衆議院

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第4号 平成20年4月4日(金曜日)

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平成二十年四月四日(金曜日)

    午前九時四分開議

 出席委員

   委員長 茂木 敏充君

   理事 大村 秀章君 理事 後藤 茂之君

   理事 田村 憲久君 理事 宮澤 洋一君

   理事 吉野 正芳君 理事 山田 正彦君

   理事 山井 和則君 理事 福島  豊君

      新井 悦二君    井澤 京子君

      井上 信治君    石崎  岳君

      猪口 邦子君    近江屋信広君

      川条 志嘉君    木原 誠二君

      木村 義雄君    櫻田 義孝君

      清水鴻一郎君    杉村 太蔵君

      高鳥 修一君    谷畑  孝君

      とかしきなおみ君    冨岡  勉君

      永岡 桂子君    長崎幸太郎君

      西本 勝子君    萩原 誠司君

      林   潤君    福岡 資麿君

      福田 峰之君    松浪 健太君

      松本  純君    松本 洋平君

      三ッ林隆志君    市村浩一郎君

      内山  晃君    小川 淳也君

      岡本 充功君    菊田真紀子君

      郡  和子君    園田 康博君

      寺田  学君    長妻  昭君

      細川 律夫君    三井 辨雄君

      柚木 道義君    伊藤  渉君

      古屋 範子君    高橋千鶴子君

      阿部 知子君    糸川 正晃君

    …………………………………

   厚生労働大臣       舛添 要一君

   厚生労働副大臣      岸  宏一君

   厚生労働大臣政務官    伊藤  渉君

   厚生労働大臣政務官    松浪 健太君

   政府参考人

   (警察庁刑事局長)    米田  壯君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 三浦  守君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           藤木 完治君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           荒井 和夫君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  外口  崇君

   政府参考人

   (厚生労働省健康局長)  西山 正徳君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局長)            青木  豊君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局長)            太田 俊明君

   政府参考人

   (厚生労働省雇用均等・児童家庭局長)       大谷 泰夫君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局長)           中村 秀一君

   政府参考人

   (厚生労働省老健局長)  阿曽沼慎司君

   政府参考人

   (厚生労働省保険局長)  水田 邦雄君

   政府参考人

   (社会保険庁総務部長)  吉岡荘太郎君

   政府参考人

   (水産庁漁政部長)    佐藤 憲雄君

   厚生労働委員会専門員   榊原 志俊君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月四日

 辞任         補欠選任

  石崎  岳君     猪口 邦子君

  川条 志嘉君     近江屋信広君

  木村 義雄君     福田 峰之君

  西本 勝子君     永岡 桂子君

  萩原 誠司君     とかしきなおみ君

  菊田真紀子君     小川 淳也君

  三井 辨雄君     市村浩一郎君

  柚木 道義君     寺田  学君

同日

 辞任         補欠選任

  猪口 邦子君     石崎  岳君

  近江屋信広君     川条 志嘉君

  とかしきなおみ君   萩原 誠司君

  永岡 桂子君     西本 勝子君

  福田 峰之君     木村 義雄君

  市村浩一郎君     三井 辨雄君

  小川 淳也君     菊田真紀子君

  寺田  学君     柚木 道義君

    ―――――――――――――

四月四日

 安全・安心の医療と看護の実現を求める医療従事者の増員に関する請願(前田雄吉君紹介)(第一〇三九号)

 小規模作業所等成人期障害者施策を求めることに関する請願(前田雄吉君紹介)(第一〇四〇号)

 後期高齢者医療制度の中止・撤回を求めることに関する請願(古川元久君紹介)(第一〇四一号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第一一四七号)

 高齢者に負担増と差別医療を強いる後期高齢者医療制度の中止・撤回を求めることに関する請願(志位和夫君紹介)(第一〇四二号)

 同(古川元久君紹介)(第一〇四三号)

 同(前田雄吉君紹介)(第一〇四四号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第一一四八号)

 同(笠井亮君紹介)(第一一四九号)

 同(穀田恵二君紹介)(第一一五〇号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第一一五一号)

 同(志位和夫君紹介)(第一一五二号)

 同(吉井英勝君紹介)(第一一五三号)

 国の医療に回すお金をふやし、医療の危機打開と患者負担の軽減に関する請願(前田雄吉君紹介)(第一〇四五号)

 パーキンソン病患者のQOL(生活の質)向上に関する請願(後藤斎君紹介)(第一〇四六号)

 同(尾身幸次君紹介)(第一一五四号)

 同(太田誠一君紹介)(第一一五五号)

 同(郡和子君紹介)(第一一五六号)

 地域医療を守り、国立病院の存続・拡充を求めることに関する請願(黄川田徹君紹介)(第一〇四七号)

 同(平野博文君紹介)(第一〇四八号)

 同(前田雄吉君紹介)(第一〇四九号)

 同(柚木道義君紹介)(第一〇五〇号)

 同(大串博志君紹介)(第一一五七号)

 同(黄川田徹君紹介)(第一一五八号)

 同(寺田稔君紹介)(第一一五九号)

 同(古川禎久君紹介)(第一一六〇号)

 同(横光克彦君紹介)(第一一六一号)

 病院内保育所の拡充を求めることに関する請願(菊田真紀子君紹介)(第一〇五一号)

 同(細川律夫君紹介)(第一〇五二号)

 同(寺田稔君紹介)(第一一六二号)

 同(山田正彦君紹介)(第一一六三号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案(内閣提出第二〇号)

 駐留軍関係離職者等臨時措置法及び国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第二一号)


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     ――――◇―――――

茂木委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案及び駐留軍関係離職者等臨時措置法及び国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、政府参考人として警察庁刑事局長米田壯君、法務省大臣官房審議官三浦守君、文部科学省大臣官房審議官藤木完治君、厚生労働省大臣官房審議官荒井和夫君、医政局長外口崇君、健康局長西山正徳君、労働基準局長青木豊君、職業安定局長太田俊明君、雇用均等・児童家庭局長大谷泰夫君、社会・援護局長中村秀一君、老健局長阿曽沼慎司君、保険局長水田邦雄君、社会保険庁総務部長吉岡荘太郎君、水産庁漁政部長佐藤憲雄君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

茂木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

茂木委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。新井悦二君。

新井委員 おはようございます。自由民主党、新井悦二です。

 本日は、発言の機会をいただきまして、本当にありがとうございます。

 それでは、順次、発言通告に従いまして質問をさせていただきます。

 まず、駐留軍関係離職者等臨時措置法及び国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の一部を改正する法律案について質問させていただきます。

 今回の両法律案につきましては、離職者の離職理由が双方ともに諸外国により非常に大きな影響を受けることもあり、今後も恒久的にその諸外国との状況が続くとは限らないわけでありますので、やはり実情に応じたきめ細やかな対策が必要であると思っております。今回の特別措置の延長は、私は合理性があるのではないかと思っております。

 まず、駐留軍離職者法についてお伺いをいたします。

 在日米軍の再編については、平成十八年五月に、再編実施のための日米ロードマップが示され、再編の最終的な取りまとめがなされ、今後、平成二十六年までに、沖縄の八施設及び本土の一施設において、部隊の撤退、縮小及び返還が行われることになり、これらの対象施設に勤務する約六千人の駐留軍等労働者の雇用に影響が及ぶものと思っております。

 本法律制定当初と比べ、駐留軍関係離職者を取り巻く社会経済状況は大きく変化をし、駐留軍等労働者数等は大幅に減少していることなど、改正に当たっては、有効期限の延長にとどまらず、現在の状況に適した特別措置のあり方について検討したのかどうか、また、これまでの特別措置が駐留軍関係離職者の再就職にどの程度貢献したのかについてお伺いをいたします。

太田政府参考人 お答え申し上げます。

 駐留軍関係の離職者等臨時措置法でございますけれども、制定以来、必要に応じまして制度を見直し、現在の形になるまで各種の拡充を図ってきたところでございます。

 今回の法改正の検討に当たりましては、関係審議会においても制度の見直しを行うべきとの特段の意見がなかったことから、施策の内容についての見直しは行わないこととしたところでございます。

 再就職への貢献状況でございますけれども、法制定時の昭和三十三年からの累計でございますけれども、就職指導をしたうちの中で約六万六千人の方が支援期間内に再就職をしているところでございます。

新井委員 次に、漁業離職者法について、続けてお伺いしたいと思います。

 我が国の漁業を取り巻く状況というものは、非常に今厳しい状況にあります。漁獲規制の強化や、日韓漁業協定とか日中漁業協定の枠組みに基づく規制の強化、そしてまたロシア政府による規制の強化など、避けられない状況にあり、我が国の漁業を取りめぐる国際環境は、この法律制定当初よりかなり厳しくなっているわけであります。また、海洋水産資源の過剰利用の影響から、国際協定の締結とは関係なく、資源回復のための漁獲量制限が行われるならば、それに伴い、減船による離職者が発生することも可能性があるわけであります。

 今後、この法律の延長を含めて、有効期限の延長だけではなく、特別措置のあり方と対策についてどのように考えているのか、お伺いいたします。

太田政府参考人 国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法についてでございますけれども、今お話ございましたように、国際環境の変動等を踏まえて、これまでも必要に応じて各種の拡充を図り、現在の形になっているところでございます。

 この法律につきましても、検討をお願いしました関係審議会等におきまして、今回は制度の見直しを行うべきという特段の意見がなかったことから、現時点におきましては、施策の内容についての見直しは行わなかったところでございます。

 ただ、いずれにしましても、お話ございましたように、今後とも、我が国の漁業をめぐる国際環境の変化を十分見きわめて効果的な対策を行うことによりまして、漁業離職者の支援を適切に行っていくことが重要であると考えているところでございます。

新井委員 そうですね。やはり諸外国に非常に大きな影響を受けるものでありますので、ぜひともその時点その時点にしっかりと対応していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 続きまして、戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。

 特別給付金は、戦没者の父母等の精神的苦痛に対する慰藉という位置づけで支給されたわけでありますが、戦没者の父母等に対しては、今後いつまで国として慰藉や特別給付金の支給を継続するのか、またその見通しについてお伺いしたいと思います。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 戦没者の父母等に対する特別給付金制度は、御指摘のとおり、最後に残された子を戦争公務により亡くした父母等の精神的痛苦に対しまして、国として特別の慰藉を行うため、昭和四十二年に制定されたものでございまして、今回、特別給付金の支給対象者は推計で約百二十名と見込まれており、その平均年齢は九十四歳と極めて御高齢になっております。

 特別給付金制度をこれからどうしていくか、今回お認めいただいた後の話でございますが、その取り扱いについては、以上のような状況を勘案し、今回の特別給付金が最終償還を迎える時期に、受給者の実態をよく踏まえまして検討させていただきたいと思いますが、国として慰藉を続けるということは必要なことではないかと考えております。

新井委員 この法律案につきましては、各年金制度を初めとする他の社会保障制度に基づく給付との併給も可能であるということと、そしてまた、先ほども言われましたように、高齢化になっているということで、経済状況というものをしっかりとやはり実態調査して、また今後の対策に役立てていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 続きまして、歯科について少し質問させていただきます。

 虫歯の治療で歯に詰め物やかぶせ物をしますが、使う金属の大半は、保険で適用が認められている金銀パラジウム合金という金属であります。この金属は、金、銀、パラジウムの国際的な市場価格の変動で非常に大きな影響を受けるわけであります。

 御存じのように、保険材料の改定ルールといたしましては、この合金は、二年ごとの診療報酬改定時の材料価格改定と、金、銀、パラジウムの実勢価格がプラスマイナス一〇%以上、六カ月間変動があったときに改定をする随時改定があります。

 しかし、現行の六カ月ごとの随時改定における中医協で定めた計算式では、算出時期が前回改定以降と定められており、価格の変動率がプラスマイナス一〇%以下では改定が行われません。その場合の改定は、一年後または一年六カ月となりますけれども、今、本当に厳しい価格変動に対して適切に対応できていない状況であると私は思っております。

 また、今回のこの四月からの告示価格は、昨年末までの市場価格をもとに決定されたわけであります。本年一月からは、さらなる価格高騰により、現在の価格は既に告示価格を大幅に超える状況となっておりますので、現場の歯科医師は相当な損失の中で診療しているわけであります。

 ぜひとも、今回のような急激な変動に対応するためのルールについて、例えば変動が一〇%ではなく五%とか、また、七%であれば見直しをするとか、こういう見直しの条件についての変更を考えているのかどうか。そしてまた、この市場の価格変動に影響を受けない代用の金属、またはほかの材質のものについて研究開発を積極的に進めているのかどうか、お伺いいたします。

水田政府参考人 保険の関係につきまして、まず私の方からお答えさせていただきたいと思います。

 お尋ねの歯科用貴金属材料につきましては、金、銀、パラジウムといった素材の市場価格の変動を保険償還価格に反映させやすくするために、六カ月ごとに貴金属の市場価格に連動して保険償還価格を変動させる仕組み、これを平成十二年四月に導入したところでございます。具体的には、お話ありましたとおり、六カ月ごとに、変動幅が一〇%を超えた場合に、歯科用貴金属材料の保険償還価格の改定を行うこととなってございます。

 歯科用貴金属の価格が上昇している局面では、逆ざやが生じる時期が続く場合もございますけれども、今この時期なんだと思いますが、このルールでは、時期をずらして、その逆ざや分を補てんする仕組みとなっておりまして、このルールそのものにつきましてはおおむね理解されているものと考えておりますが、御指摘のとおり、貴金属材料の価格には価格が激しく変動するという特性がございますので、この特性を踏まえて、歯科用貴金属材料の償還価格の設定方法につきまして、今後の価格の推移も見据えながら、必要に応じて検討していきたい、このように考えております。

外口政府参考人 市場の価格変動の影響を受けないような代用の金属等の検討でございますけれども、これは、歯科材料の安定的供給の観点から重要であると認識しております。

 しかしながら、現時点では、チタンとかセラミックとかレジン等について、その代替性についての検討も行っておりますが、金銀パラジウム合金と比べると、やはり金銀パラジウム合金の方が臨床性能がすぐれておりまして、代替する歯科材料の臨床応用という観点では、操作性、耐食性、機械的性質などの確保においてまだ課題が残されているところでございます。

 他の材質等につきましては、今後とも、関係学会等の意見も聞きながら、適切な方策について検討してまいりたいと考えております。

新井委員 この金属、金属といいましても保険材料でありますので、ぜひとも実態価格に即したものにしていっていただかないと、安いときに買ったから、高いときに買ったから、そういうものじゃなくて、やはりそのバランスというものがありますので、ぜひともしっかりと対応していただきたいということと、そしてやはり、このパラジウムという金属はレアメタルでありますので、どうしても変動が激しいので、ぜひともそのことを理解していただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 続きまして、下垂体機能障害について質問させていただきます。

 私の知人で、中枢性尿崩症に苦しんでおられる方がおります。昨年六月の委員会でも質問させていただきましたが、そのときは、特定疾患の治療研究事業の対象のあり方は、さまざまな意見を伺いながら、引き続き検討を進めていきたいという答弁を得ました。再度、その件の関連質問をさせていただきます。

 下垂体機能障害は、難病四条件であります希少性、原因不明、効果的な治療方法未確立、生活面への長期にわたる支障という四つを満たしている難病であり、患者さんが苦しんでいるにもかかわらず、十年前に下垂体機能障害の中の三疾患であります先端巨大症、クッシング病、下垂体前葉機能低下症が難治性疾患克服研究事業から外されたと聞いております。患者会では、外された三疾患が再び難治性疾患克服研究事業に戻るように署名活動を初めとした難病指定の活動に今頑張っているわけであります。

 では、まず、なぜ十年前に外されたのか、その理由について。また私は、ぜひともこの難治性疾患克服研究事業の対象として再度認定してはどうかということについて質問をさせていただきます。次に、厚生労働省の特定疾患対策懇談会の開催の見通しと、この合わせて二つを聞きたいと思いますので、お願いします。

西山政府参考人 お答え申し上げます。

 お尋ねの疾患につきましては、十年前、当時ですけれども、疾患を指定せずに下垂体機能障害というような幅広い概念で研究を促進していたものであります。その後、おっしゃるように、平成九年に、障害単位ではなくて疾患単位で研究を行うという方針が出されまして、その際に外れたものと承知しております。

 この疾患については、昨年の三月でございますけれども、特定疾患対策懇談会において、追加について専門家の意見を聴取いたしました。その際には、より研究の必要性が高いとされた進行性骨化性線維異形成症、それから色素性乾皮症が選定されております。

 今後のことでありますけれども、御指摘の疾患を含め現在二十五疾患の要望がございます。次回の具体的な日取りは決まっておりませんけれども、なるべく早期に特定疾患対策懇談会を開催したいというふうに考えております。

茂木委員長 対象から外された理由は何ですかという質問に答えてください。

西山政府参考人 今言葉が足りませんでしたけれども、そのときの懇談会、十年前の資料を見ますと、一つは疾患の原因が判明している度合いとか、治療法の開発状況、それから生活面への支障の大きさなど、ほかの疾患とも比較した上で総合的に勘案して対象疾患から外れたというようなことでございます。

新井委員 この難病指定というのは、二十五だからいいとか幾つだからいいじゃなくて、やはり全体的に困っている人が随分たくさんいるわけでありますので、そういうことも勘案して、私たち、政治はそういう弱者に手を差し伸べるのが政治の仕事だと思っておりますので、ぜひとも前向きにこれは検討していただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 次に、安全で安心なお産ができるために、妊婦健診の公費負担制度についてお伺いいたします。

 近年、産科医師の減少から、出産場所が確保できず、お産難民などという言葉も聞かれ、また、救急車で運ばれた妊婦さんがたらい回しになるなど、まさに少子化日本にとりましては、今ますます深刻な状況になっていると思っております。今、全国で二万七千人の助産師さんが、地域に根差し、母子を支えるための活躍をしております。ぜひとも、今のこの状態を少しでも緩和するためには、産科医師はもとより、助産師さんたちの必要性もやはり大きいものであると考えております。

 国は、妊婦健診の促進を図る目的で、昭和四十四年に、医療機関における妊婦健診を二、三回公費負担するとの通知を出して、国も補助をしてきました。その後、保健対策強化のため法律の一部が改正されてはきましたが、近年、未受診妊婦の増加に伴って、少子化対策の一環で、妊娠中の健診費用の負担の軽減が求められ、平成十九年度地方財政措置で、妊婦健診も含めた少子化対策費からとして総額拡充措置がなされ、かつ妊婦健診の公費負担の望ましいあり方についての厚労省局長通達も出して、妊婦健診の相当回数の増が可能になりました。

 しかし、補助券使用状況を調べたところ、平成十九年の局長通知では最大十四回の補助券を発行する市町村が出て、妊婦さんにとりましては非常に朗報であったわけでありますが、自宅とか助産所で受ける妊婦健診に関しては全く使えない県も多数あり、妊婦さんにとりましては不利益を生じる地域差が出ていると聞いております。

 公費負担の本来の目的というものは、未受診をなくし、母体や胎児の健康増進にあるわけであります。このようなことから、妊婦さんの公費負担について早急に地域差をなくし、全国どこでも、妊婦さんが選択した出産場所で同一のサービスを受けられるようにすべきと思いますが、政府はどのようにこれを考えているのでしょうか。

大谷政府参考人 お答えを申し上げます。

 母子保健法におきまして、市町村が必要に応じて妊婦に対して健康診査を行い、または健康診査を受けることを勧奨するというふうにされておりまして、公費助成等の取り組みは、各地域の実情に応じて現在実施されているところというふうに認識しております。

 今御指摘のありましたように、一部の自治体におきまして、助産所を公費助成の対象機関から除外しているといった例もあったわけでありまして、厚生労働省といたしましては、昨年六月に、妊婦健診の公費助成の取り扱いにつきまして、助産所も対象となるということを明確にするために自治体に通知し、地域の医療資源の有効活用を促しているところであります。

 こうした取り組みなどを通じまして、国とそれから自治体と連携を図りながら、各地域でひとしくこういった取り組みを受けられるように、引き続き、適切な妊婦健診の受診の推進を図るよう努めてまいりたいと考えております。

茂木委員長 自宅の方は。

大谷政府参考人 それにつきましても、これは医療機関とそれから助産所との連携の中で行うべきものでありまして、それについても全国で同じように取り扱われるように、それは進めてまいりたいと思います。

新井委員 ぜひとも、この問題は早急に対応していかなきゃならない問題でありますので、これはしっかりと対応していただくということと、地域の差があってはならないと思いますので、ぜひともその地域の差をできるだけ少なくしていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 次に、保育所について三点ほど質問させていただきます。

 女性の社会進出に伴って保育所の利用者数は年々増加し、平成十年度から定員の弾力化が認められましたが、来年度から新たな入所定員の見直しがあるとのことですが、運営面で不安があると聞いております。

 まず一点目といたしましては、現行制度の見直しは本当に必要なのか。また、運営費が確保できる基準を構築できるのかどうか。

 そしてまた二つ目といたしましては、保育所を利用する子供たちは、集団生活ができる子供とできない子供、難しい子供が一緒に生活しているわけであります。難しい子供というのは、軽度の発達障害、見た目にはほとんど普通の子と変わらないんですけれども、生活や学習面で落ちつきがなく、いすに座っていられない、また友達との人間関係では強いこだわりやパニックを起こすことも多く、上手に集団に溶け込むことができない、そういう場合が多いそうであります。すべての子供たちを安全で健やかに成長させるために、個々の対応ができる相談機関との連携や、より行き届いた保育のための補助教員等の制度創設や導入ができないものかどうか。

 そして三つ目といたしましては、就学前の幼児を預かる保育所では、発達を促すための看護師と栄養士の配置は不可欠であります。看護師は、病児、病後児の看護、けが、感染症の対策や、在宅家庭の支援である子育て支援センター、保健相談業務であります。そして栄養士は、離乳食の提供、アトピー等のアレルギーを持つ子供たちの食事献立の作成や食事に関する指導、栄養相談であります。今、保育所に求められているものは、個々の発達に対応できる子育ての情報を提供することであり、各分野での専門性を保護者に伝えることが最善の子育ての支援につながると思っております。

 そこで、保育所に看護師さん、栄養士さんの配置や、保育所で現在の先生方が希望するならば、専門分野での資格を新たに取得できるような国の支援が必要ではないかと思いますけれども、この三点についてお伺いいたします。

大谷政府参考人 三点についてお答えを申し上げます。

 まず一つ目の、保育所における定員の弾力化について、来年度から行われるわけでありますが、その見直しについての考え方であります。

 本年三月末に閣議決定されました規制改革推進のための三カ年計画におきまして、平成二十年度中に、保育所における定員の弾力化の状況を考慮しつつ、定員超過率の設定の見直しについて検討し、平成二十一年度より措置するというふうにされたところであります。

 そもそも、保育所の保育の実施につきまして、定員の範囲内で行うということが原則ではありますけれども、年度途中入所の円滑化や、待機児童の解消のための特例措置として定員の弾力化を認めるところであります。

 一方、三年間、常に定員を超えているといった定員超過が恒常的にわたる場合には、これは定員の見直しを行うべきであるというふうに考えているわけであります。しかしながら、定員によっては、定員が増加して保育単価が下がってしまうという指摘もあることは承知しております。

 こうした事情を踏まえまして、定員の弾力化を見直す場合には、保育所が定員をふやすことへの意欲、取り組みを阻害することのないような方向についてもあわせて今後検討していきたいというふうに考えます。

 それから二つ目の、特にこれは軽度発達障害児のことを中心とした、すべてのお子さんが保育所で安全で健やかに成長できるようにということでありますけれども、障害をお持ちのお子さんについて、保育所での集団保育が可能であれば、他の健常な子供との生活を通してともに成長できるよう、ともに保育することが望ましいというふうに考えております。

 このような考え方のもと、重度、中度の障害児を対象に保育士を加配するための費用を地方交付税により財政措置したところでありまして、平成十九年度よりその対象を軽度の障害児にも拡大し、事業の充実を図ったところであります。

 また、保育所における保育の内容を定めました保育所保育指針におきまして、障害のあるお子さんの保育については、職員の連携体制の中で個別のかかわりを十分とるとともに、必要に応じて専門機関からの助言を受けるなど、適切に連携などの対応をするというふうにしているところであります。

 こういったことを踏まえまして、保育の実施の責任を有する市町村において、地域の実情に応じて障害のあるお子さんの保育が適切に行われるよう、今後とも周知徹底していきたいというふうに考えます。

 それから三点目の、保育所に看護師、栄養士の配置や、それから、保育士が希望すれば専門分野の資格を新たに取得できるような支援ということであります。

 これにつきましては、保育所におけるお子さんの健康及び安全の確保を図るために、保育所に配置されております看護師や栄養士の専門性を活用するということは重要であると考えております。

 本年三月末に策定しました保育所における質の向上のためのアクションプログラムというものにおきましても、国は、体調不良の子供の対応など、健康面における対策の充実を図るために、看護師等の専門的職員の確保に努めるというふうにしているところでございます。

 また、保健や健康、また食育など、保育士に必要とされる専門的な知識、技術を高めていくための機会につきましても、先ほど申しましたアクションプログラムにおきまして、保育士の専門性を高めるための方策について検討するというふうにしておりまして、国としても、研修の機会の確保などに努めていきたいというふうに考えております。

新井委員 時間がもう余りありませんので最後にさせていただきますけれども、在宅生活支援について最後に質問させていただきます。

 国は、在宅生活支援、在宅復帰支援のための訪問看護、訪問介護ステーション等の整備に力を入れて、法律などを充実するように頑張ってきたことは非常によいと思っております。看護、介護の部分では充実をしておりますが、他方、在宅で最も必要とされている身体機能維持改善リハビリテーションでは、十分に患者さん、利用者、家族の皆様の要望にこたえられていないと思っております。往診、看護、介護プラス在宅リハビリテーションがあってこそ、ADLの維持、改善やQOLの向上、また家族の満足を含めての在宅生活の充実につながると思っております。

 そこで、訪問介護ステーションのようなリハ版の訪問リハステーションの体制はつくれないのかどうか。このことは、やはり医療費とか介護費の抑制の観点からも望ましく、病院、施設からの在宅への流れを加速するのではないかと思っておりますので、国は今後どのように考えていくのか、最後に御質問させていただきます。お願いします。

茂木委員長 阿曽沼老健局長、持ち時間が経過しておりますので、簡潔にお願いします。

阿曽沼政府参考人 お答え申し上げます。

 介護保険では、御指摘のように訪問リハビリテーション事業を実施しておりますし、また一方で、訪問看護事業の中でも理学療法士が患者さんのお宅に訪問するということもやっております。

 今御指摘のように、在宅のリハビリテーションというのは大変重要だと私ども認識しておりまして、今後、心身の機能の回復を図り、また、高齢者の在宅生活、在宅復帰を支えるという観点から、訪問によるリハビリテーションをより一層充実させるようにいろいろな方策を考えていきたいというふうに考えております。

新井委員 ありがとうございました。

 これで質問を終わらせていただきます。

茂木委員長 次に、冨岡勉君。

冨岡委員 おはようございます。冨岡でございます。

 きょうは、まず初めに、国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の一部を改正する法律案について質問をしたいと思います。

 この法案は、いろいろありますけれども、実際、この法案、できてから何回か延長しているんですけれども、前回延長したのはいつで、その後、この制度を利用して何人ぐらいの人数が推移したかということをまず最初にちょっと確認をしたいので、それをお答え願えますでしょうか。

太田政府参考人 お答え申し上げます。

 国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法でございますけれども、今まで六回延長されておりますけれども、前回、平成十五年に延長されたところでございます。

 平成十五年延長以来の制度を利用した人数でございますけれども、平成十五年度末におきまして七十九名おりましたが、十六年度末以降はゼロということで推移しているところでございます。

冨岡委員 先ほどの新井先生の質問にも出てきたんですけれども、例えば支給実績でいえば、平成十七年度から厚生労働省関係ではゼロ、国交省関係でも十六年度、五年ぐらい、これは未執行というか、そういう現実があるわけなんで、必要性は非常によくわかるんですが、現実的にこの法案をこのように延長していって、非常に手間暇がかかるし、例えば来年度の予算は、厚生労働省関係でお幾らですか。

太田政府参考人 厚生労働省所管の平成二十年の予算額が十一万五千円ということでございます。

 かなり少額となっておりますけれども、これは漁業離職者の多くは船員への再就職を希望することが多く、これは国土交通省の所管となっているということ、それから、今お話ございましたように、国際協定の締結等に伴う減船が近年発生していないために近年の実績が乏しい、こういうことを考慮してこの予算を計上したところでございます。

冨岡委員 非常に言いづらいんですが、十一万五千円の国の予算をわざわざこういう冊子ですか、資料をつくる、これだけで吹っ飛んでしまうんじゃないかなと私は思うので、そしてまた、こういう審議時間をとったり、メリットとデメリットのバランスがとれていないように私自身が思うので、恐らくこの以西底びきとかの離職者とか、非常に長崎、これはできたときは大変恩恵に浴してありがたかったんですが、現実的にはもうおられません。いなくなりました。それがもう五、六年前になりますね。

 したがって、私自身としては、こういった法案審議というのはもう非常に労力を要するし、こういった冊子をつくること自体も、十一万円ぐらいの金はもう優に吹っ飛んでしまっているんじゃないかと思って、ちょっと言いづらいかもしれぬですけれども、やはり制度疲労みたいなところは感じますね。

 だから、こういうものは、時限であと二年間執行者がいなかったらもうやめてしまうとか、あるいはどうなんでしょう、一たんそれは、対象者がやはり数百人とか数千人になったときにまた法案を、同じものでいいじゃないですか、そういう作業をするわけにはいかぬのかなと率直に思うわけなんですが、どうでしょうか。

太田政府参考人 御指摘いただいたとおり、確かに、近年、減船が少ないということで離職者が少ないという状況はありますけれども、実際にこの対象労働者がまだ一万人を超えているところでございます。

 今後とも、例えばマグロ類等の保存管理措置の強化が見込まれるということ、あるいは日韓漁業協定、日中漁業協定の枠組みに基づく規制の強化、さらにはロシア連邦政府による規制の強化等、最近の我が国の漁業をめぐる国際環境は依然として厳しい状況にあるわけでございまして、そういう中で今後も引き続き離職者の発生が予想されるということで、今後、私どもとしましては、この法律に基づく漁業離職者対策を講ずる必要があるのではないかと考えております。

 この法律はもともと議員立法でございまして、国際協定に伴って、国の責任と支援を法律という形で明示することが適当であると判断してなされたものでございまして、私どもも、見直しに当たりましては、その判断が適切であると考えて、今回も国会の御判断をいただいて延長していただきたいというものでございます。

冨岡委員 議員立法だったそうで、議員がやはりもう少し数値も見れば、未執行というか、五年間ゼロですね、考えなくちゃ。ほかの法案でもカバーできるかなと私自身は思っております。

 さて、次の質問をさせていただきたいと思います。舛添厚生労働大臣にお尋ねをしたいと思います。

 厚生労働行政に本当に御苦労というんでしょうか、非常に私自身は、いろいろな積極的な方策そして日夜を問わず精力的な働きに対して、国民を代表してというんでしょうか、本当に感謝を申し上げている次第でございます。ありがとうございます。

 さて、きょうの新聞等で、厚生労働省が、医療事故に関する死亡の調査を行う医療安全調査委員会の設置に関する第三次試案を提出されました。私たちも自民党の部会等でこれをいろいろ議論しているんですが、かなりよくなってきたというような印象を私自身は持っております。

 そこで、少しその運用面についてお尋ねあるいは確認をしたいと思うので、よろしくお願い申し上げます。

 まず問題になったのが、医師法の二十一条を二〇〇〇年に局長通達で、医師法の二十一条というのは、「医師は、死体又は妊娠四月以上の死産児を検案して異状があると認めたときは、二十四時間以内に所轄警察署に届け出なければならない。」この異状という解釈を二〇〇〇年の局長通達で、異状というのが非常に定義が難しいんですけれども、医療事故、それまで拡大した。それ以後、非常に届け出件数が急増しております。これは御案内のように、その当時、横浜市立大学事件とか取り間違えミスとかというのが非常に世間を騒がせ、また、何でこんなことが起こるかといったのが原因になったことでございます。

 したがって、今回、医療安全調査委員会で改正というんでしょうか、医師法二十一条を改正し、医療機関が委員会に対して届け出を行った場合には、同条に基づく警察署への届け出は不要とするとありますが、例えばどのような条文になるのか、もしその試案があるのなら、お答え願いたいと思います。

舛添国務大臣 今委員御指摘のように、医師法第二十一条、これは、本来は、例えば犯罪なんかでお亡くなりになった方を検視して、これは届ける。ところが、今御指摘のように若干拡大されて、それが医師の医療行為を萎縮させるということにつながってはいけないということで、まだ条文のところまでいっていませんが、今度できる予定であります医療安全調査委員会に届け出を行った場合には、この二十一条に基づく警察への届け出は不要とするというような趣旨の条文を考えております。まだ細かい案文の検討までは至っておりませんが、趣旨はそういうことでございます。

冨岡委員 非常に私自身は前進というふうに評価をしたいと思っております。

 ただ、やはり患者側の権利として、どうしても納得できぬな、よくわからぬな、非常に重過失と言えるんじゃないかな、そういう患者サイドでのそういった疑義に対する道をちゃんと担保というか確保しておかなくてはいけないと思うんです。

 ただ、よく聞かれる問題として、重大な過失がある場合あるいは悪質な事例に限定される場合は警察にやはり届けなくちゃいかぬというのですが、ここで言う委員会から捜査機関を通じて事例とされる重大な過失というのを大臣はどのようにお考えか。あるいは定説というんでしょうか、もしそういう重大な過失ということで事例があれば教えていただきたいと思います。

    〔委員長退席、吉野委員長代理着席〕

舛添国務大臣 これは、医師が直接じゃなくて、調査委員会から捜査機関にというときの重大な過失、これはどう定義するかということなんですが、結果として患者さんがお亡くなりになったというその結果の死亡というのはこれは重いですが、それをもって重大というのではなくて、通常の医療行為から見て著しくこれは逸脱している、そういうようなケースについてを想定しております。

 もし具体的な例についてもっと述べろということであれば局長の方にお答えをさせますが、一般的にはそういうことでございます。

冨岡委員 そこで、医師側の見解と患者側の見解が相違をする場合が係争になるわけなので、そこが一番問題点なんです。

 診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業、これが数年前にやられまして、以下モデル事業と言いますけれども、この場合、例えば、医療安全調査委員会に出しますよと診療側が言った場合に、遺族側が、いや、そんな手ぬるいことは許されぬ、これは犯意があったんじゃないかあるいはこれは重過失だという主張をして、そちらの調査モデル事業の安全調査委員会に出さない、あくまでも警察に訴えると言った場合に、非常にいろいろなケースが考えられますが、そういった場合が非常に困るわけなんです。

 このモデル事業で多分六十例ぐらい検査とかそういう案件がもう出てきたと思うんですが、そういったモデル事業に出さない、あるいは出てきたけれども、それが紛争になった、いわゆる訴訟になったという例がありましたら教えていただきたい。

外口政府参考人 御指摘のモデル事業でございますけれども、これは、関係学会の協力を得まして、医療機関から、診療行為に関連した死亡について、臨床医、法医学者及び病理学者による解剖を実施し、さらに、専門医による事案調査を実施して、診療行為との因果関係の有無及び再発防止策を総合的に検討するものでございまして、現在まで六十数例報告がございます。

 このモデル事業は、まず第一に、医療機関からモデル事業の説明を患者さんに詳細に行いまして、御遺族の方から同意をいただくというプロセスで始まります。この段階で同意が得られなかった事例が今まで二十数例ございます。

 ただ、御指摘のような、犯罪性を主張して警察に訴えるような場合があるかどうかについては、これは把握できておりません。

冨岡委員 そこがモデル事業で僕も一番知りたかった、実は争点になった部分なので、一例もないというか、はっきりしないモデル事業だったのかなと思って、その点、また追跡等していただきたいと思います。せっかくそういう貴重な症例が集まっていますので、読んでみると非常に興味のある症例があったと思います。

 この制度、医療安全調査委員会を通して警察に行かないというこの制度は、いつからスタートするんでしょうか。また、調査が円滑にいくためには、そのスタッフ、委員会の設立等のハードルがやはりありますね。特に、法医解剖になるのか病理解剖になるのか、まずそこら辺を教えてください。

 そして、そうした場合に、スタッフが足りるかどうか。例えば法医解剖ができる方は百五十人ぐらい、全国かき集めても百五十人ぐらいですね。病理認定医というのは、八千人以上はおられるようですけれども、実際には働いておられません。

 したがって、安全調査委員会に上がってくる症例等を勘案して、厚労省はどのようなイメージでこれを進めようとしているのか、お答え願いたいと思います。

外口政府参考人 実際の届け出の件数については、これは推計でございますけれども、おおよそ年間二千件程度という推計がございます。この場合、もちろん法医だけでなく、病理の方と両方で対応していただくことになると思います。

 もちろん、この制度の実施に当たりましては、解剖や臨床評価などの調査を行う専門家の確保や、調査業務を支える事務局の体制整備等さまざまな準備が必要となりますので、法案成立がいつになるか、これからの議論でございますけれども、それから施行までの間、やはり二、三年の準備期間が必要になるのではないかと考えております。

 なお、解剖や臨床評価を行う医師等の専門家の確保につきましては、これは、関係学会、病院団体、医師会等に御協力をいただきまして、円滑な調査に必要な専門家の確保や研修に努めてまいりたいと考えております。

冨岡委員 法医の先生、実際にドクターであったのはたしか百十数名ですね。今もフル稼働しています。医療関連死というのではなくて、異状死という範疇からいえば年間十五万件ぐらい日本で発生していて、そのうちの四%未満、五千例ぐらいしか解剖ができていません。それでもう手いっぱいなんですね。ここに新たに二千例が加わるとどういう状態になるのか。パンクしちゃうということですね。したがって、病理の先生に協力を願わないといけないという喫緊の課題になっています。

 これはしませんね。制度はつくったんだけれども、実行する人がいない案なんですね。だから、私自身大丈夫かなとも思って、その点をよく注意しながらやらなくちゃいけないと思います。

 したがって、現実的に、例えば離島でこういう案件が発生した場合に、そこには解剖する施設もないし、スタッフもいないわけです、実際。実際いないんですよ。どうするんだと。例えば、対馬なんというのは解剖施設とかはありませんよ。壱岐もそうでしょう。離島とか僻地においては、ではヘリコプターを飛ばして疑いのある症例を運ぶのか。そういう点で、画像診断とか血液検査で代用できないかという考えが当然出てくるんですね。オートプシーイメージングという、死体を検案する補助手段としての方策なんです。これは実際、昨年から、わずかな症例ですが、法医の方では予算づけをされているのですね。

 だから、そういった、現実的に、この制度で究明ができないケースというのが日本各地で発生し得るので、それに代替するような方策もやはり十分検討しておかなくちゃいけないと思いますので、その点もよろしくお願いします。

 それから、この死亡例を安全調査委員会だけでするということなんですが、むしろ問題なのは、例えば半身不随になったような人、植物人間になったような人、生存例に対してはどのような方策を、今医療事故と言うんですか、発生した場合に、そういった生存例に対しては将来的にどのようにお考えか、お答え願えればと思います。

舛添国務大臣 死亡事故の究明制度、これを一日も早く実現したいということで、今のところは死亡ということに特化して、一つのシステム、制度をつくり上げたいと思っていますが、今委員御指摘のように、重篤な例、これも当然、いずれは対象にすべきだと思いますので、この死亡究明制度を動かしながら、そちらの方の整備も検討してまいりたいと思います。

冨岡委員 もう一つ、委員会のメンバーについて、どのような方が携わられるのか。医療側だけでは僕はだめだと思うし、当然、学識経験者とか中立的な立場等のメンバーが参画して初めて権威づけができてき、そして、さらにはそれが信頼のもとになるのではないかと思いますけれども、お考えの委員会のメンバー、そしてその手順等を、おわかりになればお答え願いたいと思います。

外口政府参考人 委員会のメンバーでございますけれども、中央委員会、地方委員会、そして調査チームとあるわけでございますけれども、これにつきましては、先ほど御指摘もありましたモデル事業を参考といたしまして、モデル事業では、解剖担当医二名、臨床医等五、六名、法律家やそのほかの有識者一、二名という構成でございますので、こういったバランスを参考にしながら人選をしていきたい、そのように考えております。

    〔吉野委員長代理退席、委員長着席〕

冨岡委員 先ほど、この法案ができるまでにやはり二、三年かかるだろうというお話でした。

 ただ、現場は局長通達を、過大というか、届け出義務違反ということで罰則があるんですね、これは罰金刑になるので。それを警察は適用しています。そこが非常に医療萎縮を生んでいるような傾向があるんですが、この委員会ができる前に、この局長通達を以前のように緩和するようなことは考えられないのかなというふうに思いますけれども、この点についてはどうでしょうか。個人的な見解でも構いません。

舛添国務大臣 これはいろいろな観点からちょっと検討させていただいて、まず、新しい制度、法案をつくり、それから二、三年かかる、その間も医療提供者の側の萎縮が起こらないようにするために、例えば通達を変えるという形で、それは警察を含め関係省庁と緊密に協議をしながら、そういうことで対応できるかどうか、それもひとつ、きょういろいろないい意見をいただきましたので、今の点も含めて検討課題とさせていただきます。

冨岡委員 ぜひそこら辺を、恐らく二、三年かかると思うので、考えていただければと思います。ありがとうございます。

 福島県立大野病院事件の判例というのでしょうか、ちょっと読んでみますと、これは悪質ではないし、ああいった癒着しているような胎盤は、文献なんか見てみますと、剥離にかかれば二、三〇%の致死率みたいな論文もありますので、非常に難しい症例だった。それが、我々で言うところの術死というのが異状死になってしまったという、そこが医療界の最大の不満というか、そういう状態になっています。

 これが発生するのは、よくヒヤリ・ハットとかというのも、医師の過重労働とかあるいは看護師さんのそういった不足、そういうものが総合的にやはり起こっているケースもたくさんあると思うので、その点につきまして十分御配慮をいただければと思います。医師不足もその一つの原因かもしれません。

 そこで、昔から、よきサマリア人の法というのがございます。何だそれはというような方も多いかと思いますけれども、これは、エルサレムの古い、聖書に書かれたことなんですけれども、エルサレムでの道に、追いはぎに追われた方が大けがをさせられて、そしてそこに置き去りにされているんですね。そこを通る人たちは大抵見知らぬふりをして通る、聖職者である人たちも対側を通って避けていった。しかし、サマリア人のある一人が哀れに思って傷の手当てをするわけです。そして、家畜に乗せて自分の宿屋に連れていき、介抱してやった。そういったことで、そのサマリア人は銀貨二枚を宿屋の主人に渡して、介抱してあげてやってください、もし足りなければ私が払いますと言った、そういう物語が書いてある。

 これをもととして、善意で行った医療行為に関しましてはその罪を問わないという法です。日本ではしっかりした法律はありませんが、アメリカやカナダではこれをよきサマリア人の法ということで、きちんと法律化されています。

 つまり、どういうことかというと、飛行機の中でだれか心臓発作で倒れた、医療的なそういった知識があったので心臓マッサージをする、そうしたら、ぼりぼり肋骨まで折ってしまった。命は助かったんだけれども、その後、そういう行為をしたために、血気胸、血がたまったり膿胸になって結局死んでしまったとすると、最初は遺族の方は感謝します、ああ、助かったと。一カ月して、そういう病態になってこの人は亡くなっちゃった、それを訴えるとどうなるか、そういう話なんですね。十分理解できるんですね、そういうこともあるなと。

 今、機内では、アナウンスがあっても、お医者さんは手を挙げる人がどうも少なくなってきています。以前は、ヘルツマッサージとかいろいろアドバイスをします、だけれども、アドバイスしたことが当てはまらなかったら責任をとらなくちゃいけない。そういう状態がどうも、ER室、エマージェンシールームとか、あるいは緊急手術、予定手術もそうなんです、それに近い状態、不測の事態が発生すれば、助けよう、助けようとしますが、それに伴って不都合が生じた場合、まさにこの大野病院事件というのがそれに当たるのかなというふうに私自身は考えるわけで、こういった救急、緊急な状態に対しての免責法みたいなことがいずれは我が国でも必要ではないかと思っています。

 したがって、この医療安全調査委員会での審議というのは、やはりそういう点まで踏まえて十分議論をしていただき、我々も参画いたしますし、ぜひいい法律をつくっていただきたいというふうにお願いして、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

茂木委員長 次に、古屋範子君。

古屋(範)委員 公明党の古屋範子でございます。

 本日は、駐留軍関係離職者等臨時措置法及び国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法一部改正案について質問をしてまいります。

 私の地元横須賀市では、米軍基地を抱えておりまして、今般も大きな事件があり、市民の安全の確保、これが課題となっているところでございます。また、隣の三浦市、三崎マグロで有名なところでございますけれども、漁業を生業とする方々が多くいらっしゃいます。このため、この両案はこれらの職業の方々にとって大変重要な法案であり、このたびの有効期限の五年延長についても、セーフティーネットとして必要であると考えております。

 駐留軍離職者法は昭和三十三年、漁業離職者法は昭和五十二年にそれぞれ議員立法として成立しております。成立時期は違いますが、両法案ともに、支援対象となる離職者の離職理由が諸外国との関係により大きな影響を受けるものでございます。

 そこで、初めに、両法律案の成立の背景とこの意義についての御説明をいただきたいと思います。

太田政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、駐留軍関係の離職者等臨時措置法でございますけれども、お話ございましたように、昭和三十二年六月の日米共同声明に端を発した駐留軍の撤退、縮小が開始されて以来、駐留軍関係離職者が相当数発生したために、昭和三十三年に議員立法で制定され、その後、延長がされて現在に至っているものでございます。

 それから、国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法は、これは沿岸国による二百海里経済水域の設定あるいは同水域内における漁業規制等、漁業に関する国際関係に起因して実施される漁業規制が強化され、昭和五十二年に、離職者が発生することが見込まれるということで、その対処のために議員立法で制定され、その後、延長されて現在に至っているものでございます。

 これもお話ございましたように、これらの法律は、国の政策の実施に起因する環境の変化に伴って生じた離職者につきまして、その離職について第一義的な責任を負う国が対象離職者の生活の安定と再就職の促進を図ることを目的としているものでございます。

古屋(範)委員 ありがとうございました。

 まさに地元にとっては、この米軍基地というものも大きな雇用の場になっていることは事実でございます。駐留軍関係労働者及び離職者の数は、法律制定当初の昭和三十三年度末では、労働者が六万九千八百五人、離職者二万七千二百七十六人でありましたが、平成十八年度末ではそれぞれ二万五千三百四十八人及び七十九人となっておりまして、大幅に減少をしております。最近十年間における離職者の再就職状況を見ますと、就職指導票の交付総件数三百九十八件に対し、再就職等の総件数二十八件という、これも厳しい現状にございます。さらに、今後、在日米軍の再編に伴い、米軍の配備というものも大きく変化をしているところでございます。駐留軍等の労働者の雇用に影響が及ぶことも考えられます。

 こうした現状から、特別支援措置の延長はすべきと考えますが、この必要性について改めて御見解を伺います。

 また、一方で、駐留軍等労働者数は法律制定当初から比べると大幅に減少をしております。また、駐留軍関係者を取り巻く社会経済状況も変化をいたしております。そこで、これまで行われてきた特別措置が駐留軍関係離職者の再就職にどのように貢献してきたか、さらに、今回の改正に当たり、有効期限の五年間延長とともに、現在の状況に適した特別措置法のあり方も検討すべきと考えますが、以上について御見解をお伺いいたします。

太田政府参考人 まず、法改正の必要性でございますけれども、お話ございましたとおり、国際情勢の変動による米国の安全保障政策の変更、部隊の撤退、縮小等によりまして引き続き離職者の発生が予想されることから、今後も同法に基づく駐留軍関係の離職者対策を講じる必要があるということで、今回の改正をお願いしているものでございます。

 それから、再就職への貢献状況でございますけれども、法制定時の昭和三十三年からの累計で、就職指導を行った者のうち六万六千六百八十四人の方がその支援期間内に再就職をしているところでございます。

 特別措置のあり方につきましては、現在の形になるまで各種の拡充を図ってきたところでございますが、今回の法改正につきましては、関係審議会におきましても制度の見直しを行うべきとの特段の意見がなかったということで、施策の内容については今回は見直しをしなかったところでございます。

 今後とも、駐留軍関係離職者への各種特別措置につきましては、対象者を取り巻く状況等も十分に見きわめつつ検討してまいりたいと考えているところでございます。

古屋(範)委員 引き続き、駐留軍関係の離職者に対するきめ細やかな再就職の支援というものをぜひお願いしたいと思っております。

 次に、漁業離職者法の改正についてお伺いいたします。

 この法律では、国際協定の締結等に伴う漁業離職者とありますように、諸外国との漁業協定の締結の結果、減船措置がとられたためにやむを得ず離職しなくてはいけない、そういった方々が特別措置の対象となっております。

 最近十年間における求職手帳の発給状況を見ますと、平成十三年度に八十八件発給された後はゼロ件が続いております。平成十四年以降、求職手帳が発給されていない理由、また、臨時措置法により再就職できた実績についてお伺いをいたします。

 またあわせて、求職手帳が発給されない状況が続いているものの、我が国の漁業をめぐる国際環境は、二百海里問題、また水産資源の枯渇等々、さまざまな問題を抱えており、大変厳しい状況が続いております。そして、世界の人口の増加などで水産物の需要も増加をしておりまして、過剰利用が指摘をされている日本におきましては漁業規制が強まる可能性も指摘をされているところでございます。こうした厳しい状況を見ますと、有効期限を五年延長すべきとは考えますが、今回の法改正の必要性について御見解をお伺いいたします。

太田政府参考人 お答え申し上げます。

 今お話ございましたとおり、平成十四年以降はこの求職手帳は発給されておりませんけれども、これは、平成十四年以降、国際協定の締結等に伴う減船が発生しない状況の中で、幸いにも対象離職者が発生していないということでございます。

 再就職の実績でございますけれども、法制定後、昭和五十三年からの累計でございますけれども、就職指導を行った者のうち七千五百二十人が支援期間内に再就職をしているところでございます。

 また、今回の法改正の必要性でございますけれども、今お話ございましたように、最近の我が国の漁業をめぐる国際環境、例えば、マグロ類の保存管理措置の強化、日韓、日中漁業協定の枠組みに基づく規制の強化、さらにはロシア連邦政府による規制の強化と、大変厳しい状況が続いているわけでございまして、その中で、現在でも一万人を超える対象労働者がいるわけでございまして、今後におきましても、国際協定の締結等による減船による離職者が発生する可能性があるということでございまして、いわばセーフティーネットとして法を改正し、期限を延長する必要があるということでお願いをしているところでございます。

古屋(範)委員 私も、こうした厳しい漁業を取り巻く日本の環境、こうした中でのセーフティーネットとしての本法案成立を望むところでございます。

 次に、戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部改正法案について質問してまいります。

 特別給付金支給法の趣旨によりますと、さきの大戦によりまして、最後に残された子、孫を軍人軍属等の公務により亡くした父母、祖父母が、その最愛の子や孫を国にささげたために子孫が絶えたという寂寥感また孤独感に耐えてきたという特別な精神的苦痛を慰藉するため、特別給付金を国として支給するものでございます。そして、この戦没者の父母等に対する特別給付金は、平成十九年九月十四日で最終償還を迎えております。

 そこで、今回特別給付金の継続支給について決定をされたわけでございますけれども、その必要性について、まずお伺いをいたします。

中村政府参考人 お答えを申し上げます。

 この特別給付金の趣旨につきましては今議員の方から御紹介があったとおりでございまして、最後の子や孫を戦争公務により亡くされました父母、祖父母等の精神的痛苦に対して国として特別の慰藉を行うため支給するものでございまして、今般、平成十五年に支給されました特別給付金国債の償還が平成十九年に終了したことを受け、なお推定で百二十名の父母等の方がおられるということで、国として引き続き慰藉を行う必要があると考えられますことから、昭和四十二年以来、第九回目になりますが、特別給付金を継続して支給することとさせていただいたものでございます。

古屋(範)委員 こうした特別給付金や特別弔慰金につきましては、時効による失権が多いとの指摘もございます。こうした時効による失権を防止するために、対象者の方々に忘れずに請求をしていただくということが重要であると考えます。

 そこで、戦没者の父母等に対する特別給付金の請求漏れを防止するための取り組みについてお伺いをいたします。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 私どももそういうことがあってはならないと考えまして、毎回広報に努めているところでございます。

 前回も、全国紙、ブロック紙等を通じ政府広報を行うとともに、都道府県、市町村の広報紙による広報を行ってまいりましたけれども、今回も、政府広報等を通じまして、または都道府県、市町村にもお願いをいたしまして広報を行うほか、前回特別給付金を受給された方に個別に制度の概要や申請方法について改めてお知らせを行うなど、きめ細かな対応を行うことによって特別給付金の請求漏れがないように最大限努力させていただきたいと思っております。

古屋(範)委員 ぜひ、対象となる方々は高齢でありますので、漏れのないようきめ細やかな手だてを講じられますよう、よろしくお願い申し上げます。

 次に、戦後の補償問題の中で大変大きな問題として残されておりますのが原爆被爆者認定の問題でございます。そこで、三月十七日に決定されました原爆症認定の新基準についてお伺いをしてまいります。

 原爆症の認定見直し問題で、厚生労働省は、七年ぶりにこの四月から新しい基準を導入するということを決めました。これは、自民、公明両党の与党原爆被爆者対策に関するプロジェクトチームが昨年十二月に示した提言に沿ったものとなっております。

 これまでこだわってきた科学的知見の重視から積極認定へ大きくかじを切ったものでありまして、爆心地からの距離など一定の要件を満たしていれば認定を進めるよう条件を大幅に緩和し、基準から漏れた場合でも個別審査によって総合的に判断をするとしていらっしゃいます。さらに、被爆者団体などが求めていました、被爆者救済の立場に立つとの理念が新たに明記をされまして、一歩前進したものと評価をしております。

 この新基準によりまして、約二十五万人の被爆者のうち一%未満にとどまっている認定者が大幅にふえることが予想されまして、高齢化が進み病気と日々闘っている被爆者には大変朗報であると考えます。

 しかし、まだ大きな課題も残されております。全国では今、原爆症の認定を求める集団訴訟が続いております。新たな基準でも、積極的に認定されるのは、約三百人の原告のうち二百人ほどであります。五十人は否定をされ、五十人はどうなるかわからない状況だと言われております。戦後六十年以上が経過をしまして、被爆者の高齢化が進んでおります。一刻も早い決着が望まれております。

 これから具体的な運用が始まるわけでございますけれども、与党のプロジェクトチームの提言に沿った幅広い救済を目指すべきと考えます。それが新基準の理念に沿った運用であると思いますけれども、大臣、この点、いかがでございましょうか。

舛添国務大臣 今回の認定基準の見直し、これは与党のPTの皆さん方の御提言を中心に、それを踏まえて策定したものでありまして、もう四月になりましたので早速この新基準によって認定を進めます。これまでの約十倍の千八百人が認定される見込みであります。まず、この新基準による認定を進めていく。

 それから、司法の判断が片一方で既に出ております。この司法の判断、各地方の裁判所によって違います。その判断と新基準とのそごをどうするか。

 これは、例えば今委員がおっしゃったように、個別のケースについて総合的に判断するというルールがありますから、それを適用して、御高齢の方が多うございますから、迅速にそしてかつ積極的に認定していく、そういう精神で今後とも政策を展開していきたいと思います。

古屋(範)委員 大臣、ありがとうございました。

 確かに、司法判断と新基準の整合性、こうした課題は当然あるわけでございますけれども、そうした意味で、救済という立場からぜひとも適切な運用をよろしくお願い申し上げます。

 次に、先ほど新井委員からも質問がございましたけれども、私も助産師の件について質問をさせていただきます。以前から懸念をされておりました助産所の嘱託医療機関、嘱託医師の確保の現状について、お伺いをしてまいります。

 医療法第十九条の改正によりまして、開業助産所での出産の安全の確保が定められました。この四月までに嘱託医療機関を確保しなければならないこととなりました。

 私は、産科の人材確保の観点からも、助産師のさらなる活用をすべきであると考えております。昨年十一月の本委員会におきまして、開業助産師が引き続き安心して業務が継続できるよう、産科嘱託医師、嘱託医療機関が確実に確保できるよう、全国的にもう一歩のところまで来ているので、国としてもぜひ後押しをしていただきたい、このように訴えました。この際、外口局長からは、今後、嘱託医療機関の確保が着実に進むよう一層取り組みを強化したいとの御答弁をいただいたところでございます。

 そして、四月一日を目指しまして、嘱託医療機関、嘱託医師の確保のためにさまざまな取り組みがなされまして、このたび一〇〇%確保できていると伺っております。これは、厚労省そして助産所の方々の努力の成果だと考えております。関係者の皆様の御尽力に対し、心から御礼を申し上げたいと思っております。

 そこで、改めてお伺いをいたします。これまでの嘱託医療機関確保の取り組みとその結果につきまして、大臣のお考えをお伺いいたします。

舛添国務大臣 医療法の十九条、これは助産師の皆さん方からいろいろな御希望がございました。ただ、国民の、お産をする立場から見たときに、やはり安全でありたいという願いはあります。

 そういうことで、両者の希望をマッチする形で、嘱託医療機関の確保については運用で柔軟性を持って行うということでございまして、三月三十一日時点で、嘱託医師、医療機関の確保を希望している二百八十二の助産所すべてについて確保ができました。

 今後とも、産科医療体制の充実ということに、助産所の安全確保、それから助産所の充実その他の施策を講じることによって、今申し上げました産科医療体制の確保ということに全力を挙げてまいります。

古屋(範)委員 三月三十一日までにすべての助産所について嘱託医療機関が確保できたということでございます。深く敬意を表したいと思っております。

 助産所での出産と申しますのは、より家庭的な雰囲気の中で、また、助産師さんからきめ細やかなアドバイスもあり、異常がない場合に関しましては非常に要望が多い、ニーズが多いというのが現状だと思います。私の地元の横須賀にも助産所がございまして、そこは兄弟のお子さんも一緒に入院できるというような、非常にアットホームな環境で出産ができるわけでございます。そうした助産所、助産師への支援というものをこれからも何とぞよろしくお願い申し上げます。

 次に、妊婦健診についてお尋ねをいたします。

 近年、未受診妊婦の増加、いわゆる飛び込み出産の増加に伴い、母親、胎児の健康を守る上で妊婦健診の重要性、必要性が一層高まっております。妊婦健診一回当たり五千円から一万五千円、非常に高額でございます。理想とされる十四回の健診を受けた場合には、全体で費用十万を超えてしまう、負担が大きいわけでございます。

 子供を安心して産み育てられる社会の構築は、政治に課せられた大きな課題であります。多様な施策の展開が求められますが、母体と胎児の健康状態を診断する妊婦健診はその第一歩でございます。母子保健を充実されるための基本であると考えます。

 その意味でも、昨年一月、厚生労働省が、五回程度の公費負担を原則にするよう各自治体に通知をしていただいたこと、私たちの長年の要望を踏まえたものであり、大いに評価をいたしております。

 この通知を受けまして、私たち公明党も、各地で署名、要望、議会質問などを通しまして、子育て支援を優先する自治体の政策判断を引き出してまいりました。そして、新年度から無料で受診できる公費負担の回数をふやす市町村が大変増加をしていると聞いております。妊婦の経済負担が軽くなれば、未受診のまま病院に駆け込む飛び込み出産のリスクというものも減ってくることが期待をされます。

 しかしながら、せっかくの妊婦健診の助成制度が、助産所の健診には適用されない自治体が数多くあります。

 日本助産師会の妊婦健診公費負担の補助券使用に関する現状の調査によりますと、三月十九日現在で、金額の制限はありますが、福井県が全県内で使用できる、また奈良県でも四月から使用できる予定となっておりますけれども、各県ともに数えるほどの市町村でしか使用ができず、しかも全県内で使用できないとしているところが十八府県に上っております。

 言うまでもないのですが、妊婦健診は助産師の主たる業務の一つでございます。助産診断は助産師の当然なし得る技術の一つであります。産科医師の減少が叫ばれる今日、助産所出産を望む妊婦の健診をすべて嘱託医が担うのでは負担がさらに重くなってしまうわけでございます。助産師が健診を担ってケアの質を高めるのと同時に、多忙な医師の救済にもつながると考えております。

 この助産所の健診も本来は助成の対象になるとの厚生労働省の見解で、昨年の六月にもその趣旨を各都道府県また政令市に伝えていますけれども、助産所の健診についても各自治体が積極的に対応できるよう、厚労省のリードをぜひとも実現していただきたいと思いますけれども、大臣、この点、いかがでございましょうか。

舛添国務大臣 この公費負担、助産所も対象にするということは、今委員おっしゃったように、昨年六月、通達を出したところですけれども、なかなかやはりすべての自治体に徹底していなかった。

 しかし、今の委員とのこういう国会での審議も踏まえまして、最近活発にこの点、私も自治体に対して明確にこちらの意思を伝えているところでございますので、あとはやはり国と自治体が連携をして、せっかくある重要な資源ですから、それを活用するということで、今後ともこの助産所の公費負担、つまり無料健診券があれば行けるんですよ、それを使えるんですよ、このことを私の方も徹底したいというふうに思います。

古屋(範)委員 ぜひ強力に、助産所でのこうした妊婦健診の公費負担を活用できますよう、推進をよろしくお願いいたします。

 最後になりますけれども、厚生労働省が先日発表いたしました調査で、産科医不足で分娩を休止あるいは里帰り出産を制限する施設が全国で七十七カ所に上っていることが明らかとなりました。

 厚労省は、地域ごとに設定をされている病床の上限数から産科病床を例外的に外すことを決められまして、各都道府県に通知をされました。この効果についてどのようにお考えでございましょうか。

 現在は、周産期センター等に医師を集約いたしましても、結局はベッド数がふやせないため入院をふやすことができない。総合病院だと、産科病床等をふやすなら他病床を減らさなければいけない。余力のある医療機関などではその機能を最大限に活用していくことができるようになると思いますが、ただ、病床数をふやすことによって産科のドクターがさらに忙しくなってしまう、そうすると、また産科のドクターをふやさなければいけない、このような課題も出てまいります。やはり根本的には、産科医をふやしていく、これを確立しなければいけないのだろうということがございます。

 厚労省は、院内保育所の設置など労働環境の改善、また、女性医師バンクなど産科医師確保に努力をされていますけれども、今後さらなる取り組みが必要であると考えます。

 対策が効果を上げるには時間がかかると思いますけれども、最後に大臣に、子供を安心して産める社会の構築に向けまして、産科医確保の御決意をお伺いいたしたいと思います。

舛添国務大臣 産科医の確保、そして、安心して子供を産める体制の確立というのは喫緊の課題でありますが、方策として、とりあえず目の前の緊急課題については手当てをする。先般、飯田の市立病院に一月に参りまして、大変な御要望がある。それで、全国調査をいたしますと、やはりこの四月から閉鎖せざるを得ないというようなところがありますということでしたのですが、これは、緊急に医師を派遣することによって、そういう医院が一つもないような形に何とか食いとめることがまずはできました。

 それと、今委員御指摘のように、産科については、ベッド数をふやすことの制限がありましたけれども、これを緩和いたしましたので、その点でも少し改善ができたかと思います。

 ただ、医師の確保、養成、十年計画でやらないといけませんので、今、安心と希望の医療ビジョンをつくろうということで、そういう長期的な対策を私のもとの直属の検討会で行っているところでございますので、短期、中期、長期、そういう総合的な政策で産科医療体制の再確立ということをやってまいります。全面的に努力をしてまいります。

古屋(範)委員 今後も、ぜひこの産科医不足への的確な手段を講じていかれますことを心から望みまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

茂木委員長 次に、山田正彦君。

山田委員 駐留軍の離職者について一問、質問させていただきたいと思います。

 米軍の再編、グアム移転、それに伴って、いわゆる国際協定によって、例えば沖縄とか岩国等々において駐留米軍に今まで勤めておった従業員、そういった人たちがやむなくやめざるを得なくなってくる。そういった場合、ただ単に放置していいのか。ただ単なるそれでいいのか。やはりこれは国の責任もあるのではないか。そういう意味で、ある程度の手当てをしなければいけないだろう。そういうところから離職者に対する一つの手当てというものができていると思うんです。

 今回の再編、グアム移転というのはかなり大がかりなものだと聞いておりますが、それについて、どれくらいの規模で離職者が出るものか、そして、どれくらい予算措置しているのかお答えいただければと思います。大臣でも結構です。

舛添国務大臣 今委員おっしゃったように、グアム移転、沖縄の八施設、本土の一施設で勤務する労働者ということはお伺いしていますけれども、具体的に何名かというのは、まだ正確な数は把握をいたしておりません。

 ただ、今委員がおっしゃったように、これは政府の政策によって離職ということになるわけですから、職業訓練、それから職業紹介、こういうことを国としてもきちんとやりたいというふうに思いまして、平成二十年度の予算で申しますと、厚生労働省と防衛省の所管も合わせて、総額二億五千六百六十六万円の計上をしてございます。

山田委員 ぜひ、しっかりと手当てしていただければと思います。

 続いて、戦没者に対しての弔慰金なんですが、公務上今回の戦争で戦死したという場合、例えば、内地の陸軍病院において看護師さん、そういった方が亡くなった場合の父母、祖父母等々についてもこの給付金が行われてきたわけですが、例えば、陸軍病院でなく民間病院で空爆に遭った看護師さんの父母等々についてはなされていないわけなんです。軍人であったから、軍属であったからそういう弔慰金の制度があって、そうでなかった者、民間人においてはなかった。これは歴史的にやむを得ないいきさつもあったのでしょうけれども、大臣、これについてはどうお考えでしょうか。

舛添国務大臣 本当に、今委員おっしゃるように、これは民間の方々にも手厚い配慮があるということが大変好ましいというふうに私の心情としては思いますが、この法律の仕組みを少し調べてみますと、今回のこれは国が使用していた者ということになっておりまして、そういう法律の仕組みを適用するということなので、法的にはこれが限界かなと。

 あえて、今後一つの戦後処理の形としてやるとすれば、これは例えば、国会議員同士で党派を超えて少し議論して、何か救済できるかどうか、そういう新たな仕組みかなと。しかし、私は、心情としては今委員と共通するものを持ってございます。

山田委員 ところで、後期高齢者医療の問題、いよいよこの四月一日から始まったわけなんですが、これについて大臣にお聞きしたいと思います。

 まずは、法案の趣旨説明においても、後期高齢者にふさわしい医療を提供するんだというお話でありましたが、我々が説明を聞いたこの趣旨の中に、多くの高齢者に、症状の軽重は別として認知症の問題が見られると。

 後期高齢者に入る七十五歳以上の方に、認知症が多くの患者に見られるというのは、これは私が知っている七十五歳以上の人で、まだまだぴんぴんとして元気にしておられる方もいっぱいおられるわけですが、この制度の中でいわば終末を迎えるとか、この制度そのものに対して、まず私は非常に抵抗を感じたんです。

 ところで、多くの高齢者に、症状の軽重は別として認知症というのは一体どれくらいあるのか。その統計があると思うんです。それをきのうちょっと質問しておったんですが、数字なので、大臣か副大臣でも結構ですから、何%あらわれるのか。

舛添国務大臣 今、全体の数が高齢者で百六十九万人というのは承知しておりますが、それを人口で割って何%かというのは計算をしてみればすぐ出るんですが、ちょっとそこは細かい計算をしてみないと。

 ただ、要するに、介護保険制度でも御高齢の方を対象にしているのは、やはりそこに認知症が若い方より多いことは確かです。ただ、今、若年認知症というのがありまして、これも大変なお計らいで対応しておりますけれども、一般的に、やはり御高齢の方は若い方に比べて認知症の比率が高い、そういうことだと思います。

山田委員 きのう質問通告しておったんですが、大臣、これは六・七%しかない。それでいて、後期高齢者に入る多くの方に認知症が軽重の程度はあれ見られるというのは、これは間違いである。そもそも、こういうところからこの制度がスタートしていることが間違いなんじゃないのか。後期高齢者、そう言われて、その名前自体においても、最近、長寿という言われ方もしているようですが、非常に不満があります。

 では、千三百人の高齢者が、これまでの国保から後期高齢者という新しい制度に入る、いわば終末を迎える制度に入る、このときに、今までの国保の保険料と比べて保険料が上がるのか、後期高齢者の保険料が下がるのか、その点。大臣、わからなかったら副大臣でもいいし局長でも結構ですが。

茂木委員長 千三百万人ですね。(山田委員「千三百万人」と呼ぶ)

水田政府参考人 後期高齢者医療の保険料と国保の保険料の比較ということでございます。

 国民健康保険料は市区町村ごとに定まっておりますので、ばらばらでございます。したがいまして、総体的な比較をするために、約八割の市区町村が採用している方法によります全国平均的な保険料率を用いて算定しました国民健康保険料と、全国平均的な保険料率を用いて算定しました後期高齢者医療制度の保険料の額を比較しますと、総じて言いますと、単身世帯では年金の収入金額にかかわらず、また夫婦世帯では年金収入五百二十万円程度まで、負担増にはならないものと考えてございます。

 ただ、現行の国民健康保険料につきましては、市区町村が独自に公費を投入することによって保険料の減額を行っているところがございまして、同様の措置を講じない場合ですと負担増になるケースもございます。これにつきましては、必要に応じ、自治体が独自に対応を検討されているものと承知しております。

山田委員 平均六千円ということですが、これは自治体によっては上がらない、負担はないという言い方でした。

 資料一を示します。

 この後期高齢者医療制度の保険料の問題で、逆進性になっている。いわゆる所得の低い人ほど高くなって、所得の高い人ほど保険料の負担が低くなっている。

 これは東京都二十三区の場合ですが、八十六万から百万円の収入の人は、これまでの国保だったら六万五千六百六十八円だったのが九万八千四百八十円になっている。逆に、二百三十六万から二百八十五万の人は、国保の場合二十一万だったのが、今度、後期高齢者になると二十万に下がっている。七百五万以上の収入の人も、国保の場合五十三万だったのが、後期高齢者医療保険になると五十万に下がっている。

 これは、いわゆる後期高齢者はほとんどが、今でも収入というのは年金だけに限られている。そんな中で、ほとんど満足な年金ももらえていない人が大半、それが逆進性になっていっている。もともと、これは半分は頭割りで、均等割制度ですから、いわゆる逆進性と言ってもいいんでしょうが、低所得者ほど負担があるというのは、舛添大臣、これは問題なんじゃないですか。

舛添国務大臣 東京都の例では、これは東京都のやり方でやってこういうことだということなので、実は、東京都の広域連合では、年金収入が二百八万円以下の方については二十年度、二十一年度に限り一定額を保険料額から減額するということが広域連合議会で決定されたと私は聞いておりますが、もし詳細なデータが必要であれば局長の方に答えさせます。

山田委員 もう一つ今回問題なのは、二年前にこの法案を可決いたしました。ところが、二年前に設計したときのいわゆる予定金額、どれくらいの保険料になるか、例えば、これは国の負担もありますが、若い人たちの負担も決められておりました。後期高齢者、本人たちの負担も決められておりました。

 それが、たった二年の間、法律をつくるときに、ことしの四月一日からやりますよ、そのときはこういう金額になりますと。それよりも上がっている、大臣。一千億、本人たちの負担だけで上がっている。これはどういう見積もりだったのか。ちょっとこれはひどいんじゃないでしょうか、大臣。

舛添国務大臣 データを精査してみますと、十八年、二年前の法案審議時にはこの保険料総額が一兆円、ただ、低所得者に対する保険料軽減がございますので八千億円と推計していたところですが、二十年度予算では一兆円が一・一兆円、つまり一千億円上がる。これも低所得者の保険料軽減で九千億ということで、ここに一千億円の乖離がございます。

 これは、直近のこの二年間での変化のデータを入れ、一つは一人当たりの医療費、これが二年前は八十六万四千八百七円だったのが、二十年度予算では八十九万一千百七十円というふうに上がっていることと、御高齢の方の加入者の数が若干ふえた、そういうことで、その掛け算をした結果、今の数字になったということでございます。

山田委員 法案を二年前に審議するときには負担はこれだけですと言いながら、実際に法律施行、今になってみたら上がっていたということは、これは正確な情報を国民に提供せずに、予測できた情報を提供せずにこうなってしまった。その責任を問われてやむを得ないと思うんですが、それよりもなお私が不安に思うのは、たった二年間でこれだけ上がったわけです。そうすると、この制度の改定というのは、保険料というのは二年に一回改定されることになっています。では、これから先二年ごとにどう上がっていくのか。今は安い。しかし、高齢者はほとんど、年金はこれから、今の年金設計からしてもどんどん毎年下がっていきます。これは大臣、御承知のとおり。

 その中で、大臣、資料の二を見てください。介護保険です。

 介護保険は三年に一回改定ですが、当初、二千九百十一円だったんです。ところが、六年たった平成十八年、平均して四千九十円に上がっているんです。二千円台から四千円台に上がっているんです。今は後期高齢者医療保険が六千円です。これがあと六年したら一万円に上がるんじゃないですか、大臣。どうなるんでしょうか、この上がり方。

 介護保険のように最初は安くしていて、この制度設計のときのたった二年間だけでもこれだけ上がったんですから、さらに二年後、二年後、二年後といくと、それを見越していて、わざと最初は、そんなに負担は変わりませんよ、そう言いながら高齢者に重い負担を押しつける制度である。大臣、いかがですか。

舛添国務大臣 介護保険の設計のときも私は、まだ外、つまり国会におりませんでしたけれども、注意深く見ておりました。そして、そのときから横出しとか上出しとかいうことがあって、それで結果としてこういうふうになった。

 例えば、今回の場合、何が高齢者の医療費にはね返るかというと、やはり医療技術の水準が上がる、そういうこともあって、これは高度医療がさらに進んでいけば当然値段が高くはなる、しかし、例えばジェネリックのような後発の医薬品で、安いもので手当てできるかもしれない。それよりも、最終的には、要するに生活習慣病を含めて、なるべく健康で長生きできる、こういう取り組みを私は今やっております。

 ですから、何が要因で上がり、何が要因で下がるかというのは、これはそのときの医療技術の水準とかいうことだと思いますから、私は、委員がおっしゃるように、意図的に安く設定して、虎視たんたんとこれをねらっていずれ上げてやろうということではなくて、五年後に全体の制度設計の見直しというのが法案に書いてありますので、そういうときに、国民の御理解を得て、これはきちんと議論をした上で決めたい、そういうふうに思っております。

山田委員 これは質問通告しておったんですが、二〇三〇年、いわゆる一番高齢者が多いとき、医療費はどんどん重くなる。後期高齢者ほど医療費のかかる方が多くなっていくのは大臣も御承知のとおりですが、その中で、まさに二〇二五年、二〇一五年、その時点でどれくらいの保険料負担になるのかというのを、きょう、この委員会の場で推計値を出していただきたい。

 これは質問通告しておったし、もともと二年前にも、この審議のときにある程度の数字は出ております。これについてお答えいただきたい、局長。

水田政府参考人 後期高齢者が支払う保険料につきまして、平成十八年度の医療制度改革関連法案の審議時に行った見通しでは、平成二十七年度、二〇一五年度には総額で約一・四兆円、一人当たり年間八・五万円、このように見込んでおります。

 一方、平成三十七年度、二〇二五年度についてのお尋ねでございますが、これにつきましては当時の審議におきましても、二十年近く先の話でございますので、保険料算定の基礎となる医療費の将来見通し自体が目安ということであることに加えまして、先ほど大臣が申されましたように、施行後五年を目途として全般に関して検討が加えられる、必要に応じて所要の措置が講ぜられるということがございますので、平成三十七年度におきます保険料の見込みにつきましてお示しすることは適切ではない、当時このようにお答えさせていただいております。

山田委員 これは、適切でない、何で適切でないのか。

 医療費の伸びは、二五年、どれくらい伸びますというのはきちんと数値があるわけだ。しかも、資料三の二を見てください。これは、前回、二年前の審議のときに参議院に出した資料だ。この中では、政管健保、組合健保はこれくらいの負担になりますよという数値をここに出しているじゃないか、兆円で。何で出せないんだ。年に幾らじゃなく、月額幾らでそれを出してくれ。それはそれで請求したはずだ。

水田政府参考人 今委員が御指摘の資料は、平成十八年六月に、参議院厚生労働委員会の辻泰弘委員のお求めに応じまして出しました平成三十七年度の見通しでございますけれども、これは、辻議員のお求めに応じて、医療保険制度の制度別加入者数等に種々の前提を置いて作成したものでございます。

 それで、今現在で考えますと、この平成十八年六月当時の資料というのは、基礎となる医療費につきましても時点が変わっておりますし、二十年度には診療報酬改定を行っております。足元の医療費が当時とは異なっております。それから、当時と経済状況も変わっております。さらに申しますと、医療費の将来見通しに関する検討会を設けておりまして、推計方法自体につきましても今後の改善方法について御提案をいただいているところでございまして、現時点におきまして、当時と同じ前提で算出することは適当でないと考えております。

山田委員 おかしいじゃないか。

 二年前にこの法案を国会で可決するとき、審議したときと状態が全然違う、前提が違う。ということは、この法律を審議するときには、そういう条件のもとでどうですかと我々国会議員に示しておいて、今になって違うんだというのでは、我々立法機関を行政がだまして法案を成立させたことになるではないか。

 大臣、今聞いていて、大臣の見解だけ述べていただければ。

舛添国務大臣 私は、長期的に、これは十八年後の話で、例えば全力を挙げてやはり医療費を抑制する、例えば治療よりも予防、先ほど申し上げましたように、なるべく御健康のまま長生きしていただきたい、そういう努力を今各方面でやっています。そういうことも含めて、私がやるべきことは、そういう健康、長寿をいかに実現するかということでありますので、そのことの努力をいたしたいと思います。

 もちろん数字については、これはいろいろな前提がございます。ですから、どういう要素をそこに入れて計算するかということでありますので、一つの目安にはなると思いますけれども、先ほど申し上げましたように、二年間の経過でもまた変わるということですから、私はやはり、五年とかそれぐらいまではある程度できると思いますけれども、二十年近くというのは、いろいろな状況がその間に変わりますから、変化はあり得ると思います。

 それで、委員がおっしゃることについて少し言えば、これは、そういうことができるかどうか、例えば医療費をふやす要因がどうであって、抑制する要因があって、それについて政策がこうであるというような、そういう緻密なフローチャートか何かをつくってやるということがより建設的だと思いますが、私は今そういうふうに考えております。

山田委員 幾ら議論してもしようがない話ですが、ただ、気をつけなければいけないのは、政府、行政は、我々に法案を審議させる際にはいわゆる甘いというか、本当はそうでない話がわかっていながら低目の数字を出してきて、実際はこうでしたと。制度設計する前、施行当時とはもう既にこれだけ違っているんだから、これから二年ごとに改定していったら大変な高齢者医療保険の負担を上げられていくんだということ、これを国民も我々も大臣もよく知った上でないと、本当にこれは大変なことだ、そう思っているわけなんです。

 今度の問題でいろいろなことが起きております。夫婦、離婚しよう、いわゆる世帯分離と言われるものです。

 夫は七十五歳で後期高齢者医療制度に入る。妻はまだ国保に入っている。ところが、これまでは夫の世帯で国民健康保険でやっておったものが、当然、二人別々に保険料を払っていくと負担が重くなる。これは当然なんです。それについては軽減措置を考えていますと言っていますが、これについても申告主義、年金もそうですが、申告しなければそれはやってくれない、しかも期限が限られている。いわゆる国保の場合よりも、さらに余計負担をかけるということにほかならないということなんですね、この問題は。

 今回、何で夫婦が別々に取られていかなければならないかというところで、均等割になっているのもそうなんですが、資料四を見ていただきたい。

 応益分、応能分、例えば今六千円ですが、三千円の部分というのはこれは均等分だからみんな頭割りです。応能分というのはそれ以上の三千円分ですが、これが所得に応じて少しずつということになるかと思います。ところが、この分について夫婦世帯の場合に七割、五割、二割という軽減措置がとられていますが、これについて、局長、どういう形でその軽減が行われるか、端的に答えてくれ。

水田政府参考人 資料にありますとおり、後期高齢者医療保険料の均等割の額につきまして、所得に応じて軽減措置が七割、五割、二割、こうあるわけでありますけれども、これにつきましては市町村で所得把握をしておりますので、職権でこれが適用されるということになります。

山田委員 もう一回、最後のところ。

水田政府参考人 失礼いたしました。

 七割、五割、二割の軽減は、これは均等割額が七割軽減されて、三割分の御負担で済むということになります。例えば、基礎年金の世帯の場合ですと七割軽減が適用されて、月額千円の保険料になるということでございます。

山田委員 これはよく調べてみると、大臣、聞いていてくださいね、後期高齢者医療保険は、夫婦であっても、中に入ってそれぞれ別々に負担していく。世帯主じゃなくて個人に対して負担をかけていきますね。ところが、この軽減措置は世帯の所得で見るということになっているんです。夫婦の収入で、夫が高ければこの軽減措置は適用されない、子供の収入が高ければこの軽減措置は認められないんです。それで今みんなが騒いでいるのが、それなら夫婦分離して、離婚しようじゃないか、世帯を別にしようじゃないか、そういうことが今全国で盛んに言われているわけで、大臣、こういうことはぜひ改めていただきたい。

 次の質問をさせていただきたいと思いますが、この制度のもう一つ大きな問題は、大臣、もう一度資料の三の一を見ていただきたい。国が五割負担して、いわゆる後期高齢者が一割負担する、ところが、あとの四割を若い世代に負担させるということになっているわけです。政管健保それから健康保険組合の健保、共済、国保とあります。これが約四割だから、制度設計のときというか二年前に四・五兆円となっておったんです。これが四・七兆円に、負担をかけることになるんですね。

 政管健保は一・四兆円が一・四兆円のまま、共済も〇・四兆円が〇・四兆円のまま、これは国が管理している公務員と国だから、そのままの負担なんでしょうね。国保も変わりません、一・七から一・七。ところが、民間がやっている健康保険組合、これは一・一兆から一・二兆、これは数字がちょっとおかしいので、本当は二千億円ふえているから、これは一千億ふえるんじゃなくて二千億ふえるんじゃないかと僕は思っているんですが、この統計ではそうなっています。いわゆる民間の健康保険組合だけ余計に、二年前、制度設計するとき、法案審議したときよりも負担をかけることになっているんです。

 これは、大臣にここまで聞いたってしようがないかな。局長、これはどういうことでこうなっているんだ。これは官尊民卑なんじゃないのか。余りにもばかにしているんじゃないのか。

水田政府参考人 後期高齢者の支援金の計算でありますけれども、これは単純に加入者数按分でございますので、当時と比べて、少なくとも割合で見ますと健保組合の加入者数の割合がふえたことによる結果ではなかろうかと思います。もちろん、全体に医療費が伸びているということもありますけれども、健保が特に伸びている原因としては、やはり加入者数按分をベースにしておりますので、資料に書いてありますとおり「一人当たり支援金額×当該保険者の加入者数」でありますので、この数が変動すれば、当然ながら各グループ間の持ち合い方が変わってくるということになろうかと思います。

山田委員 これは、いずれにしたって健康保険組合に負担をかけるということは、健康保険組合の保険料というのは半分は企業負担ですから、中小零細企業もかなりの負担をこれから強いられていくということになるんですよ。いわゆる後期高齢者医療保険は、高齢者の負担が重くなるだけじゃなく、中小企業の負担も経営者の負担も組合員の負担も重くなってくる。これは我々、しっかりとこういう、いつの間にかこういう形にならされてしまっている。

 では、若い世代はこの後期高齢者医療保険に一人当たりどれくらい年間負担するのか、金額を端的に一言でいい、何秒かでいい、答えていただきたい。

茂木委員長 簡潔にお願いします。

水田政府参考人 加入者一人当たりの支援金負担額につきましては、平成二十年度の満年度ベースで約四万千七百円と見込んでおります。

山田委員 きのう私がレクのときに聞いたら、三万八千幾らとかと言った。僕は数字を前に調べておったので、違うだろう、国会議員のレクでうそを言うのか、本当の数字を出せ、そう言ったら、きょう初めて本当の数字を出してきた。

 大臣、もう一つレクがあったんですが、私は非常に怒って、レクを途中でやめて帰ってもらったことがある。私にうその数字を言うんだ。非常に悲しい思いをしたんだけれども、私が、今度後期高齢者医療保険制度が導入されて、いわゆる負担が重くなっていくんじゃないですかと言ったら、いや、そんなことはありません、軽くなりますと。それで、後で謝りには来たんですけれども。

 我々国会議員というのは、その数字もそうなんですけれども、それなりに我々も調べている、調べることは調べるんだけれども、普通は、いいですか、厚生官僚を信じるんですよ。だから、厚生官僚の言う数字、言う説明をうのみにするんです、我々国会議員は。私はたまたまいろいろなところからちょっと聞いておったので、これは違うという言い方をして怒ったんです。きょうは、私はもう怒って、次官か大臣が謝らなきゃ許さないと言ったんだけれども、まあ、ささいなことだから。しかし、本当に大事なことなので気をつけてください、これは。

 次に、いろいろな問題がこの中にあるんですけれども、今回の後期高齢者医療保険の制度で、一番医療費の負担のかかる人たちを千三百万人、別の制度に持っていって、同時に、その人たちは所得の低い人たちだったので比較的負担が軽かった。ということになれば、残された市町村の国保の負担というのは軽くなると思うんです、財政負担は。そうなるかならないかでいいんですが、局長、どうですか。

水田政府参考人 今回の制度改正、後期高齢者医療制度、それから前期高齢者の財政調整、この二つの仕組みが導入されることが市町村の国保に及ぼす影響でございますけれども、全体として言えばプラス、つまり軽減される方向に働くものと考えております。

茂木委員長 局長に申し上げますが、今後、委員に対する説明等につきましては、数字等正確を期すようにお願いをいたします。

山田委員 委員長が言ったように、正確に答えてください。と思いますとか云々じゃなく。

 これは当然負担が軽くなるんです、市町村の財政負担は。そうなると、本来、今までの国保の保険料というのは下がらなきゃいけないんです、一人当たりの国保の保険料は。ところが、これが、僕はずっと電話で聞いたりいろいろ調べてみました、引き続き同じか上がっているんですね。ある市町村は五万二千四十六円から五万四千百九十円に国保も上げますというんです、国保の便乗上げ。本来下げなきゃいけないのを、国保の便乗上げが横行しつつある。

 大臣、御存じだったでしょうか。御存じであったとすれば、これについては、今でさえ諸物価がどんどん上がって、国保の負担はどんどん重くなって、年金は下がって、介護保険も上がって大変なので、当然、これだけのことをしたんだったら、国保の保険料を各市町村に下げなさい、そういう指導を大臣は行う気があるかどうか、そこを明確にお答えいただきたい。

舛添国務大臣 今の点ですけれども、後期高齢者の方々が別建てになりますから、その方々が支払ってきた保険料は国保の方に入ってこなくなります。その分の保険料の収入というか歳入は減ります。しかし、恐らく委員がおっしゃったのは、これは我々もそれを前提にしているのは、例えば後期になればなるほど医療機関にかかる確率は高まるだろう、介護もそうだろう、そういうことで支出の方がふえますよ、そういうことのバランスでおっしゃったんだと思います。

 これは今まで各市町村によって状態がまちまちでありますので、現実に各市町村が国保に対して過去どれだけ累積の赤字があるか、そして、それぞれの国保の保険料が、今一番高いところと安いところで約五倍ぐらいだと思いますけれども、そういう現状を踏まえて、そして委員が御指摘のようなことがあるところにおいては、それはしかるべき指導をやりたいと思いますが、まずは現状の分析をさせていただきたいな、そういうふうに思います。

山田委員 今大臣言ったように、今まで国保におった後期高齢者の人たちは、医療費が一番重くかかっていた人たちが多かったわけですね。国保の負担も、所得が比較的低かったので、低かった。その分、後期高齢者になっていなくなるわけで国保の負担は軽くなるから、国保の一人当たりの負担というのは、国保料は下がらなきゃいけないのに上げようとしているのは、今までのいろいろな累積とか、いっぱいいろいろあるからやむを得ないというんじゃなく、この際、便乗値上げしよう。もっとも、国に責任があって、この五年間に六兆円も地方から金を引き揚げたから地方は疲弊して、この際という気持ちはあるんでしょうけれども、そこのところは政府としてしっかりとした、そういうところの今までの反省も踏まえて国民のそういう医療費の負担というものは考えていただきたい、そう思います。

 次に、大臣、実は私、このところ大変ショックだったことがあるんですが、私の今住んでいるところの長崎県の大村市というのは人口九万になったばかりなんです。そこで三十三年間警察医をやっていた内科の原先生という先生に私は呼ばれていって、こういう話を聞きました。

 というのは、警察医をやっているから、いわゆる変死、孤独死があると必ず警察と一緒に出かけていくというんです。そして、出かけていって孤独死の人の玄関をあけて中に入ると、それこそ最期までにもう力がなくなっていますから、布団もそのままで散らばっているわけです。栄養ドリンクが二、三本転がっているだけで、ほとんど一週間水だけしか飲んでいないだろう、そういう人ばかりだというんです。

 山田さん、そういう人がこの大村でどれくらいいるかわかりますかと言われて、私も、本当にそういう人がいるんですかと思わず言ったんですが、何と五十人、去年からことしにかけていたというんです。来年、六十人にはなるでしょうというんです。大変なことなんですね。後期高齢者医療保険制度をつくると、さらにそれが何倍かになるんじゃないか。

 そうして考えたときに、変死、実は、同じ私ども厚労委員の阿部知子先生から私、資料をいただいたので、これを使わせていただきましたが、資料六を見ていただきたいんです。

 いわゆる孤独死の場合も、変死ですから死体検案書を書くわけですが、変死者の数を見てみますと、平成九年に九万四千人いたんですね。ところが、平成十九年、十五万人になっているんです。自殺者は年間三万人ぐらいでずっと前後しております。刑事事件で死んだ人は一万四千から一万七、八千ぐらい、他殺とかいろいろな事故とかというものですね。そうすると、残りは大臣、孤独死なんです。

 孤独死の人が、この数字で見てください、今日本に何万人いると思いますか。僕は、ここで推計して少なくとも五万人以上の人が、水だけ飲んで、最期にドリンクの二、三本転がしてかわいそうに亡くなっているお年寄りが、この日本で五万人もいるんじゃなかろうかと。

 局長、そういう孤独死の推計は今厚生労働省にありますか。

舛添国務大臣 済みません、担当の局長を指定しておりませんので。

 厚生労働省は、言葉遣いは孤立死という言葉を使っておりますけれども、今委員が御質問いただいた数がどれだけというのは省で把握しておりません。

 ただ、例えば公団住宅内で発生した六十五歳以上の死亡事故件数が、平成十八年三百二十六件とか、それから、いわゆる高層マンション、こういうところで二百五十三社を調べたときに、いわゆる孤立死、孤独死件数が六十八件、こういう調査結果はございます。

 数字は把握しておりませんけれども、私も、独居老人率というのはこれは今から非常に、介護するときも大変大きな問題で、やはり地域全体できちんと目を届かせていく。地域全体の介護力、医療の力をふやしていかないといけないな、そういうふうに思っていまして、私は、高齢者が一人でも安心して暮らせるような地域コミュニティーを策定するんだということで、今、そのための推進会議を設けてこの点にも取り組んでおりますので、こういう悲惨な、今おっしゃったような、水だけで最後気がついて発見されるというようなことがないように、これはコミュニティーを挙げてやるべきだと思って、全力を挙げてこれも取り組んでまいります。

山田委員 三百人とか五百人とかという数字じゃない、五万人とか十万人とかという数字になりつつあるという現実。大臣、その上で、この後期高齢者医療をさらにやろうとしているということなんですよ。

 それでは、国保の保険料は下げられることはないというお話のようでしたが、今現在、国民健康保険を滞納している払えない人、病院に行きたくても行けない人、その世帯数がどれくらいあって、その数がどれくらいいるのかというのを、大臣、御存じでしょうか。

舛添国務大臣 滞納者の、ちょっと待ってください。(山田委員「国保の滞納者です」と呼ぶ)ちょっと細かい数字なので局長に答えさせてください。済みません。

水田政府参考人 お答えいたします。

 国民健康保険の滞納世帯数の推移でございますけれども、平成十八年に四百八十一万世帯、平成十九年に四百七十五万世帯、このようになっております。

山田委員 いいですか、既に平成十三年に三百八十万世帯あったんです。五年たってこれが四百八十万世帯になりました、大臣、五年たった間に。数でいくと一千万人です。国保に入っている人が全体で四千七百万人でしたから、そのうち一千万人が既に国保を滞納していて、医療にかかりたくたってかかれないんです。

 アメリカの「シッコ」の映画、大臣、見られたと思います。あのときに、三億五千万人のアメリカの中で四千万人の人がいわゆる保険に入っていないといって大変な騒ぎでした、あの映画の中では。ところが、既に日本で、四千七百万人のうち一千万人も国保を払えていない、病院にかかれない人がいるというんですよ。

 内科の原先生が、私が最後に、この人たちは何で病院で最期を送れなかったんでしょうと言ったら、いわゆる国保を払えていなかったんでしょうと。生活保護を受けられなかったんでしょうかと言ったら、死体検案書を示して、私に見せていただきました。その中にちゃんと息子さんの名前も住所もあります。ところが、その息子さんにしても今の世代です、給料は安い、食べていくのがやっと、面倒を見られなかった、そういう人がごまんとこの世の中に今出てきているという事実を大臣よく知っていただいた上で、この後期高齢者医療保険制度というものが何たるかということをよく論議していただきたい、そう思います。

 実は、国保が払えないということは、もう一つは国保の負担料が、保険料率が所得に比べて非常に高い。ずっと調べてみましたが、所得に対して大体一一%から一二%あるんじゃないでしょうか。ところが、共済が六・五%、政管健保が八・二%、いわゆる所得に比べての保険料率ですね、健康保険組合が三・五から九%となっています。いわゆる低い所得の人ほど保険料、医療保険の負担が重いという現実。

 我々は、この保険料、国保とか共済とかを一元化しようと、これは我々のマニフェストの中にもあるんですけれども、考えているわけですが、ぜひこれは、これから考えていかなきゃならない問題だ。そう指摘させていただいて、次に、もっと大事な話です。

 そういった中で、国保の保険料をこれだけ払えない人がいるからといって、消えた年金をそのままにしておいて天引きする。大臣、どう思いますか、この天引きについて。

舛添国務大臣 これは何度も申し上げていますように、高齢者の方々が一々金融機関に行かなくて済む、そういう利便性も考え、また徴収の方の効率性ということも考えているわけでありまして、今、年金記録問題についてはこれは全力を挙げて取り組んでいるわけでありますから、そういう意味で、ぜひ御理解いただきたいと思います。

 とともに、先ほどの国保の滞納の場合もそうですが、本当に困っている方々に対しては減免措置があったり、いろいろな細かい手だてをやっておりますので、ぜひ、これは各市町村に相談窓口も設けておりますので、そういう対応を行って今のような問題についても実行していきたいというふうに思っていますが、先ほどの天引きについては、今私はそういうふうに考えております。

山田委員 大臣、資料五を見ていただきたい。

 これは七十五歳以上の公的年金受給額の分布というんですが、いいですか、無年金者が一一%。一番多いのが、年金の所得が四十万から六十万の人が一五・三%なんです。年間ですよ、四十万から六十万。その次に多いのが、年間六十万から八十万の人が一〇・七%なんです。二十万から四十万円未満の人が七・〇%、二十万円未満の人が一・〇%なんです。年間八十万以下の人が約半分いるんです、年金受給者。

 その中で、いいですか、年間八十万以下というと月に五、六万、平均すればそれくらいなものですよ。四、五万から五、六万ぐらいです、平均して。そういった人たちが、介護保険料が平均して四千円、今度の後期高齢者医療保険が六千円だとしたら、足して一万円ですよ。一万円引かれたら、これはあと生活していけますか、大臣。

 結局、最後には本当に水だけ飲んで餓死していくというか、一人で死んでいくしかないような人が次々に、私もつい最近大村市で聞いてやはりショックだったんですが、今、ファミリーマートとかいわゆるコンビニエンスに、そこの店長が言っていましたが、夜遅くなると何か残り物はありませんかと言ってやってくるというんです。そして隣近所からクレームがあって、夜中に生ごみをあさっている人がいっぱい来るので不穏だ、取り締まってくれと。立派な身なりをした人がそうしてやってきて探しているというんです。

 それからして、それくらいの人が年金を天引きされたら、実際に食料を買おうにも、病院に行くのは我慢することはできるとしても、食べていくことすらできないという現実なんですよ。それでもなお天引きしたらいいと思うんですか、大臣。お答えください。

舛添国務大臣 介護の保険料とそれから今度の医療保険の保険料、これの合計が年金受給額の半分を超えるような場合にはこれはやらないということでありますし、それから、今申し上げたように、さまざまな支援措置をどうしてとるかということ、これをきめ細かく各市町村の窓口でやっていきたいということでありますから、ケースケース、生活保護のことも含めて、やはり細かく一つ一つのケースについてこれは当たっていく、こういう政策を今やっていくということでありますので、今委員が御指摘の点も踏まえた上で、そういう全体的なきめ細かい政策を困っている方々に対してはやっていく、そういう方針でございます。

山田委員 質問をかえます。

 私の昔からのよくお世話になった方で、もう八十になられる方ですが、五島でお店をやっておられましたが脳卒中で倒れられました。それで、ヘリコプターで大村の国立病院まで運ばれたんです。そこで治療する集中治療室へ入って、十四日後に退院させられました。そして今、整形外科のあるちょっとした大きな病院に入っているんですが、まだ歩けない、全く動けない状態ですが、そこも三十日後に出ていかなきゃいけない、どうしましょうといって今相談を受けています、どこか病院はないでしょうかと。

 大臣、これは、どうしてそういうふうになっていくのか。

 資料の七を見てください。

 大臣は、大臣の権限で診療報酬を改定できますね。これは法律事項じゃありません。いわゆる入院の診療報酬の点数です。これが、十四日を過ぎると極端にカーブを描いて落ちていくんです。病院としてはこれ以上患者を置いておくと、また、厚労省としては十四日以上入院患者を置いてはいけませんよという診療報酬なんです、大臣がやっているのは。

 そして、これを見てください、三十日たったらさらに下がるんです。病院の人に、もうちょっと置けないんでしょうか、この患者さんは脳卒中で動けないし、どうしようもない、行くところがないんです、見てください、動けないじゃありませんか、どこかもうちょっと置けませんかと言ったら、うちの病院としては、これ以上置いておくと診療報酬で病院自体がやっていけないんですと。

 大臣はこういう残酷なことをやっているんですよ。どう思われますか、大臣。

水田政府参考人 御指摘の入院基本料の件でございますけれども、まさにこれは書いてありますとおり、一般病棟の入院基本料でございます。したがいまして、想定しておりますのは急性期でございまして、入院期間に応じた加算を設定しております。特に十四日以内をより手厚く評価しているわけでございまして、これによりまして、病院の機能分担の観点から、より手間のかかる急性期の医療について手厚い評価を行っているところでございます。長期医療につきましては、これは療養病棟が別途設けられているわけでございます。

山田委員 急性期で十四日以内はできるだけ高い報酬を決めて、それ以後はこうして下げられていますね。一般病棟で、療養ベッドできちんとそういうことができるようになっていますと局長は答えられました。

 ところが、今度の診療報酬改定でいわゆる療養ベッドというか、こういう脳卒中の人々の一般病棟の中の、いいでしょう、まずこっちからいきましょう。療養病床、そういう人たちが行く療養病床はどんどん減らされていっていますね。三十八万床を十五万床まで減らす。いいですか、今既にこの一年間で三十七万床弱に、一万床弱減っていますよね。行くところがないんですよ。

 それを医療費適正化計画というんですか、各市町村に今計画をつくらせているようですが、その中で上がってくるので二十二万ぐらいまで減らそうという考えのようですが、三十八万あるのを二十二万でもいい、半分に減らしてまだ療養病床がありますと、そんなことをどうして言えるんですか。局長が答えたら、大臣も答えてください。

茂木委員長 まず局長の答弁を求めます。その上で、舛添厚生労働大臣。

水田政府参考人 医療費適正化計画の一環で、療養病床の再編成を行っている、その中で療養病床の数を減らすというお話がございました。

 これは単純に減らすわけではありませんで、医療の必要度に応じまして、医療施設と福祉施設あるいは介護施設との役割分担を行うということでありまして、これにつきましては、例えば老健施設について今回療養型の老健施設を設けたことによりまして、そういった新しい受け皿をつくりながら地域ごとに進めていこうということで、医療費適正化計画は、介護保険事業計画と医療計画、これらを全体的に見ながら地域の需要にこたえていく、こういうプロセスを経ようとしているわけでございます。

舛添国務大臣 急性期に命を救い治療をする、これは私はだらだらするのではなくて一刻も早く適正にやるべきだ、その後、例えばこれを医療で診ていく、そしてその後、これは長期的に、例えば失われた機能を回復するリハビリのようなものはエンドレスに介護でできる、そういう医療と介護の仕組みの連続性を十分に考える必要がある。

 しかし、今委員がおっしゃったようなケースも含めて個々のケースについて、それで一般で決められたからどうだということではなくて、それはきめ細かく手当てをしていかないといけないというふうに思っています。

 今も療養型の病床、これはいろいろ問題がございます。御指摘の点もそうです。しかし、今度は老健に医療型、いろいろな仕組みをつくりまして、なるべく社会的入院をやめるということも一つの要請である、しかし、本人から見てどれが一番いい治療でありまたケアであるか、これも考えないといけない。私は、そういうきめの細かいことを実現したいと思って努力をしているところでございます。

山田委員 介護施設を云々と言っていましたが、局長、介護老健施設と言っていましたが、では、いわゆる特別養護老人施設、介護施設に待ちが今何万人いるのか、何十万人いるのか。そして、新しく老健施設を療養型病床のほかにつくりたいというのは、どれだけのベッド数の新しい老健施設を考えているのか、それを明らかにしていただきたい。

舛添国務大臣 済みません、担当の局長を指定しておりませんので。

 今、特養の入所申込者数は約三十八・五万人。重複申し込みとかいろいろありますので、その数値が直ちに入所を要するかどうかわかりません。それから、老健それから介護療養型医療施設、グループホームにおける入居待機者というのは、平均滞在日数が短いというようなことがあって、これは正確には数字がございません。しかし、いずれにしても、住民のニーズにこたえられるように介護保険事業計画をきちんとやっていきたい。

 それで、今おっしゃったのは、今の施設の数を申せということでございましたですかね。

茂木委員長 施設にどれくらい余裕というか、あきがあるかということです。

舛添国務大臣 今、例えば特別養護老人ホームだと五千七百十六施設……(山田委員「いや、施設の数じゃないんです。大臣、結構です、今の答弁で」と呼ぶ)いいですか。

山田委員 大臣、三十八万、特別養護老人、いわゆる介護施設に入りたいという、待ちだけでそれだけいるんです。

 しかし、いわゆる療養ベッドを三十八万から十五万もしくは二十二万まで減らして、では、介護のそういう施設に行きなさい、老健施設もこれから新しくつくりますといっても、まだできてもいない、どれくらいつくれるかわかりもしない。ところが、減らすことはどんどん減らしていって、脳卒中その他の病人は本当に困っているのに、さらに、この四月一日から特殊疾患の病床、病棟、それから障害者の施設、病棟において、これまでは脳卒中とかそういう人たちを一般病棟の中に八割から七割以上入れなさい、それを今度の四月一日からの改定でもって大臣がやめさせたんです。一般病棟に幾らか入れた人たちまで、これでは全部入れなくなるんです。

 そうすると、知人の、脳卒中で今どうしても動けない人の奥さんが泣きながら私に、先生、どこに行ったらいいんですかと。私も二、三当たってきたけれども、どこも入れてくれないんですよ。大臣は残酷にも、そういう人たちが、脳卒中の人たちが七割以上、八割以上は一般病棟に入りなさい、それも外してしまったんです、出ていきなさいと。どうしてくれるんですか、大臣。

舛添国務大臣 それは、私が残酷でそういうことをやっているという御指摘でございますけれども、障害者の病棟は、本来、重症心身障害者や神経難病を患う重度の障害を持つ方々に対するそういう入院医療を提供する、しかし、一般病棟はやはり急性期の入院医療を提供する施設としてやる。

 結局、問題は、例えば認知症による障害を持つような方を、本来は障害者病棟で診るべきではないところに多数入院させてその報酬を得ているところがあるという現状を踏まえて、これはきちんとそれぞれの対応する施設の類型でケアをした方がいい。

 しかし、脳卒中の場合も、非常に重度の意識障害なんかがある場合には、それは従来のところにいてそれで構いません、そういうきめの細かい対応を行っておりますので、それぞれの方に一番ふさわしい施設があるべきであろう。そういう原則のもとに、しかも、病院側がベッドを埋めればいいというような形であればそれもいけないだろう、しかし細かい配慮はきちんとやる、そういうことでございます。

山田委員 大臣、そういうそれぞれの施設があるだろうと。今も言いましたけれども、それぞれの施設がないんです。大臣は現場をよく調べた上で、大臣が診療報酬改定は決めるんですから、今度も決めたんですから、これは大臣の責任は重いですよ。これでどれだけの人が本当に今泣き、苦しんでいるか。

 それに、今度の後期高齢者医療保険制度のことでもう一つ。終末期を迎える人たちが延命治療を病院で行うか、自宅でいわゆる終末を迎えるか、それを意思表示させる病院、医療機関に診療報酬を与えることを大臣は今回決められました。

 大臣、私の資料の八を見てください。高校生、水野よう子さん十七歳の「リビング・ウイル診療報酬 心配」。

 この中にあるように、終末期の患者が医師たちと相談し、延命治療の有無などを文書で示すのは、病院などに診療報酬が支払われる制度を導入する方針を決めたというが、「それを作成すると診療報酬が支払われるシステムは、尊厳死に協力してくれと暗に求められているような気がしてならない。」と。

 大臣、まさに、延命治療をやめて自宅で終末を迎えます、そういう意思表示を医者が書面でさせる、それに大臣が診療報酬を与えるということは、尊厳死の教唆、これに当たるんじゃありませんか。

舛添国務大臣 実は、私はリビングウイルということをずっと前から検討してきておりまして、専門の先生方とも、お医者さんの先生方とも議論して、何とかこれを法律の形できちんとできないものかなというのはずっと取り組んでまいりました。そういう大きな一環として、やはり命があるときに、自分はこういう治療を受けたいんだ、自分の人生はこういうふうに決めたいんだ、そのリビングウイルを何とか法制化したいと思って努力してまいりましたけれども、なかなか、やはりこれはいろいろな問題があって法制化まで至りません。

 しかし、やはりそういう大きなノーマライゼーションの一つの原則として、みずからの人生はみずからで決めるんだ、こういうことをきちんとやる、そのために、ではどうすればいいか。私は法制化を、今は大臣ですけれども、議員のときに非常に努力しましたけれども、なかなかできない。

 そうすると、一つの手は、いろいろな手段でこういう機運を盛り上げていくことは可能であります。そういう中で、自分はこういう意思があるんだということを唆して、何か強制的に尊厳死をしろというようなことを言うのではなくて、やはり御本人がそういうときにはお医者さんとか看護師さんとか医療提供者側のきちんとした考えが聞けるということもあっていいと思いますから、その一つの、一歩のよすがとしてそういうものを入れた。

 私は悪意で言っているわけでも何でもありませんで、私はそういう意思がありますから、その一つの一環としてこれを行っている、そういうことでございます。

山田委員 私は法律家の一人ですが、尊厳死というものは非常に慎重であるべき話で、大臣もよく御承知のはずです。

 本来、尊厳死の場合にはまず本人の意思ですね、どんなことがあっても。もう本当にどうしても、もうこれ以上治療してもだめだとか、そういう限られた場合でしか我々は尊厳死というのは認めない、法律では認められていないと思います。しかし、日本の法制度ではまだそこまででしか認められていない、大臣は知っているのに、しかも私が驚いたのは、診療報酬改定で、この高校生が言っているように、これは尊厳死を進めていくようなことを暗に医者と患者との間の合意でやりなさい、それにお金をやりますと。これは私は許せないと思うんだ。

 大臣、もう一回だけちょっと。

舛添国務大臣 私は、先ほど申し上げましたように、今委員がおっしゃったように、なかなかリビングウイルの法制化というのは難しい。

 だけれども、あえてそのリビングウイルという横文字を使っているのは、尊厳死ということとはちょっと違って、みずからどういう決定をするかを決める。ただそのときに、やはり私一人で、私は医者でもない、専門家ではありません、例えば自分の体の状態がどうであってどうであるかということを、きちんとこれは情報をもらう必要があります。そして決断を下すときに、やはりいろいろな周りの方にお手伝いいただくことも必要だ。そういう意味で今回の改定を行っている。

 私は、人間みんな亡くなるわけですから、そのときに、どれだけ自分の意思をきちんと自分の人生について持てるか。そのときのお手伝いのインセンティブということですから、委員、それは例えばこの一年やってみて、これはとても大きな弊害がある、その現場を見て、まだこれは始めたばかりですから、それでもしそういうことがあれば現場の、また、これは最終的には私が決めますけれども、私が勝手に独裁者的にこう決めているんじゃなくて、それぞれの医学会の方から、それぞれの病院の方から、あらゆる関係の方々から御意見をいただいて、そして審議会において十分の結論を得た上で私は最終的に決めているわけでありますから、ただ私が勝手に決めているわけではありません。

 そして今委員の御指摘を受けて、この一年間の様子を見て、非常な弊害がある、これは変えた方がいい、そういうことであれば、それはまた来年の診療報酬改定においてきちんと手当てをしたいと思います。(発言する者あり)

茂木委員長 大変いい議論が展開されていると思います。ぜひ御静粛によろしくお願いいたします。

山田委員 それから、今度の後期高齢者医療制度で、従来と同じような医療を受けられませんですよね。これは選択制に最終的にはなりましたが、かかりつけ医も持ち越しにはなりましたが、いずれかかりつけ医のこともやることになるんでしょうが、今度、通院の場合六千円までしか治療が受けられない、もちろん初診、再診とか注射、薬代は別ですが。

 大臣、私もこのことでいろいろ聞いてみました。そうしたら、あるお医者さんが私にこのようなことを話していただきました。慢性肝炎の患者が月一回受診してきているというんです。その人が後期高齢者医療保険制度に今度四月から入ったら、今まで血液検査と腹部エコーを必ずやったというんです、がんになっていないかどうか調べるために。ところが、この六千円の範囲内で血液検査も腹部エコーもやれといったら、できませんと。血液検査をやったら腹部エコーはできないんです。というと、慢性肝炎の患者はいつ肝硬変からがんになるかわからないのに、腹部エコーはできなくなってしまいますと。

 これは一つの例です。もちろん、MRIも受けられません。高血圧で困っていてもそういう診療はもう無理になるんです、通院の場合。そうすると、後期高齢者医療保険制度、これをすべて見てくると、七十五歳以上になったら早く死になさい、そう言っているのと同じではありませんか、大臣。

水田政府参考人 まず事実関係からお答えしたいと思いますけれども、後期高齢者に対する外来診療につきましては、患者の希望によりまして、いわゆる出来高による診療報酬合算という形で、従来と同じ治療を受けることを選択することもできます。可能であります。

 さらに、仮にこの後期高齢者診療料を選択された場合でも、病状が急に悪化したときに実施した検査あるいは処置、一定額以上のものにつきましては別に算定することができるということとしてございまして、これらの必要な医療が受けられなくなるということは考えておりません。

 さらに、高齢者にとりましてはいずれの場合でも、希望すれば他の医療機関に変更することもできますし、専門的な診療が必要になった場合も、他の医療機関を受診することも制限されていないわけでございますので、そういう意味では、患者と医師の間で信頼関係ができ、安定したときに、恐らくこういった後期高齢者診療料が選択されるものと考えます。

 これは、追加して設けられたものでございます。

山田委員 当初、かかりつけ医の話はフリーアクセスもできないとか、これは撤回したようですが、多分いずれやることになるんでしょう。しかし、今回選択制にした、これを導入したけれども選択制にした。確かに、選択制にして病院がこの制度を、六千円の範囲内でというのを選択しなければ、出来高はできることに今回はなっています、今回だけは。しかし、次にまたどうなるのか。

 後期高齢者医療保険制度というのは、まさに従来と同じような治療は受けられなくなっていくんだ、そういう意図で始められたことには間違いない制度なんです、これは。いろいろこの制度を私も調べさせてもらいましたが、調べれば調べるほど、考えれば考えるほど、この制度はまさに高齢者にとって大変なことだ。今でさえ医療は大変なのに、これでいくと、まさに信じられないほどの状況になっている、私はそう思わざるを得ません。

 それで一つ、大臣、なぜこうなったかと考えてみますと、あの二千二百億円のいわゆる福祉予算の削減で、どんどん障害者も、そして後期高齢者医療保険制度もこうしてやってきた、この政府・与党の責任は重いと私は思うんですが、最後に私が示した資料九、東京新聞の一月十日。大臣、これを見ていただきたい。

 二段目を読み上げますよ。「〇六年度の歳入は三十一特別会計」、あのガソリンの道路特別会計も含め、三十一特別会計あるんですね、「合計で前年度比一〇・九%増の五百一兆五千三百六十三億円、」いいですか、歳入だけで、特別会計だけで、一般会計が八十兆だというのに五百兆を超えていたんです。しかも、歳出は四百五十兆五千七百九十五億円で、〇六年度の特別会計で剰余金が五十・九兆円もあるんです。

 いいですか、大臣。その中で一段目の真ん中辺を見てください。「〇五年度(五十兆九千五百七十四億円)に匹敵する高水準となる。」毎年五十兆ぐらい剰余金が特別会計は出ているんですね。このうち、八割を超える「四一・八兆円を「不用金」などとして翌年度の歳入に繰り入れた。」とあるんです。

 いいですか、その下の段の真ん中辺を読みます。「剰余金のうち、一六・〇兆円を工事の遅れなどを理由に支出を翌年度に先送りする「繰越金」、一〇・五兆円を明確な使途のない「不用金」として翌年度の歳入に繰り入れるなどした。七・三兆円は積立金や資金として積み立て、〇六年度末の残高は一九六・三兆円」というんです。

 あるところに金はあるんですね。八十兆の予算で金がない、ないといいながら、特別会計にこれだけのお金があって、まさに不用金が四十兆も出ているんですね、大臣。これは何を政府・与党はやってきたんでしょうか。やはりこういうところを、特別会計を一般財源に繰り入れていきながら、むしろ、道路より命。

 我々は、そういう意味で、しっかりとこれから政策の転換を図っていかなければならないと思います。

 私の質問を終わります。

茂木委員長 次に、阿部知子君。

阿部(知)委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 本日議題になります二法案については、基本的に、駐留軍関係あるいは漁業離職者等の措置に関する法案も、戦没者の父母等に関する特別給付金支給等の法案も賛成をいたします。

 その賛成の上で、私は、かつての第二次大戦がもたらした悲惨な結果、一番愛する大事な御子息様たちを失われた御遺族や御家族に対しての国としての措置は、当然とは思います。そしてその上で、では、最もあの戦争の犠牲になって亡くなっていった方たちについては日本は何をしているか、何をしてきたかということで、私はいつも、厚生労働大臣が新たにかわられるたびに伺ってきたことですので、舛添厚生労働大臣に伺います。

 まず、大臣のお手元には、一枚目を見ていただきますと、そこには、昭和二十七年、国会の衆議院の決議で遺骨収集ということが始まって以来、平成十九年に至るまでの、海外戦没者でまだこの国に御帰還されない方の御遺骨が幾つ拾われてきたかという歴史がございます。平成十九年度では六百六十四、私は、柱という言葉よりは、これは行方不明の人でありますし、その方たちが見つけられることなく白骨化してこの国に帰ってこられた数、六百六十四人だと思います。

 きょう、大臣にも、また委員の皆様にも見ていただきたいですが、この写真は、本年の三月、フィリピンのセブ島で収集された遺骨でございます。皆さんがごらんになれば、いまだにこのような形で、故国ではなく、ふるさとではなく、埋められ風雪にさらされた御遺骨があるということに、どなたもいろいろな思いを禁じ得ないことと私は思います。

 この御遺骨収集ということに関して、私は、国会議員になりまして以来ずっと取り上げてまいりましたが、例えば、せんだっても、昭和館と、そして傷痍軍人の皆さんの功績をたたえるしょうけい館というところにも行かせていただきましたが、傷痍軍人と言われれば、おけがをされてこの国に帰られて戦後御苦労された方々を何とか、国としても、国民の記憶にとどめ、そして後世に平和の大切さを訴えようという施設でございますが、そこには、傷痍軍人の各県人会の皆様がいろいろ出しておられる資料もあり、どの方面でおけがをされて、そして、生きて帰られたわけですから、激戦地の方面の記録も多少はございます。

 私は、厚労省としてもっと積極的に聞き取り調査をしていただきたい。今もう御存命の方も平均八十五であります。そうした御高齢の方たちがせめて、先ほど山田先生のおっしゃった、七十五歳以上でぼけてと言われる痴呆は六・九%だそうですから、もし御存命で御記憶にあれば、私は、拾われぬ遺骨も帰れる手だてがもっとあるやもしれないと思います。

 時間の関係で、大臣に、恐縮です、二問つなげて行かせていただきます。

 もう一つ、私はきのう、フィリピンのルソン島からいらした国会議員にお会いいたしました。実は、この議員が日本の国会に来てくださった理由がございます。先ほどお見せしたのはフィリピンのセブ島ですが、この方はルソン島の国会議員でありますが、このルソン島、最後の日本人の激戦地となったところでございますが、彼自身の周辺にもいまだに日本人の御遺骨が見つかるという、彼自身が実際に経験し、把握しているものでも千体あるんじゃないかというお話でありました。

 この間、今年度の予算案でもそうですが、約四百億円近くがこの援護関係に使用されている一方、遺骨収集作業は二億そこそこでございます。去年の派遣回数二十七回、そしてこの間、NGOの皆さんからもいろいろな情報が寄せられるようになって、少しずつは厚生労働省も前向きにやっていただいておると思いますが、やはり予算と人員によって行ける回数は制約がございます。

 昨年度二億四千万、今年度二億四千万、こんなペースでやっては、まだまだ百十万の海外戦没者、そして、実は現地に行けば、いろいろなところから情報がその後返ってくるようになります。中には真偽のほどが定かでないものもございますが、私自身、インドネシアもフィリピンもモンゴルも行ってまいりました。その後、いろいろな情報をいただくことができます。

 大臣にあっては、ぜひ厚生労働省挙げて、予算も陣容もつけていただきたい。私は、この作業が終わらない限り、日本の戦後というのは、本当に、最も苦しまれた方に何ら報いていないように思います。

 二点にわたって答弁をお願いいたします。

    〔委員長退席、吉野委員長代理着席〕

舛添国務大臣 この未帰還の遺骨の問題は大変大事な問題だと思いますし、私の周りにもNPOでこれに携わっている方々がおられて、しょっちゅう行っておられて、情報も得ております。

 一つは、情報収集体制をもっと整備する。それから、どうしてもこれはマンパワー、コストがかかりますから、今後これはやはり戦後処理の一つとしてきちんとやらないといけないと思いますので、来年度に向けて、体制整備そしてまた予算の獲得、さらに努力をしてまいります。

阿部(知)委員 来年度だけでなく、情報が寄せられたら、それは予算の枠を超えてでも本当にやっていただきたいです。帰れないんです。帰りたくても、もう自分の足では当然歩けるわけもありません。

 また、今、アジアでは開発が進んでおります。そうすると、今まで足を踏み込んだことがないような森の奥地や断崖絶壁からも御遺骨が現実に見つかっております。情報は集めようと思う意思によって必ず集まり、情報が来たら迅速にお願いしたいと思います。

 さて、先ほど山田委員がお取り上げになった後期高齢者医療制度に移らせていただきます。

 大臣も既にお気づきのように、この後期高齢者という言葉、やはり、何が前期で何が後期なのか、失礼ではないかという声が福田総理の脳裏をよぎったのだと思います。長寿医療制度と名を変えても、現実は変わらない。私は、大変に残酷な制度だと思います。

 これは恐らく大臣も、御答弁に立つ場でなければ、あの小泉構造改革の中でも、私は、あの戦争中に苦労された、命からがら帰ってきたかもしれない、あるいはその御家族、御遺族である方たちにこれが国がやる仕打ちかと、本当に心から怒りを覚えるような制度であります。

 大臣にまず伺いたいと思います。

 今、全国自治体五百三十以上から、この制度の見直しや廃止等々の意見書が上がっております。私が最後に聞きました数が、たしか五百三十七だったように思います。約千八百自治体のうち、三分の一以上の自治体から懸念や見直しや廃止の要求が出る。厚生労働行政にあってこのような事態は前例があったのか、そしてこういう声を大臣はどう受けとめておられるのか、一点お願いします。

    〔吉野委員長代理退席、委員長着席〕

舛添国務大臣 これまで地方の声がどれだけ出てきたか、ほかの制度の場合はどうか、ちょっと私は細かい数字を持っていません。

 ただ、委員がおっしゃるような懸念も含めて、例えば、二年間にわたって保険料を半額にする、最初の六カ月は凍結する、そういう移行措置、激変緩和措置、こういうものは与党の責任において、過去、二年間においてきちんととっているわけであります。もちろんいろいろな御批判があったり地方の懸念もありますけれども、しかし私は、やはり一つは、全体、国家百年の大計から見たときに、国民皆保険をどうして守っていくか、それは当然財源のことも考えないといけないと思います。

 それから、これはもう釈迦に説法で、むしろ委員はお医者さんですけれども、私は、老人医療とか老人介護の現場を見ていて、やはり高齢者には高齢者にふさわしいようなケアの仕方があるんじゃないかなと。そういう観点から、これはもう本当に悪い制度でということではなくて、私は、非常に理想的な形での御高齢の方々をケアしていくというポイントは、きちんとこれは今からやっていかないといけないと思っていますので、そして、御指摘の点やいろいろな問題は、激変緩和をするような形で細かく手当てをしてまいりたいと思っております。

阿部(知)委員 そこまでおっしゃるなら、大臣もぜひお金のかからないタウンミーティングに出ていただきたいです。たくさんのお金をかけてやってほしくはないですが、今、どんな街角でもこの後期高齢者医療制度に対する不安の声は聞かれます。それは、御高齢者御自身の理解が足りない、あるいは誤解であるということでは決してない。まず第一、何に怒っておられるか。尊厳を傷つけられた。七十五歳だからという形で、医療も別。大臣御存じですか、実はメタボ健診だって受けられないんですよ。全部別。何でここで線が引かれねばならないか。このことに対する明確な説明もありません。

 でも、私が今具体的に大臣にもっと伺いたいのは、先ほど山田委員の御質疑にもありましたし、私は一月二十八日の予算委員会でもお聞きいたしましたが、これから始まる、もう四月十五日から天引きのこの後期高齢者医療制度の保険料と、もう一方、国民健康保険の保険料、これが定かに国民に通知されたか。暫定的な額でも構いません、通知をいつされて、いつ天引きが始まるのか。四月十五日は決まっております。各人に行って理解するまでの間の時間はどのくらいあるのか。

 そして、大臣にはお願いしました。全国の保険料が出たらお教えください。大臣は、一月二十八日、調べてわかったらお伝えしますと言ってくださいました。私ども国会にはいつ教えていただけますでしょうか。

 いろいろな、国保新聞などを読みますと、厚生労働省は公明党の開催された委員会では保険料についての御説明をなさったそうですが、全議員にお願いしたいと思います。どうでしょう。

水田政府参考人 各人に後期高齢者の保険料をいつ通知したのかということでございますが、これは四月一日付で賦課決定がなされておりますので、そろそろ各人のお手元に届くと思っております。これは法律的なことでございます。

 そのほか、各広域連合においてさまざまな努力をして、全員にお伝えしたところもあれば、算式をお示ししたところもあれば、これは区々であろうかと思っております。

阿部(知)委員 大臣、今、水田さんが各人にお知らせしたということは、もうデータはあるんですよね。ぜひ厚生労働省で集計して教えていただきたい。本当に国保の保険料も安くなりますか。それを皆さん質疑されると思うんです。やはりエビデンスベースドでやらなきゃいけない、よく大臣はおっしゃいます。データがありません。水田さんもそうおっしゃるなら、私どもに示してください。国民に通知されたら、そのもとデータがあるはずですから。そして、それを所得別に分けてみていただきたいんです。ここは大変に、それもスタート時点ですよ、これから上がることは間違いないんです。先ほど山田委員も御質疑になりました。

 大臣にはこの点をお願いいたします。私どもに示していただきたい。それは、国政にかかわる者がその賦課された保険料が本当にその方の生存を脅かすものでないかどうかチェックしていかなければ、憲法二十五条の規定にももとってまいるからであります。

 大臣にうなずいていただきましたので、御了解いただいたと思って、私は次に進めさせていただきます。

 さて、この後期高齢者医療制度が七十五歳以上の方に対しての残酷な制度であると同時に、私は、七十五歳以下の、いわゆる後期高齢者を支えるとされる世代にも大きな問題を持っていると思います。

 大臣にお示しした資料のうち、一番最後をごらんいただきたいと思います。

 ここには、後期高齢者を支えるために、各保険者、政管健保、健康保険組合、共済組合、国民健康保険組合あるいは船員保険組合などが、現在の老人保健制度、現在といっても三月三十一日でなくなりましたが、その制度に対して拠出している額と、今度後期高齢者医療制度になって支援として投入しているお金の額の総計です。

 ぱっと見ればおわかりのように、組合健康保険は支援金の額がふえました。国民健康保険は少し減っています。政管健保もやや減っています。そして、この額は、先ほど山田委員が御質疑で、一人頭三万八千円掛けるそこの所属の加入者人数で概算しておりますが、三万八千円というのは十一カ月分で、十二カ月にすると四万二千円で、かかる計算がきます。

 大臣にはこれをじっと見ていただくと、加入者数の中はゼロから七十四歳。後期高齢者と言われる方の制度を支えるために、所得もない被扶養者である子供たち、ゼロから十五、働かせるわけにもまいりません、児童虐待になりますから。その方たちからも、その子たちから取れないから、その子供をお持ちの方からも結局負担金を高く取っているという制度であります。

 国を挙げて少子化対策と言う一方で、子供が多い保険者は負担が上がってまいります。大臣、何か逆だと思われませんか。こんな国はありません。ゼロから十五の子に、働いてもいないんです、生産年齢人口にも入っていないんです、でも、共助の仕組みだから、あなた方も頭数の一つで支えなさいという仕組みです。

 わかりやすく私は短絡的に言いましたが、大臣、これはどうですか。

舛添国務大臣 加入者ということで非常にシンプルに数えればこういう形になります。

 しかし、少子化対策というのは、これはこれできちんとやれる。ここに、加入者の数に子供を入れたからといって、それが少子化対策に逆行するのかなという、例えば政府管掌保険と健康保険組合の保険、これは、例えば、船員組合、共済組合、そのほかの組合で家族構成が著しく違うというようなことがあれば、それは今の御議論も成るかとも思いますけれども、私は、少子化対策は少子化対策としてきちんとやる、加入者の数としてこれを入れることが著しく少子化対策に逆行している、そういうふうにはあえて思っておりません。

阿部(知)委員 そこが、日本の社会が子供に対する哲学がないところです。大臣、子供たちはこの社会が養育していくべき対象であって、負担を背負わせる対象ではないのです。さっき言いました、働けない、所得もないです。結局親御さんがかわって負担する、あるいは親御さんの所属する健保組合全体が負担するわけです。そんな負荷をかけるべきでもありません。大臣、もう一度、きょうは、これはもしかして初めての私の問題提起かもしれませんので、よくお考えいただきたい。

 そして、さらに、この後、この各保険者は、スタート時点ではこのような形、組合健保は今までよりも負担金が多いです。そして国民健康保険は、これは水田さんがせんだっての福島議員の質疑に対して、マクロでは国保の負担料は減るんですね、減っております。ただし、これはあくまでもスタート時点です。

 今後、この支援金の額を考える、勘案、計算していくために取り入れられるのが、いわゆるメタボ健診であります。各保険者が、組合健保、国民健保あるいは政管健保が、その所属する加入者、組合員にどのくらいメタボ健診を受けさせたかという受診率、そして指導、改善率等々によってこの負担金は変わってまいります。

 大臣、ちょっと例示で考えてみてください。各組合一生懸命努力しました。メタボ健診、旗が振られているんですから、私はメタボ健康ファッショだと思いますけれども、とにかくやっていらっしゃるんですね。そして、みんな努力しました。でも、おのおの努力して、前より改善したけれども、組合健保の改善率と国保の改善率で差があった、改善はしたけれどもペナルティーが科せられるんです。この総枠の四兆七千四百八十七億円は変わらないとしたら、この中で負担金を分け合うわけです。努力したって努力したって、頑張ったって、もっと頑張ったところがいたら自分たちが負担金は増すんです、支援金は。何かおかしくないですか。

 それから、連帯とは、御高齢者を支えようという、いわば前向きの、善意のものです。社会の共助の仕組みの中でとても大事です。そこに罰則をかけてくるわけです。連帯と真っ向から違う価値観ではないですか。

 大臣、二点お願いします。

舛添国務大臣 これは、一つの制度を入れる、私は、メタボ健診についてもいろいろありますけれども、特定健診、つまり生活習慣病を予防して、できるだけ健康で長寿を保とう、この発想そしてこの政策は間違っていないというふうに思います。

 その上で、ではそれにどういうインセンティブを与えるかということの一つの手当てが、今言ったこの減算、加算ということであります。これは一応法律上明記はされておりますけれども、私は、実際にこれを施行するのは五年後のことでありますから、現実にこの経過をよく見た上で検討していきたい、そういう留保を私自身でつけておきたいと思います。

阿部(知)委員 このメタボ健診をやらねばならないとされた保険者のうち、とりわけ国民健康保険の保険者は今大混乱であります。なぜなら、もともと受診率も低いです、国保の皆さんは。それから、大きな企業が中心になる組合健保等々ではその全体を把握するのに有利です。やりやすいです。だから、さっき言ったように、両方努力したけれども結果においては差が出て、努力した結果ペナルティーが来る。私はそういう発想をもう一度、大臣はこれの結果をとおっしゃいましたが、私は根本を問うています。

 もっと根本を問えば、大臣、後期高齢者医療制度は、実は七割、八割女性です。うば捨て山保険という言葉、私もそこに入るのかもしれませんが、私が入るときまでにはやめてもらいたい、即刻やめてほしいです。そういう制度ですが、メタボ健診をやったとして、男性と女性では健診の有所見率と申しますか、指導に回る率で二倍の差があります。男性の方が多いんです。すなわち、後期高齢者医療制度の大半である女性は、メタボ健診によってそれがひっかかり、でも治療されずに放置されて、糖尿病になったか何になったかとか言われますけれども、もともと圧倒的に発生する数が少ないんです。

 ただ、この次に申し述べますように、高脂血症のようなものを、脂質が高いというものを勝手な基準でやれば、女性の高脂血症はがんとふえます。その基準のイカサマさは後ほどちょっとやらせていただきますが、もともと後期高齢者には女性が多く、またメタボ健診等々でひっかかってくるのは男性が多いんだということであります。どのくらいのエビデンスで、こんなペナルティーまで科して、計算式にかかわってくるわけです。こんなものを取り入れるのか。

 先ほど山田委員の御質疑の、あの法制化もされていない尊厳死問題を現場に投げて、現場の医師は、私は嘱託殺人の共犯者にはされたくありません、法もないのですから。だれがそこにかかわったことを保護してくれますか、いざとなったら。

 この健診もそうです。エビデンスが全くない。さっきの男性と女性の比率からいってもそうです。ただ、お金になるから市場は動き出しました。そして、実は、そのことの基準をつくる指針作成医の中に、薬剤メーカーや皮下脂肪をはかる会社からわんさわんさ寄附を受けた医師たちが九割だという実態がございます。

 メタボ健診については、大臣がもっとよく考えるとおっしゃってくださったとみなして、私は、これは、こんな経済的インセンティブ、支援金のインセンティブになるようなエビデンスは全くないということを本日は指摘させていただいて、最後に取り上げたい、基準作成の指導医のうちの九割が企業から献金を受けていた問題に移りたいと思います。

 三月三十日の読売新聞によると、高血圧やメタボなど主要四十疾患の診療指針をつくった国立大学医学部の医師の九割が製薬会社から寄附金を受領していたという事実が明らかになりました。これは、読売新聞社が各大学に情報公開を用いて、個別の医師にどのくらい寄附金が来ているかを調べたものです。

 なぜこういうことを調べるに至ったかというと、実は、〇五年の四月に、メタボリックシンドローム診断基準検討会、学会の中に置かれたものですが、これがつくられて、その中のお一人である松澤先生、このときは阪大の先生ですが、この先生には、二〇〇〇年に九千五百七十九万円、二〇〇一年一億四千六百四十七万円、二〇〇二年一億四千五百六十一万円、二〇〇三年一億六千八百二万円の、関連の薬剤会社あるいは機器メーカーからの寄附があったということが情報公開からわかったわけです。

 私は、大臣も大学におられたからわかると思います。寄附はあっていいと思います。ただ、それが利益相反、すなわち、自分が検討会で基準をつくっている、おなかの腹回りが幾らだ、皮下脂肪が幾らだを決めなきゃいけない基準づくりに参加しながら、この松澤さんだけではないですが、個人を取り上げて恐縮ですが、この方が三共製薬から年次にわたって多額の寄附金を受けておられました。

 大臣のお手元の、ページでいうと四ページでございます。これも全部情報公開法を用いて引っ張り出したものであります。ちなみに、松澤先生の三共というのは、メバロチンという高脂血症のお薬です。山之内製薬というのも、同じようにリピトールという、これも高脂血症のお薬の販売メーカーです。N2システムというのは、皮下脂肪、特に、皮下ではなくて内臓脂肪をはかる機械のメーカーです。どんなものかというと、その次のページにちょっと例示してございます。

 まず、大臣、私は前の柳澤大臣にはお伺いしました、利益相反は問題だ。特に、これからいろいろな研究、指針づくりなどには、そうした寄附金を受けているか受けていないか明確にしてくれなければ、国民は最大限これは怪しいと思います。なぜその教授に億の単位のお金が行って指針づくりに関与しているのか。

 大臣には、このことをどう思われるかと、もう一つ、時間の関係でこれも、両方で恐縮ですが、国立大学病院は、現状においては寄附の総額しか情報公開されておりません。どこから幾ら寄附があったかをホームページにアップできるように、というのは、国民が知る必要があります。情報公開をやっても、ここには二年間かかったんです。これでは、事は進んで、指針はできて、国じゅうメタボ健診で、しかし、変だ、おかしいと思ったとき、国民からとめられません。

 情報公開は、まず、今こんなツール、インターネットを初めとしてIT技術は進んでおります。文科省と相談して、国立大学病院の寄附をきちんとホームページ上、どこから幾らであったかを載せるように検討していただきたい。いかがでしょう。

舛添国務大臣 まず、今私が取り組んでおりますのは、薬害肝炎の反省の上に、例えば新薬の承認であるとか安全性、これについていささかも国民から疑惑を抱かれないように、そういうメンバー構成をやる。今そういう対策を立て、新しい基準をつくろうとしているところでありますから、今委員が御指摘の問題も、基本は国民から利益相反について疑義を抱かれないようにする。

 ただ、ここから先は、今それで苦闘しているんですけれども、では、例えばある薬であるとかある問題について本当に知っている方がどこにいるのかというときの専門性と利益相反の問題、これも課題として今考えております。

 それから、今おっしゃった、どこまでの情報公開をするか、これはちょっと状況を少し精査させていただいてその上で検討させていただきたい、ちょっと状況を把握しておりませんので。それで、いろいろな改革を、今ホームページの改革もやっております。そういう大きな改革の中の一環として検討させていただきたいと思います。

阿部(知)委員 済みません、一言だけ。

 五百万円以上の寄附をもらわれた方は、今でも審議会委員には入らないというガイドラインができています。これは巨額ですので、大臣、ぜひ検討してください。よろしくお願いします。

茂木委員長 この際、休憩いたします。

    午後零時三十六分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時四十三分開議

茂木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。長妻昭君。

長妻委員 民主党の長妻昭でございます。

 質問の機会を賜りまして、ありがとうございます。

 委員長にまずお尋ねいたしますけれども、私の議事録が削除された件でございますが、「与党というのは一度でも不祥事を追及したことがあるんですか、政府の。」この部分でございます。削除されて、いまだ回復しておりません。

 前回の質疑の中で、委員長はこの中身も勘案して削除したと言われましたけれども、これは与党を批判すると削除をされるというようなことがまかり通ってはいけないと私は思いますので、まず再度、この撤回を強く求めて質疑に入りたいと思います。

 きょうは二つの法案の案件でございますけれども、まずは、戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案についてお尋ねをいたします。

 これは、それぞれ五年置きにまた新たに申請をさせるということでございますけれども、過去三回の切りかえ時に新たに申請をされてこられた方というのはそれぞれ何人でございますか。

舛添国務大臣 戦没者の父母等に対する特別給付金につきましては、平成五年改正時に六十七件、平成十年改正時に三件、平成十五年改正時に十件でございます。

長妻委員 これは、そうすると、戦没者の父母等に対する特別給付金というのは、最後の子供も戦争で亡くなってしまった、つまり、子孫がいなくなってしまった、こういう本当に大変お気の毒な方に、父母等に支給されるものでございますけれども、平成五年になって新たに申請された方が六十七人おられるということは、これは全くこの制度を知らないで、新たに制度を知って申請した人がほとんどだというふうに考えてよろしいのでございますか。

舛添国務大臣 基本的にはそういう方が多いというふうに思います。

長妻委員 これは年金の問題でもそうなんですけれども、非常に冷たい政府だと思いますのは、こういういい制度があってもきちっと告知をしないので、私は多くの御存じない方がまだおられるんじゃないのかと。これは戦争中に最後のお子様を亡くされた方でありますので、平成に入ってからも制度を知らずに、いろいろなところで知って初めて申請されるという方がおられるわけで、こういう方は、過去にさかのぼって戦後から給付金を申請して、もらうということはできるのでございますか。

舛添国務大臣 法律によって、時効が三年ということに定められております。

長妻委員 これも年金の申請主義に似たものでございまして、平成に入って初めてこういう制度があることを人づてに聞いて、そして申請をした、しかし、初めから知っていれば、この制度が始まって後に申請をして、それぞれ毎年給付金を受け取れたにもかかわらず、それが時効で受け取れないというのは、これは大臣、何か善処するお考えというのはございませんですか。

舛添国務大臣 これはさまざまな広報手段を使って周知徹底の努力を行っております。

 そして、今のところは、戦没者の父母等に対する特別給付金支給法第八条において、三年間権利を行使しないと受給権は時効によって消滅するというふうになっていますし、それから会計法の第三十一条を見ましても、「金銭の給付を目的とする国の権利の時効による消滅については、別段の規定がないときは、時効の援用を要せず、また、その利益を放棄することができないものとする。」と規定されておりまして、受給権が時効消滅した方の救済は、委員御承知のように、今の法体系の中では非常に困難だということであります。

長妻委員 そして、これは五年置きに毎回請求をしないと給付金が支給されないということで、今、父母の方というのは平均年齢が九十四歳でございまして、これは忘れる方がおられるわけで、しかも、忘れている方に電話一本しているかしていないかわからないということを聞きまして、これはもうちょっと温かい対応をしていただきたいと思うのでございますけれども、ぜひ大臣、よろしくお願いをしたいと思います。

舛添国務大臣 前回の特別給付金受給者の方には、個別に各人に電話その他の手段を使って、また今回こういう時期が来ましたということで周知徹底をして、特別給付金の請求漏れがないように、これは今の制度のもとで全力を尽くしたいと思います。

長妻委員 ただ、私が聞きましたのは、そういう郵便は何度か送っているんだけれども、前回は請求があったんだけれども今回はない方に対して、郵便を送っても反応がない方に対して、それでも電話一本かけるというような踏み込んだことも、人数がこれは少ないわけでございますので、ぜひしていただきたいというふうに思います。

 そしてもう一点は、本当に高齢者の方にとって重要な年金の問題でございますけれども、これは舛添大臣に、きょうは何としても、今までいろいろ質疑をしている中で、我々民主党の提案をなかなかいい提案だということは言っていただけるわけでありますけれども、ただ、それで終わってしまっている、進展がないというところに、非常に我々は、憤りというか、問題解決が進まないところがあるのではないかと考えておりまして、きょうはぜひ期限と中身をこの質疑の中で大臣に明言していただきたい、それが官僚を動かすことにもなりますし、非常にいい方向にいくのではないかというふうに考えております。

 その中の一つ、一番大きいところで言いますと、これも我々はもう何度も申し上げているわけでございますけれども、紙台帳が各社会保険事務所や自治体に八・五億件ある、それをすべてコンピューターと照合してデータを正しくする、これは並行的に、社保庁解体の二年以内にやらないとだめだ、これはもう必要最低限のことだということを何度も申し上げているんですが、それが進まない。

 実は、何度もこの質疑をさせていただいておりますけれども、昨年の十月二十四日の当委員会で私の質問に対して舛添厚生労働大臣は、二年で八・五億件を照合する見積もりをつくってくれと私が申し上げましたところ、「これはそういう方向できちんと工程表を出したいと思います。」と大臣は言われました。「したがって、見積もりをつくります。」というふうに大臣は言われたわけでございますが、これは今どんな進捗状況ですか、見積もりは。

舛添国務大臣 まず、毎回お答えしていますように、国民年金の特殊台帳の記録、これは委員御承知のように三千三百万件、これの突き合わせを二十年度に行う。それから、市町村が保管する国民年金被保険者名簿の記録、これは一億四千万件ございますが、これは、平成二十一年度以降の作業の具体的な実施方法の検討や実施をするための今準備作業を進めている。それから、一番数の大きい厚生年金の被保険者名簿の記録、これは六・八億件ということでありますから、これはサンプル調査を二十一年度中に行い、そしてそれを見ながらこの優先順位を行う、こういう方針で今さまざまな準備を進めているところでございます。

長妻委員 そうすると、今発言が後退しているような気がしたんですが、八・五億件を社保庁解体の二年以内にすべて照合する、これはまずもちろんやるわけでございますね。

舛添国務大臣 新しい組織ができるまでにはそういうこともきちんとやりたい、そういう決意を何度も述べているわけであります。それはもうずっと昨年来御説明を申し上げている。

 ただ、その具体的な作業手順というのは、今申し上げたように、一つ一つ着実にやっていく。そして同時に、この十月までの間に一億人全員に、受給者、加入者に記録を送って、一億人全員の方に、これをみんなで点検して、記録を確立していく。その過程において、当然紙台帳との突き合わせということもプロセスでは入ってきます。

 そういう作業を並行して進めながら、新しい組織に向かって、そして一日も早くこの記録を再確立する、そういう方向で努力を続けてまいりたいと思います。

長妻委員 ですから、今大臣が言われた工程表というのは、これは昨年七月五日の与党と政府の合意の域から全く出ていないわけでありまして、今年度、三千三百万枚を一年かけてやる。八・五億件割る三千三百万枚でいいますと、二十五年程度かかってしまうんですね、このスピードでありますと。ところが、いろいろな検討をしながら今後どうするか決めるというところまでなんですね、この昨年七月五日の工程表は。

 ですから、そこから踏み出して、二年以内にやるにはどうしたらいいか、その見積もりと工程表をつくりますと大臣は答弁されたわけです、昨年の十月二十四日。ですから、その見積もりはいつまでにできるんですかということを聞いているんです。

舛添国務大臣 それは、先ほど申し述べましたように、サンプル調査をやってみる、そしてその解析をやってみる、そういうことを一つ一つ積み上げていって、その結果が出る、今その作業を進めている。それはやってみなければわかりません。

長妻委員 見積もりとか工程表というのは、やってみなきゃわからないこともあるでしょうけれども、初めにやはり、工程表と見積もりをつくるのも何かをやってみないとわからない、つくれないというのは、これは本末転倒でありまして、これは、舛添大臣はもう無限に金がかかると言っておられるわけで、無限というのは幾らなのか、無限のマンパワーというのは何人なのか、それを含めて、二年以内にやる場合の人、物、金の工程表と見積もり、これを出すというふうに昨年の十月二十四日に言われておられますので、では、いつ出すんですか。

舛添国務大臣 ですから、先ほど申し上げましたように、それぞれ、特殊台帳それから国民年金の記録、そして厚生年金について、いつ作業をやり、それからサンプル調査をいつやる、そういうことは今申し上げました。それを解析した上でこれはきちんと数を出していく、積算の上で出していく、そういうことであります。

長妻委員 ですから、いつ出すんですか。めどは。

舛添国務大臣 サンプル調査を行って、そしてそれをきちんと解析した上でなければ正確な答えが出せません。(長妻委員「大体いつですか」と呼ぶ)いや、ですから、そのサンプル調査の結果を見て決めたいと思います。

茂木委員長 委員会の質疑ですから、お互いに勝手にやりとりはしないでください。指名を待ってお願いいたします。

 長妻君。

長妻委員 見積もりですよ。人、物、金の見積もりをつくっていただきたい、完成はいつごろでしょうか。それを聞いているわけで、大体めどを言っていただきたい。

舛添国務大臣 責任あるきちっとした積算というようなことをやるためには、やはりまずサンプル調査をやらないといけません。その結果を見てということです。

長妻委員 舛添大臣、私は、大臣を疑いますよ。何を疑うかというと、確かに、先ほど大臣が言われましたように、この配付資料でございますけれども、六ページ、大臣は、社保庁解体までの二年で紙台帳をすべて照合してコンピューターデータを正しくするのかという質問に対して、「それは私の決意でございますから、全力を挙げてその私の決意が実現できるように努力いたします。」と。

 これは昨年十月でありまして、その時点では社保庁解体までまだ二年二カ月ありました。ところが、今はもう二年を切っちゃいました。きょうは四月ですから、もう一年八カ月ですか。どんどんどんどん、二年、社保庁解体までという公約が刻一刻と時間がなくなっている中で、見積もりもいつできるかわからない、これはもう二年でやるつもりがないというふうに疑ってしまうわけでありますけれども、これは大臣、一刻も早く見積もりをつくらないとだめですよ。

舛添国務大臣 先ほども申し上げましたし、これは公表もしておりますので、一番多い六億八千万件、これは、三月の終わりになりますともうほぼサンプル調査が終わり、これを今、調査、解析をするということですから、今四月に入りました、サンプル調査をほぼ集約しているところです。そして、これをできれば三カ月ぐらいの間に解析をして、どういう中身であるか、そういうのを精査した上で、それからやりたいと思っていますから、これはやってみないとわかりませんが、二十年度、もう四月になっていますから、それでそのサンプル調査の結果をまとめて、恐らく夏前ぐらいまでには解析を終わりたい、そして、その調査結果の分析を含んだ上で、具体的な手順についてこれはきちんと決めたい、そういうふうに思っております。

 今申し上げたのは、一番数の多い厚生年金の六億八千万については例えばそういうことだということでございます。

長妻委員 そうすると、本体の見積もり、工程表は大体いつごろに出るということなんですか。

舛添国務大臣 本体ということの意味がよくわからないんですけれども。

長妻委員 ここでずっと議論している工程表と見積もりのことです。

舛添国務大臣 サンプル調査がほぼ終わります。それの解析をやります。そして、それは、今申し上げたように、夏前ぐらいには何とかこれを解析したい。その上での組み立てですから、そこから先になります。何月何日というのは、今まだはっきり申し上げられません。すべてそういう積み上げの結果やっていくということです。

長妻委員 これは驚くべき話だと私は思います。一番ポイントの対策の着手というか見積もりすら、いつになるかわからない。

 本当に、大臣は多分、社保庁解体までに八・五億件全件照合するつもりはないんですね、これは。やるつもりはないんじゃないですか。本当にやっていただけるんですか。疑いますけれども。やっていただけますか。

舛添国務大臣 一億人に、一人一人に年金記録を送る。そしてまた、片一方では、台帳とコンピューターの突き合わせをやる。それは、予定に従って、一つ一つ着実に私は進めているつもりであります。

長妻委員 質問ですよ、今私が申し上げたのは。

 つまり、大臣がいつも言われるのは、五千万件のそういう作業で忙しいからほかのものはできませんという趣旨の発言をされるわけでありますけれども、これは、もう官僚の皆さんのいろいろな問題点は一定程度明らかになったと思いますが、ただ、まだ処分者がゼロというのはとんでもない話でありますけれども、もう今、政治家の手、特に大臣、総理大臣の手にボールが握られている段階です。

 つまり、官僚の方は、やれ、やれと言っても、官僚の人が言うのならわかりますよ、今五千万件で忙しいからできませんと。ただ、大臣が言ってはだめなんです。つまり、大臣というのは、人、物、金を差配する権限も力もあるんです。ほかの省庁から持ってきたり、民間から守秘義務をかけて、万単位で例えばチームをつくったり、全部手作業で照合しなくても、今IT時代ですから、OCRで一部は機械で照合して、それでできない部分を手作業でやるとか、そういう段取りを考え、それを実行できる力を持っているのは、もう今や舛添大臣と福田総理だけなんですよ。

 ですから、二年でできる限りのことをすべてするという前提に立って、何十年もかけるということじゃなくて、人を集中投入していただきたいという趣旨でこういう質問をさせていただいているのでございますけれども、本当に社保庁解体までに八・五億件照合してコンピューターデータを正しくする、これをやるという決意をもう一回言ってください、そうしたら。

舛添国務大臣 私は、忙しいからこれをやれないというような言い方はしていません。

 物事に、どういうルートで行く、どういう優先順位をつけるのが一番国民のためになるか。国民のお一人お一人の皆さんは、自分のいわゆる宙に浮いている年金の記録をきちんと確立してもらって、そして、権利ですから、自分がちゃんと掛金を払っているので、その年金をちゃんと受け取る、みんながそれができる、これが一番大事なことだと思っています。私は、今でもそれは信じています。

 そのためにはどういう手順でやるのが一番早いか。それは、長妻委員がおっしゃるものと私の方法は違います。私は、私のやり方でやっていることで、これが一番早い手順だということで進めている。そのときに、やはり一番早く見つかる、一番そこに記録がたくさんある、そこから到達していく。その結果として、いろいろ御批判はありますけれども、六十五年間積もりに積もったものを、半年で千三十万の方に今お送りできることまでになりました。

 したがって、そういう作業を進めながら、そして二年後、二年間かけて、新しい組織をつくるときにはいろいろな問題を解決する、そういう決意であることは変わりはありません。しかし、そのためには、責任を持ってこれを実行するためにサンプル調査をし、解析して、そしてきちんとした数字を出すということは必要だろうと思っております。

長妻委員 そうすると、もう一回聞きますけれども、八・五億件をコンピューターデータと照合してデータを正しくするというのを社保庁解体までの二年弱にやる、こういうことでよろしいんですね。

舛添国務大臣 何度も申し上げていますように、新しい組織ができるときに、さまざまな問題、その問題も含めてきれいに解決する、そういう決意でございます。そのためには、責任あるきちんとした調査の裏づけがあった上で工程表をつくるということでございます。

長妻委員 これは、そうすると、また答弁が後退しておりますね。

 もう一回聞きます。ここは本当に重要なところなので。八・五億件の紙台帳すべてを照合してコンピューターデータを正しくするというのを社保庁解体の二年弱までにやりますね。

舛添国務大臣 私は、先ほど言ったように、そういう決意ですべて事に臨んでおります。

 ただ、何度も申し上げますけれども、きちんとした調査をやる、その上でなければ答えは出ない。そして、私は、今国民が一番求めているのは、この一人一人の年金の記録を確実に確定していって、お支払いすべきものをお支払いする。私は今でも、最後の一人、最後の一円まできちんとやる、その決意でやっています。それと同じような決意でやっています。

長妻委員 そうしたら、イエスかノーかで答えてください。

 八・五億件の紙台帳すべてをコンピューターデータと照合してデータを正しくする、社保庁解体の二年弱以内にやる、イエスですかノーですか、どちらですか。

茂木委員長 舛添大臣、日本語で答えてください。

舛添国務大臣 それは、そういう答えではなくて、何遍も申し上げていますように、これは中身をきちんと分析してみて、どれだけの人間が要る、どれだけのコストがかかる、そして今、全省から職員を導入しろと言いましたけれども、これは、例えば限られた職員の中、それですべての人がこのことができる能力を持っているわけではありません。それは市町村にもお願いをしないといけない。今もOBにお願いしたりしています。そういうことをすべて踏まえて、これはきちんと答えを出すということを申し上げているので、私はむしろ正確にお答えしていると思います。

長妻委員 これは何でお答えにならないんですか。

 そうしましたら、では、三つの選択肢ですね、今の話だと。つまり、やるというのか、まだわからない、検討する、やるかやらないかわからないのか、やらないのか、その三つのうちどれなんですか。重要です、これは。

舛添国務大臣 私は、きちんとサンプル調査を行った上で、そして工程表をつくる、しかし、新しい組織ができるまでにはさまざまな問題を解決する、そういう決意であります。(長妻委員「これはだめだ。質問できません」と呼ぶ)

茂木委員長 長妻君、質問を続けてください。(長妻委員「いや、委員長も聞いておられるように、答えていないんですよ」と呼ぶ)

 では、もう一度質問をお願いいたします。

長妻委員 そうしましたら、舛添大臣、聞きますから、ぜひ答えていただきたい。

 これは何度も言って、もう本当に。八・五億件の紙台帳をコンピューターデータと照合してデータを正しくする、これを社保庁解体の二年弱以内にやりますか、やらないですか、やるかやらないかわからないんですか、端的にお答えください。

舛添国務大臣 いろいろな御質問があるし、できることは十分承知しております。しかし、そのすべての質問のやり方にそのまま答えることが誠実であるかどうか、正しい答えであるかどうかというのは、それは答弁者も判断します。

 ですから、私は何度も申し上げております、私は決意であると。それは……(長妻委員「何の決意なんですか」と呼ぶ)最後の一人、最後の一円までやるという決意です。そして、今一生懸命やっていますよ。そうしたら、それがまた公約違反なんておっしゃることもあるけれども。

 私は、八億五千万枚については、何度もこの場でも、新しい組織ができるまでにはこれは解明をしたい、そういう決意でやるということを申し上げておるわけですから。(長妻委員「解明じゃなくて照合」と呼ぶ)解明という言葉は、要するに、八億五千万枚についてはきちんと処理をするということを、そういう決意であるということを申し上げている。ただ、そのきちんとやるためには必要な手続があります、事前の作業があります。そして、そういう決意であって、今その作業を着々と進めている、それで私は十分なお答えをしたつもりでございます。(発言する者、離席する者あり)

茂木委員長 席に戻ってください。(発言する者あり)席にお戻りください。

 長妻君、質問を続行してください。(長妻委員「これでこのまますっといってしまっては、これはおかしいですよ。こういう前例をつくっちゃだめだ。ここは議会なんだから、政府に対してもっと厳しくしないと。こんな質問で、そのまま素通りさせておいていいんですか」と呼ぶ)

 長妻君、質問を続行してください。

長妻委員 舛添大臣、ここは議会でありまして、誠実にお答えいただきたいんですが、だから、八・五億件の紙台帳をコンピューターデータと照合してデータを正しくする、訂正する、これを社保庁解体の二年弱以内にやりますか、どうですか。

舛添国務大臣 そういう決意で今一つ一つ作業を進めております。しかしそれは……(長妻委員「どういう決意なんですか」と呼ぶ)やりますという決意、やる決意ですということを今申し上げているので……(長妻委員「何をやるんですか」と呼ぶ)八億五千万枚について、それは何度も申し上げた。

 ただ、そのためには、サンプル調査をやり、分析をして……

茂木委員長 もう一度申し上げます。

 委員会の質疑でありますから、指名を受けた問題についてお答えください。また、質問者の方も、そのような形で指名を受けて、お願いいたします。

舛添国務大臣 何度も申し上げていますように、新しい組織ができるまでに八億五千万枚もきちんと処理をする、そういう決意で今既に事に当たっております。そして、そのための作業も、もうサンプル調査をやったり、一つ一つ着実に進んでおります。

 しかし、そういうサンプル調査の上の分析の結果がなければ、無責任にどうだと言うこともできないし、職員を導入する、これは関係閣僚会議もあります。そして、そういうことのためにも、私の直属の特別チームそして作業委員会、こういうところをフル稼働させて、いろいろな中にある情報をとり、やっているわけでありますから、当然、八億五千万枚の件についても、特別チームや作業委員会の力もかりて、私はそういう意味で、何度も申し上げますが、そういう決意でこれは臨んでいますから、その点は確たる確信がございます。

 そして、そのために作業を進めないといけないので、これもきちんと役所に指示をして、作業しろ、そして解析をするぞ、その結果に基づいてこれは動かすぞ、そういうことを言っているわけでありますから、どうかそこを御理解いただければと思います。

長妻委員 そうすると、今、確たる確信があるというふうに言われましたけれども、先ほどの舛添大臣の答弁でありますと、八億五千万枚を二年以内に照合する見積もりというのは、夏ごろにサンプル調査の結果が出て、その後見積もりを考える。そうすると、今のスローモーな調子だと、秋ごろに見積もりが出る。秋ごろ出たら、着手するときにはもう一年になっちゃいますよ。それで本当にできると思われますか。

舛添国務大臣 すべて、そういう調査分析の結果、きちんとこの方向をつけてみたいと思います。その結果を見て考えたい。

長妻委員 このサンプル調査というのは、厚生年金の紙台帳二万件のサンプル調査、この工程表の作業の期限では、三月末にサンプル調査完了と書いてありますが、これは完了しましたか、二万枚。

舛添国務大臣 私は先ほどまで六億八千万枚の話をしていたんですが、その中のサンプルの数の二万ということでございますね。わかりました。失礼いたしました。

 それは今、三月末までにということで、ほぼ終わっております。データがこちらに届くのが少しおくれたりしているということでありますので、それが私の手元に届くのにもうちょっと時間がかかります。ただ、一応一通りの調査を終えることをしておりますので、これから解析の作業に入りたいと思います。

長妻委員 そうすると、これはマンパワー不足で、閣僚会議にも出した工程表では三月末でサンプル調査終了だと、厚生年金の紙台帳照合のための二万件。この三月末というのは守られていないということですか。だめですよ、守らないと。

舛添国務大臣 今申し上げましたように、今ほぼ終わって、そして、ほぼ終わったというのは、私のところにまだ全部戻ってきていません。(長妻委員「サンプル調査はできたんですね、全部」と呼ぶ)サンプル調査はできました。したがって、もう少し待っていただいて、そして、これを見て今から調査解析をいたします。

 委員長、大変失礼しました。指名なく発言して申しわけございません。

茂木委員長 どうぞ続けてください。

長妻委員 これは事務方の説明と違うんですね。事務方は、三月末までに紙台帳との照合をするもととなるサンプル調査は完了できませんでした、申しわけございませんと私のところに言われたんですが、大臣、これは本当に完了しているんですか。いいかげんなことを言わないでくださいよ。

舛添国務大臣 私の理解では、私のところに全部まだ来ていない。(長妻委員「サンプル調査は終わっていないと言っていますよ」と呼ぶ)いや、それは終わっているけれども、失礼しました、ちょっと一遍座ります。

長妻委員 もう一回、ちょっと事務方に聞いてみてください、今。

舛添国務大臣 ちょっとこれは精査をいたしますけれども、私の理解では、この調査は終わった、終わったけれども、では早速解析をしよう、しかし目の前に全部来ていないから、それで私は先ほどのように、終わったけれども私の方に届いていません、そういう言い方を申し上げた。そういう意味で私は終わっているというふうに思い、そしてこれがまだ私のもとまで届いていない、そういう発言をしましたけれども、これは後ほど事務局にきちんと精査をさせて、どういう状況であるかということを、またこれは機会を見て理事会に御報告するなり、そういう形できちんと処理をいたします。

 私の答弁の仕方が悪かったのかもしれません。しかし、私のもとにまだ全部届いていないということの私の理解は、各地でやっていますから、終わった上で私のところまでデータが十分来ていない、それをもって全部終わっていないというのは、終わっていないということだと思います。

長妻委員 随分かばうというか楽観的というか、非常にいいふうにいいふうに理解するのも、時には重要でありますけれども、こういう緊急事態のときに、それで見積もりが出るのが秋以降だというような先ほどの答弁でありますけれども、これはできませんよ、そんな秋以降に見積もりを出してゆっくりゆっくりやっていたら。

 我々は、配付資料で皆様にお配りいたしましたけれども、一つのきょう時点での調査要請ということでありますが、「調査」のところの(2)、今申し上げた作業の工程表と経費の見積もり……

茂木委員長 長妻委員、どの配付資料か、ちょっと教えていただけますか。

長妻委員 配付資料一です、「「消えた年金」調査」というタイトルのある。

 ここの「調査」の(2)に、八・五億件の紙台帳とコンピューターデータを照合するための人、物、金の見積もり、これを社保庁解体の二年弱までにやる、それを工程表も含め今月末までに出してください、こう我々申し上げております。

 もう本当にタイムリミットです。今月末に出して着手をきちっと計画的にしなければ、二年以内にはできない可能性が非常に大きくなる、こういうふうに考えておりますので、四月末までにやる、マンパワーを増強してやる、自分が政治家として責任を持ってやらせる、去年からずっと言っている話でありますから、大臣、これはそろそろ決断してください。

舛添国務大臣 やがてサンプル調査の結果がすべて私のもとに来ると思いますので、これをきちんと解析した上で決定をしたい、なるべく早くやれるように努力をしたいと思います。

長妻委員 四月末までに見積もりをつくるというのは、ぜひ検討するというような御答弁もいただけないんですか、検討すると。

舛添国務大臣 まず、私のもとに届くサンプル調査の結果をきちんと解析すること、これからまずしっかりとやってみたいと思います。

長妻委員 いや、これは本当にがっかりしましたね。秋以降、せっかく国会で、答弁で、前向きな答弁だと思ったり、そうじゃない答弁になったり、結局、秋以降もいつなのかわからない。見積もりの話ですね、見積もりさえ、秋以降でいつできるかわからないと。これは、大臣はもう社保庁解体までに紙台帳を全部やるつもりがないんじゃないかというふうに我々は考えざるを得ないわけで、結局、今起こっていることは、昨年の七月五日の政府と与党との合意の工程表から一ミリもはみ出ずに、そこの中を全然変えないでずっと突っ走っていて、全くとまらない。こういう状況では、解決が本当に遠のいてしまうという懸念を持っているところであります。

 これは本当に首をかけてやっていただきたいというふうに考えておりまして、もし、昨年の七月の工程表を全然変えずに、大臣が国会で言われた話も後戻りしたり、見積もりさえいつできるかわからないとずっと言われているのであれば、これは大臣が、大変申しわけないんですが、障害物になりかねないんですね、今回の問題の解決の。

 大臣が本当にそれをやると指示をしていただいて、人、物、金を集めて国家プロジェクトでやるというような最大の問題点で、そういう御答弁をずっとしていくということがあると、これはもう大臣自身の進退も考えていただかなければならないんじゃないかと我々は思っておりまして、そうじゃないと、公約は守ったということですうっといってしまうと、これまでの間違った不十分なやり方が変更されないでそのままいってしまう。ところが、公約は守れませんでしたと謝罪をすれば、これまでの不十分で間違った手法というのが大きく変わる機運が出てくるというふうに考えております。

 なぜ大臣がかたくなに社保庁の言い分どおりにここで答弁されるのか。我々も部門会議をして社保庁を呼んでおりますけれども、お話を聞いておりますが、同じですよ、答弁が。お役人のトップのような話になっていますよ、大臣。大臣はそういう意識はないかもしれませんけれども、リーダーシップを持って……(発言する者あり)早くやれる知恵をという、今与党からやじが飛びましたけれども、早くやれる知恵は、まず見積もりをつくることですよ。人、物、金がどれだけかかるのかを早急に出すことです、今月中に。それで、国民的議論を巻き起こして、国家プロジェクトでやるということが一つの答えであります。

 そして、もう一つは、サンプル調査でありますけれども、今回、舛添大臣も、いろいろな質疑で、ふたをあけてみなければわからないという御答弁が多いんですが、それは全容がわからないからであって、サンプル調査をしていただきたい。それを、我々の要求をかたくなにまず拒んでおります。

 一つ大きいのは、これはいつも我々が示している資料ですけれども、こういう、今コンピューターに入力されている厚生年金、国民年金の納付記録が三億データありますが、そのうちの五千万データが宙に浮いている。あとの二・五億データは、基礎年金番号が統合されて持ち主もわかっている、これは安心だねと。ところが、安心じゃなくて、政府も認めていますが、紙台帳からの入力ミスで、受給額が減る入力ミスが発見されていますので、この統合されている二・五億データのサンプル調査をして、紙台帳まで当たって、どれだけ入力ミスがあるかを検証してください。これも何度も申し上げておりますが、これを二カ月以内にぜひやっていただきたいんですが、大臣、いかがですか。

茂木委員長 長妻委員、質問の中で、昨年の七月四日とおっしゃっていましたが、七月五日のことでよろしいですね。(長妻委員「はい」と呼ぶ)

舛添国務大臣 何度も申し上げていますように、一億人、皆さん方の年金をきちんと確立する、これが最大の課題であります。そして今、その未統合記録、この表の五千万件について作業をした。そういう過程において、名寄せをする。そしてまた、今から一億人の皆さん方にお送りしていく。そして、もちろんヒューマンエラーがありますから、入力ミスということもあるでしょう。しかし、私は、何度も申し上げますように、一番国民にとって早く、そして一人でも多くの方の年金の記録を取り戻す、そのためには、どういう優先順位をつけて、どこから入っていくのが一番いいのかなと。

 そういう観点からいうと、私は、今このようなサンプル調査をやるよりも、二つの道でやっていますから。一つは、一人一人全員が受け取るわけです、それでチェックしてもらう。それからもう一つは、残っている記録をいろいろ解析していく。そういう中に、今委員がおっしゃったこともありますけれども、私は、これは、今サンプル調査をやるというのではなくて、今は一億人、これをしっかりと確立していくということが一番早道だろうというふうに思っておりますから、当然、サンプル調査を行うまでもなく、そういう入力ミスの記録は、今言った一億人の作業の中で再確立していける、そういうふうに思います。

長妻委員 これは、全く手法が間違っていると私たちは思うんですね。

 初めに、サンプル調査を、我々が求めている何項目かありますけれども、それを多用して、全容をつかんだ上で、二年以内にできる限りの対策を打つ。そのためには、人、物、金がどれだけかかる、国民の皆さんにお示しして理解をいただく、そして国家プロジェクトとしてその人員を差配する、これが順番なはずなのに、今、ばれたところだけ、五千万件だけをやって、ほかのところは後から考えましょう、マンパワーがありませんと。これは、二年以内に本当に解決できなくなりますよ。

 これは、そうしたら、他省庁からの応援というのは今何人受けているんですか。(発言する者あり)

舛添国務大臣 今は二十一人の応援を他省庁からは要請しております。そして、今の人員の問題を含めて、ほかの省庁も絡んでおりますので、内閣総理大臣のもとに年金問題の関係閣僚会議を設けております。そして、こういう場で、月に一回程度、今の委員の御指摘の問題も含めて、これは各閣僚にもお願いをしております。

 ただ、委員御承知のように、今の限られた国家公務員の数の中で、なかなか人を大量にこの問題に動員するということは難しい。そしてまた、ある程度の専門知識も必要です。そういう意味で、十数名のチームを、特別チームを私のもとに置いて、今彼らを現場に入らせて、そして一つ一つ問題点についてチェックをしてもらっている。そしてまた、作業委員会にもその作業を手伝ってもらっている。そういうことで、私は、役人に任せることではなくて、まさに、これは私のリーダーシップできちんと解決しよう、そういう努力は続けておりますことをぜひ御理解いただきたいと思います。

長妻委員 いや、今はマンパワーが重要なのでありまして、ちょっと驚きますよ、二十一人しか応援が来ていないわけですか、他省庁から。これは、けたが一けた二けた、もうちょっとかもしれません。聞いたら、国土交通省、法務省、警察庁、文部科学省、国税庁の課長補佐クラス。なぜ、これは国家プロジェクトで、それは皆さん仕事されていましょうけれども、これは非常に優先順位が高いですよ。国家の危機につながりますよ、これは。これはけたが全然違うんですね。

 それで、サンプル調査もしない。かつて、柳澤大臣に要請をしたときには、特殊台帳のサンプル調査、これが出てまいりまして、そのときにかかった期間というのが、約一カ月半で出てまいりました。指示書を出してから一カ月半で結果が出たということでありまして、二カ月でできるんですよ、サンプル調査、全容を。我々、五千万件を指摘したのは、これがすべてだと言って指摘したのではなくて、消えた年金問題の中の大きな一つですと。ただ、ほかにもたくさんあるということで指摘をしたにもかかわらず、そこしか取り組まない。こういう姿勢では、本当に後にずっと尾を引きますよ。

 そしてもう一つは、サンプル調査で標準報酬月額がさかのぼって変えられた、あるいは喪失処理がさかのぼってされた、こういうものをピックアップして、本当に改ざんがないのかどうか、サンプル調査を二カ月でしていただきたいということも我々申し上げるわけでありますが、これはいかがですか。

舛添国務大臣 これはまず、第三者委員会にあっせんされた件から具体的に処理をしていきたい。第三者委員会にあっせんされたのは十七件あります。具体的な証言が一件あります。それから、今大体百六十の申し出について調査をしております。

 標準報酬月額につきましては、来年四月からのねんきん定期便では、現役加入者の方には一定期間の標準報酬月額をお知らせすることにしておりますし、その間も電話していただけるとかいうことで、またインターネットも使って、社会保険庁の事務所においても標準報酬月額について確認することは可能でございます。(発言する者あり)

長妻委員 田村さんが先ほどからずっとやじで、サンプル調査は余り意味のないような発言を、何と言われているんですか。

 意味がないようなことをずっとやじで、委員長、注意してください。

茂木委員長 先ほどから、全体については御静粛にということで申し上げております。与野党ともに協力よろしくお願いを申し上げます。

長妻委員 いまだにそんなことを言っているんですか、意味がないような趣旨の、田村さん。

 いや、これは、与党の方が、はっきり言うと、我々野党よりも情報量は大きいんですよ。そして、厚生労働委員会の理事というのはもっと情報が入ってくるんですよ。我々がこれまでいろいろな問題を提起して、それが明らかになった。与党から今回の消えた年金問題の新たな問題というのは提起されましたか。情報を出されましたか。

 これは、サンプル調査を、特に標準報酬月額の改ざんについてすると、私はかなり驚くべき結果が出ると思うんですよ。与党は知っている可能性もあると思うんですよね、そういう情報がとれるわけですから。なぜサンプル調査をしちゃいけない、いけないとやじで言われるのか、もうそこが私は信じられません。

 そしてもう一つは、我々のサンプル調査の要請、これも二カ月以内でございますけれども、先ほどの配付した「「消えた年金」調査」の一ページ目でございますが、サンプル調査の(2)、政府は、死亡一時金を受給している記録六十万件、脱退手当金の受給等した記録、合わせて五百八十八万件、足し算して合計六百四十万件は、五千万件のうち、今後新たな給付に結びつかない記録、こういうふうに仕分けをしております。本当にそうなのか、それぞれをサンプル調査していただきたいと思うんですが、これも二カ月以内に。これは重要ですよ。いかがですか、大臣。

茂木委員長 これは六百四十八万件ですね。(長妻委員「はい」と呼ぶ)

舛添国務大臣 先般、この五千万件の名寄せが終わった結果こうだとお示しした中に、例えば死亡一時金、これは基本的に、お亡くなりになって、きちんと処理ができている。脱退手当金もそうです。

 ただ、人間のやることですから、幾らコンピューターがあっても、入力ミスというようなことはあり得ます。しかし、裁定をきちんとし、年金をもらう、脱退をするときにきちんとする。そうすると、基本的に、それは何割か、三割とか五割とかそういうことではありません。

 そして、私は、何度も申し上げていますように、一刻も早くすべての方の年金を再確立したいと。そういう意味では、優先順位を先にやっていく。例えばこの六十万件について、例えば半分がそうであるというようなことであれば、そういうことに意味がありますけれども、私は、今、この六十万件について、長妻委員、サンプル調査をすることよりももっとほかに力を注ぐべきことがある、そういう優先順位でやっております。

長妻委員 いや、これは本当に、全容がなかなか解明できない、やる気がないんではないかと疑ってしまいますけれども。

 そしてもう一つは、社会保険庁のセキュリティー倉庫、これはワンビシアーカイブズという会社の倉庫で、我々も視察に行きました。埼玉県小川町にございます。そこに保管されている厚生年金の旧台帳千三百六十五万件はコンピューターに入力されていることになっておりますが、それは本当に入力されているのか。これは多くの方も疑義を言われているわけで、これのサンプル調査も二カ月以内にやっていただきたいんですが、いかがですか。

舛添国務大臣 もともとは、厚生年金の被保険者名簿、原票というのは旧台帳のもととなった記録であるわけですから、名簿と原票とコンピューター記録との突き合わせの中で確認できると思います。

 そして、実は、私も見に行きました。委員御承知のように、非常に古い記録もある、そして順番どおりに並んでいなかったりというようないろいろな問題がありますので、今、実は、作業委員会の方でこの件についてどうするか、まず並べかえをやるか、もう一遍入力するか、千三百六十五万件どうするかということは、今まさに決定を下すために作業委員会を開いているところでございますから、サンプル調査をするまでもなく、これをきちんとやっていくということであります。

長妻委員 これはもう、去年の七月五日の官僚が決めた与党と政府の合意、これから一ミリもはみ出ないでそのまま行ってしまう、こういうような、そして、この工程表も守られていないんですよね。

 この工程表で、例えば、今年の一月末までに、今お台場で作業をされている旧台帳の入力対象者リスト作成、一月末までにやると言っていたものができなかった。お役所の方に聞きますと、一千四百六十六万件を一月末までにやるとここの工程表で言ったけれども、最大、一月末までに百四十六万件はできなかった、こういうことで、これの大幅なおくれも明らかになっているんじゃないですか、大臣。

舛添国務大臣 一月末までにおおむね九割五分程度終わっております。

 ただ、旧字体なので判読が困難だ。これは、この前以来申し上げていますように、書道の専門家、これの確認作業をやっていただいておりまして、この三月末までにこの読み下しをどうするのか、書道家による確認作業が終わったところでありまして、詳細な件数については今集計中でございます。

長妻委員 それと、名なしの記録について、一月十日までに記録をすべて補正するというのも、六万件はまだできていないとか、これは圧倒的にマンパワー不足なんですよ。二十一人他省庁から応援、これは本当に考えていただいて、国家プロジェクトとして取り組んでいただきたい。

 そして最後に、配付資料の五ページでございますけれども、一九六七年に発行されました「機械化十年のあゆみ」という書籍が、これは全部コピーしたものでございますが、これを社保庁の職員の人は読んでいるはずなんですね、こういうものを。つまり、過去のミスが具体的にどういうものがあって、まだそれが直っていませんということがここに綿々と書いてあって、それが今火を噴いている、こういうことでありまして、薬害エイズのときに判決が出ましたけれども、これは知っているわけで、今の現職の社保庁のキャリアの方や職員は。これは、不作為責任というのも大変大きいんじゃないかと。職員の方に対する懲戒処分、一人も出ていません。そして、五百四十三億円の税金が注ぎ込まれる、この消えた年金の対応金として。そんなばかなことがあってはいけないのであります。

 ここには何が書いてあるかというと、例えば、田村二郎さんという方でございますが、第二代の厚生省の保険局年金業務室長の方であります。こういうことをこの当時言われております。

 「カード一枚、つまり一%の事故率になるわけですよ。そうすると年間十二カ月出てくれば、被保険者から見れば一割二分の事故率になる。」ということで、入力間違いがかなりある。私も入力ミスはあります、人間ですから。ただ、この後の記述が、「それではチェックが完璧かというと、チェックというものは一応形としては、事務的には整っているけれども、なかなかそういうものではどうしょうもないというようなことで、仕事もだいぶ手を抜いたりなにかした、」こういうふうに正直に書かれていて、この問題が一%というと、この数字を敷衍して今のデータミスに当てはめると、いろいろな計算がありますけれども、大変多くの入力ミスがあるわけです。だから我々は紙台帳と言っている。

 そしてもう一つは、ここの記述で興味深いのは、百二十二ページに「記録の統合支払事務の開始」という欄があって、そこで座談会してこういうことを言われています。端さんという方が発言されておられます。この端さんという方は社会保険庁年金保険部業務課長であった方でありますが、「いろいろありましたがやはり」……

茂木委員長 長妻委員、今の部分はここにはない部分ですね。

長妻委員 そうですね。配付はしておりません、資料は。

茂木委員長 先ほどのが、配付してあるところの五ページの七行目から八行目までにかけてと、十行目から十二行目にかけてですね。

長妻委員 はい、そうです。

 それで、この「機械化十年のあゆみ」、社会保険庁年金保険部業務課発行の冊子の百二十二ページには、端さんという方がこういう発言もされています。

 「いろいろありましたがやはり事故処理の問題が終始頭を離れなかったですね。」事故処理というのは記録の事故のことです。「これは一体どうなるんだろうということで、頭の痛い問題で、毎年毎年十万、二十万という事故を整理して、何年かたてばなくなるのかなと思ったり、いずれにしても簡単には事故はなくなることはあるまいと思いました。」ずっとほったらかし。しかもこれは現役職員もちゃんと読んでいるわけですから、わかっているんですね。

 そしてもう一つは、百二十八ページ、同じ「機械化十年のあゆみ」、これは配付しておりませんけれども、「記録のうら話」というタイトルで、田村さん、先ほどの方が発言されております。

 「ひどいのは板橋の事務所当時の記録では、ある年に九月一日に取得して、九月一日に喪失させてしまっているのです。」これは厚生年金の話でありますけれども、「本人は保険料をちゃんと納めているのです。」と。それと、こういう発言もされています。「それからある一流会社の新聞社なんだけれども、終戦直後のどさくさで、人の分まで脱退手当金をもらっちゃったわけです。だから資格が切れてしまっているのです。」と。もう一つ、こういう発言もされています。「いろいろな要素があってこっちだけのミスばかりではないのです。こういういろいろな要素が加わっているものだから、そういう点で将来不満が出てくると思うのです。」と。

 つまり、社保庁のミスだけじゃないよ、いいかげんな会社があるよという趣旨でこういうことを言って、逆に言えば、そういうことが予見できているわけですね、将来大変なことになると。そうであれば、私は、万全な措置をとっているとは今の年金行政は全く言えない。

 そういう意味では、不作為責任というのもありますので、大臣、ぜひ、懲戒処分あるいは厳重注意などの処分の調査を早急に始めていただいて、これも今月末にぜひ結論を出していただきたいと思うんですが、いかがですか。

茂木委員長 舛添大臣、既に持ち時間が経過しておりますので、簡潔にお願いします。

舛添国務大臣 過去の社会保険庁の責任感、使命感の欠如がこういうことを生んだ、そしてそれを今、回復すべく全力を挙げているところであります。

 退職した公務員に対してどういう手をとるか、その処理、処罰をするか、また、現役に対して、今のような事態が不作為であったからということですぐ処罰ができるかどうか、これは少し、きちんと国家公務員法に基づいて検討をさせていただきたいと思います。

茂木委員長 終わっています。

長妻委員 官僚に甘いと言わざるを得ません。

 これで質問を終わります。

茂木委員長 次に、岡本充功君。

岡本(充)委員 民主党の岡本でございます。

 まず、本日議題となっております戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案についての内容をお伺いします。

 この法案、これまでにも何年も継続支給してきておるわけでありますが、この法案に基づいて、もしくは現行の法に基づいて、平成十年以降、本人以外の受給というのが発生しているんじゃないか。これは、権利が発生した時点で生存をしてみえる方については、その後五年間のいわゆる国庫債券についてはその相続者が受給できるというふうになっています。大体推計で幾らぐらいになるのか、この現状を、平成十年以降で結構ですから、お答えいただきたいと思います。

    〔委員長退席、吉野委員長代理着席〕

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 特別給付金、それぞれ時点がございますけれども、平成十年以降、合計いたしますと、記名の変更がございました委員がおっしゃる意味でのそういう事例が二百七十九件ございます。

岡本(充)委員 金額を推計してくださいということをきのう質問通告しております。

中村政府参考人 大変失礼いたしました。

 金額についてでございますが、これは額面が百万円でございますので、半分といたしますと、一億数千万になろうかというふうに考えます。

岡本(充)委員 そういう推計の方法もありましょうけれども、私、きのう、レクに来られた方に、私の推計の仕方でどうなんですかということで確認をとってくれというふうに言ったはずですね。

 要するに、例えば、第十九回の特別給付金の国庫債券のいわゆる残額と思われる額を平成十年度の記名人の変更三十人で掛けた金額、例えば、平成十年度であれば第十九回は八十万円が残っていただろうと考えて、これに三十を掛けた額、こういう形で積み上げていってはいかがですかということを言ったはずであります。それで大体推計が幾らになるのかということを私は通告しておりますが、それでいかがでしょうか。

中村政府参考人 大変失礼いたしました。

 議員の今のやり方について、お許しがいただければ、試算をして御報告をしたいと思います。

岡本(充)委員 質問を通告していたわけですから、それには対応をしていただかないと困るわけであります。

 では、その答えはいただくとして、続いて、こういう背景には受給者の高齢化がある。百歳を超える方も何人もみえるという状況の中で、今回も引き続き五年でこの国庫債券の発行をしようと思っている根拠。三年に短縮するという手もあると思います。これまで五年で毎回やってきた、しかし、非常に高齢化が進んでいて、大変申しわけないけれども、平均年齢が九十五を超えるような状況になってきますと本来受給するべき方に渡らない可能性がある。そこを考えると、短縮をして、もしくは、百万円をお渡ししようと思うのであれば、もう少し、例えば債券を三分割して三十三万円を三回にするとか、やり方はいろいろあると思います。

 そういう意味で、今回も五年にしているということについて私は問題意識を持っているわけでありますが、それについてのお答えと、今後、もし継続をさらに五年後するということであれば、その際には見直すことも、もしくはほかの国庫債券についても見直すことも検討するということであれば、お答えをいただきたいと思います。

中村政府参考人 委員、先ほどは大変失礼いたしました。委員の御指摘の推計方法ですと、また後ほどきちんと御報告いたしますが、一億七千万程度になるようでございます。

 それから、五年の償還の問題でございます。

 もともと、父母等の方に対する特別給付金でございますので、委員から御指摘ございましたように、他の特別給付金制度もございますが、父母が高齢であることにも考慮して、十年というほかのものよりも短期間の五年という設定をしているところでございます。

 また、国債で交付しているのは、一定期間、国として慰藉の念をあらわす、こういうことでやっておりますが、この扱いにつきまして、また、今回のこの法律の後の特別給付金につきましては、まさにこの償還期間が終了するときにその扱いが問題になるわけでございまして、先ほどの御質問でも答弁申し上げましたように、国の慰藉の念というのは大事にしなければならないと存じますが、さらに高齢化するわけでございますので、その方法も含めて、その際に改めて検討をさせていただきたいと存じます。

岡本(充)委員 あわせて、法案成立後、国庫債券が届くのに大体半年ぐらい時間がかかると伺いました。大変高齢化が進んでいるわけでありまして、法案は成立をしたけれども届くのに半年かかるということでは、やはりそれを待てない方も出てくるということを考えると、その短縮を図っていただきたいということを要望しておきたいと思います。

中村政府参考人 委員のおっしゃるとおりだと思います。

 国債の製造など、一定期間要さざるを得ない工程もございますけれども、私ども、進達業務とかそういうことについては極力短縮し、いずれにしても、関係方面とも相談しながら、短縮化、迅速化に最大限努力させていただきたいと存じます。

岡本(充)委員 続いて、駐留軍関係離職者等臨時措置法及び国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の一部を改正する法律案についての質問をしたいと思います。

 その中でも、とりわけ漁業の離職者の特定について、どのような方法で特定をしているのか。ある経営者Aという方がみえたとして、この方が複数、船を持っていて、どの船を減船し、そしてその船に乗っていたという者をどのようにして特定をして、その者がBという船、Cという船、減船をされる船に乗っていたということを確定し得るのか、その手続について改めて確認をしたいと思います。

太田政府参考人 お答え申し上げます。

 職業転換給付金の受給に当たりましては、国際協定の締結等に対処するための減船に伴い離職を余儀なくされたもののうち、現に失業している状況等にあるとして、漁業離職者求職手帳の発給を受けることが必要でございます。

 この手帳でございますけれども、これはハローワーク等で発給することになるわけでございますけれども、発給に当たりましては、まず一つは、離職者本人と使用者が押印した漁業離職者証明書が必要でございます。二つ目には、対象離職者が乗船していた船名がわかる公的な書類、これは船員手帳等で確認しております。三つ目は、減船対象となった船名がわかる公的な書類、これは農林水産大臣等に提出した廃業届の写し等でございます。こういった書類を確認することによりまして、当該労働者が減船された船の乗員であったかどうかを確認して、手帳の発給を行っているということでございます。

岡本(充)委員 きょうは水産庁にもお越しいただいておりますので確認をしたいんですが、国際漁業再編対策事業において、平成十八年度はまだのようでありますけれども、すべてが確定はしていないようでありますが、いただいた資料をもとにしますと、三百三十二億九千万円の交付金がいわゆる処理費交付金として出ているようです。

 どの船をつぶして、要するに、簿価上、簿価の高い船をつぶしたように見せかけて、実際はその交付金をたくさんとるというようなことができないような予防措置がどのようにとられているのか、確認をしたいと思います。

佐藤政府参考人 お答え申し上げます。

 漁業に関します国際規制の強化によりまして操業の維持が困難になりました漁船について減船を行う事業としまして、今先生が御指摘のとおり、国際漁業再編対策事業を実施しているわけでございますけれども、この事業におきましては、事業の実施主体であります減船者が実施計画を作成しまして、これを農林水産大臣の認定を受けるということにしているわけでございます。

 この実施計画の内容としましては、減船を実施する者、あるいはその対象減船名、あるいはスクラップ処分を実施する者及びその対象漁船の処分時期、方法、こういったものを具体的に明記することとしております。

 また、この実施計画に基づきまして減船を行った場合に、当該減船者がスクラップ処理費交付金を申請する場合におきまして、証拠書類として徴求しているものがございます。それは、具体的には、抹消しました漁船の船舶原簿謄本、それから抹消漁船の進水から現在までの漁船原簿の謄本、こういったもののほかに、スクラップする前の写真ですとか、あるいは解体中あるいは解体後の写真、こういったものの提出を義務づけておるわけでございまして、その際、写真につきましては、船体に記されました漁船の登録番号ですとか、あるいは無線の信号符号、こういったもののほかに、船体の全形の写真あるいは船体内部の写真、こういったものをきめ細かく要求することとしております。特にまた、エンジンシャフトの切断ですとか、あるいはエンジンの取り外しの確認がわかるようなものを徴求しているということで、同一性の確認については万全を期すこととしているわけでございます。

    〔吉野委員長代理退席、委員長着席〕

岡本(充)委員 ぜひそこはしっかり行っていただきたい。

 いただいた資料、これは平成十八年度額でよろしいわけですね、三百三十二億九千万円というこの交付額は。それでよろしいわけですよね。

佐藤政府参考人 昨日提出しました資料は、平成元年から十八年度までの累計でございます。

岡本(充)委員 そうしましたら、どちらにしても、平成元年から十八年にしても、大変大きな金額を出しているわけでありまして、これはやはりしっかり対処してもらわないといけないということで、改めて徹底をお願いして、これに関しての質問を終えさせていただき、続いて、少し違う案件についてもお伺いをしたいと思っています。

 一つ目は、まず、三月二十八日に厚生労働省が発表しました「石綿ばく露作業による労災認定等事業場一覧表の公表について」についてお伺いしたいと思います。

 こちらで公表をされた事業場があるわけでありますが、今、平成二十一年三月二十七日までと期限が限られております、いわゆる石綿による疾病で死亡された労働者の御遺族の、時効により労災保険給付を受ける権利が消失した方に対する特別遺族給付金、これを給付するに当たって、実際に石綿による労災が発生をしている事業場に対しては、ここで同じく労災が発生をした蓋然性が高いと考えることができると私は思っています。

 特に肺がん。中皮腫については議論のないところですけれども、肺がんについてはその証明が後からでは大変難しい。診療録もない、それから、もちろん剖検の所見も残っていない、こういうような状況の中ではそれを証明するのはなかなか難しい。したがって、肺がんについては給付の数がふえていないんだろうと私は推測をしています。

 そういう意味で、今回の新たに発表されたところ、また、以前から発表されているところもありますけれども、こういう労災認定が行われた事業場で働いていたということも一つの傍証として評価をしてはいかがかというふうに考えるわけですが、それについていかがでしょうか。

青木政府参考人 石綿による疾病の労災認定につきましては、個々の労働者ごとに石綿暴露作業の従事歴それから疾病の医学的所見を調査いたしまして、労災認定基準に基づき判断しているところでございます。

 お尋ねの、過去、同一事業場において業務に従事した同僚労働者が労災認定をされているという場合につきましては、石綿暴露の状況というのは個々の労働者ごとに異なります、作業内容でありますとか作業従事期間等々。そういうものでございますので、既に認定された労働者がいる事業場であることのみをもって業務上外の判断をすることは適当ではないと思っておりますが、しかし、当該事業場において石綿暴露作業が行われていたことの確認にはなるというふうに思っております。

 今後とも認定基準の適正な運用に努めてまいりたいと思っております。

岡本(充)委員 ぜひこれは要望として、局長、検討はいただきたいと思っているんですね。

 今言われたとおり、そこで石綿暴露の危険性がある事業場であったことは明らかだということでありますけれども、そこで働いていたということは、ほかの事業場で働いていた方よりも一般的に考えて石綿暴露の危険性が高かったと判断をされるべきだというふうにも私は考えます。

 そういう観点で、この事業場で同時期に働いていた、もしくはその前後の期間で働いていたということを一つの評価として考えていただかないと、残り一年の中でなかなか肺がんの方が救われない、すき間なく救済するということにたどり着かないと私は思っておりますので、そこの御検討をお願いしたいと思いますが、検討はいただけますでしょうか。

青木政府参考人 確かに、委員おっしゃったように、その事業場で既に労災認定をされているということでありますし、そういう意味で石綿作業が行われていたということでありますので、その点に関しましては、おっしゃるように、論理的には、危険性というのは、そういうところでないところに比べてあるということは確かだろうとは思います。

 しかし、先ほど申し上げましたように、この認定につきましては、石綿暴露作業そのものの従事歴と、それから疾病の医学的所見に基づいて行われるということでありますので、そういった基本的な判断はそういうところで行っていきたいというふうに思っております。

岡本(充)委員 済みません、大臣、いいですか。今ちょっと突然の話で悪いんですけれども、今の議論を聞いてみえたと思いますが、やはり、せっかく発表した事業場、目的は、石綿暴露作業に従事した可能性があることを注意喚起する、それから周辺住民となるか否かの確認に役立ててもらう、関係省庁及び地方公共団体等における石綿被害対策の取り組みに役立ててもらうというようなことが目的だというふうにも承知をしておりますが、ぜひここに、すき間なく救済をするべき方が漏れることのないようにするための一つの手だてとして検討いただきたいと私は要請をしております。局長ではなかなか前向きに答弁できないと思います。ぜひ大臣、検討ぐらいはしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

舛添国務大臣 石綿の被害のある労働者というのは、これは積極的に救済するんだ、そういう基本的な方針は変わりませんですから、今委員が御提案になったことがそういうことにつながるということであれば、それは十分検討に値すると思いますので、少し検討させてください。

岡本(充)委員 ありがとうございます。

 続いて、きのうでしたか、医療の安全の確保に向けた医療事故による死亡の原因究明・再発防止等の在り方に関する試案、第三次試案というものが発表されました。この内容について少し確認をしたいと思います。

 まず、そもそもこの案に関しての質問、幾つかありますので、まず医政局長にお伺いしたいと思います。

 まず、中央に設置する委員会はどの省庁のもとに置くのか。厚生労働省もしくはそれ以外ということであれば、それ以外として考えられるところはどこがあるのか。はっきりお答えいただきたいと思います。

外口政府参考人 委員会の設置場所についてでございますけれども、これは、実は意見が分かれておりまして、医療行政について責任のある行政機関である厚生労働省とする考えがある一方で、医師や看護師等に対する行政処分を行う権限が厚生労働大臣にありますので、医療事故に関する調査権限と医師等に対する処分権限を分離すべきとの考えから、今意見として出ているのは、例えば内閣府に置くのはどうであろうかというような意見もあると承知しております。

 このため、委員会をどの省庁のもとに設置するのかについては、これは広く意見を聞いた上でさらに検討を進めてまいりたいと考えております。

岡本(充)委員 報道によると、調査対象となる事例は年間二千件ぐらいじゃないかという話を厚生労働省はされているようでありますが、実際の医療安全調査委員会の委員の構成の人数、それからそのバランス、こういったものはどのように考えてみえるのか、また、調査チームとして何チームぐらい設立をされる御予定であるのか、お答えいただきたいと思います。

外口政府参考人 委員会の構成でございますけれども、中央の委員会、地方の委員会、そしてその下の調査チーム等、それぞれほぼ同じようなバランスになるかと思うんですけれども、これは今やっておりますモデル事業のメンバーの構成と大体似たようなものとして、例えば医療の専門家である解剖の担当医、これは病理も法医も入ります。それから、臨床評価を行う医師及び医師以外の医療関係者、ここが一番多いと思うんですけれども、さらに、法律関係者やその他の有識者として、例えば医療を受ける立場を代表する者、こういった組み合わせのバランスになると考えております。

 それで、人数についてでございますけれども、これは中央の委員会、地方の委員会、審議会の組織に関する指針等もございますので一定の制限はありますけれども、先ほど委員御指摘のように、例えば年間二千件というような推計もございますので、そうすると、例えば調査チームは延べにすると二千チームになってしまいます。もちろん全部別々ではないんですけれども、そういったことを考えると、ある程度の人数の確保が必要ではないかと思います。この点については現在詰めているところでございます。

岡本(充)委員 ここが肝なんですよね。何チームぐらいつくって、何人、何件担当するかで、調査のスピード感が変わってくるんです。だから、ここが出てこないと、実は警察庁も法務省もきょうお越しいただいておりますが、気になってみえるというところがあるんですね。

 結局、この調査が進まなければ、場合によっては、要するに行列ができてしまう。調査の究明に行列ができてしまう。遺族から警察なり検察に何とかしてくれと言われる。いやいや、調査委員会があるようですからそちらへどうぞと言っても、行列だといった場合には、警察、検察、それぞれ動かざるを得ない、こういう認識でよろしいでしょうか。

米田政府参考人 現在検討されておりますこの委員会の枠組みの中では、刑法上の業務上過失はそのままでございます。そして、警察、検察等も犯罪捜査をする責務がございます。したがいまして、患者さんあるいはその遺族の方からの訴えがあれば、それは私どもとしてはやはり捜査せざるを得ないと思います。

 ただ、その仕組みで期待されておりますのは、その委員会で十分な調査が行われ、そして、遺族の人たちの処罰感情といいますか、そういったものも解消されて、わざわざ刑事手続に持ってくることによってその紛争を解決するということが少なくなるということが期待されているものと考えております。

岡本(充)委員 改めて確認なんですけれども、ここが肝なんですが、そういう意味でいうと、これが迅速に進まない場合には、遺族の早く解決をしてくれという願いもあれば、当然警察は捜査に乗り出さざるを得ないという理解でよろしいのか、そこをイエスかノーで簡単にお答えいただきたい。

茂木委員長 米田刑事局長、日本語で答えてください。

米田政府参考人 おっしゃるとおりでございます。

岡本(充)委員 そういうことでありまして、これは非常に危惧はされるところであります。

 したがって、外口局長、この人数と、どういう人をメンバーにするか、ここがまさに肝なんでありまして、迅速にどうやって処理ができるか、もっと言えば、これが行列ができるようなことがないように、今の年金の第三者委員会じゃないですけれども、遅々として進まないという話になれば、これは調査委員会自体が崩壊するという認識を持っていただきたいというふうに思っています。

 二つ目のポイントですが、先ほどの話と関係をするんですが、調査委員会の方で調査をした結果、悪質なケースだと判断をするのは一体どういうことなのかということを私は問いたいと思います。

 標準的な医療から著しく逸脱した医療と言っていますけれども、標準的な医療から著しく逸脱した医療というのを全国画一的に決めるというのは、正直、なかなか難しいと思う。どういうものを標準的な医療行為と決めるのか、これはどのように決められるつもりですか。

外口政府参考人 標準的な医療と申し上げますと、診療ガイドラインとかもあるわけでございますけれども、実際はそれよりももう少し幅広い概念で、これは医療関係者の中のディスカッションで、ケース・バイ・ケースで決めることになると思います。

 例えば、ではどういうものが逸脱しているかというと、抗がん剤を週に一回打つところを毎日打ってしまって、それで患者さんが亡くなってしまったとか、こういった例はもう明らかに逸脱した例だと考えております。

岡本(充)委員 それで、警察に通知をされるということでありますか。うなずかれますね。

 だとすると、これはやはり、システムの問題を問うのだと言っておきながら、結果の重大性を問うているというふうに私は考えざるを得ないわけですね。それがもし死亡例にならなければ、これは死亡例に限るわけですから、死亡例でなければ、毎日打ってしまって、ああ、しまったと途中で気づいて、三日目、四日目に気づいて何とか一命を取りとめた場合にはこれは事件にならないけれども、死亡した場合にはこれは事件につながっていくという判断になるわけです。

 だから、まさにこれはシステムじゃなくて、やはりこの案も結果の重大性を問うているんじゃないか、ここの標準的な医療というのがはっきりしないと。私は、この問題も指摘しておきたいと思っているんです。

 加えて、もう少し、今度は警察、検察からお話を伺いたいと思うんですけれども、法務省からも伺いたいんですが、この調査では関係者からの聴取は強制はできないようでありますけれども、しかしながら、この調査で得られた調書等について、これをもって裁判時の証拠と直接的にすることが可能なのかどうか。可能か不可能か、あり得るかあり得ないかという観点で言えば、あり得ると考えてよろしいのでしょうか。これも短くお答えいただきたいと思います。

茂木委員長 答弁の前に、外口局長、委員会の質疑でありますから、うなずくのでなくて、答弁がありましたらきちんと答えてください。

 三浦大臣官房審議官。

三浦政府参考人 お尋ねの医療安全調査委員会の調査の過程で作成されました資料につきまして、私どもといたしましては、刑事訴訟法上の証拠能力についてはこれを制限するという方向での議論が行われているわけではないというふうに承知しておりますが、いずれにいたしましても、どういう資料について裁判上の証拠能力が認められるかということにつきましては、個別具体的なケースにおいて判断されるものと考えております。

岡本(充)委員 これは、もう一つ確認したいんです。

 医師法の二十一条は、今回、一部手直しはされても残るわけですね。そうしますと、届け出をしなかった医療機関、管理者の判断の中で届け出をしなかったとしても、これは、遺族等から場合によっては告訴なり行われた場合、医師法二十一条に基づいて本来は警察に届け出なければいけなかった異状死体だと認定をされ、警察が捜査に乗り出す可能性を排除していないと私は考えているんですが、それについても確認を求めたいと思います。

茂木委員長 外口局長。(岡本(充)委員「いや、警察に確認を求めているんです」と呼ぶ)

 指名をしましたので、まず局長からお願いします。

外口政府参考人 第三次試案では、これは、医療死亡事故については、医療機関の判断により医療安全調査委員会に届け出を行った場合には、異状死としての警察への届け出は不要となるよう医師法第二十一条を改正することを提案しております。

 御指摘のような場合の詳細につきましては、現在、関係省庁との間で必要な検討を行っているところでございます。

米田政府参考人 具体の仕組み、制度の立案の過程でその辺は検討されるべきものだと考えております。

岡本(充)委員 いや、医師法二十一条は残るわけですよね。したがって、調査委員会に届け出がなされなかった場合には、医師法二十一条の適用となり得ることがある、あり得るのかあり得ないのかというその点だけお答えいただきたいんです。

米田政府参考人 今おっしゃった枠組みでは、あり得ると思います。

岡本(充)委員 これは、こういう形であると、医師法二十一条を改正はするんでしょうけれども、結局、この二十一条に基づく捜査というのも病院にやってくるということであります。

 最後に、これは確認をしておきたい。これからのスケジュールですね。

 これは、新聞の中には最終案と書いてある新聞もあるようでありますが、よもやこれが最終案だと私は思っておりません。ここから、もちろんパブリックコメント等をし、広く意見を聞いて、これは、このままというわけにはいかない、検討するという項目もたくさん残っている。

 したがって、今後のスケジュールはどのように考えているのか。今国会はとても無理じゃないか、国会の会期中にはとてもじゃないけれどもまとめられないんじゃないかと思っていますが、まとめられる見通し、最後はそこでまとめられるのか、そこも含め、今後のスケジュールについて長期的なビジョンでお答えをいただきたいと思います。

茂木委員長 外口局長、既に持ち時間が経過しておりますので、簡潔にお願いします。

外口政府参考人 この第三次試案につきましては、これは厚生労働省の現段階の見解を明確化したものでございます。この試案をもとに広く御議論をいただきまして、国民の皆様におおむね御理解をいただければ、組織面等必要な検討も加えた上で、可能であれば今国会中の法案提出も目指していきたいと考えております。

岡本(充)委員 ぜひ広くちゃんと意見を聞いていただきたい、とてもじゃないけれども今国会に間に合わないと思いますが、しっかり意見を聞いていただきたいとお願いして、質問を終わります。

茂木委員長 次に、高橋千鶴子君。

高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 初めに、戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部改正についてですが、昭和四十二年に額面十万、一万七千件からスタートした本制度が、今や百二十件、平均年齢も九十二歳以上と聞いております。だからこそ、すべての方に一刻も早く、そして漏れなく届くことが大事だと思います。

 同様の趣旨の質問が前にもありましたので、二つの質問を一本で伺いたいと思います。

 申請主義をやめて、すべての対象者にこちらから知らせるべきではないか。また、他の、戦傷病者の妻あるいは遺族への特別弔慰金制度などもありますが、同様に扱うべきだと思います。時効が三年と短く、知らずに弔慰金をもらえなかったという相談がたくさん寄せられております。いずれの制度も対象者が減ってきていることもあり、この際、時効をなくすべきではないか。この点、伺います。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 戦没者の父母等に対する特別給付金につきましては、対象者の方が大変御高齢にもなっておる、それから、委員の方からも御指摘がございましたように、約百二十名と推計されておりますので、漏れのないように、また遅滞なく手続が進むように最大限努力してまいりたいと存じます。

 請求主義をとっていることについていかんということでございますが、これは非常に形式的かもしれませんが、この特別給付金は、平成二十年四月一日という基準日までに子も孫もいないこと等独自の要件がございまして、形式的に考えますと、まだ戦傷病者で患っているお子さんがこの期間に亡くなる、この五年間に亡くなるというケースも想定されないわけではないということもございまして、法律的にそういった意味で請求主義をとらせていただいているところでございます。給付金の取り扱いなどについて、そういうことが第一点。

 また、時効の点につきましては、法的な安定性を図るという時効制度の基本的な考え方もございますので、我々の方では、申請を希望される方が漏れなくするということを、広報等を通じ、また、きめ細かくお知らせするということで防いでまいりたいと思いますので、御理解いただきたいと存じます。

高橋委員 少なくとも、前回申請したけれども時効だったという方が、今回またそういうことがないように、それから、仮に新たな方があったとすれば、知らないということがないように、これは徹底していただきたいということを重ねて要望したいと思います。

 次に、駐留軍関係離職者等臨時措置法の延長についてでありますが、もちろん我が党は、日米同盟と思いやり予算にも反対をしております。しかし、そこで働く労働者の身分を保障することは当然のことであり、雇用状況が厳しい今日にあって、在日米軍基地の再編に伴い離職を余儀なくされる方々の再就職支援をすることは必要な措置だと考えております。

 あわせて、国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法についても、近年のカツオ・マグロ漁業などを取り巻く環境を考え、必要な措置であり、両案とも賛成としたいと思っております。

 そこで次に、きょうは、後期高齢者も大切にしてほしいという立場から質問をさせていただきます。

 一日から後期高齢者医療制度が始まり、各県の広域連合や市町村役場には問い合わせが殺到しました。三日付の西日本新聞によると、新しい保険証が従来の材質や大きさと違うために、受け取ったお年寄りが気づかずに捨ててしまったりする事例が続出、北九州市では問い合わせが一万件を超え、長崎市では再発行の申請が数百件に上ったということも聞いております。

 こんな中、福田総理が、後期高齢者というネーミングが悪いなどと言って、大臣は、長寿医療制度という通称なるものを発表しました。しかも、長寿医療制度実施本部までつくりました。一体何をやるのでしょうか。これまで使った政府広報などの経費、いわゆる後期高齢者のままですよ、その経費は一体幾らなのか。そして、訂正をしない、その刷り物を変えるつもりはないとおっしゃっていますので、一体この長寿医療制度は何のための名称なのか、実施本部は何をやるのか、伺います。

水田政府参考人 まず、今までの後期高齢者医療制度に関する広報経費は全部で幾らかというお尋ねでございますけれども、これは、これまでさまざまな手段により実施してきておりますので、要した費用すべてを正確に算出することは難しいわけでございまして、代表的なものを紹介させていただきますと、昨年十一月末に自治体と各医療保険者あてに配布しましたリーフレット約七十万部につきましては約二百四十万円、本年二月末に各医療機関あてに配布したポスター約三十万部につきましては約百十万円、本年三月二十日に行いました政府広報の新聞折り込み約三千六百万部につきましては、約二億五千万円となってございます。

 次に、長寿医療制度という通称についての考え方ということでございますけれども、今回の制度改正は大変大きいものでございまして、その趣旨、内容について、高齢者の方々を初め国民に一日も早く御理解いただいて、円滑に施行していくことが必要であることから、総理の方から、名称も含めて工夫し、その意義について、国と自治体が連携してわかりやすくPRするよう、こういった指示を受けたわけでございます。

 そこで、大臣の御指示を仰ぎまして、この制度を身近で親しみやすいものとするための通称として、長寿医療制度という名称も活用しつつ、関係省庁と連携して広報及び周知活動を進めていくこととしてございます。

 それから、この長寿医療制度実施本部について、何をするのかということでございますけれども、これは、自治体行政を所管しておられる総務省も含めまして、まさにこの長寿医療制度の内容につきましてわかりやすくする、あるいは広域連合等の窓口を支援する、こういう目的で設けるものでございます。

高橋委員 二億六千万以上も使って広報はもう発してしまった、それを訂正はしない、それで名前だけ長寿医療制度といったって、その名前はどこで発揮するのですか。身近で親しみやすいって、どこでそれが発揮できるんですか。今までの後期高齢者医療制度の中身が、制度そのものが破綻しているということの証明ではありませんか。名前を変えて中身を変えずに何ができるんですか。大臣にそのことを伺います。

舛添国務大臣 先般、福田総理の方から、この制度について名前がわかりにくいのではないか、そしてまた、広報活動が周知徹底されていないのではないか、そういう御指示がございました。

 そして、我々は、新聞の広告、私はこれを見ました、それから、保険協会がその前にきちんとまたチラシを入れております、いろいろなところで広報活動は行っております。そしてまた、皆さん方から、例えばお年寄りを前期と後期と分けるのはいかがなものかというようないろいろな意見があって、そういうことが総理の決断につながったと思っております。

 その長寿医療制度、まさに今局長がお答えしましたように、本当に長生きしてよかったな、そして、年を召したときにはこういう医療制度、こういうシステムで全体的なケアをする、そして、財源的にも、各市町村、特に過疎の村で、市町村単位ではやっていけない、こういうことに対しても都道府県単位できちっとやる。これは二年前に国会できちんと議論をして議決をしたもの、それを今実施に移しているわけでありまして、その間、さまざまな激変緩和措置をとり、これは与党の中で決め、そして例えば、被扶養者について半年は完全に凍結、その後の半年も一割しか支払わないでよろしい、そういうこともきちんとやっている。

 私の職務は、これを円滑に実施していく、そして、より広く、多くの国民の皆さん方に御理解いただく、そういう一つの手段として、総理の御指示のもとに、長寿医療制度、こういう通称があってもよかろう、こういうことでございます。

高橋委員 名前を変えるだけで年をとってもよかったなと思えるんだったら、こんなに簡単な政治はありませんよ。名前を変えるんじゃなくて制度をもとに戻してください、そのことを強く言いたいと思います。

 問い合わせの内容を見ると、自分の保険料が幾らなのか、今までと比べてふえるのかどうか、それが最大の関心事であります。実はそれがまだわかっていないということに問題があります。資料の一枚目を見てください。後期高齢者医療保険料の徴収についてということでスケジュール表があるわけですけれども、被保険者に対しては四月一日の施行日の前には納付方法に関するお知らせだけが届く、方法だけは届く。しかし、実際の保険料が示されるのは四月になってからだ。それで、びっくりする暇もなく、十五日から天引きする。しかも、いきなり二カ月分。余りにも乱暴過ぎないでしょうか。あわせて、十月から天引きが始まる自治体も多いです。その間、つまり四月から始まって十月から天引き開始されるまでの六カ月分に相当する保険料はどうなりますか。

水田政府参考人 まず、四月分の保険料のことでございますけれども、これは法律的に申しますと、まさにこの制度は四月一日に施行されますので、四月一日に被保険者に対して保険料が賦課されて、十五日に支払われる年金から徴収されるということでございます。

 四月から保険料が徴収される方につきましては、各広域連合それから市町村から、被保険者お一人お一人に対しまして、保険料の額、徴収方法に関する通知が届くものと考えております。当然ながら、これは四月上旬ということでございますので、もうそろそろお手元に届いているか、もう届くものと考えてございます。

 それから、四月に二カ月分という話がございました。これは、四月に二カ月分の年金が支払われるので、二カ月分の保険料が徴収されるということでございます。

 それから、十月からの保険料の天引きについてのお尋ねがございました。これは、被用者保険に加入していた方につきましては、平成二十年十月から保険料の年金からの徴収を開始することとしてございまして、これらの方々につきましては、前年所得が確定する七月ごろに保険料を算定して、その後、各広域連合及び市町村から被保険者お一人お一人に対しまして額や徴収方法を通知することとなってございます。

 この支払い方でございますけれども、被用者保険の被保険者本人であった方には七月ごろに通知がお手元に届き、九月までは納付書等によって保険料を納めていただきまして、十月以降は保険料を原則として年金からお支払いいただくということになるわけであります。

 一方で、被用者保険の被扶養者であった方につきましては、これは大臣が申されましたように、九月までは徴収はしない。十月上旬までに通知がお手元に届いて、十月以降は保険料を原則として九割軽減、全国平均では月額三百五十円程度になると思われますけれども……

茂木委員長 簡潔にお願いいたします。

水田政府参考人 はい。

 年金からお支払いいただくことになるわけでございます。

高橋委員 聞いていないことまで長々と言わないでください。

 十月から天引きが始まる人は、今おっしゃったように七月に通知が来るんですよ。でしょう。そこからあと三カ月間で、普通の天引きの人は六カ月間で払っているものを一遍に納めなきゃいけないということでしょう。どこからそういうお金が出てくるんですか。そういうことを何にも知らないままに始まるということなんですよ。だから、天引きはやめてほしいということを私たちは繰り返し指摘をしているのです。

 今、きょうも随分議論をされていましたけれども、五千万件の消えた年金問題もほとんど解決できていない、そういう中でのスタートだということも忘れないでもらいたい。消えた年金が戻ってきていないのに天引きだけはしっかりやる、こんなことは絶対許せないわけです。

 ちなみに、確認しますが、記録の回復へ照会をしている方、つまり、特別便が来て照会をしている方、第三者委員会などに不服を申し立てている方などは、まさしく特別な事情として徴収猶予などの扱いをすることになっているはずですが、確認します。

水田政府参考人 この後期高齢者医療制度、長寿医療制度の保険料は広域連合が賦課するものでございまして、制度的なリンクというものは年金との間ではございません。依頼を市町村がして、年金から徴収されるということでございますので、特に猶予するとかそういうことは、仕組みはございません。

高橋委員 きのうの説明と違いますよ。自治体や広域連合が、特別な事情がある、自分は本当は年金はもらえるはずだけれども消えている、そのことを照会している人たちについてはきちんと個別に判断すると答えたはずです。どうですか。

水田政府参考人 その点は、保険料の減免に関する一般的な規定の運用について御説明したと思います。災害でありますとか病気でありますとか……(発言する者あり)一般には自然災害でございますけれども、あるいは病気、それから事業をやめられた、こういった特別な事情にある方については個別に事情をお伺いする。

 したがいまして、年金というのが、場合によっては保険料を支払われない事由になるかもしれませんけれども、それはもう個別に判断をしていくしかないかと思います。

茂木委員長 各委員に申し上げます。

 きょう傍聴席には、これからの日本を支える多くの若い人たちもいらっしゃいます。御静粛にお願いいたします。

高橋委員 減免だけではなくて、天引きもできないとか、そういうことも含めて個別に対応するということを確認しております。

茂木委員長 答弁は簡潔にお願いいたします。

水田政府参考人 天引きにつきましても、もちろん市町村の判断ということはあろうかと思いますけれども、減免の話とはまた違って、特にこういったルールというものは設けてございません。

高橋委員 時間がないので、市町村に判断してもらうということをしっかりと確認していきたいと思います。

 高齢者は、もともとまじめに支払ってきたわけで、徴収率も非常に高いんです。ほとんどが特別な事情になっている、体も弱くなっている、厚労省も今までそういうふうに説明してきたじゃないですか、高齢者の特性だといって。そのことをかんがみれば、みんなが特別な事情なんですよ。そのことをしっかりと徹底していただきたいということを言って、非常に時間がなくなっておりますので、次に進みたいと思います。

 先ほど阿部委員からも指摘がありました特定健診と保健指導の問題なんですけれども、三月二十六日付の毎日新聞によれば、メタボ健診について、全国八百六市区への調査で、科学的根拠が十分と考える自治体は九・一%のみだと。基準値や指導内容を検証し、効果が確認されてから導入すべきだと二三・五%が回答していることがわかりました。健診実施率やメタボ患者と予備軍の減少率が目標に達しない場合、後期高齢者医療制度への支援金を最大一〇%増額するという、いわゆるペナルティーを反対とする市区が六三・五%もありました。非常に重要なことではないかと思います。

 しかも、国の基準であれば、もう成人男性の五割が該当するのではないか、このような指摘もある中でスタートをしているわけです。

 奨励するのはまずよしとしても、ペナルティーの導入はやめるべきと考えますが、いかがでしょうか。

舛添国務大臣 これは、先ほど阿部委員との議論でもありましたように、現実にこれを実施するのは五年後ですから、これは実施状況をきちんと調べ、そして、インセンティブを与える、ペナルティーを与える、これは制度をより前に進めるための一つの工夫ですから、それで大きな弊害があれば、それはきちんとまた対処をしたいと思います。

高橋委員 ここは、やめるべきだ、インセンティブはいいけれどもその逆はだめなんだということを重ねて指摘しておきたいと思います。

 それで、特定健診の実施率は、資料にもありますけれども、全国目標が七〇%、市町村国保が六五%、保健指導の実施率が四五%、メタボ患者と予備軍を一〇%減らすのが目標だとあるわけですね。それを、積極支援というのをポイント制にして、例えば個別支援、これは資料の三にありますけれども、五分で二十ポイント、電話で、計画どおりいっているかと励ましたり、よくできているねとやりとりすれば十ポイントなんて、こういうのを重ねていって、百八十ポイントやればいいですよというふうなことが書かれているわけで、私は大変現実的ではないと思うんです。

 特定保健指導の実施者は、医師、看護師、保健師を初め専門的技術を有する人となっておりますが、その受け皿が足りているのかどうか、伺います。

水田政府参考人 この特定健診、特定保健指導につきましては、保険者協議会その他を通じて具体的な議論もなされております。そこでのこともありますが、特に問題となりましたのは市町村の体制のことでございまして、これにつきましては、老健事業からの転換分が二千九百人、これに加えまして、地方交付税措置による増員が千三百でしたか、ございまして、合計して四千三百人体制で当たるということになっておりますので、そういう意味では、できる限りの基盤整備はしたつもりでございます。

高橋委員 厚労省の試算は全く希望的観測なんですよ。潜在的な、いわゆる自宅にいる人も含めて、新規登録がこれからふえるであろうと。医師が七千五百六十八人ふえるんだ、保健師は七千四百二十五人、管理栄養士は七千六百三十七人、こういう青写真を描いて、何とかなるだろうと言っている。これ自体が非常に現実的でない。本当にやるつもりであれば、この間議論されている医師不足対策もまさにそのとおりでありますし、行革に対してきっぱりと、それではやっていけないよ、ふやさなきゃいけないんだよという声を上げなければなりません。そのことを指摘しておきたいと思います。

 それで、この保健指導の大事な受け皿の一つとして、今、社保庁が十月に解体されたときに、その受け皿がまだ決まっていないということで大変な注目を受け、問題となっている社会保険病院がございます。もともと社会保険病院は、全国で五十三ありますけれども、健康保険法に基づく厚労省がつくった施設なわけでありますね。

 その中で、例えば社会保険診療所、健康管理センターなどは、不採算で敬遠されがちな小規模な事業所などに対しても、公的医療機関の使命として、巡回をする、だれでもどこでも受診できる場を提供してきた、そういう大きな役割を果たしてきていると思っております。この間の、保健指導を強調する政府の施策からいっても、まさになくてはならない存在になっているのではないかと思うんですね。

 特に、最寄りの診療所で受診できるだけではなくて、統一の基準で、すべての社員の健康状態を本社で有機的に一元管理できるというスケールメリットを持っている。今、健診の集合契約という考え方を国が示しているわけで、全国的に、社会保険事務局に今依頼してやろうということまで考えている。その施策としても一致をするのではないか。同時に、地域医療の今の深刻な崩壊が叫ばれ、医師不足が叫ばれる中で、もうどこでも、地域になくてはならない病院なんだということが言われているわけです。

 私、先日伺った二本松の社会保険病院などでは、市にたった一つしかお産ができる医療機関がないんだ、これしかない、市はことしから妊婦健診を十五回やりますよと決めたはいいけれども、ここたった一つがもしどうにかなったらどうするんだという声が上がっているわけです。そういう意味でも、今、社会保険病院を取り巻く環境は本当に変わっている。

 そして、そのためにも、与党が四月二日に方針を出されたことも承知をしております。立法措置も含め、きちんとした対応が国の責任でやられるべきだと思いますが、大臣の見解を伺います。

舛添国務大臣 二日前に、与党の方針で、社会保険庁ではなくて、RFOへの出資という形で決まりました。しかし、この方針を見ますと、「地域医療の確保を図る見地から、」ということがうたってございますし、さらに、平成十七年六月十五日の衆議院厚生労働委員会の附帯決議においても、「政府は、厚生年金病院の整理合理化計画については、地域の医療体制を損なうことのないように、十分に検証した上で策定すること。」

 こういうことを受けまして、社会保険病院並びに厚生年金病院の将来につきましては、与党合意、さらに先ほどの附帯決議を踏まえた上で、地域医療が損なわれることがないように十分な配慮をして、適切に対処してまいることをはっきりと申し上げておきたいと思います。

高橋委員 今の大臣の答弁はありがたいと思うんですが、今までの議論と基本的には同じなんですね。

 地域医療が損なわれないようにということで附帯決議がされて、今日まで来たんだと。だけれども、まず、RFOへの出資といっても期限がありますね。RFOそのものが期限があるということ。そのことが決まらない以上は、看護師さんの退職の補充ができないとか、医師を見つけられないという状況にあるんだ。ですから、二年前の決めた時点よりも事態は進行しているんだと。

 そこで、もっと積極的に国として責任を持ってかかわっていくんだという大臣の強い決意をいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

舛添国務大臣 これは具体的に、ことしの十月以降、社会保険庁の持ち物でなくなります。したがいまして、残された月の間に受け皿をきちんと決めないといけない。

 そういう中で、私が申し上げた、今まさに、緊急医療を初め地域の医療をどうしたら再確立できるか、再構築できるか、これは大変大きなテーマであります。与党の皆さん方と十分に協議をしながら、国としてもこの点はしっかりと対応してまいります。

高橋委員 一千二百万の患者の皆さんと地域の皆さんが見守っていますので、しっかりとお願いをしたいと思います。

 次に、きょうは、診療報酬の見直しの中で、焦点となっていた再診料の引き下げを見送るのと引きかえに導入された外来管理加算、このことについて質問をしたいと思います。

 五十二点、これを五分未満はつけないのだということを国は決めた。これに対して、大変な混乱と抗議の声が全国で上がっています。一体、五分というのはどうやってはかるのだ、ストップウオッチを持って診療するのか、そういう批判さえも出ているところであります。

 これについて、なぜこういうふうに考えたのか伺います。

水田政府参考人 御指摘の外来管理加算の算定要件であります診察時間につきましては、外来で継続的な治療管理を要する患者に対しまして、医師が患者の療養上の疑問に答えながら、病状や療養上の注意等に係る説明を懇切丁寧に行うには、最低でも五分の時間を要するとの中央社会保険医療協議会での議論を踏まえて設定したものでございます。

 ただ、この外来管理加算の算定に当たりましては、秒単位での時間測定を求めているものではございませんで、診療録内に、患者からの聴取事項、どういうことを聞いたか、あるいは診察所見の要点、時間要件に該当する旨を記載することとしているわけでございます。

 こうした診療録における記載によって、適切な時間をかけた懇切丁寧な診療が実施されたことが確認できるものと考えてございます。

高橋委員 今の答弁には、五分の根拠が全く示されなかったと思います。

 それで、資料の四枚目から、これは青森県の保険医協会が病院にアンケートをとったもので、四枚目は小児科医のアンケート調査です、五枚目は公立病院です、六枚目は山形県、七枚目が宮城県、八枚目が福島県ということで、小児科は青森だけですが、それぞれの公立病院に対して、実際五分ルールが算定可能かどうかということを伺ったアンケートなわけですね。

 ざっと見ていただければわかるように、算定可能割合、小児科などでも、一番低いところで五%から、一〇〇%というところが一つだけありましたけれども、大体二〇%くらい減収するだろうということを指摘して、医療崩壊は加速すると圧倒的に答えているわけです。

 公立病院にいきますと、もっと減収の幅が大きくなるわけですね。例えば、青森県の公立病院のJというところを見ていただくと、二千百六十二万の減収予想額があるだろうと。公立病院ですからかなりの規模になるわけです。山形県などを見ていくと、八割台の減収のところもある。

 これは、さっき局長が、懇切丁寧に行うには五分必要だというお話をされました。多分、それを医療機関の皆さんが聞いていて、何と現場を知らないことかと思ったと思うんですね。そんな単純に輪切りでできるものではないんですよ。

 だって、患者さんが診察室に入ってきてから出るまでが五分ですよと説明されましたけれども、入る前に看護師さんがこの間どういうことをやってきましたかという事情を聞いたりとか、そういうことだってやって工夫しているわけですよ。そのことを全く評価していないとか、あるいは、公立病院が今、医師不足、地域医療の再編問題でぐっと拠点病院に集中しているわけですね。忙しければ忙しいほど、五分とれない、とれなかったら赤字になる、こんなばかな話はないわけですよ。

 これは見直すべきだ。大臣、いかがですか。

舛添国務大臣 三時間待って三分しか診てもらえない、そういう患者側の不満もいろいろありまして、最低五分ぐらいはきちんと診てくださいよ、こういう患者に対するきちんとした対応もしないといけない。

 しかしまた、医療提供者の側で、今いろいろなデータをお示しになりましたけれども、赤字になって経営がうまくいかない、これも問題がありますから、その点については、再診料も上げました、それから十対一入院の基本料も上げるというようなことでさまざまな工夫をし、これは中医協においてそれぞれの皆さん方の声を反映してできた結果でございます。

 そしてまた、これは何度も申し上げていますように、来年度、さらに次の年度、いろいろな改正をする必要があれば、現状を、現場をきちんと把握した上で、是正すべきは是正する。しかし私は、今の原理に基づいて、今回はこういう改定を行いました。

高橋委員 来年度まで待てないかもしれないんです。そのことをしっかり受けとめて対応してください。

 終わります。

茂木委員長 以上で両案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

茂木委員長 ただいま議題となっております両案中、まず、内閣提出、戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案について議事を進めます。

 この際、本案に対し、大村秀章君外一名から、自由民主党及び公明党の二派共同提案による修正案が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。大村秀章君。

    ―――――――――――――

 戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案に対する修正案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

大村委員 ただいま議題となりました戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、自由民主党及び公明党を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 修正の要旨は、原案において「平成二十年四月一日」となっている施行期日を「公布の日」に改め、平成二十年四月一日から適用することであります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

茂木委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

茂木委員長 これより本案及び修正案を一括して討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 内閣提出、戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。

 まず、大村秀章君外一名提出の修正案について採決いたします。

 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

茂木委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。

 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。

 これに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

茂木委員長 起立総員。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

茂木委員長 次に、内閣提出、駐留軍関係離職者等臨時措置法及び国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の一部を改正する法律案について議事を進めます。

 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 内閣提出、駐留軍関係離職者等臨時措置法及び国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

茂木委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

茂木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

茂木委員長 次回は、来る九日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時五十一分散会


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