衆議院

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第12号 平成19年12月12日(水曜日)

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平成十九年十二月十二日(水曜日)

    午前九時三分開議

 出席委員

   委員長 茂木 敏充君

   理事 大村 秀章君 理事 後藤 茂之君

   理事 田村 憲久君 理事 宮澤 洋一君

   理事 吉野 正芳君 理事 山田 正彦君

   理事 山井 和則君 理事 福島  豊君

      新井 悦二君    井澤 京子君

      井上 信治君    飯島 夕雁君

      石崎  岳君    岩屋  毅君

      川条 志嘉君    木原 誠二君

      木村 義雄君    櫻田 義孝君

      清水鴻一郎君    杉村 太蔵君

      鈴木 馨祐君    高鳥 修一君

      谷畑  孝君    冨岡  勉君

      長崎幸太郎君    西本 勝子君

      萩原 誠司君    林   潤君

      福岡 資麿君    松浪 健太君

      松本  純君    松本 洋平君

      三ッ林隆志君    内山  晃君

      岡本 充功君    菊田真紀子君

      郡  和子君    園田 康博君

      長妻  昭君    細川 律夫君

      松本 大輔君    三井 辨雄君

      柚木 道義君    伊藤  渉君

      古屋 範子君    高橋千鶴子君

      阿部 知子君    糸川 正晃君

    …………………………………

   厚生労働大臣       舛添 要一君

   厚生労働副大臣      西川 京子君

   厚生労働副大臣      岸  宏一君

   厚生労働大臣政務官    伊藤  渉君

   厚生労働大臣政務官    松浪 健太君

   政府参考人

   (内閣官房地域活性化統合事務局長代理)      上西 康文君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局審議官)            河野 正道君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 高橋 正樹君

   政府参考人

   (総務省行政評価局長)  関  有一君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 二階 尚人君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           土屋 定之君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           荒井 和夫君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  外口  崇君

   政府参考人

   (厚生労働省健康局長)  西山 正徳君

   政府参考人

   (厚生労働省医薬食品局長)            高橋 直人君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局長)            青木  豊君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局長)            太田 俊明君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局高齢・障害者雇用対策部長) 岡崎 淳一君

   政府参考人

   (厚生労働省職業能力開発局長)          新島 良夫君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局長)           中村 秀一君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    中村 吉夫君

   政府参考人

   (厚生労働省老健局長)  阿曽沼慎司君

   政府参考人

   (厚生労働省保険局長)  水田 邦雄君

   政府参考人

   (厚生労働省年金局長)  渡辺 芳樹君

   政府参考人

   (社会保険庁長官)    坂野 泰治君

   政府参考人

   (社会保険庁運営部長)  石井 博史君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房技術審議官)         佐藤 直良君

   政府参考人

   (国土交通省総合政策局次長)           北村 隆志君

   厚生労働委員会専門員   榊原 志俊君

    ―――――――――――――

委員の異動

十二月十二日

 辞任         補欠選任

  萩原 誠司君     飯島 夕雁君

  松本  純君     岩屋  毅君

  三井 辨雄君     松本 大輔君

同日

 辞任         補欠選任

  飯島 夕雁君     萩原 誠司君

  岩屋  毅君     鈴木 馨祐君

  松本 大輔君     三井 辨雄君

同日

 辞任         補欠選任

  鈴木 馨祐君     松本  純君

    ―――――――――――――

十二月十日

 医療に回すお金をふやし、保険でよい歯科医療の実現を求めることに関する請願(古川元久君紹介)(第一〇〇三号)

 同(古本伸一郎君紹介)(第一〇〇四号)

 同(伴野豊君紹介)(第一〇三八号)

 同(前原誠司君紹介)(第一〇三九号)

 同(松原仁君紹介)(第一〇四〇号)

 同(加藤公一君紹介)(第一一〇一号)

 同(木原誠二君紹介)(第一一〇二号)

 同(小宮山洋子君紹介)(第一一〇三号)

 同(山井和則君紹介)(第一一〇四号)

 医師・看護師不足など医療の危機打開に関する請願(志位和夫君紹介)(第一〇〇五号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第一一〇五号)

 療養病床の廃止・削減と患者負担増の中止等を求めることに関する請願(笠井亮君紹介)(第一〇〇六号)

 同(志位和夫君紹介)(第一〇〇七号)

 高齢者に負担増と差別医療を強いる後期高齢者医療制度の中止・撤回を求めることに関する請願(志位和夫君紹介)(第一〇〇八号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一〇〇九号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第一〇一〇号)

 同(笠井亮君紹介)(第一一〇六号)

 同(志位和夫君紹介)(第一一〇七号)

 国の医療に回すお金をふやし、医療の危機打開と患者負担の軽減に関する請願(古川元久君紹介)(第一〇一一号)

 同(古本伸一郎君紹介)(第一〇一二号)

 同(太田和美君紹介)(第一〇四一号)

 同(伴野豊君紹介)(第一〇四二号)

 後期高齢者医療制度の中止・撤回を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一〇一三号)

 同(石井郁子君紹介)(第一〇一四号)

 同(穀田恵二君紹介)(第一〇一五号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第一〇一六号)

 同(志位和夫君紹介)(第一〇一七号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一〇一八号)

 同(笠井亮君紹介)(第一一〇九号)

 格差社会を是正し、命と暮らしを守るために社会保障の拡充を求めることに関する請願(塩川鉄也君紹介)(第一〇一九号)

 青年の雇用に関する請願(笠井亮君紹介)(第一〇二〇号)

 年金・医療・介護等の社会保障制度充実に関する請願(小沢鋭仁君紹介)(第一〇二一号)

 同(横光克彦君紹介)(第一〇四七号)

 貧困・格差をなくし安心できる社会に関する請願(佐々木憲昭君紹介)(第一〇二二号)

 一酸化炭素中毒患者に係る特別対策事業を委託する新病院に関する確認書早期履行を求めることに関する請願(原口一博君紹介)(第一〇四三号)

 同(田島一成君紹介)(第一一〇八号)

 公的保育制度の堅持・拡充と保育・学童保育・子育て支援予算の大幅増額に関する請願(園田康博君紹介)(第一〇四四号)

 同(松本大輔君紹介)(第一〇四五号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第一一一一号)

 同(山井和則君紹介)(第一一一二号)

 障害児・者の福祉・医療サービスの利用に対する応益(定率)負担の中止を求めることに関する請願(細川律夫君紹介)(第一〇四六号)

 同(山井和則君紹介)(第一一一三号)

 化学物質による健康被害に関する請願(原口一博君紹介)(第一〇九一号)

 原爆症認定制度の抜本改定に関する請願(笠井亮君紹介)(第一〇九二号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第一〇九三号)

 憲法二十五条を暮らしに生かすことに関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第一〇九四号)

 国民医療を拡充し、建設国保組合の育成に関する請願(原口一博君紹介)(第一〇九五号)

 児童扶養手当減額の見直しを求めることに関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第一〇九六号)

 児童扶養手当の削減、生活保護の母子加算の廃止をやめることに関する請願(笠井亮君紹介)(第一〇九七号)

 社会保障の拡充等に関する請願(塩川鉄也君紹介)(第一〇九八号)

 新・腎疾患対策の早期確立に関する請願(原口一博君紹介)(第一〇九九号)

 だれでも保険で安心してかかれる医療を求めることに関する請願(塩川鉄也君紹介)(第一一〇〇号)

 生活保護等に関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第一一一〇号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 厚生労働関係の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

茂木委員長 これより会議を開きます。

 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房地域活性化統合事務局長代理上西康文君、金融庁総務企画局審議官河野正道君、総務省大臣官房審議官高橋正樹君、行政評価局長関有一君、法務省大臣官房審議官二階尚人君、文部科学省大臣官房審議官土屋定之君、厚生労働省大臣官房審議官荒井和夫君、医政局長外口崇君、健康局長西山正徳君、医薬食品局長高橋直人君、労働基準局長青木豊君、職業安定局長太田俊明君、職業安定局高齢・障害者雇用対策部長岡崎淳一君、職業能力開発局長新島良夫君、社会・援護局長中村秀一君、社会・援護局障害保健福祉部長中村吉夫君、老健局長阿曽沼慎司君、保険局長水田邦雄君、年金局長渡辺芳樹君、社会保険庁長官坂野泰治君、運営部長石井博史君、国土交通省大臣官房技術審議官佐藤直良君、総合政策局次長北村隆志君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

茂木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

茂木委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。西本勝子君。

西本委員 自由民主党の西本勝子でございます。

 今国会から厚生労働委員会に所属させていただきまして、初めての質問でございますので、どうかよろしくお願いいたします。

 今回は、障害者自立支援法における本人負担や生活保護法の補足性など、社会的弱者の支援に対する弱者側の負担と申しますか、福祉における受け手側の問題も含めてお尋ねいたします。

 まず、通常の人の営みとしては、人間、生まれてからほぼ成人までが弱者で、就労につくころから強者になって、年金生活を始めるころからまた弱者になって生涯を終えるもので、これらの弱者を強者が中心となって社会全体で支え合うのが広い意味での福祉であると私は思っております。

 従来からの福祉施策というのは、社会的弱者に対する直接、間接的な給付が中心であったのですが、社会保障という枠組みの中で考えるようになってからは、福祉の受け手側である弱者であっても、家庭や社会からのそれなりの支援によって強者に近づくことができるし、さらに弱い弱者に対して福祉の担い手にもなれるといった方向で福祉施策が進められてきて、成熟した福祉の方向に向かっていると私は感じています。

 支援の方法としては、福祉の受け手側が支援に頼り切ってしまわないよう、自立の気概を持たせていくことをあわせ持ったものでなくてはならないと考えるのですが、近年の傾向として、生活保護における世帯をまたいでの保護や稼働年齢世帯の長期保護、児童扶養手当においては事実婚状態での不正受給、介護保険では家庭介護の放棄による介護事業への丸投げ状態の実態などの絡みを見ますと、どうも、公的福祉への担い手意識が薄く、受け手としての依存度が高くなっているのではないかと感じるのですが、いかがでしょう。

 つまり、社会的弱者とはいえ、国が何らかの形で保護、保障してくれるものへの依存度が高いと感じるのですが、現在の社会福祉に対する受け手側の認識やその実態をどのようにお感じになるでしょうか、御答弁をお願いいたします。

岸副大臣 最近の福祉サービスのあり方につきましては、障害者の自立支援、生活保護受給者の自立助長、要介護者の自立支援、介護予防など、自立自助的な視点に立って支援を行うということが必要とされております。

 例えば、これからの障害者施策のあり方については、障害者を一生懸命支援して自立を進めてタックスペイヤーになっていただこうという考え方、例えばですけれども、そういうことを、いわば国、地域、民間の皆さんが力を合わせて自立を支援していく。ただ単にそれは福祉の受け手として支援を受けるということにとどまらないで、社会に障害者がみずから納税者となって参画していく、地域において普通に暮らすことのできる自立と共生の地域社会づくりを目指していると言えるかと思います。

 また、支援を必要とする方に必要な支援を行っていくことは当然でございますが、社会的に援護を必要としている方々が支援に頼り切るということを決して思っているわけではありませんでして、一人一人の能力を十分に発揮されて、地域において自立した普通の暮らしをすることができるように支援していくことが支援する立場から見て最も重要なこと、こういうふうに考えております。

 今後とも、この視点に立って、きめ細かな福祉サービスの推進と自立、就労の支援、こういったことに力を注いでいかなければならない、このように考えております。

西本委員 副大臣の御答弁、まさにそのとおりだと私も思っておりますが、いささか自立に対しての国の施策それから市町村の施策というのが薄いような気がいたします。

 また、こんな出来事がありました。この障害者自立支援法を決めたとき、故郷に帰りまして、ある身体障害者の男性が、西本さん、本当によくこれを決めてくれましたねと。僕たちは何か、ちょっと言葉が悪いですけれども、施しを受けているような気がした、これによって僕も国民の一人として、県民の一人としてこれから自立して生活ができるような気がしますというようなことを言われまして、私は目からうろこが落ちる思いをいたしました。ちょっと自分の認識も、何となく補助金を上げることで救われているという気もしておりましたけれども、やはり障害者自身もそういうお気持ちになっている方がいらっしゃるということはとてもうれしかったです。

 次の質問に移らせていただきます。

 平成十八年十月より施行している障害者自立支援法は、障害のある人の自立生活と就労を進める観点で立法化しており、障害者基本法の理念に基づき、自治体からの自立支援や給付について定めていると認識しておりますが、法施行以来問題になっているのが、本人負担と施設への支弁費についてであります。特に本人負担については、一部負担を徴収することの適否と、過度な負担を課しているかどうかということが問われていると思います。

 この問題を考えるとき、障害者の権利としては、必要な支援を受けながら地域において自立した生活を営むこと、本人の意思、選択によって自分にとって最善の利益を追求することが、この問題における障害者としての権利の直接的なものではないでしょうか。これらの権利を行使できるようにするためには、障害者の利用可能な物理的環境を提供することは法で課せられた行政の責務であります。

 以上述べたことは障害者自立支援法のそもそも論ですが、このような理解のもとで実施する自立支援のサービスが、全面給付ではなく利用者に一部負担を求めることの考え方についてお尋ねいたします。

中村(吉)政府参考人 お答えいたします。

 障害者自立支援法は、障害福祉サービスを必要としている方々に対しまして、質、量ともに十分なサービスが提供できるよう全国的な基盤の強化を図るために制定されたものでございます。

 このため、本法では、障害福祉サービスに係る費用を広く国民全体で分かち合おうという観点から、国の費用負担を義務化し、地方負担を含めまして九割以上を公費で負担する一方、利用者にも所得に応じて、かかる費用の最大一割までの負担をお願いしているところでございます。

西本委員 ありがとうございました。

 一部負担ということに対しては是であるという御意見とお伺いしてよろしいでしょうか。

中村(吉)政府参考人 今申し上げたとおりの観点で負担をお願いしているところでございます。

西本委員 ありがとうございました。

 社会的弱者を多くの人が支え合うということからすれば家族も支え合うし、自立を目指すことからすれば本人の能力の活用は当然だと思います。私も一部負担の考え方は必要だと考えています。これは、社会保障の負担と給付といった財政論としてではなく、福祉のあり方としてそうあるべきだと思っております。

 福祉政策の視点から生活保護法はどうなっているのかと見てみますと、御案内のとおり、生活保護法は、憲法第二十五条の理念に基づき、困窮の程度に応じて最低限度の生活を保障するとともに自立を助長することを目的としているものでありまして、現行法律の題名は生活保護法となっていますが、内容は生活困窮者自立支援法でもいいと考えています。

 実際の保護の実施に当たっては、まず世帯単位で実施する、つまり同一世帯の中に弱者がいても家族みんなで補い合うということです。そして、法律で定めている補足性の原則から、資産、能力その他あらゆるものを生活維持のために活用することを要件とし、民法で定める扶養義務者の扶養を保護の優先としています。それでも網の目から漏れた人の生活を支援し、社会の中で自立していくことを手助けするのが保護のあり方であります。

 このように、憲法で定めた最終のセーフティーネットとはいえ、社会的弱者である者を社会環境の中で支え、弱者の度合いによって支援の内容や程度が違うのはごく当たり前の考え方であると思います。こういう意味合いからも、障害者自立支援法を施行する上で、資力のある者から一部負担金を徴収することの考え方は是とするものと私は思っております。

 しかし、障害のある人は一般の生活困窮者とは違い、大きなハンディキャップがありますので、就労による自立の道は並大抵ではありません。ですから、個人としての収入は、大概、障害者年金が主なものでありますので、負担金徴収にはそれなりの合理性のある配慮があってしかるべきと考えるのですが、法制度の中で、個人の負担割合の決定についてはどのようなことに配慮したのか、お伺いいたします。

    〔委員長退席、吉野委員長代理着席〕

中村(吉)政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど申し上げましたとおり、障害者自立支援法に基づく利用者負担につきましては、最大一割の負担をお願いしているところでございますけれども、障害程度が重い方の負担が過大なものとならないように一カ月当たりの負担上限額を設定するとともに、負担上限額の設定に当たりましても、障害年金のみで生活しておられる方や預貯金の少ない方に対しまして負担上限を引き下げるなど、所得等に応じたきめ細かな軽減措置を講じているところでございます。

 さらに、本年四月からは、特別対策によりまして、通所サービスや在宅サービス、障害児世帯を中心に、負担上限額のさらなる引き下げあるいは軽減対象の拡大など、さらなる負担軽減措置を講じておりまして、この結果、平均的な負担率は四、五%ということになっております。

西本委員 今御答弁がありましたように、一定の配慮がなされて負担が決められているということですが、法律によりますと、施行後三年での見直し規定となっているにもかかわらず、法施行の年から特別支援という形で、利用者負担や施設への支弁費に対して、さらなる引き下げや激変緩和措置などを実施しているのですが、どうして法律の一部改正で制度の内容を改正するのではなく、補正予算という形で特別な支援をしなければならなかったのか、その理由についてお尋ねいたします。

中村(吉)政府参考人 お答えいたします。

 障害者自立支援法は、障害者の地域生活への移行であるとか、あるいは就労支援の強化など、障害者が地域で安心して暮らすことのできる社会を目指すものであり、この流れを着実に定着させていくことが大変重要であるというふうに考えております。

 一方で、この法律による改革の内容が抜本的なものでございましたので、さまざまな御意見がございました。こうした御意見に丁寧に対応して、この法律の円滑な運用を図るために、今お話がございましたように、利用者負担のさらなる軽減あるいは事業者に対する激変緩和措置などを実施することといたしまして、三年間で国費千二百億円の特別対策を実施することとしたものでございます。

西本委員 確かに、サービスの利用者にしても新たな負担が生じたわけですし、特に利用者の親としても、現行制度では将来への不安が非常に大きいということが現場の声として上がってきたものですから、これらの声にこたえる形で、三年間で一千二百億円の特別支援を実施しようというもので、これは法案提出者としては、三歩進んで二歩下がるような感じがしないでもないのですが、現場を直視した場合、必要な措置ではないかと私は考えております。

 それでは、この措置が三年間に限ってのものかどうか、また心配している向きも多いのですが、平成二十一年度のことで答弁しづらいとは思いますが、次期法改正には、少なくてもこの特別支援の内容は盛り込まれるものと理解してよろしいのでしょうか、お伺いいたします。

中村(吉)政府参考人 お答えいたします。

 去る十二月七日には、障害者自立支援に関する与党プロジェクトチームの報告がまとめられております。

 この中で、利用者負担につきましては、低所得者の負担をさらに軽減するとともに、特に障害児を抱える世帯の負担感や子育て支援を考慮することとされておりますし、また、特別対策による利用者負担につきましては、二十一年度以降も実質的に継続することが提言されております。

 一方、事業者の対策につきましては、二十一年四月にサービス費用を改定するとともに、サービス利用の日払いは維持した上での緊急的な改善措置や基金事業の見直しを行うこととした上で、現在実施しております事業者対策については、障害福祉サービス費用の額の改定や新体系への移行状況を踏まえた上で、その後の必要な対応につき検討するということが提言されております。

 厚生労働省といたしましては、このような御提言を十分に踏まえた上で、まずは緊急措置を講ずるとともに、二十一年度以降の措置についても検討をしてまいりたいというふうに考えております。

西本委員 ありがとうございました。

 私も与党の障害者自立支援法のプロジェクトチームの会に参加しておりまして、先日、与党の骨子案が提出されまして、その内容を見ますと、本当に現場の実情というものを十分酌み入れた案が出ていると思いますので、ぜひともこの案を採用していただいて、現場の人たちが少しでも安心できるように早急にお願いしたいと思っております。

 次に、現在予算措置において実施している支援策は、あくまでも法律の一部改正までの暫定的な特別支援であるということで、それは現状、意味のあるものと評価するのですが、現在、障害者自立支援法はその効力を発揮しているのですから、やはり現行法の目的、目指す方向など法のねらいを、障害のある人や御家族、障害者福祉施設など広く国民に周知し、御理解をしていただくことも肝要かと思います。

 次の法の見直しまでの間、法の趣旨を理解していただくために何か対応するおつもりがあるかどうか、お伺いいたします。

中村(吉)政府参考人 お答えいたします。

 障害者自立支援法は、先ほども御答弁いたしましたように、障害者の地域生活への移行や就労支援の強化など、障害者が地域で安心して暮らすことができる社会を目指すものでございます。こうした法の理念を広く国民に周知することは大変重要であるというふうに考えております。

 このため、従来から都道府県や市町村を通じてさまざまな周知対策を講じてきたところでございますけれども、今後、特別対策を有効に活用いたしまして、相談支援を充実するとともに、就労支援や地域移行につきましての好事例を収集し、定期的に自治体にフィードバックするなど、さらなる制度の普及、定着に努めてまいりたいというふうに考えております。

西本委員 せんどころ障害者自立支援法が制定されて、現場でいろいろな不平不満が出たということは、やはりこういう施策というのが足らなかったような気がいたしますので、本当にしっかりと、そういう下へおろすことを実行していただきたいことをお願い申し上げます。

 障害者の完全な社会参加を目指すには、この法律だけでは達成できないことは承知のとおりでありまして、関連法や制度設計もだんだんに進んでまいりました。

 現時点では、社会保障面での支援に労働、教育、住宅、交通、各種の情報も加えて、障害のある人々に対する社会生活上のさまざまな環境が整いつつありますが、障害のある人が安心して差別なく普通の生活ができる社会であるよう、現行制度で足らざる面は鋭意整備しなければなりません。

 特にこれからは、障害者自立支援法など関連法に基づき、障害のある人たちの社会参加への訓練が進み、社会も理解が深まる中で、重要なのは就労支援策に重きを置くことであろうと考えるのですが、障害者自立支援法の問題は今後さらに議論の場があろうかと思いますので、質問は次に移ります。

 三回目の質問でも少し触れましたが、生活保護法に関することであります。

 去る十一月三十日、生活扶助基準に関する検討会での議論を終え、この報告を受けて保護基準の見直しを予定しているようですが、扶助費の基準は、年金や最低賃金などと間接的ではありますが関連するものであります。国民生活への影響も大きいことから、消費生活に関する調査やいろいろな経済指標などをもとに、客観性のある見直しを望むものであります。

 私は、ここでは、扶助費の多寡ではなく、生活保護制度の根幹をなしている補足性の中身についてお伺いいたします。

 生活保護の適正な執行に当たっては、保護基準に照らして厳格に把握し運用しなければならないのが世帯の認定であり、加えて、収入の認定、資産の活用、扶養義務者からの援助といった最低生活費から差し引く収入となるものであります。これらの認定については、実施主体である県、市の取り組みに温度差が見受けられるとも聞くのですが、会計検査院の検査や指導監査などの報告から見て、保護の執行上、法の補足性の原理が守られているかという視点では、現状をどう認識しておられるのでしょうか、お伺いいたします。

岸副大臣 先生がおっしゃったように、生活保護につきましては、その方の収入や資産、能力など、そういったあらゆるものを活用してもなお生活に困難を来している方々、そういう方々が健康で文化的な生活を最低限できる、保障する、これが我が国の制度でございます。

 御指摘の補足性の原理、これは最低生活の保障とあわせまして生活保護制度の根幹をなす原理の一つであり、まずは自立自助に努めた上で、最低生活に必要な保護費を補足的に給付するという制度の基本的な考え方は、制度を運用する行政側として、また同時にこれを利用する生活保護受給者の方々についても、先生のおっしゃられますように、法に基づいてしっかりとした理解と認識とまた運用を必要としているということは当然のことでございます。

 個々の生活保護受給者が抱える困窮の原因や程度はさまざまであることから、行政側といたしましても、しゃくし定規にならないように、実際の必要に応じて適切に保護を実施するということは重要でありますが、補足性の原理のような大原則については、その運用について各自治体でいろいろと違いがあるということは、やはり先生のおっしゃるように問題はあろうかと思います。

 したがいまして、厚生労働省といたしましては、各都道府県等に対する事務監査等を通じまして適正な運用に努めてまいりたい、このように思っているところでございます。

西本委員 総括的な状況は理解できましたので、個別にお伺いいたします。

 まず、生活保護法の事務は、地方自治法上は自治事務ではなく法定受託事務でありますから、一定の部分、国の関与が及ぶものと理解しているのですが、そうすると、適正な保護の執行ができていない場合は指導助言を徹底すべきと思うのであります。

 そこで、まず、保護決定時における世帯の認定であります。

 同一の世帯でありながら世帯分離をする場合、実施主体によっては、保護基準の分離要件を申請者側に立って広く解釈し、保護決定の権利を濫用しているケースがあるのではないかと考えています。また、資産の活用については、居住用資産以外の不動産で収入を得ていない田畑や山林を所有しながら、早期に処分できないため保護を開始したケースで、法第六十三条の規定を明示せず保護を開始しているものや、保護廃止後、費用返還義務を理由なく免除する場合が見受けられるのですが、これらはいずれも法の補足性の原則から逸脱し、公平公正を欠くものであり、福祉行政の信頼を失うものであります。

 これらの問題があった場合、国は指導助言をどのようにするのか、お伺いいたします。

中村(秀)政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど副大臣からも御説明いたしましたように、毎年、厚生労働省の方では、全都道府県、指定都市に対しまして、生活保護の執行状況について監査をいたしております。また、都道府県や指定都市は、全福祉事務所、全国に千二百四十二ございますが、年一回、監査を実施しております。その際、全被保護世帯の一割のケースを個別にチェックするということでございまして、ランダムに一割取り出してチェックいたしておりますので、委員から御指摘のありましたような三つのケースについても、そういうケースをチェックして、不適正なものがあればまず是正をお願いし、例えば余分に費用が、生活保護費が出されているような場合には、福祉事務所の方にもう一回取り立てをお願いする、こういうようなことをやっております。

 具体的には、委員からお話ございましたように、世帯は、世帯ごとに生活保護は原則として適用する、世帯の認定は、同一の住居に居住しておれば原則として同一世帯員として認定するということでございますが、そうなかなかいかない場合もございますので、そういったことについては、通達でその運用基準を決めております。その基準に照らして、委員からお話がありましたように、逸脱しているようなケースについては指導させていただいているところでございます。

 不動産も、大きな不動産については処分していただくことが必要でございますが、急に保護が必要な場合になかなか処分できないということがありますので、そういった場合には、保護を開始するときに、処分した上で、その分の費用については保護費を返還していただくということ、これは保護を決定する場合にきちんと御説明し、それでやらなければならないということがなされていなかったり、それから、いろいろなケースで、お渡しした生活保護費をお返しいただく、こういうことになっておりますが、保護を廃止した後、それがうやむやになっているようなケースにつきましては、そういうことがあってはなりませんので、冒頭に申し上げましたように、国や都道府県の方が保護を実施している福祉事務所に対していろいろ指導監査を行って、適正化に努めているところでございます。

西本委員 ありがとうございました。

 今、少子高齢化に伴い、将来が心配されている医療、年金、介護などの社会保障関係は、できるだけ多くの人々が支え合ってこそ、制度設計が成り立つものであります。そういう視点に立って、障害のある人や生活困窮者においても、依存から少しでも自立に向かうよう、個別ケースに合った支援をお願いします。

 最後になりましたが、せっかく厚生労働大臣がお見えになっておりますので、私の質問内容をお聞きになって、成績をつけていただければありがたいと思います。

舛添国務大臣 西本委員、大変すばらしい御質問をなさって、基本的な理念は私も全く同じでございます。

 山井先生や私どもは、介護をめぐって北欧のことをいろいろ勉強してまいりましたけれども、例えばノーマライゼーション、こういう考え方がありまして、その中に残存能力の活用、自己決定の原則、人生の継続性の原則、こういうものを、これは一九七〇年代から北欧がやっている、これを日本に定着させないといけない。

 簡単に言うと、例えば、私が事故で、今指が五本あります、四本失った。日本の場合、あなた、四本ないじゃないか。そうじゃない、一本残っている。この一本をどう活用するか、それが基本でないといけない。したがって、やはり自立を助けていくんだ。だから補助器具をつくるんですね。今ITが非常に進んでいますから、ITを使えば一本の指でも手紙が書けます。いろいろなことができる。いい時代が来たと思います。そういう意味での自立を促す。

 先般、銀座で、スワンベーカリーという、障害者がおやりになっている。これはまさに、冒頭おっしゃった、施しじゃないんだ、自分らはやれるんだということを障害者の方が喜んだとおっしゃった。施しじゃないんです。自分たちで仕事をしている。また、物すごくおいしいパンをつくってくれるんですね。こんなおいしいパンならもっとお金を払ってもいいぐらいのをつくって、そして、レジのような難しいことを障害を持っておられる方がやられる。大変感激しました。

 こういう自立を支える、自助を支える。それからやはり、コミュニティーを含めてみんなで支える、共助、ともに支える、こういうことが必要ですし、そういうことでできない方々には公助、公の生活保護と、いろいろなことで支える。そういう理念でもって、私は、自助と共助という考え方を、西本さんがおっしゃったようなのをもっと広めないと、何でもかんでも公助、最後のセーフティーネットは公助ですけれども、自助と共助、こういうことを前面に押し出された西本先生の御質問は大変すばらしいものであったということを申し上げて、終わります。

 ありがとうございました。

    〔吉野委員長代理退席、委員長着席〕

西本委員 どうもありがとうございました。私も、大臣の御答弁に感動いたしました。

 ありがとうございました。

茂木委員長 次に、萩原誠司君。

萩原委員 おはようございます。

 きょうは、じん肺問題、そしてハンセン病問題、遺骨の収集、その他、できれば保育までお伺いしたいと思うんです。

 私は、この一年半、じん肺問題に携わってきまして、いろいろな勉強をいたしました。患者の方というか、もともとは、労働者として日本の国土形成に一生懸命努力された方々の中における仲間を本当に大切にする気持ち、あるいは家族としてその活動を支えてこられた女性たちの思い、そういうものを学びましたけれども、途中で、そういった熱い思いというものが役所の組織にはなかなか伝わらないんだなということも知り、一方で、言葉を選び、場所を考え、そしていい仲介をすると、役所の方々が本来持っている善意と、今申し上げた団体の方々の熱い思いというものが連携できるんだということも学んだし、そこに政治の大きな役割があるんだという大変得がたい経験をさせていただきました。おかげで和解ができまして、先般も大臣にも伺いましたけれども、厚労省として本当に前向きな対応をしていただいています。

 省令改正、今の状況等について御確認をお願いできたら、よろしくお願いします。

舛添国務大臣 まず、萩原議員がこのトンネルじん肺訴訟を含め、じん肺問題の解決に大変御尽力をなさった。そしてまた、与野党を問わず、議員の皆さん方がこの問題に取り組まれた。やはり、行政府もしっかりやりますけれども、立法府としてこういう問題に取り組まれている姿勢というのをまず非常に高く評価したいというふうに思います。

 その上で、このじん肺対策の強化のための省令を改正しまして、今月四日に公布をしたところでございます。現在、施行が来年の三月一日でございますので、その準備作業を進めておりまして、引き続きこのじん肺対策に省を挙げて、全力を挙げて取り組んでまいりたいと思います。

萩原委員 ありがとうございます。本当に明確な答えを出していただきました。

 この後、三月一日を目途に、施行準備、つまり恐らく幾つかの通達等の準備が必要になってまいります。私どもとしては、その通達についても、原告、弁護団の方々も含めて、いろいろな協議をさせていただく、そういうことを確認しておりますので、どうぞよろしく御了知を願います。

 厚労省の分については、今お話がありましたように、非常にいい形ができましたが、残っておりましたのが、実は積算基準というものがありまして、発注官庁のサイドで、トンネル工事についてはこうこう積算をするんだという基準がある。

 その中に、トンネル工事における労働時間が普通とは違って九時間なんだ、こういう規定があって、これが長時間労働、暴露時間の延長、そして肺に吸い込む粉じんの増大ということにつながっているんじゃないかという議論がありまして、裁判上はもちろん直接違法ということにはなっていないんですけれども、原告の方々は、実感としてこれはおかしいということを強く主張され、そしてその違和感を背景として、それを理解していただいた国交省を初めとするいわゆる発注官庁の御理解のもとで、労基法三十二条、つまり八時間労働という原則ですけれども、この趣旨に基づいて積算基準を見直そうではないか、そして、その検討をやった上で、今年度末までに結論を得るということに和解合意ではなりましたが、なかなかこれがしわいというか、難しい検討でありまして、きょうのきょうまで明確な議論ができませんでした。

 そこで、幾つかお尋ねをしておきたいんですけれども、国交省はさまざまな積算基準をお持ちですけれども、例えば、建築やトンネル以外の土木工事では、一体、九時間と規定しているんですか、あるいは他に九時間というものがあるんですか。その辺について、まず確認をさせていただきたいと思います。

佐藤政府参考人 国土交通省におきましては、土木工事の積算を行うために作成いたしました土木工事標準積算基準、いわゆる積算基準につきましては、施工実態調査をもとに、労務、材料、機械等の所要時間、所要量、規格等を標準的に設定したものでございます。この積算基準における作業時間につきましては、先生御指摘のとおり、トンネル工事では九時間を規定しております。一般土木工事及び建築工事等では八時間を基本とさせていただいております。

 なお、波浪等の現場条件が厳しく、工事期間等に制約のある港湾工事等では、制約の実態に合わせて、八時間にとらわれず作業時間を規定しております。

萩原委員 ということで、トンネル工事については、恐らくかつてから実態は九時間だったということはわかるんです。そして、その実態こそが問題なんだということを我々は強く御主張申し上げてきましたし、実はそれに対して、このところ急速に国交省の方でも理解が進んでまいりました。

 いろいろな問題があるんです。この積算基準というのは、余り甘くしますと会計検査院が怒ってくる。そういう問題もあったものですから、私も検査院にも昨日いろいろお話をしましたところ、検査院の方も、八時間にすることについては全く問題はないと。しかし、八時間にしたときに、さまざまなほかの変化が生じます。機械の損料が変わるとか、そういうところが甘くなっていたんじゃ、これはまた困るよということ。ただ、全体をあれすると、しっかりした基準であれば、そこの中に八時間があることは、今の社会情勢あるいはここの議論になっております和解を背景とした現状を考えると、当然理解するというのが検査院の話でもありました。

 そういう状況も踏まえながら、今国交省で最終的な検討をされているんですけれども、八時間にしますと恐らく総単価は上がってくる。けれども、やらなきゃいけないと私は思いますが、今の最終的な検討状況はいかがでございますか。

佐藤政府参考人 トンネルじん肺防止対策に関する合意書、労働基準法第三十二条の規定の趣旨を踏まえまして、積算基準の記述方法の見直しについては、議員御指摘のとおり、一日当たりの作業時間を八時間、これを基本といたしまして、週当たりの作業時間を四十時間、これを前提といたしまして、週当たりの施工に必要な諸量を定めた積算基準に見直してまいりたいと考えております。

 新たな積算基準を見直すに当たりましては、所要の実態調査等を実施するため調査期間が必要となってまいります。新たな基準の適用は平成二十年十月からを予定しております。

 なお、実態調査等を踏まえ、施工に関する費用が適正に反映できるよう積算基準を見直してまいりたいと考えております。

萩原委員 今、本当に私たちがずっと求めていた本当に明確な答弁をいただくことができて大変にうれしく思っています。

 残された問題は、積算基準で八時間、そして週四十時間ということになるだけではなくて、実態における、現場におけるトンネル掘削労働の時間がそれに伴って減少していく必要がある。そういう意味で、国交省には引き続き現場における御指導をお願いしたいと思いますが、加えて、大臣、これは考えてみれば厚生労働省の問題でもあるんですね、労働時間政策あるいは労働安全政策。今のお話を伺っていただいた上で、一言御感想をお願いいたします。

舛添国務大臣 労働基準行政、これは、労働者の働く環境を整備し、安全を確保するということで極めて重要でございますので、そういう形で、九時間から八時間という形で、少しでもいい労働環境を形成していく。我々の仕事でもありますので、今後とも、厚生労働省としてもしっかりと取り組んでまいりたいと思います。

萩原委員 ところで、この問題につきましては、国交省が英断をして積算基準を八時間に直し、そして、国交省及び厚労省が、現場における状況をきちっと見ながら、実態として労働時間が減少、適正なものになるように努力をしていくという方向を確認させていただいた。大変にありがたいことと思っています。

 ところで、このじん肺問題につきましては、裁判上の和解及び政治上の和解に至る過程で一件だけ、欄外というか残っている案件があります。それは、今後の対策として、例えば、トンネル労働者の方々の健康管理をするとか、あるいは万が一にじん肺が発生をしたときに、改めて裁判を起こしてゼネコンから和解金を取るというようなことではなくて、ADRという形できちっと処理をして、適正な和解金見合いのものが補償として出るというようなことを想定しなきゃいけない。

 そこで、民間との関係だけなんですけれども、民間との関係で、いわゆる企業の方々から基金のようなものをちょうだいして、それをみんなで管理をしながらやっていくべきだという議論がありまして、実は、きょう委員会に御出席のほとんどの先生は、それについても賛成の署名をいただいています。たしか、国会議員のうち五百二十九名の賛同をいただいた、そういう署名がありまして、これも内閣にもお届けをしているわけであります。

 きょう一点だけ申し上げておきたいことは、こういった基金の造成、管理については、やはり民間だけではできにくいことがあるんです。どういう政策に結びつけるか、あるいは無税とするのかどうか。

 例えば、私がかつてやった案件でいいますと、金属鉱山の休廃止の後でも、休廃止鉱山の中から流れてくる水をきちっと管理して安全にするために、操業中に基金を造成してやっていく。そして、後から全く問題がないようにする。そのために、その基金の造成に使われる準備金については、当然ですけれども無税化する。こういった措置を役所としても協力しながら講じていく。民民だけれども、役所が入ることによって制度として安定をする、そういうことになります。

 ぜひとも、今後、こういった議論が展開する中で、厚生労働省の方でも、いろいろな意味での知見の教授、アドバイスの提供、助言と支援がお願いできないだろうかと思うのでありますが、いかがでございましょうか。

青木政府参考人 トンネルじん肺対策については、厚生労働省といたしましては、先ほど来出てまいりました六月十八日の合意書、これに盛り込まれた事項について着実にこれを実施していくということといたしておりまして、こうした対応によりまして、じん肺対策が強化されるように努力を続けてまいりたいと思っております。

 お話のありました基金につきましては、基金の性格でありますとかそういったことなどについて、まだ関係者間での共通認識だとかあるいは理解が得られていないというふうに聞いておりますので、具体的にアドバイスをしていくというのはなかなか難しいかなというふうに思っておりますが、必要があれば、建設業界を所管する関係省庁とともにお話を伺っていくことにしたいというふうに思っております。

萩原委員 ありがとうございました。

 今のは非常に消極的に見えますけれども、実は一歩踏み込んだ御答弁なんです。今まで全く関係ないよという感じだったのが、ちょっと御理解をいただいて、話が来れば一緒に頭を使っていただけるという答弁をいただきました。心から感謝を申し上げたいと思います。

 いずれにしましても、きょうのやりとりの中で、じん肺問題についての大きな前進があったことを心から喜び、この項は終わりたいと思います。

 続きまして、ハンセン病なんですけれども、一時、ハンセン病については国会でもさまざまな議論がありました。平成十三年のハンセン病国賠訴訟、いわゆる熊本判決がありまして、これを契機として我が国のハンセン病政策がどっと前進をしたわけでございます。

 ところが、当時五千人程度おられた国立療養所の入所者の方々の数が現在三千人を切っておりまして、さらに、いろいろな推計がありますけれども、この施設の方々に聞けば、十年後に約千人ぐらいになるのじゃないかと予想もされている。そして、当然でありますけれども、平均年齢が毎年上がっていまして、現在、七十九歳になっている。つまり、入所者の数の減少と高齢化が進んでいる。このことが、実はハンセン病対策について、どうも新しいフェーズの要請を突きつけつつあるんじゃないかというのが私どもの実感です。

 平成十三年から今までは、いわゆるらい予防法の廃止、そして確実に最後まで面倒を見てさしあげる、そういう基本方向の中でよかったということなんですが、例えば入所者の方々の数の減少と高齢化ということによって、適切なケア、何が求められるかということは当然変わってきますよね。高齢化するわけですから、変わってくる。

 そしてまた、数が減ってきますと、例えば理学療法士を一人置けないとか置けるとか、こういうことになってきますので、人員の確保という問題にもなってくる。さらには、一部の声でありますけれども、本当に減少したときに、例えば二十人しかいない施設ができたときに、そこの施設が維持できなくなれば、その場所を離れてくれということを言わざるを得ない、そういうおそれを感じている方々もある、あるいは恐怖を感じておられる方々もある。一方で地元の雇用の問題にも結びついている等々、さまざまな問題が、どうもこの数の減少の中で顕在化をしてきているというふうに考えているわけであります。

 岡山では、全国の運動に先駆けてなんですけれども、十月の六日に「ハンセン病療養所のあしたをひらく市民の集い〜百万署名の成功をめざして〜」というものが市内のホテルで開かれまして、岡山にございます邑久光明園、長島愛生園のそれぞれの自治会の方々が主催者になって参加をし、これに加えて、この二つの施設が立地をする岡山県の瀬戸内市の市議会議員の方々でありますとか県会議員の方々など、多くの方々が参加をして議論いたしました。

 結論として、現行のらい予防法の廃止に関する法律の第二条に、基本的にはハンセン病療養所というのはハンセン病の患者であった入所者だけに療養を行う施設であるとしている、そこが最終的には問題になるんじゃないかということ。

 これには実はいろいろな乗り越えるべき入所者自身の問題もあるんですけれども、いずれにしても、おっつけそういうことになるだろう、未来的にはそうなるだろうということで、それを何とか一般的にも開放できないだろうかという方向性をようやくぎりぎり確認をして、その上で署名活動を盛り上げるという方向性になりました。自治会の方々が岡山県内のすべての市町村を訪問して、私たちはここまで判断をしたんだということを申し上げ、協力をお願いし、十二月十五日を目途として第一次締め切りをしていこう、こういうふうになってございます。

 そういう環境の中で、本当に久しぶりにハンセン病の議題がこれに出ているんですけれども、まず第一に、ハンセン病政策についてどうも新しい局面を迎えつつあるんじゃなかろうか、その認識についてお伺いをいたします。

舛添国務大臣 先般、ハンセン病療養所の入所者の代表の皆さん方と私も直接お会いをいたしました。皆さん方の御要望も賜りまして、今委員がおっしゃったように、やはり高齢化に伴ってまさに新しい局面に来ているというように思いますし、今署名活動も行われているということでありますので、この新しい基本法のようなものを議員の皆さん方がお考えになっているということもお伺いしておりますので、そういう動きを見ながら、厚生労働省としてもこの問題に正面から取り組んでまいりたいと思います。

萩原委員 大変明快な御答弁、ありがとうございます。

 私どもとしても、この問題は新しい局面にあるということを念頭に置いた上で、その新しい局面が持つ意味を、例えば施設の管理を行っておられる厚生労働省の職員の方々とも意識を交換し、そして入所者の方々御自身とも意見を交換し、さらには地域の方々にもその意味をお互いに考える、そういった意味の確認を含む運動をこれからしっかりした上で、きちっとした合意をいただきながら、この基本法制定に向けて努力を重ねてまいりたいと思っておりますので、御指導をよろしくお願い申し上げて、この項は終わらせていただきます。

 次に、遺骨収集問題なんですが、まず十二月八日、いわゆる開戦記念日でありました。改めて、戦争や空襲によってたっとい命を失われた三百万人を超えるみたまの方々に、まずは哀悼の誠をささげたいと存じます。

 ところで、平成十四年の八月下旬でありますけれども、アメリカで、ハワイ大学の調査によって、真珠湾の入り口に日本の特殊潜航艇の第一号が沈んでいるのを発見したというニュースがありました。「ジャパニーズ・ミニ・サブ・ファウンド・ニア・パール」という記事が出ておりました。

 いわゆる真珠湾攻撃のときに、もちろん航空機が主体なんですが、真珠湾の中に五隻の特殊潜航艇、二発の魚雷をそれぞれ持っている、そういうものが潜入をして、いわゆる空と海の中から共同作戦を展開してやっていこうということになったわけでありまして、ただし、その五隻というのは、すべて破壊されるかあるいは沈没をしてしまっている。

 実は、真珠湾の入り口のところにあった、発見された艦艇といいますか潜航艇というのは、どうもアメリカから見ると、一番最初に撃った相手らしいんですね。司令塔のところを恐らく砲弾が貫通するんですけれども、駆逐艦が発見をして撃っているんですが、アメリカでは大騒ぎになっていまして、真珠湾における第一発の、最初の銃弾というのは実はアメリカが撃っていたというようなことで、えらく向こうサイドの国威発揚になったりするんですが。

 逆に言うと、実はこの潜航艇というのが、太平洋戦争における、あるいは日米戦争における一番最初の犠牲者なんですよ。一番最初に死んだ、命を落とされた英霊がこの潜航艇の中にはまだ眠っているということはほぼ確実なんです。遺骨がそこにあるんだということも水中撮影等によって確認をされている。ハッチが内側から閉まっているんです。多分、絶対あるんだというふうになっていて、そこに乗り組んでおられた方の一人が何と岡山の方でございまして、岡山の地元では、この八日の日を期して、片山さんという方なんですけれども、遺品の展示会などをしながら、戦争と平和の問題について改めて考えようじゃないかという運動を今展開中でございます。

 そして、当然の帰結ではありますけれども、そこまでは明らかになっている、真珠湾の入り口のあるところにあって、アメリカのハワイ大学が調査をして、保存措置をとった上で、今、そこの海底に眠っている、一体どうしたらいいんだという疑問が当然わいてくるわけですね。地元の方々も、当然のこととして、それはひょっとうまいぐあいにいくのだったら、その潜航艇を引き揚げ、遺骨を回収し、潜航艇について、もし意味があるのだったら、日本に引き戻してはどうだろうかということを一生懸命に議論しているわけです。ただ、この問題はそう簡単ではないというふうに私どもは承知しているわけです。

 そういうことの中で、まず、遺骨あるいは遺品の収集、帰国についての今の国の考え方、政策、現状というのはどうなっているか、そこをまず確認させていただきたいと思います。

荒井政府参考人 お答え申し上げます。

 私ども、昭和二十七年以来、海外の戦没者の御遺骨収集を実施してきておりまして、これまでに約三十一万柱の御遺骨を収集いたしました。また、陸海軍の部隊、また一般邦人の引揚者の方々が持ち帰ったものを含めますと、これまでに海外戦没者約二百四十万人のうちの約百二十五万柱の御遺骨が日本へ帰ってきたということになります。

 残された未送還の御遺骨百十五万柱のうち、相手国の国民感情または宗教上の理由などによって収集ができないところがございます。これが約二十六万柱です。それから、今委員が御指摘されたような海に眠っている御遺骨が約三十万柱となっております。

 これらの残された五十九万の柱につきましては、私どもは、戦後六十年以上たっておりますので、遺骨情報もだんだん減ってきているということで、昭和十八年度から民間団体にも協力いただいて、遺骨の情報収集を集中的にしております。また、旧ソ連、ソビエト連邦で亡くなられた方に関する御遺骨について、今まで得ている資料ではもう限界に近づいておりますので、さらに、ロシア政府などに対しまして精力的に、新たな埋葬地に関する情報などをいただく努力を続けているところでございます。

茂木委員長 これら五十九万柱じゃなくて、これ以外の五十九万柱ですね。

荒井政府参考人 はい、そうです。

萩原委員 それから、もちろん、昭和十八年じゃなくて平成十八年からでございますので、よろしくお願いいたします。

 そこで、今の話のポイントというのは、実は、海没というか海で沈んでいるもの、これについては、今表現の中にぼやっと入っていたんですけれども、回収しないというのが基本だということなんですよ。

 これは、例えば当時も、日本の海軍の方々が艦艇上で死亡した方々に対して水葬をしたというようなこともあるので、海は海に帰るんだという思想もあるんですが、一方で、この特殊潜航艇については、別に水葬されたわけでも何でもない、単に沈んでいるだけでありまして、それが明確に見つかっていて、アメリカの技術、知見であれば探ることができるし引き揚げることもできる、引き揚げてくれてもいいよと言われている。こういった問題、どうお考えでございますか。

荒井政府参考人 今先生お話しされましたように、沈没艦船につきましては、古くから航行中の死亡者については水葬に付すことが広く行われていることなどに着目いたしまして、一般的には、海自体が戦没者の永眠の場所であるという認識に基づきまして、遺骨収集については原則的には行わないことにいたしてございます。

 ただし、遺骨が人目にさらされていて遺骨の尊厳が損なわれている特別な状況があり、また、その沈没艦船内の遺骨収集が技術的にも可能だと思われる場合には、例外的に遺骨収集を行うということにいたしてございます。

萩原委員 このケースはぎりぎりのケースなのかもしれません。これから真摯に検討されるべきだと思っておりますが、一点、追加的に思うことは、確かに水葬という考え方があったのではありますけれども、日本の遺骨収集政策の基本が海は海のものとしてほっておくんだということになっていることを、私たちが政治の立場で本当にどう考えるかという問題は残っている、ここはまず私は申し上げておきたい一点です。

 それから二番目に、私たちの国のそういう政策というものが、世界各国における、遺骨を収集、奪還、帰国させる各国の政策の中で、一体どういう位置を占めているのか。アメリカでは、例えばベトナム戦争なんかの状況を見ますと、すべての方々を引き揚げるまでベトナムとの関係の国交は開かないというようなことで、一九八〇年代にいろいろな努力をしておられた。そういう状況を見ますと、ひょっと、日本の政策というものがぬるいのかもしれない、そういう危惧がなくはないんです。

 そこで、最後にこの点についてお願いしておきたいのは、今後、世界各国との関係で、日本の遺骨収集政策がどういう位置にあるのか、これはぜひとも研究をしていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。

荒井政府参考人 私どもが調べた限りでも、遺骨について本国に送還している国や、現地で新たな墓地を整備するなど、さまざまな取り扱いがあるようでございます。

 また、海没した遺骨につきましては、最近の状況を私ども把握してございません。そういったこともありますので、今せっかくの御指摘がございましたので、ちょっと私どもも研究させていただきたいと思います。

萩原委員 ありがとうございます。

 こういった具体の問題を含め、海没船のものについての研究をしていただく、このことを改めてよろしくお願いしておきたいと思うんです。

 最後に、一分半ほど残っておりますので質問申し上げたいんですが、私も厚生労働委員会に参加をさせていただきまして、各同僚議員の御発言や御質問を聞いて非常に勉強になり、また参考になりました。一点、この間一度も実はこの厚生労働委員会において保育の議論がされていないということに気がつきました。

 私、保育については、非常に大きな問題、重要な問題だと思って、岡山におるころからやってまいりました。時間がないので詳しいことは言いませんけれども、保育は今後の日本社会を考える上で非常に大切なものなんだということをまず申し上げた上で、保育政策の現下の課題と、そしてその課題解決に向けての基本方針についてお伺いしたいと思います。

舛添国務大臣 今委員がおっしゃったように、この子育て、保育は非常に大切な問題であります。

 待機児童ゼロ作戦なんということをやっていますけれども、まだことしの四月においても約一万八千人存在している。それで、子ども・子育て応援プランに基づいてこのゼロ作戦をやっておりますが、平成二十一年度までに受け入れ児童数を二百十五万人にする、こういう目標に向けて努力をやっております。

 また、子どもと家族を応援する日本重点戦略会議、こういうところにおいて、保育サービス、子育て支援を全力を挙げてやっているところでありますので、このサービスの充実ということに引き続き厚生労働省として積極的に取り組んでまいりたいと思います。

萩原委員 ありがとうございました。

 終わります。

茂木委員長 次に、高鳥修一君。

高鳥委員 自由民主党の高鳥修一でございます。

 本日は、お時間をいただきまして、障害者福祉の問題について質問をさせていただきます。

 私の長男は知的障害児でありまして、ダウン症でありますけれども、私は、政治家としてと同時に親の立場といたしましても、この福祉の問題を真剣に受けとめさせていただいております。

 天から障害のある我が子を授かるということは、だれにとっても思いも寄らないことでありまして、私の妻も、一時は最悪の選択も考えたと言っております。そして、偉い大学の先生を紹介していただいてお話を聞きに行ったりしましたけれども、ちっとも相手の言葉が自分の胸に入ってこない。それは、相手に自分の痛みがないからだということであります。ある方から同じ障害児を育てているお母さんを紹介していただきまして、その方と話をして初めて気持ちが和らいだということであります。

 親の会あるいは障害者団体の皆さんからの御支援をいただいて私も国会に送っていただいておりますので、障害者福祉をライフワークとして取り組んでまいりたいと思います。

 障害者自立支援法についてでありますけれども、現在、与野党の枠を超えて、垣根を越えて、真剣な議論をいただいていることは大変ありがたいことだと思います。自立支援法について、一割負担の是非のことがしばしば中心課題として、話題として取り上げられておりますけれども、私が残念に思いますのは、この自立支援法のむしろ理念の部分が余り語られていないということであります。障害者はかわいそうな人だからお金を上げればいい、そういう考え方がもしあるとすれば、これは障害者に対して人格を軽視していると私は思います。

 そして、この法律の一番肝要なところは、収容保護主義からの脱却であると私は受けとめております。障害者をかごの鳥のように、かわいそうな人だから人里離れたところにつくった施設に保護をして、そしてそこで一生を終えさせる、これが本当に人として幸せなことなんだろうかということであります。障害者本人の希望に沿った生活ができるように、そしてそれを可能にするような福祉サービスが受けられる制度改正をやっていく必要があると私は思いますし、そのために差別や偏見のない地域社会をつくるという自立支援法の理念は大変重要であると思います。

 具体的な質問に入らせていただきます。

 まず、重度障害者の対策でありますけれども、第一に、自立支援法の柱であります地域移行を進めるためには、重度の人たちがグループホームやケアホームへ移行していくための施策が重要であります。一方で、グループホームやケアホームは報酬単価が安く、運営が大変厳しいと聞いており、これらの声に対してどう取り組むのか、特に、報酬や経営状況の改善のために実態調査に乗り出すという考えはございませんでしょうか。お願いします。

    〔委員長退席、田村(憲)委員長代理着席〕

中村(吉)政府参考人 お答えいたします。

 障害者自立支援法のねらいの一つは、障害者の地域移行を進めることでございまして、その暮らしを支えるための受け皿となるグループホームやケアホームの整備を進めていくことは大変重要であると考えております。このため、グループホーム、ケアホームにつきましては、幾つかの促進策を講じております。

 一つは、運営の基準におきまして、一定の区域に所在する複数の住居を一つの事業所としてとらえ、事業規模を拡大することにより、複数の職員が効率的に支援を行う仕組みに改めるとともに、一つの住居の最低定員を四人から二人に緩和することにより、身近な地域で住居の確保を容易にするなど、事業者の工夫に基づく効率的なサービスの提供を可能としたところでございます。

 二つ目といたしましては、障害者自立支援法におきましては、地方自治体に対しまして、障害福祉計画の策定を義務づけ、計画的にケアホーム等の福祉サービスの整備を図ることとしております。

 その中で、今後のグループホーム、ケアホームの利用者数ということでございますけれども、平成十七年度三万四千人であったものが、平成二十三年度におきましては、全国集計いたしました結果、八万人を目指して整備するということになっております。

 三点目といたしましては、特別対策におきまして、ケアホーム等におけるバリアフリー化等の改修費の助成等を盛り込んでおります。

 ケアホーム等の障害福祉サービスに係る報酬につきましては、先般取りまとめられました与党障害者自立支援に関するプロジェクトチームの報告におきまして、障害福祉サービスの質の向上、良質な人材の確保と事業者の経営基盤の安定のため、平成二十一年四月に障害福祉サービス費用の額の改定を実施すること、このため、事業者の経営実態など基礎的なデータの収集、分析が不可欠であり、公平公正な経営実態調査に早急に着手するなど手続を進めるということが提言をされております。

 私どもといたしましては、この提言を十分に踏まえまして、検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

高鳥委員 ありがとうございます。ぜひ現状を改善するための経営実態調査をやっていただきたいと思います。

 次に、自立支援法の理念を実現するために、ここが一番大事だと思うんですが、重度障害者のケアの質を高める必要があると思います。

 現在、障害程度区分四、五、六で、なおかつ重度訪問介護か行動援護対象者にしか認められていないケアホームにおけるヘルパーの利用、これを、障害程度区分四、五、六の人の中で、行動援護、重度訪問介護対象者以外であっても、必要と認められた人にはホームヘルパーの利用を可能とする制度改正が不可欠であると思います。

 資料の一番目でありますが、現在はこの重なった部分の方しか利用ができないわけでありますが、この左の部分で、下の図でありますが、ヘルパー、ヘルパー、ヘルパーと書いてございます。この部分で、程度区分四、五、六の方の中で、必要な方にはその派遣が可能になるような制度改正についていかが考えておられるか、お願いします。

中村(吉)政府参考人 お答えいたします。

 ケアホームにつきましては、本年四月より、重度訪問介護または行動援護に係る支給決定を受けることができる方であって障害程度区分四以上に該当する方について、個人単位でのホームヘルパーの利用を経過的に可能としたところでございます。

 また、ケアホームにおいて、御指摘がありましたようなホームヘルパーの利用を可能とすることにつきましては、本年度、ケアホームでの重度障害者に対する支援方策全般につきまして調査研究事業を行うこととしているところでございます。

 また、与党のプロジェクトチームがまとめられました報告書におきまして、緊急に措置すべき事項として、特別対策により各都道府県に造成された基金の使途を見直すことにより、重度障害者への対応について支援措置を行うことが提言されておりますので、今後、提言を踏まえた対応を行っていきたいと考えております。

高鳥委員 ありがとうございます。

 このことさえ実現ができれば重度の方の地域生活移行というのは大幅に進むことになりますので、ぜひともお願いいたします。

 あと、時間が余りありませんので、資料を後で見ていただきたいと思いますけれども、これは長野県の県立の施設で西駒郷という施設の事例であります。

 五百人の入所者の中で、四年間で二百名以上がグループホーム、ケアホームなどの地域生活に移行いたしております。この中で、入所者の中で、自分の意思を言葉で表明できる方の八割が施設を出たい、そしてその中に重度の方も三割も含まれている、そして七割の方が、自分が生まれたふるさとへ帰りたい、こういう希望を持っているということも、ぜひ心にとめていただきたいと思います。

 次に、施設に暮らす人には、利用者負担の軽減として、最終的に手持ち金が二万五千円になるように補足給付が図られております。ケアホームやグループホームに暮らす人には、逆にこれは対応されていないわけであります。施設と地域で暮らす人のイコールフッティングが重要であると思いますが、いかがでしょうか。

 例えば、住宅扶助をしやすくするとか、あるいは住宅手当の創設ということが検討できないでしょうか。お願いします。

中村(吉)政府参考人 お答えいたします。

 施設の入所者につきましては、利用者負担、食費、居住費を支払った後、その他の日常生活に要する費用として、少なくとも手元に月額二万五千円が残るよう、利用者負担の軽減措置を講じております。

 一方、グループホームやケアホームの入居者につきましては、食費等のコストを集団で管理されている施設入所者と異なり、地域や生活の状況により食費や家賃がさまざまであることから、一律に食費、居住費を除いた日常生活に要する費用を手元に残す仕組みとしていないところでございます。

 この手元に残る金額につきましては、先般まとめられました与党のプロジェクトチームの報告書におきまして、施設と在宅のバランスに配慮しつつ検討するとされておるところでございますし、お話のございました住宅手当につきましても、同報告書において、社会保障制度全般の一体的見直しに関する議論との整合性や財源の確保を図った上で検討を行うべきであると提言されております。

 私どもといたしましては、この報告書を踏まえ、今後、具体的な対応策を検討してまいりたいと考えております。

高鳥委員 ぜひ前向きな御検討をしていただきたいと思います。

 次に、障害者の所得の向上についてお伺いをいたします。

 障害者の所得向上に関して、工賃倍増計画等を打ち出していただいておりますが、特に、就労支援の事業所や作業所に対する企業の発注を促進する税制の創設、あるいは障害者が働く場に官公需の優先発注などの施策が重要であると考えますが、どのような対策を考えておられますか。

中村(吉)政府参考人 お答えいたします。

 障害のある方の所得水準を向上させ、地域で経済的に自立した生活ができるようにするためには、安定的で良質な仕事の確保が重要であるというふうに認識しております。

 このような観点から、官公需につきましては、平成十六年度に地方自治法施行令の一部改正が行われておりまして、地方公共団体が随意契約できる範囲に、授産施設等からの物品等の調達が追加されたところでございまして、地方公共団体にその旨を周知するとともに、積極的に取り組んでいただくようお願いしておるところでございます。

 さらに、現在、授産施設等による役務の提供につきましても、地方公共団体が随意契約できるよう準備を進めているところでございます。

 また、御指摘がございましたように、授産施設等の受注を増加させるための施策といたしまして、平成二十年度税制改正要望におきまして、授産施設等に発注を行った企業に対して税制上の優遇を行う仕組みの創設を要望しているところでございまして、現在与党におかれましても議論が行われているものと承知しております。

 今後とも、これらの施策に着実に取り組むことによりまして、障害者の所得の向上に努めてまいりたいと考えております。

高鳥委員 もう一点、法定雇用率を達成していることを官公需の入札資格の前提条件あるいは優遇条件とするなど、障害者の実雇用率を高めていくための施策が考えられないものでしょうか。

岡崎政府参考人 障害者雇用促進法におきまして法定雇用率が定められております。当然すべての企業に守っていただくのが基本でございますし、官公需を受注する企業におきましてもこれを守っていただくのが基本であるというふうには考えております。

 しかしながら、一方では会計法の考え方がございまして、会計法あるいは地方自治法等におきまして、契約の際の競争性とか経済性あるいは公平性というような、会計ルールに基づくいろいろな考え方があるわけでございます。

 障害者の雇用促進を進めるという考え方は当然持ちつつも、そういう会計法や地方自治法の現行の規定、これもまた踏まえて考えなきゃいけないということであろうというふうに考えておりまして、その点、また私どもとしても勉強してまいりたいというふうに考えております。

高鳥委員 私は、今一割負担のことで、障害者の負担軽減についてさまざまな御議論というか御提言をいただいていることも大変ありがたいと思いますけれども、一方で、やはり所得を向上させる、それを負担してもなお余るだけの所得向上の方に力をむしろ入れるべきだと私は思っております。

 そういう意味で、今お話が出ました会計法とかあるいは地方自治法、さまざまな壁はあると思いますけれども、ぜひとも障害者の所得が実際に上がっていくように、なお一層の御努力をお願いいたします。

 それでは次に、権利擁護のことについてお伺いいたします。

 私は、自立支援法の精神というか、これを実現していくに当たって、車の両輪のように、もう一つは障害者の権利擁護を進めていかなければならないと考えております。

 まず一点お伺いいたしますが、障害のある人が地域で暮らすためには、さまざまな地域での対応が大切であります。特に、金融機関の窓口で、視覚障害者が身分証を携帯し代筆を依頼しても対応してもらえない、専用用紙に家族等が代筆するようにということで出直してくれと言われる事例があるということであります。また、ATMで点字表記をされていないものがある等の声も聞いております。これらの対策はいかがでしょうか。改善を要請することができないか、お聞かせください。

河野政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま委員御指摘をいただきましたような金融機関の窓口における視覚障害者の方々のための代筆でございますとか、あるいはATMにおける点字表記などのサービスにつきましては、一部の地域金融機関においては既に自発的に実施をしておるというふうに承知はしております。

 ただ、金融庁といたしましても、こういうサービスが一層普及をすることで、金融機関のサービスをこういった方々も不自由なく利用していただけるということに配慮することは当然重要であると考えております。

 そのため、私どもといたしましては、これまでも先進的な事例集の公表でございますとか、あるいは金融業界への要請なども行ってまいりまして、フォローアップに努めておりますので、引き続き努力をさせていただきたいと考えております。

高鳥委員 お聞きするところによると、ゆうちょ銀行には点字のATMのほかに、点字のキャッシュカードも用意されているということでありますが、なお一層のこの現状改善に向けて御努力をいただきたいと思います。

 次に、障害者自立支援法で三障害の一元化ということが図られました。一方で、精神障害者が、JR、バス、有料道路、航空運賃など、割引制度が利用できないという実態がございます。平成十八年十月より、精神障害者保健福祉手帳に写真を貼付して本人確認が可能となっております。他の障害と同様に割引制度を利用できるようにしてほしいという声を聞いておりますが、いかがですか。

北村政府参考人 お答え申し上げます。

 現在、障害者の方々に対する公共交通機関の運賃や料金の割引につきましては、国等から補助を行っているわけではございませんので、各事業者の方の自主的な判断に基づいて行っております。言いかえますと、他の一般の利用者の方々の結果的には御負担において、主に身体障害者や知的障害者に対して割引を実施しているのが現状でございます。

 このため、精神障害者の方々を割引対象とするかどうかにつきましては、基本的には各事業者の自主的判断にかかわる問題でございますけれども、国土交通省といたしましては、従来より、各事業者や事業者団体の関係者に対して、割引に関する要望を踏まえて、理解と協力を求めてきたところでございます。

 精神障害者の方に関しましては、障害者基本法において、精神障害が他の障害と区別なく取り扱われていますとともに、先ほど先生も御指摘ございましたように、昨年四月に施行された障害者自立支援法におきましても、身体、知的、精神の三障害の制度格差が解消されました。また、昨年十二月から施行されておりますバリアフリー新法におきましても、精神障害者を含みますすべての障害者が法の対象者となることを明示的にしたところでございます。

 これらを踏まえまして、国土交通省といたしましては、精神障害者につきまして、身体障害者、知的障害者の方と基本的に同様の取り扱いをされることが望ましいものと考えております。

 このような考え方のもと、今先生から御指摘ございました、昨年十月に、精神障害者保健福祉手帳制度におきまして、手帳に本人の写真を貼付するという制度改正が行われましたことを機会に、交通事業者などに対して、精神障害者に対するより一層の支援策を講じることを検討していただくことについて理解と協力を求めたところでございます。

 これを受けまして、東京都内の路線バスにおいて、写真が貼付された手帳を提示していただいた方に対しましては、運賃を半額とするというふうな割引制度がことしの四月から開始されたところでございます。最近では、このケースも含めまして、精神障害者に対する自主的な割引を実施している交通事業者はふえる傾向にございます。ことしの四月現在の数字ですが、鉄軌道事業者では三十九社、乗り合いバス事業者では百七十四社、タクシー事業者では千二百三社、旅客船事業者では十五社と、全体で約千四百社に及ぶ企業におきまして精神障害者割引が実施されております。

 国土交通省といたしましては、引き続き、関係者のより一層の理解と協力が得られるように、さらに努力をしてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

高鳥委員 ありがとうございます。これも引き続き努力をしていただきたいと思います。

 次に、ちょっと視点を変えまして、看護師の派遣制度についてお伺いをいたします。

 看護師の派遣制度というのは在宅訪問を原則としておりまして、通所施設や事業所への訪問看護は対象になっておりません。経管栄養、たんの吸引、導尿等、医療的ケアが必要な障害者は、就労支援の通所施設は現在利用できないのが実情であります。

 自立支援法は、障害者が住みなれた地域でその人が望む自分らしい生活を実現することを理念といたしております。通所施設で医療的ケアが必要な人への対応を今後どうしていくのか、お聞かせください。

中村(吉)政府参考人 お答えいたします。

 生活介護や自立訓練など医療的なケアを必要とする方々が利用すると想定されているサービスにつきましては、事業者の指定基準におきまして、看護師の配置を求めているところでございます。

 御指摘のございました就労支援に係るサービスにつきましては、基本的に通所による就労が可能な方の利用を想定しておりますことから、指定基準上、看護師の配置を求めておりませんけれども、利用者の病状の急変に備えるため、事業者の指定基準において、あらかじめ協力医療機関を定めておかなければならないこととするなど、医療機関との連携を求めているところでございます。

 また、本年度の障害者自立支援調査プロジェクトといたしまして、日常介護を要する在宅障害者が通勤して働くようになるためのモデル事業を実施しておりまして、障害者の方が通勤して働くために必要な支援につきまして、調査研究を行っておるところでございます。

 医療的なケアが必要な障害者の方々の支援は大変重要であると認識しておりまして、今後、これらの施策を活用しながら、どのような対応が可能か検討してまいりたいと考えております。

高鳥委員 この問題は非常に難しい面があるということは承知をいたしておりますが、ぜひとも、現場から強い要望がございますので、引き続き御検討いただきたいと思います。

 最後に、障害者の権利条約等のことをお伺いしたいと思いますけれども、現在、国連における障害者権利条約が、この九月二十八日に高村大臣が署名をされておられますので、批准に向けた準備が今進んでいるというふうに思います。

 しかし、一方で、ほかにもたくさん問題がございます。例えば、障害者の虐待防止法の問題、あるいは親亡き後の生活に関する成年後見制度の問題、こういう障害者の権利擁護のためにどのように取り組んでいくか。虐待のことについて申し上げれば、児童虐待防止法そして高齢者虐待防止法がございますが、十八歳から六十五歳までの障害者にかかわる部分がすっぽりと欠落をしている。これは法の不備であると思いますから、早急に障害者虐待防止法というのは成立をさせるように、私は取り組む必要があると考えております。

 こういった障害者の権利擁護に対する取り組みをどのようにしていくのか、本来、舛添厚生大臣から決意をお伺いしたいのでありますが、大臣がきょうはおられませんので、岸副大臣、お願いいたします。

岸副大臣 今先生おっしゃいましたように、ことしの九月二十八日ですか、高村大臣が国連本部で障害者の権利条約に署名をいたしました。それに基づきまして、障害者の権利を擁護するための取り組みは、政府を挙げて取り組むべき重要な課題だというふうにとらえております。

 このため、厚生労働省といたしましても、関係省庁と連携しながら、障害者権利条約の批准に向けて必要な検討を行っているところでございます。また、与党障害者自立支援に関するプロジェクトチームの報告書におきまして、障害者の虐待の防止等のための制度について検討ということにされているところでもありまして、今後、与党とも相談をしながら、虐待の防止の問題、具体的な方策を検討いたしますとともに、関係省庁との連携により、成年後見制度、これも一層の普及に取り組んでまいらなければならない、こういうふうに考えております。

 このように、関係省庁と十分に連携しながら、多方面にわたる障害者の権利擁護のための取り組みを一層推進していく、こういう決意でございます。

高鳥委員 ありがとうございます。

 自立支援法と障害者の権利擁護のシステムというのは、繰り返しますが、車の両輪であると思いますから、大変重要な問題でありますので、ぜひとも前向きな取り組みをしていただきたいと思います。

 最後に、ちょっとだけ時間がありますので、一言だけ申し上げます。

 障害者がかわいそうな人だからお金を上げればということを最初に申し上げましたけれども、私、地元の養護学校の体験発表会に行って、大変感動したことがございます。それは、卒業を控えた生徒がこういうことを言ったんですね。僕も、卒業したら社会に出て仕事をして、世の中の役に立ちたい、でも無理かな、それでも頑張ろうと。言葉は非常にたどたどしかったんですけれども、はっきりと彼は自分の意思をそう表現したのであります。

 そのとき、私は非常に心揺さぶられまして、かわいそうな人だから保護して守ってあげなければいけない、でも、彼らの中にも、世の中の役に立ちたい、そのことによって自分が生きているあかし、生きがいを得たい、そう思っている障害者がいるんだ、そういう人たちの願いをかなえることこそ我々政治家の仕事ではないかと思っております。今後とも一生懸命取り組んでまいります。

 きょうはどうもありがとうございました。終わります。

    〔田村(憲)委員長代理退席、宮澤委員長代理着席〕

宮澤委員長代理 次に、松本洋平君。

松本(洋)委員 自由民主党の松本洋平でございます。

 本日は、厚生労働基本施策に関する質問ということで、三十分お時間をちょうだいいたしまして、本当にありがとうございます。

 また、今、高鳥委員から質問がありましたけれども、大変いい質問だったなと私も聞かせていただきました。私も高鳥さんと同じ思いを持ちながら、ぜひ政府にはしっかりと対応してもらいたいということを、私からも重ねてお願い申し上げたいと思います。

 三十分という限られた時間でございますけれども、私は、大きく二つのテーマについて質問をさせていただきたいと思います。

 まず最初のテーマが、自閉症の件に関しまして質問をさせていただきたいと思います。

 私も、地元の活動をさまざまさせていただいておりますけれども、地元で、自閉症の子供たち、またその子供たちを持つ親御さんたちといろいろとお話をする機会をいただいております。本当に子供たちは元気に育っていますし、お父さん、お母さんも子供たちを愛情いっぱい育てている姿というものも拝見させていただくわけでございますけれども、しかしながら、そういう姿の裏には、大変な御苦労、大変なつらい思いというものをされながら自閉症の子供たちと接しているお父さん、お母さんの姿というものが見えてくるわけでございます。

 きょうは、そんなことを踏まえまして、感じたこと、考えたことに基づいて御質問させていただきたいと思います。

 まず冒頭、自閉症に関連する施策は、現状どのようなことが行われているのか、確認をさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

    〔宮澤委員長代理退席、委員長着席〕

中村(吉)政府参考人 お答えいたします。

 自閉症を含みます発達障害者対策につきましては、平成十七年四月に施行されました発達障害者支援法を踏まえまして、発達障害者の乳幼児期から成人期までの各ライフステージに対応する一貫した支援の推進を図るという観点から、昨年六月、厚生労働省では、事務次官を本部長とする発達障害対策戦略推進本部を設置いたしまして、保健、医療、福祉、就労等の関連施策を制度横断的に推進していくこととしております。

 具体的には、障害保健福祉分野におきましては、これまで、発達障害者支援センターにおける相談支援を含む発達障害者の支援体制の整備を行ってきたところでございます。さらに、これに加えまして、本年度からは、モデル事業を通じた発達障害者の有効な支援手法の開発、二つ目といたしまして、国レベルでの知見の集積と普及啓発を行うために、明年早々にも発達障害情報センターの設置を行うこととしております。さらに、これまでにも取り組んでおりますけれども、発達障害者支援にかかわる職員等に対する研修の実施、こういうことを進めております。

 今後とも、こうした施策の着実な実施を通じまして、自閉症を含む発達障害者支援施策を積極的に推進してまいりたいと考えております。

松本(洋)委員 ぜひしっかりと取り組んでいただきたいと思います。

 ちょっと個別の話になりますが、東京では愛の手帳と言われている制度がありまして、これは知的障害の方々を対象にする療育手帳というような制度でございます。

 自閉症の特徴というのは幾つかあると思うんですけれども、一つは、やはりなかなか外見的には障害があるかどうかというのがわかりづらいということが一点あるのと同時に、また、いわゆる知的障害といっても、知的レベル自体はそんなに問題はないんだけれども、さまざまなスキルの面においてバランスが欠けているというようなことがあって、なかなか社会生活を送るにおいてはいろいろな障害を伴ってしまうというようなことがあると思います。

 しかしながら、今申し上げましたように、知的障害の方々を対象にする療育手帳という制度ですから、自閉症を持っている方にとっては、東京都ではいわゆる愛の手帳と呼ばれている療育手帳というものがなかなか、その判断基準が自閉症の子供たちに本当に合っているのかどうかというようなことが、やはり親御さんからは強く話として聞かれました。

 そうした面におきまして何らかの配慮とか勘案というものが行われているのかどうか、教えていただきたいと思います。

中村(吉)政府参考人 お答えいたします。

 療育手帳は、知的障害児者の福祉の向上を図るため、関係機関による一貫した療育、相談等が行われるようにするとともに、各種の援助措置を受けやすくするために、昭和四十八年に制度化されたものでございます。

 その関係通知におきましては、例えば、知的障害の程度について、重度であるAとそれ以外であるBの判定基準を定めておりますけれども、実施主体である各都道府県、政令市の判断により、さらに細分化した基準を設けるなど、柔軟な運用が行われているところでございます。

 自閉症をあわせ持つ方に対しましても、このような各都道府県等の判断により、知的障害の程度が判定され、療育手帳が交付されるとともに、必要な支援等が行われるということになると考えております。

 なお、知的障害を有しない自閉症の方につきましては、先ほど御答弁いたしました発達障害者支援法の枠組みで支援をしていくことになるのかなというふうに考えておりますし、それから、自立支援法の障害者等の範囲の問題の中で、発達障害者の取り扱いをどういうふうにしていくかということが検討課題になっておりますので、そういう中で今後よく議論をしていきたいというふうに考えております。

松本(洋)委員 ありがとうございます。

 いずれにいたしましても、実態に即してしっかりとさまざまな対策がとられるようにしていただくことが大切だと思いますので、ぜひしっかりと研究していただきたいと思っております。

 今、手帳の話をさせていただきましたけれども、これらの現場と行政の間で若干ギャップがあるかと思うんですけれども、これというのは、ある意味、自閉症の方に対する支援というものが総じてやはり手薄なのかなと私自身は思う部分がございます。

 大切なことは、できるだけ早く気づいてあげること、そして適切な対応につなげていくということが大変重要ではありますけれども、しかしながら、それができていないからこそ、どうすればいいのか親子がなかなかわからない、また、地域の必要なサポートも得られないというような状況があるのではないか、その結果として、日常生活、社会生活を進めていく上におきまして困難が伴ってしまうのではないかと思っております。

 そこで、自閉症に関しまして、早期の発見、また地域での支援体制の構築に向けましてどのように取り組んでいくおつもりなのか、教えていただければと思います。

中村(吉)政府参考人 お答えいたします。

 自閉症を含みます発達障害につきましては、一歳六カ月児健診や三歳児健診など、乳幼児健診などの場を通じまして早期発見に努めておるところでございます。

 また、今年度からは、先ほどもお話をいたしましたように、自閉症を含む発達障害の早期発見、早期対応に資する幼児療育手法や、あるいは家族支援プログラム等の有効な支援方策の開発、確立を行うために、発達障害者支援開発事業を行っているところでございます。

 さらに、こうした取り組みの効果をより発揮するためには、保健、医療、福祉等の関係者が地域で協力しながら、本人や家族に対しまして、各ライフステージに対応する一貫した支援を行うことが必要でございます。

 このため、都道府県、指定都市におきまして発達障害の検討委員会を設置しまして、この委員会で指定された圏域において教育部門を含めて一貫した支援を行うためのネットワークを構築するなど、あるいは個別の支援計画をつくっていく、そういう取り組みを行っております。

 また、地域での取り組みをバックアップする専門的な機能を有する機関といたしまして、先ほども御答弁いたしましたけれども、発達障害者支援センターの設置を進めておるところでございます。現在、すべての都道府県に設置されておりまして、指定都市におきましても順次設置が進められております。設置箇所数につきましては、現在五十九カ所でございますけれども、年度内には六十一カ所になるという予定になっております。

 今後とも、自閉症を含みます発達障害について、早期に発見し、適切な支援が行われるよう、支援体制づくりを進めてまいりたいと考えております。

松本(洋)委員 ぜひしっかりと進めていっていただきたいと思います。

 今るる御答弁をいただいたわけでございますけれども、例えば、そういうセンターを設置しますとか、また専門家の方々を育成していきますというようなこともあるわけでございますけれども、こういう方々が、自閉症を持っているような方々がしっかりと社会の中で生活を行っていくためには、やはり一番大切なことは、広く国民の間にこの自閉症に対してしっかりと認識してもらう、理解をしてもらい、そして社会総ぐるみでしっかりとサポートをしていくという体制をつくっていくことが私は何よりも大切なことだと思っております。

 そういう意味におきまして、厚生労働省として、国民に対しまして広く理解してもらうための方策、どのようなことをされているのか、最後にお伺いしたいと思います。

岸副大臣 ただいま部長からもお話がございましたが、自閉症を含む発達障害者の支援を進めていくためには、発達障害に関する普及啓蒙活動を広く国民の間に浸透していく必要があるということは、先生のおっしゃるとおりだと思います。

 このため、都道府県、指定都市に設置する発達障害者支援センター、これも部長から発言がございましたが、これらを六十一カ所に広めまして、ここを中心にしまして、相談支援を行いますとか、あるいは発達障害の特性や対処方法に関するパンフレットを作成し、それを配布いたしまして、より一層、国民の中に幅広く知っていただくような、そういう対応を広めていかなきゃならないと。

 また、本年度中に国レベルで発達障害に関する知見を集積しまして、全国の発達障害者支援機関や一般国民に対しホームページやパンフレットによる幅広い普及活動を行うための発達障害情報センター、これを二十年度には国立リハビリセンターの中に併設いたしまして、その取り組みを強化していかなきゃならない、こういうふうに思っております。

 いずれにいたしましても、関係省庁、国民と手をとり合って、先生のおっしゃるように、広くこの問題を国民の皆さんに知っていただいて、自閉症並びに発達障害の方々が社会の中でしっかりと位置づけられていきますように努力するのは私たちの務めである、こういうように自覚しております。

松本(洋)委員 ぜひよろしくお願いをしたいと思います。

 私自身、いろいろとお話を聞かせていただく中に、例えば、そういう親御さんなんかがおっしゃっていたのは、やはり子供のころからそういう障害を持つ子供たちといわゆる健常者という子供たちがいろいろな場で一緒に遊んだりとか学んだりという機会があるかないかというのが、そういう障害に対する理解を促進するという意味におきましても、また実際に、障害を持っている子供たちに対してだけではなくて、やはり健常者の側にも大変さまざまな、思いやりだとかそういういろいろな心が芽生えてくるというような話も聞いているわけでございます。

 厚生労働省だけで何かできるという話ではないと思っておりまして、そうした観点につきましても、文部科学省を初め各省庁とぜひ連携をとりながら、広く国民一般に理解がしっかりと広まるような、そういう努力というものをぜひともしていっていただきたいと思います。

 ここから話題ががらっとかわりまして、二つ目の観点での質問に移らせていただきたいと思います。

 本年、静岡県におきまして技能オリンピックが開かれました。ちょっとその点に関しまして御質問をさせていただきたいと思います。

 私も、実際にことし、自民党の一年生議員何人かと一緒になって技能オリンピックの会場へと行って、その競技の現場等々を拝見させていただく機会がありました。行って驚いたんですけれども、それこそ海外からいらっしゃっている方々も大変多くいらっしゃいましたし、学生さんたちも、大変大勢の方がこの技能五輪、また同時に開催されておりましたアビリンピックの見学に訪れていました。

 それこそ世界最高峰のいわゆる職人さんの技術を、実際に生のものを見る貴重な機会ということもありまして、来ていただいた方にはいろいろな感動を与えられたんじゃないかと思いますし、この技能オリンピックというものは、これを一つのきっかけにいたしまして、私は、今、日本の国からだんだんと失われようとしているいわゆる職人わざといいますか技能というものに対するさらなる理解、そして取り組みを深める一つの大きなきっかけになるんじゃないかというようなことを感じながら行ってきたわけでございます。

 そこで、まず、この技能五輪に対しての質問の第一番目といたしまして、今回の技能五輪国際大会の実績をまず御報告といいますか、教えていただければと思います。

新島政府参考人 二〇〇七年ユニバーサル技能五輪国際大会でございますが、去る十一月十四日から二十一日まで静岡県において開催をされたところでございます。

 日本選手団の成績でございますけれども、技能五輪国際大会におきましては金メダル十六個、それから国際アビリンピックにおきましては金メダル十二個、獲得をいたしております。金メダル数でともに世界第一位となるなど、非常にいい成績をおさめたところでございます。

 それから、来場者の関係でございますけれども、来場者数につきましても、予想を大きく上回る約三十万人の方に見ていただいたということで、こういった結果でございます。

松本(洋)委員 ありがとうございます。

 今御答弁がありましたとおり、今回、技能オリンピックでは十六個の金メダル、アビリンピックでは十二個の金メダルということでございまして、前回大会から比べても相当数メダル数を伸ばすことができたということで、そういう意味では、近年この技能オリンピックのメダル数に関してもなかなか厳しいものがあるというような話も聞いていたわけではございますけれども、世界一ということでございまして、本当によかったなと思っております。

 実際に技能オリンピックに参加している方々たちというものを見てみると、実際には、もちろんさまざまな職種があるわけですから一概には言えないわけですけれども、やはり大企業に所属している方というのが非常に多いわけですね。

 実際にそういう方たちが、選手たちがどういう訓練を受けているか、ちょっといろいろと教えていただきましたが、この技能オリンピックに出場するために一年ないし二年間はオリンピックのための訓練を積まれている、そういう選手の方々も結構な数いらっしゃったんじゃないかと思います。もちろん、それぐらい、この技能オリンピックというのは、メダルをとるためには大変高いレベルの技術が求められる大会でございます。また、そういうところで育った技術者の人たちが実際に大会に出た後、現場に戻りまして、それこそ物づくりの最前線、リーダーとなって活躍をしていただいているわけです。

 しかしながら、私が思うのは、やはり物づくりの底辺を支える中小企業の人たちがなかなかこの大会に出場する機会、きっかけというものが難しい、ハードルが高いんじゃないかと私自身は正直思っております。国際大会はもちろんそういう場ですからいたし方ないのかもしれませんが、少なくとも国内大会におきましては、中小企業も参加、活躍ができる限りしやすいような、そういう環境づくりというものをして、ぜひ、この技能オリンピックというものを通じて物づくりの基盤を広げる、そんな作業をしていただく必要があると思っております。

 そんな観点から、中小企業がこれからも参加できるような政府の支援策、何かお考えでしたらぜひ教えていただきたいと思います。

新島政府参考人 お答えいたします。

 技能五輪国際大会の出場選手につきましては、造園などいわゆる職人的な職種、それから西洋料理等のサービス的な職種におきましては、中小企業の選手が出場しております。ただ、工業系の職種につきましては、やはり大企業の選手が多いという状況でございます。

 我が国の物づくり現場を支えます中小企業労働者の技能五輪国際大会への参加を促すことは、御指摘のとおり非常に重要であるというふうに認識しておるところでございまして、現在、参加を希望します中小企業労働者に対します実技指導、それから国際大会の予選となります全国大会に出場する際の参加費の助成等の支援策を検討しているところでございます。

松本(洋)委員 もちろん、そういう対策も大変重要でございますから、ぜひともやっていただきたいと思うんですけれども、例えば、これはどこで分けるかというのは大変難しい議論があると思うんです。

 例えば、それこそ資本金別だったりとか従業員数別だったりとか、要するに、大会に出ても、いい成績をおさめるためには、なかなか中小企業には、選手を育成するためのコストを負担するとかという面で、かなり難しい部分があるというのもこれは実態だと思っておりますので、例えばそういうクラス別に、いわゆる表彰制度じゃないですけれども、戦えるような、そういう形をつくってみたらどうか。

 また、そういう高い技術者を育てるということのコストに見合うような施策というのも私は必要じゃないかと思っておりまして、例えばそういう優秀な成績をおさめてくれた技術者に対しての報奨はもちろんのこと、それを育ててくれたということに関しての、企業に対する支援策とかというのも考えてみてもおもしろいのかもしれないと私は思っております。税制上だったりとか金融上だったりとか、さまざまな支援策があると思いますけれども、そんなことも含めて、それこそ、この技能五輪というものが日本の物づくり業界に対しての大変大きな一つの刺激になるような、そんな方策というものを考えていただければと思います。

 また、中小企業ができる限り参加しやすくするということと同時に、ぜひ私が取り組んでいただきたいと思っているのは、日本という国ならではの伝統産業みたいなものも、もう少ししっかりと取り入れていただけたらいいんじゃないかと思っております。

 実際、今回の技能オリンピックの会場に行きましても、日本の高度なさまざまな技術、例えば創作的な、きれいなお花の形をした和菓子の展示がされていたりとか、くぎを一本も使わないで組み立てられている建物の骨組みのようなものが展示されていたりということで、恐らく、海外からいらしていただいた方は、そういう日本の伝統的な技術の高さに対して大変な驚きと感嘆の声というのが上がっておりましたけれども、国内大会におきましては、少なくとも私はそういう日本の伝統産業、伝統工芸みたいなものもぜひ種目としてつけ加えていただきたい。

 そして、そういう人たちがしっかりと自分たちの技能を対外的にアピールできるような、そういう場というものもつくったらいいんじゃないかと思っております。例えば、私は宮大工とかというのは大変日本のすぐれた技能だと思っているんですけれども、残念ながら、なかなかそういう宮大工さんに頼まなければならないような建築物というのもこの国からだんだんと失われてきてしまっていますから、そういう人たちに、なり手が減ってきてしまっているとか、いろいろな話も聞くわけでございまして、そういう伝統技能に関しまして、ぜひ国民の注目を得られるように、国内大会、全国大会の種目として創設すべきだと思いますが、その点に関しまして、よろしくお願いいたします。

新島政府参考人 技能五輪全国大会の競技職種でございますけれども、これは技能五輪国際大会の競技種目、職種の動向もございます。そのほか、人材育成に係る社会的ニーズが大きいこと、あるいは採点基準を明確に設定できるなどの競技になじむこと、それから関係業界団体の積極的な理解、協力が得られること、こういった要素を踏まえまして決定されております。

 前回の香川大会におきましても、例えば和裁であるとか日本料理であるとか、これは国際大会にない種目でございますけれども、こういうものが設定されておるところでございまして、御指摘のような伝統技能につきましても、こういった観点から、関係業界団体等の御意見もお聞きしながら検討してまいりたいというふうに思っております。

茂木委員長 前半部分の、クラス別とかそれから企業支援の話の答弁は。

新島政府参考人 中小企業等に対する支援ということでございますけれども、これにつきましては、職業訓練にかかわるさまざまな制度がございます。こういった制度を活用しながら、御指摘のようなことも考慮しながら検討してまいりたいというふうに思っております。

松本(洋)委員 ぜひすそ野を広げていただいて、日本の物づくりのそれこそ最高峰の人たちがしっかりと出てきて、それが一つの動機づけとなって、日本の物づくりというものがしっかりと位置づけられるような対策といいますか、そういう大会にしていただくべく、これからもさまざまなお力添えをいただきたいと思います。

 いろいろと申し上げさせていただきましたが、私自身としては、今回の国際大会、大変な成功であったのではないかと思っております。ぜひ、この大会を通じて、物づくりの大切さというものが国民全体に浸透していってくれればなと思いますし、大変多くの学生さんたちも見に来られていたわけですから、そういう学生さんたちの中から、将来物づくりというものに進もうという意欲を持った若者たちがさらにさらにたくさん出てきてくれればいいなと思っております。

 最後に、総括的に、今回の技能五輪国際大会によってもたらされた成果というものをどのように評価をいたしまして、今後の政策に反映させていくのか教えていただければと思います。よろしくお願いします。

岸副大臣 松本先生が現地に赴いてごらんになっていただいたということは、大変ありがたいことでございます。私も開会式に大臣の代理で参りまして、大変な人数の方々が集まっていることに大変うれしく思って帰ってきたところでございます。

 先生の御質問をいろいろお聞きしておりまして、まことにごもっともだと思ったことが二つありましたので、ちょっとお話しさせていただきます。

 一つは、宮大工さん初め日本の伝統的な技術者、技能者、これをもっと大事にすべきじゃないかといった趣旨のお話だと思います。私も実は田舎で町長をやっていまして、大工さんの住宅建築コンクールというのを三十年ほど前からやっております。これがきっかけになりまして、町では街並み景観条例というものをつくりまして、今や東北地方、私は山形なんですが、町並みの美しさということで、大勢の方々が見に来られる。

 やはり技能者を褒めたたえるということは非常に政策的にいいことだろう、こういうふうに思います。例えば、今回の技能オリンピックでお聞きしましたところ、韓国は、メダル数では日本を上回っている。金メダルは日本の方が多いんですけれども、全部で三個か四個、メダル数では向こうが上回っているそうでございます。大したものだなと思って、韓国というのは頑張っているんだなという話をしましたら、実は韓国では、金メダル、銀メダル、銅メダルをもらった方々に、たしか国か何かから報奨金がやはり出ているという話をお聞きいたしました。

 そんな意味で、先生からも報奨金のお話がございましたが、まさに中小企業等々の方からは、出すだけでもいろいろ苦労もございましょう。個人的に言えば、私もそういう意味で、やはり日本の物づくり技術というのは、あらゆる方面から考えて、幅広い、またきめ細かな対応が必要だ、こういうふうに思って、先生のお話をお聞きした次第でございます。

 厚生労働省といたしましては、本大会が盛大裏に終了したことを、心から国民の皆さん、関係の皆さんに感謝を申し上げますとともに、この成果を十分検証して、これからの物づくり対策に生かしていかなきゃならない、そういう決意をいたしているというところでございます。

松本(洋)委員 大変力強い御答弁をありがとうございました。ぜひよろしくお願いをしたいと思います。

 もう時間ですので終わりますが、最後に、今回の技能オリンピック、出場された選手、そしてメダルをとられた方々に、一人一人に心からの敬意を表したいと思いますし、できれば、やはりスポーツのオリンピックにできるだけ近いぐらいの名誉なりというものを、この技能オリンピックで戦った選手たちにも与えていただきたいと思います。

 同様に、国会議員の先生方も、ぜひ一人でも多くの方が国内大会並びに国際大会に足をお運びいただいて、盛り上げていただくということもとても大切じゃないかと思いますので、そんなことも最後に申し上げさせていただきまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

茂木委員長 次に、古屋範子君。

古屋(範)委員 公明党の古屋範子でございます。

 私たち公明党は、福田政権との連立合意の実現に向けまして、現在、自民党と精力的に協議を続けてまいりました。本日は、この政権合意の実現に向けて、大臣のお考え、また御決意をお伺いしてまいりたいと思います。

 私たちは、連立政権協議におきまして、改革は継続しつつも、負担増の緩和、また格差の是正など、生活者の目線、庶民の目線から、国民のための政治を実現するために全力を挙げております。政権合意の中には、来年四月から予定をされておりました高齢者医療費の負担増、また母子家庭への児童扶養手当削減の凍結、また利用者負担が実情に合わないなど課題のある障害者自立支援法の抜本的見直しなどでございますが、先週まで、自民、公明の与党プロジェクトチーム、私も微力ながらこの三つのPTにはかかわらせていただきましたけれども、議論を進めてまいりました。

 この中で真っ先に決まりましたのが、高齢者医療費の負担増凍結でございます。来年四月からスタートいたします高齢者医療制度で、まず一年間負担増を凍結し、自己負担のあり方も含めて制度のあり方を検討することで与党合意ができました。さらに、来年四月からの支給額最大二分の一を削減する予定となっておりました母子家庭に支給をされている児童扶養手当の凍結も決まりました。今回の合意では、働く意欲のある人、また働けない特別な事情を抱えている人は継続して支給を受けられるよう、与党で合意をしたところでございます。

 先般の委員会質疑におきましても、私は、児童扶養手当削減の凍結について、自立を目指してまじめに働こうとしている母子家庭の児童扶養手当の削減は凍結すべきと主張いたしました。また、与党PTにおきましても、その実現に努力をしてまいりました。この今回の合意には胸をなでおろしたところでございます。

 大臣、今後も、高齢者また母子家庭の母など、弱い立場にある方々が安心して暮らせる社会の実現へ効率的な支援策を提案し、安定した生活が送れる社会の構築に私たち与党とともに全力で取り組んでいただきたいと思いますけれども、この点の御所見をお伺いいたしたいと思います。

舛添国務大臣 今委員がおっしゃられた、高齢者、母子家庭、こういう方々が安心して暮らせるようにきめの細かい配慮をやるということを与党の皆さん方がお決めになり、これは福田政権の政権公約でもあるということでありまして、高齢者医療制度の激変緩和措置、それから母子家庭への支援対策、今委員が中身はおっしゃいましたので、それについて繰り返しは避けますが、こういう弱い立場にある方々に光を当てていく、御支援申し上げる、それが我々の立場でもございますので、この与党の皆さん方のおまとめになった案を真摯に受けとめまして、適切に実施をしてまいりたいと思います。

古屋(範)委員 大臣の御決意を伺うことができました。ぜひ、今後とも、弱い立場にある方々、また生活者の視点に立った政策、強力に推進していただきたい、このように期待をいたしております。

 また、さらに、先週十二月七日には、きょうも話題になりました障害者自立支援に関する与党PTにおきまして、障害者自立支援法の抜本的見直しに関する報告書も取りまとめました。

 この中で、緊急に措置すべき事項といたしまして、障害者が福祉サービスを利用する際にかかる原則一割の自己負担について、平成二十年度までの軽減措置を二十一年度以降も実質的に継続することを柱としております。さらに、障害者のいる世帯につきまして、子育て支援の観点から軽減対象を拡大すること、また、障害者に支給する障害基礎年金の引き上げなどの検討も盛り込んでおります。

 今後、これら緊急に措置すべき事項は、与党・政府一体となって取り組んでいかなければならない課題であります。また、財源が限られている中で、予算の確保が重要なかぎとなっております。舛添大臣には活躍をしていただかなければならないというふうに考えております。

 そこで、このように政権合意の重要課題の中で、厚生労働分野が多く占めており、大臣の手腕が大変期待をされているところでございます。大臣、与党がまとめました障害者自立支援法の抜本的見直しの実現についての御決意をお伺いいたします。

舛添国務大臣 与党の皆さん方のプロジェクトチームの報告書、十二月七日、私もしっかりとちょうだいいたしました。そして、今委員がおっしゃいましたように、障害者の自立を支援していく、これは非常に重要なことでございますので、特に今おっしゃった緊急措置については、予算措置も含め、きちんと実施していくように、厚生労働省としても頑張ってまいりたいと思います。

古屋(範)委員 予算の確保、この点につきまして、どうか御努力をよろしくお願いいたしたいと思います。私たちもしっかり頑張っていく決意でございます。

 次に、大臣、御就任になられてから、これまで数々の課題の解決に大きな前進が見られるというふうに思います。これも大臣の、生活者、また庶民の視点に立たれ行動されているからこそと、私も評価をしているものでございます。

 例えば、十二月七日、与党原爆被爆者対策PTにおきまして、在外被爆者が、来日しなくても現地の在外公館などで被爆者健康手帳の申請を可能にする被爆者援護法一部改正案を今国会に提出することで合意をいたしました。

 また、四日の衆議院本会議で、給与から天引きされた年金保険料を企業が国に納付しなかったために給付を受けられない従業員らを救済する厚生年金給付特例法案が、一部修正の上で、全会一致で可決をされました。一刻も早い成立が待たれているところでございますが、年金記録確認第三者委員会で確認をされております三百件以上の方々が、これにより対応、救済がされるという見通しになっております。

 また、さらに、先月二十八日、中国残留邦人、この新たな支援策を盛り込んだ改正残留邦人支援法が成立をいたしました。公布された十二月五日には、全国の残留孤児訴訟の原告十二人と総理が面会をされ、これに舛添大臣も同席され、謝罪をされるという英断を下された。これは非常に大きな意義があったと考えております。

 公明党は、帰国事業が本格化いたしました一九八〇年代から、この中国残留邦人への支援策の充実を推進してまいりました。今回、残留邦人の方々が訴えていた人間としての尊厳の確保、基礎年金の収入認定の撤廃、残留邦人が死亡の際も配偶者に支給を継続する、こうした、生活保護とは全く違う給付制度が実現をしたわけでございます。

 そこで、政治の力で、残留邦人の皆様方が、日本に帰ってきてよかった、そう思える支援をぜひとも実現させていただきたいと思いますが、大臣、この点、いかがでございましょうか。

舛添国務大臣 今委員からお話がありましたように、十二月の五日に、中国残留孤児の代表の方々が官邸で総理にお会いしました。私も同席をいたしました。総理から、これまでの、手を差し伸べるのが遅かったということを謝罪され、しっかりと支援していくということをおっしゃっていただき、残留邦人の方々も大変感激しておられました。まさにこの新しい法律の公布の日でありました。

 私は二つ感想がありまして、一つは、やはり与党のPTの皆さんが、こういう政府がなかなか腰を上げない問題についてまず先に問題提起をしてくださる、そして議員立法という形でお進めくださって、そして、これは与野党を問わず、いい法律であればみんなで協力して実現させるんだ、そういう形で実現した法律でありまして、この法律が成立しましたことによりまして、来年四月分の老齢基礎年金から満額支給することができるようになりますし、それから、老齢基礎年金を補完する生活支援給付も実施できるようになります。

 これで、私たちが忘れ去っていたというか、そういう大事な問題について、つまり中国残留邦人の方々に対する支援が一歩前進するということは大変喜ばしいことと思います。この点もまた、予算の確保を含めて、厚生労働省として全力を挙げて取り組んでまいりたいと思います。

古屋(範)委員 大臣より、与党PTまた議員立法への御評価もいただきました。この実現に向けて、さらに推進の方をぜひよろしくお願いいたしたいというふうに考えます。

 次に、介護の問題に移ってまいりたいと思います。

 少子高齢社会でございます。この福祉人材の確保は非常に重要な問題でございます。介護は命を支える重労働であり、にもかかわらず、それに見合わない低賃金、雇用の不安定、そして経営環境の厳しさ、社会保障費が抑制をされる中、介護労働者の、また介護事業者の現場から悲鳴が私のもとにも届いております。さらに、介護報酬を不正請求したコムスンの事件、高齢者介護の現場が深刻な人手不足に陥っている現実を浮かび上がらせてまいりました。

 これからの超高齢社会におきましては、要介護認定者の急増が予想されます。必要となる福祉人材、質、量、両面において確保をしていかなければならない喫緊の課題でございます。

 職業安定業務統計から介護関連職種の有効求人倍率を見ますと、平成十六年度、パートタイム労働者を含む介護関連職種全体で一・一四倍、十七年度には一・四七倍、そして十八年度には一・七四倍、全職業における一・〇二倍を〇・七二ポイント上回る、いずれも高い水準でございます。近年、特に都市部で急速に上昇しておりまして、その人材確保が厳しい状況であるということがわかります。

 また、平成十八年度介護労働実態調査によりますと、介護職員、ホームヘルパーを合わせました離職率、これが二〇・三%ということでございまして、全産業の平均一六・二%よりも高い水準にございます。高い事業所、また低い事業所、この二極化が見られるということであります。しかも、過半数の介護サービス事業所では、従業員が不足していると感じているという結果が出ております。

 さらに、介護給付費実態調査では、介護サービスの経営につきまして、全体的に経営環境は厳しさを増している。特に訪問介護、通所介護は、受給者数の増を超える事業所数の増加に伴い、競争が激化をしてしまったという現実がございます。

 一昨日、十二月十日でございますが、社会保障審議会介護給付費分科会の介護サービス事業の実態把握のためのワーキングチームにおかれましても、介護サービス事業所運営上の問題点として、介護報酬の水準、労働条件、環境の改善、また良質な人材の確保に加えて、書類作成や事務手続の煩雑さを挙げる事業所が多いことが指摘をされております。

 私も、地元神奈川の介護の現場に足を運びましてさまざまな御意見を伺っております。やはり介護事業者は経営が非常に大変である、あるいは、ケアマネジャーの方々も事務処理が非常に多くて重労働である等々、また、若い方々の離職率が高いなど、お声を伺っております。

 非常に問題でありますのが、介護サービス以外の事務負担の多さであるということが言えます。事務が余りにも煩雑であるため、介護サービスの本当の意味でしなければいけないサービスが効率的に届かない、また、書類作成、事務に係る負担をできる限り軽減してほしい、見直してほしい、また、実地指導、監査が入ります、その事業者の事務負担の増加を招かないでほしいなどなど、要望をいただいております。

 それで、最初ですけれども、介護労働者、事業者を取り巻く状況、そして介護サービス事業経営の改善の方策、特にこの事務負担の軽減についてお伺いをいたします。

阿曽沼政府参考人 お答えをいたします。

 御指摘のように、介護を取り巻く状況は大変厳しいものがございまして、離職率が高いという問題、それから経営の苦しい事業者もかなりあるという現実がございます。

 こうしたことから、先生御指摘ございましたように、私どもとしても、社会保障審議会の介護給付費分科会に公益委員の先生方から成りますワーキングチームを設置いたしまして、事業者、労働者団体九団体からヒアリングを行いました。それで、御指摘ありましたように、今月の十日に、今後の検討課題ということで報告書をまとめていただきました。

 その報告によりますと、御指摘のように、介護事業の経営あるいは介護労働者の処遇に一つ影響を与えるということで、書類作成あるいは事務に係る負担が大変大きい、したがって、それをできる限り軽減するべきではないかという指摘がなされております。

 この点につきましては、私ども厚労省としても大変重要な問題意識を持っておりまして、今後、事業所の経営あるいは従事者の実態等を十分把握いたしまして、事務負担の軽減ができますように、可能なものから順次検討し、実施をしていきたいというふうに思っております。

古屋(範)委員 やはり、この事務負担というものは非常に大きいという声が多いわけでございます。介護報酬の見直しの前に、ぜひできるところから速やかにこの膨大な事務処理の負担軽減を実行していただきたい、このように重ねて要望いたします。

 それから、この高齢社会におきまして、福祉人材を確保すること、これは非常に難しい課題でございます。また、団塊の世代が高齢に達してくる、この介護ニーズにこたえるためにも、早急な対応が必要である。ある試算では、年々六万人の新たな介護人材が必要であるということもございます。

 本年八月に発表されました新福祉人材確保指針におきまして、高齢者やボランティアが参入しやすい研修制度の整備などとともに、何より、介護サービス従事者が多く女性であることから、女性に対する就業支援が欠かせないと指摘をされています。私の周りにも、多くの女性がこうした介護に携わっていらっしゃいます。

 また、日本介護福祉士会の就労意向調査によりますと、介護福祉士の資格を持ちながら介護現場で働いていない約二十万人の潜在的介護福祉士のうち、一年以内に介護業務に従事したい、一〇・六%、将来的には従事をしたい、三八・八%という、約半数の方が再就職の意欲があるということが明らかになっております。こうした潜在的介護福祉士の多くは女性であると考えられます。

 そこで、出産、育児で離職した女性に対して再就職の働きかけ、また再就職のための教育を行うなど、その持っている能力を発揮できる再就職支援が重要であると考えます。

 厚生労働省は、介護福祉士の職場復帰を進めるために、来年度、初の実態調査を行う方針と伺っております。この実態調査を早期に行い、その結果に基づきまして、女性が生涯を通じて意欲を持って働き続けることができるよう、その環境整備を行う必要があると考えますが、この点はいかがでございましょうか。

中村(秀)政府参考人 お答え申し上げます。

 委員からお話ございましたように、現在、介護職員として働いておられる方の八割は女性でございますので、介護の現場を女性の方々が働きやすい職場環境としていくこと、これが大事であるというふうに考えております。

 また、御指摘ございましたように、介護の中核的人材であります介護福祉士については、資格をお持ちになりながら介護に従事していない方が約半分くらいおられる、こういうことでございますので、いわゆるこういった潜在的な有資格者の就労促進を図っていくということが、今介護の人手が足りないという状況の中で大変大事なことではないかと考えております。

 そこで、どうして今介護の資格を持ちながら介護の現場に就労されておられないのか、また、どういった介護以外の場所で働いておられるのか、そういったことについての現況調査を行うということで、来年度、この調査をぜひ実施したいというふうに考えております。

 具体的には、介護福祉士、精神保健福祉士、社会福祉士といった資格をお持ちになって、今現場で働いておられない方々について詳細な調査を実施し、それを踏まえて、こういう有資格者の方が介護の現場に戻ってこられるような施策を打ってまいりたいと思います。また、女性が働きやすいというようにするため、都道府県の福祉人材センターで、介護現場へ復帰する方々に対する再研修や就労希望者の説明会などもやっております。

 こういったさまざまな取り組みを行いまして、女性の活用を含め、国民各層の方々が、意欲があられる方々が介護分野へ就業や参画しやすい環境づくりを図ってまいりたいと考えております。

古屋(範)委員 高齢者が増加をしてくるということを考えますと、やはり女性の力をここで多く発揮してもらわなければ、到底これはカバーすることはできないんだろうというふうに思います。ぜひ、その調査が早急に行われ、またその結果に基づきこうした環境整備がされていくことを強く要望しておきたいというふうに思います。

 次に、介護従事者の待遇改善についてお伺いをしてまいります。

 高齢者介護の現場が深刻な人手不足に陥っている、これは先ほど指摘をいたしました。意欲を持って、志を持って介護の現場に就職したにもかかわらず、一年のうちに二〇%、五人に一人がやめていってしまう。これは何としても歯どめをかけていかなければならないと思います。

 厚労省によりますと、ヘルパーの時給千二百十円。全産業の平均時給より六百円近く安い水準にとどまっております。時間単位で働く登録型ヘルパーは、月収十万未満という人たちが少なくはございません。

 若い方々がこうした福祉の分野に就職をしてきて、そして、家庭を持ちたい、子供を持ちたい、そうした生計を支えていくことができない、その不満や悩みの原因となっておりますのがこの給与体系でございます。また、キャリアや能力に合ったものにこの給与体系を見直していかなければならないのではないかというふうに考えます。他の分野の労働者と給与水準の格差を埋めていかなければならないと考えます。

 もちろん、介護報酬の水準のみでは介護労働者の処遇に係る問題の根本的な解決にはつながらないということも承知をいたしております。しかし、まず介護労働者が要求される質、またその労働量に見合った対価が得られますよう、介護報酬上の対策を講じる必要があるというふうに考えますけれども、この点はいかがか。

 また、その際、介護報酬をアップしても、実際それが現場で働いていらっしゃる労働者に反映をされていかなければ意味がありません。また、一定の給与水準を保障できるような仕組みづくりが必要と考えます。この点について厚労省のお考えをお伺いいたします。

阿曽沼政府参考人 お答えを申し上げます。

 介護経営の問題でございますけれども、先ほど申し上げましたワーキングチームの報告におきましても、望ましい人件費配分のあり方、あるいは適正な人件費配分を促す仕組みについて分析が必要ではないかという御指摘をいただいております。

 この問題、大変いろいろ難しい問題はございますけれども、介護労働者の賃金といいますのは、基本的には、事業者とそれぞれの労働者の個々の契約で決められているということでございます。ただ、この点についてワーキンググループとしては、事業者が適正な人件費配分を行うべきではないかという問題意識でこういう御提言をされたのではないかというふうに思っております。

 私どもとしては、事業者が収入をどの程度人件費に配分しているかどうかということについては、今後十分精査、分析が必要ではないかと思っております。

 また、介護報酬全体の問題でございますが、現在、事業所の経営あるいは従事者の実態等につきまして調査を行っておりまして、来年三月以降、結果が順次取りまとめられるというふうに予定をいたしております。調査結果を詳細に把握、精査いたしまして、介護報酬につきましては、一方、介護保険料等の水準の問題もございますので、社会保障審議会介護給付費分科会等において十分な御議論をいただきまして、適切な報酬の設定に努めてまいりたいと考えております。

古屋(範)委員 若い方々が介護の現場で働いていらして、働き続けられるような報酬アップに向けての仕組みづくりというものをつくっていただけますよう、重ねて要望しておきたいと思います。

 次に、介護労働環境の整備についてお伺いをしてまいります。

 平成十八年度介護労働実態調査によりますと、年次有給休暇制度がない事業所、これが約一割ございます。また、ホームヘルパーに対する、移動時間、書類・報告書作成時間、待機時間への賃金支払いも低いということが明らかとなっております。厚労省は三年前、平成十六年に、ヘルパーの労働条件を守るよう全都道府県に通達を出していらっしゃいます。これが守られているとは余り思えないのが現状であります。

 今後は、急増する認知症への対応、また介護現場では今まで以上に専門性が求められております。人手不足だからといって、質の低い人材の採用や、また過労による職員の離職が続けば、介護を受ける高齢者へも悪影響が及ぶわけであります。そこで、有給休暇、育児休業、福利厚生等、介護労働の環境整備をするとともに、長時間労働の是正も含めまして適切な労働時間の管理、設定が必要であると考えます。こうした介護労働環境の整備について厚労省のお考えを伺いたいと思います。

 また、もう一つ、仕事にやりがいがないということが離職をしていってしまう一つの理由とも伺っております。こうした社会からの評価、認識ということが低いことも不満の一つであろうかと思います。そこで、働きながら専門的な資格を取得できるなど、キャリアアップをしていける仕組みづくりが必要と考えますが、この点に関してもいかがでしょうか。

太田政府参考人 お答え申し上げます。

 今お話ございましたように、介護労働者の方々が働きがいのある魅力ある職場となるように、労働環境の改善に取り組むことは大変重要なことだと考えているところでございます。

 ことし八月に取りまとめました福祉人材確保指針におきましても、労働時間の短縮の推進や年次有給休暇、育児休業の取得の推進、過重な業務負担を強いることのないような適切な勤務体系の確保等を盛り込んでいるところでございます。

 厚生労働省といたしましては、この指針につきまして、経営者や関係団体等への周知、働きかけを行うとともに、今お話のございました労働基準法等関係法令の適用の徹底によりまして、所定外労働時間の削減、年次有給休暇の取得促進を進め、さらには、雇用管理の改善に向けた事業主に対する支援等にも取り組んでまいりたいと考えております。

 また、介護労働者の社会的地位の確立のためにはキャリアアップが大変重要であるというふうに考えているところでございまして、知識、技術の向上を図るための研修やキャリアアップの仕組みの構築等を行うことによりまして、介護労働者の労働環境の改善を図ってまいりたいと考えているところでございます。

古屋(範)委員 最後になりますが、日本・フィリピンの経済連携協定、EPA署名によりまして、フィリピンより介護福祉士を二年間で最大六百人受け入れるということが決まっております。

 現在、介護関連職種につきましては技能実習移行対象職種には含まれてはおりません。私は、百六十万人の介護職員確保のためにも、将来的に、介護福祉士等の介護労働者の資質をさらに高め、社会的な地位を確立し、公的な評価制度を整備することによって、技能実習の移行対象職種として追加をすべきではないか、このことを検討すべきと考えておりますけれども、大臣のお考えをお伺いいたします。

舛添国務大臣 外国人研修・技能実習制度、これは基本的に、物づくりに対して行うということで、そういうことを通じて国際的な貢献をやっていくというのが我が国の立場でありまして、先ほど松本委員から御発言があった技能五輪もそういう試みの一つだと思いますが、一つは送り出し国側のニーズがあるということ、それから技能として、物づくりのようなことは、習熟して、わざを身につける、それからきちんと技能レベルについて、あなたはここまで行きましたという公的な評価制度がある、これを三つの基準として、今、物づくりを中心に六十二職種が対象となっています。

 フィリピンとかインドネシア、特にフィリピンの場合は、例えば、介護の職、看護の職は、もう非常に昔から水準が高くて既に外国にお行きになっている。ですから、そういう意味でこちらからさらに教える必要があるのかというのが一つ。それから、技能移転というカテゴリーに入るのかどうかが一つ。そういう問題点はありますけれども、今委員がおっしゃった問題意識を踏まえまして、今後、どうできるか、一つの検討課題としてみたいと思います。

古屋(範)委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

茂木委員長 次に、郡和子君。

郡委員 民主党の郡和子でございます。

 まず冒頭、きのう舛添大臣は、年金の統合、四割が困難であるということを明らかにされたわけであります。このことに触れさせていただきたいと思います。

 夏の参議院選挙の折には、最後のお一人まで、最後の一円まで、とにかくこれをチェックして、年金問題をすべて解決するということが御党の公約であったかと思います。そして舛添大臣も、大臣に就任されてから、公約の最後の一人、最後の一円まで確実にやるということで取り組むというふうに御発言なさっています。ところが、十一月二十一日には選挙のスローガンであるというふうにお言葉をおかえになりました。これはもう本当に国民を愚弄するものだと思います。そして今般の、四割も名寄せが困難であるというこの事実、公約違反であり、大臣としての処し方が問われるべきではないかと思いますが、大臣、いかがでございましょうか。

舛添国務大臣 国民の皆さん方に今の状況を正確にお伝えする、それをきのう会見で行いました。そして、七月五日に政府・与党が決めました工程表に基づいて、そして、コンピューター上での名寄せの作業を行う、その結果がそうでありますと。

 それで、既に、千百万件、これは名寄せによって結びつく可能性がある。そのほかの千九百七十五万件についても、さらにいろいろな手だてをして、これは解明する努力を行っていく。そして第三者委員会というのもつくっていただいて、全く領収書も何もなくても、そこでお申し出をいただく。そして、これは今、関係閣僚会議もつくって政府全体として取り組んでまいっているわけでありまして、これまた増員も図ってやっていくということですから、最後の一人、最後の一円まで頑張ってこれは解明していくんだ、この公約、そして私の決意は変わりませんし、私の責務は、その工程表にのっとって着実に努力を進めていく、そして、この三月までというのは先ほど申し上げた工程表に基づいたコンピューター上での名寄せでございますから、四月以降も着実に努力を進めていくという決意に何らの変わることはございませんし、これからも今まで以上に努力を傾注してまいりたい、そういうふうに思っております。

郡委員 この間の、大臣を含めまして、御発言の変遷というのは大変に無責任なものだと思います。厚生労働大臣としてやはりその責任を重く受けとめて、ぜひ処し方を明言されるべきだと思います。

 この件は、後ほど私どもの同僚の議員からも厳しく追及をさせていただくことにいたしまして、私の持ち時間、限りがございますので、質問を始めさせていただきます。

 私は、いわゆる混合診療問題についてお尋ねしたいと思います。

 先月十一月七日、東京地裁で、原告が、保険対象となっていない活性化自己リンパ球移入療法と、保険適用になっているインターフェロン療法を併用して受けた場合に、インターフェロン療法について保険の給付を受ける権利があるとの確認を求めたわけですけれども、これに対して裁判所は、原告に権利があると判決を出しました。これを契機にいたしまして、規制改革会議がいわゆる混合診療の全面解禁を求めております。

 規制改革会議が混合診療の解禁を求める真の理由というのは、私は、健康保険でカバーすべき医療費が増大することによって雇用主が払うべき保険料が値上がりするということを回避するのと、そして、民間の保険を参入させてそれを拡大させるということにあろうかと思います。

 私は、国民皆保険制度は堅持すべきでありますし、この混合診療の解禁ということについては反対の立場でございます。無制限な解禁が行われますれば、必需性の高い医療についても追加的な料金がかかってくることにもなりかねませんし、また、自由診療の幅が広がることによって、それを行う医療機関とそうでない機関との格差がさらに広がっていくということも懸念されます。

 ところで、その一方でですけれども、現状では、我が国では世界標準の治療薬や治療技術の承認が大変遅くて、患者さんたちが望む治療が受けられない、そういう課題も残っているのだろうと思います。

 そこで、現状の治験、先進医療などの保険外併用療養費制度におきまして、患者の安全性を確保して、治験、承認申請を促進し、ドラッグラグを解消するということを求める観点から質問させていただきたいと考えています。

 二〇〇四年にも、未承認薬が患者に大変渡りにくい、手に入りにくいというふうなことが問題になりまして、規制改革会議が混合診療の解禁を求めました。その折、厚労省は、当時の特定療養費制度、現在の保険外併用療養費制度の拡大によって対応するとしたわけでございます。きょう皆様方にお配りをしているかと思いますけれども、資料一にまとめさせていただきましたのがその一部でございます。

 今回も、患者の安全を確保しながら、治験や先進医療の制度を改善していただくことによって、混合診療の全面解禁というのは阻止していただきたいわけですけれども、厚労省の考えをお尋ねしたいと思います。

舛添国務大臣 郡委員がおっしゃった、国民皆保険、これを堅持するんだ、この点は私も全く同じ考えであります。そして、貧しい人が医療を受けられない、これは絶対に阻止すべきであって、基本的には、保険の範囲で自分の治療を行うことができる、これが原則でないといけないというふうに思います。したがって、そういう問題点について、今直ちに無原則に混合診療というのは私も反対でございます。

 ただ、今、国内未承認の医薬についてですけれども、これは実は、ことしから五カ年計画を策定しまして、今ドラッグラグということをおっしゃった、今、日本だと新薬の承認に四年かかります、これを五年計画でアメリカ並みの一・五年までに縮めるというまさに工程表をつくってやっています。

 それからもう一つは、やはり先進的な医療技術、これが保険と併用できるような、そういう仕組みもつくり、先般の訴訟であった事例のような件についてどういうことができるか、これは、国民的な議論をきちんとやりながら、混合診療の全く無原則的な解禁ということには少し歯どめをかけて慎重に議論を進めた上で、国民の命を守る、そのための国民皆保険だ、こういう立場を堅持したいというふうに思います。

郡委員 基本的な姿勢はわかりました。ありがとうございます。

 そして、治験を速めていくのだという計画の上に乗っているというお話でしたけれども、その辺を検証させていただこうかと思います。

 二〇〇四年の基本合意から現時点までの実績というのは、実は厚労省から国会にまとまった形で報告はされておりません。そこで、私ども、厚労省に問い合わせた上で、資料二にまとめさせていただきました。

 未承認薬の承認を速めるために未承認薬使用問題検討会議が設けられましたけれども、その実績は資料二をごらんいただきたいと思います。この数字の合計として、四十二件について検討され、同会議での検討により最終的に承認申請まで至ったのは九件でございます。

 それから、本格的な治験に参加していない患者さんに対しても、別途治験薬を手に入れて保険を併用できる機会を与えるために、戻っていただきまして資料一に示すように、追加的治験それから安全性確認試験という仕組みが提案されました。追加的治験につきましては、これも二ページ、また戻っていただきたいんですけれども、該当はありません。安全性確認試験は七件ということでありました。

 そしてまた、医師主導治験についてですけれども、これは資料の右上に書いてございます。そして、次のページの資料三のようなものでございます。

 未承認薬使用問題検討会議では、国内未承認薬のみが検討対象とされていて、適応外使用や併用療法は対象になっておりません。がんの患者さんたちにとってはこれが大変大きな問題であると私も認識をしております。この状況では、患者さんの要望に十分対応できていない、焼け石に水ではないかというふうに感じているところです。ぜひこの点についても検討していただきたいと考えています。

 次に、先進医療でございます。資料二の右下に示すような状況になっております。これも、患者の要望に対応できているのかどうか、甚だ疑問だと言わざるを得ません。

 一方で、先進医療に認定された場合の安全性の評価なんですけれども、これは非常にお粗末であるということをここで指摘させていただきたいと思います。

 先進医療に認定されてからは、副作用ですとか合併症などにつきまして、それからまた実施した結果についての実績というのが報告されるということになっているんですけれども、これは法令で義務づけられたものではございません。

 これで、先進医療として実施する際の患者さんの安全性を確保して保険適用に実際に結びつけるものになるものなのかどうか、正しく評価できるものなのかどうか、甚だ疑問であると言わざるを得ないと思いますが、この点についていかがでしょうか。

水田政府参考人 先進医療の安全性の担保の枠組みについてのお尋ねでございますけれども、先進医療を行う医療機関に対しましては先進医療の実績の報告を義務づけておりまして、安全性に問題が生じた場合、それから副作用、合併症が発生した場合にはあわせて報告を行うことになってございます。この報告は、有識者によって構成されます先進医療専門家会議におきまして当該技術の保険導入について検討する際、安全性、有効性等の判断に用いているものでございます。

 さらに、先進医療技術におきまして重大な副作用、合併症が生じた場合には、通常の報告の時期を待たずに地方社会保険事務局に届け出を行うこととしておりますほか、当該医療技術の安全性等に問題がある場合につきましては、当該技術を取り消すことができる仕組みとなっているわけでございます。

 同時に、先進医療を実施する医療機関は保険医療機関でもございますので、保険医療機関に対する指導監査の中で先進医療の実施状況につきましてもあわせて確認するなど、厚生労働省といたしまして、定期報告等を受けるという仕組みのほかにも必要な対応に努めているところでございます。

郡委員 今お話しいただきましたけれども、やはり薬の場合、薬事法でしっかりと副作用報告を出すようにされておりますが、そのように、副作用、合併症の報告については、先進医療の場でも法令でしっかりと義務づけていただきたいと思います。その上で評価すべきものだというふうに考えるところです。

 効果が不十分で、安全性にも問題があって、費用も高くかかるような、そういう技術は患者にとってはいたずらに負担を強いることになるので承認を取り下げるですとか、効果があると言えるのであれば速やかに承認に結びつけて保険を導入する、こういったような手続が進むようにしていただきたいものだと思います。

 先日の参議院の委員会質疑で、我が党の足立信也議員も質問しておりました。保険導入した後にも、例えば施設基準を設けるというようなことで承認を速められるのではないかという意見があって、これについては舛添大臣も賛同しておられたと思います。

 これは医薬品についても同じことが言えるわけでございまして、市販後安全対策というのをしっかりやっていくことで承認を速めていけることにつながるんだろうと思います。加えて、これは世界の趨勢になっているということもあわせて申し述べたいと思います。今後、しっかり取り組んでいただきたいということです。

 次に、日本の治験制度ですけれども、これがなかなか進まないというふうに言われております。高い、遅い、まずい、悪いということですか、これではお客が来ません。企業が日本で治験を開始しないという事実がございますが、この主たる原因は治験コスト高というふうに私どもは思うんですけれども、これについて厚労省はどういうふうに御判断なさっているでしょうか。

外口政府参考人 いわゆるドラッグラグの原因といたしまして、日本での開発着手におくれがあるほか、治験の実施段階ではコストが高いことやスピードが遅いこと等が指摘されていると承知しております。

 治験のコスト高の理由としては、一医療機関当たりの被験者数が少ないことや、契約や治験実施状況確認のため製薬企業担当者が多くの医療機関を何度も訪問することや、被験者募集のために例えば新聞広告を使用すること等が治験の経費を押し上げているなどと考えられております。

 このコスト高やスピードが遅い等、治験実施上の課題を解決するため、中核・拠点医療機関の体制整備への助成、人材育成、国民への普及啓発、依頼企業の負担軽減など、新たな治験活性化五カ年計画に基づきまして多面的に対策を実行していくことが重要と考えております。

郡委員 国際的に見ましても、日本で治験をやれば遅くなるので海外で治験を開始するというようなことが現状として多々見られるわけです。こういうところはやはりもっと力を入れて改善すべきであろうと考えております。

 次に、臨床研究の届け出制、それからコンパッショネートユースということについて、検討会などで検討が始まっているようですけれども、これらについて伺わせていただきます。

 今お話にありましたように、日本の治験制度というのは大変コスト高で、また、そのほかの要因などもございまして、製薬企業が開発に着手するインセンティブが持てない閉塞的な状況にあるというふうに言えるかと思います。

 一方で、日本の研究者などからは、臨床研究において未承認薬を使う場合に保険が併用できないであるとか、また、被験者に対して健康被害が起こった場合に補償する制度がないということですとか、臨床研究のデータが将来の承認申請に使えないといったようなことが問題にされまして、臨床研究の法制化、臨床研究の届け出制などが求められてきているのだろうと思います。

 そこで、私の資料の四枚目に示しましたけれども、自民党のライフサイエンス議連、それから内閣府、厚労省などでこれが検討されてきているところをまとめさせていただきました。

 また、研究目的ではなくて患者の治療のために未承認薬を使う場合に、行政当局が管理する中で使っていってデータを蓄積していこうというコンパッショネートユースという制度、これが欧米諸国にはあるわけなんですけれども、これについても厚生労働省が検討を始めているということです。

 臨床研究の届け出制というのがいかなる制度として構想されているのかわかりませんけれども、安易に、届け出だけをすることで混合診療を認めるということは絶対許してはならないというふうに考えています。

 しかし、医学研究者にとっては、適正な研究を推進していく上でも、全額が研究者の負担あるいは患者の負担ということでは大変問題であるというふうに考えます。こうした重要な問題というのは国会の場でぜひ十分に審議していきたいというふうに考えています。

 私が把握いたしました流れについては資料四のところで示させていただきましたけれども、実際に厚労省では、この臨床研究の法制化あるいは届け出制、また保険診療との関係でどんなふうに議論されているのか、それからコンパッショネートユースについてどんなふうに検討しているのか、端的にお答えいただきたいと思います。

外口政府参考人 昨年十二月の総合科学技術会議の報告におきましては、臨床研究の質の向上等のために、臨床研究登録情報をネットワークで閲覧できるよう公開すべき、ICH―GCPへの準拠を原則とした法律に基づいた実施基準を策定すべき、臨床研究で行う投薬、注射等についても健康保険との併用が認められていないことが臨床研究を阻害している等の指摘がなされております。

 本年三月に策定された新たな治験活性化五カ年計画においては、臨床研究の届け出については関係者のコンセンサスが必要な検討課題と位置づけられております。

 本年八月より、厚生科学審議会において臨床研究に関する倫理指針の改正に向けた検討が開始されておりますが、この審議会の検討は、研究の一層の安全性と信頼性の確保を目的としたものであります。すなわち、倫理審査委員会の活動の透明化を推進することや、それから被験者保護でどういったことが可能か、そういった検討が主体となります。

 なお、この審議会での検討の目的には、保険診療との関係を整理するとかそういった項目は入っておりません。

高橋(直)政府参考人 御指摘のコンパッショネートユース制度の導入につきましては、本年七月の有効で安全な医薬品を迅速に提供するための検討会の報告書におきまして、重篤な疾患で代替治療法がない場合などやむを得ない場合に限っては、国内で治験を実施して科学的に検証した上で承認する、この原則を阻害しない範囲で未承認薬を使用せざるを得ないと考えられ、このための制度、いわゆるコンパッショネートユース制度の導入に向けて検討すべきという結論が今得られているところでございます。

 この報告書での結論を踏まえまして、現在、私どもにおきましては、コンパッショネートユース制度の導入に向けまして、諸外国の制度やその運用、それから副作用など健康被害発生時の対応、それから制度の実施に当たっての国、メーカー、医師が担う役割、治験審査委員会などの活用、薬剤部門の関与などについての詳細な検討などにつきまして、外部に委託して調査をしているところでありまして、今後ともそのあり方について検討してまいりたいというふうに考えております。

郡委員 私がきょうお配りいたしました最後の資料五というふうなところをごらんいただきたいと思うんですけれども、これは、有効で安全な医薬品を迅速に提供するための検討会の中で示されたものでございます。

 平成十七年のデータで、患者個人が輸入する中で薬監証明が必要なもの、これが七百件ございました。それ以外の患者個人の輸入というのは数さえ把握できていないという状況です。それから、医者個人が輸入する場合、これは一万二千件に上っております。

 患者さんたちというのは、大変高額な自己負担で個人輸入で薬を買うわけですけれども、これだけの件数のデータが、患者さんたちの安全も確保されないままでありましょう。それからまた、有効性や安全性のデータがここで蓄積されたとしても、それが活用できないまま無駄になっているということを改めて指摘させていただきたいと思います。

 欧米諸国では、日本のような、新薬を承認申請するということの目的のための治験というのに限らず、この治験というのも行政用語なのだろうと思います、新薬承認申請することを目的とした臨床試験というふうなことなのでしょうから、治験というのは行政用語なんでしょうけれども、この治験に限らずに、未承認薬を使う臨床試験、これはすべて行政当局が管理する体制がありまして、その周辺部分に、やはり当局が管理する制度としてコンパッショネートユースというのがあるわけでございます。

 今、この辺の調査を行っているということでありますけれども、厚労省の検討会では、治験の外側にすぐにいきなりコンパッショネートユースの制度を設けるという構想でありまして、これは非常に私自身は危険な考え方であるのではないかというふうに思います。

 臨床試験の制度を確立しないまま、先ほど申し上げました個人輸入で使われている薬などの安全対策もとられないまま、こういうままでは、製薬企業がだらだらとかえって治験をしなくなっていってしまうということに結びついてくるのではないかということも懸念するわけでございます。

 こうしたような重要な問題だと考えているのですけれども、これが検討会の中だけで議論されておりまして、国会の中での議論というのが全く行われていない。これもぜひ国会で議論すべき問題だということを提示させていただきたいと思います。

 最後に、大臣に伺わせていただきたいと思います。

 臨床研究に関する倫理指針の審議会の中でも調査されておりますけれども、今申しました治験という承認申請目的の臨床試験のみに法的な規制がかかって、それ以外の臨床試験には法律がかからない、被験者が保護されないというのは、もはや欧米、アジア、オセアニアなどにも存在しませんで、日本だけが孤立している状況となっております。

 特に、EUでは、二〇〇四年までに法制化すべきだとして臨床試験指令が出されて、加盟二十五カ国が、日本でいいます治験に限定しない臨床試験をすべて国が管理し、そのデータがEU共通のデータベースに蓄積されるようになっております。

 一九九七年の欧州評議会では、人権と生物医学条約というのが採択されまして、加盟四十七カ国に対して医学研究の法制化を求めております。日本もこれから国際共同治験というのを推進していこうという考え方なのだろうと思いますけれども、その上でも、この日本の治験と臨床試験の余りの法制度の違いというのが大変な問題になろうかと思います。

 舛添大臣は、国際的な感覚も大変知見が深くていらっしゃいます。この事実を大臣は御存じでいらっしゃるでしょうか。そして、これについてどうお考えになっているでしょうか。

舛添国務大臣 私もヨーロッパで勉強しておりましたし、EUの動きというのは、いろいろな観点から国家を超える一つの動きとして注目しております。

 それで、今委員が御提起なさった問題は、要するに、私たちの体を使って治験をやるわけですから、私がその対象になったとき、ある薬を実験されるわけですね。だから、私の人権や体を守ってくれというのが片一方であります。しかし、動物実験だけだと、なかなかやはりいい結果が出ない。新しい薬を早く承認してもらうためには、やはり私たちの体を使ったことも必要だ。そこで、そのときにそのバランスをとってどういうふうに規制をするか、今おっしゃったEUの一つの理想があります。

 ただ、日本の薬事法制のもとでは、医薬品を使う場合については、これは基本的に規制の範囲に入ると思います。だから、医薬品を使わない場合でもその規制の範囲に入るのは、私の理解しているところでは、私が長いこといたフランスだけだと思います。

 しかし、今おっしゃったEUの一つの理想、考え方は、今からの薬事行政、それからこういう新薬の承認、ドラッグラグをどう直すかというときに、私は今ずっとこの御意見を賜っていて、やはりこういう問題は、例えば尊厳死であるとか臓器移植であるとか、こういう問題とともに、我々国会議員がしっかりと立法府のもとで国民的な議論をして、どういう方向がいいんだということを考えるべきだと思っていますので、私が常にあるのは、余り法的規制をかけることによって、新しい薬の、ドラッグラグの方の解消を阻止する要因も一つはあるわけで、その両方のバランスをどうするか。それは、問題意識は委員とともにきっちり持っているつもりでございます。

郡委員 私は、やはり被験者、治験に多く参加していただくためにも、あるいは臨床試験に参加していただくためにも、被験者の保護、そしてまた信頼性の確保、これをしっかりとつくっていくためにも、治験に限らない臨床試験、臨床研究といったところの何らかの法的な管理体制というのが必要不可欠なんだろう、そんなふうに考えております。

 この問題につきましては、現在私も取り組ませていただいております。これからさらに国会の場で、また広く国民的な議論にするために取り組ませていただきたいと考えております。

 質問を終わります。

茂木委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時一分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時一分開議

茂木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。菊田真紀子君。

菊田委員 民主党の菊田真紀子です。

 まず冒頭、私からも、宙に浮いた年金記録五千万件についてどうしても申し上げなければなりません。

 最後の一人、最後の一円まで年金を支払うと国民の皆さんにお約束をされてきていながら、この四割が名寄せ困難だということがわかりました。舛添大臣が一生懸命に取り組んでおられることはわかります。しかし、政治家の発言、大臣の発言は重いのであります。それなのに大臣は、ほかの人が大臣になっても結果は同じと開き直っているではありませんか。さらに、福田総理に至っては、解決するなどと言ったかなととぼけております。一体、福田内閣は、総理も大臣も何をお考えなのでしょうか。まさに国民への公約違反であります。

 政治家としての発言、大臣としての発言、その重みをどのように考えておられるのか、そして、この責任をどうとられるおつもりか、冒頭お聞きします。

舛添国務大臣 三月までにコンピューター上の記録について名寄せを行います、そして今、この進捗状況について御説明を申し上げたところでありまして、コンピューター上で、この名寄せ、三月まで、これを今着々と進めていき、そして、私は、常に国民の皆様方に進捗状況を一月に一度は会見をして御説明申し上げる、今後ともそれはきちんとやってまいります。そして、コンピューター上で照合できない件についても、引き続きいろいろな手段を使ってやっていく。そして、今まさに、総務省のもとに第三者委員会をつくり、全く領収書も何もない、そういう方についても救済する、どうぞお申し出てください、そういうことをきちんとやっております。

 今の私の責務は、今以上の情熱を持ってこの作業をしっかりとやっていく、そういう覚悟であります。

菊田委員 開き直って、そしてとぼけ続ける、そういう福田内閣、今の政権に、この年金の問題、もう任せるわけにはまいりません。一日も早く政権交代を実現して、私たち民主党、長妻議員を先頭にして、この解決に向けて全力で取り組んでいきたいと思っております。

 それでは、質問の時間に限りがありますので、早速質問に入らせていただきます。

 まず最初に、医学部定員増に伴う財政支援についてお伺いをいたします。

 新医師確保総合対策によって医学部の定員増を実施していただきました。私もこの委員会で医師不足の問題に関連して医学部定員増を訴えてきただけに、これは大変ありがたいことでありました。昨年は十県十一大学を対象に医学部の定員増をお決めいただきましたが、それに伴う財政措置について、国立大学一校当たり幾らの運営費交付金を見込んでいるのか、文部科学省にお伺いします。

土屋政府参考人 お答えいたします。

 先生御指摘の、昨年八月、関係省庁により取りまとめました新医師確保総合対策に基づきまして、医師不足が特に深刻な十県に所在いたします大学と自治医科大学におきまして、平成二十年度より、医学部の臨時的な定員増を実施することとなってございます。

 これらの大学の定員増に際しましては、まず医学部におきましては、一年次からチュートリアル教育など少人数教育を実施するということから、これに必要な教育指導体制の整備、また、学生が使用いたします教育用の設備等を整備する必要がございまして、これらに対応して、教育に支障が生じないよう、国立大学の場合は国立大学法人運営費交付金などによりまして財政支援を実施できるよう概算要求を行っておるところでございます。

 先生お尋ねの国立大学の運営費交付金による措置につきましては、概算要求といたしましては、一大学当たり約三千万円を要求させていただいております。

 文部科学省におきましては、これらによりまして、各大学において地域医療を担う医師の養成が充実されるよう努力してまいる所存でございます。

菊田委員 ありがとうございました。

 せっかく定員増が実現しても、財政支援がなければ各大学側も整備できません。ぜひ、予算獲得のために今後も引き続いて御努力をいただきたいと思います。

 次に、新潟県の特区申請について質問をいたします。

 新潟県は医師不足、医師の偏在という問題を抱えており、優先度の最も高い政策課題の一つとなっています。先ごろ、新潟県知事が政府に対して、日本に留学、研修した経験のある、日本の医師と同等の技能を有する外国人医師が僻地等の医師不足地域において医療行為に従事することを可能にする特区申請を行いました。

 せっかくの機会でありますので、少し時間をいただいて紹介させていただきます。

 新潟県は、昭和五十八年に友好協定を締結した中国黒竜江省から既に百名を超える県費留学生や研修生を新潟大学医学部や県立がんセンター新潟病院に受け入れ、有能な中国人医師を養成してまいりました。この実績を生かして、何とか医師不足の問題、特に僻地等における医師不足解消の一助にできないか、こういう発想でございます。この発想について、大臣はどう思われますでしょうか。

舛添国務大臣 今、菊田委員から御紹介ありましたように、私の古い友人である泉田知事からそういうお話がございまして、なぜ知事がそういうお話をおっしゃるのかなと思って、今、御説明でやっとわかったんですけれども、菊田委員が黒龍江大学へ留学なさっていたということで、その黒龍江大学からの、それだけ多くの中国人のお医者さんの養成を新潟でやっているというのは、実は、その事実は私は知らされていなくて、突然知事さんから、外国人の医師を活用してはどうかという話がありましたので、今本当に合点いたしました。ありがとうございました。

 それで、基本的には、日本人であれ、やはり医師免許がないとできません。これがまず一つですが、しかし、医師免許を持つまでにいかなくても、外国の医師免許を持っていて、それで例えば今の新潟大学で勉強なさっているというような方で、今、一つは臨床修練制度というのがありまして、これを活用すればかなりできるのではないかなということがありまして、私は、やはり積極的に、新しい試みとして、最初からノーと言うんじゃなくて、きちんと検討すべきだというふうに思っています。

 それから、その知事会との議論をしたときに、たしか千葉県の知事さんだったと記憶していますが、こういう問題も提起されました。今、日本にたくさん外国人がおられる。その外国人の方で、日本語をしゃべれない、そうすると、やはり同じ母国語をしゃべるお医者さんに診てもらった方がいい、そういう点もありますので、何とかこの外国人医師の問題をよくお考えくださいというのを他県の知事さんもおっしゃられたものですから、とりあえずは臨床修練制度を活用する。

 そして、ぜひ、新潟で研修を受けた方々に一日も早く日本の医師免許を取っていただいて、そしてその力を、まさに医師が不足しているわけですから、例えば新潟で特区というような形で活用できる、そういうことも含めて積極的にこれは検討させていただいて、菊田委員、そして泉田知事の御要望におこたえする道がないか、さらに検討を進めさせていただきたいと思います。

菊田委員 今、大臣の方から臨床修練制度を活用してというお話がありましたけれども、この臨床修練制度、平成十九年十月末時点で六十二人の外国人の医師しかいないということであります。この制度を利用している外国人医師を、医師不足に悩む僻地医療に生かすことが現実的に可能かどうかということがありますし、新潟県としては今申し述べたような事情があるわけでありますので、ぜひとも特区として、もちろん前例のないユニークな発想ではありますけれども、地方のことは地方が考えるということを常々福田内閣もおっしゃっているわけですから、ぜひ前向きに検討していただきたい、こんなふうに思います。

 舛添大臣は、十一月二十六日の全国知事会との意見交換会で、日本の医学部で勉強し、博士号を取った人ならば当然やるべきだ、特区の経験を使いながら、開かれた国であっていい、こんなふうに述べられたというふうに報道されています。

 これは、新潟県の要望に対して大臣が非常に前向きな姿勢を示された発言だと私は受けとめましたし、恐らく新潟県知事も意を強くされたのではないかというふうに思ったわけですが、今ほどの見解では、従来どおりの枠組みの中で考えていくという、そこから一歩出ない発言だというふうに私は思うわけでありますが、どうしてこのように見解が変わられるのか、お伺いしたいと思います。

舛添国務大臣 知事会での私の発言が、時間的な短さもあって、ちょっと舌足らずだった面があると思います。

 実は、私が申し上げたのは、例えば新潟大学の医学部で博士号を取られる、それはもう当然日本語もおできになる。ですから、そういう方に一日も早く医師免許を取っていただく、そして、さらにその修練制度を利用していただく。そういうときに、ただ単に外国人であるからとかそういうことであってはいけないので、きちんと資格があれば外国人で十分やっていけるわけなので。

 ただ、片一方で、どうしても、菊田委員、例えばこういう反論がその後たくさん寄せられまして、日本人だって医師免許がなければ医療行為に当たれないんだ、大臣、何を考えておるのか、大学で勉強して博士号を取ったかもしれないけれども、医師免許を持っていない人間にメスを握らせていいのか、こういう反論もまたたくさんあったわけです。

 ですから、それもきちんと入れながら、私は、やはりこの国は開かれた国になってもらいたいというふうに思っておりますので、そこのところは、見解が大きく変わったということではなくて、大きな方向性の中でそういう方向を目指したいということでありますから、今後さらに、例えば、今の臨床修練制度以外に何か新しいものをつくって今のような御要望におこたえできないかどうか、これは検討を進めてまいりますけれども、方向性として、私は、矛盾したことを申し上げたということではないと思います。

菊田委員 大臣はどうも、最初はばあんとぶち上げるんですよね。すごく期待感を持たせるわけですよ。後から省内でよく検討してみるとこういう課題があってなかなかやれないというケースが、私は、薬害肝炎の問題を見ていてもよく見られると。それが舛添スタイルなのかどうか。私は、やはり相手がある問題でありますので、やると言うからにはきちんと実現をしていただきたいというふうに思います。

 それから、新潟県の考えとしましては、むやみやたらにやるということではありません。母国で医師免許を取得し、なおかつ新潟県で留学、研修経験のある外国人医師を対象にして、医療関係者等による評価を行い、日本の医師と同等の医療技術を担保する、こういう新しい取り組みでありますし、また、日本語能力の担保についても試験を行うことを検討しておりますので、ぜひ前向きに御検討いただきたいと思います。

 今回の提案につきまして、新聞報道では、内閣官房と厚生労働省そして法務省が協議した上で来年二月までに認めるかどうかの一定の方向性を出す予定とありますが、きょうここで、今後のスケジュールについて確認をさせていただきたいと思います。

上西政府参考人 お答えを申し上げます。

 私ども内閣官房におきまして構造改革特区制度を担当しているわけでございますけれども、年に二回、期間を定めまして、新たな規制の特例措置に関する提案を、国民の皆様、これは自治体、会社、企業、それから個人の方に至るまで幅広く募集しているところでございます。

 今回お話ございますところのこの新潟県からの提案も、さきに十月中旬から十一月の中旬にかけて行われました、我々の特区の、これは数えて十二回目の提案募集において、新潟県から御提案をいただいたところでございます。

 今お話ございましたように、本件を含めまして、今回の提案募集で御提案をいただきました案件につきましては、今後、関係する省庁との調整を経て、来年の二月中を目途といたしまして、政府としての対応方針を取りまとめる予定でございます。

菊田委員 ありがとうございました。

 きょうは内閣官房と法務省にもお越しをいただいております。それぞれどのような検討課題があるか、お伺いします。

上西政府参考人 お答え申し上げます。

 今申し上げましたように、私ども、いただきました提案について、今後関係省庁との調整という作業に入っていくわけでございますけれども、私どもといたしましては、このような新たな規制の特例措置に関する提案につきましては、どのようにすればその趣旨の実現が図れるのか、そういう観点からこの調整を行っていくという立場にございます。

 本件につきましても、今後、この提案をされた新潟県あるいはその地域の皆様の思いを何らかの形で実現できないか、関係省庁との調整を通じまして、その検討を深めていくよう要請してまいりたいと存じます。

二階政府参考人 お答え申し上げます。

 法務省におきましては、いわゆる高度人材の受け入れ促進を図る観点から、平成十八年三月に出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の省令を一部改正しまして、医療の在留資格に係る上陸許可基準における外国人医師の就労期間、就労可能地域等の制限を既に撤廃しているところでございます。必要な規制緩和措置をとっているところでございます。

 また、先ほど厚生労働大臣より御発言がありました臨床修練医につきましても、法務省としては特段の制限を設けてはおりません。

菊田委員 つまりは厚生労働省次第だということであると思いますので、ぜひ前向きな御検討をいただきたいと思います。

 大臣には、外国人医師に頼らざるを得ないぐらい困窮している地方の実情、苦悩というものを、ぜひこの機会に御理解いただきたいと思います。

 医師不足に悩む諸外国では積極的に外国人医師を受け入れる政策をとっている国がある、その一方で、外国人医師受け入れに消極的な国もあるわけでありまして、日本はこれまでどちらの立場であったのか、あわせて、今後はどういう方針で進んでいかれるのか、せっかくの機会でありますので、諸外国の事情にも詳しい大臣はどのようにお考えなのか、お伺いしたいと思います。

舛添国務大臣 一般的に言って、やはり日本は、ある意味で島国ということもあって非常に閉鎖的な体質がこれまでもあったと思いますが、しかし、人、物、金、サービス、こういうものが、グローバライゼーションをやったときに、先ほどちょっと申し上げましたけれども、今、日本にたくさんおられる外国人の方が、日本語が不自由だ、そして、どうしても自分の母国語と同じ言葉をしゃべるお医者さんにかかりたい、こういう要求も随分出てきております。

 ただ、先ほど来ありますように、外国人の医師で日本で活躍できるように、これはそういう意味で私は積極的にということを申し上げたので、まだ学生さんであって、完全に医師になっていない方というのは、やはり外国の医師免許もなければ日本の医師免許もないということになれば、それは患者さんの安全ということも考えないといけない。そういうことを配慮した上で、しかし、今委員がおっしゃったように、まさに医師不足というのは最大の問題なので、これは個々には申し上げませんけれども、具体的な政策を、予算措置を含めて今とろうとしているところであります。

 ただ、安易に、日本人の医師が足りないから外国人の医師を入れればいいということではなくて、やはりきちんと日本人の医師を育て、そして外国人のすぐれたお医者さんたち、しっかりやってくださるお医者さんたちに門戸を開いていく、こういうことは非常に必要だと思います。

 医療政策については、国によって違いますけれども、私がフランスにいたときは、やはり医療を含めて非常に開かれた国だな、そういう感想を持ってまいりました。

菊田委員 時間が参りましたので私の質問はこれで終わりますが、また機会をとらえて、引き続き議論させていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

茂木委員長 次に、内山晃君。

内山委員 民主党の内山晃でございます。

 年金トリオのトップバッターとしまして、きょうは質問させていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

 舛添大臣、まず大臣に冒頭、私も質問させていただきたいと思うんですが、大臣は今、心の中で、大変なときに大臣を受けてしまって少し後悔をされているんじゃなかろうか、こう思うんですが、基礎年金番号に未統合の年金記録五千万件のうち三八・八%、約四割、千九百七十五万件が名寄せ困難である、そのうち九百四十五万件が対応困難となっている。これはやはり、大臣の公約からすれば、今撤回しなければならないんじゃないか、こう思うんですけれども、公約を撤回するお気持ちはありますか。

舛添国務大臣 私は、年金の問題というのは、政府に対する、そして国家に対する基本的な信頼を揺るがした問題だというふうに思いますので、これは、関係閣僚の会議もできておりますし、政府を挙げてしっかり取り組んでいかないといけない。そして、私の仕事は率先してこれに取り組むということで、今でも、とにかく最後の一人まで、最後の一円まできちんとやるというこの気持ちをずっと持ったまま、さらにその努力を続けていっている過程であります。

 そして、先ほど来申し上げていますように、三月までには名寄せ、今これは中間作業でありますから、これから第二次名寄せもやって、もっともっと解明していく件数をふやしていく、その努力は続けますし、コンピューター上でできないことについても、第三者委員会もありますし、いろいろな手段を通じて引き続き努力をやっていく、それが私の責任だと思いますので、引き続き全力を挙げ、そして情熱を傾けて、この国民にとっては本当に大事な年金の問題に努力を傾注してまいりたいということを重ねて申し上げたいと思います。

内山委員 私は実務家ですから、この五千万件そのものの名寄せ、これは到底不可能だと私は当初から思っていました。軽はずみに、やはり選挙目当てにこういうことを言っていることの責任を私は問いたいなと思うんですよ。

 しかも、社保庁の、お名前はあえて言いませんけれども、担当者がテレビに出て、消えた年金記録、宙に浮いた年金記録の問題はほとんど問題ない、ほとんどがみんな亡くなっている方だ、こう言ってテレビに出演していたわけであります。また、安倍前総理に至っては、この五千万件のデータは真正なデータだから、いたずらに不安をあおらないでくださいとまで街頭演説をしていたわけじゃないですか。

 このことに対して、今、大臣、九百四十五万件、こういう実態があるということをもう一度大臣から答弁いただきたいと思います。

舛添国務大臣 五千万件のうち、今後とも解明を進めていく、要するに、まだ解明が進んでいないのが千九百七十五万件であります。そのうちの九百四十五万件は、婚姻等によって氏名を変更したものとか、オンライン入力のミスとか、海外の居住者。こういうことにつきましても、一つ一つ着実に、あらゆる手を尽くして解明していきたい、そういうふうに思っております。

内山委員 いや、私が今お尋ねをしたかったのは、こういう実態が明らかになったとき、今までいろいろな方が、五千万件のデータは真正なデータだからいたずらに不安をあおるな、こういうことを言っていた人に対して大臣は今どういうふうに思いますかということをお尋ねしたいんです。

舛添国務大臣 私は、いろいろな方がいろいろなことをおっしゃったと思いますが、私の今の職責としては、この問題に全力を挙げて取り組んで国民の信頼にこたえたい、そういうふうに思っております。

内山委員 大臣の立場からすれば、安倍前総理が間違ったことを言っていたとはこの場ではお答えになれないでしょう。しかし、間違っていたことを言っていたんですよ。政府として反省すべきですよ。国民に謝罪すべきですよ。ぜひ国民の前にきちっと謝罪をしていただきたい、そして公約の撤回を、まずわびるべきだと私は思います。いかがですか、もう一度。

舛添国務大臣 政府・与党がことしの七月に決めましたこの作業の工程表にのっとって、私は一つ一つ確実に仕事を進めているわけでありまして、今後ともこの努力を、全力を挙げて続けてまいります。

内山委員 これだけやっていますと終わってしまいますので、質問に入りたいと思います。

 年金記録第三者委員会についてお尋ねをしたいと思います。

 第三者委員会の議事録は、年金記録確認第三者委員会令第九条の規定により非公開となっていることは存じ上げておりますけれども、国会議員が、どのような議論をしているのか知るすべがないというのは、非常に問題だと思うんです。個人情報にかかわる部分があるとすれば、それは黒塗りで結構でございます。どういう議論がされていたのかということを公開すべきだと私は思いますけれども、担当者の方、答弁をお願いします。

関政府参考人 お答え申し上げます。

 年金記録確認第三者委員会におきましては、個別事案を検討している過程を公表することが、率直な意見の交換や意思決定の中立性を損なうおそれがあること、また、個別事案の審議の過程で個人情報を取り扱うこと、このようなことから、委員会運営規則におきまして、会議及び議事録を非公開としているものでございます。

内山委員 答弁になっていませんよ。どういう審議をしているのか、会議をしているのか、私たち国会議員に示すべきですよ。なぜ示せないのかということを言っているんです。個人的情報に関心はありません。問題があるんだったら塗りつぶしてください。どういう議論をしているのか。

 地方だって、五十カ所で議論しているじゃないですか。この五十カ所の中には、実は私のところにこういう情報が入っているんです。ここのとある委員が、委員会の会議の中で発言した内容に対して、社会保険事務局の保険課長から、社会保険事務局の不利になるようなことを発言しないでください、こういうことを言われている事実があるんです。どう思いますか。

関政府参考人 御指摘のような事実があるかどうかにつきましては承知しておりませんけれども、第三者委員会が年金記録の訂正に関して判断を下すに当たりましては、外部から不当な圧力が行われるようなことがあってはならないというふうに考えております。第三者委員会において公正な審議が確保されることが極めて重要でありますので、今後とも情報管理の徹底に努めてまいりたいと考えております。

内山委員 第三者委員会には社会保険事務局の職員は同席できるんですか。また、議事録は閲覧できるんでしょうか。

関政府参考人 社会保険庁の職員の同席は認められておりません。

 第三者委員会の事務局は、総務省の職員、あるいは各省からの出向を願って事務局職員として来ていただいておりますけれども、その中に社会保険庁から総務省に出向されている職員がおられますけれども、その方たちは総務省の職員ということでございますので、事務局職員として委員会の審議を支える立場で会議に出ているということでございます。

内山委員 地方の第三者委員会の議事録の要旨が出ていると思います。初回に社会保険事務局の職員の名前が出ているものがあります。それは、初回はよろしかったんでしょうか。

関政府参考人 中央委員会の第一回の会合というものは、私は詳しいことをちょっと今失念しておりますけれども、地方第三者委員会の第一回の会議におきましては、この年金記録問題がどういう経緯で発生してきたのか、それから厚生年金の仕組みでありますとかあるいは国民年金の仕組みにつきまして、概要を社会保険事務局の責任者の方に来ていただいて御説明をいただいたということでございまして、第一回あるいは第二回は、全般的な、年金記録問題の基本的な勉強をするという会議でございましたので、社会保険事務局の方に来ていただいて御説明をいただいた。

 ただ、その後、個別の案件の処理という段階では、第三者委員会の事務局を構成しております職員が委員会の審議をお助けしている、こういうことでございます。

内山委員 第三者委員会の議事録の要旨の中に、初回、そのお名前が入っていない方が参加をされておりまして、委員がこういう発言をしたわけです。資格取得、喪失、今これがやはり、私の記録と違っているという申し出が第三者委員会の方に随分あると思います。そして、特に資格喪失日というのが、現に在職しているにもかかわらず、さかのぼりで資格を切られてしまった。保険料の滞納があって、社会保険事務所、事務局からさかのぼりで保険証を資格喪失させられてしまった。本人は在職しているにもかかわらず、さかのぼりで切られてしまった。これは社会保険事務局、事務所の指示によってさかのぼったんだ。こういう事例があったということをとある委員が指摘しました。

 その委員に対し、後日、当方の、社会保険事務局の不利になるようなことを言わないでください、こういうことを、その委員の事務所を訪ねて、言論に圧力をかけて言わせないようなことをした。これは第三者委員会に対して冒涜をしていませんか。

 さらには、昨年ありました国民年金の未納、未加入の分母対策、納付率を数字だけ上げるというような、この手法と全く同じです。厚生年金の保険料の納付率というのは九八%ですよ。余りにもおかしいと私は前々から質問も何度か委員会でさせていただきました。そういう徴収納付率を高めるために、さかのぼって資格を喪失している事例がたくさんあるんですよ。

 そういうさかのぼったことによって、自分の被保険者期間が違っていると訴えている方がたくさん来ている。それを委員が正しく委員会で発言したことに対して、社会保険事務局の不利になるようなことを発言するななどということを言っていること自体がこれは大変な問題だと思うんですけれども、大臣、横で聞かれていてどう思いますか。こういう事実があるとすれば、その圧力をかけた職員に対して大臣はどんな処罰をしますか。

舛添国務大臣 そういうことが事実であるとすれば、それは第三者委員会の権威そのものをおとしめることになると思いますから、事実関係をきっちりと精査してみたいと思います。

内山委員 第三者委員会のこういう実態があるということで、ぜひ私たちに議事録を公開してくださいよ。どんな審議がされているのか私たちがわからないで、専門家がたくさんおられるかもしれません、でも、国会にぜひ開示すべきだと私は大臣にお願いをしたいんです。個人的情報は塗りつぶして結構です。大臣、お約束をいただけませんか。

舛添国務大臣 委員の御提案を真摯に受けとめて検討させてください。

内山委員 それでは、よろしく検討していただきたいと思います。

 残りはテーマを変えましてお尋ねをしたいと思います。

 厚生年金基金の請求漏れに対する対応についてお尋ねをいたします。これは前回の質問で質問できませんでした。残ってしまいましたので、再度確認をします。

 私が六月十三日、当委員会の質疑で、渡辺政府参考人、そこにおられますけれども、私が質問した、老齢厚生年金の裁定請求で、既に年金を受給されている方で厚生年金基金の請求漏れになっている方を把握できているのかという質問に対して、これは把握できているというふうに承知をしていますと渡辺さんの答弁がありました。私は、その答弁に対して、早速、それではすぐ厚生年金基金の請求漏れの人たちに対して注意を喚起してくださいと指摘をしました。参考人は、御指摘のとおりでありますので、早急に注意を喚起させていただきますと答弁をされておりますけれども、現在までどのような注意を喚起されたのか、お尋ねをいたします。

渡辺政府参考人 お答え申し上げます。

 全体の状況をしかと把握すべく、御指摘も踏まえまして、私ども、本年十月にすべての厚生年金基金に対して、裁定請求が行われていない方の状況等について調査依頼を行っております。現在、集計、分析作業を行っておるわけでございます。

 現時点において取りまとめの時期を確定的に申し上げられませんが、できるだけ早く、何とか年内にも結果を取りまとめて、どういう状況であるか、全体状況を明らかにさせていただきたいというふうに思います。

内山委員 六月の段階で、まだ集計がされていない、そして企業年金連合会の百二十四万人が未請求であるという数字が出ました。さらには、それぞれの各厚生年金基金の未請求者も含めると一体どのくらいいるんだろうか、はかり知れないほど厚生年金基金の未請求があるわけでありまして、消えた年金記録五千万件と本当に同じような大きな問題がここにも含まれているわけであります。

 これに早急にやはり対応すべきだと思いますけれども、もう一度、どのようにこれから未請求の人たちに対して通知をするのか、喚起をするのか、具体的な方法を教えてください。

渡辺政府参考人 今御指摘にありました企業年金連合会の件につきましても、以前より御質問いただいております。

 御承知のところかとは思いますが、この秋、十月でございますが、厚生労働省として厚生年金基金に対してさまざまな指導を行っております。定期的に基金から加入員に対して裁定請求書を送付する、あるいは住所不明者については住民票の写しの交付を求める、こういったことなどなど、さまざまな努力をしてくださいということをお願いしております。

 連合会に話を戻しますと、大臣からも直接の御指示、御指導をしていただいておりまして、現在、連合会におきまして、連合会の問題としては、徹底した裁定請求の勧奨、電話相談等による相談体制の充実といった、自主的、主体的な取り組みを行っているところでございます。

 私ども厚生労働省として、単に指導するだけではなく、もっと環境整備をせにゃいかぬということで、社会保険庁と私どもと協議をいたしまして、来年度から、社会保険庁より厚生年金基金等に対して基金の加入員等に関する住所情報を提供するというスキームを動かすということにしておりまして、これらの環境整備とあわせて、私どもの指導や指示というものがより実効性が上がるようにさらに努力してまいりたいと思っております。

内山委員 早急にそれはぜひ行っていただきたいと思います。

 それでは、もう一問。同じく六月十三日の委員会におきまして、五年超遡及新規裁定件数、この厚生労働省の資料の提出について私はお尋ねをいたしました。そして、十一月二十日に民主党の厚生労働部門会議におきまして新たな資料がやっと発表されたわけでありますけれども、十一月二十日に発表した資料、いつ、だれが、どのような指示で集計作業に着手したのか、また、その作業時間はどのぐらいかかったのか、端的に教えてください。

茂木委員長 時間が経過しておりますので、簡潔にお願いします。

石井政府参考人 お答え申し上げます。

 お尋ねの、受給権発生後五年以上経過して裁定された件数及び金額でございます。

 まずは、これは正式な統計数字ではない、しかしながら、一定の前提のもとに集計し、推計するということで従来対応してきたわけでございますけれども、六月の十三日に内山先生から御要請があって、そして私どもも対応をするということで、いろいろと検討を進めつつあったわけではございますけれども、ちょうどこのころ、年金記録問題につきまして、政府・与党取りまとめに基づきます、御案内の五千万件の名寄せとか、あるいはその結果の記録のお知らせの扱い、こうしたものも同時に、より重要な検討課題ということで取り組まざるを得ないという状況がございました。そういうことで、それらの方の検討を、大変申しわけないわけでございますけれども、最優先させていただいたということでございます。

 その間、一方で、しかしながら、御要請のあった推計については、集計に関する作業ということで、例えばどのような仕様にするかとか、その辺の、いわば下準備についての検討は進めていたわけでございますけれども、御案内のように、十月になりまして、再度長妻先生の方からも御要請があったということで、大臣の指示によりまして、そのような形で進めていた集計作業の取り組みを強化して対応させていただく、こういうような経過をたどってまいったということでございます。

内山委員 時間が来ましたので、この後また機会がありましたら質問いたします。

 終わります。

茂木委員長 次に、長妻昭君。

長妻委員 民主党の長妻昭でございます。

 端的に御答弁を賜れれば幸いであります。

 まず、舛添大臣の発言で見過ごせない発言が幾つかあるのでございますけれども、まず、選挙のスローガンだ、これはどういう意味ですか。

舛添国務大臣 選挙のときに、我々は全力を挙げてこの年金の未統合記録を解明していく、そういうことを申し上げたわけであります。

長妻委員 平成十九年、ことしの十一月二十一日の記者会見で、最後の一件までというのはある意味での選挙のときのスローガンです、こういうことですけれども、これはスローガンだということでよろしいんですか。

舛添国務大臣 全力を挙げて最後の一人、最後の一円までやるということは、これは政府・与党がきちんと決めたことでありまして、私自身もそういうことを、スローガンということを言いましたけれども、これはきちんと選挙の公約として私は国民に訴えてまいったつもりであり、今またその公約を実現するために日々努力をしているところでございます。

長妻委員 同じ日の会見で、公約の、最後の一人、最後の一円まで確実にやるということで取り組んでいきたいというふうに思っていますということですけれども、これは実現できるんですか。

舛添国務大臣 どうしても三月までという御質問がございましたので、それは、五千万件コンピューター上で名寄せをするということを申し上げた上で、そして、それ以外の件数につきましても、あらゆる手を使ってこの実現のために努力をしていく。今、その努力をしていく過程でございます。

長妻委員 選挙のスローガンとか、官房長官も選挙のときの発言のような趣旨とされていますけれども、ぜひここで、選挙のスローガンだ、こういうような発言について、非常に不適当だったということで、取り消して謝罪いただきたいと思うんですが、いかがですか。

舛添国務大臣 いろいろな発言や表現で、真意がきちんと伝わらなかったことにつきましては、それは大変申しわけないと思っておりますが、しかし、政府・与党の七月五日の決定に基づいて、政府・与党を挙げてこの実現のためにあの工程表に基づいて真摯に努力し、私自身も、今後ともさらなる情熱を傾けてこの問題に取り組んでいくということをお誓い申し上げます。

長妻委員 舛添大臣の昨日の記者会見を聞いておりますと、何か、誤解したのは、国民の皆さんが勝手に錯覚して、全部解決のように誤解をしてしまったので、それは自分の責任じゃないんだ、そういうニュアンスを感じるわけですけれども、そういうふうに誤解を与えた、つまり、全部できないということが初めからわかっていながらそういうふうに思わせるような発言があったということだとすると、これはやはり、大臣、反省していただいて、撤回、謝罪というのが必要だと思うんですが、いかがですか。

舛添国務大臣 私がこの問題に取り組み始めたときに、現実にどれだけどういう問題があるかということは、それはやってみないとわからないので、全力を挙げてやりますということです。その過程においても、例えば長妻委員から、こういう問題があるんじゃないかというのは、私が大臣就任後もいろいろこの委員会や何かで御提案いただきました。そして、全力を挙げてそういう問題についてもやっていく。

 そして、私が申し上げましたのは、まさに今からやる仕事、その中身がわかっていれば、それはもうきちんとどういうふうにやるということはできるわけですけれども、まさにわからない問題について全力を挙げているということを御理解賜りたいというふうに思います。

長妻委員 同じ日の記者会見で、同じ日というのはことしの十一月二十一日でございますけれども、場合によっては数%、何としても見つからないというのが出てくる可能性がありますということを言われているんですが、数%が見つからないということなんですか、最終的には。

舛添国務大臣 実は、この十一月二十一日の数%は、五百二十四万件、氏名のないナンバーのことについて問われましたので話した内容でございます。これは会見内容を精査していただければわかります。それで……(長妻委員「何%ですか」と呼ぶ)今九三%までわかりました。

茂木委員長 お互いに、質問に対して答えてください。勝手にやらないでください。

舛添国務大臣 はい。一度やめます。

長妻委員 就任の記者会見、これは選挙じゃありません、ことしの八月二十八日でありますけれども、舛添大臣は、確実に最後の一円まで取り組んでいきたいというふうに言われているんです。

 となると、我々、実際に中身を見ることができません。皆さんも公表しない。しかし、大臣は当事者ですから中身も見ることができる、こういう立場なんで、非常に情報の格差があるわけですけれども、とすれば、これ、五千万件の半分は解決できるということですか、来年三月まで。せめて半分は。

舛添国務大臣 まず、その前に、先ほど委員長に制止されましたので、その後を続けさせていただきたいと思いますが、数%と申し上げましたのは、名前のない記録につきまして、五百二十四万件でありました、これを今作業を進めまして、一番直近の数字で九三%まで解明することができました。したがって、あと七%、これもさらに努力を重ねていけば、できるだけこれはやってみたいと思いますが、実は台帳で焼けているものがあったりということがわかったり、また、虫が食って紙が見えないというのがわかったりしています。そういうことをこの数%という数字で申し上げましたので、そこはお答えをしておきたいと思います。

 そして、今の答えでございますけれども、今のところ、千五百五十万件プラス、千百万件というのは、これは今からねんきん特別便でお送りする、数でいいますと八百五十万人ですけれども、それ以外で今から解明しないといけないのが千九百七十五万件、そして、パーセンテージでいきますと三八・八%であります。したがって、これは、今後精力的に努力をして解明していきたい、そういうふうに思っております。

長妻委員 そうすると、来年三月までにまず半分は解決できるということですか、五千万件のうち。

舛添国務大臣 まず、昨日発表しましたデータでございますけれども、名寄せによって基礎年金番号の記録と結びつく可能性のある記録が千百万、これが二一・六%で、年金受給者で三百万件、被保険者で八百万件。それで、これは今からねんきん特別便をお送りする。それから、第二次名寄せを今から行います。

 ですから、三月までに名寄せが完了した、これは、実は、委員御承知のように、何万件というのと何人という数字はもちろん一致しませんが、今申し上げましたように、千五百五十万件と千百万件、こういうことについて今からきちんと解明をしていく、できたところから送っていくということであります。

茂木委員長 長妻君、先ほどの中で、解決という言葉が、定義が違ってくることがあると思いますので、もしよろしければ、きちんと定義した方が適切な答弁がいただけると思います。

長妻委員 これは、そうしましたらば、昨日発表した一千百万件も、私が言う解決というのは、御本人に記録が戻って、きちっと記録として統合されて、受給額が少なければ多い受給額をもらう、これは当たり前じゃないですか。これが解決ですよ。委員長も何とぼけたことを言っているんですかね。

 そういう解決をどれだけ、半分を、きちっと半分以上ができるのかと、来年三月までに。今あいまいな答弁がありましたけれども、そうであれば、この五千万件のうち、では、半分は、来年三月とは限らないけれども、半分はきちんといずれは解決できる、こういうことでよろしいんですか。

坂野政府参考人 既に大臣が御答弁を申し上げておるところでございますけれども、名寄せの結果、現在、一千百万件のデータを来年三月までに特別便として送付できるということで、作業をしておるわけでございます。

 したがって、送付をいたしました結果、それを受け取られた方が、電話相談あるいは窓口相談にお越しになり、現実に該当記録が御本人のものであるという確認をして初めて統合が終わるわけでございますので、それがいつまでにすべて終わるかということについて、私がお約束するわけにはまいらない。

 また、そのほか、死亡者等のデータ……(長妻委員「ちょっと委員長、ちゃんと答弁していないですよ。ちゃんと仕切ってください」と呼ぶ)

茂木委員長 先ほども私は、議事整理のために、解決という言葉をきちんと定義してください、長妻議員に申し上げました。それに対して長妻議員はどうおっしゃいましたか。(長妻委員「定義する必要ないんじゃないですか。年金の解決というのは、常識的にわかるんじゃないんですか」と呼ぶ)いや、答えがきちんとかみ合っていない、そのような形でしたから整理をさせていただきました。(長妻委員「いや、違いますよ」と呼ぶ)必要であれば整理をいたします。

 答弁を続けてください。

坂野政府参考人 そのほか、死亡された方のデータあるいは脱退手当金等によって……(長妻委員「ちょっと待ってください」と呼ぶ)

茂木委員長 答弁を続けてください。

坂野政府参考人 制度を離脱された方のデータなどについて、私ども、ほぼ全数について当たりをつけておるわけでございますけれども、それぞれ、具体的な方の具体的なデータであるということについての確認作業はなお残るわけでございまして、そういうものについても早急に進めたいと考えておるわけでございます。

長妻委員 つまり、これは重要なことなんです。

 五千万件のうちいずれ、それでは、解決できるのは、半分以上は解決できるんでしょうねと、こういうふうに聞いているんです。それはわからないんですか、それともできないんですか、どちらなんですか。

坂野政府参考人 昨日公表しましたデータによれば、名寄せ分を含めて約五二%程度は当たりがついたということを国民の方に御報告を申し上げておるわけでございます。

 したがって、そのすべてについて、例えば、名寄せの結果、記録の統合が済むのがいつかということについてのお尋ねであれば、現在、現時点で私が何月までに一〇〇%ということをお約束するわけにはまいらないということでございます。

長妻委員 そうすると、半分である五二%はいずれは解決できる、こういうことで、舛添大臣、よろしいんですね。

舛添国務大臣 ねんきん特別便をお送りする、そして、いただいた方の御協力も賜って一つ一つこれを修復していく、そして、きちんと年金の受給に正確に反映していく、そういう作業をきちんとやっていくということでありますから、何件、どこで解決するということを今申し上げるということをできないのは、例えば、これから第二次名寄せをやっていきます。条件緩和すると、同じ名前の人がたくさんひっかかる可能性がある。そして、そのときにきちんと一〇〇%できるかというと、それは、今努力をそのためにやっておりますから、今の段階で、これが一件残らずとか、そういうことではなくて、引き続きあらゆる、それは広報活動もそうですし、この前、長妻委員が御指摘くださったような、封筒の注意文を書くことも含めて、全力を挙げて一人一人の年金を確実に正確なものにやっていく、その努力を続けるということを申し上げているわけでございます。

長妻委員 今、社保庁の長官からは五二%は当たりがついたという話があって、そうすると、四八%はもうさっぱりわからない、こういうようなニュアンスに聞こえるわけで、なぜそういうような状況になっているのか。

 前から我々が、民主党が申し上げていますのは、抜本解決策をぜひとっていただきたい、こういうことを申し上げているわけであります。その抜本解決策というのは何かといいますと、すべての社会保険事務所あるいはすべての自治体で捜して、国民年金、厚生年金の納付記録が記された手書きの台帳、紙台帳、これを全部、すべて引っ張り出して、コンピューターのデータと照合をして、コンピューターのデータを正しくする、これが不可欠だ、こういうことを申し上げているんですが、政府はやるとは言っていますけれども、期限を全然出していただいていないということでありまして、これは、舛添大臣、期限はいつまでにやっていただけるんですか。

舛添国務大臣 その前提として、ここは私も最終的には、今、長妻委員がおっしゃったことをきちんとやらないといけないと思っていますが、毎回申し上げていますように、私は私なりに優先順位をつけまして、とりあえずコンピューターで千百万件、きょう段階でわかっているわけで、そのことをまず大急ぎでやりたいということの優先順位です。

 それで、今のいわゆる紙台帳、マイクロフィルムを含んだ紙台帳ですけれども、これとコンピューターの記録の統合ということですけれども、厚生年金の被保険者名簿の記録、これが大体六億件あるんですけれども、長妻委員が御提案なさっていたいわゆるサンプル調査、これを今年度の予算の中で今年度中に行いたいと思います。

 そして、来年度にこのサンプル調査の結果の分析を行いまして、そして、今御提案になった紙台帳との突き合わせをやり、そして、それは半年ごとにどうなったかということを公表する、そういう方針を今固めております。

長妻委員 いや、ですから、これは柳澤大臣のときからずっと、いつまでに完了するのか、期限のない約束は今まで政府は守ったためしがない、こういうふうに我々は考えておりまして、期限をおっしゃっていただきたい。

 配付資料で、今現在社会保険庁が把握している紙台帳、八億五千万件ある。社会保険事務所には約七億件、市町村には一億三千五百万件、社会保険業務センターには一千八百万件、こういうような内訳でありますけれども、これは、舛添大臣、めどはいつまでにやると、これはぜひここで言っていただかないとまた雲散霧消してしまう。これが最大の抜本解決策の一つだということでありますので、ぜひ期限を言っていただきたい。

坂野政府参考人 既に大臣からも御答弁を申し上げておるとおりでございますけれども、ことしの七月の政府・与党の決定した基本方針及びこれを受けた厚生労働省の八月の工程表におきまして、この基礎となる名簿等と電子データとの突き合わせについても、計画を掲げておるわけでございます。

 ただ、先生御指摘のように膨大なデータがあるということ、かつ、その膨大なデータについてどのような方法で現実に照合をし、調査をしていく方法が効率的であるのか、あるいは、現実にどのような、どれぐらいの人間あるいは財源がかかるのか、そういうことについても十分詰める必要がある。そういう中で、まず、平成二十年度からは、国民年金の特殊台帳について……(長妻委員「期限はいつですか」と呼ぶ)突き合わせを始めよう、厚生年金については今年度中にサンプル調査をし、来年度、その実施方法等について検討を進めたい、そういうことを申し上げておるわけでございまして、期限を切って、今、いつまでということについてお約束をするという状況にはないということでございます。

茂木委員長 長妻委員に申し上げます。

 まず、答弁中は、真摯に答弁者は答えようとしていますので、当然質問の機会を与えますので、そのときに質問をしてください。

 それから、先ほどの件でありますが、議場の整理権に関することにつきましては、理事会でもお話を申し上げますが、不適切な発言については撤回をしていただきたい、そのように思います。

長妻委員 答えていないですよ。

茂木委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

茂木委員長 速記を起こしてください。

 長妻君。

長妻委員 今委員長からもお話があって、この委員会を休憩にするというようなお話があったので、それでは迷惑がかかると思いますので、私が先ほど委員長に対して何をとぼけたことを言っているのかということに関しては、そうしたらば、言葉を訂正します。

 そうしたらば、解決というのは、これはどなたでもおわかりになるように、消えた年金問題の解決というのは、御本人に記録が結びついてお金が全額戻ってくる、こういうことでありますので、私としては、それを議場整理権ということで御指摘されたのは非常に不本意だった、そういう意味では、不本意な議事整理権を使われて私は不適当だと思う、こういう発言に変えますので。そういう発言に、私は、そうであれば変更をいたします。

茂木委員長 いや、とぼけたというのはおかしいんでしょう。それは認めてください。

長妻委員 それは委員長が不快に思うのであれば、その発言は撤回をいたします。

茂木委員長 いや、不快に思うとかそういうことではなくて。

長妻委員 いや、私は、その委員長の議事整理権、私がまさに追及しているそのときに、そのときに、解決というのはどういう意味なんだ、定義がはっきりしないと。非常に水を差されているわけでありまして、今後、そうであれば、いろいろな問題の追及に対して、委員長は途中で、ちょっとあなたの定義はどうですか、こういうようなことがどんどんどんどん行われる懸念を私は感じたので。

 そうでなくて、解決というのはどなたでもわかるんじゃないかと。むしろ、社保庁側あるいは厚生労働省側がその解決というのを本当にわかって答弁されているのか、あるいははぐらかして答弁しているのか、むしろそちらに注意されるんであれば、私もわからないではないわけでありますけれども、そういう思いがあって、私は、委員長に対して反発をしてそういう発言をした。

 ですから、発言を変えるとすれば、不適切な私は議事整理だと思う、こういうことを申し上げたいわけです。

茂木委員長 一言だけ、長妻委員。私としては、円滑な議事進行の中で活発な議論が行われ、きちんとした答弁が行われるためにはあのような定義が必要であろう、こういうふうに申し上げました。ただ、長妻委員の御意見もわかりました。

 続けてください。

長妻委員 この八億五千万件の紙台帳の照合、これは何としても期限を決めてやっていただかなければならないんです。抜本解決なんです。

 舛添大臣、今、社保庁長官は、期限は決められないという趣旨の発言がありましたが、舛添大臣の発言では、ことしの十月十五日、参議院の予算委員会、我が党の櫻井参議院議員の質問に、いろいろな田舎の町なんかに置いてある紙台帳というのと突き合わせをやっていく、そういうことを全部やって、ですから二十二年に、これは平成だと思いますけれども、二十二年に新しい年金機構ができるときには、それと同時にデータの完璧性を期したいと思っているんですと。

 つまりこれは、紙台帳というのを突き合わせをやっていく、全部やっていく、こういうふうに言われて、翌日の新聞にも、紙台帳との照合、すべて社保庁解体までにやると舛添大臣公約、発言と、そういうような趣旨で報道がなされているわけで、これはぜひやっていただきたいんですが、この発言はどうなったんですか。

舛添国務大臣 やはり新しい日本年金機構ができるときにはこの今の問題も解決してやる、そういうことが必要だということで申し上げましたし、先ほど、政府は何もきちんとした約束をしないということをおっしゃられましたけれども、私は、先ほど申し上げましたように、厚生年金保険のサンプル調査、これは今年度中にやる、そして、そのサンプル調査、これはどういう内容であるかというのをきちんと精査し、その結果に基づくことを、来年度その分析をやる、そして、そういうデータに基づいて、これは私は、今委員がおっしゃった、どれぐらいの人、いつもおっしゃるように、人、物、金がかかるのか、そういうことをひとつ試算してみたい、そういうふうに思っております。

長妻委員 これは発言がかなり後退されているんですね。

 ことしの十月二十四日の私の質問に舛添大臣は、私は、あと二年二カ月、もう二年ですね、もう今から換算すると社保庁解体まであと二年、当時の質問は、「あと二年二カ月ですべての紙台帳を照合してコンピューターデータを正しくする、こういうことでよろしいんですね。公約ととらえていいんですね。」と私が聞きましたら、舛添大臣は、「それは私の決意でございますから、全力を挙げてその私の決意が実現できるように努力いたします。」と言われている。

 そうすると、社保庁解体まで二年以内にすべての紙台帳を照合してデータを正しくする、これは舛添大臣の決意、こういうことでやるということですか。

舛添国務大臣 今引用してくださった答弁のとおりでございます。そして、これはどれだけの予算をかけるのか、どれだけの人間を使うのか、こういうことについて、年金問題の関係閣僚会議もございます、こういうところにもお諮りして、私は、今委員が私の答弁を引用してくださったとおりでございます。

長妻委員 私どもは、どうしてもこの紙台帳との照合の期限というのを聞かないと抜本解決には結びつかない、多くの国民の皆様が最後まで年金記録に結びつかないで残ってしまうと強い懸念を持っております。本当にきょう、舛添大臣の政治決断でやると、いつまでにやる、こういうことを明言をぜひしていただいて、当然、これまでいろいろ、質疑の中で調整あるいはヒアリング、官僚の方からされていると思います。

 こういう表、フリップを、資料でもお配りをしているんですけれども、資料の二ページ目でございますが、つまり、今回の問題の一つは、今言われているのが、この右側にある五千万件、未統合の記録が問題になっています。しかし、今現在、コンピューターの中に、社保庁のコンピューターに入っている厚生年金、国民年金の納付記録は三億件あります。三億件の中で、この二・五億件は統合されています、持ち主がわかっているわけですね、残りの五千万件が未統合、こういう全体像になっています。

 しかし、さらにゆゆしき問題は、あしたもこの委員会で視察に行きますけれども、コンピューターに入力されていない紙台帳もこの外にたくさんある、何枚あるかわからない。これも大きな問題です。

 コンピューターの中だけで見ても、では世間の皆様は、二億五千万件は大丈夫だ、統合している、こういうふうに思われる方もいらっしゃるんですが、しかし、政府は、この二億五千万の統合された記録にも、非常にまだ少ない数ですけれども、十四件だけ入力ミスがあったというふうに認めておられる。受給金額に影響のあるミスもその中に入っているということでございますけれども、これは間違いございませんか。

坂野政府参考人 今お尋ねの件は、年金相談の窓口で御確認をいただいている事案のことであろうと思います。

 年金相談窓口で確認ができた未統合記録の件数は約七十七万件でございます。このうち、お尋ねの、年金額に影響があった、そういう件数についてお尋ねでございますけれども、受給者であった方については二名、年金額が増額するケースがございました……(長妻委員「委員長。ちょっと待ってください」と呼ぶ)

茂木委員長 長官、できる限り簡潔にお答えください。

坂野政府参考人 十四件中二件がその影響があったということでございます。

長妻委員 つまり、十四件が統合記録の中、五千万件とは別に、受給金額に影響するミスがあった、あるいは十四件全部が受給金額に影響するかどうかわからないということなんですか。十四件はあるんですか、この二億五千万件の中のミスとして。

坂野政府参考人 失礼いたしました。

 オンラインに年金記録がなくて社会保険庁が保管する被保険者台帳、マイクロフィルムに記録があった事例、計十四件ございました。

 今、私が先ほど申し上げたのは、その十四件のうち受給者であった方で年金額が増額したケースが二件あったということでございます。

長妻委員 そうすると、この二億五千万件の中で十四件ミスがあると。これも十四件というのは、我々が聞いて聞いて、やっと渋々出てきた数字で、本当に、ほんの氷山の一角だと思いますけれども。

 つまり、何が言いたいかといいますと、五千万件ということで今世間では注目がされておりますけれども、この三億件、ほかのデータも、受給金額が減るような入力ミスがあるわけです。つまり、すべての紙台帳を捜し出してコンピューターのデータを正しくする、これをやらなければ抜本解決にはなりません。ですから期限を言っていただきたいということでありまして、舛添大臣、社保庁解体までの二年以内に全紙台帳を照合する決意だと言われましたけれども、具体的には、大体、人数はどのぐらい、何千人、何万人、あるいは何十万人、どのぐらいかかるというふうに考えておられるんですか。

舛添国務大臣 先ほど申し上げましたように、今年度中にサンプル調査を実施する、そして、そのデータに基づいて、これは試算をしてみたいと思っております。

長妻委員 そうすると、もう二年以内に全紙台帳、これを照合する、こういう決意ということですけれども、改めて、決意という言葉も入れて言っていただきたいんです、ここで。

舛添国務大臣 今申し上げましたように、サンプル調査に基づいて試算をし、そして、私はやはり、新しい機構ができるときには今委員が御指摘になったような問題についても解決する、そういう決意で、全精力を挙げてまいりたいと思います。

 ただ、先ほど来申し上げていますように、まだ、どれだけの人数がおるか、そしてどれだけのコストがかかるか、これは、計算をして、その上でないと正確なことは申し上げられませんので、今はそのようにお答えをさせていただきたいと思います。

長妻委員 そうしたら、社保庁長官にお伺いします。

 二年以内にやる決意と大臣は言われました。これは社保庁も、ちゃんと本当に、二年以内にやらないとだめですよ。やるという決意を長官も言ってください。

坂野政府参考人 ただいまの大臣の御答弁を踏まえ、大臣の御指示に従い、作業を進めてまいりたいと考えます。

長妻委員 では、長官、二年でできますか。

坂野政府参考人 繰り返しで恐縮でございますが、ただいまの大臣の御答弁を踏まえ、大臣の御指示を得ながら私どもとして作業を進めてまいりたい、そう思っております。

長妻委員 今、この国会の場は大変大事な場でありまして、つまり、今、舛添大臣、年金の記録問題に取り組んでおられますけれども、結局、官僚の人たちの意識というのは余り緊迫感がないんですね。そのギャップが非常に物事が前に進まない原因にもなっていて、今この場で決着をつけたいんです。つまり、官僚のトップの社保庁長官がおられますから、ここで舛添大臣と同じように、あなたも二年以内にやる決意だということを、同じ意識を持っていただかないと物事が前に進まないんです。今、大臣と官僚が非常に分離したような状況で、きちっとしたコントロールがきいていない状況なので、それできょう社保庁長官を私はお呼びしたわけです。

 そうすると、二年でやる決意だ、こういうことを発言してください。大臣も言われているんですから。

坂野政府参考人 私としては、大臣の指揮監督及び命令のもとに、大臣の指示に従い、忠実に作業を進める、これが私の任務と心得ておるわけでございます。したがって、先ほどのような答弁になるわけでございます。

長妻委員 では、二年でできますか、長官。

坂野政府参考人 先ほど御答弁申し上げたとおりでございます。(発言する者あり)

茂木委員長 大臣の答弁をベースにして、長官として答えられる答弁をしていると思います。

長妻委員 では、長官は、自分で考えて、二年でできると思っておられますか。

坂野政府参考人 私の個人的な観測を申し上げる場所でもないし、その立場でもないと考えております。

 先ほどのお尋ねは、先ほど申し上げたとおりでございます。

長妻委員 舛添大臣は二年で、まあ決意という表現は入っていますけれども、全紙台帳を、自治体あるいは社保事務所にあるもの、少なくともこの八億五千万件、最終的にはこれ以上になると思いますけれども、やる決意というお話をしておられるということで、社保庁長官は、では、その二年以内に自分もやる決意を共有しますというふうに御答弁いただきたいんです。

坂野政府参考人 何度も繰り返して御答弁申し上げて恐縮でございますが、先ほどの大臣の御答弁を踏まえ、大臣の指示に忠実に従い、私の任務を遂行してまいりたいと考えております。

長妻委員 そうしたら、舛添大臣、非常にオープンな場ですので、ここで今、明確に指示していただきたいんです。舛添大臣は自分は二年でやる決意だということだから、事務方もそういう決意を持ってやれと、ぜひ御指示をお願いします。

舛添国務大臣 私は国民の代表であり、そして厚生労働行政のトップに立つ者でございますから、すべての役人が私の指示に従うべきであるというふうに思っております。

 そして、さらに言えば、これは福田総理みずから、この年金記録問題は内閣の最重要課題であるということで、関係閣僚会議を持つことにしております。私は今、長妻委員に対しても、この国会の委員会の場で、新しい年金機構ができるまでには今御指摘の紙台帳の問題についても解明する、そういう決意を披瀝したところでありますので、政府全体としてこれに取り組んでいただきたいということを申し上げます。

 そして、なぜそれを言うかというと、やはり、予算執行の問題が御承知のようにかかります。無尽蔵に財源があれば、それは期限を切っていつというのは計算できますけれども、財源の問題も考えないといけません。それからまた、人の手当ても考えないといけません。したがって、これは政府全体の問題として、私は、関係閣僚会議でもそういう決意をきちんと述べ、そして対応してまいりたいと思います。

 そしてまた、役人の立場でいえば、大臣の指示にきちんと従う、それが職務でありますから、個人的な決意であるとか考えであるとかそういうことを言える立場ではないと思いますので、私は、長官がきちんと私の指示に従って忠実に職務を実行するという発言で、その長妻委員の御質問の趣旨に対する回答としてはきちんと的を射ているというふうに考えております。

長妻委員 今まだ、財源が幾らかわからない、あるいは人の手当てが必要だからまだそこはわからないというような、まだそんなことを言われているんですか。この問題は、もう我々は前から紙台帳との照合が重要だということをずっと申し上げて、これはやる気がないとしか思えないような今の発言だというふうに私は受けとめるんですけれども。

 これは我が党の参議院の津田弥太郎議員が要求した資料で、きょう、新しい数字だと思いますけれども、出てきましたけれども、結局、昨年の八月二十一日からことしの九月までの年金の強化月間の社保庁の窓口等の相談で、オンライン上に、つまりコンピューター上に納付記録はないけれども、領収書やあるいは紙台帳に納付記録があったものというのが四千四百八十七件あったと。あるいは、ことしの六月まででは、これはいずれも国民年金ですけれども、領収書しかなくて、本人が本物の領収書を持っていた、しかし、その方の記録は、社保庁あるいは自治体のどこにもそういう記録は当局はなかった、本人の本物の領収書だけで訂正したというのが五百七十一人おられる、こういう数字が出てきたわけですけれども、この数字は正しい数字ですか。

坂野政府参考人 本年六月までの累計件数として、領収証等しかなかった件数、五百七十一件、そのとおりでございます。(長妻委員「四千四百八十七」と呼ぶ)

茂木委員長 続けて答弁してください。

坂野政府参考人 失礼いたしました。

 本年九月までの、オンライン上納付記録はないが、領収証等により納付記録を訂正した件数、四千四百八十七件でございます。

長妻委員 つまり、四千四百八十七件、国民年金だけですけれども、コンピューターにはない、しかし、ほかにはあったということで、これは、申し出があって調べてこういう方が訂正に成功したということで、申し出がなくても紙台帳を全部照合すればこういう方々を保障する、こういうことができるわけでありまして、ぜひ、その紙台帳との照合そしてデータの訂正というのを、期限を決めてやっていただきたいということなんです。

 先ほど舛添大臣から人繰りの話がありましたけれども、私どもも、福田総理に対して、今回の年金の記録問題は国家の危機だ、国家プロジェクトでやらなきゃいけないということを申し上げておりました。私は、社保庁が、いろいろオール・ジャパンでほかの省庁からも集め、民間にも守秘義務をかけてきちっと体制を整える、こういうことをずっと申し上げておりましたが、先ほど聞きましたら、社保庁は、今回の消えた年金問題で応援を頼んだのは、国税庁の三人と民間の十一人、合計十四人の応援しか頼んでいない、こういうことが情報としてあったんですが、これは事実でございますか。

坂野政府参考人 現在、私どもに民間あるいは他省庁から御支援に来ていただいている方は、御指摘のとおり、民間企業からは十一名、国税庁から三名、計十四名でございます。

 なお、他省庁のいろいろな支援、これを受けるという観点からは、総務省に置かれております第三者委員会の事務局体制の増強等に各省庁の御協力をいただいておると仄聞をいたしております。政府全体としては、そういう面も含めて、できる限りの応援体制をとるという努力が払われておると思います。

 また、民間能力の活用につきましては、民間委託あるいは派遣職員の活用等の工夫も私どもとしては行っておるところでございます。

長妻委員 これは、紙台帳あるいは五千万件の記録の対応にしても、今、ほかの役所からは三人、民間からは十一人ということで、十四人の応援ということで、これはけたが違う。本当は、全省庁あるいは本当に民間に守秘義務をかけて国家プロジェクトとしてやらないとこれは追いつかないということをずっと申し上げているんですが、何でこんなお寒い、小ぢんまりした小部隊、社保庁だけが問題を抱え込んでやろうやろうとする。こういう体制をつくるのは政治家のリーダーシップだということで、舛添大臣にぜひきちっとした体制を組んでいただきたいということも強くお願いします。

 配付資料の四ページでございますけれども、これは社会保険庁が作成をした工程表、紙台帳との突き合わせの工程表でありますけれども、期限はないものの、国民年金の台帳の突き合わせ、データ照合というのは来年四月からということで工程表にありますが、厚生年金の紙台帳は、来年四月から全く空白になっていますけれども、これはいつからやるんですか、厚生年金の紙台帳との。期限どころか始まるところさえ何にも、空欄じゃないですか。

坂野政府参考人 工程表は、八月に策定しました当時は、まだその先の状況が読めない、そういう中で点線表示をさせていただいておるわけでございます。

 私どもの、先ほど申し上げましたように、本年度中にサンプル調査を実施し、その結果を踏まえて、効率的かつ実質的な作業方法、あるいはそれに必要な人員、財源等の……(長妻委員「いつからやるんですか」と呼ぶ)

茂木委員長 ちょっと待ってください。

 長妻委員、先ほどから申し上げております。私は、活発な質疑応答をしたい、そのような形でやっております。そこの中で、質問したことに対して答えていますので、その後もう一度質問してください。(発言する者あり)

 先ほども私は、簡潔に答弁してほしい、そのようなことは申し上げております。両側に対して必要なことは申し上げながら議事整理をしておりますので、よろしくお願いいたします。

 答弁を続けてください。

坂野政府参考人 まことに失礼をいたしました。

 サンプル調査の結果を踏まえた作業方法の検討、これを来年度に行いたいと考えております。その結果によって開始時期を決めたい。現時点で、何年何月、来年できれば始めたいと思ってはおりますけれども、来年の何月、このようなことを今申し上げる段階にはない、そういうことでございます。

長妻委員 では、同じ質問を舛添大臣、いかがですか。いつから厚生年金の紙台帳を始めるのか。期限を聞いているんじゃなくて、いつから始めるのすらわからないというのは、これは言語道断だと私は思うんですが、ぜひ政治決断で、いつから始めると、そのぐらいは言ってください。本当はもう今始まっていないとおかしいんですよ。

舛添国務大臣 政治決断であれ事務決断であれ、一つの、この開始時期を決定するためにはデータが必要であります。そのためのサンプル調査をやる、そのデータを精査した上で、なるべく早急にやれるように、これは手配をいたしたいと思います。

長妻委員 そうすると、これは、サンプル調査は何件やるんですか。

坂野政府参考人 まことに恐縮ながら、現在、サンプル数を特定するデータを私は持ち合わせておりません。現在庁内において事務的な検討中である、そういうことを申し上げるしかございません。

茂木委員長 何サンプルか今の段階では決まっていないということでいいんですか。

坂野政府参考人 現時点で何件のサンプルをとるかを決定しているわけではございません。

長妻委員 そうすると、そのサンプル調査はいつまでに終えるんですか。

 これは、私、サンプル調査をやるにしても、数万件以上でやっていただきたいんですね。

坂野政府参考人 サンプル調査は年度内に終了する予定で作業を進めてまいります。

 サンプル数については先ほど申し上げたとおりでございます。

長妻委員 そうしましたら、国民年金の紙台帳は来年の四月から照合、データ訂正を始めるということですが、大体、一カ月何枚ペースで始めるんですか。

坂野政府参考人 来年度の作業については、現在、来年度予算の編成過程において、見積もり等を財務当局とすり合わせ中でございます。そのプロセスにございますので、現時点で、何カ月、何万枚、そういうことを申し上げるわけにはまいりませんが、予定どおり、工程表に従い作業を進めるべく、必要な費用を確保するよう努力をしたいと考えております。

茂木委員長 概略の数字もないんですか、坂野長官。

坂野政府参考人 工程表でお示しをしておりますとおり、二十年度から開始をいたしますけれども、最終的に二十年度内で全部し切れるかどうかということはこの八月時点で見切っていないという状況は、既に御存じのとおりだと思います。私どもとしては、できるだけ早い期間に照合作業を終えたいと考えておりますけれども、これに必要な人員、財源等の確保のめども立てる必要がある、そういうことを踏まえて先ほどのような答弁を申し上げたとおりでございます。

長妻委員 いや、ですから、予算折衝をしているのであれば、ここは国会ですので、我々は本当にまじめに年金記録を回復しようということでやっているわけでして、では来年四月から一年間、何人で何枚照合していくのか、そのぐらいのめどがないと予算が出ないと思うんですけれども、そのぐらいの枚数と必要人数あるいは必要予算、その三つ、三要素をちょっと言っていただきたいんです。我々、チェックできません。

坂野政府参考人 恐縮ながら、ただいま財政当局とその点について折衝中でございます。全体の予算の中で適切に決定されるべく、私どもとして努力をしてまいりたいと考えております。

長妻委員 もう一回答弁してください、きちっと今の三要素を。折衝ですから、それは最終的に、では、皆さんが要求した数字でいいです、最終決定の数字じゃなくて。

坂野政府参考人 金額については、ただいま申し上げたとおり、財政当局と折衝中でございます。私どもとしては、来年度中に作業を終えたい、そういうつもりで要求をいたしておりますが、その費用については、折衝中であるというところから、この場で申し上げることについては御容赦をいただきたい。

茂木委員長 長官、概算要求の金額については、要求した金額は答えられるんじゃないですか。

坂野政府参考人 来年度予算の編成方針を決めるときに、この年金記録問題に係る費用については、あらかじめ概算要求額を定めるのではなくて、予算編成過程で必要な金額を計上する、そういう定めになっているわけでございまして、通常の概算要求と同様に積算をして八月末に要求をしているというものではございません。したがって、先ほど申し上げたように、現在折衝中であるということを申し上げたわけでございます。

長妻委員 そうしましたらば、何枚を来年度中にやる予定で折衝しているのか、枚数と人数、どれだけの人員を考えて要求をしているのか、その二つを今出してください。

坂野政府参考人 約三千三百万枚特殊台帳のデータがあるという報告を受けておりまして、それを照合する作業ということでお願いをしておるということでございます。恐縮ながら、人員数及びそれに必要な費用等については、折衝中ということでお許しをいただきたいと思います。

長妻委員 だから、折衝の要求の人数と金額を教えていただきたいんですが。

坂野政府参考人 先ほど申しましたとおり、二十年度予算編成方針において通常の概算要求とは異なる扱いをされているという中で、財政当局と折衝をしておりますものでございますので、この時点でその内容、金額を申し上げるわけにはいかないということでございます。

長妻委員 これは、舛添大臣、出すように指示してください、今、言うように。要求しているわけだから。

舛添国務大臣 別枠で今予算折衝をしているということでございますので、今の長官の答えのとおりだと思います。

長妻委員 では、長官、人数は何人かかるという見積もりで要求しているんですか。

坂野政府参考人 恐縮ながら、私の手元に人数及び積算単価その他の資料は現在持ち合わせがございません。折衝中ということでございまして、これについては財政当局と十分なすり合わせを行いたいと考えております。

長妻委員 では、委員長にもお願いしますけれども、その資料の要求をぜひ理事会でも御検討いただきたい。

茂木委員長 理事会において協議をさせていただきます。

長妻委員 今、長官は、三千三百万枚を来年度中にやる、こういう見積もりで要求をされている、辛うじてそういう話はあった。これは全枚数だと今言われましたけれども、結局、ほとんどの紙台帳は捨てられてしまった。この廃棄命令、国民年金に関しては、昭和六十年九月三日に発出されております。社会保険庁の二人の課長さんの名前で出ている。国民年金の普通台帳と言われるものは捨てていい、こういう通知で多くの紙記録が捨てられてしまった。一方で、公務員の共済年金の紙記録は、当然ながら一枚も捨てずに全部保管もしてあるということで、非常に乱暴なやり方をしているわけであります。

 配付資料の一番最後のページに、当時、この紙廃棄の命令を出した、通知を出した方々の当時の組織図が載っておりますけれども、業務第一課長、業務第二課長、この二人の名前で発出されました。そのときの年金保険部長さんの名前も判明をしております。そのときの長官の名前も判明をしております。

 今回、舛添大臣も、安倍総理も含めて、一連の流れの中で、消えた年金、この問題の責任追及は徹底してやる、こういうふうに言われておられたので、結局うやむやになって検証委員会は閉じてしまいましたけれども、せめてこの四人の方の責任追及、そして解明というのはするべきだと思うんですが、舛添大臣、いかがですか。

舛添国務大臣 この廃棄の背景をちょっと調査してみましたが、この被保険者台帳の磁気ファイル化をやった、それで、磁気ファイル化したときに、これは私の答弁がファクツと違っていれば後で長官に訂正をさせますが、私の記憶が正しければ、磁気ファイル化したときに三回チェックをした、それで、もう磁気ファイルに保存をしてあったので、この台帳を廃棄したというふうに聞いております。

 したがいまして、記録が二つあり、二つありというのは、磁気ファイルとそのもとがあり、本来ならもちろんそういうものを、人間ですから、三回チェックしてもそれは間違うことがあるかもしれません。こういうのが保管されておれば、今委員がおっしゃるように、それをすぐ見ることができるわけですけれども、基本的に、三回見て、磁気ファイルにそこまできちんとして、それでデータを移したということであれば、そこでもってそのことを指示したことに対して法的な責任がとれるかというのは、これは少し検討しないといけないというふうに考えております。

 もし、委員長、私の今の、ヒアリングや何かで聞いた事実が間違っているかどうか、そのことを長官に、委員長の方からただしていただければと思います。

長妻委員 いや、今、舛添大臣は法的責任と言われましたけれども、これは法的だけでなくて、当時の行政的な手続あるいは行政的な仕事の中で常識を外れていると私は思います。公務員の年金の記録は全部保管、一枚残らず保管されておりますので、そういう意味では、この課長さんお二人と当時の年金保険部長さん、そして長官、この四人の参考人招致をして、ここで、重大な国民の財産を捨ててしまった、こういうことがなぜ起こったのか、そしてどういう責任があるのか、この委員会でぜひ解明をしたいと思いますので、委員長に、理事会でぜひ参考人を御検討いただければと思います。

茂木委員長 理事会において、ただいまの件は協議をさせていただきます。

長妻委員 なぜこういうことを言うのかというと、お金がかかるんですね、この消えた年金問題の解決には。

 今まで、社保庁、この問題で幾ら現金で支出、既に支出済みベースで幾ら使いましたか。

茂木委員長 長妻君、質疑時間が超過しておりますので、簡潔に答弁してもらいます。

坂野政府参考人 これまで実施してまいりました具体的な対策の費用について申し上げます。

 未統合記録の五千万件の名寄せのためのプログラム開発費として七億円、年金記録問題専用の相談ダイヤル、ねんきんあんしんダイヤルと申しておりますが、その設置として三十五億円、それからもう一つは、職員による二十四時間体制の臨時電話受け付け対応として二億円、計四十四億円であると承知をいたしております。

 なお、これらの費用につきましては、今年度の既定経費の節減努力を講じながら捻出をしてきたものでございます。

長妻委員 これで質問を終わりますけれども、結局、その後に郵便で送ると、特別便等々で百億円以上、いや、二百億円かかるかもしれないという巨額の金を出すときに、責任者はだれもいませんでした、こういうことでは納得できないと思います。

 そして、一番重要な紙台帳とコンピューターとの照合に対して、非常にあいまいで、舛添大臣と社保庁長官の温度差というか、社保庁長官もぜひ、本当に世間の皆さんのお気持ちを考えていただいて、舛添大臣もきちっとコントロールをしていただいて、解決に向けて紙台帳との照合が一番重要だ、こういう認識をきちっと持っていただきたいということで、質問を終わります。

 ありがとうございました。

茂木委員長 次に、山井和則君。

山井委員 きょう、朝から同僚議員と舛添大臣の消えた年金問題についてのやりとりを聞いて、本当にあきれてしまいます。

 今、長妻議員がおっしゃったサンプル調査の問題、紙台帳、原簿とコンピューターの記録の照合の問題、これは、ことしの二月から十カ月間ずっと民主党が要望し続けていることじゃないですか。最初から民主党は言っているんですよ。サンプル調査をして、台帳とチェックをして実態を把握しないと解決できるめどが立たないですよ、そういうことを言っているにもかかわらず、実態調査はしない、サンプル調査もすぐにできるはずなのに、やらない、やらない、やらない、やらないと逃げ続け、本当だったら、今明らかになっていることは選挙前にわかっていることじゃないですか、ちょっと調査をしたら。それを、消えた年金が明らかになってからも隠ぺいをし続け、逃げ続け、あげくの果てに、最後の一円まで払いますとか、そういう、ある意味で非常に無責任な約束をして選挙を戦い、こういうことは本当に許せません。

 私のもとにも、何百人もの消えた年金の被害者から、メール、手紙、電話の相談がたくさん来ました。その方々の切なる思いを振り返ると、今回の、心意気だった、意気込みだったというような舛添大臣の発言、それで済む問題ではありません。

 先ほど舛添大臣は、財源にも限りがあるとか、そういうことをおっしゃいました。でも、忘れてもらっちゃ困ります。保険料を払っているんですよ。保険料を払ってその年金をもらえるのは権利なんですよ。幾ら財源がかかろうが、受け取った保険料に対して年金を払うのは国の責任じゃないんですか。これでは、四割の名寄せができない方々あるいは二割の九百四十五万件もの特定が困難になる方、この方々にとったら、まるで年金泥棒、年金詐欺、国家による振り込め詐欺じゃないですか。

 七月の参議院選挙の際、自民党はどういうチラシをまいていましたか。「ご安心ください!!あなたの年金は大丈夫です!!」「この五千万口は消えたのではありません。」と。九百四十五万件、確定できないんだったら、事実上消えたも同然じゃないですか。民主党は消えた、消えたとうそをつく、消えていませんと言いまくったけれども、特定困難ではないですか。おまけに、今後一年で政府・与党は問題解決、全額支払い、民主党は期限の明示もなく、無責任だと。

 私は舛添大臣に申し上げたいのは、これは、来年三月までに一人残らず名寄せをする、そして、全額支払いというチラシを見て、話を聞いて、涙を流して喜ばれた被害者がおられるんですよ。その方々に対して、大臣、やはり期待を持たせ過ぎた、軽々しく言い過ぎたということで、一言謝罪をしてほしいと思います。

舛添国務大臣 私は、一人一人の年金をきちんと取り戻していく、きちんと記録を解明していく、そして、昨日発表したのはその途中経過でありまして、残された千九百七十五万件についても、また一八・五%に当たる九百四十五万件につきましても、今後あらゆる手段を使って解明すべく努力を続けていく、今より以上の熱意を持って、率先してこの作業に邁進する、そして、そのことによって国民に対する責めを果たしたい、そういうふうに思っております。

山井委員 舛添大臣、申しわけありませんが、そのような答弁を聞いても、もう国民はだれも舛添大臣の言うことなんか信用しませんよ。どうせ、やるやると言ってふろしきだけ広げて、できなかったら、あれは公約じゃない、意気込みだったと。大臣の発言というのはそんなに軽いんですか。

 私、本当に許せないのは、お金持ちの一部の方はもしかしたら別かもしれませんが、年金というのは国民の老後の命綱なんですよ。そのために一生懸命働いて、そのためにこつこつ保険料を払い続けてきたんじゃないですか。そのことに関してこれだけ無責任な態度、これは私は許すことはできません。ぜひとも今後もこの問題を取り上げたいと思います。

 時間があと少ししかありませんので、薬害肝炎の問題に移りたいと思います。

 この問題も同じなんです。年内に全面解決をするという勇ましい、ある意味でありがたい答弁をいただいております。しかし、まさかこれも、そういう気持ちで言ったんだ、意気込みを語っただけだ、そういうことでは済まないんです、これは。患者の方々、被害者の方々の命がかかっております。

 お配りした資料の中にグラフがあります。前回の質問でも申し上げましたので繰り返しは言いませんが、あしたの午後、和解骨子案が出ますが、今のままでは、東京地裁の、ごく限られた範囲でしか救済がされません。そして、原告の方々は、それではのめないということを既におっしゃっておられますから、舛添大臣、このままでは、あしたの午後、原告が和解案をのめなくて、和解が不成立になることはほぼ確実であります。そういう非常に深刻な状況に今陥っております。

 そんな中で、きょうお配りをさせていただきましたが、お二方が提訴をされました。

 お一人は御遺族の方であります。お母様が、ことし一月に八十四歳でお亡くなりになられました。そして、十二月十日に病院からフィブリノゲンの投与を、四百十八人のリストに入っていたということを知らされたわけです。御本人は、二十年前に心臓の手術をして、輸血で感染したのかなと思っていた。少し動いたらしゃがみ込み、すぐに疲れられるということで、肝炎発症後、非常に御苦労をされたということであります。

 御長男の方からのコメントを読み上げさせていただきます。

  裁判をしても、母はもう帰ってきません。しかし、これまで「肝炎は仕方がない」と思っていましたが、母の被害が薬害であることを知りました。肝炎にさえならなければ、母はもう少し楽な老後だったと思います。もう少し楽しい老後を過ごせたのではないかと思います。

  母と同じような被害を受けた人が、命を失い、命を失おうとしている人が、投与時期によって救済されたりされなかったりするのは絶対におかしい。本人が選んだ薬ではない。知って使った薬ではない。本人には何の責任もないのです。線引きのない救済を望みます。

とおっしゃっています。

 そして、もう一方、御本人の御了承を得て、お写真を出させていただきます。昨日、実名公表をされました七十歳の吉田忠人さんであります。

 今、肝臓がんでお苦しみになっておられます。この方は、四十九歳のときに、二十一年前に手術をして、その手術の際にフィブリノゲンを投与されました。そして、その後、血清肝炎で一カ月入院をされましたが、その後、平成十三年に肝臓がんが発症して治療、そして、十七年には再発して再治療という状況であります。

 舛添大臣、昨日、この方がなぜ実名公表をされたのか。それは、このまま救済されないのは絶対おかしい、命をかけてでもこのことを訴えたいという思いからであります。

 この方のコメントも読み上げさせていただきます。

  私がフィブリノゲン製剤を投与されたのは、一九八六年十月です。東京地裁判決を基準とすれば、私の被害は救済されます。しかし、私だけが救済されても、他に切り捨てられる被害者がいれば、薬害肝炎の解決にはなりません。今日、私は、残された命を賭けても解決しないといけないと考え、実名を出して闘うため会見に臨みました。

  私は、現在、肝がんの状態です。今年の九月、主治医の先生から、もはや、私の肝がんに対する治療法はないと宣言されました。

いつまで生きていられるのかわかりません。

  私は、命を賭けて訴えます。薬害肝炎は、早期解決しなければ、亡くなる人がこれからもどんどん出てきます。薬害肝炎の全面解決の、総理の決断を、切望します。

そして、昨日も、私、この御本人さんとお話をしましたが、こうもおっしゃっておられます。

 今回の訴訟で救済するのは、何年の何月何日から何月何日までというふうな投与に限るのは絶対おかしい。同じ命の重さを持っている人間で、同じ薬害に遭っているなら、線引きをしない、全員救済が政治であり国の責任だと思う。大臣、総理の政治決断で解決してほしいことを強く望むということをおっしゃっておられました。

 簡単にまとめますと、御存じのように、原告の方々は、自分たちがお金が欲しいということでやっておられる裁判じゃないんです。うなずいてくださっていますが、前回も言ったように、だれかが矢面に立って訴訟でもしないと、国会も動かない、三百五十万人に対する医療費助成も行われないということで、やむにやまれない思いで代表者として原告の方々は訴訟をやっておられるわけです。

 そして、ですからこそ、一人一人の額は小さくていいとおっしゃっているんですよ。下げてもいいと。だから、線引きをせずに、いつが提訴時期なのか、製剤、年代で切らないでほしいとおっしゃっています。ですから、これは、一人一人の額を下げてもいいとおっしゃっているんですから、財源の問題じゃないわけです。

 そして二番目。そういう線引きをしたならば、今回、新たに訴訟がふえたように、線引きされた方はどんどん訴訟されますよ。この問題は永遠に続きますよ。全面解決なんかできません。

 そして、今問題になっている百数十人の方々の薬害の全員救済、これからの、未提訴の方々も含めて、こういう薬害の方々に対する救済ができなくして、三百五十万人もの、これから予防接種、輸血、もちろんこの予防接種や輸血の方々は立証が難しいですから、賠償なんということはおっしゃっておられません。そうじゃなくて、医療費助成をせめてやってほしい。その与野党の協議も始まっています。

 でも、こういう一般の、三百五十万人に対する対策も、やはりこの薬害肝炎の解決なくして進まないんですよ。ある世論調査では、八八%もの方が、線引きをしない全員救済に賛成ということをおっしゃっておられます。今や原告のみならず、国民全体の声が、線引きをしない全員救済だと思います。

 舛添大臣にお伺いしたいと思います。

 患者の方々も、命をかけて今この問題に取り組んでおられます。死期が迫った方も、原告として名乗り出て、必死で訴えておられます。舛添大臣としても、全面解決年内とおっしゃった以上は、政治生命をかけてこの問題に取り組む、そういう御決意を聞かせていただきたいと思います。

舛添国務大臣 まず、今新たに二名の方、一人は御遺族だと思いますが、委員がおっしゃいました。私は、やはり、そういう方々の気持ち、これが原点でこの問題に対応すべきである、そういう思いで一貫してまいりました。

 そして、薬害である。これは、またこういう問題を起こした、二度とこういう問題を起こしてはいけない、そういう意味で、薬事行政は、これは責任がある。責任があるものについては、謝罪し、償うべきはきちんと償わないといけない。

 そういうことで、あした、委員がおっしゃったように、大阪高裁の和解案の提示がある予定でありますけれども、きょうこの段階におきましても、精力的に、いい形での和解案を出していただけるように、これは、中身は裁判長に言うなと言われていますので申し上げませんが、努力を重ねているところであります。

 そしてまた、総理は公務の御都合で原告の方々にお会いできず、副長官がお会いになりましたけれども、私は、原告の方々にお会いしたその声を生にお届けしておりますし、総理とも緊密に協議をしております。そして、総理からは、厚生労働大臣の責任において、きちんと一日も早く問題を解決しろという指示が出ておりますので、全力を挙げてこの問題の解決に邁進いたしたいと思います。

山井委員 まさか、年内全面解決は意気込みであって、公約ではなかったとか、後でおっしゃることは絶対ないようにしていただきたい。

 そこで、先ほどの郡議員や菊田議員の質問にありましたが、大臣がおっしゃっていることは言行が一致していないんじゃないか、これが今国民が心配していることなんです。

 これだけ、年内全面解決とおっしゃっているということは、舛添大臣、今までこの大阪高裁の裁判長と、直接、電話でもするなり会うなりして、被告としての国の意思、幅広く救済したいんだということや、そういう大臣の年内全面解決という意思があるんだということをお伝えになっているんでしょうか。

 要は、大阪高裁は、国は東京地裁基準でないとのまないという理解のもとで、原告がのめない和解案を今出そうとしておりますのは、これはもう周知の事実です。大臣、今まで一本でも電話でしゃべったことがあるのか。もししゃべったことがないのであれば、あと一日時間がありますから、ぜひ直接話をして、高裁のリーダーシップではなく大臣のリーダーシップとして、政治決断としてこの問題を解決してほしいと思います。

舛添国務大臣 細かい交渉のプロセスについては一切口外しないようにという裁判長の厳命であります。そして、先ほど申し上げましたように、私の意思は確実に、きょうこの段階においても、裁判長のもとに届いております。

山井委員 これは、一度和解案が出たら、本当に解決は難しくなりますよ。そういう意味では、今、裁判長に意思は届いておりますということをおっしゃいました。しかし、今もう新聞にも報道されております、東京地裁の基準、これを内々に打診をしているという話はもう報道にも出ております。過去五回、いろいろな裁判がありましたが、東京地裁の基準のみならず、いろいろな基準があるから、東京地裁の基準にはこだわらない、うなずいておられますが、このことは大事なことですから、答弁をお願いしたいと思います。

舛添国務大臣 司法の判決は、五つすべて違います。司法や行政の下す判断と政治の判断は別のものである、そういうふうに確信しております。

山井委員 消えた年金の問題、そして薬害肝炎の問題、これは非常に私は似ていると思います。本当に深刻な年金の問題、深刻な、命のかかった問題、それに対して大臣は、非常に原告や被害者の方々に対して期待を持たせる発言をされました。私は、その発言をされたことに関してはある意味では非常に感謝をしております。しかし、それが後になって実行できなかったということでは、それで済まないんですね。本当に多くの方々の命がかかった問題です。

 そして、三百五十万人もの肝炎の患者の方々、薬害の方々は、先ほども言いましたように、この吉田さんのお写真を見てみても、昨日記者会見された御遺族の話を聞いても、八十歳を過ぎた女性であったり、七十歳の男性であったり。本当はもっと多くの方々が肝炎で苦しんでおられるんですよ。しかし、表には出られないわけです。体調が悪かったり、お仕事があったり、そういう中で、原告の方々が三百五十万人の代表者として今訴訟を闘っておられるわけです。そういう意味では、何としても全面解決をしていただきたい。

 そして、年金に並んで、こういう大切な問題をも全く公約を守れないということであれば、民主党は、そんな言葉の軽い厚生労働大臣を認めるわけにはいきません。国民の怒りでもあります。問責決議やそういうことも含めて、約束を守れない大臣は決して民主党は許さない、そのことを最後に申し上げて、質問を終わります。

 ありがとうございました。

茂木委員長 次に、園田康博君。

園田(康)委員 民主党の園田康博でございます。

 私も同僚議員に引き続きまして、舛添大臣にまず申し上げたいことがございます。それはやはり、先ほど来お話が出ておりますように、この年金問題。

 政治家は、ある面、結果責任が問われる場面があるというふうに私は思っております。同時に、言葉の責任というものも、あわせて重大な責任を負っているものだというふうに思います。したがって、そのみずから発した言葉に対する責任がとれないということでは、私は、その職にとどまる資格はないのではないか、そのように思っております。

 それで、今回の年金問題、この夏の参議院選挙から、私も、そういう意気込みであるならば意気込みであると、そのように努力したいということをおっしゃっていただければ、我々もそれに対して、いや、こういうふうにした方がいいんだよということの論争ができていたはずであります。しかし、皆さん方は、残念ながら、当時の安倍総理も含めて、三月までにこれを解決する、するというところまで言い切ったわけでございますね。今になってそれができないということであるならば、その言葉の責任はしっかりと私はとってもらいたい。

 大臣に先ほど来謝罪をということがあるわけでありますけれども、その意気込みは別として、みずから発した言葉の責任というものをきちっとやはりとらえて発言をこれからされるべきではないか。

 と同時に、先ほどの山井委員からの御指摘にあったように、薬害肝炎、この問題に対して当初の大臣の意気込み、これは私も高く評価をさせていただいた一人でございます。国民も恐らく期待をしたわけでございますけれども、ここに来て、残念ながら、その意気込みと、それからそれに対する結果が、全員救済という、そこまでいくものであるのかどうか、大変な疑問を持って私は見させていただいている。注視をさせていただいている。国民はすべてにおいて、大臣の言葉に対して、一挙手一投足に対して、注視をしている。そのことを改めて肝に銘じていただきたい。そのことをお願い申し上げる。

 そして、きょうは私はもう一点、国民の生活に対する、これはやはり大きな訴訟の問題、これは絶対に忘れてはならないということで、同じような現象が、年金、肝炎問題、そしてこの原爆症問題。原爆症問題、大臣はお忘れではないと思います。

 八月の五日に、そのときも当時の安倍総理が原告団の方々と広島で直接お会いになって、年内にこの認定の見直しを行う、そのことを約束されたわけであります。そして、それに従って検討会が開かれて、後ほどその議論はさせていただきますが、その検討会によって、恐らく来週ぐらいにはその中身がようやく出てくるのかなというふうに思っているわけでありますけれども、さきの検討会のあり方、中身を見てみますと、私は到底その中身に対して期待の持てるものではない。これは、八月にあの約束を原告団の方々にされたことをこれまた裏切る形になってしまうんじゃないかと大変な危惧を持って見させていただいている。

 大臣、まず、この見直し、安倍前総理がおっしゃったこと、そして、福田総理も含めて、大臣がちゃんとそのことを継承しているのか。そして、それと同時に、今六つの訴訟を抱えているわけでございますが、この訴訟に際して、すべて政府は、国は敗訴をしている。この控訴をしていることに対して、控訴をするということは、すなわち、今まだここに及んでも、厚生労働省は、あるいは国としては、その敗訴をされた司法判断に対して異議を申し立てるという意味でこれを行っているというふうに私は思えてなりません。言っていることとやっていることと、やはり言動が一致をしていないのではないか。大変な不信感を持たせられているわけであります。

 大臣、ここは政治判断も含めて、控訴を断念、そしてこの見直しをきちっと、だれのための見直しを行うのかということを踏まえて、私はやるんだという大臣の決意を、私はまず改めてここでお伺いをしたいと思います。

    〔委員長退席、宮澤委員長代理着席〕

舛添国務大臣 C型肝炎の問題も、これは六月でしたか、安倍前総理が、従来の政策の延長線上ではないことをきちんとやるということをおっしゃった。私は、その総理の言葉は非常に重い、そのことを前提に、私は厚生労働大臣に就任し、これまで全力を挙げてこのC型肝炎問題の解決に努力をし、また与野党の皆さん方の御尽力も賜ってきているところであります。

 そしてまた、今委員がおっしゃいましたように、八月に安倍前総理が、原爆症の認定のあり方、これは専門家の判断のもとに検討し、見直しを行うということを確かに御指示なさいました。私はきちんとそれを受け継いで、今、専門家の検討委員会において検討していただいている、そしてまた与党のPTにおきましても、この問題について精力的に御議論を賜っているところであります。

 訴訟についてどうするかの問題も含めまして、与党の皆さん方の作業、そしてまた専門家の方々の検討、その結果を待った上できちんと対応をしてまいりたいと思います。

園田(康)委員 後ほど細かい議論をさせていただきますが、大臣、ちょっともう一度、これだけ私は申し上げておきたいと思います。

 訴訟で闘わせていただいているその内容は、幾つか論点はあるわけでありますけれども、いわゆる今問題になっている原爆症認定のあり方に対して、審査の方針というものの裁判所の判断が、六つとも、多少違うところはありますけれども、大阪地裁は、DS86あるいはDS02も含めて、あくまでこれはシミュレーションにしかすぎないんだ、一つの考慮する要素である。広島地裁、一応の最低限度の参考値とすべきであって、あくまで放射線の起因性の一つの傾向を示す、過去の一時点における一応の参考資料として評価するにとどめるべきである。名古屋地裁、放射性降下物や誘導放射能を十分に把握できていないんだ、したがって、原因確率を形式的に適用して被爆者らの負傷及び疾病の放射線起因性の有無を判断したのでは、誤った結果を招来する危険性がある。仙台地裁、原因確率を機械的に適用することによって放射線起因性を否定する結果を生じさせることは、可能な限り避けなければならない。東京地裁、これらの形式的な適用のみによって放射線起因性を否定してしまうのは相当ではない。熊本地裁、これはあくまでも一つの考慮要素として用いるにとどめるべきである。

 どの地裁の判決、判断、司法判断も、これに関しては、全くもって科学的な知見がすべて取り除かれるというものではありませんけれども、今、政府が、あるいは厚生労働省が用いているその原因確率というものは、少なくとも一つの参考資料にしかすぎないのであって、これをもとに今後の認定作業をするものではないんだということが、いずれも指摘されているわけですね。だからこそ認定の見直しをしなければいけないですね、ここまでは踏み込んできたわけなんですよ。ところが、今、その検討会の中では、聞いてみますと、残念ながらそこに至っていないんだということであります。

 これから政府参考人の方に少しお話を聞いていきたいと思うんですが、今回出された、十二月十日、第六回の原爆症認定の在り方に関する検討会においての骨子案なるものがお示しをされましたね。「これまでの議論のまとめ(案)」というふうになっておりますけれども、これはどのような内容になっていますか。簡単に御報告ください。

西山政府参考人 お答え申し上げます。

 十二月十日の第六回検討会でございますけれども、第五回までの議論を踏まえまして、今先生おっしゃいましたように、検討会の座長代理より「これまでの議論のまとめ(案)」が提示されたところであります。

 その内容につきましては、被曝線量の評価について、二番目として、放射線起因性の判断について、三点目といたしまして、審査の取り扱いについてといった、原爆症認定のあり方の見直しに関する各論点に関しまして、主要な事項が整理されております。

 以上でございます。

園田(康)委員 申しわけないですけれども、局長、そうすると、ここで議論になったときは、これをもとに最終的な案を取りまとめるということになったんでしょうか。

西山政府参考人 お答え申し上げます。

 さらに詳しく申し上げれば、十二月十日の検討会におきましては、この取りまとめに沿って議論が行われ、被曝線量評価の妥当性、それから今先生が申された原因確率の合理性、あるいは急性症状の評価、あるいは審査の迅速化、効率化といった項目について、精力的に現在議論がなされているところでございます。

園田(康)委員 ということは、さまざまな異論がこの中でまだ闘わされているということですね。まだ確固たるものが、しっかりとした合意点のものができたということではないんだということで理解してよろしいんでしょうか。

西山政府参考人 結論から申し上げればそのとおりでございますけれども、やはり、原因確率の議論についても、この手法は妥当であるというふうな意見があった一方で、これまでの活用法は妥当でないとする意見もございまして、今先生が申されたように、これから集中的に議論していくということでございます。

園田(康)委員 そうすると、この検討会というのは、一体最終的にはどういう形で取りまとめがなされるんでしょうか。すなわち、反対意見があり、あるいはその集約ができないということであるならば、この検討会そのものがまとまらない、そういう可能性だってあるということでしょうか。

西山政府参考人 いろいろな方が入っておりますので、私としては一生懸命まとめていただきたいと座長に申し上げていますけれども、まとまらない可能性ももちろんございます。

園田(康)委員 つまり、この間、副座長から指摘をされた「これまでの議論のまとめ(案)」というものでございますけれども、あくまでも、これでいきますと、審査は科学的な知見に基づいた放射線起因性を基本とするというふうになっているんですよ、大臣。すなわち、いろいろな議論が闘わされているんだけれども、最終的には、この審査は科学的な知見に基づいた放射線起因性を基本とする、ここの枠から何ら出ていないということなんです。

 すなわち、六つの裁判ですべて敗訴をしてきている原因は、科学的知見という根拠のよりどころにしているそのものが、もう既に、すべて完全なものではないという否定がされているにもかかわらず、まだこの科学的知見によりどころを持たせようということになっているんですよ。

 これでは、いつまでたっても、この見直し、あるいは検討が出されるどころか、ただ単に、ではここで、八月にあれだけ原告団の方々に見直すんだというふうにおっしゃったことが、言葉からすれば、ああ、これで対象者が劇的にふえて、原爆症の認定の方々が救われるんだという思いを持たせた方々に、結局のところ、最終的には少し枠が広がって、認定が少し広がっただけという結果になりやしないか。私は、大変な危惧を持たせられているんです、この検討会のあり方そのものに対して。ここは大臣、大きな政治的な決断が私は必要だと思っているわけであります。

 時間がありませんので、事務方に少し聞きます。

 ちょっと飛ばしますけれども、今日まで私ども民主党の議員からも指摘をさせていただいておりますが、いわゆるアメリカの放射線被曝退役軍人補償法という、訳は別として、そのような制度があるというふうに指摘をされているわけでありますけれども、これはどのような内容で、この検討会の中でしっかりとした議論がなされたかどうか、その事実だけ。

西山政府参考人 簡単にお答え申し上げますと、アメリカ退役軍人補償法ですけれども、これは、被曝との関連性が証明されれば補償の対象となり、障害の程度に応じまして補償金を支給すると聞いております。

 特に、大気圏核実験の参加者、それから一九四五年八月六日から一九四六年一月一日の間に広島、長崎の占領に参加した軍人の方、この方々につきましては、定められた二十一のがんに罹患した場合には、被曝線量を評価せず、十段階でありますけれども、障害の程度に応じて補償金を支給するというような制度でございます。

 この件につきましてはこの検討会においても披露されまして、検討会では、ほかにイギリス等ございますけれども、諸外国の制度を含めまして、さまざまな観点から検討していただいている、そういう状況にございます。

園田(康)委員 すなわち、大臣、これはどこかで当然聞かれたことがあると思っておりますけれども、広島や長崎に駐留経験のある退役軍人、この方々が、いわゆる二十一種類のがんを原因疾患として、もう一つ制度はあるんですけれども、駐留の事実が確認されれば、原因疾患として被曝との関連が自動的に認定をされるという形の仕組みになっているんですね。それによって、それ以外の疾病について一部原因確率を用いてやっているところ、個別に判定をされているところ、あるんですけれども、そういう制度がアメリカにある。

 そのアメリカの駐留軍人に関してはどうですか。広島の場合は原爆投下後六十日後に入ったんですよ。しかも長崎は四十五日後に入っているんです。それでも、そこに駐留したという事実をもって、これはそれによって原爆症の認定がなされて、ちゃんと補償がなされている。二十一のがんに関しては、その疾病に対するしっかりとした補償がなされているという形がある。

 日本で起きたことが、なぜアメリカであるいはイギリスで行われていて、日本では最初から原因確率だの何だのという科学的な知見を用いて、わざと狭い範囲で認定をして、除外をしようとしていくのか。科学的な知見というものは、もう既にこれは根拠がなしという形まで追い込まれているんですよ。

 大臣、六連敗して、まだこの後、訴訟を続けなければいけないんでしょうか。これこそ大臣、もう一つの政治的な決断が必ずや必要になってくる場面が出てくると私は思っている。先ほどの肝炎の方々もそうであります。あす命を落とすかもしれない。原爆症の方はどうですか。もう六十二年間たっているんですよ。高齢者になってしまっているんです。それこそもう命が残り少なくなってきた。そういう方々に、まだこの後、検討会や何やかやと重ねて、科学的な知見を新たなものを探していくという形になるんでしょうか。

 DS86やDS02、この放射線量の科学的な知見に関しては、大臣、日米の共同研究の中においても、もう既にそれは、入市被爆や残留性放射線あるいは降下物に関しては、もうこれは証明のしようがないんだということを国みずから認めているじゃありませんか、研究報告書の中において。だったら、それを指標として使うことすら、もう私は、ここで政治決断というものをして、そのような指標を取り除く。

 アメリカにこのような制度がある。原爆症認定の、あるいは援護法の趣旨は何だったでしょうか。手帳を取得する、そしてそれによって被爆者として認定をされる、そこからもう既に原爆放射線の影響はあったというふうにここはきちっと認めるべきではないんでしょうか、大臣。

 大臣のお考え、お聞かせをいただきたいと思います。

宮澤委員長代理 大臣、申し合わせの時間が経過しておりますので、簡潔にお願いいたします。

舛添国務大臣 今の委員の貴重な意見も賜りまして、そしてまた専門家委員会の検討、さらには与党のPTで精力的に作業を行っていただいておりますので、そういうことを総合的に勘案して、必要なときに必要な判断を下したいと思います。

園田(康)委員 余り期待の持てるものではありませんでしたけれども、ぜひ大臣、真剣にこの訴訟の中身もきちっと見ながら、決断をしていただきたいと思います。

 終わります。

宮澤委員長代理 次に、高橋千鶴子君。

高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 私からも、最初に一言、薬害肝炎問題で大臣のお考えを伺いたいと思います。

 一昨日、総理の政治判断を期待し面会を求めた原告団に会ってはくれませんでした。大阪高裁の和解を待ってではなく、政治判断をするべきだという意思がなぜ受け入れられなかったのか。法的責任はないと繰り返しておりますが、しかし、被害者に責めはありません。これを救済するのは国の政治決断以外にないのです。

 そこで、原告団の皆さんが、先ほど山井委員からも詳しい説明がありましたけれども、線引きは認められないと繰り返し述べているのはなぜだとお思いになりますか。

舛添国務大臣 原告の方々とも私は二度お会いしました。そして、同じ薬害で苦しんでいる、そういう人たちに差があってはいけない、こういうことをはっきり皆さんおっしゃいました。私は、その言葉を重く受けとめております。

高橋委員 重く受けとめていると言ってくださったと思います。私は、ただそれだけではなくて、やはり原告団の皆さんが提訴に踏み切るまでの、自分がフィブリノゲンなどを投与されたという事実を知ること自体なかなか困難だった、証明することも困難だった、ただ怠けていると周りの人から言われて、原因不明で苦しんでいた、そういう時代を経て提訴に踏み切るまでの苦しみがあったからこそ、同じ苦しみをこれからの方たちに味わわせたくない、そういう思いが最大ではないか、このように思うんです。

 〇二年十月に東京、大阪地裁に十六名、最初は十六名でスタートしましたね。これから始まった薬害肝炎が、〇三年の四月に原告団長の山口さんが実名を公表された、このことによってメディアにも大きく知られることになり、初めてそのニュースを通して、私もそうではないか、そのようにいろいろな方たちが被害に気づき、提訴に踏み切って、今は二百名を超える原告団になってきた。ですから、お一人お一人がそこに踏み切るまでの苦しみを乗り越えてきたことの思いを理解するべきだと思うんです。

 大阪地裁で線引きされたという原告の一人は、一日違いでも線引きされるのはなぜか、子供の生まれた日を否定された気持ちがする、今回自分が和解を受け入れれば、自分の思いをこれからの人に負わせることになる、みずから線引きをすることはできないと訴えられました。

 大臣、今回やっとスタートラインについた方たちが初めから排除されるというようなことがあってはなりません。この点についていかがでしょうか。

舛添国務大臣 今、いろいろな方々の御証言というのを委員がおっしゃいました。そういう皆さん方の思い、そして私は何度も申し上げていますように、国民が支持できないような解決案は解決案ではない、そういう気持ちで全力を挙げてこの問題の解決に今も取り組んでおりますし、今後とも取り組んでまいります。

高橋委員 国民の意思ははっきりしていますので、そういう結果が必ず出ることを期待しておきます。

 次に進みます。

 きょうは、生活保護の問題で、この間も質問させていただきました。生活扶助基準の検討会について、引き下げが決まったという報道がされたことについて、そうではないという答弁があり、そして今は見送られたという報道もされている。

 先般の参議院の決算委員会などを見ていると、激変緩和という表現をされている。そうすると、これは下がることは基本的に決まっていて、激変緩和だという枠の話なのかな、そういう危惧をまた抱くわけであります。

 そこでまず伺いますが、検討会は、低所得層の消費実態と比較して、高い低いを比べたにすぎません。今回の結果を機械的に当てはめて得られる削減額は一体どのくらいなのでしょうか。

中村(秀)政府参考人 お答え申し上げます。

 今委員からお話のありました検討会、十一月三十日に報告書が取りまとめられたところでございますが、ちょっと説明の必要がありますので、述べさせていただきます。

 報告書の内容でございますが、生活扶助基準の水準の妥当性に関し、低所得世帯における消費の実態と均衡が適切に図られているかどうか、そこを調査いたしました結果、夫婦子一人の世帯、三人世帯において、先生がおっしゃいましたように、基準額がやや高目、単身世帯において高目、こういう結果になっております。

 ほかにも二つありまして、生活扶助基準の体系の妥当性について評価いたしましたところ、基準は、世帯人員四人以上の多人数世帯に有利であり、世帯人数が少ない世帯に不利になっておる。

 三点目でございますが、地域差を設けておりますが、今、最も高い地域と低い地域の基準の較差が二二・五%になっております。これは、今回の結果では一〇%くらいに縮小している、そういうことが結論になっております。

 したがいまして、先生から機械的に適用するというお話がございましたけれども、増加する要素、減少する要素もありますので、どういう基準のつくり方をするか、そういったことについて考えていかなければなりませんので、なかなか機械的に増減ということについてお出しできる性格にはないんじゃないかというふうに考えております。

 そこで申し上げますと、毎年度の生活保護基準は、先生御案内のとおり、予算編成で決められているところでございます。今回の検証作業は、五年に一度の全国消費実態調査の結果を踏まえて基準の妥当性について検証していくというルールの適用でございまして、これからの保護基準を消費の実態に合ったものにしていくために重要なものであり、私どもは、今度の予算編成にぜひ反映させていきたいと考えております。その場合、ただいま申し上げましたように、増加する要素、減少する要素、両面ありますので、報道などにありましたような、一概に引き下げ云々とは言えない状況にございます。

 いずれにしても、現在、予算作業が継続中でございまして、現段階で確定的なことは申し上げられませんけれども、最終的には予算案の中で明確にしてまいりたいと考えております。その際、大臣からも御説明しておりますように、そういう基準を変えるに当たっては、さまざまな配慮もしてまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。

    〔宮澤委員長代理退席、委員長着席〕

高橋委員 まず、機械的にと私が言ったのは、今言ったように、夫婦と子一人の三人世帯は高目である、その差額は例えば千六百円とか、そういうのを当てはめたときどうかというお話をしたんです。

 例えば、それはせいぜい一%ですから、影響額としたらわずかな額ですよね、そんなものを削る必要はありませんよねということが言いたいのが一つです。

 それと、級地を一〇%の較差にするとおっしゃいました。これは、要するに較差を縮めるというお話なんですね。だけれども、地方を、下を上げるというのだったらいいんですけれども、上を下げるというのだったら、期待している較差の是正にはならないわけです。その点はいかがですか。

中村(秀)政府参考人 お答え申し上げます。

 検証結果では、委員御指摘のとおり、水準については、三人世帯で基準が十五万四百八円、それから、それに見合う消費実態が十四万八千七百八十一円ということで、先生が御指摘になった差でございますが、例えば単身世帯を見ますと、七万一千二百九円の基準に対し、六万二千八百三十一円ということで、報告書でも、単身世帯では高目、夫婦子一人世帯ではやや高目、こういうような状況になっております。

 地域差につきましては、先ほど申し上げましたように、今、最高地域と最低地域の差が二二・五%ございますが、消費の実態で見ますと、最高地域を一〇三といたしますと、最低地域が九三で、一〇の較差に縮小しているということでございます。

 そういった地域差の問題などにつきましても、その基準をどうやってつくっていくかということについては今精査中でございますので、もう少し時間をちょうだいしたいと思っております。

高橋委員 この点は強く指摘をして、次に行きたいと思います。

 生活保護は、単に受給者だけの問題ではなく、生活のさまざまな、例えば減免基準の目安などという形で影響しているわけであります。

 総務省にまず伺いますが、地方税の非課税基準に生活保護を勘案するという根拠は何でしょうか。仮に生活扶助基準が変更されれば、地方税にも影響が出ると考えてよいでしょうか。

高橋(正)政府参考人 お答えいたします。

 個人住民税の非課税限度額についてのお尋ねでございましたが、個人住民税につきましては、地域社会の会費という性格から、所得割につきましては、その課税最低限は所得税よりも低く設定されてございます。このため、所得割の非課税限度額を、低所得者への配慮から、生活保護基準額を勘案して水準を設定し、その水準以下の所得しか有しない方には所得割を非課税としているところでございます。また、均等割の非課税限度額につきましては、特に、所得の低い方に対する負担を避けるため、所得割よりも低い水準で設定しているところでございまして、生活扶助の基準額を勘案した基準に基づきまして、市町村が条例で定めることとなってございます。

 このような非課税限度額の基準を定めるに当たりまして、低所得者への配慮から、生活保護に係る基準を勘案し非課税限度額の基準を定めているところでございます。

 以上でございます。

高橋委員 質問には直接お答えをいただいていなかったと思います。

 低所得者への配慮から、生活保護基準を勘案しているとおっしゃっている。ですから、逆に言うと、生活保護の基準が仮に変わったとして、もし下がるということになったとすれば、それで、またこれが影響するということでは、逆に低所得者に影響を与えてしまうわけですから、そういうことはないよというふうに受け取ったらよろしいのかしらと。それ以上は言えないでしょうか。

高橋(正)政府参考人 失礼いたしました。

 先ほど、生活保護に係る基準を勘案し非課税限度額の基準を定めているというふうにお答え申し上げました。したがいまして、今後、生活基準について、一般論ではございますけれども、いろいろ御議論がございまして、見直されるようなことになった場合には、非課税限度額の基準について、私どもといたしましても、検討をする必要があろうかとは考えてございます。

 以上でございます。

高橋委員 検討する必要があるというお答えでした。低所得者への配慮のために勘案すると書いていたことが、やはりリンクするということがわかったかなと思っております。

 昨年の六月、文部科学省が就学援助に関する調査結果を発表しました。これは、十七年度から、三位一体の改革の関連で、準要保護児童に対する国庫補助を廃し、一般財源化したことの影響を調べたものでありました。全都道府県の二から四市町及び二十三区の百二十五市区町を対象としたものでしたけれども、準要保護児童の認定基準を変更した市区町が二十八、二二・四%ございました。うち、縮小、引き下げは二十だったという結果でございます。

 もともと就学援助の内容は市町村によって一定幅がございますけれども、やはり、財政難を理由に自治体が要保護家庭だけに限定し援助を縮小する傾向にあるというのは、ここからも読み取れると思います。この上、もし仮に保護基準の引き下げなどがあれば、どうなるのかということが危惧されます。

 子供たちにワーキングプアが引き継がれているということがテレビでも報道されていました。しかし、これは今、一つの具体的な例でありますが、こうしたことが、さまざま関係するものがあるよということは、この間指摘をされてきました。こうした点でも、ほかの施策に与える影響をどのように考えるか、伺いたいと思います。

岸副大臣 生活保護は、先生ももちろん御承知でございますが、健康で文化的な最低限度の生活を保障するという、我が国のいわば最後のセーフティーネットでありまして、その基準は、客観的なデータに基づき、定期的な検証を実施して設定されるべきものであるということは、中村局長の御説明のとおりでございます。

 生活保護基準では、生活保護以外にも、厚生労働省の関係では、例えば介護保険料、国民年金保険料等の減免の基準などに関連しているところでございますけれども、生活保護の基準が変更された場合にどのような影響が出るかは、変更の内容によるものでして、ただいまの答弁にもありましたし、先生の御発言にもあったとおりでございまして、一概には申し上げられない、こういうことでございます。

 なお、生活保護基準の見直しに当たっては激変緩和措置というものを講じるということは、既にさまざまな場で大臣初め皆さんからの御発言もあったわけでございますが、関連する制度についてもやはり、制度ごとによくその影響を検討して、国民に負担を、不安を与えることがあってはならない、そういう考えのもとに対応を考え、適切に措置していく、こういう気持ちでこの問題に対処したい、こういうふうに思っております。

高橋委員 今、最後におっしゃってくださった、負担をかけることがあってはならないということは非常に大事なことで、ぜひそうしていただきたいんですが、ただその前提として、やはり影響があるんだな、かなり広範に影響があるんだなということが読み取れるかなと思っております。

 生活扶助基準が引き下げられると、最低生活費とはこの程度と国が決めることになり、新たに保護を受けたいという人の門戸も狭めることになります。

 そこで、報告書にある生活扶助基準の基本的な考え方は、「生活扶助基準の水準は、健康で文化的な最低限度の生活を維持することができるものでなければならないが、その具体的内容は、その時代の経済的・文化的な発達の程度のほか、国民の公平感や社会通念などに照らして総合的に決まるものである。」先ほどおっしゃったことと同じですけれども、この引用部分が朝日訴訟を引いたものだということを説明を受けました。

 結核患者だった朝日茂さんが、お兄さんからの仕送りを国庫へ取り上げられたことに端を発し、憲法二十五条そのものを問いただした闘いとして、人間裁判、人権裁判として今に生きている裁判であります。

 ここでの教訓は、人は単にかろうじて生物としての生存を維持できる程度のものであろうはずはないのだということを言っていること、あるいは、最低限度の生活水準を判定するに当たって注意すべきことは、現実の国内における最低所得層、例えば低賃金の日雇い労働者や零細農漁業者、いわゆるボーダーラインに位する人々が現実に維持している生活水準をもって直ちに生活保護法の保障する健康で文化的な生活水準に当たると解してはならないということ。このように、低い人と比べて、それでいいのだと言ってはならないということを指摘していることや、予算の有無によって決定されるものではないという指摘をしています。

 このような教訓を生かしているのでしょうか、大臣、最後に一言伺います。

舛添国務大臣 憲法二十五条は最後のセーフティーネットでありますから、きちんとこの線に従って生活の扶助をする。しかし一方、私がよく申し上げますように、憲法の二十七条では、国民は勤労の権利義務をきちんと持つし、負っているんだということを言っております。私は、やはり一生懸命働ける、就労支援ということが非常に重要だと思います。

 そして、今回の報告書は、働いている方の一番下の十分の一の方々に比べて、いろいろなデータ、客観的なデータで見ると、生活保護の水準が若干高くなっている、これを明確な形で示された。それを受けた上で、どういう形でこれを予算編成に反映させるか、それを今、政府・与党内できちんと議論をした上で結論を出したい。そういう過程におきましても、今の高橋委員の御意見も大変貴重な意見として賜った上で、そういう意見も国会の中であるんだ、それを念頭に置いた上で対応してまいりたいと思います。

高橋委員 勤労する方々にとってもこの生活扶助基準が重要だということを示したのが朝日訴訟判決だったわけです。一九六二年の社会保障制度審議会の勧告にも反映をさせた、そこをしっかり受けとめていただきたいと思います。

 残念ながら時間が来ましたので、終わります。

茂木委員長 次に、阿部知子君。

阿部(知)委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 本日の厚生労働委員会も、大変に重いテーマが次々と各委員から質疑されて、この厚生労働委員会の抱える問題の多様な、そして国民の切実な思いということを改めて感じながら最後の質問に立たせていただきます。

 まず冒頭、舛添大臣に伺いますが、きょう何人かの委員がお取り上げでございましたC型肝炎の政治決断の問題。大臣は、先ほど来、国民の常識や思いとかけ離れた政治決断というのはないということを御答弁でありました。それは至極当然ですし、ぜひともハンセン病でなされたような政治決断をしていただきたいということは先回申し述べました。

 そういう前提の上で、しかしながら、例えば、厚生労働省が四百十八人になぜ通知できなかったか、告知できなかったかということを厚生労働省内でお調べになった調査報告は、法的責任を問うまでには至らないとするもので、しかしそれは、多くの国民の思いとはやはり違う。何でこんなに、推定三百五十万人、B型、C型肝炎を合わせれば、膨大な数の国民が肝炎に、ウイルスを持ち、あるときは発症していくというような事態が生じたのかということについて、やはり国民に、納得する形で、きちんと説明責任が国にはあるんだと私は思うんです。

 その意味で、きょう、肝炎の裁判闘争の中でも、薬害肝炎弁護団作成という形で資料が提示されておりますけれども、一九六四年に始まるこのフィブリノゲン製剤は、実はライシャワー事件をきっかけに売血問題が非常にたたかれ、製薬会社は、そのことを逆手にとる形で薬にして売り出した。もうはなから薬害を生む構図という、すごく社会的に深い根を持っているように私は思います。

 そういう問題であるからこそ、やはり厚生労働省の外に検証委員会を置かれてはどうでしょう。私は、これは先回も言わせていただきました。もちろん、一に政治的決断です。しかし同時に、薬害根絶の碑ができながら、厚生労働省のその碑のすぐ前で、多くのC型肝炎の女性たちが本当に必死の思いと形相で迫らざるを得ない、この姿を再び見ている現在の私たちの立法府、私は何なんだろうと思ってしまいます。

 であるならば、何が問題か、私は多面に問題があると思います、流さずに点検する。薬剤の承認過程もそうです。あるいは告知問題も、簡単に、医師たちが告知すべきであったと言われますが、私は、そのことについては厚生省の責任放棄だろうとせんだって思いました。ただ、もちろん、医師にも責任がまるでないと思うものでもございません。

 当事者で一番苦しい、本当に、肝がんでもうあと余命幾ばくという皆さんが、命をかけて訴えざるを得ない光景であります。

 大臣には、しかるべくこのことを政治決断し、同時に、再発防止に向けて、厚生労働省内にとどまらない、本当の意味の社会的検証ができる、行政を外から見た検証ができる、そういう委員会を立ち上げるべきではないかと思いますが、一点、お願いいたします。

舛添国務大臣 私も思いは同じでございまして、国民の目線に立った行政がなぜできないのか、命という原点を忘れてしまってはだめではないかと。ただ、本当に残念ながら、私の時間は一日二十四時間しかありません。体も一つです。全力を挙げて今当面の問題に対処をしておりますけれども、今おっしゃったように、この巨大な組織、機能不全を起こしている。無責任体制になっていないか、社会保険庁も含めてそうです。行く行くは、こういうのに一度、組織に大なたを振るうことが必要だというふうに思っています。

 例えば省庁再々編成というようなことも含めて考えないといけない。今委員がおっしゃったような、外にいるオンブズマンのようなものをどう活用するかということもあると思います。これも私一人の力ではできません。

 どうか、立法府の皆さん方のお力もおかりして、原点に立ち返って、国民のための行政ができる組織、そして責任ある組織に立て直したい、こういう所存であります。

阿部(知)委員 全体の省庁再編も、それはあり得ることと私も思います。

 厚生労働行政というのは幅広過ぎて、とても丁寧にやっていられない現実があります。でも、私がこの場でお願い申し上げたのは、例えば日本弁護士連合会など外の検証組織を入れて、ハンセン病と同じように、薬害がなぜ再び構造的に蔓延し、多くの犠牲者を出したかということを検証せずして次の出発がない。きょう郡委員も治験問題でも質疑なさいましたが、同じような問題をこれからもはらみます。

 非常に重要な、薬はこれからの医療にとってももろ刃の剣でございます。どこでどう情報を収集しフィードバックしていくか、どこに問題があったのかということを大臣には重ねて、やはりきちんと本当の薬害根絶に結びつくような検証組織を立ち上げていただきたいとお願い申し上げます。

 さて、きょう私が予告してございます質問の一問目は、先ほど園田委員がお取り上げいただきました被爆者の認定ということと一部関連はいたしますが、在外被爆者の問題でございます。

 これも十一月一日に最高裁判決が出まして、いわゆる厚生労働省の四〇二通達というものがいかに患者さんたちを苦しめ、そして、特に海外からの申請を不可能にする結果、何の補償もなく、病を得て非常に苦しんだ中、亡くなっていった人も生んだということで、大臣の謝罪もいただきましたし、また、厚生労働省の方でも、十一月の二日、岡部健康局総務課長の謝罪ということもいただきました。

 さて、大臣は、この謝罪ということを現実に政策化すべく、まずどのようなことを今お考えであるか。もう会期も少のうございます。一日延びればお一人また亡くなる、これは肝炎問題も在外被爆者も同じでございます。大臣が、この四〇二号通達を含めて、在外被爆者でお苦しみの方に対してまず今何をなさろうとしているのか、そのことをお願いいたします。

舛添国務大臣 この十一月一日の最高裁判決を受けまして、同じような状況にある方々をどうして救うか、そういうことで、事実関係の認定、それから、今、迅速にお支払いを何とかできないか、財務省と折衝中でありまして、一日も早くこの折衝をゴールに導きたい、そういうふうに思っております。

阿部(知)委員 大臣は、二〇〇七年の十月十七日、在外被爆者の方、韓国やブラジルやアメリカから来られた皆さんとお会いになって、五つの要望というのをお受けになったと思います。どの要望も重要でございますが、可及的速やかであってほしいというのが、海外からの手帳の取得でございます。

 これは、どこにいても被爆者は被爆者、当たり前ですが、このことにのっとって、もうとてもこの国に、日本にやってきて手帳をとることができない方たちの切実な思いで、しかしながら、先般、新聞報道等々では、厚生労働省は、その在外被爆者の手帳申請に当たって証人をお二人必要とするというふうに述べておられました。

 しかしでございます。現実に八十歳をお超しになる高齢な方、そして、現在既に、例えば、韓国における被爆者協会、二千六百六十三人の協会会員がおられますが、そのうち二百三十人の方はそういう証人を準備できない。だって、自分の被爆の事実を知る人を二人用意せよと言われて、直後ならまだしも、六十数年も経たわけです。本当にそのような二人を用意せねば手帳がとれないとしたら、実はとれないということなんだと思います。例えば、韓国の被爆者協会にお願いして、その方たちに証言していただく、証人になっていただく、そういうことだって十分可能です。

 これは願わくば大臣にお願いしたいですが、もし役所の方で準備が進んでいるのであれば、進捗状況、一刻も待てないのです、御答弁をお願いします。

西山政府参考人 簡潔に申し上げますと、現在、与野党それぞれにおきまして、法案提出ということで業務が進められております。

 現実的に、運用だけ一点申し上げますと、証人が二人要ることは交付の絶対の要件ではございません。新聞報道は間違いでして、一つは、簡単に申し上げれば、申請者本人において当時の状況を記載した申述書及び誓約書を提出していただくというようなことでも可能でございますので、弾力的に運用してまいりたいと思っています。

阿部(知)委員 本人にも痴呆等々ある場合がございます。そこで、私は今、協会、そういう方たちを広く、自助組織というか共助の組織と申しますか、本当にひどい被爆ということを経験して、助け合う組織ができているわけです。今の本人自筆ということも含めて、本当に人間的な運用をすべきです。

 大臣、この点は、ここまで引き延ばしたからこうなったのです、はっきり申しまして。四〇二通達がここまで引き延ばしたのです。御本人が御自分で名前を書ける、表明できる、記憶を語れる、もっと早ければそうだったかもしれません。でも、すべからく時間を浪費してきたのは行政です。であるならば、今事務局サイドからの御答弁でした、しかし、そのことも含めて、現実に可能な、そういう諸団体の力をかりるということも含めて検討していただきたいが、いかがですか。

舛添国務大臣 阿部委員が言及なさったように、在外の被爆者の方たちに直接お会いしてお話もお伺いいたしました。高齢化が進む御本人たちが本当に困った状況にある、そういう状況を踏まえて、与党のPTでも今一生懸命検討を進めていただいております。私といたしましても、柔軟な対応を図っていきたいと思います。

阿部(知)委員 では、引き続いて障害者自立支援法の質疑に移らせていただきます。

 これも、新聞報道等で、与党のPTの方でも、この障害者自立支援法、障害者の皆さんも、法律が施行されて以降も大変に不安が絶えない。そして、例えばですが、十八年度の補正予算で一千二百億円の特別対策が講じられたといっても、講じられてなお、やはり広範な不満や不安や、本当に国は私たち障害者のことを考えているんだろうか、そういう思いが広がっております。

 伺いますが、そもそも、平成十八年度のこの補正予算千二百億円、実績においてこれまで一体幾ら使われたかということを一点。

 そして、時間の関係で恐縮ですが、特に、そのうち御自身の負担を軽減する、これは一年度で、一年間で百二十億という予算計上でございましたが、これの予算執行状況はどのように把握しておられるか、お願いいたします。

中村(吉)政府参考人 お答えいたします。

 障害者自立支援法の円滑な施行を図るため、平成十八年度補正予算において総額九百六十億円を計上いたしまして、各都道府県に基金を造成した部分につきましては、現時点で把握しております都道府県及び市町村における特別対策の執行状況でございますけれども、平成十八年度については三十六億円、九百六十億円のうちの三・八%となっているところでございます。結果といたしましては、本格的な実施は平成十九年度、二十年度ということになるものでございます。

 今後とも、できるだけ早く実施を進めていきたいというふうに思っております。

 次に、利用者負担の件でございますが、この件につきましては、百二十億円を利用者負担の軽減のために要することになっておりますが、これは平成十九年度の障害福祉サービス費四千四百七十三億円の中に含まれておりまして、現在、実質的に執行が行われている状況でございまして、執行率がどのくらいという点については今後の捕捉でございます。

阿部(知)委員 都道府県の基金も三・数%しかまだ実績がないと。障害のある人は日々お暮らしであるわけです。十九年度、二十年度を待ちなさいというふうに、その日の暮らしのことを後に送ることはできないわけです。

 そして、御本人の減免措置について、厚労省の方に資料がないので、私の方でお手元に配らせていただいている、きょうされん、共同作業所連絡会、東京の支部調査というもので、一体、御自身の減免はどの程度進んでいるかということを挙げさせていただきました。

 簡単に申しませば、これまでの審議の中では、非課税世帯で非常に生活が厳しい方はほぼ全員減免が受けられるようにしましょうということでありましたが、執行状況を見ていただきますと、足立区では非課税世帯でも約半分しかこの減免措置にのってきていない。そして、例えば大田区などでは逆に十数%しか減免措置を受けておられない。

 時間の関係で結論を申しますが、一番下の町田市では減免措置を皆さんお受けになれた。差は何かといいますと、資産調査の要件を町田市は外しました。資産調査とは、貯蓄が幾らあるか、土地はどれだけ持っているか。そういうものを洗いざらい言わなければ減免措置をしませんよと言われた障害者にとって、本当に使い勝手がいいのか。

 応能負担の支援費ではそういうことはございませんでした。障害のある方の人間の尊厳。これを自分が丸裸で、全部言わなければ、減免というこのありがたい措置はとらせていただけないんだみたいな行政をやるとしたら、私は障害者自立支援法の精神そのものを疑うものであります。

 与党のプロジェクトでは、この一千二百億の措置を継続するというふうで、それはそれでよいことでしょう。しかし、本当に使い勝手がよく、本当に障害のある人がプライドを持って生きられるようにしなければ、障害者自立支援法とは言えないものになります。

 御答弁をいただきたいですが、大臣、恐縮ですが、短時間でお願いいたします。

舛添国務大臣 今の委員の御指摘も踏まえまして、やはり障害者の自立の支援をどうするか。これは私は、理念は、これは捨てたくない、これはきちんと守っていく、しかし、やはりきめの細かい措置をやっていかないと、今委員がおっしゃったような問題点が生じる、そのこともきちんと認識して対応してまいりたいと思います。

阿部(知)委員 これは与党でも御検討と伺いますが、やはり支援費のように応能負担に戻していただく、それしかもう解決はないです。こうやって減免するから全部明らかに、丸裸になれというような発想は、やはり人権じゅうりんですから。

 最後に、林業の問題で聞かせていただきます。

 皆さんのお手元に、めくっていただくと二枚目、「林業における事業所規模別の労働災害発生件数の割合」というものを載せてございます。簡単に言えば、その次のページもおめくりいただきたいですが、林業という労働は労働災害の発生度数率が極めて高く、これは林業と全産業と木材木製品製造業を比べますと、この度数率において極めて高い労災発生を見ているという事実と、そして、お戻りいただいて、では、どういう場で労災が起きているかというと、三十人未満の極めて中小、弱小の事業所で労働災害が起きている。全体の発生の七四%が三十人未満であるということであります。

 我が国は、林業労働力の確保の促進に関する法律というのが九六年にできて、舛添大臣も、殊のほか林業には、ライフワークだとお考えであると。しかし、その一方で、お示ししたように高い労働災害の発生があれば、当然、森は守れないどころか人も守れないということでございます。

 こういう実態に対して、どのような工夫、あるいは、例えば平成十八年度、労働安全衛生法が改正されて、リスク評価をもっときちんとしなさいということも決まったと思います。担当省庁としてどんな努力をして労働災害の発生を防いでいるのか、また防ごうとしているのか、御答弁をお願いします。

青木政府参考人 林業は大変危険な作業が多くて、委員が御指摘のように、労災の発生率も非常に高い業種でございます。林業においては、事業場の多くを小規模事業場が占めておりますので、御指摘のように、小規模事業場における労働災害防止を図るということは大変重要だというふうに思っております。

 私どもとしては、一つには、労働基準監督機関が行う監督指導等によりまして法令遵守を図る。また二つには、死亡災害が非常に多い、とりわけ危険な作業、かかり木作業について災害防止のためのガイドラインをつくっておりますので、それを徹底する。それから三つには、お話にもありましたけれども、チェックリストをつくっていまして、危険性または有害性を調査して、これに基づく措置を講ずるためのチェックリストというようなものの作成あるいは配布の対策を進めているところでございます。

 御指摘のように、小規模事業場も含めまして、林業における労災防止対策の推進を図っていきたいというふうに思っております。

阿部(知)委員 高性能の機械の導入ということも含めて、本当に森を守る人を守っていただきたいと思います。

 ありがとうございます。

茂木委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時十八分散会


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