衆議院

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第25号 平成18年5月26日(金曜日)

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平成十八年五月二十六日(金曜日)

    午前九時三分開議

 出席委員

   委員長 岸田 文雄君

   理事 大村 秀章君 理事 鴨下 一郎君

   理事 北川 知克君 理事 谷畑  孝君

   理事 寺田  稔君 理事 園田 康博君

   理事 山井 和則君 理事 福島  豊君

      新井 悦二君    井上 信治君

      伊藤 忠彦君    石崎  岳君

      上野賢一郎君    大塚  拓君

      加藤 勝信君    金子善次郎君

      川条 志嘉君    木原 誠二君

      木原  稔君    清水鴻一郎君

      篠田 陽介君    菅原 一秀君

      杉村 太蔵君    高鳥 修一君

      戸井田とおる君    冨岡  勉君

      永岡 桂子君    西川 京子君

      萩生田光一君    林   潤君

      原田 令嗣君    平口  洋君

      馬渡 龍治君    松浪 健太君

      松本  純君    御法川信英君

      岡本 充功君    菊田真紀子君

      郡  和子君    仙谷 由人君

      田嶋  要君    田名部匡代君

      長妻  昭君    古川 元久君

      三井 辨雄君    村井 宗明君

      柚木 道義君    上田  勇君

      高木美智代君    高橋千鶴子君

      阿部 知子君    糸川 正晃君

    …………………………………

   厚生労働大臣       川崎 二郎君

   内閣府副大臣       櫻田 義孝君

   厚生労働副大臣      赤松 正雄君

   厚生労働大臣政務官    西川 京子君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局参事官)            山崎 穰一君

   政府参考人

   (総務省自治行政局長)  高部 正男君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 三浦  守君

   政府参考人

   (法務省刑事局長)    大林  宏君

   政府参考人

   (社会保険庁長官)    村瀬 清司君

   政府参考人

   (社会保険庁次長)    小林 和弘君

   政府参考人

   (社会保険庁運営部長)  青柳 親房君

   厚生労働委員会専門員   榊原 志俊君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月二十六日

 辞任         補欠選任

  石崎  岳君     永岡 桂子君

  上野賢一郎君     伊藤 忠彦君

  木村 義雄君     篠田 陽介君

  戸井田とおる君    馬渡 龍治君

  福岡 資麿君     木原  稔君

  御法川信英君     金子善次郎君

  三井 辨雄君     田嶋  要君

同日

 辞任         補欠選任

  伊藤 忠彦君     上野賢一郎君

  金子善次郎君     萩生田光一君

  木原  稔君     大塚  拓君

  篠田 陽介君     木村 義雄君

  永岡 桂子君     石崎  岳君

  馬渡 龍治君     戸井田とおる君

  田嶋  要君     長妻  昭君

同日

 辞任         補欠選任

  大塚  拓君     福岡 資麿君

  萩生田光一君     御法川信英君

  長妻  昭君     三井 辨雄君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 ねんきん事業機構法案(内閣提出第七七号)

 国民年金事業等の運営の改善のための国民年金法等の一部を改正する法律案(内閣提出第七八号)

 地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、社会保険事務所の設置に関し承認を求めるの件(内閣提出、承認第三号)


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     ――――◇―――――

岸田委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、ねんきん事業機構法案、国民年金事業等の運営の改善のための国民年金法等の一部を改正する法律案及び地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、社会保険事務所の設置に関し承認を求めるの件の各案件を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 各案件審査のため、本日、政府参考人として金融庁総務企画局参事官山崎穰一君、総務省自治行政局長高部正男君、法務省大臣官房審議官三浦守君、刑事局長大林宏君、社会保険庁長官村瀬清司君、社会保険庁次長小林和弘君、社会保険庁運営部長青柳親房君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岸田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

岸田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。菅原一秀君。

菅原委員 おはようございます。自民党の菅原一秀でございます。

 社会保険庁改革の論議につきまして質問をさせていただくことを大変ありがたく思っております。

 二年前、平成十六年の年金改革の際、私も既に委員としてこの厚生労働委員会に籍を置かせていただいておりましたが、持続可能な年金制度の実現、これを掲げ、当時、私は質問の際に、いわゆる国民の年金の議論をするのであれば、まずは、七割の税金を投入されているこの国会議員の議員年金を廃止すべきである、こうお訴え申し上げましたが、その後いろいろな紆余曲折を経て、この四月から廃止になりました。当時、連続発生をしておりました社会保険庁のいろいろな不祥事、あるいは保険料の無駄遣い、こうした問題を徹底究明してうみを出し切って、国民のいわば年金に対する信頼を取り戻す、これが至上命題であったわけでございます。

 そういう意味合いから、この二年間、我が党も、ワーキングチームをつくったり、あるいは議連を立ち上げて徹底議論をいたしてまいりました。当然、与党の中においてもこの道のりを歩んできたわけでございます。

 したがって、今回ようやく法案として出されましたねんきん事業機構法案、まさに社会保険庁を解体、廃止、そして新たな組織に移して、人も一万人を削減して低コストの体質に改めていく、そして外部から人材を登用してチェック機能を果たしていく、こうした極めて基本的な改革案でありまして、もしこの法案が通らないようなことがあるとすれば、いたずらに時間が過ぎてしまって、この社会保険庁改革は大きく後退をしてしまうと私は認識をしております。あわせまして、今国会で出されている社会保険庁改革、ただ一つの法案でありますから、与野党ともに真剣な議論が必要だ、こう思っております。平成二十年の十月のいわば新たな機構発足を待つことなく、この二年四カ月の中でしっかりとうみを出し切ることは言うまでもありません。

 そんなやさきに、今般の国民年金保険料の免除、猶予申請を社会保険事務所が本人の申請のないまま不正に手続をするという、あってはならない問題が起きたわけでございまして、この社会保険庁を解体、廃止をして新たな機関として再スタートを切るに当たり、国民の公的年金への信頼回復をしようとしているやさきの問題でありまして、極めて重要な問題であると考えております。

 幾つか課題がございますが、まずは、三月の京都の不正の問題が発生した後に、即、迅速適切に徹底した調査、対応を図っていれば、五月に入ってこの法案の審議の際に大阪、東京、長崎、さらには三重、滋賀、兵庫と次々と不正が発覚するような事態にはならなかったわけでありまして、もはや、無年金者にしないとかあるいは年金受給権を守るとかといった省庁側の説明は詭弁にしか聞こえてこないというくらい、この問題の根の深さがあって、何よりも、本人に無断で免除申請の形をとるということはずばり国民年金法違反に値するわけでありまして、しかも大阪、三重は、三月の不正判明後に二度にわたる調査をしていながら、それぞれ該当なしと答えておるわけでありまして、まさに悪質きわまりないわけであります。

 臭い物にふたをするのではなくて、がんがあれば、がんは可能な限り摘出をする、その体質改善こそが急務でありまして、まずこの点、組織の意識改革、コンプライアンスの徹底ということに関しまして、川崎厚生労働大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

川崎国務大臣 二年前の年金法の審議の中におきまして、社会保険庁の不祥事が次から次へと明るみになりました。それは庁で行われたこと、末端で行われたことを含めて、数々の問題が指摘をされてきた。この社会保険庁という組織自体がもうこのままではだめだという結論。簡単に言えば、手直しではだめですよ、この組織自体はもう一たん廃止をして、新たに出直す以外ない、この結論が、昨年五月ですか、官房長官のもとでお取りまとめをいただき、それに従いながら法整備を進めてきたところでございます。

 しかし一方で、社会保険庁という組織が現実にあることは事実でございますから、また、年金等の事務というものは滞りがあってはいけないわけでありますから、民間から村瀬長官に来ていただいて、職員の国民サービスというものに対する意識、そして法律を守るということに対しての意識、少しでも上げてもらいたいという中で懸命に努力をいただいてきたと思っております。しかし、結果としては、この二年間、こうした努力を積み重ねてきましたけれども、裏切られてしまった結果になりました。

 特に、これは現場がどうかんでいたかよくわかりませんけれども、中間管理職、各県におきます局長なり所長なりというまさに中間管理職がこのような行為を陣頭指揮で行ったということでありますので、私は極めて根の深い問題であるという認識をいたしております。

 したがって、やはりこの組織は、まさに二年前も去年も議論されましたとおり、解体的な出直しをしなければならない。では、何に問題があるかということになりますと、まだ調査中でありますからはっきり申し上げられませんけれども、やはり四十七都道府県に分かれて、県を中心とした組織、私もちょっと今調べ始めたところでありますけれども、所長、現場管理者は、その県から出ていったことはない、その県の中でずっと仕事をしている、こういう体制自体がやはり無理であったんだろう、このように思っております。

 したがって、やはり今回の法案でもお示しさせていただいておりますとおり、ブロック単位の運営に全体を変えて、やはり人事異動を適宜行いながら、お互いに牽制し合いながら仕事をしていくという体制をつくらないと無理だな、こんな思いをいたしているところでございます。

 しかしながら、一方で、今何をすべきかということになりますと、一つは、やはり的確な人事異動をしなければならぬなという思いをいたしますと同時に、監査機能というものを今からでもすぐ強化していかなければならない。したがって、県の中での監査ではなくて、ブロックの監査にして、少なくとも、例えば大阪であれば、大阪のチェックは京都か奈良の者がやるという体制に変えていかなければならないだろう。監査機能を強化してきたつもりでありますけれども、相変わらず県内での監査。したがって、今回も県の中で隠ぺい体質があれば、全く外へ出ないで、三月で調査をしても、また五月で調査をしても、その後に、きのうあたりにまた新たな事案が出るということを繰り返しておりますので、そのように考えております。

 いずれにせよ、職員の意識向上が第一でありますけれども、そのための器づくりというものもしっかりやっていかなきゃならぬ、このように思っております。

菅原委員 いわゆるこの社保庁の三層構造にメスを入れるということでございます。

 今般のこの問題で、即応態勢をとられまして、早速大阪、そして昨日は三重県、それぞれ事務局長を更迭するという即断をされたわけでありますが、早急にこの全国三百十二カ所の社会保険事務所、徹底調査をして、もし問題があれば厳正なる処分をすべきことを求めるものでございます。

 まさに、今回の大粛正ここにありということでございまして、この点について、大臣と長官、それぞれ簡潔にずばりお答えをいただきたいと思います。

川崎国務大臣 所長の仕事をしっかり指導していくのが局長の仕事でございます。しかし、その仕事を局長がしっかりやれなかったということに尽きますけれども、しかし、組織上からいえば、局長はしっかりもう一度公務員の本旨に戻ってやってもらわなきゃならない。したがって、あした局長会議を開きまして、私もそこへ出席をし、村瀬長官のもとできちっとしたやり直しをするということでございます。

村瀬政府参考人 ただいま大臣からお話ございましたように、明日、全事務局長を急遽集めまして、現在の状況の把握それからコンプライアンスの徹底、これをまずさせていただきます。その上で、実際の件数がどれだけあるのか、どの事務所、事務局が絡んでいたのかということを全件調査して、早期に公開をさせていただきたいと思っております。

 それから、処分の問題でございますけれども、先ほど大臣から指示ございましたように、三月、五月と調査をしたにもかかわらず明確に報告をしなかったということで、大阪それから三重につきましては即刻人事更迭ということで御指示がございまして、遅くともきょうじゅうにはすべて完了をしたい。また、個別の案件で不祥事案件が出てきたところにつきましては、まず一つは、現状を把握した上で、やはり所長並びに局全体が絡んでいるということであれば早急に厳しい対処をしていきたい、このように考えております。

菅原委員 この年金制度そのものに対しましては、全国民の注視している問題でありまして、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。とりわけ村瀬長官におかれましては、民間出身者ということで本当に多くの国民がこれまでも期待をしてまいりました。約二年間、あらゆる困難やあらゆる抵抗、あるいは省庁内の抵抗もいろいろあったかと思いますが、逃げることなく正面からぶち当たってきた。先般も、水曜日の質疑であれだけいろいろな質疑がありましたけれども、私の仕事はこれなんだ、改革をするのが仕事なんだと敢然とおっしゃっていたわけでございまして、この問題についてもしっかりと責任者としての役割を果たしていただきたい。民間ならではの、あるいは民間で培ってきた知恵と、そして難局にぶち当たったときの蘇生力、これを生かしていただきたいな、こう思っております。

 さて、法案の内容についてお尋ねをしたいと思います。まず、この議論をしてきた二年間におきまして、職員の宿舎、公用車、あるいは研修旅行など、ゴルフ道具、あるいは社会保険事務所のマッサージ機器、あるいは職員の福利厚生費、年金福祉施設等への年金保険料の無駄遣い、再三指摘をされてまいりました。

 私の二年前の質問でもさせていただきましたが、先月、四月三日、社保庁みずから、二〇〇〇年から二〇〇四年の五年間で、政管健保から支出をされている健康保険関係補助金事業費を含め、こうした費用が同庁の関連団体において一千七百七十五万、不適切な支出があったと公表したわけでありまして、これは、社保庁が事業委託をした全国社会保険協会連合会の高額医療費の貸付事業や、あるいは健康づくり事業費として支給された補助金も含まれておりまして、これは返納すれば事足りるという問題ではなくて、こうした保険料や税金の無駄遣いを根絶するための極めてクリアなチェックシステムの整備が必要であることは言うまでもありません。

 こうした流れの中で、今回の法案の中には、年金運営会議と特別監査官を設置することになっているわけでありますけれども、どのような仕組みで適正な年金の事業運営を担保していくのか、この点をお伺いしたいと思います。

小林政府参考人 社会保険庁につきまして、さまざまな御指摘、特に無駄遣いという観点からの御指摘をちょうだいしたわけでございます。これを受けまして、平成十六年度から、私ども徹底した事務費の削減でございますとか、法令上随意契約という形での契約が可能な場合におきましても、できるだけ競争入札あるいは企画競争というものを原則的に行っていこうという取り組み、あるいは民間のスタッフの方に参画をしていただく調達委員会の設置、これによる厳格な審査というようなもので対応をさせていただいております。

 十七年度以降につきましては、年金保険料は年金給付と年金給付に関係すること以外には使わないという基本的な考え方のもとに、予算執行の無駄を排除して透明性を確保する、こういう取り組みの徹底に努めているところでございます。

 今委員御指摘のように、今回の法案におきましては、ねんきん事業機構というところにおきまして、国民の意向が十分に反映され、公正で透明性の高い事業運営が確保されるように、他の国家行政組織には例を見ない、外部専門家の参画によります年金運営会議あるいは特別監査官の設置を考えているところでございます。

 年金運営会議につきましては、代表執行責任者が事業運営に関する重要事項を決定するに際して、その議を経ることを義務づけしております。主要事項の執行のあり方についての審議なんかもしていただき、外部の目から厳しい事前チェックを行っていただくということを考えております。

 一方、特別監査官につきましては、会計監査、業務監査、この二つを監査ごとに設置をさせていただきまして、そのもとに特別監査官補佐というような方々も配置をさせていただきまして、いわば外部監査的な監査を行う、こういう観点で、会計、業務それぞれのチェックを、外部の目からいわゆる事後チェックの形でいただきたい、こういうふうに考えております。

菅原委員 これまでの隠ぺい体質や内的な組織運営というものから、外部の人材を登用する、透明な監査制度にする、これは当然大事なことでありまして、この流れいかんが霞が関全体の行革の精神にもかかわってくるわけでありますので、しっかりやっていただきたい。

 時間がないので次に入ります。

 職員の意識改革を進めていくに当たりまして、社会保険庁の職員団体、いわゆる組合の、これまで問題とされてまいりました確認書あるいは覚書、こういった問題についてお尋ねをします。

 社会保険庁には、全日本自治団体労働組合国費評議会を初め二つの職員団体がありまして、労働条件等に関する覚書、約百近い覚書がこれまで国民の大変大きな批判を受けてきたわけでございます。我々の議論も含め、平成十七年一月にはこの覚書の破棄をするということに至ったわけでございます。

 改めてその内容を見てみますと、労働組合側から社保庁に、仕事中にコンピューターのキーボードは四十五分たたいたら十五分休み、一日当たりの操作時間やキータッチの数は、これを制限すべきである、あるいは、ファクスは規定時間以外に使っちゃだめだとか、ファクスをしてもいいけれども、すぐ回答しなくてもいいでしょうというような、民間の感覚とはとても大きなずれがある、こういうことが覚書として取り決めをされてきた。今日、企業も個人も待ったなしの状況で、命がけで生き残りをかけてやっている時代、とても容認できない問題が浮き彫りになってきたわけであります。

 この組合の組織率、職員の九六%、極めて大きな組織でありまして、まさに社保庁のこれまでの体質そのもの、こう言っても過言ではないと私は思っております。

 したがって、長官の組合とのこれまでの交渉、あるいはいろいろな改革をしてきたわけでありますが、新たにこの組織、新機構になった場合に、このような社会常識や社会通念から逸脱したような覚書を交わさない、こう確約していただきたいと思うわけであります。また、国民が見ている中で、このような体質を引きずっている職員組合に対して毅然たる態度で臨んでいただきたい、こう思うわけでありますが、この点の御所見をお伺いしたいと思います。

村瀬政府参考人 委員の御指摘がありましたように、有識者会議それから与党のワーキンググループ等から厳しい御批判を受けまして、平成十七年の一月二十七日に、労使合意のもとで、すべて覚書等につきましては破棄をさせていただきました。当然のことながら、国民サービスや効果的な事業運営の実施の妨げになるような団体との覚書等は、今後も交わすことがあってはならないというふうに考えております。

 職員団体との関係におきましては、国家公務員法等との関係規定に基づき、適切にかつ毅然とした態度で臨んでまいりたいというふうに考えております。

菅原委員 三層構造というものがやはり今まであって、それを、先ほど大臣の御答弁ではブロックにということで、しかも互いをチェックしていく、そして、職員の労働条件、適正なものは当然守るべきだと思いますが、全くもって非常識なこれまでの経過については、二度とこのような取り決めを交わしてほしくない、これは国民の声だ、こう思っております。

 次に、この法案の人員の削減についてお尋ねをします。

 まさに、ねんきん事業機構法案、この法案の目玉の一つが人員削減でありまして、法案の中には、平成二十四年までの七年間で、政管健保公法人への移行を含めまして、常勤公務員を二〇%純減をし、常勤、非常勤合わせて一万人を純減する、こううたっております。まじめなやる気のある職員によって効率的で質のよいサービスを提供するためには、まずこの人員削減、計画どおりの実施が不可欠であることは言うまでもないわけであります。

 きょう、偶然にも行革法案の成立の見込みとなっておりますが、具体的な内容や経過を見ておりましても、なかなか、霞が関の抵抗、五年で五%もままならない、こういう状況にある中で、社保庁の今回の改革の本旨にあわせれば、まさに行革、人員削減のリーディングイシューとして、この一万人削減、しっかりと進めていただきたいと思うわけであります。

 この具体的な進め方とあわせて、新機構に移行したとしても、今まで納付率の低下であったり、あるいは個人情報の業務外閲覧、のぞき見、こういったあってはならないことをやってきた、こういう組織の体質を変えていく。そういったことをやってきた社会保険庁の職員が、そのまま何のハードルも越えないで漫然とこの機構に移行するということは、とても国民感情からすれば考えられないわけでありますから、この点、どのような措置をとって、どう対処していくのか、お伺いをしたいと思います。

小林政府参考人 今委員から二点のお尋ねがございました。一点目は、人員削減計画についてということでございます。

 御指摘のように、平成十八年度からの七カ年で大幅な人員削減を実施していこうと。このためには、定型的業務の外部委託でございますとか、市場化テストによる外部委託の拡大、あるいはシステムの刷新を今進めておりますが、これに基づきますところの業務そのものの削減あるいは業務の広域的な集約化、こういうような手法を用いまして人員の削減を図ると同時に、合理化によって生じた人員の一部を活用させていただきまして、年金保険料の徴収体制の充実というふうなところにシフトを図りながらの人員削減を進めていきたいと思っております。

 この人員削減計画の実施、これに当たりましては、やはり国民の立場に立った効率的で質の高い行政サービスを提供する、そういう観点から必要不可欠と考えておりますので、強い決意を持って着実に実施をしていきたい、こういうふうに思っております。

 もう一点御指摘をちょうだいいたしました、職員の移行に関してということでございます。

 これまでの組織体質を一掃していくということが必要ということから、今御提案をさせていただいております法案の中では、現在の社会保険庁の職員が漫然と新組織に移行することがない、移行しないための措置を講ずるということを考えております。

 まず、社会保険庁職員のねんきん事業機構への移管に関しましては、通常は規定されることになっておりますところの職員の引き継ぎ規定ということは設けないということにしたのがまず一つであります。したがいまして、新組織の設立に際しましては、職員個々人のこれまでの勤務成績を公正に評価をする、その上で、ねんきん事業機構に移管することが適当と認められる職員につきましては、個別に転任の手続を行う、こういうことで考えております。

 また、その任用に当たりましては、通常、国家公務員は、新規採用の際に服務の宣誓をすることになっておりますが、それに加えまして、政府管掌年金事業の意義を自覚して、強い責任感を持って、誠実かつ公正に職務を遂行する旨の服務の宣誓を、別途、ねんきん事業機構に移行する、そちらに採用、任用するに当たりましては義務づけるということを考えているところでございます。

菅原委員 漫然と人を移しちゃいけないという質問に対しまして漫然と答弁がありまして、やはり社保庁の責任者の一人として、すべての事務所を指導する立場、もっと積極果敢に、もっとやる気を見せてもらわないと、何だかただただ読んでいるような状況、非常に残念に思います。この点を指摘しておきます。

 若干この法案と離れますが、国民の年金への信頼の回復、いわば保険料の納付率の向上、これは八割という目標を定めてやっているわけでありまして、物事あるいは人の人生には、当然目標値あるいはその夢、目標というものを設定して一歩ずつ地歩を固めていくわけであります。

 社保庁の収納対策への徹底した取り組み、これはもう当然のことだと思うんですが、もっと大事なことは、やはり被保険者側がいかにして自主的、自発的に年金を納めるか、納めてもらう環境をつくるか。当然これは年金への信頼の回復、取り戻すということが大事でありますが、一方で、公的年金の意義や役割やメリット、こういったものを今まで以上に徹底してPRをしていく、国民に的確にわかりやすく伝えていく、こう思うんですね。

 若干私ごとになりますが、今から十四年前に父親の会社が倒産をいたしました。ある人の保証人になって倒産をして、私自身も、自宅もなけなしの資産も全部失って、住むところもなくなりました。六十になって両親が家を失い、すべてを失う。私はまだ三十代でしたからよかったんですが、六十代になってこれはもう大変つらいな、こう思っておりましたらば、一枚のはがきが届きました、年金受給開始ですよという一枚のはがき。思ったのは、いわばこつこつまじめに年金を払っていれば、例えば事業に失敗して会社が倒産しても、すべてを失っても年金は担保されている、受給権がある、こういったことを改めて感じたわけでございます。

 いわば、こうした年金の本来的な意義や役割やいろいろな特例やもろもろのことについて、いま一度国民にしっかりPRをすることが若年者の未納対策にもつながると思いますし、まさに持続可能な年金制度の根幹である、こう思っております。この点、大臣、いま一度お聞かせをいただきたいと思います。

川崎国務大臣 御指摘のとおり、四十歳を超えてきますと、納付率は高くなってまいります。四十歳代が七〇%、五十歳代になると八〇%を超えてまいるだろうと思います。そういう意味で、人生が進んでいくと、年金のありがたみというのは、だんだん社会を通じながら理解をしていく。しかし、二十代、三十代では四十年後の話ですから、なかなか真剣になってお話を聞いてもらえない、こんな悩みが社会保険庁の職員にあることは事実だろう。

 そういうものをどう乗り越えながら、例えば、税で二分の一負担をすることになるわけですから、極めてメリットの高い仕組みになっている、障害を受けたとき、また遺族、こうした場合の保障もついているんですよということをしっかり説明をしていく、その機会をどうやってとらえるか。ただ、口頭だけではできないものですから、インターネットを使ったり、いろいろな方法をしながらやっていかなければならないんだろう。

 一方で、厚生労働大臣という立場からいいますと、ニート、フリーターの問題、特にニート問題というものをどう解決をしていくかということもやはりあわせて大事な話でございます。

 そういう意味では、社会保険庁の年金の説明のみならず、全体の方向づけとして、私どもの役所でいろいろな立場からやるべきことがまだまだ残されているなという中で、委員の御指摘のとおり、まさに年金というものを正しく理解していただく努力を一層しなければならない、このように思っております。

菅原委員 ありがとうございました。よろしくお願いをいたします。

 以上で終わります。

岸田委員長 次に、高木美智代君。

高木(美)委員 公明党の高木美智代でございます。

 社会保険庁の改革に当たりまして、解体的出直しをと本法案が提出されたやさきに、不正免除という不祥事が発覚をいたしました。これまでも保険料の私的流用や個人情報管理のずさんさ等で地に落ちた信用をどのように回復をしていくかという大きな課題に対しまして、民営化によって、また民間手法を取り入れて組織を低コスト化しなければならない、構造的に一新しなければ国民の信頼は得られない、解体的出直しをと、この意図で本法案が提出されたものと受けとめております。

 前回の委員会審議の中で、長官が目標を定めての取り組みが大変厳しかったのではないか、号令が重圧だったのではないかとの話が出されました。しかし、長官が何度も答弁されておりますように、私も、企業でいえば、目標を掲げてトップが号令をかけて取り組むのは当たり前のことと思っております。

 それに対して、国家公務員である職員が、将来の一人一人の年金受給に対して配慮する気持ちがあるにせよ、なかったにせよ、不正に走り数の操作をする、そうした法を遵守する精神の欠如、モラルの低さ、しかも、不正が指摘をされ調査が始められているにもかかわらず、その事実を隠ぺいする、こうした許しがたい、また、変わっていない社会保険庁の職員の体質が浮き彫りになったものと受けとめております。

 それを、号令が重圧だったからという結論にしてしまえば、これでは不景気の中で文字どおり死に物狂いで頑張ってこられた企業のそしりを免れない、このように思う一人でございます。また、組織ぐるみで行われたのではないかとの疑問も出されました。これにつきましては、事実の解明も当然なされなければならないと思います。

 しかしながら、大事なことは、このようなことが二度と起こらないよう、改革逆行ではなくて、目標達成型の弾力あるいい組織をどうつくっていくか、そのために、本法案が速やかに並行して審議されなければならないと思います。いたずらに引き延ばすことは、社会保険庁の持つこうした閉鎖的体質、また国民にとってあってはならない体質を温存し、改革そのものを先送りにしてしまうことになると思っております。

 私は、そうした観点から、本法案に盛り込まれております改革の内容、方向性を踏まえ、質問をさせていただきたいと思います。

 我が党は、この改革に当たりまして、組織の効率化と内部統制の強化、そしてまた組織運営にかかわる透明性の確保と内部監査の強化、またそのために職員の意識改革を求めてまいりました。こうした外部監視の強化や収納しやすい環境づくりにつきましては、一昨年の多くの指摘を踏まえて盛り込まれている点を高く評価をしたいと思っております。

 問題は、今も浮き彫りになっております職員の意識改革についてでございます。

 まず、今回のこうした不正免除が、現場の指揮監督に当たる中間管理者、先ほども大臣から、局長であり所長でありというお話がございました、これらの中間管理者によって行われたという事実、今後の処分も当然なされるべきと思います。では、さらに今後どのようにしていくのか、マネジメントであるとか研修であるとか、今後の改善策のお考えをまず村瀬長官にお伺いをさせていただきます。

村瀬政府参考人 まず、やらなきゃいけないことは何かといいますと、今委員おっしゃいましたように、事実の解明でございます。

 事実の解明につきましては、先ほどもお話し申し上げましたが、明日、全国の事務局長を急遽集めまして、それで会議を持たせていただきます。来る前提といたしまして、各事務所単位で現段階でつかまえている不正免除と言われている中身、そもそも免除勧奨をどういう形でやり、かつ、どういう承認をしているかということを調べた上で参集させる予定にしてございます。その中で、トータルとしてどういう現象が起こったのかということをまずはっきり解明したい、これが一点目でございます。

 それと同時に、本来、局全体の方向をつかさどる局長、局長がみずからやはりそこをしっかりやっていく必要があろうということで、局長に対して、再度、倫理的な問題を含めまして、しっかりコンプライアンス規定を含め話をし、みずから陣頭に立ってやるような形で促したいというふうに思っております。それと同時に、その部分につきましては、できるだけ早く国民の皆さん方に対して公表を申し上げたい。

 それと同時に、本来免除を受けるべきでない方が受けられた、ただし、ひょっとしたら、その方々も実は免除を申請したかったかもわからない、こういう方々に対しては、早い機会にやはり免除を再申請いただく、こういう手続も必要かと思いまして、本件につきましては、できる限り、六月の上旬に動きがとれるようにということで考えております。

 それから、現在並行して人事評価制度の検証をやっておりまして、人事評価制度というのは何かといいますと、業績に対して評価をするということだけではなくて、コンプライアンスの部分も入ってございます。やはり目標に向かって法令を守ってしっかり仕事をやる、これが本筋でございまして、その部分を徹底しながら、再発防止ということをしっかりやっていただく。さらに、それをやっても、場合によったら再発をされる可能性があるということで、これはチェック機能を強化することによって、今後再発が起きない仕組みを講じたい、このように考えております。

高木(美)委員 村瀬長官におかれましては、坂口元厚生労働大臣のときに、坂口私案を出されまして、二〇〇四年六月、民間人を長官に起用して、一つは、社会保険庁の存立のあり方の検討を進めるべき、またもう一つは、組織内からの改革を進めるべき、この点を指摘しまして、その上で村瀬長官を迎え入れたと聞いております。民間手法を取り入れて組織の緩みを締め直す、このことを一番村瀬長官に要請されたと聞いております。

 そのとおりに、先般も長官からは、一月に十日地方の現場を回って職員に会われた、こういうお話もあられました。そのとおりに粉骨砕身してこられているわけで、当然、社会保険庁内の指摘される体質等、今菅原委員からも、三層構造があると。本庁幹部、そして本庁採用のノンキャリア、また地方採用という地方事務官、こうしたそれぞれの独立した構造があり、しかもその中で、人事交流が当時はなかなかない、また風通しも悪く閉鎖的である、こうした課題解決に対しましても、恐らく長官は取り組んでこられたと思います。

 この三層構造を背景にしたガバナンスの欠如はだれもが指摘するところでございます。それに対して、長官はこれまでもどのように取り組もうとされているのか、率直にお伺いをしたいと思います。

 先般も、委員会で長官に対して、御自分の任をどのように考えておられるかという質問、また、辞任すべきという委員からの指摘もありました。しかしながら、今改革は途上でございます。むしろ、このとおり厳然と今、長官を庁全体として支えながら、また私もそのようにさせていただきたいと思いますし、むしろ庁全体で国民の負託にこたえられる改革がこのまま断行されますように、その体質の改善のために全力を挙げていただきたい、長官を守るべき、そのように私は申し上げさせていただきたいと思います。

 まず、この点につきまして、率直にお伺いをさせていただきます。

村瀬政府参考人 社会保険庁の問題につきましては、先ほど御指摘がございましたように、一つは、三層構造も含めまして、やはり内部統制、ガバナンスが不足をしている、それから内向きで閉鎖的な組織である、また一体感が乏しい、こういう状況でございます。

 したがいまして、今回の改革ということで、先ほど大臣からもお話し申し上げましたように、都道府県ごとに設置しております事務局を廃止しましてブロック化をするであるとか、それから人事交流を積極的に行う、こういう形で、やはり牽制機能のきく制度にしていく必要はあるだろう。それから、先ほど私が申し上げました人事評価制度ということで、やはり、一生懸命仕事をして結果を出す人が報われる組織、働きがいのある職場にしていく必要があるんだろうということで考えております。

 したがいまして、新しい組織になる前に、やはり私自身が一番大事なのは何かといいますと、一つは、国民の視点に立った仕事をやれるような改革をしていかなきゃいかぬ、二つ目が、職員がしっかり意識を変えてもらわなきゃいかぬという形で各地区を回っている状況でございます。今回、こういう中で非常に不始末が起こったのを私自身も深く反省しておりますけれども、これはとめることができない、推進をしていきたい、このように考えております。

高木(美)委員 大臣に、今の点を踏まえまして質問をさせていただきます。

 さらに、職員が担当する健康保険加入者の数でございますけれども、例えば、大都市では一人七千件、また、鳥取では二千件、そこには約三倍の格差が存在をいたします。今も人事交流というお話が長官からもございましたとおり、やはりそうした定員の調整であるとか、また、都道府県またブロックを超えた人事交流をさらに推進すべきと考えます。特に、今回多量にこうした不正が出ました事務所につきましては、当然、やはりその方たちについてはいろいろな地域を、普通の企業でも転勤等はあるわけで、そうした交流をしながら、またそれぞれの地域の模様も知っていく、またそこで、御自分の仕事に取り組む姿勢等々もまたその中で見詰め直していただく、こうした流れというものをさらに強化すべきではないかと思います。

 この三層構造も含めまして、大臣に御所見をお伺いいたします。

川崎国務大臣 二年前の数々の問題点から、この組織は解体的出直しをしなければならない、しかし一方で、現組織があるわけですから、この現組織が将来新しいものに変わるとしても、この組織を少しでもいい方向に前進をさせなければならない。その中で、村瀬長官が先頭に立ちながら努力をいただいてまいりました。

 結果論から申し上げれば、やはり県別組織というものがこの二年たちましてもなかなか変わっていなかった、それが最終的なこういう問題を生み出す一つの要因になっていたのではなかろうかな、このように思っております。

 したがって、新しい法律によりましては、今高木委員が御指摘いただきましたように、幅広い見地で、いろいろな形の地域も知りながら仕事をしてもらうという体制に変えていかなければならないだろう。したがって、県別組織というものをなくしてブロック単位に変えていく、その中で、今御指摘ありましたように、人員配置についても適正な配置に変えていかなければならない、こんな問題を抱えておるだろうと思っております。

 一方で、今何ができるかということになりますれば、やはり、今の組織でも当然人事異動はできるわけですから、できるだけ大幅な人事異動を心がけていきたい、このように思っております。

 それから、先ほど申し上げたように、監査を機能強化するにいたしましても、同じ県内で監査をしていても、今回問題点が指摘されなかったわけですから、やはり監査機能はブロック内の他県の者が監査を行うという形にしながら、少しでもこの組織がよりよい仕事をしていくようなものに変えていかなければならない。

 しかしながら、当初から御指摘いただいておりますとおり、この組織全体は解体的な出直し、一たん廃止をして新しい組織に変えなければならない、このように思っております。

高木(美)委員 そこで、先ほど来指摘がございます、大幅な人員削減と組織のスリム化をどのように行うのかという点でございますが、行革法案には市場化テストが盛り込まれております。この関連、そしてまた、日程もあわせて伺いたいと思います。

 先般も長官がおっしゃっていました、徴収率を上げていくには分母を整理して、そして分子をふやしていく。そのためには最後は一対一の作業になってくるかと思います。今までも二〇〇二年度に徴収事務が、市区町村が国民健康保険とあわせて行っていたものが社会保険庁に移行をされました。そのときに、たしか未納率が二九%から三七%に上がったと認識をしております。恐らく、年金相談の新設等で現場の職員が減っているとかそういう現場の職員のお声も聞きますけれども、最後は一対一の確認作業である、そのための人員確保はされるべきではないかと思います。

 こうした、最後は現場であるというこの課題をどのようにクリアされるのか、このことにつきまして、小林次長にお伺いをいたします。

小林政府参考人 社会保険庁におきましては、昨年の十二月に七カ年の人員削減計画の取りまとめをさせていただきました。この中で、先ほどもちょっと触れさせていただきましたけれども、定型的業務の外部委託でございますとか、市場化テストによります外部委託のさらなる拡大、あるいは、システム刷新による業務そのものの削減、業務の広域的な集約化、こういった観点から合理化の徹底を進めようとしております。その一方で、委員の御指摘にございましたように、徴収体制の充実というのは非常に重要な課題でございますので、こういう合理化された人員を活用させていただいて、強化すべき業務への人員シフトもあわせて行う。

 この結果として、七カ年で、政府管掌健康保険の公法人化、これにかかわる人員移管も含めて、平成十七年度の人員数に比較して常勤公務員の二〇%の削減を、削減といいますより純減を図ることとしております。

 また、御指摘の行政改革推進法案との関係でございますけれども、今後五年間で国家公務員の定員を五%以上純減する、あるいは地方支分部局の統廃合あるいは事務事業の見直しということも行革推進法の中に規定されておりますが、我々の関係でございますれば、保険料の収納あるいは相談について、その実施を民間にゆだねるというような方策の検討もしようとしておりますが、いずれも行革推進法案に盛り込まれた方向性と軌を一にするものというふうに考えております。

高木(美)委員 その場合、例えば、今回の不正免除というこの方たちの個人情報、そしてまた、市場化テストによります、中間的な層の方たちには業務委託という、このような流れの中で、個人情報保護は今後どのようになされるのか、重ねて、これは青柳運営部長にお伺いいたします。

青柳政府参考人 社会保険庁におきます個人情報保護の問題につきましては、いわゆる年金個人情報の無断閲覧ということで大変な御迷惑をおかけしたわけでございますが、もともと、年金個人情報を適切に管理するということは、年金制度にとってはその信頼にかかわる大変重要な事柄であるというふうに認識をしております。

 このため、具体的には、端末の操作に必要なカード番号を固定化し、いわゆる一人一枚化というものを実現する、あるいは、本人識別のパスワードを導入するということを、十六年の七月に一人一枚化、それからパスワードを十六年の十月に実施いたしました。さらに、被保険者記録へのアクセス内容を把握できる仕組みを導入するということで、社会保険事務所におけるアクセス内容については十七年の一月から、また、社会保険業務センターにおけるアクセス内容の把握につきましては十七年の三月から、これが行えるように切りかえをさせていただきました。

 また、個人情報保護の重要性の認識あるいは浸透を確実に図るために、非常勤の職員を含む全職員に対しまして、改めて業務目的外閲覧の禁止の徹底を図るための特別集中研修、こういったものも本年の一月に実施をさせていただいております。

 さらに、今般国会に提出をさせていただいておりますねんきん事業機構法案におきまして、ねんきん事業機構による年金個人情報の利用、提供に際しましては、年金事業の運営のために必要な場合、あるいは、法律の規定に基づき利用、提供しなければならない場合、さらに、ねんきん事業機構が利用、提供する相当な理由があると認められる場合に限定をいたしまして、個人情報の利用、提供ができるということを法律で明確に定めさせていただいたところでございます。

 今後とも、個人情報保護に関します職員への周知徹底、そして意識の啓発を図ることによりまして、御懸念の個人情報の保護についても万全を期してまいりたいと考えております。

高木(美)委員 今の個人情報保護のことにつきまして、そのような体制をさまざま整備されたわけですが、もしこうしたことが行われた場合の処罰規定というのは、今後どのように整備をされるのでしょうか。

青柳政府参考人 この問題は、一義的には、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律という法律によりまして、委託などを行った場合も含めた不正使用についての罰則等が既に規定されております。また、社会保険庁の内部におけるいわば規律といたしまして情報保護管理規程というものを設けまして、この規程に違反したようなケースが生じた場合には、これはいわゆる国家公務員法等に基づくところのさまざまな処分の対象になるというふうに考えております。

高木(美)委員 くれぐれもよろしくお願いいたします。

 予算執行の無駄の排除ということがこの法案に盛り込まれております。調達委員会の設置であるとか、また、事務費国庫負担の見直しということで、中に、年金事務費については保険料を恒久的に充当する等のことも盛り込まれておりますが、特にこの年金事務費につきましては、監査の強化が必要ではないかと思われます。

 こうした予算執行の無駄の排除につきまして、小林次長にお伺いいたします。

小林政府参考人 年金事務費に関しましては、無駄遣いでございますとか安易な随意契約が多いというさまざまな御批判をちょうだいしておったところでございます。こういう御批判を踏まえまして、年金事務費の額を極力削減するという努力を続けておりますとともに、委員御指摘の調達委員会を設置して契約の適正化あるいはコストの削減を図るという努力も重ねております。また、あわせて、総務部の経理課に監査指導室を設置して、内部監査の強化を図るという取り組みも進めてきたところでございます。

 今後、これらの取り組みは引き続き積極的に進めさせていただきますけれども、あわせて、社会保険庁改革の一端といたしまして、受益と負担の関係の明確化という観点から、年金事務費の一部に保険料を充てる仕組みを導入させていただきまして、費用の適正化あるいは事務の効率化に努めたいというふうに思っております。

 さらに、組織改革とあわせまして、この改革の中で年金運営会議でございますとか特別監査官というものを設置させていただきますので、それによります厳しいチェックということも受けまして、厳正な予算執行を行って、徹底的な無駄の排除に努めてまいりたい、かように思っております。

高木(美)委員 私は、いい機会ですので、これは赤松副大臣に質問させていただきたいのですが、こうした社会保険庁の事件がさまざま出てまいりますと、必ずそこで国民の皆様から出てくるお声は、だから年金は危ないじゃないか、だから払いたくない、そういう意識をお持ちのお声でございます。私は、最近、年金財政も、運用も好調であると聞いておりますし、予定どおりのプログラムで進行していると伺っております。こうした点の状況と見通しにつきましてお伺いをさせていただきたいと思います。

 あわせまして、やはり、年金は危ないというのはもう今般当たらないのだ、百年安心なのだから安心なのだ、お約束したものは大丈夫なのだ、この点も再度はっきりと明言をお願いしたいと思います。

赤松副大臣 高木委員御承知のように、年金制度につきましては、平成十六年、今から二年前の改正におきまして、四つの柱、保険料の上昇をできる限り抑制しつつ上限を固定する、また、保険料水準の範囲内で給付水準を自動的に調整する仕組みの導入、また、三つは、基礎年金の国庫負担割合の引き上げ、四つは、積立金の活用、こういったものを一体的に行って、長期的な給付と負担の均衡を図って、持続可能な制度を構築したわけでございます。

 そういう流れの上に今あるわけですけれども、今委員御指摘のように、年金財政に影響を与える要素というのは、プラスもマイナスも両方、さまざまな要素があると思います。例えば、マイナスといえば出生率の低下ということがありますけれども、一方で、景気の回復ということを背景にいたしまして高い運用利回りが確保されている、あるいはまた厚生年金の被保険者数が増加している、こういった年金財政上のプラス要因もある、こういうふうなことが指摘できると思います。

 年金制度につきましては人の一生にわたる長期の制度であって、年金財政の見通しにとっては人口や経済の長期の趨勢がどのようになるのかが重要だ、こういうことが言えるわけでございまして、今後の流れの中で、少なくとも五年に一回財政状況の検証を行いながら、年金制度の安定を確保してまいりたい、こんなふうに厚生労働省としては思っております。

 今、年金百年安心プラン、こういうことで、国民の皆さんは年金に対して安心をしていたはずなのに、それに対してさまざまな要素があってそれに不安を持つ向きがある、こういう御指摘であります。あの選挙に向けてさまざまな、与野党入り乱れての選挙戦の流れの中で、私は、百年安心プラン、よく言ったなという、いろいろな意味を含めて、ある意味で選挙戦術的な側面もありますけれども、しかし、ちょうど百年どうこうは別にして、長期にわたって安心できるという意味合いにおいて、私は適切な目標だったろうと思います。それに向けて、先ほど来申し上げておりますように、しっかりと検証しながら、確実にやっていけば大丈夫である、こんなふうに思っておる次第でございます。

高木(美)委員 やはり年金は社会保障制度を支える根幹であると思っております。今、介護保険料、そしてまたこれから、医療制度改革の法案の中でも仕組まれておりました高齢者医療制度の保険料、こうしたことも年金からの天引きでございます。

 その意味では、年金が揺らぐということは、日本の国の社会保障制度全般にかかわってくる、その根幹をなすものである、そうした観点から、やはり今回の社会保険庁改革、さらにさらに進めてまいりたいとも思いますし、またあわせまして、年金の運用状況の克明な報告であるとか、そしてまた、あの中に少子化の数も仕組まれておりました、今、中位推計そして低位推計、その中間あたりを進行している。

 当然、今後の少子化対策等々も全部そこに仕組まれ、そしてまたその強化が必要になってくるわけでございますけれども、これがどのような、今答弁ありましたとおりのプログラムで進行をしているのか。こうしたことも、やはりさらにさらに公表をされなければいけない、また、何かの形で随時メッセージを発していただかなければ、やはりこの不安というものは払拭されないのではないか。

 特に、今回、未納につきまして、徴収率をどのように上げていくか、それはまた、年金を支えるためのどのような役割を果たしているのか、このメッセージも当然発していただくことが必要であろうかと思います。

 最後に、この点につきまして大臣に御見解をお伺いいたします。

川崎国務大臣 年金制度でございますけれども、私自身は、今回、年金法の一番基本になりました数字は、出生率一・三九というものを土台につくり上げております。二〇五〇年、一・三九という数値を当然回復したとして計算いたしますと、一億人ぐらいの人口になるだろう、その中で年金制度というものは安定した運営ができる、このように考えております。もちろん、それ以上の数値になればより安定した数字になるだろう。

 しかしながら、少子化が続いて二・〇に戻らないと、我々若い者の年金は回ってこないんじゃないかという御不信に対して、もう少ししっかりこたえていくべきだろう。介護保険、医療保険は、確かに御負担をいただいてことし全額払い出しをする、年金制度は、かけていただいて、それをストックとして運用しながら、特に今経済環境ようございますから、極めて順調な運営をしながら、ストックというものがありながら五十年後、百年後に備えていく制度であるというのを、もう少し若者にしっかり語りかけていかなければならないなと。

 野党は野党のお立場がありますけれども、我々は、五十年、百年大丈夫だということを明確に言いながらやっていかなきゃだめだ、こう思っております。

高木(美)委員 ありがとうございました。以上で質問を終わらせていただきます。

岸田委員長 次に、田嶋要君。

田嶋(要)委員 民主党の田嶋要です。

 ふだんは総務委員会でございますが、きょうは二十分ちょうだいをいたしました。よろしくお願いいたします。

 組織の不祥事が次々と起きまして、普通でしたら、不祥事が起きますとそれで引き締まってしばらく不祥事が出なくなるのではないかなと思うんですが、今の社会保険庁の状況、大変残念な状況でございます。

 私は一年前、村瀬長官に決算行政委員会の方で質問をさせていただいたところでございますが、覚えていただいておるかと思うんですけれども、そのときには、いわゆる予算執行の問題あるいは福祉施設の関係でいろいろ質問をさせていただきました。そのときも長官に申し上げたこと、それは、鳴り物入り人事で民間から入っていただいて、本当に現場の声にしっかり耳を傾け、見ていただかなければいけないということで、無駄遣いを今後なくしていく、そんなことをしっかりと御決意をいただいたはずだったと思うのでございますが、今回はまた違う大変重要な側面、収納をするという側面でこんなことが起きてしまったわけで、大変残念でございます。

 そこで、順番に質問させていただきますが、これはホームページにも出ておる内容でございますけれども、法令遵守推進者、こういう肩書の方が社保庁の中にはいらっしゃるそうでございます。法令遵守推進者というのは何名いらっしゃるんですか、長官。

村瀬政府参考人 まず、コンプライアンス委員会がございまして、委員会は、本庁の中で、限られたメンバーでやっております。また一方、推進者につきましては、各局にまず一名推進者を置いております。当然、各局単位でいいますと、三百十二の事務所がございますので、必要なところは三百十二の事務所に推進者を置いているという形だろうというふうに思っています。ちょっと各事務所単位に一名かどうかというのは、局ごとに違いますので、後ほどそれは明確にお答えさせていただきます。

田嶋(要)委員 この推進者が集まって法令遵守委員会というものが開かれるんですか。

村瀬政府参考人 別でございます。

田嶋(要)委員 では、この法令遵守委員会というものは何名から成る委員会ですか。

村瀬政府参考人 本省の課長で八名で構成しております。

田嶋(要)委員 この委員会には長官はお出にならないんでしょうか。

村瀬政府参考人 委員会の趣旨でございますけれども、これは前回のときにも御答弁させていただいたと思いましたけれども、基本的には、内部告発制度といいますか、これに基づきまして具体的に上がってきた案件について審査するというのを主たる目的にしておりまして、全体のコンプライアンスという観点からいきますと、たしか御答弁させていただいたと思いますけれども、その部分に入っていないということで、主たる目的が違っていたということで、今後、反省をして変えていかなきゃいかぬというふうにお答え申し上げたと記憶をしております。

田嶋(要)委員 これは、一般の国民の方からいろいろなお手紙、意見が長官に来て、そこの社保庁からのお答えの中にございますね、不祥事がいろいろ起きて職場の規律を正していかなきゃいけない。そういった中で、国家公務員倫理の徹底と職員の意識改革を図るために、社保庁の法令遵守委員会を設置し、法令遵守推進者を置き、全職員を対象に研修を行うなどにより、綱紀粛正、再発防止策の徹底に努めておりますと。

 ある意味では、攻めというか、そうやって何か内部からあったときの受け身の組織ではないというふうに読めるんですが、そういうような大きな役割を持ってきたんじゃないんでしょうか、長官。

村瀬政府参考人 先ほどの推進委員の数字につきましてまずお話し申し上げます。全国で三百七十二名ございます。これは先ほど申し上げましたように、各事務局でいいますと、事務局四十七でございますけれども、四十七、並びに事務所三百十二、必ず一人はいるということでございます。

 そして、法令遵守という観点からいきますと、十七年度からでございますけれども、一人一人が必ず研修を受けるということで実施をしておりまして、十七年度は実施、十八年度は人事評価制度の中で、局長、課長については今並行して実施している途中でございます。

田嶋(要)委員 一カ月に十日間も現場に行っておられたということもお伺いをいたしましたが、こういった法令遵守推進者と長官は意見交換、そういったことはされておったんでしょうか。

村瀬政府参考人 各事務所の職員とやっておりますので、職員全体、例えばA事務所へ行きますと、そこで、当然勤務中の時間でございますので、時間がとれるということからいきますと、例えば十名とか二十名と対話をしてございます。当然、その中には法令遵守の推進者もいれば、いない地区もある。ただ、訓示等でお話をするときにつきましては、当然、法令を守るというのは当たり前のことである、こういう前提でお話をしております。

田嶋(要)委員 法令を守ることはもちろん当たり前でございますが、せんだっての答弁の中でも、分子と分母という話は当然意識をされておる問題でございます。分子を大きくしていくだけじゃなくて分母自体を小さくしていく、これも当然経営の大きな課題としてホームページ等でもしっかりと公表されておるわけでございますね。

 したがって、収納率を高めていこうというための議論というのは、やはり、社保庁にとっては最重要の経営課題として現場の方々からもいろいろな意見が出ているのではないか。そして、それは分子だけじゃなくて分母の話も当然現場の皆さんとされているんじゃないかというふうに思うんですけれども、長官はそこはどうですか、実際に。

村瀬政府参考人 まず、組織的に申し上げますと、各県に国民年金推進の対策本部というのがございます。通常、一カ月に一度対策本部会議をやっておりまして、各県ごとに、国民年金の収納率につきまして当月どうであったか、翌月どうするのかということの打ち合わせをしてございます。私自身も地方へ訪問するときにその会議には出ております。

 ただし、主体はあくまで事務局単位が主体でございまして、こちらはそれに対して的確なアドバイスをする、また全国でどういう取り組みをしているとか、それから、私自身がどういう考えを持っているとかという形で話をしております。その中で、当然のことながら、国民年金の推進という話はしているわけでございます。

田嶋(要)委員 分子だけではなくて、分母を小さくするいろいろな検討、議論をその現場でしている。そういった中で、どうやったら国民の皆さんからいわゆる申請をきちんとしていただけるか、それは周知はもちろん徹底しなければいけないけれどもと、そういうふうなところはいろいろと実際声が出るのではないかというふうに思います。

 現に、関西の方では、実際に市役所にそういった話が持ちかけられたというような新聞記事もございますが、私は今思うのは、やはり、今回も中間管理者が陣頭指揮をとっていたという話でございますけれども、中間管理者の責任にとどまるのか、私はそれは大変な疑問を持っております。

 まさにこれは経営のど真ん中の話でございまして、現場をそうやって月に十日間も歩いていながら、こういった問題、現場の悩みが長官の耳に届いていなかった、それが私は大変な大きな問題だと思うんですが、そこをもう一度、長官、どのようにお感じですか。

村瀬政府参考人 まず、現状の各地区の取り組みにつきまして、当然のことながら私との対話の中では入っております。ただし、先ほども申し上げましたように、免除ということに対して今回さまざまな形であらわれました案件、これについて明確に私に対して話はなかった。また、私自身も対話の中でその部分について確認できなかったということが今から思えば反省でございます。それは当然、今後、まだこれから地区を回るつもりでおりますので、つぶさに中身を見ていきたいというふうに思っております。

田嶋(要)委員 先ほども出ました事務局長会議を緊急に開くということをおっしゃいますけれども、この事務局長会議というのはこれまではどのぐらいの頻度で行われているものですか。

村瀬政府参考人 ちょっと正しいデータを持っておりませんので間違うかもわかりませんが、大体年に二回から三回は開いております。

田嶋(要)委員 長官はそれには御出席されるんですか。

村瀬政府参考人 初めに私の方から基本的な考え方というのを、長いときでは一時間、短いときで二十分程度お話をします。そして、初めから最後まで私は全部出席をしております。

田嶋(要)委員 この分母を減らしていかなきゃいけないという議論は、かつてどれほどその会議の中で取り上げられましたか、長官。

村瀬政府参考人 分母ということではなくて、国民年金の収納率を効率的にどう上げていくかという観点の中で、前回もお話し申し上げましたけれども、十六年の年金法改正で市町村から所得情報をちょうだいできる地域が非常に多くなった。そうしますと、効率的に収納率を上げるということからいえば、お金がなくてなかなかお支払いをいただけない方を、これは年金権を確保するためには当然免除という制度があるわけでございますから、これをやはり推進する、これは私は当たり前のことだろうと思います。

 一方、お金をお持ちになっているけれどもお支払いをいただけない方、この方々については、やはり、制度を支えるということからいえば、国税徴収法に基づく公権力の行使、強制徴収は当然やらざるを得ないだろうということで、これは本格的に十七年度から実施をしているわけでございます。

 一方、分子対策の一番のかなめは何かといいますと、やはりお納めいただいている方をいかにふやすかということでございまして、この部分については、催告状であるとか電話督励であるとか戸別訪問だとか、さまざまな形で行動させておりまして、それは行動計画という形で目標を持って行動させている。

 トータルの中でいかに効率的に収納率を上げていくかということがやはり我々の課題だろうというふうに考えております。

田嶋(要)委員 これは現場の方々の声を、いろいろ新聞とかに書いてあるのを見ますと、よかれと思ってやっている方もいるようなことを書いています。

 まさにそういうことであれば、法律を犯しているという意識が希薄な方がもし中にいるとすれば、そういったことこそまさに、どうやったらこの収納率を上げていけるかというまじめな議論として経営課題に上がってくるんだと私は思うんです。しかも、外部の大阪市とかそういうところにも相談をしているところもある。まさにこれは、まじめにどうやったらこの収納率を上げていこうかという中でこういうところまで行き着いていく可能性があるとしたら、これは中でなぜトップの長官の耳にまで届いてこないのかと。

 要するに、私は、根本的な問題というのは、全く、最重要経営課題である指標の収納率を上げるというその問題に関して、局の話だけでとどめていいんですか。何かトカゲのしっぽ切りみたいなことをやって一人更迭して、今度は大臣の御地元でもう一人更迭して、長官は、何かそれは現場が勝手にやっていることですか。私はどうも理解できないですね。

村瀬政府参考人 今お話ありました大阪それから三重のケースで申し上げますと、三月に不正なことをやっているかどうかという確認をしたときには、やってませんという形で回答をしてきたわけでございます。(発言する者あり)ちょっと聞いてください。それで、京都の案件を開示した上で確認をしていてそういう結果が出ております。そして、五月の段階で初めてわかった。

 三重につきましては、実は、確認したときにまだそのときでも出てこなかった。

 これは極めて残念なことでございまして、やはり、そこの長である局長は十分に管理できていないということからいえば、残念ながら更迭をせざるを得ない。私は、大臣の指示に従ってそれはやるべきだというふうに判断をしております。

田嶋(要)委員 局長が、いろいろ更迭がこれからもし三人目、四人目されていけば、では、長官はそれは関係ないんですか、責任問題として。

村瀬政府参考人 まず私がやらなければだめなことは何かといいますと、不正なやり方をした、不適切なやり方をした案件を全部、全件やはり洗い出すことだろうと思います。したがいまして、明日、緊急の局長会議を開いて現状をまず把握する、そして、現状を把握した上で速やかな対策をとるということだろうと思います。

 特に、庁内という問題よりも、被保険者という皆さん方にとりますと、やはり免除というものが、本来、本人の確認がなくてされた場合、また電話確認でもってした場合、さまざまございます。トータルは、どちらにしましても、明日の会議を踏まえまして来週早々にも公開させていただきたいと思いますが、この方々に対して適正な処理をする、これをやはり社会保険庁としてはまず第一にやるべきだろうというふうに思っておりまして、そこをまずやるのが第一の私の仕事。

 そして、今回の問題でいきますと、法令遵守で十分できなかったというところがやはり、局長それから所長、さまざま出てくるんだと思いますが、これに対しては、事実関係をしっかり確認いたしまして、それに基づいてしっかり処分をする、これは私としては当然やらなきゃいかぬことだろうと思います。

 また一方、この部分につきまして、本庁と事務局との関係で、今後いろいろな、調べていった中で、本庁側でもう少しサジェスチョンする部署があったのかどうか、サジェスチョンというのは不正防止という意味でございますけれども、その局面がもしあれば、そこについてもメスを入れていきたい、このように考えております。

田嶋(要)委員 サジェスチョンというお言葉をいただきましたけれども、先ほどの事務局長会議とか、あるいは法令遵守推進者あるいは法令遵守委員会、いろいろな器というか仕組みは組織の中に確かにあった、監査も強化という話がありましたが、監査機能もある程度あったんでしょうけれども、しかし、どこからもこういった情報が長官にまで一切入ってこなかった、未然に防止することができなかった、これは大変な重大な欠陥だろう、組織の欠陥だろうというふうに私は感じております。

 そして最後に、大臣の方にお伺いしたいんですが、これは、こういった法律違反、信じられないようなことが続々と起きておるわけですが、私は、この根っこに、やはり今の年金制度が根本的に持続可能性のない欠陥の制度であるということがこういった組織の状況を生んでいる側面があるのではないか、負担だけふやして給付が減る、そういった状況を今もほうっておくことが今のこの組織の問題を引き起こしている、そういう側面があるかと思うんですけれども、大臣はそこに関してどう思われますか。

川崎国務大臣 余りにも議論が飛躍されておりますので、問題点は、法律にのっとって仕事をする。そして、多分現場は、田嶋さんも民間出身だから御承知のように、仕事の業務マニュアルというのを大体つくりますよね。そして、それに基づいて仕事をする。しかし、その業務マニュアルというものが、書いてあるとおりしたのか、業務マニュアル自体がその現場だけは変更されてしまったのか、こういったところに最大の問題がありまして、今それを解明しなきゃならない。

 年金制度が悪いからどうだからと言われてみても、余りにも論理の飛躍でございますので、御答弁をすることは難しいと思います。

田嶋(要)委員 いずれにいたしましても、全国でもうあちらこちらで出てきている。それを局長だけの責任で、まさにトカゲのしっぽ切りで終わらせようとしているような今の対処というのは、到底理解できるものではありません。これからもしっかり追及をしていきたいというふうに思います。

 ありがとうございます。

岸田委員長 次に、村井宗明君。

村井委員 民主党の村井宗明です。

 私も、引き続き、今回、全国民が注目しております年金偽装事件についての質問をさせていただきたいと思います。

 さて、そこで、今、きのうの話をちょっとしたいと思うんです。もうさすが社会保険庁はすばらしいですね。資料を請求したら、この国民が注目している、解明してほしいという願いにきちんとこたえて、そして隠ぺいしようとしない。今回、社会保険庁が隠ぺいするのか、それとも解明に協力するのかが注目されていました。資料請求したんです、きのうの午前中。一時まで持ってくると言った。ところが、二時半に電話したら、今出ましたと言うんです。二時半に出ましたと言って、三時になっても四時になっても着かないんです。着いたの何時だと思いますか、夜の十一時半ですよ。社会保険庁を出て、そして九時間かかるんですかね。それとも隠ぺい体質なんでしょうか。

 マスコミの方から言われたんです、多分、村井さんの資料が国民が注目しようとしているどんぴしゃの資料だったんですよと。言われたとおりでした。持ってきていただいた資料、全国社会保険事務局長会議、二月三日の説明資料です。取り扱い注意と書いてあるので配っていいのかどうかわからないんですが、じっくり後でこれを料理させていただきたいと思います。

 さて、お配りしている資料の一ページ目、三重社会保険事務所からのメールです。「日頃から、たいへんお世話になっています。」この黒塗りはそちらで消されたものです。名前を読むと個人情報の問題になるので言いませんが。

 さて、「依頼の件について調査いたしましたが、適切な事務処理が行われております。なお、今後も適切な事務処理を行うよう、指導しました。」というふうにあるんですが、ところが、次のページを見たら、もう三重でも新聞のとおり。これはだれの選挙区でしたっけ、三重一区は。

 さて、そういった問題が起こっているときに、さらにこの三ページ目、これも手書きの文があるのを、これはうちの偽装ではありません。そちらから、社会保険庁からいただいた資料です。国民年金保険料免除の御案内で、ここに重要なことが書いてあります。なぜか手書きで、五月十九日、K補佐が、名前は、具体名はここでは言いませんが、K補佐が三重の事務局長に確認したところ、免除の準備とは、申請書にあらかじめ基礎年金番号を印字しておくことまでとの説明があり、その説明で出処進退をかけて相違ないかと確認したところ、相違ないとの回答とありました。

 出処進退までかけられた方がおられるんですが、結果は、新聞記事に書いてあるとおりになりました。さて、この手書きの記事はだれが書いたんでしょうか。社会保険庁が書かれたんでしょうか、それとも、津の社会保険事務所の方が書かれたんでしょうか。もし社会保険事務所の方が書かれたら、その役職名をお答えください。

村瀬政府参考人 この手書きの文字は、庁の方の組織でございますけれども、国民年金事業室の職員が記載したものでございます。

村井委員 もちろん国会に、出処進退までかけて大丈夫だという説明をして、あげく、この新聞記事のような結果になっていた。つまり、こういう出処進退をかけた話が実はうそだったということ、これは当然、責任問題になると思うんですが、社会保険庁長官はどのように考えられますか。

村瀬政府参考人 先ほどお話ありましたように、三重の社会保険事務局から確認をして書いたわけでございまして、三重の社会保険事務局、特に局長の方が大丈夫だと言ってきたわけですから、局長自身が間違ったことを言っているということになります。

村井委員 というわけで、では、その社会保険事務所の部分の責任の話、後でもう一回掘り返させていただきます。

 次に、私が四ページ目にお配りしました、一たんちょっと別の話になります。

 今うわさになっている、国民がワイドショーなどで注目している事務所グランプリの資料も出てきました。その事務所グランプリ、最後の方にしっかり書いてあります。七月上旬、長官表彰を行いますとあります。長官表彰の中身は、トロフィーですか、それとも賞状ですか。長官、お答えください。

村瀬政府参考人 今予定しておりますのは、本庁へ呼びまして対話をする予定でございます。そして、そのときに表彰状だけを贈るということでございます。

村井委員 表彰状だけで、トロフィーが注文済みと聞きましたが、そんなことはないですよね。

村瀬政府参考人 私自身は確認しておりません。

村井委員 さて、このうわさの事務所グランプリ、人事に影響はありますか、ないですか。

村瀬政府参考人 基本的には人事評価制度の中で人事をやります。このグランプリは参考資料にはなるんだろうというふうに思います。

村井委員 その人事に影響するという話で事務所グランプリが行われました。そして、今回の、全国民に迷惑をかけた、そして日本の年金制度の不信と崩壊を招く結果になってしまいました。少しこの事務所グランプリ、行き過ぎだったと思いませんか、どうですか。

村瀬政府参考人 私自身は、やはり目標を決めて、目標に対してしっかり対応した方に対しては評価をしてあげるというのは当然のことだろうというふうに思っております。

 したがって、グランプリ、中身についての見直しというのは必要かもわかりませんが、グランプリ自体はやめるつもりはございません。

村井委員 さて、次の質問に行きます。

 「免除処理にかかる調査結果」というのを五ページ目に配らせていただきました。さっきの田嶋さんの質問について村瀬長官はこう答えられましたね。三重の方は調査結果と違うことを届け出たから更迭したと言いました。この調査結果を見たら、三つだけ調査結果でバツをつけています。あれ、三つだけでしたっけ。調査結果と違うことを国会に提出された方、ほかにもおられるんじゃないですか。

 はい、六ページ目。まず千葉。あれ、適切な対応をしています云々かんぬん。「今後とも適切な事務処理の遂行に努力いたします。」「再度、確認の結果 該当はありません。」これもさっき長官が言った更迭理由である調査結果と違うものを届け出たという話。

 はい、次、滋賀。「ご指示いただきました標記の件について、滋賀社会保険事務局の管下では不適切な行為が行なわれていないことをご報告します。」これも長官の基準でいうと更迭です。

 はい、次、京都社会保険事務局長。「先般の誤処理につきましては、大変ご迷惑をおかけしましたが、その後につきましては、本人の申請に基づいて適正に処理していること」。

 このように、次々と調査結果と違う、つまり偽装の話を報告しています。当然これらもすべて、三重と同じような理由ですから、更迭されるわけですよね。長官、どうですか。

村瀬政府参考人 免除の中身には幾つか今回のパターンで出てきていると思います。詳細は明日また確認しますけれども、一つは、所得情報に基づきまして、御本人が免除をしなくていいよと言わない限り免除をしますよという、職権免除に近い仕組みの部分が一点目でございます。それから二点目に、先に免除自体はしましたけれども、ちゃんと御本人の申請を取りつけている部分、これが二点目。それから、免除を申請書を御本人との確認において代筆をして確認している、この三点がございます。

 今回の部分につきまして大きく問題が起こっているのは、先ほども申し上げました三重それから大阪の部分につきましては、職権に近い免除をやっているということで、極めて法律違反に基づく越権行為だというふうに思っておりまして、その部分を厳しく対応している、こういう考え方でございます。

 したがいまして、個々の問題というのは、明日全貌が明らかになった上でどういう対処をするか、これからの問題だろうというふうに思っております。

村井委員 全貌が明らかになった上でという対応の話、これ以上は今時間がないので突っ込みませんが、さて、次の話へ。

 マスコミの皆さんがお待ちかねの例の取扱い注意の資料、夜十一時半にいただいた、九時間もかけて社会保険庁の方々が熱心に運んでこられた資料についてお取り扱いさせていただきたいと思います。

 何でこんなに、ほかの資料はすぐほかの質問者に出したのに、私だけ九時間も嫌がらせされたのかわからなかったんですが、じっくり読ませていただきました、徹夜で。ありました。はい、まずそこで配らせていただいた十ページ目。今回マスコミなどが言っている、分母対策があったんじゃないのか、しかも、その分母対策で具体的に明確な目標があったんじゃないのかという話。ありましたね。はい、「十八年度行動計画(アクションプログラム)の策定について」で、五番のところ、「十八年度行動計画は目標納付率を達成するため、第一期から第三期とも」、ここで、「目標件数を分子対策」そして「分母対策」の中に免除対策もあります、分母対策(免除対策)ごとに目標件数を「明確に設定する。」とありますが、長官、どのように明確に目標を設定されたんでしょうか。

村瀬政府参考人 収納対策は分子対策と分母対策を両方やる、そして所得情報をちょうだいすることによって、前から申し上げていますように、お金がなくてどうしてもお支払いできない方というのは、当然、年金権を確保させてあげるためには、免除をとるのは、これは当然のことだろうというふうに思っております。

 一方、お金があるにもかかわらずお納めいただけない方というのは、しっかりお納めいただくという強制徴収もしなきゃいかぬ。また、あと、合理的に収納するということからいえば、中間層であれば、例えば電話納付督励、戸別訪問、それから集合徴収等々も含めて、いかに効率的にやるかというのは、これは当然の、事業をやる上では当たり前のことだろうと思っております。

 したがいまして、その目標をきちっと定めるということでございまして、ここには分子対策だけではなくて、さらに強制徴収という観点では、この目標も各事務所ごとに設定をしてございます。

村井委員 質問は分母対策についてやっているんです。分子対策の話をしてもらっても仕方ない。

 そこで、その部分は多分お答えしづらいと思いますので、そろそろ本論の部分に行きたいと思います。そうです、この十二ページ目に配った表紙の資料の十三番です。

 今回の争点は、まさしく、届け出がない、もちろん勧奨を最初しました、勧奨をしても届け出がない者に対して職権適用を実施していったことが問題になっていますが、これは各社会保険事務所が勝手にやったのか、それとも社会保険庁が指示をしていたのかが争点になっています。長官、いいですか、低所得者で勧奨しても届け出がない者に職権適用を実施するという指示をした、その指示の内容、つまり低所得者で勧奨しても届け出がない人への職権適用の内容についてお答えください。

村瀬政府参考人 申しわけないんですが、先生、これは大変な誤解でございまして、国民年金の適用という部分については、この未加入者は実は、二号被保険者から一号被保険者、三号被保険者から一号被保険者、職をなくすことによって移行する方がおみえになります。その方々について、社会保険庁では、厚生年金からの脱退がありますから、本来、共済へ行かれる場合もある、さらに厚生年金に再度入られる場合もある、国民年金の場合もあるということで、国民年金を、対象者に対して加入権を守るために職権適用をするということで、免除対策でやっている案件ではございません。

村井委員 強引にそういう解釈はできるかもしれませんが、待ってくださいよ、この冊子、この前のページから読み上げますよ。この前のページから見て、済みません、この前のページは皆さんにお配りはしていないですけれども、そうやって読むことは明らかに、後でマスコミの皆さんにコピーして配りますけれども、移行された方々だけがそう読むといったって、常識的に考えてだれも読めない内容ですよ。今の答弁、後でしっかりと、それ、解釈、やってもらいます。

 さて、次へ行きます。

村瀬政府参考人 ぜひ先生にお願いしたいんですが、この局長会議の今回お配りいただきました説明資料は、実は経理課が、予算をどういう配分をしているかということで、局長に示すために出した資料なんですよ。事業としまして、国民年金の収納対策をどうするかというのは別の資料があるんですよね。だから、お使いになっているところがちょっと違いますので、もしお時間をいただければ、それをまたきちっと御説明させていただきますので。

村井委員 少なくても全国の事務局長にこれを配って、これは移行した人だけの話で、ほかの人には適用しませんよというのは、この前のページから一ページも書いてありません。そういう言い逃れができるかどうかはまた後でゆっくりやっていただきましょう。(発言する者あり)ごちゃごちゃ言っている人がいますが、すぐに、笑われますよ、この資料を配られてから、必ずあなたたちは、赤っ恥かきます。

 さて、次、十四ページ目へ行きます。損保ジャパンの話。

 不信のときこそ、やましいことはないと、堂々とテレビ取材を受けられてはどうですか。長官は今、いろいろなテレビ取材、拒否しておられます。民間だったら当然、自分の会社のピンチのときに説明責任を果たす。やましいことがない限りはしっかりとテレビ取材等に答えて、国民にこたえる。まさに今、国民が年金に対して不信がある中で、どうしてテレビ取材を徹底的に拒否されるのか。長官、お答えください。

村瀬政府参考人 私は、今一番大事なことは何かといいますと、私どもの組織法案並びに業務改革法案を国会へ出させていただいておるわけですね。それの審議最中でございます。やはりここですべてのことを明確にお答えするのが大優先だろうというふうに思っておりまして、それで、あと、テレビ取材ということがありますけれども、新聞記者等も私のところへ来ております。私自身は別に話すことについては一切拒絶をしておりません。それだけを申し上げておきます。

村井委員 みんな今、国民は、村瀬長官がノーコメント、ノーコメントという言葉ばかり毎日見て、そしてますます年金に対しての不信が高まっています。今、受けておられる、受けておられると言うんですが、では、次はノーコメントということでなくて、堂々と国民に、やましいことがない場合、説明責任を果たされますよね。今出られてから、ちゃんとテレビの取材、ノーコメントということはないですよね。どうですか、長官。(発言する者あり)

岸田委員長 静粛にお願いいたします。

村瀬政府参考人 後ろの方を見ますと、随分テレビカメラもございまして、そういう点では、きょう私の答弁もテレビで流れているんじゃないかと思いますけれども、基本的には、まずやらなきゃいかぬことは何かといったら、事実確認をしっかりすることだと思います。それに私は時間を費やしたい、このように考えております。

村井委員 当然、事実確認があった後は、そうしたら、国民の前でちゃんと年金の不信を取り除くために説明されますね。どうですか、長官。(発言する者あり)

村瀬政府参考人 済みません、テレビ局へ出てお話し申し上げるというよりも、当然、記者懇をやって記者の皆さん方に対してお話をするつもりでもおりますし、それからこの国会の場でもしっかりお話を申し上げたいと思っております。

村井委員 自民党の方がごたごた言ったって、国民はみんな知っていますよ、毎日ノーコメント、ノーコメントと出ているの。恥ずかしくないですか、現実を知らないあなたたちが。もう国民を代表して、ごちゃごちゃ言っているのに、実際ノーコメントと出ている、みんな、青ざめていますよ。(発言する者あり)

 余りエスカレートしてもしようがないので、ちょっと冷静にいきます。

岸田委員長 静粛にお願いいたします。

村井委員 さて、田嶋さんの質問のときに、本当にこういった不正免除を知らなかった、知らなかったというふうに言っておられます。私は、村瀬長官、期待しています。なぜなら、いろいろなところで国民は期待しているんです。だって、村瀬長官は、現場を一番知っているのは私だとしょっちゅうテレビに出て言っておられる。マスコミなどにも言っておられた。多くの国民は、民間出身の長官は現場のことをだれよりも知っておられると言っておられるから、多分そうなんだろう、三百以上の社会保険所をちゃんと回って、現場のことをすべて知っておられると言っておられる、さすが民間だと思っていたんですが、当然長官は現場のことをだれよりも知っておられますよね。どうですか。

村瀬政府参考人 本庁の中では一番知っているというふうに思っております。

村井委員 さて、その本庁の中で一番知っておられる長官、ところがですよ、現場で一番主要な話、一番大事な話、そして一番みんなが関心のあった話だけ知らなかったんですか。本当にこういった全国民を揺るがす、そして全国民の年金不信、年金崩壊の理由となっている一番大事な現場の実態だけを長官は知らなかったんですか。どうですか、長官。

村瀬政府参考人 前にもお話し申し上げましたけれども、京都の案件が二月、それから大阪の案件が五月ということで、それまでは、現実にこういうことが起こっていることは私は全く知りません。

村井委員 三百を回って、こういった話、ちょっとも耳、現場を一番知っておられると言っておられる方が、一番大事な話、実は全くわかっていなかった。本当に一回も聞いたことなかった。本当ですね。確認します。

村瀬政府参考人 私が聞いていれば、とめます。

村井委員 これ以上の話は、後でまた出てくると思いますので、これ以上は、ちょっと私も証拠がない話なので突っ込みません。

 さて、こういう場合、民間だったら、トップはどう責任とるでしょうか。例えば、長官が出身の損保ジャパンで、契約者本人が承諾もしていないのに、勝手に契約変更をじゃんじゃんじゃんじゃん七万人もやったということが発覚した場合、例えば損保ジャパンだったら、トップはどういう責任をとりますか、長官。

村瀬政府参考人 私は今は損保ジャパンから外れておりますし、まさに一昨年の七月からは公務員でございまして、判断をする基準を持っておりません。

村井委員 長官の売りは民間の感覚です。民間のセンスを導入していただいたことです。損保ジャパンに限りません、民間の感覚だったら、保険会社でそうやって七万人以上もの人の契約を無断で勝手に変更する、勝手に権利を奪う、そういった騒動が起こって、会社の存亡に大きな危機と大きな不信を招いて倒産寸前まで追い込んでしまった場合、トップは普通どうされますか、長官。

村瀬政府参考人 申しわけないんですけれども、私がコメントをする立場にはございませんので。

村井委員 コメントする立場にないって、どういうことですか。民間だったらどうなのか。民間の感覚が売りなんですから、それだけ大きな問題を起こしたとき、普通民間だったらどうするんですか。長官、もう一回答えてください。

 いや、私はどうこう言いませんよ。多くの国民は、普通民間会社だったらやめると思っていますけれども、長官はどう思われますか。一般常識で、民間の感覚でお答えください。

村瀬政府参考人 ええ、何度でもお答えしますけれども、コメントする立場にはございません。

村井委員 要するに答えられないということなんでしょうか。

 結局、民間の感覚だったら当たり前である話が、長官も残念ながら役所の方になられてしまったのかな。残念に思います。

 さて、十五ページ目へ行きたいと思います。はい、次の話。

 わあ、守口社会保険所、さすがすばらしい。回答マニュアルを用意していただきました。何でしょう、これは。

 さて、そのアンダーラインを引かせていただきました。「今回の施策について東京の方(本庁)から最終的に、申請書にご記載されていないものは無効であるとの見解が示されたことから、皆で手分けしてお詫びと、再度のご案内にあがらせていただいております。」

 さて、その見解を出されたのはいつですか、長官。

村瀬政府参考人 まず、このマニュアルの中で、本庁の方からの正式な見解は出しておりません。(村井委員「えっ」と呼ぶ)この部分についてですが、「(本庁)から最終的に、」と書いてございますけれども、この見解はまだ正式には出しておりません。

村井委員 ちょっと待って。そんなこと言うと、本当に守口の社会保険所がうそを言ったことで、うそを守口市民全体に言っていることになっちゃうじゃないですか。もう一回、それはちゃんとお答えください。

村瀬政府参考人 済みません。申しわけございません。まず、見解については出しておりません。ただし、上の方の考え方は示しております。

村井委員 その守口市、その他各全国にその見解を示されたのはいつですか、長官。

村瀬政府参考人 先ほど申し上げましたように、見解はまだ示しておりません。二十七日に具体的な中身をすべて事務局長が持ち寄った段階で、そのときには、当然のことながらはっきりしたことを申し上げるということでございます。

村井委員 ちょっと待ってください。余りそれを本当に言い出すと、守口社会保険所がうそを言ったみたいな言い方をされていますよ。どっちがうそを言っているんですかね、長官。守口社会保険所がうそを言っているんですか、長官がうそを言っているんですか。

村瀬政府参考人 まず大阪でございますけれども、守口もその大阪の一つでございますが、基本的には免除は、申請書をとって、それを承認して免除をする。ところが、守口はそれをとっていないわけですね。したがって、その分は取り消すのがまず当然のことというふうに考えております。

村井委員 要するに、守口社会保険所が今度はうそを市民に言って回っているということになっちゃうんじゃないですか。

 さて、じゃ、そのまま、その次の話、もっと具体的に言っていますよ。はい、次のページに行きます。

 このアンダーラインは私が勝手に引いたものです。原本ではありません。それだけはあらかじめ言っておきますね。「誠に申し訳ございません。 今回、お客様が申請書にご記載されていない免除等の承認については、法的に全て無効であり、取り消す指示が上級庁より通達されております。従って、お客様の免除承認については、一度、取り消させていただいております。」「取り消す指示が上級庁より通達されております。」と言っているんですけれども、さっきの長官の話と全然食い違いますが、だれがうそを言っているんですか、それとも通達を出したんですか。

村瀬政府参考人 本庁からは通達は出しておりません。

村井委員 今、守口で全市民に説明して回っている話がうそだと言うんですか。うそはだれかというのをお答えください。長官ですか、守口社会保険所ですか。

村瀬政府参考人 うそではありませんが、表現が不適切、先ほど申し上げましたように、通達はまだ出してございません。

村井委員 通達が出されたから仕方ないなと思っていたら、表現が不適切と言われたってだれが納得するんですか。それが法的に効果があるんですか。何ですか、これ。どうですか。大きな問題ですよ、今の発言。当然これは後ろを通じて皆さんに配られていますよ。

 もう一度最後に、この問題最後にします。

 そしたら、この守口の社会保険所がすべてに説明しておられる内容、つまり今回は無効だということは、通達上何も出していないし、見解を出したから無効だと言っているのも、全部うそですね。どうですか、長官。

村瀬政府参考人 それ以前の問題として、まず申請書があって免除をするということが正しいやり方だということですから、それに基づいて処理をするということで処理をしているわけで、それをこういう形で表現してQアンドAをつくっているとしたら、それは極めてまずいというふうに思います。

村井委員 長官がまずいとまで認められたので、これ以上は突っ込みません。中での処分はそちらにお任せします。

 さて、いろいろ質問を用意していただいたんですが、最後のページへいきなり、時間がないので飛ばしたいと思うんですが、「免除制度のご案内」というのを配っておられます、東灘社会保険事務所国民年金課。私、この「免除制度のご案内」、役所にくれと言ってもらったもの、すごいんですね。黒塗り多少あってもいいんですよ、名前とかは。だけれども、物によっては表のタイトルを黒塗りにしているものとか、中身を黒塗りにしてあるのとか、ちょっと待ってくださいよと。個人名があるわけじゃないのに。何か昔の嫌なことを思い出しちゃいましたよ、余計な黒塗りたくさんある資料、社会保険庁からいただいて。

 さて、その中で、黒塗りが比較的少ないものを持ってまいりました。そんなもの、全市民に配っているものを今さら黒塗りしてどうするんだ、しかもタイトルを黒塗りしてどうするんだと思ったんですが、これだけ読みます。最後の方です。「コラム 知っ得!!(しっとく)」「五万円得するキャンペーン?」「例えば今、区役所に簡単な届けをするだけでその場で五万円もらえるキャンペーンがあったとしたら、」皆さんどうされますか。「恐らく、行列ができるほど殺到しませんか?」で、アンダーライン、アンダーラインはこれは私が勝手に引きました。「五万円キャンペーンと違うのは、今もらえるか、将来もらえるかの違いだけ。」

 長官、これはどう思われますか。本当にこれは五万円得する話だと思いますか、どう思いますか。

村瀬政府参考人 まず、こういう文書でございますけれども、今どういう形態で配布されているかといいますと、実は各事務所、事務局ごとでつくっております。したがいまして、中身の検証というのは、残念ながら、今、社会保険庁としてはできておりません。

 今回の反省を含めまして、私はやはり、文書はすべて、特にお客様に行く部分についてはチェックをする必要があるんだろうと思います。

 それから、あと、表現の方法ですが、数字自体は間違いないと思いますけれども、どういう表現をするかということで、やはりこれはしっかり検討していく必要があるんだろうというふうに考えております。

村井委員 チェックをする必要があるというのはおっしゃられました。

 これはまずいとは思いますか。これは非常に問題だと思いますか、それとも問題でないと思いますか。長官、どうですか。

村瀬政府参考人 これは、十七年度の保険料年額十六万二千九百六十円ということで、この分を全額免除されれば五万四千三百二十円納めたと同じ扱いということ、計算上はこうなるかもわかりませんけれども、こういうものを前面に押し出すということは決していいことではないというふうに思います。

村井委員 いいことではない、つまり問題があるというふうに言っていただいたので、この話はこれ以上もう言いませんが、そもそもの考え方、今後の対策の話をしましょう。

 この東灘だけじゃないですよ。全国でこんなこと山ほどありましたよ。これについて、今後、修正するつもりはありますか、ないですか。

村瀬政府参考人 先ほど申し上げましたように、五月二十七日、明日、全事務局長を集めておりまして、特に免除についてはどういう勧奨方法をとっているかも含めて全部調査をするつもりでおります。

 したがって、その中で不適切なものが出てきた場合について言えば、全部直したい、また、今後は勝手に文書をつくらないようにさせたいというふうに思っております。

村井委員 おっしゃるとおり、今、チェックを今後しますと言っていますけれども、実は私、私の事務所に四十七都道府県、三百カ所の免除のチラシ、段ボール二箱分、すっかりもう既に持っています。しっかり調べさせていただきました。場合によっては頭を黒塗りされていましたよ。黒塗りされている中身、よく聞いたら、やはりこんな感じで、免除はお得ですとあるんですよ。何ですか、その免除はお得ですというのは。

 そもそも、免除者をふやせばふやすほど年金は空洞化する、年金を空洞化させて崩壊させる。これが本当にいいことなのかどうなのか。そして、これが本当に百年たっても大丈夫なのかどうなのか。長官は、こういった、免除者をどんどん得するからといってあおっていくやり方がいいと思いますか、どう思いますか。

村瀬政府参考人 現在の年金制度は、所得に合わせて、どうしても納められない方々については法律上制度というもので年金の免除制度ができているわけですね。これを正確にお教えするということはやはり保険者である社会保険庁の仕事だと思います。

村井委員 最後の質問にさせていただきます、今回を締めくくって。

 こういった、もし民間の保険会社で、やめたら得ですよというチラシを配る、やめたらウン万円得ですよというチラシをがあっと配った会社があったとする、そして、しかもその会社が勝手に、無断で契約者を削っていく、気づいたら、県によっては書類を偽造したところもあれば、県によっては電話だけで、勝手に判こが要るような書類を、要るにもかかわらず削っていく、そういったことが数万人に及んで会社の信頼を全くなくしたとしたら、トップはどう責任とりますか。民間の感覚だったら辞職すると思うんですが、民間の感覚をお持ちの長官はどう思われますか。

村瀬政府参考人 何回も申し上げますけれども、コメントする立場にはございません。

村井委員 しっかりと、このままではこの事業機構の法案なんて当然審議できる状態ではありません。そんなもので審議なんてしたら、全国の国民はあきれ返りますよ。我々は政治家の使命として、この年金偽装事件をしっかりと解明してからこの問題を審議しなければならないということをお訴え申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

岸田委員長 それでは、次に、岡本充功君。

岡本(充)委員 民主党の岡本です。

 今の村井さんの質疑を聞いていて、ちょっと僕は腹立たしく思ったことが幾つかあるので、少し教えていただきたいんですけれども、村井さんにお配りをされた二月三日の社会保険事務局長会議説明資料、年金保険課、こう書いているのと、きのう、同じく私が資料要求しました社会保険事務局長会議資料、二月三日、これは同じものなんですね。同じタイトル。片や取扱注意と書いてあって分厚い資料と、実際に配ったのがどっちなのかは知りませんけれども、取扱注意と書いていない、わずか十一ページで終わる資料と、これは二つあるんですね。同じ会議で同じ資料で年金保険課が出していて、なぜこれは二つあるんですか。

村瀬政府参考人 取扱注意にしておりますのは、作業用で配ったという位置づけにしております。

岡本(充)委員 私は、きのう、全国社会保険事務局長会議説明資料、そのとき配った資料をよこしてください、こう頼んだ。持ってきたのはこちらの薄っぺらい資料だけで、この分厚い資料は九時間かかったのかもしれませんけれども、私は十時にいただきました。十一時半になったらこの分厚い資料が出てくる。これはどういうことなんですか。これはそういうものじゃないと思いますよ。議員に対して説明をするのに二つの資料を使い分けるんですか。全部持ってこいと言ったじゃないですか。なぜ全部持ってこないんだ。

村瀬政府参考人 今実務担当のところから聞きましたけれども、先生からは免除に関するところが書いてある資料を持参しろという御指定があったということで、その部分について御持参申し上げたというふうに考えております。

岡本(充)委員 免除に関するところだけ、これは免除に関するところだけじゃない。長官、答弁を間違っている。

村瀬政府参考人 失礼しました。免除の簡素化に関するということでした。訂正させていただきます。

岡本(充)委員 免除の簡素化に関する資料じゃない、局長会議の資料を持ってこいと言ったんですよ。免除の簡素化に関する資料はまた別の話で、それはくれと言った。それは違う。

 それからもう一つ、資料提出の姿勢について言っておきたい。これは、民主党の議員の仲間を含めて複数名で要求をし、水曜日の朝いただいたと聞いております。その後、私がいろいろ調べました。要求としては、長官が就任以降、全省庁向けに発出した文書ないしいろいろな連絡事項を含めてあると思う、長官のメッセージを含めて提出してくれと言ったら、三十一の書類を持ってこられました。

 ところが、この中には、平成十七年三月二十九日庁保険発第〇三二九〇〇四号、これは〇三号まではいただいていますが、〇四号、国民年金の保険料免除事務の取り扱いについての文書が入っていない。一番重要です。それからもう一つ言うと、平成十七年二月十日付で出された年金保険課長緊急提言、これも含まれていないんですが、これについてはなぜいただけないんですか。

村瀬政府参考人 今実務担当から確認しましたけれども、先生からの御要請は国民年金の収納に関する指示の文書を持参しろということで、その部分をお持ちしたと。それ以外に、指示以外の文書はお持ちしないというふうに聞いております。

岡本(充)委員 違う。出しなさいともう一回僕は、朝も言っているんだよ。朝から社会保険庁に要求していますよ、きょうも。(発言する者あり)そうだ、今も要求し続けている。

 では、国民年金の保険料免除事務の取り扱いというのは国民年金の収納に係る問題とは違うんですか、収納率の問題そのままじゃないですか。

村瀬政府参考人 今確認しましたけれども、指示に関する文書ということで御指示があったということでお出ししているということでございます。

岡本(充)委員 こればかりやっていてもしようがない。免除事務の取り扱いというのはまさに指示じゃないですか。どういうふうに事務を取り扱うかが指示じゃないんですか。それがまさに指示なんですよ。どういう指示を出しているのか。免除事務の取り扱いについて指示を出しているはずです。それをなぜ出さないのか。私は大変に憤っている。

 これは資料が出るのは当然の話です。すぐ出してください。今持ってきてください。

村瀬政府参考人 まことに申しわけないんですけれども、先生の方から出せという御依頼があった部分についてもし出ていないのであれば、早急に、すぐお出しさせていただきます。

岡本(充)委員 村井さんじゃないけれども、九時間かかって来るんじゃないでしょうね。もうきょうは僕はそんなに、十時や十一時や十二時まで待っていられませんよ。午前中に出してくださいね。

村瀬政府参考人 すぐ指示をして、動かせます。午前中になるかどうかちょっと、やらせますので少しお待ちください。

岡本(充)委員 はっきり答えられないんでしょうけれども、では、必ず午前中に出てくると信じて審議を続けます。

 では、長官、社会保険庁で指示を出す文書の中で、行動計画書、アクションプログラム、こういうものがある、いろいろあると思うんですけれども。長官、社会保険庁の本来の使命、役割を果たす観点から、社会保険庁として取り組むべき最重要課題は何だと思いますか。

村瀬政府参考人 社会保険庁は年金並びに政管健保の保険者でございます。したがいまして、保険者としての役割を担う。保険者としての役割は何かというと、制度を周知徹底する、そしてしっかり保険料をお納めいただく、そして年金については記録を管理する、そして最終的には給付につなげる、こういう仕事だというふうに思っております。

岡本(充)委員 いろいろ言われます。最重要課題は何か。この平成十七年の三月三日、平成十七年度のアクションプログラム策定手順書の送付についてという文書で始まり、実際に策定手順書というのが送られてきます。

 第一ページ目に書いてあるのは、国民年金保険料の目標納付率達成こそが、社会保険庁の本来の使命、役割を果たす観点からも私たちが取り組むべき最重要課題である、アンダーラインと太字で書いてあります。平成十七年の三月の時点から、国民年金保険料の目標納付率の達成が最重要課題であったということを裏づける資料だと私は思っています。

 こういうような流れの中で社会保険庁の平成十七年度の目標がスタートしたわけです。そして、この目標の中でも書いていますが、平成十六年の目標率が達成できなくても、これは平成十七年度の目標納付率は変更しない、こういうふうに明示を二ページ目にしています。

 実際には、平成十五年から平成十六年の国民年金の年度別の納付率、この結果についてはそれほど上昇しなかった、一%も上がらなかった。六三・四から、ちょっと今、すぐ手元にありませんが六三%台だったと承知をしております。変化がなかった。にもかかわらず目標は六五・七だった。二%近い開きがあった。だけれども、十七年度も同じペースでステップアップをしていかなきゃいけない、こういう目標を掲げている。つまり下方修正はしない、こういう宣言をこの中でしています。

 これは、その時点で、それぞれ目標の立て方があるでしょうから、特にこの時点はまだ十六年度末の最終的な結論が出ていなかったからだということもあると思います。しかし、この行動計画の策定手順書が変更されるんですね。十七年九月九日に発出されている文書で策定プランが変更される。

 三月の段階では、納付率の向上を図るためのさまざまな施策として、例えば、強制徴収を含めたいわゆる納付督励業務、この効果率、寄与度をはかりながらやっていこうという話になっていたにもかかわらず、実は九月になると、その多くの部分、一番最初のページが、年金の免除制度の周知を通じ、年金権取得対策を実施するというのが一番の目標に変わる。そして、その黒ポツの二番が、効率的、効果的な未納者・免除者対策の実施と変わる。

 なぜ三月の計画を九月にこのように変えたんですか。

村瀬政府参考人 まず一つは、行動計画を変えた中身ですけれども、従来は全庁の平均値で目標設定をしておりましたけれども、十六年度の数値が出ることによって、十七年度の各事務所単位、各事務局単位の数値が出るようになりました。したがって、それに合わせて行動計画を変えろというのが一点。

 二点目に、十六年の年金法改正で、所得情報が市町村によりましてはいただけるところ、これは、すべての未納者に対するデータをいただけるところ、一方、一部だけしかいただけないところ、もろもろ出てまいります。それに合わせまして行動計画を修正するという中で、一番初めに、先ほどお話がありました免除につきましては、所得情報をいただいているということでその分についてしっかり強化をしようということで、通知が行ったんだろうというふうに思っております。

岡本(充)委員 市町村から所得情報がもらえるということは、十七年三月の段階でわかっていなかったんですか、わかっていたはずですよ。これからもらえるようになってくるということはわかっていたはずです。

 これは、なぜ十七年度のこの時期だけこういう目標になり、さらに言うと、十八年三月十三日、今度十八年度の行動計画を見ると、三月十三日、くしくも三月十三日なんですけれども、前年は三月三日に出しておいて、ことしは三月十三日になった。恐らく社会保険庁の問題があったのかななんてうがった見方にもなるんですけれども、十日おくらせて出した計画の中には、いわゆる免除者対策というのはまた優先順位が落ちている。

 だとすれば、長官、十八年度も優先順位のトップ項目に当然免除対策が来るべきであるにもかかわらず、この九月の変更のところだけ免除対策が来ている。市町村からもっとより所得情報をもらえるような状況に今なっているはずですよ。そういう意味では今でも最優先課題であってしかるべきなのに、また同じように納付督励業務の推進が一番重要な最初の方に来ているわけですけれども、これはどうしてまた十八年の計画では変わったんですか。

村瀬政府参考人 十七年度に、免除申請に関しまして、継続免除方式という言い方をしておりますけれども、免除申請自体を長期に生かすという仕組みをつくらせていただきました。したがいまして、十七年度、分母対策をやった部分については、ある一定の方々については当然、まだ所得がなければ免除の可能性がございます。

 したがいまして、十八年度は本格的に、多段階納付を初めとしまして分子対策をしなきゃいかぬ、また強制徴収につきましても三十五万件までふやそうということで、収納対策を中心、分子対策を中心にさらに行動計画を詰めろという形でつくらせていただいております。

岡本(充)委員 長官、もう少し言うと、十七年九月のこの手順書二ページ目には、留意事項と書いて分母対策をさらに細かく書いている。納付率の換算値の目標については、目標獲得者数も含め、既に事務局で具体的な目標値を設定し、これを事務所別に展開して取り組んでいくことが必要である。未設定の事務局は、今回、責任を持って精査の上策定し、事務所に展開して取り組むことという指示を出している。なおかつ、目標設定をしている事務局でも、実現可能性が疑問視されるような設定になっていないかを事務局として責任を持って精査し、事務所展開して取り組むこと。組織として分母対策をやりなさい、こういう指示が留意事項として実際に出ている。

 長官は今そうおっしゃったけれども、三月の段階のアクションプログラムでは、分母対策についてはこう書いてある。「十七年度法改正事項である若年納付猶予等や職権適用(二号から一号)について事務局単位等での影響を把握することが困難であるため当面考慮しない。(考慮して分母が圧縮された場合、分子の「目標納付月数」や納付督励業務別の目標件数も圧縮され、分母未達時のリスクは大)」。

 つまり、分母対策をして、実際に法改正の影響を見越して予定を立てると、もし分母対策がうまくいかなかったときに、実際に法改正の影響が予定どおり出なかったときにより達成度が低くなる、だから余りこの部分については留意するなと言わんばかりの策定の留意点というふうなことがわざわざ三月には書いてありながら、秋になったら、分母対策をやるように、こういうふうに明確に変わっている。

 この六カ月間での変遷についての説明を求めたいということです。

村瀬政府参考人 先ほど申し上げましたように、十七年度の九月に変えました最大のポイントは、十六年度の行動にあわせて各事務局、事務所単位での効率数値が全部出てきたわけですね。したがって、それに合わせて行動計画を見直すという形が主眼でございまして、その部分については、変更するのは私は当然のことだろうというふうに思います。

岡本(充)委員 その割には目標値は変更しないんですけれどもね。目標値です。

 先ほどちょっと言いそびれましたけれども、実際に平成十六年度の実績としては、いわゆる国民年金の納付率、十六年度が六三・六、十五年度が六三・四だというふうに承知をしているわけでありまして、実際に六三・六からこの十七年度のアクションプランの予定である数値まで引き上げることは、極めて僕は大変だったんじゃないか。先ほどの話じゃないけれども、実現可能性を疑問視されるような設定になっていたんじゃないか、そういうことを指摘したいと思うんです。つまり、六三・四から六三・六に一年間で〇・二しか上がらなかった、しかし平成十七年はかつての予定どおり六九・五を目指しなさい、こういう目標設定こそが、私は実現性に疑問があったのではないか。

 さらに言うと、平成十七年の十二月末時点における改善幅二・〇%の確保は妥協の許されぬ必達水準であり、十二月末の二・〇%確保はもはや未達は許されない至上命題である、こう書いている。これは十一月九日の国民年金事業室長の発出された各事務局長あての文書でありますが、もうここまで言っている。

 これは年間に、頑張って、では十六年は頑張らなかったんですか、十七年、ここまで頑張っても上がらない、十七年の九月末時点でもとてもじゃないけれども達成できない。だから、わずか二カ月間で何とか二・〇%、この改善幅を求めて、絶対許されぬ、未達は許されぬ至上命題だという命令を各事務局長に発出している。これは先ほどの話じゃないけれども、実現性を疑うような、実現可能性が疑問視されるような設定になっていないかを、事務局として責任を持って精査してやりなさいと言っているのと矛盾しているじゃないですか。

 僕は、これがそもそもプレッシャーになっていったんじゃないか。各事務局として、こういう文書を発出されて、しかも、先ほどから取り上げられているけれども、いろいろなグランプリだとか表彰制度を使って、もちろんそれはそれで結構な話です。その一方で、事務局によっては、国民年金保険料収納対策強化社会保険事務局の指定という通知を全国に出して、全国に、こいつはできが悪い、この事務所はできが悪い。それはそれで手としてはあるかもしれないけれども、各事務所、事務局が非常に焦っていったのであろうという姿は想像にかたくないわけであります。

 さて、ここまでの話は、今回の事件に関する現時点でわかっている状況、私が推察をした状況でありますが、長官は一番本庁で現場のことがわかっていると言われましたけれども、そういった事務所、事務局の焦り、そしてまた本庁から言われた側の危機感、こういうものを解明するためには、私は、現場の局長、そして現場の年金課長にお話しいただくよりほかはないと思うんですね。本庁の中では長官が一番よく知っているんでしょう。でも、長官もその気持ちまではわからない。やはり現場の人に焦りがあったのか、そして危機感があったのかを解明する必要がある。

 だからこそ、私はきのう要求をした。与党は要らないと言ったけれども、来る必要はないと言ったけれども、今総務付になっているんですか、解任をされた前大阪社会保険事務局長、そして、これから解任されるという話になっている、もうされたのかどうか知りませんが、三重県の社会保険事務局長、それぞれ菅原さんと原さんですか、それは今でも公務員でありますから、当然お越しをいただくことができるはずであります。

 民間になってしまったといえば、退職をされてしまった京都の社会保険事務局の年金課長については、この方が主唱して、水曜日の答弁で言っています、主唱して今回の京都の事案が発生したと国会でも答弁されていますから、主唱をされた方なんですから、この方も本来、今民間になっているとはいえ、主唱された方は当然お越しをいただくべきだと思います。

 委員長、これについては、理事会で再度この趣旨をぜひ踏まえていただいてお諮りをいただきたいと思います。

岸田委員長 理事会で協議いたします。

岡本(充)委員 大体、来てもらうと真相が解明されて困ってしまうのはだれかということが、ほとんど皆さんおわかりだと思いますから、それは多数を持っている与党はなかなかうんと言わないのかもしれませんけれども、私は、これについては、真相解明のためにはどうしても必要だと思っています。

 さて、今回の水曜日の議事録について少し私は質問を続けたいと思います。

 村瀬長官が答弁をされた中で、コンプライアンスの問題、それから監査の問題等をおっしゃってみえます。

 その中で、村瀬長官が、我が党の内山委員にこう答えてみえます。隠ぺい体質で長官に知らせなかったとか、そういうことはなかったんですかと聞いたら、隠ぺい体質はなかったと否定をされた上で、私のところへはそれなりに上がってくるというふうに今も思っていますと。それなりとは一体どういうことを指されるのですか。

村瀬政府参考人 すべての問題が上がっているかどうかというのは私はわかりませんので、私のところには相当な件数がいろいろな形で上がってきます、したがって、それをそれなりにという表現をさせていただきました。

岡本(充)委員 私は、それなりにということは、では、中には隠されているものもあるというふうな認識を示されたのかと思ったわけなんですけれども、長官としては、では必要かつ重要な案件についてはすべて上がってきていると今でもお思いですか。

村瀬政府参考人 今回の案件で、例えば三重でございますけれども、三重の件は残念ながら我々に報告する前にマスコミの方で報道されたわけでございまして、そういう点では、私は上がってくるというふうに思っていましたけれども、まだ上がってこない分が残っているというふうに言わざるを得ないと思います。

岡本(充)委員 それでは、今回の京都の事案について、各社会保険事務局にどのようにして今回の事案の不適切なケースについて報告、周知をされたのか、御答弁をいただきたいと思います。

村瀬政府参考人 一つは、国年事業室長からメールで出しております。そして、不祥事案件という形でサービス推進課から、各事務局、事務所で例えば事務処理の間違いであるとかいろいろな形の不備案件がございます、その中でこういうことがあったということで開示をしてございます。

岡本(充)委員 水曜日の答弁と違いますが、そこについてはどうお答えになられますか。

村瀬政府参考人 水曜日にNEWSこくねんでということで申し上げまして、後ほど精査をしましたら、NEWSこくねんでは入っておりませんでしたので、先生のところには、たしかおわび等を兼ねて事実関係を御報告申し上げたというふうに思います。訂正をさせていただきたいと思います。

岡本(充)委員 どういうふうな方法でそれぞれの事務所に不適切な処理について報告をされているか、その一番重要なところ、省内のLANを使っているということを長官は御存じなかったわけなんですよね。それは私は知らなかったですよ。でも、長官たる者、どのようなことでその不祥事をそれぞれの事務局に徹底しているのか、それは極めて重要なテーマだと思いますよ。これを知らなかった。結局、国会で違う答弁をしましたと今訂正をされたわけですけれども、それがまさに長官に報告が行っていないその例じゃないですか。

 それから、水曜日以降、これからやっていくといろいろ言っておりますけれども、早急にやっていくと言われた答弁の中で、今どのような進捗になっているか聞きたいと思います。

 例えば、大阪の不正免除は組織的なものだと認識されていますかと山井委員が質問をしました。だれがどういう指示系統でやったかという調査はいつまでにされますか、これについて村瀬長官は御答弁をされていますが、これは早急にやらせていただくという答弁をされている。これはどのようにされていくのか、実際に具体的な解明方法等は決まりましたでしょうか。

村瀬政府参考人 まず、先ほどから申し上げていますように、二十七日に、各事務局、事務所単位でどういうことが行われているかということで、全部持ち寄って会議をいたします。そのときに、途中経過を含めて全部確認をしたい。その中でまず一つやらなきゃいかぬことは何かというと、一番急ぐことは、やはり免除を承認しているという形が残ってございます、これを早く廃止して、その方々がさらに免除が必要であれば申請をいただく、この手続をとることが一番大事だと思いまして、これはシステムも含めて動かさなきゃだめですから、それについてのスケジュールを現在詰めているということでお考えいただきたいと思います。

岡本(充)委員 大阪の指示系統、組織的だったのか、だれがどういう指示系統でやったかという調査は大阪への調査であって、全局長を集めて聞く話じゃないんです。大阪へ指示を出しているのか、そしてどこまで進捗しているのか。水曜日に早急にやると言ったじゃないですか。

村瀬政府参考人 現在、現状把握を最優先でさせていただいております。

岡本(充)委員 現状把握はまだできていないんですか。これだけ時間がたってまだ現状把握もできていないんですか。二日も三日もかかるんですか、現状把握に。

 次に、同じく答弁されている。不正行為が全国に広がっているのかこれから調査すると山井委員にお答えをされた上で、どこがやっているかということについて、ただどういう文書で処理しているかということがはっきりしておるから、全くやっていないところはどこかという、そちらの方からは早くどんどんお答えができる形になるのではなかろうかと答えられている。全くやっていないところはどこか、早くどんどんお答えいただけるんでしょうか。

村瀬政府参考人 二十七日に、各事務所、事務局単位ですべて取り寄せますので、その段階において私はできるというふうに思っております。

岡本(充)委員 全然早くどんどんじゃないじゃないですか。どこが不適切な処理をしていたかも、二十七日に同時にわかるわけでしょう。国会答弁できちっと正確に答えてもらわなければ困ります。やっていないところがどこか、これを答えるのだって私は難しいと思う。やっているところはどこか、不適切な処理をしているのはどこかというのを探すのも難しい。これは皆さんそう思う。だけれども、やっていないのは、白はどこか、これも早くどんどん答えられますなんというのは無責任ですよ。これは、やはり長官、現場のことを御存じないということのあかしじゃないか、本当にそう思うんです。

 ちょっとここで視点を変えたいと思います。

 きょうは、金融庁の方にもお越しをいただいておりますね。話の切り口はちょっと変わりますけれども、今般、昨日出されました株式会社損保ジャパンに対する行政処分、この中で金融庁が指摘をしてみえる部分について間違いがないか確認をしたいと思います。

 顧客の名前の印鑑を大量に保有しており、当該印鑑を不正に使用して、顧客に無断で契約の継続処理等を行っている事例二十三件、顧客の最終意思を確認しないまま保険申込書や保険金請求等に押印をしている事例二千九百四十七件が認められた。これは、自動車保険や火災保険など単年度で更新をしていかなければならない保険が、保険契約が切れてその契約者が困るかもしれないという親心があったかもしれませんが、損保ジャパンが特異的に行った事案であり、なおかつ、こういった意思確認をしないままでの契約の継続、もしくは契約をとってくる、こういったことがけしからぬということで処分をされたんだということの確認が一点。そして、これは一体いつからいつまで行われてきたのか。そこの点について確認をしたいと思います。

山崎政府参考人 損保ジャパンに対します処分の中で、損保ジャパンの複数の支社及び代理店において顧客の名前の印鑑を大量に保有しており、当該印鑑を不正に使用して顧客に無断で契約の継続処理を行っている事例二十三件や、顧客の最終意思を確認しないまま保険申込書や保険請求書等に押印している事例二千九百四十七件が認められたということでございます。(岡本(充)委員「いつからいつまで」と呼ぶ)

 はい。それから、いつからいつまでということで、この印鑑の事例というふうにしますと、この顧客印鑑の不正使用につきましては、使用を開始した時期の詳細については不明でございますが、少なくとも損保ジャパン発足時、これは平成十四年七月から最近に至るまで行われたというふうに承知してございます。

岡本(充)委員 金融庁にもう一つ質問です。

 その前身である安田火災海上は、それ以前に同様の何らかの事案をもって行政処分等を受けたことがあるんでしょうか。

山崎政府参考人 それにつきまして、同様のというのはかなり難しいのでございますが、単純に行政処分を受けたかどうかということで申し上げますと、この当該損保ジャパンにつきましては、過去……(岡本(充)委員「安田火災、前身の」と呼ぶ)前身の安田火災……(岡本(充)委員「損保ジャパンの前身」と呼ぶ)損保ジャパンの前身の安田火災でございますか。これは十四年七月以前の問題ということでございましょうか。恐縮ですが、済みません、失礼しました。十四年八月二日に、不適正契約の放置、不祥事件の隠ぺい及び検査を妨げる行為につきまして、業務改善命令を発しております。(岡本(充)委員「いつ出したんですか」と呼ぶ)十四年の八月二日でございます。失礼いたしました。

岡本(充)委員 結局、今お話をいただきましたけれども、安田火災はその以前に業務改善命令を受け、その後も不適切な契約を続けてきた、こういうような状況にあるわけなんです。

 ちなみに、ここで村瀬長官、安田火災並びに損保ジャパン御出身でありますけれども、こういう契約をしているということは、当時、長官は損保ジャパンの常務執行役員もしくは専務執行役員、取締役専務執行役員、代表取締役副社長、それぞれ歴任をしてこられたわけですけれども、こういう状況については御存じだったんですか。

村瀬政府参考人 損保ジャパンの検査につきましては既に私が退任後でございますので、詳細については私自身は損保ジャパンからも聞いておりませんし、わかりません。

 それから、十四年の安田火災の時点におきましては、当時は私の記憶でいきますと常務執行役員の職だったんじゃなかろうかと思いますけれども、このときについては、案件が、こういうことがあったということは、当然役員の一員として聞いております。

岡本(充)委員 そのときの不適切な契約がその中でもまだ粛々と続けられて、三千件近い不適切な契約をしていた。印鑑がないのに、つまり、印鑑がないもしくは本人の意思が確認できないまま契約を継続している案件を、今回まさに損保ジャパンだけですよね、指摘をされているのは。ほかの損保では同じ違反を金融庁としては認識をしているわけではないですよね。そこをちょっと一点確認。

山崎政府参考人 ほかにないかという質問でございますけれども、今回の処分は損保ジャパンについてその事実を認識し、処分したということでございます。

岡本(充)委員 現時点では、だから処分をする対象にはなっていないということなんですね。だから、こういう同じ手法なんですよ。本人の意思を確認しないまま、親心があったという言いわけができるかもしれない。それは、自動車保険が更新できていなかったら困るでしょう。事故があったときに、あっ、僕、更新忘れていて自動車の保険がなかった。火災が起こって、あっ、更新忘れていた。これでは確かにかわいそうだという親心があったにせよ、契約者本人の意思を確認しないまま保険契約を結ぶ、もしくは契約を結んでくる、これは構図として全く同じ構図じゃないですか、長官。

 長官として、こういう経過、御自身が出身してきた母体もそうだ。自分がかかわっていないと言われるかもしれないけれども、長官が在職していた、知りませんよ、静岡本部、中部本部、それぞれでどういう不適切な契約があったか知らない。でも、少なくとも自動車開発第一部長というのをやってみえた。これは自動車保険の分野でしょう。自動車保険の分野の部長をやっていて、そして、こういう不適切な契約が進んできている。

 同じように、今度長官になったら同じように本人の意思を確認せず契約をしている。同じ構図じゃないですか。長官が持ち込んだと思われてもこれはしようがない話ですよ。

 損保ジャパンは損保ジャパンだけ、ほかの損保は同じような問題はまだ指摘されていない。そして、長官がやってきたこの社会保険庁は今やはり本人の意思を確認せずに契約をしている。これも問題だと言っている。どうして、長官がある意味責任者、損保ジャパンも代表取締役だった、代表権があった、今度こちらも代表権というかまさにトップでありますけれども、そういう組織の中で、現場の現状がこうもコンプライアンスが守られない状況になっているのか。御自身が歩んできた経歴を含めて、今回の問題、たまたま同時に世間の知るところとなりましたけれども、同じような構図じゃないかと指摘をさせていただきたい。

 長官として、実際にこの当時、つまり今金融庁が言われた平成十四年以降、平成十六年七月に退職される、六月末で退職されるまでの間のこの損保ジャパンにおける実際の不適切な契約の状況については、当時の役員として責任をお感じになることはないんですか。

村瀬政府参考人 まず、損保ジャパンでどういうことがどの時期にどこの部署で起こったというのは、私は全く聞いておりません。したがいまして、お答えのしようがないというのが今の現状でございます。

岡本(充)委員 お客様の契約を担当する部署には、では、村瀬さんはおられなかった、そういうことですか。

村瀬政府参考人 まず、中部本部長というのは愛知、岐阜、三重の責任者です。静岡本部長というのは静岡県の責任者です。そして、自動車開発一部長というのは、実は某自動車メーカーさんを担当する部長でございます。したがいまして、そこで営業活動は当然しております。そのところはどうなったかというのは、先ほど申し上げましたように、私自身は今回の問題で聞いておりませんので、わかりません。ただ、私自身は、今までそんなことをやったつもりは当然のことながらございません。

岡本(充)委員 では、トップとしていたときに、組織で同じように不適切な保険契約を結んでいたんですよ。同じですよ。恐らく、中部本部長、それで静岡本部長、やってみえた。中部であったのか静岡であったのか、私もそこまで、金融庁、まだこれからだという話ですから、山口での案件がやや悪質性が高いという認識なだけであって、そこの部分についてはこれからの解明が待たれるところですけれども。

 長官がくしくもトップを務めていた二つの組織で同じように不適切な契約を結んでいる。こういう契約、本来これは、きょう法務省も来ていただいていると思いますけれども、犯罪行為ですよね。印鑑なくして契約を結ぶ、もしくは本人の意思なくして、自筆署名と書かれている部分に自筆署名もしくは押印をする、こういうことは有印私文書もしくは有印公文書偽造ということには当たらないのですか。

三浦政府参考人 犯罪の成否につきましては、収集された証拠に基づいて判断されるべき事柄でございまして、私どもの立場でお答えいたしかねるということを御理解いただきたいと思います。

 あくまで一般論として申し上げれば、行使の目的で他人の権利、義務または事実証明に関する文書もしくは図画を偽造したと認められた場合には、私文書偽造罪が成立するというふうに考えております。

岡本(充)委員 そうなんですよ。まさにそのとおりなんです。今の構図じゃないですか。

 他人の権利、いろいろな、年金の受給権にしろ、自動車保険の更新にしろ、自動車保険の場合はお金がかかる話ですから、これでもし御本人のところに契約書が届いて、えっ、これ私、契約してないよ、ほかの会社に契約変えたよ、毎月の自動車保険の契約金、これ引き落とされるのをちょっと待ってよと言ったのに引き落とされちゃった、こういうことがあったら、これはさらに別の犯罪的事案になるんじゃないかというふうに思うんですが、これについては、法務省はどのようにお考えになられますか。

三浦政府参考人 繰り返しになりますけれども、犯罪の成否は収集された証拠に基づいて判断されるということでございますので、なかなか具体的にお答えをするのは非常に難しいということを御理解いただければというふうに思います。

 一般論として申し上げれば、先ほど申し上げたような状況であれば私文書偽造罪ということになりますし、例えば、他人の財物を窃取したと認められた場合には窃盗罪でありますとか、人を欺いて財物を交付させたという場合には詐欺罪といった犯罪が成立するということでございます。

岡本(充)委員 そういうような犯罪的行為ももしかしたら視野に入れなきゃいけないような状況に片や陥っている損保ジャパン。民間の手法だと小泉総理は言われる、そちらから民間の手法を取り入れること、それはいいところもあるかもしれない。でも、実際に、くしくもトップが同じようなタイミングで同じような事案について今危機にさらされている、こういう状況、私は必ずしもこれは偶然ではないというふうに思っています。

 さて、この話をしても、恐らく長官は、私の責任ではない、こう言い逃れるかもしれない。しかし、では長官、改めて一点だけ聞きたい。

 それぞれの管理責任は、もちろん事務局の局長にあると思う。事務所長が不正な未納の免除手続をしていた、これは一義的にはそれは事務所長に責任がある。でも管理責任がある、局長にも責任がある、こういう話だ。

 では、局長が何人も何人もこれから更迭されるような状況になった場合には、これは当然長官の責任だというふうになってくるわけですよね。その点については、長官は局長の管理責任を問われるということについては事実ですよね。

 その場合、これから、あした会議をやられるそうですけれども、よりたくさんの局で隠ぺいもしくは事実に反する答えをしていた場合、局長の更迭もしくは局長に対する処分を下さなければいけない状況になった場合は、当然、長官はその責任をおとりになるのでしょうか。

村瀬政府参考人 まず、私自身の任命権者は大臣でございまして、まず私がやらなきゃいかぬことは何かといいますと、現状を明確に把握して、すぐ対策を講じること、これが私の責任だというふうに思っております。

岡本(充)委員 事務局長が何人もやめて部下の幹部が何人もやめていく中で、更迭される中で、私は関係ありませんと本当にしらを切れるのか。私は、大変その精神、神経を疑いますよ。

 では、もうこれ以上言ってもしようがない。重要なところをちょっと一、二点聞きたい。

 一番困るのは、今回、勝手にあなた免除ですと言われた人。そして、例えば、今回、三重の場合なんかは、つい先日わかったわけです。不適切な免除の手続をしていた、七千五百人前後いると言われている。この方々の免除取り消しの手続はいつまでに終了されるんですか。

村瀬政府参考人 十七年度の免除というのは六月末までにすべてを完了するという形になります。

 したがいまして、現在免除の承認を受けられている方で、申請をされていない方、この方々についてはすべてを取り消しまして、六月中にすべて再免除申請書を出していただくような形の手続をとって、その中で出てきたものを承認させていただく、こういう手続をとりたいというふうに思っております。

岡本(充)委員 いつまでに取り消しをするかによって、六月の二十五日に取り消しをした、あと五日間で免除の申請を出してください。これではとてもじゃないけれども六月末までに免除の申請を出せないですよね。

 こういう不適切な免除申請をされて、新たに取り消しになりましたと言われた人には、私は、例えば、六月末と言わずに、猶予を持って十七年度分の免除をしてあげるべきじゃないか。今回、社会保険庁の手続ミスというのか意図的だったのか、それはあしたはっきりするんでしょうけれども、こういうことで免除の対象になっていて、ああ、私は免除なんだとたかをくくっていたら、ある日突然、あなた、免除じゃありませんよ、もう一回申請手続してください、あと猶予は五日間です、こう言われたのでは、これは余りにも申しわけないんじゃないですか。

 だから、こういう人たち、大阪だって、いつ最終的に何万人もいる人たちの免除取り消しが終了するのか知りませんけれども、今回の不適切な免除処理によって、突然、あなたは免除取り消しになりましたという通知を送られてきた者については、十七年度の免除期間を六月末より延長するべきだと考えるんですが、それについて取り組まれるおつもりはありませんか。

村瀬政府参考人 まず、早く免除取り消しをさせていただく必要があると思います。そして、今おっしゃったように、時期的にどうしてもこちらサイドの理由で間に合わないということであれば、延長ができるかどうか、これはちょっと詰めさせていただきたいと思います。

岡本(充)委員 延長してあげなければいけないと思いますよ。大臣、どう思いますか。五日間で免除申請しろと言われたら、申しわけないでしょう。

 大臣としてもそれは指示を出すべきじゃないですか。六月末までが平成十七年度の免除の申請期間なんですよ。これを今から取り消しをされて、私が先ほど指摘をしたとおり、時間が短い中で免除申請の引き続きの処理をしてもらうというのは物理的に難しい、そういう者に対しては免除期間を猶予するように大臣として指示を出すべきだと考えますが、お答えをいただけませんでしょうか。

川崎国務大臣 六月二十五日という数字が出てきましたが、今五月ですよ。しっかり今仕事をさせて、そしてそんな日にならない前に一人一人の皆さん方に通知が行って、手紙が行って、免除申請を出していただければ、昨年の七月までさかのぼって一年間免除というものが有効になります、こういうことを連絡することが大事でしょう。これを、今から騒ぎ始めて六月二十五日まで連絡が行かないというのは、これは事務的に怠慢だと思いますから、もう少し早くやらせるように私はします。

岡本(充)委員 これはなかなか、本当に文書だけの通知でいいのか、例えばはがきだけで通知をしていいのか。会ってもちろんそれぞれに、もしくは電話でそれぞれに事情を説明するわけでしょう、長官。それが何万人もの分が一カ月で本当に全部終えることが可能なのか。大臣、現実に考えてくださいよ。もう残り一カ月ですよ。今五月ですよ、きょう何日ですか、二十六日ですよ。これは物理的に考えたって、真夜中に訪問するわけにもいかないし、社会保険庁の人員が全員出て歩いたって、それは一週間や二週間じゃできない。たまたまそのとき旅行に行っている人もいるでしょう、たまたまそのとき不在の人もいるでしょう、こういう人に対してきちっと対応をしなきゃいけない。

 長官は、考慮をすると言っていただきました。大臣としてもそれはきちっと考慮をするというふうにお答えをするべきだと思いますけれども、これは長官のお言葉を信じて、いい対策を練っていただけると信じておきたいと思います。

 最後に、幾つか私から要求をしておく資料、これについて早急にお答えをいただきたいと、かねてより私がそれぞれの担当の方にお願いをしておりますけれども、まず、社会保険事務局の違法免除手続判明後も続けていたのは東京とどこなのか、これはあした判明するんでしょう。それから、それは一体最終的に、判明後も続けていたのは何人分になるのか、これもあした明らかになるんだと思います。これは早急に、判明したら教えていただきたい。

 それからもう一点、長官に今聞ける点としては、現時点で長官が把握している未公表の法令遵守違反はあるのかないのか、調査中も含めて、これを最後に答弁をいただきたいと思います。

 それから、これも同じく資料を事務方に求めておりますが、京都以外で保険料免除被保険者数のマイナスはないのか。今回、被保険者数のマイナスで気づいたと言われておりますが、京都以外でそういうマイナスの数字は出なかったのか。また、京都は平成十七年一月分が一番最初だったのか。もっとそれ以前に被保険者数のマイナスがあったのではないかということを私は懸念として持っているわけです。

 それから、国民年金の納付率、六月の中旬か十日前後に出る、平成十七年度三月末分、こう聞いておりますけれども、これを一刻も早く出していただくことがやはり今法案の審議には重要なテーマでありますので、これについても六月九日なるお話もいただいておりますが、さらに前倒しをして、数字を出していただきたいと思っております。

 基本的にこういった資料を出していただくとともに、法案についてももう少し重要な資料として、平成十七年度の厚生年金保険料の滞納処分事業所数、また厚生年金保険の滞納事業所の業種把握、平成十七年度の国民年金の職業別滞納者数の把握についても、それぞれ、あと半月前後かかるなどと言っておりますけれども、もう少し早く出していただいて、それぞれ審議のために重要な数字でありますので、出していただきたいということをお願いし、最後、長官に、先ほどの法令遵守違反が今調査中も含めてあるのかないのか、把握をして、詳細はいいです、今まさに調査中なんだということを、あるのかないのか、それも含めてお答えをいただきたいと思います。

村瀬政府参考人 現段階で、京都、大阪、三重と同じようなケースというのは、私のところへは報告は来ておりません。

 前回、パターンとしまして、先に承認をさせていただいて、後から申請書を添付した、こういう部分、それから、委任を受けた上で、これは電話の確認だとかいうのを含めてですが、申請書を書いて免除をした部分、こういう部分につきましては具体的な数値で来ております。

 ただ、これについては、先ほど申し上げましたように、全体像を、明日、待っていただければ出ますので、もう少し待っていただいて、比較的正しいものをお示し申し上げたいというふうに思っております。

岡本(充)委員 ということは、あしたの数字が出た後に新たな不祥事が発生した場合は、長官、これはもう長官の責任ということでよろしいわけですね。

村瀬政府参考人 とるのは、各事務局から事務所を含めて何をやってきたというのを報告を受けて、しっかり責任を持ってもらいますから、それ以降出てきたということになりますと、隠していたかどうかという話でございまして、私は全く隠すつもりはございませんので、それだけは申し上げたいと思います。

岡本(充)委員 無責任だということを指摘して、私の質問を終わります。

岸田委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前十一時五十三分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時二分開議

岸田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。長妻昭君。

長妻委員 民主党の長妻昭でございます。

 委員各位におかれましては、質問の機会をいただきましてありがとうございます。

 私、今回の不祥事に関して、いろいろな社会保険庁の職員とも話しました、村瀬長官、ちょっと聞いていただきたいんですが。そうすると、やはり問題だと思いましたのは、この期に及んでも、いや、それほど悪いことではないんだよ、何だかマスコミとか野党が騒ぎ過ぎているんだけれども、社会保険庁の職員の方、何人とも話しましたよ、本音は、それほど悪いことじゃない、何でこんな大騒ぎされるのか、本当にこういう意識があるんです。私が年金の無駄遣いを追及したときも、あれほど言わなくてもいいのにな、そんな悪いことじゃないんだ、何であんなことを言われなきゃいけないんだろうという意識が社会保険庁の職員にあるんです。

 つまり、本当に悪いんだと、腹の底から、ずっと一連の流れで落ちていないんですね、社会保険庁の職員の方々が。これは村瀬長官も私その節が最近はあるような気もするんですが、ここが直らない限り、また再発は繰り返されます、いろいろな問題が。

 この二十三ページ、お配りしたんですが、社会保険庁の中でこういうコピー厳禁の不祥事リストというのが出回っているんですが、これは長官、御存じですか。

村瀬政府参考人 本資料は、私の方が指示をして、不祥事案件については事務所を含めて全部開示をして、不祥事というよりも事務処理誤りが中心でございますけれども、基本的にこういう事務処理の誤りがないようにしようということで指示を出しているわけでございまして、当然知っております。

長妻委員 事務処理の誤りと言われましたけれども、ここに、二十四ページ、板橋の案件、これを説明してください。

村瀬政府参考人 ここに書いてございます板橋の案件というのは、架空の免除申請書の作成を国民年金推進員がしたというケースでございます。

長妻委員 村瀬長官、さらっと言われましたけれども、これはいつ起こったことですか。

村瀬政府参考人 ここに書いてございますように、七月の十四日に受理をしているということでございます。(長妻委員「何年の」と呼ぶ)平成十七年でございます。

長妻委員 これは村瀬長官、長官の指示でこういうのを報告しろと言って、事務処理誤りだと、不祥事じゃないんですと。板橋の件は事務処理誤りなんですか、社会保険庁の言葉で言うと。私は不祥事だという日本語だと思うんですが、これは事務処理誤りですか。

村瀬政府参考人 ここの表題に書いてございますように事件・事故という形でございますので、これは当然事件でございます。

長妻委員 事件。事件というのは、犯罪ということですか。

岸田委員長 村瀬長官、お答えをお願いします。(長妻委員「ちょっと委員長、速記をとめてください」と呼ぶ)長官、今の質問についてお答えください。(発言する者あり)長官、まだ時間がかかりますか。

 それでは、速記をとめてください。

    〔速記中止〕

岸田委員長 では、速記を起こしてください。

 村瀬長官。

村瀬政府参考人 当該推進員は、既に退職後に発覚をいたしまして、それで処分ができなかったという件でございます。

岸田委員長 長妻昭君。(長妻委員「答えてないじゃないですか。犯罪かどうかを聞いているんです」と呼ぶ)もう一度、質問をもう一回お願いします。(長妻委員「もう一度じゃないよ。質問をしているんだ、委員長」と呼ぶ)質問をもう一回お願いします。(発言する者あり)

 ちょっと整理させてください。

 一応、質問が出て、お答えがありました。それに対して御不満があれば、もう一度御発言いただきます。(発言する者あり)いや、回答は一応ありました。それに対して御不満があれば、もう一度それを御発言ください。

長妻委員 犯罪ですか。

岸田委員長 村瀬長官。(長妻委員「ちょっととめてください」と呼ぶ)

 では、速記をとめてください。

    〔速記中止〕

岸田委員長 速記を起こしてください。

 村瀬長官。

村瀬政府参考人 文書偽造のおそれはあると考えます。

長妻委員 告発はするんですか。

村瀬政府参考人 本人の方から謝罪があったということで、現在の段階では告発は考えておりません。(発言する者あり)失礼しました、被保険者に対してでございます。

長妻委員 ちょっととんでもないと思いますよ。

 これはマスコミに公表したんでしょうね、当然。

村瀬政府参考人 してございません。

長妻委員 犯罪の疑いがあるのに何で公表しないんですか。

 村瀬長官、これはいつ知ったんですか。

村瀬政府参考人 非公表とした理由につきましては、当該被保険者宅を訪問しまして、経過説明と謝罪を行わせていただきました。そして、御理解を得たということで、改めて免除申請書の提出がございまして、公表を差し控えたということでございます。

長妻委員 公表を差し控えた判断はだれがしたんですか。

村瀬政府参考人 板橋の事務所でございます。

長妻委員 板橋の事務所が公表を差し控える決断をしたと。村瀬長官自身はこの事実はいつ知ったんですか。

村瀬政府参考人 先ほど申し上げました平成十七年七月十四日、受理したときでございます。

長妻委員 昨年七月十四日に、村瀬長官は知ったということですか、今の案件を。

村瀬政府参考人 受理があった後は私のところへ報告来ますから、したがいまして、間違いなく、サービス推進課というところへ報告が上がりまして、それから私のところへ参りますので、その日にちがこの受理日だというふうに思います。(長妻委員「いつ知ったんですか。村瀬長官が知った日、板橋のこと」と呼ぶ)今すぐ、何日に知りましたということは、七月十四日に本件があれば、それに合わせて私のところへ来る形になると思います。(長妻委員「大体七月ですか」と呼ぶ)さようでございます。

長妻委員 昨年の七月に犯罪の疑いのある行為を知っていた、しかし、公表は差し控えた。公表を差し控えた判断は、自分ではなくて、板橋の事務所。それを追認したということだと思うんですが、これは、この資料を読みますと、国民年金推進員が失業中と思われる被保険者を対象に免除申請を架空に作成し、本人申請として板橋社会保険事務所へ報告していた、二十六名分。こういう偽造、本人が書いて、印鑑は押されていたんですか。

村瀬政府参考人 申しわけないんですが、詳細は確認しておりません。

長妻委員 これはまさに、京都の前に同じことがあったじゃないですか。知っていて隠しているわけじゃないですか。

 板橋の所長が公表を差し控える決断をした、しかし、村瀬長官は、知っていたにもかかわらず、公表を差し控える決断に異を唱えなかった。京都の前に、こういう免除の偽造、同じですよ。それを知っていて公表しない。このときに全国調査をきちっとしていれば未然に防げた可能性もありますよ。これは、長官、辞任しなさい。(発言する者あり)

村瀬政府参考人 二月に知ったというのは京都の案件ということでお話し申し上げました。

 今回の部分につきましては……(発言する者あり)

岸田委員長 今、回答中です。ちょっと待ってください。

村瀬政府参考人 今回の案件については先ほど申し上げた十七年の七月十四日ということで、これにつきましては、先ほど申し上げましたように、LANですべての事務所に公表をしております。庁内LANということでございます。(長妻委員「だめだめ、午前中と違いますよ」と呼ぶ)

岸田委員長 長妻昭君。(発言する者あり)

 今お答えがありました。ここじゃなくて、質疑の中で、今の長官のどこが問題だったかをお答えください。(発言する者あり)

 ちょっと整理させていただきます。

 いろいろ御発言がありますが、まず、この質疑の中で、今長官の方からお答えがありました。そこのどこが問題なのか、まず長妻君に、質問を続行してください。(発言する者あり)

 不規則発言ばかりですから……(発言する者あり)だから、それを言ってくださいと申し上げています。(発言する者あり)ちょっと待ってください。不規則発言で幾ら言っても質疑は進まないわけであります。今長官からお答えがありました。そこが、どこが問題なのか、ぜひ質疑者、発言の中でもう一度確認ください。(発言する者あり)幾ら不規則発言を繰り返しても、これは質疑は続かないわけです。ぜひ質疑者から御発言ください。

長妻委員 申請書の偽造を一番初めに村瀬長官が知ったのはいつですか。

村瀬政府参考人 先ほど午前中にお答え申し上げましたのは、京都の案件を含めて、免除申請……(発言する者あり)いや、私はそういうふうに確認しております。それに対して二月ということでお話を申し上げております。(発言する者あり)

岸田委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

岸田委員長 速記を起こしてください。

 今、長妻君の質問の中で、まず、要するに午前の回答と違うのではないかという指摘がありました。それに対しまして、長官の方から、京都の件にお答えがあったけれども、それに対して、全部のものについてのお答えがないのではないかということで、もう一度質問があった。(発言する者あり)今、園田さんと確認した件だから、ちょっと整理させてください。とにかく、すべてのこの案件について知ったのはいつなのかという再質問があった。

 それに対してのお答えですが、長官、今、京都の件についてお答えがありました。今言った、これに関するすべてのことについて聞いたのはいつなのかという質問についてお答えください。

村瀬政府参考人 まず、本件についてお話し申し上げたいと思うんですが……(発言する者あり)

岸田委員長 今、回答中です。聞いてください。

村瀬政府参考人 板橋の件につきましては十七年の七月に事故案件として処理いたしまして、本件につきましては個人の事故として処理をしております。

 したがいまして、京都の案件とは違うという判断をしております。(発言する者あり)

岸田委員長 長妻昭君、今のお答えについてぜひ質問を続行してください。(発言する者あり)

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

岸田委員長 それでは、速記を起こしてください。

 長妻昭君。

長妻委員 そうしますと、ちょっと村瀬長官にもう一回質問しますけれども、免除申請書の偽造、これを一番初め村瀬長官が、いろいろな案件、日本全国どこでもいいです、知ったのはいつですか。

村瀬政府参考人 午前中にも申し上げましたように、今回の問題点、申請書の偽造という観点からいきますと、京都で起こりました案件を確認した上で、私はそのときに知っております。したがって、その部分が、免除申請を含めた、本人の確認をなくて承認をしたという形で認識をしております。

 それから、板橋の問題につきましては、先ほど申し上げましたように、個人の事件という判断をしておりまして、京都は組織的な問題だということでの認識で、組織的に起こったという判断をしております。(発言する者あり)

岸田委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

岸田委員長 それでは、速記を起こしてください。

 村瀬長官、いま一度お答えをお願いいたします。

村瀬政府参考人 まず、免除申請全体の不適切な部分があるということは、ここに書いてございますように、平成十七年の七月十四日、個別案件として確認をしております。

 ただ、組織的な問題として起こったという観点で確認したのは、京都の案件が発生した二月でございます。(発言する者あり)

長妻委員 これは委員長も御存じのように、今のやりとりというのは大変に重要なことなんです。トップがいつ認識したか、もしトップが本当に認識をしていれば、全国調査をその時点でかければ、未然に防げる可能性もある、ここまで広がらないで。そういう意味では、いつ知ったか、どういうアクションを起こしたかというのは大変重要なんです。そういう意味で、今村瀬長官の話は、午前中の答弁と私は整合性があるのかどうか非常に疑問なので、これはこの場で確認しないといけませんので、速記録すぐ出ると思いますので、速記録が来るまでちょっと休憩していただきたいと思うんです、重要な問題ですから。(発言する者あり)

岸田委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

岸田委員長 それでは、速記を起こしてください。

 この際、暫時休憩いたします。

    午後一時三十八分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時四十八分開議

岸田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。長妻昭君。

長妻委員 そうしますと、きょうの午前中の議事録と五月二十四日山井議員の質問の議事録、これは訂正を要求します。

岸田委員長 これは委員長に対してですか。発言の訂正ですね。

 村瀬長官。

村瀬政府参考人 まず、午前中の答弁でございますけれども、流れの中で、京都、大阪の案件を含めて現実にこういうことが起こっていることはということは、私の認識は、組織的な形で免除をしていたという前提でお答えをしております。したがいまして、もし、誤解を与える、また間違った判断をしているというのであれば、おわびを申し上げたいと思います。

 そして、先ほど申し上げました板橋の案件というのは、個別の案件、一国民年金推進員が起こしたということで判断をしたということでお答えを申し上げたつもりでございます。

 したがいまして、免除申請が不正に行われたという案件であれば、平成十七年の七月に起こったものというのは、個人案件でございますけれども、あったということは認識をしてございます。

長妻委員 それでは、この議事録訂正というのは、これは委員長、委員会の権限だと思いますけれども、そういう意味では、村瀬長官、そうしたらば、この発言者の長官として、これは、議事録は訂正をする、訂正をしてください、こういう要求を今答弁でしてください。(発言する者あり)

岸田委員長 静粛にお願いします。

村瀬政府参考人 まず、午前中に答弁させていただきましたのは、議事録にも書いてございますように、二月、五月ということで、京都の案件等の形でお答えを申し上げております。したがいまして、そういう案件というのは、それを私としては指して御答弁をさせていただいているということでございます。

 したがいまして、個別案件で問題があったということであれば、先ほどお話がありましたように、板橋である七月の案件というのは当然承知をしておりましたので、その部分はあったということで、その部分については訂正をさせていただくことはやぶさかではございません。

長妻委員 村瀬長官、これは隠ぺいにかかわっていたと言われても仕方がないですよ。(発言する者あり)与党議員、何ですか。

 去年七月、偽造しているんですよ、免除申請書を。マスコミにも発表していないんですよ。板橋の事務所長が公表を差し控えるという決断をした、それを村瀬長官は認めたわけでしょう、公表を差し控える決断を。

村瀬政府参考人 認めたというよりも、結果を聞いて、わかったということでございます。

長妻委員 だから、公表を差し控えるということを是認したということですか。

村瀬政府参考人 本件については、先ほども申し上げましたように、当該被保険者宅を訪問しまして、経過を説明、謝罪を行い、御理解を得たということで、改めて免除申請があった、こういう観点を含めて公表を控えさせていただいたということでございます。(長妻委員「だれが提案したんですか。ちょっと委員長」と呼ぶ)

岸田委員長 長妻君、ちょっと今の質問はだれに。発言してください。

長妻委員 いや、委員長、ちゃんと裁いてくださいよ。これはひどいよ、委員長の裁きは、申しわけないけれども。

岸田委員長 いやいや、その今の質問はだれに……(長妻委員「では、もう一回聞きますよ」と呼ぶ)

 はい、お願いします。

長妻委員 板橋の所長が公表を差し控える、そういう決断をした、その決断をトップである村瀬長官は是認したわけですか。

村瀬政府参考人 先ほどから申し上げておりますように、後刻報告があって、それを是認したということでございます。

長妻委員 隠ぺいを是認した、犯罪の疑いのある、しかも今回同様の案件を。このときにマスコミに公表して、かつ全国調査をきちっとすれば、被害拡大、防げた可能性が高いですよ。全国調査しましたか、七月時点で。指示しましたか。

村瀬政府参考人 個人案件でございまして、指示という形ではなくて、まさに職員等による事故、事件という形でLANの中で開示はしてございます。

長妻委員 ですから、ただ中で開示して、コピー厳禁ですよ、これは。こういう表紙をつけてマスコミに漏れないように回して、隠ぺいじゃないですか。そして、午前中の議事録が今参りましたけれども、村瀬長官は、質問者は全くそういう意識で聞いていないのに、組織的あるいは個人的という自分で勝手に区分けをして、組織的なものだけを答えた、個人的な偽装は答えなかったと。何で自分で勝手に枠組みをつくってうそに近い答弁をされるんですか。

 そういう意味では、山井議員が五月二十四日に聞いた質問も同じような質問でございます。山井議員が、今回の本人の許可を得ず不正に免除する、あるいは猶予する、こういう年金の納付率の偽装方法があるということをいつ知られましたか。村瀬長官は、京都の件につきましては先ほど申し上げた日にちでございますし、大阪の件については先ほどの日にちということで、申し上げたとおりでございます。それで、重ねて山井議員が聞いている。ということは、三月の中旬まで、こういうふうな不正で本人の承諾を得ずに勝手に免除や猶予をしてしまっているといううわさとかそんな話を、全国三百カ所回られたと聞きましたが、全国回って、二年間やっていて、全く聞かれたことはなかったわけですかと聞いたときに、村瀬長官は、現実問題としては、やっている話は聞いておりませんと。これはうそですよ。日本語で言うとうそですよ。ちょっと発言を訂正して、村瀬長官からこの委員会に議事録の訂正を申し出てください。

村瀬政府参考人 私自身がお答え申し上げましたのは、先ほどの御質問で、全国三百の事務所を回っていろいろ話を聞いてという前段がございまして、それに対してお答えしたつもりでございます。(発言する者あり)

岸田委員長 質問を続けてください。(発言する者あり)いや、質問を続行してください。(発言する者あり)

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

岸田委員長 それでは、速記を起こしてください。

 先ほど長妻委員からの質問、要するに、議事録を訂正するにつきまして、要請するかどうかという質問が村瀬長官にありました。それにつきまして長官の方からお答えをいただきます。

村瀬政府参考人 私の認識は先ほど申し上げたとおりでございまして、扱いにつきましては委員長に御一任させていただきたいと思います。

岸田委員長 では、議事録につきましては、理事会で協議をさせていただきます。

長妻委員 今、委員長の裁きは、ちょっと私は不可解なんですけれども。

 その村瀬長官のお任せしますというのは、どこをどうお任せしますというのか、さっぱりわからないわけですね。御本人の意思を、ちょっと一度、ここの部分をお渡ししていいですか。村瀬長官、ここの赤で囲んだ部分に対して村瀬長官に訂正いただきたいんです。

岸田委員長 長妻委員に申し上げます。

 今、私が整理したのは、長妻委員の方から、要は、議事録を訂正するかどうか、それを理事会の方に要請するかどうかという質問があった、それに対するお答えをお願いした、それが今のお答えでありました。

 それで、それに対して、議事録の訂正につきましては理事会にゆだねるというお答えをいただきました。さらにそれについて質問を続行してください。

長妻委員 では、どの部分を具体的にどういう文言で訂正するんですか。

村瀬政府参考人 済みません、今手元に、どこの部分をどういうかと、御質問いただかないとお答えようがございませんので。ここのどこの部分でございましょうか。(長妻委員「赤で囲んだ部分です」と呼ぶ)いや、だから、先ほど私お答えをした……(発言する者あり)

岸田委員長 済みません、ちょっと不規則発言がまざっております。ぜひ質疑の中で、何を聞きたいのか、何を答えるのか、はっきりしていただきたいと存じます。

長妻委員 時間が本当になくなるんですね。山井議員の質疑は、先ほど私読み上げましたね、全部問題のところは。それに関して、どの部分の発言を訂正されようと御本人は思っておられるのか、それを聞きたいんです。そういう意味では、今読み上げたものと同じものですけれども、これを見ながら。何度も読み上げていると、時間がなくなりますから。一度読み上げましたので。

村瀬政府参考人 こちらに、御質問は、全国三百カ所を回られたと聞きましたがということで、私は、その回ったことに対しまして、現実問題としてやっている話は聞いておりませんというお答えを申し上げたつもりでございます。

 したがいまして、その発言が不十分ということであれば、委員長にお任せ申し上げたいと思います。

長妻委員 今、私は議事録の質問をしていませんよ。こういう発言、山井議員の質問に対する発言に対して、発言を撤回、訂正する、私は要求をしたいんですけれども、しますか。する場合は、どういうふうに発言を訂正しますか。それをここで答弁してください。

村瀬政府参考人 先ほどから申し上げておりますように、この質問に対しましては、私は全国三百カ所を回って、そこで、いろいろありました、現実……(発言する者あり)二年間。

 私自身の判断は、三百カ所を回って、そこの現場で話を聞きましたかという認識に基づいて、現実問題としては、やっている話は聞いておりません、そういうつもりでお答えをしたつもりでございます。

 したがいまして、その発言の内容につきまして、委員長に御一任を申し上げたいと思います。

岸田委員長 取り扱いにつきましては理事会で協議したいと存じます。(発言する者あり)

 長妻昭君。(長妻委員「だめですよ。委員長、速記とめてください」と呼ぶ)

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

岸田委員長 速記を起こしてください。

 長妻昭君。

長妻委員 そうしましたら、今、議事録の話じゃなくて、では、発言の話でありますけれども、この山井議員の質問に対して、全部先ほど読みましたので全部は読みませんが、村瀬長官は、現実問題としては、やっている話は聞いておりません、こういうふうに言われたわけですね。

 村瀬長官は、三百カ所を回ったときに話が出たというのに限定して答えたという、到底世間ではだれも納得しない言いわけをしておられるわけで、ここの、現実問題としてやっている話は聞いておりませんというところを、昨年の七月に板橋で聞いておりました、こういう発言に訂正されるおつもりはありませんか。

村瀬政府参考人 山井先生の御質問は、全国三百カ所の事務所を回ってという前段がついてございましたですね。(発言する者あり)いや、それについて、三百というのがございまして、私の判断は、三百の事務所を回って、その現場で聞いたかという形で御発言をさせていただいたつもりでございます。

長妻委員 二年間やっていて、全く聞かれたことはなかったわけですか、こういうふうにも質問しているんですよ。現場に限定している質問もあります、三百カ所というのと。でも、その後段では、二年間やっていてというのも聞いているんですよ。こんな子供みたいな理屈で私やりたくないんですよ。どう考えたって、これは、去年の七月、板橋で起こったことを知っていながらしゃべらなかったわけじゃないですか。虚偽じゃないですか。何で認めないんですか、訂正を。

村瀬政府参考人 私の方は、主語を言わなかったというのがまずかったんだろうと思いますが、先ほどから申し上げておりますように、認識は、三百の事務所を回って、現場でそういうことが起こったというのが確認できなかったかどうか、そういう判断で御発言を申し上げたつもりでございます。

長妻委員 そうしましたら、村瀬長官、では、いつ知ったんですか、偽造及び不正な免除処理。これは、さっきからもう何度も質問していますよ、委員長。

 委員長、丁寧に言いますけれども、村瀬長官御自身が、組織的とか個人的とか、だれも聞いていない仕分けをしないで、すべての案件で、日本じゅうの社会保険庁の事務所で国民年金に関して免除、猶予を、偽造あるいは不適切な処理でそれを入力してしまった、こういうことを一番初めに知ったのは、どこで、どこの事務所で、どういうとき、いつか、それを聞きたいとずっと言っているわけです。

村瀬政府参考人 先ほどから申し上げておりますように、個人の個別案件として確認をしたのは平成十七年の七月十四日でございます。

 そして、免除申請を、どちらかといいますと、本人からもらわなくて承認書を出したというこの京都案件、この部分につきまして知りましたのは二月でございます。

長妻委員 そうしましたらば、昨年の七月より前には全く知らなかった、これは本当に後から出たら大変なことになると思うんですが、これはまた前提で、私の質問がこういう前提がある、前提があると勝手に解釈しないで、すべてですから、もう七月以前は絶対知っておられなかったわけですね。

村瀬政府参考人 私の記憶では、この七月だというふうに思っております。

長妻委員 そうだとすれば、昨年の七月の段階でトップである長官が御存じだった。しかも、長官が指示をしたこういう調査の報告書に出ていて、この報告書というのは、外に漏れないようにコピー厳禁、四十九件の不祥事が出ておりまして、二十七件がマスコミ未公表ということであります。何でこの時点で公表して全国調査をしなかったんですか。

 この責任というのは、長官、お感じにならないんですか。何で、公表を差し控える、その所長の判断を是とされたのか。隠ぺいと言われても仕方がないと思うんですが、この責任をとって、私は辞任をすべきであると。事務局長何人もさらに更迭されるんですか。事務局長いなくなっちゃうんじゃないですか。長官、責任とってください。何で、七月なのに。

村瀬政府参考人 先ほどから申し上げておりますように、マスコミへの公表はしておりませんけれども、庁内LANによりまして、全事務所、事務局まで公表をしております。そういう点では、事務局内、事務所内それから本庁内で、こういう案件が起こったというのは全員が知っているわけでございまして、それは当然牽制機能が働くんだろうというふうに思います。

長妻委員 マスコミ、世間に、普通は公表すべき案件だと思いますが、今から考えると公表すべきだったとは思われませんか。判断がちょっと不適切であったと思われませんか。

村瀬政府参考人 公表につきましては、今回、委員がおっしゃいましたように、すべての部分を公表しておりません。中には、事件・事故と書いてありますけれども、事務処理のミスというものも入っておりまして、そういう点で、一定の基準でもって公表をやっているわけでございます。

 したがいまして、必要であれば、今後はやはり公表基準をもっと定めてやっていくということは考えていきたいというふうに思っております。

長妻委員 川崎大臣、この去年の七月に免除申請の偽造があった板橋の件ですね、これはやはり公表すべきだったと私は考えるんですが、いかがですか。

川崎国務大臣 先ほどから長官が答弁いたしておりますとおり、やった本人がそのやった行為について間違いがあったことを認めて本人におわびを申し上げ、結果として再度書類が提出をされたということの中から恩情的な処理をしたということでありましょう。そういった意味では、恩情的な処理をした、したがって公開はしなかったということであろうと思います。(長妻委員「それは適切なんですか」と呼ぶ)その時点の判断について、私は今覆すつもりはありません。

長妻委員 いや、これは、大臣まで今驚くべき見解を述べられた。適切だったということなんですね。

 当然その申請書類というのは、この資料にもとじておりますけれども、本人でない人が書いた場合は判こが必要である、八ページでありますが、そういうルールになっている。職員が書いて判こを本人が押していない場合は、これはルール違反です。大阪でもそうでした、この板橋でもそうでした。こういうケースというのは、法務省来ておりますけれども、どういう犯罪の疑いとなるんですか。

大林政府参考人 犯罪の成否は収集された証拠に基づき判断される事柄であり、法務当局としてお答えいたしかねることをまず御理解いただきたいと思います。

 あくまで一般論として申し上げれば、行使の目的で、他人の権利、義務または事実証明に関する文書もしくは図画を偽造したと認められる場合には、私文書偽造罪、刑法第百五十九条第一項が成立するものと承知しております。

長妻委員 偽造罪という話がありました。

 村瀬長官、そうしましたら、先ほどの議事録の件は発言を修正するというおつもりはあるんですか、ないんですか。そこをちょっともう一回確認したいんですが。

村瀬政府参考人 委員長に御委任申し上げたというお答えをしたつもりでございますが。

長妻委員 では、委員長に御委任申し上げるという話でありましたので、委員会で議論していただいて、当然村瀬長官の話も聞きながら、どの部分かというのを議論いただきたい、そして結論を出していただきたいと思います。

岸田委員長 はい、理事会で協議をいたします。

長妻委員 そしてもう一つ、私はこれは隠ぺいだと思う案件があります。

 この一ページ目につけておりますけれども、これは、京都の事件を受けて三月十三日に緊急調査を社会保険庁がいたしました。緊急調査を担当したところは社会保険庁の本庁でございます。国民年金事業室、この室長の名前で緊急調査をした、この結果が一ページ目にございます。

 私が報告を受けましたのは、京都以外では四十七都道府県ありませんでしたという私は報告を受けましたが、これは、三月十三日の調査の資料を念のため取り寄せましたところ、バツ、京都。しかし、三角というのがあるんですね。バツじゃない、三角。この三角というのは、これを信用するとすれば、電話で、あるいは何らかの手段で、本人は免除したいという意思を確認した、確認したけれども、書類は出ていなくて処理をした、これが三角なんです。私は、三角というよりも、これはバツだと思うんですね。この三角の件は一切公表されませんでした、隠されておりました、ずっと。

 三月十三日に調査したのを、村瀬長官、いつ知りましたか、この三角は。

村瀬政府参考人 まことにお恥ずかしい話ですけれども、三月段階では私は聞いておりません。五月の段階で聞いております。五月の、今回の案件が発生した以降でございます。

長妻委員 いや、これは、どうなっているんですか、村瀬長官。先ほどの例は御存じだった例で、御自身が、私は判断ミスをして、公表しない。これは、自分に責任がないとは言わせませんよ、管理責任があるわけですから。こういうずさんな、マスコミにばれて、逃げられなくなったらやっと渋々動く、これは無駄遣いの追及のときと全く体質が変わっておりません。

 村瀬長官、やめて、別の方に来ていただいて処理をした方がスムーズに、的確に調査が進むと私は思うんですが、これでも責任は全然感じておられないんですか。

村瀬政府参考人 午前中も申し上げましたけれども、まず私が今やらなきゃいかぬことは何かといいますと、五月に起こりました現状を踏まえて全国調査を進めているわけでございますけれども、五月二十七日に、全事務局、事務所で現実に免除申請を含めてやられている中身を最終チェックして、まず正しいことをやっているかやっていないかをしっかりつかむことと、それと同時に、不適切な事務処理、承認をしたところについては早急に直すという仕事だろうというふうに思っております。(長妻委員「責任は」と呼ぶ)

岸田委員長 長官、責任についても質問がございました。

村瀬政府参考人 三月の段階においてこういうことがわかっていたのを五月まで放置をしていたということについては、何らかの責任はあるんだろうというふうに思います。

長妻委員 何らかの責任がある。

 そしてもう一つ、これも大変問題なのは、同じ資料ですけれども、岐阜県に丸がついているんです、問題ない。ところが、岐阜県から来たメールを見ますと、四ページ目でございますけれども、岐阜社会保険事務局長の名前で回答が来ております。そこの最後の二行目には、「なお、免除勧奨の際、本人とのやり取りにおいて、免除申請を代行するケースは希にあるが、これは不適切な事務とは解しておりません。」こういうふうに出ているわけですね。丸をつけています、社会保険庁の判断では。まあ仕方がないというか、いいことだと。これは、岐阜に対して、ふざけるな、こんな回答で何だと、ちゃんと指導したんですか、この時点で。

村瀬政府参考人 まことに申しわけございませんが、本件についての中身、免除申請を代行するケース、この代行が、委任状をとってやっていれば多分問題ないと思いますが、委任状をとっていないと問題があるということで、そこについては、今現段階においては私自身はつかんでおりません。

長妻委員 これはかなり問題なんです。

 私、社会保険庁本庁の方ともいろいろお話ししましたが、この問題が発生した後に私がお呼びしたときに、こういうことをまだ言っていたんです。本人の意思の確認があれば申請書はまずは不要、後先になるが御本人の書類が届けばその時点で有効、こういう説明を私にしているわけですね。ただ、これだけ事が大きくなって今発言を変えられましたけれども。ということは、こういう指導をしていたんですよ、ずっと前から。つまり、岐阜の場合、こういうメールが来て、自分たちは不適切じゃないというふうにメールが来ても、そのまま黙認しているわけです。普通はすぐ注意しなければいけない。岐阜の方は、本庁は何にも言ってこないからこれでいいんだな、無言の支持だと思いますよ、あるいは無言の了解だと思いますよ。

 全くこれに対して指導していないんですか、長官。これはもう事前にこういう質問をするというのを言っていますから、ちゃんとスムーズに答えてください。この配付資料も事前に全部渡しているんですよ、きょう。

村瀬政府参考人 したがいまして、五月二十七日に全事務局長を集めまして会議をして徹底をするということでございまして……(長妻委員「この岐阜の件、この時点で指導したのかしていないのか」と呼ぶ)

 三月段階では、このマル・ペケという観点から言えば、していないんだろうと思います。私自身は、先ほど申し上げましたように、このメールの中身というのにつきましては、残念ながら三月段階では知っておりません。

長妻委員 していないんだろうと思いますということは、本当に本庁の関与というのは大変ですよ。事務局レベルの話じゃないですよ。事務局レベルの話じゃないんですよ。無言というか、あうんの呼吸というか、黙認しているわけですよ、この岐阜の件、丸をつけている。三角のケースも、三角というのもおかしな話で本当はバツだと思うんですが、三角のケースは本当に指導しているんでしょうか。こういう「不適切な事務とは解しておりません。」というメールが来て、何も指導していない。これは本庁ぐるみ、本庁も関与した全国的な不正だと言わざるを得ないですよ、長官。そういう認識はないですか。

村瀬政府参考人 先ほどから申し上げておりますように、明日、全部事務局長を集めましてチェックをいたします。したがいまして、それを踏まえて、どういう状況になっているかということで、しっかり現状を認識したいと思います。

長妻委員 本庁ぐるみだということがはっきりしたら辞任されますか、責任とって。

村瀬政府参考人 先ほどから申し上げましたように、私のやることは、まず正すことだろうと思っておりますので、それをまず優先してやらせていただきます。

長妻委員 もう一つ、例の不祥事リストがございますが、これの二十五ページ。このリストには、九事務所で六千九十五件もミスがあった。これは佐賀県の武雄社会保険事務所や葛飾社会保険事務所など九事務所です。民間の適用事業所が口座振替で保険料を納入したにもかかわらず、保険料の領収済み額通知書の金額欄がアスタリスクになっている、つまり、納入なし、そういうふうにとられかねない形になっているのが六千九十五件もあった。これは公表したんですか。

村瀬政府参考人 武雄それから葛飾については公表をしておりません。

 その理由は、各事業所に対して、訪問、電話によって経過の説明と謝罪を行いまして理解を得たということでございます。

長妻委員 いや、この理屈はおかしいですよね。理解を得たら公表しない。ですから、今回の件も、間違いなく、ばれなければ公表していないですよ、マスコミに漏れなければ。(発言する者あり)謝って終わりですよ。こういう体質を、村瀬長官、何とも感じないんですね。

 十ページを見ていただきますと、今現在、社会保険庁の方に丸をつけていただきました。収納率の高い順に三百十二の事務所を並べてみましたら、七〇%以上の事務所は今のところはありません。しかし、低くなればなるほど丸がいっぱいつく、つまり不正や不適切がある。この丸は社保庁の職員の方につけてもらいました、今時点で確定しているものということでございますが。

 今、社会保険庁の中にいろいろなうわさがあります。ねんきん事業機構になるときに、平均の収納率よりかなり低い事務所は行けないんじゃないか、こういう非常にせっぱ詰まった感じがある。そして、八〇%という到達できない不可能な目標を立てて、仕組みを変えないで。私は、年金保険料は税金と一緒に集める、こうしないと絶対改善はできません。以前も地方税と一緒に集めていたわけですから。何でこういう、大枠を変えないまま八〇%というどだいできない目標を掲げられる、こういうところにひずみがあるというふうに思います。

 そしてもう一つ、不在者設定というのは御存じですか、長官。

村瀬政府参考人 詳細は別にしまして、あるということは知っております。

長妻委員 例えばどういうものですか。概要でも結構です。

村瀬政府参考人 国民年金は、御存じのように、住居地において被保険者として加入することになっております。したがいまして、制度発足時から、転居などによって、旧住所への転出届は提出しましたけれども、新住所への転入届が提出されていない、それから居所不明、こういった場合につきましては、居所未登録ということで不在者登録をするという形になっております。

長妻委員 この不在者設定を悪用して未納率を操作する、こういううわさが社会保険庁の中にかなり前からあります。現職の社会保険庁の職員の方からも聞きました。

 こういううわさは、村瀬長官、聞いたことありますか。あるいは、部下から、最近でもそういう情報を聞いたことありますか。

村瀬政府参考人 不在者設定をしているということは聞いておりますけれども、不正をやっているということは聞いておりません。

長妻委員 これは本当に確認してください、村瀬長官。私は、国民年金事業室の現職の方から聞いたんですよ、そういううわさが前からあると。

 そして、ある方の話によると、四月末に収納率締め切りになる、四月末までに、自分の事務所に住んでおられる長期未納者の方を行方不明者にする。不在者設定をすると、その地域の住所から消えてしまう。つまり、分母減らしじゃなくて、分母と分子が両方消える。こういう形で収納率を上げるテクニックもあるということを内部の方から聞きました。

 事実、調べていただきますと、今、居所不明者、つまり、不在者設定を国民年金でされている方が十七年三月末時点で七十二万人おられる。二十一ページでございますけれども、毎月末何人おられるかというのを見ましたら、一番ふえているのが、三月末から四月末にかけて五万八千人ふえている。そして、一番減っているのがいつかと思うと、平成十七年五月末から十七年六月末で三・二万人減っている。行方不明者がいっぱい出た、しかし行方不明な人が見つかった、こういう数字がここにございます。

 そして、ある社会保険事務所に聞きました。平成十七年度一年間で不在者設定、行方不明になったと処理した人は何件ですか、ある事務所は、千六百十三件ありますと。そして、行方不明に一たんなったけれども、その事務所のまた同じエリアに戻ってきて発見された、行方不明になった方がまた同じ住所に復活した、これは平成十七年度何人いますか、四百五十四人おられる、ある事務所です。

 これはぜひ調べていただいて、本当にこのうわさが根強くあるんです。これが不正なのかそうでないのか、村瀬長官、調べるというふうに御答弁ください。

村瀬政府参考人 不在者設定につきましては、現実問題でどういうやり方をしているかといいますと、各事務局単位でやっております。

 したがいまして、本件につきましては、まずしっかり全国的な統一基準をつくりたい、それと同時に、現状はどうかということについては調査をしたいと思います。

長妻委員 最後に、時間も参りましたので、平成十六年度の収納率、昨年四月末に締められました、六三・六%です。これも偽造ではないかというふうに指摘される内部の方が多いんです。六三・六%という平成十六年度の公式な数字自体が今回のような形で水増しされているのではないか、これも調査いただきたいと思うんです。

 今回メールでいろいろ調査されていますけれども、期限は区切っていない調査です。ほかの事務所の認識は、全部とは言いませんけれども、直近一年ぐらいの話かなというふうな思いでメールに対して本庁に答えておられる事務所もあると思います。

 そういう意味では、例えば、過去何年間、何年から何年までこういうことがないのかというふうにさかのぼった調査をして、平成十六年度の数字が偽装でないかどうか、これをしっかりしていただきたいと思うんですが、いかがですか。

村瀬政府参考人 どれだけデータが残っているかということをまず業務センターで確認した上でお答えを申し上げたいと思います。

 それで、まず私がやらなきゃいかぬことは何かといいますと、先ほどからお話ありました十七年度の最終納付率が幾らになるか、これを早く正確な形でつかむことだろうと思います。

 これにつきましては、先ほどから何回も申し上げておりますように、明日、全事務局長を集めましてやりまして、まずそこをしっかりやらせていただくところから始めさせていただきたいと思います。(長妻委員「十六年度もやりますか。十六年度」と呼ぶ)十六年度は、先ほど申し上げましたように、データの持ちぐあいを一度きちっと調べた上で御報告を申し上げたいと思います。

長妻委員 十六年度の未納率、収納率の、本当に正しいのかどうか、偽造されていないのかどうか、この調査をするかしないか。すると御答弁ください。

村瀬政府参考人 したがって、先ほどから申し上げておりますように、データの持ち方を先に調べさせてください。その上で、いつまでにできるかということを含めて御回答申し上げたいと思います。

長妻委員 これで質問を終わりますけれども、私は、川崎大臣の先ほどの答弁も非常に驚きました。犯罪の疑いのある行為があったときにマスコミ公表しないのは適切だった、こういう御発言、被害者の方にきちっと謝ればそれで済むんだと。大臣から、上から下まで全部そういう意識だというふうに私は認識しましたので、大臣も含めて本当に進退問題をきちっと考えて、本当に信頼される年金徴収機関、制度にしていただきたいとお願い申し上げまして、質問を終わります。

岸田委員長 次に、仙谷由人君。

仙谷委員 法務省大林刑事局長においでいただいておると思いますが、今、この委員会に配付をしていただいておりますその中の資料、最後のページ、十一枚目、国民年金保険料免除・納付猶予申請書、裏表になっているコピーがございます。同じものを委員会の皆さん方にもお配りをすると。先ほどの長妻議員の質問のときにも添付はされておりましたが、改めてちょっとビジュアルに審議をさせていただければと思います。

 これをごらんになって、権利、義務もしくは事実証明に関する文書ですかどうですか、法務省刑事局長。

大林政府参考人 お尋ねは犯罪の成否にかかわる事柄であり、収集された証拠に基づいて判断されるべきものであると考えておりますが、あくまで一般論として申し上げれば、刑法第百五十九条第一項に言う権利、義務に関する文書には、権利、義務の発生、消滅等の要件となる文書のみならず、その存否を証明する文書も含まれるものと解されており、また事実証明に関する文書は、実社会生活に交渉を有する事項を証明するに足りる文書と解されているものと承知しております。

 私文書というのはかなり広い範囲、このような割合と抽象的な表現になっておりますので、この文書が私文書に当たるか否かということはちょっと私の方で断定はできませんが、今のような定義で当たるものならばその範疇に入るというふうに考えております。

仙谷委員 わかっていておっしゃっているんだと思うけれども、この程度のことは、もうそんないいかげんな答弁はやめたらどうですか。

 判例によりますと、お読みになっていると思いますけれども、私立大学の入学選抜試験の答案でも、権利、義務に関するあるいは事実証明に関する文書、百五十九条所定の構成要件に該当するということになっているんですよ。

 私は、犯罪の成否を聞いていないんですよ。ここの刑法の規定にある構成要件にこの文書が該当するかどうか、明らかじゃないですか。具体的に言えないとか言えるとか、私は、本件事案について言っているんじゃないんですよ。だれがどうしてこうしてなんて言っていないんですよ。こういう文書は、基本的に、刑法百五十九条一項による「他人の印章若しくは署名を使用して」というところを、ここは行為でありますから、行為の客体である「権利、義務若しくは事実証明に関する文書」と、客観的にも明らかじゃないですか。何か否定できるんですか、刑事局長。

大林政府参考人 先ほども御答弁申し上げたとおり、権利、義務に関する文書、事実証明に関する文書というのは、広く社会生活に交渉を有するというような非常に広いとらえ方をしております。

 ですから、私の方で、今、文書自体を私文書に当たるか否かということをちょっと言うのは申し上げにくいんですが、ただ、先ほど申し上げたとおり、私文書偽造の対象となる文書というものが広く保護するために解釈されている、あるいは言い方を変えれば、権利、義務に関する文書と事実証明に関する文書というものが重複するというか、どちらにも当たるというふうな解釈がなされていると承知しております。

仙谷委員 後で私の方からも申し上げますが、それでは次に、この構成要件中、偽造というのがございますが、これは改めて、偽造というのは、私が大林刑事局長の名義をもって文書をつくった場合には、これは偽造になりますか、どうですか。

大林政府参考人 偽造の解釈といたしましては、作成権限を有しない者が他人の名義を冒用して文書を作成することを言うと解釈されております。冒用というのは、一般的には同意を得ないでというように解釈されております。

仙谷委員 私が大林さんの同意を得ないで大林さんの名前で文書をつくった場合には、これは原則として偽造になる、こういうお答えですね。作成権限冒用、冒用とは同意を得ないことということですね。これは冒用したかどうかは、普通はどういう徴憑、つまりしるしで見きわめておるんでしょうか。法律的には何なんですか、冒用したかどうかというのは。何でそこを区別するんですか。

大林政府参考人 基本的には収集した証拠による判断であろうと思います。

 もう委員は御案内のとおり、文書にはいろいろな性質がございます。その人間関係においては、いわゆる推定的承諾ということで、承諾があったとされるものもありますし、そういう文書の性質、あるいはそういう関係から見て、そういうものはあり得ないと言ったらおかしいですけれども、推定されないようなケースもありますし、いずれにいたしましても、これは証拠関係から偽造かどうかということを判断するものだと考えております。

仙谷委員 先ほど村瀬長官が、今回の審議の中で初めて聞きましたが、委任状、突如、委任状という言葉が出ました。この委任契約とか委任行為とか、これと先ほど局長がおっしゃられた作成権限の関係はどうなりますか。

大林政府参考人 委任と一概に言いましても、これはいろいろなケースがございます。当然、文書作成を託すといいますかそういうものから、相手に対して文書を作成していいよという同意のあるものもあろうかと思います。

 ですから、今おっしゃられる委任というのも世の中でいろいろな形の形態があろうと思いますので、今のような判断から、最終的には証拠判断をするしかない、このように考えております。

仙谷委員 通常は、代理権限が授与されたかどうか、委任がされたかどうかというのは、書面をもって区別するということでよろしいですね。そういうふうに理解しておればいいですね。お答え願います。

大林政府参考人 一般的にはそのように思いますけれども、これも先ほど申し上げたとおり、人間関係の問題でございます。

 こんな話が適切かどうかわかりませんけれども、例えば、御主人が奥さんに預金をおろしてくれと頼んで通帳を渡し、その奥さんがだんなさんの名義で預金払い戻し請求書を書く、これは通常、同意があることが前提になっています。ですから、先ほど私が申し上げたとおり、人間関係あるいは文書の性質等もろもろを考えて委任なり同意なりを考えなきゃなりませんので、委任状がなければ同意がない、逆にそういうことは必ずしも言えないのではないかと考えております。

仙谷委員 私的な法律関係でも、あるいは公的な法律関係でもいいんですが、相手方、対抗者、この人に何らかの代理や代行という格好で委任をする関係というのはどういうことになりますか。

 つまり、申請者が申請を受け付ける相手に委任をするということは、普通、法律構成としてあり得ますか、あり得ませんか。つまり、対立当事者なんですよ、法律的には、これはどういうことになりますか。

大林政府参考人 社会現象、いろいろな現象があろうかと思います。例えば、自動車を買う、相手は当然売り主になります。これは対立的な当事者であろうと思います。ただ、もろもろの手続を業者に委任することは、これは少なからずあると思います。ですから、それは社会現象、いろいろな場合がありますので、委員がおっしゃられるように、本当に対立関係があって、それはおかしいじゃないかという場合もあろうかと思いますし、それはいろいろなケースがあるんじゃないかなというふうに私は考えております。

仙谷委員 今の関係はちょっと違いますね。自動車のディーラーにその後の保険の事務を委任する場合と、そうじゃなくて、今おっしゃられたケースだと売買契約そのものを売り主も買い主も全部委任してしまう、買い主に売り主としての署名と押印を委任するというケースを私は聞いているわけですよ。そういうことはあり得ますかと聞いているんです。法律関係として成り立ちますかと言っている。つまり、もし代理人であれば双方代理を問われる、その問擬される問題を聞いているんですよ。それはあり得ていいんですか、あるいは行政上そんなことがあり得るという想定は想定できますか、どうですか。

大林政府参考人 今委員がおっしゃった双方代理の問題について、それがいいかどうかという問題については、これまたケースだろうと思います。

 それから、今の行政官庁との問題につきましても、これはケースを見ないと、先ほど申し上げたとおり私どもは犯罪の成否の問題を取り上げる役所でございまして、それはあくまでも証拠関係によるということで、私の方で一概にお答えできないということで御理解いただきたいと思います。

仙谷委員 もう一つだけ法務省に聞いておきます。

 これは最高刑が懲役五年以下ですね。今法務省が国会に出されている共謀罪の関係からいうと、これは共謀罪の適用対象の犯罪になるんでしょうか。

大林政府参考人 具体的な案件でございますし、まだ成立していませんので、私の方でこの件について成立するとかしないとか言うことはちょっと控えさせていただきたいと存じます。

仙谷委員 だけれども、そんなに遠慮しないでも、四年を超える法定刑を持つ犯罪類型については共謀罪の対象になるんでしょう。うなずいていらっしゃる。それでは、やはり共謀罪の対象になりますよ、言っておきますけれども、村瀬さんも。共謀罪というのは実行行為なくても全部犯罪になっちゃうんですよ、こうしようと。

 今からちゃんと申し上げますけれども、もし、この申請書を偽造していたという法的な評価を受けたら、あなた、何か集団的な不正行為とさっき堂々と、組織的行為と言ったけれども、これは本当は、偽造に至らないまでも、未遂とか何とかじゃなくて共謀罪のあれになる可能性がありますよ、今度法律が成立したら。共謀罪というのはそのぐらい怖いんだけれども。

 それよりも何よりも、川崎大臣、今の私と法務省刑事局長のやりとりをお聞きになって、おとといの五月二十四日ですか、我が党の内山議員の質問に答えて、やはりそれは当然法違反であろうと、つまり、申請書を勝手につくった行為は法違反であろうと、こういう、法違反という言葉を使ったのですが、どういうレベルで、何法違反のつもりでおっしゃったんですか。つまり、刑法百五十九条に該当するという意味までも含んでおっしゃったんですか、それともそうじゃないんですか。

川崎国務大臣 今、仙谷委員と大林局長の話を実は興味深く聞いておったんですけれども、正直言って、私、法律的な知恵がないものですから、たしかそのときの答弁で申し上げたんですけれども、どういう罪に当たるかよくわからない、法律的にはよくわからぬけれども、少なくとも、本人の了解なしに文書をつくり上げたとしたら何らかの法律にひっかかるだろう、こういう認識を示した、こういうふうに御理解ください。

仙谷委員 きょうお聞きいただいている皆さん方もこれで大体すっきりしたと思うんですが、もし委任状なくして他人の名義を、この申請書の一番下の欄に人の名前を書き込んだ人がおったとすれば、署名をした人がおったとすれば、これは少なくとも刑法百五十九条一項の構成要件には該当する、こういう評価を受けることは間違いないですね。これは、だれが何と言おうとそうなります。ただ、違法性を阻却する事由があるのかとか、一枚ぐらいだったから勘弁してあげようとか、そういうことで犯罪の成否というのは決まってくるんだけれども、構成要件に該当することだけは間違いないですよ。他人の権利義務関係に関する、あるいは事実証明に関する書面であることは、だれが見たって疑いないじゃないですか、こんなものは。そうでしょう。

 そうすると、作成権限があるかないか。原則として、人の名前を書いて文書をつくるという権限は、だれにもないんです。委任状があるときだけです。だから、印鑑証明書の交付申請書には代理権限授与欄というのがあるんじゃないんですか。委任欄をちゃんとつくってあるじゃないですか。でしょう。そんなことは、これはそんなに難しい法律論じゃないんですよ。当たり前の話なんですよ。常識の範囲にかかる話じゃないですか。

 人の名前を勝手に使って行政に出す書面なんかを申請したときには、形式的には、ほとんどの場合が百五十九条の構成要件該当性があるということですよ。さっき局長がおっしゃられたような親族関係があるとか友人関係があるとか、そういう場合に、実質的な代理権限が付与された関係があるかないか、あるいは、職業的な委任関係があるかないか、会社内、従業員と会社とかいう関係で、そこには当然、委任関係類似の関係がうかがわれるというようなことがあるのかないのか、こういうことじゃないですか。

 私は、この議論をずっと聞いていまして、どうしてもごまかしたいと、社会保険庁が今回のこの不正免除というものを。これは年金法の規定からいうと、あるいは施行規則の規定からいうと、示しているこの申請書が社会保険庁に届くまで、届かない限り動かないんでしょう。この一枚目を見てくださいよ。被保険者から、市区町村を通じるかどうか、あるいは直接の場合には、下のここに申請書が届いて初めて審査が始まるんでしょう。申請書なしで何かが始まるというのは、何かどこか予定されているんですか、手続の問題として。どうです、長官。

村瀬政府参考人 委員おっしゃるように、申請書が社会保険事務所へ来て、初めて免除は申請になる。それをチェックするときに、所得情報自体は市町村しかわかりませんので、市町村に確認してそこで了解をもらったものが私どもに来て、正式に免除発行になる、こういう仕組みになってございます。したがいまして、申請書がなくて諸手続をするというのは、やはり不適切な対応だろうというふうに思います。

仙谷委員 不適切とおっしゃるけれども、免除というのは強制処分と同じ質の行政処分じゃないんですか、差し押さえまで行く処分と。これは行政処分じゃないんですか、公定力を持つ、どうです。

青柳政府参考人 免除は行政処分に当たると考えております。

仙谷委員 だから、今村瀬さんが言ったことは、何か途中のことを言うけれども、そんな話じゃなくて、申請が出て初めて、行政庁として免除という公定力のある処分をするのかどうなのか、審査を始めるわけですよ。

 今回のこの問題になっているケースというのは、結局のところ、行政処分をしたときですよ、免除処分をした段階で申請書が何件あったんですか。申請書が出ていない、うその申請書も含めてですよ、うその申請書か本当の申請書か、全部どちらかあったんですか。例えば、きょうの東京新聞は七万二千人と書いてある。このうち申請書が出ていたのは何人分ですか。申請書が出ていなかったのは何人分ですか。

青柳政府参考人 申請書を全く出すことなしに手続を行ったものというのが、既に公表しております五つの事務局で、およそ五万七千六百八十六件ございました。それからそのほかに、電話で確認をした後、事務所にて申請書を代理作成したというものがございました。したがって、これは形式的には申請書はあるわけでございますが、その代理作成というのが、言ってみれば、委任なりをきちんと受けたものであるかどうかという点に若干疑義がございますので、その意味では、そういったもの合計で一万四千件ぐらいについては、場合によっては、きちんとした申請としての形式を経ていない可能性があるというふうに考えております。

仙谷委員 今のはこの七万二千人の内数ですか。七万二千人の内数。

青柳政府参考人 いずれにいたしましても、きちんとした数については、明日以降、きちんとした形で整理をしたいと思いますので、現時点で私どもが何とか把握できている数だということで御理解を賜りたいと存じます。

仙谷委員 そうすると、申請書なしに免除処分した分が極めて多いということですか。五万と言ったの。そういうことですか。

青柳政府参考人 したがいまして、申請書を出すことなしに処分を先行して、しかも、その処分をしてしまったという件数が先ほど申し上げました五事務局管内の事務所で約五万八千件ございますので、これらすべて取り消しをすべきものということで、現在作業中でございます。

仙谷委員 国民年金法施行規則七十七条の一項、二項、こういうところに申請書をもってすると書いてありますよね。こういう明文の規定を堂々と無視をして手続がなされた。つまり、読んでみますと、「法九十条一項の規定による申請は、次の各号に掲げる事項を記載した申請書を社会保険事務所長等に提出することによって行わなければならない。」提出することによって行わなければならない、行われていない、つまり申請がない。申請がないのに免除処分をしちゃった。これは何なんですか。何でこんなことが起こるんですか。

青柳政府参考人 平成十六年十月以降に各市町村から個人の所得情報というのをいただくことができるようになったものですから、その方が相当高い蓋然性をもって免除に該当するということの情報を私ども把握することができるようになった。

 そのために、本来であれば、その方々に勧奨して免除を申請するということの働きかけをして、御本人が申請書を出したものを受理した後に処理をするというのが法の予定している取り扱いでございますが、その情報があることをいわば利用して、申請書なく、御本人にそういったことについて申請を出していただくという手続を経ずして、免除の手続をしてしまったものがあったということだろうと理解しております。

仙谷委員 お答えになっていないのです。つまり、こういう事情があったからという理由を聞いているんだけれども、経過を言っただけで全然理由を言っていないじゃないですか。

 しかし、申請書のない分は偽造の問題が起こらないかもわからないから、罪が、そこは私文書偽造集団にならなくてよかったのかもわからないですよ。だけれども、偽造というか、職員が手書きした人がおるというんでしょう。手書きをした分について、印鑑はどうしたんですか。つまり、この申請書という用紙を見ると、自分で本人が必ず自署をせいと書いてあるじゃないですか。自署をしない人については印鑑を押さなきゃならないと書いてあるじゃないですか。一万五千人も印鑑はどこから持ってきたんですか。

青柳政府参考人 申請書を代理作成したという形と承知をしております。

 代理作成をした、いわば申請書があることを用いまして、みずからそれぞれの社会保険事務所で入力をして、それによって言ってみれば免除の処分というものにつなげていったということでありますので、場合によっては、全部のものをちょっと確認しておりませんが、捺印がされていなかったものもひょっとしたらあるのではないかと今の段階では推測をしております。

仙谷委員 ということは、簡単に言っちゃうと、申請手続はどちらでもいい、電話で確認できればいいんだ。もっと言えば、電話で確認したと称すれば、そういうふうに報告すれば、報告を受けた部局でコンピューターに入力する、そうしたら大事な大事な行政処分たる免除処分も行われたことになる、こんなふうにしか聞こえないじゃないですか。そういうことだったんですか。

青柳政府参考人 実際の事例については、先ほど申し上げましたようにさまざまであったかと思いますが、私ども、いずれにいたしましても、これについては国民年金法が予定している手続とは離れているものであるという認識を持っておりますので、申請を改めて出し直させていただくということが必要であろうと現時点では考えております。

仙谷委員 それは、離れているというよりも、明らかに、少なくとも川崎大臣が言われるように、国民年金法違反ですよ。そこのところはもう間違いない。あえて刑事事件に問うというふうなことを私申し上げているんじゃないですよ。つまり、国民年金が予定した国民と日本国政府との関係における年金に関する公的な契約、そのときの権利者、義務者、それは局面局面で変わるでしょう。国民だって、国民年金保険料の支払い義務者になる局面もある、年金の給付を受けるという権利者になる局面もある、免除申請という権利を行使する局面もあるんですよね。これはそういう関係でしょう。

 その関係において、一方当事者の国、社会保険庁が、相手方当事者に成りかわってというか代行して何か行為をする、法律的な効果を伴う行為をする。代行と言い、代理と言っているけれども、そもそもそんなことができるのか。行政法の法律関係において、対立当事者にある人が相手の立場に立って、自分がその法律的な意味のある行為を受け取る相手側の立場も重ねて成り立って行為を行って自分がそれを受ける、そんなことは、常識的に考えても法律論で考えても、これは無理なんじゃないですか。幾らお手軽にいこうとしても、それは無理だ。こんな便宜的なことが行われるはずがないと思います。そういうことに気がつきませんでしたか。

 おとといから、代行とか代理とかあるいは不適切何とかという話を聞くんだけれども、これはそんな話じゃないんですよ。私に言わせれば、明らかに刑法上は私文書偽造に該当する。罪一等減じられるというか情状のゆえをもって、個人的には被疑者、被告人にならなくて済む場合が相当あるとは思うけれども、集団としては、まさに集団的に、さっき組織的とおっしゃったけれども、刑法百五十九条の犯罪行為を犯していると言っても過言でないと私は思うんですね。

 私がここまで言っても、永田君のようにはならない。自信があります。どうですか。長官、本当にここは率直にお認めになった方がいいと思いますよ。

 そして、治癒されるとか、行政行為が後で治癒される、行政処分をやった後に治癒されるなんという法理論がどこにあるんですか。民事の行為だったら、代理権限を証する書面を後で追完したら、委任行為が無権代理が有権代理になるということはあっても、あり得るはずないじゃないですか、行政処分をした後にそんなもの、書類を追完したって。

 これはもう一つだけ聞いておきたいのは、免除という行政処分をする主体はだれですか。厚生労働大臣ですか、それとも社保庁の長官ですか。

青柳政府参考人 法律的には現場の事務所長までおりております。

仙谷委員 法律的には現場の事務所長におりている。権限がおりている、どこにそういうことが書いてあるんですか。(発言する者あり)

岸田委員長 どうでしょう。時間がかかりますか。(発言する者あり)

 青柳運営部長。

青柳政府参考人 大変申しわけありません。

 まず、法律上は、国民年金法の第九十条において社会保険庁長官の権限とされ、この権限を国民年金法施行規則の第七十七条によりまして社会保険事務所長に提出することによって行うとされているところでございます。

仙谷委員 どこか、その免除処分を社会保険事務所長ができるという規定があるんですか。ないけれども、そんなことは当然読み方でできるということになっておるんですか、これは。ちょっと私、わからないから聞くんだけれども。(発言する者あり)

岸田委員長 では、一たん速記をとめてください。

    〔速記中止〕

岸田委員長 速記を起こしてください。

 青柳運営部長。

青柳政府参考人 国民年金法の施行令の第二条に権限の委任規定が包括的に規定されております。その中で、社会保険庁の長官の権限、先ほど申し上げました法律第九十条の権限につきましては、「地方社会保険事務局長に委任する。」と。でありまして、さらに、「前項各号に掲げる権限であつて社会保険事務所の管轄区域に係るものは、当該社会保険事務所長に委任する。」というのが第二条の第二項にございますので、最終的には、この国民年金法施行令第二条の第二項によりまして、社会保険事務所長に委任されておるところでございます。

 申しわけございません。

仙谷委員 では、この問題はちょっとおいておきまして、別の観点から質問します。

 結局、村瀬長官、これは、じっと心静かに考えると、不適切処理というふうなレベルでお考えに、この間ずっと言ってきたけれども、そういう問題なのか、明らかに違法なことがこの免除をめぐって行われたということなのか。やはりこの違法性を、大臣が言うような観点も含めて違法性をお認めにならざるを得ないんじゃないですか。つまり、刑法との関係、国民年金法との関係で、違法性をお認めにならざるを得ないんじゃないですか。いかがですか。

村瀬政府参考人 まず、申請を前提でございますので、申請がないまま手続をとったということでいえば、国民年金法の規定に違反をしているということでございます。その中で、形態が、現段階でつかんでいるのが三点ございます。

 一つは、御本人から免除申請がなくて、職権的な関係で免除を差し上げた、こういう部分がございます。この部分につきましては、明らかに申請書なしでやってございます。

 それから二点目に、代行して代筆をした、こういう部分がございます。これは、申請書はございます。ただし、この申請書は、御本人から委任を受けたという部分の確かなものがございません。確かなものが場合によってはあるかもわかりません。この部分について、御本人の委任をなしでやったということになれば、これもおかしいと思います。

 それから三点目に、手続上は、先に申請書を仮に書きましたけれども、御本人からちゃんと、遅まきながら申請書をきちっとおとりした、補足したという部分でございます。この部分は、事前申請ではありませんけれども、事後申請という観点からいえば一応申請書はあるということで、情状酌量の部分はあるのではなかろうかと思います。

仙谷委員 だから、結局、あなたがおっしゃったことは、一番初めのは、法律上規定をされていない職権免除類似のことをやってしまった。権限踰越とか、権限がないのに行政が行政処分をやってしまった。これは大変なことですよね、国民の権利義務にかかわることについて。

 それから二番目のは、これは甚だ刑法上の私文書偽造、同行使。限りなく近いというよりも、私に言わせれば、明らかに、明々白々、犯罪として真っ黒だ。構成要件該当性は少なくともある。

 それで、三つ目の部分は、これは行政処分として、免除処分をやったときには全然法の予定する手続がとられていないのに、やってしまったと。これも治癒されるような話ではない。

 代行とか代理とかという話は、もちろん委任状の問題はありますけれども、委任状を受ける相手は、行政庁の中の人間が、何で民間人の委任状を受けて行政行為ができるんですか。そんなこと、あなた、でたらめなこと言っちゃだめですよ。

 いずれにしても、むちゃくちゃなのよ、これは。(発言する者あり)ええ。全部、ちょっと考えてみれば、むちゃくちゃなんですよ、これは。

 私は、この責任は極めて大きいと思います。これはコンプライアンス違反とか、そんなええ格好するような話ではないんじゃないか。これはもう、何か突如違法集団が出現したみたいな話でありますから、これは大変まずいというよりも、やはり責任者としては腹をくくって、あなたの在任中に起こったことですから、これは責任をとってもらわなければならない。少なくとも結果責任をおとりになるべきだと思いますが、いかがですか。

村瀬政府参考人 先ほどから申し上げますが、まず、私がやらなければならぬことは、遅まきながら、やはり申請書なしで免除をしたという部分について、これを御本人にしっかりお教えして、この部分について、申請書をとらせていただいて的確な免除ができる。遅まきながら、これをやる必要があるんだろうと思います。

 それと同時に、現状、さまざまな県で行っているものを一度明らかにした上で、その実態を明らかにするとともに対策をしっかり講じる。これをまずやってから考えたいというふうに思います。

仙谷委員 いや、これはちょっと看過できない事態だと思うんですね。

 コンプライアンスとかなんとかおっしゃるので、その観点からもちょっと議論しておきますが、これは資料で3、三枚目、「納付率向上に向けた戦略」、こう書いてあります。「高所得層 中間層 低所得層」と書いてあります。これは中間層と低所得層を分ける基準というのは何ですか。所得基準か何か置いてあるんですか。

青柳政府参考人 この表の上では低所得層というふうに包括的に書いてございますが、具体的には免除あるいは猶予を受ける方ということになりますので、それぞれの例えば家族の規模でありますとかに応じまして、その所得金額幾ら以下の方が対象になるという整理をしておるところでございます。

仙谷委員 決めるのはだれですか。判定者、認定者。

青柳政府参考人 これは市町村からいただきます前年度所得、これを基準にいたしまして、法令に当てはめましてこれを決定するということになっております。

仙谷委員 主語を聞いているんです、主語、主体を。だれが決めるんですか。

青柳政府参考人 免除、猶予の行政処分を行う主体ということでございますので、先ほど申し上げましたように、法律上は長官、そして、この権限が委任されて各社会保険事務所長が行っております。

仙谷委員 気がついてみたら、ある日から私が低所得層に入っていた、勝手に社会保険庁が決める、こういうことですか。

青柳政府参考人 免除あるいは猶予の制度は、先ほど来お答えを申し上げておりますように、申請によって行うわけでございますので、もちろん、それを希望されない方はこの制度を御利用されなくても結構だという形になっております。

仙谷委員 低所得層のところは納付督励の実施とか一切書いていないじゃないですか。全部、免除の対象、「免除などの周知・勧奨」じゃないですか。おまえたちはこの国民年金制度からは出ていけ、これはこういうやり方じゃないですか。あなた方は低所得層だ、だから免除などを周知してやる、勧奨するぞ、何でこういうスタイルになっているんですか。

青柳政府参考人 最初から免除と決めつけて何かするのかというお尋ねであるとすれば、これはあくまでも、勧奨をする際に御本人の御意思を確認いたしまして、例えば免除基準に該当する所得であるけれども自分は払いたいという方については納付書をお送りいたしますし、自分はもし免除基準に該当するのであればぜひこの制度を利用したいという方には、免除制度の申請をしていただくという形でございます。

仙谷委員 いろいろおっしゃるけれども、納付率向上のための戦略としては、低所得層に納付督励をしたりいろいろするのはもう面倒くさい、納付率向上に向けた戦略だから。納付率を上げるためには、どんどんどんどん分母からこういう人がいなくなってほしい、これはそういう戦略じゃないですか、そうじゃないの。

 だから、次の四枚目、アクションプログラム策定手順書の送付について、ここから始まるアクションプログラム策定手順書、全部見てください。

 六枚目、「低所得者層」、これは低所得者層は「免除制度等の周知・改善」しか書いていない。

 次に、例の分母対策、ちゃんと七枚目の括弧の中に注記してあるじゃないですか。「(留意事項) 納付対象月数の削減対策(分母対策)に係る納付率換算値の目標について、目標」、次が何とも言えないですね、「獲得者数も含め、」あなた方が獲得するんですよ。「既に事務局で具体的な目標値を設定し、これを事務所別に展開して取り組んでいるところもあるが、未設定の事務局は今回、責任を持って精査のうえ策定し、事務所展開して取り組むこと。」になっているじゃないですか。削減対策の対象を獲得目標をつくって獲得するというんだから、いや、まことに恐るべき感覚だと私は思うんですよ。

 八枚目、ステップ二のところを見てくださいよ。同じ「目標獲得者数を設定(分母対策のベース部分)し、既獲得者数、未獲得者数等を把握する。(様式3)」と書いてある。

 次の九枚目、「納付対象月数の削減対策(分母対策)」「十七年度目標納付率を達成するための重点対策の一つが納付対象月対策(学特・申請免除・若年猶予)であり、」と書いてあるじゃないですか。

 つまり、分母対策というのは明らかに、納付率をよくするために分母を小さくするということでしょう。そのために低所得層はもう免除の対象にしよう、そのための獲得目標を決めて運動をしよう、これはこういうことじゃないですか。そういうノルマを事務所ごとにつくって、みずから設定して頑張れ、これはこういう話でしょう。そうじゃないんですか。

青柳政府参考人 この対策の前提は、まず、未納である方々についてどのような取り扱いをしていくかということが前提でございます。

 したがいまして、仮に、所得が所得基準に該当し免除を受けることができるような方々であっても、何らかの形で納付ができるという方に対して、例えばこの免除対策を講じようというものではございません。したがいまして、未納である方の中で低所得の方については、その方々は放置をいたしますと年金受給権を喪失するということにもなりかねませんので、こういう形で対策を講じさせていただいている。未納であるというところが入り口であることをぜひ御理解賜りたいと存じます。

仙谷委員 小泉流に言うと余計なお世話じゃないですか、そんなことは。自己責任の原則でいけば、払ってくださいという働きかけをあなた方がしてでも、年金の受給権を失うから勝手に免除処分をしてやろうとか、免除を勧奨してやろうなんて勝手なお世話じゃないですか、そんなことは。そこは、制度自身がおかしいんですよ。あなた方が分母対策とか削減対策とか、そんなことをやるような話じゃないんだよ、これは。

 つまり、三分の一だけは将来あげるから、ちゃんと手続しておいてあげるねという話でしょう、これは。三分の一、今の金額でいえば二万二千円だ。そうでしょう、あなた方が言っている年金受給権を失うとかなんとかいうのは。だとすれば、そんな額でいいのか、あるいは、基礎年金というのは考え方がどうなのかということを制度設計として考えなければ、年金の問題というのは解決しないんですよ。あなた方が小手先で、そういうことをおためごかしに恩着せがましく言う話じゃないの。私はそう思いますね、そこは。

 問題は、納付率を上げるということの意味は、一番に収納額を上げるんでしょうが。空洞化をどうやって充実させるかという話でしょう。納付率だけ上がって収納額が減ったらどうするんですか、これは。何のために汗をかいているんですか、一線の職員の皆さん方が。納付率は上がりますよ、どんどんどんどん。日本国民の三分の一ぐらいを全部を外しちゃったらどうですか、納付率上がりますよ。

 現に今、人間の数でいえば、国民年金の対象の人で納付していない人というのは大体の数でどのぐらいおるんですか。

青柳政府参考人 平成十六年度末の数字でお答えを申し上げますと、国民年金の納付対象、いわゆる一号被保険者というのは二千二百十七万人となっております。これに対しまして、二年間以上保険料を払わない、いわゆる未納者、これが四百二十四万人、それから未加入という方々が三十六万人、こういう数になっております。合わせまして四百六十万人でございます。

仙谷委員 私が持っておる資料、多分同じ資料があると思うんですが、平成十七年国民年金被保険者実態調査速報、年齢階級別保険料納付状況(平成十六年度末)。調査対象者、千九百八十四万五千人。いいですか、千九百八十四万五千人のうち、納付者は千百三十五万一千人、完納者が九百二十八万八千人じゃないですか。つまり、完納者は調査対象者のうち半分弱じゃないですか。一号期間滞納者が四百九十五万七千人、申請全額免除者が百八十一万一千人、学生納付特例者が百七十二万六千人じゃないですか。つまり、あなた方は、そうやっていつも納付率がどうだとか未納付者がこうだとか数字を言うけれども、納付された額とかちゃんと納付している人の数から物事を考えないとどうにもならぬじゃないかと私は思いますよ。こういうことでしょう。

 こういう事実を前提にして、つまり、調べた一千九百八十四万五千人のうち、納付者が一千百三十五万一千人、この数を前提にして、納付率を上げるという目標値を掲げて、ノルマをかけてやったときに、何が起こってくるか。みやすい道理じゃないですか。さっき損保ジャパンの例も出ていましたけれども、単に民間手法を持ち込んでグランプリだ何だ。生命保険の会社でも損保会社でも行ってごらんよ。行ったことあるでしょう。全部グラフ書いてあるじゃないですか。何等賞と書いてあるじゃないですか。毎日毎日ノルマで、何件契約数を伸ばしたか、契約高を伸ばしたか、解約率がこの人についてはこれだけ少ないとか多いとか、解約者の数が何人だったかとやっていますよ。民間だから許されるんでしょう。

 この中で、あめとむちで、むちでしばいてあめを垂らして、それだけでできるか。さっき長妻さんがおっしゃった板橋の例というのは、兆候が出てくるんですよ、ノルマをかけると。個人的にオーバーランする人が出てくるんですよ。次は集団がそうなるんですよ。

 村瀬さん、長官、副社長までやられたんでしょう。僕とほとんど世代は同じですよね。この間のバブル崩壊後、我々世代が、個人的には優秀で有能で人柄がよくて、いい人が随分お縄つきになりましたよね、会社のために、組織のために。これが日本の最大の問題なんですよ。許されると思ってしまうんですよ。今回だって、私文書偽造事件に手を染めるんですよ。許されると思ってしまうんですよ。

 これが日本の組織のコンプライアンスの大問題なんですよ。そのことが事前に予測されないで、予測しないで、この十数年の経験を生かした企業マネジメントというのはあり得ないんですよ、組織マネジメントというのはあり得ないと僕は思いますよ。いかがですか。

村瀬政府参考人 私自身は、先ほどお話がありましたように、二年前まで民間で仕事をしてまいりました。そういう中で、民間がいい部分、それから国家公務員がいい部分、当然両方あるんだろうと私は思います。

 その中で、では、今までの公務員のやり方でいいのかどうか。これは決していいのではなかろう、やはり変えるべきではなかろうかと。その変え方をどうするかということで、私自身が考えましたのは、一つは、仕事のやり方を変えてもらいたいということで、業務改革プログラムであるとか緊急対応プログラムということで、どちらかといいますと国民の皆さんの視点に立った仕事をするような仕組みをつくりたい。

 それからもう一点は、社員の意識の中身を変えたいということで、昨年の十月から人事評価制度ということで、目標管理シート、目標設定シートと言っていますけれども、具体的に上司が部下に対して何をしてもらいたいのか、部下は自分からどういうことをしたいのか、それと上司と部下のコミュニケーションをしっかりつくっていく、これをやらない限り、やはり組織の一体化はできないんだろう。特に、社会保険庁の場合には、前にもお話ししましたように、三層構造という大きな問題を抱えております。したがって、その部分を着実にやっていけば変わるんだろうということで私自身は取り組んできたつもりでございます。

 今回、先生がおっしゃったように、残念な結果が起こったということは、私のマネジメントの仕方がまずかったのか、それとも急ぎ過ぎたのか、ここはよく検証しなければならないというふうに思っております。

仙谷委員 時間が参りましたのでひとまずおきますが、要するに、収納額を上昇させる、そういう目標を掲げて一気通貫の集団をつくるというのであれば、僕はわかるんですよ。納付率というある種のごまかしのきく、外向けには納付率が上がったということでごまかしがきく、しかし、空洞化は進む、そういうことになりかねない公的な制度なのだということを前提にしてやらないと、こういう大問題が起こってくるんですよ。

 私は、明らかに、単純な民間手法とか、わけのわからない遵法精神みたいなことを言っておるけれども、本物のコンプライアンスというのはないと思いますよ。だからこんな大失態、大事件が発生したんだと思いますよ。望むらくは、トップ以下、謙虚にこの事態を反省していただいて、トカゲのしっぽ切りに終わらせることだけはしないようにしてください。

 私は、こういう事態になったら、我々世代が組織からすぐ切り取らされて、逮捕されて、もう後は本当に大変なことになっているのを随分見てきました、組織のために。こんなばかばかしいことを繰り返してはならないんですよ。これはトップマネジメントが、あるいは長官だけじゃないんだけれども、しっかりしない限り、大変悲惨なことになります。

 どうぞ、この問題は非常に重大で、私が先ほど申し上げたように、何せ法違反が中核にある事態を起こしてしまった、このことをよく拳々服膺して事に当たってもらいたいと思います。

 これからも、まだこの問題についての審議を続けなければいけないと思いますけれども、いろいろな角度から議論をしてみたいと思います。終わります。

岸田委員長 次に、糸川正晃君。

糸川委員 国民新党の糸川正晃でございます。

 私も、法案の内容に入る前に、まず、今般明らかとなった国民年金保険料の免除手続の問題にやはり触れざるを得ないだろうというふうに思います。

 国民年金保険料の不正免除問題が五月雨式に全国各地に広がってどんどん明らかになっていくということは、まことに遺憾なことでございます。私としましては、早期に本件の全容を国民にぜひ明らかにしていただいて、私たちも明らかにするということが重要であって、また、本件のような事案の発生を踏まえると、年金制度に対する国民の不信感を解消するために、社会保険庁の抜本的な改革、こういうものが必要なのではないかなというふうに考えておるわけでございます。

 まず、今回の問題につきまして、厚生労働大臣として、なぜこのような事案が発生したのか、また、今日に至るまでこの問題についてどのような対応をされてきたのか、お聞かせいただけますでしょうか。

川崎国務大臣 きょう朝からの審議でも申し上げましたように、二年前の年金法の審議を通じまして、社会保険庁の問題が世の中に大きく出てまいりました。相次ぐ不祥事が続き、国民の中からも、また国会の中からも、この組織は解体的出直しをしなきゃならぬ、手直しではとても直らない、こんな御判断、声をいただいたところでございます。

 そういった中で、私ども、今回法律を出させていただいて新しい組織に変えなきゃならない、今までのいろいろなものを抜本的に変えていかなきゃならぬ、こんな思いで今回の法案を提出させていただきました。

 一方で、国民年金、徴収する仕事、また給付を受ける、そうした業務は、そうはいうものの続いているわけですから、民間から村瀬長官に来ていただいて、できるだけいい組織に進めてください、そして、法律が通った後速やかに移行できるように、しっかり職員の気持ち、国民サービスという気持ち、遵法精神というものをしっかり養ってほしい、こうしてお願いを申し上げながら、数々の問題に取り組んでまいりました。

 昨年の八月ごろからでしょうか、市町村から所得の情報をいただけるようになってきた。したがって、これはあの三百五十万の確定申告をしている人たちの情報でございますけれども、その中で、所得が低い人たちに免除という手続もある、そこはしっかりPRしなさいということで取り組んできたわけですけれども、彼らの理屈によれば、電話をかけてもなかなかつかまらない。正直、二十代、三十代の若い人たちですからつかまらない。したがって、よかれと思ってこのようなことをしたというわけでありますけれども、いずれにせよ、本人の了解なしに、このような法律にまさに反した行為を行ってしまった。それが出ましたのが京都の問題。

 京都の問題が発覚しましたのは、私どものコンピューターに反応いたしまして異常値が出ている。したがって、三月段階で京都の問題の整理に入ったところでございます。

 同時に、各県にそのような状況がないかと再三問い合わせをいたしたわけでありますけれども、大阪等はないという返事の中で、五月に今日に至った。大阪等が出ました後また次の問題も出てきたということで、要は、各現場というものがしっかりこうした状況を報告してこない、それは隠ぺいしているのか調べていないのかどちらか。こんな状況が起きてまいりまして、先ほどから申し上げておりますとおり、全局長集めて一から調査をやり直さなきゃならぬ、こういった思いの中で取り組ませていただいているところでございます。

 きのうの行革でも御答弁申し上げましたけれども、でき得れば私は人を信用したい、各県のトップ、各所長を信用したいけれども、今日に至ればだれも信用するわけにはいかぬ。一つ一つの事実を積み上げながら全体を解明して、国民の皆さん方におわびを申し上げると同時に、対処方針を考えていかなきゃならない、このように思っております。

    〔委員長退席、北川委員長代理着席〕

糸川委員 今、大臣、かなり熱く語られて、大臣が全容を明らかにするとおっしゃられたわけですから、先ほどから局長や運営部長の発言を聞いていると、なかなか、耐えているようにしか聞こえない、明らかにしようという姿勢よりは耐えようとしている、この場を何とか耐えようと。そこを、何とか明らかにしていただきたいな、前向きな方で取り組んでいただきたいなと思います。

 今回の事件が全国各地で明らかになったということを踏まえれば、これは組織的なものと言わざるを得ないのかなというふうに考えるわけですが、この点に関して、社会保険庁の見解をお聞かせいただけますでしょうか。

青柳政府参考人 今回のものが組織的な問題ではないかということについての見解のお求めがございました。

 詳細につきましては各事案で違いはございますけれども、いずれの件も個人で行ったものではなく、少なくとも現場の実施責任者である社会保険事務所長がかかわって行われたものと承知をしており、不適切な処理を行った社会保険事務所長やその指導監督を行うべき社会保険事務局の責任は重いものと認識をしております。

 改めて、法令に適合した事務処理の徹底を図るとともに、本件のような事案の再発防止、厳正な処分に向けた事実関係の検証を行うこと、さらに、信賞必罰の人事を断行することが必要というふうに考えております。

 なお、三重事務局の事例など、新たに判明した事案につきましては、急ぎ全容を解明いたしまして、必要な処分等についても厳正に対処してまいりたいと考えております。

糸川委員 何か、すごくいい答弁なのか、ぜひ全容を解明していただければということをお願いしたいなと思います。

 一昨日ですか、私が質問したときにも、職員の意識の向上という話をしたわけですから、またそこで質問させていただきたいんですが、今回の問題については、早急に詳細な全国調査を実施して、関係者は厳正に処分をする、そういうことだと思うんですけれども、再発防止を徹底すると先ほど大臣もおっしゃられたように、そうすると、職員のコンプライアンス意識というものの向上を図る、こういうことが重要になるわけですから、ここに対していかがお考えか、お答えいただけますでしょうか。

青柳政府参考人 どのように職員のコンプライアンス意識の向上等を図る考えであるかというお尋ねでございました。

 いずれにいたしましても、現在の事案についてきちんとこれを明らかにしていくということを、先ほど来、大臣、長官からも繰り返し申し上げておりますが、去る二十四日に全国の社会保険事務局長に対し再調査を指示いたしまして、明日、全国の社会保険事務局長会議を開きましてその結果を集約しまして、検証を行うということとともに、あわせ法令の遵守意識の徹底を図るということを予定しております。

 いずれにいたしましても、法令にのっとって事務を進めるということは、長官からも繰り返し申し上げておりますように、私どもの仕事の上では当然のことでございます。コンプライアンス意識の徹底、あるいは厳正な処分を講じるといったようなことを通じまして、再発防止と信頼回復に全力で臨んでまいりたいと考えております。

糸川委員 大臣、今回の問題を踏まえて、社会保険庁については、国民の信頼の回復、こういうことを図るためには抜本的な改革が不可欠なわけでございます。それは私も改めてきょうまた実感したわけでございますが、今回の法案は、今回の事案の問題点に対してどのように対応されているのか、大臣の御見解をお聞かせいただけますでしょうか。

川崎国務大臣 一つは、二年前にあれだけの議論、おしかりをいただきながら、組織形態としてはそのまま変わっていない。すなわち、県単位組織というものが維持されてきている。そして、先ほど申し上げたように、そこに各所長がおるわけですけれども、所長はそれこそ自分の県から出ていったことがない、こうした人事体制になっております。それをやはり基本的には変えていかなきゃならぬ。

 したがって、今回の法案の中にありますのは、都道府県ごとの社会保険事務局を廃止します。ブロック単位の地方年金局に再編をする。そして、その中において、やはり人事異動をしながらガバナンスをしっかり強化していくというのが第一でございます。

 一方で、二年前の議論の中で、当然、一つは社会保険庁全体の問題がある、もう一つはチェック機能がしっかりしていない、こういう御批判がございまして、一つは年金運営会議というものをつくる、もう一つは特別監査官という制度をつくって、外部の専門家によるチェックというものを行っていく。この両面、地方組織を変え、そして本社組織もしっかり変えていくことによって新しい展望を開きたい。

 また一方で、職員の人でありますけれども、これから漫然と新しい組織には移れませんよ、これまでの組織体質の一掃を図るため、職員の新組織への移行に当たっては、一人一人を吟味する必要があり、勤務成績等を公正に評価の上、新組織に移行させることが適当と認められた職員については個別に転任手続を行う、このようなことをさせていただく予定になっております。

糸川委員 今大臣がおっしゃられたように、今回の問題の背景を考えれば、都道府県、こういう域を越えた人事異動というものは必要であって、地方組織のあり方を抜本的に改革する、さらにその後に職員の意識を変革する、こういうことが必要であるというふうに考えますが、これについてはいかがでしょうか。

小林政府参考人 今回の事案を考えますと、その原因の一つが、現場の社会保険事務所を指導監督すべき立場にございます社会保険事務局、そこがその機能を十分に果たしていなかった、逆に誤った指導を行っていたというような点が見られたということがあろうと考えております。

 このため、平成二十年の十月を目指しましてのねんきん事業機構の設置にあわせまして、都道府県ごとに設置されておりました社会保険事務局を廃止いたしまして、ブロック単位の地方年金局に再編成していく。

 あわせてといいますか、こういう動きに先行して、都道府県域を越えた人事異動の大幅な拡充というようなことも取り組んでいきたいというふうに考えております。

 これらの措置につきましては、第一線機関というところに対しまして直接指導監督を行う機関の集約化ということによりまして、本庁からの指示が的確に現場に伝達されるように、それによって実行される体制が整備され、組織のガバナンスが強化される、これを目指したものでございます。

 これまでの都道府県単位での地域閉鎖的と言われております組織体質を一掃いたしまして、職員の業務に対する意識の変革につなげてまいりたいというふうに考えております。

糸川委員 私の持ち時間も少ないので、最後に大臣にお尋ねしたいんですけれども、ねんきん事業機構においては年金運営会議や特別監査官といった外部専門家というものを登用する、新たなチェック機能を設けることとされているわけですね。

 組織上の手当てだけでなくて、これまでの組織体質を断ち切るために、職員一人一人の意欲を高めるための取り組み、こういうことの徹底が必要であるというふうに考えますが、大臣はどのようにお考えなのか、これを聞いて終わりますので。

川崎国務大臣 基本的には、やる気のある職員がねんきん事業機構に移ってしっかりした仕事をしてもらっていかなければならない。そして、一昨年から、村瀬さんに回ってもらいながら、地域で若い人たちの意見も聞きながら今日までやってきた。そういう意味では、それなりの下地はできてきたんだろうけれども、今回ははっきり言って中間管理職、ここに大きな問題があったということでございますので、先ほど言いました人事異動というのをしっかりやらなきゃならぬ。しかし一方で、働く若い者の気持ちというものもしっかり酌み上げてやらなきゃならないだろう。

 そういう意味では、勤務成績等を公正に評価するシステムをしっかりつくり上げていくということが一番大事だろう、こう思っております。

糸川委員 今、やる気のある職員ですとか、本来は中間管理職がしっかりとしていなきゃいけなかったのに、その中間管理職が問題があったと。私は、こういう体質では、今のままでは新しいねんきん事業機構に移るというのはちょっと問題がある。ですから、しっかりとこの全貌を明らかにして、運営部長も局長も、耐えるだけでなくて、ぜひ積極的に自分たちの問題はここにあったというのを開示していただいて、それで新しい体制に移れるのだったら、そういう方向に持っていけるようにしっかりと取り組んでいただきたいなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

 終わります。

北川委員長代理 次に、高橋千鶴子君。

高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 きょうは、最初に大臣に一つお願いがございます。別に通告はしておりませんが、とても簡単なことですので、ぜひお願いしたいと思います。

 今度のことで不正免除という言葉が新聞各紙に躍っております。そのことで胸を痛めている国民がいらっしゃいます。自分自身が責められているような、そういう気持ちになっているのではないか。

 いつもインターネットで私の国会中継を見て応援してくれている青年がいるんですが、その青年が、先日も、見たよというメールを下さいまして、実はこの方は精神障害で手帳を持っております。仕事に何度も挑戦してなかなか続かない、そういう中で自立と社会参加を目指して頑張っているわけですが、自分も年金保険料を免除されているので罪悪感を感じた、そういう感想を送ってきました。私は非常にびっくりして、また、自分たちの言い方にそういう誤解を生むようなことがあったのかもしれないと思って、あなたは悪くありませんということでお返事を送りました。

 私は、免除を受けている国民に対し、これは当然の権利であって、皆さんが責められるものではない、このことを大臣の言葉でおっしゃっていただきたいなと思うんです。このことをぜひお願いいたします。

川崎国務大臣 そうした面でもしとらえられるとしたら、今度の不祥事を起こしたこと自体もまことに申しわけない。二重の申しわけないという気持ちでいっぱいでございます。

 当然、低所得者の皆さん方、また若い方々へしっかりとしたバックアップをしていかなければならない。学生時代は当然猶予がされる、そして働き出したら十年さかのぼって払うこともできる、こういう制度であります。そういう意味では、一方で障害者の年金問題がございました。やはり自分の将来、いつ事故が起きるかもわからない、したがって、権利だけはしっかり確立しておいてください。そして、その状況によって、例えば今回、四分の三、二分の一、また四分の一という条項もございます。状況に従ってお払い得るものだけをお払いいただく。

 そして、四十年間という長い道のりでございますから、それぞれの変化の中で、ある意味ではお互いさま、私も選挙で落選したことがありますから一年間収入がなかった時代があります、そんなことを考えたら、やはりお互いの助け合いが年金制度であるという形で、どうぞ、そういう意味では国民の権利として行使をしていただきたいし、私どももそれに対して丁寧な説明を繰り返していきたい、このように思います。

高橋委員 ありがとうございます。

 今回の事案に対する責任についても触れていただいて、本当に国民の皆さんも受けとめてくれたのかなというふうに思っております。

 そこで、今度の法案は、ねんきん機構という組織の問題と、また収納対策を柱にした運営対策、運営のあり方という二本柱になっておりますけれども、先ほど来ちょっと話題になっております所得の区分の問題ですね、これもまた一つ大きな心配がございますので確認をさせていただきたいと思っております。

 高所得層、中間層、低所得層の三つの所得に分けて、これは、先ほど来お話があるように、市町村からの所得情報が得られることになった、そのことによってこうした区分をするんだというお話であります。

 長官は前に、いろいろなところでおっしゃっていると思うんですけれども、例えば私は岐阜新聞で見たことがございますが、低所得層と言わないで免除対象者という呼び方をしていらっしゃいます。また、先ほどの青柳部長の表現も、低所得層ではあるけれども免除の資格がある者というんでしょうか、そういう認識だったかと思うんですね。

 私は、所得でいうといわゆる免除の資格がある者、そういう方たちが、もちろん、先ほど来あるように、知らないうちに、自分の意思とは、確認がないうちに申請事務がされたということは、あってはならないことですから、自分の意思で納付をされるということは当然であるけれども、同時に免除の資格があるということを知らせていくのは結構なことだと思っているんです。

 ですから、そういう方たちに対しては、よもや今度の法案の中にある国保の短期証、短期保険証というものは発行の対象にはならないということをまず確認させていただいてよろしいでしょうか。

青柳政府参考人 ただいまのお尋ねの場合には、免除該当の所得の方が、そういう所得であるにもかかわらず免除制度を活用せずに保険料が結果として未納になった状態である、その状態のままで国民健康保険の短期証を発行する、今回の改正法案の対象になるというケースがあるのかというふうに私は理解をいたしました。

 まず、この場合には、その方が国民健康保険の保険料を払って、さらに残った所得の範囲の中で国民年金の保険料を未納になるという状態であったときに、これも結局、本来であれば免除制度を利用していただいて、未納ではなく免除という形にしていただければ、当然のことながら短期証の発行対象にはならないわけでありますが、この免除制度というのを活用せずに未納のままでいるという場合には、場合によっては短期証の発行対象になり得ると思います。

 そこで、短期証はあくまでも三カ月程度、これは市町村によって違うわけでありますが、その期間ごとに市町村の窓口に来ていただくわけでありまして、市町村との接触の度合いがそれだけふえるわけでありますから、その接触の中で、あなたは、あなたの所得であれば免除が利用できるのであるから、利用してはいかがかということをお勧めして、免除を最終的には利用していただいて、無事、国民健康保険の方も支障がないような利用の仕方になるというのが最もハッピーな形ではないかと考えております。

高橋委員 最もハッピーなと今最後におっしゃいましたけれども、そこに行く前に地獄があるなと私は率直に言って思いました。

 医療保険と年金とは全く別建ての制度であります。それを制裁の手段に使うということは、あってはならないんです。勝手に免除申請をすることはあっても、短期保険証を制裁として使うということもあると。それでは余りにもひどいではありませんか。命にかかわる問題になぜそこまで踏み込むのか。少なくとも免除の対象になるような方たちにはこれは発動しない、発動しないための最大の努力をする、このようにおっしゃっていただきたい。お願いします。

青柳政府参考人 本来、このような制度を今回法改正ということでお願いしていることの趣旨は、長期の未納者であって所得の高いような方が念頭にございます。この方々については、その意味では、国民健康保険にせよ、国民年金にせよ、保険料を払えないという状態にはない、にもかかわらず払わないという状態である場合に、市町村がこの方々に対しての接触の機会をふやす、すなわち短期証を更新するたびごとに接触をする、その接触の中で納付の勧奨を進めていくということを念頭に置いたものでございます。

 したがいまして、繰り返しになりますが、いわゆる低所得の方につきましては、その方々が、言ってみれば免除制度を、年金制度の場合には全額免除というのもあるわけでございますから、これをうまく活用していただいて、この方々はこういった形での御不便をおかけしないようにするというふうにしてまいりたいと考えておる次第でございます。

高橋委員 ですから、最初にやはり念頭には置いていないとおっしゃってくださればよかったと思うんです。私はこのことは通告の段階で確認をいたしました。この低所得層は短期保険証を出す対象ではありませんねということを確認して、それをここでおっしゃっていただきたかったんです。念頭にないとおっしゃいましたから、それこそまた要らない不安を国民に与えないように最大の努力をするということで確認をさせていただきます。

 そこで、では、高所得層というのはどんな人なのか。確かに一千万、二千万、さらに億単位の方、いらっしゃいます。そういう方たちでも未納の方、いらっしゃいます。一万数千円払って何がしの、五万、六万の年金をもらってもほとんど意味がないと思っているかもしれません。そういう方に対しては、もっと別な、例えば口座振替の徹底ですとか、いろいろな方法があるかと思うんです。

 ただ問題は、そういう方たちと、そうではない、頑張っても払うのが困難な人たちもそれにひっくるめられては困るという心配なんです。そこに制裁が来ては困るということなんです。

 そこで、まず確認をします。高所得層と中間層の境目は幾らですか。

青柳政府参考人 これはある意味では概念的な整理でございますので、具体的に線を引くということになりますと、例えば地域による物価等の違いみたいなものをどう考慮するかということで、ある地域では高所得層に十分該当するような所得の方でも、別の地域においては必ずしもそうでないというようなことがあろうかと存じます。

 その意味では、私どもは、基本的な概念としては、最終的に強制徴収まで念頭に置けば、比較的未納期間が長く、かつ所得の高い方というものを強制徴収の対象に順次していくということで取り組んでおりますので、この強制徴収の対象が、平成十八年度は全国で三十五万人程度を考えておりますが、最終的には年間で六十万人程度にこれを拡大するということを念頭に置いております。

 あくまでもこれは、その場合であっても、平均的な水準以上の所得を有する世帯というものが念頭にあるというふうに御理解をいただきたいと存じます。

高橋委員 こんなにアバウトな境目で、結局今、はっきりわかりませんでした。そのことによって強制徴収されるかもしれないと。まさに天国と地獄の話ですけれども、そういうことを今決めようとしているんですね。確かに、沖縄や青森と東京の人の高額所得というのは違うかもしれないなどと、そういう説明は受けましたよ。

 では、今言った差し押さえ、最終催告状を出す対象をいずれ、今三十五万人が、六十万人まで出すとおっしゃいましたよね。その六十万人の数字の根拠を教えてください。

青柳政府参考人 六十万人という一つのめどの数字は、例えば、これを具体的に未納者の方々の世帯所得に当てはめをしてみますと、大体世帯所得で五百万円以上というあたりが一つの目安というふうに考えております。

 ただ、これはお断りをさせていただきますが、先ほども申し上げましたように、地域によっても差がございますので、全国平均で見たら五百万円というのが一つの目安ということでありますので、絶対的な基準ということではないということについて御理解を賜りたいと存じます。

高橋委員 今の答弁、高額所得者だと言っておきながら、一つの目安として世帯で五百万円。世帯でですよ。それが、五百万円といったって、税込みですよ。どれだけの額ですか。それが差し押さえされるかもしれないような対象になるんですか。こういうことを今皆さんは提案しようとしている。私は、それは到底あってはならないと思っております。

 ことし二月二十日の有識者会議で、鈴木年金保険課長はこのように述べております。例えば国民年金の保険料を払っていなければ、国保の給付をとめると申しますか、全額、窓口では一旦お支払いいただくということも政策論的にはあろうかと点々。まずは市町村の方の御判断で、国民年金の保険料の徴収率の向上に協力してやろうという方がいらっしゃった場合には、第一段階でありますところの短期証の交付を行うと。

 第一段階でありますところの短期証、これは当然、第二段階としての資格証明書、窓口では全額払わなきゃならない、そういう発行を念頭に置いているということではないですか。しかも、そういう制裁を肝心なときは市町村に押しつける。こんなこと、市町村の代表が納得いきますか。

青柳政府参考人 この点については、先ほど来申し上げておりますように、目的は、何か国民健康保険の給付の制限をするということではなく、あくまでも、市町村と接触する機会をふやすことによりまして、仮にその方の所得が相対的に低い場合で、例えば免除基準に該当するようであれば、免除の制度の利用に結びつける、そして、高額の所得がある場合には、やはりきちんとその中から保険料を払っていただく、これがあくまでも目的でございます。

 したがいまして、お尋ねの中にございましたような制裁といったようなことを目的とするものではないと御理解を賜りたいと存じます。

高橋委員 私たちは、制裁そのものだと思っています。

 先ほど説明いただいたように、短期保険証の場合は、百歩譲っても、窓口では三割負担で済みますので、そのときは保険と同じように使えます。また、短期といってもいろいろあって、一カ月とかそういうのもあるんです。それ自体大変問題ですが、一応、その保険証を出したことによって接触をふやすという理屈は通ります。

 しかし、資格証明書は、出たらそれっきりです。窓口との縁は絶たれます。病院との縁も絶たれます。そして、前回の医療のときも紹介をしましたけれども、本当に命危ういような状態になって窓口に駆け込むような、幾らかでもお金を払いに行って、やっと短期保険証をもらえるような、そういう状況が生まれているわけです。

 でも、もちろん年金を払いたくないとか払わなくていいと思っているのではなくて、このわずかな収入の中で、せめてやはり病気にかかったときに困るから国保の保険料だけは払っている。そこに目をつけて、これをリンクさせるということは、これはやるべきではないと思います。もう一度お答えいただけますか。

    〔北川委員長代理退席、委員長着席〕

青柳政府参考人 現在、介護保険においても、御存じのように、介護保険の一号被保険者の保険料は、年金の中から源泉徴収をするという形になっております。また、今般、既に参議院の委員会の方で御議論をいただいております医療保険の改革法案の中でも、後期高齢者の保険料はやはり同様に年金から源泉徴収する、そして、国保の被保険者と重なるところの前期高齢者につきましても同様のことをさせていただきます。

 このように、医療保険と年金、いわゆる社会保険の仕組みの中で相互に、いわばお互いのメリットというかそういったものを活用して、また、そういって、きちんと年金が受給されることによってそれぞれの医療保険制度の財政基盤というものにも大変に大きな寄与がされる、こういう仕組みが現にとられておるわけでございますので、その限りにおきましては、この国民年金と国民健康保険の短期証のように、あくまでもそういった連携を強化する一方策として、市町村が接触をする機会をふやすという形でこの機会を活用させていただくということは、私どもぜひお願いをしてまいりたいと考えております。

高橋委員 違う制度をリンクさせて、年金の対策で国保の制裁をやる、このことは断じて認められません。

 また、国の政策によって年金の収納がうまくいかない。そのための努力をいろいろしなければならないけれども、一番嫌な役回りを市町村に押しつける、このようなやり方は絶対に許せません。見直しを迫りたいと思います。これはここで指摘にとどめます。

 次に、きょうせっかく総務省においでいただいていますので、一つだけ確認をしたいことがあります。

 今回、住基ネットを活用して、住所変更届の省略ですとか、あるいは三十四歳到達者のうち国民年金未加入者への適用勧奨を行うことなどを盛り込んでおります。

 これは、厚労省に言わせると、二度手間が省けるじゃないかなど、サービスの向上だと言われているわけですけれども、しかし、これも、先ほど来言われているように、自動的に、自分が届けたという自覚がなしに、ネットでつながっているから年金も全部済んでいますよということに対して、やはりそれは納得いかない、説明をしてほしいという方もいらっしゃるわけです。個人情報保護という問題については、非常に強い懸念が国民の中にあります。このことは慎重に扱うべきではないかと思っているんです。

 そこで確認したいことは、平成十四年の八月から住基ネットワークがスタートしておりますが、これにアクセスが許されるのは行政機関、国や地方公共団体等になっております。何かこの「等」の部分がだんだんふえてきた、いろいろな法人ができたものですから。ねんきん機構や全国健康保険協会もこれに含まれるという説明でありますが、しかし、その後の民営化が仮にあったとして、民間法人が参加することは厳密に禁止されていることを確認してよろしいでしょうか。これが一点。

 それから、ネットワークでは四情報、氏名、住所、生年月日、性別に限られておりますけれども、ただ、そこにアクセスしている自治体のサーバーにはもっと多くの情報が盛り込まれております。また、社会保険庁のオンラインも同様に重要な年金個人情報が含まれております。そのそれぞれの間にはファイアウオールが設けられているから大丈夫だという話がありますけれども、アクセス法人がふえることやその先のリンクしている情報がふえることで、個人情報にかかわるリスクは大幅にふえるのではないかという懸念が当然わいてまいります。

 そこで、本人に住基ネットの活用に当たってはやはり拒否権をちゃんと保障するべきだと思いますが、この点について伺います。

高部政府参考人 お答えを申し上げます。

 まず一点目でございますけれども、委員御案内のように、住基ネットからの本人確認情報の提供につきましては、情報提供を行う行政機関等の範囲及び利用目的を住民基本台帳法で、法律で限定して提供先を決めるという仕組みになっておりまして、これはそういう仕組みは変わっていないところであります。

 それから、セキュリティーの問題あるいは個人の拒否権をということでございますが、本人確認情報の提供につきましては、住基ネットサイドから申し上げますと、セキュリティーといったような観点から、住基ネットから本人確認情報を受領した者は、本人確認情報の漏えい、滅失及び毀損の防止その他の適切な管理のために必要な措置を講じなければならないという仕組みになっておりますし、また、委託を受けた者につきましても、秘密保持規定あるいはこれに係る罰則といったような体系でセキュリティーの確保を図るという仕組みになっているところでございます。

 こういう仕組みの中で、私どもは、法律に基づいて本人確認情報が提供されるということで、特段の問題が生ずるものというふうな考え方は持っておりません。

 それからまた、個別に自分がこの情報を提供していいかどうかというようなことについて定めたらどうかというようなお尋ねもございましたけれども、これはまた、今申し上げましたような全体のセキュリティーを確保しつつ、行政あるいは住民の利便という観点からの仕組みが構築されているところでございますので、現時点で個別に希望するものだけの情報を提供するというふうな仕組みはとっておらないところでございます。

高橋委員 秘密保持が決められております、また罰則もあります。ただ、罰則が発動するかどうかというのは、本人が個人情報が利用されたかどうかということを知る由がないんです。そこには大きな問題があるわけですね。だから、私は、今でも三つの自治体が住基ネットに参加していないということがありますけれども、そういう選択の余地を残すべきだということを指摘したいと思うんです。

 このことを、社会保険庁もこの住基ネットの活用ということが盛んに言われておりますけれども、私は、勝手につないでほしくないということに対して拒否権を認めるべきだと思いますが、社会保険庁に伺います。

青柳政府参考人 住基ネットをつなぐかどうかの拒否権については、私の方からちょっとお答えする立場ではなかろうかと思いますので、私の方に御指名があったということは、社会保険庁が住基ネットと接続をしているということについて、ちゃんと個人情報の保護は大丈夫なのかという御趣旨でお尋ねがあったのかなというふうに受けとめさせていただきたいと思います。

 社会保険庁における住基ネットの活用につきましては、被保険者や受給者に御負担をかけることなく、年金個人情報に、例えばその方々の住所の変更、あるいは亡くなった場合の死亡というようなことの情報、これが正確かつ適時に反映されるということを目的にするものでありますので、住基ネットの側が何か保有する情報がふえるというのではなくて、あくまでも、年金の個人情報にそういった住基ネットを活用して即時の状態というものを投影する、これが本来の目的でございます。

 あくまでも、社会保険庁が住基ネットから本人確認情報を受けるということは、先ほど総務省の方からも御説明がございましたが、住民基本台帳法の規定に基づくものでありますので、その利用に当たりましては、住民基本台帳法に定めるところの例えば目的外利用の制限あるいは守秘義務違反に対する罰則規定、こういったものが適用されます。このことによって、まず第一義的には個人情報の保護の措置が講じられるものと考えております。

 また、社会保険庁自身で住基ネット情報を含む年金個人情報を業務に使用しておるわけでございますが、この場合におきましては、社会保険庁保有個人情報保護管理規程、こういった規程が定められておりまして、この規程に基づき情報の漏えいを防止するなど適切な管理をする。そして、この管理規程に反するような行為があった場合には、公務員法等に基づくところの処分の対象になるという形で安全を担保しているところでございます。

 いずれにいたしましても、これらの規定がきちんと実効あるものとなるよう、監視体制の強化など個人情報保護対策の措置を徹底するとともに、あらゆる機会を通じて個人情報保護に関する周知徹底と意識の啓発を職員に対して働きかけることによりまして、個人情報保護対策に万全を期してまいりたいと考えております。

高橋委員 それが余計なお世話だというときもあると、そこはしっかり受けとめていただきたい。私は、市役所に住所を届けたけれども、勝手に年金まで届けられているということは知らなかったよ、そういうことまで本人にお知らせしないということはあってはならない、選択の余地を残してほしいということを言っているんです。

 この問題は、単に、今は利用が非常に制限されているし情報も制限されている、だから利便性が図られていいじゃないかということがあります。しかし、きょうは余り時間がありませんけれども、この後来る外部委託の問題だとか、個人情報に非常に密接にかかわる問題が、民間とのかかわりで扱いをするということに今度踏み込んでいくわけなんです。ですから、そういういろいろな懸念がされていることに対して真剣に受けとめていただきたいということをお話ししておきました。

 それで、きょうは、残り、確認をしておきたいことがあるんですけれども、今回のねんきん事業機構が独立してできた場合に、意思決定機関である年金運営会議と特別監査官の設置、あるいは業務執行機関に外部専門家の登用など、民間企業の受け入れを積極的に行うとされております。同時に、今市場化テストが、徴収業務、年金相談、事業所への保険適用の問題で試行もされています。この本格導入が当然検討されていると思います。

 いろいろな民間人の入った機関もある、外部委託も進む。これらはそれぞれに独立していなければならないと思います。それぞれの仕事を、同じ会社とか、あるいは系列会社だとか、そうした利害関係などが絶対にないようにするべきだと思いますが、その点、いかがでしょうか。

小林政府参考人 年金運営会議の委員ですとか、特別監査官、これらの方々についての利害関係の御質問でございます。

 まず、特別監査官につきましては、公平公正な立場から監査業務を遂行する。ねんきん事業機構の事業運営に関しまして適切な判断を行うことができる者であるということが大前提でございますので、法案におきましても、ねんきん事業機構と特別の利害関係がないことということをその資格要件とさせていただいております。

 また、このため、御指摘のケースのように、ねんきん事業機構と一定額以上の契約を締結している民間事業者の役員等につきましても、ねんきん事業機構の予算執行によって私的な利益を得る地位にあるという方につきましては、特別の利害関係を有するということから、特別監査官の職務を担うことはできないという考え方をとっております。

 また、年金運営会議の委員につきましては、特別の利害関係ということに着目した資格要件を定めているわけではございませんけれども、ねんきん事業機構の事業運営に関しまして、みずからの専門知識に基づいて適切な判断を行うことができる者であることということが必要であります。業務の性質上、御指摘のような事業者の役員等が委員に就任することは適当ではないというふうに考えております。

高橋委員 監査官は利害関係のない者、これは十一条に定めてありますけれども、運営会議には今おっしゃったように定めていない。これはやはりおかしいと思うんですね。いずれにもきっちりと定めるべきではないかと思います。

 これは、すぐれた識見のある者、経験のある者などというと、例えば、監査官などは企業の財務管理をやっているフィナンシャルプランナーとか、そういう方たちがなるわけでありますから、これはかなりの形で影響力があるわけですよ。ここは本当にきちっと独立をしなければならない。

 つまり、国の特別機関という形をとってはいるけれども、やっていることは民間だ、国の責任で民間の仕事をしている、そこにだれが責任をとるのかということが今後起こってくるのではないか。

 私は、まだまだこれは続きがあるんですけれどもこの次の機会に譲っておきますが、やはり、国民が年金行政に対し強い怒りを持っている、不信感を持っている、無駄遣いがあるとか、不祥事があるとか。そこから発したはずの改革なのに、いつの間にかそれが国民の目指すところとは違う、国民が喜ばしい改革とは逆の方向に行っている。そういうことはあってはならないのだということを指摘して、次の機会に譲りたいと思います。

 ありがとうございました。

岸田委員長 次に、阿部知子君。

阿部(知)委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 本日は、週末にもかかわりませず、与野党の各委員の御出席、そして委員長にも大変御苦労さまです。約六時間の審議を行ってきましたが、本日もまた、聞けば聞くほど、果たしてこの方々に、現在社保庁で起こっている不祥事をチェック、点検する資格なり、能力なり、感性があるんだろうかという思いを私は強くいたします。

 例えば、青柳運営部長は、今に至るも不適切な事例と。不適切ではなくて、これは法を犯している、明らかに違法なんだと思います。そういうことが繰り返し指摘されて、不適切、不適切と言っていて、その方たちが、本当にこれからチェック機構なんかきくんだろうか。

 また、村瀬長官には、私はきょうまたまたびっくりしましたが、例えば板橋の事例、京都の事例、大阪の事例、きょうはまた三重と、一つ一つ聞かれる都度、そのことについてはこのときに知りましたと。ぶつ切りで、一連、何が起こっているか、御自身の預かっている大事な組織で何が起こっているかを本当にトータルに見ようとするお気持ちがあるのかどうか。私は、きょうは本当にまた不安になりました。

 そこで、冒頭、長官にお伺いいたします。

 板橋の事例は、国民年金推進員と呼ばれる方々が、失業中の方であるからお払いになれないだろうということをおもんぱかって、もしかしてです、申請書を自分でつくって申請したという事案であるかと思います。

 どんな組織でも、官であれ民であれ、いろいろな職分の働き方がいるとき、例えば今よく言われておりますのは非正規雇用という言い方ですが、正社員がいて、約一万七千何がし、社会保険庁には謝金職員とプラスこうした国民年金推進員と呼ばれる方がおられます。先ほど来、御答弁は三重構造だとか言いますが、四重も五重もとった構造になっていると私は思います。

 その中で、一番現実の生活者に近く、そして逆に、もしかして、非常勤であるがゆえに一番プレッシャーのかかりやすいのは、私はこの国民年金推進員だと思います。

 そうした感性がなければ、これからの企業のトップは、多様な働き方は聞こえはいいですが、その中にある職員間の差別、実際に自分に降りかかってくるさまざまなプレッシャーの感じ方、これを本当にうまく受けとめて一体の組織として運営していくことができないと私は思います。

 長官、最初にこの板橋の事例を聞いたときに、果たしてこの国民年金推進員の方は印鑑はどうしたろうかと考えられましたか。二十六人分書類を作成された、さて印鑑はどうしたろうと考えられたでしょうか。

村瀬政府参考人 私に報告が上がってきましたときは、先ほども申し上げましたように、基本的に、処理がこういう形で終わりましたという形で上がってきておりまして、適正に処理をしましたという形でございますので、そういう点で、印鑑がどうなったかということは、まことに申しわけないんですが、そのときの感覚としては持っておりません。

阿部(知)委員 私は、企業のトップというのは、やはり具体的にリアルに働く者の現場の感覚を知らねば、それこそ、長官言うじゃないですか、現場が大事だと、上と下の風通しも大事だと。でも、恐らく想像するに、二十六個の印鑑をこの方は買ったんでしょうね。そして、書類を書いて勝手に押した。

 さて、きょうも損保ジャパンの営業停止の問題がありました。新聞の報道によれば、こうしたいわゆる顧客の印鑑を大量に保有して、顧客の意思を確認しないまま印を押したのが二千九百四十七件。そして、もう一つ損保ジャパンの中の出来事で問題になっているのが、証拠隠滅ともとれる、印鑑を廃棄した、捨てちゃった、となると、これが証拠隠滅になるわけです。

 私は昨日も伺いました。民間の、よく御存じだと思います、損保ジャパンという会社にお勤めでした。そこで起こったことは、印鑑一個がどうなったか、捨てちゃったのか、持っているのか、残っているのか、これすらも、おのおのその起きたことに対しての目が違い、恐らく、どんな処罰を受けるかも対応が違うわけです。

 片っ方は、捨てちゃえば証拠隠滅です。偽装の書類を作成して、そのとき使った印鑑を捨てたんですから。でも、長官は、その民の畑から来て官になった途端、具体的に、印鑑はどうだろう、この当たり前で、しかし第一歩、この具体的なことが抜けてしまいました。そう思われませんか、長官。

村瀬政府参考人 まず、損保ジャパンの状況というのは、前回もお話し申し上げましたけれども、私自身、詳細な中身というのは聞いておりませんので、その比較ということではなくて、社会保険庁の先ほど話がありました起こったという部分については、気がつかなかったということが現状でございます。

阿部(知)委員 私だって詳細なことは聞いていません。おととい金融庁に来てもらい、その後は新聞報道です。常識人としてです、一人の国民として、損保ジャパンでは印鑑を捨てただけで罪になるんですよ。

 なぜ、国民の一大重大事である年金で、印鑑の一つどうなったの、では、一万二千、何千個、印鑑を買ったんでしょうか。買ったとしたら、お金はだれの財布から、どこから出たんでしょうか。どうでしょう、長官、お答えください。

青柳政府参考人 今回の大量に発生しました事例については、先ほども答弁の中で若干触れさせていただきましたが、むしろ、申請の書類を一々つくって手続をしたというよりは、そういういわば処理を最初に機械の上に打ち込んでしてしまってから手続に入ったというようなことでありますので、その点では、例えば、全部印鑑を購入して、それで例えば文書偽造まがいのことをしたということではないものと承知をしております。

阿部(知)委員 青柳さん、その答弁はうそでしょう。

 だって、さっきおっしゃったじゃないですか。申請書なしに処理したのが約五万八千、代理の申請書で処理したのは一万二千、そのうち幾つ印鑑があったかわからないと言っただけじゃないですか。何でそんなうそをつきますか。訂正しますか。

青柳政府参考人 一万二千について、そのうちの幾つに印鑑が押されたかわからないという、先ほどの答弁のとおりでございます。

阿部(知)委員 だったら、今の答弁は違うでしょう、その前の。

 あなた、自分で、この次まででもいいですよ。自分の答弁書を読んでごらんなさい。今、あなたは、ほとんどそういう代筆などせず、ただコンピューター上で処理しただけですというふうに、私のちょっと聞く前は答えたですよ。しかし、その前の委員には、仙谷先生でしたか、数値も上げて、五万八千と一万二千と言ったじゃないですか。

 私は、例えば保険料から買われた印鑑が三つであっても、それはとがだと思いますよ。国民は保険料として納めているんですから。だれかの書類を偽装するためにだれかの印鑑を黙って買ってくれと頼んだわけではありません。

 長官、もしそうした事態が発覚したら、これは違法ですか、どうですか。

村瀬政府参考人 その前に、全件、そういう処理をしたものにつきましては、どういう形で処理をしたかというのを調べます。それから判断をさせてください。

阿部(知)委員 私はおとといも言いました。今の長官や青柳さんの調べ方では、残念ながら本当のことは出てきませんね。というのは、何が本当に起こったかについて余りにも無自覚なんですよ。

 先ほど来、長官は三つのパターンを上げましたね。申請のなかったもの、職権免除。申請は電話で意思は確認したけれども、とにかくそれで申請しちゃった。代筆によるもの、ここには印鑑のあるなしがある。ここまでは三つのパターンでしょう。しかし、こんなものパターン分けしてもらったって、実は本当のところは出てこないんですよ。大事なのは、だれが書き、だれが印鑑を押し、その印鑑はどこから入手し、どう処理されたかなんですよ。ここまで調べられますか。

 いいですか。損保ジャパンの場合は、捨てちゃった印鑑はそれで証拠隠滅なんですよ。そこまで内部調査でできますか。教えてください、長官。

村瀬政府参考人 明日、事務局長を呼んでおりまして、各事務所単位でどういうことが起こっておるかというすべてを把握するつもりでございます。したがいまして、その中で調査をさせていただくつもりでおります。

阿部(知)委員 では、今私のお願いした、印鑑どうしたの、買ったの、捨てちゃったの、持っているの、だれのお金、ここまで明らかにしてください。

 この前の二年前の年金審議のときに、これからは国民の保険料は、これは当人の事務じゃないんですよ、いいですか、みんなで保険料を出している、その保険料をちょろまかして偽装のために買ったとなったら、重大な犯罪ですよ。そこまで明らかにできるんですね。

 私は、あしたの局長会議でそこまで長官が本当に具体的にリアルにやっていただけるかどうか、まずその答弁をもう一回お願いします。

村瀬政府参考人 明日の局長会議で実務的な形の話も含めてするつもりでおります。

阿部(知)委員 また、私はこの件でほかの見解がありますが、もう一つ、青柳さんの、申しわけないけれども、私は虚偽答弁だと思うので、それを一つ取り上げさせていただきます。

 一昨日の水曜日の審議の中で問題になりました京都の事案で、青柳運営部長は、いわゆるコンピューター処理上、毎月の統計上、免除数のマイナスが出るのは、京都の事案が一番大きくて、とても目立っていたとおっしゃいました。今もその認識ですか。

青柳政府参考人 私、全部の事案を見たわけではございませんが、私が承知しておる限りでは、京都のものが非常に大きかったというふうに報告を受けております。

阿部(知)委員 私があのとき、全部の事案を見てくださいねと投げましたから、二日間ありました、私も社会保険庁の現場の皆さんには随分御苦労をいただきました。見ていただきました。青柳さん、見ましたか。

青柳政府参考人 あの後で報告を受けているものの中では、埼玉県において非常に大量の事例があったものを報告を受けております。

阿部(知)委員 こうやって、一々聞かれたらぽろぽろ小出しにするのはやめてくれませんか。それで全貌が出ないんですよね。

 それで、きょうはここに埼玉県の事案のマイナスのを持ってきましたが、マイナス一万四千九百二十五、何でこんな大きなマイナスが出ちゃったのと。中段の中ほどですよ。これにはちゃんと、実は埼玉の社会保険の事務局長は、理由を添えたものをメールで送っていますね。皆さんのお手元にきょう私は資料配付させていただきました。これは、免除じゃなくて納付の猶予になる者五千七百人について、また猶予の書類とか申請書が来る前に、提出が見込めるものと担当者が独断の上、先行して入力を行い、あら間違っちゃったわといって消しました。こうやって、私はこれは類型四とでもいいましょうか、長官が好きな類型一、二、三、四、これだって大きな問題なんですよ。

 私は、きょうも社会保険庁に聞きました。そうしたら、これは御本人には何の実害もないから、話してもいないし、言ってもいないし、そこでとどまっているから、これは全く問題にこれまでもしてこられなかったようなお話でした。さっき高橋さんも聞きました。自分にかかわる情報が全然知らないところで勝手に出したり入れたりされて、これで本当に個人情報保護ですか。

 そして、青柳さん、これは治癒しているから瑕疵じゃないですか、教えてください。あなたはよく、治癒しているから瑕疵じゃないと。物は起こった、だけれども修復したから瑕疵じゃないと言うんですよ。そういう認識ですか。

青柳政府参考人 データ上の数字の修正ということについては、非常に厳格にと申しますか、きちんとしたルールに基づいて、必要な最小限において行われるべきものであるということは御指摘のとおりかと思います。

 したがいまして、京都で起こりましたように、一定の意図を持ってやったことの結果がそういう形に出るというのは言語道断であるというふうに思いますが、今回の埼玉のように、事務処理上のミスという形で起きたもの、しかもきちんと上司である局長に報告したようなケースについてまで、これを不適切なものと整理することはいかがかというふうに考えております。

阿部(知)委員 常に論議が内向きなんですよ。私たちは、国民の代表としてここにいるんです。国民がどう思うか、国民にとってどうかです。それが、いつまでもあなたが不適切であると言い、きのうかおとといも言いましたよね、大阪正義さんは違法であると言うんですよ。もう一度国民の目と国民の感性にどう響いているかをあなたたちが知らない限り、こんな調査を幾らやっても、またぞろ、ぼろぼろ、次々、もう際限なく、あれは個人でした、あれは未然でした、あれはもう修復しています、これの連続になりますよ。

 長官、私は伺いたいです。本当に内部調査が可能な事態でしょうか。私は先ほど、損保ジャパンの金融庁による、外部による検査の話をしました。長官はまだ御存じないということでありますが、少なくとも新聞紙上で、損保ジャパンに内部調査をさせた、そうすると、不払い、払われるべき保険金が払われなかったのが二万七千二百七十三件だと損保ジャパンはみずから言った、しかし金融庁が調べたら、その後さらにおよそ千三百件あったんですよ。内部調査と外からの調査は違うんですね。本当に内部調査で大丈夫ですか、どうでしょう、長官。

村瀬政府参考人 大丈夫なつもりでやります。

阿部(知)委員 積もり積もって今日になっているんですよ、申しわけないけれども。板橋だってそうですよ、これは言わなくてもいいだろう、個人だろう。京都もそう、これは是正したからいいだろう。大阪になったら慌てた、これは隠せない、投書もあった、そこで露見する。

 長官、あなたが民間人だったとき、こんないいかげんな、無責任な、そして外部の目を入れないようなやり方、本当に許されたでしょうか、逆に聞きたい。へんてこりんな組織を今度つくりますよね。これが、外部の目を実は本質的には遮断した無責任な体制の中で民といういろいろな競争手法を取り入れるんだったら、最悪のところに行くわけですよ。

 厚生労働大臣、お伺いしたいです。戸苅さんが事務次官ですね、二十七日までの段階で各局長を集めて、この事態がどういうことであるか徹底して調査せよと指令するということが報道されていました。大臣も同じ認識ですか。

川崎国務大臣 これは私が命じたことですから。

 いずれにせよ、全員をまず呼び出せ、呼び出す前に、きょうあたりやっているんでしょうけれども、全所長を県の局長のところに集めろ、そしてあした私どもが集めて、また散らさなきゃならないだろう、また戻って報告を受ける。阿部さんもかなり厳しいけれども、私もかなり厳しゅうございますので、しつこくやるつもりでおります。

阿部(知)委員 私は、きょう、この前も、せんだっても大臣のお話を聞きながら、大臣は県ごとではだめだと盛んに言っているわけですよ。県の局長に任せておいてはだめだから、今度の組織いじりではブロックにすると。いいですよね、大臣、そう言いましたよね。

 だったら、この調査も、県ごとに縦で指令してそこから上がってくるものを待つなんてしないで、もっと固めるなり外部を入れるなり、きっちりやったらどうですか。そうでなければ、繰り返し繰り返しですよ。さっきから何度も言うように、板橋だった、京都だった、大阪だった、長崎だった、三重だった、滋賀だった、こうなっていくだけですね。

 やはり大臣が、本当にこの組織改革の中でさっきおっしゃったような見解にあるなら、まず今から始めるべきですよ。時間が無駄ですよ。二十七日に局長を集め、同じことを言い、その局長の中には、きょうの東京新聞によれば、この段にあっても勝手な申請も違法ではなかったと、そういう局長もいるんですよ。果たしてこれで本当のことが出てくるでしょうか。大臣、今からです、法案が成立していないから云々ではありません。

 これは外部監査という、例えば、損保ジャパンの場合は金融庁が調べるんです。でも、残念なことに、社会保険庁は、あの年金個人情報ののぞき見だって内部調査です。それで、あげくに青柳さんは言います、内部調査ですから限界がありますと。だったら、もうそんな内部調査はやめてもらおうじゃないですか。今からだって間に合います、大臣の決断一つです。きちんと外部の目で、何が起こったかを国民の視点で明らかにしてくれませんか。私たちは待つことができません、国民の年金不信が広がるからです。大臣、どうですか。

川崎国務大臣 物事は手順だと思いますし、阿部さんの御提案も一つの方向づけかなと思います。

 しかし、今は、あした全員を呼んで、きちっとしてやっていく、まさにスタートでございます。そういう意味では、今から全国に外部監査を入れたら相当な時間がかかります。そういう意味では、まず第一に自分たちが知っていることをきちっと言うこと、そこから始めないと調査は進みません。

阿部(知)委員 何度も言いますが、それの今までの体制が問題だから法案改正するんだって与党も言うじゃないですか。そんな無駄なものに、時間と本当に大事な国民の年金納付の問題をゆだねないでくださいな。いいことだったら即やればいいんですよ。信頼とか、本当に真実とか、そういうものが内部調査で上がってくるんだったら、ここまで二年も持ち越さないんですよ。

 私たちみんな、野党はきょうこぞって聞きましたよね。せんだっての委員会までは、不正が起きたのは去年の十一月以降だとみんな口をそろえて言いましたね、答弁は。でも、もうきょう崩れましたね、七月にありましたと。

 私は、悪いけれども、もっともっと疑っていますよ。だって、今の調べ方だったらそれは出てきませんよ。印鑑の一つ、わかっていないじゃない。だれが代筆したか、わかっていないじゃない。そういう中で、一体いつからあったのか、それを同じように、これまでも局長と二回、三回、メールのやりとりしてきた、また局長にやらせましょうなんというのは何かを隠すためですか。

 それとも大臣、では、どうしても自分に手順を踏ませてくれと言うなら、いいでしょう、同時並行で、第三者機関、金融庁に当たるようなもの、それを、別に捜査とは言いません、私は、これから外部委託で監査も入れて何とかも、まさに監査ですよ、これは不正未納の問題ですから。それから、国民にしてみたら、その方の、申請がない方の免除の将来の年金も含めて保険料の中から出すんですから、これだって不正支出ですよ。もっときっちりされたらどうですか。

 私、阿部さんの意見だからとか、先生には先生のお考えがありましょうといつもおっしゃいますよね。でも、これは国民が望んでいることなんですよ。こんなあいまいでずさんでいいかげんな繰り返しはやめてほしい。無責任体制の本当に権化のような社保庁のあり方が今問われているんですよ。それをやった人たちにまた聞いて、どこまで真実が出ると思っているんですか、大臣。

 そして、私の今の二つの提案、とにかくやりたいのならまあやっていいでしょう。しかし、それは信頼できません。もう一つの目、外部監査が必要だと思います。どうですか。

川崎国務大臣 あした呼んで私からも話をし、そして長官からも話をし、そして一人一人の局長から順番に聞きながら一つの方向性は出さなきゃならぬだろう。阿部さんが言われた話も、外部監査も有力な手段だろうと申し上げております。

 しかし、あしたの話ですから、あしたの行為は今申し上げたようにやらせてください。

阿部(知)委員 いいですか、二月の京都の事案も、だれかの大阪への投書がなければ全く隠れていたんですよ。五月にあれだけのことがあっても、いまだに皆さんの答弁は、それは事務所長がやったんでしょう、局長は関係ないでしょうという認識ですよね。

 大臣と長官に伺います。

 きょう報道されているところによると、滋賀では局長みずからがいろいろな指示をなさったというふうに報道されています。長官、今でも各事務所単位だと思っていますか。

村瀬政府参考人 現在、各局ごとに、事務所はどうなっているかということで調べておりまして、事務所の中、例えば六つの事務所があって六つともやっているというのは、これは当然局が絡んでいるんだろうと思います。ただし、例えば六つのうち一カ所だけということであれば、それは局ではなくて事務所というふうに考えておりまして、今、それを二十七日にすべて明らかにするということで、書類を取り寄せている最中でございまして、そこが来た段階で、これは事務所だけなのか局ぐるみなのかも含めて、まず全貌を明らかにしたいというふうに思っております。

阿部(知)委員 私たち野党が要求していることは、そうやって繰り返し内部調査で、いいですか、あののぞき見事件だってそうですよ。青柳さんの水曜日の答弁、覚えていますか、内部調査には限界がありますのでとおっしゃっているんですよ。またそれをやらせるんですか、限界のある内部調査の。

 なぜ損保ジャパンは、民間だからですか、今回、外部の金融庁が入ったというのは。なぜ社保庁は外部を入れませんか、この事件で。長官、どうですか。

村瀬政府参考人 国の組織ということからいきますと、社会保険庁、総務省の行政監察局ですか、ちょっと言葉は、間違っていたらごめんなさい、そこから定期的な監査を受けておりますし、経理関係でいえば会計検査院から検査を受けているということで、国の機関内で一応受ける仕組みはございます。

 その中でやる案件かどうかということでございますけれども、まず、自分たちでやってオープンにしたことが、果たしてそれで十分調査が大丈夫かどうかということを見ていただいた上で御判断いただければいいんじゃなかろうかと思います。私はやるつもりでおります。

阿部(知)委員 御判断というのは、そんなに猶予もなければ、何回も何回も裏切られることもないときに言ってくださいな。今までだって前科があるんですよ、申しわけないけれども、長官、前科。板橋の事案だって、もちろん推進員の気持ちはあると思います。しかし、印鑑をもし買って使ってぽいしたら、証拠隠滅なんですよ。それくらいのこと、わかるでしょう。

 会計検査院のいろいろなチェックを待たねばならぬ、確かに国にはそういうものがありますよ。しかし、申しわけないけれども、そんな悠長なこと言っていられないんです。納付率だって、去年のだってそうです。自分たちは、お手盛りでよくなったよくなったと言っているが、実態は空洞化が進んでいるわけです。

 そんな中で、だれが信頼して、今さらに長官たちの調査に期待できましょうか。それでも、長官も大臣もやると言うんだから、またうそが出ることを前提に拝見させていただきましょう。時間も無駄だし、国民も悲しいと思います。

 最後に、大臣、お願いいたします。

 私は、さっき高橋委員と青柳さんとのやりとりの中で、今回、もし国民年金が払われていなくて、国保、医療保険が払われていたら、この方は三カ月の短期の保険証になるという今度のお話、法案の中の審議に少し言及されていました。

 私は、先回の医療保険の審議の最終盤でも、果たして、無保険者が生じたら、その方の医療を受ける権利、どうやって保障するのか、病院にはまた無保険となった人が駆け込んでくるのではないか、その懸念を強く指摘いたしました。大臣、普通に働いている人が三カ月に一遍市町村に行って手続をするだけの時間、本当に捻出できると思いますか。結果的に、行かねば保険証はない状態で暮らすことになります。そのときの不安、一たん何か救急車で運ばれたって、ないんですよ。そういうこともわかっていてやっているんですか、これは。教えてください。

川崎国務大臣 基本的に、健康保険も年金も、まさに国民全体で支えているわけですから、払える人には当然払ってもらわなきゃならない。一方で、低所得者の皆さん方には、先ほどからの議論のように年金を免除するという仕組みがあるわけですから、そこへしっかり誘導していくように私どもは努力していく、そういうことでございますので、御懸念のようなことは起きないと私どもは思っております。

阿部(知)委員 何が一番違うか。国民は操作の対象じゃないんですよ。誘導されて引っ張られていくものではないのです。社会保険庁の傲慢も、強いて言えば厚生労働大臣の今の言葉も、国民がそれはもちろん決めることです、その中で、国保の本当に医療を受ける権利を侵害してまで強制的に傲慢にやろうとする姿勢において、国民はこの国民年金の看板の立てかえによっても何ら得るものがないと思っているでしょう。

 来週、特に二十七日、また屋上屋を重ねるような偽りのいろいろな報告が出るでしょう。それでもしようがありません。それにのっとって、集中審議、ぜひ小泉総理にも来ていただきたい、そのことをお願い申し上げて、本日の私の質問を終わります。

岸田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時五十八分散会


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