衆議院

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第11号 平成21年4月17日(金曜日)

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平成二十一年四月十七日(金曜日)

    午前九時一分開議

 出席委員

   委員長 田村 憲久君

   理事 上川 陽子君 理事 鴨下 一郎君

   理事 後藤 茂之君 理事 西川 京子君

   理事 三ッ林隆志君 理事 藤村  修君

   理事 山井 和則君 理事 桝屋 敬悟君

      赤池 誠章君    新井 悦二君

      井澤 京子君    井上 信治君

      遠藤 宣彦君    大野 松茂君

      金子善次郎君    川条 志嘉君

      木原 誠二君    木村 義雄君

      清水鴻一郎君    杉村 太蔵君

      高鳥 修一君    谷畑  孝君

      とかしきなおみ君   戸井田とおる君

      徳田  毅君    冨岡  勉君

      長崎幸太郎君    西本 勝子君

      萩原 誠司君    林   潤君

      福岡 資麿君    松本 洋平君

      安井潤一郎君    内山  晃君

      岡本 充功君    菊田真紀子君

      郡  和子君    園田 康博君

      長妻  昭君    細川 律夫君

      三井 辨雄君    柚木 道義君

      福島  豊君    古屋 範子君

      高橋千鶴子君    阿部 知子君

      保坂 展人君    下地 幹郎君

    …………………………………

   厚生労働大臣       舛添 要一君

   厚生労働副大臣      大村 秀章君

   厚生労働大臣政務官    金子善次郎君

   厚生労働大臣政務官   戸井田とおる君

   政府参考人

   (人事院事務総局給与局長)            吉田 耕三君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   齋藤  潤君

   政府参考人

   (総務省行政評価局長)  関  有一君

   政府参考人

   (総務省自治行政局公務員部長)          松永 邦男君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   真砂  靖君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   木下 康司君

   政府参考人

   (文部科学省高等教育局私学部長)         河村 潤子君

   政府参考人

   (厚生労働省保険局長)  水田 邦雄君

   政府参考人

   (厚生労働省年金局長)  渡辺 芳樹君

   政府参考人

   (社会保険庁総務部長)  薄井 康紀君

   政府参考人

   (社会保険庁運営部長)  石井 博史君

   厚生労働委員会専門員   榊原 志俊君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月十七日

 辞任         補欠選任

  川条 志嘉君     安井潤一郎君

  木原 誠二君     徳田  毅君

  萩原 誠司君     松本 洋平君

  阿部 知子君     保坂 展人君

  糸川 正晃君     下地 幹郎君

同日

 辞任         補欠選任

  徳田  毅君     木原 誠二君

  松本 洋平君     萩原 誠司君

  安井潤一郎君     川条 志嘉君

  保坂 展人君     阿部 知子君

  下地 幹郎君     糸川 正晃君

    ―――――――――――――

四月十七日

 社会保険の保険料等に係る延滞金を軽減するための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案(長勢甚遠君外九名提出、衆法第一一号)

 厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付の支払の遅延に係る加算金の支給に関する法律案(長妻昭君外六名提出、衆法第一三号)

は委員会の許可を得て撤回された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第一九号)

 社会保険の保険料等に係る延滞金を軽減するための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案(長勢甚遠君外九名提出、衆法第一一号)及び厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付の支払の遅延に係る加算金の支給に関する法律案(長妻昭君外六名提出、衆法第一三号)の撤回許可に関する件

 厚生労働関係の基本施策に関する件

 社会保険の保険料等に係る延滞金を軽減するための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案起草の件

 厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付の支払の遅延に係る加算金の支給に関する法律案起草の件


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     ――――◇―――――

田村委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として人事院事務総局給与局長吉田耕三君、内閣府政策統括官齋藤潤君、総務省行政評価局長関有一君、自治行政局公務員部長松永邦男君、財務省主計局次長真砂靖君、主計局次長木下康司君、文部科学省高等教育局私学部長河村潤子君、厚生労働省保険局長水田邦雄君、年金局長渡辺芳樹君、社会保険庁総務部長薄井康紀君、運営部長石井博史君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

田村委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。西川京子君。

西川(京)委員 おはようございます。自民党の西川京子でございます。

 大臣、本当に長い間の御審議、お疲れさまでございますけれども、どうぞよろしくお願いします。

 審議時間も、きょうの時間を含めて二十五時間になるかと思います。それぞれ与野党、さまざまな今回の法案に対する意見が出ておりますが、私も締めくくりという立場で、大まかな質問になるかもしれませんが、よろしくお願いしたいと思います。

 今回、この年金問題というものが国民の関心事の大きなテーマになったのは、やはりいろいろ管理上の不祥事がさまざまに浮き出たということで、いわば初めてと言っていいほど国民が年金という問題に興味を抱いたわけです。

 我が国で国民皆年金というのが始まったのが昭和三十六年ということで、大体、年金というものがそもそもどういう意味があるのかということに関して、社会状況の変化ということによって大きく意味が変わってきていると思うんですね。

 実は、社会保険をちょっと調べてみましたら、社会保険制度のそもそもというのは、十九世紀のドイツ帝国のビスマルクが、いわゆる上層部のさまざまな労働者階級や商工階級、この人たちを政府に引きつけるというような、大変政略的な意味合いでつくられたという経緯があるように聞いております。そういう中で、実は社会保険というものが全国民を対象にして全部網羅するものではない、過半数の人たちを大体想定していたという過去の経緯があるわけですね。実は、ヨーロッパで始まった社会保険制度のそういう歴史ということが、各国の保険制度に対する、さまざまな制度にその辺が色濃く残っている部分もあると思います。

 そういう中で、日本は、皆保険、皆年金を昭和三十六年に導入して、着々と今回の状況に進めてきたわけでございます。ただし、その当時、国民年金というものが創設された中で皆保険が実現したわけですが、そのときの社会状況というのは確かに、年金というものが将来の家の中で、高齢者に対しての援助というものが家族の中に帰結していた社会。それが、高度経済成長、そういう状況の中で都市部に人口が集中して、家族がある程度離れて、親の世代と子の世代が離れて暮らすというような社会状況の中、そして地域社会のある意味では崩壊が始まっていった中で、仕送りをするという形態が出てきて、いわば個人でやるものを世代として、国が関与して世代間の支え合い、国が仕送りをまとめて皆さんからいただいてやりますよ、そういう考え方だったと思うんですね。

 その中で、第一次産業や商工業者がほとんどだった国民年金というものが、年をとってからの、高齢者になってからの生活費の一部であった、そのあたりのときには問題がそこまで噴出しなかったわけですけれども、やはり定着するとともに、この年金制度が成熟するとともに、年金だけで高齢社会の、高齢時代の生活の基本が年金である、この辺のところからさまざまな問題が出てきたと思います。

 そういう中で、実は、スタートしたころは高齢世帯の二三%が保護世帯だったというんですね。ですから、今の問題から比べると、現在、高齢世帯の保護率が約四、五%ということですから、今の単身高齢低年金世帯をどうするかとか、そういう問題はある意味では、実はスタートのころはもっとひどかった状況だったということがあります。そういう意味では、むしろそれを回避してきた歴史もあるわけですね。ただし、今の状況を放置するならば、かなりの近い将来、一割ぐらいになってしまう可能性もある。その辺が、今いろいろな、低年金問題その他が噴き出てきたことにつながっているんだろうと思います。

 今、高度経済成長と人口増、この二つの条件で成り立っていた年金制度というものの前提が崩れてきた中で、やはり当然、制度改革の必要性はもうだれでもが認めているという現実があるわけですので、そういう中で今回の、社会保険方式がいいのか、あるいは税方式がいいのかというさまざまな議論が噴出してきた、こういう状況があると思います。

 その中で、税方式か社会保険方式か、実は二者択一ということではないのかもしれませんが、ずっと社会保険方式をとってきた厚生労働省として、そのあたりの大臣の御見解をお聞きしたいと思います。

舛添国務大臣 まず、西川委員がおっしゃった前提の部分、これはまさにそのとおり、とにかく長寿化が進んだということで、昭和二十年の日本人の平均寿命はたしか五十を切っているぐらいです。それで、毎年一年ずつ延びていって、今や八十五歳。そうしますと、六十が定年退職だと、二十五年間どうして生活を支えるか。昔はさほど長寿じゃなかったので、まさに、一部としての仕送りという意味がありました。今、これは世代間、社会全体の仕送りというふうに変わりました。

 だから、やはり自助、共助、公助という日本の社会保障の組み立ての三原則、これはこれでいいと私は思っています。まず、みずから助くる者を助く、頑張ってくださいよと。しかし、みんなで連帯して世代間で、そしてまた地域社会で助け合っていきましょうという共助の面が、まさに社会保険方式のしかも賦課方式という形、積み立てではなくて賦課方式という形であらわれているというふうに思っております。そして最後は、セーフティーネットの最後のとりでとして、生活保護というのがあるわけです。

 そういう中で、共助の側面というのを生かして、社会全体の仕送りですよ、世代間の助け合いですよ、今の現役世代が高齢者世代を支えているのは、自分が高齢者になったときに若者たちが支えてくれる、この世代間の助け合いの前提がずっと続くということです。ですから、共助という面からは社会保険料方式というのは意味があるというふうに私は思っていますが、ただ、最低保障機能がそれで十分かというのが長寿化に伴って出てきましたから、ここは、例えば税方式のメリットをどう使うか。今回の、今御審議いただいている法案も、二分の一を税金で見るというのは、まさにそういう点をついているんだろうと思っております。

西川(京)委員 ありがとうございます。

 まさに今回、三分の一から二分の一に上げる、そのあたりが税方式だという大臣のお話ですけれども、そういう意味では、ポリシーミックスというんでしょうか、社会保険方式と税方式をある程度ミックスしたものが実現もしつつあるという今現実だと思うんですね。政府の関与がもうちょっと大きくなる、そういうことかなという思いもあります。

 その中で、実は民主党さんは税方式をうたっていらっしゃるわけです。過去の民主党さんのインデックス二〇〇八、そこに書いてあるものを精査いたしますと、所得比例年金というものを創設して、その中で、納めた保険料は必ず返ってくる制度にしなけりゃいけない。これは、ある意味では積立方式という理念が入っていらっしゃるのかもしれません。それともう一つ、消費税を財源とする最低保障年金を創設、これですべての人に七万円以上の年金が支給されるようにということで、この制度に関しては、かなりの大きな、巨大な税源が必要になります。

 民主党さんのおっしゃっているこの文では、現行の五%をすべて当てはめる。給付費としては二十三兆円かかるわけですから、全部当てはめたとしても十三兆円。さらにまだ十兆円、四割以上の財源が不足します。今回、この保険制度と税金のポリシーミックスという理念が今の方向性の一つとすると、税財源だけでやるというのはやはりちょっと無理があると思うんですね。

 今回、私たち与党としては、この財源問題というのが大変大きな課題になってくると思います。その中で、私たちはこの財源問題に関して、総理も今回の税制の抜本的な改革の中で……(発言する者あり)ちょっと静かにしてください。質問中でございますので、よろしくお願いします。

 私たちはこの中で消費税を上げるということを、今の厳しい景気状況の中で、三年以内にある程度景気動向が上向いたときに上げる、その準備をさせていただこうという総理の発言があるわけですが、この税財源の消費税論議を、いわば長い政治の非常な混迷の中でどうしても先送りしてきたということ、これは否めないと思うんですね。高齢者に対する給付を充実しながら、財源は先送りしてきた。この過去の経緯というものに、やはり与党としてはきちんとした方向性を出さなきゃいけないと思うんですね。そのときに、ぜひどうか、今回の大臣の御提言を……(発言する者あり)

田村委員長 御静粛にしてください。御静粛にしてください。不規則発言は慎まれるようにお願いいたします。

西川(京)委員 この消費税の財源についての大臣の御見解をお願いしたいと思います。

舛添国務大臣 財源をどうするか、これが税方式にしたときの一番の問題になります。しかし、やはり税金を上げる、どういう税金であれ上げるということは、なかなか国民の納得を得るためには難しい話です。では、どうして納得していただくかということで、消費税を社会保障目的税、つまり年金であるとか医療であるとか、そこに集中的に充てますよと。既にそういう方向を出しているわけですから、その方向で議論をする必要があると思います。

 それと、西川先生、もう一つ問題は、移行措置をどうするかが非常に難しくて、やはりこれは、きょう決めてあしたというわけにいかないのは、御高齢の方で今年金を受け取っておる方がおられる。それは、自分はこつこつ三十年、四十年払ってきたじゃないか、はい、きょうから税方式で消費税からいただきますよ、えっ、また私は消費税を取られるの、二重の支払いじゃないかと、必ず今の受給者の方々は不満の声を上げられます。これに対して、どういうふうに政府として、ないしそういう改革を提言する者として答えるのかという答えは持っておかないといけないんだろうというふうに思います。

 ですから、皆さんが納得するような経過措置をどうするか。先般も申し上げましたけれども、税制と同じで、社会保険制度も公平で中立的で簡素であるべきなんですが、今のような経過措置のときに、そうでは済まない。何をもって公平というか。受給者と加入者と違いますから、そうすると、また複雑な留保、留保、留保とつけていくことにもなりかねません。そういうところを、やはりしっかり議論して決めていかないといけないなというふうに思っております。

西川(京)委員 ありがとうございます。

 今回、ある意味で、今の大臣の御発言のとおりに、税方式だけというのは無理があるという中で、保険方式と税方式とをミックスしていくという方向がやはり正しいのではないのかな、そういう思いを持っております。

 その中で、各国の方式というのが、これはぜひ政府にお聞きしたいんですけれども……(発言する者あり)

田村委員長 御静粛にお願いします。不規則発言は慎まれるようにお願いします。

西川(京)委員 質問中、ちょっとお願い申し上げます、静かにしてください。(発言する者あり)静かに。質問中ですから、よろしくお願いします。(発言する者あり)

田村委員長 不規則発言は慎まれるようにお願いをいたします。(発言する者あり)質疑者が質疑をするのは不規則ではございません。

西川(京)委員 今回の年金制度を精査する中で、各国の年金制度は保険方式と税方式とミックスしている方向がかなり多いですね。その中で、イギリスだけが保険料だけでやっている、そういうところがあります。

 各国のそれぞれの制度とそれから保険料、このことについて政府にちょっとお聞きしたいんですが、よろしくお願いします。

渡辺政府参考人 各国との比較ということで今お尋ねがございました。

 保険料における各国の比較、それから給付における各国の比較がございますが、今御指摘ございましたように、保険料については日本より各先進国に高いところも多いというふうに思いますが、ポイントとなる給付について御答弁申し上げてよろしゅうございましょうか。

 保険料に比べますと、各国の制度の給付水準を比較するというのは、各国とも固有の経緯それから制度の複雑性、こういうのがありまして、学者の間でもなかなか難しいと言われているものではございます。

 比較する場合におきましても、金額ベースで比較する、あるいは、これも思い切った計算方法をとって、各国の現役世代の平均所得の代替率を比較する、いろいろな試みはなされております。為替レートの変動ということのリスクはございますが、わかりやすさからいうと、とりあえずお答えとしては金額ベースで御説明させていただきたいと思います。

 直近の為替レートをベースとしておりますので、その分お含みおきいただきたいと思いますが、日本の基礎年金の支給額は、御承知のとおり、満額六万六千円でございます。基礎的な年金という形を持っておりますイギリスやカナダのその部分の年金額というのは、イギリスについては二〇〇八年で月額約四百八ポンド、実勢レートの日本円で約六万三千円、カナダにつきましては二〇〇九年で約五百十七カナダ・ドル、約四万四千円ということでございます。

 日本の厚生年金の平均支給額は、厚生年金を受けておられる方の基礎年金部分を含んだ形で申し上げれば、平成十九年度で約十六万一千円というふうに承知しております。

 所得比例の年金制度でやっておりますアメリカ、ドイツ、スウェーデンの平均受給額で申しますと、アメリカについては二〇〇八年で一千百五十三ドル、実勢レートで約十一万六千円。ドイツでは、二〇〇四年とちょっと古うございますが、職員年金保険制度の受給者が八百二十三ユーロ、実勢レートで約十一万円。スウェーデンにつきましては、二〇〇五年、男性で一万一千六百四十四クローネ、実勢レートで約十四万五千円となってございます。

 こう見てみましても、どういうふうに理解をするかというのは大変難しゅうございますが、あえて比較した場合の数字でございますけれども、我が国の年金制度の給付水準というものは主要先進国と比べて、あえて一言で言うと、遜色のない互角の水準であるというふうには考えております。

西川(京)委員 ありがとうございます。

 確かに高齢御夫婦二人ですと、日本の場合、十三万ぐらいになるということで、厳しいながらも何とか生活できるかな。もとより、持ち家とかいろいろな問題があります。実は、単身の高齢者の生活が今大変問題になっている、これをほっておくと生活保護に陥る。そういう中での最低保障年金というのが、今回の皆さんの議論の中であぶり出されてきた一番大きなテーマになっていると思うんです。そういう中で、やはり各国の基礎の部分の年金額、この辺は大いに参考になることだと思いますので、これからの議論の中で大いに、きちんとした議論を進めていただきたいなと思います。

 その中で、実は今回、社会保障審議会年金部会での中間整理の中で幾つかの問題点があぶり出されてきました。今の低年金、低所得者に対する年金給付の見直し、あるいは基礎年金で、無年金になるのは結局、受給資格が二十五年と長いから、これを例えば十年ぐらいにしてみたらどうですかとか、二年の時効を超えて、もうちょっと後からでも払い込めるようにするとか、国民年金の適用年齢の見直し、あるいはパート労働者に対しての厚生年金の拡大、この辺は、低年金の問題、受給資格の問題その他と非常にリンクしてくる話ではあると思うんですね。

 その中で、私、二つのテーマをちょっとお聞きしたいんですが、在職老齢年金の見直し、高齢者の方のパワーを大いに利用する一つのインセンティブとして、働いたらその分年金が少なくなっちゃうというのでは、やはりなかなか動機が生まれないよねという議論があります。

 また一方で、今の大変若い世代が、厳しい今の経済状況の中で、これを支えている若い人たちが、実は今の高齢者の年金以下の生活をしている。まして子育てもしている。そういう状況の中で働いていただく一つの大きな方向性として、やはり年金はもうちょっと配慮しないといけないんじゃないかという議論。私は、若い人に余りに負担を強いてまで、この年金制度の本来の意味というのを考えたらいかがなものかという思いもあります。その点についての大臣の御意見をちょっとお聞きしたいと思います。

舛添国務大臣 それはおっしゃるとおりで、例えば介護保険料だって四十からですね。これをドイツのように成人になったらというのも一つの意見ですが、そうすると、例えばここで負担が重くなる。だから、世代間の負担の公平をどう考えるかという観点で、そこでなかなか決断がつきにくい問題だというふうに思っております。

    〔委員長退席、上川委員長代理着席〕

西川(京)委員 ありがとうございます。

 大変この問題は要望も多い、意見も多いだけに、慎重に、中長期的な視点に立ってやっていただきたいなと思います。

 それともう一つ、育児休業中の保険料を、その分を国の方で補助する。これは、この保険制度というものが少子高齢化問題とも大きくリンクしております。そういう中で、やはり次の世代の、いわば年金制度を支える世代を一生懸命育てている人たちに、いろいろ保険料その他で配慮しなきゃいけないんじゃないか、これは大変、私は考え方として正しいと思うんですね。

 そういう中で、今、育児休業というものがきちんととれる、女性には限りませんが、働いている男女について、やはり大企業で、きちんとした年金制度その他が整っているところの方がその恩恵というとあれですが、配慮を受けている。その問題に関して、国民年金制度の中で被用者の人たちが四割を超えているという今の現実の中で、一番大変なこの人たちに、育児休業中の、三歳まで育つ間の保険料免除という問題は、実は一番配慮しなきゃいけないんじゃないかという思いがあります。

 この点、やはり大きな税源その他がまた出てくる話ではありますが、この点について大臣の御意見をちょうだいしたいと思います。

舛添国務大臣 厚年と国年の違い、さまざまな御指摘がある中の一つが今の、育休の間の保険料の扱いです。

 要するに、保険制度でカバーをするのか、それともそれ以外の仕組みでカバーするのかという問題があると思いますので、当面は、今度の経済対策を含めて保険制度以外の仕組みで財源措置をとり、援助をしようというふうに思っていますけれども、長期的には、おっしゃるように、国年と厚年の違いをどう解消していくか、そしてセーフティーネット機能を何でもって担保するのか、ここに行き着くと思っております。

西川(京)委員 ありがとうございます。

 今回の年金記録問題を、きちんとこれから一生懸命対応して、少しでも問題解決に真摯に向き合っていく、これはもちろん一番大事な課題でございますけれども、それとともに、やはり今、さまざまにあぶり出されてきました今の保険制度の中での矛盾点、そういうものを一つ一つクリアしていきながら、年金制度という、将来に向けての大きな中長期的な課題に向かっていかなければならないと思います。

 その中で、厚生労働省が、きのう十六日、有識者会議の報告書の中で正式に、健康保険証、介護保険証、年金手帳を一枚の社会保障カードにまとめて、二〇一一年をめどにカード導入を報告書にきちんと書いたということなんですが、今回、社会保障番号についてはちょっと見送るというようなことになったようですが、この辺の経緯を年金局長、いいですか。済みません、新しいニュースなので通告していませんでしたけれども。

渡辺政府参考人 担当の社会保障政策統括官がおりませんで、大変申しわけございません。

 報道にありますとおり、昨日、その検討会のまとめが公表されたと承知しております。そして内容的には、社会保障カードということで、もう何年も前から医療を中心に御議論されてきたようなものを、より幅広く、カードというツールでどのように国民の利便を向上させていくかという報告書だったと思います。

 その中では、番号制度ということに関しては判断が留保されたというふうに私も承知しております。

西川(京)委員 ありがとうございます。ちょっと通告なしでしたので恐縮でございます。

 年金記録問題で私の一つの提案なんですが、函館大教授の磯村さん、年金記録問題の作業委員会の委員長さんが、新聞紙上でもちろん拝見したんですが、御提案をしていらっしゃいます。

 今、作業人員の不足の解消の問題、それと、年金記録の第三者委員会に非常に殺到していてなかなかさばき切れない、そして大変多くの方にお待たせしているという現実がある中で、ぜひ、提案として、社会保険労務士試験の合格者や民間企業の人事、総務の経験者を三千人ぐらい社会保険事務所の窓口にお願いして、十人ずつぐらいそれぞれ配置したらどうでしょうかと。

 それともう一つ、年金記録審判所の設置。これは、第三者委員会について、想定以上の人が来ている。そういうことで、時限立法でこんなものを考えてみたらいかがですかと言っているんです。

 私ども与党も、この年金記録問題に関しては、一刻も早くやはり解決の道筋というのが、かなりの効果は出てきているんですが、まだまだ人が足らない。行政改革の世の中の折ではございますけれども、この問題に関してはきちんと早く解決しろというのは国民の理解を得られると思うんですけれども、この問題について大臣、よろしくお願いします。

    〔上川委員長代理退席、委員長着席〕

舛添国務大臣 磯村さんは、私がお願いして年金の作業委員会の委員長をやっておられまして、一週間に最低一回は打ち合わせをし、検討会を開いています。

 そういう中で今言ったような検討をやりまして、これは社会保険労務士会の皆さん方にも大変お世話になって、感謝をしたいんですけれども、現実に、そういう論文を磯村さんがお書きになったのは去年の春だったんですが、それから相当な規模で相談に当たっていただいています。市区町村、郵便局、農協、漁協、そういうところに、それからウィンドウマシンも貸与するというような形でやっていまして、本年二月までで五万五千件の相談に社会保険労務士会の方に対応していただいて、今後とも、社労士の皆さん方の御協力をお願いしたいというふうに思っています。

 それから人員不足、これは、たび重なる補正や何かを通じて予算的な措置もつけております。そして、第三者委員会の裁定がやはり時間がかかるということなので、給与とか勤務の実態がある程度確認できそうなものは第三者委員会に行かないで、社会保険事務所段階において記録訂正を行えというふうに指示をしております。

 直接、私も何度も磯村さんと、毎週のように会っていますから、審判所のような形の御提案をいただいておりますけれども、当分は今のような形で、この記録問題の解決にさらに取り組んでいきたいと思っております。

西川(京)委員 ありがとうございます。

 今回、この年金改革の一つの方向性として、税方式、社会保険方式、中長期的な視点でこの両方をうまく、長短ありますから、そのいいところをお互いにとり合った中での制度改正というのを大きな方向性として持っていくべきであろう、その中で、税を二分の一にする今回の法案を何としても通していただきたい、そういう思いがあります。

 そして、今回のさまざまな、あぶり出された幾つかの問題点、これも社会保障制度全体の大きな枠組みの中でやはり解決していかなければいけない。その中で、少子化対策その他、リンクする大きな問題と総合的に解決していかなければいけないことだと思っております。

 今後、舛添大臣の御健闘をお祈りして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

田村委員長 次に、内山晃君。

内山委員 民主党の内山晃でございます。

 年金問題につきましてずっと質問が続いておりますけれども、何か、きょうは終結のようなことも聞いておりまして、まだまだ議論しなければならないんじゃなかろうかな、こういうふうに思っているんですけれども、まず、今、西川委員から民主党の案につきましてお話がありましたけれども、やはり正しい数字をもう少し情報収集をされてから質問されることをぜひとも望みたい、こう冒頭お願いを申し上げたいと思います。

 それでは、大臣、短い時間ですので、前向きな、建設的な質問をさせていただきたい、こう思っておりますので、よろしくおつき合いのほどをお願いします。

 まず、共済組合の加入記録確認の茶色の封筒が送付され、ねんきん定期便のオレンジ色の封筒と混乱するとの指摘をした記事が出ておりました。大臣のところにも届いたというふうに書いてございました。

 ねんきん定期便の送付と時期が重なっていて、共済組合の加入記録の担当者はねんきん定期便の担当者と違う部署なんでしょうか。ちょっとその辺、お尋ねをしたいと思います。

石井政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘いただきました、共済組合等加入期間の確認のお知らせ、これは、一昨年七月五日の政府・与党の方針にのっとりまして事務を進めてまいっております。

 それで、お尋ねの事務の担当者の件でございますが、これは同じ部署の中におるという状況でございます。

 経緯といたしましては、一つは、時期が重なってかなり近接してしまったということなんでございますけれども、その点について若干の事情を申し上げさせていただければ、共済期間のお知らせでございますけれども、申し上げた政府の方針にのっとって進めたわけでございますが、特に、そのために必要なシステム開発、これが例えば定期便のシステム開発なんかとふくそうするというような関係になりまして、そちらの方を優先させた関係で、想定している時期よりもややおくれたということなどが事情の一つ。

 それからもう一つ、共済の方からいただく記録のいわばタイミングが、調整の問題もあって少しおくれました。その関係で少しずれ込んだということがございます。その結果が、三月末のお知らせということになったわけでございます。

 なお、混乱が生じているのではまずいだろうということで、実は、ねんきんダイヤル、御案内のようにコールセンターを設けて運営させていただいているわけですが、直近の状況を確認いたしました。そうしましたところ、共済加入期間の確認のお知らせを受け取った方で、これは何でしょうかというお尋ねがあったのがどのくらいかと確認しましたところ、数名ということでございます。今週段階で二百二十万通ぐらい出しておりますけれども、一応、コールセンターの方でお尋ねをいただいた、そして混同している可能性があるので丁寧な説明を申し上げた件数は数名、こんな状況でございます。

 しかしながら、しっかりと対応していきたいというふうに思っております。

舛添国務大臣 まず、その数名の中に私が入っていないということを申し上げたいのは、今、私、全部の新聞記事を完璧に見ているわけじゃないんですが、四月十五日の日本経済新聞朝刊に、「所管大臣である舛添要一厚生労働相も受け取ったが、何の通知か分からず、事務方に確認。」と。何の通知かわからないはずないじゃないですか、自分が指示しているのに。こういう不正確な記事を書いてもらっちゃ困るので。だって、私、東大に勤めたことは忘れていませんよ、それは。

 そうじゃなくて、例えば、ねんきん定期便が届きますよと大々的にキャンペーンをする。これを出しますと年金閣僚会議でちゃんと申し上げているんです。ただ、確かに、大々的にキャンペーンはしていません。だから、その扱いの違いをどう考えるかというので、私は、やはり公務員の方だってたくさんいるわけだから、それはある程度の、もちろんしていますけれども、ああいう大々的じゃなくても、もうちょっとやってもいいんじゃないかということを事務方に言ったということなんです。

 ただ、そうすると、事務方の答えは、とにかく公務員たたきで、公務員の方をやっていたら非公務員の国民の皆さんからまたおしかりを受けるからやらないと言うから、そんなことないだろう、公務員だって国民なんだからということを申し上げた。

 ちなみに、私は昨年の十一月に六十になりましたから、そのときは、厚年もあります、厚年の記録を社保庁とちゃんと突き合わせて、文部省共済組合に、東大の先生だった時代のを突き合わせて、その二つを持っていって裁定ということをやったんです。それはなぜかというのは、共済組合がデータを全部くれていなくて、三々五々しかくれない。私学共済、何共済、いっぱいありますから。やっと今、社保庁にそのデータが来たので、公務員だった皆さん、そのデータで間違いありませんかと来て、私は受け取って、もちろん間違っていなかったので、間違いありませんとすぐはがきで一国民の義務として出しましたということであって、「何の通知か分からず、事務方に確認。」と、事務方に指示を出している大臣がわからないはずがない。そうじゃなくて、これはやはり、私に聞かないでこういう記事を書いちゃいかぬですね、取材する方は。

 それから、こんなことを事務方のだれが言ったかはわからぬけれども、そんな、あなた、大臣から指示して、なぜ扱いに違いがあるんだと言ったら、それはちゃんと説明しなきゃ。

 実は、猛烈忙しいので、朝、新聞を全部完璧に隅々見れないので、気がついたらもっと早くこのことを注意していたんですけれども、新聞記者さんに対するクレームも含めて、ありがとうございます。

内山委員 私の質疑の時間を弁解にしていただきまして、ありがとうございました。

 色もやはり似ているんですね。見たことない人は、これがオレンジというふうに見えるかもしれませんから。こういったところをやはりもう少し注意すればいいんじゃなかろうかと御指摘でとどめておきたいと思います。

 それでは、国庫負担割合を二分の一に引き上げる法案の関係もありますので、年金制度について質問をしたいと思います。

 前回の質問でも、国民年金の受給資格期間について、二十五年は長過ぎるというふうに指摘をしています。厚生年金の受給資格期間も、生年月日によりまして、昭和三十一年四月二日後生まれから、二十五年の厚生年金の加入期間が必要ということになります。現在は二十年で受給資格が得られるのに、これが二十五年に引き上げられるということになるわけでありまして、なぜ二十五年、国民年金と一緒にするのかということをお尋ねしたいと思います。

渡辺政府参考人 お答え申し上げます。

 今御指摘の点は、昭和六十年改正によって基礎年金を設けることにした際に、それまで二十年だった厚生年金の受給資格期間を二十五年に改めると同時に、経過的な措置を講じたということに起因するものでございますが、今お尋ねのように、なぜ厚生年金にも二十五年の受給資格期間というものを設ける必要があるのかという点について言えば、経緯はむしろ先生の方がよく御存じの点もあると思いますが、ポイントは、厚生年金というものが、基礎年金ができるときに、その位置づけを、基礎年金の上乗せの給付制度であるという位置づけをしたというポイントではないかと思います。したがって、上乗せの給付である以上、基礎年金が受給資格期間二十五年というものをとる際に、同じ基礎的な要件をもって二階の報酬比例部分の厚生年金が出る、こういうふうな位置づけをしたものと思います。

 ただ、これも釈迦に説法でございますが、厚生年金自身は、基礎年金が出る方について言えば一カ月でも給付に反映されるというのは御承知のとおりであり、それでは何のために二十五年なのかということをよくお尋ねを受けることも事実でございますが、今申し上げましたような制度の立て方、考え方ということにあるんだ、こういうふうに思っております。

内山委員 現在だって、今御説明のとおり、老基、老厚というふうに計算はしているわけでありまして、では、三十一年四月二日というふうに生年月日を区切ったのは、これはどういうわけでしょうか。

渡辺政府参考人 三十一年四月一日生まれ以降の者ということでございますが、それ以前と以降で分けたわけでございますが、昭和六十年改正の施行日において二十九歳であり、これらの者がそれまで加入期間がなかったとしても、今後加入すれば五年の余裕を残して二十五年の受給資格期間を満たし得ると考えたものと、当時の判断が私どもに残っております。

内山委員 何とも理解しがたいわけでありまして、ただ単に、やはり国民年金の受給資格も二十五年では長いという意見もいろいろ出ております。そんな中において厚生年金も二十五年という資格に引き上げますと、これはやはり被用者としても長いな、こう思うわけでありまして、この辺もやはり短縮する傾向で検討しなければならないんではなかろうか、こう思います。

 次に、無年金者について質問をしたいと思います。

 無年金者百十八万人の推計の根拠、どのようにしてこの百十八万人を無年金者として特定しているのか、お尋ねをしたいと思います。

石井政府参考人 お答え申し上げます。

 この無年金者百十八万人の推計の方法でございますけれども、一昨年、十九年十二月の十二日に公表させていただいたものをごらんいただくとわかるんですが、これはまとめて一本で百十八万というふうに出しているわけではございません。六十五歳以上、それから六十歳から六十四歳までの方、それから六十歳未満と、要するに三つのブロックそれぞれで計算しているものでございまして、推計の方法が二様になっているわけでございます。

 そこら辺を簡潔に申し上げますと、そういうことでお示ししている数でございますが、基本的には、私ども社会保険庁で把握しております納付記録などを用いまして、一定の前提を置いて集計した推計値でございます。

 具体的に少し申し上げると、保険料納付済み期間とそれから保険料の免除期間、これを合算した期間が将来的に二十五年に満たない方を一定の前提のもとに集計する、そういうプログラムをつくりまして、これで算出したというやり方でございます。

内山委員 この百十八万人の方たちは、一体どのくらいの期間が受給資格に不足するのか。こういった数値というのは明らかにすることができるんでしょうか。

石井政府参考人 お答え申し上げます。

 この推計方法でございますけれども、概括的には、今申し上げたように、保険料の納付済み期間それから免除期間、記録に残っているものを合算して、それが将来に向けて考えてみたときに二十五年に満つるかどうかということに着目してやった方法でございますけれども、保険料を納めた期間の内訳というところで算出は実はしていないわけでございます。単純に合算しちゃって、それで見ているというだけでございますので、大変恐縮なんですが、今おっしゃった、例えば不足月数の調査、ここはすぐにはできない形になってございます。プログラム開発というのを改めてする必要があるというふうに認識しております。

内山委員 ぜひそこは、大臣、無年金者で数カ月で受給資格が発生する方もいらっしゃるかもしれない。もうはるかに数十年、二十年近く足らない方もいるかもしれませんけれども、この実態をやはりつかんでいただきたいんですよ。

 なぜかといいますと、特例納付というのを過去三回行っています。私は、この無年金者を救済するためにも平成の特例納付を行うべきではなかろうかと。二年という、さかのぼって納める時効の壁がありますけれども、それを超えられない壁がありますけれども、それを一たん超えて受給資格が発生するまで、また、七十歳で任意加入ができませんので、その年齢と二年の壁を越えて、特例納付をさせて受給資格を満たせる、無年金者を救済する、こういう方法はいかがかなと思っているんです。与党の方の補正予算で十五兆円もの大盤振る舞いをするのであれば、こういったところになぜ使えないのかと非常に疑問を感じているんですけれども、大臣、所感で結構ですけれども、いかがでしょうか。

舛添国務大臣 委員の趣旨はよくわかります。ただ、そのときに、長期的な期待として、いずれまた特例納付があるんだから、まあ今はちょっと払わないでおこうかというような不届き者というか、こういうものを起こさせないような担保をどうするかが一番大切だろうというふうに思います。

 それから、特例期間、空期間、こういうものについて御存じない方が過去についてもたくさんおられるので、ちょっとこれは近々に周知徹底、PR、これをやって、とにかく少しでも疑いがある方は社保の事務所に来てください、一緒に調べてみましょうと。

 あれはやはり一人一人の経歴だから、なかなかコンピューター上に出てきません。どなたと結婚して、どなたの奥さんでしたんですかなど、プライバシーにもかかわりがありますので。ただ、ぜひ、そういうキャンペーンというか、皆さんにまずお知らせして、そして、少しでも可能性があると思われたときはいらしてください、これをまずやろうかと思っています。

 それで、今のことは、趣旨はよくわかります。ただ、私が申し上げたことをどうクリアするか、これはまたいつか時間を見て議論して、そういうことがクリアできれば、考え得ることだと思います。

内山委員 予算措置でできるわけでありますから、三号の特例届け出なんというのも予算措置でやれやれということで、予算措置がネックでやれなかったわけで、それもできるようになったので、そこでかなり救済もされているわけでありますので、ぜひともこういった政策を検討していただきたい、こう思うわけであります。

 それから、国民年金の納付率八〇%を目指しておられるわけでありますけれども、この八〇%の納付率というのは、相当やはり国は努力が必要だと考えるわけであります。明らかに所得があって納付能力があるのにもかかわらず国民の義務を果たさない未納・未加入者には、公平性の観点から徴収を強化する必要があろうかと私は考えておりまして、法的に許される範囲で、例えば運転免許の更新を制限するなどの、可能な限りの法的権利の制限を行うべきではなかろうか、こう思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。

舛添国務大臣 免許証の更新をさせないとか、パスポートを出さないとか、いろいろな案があると思うんですが、そこまでの拘束力を持てるか。つまり、最終的にやはり保険料なので、税金じゃないんですね。だけれども、納めることは必要なんだけれども、やはり税か保険かという根源的な議論にどうしても来てしまう。

 しかし、それはコンビニで払わせたりとか強制徴収をさらに強めたりとか、市町村の協力をもっていただく。それは今も取り組みを行っていますけれども、やはり基本は、まず第一に、納税は国民の義務と書いてある、だから、憲法改正案をつくるときに、社会保険料も義務であると書けという議論が相当ありました、だけれども、私はやはり、憲法論をやるときは税と保険は分けるべきだと。それぞれにメリット、デメリットがありますから、だから、これは税だけしか書かない、改正案をつくっても書かないという方針で申し上げたんですが、その上で、国民教育というか、これは払うべきであると。

 そしてもう一つは、これは、我々は全員で持続可能な年金制度をつくり上げていかないといけませんが、民間の生命保険なんかよりもはるかに有利ですよと。今回、半分税金が入るわけです。そのことで、ぜひあなたは払ってください、そして、みんな苦しい中で払っているんですよ、しかし、これは将来必ず老後に実を結びます、こういうことをおわかりいただくことが大前提だと考えております。

内山委員 百三十万円という三号の基準があるわけでありますけれども、所得税法の関係で、非課税の基準というのは百三万円以下というものがありまして、この考え方がなぜ異なるのかということをお尋ねしたいと思うんです。

水田政府参考人 お答えいたします。

 健康保険法上の被扶養者の認定基準についてのお尋ねでございますけれども、これが設けられましたのは昭和五十二年でございます。その当時の水準、七十万円というふうに設定してございます。これは、当時の所得税の控除対象配偶者となる収入の限度額と同一でございました。その後、昭和五十六年に八十万円、それから昭和五十九年に九十万円と、当時の所得税に係る収入限度額の引き上げに合わせて同水準の額を設定してきたところでございます。

 しかしながら、当時はその後も全体的に所得が伸び続けていたという事情がございまして、健康保険におきましては、被扶養者の方々の保険関係の適用を維持するという考え方のもとに、昭和六十二年以降は、所得税とのリンクはさせずに、所得等の伸び率を勘案することによりまして認定基準額を設定することとしてございまして、その結果、現在は百三十万円という基準額に至っているところでございます。

内山委員 それでは、年金財政が厳しい現状におきまして、国民年金第三号被保険者の保険料負担を求めないという考え方についてお尋ねをしたいと思うんです。

渡辺政府参考人 国民年金の三号被保険者の問題でございますが、御承知のとおり、被用者と自営業者等との間にさまざまな違いがある中で、それぞれの分野ごとに発展してきた年金制度の歴史的な経緯を踏まえて、国民全員に基礎年金の保障を及ぼすためにこの三号という区分も生まれてきたものでございます。

 この三号は、昭和六十年の改正で基礎年金を創設した際に、被用者の配偶者の年金から分離独立させて、専業主婦の方の固有の年金権を確立するという政策目的も持っておりました。自分自身の収入のない専業主婦の方の固有の年金ということについては、保険料の負担を求めずに、二号被保険者全体でその基礎年金の給付に要する費用を分担するという整理をしてスタートさせたものでございますが、その後、女性と年金をめぐるさまざまな論点が大変熱っぽく議論される過程を経てまいりまして、平成十六年の改正におきましては、御承知のように、負担調整型というか、御負担をいただくという考え方もあるんじゃないか、いや、その場合には給付を調整した方がいいという考え方もあるんじゃないか、さまざまな議論があり、三つ、四つの案が俎上に上って、世論調査まで行われたという経緯もございます。

 そうしたプロセスも経まして、十六年の改正の出口でつくられたものが、被扶養者を有する二号被保険者が負担した保険料については、法律の上で、夫婦が保険料を共同負担したものであることを基本的認識とするという旨を明記するということにも至っております。

 他方、先ほどの百三十万の基準との関連でいえば、これも女性と年金の関係で、パート適用という観点から、そこを実質的に少し変更するというような方策も出てきて、それが法案化されているというところまで来ておるわけでございます。

内山委員 大変御丁寧な御答弁をありがとうございました。質問の時間が限られておりますので、恐れ入ります。

 それでは、その答弁にそっくりそのまま反論をさせていただきたい、こう思うんです。

 国民年金第一号被保険者の四割弱が被用者であるという現状があるということは前回の委員会でも指摘をさせていただいております。では、その国民年金第一号被保険者の被用者の妻というのは、第三号ではなく、第一号被保険者で夫とともに保険料を払う立場であります。その人たちを一体どういうふうに考えたらいいんでしょうか。今の御答弁では論理が矛盾をしてしまうと思うんですけれども、いかがでしょうか。

渡辺政府参考人 先ほどの答弁のさらに延長線での御質問をいただきました。

 限られておりますが、結局、それは、現在の厚生年金、共済年金という仕組みをそういう非正規の労働の方々にどこまで適用していけるかという問題に尽きるというふうに思っております。

 その観点で、三号要件に該当する人の中でも、百三十万の基準に該当する人の中でも、一定の、正社員と近い労働形態にある場合には厚生年金を適用するという考え方が少しずつ定着してきておるわけでございまして、そういうものを進める中で、現実と厚生年金の適用というものの相克の中でやはりその解決を見つけていくしかないのではないかというふうに考えております。

内山委員 第三号被保険者の配偶者の加入する被用者年金制度全体で定率負担しているというのが現状であります。

 しかし、妻のいる者いない者というところにもやはり大変不公平感がございまして、バランスをとるためにも新たに夫より第三号被保険者の保険料負担を求める、そういったことを検討したりするのかということをちょっと聞きたいんですけれども、どうでしょうか。

渡辺政府参考人 お答え申し上げます。

 私ども今考えておりますのは、やはり、そうした専業主婦という扱いの方々であっても実際に労働市場で働いている方々に厚生年金保険を適用していく道を探るというのが基本であり、国民年金の一号被保険者、三号被保険者の関係のまま三号の方々に費用負担を求めるということにつきましては、平成十五年の世論調査にもありますように、大変国民的な支持も少ないのではないだろうかというふうな認識は現在のところ変わっておりません。

内山委員 税方式にすれば解決する問題だろう、こんなふうに思っておりまして、やはり社会保険方式のデメリットではなかろうかと思います。

 同じく、せんだって、国民年金第三号被保険者のうち、男性が九万九千九百四十八人いると御答弁をいただきました。第三号被保険者の男性ということは、奥さんが被用者年金に加入をしているということになります。妻が亡くなったときに夫と十八歳未満の子が残りましたらどのような遺族給付があるのか、お尋ねをしたいと思います。

渡辺政府参考人 お答え申し上げます。

 御承知のとおり、遺族基礎年金には夫に支給するという要件がございませんので、支給はなされません。

内山委員 なぜ子がある夫には遺族基礎年金が支給できないのか。約十万人います男性の第三号被保険者は何も救済されないということになるわけでありまして、今は男性が会社員で妻が専業主婦とは全く限りません。多様な家庭スタイルがございます。男女を問わず、第三号被保険者であれば遺族給付を行うようにすべきと私は思います。男性は女性に比べて就労の機会や経済的に強いとは全く限らないと思います。この遺族年金の制度もやはり見直しをしなければならないのではなかろうかと強く申し上げたいと思います。

 それでは、社会保険の未適事業所数というのが十万四百七十事業所あるということを社会保険庁から報告をいただいておりまして、この被保険者、該当する被保険者は何人いるんだろうかというふうに聞きたいと思います。

石井政府参考人 お答え申し上げます。

 委員おっしゃるとおり、平成二十年三月末時点における未適用事業所、これは十万四百七十事業所ということになっております。

 これら事業所にお勤めの個々の従業員の勤務の状況、これをきちっと見た上で適用対象かどうか把握するというのが手順なわけでございますけれども、大変恐縮でございますけれども、現時点においては、未適用の事業所の数を把握しているというところにとどまっておりまして、その中には踏み込んでいないということでございます。

 なお、御参考までに、従業員数の規模別の内訳というのを概観申し上げますと、十万四百七十のうち、五人未満の事業所数というのは八万二千三百九ございます。五人以上十人未満の事業所は一万四千十八、十人以上十五人未満の事業所は二千五百五十八、そして、十五人以上十九人未満の事業所は七百三十八、それから、二十人以上の事業所が八百四十七、こういうような内訳になってございます。

 以上でございます。

内山委員 ここで言う国民年金第一号被保険者の被用者に当たる人たちが今十万人は最低でもいるというふうに考えられるわけでありまして、今、三号の遺族の問題とか保険料の負担するしないの問題等にも絡んでくるわけであります。

 この辺の適用を促進するためには、いろいろ各社会保険事務所で適用促進をされているんだろうと思うんですけれども、ただ単に厳しく取り締まるような形で入りなさいと言うよりも、もう少し何かインセンティブを与えて、例えば、新規に適用した事業所は特定の期間保険料負担を軽減するとか、そういった方法も何か考えて行う必要があるんではなかろうかなと思うんですけれども、いかがでしょうか。

渡辺政府参考人 ただいま先生から、大変踏み込んだ御提案もいただきました。

 確かに、現実に、未適事業所の問題というのは、社会保険、特に被用者年金あるいは健康保険において大きな年来の課題でございます。何かいい知恵はないのか、無理に適用しても滞納事業所数をふやすばかりじゃないかとか、さまざまな厳しい御指摘を受けております。

 どんな知恵がいいのか、私ども本当に研究してみたいと思いますが、例えば、今おっしゃられたようなことのほかにどんな考え方があるのか。それぞれそれを打ち出したときに、その部分を、では年金は低くていいのかというわけにいかないとなったら、一体だれがどのように支えるのか。こういうこととセットで議論していかなきゃいけない問題でございますが、私ども、やはり研究を深めていかなきゃならない課題であると思っております。

内山委員 最後に大臣にお尋ねをいたします。

 今回の本題の国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案の関係ですけれども、政府として、これまで消費税の引き上げが実現してこないことで安定財源が確定できなかったという結果が現にここにあるわけでありまして、前回改正では、消費税を含む抜本税制改革を前提としていました。しかし、消費税が本当に財源として充てられるのかどうかは確約されていませんし、たとえ消費税が実現したとしてもどうなるか、不安がありました。また、消費税以外の財源にひどく政府は無頓着で、公的年金控除の見直しなどでほんのわずかの財源増加でお茶を濁していた。まるで、本丸は消費税にあるのだから、それまでポーズをつけておけばよいというような認識に受け取れるわけでありまして、国民感情としては、消費税に安易に走る前に、まだ無駄があると多くの国民は思っていると思います。

 降ってわいたような埋蔵金なども、あるところにはあるんだなという感覚もありますけれども、消費税以外の財源で今までもっと真剣に年金財源を手当てしてこなかった政府の結果責任があろうかと思いますけれども、大臣の答弁を最後に求めたいと思います。

田村委員長 舛添大臣、時間が経過しておりますので、簡潔にお願いいたします。

舛添国務大臣 年金制度をいかに持続的なものにするか。そういうためには、今は臨時的な措置をとっておりますけれども、やはり、消費税であれほかの税項目であれ、恒久的なものを目指さないといけないというふうに思っています。

 これまで手をこまぬいてきたんではないかということでありますけれども、やはり、大きな税制改正というのはそれだけの労力も国民に対する説明も必要でありますので、納得も必要でありますので、そういう意味で足りなかったところは反省し、今後とも、さらに持続可能な年金制度を構築してまいりたいと思っております。

内山委員 時間が来ましたので終わります。

 ありがとうございました。

田村委員長 次に、岡本充功君。

岡本(充)委員 きょうは、舛添大臣と、国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案、三回目になるわけですけれども、改めて、国民の皆様方の関心のある年金の持続可能性という観点はもちろん、それから、これまで余り議論になっていませんけれども、厚生年金、いわゆる企業年金もしくは代行返上の問題、こういったことを少し触れてみたいと思います。

 まず最初は、皆様のお手元にも配っておりますけれども、十六年改正で、国民年金保険料の納付率を向上するための主な対策ということで、幾つか対策がとられました。

 十六年改正以後、十七年度が六七・一、十八年度が六六・三、十九年度が六三・九と、国民年金納付率は必ずしも上がってきていません。確かに、十六年度が六三・六だったことを考えると、六三・九でも〇・三%上がっているのではないかと言うこともできるのかもしれませんけれども、実際、これはそれぞれどういう実施状況で、どういう効果を上げてきたのか、大臣からお答えいただけますでしょうか。

舛添国務大臣 岡本さんのこの表の一に対策というのが書いてあります。それぞれがどれだけ効果が上がっていったかというのは、なかなか数字的にすぱっと示すというのは難しいと思いますけれども、要するに、おっしゃりたいことは、このそれぞれの今の施策をやったことによる効果について何ポイント上がったか、そういうことをお尋ねという理解の上で申し上げます。

 まず、法整備によって、さまざまな未納者に対する情報が市町村から得られるようになってきた。

 それで、特に、上の四番目にあります強制徴収の拡大、強制徴収の対象者を三万人から六十万人に拡大する、一定以上の所得のある未納者を対象とするということで、これは、十六年度には約三万件だった最終催告状の送付件数が、十八年には三十一万件に増加いたしました。それから、差し押さえということについても、十六年度に百件程度であったものが、十八年度には一万二千件まで増加しました。そういう数字が私のところに報告で上がっております。

岡本(充)委員 いや、それだけですと、パーセンテージとして押し上げ効果はどのくらいあったかというのが、ごくわずかですよね。

 例えば、多段階免除制度の導入。トータルとして見ると、かつての免除制度と比べて、確かに四分の一や四分の三という免除ができた。しかし、免除を受けている人の数というのはどうです。全体で見ると変わっていないんじゃないですか。

舛添国務大臣 済みません。免除を受けている人の数は少しふえているという程度だということです。(岡本(充)委員「ほとんど変わっていないでしょう」と呼ぶ)今、少しふえるという報告を……。

岡本(充)委員 いや、少しといっても、トータルすると、三十七万件程度のものが、本当に一、二万件動いているかどうかぐらい、ほとんど差がないんじゃないかと聞いているんです。ちょっと正確にお答えいただけませんか。

舛添国務大臣 免除勧奨などで免除割合が、全額免除が十八年度二五・三%、十九年度が二五・八%、対前年度比で〇・六ポイントでございますから、そういう意味では〇・六ポイントしか上がっていないということです。

岡本(充)委員 多段階納付ですからね。これは、そういう意味では、四分の三とか四分の一とか新たに設けたけれども、結局のところ全体的にふえていないということは、周知徹底がどうだったのかということをやはり改めて検証する必要があると私は思うんです。

 これは、ほかの数字も全部きのういただきましたよ。見たところ、やるべきだと言っているわけじゃない、我々は十六年の法改正に反対したわけですから。当然のことながら、この下の二つについては、反対をした中に含まれている国民健康保険との連携、社会保険関係者の資格制限、例えばこの二つだけをとっても、やれと言っているわけじゃないですよ。実際に実行に移された件数は何件ですか。

舛添国務大臣 まず、国民健康保険との連携はゼロ、それから社会保険関係者の資格制限は今年度から行うということだそうです。

岡本(充)委員 ゼロなんですよね、現時点で。

 それで、結局、やれと言っているわけではないですよ、くどいようですけれども。ただ、実際に、法改正をして、その効果が上がっているのかという検証をするとこういう実態だということを改めて大臣に御認識をいただいた上で、それぞれ法改正をする前に、やはりこれまでの法改正はどうだったかということを検証する必要があると思うんですよ。

 そういう意味でいうと、大臣どうですか、例えば納付率の向上に八〇という話が実現可能なのか。行政目標なんだと言われるけれども、実際こういう実態だということを知ると、本当に行政目標というのは何なのかという思いになるわけですね。

 これは通告していませんから大臣の記憶のある範囲で結構ですけれども、厚生労働省が近年掲げた行政目標で達成したというものは、例えば何か御記憶にあればそれも含めてちょっと御答弁いただけませんか。

舛添国務大臣 それはいろいろあると思います。医師不足対策において、十一年ぶりに閣議決定を変えまして、今年度六百九十三人の増員を遂げました。その他、数えれば切りがないほどたくさんの施策を実行したと思っております。

岡本(充)委員 大分大臣の答弁まで時間があった、大分宙を眺めてみえてから挙げられたのがその六百九十人ふえたという話であって、行政目標という以上は、やはりそこに向けて本当は、それは通告していないからすらすらとお答えいただかなくても結構ですよ、ただ、大臣の中では、これは達成したんだ、これはできたんだというもの、胸を張って言えるものがやはりあってほしい。そういう意味でいうと、この前私と議論したように、正直、そうだったらいいなというので確かに済む話もあると思う。行政目標で、こういうあるべき世界を目指したい、そうあったらいいなといって済む話もあるけれども、こういう問題で、特に国民の皆さんが大変関心事で、大きな生活の糧として期待されているものがこうあったらいいなという話ではやはり困るし、やはりこれまでの検証をしっかり踏まえて次の施策を練っていかないといけないんじゃないかと私は思うんです。

 私のこの考えについて、大臣、どう思われますか。

舛添国務大臣 それは、おっしゃることはそのとおりなので、足りないところは反省し、さらなる施策をやっていくということでありますので、年金、介護、医療、労働、あらゆる分野について、今後ともそういう方向で努力をしたいと思っております。

岡本(充)委員 ぜひそういうことで、次の施策も含め、やはりこれまでの施策をしっかり総括して提案をしていっていただきたいということを切に願うわけです。

 その上で、今度は違う観点。これまで余り議論されてきませんでしたけれども、企業年金についてきょうは少し話をしたいと思います。

 企業年金、昨今廃止が、直近はそうでもありませんけれども、平成十四年度以降という観点で見るとかなりふえているのではないかというふうに考えます。私が聞いたところ、平成十年以降は新規に立ち上げられた企業年金はない、こういうふうに聞いております。その点が正しいかどうかの確認も含め、なぜ企業年金の廃止が多かったのか、大臣の所見をいただきたいと思います。

舛添国務大臣 まず、データというか事実から申し上げますと、現在までに四百六十一基金が解散しておりますけれども、やはり今委員おっしゃったように、バブル崩壊後、平成十三年から十六年の間に最も多く解散してきて、最近は若干、例えば平成二十年度は四、平成十九年度は十一、これぐらいに減っています。一番多いときは平成十五年度で九十二、その前の十四年度が七十三、十六年度が八十一、このあたりがピークだと思います。

 では、基金の立場から見て、なぜ解散せぬといかぬか。それは、一般的に、バブル崩壊後と申し上げたように経済情勢もあるんですけれども、やはり母体である企業、たくさん知っていますけれども今個々の名前を申し上げませんけれども、相当債務超過になってきているという母体企業の問題がある。それから、当たり前のことですけれども、やはり保険というのは加入者がいっぱいいないと支えられませんで、一定以上ふえていっておかないといけない。そうすると、例えば、ことしの新規採用はこれだけ限定するよというような状況が続けばふえていきませんから、そういうことが大きな原因だろうというように考えております。

岡本(充)委員 私は、やはり企業年金のあり方にも幾つか問題があって、要するに保険料の出し手がかなり偏っているケースが多い、つまり、企業が出している、いわゆる保険料を折半していないという中で、企業がなかなかそこまで社員の福利厚生としてお金を払うことが厳しくなってきているという状況があるんじゃないかと推測するんですけれども、それについては、大臣、いかがですか。

舛添国務大臣 先ほど申し上げましたように、政府管掌の、特に中小企業なんかの保険の料率と比べてどうだという議論が必ずある。個々の基金でやることは、それは自分のところの従業員に普通の中小企業よりもはるかにいい福利厚生を与えようとしてやっている、しかし、それが可能でなくなってきているということが基本にあるから、やはり母体の企業の苦しさというのは一番根本にあるんだろうと思っております。

岡本(充)委員 それで、資料の四ページ目を見ていただきたいんですけれども、基金の数の推移ということで出しました。

 平成九年以降、どんどん下がってきている実態がわかる。しかし、この総合型、連合型、単独型とある中で、大企業が中心で単独で企業年金を運用している単独型は、平成九年五百六十一あったのが今七十一まで減り、連合型、これもグループ企業などを中心に企業年金をつくっていた、そういうグループでやっている連合型が、六百七十三が九十一となった。しかし、中小企業などが複数、いろいろな企業が加盟してつくっている総合型というのは減少が大変少ない。トータルで見ると減ってきているという話でありますけれども、実は総合型というのはなかなか解散が進まない、難しいというふうに言われています。

 厚生労働省としては、この総合型の解散が進まない理由はどういうことだと思っていますか。

舛添国務大臣 もっと新しい数字を申し上げますと、今の委員の資料からさらに、今現在で六百十七基金残っているんですが、うち四百九十七、ちょっと数字が変わっていますが、それが総合型です。

 だから、解散した方がいいかどうかというのがまずあるんですが、解散しないでやっていければ、私はそれにこしたことはないんだろうというふうに思っています。委員御指摘のように、複数の企業が設立するわけですから、そうすると、それだけ積立金を含めての準備のお金が潤沢に調達できるということなので解散しないで済んでいるという側面の方がむしろ大きいのじゃないか。これは物の言いようで、なぜ進まないかという言い方をするか、積立金のプールが複数の企業でより容易なので解散しないで済んでいるという、言い方の問題もあると思いますが、そういうようにちょっと認識をしております。

岡本(充)委員 先ほどのお話とちょっとずれてきていますよ。

 やはり企業の側はなかなか厳しいという中で、一社であれば労使の話し合いの中で企業年金は解散できる。ところが、複数だと、A社、B社、C社、D社、E社、例えば五つあったとして、私はやめたいけれども私はやめたくない、そういう中で、では、ほかの人たちの会社の部分も含めて現金で解散のためのお金を用意できるかといったら、一社でほかの会社の分まで用意できない。だから、結局、なかなか総合型というのは解散が難しいんですよ。中小企業だから経営も苦しいんです。しかし、解散したくてもなかなか解散できない。お金が用意できない。だから、厚生労働省は〇八年三月まで解散時の不足金を分割で払う特例措置というのを設けていたんじゃないですか。

 大臣、もう一度お答えいただきたいと思います。

舛添国務大臣 ちょっと私は委員の質問の意味を取り違えていたので。

 まさにそれはおっしゃるとおりで、解散するときに一社だと、それはもう自分のところで決断すればいいわけですけれども、債務がこれだけある、では例えば五社でやっているときにその債務負担をどうするのかねと。そういうことの後始末、これが非常に難しい。ですから、そういう意味で、委員がおっしゃるように容易にはいかないということは、それはおっしゃるとおりなので、ちょっと私、質問の意味を取り違えて済みません。

岡本(充)委員 私の配りました資料の三ページ目に、企業年金の状況、どういう道を選ぶか。一番上が解散という道ですけれども、これだけ見ていますと、グロスで見ていますので、そういう意味では、解散した基金の中身がどうなのかというのがわからないので、ちょっと先ほどの図よりはわかりづらくて恐縮ですけれども。

 やはり解散に進もうという企業年金もあるわけでありまして、そういう中で、今お話をしました総合型が進まない。それで、不足金額を一括で払えない場合には分割でもいいよという特例措置を厚生労働省は昨年の三月末まで認めていた。しかし、それを利用して解散をした社というのは余り多くはない。それでもなかなか解散をするのは難しい。五基金がこの制度を利用したと私は承知をしています。

 そういう意味では、なかなかこれが進まないという状況であります。この特例措置を今後また続けていってはどうかという声もあるようでありますが、厚生労働省としてはなかなかそれは認められる状況にないという答弁をされるんだろうと思います。

 しかし、解散するにしても、体力がないところはどうなるのか。そこにきちっとした補てんがなければ、給付の削減という形が起こり得るのか、それとも受給者や加入者が被害を受けるということが起こり得るのか、こういったこともはっきりしませんし、こういうことで最終的に被害が受給者や加入者に回ってくるということも余り私は得策ではないと思うし。最終的には、代行部分に欠損が出るようなことがあれば厚生年金の本体にも傷がつくわけでありまして、こういう総合型の企業年金の実態というのをやはり一回調べられた方がいいんじゃないかと私は思うんですね。いかがですか。

舛添国務大臣 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、複数の会社が関連しているので、やはりすぱっと意思決定をなかなかできにくいということがあるんだろうと思います。ですから、この点は現にどうなっているかということは、それは調べてみるにやぶさかではありません。

 それから、特例措置、これは三年の時限でやって、委員がおっしゃったように余り利用されていない。利用されていないのは、それがあっても、やはり債務分担をどうするか、会社間の話し合いがうまくいかないんだろうというふうに思いますので、例えば、これを続けていってさらに効果が出るか、そういうことも含めて検討せぬといかぬというふうに思っております。

岡本(充)委員 分割納付が完了するまでに五年から十年ぐらい期間を要して、その間に会社が倒産をしている、そういう厚生年金基金もあるようです。解散して、その中で、加盟している企業が一割二割破綻をした、そういう基金もあるというふうに聞いているし、そういう実態を含めると、本当に厳しいはずの総合型で実際に企業年金の解散が進まないということの問題点をきょうは指摘をしたわけですから、ぜひそこはお調べをいただきたいと思います。

 その上で、ちょっと話の論点が変わるわけでありますけれども、今度、共済が一元化されたときに、いわゆる今で言う三階部分である職域加算分を、今はこういう形で大変厳しいと言われている企業年金に倣ってつくるという声も聞こえてくるわけであります。企業年金に倣って制度をつくろうと今のところ考えている理由は、どういう理由でしょうか。

木下政府参考人 お答えいたします。

 被用者年金が一元化された後の公務員の三階部分である職域部分の取り扱いについては、せんだっての御答弁でもお答えしましたとおり、平成十八年の四月二十八日の閣議決定で、公務員共済について、新たに公務員制度としての仕組みを設けることとし、この仕組みについては、人事院において諸外国の公務員年金や民間の企業年金及び退職金の実態について調査を実施し、その結果を踏まえて制度設計を行うこととされております。

 なぜそういうものをつくるかということについては、現在既に、既裁定者、実際に保険料を払っている方もおられますし、やはり公務員制度として適切な人材を供給していただくことの必要性等、総合勘案いたしまして、こういう閣議決定とされていると理解しております。

岡本(充)委員 いや、それは私の質問に答えていないです。これ、ファクスでお送りしているんですよ、文書で。そんなに探されては困るんです。きちっと文言も書いて送っているんですから。そこに書いてあるとおりですよ。企業年金に倣って制度をつくる理由いかんと書いてファクスを送っているんですから、そこはちゃんと答えてもらわなければ困ります。

 どうして企業年金に倣ってつくるのか。今お話ししたように、企業年金は厳しい、こういう話が出ているのに、あえてこの三階部分を企業年金にする理由は何なのか、こう聞いているんです。

木下政府参考人 なぜ企業年金に合わせるのかということにつきましては、やはり官民均衡を図るという観点から、企業年金を参考に検討を進めているということでございます。

岡本(充)委員 いや、今お話ししたように、人事院もきょう来ていますけれども、人事院が給与を調査するときによく調べられる五十人以上の企業ですね、比較的大企業を中心に、先ほどもお話ししたように企業年金が解散しているんですよ。

 ちなみに、きょう人事院にも来てもらっています。官民の較差を調べると今財務省は言われました。十八年に調べられて以降、調べられていないわけでありますけれども、そういった意味では、人事院として、今後、退職一時金や企業年金等を含むいわゆる官民較差について調査を進めていっていただけるのかどうか、ちょっとお答えいただきたいと思います。

吉田政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘の平成十八年の調査でございますが、これは、平成十八年四月二十八日の閣議決定で、先ほど財務省の方から答弁ございましたように、共済職域部分の廃止と新たな仕組みの創設が決定されまして、その仕組みについては、人事院において諸外国の公務員年金並びに民間の企業年金及び退職金の実態調査の結果を踏まえて制度設計することが決定されたところでございまして、これを受けて、官房長官から人事院総裁に対して、こういう調査を実施し、見解を表明してほしいという要請があったものでございます。

 人事院としては、共済年金や退職手当の制度官庁ではございませんが、公務員の勤務条件や人材確保等を所掌する立場から、この要請を踏まえまして、主要国の年金制度について調査を行うとともに、退職給付総額、これは退職一時金と企業年金でございますが、この総額の官民比較を行い、新たな公務員制度としての仕組みについての基本的事項に関する考え方をお示ししたところでございます。

 このように、平成十八年の調査は、内閣からの要請を受けて特別に実施したものでありまして、引き続き、現在、制度官庁でこのデータ等をもとに制度設計の検討が行われているところでございます。新たに調査が必要であるかどうかについては、この新しい仕組みについて、今後政府内において具体的な検討が進められる中で議論される必要があると考えております。

 また、この種の調査は民間企業に相当の負担をかけることになりまして、従前から政府が行ってきた退職金調査も、ほぼ五年置きに行っていたという経緯もございます。

 職域部分の廃止と新たな仕組みの設計は制度官庁において基本的に検討されるものでございますが、人事院としても、今後の議論を見きわめながら、御指摘の調査については、その準備や方法を含めた研究を進めてまいりたいと考えております。

岡本(充)委員 調査の研究を進めてもらえるんですよね。

吉田政府参考人 調査も含めて研究を進めてまいります……(岡本(充)委員「調査の研究を進めてもらえるんですか」と呼ぶ)

田村委員長 指名してから質問してください。

吉田政府参考人 人事院としては、勤務条件制度等公務員制度全般について所掌しておりますので、そういう意味で、調査も含めて研究を進めてまいりたいと考えております。

岡本(充)委員 でき次第、公表していただきたいわけです。

 改めて共済側に聞くわけですけれども、そういった中、本当に企業年金にすることについてどうなのかという議論はやはりあると思いますよ。それから、企業年金と同様に、使用者である政府が支出する割合が高くなる、そういう三階建てを想定されているんですか。どの共済でもいいです、お一方お答えください。

木下政府参考人 お答えいたします。

 委員の御質問の御趣旨は、新たな三階部分の制度設計に当たって、現在、被用者と、それからいわば雇用者たる国が折半を行っているわけですが、それをどうするのかという御趣旨の御質問であれば、その制度設計に当たっては、一つに相互救済を目的とする共済制度の性格、二つ目として事業主としては国や地方公共団体が負担することになる、それから三番目として現在の負担のあり方等の関連などを踏まえつつ、検討していきたいということでございます。

岡本(充)委員 それではやはり、ちょっとまだ不十分だと思いますよ。十八年の四月二十八日の閣議決定で、二十二年に三階部分は廃止すると決めているんでしょう。二十二年に廃止をすると言っておきながら、この段になっても、検討はしていない、検討はこれからするんだとか、法律も出さなきゃいけないのに、そんなあいまいな話では、今、公務員の皆さん方、ここにいる人も、かなり公務員の人みえますよね。私の年金どうなるんだろうと思っている皆さん、どきどきしていますよ、それは。どうなるんだというところは思ってみえる。だから、やはり、それはもっと早く出さなきゃいけない、皆さんの議論に付さなきゃいけないのに、そんな答弁じゃ、これはどうなるのかという話になりませんよ。

 したがって、もっと明確な答弁、委員長、お願いしてください。

木下政府参考人 お答えいたします。

 新三階の検討につきましては、先ほど申し上げました平成十八年の閣議決定の方針に沿って、現在も関係各省で検討を進めているところでございます。

 できるだけ早く検討しろということでございますので、できるだけ早く検討してまいりたいと思います。

岡本(充)委員 多分そうやって、皆さん、検討しているという話になっちゃうんです。でも、今お話ししたように、では、次の選挙の大きな関心事になるかもしれない年金制度、そういう意味では、被用者年金を一元化するという話になっておきながら、肝心の三階部分はどうなるかというのがわからない、どうするかわからないという話では困るんですね。

 これはちょっと切り口を変えて、確かに、前向きに、いわゆる新しい年金制度をつくる上で、年金の積立金は足りているのか、もしくは、払い戻すとしたら残金は足りるのかという観点です。

 これは二ページ、前回の質問で出なかった、いわゆる一、二階共通財源と三階部分に残せるお金。国共済が、一、二階共通財源七・七兆円、そして〇・九兆円が残る。それから、地共済は二十兆円と二十兆円。それから、私学共済は、一、二階共通財源は一・七兆円で、残る財源が二・〇兆円。

 こういう話でありますが、それぞれ、新しい年金をつくる上で、年金が足りるのか。払い戻すとしたら、これはなくすということは考えにくいという答弁はわかっています、その上で、しかしこれは検討するわけですから、場合によってはなくすこともあり得るわけです。その場合に、これまで払っている人、既裁定の人、それぞれに、これまで掛けた分を含めお返しができる、いわゆる企業年金でいうところの解散をする分に足りるお金が残っているのかどうか。その観点で、それぞれお答えをいただきたいと思います。

木下政府参考人 お答えいたします。

 被用者年金制度の一元化法案におきまして、一元化時点における共済一、二階の積立金について、どういうふうに仕分けるか定められております。

 それで、具体的にどのような金額になるかにつきましては、平成十九年に公表されました「被用者年金制度一元化による財政影響について」における粗い試算によりますと、国共済では、平成二十一年度末における積立金約八・六兆円のうち、一、二階部分とされるものが七・七兆円、残額は〇・九兆円になることが見込まれております。

 それから、足りるのかという点については、また後ほど地共等からいろいろな数字のお答えがあるのかもしれませんけれども、ちょっと先取りでお答えになるのかもしれませんけれども、それに基づきますと、今ほど申し上げました、先生、資料でお配りしていただきましたように、国、地方を通じた公務員共済全体としての一、二階共通財源として仕分けられた後の残りの積立金額は約二十兆円程度でございます。一方、先ほど申した平成十九年の「被用者年金制度一元化による財政影響について」の粗い試算によれば、国、地方を通じた公務員共済全体としては、三階部分の過去期間給付額の現価が約十七兆円になっているところでございます。したがいまして、三階部分の過去期間給付額の現価は公務員共済全体として保有する積立金の額の範囲内におさまっていると考えられますので、新しい三階部分の制度運営は可能であると考えております。

 また、先生の御質問にあった、廃止した場合にきちんと返還されるのか、どういう金額かという御質問でございます。

 大変恐縮でございますが、政府といたしましては、先ほどから申し上げておりますように、新たな公務員年金制度を職域年金にかわり創設することを検討しておりまして、これを廃止することは考えておりませんので、それが具体的にどういうふうに幾らぐらい返還されるのかという点については、なかなか数字ではお答えしづらいわけですが、全体の残る金額、過去勤務債務は、先ほどのような数字になっているわけでございます。

田村委員長 総務省松永公務員部長、簡潔にお願いします。

松永政府参考人 お答え申し上げます。

 被用者年金の一元化法案におきまして、一階部分と二階部分の共済の積立金につきまして、積立比率につきまして厚生年金と同じような形で仕分けるということにつきましては今お話があったところでございますが、地方公務員共済組合につきますと、具体的にそれがどのような額になるかということでございます。

 現段階で一定の前提を置いた試算によるしかないわけでございますが、平成十九年に公表されました「被用者年金制度一元化による財政影響について」におきます粗い試算によれば、地共済では、平成二十一年度末時点におきます積立金、これが約四十兆円になりますが、そのうち、いわゆる一、二階分とされるものが二十兆円、残額が二十兆円となるということが見込まれているところでございます。

 それから、これで新三階部分といいましょうかの運営が可能かどうかということについてでございます。

 国家公務員共済とそれから地方公務員共済につきましては、ともに公務員という職域に適用される年金制度であるということから、平成十六年改正におきまして財政単位が一元化されておりまして、両制度間で財政調整が行われているところでございます。そういうことから、公務員につきましては、地方公務員、国家公務員、両方通じた公務員共済全体といたしましての三階部分についての過去期間の給付額の現価、これが、平成十九年九月に公表されております「被用者年金制度一元化による財政影響について」の粗い試算によれば十七兆円となっているところでございます。先ほど申し上げましたように、一、二階共通財源として、国、地方通じました公務員共済全体として仕分けられた残りの積立金が約二十兆円となっておりますので、三階部分の過去期間給付の現価というのはこの中におさまっておりますので、新しい三階部分の制度運営、これは可能であるというふうに考えているところでございます。

 それから、廃止した場合についてというお尋ねでございましたが、この点につきましては、今財務省の方から御答弁ありましたように、政府といたしましては、単純に廃止ということでございませんで、公務員制度としての新しい年金制度をつくるということを考えておりますので、それにつきまして、廃止した場合はどうかということについてはちょっとお答えできないところでございます。

河村政府参考人 私学共済に関しまして、三階部分の過去期間給付額の現価についてお答え申し上げますと、今まで引用されました粗い試算によりますと〇・八兆円でございます。一方、私学共済の一、二階共通財源として仕分けられた後の残りの積立金額は約二兆円でございます。したがって、三階部分の過去期間給付額の現価はその私学共済が保有する積立金の額の範囲内ということになりますので、新しい三階部分の制度運営は可能であると考えております。

 それから、仮に廃止した場合ということについての御答弁は、これまでの財務省と総務省の御答弁と同様でございますので、失礼いたします。

岡本(充)委員 不断の努力をしてこれからの年金の制度も見直していただきたいということをお願いして、質問を終わります。

田村委員長 次に、保坂展人君。

保坂委員 社民党の保坂展人です。

 きょうは、御協力いただいて、ちょっと順番を変えさせていただきました。ありがとうございました。

 私は、十年ちょっと前からグリーンピアのことをずっとこの委員会で、あるいは決算委員会で聞いてきました。

 まずは、舛添大臣にお聞きしたいんですが、柳澤大臣から交代をされた直後、グリーンピア南紀、グリーンピアの施設をいろいろ譲渡されていったわけですけれども、うまくいっていないということで、香港系のボアオという会社、これは資本金十五万円のペーパーカンパニーだと言われていまして、五十七億円という大変な開発計画をぶち上げたものの、何の工事も進まない、どうなっているのか、こういう議論をしていたと思いますが、このボアオという会社についてどういう印象を持っていらっしゃいますか。

舛添国務大臣 私もこの件は報告を受けておりますし、たしか保坂委員ともやりとりもあったというふうに思います。

 これは、民間企業で、その中身がどうであるかはわかりませんが、いずれにしても、町と契約していて、その契約が実行できないというのは問題があるな、そういうふうに思っております。

保坂委員 大変問題があるのと同時に、二階大臣が、以前、那智勝浦町とこのボアオ両者を呼んで、大臣応接室で契約をした、こういう異例の形になっているわけですね。

 そして、このボアオは、那智勝浦町議会でも、おかしいじゃないか、いわゆる開発を進める、再開を目指すといっても何の工事もしない、どうも別荘開発のような工事を始めてしまった。国会の議論とも連動しまして、那智勝浦町議会で、このボアオについては契約を撤回するように、こういう決議が上がって、そしてついに平成十九年の秋にこれは撤回をされたというふうに聞いています。

 ようやくこれでしっかりしたのかなというふうに思いましたが、これは年金局長に伺いますけれども、どうもその後、このボアオの方は、ちゃっかり投資した金額以上の金額を回収しちゃったらしいと。私は驚いたんですね。

 資料を配っておりますが、二枚目に民事調停額の内訳というのがございます。調停案は一億七千万円でございます。これで見ますと、C、D、維持管理費、解決金、こういうものがついております。

 そもそも、この那智勝浦町とボアオとの契約書を見ますと、十五条に違約金というのがあるんです。契約解除が那智勝浦町の責任に帰した場合はその受取賃料の倍額をボアオに払いますよ、そして今度は、契約解除がボアオの責任に帰している場合には受け取った賃料は返しませんよ、これは当然ですね。双方ともに、どちらとも言えない原因で解除をしなければならないときには、合意の上で、那智勝浦町は今までに払った、つまり十年分の賃貸料のまだ使っていない部分は返すこともありましょう。こういう三類型が示されているんですよ。

 ところが、ボアオの方は、これは一ですよね、那智勝浦町が悪かったということで二億八千万円を要求し、そして、民事調停ですからその内容にけちをつけるわけにはいきませんけれども、しかし、どういうふうにこれはごらんになりますか。

 厚生労働省も、たびたび私の部屋にも来てもらって、ちゃんと、焼け太りするようなことがないように、那智勝浦町にとっては大変な迷惑がかかったわけですから、しっかりやるようにということで、厚生労働省の担当官もしばしば現地に行って話をしているはずです。これはどういうことなんでしょうか。

渡辺政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま先生御指摘のように、経緯がございまして、那智勝浦町の方に私どもいろいろお伺いしているわけでございますが、平成十九年十月に那智勝浦町長と民間企業の代表が会談し、契約解除で合意したけれども、その時点で契約解除に係る支払い金額について合意がまとまらなかった。こういうような経緯をるる経まして、結果、平成二十年二月に民間企業ボアオの方が東京簡易裁判所に、ただいま御指摘のあったように、倍額を支払うという条項が背景にあったのでございましょうか、そこの立場に立って二億八千万円の民事調停の申し立てを行ったと聞いております。

 しかし、合意に至らなかっただけのことがあるわけでございまして、その後の調停活動の結果、平成二十年六月、第三回の調停において、町からボアオに一億七千万円支払うという調停案が裁判所から示されて、その上で那智勝浦町自身が議会の議決という手続を経て、ようやく二十年七月に調停案が双方の合意となって、同年八月に契約の解除が成立したと聞いております。

 調停そのものの内容について言えば、一億七千万円と書いてあったというふうに聞いておりますが、その内訳に関し、町の方からの理解ということで私ども聴取いたしましたところ、先生ただいま御紹介のありましたような、いろいろな内訳という理解をしているということでございますが、調停案自身の是非について、さすがに私ども、きちっとした跡利用をしてもらいたいという立場でお願いをしておりますが、本件調停案自身について、国として特段のコメントを申し述べるのはなかなか困難であるというふうに考えております。

    〔委員長退席、三ッ林委員長代理着席〕

保坂委員 これは、グリーンピア南紀だけで二百億円投下しているんですね、舛添大臣。大変悔しいですよね。これは、本来は年金福祉施設として、経営も効率化して再生するという道もあったと思います、今かんぽの宿の問題をずっとこの国会で議論しましたけれども。

 しかし、これを本当に安い値段で、一億数千万円ですか、このボアオという企業に十年間貸しますよ、貸して、賃貸料を払ったら、十年後には自動的に所有権は移転する、そういう契約だったんですね。そういう契約で、しかも悪質なのは、私は現地に二回行きましたよ、何にもやっていないわけですね。これは欺いている。那智勝浦町は極めてひどい相手にだまされたなと、私は非常に憤慨をしました。こんなことはあってはならないと。

 現に今、年金の基金が解散をして、グリーンピアの跡地の利活用については厚労省が直接責任を持っている立場ですよ。

 私は、調停をこうしてしまったことは、結果で動いていますからいたし方ないとしても、これは、ボアオの方が、お金を払い込んだのを全部取り戻す、取り戻した上で、若干、二年間の賃貸料については、三千二百万円ですね、使いました。しかしながら、維持管理をしていたその二年間の、草刈りだとか何か、百万坪だから多いんです、そういうものを取り戻す。解決金まで、約一千万円取り戻す。

 これは、大臣どうですか。私は、少し厚労省がしっかり監督すべきだったと思いますよ。

舛添国務大臣 このグリーンピアの跡地、なるべく公共的なことということで地方自治体にお任せをしてきたわけですから、第一義的には、やはり町がしっかりと業者の選定から含めてやらぬといかぬというふうに思いますので、それは町の今後の動きを見ていきたいと思いますけれども、必要な助言、監督を行いたいと思います。

保坂委員 私は、これはゆがんだ政治力が働き過ぎた結果、こういうボアオという企業が入ってきて、何もやらない。やらないけれども、撤退するときにも、もうけさせてやる、こういう力が働いたのでないかと非常に不愉快に思います、これを見て。

 今局長に伺いますが、では、残った、宙に浮いたグリーンピアは今どんな状況でしょうか。業者が絞られてきているというふうに聞いていますが、一番高い点をとっている業者はどこでしょうか。簡潔にお願いします。

渡辺政府参考人 現在の状況でございますが、那智勝浦町及び太地町は、グリーンピア南紀の施設運営に係る新たな事業者選定ということで、施設の利活用を推進するために、昨年十一月に紀南大規模年金保養基地跡地利活用検討委員会なるものを設置し、事業者の公募を開始したというふうに理解しております。

 その後、本年一月末に応募が締め切られ、五つの事業者から応募があったと承知しております。そのうち三事業者から、本年三月に事業計画等のプレゼンテーションが行われた、先ほどの五事業者のうち二事業者は辞退したと承知しております。現在、先ほど申し述べました利活用検討委員会において、最終的な選定作業を行っていると聞いており、まだ結論は出ていないと承知しております……(保坂委員「企業名を挙げてください、企業名」と呼ぶ)

 今三者と申しましたが、那智勝浦町から聴取したところによると、一つは株式会社湊組、それから株式会社環境計画、社会福祉法人松福会というところと承知しております。

保坂委員 地元の新聞には、グリーンピアのこの宙に浮いた、ボアオでさんざん振り回されたその跡地利用は湊組に絞られたと書いています。この湊組の前社長、現会長は、これまたあれなんですね、二階大臣の和歌山新風会の会長じゃないですか。何をやっているんですか。

 つまり、これだけ、グリーンピア南紀という、行ってみるとすばらしいところですよ、舛添大臣。本当はきちっとこの施設として再生させてほしいですよ。そこには那智勝浦道路という道路も将来建設の計画があり、どうもゆがんだ政治力でこの問題を複雑にして、活用ができないような状況に迷い込んでいるのではないか。公明正大にこのグリーンピアの再生をやってもらいたい。厚労省が今監督しているわけですから、しっかりやってください。大臣、いかがですか。

舛添国務大臣 必要な指導と助言はきちんと行いたいと思っております。

    〔三ッ林委員長代理退席、委員長着席〕

保坂委員 グリーンピア二百億円というのは年金保険料から出ているんですね、御存じのとおり。やめるときにもローンがあったんですよ。これも国民の年金積立金から出したんです。舛添大臣、痛みを感じましょうよ、これ。こういうものが、国民の年金保険料を使ったものが再び利権の具になるようなことがあっては絶対だめなんです。もう一言決意を。

舛添国務大臣 一切の利権、一切の私企業、こういうものの特定の利益のために政治家は働いてはいけない、ましていわんや行政の長はそうであるという思いでこれまでやってきましたし、今後ともやっていきたいと思っております。

保坂委員 今大臣の決意も伺いましたので、厚労省として、このグリーンピア、傷がつきましたけれども大変いい場所です、地域の再生のためにしっかり監督をしていただきたい。大臣の決意が言葉だけにならないように要請をしまして、終わります。

田村委員長 次に、山井和則君。

山井委員 三十分の質問時間をいただきまして、ありがとうございます。

 今回も配付資料をお配りしておりますので、それに沿って舛添大臣に質問させていただきたいと思います。

 前回の舛添大臣の答弁、びっくりいたしました。国民年金の納付率が八〇%、あるいは六五%なのか、そして初めて六五%の試算が出てきて、それによると、この配付資料にありますように四九・二%。平成十六年改正で強行採決をして、そしてまた参議院選挙のマニフェストに入れて国民に約束をした五〇%を切る、そういう試算なわけですね。

 これに対して舛添大臣は、将来予測は神のみぞ知るだと。そういうことでは、本当に国民の皆さん方は何を信じていいのかわからない。やはり一生懸命働いて、そして老後は年金があるから悠々自適に暮らそう、その安心感を求めて国民というのは一生懸命汗水垂らして働いているという部分もあると思います。にもかかわらず、保険料をせっせと納める、あるいは天引きを給料からされているにもかかわらず、どれだけ払ってもらえるのかということを約束しておきながら、いざ、その法律から五年たつと、神のみぞ知ると。これでは、国民の皆さん、逆に納付率が下がってしまうんじゃないかというふうに私は非常に心配をしております。

 舛添大臣、まず、舛添大臣は前回、八〇%が基本的ケースだということをおっしゃいました。それで、私たちは、現状が六三・九%なんだから、やはり八〇%というのは基本的ケースにするにしては高過ぎるんじゃないか、こういう議論をしたわけです。

 それでは、ちょっと国民年金の現状をまず見てみたいと思います。きょうの配付資料の十二ページ、十三ページを見ていただきたいと思います。具体的なファクトから話をします。平成二十一年一月末現在で、最新の明らかになっている納付率は、平成二十年四月から十二月分までで六〇・九%、その前年度六二・八%よりも一・九%も下がっているわけですね。

 こういう状況の中で、改めて舛添大臣にお伺いします。八〇%が本当に基本的ケースと言えるんでしょうか。やはり実績ベースの六五%ぐらいに考えるのが現実的な数値ではないでしょうか。もっと言えば、この一ページ目にもありますように、納付率が七五%でも五〇%を切るんですよね。大臣、やはり八〇%が基本的ケースだとおっしゃいますか。

舛添国務大臣 山井さんも今ちょっと前提をおっしゃいましたので、私も若干前提を申し上げますと、将来にわたる検証というのはいろいろなデータを使って、今はこれ、納付率だけを問題になさっていますけれども、逆のケースでいうと合計特殊出生率がありますね。これが極めて低い数字を使っている。何でそんな低い数字使うんだ、もっと高い数字使った方が現状に合うじゃないかということも言えないこともない。そうすると、そっちのプラスでポイントを稼げればこっちのマイナスは相殺されるわけなんで、何度も申し上げていますように、一定の前提を置いて、こうしたらこういう結果が出ますよということを申し上げている。

 それから、一昨日ですか、よく議事録を精査していただきたいと思うんですけれども、経済予想でも何でも、シミュレーションをこうやってA、B、Cとやって、どれが当たるかはわかりませんよという言い方をしたので、片言隻句をとらえて、私が何を言おうとしていたかということを曲げてもらっては困るので、したがって、前提を変えればそうなりますということを申し上げている。

 それから、逆に、これはぜひ山井先生にもお願いをしたいんだけれども、国民皆年金でしょう、つまり一〇〇%が当然なんですよ。皆年金だから、それより低いのでよかったらだめなんで、相当努力をしてきて、私は、目指すべきゴールは、八〇なんというのはむしろ少ないぐらいで、一〇〇%を目指して当たり前。それは納付できない人を免除したりするのはのけないといけないですよ。だけれども、ちゃんと稼ぐ能力があって、みんな苦しい中で一生懸命払っているんですよ。

 だから、それは逆の質問で、大臣けしからぬじゃないか、あんた、何で八〇なんという低い数字を置くんだ、政府は一〇〇%を目指してやるべきじゃないかという声が出ていいぐらいであって、この議論を聞いていると、六五でずっと今から三十年間、国民に努力も何も求めない、そういうことでおっしゃっているんじゃないのはわかっていますけれども、そういうこともあえて私は申し上げておいた方が、これからのさらに建設的な議論につながるのではないか、そういうふうに思っております。

山井委員 理想を語るのは政治では大切です。でも、やはり現実を認めて、実態がどうかということも大事なんです。なぜならば、一番困るのは、理想論ばかり語られて、直前になってうまくいきませんでした、保険料をアップします、年金の支給年齢を引き上げます、こう直前に言われるのが国民は一番困るんですよ。それをなくすために百年安心ということをおっしゃったんじゃないんですか。

 実際、きょうの資料の十七ページに平成十七年の調査も出ていますが、国民年金を払っている完納者、完全に払っている人は四七・三%というふうに非常に低くなっています。

 舛添大臣、今、どちらになるかわからないということですが、では基本的ケースじゃないんですか、この八〇%というのは。八〇%になるか、七五%になるか、六〇%になるか、六五%になるかわからない。そういうことを言い出したら、この表を見てもらったらわかりますように、所得代替率が五〇%を超えるか超えないかはわからないということになってしまいますよ。そういう答弁でいいんですか。

舛添国務大臣 だから、十六年の年金改正、賛成であれ反対であれ、そのときに決まったことをきちんと押さえておっしゃる必要があるので、これは、なぜあの改正をしたか、今委員がおっしゃったように四点セットの目標があるわけですね。もう細かい数字は言いませんよ。

 余りに保険料率が高くなると、それは国民は大変でしょう。それから給付ががっと減らされても、これも大変でしょう。今、プールしている積立金があるんですからこれを活用しましょう、そして、まさに今議論していただいている、三分の一という国庫負担を二分の一に上げる、これによって大きな財源的な措置をしよう、その総合的な政策をやっていく。これをしかし五年ごとに見直す。見直しの方法がどうだという御批判は、それはよくわかります。その上で必要ならば見直していく。だから、いかにして五年ごとに持続可能なことをやるかという、やりっ放しじゃなくて、検証しながらやっていくというメカニズムをそこに入れたわけです。

 ですから、私は皆さん方の議論を聞いていて、それは皆さん方がそういうことをおっしゃるのはよくわかる。そうすると、これはぜひ、今後の財政検証のあり方というのは、五年ごとにやることが法律で決められていますから、それについてはもう少し国民が納得いくような形でやれるかどうか、これは検討したいと私は思います。

 例えば、人口の推計にしても合計特殊出生率にしても経済成長率にしても、三つぐらいパターンを出していますね、上位、中位、下位。A、B、Cでもいい。例えばそういう三つぐらいの数字を出すのもどうかなと思っています。ただ、では何が上位で、何が中位で、何が下位かというその数字の決め方をどうするか。そして、恐らく納付率は相当みんなで頑張って、国民にも説得してやっていけば、今の紙にあるように、私はやはり免除した人は除いて、免除した人は払わないでいいわけですから、その上での数字を出した方が正しいと思います、まあ、その議論はおくとしても。

 いずれにしても、そういうことについてきちんと、検証の仕方はありますけれども、検討したいなというふうに思っていますので、これは検討を始めます。しかし、A、B、Cの推計を置いたって、何の数字を置くか。恐らくは国民のこの年金の納付率よりも、例えば経済成長率、こういうものの方がひょっとしたらもっと大きく変動するかもしれません。

 だから、そういうことはわかりませんよというのを、それは神のみぞ知るという表現を使ったら、皆さんに気に入られてよく引用されているんですが、私はそういう意味で、正直ですから素直にそういうことを申し上げているわけで、それは、大天変地異が起こるとか、百年に一回の未曾有の危機が起これば経済成長率なんて変わりますから、しかし、検証することにむしろ意義があって、検証方法について、それは再検討することはやぶさかでない、そういうことであります。

山井委員 いろいろと答弁ではぐらかしておられますが、八〇%が基本的なケースということは、国民の感覚からいくと、どう考えてもそれが前提の数字というのは信用ができないんです。

 例えば、この十三ページにありますが、一月末現在で六〇・九%、そして舛添大臣のおっしゃっておる前提だったら、その後三カ月で八〇%にはね上がるということなんですね。はね上がるのはどう考えても無理じゃないですか、この資料を見ていただいて。そういう八〇%という前提で今回の試算が成り立っているわけです。

 そして、私はこの表を眺めて感じるんです、舛添大臣。実は、八〇%が基本的なケースになっている理由というのは、八〇%が目標だからじゃないんです。私、なぞが解けたんです。これを見てもらったらわかりますように、単純に、八〇%でなければ五〇%を超えないんですよ。五〇%を超えさせるという結論がまずありきなんですね。国民が不安に思っているのは、実態に基づいた試算をしているんじゃなくて、厚生労働省は結論ありきということをやっているから国民は信用できないということになるんじゃないでしょうか。

 舛添大臣、そこでお伺いします。本当に百年間、五〇%の所得代替率は保障できるんですか。

舛添国務大臣 その前に、それならあえて私は申し上げるので、何で合計特殊出生率は小さい数字を使ったんだ、これは五一になりますよ、実態に即した数字を使えば。

 だからまあ、それだからというのは、それはあなたの想像力のたくましさのたまものであって、そこから先の話は、我々は五年ごとに努力をして、サステーナブル、持続可能であるためにどうすればいいかという話をしているわけです。それで、やはり保険料率もそんなに上がっちゃだめだ、それから、現役のときの手取りの半分ぐらいがないと生活に困るだろうということを言っているわけですから、それを目指して努力はしていくわけですよ。

 そして、それがかなわない条件が出てきたということになれば、そのために我々がいるわけですから、ここで政策を変え、新しい法律をつくり、変えていけばいいので、この十六年の法改正を金科玉条のように守ることが目的ではなくて、我々は、国民生活を守り、国民の年金というものに対してしっかりと保障していく、こういうことのためにあるわけですから、そのために検証している。

 だから、検証してだめだったら変えようということですから、あなたと私の基本的な方向性は何にも違わないじゃないですか。

山井委員 今の舛添大臣の答弁は、私は聞き捨てならない。十六年の改正を守ることが目的じゃなくてって、守ってもらわないと困るんです、これは。なぜならば、小泉改革の参議院選挙のマニフェストにも、五〇%以上を確保すると選挙で約束しているじゃないですか。また、厚生労働省の資料でも五〇%以上を確保すると。これは国民との約束なんですよ。だから、大臣から守ることが目的じゃなくてと言われたら、国民は何を信じたらいいんですか。

 だから、舛添大臣、逃げないで答えていただきたいんです。百年間、所得代替率五〇%を約束されましたが、その約束はこれからも守られるんですか。答えてください。

舛添国務大臣 だから、あなたのその、私のしゃべったことをのみ込んで吐き出すときの吐き出し方にちょっと問題がありますよ。

 私は法律を守るためではなくて、法律の文言を守るんですか、国民を守るのか、どっちですか。法律が悪かったら、国権の最高機関の国会で変えていいものにしようというのが何で悪いんですか。だれも反対ないじゃないですか。それを、驚きましたね大臣、あなたはこうだと言って、それで、私が真摯に答えているところは報道で流れないんだもの。あなたのところだけばっと流れて、何か極悪非道の人間みたいに思われるけれども、そうじゃなくて、私は中身について、金科玉条の法律じゃなくて、そして百年安心だということは、それはほかの方がいろいろ申し上げているのはもう議事録で、ここで議論はあっていますよ。だけれども、あなた方が政権をとったって、新しくつくる年金法というのは百年ぐらい安心するような長期的なものでなきゃだめでしょう。したがって、そういうために努力をする。

 そして、守れますかという問いじゃないんですよ、私に対する問いは。守るように努力をしますか、努力をします。

山井委員 舛添大臣、今、極悪非道とかおっしゃいましたが、なぜそういうことになるかというと、保険料を払ってください、払ったら百年間、所得代替率五〇%を維持しますというのが約束なわけですよ。その約束に対して神のみぞ知るとかおっしゃるから、国民からすると話が違うじゃないかということになるんです。(舛添国務大臣「約束に対してじゃないよ。ちょっと答えさせてください」と呼ぶ)ちょっと待ってください。舛添大臣、ですから私の質問に答えていただきたいんです。今後百年間、所得代替率五〇%は守られるんですか。この質問に答えてください。

舛添国務大臣 全力を挙げて守る。

 そして、またあなたはうそを言いましたね。私は、シミュレーションの結果がわかりません、A、B、C案を出したときに、どれが結果になるかわかりませんというのを神のみぞ知るという言い方をしたのを、全然違うように誤解して流したじゃないですか。

山井委員 いや、誤解してじゃなくて、シミュレーションの前提が変わったら所得代替率が変わるじゃないですか。そのことは国民の皆さんはわかっているわけですよ。

 では舛添大臣、守るように努力するということですが、この法改正においては、もし五年ごとの財政再計算で五〇%を切るということがわかったときには所要の措置を講ずるということになっていますね。そうすると、ここにフリップを出しますが、大きな選択肢は二つなんですね。要は、代替率を維持するために年金の保険料を上げるのか、そして支給開始年齢を遅くするのか。これは、大臣、その際にはどっちを検討されるんですか。

舛添国務大臣 もう一つ大事なポイントをお忘れではございませんか。国庫負担率をどうするんですか。今三分の一を二分の一に上げたのは、まさに、余りに保険料を上げないために税の方に二分の一のシフトをしているわけですから。何度も私が申し上げているように、介護保険にしても医療保険にしても、さまざまな社会保障の保険制度で成り立っているものは、フィフティー・フィフティー、五〇、五〇で税と保険の比率があります。

 だから、私も問題提起しているじゃないですか、一気に税のみに行けないというようなことになったら、五、五じゃなくて、四、六にするとか三、七にするとかいろいろな方法があるわけですから、そういうことを総合的に考えればいいわけですから、もちろんその二つの案もありますけれども、国庫負担の比率をどうするかというのも解決策の一つとしてはあるということを客観的に申し上げておきたいと思います。

山井委員 舛添大臣、なぜ私がそれを入れなかったかというと、国庫負担の引き上げということは、自動的にこれは消費税のアップにつながるんですよ。そういうことを言い出すと、結局、所得代替率を維持するためにはまた消費税アップを言い出すのか、そういうことにこれはなりかねませんよ。

 ということは、これを維持するために、消費税アップということも視野に入れておられるんですか。

舛添国務大臣 私は、何度も言っているように、何も負担がなくて給付はあり得ません。私は、これは山井さんも理想だと思っていると思う。例えば北欧なんか、あなた、二五%の消費税ですから。

 だから、一気にそこまでいかなくても、これだけお払いいただいて、これだけの給付がありますということはきちんと議論して、当然、それは消費税ということも念頭に置かないといけない。ならば、全部税方式でおやりになるという方は、消費税を上げるということを全く考えていないのか、もう不思議でしようがない。

山井委員 だから舛添大臣、五年前に議論したのは、直前になって保険料を上げるとか支給開始年齢を上げるとか消費税を上げると言われたら、老後の安心が保てない。だからもう保険料も上限を固定する、それで五〇%を保障するということを約束されたわけですよね。

 それに対して、先ほども言いましたように、今、八〇%じゃなくて、六五%でも七〇%でも七五%でもこれは五〇%を下回るということがわかってきたわけですよ。こうなると、これは公約違反なんですよ。

 大臣、ここで一つ提案があるんですが、五〇%を超えるということを逆算した希望的な数値ではなくて、ぜひ実態から計算をし直していただきたいんです。過去十年、二十年の計算式を二十四ページに載せましたので、これを見てください。

 過去十年、二十年の実績がどうなっているかといいますと、今回の前提は、物価上昇率が一%、賃金上昇率が今後二・五%、運用利回りが四・一%ですが、過去十年平均は、消費者物価上昇率がマイナス〇・二%、賃金上昇率がマイナス〇・七%、運用利回りが一・五%。そして、最近はちょっとデフレだったから余り参考にならないんじゃないかという声ももしあるとすれば、過去二十年平均の、それぞれ〇・七%、〇・六%、二・九%。

 これが基本ケースかどうかはわかりません。でも、やはりこういう、今の現状に即した数字も参考までに出していただきたいんです。私は、これが絶対だとはもちろん言いません。この数値も出していただいて、国民みんなが、それこそ国会議員も含めて議論すればいいと思うんです。

 この二つの試算データも出していただきたいと思いますが、舛添大臣、いかがですか。

舛添国務大臣 若干の時間は必要だと思いますけれども、私が申し上げたのは、合計特殊出生率、その他CPI含めて、すべて三つぐらい前提を内閣府は出している。それで、基本ケースと称して一つのやり方をやってきたわけですけれども、本来ならば、若干手間暇がかかっても、この三つを出しておくという方がはるかに選択肢としてはあり得るというふうに思っていますから、まあ時間はかかりますけれども、これは資料の一ページ目にあって、八〇%の納付率ではないときの同種の数字を出しましたから、そういう作業ができればやりたいと思います。

 それから、先ほど、五〇%を下回ったときはさまざまな措置をとるという中で国庫負担の話にも行きましたけれども、もう一つ、マクロ経済スライドの調整期間を調整するというのも一つはあり得る。それもちょっとつけ加えておきます。

山井委員 このデータを出していただけるということですが、先日お願いした賃金上昇率のものは二、三週間で出るという話をいただいております、その再計算は。これも大体二、三週間で出していただけるということでいいですか。

舛添国務大臣 ちょっとこれは実際に計算する事務方とまだ相談していませんので、その上でお答えしたいと思います。

山井委員 これは参議院の審議もありますので、できるだけ早急に出していただきたいと思いますが、大臣、いかがですか。

舛添国務大臣 CPIとか賃金上昇率のデータ、どういう形で計算するのか、内閣府と相談しながら、これはできるだけ早いように目指したいとは思います。

山井委員 ぜひお願いしたい。

 本来、この法案審議の前にこういうデータは出すべきなんです。希望的観測と現実と両方出して、どうなるでしょうかと審議するのが国会じゃないですか。にもかかわらず、自分たちに都合の悪いデータは出さない。実際、昨年五月の社会保障国民会議のときには、きょうも配付資料の中に入っていますが、ちゃんと八〇%の場合、六五%の場合、両方出しているじゃないですか。九〇%も出しているじゃないですか。今回、それがわざと入っていないんです。

 おまけに、私、今回探してみてびっくりしたのは、きょうの資料の二十七ページから入っていますが、この八〇%というのがどこにも入っていないんですね。舛添大臣、「等」に入っているということを前回答弁されました。でも、その「等」に入っていることがわからないんです。

 それを調べようと思ったら、二十七ページの、厚生労働省のホームページの中から財政検証バックデータというのをクリックして、国民年金というのをクリックして、その次の二十九ページ、基礎の資料というのをまたクリックして、そしてまた三十ページ、その上の財政検証というのをクリックして、そしてまたこの中の、御丁寧に、その他の基礎率というのが右下にあるんですよ、一番端っこ。これを探し出したらやっと最後に、七回クリックして八〇%というのにたどり着けるんですよ。

 これ、舛添大臣、八〇%だということをよっぽど隠したかったんですね。全く書かないわけにもいかないから、とにかく探し続けたら見つからないではないけれども、こんな大切なデータ、つまり、これが八〇%から七五%に五%下がっただけで五〇%を切ってしまうという一番みそのデータ、これは、舛添大臣、隠ぺいされたんじゃないですか。

舛添国務大臣 国権の最高機関の国会の議論ですから、やはり言葉は正確に使っていただきたいと思います。

 希望と現実ということをおっしゃったけれども、政策目標を掲げる、今の現実が六五%で納付率が低ければ、八〇ですら低いじゃないか、九〇を目指す、一〇〇を目指すという大臣がいてもいいので、八〇でとまっているというのは、逆に私は恥ずかしいと思うんです。

 ですから、三十年後の話をしているんですよ、そういうことを掲げて努力をするということをもっと言うべきであって、全部今の現実のままだったら、あなた、何のために政治家がいるかわからないですよ。世の中をよくして改善していくために、我々みんな力を合わせて努力しているわけですから、ぜひ、ターミノロジー、言葉遣いについて御配慮をいただき、私はあなたに隠ぺい大臣と言われても別に怒りはしませんけれども。

 しかし、要するに、バックデータがどこにもないんじゃなくて、ホームページを見れば書いてありますから、それはクリックして出てくるので、それをあなた、私が隠ぺいしているのでクリック回数を七回にしたとか、それはちょっと、そこまでおっしゃらなくてもいいのではないかなと思いますが、公開して議論する、そしてできるだけ情報は簡単にアクセスすることが必要ですから、それは、そういう方向で今後とも努力はしたいと思います。

山井委員 大臣、私も、性格が悪くて言っているんじゃないんです。常識で考えたら、普通、この本体の資料の中に八〇%と書きますよ、一番大切なパーセンテージなんですから。それが常識ですよ、基本ですよ。そんな「等」の中に入っているなんか言わないんですよ。

 ですから、舛添大臣、改めてお聞きしますが、二十年度も一月までで六〇・九%ですが、三カ月で本当に八〇%までふやせるというふうに、大臣個人でも結構ですが、この三カ月で八〇%まで上げるのは実現可能だと本心で思っていられますか。いかがですか。

舛添国務大臣 シミュレーションは三十年後の長い月日を前提に置いてやっているということをまずお忘れにならないでいただきたいというふうに思います。

 したがって、先ほど言ったように、では合計特殊出生率、一・一まで下がると本当にあなたは思っておられますか。いや、上がりますよ。妊婦健診も五回を十四回に拡充した。今回は、女性特有のがんについての検診も無料にする。こういう私が頑張っているさまざまな施策が功を奏していけば、合計特殊出生率はまだ上がるだろう、さらに上がるだろうということを期待しておりますので、今後とも、情報公開そして真摯な議論をやるということをお約束いたしまして、私は、山井議員の性格は大変いいと思っております。

山井委員 いや、舛添大臣、本当にこれは深刻な問題なんですよ。消えた年金の問題もそうですけれども、老後の安心というのは、年金が崩れるとだめなんですよ。ですから、これは一つの約束ですから、政府の約束であり自民党、公明党の約束、五〇%を守るということが、たった五年でもう崩れているということは深刻な問題なんですよ。

 ですから、麻生総理も「国民に安心を与えるのが政治の責任だ。抜本改革しか、国民の信頼を取り戻す術はない。」と書いておきながら、麻生総理は総理になったら、何でその抜本改革を引き下げて、こういう三分の一から二分の一に引き上げるという小手先のことしかやらないのか、何でこれをやらないのかがわからないわけです。うなずいている場合じゃないと思うんですよ。

 だから、十五兆円の経済対策をやることも大事ですよ。でも、それよりも根本的に、一番国民が不安に思っていることの一つの、年金の安心をどうするのか、そのことをしっかりと議論しないと、これでは本当の景気対策、内需拡大もできないと思います。これからもきっちり議論したいと思います。

 ありがとうございました。

田村委員長 次に、長妻昭君。

長妻委員 民主党の長妻昭でございます。

 ぜひ、舛添大臣、まじめに御答弁をいただければありがたいというふうに思います。

 まず、一ページ目の社保庁の職員の親族絡みの不正納付案件から。全国調査をした結果が出たようでございますけれども、まず一ページの資料を説明いただけますか。

舛添国務大臣 長妻さんの出されたこの一ページですが、国民年金保険料の徴収が消滅時効期間経過後においてなされたケースについてですが、これは、時効後に国民年金保険料を納付した事例で、約四万四千件に係る処理記録について把握したというところであります。

 そして、二番目の黒ポツですが、「上記件数について、正当であることが明らかなもの」、これは後ほど議論があるかもしれないですけれども、債務中断や督促状がなかったケースですけれども、それをさらに絞り込みますと四万四千件のうち一割を下回る、一割が四千件ですから、それを下回るところまで今絞り込みをやっている、そういうことであります。

長妻委員 この調査の締め切りが平成十九年三月二日だったんですね、調査の締め切りが。それで、私が何度申し上げてもずっと出てこずに、やっと、この法案を通したいという思いがあるということで、これはしようがないから出すというようなことで出てきたんですけれども、二年間ずっと隠され続けたわけでございます。

 今のお話ですと、つまり、これまで一定の期間調査したところ、さかのぼりが二年より前のものというのは国民年金は納付できない、ところが、コネがある人は納付できちゃう、こういう事例があったわけでございますけれども、それを調べたらば、二年間以上さかのぼったのが四万四千件発見できたと。全部を調べたら、二年をさかのぼる納付ができる案件というのは、時効が中断したときは当然できますが、時効中断の要素というのは二つありまして、一つは、督促状を郵送した場合は本人に着いたときから時効が中断する。これは別に二年を超えてもいいわけであります。もう一つは、本人が債務承認をする、その場合も時効が中断する。その1、2の適正な案件がある。それで、1、2の適正な案件を除くと四千件ほど残ったということですね。

 約四千件、つまり、1、2に該当しない、つまり不正の納付の疑いが濃いというか、私は不正の納付ではないかと思うんですけれども、そうすると、この四千件というのが不正の納付の疑いが高いということでよろしいのでございますか。

舛添国務大臣 私が、一割を下回るというのはどれぐらいまでいっているかということで、先ほどからちょっと作業をさせておりまして、今数字が届きましたので申し上げますけれども、きょう段階で、もっと絞れるかもしれません、今届いたデータだと二千三百件まで絞ったということなので、その数字が今届きましたので、お伝えをしておきたいと思います。

 それで、委員がおっしゃったように、督促状の発行をしていれば、それから自分で債務を認めれば時効中断しますから、そうすると、これをさらにどこまで絞り込めるか。この前の、職員の知り合いとか妻であるとか、そういうのを不正にやるという、これは決してあっちゃいけないケースですけれども、絞り込んで、そういうものであるケースはありますね、中断してない場合には。

 だから、正当な処理でない、今二千三百まで絞り込みましたけれども、どこまで絞り込めるか。今どんどん鋭意やっていますけれども、それは、今おっしゃったように、不正である可能性はあると思います。

長妻委員 やっと、二年かけて、サボタージュしてと私はあえて申し上げますけれども、とうとう法案審議ということで出てきたということでございます。

 これは、そうすると、無年金の問題もここでるる議論いたしましたけれども、コネがある人はいいですよね。無年金になった場合でも、なりそうな場合でも、幾らでもさかのぼってそのときに全部払う、こういうことで無年金にならない。コネがない人は、無年金で涙をのむ。こういうことが、疑いですけれども、二千三百件あるということでございます。

 では、二千三百件というのは本当に金が払われているのか。納付の記録にはなっているけれども、現金、当然金を払わないと納付にならないんですが、その現金は払われているのかというのを、きょう総務部長が来られていると思いますので、これはもちろん調べたんでしょうね、二千三百件全部。

薄井政府参考人 具体的に、その四万四千件からのフォローというのは、そちらの方で調べているところでございます。ただ、具体的な、領収済みの状況がどうか、そこら辺をどうしているかというのを御説明申し上げたいと思いますけれども……(長妻委員「二千三百件です」と呼ぶ)二千三百件という形では、これから四万四千件絞り込みをしていく中で、どういうふうな材料があるかということで、それはさせていただくことになろうかと思いますが……(長妻委員「まだしていないわけですね。では、いいです」と呼ぶ)

長妻委員 そうしたら、二千三百件の現金の裏づけがある納付かどうか。一般論じゃないですよ、二千三百件に限定して聞きますけれども、その現金の納付の裏づけがあるのかどうかというのは、全部一件ずつ調べたということでよろしいんですね。

薄井政府参考人 まず、先ほどちょっと御説明をいたそうと思いましたけれども、社会保険事務所の窓口で国民年金の保険料を領収します際には、これは昨年五月からでございますけれども……(長妻委員「いや、昨年五月の話じゃないんです。これは昔のことだから」と呼ぶ)領収した金額と納付書に記載された金額を複数の職員において確認をして……

田村委員長 長妻君、手を挙げてから言ってください。

薄井政府参考人 納付者に対しまして領収した金額を記載した領収書をお渡しする、こういうことでございまして、現在ではそういう形での間違いというのは基本的に発生しないものと考えております。

 それで、こういうふうな取り扱いを導入した以降、あるいはその以前におきまして、そういうような間違いが全くなかったというふうには言い切れない部分があろうかと思いますけれども、仮に事務処理誤りが生じたとしても、窓口で保険料を領収した後、日本銀行に払い込み手続をするわけでございますけれども、その前後の二段階で確認する仕組みというのを導入いたしておりますので、基本的にはそういうふうな誤りが起きないように補正の努力をしてきているというふうに御理解をいただきたいと思います。

長妻委員 これは全くごまかしの答弁ですね。去年の話じゃないんですよ。この二千三百件の、親族とかコネがある人が不正をして納めた可能性があると、可能性ですけれども、舛添大臣も言われているわけですよね。今、部長も、全く間違いがないとは言い切れないというふうに言われているわけで、なぜ、この二千三百件、一件一件、本当に現金の裏づけがある納付なのかというのを調べないんですか。なぜ調べないんですか。

薄井政府参考人 お答え申し上げます。

 システム上に納付の記録があるということを確認した上で、先ほどの作業をしてございます。

 それで、今絞ってまいりました二千三百件につきましては、どれだけの証拠書類が残っているかというところはございますけれども、必要な調べは行ってまいりたいと考えております。

長妻委員 そうすると、現金の裏づけのないものも出てくる可能性があると。絶対これは調べていただきたいと思うんですが、そうすると、二千三百件は、案件としては例えばどんな案件ですか。どんな状況でこれが発生したということですか、例えば。

薄井政府参考人 具体的には、先ほど申し上げましたように、四万四千件から絞ってまいりましたところでございますので、二千三百件の具体的な態様というところの分析はまだこれからというふうに御理解をいただきたいと思います。

長妻委員 また二年後ぐらいじゃないでしょうね、これ。いつ結果を出していただけるんですか。

薄井政府参考人 具体的に、それぞれの、一件一件関係した人がいるとするとそれに当たっていく、そういうふうな作業をやっていかなければいけません。決して引き延ばすつもりはございませんけれども、一定の時間は要するというふうに考えているところでございます。

長妻委員 そして、もう一つ、部長の案件なんですけれども、結局、社保庁の元職員の奥様がコネでさかのぼって納めたと。こういう強い抗議をすると、コネがある人はできる、一般の方は無年金で涙をのむ、こういうことがあって、そして、平成十八年の六月十六日のここの場所で、ほぼ三年前に私が指摘して、こういう職員等々はちょっと処分したらどうですかと言いましたら、村瀬長官は、「当然、処分は出るというふうにお約束します。」こういうふうに言われて、三年間調査を続けて、まだ処分が出ていないということなんです。

 これは漏れ聞こえてくると、全員退職するのを待つ、こういう不正な処理を。内部からそういうふうな声も聞こえてくるわけでございますが、これは退職した人というのはいるんですか、関係した人で。

薄井政府参考人 御指摘の事案につきまして、関係したと考えられる職員でございますけれども、この事件が発覚いたしました時点以前に退職した職員はございますけれども、それ以外の者につきましては、現時点で退職した者はいない、こういうことでございます。

長妻委員 そうすると、この三年間調査をして、何人の職員にヒアリングして、いつ結果が出るのでございますか、調査の結果が。

薄井政府参考人 具体的には、ヒアリングの対象というのは、事実をつまびらかにするために行うものでございますので、その対象者がすべて処分の対象者になる、こういうことではございませんけれども、私どもとしては、そういったヒアリング結果、それから先ほど来申し上げております他の事案の調査の状況というのも見ながら、引き続き検討を行っておりまして、ただ、いずれにいたしましても、できるだけ早く結論を出してまいりたいと考えているところでございます。

長妻委員 調査対象者は何人なんですか。

薄井政府参考人 全体で、これは奈良の事務局、大阪の事務局、それぞれ関係する者がございますが、十名弱ということでございます。

長妻委員 二十五年ルールという厳しいルールを持っている先進国は日本しかない。しかし、コネがあるとそれがクリアできてしまう、後から何十年もさかのぼって過去の穴を埋めれば。しかも、それが全部現金がきちっと払われているかという裏づけもとっておられないというようなことで、何かコネがある人は非常に有利だな、こういうイメージがあるんですよね。調査も、職員の処分に結びつくものは非常に遅い。これは三年かかっています。これは、この法案を審議している過程の中でぜひ出していただきたいというふうに思います。

 そして、山井議員から先ほど質問がございました納付率の八〇%の件でございますけれども、今の議論というのは、所得代替率の議論がずっとなされました、五〇・一パー。この是非が議論になったんですが、いろいろな数字に影響が出てくるんですね。最終的には所得代替率なんですが。

 先ほども大臣が答弁されたマクロ経済スライド、これも大変収支が悪化をしておりまして、前回、平成十六年度の財政検証では、マクロ経済スライドは、厚生年金の二階建て部分と基礎年金部分、両方、二〇二三年まで抑制をかける、こういうことだったんですね。ところが、今回の財政検証では、二〇三八年までかけると、基礎部分を。二階建て部分は逆に改善して、二〇一九年までになっている。これは国民年金が大変なんですよ。

 それで、我々は、最低保障年金にきちっとする、二分の一に引き上げだけじゃ全く追っつかない、こういうふうに申し上げているんですけれども、十年以上マクロ経済スライドが延びたわけですね、二〇三八年まで。そして、本来の受給額よりも基礎年金部分、国民年金が二七%も減る、こういう数字が出てまいったわけであります。

 これはすごい数字なんですけれども、そうすると、納付率が八〇パーじゃなくて、こういう絵そらごとの数字じゃなくて、例えば六五パーになったときに、マクロ経済スライドの二〇三八年というのは、さらにスライドがかかって受給が抑制される年限が延びるということになるのでございますか。どの程度延びるんですか。

舛添国務大臣 ですから、絵そらごとだとかいうそういう表現ではなくて、一定の水準を置けば一定のシミュレーション結果が出るということをまず申し上げた上で、さまざまな要因がありますから、一つだけピックアップしてというのはどうかと思いますが、八〇で計算してこれは二〇三八なんですが、仮に六五でさっと今計算してみますと、今は私の計算ですから正確なのはできませんが、まあ一、二年、ですから二〇三九から四〇まで終了期間が延びる、そんな感じだというふうに思います。そんなに大きく間違っていないと思います。

長妻委員 そうすると、八〇パーで計算しても本来の受給額より二七%減らされるんですが、この二七パー減らされるというのも、これもどの程度ふえるんですか。

舛添国務大臣 ちょっと今すぐは、計算をしていないのでどういうふうになるか、一、二年ということですから、それに伴った計算、後ほど、できればお伝えしたいと思います。

長妻委員 そして、計算していただくと、国民年金だけで生活されておられる方の平均受給額が一カ月四万八千五十七円ということで、これは、前回も質問しましたけれども、生活保護の住宅扶助が満額出たときの三分の一なんですね。生活保護の方が手取り年金でいえば三倍大きいということで、さらにそれが、二分の一の国庫負担を入れたとしても今の数字です。今の私が申し上げた数字は、二分の一の国庫負担を入れた後の数字でございますから、これで本当にもつのかと。

 バラ色の絵そらごとの計算と私が言ったら反論がありましたので、ではちょっと大臣に聞きますけれども、これは本当に重要なことですので、お互い政治家同士、良心に従ってお話をいただきたいと思うんですが、大臣という立場を離れていただいても結構ですので、今年度、納付率八〇パーという、直近の数字が先ほどもありました六〇・九ですよね、これが本当に、今年度終わった来年の三月末に八〇パーになるというふうに、べき論ではなくて、実際にそういうふうになるというふうに大臣は本当にお考えになっているんですか、個人的にも。

舛添国務大臣 いやそれは、あした雨が降りますか、雪が降りますか、晴れですかというのと違って、私の立場は、そうなるように全力を挙げるということしかありませんよ。そのために一生懸命厚生労働大臣をやっているんですから、全力を挙げてやるということに尽きます。

長妻委員 いや、だから、物には程度というのがあるんですよ。物には限度というのがあるんですよ。私も、納付率、まあ六五とか、まあ七〇というのも行き過ぎでしょうけれども、それは、内部の体制を見ても、あるいは内部の職員、きのうも社保庁の職員の方に事前に説明に来ていただいたとき聞いたらば、八〇パー達成できるなんというふうに予想している人、だれもいませんでしたよ。ゼロ。大臣、こういう程度を超えた目標がいろいろなところに波及して、最終的に五〇・一、こういう幻想を振りまいているというふうに私は言わざるを得ないんです。

 だから、大臣、政治家として、それは立場はありましょうが、実際に本当にそれができると思っているんですか、その八〇パー。良心に従って予想して、本当に八〇パーになると信じておられるんですか。

舛添国務大臣 長妻さんの議論で決定的に欠落しているのは国民ですよ。つまり、国民がきちんと支払うべきものを支払ってくれれば一〇〇%になるわけですから。そして、非常に生活に困窮していれば免除制度があるわけですから。私は何度も言うように、免除の人まで分母に置きませんよ。免除の人たち等は払わないでいいんですから。払わないといけない人が払うということに対して、それは全く国民という視点がないじゃないですか。

 つまり、国民にも少しは、私は呼びかけていますよ。普通の生命保険会社よりもはるかに有利ですから、あなたの老後のことですから頑張って払ってください、払ってください、払ってください。全政治家がそう国民に呼びかけて、国民は、憲法上は納税の義務はあるけれども、こういう保険料とかいうのも払う義務があるんですよ。だから、国民の皆さんがしっかり一念発起して払ったらあしたにだって実現する話であって、我々は、説得をし、国民にきちんと説明をし、困った方は免除する制度があるんですよ。

 ですから、私は何度も申し上げますけれども……(長妻委員「本当に信じているんですか」と呼ぶ)そういうふうに、信じていますか信じていませんかということではなくて、私は、国民に対して説得の努力を続け、国民にきちんとこの義務を果たしていただきたい。それ以上の答弁はできません。

長妻委員 これは舛添大臣に同じことを申し上げたいんです。決定的に欠落しているのは国民の視点ですよ。

 未納率というのは何だと思っているんですか、未納率というのは。単に払わない率、そうじゃないですよ。年金制度が信頼されていない比率なんですよ、これ。年金制度の信頼と裏腹なんですよ。これだけ信頼されていない。あしたから国民が一念発起して払ったら達成できるなんて言って、そんなに自動的に一念発起するには、皆さんが努力足りないんですよ。百年安心だと言ってバラ色の数字で五〇・一を出してきた上に、消えた年金問題の解決も非常に後ろ向き、サンプル調査、無年金も検討するとは言われましたけれども、それは一カ月以内にやるのか何にもわからない、何件やるのかもわからない。これは何で信頼を回復しようとしないのか。国民年金だけで生活できるというふうに大臣は思っておられないと思いますよ、国民年金だけで。しかもそこから天引きをされていて、そしてさらに、皆さんが納付率をかさ上げしたことで、また国民の皆さん、がっかりしますよ。皆さんの公約と違う数字が出てくるわけですから。

 こういう納付率、バラ色な数字を出して、そして、前回も御答弁されましたけれども、それを達成できない場合はだれも責任をとらないということですよね、大臣。こういう無責任体質はもうやめていただきたいと思うんですが、せめて責任をとるということを今明言をすることによって、少しでも納付率が上がるように知恵を絞るんですよ、組織というのは。せめて、達成できないとやはり責任をとる、こういう体制をつくるということぐらい御答弁いただきたいと思うんです。

 それで、もう一つの懸案の事項といたしましては、国民年金の強制加入というのが、平成三年の四月からは大学生も二十を過ぎたら強制加入になった。そのときの強制加入後の、お金を振り込んで納付をしたのに、その記録がかなり抜けている。つまり、今年齢でいえば三十八歳より若い人、三十八歳前後の方々がかなり一律に抜けているんではないかという御指摘が外部からあったんですが、この方々に集中的に調査をして呼びかけるということもぜひしていただきたいと思うんですが、いかがでございますか。

舛添国務大臣 たくさん質問がありましたから順次お答えしますけれども、年金記録問題が国民の政府や年金制度そのものに対する不信感を強めた、それは全く同感です。ですから、一生懸命今努力をして解決している。ただ、いかんせん、何十年にもわたった不祥事の山ですから、それをこつこつこつこつやっている。それは、ねんきん特別便だって一億六百万に送り、今、定期便その他さまざまやっていますので、それはそれなりの成果が私は出ていると思います。その成果についてどう評価するかはそれは御自由ですけれども、そういう努力をしっかりしているということをまず申し上げたい。

 そして、年金記録問題が、確かに、それは私の努力もあなたから見れば足りないのかもしれない、成果もまだいっていないかもしれない。しかしながら、そのことと、将来の自分の設計ということできちんと保険料を払うということはまた別の問題なんで、我々は我々で努力をしていくということを申し上げておきたいと思います。

 それから、平成三年から二十以上の学生が国民年金に強制加入になったはずだということなんで、これをちょっと調べましたら、長妻委員、市町村が社会保険事務所に報告して、社会保険庁が管理するということで、ポイントは、平成三年当時はオンラインシステムが導入してありましたので、調べさせましたら、今御指摘のように大量にこの記録の欠落や誤りの発生があるということはないという報告を受けております。

長妻委員 大量にないという報告を受けているということですけれども、現に何人もの方がこれは被害を受けておられるので、ぜひきちっと呼びかけていただきたい。

 そして、もう一つは、先ほど内山議員も質問がありましたけれども、三号特例というものでございますが、これは申請を出さないとそうならないということで非常に複雑なものでございます。今現在は、本人の申請で会社が代行していただくということなので、多少漏れは少なくなったんですが、それ以前、つまり平成十四年の三月までに会社をやめた人は、それ以前の記録は抜けている可能性がかなりあるので、それは注意を呼びかけるということも徹底をしていただきたいというのが一点。

 もう一つ、今、盲点になるだろうというのは、例えば、奥様が厚生年金に入っていた、共働きで奥様が厚生年金で働いていた、御主人は、自営業をやっていた、お店をやっていた、ところが、今経済が大変厳しいので、自営業の御主人のお給料が年収百三十万未満になった、少なくなっちゃった。その場合は、三号の申請をすれば、保険料を払わないでも国民年金の被保険者、受給に反映される被保険者になるということ、これは多くの方が御存じないし、皆様方もお知らせがほとんどないというふうに思うのでございます。

 集中して今の二点を対応していただくということはいかがでございますか。

舛添国務大臣 それはおっしゃるとおりで、内山さんとも随分議論をしましたけれども、三号の扱い方、さっきの件は奥様が厚生年金で働いているわけですから、そこの掛金をみなす、だから受給期間に反映するんですが、空期間の問題と三号被保険者の問題は極めて複雑で、本当に国会議員でもどれだけ理解している人がいるかというのは、非常に少ないと思います。

 ですから、これは徹底して、社保庁の窓口、それからパンフレットをつくるとか、それから、四月から送付していますねんきん定期便、その中なんかにも掲載して御案内して、遺漏がないように努めたいと思いますので、これはおっしゃるとおり、全力を挙げてやりたいと思います。

長妻委員 そしてもう一つ懸案は、障害年金の件ですけれども、今、自治体でのパンフレットとかそういう案内の件を調査いただいていると思うんです。

 これは、私が申し上げたのは、前回申し上げ、舛添大臣も調査ということをお約束いただいたんですけれども、具体的な話なんですね。前回と同じですけれども、視覚障害に限って言うと、一定の視覚障害の方は、ほぼ同じ基準で言うと、手帳を持っているのが二十三万五千人おられる。ところが、障害年金もほぼ同じ要件でもらえるはずなのに、障害年金を受けている方は十・三万人しかいない。あとの十万人は忘れているのかどうしているのかという具体的な調査。

 これはほかでもいろいろあると思うんですが、視覚障害は手帳の交付と障害年金とほぼ基準が同じなんですね、ほかはばらばらなんですけれども。これについて、差の十万人の方は本当にどういうことなんだろうと、私も障害者の方、障害団体にいろいろ聞いてみましたら、やはり知らない方が今でもかなり多いということで、ぜひ具体的に視覚障害に限定した調査というのも、いかがでございますか。

舛添国務大臣 先般申し上げましたように、窓口で実態がどうなっているか調査してみろという指示は既に与えました。

 ただ、問題は、その二十三万と十万の差ですから十三万ぐらいになりますね、この方々を個別にどういう形で調査するか。十三万人の方々、目が不自由でございますし、文書の形でお送りしてアンケートというのもなかなかいかないので、個別の調査が必要だと思います。

 視覚障害の方々のさまざまな団体があって、私も大変親しくしておりますので、例えばそういう団体の皆さんの手をかりて、それは点字であったりとか必要なこともありますので、具体的に個々のケースについて積み上げ方式をどうするかはちょっと検討をさせていただきたいんですが、今言ったような課題も多いので、少し時間がかかるということを御容赦願いたいと思います。

長妻委員 そして、この六ページの資料をいただきましたけれども、年金時効特例法で過去最高支給額というのは、五年より前はいただいていたんですが、これによって、これまで消えた年金で最も金を取り戻した人の最高額が判明したと思うんですが、六ページの資料をちょっと説明いただけますか。

田村委員長 時間が経過しておりますので、簡潔にお願いいたします。

舛添国務大臣 わかりました。

 長妻さんの六ページの資料にありますように、年金時効特例法に基づいて昨年十二月末までに支給決定を行った方のうち、最も多くの金額、つまり二千八百二十三万円をお支払いした方の五年以内の額を含めた総額は三千四百九十二万円でありまして、その方は九十六歳の男性の方だということであります。

長妻委員 これで質問を終わりますけれども、いずれにしても、無年金の寝たきりの女性の方もおられました。つまり、後からもらうというのも、こういう措置も必要ですけれども、やはり初めに支払うというのが重要でございます。今回の法案は、特に国民年金をどうするのか、本当に暮らせる年金ではない、暮らせる年金にするにはどうしたらいいのかということで、一元化に踏み切っていただけないし、最低保障機能も俎上に上げていただけないということであります。

 いずれにしても、私が本当にこの質疑を通じて感じるのは、制度は、麻生総理も総理になる前にいろいろな提言を出しているんです。政治家もいっぱい出していますが、結局は年金局様にだめだと言われるとしょぼんとなる、こういう与党のパターンがあるわけであります。

 年金局長というのはすごい権限を持っています。私は年金局帝国だといって以前お話ししたことがあるんですけれども、厚労省全体でいっても四千十六人が天下っている、七百二十四法人です。平成十八年度一年間に税金などが七千六百三十七億円も流れている。こういう天下りの帝国が年金の金で、その頂点にいるのが年金局長で、今の制度を崩したくないんですよ。

 ですから、そこにメスを入れるということが本当に今の与党にできないのであれば、ぜひ我々にやらせていただきたいということを申し上げて、質問を終わります。

 ありがとうございました。

田村委員長 次に、高橋千鶴子君。

高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 初めに、局長に、通告しておりませんが、基本ですので確認させていただきたいと思います。

 国民年金法の第一条には、「国民年金制度は、日本国憲法第二十五条第二項に規定する理念に基き、老齢、障害又は死亡によつて国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によつて防止し、もつて健全な国民生活の維持及び向上に寄与することを目的とする。」とあります。

 今回、附則に最低保障の機能強化の検討という一項が盛り込まれましたが、もともと、この検討という附則はなくても、国庫負担をきちんと担保することで、保険料を払えない人も免除によって一定の年金は受け取れるという皆年金の考え方があり、そのための二分の一の負担であるということでよろしいですよね。

渡辺政府参考人 ただいま先生おっしゃいましたように、国民年金の制度創設の目的ということがその第一条に明記されております。そのとおりでございます。

 それから、国民年金は、発足当初から税の投入によってその皆年金の基礎を保とうということでさまざまな工夫が講ぜられているという点も、そのとおりでございます。

 おっしゃられたような大きな使命を持った制度であるというふうに理解をしております。

高橋委員 ありがとうございます。

 十五年前に国会が決めた国民への約束が今年度でようやく決まったというのは、余りにも遅過ぎたと言わなければなりません。同時に、このことがもっと早くできていれば、次のステップ、いわゆる先ほど来議論されている最低保障年金制度のあり方云々ということにも踏み込んできたのではなかったかということをあえて指摘させていただきました。

 さて、きょうは財務省に来ていただいております。ちょっと直球の質問ばかりをさせていただきますけれども。

 資料の二ですけれども、二十一年度予算案は、財政投融資特別会計の金利変動準備金から四兆二千億円が一般会計へ繰り入れされ、そのうち二兆三千億円が基礎年金分、今回の法案の分だということであります。残りは六兆五千億円です。

 ちなみに、二十年度、これは二次補正が四兆八千億円ありましたけれども、そのうち四兆二千億円を財投から繰り入れました。ところが、ここに来て、二十一年度一次補正予算案が十五兆四千億円の規模だということであります。

 昨年十二月六日の共同通信、政府が基礎年金の国庫負担の二分の一を四月からやると決めたという記事と一緒に、景気悪化を受けて「年金の国庫負担上げに使う財源を景気対策に回すべきだといった意見も浮上。」とあります。

 与党の中でもすったもんだの上でようやく決めたやさきに、また十五兆円。いよいよ来年度が危うくなるのかという気がいたします。経済危機対策十五兆四千億円のうち、どのくらい財投からの繰り入れを予定しているのか。積立金が底をつくおそれもありますが、来年度も年金への繰り入れは確実に担保されるのですか。

真砂政府参考人 今般の経済危機対策の財源でございますが、その一部に先生御指摘の財投特会の金利変動準備金を充てるということにいたしておりますけれども、まだ具体的に幾ら充てるかという金額につきましては現在検討中というところでございます。

 いずれにいたしましても、先生御指摘のように、平成二十二年度におきましても、基礎年金の二分の一を国庫が負担するための財源といたしまして財投特会の金利変動準備金を活用することが予定されているという点には、私どもも留意していく必要があるというふうに考えております。

高橋委員 留意していくということは、ちょっと今不安になりましたよ。確実ではないということでしょうか。

真砂政府参考人 財政運営に関する法律におきまして、平成二十一年度及び平成二十二年度におきまして、基礎年金の国庫負担の追加に伴い、これらの年度において見込まれる歳出の増に充てるための財源を財政投融資から一般会計に繰り入れるという規定になっておりますので、この規定に沿って私ども予算編成をしていきたい、このように思っております。

高橋委員 はい、確認をいたしました。

 しかし、いずれにしても、かなり深刻な状況であるということは言えるのではないかと思います。今回の十五兆円は、経済危機対策といいますけれども、やはり消費税大増税という後世に大きなツケ回しをすることにほかならないと私は思っています。規模をもっと現実的なものに、そして中身を一時的な消費刺激策ではなく恒久的な効果があるものに絞り込むべきだと考えます。これは意見として述べさせていただきます。

 さて、来年度は確保したとして、二十三年度以降については、所得税法附則百四条の規定に従って行われる税制の抜本改正により「所要の安定した財源の確保が図られる年度を定める」とあるのみで、確実に確定するとは書いておりません。そして、三年後は多分増税だとだれしもが思っているところであります。

 とはいえ、二十三年度にそれが決まっていなければ「臨時の法制上及び財政上の措置を講ずる」と書き込まざるを得ませんでした。いわば見切り発車とも言えるし、あるいは何が何でも消費税増税と言われているようでもあり、いずれにしても賛成できません。

 財務省は、仮に後者、臨時の措置をとらざるを得なかった場合、その分を厚労省の予算の枠内で持てとは言わずに、政府全体の予算の見直しの中で当然確保するべきと思いますが、その点、確認してよろしいでしょうか。

真砂政府参考人 私ども、景気の回復に全力を尽くしまして、経済状況を好転させることを前提に、遅滞なく税制の抜本改革を行うことが基本であるというふうに考えております。

 先生御指摘のような、仮に予期せざる経済変動に対応するために平成二十三年度以降も臨時の財源を手当てするというような場合におきましては、その可能性が明らかになった時点で具体的な財源について検討していきたい、このように考えております。

高橋委員 具体的に答弁されませんでしたが、厚労省にだけツケを回すということはないとお答えいただけますか。

真砂政府参考人 繰り返しになってまことに恐縮でございますけれども、その時点で具体的な財源については検討してまいりたいということしか、この段階では私としては申し上げられないところでございます。

高橋委員 最初に述べましたように、国民年金法の本当の目的というのは、これは厚労省だけがひとり負うべきものではないのだろう、やはり国全体で負っていかなければならない。そういうことを考えたときに、財政が足りなくなったら、厚労省の予算をまたどこか削って、要するに福祉、何か削ってやるということはあってはならないということを重ねて指摘をしたいし、大臣にもそれは頑張っていただきたい。

 資料の一に戻ります。

 十六年度から段階的に引き上げ、二分の一を目指してまいりました。しかし、そもそも百年安心の年金のためだといって、定率減税の廃止や年金課税の強化をやってきた。それが本来使われていたらもっと早くこれは実現できたのではないか、このことは重ねて指摘をしてきたところであります。

 定率減税は〇六年度に完全に廃止され、年金課税の見直しと合わせ、国分の収入は二兆八千億円だと聞いております。そのうち、基礎年金の国庫負担引き上げのために回ったのは幾らになるでしょうか。

渡辺政府参考人 平成十七年度及び平成十八年度税制改正における定率減税の縮減、廃止による増収分のうち、基礎年金国庫負担にどのように充当されたのかということでございます。

 それぞれの年度の予算というもので示しておりますけれども、それを合計いたしますと、十七年度から十九年度の各年度において基礎年金国庫負担の引き上げに充当された金額を単純合計した数字で申し上げますと、約三千三百億円、三千三百二十四億円というふうに承知しております。

高橋委員 本当に、これでは完全に国民だましだ。わずか三千三百二十四億円しか入っていないということをあえて言わなければならないと思います。

 ここに、〇七年十一月二十三日の日経新聞を持ってまいりました。「基礎年金の国庫負担上げ」と見出しがあり、「定率減税廃止分を充当」という記事でございます。基礎年金の国庫負担二分の一法案について、与党年金制度改革協議会で所得税の定率減税の廃止分全額を充当する方針を盛り込んだ、そして早期成立を目指したい、このように書いてあります。このままでは多分公約違反になるという公明党さんの強い要請があったということだと思います。

 全額とは、一兆四千億円。これは、先ほどお話しした二兆八千億円のうち、地方交付税に回った分を引き、かつ三千三百二十四億円を引くと、大体一兆四千億円くらいの残りになるのかなという計算になります。

 〇七年の十一月ですので、残念ながらこの法案は出されておりません。なぜ実現しなかったのでしょうか。

渡辺政府参考人 ただいま先生御指摘になりましたのは、平成十九年十一月二十二日の与党の関係議員の協議会の意見の取りまとめの一部を御引用いただいたと思います。

 二十年度の政府予算編成に当たりまして、こうしたさまざまな、政府内だけではない、与党内での御議論というものも積み上げまして、最終的に、与党とされまして二十年度における基礎年金の国庫負担の割合に関する取り決めが行われ、それを踏まえつつ、政府としても二十年度予算編成を行ったものでございます。

 その結果は、その後の法案の扱いは、曲折ございましたけれども、そのときの二十年度予算の編成における政府・与党の決定というのは、現行の国庫負担割合にさらに千三百五十六億円相当の千分の八を加えるというものでございましたので、所要の法案を用意し提出させていただきましたけれども、結果として廃案になった、そういう経緯の一こまであると承知しております。

高橋委員 大臣にも伺いたいと思います。

 先ほどの負担割合の段階的引き上げの道筋は、二十年度はないわけであります。今あったように、審議未了で廃案になったわけですけれども、その法案は、今私が紹介したように、定率減税の廃止分を入れる法案ではなかった。財源は特になかったわけであります。

 ですから、本来であれば、こういう立場で厚労省は臨んできたのかと思いますけれども、なぜできなかったのか。もう一度、大臣の立場で。

舛添国務大臣 それは、それぞれの政治状況、経済状況において、与党の皆さん方がこれが適切であろうという方向でやったことの結果だと思いますので、議院内閣制においては、与党と連携をとりながら、さらにいい政策を続けていきたいと思っております。

高橋委員 国民は何度も裏切られていると思います。

 そもそも消費税が、ことしで二十年目ですけれども、福祉のためといって導入されました。私自身が忘れられないのは、八九年から消費税が導入されまして、当時、反対署名を持って歩くと、高齢者の皆さんは、署名はできません、お国から年金をいただいているから、そういうふうに言って断る方が少なくなかったんですね。そういう気持ちにさせておきながら、結局、その後の二十年間は増税と負担増ばかりではなかったでしょうか。

 百年安心の年金のためといって増税をしました。今度は、百年に一度の不況のためにまた増税だというのでしょうか。結局、国民は今も昔も、お国のためにと我慢ばかりさせられてきたと言えないでしょうか。

 財源がない、財源がないと言う前に、あるところから取ればいいと思います。国際競争力強化のために総額人件費抑制という大命題のもと、正社員から派遣にして人件費を浮かし、派遣切り、正社員切り、言いかえれば、大企業に減税や規制緩和で大もうけをさせ、一方では税金を払える勤労者を減らしてきた政策の誤りではありませんか。消費税増税を言う前に大企業に応分の負担を求めていく、そのことをきちんと大臣がやるべきではありませんか。

舛添国務大臣 中期プログラムでは、社会保障財源として消費税、そしてこれを目的税的に使うということが明記をされております。

 どの税金がいいか、さまざまな税金、それは議論は尽くせないところでありますけれども、広く薄く皆さんに負担していただいて社会保障を支える、そういう意味では消費税のいい点はたくさんあると思います。

 そして、最後になりますが、社会保障は財政にとって負担であるからという発想を捨てて、社会保障、医療であれ介護であれ、そういうものに必要な投資をすることは、日本を明るくし、活力をもたらし、安心を国民にもたらせる、そういう意味での希望への投資である、そういう発想に切りかえて、厚生労働行政をさらに前に進めていきたいと思っております。

高橋委員 そのためには、やはり国民にきちんと説明をし、信頼される制度をつくらなければならないと思います。

 日本の社会保障費に対する企業負担は二五・九%、スウェーデンは四一%、イギリスは三二・四%というように、諸外国に比べて日本は決して高くありません。負担だけを言う前に、まずやるべきことをやるということを重ねて指摘して、終わりたいと思います。

田村委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

田村委員長 この際、本案に対し、上川陽子君外一名から、自由民主党及び公明党の二派共同提案による修正案が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。上川陽子君。

    ―――――――――――――

 国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案に対する修正案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

上川委員 ただいま議題となりました国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、自由民主党及び公明党を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 修正の要旨は、原案において平成二十一年四月一日となっている施行期日を公布の日に改めることであります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

 以上です。

田村委員長 以上で修正案の趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

田村委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、順次これを許します。柚木道義君。

柚木委員 民主党の柚木道義でございます。

 ただいま議題となっております、政府提出、国民年金法等の一部を改正する法律等の一部改正案に反対の立場から討論を行います。

 以下、その理由を申し上げます。

 本法案は、平成十六年年金法改正に基づいて提出され、国庫負担二分の一引き上げについて、所要の安定した財源を確保する税制の抜本的な改革を行った上で、平成二十一年度までの間のいずれかの年度に実施するとあります。

 しかし、税制の抜本的改革は何ら実現せず、困った政府・与党は、みずから存在しないと言っていた埋蔵金に依存をしたのであります。これで百年安心とは、余りにも国民をばかにしています。

 さらに、このたびの委員会審議において、極めて重大な事実が明らかになりました。

 政府は、本年二月に、将来の給付水準を所得代替率五〇・一%とする財政検証結果を公表しておりますが、この試算は納付率八〇%を前提にしています。しかし、我々が実績に近い納付率六五%とした場合の所得代替率を再計算するよう要求したところ、四九・三%という、五〇%を下回る数字が明らかになったのです。これは非常に重大です。

 平成十六年改正で政府・与党は所得代替率五〇%を百年安心といって国民に約束したので、今回、無理やり五〇%維持ありきの試算を公表したのです。都合の悪い数字は出さずに問題をやり過ごそうとする政府・与党の姿勢は、まじめに年金保険料を納め続けている国民への背信行為と言わざるを得ません。

 さらに、委員会審議で舛添大臣は、保険料納付率以外にもさまざまな指標があるとの答弁をされましたが、労働力推計や物価上昇率、賃金上昇率、年金の運用利回り等、とても現実的とは考えられない希望的数値のオンパレードであることが明らかになりました。ここは、国民の皆様に、希望とか願望ではない、実現可能な現実的な数値を再度設定し、所得代替率について再計算すべきです。

 以上、本法案への政府・与党の無責任きわまりない姿勢を見るにつけ、これを本委員会において否決し、真に必要な年金制度の抜本改革を行うべきです。そのことを強く主張いたしまして、私からの討論を終わります。(拍手)

田村委員長 次に、高橋千鶴子君。

高橋委員 私は、日本共産党を代表して、国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。

 低過ぎる給付、高過ぎる保険料、増大している非正規労働者の未加入など深刻な制度の空洞化、年金制度が抱える問題の解決には国庫負担の引き上げが不可欠です。しかし、基礎年金の国庫負担を二分の一に引き上げることを国会が十五年前に決議し、ようやく二〇〇四年度年金制度改定で引き上げが法律に明記されたにもかかわらず、今日まで先送りされてきたことに重大な問題があります。

 この間、国庫負担割合の引き上げに必要な安定した財源を確保するとして政府・与党が行ってきたことは、定率減税の廃止、老年者控除の廃止、公的年金等控除縮減による庶民増税でした。これら国民への負担の押しつけによって得られた増収分を国庫負担割合引き上げに充てていれば、二分の一の国庫負担は既に実現していたはずです。ところが、実際に充てられたのは増税分の二割弱にすぎません。

 本法案は、二分の一の国庫負担を実現するため、今年度と来年度については財政投融資特別会計から一般会計への特例的な繰入金を活用し、その後については消費税増税を含む税制改正によって財源にすることを明確にしました。消費税は、言うまでもなく所得の低い人ほど負担が重い逆進的な税制であり、社会保障の財源として最もふさわしくないものです。その上、年金財源のためだといって消費税増税では、年金者は丸々負担増になってしまいます。事前に国民の審判を経ることなく増税のレールを敷く法律を通すことは、民主主義の原則を踏みにじるものであり、断じて許すことはできません。

 我が党は、消費税に頼ることなく、無駄遣いや軍事費などの浪費を削減し、大企業や高額所得者に応分の負担を求めるなどで財源を確保するべきと考えます。百年安心どころか、五年目の財政検証で既に年金制度の設計が破綻していることも明らかになりました。今こそ、最低保障年金制度の創設など、だれもが安心して老後を迎えることができる年金制度を確立すべきことを強く訴えて、討論とします。(拍手)

田村委員長 次に、阿部知子君。

阿部(知)委員 社会民主党の阿部知子です。

 私は、社会民主党・市民連合を代表して、国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案について、反対の立場から討論をいたします。

 反対の理由の第一は、基礎年金国庫負担を二分の一へ引き上げる財源が、二〇〇九年、一〇年度の二年は財政投融資特別会計、いわゆる埋蔵金からの特例的な繰り入れであり、その先は逆進性の高い消費税の引き上げが暗に前提となっているからです。

 第二の理由は、本法案には、現行の年金制度を直視し、その問題点や弱点を見直す方策が全く示されていないからです。今回の基礎年金国庫負担引き上げには二・三兆円という巨額の税財源が必要ですが、現行制度のひずみを残したまま巨額の税金を投入し続けることになりかねません。

 政府・与党は、二〇〇九年財政検証の結果から、二〇〇四年の年金改革の際に掲げた、標準世帯の所得代替率五〇%を年金で確保するという公約は守られているとしています。しかし、足元の経済状況が深刻な事態にあるにもかかわらず、検証に用いられている前提条件は、出生率を除いて、名目賃金上昇率、名目運用利回り、実質経済成長率など、すべて高目、好転することになっており、到底現実に見合っておりません。

 国民年金保険料の納付率については、現状の六〇%台が八〇%まで上がると見込んでいます。舛添厚生労働大臣の答弁によれば、この数字は行政目的であるということですが、いわば厚労省の努力目標値で、年金財政の推計が可能なのでしょうか。今回の長期見通しは、所得代替率五〇%達成という結論を導くために、前提条件となる数値を逆算したと見られても仕方がありません。極めて恣意的で、第三者機関のチェックが全くないことなど、大きな問題をはらんでいます。

 第三の理由は、財政検証によって、年金受給を減らすマクロ経済スライドの適用が二〇二五年から二〇三八年まで引き延ばされ、さらに、納付率八〇%がなければ、これもまた延長されることです。マクロ経済スライドの長期化によって年金は減少し続け、基礎年金の最低保障機能はさらに劣化します。

 自営業者や厚生年金に入れなかった非正規労働者など国民年金の加入者は、基礎年金のみを受給することになり、もともと低い年金額がさらに目減りし、加えて消費税のアップが追い打ちをかけるプログラムを断じて認めるわけにはまいりません。

 最後に、年金制度は抜本的に改革する以外ないと考えますが、そのためにも、正確なデータに基づいて、現行制度の問題点や弱点を着実に改めていく不断の努力が強く求められています。このことを申し添えて、私の反対討論といたします。(拍手)

田村委員長 以上で討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

田村委員長 これより採決に入ります。

 内閣提出、国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。

 まず、上川陽子君外一名提出の修正案について採決いたします。

 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

田村委員長 起立多数。よって、本修正案は可決されました。

 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。

 これに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

田村委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

     ――――◇―――――

田村委員長 この際、お諮りいたします。

 長勢甚遠君外九名提出、社会保険の保険料等に係る延滞金を軽減するための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案及び長妻昭君外六名提出、厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付の支払の遅延に係る加算金の支給に関する法律案につきまして、それぞれ提出者全員より撤回の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

田村委員長 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。

 社会保険の保険料等に係る延滞金を軽減するための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。

 本件につきましては、先般来各会派間において御協議をいただき、今般、意見の一致を見ましたので、委員長において草案を作成し、委員各位のお手元に配付いたしております。

 その起草案の趣旨及び内容について、委員長から御説明申し上げます。

 現下の厳しい経済社会情勢の中、社会保険の保険料等の期限内の納付が困難になっている事例が多くあると考えられ、このような場合、年一四・六%の割合で課せられる延滞金は、事業主等にとって大変重い負担となっております。

 本案は、こうした事業主等の経済的負担の軽減に資するため、国税徴収の例を参考にし、社会保険の保険料等に係る延滞金の割合を納付期限から一定期間軽減する措置を講じようとするものであります。

 以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。

 現行では年一四・六%の割合で徴収している社会保険の保険料等に係る延滞金のうち、広く事業主が負担・納付義務を負っている厚生年金保険料、健康保険料、児童手当拠出金等に係る延滞金については納付期限の翌日から三月を経過する日までの間、労働保険料等に係る延滞金については納付期限の翌日から二月を経過する日までの間、それぞれ年七・三%に軽減することとしております。

 ただし、当分の間、日本銀行が定める基準割引率に年四%を加算した割合が年七・三%に満たない場合は、その割合とすることとしております。

 なお、この法律は、一部を除き、平成二十二年一月一日から施行することとし、延滞金の軽減措置は、施行日以後に納付期限の到来する保険料等に係る延滞金に適用することとしております。

 以上が、本起草案の趣旨及び内容であります。

    ―――――――――――――

 社会保険の保険料等に係る延滞金を軽減するための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

田村委員長 この際、本起草案につきまして、衆議院規則第四十八条の二の規定により、内閣の意見を聴取いたします。舛添厚生労働大臣。

舛添国務大臣 衆議院厚生労働委員長提出の社会保険の保険料等に係る延滞金を軽減するための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案につきましては、政府としては異議はありません。

田村委員長 お諮りいたします。

 お手元に配付いたしております草案を社会保険の保険料等に係る延滞金を軽減するための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

田村委員長 起立総員。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

田村委員長 次に、厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付の支払の遅延に係る加算金の支給に関する法律案起草の件について議事を進めます。

 本件につきましては、先般来各会派間において御協議をいただき、今般、意見の一致を見ましたので、委員長において草案を作成し、委員各位のお手元に配付いたしております。

 その起草案の趣旨及び内容について、委員長から御説明申し上げます。

 年金記録問題については、政府においてさまざまな対応策が実施されておりますが、問題発覚後二年余りを経過した現在においても、いまだ解決に至っておらず、一刻も早くすべての方の年金記録を正しいものとすることが求められております。

 また、年金記録が訂正され、訂正後の正しい年金額が支給された場合であっても、本来の支給日から大幅におくれて支給された方に対しては、特段の措置は講じられておりません。

 本案は、こうした年金記録問題の重大性及びこの問題に緊急に対処する必要性にかんがみ、かつ、公的年金制度に対する国民の信頼を速やかに回復するため、年金記録の訂正がなされた上で年金給付等を受ける権利に係る裁定が行われた場合において、大幅に遅延して支払われる年金給付等の額について、その現在価値に見合う額となるようにするための特別加算金を支給しようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。

 第一に、社会保険庁長官は、厚生年金保険及び国民年金の受給権者等について、年金記録の訂正がなされた場合において、年金時効特例法に基づいて支払われる年金給付等の全額を基礎として、本来の支払い日から実際の支払い日までの間の物価の状況を勘案して政令で定めるところにより算定した特別加算金を支給するものとすること。

 第二に、国は、適正な年金記録に基づく年金給付の支給に係る業務が円滑かつ迅速に遂行されるよう、当該業務に従事する人材の確保その他必要な体制の整備を図るものとすること。

 なお、この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。

 以上が、本起草案の趣旨及び内容であります。

    ―――――――――――――

 厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付の支払の遅延に係る加算金の支給に関する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

田村委員長 この際、本起草案につきまして、衆議院規則第四十八条の二の規定により、内閣の意見を聴取いたします。舛添厚生労働大臣。

舛添国務大臣 衆議院厚生労働委員長提出の厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付の支払の遅延に係る加算金の支給に関する法律案につきましては、政府としては特に異議はありません。

田村委員長 お諮りいたします。

 お手元に配付いたしております草案を厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付の支払の遅延に係る加算金の支給に関する法律案の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

田村委員長 起立総員。よって、そのように決しました。

 なお、ただいま委員会提出と決しました両法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時三十二分散会


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