衆議院

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第4号 平成20年11月18日(火曜日)

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平成二十年十一月十八日(火曜日)

    午前九時三十一分開議

 出席委員

   委員長 田村 憲久君

   理事 上川 陽子君 理事 鴨下 一郎君

   理事 後藤 茂之君 理事 西川 京子君

   理事 三ッ林隆志君 理事 山田 正彦君

   理事 山井 和則君 理事 桝屋 敬悟君

      赤池 誠章君    新井 悦二君

      井澤 京子君    井上 信治君

      大野 松茂君    金子善次郎君

      川条 志嘉君    木村 義雄君

      清水鴻一郎君    高鳥 修一君

      谷畑  孝君    土屋 正忠君

      とかしきなおみ君   戸井田とおる君

      徳田  毅君    長崎幸太郎君

      西本 勝子君    萩原 誠司君

      林   潤君    福岡 資麿君

      馬渡 龍治君    安井潤一郎君

      内山  晃君    岡本 充功君

      菊田真紀子君    郡  和子君

      園田 康博君    長妻  昭君

      細川 律夫君    三井 辨雄君

      柚木 道義君    福島  豊君

      古屋 範子君    高橋千鶴子君

      阿部 知子君    下地 幹郎君

    …………………………………

   厚生労働大臣       舛添 要一君

   厚生労働副大臣      渡辺 孝男君

   厚生労働大臣政務官    金子善次郎君

   厚生労働大臣政務官   戸井田とおる君

   厚生労働委員会専門員   榊原 志俊君

    ―――――――――――――

委員の異動

十一月十八日

 辞任         補欠選任

  遠藤 宣彦君     馬渡 龍治君

  木原 誠二君     徳田  毅君

  杉村 太蔵君     土屋 正忠君

  冨岡  勉君     安井潤一郎君

  糸川 正晃君     下地 幹郎君

同日

 辞任         補欠選任

  土屋 正忠君     杉村 太蔵君

  徳田  毅君     木原 誠二君

  馬渡 龍治君     遠藤 宣彦君

  安井潤一郎君     冨岡  勉君

  下地 幹郎君     糸川 正晃君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 労働基準法の一部を改正する法律案(内閣提出、第百六十六回国会閣法第八一号)


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     ――――◇―――――

田村委員長 これより会議を開きます。

 第百六十六回国会、内閣提出、労働基準法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案につきましては、第百六十六回国会におきまして既に趣旨の説明を聴取しておりますので、これを省略いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

 労働基準法の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

田村委員長 この際、本案に対し、後藤茂之君外四名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ及び公明党の三派共同提案による修正案が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。細川律夫君。

    ―――――――――――――

 労働基準法の一部を改正する法律案に対する修正案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

細川委員 ただいま議題となりました労働基準法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、自由民主党、民主党・無所属クラブ及び公明党を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 修正の要旨は、第一に、使用者が一カ月について六十時間を超えて時間外労働をさせた場合には、その超えた時間の労働について、法定割り増し賃金率を五割に引き上げるものとすること。

 第二に、原案において、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日となっている施行期日を平成二十二年四月一日に改めること。

 以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

田村委員長 以上で修正案の趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

田村委員長 これより質疑に入るのでありますが、その申し出がありませんので、原案及び修正案を一括して討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、順次これを許します。高橋千鶴子君。

高橋委員 私は、日本共産党を代表し、内閣提出の労働基準法の一部を改正する法律案に反対の立場から討論します。

 この数年来、総実労働時間は二千時間を超えたまま横ばいとなっており、有給休暇の取得率も年々低下をしています。昨年度、長時間労働や仕事のストレスなど、過労が原因の自殺で労災認定を受けた人が八十一人と過去最多となり、長時間労働は一向に改善されていないのが実態です。

 こうした実態を抜本的に改善するためには、残業時間の割り増し率を均衡割り増し賃金率に相当する五〇%に引き上げること、残業時間の上限を法律で規制すること、日々の長時間労働を規制するため、EU諸国と同様に連続休息時間を二十四時間のうち十一時間は確保すること等がどうしても必要であり、そうした法改正こそ求められています。この点で本改正案は極めて不十分と言わなければなりません。

 反対理由の第一は、過労死ラインと言われている月八十時間超でなければ、割り増し賃金率が五〇%にならない点です。これでは、国が過労死ラインまでは残業させても構わないとお墨つきを与えるようなものであり、過労死を生み出すような長時間労働を固定化することにつながりかねません。

 第二は、月八十時間を超える残業となった労働者に、引き上げ分の割り増し賃金の支払いのかわりに年休でない有給休暇を与えることを可能としている点です。

 労働者の健康にとって一日の労働時間そのものを短縮することが必要です。残業時間分を休暇で代替する方法では、業務の繁忙期に長時間労働が集中するおそれがあります。そもそも、年次有給休暇の取得率さえ低下し続けているもとで代替休暇だけ保障するといっても実効性がありません。

 第三は、割り増し賃金率の引き上げについて、中小企業には当分の間、適用しないとしている点です。そもそも、労働条件の最低基準を刑事罰をもって守らせるための労働基準法に、大企業と中小企業の労働者で異なる基準を持ち込むことには問題があります。また、大企業の割り増し賃金率が引き上げられることが傘下の下請中小企業の長時間労働を招くというおそれもあります。

 なお、提案された修正案についてですが、割り増し賃金率を五〇%に引き上げる時間外労働時間を六十時間超とすることで、時間外労働の抑制に一定の効果は期待されるものの、本法案の問題点を抜本的に改善するものではないため、反対することを述べ、討論とします。

田村委員長 次に、阿部知子君。

阿部(知)委員 社会民主党の阿部知子です。

 私は、社会民主党・市民連合を代表して、ただいま議題となりました労働基準法の一部を改正する法律案及び修正案につきまして、反対討論を行います。

 世界的な金融危機の中で日本経済もいよいよ不況に突入するというこの時期に、まず求められているのは雇用確保であり、同時に、働いている労働者が過重労働にならないようにすることです。バブル経済崩壊後の長期不況の中で、非正規雇用に代替され、正社員は過重労働となり、多数の自殺者が出るなどの問題が表面化しました。今政治に求められている役割は、非正規雇用の均等待遇実現であり、また、過重労働に対する明確な規制です。その意味で、今回の労働基準法改正の持つ意味は極めて大きいと思います。

 ところが、時間外に対する規制について政府案では、五〇%の割り増しを、これ以上時間外労働をすれば過労死とされる月八十時間に設定しています。この政府案から月六十時間に引き下げた修正案につきましては、確かに半歩前進であることは事実ですが、国際的な水準からすれば極めて低いものです。しかも、月四十五時間を超える時間外労働については、法定の二五%を超える割り増し率の引き上げと時間短縮については努力義務としたにすぎません。

 さらに問題なのは、月六十時間を超える時間外労働に対して五〇%の割り増し率とするという規定は、中小企業の労働者は対象外となっていることです。附則で三年後に検討としているにすぎません。中小企業は企業数で九九・二%を占め、そこに働く労働者は常用雇用で六三・八%、非正規を含めると日本の労働者の八割以上を占めると言われています。改正の適用を受ける労働者はごくわずかにすぎないのです。中小企業の経営実態に配慮するとしても、少なくとも実施時期の三年間の猶予にとどめるべきと考えます。

 さらに、月六十時間を超えて時間外労働をさせる場合、割り増し賃金を払わずに有給休暇を与えてもよいという規定があります。長時間労働者には賃金よりも休暇を与えた方がよいというのは、一見もっともらしく見えますが、そうした長時間労働を強いられる労働者は有給休暇もとれないのが実態であり、既に保有している有給休暇に一日、二日の有給休暇をプラスしても、ほとんど意味がないと思われます。逆に、割り増し賃金分を支払わなくて済むという意味で、使用者側にメリットがあると言われても仕方がないのではないでしょうか。

 こうした緩い規制の上に抜け道だらけでは、命をも落としかねない過重労働という現実を何ら解決できないばかりか、長時間労働の抑制を主目的とする本改正案は、ほとんど実効性がないと言わざるを得ません。

 修正案は、確かに現状よりも、さらには政府案よりも改善されていることは認めます。その限りで賛成という態度表明もあり得ますが、過労死をなくす、過重労働を軽減することに向けた明確な規制が問われている今日的状況を踏まえ、あえて反対といたしました。政府も議会もはっきりとした意思を持って大胆に動き出す時期が来ていることを訴え、私の反対討論といたします。

田村委員長 以上で討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

田村委員長 これより採決に入ります。

 第百六十六回国会、内閣提出、労働基準法の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。

 まず、後藤茂之君外四名提出の修正案について採決いたします。

 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

田村委員長 起立多数。よって、本修正案は可決されました。

 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。

 これに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

田村委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

田村委員長 次回は、明十九日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前九時四十一分散会


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