衆議院

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第13号 平成20年1月8日(火曜日)

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平成二十年一月八日(火曜日)

    午前八時三十四分開議

 出席委員

   委員長 茂木 敏充君

   理事 大村 秀章君 理事 後藤 茂之君

   理事 田村 憲久君 理事 宮澤 洋一君

   理事 吉野 正芳君 理事 山田 正彦君

   理事 山井 和則君 理事 福島  豊君

      新井 悦二君    井澤 京子君

      井上 信治君    石崎  岳君

      川条 志嘉君    木原 誠二君

      木村 義雄君    櫻田 義孝君

      清水鴻一郎君    杉村 太蔵君

      高鳥 修一君    谷畑  孝君

      冨岡  勉君    長崎幸太郎君

      丹羽 秀樹君    西本 勝子君

      萩原 誠司君    林   潤君

      福岡 資麿君    松浪 健太君

      松本  純君    松本 洋平君

      三ッ林隆志君    御法川信英君

      内山  晃君    岡本 充功君

      菊田真紀子君    郡  和子君

      園田 康博君    長妻  昭君

      西村智奈美君    細川 律夫君

      三井 辨雄君    柚木 道義君

      伊藤  渉君    古屋 範子君

      高橋千鶴子君    阿部 知子君

      糸川 正晃君

    …………………………………

   議員           大村 秀章君

   議員           田村 憲久君

   議員           石崎  岳君

   議員           後藤 茂之君

   議員           宮澤 洋一君

   議員           吉野 正芳君

   議員           井上 信治君

   議員           斉藤 鉄夫君

   議員           坂口  力君

   議員           福島  豊君

   議員           古屋 範子君

   厚生労働大臣       舛添 要一君

   法務副大臣        河井 克行君

   厚生労働大臣政務官    伊藤  渉君

   厚生労働大臣政務官    松浪 健太君

   政府参考人

   (法務省大臣官房訟務総括審議官)         貝阿彌 誠君

   政府参考人

   (法務省民事局長)    倉吉  敬君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房技術総括審議官)       上田 博三君

   政府参考人

   (厚生労働省健康局長)  西山 正徳君

   政府参考人

   (厚生労働省医薬食品局長)            高橋 直人君

   参考人

   (薬害肝炎九州訴訟原告)

   (薬害肝炎全国原告団代表)            山口美智子君

   参考人

   (日本肝臓病患者団体協議会事務局長)       高畠 譲二君

   参考人

   (B型肝炎訴訟原告団代表)            木村 伸一君

   参考人

   (京都ヘモフィリア友の会会長)          佐野 竜介君

   厚生労働委員会専門員   榊原 志俊君

    ―――――――――――――

委員の異動

平成十九年十二月十三日

 辞任         補欠選任

  岡本 充功君     黄川田 徹君

同日

 辞任         補欠選任

  黄川田 徹君     岡本 充功君

平成二十年一月八日

 辞任         補欠選任

  西本 勝子君     丹羽 秀樹君

  三ッ林隆志君     御法川信英君

  細川 律夫君     西村智奈美君

同日

 辞任         補欠選任

  丹羽 秀樹君     西本 勝子君

  御法川信英君     三ッ林隆志君

  西村智奈美君     細川 律夫君

    ―――――――――――――

平成二十年一月七日

 特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第9因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法案(谷垣禎一君外十七名提出、衆法第二二号)

は本委員会に付託された。

一月八日

 特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第9因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法案(谷垣禎一君外十七名提出、衆法第二二号)

は委員会の許可を得て撤回された。

平成十九年十二月二十七日

 医療に回すお金をふやし、保険でよい歯科医療の実現を求めることに関する請願(市村浩一郎君紹介)(第一一二九号)

 同(牧義夫君紹介)(第一一四三号)

 高齢者に負担増と差別医療を強いる後期高齢者医療制度の中止・撤回を求めることに関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第一一三〇号)

 同(吉井英勝君紹介)(第一一三一号)

 後期高齢者医療制度の中止・撤回を求めることに関する請願(佐々木憲昭君紹介)(第一一三二号)

 同(志位和夫君紹介)(第一一三三号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第一一三四号)

 医療危機打開と患者負担軽減を求めることに関する請願(市村浩一郎君紹介)(第一一三五号)

 中小自営業の家族従業者等に対する社会保障制度等の充実に関する請願(細野豪志君紹介)(第一一四四号)

 同(玄葉光一郎君紹介)(第一一五七号)

 国の医療に回すお金をふやし、医療の危機打開と患者負担の軽減に関する請願(岡本充功君紹介)(第一一四五号)

 同(近藤昭一君紹介)(第一一四六号)

 同(玄葉光一郎君紹介)(第一一五八号)

 不妊治療にかかわるすべての薬剤と検査に対する保険適用に関する請願(伊藤公介君紹介)(第一一四七号)

 同(玄葉光一郎君紹介)(第一一五九号)

 社会保障の充実を求めることに関する請願(楠田大蔵君紹介)(第一一五六号)

 年金・医療・介護等の社会保障制度充実に関する請願(玄葉光一郎君紹介)(第一一六〇号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第9因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法案(谷垣禎一君外十七名提出、衆法第二二号)

 特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第9因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法案(谷垣禎一君外十七名提出、衆法第二二号)の撤回許可に関する件

 厚生労働関係の基本施策に関する件

 特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第9因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法案起草の件

 ウイルス性肝炎問題の全面解決に関する件


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     ――――◇―――――

茂木委員長 これより会議を開きます。

 谷垣禎一君外十七名提出、特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第9因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法案を議題といたします。

 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。大村秀章君。

    ―――――――――――――

 特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第9因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

大村議員 皆様、おはようございます。また、新年明けましておめでとうございます。自由民主党の大村秀章でございます。

 ただいま議題となりました特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第9因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法案につきまして、提出者を代表して、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 C型肝炎ウイルスが混入したフィブリノゲン製剤等の投与により、多くの方々がC型肝炎に感染するという薬害事件が起き、感染被害者及びその遺族の方々は、長期にわたり、肉体的、精神的苦痛を強いられています。ウイルスに感染し被害に遭われた方々からは、製剤の製造等を行った企業及び国に対して損害賠償を求める訴訟が全国で提起されています。この訴訟については、大阪高等裁判所において和解に向けた努力が続けられていますが、製剤の投与時期に係る国及び製造業者の責任の有無について五つの地方裁判所の判断が異なっているという経緯もあり、投与の時期を問わず被害者の一律救済を求める原告と国との間で合意するには至っておりません。

 しかし、被害者の方々は症状の重篤化に苦しみながら生活を送っていることからも、この問題を早急に解決し、被害者の方々には一日も早く治療に専念していただくことが大切であります。日々、症状の重篤化に対する不安を抱えながら生活を営んでいるという困難な状況に思いをいたすと、人道的観点から、早急に感染被害者の方々を投与の時期を問わず一律に救済するための方策が求められています。

 本案は、被害者の方々の一律救済には司法上も行政上も限界があることから、被害者の方々を血液製剤の投与の時期を問わず一律に救済するため立法措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。

 第一に、政府は、C型肝炎ウイルス感染被害者に甚大な被害が生じ、その被害の拡大を防止し得なかったことについての責任を認め、心からおわびすべきことを明記するとともに、血液製剤の投与の時期を問わず早急に一律救済の要請にこたえるため本法律を制定した旨の前文を設けることといたしております。

 第二に、後天性の傷病に係るフィブリノゲン製剤または血液凝固第9因子製剤の投与によってC型肝炎ウイルスに感染した者等に対して、独立行政法人医薬品医療機器総合機構が感染者の症状に応じた給付金を支給するものとすることとしております。

 第三に、給付金の支給を請求するには、血液製剤の投与によりC型肝炎ウイルスに感染したことを証する確定判決の正本等を提出しなければならないものとすることとしております。

 第四に、給付金の額は、肝硬変や肝がんの患者または死亡した者は四千万円、慢性C型肝炎の患者は二千万円、これら以外の感染者は千二百万円とすることとしております。

 第五に、政府は、機構に対し給付金支給に要する資金を交付するものとすること、フィブリノゲン製剤等の製造業者は、機構からの求めに応じて、あらかじめ合意された負担割合の基準に基づき拠出金を納付するものとすることとしております。

 第六に、政府は、当該製剤の投与を受けた者の確認を促進し、肝炎ウイルス検査を受けることを勧奨するよう努めることとしております。

 第七に、政府は、感染被害者が安心して暮らせるよう、肝炎医療の提供体制の整備等必要な措置を講ずるよう努めることとしております。

 なお、この法律は、公布の日から施行することとしております。

 以上が、本法律案の提案の理由及びその内容の概要であります。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

 以上でございます。

茂木委員長 以上で本案についての趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

茂木委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。

 本案審査のため、本日、参考人として薬害肝炎九州訴訟原告・薬害肝炎全国原告団代表山口美智子君、日本肝臓病患者団体協議会事務局長高畠譲二君、B型肝炎訴訟原告団代表木村伸一君、京都ヘモフィリア友の会会長佐野竜介君の出席を求め、意見を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

茂木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

茂木委員長 この際、参考人の方々に一言ごあいさつ申し上げます。

 本日は、御多用中にもかかわりませず本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただき、審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。

 次に、議事の順序について申し上げます。

 最初に、参考人の方々から御意見をそれぞれ十分以内でお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。

 なお、発言する際は委員長の許可を受けることになっております。また、参考人は委員に対して質疑することができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。

 それでは、まず山口参考人にお願いいたします。

山口参考人 きょうは、このような場を設けていただきまして本当にありがとうございます。私は、薬害肝炎九州訴訟原告であり、全国原告団代表の山口美智子です。

 この訴訟は、二〇〇二年の十月に始まり、既に五年以上経過しております。私は、二〇〇三年の四月に九州訴訟に参加し、全国でただ一人、実名を公表しました。命を守るはずの薬でなぜ病にかかったのか、みずからを明かすことで、裁判所だけでなく社会にも訴えて、薬害の再発を防ぎたいと思ったからです。薬害は何度も繰り返されてきました。国と製薬会社は、口先だけの謝罪ではなく、過去の行為を反省し、今後二度と薬害を起こさないようにしてほしいと、提訴の日、最初の記者会見で私は述べました。

 先生方のお手元に、私が提訴してからの、これまでの新聞記事等を六枚お上げしております。後ろの方から提訴時の記事なんですけれども、私たち原告の思いはずっと提訴から変わっていないということをお読みください。

 提訴からというもの、裁判に毎回出席し、マスコミの取材も受け、支援を求め、訴え、原告としてできるだけのことをしてまいりました。結審を前にして、なぜ信用していた薬に裏切られたのか、国や製薬会社は再発を防げなかったのか、薬害被害者は私たちで最後にしてほしいと心底思いました。

 一昨年の六月、最初の大阪地裁判決を前に、その思いはさらに強まっていきました。それは、それまで何度か患者の相談会をしたわけですが、そこで相談者の一人が言われたことを今も強く覚えています。それは、私の病院にはカルテがなかった、原告になりたいけれどもなれない、どうぞ頑張ってくださいと。裁判は自分一人のためにやっているのではない、訴えたくても原告になれない人が大勢いる、その代弁者として被害を伝えていきたいと意を強くしました。

 判決ごとに薬害肝炎のことが世論に認知され始めました。しかし、この訴訟の意義はまだまだ理解を得ていないと感じ、厚労省への抗議行動、座り込み、国会議員会館、政党本部を駆けめぐって、政治家の先生たちへの要請行動を繰り返し繰り返し行ってまいりました。

 心身ともにすり減り、落ち込むことも何度もありましたが、この訴訟は人ごとではない、厚労省を国民の命と健康を守る本来の姿に戻すための意義ある国民的問題であるという思いが、これまで私の気持ちを奮い立たせてきたのです。全国の被害者一人一人の苦しみと自分が受けた苦しみが同じものだということを感じてきたからこそ、この問題の解決のためだけに全力疾走してこれたのです。被害者全員で一緒に解決の日を迎えたい、その一歩が議員立法につながったと実感しています。

 薬害C型肝炎の感染被害者を救済するための法律案が提出されたことにお礼を申し上げたいと思います。私たち原告団は、今回の法律案を四つの意味で高く評価しております。

 まず、法律案に本件が薬害事件であると明記されていること。次に、国に薬害C型肝炎の発生責任、拡大責任があると認めていること。そして、今回の薬害事件の反省を踏まえ、政府に対し、薬害の再発防止に最善かつ最大の努力義務を課したこと。最後に、投与の時期を問わず、薬害C型肝炎の感染被害者を一律救済するとしたことです。

 特に、前文に、「政府は、感染被害者の方々に甚大な被害が生じ、その被害の拡大を防止し得なかったことについての責任を認め、感染被害者及びその遺族の方々に心からおわびすべきである。」と明記されたことは、全面解決への土台ができたものと高く評価しています。

 しかし、私たち原告団は、この法律案の成立で全面解決したとは考えておりません。それは、カルテ等が廃棄されたために製剤を投与されたことが証明できない人たちは、この法律案によっても救済されないからです。

 二〇〇四年十二月にフィブリノゲン製剤の納入機関が公表されましたが、その当時で既に約九割の医療機関がカルテ等を廃棄したということでした。私たちと同じように、何ら落ち度がないにもかかわらず、血液製剤でC型肝炎に感染し、同じような人生被害を受け、二十年以上も放置されてきた人たちでも、カルテ等がなければこの法律案の成立によっても救済されないのです。このような人たちへの救済はどうなるのでしょうか。

 このような人たちが少しでも救済されるには、与党提出の肝炎対策基本法案、民主党提出の肝炎医療費助成法案が真剣に審議され、一日も早く充実した内容の法律が成立されることではないでしょうか。そして、肝炎患者が安心して治療を受けられる体制を築いてほしいと思います。

 また、どうしてこのような薬害事件が発生したのか、どうしてこれほどまでに被害が拡大したのかの真相究明こそが重要です。そして、どの時点でどのようなことをしていれば薬害を防止できたのかを検証すべきです。真相究明があってこそ、法律案にある再発防止がなされるんだと思います。今回の法律案にあるように、政府が真摯に発生責任、拡大責任を認めるのであれば、これらのことは当然速やかになされるべきです。

 この法律の成立で終わることがあってはなりません。今後の取り組みもまさに政治の力が試されていると言えます。私たち原告団は、これらのことがすべて実現されるまで、今後もずっと監視していくつもりです。

 よろしくお願いいたします。(拍手)

茂木委員長 ありがとうございました。

 次に、高畠参考人にお願いいたします。

高畠参考人 私たち日本肝臓病患者団体協議会は、三十六都道府県、八十の患者会、約一万人の患者が加盟する肝臓病患者会の全国組織であります。患者、家族の治りたい、治したいという切実な願いの実現を目指して活動しております。

 初めに、本日のいわゆる薬害肝炎救済法についてでございますけれども、特別なコメントはございません。救済の方法の是非は別にして、早い時期に感染被害者の健康上の悪化を防ぐために解決の道筋がつけられたことは歓迎したいというふうに思います。

 しかしながら、C型肝炎患者に限って見ましても二百万人分の千人でございます。背後に、血液製剤を投与されながら証明できなかった方、集団予防接種や不適切な医療行為などで、大半の患者はみずから防ぎようのない原因で感染した医原病で苦しんでいます。

 今この瞬間も全国のウイルス肝炎患者、家族が一番関心を持って注目をしていますのは、年明けに持ち越されました与党の肝炎対策基本法と民主党の特定肝炎対策緊急措置法案の行方がどうなっているんだろうかということが、私どもの事務所にも全国から頻繁と問い合わせが参っております。どちらの法案も内容はB型及びC型肝炎のインターフェロン治療が対象で、B型肝炎の抗ウイルス剤、肝庇護剤、また肝硬変、肝がんの治療は対象になっていません。

 ここで、肝炎患者の実態についてある程度客観性のあるデータをお示しするということで、急遽つくってまいりました、お手元にA4で三枚の「同病者による「電話相談室」」というのがございます。それをごらんになりながら、簡単に説明いたします。

 一枚目の上段は、患者の生の実態を把握するために八八年から実施しています患者による電話相談室の推移ですが、二〇〇〇年ごろから血液製剤問題がマスコミにも取り上げられて、〇二年は薬害肝炎訴訟が提起された年で、この年は相談数が非常に多くなっております。下段は年代別の比較ですが、上が九四年、下が〇六年です。一見して明らかに年代が右にシフトしております。診療現場の患者は高齢化が進んでいるということでございます。

 二枚目をめくっていただきますと、上段は相談者の疾患別割合です。実際に医療機関に受診している方を示しています。下段は相談内容ですが、療養相談が全体の七割です。

 三枚目の上段は病気の進展度です。慢性肝炎七〇%、肝硬変、肝がんが三〇%。厚生労働省の資料とほぼ一致いたしております。この数年、重症者の相談がふえているのが特徴でございます。下段は、C型肝炎がどんな経過をたどるのだろうか、どこで適切な治療をしたらよいのか、患者会がどんなサポートができるのかということで、患者会が作成したフロー図でございます。

 肝炎対策法との関係で見ますと、C型は、慢性肝炎からの進展阻止、ペグインターフェロンとリバビリンで五割から六割ぐらいが治癒するということですが、治療期間は四十八週から七十二週やるわけですね。

 高齢化は、患者の多い病院の例ですけれども、東京の有数な患者数の多い病院の専門医の先生にお聞きしたところ、インターフェロン治療の半数以上が六十歳以上ということで、高齢者対策が必要だということを常々おっしゃっております。

 肝硬変はインターフェロンは適用外です。初期の肝硬変では有効性も期待できるということですから、これからそういう拡大もしていただければというふうに思います。

 B型は、抗ウイルス剤は特に肝硬変への進展阻止とか肝不全阻止にはなくてはならない薬なんですね。今B型の肝炎の患者さんから費用についていろいろ電話がかかってきますけれども、大体年間、抗ウイルス剤を飲んで二十五万から三十万円ぐらいの自己負担をしている、主婦の方ですと、その薬代を稼ぐために週三日パートで薬代を稼ぎに行っている、そういう切実な要望も聞こえてまいります。

 患者の立場から二つの法案を考えてみますと、効果が期待されるインターフェロン治療に対する医療費助成は一歩前進だというふうに患者会も評価をしていますが、ごく限られた患者のみが対象で、今受診している患者の半数以上、とりわけ肝硬変、肝がんの患者は見放されたという思いがしておられると思います。

 そこでお願いですが、このままの法案でスタートした場合、医療費助成に絞って申し上げますと、二つの法案は、民主党の案と与党の案ではどちらも肝炎対策推進協議会が設置されておりますけれども、この協議会で、施行後速やかにインターフェロン治療以外のB型、C型肝炎の治療に対する医療費助成についてぜひ検討することを法文に明記をしていただきたい、何とかこれを担保していただきたいというのが切なる願いでございます。

 二つ目は、医療費助成の自己負担の中間所得層の三万円のところに新たなランクをつけて、二万円というランクをつけていただきたい。理由は、医療費助成は自己負担が年間八十万円近くに及ぶペグとリバビリンの併用療法を想定しているんですね。今後は、個人に適したメニューで、線維化、発がん予防を目的とした少量長期とか自己注射などの選択肢が広がっていくそういう中で、また肝炎患者の高齢化、生活実態から、ぜひ途中に二万円のランクを入れていただきたい。

 以上でございます。ありがとうございました。(拍手)

茂木委員長 ありがとうございました。

 次に、木村参考人にお願いいたします。

木村参考人 本日、こういった発言の場をいただき、まことに感謝しております。私は、B型肝炎訴訟原告団代表木村伸一です。

 一昨年六月十六日に最高裁において国の責任を問う判決が言い渡されました。しかし、厚生労働省は、我々原告五名という限られた患者に対してだけというそういった発言をされました。さらに、国の責任が問われたにもかかわらず、いまだ何ら対応をされていません。本日、私は、そのことをぜひとも皆さんに聞いていただきたいと思い、駆けつけた次第でございます。

 今与党における法案に対しては、肝炎患者に対する救済という立場から評価できるものと私たちも評価しております。ですが、我々B型肝炎患者は、多くが集団予防接種によって感染させられた被害者であります。厚生労働省及び国にこの被害を重く受けとめていただけない限り我々は救済されない、そういうふうに感じております。

 たった五名で始めた訴訟ですが、訴訟が終わらないうちに原告の一名は亡くなりました。さらに、もう一名は肝臓がんを発症し、今、現時点においてもがんと闘い続けています。

 こういった我々被害者は、国の不作為によって感染した被害者であります。その被害者に対して何も対策を講じないというこの国の対応はまさしく遺憾であり、この最高裁判決を真摯に受けとめていないというふうに我々は感じています。

 亡くなった原告には当時幼い娘さんが二人いました。今はもう上の子が中学になっています。私と同じ年齢です。その原告の方に最高裁判決の報告はいたしましたが、その後の我々に対する謝罪もなく、遺族に対しての謝罪もなく、私はそれ以後その原告のお宅に行くことができないでいます。ぜひとも、国の真摯な対応を受け、その御遺族と、また亡くなられた本人に報告しに行きたいと常日ごろ思っております。

 薬害C型肝炎原告の皆様は、厚生労働大臣及び首相とも面会されました。和解という経緯の後に面会が実現されましたが、我々B型肝炎訴訟原告五名は、厚生労働大臣及び首相とも面会は実現していません。この対応は一体どういうことなのでしょうか。こういった対応をされている限り、我々は無視をされている、そういうふうに感じております。厚生労働省及び国の方々にぜひとも我々の話を聞いていただきたい、そう思います。こういった対応をされている限り、同様のケースの医療被害及び薬害は今後ともなくなることはないのではないか、私はそう感じています。

 法案を盾に、肝炎患者救済、そういう全体的なことを言われるのであれば、それは大間違いだと私は思います。順番を踏み、真摯な対応をしてこそ、そして何よりも患者のことを思い、国民のことを思い法案を成立させていただきたい、そういうふうに思います。

 今のような我々に対する対応をしている限り、我々は、さらなる提訴へと昨年以来準備を進めております。肝炎患者からは、三百名以上の問い合わせまたは資料請求をされて、資料を送り、その資料が今戻ってきて、そして原告になり得る患者をリストアップしている、そういう段階まで来ております。遅くても今年度内には新たなB型肝炎訴訟の提訴を行う、そういう準備を進めております。

 何をもって肝炎患者を救済できるか、そして、一昨年の最高裁判決をいま一度目を通していただき、真摯に受けとめていただき、そして国の責任というものを重く受けとめていただき、この肝炎対策そして医療費助成というところへぜひとも持っていっていただきたい、そういうふうに考えています。

 肝炎患者の多くは、厚生労働省及び国の不作為による感染被害者であります。その肝炎患者を救うべく法案を成立させていただきたい、そういうふうに思います。

 B型肝炎訴訟は札幌の五名だけで行われましたが、集団予防接種による感染被害者は肝炎患者の全体の多くの割合で存在している、そのことをぜひ頭に置いていただきたい、そういうふうに思います。この法案成立後、速やかに、薬害以外の肝炎患者、B型及びC型含め全体の救済をぜひともお願いしたいと思います。

 ぜひ私が亡くなられた原告のお宅に報告に行けるよう対策をとっていただきたいと思います。そして、厚生労働大臣及び国の方々との面談を要請いたします。

 ぜひよろしくお願いいたします。(拍手)

茂木委員長 ありがとうございました。

 次に、佐野参考人にお願いいたします。

佐野参考人 ありがとうございます。京都ヘモフィリア友の会の佐野と申します。

 先天性無フィブリノゲン血症の患者であります。また、C型肝炎の患者でもあります。

 今回の法案で切り捨てられた私ども先天性血液凝固異常症患者から意見陳述いたします。

 委員の皆様方に意見書をお配りしておりますのでごらんください。これと全く同じ内容の意見書を衆参両院議長あてに提出しております。

 意見の趣旨を申し上げます。

 今回の給付金法案は、その対象が後天性の傷病によりフィブリノゲン製剤、第9因子製剤を投与されC型肝炎ウイルスに感染した者とされています。この法案の前文には「フィブリノゲン製剤及び血液凝固第9因子製剤にC型肝炎ウイルスが混入し、多くの方々が感染するという薬害事件が起き、」とあります。しかし、条文では、後天性の傷病に限るとされております。

 となれば、同じ薬を使い、そういうような先天性疾患の我々は、その感染被害を甘んじて容認すべきである、つまり薬害ではないと否定されてしまうことになるのです、薬害事件の対象ではないということになりますから。同じ製剤で今回の原告の方々と同じようにウイルスに感染し、同じように苦しんできた私たちにとって、これは到底受け入れがたいことであります。

 また、今回対象となっていない第8因子製剤、これは血友病Aとフォン・ウィルブランド病に使われますが、これでの感染も同様の扱いを受けることになります。

 このような仕打ちを受けることは、道義的観点、私たちの尊厳という点で極めて遺憾であると言わざるを得ません。

 今回の訴訟では、我々が原告であることを除外されたのは、製剤有用性が我々にあったと原告側が判断したのが理由でありました。また、聞いてみますと、これは裁判を迅速に行うためであったという理由も聞いております。

 この法案の対象は、イコールこの裁判の原告の方であります。ということは、司法の場から立法の場に移っても、私たちは切り捨てられてしまったということになるのです。

 また、司法の場では、提訴した五地裁のうち三地裁は、原告側の有用性のない薬を投与されたとする主張はすべての問題になった期間で退けられています。つまり、私たちと今回の原告の方々とは製剤有用性において違いがないとすれば、その理由で除外されたこともおかしい、これを五地裁のうち三地裁が認定したということになるのです。

 また、私たちは、薬害HIV感染という災いがありました。そのようなわけがありまして、C型肝炎の被害を世に問うことは、いろいろな理由で極めて難しい状態であります。

 また、HIV感染の災いで地域の血友病の患者会は壊滅的打撃をこうむりました。さらに、先天性無フィブリノゲン血症の患者は、その患者数は全国で五十名弱と極めて少数でありまして、組織的活動すらできず、孤立している状態です。つまり、私たちは声が上げられなかったんです。

 事ここに至って、脆弱な患者の集まり、全く集まれないような患者、その力を振り絞ってこのような場に出ることになりました。このような患者の心情を、委員の皆様、どうぞ御理解ください。

 そしてまた、今回の一律一括救済という言葉は、さきの薬害HIV訴訟でも地裁の和解案で使われました。あのときは、エイズ・イコール血友病だったんです。ですから、まさしく一律一括の救済でした。しかし、今回のはわけが違う。対象にならない患者さんが極めて多いんです。括弧つき一律一括救済です。この括弧つき救済の意味するところは何か、そのことを委員の皆様方、よく考えていただきたいと存じます。

 以上で陳述を終わります。ありがとうございました。(拍手)

茂木委員長 ありがとうございました。

 以上で参考人の方々の御意見の開陳は終わりました。

    ―――――――――――――

茂木委員長 これより質疑に入ります。

 まず、参考人に対する質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井上信治君。

井上(信)委員 おはようございます。自由民主党の井上信治でございます。

 まず、本日のこの薬害肝炎の救済法案の参考人質疑に当たりまして、きのう、きょうと急なお願いにもかかわらず、参考人の皆様、御出席をいただきまして、心より感謝を申し上げたいと思います。

 さて、肝炎対策でございます。

 肝炎というものは本当に恐ろしい病気であります。全国で三百五十万人の患者の方々を擁し、国内最大の感染症、また、肝硬変や肝がん、そして死に至るという、大変な恐ろしい病気でありますから、肝炎に対する対策を国として、また与党としてもしっかりととっていかなければいけない、そういった思いの中で、我々自民党は、与党の公明党と協力をいたしまして、昨年六月には与党肝炎対策に関するプロジェクトチーム、これを設置いたしました。

 川崎二郎元厚生労働大臣を座長といたしまして、公明党の坂口元厚生労働大臣、また大村秀章筆頭理事を初めとして、この厚生労働委員会にもそのメンバーの方々が多くおられます。私もその一人でございますけれども、そのプロジェクトチームの中でさまざまな議論を重ねる中で、まずは新しい肝炎総合対策の推進、肝炎治療七カ年計画、インターフェロン治療の助成などを柱といたしておりますけれども、これを作成いたしております。

 あるいは国会にも肝炎対策基本法案というものを提出させていただいて、そしてその審議ということを行ってまいる、こういうような状況にございます。

 また、特に薬害に関する肝炎に関しましては、薬害の肝炎、本当に大変な悲劇でございまして、何とかしてその救済というものを実現していかなければいけない、我々も本当に、国民の皆様、そしてきょう御出席の参考人の皆様方と同じ思いを抱いております。

 特に、訴訟における原告団、弁護団の皆様方の精力的なお訴え、大変な御努力をしていただいたわけでありますけれども、その御努力の後押しもございまして、我々としても幅広く救済をしていかなければいけない、それが国であり、また、我々与党の責任でもあるということ、それを肝に銘じて、今回のこの議員立法を提出させていただいたところであります。

 そしてその際には、昨年の十二月の二十三日に福田総理、いや、むしろ自民党の福田総裁と言うべきだと思いますけれども、政治決断をされて、全員一律救済をするんだ、司法や行政の枠を超えて、人道的な観点から議員立法でこういった法案を提出してもらいたい、そういった決断があったわけでございます。

 先ほどの参考人の方々のお話を伺いますと、山口参考人を初めとして、この法案に対しては高く評価をいただいております。高畠参考人、木村参考人からも一定の評価をしているという、そういったお言葉をいただいたことは、我々としても大変ありがたいことだと思っております。

 この法案に対する評価ということでは今御意見を伺いましたけれども、この法案に限らず、それを含めて、今までの与党の肝炎に対する取り組み全般に関しまして、その取り組みに関する評価というものを、改めて山口参考人、また高畠参考人にお伺いしたいと思います。(山口参考人「済みません、もう一度」と呼ぶ)

    〔委員長退席、吉野委員長代理着席〕

吉野委員長代理 では、井上先生、ちょっと理解をしていないので、もう一度質問のことをお願いします。

井上(信)委員 先ほど山口参考人からは、この法案に関しましては高く評価をしているということでお言葉をいただきました。

 この法案そのものに限らず、我々与党といたしましては、そのプロジェクトチームの中でさまざまな肝炎対策ということに取り組んでまいってきたわけであります。あるいは、福田総裁の政治決断というものもございました。そういった肝炎対策全般に対する評価、感想というものをお伺いしたいと思います。

山口参考人 先ほどは、この議員立法にまで来たということで、全面解決の第一歩、その土台づくりができたというふうに私たちは評価しております。

 一般肝炎対策について、ずっと私たちは、一昨年の大阪判決後から厚労省に来て、私たち被害者の声を聞いてくれと何度も戸をたたいたわけですね、厚労省の戸を。しかし、そのたびに私たちは拒否されてきております。

 私たちは、この薬害肝炎訴訟に関することもそうなんですけれども、提訴当初から、ウイルス性肝炎患者三百五十万人もいるこの肝炎というのはやはり国民病である、こういったことに国が責任を持って被害回復を、私たち被害者の回復を図るのは当然のことだというふうにずっと主張してまいって、そして司法の場で法的責任も認めさせてきたにもかかわらず、そういった仕打ちを受け続けてきました。本当にそれは長い長い道のりでした。

 やっと昨年、東京地裁判決後に官邸に呼ばれまして、当時の安倍首相の声として、これから政府が与党と一体となってこの肝炎問題に取り組むという言葉を三月の三十日に聞いたわけです。そこからやっと肝炎対策が始まったというふうに私たちは理解しております。

 しかしながら、その一カ月後には、私たち九州原告の一人が亡くなりました。私は、三月のその言葉を聞いたときに、すぐにでも何らかの対応が、対策がとられるんじゃないか、また、新聞等でも、検討、連休明けにでも与党の肝炎対策がなされるという見出しを見ては本当に期待しておりましたけれども、しかし、その見出しが出た翌日に、四月十三日に私たちの仲間である原告が亡くなっていきました。その仲間は、この議員立法が提出されるであろうことも知らずに、また謝罪を受けることもなく亡くなっていったわけです。

 一日に肝硬変、肝がんで百二十人もの患者が亡くなっているといった実態から、私たちは早期に早期にということを言い続けてきましたけれども、なかなか国は動いてくれませんでした。しかし、総理の先月二十三日の言葉でやっとここまで来たという思いですけれども、しかし、これまでの間にどれだけの命がなくなったかということをやはり御理解していただきたいというふうに思っております。

 以上です。

吉野委員長代理 高畠参考人、時間がありませんので、簡潔にお願いします。

高畠参考人 肝臓病患者会の中には、B型もC型も、それから感染経路でいえばもう多種多様の患者が一緒になっているわけです。ですから、直接の当事者でございませんから、しかし病気の苦しみは共有しているという立場から、この薬害肝炎の救済法、特に感染被害を受けた方々の健康上の悪化を防ぐために、早くにそういう政治決断がされて道筋がつけられたということについて、これは大いに歓迎すべきことだというふうに考えております。

 以上です。

井上(信)委員 ありがとうございました。

 持ち時間が十分ということで大変短くございまして、ほかにもお伺いしたいことがあるんですけれども、大変残念でございます。

 参考人の皆様のお話を伺っておりますと、今回のこの法案については高く評価するけれども、この法案の対象となっていない方々に対する対策もしっかり打ってもらいたいという御意見が多かったように思われます。そういう意味では、肝炎対策基本法の審議も含めて、これをしっかりとやっていく、そして、まずはこの法案に対する措置を確実に、着実に実行していくということが大変重要なことだというふうに私は思っております。

 そして、今回のこの薬害肝炎の問題に関しましても、その徹底的な真相の究明、また再発防止ということがやはり重要でありまして、それを今般のこの機に薬事行政の問題点を総点検していく、そして二度とこういった悲劇を繰り返さないようにしていく、これが国、行政の大きな役割であって、我々国会といたしましても、国民の代表として、そして立法機関として、しっかりと行政を監視しながら、ともにそういった措置をとってまいりたいというふうに思っております。

 以上で私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

吉野委員長代理 次に、古屋範子さん。

古屋(範)委員 おはようございます。公明党の古屋範子でございます。

 本日は、参考人の皆様におかれましては朝早くから国会においでいただきまして、貴重な御意見をいただきましたこと、大変にありがとうございます。幾つか御見解を承れればと思っております。

 十二月二十三日に福田総理が、公明党が一貫して求めてまいりました薬害C型肝炎の被害者を一律救済していく、このことを決断されました。このたび、被害者全員の一律救済が議員立法で実現をする運びとなったわけでございます。長年にわたり御苦労されてこられた原告団、弁護団の皆様、また年末年始に本法案作成に携わってこられた皆様に敬意を表したいと思っております。

 私自身も、公明党としても、また与党プロジェクトの一員としても、何度か原告団の皆様ともお会いし、御意見も伺ってまいりました。特に、昨年の三月、原告団の皆様が座り込みをされているその中で、私たちも与党として、何とか政治決断をということで官邸に、当時の官房副長官にも申し入れに参りました。

 女性の方は、出産のときに血液製剤を投与されたという患者の方が多いわけでありますけれども、私も、出産を経験した一人として、やはり皆様の今までの御苦労、人生において、家庭において、生活において病を押してこうして闘ってこられた御苦労、察するに余りあるものがございます。苦しんでいる人々を救う、これがやはり政治の役割であると考えております。

 公明党は、昨年の十二月十八日、坂口副代表、また斉藤政調会長が町村官房長官に一律救済の実現を強く求めまして、また、十九日には太田代表が直接福田総理と会いまして、一律救済を決断するよう、また、肝炎ウイルスに汚染された血液製剤の投与によりC型肝炎に感染し、肝硬変、肝がんへの不安にさいなまれている、何の落ち度もない被害者の皆様、原告の皆様の気持ちを考えて、これまで活動してまいりました。さらに、二十日、政府の和解骨子案が拒否された後、もう一歩踏み込みが必要であるということで決断を迫るなど、微力ではございますが、全面解決に向け政治決断を促してまいりました。この法案、一刻も早い成立を求めていきたい、このように考えております。

 初めに、山口参考人にお伺いいたします。

 先ほども、意見陳述の中で本法案に対する評価を四点にわたって述べていただきました。長い間御苦労されてきて、今回こうした形で法案が提出をされ、国の責任と謝罪が前文に明記をされ、薬害C型肝炎の被害者に血液製剤の投与時期による線引きをなくした一律救済の理念を貫くものとなっているわけでございます。

 きょう改めて、長年の裁判の御苦労の末に本法案が提出をされ、こうして委員会で審議をされるに至ったその率直な御感想をいただきたいと思います。

山口参考人 やはり五年というこの年月は本当に長かったんですけれども、しかし、ここまで闘ってこられたというのは、本当に私たち原告だけではなく、今まで支えてくれた支援者、特に若者、大学生たち、若者がまず最初に、これはひょっとしたら自分のお母さんにも起こり得たことなんだというふうに本当に想像力を働かせ、そして人ごとではないと、自分たちも一緒に街頭に出てビラを配り、そして道行く人たちに訴えてくれました。

 そして、私も何度かもうめげそうになったときがありましたけれども、そういった若者たちに支えられ、また、同じ年代の我が息子が、これまでこの裁判には余りかかわりたくないと言ったわけではありませんけれども、やはり、自分が四歳の幼いときに母親がこのC型肝炎に感染し入退院を繰り返したのをずっと見てきておりますので、かかわりたくないという思いがあったんでしょうけれども、しかし、私が一度、もうこの裁判をやめたいと漏らしたときに、お母さんは、原告となった以上は、これは社会的に義務があるんだよと言ってくれました。そこで私もはっとまた自分を奮い立たせることができた。

 そういったことがこの五年間何度か繰り返し繰り返しあって、ここまで来たというふうに思っております。

古屋(範)委員 次に、高畠参考人にお伺いをいたします。

 先ほども意見陳述の中で具体的な御要望を伺いました。与党としても、医療費助成など総合的な肝炎対策の方針を決めているところでございますが、こうした肝炎の総合対策についてもう少し御意見があればお伺いしたいというふうに思います。

高畠参考人 これまでの国の肝炎対策は、古くは二〇〇〇年の有識者会議が始まって、二〇〇二年からの五カ年計画、その後は、医療費助成を除けば、すべて、私ども患者会がいろいろ要求する検査の体制、治療体制の整備、四項目ぐらいありましたけれども、そのとおりそれは、私たちが患者の立場で要望した内容が今非常に進展をしております。

 ただ、二十年度からは、舞台は各都道府県で診療対策協議会ができて、そこが中心になって肝炎対策が行われますけれども、一つはやはり、治療体制の中で、医師の問題は消化器系の医師だけじゃありませんけれども、もう関西地方では、治療体制をつくる上でも、ウイルス肝炎の専門医すら拠点病院にいらっしゃらないということが出てきておりますので、そういった意味での治療をしっかりやっていくための体制をぜひつくっていただければというふうに考えております。

 以上です。

古屋(範)委員 もう一度、山口参考人にお伺いいたします。

 今後の課題として被害者の掘り起こしということを先ほどおっしゃっていらっしゃいましたけれども、カルテが既に廃棄をされているなどなど、今後、被害者の掘り起こしの取り組みについてお考えがあればお伺いしたいというふうに思います。

山口参考人 これまで本当に私たち、そういったカルテがない方たちとの出会いもありましたけれども、この法案では、やはり認定されるのは、カルテ等で、そういった証拠というか、特定できないと救済されないというふうになっておりますけれども、かなりの数でやはりこれに外れる方たちがおられると思います。

 私たち、フィブリノゲン製剤の納入医療機関公表をずっと言い続けてきて、今回もまた新聞で公表されると思いますけれども、実際には、現実的には病院にはそういったものが残っていない。そういった人たちはこの法案では救済されませんので、やはりもう一つの一般の肝炎対策の方でぜひとも救済していただきたいというふうに思っております。

古屋(範)委員 ありがとうございました。

 本日の貴重な御意見を踏まえまして、今後も肝炎対策にしっかりと取り組んでまいりたいと思います。

 ありがとうございました。

吉野委員長代理 次に、郡和子さん。

郡委員 民主党の郡和子でございます。

 きょうは、参考人の皆様、朝早くから貴重な御意見を賜りまして、本当にありがとうございます。

 今回この議員立法に結びつきましたのは、山口さんを初めとする、C型肝炎ウイルスに汚染されて、そして肝炎で苦しんでおられる原告、弁護団の方々のこれまでの御努力のたまものだろう、そんなふうに思います。

 議員立法が決まった日に山口さんの本当にうれしそうな笑顔というのを、私、報道で実は初めて拝見をいたしました。しかしながら、先ほど意見陳述の中で、これが最終的なものではない、まだこの救済から漏れる方々が多くいらっしゃることについて御心配のお話が出されておりました。まず、その点につきましてお話を聞かせていただきたいと思います。

 この救済法、支給法につきましては、被害者が国に対して裁判を起こして、裁判所がそのカルテなどで血液製剤の投与との因果関係が証明された方に対して和解を成立させ、そして、その方々に対して投与時期に限らず給付金が支払われるということでございますけれども、この件に関して、カルテが多くの方々は破棄されているという現状、また、裁判を起こすというその手続も必要である、このことに対してどんなふうにお感じになっていらっしゃるのか、お気持ちをお聞かせいただきたいと思います。

山口参考人 カルテ等がないということは先ほど申しましたけれども、そのほかにもやはり、まずはその原告に加わるということなんですけれども、なかなか肝炎患者の中には、自分が肝炎に感染しているということを知らない人もまだいるわけなんですね。

 というのは、やはりこの肝炎は、物言わぬ臓器と言われるように自分で自覚したときにはもう手おくれのところまで来ている、やはり怖い病気ですので、そういった方たちに対してまずは検査をしてもらうということも大事なことですし、それから、やはり裁判ということは、皆さん、国を相手にするということで、なかなか一歩を踏み出すことができない、これが本当の現実です。そこのところを打破できなければ、なかなかこの法案で救済される対象には、まずはその第一歩を踏み出せない人たちが多いんじゃないかなというふうに思っています。

    〔吉野委員長代理退席、委員長着席〕

郡委員 実際に、山口参考人は、これまでの裁判の中でも、御自身のインターフェロン治療での苦しさも当初から実名でお話しになってこられました。裁判に提訴するというのは大変な御苦労がおありだと思うんですけれども、これまでを振り返って、そして今日をお迎えになって、どういうようなお気持ちでおられますでしょうか。

山口参考人 インターフェロンという治療も、本当に治療に踏み込むだけでも勇気が要るんですけれども、私自身も、二年間、このインターフェロン治療をしてきました。

 二年間といいますのは、その当時、保険が半年しかききませんでした。半年間私のした当時のインターフェロンは、週三回、一日置きにずっとするわけなんですけれども、半年目でやっと検査で陰性になったということでしたけれども、保険がそこで切れるということで、どうしようかということでした。それでまた、そのさらに半年を自費でいたしました。一年後、一たん打ち切ったわけなんですけれども、しかし、やはりまた一カ月後に再燃しまして、またさらに一年ということを続けたわけです。

 このインターフェロンの治療の副作用はとても強く、個人差はあるんですけれども、高熱で、解熱剤を飲んでもやはり三十七度八分という微熱、そして倦怠感、髪の毛も四分の一ほど抜け落ちました。私は、その当時、小学校の教師をしておりましたけれども、最初は学校に行きながらでも治療ができるというふうに思っておりましたが、かつらをかぶって行きました。しかし、その仕事に責任が持てない、もうどうしても体がきつく、治療に専念したいという思いで、二十一年間勤めていた小学校の教師を退職したわけです。

 インターフェロンをするにしても、非常にそういった困難なことがたくさんあり、また、患者の中にはインターフェロンもできない方たちもいます。やはりインターフェロンをするためにはそれなりの体調というか条件が必要ですので、インターフェロンにしても、なかなかしたくてもできない。そしてまた高額であるということ。私の場合には、半年間の自費もありまして、二年間で三百万以上をその治療費に投じました。

 私の場合には、幸いにも仕事をしておりましたので、預金を切り崩しながらやってきたわけですけれども、実際には私が今やろうとしてもできるわけありません。主人が公務員ですので、その所得からいうと、今私がインターフェロンをするならば、与党の肝炎対策助成でいけば五万円を毎月結局インターフェロンに、治療費を支払わなきゃいけないことになるんですけれども、これは、息子二人が家を離れて大学に行っていますので、そういったことは到底無理です。

 そういった方たちが、大概の方たちがそういうふうな条件ですので、こういったことも含めて、やはりこれから先生たちに考えおきいただきたいなと思っております。

郡委員 ありがとうございます。

 今、インターフェロンの治療に関しましても、精神的にも肉体的にも経済的にも大変大きな負担であるということがお話しされたわけですけれども、この問題の解決は、今回の議員立法だけではなく、あわせてやはり、肝炎の治療に対してどのように私どもが国として助成できるのかということも大きな課題になってこようかと思います。それがこの議員立法の評価に直接的につながってくるものだ、そんなふうに考えているところです。

 余り時間がありませんので、もう一点、木村参考人にお尋ねをさせていただきたいと思います。

 先ほど、この法案では私たちは切り捨てられるというような、そういう大変つらい思いをお話しになられたわけですけれども、この点について、今あわせて議論をしようという肝炎の総合対策、与党の方は基本法というふうに言っております、私たちは緊急措置法ですけれども、これについて御意見があればお聞かせ願いたいと思います。

木村参考人 まず、今回の法案に関して言いますと、薬害C型肝炎の原告が対象となりますが、C型肝炎に関しましても、薬害以外の肝炎患者さんがたくさんおられます。そのC型肝炎患者さんの多くは、やはり集団予防接種及び医療、医原病という形の感染経路、感染原因だ、そういうふうに踏まえています。そして、B型肝炎患者に関しましては、その多くが国が行った集団予防接種によって感染が広まった、そういう認識を持っていただきたいと思います。

 その上で考えていただければ、おのずと今回の法案の対象以外の肝炎患者の方々に対しての救済措置をとっていくのが当然だ、そういうふうに私は考えております。

 以上です。

郡委員 ありがとうございます。

 まだ本格的な議論に入っておりませんけれども、肝炎に対しての総合的な支援策、救済策について、さらに私たち国会の場で議論を進めてまいりたいと考えております。

 あわせて、感染の予防や、薬害を起こさないための法的な管理システムというのをさらに構築するために私どもも力を尽くしてまいりたいということを最後に申し上げさせていただきたいと思います。

 きょうはどうもありがとうございました。

茂木委員長 次に、高橋千鶴子君。

高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 きょうは、四人の参考人の皆さんに出席をいただいて、大変時間が短かったと思いますが、貴重な御意見をいただきました。ありがとうございました。

 最初に、多分時間の都合で質問ができないと思いますので、佐野参考人に一言、先天性の問題で、本当に怒りを込めて訴えられたことを私たちも重く受けとめたいと思います。今回、法案を、できれば先天性を対象にすることを、私たちは修正をしたいと思いました。それがかなわなかったわけですけれども、決議に盛り込む形で早急に対策が練られるように、引き続いて力を尽くしていきたいということを最初に表明させていただきます。

 原告団長の山口参考人にお伺いをいたします。

 まず、原告団の皆さん、弁護団の皆さんに心から敬意を表したいと思います。皆さん方の闘いが薬害根絶へ、あるいは被害者の救済と抜本的肝炎対策への道を開いたと思うんです。そして、何より山口さんが実名公表をされたということで、この問題を本当に全国的に大きく関心を持たせ、自分自身の問題なのだということを気づかせる大きな力になった、そうした点でも、本当にこれまでの御苦労や奮闘に感謝を申し上げたいと思っております。

 私が伺いたいのは、皆さんが線引きをせずに一律救済をと訴え続けてきたことの意味です。年末に大阪高裁の和解を受け入れられなかった、そのことが、首相の決断が出るということがまだ予期できなかった時点で、非常に闘いを長引かせることになるだろう、また命をかけることになる、そこを覚悟ができたのはなぜかということを、山口さん自身のお言葉でお聞かせいただきたいと思います。

山口参考人 初めに、今、私たち原告団と弁護団に敬意を示していただきまして、本当にありがとうございます。

 ここまで来られたのは、私たちだけの力ではなく、やはり、昨年末、ずっと街頭でビラを配って訴えたときに、本当に皆さんが頑張ってと私たちに声をかけてくれました。一昨年からすると、もう本当に国民の声というのが私たちに届くというか、そういった声が聞けました。やはりここまで来たのは、先生方たちが、党派を超えてこの国会においてこの薬害肝炎問題をずっと取り上げていただいて、追及していただいたおかげだというふうに本当に今感じております。本当にありがとうございました。

 私たちは、和解修正案が出たときも即拒否したわけなんですけれども、それは、私たち原告の中でもそうですけれども、原告になっていない人も、同じ被害を受けた者、同じ苦しみを味わってきた者、これはもう本当に何ら変わりはないんだと。私たちは、自分の落ち度で、自分の生活の不摂生でなったわけではなくて、国のずさんな薬務行政によって、そして製薬企業が自分たちの利益だけを求め続けてきた結果、こういった感染をさせられた。これはもう何ら変わりもない。そこで私たちが線引きされるのであれば、これは責任を認めさせることにはならない。そして、私たちが薬害をこの訴訟で終わりにしたいという思い、根絶したいという思い、これにつながらない。線引きされ切り捨てられる者が、被害者がいるとなれば、本当にこの薬害が起きたという事実、真相究明がされないまま、そして薬害がまた繰り返されるだろう、それをずっと私たちは恐れていたからこそ、昨年末のように、私たちはお金の問題にすりかえた国に対して怒りを覚え、そして拒否したわけです。

 以上です。

高橋委員 ありがとうございます。

 山口参考人を初めとする原告団の皆さんの思いが文字どおり受けとめられて、法案の成立とその後の恒久対策が実現するように、引き続いて頑張っていきたいと思います。

 次に、高畠参考人に伺いたいと思うんですけれども、今、具体的な御提案をいただきました。全くそのとおりだと思います。与党の基本法あるいは民主党提案の医療費の助成法などもまだ審議をされていないわけで、いずれにしても、何らかの恒久法をまとめることを急ぐ必要があると思っています。特に、来年度予算ではインターフェロン治療の百二十九億円がまずはその大部分で中心である、しかも、まだ自己負担の問題が解決されておりません。あるいは、ドラッグラグの問題が緒についたばかりであることや、拠点病院の整備もまだ全都道府県レベルにはほど遠い状況であります。ですから、今、高畠参考人が指摘をされた問題というのを急いで盛り込む必要があると私も思っています。その点で何か補足することがあればということと。

 毎年、日肝協として政府に抜本対策を申し入れていらっしゃいます。私は、やはり、例えば内部障害を認めよという点、先ほどお話にあったように高齢化も進んでいるという点で、治療だけでなく、暮らしやメンタルな面や、いろいろ支えていかなければならない、そういうことを踏まえた提案をされていると思うんですね。その点を紹介していただけたらと思います。

高畠参考人 二つありまして、一つは、つまり、一般患者に対する医療費助成に、これもまあ変な言い方ですけれども、線引きをしないでください、ひとしく対象にしてくださいというのが患者会としての願いでございます。特に、肝硬変、肝がんの患者さんたちは、本当に生活基盤さえ失うほど苦しい中で、そして、ある意味では医原性疾患で被害を受けた方々です。

 それと、二つ目の問題では、毎年、陳情ということで大体六月ぐらいにやっておりますけれども、問題は、これからの肝炎対策で一番残された課題というのは、一つは、まだ五年間やったあの検査がせいぜい三六%なんですね。七割まではいかないですけれども、まだ未検査の方々が放置された状態。今度は利便性を考えて、近くの開業医さん、医療機関でいつでもできる、自己負担がないということが一月から始まりますけれども、これをしっかりやった上で、まず、一生に一回だけでいいわけですから、この検査は。そして、もし新たに見つかった場合には、感染者の方々の健康管理や治療体制をしっかりつくっていくということが二十年度のポイントになるというふうに私たちは考えておりますので、そこを中心に今後お願いに行きたいというふうに思っています。

 以上です。

    〔委員長退席、田村(憲)委員長代理着席〕

高橋委員 ありがとうございました。大変参考になりました。

 時間がなくなりましたので、B型肝炎原告だった木村参考人については、本当に粘り強く闘って最高裁で勝利されたのに今のような状態であるという、本当にお気持ちは十分わかりました。最高裁で国の責任が明確にされたわけですから、それなのに、今、謝罪もない、救済もされていないということは、やはり、これは一日も早く木村参考人が指摘をしたことを本会として実行に移すべきではないか、このように思っております。その点でも引き続いて私たちも頑張っていきたいと思います。

 きょうは参考人の皆さん、本当にありがとうございました。

田村(憲)委員長代理 次に、阿部知子君。

阿部(知)委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 本日御出席の四人の参考人の皆様のお話は、どなたのお話を伺いましても本当に胸が詰まって、そして、病を抱えた上にさらに仲間を募って、一生懸命それぞれに活動してこられたことに深い敬意を表しますとともに、逆に、三百五十万人とも言われます肝炎の、我が国最大の感染症でございますことに立法府が今日に至るまでさまざまな措置をある意味で怠ってきたということの責任の一端を、私もまた強く感じた次第です。

 そして、きょう四人の皆さんが、一生懸命この間のこの法案の成立に御尽力された山口さんと、そしてヘモフィリアの会の佐野さんの御発言を聞けば、あたかも明暗を分けたかのような意見陳述にならざるを得ないということも、またこれは本当に厳しく受けとめます。

 しかし、さはさりながら、山口さんが熊本日報に書かれてございますように、国民的課題として山口さんたちもまたいろいろな場所で御活動をいただくということで、国会もそのようにまた御一緒にやっていかねばならないものと思いました。

 その山口さんに冒頭伺いますが、私は、佐野さんの御意見を聞きながら、あなたの病気は治らない、この薬がなければ治らないんだから、命をとるか薬害をとるかというような選択が患者さん、被害者にとって最も尊厳を傷つけたものであることは、逆に山口さんたち自身が一番御存じだったんだと思います。そして、そういう思いを抱えたからこそまた国民的課題にとおっしゃったんだと思いますが、このことに関して、原告の皆さんと国が、例えばこれからこの薬害の全体像を明らかにするための検証機関の設置というようなことについてお話をされたのであれば、そのことについて少し御紹介をいただきたいと思います。

山口参考人 私は、議員立法に関して、評価点ということで、発生責任と被害を拡大させた責任ということに関して前文に盛り込まれたということで、私たちが一番そこを国に言わせたかったというところが書かれていたので評価したわけなんですけれども、先ほどの佐野さんの意見をお聞きして、議員立法においてどれだけの人たちが本当に救済されるのかと。私も先ほどカルテ等がない方たちの話をしましたけれども、やはりそれ以外にも、こういった先天性の方たちもいらっしゃるんだなということを、今回改めて、もう本当に悔しい思いが胸に迫ってきました。

 ですから私は、一般肝炎、そちらの方に、ぜひともこの国会の場で先生方たちが真摯にこの問題を審議され、本当に真剣に審議をされて、そしてよりよい対策が、肝炎患者全員が救済されるような手だてをぜひとも早急にお願いしたいというふうに思っております。

    〔田村(憲)委員長代理退席、委員長着席〕

阿部(知)委員 やはり国会に課せられた責務であるということは御指摘のとおりです。そして、本来、今回の法案が人道的措置というふうに表現されますが、やはり真相を究明して再発防止というところが大事で、もちろん人道はもう当たり前の当たり前、人の命がかかった問題ですから。しかし、それ以上に、国会としては真相究明のための何らかの検証機関を持たなければ、また、結局エイズも同じ、あれだけ碑が厚生労働省の前に建てられても、また山口さんたちが闘って今回を開いたということですから、国会に課せられた役割が大きいのだと私は思っております。

 木村さんにお伺いいたします。

 本当にお小さいころに受けられた予防接種の問題でもう二十数年闘い続けられて、そしてかち取ったこの勝利の地点というのは、例えば、子供のころに受けた予防接種が、その後、二十年近くを経て肝炎の症状をあらわし、そこから慢性肝炎になっていく、その潜伏期の長さをこの病自身非常に持っているということとあわせて、本当に大変だったと思います。

 さて、お気づきかどうかわかりませんが、今回の法律においては、肝炎のウイルスの感染、キャリアになってから慢性肝炎まで十年という年月が法律の中に入っていて、そういうふうに、十年以内に悪化すれば次のステップの救済策となっておりますが、木村さんたちの場合は、皆さん、肝炎ウイルスにかかってから症状が出るまでもう少し歳月がおありだったように私は思います。その実態ということについて少しお聞かせいただければと思います。

木村参考人 まさに今言われたとおりでございまして、私自身の場合を申しますと、幼児期に受けた集団予防接種によって感染し、発症したのが二十二歳のころでした。そして、原告の一人で現在キャリアの原告もいるんですが、その原告が今二十三歳になっています。まだ発症していません。そのほか個人差といいますか、いろいろな例があるんですが、三十代過ぎてから肝炎がわかったという患者さんもいますし、わかったときには肝硬変だった、進行していた、そういう患者さんも多くおられます。ですから、一律に十年とかというふうに区切るのはどうかというふうに私は考えます。

 以上です。

阿部(知)委員 では、最後に佐野さんにお願いいたします。

 きょう、この場で、本当に、ある種の心からの怒りを訴えられたんだと思います。それは、先ほど冒頭私が申しましたように、おまえの命のためなんだから、この薬があなたを傷つけたとて、まあそれは仕方ないとせよということに対して闘ってこられた皆さんの、血友病の闘いだったと思います。

 私ども、改めてその点、先ほど高橋委員もおっしゃいましたが、何らかの形で、附帯決議の中ででも、今回のものが後天性のものだけに限られるのであれば、逆に患者さんの間に分断を持ち込むことになりかねないと強く危惧しておりますので、思い残した分がおありであれば、この場で少し御意見をいただきたいと思います。

佐野参考人 私は、今回の法案で薬害C型肝炎の訴訟原告の方々が救済されるということに関しては、全く異存はございません。

 実際、私はこの訴訟を幾度か傍聴してまいりました。五地裁あるうち幾つかの地裁の傍聴もいたしました。同じ製剤で感染した人間として原告の方々に共感を抱いていることも確かであります。少なくとも、この共感をこれからも持続していきたい、原告さんの方々とにっこりお話ができるような間柄でありたい、私はそう思っております。

阿部(知)委員 そのために、国会のせねばならないことも多々あると思います。

 最後に、高畠参考人には、本当に日々御苦労さまです。患者さんの団体の運営というのは本当にお仕事大変だと思いますが、どうかこれからも、私どもも頑張りますので、いろいろ御助言をいただければと思います。

 ありがとうございます。

茂木委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。

 この際、参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。

 参考人各位には、本日は長時間にわたり大変貴重な御意見をお述べいただき、まことにありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。(拍手)

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茂木委員長 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として法務省大臣官房訟務総括審議官貝阿彌誠君、民事局長倉吉敬君、厚生労働省大臣官房技術総括審議官上田博三君、健康局長西山正徳君、医薬食品局長高橋直人君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

茂木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

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茂木委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大村秀章君。

大村委員 自由民主党の大村秀章でございます。

 厚生労働委員会、新年早々ということでございまして、委員の皆様方には心から敬意を表します。また、ことし一年もよろしくお願いを申し上げる次第でございます。

 そしてまた、先ほど質疑をさせていただきました参考人の皆様方には、急遽の話でございましたが、心から敬意と感謝を申し上げる次第でございます。

 さて、質問を始めさせていただきたいと思います。

 その冒頭でございますけれども、今回の薬害肝炎における感染被害者の方々及びその遺族の方々に対しまして、長期にわたる苦痛を強いられてきたことに対し、政府はおわびすべきとする法案を私ども与党はつくらせていただきました。つくらせていただいたわけでございますが、あわせまして私ども立法府といたしましても、そして与党としても、このことに関しましては心からおわびを申し上げたいと存じます。

 その上で、今回、この法案を与野党ともに一日も早く成立させていただきまして、福田総理・総裁の指示にありますように、全員一律救済の道を開き、治療に専念をしていただき、安心した暮らしを取り戻していただきたいと存じます。

 また、さらに、この法案の前文にありますように、事件の反省を踏まえ、命のとうとさを再認識いたしまして、薬害の再発防止に全力で取り組んでいく、このことを私ども与党としても、自民党としてもお約束を、お誓いをさせていただきたいというふうに思っております。

 さて、肝炎でございます。これはもう、私は十月のこの委員会の冒頭でも質問をさせていただきました。ウイルスキャリアという方がB型、C型を合わせて三百五十万人とも言われ、そして患者さんが六十万人とも言われております。まさに国民病と言われるものでございまして、この対策のために、私ども自民党は一昨年六月からPTを、そして昨年六月から与党としてプロジェクトチームを設置し、精力的に議論を重ねてまいりました。原告団の皆様初め、多くの関係の皆様の意見もお聞きをし、真摯に議論を積み重ねてまいりました。

 そして、十一月七日に、この与党プロジェクトチームで医療費助成を柱とする対策を策定したわけでございます。七年間で毎年十万人の方に治療を受けていただき、この慢性肝炎の方々全員に治療をしていただく機会を確保するということで、予算編成でも、予算は満額手当てをさせていただきました。

 また、肝炎につきましては、国民病ということもございます、早期発見、早期治療ということが大事でございますし、拠点病院の整備から医薬品の開発研究、そして周知徹底等々を含めて盛り込んだ肝炎対策基本法案を、十一月十六日に提出させていただきました。

 また、この薬害肝炎訴訟の全面解決に向けて、これは私ども与党だけではなくて、与野党理事全員を中心にして、十一月七日及び十二月四日の二回にわたり、政府に対して全面解決の申し入れも行わせていただきました。

 この間、私は、自民党の医療政策の責任者として、また与党PTのメンバーとして、またこの委員会の与党筆頭理事として、舛添大臣ともたびたびこの件についてお話をさせていただきました。その中で、やはりポイントとなる国の責任について、政府としてなかなか対応に微妙なところがあるということであれば、これは、立法府の判断でやる議員立法で対応するということもあるよということを私は申し上げ、そのことも大臣の懐に入れて福田総理と腹を割って話をしてほしいということも申し上げてまいりました。

 そういう中で、今回、昨年の年末、十二月二十三日、福田総理・総裁の全員一律救済を議員立法でするという決断をいただきました。それを受けて、私ども与党PTは、年末年始、原告団、弁護団の皆様とも協議をし、作業を進めて、十二月二十八日に実質合意、そして一月四日に法案を作成して、昨日七日に国会に提出をし、きょうの審議に至ったということでございます。

 この薬害事件を全員一律救済という形で決着させるべく行った福田総理・総裁の決断、そして、ここに至るまでの関係者の皆様方の、与野党ともに関係者の皆様方のこれまでの御努力に心から敬意を表する次第でございます。

 そのことをまず冒頭申し上げさせていただき、そして、まず大臣にお伺いをさせていただきます。

 今日ここに至るまでの経過については、先ほど私が申し上げたとおりでございますが、ここに至るまでも舛添大臣の御努力は高く評価をさせていただきたいと存じます。その上で、この法案前文にありますように、まず、政府は率直に責任を認め、おわびをしなければならないということとさせていただいております。この責任とおわびにつきまして、具体的にどうされるのか、率直にお伺いをしたいと存じます。

舛添国務大臣 皆さんの御努力で本法案が成立しました暁には、立法府の御意思を踏まえまして、しかるべき形で、法案の前文にありますように、フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第9因子製剤による感染被害者の方々に甚大な被害が生じ、その被害の拡大を防止できなかったことについて率直に国の責任を認め、感染被害者とその遺族の皆様に心からおわびを申し上げたいと思います。

 今後は、今回の事件の反省を踏まえ、薬害の再発防止に向けた安全性向上のための具体策等について、再度原点に立ち返って検討をしてまいりたいと思います。

大村委員 今の大臣の、率直に責任を認めおわびするということを、この法案が成立した暁には直ちに、真摯に行っていただきたいというふうに思っております。それがこの問題のすべてのスタートだということも申し上げておきたいというふうに思います。

 そして、今回この法案が成立した暁には、一日も早くこれを執行していかなければならないわけでございます。医薬品総合機構に一日も早く基金を設置することが必要であるわけでございますが、いつごろをめどに、幾らの基金を造成して、実務作業は今の機構の体制できちんとやれるのか。もちろん、やってもらわなきゃいけないわけでございますけれども、それについての政府の対応方針と決意をお伺いしたいというふうに思います。

    〔委員長退席、吉野委員長代理着席〕

高橋政府参考人 お答えを申し上げます。

 感染被害者の方々を早急に救済するためにも、本法案が成立した際には、行政府として、遅滞なく給付金の支給が行えるよう体制整備に万全を尽くしたいというふうに考えております。

 具体的には、医薬品医療機器総合機構に基金を設置いたしまして、給付金等の支給に要する費用に充てることとしておりますが、可及的速やかに給付金の支給を行えるよう、所要見込み額約二百五億円につきまして、平成十九年度の予備費で対応する方向で財務当局と調整してまいりたいというふうに考えております。

 機構における事務執行体制につきましても、職員をきちんと配置するなどして万全の体制をとりたいというふうに考えております。

大村委員 二百五億円を予備費ということで、遅滞なく措置するというお答えをいただきましたけれども、これは法案が成立すればという前提でありますが、した暁には、もう遅滞なく、一月中というか、もちろん間違いなくそのことでいいんですね。一点だけ確認します。

高橋政府参考人 最終的には財政当局との交渉でございますが、その方向で、私どもとしましても最大限尽力したいと思います。

大村委員 ぜひ早急に、そして万全を期していただきたい、このことを申し上げておきます。

 それから次に、大臣にお伺いいたします。

 先ほども少しお触れをいただきましたが、前文にありますように、今回の事件の反省を踏まえ、命のとうとさを確認し、薬害の再発防止に最善、最大の努力をしなければならないということをここに明確にさせていただいております。

 私は、この際、薬事政策の抜本的な見直しが必要だと思います。今の医薬品副作用被害救済制度では、正直言って不十分だと思っております。党としても、自民党としても議論を開始したいというふうに思っております。薬害再発防止と薬事政策の抜本的見直しにつきまして、大臣のお考えを問いたいというふうに思います。

舛添国務大臣 これまで、平成十四年の薬事法等の改正によりまして、血液製剤等の生物由来製品について体系的な安全対策を整備し、強化するとともに、血液製剤等については、医療機関における製剤の投与記録の保存期間を二十年間とするなどの健康被害再発防止措置を講じてまいりました。

 また、血液製剤等を介した感染等の健康被害を受けた方に対しては、平成十六年に生物由来製品感染等被害救済制度を創設し、所要の救済給付が行われているところでございます。

 しかしながら、今回の事件の反省を踏まえまして、今後、御指摘の点も参考にいたしまして、再発防止に向けた安全性向上のための具体策などについて、再度原点に立ち返って政府としても検討してまいりたいと思います。

大村委員 舛添大臣に、今この点は大変大事な話でありますから、ぜひ最後に政治家としての決意をお伺いしたいと思います。

 薬害を二度と起こさない、そのために、この際、薬事政策を抜本的に見直すということをお約束いただきたいということが一点と、最後に、肝炎患者の皆様に対する医療福祉体制を整えて、肝炎をこの日本から撲滅する、そういう政策をしっかりやっていくということの大臣の御決意、合わせて二点、政治家としての舛添大臣の御決意をお伺いしたいというふうに思います。

舛添国務大臣 私が政治家になったのは、母親の介護から始まりまして、やはり命の大切さ、これが原点で政治家になったわけでありますから、今までの薬事行政を振り返ってみたときに、国民の視点、患者の視点、そしてその家族の視点というのがどうしても欠けていたんじゃないか。これは副作用報告書の取り扱いについてもそうでございます。こういう点をきちんと改めて、国民の目線に立った薬事行政を展開してまいりたいという決意をここで述べさせていただきたいと思います。

 それから、肝炎の総合対策でございますけれども、平成二十年度予算案におきまして、インターフェロン治療に対する医療費助成に必要な百二十九億円を含めまして、対前年度比で二七四%の二百七億円を総合対策として計上させていただいたところでございます。

 そして、七年計画で、例えば貧しいからインターフェロンの治療を受けられない、こういう方が一人もいなくなるようにということで全力を尽くしてまいりたいと思いますし、まさに国民病とも言える、三百五十万人、この肝炎の克服に向けて全力を挙げて取り組んでまいります。

大村委員 ただいまの、国民の目線に立って薬事政策を見直し、そして国民の目線に立って進めていくんだという大臣の決意、お考えをいただきました。やはり命の大切さから政治家としてのスタートを切られた舛添大臣に、その原点を常に見詰めながら引き続き頑張っていただきたい、そのことを申し上げ、私ども与党も、自民党も、このことに全力で取り組んでいくということをお誓いさせていただきたいと思います。

 そして、今回のこの救済特別措置法案の提案者といたしまして、与野党の皆様方に一日も早くこの法案を成立させていただき、患者さんの皆様方に安心して治療に専念していただき、平和な暮らしを、平穏な暮らしを取り戻していただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。どうかよろしくお願いいたします。

 ありがとうございました。

    〔吉野委員長代理退席、委員長着席〕

茂木委員長 次に、福島豊君。

福島委員 大臣、大変御苦労さまでございます。

 私ども公明党は、昨年十二月、原告団の思いというものを受けとめて一律救済を行うべきであると、代表を先頭に申し上げさせていただいてまいりました。今回この救済法案が提出されることによりまして、一律救済、この原告団の方々の思いに沿った解決がなされる、このことが一つの区切りであるというふうに私は思っております。

 そしてまた、一つの区切りでございますけれども、残された課題というのはたくさんございます。先ほども大村委員の方からお話がございましたけれども、薬事行政のあり方、これからどうしていくのか。繰り返してはならない、このことは今までも繰り返し語られてきた言葉でございますけれども、しかし、今回、改めてまた肝炎の問題がこのようになってしまった。

 このフィブリノゲン製剤の問題につきましては、振り返ると幾つかのポイントがあったんだろうと思います。再審査の段階においてきちっとその対象にならなかったというような問題、また、集団発生をした時点でその後の対応はどうだったか、こういう問題があろうかと思います。

 審査、承認の段階におきまして必ずしも明らかでなかったこうしたリスクが顕在化してきたときに、一体どういうふうに迅速に対応していくのか、ここのところが最も大切なポイントではないかというふうに思います。そして、そのためには、今の薬事行政のあり方というものについて、再度原点に戻って大臣には御検討をいただきたい、私はそのように思っております。

 もとより医薬品というものは、リスクとベネフィット、両方あるものであります。リスクの全くない医薬品、これはあるかもしれませんけれども、しかし同時に、ベネフィットというものも考えにくいのではないかと私は思います。リスクとベネフィットのバランスをどう考えるのか、これが大切である。

 しかし、一たん審査をし承認してしまうと、その後新たな事態が起こった場合でも、なかなか、改めて迅速にこれを見直しするということができにくいというのが今の行政のあり方ではないかというふうに思っております。

 こうした点について、薬事行政全般の見直し、抜本的な見直しを今後どう行っていくのか、このことについての大臣の御見解をお聞きしたいと思います。

舛添国務大臣 先ほどもちょっと述べましたけれども、一九八〇年代の第8、第9因子製剤、フィブリノゲン製剤等血液製剤による感染被害の教訓から、平成十四年に薬事法を改正いたしました。

 そのときに、人、動物の組織、細胞等を原料とする生物由来製品について、感染症伝播のリスクに着目し、製造から販売、使用に至る体系的な安全対策を整備し、強化する。さらに、医療関係者が血液製剤を使用する際には、製品のリスクとベネフィットについて患者に説明を行い、理解を得るように努める。さらに、血液製剤の適正使用の推進にも努める。さらに、血液製剤については、医療機関において製剤の投与記録を二十年間保存する、また、製薬会社においてはこれを三十年間保存するというふうに義務づけました。

 しかし、今回の事件、そういうことがあったにもかかわらず、またこういう問題を起こしたということでございますので、これはまた皆さん方で検討を今からなされると、先ほど大村委員のお話にありました。そういうことも踏まえまして、政府の方でも、さらに再発防止のために、安全性向上のための具体策を今後検討してまいりたいと考えております。

福島委員 これはBSEの問題と共通しているところがあるんですね。所管の行政庁が判断した場合に、どうしてもそういう新たなリスクが発生したときの踏み込みがやはり甘くなる、遅くなる、こういう問題なんだろうと思います。

 前回の薬事法の改正でいろいろとやっていただきました。しかしながら、今の審査、承認を行うところに対して一定の牽制機能を持つようなものがなければ、やはり新たなこういうリスクが起こってきたときに十分な対応が私はできないんじゃないかと。それは、食品安全委員会を内閣府にあのときにはつくりました。こうしたことも十分御参考にしていただいて御検討していただきたい、私はそう思っております。

 また、今回の問題で特に議論されたことは、個人情報の取り扱いをどうするか、こういう問題なわけであります。個々の健康被害の課題をどうやって防いでいくのか。前回の薬事法の改正のときにもこれは十分検討されておりません。そこまで国が責任を持つんだろうか、こういう話もあると思います。しかし、製薬メーカーは少なくとも責任を持たなきゃいけない、こういう話だろうというふうに私は思います。製薬メーカーが現に健康被害が起こった個々の方に対してどのような働きかけを行うのか、こういうことについてもきちっと検討して一定の方向を出さなきゃいかぬ、このように思いますけれども、政府の見解をお聞きしたいと思います。

上田政府参考人 国民の生命、健康を所掌しております厚生労働省としまして、早期に患者さんに告知することによって治療が望み得るような一定の疾病につきまして、副作用報告制度との整合性や個人情報の保護、医師と患者との関係にも配慮しつつ、医薬品等が使用された国民個人に対する情報提供のあり方を検討する必要があると考えているところでございます。

 そのため、有識者等が参加する検討の場を設け、そこにおいて、どのような方策が考えられるのかを検討することとしたいと考えているところでございます。

福島委員 先ほど、大村委員の方から、医薬品副作用被害者救済制度の拡充を図るべきだ、こういう御指摘がございました。私も全く同感でございます。私どもも同じ方向で検討していきたいというふうに思っております。この点については、時間の関係もありますので、重ねて質問は避けさせていただきたいと思っております。

 最後に、大臣に一つ追加してお聞きしたいことがあります。

 今回のこの法案が成立しました後、実際にその投与を受けたのか受けなかったのか、このことがやはり問題になるだろうというふうに私は思います。基本的には、裁判所においてさまざまな状況を判断しながら決断していただく、認定いただく、こういうことになろうと思いますけれども、大事なことは、まず患者さんの方は医療機関に相談に行くと思うんです。医療機関がしっかりと対応してもらわなきゃいけない。カルテがありませんと紋切り型の対応で門前払いするようなことであってはならない。できる限り患者さんの立場に立って医療機関が対応するように、これは医療界に対して、大臣みずから要請をしていただきたいと思います。

 この点について最後にお聞きしたいと思います。

舛添国務大臣 今回、昨年、平成十九年十一月七日付の文書によりまして、この七千の医療機関、これは平成十六年十二月にフィブリノゲンが納入された医療機関として公表した機関でございますけれども、こういう機関に対して、改めてフィブリノゲン製剤を投与された患者の特定と告知の依頼をしたところでございますが、その際には、患者の特定、告知に活用していただけるように、カルテのみならず、手術記録、分娩記録、製剤使用簿なども十分調査してくれということを依頼いたしました。

 この告知や調査の依頼につきましては、先般、日本医師会の方にも協力を依頼しているところでありまして、さらに患者の方々への対応も、今委員がおっしゃったように、丁寧にきめ細かくということを医療界に今後ともお願いしてまいりたいと思います。

福島委員 先ほど、参考人でお越しになられた方から、B型肝炎の問題をどうするんだ、また、先天性の患者さんの場合どうするんだ、さまざまな課題があるということであります。与野党間で肝炎対策基本法についての協議会が持たれておりますけれども、引き続きこうした問題についてしっかりと検討していかなきゃいけない。このことを政府にもお願い申し上げまして、私の質問を終わります。

 どうもありがとうございました。

茂木委員長 次に、山田正彦君。

山田委員 今度の薬害肝炎の原告訴訟があって、本来ならば、政府が決断して、舛添大臣が随分と努力なさっていたのは本当に敬意を表しますが、福田総理が和解を政治決断してやるべきことであったと私は思っております。ところが、総裁としての指示ということでいわゆる議員立法という形をとらざるを得なかった。これは本意な解決ではないと私ども非常に不本意に思っているところですが、それはそれとしても、今回こういう法案が出され、私どもこれを真摯に検討させていただいて、きょうこうして審議をさせていただいております。

 まず、この法案で一番私が問題になると思うのは、今までの薬害の訴訟等においては、第三者委員会で薬害の認定をやっておったわけです、例えば原爆症にしても水俣病にしてもスモン病にしても。しかし、その第三者委員会の認定がなかなか難しいこともあり、場合によってはその裁判が長引くとかいろいろなことがありました。ところが今回は、裁判所、司法判断において薬害の認定をするという初めての法律であります。これはいろいろな問題点がありますので、そのことについて私の方から質問させていただきたいと思っております。

 まず、この問題で、この解決には、確定判決もしくは和解、調停その他確定判決と同一の効力を有するものの正本または謄本を提出しなければ交付金が受けられないということになっております。ということは、いわゆる裁判を受けなければ解決ができない。そうすれば、裁判を受けられない人、例えばお金のない人もおれば、今、世界で二番目に日本は貧困層がふえたという時代です。なかなか裁判をしようと思っても、弁護士さんに頼んでいって、そしてそこまでやるような人というのは、私も弁護士ですが、なかなかそう多くはない。そういったいわゆる裁判を受けられないような人は救済できないのかどうか、そこを大臣、どうお考えでしょうか。

河井副大臣 弁護士さんを依頼する資金がない、そういう方は、今回のことだけではなくてほかのケースでもございますけれども、日本司法支援センター、俗に法テラスと呼ばれておりますが、これによりまして民事の法律扶助の制度が既に発足をしております。この法律扶助を受けることによって弁護士を依頼することが可能になっております。

山田委員 では、一般の人が法テラスに行って、そういうものがあっていわゆる訴訟扶助ができるのかどうか。私も訴訟扶助の手続をとったことがありますが、なかなか簡単じゃない、何カ月もかかる。そんな中でそういう手続をやらなければ救済を受けられないということでは、これは何の意味もないじゃありませんか。

 では、実際どういう形で本当にそういう救済が受けられるようになるのか、この法律の提案者としてはどうお考えですか。

大村議員 今、山田委員が御指摘になったこと、大変大事な点であろうかと思います。

 ただ、裁判、訴訟制度につきましては、今、河井副大臣が言われましたように、この法テラスを中心といたしまして、訴訟の入り口に入れるような準備は司法制度全体として取り組んでいるところでございます。

 また、そういう意味で、この点も要は周知徹底だと思います。こういう形でこの救済法案ができた、そして救済の窓口が開かれた、その入り口を裁判で認定していただくということに、もしこの制度ができれば、事実関係等々、因果関係はすべて裁判所の認定ということになりますけれども、それが、要は入り口のところが開かれたということを周知徹底していくことと、した後の訴訟制度の支援で、これは厚労省の方に、政府の方にしっかりやっていただきますけれども、これもあわせて周知をしていくことでこれは解決をしていきたい。

 そういうことをまた、山田委員、野党の皆さん、与野党ともに十分これはこれからも議論をし、より周知をしていくことを働きかけていきたいというふうに思っております。

山田委員 まず、弁護士さんに依頼しなきゃいけない、裁判しなきゃいけない。では、弁護士さんに対する着手金、その費用について、きょう法務省から、担当の局長ですか、見えているかと思いますが、いわゆる弁護士との間に基本合意ができているやに聞いておりますが、着手金についてはどうなるのか、弁護士の費用についてはどうなるのか、それをはっきりとお答えいただきたい。

貝阿彌政府参考人 まず、弁護士費用の支払いの関係でありますけれども、これは、国と原告団との間で間もなく締結される基本合意書、これにおいてその金額などを合意いたしまして、その合意に従いまして、和解が成立するごとに被告側において支払う、こういうことでございます。

山田委員 今、一般の人が聞いてもよくわからないと思うんですが。私はわかりますよ。

 それは、被告側が払う、弁護士費用については国側が払うという基本合意ができているということですか。

茂木委員長 貝阿彌審議官、わかるように答えてください。

貝阿彌政府参考人 今、基本合意書の作成を進めております。まだ合意書の締結には至っておりませんので、これができますと、弁護士費用をどういうふうに支払うかということが、金額等も含めて基本合意書に書かれます。

 それに従いまして各裁判所で和解をするわけでございますけれども、その和解では、その合意書に書かれてある弁護士費用、これを被告側において支払う、こういうことです。(山田委員「被告側というと、国ということですね」と呼ぶ)国、企業もあります。要するに、被告側ということでございます。

山田委員 そこは大変大事なことでして、この基本合意書、ここにある基本合意骨子ですね、今私の手元にあります、この中にはこれは一切触れられていない。どういうことか触れられていませんが、ここは、きちんとした合意書をこの国会の委員会にまたできたら提出していただきたい。そして、いわゆる薬害被害者が本当に救済を受けるとしたら、弁護士の費用は国が負担してやるんだ、これをひとつ周知徹底していただきたい。

 舛添大臣にお聞きしたいんですが、それに対して、一つの方法としては、今回、恐らく各医療機関に被害者の方々の問い合わせが行くと思います。その医療機関に対して、まず、こういった場合には弁護士費用は国が負担するんだから、皆さんが、各医療機関が、患者の皆さん方は各弁護士会と相談して救済に当たっていただきたいということを周知させることを、大臣、できるかどうか、やってもらえるかどうか、そこを明確にお答えいただければ。

舛添国務大臣 先ほどきめの細かい対応をやりたいということを申し上げました。それは、カルテがなくてもほかの記録をきちんと出してください、そういうことも含めまして、弁護士費用ということが頭にあって、訴えをしたいんだけれどもできないということがあれば、これは大変問題ですから、今委員がおっしゃった趣旨を踏まえて、こういうことも周知徹底するように努力をしてまいりたいと思います。

山田委員 重ねて言いますが、弁護士費用も含めて国が負担するんだから、皆さん、そこは弁護士と相談して裁判上の救済の道をとってくださいというような内容の趣旨を各医療機関に通知するということを約束していただけますね。

舛添国務大臣 まず基本合意、これをしっかり公表した上で、それに基づいて今のような措置をとりたい。委員がおっしゃいました趣旨で、医療機関に対しても、患者の皆さん方が来られたときに、きちんとこの基本合意に基づいて、今政府が考えているように、国ないしメーカー、つまり被告の方でそれは費用を持ちますということを周知徹底させていきたいと思います。

山田委員 法務省側に、そういう弁護士との基本合意ができたら、各弁護士会にその旨の通達もしくは連絡、何でもいいですが、そういう周知させるための手続をやっていただきたいと思いますが、いかがですか。これは、法務副大臣か、どちらでも結構です。

貝阿彌政府参考人 基本合意書ができましたら、これは今、原告の弁護団と交渉しておりますので、その辺の周知、その他公表の問題ですね、これは原告側の弁護団と国側の我々とでその点も話し合って決めていきたいというふうに思います。

山田委員 ぜひそうしていただきたいと思います。

 それから、舛添大臣、前々回でしたか、私がこの委員会で、七千余の医療機関について新聞広告して、早く検診を受けて、インターフェロン治療なりを受けられるようにということでお話ししたら、大臣、一生懸命頑張っていただいて、今月の、一月十七日ぐらいには新聞全面広告ができるそうで、大変ありがとうございます。

 その際に、こういう薬害肝炎の患者に関しては、例えば各弁護士会とか弁護団があります、この弁護団に対して、その新聞のどこかにですが、訴訟費用については国が負担することになっているのでぜひいろいろ弁護士の方に相談していただきたいというような趣旨のこともひとつ盛り込んでいただけませんか。いかがでしょうか。

舛添国務大臣 今のところ基本合意が一月十五日、そして一月十七日の全国の新聞に医療機関名を広告の形で入れたいというふうに思っております。

 それで、基本合意の内容を、今法務省の方から話しましたように、詰めております。そして委員、技術的に十五日の基本合意で十七日に間に合うかどうかということも含めまして、今の委員の御趣旨が何とか反映できるように努力をしてまいりたいと思います。

山田委員 基本合意そのものはもうすぐにでも、きょうにでも、あしたにでも、正式な基本合意書は別としたって、骨子はできているわけですから、それはすぐにでもできると私は思っておりますが、ひとつ十七日に間に合うように、ぜひともお願いいたします。

 結局、患者の皆さん方にしてみれば、やはり裁判による救済というと、これは裁判というのは敷居が高いわけです。そう簡単に、裁判所に行って原告になってということは、一生に一度あるかないか、ほとんどの人がないわけですから、そこは今回、初めての法律なので、十分な配慮をひとつ国側もしていただかなければいけないんじゃないか、そう考えておりますし、私も弁護団の方にも再三そういう要求はしたいと思っております。

 次にですが、本来、問題になるのは、投薬の事実、いわゆるカルテがない。今回、本当に問題になるのは、カルテがある患者というのは、私どもが聞き及んでいるところは、大体八百人かそこらぐらいしかいないんじゃないか、今回の薬害肝炎で。ほとんどの方々がカルテがない。カルテがないとなると、本来、裁判上救済されないのかどうか、そこを法務省関係者、だれでも結構です、お答えください。

河井副大臣 ただいま山田委員御指摘の点でございますけれども、カルテがない方につきましても、裁判所が医師などの証言など証拠調べの結果に基づいて特定フィブリノゲンなどの投与の事実を認定することができる場合があると認識をしておりますので、カルテがないからといって投与の認定が受けられないということではございません。

山田委員 非常に大事なことです。ところが、私、弁護団の皆さん方とか患者の皆さん方と話してみますと、裁判の過程においても、カルテあるいはカルテにかわる投薬証明というのがないと、なかなか実際には因果関係が認められないということが非常に大きな障害になっているということなんです。

 ただ、今、河井副大臣が言っていましたが、何らかの、医者の証言というのもこれは大事だと思うんですが、医者が証言するにしたって、二十年前、三十年前の事実を、うろ覚えの証言でこれはできるわけがないので、そうなると、どうしたって、そのときの分娩記録とかあるいは母子手帳とか、あるいは患者本人の持っているところのその当時の手帳とかあるいは日誌とか、そういったあらゆるものを総合的に判断しなきゃいけないと思うんですが、それについて十分な配慮が必要だと思っております。

 その中で、本来ならば、立証責任は、いわゆる挙証責任といいますか、それは患者側にあるわけですね。ところが、どうなんでしょう。いわゆる第三者委員会の認定による、今までの水俣病とかそういうのと違って、裁判上による救済を国もやるということで、どうやら、弁護団との基本合意骨子、その中の第二項の(3)の注意書きのところ、「国は、一律救済という新法の理念を尊重する。」とありますね。

 普通、裁判において原告側が立証するにしても、二十年、三十年前のことだからなかなか立証が難しい。それは立証が難しいのは当たり前です、これからやるんですから。そういった場合に、一律救済、この法律の前文にございます。いいですか。大臣も皆さんもよく見ていただきたいと思うんですが、この法律の前文に、「我らは、人道的観点から、早急に感染被害者の方々を投与の時期を問わず一律に救済しなければならないと考える。」とあります。

 こういう趣旨に基づいてできるだけ、立証責任について、因果関係の立証については、情況証拠があったらほとんど救済するというような方向で考えていただきたいと思いますが、その点、国としてどうお考えなのか。

倉吉政府参考人 ただいま委員御指摘の点、大きなポイントだろうと思っております。

 それで、これは一般的には裁判所の自由心証にかかわることでございます。ですから、これまでの裁判所の認定の事例等がさまざまございますが、私の承知している限りでも、例えば、母子健康手帳に非常に出血をしたという事実が書かれている、そして、その当時のその病院の状況はどうであった、その当時、フィブリノゲン製剤を投与したのかどうかということを、投与した当のお医者さんはもう亡くなっていて、二代目、三代目の人が後を継いでいるけれども、確かにおやじやあるいはおじいちゃんはあの時代であればこういうのを投与していたはずだ、そういう証言をするとか、いろいろな情況証拠を総合して、結論的には因果関係を認めたという事例もあると伺っております。

 これがまさに裁判所の自由心証の妙味というところでございまして、今回の議員立法によります法律は、一律救済というのは、あくまでも裁判所がその因果関係を認め、症状を認めたものについては、今までの裁判所の判決を見れば、時期によって国に過失があったりなかったりして責任を認めないということがあったわけですけれども、そこは一律に救済するんだ、こういう前提でございます。

 ですから、一律救済であるから因果関係の認定を甘くするとか、そういうことは直接的には言えないと思いますけれども、この法律の趣旨はもちろんわかっているわけでありまして、特に、裁判所が一定の証拠調べをして、その結果、国の側が因果関係を認めるかどうかを認否するという場面がございます。その場面では、一律救済の趣旨を尊重して国側がやるということがこの法律にも書かれているというふうに思われますので、そういったことをすべて総合考慮いたしまして、適切な因果関係の認定がされることになるであろう、このように承知しております。

山田委員 今、非常に大事な意見をいただいたわけですけれども、ぜひそういう趣旨で、できるだけ一律救済の趣旨に沿っていただきたい。いわゆる裁判上において被告側が、国側が、あるいは企業も含めてですが、どういう意向であるかというところがそのまま、裁判所のいわゆる心証に与える影響は非常に大きいと思いますので、そこの配慮一つで、一律救済ができるかどうか、そこにかかわると思いますので、ぜひその点はきちっとやっていただきたい、そう思います。どうかよろしくお願いしたいと思っております。

 次に、幾らそういう状況関係を国側が考慮する、それで救済の方に向けるとしても、実際に、状況関係の証拠等について、カルテ等について、ほとんどなかったりというのはもちろん多いわけなんですが、実は私、きのう、尾上悦子さんというC型肝炎の二十一世紀患者の会の代表者からお話をお聞きいたしました。

 彼女たちは、いわゆるカルテがないものだから、今回原告団に入れなかった人たちなんです。原告になりたくても、カルテとかそういう情況証拠がないとほとんどなれないんですね。きのうのお話でも、原告の出田さんのお話でも、熊本で説明会をやって、五十人、いわゆる肝炎、フィブリノゲンを使った患者の方が集まって話を聞いた。みんなが三十分ぐらい泣きながら話したけれども、結局、五十人の中でカルテがあった人は出田さんたった一人で、彼女だけが原告になり得た。これくらい厳しいんですが、その中で、尾上悦子さんが大変大事な話をされました。

 田中さんという方なんですが、私、その方と電話で話をしました。前の日に行って、カルテはなかったけれども、病院のお医者さん、その先生が、当時、みんな出産患者の止血にフィブリノゲンを使っていたので、あなたの場合にも使ったに間違いないから、カルテはないけれども、私の方でそういう証明書を書きましょう、そう言って、次の日にもらいに行ったら断られたというんです。何で断られたかというと、厚労省から書くなと言われた、それで書けませんと言われたと。

 大臣、今のお話を聞いてどう思われますか。

舛添国務大臣 私自身、それは初めて聞く話ですから、どういうことであったか内容について精査をして、それでお答えをしたいと思います。

山田委員 私、その担当者の方と朝、電話で話したんですが、厚労省の通達があったのかなかったのか、通達があったとしたら、私、通達を調べたいと思って、そういうものがあったようなお話でしたがと言ったら、最初通達があったように言ったそうですが、その後言葉を濁したそうで、あるいは厚労省から、これは悪意にといったら悪意かもしれませんけれども、当時の旧ミドリ十字、その担当者等が、当時、各病院を回ってカルテを、あったものは早く廃棄処分にして、ないものは一切投薬したということを書かないようにということを言って回ったのかどうか、私、大変気になっているところです。大臣、ここは一度調べてみてくれませんか。

 それで、一つ大臣にその件でお願いしたいんですが、今でも次々に、いわゆるカルテとか分娩記録とかいろいろな情況証拠になるものが、もう二十年も三十年も前の話ですから、ほとんど破棄されつつあります。そこで大臣、厚生労働大臣として、医師法の二十四条の二に、「厚生労働大臣は、公衆衛生上重大な危害を生ずる虞」、これから先、C型肝炎がさらに悪化して云々したりする、早く見つけてインターフェロン治療とか国の救済ができればありがたいわけですから、そういうものを「防止するため特に必要があると認めるときは、医師に対して、医療又は保健指導に関し必要な指示をすることができる。」となっています。大臣、すぐできるんです。

 ということは、大臣は、七千余の医療機関に対して、今回、当時の、二十年、三十年前のフィブリノゲン投与のカルテ、カルテがないとしても分娩記録とかいろいろな証拠書類、これを破棄したりしないように、かつ、もう二十年、三十年前のカルテとか関係書類ですから、大きなところは大きな倉庫にどかっと入れて、それからそれを引っ張り出すということはもう大変な作業量なんです。だから、そういったものに対して、場合によったらある程度、それについてもし費用がかかるなら、少々の費用だったら負担するぐらいのつもりで、ひとつぜひ協力してほしい、当時の記録を捜し出すことに協力するようにという指示をここで出していただきたい。大臣、いかがでしょうか。

茂木委員長 舛添大臣、既に持ち時間が経過しておりますので、簡潔にお願いします。

舛添国務大臣 先ほど申し上げましたように、昨年の十一月に既に七千の医療機関に対して、全面的に協力をし、きめの細かい対応をするようにということを申しております。そしてまた、日本医師会に対しても同様のことを申し上げておりますので、繰り返しそういう趣旨の要請を行っていきたいと思います。

山田委員 まだ二、三、質問があったんですが、時間が来てしまいました。

 そういう意味で、大臣も法務省もひとつ、この問題は大事なところですので、ぜひよろしくお願いしまして、私の質問を終わらせていただきます。

茂木委員長 次に、山井和則君。

山井委員 これから三十分間、質問をさせていただきます。

 まず最初に、先ほどまで参考人質疑を聞かせていただきました。

 十分に御発言いただけませんでしたが、佐野さんからは、先天性の肝炎疾患の方が入っていないことに対する強い問題提起をいただきました。

 また、B型肝炎原告の木村さんからは、この法律だけでは、B型肝炎患者、そして肝硬変、肝がんの患者は切り捨てられている、そういう切々たる訴えがございました。

 また、日肝協の高畠事務局長からは、今日まで十年以上ずっと運動を続けてくださいまして、ここまで来たのも日肝協の皆様方の御尽力のおかげと思いますが、今回の法案についてはごく一部が対象であり、これからが本番である、医療費助成の法案をぜひ成立させてほしい、そういう要望もございました。

 また、原告代表の山口さんからは、今、山田議員からもお話がありましたが、やはりカルテがない方の方が圧倒的多数である、ですから、基本法、そして医療費助成法という、そういう医療費助成の立法をぜひ成立させてほしい、今こそ政治の力が試されている、そういうお話をいただきました。

 その意味では、きょうの参考人質疑、そして委員会質疑で確認をせねばならないことは、今回の法案というのは、肝炎の患者の方々の救済、治療助成のほんの一歩にすぎない。大きな一歩ではありますけれども、ほんの一歩にすぎない。これで全面解決、一律救済が終わったんだということで幕引きするということが決してあってはならないというふうに感じます。

 また、私、この間、全面解決という言葉に違和感を感じます。また、一律救済という言葉にも実は多少違和感を感じます。

 というのは、どういうことかといいますと、きょうも東京原告の御遺族の方がお見えになっておられますが、その方も既に肝臓がんでお亡くなりになられました。また、現在も肝硬変、肝臓がんでお苦しみになっておられる方々、また、この薬害肝炎によって、離婚を余儀なくされた方、あるいは親子離れ離れになった方、家庭が崩壊した方、そして、先ほどの山口さんのように、ライフワークであった教師というお仕事をやめざるを得なくなった。それだけではなく、多くのインターフェロン治療をする方が、そのことによって仕事をやめたり、うつ症状になったり、中には自殺をしたり、そういう本当に生き地獄とも言えるような苦しみを負っておられる方々、この事実は、残念ながら、法律ができてもまだまだ残っているわけです。

 恐らく、お亡くなりになられた御遺族の方からすると、この法律ができることをお姉さんに御報告をされるんでしょう。しかし、本当の願いは、やはりそのお姉さんに生きていてほしかったと。やはり患者の方々も、法律はありがたいけれども、健康な体、失われた人生、もしかしたら失われた家庭を戻してほしい、そういうことが本当の願いだと思います。

 そう考えてみたときに、ある意味で政治の無力さということも感じざるを得ないわけですけれども、それでも、やはり今回の法案を第一歩として、多くの三百五十万人の感染者の方々が少しでもよい医療を経済的負担なく受けられるように、そしてそれぞれの方々が人生を全うできるように、応援を国会でもさせていただきたいと思います。

 また、加えてでもありますが、この法案ができるまでには、本当に原告の方々が、みずから御病気に苦しみながらも必死になって五年間闘ってこられたという、御自分のためだけではなく、三百五十万人の感染者の方々の救済という大きな志を持って訴訟を闘われてきたということに心より敬意を表したいと思いますし、この訴訟の原告の方々がおられなかったら、今回の法案のみならず、インターフェロン治療の医療費助成、十年以上、日肝協が求めても全く実現してこなかった、これが実現したのは、やはり原告の皆さん方を初めとする多くの支援者の方々のおかげと御礼申し上げたいと思います。

 きょうの読売新聞にも記事が出ておりました。配付資料の三番目、「薬害肝炎救済法案成立へ 「一律」実態は三百五十万分の千人」。国民の皆様方の中には、全員救済、一律救済で三百五十万人の感染者の方々がすぐにでもいい治療を受けられるんじゃないか、そういう期待、思いを持っておられる方が多いと思います。しかし、それに向かってはまだまだ第一歩であります。

 この新聞に載っていた図をここに載せさせていただきましたが、三百五十万人の中の千人であります。B型、C型ウイルス性肝炎感染者の方々の千人が今回の法案の対象です。実は、舛添大臣、ちょっと見えるかと思うんですが、この大きな三百五十万人という三角形の中で千人というと、三千五百分の一、ほとんど米粒のような大きさにすぎないんですね。ということは、圧倒的多数というか、九九・九九九九%ぐらいの方々、肝炎感染者にとってはこの法案は対象外なんですね。その思い、事実を受けとめて、救済の対象となったといえども、先ほど言ったように、失われた時間、人生、家族が戻ってくるわけではない、健康な体がそう簡単に戻ってこない。それを超えたとしても、圧倒的多数の肝炎感染者は救済されないということがあります。

 こう言うと、薬害以外は何でそんな救済が必要なのかという声ももしかしたらあるかとも思いますが、先ほどおっしゃったように、B型肝炎でも、予防接種で最高裁でやはり勝訴をしている。こういう予防接種での集団感染、また広い意味でいえば、輸血により肝炎になった方も、やはり国が認めた医療行為によってなられたということで、せめて医療費助成という必要はあるのではないかと思います。

 そこで、舛添大臣にお伺いしたいと思います。

 きょうの参考人質疑でもございました、肝硬変、肝臓がんの方々への医療費助成、またB型肝炎に関しては、予算措置されているインターフェロン治療よりも抗ウイルス剤の治療の方が重要であります。先ほどの参考人質疑でも、一番苦しんでいる肝臓がん、肝硬変の方がこの法案あるいは治療費助成で逆に切り捨てられているではないかという切実な声がございました。舛添大臣、そのような医療費助成について厚労省の御見解をお伺いしたいと思います。

舛添国務大臣 まず、今回、山井委員を初め議員の皆様方の御努力でこの議員立法が提案されて今こうして審議されていることを、大変敬意を持って喜ばしく思っております。

 その上で、今おっしゃられたB型、C型肝炎感染者、今お示しになった図で三百五十万人、この方々に対しましては、医療費助成という形で、今年度既に、総合肝炎対策で二百億円以上、そしてその中で、実際に七年でインターフェロン治療を受けられない人をなくそうという形で、総額千八百億円という形の対策を考えているところであります。

 それから、今委員がおっしゃった、B型肝炎その他の今回のこの議員立法の対象に含まれない方々について今後どのように対応していくかについては、また立法府の皆さん方とも御相談をしながら、私も、これで問題が片づいたわけではなくて、初めの一歩だと思いますので、今後とも引き続き努力をしてまいりたいと思います。

山井委員 今、舛添大臣がおっしゃった初めの一歩、まさに私もそうだと思います。ここから三百五十万人の方々、カルテのない人も含めて、それこそが本当の意味での全員一律救済になるのではないかと思いますので、まさに立法府の力も試されていると思います。

 そこでなんですが、今、予算措置によってインターフェロン治療を受けられるようにするということですが、きょう配付しました二枚目の資料にありますように、民主党の医療費助成法案によるインターフェロン治療の自己負担、所得によって無料、一万円、二万円、そして与党の今回の予算措置、一万円、三万円、五万円というのをここに比べさせていただいておりますが、先ほど、原告の山口代表からも、五万円では高過ぎるというお話、受けられないというお話がございました。また、高畠日肝協事務局長からも、中所得者三万円では受けられない、二万円ぐらいにならないものか、そんな御指摘もございました。

 繰り返しになりますが、圧倒的多数の方は今回の救済法案の枠外であって、やはり医療費助成が必要なんですよ。そして、ここまで肝炎問題が大きな問題になったにもかかわらず、出てきた予算措置が結局は不十分で、インターフェロン治療を受けたいと思う人が受けられない額だったらやはりもったいないじゃないですか。だからこそ民主党は、法案を出して、もう一歩安くすべきではないかと。御存じのように、それによって一年間で大体六〇%の方が完治するという統計もあるんですから、完治できたら後々の医療費もある意味でかからなくなる、そういう面もあるわけですね。

 そこで、与党提出者にお伺いしたいと思います。

 民主党は、参議院で医療費助成法案、緊急措置法案というのを提出しておりまして、今、与野党協議をしておるわけです。この中では、そのようなインターフェロン治療をもっと安くする。そして予算措置だと、例えば来年あるいは七年後以降減らされてしまうかもしれない。やはりそういうのでは非常に弱い。そういうところを法案にきっちりと額も明記する。さらに、肝臓がん、肝硬変の方への医療費助成も、すぐにあしたからとは言わないけれども、きっちりと速やかに検討するということがこの法案には書かれている。そのための協議会をつくるということも書かれている。

 与党も基本法案を出しておられます。今、舛添大臣のお話でも、立法府とも協力してというのがありました。しかし、一度協議をした限りで、幾ら山田筆頭理事が協議をお願いしてもなかなか協議が進んでおりません。先ほど、与党の議員からも、ぜひ今後の一般対策も力を入れていきたいというお話がございましたので、ぜひ、通常国会になるかと思いますが、医療費助成そして与党の基本法案との政策協議も進めていって、やはり一般対策の法案をつくっていくんだ、このようなことについての御見解をお伺いしたいと思います。

福島議員 ただいま山井委員御指摘のように、今回のこの救済法案、今御審議いただいておりますけれども、その早期の成立を図ると同時に、大切なことは、一般的な対策をいかに充実させていくのかということであることは御指摘のとおりであるというふうに思っております。

 そしてまた、与党におきましても、こうした治療の経済的な支援をすることが必要であるということから、与党のプロジェクトチームにおきまして支援策を取りまとめさせていただいた。そしてまた、与党から提出をさせていただいております肝炎対策基本法案の中には、経済的負担の軽減という条文を盛り込ませていただいております。

 額がどうなのか、こういう御指摘は当然あろうかと思います。しかしながら、どの程度の財源を確保できるのかと、財政当局とぎりぎりの交渉を行わせていただいて、具体的なスキームというものを私どもはつくらせていただきました。いろいろな御意見があろうというふうには思っております。しかしながら、そうした御意見につきましては、与野党における協議の場というものが設けられておりますので、その中で引き続き議論をさせていただきたいというふうに思っております。

山井委員 与党も与党なりに御努力されて予算を確保されたことには敬意を表しますが、残念ながら、肝硬変、肝がんも除外されている、B型肝炎に対する給付自体も除外されている。そして、今の一万、三万、五万では高過ぎるという声が患者の方々から出ているわけですよ。やはりそこはぜひとも通常国会で協議を改めて続けて、もちろんある程度の妥協は必要かもしれませんが、やはり医療費助成あるいは基本法案も成立させたい、そういうふうな御決意をお聞かせ願うことはできませんか。いかがですか、与党の提出者。

大村議員 今、山井委員から、この肝炎対策に対しての熱意あふれる御質問、御意見をいただきました。

 先ほど福島委員からも答弁ありましたように、今、与野党の協議の場というのが設けられております。もちろん、これは昨年、先月から開かれているわけでございますが、やはり今回の薬害肝炎訴訟問題をまず解決するということに、私ども、全力を挙げさせていただきました。これがようやくこの救済法案という形で、きょう、できたらあす、今週中にもこれが成立をするということになりますれば、あわせまして肝炎の一般対策を、ぜひやはり早急にこれも形としていきたいと思います。

 もちろん、今私ども与党は、予算の編成の中で、二百億円を超える対策を講じさせていただいております。これは一日も早く成立をさせていただいて、我々与党の立場としては、まずこれで本年四月からスタートをさせていきたいというふうに思っておりますが、引き続きこの点について充実をさせていきたいという御趣旨、十分私ども認識をいたしておりますので、引き続き与野党協議の場で、民主党さんの提案のもの、そして私どもの提案している基本法案、あわせて引き続き協議を進めていきたいというふうに思っております。

山井委員 きのう、我が党の小沢代表が原告の方々とお目にかかりまして、その場でも、小沢代表は、何としても医療費助成法案をセットで成立させたい、どうしてもそれを成立させないのであれば、政権をかえてでも成立させたい、そうしないと、本当の意味での肝炎感染者の方々を救うことにはならないということを小沢代表も明言されました。これはやはり本当に命がかかっている問題であります。私たち民主党も、党を挙げて取り組んでまいりたいと思います。

 また同時に、舛添大臣、私、非常に今心配していることがございます。舛添大臣のお力もあって、十七日に七千の医療機関が公表される。四年前に家西議員の力で七千の医療機関を新聞公表したときに、二十万本問い合わせの電話が殺到したそうです。恐らく今回も、十七日、十八日、厚労省の相談ダイヤルはパンクするぐらい問い合わせの電話があるでしょう。そのときにどういうことが起こるか。病院に問い合わせたらカルテがなかった、圧倒的多数の方がカルテがなかったということになるのではないか。そのときに、何だ、先週成立した法律は、一律救済、全員救済といいながら、圧倒的多数の薬害被害者じゃないかと思われる人は対象にならないのか、そういう激しい患者の方々からの非難を、ある意味で与野党超えて受ける可能性が極めて高いと私は思います。

 だからこそ、民主党は、セットで、どうしてもそこが確定できない方に関しては医療費助成をもっときっちりやらないとだめだということを言い続けてきているんですよ。

 大臣にお伺いしたいと思います。

 二〇〇四年に七千の医療機関を公表したときに、原告弁護団は、カルテがどんどん捨てられていっている、だから、今すぐにカルテを捨てないでくれという通知を厚労省から医療機関に出してくれということを再三再四要望したんです。今回の法案でも明らかになるように、カルテがあるないというのが運命の分かれ目なんですよ。本当に人生を変えるぐらい、命のカルテなんですよ。だから、その保存命令を出してくれと言ったわけですけれども、舛添大臣、当時、厚労省はそういう通知を出したんですか、カルテの保存命令を。

舛添国務大臣 平成十六年の十一月十九日付の薬害肝炎訴訟原告団、日本肝臓病患者団体協議会からの要請書に、今の記録の保存を指導することが要請されました。それを受けまして、平成十六年十二月に、この約七千のフィブリノゲン製剤納入先医療機関の名称を公表するに当たりまして、これは十二月一日の文書におきまして、「元患者の方からの問い合わせに対応できるよう、当時のカルテが保管されている場合は当分の間、その保管をお願いいたします。」こういう形で文書で要請をいたしたところであります。

山井委員 にもかかわらず、それ以降捨てられているカルテが実際あるんですよ。やはり、そういうものを出しても、実効性がなかったら意味がないじゃないですか。これは先ほど山田議員からも御質問がありましたが、そういうのを、それ以降捨てた病院が実際あるわけですよ。

 では、捨てた病院というのは、罰則か何かそういうのはあるんですか。今後も、保存しなかったら罰則か何かあるんですか。

舛添国務大臣 今の法体系のもとで、特別に罰則というのはございません。

 しかし、私が就任してからも、昨年の十一月にも、これは本当に、カルテがない場合もきめの細かい対応をしてくださいというようなことも含めまして、医療機関、そして日本医師会に対しても、再三、この件はお願いを申し上げているところであります。

山井委員 お願いをしているだけではやはり弱いということなんです。

 そして、大臣は、就任された当初、草の根を分けてでもこのフィブリノゲンなどの血液製剤を投与された被害者を捜し出すということをおっしゃいました。そして、今回、本当に全員救済というならば、これは消えた年金と同じ議論なんですが、七千の医療機関を公表して、不安があったら電話してくださいよじゃだめなんですよ。カルテを持っているのは病院なんですから。病院が一番よくわかっているんですから、病院が患者さんを調べて連絡するなり、企業と一緒にやるなり、待っていたらだめなわけですよね、これは当然。新聞を見ない人も当然いるわけですから。

 舛添大臣、これは製剤を使用した医療機関から投与した患者さんに早速通知で出しているわけでしょう、連絡するようにということを。

 では、通知を出してから今日までに、何人に連絡が行っているんですか。現状を把握しておられますか、舛添大臣。

舛添国務大臣 今委員が御質問なさった件について、今細かいデータを持ち合わせておりませんので、後ほどまたこれは精査してお答え申し上げたいと思います。

山井委員 それでは、舛添大臣、今の件、精査でき次第、何人に連絡が行ったのかということを理事会に報告してほしいと思いますが、よろしいですか、舛添大臣。

茂木委員長 理事会において協議をさせていただきます。

山井委員 大臣にまず答弁を聞いた上で、理事会で。

舛添国務大臣 きちんと調査をしてまいりたいと思います。

茂木委員長 山井君、議事の方は私で整理しますから。

山井委員 はい。

 このことを理事会で協議していただきたいと思います。

 十七日に新聞公表されて、多くの方から連絡が行く。しかし、ほとんどカルテは残っていない。法律はできたけれども、ほとんどの人がこの法案の対象外である。そして、先ほど言ったように、では、圧倒的多数の三百五十万人を対象とする医療費助成法案、民主党が提出したけれども、与党と協議するといっても、与党はまだ残念ながら応じてもらえなくて、成立のめども立っていない。やはりこれでは、私は、国会としての責任を果たしたということにならないと思うんですね。

 もっと言えば、この間、一律救済、全員救済という報道も高まっているわけですから、一歩間違うと、十七日に医療機関が公表される、公表されてからだったらもたないから、公表される前に、カルテのない人は対象外の法案をすっと通しておこうというように、与野党超えてこれは思われかねないんですよ。だからこそ、セットで医療費の助成法案をこれは成立させないとだめなんですよ。

 舛添大臣にもう一つ要望したいと思います。

 そのカルテが残っているところがかなり少ないんじゃないかということで、四年前に調査をされたようですが、もう一度改めて七千の医療機関、公表すると同時に、カルテは残っているのかどうか。今までも調べたと思うけれども、カルテがないと言われた病院に実際患者さんが行って見つかったケースとか、患者さんが行って門前払いに遭ったけれども、弁護士さんが一緒に行ったらカルテが見つかったというケースがいっぱいあるんですよ。先ほど山田議員もおっしゃったように、病院だけに負担をかけるのもなんですから、やはりそういうことにかかる労力に関しては、病院に対して、人件費もかかるからお金を払うとか、そういうこともセットで必要だと思います。

 もう一度カルテの実態調査をすべきじゃないかと思いますが、大臣、いかがですか。

舛添国務大臣 カルテは、平成十六年、フィブリノゲン製剤納入先医療機関に対して調査をしましたら、七%が持っている。それから、三菱ウェルファーマ社が平成十三年にアンケート調査を行ったら、カルテの保管期間が二十年を超えていると回答された医療機関も、これも七・七%でしかありませんでした。

 そして今、このカルテをどれぐらい持っているかということは、昨年の十一月に私が指示を出しまして、調査をさせているところでございます。

山井委員 その調査結果はいつ出るんですか。

舛添国務大臣 ただいま医療機関からの回答が、昨年十一月に出しましたので、戻ってきているところでございまして、今、集計中でございます。わかり次第、またこれはお知らせしたいと思います。

山井委員 ですから、私は、今回申し上げたいことは二点なんです。

 繰り返しになりますが、今回の法案は、三百五十万人のC型ウイルス感染者の三千五百分の一、米粒ぐらいのごく一部の方が対象でしかあり得ない。その意味では、原告の方々も、これからが、新たな医療費助成のための取り組みをしたいということをおっしゃっておられます。原告の方々も、そもそも御自分たちの医療費の助成だけじゃなくて、だれかが訴訟をしないと、比較的裁判で立証しやすい薬害で訴訟することによって、三百五十万人の感染者の方々の治療費助成が実現できるのではないか、そんな思いでやってこられていたわけですから、原告の方々にとっても、今回の法案だけではやはりそれは満足できるものでないわけです。この点に関しては、山口原告も先ほどおっしゃったとおりであります。ですから、この医療費助成法案の成立をセットで何としても通常国会でやらねばならない。

 それともう一つは、圧倒的多数の方は、カルテがないといってまた切り捨てられてしまうわけです。法案からも切り捨てられる、カルテがないということでも切り捨てられる。そういう意味では、今回の法案が、一歩間違えば、千人の方の幕引きで終わってはならないと思います。

 舛添大臣、これは通告していますが、もしカルテが一〇〇%あったとしたら、予算規模は幾らになるんですか、今回の法案。先ほど七%とおっしゃいましたが。

舛添国務大臣 メーカー推計によりますと、推定投与者数が二十八万人、これは委員御承知のとおりで、そのうち、推定肝炎発生数が一万人ということでございまして、したがいまして、一万人に対して一人当たり平均二千万円の給付金を支給すると仮定して機械的に計算しますと、給付金の総額は二千億円となります。

山井委員 今回の法案の予算規模が二百億円であります。しかし、本来、カルテが残っていたら、二千億円ぐらいで救済しないとだめだ。ということは、時間をかけてずるずるずるずるカルテがなくなるまで長引かせたことによって、非常に失礼な言い方をすれば、千八百億円分、国は何もせずに財政的に助かるような、こんなばかな話になってしまうんですね。本来、それぐらいの費用は肝炎の感染者にかけて当然じゃないですか。カルテがあったとしたら二千億、救済しないとだめなんですから。それを、インターフェロン治療二百億円ぐらいで、財政的に問題があると。本来、カルテがあったら、二千億円はかけていないとだめなんですよ。

 改めて最後に舛添大臣に、先ほど与党の提出者の方にもお伺いしましたので、ぜひとも立法府と協力して、この医療費助成、今の予算案だけじゃなくてしっかりとした法案というものをつくっていくべきだと私は、そして民主党は強く思っておりますが、舛添大臣の決意をお伺いします。

茂木委員長 舛添大臣、持ち時間が経過しておりますので、簡潔にお願いいたします。

舛添国務大臣 これは、立法府でぜひ与野党の間で合意をなされて、そういう法案がきちんとまとまることを期待しております。

 しかし、その法案の成否とは別に、平成二十年度予算案におきましては、先ほど申し上げましたように、インターフェロン治療百二十九億円、そして、そのほかやはり新しい治療法の研究とかいろいろなこともやらないといけませんので、二百七億円を計上しております。そして、与党の案として、これは政府・与党、千八百億円を七年間でこれにかけようということも思っております。

 そして、この厳しい財政状況でありますから、きちんと国民の皆様方に御説明をして、そして納得をいただいて予算を執行し、先ほど来申し上げていますように、まだまだこの今審議している法案は初めの一歩ですから、今後、いろいろな課題に前向きに全力を挙げて取り組んでいきたいということをお誓い申し上げます。

山井委員 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。

茂木委員長 次に、高橋千鶴子君。

高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 先ほど来の議論やあるいは参考人の皆さんの発言を聞いておりますと、この救済法案だけでは本当に不十分なんだ、救済される範囲が余りにも限定されるんだということを改めて指摘せざるを得ません。しかし、私は、ともかく薬害C型肝炎原告団の皆さんには治療と回復のために一日も早く専念をしてもらいたい、そういうふうに思うんです。

 昨年、大阪高裁の和解を拒否したときに、本来ならば、もう裁判どころじゃない体調である、すぐにでも治療を再開したい、そうおっしゃった原告の皆さんがそれでも闘い続ける。それはやはり、自分と同じ苦しみをほかの方たちに、自分たちが和解を受け入れることで線引きをしたくないという思いから頑張り続けてこられたわけです。だからこそ、私は、この裁判の結果として、国が本当であればやっていただきたかったけれども、一日も早くとにかく成案をするべきだ、このように思っています。

 同時に、本法案で救済できない方をどうするのか。これに対しては、やはり政治の責任ではないか、急いで恒久対策を、成案をするべきだ、このこともあわせて訴えたいと思うんです。

 まず、そのかぎとなる政府の態度ですけれども、この法案を受けて、前文の中には、「感染被害者及びその遺族の方々に心からおわびすべきである。」という指摘がございます。

 大臣は先ほど、大村委員の質問に対して、しかるべきという形でおっしゃっておりましたけれども、ここが公式にきちんと残るような形で、例えば談話ですとか、表明されるのが当然必要であるわけですけれども、もう少し具体的に、どのような形で表明するのか、またその謝罪の範囲についてどう考えているのか伺います。

舛添国務大臣 繰り返しになりますけれども、法案が成立しました暁には、この前文にありますように、フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第9因子製剤による感染被害者の方々に甚大な被害が生じ、その被害の拡大を防止できなかったことについて率直に国の責任を認め、感染被害者とその遺族の皆様に心からおわびを申し上げたいと考えております。

 その上で、これは十五日に基本合意書が交わされる予定でございますので、そのときに、政府として、これは総理とも御相談の上、どういう形できちんと形にするかということを検討した上で、今の、本当に心から率直に責任を認めておわびする、その気持ちがきちんと体現できるような形で厚生労働大臣として努力をしてまいりたいと思います。

高橋委員 先ほどお願いをしたように、しっかりと形に残り、次につながる形で表明をされること、総理が表明されるということですよね、そのことを確認していきたいと思います。

 次に、製薬メーカーの責任の問題、これにも若干、前文では触れているわけですけれども、改めて原告団の皆さんはメーカーの責任を求めている、謝罪もなかったという指摘があるわけです。その点を、国がどのようなイニシアチブを発揮していくかということを伺いたいと思うんです。

 特に、それが一つの試金石となる出資の問題についてですけれども、大臣が協議し、合意の上、あらかじめ基準を設けるとあります。これは、メーカーが、例えば裁判によっていろいろ時期が分かれていた、そこにこだわって、どうするかということなどもあるわけです。ですから、この点では、メーカーに対してもきちんと物を言っていくという大臣の決意が求められます。いかがでしょうか。

舛添国務大臣 今委員がおっしゃった、これは第十六条で、厚生労働大臣がメーカーときちんと協議をするということであります。

 それで、法案の前文の一ページ目ですけれども、その真ん中あたりにこういうふうに明確に書いてあります。「もとより、医薬品を供給する企業には、製品の安全性の確保等について最善の努力を尽くす責任があり、本件においては、そのような企業の責任が問われるものである。」

 私はこの記述に尽くされているというふうに思いますので、製薬企業としても、本法案が成立した際には、このような立法府の意思をきちんと踏まえた上で、給付金の支給に関しては応分の負担を行うべきであると考えておりまして、私は、全力を挙げて企業に対してそのことを要請してまいりたいと思います。

高橋委員 わかりました。よろしくお願いいたします。

 そこで、先ほど来、カルテがない方たちのお話が出ているわけですけれども、私も先般、地元弘前の女性から相談を受けました。この方は、一九七五年に子宮筋腫をされたときに出血をした記憶がある、しかも、血清肝炎で直後に四カ月入院をしております。ところが、三十年たった昨年の二月、初めてC型肝炎と言われました。ですから、その間は検査をしても特に症状がなかったわけですね。

 私は、まず、七千の医療機関の中に入っている病院であることを確認しました。しかし、カルテがないということがはっきりしております。四百十八名のリストの中には、手術の日などを照らし合わせていきますと、残念ながら入っておりません。ですから、なかなか手がかりがなかったわけです。でも、病院に一度行って、もう一度詳しく調べていただいたけれども、証拠はなかった。

 この方の最大の望みは、何よりもはっきりさせたい、投与の事実があったのかどうかということをはっきりさせたいということなんですね。ですから、その気持ちにどうこたえていくかということが一つあります。

 それから、今言ったように、三十年かかっている方が実際にたくさんいらっしゃるということを受けとめると、十年で症状が変化したときというのが非常に不十分ではないかということをどうするかという問題が突きつけられているなと思うんですね。この点にどうこたえていくかということが実は非常に注目をされているんです。まず、お答えがあったら伺いたいと思います。

高橋政府参考人 お答え申し上げます。

 カルテとか、カルテのみならず出産の記録とか、いろいろな記録をとにかくいろいろ当たっていただきたいということは、先ほど大臣から申し上げているとおり、昨年の暮れにも七千の医療機関に対してお願いをいたしているところでございます。

 そういったもので、とにかく徹底的にいろいろ調べていただくということしか、昔の手がかりを探す手段というのはないのではないかというふうに現在のところは考えております。

高橋委員 ちょっと余りにも心もとない発言だったので……。

 今、手がかりを探すしかすべがないというお話だったんですけれども、病院が、最初御本人が訴えたときはほとんど対応していただけなかった。だけれども、こうして全国的にも問題になっている中で、もう一度調べてもらったけれども、やはりなかった。今、そういう問題がどんどん起こってくるわけですよね、メールもたくさん来ています。

 そのときに、第一義的には裁判所が見るんですよということがあると。皆さんは、手がかりをやれと。では、それだけでいいのかということなんですよ。こういう場合がございますということをもっと国としてアピールしていく必要があるのではないかということが言いたいんです。

 それで、その答えをもらう前に一つ関連して言いますけれども、十一月の末に大手の新聞各紙に、新聞全面の半分くらいを使って、「C型肝炎ウイルス検査の受診をおすすめしています。」という広告を載せましたよね。これは大変、私は衝撃的でありました。

 「検査受診の呼びかけの対象者」ということで、「フィブリノゲン製剤の投与を受けた方には、以下のような場合があります。」ということで、妊娠中または出産時に大量の出血があった、これが今一番注目されているので、みんなそうだと思っているわけですけれども、大量に出血するような手術を受けた、食道静脈瘤の破裂、消化器系疾患、外傷などにより大量の出血があった云々ということで書いてある。あるいは輸血の部分もかなり詳しく書いてありますよね、九二年以前に輸血をされた方、大きな手術を受けてきた方、長期に血液透析を受けている方、ボディーピアスを施している方云々も含めてですね。

 そうすると、今までは自分は関係ないと思っていた方も、あっと思うわけですよね、自分もそうだったのかもしれないと。つい先日もそういう相談を受けました、男性の方から。実は、出産などが非常にクローズアップされているものですから、自分のことだと思っていない方がたくさんいらっしゃる。それで、相談が殺到するはずですよね。そのときに何と答えるんですか。ただ手がかりを探してくださいって、それではだめなわけですよ。ここまで言った以上は、可能性があると言った以上は、可能性がある人が手がかりを見つけるためにはこんな手段があります、こんな手段がありますということをアピールしなければいけません。どうしますか。

茂木委員長 高橋局長、手を挙げたからにはしっかり答えてください。

高橋政府参考人 昨年の十一月の新聞の半面の広告では、そういったフィブリノゲン製剤の投与以外の事例として、大きな手術とか血液凝固因子製剤の投与とか、そういったものをいろいろ挙げております。

 ですから、先ほど申し上げましたように、手がかりを探すということもございますし、ほかにももちろん、いろいろな手がかり、書類だけではなくて、その当時の病院の状況や何かの証言とかいろいろなものがあるわけですから、そういった状況を総合的に、例えば、もし仮にフィブリノゲン製剤の投与であれば、そういったものを裁判の中でも総合的に勘案するということではないかというふうに考えます。

高橋委員 それは先ほど法務省の方から答弁がございました。私が言っているのは、厚労省としても積極的にアピールしていくかということです。

高橋政府参考人 いろいろなケースがあろうかと思います。そのケースの累積を見ながら、少し考えたいと思います。

高橋委員 では、あと残された時間で大臣に質問したいと思います。今のやりとりで、ちょっと大臣の思いもあったら追加をしていただきたいと思うんです。

 私が大臣にかねがねお話ししたいなと思っているのは、先ほど来何度も繰り返しされている医療費助成のあり方の問題なんですね。貧しい人には助成をする、この発言はやめた方がよろしいのではないかと私は思います。

 きょうの参考人の皆さん、四人いらっしゃいましたけれども、本来ならば血液製剤を受けて対象となるはずなのに、今言ったように、カルテがなく原告になれない方がいらっしゃいます。それから、同じ血液製剤を投与された、使用したのに、あなたは先天性だからそもそも必要なんだということで除外をされる方たち、あるいはB型肝炎の皆さん、この方たちは、最高裁で勝利をして国の責任がはっきりしたにもかかわらずいまだに謝罪もされていないし、あるいは治療という点でもインターフェロンでは効果が少ないということが言われているわけですね。本来、国によって救済されるべき人たちなんです。そういう人たちを本来ならばどこかでもっと救済することを考えたら、貧しい人だけよとか、所得があるんだったらと、そういう仕切りではないだろう。

 もっと言えば、自己負担によって、先ほど五万円という話もありましたけれども、生活が苦しくなる、仮に一定の所得があったとしても生活はそれによって当然影響を受けるし、あるいはインターフェロンの治療をずっと続けることによって仕事が制限されたり、副作用によって仕事をやめざるを得ない。山口さんの場合もそうでありました。そういう全体的なことを十分に考慮すべきではないかと思います。いかがですか。

舛添国務大臣 私が貧しい方にもと申し上げたのは、実は、患者の皆さん、原告の皆さんと直接、また例えばお書きになったものを読ませていただいたりしたときに、本当は受けたかったんだけれども、非常に生計のこと、生活のことを考えると断念したんですという方が何人もおられましたので、そういう方がないようにという思いで申し上げたのでございますので、誤解があればぜひお解きいただきたいと思います。

 そして、もう一つの問題は、どうしても財源のことを、これは最終的には国民の皆さん方の税金でございますので、それをどういう形で使うかということで、ここのまた配慮もないといけないものですから、そういうことを十分考えた上で、今回のような与党のPTの皆さん方の案に基づいた形で予算措置をとらせていただきました。

 しかし、もとより、今委員がおっしゃったように、B型肝炎の方その他、先天性の方、いろいろな問題がありますので、これは初めの一歩ですから、今後とも引き続き、こういう問題についてもきちんと対応してまいりたいと思います。

高橋委員 これからやられるであろう定期協議ですとかそういう場に、B型肝炎の皆さんや当事者の皆さんの意見を聞く場を設けるなどして、恒久対策に向けてしっかりやっていただきたい、このことを要望して、終わります。

茂木委員長 次に、阿部知子君。

阿部(知)委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 今回の立法については、今、舛添大臣、初めの一歩とおっしゃいましたので、極めて限定的、そしてカバーできない部分が多いという認識はおありなものとして、私の質問を始めさせていただきます。この法案自身、限定的であれ何であれ、この法案自身が持つ問題も私はまだあると思いますので、その点から幾つかお尋ねをいたします。

 まず、この法案では、先ほども参考人にお伺いいたしましたが、C型肝炎のキャリア、そして肝硬変、その間に慢性肝炎がございますが、各段階に応じて、いわゆる補償される給付金が違ってまいります。キャリアの段階から次の慢性肝炎に移行するまでが十年という期間内でなければ、例えばキャリアから慢性肝炎になっても差額の給付がないというふうに、これは私は読み解くわけです。しかし、恐らく福島さんが御答弁くださるものかと思いますが、あるいは大村さんでしょうか、肝炎の経過を見ますと、十年から三十年で慢性肝炎あるいはそこから肝硬変となっていきますので、なぜここを十年というふうに決められたのか、逆に患者さんの一部を限定しちゃうことになるのではないかと不安ですが、一点目はこれをお願いいたします。

福島議員 お答えさせていただきます。

 本法案は、C型肝炎訴訟について、感染被害者の方々の早期一律救済の要請にこたえるべく、その解決を図ろうとするものであることから、本件訴訟の原告団の方々と十分協議の上、追加給付金につきましては、給付金の支給を受けた後十年以内に症状が悪化した場合に支給することで合意をいたしました。そういう協議が前提になっているということでございます。

 しかしながら、先生御指摘のように、本当に十年でいいんだろうか、こういう話は当然医学的にあるというふうに私ども思っておりますから、ですから、附則におきまして、この法律の施行後における給付金及び追加給付金の支給の請求の状況を勘案して、必要に応じ検討が加えられるものとしておりまして、今後の経過を見ながら適宜、これについては検討を加えたい、そのように考えております。

阿部(知)委員 今の御答弁にもございましたように、医学的に知られている知見と異なりますし、それから、先ほどのB型肝炎の訴訟の患者さんの例でもそうですが、子供のころ受けて二十年以上たって、いわゆる慢性肝炎になるわけですから、ここはやはり本当に狭めることなくきちんと門戸を広くしていただきたいと思います。

 もう一点、同じ問題がございます。これは、この法律が成立後五年間の請求期限ということになってございます。しかしながら、この五年ということも、果たして、五年間で周知徹底して、その可能性のある患者さんが実際の請求にたどり着くかどうかというと、これもまた大きな不安が残されております。

 ここで二点伺いたいと思うのですが、平成十六年に医療機関の公表があって、その後、果たしてどのくらいの患者さんがそこにアクセスして御自身が肝炎であるということをお知りになったか、その実績はいかにということを厚生労働省に。

 そして、先ほどの高畠さんのお話でも、肝炎の検診状況というのは非常にまだまだ悪いわけです。法案の提案者に伺いますが、この五年という期限で、患者さんにとって、あるいは自分が患者であるということを自覚していない方にとって十分なのかどうか、この点もお願いいたします。前半は厚労省、後半は提案者にお願いします。

高橋政府参考人 昨年十二月に、七千の医療機関に対しまして、三年前からの実績などについての調査依頼をいたしております。ただ、昨年十二月に依頼したときには、その間に何人ぐらいの方が病院に来られているかについての調査は、実はまだ調査項目に入っておりません。

福島議員 これは、先ほどの附則にも、給付金等の請求期限ということで、その請求状況を勘案して検討を加えるということになっております。

 ただ、いたずらにここのところを長くしますと、いつまでも請求が行われない、こういうことがあってはいけないわけで、できるだけ早く政府もしっかりと周知をさせていただいて、請求していただくことが肝要だと思っております。

阿部(知)委員 さはさりながら、今の福島委員の御答弁はよく理解しますが、厚労省は、例えば何人受診したかも把握していない。こんな行政の実態で、五年という期限、早急でなくてはいけないのはわかるが、その思いと厚生労働行政と全く乖離しているのが私は今回の特徴なんだと思うんです。議員立法の皆さんは御尽力された。しかし、厚生労働省を挙げてそのような体制になっていくだろうか、大きな疑念と不安が私は生じます。

 舛添大臣にお願いがございますが、実は、かつて平成十三年、クリスマシン投与等で、いわゆるエイズの治療以外でC型肝炎になられた患者さんの実態調査というのを厚生労働省は研究班でおやりになったことがあるんです。研究班でやると何が違うかというと、医師が関与して、患者さんにきちんと情報を伝えて、フォローアップができるわけです。

 一体、何人が検診を受診されたかわからない、今もってわからない。五年という期限だけはつけられた。では、その溝を埋めていくものは何か。厚生労働省自身が平成十三年におやりになったこの方式、いわゆる医療機関のチームをつくって、そこで情報を集約してきちんと患者さんにフィードバックして、不安を抱えた人にもフォローアップ体制がありますよということがなければ、私は、山田委員が御質疑でしたが、裁判所に丸投げして患者さんの状況が本当に把握されるとは思っていません。この五年という期限、極めて急速に過ぎると思います。

 各医療機関にお願いするに当たって、どういう体制で、まあ、公表はされるんでしょう、でも、公表したらやりっ放しでは困るんです。そこについてもうちょっと、一回り知恵を働かせていただく。私は、平成十三年の厚生労働省の研究班のあり方というのは一つの知恵だと思います。大臣にはこれから早急に検討いただきたいが、いかがでしょうか。

舛添国務大臣 今委員がおっしゃいました平成十三年のチームのことも参考にいたしまして、五年以内に実効性が上がるように、この法案が成立した暁には直ちに着手をしてまいりたいと思います。

阿部(知)委員 必ずお願いしたいと思います。

 そして、もう一点大きな疑念は、この法律が後天性の疾患に限るというふうな枠立てをしておりますことから、先天性の無フィブリノゲン血症あるいは薬害エイズの皆さんも、先ほどの参考人のお話でもございましたが、非常にじくじたる思いを抱かれています。

 さて、この間、同じように血液製剤でも、免疫グロブリンからもC型肝炎ウイルスが検出された。感染性については今後のいろいろな調査によるんでしょうが、今回のフィブリノゲンと第9因子だけではカバーし切れない血液製剤の問題がそこにあり得ると思います。このことも早急に、私は、この法律だけでは本当にあすから足りないかもしれない、あすからまた訴訟かもしれないと疑念、懸念をするわけです。

 厚生労働省の担当の方に、明確に、これをどうしていくのか、今どの段階にあるのか、御答弁願います。

高橋政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の報道につきましては、北里大学長井名誉教授に確認したところ、免疫グロブリン製剤中から肝炎ウイルスの遺伝子断片を検出したとのことでございます。ただ、免疫グロブリン製剤の中にウイルスの遺伝子断片が存在することは一九九四年に米国のFDAが報告をいたしておりまして、それらの製剤を用いた動物実験で、製剤中にウイルス遺伝子断片が含まれていても感染力がないことは確認をされております。

 さらに、国内外の文献上、通常の免疫グロブリン製剤につきましてC型肝炎ウイルス感染を起こしたとの報告は、私どもの知る限りでは承知をいたしておりません。なお、免疫グロブリン製剤を含みます血漿分画製剤につきましては、現在、製薬企業に肝炎症例の報告について調査を行わせているところでございます。

阿部(知)委員 動物実験と人間との違いというものも、厚生労働省であれば御存じだと思います。やはり、現実にフォローアップする。その投与された個人の免疫力によってもウイルスは活性化されるかもしれません。そこは、安全性の幅を広くとり薬事行政というのは行われねばならないものですから、その点もきっちりと含みおいていただいて、現在、厚労省としては、各薬剤メーカーに追跡調査を依頼しているさなかかと思いますから、その結果の報告も早急にしていただきたいと思います。

 舛添大臣にお伺いいたします。

 私は、この薬害肝炎問題の審議の当初から、厚生労働省内の調査班では極めて限定的であり、そして、なぜこんなに、三百五十万人、B型、C型肝炎が我が国の最大の感染症になったか、その実態の究明というのはおぼつかないということで、何回も何回も同じ質問をいたしました。

 私がお願いしたいのは、前回も例に挙げましたハンセン病の検証会議のような、きちんと第三者委員、例えばそれは弁護士の方も学者の方も入れ込んで、そして、本当になぜ感染が拡大したのか、複合汚染ではございませんが、いろいろな要因があります。特に、これから薬事行政を見直すに際して、そうしたしっかりした検証が行われていないと、薬害として上がってきた情報もみんな厚労省の地下にあるというような状態では、私はさらにまた薬害が起こるだろうと思います、薬は常にもろ刃の剣ですから。

 この検証会議の設置ということについて、もちろんそのお気持ちはおありのことと思います。日程、これは弁護団の方ともお話をされたと思います。その具体的な取り組みについて、大臣の明確な御答弁をお伺いいたします。

舛添国務大臣 これは、原告の皆さん方とこの法案をつくる過程で、立法府の皆さん方がお話しになりましたように、本件事件は、その検証については第三者機関において行うということを定められておりますし、また、原告ら感染被害者と継続的に協議する場を設定するということでございますので、この基本合意案が成案となりまして十五日にきちんと交わされた暁には、早急にこの第三者機関の設立ということを実施に移したいと思います。

 また、その際には、いろいろ委員のお知恵も拝借したいと思います。

阿部(知)委員 検証のあり方がしっかりしないと、その後の治療体制も含めた患者さんの救済策というものも出てこないように私は思いますので、ぜひそこは大臣のリーダーシップで行っていただきたいと思います。

 最後に、きょう、患者さんの団体で高畠さんがお話しでありましたが、今後この議会に課せられた課題は、もちろん早急に今回の原告団の皆さんの要請に沿うと同時に、現在肝炎で苦しんでおられる、あるいは、まだ知らないで、そして重症化させている多くの国民に、何をこたえられるかにあるんだと思います。

 インターフェロン治療の件については与党も民主党も法案をお出しでありますが、さらに、インターフェロン以外にも多くの、例えば肝庇護剤の投与、強力ミノファーゲンCあるいはウルソなどの胆汁を排出させるものの投与も、患者さんのよりよき一日のために極めて有効で、その点についても、患者団体がもっともっと医療助成のあり方を望んでおられると思います。

 大臣には重々御承知おきと思いますが、広く本当の救済がこの国で成り立つように、よろしくお願いしたいと思います。

 終わらせていただきます。

    ―――――――――――――

茂木委員長 この際、谷垣禎一君外十七名提出、特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第9因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法案につきまして、提出者全員より撤回の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

茂木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

茂木委員長 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。

 特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第9因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法案起草の件について議事を進めます。

 本件につきましては、先般来各会派間において御協議をいただき、今般、意見の一致を見ましたので、委員長において草案を作成し、委員各位のお手元に配付いたしております。

 その起草案の趣旨及び内容について、委員長から御説明申し上げます。

 C型肝炎ウイルスが混入したフィブリノゲン製剤等の投与により、多くの方々がC型肝炎に感染するという薬害事件が起き、感染被害者及びその遺族の方々は、長期にわたり、肉体的、精神的苦痛を強いられています。ウイルスに感染し被害に遭われた方々からは、製剤の製造等を行った企業及び国に対して損害賠償を求める訴訟が全国で提起されています。この訴訟については、大阪高等裁判所において和解に向けた努力が続けられていますが、製剤の投与時期に係る国及び製造業者の責任の有無について五つの地方裁判所の判断が異なっているという経緯もあり、投与の時期を問わず被害者の一律救済を求める原告と国との間で合意するには至っておりません。

 しかし、被害者の方々は症状の重篤化に苦しみながら生活を送っていることからも、この問題を早急に解決し、被害者の方々には一日も早く治療に専念していただくことが大切であります。日々、症状の重篤化に対する不安を抱えながら生活を営んでいるという困難な状況に思いをいたすと、人道的観点から、早急に感染被害者の方々を投与の時期を問わず一律に救済するための方策が求められています。

 本案は、被害者の方々の一律救済には司法上も行政上も限界があることから、被害者の方々を血液製剤の投与の時期を問わず一律に救済するため立法措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。

 第一に、政府は、C型肝炎ウイルス感染被害者に甚大な被害が生じ、その被害の拡大を防止し得なかったことについての責任を認め、心からおわびすべきことを明記するとともに、血液製剤の投与の時期を問わず早急に一律救済の要請にこたえるため本法律を制定した旨の前文を設けること。

 第二に、獲得性の傷病に係るフィブリノゲン製剤または血液凝固第9因子製剤の投与によってC型肝炎ウイルスに感染した者等に対して、独立行政法人医薬品医療機器総合機構が感染者の症状に応じた給付金を支給するものとすること。

 第三に、給付金の支給を請求するには、血液製剤の投与によりC型肝炎ウイルスに感染したことを証する確定判決の正本等を提出しなければならないものとすること。

 第四に、給付金の額は、肝硬変や肝がんの患者または死亡した者は四千万円、慢性C型肝炎の患者は二千万円、これら以外の感染者は千二百万円とすること。

 第五に、政府は、機構に対し給付金支給に要する資金を交付するものとすること。フィブリノゲン製剤等の製造業者は、機構からの求めに応じて、あらかじめ合意された負担割合の基準に基づき、拠出金を納付するものとすること。

 第六に、政府は、当該製剤の投与を受けた者の確認を促進し、肝炎ウイルス検査を受けることを勧奨するよう努めるものとすること。

 第七に、政府は、感染被害者が安心して暮らせるよう、肝炎医療の提供体制の整備等必要な措置を講ずるよう努めるものとすること。

 なお、この法律は、公布の日から施行することとしております。

 以上が、本起草案の趣旨及び内容であります。

    ―――――――――――――

 特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第9因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

茂木委員長 この際、本起草案につきまして、衆議院規則第四十八条の二の規定により、内閣の意見を聴取いたします。舛添厚生労働大臣。

舛添国務大臣 特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第9因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法案につきましては、政府としては異議はございません。

茂木委員長 お諮りいたします。

 お手元に配付いたしております草案を特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第9因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法案の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

茂木委員長 起立総員。よって、そのように決しました。

 なお、ただいま委員会提出と決しました法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

茂木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

茂木委員長 この際、大村秀章君外五名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、日本共産党、社会民主党・市民連合及び国民新党・そうぞう・無所属の会の六派共同提案によるウイルス性肝炎問題の全面解決に関する件について決議すべしとの動議が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。山井和則君。

山井委員 私は、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、日本共産党、社会民主党・市民連合及び国民新党・そうぞう・無所属の会を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。

 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。

    ウイルス性肝炎問題の全面解決に関する件(案)

  特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第9因子製剤によるC型肝炎ウイルスの感染という薬害事件は、多くの被害者を生んだが、これ以外の要因によるウイルス性肝炎感染者も多数おり、それらの方々は症状の重篤化に対する不安を抱えながら生活を営んでいる。このような状況を踏まえ、政府は、「特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第9因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法」の施行及び今後の肝炎対策の実施に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。

 一 「投与の事実」、「因果関係」及び「症状」の認否に当たっては、カルテのみを根拠とすることなく、手術記録、投薬指示書等の書面又は医師、看護師、薬剤師等による投与事実の証明又は本人、家族等による記録、証言等も考慮すること。

 二 法律の施行の日から五年に限られている給付金の支給の請求については、施行後における請求状況を勘案し、必要があると認めるときは、その期限の延長を検討すること。

 三 約三百五十万人と推計されているウイルス性肝炎患者・感染者が最良の治療体制と安心して暮らせる環境を確保するため、医療費助成措置等の早期実現を図ること。

 四 先天性の傷病の治療に際して血液製剤を投与されウイルス性肝炎に感染した者への必要な措置について、早急に検討すること。

 五 特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第9因子製剤以外の血液製剤の投与によるウイルス性肝炎の症例報告等を調査し、その結果を踏まえて受診勧奨等必要な措置について、早急に検討すること。

  右決議する。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

茂木委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

茂木委員長 起立総員。よって、そのように決しました。

 この際、舛添厚生労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。舛添厚生労働大臣。

舛添国務大臣 ただいま御決議のありました決議につきましては、その趣旨を十分に尊重し、努力してまいる所存でございます。

茂木委員長 なお、本決議の議長に対する報告及び関係方面への参考送付等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

茂木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十八分散会


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