衆議院

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第3号 平成21年11月20日(金曜日)

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平成二十一年十一月二十日(金曜日)

    午前九時十六分開議

 出席委員

   委員長 藤村  修君

   理事 青木  愛君 理事 石森 久嗣君

   理事 内山  晃君 理事 黒田  雄君

   理事 中根 康浩君

      相原 史乃君    大西 健介君

      岡本 英子君    菊田真紀子君

      郡  和子君    斉藤  進君

      園田 康博君    田名部匡代君

      田中美絵子君    長尾  敬君

      仁木 博文君    初鹿 明博君

      樋口 俊一君    福田衣里子君

      藤田 一枝君    細川 律夫君

      三宅 雪子君    水野 智彦君

      宮崎 岳志君    室井 秀子君

      山岡 達丸君    山口 和之君

      山崎 摩耶君    山井 和則君

      高橋千鶴子君    阿部 知子君

    …………………………………

   厚生労働大臣       長妻  昭君

   厚生労働副大臣      細川 律夫君

   厚生労働副大臣      長浜 博行君

   厚生労働大臣政務官    山井 和則君

   厚生労働大臣政務官    足立 信也君

   政府参考人

   (厚生労働省健康局長)  上田 博三君

   政府参考人

   (厚生労働省医薬食品局長)                      高井 康行君

   厚生労働委員会専門員   佐藤  治君

    ―――――――――――――

委員の異動

十一月十九日

 辞任         補欠選任

  江田 憲司君     柿澤 未途君

同日

 辞任         補欠選任

  柿澤 未途君     江田 憲司君

同月二十日

 辞任         補欠選任

  福田衣里子君     山岡 達丸君

  江田 憲司君     柿澤 未途君

同日

 辞任         補欠選任

  山岡 達丸君     福田衣里子君

  柿澤 未途君     江田 憲司君

    ―――――――――――――

十一月二十日

 独立行政法人地域医療機能推進機構法案(内閣提出第八号)

同日

 介護保険制度の改善、社会保障の充実を求めることに関する請願(樋口俊一君紹介)(第三六三号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第四〇三号)

 同(笠井亮君紹介)(第四〇四号)

 同(穀田恵二君紹介)(第四〇五号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第四〇六号)

 同(志位和夫君紹介)(第四〇七号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第四〇八号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第四〇九号)

 同(宮本岳志君紹介)(第四一〇号)

 同(吉井英勝君紹介)(第四一一号)

 同(山崎摩耶君紹介)(第四五七号)

 肝炎対策基本法の制定に関する請願(郡和子君紹介)(第三六四号)

 同(樋口俊一君紹介)(第三六五号)

 同(大村秀章君紹介)(第四一二号)

 同(岡本充功君紹介)(第四一三号)

 同(田名部匡代君紹介)(第四一四号)

 同(田中和徳君紹介)(第四一五号)

 同(長尾敬君紹介)(第四一六号)

 同(藤田一枝君紹介)(第四一七号)

 同(古屋範子君紹介)(第四一八号)

 同(阿部知子君紹介)(第四五八号)

 同(岡本充功君紹介)(第四五九号)

 同(武部勤君紹介)(第四六〇号)

 同(中後淳君紹介)(第四六一号)

 同(初鹿明博君紹介)(第四六二号)

 同(水野智彦君紹介)(第四六三号)

 同(山崎摩耶君紹介)(第四六四号)

 看護師をふやし、命を大切にする国に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第三六六号)

 同(笠井亮君紹介)(第三六七号)

 同(穀田恵二君紹介)(第三六八号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第三六九号)

 同(志位和夫君紹介)(第三七〇号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第三七一号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第三七二号)

 同(宮本岳志君紹介)(第三七三号)

 同(吉井英勝君紹介)(第三七四号)

 同(松崎哲久君紹介)(第四一九号)

 同(田中美絵子君紹介)(第四六五号)

 後期高齢者医療制度廃止や母子加算復活などを求めることに関する請願(小宮山泰子君紹介)(第三七五号)

 同(穀田恵二君紹介)(第三九五号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第三九六号)

 同(神風英男君紹介)(第三九七号)

 同(阿部知子君紹介)(第四四四号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第五〇四号)

 同(笠井亮君紹介)(第五〇五号)

 同(穀田恵二君紹介)(第五〇六号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第五〇七号)

 同(志位和夫君紹介)(第五〇八号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第五〇九号)

 同(下条みつ君紹介)(第五一〇号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第五一一号)

 同(宮本岳志君紹介)(第五一二号)

 同(吉井英勝君紹介)(第五一三号)

 地域医療の再生を求めることに関する請願(竹田光明君紹介)(第三七六号)

 同(阿部知子君紹介)(第四四五号)

 同(初鹿明博君紹介)(第四四六号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第五一四号)

 同(笠井亮君紹介)(第五一五号)

 同(穀田恵二君紹介)(第五一六号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第五一七号)

 同(志位和夫君紹介)(第五一八号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第五一九号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第五二〇号)

 同(宮本岳志君紹介)(第五二一号)

 同(吉井英勝君紹介)(第五二二号)

 現行保育制度に基づく保育施策の拡充を求めることに関する請願(服部良一君紹介)(第三七七号)

 同(奥田建君紹介)(第三九九号)

 同(亀井静香君紹介)(第四〇〇号)

 同(木内孝胤君紹介)(第四〇一号)

 同(横山北斗君紹介)(第四〇二号)

 同(阿部知子君紹介)(第四五二号)

 同(鈴木克昌君紹介)(第四五三号)

 同(田中美絵子君紹介)(第四五四号)

 同(橋本勉君紹介)(第四五五号)

 同(江端貴子君紹介)(第五二四号)

 同(黒岩宇洋君紹介)(第五二五号)

 労働者派遣法の早期抜本改正を求めることに関する請願(樋口俊一君紹介)(第三七八号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第五二六号)

 後期高齢者医療制度を中止し、廃止を求めることに関する請願(塩川鉄也君紹介)(第三九八号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第五二三号)

 現下の厳しい雇用・失業情勢を踏まえた労働行政の拡充・強化を求めることに関する請願(阿部知子君紹介)(第四三八号)

 同(大西健介君紹介)(第五三九号)

 同(斉藤進君紹介)(第五四〇号)

 同(長尾敬君紹介)(第五四一号)

 生活保護の老齢加算、母子加算をもとに戻すことに関する請願(阿部知子君紹介)(第四三九号)

 青年の雇用安定と派遣法の抜本改正を求めることに関する請願(阿部知子君紹介)(第四四〇号)

 中小業者とその家族の健康を守る対策に関する請願(野田国義君紹介)(第四四一号)

 同(城井崇君紹介)(第五四二号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第五四三号)

 同(宮本岳志君紹介)(第五四四号)

 同(吉井英勝君紹介)(第五四五号)

 じん肺とアスベスト被害の根絶を求めることに関する請願(阿部知子君紹介)(第四四二号)

 同(照屋寛徳君紹介)(第四四三号)

 同(北村茂男君紹介)(第五〇三号)

 保険でよい歯科医療の実現を求めることに関する請願(鈴木克昌君紹介)(第四四七号)

 小規模作業所等成人期障害者施策に関する請願(阿部知子君紹介)(第四四八号)

 同(水野智彦君紹介)(第四四九号)

 細菌性髄膜炎関連ワクチンの定期接種化を求めることに関する請願(阿部知子君紹介)(第四五〇号)

 同(古屋範子君紹介)(第四五一号)

 後期高齢者医療制度の廃止など国民の暮らしを守ることに関する請願(野田国義君紹介)(第四五六号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第五三六号)

 同(宮本岳志君紹介)(第五三七号)

 同(吉井英勝君紹介)(第五三八号)

 後期高齢者医療制度の廃止など暮らしを守ることに関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第五〇二号)

 高齢者に負担増と差別医療を強いる後期高齢者医療制度の中止・撤回を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第五二七号)

 同(笠井亮君紹介)(第五二八号)

 同(穀田恵二君紹介)(第五二九号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第五三〇号)

 同(志位和夫君紹介)(第五三一号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第五三二号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第五三三号)

 同(宮本岳志君紹介)(第五三四号)

 同(吉井英勝君紹介)(第五三五号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済等に関する特別措置法案(内閣提出第七号)

 独立行政法人地域医療機能推進機構法案(内閣提出第八号)


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     ――――◇―――――

藤村委員長 これより会議を開きます。

 開会に先立ちまして、自由民主党・改革クラブ、公明党、みんなの党所属委員に対し、御出席を要請いたしましたが、御出席が得られません。

 再度理事をして御出席を要請いたさせますので、しばらくお待ちください。

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

藤村委員長 速記を起こしてください。

 理事をして再度御出席を要請いたさせましたが、自由民主党・改革クラブ、公明党、みんなの党所属委員の御出席が得られません。やむを得ず議事を進めます。

 内閣提出、新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済等に関する特別措置法案を議題といたします。

 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。長尾敬君。

長尾委員 民主党・無所属クラブの長尾敬でございます。

 本日は、私の初質問の機会を早々に与えていただきましたこと、心から御礼を申し上げます。

 また、政務三役を初め、厚生労働省の皆様におかれましては、とりわけ新型インフルエンザ対策に大変な御尽力をいただいておりますこと、心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。

 それでは、質問に入ります。

 まず大前提として、この際、今回の新型インフルエンザ対策におきまして、本法案を迅速かつ円滑に成立させ、一刻も早く特別措置を講じ、法案提出理由にあるように、緊急にインフルエンザ予防接種の円滑な実施を図る必要があると認識をいたしております。

 しかし、過去の我が国の脆弱なワクチン行政の経過を精査いたしますと、今回の法案提出は、国家危機管理上最低限の方策として、ある意味、万やむなしという印象を排除できないわけでございます。今後、別の新型インフルエンザ、第二波、第三波に向けた対応が必要と考えますので、本法案に関する課題などを確認し、今回に学び将来に備え、万難を排してまいりたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。

 まず、現環境の中ででき得る限りの、国産ワクチンの生産体制を拡充強化するための検討がなされ、迅速な対応を実施してきたと思いますが、ワクチン需要に対して国産ワクチンの供給が追いつかず、やむなく輸入ワクチンに頼らざるを得なかったという厳然たる事実経過を認識できるわけでございます。

 そこで、輸入ワクチンの量につきまして足立政務官に御質問をいたします。

 素朴な疑問として、感染者がふえているということはワクチン接種必要者も減るとも判断でき、さらには、当初、接種回数を二回とする方針が打ち出され、その後一回接種の対象者もふえた。ならば、接種回数見直し後の必要ワクチン数は減少するのではないかと思います。それでも五千万人分の輸入ワクチンを対応する必要があるのか、お尋ねをいたします。

足立大臣政務官 おはようございます。

 今の御質問は、ひとえに接種回数と接種率にかかってくる話だと思います。

 接種回数につきましては、いろいろな報道はありますけれども、十一月十一日、直近の判断はどういうふうにしたか、まずはそこだけ御説明したいと思います。

 十月十六日、十九日の時点では、健康成人二十代から五十代の医療従事者に対する臨床試験が行われておりました。十月十六日に途中経過という形で中間報告がされました。

 この前、棚橋委員から質問があって資料が提出されたと思いますけれども、基準がいろいろあります。御案内のように、ワクチンというのは本来、その予防効果があるのかどうか、これは二十年ぐらいかけて調べないとわからないものです。ですから、急性期はどういう判断をするかということで、抗体価の上昇ということで免疫力がしっかりついたかどうか判断するわけでございます。

 一回目の結果が、EMEA、ヨーロッパの基準を参考にしているわけですけれども、三つ条件があります。そのうち私が一番気にしているのは、四十倍以上抗体価が上がった、このパーセントが七割以上に達すれば効果はあるという判断の基準が一つあるわけです。これに達した方々が一回目で七五%。

 つまり、私たちが一番懸念したのは、七五%でよしとするのか、二回打ったら九五%の方あるいは一〇〇%の方に抗体ができるとしたら、一回でやめていいのかということを一番懸念したわけです。しかし、基準を満たしているということで、二十代から五十代の健常な方々は一回でいいだろう。

 今回の決定は、二回目の結果が出ました。そして驚くことに二回目の結果は、先ほど私が七五%と言ったのを測定し直したら、一回目では七三・五%でした。二回目は七一%に下がったわけです。つまり、抗体価が上昇する人の割合が二回でふえない、しかし副反応はある。だとしたら一回の方がいいのではないか。

 ただ、ここで大きな問題があります。どれだけ持続するかということです。ですから、この前の意見交換会に私が冒頭出て申し上げたことは、どれだけ持続するかについての臨床試験もしっかりやってもらいたい、その検討をしてもらいたい、これが二、三カ月で低下するようではもう一度やらなきゃいけない、そういう事態になるわけです。このことを申し上げました。残念ながら、意見交換会ではその点は余り取り上げられなかったようですが、それは課題だと思っています。

 そこで、健常な方々は一回でもいい、あるいは二回やらない方がいいのではないかということに関して、一歳未満のお子さんを有する保護者の方々も、健常と考えられる、それは一回でいいだろう。基礎疾患を有する方々も、原則一回だけれども、免疫力が落ちていると判断したら二回はやっても構わないのではないか。六十五歳以上の方々は、基礎疾患を有する方々の中にかなり入っています。免疫状態が正常であると思われたら一回でいいと判断しているわけですから、一回というふうになってくる。残るは妊婦さんと十三歳以上の方となるわけですね。

 そこで、あとは接種率の問題です。

 当初は、国産、輸入合わせて、二回を原則に七千七百万人分確保すると私たちが言ったことは、接種率が三割という予想でやったわけです。しかし、現状を見ておりますと、接種率はかなり高くなることが予想される。これで国産五千四百万回分、そして輸入九千九百万回分になるわけです。合わせると一億五千三百万回分ですね。

 そうなると、私たちは、優先接種者だけではなくて、希望するほとんどの方々に接種していただきたいという希望があるわけです。そして議員おっしゃるように、一回感染した方々、これは証明は非常に難しいです。本当はPCRではかって、本当に新型インフルエンザに感染したか証明しなきゃいけないですけれども、今、A型はほとんどは新型であるということに関して、私どもは十一月十一日に、一度かかった方々は接種する必要はないのではないか、こういうことを申し上げました。

 今申し上げたいのは、まだ二回接種の可能性がある方が、基礎疾患を有していて免疫力が下がっていると思われる方、そして十三歳未満の方、中高生はまだ原則二回、臨床試験の結果を見て一回にするかどうか考えるというふうになっておりますから、全体の数としては、希望するすべての方々に接種するためには国産だけでは足りない。それから輸入ワクチンの量も、これは特例承認をしなけりゃいけません、一社は十二月中旬、もう一社は一月中旬の予定ですが、それが安全性、有効性をきちんと満たして全量輸入できるかどうかはまだ未確定の部分がございます。

 ですから、今は希望する国民の方々全員に接種できるように確保する。余るのではないかというのは、必ずしも、まだそこまで結論は言えないということでございます。

長尾委員 ありがとうございました。

 希望する方すべてに接種ができる、まさに安心と安全をつくり上げる鳩山政権たる一つの方針を聞いて、とても心強く思いました。

 時間も限られております。次の質問に参ります。

 本法案におきまして、海外ワクチン製造者の負った損失を国が肩がわりできることを契約に盛り込まなければワクチンの輸入は不可能となる。実は、この契約は国と海外ワクチン製造業者間の秘密保持契約として取り扱われているということです。

 そこで、足立政務官にお尋ねします。

 契約では、どのような損失をどの程度補償するのかについて明らかにされていない点、そして、日本政府として初めての契約形態であるそうですが、無制限補償であるという点、また、国産ワクチン製造者の損失は補償せず、輸入ワクチン製造者について補償されるというのは公平感を欠くのではないかと感じますが、足立政務官の見解をお尋ねいたします。

足立大臣政務官 質問は二点あったかと思います。

 まず後半の部分の、不公平感ということにつきましては、これは委員のおっしゃることはよく理解できます。

 もう一点目は、今回の、海外のワクチン製造販売業者に対する補償の内容ということでございました。

 これは、今審議中の法案の第十一条になると思いますが、「新型インフルエンザワクチンの国内における使用による健康被害に係る損害を賠償することその他当該購入契約に係る新型インフルエンザワクチンに関して行われる請求に応ずることにより当該相手方及びその関係者に生ずる損失を政府が補償する」ということになっております。

 これは国の事業ですから、国家賠償法にのっとる話だと思います。しかし、医療機関あるいは製造販売業者を相手方として賠償請求訴訟等をされた場合には、そこで和解あるいは敗訴という形で補償しなければならないということが生じる可能性はあります。それに対しては、政府がそれを補うという形になっております。

 これは契約上の秘密事項ですので、全容を明らかにすることはできませんが、少なくともその部分は必須の項目でありまして、これは海外の契約の事例も、すべてといいますか、今二十カ国手に入っておりますけれども、そこは同様の契約を結んでおるということでございます。

長尾委員 ありがとうございました。

 それでは、長妻厚生労働大臣にお尋ねします。

 私ごとですが、長妻当時一回生衆議院議員、そして私、会社員のときの出会いから十余年。本日、厚生労働大臣、そして衆議院議員という立場で質問させていただくこと、本当に感無量でございます。

 今回の特別措置法案、この周辺、こういったことを踏まえまして、今後、新たなる予防接種の実施体制、健康被害に関する対応策もさらに必要になると思います。

 厚生労働大臣におかれましては、民主党政権となり、今後、前政権の負の遺産ともいうべき我が国の脆弱なワクチン行政をどう立て直していかれるのか、新薬としての国産ワクチン製造者をどのように育成し、国民の生活に安心と安全をつくり上げていくのか、国民に安心感を与える将来展望をお尋ね申し上げます。

長妻国務大臣 お答えを申し上げます。

 今おっしゃられたように、国産ワクチンの製造体制というのは、過去いろいろな事情があり、私も委員の御指摘どおり不十分だ、こういう意識を持っているところでございます。

 そこで、私としては、全国民に半年ぐらいの間で、細胞培養という手法を使ってワクチンを行き渡らせる、こういう体制を何とか整備したい、五年後程度をめどにということが一つ。

 そして、もう一つは法律の措置でございますけれども、この中にも、「速やかに検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。」ということがこの法案にも書いてございますので、できるだけ早く、そういう法案についてもきちっとした形で接種体制を整えていきたいというふうに考えております。

長尾委員 政権交代、多くの国民、有権者の皆さんは民主党政権、鳩山政権に期待をされています。このインフルエンザ対策、まさに国民の安心と安全を守る上で全国民が注目しておりますので、今後ともすばらしい取り組みを期待申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

藤村委員長 次に、石森久嗣君。

石森委員 民主党・無所属クラブ、石森久嗣でございます。

 厚生労働行政の現場で、長妻大臣と御一緒に仕事ができることを大変うれしく思っております。

 時間も限られておりますので、早速質問に入らせていただきます。

 現在、新型インフルエンザが猛威を振るっております。その対応は、我が国において重要な課題であります。先日より各党の代表質問を聞いております限り、非常に各議員の皆様の認識の違いを感じております。

 新型インフルエンザの感染力は高い、しかし病原性は低いものであり、季節性インフルエンザと同じ程度であるという御意見が多くあります。しかし、日本では非常に危機意識が高いために、非常に早く医療機関を受診され、医療機関も早い段階で、極めて効果の高いタミフルを処方されております。また、学校閉鎖、学級閉鎖も頻繁に行われ、感染の拡大予防に一役買っていると言えるのではないでしょうか。

 しかし、米国あるいはニュージーランド、オーストラリアは、日本に比べタミフルの処方は極めて遅く、平均でも約八日と言われております。そして、死亡率が非常に高い数字を示している。このことを考えますと、新型インフルエンザの病原性は我々が感じている以上に高いものであり、現段階での認識は、私は間違っているのではないかというふうに思っております。

 重症肺炎はウイルス性肺炎で、急激な発症形態をとり、ウイルス性脳症でも非常に急激な発症で死亡率が上がっております。片や、季節性インフルエンザで亡くなる方、多くは御高齢であり、その肺炎はウイルス性肺炎ではなく、二次性の細菌性肺炎であります。また、肺炎により寝たきりとなり亡くなる方が多く、決してウイルスの増殖が主たる死因ではありません。

 そのことを考慮いたしますと、今回のインフルエンザウイルスの病原性は比較的高い、いや、極めて高いのではないかと私は思っております。ぜひ長妻大臣の御認識をお伺いしたいと思います。お願いいたします。

長妻国務大臣 お答えを申し上げます。

 今おっしゃられたのは、今回の新型インフルエンザと季節性インフルエンザの程度ということでありますけれども、確かに、一概に比べることはなかなか難しい。つまり、発症する年齢層やあるいは症状の出方等々、いろいろ異なるところがございまして、一律に比べることは難しいわけであります。

 例えば、各国の研究者が算出している新型インフルエンザの患者のうち死亡した方の割合、致死率についても、百万人のうちの四人というデータもありますし、千人のうちの六人弱というものまであり、さまざまであって、病原性についても、専門家の間でも統一した見解が得られていないということであります。

 いずれにしても、国民の皆様方にとっても、これは今大変な脅威に感じておられるわけでありますので、万全な対策をとり、入院や死亡の状況、ウイルス遺伝子レベルの解析などについて、その変化について常に把握して、必要に応じて国民の皆さんに情報を提供する必要があるというふうに考えているところであります。

石森委員 ありがとうございます。

 第二問に移らせていただきます。

 新型インフルエンザにおける肺炎や脳症の重症化を防ぐ方法は、やはりワクチン接種しかありません。そこで、ワクチン接種についての質問をさせていただきます。

 国内製造インフルエンザワクチンは、季節性インフルエンザワクチンと製法も同じであり、既に効果も十分確認済みであります。そうなれば、第一に用いるのは国内製造ワクチンです。しかし、国内製造ワクチンが間に合わないために輸入ワクチンに頼らなければならないこの状況。ワクチン行政のおくれから仕方がないことだと認識しております。

 ただ、輸入ワクチンは精製方法も違います。御存じのとおり、アジュバントも加えられております。実際に、国内製造のものと全く違う中で、危機管理という観点から使用はやむを得ない、しかし、しっかりとした情報開示が必要であります。副反応、効果など、仕入れた情報をしっかりと国民の皆様にお示しすること、それで理解が得られると思います。

 また、アジュバント入りということで、筋肉注射ということでありまして、国内産は皮下注であります。用法が全く違う。今までずっと皮下注でやっていた現場が、ある日突然パッケージが変わり、筋肉注射に変わったときには、一日数十名の方々を接種する現場においてはやはり大混乱になってしまうのではないかというふうに思います。

 副反応、あるいは効果、そしてその接種方法をしっかりと現場に周知徹底していただきたいと思います。その点について長妻大臣の御意見をいただきたいと思います。

長妻国務大臣 今の御指摘は私も同感でございまして、輸入ワクチンを使うときには、きちっと国民の皆様に、副反応も含めた情報をわかりやすく的確に提供するということが前提になろうかと思います。

 海外産のワクチンについては、鶏卵ではなくて細胞で培養されている。そして御指摘のとおり、アジュバント、これは免疫増強剤ですけれども、これを添加しているということで、国内で未使用のものも含まれておりまして、安全性、有効性の評価を慎重に行わなきゃいけない。

 特例承認という形でこれを承認させていただくわけですが、その前に、臨床試験結果等を取りまとめた報告書、申請資料の概要について公表するということもいたします。薬事分科会での公開の審議を行うなど、国民の皆様に積極的に情報提供をして御理解いただくということも取り組んでまいります。そして使用方法についても、御指摘のとおり、皮下注じゃなくて筋肉注射ということでございますので、これについても十分、医療関係者、関係各位に周知していくということを徹底してまいりたいというふうに考えております。

石森委員 ありがとうございます。

 特に、皮下注であったものが、皮下注から突然筋肉注射になって、それを間違って皮下注してしまったときには、非常に大きくはれたり、副反応が非常に出てまいります。そうなってきますと、一九八〇年代後半から約十年間の、まさに魔の、停滞してしまったワクチン行政がまた再来してしまいますので、ぜひ周知徹底をしていただきたいと思います。

 続きまして、二十世紀のインフルエンザの流行といえばスペイン風邪、あるいは香港風邪、必ず流行は二回来るということが言われております。今回も、第二波の猛威が来年来ることが考えられます。今回の、第一波の教訓を来年に生かさなければなりません。ワクチンの精製そして確保、タミフル、リレンザの備蓄も早急な課題だと思います。

 通常、第一波については抗インフルエンザ薬での対応、第二波はワクチン接種での対応を考えることが自然であります。インフルエンザウイルス株は、来年二月から三月、WHO、世界保健機構から示され、決定されます。そうなりますと、鶏卵製法での精製には約半年かかる。現場での接種はまた九月から十月ごろとなってしまいます。すなわち、来年も、本年と同様に現場での混乱が考えられます。この混乱を回避するためにどのような方策があるか、ぜひ足立大臣政務官にお聞きしたいと思います。お願いいたします。

足立大臣政務官 委員おっしゃるように、治療薬あるいは予防薬ということでは、ワクチンとタミフル、リレンザという形になるわけです。

 まずワクチンにつきましては、これは新型インフルエンザ、H1N1だけではなくて、季節性のインフルエンザも対応しなければいけない。これは、例年二千八百万人分、ことしは新型に対応しなければいけないので二千二百二十万人分。それからもう一つ大事なことは、鳥インフルエンザ、H5N1、これに対してはプレパンデミックワクチン、パンデミックになっていませんからプレパンデミックなんですけれども、これは三千万人分という形で準備しております。

 WHOの話は、先ほど委員がされましたとおりです。いずれにしても、今回の新型インフルエンザ、H1N1に対するワクチン製造が終わり次第、直ちにそこに取りかかる。それから、先ほど長尾委員に対する答弁で大臣が申し上げたように、細胞培養をして、ワクチン製造を半年でできるようにという形の取り組みをやりたいということでございます。

 それから、タミフル、リレンザにつきましては、これは現在二千八百万人分の流通しているものがございます。ほとんどそれで今は賄えている。さらに、備蓄分として四千七百万人分を国と都道府県で備蓄しておりまして、さらに国としては三百五十万人分を追加備蓄する、そういう予定にしております。

 ですから、それで十分ですかと言われると、全人口分はないではないかというのはあるかもしれませんが、国としてはかなりのワクチン、三種のワクチン、それからタミフル、リレンザについても確保をしておるという状況でございます。

石森委員 ありがとうございます。

 国民の安心、安全をつくるためにしっかりと携わっていただければと思います。

 最後の質問をさせていただきます。

 長尾委員の質問と重なる部分もありますが、今回の新型インフルエンザの猛威を教訓に、我が国のワクチン行政のあり方をぜひしっかりと見直していただきたいと思います。今後、まさに鳥インフルエンザ、H5N1の猛威も予想される中、今回のような状況が来るとすれば、国民の皆さんの民主党政権に対する大きな期待を裏切ることとなってしまいます。また、鳥インフルエンザの猛威により有精卵の確保が滞ってしまうとすれば、多くの国民の皆さんの命が失われてしまいます。そうなる前に、大臣の強いリーダーシップにより、ワクチン行政のあり方をしっかりと考え直していただきたいと思います。

 国内製造ワクチンの新しい精製方法、先ほどもありました細胞培養法などの確立と同時に、医療の不確実性、あるいはワクチンの不確実性をしっかりと国民の皆様に示していただき、副作用のあり方もしっかりと周知していただき、繰り返しになりますが、決して一九八〇年代後半からの魔の十年間の再来とならないように努めていただきたいと思います。

 国民の皆様の命を守るという決意を、ぜひ長妻大臣にお伺いしたいと思います。お願いいたします。

長妻国務大臣 日本のワクチン行政というのは、今るる御指摘があったこともあり、私自身は不十分な体制であるというふうに感じております。

 先ほど輸入ワクチンのお話を申し上げましたけれども、これについては二社から輸入をするということになっておりまして、一社は細胞培養にアジュバントを使っている、もう一社は鶏卵培養にアジュバントを使っている、こういうことが正確でございます。

 おっしゃられたように、日本の国産ワクチンについても、細胞培養という形で、例えば半年の間に全国民に行き渡るようなワクチンを製造できる、そういう体制を整備するというのが必要だ、安心にもつながるのではないかというふうに私は考えておりまして、五年をめどに、そういう体制を行政としてもバックアップをしていく。もちろん、ワクチンだけですべてが解決するわけではありませんので、その提供体制や周辺を取り巻く医療の体制の確保、そして何よりも、説明をわかりやすく的確にするということも、今後とも取り組んでいきたいというふうに考えております。

石森委員 ありがとうございました。

 大臣の強い決意をしっかりと聞かせていただきました。私も、医師として十五年間医療現場におりました。大臣を支える立場として、しっかりと意見を述べさせていただきたいと思います。

 質問を終わります。ありがとうございました。

藤村委員長 これより自由民主党・改革クラブの質疑時間に入ります。

    〔委員長退席、中根委員長代理着席〕

    〔中根委員長代理退席、委員長着席〕

    〔委員長退席、中根委員長代理着席〕

    〔中根委員長代理退席、委員長着席〕

藤村委員長 これにて自由民主党・改革クラブの質疑時間は終了いたしました。

 これより公明党の質疑時間に入ります。

    〔委員長退席、中根委員長代理着席〕

    〔中根委員長代理退席、委員長着席〕

藤村委員長 これにて公明党の質疑時間は終了いたしました。

    ―――――――――――――

藤村委員長 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として厚生労働省健康局長上田博三君、医薬食品局長高井康行君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

藤村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

藤村委員長 次に、高橋千鶴子君。

高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 本日の委員会がこのような形で持たれたことは、非常に遺憾であります。本日の委員会建てについては、与野党が合意をしていたものであります。したがって、欠席をされる合理的な理由はないと言わなければなりません。

 しかしながら、昨日来の新政権発足後最初の法案審議は、次々と強行採決や一括付託、あるいは零時を回ってからの本会議審議入りなど、異常ずくめの運営でありました。このような中で、採決や、あるいは次の法案審議入り、こういうことはやるべきではない、与野党が、本当に大事な法案ですので、本当に粘り強く合意をして、与野党参加のもとで運営されることを強く求めたいと思います。

 では、質問に入ります。端的に伺いますので、お答えも簡潔にお願いいたします。

 まず、予防接種の費用負担についてであります。

 本法案では、第一章に、「厚生労働大臣が行う」と明記をされていますので、他の予防接種法とは違って、国の責任において行うことが大事なことであると思います。したがって、国の責任であるということ、しかも、あえて優先順位をつけて接種を行うということ、こうしたことから考えれば、生活保護世帯や非課税世帯への無料措置はされているとはいうものの、経済的負担は非常に大きい、国が負担すべきだと考えますが、いかがでしょうか。

足立大臣政務官 二点御質問があったように思います。

 私は、優先順位をつけてという、国の事業として行われるところだけ、ちょっと説明したいと思います。

 御案内のように、ワクチンというのは、今のところ月に二回、二週間置きに出荷されます。最初が百十八万、次が百三十四万回、そして三百六十万回、そういうふうになっております。ですから、優先順位をつけなければ順次接種していくことができないという状況の中で行っているということだけ申し上げたいと思います。

長妻国務大臣 お答えをいたします。

 経済的な負担軽減ということで、これは、もちろん私どもとしてもできる限り自己負担が少ないようにということは考えております。

 今回のワクチン接種は、個人の重症化防止を目的として実施するものであって、その費用負担は、予防接種法の定期接種の考え方に準じて、接種を受ける方に実費を御負担いただくということで、基本的には季節性インフルエンザワクチン接種と同様の仕組みで、その価格も、そういう季節性インフルエンザワクチン接種の価格等にも準じたような設定をしようということで決めさせていただきました。

 ただ、低所得者の負担軽減というのはもちろん重要でございますので、市町村民税非課税世帯の方を念頭に、市町村がその費用を助成する措置を講じて、国がその費用の二分の一を補助するということで財政的な措置をさせていただいているということで、私どもとしては、国民の皆様に御理解をいただきたいというふうに考えているところであります。

高橋(千)委員 優先順位をつけなければならないということは、もう当然理解をしております。また、任意である、季節性インフルエンザと同等のあれであるということは言っております。

 ただ、このワクチンが、重症化を防ぐ効力はあるのではないかと言われていますけれども、蔓延を防ぐということではまだ効果が明確ではないと言われております。そもそも新型インフルエンザは、その重さというよりは感染力の強さということが今問題になっているわけですよね。だからこそ、ハイリスクの妊婦さんや持病のある方、あるいは免疫のできにくいお子さんが優先されるという考え方なんだと思うんです。

 それなのに、お金のあるなしで受けたくても受けられない人がいて蔓延を避けられないとなれば、もっと大きな損失になるということをしっかりとお考えいただきたいと思うんです。既に不安定雇用の現場では、インフルエンザにかかったくらいで休むなんて考えられない、こんなことを言われたり、インフルエンザで休んだおかげで首になる、こういう方たちさえ出ているわけであります。

 自治体独自の財政支援も進んでおりますが、せめて子供さんあるいは優先者は無料にする、こういうことを判断されることを要望したいと思います。

 関連するので、次に進みます。

 ワクチンの普及は自治体によって格差がございます。子供さんの接種を前倒しでと厚労省が通知しましたけれども、一方で、今週からようやっと妊婦さんの接種が始まったところもあるわけです。

 そうすると、自分がいつ対象になるのかわからない、あるいは、持病があるけれども、それが優先に入るのかどうかもわからない、そういう方がたくさんいらっしゃって、だからこそ、病院の相談窓口がもうパンク状態なわけですね。ですから、そういうことがスムーズに流れていくような広報、あるいは、優先接種するべきだけれども漏れている、そういうことがない仕組みをどう考えるか伺いたいと思います。

足立大臣政務官 お答えいたします。

 まず、基本的に、私どもが優先接種順位をつけて発表しております、あるいは見直しをしておりますのは、出荷のタイミングに合わせているところがございます。先ほど申し上げましたように、二週間に大体一回、そしてその一週間前に都道府県に対して通知を出すわけです。そのときに、次の接種はこういう方々にしていただきたいという通知を出すわけですけれども、そのときにはまだ届いていないわけです。それから約二週間前後かかって届いていくというタイムラグがあるのが現状でございます。

 ですから、そのこともホームページや広報を通じてやってはおりますが、まだ不十分であるという認識は私も持っておりますので、努めていきたい、そのように思っております。

 それから、基礎疾患を持つ方々それから妊婦の方々、この方々についても、基礎疾患を持つ方々の中でも最優先は一歳から小学校三年生まで、そして重症の度合いの高い方々が次に続く、そしてそれ以外の基礎疾患を持つ方々というふうに分けて、広報はしておるんですが、不十分という指摘は甘んじて受けざるを得ないかな、その点に関しては改善していきたいと思っています。

高橋(千)委員 実際の窓口の声をよく聞いて、スムーズに流れるようにさらに努力をしていただきたいと思います。

 実際に学級閉鎖が非常に広がっているわけですけれども、先ほどの話と関連しますけれども、仕事を休めない親が多いわけで、小中高は学級閉鎖しても保育園の閉鎖が少ないのも、まさにそういう事情があると思います。このことは、実は新型インフルエンザの発生があった当初から保育園の当事者などから声があったところであります。十分検討されるべきであったのではないかと。

 例えば福島県では、十二月の県議会に予算として、保育所の代替職員の確保、こうしたことに補助金をつける。例えば一施設二十万まで。認可外も含まれています。交付税とかいろいろなことが考えられると思いますけれども、こういうような支援をぜひ考えるべきだと思いますが、いかがでしょうか。大臣にお願いします。

藤村委員長 持ち時間が過ぎておりますので、手短に答弁をお願いいたします。

長妻国務大臣 今おっしゃられたような問題点があるというのは私も認識をしておりまして、保育所というのは、そこで預かっていただく場所でありますので、休む、閉鎖されるということは、行き場所がなくなる方々もおられるということであります。

 全国で、今、取り組みの御紹介もございましたけれども、私どもといたしましても、保育所の問題でありますので、どういう措置がとれるのか、今までもその状況を調査しておりますけれども、さらに、今御指摘の点も踏まえて、私どもも議論を進め、成案が得られれば実行していきたいと考えております。

藤村委員長 高橋君、時間が過ぎておりますので、短くおまとめください。

高橋(千)委員 はい。

 申しわけありませんが、もう一点だけ、ワクチンの安全性について伺いたいと思います。

 期待が大きい一方、不安も大きいのが現実であります。季節性インフルエンザワクチンの集団接種が中止された経緯も、やはり感染予防などの明確なデータが得られない一方、重篤な副作用などが指摘をされた背景があったと思います。

 小児科学会の発表ですと、一歳から六歳未満で、合併症リスクを考え合わせると有効率は二〇から三〇%と言われています。そういうことが本当に説明をされているのか、新型インフルにおいてもほとんど同じことが言えるのではないかと思いますので、その点についてどうか。

 それから、輸入ワクチンについて、アジュバント、免疫補助剤の安全性について議論をされています。そのことについて大臣は、国内でも臨床試験を行い、中間段階で安全性について確認すると答弁をされているんですけれども、実際に海外でやられているテストは、接種後一、二週間の様子を見ているだけだという指摘があるんですね。

 実際は、アジュバントによってもたらされる脳の障害など、そうしたものは数カ月や数年とも言われているということも考えれば、そうしたことを含むものになっているのか、補償契約の中身が全く明らかにされない今回の秘密契約ということもございますので、そこら辺のデータの公表の仕組み、検証の仕組みについてどう考えているのか伺います。

藤村委員長 足立政務官、手短にお答えください。

足立大臣政務官 わかりました。

 今、二点御質問があったと思います。

 まず、季節性インフルエンザの副作用といいますか副反応といいますか、その制度にのっとった届け出の話だったと思います。

 これは、季節性インフルエンザについては、法定接種の場合、定期二類の場合は、昨年度はゼロでございました。それから任意接種の場合、これは法定外の接種になるわけですけれども、医療費あるいは医療手当、障害年金等で、合わせると三十二名というような状況になっています。

 新型インフルエンザのワクチン接種については、毎週一回、届け出に基づいて集計しておりまして、それをまた公にしておる。それから、月に一回詳細な検討を加えて、それもオープンにしているということでございます。

 後半部分、輸入ワクチンのスケジュールは、これを私たちが明らかにしようと思っているのは、有効性、安全性について、まず、承認される前の治験のデータ、これも明らかにする。それから、海外でも使用が始まっております。この使用が始まった後の臨床試験の結果を出す。それから、日本で、今、国内で既に治験が始まっております。このデータも十二月上旬そして中旬あたりに出します。これは必ず提出いたしまして、その結果、薬事分科会の方でも議論していただいて、承認に持っていけるかどうか判断しようと思っております。

高橋(千)委員 ぜひ続きをやらせていただきたいと思います。

 終わります。

藤村委員長 これより柿澤未途君の質疑時間に入ります。

 これにて柿澤未途君の質疑時間は終了いたしました。

 中根康浩君。

中根委員 民主党の中根康浩です。

 動議を提出いたします。

 本案に対する質疑を終局されることを望みます。

藤村委員長 中根君の動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

藤村委員長 起立多数。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

藤村委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 内閣提出、新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済等に関する特別措置法案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

藤村委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

藤村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

     ――――◇―――――

藤村委員長 本日付託になりました内閣提出、独立行政法人地域医療機能推進機構法案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。長妻厚生労働大臣。

    ―――――――――――――

 独立行政法人地域医療機能推進機構法案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

長妻国務大臣 ただいま議題となりました独立行政法人地域医療機能推進機構法案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 社会保険の福祉施設として設置された社会保険病院、厚生年金病院及び船員保険病院については、地域医療の厳しい状況等を踏まえ、独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構の存続期限後においても、引き続き、地域医療に貢献しつつ安定的な運営が行えるよう存続を図る必要がございます。

 このため、これら病院等の運営を行い、かつ、地域における医療等の重要な担い手としての役割を果たす独立行政法人地域医療機能推進機構を新たに設立するため、この法律案を提出した次第であります。

 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。

 第一に、独立行政法人地域医療機能推進機構は、病院、介護老人保健施設等の施設の運営等の業務を行うことにより、救急医療等の医療法上の五事業やリハビリテーション等の地域において必要とされる医療及び介護を提供する機能の確保を図り、もって公衆衛生の向上及び増進並びに住民の福祉の増進に寄与することを目的としております。

 第二に、新機構は、全額政府出資とし、施設整理機構から資産を承継することとしております。

 第三に、役員として、理事長、監事及び理事を置き、その定数等を定めることとしております。

 第四に、新機構の設立は平成二十三年四月一日とし、それまで施設整理機構の存続期限を延長させること等、所要の経過措置を設けることとしております。

 第五に、新機構の成立の日から五年を目途として、機構の役割及びあり方について検討を加えることとしております。

 最後に、この法律の施行期日は平成二十三年四月一日とし、一部は公布の日としております。

 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

 以上でございます。

藤村委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時七分散会


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