衆議院

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第8号 平成20年4月18日(金曜日)

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平成二十年四月十八日(金曜日)

    午前九時三分開議

 出席委員

   委員長 茂木 敏充君

   理事 大村 秀章君 理事 後藤 茂之君

   理事 田村 憲久君 理事 宮澤 洋一君

   理事 吉野 正芳君 理事 山田 正彦君

   理事 山井 和則君 理事 福島  豊君

      あかま二郎君    新井 悦二君

      井澤 京子君    飯島 夕雁君

      石崎  岳君    川条 志嘉君

      木原 誠二君    木村 義雄君

      清水鴻一郎君    杉田 元司君

      杉村 太蔵君    高鳥 修一君

      谷畑  孝君    冨岡  勉君

      永岡 桂子君    長崎幸太郎君

      西本 勝子君    萩原 誠司君

      橋本  岳君    林   潤君

      福岡 資麿君    馬渡 龍治君

      松浪 健太君    松本  純君

      松本 洋平君    三ッ林隆志君

      内山  晃君    岡本 充功君

      菊田真紀子君    郡  和子君

      園田 康博君    長妻  昭君

      古本伸一郎君    細川 律夫君

      三井 辨雄君    柚木 道義君

      伊藤  渉君    古屋 範子君

      高橋千鶴子君    阿部 知子君

      糸川 正晃君

    …………………………………

   議員           三井 辨雄君

   議員           山田 正彦君

   議員           山井 和則君

   議員           菊田真紀子君

   議員           園田 康博君

   厚生労働大臣       舛添 要一君

   厚生労働副大臣      西川 京子君

   厚生労働副大臣      岸  宏一君

   厚生労働大臣政務官    伊藤  渉君

   厚生労働大臣政務官    松浪 健太君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房統計情報部長)        高原 正之君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局高齢・障害者雇用対策部長) 岡崎 淳一君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局長)           中村 秀一君

   政府参考人

   (厚生労働省老健局長)  阿曽沼慎司君

   政府参考人

   (厚生労働省保険局長)  水田 邦雄君

   政府参考人

   (厚生労働省年金局長)  渡辺 芳樹君

   厚生労働委員会専門員   榊原 志俊君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月十八日

 辞任         補欠選任

  井澤 京子君     飯島 夕雁君

  井上 信治君     永岡 桂子君

  櫻田 義孝君     橋本  岳君

  清水鴻一郎君     馬渡 龍治君

  長妻  昭君     古本伸一郎君

同日

 辞任         補欠選任

  飯島 夕雁君     杉田 元司君

  永岡 桂子君     あかま二郎君

  橋本  岳君     櫻田 義孝君

  馬渡 龍治君     清水鴻一郎君

  古本伸一郎君     長妻  昭君

同日

 辞任         補欠選任

  あかま二郎君     井上 信治君

  杉田 元司君     井澤 京子君

    ―――――――――――――

四月十八日

 医師・看護師不足など医療の危機打開を求めることに関する請願(志位和夫君紹介)(第一九四八号)

 社会保障の充実を求めることに関する請願(塩川鉄也君紹介)(第一九四九号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第一九五〇号)

 同(吉井英勝君紹介)(第一九五一号)

 地域医療を守り、国立病院の存続・拡充を求めることに関する請願(阿部知子君紹介)(第一九五二号)

 同(安次富修君紹介)(第二〇八六号)

 腎疾患総合対策の早期確立に関する請願(小里泰弘君紹介)(第一九五三号)

 同(大口善徳君紹介)(第一九五四号)

 同(亀岡偉民君紹介)(第一九五五号)

 同(木村太郎君紹介)(第一九五六号)

 同(北村誠吾君紹介)(第一九五七号)

 同(西村康稔君紹介)(第一九五八号)

 同(林潤君紹介)(第一九五九号)

 同(村上誠一郎君紹介)(第一九六〇号)

 同(森英介君紹介)(第一九六一号)

 同(斉藤鉄夫君紹介)(第二〇二一号)

 同(関芳弘君紹介)(第二〇二二号)

 同(山本公一君紹介)(第二〇二三号)

 同(岩屋毅君紹介)(第二〇八七号)

 同(逢坂誠二君紹介)(第二〇八八号)

 同(西銘恒三郎君紹介)(第二〇八九号)

 同(平沼赳夫君紹介)(第二〇九〇号)

 同(小渕優子君紹介)(第二一五七号)

 同(木村義雄君紹介)(第二一五八号)

 同(後藤茂之君紹介)(第二一五九号)

 同(松本龍君紹介)(第二一六〇号)

 国民健康保険の充実を求めることに関する請願(佐々木憲昭君紹介)(第二〇八五号)

 高齢者に負担増と差別医療を強いる後期高齢者医療制度の中止・撤回に関する請願(佐々木憲昭君紹介)(第二〇九一号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第二〇九二号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第二〇九三号)

 同(吉井英勝君紹介)(第二〇九四号)

 同(笠井亮君紹介)(第二一六一号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二一六二号)

 後期高齢者医療制度の中止・撤回に関する請願(石井郁子君紹介)(第二〇九五号)

 同(笠井亮君紹介)(第二〇九六号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第二〇九七号)

 同(吉井英勝君紹介)(第二〇九八号)

 社会保障の拡充等に関する請願(塩川鉄也君紹介)(第二一五四号)

 消えた年金問題の早急な解決と最低保障年金制度の実現を求めることに関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第二一五五号)

 療養病床の廃止・削減と患者負担増の中止等を求めることに関する請願(志位和夫君紹介)(第二一五六号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 介護保険法及び老人福祉法の一部を改正する法律案(内閣提出第六七号)

 介護労働者の人材確保に関する特別措置法案(三井辨雄君外四名提出、第百六十八回国会衆法第二四号)

 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律及び検疫法の一部を改正する法律案(内閣提出第三二号)


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     ――――◇―――――

茂木委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、介護保険法及び老人福祉法の一部を改正する法律案及び第百六十八回国会、三井辨雄君外四名提出、介護労働者の人材確保に関する特別措置法案の両案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、政府参考人として厚生労働省大臣官房統計情報部長高原正之君、職業安定局高齢・障害者雇用対策部長岡崎淳一君、社会・援護局長中村秀一君、老健局長阿曽沼慎司君、保険局長水田邦雄君、年金局長渡辺芳樹君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

茂木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

茂木委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井澤京子さん。

井澤委員 おはようございます。自由民主党の井澤京子でございます。

 四十分という限られた時間でございますので、介護の現場を踏まえた質問をさせていただきたいと思います。

 まず、政府が提出している介護保険法及び老人福祉法の一部を改正する法律案についてお伺いいたします。

 介護保険制度は、例えば私にとりましても、近い将来、自分が要介護になった場合に老後を託さなければならない制度でもありまして、コムスン問題というのは、そういった大切な介護保険制度に大きな衝撃を与えた、また利用者にも不安をかなり与えたというのが事実でございます。この政府提出法案は、コムスン問題を受けて、介護保険制度を改善し、よりよい形にしていくというのが本法案を提出した趣意だと理解をしております。早急にこの法案を成立させて、一日も早く国民の皆様方が老後を安心して暮らしていけるようにしていただきたいと思っております。

 では、具体的に質問に移らせていただきます。

 まず、事業所の指導監督のばらつき、指導監督についてお伺いいたします。

 私は、いろいろと問題に取り組むに当たり、できる限り現地現場主義、現実を見るということ、そして現場の生の声を聞こうと思っております。今回の法案審議に先立ち、地元の介護施設の現場に何カ所か伺い、事業者の方々や実際にサービスを提供されているケアマネジャーなどの方々からお話を聞きました。

 現場に実際に足を踏み込みますと、若い皆さんが本当に誠心誠意、自分の家族のように介護サービスをされているその姿に胸を打たれて、目頭が熱くなり、そして頭が下がる思いでおります。また片や、私の地元は京都でございますので、京都府の行政側の方にも話を伺いに参りました。そのような現場の声を踏まえながら、幾つか確認の質問をさせていただきます。

 いろいろと現場の声を聞いておりますと、問題として浮かび上がってきましたのは、都道府県や市町村による事業所の指導監督に関するばらつきの問題でした。

 例えばこんなケースがあります。指定の申請時に出す書類が自治体によって違うケースがあり、また、ある自治体では保険給付が認められたが、ほかの自治体では認められなかったケース、また、ある自治体では指導を受けなかった事例が、ほかの自治体では改善勧告を受けたというようなケースがあると伺いました。

 この介護保険というのは、そもそも地域でできることは地域へ、地方分権を踏んだ仕組みで、そのほとんどが自治事務になっているところが事実でございます。実際、事業所の指導監督について、自治体ごとに過度のばらつきが生じないよう国としてどのように対処されていくのか、厚生労働省の考えをお伺いいたします。

阿曽沼政府参考人 お答えを申し上げます。

 御指摘の都道府県等の指導監督のあり方でございますけれども、過度なばらつきが生じないようにということで、昨年の二月に、実地指導のための基本的な知識あるいは利用者の生活実態の把握、サービスの質の確認方法等についてお示しをしました介護保険施設等実地指導マニュアルというものを作成しまして、都道府県等にお示しをしたところでございます。しかしながら、まだ十分に理解あるいは周知が進んでいないという面もございますので、本年二月に、担当者会議においても、このマニュアルの十分な理解あるいは活用をお願いしたところでございます。

 厚生労働省といたしましては、今後とも、都道府県等に対しましてこうしたマニュアルの周知徹底に努めるほか、御指摘がございました指導監督の標準化に資するためのガイドラインの策定、あるいは研修会の実施など、指導監督業務の標準化に取り組んでまいりたいと考えております。

井澤委員 ありがとうございました。

 実際、マニュアルを作成することではなく、その作成されたマニュアルが生かされるように周知徹底、そして国の方からも監督指導を各市町村の方に、自治体ごとにしていただきたいと思います。そして、ばらつきがないように随時その定点観測なりをしていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

 次に、事業者の本部への立入検査についてお伺いしたいと思います。

 コムスンの不正事案では、コムスンが組織的な不正行為を行ったというのが一番大きな問題点だったと思います。コムスンの本社に立入検査さえできなかったと聞いております。

 今回、業務管理体制の確認や、不正行為への組織的な関与の有無を確認するために事業者の本部への立ち入りを行うことができるようになった、今回の法律では評価したいと思っております。コムスンのような大規模な事業者、この業務管理体制は厚生労働大臣が指導監督を行い、そして事業所の指導監督は都道府県知事または市町村長が行うことになっております。

 そこで確認したいのが、実際、国が業務管理体制の指導監督を行う事業者が、組織的な不正行為を行った場合、国と都道府県の役割分担がどうなるかということがまず一つ。

 そしてもう一つ、国がその本部に立入検査を行う際に、都道府県も同行することが可能なのかどうかについてもお伺いしたいと思います。

阿曽沼政府参考人 二点お尋ねがございました。

 まず、国と都道府県の役割分担でございますけれども、国が業務管理体制の指導監督を行う事業者が、組織的な不正行為を行ったと疑われる場合には、国としては、事業者の本部に対する立入検査を行いまして、組織的な不正行為の有無を確認するということでございます。一方、都道府県及び市町村は、事業所において組織的な不正行為が実際に行われていたかどうか、人員、設備、運営基準違反などの有無を確認するということになっております。

 事業者の本部に立入検査を行う際には、当然のことですが、国、都道府県、市町村が密接に連携を図るということにしておりまして、本部への立入検査前に、国と自治体間で十分情報を共有し、効率的、効果的な検査を行い、またその調査結果については、国と自治体で情報を共有するというふうにいたしております。

 それから、二つ目のお尋ねでございますけれども、国が事業者の本部に立入検査を行う場合に、都道府県、市町村が同行できるかどうかということでございますが、事業者の本部に立ち入る検査の権限が与えられておりまして、国の立入検査に都道府県及び市町村が同行することは可能でございまして、自治体と連携して効率的、効果的な検査を行ってまいりたいと思っております。

井澤委員 ありがとうございました。

 ぜひ国と自治体間での連携を密にとり、情報共有をしながら指導監督をしていただきたいと思います。お願いいたします。

 次に、徴収金についてお伺いいたします。

 京都府の方から一番声がありましたのが、徴収金についてでございました。不正請求を行った事業者に対する保険給付の返還についてです。介護保険法では、不正な請求を行った事業者に対してその返還金を求めることになっています。不正な事業者が簡単に返還に応じてくれるとは限らないのが現実です。

 介護保険の財源は、国から集めた保険料と税で半分ずつ負担して成り立っておりますが、今の仕組みでは、不正請求を行った事業者に対して、保険者である市町村が、例えば議会での手続を得てから民事の裁判に訴えることでもやらなければ回収はできず、手間と時間がかなりかかる、その上で回収ができると聞いております。介護保険制度は、国から集めた保険料と税で成り立っている公的な制度であることから、返還金を確実に回収できる仕組みが必要なのではないでしょうか。

 不正請求を行った事業者から確実に返還金を徴収できる仕組みを導入した今回の法案であると聞いております。では、実際に不正な請求を行った事業者から確実に返還金を回収する仕組みの概要とそのねらいについて、具体的にお伺いしたいと思います。

阿曽沼政府参考人 お答えをいたします。

 今回の改正におきまして、事業者の不正利得に係ります返還金、加算金につきましては、市町村の徴収金と位置づけるということにいたしております。こういうことによりまして、市町村は、これまで、不正の行為によって支払いを受けた介護事業者の返還金等を回収する場合には民事上の執行手続によるしかなくて、御指摘のように時間あるいは手間がかかるということでございましたが、地方税の滞納処分の例によって直接かつ強制的に徴収することが可能になります。

 それから、返還金等に係ります債権が国税、地方税に次ぐものでございますので、一般の債権に優先して回収できるようになるということでございまして、こういう改正の結果、市町村は迅速かつ確実に回収できるということになろうかと思っております。

井澤委員 ありがとうございました。

 市町村が迅速、確実に徴収できるように御協力をお願いしたいと思います。

 では、限られた時間でございますので、次に、民主党提出法案に対する質疑に移らせていただきたいと思います。

 介護の現場で働く方々の処遇改善を図ることについては、この法案の趣旨、理念であるということを十分承知して、私も共感するところでございます。この趣旨、理念、これは本当に理解しながら、介護現場で働く方々の処遇改善そして社会的評価の向上に大変重要な意味がありますので、それには私もぜひ積極的に取り組ませていただきたいと思います。

 しかし、幾つか確認をしたい内容がこの法案にはあります。こうした働く方々の処遇改善、社会的評価の向上、これらの問題の解決を図るために提案された今回の法案、先日の審議においてもいろいろと質疑の中で明らかにされてまいりましたが、その仕組みや実現可能性について幾つか確認をしたいと思います。

 まず、加算介護報酬についてです。

 この法案に関しては、政策ペーパーなども拝見させていただきましたが、例えば、この加算介護報酬を受け取ることができる認定事業所は全体の五〇%と聞いております。そうしますと、残りの半分の、認定事業所になることができない事業所の介護労働者の方々については、何か取り残されてしまうことがあるのではないか。法案自体では五〇%という数字までは規定はされておりませんけれども、いずれにしても、事業所の規模や経営環境などを考慮されていないのではないか。

 単に、事業所の賃金見込み額の平均額が認定基準額以上であるか否かという基準だけで認定される事業所となるのではないか、認定される、されない事業所と分けられてしまうのではないか、認定されるところのみに加算介護報酬が支給される、そういう仕組みになっているのではないかという印象を私は受けました。

 このような仕組みでは、例えば、いろいろ全国にたくさんの事業所があるわけですから、小規模な事業所や過疎地域において介護報酬の労働分配率を高めようと経営努力を精いっぱいされている事業者が評価されずに、むしろ切り捨てられてしまうのではないか、効率的な経営を行いやすい比較的大規模な事業所との格差がかえって拡大してしまうのではないかと懸念しております。

 先日の審議においては、提案者の方より、この法案の趣旨は介護職員の賃金を引き上げることであり、介護職員の賃金が低いか引き上げない事業所にとっては苦しい面があるのは法案の趣旨としてやむを得ないことであるというような答弁もありました。実際、利用者のサービスを確保するという観点から、個々の介護労働者の賃金水準だけではなく、サービスがしっかりと提供される、その事業者が安定的に経営できるようになることに目を向けるべきではないでしょうか。

 実際、小規模な作業所や過疎地域で経営努力されている事業者、こういったところをもっと支援することが大切なのではないかと思いますが、そのあたりについて提案者の方から趣旨をお伺いしたいと思います。お願いいたします。

山井議員 井澤議員、御質問ありがとうございます。お答え申し上げます。

 井澤議員の質問の中にも書いてございましたが、なぜ約半数の認定事業所だけに三%加算をするか、そのことに関しては、大きく分けて二つ理由がございます。

 一つは、言うまでもなく、この法案の趣旨であります。趣旨が賃金を引き上げる法案である以上は、賃金を引き上げるあるいは賃金が高い事業所と低い事業所に関して差をつけないと、法案にならないということです。

 もちろん、私たち民主党でも最初に議論をしたのは、介護報酬を引き上げましょうという議論をしました。しかし、そこで出てきた反論は、引き上げる努力をするあるいは賃金が高い、そういうところと、賃金は低くて引き上げ努力も全くしない、そういうところに平等に大切な国民の税金を一年間で九百億円、今年度でしたら七月一日からスタートですから六百七十五億円つぎ込むことに国民の理解が得られるだろうかということを考えれば、やはり賃上げの努力をするところ、やはり賃金が高いところを何らかの形で優遇するという形にならないと、大切な国民の税金をそこに優先的につぎ込むということに説得力を持たないのではないかということが大きな理由でございます。

 ですから、法案の趣旨ということ、二番目が国民の理解ということ、この二点においてこういう制度をさせていただきました。

 そこで、井澤議員は、大規模と小規模の事業所の格差ということですが、平成十九年の賃金構造基本調査結果によりますと、事業所の規模と介護労働者の賃金は必ずしも比例しているわけではありません。小規模な事業所は大規模な事業所に比べて加算介護報酬が受けにくくなって、だから小規模な事業所と大規模な事業所との格差が拡大するといった事態には必ずしもならないと考えております。

 また、当初認定を受けていない事業所においても、介護労働者を確保するために、賃金を引き上げて認定を受けるように努力することが必要になりますので、その結果、介護労働者全体の賃金が底上げされるというふうに考えております。

 それで、最後に一つつけ加えますと、例えば、地元京都でもこういう通知が四月二日で出まして、京都にございますキリスト教社会福祉専門学校ではとうとう、介護福祉学科の入学生が昨年十一人、ことし十名で、来年からは介護福祉学科をもう中止しますという、非常に残念な通達がもう出てきました。もう一刻の猶予もならないと思います。高齢者がふえていくのに、介護専門学校が、保育科、児童福祉科は学生がふえているけれども、介護福祉学科は……

茂木委員長 山井君、先日も注意申し上げましたが、質問に真摯に答えてください。

山井議員 はい。

 少ないのでもう募集が停止になる。これは本当に緊急事態だと思っております。その意味で、緊急性にかんがみて、このような法案を出しました。

井澤委員 ありがとうございました。

 しかし、現実、精いっぱい経営努力をしても賃金をなかなか引き上げることができないという事業者が取り残されるということを実際に聞いておりますので、そこは必ず認識をしていただきたいと思っております。

 私、今なぜこういうことを申し上げたかと申しますと、地元のいろいろな施設を回っていく中で、この法案についても私、いろいろと具体的に各現場の声を聞いてまいりました。この民主党法案についても具体的に伺いましたが、実際、事業所の方からこんな声があります。認定されなかった事業者は労働者の賃金を引き上げることがなかなかできない、認定されなければ人材確保がさらに難しくなり、倒産してしまう事業所も出てくるのではないかと、心配や不安の声が数多くありました。

 介護労働者の賃金が上がっても、事業所が倒れてしまっては元も子もありません。労働者の処遇を改善することは本当に必要だと私も思っておりますが、事業所としても存続できるようにする必要があるのではないでしょうか。

 結局、介護労働者の処遇改善と事業所の経営改善の双方のバランスがあることがまず第一だと思います。そこが一番難しいことだとも思います。介護労働者の処遇の底上げにつながるためにはどうしたらいいのか、事業所の経営の安定、改善を図ることも両輪として考える必要があると思います。

 幾つか回る中でも、事業者の方、こんな具体的なお話がありました。御存じのように、今世界的な原油高、ガソリン価格の高騰が世界市場の中ではあります。とある施設の中ではプロパンガスを使っている。プロパンガスの代金が年間五百万円だったけれども、去年一年間で一千万円になって、倍になった。このように、実際、施設を運営する固定費用だけでも倍に上がった。こういうような現実の中で、施設をまず運営させることが大事である、そのほかにまた賃金を上げることが実際できるかどうか不安でならないという声が実際ありました。

 こうした状況で、介護労働者の賃金のみに着目した法案を提出する。もう少しバランスよく考えていただくような具体策があってもいいのかということを指摘させていただきたいと思っております。

 実際、私もずっと長く社会人をしておりまして、人事の仕事もしており、給与、そして従業員との関係もいろいろと現場でやっておりました。介護労働者の例えば給与というのは、事業者と労働者との個々の雇用契約で決められるものであり、加算介護報酬の支給があったとしても、一部の労働者の賃金を大きく引き上げる一方で、ほかの労働者の賃金を据え置くことは、実際、労働契約、そして雇用契約上でそういうことが現場では起きてしまうんじゃないかと思います。事業所内に多くの労働者の方、従業員の方がいる。その中で、賃金に大きな開きが生じ、すべての労働者の賃金が上がるのか、上げられるのかどうかということを再度確認したいと思っております。

 例えば、事業所の平均賃金が既に基準額を上回っているという事業者があります。当然認定を受けることは可能になると思います。このような事業所を所有する事業者にとっては、加算介護報酬を受け取っても、その分を賃金に充てる必要がないと言えばちょっと語弊がありますけれども、ほかの、通常の事業所の運営に回してしまうという可能性もあると思います。労働者の賃金は上げられないまま、経営者側の施設運営や経営者側の利益のために使われてしまうことがあるのではないか、そういうおそれを懸念しておりますので、その辺について提案者の方の御意見を伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。

山井議員 井澤議員、御質問ありがとうございます。御質問にお答えしたいと思います。

 この民主党の法案では、加算介護報酬を受け取った事業所は、毎事業年度終了後、当該事業年度に介護労働者に対して支払った賃金の認定事業所における平均額を算出し、都道府県知事または市区町村長に報告しなければならないということになっております。そして、もちろん、これが認定基準額を下回っていれば、これは、正当な理由がないと認めるときには、必要な措置をとるべき旨を勧告し、それに従わなかったときには認定の取り消しをすることができることとなっております。

 また、この法案では、第十五条で、介護事業者は、介護を担うすぐれた人材を確保することにより質の高い介護サービスを提供することができるよう、介護労働者の賃金引き上げ等の向上に努めなければならないという努力義務規定を設けております。

 実は、この件については、昨年九月三十日に賃金引き上げに対する要請書を民主党が受け取ってから、四つのパターンを検討しました。

 一番目は、単純に介護報酬を引き上げるパターン。しかし、これはばらまきになりかねず、国民の理解も得られないということで却下されました。

 二番目。教員人材確保法、田中角栄元総理がやりました、これにちなんで、俸給表というのをつくって、公務員に準じて介護職員の給料はこれぐらいですよというのを決めようという議論も二番目にしました。しかし、民間の事業所に対してそこまで型をはめられるのかという議論がありまして、これもあきらめました。

 三つ目は、人件費比率をある一定以上ということを議論しました。しかし、新しい事業所、古い事業所によって、必ずしも人件費比率だけでははかりづらいということで、今回の法案による平均賃金が介護職員の労働の向上に一番つながりやすいということで、この法案にいたしました。

 もちろんそれぞれのタイプで、メリット、デメリットはございます。でも、井澤議員にも御理解いただきたいのは、そもそも民間ですから、民間の賃金を国の法律によって、幾ら、必ず上げなさいと確実に言うということは、実はかなり無理があることであります。例えば、トヨタ自動車の企業の賃金を、国会が幾ら力があるといっても、法律をつくって、引き上げなさい、あるいは幾らにしなさいというところまではなかなかきっちりは介入しにくい。きっちりは介入しにくいけれども、今の介護人材の危機的な状況は何としても早急に解決せねばならない、その両方のバランスを考えてでき上がったのがこの法案でございます。

 井澤議員の御指摘にも一理はあると私は思いますが、かといって、今何もしないということではもう介護現場が崩壊していくということで、七月一日からこの介護人材確保法を何としても施行したいというふうに思っております。

 ありがとうございます。

    〔委員長退席、田村(憲)委員長代理着席〕

井澤委員 お答えいただきまして、ありがとうございます。

 私の理解の中で、どうしても双方のバランス、片や労働者の処遇改善、片や事業者の経営安定を図らなければならない、その両輪をどうバランスよくしていくかということが、繰り返すようですが、重要だと思います。

 今御答弁にもありましたように、法案の中に、第十五条、「介護事業者は、」「介護労働者の賃金の引上げ、労働時間の短縮その他の労働条件の改善に努めなければならない。」と規定されております。「努めなければならない。」その意義の解釈によっては、いろいろなとらえ方があるかと思います。あくまでも努力義務規定であり、実効性が担保をされるのかどうか、それを努力規定としてどこまで担保できるのか、そこが非常にあいまいなような気がします。これでは、実際これが運用されていって、労働条件の改善、ひいては介護労働者の人材確保につながるのかどうなのか、疑問に思っております。

 再度、ここのあたりを御説明願いたいと思います。

山井議員 井澤議員の御質問にお答えしたいと思います。

 これは、では、例えばこの第十五条を義務規定にして、必ず賃金を引き上げねばならないというふうにした方がいいのかどうかということなんですね。そうしますと、先ほども言いましたように、国の法律で民間の、例えば企業や非営利法人の賃金にある意味でそこまで強く強制力を持たすことが、果たして過剰介入にならないのかどうかという問題になってまいります。

 それこそ、義務規定にしてしまったら、この法案がきっかけになって本当につぶれてしまうところが出てきたら、これは大変であります。強くやり過ぎても、経営的にもたなくなる危険性がある。弱かったら、何だ、結局ばらまきじゃないか、国民の大切な税金を使って、年間九百億使いましたが効果はそれほど出ませんでしたでは、これは国会がうそをついたのかということになります。そこで、その両面を考えた上で、十五条を努力義務規定ということにさせていただきました。

 私たち民主党は、そういう結論になりました。ただ、もし与党の方々が、そこを義務規定にして、より確実に引き上げの担保をとる法案だったら賛成しますよということを本当におっしゃってくださるのでしたら、そういう協議には応じたいと思います。

井澤委員 義務規定にするか、努力義務規定にするか、そこは大変難しい判断が迫られるところでございますが、そこは、ぜひいろいろな形で議論を重ねながら、よりよい処遇改善のために私どもこそ努力をしていかなければならないのではないかと思います。

 時間も限られております。次に入らせていただきます。

 繰り返しますが、民主党法案では、加算介護報酬を受け取ることができる認定事業所は、介護労働者の五〇%程度とされています。また、法案の第五条においても、介護事業者は、事業所ごとに、都道府県知事に対し認定の申請をすることができるとされており、事業所ごとに都道県知事に対し申請を行うということになります。

 実際、実務で、どれぐらいの事業所の数があって、どういう作業がされていって認定をされるのかということを、私も法案を拝見しながらいろいろとイメージをつけて、どういうふうに動いていくのか、実際それがいつごろ、例えば一カ月で済むのか、何カ月かスパンをかけながら認定されて、そしてそれが現場に反映されていくのかということも考えながらきょうの質問をさせていただいているところですけれども、この介護サービス事業所、施設が、現実に全国でいろいろな、大小さまざまなところがあると思いますが、実際どれぐらいあるのか御存じでいらっしゃいますでしょうか。

 私が調べたところ、平成十八年の十月現在では、介護サービス事業所、施設は全国に約二十四万存在していると聞いております。事業所にとっては、加算介護報酬がもらえなければ人材確保ができない。多くの事業所が認定事業所になるための申請を都道府県知事に行うことになりますけれども、加算介護報酬の対象が介護労働者の半分になるということは、単純に考えると、全国で少なくとも十二万はあるのかなと。実際は、認定事業所にしてほしいということで、もっと多い数の申請が都道府県に殺到するのではないかと思います。

 また、詳細は不明ですけれども、恐らく、加算介護報酬を支給する以上、都道府県の認定も、事業所の賃金が基準額を実際上回っているのかどうか、詳しく検証作業をしていかなければならないと思います。

 そこで、お伺いいたします。

 都道府県は、御存じのように、地方公務員の定員削減の影響でどんどん人が減っていってしまっている。そうした中で、実務的にこの仕組みがうまく動いていくのか。今、いろいろ、都道府県あるいは自治体も、年金のことから今回の後期高齢者の問い合わせなどにかなりの人がそちらの部署に行ったりと手がとられていて、そういうことが現実的に動き出していくのかな、マンパワー的にも無理なのではないかととても懸念するところもございます。

 具体的にどのようにこれを運営されていくのか、具体的なことをお伺いしたいと思います。お願いいたします。

園田(康)議員 お答えをいたします。

 今回の井澤議員からの御指摘のように、私どもが提案をさせていただいている法案、十条でこの平均額をまず算出させていただいてから加算介護報酬の支給というところまで、一連のこの認定に係る作業というものは膨大な数になってくるであろう。各都道府県に関してのその事務量もふえるというのは、確かに御指摘のとおりであるというふうに考えております。

 したがって、このことに関しまして、現在の介護保険法に係る事務を行っていただいておりますので、その組織はまず活用を各都道府県で、厳しい人員削減等々の折ではありますけれども、この介護保険制度を運営していく上においてはぜひ行っていただきたいというふうに思っておるところでございます。したがって、この法律を成立させていただいたならば、事務処理体制、そういったものも整備をしていただくということにはなろうかというふうに思っております。

 ただ、先ほどの厚生労働省からの御答弁にもあったように、さまざまな、労働局であるとかあるいは地域包括支援センターであるとか、そういったところとの連携あるいは情報の共有、そういったものも生かしながら、都道府県が中心となってこれらの作業に取りかかっていただくというふうにしていただければなと思っております。

井澤委員 実際、全国には二十四万という大きな数の事業所が大小さまざまあるということは再認識をしていただき、その事務処理、現実にどんなことが起きるのかまで行き届いた法案提出をしていただきたいと思いますので、十分御考慮のほどをよろしくお願いいたします。

 時間が限られて、最後の質問に入らせていただきます。舛添大臣もお越しになられましたので、大臣の方にお伺いいたします。

 いろいろと先日来から、審議、そして参考人の意見陳述も聞きながら、やはり、介護労働者の人材確保のため、賃金水準だけではなくて、労働環境の改善及び事業者が安定的に経営ができるというような、双方のバランスをとりながらの総合的な対策を講じなければならないということを再認識しているところでございます。

 実際、この法案に対しまして、政府としてどのように取り組まれているのか、厚生労働大臣の方に具体的にお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

舛添国務大臣 今、井澤委員がおっしゃったように、やはり総合的な対策が必要で、賃金だけの問題ではないと思います。

 御承知のように、非常に離職率が高いというようなこともございますし、パートの比率についてもこれは指摘されております。そういう中で、やはり働きやすい職場をどういうふうにしてつくるかというための労働環境の整備をしないといけない。

 これは、昨年八月、私が大臣に就任した翌日に、介護・福祉分野における人材確保の基本指針というガイドラインを取りまとめましたけれども、その中で、今の、魅力ある職場づくりをやる、それからやはり、キャリアアップというか、そこで研修したりするシステムを設けて、どんどんキャリアアップしていただける、そのことによって職場への定着率も高まってくるし、やる気も起こってきますので、そういうことの予算措置もつけておりますので、介護サービス事業者、各自治体、関係団体とも協議をしながら、まさに委員がおっしゃったように、総合的に取り組んでまいっている次第であります。

 経営の点からいうと、どういう経営モデルが一番効率的、かつ、介護を受けられる人たち、御家族にとってもいいのか、これは経営として成り立たないとだめですから、そういう経営モデルについての研究を今進めているところであります。

 いずれにしても、やはりこれは、待遇を改善することを含めた総合的な対策をとらないと、介護の現場に人がいないということになってしまいます。ですから、それは全力を挙げてやるとともに、やはり、生きがいのある仕事、本当に使命感を持って来られている方々に対して社会全体としてもしかるべき敬意を払う。もちろん職業に貴賤の差はありませんけれども、私は介護の仕事をしているんですよ、ああ、そういう非常に大事な仕事をしてくださっているんですねと、そういう尊敬を社会全体で国民みんなが持てる、そういうこともまた必要だというふうに思っていますので、引き続きこの問題に取り組んでまいりたいと思っております。

井澤委員 ありがとうございました。

 今も大臣のお話を伺いながら、実際、私が地元で現場を訪問した際に、働いている若い人たちの輝く、本当に生きがいを持ってこの仕事についている姿を今思い浮かべながら、お話を聞いてまいりました。

 今現場で働いている方々のために、魅力ある職場づくり、そして、その方々が、ずっと働いていきたい、キャリアアップの形成も図られる、そして家族の方、事業者、そしてもちろん利用者の方とともに魅力ある職場づくりをしていただきたいと本当に思っているところでございます。今後は、その経営モデル、日本初と言ってもいいような、何かいい経営モデルをぜひつくっていただきたいと思っております。

 この議論を終えるに当たりまして、この問題につきましては、ぜひ与野党の枠を超えて真摯に議論を重ねながらいい法案づくりをさせていただければと思っております。いろいろと御審議、本当にありがとうございました。

 以上で質問を終わります。

田村(憲)委員長代理 次に、木原誠二君。

木原(誠)委員 おはようございます。自民党の木原誠二でございます。

 きょうは、質疑の機会をお与えいただきまして、まことにありがとうございます。

 介護保険でありますけれども、平成十二年四月からスタートをしてはや八年ということであります。サービスの利用者も、そしてまた介護保険給付も、費用も二倍を超えて伸びてきている。そういう意味では、国民の間にしっかり定着してきている制度であろうというふうに思います。また、同時に、将来を見てみますと、今後十年間を見てみますと、ますますこの需要はふえていく、こういう状況にあるというふうに認識をしております。

 先般の質疑の中で大臣から、人生八十五年時代に入って、老後を尊厳を持って暮らせるようにしなければいけない、そういう御趣旨の御答弁があったというふうに認識をしております。そのためには、やはり介護保険制度がまさに今後とも安定的に運営されていくということが非常に重要であろう、ますます介護保険制度の役割は高まっていくんだろう、こんな認識でおります。

 その際に、一番重要なことは、介護保険制度に対してやはり国民の信頼が、確信がある、こういうことであろうというふうに思います。その信頼の根本にあることは二つ、一つは、制度が持続的に、安定的に、そして継続的にしっかり運営されていく、このことの信頼がまず必要であろうというふうに思いますし、同時に、無駄がない、不正がないということも大切な一つの柱であろうというふうに思います。

 今回のコムスン事件というのは、後者の方の、不正があってはいけない、まさにこの部分についての国民の信頼を大きく揺るがせたのかな、このように思っております。この点については、時間が残りましたら後で厚労省の方にまた法案について伺ってまいりたい、こう思いますけれども、まずは、私は、この制度の持続性あるいは安定性といったことについてお伺いをしてまいりたいというふうに思っております。

 制度の持続性、安定性、継続性ということを考えるときに、財政的な安定性ということが一点あると思いますし、同時にまた人材、人的な意味での安定性、まさに今回、民主党から法案が出ているのはその点であろうというふうに思料いたしますけれども、二つの側面があるというふうに思います。

 まず、人的安定性ということについてお伺いをしていきたいというふうに思います。

 この委員会の中でもるる審議、御意見があったように、本当に多くの皆さんが志と、そして使命感を持って介護の現場で汗を流していただいている、しかし、他方で、大変な重労働の中でなかなか賃金水準も上がっていかない。この問題は与野党共通して認識しているところだろうというふうに思います。

 大臣は先般、都内の訪問看護ステーションを訪問されて、これは報道でありますけれども、介護報酬引き上げもやはり視野に入れていかなきゃいけないよという御趣旨の御発言があったというふうに伺っております。

 今の井澤委員の最後の質問ともダブるかもしれませんけれども、政府として、あるいは大臣として、この人材確保、労働現場の改善ということについて今後どういった目標で取り組んでいかれるか、まずお伺いをいたします。

舛添国務大臣 冒頭、木原委員がおっしゃったように、この制度、八年間たちました。私は、入れる段階でやはりいろいろな問題もある、しかし、振り返ってみれば予想以上に成功した制度だというふうに思っています。

 八年というのは、実は、私の母親を介護していて、その母親が介護保険が入る直前に亡くなっちゃったものですから、その八年というのは、命日とも重なりますからよく覚えているんですが、やはり入れてよかったなという感じはしております。

 しかしながら、ある一つの制度を入れて、それは完璧じゃありません、常に見直しをやっていかないといけない。そういう中で、やはり八年たって、これを総点検して、不断の見直しも必要ですけれども、どこが問題だというときに、今議論になっている人材確保の問題があります。それから、財政基盤をどうするか、これは消費税議論を含めて、最初四兆円で入りましたけれども、七兆、八兆、十兆と拡大していきますから、財源もきちんと考えないといけないというふうに思います。

 それから、事業所について言うと、これはやはりいろいろ問題が起こってきている。それは、一生懸命頑張って立派にやられているところもありますけれども、例えば、けさニュースで飛び込んできたと思いますけれども、岡山県の津山市において、高齢者虐待を行う、こういうケースでグループホームの指定を取り消すのは初めてなんです。しかし、これはやはり取り消さざるを得ない。そういう、きちんとやってくれていない事業所もあります。だから、これもやはり、たくさんの方が参入されるのは結構だけれども、こういう点についても見直しをやらないといけない。

 そういう意味で、昨年八月に人材確保のためのガイドライン、これは介護だけじゃなくて、医療を含めて福祉関係の人材を確保していくということで、職場環境を改善するためのさまざまな努力、それからキャリアアップ研修システム、これは予算もつけてやっているところであります。

 それから、過当競争による、サービス人員を確保していない、指定されている要件を満たしていないところの事業所がある。こういうところはやはり徹底して指導して、まずそこを改善してもらわないといけない。

 そういう中で、まさに総合的な取り組みをやって、介護の、これは本当に医療と並んで大事な大事な、私たちのこれからの長い人生八十五年を支える重要な柱ですから、これについて全面的に取り組んでまいっておるわけですし、今後とも取り組んでいきたいというふうに思っています。

 そして、実を言うと、本当の意味で地方自治というのが現場の中で生まれたというか、それは介護の現場がまさに地方自治で、私は東京から九州まで、息子なので母親の介護に通っていましたけれども、ヘルパーさんはやはり地元で調達しますからね。

 ですから、地域全体の介護力を上げる。実を言うと、地域コミュニティーを復活させるということの意味も、介護をめぐって考えないといけない問題だと思いますから、今現代の日本の社会が直面しているさまざまな問題がそこに凝縮していると思います。

 ですから、人材の確保、財源、地域のコミュニティーの再生、それから過当競争による事業所の乱立、それで津山市のグループホームの例のようなことがあっちゃいけない、こういうことについて、総合的に今後とも取り組みをしてまいりたいと思っております。

木原(誠)委員 大臣、ありがとうございました。

 総合的にいろいろな角度から取り組んでいかれる、とりわけコミュニティーのあり方、社会構造も含めて対応をしていかれる、そういう御決意であったというふうに思います。そのことを踏まえながら、民主党の人材確保法ということについて、提案者の皆さんにも御質問させていただきたいというふうに思います。

 思いは同じであろうというふうに思います。とりわけこの法案は、山井議員の非常に深い思いがこもったものではないか、このようにも察するわけでありますけれども、とにかく介護現場の職場環境を改善していこう、その思いは共有するわけであります。先ほども申し上げたように、私は、そのためにはやはり、財政の安定性、持続可能性ということが非常に重要でありますし、新たな仕組みを入れるときには仕組みの実現可能性ということも非常に重要であろう、こう思っております。

 思いのこもったものであると思いますけれども、これまでの議論の中でもるるいろいろな問題点が指摘されております。なるべく重ならないようにしたいと思いますけれども、今の二点からお伺いをしてまいりたいというふうに思います。

 まず、制度としての安定性ということについてお伺いをしたいと思います。質問をしてお答えいただこうと思いましたけれども、少し時間も限られておりますので私の方であれしたいと思いますが、今回の法案を実施するに当たって必要な予算が九百億円ということで見込まれております。六兆円の給付費のうちの三%を引き上げる、それが千八百億円だ、介護事業所の半分をカバーする、これによって九百億円、こういう積算になっている、このように認識をしております。

 きょうお伺いをしたいのは、先ほどの議論の中でもありましたけれども、半分、五〇%という議論であります。五〇%ということの意義について、山井提案者の方から、これは、インセンティブという言葉をお使いにはならなかったわけでありますけれども、頑張っている事業所、そうでない事業所、やはり差をつけないとなかなか税の使い方として理解を得られない、こういう御趣旨の答弁であったというふうに思いますが、それはそうかもしれません。

 私は、ただ、ここで質問したいのは、御提案になっている法案では、五〇%の人に認定をするということは確保されていないのではないかというふうに思っております。

 つまり、何を言いたいかといいますと、法の第五条においては、平均賃金の見込み額が認定基準額を上回る、唯一その一つの要件しか入っておりません。その要件を満たせば認定を受けられる構造になっております。ということは、およそすべての事業所、これは実績額ではありませんから、平均賃金の見込み額でありますから、私はことし頑張ります、そして必ず認定基準額より上に行きますということを決意した事業所は、ほとんど一〇〇%認定を受けられるはずであるというふうに私は思っております。

 この法案では五〇%全く担保されていないというふうに思いますけれども、その点について御答弁をいただきたいと思います。

山井議員 木原委員にお答えをいたします。

 木原委員も冒頭おっしゃいましたように、賃金の引き上げを早急にせねばならないという思いは同じだと思っております。その中で持続可能性、またその財源の問題をどう手当てするかがポイントなんだと思っております。

 今お伺いの半数の件ですが、私たちは、全国平均で約半数がクリアできるような基準額をこれから設定しようというふうにこの法案では考えております。ですから、もしかしたらそれは結果的には五一%になるかもわかりませんし、四九%かもしれません。

 木原議員がおっしゃったように、見込みが少ないのに、介護報酬三%が欲しいからということで、私も、私もというようなケースが起こらないとはもちろん限りませんが、その件については、先ほど井澤議員に答弁しましたように、やはりその年度が終わったときには、市町村そして都道府県にその結果を、幾らの平均賃金に結果的にはなって、見込みとして提出したのとどれぐらいずれがあるかということを報告することになっております。そのときに正当な理由がなければ、それはやはり、勧告なり、悪質な場合には加算分を返してもらうということになっております。

 そういう意味では、もちろん、努力をして結果的に追いつかなかったというケースはあると思います。それはわかりません。例えば、非常に高給取りだったベテランの方が急な事情で年度の最後に急にやめられて、平均賃金が下がってしまったというようなケースもないわけではないと思いますが、しかし、基本的にはそこは、見込み額として申請した以上はそれに向かって努力をされるというふうに思っております。

 以上です。

木原(誠)委員 提案者は少し誤解をされているのかなというふうに思います。

 私が今申し上げたのは認定の段階の話であります。認定の段階の後、実績が出て、それを報告させ、検証する。その中で、達成できなかったところには一定の返還請求という仕組みが入っている、このことは理解をしております。しかし、私が今申し上げているのは認定の段階であります。

 この法の四条のところの認定基準額というのを見ますと、これは明らかに「平均額」と書いてあるわけであります。読み上げますけれども、「事業の種類及び地域ごとに、介護労働者の賃金の当該地域における平均額」と書いてあるわけですね。したがって、今、山井議員は、五〇%にあたかもなるように、基準額を設定するんです、こういう言い方でありましたけれども、法文上そうなっていないわけですね。明らかにこれは、平均額をとってやると。ですから、認定基準額というものを、恣意的に行政を動かすことはできないであろうというふうに私は思っております。

 そのことを申し上げた上で、多くの、ほとんどすべての介護事業者が手を挙げることは少なくとも可能であるというふうに私は思っております。要するに、見込み額は、私たちはことしは頑張って認定基準額よりも上げます、ですから、三%の加算介護報酬をぜひいただいて、事業を効率化し、そして賃金を上げたい、そういう意思を持ちさえすれば認定を受けることは可能である、私はこのように認識をしております。法文上そうなっていると言わざるを得ないというふうに思います。

 私が問題にしたいのは、仮にそうだとすると、皆さんがこの法案の施行に要する費用として九百億円とおっしゃっておりますけれども、私は、本来であれば、一千八百億円用意をしておかなければ、この法案は制度として完結しないというふうに思っています。

 何が起こるかというと、障害者施策の中で、かつて支援費制度のもとで予算が足りなくなってしまった、年度途中でそれを補正して増額したということがあったわけですね。その反省を踏まえて、自立支援法をつくって義務的経費にした、こういうことであります。この予算自体は当初から義務的経費だというふうに思いますけれども、しかし、見込みが間違っているとすると、途中で補正が多分必要になってしまうだろうというふうに私は思います。

 その点について、私は、そういう意味で財源の安定性、それから継続可能性、非常に危ういものがあるというふうに思っておりますけれども、多分、同じ質問をしても今同じ答えになってしまうと思いますので、ちょっと視点を変えて、九百億円、私は、千八百億円用意しておかないと多分皆さんの趣旨は貫徹できない、こう思っておりますけれども、皆さん、財源は剰余金だ、こうおっしゃっております。

 昨年度の介護関連の、剰余金というよりも不用額ですね、経費節減が八百九十一億円あった、したがって、この九百億円はその八百九十一億円をもって充てるんだという御答弁を先週金曜日の段階でされていたというふうに思いますけれども、私は、千八百億円に全く足りないと思っております。この財源について御答弁をいただきたいというふうに思います。

山井議員 木原議員、御質問ありがとうございます。お答えさせていただきます。

 一〇〇%の事業所が賃金を引き上げると言って、そして九百億じゃなくて千八百億になる、私はそれはちょっと極端な事例じゃないかなと思っております。もしそうだとしたら、確かに財源は、五〇%より予想外に六〇%にふえる可能性が私はゼロだとは言いません。しかし、反面、それによってより多くの介護職員の賃金が引き上がるわけですから、もちろん財源の問題はございますが、一概に悪かったとだけは言えないと思います。

 逆に、木原議員おっしゃるように、低い場合も逆の意味で問題なんですね。五〇%ぐらいだと思っていたけれども四五%しか上がらなかった、そういう部分もございます。ですから、約半数程度ということを私たちは考えております。

 それで、木原議員、少し誤解があるかと思うんですが、私たちは、何も昨年余ったお金そのものをことしに持ってきて今回の予算にしろと言っているのではありません。

 ただ、事実として、昨年は介護保険に関する厚労省の国庫負担分が八百九十一億余った、二年前は四百九十七億余った。これだけ介護現場が苦しんでいるのに、逆に、厚労省の持っている介護保険の国庫負担が余った。ということは、今年度も余る可能性はありますね。ですから、まず最初の段階としては、それが余れば当然これに充てることができるということを、まず一点目、言っております。

 ただし、もちろん、余らないケースもあります。その点に関しては、例えば、まさに木原議員の出身であります財務省からも厚労省は随意契約に対する指摘を受けております。約三千億円随意契約があって高くついている部分があるから、これを見直すべきという指摘を受けております。基本的に、随意契約を見直せば三〇%ぐらい引き下げになると言われておりますから、三千億掛ける三〇%で九百億円という財源も捻出できる可能性はあります。

 それと、御存じのように、この法案、一月に出しましたが今日になってしまったために、施行が七月一日に私たちはする予定です。ということは、九百億ではなくて六百七十五億です。

 さらに、ここ五年間、平成十四年度から十八年度の決算によりますと、不用額、わかりやすく言うと余った予算が一兆三千五百億円あるわけです。もちろんこれがすべてほかに使えるとは申し上げませんが、一兆三千五百億円という不用額というのも決算のときに出てきているわけです。

 こういう状況を考えれば、六百七十五億円程度のお金をそこに投入することは、政治家の決断として私は可能だと考えております。

 以上です。

木原(誠)委員 ありがとうございました。

 ちょっと議論が混乱しているようでありますから、財源の話と仕組みの話、もう一回整理をしてお伺いいたします。

 私は、五〇%以上の方が申請してくる可能性があると言ったことについて、多分今、その可能性はある、ただし現実問題としてそうはならないだろう、こういう御答弁だったというふうに思います。

 私、申し上げたいのは、これは先ほどの井澤先生の御議論とも一緒で、事業所間の不公平という議論がずっとあるわけですけれども、申請の段階でこれは恐らく非常な不公平が出るというふうに思います。

 つまり、平均見込み額が認定基準額を上回るんだという意思表示をして、申請をして、それが申請要件になっているわけでありますね。現在、現時点で賃金がその認定基準額を上回っている介護事業所というのは、基本的には自動的に私は認定をされるというふうに思います。

 そして、この認定基準額は、地域ごとではありますけれども、現在の各全事業所の賃金を平均するということは、既に現在の賃金額が認定基準額を上回っている事業所というのは大体五〇%ありまして、この五〇%の既に現在の賃金額が認定基準額を上回っている事業所が申請をしてきたら、この人たちは、努力をしなくても、申請をすればその瞬間に認定を受け、そして後で皆さんがチェックをするときも、もう既に現在の賃金水準が認定基準額を上回っているわけですから、返還請求を受けるおそれもないわけですね。

 したがって、こういう大きな事業所というのは、必ず私は基本的に申請をしてくると思います。それが別に悪いとは申し上げません。しかし、これらの方々によって、皆さんが用意をした九百億円、施行がずれ込んでいますから六百数十億円とおっしゃいましたけれども、ことし七月からのこの枠は私は完全に使われてしまうというふうに思います。

 そうすると、本来賃金を上げなければいけない、最も必要としているところに枠が全く余らない状況が出現をするということを私は非常に危惧をしておりますけれども、その点について御答弁をいただきたいというふうに存じます。

園田(康)議員 ありがとうございます。

 まず、仕組みの問題でございますけれども、先ほど木原委員からの御指摘で、現在の平均額、これについては、認定額を既に上回っている事業所までいわば加算給付を支給するという形のものになってしまうのではないかという、御懸念というか御指摘がございました。全くそのとおりでございます。

 それで、今回のこの法案の中身を考えていただきますと、私どもとしては、介護労働者に対して一定水準、事業所における介護労働者の賃金の平均額が認定基準を下回らない、こういった賃金を支払う事業所に対して加算介護報酬を支払うという形であります。山井提案者からの発言をかりれば、やはり、頑張っている、そういったところに対してはどんどんこれを支援していこうという政策的な目的を持った法案であるということでございます。

 では、先ほどちょっと私も気になったんですけれども、現在の平均額がもう既に上回っているところ、これはもう努力をしなくてもそのまま申請すれば加算介護報酬が受け取れるではないかということでありますけれども、逆に性善説に立って見ていただければ、現在もう既に平均額を上回っているところの事業所というのは、これはもう大規模であれ小規模であれ、かなりの努力をされて、そしてそういった介護労働者に対してきちっとした賃金を上げていらっしゃるんだ、それによってその制度をしっかりと支えていただいているんだというところでありますので、そういった既に認定額を上回っている事業所に対しては、すぐれた人材による質の高い介護サービスを確保するために既に努力をしているという形になるものでございますので、それについて加算介護報酬を支給するというのは、何ら私は不合理なことではないというふうに思っておるのと同時に、もう一点、では、認定基準を上回るために報酬を上げるということ、平均額に上乗せして予定の平均額を申請する、このことがいわば半数を超えて大量に申請してくるのではないか、おっしゃるとおりでございます。

 であれば、今回、私どももこの法案を提案させていただいているというものは、この法案が施行されている間は、いわゆるこの法案によって政策的経費のきちっとした義務的経費化がこれでなされる、したがって、例えば九百億円任期途中で足りなくなったということであるならば、当然、任期をまたいででもこれは義務的経費化されるわけでありますので、それがきちっと後ほど担保されるという形になってくるのではないかというふうに考えております。

木原(誠)委員 ありがとうございます。

 やはりこれは、法案の提案者でありますから、法案の提案者として、法案の施行に要する経費は九百億円だと積算を見込んで、そして恐らく財源をちゃんと手当てをされて提案されているんだろうというふうに思います。その皆さんが、五〇%であるということを前提に積算をされ、しかし、今の質疑の中であると、この五〇%は六〇%になるかもしれない、七〇%にもなるかもしれないということを前提に議論されるのは、私は制度の完結性としてちょっと不安があるというふうに思います。

 同時に、私が今申し上げたかったことは、既に現在の平均賃金額が認定基準額を上回っている方々が、努力をせずにと言った意味は非常に不遜な言い方だったかもしれません。この事業者の皆さんは、非常に努力をして賃金をむしろ一生懸命上げられてきた。ですから、今度、加算介護報酬を受け取れば、その全額は回さないまでも、ちゃんとまた給与の方に振り向けられるだろう、私はそのことについて何ら疑いを持ちません。

 ただ、私が努力をせずにと申し上げたのは、この方々たちは、見込み額を設定するに当たって、もう既に基準額を超えているわけですから、その認定の申請をする段階においては、ほとんど努力を要さずに申請をして、そして認定を受けられるということであろうというふうに思います。

 そして、この認定基準額が平均値であるということは、既に上回っている人たちは五〇%確実に存在するということです。したがって、この方々が自動的に認定をされる。そして、それをちゃんと活用して給与に回すんだという意思を持ってさえいれば、確実にこの五割の方々は申請をしてくるであろう。そして、その結果によって九百億円は使われてしまうだろう。そして、現在の平均賃金額が認定基準額を下回ってしまっている皆さんには、残念ながら回っていく資金が、パイがなくなってしまう。

 今、園田議員は、これは義務的経費だから後から追加すればいい、こういうことであっただろうというふうに思いますけれども、私は、今財政状況はそういう状況ではないと正直思います。皆さんは、医師の確保をやらなければいけない、年金も全額税金でやらなければいけない、こうおっしゃっているときに、その財源が出てくるとはちょっと思えない。少なくとも、仮に出てきたとしても、やはり制度をつくる当初において、明らかに将来財源の不足が見込まれるような制度の設計というのは、私は、国民の信頼をむしろ損なうんじゃないかなということを心配しているわけであります。

 そこで、財源の話に戻りたいと思います。

 もちろん、剰余額、不用額が次に回ってくるということはあり得ないわけで、剰余額をそのまま使おうと思っていらっしゃらないということは、私も財務省出身ですからわかります。

 一つお伺いしておきたいことは、私は前回、年金保険料流用禁止法というのを皆さん出されて、そのときに、同じように財源の問題、二千億円という財源、あのときも二千億円財源が必要だという議論をしたんですね。今あの法案はまだ国会に提出されているわけであります。その財源はどこから出るのかと、私、この場で質問しましたからよく覚えておりますけれども、御提案者からの回答は、不足額が出ています、不用額が出ています、これを回すんです、第一義的にはこれで手当てをしますというのが御回答であったというふうに思います。

 私は、一粒で二度おいしいということはないんだろうと正直思っております。同じ不用額を財源に見込んで、年金の運営経費もこの不用額で出す、今回のこの人材確保法についても財源はこの不用額があるじゃないかというのは、やはり一粒で二度おいしいということは、これはいわば国民をだます、またこれも非常に国民の信頼を損なうことであろうというふうに思いますけれども、その点について御答弁いただきたいというふうに思います。

山井議員 木原議員の御質問にお答えしたいと思います。

 まず最初に、先ほどおっしゃった、半数以上の既に賃金が高いところは簡単にというか、認定が取れて、九百億円が無駄になるんじゃないかということなんですが、確かにそういう議論も一方ではあると思うんですが、ぜひ木原議員に考えていただきたいのは、では逆さまに考えて、今既に賃金の高いところには一銭も出しません、賃金の低いところにだけ加算をしますとなったら、逆にモラルハザードになるんじゃないんですか。今まで努力して賃金を高くしていたところには公費は入らない、しかし、理由はどうあるかわかりませんが、賃金の低かったところだけを救済するとなったら、党内でもこの議論をしましたが、今まで一生懸命賃金を上げてきたところが結果的には公費が来なくて損をするということになるのではないかということ。

 そして、やはり基準額をクリアしているところでも、本当はもっと上げたいんだけれどもというところがあるんですね。だから、十五条の努力義務規定で、そこが報酬が上がればもっと上がると思いますし、さらに、その下半分と言ったら失礼ですけれども、認定に達しなかったところも、やはり認定されたところの賃金が上がることによって全体の底上げにもつながっていくんですね。

 もちろん、これは一〇〇%、一円残らず予算が賃上げにつながる法の仕組みは、木原議員も御理解いただけると思いますが、無理ですし、民間にそこまで強要することはできないんです。しかし、私たちが過去半年間議論して、ここまでやってまいりました。

 次に、年金保険料流用禁止の件ですが、その質問をされるんでしたら一つ申し上げたいのは、私たちは何度も年金保険料流用禁止法案は採決をするべきだと言っておりますが、与党がそれに応じてくれません。その年金流用禁止の民主党の考え方がおかしいというのでしたら、ぜひとも態度をはっきりしていただきたいと思います。

 そして、不用額を二度使うのはおかしいということですが、先ほど申し上げましたように、過去五年間平均で一兆三千五百億円の不用額、決算で余った額がある、その中で六百七十五億円というのは、私は不可能な額ではないと思っております。

 財務省出身の木原議員ですからおわかりだと思いますが、ここはやはり政治家の決断、財政、制度の安定性ばかり言っていても、現場ではもう介護福祉学校がどんどんなくなっていっているわけですね。これでは、制度、財源は安定的だけれども人材で崩壊してしまうということになると思います。どうか御理解をいただければと思います。

木原(誠)委員 ありがとうございました。

 曲解をしていただかない方がいいと思いますけれども、私は九百億円が無駄になるとは一切申し上げておりません。私は、この九百億円が、既に基準額を超えていらっしゃるところだけに回ってしまって、結果として回らないのではないかということを指摘しているだけでありますから、それは無駄だとは一言も申し上げていないということは確認をしておきたいというふうに思います。

 それで、今の御答弁でわかったことは、現在の平均額が認定基準額を超えている事業者は、これまで頑張ってきた事業者だからここに皆さんは手厚くやっていくんだ、今まで頑張っていなかった、認定基準額を下回っていた皆さんには、残念だけれども今回は少し御遠慮いただこう、そういう御趣旨であったというふうに私は理解をいたします。それはそれとして、ちょっと先に行きたいというふうに思います。

 先ほど井澤委員の議論の中にも、今、私は認定の段階のことを申し上げましたけれども、終わった後、多分実績を検証して、そして結果として上回らなかったところには、ペナルティーという言い方は余りよくないかもしれませんが、ちゃんと措置が設定されている、こういうことでありました。

 ここも、私は若干、ある種の格差というか不公平があるなというふうに思っていまして、もう一度同じ議論になるかもしれませんけれども、既に現在平均額が認定基準を上回っている事業所は、その意味では次回においては余り努力をしないでも、すなわち、いただいた三%の加算介護報酬のうちのほんのわずかを給与の上昇に振り向けたとしても、恐らくペナルティーの対象にはこの法案を読むとならないんだろうと思います。逆に、非常に現在の平均額が低くて、何とか努力をして認定基準額を超えよう、そういう見込みを立てて申請をしたけれども、大変厳しいぎりぎりの経営状況の中で結果としてこれを上回れなかったという方々、ここには努力の差がかなり私は出るんだろうと思いますけれども、こちらの方々には返還の仕組みが働いてしまうんだろうというふうに思うんですね。ここも非常に不公平である、私はこのように思いますけれども、その点、いかがでしょうか。ぜひ簡潔にお願いをいたします。

園田(康)議員 ありがとうございます。

 結果として平均額が認定基準を下回った場合どのような措置になるのかという御質問だと受けとめさせていただきました。

 木原議員の御指摘のとおり、この法律の十条、十二条、そして、認定の取り消しという部分においては七条、それから、偽りその他不正の行為によってこの法律に規定する保険給付を受けた者があるときは、一部徴収、返還させるという規定でありますけれども、これは十六条という形になっております。

 これは、都道府県知事あるいはそれを受ける市町村長は、その平均額が認定基準を下回っていると認める場合には、おっしゃるように、当該事業者に対してその理由をまず説明するよう求めることができます。その場合に、結果としてという表現をされましたので、それがやむにやまれぬ何らかの事情がその事業者にあった場合には、返還させるというような部分に関しては、恐らく適用の範囲外になっていくだろうというふうに思っております。

 したがって、今回この法律の罰則規定の中においては、正当な理由がないというふうに認められた場合においては、必要な措置をとるべきという形の法のつくり方にさせていただいています。

木原(誠)委員 では、逆にお伺いをします。

 既に認定基準額を現在の時点で上回っている介護事業者が三%の加算介護報酬を受け取った、そのときに、ほんのわずかしか給与の上昇に結びつけなかったときはどういうふうな措置がとられるんでしょうか。

園田(康)議員 この法文上そのものでそれに対する対応措置というものはありません。

 しかしながら、毎年毎年の報告をこれで課させていただいておりますので、その中で、他の労働条件に関しての何かそういった不正行為が行われた場合というものに関しては、指導、勧告ができる制度になっているというふうに私は理解をしております。

木原(誠)委員 多分、提案者の皆さんもちょっと混乱をされているかなと思いますけれども、これは不正でも何でもないんですね。

 申請をして、ちゃんと認定をして、もう既に認定基準額を上回っている、要件を満たして加算介護報酬を受け取って、そして、全額入れる必要はないという御答弁はもう既にありますから、給与の増額に向けてそのうちのほんのわずかだけ、それでよしとするんだとすると、私は、先ほどから申し上げていることは、ある意味、やはりここに大変大きな、格差がどんどん広がっていくという意味での不公平もあるけれども、仕組みとしての不公平というのも存在するのかな、こんなふうに思っております。そのことを指摘だけさせていただきたいというふうに思います。

 それで、私は、インセンティブということをおっしゃるのであれば、現在、認定基準額を上回っている上回っていないにかかわらず、例えばことしの給与総額が次の年度はふえた、ふえない、やはりこのことによってインセンティブ、努力というのは図っていくべきであろうというふうに思います。

 多くの例えば中小企業に対するいろいろな補助金であるとか税制措置というのは、そういう過去の、これまでの一年間、二年間、そういった努力をちゃんと実績を踏まえて、事業所の規模にかかわらずそのインセンティブを図る、私はそういう仕組みであるべきだろうというふうに思っております。

 そこで、最後にちょっと政府にお伺いをしたいと思いますけれども、いずれにしても、人材確保をするに当たって賃金水準を上げていくというのは、私は非常に重要なことだろうというふうに思います。ただ、突貫工事と言っては山井先生に大変失礼ですから、これは撤回しますけれども、余り拙速に法案を準備してやるというよりは、むしろ、もしこれから介護報酬を政府として引き上げるとしても、結果として同じ問題が多分起こるんだと思うんですね、どれだけを給与に実際に回すかということについて。

 したがって、私は、これは銀行と同じだと思います。公的資金が入っている金融機関について、銀行がさまざまな指標を提示して経営をちゃんとチェックしていくということは現に行われているわけでありますから、介護報酬という公的資金が入っている以上、厚労省として、人件費比率であるとか労働分配比率であるとか、そういったものをある程度設定してやっていくということが必要であろうと思いますけれども、そういった検討は行われているのかどうか、そのことを伺って終わりにしたいと思います。

田村(憲)委員長代理 木原君、時間が過ぎておりますが、聞きますか。

木原(誠)委員 はい、簡潔にお願いします。

田村(憲)委員長代理 それでは、阿曽沼老健局長、簡潔にお願いします。

阿曽沼政府参考人 先ほども大臣から御答弁ございましたけれども、私どもとしても、経営モデルというものを今検討しております。要するに、安定的かつ効率的な事業所の参考となるような経営モデルをやっておりますので、その中でいろいろと検討していきたいと思っております。

木原(誠)委員 ありがとうございました。

田村(憲)委員長代理 次に、古屋範子君。

古屋(範)委員 公明党の古屋範子でございます。

 昨年十一月の本委員会におきまして、私は、介護人材確保の観点から、主に介護従事者の待遇改善について質問しておりますので、本日は、逆に、事業者側から見た課題について順次質問させていただきます。

 昨年発覚をいたしましたいわゆるコムスン事件を契機にいたしまして、介護サービス事業者に対する規制見直しを内容とした本改正案の審議となったわけでございます。この背景には、一部の事業者の法令遵守の問題以外にも、介護労働者の処遇や介護報酬の水準の問題のほかに、介護サービス事業者に対する指導監督にも問題があることが浮き彫りとなりました。この指導監督のあり方についてお伺いをしてまいります。

 今回の改正は、介護事業の健全性を確保しようとするものであり、不正行為の摘発ではなく、事業者の内部統制を確保するという観点からの指導監督が重要であるとの指摘がなされております。

 昨年十一月、我が党の介護制度委員会での全国介護事業者協議会との懇談の折にも、次のような要望が出されました。

 現在、各都道府県において実地指導及び監査が実施をされているが、各都道府県が判断する指定基準についてさえ判断が統一されていない。例えば、サービス提供責任者が一カ月でも欠員が生じたときには、県によっては事業所の取り消し、あるいは欠員が生じた期間の給付額を全額返還させる県もございます。一方、欠員が三カ月生じても、早急に配置してくださいという指導だけで終わるところもございます。このように各都道府県によって判断がまちまちになっているという厳しい現状がございます。

 社会保障審議会介護給付費分科会の介護サービス事業の実態把握のためのワーキングチームが昨年十二月にまとめました報告書の中でも、地方自治体が行う指導監査の際に、介護サービス事業者に提出を求める文書の様式が自治体によって異なっていて、広範な事業者にとっては、事務が統一できない、事業者に過重な負担となっているとの指摘がございました。

 さらに、昨年十一月にも本委員会におきまして、介護サービス以外の事務負担の多さの煩雑さについて指摘をいたしました。その軽減についてお願いをしているところでございますけれども、制度の内容、また現場の実態を十分理解していない行政の担当者が、書類の点検のみでしゃくし定規に基準違反を指摘し、現場を混乱させているのではないかとの指摘もございます。

 そこで、介護サービスの質の向上と保険給付の適正化という指導監督の目的をなし遂げることができますよう、また、法に基づいた指導監督ができるよう、指導内容の標準化など指導監督体制の整備を図る必要があると思いますけれども、この点についての厚労省のお考えをお伺いいたします。

阿曽沼政府参考人 お答えを申し上げます。

 御指摘の都道府県の指導監督でございますが、これは自治事務でございますのでなかなか難しい面もございますけれども、私どもとしては、できるだけ標準化を図るということで、昨年の二月に介護保険施設等実地指導マニュアルというものを作成いたしまして、各都道府県にお示しをしたところでございます。

 ただ、残念ながら、まだ十分理解、周知が不徹底している部分もございますので、ことしの二月に開催した担当者会議におきましても、そのマニュアルの十分な理解と活用をお願いするということで、周知の徹底に努力をしているところでございます。

 今後とも、各都道府県に対しましてこういうマニュアルの周知徹底に努めるほか、指導監督の標準化につきましては、今ガイドラインの策定に着手しておりまして、今後、研修会の実施など、指導監督業務の標準化に引き続き取り組んでまいりたいと思っております。

古屋(範)委員 その標準化の指導徹底、ぜひよろしくお願いしたいというふうに思っております。

 現場の方は、書類をつくるのではなく、本当の介護がしたいというふうに思っていらっしゃるわけです。この指導監督のあり方につきまして、有識者会議や社会保障審議会介護保険部会でも求められていますように、国、都道府県、また市町村での十分な情報の共有、連携、機動的で効果的な指導監督体制の検討や指導内容の標準化が必要であるというふうに私も考えております。

 また、膨大な資料を要求したり、個別事情で判断すべき保険給付を一律に打ち切ったり、法令に基づかない指導を行ったりすることは信じがたいことでありますけれども、その実態は深刻であることも事実です。指導監督に当たる側、行政には、遵守すべきルールをまず正確に理解した上で、介護サービス事業者が遵守すべきルールを丁寧に事業者に説明し、理解を求めるとの姿勢が必要かと思います。行政と事業者がお互いに守るルールを明確に理解していくこと、これが介護サービスの質の向上につながるものと考えております。

 悪徳事業者の取り締まり、また規制の強化が重要であることはもちろんですけれども、同時に、事業者への適切な情報提供、また各種支援など、現場に密接した地道な行政の取り組みが最重要ではないかと思っておりますので、さらにこの点も指摘させていただきます。

 次に、介護報酬の地域差、先ほども御指摘ありましたけれども、この基準の見直しについてお伺いをしてまいります。

 本年三月に、我が党の介護制度委員会におきまして、東京都社会福祉協議会高齢者施設部会から介護報酬の地域差について、現状とその是正についてのお話を伺いました。その中で、現行の介護保険制度における人件費の地域係数が実際の賃金相場の地域差を反映していないために、特に都市部の特養ホームなどの介護施設の経営が厳しい状況にあるということでございました。そして、この介護報酬の地域係数が是正をされない場合、介護職員が確保できない、そういう切実なお声を伺いました。次期介護報酬改定の際に改善をしてほしい、このような声を伺っております。

 そこで、まず、この介護報酬の地域加算の仕組みについてお伺いをいたします。

阿曽沼政府参考人 お答えを申し上げます。

 介護報酬の地域差を勘案する方法でございますけれども、現行の制度におきましては、平成十二年に制度がスタートいたしますときに、国家公務員の調整手当の級地区分をもとにいたしまして、各サービスの直接処遇職員の人件費比率、直接に処遇される方の人件費でございますが、それに国家公務員の調整手当の率を掛けた率を介護報酬の一単位の基本単価、基本単価は十円ということになっておりますけれども、それに掛けるという形を基本にいたしまして地域区分ごとの単価を設定しているというのが現行の仕組みでございます。

古屋(範)委員 この介護報酬の地域差を考えます上で重要なのが、今も言及をされておりました人件費比率であります。

 これにつきまして、サービスの種類ごとに、事業支出に占める人件費比率の割合によりまして設定をされておりますけれども、特別養護老人ホームは人件費比率が四〇%と設定をされております。四〇%に設定をされた経緯と根拠について、まずお伺いをしたいと思います。

 そして、特別養護老人ホームの人件費比率四〇%でありますが、有料老人ホームにおいては人件費比率六〇%となっておりまして、同じ入所系のサービスでありながらも二〇%の差が生じております。

 さらに、東京都社会福祉協議会が実施をしました平成十七年度における特別養護老人ホームの経営実態調査によりますと、人件費比率は、平成十五年度六九・四七%、平成十六年度六九・二五%、平成十七年七〇・六七%となっております。地方も地方で大変なんですが、こういった首都圏、東京都においてはやはり経営が非常に厳しいということでございます。また、東京都内の賃金は全国平均よりも二〇%高くなっております。

 加えて、他のサービス種類について見ますと、平成十五年四月の改定におきまして、居宅介護支援について、平成十二年四月当初の報酬体系では勘案していなかった人件費の地域差を新たに導入しております。

 以上のことからも、この人件費比率については、施設経営の実態を踏まえて、特定施設やグループホームなどの居宅系サービスとの均衡を図る観点からも、適切な水準に引き上げることが必要だと考えておりますけれども、この点、いかがでしょうか。

阿曽沼政府参考人 お答えを申し上げます。

 介護報酬の地域区分の設定でございますけれども、今、四〇%というお話でございましたけれども、これにつきましては、平成十二年の介護保険制度がスタートするときに、介護職員や看護職員といった直接処遇職員の人件費割合が大体四〇%弱であったことから、四〇%というふうに設定をいたしております。

 そういう経緯でございますけれども、お話がございましたように、特別養護老人ホームの介護費用に占める給与割合でございますが、直接処遇職員以外の給与も考えますと、実際に五十数%、五〇%から六〇%の間ぐらいになっております。

 そういう現状を考えますと、例えば、直接処遇職員以外の事務職員のような方を含めてこの問題を考えるべきかどうかというのは大変大きな問題でございまして、その上で地域差をどう勘案していくかということについては、いろいろな議論があろうかと思います。

 私どもとしても重要な問題意識を持っておりますので、今調査をいたしておりますので、地域ごとの事業所の経営状況あるいは事業者の中の給与費の割合等を十分把握、精査しながら、今後、審議会等において十分御議論いただきまして、次回の介護報酬改定の際に十分検討していきたいと思っております。

古屋(範)委員 やはり時代の変化等々によりまして、また介護サービスの変化等々によりまして大きく内容も変わってきておりますので、ぜひ次期介護報酬改定に是正をされますよう、再度要望しておきたいというふうに思います。

 現行の介護報酬の地域差を考えます上で、人件費比率とともに重要な要素として、人件費地域差指数がございます。これを計算する上で、原則として、国家公務員の手当の支給率を人件費地域差指数として用いておりますが、昨年度よりこれが廃止をされまして、支給割合また支給区分が調整手当とは異なる地域手当が導入をされております。

 また、昨年七月に発表されました平成十八年度介護労働実態調査によりますと、介護労働者の一カ月の平均賃金は、全国で平均二十二万四千二百円に対しまして、東京都は二十七万一千四百円と高くなっております。すなわち、全国平均を一〇〇とした場合に東京は一二一となりまして、現行の人件費地域差指数は実際の賃金相場の地域差を適切に反映しているとは言えないと考えます。この東京都での介護分野の報酬は全国平均よりも約二割も高い、施設側には人件費負担が重いという現状でございます。

 さらに、厚労省の十八年度賃金構造基本統計調査を見ますと、東京都は全国平均より三七%高くなっておりまして、地方よりは多く報酬を得ているとは言えますけれども、他業種に比べると低い現状がありまして、それが都市部の介護職員不足につながっているとも考えられます。現場の方々からは、都市部の介護が崩壊するというお声まで伺っております。また、物価面でも、全国平均よりこうした都市部は約一割高となっておりまして、人件費だけではなくて、物件費に係る地域差も介護報酬単価への適切な反映がされるべきと考えております。

 現在、厚労省では、事業所の経営や介護職員の処遇の実態調査を進められていることと思いますけれども、とりわけ大都市の実態につきまして十分に調査分析を行い、次の介護報酬改定において、人件費比率また物件費など、さまざまな地域差を踏まえた見直しが必要であると思いますけれども、再度この点、お伺いをさせていただきます。

阿曽沼政府参考人 お答えをいたします。

 介護労働者の賃金の問題ですけれども、性別でございますとかあるいは勤続年数でございますとか、いろいろ違いがございます。サービスの業種によっても違いがございます。一方、やはり地域によって賃金水準に違いがあるのも事実でございまして、この問題に対してどうこたえていくかというのは大変大きな課題でございます。

 それで、御指摘ございましたように、国家公務員の調整手当の見直しでございますが、これは既に見直しが行われておりまして、平成二十二年度から、支給割合及び支給区分が調整手当とは異なる地域手当というのが本格的に導入されるということも伺っております。

 お話がございましたように、現実に、東京都とそれ以外でもかなりの賃金の格差があるのも事実でございます。今、各事業所の経営状況の調査をいたしておりますので、それを十分精査いたしまして、今後、社会保障審議会の介護給付費分科会において十分御審議いただきまして、適切な介護報酬の設定に努めてまいりたいと思っております。

    〔田村(憲)委員長代理退席、委員長着席〕

古屋(範)委員 ぜひ、実態を踏まえましたこうした地域差の指数の是正というものを、何とぞよろしくお願いいたしたいと思います。

 都市部の介護職員の不足、こうした人件費や物価が地方に比べて非常に高いという実情にもかかわらず、今までるる述べてまいりましたけれども、介護報酬への上乗せ部分というのも非常にわずかで、結局は職員に十分な報酬が払えないという大変厳しい現実を何としても変えていかなければいけないというふうに考えております。雇用が難しい現状、募集をかけてもなかなか応募がない、こうした報酬改定が第一だとの声もございます。

 一方で、介護報酬の引き上げは、介護保険料の設定のあり方や被保険者の範囲の問題など、利用者の負担の引き上げにつながるだけに、やはり慎重に検討していかなければいけない問題でございます。介護の担い手の待遇改善などは待ったなしの課題と考えております。

 私の地元神奈川の施設の理事長からも、介護報酬の改定は来年まで待てない、介護現場が崩壊するところまで来ているのだという悲痛なお声も届いております。介護現場では、賃金を初めとした待遇の悪さから人材が定着せず、離職に歯どめがかからない状態が続いております。都市部の特別養護老人ホームではいわゆる入居待機者が数百人に上るホームもございまして、入所できるのは何年先になるかわからないというところもございます。

 公明党埼玉県本部では、昨年十一月から本年二月にかけまして、埼玉県内の特別養護老人ホームや訪問介護事業所に勤める職員を対象に、介護職員実態調査を行いました。

 この調査によりますと、介護職員が勤務をする中で、腰など体を痛めてしまっている人が半数以上。やはり介護というのは非常に腰を痛めると思います。しかも、入通院で勤務を休むことについての補償はないという方が七四%にも上っています。また、半数の職員が勤務時間などに不満があり、勤務時間に対する報酬、給与に不満を感じる職員は七二%にも及んでおります。最悪なのは、多くの入所待機者がいるにもかかわらず、こうした介護職員が足りなくて、職員不足のために入所定員を制限しなければいけない、このようなところすらございます。

 また、介護保険連絡会の方からは、介護職員の健康診断、感染症などの健康診断が重要かと思われます、精神的ケア、また同じ悩みを持つ介護従事者とのそういったカウンセリング、またはグループで話をする、そういう時間さえもないというようなお話も伺っております。こうした福利厚生の充実などについての改善を求める御要望も多々届いております。

 この点について、まず厚労省のお考えを伺います。

岡崎政府参考人 介護労働者の方の離職率がほかに比べて高いという現実があるのは事実だろうというふうに認識しております。

 そういう中で、賃金の問題を指摘する方もおられますが、今先生がおっしゃいましたように、一つは腰痛その他健康の問題等もありますし、それから、おっしゃいましたような、不安等がある中でなかなか相談できないというような、いろいろな問題があるのは承知しております。したがいまして、やはり定着を高めていくというためには、健康管理対策でありますとか、それからいろいろな意味でのカウンセリング等の対策、これが非常に重要であろうというふうに認識しております。

 介護労働者の雇用管理の改善に関する法律という法律がございますが、そういうものに基づきまして、雇用管理の改善に向けた事業主への啓発でありますとか雇用管理に関する講習等もやっておりますし、それを受けまして、いろいろ事業主の方が雇用管理の改善をする際の助成等もやっているところであります。

 またさらに、やはりもう少し踏み込んで何かやる必要があるのではないかということも考えておりまして、今般、介護労働者の確保・定着等に関する研究会というので、有識者の先生方にお集まりいただきまして検討することにいたしました。第一回目はきょうの午後にやることにしておりますが、そういう中で、さらに問題点を見ながら雇用管理の改善に努めていく必要がある、こういうふうに考えております。

古屋(範)委員 やはり報酬のアップだけではなく、心身にわたるきめ細やかな待遇改善というのが絶対に必要だと思います。介護に携わる方々、もう夜はたくさんの方々を抱えてまさに燃え尽きてしまうというふうにおっしゃっている方もいるわけでございますので、その点の一刻も早い改善を要望しておきたいと思います。

 こうした介護職員の労働環境、待遇の改善が深刻な職員不足の解消につながると考えられ、一刻も早い待遇改善の具体策の立案と実行が望まれております。介護報酬のアップが労働者の賃金に適切に反映されるような仕組みをしっかりと検討して、若い方々が希望を持って働き続けられるような報酬が確保できますよう、財源の確保など、来年度の予算に反映できる議論を開始していかなければいけないと考えております。

 大臣、待遇改善の実現への御決意を伺います。

舛添国務大臣 今、介護の現場が非常に大変な状況だというのは、るる委員がおっしゃったこと、私も同じ認識を持っております。

 そういう中で、昨年八月に福祉人材の確保のためのガイドラインを出しました。その中にもありますが、もちろん介護報酬の改定も含めて、つまり賃金という面の処遇もあります。ただ、やはり働きやすい環境、魅力ある職場環境、こういうことをしっかりとやっていくということもその指針の中に書かれておりますし、それから、やはり研修を含めてキャリアアップしていく、それがまさに魅力ある場だというふうに思いますので、そういう総合的な対策をやっていく。今、そのためにも、実態がどうであるかというようなことも調査をし、それに基づいてまさに総合的な施策をやる。

 そして、いろいろな施策の中でも、報酬を上げるということより前にできることは何かあるか。いろいろな負担が軽減できることがあると思いますので、そういうこともやりたいとともに、先ほど私申し上げましたように、やはり制度が実施されて八年たつといろいろなひずみが出てきたり、それから、まさに事業所の乱立、先ほど虐待によって指定を取り消したグループホームの例を出しましたけれども、そういうあってはならないケースも出てきておりますので、こういうことも総合的に見ながら、きちんとこの介護の問題に対応していきたいと思います。

古屋(範)委員 ただいま大臣お答えになりましたように、介護報酬の改定のみならず、キャリアアップですとか、また正確な実態調査に基づいた、短期にすぐできること、そしてまた中長期的なこと、総合的な介護施策というものをぜひよろしくお願い申し上げます。

 次に、民主党案について質問させていただきます。先ほどの議論とも多少重なりますけれども、確認をさせていただきたいと思っております。

 介護の現場で働いておられる労働者の方々の待遇改善という理念は私も十分理解できますし、介護の現場で必死に働いていらっしゃる方々、さらに、小さいながらも一生懸命頑張っていらっしゃる経営者の方々、これらの方々の努力を大事にし、また社会的評価も高めていきたいと考えております。

 しかし、この民主党案には多くの問題点があると考えております。

 まず、法案を拝見いたしますと、第九条に、加算介護報酬は労働者の平均賃金が基準額を上回っている事業者に対して支給されると記載されております。また、第八条に、この基準額は地域の平均的な賃金水準を勘案し、事業の種類及び地域ごとに定めると記載をされております。

 そこで、提案者にお伺いいたしますけれども、前回答弁でおっしゃっていましたように、介護事業者の賃金を上げようとするこのインセンティブですけれども、基準額と介護事業者の平均賃金の差が加算介護報酬以上になった場合に、介護事業者からすれば、基準額に達するまでの費用の方が受け取る報酬よりも多くなってしまう。実際にはインセンティブが働かないのではないかと思います。そういたしますと、加算介護報酬の支給対象とならない事業者の労働者と加算介護報酬を受ける事業者の労働者との格差がさらに広がってしまうのではないかということが考えられます。

 本来であれば、賃金が低い労働者の方々にこそ、何とか処遇を改善してアップをしていきたいというふうに思うのが当然だと思うのですが、この法案ではこういった方々に対する救済措置が何もなく、逆に賃金格差を助長するのではないかというふうに考えますけれども、この点、いかがでしょうか。

園田(康)議員 ありがとうございます。

 古屋委員からの御質問の趣旨に明確にお答えにならなかった場合は、また再質問していただきたいなと思っております。つまり、ちょっと前提が、古屋委員の御認識と私どもの提案をさせていただいているものと少し差異が、ひょっとしたらあるのかなというふうに思っております。

 すなわち、この法案の作成においては、介護労働者の賃金の見込み額、これの事業所における平均額が認定基準額に達しない場合は、これは加算介護報酬は支給されません。あくまでもこの平均額が認定基準額に達した場合に、この上げた部分に関して加算介護報酬をお支払いするという形でございますので、したがって、認定基準額に達しない場合、これはもうこの制度は受け取れないという形になります。

 したがいまして、御指摘の、基準額と介護事業者の平均賃金の差が加算介護報酬以上となるという場合は、これは少し、想定されない、すなわち認定基準を上回らなければいけないという形になりますので、前提が少し違うと思っております。

 ただ後段の、あわせて御質問をいただいた二問目といいますか、全体として、認定されなかった事業者に対するインセンティブとして働かないのではないかという御懸念でございます。

 したがって、私どもは、先ほどの木原委員からの御指摘にもありましたように、これまでの議論の中では、できれば全体としてこれを報酬という形で上げていくことができるかということも検討をさせていただいたわけでございますけれども、それではやはり、公費を投入するということの整合性からいって、これはもう国民の理解は得られないというところ、しかしながら、何とか事業者の努力、そういったものにも何らかの額を設けて、その目標に達するようにという努力をしていただくという制度は何か考えられないだろうか。したがって、そこにおける認定基準額というものを設けるという仕組みにさせていただいて、そして、それを上回った場合に関してはしっかりと加算介護報酬を支払う。

 それに達しない場合ということでありますけれども、先ほどから申し上げているように、あくまでも見込み額を皆さんに申請をしていただくということでございますので、頑張っていただく、そして地域で介護制度を支えていただくという頑張る事業者の方々に対して、いわばこの認定基準額というものが一定の目標額になっていくし、それを支給された後、それが本当に支払われているかどうかということのチェックの部分もさらにつくらせていただいているということでございますので、それもあわせて、全体的に引き上がっていくという形になるものだというふうに確信をいたしております。

茂木委員長 園田さん、こういうことだと思うんですよ。

 認定基準額と現行の事業所の平均賃金の差がある、それが例えばマイナス四だとしますね。それが、加算報酬で上がる方がプラス三だとすると、マイナス四をゼロ以上に持ってこなくちゃならないわけですよね。そうすると四つ以上の改善が必要でしょう。ところが加算するのはプラス三ですから、そうなってくると、特に低いところほど、クリアすると、クリアにかかったお金の方が加算介護報酬より大きいわけですから、そうすると結局インセンティブにつながらないということを聞いているんだと思いますけれども。

園田(康)議員 それは加算介護報酬が、今委員長からも御指摘いただきましたけれども、いわゆる三%というふうに皆さん方が御認識をいただいているわけでありますけれども、これはあくまでも、全国的に最終的にならした場合の三%でありますので、低い事業者が、それを例えば四万円引き上げるという形であるならば、その部分は、認定基準額が例えば三万円引き上げればそこで同等になる、したがって一万円上乗せになるわけですよね。したがって、その四万円を加算介護報酬として、頑張っていただいて見込み額として平均額を出していただいた、そういったところの事業所には支給がされるという形になるわけでございます。

古屋(範)委員 十分なお答えではなかったのですが、時間の関係で次の質問に行かせていただきます。最後の質問に移ります。

 この介護報酬はあくまでも事業者に対して支給されるものであって、この加算分がお一人お一人の労働者に直結をしていくかというところが問題だと思います。労働者の賃金は事業者と労働者の個々の雇用契約で決められるために、民主党が主張していらっしゃるように、すべての労働者の賃金が二万円上がるという保証はないと思います。加算介護報酬を受けながら労働者の賃金を上げない事業者が出てこないとも限りません。

 そこで、加算報酬を支給することによって、そこでその事業者が雇用されているすべての労働者の賃金が本当に上がるとお考えなのか、事業者に対する補助金になってしまうおそれがないかどうか。またもう一つは、加算介護報酬の不正な受給について罰則などがなく、ペナルティーがない状況で、この加算介護報酬が適切に労働者に分配されていくことになるか。この点につきまして、全額公費という、極めて公共性の高い公金についてこのような支出がなされるのは非常に問題であると思いますけれども、この点についてお伺いいたします。

山井議員 古屋議員の御質問にお答えをいたします。

 公明党は、福祉に非常に熱心な政党であると敬意を表しておりますし、その中で、きょういろいろ議論されておられました古屋議員の御主張には、介護職員の待遇を改善せねばならないということで、かなり重なるところは正直言ってございます。ただ、その方法論をどうするかということであろうかと思います。

 それで、二つお聞きになりまして、不正の問題、そしてすべての労働者の賃金アップにつながるかということですが、そこはまさに第十五条で努力義務として、できるだけこの三%に関しては賃金の上乗せにつながるようにしてほしいという、これは立法者の意思を書いてございます。ただし、それが一〇〇%そうなるかということに関しましては、先ほど言いましたように、義務規定でもございませんので、強制力が一〇〇%あるというわけではございません。

 しかし、ここはぜひ御理解いただきたいのは、先ほども答弁しましたように、単に介護報酬を上げる、あるいは二番目、人件費比率、三番目、俸給表、そして四番目、基準額という、この四つの方式を半年間かけて民主党が考えたあげく、一番賃上げにつながりやすいであろうということでこの法案を決定したわけです。

 それで、お願いをするならば、本当でしたら与党にも具体的な法案を出していただいて、どちらの方が限られた財源でより賃上げにつながりやすいかという議論ができれば、私は一番理想だったのではないかと思っております。もちろん、民主党案でも不十分な点はあろうかと思いますが、しかし、これを上回る方法論があるかというと、私はないと思っております。

 二番目の不正に関しては、これは先ほど答弁しましたように、年度終了後、それをチェックして、正当な理由がないものに関してはいろいろ指導とか、最悪の場合には加算介護報酬を返してもらう、そういうペナルティーは法案に入っております。

 以上です。

古屋(範)委員 介護の現場で働いていらっしゃる方々は、仕事の内容の割に社会的評価が低いですとか、また、現在の賃金水準では将来の生活の設計が立たないといった声が多く聞かれますけれども、このような方々が自分の仕事に誇りを持って、適切な労働環境のもとで仕事に専念できる状況をつくり上げていく、これは共通の認識でございます。

 しかし、そのために、このたび民主党が提案をされているような加算報酬という形ではなく、現場の実態を踏まえた上で、報酬のあり方のみならず、事務負担の軽減ですとか、また研修機会の充実、人材の需給のミスマッチの解消などさまざまな施策を組み合わせて、総合的な対策を講ずる必要があると考えております。

 政府におかれましては、介護労働者を取り巻くさまざまな課題に、これからも大臣を先頭に迅速に取り組んでいかれることを希望いたしまして、少し早目ではございますが、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

茂木委員長 次に、岡本充功君。

岡本(充)委員 民主党の岡本でございます。

 きょうは、参考人質疑を受けて改めて、今回提出されております両法案に対しまして質疑をさせていただきたいと思います。

 まずは、もうお手元にお配りされておりますでしょうか、今回、介護人材、介護労働者の皆様方の給与が極めて厳しいという状況が提起をされ、そして議論の的となっております。

 きょうお配りをしておりますのは、前回の資料と差しかえてまいりました。平成十九年度の賃金構造基本統計調査報告、また、平成十九年度のその報告をもとにした資料でありますけれども、実は、前回、これは平成十七年の資料を提出させていただいたところがありまして、統計情報部がその後調査をしていないかのごとく質問してしまいましたので、そこは訂正をさせていただきたいと思います。

 それに至った経緯につきまして少し皆様に、今後のこともありますので、調査室からちょっと御答弁いただければと思います。

榊原専門員 御説明申し上げます。

 去る四月十日夕刻、岡本先生より、翌日の委員会の質疑の準備のため、介護労働者の処遇に関する資料の御依頼がございました。

 御依頼を受けました担当者は、直ちに手持ちの資料を当たりましたところ、昨年の常会、そして継続審査となり、秋の臨時会で審議されました社会福祉士及び介護福祉士法等の一部を改正する法律案の当室作成の参考資料の中に取り上げました資料が御要求にこたえるものとなるのではないかと考えまして、とりあえずこれをコピーして先生にお届けいたしました。

 しかし、社会福祉士・介護福祉士法改正案の参考資料は、昨年の五月に作成した参考資料であったため、今回、平成十八年データが存在しているにもかかわらず、平成十七年の古いデータを提供することになってしまいました。

 なお、提供いたしましたデータのうち、三つ目でございましたが、給与総額階級別従事者数の構成割合という項目のデータにつきましては、この平成十六年のデータが最新のデータでございます。

 ちなみに、賃金構造基本統計調査報告につきましては、最新のものは平成十九年六月公表のもので、これには平成十八年七月に実施された十八年データが載っております。ただ、その後さらに調査しました結果、本年三月、十九年七月に実施されました十九年データが概況版としてインターネットで公表されていることが判明いたしました。

 また、給与総額階級別従事者数の構成割合については、平成十六年に調査された介護サービス施設・事業所調査の中で特別に実施された調査項目、「従事者の労働条件」の調査結果をもとに作成されたものであります。平成十七年以降の同調査においては、「従事者の労働条件」の調査項目はなく、したがって、この調査につきましては十六年のものが最新のデータということになっております。

 担当者が資料について説明に伺った際、岡本先生から、平成十六年の資料ではないか、古過ぎるのではないかとの御下問がありましたが、資料を持参した担当者は、とりあえず手持ちの資料を持ってきたにすぎないことや、最新の資料があるかどうかについて何の言及もしなかったとのことであります。

 調査室の調査員としては、御依頼の資料があるか否か、また、その資料が最新のものであるかどうか確認すべきところであります。また、あたかもそれが最新の資料であるがごとく申し述べておりますので、調査員としては明らかな落ち度があったと言わざるを得ません。

 このようなことについて、厚生労働調査室長として、委員に心からおわび申し上げます。また、このようなことが二度とないように努めるとともに、調査員の調査能力を一層高めていくよう今後とも努力してまいりたいと考えております。

 なお、今回担当いたしました調査員には厳重に注意いたしましたことを申し添えます。

 以上でございます。

岡本(充)委員 衆議院のそういう各種調査を、委員長も役員でありますから、ぜひ高めていく方向で御尽力いただきたいと思いますし、私は大いに、そういう意味では調査室の調査を今後とも利用したいと思いますし、期待をしておりますので、ぜひ、今回のことを踏まえて万全を期していただきたいという思いであります。

 その上で、きょうは統計情報部にお越しいただいているのですが、今調査室長から話がありました介護サービス施設・事業所調査は平成十六年に行ったもので、この中で給与総額階級別従事者数の構成割合というのが出ているようですけれども、前回も質問しましたが、大変厳しい介護の労働環境、賃金水準だと言われているわけですから、これについては、その十六年のデータを最新とせずに、一回調べてみられてはいかがかなと。

 しかも、前も指摘をしましたけれども、常用雇用で十万円以下の訪問介護職員が八・一%もいる、こういう数字をにわかには信じがたいところもあるわけでありますけれども、工夫をするなりして、再度の調査をされてみてはいかがかと考えるわけですが、それについて御答弁をいただきたいと思います。

高原政府参考人 前回も御指摘いただきましたように、介護サービス施設・事業所調査の常勤、専従という概念がなかなか明確にとらえられていないということもございまして、ああいう数字が出ているわけでございます。

 私どもは、今御引用いただきました賃金構造基本統計調査などで、介護の職員の賃金あるいは労働時間の実態を調べておりますし、今後とも、さらに引き続きまして実態把握に努めてまいりたいというふうに考えております。

岡本(充)委員 ぜひ、実態調査を踏まえて、今後介護労働者がどのくらいの賃金を、賃金をもとにして介護報酬を決めるわけではありませんが、しかし、賃金に反映できるような介護報酬を決めていただかなければいけないというのは事実であります。

 そういう意味で、ワーキングプアという言葉もあります。いろいろな定義があるようでありますが、一説によると、都留文科大学の後藤道夫先生、現代社会論の先生でありますが、この先生などは、二〇〇二年の収入でいうと、一人世帯で百九十万、二人世帯で三百万、四人世帯で四百六十三万円を超えられない世帯、こういう世帯をワーキングプアと定義すると、六百五十六万世帯、勤労者の一八・七%だ、こういう指摘もあるわけです。

 きょう提出をさせていただきました資料、何人の御家族をお持ちかはちょっとわかりませんけれども、一番最初の資料を見ましても、平成十九年の賃金構造基本統計調査報告、これで見ますと、福祉施設の介護員、三十二・六歳で年収が三百七万七千四百円、こういうことになっています。先ほどの定義でいいますと、これは平均が三十二・六歳ですから、もし三十二歳で二人の家族だとしますと、平均がまさにこのワーキングプアの数字とダブるわけでありまして、これではさすがに厳しいんじゃないかなというふうに思うわけです。

 民主党は今回法案を提出しておりますが、その点、政府は、今後どのようにしてこの賃金構造を、上げていかなきゃいけないだろうということについては多分異論がないと思うのですが、これをどのようにして上げていくのか。つまり、介護報酬を上げることで、連動していわゆる賃金も上がっていくというふうな考えをとるのか、そのほかの手だてを考えるおつもりはないのか、御答弁をいただきたいと思います。

阿曽沼政府参考人 現場の介護労働の第一線で働いていらっしゃる方々の賃金水準が大変厳しい状態にあるというのは、私どもも承知をしております。

 問題は、こういう賃金を含めた労働条件をどういうふうに上げていくかということでございますが、大臣も御答弁申し上げましたように、いろいろな方策を組み合わせて総合的に対応するということだろうと思っております。

 例えば、介護労働者の場合、現実に離職率も高うございますし、人材確保、定着が難しいこともございますので、賃金の管理あるいは能力の開発を含むような雇用管理モデルの好事例といいますか推奨事例、そういったようなものを全国に提供していくというふうなこともあろうかと思いますし、それから、経営の実態をよく調査いたしまして、あるべき経営モデルというものも追求していくといったようなことも必要ではないかと思っております。

 直接的に賃金を引き上げるというのは、今までも御議論ございました、大変難しゅうございますけれども、いろいろな形で、賃金の改善に資するような方策を総合的に実施していきたいと思っております。

岡本(充)委員 いろいろな方策でと言われますけれども、実効性が上がらなければいけないわけでありまして、これまで、他の例えば保険の仕組みになっているもの、いわゆる診療報酬などもそうでありますけれども、こちらの方と同じような仕組みで上がっていくかというと、必ずしもそうではないのではないか。

 前回、参考人で来られました樋口先生も、医療の提供側の入学希望者の数と介護の学校の入学希望者の数、この多大な乖離についてお話をされていました。学校に入学を希望される方も激減している。またあわせて、実際に働いてみえる方も離職をしていくという中で、来年の四月と言わずに本当は対策を打たなきゃいけない、その点で、民主党はこういう案を出したんだということであります。

 ちなみに、有効求人倍率の推移を見ましても、きょうはお手持ちの資料に出せませんでしたけれども、例えば介護関連職種、これは職業安定業務統計から調べてまいりましたけれども、パートを含む常用の有効求人倍率は、平成十六年一・一四、平成十七年一・四七、平成十八年一・七四と上がってきておりますし、社会福祉専門職種、パートを含む常用、これだと平成十八年は一・三〇、常用的パートタイムだと一・七九、これは他産業と比較をしましても極めて高い数字になってきています。それだけ、なかなか人材確保も進んでいないということの裏づけでもありますし、ぜひ考えていただかなければいけないんだろうと思っています。

 そこで、ちょっと民主党の提案者に質問をしたいと思いますけれども、先ほど来議論を聞いておりますと、一部の委員からは、介護報酬の増額となるべくお金を出しても、結局賃金引き上げに回らないんじゃないかなどと、あたかも経営者の方が性悪説に立っているかのごとくの話もありましたが、私はそんなことはないと思います。

 多くの介護事業者の皆さんが、本当に、人の介護を通じて大変に崇高なお仕事をされているという実態の中で、残念ながら確かにコムスンのような事例はありましたけれども、しかし、それは本当にまれな例であって、ほとんどの、もうすべてと言っていいと思いますが、そういう皆さんがみずからの利益にそれを回そうというような思いはないと思いますけれども、今回、そういう意味では、自民党側の質疑者からそういう話が出たというのは私としても大変残念だなと思っております。

 その中で、そもそも、これも前回の参考人質疑で参考人の方から御意見が出ておりましたが、いろいろな産業の中で、厳しい産業がある、給与の低い産業もある中で、なぜこの介護の分野の労働環境をまずは改善しなきゃいけないという思いに至ったのか、その経緯についてお聞かせいただきたいと思います。

園田(康)議員 ありがとうございます。

 当然、先ほど来議論がありますように、政府も、あるいは政府・与党、そして私ども野党も全委員の共通の認識としては、今の介護保険制度がスタートして、順調なスタートというふうに大臣からもお言葉がありましたけれども、ここに来てやはりそういったところが、少しずつほころびがところどころ出てきてしまっているんではないか。だからこそ、何らかの形で介護報酬の見直しを行っていかなければいけないんではないかというところを考えていたわけでございます。

 ところが、ほかの産業と比べて、これだけまず突出してという御指摘ではございましたけれども、しかしながら、当然私どもも、福祉産業にかかわるもの、あるいは他の、地域における地域間格差、こういったものはもう昨年来ずっと議論をさせていただいて、何とか、全国平均でもまず最低賃金は引き上げていく形に持っていかなければいけないんではないか、あるいはパート労働法の改正のときにも、そういったパートの処遇改善を求めていかなければいけないんではないか、そういったところの全体的な産業の引き上げというものをしっかりと、そこに働く労働者、勤労者の立場に立った政策として打ち出してきているところであります。

 殊さら、今回、この介護保険にかかわる介護労働者の賃金引き上げ、こういった人材確保法という形で実現をさせていただきたいというふうに私ども提案をさせていただいたわけでありますけれども、先ほど大臣からも少しお話がありましたけれども、社会福祉事業に従事する者の確保を図るための措置に関する基本的な指針という形で昨年の八月に出てきている指針の中でも、こういった「福祉・介護サービス分野は最も人材の確保に真剣に取り組んでいかなければならない分野の一つであり、」さらに、「拡大する福祉・介護ニーズに対応できる質の高い人材を安定的に確保していくことが、今や国民生活に関わる喫緊の課題である。」という、今の介護労働者が置かれている現状をしっかりと見据えていただいているというふうに考えてはいたわけでありますけれども、なかなか、来年までの報酬改定の中で議論をしていく。

 確かに、先ほど公明党の委員の皆さんからも、賃金だけではない総合的なキャリアアップも含めて、そういった労働環境を引き上げていく、私どもも、当然そのことは行っていかなければいけないというふうに考えておるわけでありますけれども、まずは人材確保という形の賃金、劣悪な環境に置かれて、しかもここがどんどん離職率も含めて離れていってしまう。そうなると、そこに制度があってもなかなか事業が成り立たないという現状が起きてしまって、崩壊につながるんではないか。

 したがって、人材確保というまずは賃金の面から、この介護保険にかかわる制度のみを今回の法案として昨年来より提出をさせていただいたということでございます。

岡本(充)委員 今、提出者園田議員からお話がありましたけれども、私も全く同感でありますし、介護労働者だけ突出してこの法案を出しているわけではありません、むしろ、本当に申しわけないけれども、何とか他産業並みの状況に持っていきたい、どちらかというとその思いでの提出なんだろうというふうに思っています。

 今、介護人材確保のためということもあるんだと言われましたが、介護保険制度自体の見直しも必要なんじゃないか、こういう思いをいたすわけでありますが、それについてはいかがでしょうか。

茂木委員長 これは提出者ですか。(岡本(充)委員「提出者で」と呼ぶ)政府側ではありません。

 提出者菊田真紀子さん。

菊田議員 御質問ありがとうございます。

 岡本委員おっしゃるとおり、介護労働者の人材確保のためには、当然、介護保険制度の見直しも必要だと考えております。今、民主党といたしましても、党内でさまざまな議論を積み重ねているところでございます。

 今回提出させていただいた法律は、とにかく一刻も早く介護労働者の賃金引き上げを行わなければ、来年の見直しまで現場はもう待てない、そのような危機的な思いから出させていただいておりまして、あくまで、介護保険制度の見直しが行われて、介護人材確保に支障がなくなるまでの緊急措置であると考えております。

 きょうの委員会にもこうして大勢の傍聴者の皆様がおいでをいただいております。医療崩壊、医師不足の問題のときにも、本委員会で活発な議論が行われたことが政府を動かし、緊急医師確保対策が実現をいたしました。介護現場の窮状を考えれば、同じように緊急の対策が必要だと考えております。

 医療、介護はすべての国民の命に直接かかわる問題です。その解決に向けて大いに議論していくことが介護保険制度の見直しにもつながってくると考えております。

 以上でございます。

岡本(充)委員 せっかくですから政府にも。

阿曽沼政府参考人 失礼をいたしました。

 政府といたしましても、介護労働者の問題は大変重要だと思っております。したがいまして、大臣からも御答弁いたしておりますように、短期的にできるもの、今すぐできるものと中長期的に考えなきゃならないもの、そういうものに仕分けをして、これからよく研究をしていきたいというふうに思っております。

岡本(充)委員 今すぐやらなきゃいけないものがあるからこそ、まさにこの提案になっているわけで、一部の委員からは、民主党案は拙速過ぎるんじゃないかという批判が出ているわけですけれども、そんなことはないわけですね。まずやらなきゃいけないこと、今局長が言われたとおりです、まずやらなきゃいけないことは何なのかという中で民主党案は提案をされたと思うわけですけれども、この批判に対してどのようにお考えになられますでしょうか。

山井議員 岡本議員にお答えをいたします。三点お答えしたいと思います。

 まず、拙速ということの批判に対してですが、私は、与党の議員の方が拙速とおっしゃったのは非常にショックを受けております。というのは、もう介護現場は本当に待ったなしなんですね。介護養成学校も定員が減らされたり養成を中止したり、あるいは特別養護老人ホームがオープンしても、人材がいないからフルオープンできないとか、もうこのままでは介護現場は本当に崩壊してしまうんです。

 九月三十日に要望書を受け取って以来、我が党は、半年にわたって何度も何度も介護保険ワーキングチームを開いて、どの案がいいだろうかということを、十五万人もの署名というものの重みを感じながら真摯に議論をし、今回の法案をつくり上げました。しかし残念ながら、自民党、公明党もこの要望書を九月三十日に受け取られたと思いますが、本当でしたら、やはり自民党、公明党からもその要望書を生かした法案をつくっていただいて、民主党の考え方はこうだ、与党の考え方はこうだ、どちらがベターだろうかということで、ある意味でお互いに修正してもいい、やはりそれで一日も早く介護報酬の引き上げを実現するのが私は国会の責任ではないかと思っております。

 その意味では、この間、与党の議員の方々からさまざまな問題点の御指摘もいただきました。しかし、では、この緊急事態、国家の危機において与党としてはどうするのかということが、残念ながら見えてこなかった。来年四月の介護報酬引き上げというだけでは、それで本当に賃金がそれこそ上がるんですか、事業所はもつんですか、自己負担がアップして大丈夫ですか、介護保険料がアップしてどうですかということを言い出せば、民主党の法案よりはるかに、それこそ賃上げになる可能性が低いわけであります。そういう意味では、私は拙速という批判は全く当たらない。

 そして二番目としては、今申し上げましたように、やはり与党としてぜひとも法案を出していただきたかったし、もし現時点で対案がないのであれば、ぜひとも賛成をして、一部修正をしても結構ですから成立をさせたい。そして、七月一日から介護職員の賃金を上げたい。やはり国会審議が行われているということで少なからず、介護現場の職員の方々が、賃金が上がるのではないかという期待を正直言って持っておられます。もっと言えば、この種の議論に関しては、与党もまさか反対はしないだろうというふうに思っておられる方も多いわけですので、ぜひとも賛成をしていただきたい。

 そして三つ目、最後になりますが、私たち民主党は、医療崩壊に続いて介護崩壊が起こるということに関して非常に心配しております。まさに二年前、この場で医療改革法案で強行採決をされて、そのときも、今公費を導入して医師不足対策をやらないと医療は大変なことになりますよということを私たちは必死に訴えた。でも、与党はそれに対して応じてくれなかった。その結果、今見たら、やはり二年たってますます医師不足、たらい回し、医療崩壊が深刻化しているんです。全くこれと同じことが起こります。

 私は、本当に声を大にして言いたい。やはり今こそ、政治家の決断、政党の決断、国会の存在意義が問われているんです。今こういう緊急事態、国家の危機、これは介護職員の危機じゃないんです、このままでは老後の安心が確保できないんですよ、介護を支える人がいなくなっているんですから。このことに関して今、国会が方向性を出さない、そして介護の崩壊をみすみす放置する、来年四月の介護報酬という非常にあいまいな形で放置することは絶対国会として許されない、そういう強い思いから、私たち民主党はこの法案を提出しました。

 ぜひとも、与党の皆様にも御賛同いただき、成立をさせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

岡本(充)委員 まさにその思いが、この三月四日、大臣のところにも届けられていると思います、全国老人保健施設協会から、介護職員に普通の生活を保障できる給与体系が可能になるような介護報酬改定の陳情ということで。

 介護老人保健施設だけが介護事業者ではありませんが、この介護老人保健施設からの要望書では、介護保険の施行後、介護報酬改定のたびに収入は減少しており、全老健の緊急実態調査によれば、平成十八年度の全老健全体の経常損益は五・六%まで低下し、借入金の返済もままならない事態となっている。都道府県の介護老人保健施設組織でまとめました百五十四万八千九百三十四名の署名をたしか大臣は受け取られているはずです。そして、都道府県にもこれと同じような内容のものを出しておりまして、本趣旨に賛同した署名は百六十六万三千五百一人であるというふうにされています。これだけの方が署名をされている。

 ちなみに、老人保健施設は全国で二十九万五千人の高齢者を受け入れて、十九万人ぐらいのスタッフがみえるという話でありますが、百六十万人の署名が集まるというのはいかにすごいかということもお考えをいただきたいと思います。

 ちなみに、そういう厳しい介護の実態の中で、それぞれの皆さんが鋭意努力をされているということをぜひお知りいただいて、今度新しく介護療養型老健施設もできるようでありますけれども、この施設との整合性、特に療養病床を削減してこちらに移行するということでいうと、今回示された大まかな枠の中で介護報酬を見てみますと、個室より多床室ほど、また要介護度が上がるほど実は減算をされ、介護療養型医療施設の入所者はほとんど要介護度が四もしくは五で占められていることから、一カ月当たりの減収は、二百四十九単位掛ける十円掛ける三十・二一、七万五千百九十八円になるんじゃないか、およそ二割の減額になるのではないかという声も出ています。

 老健から見ると少しどうなのかという声もあるし、逆に、療養病床の減少にもつながらないのではないかという声もあります。そういう意味で、都道府県がそれぞれ、療養病床を減らすのはなかなか難しい、施設側もそう言っている、こういった中で、本当に厚生労働省が描く道筋が実現をするのかどうか、私は大変に危惧を持っているわけです。それについて私はまず指摘をしておきたいと思いますが、もし保険局長の方から御答弁があればと思います。

水田政府参考人 お答えいたします。

 医療費適正化計画の策定についてのお尋ねでございますけれども、これは現在、四十三の都道府県で策定済みでございます。また、策定中が四府県と聞いております。

 その中で、私ども、昨年四月に医療療養病床の必要度の参酌標準を示したわけでありますけれども、それにつきまして、各都道府県それぞれに工夫をされているわけでありまして、今その内容を確認中でございます。その上で、私どもなりのまた評価、判断をしていきたい、このように考えております。

岡本(充)委員 加えて、水田局長にお越しいただいています。前回の答弁で、私のところに後で訪問させていただきますと言っていたことについて、一週間たってもまだ来られていません。それも指摘をさせていただいて、早急に来ていただきたいということと、きょうは保険局長お越しでありますから一点だけ言わせてください。時間ですので一点だけです。

 年金局長名義で全国の社会保険事務所に、国民年金の保険料を払い過ぎた人に返還する国民年金過払い還付法案を民主党が提出した後に、運用面で、国民年金を四百八十カ月以上払われた方の過払いを還付する、こういう話を出したというふうに私は聞いております。

 これは、そもそも参議院の厚生労働委員会、四月一日、もしくは参議院の予算委員会、四月七日にされております答弁では、四月一日の方でありますが、「法律条文上も、十七年三月以前に納付されたものについて納付自身は適法なものであるという位置付けで、さかのぼって還付するという扱いとはしていない」、こういうふうに言っておいて、民主党が法案を提出した途端にこういう運用面で改善をするというのは、民主党だけではありません、国会の審議、運営を私は余りにもないがしろにしているのではないかというふうに思えるわけであります。

 私は、こういう批判に対して真摯に考えていただいて、こういう策があるならばそもそも早く出すべきだし、民主党が法案を出した日に合わせてぶつけるなどという、こういうやり方は本当に国会をないがしろにしているということをあわせて指摘をさせていただき、もし反論があればいただきたいと思うし、水田局長からも多分言いたいことがあるんだろうと思いますから、それぞれ、もしあればどうぞ。

茂木委員長 御意見があるかもしれませんが、既に持ち時間が経過しておりますので、次回お願いいたします。

 次に、柚木道義君。

柚木委員 民主党の柚木道義でございます。

 本日は、介護保険法改正、先ほど岡山県津山市での事例についての御発言もありましたが、今まさに介護の現場で働かれている方はもとより、利用者の皆様が本当に安心して必要な介護が受けられる体制整備が重要な中で、この質疑に立たせていただく機会をいただきまして、本当にありがとうございます。

 まず前半、今回の介護保険法改正の項目につきまして、老健局長の方に幾つかお伺いをし、そして後に大臣からも幾つか御答弁をお願いしたいと思います。

 まず、多少通告と順番が前後いたしますが、今回、今冒頭申し上げました岡山県津山市、私も岡山県の出身でございますが、岡山県において、グループホームにおける虐待においての指定取り消しの初の適用ということが起こってしまったことに対して大変に残念に思っております。そういった中で今回の改正が議論されるということでございまして、まず、このことに付随して幾つか伺いたいと思います。

 今回の法改正の中では、この津山の事例は事業者の指定取り消し以降の流れは今後まだわからないわけですが、仮にサービス提供事業者が事業の廃止または停止の届け出をした場合ですが、当該サービスの継続を希望する者に対して必要なサービスが継続的に提供されるように、事業者がもちろん第一義的に義務を負うとされておりますが、行政は当該サービス事業者及び関係者に対する助言その他の援助を行うことができるとされております。

 できるとされているわけでございますが、実は今回の津山市の事例では、現在、入居者三名のうち二名の受け入れ先は決まっておりますが、あと一名に関しては、実はこちらのホームが大変気に入っているといいますか、ここでサービスを受けたいというようなこともおっしゃられて、三十日で指定が取り消しという中で、現在まだ受け入れ先が決まっていないというような状況もあるわけでございます。

 そこで、お伺いいたしますが、やはり一義的に事業者が当然責任を負うべきものではございますが、行政も、仮にこの事業が廃止というようなことになった際には、サービス確保にかかわる義務を事業者と同じく負うべきでないのかと思うわけでございますが、この点について御答弁をいただけますでしょうか。

阿曽沼政府参考人 今回の津山の事例でございますけれども、私どもが承知をいたしている範囲で申し上げますと、介護保険法の七十八条の四第六項に規定する義務に違反するということで、要するに、高齢者が衰弱している状態を把握しながら放置をしたということで、高齢者虐待が行われたということで問題にされているわけでございます。

 御指摘のように、私どもが今承知している範囲では、二名の方は既に決まっているけれどもあと一名の方が決まっていないということも承知をいたしておりますが、四月中にはどこかに移るということは決まるというふうに私ども聞いております。そこは十分にフォローアップをしたいと思っております。

 それで、今回のお尋ねでございますけれども、やはり一義的には介護事業者が対応するというのが本来の法律の趣旨だと思います。行政側としては、当然、介護事業者がいろいろな問題がある場合には助言なり調整をするということで、最大限のサポートをしていくということがこの法律の趣旨ではなかろうかというふうに思っております。

柚木委員 本当に、引き続きのフォローといいますかサポートについて、今御答弁いただきましたように、行政側におきましても、これはやはり事業者と同じようにしっかりと責任を負っていただきたいということをお願いしておきたいと思います。

 続きまして、津山の事例は事業者側が不服申し立てをなされるということでございまして、今後の事業の継続についてはまだ流動的でございますが、一方で、この事例の中にも実は、報道のベースでございますが、管理者の勤務実績についても虚偽報告があったとされるというふうな報道もございます。

 そうした場合に、今回、第二十二条の中における不正利得の徴収というようなことに今後該当し得るのかなとも思っておりまして、別にこの事例ということではありませんが、今後、事業所による不正利得の徴収が行われるということになる場合に、一方で心配されますのが、例えば津山の場合には、従業員が、介護従事者とケアマネ、常勤、非常勤を含めて、定員は十名、現在その定員のうち何人がいらっしゃるのか、私もちょっとこれは外部評価の資料なのでわかりませんが、いずれにしても、そこでの介護労働者への賃金の支払いについても同様に問題になってくる可能性がございます。

 ちなみに、津山の事例は、職員二人の賃金、計六カ月分、九十二万円を期日までに支払わなかったということで、労基法違反の疑いで書類送検をされたと報道でございまして、不正利得の報告、管理者の勤務実績について虚偽報告などがあったとされるということと同様に、賃金の未払いの実態もあるという報道もなされております。

 こういった場合に、不正利得というものは当然許されるべきものでございません。さはさりながら、一方、これだけ今介護労働者の賃金のことが問題になっている中で、介護労働者への賃金未払いということがあってはならないということも同じく重要であろうかと思います。

 そういう中で、今回それぞれ、賃金未払いそして事業所による不正利得の疑いがあるという中で、法的には、今回の改正によりまして、その徴収の方が労働債権よりも優先をされるというようなことがあるわけでございますが、やはりここは賃金の未払いというようなことがあってはならないということでございまして、当然、正規の利得についての部分は賃金に充当すべきであるというような点も含めて、そういった旨を明確にして指導するべきではないかというふうに考えるわけですが、御答弁をいただけますでしょうか。

阿曽沼政府参考人 お答えを申し上げます。

 今回の事例におきまして、私どもが今承知している話で申し上げますと、取り消し事由の中には、一つは、監査の際の虚偽の答弁がございます。もう一つは、監査のときに、勤務をしていない管理者が勤務したように勤務実績を作成して虚偽報告をしたということで、これも介護保険法上の規定に違反をするということで、取り消し事由に当たろうかと思います。

 不当利得返還請求の問題でございますが、今、私どもが聞いている限り、事実関係をもう少し精査をして確定しないとはっきりしたことは申し上げられませんけれども、報酬の返還はないというふうに聞いております。

 基本的には、不当利得の返還の話と、それから今お話がございました労働者の賃金の未払いの問題とは区分けをして考えるべきだと思っておりまして、労働者への未払いの問題については、それは今のお話、私も十分詳細を承知しておりませんけれども、そういう六カ月間放置しているというような問題があるのであれば、労働部局においてしかるべき対応をするというのが筋だろうというふうに思っております。

柚木委員 そのしかるべき対応の部分で、今回の場合は今御答弁ございましたように返還はないというふうなことでございますから、そういった事態に至らないことを私も望みますが、実際にそういう不正利得の徴収が行われたことによって、小規模な事業所などの場合、その正規な利得も含めて、従業者への賃金の未払いというようなことが起こることを私の方は心配をしているわけでございまして、そういったケースがあった場合には、先ほどの御答弁に加えて、やはりそういったことが起こらないように法の運用面において御配慮をいただきたいということが趣旨でございますが、いかがでしょうか。

阿曽沼政府参考人 市町村が事業者に対して返還を求めますのは、まさに不正の行為があったわけでございます。したがいまして、こういう介護報酬が不正に払われたということは、介護報酬の財源というのは保険料あるいは税金ということでございますから、公的な財源でございますので、それが不正に使われたというのであれば、それは市町村としては当然返してもらわなきゃいけないということだと思います。

 一方において、労使関係の問題でございますけれども、賃金の未払いの問題というのも大変大きな問題だと思います。それはそれで、例えば監督署なりがちゃんと指導をするなり監督をするなりという形で対応すべきものではないかというふうに思っております。当然、そのときには市町村にもその趣旨は伝えたいと思っております。

柚木委員 監督署が指導するという前提で、先ほど最後に言われた市町村への指導という部分、これをぜひ徹底をお願いしたいと思います。

 この件について、大臣、先ほどもコメントをいただいてはおるんですが、今議論をさせていただきました、こういったことが起こっている中で、やはりサービス利用者の受け皿への行政の責任、そしてまた、今の質問でもございました賃金の未払い、そして、仮に事業所で働いていた方々が事業所の継続が困難になった場合に、どこか別なところで働くということになった場合の労働条件の不利益変更等も含めて、今回の津山におけるグループホームの虐待による指定取り消しについてコメントをお願いしたいと思います。

舛添国務大臣 先ほども申し上げましたように、介護保険制度が入って八年、いろいろ見直さないといけない点はある、これは民主党の提案者の方々もおっしゃったとおりです。

 そういう中で、今回、こういう残念な事件が起こりました。利用者の視点に立ってどうすべきか、それから、もちろん法律に基づいてきちんと処分をし、また、今回そういうことはないと思いますけれども、返還請求をやるべきはやる、そういう中で、働いている人たちの立場もきちっと守る。これは経営者が悪いわけですから。そういうことは、これは例えばハローワークなんかも当然ありますから、そういうものを使って受け皿をきちんと指導していくということはやらないといけないと思います。

 ただ、こういう実態がつまびらかになった。私は、いろいろな方が参入されて介護の現場で事業をやっていただくのは大変結構なんですけれども、それが今回の例のようにサービスの質の低下ということを招くようでは、これはやはり国民が一番困りますから、その点も配慮して、総合的な対策をきちんとやってまいりたいと思います。

柚木委員 大臣、御答弁ありがとうございます。

 最後に言われた点、サービスの質の低下という部分は、この事業所内においても、やはり事業経営のやりくりが大変な中で、食事におけるサービスの低下が入居者の皆さんの体重減少につながったということが指摘をされております。ですから、まさにその部分についても御指摘をいただいたと思います。

 続きまして、サービスそのものを担っていただいている、現場で頑張っておられる介護士、ヘルパーさん、こういった皆さんの、まさにその処遇の改善、賃金の底上げ等がやはりサービスの質そのものにかかわってくるということである、これは認識を共有させていただいていると思います。

 そういった中で、大臣に引き続きお伺いをいたしますが、前回の社福士、介護士法改正の際にもお尋ねしたことと重複する部分がございますが、あれから社保審の介護給付費分科会ワーキングチーム等の議論もなされ、大臣、そういった議論を見守った上で前向きに対応したいということをおっしゃられておられましたので、それも踏まえた上で、幾つか質問を差し上げます。

 まず、時給制の訪問介護員の身体介護、生活援助の時給と、訪問介護と介護報酬との格差の是正という観点から二点伺います。

 前回も御指摘を申し上げましたが、生活援助と身体介護のそれぞれの介護報酬については、大臣もこれはもう御承知だと思います。それぞれ約二百点と四百点ということで、約ですよ、倍の違いがあるわけでございます。そして、そんな中で、それぞれの生活援助と身体介護の時給制訪問介護員の皆さんの時給は、それぞれ平均して約千百円と千三百円ということで、格差は二百円ということでございます。

 そうでございますから、介護報酬上は二倍の格差がありながら、実際に時給については二百円しか差がないということであると、その報酬の点数が人件費の充当に反映されていないということになろうかと思います。ですから、それぞれの時給の引き上げの必要性については前回も指摘をいたしましたが、今回、まず一点は、こういった介護報酬上の格差が実際の介護員の方々の時給の格差と十分に連動していないという点についての是正を求めたいと思いますが、御見解を伺います。

    〔委員長退席、宮澤委員長代理着席〕

舛添国務大臣 その点は、医療についても介護についてもそうなんですが、結局、事業者、経営主、経営者ですね、そこに働いている従業員、この両者の間の雇用契約ということになっております。ですから、すべてこの報酬についてそうなんですが、経営者がどういう形で配分するかというのは、個別の労働契約に基づくという仕組みになっております。

 したがって、きちんと反映するようにやってくださいよということを私が申し上げることはできても、法律でこれを決めてどうだということができないという仕組みでありますので、そこは、これはもう医療の場合もそうで、お医者さん、勤務医が大変だよ、私はこれはぜひ勤務医の皆さんの待遇改善をしたい、しかし、病院の経営者がきちんとやってくれないとこれは実現しませんから、ぜひそれは、きちんと経営者の方で、しっかりと自分のところで働いている人たちのことを考えてしかるべき処遇をしていただきたいというふうに思っております。

柚木委員 経営者の皆さんへのそういういろいろな形での、例えば経営モデルを示していくとか、いろいろなアプローチも必要であると思いますが、一方で、大臣、引き続き質問を申し上げたいのは、介護報酬そのものをやはり引き上げるという議論がこの間も必要性についてなされておりますし、大臣もその点については前向きな発言もされておられますが、ヘルパーさん、そして前回も御質問申し上げましたが、サービス提供責任者、こういった現場で本当に専門性を持って仕事をされておられる方のその業務の専門性、そういった部分について十分にそれが報酬加算の対象になっていないということが問題視されておるわけでございます。

 前回、特にサービス提供責任者の報酬加算につきましては、大臣も、分科会のワーキングチームの提言等も参考にしながら前向きに対応を考えたい、次回介護報酬改定の際に、引き上げも含めて、国民の皆さんの理解もいただきながらということも付言されておられましたが、いずれにしても、その必要性については問題意識は持たれているという御答弁をされておられます。

 そういった中で、まさに二十一年度改正に向けて、このワーキングチームのまとめの中にも、実際に、サービス提供責任者の介護報酬上の評価も含めてやはり方向性を示していくべきであるということが触れられております。まさにこれは大臣がその方向性を示す段階に入ってきているんだと思います。

 ぜひここで、大臣、現場で働かれている方々にまさに勇気を与えていただくためにも、前回触れさせていただきましたサービス提供責任者の報酬加算、あわせて先ほどの、特に訪問介護が余りにも報酬が低い中で、先ほどの岡本委員の質問の資料の中にもございました、そういう訪問介護の介護員の方々の報酬引き上げについても御答弁をお願いしたいと思います。

舛添国務大臣 まず、先ほどの訪問介護の報酬、身体介護、これはおっしゃったように四百単位ですね、それから生活援助中心だと二百だ。どこでそういう差が出るのか。実は、生活援助にしても大変な御苦労をなさっている場合がある。しかし、これは、ケース・バイ・ケースだと思いますけれども、まさに審議会においていろいろな専門家の方に答えを出していただいています。

 このサービス提供責任者についても、これは先般、阿部知子委員の御質問があったでしょうか、それに対して私はお答えをいたしましたけれども、ワーキングチームの報告書にも、介護報酬評価の可否について検討すべきだということは出ていますので、二十一年の改定に向かって、そこはきちんと押さえた上で、そういう方向で全力を挙げて努力したいと思います。

柚木委員 きちんと押さえた上で、次回改定に向けて努力をしたいということを御答弁いただきました。

 そういう中で、私が実は気になる部分でもありまして、今、多少、皆さんの中でもそういった議論も行われておるわけでございますが、毎年、社会保障費を年間二千二百億円、五年で一・一兆削減するというその方向性が、必ずしも十分なサービス提供、もちろん患者満足、利用者満足も含めて、困難になっている部分について、やはりその見直しも必要じゃないかという発言。これについては総理自身もコメントをされたりしておられる中で、私は、今のような状況の中で、介護報酬の引き上げも視野に入ってくる中で、やはりこの二千二百億円削減というものは見直し、もっと言うと撤廃すべきではないかというふうに考えております。

 もちろん、さまざまな予防介護、予防医療等の取り組みも必要でございます。医療費の適正化も必要でございます。その認識は持っておるつもりでございますが、しかし、余りにもまず数字ありきという中での削減というものは、先ほどの介護報酬の引き上げ以外のさまざまな社会保障費の議論の中での足かせになっているのではないかと思います。

 そこで、大臣、ぜひこの二千二百億円の枠は撤廃すべきであると私は思うんですけれども、今後のさまざまな、道路財源等の議論もある中で、やはりこの社会保障費の部分については見直すべきであるということをお考えにならないでしょうか。見解を求めたいと思います。

    〔宮澤委員長代理退席、委員長着席〕

舛添国務大臣 二千二百億円の毎年のマイナスシーリング、ことしも大変苦労して何とか満たしましたけれども。政府全体の方針が骨太の方針ということであります。そしてまた、無駄遣いというのは、厚生労働省関係のみならず全体を不断に見直していかないといけない。

 しかし、基本的なところの哲学というのはやはり私は考えるべきであって、今、日本のGDPが五百兆円です。そのうちの六割の三百兆円が個人消費です。この個人消費、つまり六割の三百兆円がきちんと伸びていくということが日本経済がさらに発展していく道である。

 では、なぜ消費をしないか。老後の不安がある、介護の不安がある、医療の不安がある。結局、みずから蓄えることになる、そして生き生きとした老後が送れない。そういうことであれば、むしろこれは経済成長を阻害する要因にもなり得る。つまり、セーフティーネットというものはしっかり張りめぐらす。

 以前は、委員、これは会社がやっていたわけですね。大きな会社なんかだと、会社が病院も持っている、それから寮も持っているし、住居の心配も、社宅があって何の心配もない。夏に海水浴に行きたかったら海の家も持っている。しかし、こういう時代は終わりました。

 そうすると、基本的なそういうセーフティーネットは、中央であれ地方であれ、企業ではなくて政府が張りめぐらす時代に来ている、そのことがむしろ日本経済をさらに発展させる道であるというふうに私は思っておりますから。

 したがって、そのときには当然、お金が天から降ってくるわけではありませんから、国民の皆さん方にも例えば消費税という形で御負担を願わないといけない。

 私は、介護をやっていたときに思ったのは、スウェーデン人になりたいなと思った。いや、そんなこと言ったって消費税二五%だよと。いや、二五%払っても、あのころは介護地獄なんという言葉が使われていた、それから逃れられるのなら私は二五%喜んで払うよという気持ちにそのときなっていました。それは、親を殺して自分が自殺しようなんてみんな思うぐらいにひどい介護地獄というのがありましたから。

 だから、そうすると、二五というのは極端ですけれども、わずか消費税をふやす、そのことを財源にすることによって、みんなが生き生きと過ごせる。医療にしても、介護にしても、社会保障。そういうことであれば、当然国民にとって二倍にも三倍にもなって返ってくる投資だろうというふうに私は思っております。そういうことのコンセンサスを、これは皆さん方と与野党を超えてできるならば、私はその声をきちんと予算に反映することができると思います。

 ただ、そういう話をするといつも、そんなこと言っても無駄遣いがあるじゃないか、この無駄があるじゃないか、それを先にやれというのをおっしゃられる。それもまた正論なんで、今の委員の問題意識を含めまして、私は今自分の哲学の一端を申し上げましたけれども、きちんとそれを政策にそして予算に反映していけるように今後とも努力を重ねてまいります。

柚木委員 特に後半の部分ですね。現在の税の使途の精査、これはやはり国民負担をお願いする大前提だと思いますので、順番をぜひ逆の認識でお願いしたいと思います。これは、今後の大きな議論になっていく中で、大臣、ぜひ本当に財務省と闘っていただきたいと思うんですね。まさに厚生労働大臣としてリーダーシップを発揮していただくことをお願い申し上げて、次の質問に入ります。

 こういう介護の現場の実態、もちろん事業主に対するある意味こういった法規制の強化というものと同時に、介護労働者の労働条件の改善、それがひいては利用者の満足の向上につながるという視点の中で、その介護労働者、現在、現場で頑張っている皆さんに、もっともっと将来に向けて夢や希望を持って頑張っていこうと思っていただけるような取り組みが必要だというような観点の中から、実は、看護師さんの皆さんの中では看護の日というものが制定をされている中で、それに倣って介護の日というものを制定して、まさにその看護の日の取り組みによって、本当に、現場の看護師さんたちの労働条件の向上も含めて、いろいろな社会の皆さんへの理解も広まっていった、浸透していったという経緯も、これはいいお手本にしまして、前回御質問させていただきました。

 その際に、大臣からは、これは昨年十一月二日の時点での御答弁ですが、「介護の日、これも大変いいアイデアですので、今、介護重点月間、何月をどうするか、年金については十一月を重点月間にし、最初の一週間、みんなでこれをチェックしようというのを今度設けたい、それと同じように、介護の日、では何日にするか、またいろいろ御提案賜って、これはぜひ実現したい」という御答弁をいただいております。

 そこで、昨年そういった御答弁をいただいている中で、まさに今、今年度に入って、来年度の介護報酬の議論も含めて、大変現場が緊急事態、民主党も人材確保法を出しているという中で、利用者の皆さんには安心を、介護現場の皆さんには勇気を与えるという意味で、ぜひ今年度中にこの介護の日制定を実現していただきたいと思うわけですが、現在の議論の状況、そしてぜひ今年度中に実現をいただきたいという部分について、御答弁をいただきたいと思います。

舛添国務大臣 実は、柚木委員との十一月のやりとりがずっと頭にありまして、先般、訪問介護の現場へ視察に行きました。そうしましたら、要介護度五だった御高齢の女性が、もう本当にお元気になられて、三段階よくなって要介護度二になっているんですね。それで、御家族の方と議論したら、何か要望があればできるだけのことはいたしますと言ったら、それは介護士の皆さんもそうですけれども、一生懸命こんなに努力して要介護度を五から二まで下げた、そうすると、これは当然のことですけれども、給付が減るわけですよ、丸い数で四十万だったのが二十万とかに減っちゃう、何とかなりませんかと。ただ、これについては一部、よくなった、いいことをやった事業所に対しては加算するのはできていますけれども、なるほどなと。

 それで、やはり介護の日を何とか早く設けて、そういう頑張った介護士の皆さん、そしてお年寄りも自分で頑張ってやっていただいている、急に今から予算をつけるわけにいきませんが、例えば、私の賞状というか何か賞状の一枚も上げて、少しの記念品も、予算をとらぬといかぬですけれども、そういう形で励ましてあげたいということをやりたいと思っています。

 それで、今、具体的な日にちの設定、既にいろいろな団体の方が、この日がそうだということもありますので、検討して何とか、ことしは四月になりましたから、そうすると後半にしか日にちが設定できない。例えば、やはり介護は二月ですよというふうになれば来年になりますけれども、一年以内にそういう形で日にちを決めて、今の介護の現場の大変なこと、そしてその中で努力をなさっている方に何とか報いたい、そういう思いで、これは今検討を既に開始させております。

柚木委員 年をまたぐかもしれないということでございました。一年以内にその実現をするという御答弁をいただきましたので、本当に大きな議論の前進を、その決意も含めて大臣の方から御答弁いただいたと思います。年をまたぐかどうかは別として、先ほども申し上げました、繰り返しますが、介護現場で頑張っていらっしゃる皆さんには勇気を、そして利用者の皆さんには安心をという、メルクマール、この介護の日の制定をぜひ一年以内に必ず実現をお願いしておきたいと思います。

 続きまして、まだまだ介護保険法改正についても伺いたいので時間があれば伺いますが、関連をいたしまして、今回の後期高齢者医療の問題でございます。

 これは実は、受診抑制ということが心配をされている中で、介護サービスの利用抑制にもつながることを私は心配しております。ですから、幾つか今回の制度の問題点、これは当然介護保険の利用にかかわってくる部分もございますので、大きな現在の問題意識、方向性についてお伺いをさせていただきたいと思います。

 きょうの報道の中では、与党の議員の皆さんの中でも有志で考える会を設立ということで、考える会に百人が名を連ね、総会には四十一人が出席という中で、負担がふえる人と減る人の人数がわからないのは問題だという御発言でありましたり、七十五歳で医療保険を区切るのは家族制度の崩壊につながると、新制度に批判が続出とございます。保険料負担の増減の実態を把握して、制度のあり方を再検討することで一致をしたというふうな報道もなされております。

 そういう意味におきましては、今回与野党ともに問題意識の共有がなされている中において、私は、この幾つかの点について、我が党は野党共同で、後期高齢者医療の年金からの天引きの廃止、さらには新たに保険料負担を強いられる被扶養者の二百万人の方々の凍結、さらには前期の方々も含めて、国保の保険料天引きも含めての凍結ということを提案しているわけでございますが、まず、この前期の方々の国民保険料と後期の新保険料を年金から天引きされているということについてお尋ねをしたいと思います。

 巷間報道もされておりますように、いわば消えた年金、ふえた医療費、今こういったような状況を強いられている方々にとってみれば、何年も何年も社会保険事務所に足を運んでおられる方々の中からも今回年金が天引きされてしまっているということを考えると、本当にいたたまれない気持ちになるわけでございます。福田総理が党首討論で、かわいそうなくらい苦労していると言われましたが、本当にかわいそうなくらい苦労しているのは、今回まさに高齢者の皆さんではないでしょうか。

 そういう中で、ぜひ私は提案をさせていただきたいと思いますが、今回、こういう年金からの天引きがこの十五日から、四・一五ショックと言われることがスタートしたわけですが、少なくとも、我々は廃止を提案しておりますが、百歩譲って、今回、この年金天引きされている対象者の皆さんの消えた年金問題に解決のめどがつくまで天引きを凍結すべきではないかと私は考えるんですね、大臣。

 本当にこれは国民感情として受け入れがたい、こういう状況の中で、少なくとも今回天引きされた年代の方々に対しての消えた年金問題の解決のめどがつくまでの凍結について、これはぜひ本気で御検討いただきたいんですけれども、いかがでしょうか。

舛添国務大臣 年金記録の問題についても、今一生懸命取り組んで、昨年七月五日の政府・与党の工程表に基づいて連日努力をしているところであります。その問題もきちんと努力をいたします。

 しかし、この天引きの問題は、仮に今委員がおっしゃったように天引きしないということになれば、では、それで保険料は支払わないでいいんですかということではありません。やはり保険料は支払わないといけません。そうすると、銀行の窓口に行くなり郵便局に行くなり、支払いの手間暇がかかります。ですから、そういう意味での利便性ということを考えてやっているわけでありますので、そのお気持ちはよくわかりますけれども、この二つの問題は別の問題であるというふうに思っております。

 それぞれの分野で、新しい医療制度についてきちんと周知徹底していない、またいろいろなところで保険証が届いていないとか、新しい制度の実施に伴うさまざまな混乱が生じていることに対しては、これは国民の皆さんに深くおわびをしないといけないと思います。そして、一つ一つそういうことに対して着実に対応していきたいというふうに思っております。

柚木委員 御答弁をいただきました。確かに、では保険料をどうするのかという中での利便性ということをおっしゃったわけですが、私は、やはり天引きは現段階では大変国民感情として受け入れがたいと思っております。

 天引きされることによってさまざまな不都合も生じるわけです。過大な天引きということも起こっておりますし、実際、天引きで二カ月分が引かれることによって生活に大きな影響を及ぼされている年金受給者の方もおられるわけです。そんな中で、これが天引きをされてしまうことによって生活が成り立たないから、例えばそれを分割で納めるとかあるいは御家族の方から借りてとかいろいろなことを、この間はやりくりをしてこられているところもあるわけですよね。

 ですから、そういった場合に、年金をもらう前に引いちゃいますよということであれば、現在の国民感情を勘案しても、そしてまた生活のやりくりを考えても、逆に何らかのインセンティブを与える、例えば自動引き落としの場合には減免措置を一定額行うとか、そういったことを、同じやるんだったらぜひ御検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

舛添国務大臣 介護保険制度の介護保険料についても同じような取り扱いを行っております。ですから、今言ったようなことが今回だけの特例でできるかというと、それは非常に困難だというふうに思います。

 そして、例えば、本当に生活に困っておられる方々、そういう方に対してはきちんとその方の立場に立って細やかな気配りをし、そしてしかるべき対応をとる。いろいろな減免措置を含めてありますので、ぜひ市町村の窓口に行かれてそれは対応していただきたいと思います。

 そしてまた、取り過ぎたりというようなミスが幾つかの市町村で起こっておりますけれども、これはきちんと指導してそういうことがないように、そして、取り過ぎたのは当然お戻ししないといけないわけですから、そういうことについては今後とも厳しく自治体を指導していきたいと思います。

柚木委員 ぜひそこは、今後とも厳しく指導という最後の部分をお願いしたいと思います。

 引き続きまして、与党の皆さんの中からも意見が出ている、低所得者層の中で負担がふえないと言っていた部分が、今回の制度改定の結果、自治体独自の支援措置が講じられないところも出てきたという中で、実際には負担がふえているところ、東京の事例もあれば名古屋の事例もあります。名古屋なんかでは、これまでは四千七百円だった方が二万三千百円、約五倍の負担増になる。このように、結果的に厚労省が言ったことと違った、言い方は悪いですけれども、うそを言ったことになっている点があるわけです。

 ですから大臣、こういう皆さんに対して、先ほど、おわび申し上げるということもありましたが、おわびをおっしゃっていただくとともに、まず、一体どれだけの負担増があるのか、その人数、金額、こういったものを実態調査していただいた上で今後の対応をお考えいただきたいと思うんですが、御答弁いただけますか。

舛添国務大臣 これはもう自治体によって今までも扱い方が違う、算定の方式も全部違う、そういう中で、一つ大きな問題は、市町村単位であったものが都道府県単位の広域連合になりました。

 そうしますと、東京都なんかは相対的に安かった。それで今度は、しかもこれは住民税頭割り方式の計算をしたものですからさらに相対的に重み感が増したわけですけれども、東京都は広域連合でこれは軽減措置をとるということに既に決めました。しかし、名古屋について言うと、名古屋市だけやると愛知県のほかの町はどうするんだということになった。名古屋は非常に低く抑えられていた。

 ですから、今回一般的な平均値で、大まかに言って国保方式は八割。その中で、平均値をとると大体皆さん安くなる方が多いですよということを申し上げたんですが、個々の国民の立場から見ると、例えば、本来自治体の補助がそこに入っていなければ四千円だったのが、自治体の補助が入っているので今まで二千円しか払っていなかったわけですね。今度四千円がまた仮にそのまま四千円になっても、名古屋の例のように特別な補助措置を加えなければ前の二千円じゃなくて四千円になる。そうすると、おお、倍になったじゃないか、こういう悲鳴が上がるわけでありますので、これはもう各自治体のそれぞれの方式によりけりであります。

 そういうことを含めた上でこの制度設計をきちんと、これは負担と給付がちゃんとわかるように、そして、お年寄りが一割、若い人が四割支える、税金で五割支える。そして、御高齢の方の保険をきちんと、事実上九割は外のお金で、これは本当に保険という制度なのかと言ってしまえばそれまでですけれども、何としても国民皆保険を守るための、財政的に見ても一つの手だてであるので、何かこの制度がもうすべて諸悪の根源のようなことをおっしゃる方がおられますけれども、さまざまな誤解にも基づいておりますので、私は、事実が間違っていればこれは正しく訂正をしていく。その上で、皆さん方のいろいろな貴重な意見も参考にしながらさらに改善して、これがよりよい制度となって定着するように今後とも努力を続けてまいります。

柚木委員 時間がございませんので、二つ、最後にまとめて伺いたいと思います。

 今の御答弁に関しては、一つだけお願いをしておきたいのは、これまでの自治体で行われていた軽減措置を、激変緩和といいますか、一定期間内においてだけでも継続されるような仕組みを、これは自治体が広域連合で主体的にやるという中ではありますが、ちょっと工夫、検討していただきたい。そのお願いはしておきたいと思います。

 最後に二つ伺います。

 皆保険制度を維持していくという観点からぜひこれはお願いをしたいんですが、一年間保険料未納であった場合の後期高齢者の保険の資格喪失、これはもう絶対にやめるべきだと思います。この資格証明書を持つ方々の受診率は一般の方の五十分の一ということでございまして、きょうの資料の二ページ目に新聞の報道もおつけしております。「自己負担の重荷」「払えず死ぬ悲劇」というようなことでございまして、これからこういったことが本当に大問題になってくるんじゃないかと思います。

 特に、例えば認知症の独居老人の方、こういった方々がふえてきているわけですね。実際に都市再生機構が運営管理する賃貸住宅の中ではこういった事例が、数も、あるいは実際に孤独死をしている方々の中でもそういった方々の比率がふえてきているということがございますから、まさに私は、日本の皆保険制度が高齢者の方々から崩壊をしてしまうんじゃないかという危機感を持っておりますので、この一年の後の保険証取り上げ、これをやめるということのお願いが一点。

 そして最後にもう一点。同じくこの後期高齢者医療制度の導入によって、障害を持たれている方々、これは最後の資料におつけしておりますが、強制加入というのが十の自治体において、道、県において行われております。同じ年代の健常者が払わなくてもいい保険料を障害のある方だと払わなければいけないのはいかにも理不尽でございまして、後期高齢者制度は任意といいながら、実際には入らないと全額自己負担となるのでもう入らざるを得ない。

 こうした強制的な不利益変更は制度のツケを障害のある方々に回すもので、到底容認できないと思っておりまして、これは強制加入させずに、負担のより少ない制度に入っていただける選択を実際にちゃんと行っていただけるように自治体に通知を出していただきたい。

 この二つをお願いして、御答弁をお願いいたします。

舛添国務大臣 後者の問題から申し上げますと、これは障害認定申請の撤回を行えばできるわけで、選択肢があるわけですから、自治体に対してきちんと指導をしてまいりたいというふうに、十の自治体については自治体独自の判断によって行っているわけで、それを指導をきちんとして、そういうことがないようにしてまいりたいと思います。

 それから、独居老人を含めてなんですが、要するに、これはやはり地域の介護力を高めないとそういうことが起こるので、きちんと介護をなさる方、地域の方々がそういう老人を見ていただくということが必要であって、そして、資格証明書というのは、機械的に発行することが目的ではなくて、何らかの事情によって保険料が払えません、その人をすぐ、もうあなたはだめですよというのではなくて、資格証明書を発行することによって、その前に御相談に来てください、そして、例えばこういう事情があるというときにはきちんと市町村で対応しますよ、そういうことの一歩としてそれをやっているわけですから、ぜひその制度の意図を酌んでいただいて、きめ細かな対応を市町村にやらせますので、ぜひその制度を活用していただきたい、むしろそういうふうに思っております。

柚木委員 ありがとうございました。

 心配は尽きませんが、ぜひ善処をお願いして、質問を終わります。

茂木委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時十八分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時二分開議

茂木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。山田正彦君。

山田委員 介護の現場は崩壊している、来年の四月の介護報酬改定まで待てないということで、民主党としては介護人材確保法案を出させていただきました。

 大臣、介護の現場が本当にどういう状況にあって、崩壊しているのかどうか、私も介護の現場をずっと歩いてみました。いろいろ資料を集めてみましたので、きょうはそれで大臣にしっかりと質問させていただきたい、そう思っております。

 この介護のグループホーム、資料一の一ですが、目を通していただきたいのですけれども、この中の最後から三番目のところ、(4)というのは夜勤なんです。そうすると、(4)の夜勤が第一週目は一週に三日、続いているんですね。さらに、二週目。一、二、三、四、五、六、七、八、九、十、十一、十二、十三、月のうちに十三日夜勤なんです。

 大臣、夜勤というのは、(4)ですから、十九時、夜の七時から翌朝の八時までなんです。これは私、行って、夜勤に当たってきた人に聞いてみたんですが、ほとんど休みはとれないと言うんですね。寝られないと言うんです、次から次に、介護老人というか、それがそれこそ、トイレに行きたい、起きるという形で。明け方に食事をつくって八時に出るわけですが、それで夜勤明けとなりますね。本来なら次の日、休日をとらなきゃいけないのです。ところが、十三日、続けて夜勤に当たらざるを得ない介護の現場。

 次に、これは東京の例なんですが、資料一の二です。これは、チェックしているところは外国人労働者だそうです。ほとんどこれも夜勤、夜勤、夜勤、夜勤なんです。

 ということは、こういう過酷な労働を強いられている、これは明らかに労働基準法違反なんですが、そこまでグループホームも介護の現場もそうあるということは、大臣、御存じだったでしょうか。

舛添国務大臣 私もずっと介護ということを大変大事な関心事として見てきております。すべての介護現場を回ったわけではありませんけれども、現場が大変だということはよく認識しているつもりでございます。

山田委員 現場が大変だということを認識している。大臣がただ認識していると言うだけで、大臣、本当に介護グループホームとか介護の現場を見に行って、実際に朝までおっていただきたいと思うのです。こういう夜勤が続くことによってどうなっているかというと、何か若い女性の方というのはほとんど生理がとまるというらしいんです。そして、これだけ夜勤が続けば、もう勤労意欲も失って、現実に過労死状態になりかねない。それでやめていくのは当然だ。

 大臣、いいですか、そういう夜勤の中でもう一つ問題があるんです。

 実は、特別養護老人ホーム、これは五十人ぐらいの老健施設と考えてください。五十人ぐらいのところに夜勤が二人つくわけですね。大臣、これは御存じですか。夜勤が二人ついて、それこそ一晩じゅう、老健施設に入っている方ですからかなりもう年配の方、八十とか九十とかという方で、例えば、トイレに夜中に起きる、そうすると、五十人からそれぞれ夜中に、頻尿というか、大臣も私もちょっと頻尿の気があると思うんだけれども、これはどうしたって、しょっちゅうトイレに行くとなると、五十人の人が一日三回から四回行くとしたら二百回です。

 それを二人でやるとしたら、どうなるか。実は、私が訪ねていった老健施設で、二人でやっていて、ナースコールが鳴って二人ともトイレにずっと連れていくわけですね。車いすに乗せて、そして、おトイレまで行ってさせるわけですが、二人がそれぞれやっているうちに、また三人目のナースコールが鳴るというわけです。だから、物理的に不可能なので、ちょっと待ってください、ちょっと待ってくださいと言っているうちに、ベッドから転げて骨折しちゃった。

 こういう事故は年間どれくらいの施設でどれくらい起こっていると、大臣、想像でしょうか。想像だけで結構です。資料があったらお答えください。それくらいのことは厚労省は当然資料を集めていなきゃいけない。資料があるかないかだけは答えてください。

舛添国務大臣 個々にどれだけあるかというのは私は知りません。そして、厚生労働省としても全体的な、網羅的な調査は行っていないということですけれども、これはもう全くわかりません。

山田委員 厚労省はそういう調査も行っていない。大臣、それでいいんですか。いいのか、悪いのか、どうさせるか。

 例えば、もう一度見てください、資料十の一です。「特養ホームで男性急死 栄養チューブ 肺に誤挿入 医療ミスの疑い」。新しく午後から追加させていただいている資料です。十の二「女性落とし死なす さくら苑 規則に反し一人で介護」これも十九年ですね。去年、十九年八月、同じように「入浴介護中八十九歳死亡 特養ホーム 床に落ち、頭を強打」。さらに十の三を見てください。これも十九年の九月です。「八王子 大腸にスプーン 特養の六十一歳、摘出後死亡」「スプーン誤飲 「認識なかった」 管理の不手際を謝罪」。これは放置されているんですね、大臣。

 骨折事故は、私がずっと聞き歩いた限りでは、グループホーム、例えば九人のグループホームでも一年に一件ぐらいやっているんじゃないでしょうか。ところが、大臣御承知のように、お年寄りの骨折というのはもう寝たきりになってしまう。大変なことなんですよ。

 大臣、そういうことが日常茶飯に行われている現場、これに対して責任感じませんか。どうしたらいいか。

舛添国務大臣 介護の現場でいろいろな問題が起こっているということ、こういうことを踏まえて、それは一つ一つ改善の努力をしていかないといけないと思います。

 先ほどのこういう事故の件数ですけれども、自治体に対して事業者が報告する義務ができております。しかし、それが都道府県そして国まで上がってこないということですから、これはちょっと早急に、今委員の御提言もありましたので、国としてそういう情報をきちんと収集できる体制を早急に検討してまいりたいと思います。

山田委員 これは人権にかかわる大変ゆゆしき問題で、ほとんどこれが表にあらわれることなくそのままに放置されてきている。先ほど大臣が、岡山の特老施設で虐待があった、虐待があったから取り消す、それこそ得意そうに言いましたが、それどころじゃないんです。虐待は日常茶飯なんです。死亡事故が、骨折事故がしょっちゅう起きている。これに対して厚労省として何らの調査もしていないという事実。ここはぜひ責任を持って、介護の現場がどうなるかということ。これも、人材が確保されていないからこういうことになってしまう。ここは大臣、お考えになってください。

 それから、今回の閣法でもって、コムスンの問題から、法令遵守担当者というのをそれぞれ置かなきゃいけない。そして、これは報告義務を課した。それはコムスンがこうなったからという形なんだけれども、これでより介護の現場は大変なんです。

 大臣、どういうことで大変かというと、私の資料の三を見てください。介護報酬を与えるについては、提供した介護サービスの内容について、そのサービスの内容を記帳して報告を上げなければ介護保険を上げられない、そうなっていますね。そうすると、この記帳義務、聞いてみました。これはかなり今大変なんですね。これは赤と黒で書いていまして、現場では、赤は夜中、昼間は黒で書いているということでした。かなり細かく書いているので、後で読んでいただければと思います。

 私の聞いたところでは、自治体によっては、介護労働者に対して、食事をするのにスプーンで何回やったか、そこまで書かせている。そして、実際にそれを見るこれは上級職の公務員というか、これを管理する、社会保険庁かどこか知りませんが、そこの現場からの声だと、我々、夜の十時、十一時まで記帳報告を見るのは大変だと。いろいろなもの、規制を、負担をかけ過ぎているんですよ、大臣。本当の介護に当たりたくても、こういうものを記帳しなければ、その記帳時間だけでどれくらいかかるか。大体、一日小一時間かかると言われています。これがまた介護労働を圧迫しているんです。

 さらに、今回の改正でもって、責任者を一人つけさせて法令遵守の報告義務を課す、大臣、これはいかがなことか。お答えいただきたい。

舛添国務大臣 委員、すべてはバランスの問題で、不正があった、不正は法令に基づいて厳しく取り締まらないといけない。しかし、先ほどのサービス提供した記録の記入が余りに煩瑣になって、これで介護のための時間が割かれるようであると、これは行き過ぎだと思います。

 しかし、何にもなくていいかというと、それはやはりどこでも、医療現場でも業務報告的なものは出していますので、それが行き過ぎにならない、そして介護の現場に御負担にならないというようなことである必要があるので、これは、ことしの二月に担当者の課長会議を都道府県の自治体を集めてやったときに、今のようなことで、極力事務負担の増加をまた招かないようにという指導をいたさせたところでありますので、今後さらにこういう指導をしていきたいと思います。

 コムスンのようなああいう事件が起こらなければいいんですけれども、まさに不正を働いた、これに対してある程度の歯どめも必要だろう、まさにそういう意味での法令遵守者ということでありますので、これがまた余り負担にならないように、そういういろいろな措置は考えておきたいと思います。

山田委員 大臣、こういう細かいスプーンの上げ下げまで報告義務を課しながら、骨折とかあるいは転落事故とか、そういう事故の調査結果を厚労省は一切把握していない、報告をさせていない。これはどういうことですか。むしろこっちの方をきちんと、そして自治体等含めて責任を持つという姿勢こそ、大臣、大事なんじゃないですか。

舛添国務大臣 スプーンの、何回口に運んだか、上げ下げまでというのは、それはその自治体がそういう指導をしていたかわかりませんけれども、厚生労働省としてこれこれをしなさいと言っているのは、サービス提供日、いつそういうサービスを提供しました、具体的なサービスの内容、利用者の心身の状況、その他必要な事項、その中にスプーンの回数まで書いてはありません。ですから、そういう余分なことがないように、過剰な負担にならない、これは指導をしたところであります。

 それからもう一つ、先ほどの骨折云々の例ですけれども、私も現実に経験がありますが、家族の立場から見ると、どうもこれはそういうことらしいと言うけれども、現場を見ていないんですね。そうすると、本当にその介護の人たちのミスでやったのか、これは全くお年寄りの本人のミスでなったのか、これはどちらも証拠がないんですね。そういうことで現場で非常に悩むこともあります。

 そういう意味では、それはできるだけ潤沢に人がいた方がいい。それで、先ほどのお手洗いの例でもいいんですが、結局、拘束しちゃうということ。おむつがなくて連れていけば行けるのに、お漏らししちゃったらいけないからおむつということになるので、なるべくそういう状況がないようにというふうに思いますけれども。

 もちろん、先ほど申し上げましたように自治体までは上がっていますから、これを集計する調査の努力はするように検討させますが、ただ、実態が、先ほどの新聞記事は明確にそういうことだというのがわかりますけれども、本当に、今度家族の立場から見たときになかなか実態がわからないということもあります。

 そういうことも含めて、これはきちんと、いろいろな今のような要素も含んだ上で、自治体から上がってきた情報について収集するように検討体制をつくりたいと思います。

山田委員 検討体制でなく、この委員会において、大臣、そういう介護業務においてどれくらいこの一年間にどういう事故が起こってどうなったかという調査をして、報告してもらえますか。

舛添国務大臣 各事業所がきちんと自治体に報告していれば、自治体というのは市町村です、そこまではあると思います。これを都道府県にまず集約し、四十七都道府県をこちらに集約する、それを早速今からやってみたいと思います。(山田委員「委員会に報告できるか」と呼ぶ)

 集計して、ちゃんと数字ができれば報告できると思います。やりたいと思います。

山田委員 先ほどの記帳もそうですが、本来の法令遵守義務者に対してさらに報告義務を課していることも、大臣、今ですら細かい規制をやっているんですね。例えば、この規制も机の上の規制なんです。

 この資料の二を見てください、大臣。私も一時間ぐらい説明を聞いたけれども、わからなかった。要介護一とか二とか三とかというのがあるんですが、部屋においても、個室から多床室からユニットの部屋から、それから、いわゆる生活保護世帯から非課税世帯からと四段階ぐらいに所得でも分かれて、それぞれによって、給食費まで、みんな金額が違っているんです。

 驚いたのは、私が丸をつけたところを見てください。介護保健施設サービス費、いわゆる居住費みたいなものですね。従来型個室の方が、いわゆる多床室、ベッドが二つか三つか四つかあるところよりも安くなっているんです。こんなばかな規制をいっぱいやっていて、現場がちっともわかっていない。現場の事務担当者は頭を抱えています。毎回毎回通達が変わって、通知が変わって、その中で矛盾することばかりで、一人の食費が千三百二十円だったらもう一人の食費が千二十円とか、それぞれ違っていて、どうしたらいいんですかと。

 これが官僚行政なんです。大臣、御存じでしたか。

舛添国務大臣 これは、介護給付の小委員会でいろいろな専門家の検討がありまして、そして、介護給付の見直しのときにどういう原則でどういう論理構造に基づいてやるかということでありまして、これは、実は十七年十月の見直しにおきまして、要するに在宅か施設か、いわゆるホテルコストはどうするかというのを我々も一生懸命、党の介護委員会でも厚生労働部会の中でも議論をいたしました。ここにおられる我が党の委員の皆さん方も一緒にやりましたけれども。

 そのときに、食費及び居住費、これはホテルコストとそのとき呼んでいました、それを原則利用者の負担とするということとしたんですね。在宅と施設の公平性ということは相当議論はいたしましたよ。それで、そのいわゆるホテルコストに相当する額を介護報酬から引き下げる、これは決めました。

 その中で、ホテルコストの居住費について、従来型の個室については、光熱水費プラス減価償却費のすべてを原則利用者負担として、その分を引き下げた。そこに丸を委員がつけていた多床室については、まあ、居住環境、個室じゃないということから、平均的な高齢者世帯の家計において御負担いただいている光熱費のみの利用者負担として、これを引き下げた。ということでありますから、引き下げ方が従来型個室の方が多床室より大きいことから、介護報酬の単価だけを比較した場合、多床室の方が高くなる。しかし、利用料として受領が認められている居住費、食費も含めれば、従来型個室にかかわる費用は多床室費用を上回る。

 そういう一連のステップを踏んでやったわけで、実を言うと、これはあのときも議論はありましたよ。ホテルコストは在宅と施設と比べてやはり不公平があっちゃいかぬということから実は始まっているんです。しかしその中で、では一人の個室とベッドが幾つかあるところと同じでいいか、またその議論が出てくる。だから、むしろそういう積み上げの議論でこういう形になったということをぜひ御理解いただきたいと思います。

山田委員 大臣、これは理解しろといったって理解できません。今、老健施設で、個室の方が安くて、個室じゃない、二、三人あるいは四、五人で入っている部屋の方が部屋の使用料が高い。これは一例なんです。大臣、現場に行って話を聞いてみてください、老健施設でも特別養護老人ホームでも。こういう矛盾が官僚仕事、お役所仕事でいっぱいあって、現場は全部泣いているんですよ、大臣。

 できるだけシンプルに、食事だって、金額がそれぞれ違うのを、現実にどうやって食事をつくれますか。介護の現場でそういう行政がまかり通っている。これがいわゆる介護の現場における事務負担の増大と、大変な負担をかけているということを、大臣、よく考えておいてください。大臣のことだから、そこはきちっとやっていただかないと、これはしつこく、いわゆる官僚行政の本当に矛盾といいますか、それは今大変なところまで来ているということ。

 それから、待ち時間というのですか、訪問介護等に行ったときにその方がいなかったら、訪問介護としての点数は得られない。介護一か二で、たまたまどこかに行ったりあるいは病院に行ったりしておって訪ねていっていなかったら、その報酬は得られない、これもまたおかしい。そして、ほとんどの介護施設が待ち時間を給料の中に入れておりません。在宅介護、在宅介護と言われますが、在宅介護までホームヘルパーさんが行くまでの運賃、これも支払いがされていないのがほとんどです。支払いしたくたってできないんです、介護報酬が安くて。

 そして、これはコムスンの四国の場合の事例なんですが、週に二回、訪問介護をやっておった、週二回で三万円いただいたんだけれども交通費が二万四千円かかりました、こういう報告がなされています。

 これでは、だれも介護の現場に勤める人はいなくなりますよね、大臣。もう何度も言われているように、労働そのものがきつい。これは大臣も自分でお母さんの介護をなさったからおわかりだと思いますけれども、大変な重労働です。みんな腰を痛めています。ほとんどの方が腰を痛めていますよね。そんな中で今言ったようなことがあったとしたら、やめていくのは当然でしょう。

 介護の現場は離職率が多い。どれくらいの離職率かというと、厚労省は二〇%と言ってきました。しかし、私が歩いたところでは、小さな介護グループホームとかいろいろなところでも、約二十人の職員で一年間にやめる人は少なくとも五、六人はいますと言うんです。適齢期になるともうやっていけない。

 例えば、私は田舎は九州、五島列島ですが、大学を出て介護福祉士になって勤めて、そして手取りが月に十一万か十二万なんです、それでようやく何とか生活できますが、これでは嫁ももらえませんと。九州とか北陸とか北海道というのは、東京とか大都市はそれよりちょっと高いようですが、やはり私、聞き合わせてみますと、それが相場のようですね。

 大臣は、そういう低賃金はどれくらいだと認識していますか。離職率はどれくらいだと認識していますか。大臣の認識でいい、厚労省のデータじゃなくて。

舛添国務大臣 まず、離職率がほかの職種に比べて高いことは、これはもうそのとおりであります。それから、賃金の水準もほかの職種の平均に比べて、これは統計のとり方にもよりけりです、というのは、定着率が、長ければそれは年功序列的に上がっていきますから、そういう条件を差し引いても、これは賃金水準が低い、そういうふうに私は考えております。

山田委員 どの程度の離職率で、どの程度一般労働者に比べて低いと大臣は認識されているか、その大臣の認識をお聞きしたい。

舛添国務大臣 ここに数字はあります。全体の離職率が一六・二%のところに、介護関係だと二〇・三%という数字がデータとしては出ております。

 したがって、離職率にしてもこれはほかの職種の平均に比べて高い、そして賃金の水準もほかの職種に比べて低い、そういうふうに私は認識しております。

山田委員 私は、先般、前の質問のときに、孤独死が何人いると思うかと聞いたら、あっちの大村だけで年間五十人も今いますからね、ところが、団地とかその他で三百五十人とか五百人とかという局長の答弁だった。変死の数からいったら五万から六万人は孤独死がふえたんです、この十年で。

 大臣、官僚の持ってくる、厚労省の持ってくる統計というのは、それは加工されたものだと私は思っています、言ってみれば。信用できないものだ、そう思っています。だから、大臣の認識がどれくらいにあるのかというのを聞きたかったんですよ。

 このまま二〇%の離職率を信じ、それで実際に低賃金です、低賃金です、それでデータでいくと、厚労省に私が聞いたら五七%、いわゆる全労働者の五七%しかありません、六割切っていますと言う。それはそれに近いかもしれませんが、現場はもっとひどいかもしれない。その辺の認識を、大臣、単に報告を聞くんじゃなくて、みずからが歩いて聞いて、大臣も国民の支持率が高いんだから、それならそれらしく、厚労省が上げてきたデータ等々で判断するのではなく、そこはしっかりと考えてもらいたい。

 賃金も安い、すべてがそういう中で、離職者も、どんどん減って、まともな介護が受けられなくなって、介護の現場はこの人手不足をどのようにして補っていくのか、いろいろ聞いてみました。

 私の回った五島列島の小さなグループホームで、施設長が、山田さん、フィリピン労働者いないでしょうかといって聞きました。まさかあんなところでフィリピン労働者がいないかと言われるとは思わなかった、田舎で、離島で。それくらい、離島ですらもう既にそれだけの人手がいなくなった。

 そうすると、都市部も含めてどうやっているかというと、私がいろいろ聞き合わせてみますと、いわゆる人材紹介、株式会社エス・エム・エスという会社があるようですが、大臣、御存じでしょうか。そういうところが、例えば、老健施設とか特老とかが、看護師さんとかいろいろなヘルパーさんとかを募集するときに、お願いするときにどれくらい金をかけているかわかりますかと言われて、お聞きしたんです。

    〔委員長退席、田村(憲)委員長代理着席〕

 そうしたら、資料五を見てください。募集条件でいろいろ書いています、関東、東海、関西、九州、平均。ヘルパーを一人雇うのに二十万かかるんですね。看護師一人雇うのに、これはそんなに金額は書いていませんけれども、実際には、有料職業紹介所、さっき言ったようなところは年俸の二割分の紹介料を取ると言っていましたから、どうしたって七十万から百万はかかるということなんです。これは「人材紹介」の中にも書いていますね。それでも来てくれればいいと言うんですね、来てくれれば。

 それで、今どうしているかというと、ナース人材バンクとか、そういう派遣会社に頼まざるを得なくなってしまった。僕は派遣会社が悪いとは言いませんよ。しかし、当然、派遣会社、今の状況では、日雇い登録派遣とか今やっていますが、これはいろいろな問題点があります。そういうところまで今来てしまった。

 そうすると、この介護の、特に訪問介護のなり手がなくて、今こういう派遣会社に頼んで、今度、介護を受ける、在宅介護を受ける人によっては来る人が毎日違う。しかも、全く違う職種の人が突然やってきて、訓練もされていないし、それこそちんぷんかんぷんなことをされて、もう来ないでほしい、そういう声があちこちで聞かれています。安易にこういう派遣で、低賃金で派遣というばかりとは限らないでしょうけれども、こういう状況を、今介護の現場で、特に訪問介護においてどのくらい派遣労働者がいるか、大臣の認識はどの程度でしょうか。どう思われていますか。

    〔田村(憲)委員長代理退席、委員長着席〕

舛添国務大臣 これまたデータ的には、いわゆるパート的な方々というのは約六割というデータはあります。しかし、人材難になると、どうしてもそういう派遣型も含めてやりくりしないといかないような状況になっているのではないかということは、これは十分想像できます。

山田委員 それに対してどうしたらいいと思いますか。端的にで結構です。

舛添国務大臣 それはもう先ほど来申し上げているように、総合的に、介護の現場で働く方々の待遇を改善する、それは賃金だけではなくて、労働環境その他、キャリアアップのシステム、研修制度、そういうことを含めて総合的にやっていく。それはもう基本的に、八月に福祉人材に関するガイドラインを出しましたので、そういうことを踏まえて、きちっと一つ一つ問題を解決していくしかないと思っております。

山田委員 大臣、資料の六を見てください。これは、平成十九年の長崎県の認知症高齢者グループホーム外部評価一覧表というものです。年に一回、第三者、部外者による評価をするというんですね。余計な制度をつくらされたものです。これは効果があるとは現場では全く思っていないようですが、それに幾ら我々はお金をかけていると思いますかと言われて、これは県に資料を出させました。

 そうすると、これで見てもらってもわかるとおり、これだけで十万から二十万、年に負担させて、さらにそれに交通費を支給させられている。そうなると、ただでさえ介護報酬が少なくて、グループホームとしてはやり切れない、やっておれないというような状況の中で、こういうことまで次々にいわゆる監督強化、監督強化というより、むしろ天下りをこれで助長したり、余計な出費を、負担をかけているとしか私には思えないんだけれども、これをやらせている。

 これについては大臣、こんな無意味な制度をやめさせる気はありませんか。一言でお答えください、あるかないか。

舛添国務大臣 私もこの制度はよく知っています。そして、今のような声があることも現場からよく聞いています。

 ただ、あくまでそれは経営している方々からの目線から見たときのことであって、私が利用者の立場から見たときに、どのグループホーム、どの施設、どの事業所がきちんとやっているかどうかの評価を知りたいんです。そういうためには、やはり外部の客観的な評価を得たい。それは利用者として当然考えることでありますから、いろいろ問題点があれば、それはそれを是正していきますけれども、利用者という立場から見たら、私はこれはそれなりの一つの意義があるというふうに思っております。

山田委員 大臣も、大臣の立場でこういうことはだめだとは言えないんでしょうけれども、さらにまた今回、規制強化して監督業務を、罰則を、連座制を適用しながら監督だけを厳しくして、事務負担だけを厳しくして、さらにその事務負担に伴う費用の負担だけを介護施設にかけて、それがだんだんと介護の人件費に圧縮されていく。それで、介護の人件費は、もう介護人材がいなくなるところまで来ました。

 その中で、私がいろいろケアマネジャーにお聞きしましたら、在宅介護のケアプランをつくる、ケアプランをつくって、どこどこの在宅介護で介護三、介護三だから日常生活できませんよね、やってくださいということでケアプランをつくっても、在宅介護をやる、訪問介護をやるところが、受けるところが現実にないというんです。それで、ケアマネジャーとしてはケアプランをつくれませんと。

 一体、そこでケアプランをつくれない、在宅介護も受けられない、そういった人たちは、そういった介護三、四という人たちは、今どうしているんでしょうか、大臣。どう思われますか。どういう生活を今余儀なくされているんでしょうか。大臣、考えて何らか回答をいただけませんか。

舛添国務大臣 介護のサービス、これは事業所を含めて、まさに地域格差を含めて偏在している、これは確かであります。それは医療サービスと全く同じ問題がそこにあると思います。

 したがって、それは、サービス提供者がいなければ、幾らシステム、制度があってもそのサービスは受けられないわけですから、介護保険制度が入って八年間、いろいろなひずみ、問題点のうちの一つが今委員が指摘したような問題であると思います。

 逆に今度は、過当な競争になっていっている地域も、これもまたあります。これは地域格差全体の問題としてもとらえる必要があると思いますし、まさにこういうところにメスを入れて、どういう形でサービス提供体制を維持するのか、それを本当に今真剣に検討しているところでありますし、来年の改定に向けて、まず実態をしっかり把握した上で、しかるべき手はきちんと打っていきたいと思っております。

山田委員 こういう方々も介護保険料をずっと払ってきたんです。今も払っていっているんです。それで、ケア、判定で介護三、四と認定された。介護保険料も払っているわけですから、やっと介護が受けられる。ところが、介護に来る人がいないから、ケアマネジャーもケアプランをつくれない、現実に介護が受けられない。

 そうしたら、大臣、将来何とかしたいじゃなくて、少なくとも、介護保険料をその人たちから取ることぐらいやめる措置をすぐにでもできませんか。何らかの形でできませんか。大臣、考えてみてください。

舛添国務大臣 先ほど医療の例を出しましたけれども、まさに病院がないと。全く同じであります。そうすると、そういう方々からも医療保険は一時とめるということになります。

 ただ、そういうぐらいに深刻であるということは非常に認識しておりますので、医療の現場、介護の現場、できるだけの努力は今もしておりますし、今後とも続けていきたいと思っております。

山田委員 大臣、もう一つ大きい問題があります。

 今、介護をやっているのは老世帯で、老老介護、いわゆる八十何歳のだんなさんに奥さんが七十八歳とか、よたよたしながら、本人も要支援でありながら介護を続けている。あるいは、私の知っているところで、娘さんがやむなく仕事をやめて戻ってきて、お父さんの介護にずっと当たっている。収入はどうしているんですかと言ったら、今までの貯金で今何とか、でも、お父さんはどこにも入れないし、養護老人ホームにも入れないし、そうするしかないと言っているんです。

 こういう現実があるわけですよ。それに対して、大臣、こういうまさに家族で介護を一生懸命やっている、そういう人たちに対して、国はどうしているかというと、私は驚いたんですが、同居の親族がいるところは、原則として訪問介護を受けられない、家族でやりなさいと。もっとひどいのは、ある自治体で、一キロ以内に親族がいたら訪問介護は受けられません、同一敷地内にいても当然のこと。そういう自治体があるんですよ、大臣。

 この訪問介護、介護保険制度というのは、社会的に介護を負担するということだったんでしょう。ところが、今や、もう一回家族に負担をかけている、しかも介護保険料を取りながら。大臣、それでいいんでしょうか。

舛添国務大臣 それでよくありません。

 私がいつも言っているのは、介護はプロに任せましょう、家族は愛情をとずっと言い続けてきた。だから、介護保険を入れると日本の伝統的な家族愛がなくなるなんと言った政治家がいますけれども、私は猛烈にそれに反対した。ドイツでは、家族が介護した場合に、その家族に現金給付をやる制度もあります。私はそれも一つの手かなと思いましたけれども、先ほど言ったように、日本の家族の美風を損なうなんと言う方がおられて、そこまではいきませんでした。

 しかし、今委員がおっしゃったように、まさに介護保険制度を入れたのは、介護の社会化ということであって、家族は介護するんじゃないんだ、プロがやるんだ、家族は愛情をということでありますから、今調べてみますと、確かに委員がおっしゃったように、自治体によっては機械的にそういうことをやっているところがあります。

 したがいまして、昨年十二月に、生活援助の今の問題に対して、自治体に対して通達を出しました。同居家族がいるからというただそれだけを一律に判断基準として介護給付の支給の可否を機械的に決めることはやるなということを、これは既に十二月に、徹底的に指導しろということを言ってありますので、もし、まだそれが徹底していないところが今でもあれば、これは直ちに是正をさせたいと思います。

山田委員 その通達を出したのが十二月二十日。私の手元にあります。ところが、その通達の内容もここにありますけれども、本当にやむを得ない場合、例えば同居の家族がずうっと朝から夜の二十二時まで働いたり、あるいは疾病を持っておったりしてできないような場合というふうに限られていますよね、この中身をよく読むと。

 そうすると、その次の日に大田区が出した通知、これを見ますと、相変わらず同じようなことがなされています。国の通知、これもその中身を詳細に読むと、前の通知、平成十三年に出した通知とほとんど変わりません。大臣、よくもう一回この二つの通知を読み直してみてください。

 ただ、言葉の先ではそう言っているけれども、大臣もいつもきれいごとは、こう言ったら大臣に失礼だけれども、私に言わせればきれいごとは言っても、現実は本当にそうじゃないんだ。家族の本当に大変な介護、それに対して大臣は現金給付ということを言われましたが、実は私も、我が党の中では、私個人としては、何らかの形、まずは介護保険料をその人たちからまで取っていることをやめようじゃないか。さらに、何らかの形の、現金給付まではいかなくても何らかの支援はできるんじゃないか。

 そして、あるいはそういった人たちが、家族でやりながら、さらにまたそういう公的介護を受けられるような、負担がそうかからないような形でのそういう新たな制度というものを、大臣、もう一回考えていただければなと私は思っているところであります。

 次に進ませていただきますが、大臣、介護がこうなったのは、〇三年に二・三ですか、介護報酬が下げられまして、〇六年に二・四%介護報酬が下げられました。それに原因もあるかと思いますが、それを期したように、〇三年と〇六年に介護の認定、介護四とか三とか二とか一とか要支援、これについて、コンピューターのソフト、いわゆる第一次判定の、質問したものをコンピューターに入れる内容のソフトが組みかわりました。大臣も御存じだったと思います。それは何のために、どうして行ったんでしょうか。

舛添国務大臣 これは、御承知のように、要介護一というのを要支援二と要介護一に分類をし直したということが一つであります。つまり、これは病気の場合もそうですけれども、治療から予防へという大きな流れをつくりたい。それで、新たな予防という概念を入れて、それで予防給付ということでありますので、要介護度二以下については、これは変更はございません。

 そういうことで、従来の要介護一を要介護一と要支援二に分けたということで、これは認知症の高齢者の方々の基準時間の設定をより綿密に、精密にしようというようなことも含めて、十五年においてまず精度の向上をやり、十八年において、今私は順序を逆に申し上げましたけれども、要介護一に新予防給付の要支援一と二を入れた、そういうことでございます。

山田委員 違います、大臣。これは実際は違います。大臣、私もいろいろ調べてみました。

 大臣は介護に当たっておられたというので、実は、きのう来た介護の担当の課長に、介護三というのはどういう症状かと聞いてみました。そうしたら、わからない。大臣はおわかりですか。わかっていたら、ちょっと教えてくれませんか。

 介護三がこのソフトで介護一になったんです。介護三の認定をされていたものが介護一になりました。そして、次の判定のときには介護枠外になってしまったんです。介護三の症状がどういうものか、大臣御存じのようですが、それをわかっていたら教えてください。これは私は調べ上げました。間違いありません。

舛添国務大臣 基本的に、それぞれのお年寄りの状況を見て、例えば要介護度五だったらもう寝たきりで、自分で何ができるかというようなことも、手足が自由でない。それから、例えば自分でお手洗いに行くことができるか、おむつを外すことができるか。それは一定の基準がありますが、その認定の上に、二次審査、三次審査というか、かかりつけ医や看護師たちのそれぞれの意見を聞いた上で細かく設定をするということですから、今委員がおっしゃった、何か三から一になったとおっしゃいましたかね、それが一律的に今回の改正がゆえになったというようには、私はそういう認識はしておりません。

 今、細かい認定の、どれとどれの項目があればどうだという一次判定の細かい内容はちょっと手元にありませんから正確に答えられませんが、十分、かかりつけ医なんかでもう一遍、二次的な、そして三次的な審査をやりますので、その場で本当に重い方々は救える。

 例えばこういうことがあるんですね。手足は自由かもしれないけれども、本当にマッチで火をつけちゃう。そうすると、これはかなり重く認定してもらわないと、物すごく手がかかります。そういうことも含めての総合判定なので、その総合判定が、今言った基準を変えることによって大幅に低くなったというのは、ちょっと私は、そういうふうには思っていません。

山田委員 介護の現場を歩かれれば、大概の人が、あの改正当時のソフトで、介護四が三になり、三が二になり、一になりというようなことは経験されたと思いますが、私も、二次判定のお医者さんからよく詳しく聞きました。あのソフトができてから我々医者は、この人は日常生活ができないのに何で三が一になるんだと、いつもいつも判定会議はそればっかり言っているんですと。その方はついにすべて外されてしまった。

 介護三というと、それこそ日常生活ができないから、そこからそこまでようやく車いすがあれば行けるぐらいで、トイレも入浴ももちろんできませんよね。食事も、目の前に持ってこられたら、こうするだけなんです。だから、もちろんぼろぼろこぼす。それが最後は介護ゼロ、介護の必要性がないと判定される。そういうソフトをつくり上げて、しかも、介護保険料は、最初二千九百十一円だったのが〇三年に平均三千二百九十三円、〇六年には四千九十円に上げられたんです。

 介護のサービスはどんどん受けられないほどになってしまったのに、介護保険料だけはどんどん上げてきた。さらに、二十一年にはもう一回上げるんでしょう。

 後期高齢者医療保険、これも最初は、二年前の法案審議するときは六千円を切っていたはずです、あのデータで見ると。それが六千円を超えて、後期高齢者は二年に一回見直しですから、どんどん上げていく。

 だから、本当にどう考えているのかわからないんです。

 大臣、もう一つぜひ聞いておきたいのは、後期高齢者医療保険制度がこの四月から適用されましたね。そうすると、老健施設とか特別養護老人ホーム、そういうところに入っている人はいわゆる老健の適用を受けられませんね。老健というのは、健康保険のいわゆる後期高齢者医療保険の適用は受けられるけれども、そこでの、例えばもっとわかりやすく言うと、大臣は御存じだと思いますが、老健施設においてお医者さんが一人常時配置されておりますけれども、そこで医療保険を扱えないから、注射を打ったり、治療したり、薬を飲ませたりすることは一切できませんよね。だから、今度、後期高齢者医療保険で、高齢者がみんな今度はそれぞれが六千幾ら、何がしかの負担をしたとしても、介護保険の範囲内でしか受けられないんです。

 これはおかしいじゃありませんか、大臣。医療が受けられないんです、これは。それでも後期高齢者医療保険を払っていかなきゃいけないんです。

舛添国務大臣 ちょっと山田委員の御質問の趣旨がよくわからないんですけれども、介護は介護保険でカバーできます、そして医療は医療保険でカバーできますから、そういうことはないと思いますけれども、そういう趣旨ですか。

山田委員 大臣、老健施設に入っていると、老健施設内で受けられるのは介護保険のみですね。そうでしょう。マルメです、介護保険のみの適用で。そうなると、例えば急に状態が悪くなって、すぐに注射を打たなきゃいけないとか、緊急の医療手当て、常勤の医者がいるわけですから、それをやろうとしても、そこでした治療行為、医療行為というのは医療保険の適用がないんです。これはわかっているでしょう。

 だから、どうしても医療保険を受けようと思ったら、その老健施設、特老施設から病院まで運ばなきゃいけないんです。いわゆる老健施設内での治療はできないんです、大臣。こんなばかなことがありますか。命にかかわることですよ。

舛添国務大臣 ちょっと委員、誤解があるのかなと思って、私が委員の今の趣旨を正確に理解しているという前提において申し上げますと、今、老人保健施設、老健の例を出されました。それで、介護保険でも投薬、注射、検査、処置程度は、これは介護保険の一部でカバーしますし、それから、例えばエックス線なんかの特殊なものは、これは医療保険でも適用がございます。ですから、医療保険が全く適用できないということはないシステムになっているはずでございます。

山田委員 それでは、大臣、現場の老健施設を回ってみてください。現場ではみんなできないできないと言っています。確かに介護保険の中で丸めて、投薬とか云々、できないことはないようです、私、調べたら。ところが、マルメですから金額が低い。そこまでの治療行為、あえて大きな赤字を負担してまで、老健施設は今でさえ経営が苦しいのに、やれない。いわゆる後期高齢者医療保険制度における包括医療制度と一緒なんですよ。どんな治療だってかかりつけ医がやろうと思えばできますといったって、上限が六千円で区切られておったら、それは糖尿病の注射をする治療だって、自己注射の指導だって医者はできなくなるんですよ。そうすると、糖尿病患者は後期高齢者医療保険制度でさらに悪くなっていくんです。腎透析を受けざるを得なくなってくる。

 そういう後期高齢者も、介護と医療保険との、老健施設、介護施設については大きな矛盾があるんです、大臣。ここをどうされるか、明確にその方向をお答えいただきたい。

舛添国務大臣 最初の部分の御質問ですけれども、老健施設に入っている方から、商品名は申し上げませんが、痴呆症によく効くと言われている薬があって、医療保険の適用が何とかできないか、ただ、老健側としては、経営がありますから、余りそちらを出せない、そういうような話があったのは確かに知っております。

 しかし、療養型の施設、老健施設、特養、それぞれで介護保険と医療保険の使い方、これの区分は明確になっているとともに、高齢者担当医、いわゆるかかりつけ医を指定することもできるし、そうしないこともできますし、治療について、今委員がおっしゃった包括払いということもできますし、出来高払いを続けることもできますので、今回の制度で選択肢が限られるということは私はないというふうに思っています。

 私は基本的に、介護にしても医療にしても、できるだけ国民の望む水準を維持することをまず第一に考えるべきで、医療水準を落とす、今までかかりつけ医に行ってこういう治療を受けられていたのに受けられなくなる、それは絶対に阻止しないといけない。その上で、では財源はどうするんですか、どういう形でこの体制を組むんですか、こういう問題が残ると思いますけれども、基本的な原則については、今までの医療水準、医療の中身、それが損なわれることはない、そのために全力を尽くしてまいりたいと思います。

山田委員 ことしは選択制にしたからそういう制度の適用は受けなくてもいいと言われました。確かに、この選択制にしたのは、法律や法律事項じゃありませんから、これは大臣の意向かもしれませんが、法律を通すときに、確かに我々はそこまで審議の対象にはしていなかった。それは法律の中には盛り込まれていない。

 しかし、実際に法律が通ってしまうと、いわゆる厚労省の通達でもって、政令でもってどんどん勝手にそういう包括医療、かかりつけ医、どうもこれは批判が強そうだから、ことしはまずは選択制にしておこうじゃないか。批判をかわしておいて、今回の高齢者医療保険も、これは国民の批判があるから、次の衆議院選挙が終わるまでは批判をかわしておこう、そのために選択制にしておこう。これは丸見えじゃありませんか。これはみんなわかっていますよ。いいですか、大臣。

 もう一つ、僕は聞き忘れたのでちょっと戻りますが、資料九の一を見てください。今、療養型ベッドがどんどん減らされて、脳梗塞、脳卒中、そういった人たちも、今回の診療報酬改定で八割が一般病棟から、入れなきゃいけないというのが外されたから、ますますさらに、いわゆる障害者になっている人たち、脳卒中、心筋梗塞とか、いろいろな形で後遺症を持った人たちというのは行くところがなくなってきたわけです。

 それで、今、特老の待ちが三十八万床ということなんですが、その特老、これが資料九の一、職員不足による一部ベッドの閉鎖状況、横浜市内なんです。これは、新型特養全二十五施設のうちの約半分が職員不足のために開設できないんです。

 次の九の二を見てください。平成十九年度開所八施設のうち五施設が全ベッドを活用できないんです。この介護人材の不足は、先ほどから言っている介護難民を受け入れることすらできず、かつ、介護難民だけじゃなく、療養型ベッドを追い出される人たちの受け入れ場所もなくなって、まさに自宅に戻されて、安楽死を安易に勧められていっているということになるんです、大臣。これはどう思いますか。

舛添国務大臣 これは横浜の例を今委員の資料で見させていただいていますが、先般、東京都の社会福祉協議会の方々がこういう問題について私のところに来られたときに議論していましたら、神奈川の特養について、職員の不足によりベッドが活用できていないというお話を、今委員がお示しになったことは、これはそのときにお伺いいたしました。

 まさにこういうことがあっちゃいけないわけですから、介護サービスをきちんとするためにも、こういう支障が生じていれば、先ほど来申し上げていますように、総合的な対策を早急に打って、こういうことがないように引き続き努力をしてまいりたいと思います。

山田委員 大臣、もう一つ聞いておきたい。私の出している資料の七の一と二を見てください。

 今度の後期高齢者医療保険制度で、これは「終末期の判断」というものです。これは、終末期は治療効果が期待できず、予測された死への対応が必要となってくるとありますが、その中で、予測される生存期間、二週間とか一カ月とか、そして本人のリビングウイルがありますが、次のページ、書式を見てください。輸液、希望する、しない。中心静脈栄養、希望する、しない。まさに、延命治療をやめさせるということですよね。延命治療をやめさせるということは、八十から九十になって急変して終末期になった人にその意思をまずはかり知ることができるかというと、これは無理だと思います。

 私も弁護士をしておりますが、刑法の中で尊厳死の要件というのは非常に厳しい。大臣も御存じだと思います。家族の同意も、本人の推測できる意思も、そして、絶対もう不治の病で終期、終末が近いというかなり限定された場合にだけ尊厳死は認められると思っています。ところが、終末期の定義すらなく安易にこの延命治療を認めるというのは、まさに、うば捨て山で早く死になさいということと一緒なんですね。

 時間がなくなったので最後に申しておきますが、実は大臣、いろいろ私も調べました。なぜこんなに金がかかるのか、なぜ金がないからこんなことをやらなきゃいけないのか、大臣、いろいろな方がそう言われます。

 では、厚生労働省の天下りの団体、これが幾らあるのか、きのう、教えなさい、あした質問するから持ってきなさい、そう言ったら、私にその厚労省担当者が何と言ったかというと、そういうものは厚労省としてありません。ところが、私はうちの長妻議員から手に入れておりましたので、本当にないのかと言ったら、はいと言うんです。ここにあるぞ。ここにあるんですよ全部、大臣見てください、これ。大村筆頭に電話を入れたら、大村筆頭が向こうの官房長に入れて、けさ持ってきたのがこの資料なんです。

 ただ、私は思いました。実は、私が言ったときに、出してこいと言って出した資料というのがあるんですが、その中で、七百二十四、いわゆる厚労省の天下りがあって、いろいろな社団法人、財団法人、社会福祉法人こどもの国協会とかいっぱいあるんですが、それが全部で七百二十四あって、そこに使われている天下りのためのお金が全部で四千八百十億なんです。この資料八の一を見てください。これは、長妻さんの方で私の方に提供していただいた資料です。

 そして、けさ、やかましく言ったら厚労省が持ってきた資料です。これで見ますと、驚きました。もう時間がないので一方的に話させていただきますが、実は全部で千百二十あったんですね。何と、天下りしている人だけで百十一と四百六十四、いわゆる監事とか評議員まで入れると千七百七十九人いるわけですから、こういったものをすべてやめれば、後期高齢者医療保険制度は全くやらなくて済むんです。

 さらにもう一つ、最後に言っておきます。全体で天下りがどれだけいるのかということです。これも我が党の長妻議員から調べていただいた衆議院の予備的調査ですが、いいですか、〇七年四月一日現在、四千六百九十六法人があって、二万六千六百三十二名の官僚の天下りに給料が払われていって、そういったお金、税金が使われている金額は全部で十二・六兆円だというんです。

 こんなことを改めないで、さっき大臣が言ったように、医療、介護、これを受けられない難民、ベッドから追われている、病気、そして、それぞれの人がそれこそ自宅で栄養ドリンクを二、三本転がしているだけで、一週間水しか飲まずに死んでいる人たちが五万人から六万人いる現実、これを考えてぜひ是正していただきたいと思います。

 長くなりました。私の質問を終わります。

茂木委員長 次に、園田康博君。

園田(康)委員 民主党の園田康博でございます。

 引き続きまして、内閣提出の介護保険法の一部を改正する法律案につきまして、関連をいたしまして質問をさせていただきたいと思います。

 私が質問通告をさせていただいている内容の前に、きのうのレクの中で、離職者、離職率について、先ほども少し議論がなっておりまして、大臣、恐縮でございますが、資料を先ほどごらんいただいていたと思いますけれども、その離職率、それをちょっと念頭に置いていただきながら、一問だけ通告外の質問をさせていただきたいと思います。

 これは、私がきのうレクのときにも職業安定局の方から、今までの離職率は一体どのような形で推移はなっていますかというふうに申し上げて、その資料請求をさせていただきましたので、この数字は恐らく担当の方もお持ちをいただいているであろうというふうに思っております。

 大臣、先ほど、山田委員との質疑の中で議論になっておりました、この離職率が他の全労働者に比べてやはり高いという状況をおっしゃっていただきました。その数字をいきますと、恐らく大臣が持っていらっしゃるのはこの数字ではないかなと思うんですが、大臣、間違っていたら後で御訂正をいただきたいと思うんです。

 それは、いわゆる訪問介護員と介護職員の離職率が二〇・二%で、その振り分けは、正社員が一六・八%、そして非正社員が二二・二%となっていると思うんです。そして、全労働者、他の産業の離職率をいきますと、全体で一七・五%。そして、そのうち一般労働者とパートタイム労働者の割合が書いてあるんですが、一般労働者でいきますと一三・八%、パートタイム労働者でいきますと三〇・三%、恐らくこの数字ではなかったかなと思うんです。

 ところが、今、担当の方、政府参考人の方でも結構なんですが、私にいただいた数字でいきますと、過去五年間を振り返ってこれを持ってきてくださいというふうに申し上げたら、恐らく先ほどの二〇・二%というふうに申し上げたのは十七年調査で出てきた数字であって、十八年度の公表の数字ではないかというふうに思うんですが、ちなみに、十八年調査で十九年度公表の数字は幾つになっておりますでしょうか。

岡崎政府参考人 平成十八年度の雇用動向調査の結果によりますと、介護職員につきまして、全体での離職率が二〇・三%。全産業は一六・二でありますから、これより約四%、ポイントが高いということであります。

 正社員、非正社員の別で見ますと、介護職員の正社員が二一・七%、非正社員が二七・三%、ホームヘルパーの場合が、正社員が一九・六%、非正社員が一四・〇%です。それで、全産業の平均ですと、正社員が一三・一%、非正社員が二六・三%という数字でございます。

園田(康)委員 ありがとうございます。

 私もいただいておりましたので、もう一度整理をさせていただきますと、大臣、まず、全体の離職率でいきますと、一昨年の公表よりもやはりさらに悪化をしているんですね。この認識はもう皆さんもお持ちをいただいているであろうというふうに思っております。十六年調査からしますと若干改善は一たんはしているわけでございますけれども、しかしながら、一昨年、そしてそこから昨年に向けてやはりポイントが上がってしまっているという状況にあろうかと思います。

 ところが、この中で、私がちょっと気になったというか、数字的に言えば〇・一ポイントしか上がっていないというふうに思われがちなんですが、実は、内容をよく見ますとこういうことなんですね。

 十七年調査でいきますと、正社員が一六・八%から二一・四%に上がっているんですね。そして、非正社員の場合は二二・二%から一九・五%、こちらは若干改善、改善といってもそんなに変わりはないわけでありますけれども、むしろ、私も感覚的に、正社員よりパート的なところが悪くなっているんではないかというような感触を持っていたんですが、実は、正社員の一六・八%から二一・四%、正社員そのものが、正規雇用が悪くなった。離職をされる方々が、すなわち、もう平たく言ってしまうと、正社員でやっておられる方が、ついにこの介護の状況の中ではもうやっていけないと。

 今までは、パートで、若干ボランティア的なところから始まって、しかしながら、この保険制度をしっかりと担っていこうということで地域で頑張っておられる方々、でもやはり待遇が悪い、どうしてもそこで引き続き続けていくことができないというところから一年以内で離職をしてしまうという状況であったんだろうなというふうに思っていたんですけれども、そういうわけではなくて、正社員ですら、それでもしっかりとした待遇を受けている方でも、ついにこの状況から、やはり離職せざるを得ない状況にいってしまったのではないか。私は、これはもっと実態を調査しなければいけないというふうに思っておりますけれども、数字から見ると正社員の離職率が一段と高くなっている、このことに危機感を持っていただきたいなというふうに思っておるんです。

 大臣、この数字を改めてごらんいただいて、もし御感想があればお聞かせをいただきたいと思います。

舛添国務大臣 委員、済みません。私のところには現段階しかなくて、今委員がおっしゃった二二から一九・五に非正社員が減っているという、これは数字が正しいかどうか、ちょっと政府委員の方に確認させたいと思いますが、よろしゅうございますか。(園田(康)委員「はい」と呼ぶ)

岡崎政府参考人 済みません。十八年につきましては、正社員が二一・七%だと思います。(園田(康)委員「二一・四が正社員」と呼ぶ)正社員の介護職員は二一・七%だというふうに思いますが、先生、違う数字を……

茂木委員長 今言っていたのは、正社員の方が二一・四%、そして、非正社員の方が一九・五%という話でした。違うんですか。

岡崎政府参考人 ちょっと確認しますので、済みません。

舛添国務大臣 済みません。ちょっと私どもが持っている数字と違いますが、いずれにしましても、私が今問題にしたかったのは、非正社員が改善している数字をおっしゃったんですが、そうかなという気が若干したものですから確認したかったんです。

 いずれにしても、問題意識の点では委員と私も共通のを持っておりまして、まさに、パートの人が離職するというのはそれは常識的に考えてよくあり得る、しかし、まさに正社員としてきちっと入った人までが離職率が高くなっている、これが問題だというのが最大のポイントでおっしゃったんだと思います。

 実は、それは非常に大きな問題で、志を持って頑張ってやろうといって入ったのに、そしてきちんと正社員になったのに結局定着しない。それはやはり、入ってみて現実が余りに厳しい。そして、先ほど来、どなたかの質問にもありましたけれども、では、結婚したい、しかしこれで結婚して家庭を築けるだろうかというと、もう愕然ときて、これはもう自分の初志を貫徹したいんだけれども転職せざるを得ない。そういう非常に厳しい状況があるということを、私もそれは認識をしております。

 そして、後ほど正確な数字が出れば、委員会中に出なければまた後日にでもお持ちしたいと思います。

園田(康)委員 ありがとうございます。

 数字は後ほど、後ほどといっても、この委員会が終わってからでも結構でございます。私が、これは昨日、職業安定局の方からいただいている表がありましたので、それを御披瀝させていただいたということでございます。

 すなわち、今大臣もおっしゃっていただきました、正社員、希望を持って入ってきたにもかかわらず、それが、いわば夢破れてではありませんけれども、余りの待遇の悪さ、こういったことに、実はこの間のこの委員会でも、参考人で来ていただいた皆様からも希望から絶望に変わってしまったというお言葉がその中で聞かれたわけなんですね。

 したがって、そういう働いている方々が本当に絶望視をしなければならないほどまで厳しい状況になってしまったという労働環境にあるんだということを、こればかりでは恐らくないだろうと思いますけれども、やはり、この介護保険制度をきちっと担っていただける方々、そういった方々にも希望を持って行っていただけるような、そういう制度へとさらに、またさまざまな問題点があればここで解決をしていかなければならないというところでございます。

 私どもも何度も申し上げさせていただいておりますけれども、当然ながら、賃金を上げるだけが今回の対応策ではないというふうに思っておりますし、また、先日の参考人の方々からも、賃金は確かに上がってほしい、それと同時に、その周りの労働環境もあわせて上げてほしい、キャリアアップあるいはそういったステップアップができる、そういう状況も、働く現場としてはつくってもらいたいというようなお話であったというふうに思っております。

 言葉としては、まるで介護が社会の嫁になってしまっているんではないか、そういうふうに担われているという感があるのではないかと。そういう社会の嫁という言葉を使われてまでも、その現状をお訴えになられたというふうに私は受けとめさせていただいたところでございます。大臣も、昨年の九月二十日に、高齢社会をよくする女性の会の方からも恐らく直接受けとめていらっしゃるというふうに思っておりますので、ここでは繰り返しをいたしませんけれども、それを受けて、私どもも同じく受けさせていただきましたので、何とか一刻も早く改善策を考えてはというところでございました。

 先般、参考人の質疑の中でも、一部与党の皆さんからもこの点については評価をしていたところがございました。それは、これもやはり高齢社会をよくする女性の会の提言の中に入っていたわけでありますけれども、「事業所は経営に関する情報公表をすすめるとともに、」、これはすなわち、今政府でも、公表を、しっかりと透明性のある運営をしていただくということで働きかけをしていただいているわけでありますけれども、それとともに、「介護報酬の一定比率を介護従事者の賃金として確保するよう基準を定め遵守し、公表することを望みます。」という提言に際しまして、こういった前向きな提言も一つあるのではないかというお話でございました。

 それが今後どういう形で内容あるものになっていくのか、やはり私どもも今回の人材確保法を提案させていただきながらも、そういった与党の皆さんからの御提案もしっかりと話し合い等も進めながら、もし何らかの結論を見出すことができれば、一刻も早くこれは結論を見出していきたいと思っておりますけれども、そういう形になればいいのではないかというふうに思っておるところでございます。

 これは、それに先立ちまして、先ほどちょっと私も答弁の中でも触れさせていただきましたけれども、大臣の御答弁の中からもさまざま出てまいりましたけれども、昨年の八月に出されました基本指針がございます。これは社会福祉法の八十九条の規定から当初始まっていたわけでございますけれども、それからもう十五年近くがたちまして、当初平成五年に出されましてから一度、二度と見直しが行われて、昨年さらに見直しが行われた。その冊子を私も読ませていただいておるところでございますが、実にすばらしいことを書いてあるというふうにまず私は受けとめさせていただきました。

 その前文の中で、近年の我が国においての少子化の進行であるとか世帯構成の変化であるとか、あるいは国民のライフスタイルの多様化等により、こういった国民の福祉や介護サービスへのニーズが増大するというところをまず御認識していただいている。

 「他方、少子高齢化の進行等の下で、十五歳から六十四歳までの者の減少に伴い、労働力人口も減少が見込まれる一方、近年の景気回復に伴い、」、去年でありますけれども、「近年の景気回復に伴い、他の分野における採用意欲も増大している。」そして、「また、福祉・介護サービス分野においては、高い離職率と相まって、」、今御指摘をさせていただいた点ですね、「常態的に求人募集が行われ、一部の地域や事業所では人手不足が生じているとの指摘もある。このような状況を考慮すると、福祉・介護サービス分野は最も人材の確保に真剣に取り組んでいかなければならない分野の一つであり、」、最も人材の確保に真剣に取り組まなければいけないということ。

 それから、「福祉・介護サービスの仕事がこうした少子高齢社会を支える働きがいのある、魅力ある職業として社会的に認知され、今後さらに拡大する福祉・介護ニーズに対応できる質の高い人材を安定的に確保していくことが、今や国民生活に関わる喫緊の課題である。」ここまでこの指針でもおっしゃっておられるということでございます。

 したがって、私どもも、さまざまな、なぜ介護だけだというお話もいただいておりましたけれども、ここの指針からすると、福祉あるいは介護、そういったものを、しっかりと国民のニーズにこたえるために、この指針に基づいて解決をしていかなければならない喫緊の課題であるという形、これをとっていただいているわけでございますので、私は大臣とも、この指針、全くもって変わらず共有をさせていただいているというふうに思っておるところでございますけれども、この点について大臣はどのようにお考えでしょうか。

舛添国務大臣 今委員が引用してくださったように、基本的にその指針に基づいて施策をやる、その一部は二十年度の予算にももう既に反映され、実行に移しているところであります。

 十年ぐらい前でしたか、介護の勉強をやるんだということで、若者たちがそういう社会福祉のところに入ってくる、そういう若者に私が若干レクチャーをしたりいろいろな議論をしたりして、これだけの若者が入ってくれる、本当にうれしいことだと思って、では、十年たって、その人たちがきちんと定着しているのかな、もし離職していると本当に悲しいことだなと。だんだん景気がよくなっていくと、どうしても賃金のいいところに行きがちになってくる、これはある意味でしようがないことであります。

 しかし、賃金のみならず待遇の改善をきちんとやはりやっていかないと、介護の現場が本当に悲鳴を上げているということですから、まさに医療の現場も同じことがあるので、これも今同時進行でやっていますけれども、介護の方についても、その指針に基づいてきちんと対応をとってまいりたいと思っております。

園田(康)委員 だからこそ、苦言というところではちょっと失礼かもしれませんので、願わくばというところで、本来ならば、これは昨年の八月の段階でこういう指摘もあって、審議会でもお話がなされていたわけでありますので、今般の平成二十年度の予算の中にも組み込んでいるというふうにおっしゃっていただいてはおりますけれども、また後でちょっと事務方の方とのお話の中でぜひ聞いておいていただきたいのは、それでもやはり介護を支えるさまざまな助成金なども一方では削られてきている。これは財務省との話の中で出てきてしまったんだろうなというところはあるんですけれども、やはりもう少し頑張っていただきたい、そのための政策的な部分でいくならば、どんどんどんどん、私どもも提案という形でさせていただきたいというふうに思っております。

 この指針の中で、幾つか確認をさせていただきたいと思っております。

 この指針は確かに大変よくできているなというふうに思っておりまして、さまざまな今の現状を整理しながら、では、どういう視点からこの改正、改革を行っていくのか、どういう取り組みをしていけばいいのかというところが事細かに整理をされているというふうに思っております。

 具体的対策を着実に講ずるというところから、第一、第二、第三という形でさまざまの施策が挙げられているわけでございます。そのうち第三のところで、では、実際に人材の確保の方策としてどういったものをやるんだというところで、先ほど来お話が出ているように、労働環境の整備推進、これは当然ながら、与野党を問わず、皆、委員は指摘をしていただいているというところでございます。

 とりわけ、やはり、この指針の中でさえまず第一番に掲げられたのが「給与等」なんですね。すなわち、ここで三つの観点から給与に関する方策を考えられているというところでありますけれども、第一として、いわゆる「キャリアと能力に見合う給与体系の構築等を図るとともに、他の分野における労働者の給与水準、地域の給与水準等も踏まえ、適切な給与水準を確保すること。」まずここからがこの指針の具体的な方策としてスタートになっているというところでございます。

 ここでこれを挙げられているということを踏まえて、さらに、「なお、給与体系の検討に当たっては、国家公務員の福祉職俸給表等も参考とすること。」という形で、これはいわば一義的には経営者あるいは関係団体の責務ではありませんけれども、そこに取り組んでもらいたいというようなことになっているわけであります。

 ここで国家公務員の福祉職の俸給表を参考として持ってきたということはどういう経緯があったのか、ちょっと事務方からの御説明をいただければなと思います。

中村政府参考人 委員から、指針のつくられた経緯の中で、ここの「国家公務員の福祉職俸給表等も参考とすること。」ということについての経緯についてお尋ねがございましたので、お答え申し上げます。

 この指針を策定するに当たりましては、社会保障審議会福祉部会の意見を聞くとともに、法律では、総務大臣にも協議し決められるというような形になっております。また、私ども、この指針を定める際にはパブリックコメント等も実施いたしました。それで、審議会の中間的な議論でパブリックコメントをかけましたところ、国家公務員の給与体系についても給与を定める際に参考にすべきではないか、パブリックコメントでこういう意見をちょうだいいたしました。

 これは、前の指針が、措置制度の時代でございましたけれども、前の指針の給与のところで、職務内容、国家公務員の給与水準及び地域の賃金状況を勘案するなどというふうに書かれていた。介護保険や障害者自立支援法などが動き出しまして、措置費のシェアが八%になっているということではございますけれども、そういう経過の中で、国家公務員の給与水準ということを勘案したモデル賃金表を策定すべきだという、国民から寄せられた御意見もございました。

 また、福祉部会の中では、委員の中からは、本来、民間事業者の給与というのは、国家公務員の給与というのは民間準拠という考え方で決められているということからすると、むしろ、民間の給与水準を国家公務員の給与で定めるに当たっては本末転倒になってしまうのではないかという御意見も出され、議論になったところでございますが、座長の方から、国家公務員の俸給表を使えとは書いていないので、それを考慮してという意味で書かれているということ、パブリックコメントでもそういう意見が寄せられたということ、また、給与体系の検討に当たってはということでございますので、例えば初任給を高目にして、国家公務員の福祉職俸給表は初任給が高目になっていて、勤務年数に応じての上がり方はなだらかになっている、そのシステムを参考にするという意味もあるわけなので、こういうような形で定めてはどうかということで、福祉部会でも、そのような議論を踏まえてこのような表現になっているということでございます。

園田(康)委員 ありがとうございます。

 措置制度の時代のさまざまな議論というものは、他の委員からもいろいろな勉強会などで聞かせていただきながら、私も勉強させていただいたわけでありますけれども、私は、国の役割というものをここに来てもう一度見詰め直していただきたい。先ほど大臣もおっしゃっていただきました、介護保険制度というものが、介護の社会化という形で、社会みんなで、国民で支えていこうではないか、だからこそ、この保険制度が我が国として導入をされてきた経緯の中にもあったんだというお話もいただきました。

 確かに、この制度がスタートするときというのはそれでよかったであろうし、保険を払うと同時に、お互いに社会で支え合いながらこの制度を構築していこうというふうに思っていたわけであります。

 しかしながら、これから先のことを考えて、それですべて、では、このままでいけるのかというところになると、これからやはり頑張っていかなければいけないのはわかるんですけれども、まだまだ不安材料が確かに残っている。だからこそ、消費税論議も含めてお話があるというところであるならば、単なる保険だけをもってこの制度を維持継続させていくということにこのまま固執していていいのだろうかというところはあるんだろうと思います。

 したがって、今回は私どもは、この制度そのものからすると、そこから逸脱、与党の皆さんからいえば、ちょっと突拍子もない提案であったかもしれませんけれども、しかしながら、その制度の枠外で緊急避難的に国費、公費というものを投入することによって、しかもそれが、国の責任でこの制度をスタートさせたわけですから、いわば国の責任できちっとこの制度を維持していくんですよというところは、どこかで制度としてあってもよかったのではなかろうかというところで、いわば全額税の公費の投入という形をもって、人材確保のための何かインセンティブになる制度はつくれないだろうかというふうに考えたわけでございます。

 したがって、今回、この指針の中のつくられ方も、いわば国の責任というものがもう少しあっていいのではないかなというふうに私は思っております。今回、これはこれで、経営者あるいは関係団体に対して適切な給与水準の確保をすることというふうになっておりますけれども、その根底には、国としてきちっと責任ある仕組みというものが何かあってしかるべきではなかったのかなというふうに思っておるところでございます。

 そこで、国の役割として、これは三番目のウのところにあるんですけれども、「従事者の定着の状況等を勘案し、必要に応じ、従事者に対する事業収入の配分の状況についての実態を把握し、」というふうに書かれております。そして、その実態把握をした上で、「福祉・介護サービス分野における経営者の全般的な状況や個別の優良事例等を公表すること。」という形で、これは国の役割として書かれているわけでございますけれども、この実態把握に対する施策というものはどのようなものがあったでしょうか。

阿曽沼政府参考人 お答えを申し上げます。

 この指針の中におきまして、御指摘ございましたように、従事者の定着の状況等を勘案し、必要に応じて、従事者に対する事業収入の配分の状況について実態を把握するというふうにされております。

 それで、今現在、平成二十年度の介護事業の経営実態調査もしております。その中で、介護労働者の実態、さらには経営実態ということで、介護事業所ごとの介護事業費用に占める給与費の割合でございますとか、あるいは介護サービス種類ごとの職種別の一人当たり平均賃金について把握をしておりますので、その結果を踏まえて対応していきたいと思っております。

園田(康)委員 ありがとうございます。

 こういったものはやはりもっと早くやっていただきたいなというふうに思っておりますので、ぜひお願いを申し上げたいと思います。

 そして、一問飛ばしましたので、もう一度戻らせていただきますけれども、国の役割、この指針の中には、二十六ページでありますけれども、「国の役割」として、「国は、事業に係る費用の一部を負担するとともに、」というふうに、きちっとここで明記をされているわけですね。したがって、「福祉・介護制度等の制度を企画立案し、」これは当然のことでありますけれども、「基準・報酬等を策定する」というふうになっているわけでありますので、私は、この基準の中には、当然ながら、介護労働者のためのそういった賃金等も含まれてしかるべきではないかというふうに思っているわけでありますけれども、その点の解釈はどのように考えていらっしゃいますでしょうか。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘ございましたように、この指針は、人材確保の方策をそれぞれの取り組み主体がきちんと行うようにするため、第三、人材の確保のところに、先ほど委員が御指摘いただきました給与等についても、ア、イ、ウとございますが、それぞれの事項で、どの主体が実際主な働きをなすべきかということで、特に、適切な給与水準を確保することは経営者の役割としてお願いしているところでございます。

 この指針は、そういうことを個別具体的に書いた後、委員が今御指摘ございましたように、第四のところで、それぞれ、経営者、関係団体及び国、地方公共団体の役割と国民の役割ということで、改めて、各事項について触れたものを、さらに主体別に基本的な考え方を書かせていただいているところでございます。

 当然、国の役割としては、事業に係る費用を国庫負担という形で負担しておりますし、福祉・介護制度の企画立案をし、基準、報酬を策定するという役割を担っておりますので、基準、報酬等についてはきちんとやっていく責務を負っていると思います。

 ここで考えております報酬は、介護報酬でございますとか、障害者自立支援法で規定しております、事業者に対するいわゆる福祉の報酬を考えているところでございます。基準は、福祉・介護関係法令に基づいて、国、厚生労働省が定めるべきいわゆる施設の最低基準や指定基準等を考えております。

 今委員から、給与に対して基準を設けるべきではないかというお話がございます。労働法制に基づいて、最低賃金でございますとか、あるいは勤務時間について労働基準法の適用などがあるということは当然でございまして、そういうことも含めて国は、基準になると思いますが、事業者に対しまして適用するような基準をこの福祉・介護関係の法令の基準として決めることは、一般に、給与は経営者と労働者の雇用契約により決定されるという大原則がありますので、その点についてはなかなか難しいのではないかと私どもは考えているところでございます。

茂木委員長 局長、最後の恐らく三十秒ぐらいのところで答えになっていますから、簡潔に答えてください。

園田(康)委員 ありがとうございます。

 やはり私どもは、確かに局長のおっしゃるように、これは民間同士の契約ということでありますので、それはそれで仕方のない話かもしれませんけれども、殊さらこの介護保険制度全般の話からすると、国でやはりこの保険制度の根幹を担っていかなければいけないというところがあるわけであります。

 したがって、先ほど一番最初に申し上げたように、離職率がこれまた極めて高くなってきているというところからすると、また上昇傾向にあるというところからすると、ここに何らかの基準等を設けて、基準だけではありませんけれども、何らかの人材確保のための賃金水準が上がっていく方向性というものをしっかりと明記していかなければいけないのではないかというふうに私どもは考えているんですね。

 では、よく言われるように、賃金だけなのかというところであります。私は、賃金は今回象徴的に一番議論をさせていただいているというところでありますし、また、これをもってさらに他の労働環境、あるいはスキルアップのためのさまざまな能力開発、そしてステップアップ、そして、そこからさらに広がりを、介護を担う人材としてさまざまな可能性を広げていく、当然そういうような形へ持っていきたいというふうに思っております。

 これを担うための法律といたしましては、きょう午前中の議論にも少しありましたけれども、これは、当初は平成四年にできていたものがあるんですが、通称介護労働者法、いわゆる介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律というものがございます。まず、この現行法においての立法趣旨というのはどのようなものになっていますか。

岡崎政府参考人 現行の介護労働者法の立法趣旨でございますが、第一条に目的として書いてございますが、急速な高齢化の進展等に伴って、介護関係の労働力の需要が増大している、そういうことにかんがみまして、介護労働者について、雇用管理の改善、能力の開発、向上等にかかわる措置を講ずることによりまして、介護関係業務にかかわる労働力の確保、それから介護労働者の福祉の増進を図る、これが目的でございます。

園田(康)委員 そして、この法律に雇用管理の改善、あるいは労働環境の改善という文言が出てくるわけでありますけれども、当然ながら、介護労働者の賃金等も含めた労働条件の改善というふうに、私は内包されているというふうに思って読み込んでいるわけですが、その点についての解釈はいかがでしょうか。

岡崎政府参考人 雇用管理につきましては、採用から配置、昇進、労働条件等々すべて含まれる概念でございますので、労働条件の中には当然賃金も含まれているというふうに解しております。

園田(康)委員 そうすると、この法律においても、実は介護労働者の賃金についての何らかの方策というものが打てないことはないというふうに私は解釈をさせていただいているわけでございます。

 この法律によって介護雇用管理改善等計画というものがつくられているわけでございます。これは、平成十二年十月にこの法律に基づいて計画が策定をされ、十七年、十八年と見直しが行われてきております。これの第三の「計画の目標」というところには、まさしく大臣と先ほどいろいろ話をさせていただきました、介護労働者の離職率であるとか、介護労働者の教育研修の実施率であるとか、あるいはまた介護労働者の仕事の満足度という形で、さまざまな問題点をこの計画の中で指摘しながら、それについての目標を掲げているという形になっているわけでございます。

 大臣、この「計画の目標」の中で、向上等も含めていろいろ掲げているわけでありますけれども、この計画目標の総括を、これは十七年、十八年から行って、恐らく五年ごとにまた見直しをしていくんだろうというふうに思っているわけでありますけれども、当時このような目標を立て、そして、今般のこの介護労働者も含めた雇用の労働条件に関するものとして、現段階で大臣はどのようにこの計画、総括をされていらっしゃるか、まずお聞かせをいただきたいと思います。

舛添国務大臣 今委員から御指摘があったように、十二年十月に決めまして、十七年、十八年と見直しが行われました。三番目に介護労働者の仕事に対する満足度の向上ということを掲げて、これは、とにかく事業主に対して雇用管理をしっかりやってくださいよということなんですね。

 先ほど来議論がありますように、お医者さんの場合も同じで、病院の経営者のところに行くんだけれども給料にまで反映されるかどうかというのは経営者次第の雇用契約だと。介護の場合も同じで、そういう仕組みになっていないものですから、報酬を上げてもそこまでいくかどうかということになるので、やはりこれは、雇用管理計画を今後ともきちっと見直しながらやらないといけない。

 総合的な政策をやると先ほど来申し上げているのはこういうことも含めてなので、これも一つの武器というかツールというか道具として、雇用環境の改善に努めてまいりたいと思っております。

園田(康)委員 ありがとうございます。

 そこで、私も今回いろいろ調べさせていただきましたら、この計画の中にも触れておりますけれども、介護労働者の雇用管理の改善を支援する助成金というものが出ているわけでありますね。これは、事業所に対する一つの支援として設定をされているわけでありますけれども、この中で、賃金の一部、すなわち、事業主が新たに雇用管理の改善及び介護労働者の教育において中核的な役割を担う一定の資格を有する者を雇い入れた場合は、その賃金の一部を介護基盤人材確保助成金という形で助成をされていらっしゃるということでございます。

 具体的にこの内容はどのようなものであって、直近の対象人数はどのぐらいのもので、どのぐらいの総額的な利用者があるのか、利用総数があるのかということをちょっと数字的に教えていただきたいと思います。

岡崎政府参考人 介護基盤人材確保助成金につきましては、今先生がおっしゃいましたように、雇用管理の改善に努めている事業所におきまして、新たに介護福祉士でありますとかサービス提供責任者等、中核的な役割を担う方を雇った場合に、一人当たり七十万円を上限として助成する、こういう仕組みでございます。

 平成十九年度で申しますと、予算におきましては三千八百七十五人を見込んでおりましたが、支給実績としましては三千二百四十三人ということでございまして、その程度の利用があったということでございます。

園田(康)委員 それで、これは最初私がレクのときにお話をちらっとお伺いをしていたんですが、これは年々年々減らされてというか、厚生労働省としては減らされてという言葉が正しいのかもしれませんが、本来、発足時は何カ月間の支給で幾らの支給額であったのでしょうか。

岡崎政府参考人 この助成金は平成十五年に創設したわけでございますが、当時は対象期間を一年と見ておりまして、支給上限額も七十万の倍の百四十万ということでございました。

園田(康)委員 すなわち、当初はやはりこの介護基盤をしっかりと整備してそしてスタートしていかなければいけないということで、支給対象月数が一年、そして最高額でいきますと百四十万、ところが、現行はその約二分の一までになってしまっていると。これは、やはりかなりの利用率であろうと思っておりますし、これを、本来なれば削るのではなくて広げていかなければいけない、方向性としては広げていかなければいけない方向性ではないかというふうに思うわけでございます。

 この点、大臣とも、私どもは、より実効性のあるものとしてこれをさらに広げていくとともに、こういった活用できるものがあるわけでありますので、ここからこれを突破口にして、何とかもっとこれを、例えば特定労働者、すなわち介護福祉士であるとか一級のヘルパーであるとかそういったところに限定しなくても、それからさらに事業主に対して何とかこれを助成して賃金に結びつけていく、あるいは労働環境に結びつけていく、そういう施策を打ってはいかがかなというふうに私は考えておるところでございます。

 一度、提案ということになるかどうかは別としましても、こういう助成金制度もあるわけですので、大臣、ぜひこういったものを何か広げることはできないのか、こういう面からも広げてさらに労働環境をよくしていく方策をぜひ考えていただきたいというふうに思っておりますが、どうでしょうか、計画の見直しも含めて、今後の大臣の方針でもぜひお聞かせをいただきたいと思います。

    〔委員長退席、吉野委員長代理着席〕

舛添国務大臣 概算要求から始まる予算編成の過程の中で、いろいろ限られた国家の財源の中でやりくりする話でありますけれども、そういう問題も含めて、総合的な対策の一環として検討してまいりたいと思います。

園田(康)委員 私は、先ほどの議論の中でも、二千二百億円の毎年のシーリングもかかっている、その厳しい中ではあるけれども、しかしながら、今般の、私ども、ここの厚生労働委員会といたしましては、国民生活の基盤、本当に根底の、命にかかわる基盤となるそういう議題を議論させていただいている。その中で、やはりこれをただ単に、では、二千二百億円シーリングがかかったからこの部分を削っていかなければいけないのかと言われると、そのままやはり受けとめたくはない気持ちでいっぱいでございます。

 そういった意味では、私どもも、大臣とともに、いろいろな知恵を出し合いながら、そしてお互いに生産性のある形へと結びつけていきたいというふうに思っております。ぜひとも、私どもの民主党提案の法案も含めて、この委員会でもさらに議論を深めていきたいと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げまして、私からの質問を終わります。

 ありがとうございました。

吉野委員長代理 次に、高橋千鶴子さん。

高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 きょうは、初めに、施設職員の処遇についてお伺いをいたします。

 一昨日、参考人として意見をいただいた樋口恵子さんが代表を務める高齢社会をよくする女性の会主催の集会には、本委員会の委員である各党の委員が参加をされ、三百名近い参加者で熱気あふれる内容でした。その中で、十八人を夜一人で見て、トイレさえゆっくり行けない、月十回も夜勤があるなど訴えが続きました。

 また、一昨日の参考人質疑で、清水参考人からは、特別養護老人ホームで八十人のお年寄りを四人で援助し、仮眠時間は二時間半、夜間徘回などがあると一人はずっと付き添い一睡もできない、十六時間拘束の後、記録や引き継ぎでさらに夕方まで帰れないなど実態が紹介をされました。拘束時間が長く大変であるというだけでなく、利用者にとっても安全、安心の介護ではなくなっているというこの指摘は非常に重要だと思います。

 施設、居住系サービスにおける人員配置基準は三対一ですが、例えば仙台市内のある老健施設では、二十名の短期通所利用に対して、基準上でいえば七名いれば足りるわけです、しかし休みも必要である、三交代勤務である、介護職十一名配置をしております。すると、毎年八百万円赤字になります。ちょうど四人分ははみ出してしまいます。では基準どおりでよいとなれば、当然、さっきお話ししたように、労働者にしわ寄せが来ることになります。こうした実態をどう思いますか。

 職員配置基準については、昨年八月改定した、先ほど紹介されている福祉人材確保指針にも検討事項として盛り込まれましたが、早急に具体化するべきではないでしょうか。

    〔吉野委員長代理退席、田村(憲)委員長代理着席〕

舛添国務大臣 この三対一というのは最低基準として設けている。今委員がおっしゃった仙台のような事業所がどんどんふえてくれることを祈りますけれども、しかし、今委員おっしゃったように八百万の赤字だということであります。

 私なんか、スウェーデンなんかを見ていてうらやましいなと思うのは、三対一どころか、一対二というところがあるんですね。そうすると、お年寄り一人に二人ついていれば、それはお手洗いに行きたいというときには必ず連れていって、おむつがとれるというぐらいのことになる。しかし、その国の実態を見てみると、消費税が二五%。

 ですから、これは負担と給付の関係を、国民的な議論をしっかりして、その上で、私はやはり先進国としてはこの三対一というのをもっと改善できる方向に持っていきたい、そういうふうには思っております。しかし負担の側面がありますから、これは国民的な議論をきちんとした上で、国民の合意形成がなされれば、そういう形の手当てが十分できるというふうに思っています。

 繰り返しますが、これはあくまで最低基準であって、これをさらに改善するような事業所に対してはさまざまな、それを激励するような形で促進していきたいと思っております。

高橋委員 今の、促進していきたいというところをまず採用させていただきたいと思います。

 いきなり負担と給付の話になってしまいますと、いや、だったら消費税はそもそも福祉のためじゃなかったのかとか、さまざまな議論をした上でやっていかなければ、まず、必要なことをやれているのかということとやるために何が必要か、それで、本当に合意ができる負担とは何であるかという議論をするべきではないかと思っております。

 そこで、資料の一枚目に、特養ホームにおける介護報酬の推移というのをグラフに落としてまいりました。

 見事に下がっているというのが歴然としているわけですけれども、二〇〇〇年四月の創設時から〇六年四月の改定時まで、単位を円に読みかえて記載をしておりますが、要介護度五は九千七百四十円から九千二百十円と五百三十円減ですので、一月一万五千九百円になっている。また、介護度が低いほど下げ幅が大きく、施設として、どうしても重度の人にシフトせざるを得ない状況が見えてくるのではないでしょうか。全体として約一割の収入減であり、これが人件費にはね返るのは歴然であります。しかも、施設の補修や改築費も今はそこから出す以外に道がありません。

 資料の二枚目には、先ほど岡本委員からも紹介がありましたけれども、全老健、社団法人全国老人保健施設協会の署名を参考につけさせていただきました。

 「「いくら好きな仕事でも将来が不安」とやめざるを得ない状況を放置していては、保健、福祉、医療の現場で介護サービスに従事する人材を将来にわたって安定的に確保することは困難です。」「結果として介護難民を出現させる」、ここまで言わせている。そして百六十六万の署名を集めている。非常に切迫感が伝わってくるのではないかと思います。

 これまで介護報酬を二度にわたって引き下げた背景には、施設はもうかっているからなどという議論があったわけですが、もうそういう認識ではない、このように確認してよろしいでしょうか。

阿曽沼政府参考人 お答えを申し上げます。

 介護報酬の設定を行う場合には、社会保障審議会の介護給付費分科会におきまして、実態調査に基づいて、その上で検討をいただいて報酬設定をするということになっております。

 過去、平成十七年度の実態調査によりますと、特別養護老人ホーム、老人保健施設あるいは療養型の病床、それぞれにつきまして一定の収支差があったということがございます。そういうことを勘案して、経営全体を見渡した上で必要な点数設定を行ったという経緯がございます。

 現在でございますけれども、何度も御答弁いたしておりますように、今、それぞれの介護事業所の経営実態の調査をいたしておりまして、それがまとまれば十分精査をして、その上で審議会で御議論をいただいて、適切な介護報酬の設定に努めていきたいと考えているところでございます。

高橋委員 いろいろおっしゃいましたが、そういう認識ではない、深刻な実態を踏まえて見直すのだということで確認をさせていただきたいと思います。やはり一刻の猶予もないということなんです。

 民主党の案については、ずっとこの間議論をされておりまして、確かに、五割の事業所が初めから対象とならない、そのために零細な事業所が基準にも届かなくて、そもそも労働者が離れてしまうのではないかという強い懸念も関係者から寄せられております。そういう点では、技術的には詰めなければならないことが多々あるんだろう。しかし、急ぐのだという認識、そしてこれ以上国民負担をふやさぬよう国庫で何らかの手だてをとるのだという精神は、我が党としても共通なものであります。その点に立って、先ほど来さまざま議論されておりますが、与党ももっと知恵を出していただいて、必ず何らかの手だてを実らせるように、委員会全員の総意で頑張っていきたいというふうに、求めたいと思います。

 そこで、今、後期高齢者医療制度が四月一日から始まって、全国で大混乱、怒りの声も巻き起こっているわけですが、その大もとには、高齢者がふえて医療費がふえるから自己負担の増だ、あるいは病院から在宅へ、医療から介護へと、大方針が進められています。

 地域で支えるということそれ自体は大事なことだと思いますが、この間議論してきた介護の担い手問題とあわせて、現場ではさまざまな矛盾を抱えています。人的にも、施設という点でも、介護の受け皿不足は一昨日の参考人質疑でも指摘をされたところであり、実態は非常に困難がある。幾つかの角度から考えたいと思います。

 一つは、療養病床の削減問題であります。

 平成十九年から二十三年度までの六年間で、療養病床の転換過程を明らかにする療養病床転換推進計画、これを盛り込んだ地域ケア体制整備構想を全都道府県が三月末までに策定することになっておりました。四月六日付の産経新聞によれば、四十三都道府県の策定状況、これによると、最終的には約二十二万床残るだろうと記されております。政府の計画では十五万床まで削減するということになるので、七万床オーバーではないかという指摘であります。

 厚労省としては、この計画をどのように受けとめますか。まさか、オーバーするからさらに削れと自治体には言えないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

水田政府参考人 お答えいたします。

 医療費適正化計画におきます全国ベースの療養病床の目標数につきましては、昨年四月に医療費適正化基本方針案としてお示ししております参酌標準に即して都道府県が定めた目標数を踏まえて設定することとなっているわけでございます。

 都道府県の中には、御指摘ありましたように、独自の考え方を加味して目標数を設定したところもあると承知しておりますけれども、現在は、それぞれの目標数につきまして、その設定の考え方等について確認中でございまして、その結果により計画の妥当性を判断していきたい、このように考えております。

高橋委員 例えば、東北六県の計画では、まだちょっと途中の段階もあるんですけれども、まとめさせていただきました。現在、医療型が一万五千二十九、介護型が四千四百十床ありますけれども、全体として九千くらい削減をする予定になっております。

 もともと療養病床が少なかった山形県などは、大幅な削減はそもそも難しい、介護型以外は余り減らせないという状況にあるわけです。

 また、青森県の場合でいいますと、三千六百五十五の療養病床を千四百五十五とする計画になっております。四割が回復期リハ病棟への転換、一般病床がそれに続き、一千以上は介護老人保健施設や特養、有料老人ホームということになりますが、それでも、国の参酌標準から見ると七十一床オーバーになります。しかし、これは、医療機関の意向を踏まえ、当然廃止、削減などもした上で出された数字に対し、後期高齢者の伸び率がとりわけ高い県である、あるいは地域の圏域で一カ所しかそもそもないなど、地域の特性なども踏まえてぎりぎりの選択をしたというふうに県では言っているわけです。

 これは、やはり机上のプランでは割り切れない事情がある、そのことを十分考慮するべきであるし、その点を踏まえて削減計画も見直さなければならないと考えますが、いかがでしょうか。

水田政府参考人 お答えいたします。

 先ほど申したのと同じでございますけれども、それぞれの都道府県計画、それをよく内容を精査して対応させていただきたいと思います。

高橋委員 今私が指摘したことをしっかりと踏まえていただきたいと思います。そもそも二年前の議論の中でも、高齢者が路頭に迷うようなことはないのだということを当時の川崎大臣が答えているわけですから、その点を重ねて指摘しておきたいと思います。

 さらに地域に根をおろしていきたいと思うんですけれども、ケアマネジャーという仕事は、単にケアプランをつくるだけではなくて、利用者や家族の状況を丸ごと抱える仕事なんだということを、私はこのたび改めて認識させられました。

 例えば、重症化したのでショートステイを使いたい、そう言われても行くところがない。ひとり暮らしで、入所をしたいと言われても保証人がいないので受け入れてもらえない。だからといって、私どものところでは何もできませんといって突き放すわけにもいかない。そういう間に立って、大変な負担を強いられております。あるいは、プラン承認までに何度も手続、相談、会議などに取り組み、しかし、最終的に給付が発生しなかった場合は無報酬になってしまう、こういう実態もございます。これらのケアマネの役割をきちんと評価し、報酬においても見直す考えはないか伺います。

    〔田村(憲)委員長代理退席、委員長着席〕

阿曽沼政府参考人 お答えを申し上げます。

 ケアマネジャーの仕事は介護保険制度の運営の中でも大変重要な役割を担っておりますことは、今委員御指摘のとおりでございます。したがいまして、ケアマネジャーにどういう報酬をお支払いするかということにつきましては、次回の介護報酬改定を決定する中でも、十分に御議論をいただいて決定していきたいというふうに考えております。

高橋委員 お願いします。

 そこで、次に、同居家族がいる場合の訪問介護サービス、介護予防訪問介護サービスにおける生活援助の問題です。これは参考人からも指摘がありましたし、先ほどの山田委員の質疑の中でも取り上げられました。

 大臣は、一律に同居家族がいるからだめとは言わないのだ、そして昨年の十二月二十日に通知を出したのだということを強調されました。しかし、依然として同居家族がいるからだめだと言われる、この声が絶えないのはなぜでしょうか。

 通達の文章を読みますと、「同様のやむを得ない事情とは、障害、疾病の有無に限定されるものではなく、個々の利用者の状況に応じて具体的に判断されるというものである。」この「個々の利用者の状況」としか書かれていないわけです。

 ですから、本当に良心的に考えれば、ほとんどが事情があると思うんですね。しかし、実際には一律にやられている。私は、少なくとも仕事をしているという方たちは、もうほとんどこれは事情があるんだというふうに見ていいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

阿曽沼政府参考人 この点につきましては、先ほども大臣が御答弁いたしましたように、同居家族がいる場合の生活援助の取り扱いにつきまして、昨年の十二月に通知を出したところでございます。

 考え方としましては、一律機械的にサービスに対する保険給付の支給の可否を決めるということではだめだということで、あくまでも個々の利用者の状況に応じて具体的に判断されるべきであるし、適切なケアマネジメントのもとで、必要な方に必要なサービスが提供されるべきだということで自治体あるいは介護事業者に対して周知をしておりますが、まだ十分でない面がありましたら、私どもとしても全力を挙げて、さらに周知を図るように努力したいというふうに思っております。

高橋委員 さらに周知を図る上で、もう少し考え方を大臣にも聞いていきたいと思うんですね。

 資料の三を見ていただきたいと思います。

 これは、介護保険の在宅サービスを提供しているNPO法人や全国社会福祉協議会、あるいは全中、生協など広範な団体でつくる「改定介護保険制度」調査委員会の調査であります。

 家族介護者の就業状況。就業していないが五五・四%で大体半分を超えているんですけれども、私が注目しているのは、その中の、就業状況の変化というところであります。もともと仕事をしていたが、現在は仕事をしていない、二五・八%。仕事をしているが、仕事の状況に変化があった、二一・一%。五割の方が、仕事をやめるか、あるいは仕事を減らすというふうに答えていて、その圧倒的な理由、介護のためが九四・七%になっているということです。

 どういう事情なのかということで、自由回答欄があるわけですけれども、介護のために仕事を休むことがある、いつでも休んだり遅刻できるような自由な勤務体系の部署に行かざるを得ない、介護を始める前は会社員だったが、介護を始めてからパートの仕事にかえる、その後、介護にかかる時間が長くなり、病院への受診が突発的に起きるためにパートの仕事も半分に減らす、責任のあるポジションにはなれないと思った、こうした仕事における状況。

 あるいは、もう要介護の高齢者を一人にはしておけないということで、遠距離介護中、母が転倒し、けが、やむを得ず退職した、三回ほど火事になりかけたので危険を感じて退職をした、こうした状況。あるいは、自分自身の体調不良により仕事を続けることができなくなった、介護疲れや不眠などにより、うつ病と診断され、会社を首になった、こうした家族の深刻な実態が寄せられております。

 大臣に伺いたいと思うんです。一律にはしないというだけでは、なかなか現場では生かされません。もう少し踏み込んだ指導をするべきではないでしょうか。

舛添国務大臣 これはもう早速、個々の家庭の事情に応じて対応しろということを、さらに指導していきたいと思います。

 それとともに、先ほど私申し上げましたように、ドイツのように、家族が介護した場合に現金を支給する、例えばそういうような考え方でみんながまとまることができれば、そうするとこの問題もある意味で解決の道が開けるわけです。

 私自身もそうでしたけれども、相当仕事をやめざるを得ません。それは、社会的な大きなロスになります。ですから、介護があるからといって本来の仕事をやめるんじゃなくて続けていってもらう、しかし、その分をプロにきちっとやってもらう、そのプロの処遇もよくする。そうすると、先ほど来申し上げておりますように、やはりだれがそれを負担するか。

 私は、消費税二五%なんて突然は申し上げませんが、やはりある程度の負担はあっていい。例えば今の介護保険料を、例えば私が四千円払っているのが仮に倍の八千円になっても、仕事をやめないで済むんだったらそちらの方がいいと思いますから、そういうコンセンサスづくりもまた、ぜひ共産党の皆さん方も御協力いただいて、やっていただければありがたいというふうに思います。

高橋委員 ありがとうございます。

 まず、ぜひ、早速指導してくださるということを御期待申し上げたい。

 それから、家族介護を評価して報酬もどうかというドイツ型の考えは、私は大変いいことではないかなと思っておりますので、大いに提案もし、御一緒に考えていきたいと思っております。

 資料の四を見ていただきたいと思うのです。

 こちらは、予防訪問介護サービスの利用者の実態調査ということで、北海道民主医療機関連合会が、加盟する事業所の予防訪問介護サービスを受けていた利用者とその家族にとった調査でございます。

 私が驚くのは、世帯構成、独居、夫婦のみが七九・七%。圧倒的に、ひとり暮らし、老老介護という状態なんですけれども、そのうち配偶者の五四・一%が要支援、要介護の状態であるということ。要介護というだけでも三一・一%、健康だと答えた方は一一・五%しかない、こんな状態になっています。

 私は、やはり独居老人あるいは老老介護の実態は今後一層進むものと思われます。そういう中で、本当に地域で支えるのをどうするかということになっていくと思うんですけれども、利用者の中には、予防訪問介護のあり方に対して肯定的な意見も若干ありました。八%ですが、これはあったことは事実ですので紹介しますが、しかし、四割は否定的であります。

 予防とか自立という言葉と高齢者の心情がなかなかかみ合わないんですね。例えば、やる片っ端から忘れちゃうんだ。家族に通院介助を頼むようになり、長生きして申しわけないなと思うようになった。自立、自立と言われ、これ以上何をすればいいのか、もっと頑張れと言われているようで情けなくなる。がん末期なのにいつまで予防と言われるのだろうか、こういう声までありました。

 無理をしたり気を使ったり、かえって健康を悪化させている、そういう状況がございます。その中で、ヘルパーが来る週一回の機会を心待ちにしている姿もあります。ただ、これも非常に利用が制限されました。生活援助は制限するよりもむしろ認めていく方が、もっと言えば、介護予防という名の抑制策は見直すべきではないか。いかがでしょうか。

阿曽沼政府参考人 個々のケースについて論評することは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、前回の改正で、介護予防を導入いたしました。その物の考え方といいますのは、お年寄りが御自分でできることはやっていただこう、その方が状態の悪化を防止できるのではないかという考え方でございます。

 その場合には、当然のことでございますけれども、例えば予防給付の場合ですと、地域包括支援センターで十分な、適切なケアマネジメントが行われるということが前提でございますので、私どもとしては、そういうものがちゃんと行われるように、十分なフォローアップをしてまいりたいと思っております。

高橋委員 時間になりましたので、要望して終わりますけれども、今おっしゃった地域包括支援センター、今ようやく全保険者が設置をするところまで来たという、まさにスタート台に今立ったところというのが実態ではないか。

 急いでつくりましたので、在介センターに丸投げをしちゃったという状況がございます。本来ならば、地域包括支援センターのスタッフだけではなくて、民生委員ですとか地域のいろいろな方たちと協議会を重ねて、全体として支える体制をつくっていかなければならない。そういう点ではまだまだ、委託費も少ないし、体制も不十分ではないかということを指摘させていただいて、また次の機会に譲りたいと思います。

 終わります。

茂木委員長 次に、阿部知子さん。

阿部(知)委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 前回に引き続き、また参考人の皆さんへの御意見の聴取もあわせて、今回は、介護現場における人材の確保並びにコムスン問題に端を発する、どうやったら良質な介護の現場がつくれるかということでの政府の御提案についての審議でございます。

 ちょうどそうした折に、昨日報道されました、岡山県津山市のNPO法人の皆さんが運営しておられる痴呆型のグループホームだと思いますが、そこで、御高齢者が著しく体重が減少して栄養失調、すなわち、それは虐待に当たるのではないかということで市が調査に入り、処分も検討されているということであります。

 正直言って、私がこの事案を聞きますと、例えば栄養失調とか虐待とか処分とか、言葉は躍るのですけれども、実際には何があったのだろうというふうに、逆に私は、今一生懸命介護の現場で頑張っている方たちの思いも含めて、安易に言葉を先走らせないということを、まずきょうは大臣にお願いしたいんです。

 どういうことかというと、先ほどもどなたか官僚の方の御答弁の中にありましたが、自分でできることはなるべく自分でという考え方が一方であるわけです。そうすると、御高齢期で痴呆などがおありであると、お食事に大変に時間がかかるわけです、自分でやりなさいと。いいことなんですけれども、例えば三十分見て、まだ食べ終わっていない。量は、もしかして、出した量の三分の一、四分の一しかいっていないこともあるわけです。

 そのときに、例えば見ている介護者が、これはもうスプーンで介助する、ないしは何か栄養剤的な、たんぱく質の投与を中心にしたものを補助的に使うなどの知恵がなければ、知識がなければ、私は、虐待しようとかいう意図とかとかかわりなく、結果は体重減少し得ると思うんです。

 介護現場に、そうした状態、御高齢の方の心身の状態に十分な理解があるかどうか。私は、これはNPO法人でやっておられるので、志はあるんだと思うんです。ところが、介護者、そこで働いていた方の不払いの賃金の問題もおありなようですが、必ずしも十分な能力や知識を持った介護者を雇い切れていないかもしれない、また、募集しても来ないかもしれない。私は、今現場はそこの問題を抱えているように思います。

 本来であれば、十分知識を持って、先ほど私が申しました、三十分で食べ終わらなくて、残った量を見て、これではカロリーが三分の一だろうというふうに先んじて判断できる介護者を備えていなければ、私はこれは起こり得る事案ではないかと。きのう、ちょうど夜テレビを見ていてこの報道がされたときに、そして困惑した顔のNPO法人の事業者の顔が浮かんだときに、そして一方で行政は処分と、非常に強い顔をしておられたけれども、そういう実態には介護現場はないんだと私は思います。

 大臣にあっては、ぜひ、この事案は本当は何が起こっていたのか、そして例えば介護現場の労働者の質を上げる、知識を上げる、レベルを上げる、そういうことが第一だったら、先に処分ありきではないんだと思うんです。

 私は、この間、さまざまな厚生労働省の処分行政については、まず、それがそこに追い込まれるまでの実態を十分よく見てほしい、すべて人が人を支える現場で今崩壊現象が起きておりますので、そういう視点もいま一方にぜひ持っていただきたい。私はNPOでやっておられるということの心意気を高く踏みますし、おとといも御紹介しましたが、これまで、取り消し処分の多くは営利法人でありました。そしてもちろんNPOの皆さんでも四件ありますが、今回が、虐待、栄養失調、取り消しと、ホップ、ステップ、ジャンプみたいな言い方でくくられることには納得できない。

 ちなみに、大臣に御紹介しておきますが、病院等々で、御高齢者で入院されてこられる方の三分の一は栄養失調です、そういう言葉を使えば。貧血がおありだし、低たんぱく血症で、食事も御病気ゆえに、あるいはいろいろな御不自由ゆえに十分とれていないんです。それで、御家族は気がついていないんです。そういう実態もありますので、ぜひ大臣、この点は、もしお言葉があればちょっとお願いします。

舛添国務大臣 やはりサービスの質の確保、これが一番大切なんですね、今おっしゃったとおりで。ただ、今回の場合も、利用されている御高齢の方の家族からの苦情がもとであった。

 これは医療の現場もそうなんですけれども、私どもが例えば今介護の現場をよくしたい、介護の現場で働いている方々、事業者の方々の調査をし、この方々の御意見をしっかり賜ります。当然のことです。しかしながら、利用者の声もやはり同時に聞かないといけない。そこが、私なんかは今、産科、小児科の問題に一生懸命取り組んでいると、大臣はお医者の意見ばかり聞いて患者の方に目を向けないのかといって、患者の皆さんに怒られているぐらいなんですね。

 だから、そういう面もありますから全体を見ていきたいと思いますし、今委員がおっしゃったことは貴重な意見として、きちんと頭に刻んでおきたいと思います。

阿部(知)委員 今、医療現場でも、例えば患者さんと私たち医療者は非常に対立的な局面が多くなってございます。そして、そのはざまでやはり一番悲惨になるのは患者さんであったり御高齢者であるんですが、私は本当に現場で働いてきて思いますのは、時には、それは御家族にしてみれば、あっ、どうしたんだろうと思われるかもしれないけれども、状態、病態からは起こり得てしまう。すなわち、さっき言いました、時間がかかって、それをどこで介入して介助するかがおくれたら体重は減るんだと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 さて、この間の論議では、介護現場のそうした労働される方の労働条件、あるいは研修のための時間、労働環境、さまざまな問題があることはもう皆さん御指摘であります。

 そして、そもそも介護の社会化、介護をみんなで担おうと思ってスタートしたはずの介護保険で、その大事な担い手がここまで疲弊して、とにかく緊急的にも何らかの措置をしてほしいという声は、これは大臣も受けとめていただけたと思いますし、私は、与党と野党の見識で何らかの、やはり介護現場の皆さんに喜んでいただける、ああ、やっていけるんだと思えるようなおまとめをいただきたいと思いますし、そこに大臣にも御尽力いただきたいと思います。

 私がもう一つ懸念の点は、実は、介護保険という制度は、社会的入院をなくすという言葉で始まり、本来は介護が必要であるのに、医療機関に長々と入院されている方がいるのではないかという発想ではありました。もちろんそうした側面はございますが、逆に介護保険がスタートしてから最も求められたのは、介護と医療の連携という言葉でもありました。お一人の体の中に、医療を必要とする場面と日常的な介護を必要とする場面が混在しておって、さて、この方々をどういう形で遇すれば一番幸せであるのかという問題でもあります。

 その観点から考えますと、ここでも何人もの委員が取り上げられましたが、今回の、いわゆる二〇〇六年四月から六月の医療法改正において、後期高齢者医療制度と同時並行的に計画されております療養型病床群への転換助成金の問題は、私は、はっきり言って、これは保険料の流用だなと思う部分がありますので、きょうはその点を質疑させていただきます。

 まず、ちょっと前段の私の資料は飛ばしまして、一番後ろからきょうはやってみたいと思います。

 恐縮ですが、資料をあけていただきますと、ここには病床転換助成事業の概要というのが出てございまして、「医療療養病床からの転換に対する助成」というタイトルがございます。

 対象となる病床が療養病床で、これを、対象となる転換先施設、ケアハウスや老人保健施設や有料老人ホームや生活支援ハウスまでエトセトラ、そちらに転換する。このうち、特に老人保健施設に転換される場合には、転換にかかわる整備費用を助成するという枠組みだと思います。

 一番下を見ていただきますと、ここには医療保険者が左端にございますが、これは健保か政管健保か国保、ここが病床転換支援金というものを社会保険診療報酬支払基金に出し、そこから、実はここをくぐり抜けると、病床転換助成交付金という形で保険料が交付金に化けてまいります。

 私は、これは保険料ロンダリングだと名づけていますが、もともと、保険者が納める保険料は保険の給付以外に使わない、これが原則であります。何を言っているかは大臣はよくおわかりと思います。国民年金並びに厚生年金の問題があったとき、保険料は保険料以外の事業に使わない、こういう合意をいたしました。ところが、この医療保険制度では、医療保険者と呼ばれる保険者から、たかだか社会保険診療報酬支払基金をくぐり抜けただけでこれが助成金に化けまして、各都道府県に行って、医療機関がある療養型病床を老健施設に転換するための助成金にいわば形を変えてしまうわけです。

 ここで保険局長に伺いますが、例えば老人保健施設等々、医療法人等がお持ちではありますが、それは、例えば厚生年金病院とか社会保険病院とかとは違って、あくまでも法人組織であります。保険料をこうした法人組織の施設に使ってよしとする何か根拠、もちろん法を改正されたわけですが、そもそもあるんでしょうか。保険料を、ある箱物の、それも医療法人等法人の箱物に使ってよしとする根拠は何でしょうか。

水田政府参考人 お答えいたします。

 最初にちょっと趣旨を述べさせていただきたいと思いますけれども、御指摘の病床転換助成事業、これは、療養病床から老人保健施設等への転換が促進されますと、入院医療費が適正化され、保険料負担の観点から被保険者にとっての利益となる、こういうことから、平成十八年の制度改正によりまして、医療保険の保険料を充てることのできる経費として、この事業に対する拠出金を法律で明確に位置づけたわけでございます。

 お尋ねの点でございますけれども、この老健施設等の整備費助成は都道府県からの補助金の形をとりますので、これにより整備された施設等の用途変更や廃止につきましては、補助金による施設整備に係るルールが適用されまして、一定の制約が課されることになることから、不当に私人、法人ということでございましたけれども、不当に私人の財産を増加させるようなことにはならない、このように考えているわけでございます。

阿部(知)委員 理由があれば保険料を保険給付以外に使っていいというのは、やはりおかしいということだったんですよ、年金問題で明らかになったことは。そうでないと、保険料を納めていて、知らないうちに知らない名前になって、助成金になって箱物に流れていく、これはもうやめにしましょうという大きな合意が私は年金問題であったんだと思いますね。

 今の水田さんの御説明では、必要があればそれをしてよしと、また逆さに戻してしまったわけですよ。もちろん、医療法人だから、その売却とかいろいろなことには制約があるのは当たり前です。しかし、もともと根本は、保険料を箱物に使わないだったんじゃないですか。おかしくなりますよ、こんなことを続けていったら。

 大臣、私の指摘している点、おわかりでしょうか。医療保険の組合健保、政管健保、国保のお金を、支払基金をくぐり抜けたら、県と一緒になった助成金になって、施設の箱物に変わっていくんです。私は、理由はるるあると思いますよ。でも、そういう使い方をしたら、保険料を納めているお一人お一人は自分の給付のために使ってほしいわけですね、保険料ですから。これは、幾らそれを可能とする法律をつくったとしても、やはり私はある一線を越えていると思いますね。

 そして、おまけに、医療保険で集めたお金をこれからは介護保険の支出にかかわる、老人保健施設ですから、今度は給付は介護保険からになるわけですよ。医療保険の保険料を集めて、使うところは介護保険の保険料をいただく。すなわち、医療保険と介護保険をまたいじゃうんですね、勝手に。こういう例はあったんでしょうか。お願いします。

阿曽沼政府参考人 医療保険と介護保険をまたぐ例ということになるかどうかはあれでございますが、こういう形で、老人保健施設に対して拠出金といいますか、社会保険診療報酬支払基金が補助した例はございます。

 最終的には平成十二年度で終わっておりますけれども、従来、旧の老人保健法第六十四条に基づきまして、社会保険診療報酬支払基金は、厚生労働大臣の認可を受けて、前項の業務に支障のない限りにおいて、第一条に規定する目的の達成に資する業務を行うことができるという規定がございまして、そういう形でやった例はございます。

阿部(知)委員 私は、それもそもそもおかしいんですよね。平成十二年に終わったと。支払基金が、本来の保険給付以外に金は使うべきでないんですよ。そこを一線を乗り越えていくから、例えば、九三年から九九年まで、おっしゃった老人保健法にのっとって約一千億の保険料が老人保健施設をつくるための助成金に化けたわけですよ。でも何度も言いますが、さきの年金審議は、保険料は保険料以外に使わない。医療保険だって同じだと思うんです。それを使ってあっちこっちいろいろやり出すから。まあせいぜいやって健康増進のための健診くらいでしょう。箱物に使い出したら、私は歯どめがないと思うんですね。

 これからは大臣に伺いたいですが、おまけにこうやって医療保険の保険料をロンダリングして、介護保険施設に今度変わる。そして介護保険施設は、これまで医療の給付を受けた方たちを介護保険に引き取るわけですから、給付は膨大になっていくわけです、膨張していくわけです。

 今、ただでも介護保険は厳しいですよね。介護保険の財政、厳しい、厳しい、それがこのずっとの審議でした。リハビリも医療から介護に投げられました。療養型病床群も、老人保健施設に名を変えて介護から給付されます。介護の財政にとっては非常に厳しくなると思われませんかというのが一点。

 あともう一つお願いしたいですが、介護の老人保健施設になったときに、さっき山田先生がおっしゃいましたが、医療が大変に手薄くなります。ここで症状が悪化したらまた病院に戻さなきゃいけないけれども、そのときの行き場がもうないんです、療養型病床がないですから。急性期の病院も、今御承知のように、そうそう簡単に入れるわけではないんです。

 大臣、これは二重に問題だと思われませんか。介護保険の費用を逼迫させる、そして、利用者さん、患者さんにとっては本当に次の行き場がなくなる。いかがでしょう。

舛添国務大臣 そういう御意見もありますから、私は、ほかのところでも申し上げましたけれども、長期的には、医療保険と介護保険、今別建てになっているものを何らかの形で統合するということを考えてもいいんではないかと。もちろん、片一方は四十以上が保険者ですから、これは違います。いろいろ違いがあって、すぐにはそれは困難ですけれども、委員が冒頭おっしゃったように、一人の人間にとって医療と介護、これは両方必要なわけですから、それが上手にできるということがあればいいので、後期高齢者の医療制度も実はそこをねらっているわけであります。

 そして、今おっしゃったことについて言うと、今年度二千二百億円を捻出するのに、私は、保険組合から政管の方に保険料を一千億円回しました。大変、無理に無理を重ねて回しましたけれども、これは大きな目的のためにやったことであります。そして、今回のこれも、まさに社会的入院を減らすということになれば、社会的入院をしている方々がおられれば、その方がいる分だけ急性期の医療のためのベッドもとれないわけです。

 だから、そっち側の論点からいくと、まさに社会的入院を介護の方にきちんとやることによって、急性期医療を含めて、医療資源が医療プロパーに使えるようにするという目的にかなっているということを考えれば、医療保険から負担を一部そちらにということは、理屈をつければつけられないことはありません。こういういろいろな苦しいことをして財源を捻出していることを御理解いただきまして、しかし、長期的には、二千二百億円というマイナスシーリングの問題も含めて、やはり負担と給付。

 ただ、高福祉はやはり高負担ですよ。低福祉は低負担ですよ。ですから、私は、高福祉を求めるならやはり高負担であるということを明確に認識して、国民の皆さん方の御同意をいただいた上で、きちんと政策を施行していきたいと思っております。

阿部(知)委員 大臣がそういうそもそも論に飛ぶ前に、現実を見てほしいんですね。将来的にはといったって、今、療養型病床群がなくなることによって、大臣御存じですか、救急車のたらい回しはなぜ起こるのか。実は後方ベッドがない。後方ベッドとは何か。二次救急病院もありますが、もう一つは療養型病床群なんですね。急性期を受けてあげたい、だけれども、もしこの方が長くなった場合にどこに回せるか。救急の現場に行ってみてください。療養型病床群がないんです、後がないんです。だから、申しわけないけれども、搬入拒否せざるを得ないんです。大臣が将来計画している間に、みんな死んでしまいます。

 私は、この療養型病床群を無理やり、医療保険と介護保険が分かれている保険もぐちゃぐちゃにして、おまけに箱物に支出して、こんな盗人たけだけしいというのでしょうか、私はこういう、今までだめよと決めてきたことじゃないですか。何でもありなんだなと思いますね。貧すれば鈍すですか。やはりこういうことをしていったら、国民は健康保険の保険料を納めているんですよ、介護保険の保険料を納めているんですよ。それはそれでやっていただかないと約束が違うじゃないですか。

 大臣、最後に一問伺います。

 お手元に、後ろから二枚目を見ていただきたいですが、「今後の看取りの場は?」というところです。ここは、大臣が言うような長期的なお話にもなるかもしれません。

 二〇〇五年現在で、我が国は大体百万人余りの方がお亡くなりであります。この中で、自宅でお亡くなりが十五、六万人でしょうか。介護施設でも数万人であります。医療施設で九十万人お亡くなりであります。

 こうやって見てみると、実は二〇三〇年、私や大臣が後期高齢者になるときには、医療施設が今のまま九十万床を持っているとして、介護施設が今の二倍を整備したとして、自宅で亡くなる方が今の一・五倍となるとして、私はこれは難しいと思いますよ。自宅一・五倍、みんな仕事をしているから。としても、約四十七万人は、申しわけないけれども死に場所がないんです。行き場所がないと言うべきでしょうか、生きる場所がない。すなわち、死は生きたことの結果ですから、しかし、どこで療養するか、どこで治療するか、どこで介護を受けるか、どこで暮らすか。ないんですよ、このままでは。

 これは、厚生労働省がお出しになっている資料と、あとは国立社会保障・人口問題研究所のを合わせて推計したものです。

 私は、この現実を直視して、そして今、介護の人材も大幅にふやす、医療の受け皿施設も、特にリハビリや療養のできる施設をふやしていくのが政策なんだと思いますよ。みんな安心できなくなっちゃう。大臣、最後にどうですか。

舛添国務大臣 私の直属の研究会で、安心と希望の医療ビジョンということを今やっておりまして、そろそろ取りまとめにかかります。

 今委員がおっしゃったこともきちんとその中に含めて、そして、先般、総理が成育センターを御視察なさった後に、そのビジョンに基づいて、政府全体のビジョンとしてこれを確定するということをおっしゃいましたので、全力を挙げて、こういう心配のない、今委員がいろいろ懸念材料を挙げられましたけれども、これはまさに、医療の再構築をどうするか、介護の問題をどう解決するか、総合的に取り組んで、本当に日本国民が安心と希望を持てる、そういう医療ビジョンを早急に取りまとめたいと思っております。

阿部(知)委員 最後に申し添えますが、その意味では、後期高齢者医療制度はまず廃止していただいて、白紙で話し合いたいと思います。

 ありがとうございます。

     ――――◇―――――

茂木委員長 内閣提出、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律及び検疫法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。舛添厚生労働大臣。

    ―――――――――――――

 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律及び検疫法の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

舛添国務大臣 ただいま議題となりました感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律及び検疫法の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 現在、H5N1型の鳥インフルエンザが鳥から人へ感染する事例が東南アジアを中心に増加しており、これが人から人へ感染する新型インフルエンザとなって、世界的に大流行し、国民の生命及び健康に重大な影響を与えることが懸念されております。

 新型インフルエンザによる被害を最小限に食いとめるためには、検疫や患者の入院等の蔓延防止策を発生直後から迅速に開始することが重要です。

 このため、新型インフルエンザの発生直後から検疫の強化や患者の入院等の措置を実施できるようにするとともに、新型インフルエンザの想定される感染力の強さを踏まえた蔓延防止策の充実を図ることとし、本法律案を提出することとした次第でございます。

 以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。

 第一に、新型インフルエンザとなることが懸念されているH5N1型の鳥インフルエンザを二類感染症とし、国内で発生した場合の患者の入院等の措置を可能とし、その蔓延防止を図ることとしております。

 第二に、新型インフルエンザを入院、検疫等の措置の対象となる感染症に定め、発生直後から、国内への病原体の侵入を防止するための水際対策の強化、国内で発生した場合の患者の入院等の措置を可能とすることとしております。

 第三に、新型インフルエンザは感染力が強いと想定されていることを踏まえ、新型インフルエンザにかかっている疑いのある者に対し都道府県知事が健康状態の報告や外出自粛を要請することができるものとし、発症を迅速に把握し、速やかな蔓延防止策の実施につなげることを可能とすることとしております。

 第四に、新型インフルエンザは感染力が強いと想定されていることから、検疫において新型インフルエンザにかかっている疑いがあるとして一定期間停留させる者が大量となる可能性を踏まえ、停留先に医療機関以外の施設を追加し、水際対策の実効性を担保することとしております。

 第五に、検疫における停留には及ばないものの新型インフルエンザにかかっている疑いが否定できない者については、検疫所長が都道府県知事に報告し、報告を受けた都道府県知事において必要な蔓延防止策を実施できるようにするなど、水際対策と国内感染症対策との連携の強化を図ることとしております。

 最後に、この法律の施行期日は、公布の日から起算して十日を経過した日としております。

 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容の概要であります。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

茂木委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

茂木委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。

 本案審査のため、来る二十二日火曜日、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

茂木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、来る二十二日火曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時五十八分散会


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