衆議院

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第16号 平成20年5月23日(金曜日)

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平成二十年五月二十三日(金曜日)

    午前九時三分開議

 出席委員

   委員長 茂木 敏充君

   理事 大村 秀章君 理事 後藤 茂之君

   理事 田村 憲久君 理事 宮澤 洋一君

   理事 吉野 正芳君 理事 山田 正彦君

   理事 山井 和則君 理事 福島  豊君

      赤池 誠章君    新井 悦二君

      井澤 京子君    井上 信治君

      石崎  岳君    越智 隆雄君

      川条 志嘉君    木原 誠二君

      櫻田 義孝君    清水鴻一郎君

      杉村 太蔵君    高鳥 修一君

      谷畑  孝君  とかしきなおみ君

      冨岡  勉君    長崎幸太郎君

      西本 勝子君    萩原 誠司君

      林   潤君    福岡 資麿君

      福田 峰之君    松浪 健太君

      松本  純君    松本 文明君

      三ッ林隆志君   山本ともひろ君

      内山  晃君    岡本 充功君

      菊田真紀子君    郡  和子君

      園田 康博君    長妻  昭君

      西村智奈美君    細川 律夫君

      三井 辨雄君    村井 宗明君

      柚木 道義君    伊藤  渉君

      古屋 範子君    高橋千鶴子君

      阿部 知子君    保坂 展人君

      糸川 正晃君

    …………………………………

   議員           西村智奈美君

   議員           郡  和子君

   厚生労働大臣       舛添 要一君

   厚生労働副大臣      岸  宏一君

   厚生労働大臣政務官    伊藤  渉君

   厚生労働大臣政務官    松浪 健太君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 始関 正光君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           田中  敏君

   政府参考人

   (厚生労働省雇用均等・児童家庭局長)       大谷 泰夫君

   厚生労働委員会専門員   榊原 志俊君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月二十三日

 辞任         補欠選任

  石崎  岳君     赤池 誠章君

  木村 義雄君     福田 峰之君

  萩原 誠司君     越智 隆雄君

  松本 洋平君     山本ともひろ君

  園田 康博君     村井 宗明君

  三井 辨雄君     西村智奈美君

  阿部 知子君     保坂 展人君

同日

 辞任         補欠選任

  赤池 誠章君     石崎  岳君

  越智 隆雄君     萩原 誠司君

  福田 峰之君     木村 義雄君

  山本ともひろ君    とかしきなおみ君

  西村智奈美君     三井 辨雄君

  村井 宗明君     園田 康博君

  保坂 展人君     阿部 知子君

同日

 辞任         補欠選任

  とかしきなおみ君   松本 文明君

同日

 辞任         補欠選任

  松本 文明君     松本 洋平君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 児童福祉法等の一部を改正する法律案(内閣提出第六〇号)

 児童扶養手当法の一部を改正する法律案(西村智奈美君外二名提出、第百六十八回国会衆法第一四号)


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     ――――◇―――――

茂木委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、児童福祉法等の一部を改正する法律案及び第百六十八回国会、西村智奈美君外二名提出、児童扶養手当法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、政府参考人として法務省大臣官房審議官始関正光君、文部科学省大臣官房審議官田中敏君、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長大谷泰夫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

茂木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

茂木委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。杉村太蔵君。

杉村委員 おはようございます。自由民主党の杉村です。

 本日は、児童福祉法等の一部を改正する法律案ということで質疑をさせていただきたいと思います。

 実は、私も昨年娘が生まれまして、ちょうど一歳を過ぎたころになるのですが、本当に自分の子供というのはこんなにもかわいいものかなと思うと同時に、子育てというのがこんなにも大変なものかなと感じさせられる一年でありました。そういう意味では、きょうは、実際に子育てをしている立場から、日本の児童福祉の問題についていろいろ質問をさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 まず冒頭、民主党さんから御提出いただいております児童扶養手当法の改正法案に関連した質問を政府にさせていただきます。

 民主党さんの法案では、児童扶養手当の受給開始から五年を経過した方々についての一部支給停止措置を廃止する、こういうこととなっておりますが、この一部支給停止措置については、政府において、昨年十一月の与党のプロジェクトチームの取りまとめに沿って政令により具体的な措置が定められた、こう聞いております。まずは、この内容をお伺いしたいと思います。

大谷政府参考人 お答え申し上げます。

 児童扶養手当の一部支給停止措置の取り扱いにつきましては、今お話がありましたとおり、連立政権の合意に基づきまして与党プロジェクトチームにおいて検討が行われまして、昨年十一月に取りまとめが行われました。

 この取りまとめの内容でありますが、依然として低所得者が多くを占める母子家庭の実態を踏まえるとともに、母子家庭の自立を促進するという平成十四年改正の趣旨をも踏まえつつ、受給者やその子供等の障害、疾病等により就業が困難な事情がないにもかかわらず就業意欲が見られない者についてのみ、児童扶養手当の支給額の二分の一を支給停止とし、その他の者については一部支給停止を行わないこととすべきというふうにされたところでございます。

 政府といたしましては、この一部支給停止措置につきまして、この与党プロジェクトチームの取りまとめに沿いまして、本年二月、関係政省令の改正により、受給資格者につきましては、一つ、就業していること、二つとして、求職活動等の自立を図るための活動をしていること、三つ、一定の障害の状態にあること、四つ、疾病、負傷等のために就業することが困難であること、五つ目として、子供や親族の障害や疾病、負傷等のためにこれらの者の介護を行う必要があり、就業することが困難であることのいずれかに該当する場合には、一部支給停止を行わないこととし、それ以外の場合についてのみ支給額の二分の一を支給停止するというふうにいたしたところでございます。

杉村委員 ただいま御答弁があった政府の講じた措置については、依然として低所得世帯が多くを占める母子家庭の実態を踏まえたものであると同時に、母子家庭の自立を促進する、そういう方向性にも合致したものかなと。そういう意味では大変適切なものであると私自身は考えております。

 一方、民主党さんの一部支給停止措置を廃止する法案ですが、特別の事情がないにもかかわらず、例えば、全く就業意欲が見られない、そういう方々についても手当を一部支給停止することなく支給するものということでありまして、私の札幌にも職員がおりますけれども、かえって、母子家庭の母親の側の自立促進を図るという観点から見て、若干問題があるのではないかなと個人的には考えております。

 しかし、いずれにしても、厳しい状況のもとに置かれている母子家庭の実態にかんがみれば、就業支援の一層の充実を図る、さらに、母子家庭のさらなる自立を図っていく、これは与野党を通じて極めて重要な課題であると考えておりますが、このあたり、政府としての対応について大臣にお伺いしたいと思います。

舛添国務大臣 今御指摘ありましたように、母子家庭の置かれている状況というのは非常に厳しいものがあることは認識をしております。

 そういう中で、政府としましては、母子及び寡婦福祉法、これに基づきまして、平成十五年度から、子育て・生活支援策、就業支援策、養育費確保策、経済的支援策、この四本柱で就業支援に力を入れているところであります。

 さらに、この二十年度予算におきましては、母子家庭の自立と生活の向上を図ろうということで、まず、身近な地域において就業支援が行えるように、都道府県、指定都市、中核市以外の一般市においても母子家庭等就業・自立支援センターと同様の就業支援事業を実施する。さらに、自立支援プログラム策定対象者のうち直ちに就業へ移行することが困難な方について、就業意欲を醸し出すためにボランティア活動を行っていただく事業を創設したということもあります。それから、資格があるとお母さんが働きやすいですから、看護師さんとか介護福祉士などの資格取得を目指す方について、入学金の負担を考慮して一時金を支給する仕組みもつくりました。

 こういうことを含めて就業支援の拡充を図っていきたいと思いますし、さらに総合的な政策を展開したいと思っております。

杉村委員 ありがとうございます。

 次に、政府の児童福祉法等の一部改正法案についてお伺いいたします。

 平成十八年、おととしの出生数は三万人ぐらいふえ、出生率も一・三二に上昇いたしました。昨年の結果は来月発表されるということで大変期待しているところでございますが、私が生まれた昭和五十四年の出生数というのは百六十四万人、出生率は一・七七ということであったそうです。そこから見れば、我が国の出生率はずっと下がり続けてきたと言ってもいいんだろうと思います。

 なぜこのように出生率は低下を続けてきたのか。多くの若い人たちは結婚を望んでいます。子供も平均すると二人程度は欲しい、こう言っております。ただ、それを阻むいわゆる結婚の壁、第一子出産の壁、第二子出産の壁、こういったものがあるのではないかと思いますが、このあたりのところを政府としてどのように分析しておられるか、お伺いしたいと思います。

大谷政府参考人 現在の急速な少子化の進行は、御指摘のありましたとおり、決して国民が望んだものではなくて、結婚や出産に対する希望と現実の間に大きな乖離が見られるということであろうと思います。

 各種の調査研究によりますと、まず結婚に際しましては、経済的な基盤、将来の雇用の見通しあるいは安定性、こういったものが影響を及ぼしている、また一人目の出産に際しましては、子育てしながら就業継続ができる見通しや、仕事と生活の調和というものが影響している、さらに二人目、三人目の出産に際しましては、夫婦間の家事や育児の分担であるとか育児不安、教育費の負担感等が影響している、こういった分析があるところでございます。

 これらの背景には、結婚、出産、子育てといったものと、それから仕事、この二者択一を迫る社会構造や、また働き方をめぐるさまざまな課題がありまして、少子化の流れを変えるためには、一つは、働き方の改革による仕事と生活の調和の実現、二つは、仕事と子育ての両立や、家庭における子育てを包括的に支援する社会的基盤の構築、この二つを車の両輪として進めていく必要があるものと考えております。

杉村委員 今お話があったように、結婚をして家庭を持つ、やはりその大前提としては、安定した職業についている、こういうことが非常に重要になるんだろうと思います。その意味では、先般の雇用対策法の改正において、労働者の募集、採用における年齢制限が禁止された、これについては私は大変評価をしているところであります。

 大臣はかつて大学で教鞭をとられていた御経験もあると伺っております。そういう意味では、多くの学生の方々とこれまで接してこられたというふうに思います。

 私どもがよく学生さんと話をしていて、また私自身も経験をしていることなんですけれども、いわゆる新卒採用、大企業が行っている募集において、新卒を条件としますよと。これは私どもにとっては非常に大きなハードルでございまして、例えば、大学四年生のときに、もう既に卒業に値する単位が十分取れているにもかかわらず、希望する会社に就職ができないというので、あえて大学の担当の教授にお願いをして、わざわざ単位を出さないで一年間留年をさせてくれと。留年させていただいて、翌年新たに新卒として就職活動をする。この不景気の時代に留年するということは、国立大学でも最低五十万円はかかる、私学ですと二百万円はかかる。二十二歳、二十三歳の若い方々が、単に新卒というだけで一年を棒に振ってしまう。こういう現状があります。

 そういう意味では、先般の雇用対策法の改正で年齢や性別の制限が禁止されたわけですが、いまだに、〇九年度採用、二〇一〇年度採用の募集要項を見てみますと、新卒に限るという大企業がほとんどでございます。二十二歳の新卒と二十三歳の既卒で果たしてどれだけの違いがあるのかというのが私の考えでございます。

 ぜひとも大臣に、このあたりのところ、主に経済界に、新卒に限らない、卒後二年、三年でも門戸を開く、こういう働きかけをしていただきたいと思いますが、御見解の方をお伺いしたいと思います。

舛添国務大臣 今おっしゃったように、わざと単位を落としてもらって留年する、私も教えている立場から、そういうケースはよくありますので、よくわかります。

 今御指摘のように、昨年の雇用対策法の改正で年齢制限の禁止は義務化されたんですが、では、新卒者のみの募集というのはどうなんだというと、これは年齢制限ということには当てはまらないということで今も行われている。ただ、新しい改正法の施行に伴いまして、事業主の努力義務としてこの点は申し渡してありまして、応募資格の既卒者、新卒じゃない既卒者への開放ということを言っております。

 それで、今委員御指摘の点は、フリーターなんかの問題もありますし、今の若年者の問題もありますので、私も、経済団体、経団連、商工会議所、中小企業団体中央会の全国組織に対して直接お伺いしてお願いをしてこようというふうに思っています。ちょっと国会日程や何かでなかなか体があきませんが、あき次第それをやりたいと思いますので、今の既卒者も含めた若者の就業機会の拡大、こういう努力をしていきたいと思います。

杉村委員 ありがとうございます。ぜひともお願いをしたいと思います。

 もしその新卒採用がなくなれば、既卒してしまった、でも現に今、非正規雇用として働かざるを得ない、たまたま就職期が超就職氷河期にぶつかってしまったという多くの若い方々に希望を与えるものだと思いますので、ぜひともお願いしたいと思います。

 次に、子育ての不安感についてちょっとお話を伺いたいと思います。

 私自身も、子育てを通じてたくさんの喜びを与えられておりますが、同時に、いろいろな心配、不安に襲われることも少なくありません。子供は天使のように見える、しかしながら、時には少しいらいらしてしまうこともある、そういった話をしてくださるお母さん方も何人かおりました。私自身も実感したように、やはり、子育ての不安を乗り越え、親としても成長していける支援が必要だな、そんなふうに感じております。

 今回の法律改正の内容の中に、子育て支援事業を法律上位置づける、こういうことが盛り込まれておりますが、その内容と、これにより、どのように子育ての不安が軽減されることにつながるのか、お伺いしたいと思います。

大谷政府参考人 乳幼児期の子育てにつきましては、核家族化の進行や地域のつながりの希薄化などを背景としまして、身近に相談したり援助を受けたりすることが難しい、また、地域の子育ての支援の情報の入手や理解をしやすくしていく必要があるなど、子育ての孤立感とか不安感、あるいは負担感を解消していくことが重要となっております。

 今回、法律上に位置づけることとしております乳児家庭全戸訪問事業、地域子育て支援拠点事業などは、こうした課題に対応するものとして、すべての家庭の子育てを対象として、地域における子育ての支援を充実していくものでございます。

 これまでの事業に対する補助を通じた実施の促進というところから、今回法律上位置づけるということになるわけでありますが、これによりまして、必要な基準を設けて質の確保が図られるとか、社会福祉法による質の向上のための自己評価の仕組み等の対象となることにより、また質の向上が図られる、また、社会的に広く認知され、利用者の安心感が高まる、またさらに、市町村が次世代育成支援のための地域行動計画において、より積極的に事業を位置づけることが期待されるなど、一定の質の確保が担保されつつ、さらなる事業の普及促進が図られるものと期待しているところでございます。

杉村委員 次に、一時預かり事業についてもお伺いします。

 私も、今もちょっとしたときに子供の面倒を見てくれる人がなかなかいなくて大変苦労しているわけですが、困ったときに子供を見ていてくれる人がいるかいないかで、やはり子育ての負担感というのは大きく変わってくるのかな、そんなふうに感じております。

 ところが、自宅で子供を育てる専業主婦にとって、保育所の壁は大変大きいものがあると伺っております。困ったときの一時保育をやっている保育所でも、何週間も前に申し込みが必要だったり、あっという間に募集が、申し込みの枠が埋まってしまったり、そういう意味では自分たちが使えるようになっていない、こう訴えてこられる方に何人も実は出会いました。

 今回、一時預かり事業を法定化するということですが、この事態が少しでも改善されればと願っておりますが、このあたりのところはいかがでしょうか。

大谷政府参考人 御指摘いただきましたとおり、特に待機児童が多い地域などでは、パートタイム就労等を理由とする定期的な利用が多く、緊急的に生ずる一時預かりのニーズへの対応が十分にできていないという声も聞かれるところでございます。

 働いている働いていないにかかわらず、一時的に子供をお預かりする需要というものはすべての子育て家庭に生ずるものでありまして、定期的に利用するパート労働者のみならず、専業主婦家庭も必要な場合には利用できるような体制を整えることが重要であると考えております。

 このため、今般の改正で一時預かり事業を法定化することによりまして、市町村における取り組みを促進するとともに、当日の緊急申し込みにも対応できるような対応を確保するなど、専業主婦層も含めたすべての子育て家庭が利用しやすいものとなるように検討を進めてまいりたいと考えております。

杉村委員 次に、保育所、まさに今の待機児童の問題ですが、おっしゃるように、数は年々徐々に減ってきているということでございますが、例えば北海道を例にとると、札幌市と旭川市、それぞれ二百人を超える待機児童が今現在いると伺っています。特に若い人が多く住む都市部では、依然として保育所に入りにくいといった実態があるようです。

 今回の法案では、家庭的保育事業、いわゆる保育ママを制度上位置づけるということでありますが、これは待機児童の解消にとって非常に重要な改正であると感じております。

 一方で、保育所における集団的な保育とは異なり、保育ママは単独で保育を行うものであることから、預ける側のお母さんにとっては、お子さんの健康や安全面の確保について非常に心配をされているところであります。

 したがって、この保育ママにお母さん方が安心して預けられるように、例えば保育ママへの研修といったものが大変重要になってくるのかなと考えておりますが、このあたりはどのようにお考えか、教えていただけますか。

大谷政府参考人 家庭的保育事業の推進に当たりましては、質と量のバランスを考えながら制度設計を進める必要があることから、本法案におきましては、家庭的保育者、いわゆる保育ママの担い手として、保育士を原則としつつ、保育士資格を持たない方についても認めていくこととしております。

 このため、保育士資格を持たない方については一定の研修を課すなど、保育の質を確保するための方策が特に必要であると考えております。

 また、就業前にすべての家庭的保育者に基礎研修を課すほか、現に家庭的保育を行っている方についても、経験年数に応じた現任研修の体系化を図っていきたいと考えております。

 なお、この研修の方法あるいは具体的内容等につきましては、今後定めます実施基準やガイドライン等におきまして明らかにしてまいりたいと考えておりまして、今後、専門家等の御意見を踏まえつつ検討したいと考えます。

杉村委員 次に、企業による子育てをしやすい環境の整備、これも大変重要な課題なのじゃないかなというふうに考えています。

 ところが、従業員の大半が働く中小企業での取り組み、これは決して進んでいるとは言えない状況にあるのではないか。また北海道を例にとりますと、これまで六つの企業が子育てをサポートしている企業ということで認定を受けているということでございますが、実は、そのいずれもが、従業員数でいくと三百一人以上の大企業でございます。これでは、ワーキングプアの問題にも見られるように、恵まれた大企業ばかりが取り組みが進み、しわ寄せを受けた中小企業は人も集まらない、取り組みも進まないということではやはり心配だなと感じております。

 今後、中小企業を含めた社会全体で働きながら子育てしやすい環境が整備されるよう、どのように取り組んでおられるか、お伺いしたいと思います。

岸副大臣 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画につきましては、平成二十年三月末現在で、お説のとおり、従業員三百人超の計画策定、届け出が義務づけられた事業主においては、ほぼ一〇〇%の方々が策定、届け出をいたしております。しかしながら、努力義務である三百人以下の事業主においては、策定、届け出数が平成二十年三月末現在で約一万一千社にとどまっておりまして、おっしゃるとおり、その取り組みは進みつつあるものの、十分に広がっていないというのが現状でございます。

 このため、本法案では、これまで行動計画の策定、届け出が努力義務だった百人超の事業主について、策定、届け出を新たに義務づけることとしたわけでございます。

 一般事業主行動計画に基づく取り組みは、中小企業にとりましても、人材の定着、社員の意欲や満足度の向上、社会貢献企業としてのイメージの向上など、それぞれメリットがあるものでありまして、今後は、このような事業主行動計画に基づく取り組みによるメリットの周知や、中小企業における行動計画の策定についての丁寧な相談、援助を行ってまいりたいと思っております。

 このような取り組みによって、働きながら子育てしやすい環境整備を一層推進してまいりたい、こういうふうに思っておるところでございます。

杉村委員 ぜひともそのように取り組みを進めていただきたいと思います。

 何カ月か前の新聞で、父親が家事をしたり子供にかかわる時間、父親が子供にかかわる時間が長ければ長いほど二番目の子供が生まれる割合が高くなる、こういう新聞記事を朝見て、ちょっと父親としては冷やっとしたところなんです。

 よく同世代の男性と話をしていても、厳しい経済状況の中で、夫婦ともに働き、ともに子育てをしていこう、こういうふうに考えている方がやはり多くなってきているのではないかな、そんなふうに考えています。

 また、私の妻を見ていても、一人で一日じゅう育児をしている、そんな妻の負担というのは大変大きいなと。特に私の場合は、私の両親というのは北海道の旭川、女房の実家というのは群馬の太田、私どもは赤坂の議員宿舎におるということで、なかなか親の援助も受けられないということでございます。そういう意味では、やはり父親がもっと育児に積極的に参加していくということが非常に重要なのかなと本当に痛感をしているところでございます。

 ただ、まだまだ、男性が育児休業をとったり、子供が病気になった、それでお父さんが平日に病院に連れていくということは、やはりなかなか現実問題難しいのかな、特に、勇気を持って仮に育児休業をとっても、いわゆるお父さんの公園デビューといったものは本当にハードルが高いなと。

 先日、実は私、女房、子供と一緒に、天気のいい日に、都内のいわゆるお母さん方が一緒に集まる公園に行ってまいりましたが、さすがに、女房、子供と一緒にいても、私ども街頭演説をしますけれども、街頭演説よりもはるかに緊張するような、やはりそういう一種独特の空気感がある。男性が公園デビューするというのはなかなか、そういうのは正直言ってまだ率直な感想なんだろうというふうに考えます。

 そういう意味では、私自身もやはりもっと子育てにかかわりたいと考えている父親の一人ですが、父親の子育て参加を進める取り組み、これは、ぜひとも職場サイドと地域の子育て支援のサイドの両面から取り組んでいただきたい、そのように考えますが、このあたりのところはいかがでしょうか。

岸副大臣 先生のおっしゃるとおり、育児に夫たる男性が参加する時間が長ければ長いほど第二子の出生の割合が高いというのは、調査の結果明らかでございます。また、父親の子育て参加を進めるためには、ただいまの、家庭における役割と、それから職場、それから地域、この三つが非常に重要なファクターだ、こういうふうに思っております。

 そこで、父親の育児参加を進めるために、厚生労働省といたしましては、職場における取り組みとして、男性も育児休業を取得できることを周知徹底するとともに、次世代法に基づく企業の認定基準として、男性の育児休業取得者がいるということを要件としております。男性の育児休業取得をこれによって一層促進したい。それから、平成二十年度において、育児期の男性が仕事と家庭が両立可能な働き方を設計、実践するためのハンドブックの作成、配布などを行うつもりでございます。

 また、地域における取り組みといたしましては、子育て中の親子が集う地域子育て支援拠点事業において、父親サークルの育成などに取り組む場合の補助金額の加算等を通じ、父親の積極的な子育て参画をバックアップするなどの各施策に取り組んでいるところでございます。

 このような取り組みによって、職場においても、地域においても男性が育児に参加しやすい環境が整いますように今後一層努力をしてまいりたい、こういうふうに思っております。

杉村委員 ぜひとも、何の気兼ねもなく父親が地域の子育てに参画できるような、そういう社会をつくっていただきたいなと心から願っております。

 最後に、保育サービスや育児休業の充実、地域の子育て支援などを充実していこうと。これは当然のことでありますが、やはりその裏には財源、お金がかかるだろう、そういうふうに考えております。

 日本の場合は、子育て支援にかけている経費が他の先進国と比べてかなり少ない、GDP比で見るとフランスの四分の一程度だ、仮にフランス並みに対策を充実すると十・六兆円も必要になる、こんな話を伺いました。どうしてこんな違いが出てくるのかなと思うわけです。

 例えば、これから十年間、この子育て支援に関してこれだけのお金をかけて、これだけのことをやりますよ、こういう明確な何か施策が打ち出されれば、もっと多くの人たちが安心して子供を育てていく、そういうことができるのではないかなと思います。若い人たちの心に届く新しい子育て支援の取り組み、プランをぜひともつくっていただけないかなと思います。

 最後に、大臣の御決意をお伺いしたいと思います。

舛添国務大臣 その問いにお答えする前に、ぜひ杉村委員が新しい父親像をつくっていただいて、公園デビューの難しさ、私も実は子育て真っ最中なので、すべて委員がおっしゃったことを体験しております。まだ委員は若いですからいいんですが、私のように、公園デビューすると、かわいいお孫さんですねと言われる。孫じゃなくて子供なんですけれども、そういうようなこともあり、一々今おっしゃることはよくわかりますから、ぜひ頑張って、新しいカップル像、新しい働くお父さんの子育て参加のモデルをつくっていただきたいと思います。

 さて、政府の方ですが、今おっしゃったように、私は、だから杉村委員ぐらいの年にフランスで生活していて、それで日本へ帰ってきて、何でこんなに例えば子供とか家庭についての支援策が足りないんだろうと思いました。今、四兆三千三百億円ぐらい子供とか家庭に使っているんですね。GDPが五百兆ですから大体〇・八%。大体先進国というのは二、三%。ですから、五百兆あれば、一%で五兆ですから、やはり十兆から十五兆ぐらい使っていいことになるんですね。

 ただ、財源の問題、こういうのがいろいろありますけれども、そういうことで、やはりワークライフバランス、私たちも仕事と生活のバランスをとらないといけない、それから子育て支援サービス、これを車の両輪としてやっていこうということで、新待機児童ゼロ作戦ということで、三年間集中期間としてやる、この前もプランを出しましたけれども、今のところ、新たな制度体系をつくるということで、先般の五月二十日にまとめました。それだと、子どもと家族を応援する日本重点戦略、こういう名前でやった政策をお金で裏づけすると一兆五千億円から二兆四千億円、これだけのお金がかかる。

 ですから、今委員がおっしゃったように、これは医療の問題も介護の問題もすべてそうですけれども、社会保障にはこれだけお金がかかります。高福祉ならば高負担です、低福祉なら低負担です。フランスと日本と比べて、フランスは、ほかのヨーロッパ諸国もそうですけれども、EUに加盟する条件として最低一五%以上の消費税ということになっております。スウェーデンなんか二五%ですね。

 ですから、例えば一%消費税を上げれば二・五兆円税収が上がりますから、そうすると、今言った二・四兆円というのは入るわけです。これをそろそろ国民の皆さんと、給付と負担ということをしっかり議論してやっていきたいと思いますが、今後とも、新しい制度設計、それは税制改革もやらないといけないです、そういう総合的な議論をしながら、子育て支援策、そして子供と家庭を守る、こういう政策を展開していきたいと思っております。

杉村委員 ありがとうございました。

 ぜひとも、そういった政策、政府には強く要望して質問を終わります。ありがとうございました。

茂木委員長 次に、福岡資麿君。

福岡委員 自由民主党の福岡資麿と申します。

 杉村さんに引き続き、質問を行わせていただきます。

 まず初めに、民主党提出の児童扶養手当法の一部を改正する法案について話を聞かせていただきたいというふうに思います。

 まず、私の周りにも、今、離婚家庭とかが増加していますから、同級生とかでも母子家庭とかがたくさんありますし、先般、母子家庭の方々と生活実態についてお話を聞く機会をいただきました。そういった中で本当に厳しい生活をしていらっしゃるんですね。

 平成十八年の調査によると、母子家庭の平均年収が二百十三万円、これは全世帯の平均の三七・八%ということでございまして、平均の四割にも満たないというような状況であります。この数字にあらわされますように、生の声を聞いてみると、子育てをしながら本当に一生懸命働いていらっしゃるにもかかわらず、所得は低くて、まさに肉体的にも、そして精神的にも、経済的にも大変つらい立場に置かれているというのが現状だというふうに思っています。そういった現状を踏まえて環境改善に努めていかなければいけない、このことについては与党も野党も同じ認識のもとに立っているということをまず確認をさせていただきたいというふうに思います。

 その上でお聞きしたいんですけれども、平成十四年に母子及び寡婦福祉法の改正が行われた際に、それまでは児童扶養手当中心の施策であったのを、就業、自立に向けた総合的支援ということで、大幅にかじを切っていったわけであります。そして、国としてもしっかりとそういった自立の支援を行いながら、自立が図られたのであれば、支給後五年後を目途として、二分の一を超えない範囲で支給を停止しようということが定められたわけであります。

 今回、与党の措置としては、まだまだ十分自立が図れていないという現状を踏まえて、支給停止を行わないということを決定したわけなんですけれども、民主党さんの案でいうと、支給停止ということをそもそも外してしまうということを決められたわけでして、そうすると、この平成十四年の法改正の趣旨である自立の促進という部分に対して、民主党は否定された、もしくはもうあきらめられたのではないかととらえられても仕方がないのではないかというふうに思うわけなんですけれども、その点についてまず御見解をお聞かせいただきたいと思います。

西村(智)議員 福岡委員にお答えいたします。

 福岡委員も母子家庭の皆さんと意見交換をされて、その現状把握に努めておられるということ、まず敬意を表したいと思います。

 おっしゃるように、まだ母子家庭の現状は大変厳しいものがございます。それは私も意識は共有していますけれども、結論から申し上げまして、自立を促進したいというその考えは基本的には今回の法案をもっても変えてはおりません。しかし、多くの母子家庭の皆さんが、大変厳しい就業状況の中で、いつ母子家庭に対する児童扶養手当が削減されるかという不安の中で生活をしておられることもこれまた事実でありまして、そういった不安を軽減し、しっかりと就労に向けてのトレーニングなどを行っていただいた上で、確実に就職まで結びつけていただけるような、そういう環境整備、経済支援は、これはやはり就労支援とセットで行われなければならないと私たちは考えておりますので、今回、その規定の削除の法案を提出しているところでございます。

 諸外国では母子家庭の就労率が低いために、母子家庭の就労率アップが課題となっておりますけれども、日本では既に八五%の母親が働いております。母子家庭の母は、それぞれ懸命になって自立に向けて努力をしているにもかかわらず、就労実態は、先ほど福岡委員御指摘のとおり、年収は平均世帯の約四割ということで、依然として経済的自立にはほど遠いという状況でございます。

 二〇〇二年の法改正時には、この児童扶養手当の減額規定に対して、与野党問わず、その趣旨と妥当性について厳しい追及がなされており、また全国の母子家庭の母からも不安の声が上がっておりました。

 この規定は、政府の自立支援策等によって母子家庭の自立が図られて、経済的支援が不要になることを前提に規定されていましたが、働く母子家庭の母にとって現実は非常に厳しい状況にあります。結局、二〇〇二年の法改正から五年たっても状況は改善されておりません。

 こういう母子家庭に対しては、経済支援にプラスして就労支援が必要だということは有識者の方も指摘をしておられまして、また母子家庭には、DV被害によって精神的や肉体的にも働くことが難しいケースもあります。それぞれに置かれている状況を把握しないまま、最初に削減ありきという姿勢が問題だと私たちは考えております。

 二〇〇二年の改正時に、民主党の主張によりまして、就労支援をきちんと行うことが附帯決議に盛り込まれました。しかし、その就労支援が成果を上げていない現状と、当事者の多くの声を聞きまして、民主党は、今回、本法律案を提出した次第です。

 母子家庭の母にとって就労支援が必要なことは論をまちません。自立の一助となる就労支援も当然にしっかりと行っていくべきであると考えております。

 以上です。

福岡委員 ありがとうございます。

 今後もいろいろ質問したいことがありますので、なるべく答弁は簡潔にしていただきたいというふうに思います。

 今聞いていて思いましたのは、鶏が先か卵が先かではないんですけれども、やはり就労支援を促進する、それが実現した暁には支給停止もするということを残しておくということが、社会的にもそういった就労支援に向けて一致団結して取り組んでいこうということをあらわすことになるのではないかというようなことも考えられるわけでして、それが実態としてまだしっかりとした自立が進んでいないというところは認識として一緒でありますけれども、だからといって、今もうそういった支給停止要件を取り下げれば、では、その頑張ろうという意欲に対して、逆に、もうそんなに、これまでどおりでいいのかなと思われてしまうという形にもなりかねない部分というのは私自身として感じるわけでございます。

 ここで一つお聞きしたいのは、先ほども、民主党さんとして、自立の促進を図っていくということでありますが、もし、もっと自立が進んで、そして仮に賃金水準ももうどんどん上がってきて、一般の方々と近づいてきたと仮定するのであれば、これはそういった支給停止ということについても民主党さんとしてはあり得るというふうにお考えなのかどうか、お聞きをしたいというふうに思います。

西村(智)議員 福岡委員は、今母子家庭の置かれている現状を十分把握しておられますし、母子家庭の母が就労などで大変厳しい状況に置かれているということを御存じであろうと思いますので、先ほどの質問はいささか、そういう文脈からいたしますとちょっと理解に苦しむところでありますけれども、やはり今母子家庭が置かれている状況をまずは改善をするということ、これが先ではないかと私は考えております。

 まだ男女間の賃金差別、これも大変大きなものがありますし、就職の面接に行っても、母子家庭だからということでそこで切られてしまう例も報告をされております。そういった社会全体での見守りを十分整えられない現状で手当の削減が先に来るのだということは、これは政府の政策の姿勢としては私は誤っているというふうに考えます。

福岡委員 その点は、確かにおっしゃるように、まだまだ状況としては芳しくないというのは御指摘のとおりだというふうに思っています。

 そこで、御承知のとおり、今与党案におきましても、障害や疾病によって就業が困難であるというような特定の事情がないにもかかわらず就業意欲が見られない者以外については、そういった支給停止を行わないというようなことを決めておるわけでございまして、そういった点では、先ほど西村委員がおっしゃったことはすべて担保できているのではないかというふうに思うわけでございます。

 民主党さんの案でいうと、特別の事情がないにもかかわらず就業意欲を示さない方に対しても一部支給停止を行わず、すべて手当を支給するということになっていて、自立の促進という意味では、その精神に反するのではないかというふうにも考えられるわけなんですが、この点についてはいかがですか。

郡議員 御質問ありがとうございます。

 先ほど西村議員からも説明がありましたけれども、私たちは、まず母子家庭の就業がしっかりと成り立つという状況には依然ないということを踏まえて、今回この法案を提出させていただいたところです。

 大変厳しい状況に置かれておりまして、与党の案というのは、法律はそのままにして、期限のない政省令でごまかしをするというふうにとらえております。母子世帯に煩雑な手続を課してどういう意味があるのだろうかというふうにも思えるところでございます。母子世帯が毎年提出している現況届に加えて、一部支給停止除外事由届け出、これも提出させるということですけれども、この事務手続だけでも大変煩雑なものになって、またこの事務費も大変かかっているというふうに承知しております。

 これは、残念ながら、母子世帯、さまざまな事由で就業になかなか結びつかないという状況も、あるレポートでは一一%程度あるというふうなことですけれども、その事由については、本当に探していても就業できない、あるいは、先ほども申し上げましたけれども、DV被害などで夫からの追跡を逃れるために職安にも出向けないという状況などもございます。

 こういったことを踏まえて出させていただいているわけで、今、福岡委員からお話がありました、母子世帯が怠けているのではないかというふうにとらえられる、そういうような偏見というものは、ぜひ改めていただきたいというふうに思うところです。

福岡委員 まず申し上げておきたいのは、私は怠けているとは決して申しておりませんで、大多数の方々は本当に一生懸命やられているわけであります。そういった現状は、先ほど来申していますように、私もずっと目の当たりにしてきておりますし、そういった、私の説明が悪かったらあれですけれども、決して怠けているというような認識を持っているわけではないということは、ぜひ強く申し上げさせていただきたいと思います。(発言する者あり)では、ぜひ撤回をしてください。

郡議員 大変誤解を招くような言い方があれば、それについてはおわびをしたいと思いますけれども、ただ、現状は、母子家庭は大変厳しい状況にある。福岡委員も先ほど述べられたとおりであります。

 こういう状況がなかなか進まない中で、ここで一方的に打ち切ろうということに対して、私どもは、経済支援と就業支援、これは両立であるということを申し上げているんです。このことがなければ、母子家庭の本当の意味での自立というのはなされないということでして、その辺を御理解いただきたいと思います。

福岡委員 今の御答弁の中で、一方的に打ち切ろうとありましたけれども、与党案を見ていただいてもわかるように、当然、努力をされている方々についてはすべて行くわけでございます。

 ここで一つお聞きしたいんですけれども、もし、今回、今の与党の現状ではなくて民主党さんの案になった場合には、追加的な予算としてはどれぐらいかかるというふうに予想されているかということについてお伺いをさせていただきたいと思います。

西村(智)議員 お答えをいたしたいと思います。

 正直申し上げますと、これは、私どもも政府に聞きたいという気持ちなのでございます。ことし二月の政令で、就労意欲が見られない者についてのみ支給額の二分の一を支給停止することとされ、実質的には、ほぼすべての母子家庭では手当を削減されることはないと思われます。実際、厚生労働省からの説明でも、削減対象となる母子家庭の数については非常にあいまいな説明でありまして、ほとんどないという説明であったり、あってもわずかだという説明であったりいたします。したがって、財源手当ては、政府において、政府の責任でなされているものだと考えます。

 また、政府では、児童扶養手当に係る予算として、十九年度予算で千五百五十八億円、二十年度予算では千五百九十三億円を計上しております。昨年秋に、与党PTの合意によって一部削減の凍結が既にその時点で確認をされていますので、政府も財源の手当てを既に行っており、新たに必要となるものではないというふうに考えます。

福岡委員 今おっしゃいましたとおり、私が聞いている限りでも、現在でも約八五%の方が実際に就業されていらっしゃるわけです。そして、残りの一五%のうちの八割の方は何らかの形で就業の意欲を持ってそういう活動をされているということでございまして、そして、残りの三%の方々についても、先ほど言った障害であったりいろいろな事情によってそういった要件に当てはまらない方がほとんどだというふうに承っております。

 ということでいうと、支給される方の対象が変わらないということであれば、与党案ではなくあえて民主党案でなくても、十分、今の状況のまま、そして、自立をより促進していこうという意欲をかき立てるというか、そういうふうな意欲を持っていただくというためにも、私自身は与党案の方がいいのではないかというふうに思っております。

 ただ、これはお互い考え方が違うことでありますので、ここは私は、今の与党案の方がいいということを述べまして、次の質問に移らせていただきたいというふうに思います。

 舛添大臣にお伺いしたいんですが、先ほど来、民主党さんの答弁にもあっていますように、これまでも政府はさまざまな努力をしてきましたけれども、まだまだ就業が進んでいなかったり、また、就業されても賃金が十分に上がっていなかったりという現状があるわけでございまして、これに対して、政府としてどういった取り組みを今後強化していくつもりなのかということについてお伺いさせていただきます。

茂木委員長 ちょっと、大臣の前に、与党案の方がいいということに対して多分言いたいんでしょうから。

 西村さん。

西村(智)議員 委員長の御高配に感謝を申し上げます。

 今回、私たちが改正案を提出いたしましたのは、まずは、自立支援ということに向けて、経済支援と就労支援は必ずセットで行われなければいけないという基本的な考えがございます。

 また、与党PTの合意によりまして出された政令によって既にカバーできているではないかという御趣旨だと思うんですけれども、実際には、今までどおりの支給額を受けようとすると、母子家庭の母には大変多くの煩雑な手続を経なければ、それはなし得ないのであります。

 雇用証明書などというものを雇用主からいただいたり、あるいは障害を持っている人はその様式に沿った診断書を提出しなければならなかったり、あるいは、就業活動をしている人はハローワークなどに行ってその証明をとってきて、毎年八月に既に母子家庭の母は現況届というのを出しておりますけれども、それに加えて一部支給停止事由除外届というのを出さなければなりません。

 この煩雑さを新たに母子家庭の母に与えているというのはいかがなものか。そういう目で母子家庭の母が見られているということが、逆に就労意欲を損なうことにならないか、私たちはそこのところを懸念しているのでございます。

 また、これに伴って多くの事務費が生じていると言われておりますけれども、この手当てについては、まだ明確な手当てがなされていないと聞いております。そういう煩雑さを除外し、また、本当に母子家庭の母が就労意欲を持っていただけるためには、この規定はやはり除外したいというのが私たちの考えでございます。

舛添国務大臣 母子家庭の自立支援ということで、先ほども申し上げましたように、平成十五年度から、まず子育て生活支援が一つ、それから二番目が就業支援、それから養育費をきちんと確保する策、これが三番目、そして経済的な支援策ということをやっております。今年度は、特に、大都会は比較的簡単に自立支援センターに行けるんですけれども、小さな町でそれができなかった。これが、実際実施できるように、事実上同じことができるようにいたしました。

 それから、先ほど来、やっと民主党案の提出者と委員との間の議論がありましたけれども、要するに、どういう形で自立をするのか、そのための支援を行う。ただ、その支援のあり方がまずければむしろ自立を損なうことになる。これは、例えば障害者自立支援法なんかについての理想もそうなので、やはり、障害を持っていようと母子家庭であろうと、一生懸命働いて、自分の稼ぎがあって、税金も払っているということが一番理想なんですね。そういうことをやる。

 ただ、その前に、民主党の提案者の方々もおっしゃっている、福岡委員もおっしゃっているように、余りにも困った状況がある。これに対してはきちんと手当てはしないといけないと思いますが、そういう中で、ずっと働いていない、直ちに働けといってもこれはなかなか難しいので、とりあえずボランティア活動からやってみませんか、そういう形で、外の世界の風を感じながら、では仕事をしよう、急にというのは難しいですから、こういうことの事業も創設しました。

 それから、先ほど申し上げましたように、資格を取る、看護師さんとか介護士さん、こういうこともお手伝いしようということでありまして、総合的なそういう支援策を今年度予算でも組んでおりますので、さらにこういう施策を充実させていきたいと思っております。

福岡委員 ありがとうございます。

 舛添大臣には、ぜひ力強いリーダーシップを発揮していただきたいと思いますし、あと、民主党さんの先ほどの追加の答弁について申し上げますと、就労支援とセットでなければいけないということについては、私もそのとおりだというふうに思います。そして、現状、それが道半ばだということも承知しております。

 ただ、手続が煩雑であれば、そこの部分を今後考えていけばいいのであって、それをもってすべてを、支給停止を全員に対してなくしてしまう理由には、それだけをもってしてはなかなかなり得ないのではないかというふうに私自身は思うということをここで述べさせていただきたいというふうに思います。

 先ほど大臣にも御答弁いただきましたように、今いろいろ御努力いただいておりますが、これは地元の方でも聞きましたけれども、例えば母子家庭等就業・自立支援センター事業における講習会、そういったものは雇用均等・児童家庭局が管轄であったり、また、母子家庭を対象とした訓練事業等については能力開発課、特別訓練対策室というのが所管であるというようなことで、旧省の縦割りの中でうまく連携が図れていないんじゃないかというような指摘もありました。そういった部分については、これは質問する予定でありましたが時間の都合で割愛させていただきますが、ぜひそういった一体となった取り組みを進めていただきたいということを申し上げさせていただきたいというふうに思います。

 続きまして、児童福祉法の改正についてお話を伺わせていただきます。

 この法律は、昭和二十二年、新憲法制定後の第一回国会に提出された大変歴史ある法律でありまして、当時は戦災孤児とかが大変多かった時代でありますが、その当時であっても、憲法の理念を踏まえて、対象を限定するのではなくて、児童全体を対象とするという画期的な法律であったというふうに承知をしております。

 そういう中で、これまでも、幾度の改正を経て、さまざまな御努力をしていただいているところでありますけれども、実態を見てみますと、今子供の福祉が本当に守られているのかといったところについては疑問に思わざるを得ないところもあるわけであります。親がみずからの子を虐待するというようなことはもってのほかでありますけれども、虐待を受けた子供とかがその後のしっかりとした権利を擁護されるような状況になっているのか、そういった部分について少し御質問をさせていただきたいと思います。

 まず、一つ例を挙げさせていただきますが、児童福祉施設の居室の一人当たりの面積基準というのは、三・三平米に一人ということになっています。これは平成十年に改正されまして、それまでは二・四七平米だったのが三・三平米にふえたわけなんですけれども、わずか畳一畳分の居室スペースしか基準では設けられていないという状況なんですね。

 これは、ほかの基準で見ますと、例えば、従来型の特別養護老人ホームでは十・六五平米に一人、老人保健施設では八平米に一人、また、障害者の支援施設では九・九平米に一人ということを考えても、明らかに、この三・三平米に一人というのは面積基準として小さいのではないかというふうに思います。

 また、児童養護施設の先生方からも、意見をお伺いしますと、今、職員の配置基準については、三歳に満たない幼児二人につき職員一人以上、また、満三歳以上の幼児四人につき一人、満六歳以上の少年については六人について一人という基準が定められておりますけれども、昨今の状況でいうと、被虐待児であったり発達障害のお子さんであったりがたくさんふえてきている中で、この人員基準だと十分な対応ができないという声も届いています。

 今、厚労省さんで専門職の配置も認められておりますけれども、職員が不足していることによって、専門職の分野ではない分野に人手を割かれて、なかなか十分なケアができないといった声も聞くわけであります。

 そういったことすべてを含めまして、施設基準そのものをもっと抜本的に見直していく時期に来ているのではないかというふうに思いますが、その点について御見解をお聞きしたいと思います。

舛添国務大臣 一人当たり三・三平米ということですから、畳でいうと二畳に一人ですよね、一坪ですから。だから、四畳で二人。確かに狭いんですね。ですから、こういう問題意識は持っております。昨年の十一月の社会保障審議会の児童部会社会的養護専門委員会の報告も、そういう問題点を指摘しております。したがって、今、調査をした上で何とか改善できないかと。すべては財源ということに行き当たります。

 しかし、次の世代の子供たちを育てるということをきちんとやらない社会というのは未来はないわけですから、夢の部分であるわけなので、私は、先ほど杉村太蔵委員のお話のように、これだけのお金がかかりますよ、したがって、これは国民の皆さんにきちんとお話をして、そして御負担をいただく、そういうことを我々は説明して理解を求めるべき時期に来ているというふうに思っていますので、来年度予算に向けて、そういう努力をさらに展開してまいりたいと思っております。

福岡委員 力強い御答弁、ありがとうございました。

 先ほど私、一畳に一人と言いましたけれども、大臣がおっしゃったように二畳に一人で、訂正させていただきたいと思います。

 よく言われておりますように、これだけ高齢者等の対策にもお金がかかる、児童にも当然もっとお金をかけていかなければいけないという中で、いろいろ議論されておりますマイナスシーリング等につきましても、大臣として、しっかり予算確保に努めていただければというふうに思っております。

 次に、里親の制度についてお伺いしたいと思います。

 このたび、里親制度が改正されまして、養子縁組を前提とした里親と養育里親ということがはっきりと区別をされるようになりました。日本は、これまでの歴史的経緯でいうと、養子縁組の里親は多かったんですが、なかなか、養育里親が少ないという現状がありました。

 私、びっくりしたんですが、私の地元の佐賀県で調べましたところ、平成十九年で、実際に養育されている養育里親の数がわずか六人しかいないというような状況でございまして、ニーズに対して十分提供体制がとれているのかというと、甚だ疑問だというふうに思う部分もあるわけでございます。

 これは、歴史的な背景であったり、また、いろいろな価値観の問題とかもあって、そう容易ではないということは十分承知しておりますが、今後ますますこの里親制度を普及させていくという観点から、大臣としてどういった考えで進めていかれるのか、そういったことについてお聞かせをいただきたいと思います。

舛添国務大臣 里親制度、これは昔は家というものを守るために、江戸時代なんかを見ればわかりますけれども、養子縁組はもう当たり前であったわけですね。だけれども、今日、そういう時代が、封建制度が終わって民主的な時代になったときに、新たな観点からの里親というのがなかなか生まれない。私のアメリカの友人なんかは、世界各国から養子を迎えて、自分の家族の中に、肌の色でいえばさまざまな色の子供さんたちがいて、みんなこれは自分たちの子供だと。これがある意味で普通の状況になっている。ところが、やはり日本というのは、そういう養子縁組のようなことが今余りやられません。

 そういう中で、養子縁組とは違った形で里親制度ということが必要なのは、施設に入って親の温かさというものを感じない子供たちは私はかわいそうだと思いますね。そういう中で、やはり親の愛、里親であっても、そういうことで育って、家庭環境というのはこういうものだということで育てていくということが非常に大事だと思います。

 そういう意味で、里親への手当を今年度予算において引き上げるということで、例えば月額九万二百円だったのを十二万三千円に引き上げるということで、今、佐賀で六人ということで、なかなか定着していませんが、そういう手当の充実とともに、やはり私は、国民の意識として、ゆとりのある方、そしてそういう手当が出ますから、ぜひと。大変なのはわかりますよ、里子をもらって育てるというのは非常に大変だと思いますけれども、そういう里親をやってくださる方に対する社会的評価、本当にいいことをなさっている、ぜひ皆さんやりましょうと。

 そして、特に大都会だとスペースの問題があるんですね。もう一人、子供部屋をつくれるか。だけれども、例えば佐賀で、田舎のところだと部屋もたくさんあるわけですし、ぜひこの運動を国民的な運動で広めていきたいと思っていますので、またぜひ佐賀の方、人数も委員の御努力でふやしていただければ、そういうふうに思っております。

福岡委員 ありがとうございました。

 大臣おっしゃっていただきましたように、政府も取り組んでいただかなければいけませんし、当然我々議員も含めて、社会全体となって取り組んでいくということが大切であろうというふうに思っています。

 先ほどおっしゃいました、今、虐待児とかが大変ふえてきておりますので、そういった方の中にはなかなか集団生活になじめない方も大分多いというふうに承っておりまして、そういう部分では、家庭的雰囲気の中で育てるという環境を少しでも多くふやしていくということは大変社会的には意義があることだろうというふうに思っています。

 そういった流れの一環で、今回、小規模住居型児童養護施設というのが新たに設けられました。これは何かというと、イメージとしては、従来の里親の拡大版ということをイメージしているというふうに伺っていますけれども、大体一つの家庭で五、六人をお預かりするということを想定されているということであります。

 これは、数字だけで構いませんので、ぜひ、その小規模住居型児童養育事業について、人員配置とか設備とか、そういった家事や養育の補助について、今現状としてどうお考えなのかについて御答弁をお願いします。

大谷政府参考人 小規模住居型児童養育事業、いわゆる私どもファミリーホームと呼んでおりますが、このファミリーホームにおきましては、おおむね六名程度のお子さんを養育するに当たりまして、適切な養育の質を担保するために、まず養育者につきましては、養育里親として複数の子供を一定期間以上受託したことがあること等、要保護児童の養育に関し相当の経験を有する者であること、また、家事や養育を援助する者を確保すること、また住居については、日常生活に支障がないよう必要な設備を有し、子供に対して適切な援助等を行うことができる形態であるといった要件を課すこととしておりまして、詳細につきましては今後詰めてまいりたいと考えます。

福岡委員 今、詳細については今後定めるというふうに承りました。

 これは、先ほどの舛添大臣からは佐賀みたいなところは家が大きいという話も言っていただきましたが、一つの家庭で五人、六人を今の状況に加えて受け入れられる家庭的余裕、スペースの余裕があるところは、さすがに地方でもそうあるわけではございませんで、そういったことを考えると、この制度を本当に実効的にするためには、例えば施設を改築したり増築したり、そういった部分についてのコスト負担をどう考えていくか、そういったことも考えていかなければ、なかなかこの制度の浸透というのは図れないのではないかというふうに思っておりまして、そういった点についても御指摘をさせていただきたいというふうに思っております。

 続きまして、話題をかえますが、今回の改正で、施設内の虐待の防止というのが盛り込まれました。

 職員による虐待というのもそうなんですけれども、施設内の児童同士での虐待というのも最近多いというふうに承っております。虐待を受けたお子さんというのは、ほかの人に虐待をすることによってしかみずからを保つことができないような方々もいらっしゃるというふうに承っておりまして、そういった児童間の虐待というのも今非常に深刻な状況があるというふうに承っております。

 そういった部分では、今回、発見した人が通告をしなければいけないという義務が課されたわけですし、児童からの通報もできるような仕組みになったわけなんですけれども、その場合に、例えば懸念されるのは、児童はそこの施設でそういう通報をしたことによって行き場がなくなるのではないかという不安があったりしますので、どうやってその児童を守っていくかという観点も必要だと思いますし、また、今回の改正の中身をどうやって、今施設に入られている児童がそういう制度があることを知らないまま過ごしてしまうことがあるわけですから、そういった部分をどうやって周知させていくか、こういった点についてお伺いさせていただきたいと思います。

大谷政府参考人 施設内の虐待の深刻化を防止するためには、子供が虐待を受けた場合の届け出の仕組みなどについて十分理解していただいて、必要な場合には遅延なく届け出を行っていただくということが非常に重要なことだと考えております。

 子供さん方への周知方法の例でありますけれども、一つは、既に多くの自治体で作成、配布されております子どもの権利ノートといったものがあるわけですが、これに、届け出先である児童相談所、都道府県、あるいは都道府県の児童福祉審議会等の連絡先を記載するであるとか、施設において行われます子供がみずからの権利を理解するための学習の機会というものを通じてこういった届け出の仕組みを周知する、こんなことが考えられると思います。

 既にこれらの取り組みを先駆的に行っておられる自治体の例を施設内虐待に対するガイドラインに盛り込みまして、各自治体で参考にしていただけるように努めてまいりたいと考えます。

福岡委員 ありがとうございます。

 ぜひ実効ある取り組みをしていただきたいというふうに思っております。

 話をかえますが、先般、児童養護施設の先生と話している中で、先ほど言いましたように、家庭的な雰囲気という意味では、大きい施設から小さいユニット化を図っていくということは大変すばらしいことだと。ただ、一方で、今、施設基準でいうと四十人以上の施設については栄養士とかの配置をしなければいけないというふうに決まっておりますけれども、特にお子さんのときの情緒の安定のために食育というのは非常に大事なんだけれども、小さいユニット化を図っていくと、そういったところが、大きい施設だと栄養士さんがちゃんと管理するんだけれども、ユニットを小さくしていったときにそういった問題がどうなるのかといった御不安の声もいただきました。この点についても御見解をお聞きしたいと思います。

大谷政府参考人 児童福祉施設は、さまざまな理由によりまして家庭で養育できなくなったお子さんたちのための生活の場であります。家庭にかわり適切な衣食住を提供するとともに、安心して暮らせる場であるということが求められております。

 この食生活面でありますが、成長期にある子供たちの栄養面あるいは衛生面に十分配慮されるように、一定人数以上の規模の場合には、今お話ありました栄養士の配置を義務づけているところでありますが、そもそも食事は楽しみであるとともに大切なコミュニケーションの場でもあり、情緒の安定にとっても重要であると考えております。

 今御指摘ありました、定員が少ない施設においてこれを必置するというのはなかなか難しいわけでありますけれども、調理スタッフや指導スタッフが共同してお子さんの好みやあるいは季節に配慮した献立を作成するなど工夫して、また食事マナーを身につけたり料理への興味を育てるなど、こういった食育を推進するよう都道府県を通じて働きかけてまいりたいと考えております。

福岡委員 ありがとうございます。

 ぜひ実効ある取り組みをしていただきたいと思いますし、また、少し論点は変わりますが、これは先ほどの舛添大臣がおっしゃったみたいに予算の部分もあるかと思いますが、そういった児童養護施設とか、例えば学校とか、そういったところには栄養士の配置基準があるんですが、子供の居場所である保育園に対しては、今、栄養士の配置基準が全く設けられていないという状況があります。そういった食育の観点からしても、ここはぜひ検討すべき課題ではなかろうかということをこの場で申し上げさせていただきたいと思います。

 まだまだ通告しておりました質問が複数ございましたが、予定の時間が参りましたので、これにて質疑を終了させていただきます。今後とも、ぜひ政府として力強い取り組みをお願いさせていただきます。

 ありがとうございました。

茂木委員長 次に、古屋範子さん。

古屋(範)委員 公明党の古屋範子でございます。

 まず初めに、民主党が提出をされております児童扶養手当法改正案に関連して、厚労省にお伺いをいたします。

 この児童扶養手当の一部支給停止措置につきましては、私もメンバーの一人として参加した与党プロジェクトチームにおきまして議論を行い、昨年十一月に取りまとめを行ったところでございます。

 その取りまとめでは、受給者やその子供等の障害または疾病により就業が困難な事情がないにもかかわらず就業意欲が見られない者を除き、一部支給停止は行わないものとされまして、これに沿った措置が政令により定められたところです。

 この措置につきましては、依然として厳しい状況のもとに置かれている母子家庭の実態を踏まえまして、母子家庭の自立促進という観点を重視したものとなっておりまして、適切なものと考えております。

 実際の運用に当たって母子家庭の母に大きな不安を与えることのないよう、十分な配慮が必要と考えます。この観点から行政としてどのように対応していかれるか、お尋ねいたします。

大谷政府参考人 児童扶養手当の一部支給停止措置につきましては、受給者やその子供等の障害、疾病等により就業が困難な事情がないにもかかわらず、就業意欲が見られない者についてのみ手当の支給額の二分の一を支給停止することとし、その他の者については一部支給停止は行わないこととしたところであります。

 このため、児童扶養手当の受給開始から五年を経過した方々に対して、一部支給停止措置の適用除外となる事由に該当することを確認するための書類の提出をお願いしているところであります。

 ただ、その際、一つは、自治体から事前にお送りするお知らせの文面について、受給しておられる方々に不安を抱かせることのないようにすること、また二つ目として、受給開始から五年を経過する際の書類の提出については郵送でも可能であるとすること、また三つ目として、提出期限を迎える時期になっても書類の提出がいただけないという方々に対しましては、自治体サイドから受給者と連絡をとって、必要な支援や就業に向けた働きかけ等を行うことなどの配慮を行うように、現在自治体に働きかけているところでございます。

 今後とも引き続き、母子家庭のお母さん方に大きな不安を与えることのないように、また、煩雑な、大きな事務をすることのないように、十分な配慮をしてまいりたいと考えております。

古屋(範)委員 今、厚労省としてもさまざまなお取り組みをされているということでございます。

 母子家庭のお母さんは、非常に忙しかったり、あるいは提出する書類を忘れたり等々さまざまなケースがあるかと思いますので、ぜひ、またさらにきめ細かなアプローチができますよう、厚労省としても指導をよろしくお願いいたしたいと思います。

 次に、母子家庭の自立を促進するために、安定的な就業につながるような支援を行っていくことが重要であるかと思います。

 御存じのように、母子家庭の母親は、やはりパート労働が非常に多いというのが現状でございます。母子家庭の母の中には、就業の経験が乏しい、自分でハローワークに行って仕事を探すのが難しいという方さえいらっしゃいます。こうした方々に対する支援を含めまして、政府としてどのような就業支援を行っていこうとしていらっしゃるのか、お尋ねいたします。

大谷政府参考人 御指摘いただきましたとおり、母子家庭の自立の促進を図るため、安定的な就業につながるような支援を進めていくことは重要な課題というふうに認識しております。

 このため、平成二十年度予算におきましても、就業の経験が乏しい方を含め、母子家庭の自立と生活の向上が図られるように、できるだけ身近な地域において就業支援が行えるよう、都道府県、指定都市、中核市以外の一般市等において母子家庭等就業・自立支援センターと同様の就業支援事業等を行う一般市等就業・自立支援事業を創設したところであります。

 また、自立支援プログラム策定対象者のうち直ちに就業に移行することが困難な方について、就業意欲を醸成するために、ボランティア活動を行っていただく就業準備支援コース事業というものも創設いたしました。

 さらに、高等技能訓練促進費等事業におきまして、看護師や介護福祉士等の養成課程の修了後に、入学金の負担を考慮して一時金を支給するという仕組みも創設したところでございます。

 こういった新たな施策も含めまして、就業支援策の拡充を図ることとしております。今後とも引き続き、母子家庭に対する就業支援施策の推進を図ってまいりたいと考えます。

古屋(範)委員 私も母子家庭のお母様たちとさまざまお話をする機会がございますけれども、どこにおいても厳しいのですが、やはり、地方に行けば行くほど母子家庭の就職状況というのはさらに厳しくなっているというふうに感じます。ぜひ、この平成二十年度にスタートした事業を拡充しつつ、また円滑に実行できますよう、よろしくお願いをいたします。

 次に、大臣にお伺いをしてまいります。児童福祉法改正案についてお伺いいたします。

 平成十八年十二月に発表されました日本の将来推計人口は、五年後、平成二十五年には、十五歳未満が一千五百五十四万人、一二・三%、七十五歳以上が一千五百六十九万人、一二・四%と、数、その割合ともに逆転をし、その後もその差は開くばかりでございます。

 こうした急速な少子化に対し、政府は、子どもと家族を応援する日本重点戦略を決定し、厚生労働省は、本年二月二十七日に、この中で提言された取り組みの具体化の一環として、新待機児童ゼロ作戦を発表されました。平成二十九年までの十年間で、保育所などの受け入れ児童数を百万人ふやす目標を設定されました。団塊ジュニア世代が三十代子育て世代の今、少子化対策は正念場を迎えています。福田総理の指示で今後三年間を集中重点期間として取り組みを強化されたこと、これは非常に重要であると考えます。

 この新待機児童ゼロ作戦では、保育所における待機児童を解消するために、今後雇用が増大することが前提とされ、約百万人の需要を見込んで計画が立てられていると思います。

 しかし、これでは、現時点では働いていないが、子育てをしながら働きたいと思っている保護者の子供は保育所に入れないままになってしまいます。就業希望者が就業できて初めてその子供が保育所に入れることが前提となっていまして、働く意欲のある女性のニーズが解消されないのではないかという懸念がございます。

 児童福祉法第二十四条に、「市町村は、保護者の労働又は疾病その他の政令で定める基準に従い条例で定める事由により、その監護すべき乳児、幼児又は第三十九条第二項に規定する児童の保育に欠けるところがある場合において、保護者から申込みがあつたときは、それらの児童を保育所において保育しなければならない。」とあります。さらに第三十九条には、「保育所は、日日保護者の委託を受けて、保育に欠けるその乳児又は幼児を保育することを目的とする施設とする。」とあります。

 このように、仕事をしていない専業主婦、さらに働きたいと思っている、また、思っていても働いていない場合、保育所に子供を預けることができないことが問題でございます。私は、この児童福祉法を改正し、「保育に欠ける」という部分を見直し、全国どこでも必要な保育サービスが保障されるよう、どこの家庭の子供であっても利用できる制度にすべきと考えております。

 公明党女性委員会で作成いたしました女性サポート・プランでも、保育サービスが利用できないことにより、出産、子育て、就業を断念することがないよう、いつでも、だれでも利用できる多様な保育サービスの拡大を目指し、この保育に欠ける条項の見直しを提案しております。この提案が実現すれば、親の就労いかんにかかわらず保育所への入所が可能となり、大きくニーズが解消されるのではないかと思います。

 保育所の入所要件の保育に欠けるこの概念を見直すべきと思いますが、大臣、いかがでございましょうか。

舛添国務大臣 今委員おっしゃったように、保育に欠けるという要件を極めて厳格に適用すれば、それはもう自宅にいたらだめだとか、今就職活動をやっていてもだめだということになるので、就業支援をやる、それでボランティア活動に参加することから始めてくださいという施策と矛盾を来しますね。ですから、これは各自治体がそれの要件を決めることになっていますけれども、私はこういう要件を見直すべきだと思っています。

 ただ、見直したはいいが、では受け入れる施設が足りませんということでは、絵にかいたもちになります。ですから、同時に、やはり子育てを支援する、それで特にこの保育ということに対して、人と施設、こういうことの手当てをやらないといけない。ここでまた財源なんですね。

 ですから、新しい政策を打ち出すことは一生懸命やります。しかし、いつも打ち当たる壁は、どう財源を確保するかということでありまして、例の二千二百億円のマイナスシーリングもございますけれども、私は、今のような問題も含めて、保育に欠ける要件を見直しますよと、見直したことが絵にかいたもちにならないためには、必要な人と施設が必要でありますということをきちんと国民に申し上げる。負担と給付、そして、高福祉なら高負担、低福祉でよければ低負担、こういうことについて明確に申すべき時期が来ていると思っております。

古屋(範)委員 私も大臣と同じ思いでございます。将来の日本を考えたときに、この子育て支援の財源の重点的な投資、これは絶対に必要であると思います。また、ぜひ、この保育に欠ける条項の見直し、これも再度要望しておきたいと思っております。

 次に、今回の改正案では、子どもと家族を応援する日本重点戦略の結論を踏まえて、家庭的保育事業などの子育て支援サービスについて法的な位置づけを明確にして、質の確保、また、普及促進を図る、虐待を受けた子供に対する家庭的環境での養護を充実させる、また、仕事と家庭の両立支援を図るなど、地域、職場で子育ての支援策を推進していくための諸施策が盛り込まれております。

 そこで、子育て支援事業、家庭的保育事業の法制化の意義についてお伺いをしてまいります。

 改正案では、子育て支援事業と家庭的保育事業について法的な位置づけが明確化されることとなりました。いずれも少子化や核家族化の進行、地域社会の変化など、子供や子育てをめぐる環境が大きく変わる中、子育ての負担感を緩和し、安心して子育てができるよう創設された事業で、公明党としても、地方議会で積極的に導入を促進しております。

 しかし、地方によって取り組みはまだばらつきがありまして、国民のニーズにこたえ切れていない現状がございます。

 例えば、生後四カ月までの乳児がいるすべての家庭を訪問し、子育てについてアドバイスなどを行うこんにちは赤ちゃん事業、昨年四月からスタートしましたけれども、この一年間に実施した市町村は六割弱にとどまっております。

 この事業は、児童虐待の未然防止につながるものと期待をされておりますけれども、未実施の背景には、事業への家族の無理解、拒否、個人情報の扱いでのトラブルなどの原因があるかと思います。子供の誕生をどこから聞いたのかなどの苦情も予想されまして、地域によっては訪問スタッフの確保が難しいところもあると聞いております。

 これらの事業が法制化されることで、国民の広い理解が得られて、全国で導入が進むことが期待をされております。子育て支援事業、また家庭的保育事業について、法的な位置づけが明確化された意義についてお伺いをいたします。

大谷政府参考人 ただいま御指摘のありました子育て支援事業あるいは家庭的保育事業、こういった事業について、法律上に位置づけることの意義について御説明申し上げます。

 これまではいわゆる事業補助という形でやってまいりましたが、今回、法律上位置づけるということに変わったことによりまして、一つは、必要な基準を設けて質の確保が図られるということ。また二つとして、社会福祉法による質の向上のための自己評価の仕組み等の対象となることにより、質の向上が図られること。また三つ目に、社会的に広く認知され利用者の安心感が高まること。また、市町村が次世代育成支援のための地域行動計画において、より積極的に事業を位置づけること。こういったことが期待できるなど、一定の質の確保あるいは量の拡大が期待されるということで、こういった法制化によりまして、子育て支援事業のさらなる普及促進が図られるものと期待しております。

古屋(範)委員 私も、こんにちは赤ちゃん事業は非常に重要な事業だと思っております。ぜひ未実施の市町村に対しましても、引き続き推進が進みますようによろしくお願いいたしたいと思います。

 この家庭的保育事業、通称保育ママですけれども、これについてお伺いをしてまいります。

 ことしの二月、私たち公明党女性委員会で、太田代表とともに、足立区で行われております家庭的保育事業の視察に参りました。公明党の太田代表も子供から大変好かれまして、非常に和やかな視察となりました。

 昭和三十五年に東京都家庭福祉員制度が発足をいたしまして、四十四年に東京都から区市に事業移管されました。足立区では、保育経験を有し、区が実施する認定研修をすべて受講して、保育ママ認定委員会で審査の上、認定可となった者という独自の保育ママの要件を設け、保育ママになる要件を国の事業よりも緩和している一方、毎年の更新制度を導入しているために、保育の質が保たれているとの御説明でございました。

 区内の保育ママは八十八名で、二百二十八名のお子さんを預かっているそうでございます。紹介は区が行っておりまして、問い合わせが多いことから、非常にニーズは高いということであります。

 この後、近くの保育ママさんのお宅にも実際に参りまして、ここは、以前本屋さんだったというそのお店のスペースを使っていらっしゃいまして、壁には、棚にたくさんの本やおもちゃが並べられていまして、三人のお子さんがとても家庭的ないい雰囲気の中で過ごされている、このような様子を拝見いたしました。

 家庭的教育が求められる中で女性が働きながら子育てをしていくためには、多様な保育サービスが必要です。これから、この保育ママの制度は質、量ともに拡充をしていかなければならないと考えます。

 保育所に入れない待機児童の解消に向けた取り組みの一つとして平成十二年度から始まったこの保育ママ事業、現行では、保育士か看護師の有資格者、六歳未満の就学前児童や要介護者が家族にいないことが補助要件で、市町村では、要件が厳し過ぎるとして国庫補助を敬遠しがちでございます。そのため、自治体単独事業として実施をするケースが多く、保育ママの普及の壁となっていることが指摘をされています。

 そこで、保育の質は確保しつつ、厳し過ぎると言われるこの要件を緩和して、市町村が取り組みやすい新しい実施基準を作成していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

大谷政府参考人 御指摘のように、これまで実施してまいりました国の制度であります家庭的保育事業の推進に当たりましては、質の確保が重要であると考え、その担い手については、保育士が原則になると考えているわけであります。

 他方、事業の普及を図ってまいりますためには、地方単独事業として先行して実施しておられる地方自治体が、地域の実情に応じて柔軟に事業を展開できる仕組みとすることも重要であります。質と量のバランスを考えながら制度設計を進めていかねばなりません。

 このような観点から、本法案におきましては、家庭的保育の担い手を保育士に限定せず、資格を持たない方についてもそれは認めるというふうにしているわけでありますが、これらの方々については、一定の研修を課すなど、質を確保するための方策が必要であると考えております。

 研修の方法とか具体的内容等につきましては、今後定めます実施基準やガイドライン等において明らかにしてまいりたいと考えておりますが、専門家等の御意見も踏まえながら、地域の実践も踏まえて、今後検討を進めてまいりたいと考えます。

古屋(範)委員 この保育ママの人材の質を確保しつつ、実態に合わせた要件の見直しというものをよろしくお願いしたいと思います。ましてや、地方で行っている事業の妨げにならないようにお願いしたいと思います。

 次に、家庭的保育制度の一層の普及に向けまして、これまで家庭的保育制度は、児童福祉法上、第二十四条第一項のただし書きで、「ただし、付近に保育所がない等やむを得ない事由があるときは、その他の適切な保護をしなければならない。」とあり、その他の適切な保護を実施する施策でございました。

 それが今回、ただし、保育に対する需要の増大、児童の減少等、保育所における保育ができないことについてやむを得ない事由があるときは、家庭的保育事業による保育を行うことその他の適切な保護をしなければならないと、家庭的保育事業が法律上明確に位置づけられたこととなります。大きな前進と考えます。

 しかし、法文上明確に位置づけられたとはいいましても、その内容は、保育に対する需要の増大、児童の減少等、保育所における保育ができないことについてやむを得ない事由があるときとなっておりまして、改正したとはいえ、家庭的保育制度は保育所制度の補助的手段という位置づけになっているように思います。

 この保育ママの現状について、諸外国の主な国を見てみますと、家庭保育が中心のイギリスでは、五歳以下の子供を預かるチャイルドマインダー制度や、保護者の自宅で子供を預かるナニー制度が普及をしております。

 また、子育てに対する経済的支援メニューが豊富なフランスでは、国で認定をされた保育ママ制度が拡充強化されておりまして、現在では認定保育ママを活用したサービスが主流となっているということであります。

 また、保育サービスが充実しているスウェーデンでは、保育資格を有するチャイルドマインダーが保護者の自宅で子供を預かる制度として、地域における子育て支援策の一つであり、両親の都合に合わせて利用することが可能となっております。

 こうした欧米の例に倣いまして、この家庭的保育を、補助的な手段ではなく、また、やむを得ない事由がなかったとしても、保育所制度と同様に、多様なサービスの選択肢の一つとして保護者が選べるよう法律上位置づけるべきと考えますが、いかがでしょうか。

大谷政府参考人 家庭的保育事業につきましては、その普及促進を図るために、今般、児童福祉法に位置づけることとしたところでありますが、我が国の保育制度は現在まで保育所を中心に構成されておりまして、保育所の利用と比較しますと、家庭的保育事業の利用はまだ進んでいないという現状にあります。

 今御指摘ありましたように、この家庭的保育というのは重要な選択肢の一つであると考えておりますが、まずは保育所保育を補完するものとして家庭的保育事業を位置づけまして、事業に対する社会的な理解を高めるとともに、制度の周知等、この事業が広く普及するように努めてまいりたいというのがスタートだと考えております。

古屋(範)委員 働く女性はふえております。また、働きたいという女性も多くいます。その支援、保育サービスの一つとして、この家庭的保育事業のさらなる拡充を求めてまいりたいと思っております。

 次に、認可外保育所の支援についてお伺いしてまいります。

 保育所は、各自治体が定めた認可基準を満たす認可保育所と、それ以外の認可外保育所とに大きく分けることができます。現状の仕組みにおいては、認可保育所は施設整備費、運営費など公的支援がありますが、それに対して、認可外の方は国の支援がありません。

 しかし、認可外保育施設は、早朝、深夜の預かり、また多重障害者の受け入れなど、認可保育園で対応できない事例の受け皿になっているほか、独自のサービス実施や運営方針に共鳴し、利用者がふえているところもございます。一方で、財源がなく、良好な保育環境を保つための費用が施設運営や保護者の負担に影響を及ぼすという問題もございます。

 父母の労働形態の多様化に伴いまして、認可保育所では対応できない保育ニーズをカバーしている認可外保育所の社会的役割の重要性は増しております。法律の上で無認可あるいは認可外とされているこの小さな保育所の中には、乳幼児教育への使命感から、人間味あふれた特色のある保育方針を貫いている施設もございます。

 こうした厳しい経営状況の中で、二十四時間保育など、働く親のニーズを形にしてきた歴史のある認可外保育所に対しまして、認可保育所と変わらない国の財政支援を考えてもよいのではないかと思います。多様な働き方、またニーズに合った、多様化に対応したサービスが提供できるよう、認可外保育所の質の担保はもちろんですけれども、財政支援についてぜひ御検討いただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

大谷政府参考人 保育所は、乳幼児が生涯にわたる人間形成の基礎を培う極めて重要な時期に、その生活時間の大半を過ごすところでありますため、児童が健康、安全で情緒の安定した生活ができるように、施設や人員配置などについて最低限の質的な担保を確保するための児童福祉施設最低基準を満たす保育所における保育が基本というふうにこれまで進めてきたところでございます。

 したがいまして、現在の認可外の施設においても重要な役割を果たされているところがあるという御指摘は理解するところでございますけれども、国といたしましては、やはり最低基準に適合しない認可外保育施設に対して補助を行っていくことはなかなか困難ではないか。

 むしろ、一定の質を備えた高い施設が認可保育所に転換することができるようになるように、こういった立場から、一つは、認可予定保育施設に対して市町村が保育士を派遣して保育内容の指導等を実施するとか、認可時点での施設の改善に必要な助成をするとか、こういったことを行っているところでありますが、引き続き、認可化に向けての支援に力を傾けてまいりたいと考えております。

古屋(範)委員 局長は、認可に向けての柔軟なこれからの施策というお答えでございましたけれども、報道によりますと、十九日に、地方分権改革をめぐって舛添大臣は、認可保育所など福祉施設の全国一律の設置最低基準について、市区町村ごとの条例で独自基準を設定できるよう検討するという考えを表明されたところでございます。こうした見直しが行われれば、市区町村ごとの裁量で地域の実情に合った保育所を設置できることとなり、待機児童の解消にもつながるというふうに大いに期待をしておりますので、よろしくお願いをいたします。

 次に、子育て家庭のニーズを踏まえた支援を考えていったときに、子供が病気になったとき、できる限り保護者が仕事を休める働き方の見直しがまず必要であると考えます。それとともに、病児また病後児保育の充実も欠かせないものでございます。

 現在、病児保育また病後児保育事業が実施をされておりますが、現状では数が限られており、だれも、どこに住んでいても必要なときに利用できるというような実情ではございません。さらに、病児保育を実施する事業者からは、実施場所や人員要件が過剰かつ硬直的で、実施者の膨大な費用負担が発生している、あるいは補助の仕組みが年間の利用者数にかかわらず一定となっており、熱心に病児を受け入れる施設ほど赤字になるなど、補助の仕組みが不公平などの声が上がっております。

 病児・病後児保育につきまして、子ども・子育て応援プランで平成二十一年度までに千五百カ所の目標が立てられております。この病児、病後児の現状と、補助額が少ないため赤字経営となっている現状、この改善する取り組みについてお伺いをしたいと思います。

大谷政府参考人 病児・病後児保育につきましては、子ども・子育て応援プランに基づく事業の推進によりまして、平成十九年度における実施箇所数が九百六十八カ所となっておりまして、目標の達成に向けて着実に普及しているというふうに考えております。

 さらに、平成二十年度から、これまでの事業内容の見直しを行いまして、まず、子供の健康状態に応じた適切な対応ができるように、病児対応型、病後児対応型、体調不良児対応型といった三つの類型に分類しまして、実施施設の役割を明確化する。また、利用する児童が安心、安全な環境で過ごせるように職員体制を充実させるとともに補助単価の引き上げを実施する。こういった所要の改善を行って、病児・病後児保育全体の底上げを図ったところでございます。

 引き続き、この事業の取り組みを推進するとともに、子育て家庭が安心して利用できる環境の確保に努めてまいりたいと考えております。

古屋(範)委員 子供はしょっちゅう病気をするものでございます。熱を出したり、おなかを壊したりなど、親がそのたびにしっかりと休むことができればいいんですが、そういうときにこの病児・病後児保育は不可欠なものと考えます。

 今、商店街や地域のインフラを活用した取り組み、あるいはまたNPO法人フローレンスが行っているような訪問型の病児保育の充実など、支援基準を弾力化し、保護者の立場に立った、子供の急な病気に遭遇しても慌てず、安心して仕事、子育てが両立できる環境を整備していくべきだというふうに考えます。再度、そのことを要望しておきたいと思っております。

 次に、病気に対する災害共済給付制度の認可外保育所への対象の拡大についてお伺いをしてまいります。

 家庭的保育制度が法律に位置づけられることとなりましたが、こうした保育現場ではSIDS、乳幼児突然死症候群などを含め、病気に対する備えが必要となってまいります。

 私は、このSIDSについて、昨年十一月、本委員会におきまして、保育ママ、またファミリー・サポート・センター、また認可外保育施設、ボランティア保育の現場において、子供がSIDSなどの病気で亡くなった場合の対応として、共済制度などの創設を訴えたところでございます。

 SIDSに関する課題として、認可保育所の保育現場で預かっていた子供がSIDSなどの病気で亡くなった場合は、災害共済給付制度の対象となり見舞金が出るのに対しまして、認可外保育施設や保育ママなどの現場でSIDSが発生した場合には、加入していた損害保険では共済対象とならず、何の補償もされないという実情が指摘をされております。このため、関係者から共済制度の創設を求める声が高まっております。

 預け先が違っていても、子供の生命のとうとさというものは変わらないわけであります。無認可の保育施設の場合は、事故に対する保険はあっても病気に対する見舞金制度がありません。各施設が任意で加入しております民間保険会社の保険による対応ですので、事故のみであって病気には対応ができないということであります。無認可の施設に乳児保育をさせている、これが紛れもない現実であることを踏まえますと、病気に対する保険を無保険のままに放置しておいてはいけないと思います。

 そこで、認可外保育施設や保育ママなどの現場でSIDSが発生した際に、見舞金や共済金などが出るようにすべきと考えます。例えば、災害共済給付制度の対象を、児童福祉法第三十九条に規定する保育所のみに限定せず、その対象を認可外保育施設や保育ママ等に拡大する、また、これらの施設を包括して対応できる新たな共済制度を創設することが必要であると考えます。

 保育ママが法律に明確に位置づけられたことにかんがみまして、ぜひ、こうした認可外保育施設や保育ママ、ボランティア保育の病気発生時に給付できる共済制度の創設、または災害共済給付金制度の拡大を御検討いただきたいと思いますけれども、いかがでございましょう。これは、文科省、厚労省両省にお伺いをいたします。

田中政府参考人 先生御指摘の災害共済給付制度は、公教育の円滑な実施のために、独立行政法人日本スポーツ振興センター法に基づきまして設けられてございます制度でございます。

 その対象につきましては、学校の管理下における傷害ということに限定をしてございます。しかしながら、先生、今御指摘いただいたとおり、児童福祉法第三十九条の規定に基づきます保育所、認可保育所につきましては、その法律の附則におきまして、当分の間、災害共済給付の対象としているということでございます。また、その他の機関の活動を対象とするということにつきましては、教育の振興を図るという本制度の根本的な性格にかかわるような課題ではないかなというふうに考えているところでございます。

 御指摘の認可外保育所等につきましては、さまざまな形態があるというようなこと、各施設、保護者等が必要に応じてさまざまな保険制度の中から最も適切と考えておられるものを選択して対応するということが求められるというふうに考えておりますけれども、学校教育活動以外の活動についてどのような制度がどのように関与していくべきなのかということにつきましては、厚生労働省等ともよく連携、相談をさせていただきながら対応していくべき課題かなというふうに考えているところでございます。

 以上でございます。

大谷政府参考人 認可外保育施設や家庭的保育におきまして、児童の安全の確保を図るとともに、万が一事故が発生した場合に備えて保険に加入しておくということは大変重要なことでございます。

 今、文科省の方から答弁がありましたが、この災害共済給付制度の加入につきましては、所管の文部科学省と連携しながら、必要に応じた検討をしてまいりたいと考えておりますが、いずれにいたしましても、厚生労働省の立場としては、保険へ加入していただくよう、これは引き続き周知を徹底してまいりたいと考えております。

古屋(範)委員 いずれにいたしましても、子供の生命のとうとさ、安全の確保ということを中心に、ぜひ文部科学省、厚生労働省、検討をしていただき、こうした取り組みの推進を何とぞよろしくお願いしたいと思います。

 次に、社会的養護の充実につきましてお尋ねをしてまいります。

 今回の改正案では、里親制度について、社会的養護の受け皿として拡充をするため、養子縁組を前提としない里親、養育里親の制度が明文化をされました。この養育里親、子がいずれは実の親に戻るということを視野に入れて、家庭的なケアを行うという難しい役割を担っているにもかかわらず、相談、研修、里親に対する支援が不十分との指摘もございます。

 この指摘に対して、里親に関する相談、情報提供、助言、研修その他の援助を行うことを都道府県の業務として義務化することとなり、本年度から里親支援機関事業が創設をされ、全都道府県へ設置が待たれております。

 一方で、小規模住居型児童養育事業、家庭的養護、施設養護の中間的な形態であり、子供同士も相互に関係を築きつつ、家庭的な環境のもとで社会的養護を提供することができる形態といたしまして注目をされております。一九六〇年代から一部自治体の助成によって始まった里親型ファミリーホーム、全国で十一地方自治体が制度化をしており、多くの子供たちが生活をしております。

 しかし、里親ファミリーホームに対して、都道府県には法律上の援助義務がございません。これまでの里親と施設に加えて、里親ファミリーホームを第三の選択肢として定着させ、家庭的養護の拡充を図るために、専門研修、レスパイト、学習ボランティア、心理的専門相談、一時預かり等、サポート体制の充実など積極的な支援が必要であると考えます。里親ファミリーホーム全国連絡会よりも具体的な要望をいただいております。この点について、厚労省の御見解を伺います。

大谷政府参考人 小規模住居型児童養育事業、いわゆるファミリーホームでありますが、これにつきましては、御指摘のように、一定の専門性やサポート体制を確保していくということは大変重要であります。

 この詳細な要件については、今後施行までに検討していく予定でありますけれども、この事業の実施に当たる考え方として申し上げますと、各地域において、児童養護施設等の児童福祉施設、あるいは児童相談所、また今年度創設いたしました里親支援機関等の関係機関と連携することなど、必要なサポート体制を構築しながら運用することが重要というふうに考えております。

 今後、既に自治体において行われております里親ファミリーホームの例とか、今お話がありました里親ファミリーホーム全国連絡会からの御要望の内容等も踏まえまして、具体的な要件やサポート体制等、事業の充実について検討してまいりたいと思います。

古屋(範)委員 時間でございますので、最後の質問に参ります。

 先ほども大臣、御自身も子育て真っただ中というお話でございましたけれども、子育て世代の長時間労働を何としても是正していく必要があると思います。

 そこで、育児期の短時間勤務の義務化、残業を免除する制度の導入、また男性の育児休業取得を促進するためのパパクオータ制を導入するなど、思い切った対応が必要と考えますけれども、大臣の御所見をお伺いいたします。

舛添国務大臣 育児期の親、これは仕事と家庭の両立をしないといけません。そういう意味で、短時間勤務とか、今おっしゃったような残業免除制度、こういうことを利用する、活用できるようにする。それから、いわゆる諸外国でやっているパパクオータというような制度もございます。こういうことにつきましても、もう何度も申し上げますけれども、財源措置が必要ですが、総合的な政策の中で取り組んでまいりたいと思っております。

古屋(範)委員 以上で質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

茂木委員長 次に、郡和子さん。

郡委員 民主党の郡和子です。

 一時間十分の時間をいただきました。議論を進めてまいりたいと思います。

 一九八九年のいわゆる一・五七ショックを受けまして、エンゼルプラン、そして新エンゼルプラン、さらには子ども・子育て応援プランと累次の計画をこれまで実行されてきたわけですけれども、残念ながら、保育の量、質ともに、事態の深刻さに比べてこれらの施策の進捗が遅いのではないかと言わざるを得ないと思います。

 日本の保育、幼児教育の社会支出は、きょう資料を配らせていただきました一枚目ですけれども、OECDの加盟国の最下位から四番目であります。大変恥ずかしい位置につけているんだなというふうに言わざるを得ないと思います。

 欧州では、リスボン戦略を採択して、労働を通して社会参加するいわゆるソーシャルインクルージョン政策の具体化が進んでおります。具体的な施策として、訓練等による雇用可能性の向上、それから労働者の適応性を強化するための生涯教育の拡大、また三番目に、介護などの人へのサービスにおける雇用の創出、そして四番目に、保育提供の改善に向けて新たなベンチマークを設定し、仕事と家庭生活の両立に各国が取り組むことを確認して、保育サービスの提供を抜本的に見直すこととなっているわけでございます。

 政府の子ども・子育て応援プランでは、保育所の受け入れ児童数を二〇〇九年までに二百十五万人に拡大することが閣議決定されましたけれども、この二月には、十年間で保育サービス利用を百万人ふやす新たな新待機児童ゼロ作戦を打ち出すなど、このベンチマークというのが本当に十分なものであったのかどうかということも疑問だなというふうに思っているところです。

 そもそも、政府は、保育を子育て支援策という狭い視野でこれまでとらえてきたんじゃなかったでしょうか。子どもと家族を応援する日本重点戦略会議の議論を見ましても、せいぜい少子化対策の一環としてしかとらえていないような気がしてなりません。

 保育を雇用戦略、社会政策という大きな枠組みの中に位置づけた政策は、日本にはあるのかどうか。この際、こうした位置づけをした上で、中長期的で幅広い視点に立った総合的な施策を講ずるべきではないかと考えますが、大臣、いかがでしょうか。

舛添国務大臣 今御指摘の、OECDで下から何番目だというような地位にある、それからリスボン戦略についても引用していただきました。

 おっしゃるように、今までいろいろなプランを出しました。しかし、ヨーロッパでいうようなベンチマークということではなかったというか、十分ではなかったというふうに思っております。

 それで、今委員御指摘のように、新待機児童ゼロ作戦にしても、子どもと家族を応援する日本重点戦略にしても、どうしてもやはり少子化対策のような側面が表に出ることは確かであろうと思います。しかし、これは社会保障全体をどうするのか、それから例えば女性の社会への参画、こういうことも含めて、やはりあらゆる観点から見る必要がある。

 そういう意味で、今のOECDの数と違いますけれども、先ほど申し上げましたように、四兆三千三百億円という数字はGDP比で〇・八%にしかなりません。これは、児童とか家庭とかいうことに対する施策の予算です。

 やはりGDP比二、三%という欧米先進国並みの数字を求めることが必要だと思いますけれども、何度も申し上げますけれども、負担と給付、このことについてきちんと議論すべき時期になってきておりますし、今委員が御指摘のように、狭い、ただ少子化政策ということではなくて、日本の将来をどうするんだ、そういう意味で、社会政策として、広い観点からやはり議論するというのは私も大賛成でありますので、そういう視点を取り入れながら、今後ともさらなる施策の充実に取り組んでまいりたいと思っております。

郡委員 これまでの政府の文書には、そういった雇用戦略、社会全般の政策としての保育の位置づけがなかったように思いますので、大臣、今御答弁いただきました、ぜひ頑張っていただきたいと思います。

 次に、通告をしておりましたけれども、少し省かせていただきまして、二〇〇七年四月一日現在で、待機児童数は一万七千九百二十六人、待機児童を抱えている市区町村は三百六十八、そしてまた、待機児童五十人以上の市区町村は七十四あるということです。三歳未満の待機児童は一万三千人もいるということなんですけれども、これらの保育をどういうふうにしていくかということで、今回、家庭的保育事業の制度化が打ち出されたと思っています。

 これにつきましては、これまでも委員のいろいろな議論があったわけですけれども、私からも伺わせていただきたいと思います。

 この家庭的保育なんですけれども、厚労省の説明では、保育需要の増大、児童数の減少等やむを得ない事由により、保育所における保育にかわる適切な保育の一つとして行われるものであり、保育所における保育を補完するものとして位置づけるものであるということであります。

 これは、端的に言って保育所保育にかわるもの、代替策なのか、それとも補完するものなのかどうか、これはどうなんでしょうか。

大谷政府参考人 家庭的保育事業につきましては、都市部における三歳未満児の保育需要の高まりであるとか、子供の数が減少している山間、離島部など、保育所の運営が困難となっている地域があるということから、一層の充実が必要と考えております。

 しかし、これまで家庭的保育事業が進んでいない背景として、例えば、制度的な位置づけがなく、事業の周知が不十分であったとか、あるいは全国的な統一された基準がなかった、あるいは一人で保育を実施する家庭的保育者への支援が不十分だった、こういったことが指摘されているわけであります。

 今般、児童福祉法において、市町村の保育の実施責任に関する規定に、保育所における保育を補完するものとして家庭的保育事業を位置づけるとともに、省令で必要な基準を設けることにより、事業の推進を図るということにしたところでありまして、補完するということで進めたいと考えております。

郡委員 法律上の位置づけは補完するものだという御説明でした。ということは応急的措置ということなんだろうと思うんですが、とすれば、国、地方自治体が責任を持って行うべき保育というのは保育所による集団保育であるべきだという基本認識というふうに理解してよろしいのでしょうか。イエス、ノーでお答えいただきたいと思います。

大谷政府参考人 家庭的保育事業でありますけれども、法律上、これは補完すると今申し上げたわけでありますが、応急的措置という位置づけではございません。

 ですから、補完というのは、これは正規の法律事業として行うわけでありますけれども、従来からの保育所における保育が主としてありまして、その従として補完するわけであります。それも応急措置としてではなくて、これは正規の法律対策として取り組んでいくということでございます。

郡委員 今のお答えは、応急的ではないのだけれども補完的な位置づけであるということで、基本方針は集団的保育だということなのかどうかということのお答えはなかったように思うんですけれども、いかがですか。

茂木委員長 大谷局長、端的に答えてください。

大谷政府参考人 基本は、現行の保育所で行っておりますような集団的保育であるということは変わりません。

郡委員 重点戦略会議基本戦略分科会第三回の論点整理では、委員の中から、我が国の保育サービスはどちらかというと集団的保育、施設型保育にやや偏ったところがあり、多様な保育とか家庭的保育みたいなところのバランスがいま一つよくなかったという現状があるというふうに指摘をされております。

 これまで説明がありましたように、児童の数の減少が進んでいる地方におきましては、財政的な事情から新たに保育所をつくることができないということになると、これは、この補完するという意味合いで家庭的保育というのが恒常化するのではないかと思われますが、これについてはどうでしょうか。

大谷政府参考人 家庭的保育事業につきましては、今お話ありましたような、子供の数が減少していく山間や離島等など保育所の運営が困難となっている地域があることなどから、地域の実情に応じて、柔軟で弾力的な保育サービスの一つとして充実していく必要があると考えております。

 今回の法律改正で、補完として家庭的保育を位置づけたわけでありますけれども、この将来像につきましては普及状況を踏まえまして、これは保育サービス全体の中で、その役割やそういったあり方について引き続き見守っていくことになろうと思いますが、現行の制度については、補完という中で二つのものが両立して進むということでございます。

郡委員 ですから、児童数が、保育を必要とする子供たちの数が減少している地域などでは、この家庭的保育が恒常化していくということが想像にかたくないわけであります。この事実が積み上がっていきますと、つまりは、厚労省は、この家庭的保育というのをこれまでの集団的保育、つまり保育所保育を代替することが可能な、そういう横並びのものなのだ、恒久的になるのだというような、そういうことをお考えになっていらっしゃるのでしょうか。

大谷政府参考人 この家庭的保育につきましては、従来の施設中心の保育制度について多様化とか弾力化という意味で、正面から評価する意見もあるわけでありまして、今後、実施していく中で、その位置づけというものはまた国民の御理解なり評価で固まってくるかというふうには考えておりますけれども、いわゆる代替して、いわば主従が逆転するとか、主たる集団的保育というものの価値が減ずるとか、そういうような流れは考えておりません。

郡委員 どうも、今の御説明でも私自身としてはなかなか理解ができないでいるんです。

 先ほどから御説明があるように、離島、山間地で子供たちの数が少なくなって、保育所を新たにつくらないというようなところもふえているわけです。それで、児童数が、子供の数が少なくなって閉鎖をしているところも多くなっていますが、そういう中でも保育を必要とするお子さんがいらっしゃって、そういうところには家庭的保育でいくのだということになりますと、これはもう保育所保育を補完するものではなくて、やはり代替するものに事実上なるんだろうと思います。

 今回、二十四条に位置づけられたわけでして、この法律が通れば、市町村は、この保育ママによる保育を行えばその義務を果たしたということになるのだろうと思えるのですが、これについてはどういうふうにお答えになりますでしょうか。

大谷政府参考人 市町村は、児童福祉法第二十四条第一項に基づきまして、保育に欠ける児童について、その保護者から申し込みがあったときは、保育所において保育しなければならないというふうにされております。

 今般制度化されます家庭的保育事業は、保育需要の増大、児童数の減少等のやむを得ない事由があるときに、市町村が保育所保育にかわる適切な保育の一つとして行うものでありまして、これによりまして保育の実施義務を果たしたということになります。

郡委員 そうですよね、そういう考え方ですね。

 保育ママにつきましては、きょうお配りした資料の二枚目にもあるんですけれども、これは千葉大学の大石先生がお出しになっている分科会での資料のようですけれども、「家庭的保育者には迅速な判断力や危機管理能力など高度で複合的な能力が求められること、また、乳幼児(とくに乳児)の保育については突然死のリスクもあり、主任保育士レベルの保育スキルが必要であることが指摘されました。」というふうに書かれております。

 そこで、保育ママの資格要件について伺わせていただきたいと思うんですが、改正案では家庭的保育者を「市町村長が行う研修を修了した保育士その他の厚生労働省令で定める者」というふうにしているわけですけれども、現行の国庫補助事業の資格要件は、保育士または看護師の資格を有することになっています。これは緩和されるというふうに考えてよろしいのでしょうか。

大谷政府参考人 現行の補助事業として行ってきたものは資格を限定しておりましたけれども、今後の家庭的保育事業の推進に当たりましては、そういった有資格者を前提としながらも、これまで先進的に取り組んでこられた市町村の実例等を踏まえまして、そういったものが事業ができなくなるということがあってはなりませんので、必要な研修等を踏まえて質の向上を確保した上で、そこは、要は緩和というか対象の方を広げるということになると思います。

郡委員 規制改革会議の議論の中に、子育ての経験者に対して、資格試験を受けるための二年から五年の実務経験を免除して准保育士の資格を取れるようにするというようなことが議論されておりました。

 保育ママの要件が子育て経験と研修ということで、保育所を補完する保育措置として位置づけられるというのであれば、この規制改革会議の中で議論されている准保育士ということになるのでしょうか。准保育士を先取りするということになるんでしょうか。

大谷政府参考人 保育所は、乳幼児が生涯にわたる人間形成の基礎を培う極めて重要な時期に、その生活時間の大半を過ごすところであります。ということで、そういった保育士についてその専門性を確保する、あるいは資格、養成の仕組みというものも今厳格に設けられているところであります。

 さらには、近年、問題を抱える家庭の支援や障害児の受け入れの対策あるいは対応、また子供の幼児教育や発達支援の観点から、保育の現場では保育従事者に求められる資質、能力はより高度になっておりまして、保育士の専門性や実践力をどのように高めていくかということが課題になっているというふうに考えております。

 したがいまして、こうした観点を踏まえれば、保育の分野で准保育士のような新たに入門的な資格を設けるということは、保育現場の課題や保育の質の確保の観点から適当でないと考えておりまして、規制改革会議の規制改革推進のための第二次答申でも、准保育士の導入は見送られたというふうに承知しております。

 また、この家庭的保育者、保育ママでありますが、これは家庭的保育事業において家庭的保育を行う者でありまして、いわゆる准保育士といった資格要件とは別に考えております。

郡委員 今、准保育士ということではないというふうなお話でしたけれども、先ほど御答弁されました、現在国が国庫補助事業でやっている資格要件の保育士または看護師の資格を有する者ということから資格要件が緩和されるわけですね。ですから、これは事実上、准保育士という名前ではありませんけれども、准保育士の先取りと違いはないように私は思うんですけれども、いかがでしょうか。

    〔委員長退席、田村(憲)委員長代理着席〕

大谷政府参考人 先ほど申し上げましたように、保育の仕事につきましては、現在、より高度な時代的な要請が高まっているということで、資格としてその准保育士というものを考える余地はないと私どもは考えておりますが、一方で、この家庭的保育事業というものについて、これを推進するプロセスでこれまで先進的に取り組んだ地方の実例を踏まえますと、その要件について、研修等で質を確保しながら、既存の事業のいわば連続というものも調整を図っていかなければいけないと考えておりまして、資格要件とは別に考えております。

郡委員 それでは、有資格者は何人いるんでしょうか。そのうち何人が、今現在保育に従事しておられるんでしょうか。有資格者と従事者のギャップというのがなぜ生じているんでしょうか。その辺はどうでしょうか。

大谷政府参考人 お答え申し上げます。

 保育士の資格の保有者は、現在、約八十四万人おられます。そのうち、保育所に勤務する保育士の数が約三十三万六千人となっております。

 保育士資格を保有しておられますけれども、保育士として働いていないという方が多数おられるわけでありますが、これは、資格を有しながら出産や子育てにより離職している方が多いためではないかと考えております。

 こうした方々の中には、資格を生かして、就労意欲を有する方々も多いというふうに考えられまして、保育現場での再就職支援というものは、今後の政策課題として重要と考えております。

郡委員 今局長からも御答弁ありましたけれども、職場を離れている有資格者の数が大変多いんです。五十万人ほどいらっしゃるわけです。

 今、出産だとかで職場を離れておられる、その再就職に向けてというふうなお話がありましたけれども、保育の現場というのは大変過酷な現場でして、男性保育士などは、結婚もできないということで離職をされるケースも多いということも聞いております。大変厳しい職場であって、戻りたくても戻れないという方々が多いということも事実なんだろうと思います。

 私は、資格要件を緩和するのではなくて、こうした有資格者を職場に誘導する政策の方が本道ではないのかというふうに考えるのですが、いかがでしょうか。これは私自身の考えとして申し述べさせていただきたいと思います。

 次に、保育ママの雇用形態、契約形態についてお尋ねしたいと思います。

 新制度では各形態の保育ママが生じることになると承知しますけれども、どうなのでしょうか。市町村の責任のもとで、有資格者が安心して家庭的な保育を行って、そして利用者が安心して利用するためには、やはり市町村と利用者の間での直接的な契約に基づいて運営されるべきではないかというふうに考えるんですけれども、この点についてはいかがでしょうか。

大谷政府参考人 お答え申し上げます。

 家庭的保育事業の対象児童は、これは保育所と同じで、保育に欠ける乳幼児であるということから、その利用に当たりましては、まず市町村に申し込みをしていただいて、市町村がそのお子さんが保育に欠けるかどうかということを判断する、ここは同じだろうと思います。

 保護者と家庭的保育者との契約方式でありますけれども、これは国庫補助事業の実施要綱についても、あるいはこの改正後の法律についても、そこは特に明記していないところであります。契約の類型について、市町村と契約する、あるいは保育ママと契約する、こういったいずれの類型にありましても、これは事業の実施主体である市町村において、地域の実情、あるいはこれまで進めてきた取り組みの姿に応じて適切に定めていただくことになるというふうに考えております。

郡委員 これまで行われてきた地方の単独事業の場合ですと、多くは、利用される方と保育ママとの直接契約になっております。とりわけ事故などが起きた場合の市町村の責任というのが不明瞭になるわけです。こういう意味からも、市町村と利用者との契約に基づいてこの保育ママ事業も運営されるべきであろうというふうに思うところです。

 これに関連して、改正案の二十四条に基づく家庭的保育というのは市町村の責任において実施される事業ですけれども、その保育ママの保育を希望する保護者、児童の受け入れ、これを保育ママが拒否することもあり得るのでしょうか、どうでしょうか。例えば障害を持っている子供の受け入れ、あるいは低所得の利用者など、保育ママが、利用する子供、親を選別するということにはならないかどうか。

大谷政府参考人 いわゆる保育ママ、家庭的保育者が、利用時間が利用者の希望と合わないから受け入れることができないとか、あるいは合理的な理由で結果的に受け入れできないというようなことは確かにあり得ることだというふうに考えております。

 また、この家庭的保育者の受諾義務でありますが、児童福祉法上、特に規定されてはおりません。個人実施型でありましても、あるいは保育所実施型でありましても、現行上も、各市町村が家庭的保育事業を委託する際に委託契約を結んでいるところでございます。この契約に基づいて、例えば、障害者やあるいは低所得者であることのみをもって家庭的保育者が受け入れを拒否した、こういった場合には、これは事業を継続させることについて不適当な場合もあろうかというふうには考えます。

 そもそも、家庭的保育者が、障害者や低所得者であることのみをもって受け入れ拒否、こういうことのないように研修などを通じて指導を徹底してまいりたいと思いますが、全体の構成としては、最終的に市町村が必要な方について保育を行うということについては、最終的には責任は変わらないと考えております。

郡委員 でも、離島だとか山村で保育所がない、保育ママしかいない、その保育ママの自宅は障害児を受け入れるような設備がないとなった場合には、これは受け入れられないことになるわけです。その場合には、市町村はどう責任を果たしたということになるのでしょうか。

大谷政府参考人 それは現在でも同じ状況にあるわけでありまして、仮に保育ママという形で果たし得ないときには、市町村はその保育について、既存の保育所を活用する等を含めて、必要な措置をとらなければならないということは現在と同じであると思います。

郡委員 保育所保育を補完するものである、代替するものではないというふうな御説明でしたけれども、これは二十四条に新たに規定をされるということで、市町村が責任を持って行う保育事業になるわけです。

 今後、その質を高めていくというふうなことで、先ほどママになられる方々の資格につきましてもお話ありましたけれども、本来これは、もうすぐに再来年度からこの制度が始まってしまうわけですけれども、まだ私は性急過ぎるんじゃないだろうか、二十四条に組み込んで、市町村が行う保育措置として行うにはまだ性急なのではないだろうか、そんなふうに思うんです。

 今お話がありました、市町村で責任を負うのはこれまでも変わりはないと言いましたけれども、事実上、障害を持っている子供さんがこの保育ママのおうちで見てもらえない、ここから除外される、あるいは低所得者の方で除外されるということも考えられないことはないわけですよね。そういう場合、今まで待機児童ゼロ作戦というふうに言っているわけですけれども、これでは新たな待機児童が生まれてしまうんじゃないだろうか、保育ママ待機児童といいましょうか、どこにも行き場のない保育難民が生まれてくるんじゃないだろうか、そんなふうにも心配するところです。

 児童福祉法六条にある子育て支援の一つのメニューと位置づけて、人材の育成や支援体制の整備を着実に進めた方が、保育の質を確保しつつ柔軟な保育サービスの提供基盤が築けるんじゃないだろうかと思うんですが、これについてはどうでしょうか。

大谷政府参考人 離島あるいは市町村の事情において、障害児あるいは低所得者のお子さんの受け入れについて、これは現在でも同じ問題があると申し上げましたけれども、この考え方については、まさに先ほどの補完という説明が当てはまるわけでありまして、補完する部分がカバーできないところは本則に戻って対応しなければならないということで、これは引き続き、その制度的な、法律の根拠どおりの従来の仕事をしていくということになると思います。

 また、この法律の立て組み、六条の二か二十四条かということでありますけれども、家庭的保育といいますのは、保育所における保育と同様に、乳幼児を継続的に長時間保育するものでありまして、これは、その質の確保ということを考えますと、市町村の適切なかかわり、かかわりの深さというものが重要であるというふうに考えているところでございます。こういった点を踏まえまして、今回の制度化については、児童福祉法二十四条において家庭的保育を、保育所保育を補完するものとして位置づけ、市町村の責任を明確化したということでございます。

 一方、児童福祉法第六条の二の子育て支援という枠組みでありますけれども、これも有効な方策ではありますが、サービスの利用時間とか、親のかかわり方であるとか、あるいは提供方法など、これはさまざまなメニューが含まれておりまして、市町村が実施責任を有する保育としての家庭的保育という性格を考えますと、二十四条で正面から規定することがよいのではないかと判断して提案いたしたところでございます。

 ただ、この質の確保につきましては、先ほどからありましたように、家庭的保育者の研修であるとか市町村の体制整備等について、今後、実施基準やガイドラインにおいて具体的に詰めてまいりたいと考えております。

郡委員 大切なところはこれから、ガイドラインや実施基準はこれからなわけですよね。こういう、どうなるのかわからないままで法案審議がされるというのは、大変私は疑問だと思います。詳細がわからない中で議論をするのはどうなんだろう。実際にでき上がってみて、思っていたものからは大変かけ離れてしまうような制度設計になってしまっているということはこれまでも経験をさせていただいております。このあたりをしっかりとしてもらわないと、なかなか議論できないということを申し上げたいと思います。

 次に、里親ファミリーホームについて伺わせてください。

 小規模住居型児童養育事業、これは宮城県でも今、里親ファミリーホームが実施されておりまして、大変期待が高まっているところです。この事業における養育者ですけれども、要保護児童の養育に関し相当の経験を有する者その他省令で定める者、ここもまだはっきりしないわけですけれども、そうされております。

 厚労省の方にお話を聞きますと、里親としての経験、それから児童養護施設等での養育経験がある者などというふうに説明をされていますけれども、この省令ではどのような者というふうに定めるおつもりになっているのか。多様な要保護児童の養育をする上で必要となる専門的なニーズというのもあるんだと思うんですけれども、そのあたりについてはどのようにお考えになっているのか。

 それから、「里親を除く。」というふうに書いてありました。宮城でファミリーホームの事業をやっていらっしゃるのは里親登録をなさっている方です。現在委託を受けていないけれども登録している里親というのは排除されないのかどうかも聞かせていただきたいと思います。

 また、幾つかになりますけれども、ファミリーホームをやっている方が小規模住居型児童養育事業に移る場合の人数をふやす場合に、例えば、きょうだいを受け入れるということがあったりして人数の変動も出てくることが想像されるわけですけれども、そのたびごとに里親として登録をするのか、あるいは事業実施者として届け出をするのか。大変煩雑になるんだろうと思うんですけれども、この辺はフレキシブルにやっていただけるのかどうかも聞かせていただきたいと思います。

大谷政府参考人 いわゆるファミリーホームについてのお尋ねでありますけれども、これは養育里親よりも多くの人数、おおむね六人を想定しているわけでありますけれども、こういった多様なお子さんを養育するものでありまして、その養育の質を担保するために一定の専門性が必要であると考えております。

 そのため、当該事業の養育者につきましては、今後定めてまいりますが、今の考え方として、養育里親として複数の子供を一定期間以上受託したことがある者、あるいは児童養護施設等において一定期間以上の勤務経験がある者などを検討しているところであります。

 現在先行的に行っておられる方について、それは制度として認知された形で実務経験を積んでいただくということがあろうかと思いますので、一概に従来の事業経験のみで判断されるかどうかについては、個別に確認してみなければ現時点ではなかなか決めがたいと思います。

 それから、ファミリーホームの人数要件についてでありますけれども、定員は五名以上を予定しておりますけれども、五名以上の子供を養育する場合にはファミリーホーム事業として届け出が必要になります。

 この際、定員につきましては、定員として定められた人数の子供を養育するために必要な養育者や設備等が確保されていることを求めるものでございます。したがいまして、実際に委託されている子供の数が一時的に定員を下回って五名未満になったからといって、即座にファミリーホームとして運営できなくなるとか、あるいは里親に戻る手続が必要になるというわけではありません。定常的に五名未満となるような運営を考えるならば、里親に戻っていただくことになるというふうに考えます。

郡委員 今お話しになられたように、この事業では五名から六名の子供たちの養育に当たるわけですけれども、これのためには補助員が不可欠なんだろうと思うんですけれども、これについてはどのようにお考えになっていらっしゃるのか。

 また、この補助要員は毎日必要なのかどうか、あるいは週何日入れてもらえるのかどうか、こういったような要望も今やっていらっしゃる方々から出ているかと思うんですけれども、これに対しても柔軟に対応していただけるのかどうか、確認をさせていただきたいと思います。

大谷政府参考人 社会保障審議会の児童部会にあります社会的養護専門委員会、これは昨年の十一月に報告書をいただいたわけでありますが、ここにおきましても、里親が五人から六人の子供を養育している場合において、里親だけでは養育や家事等の手が十分ではないといった指摘をいただいております。

 このような指摘を踏まえまして、今回新たに創設するファミリーホーム、正確には小規模住居型児童養育事業におきましては、子供とともに居住する者のほかに、補助者をどのような形で位置づけることが適当かについて、関係者の御意見も踏まえて、柔軟な対応が可能となるように今後検討していきたいと考えております。

 また、ファミリーホームへの障害児の委託についてもちょっと申し上げますけれども、個々の障害児の状況とファミリーホームの養育者の受け入れ状況などを踏まえつつ、児童相談所において個別に、委託するか、こういったことも検討していきたいと考えております。

郡委員 ちょっと今聞き取れなかったんですけれども、補助要員については柔軟に対応していただくということをおっしゃっていただいたのですね。

 里親ファミリーホーム全国連絡会、先ほど古屋委員からも前向きな要望書が出されていることが御紹介されましたけれども、私も資料の三につけさせていただきました、大臣あてに要望書が出されております。

 宮城のファミリーホームをやっていらっしゃる里親さんにお話を聞かせていただきました。残念ながら、宮城ではその方、一家族だけしか実施されていないんですけれども、なぜこの制度が進まないのか、今まで国の事業として位置づけがされておりませんから申し述べられませんけれども、それぞれの自治体、宮城県でもなかなか補助が出しにくいということもあって、これも一つネックになっているんじゃないだろうかというふうなお話でした。

 ですから、今回、公費でしっかり賄えるというふうな施策を打ち出していただくことに大変御期待が高まっているわけなんですけれども、例えば、この要望書の中にもありますが、委託の措置期間については高等教育終了まで継続されたいというふうにあります。例えば、高校に進学するための制服、支度金、交通費、こういったものも今みんな里親さんの持ち出しになっているんだそうです。

 それから、同じようにグループホーム事業をやっておられる都内の施設も、民主党の子ども・男女共同参画調査会で視察をさせていただきましたけれども、きょうの資料の六枚目に、その法人の事業概要からコピーをさせていただいたものですけれども、職員の方々の勤務表でございます。

 これを見ておわかりいただけるように、週に何度も泊まり勤務が入っておりまして、労基法を遵守できない状況だということを園長先生も大変嘆いておられました。ボランタリーな気持ちで、志でぎりぎりやっていらっしゃるというようなところです。子供たちの回復ですとか育ち、また、何年かたって我が家のように戻ってきていろいろと話をしてくれる、その笑顔に支えられて事業をやっておられるということですけれども、これらに対してやはりきちんとした財政的な支援が行われませんと、運営されている方々、施設の職員の方々も疲弊すると思います。

 ぜひ大臣に、ここはしっかりと、人件費の補助あるいは初年度の設備費、整備費などについて、しっかり財政措置をするんだという志といいましょうか、決意を伺わせていただきたいと思います。

 また、今回制度化されます、年長児、義務教育終了後の児童などを支援している自立援助ホーム、ここも視察をさせていただきましたけれども、ここは、これまで児童福祉法の枠外で、DV防止法などいろいろな措置を使って小さなお金を集めてきて、足りないところはバザーで賄ったり、あるいは寄附で賄ったり、大変厳しい状況が続いているというお話でした。

 これらの皆さんたちも、今回、福祉法の中に位置づけられて、措置費として公費づけになるということを大変期待されております。ぜひ大臣の決意を伺わせていただきたいと思います。

舛添国務大臣 委員の資料につけてあります里親ファミリーホーム全国連絡会からの御要望もしっかりと承っておりますし、こういう法律の中できちんと規定されるということで、ファミリーホーム、そしてまた今御指摘いただいた自立援助ホーム、これはきちっと予算を獲得して、この事業がさらに充実するように、全力を挙げて努力をしたいと思います。

郡委員 ぜひ頑張っていただきたいと思います。

 それからもう一つ、戻っていただいて資料の五枚目なんですけれども、宮城県がやっているモデル事業の報告書からコピーをさせていただいたものです。

 児童虐待防止法の二〇〇四年の改正で、家族の養育機能の再生強化と、分離した家族の再統合というのが位置づけられましたけれども、これを受けまして、宮城県が独自に、二〇〇五年から三年間のモデル事業として実施してきたものです。

 この事業というのは、先ほどの小規模住居型児童養育事業と同様、家庭と施設の中間的な施設を利用して、保健師、看護師、保育士、助産師、児童福祉司などのスタッフが、寝食をともにしながら、多面的な支援プログラムを通じて家族の再統合を支援するというものであります。これは、一昨年、厚労省で開催された全国児童相談所長会でも報告されたと聞きました。

 これを見ていただいたように、分離家庭支援十五組、これを行ったそうですけれども、家庭復帰九組、そしてさらに継続支援を六組行っている、かなり実績も上がっていると宮城県からの説明を聞かせていただいたところです。

 親子の宿泊体験を行って、多様な専門スタッフによる、多面的な援助プログラムを組み合わせたこのような事業が大変有効だと思うわけですけれども、ぜひ、このような中間施設を国の助成としてやっていただけないのか、そしてまた、こういった事業を国の事業として展開してみてはどうか、これは提案なんですけれども、これについていかがでしょうか。

大谷政府参考人 お答え申し上げます。

 児童虐待の問題を解決するためには、子供を保護するだけでなく、親子の再統合へ、そういったことについての配慮、また、虐待した保護者自身の養育態度や生活態度を変えて再発防止を図るということが重要でございます。

 このため、児童虐待防止法では、虐待を行った保護者に対する指導を適切に行わなければならないとされているほか、本年四月に施行されました法改正により、施設入所等の措置を解除するときは、保護者指導の効果を勘案しなければならないということが定められているわけであります。

 こうしたことから、厚生労働省としまして、本年三月に児童虐待を行った保護者に対する援助ガイドラインを策定するなど、各児童相談所において保護者指導が適切に行われるよう施策を進めております。

 この保護者に対する指導、援助につきましては、今お話ありましたように、宮城県を初め各地で、いろいろな実情に応じて実施されているところでありまして、中には専門的プログラムを実施している地域があるわけであります。御指摘の宮城県のモデル事業も、こういった先進的地域の取り組みの一つというふうに認識しております。

 当省といたしましては、御指摘のモデル事業も含めまして、先進的に取り組んでおられるプログラム事例を集積して、保護者の指導、援助の方法、効果について研究し、できることならば制度化していきたいと考えるわけであります。

郡委員 ぜひお願いをいたします。県からも、ぜひPRしてこいというふうに言われました。よろしくお願いをしたいと思います。

 次に、要保護児童の養育を目的とする特別養子制度というのが今から二十年前に新設をされまして、今続いているわけですけれども、明治三十一年に施行された普通養子縁組制度が家の存続を目的としているのに対して、特別養子制度というのは、子供の福祉を重視して、子供の利益を図るための制度と位置づけられております。これは、私の地元宮城県の石巻という港町で、菊田昇産婦人科医による、世に言う実子あっせん事件というのがございまして、それが契機になってこの民法改正が行われたと承知しております。

 この施行から既に二十年、この要項を含めて、幾つか改善が必要ではないかと思われる点がございますものですから、きょうは法務省の方にもおいでいただきました。

 特別養子縁組の要件は、養親は夫婦どちらか一方が二十五歳以上であること、それから、縁組申し立て時の養子となる子の年齢が六歳未満であること。この六歳未満であることにつきましては、法律を定めるその二十年前の議論の中でもいろいろな意見があったというふうに承知しておりますけれども、結局のところ、六歳未満であることに落ちつきました。それから両親の同意が必要であること、また、父母による養育ができず、子供の監護が著しく困難または不適当であることなどが要件として挙げられています。

 委託された里親などのもとで六カ月以上の養育期間を経た後に、申し立てによって、家庭裁判所の審判によって縁組が成立することとなっております。普通養子縁組とは異なって、実の両親や血族との親族関係というのが終了して、また、養親からの離縁申し立てというのはできない、原則として離縁は認められないということになっています。

 最近の縁組の年間成立件数は三百件程度ございます。家族再統合ができない要保護児童にとって、この特別養子制度というのは、新しい親子、家族関係の中で育つ機会を得ることができる制度だ、そんなふうに私も承知しているところです。

 改正すべき幾つかの点なんですけれども、六カ月の試験養育期間を子供と過ごしてから養子縁組の申し立てをすることになっています。養子縁組をあっせんする関係機関は、その時点で児童福祉法に基づいて要保護性があると判断して、養子縁組を前提に里親委託をして試験養育期間がスタートする。養子縁組の申し立て者と要保護児童が同居生活をスタートさせて、親子関係を少しずつ築いていこう、そして築き上げてきたというときに、最終的に、実の親の同意によってしかこの特別養子の縁組が成立しないということです。

 間際になって実の親の気持ちが切りかわるということも聞いておりますけれども、もしそういうふうな場合は、養子縁組しようとする者と子供との共同生活が営まれている、その試験養育期間のある一定期間を経過する前までに限定すべきではないか、あるいは、この養子縁組あっせんの時点での同意をもって審判とすべきではないかと思うのですが、これについてどうでしょうか。

    〔田村(憲)委員長代理退席、委員長着席〕

始関政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいまの御指摘でございますが、民法は、確かに、原則といたしまして実父母の同意を特別養子縁組の成立要件の一つとしてございます。これは、特別養子縁組の場合は、先ほど委員から御紹介いただきましたとおり、縁組の成立によって実父母が親としての地位を失うことになりますので、その実父母の利益を保護する必要があるためでございます。

 ただ、これはあくまでも原則にすぎないのでございまして、民法は、養子となる者の利益を著しく害する事由がある場合には実父母の同意を要しないということを既に定めているわけでございます。したがいまして、今御紹介がありましたような事例、すなわち、実父母が同意しないこと、あるいは同意を撤回することが同意権の濫用と認められるような場合、こういう場合には、養子となる者の利益を著しく害する事由があるものとして、実父母の同意がなくても家庭裁判所は特別縁組の審判をすることができるというふうに解されてございます。

 ですから、制度といたしましては、ただいま御紹介ありましたような事案については、措置が講じられているというふうに申し上げられます。

郡委員 わかりました。

 養子縁組を前提として子供を里親委託するときに、実の親にも、それから養親にも、それぞれの居住地、住所など詳細な情報は伝えていません。また、特別養子縁組が完了して入籍の手続をする時点でも、一たん、実親と同じ本籍地と養親の姓で子供の単独戸籍がつくられるわけですけれども、こうした手続によって、実親側の戸籍には養親の戸籍情報が記載されないように配慮されているわけですね。

 にもかかわらず、養子縁組の審判がおりた時点で養親と実親の双方に対して送付される審判書には、申立人である養親と特別養子となる子供のそれぞれの本籍、住所、氏名、生年月日が記載されます。審判書を見れば、養親の住所などがこれはもう一目でわかってしまって、実際、実親側が出産費用の請求をしてきたり、あるいはまた、実親の母親から孫を返すようにと要求されるなど、養親に対して何らかのコンタクトですとか干渉があるというふうに聞いております。

 こういうことを避けるためにも、子供と実親との親子関係を終了する審判と、養親との新しい親子関係を認める審判と、同時に行われる事件審判であるからこういう事態が起こるわけでして、これを二段階の手続に変えるべきではないだろうか、そんなふうに思うところです。

 これについては、何か審判書の書式を検討するなど、手当ては考えられないものでしょうか。

始関政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま委員から、実父母と子との親子関係を終了する審判と、養父母と子との親子関係を形成する審判という二つの審判に分けられないかというお話がございましたけれども、このように二段階の審判を行うといたしますと、実父母との親子関係を終了する審判と養父母との親子関係を発生させる審判との成立時期がずれますものですから、その結果、法律上、子に父母が存在しない時期というものが生じてしまうおそれがございます。

 あるいは、二つの審判が例えばばらばらに上訴されますと、一方の判断と他方の判断が食い違ってくるような事態が生じたりするというような問題が起きる可能性がございますので、そういうことがないようにしなければならないというようなこともございますから、そういう制度設計をすることはなかなか難しいのではないかというふうに思います。

 ただ、今問題提起されました事柄というのは、要するに、審判書を送付することによって、その審判の内容を養父母と実父母の双方に通知している、そこに問題があるということだろうと思います。

 実は、家事審判は、これを受ける者に告知されることによってその効力が生ずるということに家事審判法上なってございます。したがいまして、特別養子縁組の審判については、その効力を受ける者、すなわち養父母、実父母、養子に対して審判の告知を行わなければならないわけでございますが、その告知の方法については、具体的な内容は法令上、何ら定めはございません。したがいまして、各裁判所の判断にゆだねられているわけでございます。

 したがいまして、例えば、今御指摘のように、実父母に対して養父母の本籍とか住所を知らせることでその後のトラブルが生ずるというおそれがあるような事案であれば、そういうことが裁判所にわかれば、裁判所の方が告知する段階で、実父母に住所などを知らせないというような形で告知する、要するに、そういう審判が行われましたよということを知らせればいいわけですので、その告知の方法は工夫ができるのではないかと思います。

 現実にも、先ほどもちょっとお話がありましたDV防止法のDVの審判などでは、虐待といいますか暴力行為を行っている夫なりに対しては、妻の側の住所とかはわからないように通知がされていますので、そういう工夫をしていただくことは可能なのではないかというふうに考えております。

郡委員 ぜひ御検討いただきたいと思います。

 それから、その裁判の手続ですけれども、実親との法的な親子関係を終了する審判をもう認めてしまった上で、先に認めた上でであれば可能なのではないだろうかというふうに思うのですけれども、私も、もう少しこれから勉強させていただきたいと思います。

 それと、この審判書には、住所、氏名のほかに養子縁組を認容する背景事情、こういったようなことも書かなくちゃいけません。それから審判の理由、ここにはさまざまな個人情報の記載がなされるわけでして、この審判書は、その審判理由を含む全謄本として家庭裁判所から養親の本籍地に直送されることになっています。

 特別養子縁組の審判が確定しましたならば、十日以内には居住地の役所に、特別養子縁組届にこの審判書を添付して提出して、新しい戸籍の編製をしてもらわなくちゃいけないことになっているんですけれども、特別養子縁組を家庭裁判所が認容した詳細な審判理由というのは、戸籍の編製作業には必要なことではないわけですね。それもわざわざつけなくちゃいけない。家庭裁判所から養親の本籍地への審判書の全謄本の送付も、これは見直すべきではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

 それから、役所への特別養子縁組届による入籍手続においては、審判書の主文のみが掲載された省略謄本もしくは確定証明書のみで行えるようにすべきだというふうに思うわけですけれども、これについてお答えいただきたいと思います。

始関政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま委員から御紹介いただきましたように、特別養子縁組の成立の審判が確定いたしますと、申立人である養親となる者は戸籍法上の届け出をしなければならず、また、家庭裁判所は養親の本籍地の戸籍事務司掌者に対して通知をしなければならないこととされておりますが、これらはいずれも、特別養子縁組の成立という身分関係の変動を戸籍の記載に的確に反映させるために必要とされているものでございます。

 したがいまして、委員からも御指摘ございましたように、この届け出や通知の際に添付される審判書も、特別養子縁組の成立という審判の効果を戸籍の記載に的確に反映させるという目的が達せられる限度のものであれば足りると考えることもできるわけでございます。

 この点、裁判上の離婚や離縁がされた場合等における届け出や通知につきましては、戸籍に記載すべき事項以外の記載を省略したいわゆる省略謄本というものを添付して差し支えないとする取り扱いを既に行っているところでございますが、まだ特別養子縁組についてはそれは行っておらないのでございますけれども、今御指摘もいただきましたので、特別養子縁組の場合につきましても同様の扱いができないか、これから、民法上、戸籍法上の問題点も精査いたしまして、最高裁判所とも協議しつつ検討していきたいと思っております。

郡委員 戸籍係に提出をする際、戸籍係の方の守秘義務はあるわけですけれども、その届け出を持っていく方の立場になれば、知られたくないことを細々出さなくちゃいけないわけですね。こういうことについてもぜひ御配慮をいただきたいというふうに考えています。

 それからもう一点、未婚の母親が特別養子縁組を行う場合に、実母がまず本籍地で自分の単独の戸籍をつくらなくちゃならないことになっています。そこに子の出生が記載されまして、その子の縁組ができれば、その子の記載が抜けるということになっています。

 実は、きょうお渡しいたしました、これは支援する団体が出しております、最後のページですけれども、資料七。見本でございます。特別養子のA戸籍となっておりまして、これは見本ということで、このまま未婚の母の名前で単独戸籍をつくらなくちゃいけないということなわけです。

 子供の縁組がうまくいって、子の記載が抜けることになるわけですけれども、実母の方を見ますと、この実母の戸籍は出産前の戸籍に戻ることができません。単独戸籍のまま、ずっとそのまま残るという状況なわけですね。

 実は、十代の半ばでの出産、中学生であったり高校生であったり、そういうケースも少なくないんですね、大変残念なことですけれども。そうした場合に、中絶期間を過ぎてしまって出産やむなしとなった場合、自分でも育てられない、親も育てられない、あるいはレイプというようなこともあったりして育てられないというようなこともあった場合に、それでは特別養子縁組を結んでもらおうというふうに思って子の縁組をしようとすると、自分は単独戸籍になってしまいます。それで、その後の就職ですとか、これはずっとついて回って、十代の半ばの若い女性、実母に対しては大変不都合が生じて、生きにくい状況になっています。

 この実母の戸籍を、もとの出産前の親のところの戸籍に復活させるということはできないのかどうか。いかがでしょうか。

始関政府参考人 お答え申し上げます。

 民法や戸籍法には、子がその父や母と氏が異なる場合に、家庭裁判所の許可を得まして父や母の戸籍に入籍する手続というのがございます。しかしながら、今御指摘がありました女性のように、子の出生により新戸籍が編さんされたという場合につきましては、その父や母と氏は同じでございますので、父や母の戸籍に再度入籍する手続というものはございません。

 したがいまして、現行実務上はもとへ戻すということは非常に難しゅうございます。

郡委員 実務上、大変難しいということですけれども、これはこのままでいいでしょうか。

始関政府参考人 戸籍法は、身分変動とか氏の変動があった場合にだけ戸籍自体を動かすという建前になってございます。したがって、この事例のように身分変動も氏の変動もないという場合に、戸籍を動かしてもとの親のところへ移すというのは、なかなか戸籍法の基本的な枠組みからすると難しゅうございます。

 ただ、ここで委員が御指摘された問題といいますのは、要するに、その女性が単独戸籍であるということが外部に知られるということであろうかと思います。要するに、戸籍の開示といいますか、情報提供の問題かと思います。その問題を避けるには、いわゆる抄本といいますか、今コンピューター化されていますので、一部事項証明というものでございますけれども、一部事項証明にいたしますれば戸籍全体がどうなっているかということはわからないわけでございます。

 私ども、昨年、戸籍法の改正をしていただきまして、この五月から施行されたわけでございますけれども、できる限り、個人情報保護という観点から、抄本で足りるものは抄本にしていただくように、これは各省庁にもお願いをしているところでございまして、そういう扱いが徹底されることによりまして、今御指摘いただいたような問題を解消していくということを考えていきたいと思っております。

郡委員 これは戸籍法が持ついろいろな問題なんだろうというふうに私自身はとらえています。この問題につきましても、何らかの解決策がとれないのかどうか、これから私も研究してまいりたいと思います。

 次に、今回の児童福祉法の改正の中に、施設内の児童の虐待対策というのが盛り込まれました。児童養護施設等の内部における虐待対策の強化のため、虐待を発見した者の通告義務等を設けるほか、地域における児童虐待対策の強化を行うということにされているわけです。

 昨年の十二月に、千葉県内の児童養護施設で日常的な虐待行為が繰り返されていたことをめぐる民事訴訟で、千葉県が二百九十万円を支払うように命じられました。これに対して、控訴しないことが明らかになったわけです。今回の法改正においては、こうした事件が未然に防止できるのかどうかということが、この法案の賛否の判断において大きな論点の一つになるんだろうというふうに考えています。

 そこで、法案の第三十三条の十四、新設されたところには、「都道府県は、第三十三条の十二第一項の規定による通告、同条第三項の規定による届出若しくは第三項若しくは次条第一項の規定による通知を受けたとき又は相談に応じた児童について必要があると認めるときは、速やかに、当該被措置児童等の状況の把握その他当該通告、届出、通知又は相談に係る事実について確認するための措置を講ずるものとする。」というふうにされています。このことは、都道府県が何らかのリアクションをしなくてはならないということを明記したのだろうと思います。

 しかしながら、同条二項におきましては、都道府県は「必要があると認めるときは、」「適切な措置を講ずるものとする。」としていまして、その措置内容は現行の社会福祉法等が定める措置を踏襲しているにすぎない、こんなふうに考えるところなんですけれども、これは言いかえれば、虐待なんかがあったときには、その事実を把握した場合には都道府県は何らかしなくちゃならないよと言ってはいるものの、実際の措置については各自治体の裁量に任せてしまって、何をするのかよくわからないというような状況になるのじゃないだろうか。

 今後、このことについてはマニュアルをおつくりになるというふうに伺いましたけれども、どういうような方向性で、いつまでにこれをお決めになられるのかお尋ねいたします。

大谷政府参考人 被措置児童等に対する虐待への対応としまして、法律上、虐待を発見した者からの通告や子供からの届け出があった場合に、都道府県は速やかに事実確認などの措置を行うというふうにしているところであります。

 この事実確認でありますが、基本的に、関係者に対するヒアリングや現地調査によって行われるわけでありますけれども、その結果、事実が確認された場合には、個々に必要に応じてであるわけですけれども、必要に応じて、子供の保護や施設に対する立入調査、質問あるいは勧告、指導、業務停止等の処分等の措置が講じられることになるわけであります。

 この通告あるいは届け出があった場合の事実確認の方法等、被措置児童等に対する虐待への対応につきましては、国において都道府県等に対するガイドラインをお示しして、これを踏まえて適切な体制を整えていくということになりますが、このガイドラインの具体的な内容につきましては、今後、関係者や自治体の方々の意見や実情も踏まえながら早急に検討し、今年夏ないしは秋までには完成させたいと考えております。

郡委員 これもまた、ガイドラインの具体的な内容については今後の検討だと。今、夏ごろまでにはというようなエンドポイントは示されたわけですけれども、やはり、具体的なところが何も見えないで法案審議をするというのはいかがなものなんでしょうか。知りたいところがちっともわからないんですよ。これによって本当に実効性があるものなのかどうかというのが判断されるんだろうと思うんですね。その判断のしようがないんですね。

 これまでも、幾つかテーマごとに伺わせていただきましたけれども、大事なところがこの法案審議の中には出てこないんですよ。すべてはこれからのものになっているんですよね、これから関係者の話を聞いて決めていくんだという。これでは、どうなんでしょうか、箱だけ決めて中身が一体何だかわからない。こういう審議は私はどうなんだろうなというふうに大変疑問でなりません。

 もう一つ、児童養護施設のような施設というのは、集団生活の維持のために一定の規律が必要なんだろうと思いますけれども、この施設内の密室性が高ければ高いほど、構造的に虐待事件というのが起きる可能性が高まるわけでして、第三者にそれぞれの施設がどんなふうに開かれているのか、第三者のチェックの目がどんなふうに担保されるのか、こういうことも大切なんだと思うんですね。

 また、職員の関係性というのも重要なポイントになってくるかと思います。職員の上下関係ですとか、また職員と入所児童の力関係も含めたチェック機能、これが必要になってくるんだろうと思いますけれども、これはこの法案ではどんなふうに担保されているんでしょうか。

大谷政府参考人 御指摘のように、施設におけるケアの質を確保するための手段の一つとして、施設運営における透明性を確保していくということは大変重要なことであろうと考えております。

 このために、現在、都道府県において、ケアの質について監査できる体制を整備するために監査ガイドラインというものがあるわけでありますけれども、これについても見直しを進めたい。また、第三者評価の受審については、さらに推進していただくよう対策を講じたいと考えております。

 被措置児童に対する虐待に関する施策とあわせまして、今言ったガイドラインの見直しや第三者評価の推進ということで権利擁護を確保してまいりたいと考えております。

郡委員 先ほども申しましたけれども、これからさらにガイドラインについて検討をされて、固まるのはまだ先のことだ、現時点では、今局長はちゃんとやっていくというようなお話でしたけれども、それではどのようにやっていくのか、こういう法案の審議の中で一番重要だと思われる、どのように国は、厚労省は考えているのか、その方向性が私ども、なかなか見えない中で議論をせざるを得ないというのが大変残念でなりません。

 まだまだ審議が続くようですけれども、時間が参りました。この点を、もう少ししっかりとした形を示して、法案の提出に結びつけていただけるように努力をしていただきたいということを申し述べて、質問を終わります。

 ありがとうございました。

茂木委員長 この際、休憩いたします。

    午後零時九分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時十六分開議

田村(憲)委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。菊田真紀子君。

菊田委員 民主党の菊田真紀子でございます。午後の質疑、トップバッターでやらせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 児童福祉法等の一部を改正する法律案について御質問をさせていただきますが、まず、次世代育成支援対策推進法の一部改正についてでございます。

 今回、一般事業主の行動計画の策定、届け出義務の対象を百人を超える企業まで拡大する理由について、お伺いいたします。

大谷政府参考人 次世代法に基づきます一般事業主行動計画につきましては、平成二十年三月末現在で、従業員三百人超の義務づけ事業主におきまして、ほぼ一〇〇%に近いところまで策定、届け出をしていただいているところであります。

 一方で、努力義務であります三百人以下の事業主におきましては、策定あるいは届け出数が平成二十年三月末現在で一万一千四百四十九社にとどまっておりまして、取り組みは進みつつあるものの、まだまだ十分ではないと認識しております。

 昨年十二月に取りまとめられました子どもと家族を応援する日本重点戦略におきましても、働き方の改革による仕事と生活の調和の実現と、それから、就労を支える多様な保育サービス等の子育て支援の充実、この二つを車の両輪として取り組んでいくこととしており、地域の隅々において次世代育成支援対策を推進するためには、規模の小さい企業におきましても、次世代法に基づく一般事業主行動計画策定あるいは届け出の取り組みを進めていただく必要があると考えております。

 このため、今回、従業員百人超の事業主につきましても、対象を広げまして、行動計画の策定、届け出を義務づけるという案にしたところでございます。

菊田委員 これまで、計画策定そして届け出した三百一人以上の対象企業は何社でしたか。

大谷政府参考人 お答え申し上げます。

 次世代法に基づく一般事業主行動計画につきましては、平成二十年三月末現在で、従業員三百人超の策定、届け出が義務とされている事業主におきましては、一万三千三百二十六社が策定、届け出をしているところであります。

菊田委員 それでは、策定した行動計画を実施し、目標を達成した企業は厚生労働大臣による認定を受けることができるとありますけれども、これまで、認定された企業は何社ありましたか。

大谷政府参考人 行動計画の目標を達成し、一定の基準を満たした事業主が受けられます厚生労働大臣の認定につきましては、平成十九年四月から平成二十年三月末までで、四百二十八社が認定を受けております。

菊田委員 一万三千三百二十六社のうち、認定を受けるために申請をした企業は何社ありましたか。

大谷政府参考人 平成十九年四月から平成二十年三月末までで、四百四十六社から認定の申請があったところでございます。

菊田委員 申請した企業が四百四十六社にとどまっているというのは、どういう理由でしょうか。

大谷政府参考人 申請がありまして、そして実際に認定がされなかったという差になるわけでありますけれども、これについては、認可に至らなかったというものが十二、あるいはまだ審査中であるというものが六あるわけでございます。

菊田委員 いえ、私の質問は……

舛添国務大臣 私の方からお答えいたします。

 これは、認定基準の中に、男性の育児休業取得者一名以上という要件があるんです。そうすると、例えば会社なんかで、中小企業ですから、高齢の方ばかり使っていると、今、育児休業も何も、育児は終わったよというような方々ばかりの場合があるんです。これが少し数を少なくしていると思いますので、最低一名は男性で育児休業をとっておかないといけないという要件を緩和しようかというのを私は実は今考えているところであります。

 だから、せっかくこういうことの認定を受けて、社会的にもこういうことを進められたいというのに、ちょっと要件がきつかったかな、それが最大の理由だというふうに考えております。

菊田委員 私が今一問一答で質問をさせていただいたことは、つまり、一万三千三百二十六社が計画を策定して届け出をされている、しかし、さらに踏み込んで申請をして認定マークをとろうというところが非常に少ないわけであります。そもそも、認定を受ける前の申請をしている企業は、先ほどの答弁から四百四十六社ということでありますので、三%ということであります。

 しかし、私は、肝心なことは、計画を策定してそして届け出をすれば、それでこの法のそもそもの理念や目的を達成するというものではなくて、やはり達成した後に、これをいかに実行するかということであろうと思います。

 今、舛添大臣からもお話がありましたけれども、認定を受けるためには基準がございます。男性の育児休業等取得者がおり、かつ女性の育児休業の取得率が七〇%以上だった、このことによって初めてこの認定を受けられるということでありますので、現実にはなかなかハードルが高いということだろうと思います。

 そして、もう一つ私が問題提起をさせていただきたいことは、企業も一生懸命こういう取り組みをされているわけですけれども、認定を受けたときには、次世代認定マーク、くるみんというものをいただいて、そしてこれを、商品等に認定マークを使用することができるということであります。しかし、果たしてこの認定マークにメリットを感じている企業がどれだけあるのか。私は、そもそもこのこと自体が知られていないというふうに問題提起をさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

舛添国務大臣 おっしゃったとおりで、例えばここの委員の皆さん方に、くるみんとは何かわかりますかと言って何%がわかるかというと、なかなかわからないと思います。だから、やはり厚生労働省としても、このくるみんについてもう少し宣伝をする。

 いろいろなこういう新しいマークをやったときには、ちょうど、妊娠している女性が公共交通機関で優先的に座る、そういうようなことのためにマタニティーの形をしたマークを今度つくって、それを今一生懸命宣伝しています。これもやはり知られていなかった。まず一つは、マークを周知徹底する。これは、何らかの運動ができないか、やってみたいと思います。

 それから、国民が、ああ、この企業はこういうことを積極的に取り組んでくださっているんだなと。そうすると、例えば、この企業の商品を、そういうことであるなら優先的に買ってあげよう、そういう雰囲気になるように、これは周知徹底、そしてそういうインセンティブをつけるように努力をしたいと思います。

菊田委員 ありがとうございます。

 それから、やはり企業の側からすれば、どのような計画をつくればよいのかわからない、あるいは人手不足で手が回らないといった悩み、不安もあると思いますので、こういう企業の負担感を軽減することもあわせて御検討いただきたいと思っております。

 少し、時間の関係もありますので、通告をしていた質問を飛ばさせていただくこともお許しをいただきたいと思います。

 政府は年次有給休暇取得率の向上を目指しております。現在四六・六%を、十年後には完全取得を目指すということを掲げているわけです。また、育児休業取得率についても、現在、女性七二・三%を八〇%に向上させたい、男性は、残念ながら現在は〇・五%ということでありますが、これを一〇%にしていきたいということを目指しているわけでありますけれども、実現するには、企業に対して例えば税制上の優遇措置をとるなどさらなるインセンティブが必要ではないか、私はこのように考えております。

 例えばドイツなどでは、九割の企業が平均三十日もの有給休暇をとっております。消化できない分は会社が賃金を払うというようなこともやっているわけでありますが、この企業に対してのインセンティブの導入については、大臣はどのようにお考えでしょうか。

舛添国務大臣 先ほど、くるみんマークについてのことは申し上げました。それに加えて税制上のインセンティブ、これ、どれができるかなといろいろ私も考えてみました。例えば税制調査会なんかの場で提案することも可能だと思いますけれども、なかなかやはり、税制上の優遇措置というのは、ドイツのような形は非常に難しいかと思いますが、それ以外にどういう支援ができるのか、インセンティブは何かほかにあるのか、これは今から大きな問題になってくると思いますので、少し検討させていただきたいと思います。

菊田委員 それでは次に、児童福祉法の改正について御質問をさせていただきたいと思います。

 児童養護施設の入所率でありますけれども、委員の皆様にも資料を提出させていただいております。三ページ目でありますけれども、この児童養護施設の入所率は、自治体によってかなり差があるわけでございます。

 例えば群馬県でありますけれども、定員三百八十四人に対して在所者が三百八十三人ということで、入所率は極めて高く、九九・七%になっております。また、愛知県の方では、九百五十三人の定員に対しまして在所者が九百四十四人、入所率は九九・一%。そのほかにも、鳥取県とかあるいは静岡市など、入所率が極めて高い自治体があるわけです。

 これは国としては放置しておけないのではないかと考えておりますが、この辺についてお答えをいただきたいと思います。

大谷政府参考人 児童養護施設の入所率でありますけれども、年々上昇しておりまして、社会的養護の質の向上を図るとともに、その量的な整備を図ることが重要な課題であります。

 今般、次世代育成支援推進法に基づく都道府県の行動計画の記載事項としてこの社会的養護を明示しまして、これが次世代育成支援対策に含まれるということを明確化することにいたしました。これを踏まえまして、国の行動計画策定指針に、社会的養護の提供体制に関し、その提供量を見込む際に勘案する事項等を盛り込むということを検討しております。

 こうした指針を踏まえまして、都道府県の行動計画が策定されることによりまして、児童養護施設を初め、里親あるいは自立援助ホームなど社会的養護の提供体制の計画的な整備が進められるものというふうに期待しております。

 ただ、この改正のほか、既に取り組んでいることでありますけれども、この児童養護施設を新設する際には、地方自治体の整備計画に基づき、次世代育成支援対策施設整備交付金によって必要な施設整備を推進している、また、社会的養護に関する多様な資源を活用するとともに、家庭的な養護を推進する観点から里親委託を推進するなど、要保護児童に対し適切なケアができるように総合的な体制整備に努めているところであります。

菊田委員 児童福祉施設の老朽化が大変気になります。老朽化の現状とこれに対する対策について、どのようにお考えでしょうか。

大谷政府参考人 例えば、児童養護施設のうち、昭和五十六年以前に建てられた棟の数を見ますと、全体の五三・三%になっております。

 こうした児童福祉施設等の老朽改築につきましては、地方自治体の整備計画に基づいて、次世代育成支援対策施設整備交付金において必要な施設整備を推進しているところであります。

 厳しい財政状況の中、各地方自治体においても改築など必要な予算措置に努力していただいているわけでありますが、国としても、今後とも、必要な予算を確保して老朽改築が進むように努力したいと考えます。

菊田委員 今ほど御答弁をいただきましたが、六百六十四棟が昭和五十六年以前に立てられた建物だということでありますけれども、建築基準法の改正で耐震強度が明確化されたのがこの昭和五十六年であります。

 すなわち、およそ半分以上の建物が現在、災害、地震が多い中で耐震性がどうなのかということが極めて不安なわけでございまして、今ほど御答弁ありましたけれども、地方自治体というのはどこも財政的に非常に厳しい。公共事業とか道路とか、そういうところがどちらかといえば優先をされて、こういう児童福祉施設にまで予算が回らないというような実態もあるわけであります。

 私は、国としても、自治体に対して後押しをぜひしていただきたいと思っておりますけれども、平成二十年度では新改築はどれだけ予定されておられますか。

大谷政府参考人 まだ各都道府県からの数字が出てきておりませんので、現在手元には、二十年度につきましては改築計画は承知しておりません。

菊田委員 しかし、平成二十年度予算というのはもう始まっているわけでありまして、通常こういうのは十九年度に、全国の都道府県、自治体に対して、要望があるのかどうなのか、実態はどうなのかということを調査するというのが当然ではないかと思っておりますが、いかがですか。

大谷政府参考人 御指摘のように、予算編成の前後においていろいろ検討、相談するわけでありますが、現時点では、都道府県から二十年度の改築計画は私どもに届いていない現状でございます。

菊田委員 それはいつ届くのですか。

大谷政府参考人 現在まだ協議中でありますけれども、その件について至急確認したいと思います。

菊田委員 ぜひ早急にお願いをしたいと思っております。

 繰り返しますけれども、私も全国の自治体の児童養護施設を全部回ったわけではありませんが、やはりどちらかといえば、先ほどの数字にも上がってきているように、極めて老朽化が目立っております。そしてまた、こういう施設に入る子供たちは本当に家庭的に恵まれない子供たちも多いわけでありまして、そうした子供たちが日常の場として、生活の場として入所しているわけですから、私は、こういうところに優先的に予算をつけて計画を実行していただきたいということをあわせてお願いしたいと思います。

 続きまして、児童福祉施設に入所する児童のうち、障害児がだんだんと増加をしているという報告がございます。お手元の資料の四ページでございますけれども、今二割が障害児となっているということでありますが、これに対する対応についてお考えを、そしてまた取り組みをお聞きしたいと思います。

 例えば、発達障害児とか知的障害児への指導には相当の専門性が求められると思っております。職員の配置基準を見直す考えについてもあわせてお伺いしたいと思います。

大谷政府参考人 お答え申し上げます。

 児童養護施設等におきまして、知的障害であるとかあるいは発達障害、その他心身に障害のあるお子さんの増加というものが見られるわけであります。被虐待児童のほか、多様なお子さんへの対応が必要な状況にあるというふうに認識しております。

 このような状況を受けまして、これまでも、個別対応職員の加算措置等を実施してきたわけでありますけれども、昨年十一月に取りまとめられました、社会保障審議会の児童部会に附置されました社会的養護専門委員会の報告書におきましては、子供の状態や年齢に応じた適切なケアを実施できるよう現行の施設類型のあり方を見直すとともに、人員配置基準や措置費の算定基準の見直し等を含めたケアの改善に向けた方策を検討する必要がある、また、このような見直しを具体的に進めるためには、必要な財源の確保が不可欠であるとともに、現在施設内で行われているケアの現状を詳細に調査分析することが必要である、こういった提言をいただいているところであります。

 厚生労働省におきましては、これを踏まえまして、施設内で行われているケアの現状を把握するための調査を現在進めております。その結果や次世代育成支援策の再構築、あるいは、大臣からも再三申し上げておりますが、財源のあり方に関する議論、こうしたものを踏まえまして、今後さらに施設の見直しを進めたいと考えております。

菊田委員 私も地元の施設を訪ねてみました。やはり職員の皆さんは多忙をきわめておられます。本当にいろいろなケース、いろいろな問題を抱えておられる子供たちが多くて、そして一人一人に目を向けていかなければならないということで、本当に現場は大変なんだなということを改めて感じたわけでありますし、また現場からは、精神科医の先生がおられたらもっと安心して子供たちの見守りができるのにというような声も聞いております。

 現在の職員配置を見ますと、児童養護施設では、お医者さんというのはどうしても必要だということになっていないわけでございまして、嘱託医は必要であるけれども、医師というのは絶対に義務づけなければならないということになっていないわけです。また、心理療法を担当する職員についても、現状ではこの職員がいないという施設も大変多くあるわけでございまして、財源のこともあり、これから検討していきたい、見直しも考えていきたいということでありますので、そういう現場からの声をぜひ前向きに受けとめていただいて、子供たちも、そしてまた職員の皆さんも安心して施設で暮らせるように体制を整えていただきたいというふうに思っております。

 続きまして、里親手当についてお伺いをいたしたいと思います。

 そもそも里親手当というのは、どういう理由で、そしてどのような基準のもとに支給されているのか、お伺いいたします。

大谷政府参考人 里親手当は昭和二十三年に創設されたものであります。児童を養育する里親に対し、その委託措置に要する費用等として、一般生活費等に加えまして支弁してまいりました。

 手当額については、経済社会の変化に応じて、近年は毎年千円ずつ増額してきたところでありまして、平成二十年度においては月額三万四千円としているところでございます。

 今回、法律改正によりまして、養育里親と、養子縁組を前提とした里親と区別して、養育里親の社会的養護体制における位置づけを明確化するとともに、養育里親につきましては、その養育を社会的に評価するという観点から、里親手当を平成二十一年一月から七万二千円と大幅に増額することを検討しております。

菊田委員 今の御答弁では、どのような理念といいますか、どのような考え方のもとにこの里親手当が導入されたのかというのが明確ではございません。里親手当のほかに里親さんに支給される一般生活費、そういうものもあるわけですね。私は、これはまだまだ足りないとは思っておりますが、日常生活にかかる経費だということでありますが、そのほかに里親手当が支給されている理念、考え方についてもう一度御答弁ください。

大谷政府参考人 お答え申し上げます。

 里親制度でありますけれども、これは、子育て中の世代とかあるいは子育てを終えた世代等を含むだれもが社会的養護体制の一翼を担うことができるようにということで、養子縁組をしない養育里親の普及啓発を進める、そのときに、こういう社会的な評価に基づいて里親を支えるということで、その支援体制を明確化するためにもこういった手当を用意しておるということでございます。

菊田委員 そして、委員の皆様にも資料をお届けさせていただいておりますけれども、この「里親手当の改善経緯」ですね。今回の法改正で、これまでの三万四千円が七万二千円になるということでありますけれども、ずっと見ておりますと、ここ数十年、私の目から見ると機械的にずっと千円ずつアップしてきたというような感じがしているんですけれども、これはどういう基準でアップされてこられたんですか。

大谷政府参考人 これは、社会福祉に関するさまざまな手当や制度があるわけでありますけれども、そういった改善の中で、物価に伴う改善であるとか、あるいはその制度横並びで見た改善ということで、こういった過去の経緯が千円ずつ積み上げられてきたというふうに理解しております。

菊田委員 今回、法律改正をされて七万二千円になるわけですが、この根拠はどういう理由でしょうか。

大谷政府参考人 今回の七万二千円でありますけれども、基本的には、例えば主婦層の平均パートの収入であるとか、あるいは保育ママといいますか家庭的保育の保育者、こういった方々の平均収入等を参考に、七万二千円という額を設定したところでございます。

菊田委員 つまりは、里親として子供を預かるということは、その里親さんは働けなくなるといいますか、やはり子供と向き合っていかなければならない、なかなか外に出て働いてということが現実的には難しくなってくると思います。そういう、収入がなくなる中で、主婦層の平均パート及び保育ママの平均月収を参考にして設定したという考え方でしょうか。

大谷政府参考人 その前提となる考え方についてはいろいろ考慮したところでありますけれども、現在の限られた予算の中で、こういったものに重点配分するという見地からこの七万二千円という額を、今申しましたような根拠をもとに算出したということでございます。

菊田委員 私が心配しておりますのは、この過去の経緯を見ましても、非常に機械的に、とりあえず千円ずつ上げていけばいいんじゃないかというような感じがするわけですね。

 どういう考えのもとにこういう手当がつけられるようになったのか、やはりその辺の考え方をきちんと整理されて、そして、経済状況を見ながら、例えば、民間の求人会社の調査では、今、主婦の七割が年収百三万円以内の扶養控除内の労働をされていて、月額が大体八万五千円とか八万六千円だというようなデータもあるわけですが、こういったことも含めて、その理念に沿った、時代にふさわしい手当というものを十分に検討して、今後も引き続いてお願いしたいというふうに思っております。

 今回の改正で、養育里親と養子縁組里親に切り分けることによって、養子縁組希望の里親には里親手当が支給されなくなるのでしょうか。

大谷政府参考人 要保護児童の里親への委託を積極的に推進するために、先ほどから申し上げておりますような制度改正、あるいは養育里親の手当の改善等を考えてきたところであります。

 これらの見直しは、里親委託をさらに推進することを目的としたものでありますが、養子縁組を前提とした里親の社会的養護体制における位置づけを後退させるということではないものであります。

 その手当の支給につきましては、私法上の関係であります養子縁組を結ぶことを前提として、養親となる者と養子となる者との相性を見きわめるための期間であることを考慮して、これは見直しを行いますけれども、要保護児童の委託先として、生活費、教育費等の費用は従前どおり支給されるということになります。具体的に言うと、その以後の、養子縁組に基づく関係になった場合には、先ほどの里親手当は出なくなるというのは御指摘のとおりであります。

 あと、そういったこと以外に、里親支援機関等による里親支援の対象として、相談や援助等の支援を受けることを可能にするといったことも今回盛り込んでおりまして、引き続き社会的養護体制の一端を担っていただきたいというふうに考えております。

    〔田村(憲)委員長代理退席、委員長着席〕

菊田委員 そもそも、なぜ養子縁組里親には手当が支給されないのでしょうか。

大谷政府参考人 これにつきましては、今回、従来の関係を整理したわけでありますけれども、先ほど申しましたように、いわゆる私法上の関係である養子縁組ということについては、これは社会的取り組みとして行われるものとやはり違いがあるであろうということで、そこは区別をしたものでございます。

菊田委員 例えば私が養子縁組を希望して、そしてそういう子供を受けたいというようなときに、六カ月間の試験養育期間というのがあるわけであります。この試験期間がうまくいけば養子縁組の手続をして、法的にも正式にそこから実の子供、実の親としてやっていく、そういうふうになっていくわけでありますけれども、この六カ月間の試験養育期間ですが、この期間の里親手当というのはどうなるんですか。

大谷政府参考人 この試験期間でありますけれども、先ほど申しました生活の実費は支弁されますけれども、里親手当は、最初に検討に入るところで養子縁組を前提としたということが明らかであれば、それは出ないものと考えております。

菊田委員 ここが私は一つ疑問なんですけれども、要するに試験期間なわけですよね。試験期間ということは、つまり、まだ正式には養子縁組が成立をしていないわけであります。正式には実の子になっていない期間なわけでありますが、にもかかわらず、この期間の里親手当が出なくなるというのは、現場においても混乱が生じるのではないかという心配を持っているわけですが、このことについてどう考えますか。

大谷政府参考人 確かに、御指摘のように、そこの切りかえ前は、私的な養子縁組になる前後でどういうふうに関係が変化するかということがあるわけでありますが、実は、里親を、いわばマッチングといいますか、最初、名乗り出て組み合わせをするときに、お子さんの方もいろいろなケースがありまして、養子前提の里親では、例えば虐待児童で別にお父さん、お母さんがおられるケースなんかそうですけれども、やはり組み合わせることができないわけでありますから、最初の段階で、お子さんもそれからその養親希望の方についても、かなりの確度で、そこはいわば両者の関係を確認して進めますので、やってみて親子関係のいわゆる里親になるというケースについては余り想定していないわけであります。

菊田委員 日本では、この養子縁組里親を希望される方が半分ぐらいだというふうに聞いているわけであります。それを、これからは社会的な里親、養育里親に切りかえていこうということが今回の法改正の目的ではありますけれども、そこには、今、この六カ月間の試験期間のことを御提起させていただきましたけれども、やはり不公平な感じとか、あるいは、これまではこうだったのにこれからはこういうふうに変わるという現場の混乱ですね、これからは都道府県とかというところが窓口になって積極的にやっていくことになるわけですが、現場で混乱が生じないように、ここはしっかりと厚生労働省としても実態を調査していただいて、もし、これはやはりおかしいと非常に反発があったり混乱が生じるようであれば、考え方を変えていくということも必要ではないかと思いますが、いかがですか。

大谷政府参考人 この里親制度の改革については、これは大変デリケートな問題があることは承知しておりまして、現在も、里親、実際に養子縁組を含めて関係しておられる方々の御意見を聞きながら、今回、制度改正を進めておるところであります。市町村とも、今回の原案についてはいろいろ相談しながらやっているわけでありますけれども、混乱のないようにするとともに、もしそういった事態が生ずれば、事務的にそういうことのないような体制をさらに固めていきたいと思います。

菊田委員 よろしくお願いします。

 それでは、専門里親のことについてお伺いしたいと思います。

 これも資料を出させていただきましたけれども、専門里親というのは、虐待や傷害の傷を負った子供たちが多くいるということで、非常に里親制度の中でも難しいというふうに言われているわけですけれども、今現在の委託率が二・三%程度にとどまっているということであります。

 今度の法改正では、この専門里親をさらに進めていくために何らかの対策が盛り込まれたのでしょうか。

大谷政府参考人 専門里親の御質問でございます。

 この専門里親の対策につきましては、この法改正の中では具体的な変更は行っておりませんが、平成二十年度の予算におきまして、平成二十一年一月から手当月額を九万二百円から十二万三千円に大幅に引き上げるとともに、この専門里親手当の委託対象児童に例えば障害児を加えるとか、こういった工夫、変更をしたところであります。

 また、新たに、里親研修の実施、子供の委託までのマッチングの調整、里親家庭への訪問等による相談支援などの業務を総合的に委託することのできる里親支援機関事業というものも創設したところでありまして、こういった形で専門里親についてもバックアップしてまいりたいと考えております。

菊田委員 どうぞよろしくお願いいたします。

 私は、今回の児童福祉法の改正について、ともあれ、こうやって、この里親の問題とか児童虐待の問題とかいうことに非常に前向きに皆さんが取り組んでいただいて、一歩でも二歩でも前に進んでいく、これは非常に重要なことであるし、また評価をしたいと思っておりますが、全体の感想としましては、やはりこれまで、どちらかというとこういう政策は、地方自治体においても後回しにされてきたという傾向があると思っております。

 本当に、現場に行ってみると、こういう子供たちにこそ、またこういう現場にこそ、そしてまたこういうことに一生懸命取り組んでおられる非常にボランタリーのある里親さんや、また支援グループの皆さん、そういう人たちの思いをしっかりとかなえるために予算も回してあげたいと思いますし、また人も配置をしてあげたいと思いますし、また政府としてもしっかりとバックアップをして政策を前に進めていくということが大切であると思っておりますので、今後ともよろしくお願いしたいと思います。

 それでは、順序がちょっと変わって大変恐縮でありましたけれども、続きまして、家庭的保育事業、保育ママについて質問させていただきたいと思います。

 提出させていただいております資料の一ページ目でございますけれども、これまでの家庭的保育事業の実施状況についてでございます。例えば平成十八年度、国として予算が四億九百万円計上されました。そして、児童の数としましては二千五百人を目標にしたいということであったわけですが、事業実績を見ますと、その二千五百人という児童数は、実績としては三百十九人にとどまっているということであります。また、保育ママの数も百五人ということであります。

 これは十八年度だけではございません。ずっと、十四年度、十五年度、十六年度、十七年度のこれまでの実績を見ますと、予算に対して実績が上がっていません。それはなぜでしょうか。

大谷政府参考人 家庭的保育事業でありますが、今御指摘がありましたように、平成十二年度にこの補助事業が創設されて以来、予算額に比べましても実績が伸びていないということでございます。

 地方公共団体に対していろいろ調査した結果でありますが、その理由につきましては、例えば国庫補助事業は保育者の資格条件が厳しいということ、また、連携保育所の確保が難しいといったことが挙げられております。そういったことが、これまで実績が上がってこなかった理由ではなかろうかと考えております。

菊田委員 これはとても大切なことだと思います。この事業に限らず、やはり、予算を組む、そしてその予算がどういうふうに消化をされて、どういう実績が上がったのか、毎年度毎年度これを分析して、検証して、翌年の予算に反映していくということだろうと思います。そういう反省や検証なくして漫然と事業が続けられることはやめるべきだというふうに申し上げたいと思います。

 現在、待機児童、全国で約一万八千人いる。ニーズがあるわけでありますから、そのニーズをいかに掘り起こしていくか、ここに知恵を絞っていかなければなりません。具体的にはこれからどうするのでしょうか。

大谷政府参考人 まず、家庭的保育事業について申し上げますと、先ほど申しましたような問題点があり、今後、保育について抜本的な対応をとるという中で、まずこの家庭的保育事業というものを法定化して、例えば保育者の担い手としては、市町村等の先行例も参考にして、保育士を原則としながらも、保育士資格を持たない方についても、研修等によって資質の向上を図ってお認めするであるとか、あるいは、予算単価においてもその補助単価を引き上げていく、あるいは連携保育所への家庭的保育支援をする人の配置など、こういった取り組みを図ったところであります。

 それから後段の、多くの待機児童を抱えながら、今後どういうふうに全体の整備を図っていくのかということでありますけれども、これは、保育を取り巻く状況としましては、保育所の利用児童数は年々増加しておりまして、毎年三万、四万ペースで保育所の入所の数を改善しているわけでありますけれども、一方、それを上回るニーズがありまして、平成十九年四月において、約一万八千人が待機児童として存在しているところであります。

 こういった状況に対応するために、平成十六年末に決定しました子ども・子育て応援プランに基づいて、特に待機児童が多い地域について、そこを中心に保育所の施設整備を重点的に行い、また、二十年度の予算においても、その必要な整備関係予算を計上しているところであります。

 さらに、こういった取り組みに加えまして、本年一月の総理の施政方針演説にもあったように、新待機児童ゼロ作戦ということを立てまして、希望するすべての人が安心して子供を預けて働くことができるためのサービスの受け皿を確保するということで、その計画を策定し、進めようというところであります。

菊田委員 ぜひ、このニーズの掘り起こし、しっかりやっていただきたいと思います。

 家庭的保育事業というのは、特定の保育者が少人数の保育を行うことから、密接な関係を築くことができ、また、個別で柔軟な対応が可能になるなどのメリットがございます。

 その一方で課題もあるわけでございまして、例えば代替の保育が困難であり保育者の負担が重いということ、また、保育者の資質や人間性の影響が大きいということ、そして、密室性や孤立性から児童の安全が担保されにくいということもございます。また、安定した事業を継続して実施していかなければならないという課題もございます。

 こうした課題の克服について、具体的にどう対策するのかお伺いいたします。

大谷政府参考人 家庭的保育は、家庭的保育者がその居宅において単独で保育を行うものでありますことから、今御指摘がありましたような懸念、デメリットも指摘されているところであります。

 このために、今後定めることとしております実施基準において、市町村が行う体制整備としまして、一つは、家庭的保育者の病気、休暇等により保育が行われない場合に、家庭的保育者にかわって保育が行われるよう必要な体制整備を整える、二つ目として、家庭的保育者が保育を行う幼児について、幼児の年齢等に応じ必要があるときは、定期的に保育所において保育の経験を体験させるよう努めること、また三つ目としましては、家庭的保育者の居宅等における保育の状況を把握するとともに必要な指導助言を行うこと、こういった内容を盛り込む方向で検討し、今御懸念があったようなことについての対応を図ってまいりたいと思います。

 また、安定して事業を行うことができますように、先ほどもちょっと申しましたが、二十年度予算におきましても、家庭的保育者に対する補助単価の引き上げ、あるいは連携保育所への家庭的保育支援者の配置など、支援体制の充実を図ってまいりたいと考えております。

菊田委員 これまで、国庫補助事業を導入する自治体というのは少なかったわけですね。その理由は、先ほども答弁にありましたけれども、連携保育所、該当する保育所がそもそもないという問題があるわけです。あるいは、連携保育所を指定することは連携保育所への負担増になるというようなことも理由に挙げられております。こういったことを克服していかないと課題が解決されないわけですから、今後しっかりと検討しながら進めていっていただきたいと思っております。

 資料の二ページ目に提出をさせていただきましたが、待機児童についてでございます。

 都道府県別の待機児童でございますけれども、依然として多くの待機児童を抱えている都道府県があるわけです。やはり一番多いのは東京都の四千六百一人、それから神奈川県、大阪府、埼玉県。

 私、意外だったのが沖縄なんですけれども、沖縄県も千八百五十人の待機児童がいるわけですね。何で沖縄は待機児童が多いのですかということを厚生労働省にお伺いいたしましたら、復帰以前の米国政権のもとでは、どちらかというと幼稚園制度の方に力が注がれたという歴史的経緯が一つにはあるということ、そしてまた復帰後も、市町村の財政が脆弱なため保育所の整備がおくれ、また、近年において、少子化傾向を受けて市町村が保育所整備を見合わせているため保育所の整備がおくれている状況にあるというようなお答えが返ってきたわけであります。

 都市部だけでなく、こういう沖縄のような個別具体的な背景、原因がある自治体もあるわけでありますけれども、しかし、これを国として放置しておくべきではないと私は思っております。

 先ほどの質疑の中でも、この家庭的保育事業、これはあくまでも補完的事業であるということをおっしゃっておりました。幾らこの保育ママを進めても、すべての待機児童を補完することは現実には不可能であるわけですし、また、親御さんからしても、私は、保育ママ、家庭的保育ではなくて保育所への入所を希望しているんだという方も大勢いらっしゃるわけでありますから、この待機児童の解決のために、保育所の整備ができていない自治体をどうするのか、これは大変大きな課題だと思っております。大臣、お答えをいただければありがたいのですが。

舛添国務大臣 今の沖縄の例もありましたけれども、まだ一万八千人ぐらい、昨年の四月段階で待機しているということでありますので、二十年度予算でも施設整備関係予算を計上しております。そういうところで、重点的に施設の整備をしないといけないところにこの予算をつけるという形でやっています。

 さらに、ことし一月、総理の施政方針がありました。それを受けまして、新待機児童ゼロ作戦ということで、十年計画で始めるのですけれども、最初の三年間を集中重点期間ということで、これは数値目標も出しまして、既に発表したとおりであります。

 今の委員の資料の、東京のような大都市部、それから沖縄県、こういうところに重点的に支援を行う、また、認定こども園に対する支援を行うなどやりたいと思いまして、ことしの夏ぐらいまでに具体的に、どれだけの量と質、こういうことを含めて案をつくりたいと思っております。

菊田委員 ぜひ、だれもが安心して子育てができる社会をつくるために、一つの事業をやったからあとはいいということではなくて、やはり総合的に、計画的に、一歩でも二歩でも前に進めるために、大臣おっしゃいました、とにかく財源難だということをおっしゃっていますけれども、ぜひ大臣、負けないで、財務省と闘っていただきたいと思います。

 年金も医療も介護も、財源があれば今目の前にある問題を解決できるのに、それができないということは、私も、厚生労働委員会の委員として本当に歯がゆい、またつらい思いをしております。ぜひ頑張っていただいて、社会保障はしっかりと守るということを堅持していただきたいと思っております。

 以上で閣法に対する質問を終わらせていただきまして、続きまして、民主党案に対して質問をしたいと思います。

 その前に、先日、気になる新聞記事を目にいたしました。病気や自殺や不慮の事故で父親を失った母子家庭の緊急アンケートをあしなが育英会が行いました。それによりますと、母親のパート代など給料は月に世帯平均約十二万円ということが報告をされたわけでございます。親類の援助や奨学金を入れても、世帯月収は約十六万五千円にとどまるということが明らかになったわけでございます。

 これは二〇〇二年の九月にも、このあしなが育英会が、お父さんと死別をした母子家庭、母親と子供の家庭にアンケートを実施しておりますけれども、そのときは十三万六百円でありましたから、そのときより以上に、この父と死別した母子家庭というのは本当に苦しい状況に追い込まれているということが明らかになったわけでございます。

 しかも、仕事があるお母さんの五六%がパートか臨時でしか働けていない、あるいは内職しかない。そして、二つ以上あるいは三つ以上の仕事をかけ持ちしながら頑張っているという人も大変多くいるということがあったわけであります。加えて、最近はこの物価高でますます生活が苦しくなったというようなことであります。

 こういった家庭の子供たちは、途中で進学の断念とか進路変更を余儀なくされるケースも大変大きいということでありまして、私は、このアンケートを見まして、本当にこういった人たちが浮かばれないような政治であってはならないと、改めて思ったわけでございます。

 そのような中で、民主党は、今回なぜ児童扶養手当等の一部を改正する法律案を提出されたのか、改めて考えをお伺いしたいと思います。

郡議員 菊田委員、御質問ありがとうございます。

 今御紹介いただいたそのあしなが育英会のアンケートの結果、私も胸が締めつけられるような思いで聞かせていただきました。

 二〇〇二年の母子及び寡婦福祉法等の改正においては、政府の就労支援、また子育て生活支援策の強化によって母子家庭の自立が図られて、経済的支援がもう必要はなくなるということを前提といたしまして、手当額の削減が決められたわけでございます。

 しかしながら、法改正から五年たった現在におきましても、先ほど来、菊田委員も御紹介くださいましたけれども、就労支援事業は十分に機能しておりませんで、母子家庭の母親の環境というのは大変厳しい状況が続いているわけでございます。

 児童扶養手当の一部減額措置につきましては、与党側は手当削減の凍結を決定いたしまして、政令により、就労意欲が見られない母子世帯のみ削減措置を適用することといたしました。しかしながら、政府は、今後この削減策をそのまま行うという方針は変わっていないわけでございまして、将来のビジョンを持たないまま、根拠のない政令によって、あいまいな措置でごまかすというのはいかがなものか、そういうふうに思ったところでございます。削減を取りやめることを明確にするには、やはり法改正が必要であろうと考えたところです。

 今御紹介いただきましたように、母子家庭の平均年収は全世帯の平均所得の三八・五%、それから預貯金も五十万円に満たない家庭がほとんどであるといったようなこと、また、雇用形態も半数以上が臨時やパートといった大変厳しい非正規雇用であるという状況、こういうような状況を御理解いただきますと、今回の私どもの提出の趣旨、御理解いただけるのではないかと考えております。

 ありがとうございました。

菊田委員 民主党案のポイントについても説明をいただきたいと思います。

西村(智)議員 お答え申し上げます。

 今回の私たちの法案のポイントということであります。

 近年の三位一体改革によりまして、全体的に社会保障関係費が削られてきております。こういう流れの中で、今回の児童扶養手当法で見ますと、法律上はこの手当額の一部削減が規定をされておりまして、期限のない政令によってこれは一部支給停止除外の事由も設けられたわけでありますけれども、こういった期限のない、あいまいな政令のままでは、いつ、いきなりまたこの削減が俎上に上って社会保障関係費の削減の対象になるかわからない、つまり、いつ削られるかわからないという状況に置かれ続けることになってしまいます。そうしますと、母子家庭の母にとっては、いつまでも不安定な状態、不安な状態が絶えず続くということでございます。

 したがって、政府・与党の考える削減措置の一時凍結ではなく、削減規定を全部廃止する法改正が必要だと考える次第です。

 政府・与党の政令では、就労意欲があることを改めて立証、証明しなければなりません。このことは、母子家庭の母にさらなる負担を強いることになります。また、母子家庭への社会全体の見守りがなければ、幾ら自立、自立と口で叫び、それを求めてみたところでも、達成はできないわけでございまして、就労支援などに加えて経済的な支援を続けること、そして雇用問題の改善や子育て環境の充実などが結果的に自立を促進するためには大切でありまして、今回の私たちの法案の効果、それはまず環境の整備の第一歩、大前提であるというふうに考えております。

菊田委員 私も、ぜひ、この民主党案に対しまして、多くの議員から賛同いただいて可決できるようにお願いを申し上げたいと思います。

 少し時間が余りましたが、私の質問をこれで終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。

茂木委員長 次に、西村智奈美さん。

西村(智)委員 民主党の西村智奈美でございます。

 今度は立場を変えまして、こちらの方から質問させていただきたいと思います。

 通告していた順番を少し変えさせていただいて、最初は、児童扶養手当法の現行の法律について伺っていきたいと思います。

 私たちが提出をいたしまして、きょう審議にかけられている児童扶養手当法の改正案でありますけれども、私は、この法案は与党の皆さんからも賛同していただけるものだというふうに考えております。なぜならば、現行の政令において、一時支給停止の除外規定の届けを出せば、これは削減をされないということになっておりますし、予算的にもそれはきちんと手当てをされておりますので、財政面での不安はここは考えなくてよいものと思います。また、二〇〇二年の母子寡婦福祉法の改正以降行われてきた就業支援の状況を見ましても、なかなか就業率は改善をしておりません。

 こういう状況を平たく見たときに、やはりここは、この規定を削除して、安心して母子家庭の母の皆さんが就労に向けての活動に取り組んでいただけるような、そういう環境をつくることが必要だと思っておりまして、ぜひ、ここは与党の皆さんからも賛同いただけると思っておりますし、またいただきたいと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。

 まず、質問の方は児童扶養手当法のことについてであります。ここはちょっと通告をしていないところが少し出てくるかもしれませんが、そこはお許しをいただきたいと思います。

 先ほど午前中の質疑の中で、政令で児童扶養手当を削減しないということを実質的には手当てをしているので、法改正をしなくてもいいのではないか、そういう御意見があったのです。

 ここは厚生労働省の方に確認をさせていただきたいと思うんですけれども、この政令をなくすとすぐさま児童扶養手当は法どおり半減される、また、その政令というのは国会の審議を経なくてもなくすことができる、こういう理解を私はしているんですけれども、これで間違いないでしょうか。

大谷政府参考人 政令の位置づけでありますけれども、この政令は、まさに法律によりまして委任された厚生労働大臣の権限として提出したものでありまして、この政令による改正の内容について、財政効果が当然に発生するわけでありますけれども、今回の政令改正に基づく財政的な影響としては、見込みとして、財政的な影響は今回出ていないので、今のところ減額はないわけでありますが、原理的に、もし政令を違う発令の仕方を仮にしておって、全額を一部停止するということであれば、それは必要な額が削減されたということはあり得たというふうに考えております。

茂木委員長 だから、政令を外したらどうなるのか。

大谷政府参考人 政令は、これは法律によって、平成二十年の四月一日より定めるということになっておりますので、これはいわば必然的に発出したということでございます。

西村(智)委員 政令ですので、国会の審議を経なくても、これは出したり変えたりということができるわけですよね。

 そういたしますと、多くの委員の皆さんの思いは、今こういう状況の中で母子家庭への児童扶養手当を削減するのはやはり厳し過ぎるのではないかというお気持ちなんだろうと思います。しかし、そういう国会の意図とは裏腹に、国会の意思が反映されないままにこの政令が変更されてしまうということもまたこれはあり得るわけでございまして、私は、そういう点からも、政令によっての措置ではなくて法律改正が必要だというふうに考えます。

 今回の質問の中で次にお伺いをいたしたいのは、同じく児童扶養手当についてでありますけれども、この政令によって、就労意欲の見られない者については児童扶養手当を削減するということになっております。そもそも、就労意欲の有無、これをどう判断するのか、どうやってはかって、だれが客観的に判断するのかということについては、私はこの届け出のいろいろな中身を見ていたときにもやはり疑問に思うことが大変多いんですけれども、厚生労働省は、今回、この就労意欲の有無というのをどういうふうにはかれるのだというふうにお考えになったのか、そこを伺いたいと思います。

大谷政府参考人 抽象的には政令に書き込んだような言いぶりになるわけでありますけれども、この対象を固めるときの一つの整理といたしましては、一つは就業している場合を確認するということ、それから、就業はしていなくても求職活動その他自立を図るための行動を行っている場合ということで幾つかの整理をする、それからそれ以外には、障害を有する場合であるとか、負傷、疾病等により就業することができない場合といったものを整理して、その個々のものについて必要な書類や要件等を省令で定めたというところでございます。

西村(智)委員 きょうは私も資料を配付させていただいております。これは厚生労働省からいただきました、自治体の方に一部支給停止適用除外事由を届け出させる、その様式のひな形であります。この一枚目を見ますと、点線の囲みで五つの項目があります。「1 就業している。」「2 求職活動等の自立を図るための活動をしている。」「3 身体上又は精神上の障害がある。」4、5、こういうふうに続くわけなんですけれども、一点お伺いをいたしたいのは、なぜこういう項目をひな形としてお示しになったのかということでございます。

 つまり、与党プロジェクトチームの昨年の秋に合意をした取りまとめの中身を見ますと、たしか、就労意欲の見られない者というふうに書かれていたかと思うんですね。そして、障害を持っている人なども除外しましょうというふうに書かれていたかと。そうですね、「就業意欲がみられない者についてのみ児童扶養手当の支給額の二分の一を支給停止とする。」と書いてありますので、就業意欲が見られない者を対象に削減するということになっているわけなんです。

 この就業意欲の見られない者を届け出させる項目として、この1から5の項目で果たしてマッチするのか、きちんとつながるのか。一番目は「就業している。」そして二番目は「求職活動等の自立を図るための活動をしている。」ですから、仮に就業意欲を持っていたとしても、働いていない人あるいは求職活動ができない人というのはいらっしゃるんだろうというふうに思うんですね。

 なぜこういう項目になったのか、お答えいただけますか。

大谷政府参考人 抽象的には、「就業意欲がみられない」という表現があるわけでありますが、具体的に行政実務としてそれを固めるためには、こういった個々の項目、ある意味では逆の方から規定して、働いている人はもう就業しているから就業意欲が見られる、それから、働いていなくてもこういう就業するための活動をしていることでそれは就業意欲が類推されるという形で、いわば意欲がないということを、ネガのものをポジで確認していくと、こういった項目を列挙し、それから細々としたその辺の書類、いろいろな手続がございます。

 例えば、福祉事務所で自立支援プログラムを策定して支援を受けていることがあれば、もうそれは努力されている形跡があるわけでありますし、あるいは、公共職業安定所で求人情報の提供や職業相談等を受けておられれば、これはやはり就業意欲が見られなくはないということでありますから、そういったことで、個々にいろいろな要件を固めて、手続上定めていったということ。

 プラス、それから、今いただいた提出資料の最後にございますけれども、仮に一たんその書類が出ていなくても、それはよく相談して、そしてもう一遍御本人の意向も確認して、ただ一たん出なかったというだけで就業意欲がなかったというふうな打ち切りのないようなところも示しながら、具体的に不都合がないようにしたいということでございます。

西村(智)委員 行政手続としては、こういった文字にちゃんと置きかえることが必要だとおっしゃいましたけれども、実態は、私は先ほど申し上げました、就業意欲を持っていても求職活動ができない、先ほど、午前中の郡委員の答弁にもあったんですけれども、例えばDVの被害者などは、外に出るとまた加害者から追跡をされるのではないかというおそれから、なかなか外に出られないという方々もいらっしゃいます。そうした方々の存在をどう考えるのか。

 また、私の提出している資料の二枚目あるいは三枚目を見ていただきたいんですけれども、二枚目は求職活動等申告書。こういうふうに市町村の方で様式をつくってもらって、提出してくださいということなんですね。二枚目の六番目としては、「募集広告などにより求人企業に応募し、採用選考(面接)を受けた。」というふうに書いてある。ここの項目に当てはまればここに丸をして、そしてその面接を受けたところの証明書をつけなさいということなんですけれども、これは、例えば面接に行ったというふうに自分は理解しているんだけれども、会社の方がそうではないというふうに見るかもしれません。

 あるいはまた、募集広告を新聞の折り込みなどで見る、これも就業意欲がある人の行動としてはあり得るでしょう。ですけれども、そこに、最近は男性のみとかという募集広告はもう法律違反ですのでありませんが、例えば、勤務条件として、遠い町の勤務だったり、あるいは遅い時間の勤務がありますとか早い時間の勤務がありますということになれば、子育てと一緒に両立をさせながら働いていくというのは無理だなということで、就業意欲を持っていても、そこから先、広告などを見て一歩前に踏み出せない方々もこれはいらっしゃるのではないかというふうに考えるんです。

 次のページの自営業従事申告書でありますけれども、これは完全な自己申告です。自分が自分でこの自営業に従事していますと書けばよろしいということですね。

 こういう申告のやり方で本当に就業意欲のあるなしというのを正確にはかれるのだろうか、これは私は大いに疑問なんですけれども、この点についてどうお考えでしょうか。

    〔委員長退席、田村(憲)委員長代理着席〕

大谷政府参考人 先ほど申しましたように、就業意欲が見られないという形を行政上どう確認するかというのは、なかなかデリケートな面があるわけでありますが、例えば、DV等のケースなどになりますと、これは提出をいただきました資料の点線の中の4のところで困難事由の中に拾うとか、あるいは、個々の書類証明等が困難な場合がありましても、これは市町村の担当窓口に相談していただいて、それが相当程度確認されれば、一刀両断で、紙一枚で決めることはないようにしよう、そこもきめ細かに進めたいというふうに考えております。

 ただ、いずれにせよ、年間に例えば一人で五十万弱の支給額になるわけでありまして、行政事務としては、その支出について適正を期すという一方の要請もあるわけでありますから、そのあたり、確かに書類や手間等をとらせる面がこれはないとは申せませんけれども、そういったこともあって、ぎりぎり、母子世帯の方々の御負担が軽い方向で、しかし、その就業意欲の確認だけは着実にできるという手段をとるということで、こういった様式を示したり市町村と会議をして連絡をとり合いながら進めているという実情でございます。

西村(智)委員 大変御苦労なことだと思うんです。御苦労なことだと思うんですけれども、一番御苦労されているのはやはり母子家庭の当事者の母で、次に御苦労されているのは自治体の窓口の担当者ですよ。

 今回の法案が審議されるということもあって、私も現状はどうなっているのかと思って幾つか調べてみました。

 私の地元の自治体の窓口に電話をしました。そうしましたら、そこの担当の方は、母子家庭の対象者に郵便でこの届け出の様式とそれから書き方マニュアルを、これは二十数ページにもわたるマニュアルを市町村で作成して全対象世帯に送ったと言っていました。六月の末までに必要な証明書を添付して提出をしてくださいというふうに言ったところ、今返ってきて、そういったことで窓口に届け出が来ているのが大体全体の四分の三ぐらい。これは二月から始めているんですよ。二月から始めて六月末まで、あと本当にもう四十日くらいしかありませんけれども、まだ残り四分の一の世帯の方々が何らかの届け出をされていない。

 いろいろなことをおっしゃっていました。本当に該当事由がないのか、あるいは書き方が難しくてわからないのか、あるいは、証明書をとるのに時間がかかったり手間取ったりしていてまだ滞っているのかということで、説明があったんですけれども、私は、この届け出というのはかなり母子家庭の母にとって負担である、負担であるという意味は、経済的にも時間的にも、そしてまた精神的にも負担になっているのではないかというふうに考えているんです。

 この届け出書というのを新たに六月の末までに出すべしというふうに今回政令が出ているわけなんですけれども、実際には今、毎年八月に現況届というのを出しておりますね。現況届を提出して、さらに新たに届け出を提出させるということは、これは働いている母親にとっては負担なのではないか、こういった状況を勘案しなかったのか。

 特に、そういった各種の証明書の中で、ちょっとこの資料にはつけませんでしたけれども、身体もしくは精神上の障害がある、あるいは疾病があるというときには医師の診断書を添付することになっているんですね。医師の診断書というのは、最近、どうでしょう、発行するときに、大体一通当たり六千円ぐらいですか。この負担をさらに求めるというのは、手当を支給しながら、診断書を提出してもらうためにまたさらなる負担を求めるというのは、これはちょっと考え方が逆行しているのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

大谷政府参考人 申し上げておりますように、少しでも現場における誤解や混乱等がないように丁寧に仕事を進めると、分厚いいろいろな説明資料等が行くという、これは裏腹な面があるということで、市町村担当者に事務を煩わせておるということは御指摘のとおりでありますけれども、その執行において母子家庭の不安をなくするために市町村にも御協力いただいておるというのが現状であります。

 それから、診断書の費用等でありますが、これは確かに、ほかの福祉関係の手当との並びもございますけれども、給付を受けるときに必要な診断書等については、特に別途手当をオンするということはしていないわけでありまして、そうしたことをお願いしているということでございます。(発言する者あり)

西村(智)委員 これは、発言がありましたけれども、本当に実質的には手当を政府の方が減額させているということになるわけですね。

 ちょっと確認をさせていただきたいんですけれども、母子家庭の母の就労形態として最も多いものは、短時間勤務といいますか、パート労働だというふうに承知をしておりますけれども、それは間違いございませんね。

大谷政府参考人 間違いございません。

西村(智)委員 そうしますと、先ほど午前中の答弁で局長は、自治体の方には郵送してもらってもいいというふうに指導もしているという答弁でしたけれども、実際に、これは書類が不備だったりするおそれがあるということを考えれば、やはり市町村の窓口としては来庁を求めるんだと思うんです。そういたしますと、パート労働というのは常に不安定雇用、低賃金、こういったことが問題になりますし、パートですから、休めば休んだ分だけ所得がなくなるわけです。

 つまり、仕事を休んだときはその分所得が減るということで、こういった母親の所得減がほかならぬこの政令に端を発して生じているということについて、厚労省はどういうふうに責任をお感じになっているんでしょうか。(発言する者あり)

田村(憲)委員長代理 山井委員、ちょっと静かにしてください。

大谷政府参考人 今、パートでお勤めのお母さんのケースという話がありましたけれども、こういったケースについて、私どもも、そういう、仕事を休んで行かなきゃならないということにならないように考えまして、今やっている方法としては、賃金の支払い明細書の写しを送っていただければそれで十分である、こういったような形で、休んで事務所に行く、そういうことのないように、いろいろな方法を盛り込んでいるところでございます。

西村(智)委員 でも、多くの自治体はもう既にこの届け出の提出のために動いておりますので、厚労省の方が慌てて後から、あっ、しまったと思っていろいろな手を打っても、それはもう既に遅いんだというふうに思うんです。

 さらに、事務手続の煩雑さで迷惑をかけている二番目は、市町村の窓口だろうと思います。就労意欲の見られない人というのを届け出てもらうために、本来不要なコストがかかってしまっているのではないかというふうに考えます。つまり、その届け出を郵送したり、そのために新たな人員体制をしいたりということで、この点についてはどうお考えなのでしょうか。また、この事務費は一体幾らくらいの額が見込まれるのか、その額をお答えいただきたいと思います。

大谷政府参考人 市町村で事務をお願いしておるということでございます。

 もともと、この母子家庭の就労支援等について、市町村が個別の世帯をケアしながら仕事をするという体制をとっているわけでありまして、そういった中で、五年に一回、そういった時期に至った方について確認をするという仕事がつけ加わったということであります。

 それから、その金額的な話になりますけれども、地方交付税の措置要求におきましては、厚生労働省として、都道府県分で約一千二百万、それから市町村分で二億一千四百万を見込んで、交付税措置要求をしているところでございます。

西村(智)委員 交付税要求をしていると。交付税措置されればいいんですけれども、これはどうなんですか、されるんですか。それは総務省に聞かないとわからないんですか。

大谷政府参考人 個々の事務費の積み上げについて総務省がつまびらかにしていることはないと思いますけれども、私どもが確認したところでは、この交付税の措置要求については、地方交付税措置の中で盛り込んだというふうに総務省から聞いておるところであります。

西村(智)委員 交付税というのは、よく言われますけれども、ウナギのたれと同じで、何が入っているかわからない。入れましたと言えば入っているようにも思えるし、仮に入れていなくても、入っていますと言われると、何か食べてみるとそういうような味がしたりするというのが交付税の本来持っている性質だと思うんですね。

 つまり、それが本当に交付税措置がなされたか、なされていないかということはさておき、いずれにいたしましても、今回の政令によって新たな事務費負担が発生しているということは、これは疑いのない事実でございます。先ほど、都道府県に一千二百万とおっしゃいましたか、そして市町村分として二億数千万とおっしゃいましたか、これだけの額が発生しているというのは、これは児童扶養手当の削減をしないということにしておけば生じなかった事務費でありますので、ここのところは、来年度から同じような事態にならないように、私は、やはり今回、きっぱりとこの規定をなくすことが必要だというふうに考えています。

 次の伺いは現況届についてなんですけれども、きょうは資料として添付できませんでしたが、毎年八月に、各母子家庭で現況届というのを提出せよということになっております。大変細かい項目がいろいろ書いてあるんですけれども、これを見ますと、職業もしくは勤務先、あるいは障害の有無などについて、母子家庭の母から既に現況届で書いてもらっているんですね。ですから、この現況届の分析次第で、就業状況や障害の状況がわかるのではないかと思います。

 ですので、本当に自立支援や就労促進を進めていきたいということであれば、新たに政令による届け出を出させるというのではなくて、この現況届の記載をもとに判断することができたのではないかというふうに考えるんですけれども、なぜそうしなかったんですか。

    〔田村(憲)委員長代理退席、委員長着席〕

大谷政府参考人 毎年の現況届におきましても、勤労の状態がある程度推認されるケースももちろんあるわけでありますけれども、これは、五年に一回のいわば法律上の刻みのところで、その他確認項目があるわけでありますので、そういったことも加えて、五年に一回、法律上のいわば期限に達したところでは全体的な確認をするということで、こういった形をとったところでございます。

茂木委員長 就職活動等の自立を図るための活動をしているかどうかは、現況届だとわからないということなんじゃないの。

大谷政府参考人 就労しておられるケースについてはそれで把握できると思うんですけれども、例えば今就労していないけれども求職中であるとかそういった、就労意欲が見られないということを推認するためのほかの項目について、やはり全体を掌握するということで、五年到達時点でこういった届けをしていただくことにしたわけであります。

西村(智)委員 つまり、私が問題にしたいのは、就労意欲の見られない人という切り方をするから、新たな届け出が必要になってしまうんです。本当に厚労省が母子家庭の就労を進めたいということであれば、今現に就労できていない人だけが問題になるわけじゃないですか。その人たちがどうして就労できないかというところを分析し、本当に必要な手当てを打っていけば十分なわけでありまして、なぜ、改めて就労意欲が見られない人というカテゴリーをこしらえて、さらにそれを振り分けるような届け出をさせているのかということが私は本当に腑に落ちないんです。

 言ってみれば、これはやはり母子家庭の母に対する冷たい仕打ちだろうと思います。

 既に多くの母子家庭の母は働いている、もう八五%の母が働いていて、日本の母子家庭は極めて特殊だと言われております。欧米などでは、母子家庭の母というのは就労率が低い、だから、福祉から就労へなどという合い言葉で、福祉を削って就労に向かわせるような政策がとられてきていることは事実であります。しかし、日本の母はもう既に働いていて、一つの仕事では足りないから、二つの仕事、三つの仕事をかけ持ちしているという方が大変多いわけです。そういう方々に、あなたは就労意欲がありますかということをさらに確認するというのは、本当に私は冷たい仕打ちだと言わせていただきたいと思います。

 来年度からも、この政令が残っている限り、この届け出の提出は毎年義務づけられて行われていくわけでございまして、ぜひ、来年度はこういう不要と思われる事務費が発生することがないように、この機会にぱしっとこの規定はなくしていきたいと考えております。

 通告をしていた児童扶養手当の法案の質問に戻りまして、さっき私、日本の母子家庭の特徴を自分で少ししゃべってしまったんですけれども、何か厚労省の方で把握をしておられる日本の母子家庭の特徴がありましたら、伺いたいと思います。

大谷政府参考人 既にさっきお述べになったことを含んで申し上げますけれども、諸外国と比較した我が国の母子家庭の特徴につきましては、比較可能なデータが乏しくて詳細な分析は困難でありますけれども、我が国の母子家庭の母は就業率が八五%となっておりまして、これは国際的に見ても高い水準になっているというふうに推測されております。

西村(智)委員 私は、今答弁いただいたようなことを踏まえて、非常に低い賃金で所得も依然として低いこと、そしてまた子育て環境の充実というのは、やはりセットで進めていかないとならないことだと思うんですね。

 母子家庭であるというだけで面接の本当にはなから断られるケースもあります。それはなぜかというと、やはり雇用主からすれば、急に休まれたりすると困るというのが本音でしょう。ですけれども、子供を持っていれば、また単身親であるということになれば、急に子供が熱を出したときに、またこれは急に休まれては困るなということもありますので、子育て支援の環境整備というのもやはりしっかりと同時にやっていかなければならない。

 というようなことを考えますと、本当に母子家庭に対して、母子家庭の自立のためにあるべき支援の姿、やるべき支援の政策というのは、今回の児童扶養手当の政令などを離れて、もっと大きなところでイメージをつくらなければならないのではないかというふうに考えるんですけれども、こうした状況の中で、厚労省は、本当にやるべき支援、母子家庭に対する支援としてあるべき支援体制というのはどういうものだというふうに考えておられるのか、伺います。

大谷政府参考人 今御指摘もありましたように、我が国の母子家庭は就業率が非常に高い。しかしながら、就業の中で雇用形態が臨時やパートである者の割合が四四%と高くなっている、これも現実であります。その平均の所得を見ましても、全世帯の平均所得が五百六十四万円の中で母子家庭の平均所得が二百十二万、こういう形で低くなっているわけでありまして、こういった就業していない方、あるいは現在就業している方についても常用雇用に転換する、こういったことについて取り組んでいく必要があるというふうに考えております。

 また、例えば子育て中のお母さんもおられるわけでありまして、そういった方々に対しましても、例えば、その母子家庭のお子さんが優先的に保育所に入所できるような体制をとる、あるいは放課後児童クラブにおいても母子家庭のお子さんについてその利用の必要性が高いものとして優先的に取り扱う等々、対策を講じているわけであります。

 こういった意味で、就労、またそういう生活面においてできる限りの対策を講じているところでありますが、引き続き努力したいと考えております。

西村(智)委員 ありがとうございます。

 そこで、ことしの予算措置といたしまして、母子家庭の就業支援施策ということで予算がふやされておりました。大変喜ばしいことだと思うんです。

 この中で、例えば高等技能訓練促進費、資格を取るためにこういった事業が見直されたり、あるいは、ハローワークで就労支援チームというのが組まれるようになったり、あとそれから、中小企業雇用安定化奨励金というんですか、正社員への転換制度、転換させた場合に奨励金を支給する制度を新たに創設したり、個々に見ますと、とてもいいなと思うものもあります。例えば就労支援チームなどは非常に私は期待をしております。

 もちろん、それまで就業経験のなかった方が就労しようというときに、やはり資格というのは非常に大事ですので、資格を取っていただくことも重要なんですけれども、実際に本当に就業にまでつなげていく、そのための努力をもっともっと政府からもしていただきたいと思うんですね。

 そういう意味で就労支援チームなどは非常によかったなと思うんですけれども、ちょっと効果が疑問視されるものも私の目から見まして若干ございまして、その点について伺いたいのです。

 高等技能訓練促進費事業ですか、資格を取得するために、養成機関で修学する場合、入学時におけるインセンティブとして、入学金の負担を考慮した額を一時金として修了後に支給するんですね。これはなぜなのか。

 大体、母子家庭の母などは、学校に入るというときにまずそもそも想像されるのは、経済的な基盤が弱いということです。養成機関に通っている間の生活費はどうするのかということを考えれば、せっかくインセンティブとして一時金を出していただけるのであれば、修了時ではなくて入学時に出すべきではないでしょうか。それがまず第一点のお伺い。

 二つ目のお伺いは、正社員への転換であります。転換させた場合に奨励金を支給する制度を創設するということなんですけれども、この額は一体どのくらいの額を想定しておられるのか。できれば本当にインセンティブになるような額であれば私は効果も期待できるんですけれども、この額について具体的なところをお答えいただきたいと思います。

大谷政府参考人 二つお尋ねがありました。まず一つ目の、母子家庭のお母さんが看護師等の資格を取得するために養成機関で修学する場合において、今回、入学金の一時金を修了時に支給する仕組みを導入したということでありますが、これについて御説明を申し上げたいと思います。

 これは、従来なかったものについて一時金というものを創設したわけでありますけれども、考え方としましては、これは、入学時については、現在でも技能習得資金、入学貸し付け、特別資金貸し付けというものがあるわけでありまして、そういった貸付金をもって修学していただいて、無事修了されたというところで、一時金として、いわばその返済にも充てることができるわけで、修学金を一括して支給するという仕組みを導入したわけでありまして、途中でやめることなく最後まで努力していただける、一種のインセンティブといった面も考えたものであります。

 それから、正社員転換の奨励金でありますけれども、これは、それを取り入れた企業に対しまして、一人当たり三十万の規模で行っております。

茂木委員長 いいの、その答えで。大丈夫なの。(大谷政府参考人「はい」と呼ぶ)

西村(智)委員 ただ、これは、入学金の負担を考慮した額を一時金として支給するんですからね。やはり、私は、そういう種類のお金であれば入学時にお渡しするというのが筋だろうと思います。

 また、正社員への転換制度でありますけれども、本当に三十万で大丈夫なのかなという気がいたします。これはまた次の年の予算のときに、その成果などをしっかりと検証させていただいた上で発言をしたいと思います。

 さて、こうしたさまざまな就労に向けての支援策を厚生労働省の方でもやっていただいてはいるんですけれども、この五年間、いわゆる特措法のもとでいろいろなことも行われてまいりました。しかし、五年たってみても、就業率及び母子世帯の所得、残念ながらほとんど変化が見られません。私は、こうしたいろいろな施策、やはりもう一歩前に踏み出す必要があるのではないかと思っております。

 つまり、先ほど、ハローワークに就労支援チームなどが発足されたことで、恐らく厚生労働省の方もお気づきになっておられるんだろうと思うんですけれども、本当に、就業のところまで結びつけないことには、せっかく資格を取っても、あるいはせっかく研修を受けても、それがなかなか実にならないわけでありまして、そういった意味では、一定程度の就職のあっせんをもうちょっと強力にやっていただくとか、あるいは公的機関の事業を優先発注するような仕組みが必要ではないかというふうに考えるんですけれども、この点についてはいかがでしょうか。

茂木委員長 大谷局長、もし、先ほどの答弁、補足、訂正ありましたら、していただいた上で答えてください。

大谷政府参考人 先ほどの正社員転換のときの奨励金でありますが、三十五万円でございました。失礼しました。

 それから、母子家庭の母に対する支援でありますけれども、先ほど御評価いただきましたハローワーク等の取り組み、それから、これはもともと市町村、各自治体が行っております母子家庭等就業・自立支援センター等において、これはマンツーマンでプログラムを立てて進めていこうということで、またその市町村が中心になって関係機関にも働きかけ、取り組んでいるわけでありますけれども、特別措置法、これまで進めておりましたその法律の中でも、いろいろな企業の取り組みについても規定しているところでありますが、今おっしゃったような考え方で、できるだけその地域地域で取り組めるように体制をつくっていきたいと思います。

西村(智)委員 つまり、母子家庭に対しては、本当に必要なのは手当の削減ではないはずなんですよ。手当の削減は、就労がきっちりと十分体制が整ってから、それは就労だけではなくて、先ほど申し上げたような子育て環境の整備も、これはちゃんと環境として整えておかないとなりませんし、そしてまた、社会全体でそうした母子家庭を見守ろうという、そういう雰囲気も醸成されていなければならない。まず削減ありきではなくて、そうした支援体制の充実こそが先にあるべきだというふうに考えますので、その点を強く主張しまして、この児童扶養手当法についての質問は一たん打ち切らせていただきます。

 今回提出されております児童福祉法等の一部改正についてお伺いをしたいと思います。

 まず、午前中からもいろいろな質問があったんですけれども、確認の意味で私からも伺いたいと思います。

 今回、家庭的保育について規定が設けられたわけなんですけれども、市町村の保育の実施責任に関する規定のところに、保育所における保育を補完するものとして家庭的保育事業が位置づけられました。この意味するところは何か。先ほどからも質問があったかと思うんですけれども、保育需要の増に対応するための応急措置として、平成十二年度は家庭的保育事業というのが創設されたんですけれども、今回はその延長線上にあるのかどうかを伺いたいと思います。

    〔委員長退席、吉野委員長代理着席〕

大谷政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のように、従来の国の補助事業のときは、これは臨時的な対応としての応急措置という位置づけでございましたけれども、今回は、法律におきまして保育所保育の補完として正規に位置づけ、いわば集団保育たる保育所、それからそれを補完する家庭的保育事業ということで、応急措置ではなく、法律上の根拠ある事業として位置づけたところであります。

西村(智)委員 これまで、例えば家庭的保育、ちょっと便宜上保育ママと呼ばせていただくことをお許しいただきたいと思うんですけれども、そうした家庭的保育が行われるときには、言ってみれば、利用者といいますか保護者と、それから家庭的保育者との間での契約だったんだろうと思うんですけれども、今回、市町村の保育所における保育を補完するものとしてこの家庭的保育事業が位置づけられるということになりますと、そのときには、契約形態、契約関係というのは、どことどことの契約になるのでしょうか。

 私は、これは、法律で位置づけられて、そして市町村の保育所における保育を補完するということから考えると、やはりここは、責任体制を明確にするために、市町村と利用者、保護者ですね、そことの間の契約であるべきだというふうに考えるんですが、この点いかがでしょうか。

大谷政府参考人 家庭的保育事業のいわゆる契約方式についての考え方でございます。

 この家庭的保育事業の対象児童は、これは保育所と同じく保育に欠ける乳幼児でありますことから、その利用に当たっては、まず、市町村に申し込みをしていただいて、市町村が当該児童が保育に欠けるかどうかを判断するということがまず前提になるわけであります。

 その先、保護者と、それからいわゆる保育ママ、家庭的保育者との契約の関係でありますけれども、これは法律上は、特にそこの形は明記していないところであります。これは、従来からやってきた市町村の先例などを見ますと、先ほどの市町村が判断した内容に沿って、保育者と直接に契約している進め方をやっているところもありますし、また、考え方として、今おっしゃったような、市が直接契約をして委託するという形もとり得ると考えておりますが、このあたりは地域の実情等に応じて適切に定めていただくことになろうかと思います。

西村(智)委員 午前中からずっと、今回の、例えば保育ママの資質の確保ですとか、あるいは研修の中身、あるいは資格などについて、いろいろな質問がありました。法律ができてから政省令で対応するということなんですけれども、その省令づくりのときの考え方を、ではちょっと伺いたいと思うんです。

 つまり、それぞれの自治体での今までの取り組みも参考にしながら決めていってもらうことになるだろうということは、ちょっと契約関係のところから離れて伺いたいんですけれども、例えば家庭的保育を行う場所のスペースの広さですとか、あるいはそのカリキュラムといいますか、その時間帯の過ごし方とか、お散歩をするとかしないとか、おやつはどうするとか、そういった基準というのは、基本的には、市町村にこれまたすべてお任せをするということになるんですか。それとも、全部お任せというのではなくて、少なくとも最低の基準、水準、これは国が省令で示しますよということになるんでしょうか。どういう考え方でこの政省令を考えておられるんでしょうか。

大谷政府参考人 家庭的保育事業の推進に当たりましては、これは質と量のバランスを図りながら制度設計を進める必要があると考えております。

 本法案におきまして、この保育士について、担い手の資格、あるいは今お話がありましたような各施設の、施設といいますか、家庭的保育の行われる環境、その他いろいろ決めていくことがありますけれども、これにつきましては、家庭的保育のあり方について、検討会、これは局内でかねてから開いていろいろ勉強を進めてきたところもあり、その中では、専門家、市町村の関係者からも意見を伺っておりますので、そういったものを踏まえて詰めをしていかなければならない。

 また、社会保障審議会の児童部会におきましても、特別部会をつくりまして、その一、二、三月の中でこういった家庭的保育について、契約のあり方であるとか、そういったことについて御議論を賜っておりますので、そういったものを踏まえて今度は実施基準とかガイドラインというものを定めて、各市町村に無用の混乱がないように、不必要な格差が生じないように、それは努めてまいりたいと思います。

西村(智)委員 もう一度確認をさせていただきたいんですけれども、そうしますと、国で最低水準ないし最低基準を設けるという考えなのかということがまず第一点と、一方で、先ほど、質と量のバランスをとりながらというお話がありましたけれども、私も、それぞれの地域性は確かにあろうと思いますので、それまでの取り組んできた自治体の独自の取り組みは、これはやはり余りつぶしてほしくないという思いがあるんです。その点についてはどうお考えになっていますか。

大谷政府参考人 今御指摘ありましたとおりでありまして、基準について余りかたく一つのルールで線を引いてしまいますと、そうでない形で実施した先例が頓挫する、こういうことがあってはいけませんし、一方で、先例において行われたことをすべてこれを認めていくとその質についての不安が出るということで、そこは、最初に申しましたような質と量、それから、進めていくプロセスにおいてのバランスを図りながらいかなければならないと考えておりまして、実施の基準であるとかガイドラインをつくるときに、そういったものも関係者の意向もよく伺い、また、時間的な進め方についても考慮して、この制度が定着するように検討していきたいと思います。

西村(智)委員 最低基準をつくるのかという質問に対して答弁がなかったので、それは考えていないというふうに理解をさせていただいてよろしいんですか。

大谷政府参考人 今、実施の基準と申し上げましたけれども、いわゆる最低基準という考え方というよりは、今は、その実施の基準ということで、あるべき姿のガイドラインを考えたいと思います。

西村(智)委員 政省令、これから、そのプロセスにおいても、その中身においてもいろいろな意見を聞きながらということでありますけれども、やはり、国会の中で審議をしておりますと、見えないものを何となくつかもうとしているようで、とても歯がゆい思いがするのであります。できればこの法案の審議の場に供していただきたかったというふうに強く申し上げます。

 さらに伺いたいんですけれども、この家庭的保育者、保育ママのお話、実際に経験されておられる方々のお話を、私たちの調査会でお招きをして伺いました。そうしたら、本当に大変な話をいろいろ伺うことができまして、やはり一番大変なのは、自分が病気になったりけがをしたときだとおっしゃっておられたんです。

 つまり、自分が一人でやっているというときに例えば風邪を引いちゃったりすると、子供は待ってくれませんから、代替要員を探さなければならないんですが、その代替要員について、自治体によっては補助体制みたいなものをつくっていて、欠員、穴があきそうなときにすぐそこから派遣してもらえるという仕組みなどをつくっているところもあるようなんですけれども、補助者を御自分でお雇いになって、そして、その人にかわって来てもらうということをやっておられる方もいらしたんですね。

 実質的に子供三人に家庭的保育者一人ということになっておりますので、普通の家庭だったら、子供三人を一人で見るということもあり得ると思うんですよ。つまり、年齢が離れていますから。普通の家庭で考えて、例えばゼロ歳児が三人いるなんという家庭は、現実的には余り考えられない。ゼロ歳とか三歳とか五歳とか、年齢層が離れていますのでそれなりに面倒を見られるんだと思うんですけれども、家庭的保育ということになりますと、ゼロ歳児が三人ということもあり得る。そうすると、一人が泣いてしまったときに、ほかの二人の子供の面倒はどうするのかということで、これは大変だというお話を伺いました。

 こうした保育者の援助体制については、今回、家庭的保育が法律上の位置づけがなされるわけですので、それぞれの保育ママの御努力だとかに任せるのではなくて、代替などの援助体制を整備することが必要なのではないかというふうに考えますが、いかがでしょうか。

大谷政府参考人 この保育ママという制度を遂行していくために、先ほどから、ガイドラインといいますか、実施基準をつくってまいりたいと考えているわけでありますが、それについては、専門家等に集まっていただいて、今後、検討会を立ち上げて議論をかためていきたいと考えております。

 その中で、もう既に私どもにもこれまでいろいろ御議論いただいた指摘を踏まえまして考えておりますことは、今おっしゃったように、家庭的保育者が乳児または幼児の状態に応じた保育を適切に行うことができるように、保育の内容に応じた支援を行う、また、家庭的保育者の病気や休暇で保育が行われない場合に、その家庭的保育者にかわって保育が行われるような必要な体制を整えるということは重要なポイントであろうと思いますので、そういった必要な規定を整備して、家庭的保育者のバックアップをしてまいりたいと考えております。

西村(智)委員 ちょっと時間が迫ってまいりましたので、質問を省かなければなりませんが、一つ、里親のことについて伺っておきたいと思います。

 里親として登録していらっしゃる方は、今は全国で約八千人、それに対して、委託されている子供の数が三千四百人くらいでしょうか。要保護児童のわずか九%ということであります。ヨーロッパなどでは、家庭的保育、里親、養護の中でも里親が中心になっているというふうに伺いますけれども、日本では、なかなかこの里親への委託率というのが高まっていない。平成二十一年度までにこの里親委託率を一五%までにしようという計画があったと承知していますけれども、改善されたのはわずか一%ということでございます。

 ここは、児童相談所などのマッチングがやはりいま一つうまくかみ合っていない、うまくいっていないのではないかなというふうに考えるんです。

 例えば、児童相談所の中で里親のあっせんなどを専門に行う担当者がいるとかいうことであれば、スムーズな里親とのマッチングがいくんだろうかというふうに考えるんですけれども、この改善のために里親支援機関を新設するのだというふうに伺いました。

 この里親支援機関というのはどういうのを想定しておられるのでしょうか。そしてまた、その役割についてはどういうことを想定しておられるんでしょうか。

舛添国務大臣 これは、特にNPOなどを活用したいというふうに思っています。

 今委員はマッチングということをおっしゃいましたけれども、実はそれより前に、要するに里親という制度自体に対して、午前中もお答えしましたけれども、江戸時代なんかは家を守るために養子縁組なんてしょっちゅうありました。ところが、やはり戦後、民主的な体制になって、しかも、私たちの世代がそうですけれども、ベビーブームで子供の数がたくさんいる、そして高度経済成長だ。なかなかこれが定着しない。さまざまな要因があると思います。

 そういう中で、里親支援機関事業ということを掲げて、今マッチングということをおっしゃった、そういうことをNPOなんかの方々に担っていただければいかがかなというようなことを今想定して作業を進めているところであります。

西村(智)委員 時間になりましたので終わりたいと思うんですが、里親の皆さんからは、やはり最近、虐待を受けた子供が非常にふえていて、そうした子供の対応のために、常に相談体制、相談できるところがあったらいいのではないかというお声をいただきました。

 先ほどの菊田委員の質問にもありましたけれども、養護施設などにおいても、精神科医ですとか、そういったものがあったらいいのではないかという意見があったそうでありますけれども、やはりそうした医療の専門相談機関といいますか、そういったところの連携もまたぜひ考えていただきたいと思います。

 ですので、里親支援機関は、私からいたしますと、もちろん里親に対する世論の喚起、それからマッチング、こういったものはぜひ期待したい役割ではありますけれども、また、里親として子供を養育しているときに、本当にその子供の対応で困ったときに相談できるような、そういう専門的な機関であってほしいという思いを申し上げまして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

吉野委員長代理 次に、高橋千鶴子さん。

高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 初めに、民主党提出の児童扶養手当改正案については、あえて質問はいたしません。我が党はもともと、二〇〇二年の法改正に反対をし、この間も繰り返し削減撤回を求めてきたからであります。ですので、当然賛成であるということであります。

 昨年、母子家庭の実態調査などを踏まえて、本人と子供などの障害、疾病などにより就業が困難な事情がないにもかかわらず、就業意欲が見られない者についてのみ二分の一減額するとして、その他の者については一部支給停止は見送られました。しかし、現実はどうでしょうか。

 資料の一を見てください。これは、四月十八日付の雇用均等・児童家庭局家庭福祉課長名の事務連絡であります。下線の部分を読ませていただきます。

 「この事前通知の文面につきましては、通知を受け取った受給資格者に過度の不安を抱かせることのないように配慮をお願いしていたところであり、」云々で、ちょっと下に飛びますが、「一部ではありますが、事前通知のタイトルや文面において、受給者に対してあたかも手当の一部支給停止が決定されたと誤解されるおそれのある表現を用いている事例等が見られました。手当の一部支給停止は、五年等満了月を迎えたことにより自動的に決定されるものではなく、」云々と。

 先ほど来議論されている政省令は、昨年の十二月二十五日に発出されております。ところが、ことしの四月十八日になってこのような通知を出す。そこに至った背景はどうなっているんでしょうか。

大谷政府参考人 児童扶養手当の受給開始から五年を経過した方々に対して送付する事前通知の文面につきましては、昨年十二月に開催しました全国家庭福祉施策担当係長会議の場等を通じまして、自治体等に対し通知の様式例を示した上で、今お話ありましたように、受給者に過度の不安を抱かせることのないようにという観点から、十分配慮してもらいたいというふうに働きかけてきたところであります。

 そうした中で、本年二月から各自治体においてこの事前通知の送付が始まったことを受けまして、各都道府県を通じて、事前通知の文面についてどういう内容になっているか確認を行いましたところ、一部の自治体において、その文面の中で、あたかも手当の一部支給停止が既に決定されたかのような誤解を与えるおそれのある表現を用いている事例など、余り適切でないと考えられる事例が見られたところでありました。

 このために、先ほどから御議論ありましたとおり、こういった受給者に過度の不安を抱かせることのないようにすべきということを再度徹底する観点から、この四月にも御指摘の事務連絡を各都道府県に発出したわけでございます。

高橋委員 この問題については、直接何度も申し入れをさせていただきました。

 そもそも、先ほど来議論がされているように、全国担当係長会議で出された資料そのものが、ひな形が出されておりますけれども、それを見てやはり、ああ、自分は支給停止されるのかなとどきっとしてしまう、あるいは、手続が大変である、大変であると思ってちょっと時間を過ぎると、もしやそれが期限を過ぎてしまう、そういうおそれがあるのではないかということを指摘してきたが、それが現実のものになったということが今のお答えではなかったかと思います。

 二枚目をごらんになってください。その実例です。

 二月二十九日付で須賀川、これは福島県ですけれども、市長名で出している、いわゆる対象家庭に対して出された文面、「児童扶養手当に関する制度改正(一部支給停止)のお知らせ」。まさに「支給停止」と大きく書いていますよね。よくよく下の方を読んでいただければ、必要な書類を提出していただければこれまでと同じ額を受給できますと書いています。しかし、まず一部支給停止ありきなんだということがばっと前面に出てきてしまった。

 これは、これを受け取った方たちが、これまでも児童扶養手当の問題を取り上げて運動してきた須賀川市の新日本婦人の会の皆さんや、そういう方たちが気がついて申し入れをしたり、あるいはおかしいんじゃないかと言ったからこそ気がつくのであって、そうじゃない人たちは、ああ、もうだめなんだと思ってしまうことがあるわけですよね。本来、支給停止される必要はないのに、手続がおくれてしまって結局削られるなどということがあっては絶対になりません。

 確認させていただきたいんですが、まず削減ありきではないということを明言してください。その上で、いわゆる削減される必要がない人が削減されることがないように、手続の簡素化、十分な猶予期間、周知などをするべきと思いますが、いかがですか。

大谷政府参考人 御指摘のように、今回の私どもの出しました政令ないし事務連絡につきましても、まず削減ありきという制度ではございません。

 また、事務連絡においても、丁寧にその制度の趣旨を伝え、現場で不安のないように努力してまいりたいと考えます。

高橋委員 削減ありきではないということを確認させていただきました。このことが市町村に徹底されるように、重ねてお願いをしたいと思います。

 あわせて、先ほど西村委員も指摘をされましたように、やはり従来の現況届だけで十分ではないか、私はそのように思います。このことをぜひ考えていただきたいし、そもそも一部支給停止そのものを撤回するべきだと考えます。

 実は、先ほどの与党と提案者の議論を聞いていて、一言言っておきたいなと思うことがあります。

 自立を妨げるのではないかという議論がございました。私は、このことは大いに誤解ではないかと。何度も指摘したことですが、そもそも、児童扶養手当を支給されている母子家庭は、仕事があって収入がふえれば、その分手当が削減されます。また、さらにふえれば、黙っていても児童扶養手当の対象からは外れます。そもそも所得制限というものがどんどん下がってきたわけですからね、年々スライドもしております。

 そういう中で、もし本当に自立というのであれば、それは児童扶養手当の所得制限を超えるだけの収入増をいうのではないか。そうすると、そのためには、今から百万円以上年収でふやさなければならないわけです。それが今の時代、どれほど大変なことか。

 昨年の調査ではっきりしたことは、三年間やってみて、一年間で一万円しかアップしなかった、それが現実であり、それを不十分だと厚労省は認めたはずなんです。削るということを決めれば自立に向けて頑張る、そんな議論では決してないのだ、このことを強く指摘しておきたいと思います。

 次に進みます。

 子供と家族を応援する、こうしたかけ声の中、多様な保育サービスが展開され、本法案もその中での条件整備となるかと思います。しかし、それでも、二百十万人の子供の育つ場であり、児童福祉法二十四条に基づき、市町村の責任を明確にした保育所の役割は依然として重要だと思います。現在、被雇用者全体の三三%が非正規雇用、そのうち、女性と若年層がその半分を超えている中で、ワーキングプアは社会問題となっています。保育者の皆さんの話を伺う機会がこれまでもありましたけれども、家庭の経済状況が子供に与える影響が本当に大きい。子供が食べていない、おふろに入れてもらっていない、お母さんが疲れ切っている、そういう家族と子供を丸ごと受けとめているのが保育者だということであります。

 全国保育団体連絡会による〇七年保育白書では、そうした実態がるる紹介されております。

 一部を紹介しますと、町工場が並ぶある町立保育所が、〇四年に、百六十八人いる子供のうち、半数が配慮の必要な子供であるということ。一人親家族が四十八人、外国籍、親の病気、障害、虐待、子供の障害などが続きます。それが〇六年には少し減って、それでも三分の一あります。去年一年間で二十一人が、父親が勤務先をかわった。そういう親の厳しさが子供の実態に反映をしています。

 近畿地方のB民間保育所では、母子世帯が三分の一、加えて、お父さんが病気で働いていない世帯が一割もあるといいます。お母さんが看護師で心の病気になり、お父さんがそのお母さんの看護のために働けなくなり生活保護を受けた、十七歳のお兄さんがアルバイトで七、八万円の収入を家に入れると、その分、生活保護費が削られた。厚生労働行政の矛盾を全部表にしたような実態であります。

 ハンディキャップのある家庭だけを残して、あとは直接契約でいいじゃないかというような声も聞かれます。しかし、それは本当の一部ではなくて多くの方たちである、困難を抱えた家庭がたくさんある。その防波堤となっている公的保育の役割は非常に大きいし、守るべきだと思いますが、大臣の考えを伺います。

舛添国務大臣 保育についても多様なニーズが出てきています。そういう多様なニーズにもこたえないといけませんが、相手は子供であって、市場経済原則がそのまま当てはまるような世界ではないと思います。こういう保育に関するサービスというものは、やはりセーフティーネットの一環でございますので、きちんと公的性格、中央、地方を問わず政府が責任を持ってやるべきだ、こういうふうに考えております。

    〔吉野委員長代理退席、委員長着席〕

高橋委員 ありがとうございます。

 そこで、資料の三枚目につけておきましたけれども、新待機児童ゼロ作戦がことし二月に発表されたわけですけれども、真ん中に書いてあるように、十年後の目標として、保育サービス、三歳未満児の提供割合を二〇%から三八%にするのだ、利用児童数を百万人ふやすのだというふうに書かれております。この根拠が何かということが一点です。

 それから、その次、資料の四番目に、この間の待機児童数の推移をグラフに落としてみました。ここでわかるように、〇四年に小泉内閣が、三年間で十五万人受け入れるんだと待機児童ゼロ作戦を展開したわけですけれども、依然として約一万八千人待機がある。また、旧定義では、もう今は数字がないんですけれども、旧定義でも四万人の待機者が依然としてあるということなのであります。

 大事なことは、百万人と、今現実に待っている一万八千人あるいは四万人が一緒くたにされて、この方たちへの対応があいまいになっては困るわけです。この点をどう考えますか。

大谷政府参考人 本年二月に取りまとめました新待機児童ゼロ作戦におきまして、まず根拠、考え方でありますが、三歳未満児の保育サービスの提供割合について現行の二〇%から三八%にするとともに、このサービスの提供割合から現在の出生数をベースに算出した数値として、ゼロから五歳児の利用児童数を百万人ふやすというふうに割り出したところであります。

 今後、具体的には、十年間の目標を視野に入れながら、当面、今後三年間を集中重点期間として取り組むわけでありますけれども、まず今御指摘にありました保育サービスを量的に拡充するとともに、家庭的保育など保育の提供手段の多様化を図ること、また放課後児童クラブ等も対象にしているところであります。

 先ほどの待機児童数でありますけれども、一万七千あるいは先ほど御指摘の数字、これは従来の保育所の待機児童、いわゆる顕在化した待機児童、既に働いておられてお子さんを預けるところがないという顕在化した需要でありますが、それはもちろんのこと、本来身近に保育施設等があれば働いていたのにという御希望、さっきの、三歳未満児のお子さんが二〇から三八%にふえるというのは、そういった方々も含めますと、今おっしゃった数字をのみ込んで、もっと大きな潜在需要まで含めて対応していきたいという考え方でございます。

高橋委員 潜在的な需要に対してこたえていって、仕事と家庭を両立させたいということ、それを進めていきたいということに反対を唱えるつもりはありません。しかし、もうずっと待っている人たちですよ。それをあいまいにしてはならないのだということです。イエスかノーかで答えてください。

大谷政府参考人 もちろん、百万人という大きな数字はありますが、足元に顕在化している需要がまず最前提、最重要というふうに考えております。

高橋委員 ありがとうございます。

 そこで、今回、家庭的保育事業、保育ママを法律に位置づけることになりました。

 児童福祉法の第二十四条には、「市町村は、」「保育に欠けるところがある場合において、保護者から申込みがあつたときは、それらの児童を保育所において保育しなければならない。」と書いております。「ただし、」今ある法律では「付近に保育所がない等やむを得ない事由があるときは、」となっていたものを、「保育に対する需要の増大、児童の数の減少等やむを得ない事由があるときは、」として、家庭的保育事業が位置づけられました。

 なぜ児童数の減少を入れたのですか。

大谷政府参考人 児童数の減少を盛り込んだ趣旨でありますけれども、いわゆる過疎地を初めとして、郡部あるいはそういった小さな市町村において出生数が非常に少なくなって、いわば大きな規模の施設を建設、維持することが困難あるいは増設が難しい、財政事情も含めてそういったこともあるもので、そういったことを総合的に勘案して、都市だけの、先ほどのいわゆる待機児童の議論だけではなくて、そういった地域の事情も加味して、こういった「減少等やむを得ない事由」というものも盛り込んだところであります。

高橋委員 私は、むしろ、過疎地などに保育ママを見つけることの方が難しいと思います。離島や山村の話ではなくて、都市の中で保育所の統廃合が進んでいます。〇五年から〇六年で保育所は、公立保育所が二百四十二カ所減少し、その分、民間保育所が三百七十一カ所ふえております。

 今、三兆円の保育市場という言葉がございます。この民間企業の保育所と保育ママが一体となって、つまり連携保育所である、スーパーバイザーである、そういうことをやっていけば、二つ保育所をつくるよりは安上がりだ、定員オーバーは保育ママで補う、そういうことも理論上可能になりますね。

大谷政府参考人 地域の要請において、いろいろな形があるというふうに考えておりますが、いわゆる都市部におきましても、特にゼロ歳児等乳幼児については家庭的な環境の方で育てたい、あるいは育てることが適当だという方もおられます。また、郡部は郡部で、施設の建設の事情等からそういったニーズがある。いろいろなケースがあると思います。

 これは地域の実情に応じて、保育所がそういった保育ママを抱えてやるケース、いろいろな形があると思いますけれども、今おっしゃったように、複数のものをつくるよりも一つの施設と保育ママという地域もあるかもしれない。それぞれの地域のニーズを今後見きわめながら、制度全体を見通していかなければならないと思います。

 最初に申しましたように、保育ママという制度は、いわゆる保育所を基本として、補完として位置づける。それを前提に、今後その普及を見きわめていくということになろうかと思います。

高橋委員 否定をしなかったと思います。

 やはり自治体においても、今民間委託を進めている背景には、全体としての財政難の中で保育所の予算が大幅に削られて、いろいろ言うけれども大変なんだ、何とか安上がりな方法がないかということに走らざるを得ないんです。そこに対して国が認めるよと言ってしまえば何が起きるかということは、しっかりと見ていかなければならない、歯どめをかけて必要な財源は確保しなければならないと思うんです。

 本来、ひとしく保育を受ける権利を持つ子供が、保育所がない場合、例えば認可外の施設などを利用する場合もあります。先ほど言ったように、二十四条の「ただし、」の最後は「適切な保護をしなければならない。」と結んでいるわけですから、そういう場合も含めて、適切な保護をするのは市町村の仕事になるわけですよね。ですから、残念ながら近くに保育所がない場合、公的な保育所がない場合に、認可外であっても利用している子供たちに対して、少なくとも健康診断など一定の補助を自治体独自に取り組んだり、そういうことをやってきたし、私は、それはもっともっと補助はふやすべきではないかと思っているんですね。

 問題は、やはり今回の理由はそれとはなじまないのではないか、同一に並べるべきではないと思うんです。市町村が行う保育所整備の努力が家庭的保育に置きかえられるということはあるべきではないと思いますが、いかがですか。

大谷政府参考人 置きかえられるべきというふうに私どもも考えておらないわけでありまして、まずは現在の保育所のやり方というものを基本にしますけれども、いろいろなニーズの多様化とかあるいは弾力化ということで、こういったものも補完として推移していくものというふうに考えております。

 現行の保育制度を堅持していくことについては、私ども、そういう信念でおります。

高橋委員 確認をしました。

 一つだけ細かいことを伺います。

 保育ママは、利用者との直接契約もしくは利用者と市町村との契約と二通り考えられています。この契約の違いによって何らかの違いがあるのかということです。保育所であれば所得に応じた保育料が算定をされますが、保育ママでは保育料が一律ということになるかと思いますが、それはどうなのか。

 それから、保育ママに対して五万四千円くらいの補助が今回ふやされますけれども、何に対する補助なのか。つまり、例えば事故などによる補償の責任はだれが負うのか。この点、いかがですか。

大谷政府参考人 保育ママとの契約等の関係でありますけれども、これは基本的にいろいろな類型があります。さっきおっしゃったように、直接保育ママと契約をして、市の決めたその認定に応じて保育ママと契約する場合、あるいは市がみずから実施して保育ママに委託するケース、こういったことがあるわけであります。

 その決め方において、これは各市の実施の方針によって決まるわけでありますけれども、恐らくその委託料についても、現行の保育制度がやはり所得に応じて定めているわけでありますから、保育ママと契約あるいは委託をする際においても、そういったことに準拠してするのが通常の形になるだろうというふうに思われます。

 また、その責任、事故等の関係でありますけれども、まず、その費用につきましては、いわゆる保険みたいな費用は別途考えておりまして、保育ママの費用につきましては、いわゆる契約の中で、保育所が現在措置として委託を受けているのと同じような性格として保育料があるだろう。事故等についての保険については、別途予算上の手当てをしていく。

 それから、契約不履行についても、保育ママと市の契約の形によりますけれども、その形によって損害賠償等の補償体制についても、あわせてこれは各市で準備した上で取り組んでいただくことになるというふうに考えております。

高橋委員 あくまでも市町村が責任を持つという立場での今のお答えだったと思います。

 私は、保育ママイコール否定をしているわけではありませんので、むしろ頑張ってきた人たちをしっかり評価をして、安易に、無資格でもいいとか、そういう導入をすべきではないというふうに考えています。

 肝心なことは、先ほども、規制改革会議の報告との関係などで厚労省の考え方も示されてきました。例えば「保育に欠ける」という規定の問題を、親が働いていなければだめと機械的にされるのではなくて、親の病気などの事情や求職活動なども考慮されるということはこの間やってきたわけで、そういうのを私は規制緩和というふうに呼ぶ必要はないと思うんですね。

 ただ、問題は、先ほど百万人と一万八千人の話をしましたけれども、潜在的な保育需要を見つけ、その受け皿を資格のない者でもいいよ、多様なサービスなんだよということで、結局、広く薄くサービスを提供する。そのことが、今ある認可保育所だけが厳しい基準と補助を受けるのはおかしいという議論になってしまっているということが問題なのであります。

 現実に、規制改革会議は、保育所を直接契約にせよ、原則応益負担にせよ、あるいは保育所の職員の資格要件を見直せ、運営費補助も日割りや時間単位で構わないと迫っている。保育所のあり方を根本から変えようとする動きがありますが、大臣の考えを伺いたいと思います。

舛添国務大臣 先ほども申し上げましたように、多様なニーズにはこたえないといけないですけれども、市場経済原則、何でもかんでも規制を緩和すればいいという立場にはくみいたしません。やはり政府がきちんと、セーフティーネットとして、こういう保育を含め、社会保障のサービスはやるべきであると思っております。

高橋委員 くみいたしませんと言ってくださいましたので、しっかりとお願いしたいと思います。

 終わります。ありがとうございました。

茂木委員長 次に、保坂展人君。

保坂(展)委員 社民党の保坂展人です。

 きょうは、民主党提出の法案は我々賛成でございますので、質問の方はいたしません。

 今回提出の法案の中で、とりわけ児童虐待に係る部分について、また、必ずしもこの法案がその対象としていない部分について、まず冒頭、舛添大臣に基本的な認識をお答えいただきたいと思ってお聞きします。

 私は、実は、児童虐待防止法という法律を今から八年前に、ちょうど春でしたけれども、小渕さんが亡くなって、間もなく衆議院が解散だという時期に、当時の青少年特別委員会、各党の理事が委員長のもとで協議をして、これは見切り発車で欠陥はたくさんあろうけれども、何とかこれを成立させようということで成立をした。その後、やはり見切り発車だったのでいろいろな欠陥があって、三年に一回の見直しというのに、〇三年と昨年、加わることができた。これは非常に力を入れてきた分野のことです。

 こういった法改正の作業の中で、必ずしも法改正になじまない問題、つまりは、児童が虐待から保護をされます、我々は、幅広く御通報も含めて通告をしてもらって、そしてなるべく虐待を受けている子供を見つけ出す網の目を細かくしていこうということをやってきたわけです。

 ところが、施設に行ってみると、これは五年ほど前、青少年特別委員会で行った施設の記憶が非常に強烈なんですが、山の中にその児童養護施設はありました。山の中にあったんですが、広い窓があって、二階でしたけれども、網戸がないんですね。あれ、網戸がないですねという声が上がって、職員の方が、蚊取り線香で対応していますと。

 小学生がそこで、大部屋で暮らしています。そして、片や見ると、机が何個か並んでいる。子供の数より少ないですねと言うと、三人に一つをうまく分け合って使っていますと。そして押し入れに目をやると、ふすまはなくて布団が積まれている。ちょうど我々の世代が林間学校とかへ行って、まくら投げとかしましたけれども、そんな状況なのかな、なかなか落ちついて勉強できるような状況じゃないな、虫も入ってくるなと。

 そこは古い施設だったんですね。新館の方を見せてもらいました。

 今度は高校生がいます。いいですかということで部屋を一つ見せてもらったら、たしか三畳だったと思うんですけれども、四畳だったかもしれません。要するに、そこに二人いるということに驚いたわけです。ですから机は置けないですね。ちゃぶ台がありました、手で抱えられるような、足を畳めるような。それを片づけないと布団が敷けない。

 こういう中で、ヒアリングのときに、この施設から大学に行く子はどのぐらいでしょうかね、いや、保坂さん、実は、大学というもっともっと前の状態なんですよという答えが返ってきました。

 要するに、十八になったらその施設を出なければいけなくて、その当時、手持ち金が十万ちょっとでしたから、免許も取れない、それから部屋も、アパートを借りるお金に足らないということで、そこで奔走しているのが実態であって、大学に行くという子はまれにいるけれども、ほとんどはそういう状態じゃありませんということでした。

 大臣にお聞きしたいのは、私は、児童虐待の現場からたくさんの子供が救出されるようになったのは大変いいことだということにとどまっていられないと思うんですね。救出されたからには社会が責任を持って、あなたの人生、可能性、挑戦できる範囲、これを保証しますというのがやはり児童福祉行政の根本になければならないだろう。

 その意味では、今我々、自問自答しているんですが、この法律をつくってこれだけの子が保護されるようになったけれども、出口の方はどうかな、本当に社会にしっかり出していく、いろいろな可能性にかけて未来を開いていく、そういう状況をつくっているんだろうか。私は、これ、非常に足らないというふうに思っているんですね。いかがでしょうか。

舛添国務大臣 委員が視察の結果も踏まえておっしゃいましたような現状があると思いますので、それは、自助、共助、公助、こういう考えのもとに社会保障の制度を組み立てていっている。もちろん公助ということもやらないといけないです。ただ、私は見ていて、共助、やはりそれはもちろん、先ほど来申し上げていますように、中央、地方を問わず、政府がセーフティーネットとしてこういうことはちゃんとやらないといけない。

 しかし、お互いに助け合うんだという共助、それはボランティア活動を含めてそうですけれども、なかなか、今言った子供たちに自助というのは無理ですから、私は、もう少し共助の精神も育てながら、社会全体の雰囲気というか、今おっしゃったような社会全体の受け入れ体制、こういうことをみんなで力を合わせてやる必要があると思いますから、本当の意味で社会保障がきちんとなった先進国として、やるべき課題はまだ山積している、そういうふうに思っています。

 そして、いつも申し上げますけれども、やりたいことは山積している、どうしても財源の問題がくる。ですから、その問題について国民的な議論をしないといけない、やはりこの社会にいろいろな意味でのひずみが生じている、私はそういう認識を持っていますので、一つ一つ解決をしてまいりたいと思っております。

保坂(展)委員 児童虐待防止法が制定されて、今までに、過去二回か三回、財務省に超党派で虐待関係の予算は絶対ふやしてほしいということで要望をして、その後の報告だと、かなりふえましたという報告を得ています。

 虐待防止法制定後、虐待に関する予算はどのような推移で、各年全部言わなくていいですから、おおよそどのぐらいの規模、膨らんだんでしょうか。

大谷政府参考人 児童虐待防止対策関係予算の推移でありますけれども、平成十六年には九十八億円であったものが、二十年度の予算を見ますと百四十六億円ということで、約一・五倍ぐらいに拡充されてきております。

保坂(展)委員 その予算がやはり人件費というか、児童虐待に対して、養護施設なりそれぞれの施設で子供たちに対応する人手が足りないですよね。こういうことに主に割かれてきたと思います。

 施設最低設置基準、今ほどお配りをしておりますけれども、これだと、一人当たり二畳分ですよという基準ですね。この基準もクリアをしていない、三畳に二人いたらもっと狭いわけです。これをやはりしっかり変えるべきだ。

 これは戦後すぐにできたものでしょう、昭和二十三年。それから六十年ちょっとたっていて、これを見直すという議論はあるんですか。見直す方向なんでしょうか。もっと広くしませんか。

大谷政府参考人 現在の児童養護施設の設備の基準、これはさっき御指摘ありましたが、古い昭和の二十三年当時、これは一人当たり二・四七平米であって、平成十年に三・三平米に改善されて現在に至っているわけでありますが、昨年の十一月に取りまとめられました、社会保障審議会の児童部会の中の社会的養護専門委員会、ここで社会的養護について随分検討いただいたわけでありますが、そこでやはり見直しという指摘をいただいているところであります。

 その中身としましては、子供の状態や年齢に応じた適切なケアを実施できるよう現行の施設類型のあり方を見直すとともに、ケアの改善に向けた方策を検討する必要がある。その際、施設で生活を送る主体である子供にとって、より暮らしやすい生活となるようにするという視点に立って検討を進めることが必要である。また、このような見直しを具体的に進めるためには必要な財源の確保が不可欠であるとともに、現在施設内で行われているケアの現状を詳細に調査、分析することが必要であるという提言をいただいております。

 私どもも、さっき御指摘ありましたように、虐待について、行政的な経費については随分ここのところ拡充できたわけでありますけれども、こういった養護施設の施設内のケアの現状というものについて、再度、現状を把握するための調査を進めておりまして、その結果や、それから現在の次世代育成支援策の再構築についての議論、これについては税制改革の動向を踏まえながら、財源確保をともに進めなきゃなりませんけれども、こういった問題を新たに重点項目の一項に盛り込んで取り上げたいと考えております。

保坂(展)委員 先ほど大臣にも言いましたけれども、児童虐待を受けて保護された児童のうち、過去三年間で大学、短大、専門学校等に進学した者が何人いるか。また、十八歳で児童養護施設を出る子供の進路別の調査で、進学という者が何人いるのか。これはお答えできますか。

大谷政府参考人 まず、児童養護施設、情緒障害児短期治療施設あるいは児童自立支援施設、里親等、全体における子供の大学等、これは専門学校等も含めた大学等の進学の数でありますけれども、平成十六年度の高校卒業者のうちで二百八十一名、飛んで十八年度は三百名という状態。

 また、児童養護施設において高等学校を卒業したうちの、大学等、これも専門学校等を含んでおりますが、進学児童の割合は、平成十六年度で一九・一%、二百三十五名、十八年度では一八・〇%の二百四十七名であります。

 特に大学等と申しましたが、養護施設において、大学それから短大というふうに線を引きますと、さっきの一九・一と申しました数字は七・九、また、平成十八年度の一八・〇と申しました数字が八・五ということでございまして、いわゆる大学、短大への進学についてはまだまだ数字が低いというふうに考えております。

保坂(展)委員 ちょっと細かいんですけれども、厚労省の資料ですと、中卒で、高校に進学した子が九二%なんですね。平均的には低いですよね。八%の子は高校に行っていない。そして、高校卒業者の中でのパーセンテージが一八%じゃないですか。だから、若干これよりはまた低いということですよね、八・五%よりもさらに低い。

 それで、局長に伺いますが、私はいろいろ施設に行っているんですが、このことを聞いているんですよ、大学にこの施設で行きますかと。ある東北地方の施設では、いや、一人すごい子がいて、高校在学中からアルバイトをしてお金をためてそして合格して、そのときになお、アパートを借りて、なおかつ学費を払うわけですよね、奨学金などを受けているとは言っていましたけれども。相当の努力でやるんですが、実は、周りを見渡すとやはり中退をしていく子もいるんですというようなお話も伺っています。

 そこで、中退の数字なんかは多分把握していないでしょうけれども、そういうことをやはり調べてほしいということと、ある施設で働いていた方は、いや、保坂さん、私は五十年近くある施設のことを知っていますけれども、その施設で大学に行った人は戦後一人ですね、こういうふうに言っていました。つまり施設によって、ほとんどそういう進学というのは環境がない、そして選択肢にない、だれも行かないという施設もあるんじゃないですか。ばらつきがあるものと思うんですね。その辺の実態、どうでしょうか。

大谷政府参考人 現在、ちょっとその細かい数字は持っておりませんけれども、御指摘のように、施設においてやはりそれまでの風土あるいは歴史みたいなものがあって、ばらつきはあるのではなかろうかというふうに感じるわけであります。

 大学へ進学するに際しましては、予算の制度としては、大学進学等自立生活支度費といった形で補助をするといった制度もあるわけでありますけれども、確かに、進学をするプロセスにおいて大きなハンディを抱えておられるということについて問題意識を持っております。

保坂(展)委員 もちろん、大学に行くのがすべていいとは思っていませんし、私自身も大学に行っていませんので。ただ、社会が育てるよといいながら、そういう実態では恥ずかしいな、その子供たちに申しわけないなというふうに思います。これは議員としても、ぜひこの環境は急激によくするべく努力をしたいと思いますし、厚労省としては、まずは実態の把握に努めていただきたい。

 民事局にちょっと、法務省の方から来ていただいていますか。

 これは、本法案とはちょっと直接は関係ありませんけれども、児童虐待の問題で常に何度も言われているのは、親子分離、それから、もう一回家族のもとに戻るかというところは非常に難しいんですね、再統合というふうに言いますが。その際に、家裁などが関与すべきではないかという意見を我々議員の方は常に述べています。

 しかし、家裁が今、もう物すごく忙しい。成年後見制度、こういったことでいわば忙殺をされている上に、事実上無理だというようなことも聞くんですけれども、やはり、もう一度親のもとに戻るという選択の道を客観的にしっかり審査して結論を出す。児童相談所長が全部、いわば親権の実質上の一時停止もできて、また今回、執拗に会いに来る親に対しては拒絶する権利もあるわけですけれども、そこに対して、少し法務省として研究する、諸外国の例なども見て努力するということをぜひやってほしい。どうですか。

始関政府参考人 お答え申し上げます。

 平成十九年の児童虐待の防止等に関する法律及び児童福祉法の一部を改正する法律の附則第二条第一項におきまして、「この法律の施行後三年以内に、」「親権に係る制度の見直しについて検討を行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずるもの」とされたわけでございます。これは、委員も御参加されました超党派の勉強会で、私どもも参加させていただいたわけでございますが、随分御議論がありまして、それを踏まえてこういう附則ができたものというふうに承知をしております。

 そういう附則をつくっていただいたわけでございますので、法務省といたしましては、虐待を受けている児童に関するそういう司法手続の整備が、親権のあり方など家族法の体系に大きな影響を及ぼすというものでありますから、前から申し上げていますように、慎重な検討が必要であるというふうには思っておりますけれども、そういう附則が設けられた趣旨を踏まえまして、関係省庁とも連携をして所要の検討を行っていきたいということで、現にその準備を始めているところでございます。

保坂(展)委員 慎重に慎重にといって八年過ぎましたので、そろそろしっかり動き出していただきたいと思いますし、また、附則の中には先ほどの施設の設置基準、こういうことについても、ちゃんとした状態をつくろうということをしっかりうたっているということも忘れないでほしいと思います。

 里親についてなんですが、私の友人が里親をやっておりまして、思春期の三人のお子さんを預かっているんですね。随分長くやっているんですが、相当頑張って里親をやっているんですね。自分のお子さんも含めて四人で、御夫婦、六人と。実は里親は、実子も含めて六人までオーケーなわけですよね。子供が六人、夫婦がいて、これで八人ですね、おじいちゃん、おばあちゃんとかがいたら十人以上。そういうことで、個室が確保できるような住環境というのはなかなか都市にはないですね。

 これは、NPO法人と先ほど、ファミリーホームのことについて大臣がおっしゃったんでしょうか。そういう形で何かできないかということを言う理由の一つに、これは本当にそうだなと思ったんですけれども、御両親のぐあいが悪くなって看病に行かなきゃいけないというような事態が発生したときに、看病に行けないんですね。預かっている子供たちは傷ついていますから、いろいろ日々アクシデントがあるわけですね、思春期の子供ですから。けんかをしたりとか、あるいは出ていってしまったりとかいろいろあるという中で、長期にわたって家をあけられないときにどうしたらいいんだろうか。

 それからもう一つは、簡単に言えば、二十四時間、三百六十五日休みがないんですね。まあ、親は休みはないですけれども、しかし、実子と一緒に家族旅行というわけにもなかなかいかない状態である。ですから、六人という最大の範囲で預かっているような、一生懸命やる気のある里親ですけれども、バーンアウトしてしまう。疲れ切って、ふっと息を継ぐ時間、あるいは家族の病気とか、こういうことに対する対応がなかなかないというところで、今回、有効な対策を前に進めてもらえるのかどうかというのを、大臣、どうですか、お答えできますか。

舛添国務大臣 介護の場合もそうですけれども、今おっしゃったように、里親というのは大変なので、自分自身が疲れ切っちゃう。ですから、一時的な休息、レスパイトケアといいますが、こういうことがやれるようなことをやっていく。

 それから、先ほどNPOの話をしましたけれども、今度、里親を支援するための人たち、これを準備する。そういうことを含めて、きちんと里親自身を支援する施策についても今後充実していきたい、そういうふうに思っております。

保坂(展)委員 ちょっと局長に聞きたいんですけれども、里親でお子さんを預かっています、緊急の事態で、親が危篤だったら行かなきゃいけませんね。しかし、子供たちもまた、預かっているお子さんも学校があるわけですね。というときに、人を頼んで見てもらうとかいうことは可能なんでしょうか。

 それは何か、堂々とできるような支援というんですか、里親を支援するNPOではなくてファミリーホーム自体を、たしか社会福祉法人はできるんですよね。NPOもできるような方向性の検討というのをしてはどうかなというふうに思う。つまり一つの、夫婦だけで全部を支えるということにちょっと無理があるんじゃないかなと。そこはどうですか。

大谷政府参考人 里親の支援ということにつきましては、ただいま大臣から申し上げたことの補強になりますけれども、そういったことについて、この里親支援事業で、里親の家庭に援助者を派遣する、あるいは関係の施設と連携をとってバックアップする、そういった体制をつくっていくということを考えたいと思います。

 また、ファミリーホームを形成された方々については、これは主体についても、確かにNPO法人含めていろいろな形もあると思いますし、このファミリーホームには、例えば、御夫婦プラス通いで養育者を支援するようなものも制度の中に込みで考えていきたいと思いますので、そういったいろいろな形で、バーンアウトといいますか、あるいは、いざという肝心なときに時間をだれかにカバーしてもらえる、そんなこともあわせて考えていきたいと思います。

保坂(展)委員 三年前の秋に文部科学委員会でローマに行ったときに、テレホノ・アズーロといって、日本のチャイルドライン、イギリスのチャイルドラインと同じように、青い電話という名前だそうですけれども、子供がかけてくる電話の組織。ローマの小学校が丸ごと無償で提供を受けて、そして虐待がやはり非常に多いというので、初めての試みだというふうに言っていましたけれども、その民間組織が電話を受けて、そのまま救助に行って、そして、そこに医者や弁護士や検察官やさまざまな人たちが入る一種の子供法廷だったり、カウンセリングルームだったり、いろいろな場がある。

 そして、彼らの居室を見せてもらいましたけれども、清潔な学生寮という感じでしたね。広くはないですけれども、六畳くらいでしょうか、そこにベッドがあって、机があって、ああ、勉強できるんだなと。イタリアで、ローマでそうだと。

 では、日本の先ほどの記憶を呼び起こしまして、やはりこれは何とかしなければならない。一時保護所も非常に今満杯で、ひしめき合っているんですね。残念ながら、非行で元気がよ過ぎて保護される子と、いじめを受けてしまう、虐待で入ってくる子が混在しているようなこともありますので、この施設面の大幅な見直しを、予算措置も、ぜひ堂々と要求していくことがこの虐待問題の出口を開くことになるということを申し上げて、終わりたいと思います。

 どうもありがとうございました。

茂木委員長 委員各位には、金曜日の夕刻までお疲れさまでした。

 次回は、来る二十八日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時二分散会


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