衆議院

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第11号 平成22年3月24日(水曜日)

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平成二十二年三月二十四日(水曜日)

    午後零時四十分開議

 出席委員

   委員長 藤村  修君

   理事 青木  愛君 理事 石森 久嗣君

   理事 内山  晃君 理事 黒田  雄君

   理事 中根 康浩君 理事 大村 秀章君

   理事 加藤 勝信君 理事 古屋 範子君

      相原 史乃君    緒方林太郎君

      大西 健介君    岡本 英子君

      郡  和子君    斉藤  進君

      園田 康博君    田名部匡代君

      田中美絵子君    中林美恵子君

      長尾  敬君    仁木 博文君

      初鹿 明博君    樋口 俊一君

      平山 泰朗君    福田衣里子君

      藤田 一枝君    細川 律夫君

      三宅 雪子君    水野 智彦君

      宮崎 岳志君    室井 秀子君

      山口 和之君    山崎 摩耶君

      山井 和則君    あべ 俊子君

      菅原 一秀君    田村 憲久君

      武部  勤君    棚橋 泰文君

      長勢 甚遠君    西村 康稔君

      松浪 健太君    松本  純君

      坂口  力君    高橋千鶴子君

      阿部 知子君    柿澤 未途君

    …………………………………

   厚生労働大臣       長妻  昭君

   厚生労働副大臣      細川 律夫君

   厚生労働副大臣      長浜 博行君

   内閣府大臣政務官     津村 啓介君

   厚生労働大臣政務官    山井 和則君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局長)            森山  寛君

   厚生労働委員会専門員   佐藤  治君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月二十四日

 辞任         補欠選任

  菊田真紀子君     平山 泰朗君

  初鹿 明博君     中林美恵子君

  藤田 一枝君     緒方林太郎君

  江田 憲司君     柿澤 未途君

同日

 辞任         補欠選任

  緒方林太郎君     藤田 一枝君

  中林美恵子君     初鹿 明博君

  平山 泰朗君     菊田真紀子君

  柿澤 未途君     江田 憲司君

    ―――――――――――――

三月二十三日

 介護保険法施行法の一部を改正する法律案(内閣提出第七号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 雇用保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出第八号)

 介護保険法施行法の一部を改正する法律案(内閣提出第七号)

 厚生労働関係の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

藤村委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、雇用保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として厚生労働省職業安定局長森山寛君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

藤村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

藤村委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田村憲久君。

田村(憲)委員 自由民主党の田村憲久でございます。

 いよいよ雇用保険法の、私、きょうは初めての質疑ということでありますが、その前に、先般の子ども手当法に関して、最後は途中で、まだ質疑をやっておったんですが、時間等々の関係もあったんであろうと思いますけれども採決ということになりましたので、積み残し課題といいますか、幾つかもう一度確認をしていきたいところがございますので、ちょっとお時間をいただきまして、まずはそちらの方の質問をさせていただきたいと思います。

 この厚生労働委員会、予算委員会も含めてでありますけれども、いろいろな議論をしてまいりまして、問題点がいろいろな分野から指摘をされております。やはり今一番話題といいますか、国民的な課題とまでは言いませんが、いや、課題と言ってもいいのかもわかりません、この子ども手当というものは、本来は日本にいるお子さん方にというような思いがあられたんであろうと思いますが、児童手当法とのいろいろなかかわりの中で、日本に来ておられる海外の方々の自国に残してこられたお子さんにまで出るという問題、この問題が今クローズアップをされております。

 大臣、日本に働きに来ておられて、まあ働くだけではないのかもわかりませんが、自国に残されたお子様方まで子ども手当を出すということに対して、そもそもこれは児童手当との絡みの中で仕方がないという判断なのか、それとも、本来はそれはやはりちゃんと整理すべきで、配るべきものではないというふうにお考えなのか。

 ちょっと質問の仕方が悪いのかもわかりませんが、海外の子供たちまで配るということは仕方がないと思っておられるのか、それとも、いや本来はそうではないけれども、いろいろな法案の調整の中で、いたし方なく今のこの法案では配るという形になっておるということなのか。まず根本のところをお聞かせいただきたいと思います。

長妻国務大臣 まず、この案件でありますけれども、一九八一年に国籍条項が撤廃をされたということで、三十年間このスキームで児童手当が払われてきているということであります。

 そして、これは二つの視点から考える必要があると思いまして、一つは、この委員会等でも議論がございましたけれども、不正が起こった場合どう見分けるのかということ。ただ、これまで三十年間、すべての情報を厚生労働省が集約しているわけではありませんけれども、その中で、不正の案件の情報、大きな話というのは来ていないと承知しておりますけれども、こういう御議論がありましたので、まず書類の確認を厳格化していくということについてはここでも議論をしたところであります。それが一点。

 もう一点目は、今のお尋ねで、果たして子ども手当を外国に住む、母国に住むお子さんの分まで払うことが是か非か、こういうような議論があるわけであります。これに対しては、内国民待遇ということで、それを仮に停止するとしますと、今度は、日本人のお子さんで海外に行っておられるお子さんについても平仄を合わせなければならない、こういうようなことにもなりますので、これは十分吟味をする必要があると思いますけれども、私としては、平成二十二年度には通知、確認の厳格化というのを徹底させて、平成二十三年度の本格施行の前の制度設計の中で、子供の居住要件を課すことも含めて検討していく必要がある、こういうふうに考えております。

田村(憲)委員 不正の話はまだこの後御質問をいたしますけれども、すると、今の御答弁ですと、大臣、そもそも、不正ではなくて、海外に住む日本人じゃないお子さん方に子ども手当が配られるということはやはりよろしくない、そういうような御認識をお持ちであると。

 今、居住要件を入れるかどうか、一方で、日本のお子さんであって海外に住んでおる場合、これも外れる可能性があるから、だからそこは慎重に考えなきゃならぬけれどもという前段がついておりましたが、しかし、海外に住まれている外国籍のお子さん方、この方々にはやはり子ども手当が配られるというのは適当でないというふうな御認識をお持ちだというふうに私は受けとめていいということでありましょうか。

長妻国務大臣 これは三十年間、児童手当でございますけれども、そういうスキームで支払いがなされてきているというようなことでございまして、その意味では、先ほど日本人のお子さんの例も申し上げましたが、これはいろいろなことを、地方自治体の御意見も聞きながら議論する時間が必要であるというふうに考えております。

 基本的には、私としては子供の居住要件を課すことも含めて検討していくということを考えておりますけれども、それが直ちにどういう手段で、それについて、今、二十三年度の結論というのを持っているわけではありませんけれども、各方面の御意見を伺いながら、子供の居住要件も含めて検討していくということで、それについてはさまざまな課題があるというのも事実ですので、その課題を一つ一つ議論していくということであります。

田村(憲)委員 私の質問に簡潔にお答えいただきたいんです。課題はわかりました。いろいろな課題はあるんでしょう。

 しかし、基本的な認識として、日本に働きに来られているけれどもお子さんが海外に居住をされておられる、国によっては、二万六千円、一万三千円というのは一月の一つの家庭の生活費というような国もあられると思います。また、多産の国もたくさんありますから、一家で七人、八人子供のおられる、昔、日本の国もそうであったわけでありますけれども、そういう国もいっぱいある。そういうところのお子さん方までこれを配るということは、大臣の認識としては、これはやはりおかしいと思っているのか、それとも、よしとしているのか。

 いろいろな課題があるのはいいんです。基本的な認識はどうお持ちなんですかということを聞いておりますので、そこだけ簡潔にお答えください。

長妻国務大臣 これについてはいろいろ考えなきゃいけないということを申し上げているんです。三十年間、ずっとそういうスキームで支払ってきて、そして一九八一年に国籍条項を撤廃したこの背景も、いろいろ調べましたら、やはり条約の関係などなど、いろいろな関連があるわけであります。

 これについて私が申し上げておりますのは、まだ確たる結論を得ているわけではありませんけれども、やはり一つは、子供に居住要件を課していく、こういうことも大きな検討の課題になるんではないか。ただ、そのときに、直ちにそれをするということだと、日本人の海外にいるお子さんはこれまでずっと支給されておられるので、ではそことの整合をどういうふうにしていくのか。つまり、クリアする課題はあるけれども、検討の方向性としては、私は、お子さんに居住要件を課す、そういうような方向で検討する必要があるんではないかと申し上げているところであります。

田村(憲)委員 何かよくわからなくて、余り言われたくないんですかね、大臣としては。まだここではそういう御自身の御認識を表明されたくないと。鳩山総理は何か日本の国自体が海外の共有だみたいなことをおっしゃられる方でありますから、そういうような考え方が内閣に浸透しているのかどうかわかりませんけれども。検討中だ、大臣はどちらが正しいか検討中だというふうに私は認識をさせていただきました。ちょっとやはりおかしいんじゃないのかな。もとの考え方が我々とは合わない。

 私ども自民党は、やはり基本的には、日本国籍を持っていなくて海外に住んでおられるお子さん方にまでこの子ども手当が配られるというのはおかしいという認識を持っております。

 もちろんそこで、例えば、今言われたような内国民待遇でありますから、もし居住要件をかければ、日本人のお子さんであるにもかかわらず、親が日本にいても海外にお子さんが今居住しているがために、今の法律では、同じように、居住要件をかければ出ないということになってしまいますから、そこに課題があるという認識は我々も持っております。

 しかし、そもそも外国籍のお子さんで海外に住んでおられるお子さん、たまたまと言ったら怒られてしまうかもわかりませんが、日本に親もしくは監護する者がお働きに来られまして、そこでたまたま日本におられるから子ども手当の対象になるというのはおかしいという認識でございますので、ここは今の政府と我々とは若干考え方が違うのかなというように私は認識をいたしました。

 またちょっとこの問題は後ほど議論をしたいと思うんですが、先ほど不正の問題がございました。一番心配なのは、やはり不正がこれからふえる可能性がある。マスメディアにいろいろ載っております。こういう状況でありますから、外国人も周知をしてきているんだろうなというふうに思います。

 あくまでも私も未確認情報なので、そういう意味ではうわさ話ぐらいに受けとめていただければいいと思うんですが、日本の暴力団と現地のマフィアが、これをうまくやったらこういうような子ども手当が取れるのではないか、養子という形にすれば取れるのではないか、それを、今どういうふうにやればそういうような子ども手当を得られるかということをいろいろと考えているというような話がうわさ話で私のところに入ってきております。

 それでは困るので、もしこのような法律を通すのならば、当然、書類の厳格化をしなければならないと思います。それは大臣もそのように御答弁をされておられると思いますけれども、今、現状を見ると、たしか、きのう担当の方とお話ししましたら、その地域に住んでおる、そういう証明、子供がちゃんといるという証明、それからあとは、生計を一にするということでありますから、例えば、こちらからの現地に対しての振り込み用紙、こういうようなことがあればこれは認めるというようなお話でございました。

 しかし、全世界、各地域、それぞれの地域地域で、それぞれ子供がそこにいる、ちゃんとそこに養護関係というか監護関係があるというようなことがわかる書類というものはさまざまでございまして、これを自治体が判断をしろといってもなかなか難しい。翻訳という話になれば、翻訳はどこでやるんですかとお聞きしましたら、きのう担当者の方は、それはその持ってきた方が翻訳して持ってきてもらいますという話でありますから、ちゃんと翻訳できているのかどうかというのもなかなか確認ができないという話でありますので、ここをもうちょっと明確にしていただかないと、これから現場の自治体は大変なことになると思います。

 できれば、こういうものを外すためには、そういうことが証明できるものを各国で証明書を出してくださいと。国家対国家ならば、ある程度信頼はできるだろうと思います。地方自治体ですと、それが本当に地方自治体の書類であるかどうかというのも日本のそれぞれの現場の市町村では確認がしづらい、そういうことになりますよね。ですから、国として、こういう定型のものがあります、どこどこの国はこういうものですというものがあれば、比較的こういうものが本物かにせものかというものは判断がつきやすいと思うんですよ。

 だから、そこまで厳格にやっていただいて、こういう不正なもの、こういうものを排除できるようにということを提案させていただきたいと思うんですが、お考えいかがですか。

長妻国務大臣 書類確認の厳格化ということで、まず基本は、監護という要件と生計同一という要件、海外に住んでいるお子さんと日本国内にいる外国人ということでございますけれども、その意味は、海外に住んでおられるときも、もちろんそのお子さんとずっと住んでいて、そして日本に来られるときは離れて、また戻ったらちゃんとお子さんと住む、これが前提でございます。

 その意味で、今、通知の厳格化の案を検討しておりまして、主に四つあるんですけれども、一つについては、居住証明書などをきちっとした公的機関からいただいて、本当にきちっと住んでいるのかどうか、あるいは出生証明書なども、当然公的機関からのものを添付いただく。送金通知書、きちっとお金が仕送りされているのかどうか、これも確認をする。そして、地方自治体でいろいろな確認がなかなか不十分、その地方自治体だけではできにくいときについては、国としてもサポートをしていく。

 そして何よりも、この不正の受給は三年以下の懲役または三十万円以下の罰金ということで厳しい罪に問われるわけでございますので、そういう不正が少しでもあるような場合については迅速に対応して、地方公共団体間で情報を共有して、都道府県を通じて国に報告を行う仕組みをきちっとつくる。

 あるいは、外国人が出国した場合については、これは入管は法務省でございますので、そこともきちっと連携をとって適切に対応するなどなど、事細かに言えばまだ何点かございますけれども、そういうことを含めて通知を出して、地方自治体とも情報共有をしていこうというふうに考えております。

田村(憲)委員 自治体に話を聞きますと、定型的なものが書類として出てきたら、なかなか判断しづらいから、それはもう認めざるを得なくなってしまいますよねという現場の担当者の方の意見が多いんです。そこで、怪しいなというか、ちょっとおかしいなと思ったときに、ちゃんと相談できる窓口を厚生労働省の中につくっていただいて、各自治体からいろいろな、これはどうなんでしょう、本物でしょうかといったときに対応できるような、そんな形をつくっていただきたい。これは要望いたしたいと思います。

 そして、我々なんですが、先ほど言いました、そもそも自由民主党といたしましては、外国に住んでいる外国籍のお子さん方にまでこの子ども手当が行くこと自体がおかしいというふうに認識をいたしておりますので、ちょっと御提案を申し上げます。

 我々は、子ども手当法自体、賛成するものではないので、修正案というわけにはいかない。ましてや、ここではもう終わっていますから修正案というわけにはいかないんですが、例えば、第四条の第三項あたりに、第一項の規定にかかわらず、子ども手当は、子供が日本国内に住所を有せず、かつ日本国民でないときは、当該子供については支給しないと一項目入れていただきますと、私の資料にありますように、今資料がお手元にありますか、この「子どもの住所・国籍要件と子ども手当の支給の有無について」という資料であります。一番右の改善案のちょっと太文字で囲ってあるところを見ていただくとわかるんですが、下の方が、言うなれば日本の国籍を持たない親が、日本の国籍を持たない子供、しかも国外にいる子供、政府案はマルですけれども、これがバツになります。支給しなくてもよくなります。

 ただ、一方で、上の方、ちょっと太書きの改善案のところでありますけれども、日本国籍を持っている親も、子供が日本国籍がないときは国外にいると出ないということでありまして、日本国籍を持っている子供が国外にいるときには出ます。しかし、日本国内にいない子供が日本国籍を持っていない場合、こういう場合には出ないということでございまして、これならば、内国民待遇、これをクリアできるのではないか。

 つまり、日本人であろうが、日本国籍を持っていない外国人であろうが、親が日本にいる場合に、日本国籍を持っている子供が海外にいるときにはこれは出ます、しかし、日本国籍を持っていない子供が海外にいる場合にはこれは出ませんということでございまして、これならば、実は、今言われた難民の権利条約等々、こういうものをクリアできる、つまり内国民待遇をクリアできるということで提案をいたしたいと思いますが、そもそもこれで内国民待遇をクリアできるという認識でよろしゅうございますか。

長妻国務大臣 今聞いたばかりでございまして、直ちに判断できるわけではありませんけれども、基本的に、支給に対する理念はお子さんに支給するという理念ですが、物理的というか現実には、それは親御さんに支給されますので、その国籍について、そういう条約や内国民待遇について、これが適合するのかしないのかということ等、先ほど申し上げましたような、いろいろ日本人のお子さんの件、あるいは、ここの委員会でも与党の議員からもお話がございましたけれども、他国の事例なども含めて、二十三年度の制度設計の中で参考にさせていただいて、検討していきたいと思います。

田村(憲)委員 もうこればかりやっていますと時間が過ぎますので、これで最後、終わりますが、これは自民党の方で参議院の法制局といろいろと詰めながらつくってきた案であります。これですと基本的には内国民待遇にひっかからないだろうということでつくらせていただきました。

 先ほども言いました、自民党がこれをもってして修正ということにはならぬと思いますが、しかし、もし大臣が、外国に住んでおられる外国籍の子供たちにまで子ども手当が配られることがおかしいという認識をお持ちであるのならば、やはり、過ちは改むるにはばかることなかれ、前回も言いました。すぐにこれを入れていただければこの問題は解決できるという話であろうと思いますので、省内で、これがクリアできるか、難民の権利条約をクリアできるか、よく御検討いただいて、できるのであるならば、もう即これは修正をいただきたい、このようにお願いをいたしたいと思います。

 大臣、何かありますか。

長妻国務大臣 今までいろいろ答弁申し上げましたけれども、基本的には、平成二十二年度は通知の確認の厳格化で対応をする、そして平成二十三年度につきましては、さまざまな御意見が寄せられておりますので、この委員会でもスウェーデンの事例なども御紹介をいただいたりしておりますので、どの手法が適当なのか、子供に居住要件をかけるというような方向でどういう成案が得られるか、検討していくということであります。

田村(憲)委員 一万三千円でも貴重な税金が本来意図しないところに流れていくとすれば、これは気づいたからには改めていただかなきゃならない。このことに大臣が気づかれたのは法案の作成途中だということを私への答弁でもお答えになられました。わかっているのなら早く直していただきたいというふうに思います。

 さて、雇用保険法の方の審議に入りたいと思います。

 ちょっと大臣には何の通告もしていなくて申しわけないんですけれども、民主党、以前、NCがありましたよね、ネクストキャビネット。民主党においてネクストキャビネットとはどういう位置づけであり、そして、ネクストキャビネットの大臣というのはどのような役割を担っておられたんですか。たしか、大臣もネクストキャビネットの年金担当大臣か何かをやられておられたと思うんですけれども、ちょっと教えてください。

長妻国務大臣 NCというのは次の内閣ということでございますけれども、そこは、ある意味では民主党の政策を決定する機関であるということで、政調会長も入っておりますので、その中で、例えば年金担当大臣ということになりますと、党の年金の政策は一義的にその大臣が案を発議して、次の内閣で了承されれば、それが一定の手続を踏んで党の決定になる、こういうものであります。

田村(憲)委員 すると、NC大臣というのは民主党の中においては結構責任の重い立場の方だということで認識をさせていただきました。

 予算委員会でも一度大臣に質問しましたけれども、次の私の資料であります。厚生労働委員会の平成二十年十一月十二日の議事録でありますが、山田当時厚生労働委員は、NC厚生労働大臣であられました。私の記憶でたしかそうだったと思います。この方が御質問をされた内容の中で、この線を引っ張ってあるところを見ていただきますと、「雇用保険等々で七兆円ある。大臣、これがいわゆる埋蔵金じゃないのか。」と舛添大臣に質問をされておられます。

 そして、その次の傍線のところで、やはり山田ネクストキャビネット大臣が、「失業が一番最高のときに備えたって、五千億も積み立てておくか、あるいは一兆円積み立てておけば十分過ぎるほど十分なんで、あとはいわゆる必要のない積み立て、霞が関の埋蔵金なんだ。」こうはっきりと御主張をされたんですね。私もこのときの記憶がございますが。

 これは何を言っているかというと、雇用保険の積立金の問題であります。今も四兆円以上の積立金があるという話でありますが、これをはっきりと埋蔵金だとおっしゃられたんですね。だからこれをいろいろなものに使いなさい、こういう話なんです。

 民主党はマニフェストで、いろいろなところに埋蔵金があって無駄があるから、こういうものを使えば、子ども手当の財源も出てくるであろうし、また高速道路の無料化や高校の授業料の無料化、いろいろなものができるということでありましたが、結果的に、今までのところそれほど出てこないという状況の中で、昭和二十一年以来の破綻予算になっちゃったというのが来年度予算ですよね。

 これはそもそも、積立金は埋蔵金だと雇用保険のことをおっしゃっておられるんですが、大臣もやはり、山田当時大臣がおっしゃったことと同じように、積立金は埋蔵金だという御認識を今お持ちになっておられるということでよろしいんでしょうか。

長妻国務大臣 これについては私も、それは多過ぎる積立金を過度に抱えていて、あるいはかつての雇用二事業のように、そこからスパウザ小田原だ、私のしごと館だ、あるいは年金の積立金でいえばグリーンピアだ、こういうようなことをやるというのは、これは当然あってはならないことだ、そういう過度な部分については確かに有効に使っていく必要があると考えておりますけれども、この今の議論というのは、年金ではなくて雇用保険の本体部分の失業手当の部分でございます。

 これは過去、よく御存じだと思いますけれども、例えば平成八年に、四兆円以上あった積立金、かなり潤沢ではないかというふうに言われた部分もありましたけれども、それが一気に減って、平成十四年度に四千億になって、これは大変だということで、年度途中でありますがこの雇用保険の料率を上げるという、これはある意味では政府にとっては一つの失態ではないかというようなことが起こりました。

 この積立金については、やはり危機管理の部分もありますので、それはあり余り過ぎる積立金があって、そこから無用なものに使うというのはあってはならないわけでございますけれども、そういう過去のこともありますので、我々としては、危機管理の面も含めてこの予算をお願いしているというところです。

田村(憲)委員 それと同じことをこのとき舛添大臣が答えているんですが、それに対して、当時の山田NC大臣が、いや、そうじゃない、こんなものは埋蔵金なんだと、そのとき山井政務官もおられたと思いますね、覚えておられると思いますけれども、おっしゃられたんですよね。

 だから、こういうたぐいが多いんですよ、民主党は当時。お金はあるあると言いながら、実は自分らが政権をとれば、積立金は埋蔵金じゃないんだ、必要なものなんだということをころっと変わって言われる。だから財源がなくなって借金の予算を組まなきゃならないという話になってきているので、これは非常に無責任なことをあなた方が言ってきたということの証左だと私は思いますよ、はっきり申し上げて。

 大臣、すると、この当時、この山田委員がおっしゃられたこと、これは間違っていた、我々としては、民主党の中で立場のある方がこういうことを言ってきたけれども、これは認識不足でありました、誤っていましたということをお認めになられるということでよろしいんですね。

長妻国務大臣 山田委員が当時どういう趣旨で申し上げたかわかりませんが、例えばこの議事録を見ると、一番初めに、この質問に入られるときに、「この保険二事業、これはほとんど意味のない事業で、官僚の天下りを食べさせるための事業じゃないか」ということで、積立金、雇用保険等々で七兆円あるというような議論が始まっているところであります。

 かつては、今はなくなっていますが、ただ、総務省から勧告も受けましたけれども、雇用二事業の部分、かつては三事業でありますが、その部分で非常に批判を受けるような使い方が続いたというようなことがあった上でこういう質問があるとすれば、それは一定の理解は得られるのではないかというふうにも思います。

 いずれにしても、雇用二事業についても、もう無駄がないように我々は努めていかなければならないというふうに考えているところであります。

田村(憲)委員 今、その雇用二事業は火の車じゃないですか。何をおっしゃっているんですか。雇用調整助成金で火の車ですよ。

 だから、この認識が間違っていたということを認めていただかなかったら、議論ができなくなっちゃうんですよ、基本的に。大臣、しかも今、自分の都合のいいところだけ読まれました。ほかのところはそうじゃないんですよ。本体も入っているんですよ。ちゃんと書いてあるでしょう、金額も。これが無駄だ、これが埋蔵金なんだという議論になっちゃうと、そもそもきょうの議論ができないんですよ。だから、そこは最低限、自分たちの認識が間違っていたということはお認めくださいよ。大臣、どうですか。

長妻国務大臣 今おっしゃられたように、この雇用調整助成金が、今かなり支給要件を緩和いたしまして、しかもこれだけの雇用情勢が悪化している時期で、非常にお金の支出は多いんですが、ただ、失業者が出ないように企業の中で休業補償等に補助していることで、二百万人近くが失業を免れているということで、大変今これが効果が上がっている。その原資は雇用二事業から出ているということで、かつては、雇用情勢がその当時どうであったか、恐らく今よりは雇用情勢というのは安定的ではなかったのか。

 そして、我々、雇用調整助成金の規制緩和というのを大幅にしまして、これまで中小企業だけだったものについて、大企業についても去年の十二月十四日から実施をしたということで、それは役割が非常に大きくなって、適切に雇用二事業の勘定からお金が支出されているということで、役割は大きく変わっているというふうに考えております。

田村(憲)委員 質問に全然答えていただいていないので、もう笑うしかなくなっちゃうんですけれども。

 だから、このときに舛添大臣はそのようなことをおっしゃっておられるんですよね、まさかに備えてためているんだと。まさかが起こったんでしょう、だから今、それでも火の車なんですよね。

 雇用二事業だけじゃないですよ。本体の方も同じようなことが起こっているというから、三千五百億円、これは何が理由かよくわかりません、目的はよくわかりませんが、補正予算で入れて、しかも、料率を今度、本則に戻すんでしょう。厳しいからそうするんでしょう。なのに、これが埋蔵金だという議論をそのまま残したままならば、もう我々は議論できないですよ。

 まず、ここで言っていた認識、皆さん方が雇用保険まで埋蔵金があるぞと言っていた。しかも、ここにちゃんと金額が書いてあるんですよ、これは埋蔵金だって。これはちょっと認識がやはり間違えていましたねということぐらいは認めてくださいよ、大臣。そうじゃなかったら議論できなくなっちゃうよ、これ。いかがですか。認めてくださいよ。

長妻国務大臣 当時の山田委員がどういう趣旨で言われたのかということと、この質疑があったのは平成二十年十一月十二日の質疑でありますので、そのときの雇用二事業のお金の使われ方、あるいは失業率の推移などなどを見ないと、今の段階の状況と異なっているということでありますので、直ちにこれがいい悪いとかいう判断はできません。

 ただ、言えることは、この雇用調整助成金で大変今支出がふえている。そして、失業率も、若干の数字の改善はあるものの、これは依然として厳しい水準にあるということは事実でありますので、それに備える予算案を今回お願いしているということであります。

田村(憲)委員 認識が間違っていたと認めるんですか、認めないんですか。それがなかったらもう議論できませんよ、私。

 そんなの、もともと積立金が埋蔵金だという議論のままで、そこにお金を入れるや入れないや、保険料を上げるや上げないやなんて、そんな議論できるわけないでしょう。間違っていたと、積立金をどこかに使っちゃったわけじゃないんですよ。本来の業務に使ってきたんですよ。まさかに備えるための積立金だと当時、舛添大臣が言いながら、それは埋蔵金だというような、そういう質疑がなされているわけですよ。

 できませんよ。大臣が認めないなら、もうこれは質疑できませんよ、私。

長妻国務大臣 この議論は、先ほども申し上げましたが、平成二十年の十一月十二日というときにこういう議論がなされているわけで、当然、そのときどういう情勢だったのか、あるいは、ここにいろいろな資料を示して説明をされておられるようでありますけれども、どういうような思いで言われたのかというのをつぶさに確認をするということも必要でしょうけれども、今の状況とこの二年前の状況と、もちろん全く同じ状況ではないと思いますし、当然、雇用調整助成金だって、これを要件緩和はしていないし、二百万人近くもの方が当時、雇用調整助成金で支えられていたかというのも、恐らくそうではないと思いますし、そういういろいろな状況の変化の中でこういう発言があったということで、直ちに今に当てはめて、これをどう思うか、あるいは議論としておかしい、おかしくないということは言えないというふうに思います。

藤村委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

藤村委員長 速記を起こしてください。

 田村君。

田村(憲)委員 それでは、大臣の認識として、当時、当時も多分厚生労働委員だったと思うんですけれども、当時というのはこの時期ですよ、平成二十年の十一月ですか、この当時、雇用保険の積立金は埋蔵金というような認識はなかったということでよろしゅうございますか。

長妻国務大臣 まず、ここに書いてあるのを拝見しますと、雇用保険等々で七兆円あるということで、この七兆円というのは、今おっしゃられたような失業保険の本体だけではなくて、二事業と合わさった数字だと思います。その意味で、この二年前の状況と比べてこれが過大なのかどうかというのは、当時の状況を見なければわからないというのが一点。

 もう一点、埋蔵金じゃないのかという点については、このお金というのは、基本的に二事業ということで事業主の方が拠出しているお金であって、あるいは本体部分は、被用者そして事業主が折半で支給しているお金でありますので、これが埋蔵金という趣旨でほかの事業に使えるということではないと私は思いますので、この点については、この議論というのは、私は埋蔵金という点については同意をしているわけではないということであります。(発言する者あり)

田村(憲)委員 往生際が悪いとやじが飛んでいますが、これしか渡していませんからね。本当はこれは前後があって、言われているのは二事業だけじゃないんですよ。もとの五兆円も巨額過ぎるというお話をされていて、山井政務官は覚えておられると思いますね、このときの質疑。だから、これは二事業に実は特化した話じゃないということを、一度議事録にお目通しいただきたいと思います。

 それから、埋蔵金というのは私が言ったんじゃなくて山田委員がおっしゃられた話なので、埋蔵金じゃないというのはそちらがお間違いになられたという話なんだろうと思いますけれども。

 無駄があったのかなかったのか、この積立金というのは無駄だったのかそうじゃなかったのかという認識は、大臣、そうしたら、当時どうお持ちだったんですか。埋蔵金とは言いませんよ。

長妻国務大臣 私は、雇用二事業あるいはかつての三事業というのは無駄遣いはあったと思っております。

田村(憲)委員 だから、雇用二事業だけじゃないんですけれども、本体の方は、これは本体も入っている話なんですよ、失業等給付の勘定の方も。それが五兆円ぐらい、五兆円強だったかな、たまっていたときの話だと思うんですけれども、それも無駄があるという認識でいいんですか。

長妻国務大臣 今言われたのは二事業じゃなくて本体の部分ということでありますが、私は、どの勘定にしても全く無駄がゼロだということはあり得ない、不断に浪費がないか見直しをするということは必要だと思いますけれども、雇用二事業、三事業に見られたような箱物の無駄というのは、それほどのものはなかったのではないかと思います。

田村(憲)委員 基本的認識が違うので、もうこれ以上議論しません。

 積立金の話をしているので、使ったものの無駄なんて私は一言も言っていないんですよ。それは使った中には無駄もあるでしょう。積立金が無駄かどうかという話をしているんですよ、大臣。よく人の話を聞いて答弁してくださいよ。積立金の中に箱物に使ったお金があるんですか。ないでしょう、これは積んであるものだから。これは使っていないんですよ。何を言っているのかさっぱりわからない。

 だから、積立金は無駄なのかどうなのかという話を僕はさっきからずっとしているんです。その当時、五兆数千億円積立金がたまっていた、これを無駄だと思うんですか、それとも、何かあったときのための必要な積立金だと思うんですかという話をずっとこの流れの中でやっていたので、ちょっと論点がずれちゃっているんですよ、大臣。いや、ずらしちゃったのかどうかわかりませんが。まあいいですよ。なかなか本当のことを答えてくれないので、ちょっと次の方にも進まないと質疑が終わっちゃうので。

 それで、そうはいいながらも、確かにこれは必要なものです。必要なものではあるけれども、やはり失業等給付の方の勘定、こちらの方はまだ余裕があるんですね、雇用二事業から比べれば。それは何でそうなのかというと、今大臣くしくもおっしゃられましたけれども、雇用調整助成金は使い方を緩和しましたよね。要件を広げたというか、今回、過去一年間にわたって、去年と比べて生産額が下がったというものを一定程度、これを二年前と比べてもいいというような要件にする。そもそも助成率自体も、これは我々の政権のときにやったんですが、中小零細は九割までこの助成率を引き上げた、こういう状況がございました。

 結果的に非常に厳しい状況になりまして、私の最後の資料でありますけれども、これでいきますと、二十二年度、予想でありますが、差し引きが二千三百十一億円、そして残高が一千百五十五億円という形になります。

 三千五百億円、これは失業等給付の方の勘定に入れましたが、本来はこちらに入れるべきではなかったのかということを私は以前から主張しております。ただ、やはり雇用二事業は事業主の保険料だけでやっておられるので、今まで国庫を入れたこともないし、そういうことはなかなかできないんだというお話でございました。

 しかし一方で、今回法律で貸し出すということをやるわけでしょう。これも、本来の業務じゃないことを四千四百億円、これは二事業の方が厳しいからというので貸し付けるわけですよ。今までにないことをやるのならば、直接ここに入れてもよかったのではないかと今でも思っていますよ。

 しかし、もうこれは終わっちゃった。終わっちゃったから文句言えませんが、四千四百億円を貸し付けるというのは、これは返さなきゃいけない話ですよね。国庫から失業給付の勘定の方には入っているわけですよ。それならば、四千四百億円を貸し付けるんじゃなくて、三千五百億円を渡し切りのお金で渡しちゃったらいいじゃないですか。

 それぐらいのことをやらないと二事業がもたないんだというふうに私は思っているんです。どうせ今回も法律で貸し付けるということを本来の目的以外で書くわけですよね。それならば、渡し切りのお金にしちゃうと書いちゃったって同じ話だと思いますので、大臣、これは御提案なんですけれども、いかがですか、この考え方。

長妻国務大臣 先ほども埋蔵金の議論もありましたけれども、雇用二事業とか雇用保険本体のお金というのは、これは普通の国庫ではございませんで、今御指摘いただいたように、ある意味では労使の話し合いの中でその使い方というのもチェックされているというような仕組みが厚生労働省の中の審議会の中にもあるわけであります。

 その中で、今、貸し付けるんじゃなくて、それをもう渡し切りにしたらどうだという御提案だと思いますけれども、それにしても、本体部分からのお金が二事業に入るということで、お金に色はございませんけれども、国庫負担のお金も入るというのはある意味では初めてのことになるわけでございます。そういう意味では、一応、二事業と本体と区別をして、一定の役割分担を労使とも納得いただいてしている中で、そうであれば、これは無利子ということにさせていただいておりますけれども、貸し出しをして、そして二事業が黒字になったときには必ず返済をしていただく。こういうようなルールを労使の御理解もいただいてつくったということでありますので、その方向で我々は取り組んでいきたいと思います。

田村(憲)委員 それならば、失業等給付勘定から雇用二事業の方に平成二十三年度は幾らぐらい貸し付ける予定でございますか。来年度は四千四百億円、その次はどれぐらい貸し付ける予定ですか。

長妻国務大臣 平成二十三年度につきましては、平成二十三年度の予算編成の中で議論されるべき問題でありまして、まだ決まっているわけではありません。

田村(憲)委員 この資料をもう一度ごらんいただきますと、二十二年度の予算案、収入一兆円、これはふえています。これは、四千四百億円を借り入れる予定でありますから収入がふえているんですね。八百億円は、例の事業主の保険料、これが三から三・五パーミリにふえますから、〇・五パーミリふえる部分が約八百億円ぐらいあると、きのう担当者の方から聞きました。しかし、ふえるのは八百億円です。大方、四千四百億円は失業等給付の方からの借り入れの部分です。

 そして、一方で支出、一兆二千億円、ふえていますよね。これはまだまだ雇用調整助成金が伸びるであろうということで、来年度はこういうふうに一兆一千億から一兆二千三百五十億にふえております。

 雇調金がどれぐらいかというお話をお聞きしましたら、大体七千億ぐらいじゃないかというお話でございました。すると、七千億全部減らして、それで五千億ぐらいですね。二十三年度、七千億全部減るなんということはまず考えられないでありましょう。七千億が仮に四千億に減っても、それでも五千億に四千億足せば九千億支出があるわけですよ。

 本来の力は、借り入れなければ五千二百億に八百億足した六千億しかないんですよ、普通の力では、保険料だけでは。ということは、仮に支出が、雇用調整助成金がある程度縮まったとして九千億まで支出が減っても、収入が六千億だったらば三千億足らないという話になる、二十三年。これはどう考えても、二十三年度も足らないから借り入れなきゃいけないという話になっちゃうんですよ。

 すると、四千四百億プラス三千億、その後どうなるかわかりません。七千億も八千億もずっと借りた状況で、黒字になって返し続けるとは、何年かかって返すんですかという話になるんですね。だって、差し引き剰余を見ますと、いいときで最大で二千億ですよね。ふだん、実力は一千億あるかないかですよ。八千億もやったら、平年ベースで八年以上も、仮にずっと景気がよくて返し続けなければ借金は返らない。その間にまた不況が来てしまえば、雇用二事業は破綻なんです。

 だから、雇用二事業の財政計画みたいなものをちゃんと立てなければ大変なことになりますよ。だから私はさっきから、国庫を入れてでもこの雇用二事業をちゃんと立て直せるような計画をつくる必要があるんじゃないですかという議論をしているんです。国庫を入れないと言っていたら、これはやがて雇用二事業は破綻いたします。

 もう時間でありますが、大臣、私のこの考え方に対してどういう御意見をお持ちで、どういうふうに雇用二事業を立て直していこうというふうにお考えでありますか。

長妻国務大臣 いろいろな前提条件があると思いますけれども、今と同じような厳しい雇用情勢がずっと続くとすれば、これは雇用調整助成金の支出というのは変わらないという可能性もありましょうが、我々は、新成長戦略も含めて雇用のパイ自体を拡大していく。あるいは、今、若干ではありますが有効求人倍率や失業率も改善が見られていますので、今後、景気回復の流れをつくっていくというところでこういうお金の収支も改善をしていきたい。

 ただ、おっしゃられるように、二事業の収支は、平成二十二年度の見込みでも単年度で二千三百十一億円の赤字の見込みとなっておりますので、これについては、景気回復も全力で取り組んで黒字化を早く実現すると同時に、その黒字の金額の中から返済を確実にしていくということで、景気対策と雇用対策を一体として取り組んでいきたいと思います。

田村(憲)委員 細川副大臣はよくおわかりだと思いますので、どうかこの二事業の方、しっかり立て直していただきますようにスキームをつくってください。

 お願いいたしまして、質問を終わります。

藤村委員長 次に、大村秀章君。

大村委員 自由民主党の大村秀章でございます。

 時間をいただきました。雇用保険につきまして質問をさせていただきたいと存じます。

 その前に、きょうは幾つか、何点かにわたって厚生労働行政全般につきまして、まず前段御質問を申し上げたいと思います。簡潔にお答えをいただきたいと思います。

 まず、子ども手当につきまして、ただいま同僚の田村議員からも質問が、指摘がありましたが、私からも、先般の子ども手当法案、この委員会で強行採決をされたということについて大変遺憾でありますので、その点について一点だけ、さらに質問をさせていただきたいというふうに思います。

 長妻大臣は、三月十七日水曜日、先週の参議院本会議で、外国人の子供、海外にいる場合の要件の見直しを検討するというふうに表明をされました。これは、この議論等々を通じ、審議を通じてやはりまずいと思ったのか、誤りだというふうに思ったのか、いかがでございますか。

長妻国務大臣 これまで三十年間、そういうスキームで児童手当が支給され続けていたわけでございますけれども、いろいろな御指摘、御意見も受けて、私としては、子供の居住要件を検討する方向で平成二十三年度は制度設計するというようなことでありますが、先ほど来申し上げておりますように、それの制度設計をするにはいろいろな越えなければならない論点というのもありますので、それを解決しながらその制度設計を進めるということであります。

大村委員 まずいというふうに誤りを認めるなら、今修正されたらいかがですか。

長妻国務大臣 これは先ほど来も御説明を申し上げているところでありますけれども、基本的な姿勢は、子供の居住要件を課す方向で検討するということであります。

 ただ、そのときに、では、日本人の親御さんが国内にいる場合、海外に日本人のお子さんがいる場合はどうするのか、いろいろな論点がこれはありますので、そういうものも十分御意見も地方自治体も含めて聞きながら、これまで三十年間、ずっとそのスキームでそれが支給されてきたということでありますので、我々としては、二十三年度の制度設計の中で検討していくということが必要であるという結論に達したわけであります。

大村委員 何か同じことを何度も何度も繰り返さないでいただきたいというふうに思います。

 あなたは参議院本会議で、本格的な制度の検討の中で支給対象となる子供に国内居住要件を課すことを検討したい、本格的な制度の検討の中でというふうに言っております。ということは、あくまでも今回は本格的な制度ではない、要は、とりあえず、やっつけ仕事でも何でもいいから、とにかく法案を仕上げて、何が何でも参議院選挙前の六月にこれを支給したい、ばらまくんだということなんですね。そういうことでよろしいのかどうか。

 何度も何度も私は申し上げておりますが、参議院選挙の前にばらまくということでこれをお認めになったらいかがですか。

長妻国務大臣 やっつけ仕事というふうに言われましたけれども、児童手当の支払いのスキームだって、これはやっつけ仕事で三十年間やられているのではないというふうに思います。

 いろいろな、国籍条項を撤廃するなどお考えがあってそういう支払いのスキームが続いてきたというふうに考えておりますので、ばらまきということについても、子供に関する予算については常に後回し後回しにされてきたという歴史がありますので、もう政権交代をしたら後回しはさせないということで、今回、この法案を衆議院で通過させていただいたということであります。

大村委員 全く違うんですよ。児童手当のときと状況が違う。あなた方は全く新しい制度をつくるというふうに言って、しかしながら、参議院選挙の前に何としてもばらまきたいから、とにかくその制度をかりてやったということだけなんです。とにかく額が違うんですよ。五千円と一万三千円、それから、これから二万六千円なんですね。それでもって、とにかく一遍にこのことは知られてしまった。

 私、前の質問で申し上げました。地元の派遣業者の方々にいろいろ聞いた。そこに外国人の方もおられる。そうしたら、要は、国内にいる子供だけ申請している。えっ、本国に残した子供まで対象になるんですか、本当ですかと。こういうような話でございます。全く状況が違っている。

 そういう中で、今回、詰まっていないことがさんざん、いっぱいあるというふうにあなたは言われた。だったら、私、前のこの委員会で最後、あなた方が強行採決したときに申し上げました。このときに、こんなに詰まっていないことがあるなら、五兆四千億円も使うような、そんなことをやっつけ仕事でえいやで強行採決する、そんなことはとんでもないことだと。要は、国民の負託を受けて、一年間、与野党の協議機関をつくって、現金給付を幾らにするのか、それから保育サービスを幾らにするのか、現物サービスを幾らにするのか、やはりそれを十分議論して、本来あるべき姿を検討したらどうかということを申し上げたのでありますけれども、残念ながら、質疑打ち切りの強行採決でございました。極めて遺憾だというふうに思います。

 そういう意味で、この点については引き続き、これはいかに問題が多いか、横暴だったかということをしっかりと追及をしていきたいというふうに思っております。もう何遍聞いても同じことしか言いません。時間の無駄ですから、引き続ききっちりと追及していく、そのことを申し上げておきたいというふうに思います。

 続きまして、通告に従ってまいりたいと思います。

 B型肝炎の和解勧告についてお聞きをしたいと思います。

 集団予防接種の注射器の使い回しなどが原因でB型肝炎ウイルスに感染したとして、各地で訴訟が起きております。そういう中で、三月十二日に札幌地裁で和解勧告が出されたことを受けて、この訴訟原告団はそれに応じる方針を示しているわけでございますが、このことにつきまして政府は今後どのように対応する方針であるのか、明確にお答えをいただきたいというふうに思います。

長妻国務大臣 これについては、和解についてテーブルに着くように三月十二日に札幌地裁から検討を求められたということで、政府といたしましても、総理をトップにこの前も関係大臣が集まって議論をいたしました。これについては、次回の期日が五月十四日でございますので、それに向けて政府部内で検討、調整を進めていこうということで、厚生労働省の中でも、事務レベルでもいろいろな検討を今進めているところでありまして、政府全体で取り組んでいく課題であるというふうに考えております。

大村委員 その際の検討の責任者、担当大臣というのはどなたになるんですか。何か新聞報道等々では鳩山総理から仙谷大臣に指示があった、こういうふうな報道もありますけれども、仙谷さんなんですか、それともどなたでしょうか。

長妻国務大臣 これについては、厚生労働省が担当の省でありますので、担当大臣は私。ただ、これは政府全体で、財源の問題も大きくかかわる話でございますので、それを取りまとめる調整役として仙谷大臣、こういうような形で、この前の協議も、総理大臣、そして菅財務大臣、あるいは千葉法務大臣も入った形で協議をしてきたということであります。

大村委員 役割分担があるというのはわかりますが、これは取りまとめ役は仙谷大臣ですか、それとも長妻さんですか、どちらですか。いわゆるまとめの中心というのは。

長妻国務大臣 調整、取りまとめは仙谷大臣で、担当、具体的な事実関係とかこれまでの経緯、あるいはアナログ製剤、B型肝炎の助成の対応などなど、それについては私が担当するということであります。

大村委員 ちょっと厚生労働委員会で仙谷大臣といっても来られないでしょうから、また別の機会にそれはしっかりとお聞きしたいと思いますが、長妻大臣、厚生労働省がやはり一番の責任官庁になろうかと思いますから、それは責任を持ってやっていただきたい、そのことは申し上げておきます。

 そこで、山井政務官にお聞きしたいというふうに思います。お待たせをいたしました。なかなか山井さんにお聞きする機会がなかったので、きょうはこの点についてお聞きをしたいと思います。

 山井政務官は野党時代、この間の選挙の前、私の手元にもその例がございますが、去年の四月にこの厚生労働委員会で、この点について質疑をされておられます。

 その際、やはり一日も早く和解に結びつける、これが薬害肝炎の教訓だったんじゃないですかとか、和解へ持っていきたいような思いは、大臣、当時は舛添大臣でありますが、お持ちなんですかどうですかとか、前向きに検討してもらいたいというようなこととか、私の名前も出していただいて、こういったことについてもやはり前向きにやるべきじゃないか、厚生労働省は前向きに対応すべきじゃないかということを、もう何度も何度も何度も何度も、それこそ涙ながらに繰り返し訴えられておられました。

 今はどういうお考えでございますか。簡潔にお答えください。あなたは答弁が若干長いので、簡潔にこの点はお答えいただきたいと思います。

山井大臣政務官 大村委員にお答えを申し上げます。

 この薬害肝炎の問題、そして集団予防接種によるB型肝炎の問題、これは私も、命を守るのが政治の原点であるという思いでライフワークとして取り組んできておりましたし、政務官になって、これからもそういう思いで取り組んでいきたいと思っております。

 まさに、私の議事録の中に厚生労働省はもっと前向きにということがあったと今おっしゃいましたけれども、政権交代後、民主党の肝炎対策議連の方々とともに、また厚生労働省の方々とともに、何度も何度もこのことに関しては、B型肝炎の訴訟については打ち合わせを昨年からずっとずっと続けてまいりました。

 そして、これは段階的に取り組んでいく問題だということで、まずはB型肝炎について国の責任があるという肝炎対策基本法を成立させることが必要ではないかという党派を超えた委員の方々の声を受けて、まずはB型肝炎の国の責任を認めた最高裁の訴訟に基づいてでありますが、そういう法律が成立をいたしました。また、第二弾としては、それを踏まえて、昨年末、予算においてB型肝炎の治療に効果がある抗ウイルス剤の医療費助成、これも初めてのことでありますが、これを予算案に入れることにしました。そういう意味では、第一弾として肝炎対策基本法、第二弾としてB型肝炎の抗ウイルス剤の医療費助成、そして第三弾、ここからが本丸である訴訟の問題になってくるかと思っております。

 私も、今までから何度も何度も原告の方々、またB型肝炎の患者の方々にもお目にかかっておりますので、B型肝炎の被害者の方々が適切な医療を一日も早く受けられるように、またその方々の救済のために、これからも引き続き私は全力で頑張ってまいりたいと思っております。

大村委員 いやいや、前段のことはもうわかっていますから結構ですよ。そういうことじゃなくて、今回の、最後あなたが言われた、一番肝心なところをぼやかそうとして前段のところを引っ張って言われたんだと思いますが、訴訟についてどうするのか。あなたはこの議事録で和解について、和解すべきだ、何で和解に持っていかないんだということをさんざん言われておられる。そのお考えに変わりはないのか、今政務官というお立場なんですから、厚生労働省をそういうふうに持っていかれるのかいかれないのか、その点について今ここでお考えを答弁いただきたい。

山井大臣政務官 このB型肝炎の和解については、薬害C型肝炎よりも多くの患者の方々に広がりがある、そういう問題だというふうに認識しております。だからこそ、今長妻大臣が御答弁されましたように、一厚生労働省だけの問題ではなく、これは仙谷大臣にも調整役を担っていただき、また首相官邸とも協議をしながら、今回、私たちは政府全体で取り組むという考え方を示して、今も鋭意その議論をしております。私も長妻大臣の指示のもと、また仙谷大臣の指示のもと、しっかりと取り組んでいきたいと思っております。

大村委員 あなたはこれまで、国は和解に応じるべきだ、そして厚生労働省はそれに前向きに対応すべきだ、何で和解しないんだ、こういうことを言っておられるわけです。そのお考えに変わりはありませんかということと、今政府におられるわけですから、五月十四日の期日までに和解をするようにということで行動されますか、されませんか。いかがですか。

山井大臣政務官 今御指摘いただきましたように、次の期日が五月十四日であります。原告の方々も一日千秋の思いで前進することを待っておられると思っておりますし、残念ながら、一日に百二十人もの肝炎の患者の方々が亡くなっておられます。これは本当に一刻の猶予も許されない問題だと思っております。ですからこそ、今厚生労働省のみならず、政府を挙げて仙谷大臣を調整役に、長妻大臣のリーダーシップのもと、私たち全力で取り組んでまいりたいと思っておりますし、これは党派を超えて、ぜひとも、このことに関しては厳しく御指導そしてまた御指摘もいただきながら、一緒に党派を超えて取り組んでいきたいと思っております。

大村委員 和解に向けて行動されますか、されませんか。

山井大臣政務官 このことに関しましては、仙谷大臣も五月十四日、次の期日までには方向性を出したいということを言っておられまして、このことに関して今鋭意協議を続けているところでありますので、仙谷大臣、長妻大臣とともに取り組んでまいりたいと思います。

大村委員 和解に向けて行動するのかしないのかと聞いておるんです。イエスかノーか、言ってください。

山井大臣政務官 この和解に関しましては、さまざまな論点があります。そして、先ほども言いましたように、政権交代をしてからずっとそのことの協議を続けてきておりまして、今、それこそ仙谷大臣がおっしゃっておりますように、次の期日までにその方向性を出すべく精いっぱい今も作業を続けている最中であります。

大村委員 さまざまな論点がある、そういう言い方ですか。今まで言ってきたことと違うんじゃないでしょうか。

 ですから、私がここでお聞きしたいのは、和解に向けて行動されますか。したがって、その結果、五月十四日という日は必ず来ます、その日に向けて、もしあなたがこれまで言ってこられた和解という方向でなかったら、これまでの行動との整合性をとる意味で、政務官という職をやめますか、いかがですか。お答えください。

山井大臣政務官 鳩山総理も、命を守りたいということをおっしゃっておられます。そして、これは、解決がおくれればおくれるほど、本当に命にかかわる問題だと思っております。

 そういう意味では、先ほども申し上げましたように、一日も早く、B型肝炎の被害者の方々、そういう方々が適切な医療を受けられて、そして救済が図られるように、私は全力で今までどおり頑張ってまいりたいと思っております。

大村委員 いや、私が言っているのは、五月十四日という日が来るので、そのときまでに和解に向けて行動されますかと言ってもなかなかお答えにならない。その際に、私は、もしそうならなかったらやめますか、それだけの覚悟を持って取り組んでいるんですかということを聞いているんです。覚悟を持って取り組んでおられますか。

 もしこれがあなたが言っているようにならなかったらやめますか、いかがですか。これは内閣の姿勢を聞いているんです。そして、あなたの政治姿勢を聞いているんです。

山井大臣政務官 仙谷大臣も次の期日までには方向性を出したいということをおっしゃっておられます。

 これは先ほども言いましたように、非常に大きな、多くの方々に関係をすることでありますので、一番よい形の決着を図ることができるように、私たちも仙谷大臣、長妻大臣と力を合わせて、政府を挙げて今取り組んでいる最中でありますので、遅くとも五月十四日までには方向性を出せると思いますので、お待ちをいただければと思います。

大村委員 正直言って、失望しました。今までの切れ味鋭く言ってきたことは何だったのでありましょうか。今何回聞いても、あなたの答弁から和解という言葉は出てこないわけでございます。その程度の覚悟でやってきたのか、その程度の思いで取り組んできたのかということを指摘せざるを得ません。

 私は、この問題は引き続き、皆さんが言ってきたこと、特にあなたが言ってきたこととの整合性も含めてしっかりとただしていきたいと思います。なお、我々も、しっかりこれを詰めて、党としての考えも表明する機会も近いと思います。その点についても申し上げておきたいというふうに思います。

 次のことに参ります。

 次は、日本年金機構の業務運営について、数点といいますか、若干お聞きをしたいというふうに思います。

 お手元に資料がお配りしてございます。その資料は、二月二十六日の関西地方に流れた朝日放送「NEWSゆう+」という番組が年金機構について特集したものを、私の事務所でメモ起こしをしたものでございます。

 年金機構ができて二カ月になりますが、それについてどうか。概略をちょっとだけ申し上げますと、新機構のキーワードは民間だということ、それでサービスも民間並み、しかもサービスに関する目標は、お客様へのお約束十カ条という初歩中の初歩のものが出されている。

 いろいろな利用者の声がありまして、親切になったという声がある一方、役所気質が抜けていないという声もある。窓口スキルが落ちているというような声もある。また、番組の取材者の声として、保険料の給付だけに使うはずが運営費に使われている、二年間集中対応が、四年が前提になっている、年金手帳の計画見直しなど民主党の年金政策がかなり違ってきているという指摘があります。

 その後、私のインタビューがありまして、民主党はかけ声、スローガンだけでビジョンがないということも申し上げました。

 社会保険庁の元職員尾崎さんという方が、何も変わっていない、長妻さんは大臣になってから鳴かず飛ばずだというような話もございました。その後、現役職員の声ということで、書類の滞留がひどいということ。それから、四年後に首になってしまうのかなど職員が不安を持っている中では、職員のモチベーションが上がるはずはない、民主党はきちんと説明すべきだというような番組でございました。

 この書類の滞留がひどいということについて、もう既に厚生労働省年金局にも、この点についてはどうなんだ、こういうふうに改善できないのかということを大分言ってあります。そのおさらいをきょうは確認の意味で大臣から、長妻さんから答弁をいただければというふうに思います。

 特にきょうお聞きしたいのは、代表的な事例として、健康保険証の発行が大幅におくれているというような話がございます。

 私の手元にも幾つかその状況を示したようなメールの写しがございまして、例えば、取得手続を行って、はや三週間たつが、まだ保険証が来ない。社会保険事務所の時代は直接持ち込めばすぐに交付してもらえたし、郵送でも一週間から十日で発行、送付してもらえた。それが、年金機構になり、健保協会になり、三週間たっても全然来ない、どうなっているんだというようなものとか、あとは、年金事務所へ資格取得届を提出、一カ月近くたっても健康保険証が届きません、協会けんぽに確認すると、資格取得のデータが未入力であるということでありますというようなものとか、同じように、三週間以上はたっている、特に被扶養者の中に子供がいる場合にはすぐにでも保険証が必要になるのに一体何をしておるんだ、こういうような幾つかの声が私のところにもございます。

 これについてはどういうふうになっているのでありましょうか。これはちゃんと業務運営の改善ができているのでありましょうか。年金機構に移って、今まで交付ができていたものが、なぜこんなに一カ月も滞るなんということが起きているのでありましょうか。その原因とか実態はいかがかということについてお聞きをしたいと思います。

長妻国務大臣 今、前段で、年金記録問題で何もやっていないじゃないか、そういう趣旨のお話がございましたけれども、これは、政権交代後今まで、昨年の三月末では平均七・二カ月、記録がくっついて、申請をしてお金が戻るまでかかっていたものが、今は平均で三カ月以内で払われるということに短縮をされております。あるいは三つの、第三者委員会に送らないでも年金の事務所で訂正ができる、こういう新たな要件、国民年金の二年以下の未納の場合、あるいは標準報酬月額の改ざんでも従業員の場合、脱退手当金のマル脱という判こがない場合などなど、要件緩和を進めておりますし、四年以内に紙台帳を全件照合する。あるいは法案についても、国民年金のさかのぼり納付で、新たに被保険者で最大四十万人の方が無年金にならないで済む、あるいは年金額をふやせる方が最大一千六百万人に上るなどなど、やっております。

 それと、今のお話は健康保険証でございますが、これについては、今まで社会保険庁時代はおおむね一週間で、協会けんぽ、かつては政管健保でございましたが、保険証が発行されていたということでございます。

 これは本当に申しわけないことでございますけれども、機構が発足時の一月については、例えば埼玉事務センターでは三週間以内に延びてしまった、大阪事務センターでも三週間ということが、非常に長い事務所、事務センターがございましたが、今では、三月二十三日時点でございますが、埼玉事務センターは五日から六日ということで社会保険庁時代のペースまで戻り、大阪事務センターは八日から十日ということでまだ若干何日かは長いところでございますが、三月二十三日現在を調べますと、おおむね社会保険庁時代の水準まで、一部若干それに達していない事務所、事務センターもございますけれども、戻ってきていると承知をしておりまして、この間、国民の皆さんに御不便をおかけしたことについてはおわびを申し上げます。

大村委員 それは、原因はどういうふうに分析をしておられますか。最初、一月、二月の段階で大分滞留したということについて、それはいかがでございますか、聞いておられますか。

長妻国務大臣 一つは、例年一月は、資格取得の届け出に加えてボーナスに関する届け出も多くなるということ。ただ、これは例年の話でございます。

 もう一つは、機構の設立に伴う人事異動の影響もあったというふうに我々考えておりまして、懲戒処分を受けた方については職場から離れていただいて、日本年金機構には一人も行かないということもございましたので、そして民間人を千人以上新たに雇ったということ等々で、社内の研修などの影響でふなれな部分があったのではないかというふうに我々は考えておりまして、それを早急に是正してきているところであります。

大村委員 埼玉、大阪とかそういったところが特におくれたというふうに私も聞いておりますが、日にちのめどを言われましたけれども、大体どのぐらいのめどで交付するということになるのか。先ほど、社会保険庁時代は一週間ぐらいということでありましたが、そのくらいをめどに交付するというふうに改善をしたいということで受けとめてよろしいですか。

長妻国務大臣 先ほども申し上げましたけれども、もちろん、社会保険庁のときよりもサービスが低下してはいけませんので、社会保険庁時代と同じような一週間をめどということでございまして、三月二十三日現在では、ある程度の事務センターが一週間ということになっておりますが、先ほども申し上げましたが、大阪事務センターは一月には三週間でございまして、今の時点でも八日から十日かかるということで、その日数を一週間以内に短くすべく、今取り組んでおります。

大村委員 こういうことにつきましても、私どもは一つずつ、細かい話と思われるかもしれませんが、やはりこういうことが大事なので、一つ一つきちっとチェックし、フォローしていきたいというふうに思います。

 なお、私はこの点についてお聞きしたかったので、最初にいろいろ言われましたが、再裁定を短くしたとかいろいろなことをやったのは我々がずっとやってきたので、そのことをとうとうと言われなくても結構でありますから、審議時間も限りがありますから、その点についてはしっかりと申し上げておきたいというふうに思っております。

 こうした問題、特に現場の規律をしっかりと回復させて、現場の業務運営の仕方を改善していくというために、我々もこれまで、選挙前まで全力でやってきました。これは引き続きチェックし、フォローしていきたいというふうに思っております。

 続きまして、年金記録の問題もお聞きしたかったのですが、もう時間がどんどん参りましたので、雇用保険の財政の問題についてお聞きをしたいというふうに思っております。

 この点につきまして、同僚の田村議員が先ほど質問したこととも関連をいたしますが、これは私、前回の一月の補正予算の審議のときにもお聞きをいたしましたが、雇用保険の失業給付の積立金残高が今年度末で五・一兆円ある、二十二年度末に四千四百億円を雇用安定事業に回してもまだ四兆円が残る、この巨額の積立金というのは適正なのかということ。そして、こんな状態でも一般会計から二次補正で三千五百億円繰り入れて、さらに、問題はここなんです、保険料率を千分の八から千分の十二に引き上げようとされておられるわけでございます。

 これは、先ほど五兆円とか四兆円のこの積立金が適正なのかどうか、こんなにあるのはどうなのかという議論、それは当然あると思います。そのことについて私が申し上げたいのは、そういう状態にあるにもかかわらず、何で保険料率を引き上げるのか。このことによって、二十二年度は六千億円負担増になるわけでございます。勤労者の方々から六千億円、四兆円も五兆円もたまっているのにさらに引き上げなきゃいけないという理屈がよくわからない。そのことを何点かにポイントを分けてお聞きしたいと思います。

 まず、足元の二十一年度、二十二年度が赤字だから、今後厳しい見込みだからということをさんざんお聞きいたしました。これはしかし、一年や二年で判断すべきことなのかどうか。要は、皆さんの答弁を聞いておりますと、先ほども長妻さんが言われました、過去十年ぐらいさかのぼると赤字があった、一たん四兆円ぐらいたまったのが四千億円ぐらいまでになったんだということを言われました。

 であれば、過去十年のスパンでこういう状況があったというふうに言われたなら、今後十年の、例えば二〇二〇年までを見通した収支の見通し、雇用保険財政のあり方を示すべきではないでしょうか。議論をするのには、前提となるデータとかそういったものがやはり必要だと思います。その二〇二〇年までの財政収支、雇用保険財政の収支を示すべきではないか、この点はいかがでございますか。

長妻国務大臣 あらかじめ二〇二〇年までの長期の収支見通しを示したらどうだというお尋ねをいただきましたけれども、やはり失業給付というのは景気の動向や受給者の動向によって大きく変動するということで、二〇二〇年までを長期に見越してある程度一定の予測をするというのは非常に難しいという点もあって、これは研究課題にさせていただきたいと思います。

 これは御存じだと思いますけれども、平成二十六年度までについては、ケースをさまざま分けましてシミュレーションをさせていただいているところであります。

大村委員 雇用保険の財政収支というのは、雇用者の数とそれから賃金、だから十年見通せば、賃金の上昇率で大体収入が出ます。それで支出の方は、失業者の見通し、その見込みの数字があれば、いろいろな前提を置けば、これはできるはずでございます。厚生労働省は労働力需給の推計を四、五年ごとに行って、現段階では二〇一七年までの推計は示しているわけでございます。こうした数値を使って財政収支の推計はできるのではないでしょうか。なぜしないんですか。

 この雇用保険というのは、一月に補正予算の関係で法律を一回出し、そしてまた今回出し、二度も出していく、そういうことがわかっていてそういう収支の見通しは全くしないんですか、データを示さないんですか。それでは十分な議論ができないと思いますが、いかがでございますか。

長妻国務大臣 いや、これはもう大村委員よく御存じだと思いますけれども、平成二十六年度までの収支については、事細かにいろいろな前提を置いて、何パターンものものを公開させていただいているところであります。

 二〇二〇年までということでありますが、今おっしゃられたように、お給料、標準報酬月額の上昇度合い、あるいは労働者の人口、自己都合による退職あるいは解雇による退職で受給の日数もさまざま変わってまいりますので、水準もさまざま変わってまいりますので、それを一つ一つ二〇二〇年まで予測をしていくというのは大変難しいということも御存じだと思います。

 今の時点では、全く予測がないわけではございませんで、平成二十六年度、今から四年後まで、年度ごとにさまざまなケースについてシミュレーションをして、それを公表させていただいているということであります。

大村委員 いや、それはさまざまなケースというよりも、ただ単に、収支差が三千億円マイナスになる、それから六千億円マイナスになるといった場合だけのものであって、ある前提を置いた収支見通しというふうには私は言えないのではないかというふうに言わざるを得ません。

 そこで、きょうは内閣府政務官、津村政務官にもお越しをいただいております。お聞きをしたいのは、一方で年末にあなた方がつくった新成長戦略では、二〇二〇年までに、私は何で二〇二〇年と聞くかというと、一つは、皆さんが十年ぐらい前の数字を言って、雇用保険財政はこんなに苦しくなったからやはり積んでおく必要があるんだと言われるということ、それからもう一つは、鳩山政権が、民主党政権が年末に、新成長戦略で、二〇二〇年までに名目三%、実質二%を上回る成長をするんだ、GDPも六百五十兆円にふえるんだ、そして失業率は三%台に低下するんだというものをつくっておられるんですね。となると、今後十年間で、今五百兆円前後あるGDPが百五十兆円もふえて、名目三%、実質二%の成長をする、失業率は三%へ二%も下がる。

 そうなると、これは当然のことながらでありますけれども、雇用者がふえて失業者が減るということになります。だとしたら、雇用保険の積立金、財政というのはずっと黒字になるんじゃないんでしょうか。だったら、何で今、こんなときに保険料率を上げなきゃいけないのか、こういう話にならざるを得ないのであります。

 したがって、そこで内閣府政務官にお聞きしますが、この新成長戦略で想定している、いわゆる雇用者数の増、それから失業者が三%台、二%も減るということであります。その失業者の数、そうしたことを雇用についてどういうふうに織り込んでおられますか。

津村大臣政務官 新成長戦略につきましての御質問、ありがとうございます。

 新成長戦略におきまして、「失業率については中期的に三%台への低下を目指す。」という私たちの試算の根拠についてお尋ねだったというふうに理解しておりますが、我が国の雇用情勢は依然として厳しいものの、このところ持ち直しの動きが見られます。御参考までに失業率を申し上げますと、前政権末期の昨年七月に五・六%と史上最悪の数字をつけまして以来、若干の改善をしておりまして、十二月は五・二%、一月は四・九%でございます。

 鳩山政権では、雇用、環境、景気、子供そして科学技術を五つのKと呼びまして最重視をしております。これまで、緊急雇用対策、緊急経済対策をそれぞれ講じてきましたほか、平成二十二年度予算案でも、雇用を初め、国民の命を守ることを最重視して編成したところでございます。

 中期的には、六月に向けて策定いたします新成長戦略の実施によりまして、内需を中心とする需要創造型経済を実現し、国民が安心して働き、能力を発揮する雇用の場が与えられることによって、所得を得て消費を拡大するという好循環を形成していく、そういった考え方でございます。

 こうした施策を通じまして、中期的に三%台の失業率を達成することは実現可能な目標でありますし、また、見通しというよりは、そのような目標に向けて政策を確実に実行していくとの決意を表明したものであります。

 もう少しるる補足も可能でございますが、お急ぎのようですので、一たんここで答えを終わります。あと三分ほどいただければ、もう少し説明できます。

大村委員 そういうことを聞いているんじゃなくて、この新成長戦略について、雇用の数と失業者の数というのはあるんですか。雇用の数、これだけGDPをふやす、そして失業率を三%台に持っていくというふうに明確に書き込んであるわけですから、当然なければいけないというふうに思うんです。それはあるんですか、ないんですか。

津村大臣政務官 先ほど申し上げましたように、この数字は、見通しというよりは、こうした目標に向けてそのほかの成長戦略、今まさにいろいろな弾を有識者の皆さんあるいは各省庁と活発な議論をしているところでございますが、こうした政策を総動員して実現していこうという決意を表明したものだと申し上げたわけでございます。

 数字の細かい説明が必要であれば、あと数分いただきます。

大村委員 要は、ないということですね。ということは、もうこれは絵そらごとだというふうに言わざるを得ないというふうに思います。(発言する者あり)いやいや、もういいよ。そういうことじゃなくて、僕が聞いているのは、それだけのものをつくったのにもかかわらず、十年間で雇用の数をどういうふうに持っていきたいか、それから失業率を三%台に抑えたいといっても、その失業者の数というのも手元にないというようなものしか出ていないということを確認させていただいたというわけでございます。

 しかしながら、これは鳩山内閣としてそういった目標を掲げている、決意を表明した。一方で、今現在五兆一千億円の年度末の積立金がある。そういう中で、なぜ保険料率を千分の八から千分の十二に引き上げて、もう一回申し上げますが、勤労者の方々に六千億円の負担増を今強いなければならないのか、押しつけるのかということでございます。

 逆に言いますと、では質問いたしますが、例えば、これはもう通告してありますから厚生労働省から答弁いただきたいんですが、仮定ですよ、失業率が数年たって三%台になった場合、二〇二〇年に今の積立金はどのぐらいまで積み上がるのでありましょうか。数字をお答えください。

長妻国務大臣 今の失業率三%のシミュレーションということでございますけれども、これについては、先ほど申し上げましたように、賃金水準とかあるいは受給者の再就職までの期間などについて、全体の数字が変わりますので、これは予測することが困難であるということでありまして、失業率が三%になった場合の積立金の水準や雇用保険料の見込みを立てるということは困難であります。

 先ほど言われました五兆一千四百億という積立金も、二十二年度になりますと、これはあくまで見込みでありますが、三兆九千七百九十九億円ということで、一兆円以上減るということにもなるわけでありまして、そして、失業給付の雇用保険料が上がるということでございますけれども、これについては、本来はこれは本則に戻るということで千分の十六ということになるところが、弾力条項ということで、それよりは安い千分の十二ということに抑えているということも御理解いただきたいと思います。

大村委員 いや、そんなものは制度の説明なので要りません。そんなことじゃなくて、では、裏返してもう一つお聞きしますけれども、それでは、例えば今の五兆円くらい積立金を持っておくというふうにするのであれば、失業率が仮に三%台ということだったら、保険料率はどのぐらいで済むのですか。今の五兆円ぐらいの積立金が要るというふうに言われるならば、失業率が今の五%台から三%台に下がるということだったら、保険料率はどのぐらいで済みますか。これも質問通告してあります。

長妻国務大臣 今のお尋ねでございますけれども、それについても、失業率が三%になったときの保険料率ということでありますが、それにしても、実際にこの労働力率がその当時どのくらいなのか、あるいは全体の賃金水準がどういう状況なのかなどなど予測をしないとならないということでございますので、これについては、今の段階では予測をしてその料率をお示しするというのは困難であります。

大村委員 要は、きょうは雇用保険財政、今回の法案の制度のところで一番大きなポイントというのは、先ほど同僚の田村議員も言いましたが、やはり五兆円ある積立金、これがあるにもかかわらず、一方ではこちらに国庫の資金三千五百億円を投入し、一方で雇用二事業の方には直接投入しない、そういう枠になっている。であれば、その議論の前提になるデータとか数字をいろいろお聞きしたんですけれども、結局、何一つまともに数字とかデータをお示しいただけないということがわかったわけでございます。

 皆さんが十年ぐらい前に、こんなに雇用保険財政が悪化したから、安心のために、安全のために持っておかなきゃいけないんだと言いながら、今後どうなるかは全くお示しをいただけない。

 一方で、二〇二〇年にこれだけ成長するんだというバラ色の、ある意味で中身のない絵そらごとを示して、中身を、個々の一つ一つの数字を聞いたら何も答えられない。それでもって、では、今五兆円ぐらいのものを、基金をそのまま持っておいて、失業率が成長戦略でいう三%台になったらどのくらいの保険料率でいいんですかという試算を出してくれと言っても、いろいろな仮定を置いて結構だからその試算を出してくれと言っても、全く出てこない。

 要は、先般の子ども手当でも同じというふうに申し上げたいと思いますが、議論の前提となるデータとか資料とか、そういったものが全くない。そういうものもなくて何で議論が深められるのか、審議が深められるのかということを申し上げざるを得ないというふうに思っております。

 今回、雇用保険特会には、少なくとも五兆円を超える積立金がある。それで、はっきり申し上げますが、あなた方がもしこの新成長戦略を達成するということになれば、今の五兆円なんてはるかに超える積立金が積み上がるわけですよ。それを一方で言いながら、それでも保険料率を上げていくということについては、これは我々だけではなくて多くの国民の皆さんも、そして勤労者の皆さんが納得するとは思えません。

 五兆円の積立金がさらに積み上がっていく、どんどん積み上がっていくということがわかっていてといいますか、皆さんがそう言っていて、一方で、千分の八を千分の十二に上げて、一年で六千億円の負担増を勤労者に押しつける。このことについては我々は反対せざるを得ないということを申し上げたいと思います。ましてや、現下の不況のこの状況を見れば、この六千億円という負担増は認めるわけにはいかないというふうに思います。

 したがって、我々は、この千分の八をそのまま据え置く、保険料率を据え置くという修正案を提案することといたしております。これをぜひ多くの皆さんに御賛同いただきたいというふうに思います。

 今回の法律の大きな問題点、五兆円のこうした積立金、皆さんが埋蔵金とかつて呼んでいたものがさらに積み上がっていくにもかかわらず、負担増を国民、勤労者に押しつける。大変問題だということを申し上げて、私の質問は終わらせていただきます。

 以上です。

藤村委員長 次に、坂口力君。

坂口(力)委員 前回質問させていただきまして、その中で幾つかの宿題を残させていただきました。

 まず最初は、アメリカの雇用回復なき経済回復、そのことについて触れさせていただきまして、そして、日本においてもその可能性がなきにしもあらずであるということを申し上げました。

 その理由としては、アメリカにおけるジョブレスリカバリーは、製造業の失業者がふえるだけではなくてサービス業の失業者もともにふえているというときに起こっている。日本で見ました場合にも、日本も製造業の失業者がふえているだけではなくてやはりサービス業のところも非常に厳しくなっている、こういうことを申し上げたわけであります。それに対して大臣からは、職業訓練等については非常に大事だという御答弁もいただきました。

 しかし、これから先のことを考えますと、より厳しい状況が訪れるかもしれない、景気は回復してくるかもしれないけれども雇用はそれほどよくならないかもしれない、そういう不安もあるわけでありますから、もう少し、今までの雇用対策以上のことをしておく必要はありませんかということがあって、宿題にさせていただいたところでございますが、その辺のところからもう一度お聞きをしたいと思います。

    〔委員長退席、中根委員長代理着席〕

細川副大臣 坂口委員には、失業雇用問題について大変御心配をいただいておりまして、雇用の問題にはしっかり私どもも取り組んでいかなければならないというふうに思っております。景気が回復をして、そしてどの産業が発展をしていくか、これによって職業転換ということをしっかり国の方でやっていく、こういうことが大事ではないかというふうに思っております。

 そういう意味では、職業訓練をしっかり行いながら新しい職種についていけるような、そういうことが大事でございます。したがって、職業訓練は、公的な職業訓練、そして基金事業、これらで職業訓練をいたしまして、来年度は約三十万人の訓練枠を確保しているところでございます。

 そこで、この職業訓練がしっかりと実施をされまして、質の高い人材の育成を図るにはどうしたらいいか、こういうことになりますが、私どもとしては、三つほどその方向性を考えております。

 一つには、職業転換を希望される方に、安易と言っては失礼ですけれども、例えば介護の方が仕事がたくさんあるから製造業務についていた人がすぐにそちらの方に行けるかどうか、その適性がどうであるかということも大変大事でございます。そこで、ハローワークにキャリアコンサルタントを配置いたしまして、一人一人にどの職業が向いているのか、そこをしっかり指導していくということをやらせていただきます。それが一つであります。

 もう一つは、各産業別に、特にこれから発展をするところ、あるいは雇用のニーズがあるような、そういうところではどういう人材が必要なのか、そういうことを特に調査いたしまして、そのニーズに合った職業訓練コースをセットいたしまして、職業訓練が的確にできるように、そういう各産業のニーズに合った形での訓練をしていく、こういうことであります。

 さらにもう一つは、最近の企業というのは特に即戦力の人材を求めておりますので、現場実習などを取り入れましたそういう職業訓練もいたしまして、そして、企業側の即戦力のニーズに合うようなそういう職業訓練もやっていくというところでございます。

 こういうようなことで、これらを通じまして、雇用の確保、人材のしっかりした育成に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

 以上です。

坂口(力)委員 今幾つか挙げていただきましたけれども、今までやられてきたこととそう変わったことではありませんね。今までどおりのことをやっていこうという話ではないかというふうに思います。

 職業転換あるいは人材をどういう方向に持っていくかという調査、それから現場の訓練、それも大事なことではありますけれども、私は、もう一つあわせて、職業能力開発をやはり進めていかないといけない。職業訓練だけではなくて新しい分野の能力開発も進めていかないと、これからどんどんどんどん新しい分野も日本の中でできてくるわけでありますから、その要請にこたえていけるようにしていかなきゃいけないんじゃないかというふうに思うんです。これはもう答弁は求めませんけれども、それはそのとおりだというふうにうなずいていただいていますから、そうだと思います。

 そこで、雇用保険二事業の方の話ですが、こちらの方につきましても、雇用調整助成金がたくさん必要になって、雇用保険の方から借り入れを行うとかいうようなことがあって、しかし、そのほかのところにもたくさん使われておりますけれども、その辺のところを、きちっと節減のできるものはしていかなきゃいけないんじゃないでしょうか。それで、ほかにどんなところに使われているかちゃんと出してくださいということを言いましたら、百九十四項目いただきました。私、初めて全部を見ました。

 そうしますと、その中に独立行政法人雇用・能力開発機構があるんですね。ここに対しまして運営費の交付金が出ている。これは雇用保険二事業の中に含まれているわけであります。これを見ますと、平成二十一年の二次補正予算後で見ますと約七百二十九億円、それから二十二年度予算で見ますと六百十九億円、比較いたしますとマイナス百十億円になっておるわけですね。

 今御答弁いただきましたとおり、日本の雇用を心配ないものにしていくためには職業訓練が大事である、あるいは、先ほど私が指摘をいたしましたように、能力開発あるいはまた向上といったようなことが必要である。そうしたことが、これから一番求められるといいますか、今一番大事なところだと思うんですね。一番大事なところなんですけれども、雇用保険二事業の中身を見ますと、一番大事なところが百十億円もマイナスになっている。これはちょっと、政府の方も削るところを間違ったのではないか。

 たくさん財源が要りますから、雇用二事業のところも、あちらもこちらもマイナスが立っております。それはもう、ある程度ずつ減らしていくというのはやむを得ないこともあると思うんですけれども、大きな額のここが際立って少ない。一番必要なところが一番額が大きいではないか。これはいかにと思って目にとまったわけでありますが、どうですか。副大臣で結構ですから、答えにくいかもわからぬけれども、答えていただけますか。

長妻国務大臣 いろいろ貴重な御指摘をいただいて、ありがとうございます。

 今の件については、雇用・能力開発機構という独立行政法人については、効率性を高め、民間でやるべきこと、地方でやるべきこと、国でやるべきことを役割分担をして見直していく、そして、ある意味では、管理部門の今まで多少だぶついていたものも徹底的に見直すということで、百十億円、これは前年から削減をさせていただいているところであります。

 その中で、今御心配の職業能力という政策でありますが、これはおっしゃられるように、私も職業能力開発の仕事というのはこれからどんどんその重要性は増していくというふうに考えておりまして、国の役割として、一つは、言われたような最先端の新しい職業能力を開発する分野。そしてもう一つは、全国、民間も含め、あるいは地方自治体が取り組んでいる職業訓練も含め、そこで教えている講師、先生の皆さんに対する職業訓練というか、職業訓練の先生に対する最先端の再教育ということについて特化をして、今まで以上にその部分は機能を高めていこうというようなこと。そして、地方がこれまで取り組んでいるもの、民間でできるものについてはそちらの方にお任せをしていく。

 こういうような役割分担の中で、独立行政法人の雇用・能力開発機構の総合大学という中核の大学もございますけれども、そこについても今申し上げた方針で見直していくなどなど、こういうような形で削減をしておりますが、その重要性あるいは役割というのを何か軽んじているというものではありません。

    〔中根委員長代理退席、委員長着席〕

坂口(力)委員 金は減らしたけれども重要性はわかっている、こういう話でございますか。いささか矛盾しているところもあるというふうに思いますが。

 民間に任せておいてもいいところもあると思うんです。雇用訓練などで、今まで国の方がやっておりましても、国がもうやらなくても、民間にゆだねてもいい部分もあると思うんです。だけれども、民間に渡すときには、民間はそれで成り立っていかなきゃならないわけですから、新しい分野の雇用能力開発だとかそうしたところは、これは国がやらざるを得ないんですね。やはり、赤字を出すわけにいかない、民間にそうゆだねるわけにいきませんから、ここはやはり国の方がやっていかなきゃいけないと思うんですね。

 そういう意味で、こうした分野を担当しているところにつきましては、雇用・能力開発機構の中も節減しなきゃならないところもある、そこはわかっておりますけれども、それだけではなくて、しかし、国の方がやらなきゃならない部分があるということは理解をいただいて、そうしたところは、しっかりつけるべきところはつけて、そしてその他の削るべきところは削ってというふうにめり張りをつけて、大事なところに予算を投入するということにひとつ努力をしていただきたい。これは提言をしておきたいというふうに思います。

 私、二十五分しかないものですから、だんだん時間がたってまいりまして、ひとつ、答弁も手短に御答弁をいただきたいと思います。

 もう一つは、雇用保険の加入問題につきまして、今まで六カ月以上の雇用見込みから、三十一日以上の雇用見込みに緩和されました。給付を受けるのは、解雇でも六カ月ですけれども、掛金をする方は、三十一日雇用見込みでもう掛金をしなきゃならなくなりました。これではセーフティーネットが拡大したとは言えないではありませんかということを先日申し上げたわけですね。せっかく一カ月以上でもう加入をするんだったら、六カ月を一カ月にしろとは言いませんけれども、四カ月とか三カ月とか、もう少し早くもらえるようにしたらセーフティーネットとして役立つのではないかということを先日申し上げたんですが、御答弁ください。

細川副大臣 今回の改正は、三十一日以上雇用見込みがあれば被保険者になる、こういうことでございますが、しかし、受給については六カ月と、従来どおりでございます。したがって、御指摘のように、例えば三カ月の短期の雇用契約でありますと、雇用保険はもらえない、入らなければならないけれども受給はできない、こういうことになります。

 しかし、今回の制度で、短期の雇用が繰り返されるような場合は通算ができる、こういうことになっておりまして、例えば、一年間に解雇とかあるいは雇いどめなんかで二カ月が三回続くような場合には、合計して六カ月あればもらえる、こういうことになります。

 したがって、そういう短期で何回も繰り返さなければならないような人にとっても、今回の雇用保険の改正によって受給はもらえる、こういうことになるはずです。

坂口(力)委員 ちりも積もれば山となるという話ですね。小さいのでも、継ぎ足していって六カ月になればと。

 まあ、それはそうかもしれませんけれども、今まで六カ月雇用見込みと言っておりましたのを、出す方は三十一日雇用見込みで出すということにしたわけですから、そこはもう少し色をつけると申しますか、セーフティーネットとしてこれだけ役立つようにしましたよということがもう少し鮮明になるようにしてもらったら、さすがは民主党政権やな、こういうことになったんですけれども、これでは今までよりもまだ悪いなということになりかねないと思いますので、ここは一考してください。ひとつ、今後お考えをいただきたいと思います。

 あと五分になりましたので先を急ぎますが、事業仕分けにつきましてもいろいろございまして、これは先日質問しようと思ったんですが、時間がなくなってしまいまして先送りをいたしました。

 事業仕分けで削減されました予算額は六千九百十九億円、そして、厚労関係では千九百六億円、これだけになっております。これで、厚生労働省だけではなくて全体での、この事業仕分けによって予算が削減をされ、そして事業が小さくなったといったようなことによって、ここから失業者もかなり出ているというふうに私は思います。

 それで、どのぐらい失業者が出たかわかりますかということをこの前言ってあったんですけれども、多分大した答弁はないと思いますから先を急ぎますけれども、行政刷新会議でありますとかあるいは財務省は、これは財源を切ることが目的なんですよね。切り込んでいく、財源をつくっていく。だけれども、厚生労働大臣の立場からすれば、切られることによって、そこで大きな失業者が出るというものもあるわけですね。

 だから、厚生労働大臣の立場からすれば、失業者を基準とした事業仕分けというものがあってしかるべきと思います。そういう観点、そういう見方でこういう仕分けというものがされていけばいいんですけれども、現在行われているのはそうではなくて、財源をつくり出すためにいかにして切るか、そういうことでありますから、私は、現在の事業仕分けが続いていけばいくほど、またおやりになるそうですけれども、これまた雇用に影響がしてくるというふうに思います。

 その中の一つに、例えば、厚生労働省関係の中にこども未来財団というのがありますね。このこども未来財団は、これは基金が三百億ありましたけれども、三百億全部引き揚げられました。だから、基金はなくなってしまったわけですよ。

 こども未来財団は、子育てに対しては非常にいい仕事をしてきたというふうに私は思っています。子育てのソフト面でさまざまなことをやってきた。だけれども、この辺も、やはり三百億の基金が引き揚げられてしまいましたら、そこからもう利息は生まれてこないわけでありますから、国の方からその分全部出してもらえればそれはいいですけれども、なかなかそうもいかない。したがって、その内容はだんだんと小さくしていく以外にない、こういう状況にありますね。そういう状況になって、現在では非正規の人をどんどん切っていくというようなことが行われているというふうに聞いております。

 したがいまして、私もこれは全体を把握しておるわけでもありませんけれども、この事業仕分けによって大変多くの失業者が出る可能性も一方においてある。

 これは最後に大臣に御答弁をいただきたいと思いますが、ほかの大臣はそういうことは考えてくれないわけですね。これは、ほかは全然考えてくれません。だから、厚生労働大臣がそういう会議の中では孤軍奮闘をして、それはいかぬということを言ってもらわざるを得ないんですね。私も経済財政諮問会議の中では、ほかは全然、だれも厚生労働のことについての味方をしてくれないんです。孤軍奮闘だったことを思い出すわけで、これはもうとにかく職責にかけて、だめなものはだめだというふうに言ってもらわないともたないという気が私はいたしますので、最後に答弁を求めて、私の質問を終わりたいと思います。

長妻国務大臣 今のお尋ねでございますけれども、事業仕分けにおいて、雇用に配慮するというのはもちろん大変重要なことだと思います。その一方で、政権交代がなぜ起こったのかということを考えますと、やはり、これまで言われているような天下り団体への浪費の問題や、あるいは不透明な、必要性がない事業が続いていくという御批判もいただいて、大きく政治が変わったのも事実であります。

 私自身も、省内を点検して、必要があれば削減の指示をいたしますし、事業仕分けで指摘をされたとしても、これはどう考えても国民の皆さんのために必要だというものについては、それについて御理解をいただき、その事業仕分けどおりにならなかったものもあるわけでございます。

 基本は、本当に必要性が高いか低いか国民の皆さんの目線でチェックをして、必要性が低い、あるいは税金の浪費に近いと思う事業については、雇用も配慮した上で見直していくということが何よりも重要ではないか。私自身は、厚生労働省の代表でありますけれども、国民の皆さんの代表者として送り込まれた人間でもあると思いますので、職員の皆さんあるいは団体の皆さんとの利害が対立することも間々あるかもしれませんけれども、それについては国民の皆さんの立場に立って、税金あるいは保険料、国民の皆さんの金ですべてが運営されておりますので、その視点で取り組んでいくということであります。

 ただ、おっしゃられたような雇用への配慮というのも、雇用を担当する大臣としてきちっと目配りをしていくということは言うまでもありません。

坂口(力)委員 終わります。

藤村委員長 次に、高橋千鶴子君。

高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 北海道や青森県を初め、積雪寒冷地などで冬場に仕事のない建設労働者などいわゆる季節労働者は、短期雇用特例被保険者として、失業した場合、基本手当の四十日分に当たる特例一時金が支給されております。

 資料の一にあるように、今回の法改正で、先ほど議論がされていた三十一日以上の雇用見込みということで、適用要件が緩和をされるわけです。これによって、短期雇用、左側の「現行」のところを見ていただきたいんですが、短期雇用特例被保険者のうち短期常態の者が一般被保険者に組み入れられることになりました。

 伺いたいのは、短期常態、「一年未満の雇用に就くことを常態とする者」と書いておりますけれども、どのような職種が該当するのでしょうか。また、短期雇用特例被保険者のうち一%が短期常態だと言われていますけれども、その根拠について伺いたい。政府参考人にお願いします。

森山政府参考人 お答え申し上げます。

 短期雇用特例被保険者の実態等についてのお尋ねでございました。

 平成二十年度におきます短期雇用特例被保険者の資格取得件数は、二十万九千六百二十八件でございます。このうち、今先生おっしゃいました短期常態者としての資格取得件数につきましては、特別に集計をいたしました。その結果、二千二百七十件ということでございまして、今先生がおっしゃいましたように、約一・一%ということでございます。

 その実態でございますが、安定所等に聴取をいたしましたところ、具体的には、例えば離島等の建設の労働者、あるいは給食の調理員、あるいはゴルフ場のキャディー、こういう方々が見られるという状況でございます。

高橋(千)委員 皆さんにも聞いていただいて、おやと思ったと思うんですけれども、境界が非常にあいまいなんですね、どこまでが短期常態で、どこまでが季節か。例えば、ゴルフ場のキャディーだとおっしゃいますけれども、では、キャディーは雪が降れば仕事ができないという点では季節労働者とどこが違うのか。離島の建設業者は公共事業の発注時期があるからそれに近いのだと言っておりますけれども、こうやって突き詰めていくと、やはりあいまいな境界になってしまうわけなんですね。

 それで、これまで政府は、循環的な給付なんだ、だからこの短期雇用特例被保険者一時金については見直しをするのだといって、これまでは九十日あったものがどんどん削減されてきたわけですけれども、基本的に、要件となる日数、一年間に半年以上、これは月十一日以上とみなしておりますので実質四月と二十二日なわけですけれども、この要件自体で見ると、短期常態と季節労働者の働き方というのは違いがないわけなんです。それなのに、短期常態の人が一般被保険者になれば、九十日基本手当が支給されます。季節労働者は四十日のままです。おかしくないでしょうか、大臣。

長妻国務大臣 今のお尋ねでございますけれども、今回の措置は、非正規雇用の方で三十一日以上の雇用見込みということに対して最低九十日給付日数ということになるわけで、今おっしゃられたような短期雇用特例被保険者の方は、法の本則は三十日ですが、今特例として四十日になっているものが九十日になるということで、これは給付日数はふえるということになるわけでございます。当然、受給資格要件については変わってくるわけでございますが、基本的には、我々の思いはセーフティーネットを手厚くしていきたい。

 そして、今おっしゃられた一%の方々の解釈でございますけれども、これについて、不透明な点がないように、全国について統一的な対応がなされるような、きちっとしたQアンドAあるいは定義を示した通知などもこれから考えていきたいと思います。

高橋(千)委員 今のお答えは、全然質問に答えていないんです。短期雇用特例被保険者と分かれていた人のうち、一%だけが短期常態だということで九十日基本手当が受けられる条件がある、それ以外の人は置き去りにされて四十日のままだ、おかしくないかと聞いているんです。

長妻国務大臣 これは、先ほど言われたような季節労働者という方と短期常態という方を、二つに考え方を分けさせていただいて、短期常態の方、そして一般被保険者の三十一日以上の見込みの方が今度新たに一般被保険者に入っていただくということで、一般被保険者の方はこれまでは六カ月以上でございましたので、その間の方が新たに加わるということであります。

高橋(千)委員 全く答えになっていないんですよ。おかしいと思っていないということなんですね。自分で言っていることが矛盾していると思いませんか。

 少し突き詰めてお話ししていきたいと思うんですけれども、一%だけが九十日もらえるというのは、これは、一%だから財政に影響ないというのがぶっちゃけた話なんですよ。そこを、本当にそれでいいのかということを言っているんです。

 私は、〇七年にも季節労働者問題を取り上げていますが、当時、柳沢大臣は、通年雇用化を一層促進すると答えておりました。資料の二を見ていただきたいんですけれども、通年雇用も、奨励金によって若干ふえてはいますけれども、一万人余にすぎません。

 北海道の有効求人倍率は〇・三六倍、選ばなくても仕事がないという状態です。札幌東部や苫小牧などは〇・二七倍。夏場より灯油代などかさむ冬場の三、四カ月を二十数万円の特例一時金でしのぐ、こういう状況に追い込まれているんです。

 苫小牧市の三十七歳の男性は、ここ数年、毎年のように仕事の稼働日数が減り続け、給料の手取りが減って困っている。保険料も払えず、子供を病院に連れていくこともできない。今では、一時金が出ても、その日のうちに支払いですべて出ていき、生活費にすら回らない。冬場のアルバイトもなく、毎年冬になると一家心中でも考えてしまう、このように訴えている。そういう実態なんです。

 それでも、毎年新規に季節労働に入る人がいるんです。北海道庁の調査では、〇七年に私が質問したときは五%、毎年新規に季節労働に入っていると言っていました。直近の調査はどうなっていますか、局長。

森山政府参考人 お答え申し上げます。

 二十年の季節労働者実態調査結果報告書、これは北海道が行ったものでございますけれども、昨年、十九年から新たに季節労働者になった者は五・九%ございまして、ことし、平成二十年から新たに季節労働者になった者は六・一%であるということを承知しております。

高橋(千)委員 今、六・一%というお答えがありました。要するに、これほど厳しい、仕事がないとわかっているけれども、新たに季節労働に入っていく人が六・一%、じわじわとふえているんですよ。どういうことかということ、それほど仕事がないのだということなんです。

 一方、建設政策研究所北海道センターの〇八年度の季節労働者の調査報告によると、年間の就労日数が百八十五日から百七十日まで減少しているんだ、そして、季節雇用されていたけれども、日数が足りず権利がつかなかったとか、そもそも雇用保険を掛けてもらわなかった。つまり、特例一時金にさえたどり着けない、そういう実態さえあるのだということをちゃんと見ていただきたいんですね。

 だからこそ、北海道の各自治体は独自の季節労働者対策をさまざま取り組んでいますけれども、それでも足りないと、六十七名の首長や議会議長名の副申書あるいは賛同書九十三通が国に出されていることは承知しているのではないでしょうか。

 せめて、こうした地域の声をしっかり受けとめて、本当は九十日と言いたいところですが、ともかく五十日以上に戻すべきだと思います。十日給付を延ばすためには約百億円。通年雇用や雇用対策の施策が進んでいけば、おのずと特例給付は減っていくんです。ですから、ずっと上り続けるということではありません。矛盾はありません。

 自公政権のもとで、循環的な給付は見直す、ほかの被保険者とのバランスをとるということが繰り返し言われてきました。しかし、今の新政権は、先ほど大臣がお答えしたように、非正規雇用でも、短期の雇用を繰り返していても、すべての労働者に雇用保険を適用するというように動き出しているんです。当然、季節労働者に対する考え方も変わっていいはずではないでしょうか。

長妻国務大臣 本来は、季節労働者などの短期雇用特例被保険者の方については、法の本則は三十日の支給でございますが、今、四十日ということになっているわけであります。

 先ほど、答えがないというふうに言われた点でございますけれども、季節労働者が今回の法改正の中でなぜ普通の雇用保険に入れないのかというお尋ねであるとすれば、季節労働者の方については、一定の期間の後に、毎年その仕事を一たん離れるということになるわけでございまして、仮に離れるたびに失業保険の給付ということが起こるとすると、負担と給付の関係で、果たしてそういう支給が適正なのかどうか。就労実態に即した制度をつくる必要があるというような考え方で、季節労働者は今も、従来、別になっているというふうに考えておりまして、その中でも、特例で短期常態という方、これは一%ということで、数としては大変少ないわけでございますけれども、そういう方については一般被保険者にも入っていただくということになっております。

 当然、雇用保険だけがセーフティーネットではないというのはよく御理解いただいていると思います。これ以外にも、生活保護になる以前にも、住宅手当も今、支給の期間を長くとるようにいたしましたし、要件も今後緩和をいたします。求職者支援ということで、雇用保険に入っていない方でも職業訓練を受けていただければ一カ月十万円あるいは一カ月十二万円の生活費を支給する、こういう全体のセーフティーネットも用意をさせていただいているということも御理解いただきたいと思います。

高橋(千)委員 限られた時間ですので、本当に同じ答弁を繰り返さないでいただきたいと思うんですね。

 自公政権が言ってきたことをあなたが繰り返す必要はないわけですよ。循環的な給付はだめなんだ、見直すんだということを言ってきたのが自公政権なわけですよね。

 だけれども、だれも最初から、冬になったら仕事を休んで、給付がもらえるからいいんだよなんて思っていないんです。最初から言っているように、二十万円で一冬暮らせるはずがないじゃないですか。もう支払いで終わっちゃうとみんなが言っている。どんな仕事でもいいから働きたいと仕事を見つけている。そのためのいろいろな技能訓練だとかそういう施策を政府はやってきた。でも、それをどんどん見直しをしてきて、現実にはまだ効果が上がっていないという実態なんですよ。

 それをどう受けとめるのかということと、その中でも一%だけ救うというのは絶対おかしいでしょう。そういう今までの考え方をちょっと変えたとするんだったら、今回だって変えたっていいじゃないか、新政権になって、そこがなぜ変わらないのかということを聞いているんです。もう一回。

長妻国務大臣 今、そのお金で、それだけでは生活ができないというお話でございましたけれども、だからこそ、先ほど申し上げた、国の施策としてはこの雇用保険とか一時金以外のセーフティーネットも用意をさせていただいて、それを周知徹底させていただくということを申し上げているところであります。

高橋(千)委員 大臣が同じ答弁を繰り返すので時間が来てしまって、残りの質問ができなくなってしまったんですけれども、今、失業給付だけではなくて、第二のセーフティーネットなどがあるんだということをおっしゃっていたわけですよね、今の答弁は。だけれども、それをずっと言い続けてきたんですよ、自公政権は。それで、訓練があるんですよ、そういう季節労働者対策の手だてがあるんですよと言ってきました。私、それをまるで否定していないんです。むしろ続けてほしいという声があったんです。

 それから、先ほどの資料の二にあるように、通年雇用が少しずつふえてはいます。まだ対象者のうちの一割ではありますけれども、いわゆる季節的な雇用から通年に移る人は出ているんですよ。

 そういう努力はこれまでもやってきたんだ、だから、そういう制度があるからいいんだではなくて、その制度がまだまだ届いていない、現状の厳しさを乗り越えるまでになっていない。だとすれば、それを乗り越えるために、今の給付金を少なくとも十日でもふやすということが必要なんじゃないかということを主張しているんです。

 これは、財政的にも、今やっている施策の点でも、無理のない要求をしていると思います。しっかりと検討していただいて、さらに続きの質問はまた次の機会にしたいと思います。

 ありがとうございました。

藤村委員長 次に、柿澤未途君。

柿澤委員 みんなの党の柿澤未途でございます。

 再度、公務員の雇用保険の適用についてお伺いをしたいと思います。

 私たちの基本的な考え方は、官民の垣根をなくすことです。従来の仕組みは、官庁に入ったら一生官僚、そして民間に入ったらずっと民間。だから、官僚の世界は民間から隔絶した特殊なルールで支配される世界になって、それが当然のように思われている。官民の間を人材がもっと行き来するようになれば官僚の世界は大きく変わる、それこそが究極的な脱官僚の道だというふうに私たちは考えております。

 長妻大臣自身、野党時代、こうおっしゃっております。二〇〇七年六月六日、内閣委員会でありますが、官民人材交流センターに関する渡辺喜美大臣に対する長妻先生の御質問です。

 何で官僚の方はハローワークに行って仕事を探さないんですか、公務員は何か特別な職業だと言われているけれども、自分は流通業に勤めているから、流通業も特別な職業だから、流通業あっせん人材バンクを税金でつくってくれ、運輸業だって特別だ、公務員も特別かもしれないけれども、そうしたら自分たちも税金で、公務員と同じように運輸業専用再就職あっせん人材バンクをつくってくださいよ、こういうお話を長妻大臣は渡辺当時の行政改革担当大臣に対して質問でおっしゃられております。

 この部分を拝見いたしますと、長妻大臣の基本的な政治家としての考え方には、公務員は何ら特別な身分でも職業でもない、こういう考え方が根底におありになると思います。私たちも基本的にそういう考え方でありますけれども、長妻大臣の基本的な考え方をぜひ御確認させていただきたいと思います。

長妻国務大臣 今、野党時代の発言を紹介いただきましたけれども、その考え方は今も変わっておりませんで、政権交代後、厚生労働省の官僚の方も、途中で、定年間際でやめられた方もおられますけれども、もちろん、あっせんはいたしておりませんで、御自身で職を探しておられる。一般の方と同じ対応になっているというのが現状でございます。

柿澤委員 今おっしゃられたことがどの程度徹底をされているかということには踏み込みませんけれども、きょうは、先ほど申し上げたように、その観点で考えると、なぜ公務員は雇用保険の適用除外になっているのかということなんです。

 公務員の身分は安定している、首にならない、こういう前提のもと、公務員は雇用保険を適用されていません。雇用保険に入っていません。したがって、雇用保険料を払っていない。一方で、退職金の中で失業給付相当の給付はなされているというふうに言われております。また、懲戒免職などのケースで退職金が支払われない場合にも、別途、失業給付相当の給付を受けることができるというふうにも聞きます。

 民間企業に勤めていれば、千分の四、この法案が通ってしまえば、一・五倍の千分の六の雇用保険料を労使折半として払わなければならない。しかし、公務員は、雇用保険料の負担ゼロ。なのに、失業給付相当の退職手当がもらえる制度になっている。明らかに公務員は特別扱いになっているのではないでしょうか。これは一体どういう考え方に基づく制度なんですか。

長妻国務大臣 今のお尋ねでございますけれども、公務員につきましては、三年以内などの短い期間で退職するなど相当に退職金が低い場合は、雇用保険法の規定による給付水準との差額を特別な退職手当として支給をしているということでございます。

 これについて、本当に、雇用保険法というある意味では民間の方中心の給付水準との差額という考え方が適当なのかどうかということについて、私がこれを直ちに、この所管ではございませんけれども、私自身も調べてみたいというふうに考えております。

柿澤委員 何度も言いますけれども、公務員は雇用保険料を払っていないんですよ。それに対して、失業保険給付と同額の、相当分として算定したものを民間並みとして払っている。これは、この間の厚生労働委員会の質疑でも内閣府の泉健太政務官にお尋ねをさせていただきましたけれども、そのときの様子を私はツイッターで書いたんです。そうしたら、やはり読者の方から、何だこれは、こういう反応が即座に返ってきましたよ。

 こんな制度を設けるぐらいなら、最初から雇用保険料を本人から取って失業給付をすればいいんじゃないですか。こうした制度を設けている結果、結局、雇用保険料を徴収しないまま、失業給付相当の給付を受け取ることのできる、公務員が得をしてしまっている、国民が税金でこれを負担しているということになってしまっているではありませんか。

 先日申し上げたように、官庁でも労働基本権を付与し、その上で民間並みの人事、リストラを行って、一方で、きちんと雇用保険料を支払って、失業したときは失業給付を受け取ってもらう、そういう仕組みに改めるべきだと思いますが、長妻大臣、冒頭の御答弁を踏まえて、ぜひ御見解をお聞かせください。

長妻国務大臣 雇用保険法の規定による給付水準との差額をということが、公務員の、三年以内の短い期間で退職するなど相当に退職金が低い場合に退職手当として支給されているということがありますので、これについて、私もよく調べてみたいというふうに考えております。そして、どういう考え方でこの原資が手当てされているのか、その全体額は幾らぐらいなのか、なぜ雇用保険法の規定に準拠する必要があるのかなどなど、御指摘をいただきましたので、調べてみたいと思います。

柿澤委員 調べてみたいと思う、これはこれで大変いい答弁をいただいたというふうに思うんですけれども、しかし、私の質問の趣旨にはお答えをいただいていません。

 労働基本権を付与して、民間並みの人事、リストラを行って、一方で、きちんと雇用保険料を支払って、そして失業したときは失業給付を受け取ってもらう、こういう仕組みを今後、来年には労働基本権付与の法案が鳩山総理の方針で出てくるわけですから、それを踏まえて、そうしたあり方に変えていく。公務員は何ら特別な身分でも職業でもない、こういう前提に立ってそれを行っていくべきだ、これを長妻大臣のお考えとしてどのように考えるか、それをお伺いしているんです。もう一度お願いします。

長妻国務大臣 仮に、民間と全く同じように労働三権が付与されて、民間と同じような立場になれば、そういう議論もあり得るのではないかというふうに考えております。

柿澤委員 そのような形で改革がなされた場合、公務員は、国家公務員と地方公務員を合わせて三百五十六万人おります。雇用保険の収入もふえる、一方で、失業給付を行っていく。労働保険特別会計の収支も大きく変わってくるはずです。

 先ほど申し上げたように、平成二十三年、来年の通常国会には法案提出ということになるわけでありますから、こうした形で改革を行った場合、労働保険特別会計の収支がどのように変わってくるのかということを試算として行っていく必要があるというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

細川副大臣 御指摘の、公務員が雇用保険に加入した場合にその会計の収支はどうなるかということであります。

 その場合に、公務員の離職率、それから、離職して再就職がどの期間でできるのかとかいう再就職率といいますか、そういうことでその収支が決まるわけです。

 今委員が御指摘されましたように、来年、二十三年度で公務員の改革が行われます。そのときに、公務員の身分保障がどうなるのか。労働三権がどのような形で付与されるのか、それによって公務員の身分保障も変わってまいりますから、そうしますと離職率とかそういうことも当然変わってくると思いますので、今その計算をするというのはちょっと不可能でございます。その公務員改革が行われたときには、そのような計算もできるものと思います。

柿澤委員 四年間で二割削減ということをおっしゃっているわけですね。そうすると、この身分保障の問題、そして公務員全体の退職管理のあり方ということを抜本的に考えなければいけない。しかも、四年間というおしりを切って皆さんそういうことをおっしゃられているわけですから、こうしたことも含めて、視野に入れて本来考えていかなければいけない、そして、試算も行わなければいけないのではないかというふうに思うんです。

 先日の泉政務官の御答弁も、随分先走った話をおっしゃいますね、こんな話でありました。しかし、私は、皆さんのタイムスケジュールに従って考えると、これは緊急の課題として考えなければいけないことなんじゃないですか、こういうことを考えましたので、この法案の質疑に際しましてお尋ねを申し上げているわけであります。

 このような御答弁では、本当に公務員制度の抜本改革を民主党政権で本気で行うつもりがあるのかな、こういうことになってしまうのではないかというふうに思います。

 長妻大臣が、まさに今我が党の代表となっている渡辺喜美元行革担当大臣にあの内閣委員会で迫った、そのときの考え方に立ち返って、ぜひ御検討いただきたいというふうにお願いを申し上げまして、時間も経過いたしましたので終わりとさせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

藤村委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

藤村委員長 この際、本案に対し、大村秀章君外二名から、自由民主党・改革クラブ提案による修正案が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。加藤勝信君。

    ―――――――――――――

 雇用保険法等の一部を改正する法律案に対する修正案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

加藤(勝)委員 ただいま議題となりました雇用保険法等の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、自由民主党・改革クラブを代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 理念なき鳩山内閣が発足して半年、我が国経済は、羅針盤なき航海のごとく出口の見えない厳しい状況が続き、サラリーマンの給与収入も大きく減少しております。厚生労働省の毎月勤労統計調査によれば、平成二十一年の労働者一人当たりの平均現金給与総額は前年に比べて三・八%減少しており、年収四百万円のサラリーマン世帯であれば、十五万円もの減少となっています。また、平成二十二年度においても、政府の経済見通しでは、雇用者報酬は平成二十一年度に比べてさらに〇・七%の減少が見込まれております。

 こうした中で、政府は、平成二十二年度の雇用保険、健康保険、厚生年金保険及び介護保険の保険料をそれぞれ引き上げようとしております。これによると、社会保険料負担の増加額は、年収三百七十万円の平均的なサラリーマンの場合、年間約四万円を超えており、中小企業を初めとした事業主にもほぼ同額の負担増が生じます。マクロベースで見ても、雇用保険で約五千億円、協会けんぽで約八千億円など二兆円を超える大幅な社会保険料負担の増加となります。給与収入は減少し、社会保険料負担が増加をするということでは、それでなくとも日々節約を余儀なくされているサラリーマン世帯にとって、まさに踏んだりけったりであります。

 平成二十二年度の雇用保険の失業等給付に係る保険料率については、政府提出の法案では法律上の措置が講ぜられておらず、千分の八から千分の十二へと五割も引き上げられることになります。

 一方、失業等給付に係る積立金残高は、仮に平成二十二年度に失業等給付の積立金から雇用保険二事業に四千四百億円の繰り入れを行ったとしても、その積立金残高は約四兆円と見込まれ、失業等給付に係る保険料率を直ちに引き上げなければならないという状況にありません。

 本修正案は、現下の厳しい経済状況にかんがみ、サラリーマンの方々及び事業主の経済的負担の軽減措置を図るため、平成二十二年度における失業等給付に係る保険料率を平成二十一年度と同様に千分の八とすることであります。

 本修正により、平成二十二年度の雇用保険料収入は約六千億円の減少が見込まれますが、先ほど述べた積立金残高の水準やこれまでの失業等給付に係る収支状況を踏まえれば、また、政府は失業等給付に係る積立金から雇用保険二事業への繰り入れを図ろうとしていることからしても、直ちに雇用保険財政の運営が行き詰まるとは考えられません。

 与党の委員の皆さんも、地元の中小企業の厳しい経営状況や、そこで働いておられる方々の厳しい家計状況については御存じのことと思います。厳しい経済状況が続く中では、政府原案を修正して保険料率を引き下げることが国民生活の支援につながることと確信しております。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。(拍手)

藤村委員長 以上で修正案の趣旨の説明は終わりました。

 この際、大村秀章君外二名提出の修正案について、国会法第五十七条の三の規定により、内閣の意見を聴取いたします。長妻厚生労働大臣。

長妻国務大臣 衆議院議員大村秀章君外二名提出の雇用保険法等の一部を改正する法律案に対する修正案につきましては、政府としては反対であります。

    ―――――――――――――

藤村委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、順次これを許します。田名部匡代君。

田名部委員 民主党の田名部匡代です。

 民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました内閣提出の雇用保険法等の一部を改正する法律案について賛成の立場から、また、自由民主党提出の雇用保険法等の一部を改正する法律案に対する修正案について反対の立場から討論を行うものでございます。

 我が国の雇用失業情勢は、昨年の夏に、有効求人倍率、完全失業率ともに過去最悪の水準を記録しました。三党連立政権樹立以降、持ち直しの動きが見られるものの、依然として厳しい状況のもと、国民の皆様が安心して働けるようなセーフティーネット機能を強化するとともに、雇用保険の財政基盤の強化等を早急に図っていかなければなりません。

 雇用保険法等の一部を改正する法律案は、このような観点を踏まえた上で、第一に、非正規労働者に対する適用範囲について、適用基準を現行の六カ月以上雇用見込みから三十一日以上雇用見込みと緩和することにより、現在、六カ月以上雇用見込み要件のために適用が受けられない非正規労働者に対して、雇用のセーフティーネット機能の強化を図っております。

 第二に、事業主が被保険者資格取得の届け出を行わなかったことにより雇用保険に未加入とされた者に対する遡及適用期間について、二年までから、必要な書類が確認された場合には二年を超えてとすることにより、雇用保険に未加入とされた者に対する遡及適用期間の改善を行っております。

 第三に、現在、多くの企業が活用する雇用調整助成金の支出の増大による雇用保険二事業の財源不足を補い、今後も安定的な雇用対策を実施するための措置を講ずることにより、その安定的な運営の確保を図っております。

 このように、本法案は、現下の厳しい雇用失業情勢における重要な課題について、その推進を図ることを内容とするものであり、ぜひとも成立をさせることが必要であると考えております。

 続きまして、自由民主党提出の雇用保険法等の一部を改正する法律案に対する修正案について、反対の理由を申し上げます。

 第一の理由は、失業率が高水準にあるなど雇用失業情勢が依然として厳しく、今後も失業等給付の収支が悪化することが懸念される中で雇用保険料率を引き下げることは、雇用保険制度を安定的に運営する観点から、到底受け入れられないものであることです。

 第二の理由は、過去の雇用保険財政の経験から我々は学ぶべきであるという点です。

 平成九年度には約四兆円あった積立金が急速に減少し、平成十四年度には約四千億円にまで減少したことから、雇用情勢が非常に厳しいにもかかわらず、年度途中に失業等給付に係る保険料率を引き上げるとともに給付日数を減らすなどの対応をとらざるを得なくなるという、非常に大変な経験をしております。このような事態を防ぐためにも、雇用保険制度本来の失業等給付に係る保険料率の範囲を超えた引き下げについては行われるべきではありません。

 第三の理由は、雇用保険法等の一部を改正する法律案は、保険料負担者である労使の合意を踏まえ提出されたものであることです。

 昨年十二月に、公労使により構成される労働政策審議会において、厳しい雇用失業情勢が続く可能性があり、失業等給付に係る収支の悪化が懸念されるものの、現在の積立金の状況を勘案した上で、失業等給付に係る保険料率を、弾力条項により、原則千分の十六であるところ千分の十二に引き下げる旨の報告がなされているものであり、この報告に基づいた保険料率とされるべきです。

 このような修正案には、責任ある与党の立場として到底賛同するわけにはまいりません。

 以上、内閣提出の雇用保険法等の一部を改正する法律案について賛成することを表明して、私の討論といたします。(拍手)

藤村委員長 次に、あべ俊子君。

あべ委員 私は、自由民主党・改革クラブを代表いたしまして、ただいま議題となりました内閣提出の雇用保険法等の一部を改正する法律案に反対、自由民主党・改革クラブ提出の修正案に賛成する立場から討論を行います。

 政府提出の法律案に反対の第一の理由は、本法律案は、所得が減少しているにもかかわらず、来年度の雇用保険料率の引き上げを黙認していることでございます。

 平成二十一年の労働者の一人当たり平均の給与は下がっている。さらには、二十二年度の見込みに対しましても、さらに下がるという減少の見込みが行われている中で、政府は、平成二十二年度の雇用保険、健康保険、厚生年金保険及び介護保険の保険料をそれぞれ引き上げようとしています。

 これによると、年収三百七十万の平均的なサラリーマンの場合、本人及び事業主の負担がそれぞれ年間四万円も上昇し、マクロベースで見ても、雇用保険で約五千億円、協会けんぽで八千億円、厚生年金保険で二千七百億円もの大幅な保険料収入の増加となります。サラリーマン世帯にとって、極めて厳しい負担増であります。

 平成二十二年度の雇用保険の失業の給付に係る保険料率について、本法案では法律上の措置が講ぜられず、五割も引き上げられることになります。

 平成二十二年度に、失業等の給付の積立金残高は四兆と見込まれております。つまり、平成二十二年度の失業給付に係る保険料率は、引き上げるのではなく、私ども、政策立案能力の高い自由民主党・改革クラブが提出した修正案のとおり、平成二十一年度と同じ保険料率に据え置くべきであります。

 反対の第二の理由でございます。

 平成二十二年度におきまして、雇用調整助成金など雇用保険二事業は、失業等の給付の積立金から四千四百億円を借り入れる予定でございます。

 失業等の給付は労使の保険料と国庫負担を財源としているのに対して、雇用保険二事業は事業主のみが負担する保険料を財源としているところであります。私は、財源構成が異なる事業の間で借り入れを行うことは、制度の趣旨に合わないのではないかと考えます。むしろ、借り入れを行うのではなく、特例的に国庫補助を投入する、もしくは失業給付の積立金以外から借り入れを行うべきであります。

 これに関連いたしまして、反対の第三の理由は、雇用保険二事業における借入金の返済に当たって利子を付さないことでございます。

 これは、いわゆる財政融資資金に預託をしていけば得られるであろう利子を得られないことになってまいります。それは、将来の失業等給付の財源を失わせることに連動いたしまして、雇用保険財政の安定的な運営の観点から大きな問題が残ります。

 最後になりますが、本法案は民主党のマニフェスト違反であるという問題でございます。

 本法律案では、短時間労働者の適用範囲を、いわゆる週所定労働時間二十時間以上であって三十一日以上の雇用見込みのある者に拡大しており、週所定労働時間二十時間未満の者には雇用保険が適用されておりません。これでは、すべての労働者をいわゆる雇用保険の被保険者とするという民主党の、いつあったのかもう覚えていらっしゃらないかもしれませんが、あのマニフェストが達成されているとは全く言えません。

 すべての労働者を適用範囲に含めた雇用保険法の改正を行わなければ、国民との約束を果たしたとは言えない。労働者間の格差をますます拡大し、労働者の格差を生む。皆さんにとっての、今の政権与党にとっての労働者とは、いわゆる労働組合に入れない方々は全く無視した法案であります。

 以上、両案に対する私の討論といたします。(拍手)

藤村委員長 以上で討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

藤村委員長 これより採決に入ります。

 内閣提出、雇用保険法等の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。

 まず、大村秀章君外二名提出の修正案について採決いたします。

 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

藤村委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。

 次に、原案について採決いたします。

 これに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

藤村委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

藤村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

     ――――◇―――――

藤村委員長 内閣提出、介護保険法施行法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。長妻厚生労働大臣。

    ―――――――――――――

 介護保険法施行法の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

長妻国務大臣 ただいま議題となりました介護保険法施行法の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 介護保険法の施行の日前に市町村の措置により特別養護老人ホームに入所した要介護被保険者の方に対して講じられている利用料、居住費及び食費の負担軽減措置は、平成二十二年三月三十一日限りで失効することとなっております。

 しかしながら、本軽減措置の対象となる方が依然として多数に上ることから、本軽減措置の終了によってこれらの方の施設利用の継続が困難となることのないよう、本軽減措置を延長することとし、この法律案を提出した次第であります。

 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。

 介護保険法の施行の日前に市町村の措置により特別養護老人ホームに入所した要介護被保険者の方に対して講じられている利用料、居住費及び食費の負担軽減措置について、有効期限を当分の間延長することとしております。

 なお、この法律の施行期日については、公布の日から施行することとしております。

 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

藤村委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

     ――――◇―――――

藤村委員長 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。

 去る平成二十年十一月二十一日の高度専門医療に関する研究等を行う独立行政法人に関する法律案に対する附帯決議に基づき、独立行政法人国立高度専門医療研究センターへの移行の進捗状況等について政府から報告を徴取いたします。長妻厚生労働大臣。

長妻国務大臣 高度専門医療に関する研究等を行う独立行政法人に関する法律に係る附帯決議に基づき、独立行政法人への移行に係る進捗状況、課題等について講じた措置について御報告をいたします。

 本年四月一日から六つの非公務員型独立行政法人に移行するいわゆるナショナルセンター、国立高度専門医療研究センターは、がんや循環器病など国民の健康に重大な影響のある疾患について、研究機能を中核として、臨床研究、医療の均てん化、政策提言を行うことにより、我が国の医療政策の牽引車としてより一層大きな役割を担うことが使命であります。

 独法化後もその使命を適切に果たすことができるよう、内閣府特命担当大臣、関係府省の副大臣、政務官及び有識者で構成された独立行政法人ガバナンス検討チームにおいて昨年十一月から十二月にかけて集中的な審議が行われ、独法移行上の次の主要課題に対し必要な措置を講ずる旨提言されました。現在、厚生労働省において中期目標の整備等、所要の設立準備を行っているところです。

 以下、主要な課題に対して講じた措置を御説明申し上げます。

 第一に、安定的な財政基盤の確保です。

 本年廃止される国立高度専門医療センター特別会計において、建物及び医療機器の整備に要した長期借入金債務が二十一年度末見込みで約千七百三十二億円存在しており、研究、診療の妨げとなることのないよう措置が求められておりました。これについては、研究所など本来一般会計で整備すべき資産に係る債務を承継させない等の整理の結果、承継債務を約五百二十四億円に圧縮することとしております。また、難病等に対する治療、研究等、不採算な業務を着実に実施するための経費として、適切な運営費交付金を予算案に計上しております。

 第二に、理事長の適切な選考です。

 国立がん研究センター及び国立循環器病研究センターについては、理事長予定者に係る公募及び選考委員会による選考を経て、それぞれ嘉山孝正氏、橋本信夫氏を理事長予定者として指名いたしました。他のセンターについては、その再任を含めた新理事長の選任を一年後改めて行うことを前提に、現総長を理事長予定者として指名いたしました。

 第三に、経営、運営に係るガバナンス体制の強化です。

 理事長に業務運営の全権限が集中する現行の独立行政法人の構造を改めつつ、的確かつ迅速な意思決定等が行われる体制を整備することが求められております。このため、理事会、理事長直属の企画戦略室、監事室の設置等、ガバナンスの強化に向け運営改革を行っていくこととしております。

 以上、御説明申し上げますとともに、厚生労働省としては、今後とも、高度専門医療に関する研究等の推進に努めてまいる所存でありますので、委員の皆様におかれましては、御理解を賜りますようお願い申し上げます。

藤村委員長 以上で報告は終わりました。

 次回は、来る二十六日金曜日午前八時四十分理事会、午前八時五十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時三十七分散会


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