつくっている品目、幾つか若干あるようですけれども、これまた数が少ない。例えば、平成十六年からスタートして、平成十六年は優先審査に回った品目は三成分九品目、十七年が十成分十九品目だというふうに伺いました。このうち十七年のものは、承認されたのはいまだに三成分五品目だ、こういう話でありました。この優先審査を用いると、平成十六年が二・九カ月、平成十七年が二・八カ月、これが審査期間だというふうになっていますが、この二・九カ月、二・八カ月は頑張ればできる話であるのであれば、普通の薬についても、十二カ月かかっているものをもう少し短くする、そういう工夫、今までの方法では乗り越えられないかもしれないけれども、ちょっと考えを変えてみて、海外である程度実績が積まれている薬については、その方策を、これまでの戦略をちょっと変えて、もう少し早く取り組むことができるのではないかときのう大分議論をさせていただきました。

 厚生労働省の側としては、きのう、持ち帰って検討すると言われましたので、きょう改めて御答弁をいただきたいと思います。

福井政府参考人 お答えを申し上げます。

 抗がん剤ということでのお話というぐあいに受けとめましたが、がん治療を行う上におきまして抗がん剤は重要な治療法の一つでございまして、その承認審査を迅速に行うということは重要なことであるというぐあいに認識をいたしております。

 ただ、抗がん剤につきましては、これは他の医薬品と比べて一般に毒性が強いということがあるわけでございまして、安全性の観点から十分な審査が必要である、こういうぐあいに考えておるところでございます。

 ただ、これまでも、医療上特に必要性が高いものにつきまして、委員御指摘のとおり優先的な審査を行うといったようなこと、それから国際的なルールに基づきまして、海外の臨床試験データの利用を認めていくというようなこと、適応外の使用を解消するという観点から、有用性が公知、公に知られているというものにつきましては、新たな臨床試験を不要とするそういう申請を認めていくというような対策を講じてまいりましたし、また医薬品医療機器総合機構、ここは実際に医薬品の承認審査を行っているところでございますけれども、そこの担当職員の計画的な増員も図ってきているところでございます。

岡本(充)委員 期間を短くする努力をするという話はいただけないんですか。

福井政府参考人 全体として迅速な審査ということはあるわけでございますけれども、抗がん剤ということで申し上げれば、これはやはり安全性の確保という観点から、一方で十分な審査ということも必要だというぐあいに考えております。したがいまして、迅速かつ十分な審査ということでもって取り組んでまいりたいというぐあいに考えております。

岡本(充)委員 それでは多くの患者団体が待っている状況は変わらないじゃないですか。例えば、未承認薬使用問題検討会議、こちらの会議で、類似薬があるからという理由で今回ワーキンググループの設置に至っていない薬でも、例えば薬剤耐性の問題など一つ考えても、これは別の意味でこの薬の有用性を評価できると私は考えています。これもきのう議論しました。

 例えば未承認薬使用問題検討会議でワーキンググループを設置するまでに至らなかったと一度結論づけられた薬でも、再度、薬剤耐性の観点でかんがみれば、もう一度ワーキンググループを設置する、こういう方針をつくっていただけるというふうに伺いましたが、これは間違いないんでしょうか。

福井政府参考人 委員御指摘の未承認薬問題の検討会でございますが、ちょっとそもそも論でございますけれども、承認自体の長い、短いという話ではございませんで、要は、外国で承認はされているけれども日本では承認をされていないという薬について、やはり先ほど委員御指摘になられましたですけれども、治験になかなかつながっていかない、それから治験の期間が長いということ、これはそういったことに対応するための検討会でございます。

 この検討会、もう既に何回もやってございますけれども、患者団体の方々からの御要望等も踏まえてやらせていただいておりますが、今委員御指摘のようなことにつきまして御要望あるいは学会からの御要望等ございますれば、よく検討させていただきたいというぐあいに思っております。

岡本(充)委員 よく検討させていただきたいじゃなくて、これはもう一度取り上げていただけるということなんですよね、私はそう伺いましたけれども。患者団体並びに学会等からの要請があれば薬剤耐性の問題については再度取り上げる、よろしいですか、それを短く。

福井政府参考人 そういった方面からの要望がございますれば、よく検討させていただいて取り上げさせていただく方向でやらせていただきたいと思います。

岡本(充)委員 続いて、薬価収載までの時間です。私の質問も時間が短くなってきたから手短に答えていただきたい。

 薬価収載も、今、先ほどお話ししたように、原則六十日から九十日だと言っている。審査で承認がおりて実際に薬価収載になって初めて保険で薬が使えるようになるわけですが、この時間をもっと短くできないか。例えば、HIV感染症のときには、早い薬では八日間、遅い薬でも十四日間で薬価収載に至っている例があります。これはすべての薬をそうしろとまで私は言いませんけれども、六十日から九十日、こういった今までどおりの既存のあり方を工夫すればもっと短くすることができるんじゃないか、そういう努力をしていただきたいということもきのう大分議論になりました。

 きのうの私の話を踏まえて、厚生労働省として、この時間も短くしていく、こういうお答えをいただきたいと思いますが、いかがですか。

水田政府参考人 新薬につきまして、薬価基準収載までの事務処理期間でございますけれども、これは委員御承知のとおり、中医協のもとに置かれました薬価算定組織において検討をする、その上で中医協の了解を得る、こういった工程がございますので六十日程度の期間を要するものでございます。

 ただいま御指摘ありました抗HIV薬についてでございますけれども、これは件数が多くないということもございまして、承認前の段階で企業に資料の提出を求める、こういうことを行いまして特例的に事務処理期間の短縮に努めているところでございますけれども、新薬につきまして一律に同様の扱いをするということは、なかなか事務処理上の観点から困難であると考えてございます。

岡本(充)委員 全部をやってくれというふうに言っているわけじゃない。やはりこれも優先をつけるべきだ、優先的に審査をするものがあれば当然優先的に薬価収載を早めるものがあってしかるべきだ、こう思うわけなんですけれども、大臣、薬価収載の期間も、一律ではなくて、やはり薬によって、今HIVは早くした、同じように、優先審査をして早く審査をしたものについては薬価収載の期間も早くする、これは当然のことだと思うんですが、それをお答えいただけませんか。

川崎国務大臣 参議院で薬事法の御審議を賜りました。そこで特に民主党の議員の方々から、薬効と薬害、この両方をしっかりやはり踏まえなきゃならぬと意見をいただいたばかりなんですよ、正直申し上げて。

 薬効問題というのは、まさに患者の皆さん方、学会の皆さん方からいえば、強く主張されて、早く認めろと。一方で、薬害問題そして薬害の被害を受けた方々からすれば、厚生労働省はいいかげんなことをするな、厳しい御批判をいただく。その両立の中で、できるだけ無駄をなくさなきゃならぬ。特に治験の問題について、我が国はまだまだしっかりした制度ができ上がっていないということについてはよく認めます、体制ができ上がっていないと。したがって、そこは何とかしなきゃならぬと思いながら今懸命に努力をしている。

 一方で、これは早くしろ、これを遅くしろという決断をだれがどうするんですか。HIVのようなことが起きたときは、それは政治的判断しますよ。しかし、ふだんずっと審査に流れている薬の中で、これを早くしてこれを後回しにしろなんということをもし政治家が判断したら、とんでもない話になる。そういう意味では、委員から、こういう問題が特にあって、こういうときだけは何とかしてやれという議論があれば政治的な判断をしていかなきゃならぬときはあると思いますけれども、今、仮定の話として、早くするべきものは早くしろ、そんな議論をされて、ああ、よくわかりましたと大臣が答弁をするわけにいきませんよ、正直申し上げて。

岡本(充)委員 大臣、認識が違うんです。私が言っているのは、薬価収載までの日程なんです。薬価収載は承認をされた後なんですよ。つまり、官報に載せるために、印刷の時間だとか、薬価の計算をする計算式で計算をする時間だとか、こんなのは薬の薬効とは関係ないんですよ。大臣、そこは御認識が違う。

 もう一点、どの薬を優先にするか、どの薬を優先にしないか。ちゃんと都道府県の衛生主管部局長あてに厚生労働省医薬食品局審査管理課長が平成十六年二月二十七日にガイドラインを出している。このガイドラインに従えば、早くする薬、早くしない薬、ちゃんと優先するのはこういうのだと書いているんだから、これにのっとってやればいいという話なんです。何も私が決める話、大臣が決める話じゃない、これにのっとってやってください、こういうことを言っているんですよ。

 時間がなくなってきたので、前回の私の質問について数値を出していただきましたが、議事録に載せていただいた数値と数字が違っていたようでありますけれども、これについてのお話をいただけますか。

水田政府参考人 御質問でございますけれども、どの点の数字なのか特定をしていただけませんと、ちょっとわかりかねますが。

岡本(充)委員 前回私が要請をしました、健保組合を含む、政府管掌保険、市町村国保などの今回の法改正の影響について財政的負担がどうなっていくのかという話をしました。このときには、診療報酬改定を含めて財政負担が減ると言っていた。診療報酬改定はもう既に終わっているんです。今審議しているのは法改正です。診療報酬改定をここで審議しているわけじゃないのに、診療報酬改定で三・一六下げたから全体的に負担が減るというのは、当たり前の話じゃないですか。

 それをどの数字ですかって、そんなばかにした質問、逆に聞くのはおかしくないですか。きのう、ちゃんと僕は質問通告したはずですよ。ひどいじゃないですか、そんな答弁。しらを切るつもりですか。

水田政府参考人 ただいまの医療制度改革の各制度に及ぼす影響についての御質問ということでございました。

 これにつきましては、二〇〇六年度、平成十八年度の診療報酬改定、これ自体も医療制度改革の一環として行われたものでございますので、前回、これも含めてお答えをしたところでございます。

 一環としてと申し上げましたのは、これは昨年の政府・与党の医療制度改革協議会におきましても制度改正と診療報酬改定とともに一体のものとして取り上げているから、今回の医療制度改革におきます影響として両方を含めたものを申し上げたものでございます。

岡本(充)委員 数字の訂正は。

水田政府参考人 したがいまして、訂正ということではございませんで、二〇〇六年度の診療報酬改定を前提といたしまして、今回の制度改正を実施しなかった場合とした場合の財政影響を比較いたしますと、保険料で賄うべき所要保険料の額の増減でいたしますと、政管健保につきましては千六百億円の減、健保組合は千百億円の増、市町村国保は千二百億円の減、これが二〇〇八年度でございます。

 それから、同様に二〇一五年度におきましては、政管健保は六千二百億円の減、健保組合は千五百億円の減、市町村国保は一千億円の減、このように見込んでいるところでございます。

岡本(充)委員 時間が来たから、この問題はまた後日やらせていただこうと思いますが、大体、健保組合の負担は減るんだと言っていたのに、ふたをあけてみたらやはりふえるという話であったわけでありまして、あのときさんざん議論をしました。委員長も覚えていると思います。

 結局、出てきた数字は、あのときの数字は、法改正を純粋に反映したものではなく、診療報酬改定で減るんだ、将来見込みで減っていくんだという数字を込めての数字であったということを私は大変遺憾に思うわけでありまして、今法改正の審議をしているわけですから、診療報酬改定の審議をしているわけではない、これを改めてお話をした上で、きょうの質問は、今回はこれで終わりとしたいと思います。また続きをさせていただきます。

 ありがとうございました。

岸田委員長 次に、柚木道義君。

柚木委員 民主党の柚木道義でございます。

 本日は、医療提供体制について御質問をさせていただく予定になっておりますが、その前に、冒頭、本日、大変残念な報道がなされておりまして、これに触れざるを得ません。通告はしておりませんが、この点について、今の報道で出ている情報の中でで結構ですから、私から簡単に幾つか質問あるいは要望をさせていただきたいと思いますので、大臣、答えられる範囲で結構ですからお答えをいただきたいと思います。

 きょうの朝刊、読売新聞、朝日新聞、どちらもトップの記事は同じです。読売の方で、「公益事業三億架空仕入れ 厚労省所管法人 収益事業でも所得隠し 元次官ら二十五人処分」、そう出ております。こちらの朝日新聞の方も同様の記事です。「厚労省外郭団体 原稿料装い金銭提供 国税認定 厚労省職員らに 三億八千万円所得隠し」、こういった報道がなされているわけです。

 私は、今まさに国民の皆さんの命にかかわる医療制度改革法案がこの場で真摯に議論をされているそのさなかに、こういった事態が起こっていることに対しまして怒りを禁じ得ませんし、政府も行革国会と名を打ってされているわけです、我々も、行革なくして増税なし、そういった立場でまさに真摯に議論を行っているさなかで、こういったことが起こっているということそのものが私は大問題だと思っております。

 まず、この問題について、幾つか皆さんにこれは御報告と整理をさせていただきたいと思います。

 今回、まさに不正な経理、ずさんな経理が行われたその事業の補助金、これが五年間にわたって、昨年三月まで大体十四億から二十五億というふうに報道でなされております。その補助金の財源は、働く皆さんの労災保険料から拠出をされているわけです。しかも、その今回出ております外郭団体、これは皆さん、ここに説明も出ています、特別民間法人という形で、公費に頼らないという行革の重要方針が示された中で、その特別民間法人は実際には半分が補助金で運営されているんです。こんなまさに行革とは名ばかりの実態がある。

 そして、今回、こういった不正な経理が明らかになったことに対しまして、大臣、まさにこのずさんな経理について、国民の皆様にどう説明をされるのか。そして、今後どう対処され、同様のケースがないのかどうかを調査し、結果を御報告いただきたいと思います。お答えいただけますでしょうか。

川崎国務大臣 まず、厚生労働省の中の話でございますけれども、安全衛生部においてこの原稿を書いていた、この事案は平成十年から十三年のものでございます。しかし、十六年度分以降は、新規作成分も含め、利害関係のある団体から、一切の印税、原稿料等の受領を自主的に禁止。これは全体的には禁止になっておりません、公務員全体の扱いとして。いろいろな図書を出版するときに、公務員が自分たちの時間外においてその手助けをするということについては、基本的には認められていることと思っておりますけれども、しかしながら、いろいろな経過の中から、平成十六年分以降はこの安全衛生部においては全面的に禁止をしたということでございます。

 それから、中災防につきましては、いろいろな議論がありましたけれども、今新聞にも書いてありますとおり、二十五人の処分を行ったところでございます。

 いずれにせよ、国民から疑惑の目で見られるような行為は慎もうという中で、法律的にぎりぎりだという判断、そうした判断をしないように、基本的には安全衛生部のように姿勢を正していくという方向が望ましいんだろうと思います。また、どうしても必要な場合については、きちっとしたチェックをしながらやっていく、こういうことになろうと思います。

 いずれにせよ、きょう報道されたことにつきまして、さまざまな対応策はとって、既に私のときというよりも前任者のときにいろいろな決断をいたしておりますけれども、今後もないように私もしっかり監督をしてまいりたい、こう思っております。

柚木委員 今の大臣の御答弁にはそういうふうなお答えをいただきましたけれども、この受託料、年間十四から二十五億と出ていたわけですが、この金額ですよ、皆さん。二十五億という数字は、実は、きょう私も質問をさせていただこうと思っております小児医療提供体制のまさに支援、充実、その総額が大体、十八年度、二十五億なんですよ。とんでもない話じゃないですか。そういったまさに予算がない、財源がない中で、一方ではこういう実態がある。

 これについて、きっちりと今後チェック、対処をしていただくという御答弁があったわけですが、まずこの冒頭の質問で、今後の私が質問させていただく中で、こういう実態があるということを、やはりきょう傍聴の皆さんにも知っていただきたいと思いますし、その財源がないという中で、小児医療、命にかかわる、こういうところにどこから財源を持ってくるかという議論をしているわけですから、二度とこういったことがないような形での今後の運営を強くお願いをして、質問に入りたいと思います。

 さて、小児医療提供体制についての現状の御認識、これまでもいろいろな場面で、医師の不足、偏在、伺ってきたわけですが、私は一つ、今実際に大変懸念をされている小児科医の方々のストレスの現状について、皆さんに御報告をさせていただきたいと思います。

 きょう、資料の方が来ておりますかね、三ページ目を開いていただきたいと思うんですが、小児科医のストレス、大変深刻であり、疲労度が高いというのが大学病院では七割。そういう状況の中で、ほかの労働者の平均よりも高く、これを打開していくことは、ひいては患者の安心、安全、医療ミス、医療事故を少なくしていくために大変重要なテーマとなってくるわけでございます。

 大臣、こういったケースは日本だけではありません。イギリスでも医師のうつ病率が大変高いという指摘もございます。こういった高ストレスやうつ病を防ぐには、私はまず、労働時間の短縮、この記事にも「週六十時間以内労働提言」と出ております、何よりもその労働時間短縮が必要だと思うのですが、これについて大臣、どう御認識をされ、そしてどう対処をされるのか、御答弁をいただきたいと思います。

川崎国務大臣 労働者の過重労働による健康障害防止対策として、改正労働安全衛生法、この四月一日から施行されました。長時間労働者に対する面接指導制度が創設されたところであり、この面接の指導を実施する際には、脳・心臓疾患予防のみならず、メンタルヘルス面に留意して実施することとされております。病院、診療所等についても、その所属する医師の時間外労働が月百時間を超える場合には、本人の申し出があれば医師による面接指導を行わなければならないとされております。

 この面接指導が適切に実施されるよう指導するとともに、本年三月に策定いたしました労働安全衛生法に基づく労働者の心の健康の保持増進に関する指針によるメンタルヘルス対策への取り組みについて、普及啓発に努めてまいりたい、このように考えております。

柚木委員 労働安全衛生法の改正の際に私もここで質疑に立たせていただいたわけですが、実際、小児科医のみならず、産婦人科も、先日参考人質疑にお越しいただきましたけれども、そういった労基法違反状態が常態化をしていて、まさにその面接指導をほとんど全員が受けなきゃいけないじゃないかというような実態があるわけです。制度をつくってもその改善がなされないのであれば、つまり、そういう面接指導を受講しなければならない方がほとんどであるような状況を変えなければ、幾ら制度をつくっても意味がないわけです。

 ですから、大臣にお答えいただきたいのは、労働時間を減らすために根本的に何が必要なのか、面接指導とかの対応じゃなくて、そういう制度を受講しなくても済むための施策は何なのかということをお答えいただきたいんです。よろしくお願いします。

川崎国務大臣 確かに、我々の資料によりましても、十人ぐらいの小児科医が集中しております救急拠点病院におきましては、今委員が御指摘のように、残業時間も少なくなってきている。そうしたことをとらえましても、小児科の、特に救急につきましては、集約化を図っていかなければならない、こういう認識をいたしております。

 そういった意味で、今、各県と私どもも話し合いをさせていただく中で、いろいろな対策を練らせていただいているところであります。

 現実問題、この間、富山県の知事さんが終末医療の問題について御陳情に参られたときにもお話をさせていただきました。現実の話として、四つの病院に集約化をしたいと知事さんの方から私の方に御説明がございました。

 また一方で、北海道につきましては、確かに大学病院に研修という形で残っておられる方は少なくなっておりますけれども、十七年度の数字で見ますと、実は、北海道で研修を受けておられる数は実際にふえております。そうなりますと、今まで大学病院が果たしていた機能を、県と大学、また拠点病院等が相談をし合いながらやっていかなければならない時代になってきておる。そういう意味では、北海道はそうした枠組みの中で既に動き出しておると思っております。

 そういった意味では、私ども、やはり一県一県事情を聞きながら、富山は進んでいますね、北海道はそういう関係で進んでいますかということを問い合わせをしながらやっていかなければならないな、こういう認識をいたしているところでございます。

柚木委員 集約化のお話あるいは先ほどは地域枠のお話だったと思いますが、そういったことを実際にやっていこうと思っても、まず集約化に関して言えば、私の地元の岡山県でもそうですが、実際に医師そのものが、例えば小児科、産科、いないところには集約化そのものができないわけです。医局から派遣をされていた医師が、卒後研修を受けて、小児科、産婦人科、そういう大変厳しい研修を受け、その志望を変える、それによって医局に戻ってこない、そしてそれを引き揚げるという現状があるわけです。

 ですから、地域枠をつくっても、先ほど北海道の話がありましたが、北海道の医学部にいても、そうじゃないところにどんどん皆さんが行ってしまうというような現状があるわけですから。

 後ほどその点については質問もさせていただきますが、今の大臣の御答弁、どれもそれぞれ個別の政策で解決するという課題ではないということはこれまでも御答弁いただいたと思いますし、私は、その個々の政策について、この後一つ一つ、やはりこれは少し丁寧に、まさにこれまでの施策の評価と今後の見通しというものを伴った上で、今の大臣の御答弁のような取り組みを行っていただかなくてはならないというふうに考えておりますので、この次に、小児救急医療の各政策について、支援事業、整備事業等行われているわけですが、これまでの評価と申しますか、そしてそれと伴って今後の見通しというものを質問させていただきたいと思います。

 まず、政府の方策では、小児救急医療圏というのが四百七ある中で、すべてに小児救急医療体制が確立して二十四時間三百六十五日対応を目指して、実際にさまざまな施策が行われているわけですが、小児救急医療支援事業というものがございます。これは、毎年平均二十カ所ずつしか新規には実現しない現状にあります。これは十七年度の実績です。そして、現在百三十六カ所から今年度二百カ所の実現を目指しているとこの計画の中に書かれております。

 資料の八ページ、ごらんをいただきたいと思います。

 現在、小児救急医療圏四百七ある中で、整備済み地区が輪番制を含めて二百三十四地区というふうになっておりますが、しかしながら、これは輪番制を含めた数でありまして、純粋に、今私が質問を申し上げます小児救急医療支援事業、この表の上から見ていただくと、国庫補助事業整備地区の中の左側の方です。これは現在百三十六地区とありますが、これが毎年二十カ所ずつしか、実は新規に実現してきていない状況にあります。今年度二百カ所を目標としておりますが、本当にこれが実現されるんでしょうか。大臣、見通しをお答えいただけますでしょうか。

川崎国務大臣 予算化はさせていただきましたが、まさにこれからやっていかなきゃならない事業でございますから、一〇〇%できるかできないかということについては、まだこの時点でお答えはできない段階にあります。

柚木委員 この小児救急医療の支援事業というのは、さまざまな施策が小児救急医療体制を整備するために、本年度も新規事業、専門病床確保事業であったりあるいは設備整備事業であったりされているわけですが、まさに最も根本的な課題を解決するための施策なんですね。

 これが実際に十一年度から行われていて、既に八年次が経過しているにもかかわらず、いまだ、二十四時間三百六十五日の対応が全小児医療圏の中で、実は六割弱なんです。四割強の小児医療圏が依然として二十四時間三百六十五日の小児救急の体制になっていないわけです。四百七ある中で、輪番制も含めて整備されているのが二百三十四地区ですから。

 まさにこういう取り組みで、大臣、この先、今年度二百カ所実現を目指しておられまして取り組まれると言われるわけですが、実現するかどうかもわかりませんし、仮に実現しなかった場合も含めて、では、一体いつになったら全体の医療圏においてそれが実現するのか、この場で明確に見通しを御答弁いただきたいと思います。

川崎国務大臣 まさに、適切な医療を提供できる体制を構築するための検討を早急に行ってくださいということが今回の基本でございます。具体策を講じることを要請したところであり、今後、集約化のスピードを速めていただかなければならない。まさに、ことしの施策として、おくれておるところをどうするか、県がまず基本的には考えてくださいと。

 私が先ほど申し上げたように、各県の動きが既に出てきているところでありますので、しっかり連携をしながらやってまいりたいと考えております。

柚木委員 全国知事会からの要望にも、医師のいないところに、どうやってそういう医療圏、三百六十五日二十四時間対応をやったらいいのか、まず医師を確保する、ふやしてほしいという要望が出ているわけです。

 ですから、これは都道府県任せということではなくて、やはり厚労省として責任を持って主体的に、財源も用意をして、そういった取り組みを行っていただかないと、実際に、十一年度からやって、まだ四割強の医療圏において三百六十五日の二十四時間対応ができていないわけですから、その取り組みを切にお願いして、そして、そのためのベースとなる部分、データの部分について、次に質問をさせていただきたいと思います。

 これまでも我々の同僚委員からもデータについては、医師の需給見通し、質問させていただいておりますが、私は、この小児科医師数の不足感、これは偏在という形で厚労省も認めておられるにもかかわらず、小児科医師の必要数というものをデータとして出されないのかということを質問の前にお伺いしたらば、医師の診療科ごとの必要数についてはこれまで求めたことがないという御回答をいただいているわけです。しかし、大臣、必要数を求めたことがなくて、どうやってさまざまな諸施策を行って、そしてその評価をすることができるのでしょうか。データなくしてまさに施策なし。

 このデータをとるということを、あるいは、今まだないのであれば、診療科ごと、とりわけ不足している小児、産科、麻酔科、そういったところからでも結構でしょう、まずデータをとる必要があるのではないでしょうか。とる気があるのかないのか、そして、ないのだったら、さまざまな施策をやる意味があるのかないのか、明確な御答弁をいただきたいと思います。

川崎国務大臣 まず、二十六万の医師体制の中から、約三十万人という形の中で、毎年三千人、四千人が増加していくだろう、この中で、医師というものの数については大体満たしているんだろう、このように考えております。

 一方で、小児科医でございますけれども、平成六年から平成十六年まで、十年間で千三百人程度増加いたしております。小児人口一万人当たりで一貫して増加いたしてきております。平成六年、小児科医師数、一万三千三百四十六人、一万人当たりの小児科医師数、これは六・五人でございますけれども、平成十六年が一万四千六百七十七人、八・三人という状況になってきております。

 小児科医にかかわる問題について、小児科医の絶対数よりも、むしろ特定の医療機関、時間帯への患者の集中、医療機関相互の連携が不十分であること等による偏在に帰すると考えております。

 小児科医に関する必要数を推計する。今、医師数全体の統計をどうしようかということで、医師需給検討会で議論をさせていただいております。この場でも、果たして全体的な小児科医師数がどのぐらいが適当かという数が出るか出ないか、これは一度検討はさせますけれども、先ほど申し上げましたように、全体としては足りているけれども、問題は、夜間とか救急とか、また一部の地域とか、そこに対する数が足りないという認識でありますから、国全体として医師数が足りているか足りていないかという議論をすれば、小児科医は足りているという形で御返事申し上げたいと思っております。

柚木委員 全体が足りているというのは、一体何人必要なのかという基準がないとわからないわけです。今、ちょっとよく聞き取れませんでしたけれども、必要数が何人かどうか調査させると何かぼそっと言われたような気がしたんですが、この場ではっきりと、足りていると言うのであれば、必要数が一体何人なのか明確に御答弁いただくか、調べるということを明確にお約束いただきたいと思いますし、足りていると言いながら、先ほどの質問でも申し上げました、二十四時間対応に四割強の小児救急医療圏、二次医療圏でなっていないわけですよ。実際に、全体の数で足りていても、それが四割強のエリアに行かないというその現状がある中で、十一年度からやっても解消されていないんですよ。そんなもの、足りていると言っても、何の説得力もないじゃないですか。

 もう一度お尋ねします。必要数は何人なのか。そして、もしないのであれば、いつまでにそれを調べるのか、御答弁いただきたいと思います。

川崎国務大臣 委員も言われましたように、ある一定の地域、一定の時間、そういうことになると、現実問題として足りないんだろうと。しかしながら、そこは偏在の問題でしょうということで、全体で調整をしなきゃなりませんねと。

 しかし一方で、小児科医自体がこの十年間で千三百人ふえ、一万四千六百七十七人いるという数字からすれば、これが大きく足りないという議論はないと思っております。

 ただ、私が申し上げたのは、医師需給検討会で今議論させておりますので、改めてそこでもう一度議論してもらいましょうと。しかし、現実問題として、例えば地域医療に行った場合に、本当に過疎地等に行った場合は、内科医の先生方が小児科を診ていることも事実でございますから、これは完全に切り分けて小児科だという断定ができるかということになれば、これはかなり違った部分があるのではなかろうか。そういう意味では、小児科医が何人いたら大丈夫なのかという御質問には、正直申し上げてなかなか答えにくい。だけれども、重ねてこの検討会でもう一度議論させてみましょうと申し上げています。

柚木委員 その検討会で大体を出していただく際に、今、確かに、小児科の専門医なのか、あるいは標榜しているのかとか、厳密なデータのとり方は難しいかもしれません。ですから、そのただし書きがあって結構ですよ。純粋な小児科専門医の数、あるいは、そうではなくて標榜している、そういうデータを、これは時間をかけていただいてもある意味では結構ですよ、ちゃんと調べていただきたい。

 そして、まずは今回の需給の検討会の中で出せる数字を出してください、その中で出せる数字で結構ですから。診療科ごと、とりわけ小児あるいは産科、まあ麻酔科もあるわけですが、とりわけ小児、産科の部分ですよ。必要な医師数の見通し、そして、今回の需給のデータに基づいて、純粋に小児科医かどうか、それは難しい部分があるかもしれませんが、出せる形で結構ですから、必要数は何人なのか、これをぜひ出していただきたいということを私はお願いを申し上げ、そして今、調査させるということも答弁の中で触れられましたので、調査していただけるというふうなことを前提に、次の質問に進ませていただきたいと思います。

川崎国務大臣 いいですか、申し上げているのは、医師数のデータはあるんです、小児科医をやっている人は一万四千六百七十七名と。ただし、プラスアルファで内科医で現実、診ていらっしゃる方もいらっしゃるだろうと申し上げているんです、一つは。いいですか、データはあるんですよ、一万四千六百七十七名という。

 しかし、現実問題として、先ほどから申し上げているように、偏在の問題とかいろいろあって、何人必要だということを推計を出すことは難しいだろう、こう申し上げているんです、ずっとこの答弁をしてきているんです。

 ただし、今委員の方から再度言われましたので、そういう数を出せるものかどうか検討をさせましょうと申し上げたんです。調査じゃないんです。この検討会で、きちっとそういうものが本当に出せますかということを勉強させましょうと申し上げたわけです。

柚木委員 出せるものかどうかというのは、何を目的に出すのかということが明らかであれば、おのずから出せるんです。

 例えば、出していただけないから、二つほど例があるんですけれども、まず資料の五ページ目、見ていただけますでしょうか。地域医療の実態に関する調査報告書、これは病院会地域医療委員会が出されているものですが、この中には、六ページ、七ページと見ていただければいいんですけれども、実際に医師不足と答えられている病院の中で、公的、私的とあるわけですが、七ページ目を見ていただければ、とりわけ小児科は全体で百三十五、公的七十八、私的が五十七と、実際に不足しているという回答があるわけです。

 そして、その数の問題です。ちょっときょうは資料が間に合いませんでしたが、政府の、いただいた資料の中にありましたので御存じだと思いますけれども、日本小児科学会の「病院小児科医の将来需要について」というデータがございます。この中には、私は、今、偏在解消のための必要数というのもあると思いますが、それだけではなくて、労働時間、冒頭に申し上げました、今のまさに過重労働を解消するために、では必要な医師数は何人なのかというのを、まさにこの小児科学会が計画モデルを出しているじゃないですか。今より千人の増員が必要と出ているわけですよ。

 基準を明確にすれば、それに伴って数字は出せるわけですよ。そこに、純粋に小児科専門医か、あるいは内科の方で小児科を標榜されているとか、それは明確でなくても結構ですよ。実際に、目的が偏在解消、あるいは労働時間も、まさに過重労働の解消のために、では何人必要なのか、その数字を出していただかないと、この先の議論をやっても意味がないと私は思います。大臣、もう一度御答弁ください。

川崎国務大臣 私から、もう最終答弁までさせていただいているんですけれども、果たして数は出せるかどうかわからないけれども、検討会で一度検討させましょう、こう申し上げているんです。あなたも、先ほど、時間がかかってもいいからしっかり出してくれ、こういう御要請があった。それに対して、私も検討会でさせてもらおう、こう申し上げたわけです。

柚木委員 大臣、いつまでに出していただけるんでしょうか。

川崎国務大臣 そういう数字をつくれるかどうかを検討させましょうと申し上げているんですよ、私。それに対して、いつまでに出せるか。それでは検討にならないじゃないですか。

柚木委員 では、いつ、検討して出すというお返事をいただけるんでしょうか。この委員会の中でいただけるんでしょうか。

川崎国務大臣 八月をめどに検討会が今やっておりますから、その中で一度議論をさせましょうと申し上げているんです。

柚木委員 八月となると、そのころまで審議を行っていないという可能性が極めて高いわけですから、そういうときに出されても、では何のために今この場で議論をしているのかということにもなるわけです。

 それでもどうしても八月ということになってしまうんだとしたら、大臣、これは今後の例えば診療報酬の見直しの際、あるいは、この需給のデータに基づいて、では実際に小児科医が何人必要かということを検討して出すとなったときに、それに基づいて実際に今私が質問申し上げておりますさまざまな医療体制整備の施策に取り組んでいくということだけでも、せめてこの場でお約束ください。

川崎国務大臣 そこのところは、今回の診療報酬にも、全体的に下がる中だけれども、周産期医療、また看護の体制、そして小児の救急の部分についてはふやそうということでふやさせてもらいました。

 ただ、これで十分かといえば、私自身もまだまだ足りないという思いをいたしております。それは今後の診療報酬改定のときに、やはりこうしたことはしっかり念頭に置きながらやっていかなければならないなということは、私がそのときやっているかどうかわからないけれども、申し送りにさせていただきたいと思います。

柚木委員 今、大臣が、改定のときにしっかりやるということをちゃんと申し送るというふうにおっしゃっていただきましたので、それを私も信じて、次の質問に入りたいと思います。

 時間が余りありませんから、本来、この小児医療提供体制、輪番制であったり電話相談、あるいは他科の地域の医者が小児の輪番制にも参加してとか、幾つか取り組みがあるんですが、実際、これはちょっと質問をしませんけれども、なかなか十分に進捗していると言いがたい状況もあるわけです。

 だからこそ、私は、そのもとになるデータをちゃんと求めて、そしてその目標に向かって年次計画を立てて、数値目標を立てて行っていくことが必要だということをこの質問を通じて質問させていただきたいわけですが、ちょっと時間がございませんから、数値目標をきっちり立てて、そしてその評価をやるということを都道府県の医療計画の中にも明記して、そして、それに対して厚労省、国としても財政的、制度的な支援をしっかり行っていくというふうに、これはガイドラインの作成の要綱の中には明記されておりますから、ぜひデータに基づいて、そしてちゃんと数値目標を立ててその評価をしていくといった形での支援事業の取り組みのお願いをして、次の質問に入りたいと思います。

 医師の卒後研修についての質問でございます。

 資料の十六ページ、そして十七、十八ページとごらんになっていただきたいと思います。とりわけ十七ページを見ていただくと、これは、私は地元が岡山県でございますが、中国地方の国立大学の医局に、まさに卒後研修の影響でどんどん医局入りが減少しているといった記事が出ております。

 その次のページを見ていくと、その状況がいかに深刻かということがわかるわけですが、十八ページ目、「隠岐病院が出産断念 産婦人科医着任せず 妊婦への支援検討」とあるわけです。これは、実際記事を見ていただくとおわかりになるわけですが、島根大学の医学部が派遣医師を引き揚げて以降、県立中央病院が隠岐における常勤医を確保できなくなって、ついに産科がゼロになってしまって、島で出産できない状況になっているわけです。

 卒後研修の影響でこういった状況が起こっていることに対しまして、これは文部科学省にお尋ねさせていただきますが、卒後研修の医師が医局に戻ってくる、大幅に減少しているその原因と対策、どのようにお考えになられるのか。その研修内容については、大学病院以外、厚労省の方にもお尋ねしたいと思いますが、まず大学病院の医局の減少問題についての原因そして対策について御答弁をお願いいたします。

徳永政府参考人 お答え申し上げます。

 卒後臨床研修の中で大学病院で臨床を受ける者は、平成十六年度以来どんどん減少しておりまして、十八年度では五割となっております。

 この原因はさまざま考えられるわけでございますが、厚生労働省の方で実施されたアンケート等を見ますと、大学病院における研修体制やプログラムの満足度が低い、おおむね三割ということになっております。また、その理由として、待遇、処遇が悪い、診療科間の連携が悪い、プライマリーケアの能力が身につけられないということがございます。学生は臨床研修病院の選択に当たって研修体制やプログラムを重視していることがうかがえます。

 私どもといたしましては、まず何よりも、こういった各大学病院におきまして、アンケートの結果等を踏まえまして研修体制の充実を図って、研修医にとって魅力あるプログラムを提供できるよう、一層取り組みを促していきたいと思っております。

 さまざま、もちろんその中には地域的な問題等もあるわけでございますが、一概に地方の大学が低いかといえば、必ずしもそうではございません。大学間におけるマッチング率のばらつき等も結構ございます。こういった意味では、繰り返しになりますけれども、各大学の中で、研修体制の充実あるいは魅力あるプログラムの提供といった面でまだまだ努力できる点があると思っております。

柚木委員 研修プログラムの充実、これはもちろん厚労省としてもそういう対応が求められるわけですが、その中で一点伺いたいのは、地域枠についてでございます。

 本年度も、私も山形大の例も承知しておりますが、七大学だったと思いますけれども、新たに、ちょっと私、確認させていただきたいんですが、地域枠で採用して、これは各自治体と大学が連携をして取り組む。その中で、その地域で何年間か勤務を義務化するということが含まれている、そういう大学とそうでないところがあるというふうなことをきのう私は質問させていただいて、その点については調べていただくというふうに聞いております。

 それから、その地域枠の中で、これは山形の例だったと思いますが、小児科、産科を初めとする不足診療科において、実際に、その地域での、さらに僻地における勤務、これも僻地かそうでないのかというのも、私もちょっと教えていただきたいということをきのうお伝えしましたが、不足診療科を学生さんが奨学金を得ながら進路にされた場合に、その奨学金をいただいた期間に応じて不足診療科プラス僻地勤務、実際にそういう制度をつくっているという話を伺いました。

 今、これまで既に地域枠が行われているところ、札幌医科大、島根医大とか、これまで伺っておりますが、そういったところのトータルで、その地域枠について、地域で採用するだけではなくて、実際にその地域における勤務というものをどれだけの大学が義務化しているのか、あるいはしていないのか、そういう制度があるのか。

 それから、その奨学金制度、これが、不足診療科を進路として選ばれる学生の方々が、実際にその制度が山形以外にも幾つかの例があるのかないのか、あるいは今後考えられるのか、それについてお答えをいただけますでしょうか。

徳永政府参考人 お答え申し上げます。

 医学部の入学定員の中で地域枠を設けるということにつきましては、最終的にはそれぞれの大学の判断でございますが、私どももいろいろ各大学の取り組みを促しております。その結果、十八年から実施をしている大学を含めまして、これまでかなり多くの大学で地域枠を設定しております。既に十七年度までで七大学、十八年度からは九大学で、合わせて十六大学となっております。

 ただ、この地域枠そのものにつきましては、これはあくまでも大学に入学させる制度でございますので、その後の勤務をどこでするかといったことについては必ずしも義務を課するものではございません。

 多分先生御指摘の点は、こういった地域枠というものと、いわば地元の都道府県等がこれに関連をして奨学金を設けているということがあるわけでございます。こういう地域枠と連動した奨学金を設けている例が三大学、三県であるわけでございます。

 そういった場合につきましては、例えば秋田県の例を申しますと、貸与期間の一・五倍の期間、県内の公的医療機関等において医師の業務に従事した場合については、その返還を全額免除する、こういった措置がとられております。同じようなことが鳥取県、鹿児島県でもございます。

 あるいはまた、地域枠と連動しない形でも、さまざま、各都道府県におきまして、そういう小児科、産科あるいはそれ以外のことも含めまして奨学金制度ができておりまして、そういった中では、県内に勤務した場合、あるいは特に山形、富山、兵庫等におきましては、小児科、産科等に一定期間勤務した場合については全額免除ということの措置がとられております。

 ただ、このことは、あくまでも都道府県等あるいは自治体が提供する奨学金制度ということの意味であるわけでございまして、必ずしも入学定員枠と直ちに連動するものではございません。

柚木委員 今、三大学についてはそういう奨学金があって、秋田の例も御答弁いただいたわけです。

 これは、厚労省の方にお尋ねした方がいいんでしょうか。大臣がお答えいただけるのであればお答えいただきたいんですが、通告にはそこまで踏み込んではお伝えしておりませんが。

 今の奨学金制度、三つの大学で行われている、つまり不足診療科を受講し、そこを進路と選ばれた医師の方が、その期間その地域で実際に勤務をするということでよかったんだと思いますが、まさにその取り組みを、二十四時間対応がまだできていない都道府県、医療圏はまだたくさんあります、そういった自治体において、まさに大学と自治体が協力をしてそういう奨学金制度を新たにつくって、実際に取り組んでいって、まさに医師の偏在、不足の解消に取り組むという施策、これを政府として、厚労省として支援をしていくことが可能なのか。もし可能なのであれば、まさにどういった形で取り組みを行っていただくことができるのか。

 これは、厚労省でよければ、大臣、お答えいただきたいと思います。

川崎国務大臣 私は委員の御提案に賛成なんです。

 十五年と十七年、まあ十六年から制度が変わったわけですね、これが大きく影響しているじゃないかと。これは御指摘の、要因の一つではあります。しかし一方で、十五年当時のいわゆる名義貸し問題の顕在化等の問題もある。

 これは、まさに各県別に私はずっと見させてもらっているんです。

 一つは、いい病院がある東京へ研修に随分みんな来ちゃったんじゃないかと。これは違うんですね。平成十五年、東京が千七百名いたのが、十六年が千三百名で、十七年が千二百九十名なんです。都市へみんな行っちゃったぞというのは、実は違うんです。これはお互い概念を変えなければならないだろう。

 では、どこへ行ったんだといったら、埼玉県と神奈川県に行ったんです。神奈川県が、四百名が五百名に上がっているんです。埼玉県が、百名から二百名に上がっている。実はここは医師の不足しているところなんです、そして立派な病院が結構設置されているところ。そこへ先ほど御質問いただいたとおり行ったんですね。それが悪いかどうかということは、よくお互い見ていかなきゃならぬ。

 確かに大学で研修する人は減った、しかし神奈川県、埼玉県のいい病院で研修する人はふえてきた。そして、東京に比べたら埼玉県、神奈川県の方が医師不足ですから、そういった意味では解消の方向に動いているということも一つ言えるんだろう。

 もう一つは、これは県の名前を言うと失礼でありますから言いませんけれども、百名の定員がありながら、十五年ですよ、新しい制度に変わっていないときでも五十名しかその県に残っていないんです、大学の研修が。ですから、制度が変わったから自分の県からいなくなっちゃったというのは違うんです。それでは、五十名が現実問題減ったのかといったら、その県は逆にふえたりしているんです。ほかの病院に行っているんです。そういう意味では、それも違う。

 それから、先ほど北海道の経緯を申し上げました。北海道は、十五年が二百八十八名なんですけれども、十六年は三百二十八名で、四十名ふえているんです。ですから、各大学病院、三大学あるんですけれども、その三大学で研修を受けているんじゃなくて、北海道の中の、より研修プログラムが充実したところで学生さんは研修を国家試験を通った人が受けているんです。

 したがって、これをどうやっていこうかとなると、なかなか難しい話ですけれども、やはり県と大学というものが提携し合わないと、もうこの問題の解消にならないねと思います。

 問題は、一つの解消方法として委員が御指摘いただいたように、百名の定員がいながら卒業と同時にいなくなってしまう、卒業と同時に半分がいなくなってしまう。こういうものは、やはり地域枠で解消していかなきゃならぬ。

 そうなりますと、最終結論としては、その大学の一つの目的として、地域医療に貢献してくれる人を育てる、これをどこかで明文化していかないとなかなかやりにくいのかな、まして独法ですから。

 そういった点を、私自身、小坂文科大臣と話し合いをしながら、特に地方にあります大学、東大とか京大はこんなこと考える必要はないですけれども、地方にある大学がどう地域枠というのを設定していったらいいんだと。一方で、残ってくれるような対策として、今お話ありましたように、県が奨学金等をやる、バックアップをしていくということも大事だろう。

 そういう意味では、一つ一つの県を分析しながらしっかりやらなきゃならぬな。それでは今まで十分であったかといえば、欠ける面があったと思っています。しっかりやらせていただきたいと思います。

柚木委員 ちょっと時間がありませんので、今の御答弁、明文化をして取り組んでいただけるということで、具体的な中身についてはぜひ御検討いただきたいと思います。

 地域枠での、さらに現地勤務、そういったものをやっていただける学生さんには、プラスアルファの奨学金を考えるとか、プログラムの充実と同様に、できれば計画目標を策定していただいた上でそういうことを明文化、そしてその取り組みを行っていただきたいということを御要望し、次の質問に移りたいと思います。

 老人保健法改正に伴う特定健康診査の実施について、幾つか確認と、そして質問をさせていただきたいと思います。

 四月の二十一日の当委員会で我が方の三井議員から、保険者が幾ら医療費適正化の努力をしても、後期高齢者の支援金という形で別のところから請求されては、実際に保険者機能が発揮できないという趣旨の質問がございました。

 これに対して、きょうもいらっしゃったと思いますが、水田保険局長は、保健事業等の実施状況に応じて支援金にプラスマイナス一〇%の範囲で増減をつけ、めり張りをつけるという形で各保険者の努力を反映すると答弁されています。

 これは、まず全体の中で支援金の料率が決定した上で、その金額に対して、保健事業がうまくいっている保険者に対しては最大で一〇%割り引かれ、逆に保健事業が進んでいないところは一〇%割り増しで請求されるというふうな理解でよろしいんでしょうか。

 これは副大臣にお願いをさせていただいたんでしょうか、大臣でも結構です。お願いします。

川崎国務大臣 今回の法案におきまして、特定健診等の実施及び成果に関する目標の達成状況を踏まえ、各保険者の後期高齢者支援金をプラスマイナス一〇%の範囲内で加算、減算するという措置を盛り込んでおります。

 これは、具体的な加算、減算の幅については、一〇%の範囲で政令で定めることになっておりますけれども、施行時期自体が平成二十五年、二〇一三年でございますので、それまでに特定健診等の実施状況を踏まえながら具体的なことを決めてまいりたい、こう考えております。

 これでよろしゅうございますか。

柚木委員 今それは確認させていただいたんですが、それとともにもう一点だけ。

 保険者の保健事業等の実施状況というのが、これは単に特定健康診査を受けた割合だけを指すのか、それとも結果的に医療費が減少したことを評価するものなのか。各保険者によって、これは御承知のとおり、加入者数や平均年齢、国保については就労状況もございますし、被用者保険では業種の違い等もありまして、さまざまな状況が違う中で、どのような客観的な指標を提示するのかということを、ちょっとこれは確認の意味で御答弁をいただきたいと思います。

川崎国務大臣 後期高齢者支援金の加算、減算を行う際の評価指標、お尋ねのありました医療費そのものの指標は用いません。各保険者における特定健診の受診率、各保険者における特定保健指導の実施率、各保険者における糖尿病等の有病者、予備軍の減少率、この三つの数字を基本的に用いることにいたしておりますけれども、いずれにせよ、先ほど御答弁申し上げましたように、平成二十五年までに具体的な評価基準というものは定めたいと考えております。

柚木委員 時間がもう来ましたので、最後に一つだけ質問をして、その御答弁をいただいて終わりにしたいと思います。

 今回の制度改定の中で、これはさまざまな問題点があることは与野党共有している認識だと思っておりますが、この中で一つ、人工透析患者の自己負担限度額の問題、これは大変切実な問題がございます。

 まとめての御答弁で結構ですから、私からぜひお願いをさせていただきたいのは、まず、長期高額療養制度を見直すとして、今回、具体的には月収五十三万円以上の患者の負担を一万円から二万円に引き上げるというふうにございます。これについては、高額療養制度は、長期にわたって高額な医療費がかかる疾病に対しては医療費の自己負担額の上限を一万円に定めておりまして、人工透析は八四年に長期高額疾病の指定を受けて、透析患者の医療費の自己負担が一万円になっているのは御承知のとおりです。

 昨年の十月末に障害者自立支援法が成立いたしまして、透析患者の低所得者の負担もふやされました。自立支援医療費の重度かつ継続の範囲については法律で三年後に見直しとなったわけですが、今回、健康保険法改正では、高所得者を対象に、ことしの十月から高額療養費をふやすとしています。これは法律が違うにしても、三年後に見直しするとしたものを、健康保険法の改正で高所得者の一万円を二万円にするということには、これは大変に納得がいかない部分がございます。

 まずはこの引き上げというものを、やはりこれが前例となってしまって、それがまた低所得者の負担増という形になっては、実際に、毎週三回、一日四時間、そして治療を受けた日にはその痛みで夜も眠れない、そんな状態で翌朝また仕事に出ていくという、まさにそういう切実な患者の皆さんの実態を御勘案いただいた上で、今回の引き上げについても、その他通院費やヘルパーさんを雇う費用や、療養病床の食費、居住費の自己負担がふえたり、いろいろな問題で必ずしも月収五十万円というものが楽だという状態ではないということも、私もいろいろな方から話を伺って承知しております。

 まず、負担引き上げというものを今回の改正の中では踏みとどまることができないのか、そして、もし仮に今回引き上げるとしても、それが前例となって次にまた低所得者への負担が強いられるということにならないような形でお願いをさせていただき、最後に御答弁をお願いしたいと思います。

赤松副大臣 今、柚木委員から、人工透析患者の皆さんの切なる御要望をしっかり聞かせていただきました。

 結論的に申し上げますと、今回のこの人工透析患者に関してのいわゆる高額所得者の部分について、月収五十三万円以上の上位所得者に限って自己負担限度額を一万円から二万円に引き上げるということにしたことが、低所得者、一般所得者の皆さんに移るということがないようにという御要望をしっかりと受けております。自己負担限度額を引き上げることは、現時点で考えておりません。

 以上です。

柚木委員 ありがとうございます。

 以上で終わりますが、今この議論を通じて、私も幾つか認識を共有させていただいた部分があったかと思いますので、今後の審議の中でぜひそれを深めさせていただくことを最後にお願い申し上げまして、私からの質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

岸田委員長 この際、休憩いたします。

    午後零時二十三分休憩

     ――――◇―――――

    午後二時五十六分開議

岸田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。村井宗明君。

村井委員 民主党の村井宗明です。延びた本会議に引き続き、厚生労働委員会で質問をさせていただきたいと思います。

 さて、きょう私が取り上げたいテーマは二つです。がん対策の地域格差の問題、そしてもう一つは、射水市民病院で起こったあの尊厳死にかかわる背景の問題についてです。

 その前に、ちょっとだけ大臣に直接お聞きしたいことがあります。

 柚木議員からも先ほどちょっとだけありました、本日、読売新聞や朝日新聞を初め全国紙の一面、許しがたい事件が起こってしまいました。中央労働災害防止協会にかかわる問題なんですが、大臣はきちんとあるコメントを出されました。職員の報酬などをちゃんと公表しますというふうに発表されましたが、それだけじゃなくて、同時に、やはり、ここは国民の皆さんにしっかりと公表しなければならないものがあると思うんです。大臣、副大臣、内閣府の官房長官や副長官、それから各省庁の長官、副長官などの中で、報酬をもらっている人がいたのかいないのかについても公表すべきだと思うんですが、大臣、どうでしょうか。

川崎国務大臣 ちょっと質問の意味がわかりませんけれども、あの事件は、十年から十三年の間に、執筆を頼まれて職員がそれを書いた、このことについては、いまだに内閣の中で、時間外においてそうしたものについて手伝うことについては報酬を得ても構わない、しかしながら、きちっと報告を行いなさい、こういうことでございます。

 そのことについては、それを行いました安衛部におきましては、十六年のあの社会保険庁問題もありましたし、いろいろな経過もあるのでしょう、したがって、十六年度からそういうことは、内閣の中の規律としては許されているけれども、一切行わないということで徹底をいたしております、こういう御答弁を申し上げたと思うんですけれども、報酬を発表するというふうなことは一切申し上げておりません。先ほどの御質問でも申し上げたことはございませんけれども。

村井委員 別の新聞記事などで読んだのですが、まあ、それは一たんおいておきまして、では、今後、報酬をもらった方々、幾らぐらい、何人もらったかというのを公表するおつもりはございますでしょうか、どうでしょうか大臣。

川崎国務大臣 先ほど申し上げたように、内閣全体として、資料の執筆依頼がありそして時間外においてそうしたものを手伝うことについては許されている、ただし、もらったものについてはきちっと税務申告を行わなければならない、こういうルールになっている。

 一方で、こうした、こちらが事件というよりも、中災防におきまして、二千八百万になりますか、要は、七年間に、印刷とかそうした経費を本来四月付で落とすべきものを三月中に落としてしまった、年平均すると四百万ぐらい、こういう処理の誤りがあった。そういうものについては、もちろん、税務署から指摘されたことでもありますし、内部的に処分が行われた。

 この処分が行われた事案の中で、執筆料として職員に、これ三億ぐらいになろうと思いますけれども、それを執筆料として払っていたものがあった。その問題については、幾らだれがもらっていたんだということについては私の方に報告は上がっている、こう申し上げたんです。

村井委員 何度も質問と食い違う答弁ばかりあるので、もう一回ちゃんと聞きます。

 そういった報告を受けられた分、つまり、でかでかと全国紙の一面を占有した大きな問題ですが、これについての資料、つまり、具体的に何人の人が幾らもらったかということの資料をこの委員会などで公開するつもりはありますか、公表するつもりはありますか、イエスかノーかでお答えください。

川崎国務大臣 今の事案として、法律的に違反するような、もしくは内閣の中での規範といいますか、に違反するようなことはないと思っております。しかし、今後の推移の中で、法律的に違反もしくは内閣の規範に反するものがあれば、これは当然公表していくことになりますし、何らかの処分を行っていくことになるであろうと思います。

村井委員 要するに、この問題は国民の怒りを買っていますが、グレーなので公表しませんということだと思ってよろしいですか。大臣、どうですか。

川崎国務大臣 この問題といいましても、両方書いてあることが違うんですよね。新聞一つ取り上げたって、書いてあることが違うんですよ。

 「公益事業 三億架空仕入れ」こう書いてある。これについては、先ほど申し上げたように、二千八百万について、四月で処理すべき、五月で処理すべき経費を三月に、年度末処理の中に伝票を入れた。これは二千八百万です。これは朝日には確かに二千八百万という数字が書いてあるんです。それで、朝日は違う切り口で、今度は「原稿料装い金銭提供」というふうになっております。これは違う話ですね。

 要するに、二千八百万の経費処理の誤りの話と、それから、今度はこっちは執筆料の話が書いてあるんです。このことについては、法に照らして悪いか、もしくは内閣の規範、こういうことは公務員は基本的にはルール上違反じゃないけれどもだめだよという内規があれば、それに違反したとしたら、それは当然公表していかなければならぬだろう、そこはもう少し精査をいたします、こういうお話を申し上げたんです。新聞でも違うんですよ、これは。よく読んでください、読売の書いてあることと。

村井委員 要するに、二つ大きな問題を起こしている、どっちにしてもひどい団体だ、二重にそういう話になるんですが、では、この原稿料の部分だけに絞ってお伺いします。

 原稿料は、要するに補助金をもらっている団体、公益的な団体と思われるところがいろいろな形で職員その他にお金を渡していた、ダミーの執筆料ということで。それで、もらっていた金額、そもそもそういったものが幾らぐらいあったのか、そして何人ぐらいに配られていたのかを、公表するつもりは今のところないということでよろしいですね。内閣の規範に照らして問題じゃないので公表する気はないということでよろしいですね。

川崎国務大臣 法律的に違反があれば、また、内閣の規範に照らして問題があれば公表いたします。しかし、今のところは、そういったものを私が見て当たっていないので、公表いたしておりません。

村井委員 この問題はこれで終わらせていただいて本題に入るんですが、少なくとも国民は大きく怒りを持っています。法的にそこは書いていないから違反じゃないと言っていますけれども、では実際に国民がそれで通じるかどうかというのは全く別の問題だということを申し上げ、グレーの問題だから公表しないというのはどうかと思います。

 さて、本題に入らせていただきます。

 きょう私がお配りさせていただいた資料、民主党の方でがん対策のアンケートを各都道府県にとらせていただきました。ここで出てくるのは、がん対策の予算がいかに地域によってばらばらか。一生懸命取り組んでいる県もあれば、そうじゃない県もある。

 さて、こういった問題に対して、具体的にどうやって地域格差を埋めるべきだと考えられますでしょうか。大臣、お答えください。

川崎国務大臣 市町村が実施するがん検診については、これまでの調査研究事業や検討会において最新の知見に基づく有効性の評価等の検討を適宜行い、国が示すがん検診指針に反映させているところでございます。

 乳がん、子宮がん、大腸がん検診については、指針において、事業評価の点検表を示し、がん発見率、要精検率、陽性反応的中度等を把握することにより、適切に事業を実施することを求めており、今後、胃がん、肺がん検診についても同様の取り組みを進めてまいりたいと思っております。

 そのようなことで、各市町村にその実施を求めてまいりたいと思っております。

村井委員 これは通告していない質問なんで役所の方に答えていただいて結構なんですが、今まで厚生労働省でこうやって地域格差についてのアンケートや調査をしたことはありましたか、どうでしょうか。

磯部政府参考人 地域格差とおっしゃっているのは大変広い概念かと思いますが、がんの発見率あるいは要精検率につきまして、各県の状況は把握しております。

村井委員 では、がん対策の予算、地域によって全くばらばらだというこのデータなんですが、予算については今まで調査をしたことはありましたでしょうか、どうでしょうか。

磯部政府参考人 ちょっと突然のお尋ねでございますので、記憶の限りでございますが、恐らくないのではないかと思います。

村井委員 今、がん対策に地域格差がある、地域によって予算がこれだけばらばらだということについて調査をしたことがないのではないかという話だったんですが、私はそこに大きな問題があったと思うんです。

 がんの検診率、地域によって本当に違います、しっかりやっておるところ、そうじゃないところ。それから、それだけじゃない、例えば乳がんのマンモグラフィー、私のいる富山県なんかは非常に進んでいるんですが、そうじゃないところだってあるんです。

 何でこんなことになったのか。そうです。がん検診の費用。今まではそれぞれきちんと補助をしていたのが、一般の交付金の中に埋もれてしまったから。だから、一生懸命取り組めば取り組むところは赤字になっていく。そうじゃないところは、その分お金が足りぬようになったらがん検診のところが削られているんじゃないか。がん対策を国全体で取り組むためには、私は地域格差をしっかり埋めていくべきではないかと思うんです。

 大臣、どうでしょうか。

川崎国務大臣 国が政策目的を持って補助金としてつけていく、しかし一方で、できるだけそういうものを廃して地方の自主性に任せるべきだ。今、委員会での議論も、大勢は、できるだけ地方を信じて任せなさい、こういうのが流れでないでしょうか。そういった意味では、そういうものを残すと言うと私の方は守旧派と言われている。

 そういう意味では、がん検診を地方がしっかりやりなさいという中で、適時適切な情報を流しながら、しっかりやっていくように私どももお願いをしてまいりたい、こう思っております。

村井委員 このデータを見てもらってわかるように、例えば一番低い徳島と一番高い秋田を見たら、二千倍も予算が違うがです。本当にこういうことでいいのかどうなのか、今後しっかり問いかけていきたいと思うんです。

 そして、次の、配った資料五ページ目のところで、がん検診の精度向上について、私の地元の北日本新聞という記事から配らせていただいたんですが、ここで、今、がん検査について、精度向上のため、一定の水準を確保するための仕組みをつくるというふうに厚生労働省が言っているという記事が出ています。

 まず、これが本当かどうかと、具体的に一定水準を確保するための仕組みをつくることを考えるとしたら、その一定水準とは何なのかについてお答えください。大臣、お願いします。

川崎国務大臣 適切ながん検診が行われるためには、適切な検査の実施及び判定が行われることが必要である。国の示すがん検診指針においては、実施体制として、がん検診に習熟した検診担当医及び技師の確保を求めているところであり、一定の経験を有する医師等の確保が行われているものと考えております。

 なお、がん検診の一層の精度向上を図る観点から、十八年度において、市町村及び検診実施機関の事業評価をさらに厳格化することとしており、その中で従事者の資質等についても検討してまいりたい、このように考えております。

村井委員 さらに、その中で不適切な機関には検査実施を認めない措置をとることがあるというふうに新聞には出しているんですが、具体的にそういうことはあるのかどうなのか。そして、その中で、ではその不適切な機関というのは具体的にはどういったものなのかについてお答えください。

磯部政府参考人 市町村のがん検診事業につきましては、国が示す指針に基づきまして、都道府県ごとに専門家で構成する協議会を設置していただいて、効果的、効率的な実施を確保するために、市町村や検診実施機関の事業評価を行うこととされております。

 この都道府県の協議会におきましては、検診実施機関の人員や設備、検診結果等につきまして評価を行っておりまして、今年三月の指針の改正によりまして、適切な検診を行っていないと認められる実施機関に対しましては、まず指導助言等を行うこととし、それでも改善が認められない場合には、当該機関に検診を委託することが適切でない旨、都道府県から市町村に対して助言する規定を設けているところでございます。

村井委員 さて、きょうは総務省の方もお呼びしています。総務省の清水さんに何を聞きたいかというと、今、この地方格差を生み出しているものは一体何なのか。がん検診について、それからがん対策全体について、地域によって二千倍も違う、これで本当に全国的にいけるかどうか。

 お答えいただきたい質問は、この地方交付税交付金の算定において、がん検診の取り組みについての算定根拠を聞きたいと思うんです。特に、地方の取り組み、検診率なども含めて、それによって濃淡を入れるべきだと思うんですが、どうでしょうか。

清水政府参考人 お答えいたします。

 がん検診関係費でございますが、これにつきましては、地方の事務といたしまして同化定着しているということなどから、平成十年度におきまして一般財源化されました。その所要額につきましては、普通交付税の基準財政需要額に算入いたしているところでございます。その後の動きを見ますと、検診につきましては、ほぼ同水準の受診率で推移していると認識しているところでございます。

 現在、全体といたしまして、所要額約六百四十億円になりますが、これを需要額として見込んでございまして、各地方団体におきましては、地域の実情に応じましてがん検診に取り組んでいただいているものと考えております。

 他方、普通交付税の基準財政需要額ですが、これは御案内のように、標準的な行政を行う場合に必要な一般財源の額を算定するものでございます。その算定につきましては、複雑でわかりづらいと言った御指摘がございまして、これを踏まえまして、平成十年の地方分権推進計画、あるいは累次の経済財政運営の基本方針、いわゆる骨太の方針などに基づきまして、補正係数の廃止を中心とした算定の簡素化に努めているところでございます。

 こうしたことから、がん検診に係る経費につきましては、今年度におきましても、従来の方法により算定を行う予定としているところでございます。

 なお、がん治療につきましては、早期の発見、早期治療が重要でございます。がん検診の必要性は今後もさらに高まるものと認識してございますので、国において、積極的にPRしていくことが重要であると考えております。総務省といたしましても、国と地方がどのような役割分担のもと、受診率の向上に取り組むのがよいのかなどにつきまして、所管省庁との相談に応じてまいりたいと考えているところでございます。

村井委員 今ありましたように、がん検診については国を挙げて取り組まなければならないと言っている。でも、実際は、今ここで数字、配らせていただいた資料のように、地域によって二千倍も違う。二千倍も違うのに、がん検診、それからがん対策としての交付税交付金は、結局、人口などに比例して配るだけで、でかいと使っているところも使っていないところも一緒。これで考えれば、ほとんど使っていないところにそれだけ同じ金額を出す必要があるのか。

 例えば、秋田や富山のようにたくさん使っているところほど金額を大きくしないとおかしいんじゃないかなということを申し上げ、次の質問にかえさせていただくんですが、そんな中で今地方交付税交付金などを各自治体に配っていますが、何割の自治体が受診者に自己負担をさせているのか、何割ぐらいが完全に無料でやっているのか、地方の負担でやっているのかについて調査をされておられますでしょうか。大臣、お答えください。

川崎国務大臣 私どもで把握している限りでは、もちろんがんの種類によって違います。一般的には九割以上の市町村が費用を徴収しているものと考えております。

 市町村が実施するがん検診について、平成十年度に一般財源化をされておるということで、費用を徴収するかどうかも含め、その実施方法については市町村が判断をしているということでございます。

村井委員 結局そういうことなんです。対策についての予算が地域によってばらばらだから、当然配る一般財源の形、それから入れているお金の金額が違う。そして、それぞれ費用徴収して自分らでやってくれ。地方に任しておったら、がん対策、国を挙げてやれぬがです。そんな中で、がん対策、時間が余ればまた後で質問させてもらいたいんですが、最後に、せっかくなので副大臣にお聞きしたいと思うんです。

 がん対策基本法、今民主党が出したもの、ことし通すべきじゃないか、もしくは自公の公明党さんが、特に今、公明新聞などで掲げられたように、ことしじゅうにがん対策、国会で議論すべきだというのを新聞の一面に上げておられましたが、ぜひ審議すべきだと思うんですが、副大臣はどのように考えておられますでしょうか。

赤松副大臣 公明党に所属している副大臣であるから、そういう御質問をなさったんだと思います。

 今御指摘のように、公明新聞で連日のようにがん対策について書いていることは私も十分承知しております。自公で今一生懸命、鋭意まとめていただいているというふうにお聞きしております。できるだけ早い機会に自公の法案が出、そして民主党の皆さんが出された法案と一緒にしっかり議論がなされて、この国会で成立されたらいいな、そんなふうに思っているところでございます。

村井委員 せっかくなので、同じ質問を大臣にもお聞きしたいと思います。

 副大臣は、ことしの国会じゅうに審議すべきだというふうにお答えされました。大臣はどう考えておられますでしょうか。

川崎国務大臣 私どもの基本的ながん対策の考え方は打ち出させていただいております。一方で、与党としてそうしたものを集大成したいという中で議論されていることも承知いたしております。しかしながら、与党全体の流れでございますので、内閣の一員として、どこまで与党が詰めているかについては承知いたしておりません。

村井委員 まさに今、国民は注目しています。この医療構造改革で一番の問題だったはずのがん対策、がん対策基本法だけ後回しにされてしまいました。しっかり、そこだけは審議拒否されることがないよう、今国会中に、再度この委員会で審議することをお願い申し上げ、次の質問にかえさせていただきたいと思います。

 次にお話ししたいと思うのが、きょう配らせていただいた資料。がんの話はまた後で時間が余ればやるんですが、九ページ目、それから十一ページ目の問題についてお聞きしたいと思うんです。特に十一ページ目、「検査費詳細」「枚方市民病院」と書いてあるものですが、今回、領収書それから明細書の問題も、この医療構造改革の問題で上がってきました。

 さて、そこでです。患者の知る権利、患者に納得をしてもらうための出すべき資料は、上の領収書なのか下の明細書なのか。大臣、どっちが患者の知る権利に合致していると思われますか。その上で、今後、どういう形で患者の皆さんにこの明細書を通知していくよう呼びかけようと思っておられますでしょうか、大臣、お答えください。

川崎国務大臣 患者さんの立場からいえば、できるだけ細かい資料が欲しい、医療を提供される立場からすれば、例えばお医者さん一人しかいない場合に、そこまで細かい明細を求められたら医療業務に支障を来す、こういう議論をどう調整しながら持っていくかというのが私どもの仕事でございます。

 最終的には、レセプトのオンライン化、要は事務の合理化を図りますので、そういった最終到達点においてはかなりの明細を提出できることになるだろう。しかし、今現在において、医療側にそれをすべて規制をかけて出さない限りだめだということになると、医療現場は先ほど申し上げたように、その明細書を書くために次の患者さんが十分、二十分待たなきゃならぬというケースも出てくるでしょうから、そこを、要求されれば出しましょうという中の方向性に今回はさせていただいております。

 言われるとおり、最終的にはやはりオンライン化をして、きちっとした資料が患者さんに行き、患者さんもしっかりわかった中で、医療が確認されながら行われるということが大事なことだろうな、こう思っております。

村井委員 そこで、その前のページのところで出しておられた厚生労働省の指示文書なんですが、局長名で出されたものなのですけれども、その裏ページの四番のところ、今そこで努力義務を課されました。ちゃんと明細書を発行するように、患者から求めがあったときに明細書の発行に努めることという努力義務を課された。これは、非常に進まれたと思うんです、よかったと思うんです。その上で、まず隗より始めよです。まず国立病院で、患者からの求めがあれば毎回出すということを呼びかけてほしいんですが、大臣、どうでしょうか、まず国立大学から進められてはどうでしょうか。

川崎国務大臣 国の機関ということになりますと、まず最初に国立高度専門医療センター、それから国立病院機構、同じく文部省の関係からいえば大学病院、私の範疇で申し上げれば、今申し上げたセンターと病院機構、従来から、投薬、注射、画像診断など個別の項目ごとに区分した内容の書類を領収書とともにすべての患者に交付してまいりました。

 あわせて、今般の保険局長通達を踏まえ、現在、各病院の領収書発行システムの改善を鋭意進め、対応を練っております。個別の診療報酬点数の算定項目のわかる明細書の発行については、平成十八年四月より、患者から求めがあった場合にはできる限り発行するように努めてまいりたい。

 いずれにいたしましても、御指摘のとおり、国からしっかりやりながら、民間病院にも、また小さな診療所にも順次協力を求めていきたい、こう思っております。

村井委員 本当にまず国から始めていただくということはすばらしいと思います。今こうやって大臣から答弁をいただいていることは非常に大きいと思っております。

 さて、その次の問題、私の本題の方に入らせていただきたいと思うんです。それは、射水市民病院問題です。今回たくさんの新聞、北日本新聞や富山新聞といった私の地元の富山県の新聞で、それから連日この尊厳死の問題が取り上げられています。尊厳死の法制化について、前回、あえてここではなくて、私は法務委員会の方に出張って質問させていただきました。法務大臣からは、わからない、わからない、難しいという答弁をいただきました。確かにそうだと思うんです。殺人罪と尊厳死の区別、それからその境界線のところ、そこは難しいのはよくわかります。

 そこで、きょうは、あえてこの厚生労働委員会にかかわるところで質問をしたいと思っています。

 今この尊厳死の背景をまず探らなければなりません。家族の同意があるべきだったか、ないべきか、あったかなかったかをさんざん議論されましたが、その家族の同意というところに私は一つ大きな問題があると思っているんです。

 それは、家族の負担なんです。家族の経済的な負担が非常に今重い状態になっています。本当だったらもっと生きてほしいと思うのだけれども、差額ベッドなどで一日二万円、一カ月で六十万円も払い続けなければならない。そのうち、何カ月かは生きてもらったけれども、お金が足りぬようになったから、もう仕方ないな、同意しようという人もいたと思うんです。私は、この間、ALS協会のこの新聞に出された川口さんなどを初め、いろいろな人から話を聞きました。

 そんな中で、まさに今しっかりと、そういった家族の負担などについて厚生労働省は調査をしたことがありますでしょうか、どうでしょうか。

川崎国務大臣 終末期医療、必ずしも定義が決まっておりませんけれども、財団法人の調査結果に基づき一定の前提のもとに推計を行いますと、死亡前一カ月間にかかった医療費の平均は、平成十四年度で百十二万円となっております。当然そこに所得に応じて医療費の自己負担限度額を定め、保険の自己負担が過重とならないように配慮しております。

 例えば、百十二万ですから、三割負担ということになりますと、若い人は三十五万、高額療養費による調整後八・一万円の負担になります。それから、老人の場合は一割負担でございますので十二万円、高額療養費による調整後四万円となります。

村井委員 さてそこで、差額ベッドについての話を聞きたいと思うんですが、実際に、その机上の空論は、机の上での数字は実態に合っていないんです。多くの方々に聞いてみてください。本当にその高額療養費の部分だけで終わっているのかどうなのか。そうじゃないですよね。病院に行ったら、一日二万円、別料金、差額ベッドを取られたり、ほかにもいろいろな経費がかかっているはずなんです。

 そういった建前だけのお金じゃなくて、本当にかかっている費用を調査したことはありますでしょうか、どうでしょうか。

水田政府参考人 保険外の負担についてのお尋ねでございますけれども、これにつきましては、保険診療と保険外診療の併用の場合、それから自由診療の場合と二つあるわけでございますけれども、いずれにしましても、保険診療とは異なりまして公定価格を定めておらないわけでございまして、医療機関と患者との個別の契約によりまして支払われる費用であるということでございまして、一般にその把握は困難でございます。

 しかしながら、この保険外診療との併用の場合の保険外診療につきましては、患者の負担を明確にする観点から、差額ベッド代の設定状況等につきまして、医療機関から報告を求めているわけでございます。

 この差額ベッド代でございますが、平成十六年七月現在で、個室の場合の平均徴収額は、一日当たり六千九百円、月当たり約二十一万円でございます。個室から四人室までを含めた全体の平均徴収額は、一日当たり五千三百円、一月当たり約十六万円、このようになってございます。

村井委員 では、その月二十一万か月十六万は、どっちをとられるかは一たんおいておきまして、十六万から二十一万円のその差額ベッド代を毎月払いながら、さらにさっきの代金がかかってくる。本当に、そういった経済負担に対して、しっかりと対応しなければならないのではないか。

 安易に尊厳死の法制化、家族の同意があればいいという前に、この射水市民病院で行われたその家族の同意というものの背景、経済的負担について、大臣はどのように考えられますでしょうか、対策をとるつもりがありますでしょうか、ないでしょうか。

川崎国務大臣 ベッドについては、今答弁なかったと思いますけれども、いわゆる差額ベッド問題、差額ベッド代を徴収できる病床数は、原則として総病床数の五割以内としております。そういった意味では、今、委員が仮定の計算で、全員が差額ベッド代を取られて数カ月もというのは、基本的な概念からすると少し違うと思います。

村井委員 では、その中で、終末期の方で何割ぐらいの方が差額ベッド代を払っているのかどうなのか。そして、確かにそうじゃない人がいるかもしれません、そんな中で、本当にすべてをひっくるめた経済的な負担を調査せずして、その前に尊厳死のルールを決める、それが本当にいいんでしょうか。この家族の同意というものは、私は、お金さえあれば同意しなかったという人がもっといるんじゃないかと思うんです。

 そういった調査をすべきだと思うんですが、大臣、どうでしょうか。

川崎国務大臣 尊厳死の問題で、これから議論が深まってくるんでしょうから、そこで申し上げようと思いましたけれども、一つは、本人の判断。本人が判断できない状況にあれば、家族等の判断を一つは求めたい。もう一つは、当然、医療提供側の判断。

 しかしながら、医師個人の判断ではなくて医療機関全体として、例えば複数以上の方々がこの問題についてどう判断をするか。まさにお医者様の倫理の話ですから、医者の倫理は疑います、家族の同意も疑います、全部だめですからという話になれば、確かに物事は進まない話になる。しかし、私は、いろいろな意味で、お互いが議論をしながら詰めていかなければならない話だろうと思っております。

村井委員 今の話、後でもう一回ぶり返します。それは何かというと、やはり単なる倫理だけじゃなくて、実際、まず本人の問題でいうと、緩和ケアが日本はきちんとできていないから、必要以上に肉体的な痛みがあるという点、それから、家族の同意について言えば、今回特に、特殊疾患療養病棟の入院料についての切り下げが行われましたので、さらに家族の負担が重くなった。そのことを前提にして尊厳死の問題は議論しないと、本当のこの射水市民病院問題などの背景が見えてこないんではないかと思うんです。

 そこで、一たん話をずらしますが、この射水市民病院問題があった富山県から、延命治療に関するガイドラインの策定の要望が知事からあったはずなんです。その知事からあった延命治療に関するガイドラインの策定について、大臣は省内でどのような具体的な指示を出されましたでしょうか。

川崎国務大臣 私から指示をいたしましたのは、衆議院の委員会、参議院の委員会での質疑を受けていたしました。富山県知事は、それがどのように進んでいますかという形で確認に来られた。背景が違いますので、どうぞ、そこは間違えないようにしてください。富山県知事が要請に来られたわけではない、その地域の知事として、どのような形で進んでいますかという確認に来られた。知事の立場もございますから、どうぞ、同じ県でございましょうから、御理解を賜りたいと思います。

 私が何回も答弁いたしたことでありますから、繰り返しますけれども、積極的な安楽死、苦痛から解放するために意図的に死を招く行為。間接的安楽死、死期を早める可能性のある薬剤を投与すること。これは、耐えがたい肉体的苦痛の存在、死期の切迫、こういったときに行われる、これは二番目。三番目、治療行為の中止、いわゆる尊厳死。点滴の取り外し等、回復の見込みのない末期状態、その場合においてどうであるか。

 一番、二番も含めまして、議員連盟ができ、いろいろな議論がされておりますけれども、今回、射水病院の問題を見て、私は、この一、二、三の問題をトータルとして解決しなければならないことは大きな課題だけれども、これ全体を今早急に進めることは難しいと判断をいたしました。

 したがって、今申し上げた三の項目だけ、この問題について議論をしてほしい。そのときに、射水病院のケースは、一つは、家族の同意を得たというけれども、文書による同意はとっていなかったように見られる。二番目、単独の医師の判断によって行われたように思う。この二つについては、やはり少し違うのではなかろうかと。

 やはり、文書による確認、二番目は、やはり医療機関全体として、生命倫理の問題として判断をしてもらわなきゃならない。個人の医師の判断では少しまずいのではないかということを投げかけながら、いずれにせよ、議論を開始して、余り時間をかけずに一つの結論を出し、結論を出した後は、国民の意見を聞き、もちろんその前に、医療関係の皆さん方、また医師会の皆さん方、いろいろな方々の意見を聞きながら結論を一つ出して、そして、国民の意見を聞いた上で最終的にはガイドラインとして発表すべきではないかなということを申し上げました。

 しかし、前提は、議論がまとまらなければこれは出せない話でありますから、そこの話し合いに今入っている、こういうふうに理解をいたしております。

村井委員 さて、そのガイドラインをまとめるに当たっての話でございます、さっきもちょっと言いましたが。

 さて、本人の同意や家族の同意を特に背景にしてガイドラインについて話し合いをしますが、まず、本人の同意についてです。例えば、日本は欧米の一人当たり七分の一しか、痛み、緩和治療のモルヒネなんかは使っていないというふうに言っています。

 緩和ケアが十分にされていない状態で、東海大病院の判例に出てきた耐えがたい肉体的苦痛などという要件を議論するというのは、私は尚早ではないかと思うんです。本当は、その前に、尊厳死とセットで緩和ケアの充実についてしっかりやることが必要だと思うんですが、大臣はどのようにお考えでしょうか。

川崎国務大臣 緩和ケアは、患者の身体的苦しみや精神的苦しみを麻薬等を用いて緩和するものであり、終末期における療養生活の質の向上を図っていく上で積極的に取り組むべき課題であると考えております。このため、緩和ケアの重要性について医療従事者の認識を高め、医療の現場において適切に実施されていくことがまず必要であると考えております。

 厚生労働省としては、医療従事者等の研修事業、医師臨床研修制度において基本的な緩和ケアができることをその到達目標の一つとすること、がん緩和ケアに関するマニュアルの作成、普及、四番目といたしまして、在宅医療における緩和ケアに必要な麻薬が適切かつ円滑に提供される体制整備等を通じて、緩和ケアの普及と医療従事者の知識、技術の向上に取り組んでまいりたい、このように考えております。

村井委員 まず、今、日本の緩和ケアがおくれているという事実を認められるかどうか。そしてその上で、結局、緩和ケアができていない、痛みがちゃんととれていない中で本人の同意をとるということが本当にいいのかどうなのか。

 例えば、その人が、もっと緩和ケアの進んだ欧米なんかだったらそれほど痛みがないはずだから、もっと生きたいという判断をするのかもしれない。だけれども、日本の場合、今、確かに麻薬を使うものですから大きな問題はあるかもしれませんが、それを充実してから本人の同意についての議論をすべきだと思うんです。どうでしょうか、大臣、どのように考えられますでしょうか。

川崎国務大臣 緩和ケアの問題と、先ほど申し上げた私の三の終末期における問題と一緒のレベルの話だというのは、ちょっと私は理解に苦しみます。

村井委員 大臣、本人の耐えがたい肉体的な苦痛があるという話、それが尊厳死の今の議論の話ですよね。それと、緩和ケアについてしっかり対応しなければならない、これはセットだと思うんです。民主党はがん対策について緩和ケアもしっかり盛り込んだ法案を提出しているにもかかわらず、そこを議論する前にガイドライン策定、私はそれがおかしいと思うんですが、どうでしょうか。

川崎国務大臣 先ほど、積極的な安楽死、間接的安楽死、治療行為の中止、三つに分けました。今あなたの言われましたのは……(発言する者あり)私が答弁していますので、ちょっと静かにしてください。

岸田委員長 静粛にお願い申し上げます。

川崎国務大臣 あなたの言われた、耐えがたい肉体的苦痛の存在、死期の切迫、患者の推定的意思、こうした問題については第二に当たるから、今回については議論いたしませんと私申し上げたんです。

 一、二、三に関しては、すべてやることについては難しいから、三番目の状況だけ、例えば点滴の取り外し等の問題について諮ってもらいましょうということでございますから、緩和ケアを含めた二の話につきましては、すなわち間接的安楽死の問題については、今回はテーマとはしない、こういう御理解をください。

村井委員 わかりました。今回はその問題、議論しないということだったので、では、一たん先送りします。

 そうしたら、その次に、それもかかわってくるであろう問題なんですが、特殊疾患療養病棟の入院料の切り下げの問題、今回入っています。これによって経済的負担がますます高まるんです。

 さて、それで、その経済的負担が高まる中で、本当に尊厳死の家族の同意が得られやすくなる、得られやすくなるというと非常に悪い言葉なんですが、家族がそういうのを望みやすくなるのではないかと考えるんですが、その点、大臣、どう考えておられますでしょうか。

水田政府参考人 まず、委員の方から特殊疾患療養病棟に関します入院料についてのお尋ねでございましたので、今回の診療報酬改定での措置について御説明をしたいと思います。

 まず、今回の改定におきまして、医療療養病床におきます特殊疾患療養病棟入院料による一律の評価を廃止して、患者の医療の必要性等に基づく評価を導入することとしたところでございますが、人工呼吸器をつけた患者さんにつきましては、最も医療の必要性が高い分類に該当いたしますので、診療報酬上も高い評価がなされることになります。それとともに、人工呼吸器の装着につきましても出来高で評価されるということをしてございますので、御指摘のALSなどで人工呼吸器をつけた患者さんにつきましても、引き続き適切な入院医療が確保されるもの、このように考えてございます。

村井委員 今、適切な入院医療が確保されるものという話でしたが、では、もうちょっとそれを具体的に聞きたいと思うんです。

 人工呼吸器をつけている患者の自己負担は平均でどのぐらいでしょうか。そして、人工呼吸器を何割のALS患者がつけていますでしょうか。そして、経済や家族の都合で人工呼吸器をつけられない人は何割ぐらいでしょうか。

中谷政府参考人 ALSの患者の数等につきまして、とりあえず御答弁申し上げます。

 現在、ALSにつきましてはいわゆる難病の指定疾患になっております。その把握している数でございますけれども、約七千人でございます。

 それで、その中で人工呼吸器を装着されている率ということでいいますと、研究班の報告によりますと二七%、その二七%の約半分が在宅におられる、こういう状況に相なっております。

村井委員 そのALS患者で人工呼吸器をつけている方、二十四時間の介護が特に必要とされる方々の経済的負担は実際どのぐらいでしょうか。

水田政府参考人 これは、先ほど保険診療については、一定程度の自己負担、高額療養費等が出るということでございますけれども、保険外負担につきましては、これは先ほども申し上げましたように、併用の場合と自由診療の場合でありますけれども、基本的に医療機関と患者さんとの契約の問題でございますので、これについて公定価格もございません。したがって、把握はしていないわけでございます。

 ただ、差額ベッドにつきましては、先ほど申し上げたような状況にございます。ただ、差額ベッドにつきましては、先ほど大臣から答弁ありましたとおり、病床数の五割以内としておりますし、さらに、治療上の必要性により当該病室に入院させる場合には徴収を行ってはならない、このようにしているところでございます。

 一般的に、こういった保険外の取り扱いにつきましては、これは患者が自由な選択、同意に基づいて費用を負担いただく仕組みでございますので、特段の調査ということはいたしてございません。

村井委員 では、本当に現場の状況を実際に見ていただきたいと思うんです。私もいろいろなALS患者の人たちに話を聞かせてもらいました。なかなか受け入れないですよ、差額ベッドがない限りは。

 実際、そういった現場も調べてもらってから、私は、この特殊疾患療養病棟入院料の切り下げの問題を調べてほしいですし、もう一つは、やはり在宅でALS患者の人たち、二十四時間介護が必要なんです。では、二十四時間、介護保険でしっかりサービスできているのか、それから、今回、障害者対策で十分そこも賄えているんでしょうか、実際どうでしょうか。

中谷政府参考人 福祉的なサービスにつきましてのお尋ねでございましたので、御答弁申し上げます。

 現在、ALSの方々、公的介護サービスを受けられ、また障害福祉サービス、これにつきましては、年齢にかかわらずお一人お一人の状況を踏まえましてサービスの利用が可能でございます。さらに、四十歳以上であれば介護保険の受給対象者になりまして、ALSの方はまさにそうでございますので、障害者の福祉サービスと組み合わせて福祉的なサービスが御利用いただける、こういう状況になってございます。

 それで、今般の障害者自立支援法におきましても、ALS等、介護を必要とする程度が著しく高い方でありまして、人工呼吸器を装着されている方など医療サービスを大変高密度に利用されている方を対象に、重度障害者等包括支援事業、こういう新たな給付体系を設けまして、福祉サービス、特に在宅の方々へのサービスの拡大を図っておるところでございます。

 したがいまして、介護保険によるサービス、それから障害者のサービス、これらを組み合わせることによりまして、神経難病など重度障害者の地域生活を支える支援体制、これを確保するように努めてまいります。

村井委員 さて、大臣に最後の質問をしたいと思います。

 結局、この射水市民病院問題、争点になっている本人の同意、肉体的苦痛の部分は、今回はガイドラインを策定しないし、話をしないということだったので、では、その部分は、本人の同意の部分、肉体的苦痛の部分はおいておきます。

 だけれども、家族の経済的負担の問題は今回やはり議論しなければならない問題になっているわけです。実際の家族の経済的負担、そういったところもしっかり含めて議論をしてから、このガイドラインの策定などに入らなければならないのではないかと思うんですが、最後に、そこについての大臣の所見をお伺いし、私の質問を終わらせていただきます。

 大臣、お願いします。

川崎国務大臣 ALSの話じゃないですね。(村井委員「全体です」と呼ぶ)

 家族が自分たちの負担が重いがゆえに医療行為の中止を求める、そんなことがあるかもしれない、こう心配をされているわけですね。一方で、先ほど私が言いましたように、一つの要件ではないでしょうと。

 一つは、やはり医療機関全体として、生命倫理の問題として、そこの同意といいますか、そこできちっとそうすべきだという判断がなければならない。それから、本人の同意というものが前提になければならない。しかし、その本人の同意がとれなかった場合に家族の同意というものが一つの要件になると申し上げているだけで、家族が、あなたが心配されているように、経済負担が大きいからもう延命治療をやめてくださいなんということをしたときにでも、やはり私は、お医者様の倫理というものが当然かぶってまいりますので、そのようなことは起こらないと思いますけれども、いずれにせよ、委員からもそういう御指摘、しっかり議論はしてもらいますけれども、そう御心配をいただくことはないのではなかろうかな、こう思っております。

村井委員 現実的な家族の負担、毎月六十万、では、実際払っていって何カ月もつかも含めて、実際のそういった部分も含めて議論いただきたいと思います。

 以上で終わります。ありがとうございました。

岸田委員長 次に、仙谷由人君。

仙谷委員 委員会でこの医療制度改革関連法案については初めての質問ということになります。

 ここまで与野党の質疑、そして参考人の意見陳述、お話を伺ってまいりまして、これでいいのか、このまま法案が通っていって本当に与党の皆さんも政府もこれでいいんですか、そういう気持ちを深くしております。

 そこで、二十五日、二十六日、与党からも御推薦になられた参考人が六人、野党からも推薦した参考人のお話が六人ございました。

 大臣、副大臣、いずれもこれをお聞きになられておったと思います。あるいは、後に速記録等々をお読みになっていると思いますけれども、与党推薦の参考人の方々が、まじめに、これほど現在の医療の危機について、この公的な場でお話しになって、危機感を深められている。そういう方々が過半数、与党の中でも過半数いらっしゃったんじゃないかと私は聞いておりましたが、今回の参考人の真摯な御意見をお聞きになって、大臣、副大臣、どんな感想、感慨、あるいは立場上の思いといいましょうか、決意をお持ちになりましたでしょうか。簡単にお答えいただければ結構です。

川崎国務大臣 まず、前提を申し上げますと、審議中に私は行革と参議院の厚生労働委員会にずっと座っておりましたので、実際の現場は見ておりません。概要について担当者から聞いただけでありますので、この連休中にでもしっかり読ませていただきたいと思っております。

 基本的な認識として、我が国の医療制度はどうであるかということになれば、これは委員会でも、特に与党の議員を中心に御質問いただきましたように、ヨーロッパの国々、アメリカ等から比較して、またWHOから見ても、我が国の医療の水準は極めて良好な状態にある。ある意味では、皆保険制度を保ちながら、医療の質も高く保っておる、負担もそう大きなものではない、こういう認識をまず私自身持っております。

 しかし一方で、国内的に見れば、当然、この間の参考人の中にも、僻地医療に携わる方々がいらっしゃいました。したがって、僻地医療が抱える問題というのをお話しいただいたろうと思っております。また、小児医療また周産期医療、集約化というものについて御議論をいただいた、このように思っております。また、急性期の医療等々、我が国の医療の中で抱える課題、しっかり解決していかなければならないという方向で御議論をいただいた、このように思っております。

 しかし一方で、我が国、これから私どもが、団塊の世代の者がだんだん高齢化をしていくという中で、医療費の負担というものは当然ふえていく中で、それをしょってもらうのは数の少なくなってくる若者でありますから、当然医療費の適正化というものにも取り組んでいかなければならない。医療の質を上げながら、保ちながら、一方で負担というものについてみんなで考えながらやっていかなきゃならない、極めて難しい話でありますけれどもしっかりやらなければならない、このように思っております。

 一方で、今度の改革ですべて済むかといえば、これは先ほどからも御答弁申し上げておりますとおり、医療技術の進歩等、これは日進月歩でございますので、五年を程度にしっかり見直しながらやっていかなければならない、このような認識で私自身思っております。

赤松副大臣 今の大臣のお話の後に私の意見を求められたので、簡単に申し上げさせていただきます。

 大筋の今回の参考人の皆さんの御意見は、私も終わってから、担当の厚生労働省の皆さんから聞かせていただきました。すべて正確に把握しているわけではございませんが、そこでの御意見、いろんな角度からの、特に具体的な医療に従事しておられる皆さんのお話に非常に聞くべきものがあったというか、かなり一般的に、より深くわかることができた、そんなふうな印象を受けております。

 実は、私、今の日本の医療の現状について、仙谷委員から、おまえの認識はまだ甘い、こう言われたらあれですけれども、私自身も厳しい認識を持っておるつもりでございます。一昨年、私は、虎ノ門病院の小松秀樹先生のもとで、ある病気の手術を受けたわけで、私の主治医のような立場でございますが、先日、個人的に、小松秀樹先生にいろいろ日本の医療をめぐる話を聞きました。

 彼は近く、ある出版社から、「立ち去り型サボタージュ、崩壊し始めた日本の医療」、こういうふうな本を出すということで、彼の、さきの「慈恵医大青戸病院事件」という本も読んだりいたしまして、今、日本の医療が抱えているさまざまな課題については、私自身もいろいろな角度で勉強をし、自覚をしているつもりでございます。

 そんな意味で、今回の医療制度改革についての法案というものは、仙谷委員、非常に厳しいまなざしでこちらを向いておられますが、そういう委員の御認識と私の認識がどれぐらい違うかどうかということは別にしまして、私も私なりにかなり強い危機意識を持っておって、今回の法案が、一〇〇%と言わないまでも、大きくそれを改善する方向で力を発揮する、そんなふうなことを期待しているわけでございます。

仙谷委員 のんきなものだなと思います。特に、赤松副大臣は、福祉の公明党の所属でございますから。

 医療提供体制の現場の問題が大変深刻な状況になっているということのみならず、先般から問題になっておりますように、未収金という格好であらわれてくる問題、医療扶助で使われております金額、格差がどんどん拡大する中で、保険財政そのものを健全化しようとして、泥縄式に国民の負担増を行い、あるいは政府からの、国庫からの繰り入れを減らすということをやればやるほど、多分この問題は最終的に、生活保護、医療扶助あるいは未収金等々の形でもっと大きな社会問題になってくるんだろうな、今回の審議を通じてそんなことを感じました。

 といいますのは、医師会さんがほとんど公的な立場でここにいらっしゃって、医療難民、介護難民という言葉を使われた。これはちょっと大変な問題ではないかと思います。

 がん患者の方々が、昨年までがん難民という言葉を大変声を大にして訴えられていた。今度のこの医療改革が始まってみると、医師会の公的な立場にある方が、ナンバーツーかナンバースリー、実務の責任者でしょう、医療難民、介護難民と言われた。連日のごとく東北、北陸地方では、ああ、どこの小児科、産科が取りやめになった、あるいは脳外科までなくなった、内科も集団でお医者さんがいなくなった、こんなことがいわゆる病院現場で起こっているということであります。

 私は、これはまさに、一将功なって万骨枯れるということわざがありますけれども、たとえ保険財政が何とかほころびを見せないようにあと五年か十年もったとしても、そのときには、万骨と同じように医療現場は完璧に枯れる。特に急性期医療はずたずたになって、いなくなるのではないか、維持できなくなっているんではないかと思います。

 ある小児科を専門にされている方が私のところへ来て、北海道でその人はなさっておるようでありますが、こういう言い方をしました。仙谷さん、医療現場からの反乱とか一揆とかが起こっているんだったら、反乱や一揆だったら妥協のしようもあるし解決の方策も生まれる、しかし、今起こっていることは、先ほど赤松副大臣もおっしゃったけれども、逃散である。逃散というのは難しい言葉、逃亡の逃に散逸の散。要するに、現場からいなくなる、プロフェッショナルがいなくなる。

 先般の参考人の質疑の中でも、御意見の中でも、あれは横浜市立大母子医療センターの奥田美加さんという女医さんのお話でしたか、もう辛うじて七十一歳のおばあちゃんの力もあって維持しているけれども、やめたい人は身の回りにはいっぱいいるし、これがどこまで続くかわからない、そういうことをおっしゃっていましたよね。

 船橋の市立医療センターというところに行きましたら、やはり小児科部長は女性でした。多分、お年はわかりませんけれども四十代中盤でしょう。もうへとへと、もう見るからにへとへとでした。それで、今まで三つあった小児救急を受け付ける病院が、船橋でことしから二つになったんだと。もう何でもかんでも舞い込んできて、もう寝る間もない。そんなことを言って、本当にへとへとになっていました。

 つまり、いろいろな診療科でも問題があるようでありますけれども、今のこの急性期病棟をめぐる問題。病院というのは、先ほど川崎大臣が、まあ自慢されたわけではないんでしょうけれども、お述べになった日本の医療水準の高さを保ってきた、その大きな要因といいましょうか構造だったと私は思います。私自身も、国立がんセンターで手術をし、入院生活を送った経験からいいますと、日本の医療のレベルは低くない。

 しかし、そう言っているうちに、この人たちがへとへとになってやめていく、若い人たちがもうばかばかしいからそういうことはやめようと。ある確率でそういう逃散現象が、いわば北朝鮮の脱北みたいな話に近いわけですよね、逃散というのは。こういう現象がある確率でふえたときに、十年続いたらどうなるか、はっきりしているじゃないですか。

 先ほど、川崎大臣、我が党の柚木さんの質問にお答えになって、必死になって、小児科医は減っていない、ふえているとおっしゃった。要するに、小児救急病院で宿直をする、宿直のできる小児科医がふえているのか減っているのかが今問題なんでしょう。小児科医が、ビル診で開業する小児科医が幾らふえても、まあ、いないよりいた方がまし、現在の問題を解決するということにはならないんじゃないでしょうか。これは例え話でありますが。

 私は、この段階で与党の皆さん方に申し上げたい。大体、一日二十分の審議をしてこれでよしとするような与党というのは、全くこの法案に責任を持っていると言えないですよ、二十分や三十分で。もっと質問したらどうですか、問題点があるんだったら。これが万事オーケーの法案なのかどうなのかお考えになった方がいい。ちゃんと質疑をした方がいい。

 なぜこんなことを言うかといいますと、皆さん方は法案が通ればいいんですか、これ。もうそれだけでいいんですか。国民はわかっていませんよ。今のこの保険財政が財政破綻状況にあるかどうかということも、ほとんどわかっていませんよ。老人保健制度として維持されてきたこの高齢者に対する医療が、一人一人の現役世代が出した保険料のうち何兆円プレゼントされていたか、ほとんど知りませんよ、国民は。これを新たな七十五歳以上の高齢者医療制度と称するものに変えて、これが保険であるのかないのかようわからぬけれども、どこからこのお金が出てくるのか、国民はほとんどわかっていませんよ。わかっていないと思いますよ、金目の問題にしても。

 あるいは、医療の問題にしても、自分が住んでいる身近なところでの病院で、なぜ小児科が閉鎖になるのか、産科がなくなるのか、外科がなくなるのか、内科の医者がいなくなるのか、なぜなのかわかりませんよ、国民は。これは与党推薦の渡辺俊介さんがおっしゃったように、足りなければ政治の責任で御負担を願わなければいけない、国民に。これだけかかるのであれば御負担を願わなきゃいかぬと私は常々思っているんですよ。

 そのことを、お金が足りないのか、人が足りないのか、政策が悪いのか、ちゃんと説明をして、国民にわかってもらわなければいかぬじゃないですか。社会保障の中で唯一の現物給付ですよ。だれだって、なぜ同じサービスを受けるのに保険料が違うのか、都道府県で違うのか、市町村で違うのか、入っている保険組合の違いで違うのか、このことを説明できる人もいなければ、わかる人もいないですよ。私、そう思いますよ。しかし、現実には受ける医療サービスも、建前上は均一で平等だということになっているけれども、実際は地域によって違ったり、あるいはその人の置かれたポジションによって違ったりしているじゃないですか。

 こういうことをちゃんとわかってもらって、今の水準を維持し、なおかつ、もっとレベルの高い、質の高い医療を、そういうつもりでこれ、良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律案になっているんじゃないですか。そのためには、負担がどのぐらい必要なのかということをちゃんとこの議会で説得的な議論が行われて、国民にそのことがメッセージとして伝わらなければ、だれだって、ああ、また強行採決したのか、何時間で済んだのか、その程度しかわかりませんよ。

 結局、来年の十月ですか、思いもかけず負担が来たとか、あるいは医療提供、病院へ行ってみたらとんでもないことになったとか、医療事故は続くとか、もう医療事故を起こすのは嫌だから病院をやめるとか、そういうことにしかならないんじゃないかということを私は心配して申し上げているんです。

 私は、別に審議を引き延ばすつもりなど毛頭ありませんけれども、この程度の審議で本当にいいんですかということを、真剣に政府・与党にも、与党の皆さん方には特にお考えいただきたいんですよ。このままでいいはずはないんですよ、多分。川崎大臣はそれほど深刻な事態じゃないような感覚のことをおっしゃるけれども、私は相当深刻だと思います。

 というのは、大野病院事件が起こるまでは、率直に申し上げて、私どもも、急性期病棟が全般的に大変な問題化している、つまりバーンアウト現象が起こって、開業医ブームが起こっている、これは何なんだと、こういう問題意識はありました。とりわけ小児科がひどいということも、そういう問題点も感じておったつもりであります。がん治療については、なぜ太鼓はたたくのに事態が進まないのかということについて、甚だ疑問を持っておりました。

 しかし、例えば産科医療がここまで来ている、あるいは僻地と言わずごく普通の地方が、選挙区でいえば二区、三区です。我が地元でも二区、三区、ここの中核的な病院がほころんでいる。今度の審議に際して、いろいろなお話を聞いたり歩いてみたりするまで、ここまで来ているとは思わなかった。これは相当に病状が悪化している。がんでいえば、二期は超えているんじゃないかと私は思うんですね、これは。

 そんな事態でありますから、政府も与党の皆さん方も、ただ、だらだらと審議をすればいいことはありませんけれども、与党の方々ももっと本当に国民の立場をちゃんと代表して質疑をされたらいかがでしょうか。提起しておきます。

 そこで本題に入ります。

 きょうは、ちょっと資料を用意しましたが、何を用意したかといいますと、まず、資料の一枚目と二枚目をごらんいただければ、実は、医師の地域偏在の是正というふうな問題は、もう平成八年から、九六年の医療改革のときから問題になっておりましたね、こういう話です。あるいは、小児救急医療の充実というのは、少なくとも二〇〇一年から二〇〇二年、そしてそこから、せんだっての鴨下参考人がおっしゃったように、労働科学研究をして、ついに昨年、僻地小児科の医師不足問題に対応する確保対策ができた、こういうことだと思うんですよ。

 ここをごらんになっていただいてもわかると思いますが、周産期も実は、厚生労働科学研究で一緒にといいましょうか、同じように研究対象になって、同じように対策が出ておるわけでありますけれども、明確に、産科、周産期がこれほどの状態になっているというのは、少なくとも厚生労働省の公的ないろいろな文書からは余り見受けられないんですね、見受けられない。

 きょう用意しましたのは、最近、産婦人科学会が大変なことになった。これは大野病院ショックだと思いますけれども、調べられて、ちょっとめくっていただきたいんですが、七枚目、産婦人科常勤医師数について、いかがですか、二年ちょっとの間に四百十二人減って八%減になっている。これは、大学病院等その関連病院の数を調べたらこうなっておるということですね。

 さらにもっとショッキングなのは、資料の八枚目。右の方に四と書いてありますけれども、分娩取り扱い関連病院数、これは約一割近く減っている、百十一減っている。

 それから、女性のお医者さんの数は、よくおわかりいただけると思いますが、九枚目には、分娩取り扱い関連病院における常勤医の数の分布、女性医師の分布というふうに書いてあります。これはほとんどの病院が、一、二、三、四と書いてあるのは、二人体制、三人体制、四人体制、あるいは一人医長体制、ここが七七%ぐらいある、こういうふうなことが書かれておるわけですね。

 この対応策でありますが、厚生労働大臣、その対応策について資料の五枚目、「産科について」というところで書いてございますが、少々遅きに失したとはいえ、集中的に今からやるべきこと、厚生労働省は緊急にやるべきこととして何かお考えはありますか。

松谷政府参考人 産科の医療につきましては、御指摘のとおり、急性期医療全般の御指摘がございましたけれども、私どもとしても危機感を持って対応しなければならないと考えております。

 産科につきましては、出生数、出産数は減っている状況でございますが、産科のお医者さんも減っているということでございまして、それに伴いまして、産科を取り扱う医療機関が御指摘のとおり減ってございます。

 このため、ここでの当面の対応について昨年八月の取りまとめにもございますように、集中化、選択化ということで連携を強め、連携強化病院、連携病院というものを各県において進めていくということがまず当面やらなければならないことではないかと思っております。

 そのほかにも、産科につきましては、助産師との役割分担、その他やらなければならないことは幾つかあろうかと思っておりますけれども、地域での周産期の医療協議会、あるいはネットワークを十分に尊重しながら集約化を進めていくということが当面まずやらなければならない仕事であると思っております。

仙谷委員 今、産科で、特に分娩を取り扱う病院で働いているドクターが、医政局長の今のお話を聞いたら、もうあしたからやめようと、二割ぐらいふえたんじゃないですか。そのぐらい深刻だと思います。

 医政局長、先般の参考人の鴨下先生と奥田さんという女性のお医者さんのお話、聞いていないんですか。鴨下先生は、厚生労働省のお金で厚生労働科学研究をやった結果、ああやって具体的におっしゃっているんじゃないですか。そんな今のような、昼寝のような話をされたら、どうすることもできないじゃないですか。

 もっと具体的にここをこうするんだ、つまり、産婦人科学会が言っているように、病院では五人以下の体制なんかとらせないようにする、そのために緊急にこのぐらいお金を補助金で突っ込む。例えば二次医療圏について、一つぐらいはそういう体制をとる。診療報酬はもう決めちゃったから改正できないでしょうけれども、要するに、鴨下先生がおっしゃったのは、勤務状態と訴訟の問題を言っていたわけでしょうが。毎日毎日、眠れないような状態で三十六時間働いて、次の日に日勤して、また宿直、当直するというふうなことが続くんだとおっしゃっていたじゃないですか。持続可能性がないことは明らかじゃないですか、こんなことは、人間である限り。

 その問題に、例えばことしは予算をこうつけました、あるいは、ついていないのだったら、補正予算でこのぐらいのことはやりますと大臣に言わせなさいよ。無過失賠償責任補償の問題も研究は始まっているんでしょう。あとは政治決断ですよ、これも。いつまでだらだらと、まあそのうち何とかなるわいな、しょせん医政局に回ってくる予算は少ないから、つめに火をともすようにしてちょっとずつ振りまこうか、こんなやり方じゃ、もうだめなんですよ。周産期は、特にこんなやり方じゃだめなんですよ。鴨下先生があそこまでおっしゃったじゃないですか。

 とりわけ、厚生労働大臣にも頭に入れていただきたいし、小泉さんはもうやめるからどっちでもいいかもわかりませんが、要するに、人口減少社会における少子化対策と言いながら、こんなに子供の医療と周産期の医療に医療の現場が踏みつけにされたんではたまらないというような意味のことを鴨下先生がおっしゃっていませんでしたか、予算措置の上からも。

 例えば、この周産期医療の問題で、いいですか、何かことし自慢できるような予算がついているんですか。教えてください、十八年度予算。私、目を皿にしたけれども、ない。

松谷政府参考人 周産期の体制につきましては、先ほど申し上げましたけれども、先生御指摘のとおり、その集中化、特に分娩数については、五人、十人というような体制をとったところで分娩そのものについて集中する必要があろうかと思っております。大変少額ではございますけれども、そのためのモデル事業といたしまして、開業しているお医者さん、産科のお医者さんと、それから、妊娠は十カ月続きますけれども、八カ月、九カ月そこでフォローをして、そしてお産をするところにそのかかった先生とともに行くというようなモデルをやっているところでございます。

 また、これは医政局ではございませんけれども、雇児局の方でも、各県が比較的自由に使えるような、これは三十六億円総額ですが、各県に分けると大変少額になるわけですけれども、予算を措置したところでございます。

 いずれにしても、先ほど申したようなことを一つ一つ積み重ねて、鴨下先生の問題意識も私どもも直接伺っておりますので、それに沿った対策をさらに進めていかなければならないと思っているところでございます。

仙谷委員 いずれにしましてもじゃないんですよ、いずれにしまされたら困るんだ。

 予算の金額を教えてくれと言っているんですから、教えてくださいよ。これは周産期について幾ら今度予算がついているんですか。少ないですけれどもというのはどのぐらい少ないんですか。

松谷政府参考人 小児科・産科医療体制整備事業ということで、本年度新規でございますけれども、母子保健医療対策等総合支援事業、統合補助金の中でございますが、その中で三十六億円一括計上しているところでございます。

 このほかにモデル事業、これはたしか一千万単位のレベルでございますのでちょっと今資料が手元にございませんわけですが、ございます。

仙谷委員 三十六億円、何につけたとおっしゃったんですか。統合補助金、それは何、周産期医療と関係あるんですか。周産期医療と関係あるの。

松谷政府参考人 周産期医療体制の充実という点では、今申し上げた新規の三十六億円の事業、統合補助金の中でございますけれども、これは小児科・産科医療体制整備事業の実施ということで、医療資源の集約化、重点化を図るための計画検討調整、あるいは地域住民などへの理解のための広報啓発、それから医療資源の集約化による病院の空き室の軽微な改修費などに使用できるものでございます。

 このほか、広い意味で、かつてから行ってございます総合周産期母子医療センターの運営費、これは運営の事業。それから、母子保健医療施設設備整備事業ということで、施設整備、設備整備も含めた予算、これにつきましては、医療提供体制整備交付金の中でございまして、周産期医療だけではございませんけれども、医療提供体制の施設整備ということで百十一億七千八百万円。あるいは、医療提供体制推進事業補助金の中でございますが、設備整備等ということでございますが、百二十九億五千八百万円といったようなことでございます。

仙谷委員 言うに事欠いて、余りそういういいかげんな話をしては困りますよ。

 いいですか。小児科・産科医療体制整備事業の実施、新規三十六億円というのは確かにあります、統合補助金と書いてある。これは第二次医療圏ごとに割ったら幾らだと僕は聞いているんですよ。三百六十九で割ったら幾らになるんですか、三十六億円というのは。一千万円ですか、一千万円見当ですよね。これで何をやるんだとこの間僕は聞いたんですよ。これは何をやるんですか。何か広報啓発費とか、計画検討調整費とか、軽微な改修費とか、ブロック別講習会費及び調査研究費、そんなこと書いてありますよ、補助事業の内容と。一件当たり三千万になるのかね、一件当たりに直すとどうですか。合計したって大したことないじゃないですか、こんなもの。

 いいですか、これが果たして急性期病棟、とりわけ周産期、小児科の現場を、現場の労働条件を、勤務条件を変えるような、あるいは周産期で働く小児科で働くお医者さんが、何か逃散をやめるような、そういうインセンティブで働くようなお金になるんですか、この三十六億円というのは。つまり、後でがん対策のところでも申し上げようと思っているんだけれども、一けたも二けたも違うんですよ、お話が。

 第二次医療圏というのは約四百あるわけでしょう、あなた方がせっかく言っているのは。つまり、小選挙区とよく似ているんですよ、三十万単位とか四十万単位で地域を画していけば。そうでしょう。先般来られたお医者さんは、奥野さん、一人の医者が面倒を見られるのは多分二千人ぐらいだ、こうおっしゃっていたじゃないですか。

 あるいは、周産期、お産というのは、百万人ぐらい今生まれているんでしょう。一億人で百万人だから、三十万人か四十万人の医療圏の中だったら、その三分の一だ、はっきりしているじゃないですか。だから、そのことに対応するちゃんとした急性期の分娩を扱う病院を運営するために、今のレベルでどうやれば赤字が出ないで、こんな労働基準法違反のむちゃくちゃの状態を続かせないことができるのかと。せっかく厚生労働科学研究で結論が出ているのに、何でそのことに予算がつかないんだと思っているわけ。予算をつけるんだったら、零が一つか二つぐらい違うんじゃないかと僕は見ているわけですよ。

 現に、お医者さんの中でこういう問題にちゃんと取り組んでいる人、人数を一・五倍にして、間接経費も五〇%増しぐらいかかる、こういう計算をしたときに、周産期はあと二千億円必要だと。ほとんどこれはもう人件費ですからね、言っておきますけれども。小児科も同様に二千数百億円かければ二交代で回すか三交代で回すか、できるのではないか、集約化した上でそういう回し方をすればできるのではないか、こういうふうにおっしゃる方がおるんですよ。

 だから、三十六億円、こう言われると、おちょくるんじゃないよという感じになるわけですよ。顔を洗って出直してこいという話にしかならないと思うんですよ。一挙に三千億円のあるいは二千億円の予算がつかなくとも、いいですか、そこへ向かって、五年なり十年でこの問題を解決する、それこそ医政局の腕の見せどころじゃないですか。

 いや、そうしないと、すべて、少子化対策であろうが子育てであろうが、人口減少に立ち向かうであろうが、全部お題目になるんですよ。まあ、しょせんはスローガン、お題目、ワンワードポリティクスだからいいやと厚生省の方々も思っているんだったら、それはいいですよ。だけれども、全然けたが違うということが、おわかりになりませんか、松谷さん。もう一度。

松谷政府参考人 顔を洗って出直さなきゃならないかもしれませんが、真剣な御提案でございますので、お答えを申し上げたいと思います。

 小児科、産科に限らず、急性期については大変深刻な問題だと思っております。そのための予算の話でございますけれども、医療費につきましては、実際は人件費が半分あるいはそのほかの、病院の運営費その他でございますが、その大宗は、我が国は皆保険でやっておりますので保険料の形で、保険については医療費全体ではもう三十兆超えてございますが、そのうちの四分の一ぐらいは国費も投入をして皆保険を維持してやっているわけでございます。

 また、その中で、産科、小児科につきましては、今般の診療報酬の中でも、その底層を流れる基本的な人件費、運営費に加えて、いろいろな加算の形で、ハイリスクの分娩であるとか、あるいは小児科の入院であるとか二十四時間の救急の体制であるとかというところを診療報酬の上でも見る。さらに、それに加えて、医政局の補助金、今大変少ないという御指摘を受けましたけれども、その中で小児の救急を少しでも広げていくというようなことを、そのまた上で政策誘導という形でやっているわけでございまして、その一番上のところだけですべてを動かしているわけじゃなくて、もちろん全体の大きな我が国の医療費の上に乗ってそういうことを誘導していかなければならない、こういうふうに認識しているところでございます。

仙谷委員 産科は特に、診療報酬の話をされましたけれども、多分診療報酬でカバーされるのは二割か三割なんでしょう。だから、もうちょっと現場の目線でお考えになったらどうですか。なくなりますよ、本当に、これでは。

 では、次の問題に参ります。

 小児科の問題です。集約化ということを大臣は一生懸命おっしゃっていますね。どういうことをしたいんですか。

 つまり、端的にお伺いしますと、小児科学会なんかも、成功例、先進的事例、厚生省もそういうふうにお考えになっているんじゃないかと思うんですが、豊能広域こども急患センターという初期救急医療、こういうものができればいいんだけれどもな、こんなイメージじゃないかと思うんです。これは大阪の箕面市でできている、資料十一枚目ですね、藤沢市民病院、豊能広域こども急患センター、熊本地域医療センター。いずれにしても、こういうところで初期医療、二次医療をちゃんとしたローテーションを組んで行うということだろうと思います。

 こういう医療センターを周辺住民が納得してというか、納得までしなくても理解してこういうものができれば、相当二次医療の急性期病院も、まあ、何でもかんでも来なくてよくなる、こういうことだろうと思うんですが、豊能広域こども急患センター、こういうところだとどのぐらい公的な資金を診療報酬以外に出したら大体うまくいくと思いますか。

松谷政府参考人 小児医療の件でございますけれども、今箕面の、豊能地域での集約化の例をお引きいただきました。先ほど先生御指摘ありましたけれども、病院での時間外あるいは休日の救急に相当に本来の入院医療を担当する小児科医が人手をとられているというような状況もございますので、このような形で、開業されているお医者さんの参画を得た形で集約化が進むということは大変望ましい形ではないかと思っております。

 そのためにどのくらいのお金が必要かということでございますが、今手元にちょっとその資料はないので数字を申し上げることはできませんけれども、このための、これは小児でございますけれども、小児に限らず救急については、夜間、救急のセンターというような形で運営をしてございますので、それに加えて小児の持つ特殊性というようなものを若干プラスするような形になるのではないかと思っております。

仙谷委員 例えば、必ずしもワンパターンでないとしても、いいですか、ここに先ほど十一枚目でお示しした藤沢市民病院や豊能広域こども急患センターや熊本地域医療センター、こういうふうなものを皆さん方は集約化、こう言われておるわけですか。これはモデル的な事業で、こういうものを進めていかなきゃいかぬと。それは口だけなのか、何かこういうものを進めていくためにこの十八年度予算で予算づけでもされておるんですか。どっちですか。

松谷政府参考人 集約化のあり方につきましては、それぞれの地域ごとの特性があろうかと思います。

 今例に引かれました箕面あるいは藤沢等の例は、それぞれの地域の話し合いによってこういう形で進められたものと思います。箕面につきましては、先ほど申し上げましたように、地域の開業の先生方が参画して、いわゆる夜間等での救急、時間外の診療をカバーするというようなことでございます。

 また、別の意味での集約化というのは、入院医療につきまして、産科の場合もそうでございますけれども、小児につきましても、小児科の先生が一人二人でやっていくのでは大変である、これを相当の数の小児科医が集中して入院治療、この場合は病院同士の集中ということになろうかと思っております。

 予算のことでございますけれども、小児救急予算ということで、そのセンターとなり得べき小児の重点の病院等についての予算を手当てしているところでございます。

仙谷委員 何といいますか、結局これも、もう分権時代だから各市町村任せですか。何か厚生労働省が集約化、集約化と一生懸命おっしゃるから、これが小児科や産婦人科の最大かつ唯一の切り札のようなことをこの間ずっと言ってきましたよね。何をしようとしているのか。

 いいですか。つまり、昨年の十二月二十二日に、ここにもきょうその見出しだけコピーして持ってきてあると思いますが、この三枚目、「小児科・産科における医療資源の集約化・重点化の推進について」と。確保が困難な地域における当面の対応もそうなんだけれども、要するに、医療資源の集約化、重点化。私は、これは都市部は都市部で、先般船橋へ行ってそう感じましたし、必ずしも、もう今や、小児と周産期は特に、いわゆる僻地、山村、離島だけが問題になっているわけではないですよね。何かここまで大々的に十二月二十二日付の文書を出されておるので、予算でもちゃんとついておるんだろうな、こう見ておったんですよ。これは余りついた形跡がないんですよね。

 それで、今お伺いしたら、いや、それは県と市町村にお任せしてあるみたいな話です。それは、県も市町村も、背に腹はかえられないから、別に厚生労働省が集約化とかなんとか言おうが言うまいが、できる限りのことを財布があるところはやっているというだけの話でしょう。だけれども、まだのんきなところも随分ある。あるいは、もうなすがままに、お医者さんがいなくなっても茫然自失、拱手傍観、そういうところもある、こういうことだと思うんですよ。

 だから、せっかく三年もかかって厚生労働研究をまとめて、いよいよ皆さん方が報告書は出すわ、そして昨年十二月二十二日、各都道府県知事あて、通達までお出しになったわけです。だから、少々のインセンティブをつけるか何かしないと、まずいんじゃないかと私は思ったのであります。

 どうなんでしょう。医師確保対策や、先ほど申し上げたいわゆる集約化というのはこういうことなんだということで、つまり、藤沢や豊能や熊本のようなことをやるのであればこういう助成をするぞとか、何かこういういいことがあるよ、そういうことは全然ないんですか。

松谷政府参考人 小児医療につきましては、特に救急医療につきまして、その集約化の促進という観点から、十八年度の予算では、休日、夜間等の時間外診療を行う病院に対する運営費の補助金につきまして大幅な増額をしたところでございます。

 小児救急医療支援事業を実施している病院についての補助につきましては、一人体制から二人体制にしていただくということで、ほぼ倍増、九億六千五百万円。それから、小児救急医療拠点病院は、これは重点的に行うところでございますが、この運営事業につきましても、二人体制を三人体制ということで、七億二千万を八億七千二百万としたところでございます。

 このほかにも、救命救急センターにおいて重篤な小児救急患者を二十四時間受け入れる体制の整備に係る補助等、新たに対応したところでございますけれども、これらと相まちまして、いわゆる救急というよりも時間外の問題もございますので、これはかかる患者さんの側の問題、問題というか不安を解消するということで、そのための急病時の対応方法についてのガイドブックの作成であるとか講習会の開催、あるいは電話相談の事業をかねてからやってございますが、これの普及等にも努めているところでございます。

仙谷委員 資料の十四枚目に出してあります。

 それで、今あなたが倍増したと、四億八千四百万が九億六千五百万になった、小児救急医療支援事業を実施する病院への補助(事業費)、人件費補助、これを言っておるんだろうと思うんですよね。その下にも、従来七億二千万だったのが八億七千二百万になった、微増したと。

 しかし、厚生労働研究が出て、事々しく集約化を言って通達を出したにしてはこれはちょっとお粗末なんじゃないんですか。ちゃんと百三十六地区というふうに書いてあるでしょう。これは単価三百万円だというじゃないですか。これも、受け手の方から見たら、おちょくるんじゃないよ、三百万円で集約化をやれと言うのかよという話になるんじゃないですか。ちょっとレベルが違うんじゃないですか、二けたぐらい。二けたとは言わぬが、毎年送られてくるのであれば二けたとは言いません。

 つまり、私が調べたところによると、豊能こどもセンターは毎年六千万円の赤字が出ております。それを府が二千万円、周辺の、つまり参加している市と町の負担金が四千万円、六千万円一般会計から繰り入れをしてこの豊能広域こどもセンターというのは維持されている、こういうことになっております。

 ということは、やはり国が出すかどうかは別にして、税財源の移譲でもいいんだけれども、そのぐらいのお金がないと、今の診療報酬体系上は、小児も産科も、まじめにやればやるほど赤字が出る、特に二十四時間、三百六十五日やれば確実に赤字が出る、こういう構造になっているんでしょう。つまり、赤字が出ないところは、例の夜勤を当直と言いかえて、あるいは、三十六時間連続運転のような連続労働を労働基準法違反とは言わないで、非常に非人間的なことをやらせておってようやくもっておる。これだけじゃないんですか。

 だから、まともに交代制をしくとかいうことをやれば、一次医療圏の初期医療、初期救急医療センターのようなところでも五、六千万は持ち出さないとできない、こういうことになるんじゃないかと僕は見ておるんですよ。

 ちょっとその辺も、現実的に、現場の感覚も含めてお調べになって、補正予算でも組む、そのぐらいのことを考えないと、これはますます泥沼化しますよ。現状維持も図れなくなるんじゃないか、そういう心配をしておるわけですよ。

 つまり、集約化という言葉はいいんです。それを具体的にどのようにやるのか。市長さんや知事さんやあるいは議会の議員さんがわがままを言わない、みんながセンターをつくるために譲り合うとか、そういうことも必要かもわからない。だけれども、もう少し踏み込んだモデル事業ならモデル事業を示して厚生省もここまでやるということを緊急にやらないと、小児と周産期だけは、これは取り返しがつかないんじゃないかと。私は、先般の参考人の意見の中でも、鴨下先生の意見を伺っていてまじめにそう思いました。この先生もおっしゃるんだから間違いないと思いました。

 どうぞ、大臣ひとつ、この集約化に魂を入れてください。どこかの総理大臣みたいに口だけじゃなくて魂を入れてください。どうですか。

川崎国務大臣 一つは、予算で誘導していくのか、診療報酬で誘導していくのか。我が省の予算がそうあるわけではありませんから、基本的なスタンスとしては診療報酬をもう少し傾斜配分していかなきゃならぬなと。また、傾斜配分をするということをもう少し明確にメッセージとしても出していかなければならないのかなと。運営をした以上、後で回ってくるという話にならなきゃいかぬ、そんな感じをいたしております。

 一方で、やはり我々が地方の理解をもう少し得られるような努力をしなきゃならぬ。

 八〇〇〇番にいたしましても、なかなか参加してくれている自治体が少ないことも事実ですし、現実に二十四時間相談を受けてもらうという切り口でございますので、実際にやっていただいている自治体も夜になると切れてしまうことは事実でございますので、八〇〇〇番の体制についても、もう一度一からやり直しということで今督励をさせております。

 まず第一の課題は、携帯電話ではつながらない、固定電話でなければつながらないということになっておりますので、まず携帯電話でつながるようにしていかなきゃならぬだろう。

 それから、二十四時間体制をどうやってしくかというときに、やはりお医者さんの御協力を得なきゃならぬ。御協力を得なきゃならぬということになれば、一番最初に電話が入ったときに、再診ですと診療報酬が払われるわけですけれども、一回目の相談ですと診療報酬が実際は支払われない。したがって、そうした仕組みも少し変えていかなきゃならぬ。箕面市ですか、先ほどお示しいただきましたように、すべてが救急医療に集中するという体制にならないようなこともしっかり考えていかなきゃならぬ、こんなように思っております。

 予算をしっかりつけろという話でありますけれども、我々の方向としては、診療報酬でできるだけ誘導してまいりたい、このように考えております。

仙谷委員 診療報酬で誘導されるんだったら、診療報酬、小児科と周産期は全部保険適用するとか、小児科の診療報酬は倍にするとか、何かそのぐらいのことを考えないとできないですよ、これは幾ら計算しても。多分それは自民党の鴨下先生にお聞きになってもすぐわかりますよ。わかるでしょう。

 そして、診療報酬はまた二年先の話でありますから、これは二年時間がかかったら、いよいよ笑い事じゃない事態が出来するんじゃないかと心配をしております。これは早急に取り組んでください。

 時間の関係もございますので、がんの問題に移ります。

 資料で十七をごらんください。第三次対がん十カ年総合戦略というのが平成十六年から始まった。平成十四年から、改めて、この第三次対がん十カ年総合戦略をどうするのかという議論を公式、非公式にさせていただいて、まずこの十カ年戦略がまとまった、こういうことでございます。この戦略は、表題が「がんの罹患率と死亡率の激減を目指して」、僕はすばらしいと思いますよ、激減を目指す。ここにお書きになっておるように、やはり激減をするためにはがん医療の均てん化だ、ばらつきが随分ありますよね、だから、がん医療の均てん化をしなければいけません。これは均てん化が一つのコンセプトなんですね。

 地域がん診療拠点病院というのは、先ほど出しました資料の二枚目の一番上の平成十三年というところをごらんいただければ、なぜか、地域がん診療拠点病院の指定開始という、指定開始だけしたというのが平成十三年から始まっておるわけですね。

 この診療拠点病院のあり方検討会というのもできた。そして、いよいよがん患者の声が大きくなって、いろいろな要望が出されて、昨年の五月十三日にがん対策推進本部ができた。八月二十五日にはがん対策推進アクションプラン二〇〇五、具体的な戦略の一つが、がん医療水準均てん化の促進であり、その中心が地域がん診療拠点病院の整備である。まことに結構なアクションプランまでできたわけであります。

 このこと自身について積極的に評価をするのでありますが、紙の上でできたということを評価しているだけで、さあ、これをどうやって実現、実行していくんでしょうかねということを考えたんですね。そうしましたら、ひとつ、大臣でもどなたでもいいんですがお答えいただきたいんです。推進本部自身は、これは厚生省さんが省内に勝手につくっておるんだからいいんでしょうけれども、このアクションプランとかこういうものは何か法的な根拠があるんですか。ちょっとその点、お答えください。

川崎国務大臣 基本的には、厚生省の中で取りまとめを行ったものでございます。

仙谷委員 ということは、法律とか通達とか、法律に基づく政省令とか通達とか、そういうものでもないわけですね、これは。単なるプラン、こういうことですね。

中島政府参考人 御指摘のように、法律とか通達というようなものは伴っておりませんで、厚生労働省内におきまして、今後のがん対策を進める上での考え方を取りまとめたものということでございます。

仙谷委員 では、これは単なるイメージのような話ですね。

 つまり、このものが、厚生省のみならず文部科学省、大学医学部、大学病院あるいは公立、公的な病院、こういうところに何か拘束力はありますか、このアクションプラン。

中島政府参考人 特に特定の機関等を指定して拘束をするような性質のものではないと理解しております。

仙谷委員 そういうことで、書いてあることはそれ自体としてそんなに間違っているとは思いませんけれども、やはり迫力がないというか、あるいは拘束力も何にもないから、本部ができる前と後で何がどう変わったのかがほとんど私にはわからない。ほとんどわかりません。

 先ほど周産期とか小児でも申し上げたように、予算のつき方は、これは日本のガダルカナルのときと同じで、戦力の逐次投入なのかばらまきなのか、薄くばらまいているのかわかりませんけれども、とにかく遅々たる歩み、なぜこんなことがお好きなのかと思うんですね。

 例えば、文部科学省の方も来ていらっしゃいますかね、文部科学省、この間、大学医学部あるいは医科大学で腫瘍内科の講座というのはどうなりましたか、この四年間で、幾つから幾つにふえましたか。

徳永政府参考人 お答え申し上げます。

 臨床腫瘍学講座など、がん診療全般を横断的に取り扱う講座等の設置は、平成十四年度は八大学でございましたが、平成十七年度には十六大学で、ここ三年間で八大学増加をしております。

 また、私どもの方では、大学の医学教育の中で、学生が卒業までに最低限履修すべき内容を定めた医学教育モデル・コア・カリキュラム、こういうことの中では、がんについても学習の到達目標を定めております。各大学では、これを踏まえたカリキュラム改革を進めておりまして、現在、そういった講座の有無にかかわらず、すべての大学におきましてがん診療に関する教育が実施されております。私どもとしては、こういった面で、大学のカリキュラム改革あるいは教育については各大学の取り組みを促していきたいと思っております。

仙谷委員 今のは臨床腫瘍内科の方ですね。臨床放射線の方はどうですか。

徳永政府参考人 教育全体の実施状況という中では、特に放射線療法に関するものは、七十九大学のうち七十一大学で教育を行っているわけでございます。ただ、具体的にそういったものの中で特に放射線だけの講座ということについては、それぞれ、奈良県立医科大学等では明確にそういった名前の講座等を設けている例がございますが、最近では、大学の講座等につきましては、いわば大講座という講座を設けることもございます。いわば全体として、がん診療全般を取り扱う横断的な講座というものの設置がふえておりますので、そういった中でそういう放射線腫瘍医学といったものも行われるものと考えております。

仙谷委員 何かごまかしの話みたいに聞こえてくるんですが。

 つまり、専門科と統合科と両方必要だということになっておって、あなたのおっしゃるような話だったら、一般的に、横断的ながん治療について教えているから新たな講座は要らないんだみたいな話になってくるんじゃないですか。

 そうじゃないでしょう、今は。非常に専門分野、臨床腫瘍内科の中でも、小児なのか肺なのか、全部分かれているじゃないですか。あるいはもっと分かれてくると、分子標的治療薬とかテーラーメード医療とかなってきたら、そんな、何でもかんでも、大学で総合的に教えているからいいんだみたいな、総合的に教えることも必要なんだけれども、専門講座も必要だ、日本はそれが、臨床腫瘍内科の世界と放射線の世界で全くおくれておりましたというのが、何を見たって書いてあるじゃないですか、アクションプランを見たって何を見たって。

 それで、いやいや、大学医学部さんはそんなのとはもう別の世界で、国立大学法人にもなったことだから勝手にここもしてもらう、あとは厚生省さんががんセンター中心にやってくださいというんだったらもうしようがない、それでもいいんですよ、それは。それでもいいというよりも、そうせざるを得ないのであればそうしますけれども、するように厚生大臣にお願いするけれども、それじゃ大学病院の値打ちがないじゃないですか。あるいは大学の値打ちがないじゃないですか。

 そこで、いいですか、厚生労働大臣にも聞いておいていただきたいんですが、七十大学に臨床腫瘍内科と放射線腫瘍科、やはりもうここまでがん患者がふえ、がん患者の方々が治療についての選択肢を、多様な選択肢を求める時代になってくると、早急にこの二つを整備をするために、大学に一大学一講座、つまり二つ要るわけですね、放射線と臨床腫瘍内科と。

 あなた、七十何ぼと言いました、七十六大学と言った、七十数大学あるわけだ、医科大が。それで、今おっしゃったように、二十三までできた、あと四十ぐらい要るわけだ。一大学一講座、大体文部省の予算でいっても一億円ぐらいなんでしょう。教授一人と助教授一人と、何かそのあれで。そのぐらい思い切って、五年計画ぐらいでつくったらどうですか。

徳永政府参考人 委員の御指摘でございますが、大学の教育研究組織のあり方ということにつきましては、ここ二十年で大きく変わってまいりまして、従前は講座というものが明確にございました。それも、今先生御指摘のように、教授、助教授がいて、講師がいて、助手が五人いるというような体制でやってきたわけでございますが、近年では、例えばそういったものを統合して、いわば大講座を図るというようなことをしたところでございます。

 あるいはまた、私ども、大学政策の中で、さまざま大学が主体的に教育研究を展開できますよう、いわば今回大学設置基準等を改正いたしまして、必ずしも講座を置かなくてもよいというような改正を行ったわけでございます。そういう意味では、大学がどのような教育研究組織を置くのか、それがどのような規模であるのか、これは大学が主体的に御判断いただくことと考えております。

 ただ、そういういわば大きな組織であり、あるいはまた横断的な組織という中で、がん診療に関するきちんとした教育を行うということは私どもも重要だと考えております。そういう意味では、私ども、先ほど申しましたように、現在、モデルカリキュラム、コアカリキュラムにつきましては、改定も進めております。そういう中でさまざま、厚生労働省の方とも御相談をいたしまして、現時点で必要なそういうがん診療に関する教育研究ということについては、モデル・コア・カリキュラムの中できちっと定めていきたいと思っております。

 また、特に研究の面につきましては、私ども、科学研究費補助金でございますとか、あるいはそういった特定の振興調整費等におきまして、先進的ながん研究につきましてもさまざま研究を推進しているわけでございます。

 そういう意味では、必ずしも教育研究を推進するということが、いわば講座ができるという形を伴うものではないということについては御理解を賜りたいと思います。

仙谷委員 何か、文部省の方は力が入っているのか入っていないのかようわからぬですけれどもね。一般論として講座はつくらなくてもいいとか、何か自主性に任せてあるみたいなことを言いながら、要するに、専門医が、専門家が少ない、だから大学医学部もがん治療の専門家をつくる、そのために、旧来方式だったら講座だけれども、そうじゃなければ、こういう専門医をつくるために資源を投入するんだ、その話じゃないですか。

 あなた、何かわけのわからぬ一般論で、講座ができていないからといってふまじめなわけではないみたいな議論をしたいんでしょう。そんなことを聞いているんじゃないじゃないですか。あなた、がん患者のことをイメージして物を言っていますか。何か文部大臣の顔か、どこかの大学の総長か、医学部長の顔を思い出して物を言っているんじゃないの。

 がん難民が大量に生まれつつあるということなんですよ。実は、がんの話だけじゃないんだけれども、大学病院が何か研究もやっていただくのも非常にありがたいんだけれども、もうちょっと臨床に、臨床の専門医を育てることに意を用いていただかなかったから、こんなに十年おくれているとか二十年おくれているとか言われるんじゃないですか、先進国の中で。何の反省をしているんだということをさっきから優しく聞いているのに、文部省何ですか、それ。もう文部省は、次にまたきちっと聞きますので。

 もう一つ、今度は厚生省の方に。人材養成というのが、専門医の養成というのが一番の問題だということはおわかりいただいていると思うんですよ。それについて若干の予算をおつけになっているということのようですね。ところが、この程度の予算で果たして人材養成などというものが進むのかということを厚生労働省にはお伺いをしたいのであります。

 つまり、何か一年に十人ずつですか、九十日間の研修をする、そういう制度をことしから、このがん対策本部の発足に伴ってやるんだ、こんな話ですか。

中島政府参考人 今回、予算で要求しておりますものにつきましては、一つは、がん専門医等がん医療専門スタッフの育成ということで二・五億円というような予算を計上いたしまして、国立がんセンターの研修修了者等を登録して医療機関等の要請に応じて情報提供等を行うというようなことを考えてございます。

 ただ、がん医療についての専門家というのは、こういった研修だけで養成されるものでは決してございませんで、医師としての長い経験の中で、専門医としての養成コースを確立しているところもございますが、そういう中を経ていく中で専門医というものが養成されていく。こういったところを予算でさらにエンカレッジ、応援をしていこうというような趣旨でございますので、全体としてお考えをいただきたいというふうに思っております。

仙谷委員 何かよくわからぬじゃないですか。あなた方が鳴り物入りでやる研修が、こういった短期の研修では養成できるものじゃないなんて言ったら、それ、自己否定しているじゃない。

 私が言いたいのは、そういうことじゃなくて、例えば、国立がんセンターにはレジデントの制度もあれば専門修練医という制度もあるじゃないですか。ほかの、厚生労働省がやる気になれば、独法化された国立病院機構の中でも、それにふさわしいようなレベルの高い機関がいっぱいあるじゃないですか。そうでしょう。あるいは、各地域的にもあるんじゃないんですか。

 そういうところでレジデントを採るとか、修練医にちゃんとこのような手当てをするとかいう事業が必要なんじゃないですか。こんな、座学を中心なのか周囲を回るのかわからぬけれども、何日間とか、そんなレベルの話じゃないでしょう。今、レジデントというのは三年間でしょう。専門修練医というのは二年間、ずっとそこで勤めないといかぬのでしょう。

 今度もその人たちの、三十五とか四十になった人たちとか、せいぜい三十より上の人が相当多い。二十代の人はまだまだそこまで来ない。そういう人たちのペイを、待遇をどうするのかが問題になっておって、国立がんセンターであろうが、あるいは国立病院機構であろうが、募集をしても定員に満たないんじゃないですか。勤めているところも出せない。東京まで来て、あるいは大阪まで来て、二年、三年、レジデントをするときに、だれがその生活を見てくれるんだ。

 今、がんセンターのレジデントと専門修練医の給料は御存じですか、どうですか。

松谷政府参考人 個々の給料について、ちょっと今、手元にございませんけれども、初期研修医が三十万というレベルでございますので、大体その水準に毛の生えた程度というふうに御理解いただけばと思います。

仙谷委員 ちょっと、終了しましたという紙が来たんですが、これだけ申し上げておきます。

 レジデントは三百六十万、修練医は四百万ぐらい。これではさすがに、そういう専門家あるいはお年のレベルでは難しい。やはり、二百万ぐらいアップする必要があるんではないかというのが、教師をなさっている方々の、教師というか臨床で、御意見のようです。

 これをちゃんとやるとなると、まあしかし、考えたら、三億とか五億のお金があったら、今のがんセンターは、レジデントが四十二名、専門修練医が二十八名ということでありますから、七十人ぐらいですか。三学年で七十人ぐらい。そこでも三、四億あったらできるというのでありますから、きょう、何か労災防止協会か何か問題になっている、何年間かで何億円とかなんとか書いてあるわけだから、つまり厚生労働省の予算の中でも、数億のお金はどこかからちゃんと捻出できるんじゃないかと思うんですね。

 もう少し、皆さん方がアクションプランで書かれたこと、本当はがん検診の問題もきちっと申し上げたかったのでありますが、ここに資源を、それにふさわしい資源を集中して投入するということがなければ、本部をつくった意味もないということになります。

 我々は、それを他省庁にも、あるいは自治体にも、そして国民にも、厚生大臣のみならず政府が一体となって一元的にがん対策を進める、そのためには法律が必要だということで、がん対策基本法案を出してあるんですが、なぜか審議の対象にしてくれない。まことにお粗末な国会だということにならないとも限らないと思っております。

 これは早急に、がんの問題は、先進国における国民が受け得る医療サービスというのはどんなものであるべきかということを問われている問題でございますので、どうか赤松副大臣あるいは川崎大臣におかれても、がんの問題、本気で取り組む、早急に取り組む、このことを通じて、日本の医療をもっともっと良質なものにしていくということを心からお願いしておきます。

 以上であります。

岸田委員長 次に、阿部知子君。

阿部(知)委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 本日は、小泉首相が首相になられて五年という期間の中で、果たして小泉構造改革は何であったのか、あるいは小泉首相のとられた外交はどこへ日本を向かわせしめようとしているのかということで、最近、とみにこの五年を見直すという特集やアンケートが多く出ているかと思いますが、その中でも、正直申しまして、最も不人気な分野が、社会保障政策に関して、各年齢、評価をしないという方の方が評価をするという方を上回っているというような集計が、たしかきょうの新聞か、きのうでございましたか、出ておりました。

 私がよくこの問題を出しますと、例えば、中川政調会長は、全部のパイが大きくならないとこれを分け与えることができないから、これまではパイを大きくする期間で、これからはそれをみんなに分けられる、こういう論法で御主張をなさいます。

 しかし、そうであれば、私は、全体の、最初のパイ論もちょっと違う考え方をしておりますが、もし中川政調会長のお話にのっとったとしても、では伺いたい。今回のこの医療制度改革は、そうやってみんなに幸せを、この国に生まれて、生きて、亡くなっていってよかったなと思えるような幸せの姿をメッセージするものなのだろうか。

 私は、実は、私ごとですが、きのうも夜間の小児の救急診療に行ってまいりまして、私は兼業でありますから、というか、私が抜けちゃうとほかの人の回数が多くなるのでやっているのですけれども、そこで出会った若い女医さんたちも、もう本当に異口同音に、卒後五年から七年で次々と職場を去っていく同僚の話をしておられました。

 今、私どもは、医療制度改革と称しながらこのことをやることが、もうぎりぎりの医療現場をがけっ縁から突き落とすというほどに深刻に考えております。

 それゆえ、この間の数回の審議の中で、大臣からもいろいろな御答弁をいただきましたが、ぜひやはり認識をよりシビアにしていただいて、とにかく医療というのは、壊れてしまったら、そこが命を守る最後の基盤だから、命が守られない。当たり前なんですけれども、でも、もうぎりぎりそこまで来ているんだという中で、果たしてこの改革案なるものが、本当にその窮状に何がしかの光を差すものかどうかを真剣にきょうも論議させていただきたいです。

 冒頭、私は、代表質問でもお伺い申し上げましたが、医療費の二〇二五年度予測ということで、医療費全体では六十五兆円、医療給付費では五十六兆円という数値が厚生省のもともとデータでおありですが、これについては、昨日の医師会の内田参考人でしたかの日医総研の試算だとちょっとこの数値が違ってまいりまして、医療費が五十八兆円、医療給付費が四十九兆円となる。医師の団体がシンクタンクを使ってやることですから、私は、やはりそれなりの計算方法で、確実性のあるものなんだと思うんです。

 きょう、午前中、上田委員も少しお取り上げでありましたけれども、一方、さらにまた、これは私が代表質問で使わせていただいた数値ですが、九七年度から二〇〇三年度までの七年間で、制度改正のあった年度を除いて、伸び率が高かった五年を平均しても、四十二兆九千億にしかこの医療給付費がなりません。

 これだけばらばらでさまざまで、果たしてこの数値をもとに何兆円削減していくんだというふうな発想法をとることが、そもそも理にかなっているのか、合理であるか、そして意味があるのかとすら私は思いますが、この点について、各ばらばらな数値が出ること、数値目標がこれだけ幅があったら、実際に何を目指して、何のために患者さんたちに窓口負担をお願いしたり、あるいは御高齢者に保険料負担をお願いしたり、さらには、最も私は言わせていただきたいが、ただでもあっぷあっぷしている医療現場の診療報酬減というのは本当に厳しいものがございます。三重苦を与えてまでこの数値目標が意味があるとお思いかどうか、大臣に冒頭お伺いいたします。

川崎国務大臣 過去においても一定の時をとって医療費の伸び率を当てはめて計算をしてきた、結果として大きく外れてしまった、もうこの審議の中で何回か御批判をいただきました。それは、結果論からいえば、私どもの伸び率を想定したものよりも我が国の経済は伸びなかった、すなわち物価と人件費は伸びなかったという結果であろうと思います。

 今回も、我が党の中にも、四%成長を目指そう、これは中川政調会長が中心。しかしながら、借金を返すのに余り楽観的な見通しを示しながらやっていくのはどうだといって、片っ方で与謝野大臣が二%成長というものを置きながらやっている。もちろん、もし中川さんの言うとおり四%成長というのが前提になれば、今、私どもの足元は極めて低い成長のもとに計算をした計算式でありますから、委員おわかりのとおり、今度は大外れになるということは御承知のとおりでございます。

 そういう意味では、この目安というものが、我々は足元の数字から延ばしていけばこうなりますよという数値を示しておりますけれども、これが目標という形できちっと出せないのか。実は、この委員会でも随分やられていますけれども、その前に財政諮問会議というのでやられまして、私は正直申し上げてそこは無理です、医療技術の進歩というものもよくわかりません、現実問題、我が国の経済成長、すなわち物価の変動もよくわかりません、したがって我々は目安として二〇二五年の数値目標を出させていただきました、こういうことで財政諮問会議ではお話をし、そして委員会でも同じお話をいたしております。

 一方で、医師会の皆さん方が想定されたことでありますけれども、しかし、今、一千二百万、一千三百万と言われておる七十五歳以上の高齢者の方々が、我々、阿部委員も一緒でございますけれども、七十五を超えたときに、このぐらいの伸びで終わるというのも、正直言って余りにも楽観的な数字をお出しになったな、こういうふうに思っております。

 我々の数字に対してさまざまな御批判をいただくのは、また私どもも正確な数字を読み切って出したわけではありませんと再三申し上げております。足元の数字として出させていただいた。しかし一方で、医師会が出された数字はどうですかといえば、余りにも楽観的な数字を、これから高齢化社会を迎える中で、一・何%の成長で済むというのは少し無理な数字ではなかろうかな、こんな感想を私自身持たせていただいております。

阿部(知)委員 だから、私は、そういう数値目標の、逆に言うと当てにならない土壌の上に、経済財政諮問会議もそうですし、この委員会すらそうですけれども、審議が行われていくということをもうやめにしたい、もう少しはっきり言えば、見える指標で、少なくとも合意できる指標で医療の政策評価を行いたいという立場です。

 大臣にお伺いいたしますが、内閣府が出されました構造改革の評価報告書という中に、ナンバー五ですけれども、医療制度改革のバージョンがございます。これについてはお目通しでありましょうか。これは予告外で恐縮です。内閣府が十七年の十二月に出された医療改革評価の報告書五でございます。

    〔委員長退席、谷畑委員長代理着席〕

水田政府参考人 御通告がなかったものですから手元には持ってきておりませんけれども、たしか、内閣府が過去に行いました制度改革の効果を政府管掌健康保険でしたかで見まして、波及増は少ないという結果を出されたものだと思っております。

阿部(知)委員 もちろんそれだけではないので、もうちょっとよくお読みいただきたいんですね。私、きょう、今の御答弁程度ではきっと読んでいないんだなと恐縮ですが思いますので、例えば、成人病の二五%削減がどんな根拠があり、実際に意味がある指標なのかどうかということも踏み込んで評価しておられます。

 私は、厚生労働省がやる施策が、他省庁から、逆に複眼的にいろいろな角度から分析されるというのはいいことだと思います。

 なぜならば、医療と申しますのは、恐らく、さっき厚生労働大臣もおっしゃったように、経済成長率や人件費やもろもろの可変要素が余りにも多過ぎて、単純に何兆円で何%減で、例えば財政諮問会議の言うように四十二兆円とかやる手法そのものが合っていないんだと思います。かといって、私は、膨大になる医療費をそのままいいとは思いません。適正化ということの内容が何なのか、指標を共通にした方がいいと思うんです。大臣はこれまで積み上げ方式だということをその意味でおっしゃったんだと思いますから、大臣のおっしゃる言葉を厚労省の政策の指針にするための評価の方法が余りにも見えないし、御提示いただけないと私は思います。

 予告しておきますから、この次、成人病の予防対策で、本当にお上げになった数値がどんな意味があるのかをやらせていただきますので、きょうはこの指摘にとどめさせていただきます。なぜなら、こうやって、大きな、うそかもしれない指標のもとに、とにかく圧縮圧縮とされていって、医療そのものが消えちゃう、私はこれを一番恐れるものであります。

 大臣に引き続きお伺いいたしますが、実は、こうやって国民医療費の推移ということをずっと見てまいりますと、昨日、医師会の皆さんも御提示でありましたが、一体このうちどんな負担割合で推移しているか、国庫負担、事業主負担、地方自治体負担、被保険者負担、患者負担という負担割合の推移を見たものがございます。

 お手元の資料の一枚目、おととい医師会の先生はカラーでお持ちでありましたが、この一枚目のグラフを見ていただくと、ここでは明らかに、国民医療費の負担のうち、国民の負担は増大し、すなわち患者負担は増大し、実は保険料負担も増大もしておるのですが、事業主の負担は減少しておる、国庫負担は割合で見るとちょぼちょぼであるんですが、こういう実像が示されています。国民の窓口負担は当然増大している、この事実はだれしも否定できないデータであると私は思います。

 ここで、なぜ国民負担をさらにふやすような方策で今度の改正は臨まれるのか、この点についてお願いいたします。大臣に。

水田政府参考人 事実関係についてまずお答えいたしたいと思いますけれども、先生御指摘のとおり、国民医療費に占めます患者負担の割合は増加傾向にあるわけでございます。

 ただ、これは累次の改正におきまして患者負担の引き上げが行われた結果でございますけれども、例えば平成十四年の改正におきましては、持続可能で安定的な医療保険制度を構築するために、患者、加入者、医療機関、三者がそれぞれ痛みを分かち合う三方一両損の方針のもと、患者の方々にも相応の負担をお願いするということで行ったものでありまして、必要な改革であったと考えてございます。

 今回の改革の中身でございますけれども、先ほど御指摘いただきましたが、医療費適正化と言っておりますけれども、主眼といたしましては、中長期対策、予防の効果あるいは平均在院日数の減、こういったことを置いておりまして、短期対策もやっておりますけれども、それにつきましては、中身といたしましては、現役世代と負担の均衡を図るという観点から、現役並み所得を有する高齢者につきまして、現役世代と同じ三割負担、こういった見直しを行うものでございまして、そういう意味では、必要な配慮、必要な医療が妨げられるようなものではない、このように考えております。

阿部(知)委員 そうやって論点をずらさないでくださいな。三方一両損じゃなくて、さらに患者さんは負担増だよと言っているんですよ、私の質問は。

 事業主負担は割合的には減っているんです。なぜかの中身も、次に伺わなくても厚労省は御存じだと思いますよ。この間、みんな非正規雇用に振られて、社会保険料負担は、企業はぐんと下がってきているんですよ。結果的にふえているのはどこかといったら、医療費がふえていくことを担っているのは患者負担増なんですよ。それに対しての、三方一両損なんて、もう三年も四年も古い話をしないでくださいな。今度、さらに国民負担増をするわけでしょう。

 もう一つ、ならば伺いたい。実は、医療費というとイメージされるのは、主には医療保険ですね。でも、私どもが家計の中で医療費として考え支出しているものの中には、例えば、差額ベッド代、おむつ代、お世話代もあるかもしれない、医療にかかるために当然必要とするもの、それも込み込みで実は一人の人間は支出しているんですね。

 厚生労働省として、患者さんの負担がどんどん上がっていく、さて、患者さんたちというか一人の国民は、医療費に一体どれだけの支出をしていてそのうちどれだけが医療保険でカバーされているか、こういう観点で物をお考えのことがおありでしょうか。

水田政府参考人 保険診療そのものにつきましては、数値的に国民医療費、それから医療給付費という形でお示しをしているわけでございます。

 一方で、保険外の負担、それでは合わせるとどうなるのかということでございますけれども、それは午前中の審議でもございましたが、保険診療と保険外診療との併用、あるいは自由診療ということにつきましては、公定価格もございません、医療機関と患者との個別の契約でございますので、一般的にその把握はしてございません。

 ただ、併用する場合の保険外診療につきましては、例えばいわゆる差額ベッド代の設定状況、こういうものにつきましては、医療機関からの報告を求めているということでございます。

阿部(知)委員 そういう手法でやる限り、実態なんて浮かばないんですよ。厚生労働省は、総務省が毎年毎年家計調査というのをやっているのを御存じですよね。私は、求めよ、さらば与えられんだと思うんですよ。

 厚労省は、もちろん医療保険、そこを主に担っておられますよ。しかし、社会保障というのは、先ほど申しました、この国で人々が安心して生きていける基盤をどうつくるか、その中で、医療保険の役割はどこにあるかなんですよ。医療保険のところのそこだけに着眼していて、まだ負担増できる、まだ負担増できる、まだ負担増できるとやってきました。しかし、もともと、その相手の国民がどのくらいを既に自分が生きていくために支出しているか、そのことが見えなければ、実は過大な負担を強いていることになるのではないですか。

 総務省のやっている家計調査を御存じですか、水田さんに伺います。

水田政府参考人 家計調査の存在については存じております。その中で、保健医療費という支出項目が立っていることも存じ上げております。

阿部(知)委員 そうしましたら、これも宿題にいたしますから、私は自分でやりましたけれども、この医療支出というもののうち、保健医療サービスとその他というのに分けられるんですよ。逆に、医療支出総体のうちに保健医療サービス支出がどのくらいか、これの率を出してみてください。額でもいいです。

 何でこんなことをお願いするか。なぜなら、あなた方が患者さんや国民はこのくらい負担しているだろうと思う、もっともっと実際にはお金がそこにかかって生活しておられるんですよ。この事実を無視して、こんなにどんどん、さらに保険料も上げる、窓口も上げる、さらに保険外負担も増す、そういうことをやる前に、ぜひ全体像をとらえて、国民が本当に安心して生きていけなければ厚生労働行政は評価を得ないんですから。この次までにやっていただけませんか。私はきょうデータを持っていますけれども。

水田政府参考人 家計調査で調べることは可能と思いますので、承りたいと思います。

阿部(知)委員 では、頑張ってください。私も結構時間がかかりましたから、そちらもお時間はかかると思います。そして、その数値を見た上で大臣にしかとお伺いしたい。

 なぜ小泉改革、いろいろあった中で社会保障政策が国民から最も評価を受けないのか。これは、実は、国民は社会保障の充実のためならお金は出してもいいとは思っているんです。だけれども、その中身が問題だったり、逆に、出せる限界はどこかということを政治によく知ってほしいと思っているんだと思うんです。

 でも、厚労省がこの間お出しになるデータ、例えばこれは民主党の山井さんたちが御請求になりました特別養護老人ホームの利用料がお幾らかということ一つですね、実は相手に聞くだけでみずから求めないんですよね、みずから努力なさらないんですよ。私は、それで政策だけ事足れりとしている厚労省であってほしくないんですね。やはりここは、人間の命を預かる大事な省庁なんですから、その意味をよくお考えくださって水田さんには御尽力いただきたい。次回、必ず質問させていただきます。

 次に、国民健康保険の問題に移らせていただきます。

 大臣は繰り返し国民皆保険を堅持するとしっかりとおっしゃってくださっています。心強いし、本当に大事な我が国の財産ですから、この点は思いを一つにしておりますが、そのためにも、ぜひ国民皆保険を維持するためにまず国民健康保険というものの現状の問題点をしっかりと把握しないと、私は、この国民皆保険問題には良策、正しい処方せんが出ないと思います。

 国民健康保険は現在五千百万人になろうとしていますが、これはちょっと内訳を変えると、普通にいう国保と、それから退職者から一般国保に移られる方六百万人と、それから組合国保の五百万人を含めて五千百万人ですが、しかし、膨大な数だと思います。大臣は、なぜこの国保がここまでふえてきているのか、このことについてどう思われますか。

 これは、恐縮です、大臣にお願いします。私は、今、全部数値は言いました。

川崎国務大臣 自営業者自体の数はそうふえてないんだろうと思いますけれども、いずれにせよ、高齢化でございますから、六十歳以上の人口が徐々にふえてきていることは間違いないだろう。そういった意味ではふえてきているということになろうかと思います。

阿部(知)委員 それはだれしも、ちょっと思えばそうだと思うんです。

 大臣にお示しの二ページ目、これは世帯主の職業別世帯構成の年次推移でございますが、国民皆保険になりましたのは昭和の三十六年、一九六一年でございます。その当時は、今大臣がおっしゃったように、自営業とか農林水産業とかあるいは五人以下の小さな事業主のところでお働きの人が国保になっておりました。

 時代を経て、平成十五年になりますと、もちろん、農林水産業は五・一%、自営業も半分の一六・九%、小さな事業者のところは二五・二%と余り大きな変容はございませんが、ここに無職という形で五〇・二%、すなわち、国保全体のとは申しません、これは大体世帯主四千万人くらいのデータですから、半分が無職者であると。それは御高齢者であろうというところまでは大体だれもコモンセンス、共通認識にしておるんですね。私は、実は、そこまででとどまっていたら、この問題はどうやって本当に補強していくかの答えが出ないと思うんです。

 この下に注というのが、文章があって、「擬制世帯を除く全世帯」とございます。この擬制世帯とは何でしょうか。これは実務サイドで結構です。

水田政府参考人 世帯主がサラリーマンの世帯に所属する国保の加入者でございます。(発言する者あり)

谷畑委員長代理 ちょっともう少し声を大きく。聞こえません。

水田政府参考人 世帯主がサラリーマンである世帯で、その中に国保の加入者がいる世帯を擬制世帯とここでは言っております。

阿部(知)委員 すなわち、国保に本人は加入しているのだけれども、お父さんなりなんなりがサラリーマンで、お母さんでもいいんですけれども、そこで自分の子供は国保というようなケースが多いんですね。実はこれが、今多く言われるフリーターとかパートとかアルバイトの子供たちがここに入るわけです。

 では、この擬制世帯と呼ばれるものの集計とかあるいは総枠の人数のデータはお持ちですか。

水田政府参考人 特にお求めのデータそのものはございません。

 ただ、国民健康保険におきます被保険者数の増加につきまして、社会保障審議会の医療保険部会で議論があったわけでございますけれども、その中で、高齢者の増加に加えまして、厳しい雇用情勢や非正規職員の増加といった雇用形態の変化が要因の一つである、このような指摘がなされております。

阿部(知)委員 そうやって、指摘がなされておりますといってほったらかしちゃうから、実は必要な対策がなされないんですよ。

 私は、現状、高齢化はある意味で仕方ないというよりはことほぐことだと思うんですよ。ただ、その御高齢者の中にも、当然無職であるし、収入は年金で、この次に取り上げさせていただきますが、厳しい財政状況があるからなかなか保険料の納付もままならず、資格証明書等々を出されている実態というのがありますね。それも一方である。

 でも、恐らく今私たちの社会の社会保障政策全体を大きく不安定なものにしているのは、この若年で社会保障への加入を行っていない、あるいは行っていても納付をしていない方々だと思うんですよ。これも、求めよ、さらば与えられんです。やはり本当にいい政策を打とうとするためには、実際にそれがどのくらいあって、どのようにふえてきて、どうすればいいのかと、当たり前のことなんだと思うんです。

 こういう改正の中で、この中から高齢者を分けとるのは一つの、考え方は私はよしとしませんが、そちらはそう考えたんでしょう。でも、総体の、例えば先ほどの退職者の六百万人は、本当は退職者保険で続けられる者が国保に来ている方があるじゃないかと会計検査院からも指摘がありましたよね。もう一つ、このフリーターの問題もあるでしょう。さらに、高齢者で収入が年金だけで厳しくてという問題もあるでしょう。おのおの処方せんが違うと思うんですね。本当に皆保険制度を持続しようと思ったら、やはり私は行政の側の丁寧な対応が必要だと思うんですよ。

 大臣、この点について、私は今国保の三つの問題点、それで、会計検査院が指摘している点は一番たやすい点です、退職した後、本来自分のいたところに続けられる方が国保に来ている、この問題は。ただ、フリーター等々の問題は根が深く、また重い。どうやってやっていけばいいか、いろいろあると思います。この点と納付率の問題等々についてどう取り組まれるか、お願いします。

川崎国務大臣 今議論をいたしていますのは、一つは、労働関係の社会保険と厚生年金、こうした徴収を一元化しようという中で、いろいろ議論は始めています。

 正直申し上げて、二十時間以上働けば当然雇用保険に入らなきゃならぬ。一日でも働けば労災保険に入らなければならない、これは一年に一遍でございますけれども。三十時間、四十時間のうちの四分の三働けば当然厚生年金の適用にならなければならない。この辺がしっかりされていないのではなかろうか。これはパートの問題全体を考えるときに、本来パートであっても厚生年金なり組合の健康保険で処遇されるべき人たちが違う形になっているのではなかろうか、そんな問題意識を持ちながら、昨日も参議院でお答えしたわけでありますけれども、パートの実態というものをもう少し分析しながら詰めていかなきゃならないなという意識を持っております。

 一方で、また違う切り口でフリーターとニートという問題がある。ニート自体は、少なくとも働いていないんですから親御さんの保険に入っているはずでございますけれども、それが本当に入っているかという問題。独立されているかもわからぬ。そうなると、所得がなくて、国民健康保険だけれども、とても、こういう話になろうと思いますが、それは識別しなきゃならぬだろう。

 それから、フリーターは、これは働いているわけですから、本来は組合の健康保険に入るか自分で自立するか、こういう話になると思いますけれども、そこもあいまいな面があるだろうという御指摘だろうと思います。やはりそういうところをきちっと切り分けながらやっていかなきゃならないんだろう。

 そうなりますと、今度は国民年金と厚生年金、この辺のお互いの情報交換の話になってくる。市町村と社会保険事務所とのいろいろな情報交換、こういうものをやはりしっかりしながら、言われるとおり、分析をしてしっかり対策を打つということをやらなきゃならないのかなと。

 正直、役人にもうちょっとしっかりしろと言いながら、数字を出せ、数字を出せと私は迫っている本人なんですけれども、もう少し実態の掌握はしてみたい、このように考えております。

谷畑委員長代理 時間が来ております。

阿部(知)委員 はい。若い世代が全くの無保険になるということが多うございますし、ぜひ大臣に鋭意御尽力くださいますよう。

 残余は次回にお願いします。

谷畑委員長代理 高橋千鶴子君。

高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 きょうは、高齢者医療制度並びに医療費適正化計画の目玉の一つである生活習慣病対策について伺います。

 今回、七十五歳以上の後期高齢者と六十五歳から七十四歳までの寝たきりの方、正確に言いますと、プラス一定の障害のある方、この方たちを独立した医療制度に移行させるとしております。

 大臣はこれまで、二〇二五年には後期高齢者が二千万人になるから医療費がふえると重ねて述べてこられました。国民医療費の半分が後期高齢者という試算も示されております。

 この中で、高齢者と寝たきりの方などのみを集めて一つの保険にするというのがどういう意味を持つのか考えたいと思います。

 そこで、新たに保険料が徴収されることになる現在被扶養者の方、二百万人いらっしゃいますが、二〇二五年には二百四十万人になるという試算、これをまず確認させてください。

 そして、六十五歳から七十四歳の寝たきりの方などは一体何人いらっしゃいますか。

 同時に、保険料の徴収についてですが、ほとんどは年金から天引きされるということでありますけれども、介護保険料と合わせて、年額年金十八万以下の方、また年金額の半分を上回ってしまう方は普通徴収ということになりますが、これらの方がどのくらいいるのか、あわせてお願いいたします。

水田政府参考人 まず、高齢者医療制度におきまして、被用者保険の被扶養者であった人がどのくらいいるかということでございますけれども、これにつきましては、平成二十年度におきましては約二百万人と見込んでいるところでございます。

 二〇二五年の数値も委員申されましたけれども、それにつきましては承知はしてございません。

 それから、平成二十年度におきます六十五歳から七十四歳の寝たきりの方でございますけれども、百万人単位で申し上げますと約百万人、このように見込んでいるところでございます。

    〔谷畑委員長代理退席、委員長着席〕

高橋委員 普通徴収の方。

水田政府参考人 失礼いたしました。

 後期高齢者医療制度において年金天引きの対象とならない方の割合はどのくらいかという御質問であろうかと思っております。

 この天引きを行いますのは、市町村におきます収納の確保と事務の効率化を図る、あるいは被保険者の利便を図るということでございますけれども、まず、余りに低い、低額の年金しか受給していない方についてまで特別徴収の対象とする、天引きの対象とすることは適当でないと考えておりまして、介護保険におきます年金天引きの範囲と同様に、現時点においては、年額十八万円以上の年金を受給している方を対象とする方向でございます。

 それからもう一つ、介護保険に加えまして、今回、医療保険制度におきましても天引きをするということでございますので、天引き額が過大にならないように、介護保険料と合わせた保険料の額が年金額の二分の一を超える場合には天引きの対象としないということを検討しているわけでございます。

 この普通徴収の対象となる方がどのくらいかということ、正確な数値を把握してございませんけれども、介護保険制度におきましては約二割の方が普通徴収となっていることを踏まえますと、多少これよりも多くなることは考えられるかと思いますけれども、ほぼ同様の割合の方が普通徴収の対象となる、このように考えてございます。

高橋委員 時間がないんですから、聞いたことにだけ答えていただきたいんですね。何人いるか、そこだけ聞いたんです。

 最後のところで、介護保険でいうと二割くらいということでしたので、介護保険でいうと今四百四十一万人を超えているという数字を聞いております。ですから、それを上回るだろうということが、まず大体想像できると思うんですね。

 それで、図らずも、局長、最初に説明の中でおっしゃいましたけれども、余りに低い方に天引きするのはいかがなものかということなわけですよね。確かに余りにも低い方なんです。月一万五千円以下の年金で暮らす方、そういう人からまで保険料を取るということ、それ自体がひどい。しかし、同時に、天引きはしないけれども、これまでは、老人保健の対象となる国保の滞納者に対しては資格証明書は発行されてこなかった。それを今回はわざわざ高齢者医療法の中に資格証明書の発行を明記しました。なぜでしょうか。

水田政府参考人 まず、現在の取り扱いでございますけれども、国民健康保険の被保険者のうち、老人保健制度の対象者の方々につきましては、保険料は国保の保険者に支払う一方で、給付は老人保健制度の実施主体である市町村から受けるということでございますので、保険料を徴収した保険者が給付を行う仕組みとなっていないということから、資格証明書の発行は行っていないところでございます。

 新たな後期高齢者医療制度におきましては、保険料の賦課と医療給付を同一の主体、広域連合が行うこととなりますので、国民健康保険と同様に、滞納者対策として資格証明書を発行する、このようにしたところでございます。

高橋委員 ですから、今主体が違うということで説明をされましたけれども、これほどに大変な方に対してまでも資格証明書という担保をとってといいましょうか、とろうとしているんだなということ自体、非常に残念な気がいたします。ここは指摘にとどめます。

 それで、次に、この高齢者医療法で、今度は診療報酬においても、高齢者の心身の特性等にふさわしい診療報酬というのが新たに決められるということでありますが、具体的にどのようなことを考えていらっしゃるんでしょうか。

水田政府参考人 後期高齢者医療制度におきましては、ただいま委員御指摘のとおり、後期高齢者の心身の特性にふさわしい医療が提供できるように、新たな診療報酬体系を構築するということとしてございます。

 この新たな体系におきましては、実は政府・与党の医療制度改革大綱に方向性が示されているわけでございまして、終末期医療のあり方についての合意形成を得て、患者の尊厳を大切にした医療が提供されるよう適切に評価する、それから、地域の主治医による在宅の患者に対する日常的な医学管理からみとりまでの常時一貫した対応を評価することとしている、このように方向性が示されているわけでありますので、今回の診療報酬改定で、在宅療養支援診療所というものが設けられました。それの実施状況とあわせまして、今後この体系のあり方について考えていきたい、このように考えてございます。

高橋委員 大臣にぜひ伺いたいと思うんですね。ここまでのところで、まさに、お金のあるなしだけではなくて、年齢によっても医療に差がつけられるようになるのではないかと。

 今、診療報酬のところでお話しした心身の特性にふさわしいという言葉は、かつて一九九六年の老人診療報酬等の改定の際に、老人の心身の特性にふさわしい医療の確保、良質な医療の効率的な供給という考え方を踏まえ、老人慢性疾患患者にふさわしい療養環境を整えるとして診療報酬を引き上げたのではなかったでしょうか。今回やろうとしていることは、まさにその逆だと思われます。十年たって今、高齢者と寝たきり患者には安上がりの医療でいいというのでしょうか。大臣の見解を伺います。

川崎国務大臣 終末期医療のあり方について、これから合意形成を得て、患者の尊厳を大切にした医療が提供されるということでございます。それを適切に評価したい。それから、地域の主治医による在宅の患者の日常的な医学管理からみとりまでの常時一貫した対応を評価するということでございますので、そういった意味では、後期高齢者、七十五歳以上の方々にふさわしい医療を提供したい、そうしたものを評価したいということでございますので、安上がりの医療という概念は持っておりません。よりふさわしい医療を提供するように、また全体的な理解が得られるように努力をしてまいりたいと考えております。

高橋委員 その終末期医療とみとりですね、在宅のみとりに傾斜配分していくということが、そこに近づくのかなと思っているんです。

 逆に、では、大臣おっしゃるように、高齢者の特徴に配慮してということで、その他の医療に関しては十分配慮するんだ、包括などということはないんだということで確認してもよろしいでしょうか。

川崎国務大臣 どのような形で最終的にそういうものをセットするか、それはまさに合意形成を得た中でやっていかなきゃならない、こう考えております。

 先ほどから申し上げておりますとおり、七十五歳の方々が期待される医療と若者が期待している医療、すなわち、早く治して職場復帰をしたいという気持ちと、七十五歳以上の方々が受ける医療というのはおのずと違うと思いますし、まさに地域の主治医によってそうした方向性が定められて、いい適切な医療が提供されるような体制を組むべく、この法案が成立しましたら努力をしてまいりたい、このように思います。

高橋委員 今おっしゃった七十五歳以上の方が期待される医療というのが、イコール終末期じゃないよと言ってほしいなと思っております。

 やはり、これは高齢者の方を支えている医療機関の皆さんもいらっしゃいます、そのことが、結局、高齢者とそうでない方に診療報酬で差をつけることによって、せっかく頑張ってこられた医療機関の皆さんも経営が悪化し、撤退を余儀なくされるとか、そうしたことも含んでいるわけですから、十分にそのことを考えていただきたい、そこまで指摘をして次に行きたいと思います。

 そこで、生活習慣病対策の問題ですけれども、政府は、糖尿病などの生活習慣病の有病者、予備軍を二五%減少させ、給付費でも二兆円削減するとしております。その中心に健診や保健指導が据えられているわけですけれども、もちろん私は、予防に力を入れること、そのために健診や保健指導を重視するということは当然なことだと思い、大切だと思っております。しかし、同時に、大臣が午前中の答弁でも認めておられるように、健康日本21中間評価における暫定直近実績値からは、糖尿病有病者、予備軍の増加、肥満者の増加や野菜摂取量の不足、日常生活における歩数の減少のように、健康状態及び生活習慣の改善が見られない、もしくは悪化しているというのが現状であります。

 これまで、こうした健康日本21の取り組みがうまくいっていない原因は何でしょうか。説明を伺いたいと思います。

中島政府参考人 健康日本21で掲げました目標が必ずしも達成されていない、あるいはむしろ悪化しているものもあるというのは事実でございますが、すべてがすべて悪くなっているわけではない、改善されているものもあるということも、この際お話をさせていただきたいと思います。

 しかしながら、当初想定していたほどの効果が上がらなかったということについてはいろいろな反省がございまして、先般もこれに関する専門家による検討会等でいろいろと御議論をいただきました。そういった中で、これからはもう少し目的を明確にして、ターゲットを絞って、そういった方々にふさわしい健診あるいは保健指導というようなものを目指していくべきではないかという結論が得られまして、今回の医療制度改革における生活習慣病対策というようなことにつながってきたわけでございます。

高橋委員 すべてがすべてではないとおっしゃいましたけれども、それはもちろんそうです。私もデータを見ましたから、若干改善されているものもございます。

 ただ、やはり、担当者を集めた会議で、今読み上げたところは報告されているわけですよね。同じことを大臣がきょう午前中の答弁でもおっしゃいました。

 ですから、悪化しているところがあるんだと認めているにもかかわらず、その原因は何かと言ったときに、すべてがすべて悪いわけじゃないというお答えはいかがなものか。やはりそこは直視しなければならないと思うんですね。まして、それを義務づけたからといって飛躍的にうまくいくだろうか。そんなことはあり得ない。それは強く指摘をしなければならないと思うんですね。

 資料の二枚目をごらんになっていただきたいと思います。

 まず、先に下の方なんですけれども、「平成十六年度国民生活基礎調査の概況」で、仕事のありなし、あるいは勤めか自営かなどで分けて、健診や人間ドックの受診状況の構成割合を調べたものであります。総数は、受けたという方が六〇・四%ですが、仕事がありが六七・六%に対し、仕事がなしの方が健診を受けた割合は四九・二%にとどまっております。そして、自営業主は五〇・七%、自営の家族は四八%にとどまっていること。一般常用雇用者が七五・三%に対して、契約の方は六一・一%、日々または一月未満の契約雇用者は四八・二%とかなり下がる。歴然と差があります。

 これは仕事の雇用の形態、それは当然、事業主が義務づけられているという関係がございますので、仕事の形態、自営業かどうか、契約なのかどうかということで、やはりこういう違いが出てきていると思うんですね。

 また、上の資料を見ていただきたいと思うんです。そういう中で、定期健診を受けているけれども、有所見率、これは血圧ですとか肝機能とか数値が問題あるという方、ここが非常に上がっているわけですけれども、今四七・六%で、十年間で一三ポイントも上昇しております。

 私はこのことを見ますと、やはり働き方によって、まず、そもそも健診を受ける機会に大きな差がある、これは容易に想像できる結果ではないかと思うんです。しかも、健診の機会があっても有所見率は高くなっている。つまり、生活習慣病というと専ら個人の責任、運動しないとか食べ方が悪いとか、もちろんそれはそれで現実にありますので、セルフチェックも必要ですけれども、そこにとどまらない、働き方そのものに要因があると言えるのではないでしょうか。

 長時間労働、あるいは派遣やパートなど非正規雇用がふえている、先ほどもそういうお話がありました。ここもしっかり踏まえるべきだ。そうでなければ、そこを改善しようとしないで、義務づけて、とにかく保険者にやってくれと言うだけでは進まないのではないか。ここについて、大臣、一言御見解をいただけますか。

川崎国務大臣 非正規雇用、またその中でパートの問題については、先ほど申し上げたように、もう少し詰めたいと思っております。

 これは労働側の要請でございますけれども、きのうも御答弁申し上げましたが、現実に正規雇用の皆さん方と同じ仕事をしていながら、賃金格差が極めて大きい、また、場合によっては保険の適用、こういう問題も残されておりますので、これは少し課題として今勉強を始めております。できれば国会で御審議をいただけるような状況まで、まあ、ことしとは申し上げませんけれども、持っていきたいということで努力をさせていただいております。

 そういった課題が当然あるわけでございます。一方で、それじゃ、保険者に義務づけないでいいのかということになりますと、かけた方がいいだろう。簡単に言えば、被扶養者に対するものが一番外れているのではないだろうか、こんな認識をいたしておりますので、保険者によってしっかりやってもらいたい、このように思っております。

 午前中の御審議でも少し申し上げたように、やはり、車社会と欧米型の食生活、この二つが我が国の中に深く入ってきて、よほど予防なり健診なりをしっかり働きかけていきませんと、我が国の築き上げた長寿社会自体が崩れていくのではないか、こんな認識を私自身いたしております。そこにもう一つ踏み込んでやることによって、この長寿社会をまたより充実したものにしていくという観点からしっかりやらせていただきたいと思いますので、どうぞ御理解のほどお願い申し上げます。

高橋委員 前段の働き方のところについては、大臣、十分検討されるということで、期待をしていきたいと思います。

 具体的に聞いていきたいんですけれども、健診、指導に係るシステム整備など、実はかなりの事務費がかかるのではないか。それでは、費用はどのように見込んでいるのか、また、義務づけられた健診について被保険者の自己負担はどのようになるのか、伺います。

水田政府参考人 糖尿病等の生活習慣病予防のための健診、それから保健指導のあり方につきましては、現在、保険者も参加いたしました標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会におきまして、内容それから実施方法等を検討しているところでございまして、単価等の詳細が確定できないということもございます。それから、健診等に要する費用も実施率について動く、つまり単価と数量、ともに不確定な要素がございますので、費用を見込むことは困難であると考えております。

 ただ、その上で、あえて幾つかの仮定を置きまして機械的に計算をいたしますと、健診につきまして、仮に、現在の老人保健事業の費用単価を参考にいたしまして、二〇一五年度の健診実施率を六〇%、こう置きまして計算をいたしますと、約千三百億円、このようになろうかと思います。

 ただ、これらの金額の中には、先ほど話のございました労働安全衛生法に基づく健診として事業主が費用負担するもの、あるいは国や都道府県から保険者への補助金、こういったものも含まれておりますので、保険者の保険料による負担というものはその一部にとどまることになろうかと考えてございます。

 システムの整備に要する費用につきましては、これは、各保険者の規模でありますとか、それぞれ既存システム、持っていると思いますが、その構造等によって異なりますので、見込むことが困難でございますので、算出はしてございません。

 それから、自己負担の関係でございますけれども、これは、現在も保険者の健診実施、やっているわけでございますけれども、各保険者の判断によって自己負担が定められているわけでございまして、私ども、特にこれにつきまして費用負担額は把握をしてございません。

高橋委員 一つ出していただいたのが千三百億という数字で、それ以上かなりの負担が保険者にかかるのではないかということが想像できたかなと思っております。

 資料の三枚目をごらんになっていただきたいんですが、厚労省が二月二十七日の健康フロンティア戦略に基づく施策の取り組みについてのセミナーにおいて初めて示した資料でございます。

 これによりますと、平成十四年の数値でありますが、被用者保険の加入者は六千六百四十三万人、組合健保が三千五十八万人、政管健保は三千五百八十五万人、そのうち、先ほど大臣、課題だとおっしゃられた被扶養者が三千二百八十三万人いるわけです。労働安全衛生法に基づき五十人以上の事業者は健診が義務づけられておりますが、そこで健診受診者の今わかっている数字が、一千百七十九万四千四百八十四人ということであります。

 そうすると、大体四十歳以上の受診率がどの程度になるでしょうか。また、今回新たに健診が義務づけられる被扶養者の受診率は、これでいうと全体の一割、三百万人程度しかカバーできていないようだと思われます。これで、確認してよろしいでしょうか、これを市町村に委託できるということもありますけれども、本当に受診率を高めて、義務づけを実効あるものにできるのでしょうか、伺います。

水田政府参考人 お答えいたします。

 健診の受診率でございますけれども、これは、全般的な状況といたしましては、先ほど委員もお示しになりました国民生活基礎調査におきまして、六〇%の方が受けたという回答をされております。それから、従業上の地位に基づいて、それぞれ仕事がある方、ない方、家事(専業)の方というふうにありますので、大きな状況としては、むしろこの国民生活基礎調査で把握ができるものと考えてございます。

 今委員が資料でお示しになりましたのは、個別制度の積み上げでございましたので、ちょっと全般的な把握というのは難しい資料でございます。特に、被扶養者は大変少ないじゃないかということでございますけれども、実は、国保の現在市町村が行っております老人保健法に基づく老人保健事業において健診を受けられている方の中にこれは含まれていると考えられますので、一概に大変少ないということは言えないと思います。

 ただ、先ほどの国民生活基礎調査のデータで見ましても、家事(専業)の方は四七・九%という受診率でございますので、全体に比べて低いということは言えようかと思っておりまして、むしろ保険者がきっちりこれから取り組んでいくという分野であろうかと思っております。

高橋委員 これは、国保新聞でも三百万人程度しかカバーできていないという指摘が載りまして、これについてはそのとおりですねと確認した上で私は質問させていただきました。正確な数字がまだ出ていないということでありますが、それは、きちんと資料を委員会に出していただきたいと思います。

 ただ、実態としては、非常に困難だということは読み取れるのではないかと思うんです。そういう中で、保険者の健診、指導の達成状況によって、後期高齢者医療への支援金の額にプラマイ一〇%加算あるいは減算するというのは、どういう根拠によるものでしょうか。

水田政府参考人 ただいま委員御指摘のとおり、今回の法案におきましては、特定健診等の実施及び成果に関する目標の達成状況を踏まえまして、各保険者の後期高齢者支援金をプラスマイナス一〇%の範囲内で加算、減算することとしてございます。

 これは、保険者が糖尿病等の生活習慣病対策を推進すれば、脳卒中でありますとか心筋梗塞、こういった重症化が予防されます。そういたしますと、後期高齢者の医療費の適正化につながるということでございますので、こうした保険者につきましては、後期高齢者支援金を減算するということでございます。言ってみますと、保険者の努力を評価して、健診あるいは保健指導の実施に向けたインセンティブとするために、こういった加減算の仕組みを導入するものでございます。

高橋委員 今インセンティブとおっしゃいましたけれども、しかし、後期高齢者じゃない方たちの健診の達成度によって、その方たちの医療費に充てられる、いわゆる支援金ですからね、それが高くなったり安くなったりする、これは、どう考えても理屈に合わない。まして、それが今るるお話ししてきたように、働き方の問題だとか被扶養者はどうするだろうとか、そういうことがさまざまあるわけなんですね。そこを抜きにして義務づけをして、達成によって加算、これは、逆に言うとペナルティーにもなるわけですよ、減算もあるわけですから。そういうやり方は絶対に認められない。ここは指摘にとどめておきたいと思います。

 それで、さらに心配しているのは、では、保険者は、これを義務づけて、さらに実効あるものにするためにデータを保存すると言っておりますよね。これは、個人のデータを生涯にわたって管理し続けるということなのか、これを一つまず確認したいと思っております。

 それから、このデータの管理とあわせて、健診、保健指導の実施についても、民間事業者の活用、これも考えているということですね。確認したいと思います。

水田政府参考人 健診データの保存期間についてのお尋ねでございますけれども、これにつきましては、保険者の御意見なども踏まえまして今後具体的に検討する予定でございますが、現時点での案といたしましては、その被保険者または被扶養者が加入者である期間、その限りでは当該保険者が保存する。それから、保険者の加入者でなくなった以降につきましては、次の保険者に引き継がれるまでか、一定期間、例えば一年程度経過するまで、このような取り扱いとすることで考えてございます。

 それから、健診につきまして外部の事業者を使うことを考えているのかということでございますけれども、これはアウトソーシングということでそういったことも考えてございます。

高橋委員 引き継ぎも含めてあるとおっしゃいましたので、このデータの問題は、もう住基ネットどころの騒ぎではない、本当に個人のいわゆる健康状態にかかわる非常に貴重なデータなわけですね。その扱いを本当にちゃんと個人情報としてやっていけるのかということは、本当に指摘をしなければならないと思うんです。

 四月十八日に、日本経団連が「生活習慣病予防に係る特定健康診査・特定保健指導のアウトソース推進に向けて」を発表し、その中で「国民医療費の伸びの抑制だけでなく、二十一世紀の成長産業として期待されるヘルスケア産業の発展につながる。」要するに、自分たちの発展の話をしていますね。その上で何を期待するかというと、「施設や有資格者に関する基準が過重になることは、アウトソース先の自主性・多様性の阻害につながり望ましくない。」とまで述べております。

 このヘルスケア産業部会長はオムロンヘルスケア社長であって、昨年の七月、オムロンは、損保ジャパンと合弁形態によって健康増進・疾病予防サービス株式会社を設立することで合意をし、十月に設立をさせております。国の施策に合わせて、まさに自分たちの成長だというところで着目をしているんだと思うんです。

 しかし、そういう中だからこそ、本当に健康、命にもかかわる極めて公共性の高い分野を安易に利益目的の民間市場に開放するべきではない、このことを強く指摘して、残念ながら時間が来ましたので終わりたいと思います。

岸田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後六時二十分散会


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