衆議院

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第14号 平成22年4月2日(金曜日)

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平成二十二年四月二日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 藤村  修君

   理事 青木  愛君 理事 石森 久嗣君

   理事 内山  晃君 理事 黒田  雄君

   理事 中根 康浩君 理事 大村 秀章君

   理事 加藤 勝信君 理事 古屋 範子君

      相原 史乃君    磯谷香代子君

      小原  舞君    大西 健介君

      岡本 英子君    菊田真紀子君

      郡  和子君    斉藤  進君

      園田 康博君    田名部匡代君

      田中美絵子君    長尾  敬君

      仁木 博文君    初鹿 明博君

      樋口 俊一君    福田衣里子君

      藤田 一枝君    細川 律夫君

      三宅 雪子君    水野 智彦君

      宮崎 岳志君    室井 秀子君

      山口 和之君    山崎 摩耶君

      山井 和則君    あべ 俊子君

      菅原 一秀君    田村 憲久君

      武部  勤君    棚橋 泰文君

      長勢 甚遠君    西村 康稔君

      松浪 健太君    松本  純君

      坂口  力君    高橋千鶴子君

      阿部 知子君    柿澤 未途君

    …………………………………

   厚生労働大臣       長妻  昭君

   厚生労働副大臣      細川 律夫君

   厚生労働副大臣      長浜 博行君

   厚生労働大臣政務官    山井 和則君

   厚生労働大臣政務官    足立 信也君

   国土交通大臣政務官    長安  豊君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局長)            森山  寛君

   政府参考人

   (厚生労働省職業能力開発局長)          小野  晃君

   政府参考人

   (厚生労働省年金局長)  榮畑  潤君

   厚生労働委員会専門員   佐藤  治君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月二日

 辞任         補欠選任

  田名部匡代君     小原  舞君

  三宅 雪子君     磯谷香代子君

  江田 憲司君     柿澤 未途君

同日

 辞任         補欠選任

  磯谷香代子君     三宅 雪子君

  小原  舞君     田名部匡代君

  柿澤 未途君     江田 憲司君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 医療保険制度の安定的運営を図るための国民健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出第二八号)

 厚生労働関係の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

藤村委員長 これより会議を開きます。

 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として厚生労働省職業安定局長森山寛君、職業能力開発局長小野晃君、年金局長榮畑潤君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

藤村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

藤村委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松浪健太君。

松浪委員 自由民主党の松浪健太であります。

 野党になりますと質問時間がなかなかたくさんいただけるようで、ありがたく存じます。

 一般質問は久々でありまして、これまで、法案二回、一般一回なんというのが慣例でしたけれども、最近は随分と予算の成立にしっかりと配慮をされた、政府にとってはちょっとありがたい形になっているのかなと思いますけれども、先般から私も年金基金積立金の問題を指摘させていただいているところであります。

 大臣は、特に、ミスター年金とお呼ばれになって、年金記録問題のエキスパートということはだれもが認めるところであります。しかしながら、この年金制度の問題というのが、悲しいかな、今まで余り議論は実際には深まっていない。特に、与野党の間では深まっていないというのが現状であります。

 まず、大臣に年金の議論のあり方というのはこうあるべきなんだというようなお考えがあれば、大臣から伺いたいなと思います。

長妻国務大臣 今のお尋ねは年金制度の話だと思いますけれども、これは、我々が考えております一元化、最低保障年金というのは、社会保障分野では戦後最大級の改革になるというふうに考えておりまして、非常に大きな話であります。

 我々は、一つ一つ国民の皆さんとまず原則を確認し合っていく。そして最終的には、政権交代のたびに年金制度が変わるというのはこれはよくないわけでございますので、与野党で話し合いをしていく。ただ、その前に、まず我々の一つの骨格をきちっと議論をして決めていくということが先決になるというふうに考えております。

松浪委員 与野党で話し合うと。当然、北欧の諸国なんかを見ましても、年金制度改革をするときには与野党が両方ともに協議機関をつくるということはよく見られることであって、我々もそれをせないかぬなということは議論をまたないと思います。

 しかしながら、雑誌なんかでは、有名な、これに詳しい大学の教授さんのコメントなんかで、例えば、民主党の年金改革案はやはりまだそんなに進んでいないぞ、党の職員が一人でエクセルを打っている程度やから、そうそうこれは深まった議論はなされていないななんという言葉もあるんです。

 大臣、今まで民主党の中で、年金政策についての勘案というのはしっかりやってきたなという思いはあられるでしょうか、それとも、やはりこれからだなと思っていらっしゃるのか、伺います。

長妻国務大臣 まず、野党の民主党の中ではかなり激論を何度も繰り返し繰り返し、あるいは海外にも実際に見に行ってお話を聞くなどし、そしてシンクタンクにも数例のシミュレーションをお願いして数字的な裏づけなども勉強してきたところであります。

 そして、政権交代をして、先日、総理大臣をトップとする年金の制度を変える会議体を設置いたしまして、その下に実際の実務者の会合体をつくって、今、それも会議をして、いろいろ有識者の方から事細かにお話を聞いている、こういう段階であります。

松浪委員 そうしたところはなされてきているという御意見かと思いますけれども、実際問題、その民主党案というのも随分と変わってきているのではないかな。今外務大臣をされている岡田さんなんかが代表のときは税方式、今の民主党さん案はスウェーデン方式に近い。

 自民党の中でも税方式にすべきだという意見を持った人もいたわけですから、当然いろいろな考えがあることは、今のところ、それはあり得べしかなと思いますけれども、例えば、岡田さんが代表時代は税方式だった、今スウェーデン方式に近くなっている、大臣はそういう認識で大枠の年金議論を進めようとしていらっしゃるんでしょうか。

長妻国務大臣 私は、基本的な考え方は当時と変わっていないという認識をしております。

 今の我々が提示をしている大きな骨格では、比例報酬の年金があって、これはもちろん保険方式でございますけれども、その受給額が一定以下の方については上乗せとして最低保障年金を全額税金でやるということでありまして、そういう基本的な考え方というのは当時も大きくは変わっていないと考えております。

松浪委員 スウェーデン方式的なやり方というのは、やはり政府負担が非常に重くなってくるかと思います、カナダのやり方なんかに比べて。そういう形もあるかと思いますけれども、これから我々も、委員会の場でもこうした議論を進めていかぬといかぬなというふうには思います。

 しかしながら、三年ほど前ですか、福田総理の時代に政府としては社会保障国民会議という、これからの社会保障、やはり財源も一緒に踏まえて、これからどんな未来をつくっていくのか、各方面から来ていただこうということでつくったわけであります。

 しかしながら、当時、どうだったでしょう。社会保障国民会議、皆さんを支持していらっしゃる連合の方がいらっしゃいましたね。しかし、当時民主党さんは、報道では大体小沢さんにそでにされたということになっているんですけれども、民主党の皆さんは参加をされなかった。そのことについては、大臣、どのようなお考えをお持ちですか。

長妻国務大臣 野党のときの話だと思いますけれども、その参加する、しないの経緯というのは、当時私は直接タッチしていなかったと思いますので、どういう経緯だったかというのは承知しておりません。

松浪委員 寂しい話ですね。ミスター年金が、社会保障国民会議に民主党が参加するかどうかに携わっていなかった。それではだれがやっているのかなと大変危うい気持ちになるわけです。

 当時、一議員として大臣はそれを見ていらっしゃったわけでありますけれども、やはり党の方針とは違っても参加すべきだという思いはあったのかどうなのか、伺います。

長妻国務大臣 例えばスウェーデンの例でいうと、なかなか年金制度が変わらなかったんです。ただ、一つの契機が、政権交代があって、そこで国民の皆さんの一定の御理解を得たということで新しい年金制度が議論をされ、その後、与野党協議になったという経緯がございます。

 あの当時の点でいうと、やはり、当時の自民党は、被用者の一元化というのはありましたけれども、国民年金も含めてまでのお考えがまだなかったという段階で、その筋の議論として進んでいくということについては、非常に私は否定的な考え方を持っているところであります。

松浪委員 否定的というのがちょっとよくわからないわけでありますけれども、私としては、やはり与野党でと先ほど冒頭大臣おっしゃったこと、ごもっともだと思います。与野党で話し合うべきだと私は思いますし、やはり、そのとき民主党も、政権交代を目指すならば、堂々と意見を述べる場に出てきて、それを主張されるべきだったなと。

 私は何を言いたいかというと、社会保障だけは決して政争の具にしてはならないということであります。そして、政権交代というのは、特に我々が反省しなきゃいけないのは、大臣がおっしゃるように、年金記録問題ということでは、これは国民の皆さんに大変な失望を与えてしまった。

 ただ、この税方式ということに対して、民主党さんは、税方式、いろいろ言い方はありますけれども、最低保障年金にしろ、これが本当に浸透しているのかといえば、まだそうではないわけでありまして、これについては、私はこれからの社会保障の哲学も含めてゼロベースで議論をいただきたいと思うわけであります。

 先般から年金の、公的年金積立金、まさに百二十兆円を預かる組織についての議論を進めてまいりました。結局、これから年金の制度がどうなるかわからぬということであれば、これ自身が本当に大きな、まあ、利権とは言わないですけれども、メガバンク複数分のこうした資金量というのは大変大きな責任を負うわけであります。この間から、五年間の中期目標なんかもこの四月一日から動いているわけでありますけれども、大臣は、この公的年金の積立金の役割というのは今どのように認識をしていらっしゃるんでしょうか。

長妻国務大臣 公的年金の積立金の役割ということであります。

 今現在、GPIFが百二十兆円、国民年金、厚生年金の積立金を有して運用しているということでございますが、今の年金制度は基本的には賦課方式ということであります。我々が考えております新しい年金制度は、基本的には賦課方式、ただ、積み立て的、つまりみなし積立方式、これはスウェーデンと似たような考え方でございますけれども、そういうようなことを考えておりますので、現状においても、あるいは新しい年金制度においても、一定の積立金が必要であるというふうに考えておりまして、そのための、将来の給付を約束する積立金であるというふうに考えております。

松浪委員 我が国は大変な少子高齢化を迎えるという中で、大体、公的年金積立金が五年分もあるというような国は本当に少数でありまして、賦課方式ということであれば、それこそ積み立てているお金が二、三カ月ぐらいというのが本来の賦課方式でありますから、これがその賦課方式的な中で、我々は特に、安易に使うということがあってはならないというふうに思います。

 大きく年金制度を変えるということをおっしゃっているわけでありますけれども、それでは、今回GPIFに対して示された第二期中期目標の位置づけというのはどういうことになるんでしょうか。

長浜副大臣 お尋ねになりました、先日、GPIFに対して今年度からの第二期の中期目標を指示したところでございまして、基本的には、安全、効率的かつ確実な運用を基本とするというところでございまして、管理運用業務の透明性をより高めることとしているわけでございます。

 また、先生が今御指摘になりましたように、年金制度を見直すではないかという状況の中において、運用目標については、年金制度の抜本的な見直しを予定していることで、GPIFの運営のあり方検討会において運用のあり方について議論を行っていること、これも踏まえまして、御指摘のとおり、暫定的なものとしているところでございます。

 今後、GPIFのこの運用目標に基づいて、第一期と同じ形でのポートフォリオを組む、年金積立金の管理運用を行うこととしておりますが、同時に、それではノーチェックということかといえば、ベンチマーク、TOPIX等を使いながら、市場の平均的な収益が確保されているかどうかは厳しく評価をしていくところでございます。

 以上であります。

松浪委員 安全かつ効率的という言葉が、いつも大変安易に使われるのではないかな。これを言っておけば、ローリスク・ローリターンであればいいんだと。

 これも一つの哲学でありますけれども、それにしても、この統治主体というのが、効率的というのはやはり機動的に動かなければならないと私は思います。特に、今副大臣がおっしゃったGPIFの運営のあり方検討会、これで出された資料というのが、野村資本市場研究所の方が理想像をその中でお示しになったということで、きょう、資料をつけさせていただきました。

 この資料をごらんいただきたいんですけれども、カナダなんかでは政府と公的年金積立金運用組織というものの役割分担がこれだけきれいになされているということで、御報告があったわけであります。理事会が明らかに統治主体になって、そして、執行部隊として経営陣、職員がいる、政府は報告を受けて、そしてこの理事会を任命するというようなこういうガバナンス、非常にクリアだと思います。

 そして、これは本当は図が真ん中にあるんですけれども左に寄っていただいて、今回、その右側に当方で現在のGPIFの状況というものを図にさせていただきました。

 総務大臣の評価委員会があってと、この話は前回の質問でさせていただいたところであります。前回質問させていただいたのは、これはあくまでも根本的に総務省の管轄、そういうことでガバナンスをきかせていっていいのかなとか、そういった話もさせていただいたんですけれども、それ以前の問題といたしまして、確かに検討会として厚生労働、総務政務三役が、政府の方で検討会があって、評価委員会があって、そして運用委員会があるということがあるわけですけれども、例えば厚生労働省に聞いても、統治主体と執行部隊というのがやはりこれは重なっていると。厚生労働省に聞かなくても、これはもう一般的な認識であります。政府の方から中期目標を指示するということは、ある意味、日本の場合は統治主体が政府であるという見方もできるのではないか。これも厚労省の皆さんと議論をすれば、そのことも否定されるものではない。

 やはり、こうしたあやふやな形で百二十兆円ものお金を運用すべきではないんじゃないか。せっかく皆さん検討会でこれだけの形が示されているわけでありますから、そろそろこうした明確な役割分担というものをなされてしかるべきではないかと私は思いますけれども、いかがですか。

長妻国務大臣 私も、今のGPIF百二十兆円の公的年金の運用組織が漫然とそのまま続くというのは考えておりませんで、今の検討会議で一定の改革案を出して、それを実行していこうというふうに考えております。

 その中で、今御指摘の点というのは一つの論点であるというふうに考えておりまして、その改革の検討委員会でも議論になっているところであります。

 そしてもう一つは、運用委員会というのが現時点でもございますけれども、例えば、運用委員会に基本ポートフォリオ策定の決定権限を与えて、理事長を初めとする執行部門は執行に徹していくというような役割分担ということも議論をしているところでございまして、いずれにしても、海外の例というのも参考にしながら結論を出して、改革を進めていこうと考えております。

松浪委員 大変久しぶりに前向きな答弁をいただいたなと思っておりますけれども、やはり我々は、どんな組織においてもガバナンスというのが一番引き締めなければならないところである。トップの人間がいろいろなところに口を出すという組織で長続きする組織はないわけでありまして、特にこのガバナンスの視点から、しっかりとこれを進めていただきたいというふうに思います。

 きょうは、年金局も来ていただいているようなんです。ちょっとこれは通告していないんですけれども、年金の財政検証というのがあるわけであります。雑誌なんかでも、この財政検証、ちょっと砂上の楼閣じゃないかというような書かれ方までしているわけであります。

 そうした記事の中では、GPIFは、本来なら厚労省の財政検証を踏まえた形で次期ポートフォリオを策定する、ところが、厚労省の思惑とは関係なく、運用委員会の判断でポートフォリオの前提となる数値を下方修正したんですと運用委員会のメンバーの一人は打ち明けるなんという記事も出ているわけでありまして、財政検証では三・七%と想定された名目の長期金利の前提について、三・〇%へと下方修正をすることを決めたとあるんです。

 これは役所側の方で結構なんですけれども、こうした事実はあるんでしょうか。

榮畑政府参考人 GPIFの中で新しい第二期計画における基本ポートフォリオを定めるに当たりまして、長期金利をどういうふうに考えるかにつきまして、さまざまな中での審議があったところでございます。

 その中では三・七%とか三・〇%というようなこともあったことも事実でございますが、最終的には第一期中期計画と変えないという基本ポートフォリオになったところでございますから、審議の経過としてはございましたけれども、最終的な結論としてはそういうふうになっていないというところでございます。

松浪委員 それは途中の議論として、最終的にモデル世帯の所得代替率というのは、これは一番よく使われる数値ですけれども、幾らになっていますか。

榮畑政府参考人 昨年行いました財政検証の中では、将来五〇%強になるということで試算、推計したところでございます。

松浪委員 これも我々、与党をやっていて偉そうなことは言えないわけでありますけれども、まさに五〇%なんです。この五〇%という数字、結論ありきで数字がいじられるという実態があるわけであります。特に、されるのは、二〇〇九年の年金の財政検証というのは、名目賃金上昇率が二〇〇四年の前提は二・一%だった、そして二〇〇九年の財政検証、これから二・五%になると。今の労働状況を見て、実際問題、名目賃金上昇率は二〇〇四年のときよりもさらに上がってしまう。やはり、ここまで無理しないと五〇%というのはなかなかつくれないんじゃないかなというところがあるんです。

 私は優しいので、今回は未通告なのでこれ以上は質問いたしませんけれども、こうしたところに数字が、その他、名目運用利回りについても本当にこんな数字でいいのかということは、大臣、一度検証をいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

長妻国務大臣 今の御指摘の点も一つの論点だというふうに思います。

 基本的に、いろいろな経済前提をつくるときに、その前提が適正かどうかというのを議論する、そういう受け皿というのも厚生労働省の中にありますけれども、その議事録も私も拝見をいたしました。

 いずれにしましても、その検討委員会で、前提条件の立て方も含めて検討をして、一定の結論を出していくということであります。

松浪委員 本当に、今申し上げましたように、それぞれの数値、名目運用利回りなんというのも、二〇〇四年は三・二%だったものが、これは四・一%であります。過去十年の長期金利というのは大体一%台ぐらいでありまして、五〇という所得代替率をはじき出すためにちょっと無理をし過ぎているんじゃないかなということは、やはりこれから我々はともに謙虚に検討をしなければいけないのではないかなというふうに思います。

 それでは、次の質問に移りますけれども、これは運用ということについて前回も指摘をいたしました。

 確かに、リーマン・ショックがあった後、各国の年金基金と比べても、日本の場合はローリスク・ローリターンをとっているがために、リーマン・ショックにおける影響は各国と比べれば比較的低かったなと思ってはおるんですけれども、平成二十年度、二十一年度の日本の、これは低かったと私は思うわけですけれども、年金積立金の運用業績、市場と比べてどうだったのかなということについて、いかがお考えでしょうか。

長浜副大臣 御指摘のように、二十年度の相場の荒れ方というのは先生御指摘のとおりの状況でありました。

 年金積立金の基本ポートフォリオは、国内債券の割合が約七割、株式割合が約二割程度という安全重視の構成、これは、厚生年金法や国民年金法あるいはGPIF法の中においても、安全運用ということが法律の中に記されておりますので、こういう運用の仕方をとりました。

 それで、実績はどうであったかということでありますが、リーマン・ショックのあった平成二十年度において、先生の御指摘のスウェーデン等の外国における運用は、大体五割ぐらいの株式で、リスク資産と言っていいんでしょうか、それで運用しているところがありますのでマイナス二〇%程度だったといいますが、日本においては、今申し上げたような形での運用をしていることで、マイナス六・九%と比較的小さなマイナスで済んだところでございます。

松浪委員 前回も質問させていただいたときに、ただ、比較の対象がどういうものであるのかということは、これは今後なされなければいけないと思います。

 前回の質問の後、OECD諸国における公的年金積立金の規模についてという資料を厚労省の方から届けていただきました。前回、私ちょっと指摘させていただいたかと思うんですけれども、今回いただいている資料も、ドル建て、円建てというような形になっているわけであります。

 私、前回指摘をさせていただいたと思いますけれども、年金というのはドル建てや円建てでもらうその国の方々というのはいないわけであります。いただくのは自国通貨でありますから、やはりまず運用の実績というものを、年金でありますから、自国通貨で比べる。そして、これを単年度でやったら、絶対、物は見えない。五年、十年というスパンでしっかりと数値を出していただきたいと思います。

 今回出していただいた数値というのは、それに比べれば、何ら、これをつくりましたよというところはあっても、実態を分析できるのに、私はこれでは足らないんじゃないかなと思いますけれども、今後、そうした分析をしていただけるのかどうか。どなたでも構いません。

榮畑政府参考人 今回、先生のところに御提出いたしました資料につきましては、国際機関で公的年金積立金の規模をドル単位で把握しておられたところでございまして、それを厚労省において再整理して提出させていただいたところでございます。ただ、そのままでは日本円に換算できていないものでございますから、日本円で換算して資産規模を対比、検討していただくというふうなことでつくらせていただいたところでございます。

 この資料につきましては、そういう点で、これからも改善、改良を加えていくべき点があれば、その辺につきまして、さらに研究、検討させていただければと思っております。

松浪委員 これは、まずはどう運用するのか。安全かつ効率的といっても、比べる相手がいなければ全く成り立たないわけでありますから、ぜひともその点はしっかりと行っていただきたいと思います。

 また年金の話が長くなりましたけれども、最後に、リーマン・ショックがありましたけれども、今回の教訓から、今後改善させないかぬところというのはどういうふうに分析しているのかということを伺って、年金関係については終わりたいと思います。

長浜副大臣 先ほどの先生からの御指摘もありますように、現地価格換算というか、支払いの方法だけではなくて、例えばスウェーデンなどは四分割しての運用等々、やり方も違いますものですから、御指摘に基づいて、検討方法をわかりやすく説明できるようにしたいと思っております。

 同時に、今の、リーマン・ショック以降の教訓でありますけれども、どうしても長期的な観点から、普通、運用は大体三十年ぐらいのスパンで考えるところでありますが、基本ポートフォリオを策定し、維持し、運用してきたところであります。

 御指摘のように、安心、安全以外の運用方法も考えられるのではないかということもありますけれども、基本的に、現在のポートフォリオでGPIFが行っている形からすれば、短期的には、さっきの御質問のとおりでありますが、世界の相場ががたっと落ちるときもあれば、ぐっと伸びるところもあるということで、運用収益に、私どもの観点からすると、責任を持ちつつ、一喜一憂することなく、長期的な観点から、世界的な金融危機の中での大きなマイナスをカバーできるか、こういう部分においても検討してまいります。

 それから、与野党を問わず、この問題に関しては関心を持つべきだという御指摘もありますものですから、この運営のあり方検討会は年末まで続いておりますので、こういった状況の中でさらに貴重なアドバイスをちょうだいできればと思っております。

松浪委員 安心と安全とは別の形があるのではないかと副大臣はおっしゃいましたけれども、私は何も、安心と安全、別の形にしろと言っているわけではありません。もうちょっとガバナンスをしっかりときかせれば、効率的な運用というのは必ずあるんじゃないかということを申し上げている次第でありまして、その場合に安心と安全というのは何も損なわれるものではないと私は考えております。

 次の質問に移ります。

 今、新聞を読んでいますと、民主党の成長戦略はまだなかなか見えないじゃないかと言われることが大変多いわけであります。確かに成長戦略、我々も、今まで自民党の方が当然経済界には近いんだなんてイメージもあって、実際そのとおりの流れになってきて、やはり成長戦略というのが少しアピール薄いなというのは、我々だけではなくて世間の実感であります。

 その中でまず確認させていただきたいのが、二〇〇七年に策定された新医薬品産業ビジョン、これはしっかりと生きているという認識なのか、これをまずちょっと確認させていただきたい。

足立大臣政務官 平成十九年ですから、ちょうど松浪委員が政務官であられたときだと思います。

 新医薬品産業ビジョンは生きておるかということについてなんですが、これは、昨年私どもも公表いたしました新成長戦略にあらわしていることと考えるところはほぼ同じというか似ている方向だと思います。

 まさに、新医薬品産業ビジョンは、この分野がリーディング産業である、そこでやるべきことは国際競争力の強化とドラッグラグの解消だということがうたわれておるわけです。私どもも、ライフイノベーションという表現を使っておりますが、項目が五項目ほどありますけれども、その中の一つに「日本発の革新的な医薬品、医療・介護技術の研究開発推進」ということを挙げておりまして、成長戦略のコア部分だという認識で共有していると思います。

松浪委員 特に、私が政務官をしていたときのことでありますし、その後、私は内閣府の大臣政務官に転じました、首になっちゃいましたけれども。途中でいろいろありました。

 そんな中で、やはりスーパー特区というのも、内閣府の方では、今後、各省の予算だけではどうにもならない、やはりもっと省の縦割りを排して成長するんだという政策を、政府は今後もしっかりとそれを強力にさらに進めていくべきだと私は思いますので、これについて見識の高い足立政務官には、厚生労働省の枠を超えて御活躍をいただきたいとエールを送るものであります。

 それで、そこからなんですが、前回、新薬創出・適応外薬解消等促進加算について質問させていただきました。

 新薬創出と適応外薬の解消というのは、採算性からいったら、やはりアクセルとブレーキみたいなところがあります。

 足立大臣政務官の答弁をもう一回読み直してみますと、うまいこと言わはったなと私は思います。国民の皆さんから見れば、創薬、新しい薬ということと、適応外を広めてほしい、もっと適応してほしいということは同じ望みであるので、企業にとってはモチベーションが働くような仕組みをつくるということは同じ考え方だとおっしゃったんですけれども、ぱっと聞いたら、確かに国民の目から見たらそれは正しいんですよ。ただ、成長戦略というところから考えたら、必ずしもそれは論理的ではないんじゃないかな。

 実際問題、新聞記事を見ますと、「アメとムチ」という形で書かれていまして、特に今回、患者団体、学会から適応拡大などの要望はたしか三百七十四件あるということでありますし、報じられているところによりますと、厚労省の検討会議の進め方も、これからの内容もちょっと出ているみたいでありますけれども、やはり非常に厳しいものも入っているわけですね。

 特に、適応外の、これについてはいわゆるペナルティーがある。企業が適応外についての要請を断ってしまった場合、要請に応じなかった場合には、薬価の加算で見込まれる販売額に五%の利息をつけた金額が次回改定で引き下げられるということがやはりビルトインされていまして、麻生内閣で我々がつくった七百五十数億円の予算が百億円に削られて、今回、こちらで約七百億円が戻ってくるというような仕組みの中にこれもビルトインされているわけであります。長期収載品については、特に二・二%下げられているというような現状であります。

 特に、これはどれぐらいの影響があるのか、今のところ見えないわけでありますけれども、もしわかれば、三百七十四品目のうちどれぐらいを今見込んでいるのかというのが、これは四月末までかかると言われていますけれども、中間でもちょっとわかるところがあれば教えていただきたいんですけれども、まだわかりませんか。

足立大臣政務官 明確にはお答えするのは難しいですが、三百七十四のうちに、今のところの検討の中でさまざまなものが入っておって、海外で使用されているけれども、日本では未承認で使用できない、適応外で使用できないというものの中に、海外でも実は適応外で、そこの疾患については使われていないというものもありまして、これは約百近くありそうだということ。

 残り二百七十四になるわけですが、これは五十五年通知で対応する、あるいは公知申請で対応する、あるいは従来の承認作業に入るという三段階があるかと思いますけれども、それはさまざまな条件、その疾患に対してはほかに薬がないのか、あるいは海外での使用状況はどうなのか等を含めて、今後段階を追って方針を決めていこうというふうになっております。

 現実言えるのは、その段階でございます。

松浪委員 ありがとうございました。

 これがどれぐらいの規模になるかによってインセンティブというのが大きく変わってくるわけでありますから、これは大変重要なことだと思います。

 今回の措置、特に二年間の試行期間であります。これは恒久化をするかどうかという判断がやはりなされてくると思うわけでありますけれども、恒久化されるためにはどのようなことが期待されるわけでありましょうか。今後、厚労省の期待にこたえないとこれは続けないよというような、なかなかドスのきいたことになっているわけでありますけれども、その辺について伺います。

足立大臣政務官 ちょっと時間がかかって申しわけないです。これは成り立ちからまず考えなければいけないと思うんですね。

 この目的は、先ほどおっしゃったように、革新的新薬の創出と適応外薬との時間の問題の解消であるわけで、これはどれだけやる気になっているか、一つ例を挙げますと、日本製薬工業協会の会長が、薬価制度六十年の歴史の中で画期的な改革である、今回の制度はいかに新薬を出していくかが本来の目的であり、そのために加算される制度である、こういうふうに、受けとめ方はいいと思います。

 そこで、これは中医協で決められたことでありまして、その中に、中医協の今回の附帯意見というものの中に、適応外薬等の開発あるいは上市の状況、そして当該加算の財政影響等を検証するということになっておりまして、次回の診療報酬改定のときにはその検証の結果が生かされるということになると思います。

 そして、新薬の開発については、二年間ということに限定すると、その間でどれだけ開発できたかという評価はまたなかなか難しい問題かな、そのように思っておりますが、この制度の評価が得られれば、当然、長くやっていくべきものだとも考えております。

松浪委員 今、製薬協の会長の言葉を引かれましたけれども、当然、この仕組みは新薬価制度という要望で、それは業界の長年の悲願であったことは間違いがない。ただ、言葉を引用されましたけれども、適応外の部分はその中には入っていなかったということはやはり御認識をいただいた方がいいのではないかな、お問い合わせをいただいても結構かなというふうに思います。

 それで、これは通告していないんですけれども、昨今の報道で、ノバルティス社のワクチン二百三十四万回分を廃棄したという報道が流れておりまして、これ、実は六カ月しかない、それを購入したときが一月だったと。本当に、二カ月分しか寿命のない薬を購入するということは果たして妥当だったのかどうかということでありますけれども、これについて何か理由、なぜ二カ月だったのかというようなことを、今、状況を説明できますか。事実確認だけでも結構です。

足立大臣政務官 国民の皆さんから早く十分量のワクチンをという要望の強い中で、これは特例承認という形になったわけですが、その間、特例承認を認められるのが若干想定よりおくれたことがございます。そして、これは、契約が成立して特例承認を認められたら早く国内に輸入したいという中で、実際、入る時期には、もう既に製造されているものの中で急遽といいますか早目に輸入したということで、その時点から、三月三十一日に期限が切れるものが入っているという認識は持っておりました。

松浪委員 これについては未通告なのでこれ以上聞きませんけれども、その経緯というものは、また今後、もう少し明らかにしていただきたいと思います。

 では、最後になりますけれども、もう一つ、OTC三類の薬について、今、東京地裁でインターネット販売についての判決が出ておりますけれども、これについて、厚生労働省としてどのように受けとめておられるのか、伺います。

足立大臣政務官 端的に申し上げると、国の主張が認められたということだと思います。

 そこで、それはどういうことかと申しますと、リスクの高い医薬品については専門家が対面でやる必要があるということの中で、基礎資料といたしまして、私どもも副作用報告というものを調べさせていただきましたところ、第一類、これは副作用の頻度が高いというのは多分想像できることだと思いますが、第二類につきましても、市場ベースでは六割のシェアですが、副作用報告のうちの七三%を第二類が占めているということで、やはりリスクはかなりあるんだろうということだと思います。ですから、対面が必要だという主張をしたわけです。

 しかし、付言させていただければ、対面販売をする方の質も確保しなければいけない、担保しなければいけないということは非常に重要なことだ、これからそれを確保したいと私としては思っております。

松浪委員 ありがとうございました。

 これで質問を終わります。

藤村委員長 次に、長勢甚遠君。

長勢委員 おはようございます。長勢甚遠でございます。

 きょうは、雇用問題を中心にして質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 もう言うまでもなく、大変深刻な景気の中で、雇用状況も大変厳しく推移してきておるわけでございます。当然、政府においても対策を講じてきておられると思いますが、現在の雇用情勢の見通し、今後の見通しについてどういう認識でおいでになるのか、また、その中で、新政権においてどういう政策を講じておられるのか、お答えをいただきたいと思います。

長妻国務大臣 先日、また新たな有効求人倍率、完全失業率、最新のもの、ことしの二月分が出ましたけれども、完全失業率は先月と同じ四・九%、有効求人倍率は〇・〇一ポイント改善をして〇・四七倍でありますが、持ち直しの動きが見られるものの、依然として厳しい状況だと私どもは判断をしております。

 そして、雇用の政策ということでございますけれども、政権交代をして、前から継続している政策を強化したもの、あるいは新しく雇用の政策を始めたものなどありますけれども、新しいものでいいますと、ワンストップサービスデーということを実施したり、それを継続するための住居・生活支援アドバイザーというのをハローワークに配備をして、これまでハローワークは仕事を探す相談ということでありましたが、それだけではなくて、御自宅が不安定だとか、住むところをどうしようとか、あるいは当座の生活費が本当に底をついたとか、そういう生活相談にも乗るという機能をつけさせていただいた。

 あるいは、政権交代後新たに始めたのが、新卒者体験雇用事業、あるいは重点分野雇用創造事業、働きながら例えば介護の資格を取っていただくなどなどでありまして、そして、これも法案を出させていただいた、雇用保険制度の機能強化ということで、非正規雇用の方を三十一日以上の雇用見込みということで、予想すると、二百五十五万人の方が新たに雇用保険に入っていただけるのではないか、こういうような政策は新たに始めさせていただき、あとの部分については、従来のものについてそれを強化したり、あるいは使いやすいような要件緩和をしたりということで取り組んでいるところであります。

長勢委員 自公政権、特に第一次補正予算において、雇用調整助成金ですとか能力開発ですとか、あるいは雇用創出、家の心配等々についての対策も含めて相当やったわけでございますが、これらは新政権においても継続実施をされておるということでございまして、これからは、これがきちんと実行されていくようにぜひ御努力をいただきたいと思います。

 雇用対策をやる中で、今政策の積み上げをしているわけですが、それによって、例えば完全失業率を何%まで持っていこうとか、完全失業者数をこれだけにしようとかというような具体的な数値目標を持って取り組んでおられるのでしょうか。

長妻国務大臣 今おっしゃっていただいた雇用調整助成金、これは前から続いているものでありますけれども、新しく要件緩和をして、大企業あるいは発動の要件を緩和したということで、これは非常に有効な政策、つまり、失業者を会社の外に出さないという意味で、仮にこの政策がなければ失業率が上がったのではないかと推察をされるところであります。

 そして、私どもとして、失業率をどのくらいまでに持っていくなどの数値目標に関しましては、これは景気の動向、失業者数などなど、詳細な雇用の情勢にも関連するところでありますので、そういう数値目標は立てておりませんけれども、失業率を下げるということはもちろんでございまして、それに向けてあらゆる政策を駆使して取り組んでいるということであります。

長勢委員 後の方でもまた聞かせていただきたいと思いますが、当然、経済政策の中で、雇用状況をどうするかということが組み合わさって経済政策を進めてもらわなければならない。御案内のとおり、労働政策は、どうしても産業経済政策の従属的な性格を持っておるわけで、ただこういう仕事をどんどんやっていますというだけでは見通しのない政策になると思いますので、そのことをちょっと申し上げておきたいと思います。

 そこで、前内閣の第一次補正予算で、緊急人材育成・就職支援基金をつくって、三年間の経済回復までの間の、融通無碍に実情に応じて金が使えるようにという仕組みをつくったわけでございますけれども、新政権になって、この基金を三千五百億返納させるということをされました。

 これは、何で三千五百億返納させる必要があったのか。この対策の中身をやめるという意味なのか、あるいはどういうことなのか、ぜひ御説明をください。

長妻国務大臣 これは、我々は決してこの事業を縮小するあるいはやめるということではございませんで、むしろ強化をしていくということで、平成二十三年度からは求職者支援制度という形で恒久措置をしていきたいというふうに考えております。

 ということで、基本的には、平成二十三年度以降の部分、これは基金でありますので、平成二十一年、二十二年、二十三年度の三年分でございますので、二十三年度分についてはこれは恒久措置をいたしますので、その部分の基金を返還ということとなっておりまして、あとは、ほかの二つの事業、中小企業等雇用創出支援事業、長期失業者等支援事業というのもこの基金の中で措置をするという予定になっておりましたけれども、これについては予算措置でやりましょうということで、平成二十二年度の予算にも今の二つの事業を入れさせていただいた、こういう趣旨で、この三千五百億円を返還申し上げたということであります。

長勢委員 人材育成事業でない中小企業等雇用創出支援事業、長期失業者等支援事業は、毎年の予算措置ということですね。ことしも予算措置は講ぜられているわけですが、基金のときと比べてこの事業量はふやしてあるんですか、減らしてあるんですか。

長妻国務大臣 これについては、基本的には、二十一年度そしてきのうから始まった二十二年度と、事業の規模というのは異なっておりませんけれども、その中の一つとして、帰国を希望する日系人や研修・技能実習生に対し帰国支援を行う事業などについては、二十一年度の実績を踏まえて、これは二十二年度は実施しない。その部分についてはそういう対応をしております。

長勢委員 こんな言い方は好きではありませんけれども、何か、全く同じことをするのに、殊さらに自公政権の政策を壊して同じことを新政権でやるというパフォーマンスのように見えて仕方がないんですね。もうこういうふうになったわけですけれども、そのことを私は非常に、どう言ったらいいんでしょうか、不愉快に思いますし、国民にも理解できないと思うんですよ。ぜひそのことは反省をしてもらいたいと思います。

 そこで、今大臣から、二十三年度以降、恒久的な制度をつくるというお話がございました。具体的にはどんな構想で今考えておられるのでしょうか。

長妻国務大臣 求職者支援制度という考え方でございますけれども、今までは、雇用保険が切れてしまうと生活保護に一定の要件ではなってしまうということで、その中間の、ある意味では第二のセーフティーネットが日本は不十分だという御指摘がございました。雇用保険が切れた方については、職業訓練を無料で受けていただいて、そして就職に結びつくような効果的な職業訓練を受けていただく、そして職業訓練を受けているという証明があれば、その間、一カ月幾らかの生活費を支給していく、こういう制度について、基金という期限が区切られたものではなくて、恒久的な措置としてそれを持続していこうと。

 恒久的措置ということになりますと、その基金の、基金というか、求職者の訓練を受ける、これは民間に基本的には委託する予定にしておりますので、民間の例えば専門学校、あるいはそういうものを期待して新たな会社が生まれてくる可能性もありまして、非常に持続的な形で運営できるのではないかというふうに期待をしております。

長勢委員 今伺いますと、我々が緊急人材育成事業として組んだ中身とほぼ同じもののように聞こえるわけで、それを恒久的にやるというところだけが違うというわけですけれども、これは、いわゆる一般財源をもって、この三年間の基金というものを緊急の事態ということでつくったわけでございます。これを恒久化するということになれば、いろいろやはり考えなきゃならぬことがある。例えば、就職の意欲の少ない人がこういう制度に入り込んできてあるいは滞留をするといったようなモラルハザードなどが戦後の労働政策の教訓としてあるわけでございます。そこらについてはどういうふうにお考えでしょうか。

長妻国務大臣 この求職者支援の制度、基金の事業として、政権交代の前に、前の政権が実行された。我々野党時代も、そういう制度を入れるべきだと時の政府に働きかけをさせていただいているところであったわけであります。

 そして、今のモラルハザードの件でありますけれども、これは十分にそういうことが起こらないように機能するような制度にしなければならない。職業訓練を受けるというのが本論ではなくて、生活費を受給するというところが本論になってしまうということでは、その趣旨が異なるわけでございますので、本当にその要件に合った方、そして、その訓練が非常に興味深く、かつ、就職に結びつくようなそういう効果的な対応をしなければならないというのは、委員と同じ問題意識を持っております。

長勢委員 いろいろ御苦労いただいておるんでしょうけれども、やはり国民が安心するように、雇用の状況をこういうふうにするんだということを、数値目標も含めて、ぜひ考えてお進めをいただきたいと思います。

 そこで、雇用政策の中で一つの大きな分野は職業訓練だと思うわけでございます。我々が政権にあったときには、経済が回復するまでの三年間において百万人程度の訓練規模を確保していこうというふうなことで進めておったわけですけれども、今はどれくらいの訓練枠、これは雇用促進機構とあるいは都道府県でやっているんだろうと思いますが、また、施設内だけでなくて委託訓練が多いんだろうと思うんですけれども、どれくらいの枠でやっておられますか。また、その実績はどのようになっておるでしょうか。

長妻国務大臣 まず、離職者に対する職業訓練の枠ということでございますけれども、二十一年度の計画数が合計三十二万人分ということで、公共職業訓練が二十二万人分、そして、先ほど話題になった基金の訓練分が十万人分ということでございました。

 二十二年度の計画においては、合計、すべて入れると四十三万人分の定員を確保しようと考えておりまして、前年に比べると十万人以上ふやすということであります。公共職業訓練が二十二万人、基金訓練が十五万人、そして、新たに加わった政権交代後の政策でございますけれども、重点分野雇用創造事業ということで、事業をつくり出して雇用を生み出すというものがありまして、合計で四十三万人ということでございます。

 これについて、二十一年度は終わったばかりでございますので、実績というのは今集計中でございます。

長勢委員 委託訓練の割合は相当高いんだろうと思いますし、そのことは、民間の機関を活用するという意味で大変いいことだと思うんですけれども、委託先が、この状況ですからどんと一遍にふやしたわけですが、十分に委託先を確保できているのかどうか。またあわせて、訓練を希望される求職者の方々が希望どおり訓練を受けられるのか。訓練先が、コースがなければ、あるいは枠が少なければ受けられないという人が出てくるわけですが、そこら辺の状況はどうなっていますでしょうか。

長妻国務大臣 これは民間委託を、特にこの基金事業においては、基本的には民間委託ということでございます。公共職業訓練においても民間委託はございますが、これについては、景気後退局面そして少子化という局面で、専門学校などではある意味では教室があいているというようなところもございまして、そういうところにお願いをして、何とか先ほど申し上げました人数、定員を確保できるのではないかということで計画を立案させていただいたわけであります。

 実際私も、大臣就任後、訓練を見に参りましたけれども、例えば、介護の訓練コースでは競争率がもう何倍もあって、訓練を受けたいけれどもそこで落ちてしまうというような方もおられましたので、これは人気のあるコースを急速にふやす必要があるということで、介護あるいはIT関係について増強をして、それを二十二年度の計画にも入れさせていただいているところであります。

長勢委員 いろいろ、訓練を受けたかったけれども、ハローワークで枠がないと言われたという話もないわけではありませんので、ぜひ注意をして進めていただきたいと思います。

 その中で、ポリテクセンターの訓練枠が減らされておるんですよ。こういう緊急事態にこそ必要なポリテクセンターだと思うんですが、なぜ減らしたんでしょうか。

長妻国務大臣 雇用・能力開発機構が運営するいわゆるポリテクセンターというものがございますけれども、これは、今おっしゃられたように、平成二十一年度が十二万二千人の訓練計画数が平成二十二年度は六万五千人ということで、半分というふうになっておりますけれども、これについては、先ほど申し上げました、二十二年度につきましては全体数では十万人以上ふやすわけでございますので、このポリテクセンターの減の部分というのは、これはできるだけ地方や民間にゆだねていくという視点に立って、定型化、標準化した職業訓練を大幅に都道府県に移管をしたという結果でございまして、全体としては、定員数は二十二年度計画では確保していきたいというふうに考えております。

長勢委員 何か、地方に譲るということがいいんだという理由のように聞こえましたけれども、ポリテクセンターは長年の経験を持ってやっているわけですから、こういうときこそ活用していかなきゃならない。ぜひその位置づけについて御関心を持っていただきたいと思います。

 前の政権以来、この雇用対策の一つの重点は雇用調整助成金ですけれども、これは、大臣もおっしゃったように、失業者を企業の外に出さないという目的です。これは何年も同じ企業がそういうことを続けられるわけがない。結局、仕事の場をつくらなければ雇用情勢は好転をしないわけでございます。

 どうも新政権、コンクリートから人へということで、直接資金を国民に配る、ばらまきをする。これでは雇用にならないわけですね。やはり、仕事をつくって、雇用の場をつくって、それによって収入がふえる、できる、こういう仕組みをつくっていくのが労働行政のやるべき仕事だろうと思うわけでございます。

 今、地方におりますと、自公政権のときに出た仕事でようやく今食いつないでいるけれども、これが切れたらもう仕事がないんだということをよく聞きます。それは当然雇用にも影響してくるわけですね。公共事業を二割近く削減をする、耐震工事も削減をする、あるいは土地改良の公共事業も削減をする、これは当然雇用の場を減らすということになるわけでございます。

 今回の予算によってどれだけの雇用の場を減らしたことになるのか、ぜひお答えをいただきたいと思います。

長妻国務大臣 今回の予算で例えば建設業の雇用者数がどれだけ減るのかというのは、これはなかなか算定が難しいわけでございますけれども、平成九年以降、建設業の雇用者は減少傾向にございまして、直近のことしの二月でいえば、建設業の雇用者数は約四百十四万人であって、前年同月と比べて約十三万人減少しております。

 私どもといたしましては、六月に詳細をまとめます成長戦略でも、厚生労働省の分野、社会保障の分野について、これは成長戦略の一環として、雇用の受け皿としても重点的に取り組むべきであるということで、これは重点項目となっております。

 介護の有効求人倍率、介護職員、今一・四ということでございまして、人手不足がこの御時世で続いている。これは処遇改善とかいろいろな背景があるわけでございますけれども、そういう対応も進めつつ、不足して、本当に必要な社会保障の分野に人に来ていただくというような雇用政策も我々考えなければならないということで、介護福祉士あるいは不足する保育士についても、その資格を得るための職業訓練というのも始めているわけでございまして、そういう、今失業の方が多いということは、逆に言えば、今まで人手不足であった社会保障の現場が、一定の人材が集まるという意味では一つのチャンスでもあるというふうにとらえて、政策を進めさせていただいております。

長勢委員 どれだけ減らしたかということについてはお答えができないということでございましたけれども、私の聞いたところでは、建設産業においては一兆円減らすと十万人の雇用がなくなる、こういうふうに聞いております。今回、公共事業を二割近く削減するということになれば、事業費ベースでいくと、どうしても四、五兆円の損失というか減るということになるわけで、そうなると、四、五十万人の雇用の場を喪失させたということに、政策的に雇用の場を奪ったということになるわけでございます。

 ぜひ、こういうことは、公共事業費の削減というのは、それはまたそれで、そちらの方の議論もあるんでしょうけれども、厚生労働大臣は労働を守る、雇用を守るという立場から、そこら辺のことをよく政府内で話をしてもらわなきゃいけない。それが責任だと思うんです。

 成長戦略も何もないですから、雇用創出をしようと言ってもどうなるのか。今、ただ状況にまっているだけの、政策は打ちますけれども、肝心の仕事をつくることがなければ、状況の推移を見守るだけということになりかねない。それは厚生労働省での仕事じゃなくて関係諸官庁の仕事になるんでしょうけれども、そこに雇用を守るという観点から厚生労働大臣が発言をしていくということが一番大事なことだと思うんです。

 ぜひひとつ、これからの雇用創出についての取り組みについて御説明をいただきたいと思います。

長妻国務大臣 今、公共事業のお話の中で、例えば一兆円で何万人というお話がございましたけれども、いろいろな大学の先生も含めた研究調査では、雇用波及効果ということでいえば、介護などの労働集約型社会保障の分野が、今や公共事業を抜いて、同じ資金投下であれば雇用の影響というのは非常に大きい、公共事業を抜いているということだと思います。

 その中で、我々としては、介護についてはいろいろ、野党の方からもビジョン等もいただいておりまして、今、厚生労働省、政府としても介護のビジョンをつくるべく検討しておりまして、やはり、その地域で介護が受けられる、在宅、施設を組み合わせるというようなことで、そこで雇用を非常に大きく生み出していきたいということも考えているところでございます。今も処遇改善政策を続けておりますけれども、そういう介護あるいは医療の分野なども組み合わせて、厚生労働省の、非常に不足している社会保障の分野で立て直すと同時に、雇用も確保するということについて取り組んでいきたいと思います。

長勢委員 ちょっと質問に答えていただいていないんですけれども、公共事業を削減するということがいかに雇用対策としてはマイナスの話だったかということを御認識いただきたい。つまり、新政権は、四、五十万人の雇用の場を奪うという政策をとってきたということをお認めいただきたいと思います。

 その上で、それを取り返して、かつ、さらに、雇用失業情勢をよくするためには何をするかということが本来なければ、雇用は悪くなる一方なんですね。現実に、地方におるとそういう話ばかりであります。ぜひひとつ、そこの認識は、先ほど答弁はございませんでしたけれども、お持ちをいただきたいと思います。

 次に、私は常々、ハローワークの職業紹介体制について、どうなるのかなと思って心配をしておるのでございますが、大臣も職安を幾つか視察されたと思うんです。その中で、今の職安の職員状況というものはこれでいいと思っておられるか、どういうふうにお感じになったか、ぜひお聞かせいただきたいと思います。

長妻国務大臣 やはりハローワークにおいては、利便性、利用者の立場に立てば、夜遅くまでやっているというのは理想だと思いますけれども、今、お客さんの数に比べると人員の手当てがなかなか進んでいないということもあります。

 もちろん、効率性をきちっと追求してサービス向上に努めるということは重要でございますけれども、昨今の雇用の不安定の中で、例えば、新卒者を支援するジョブサポーターという方を倍増して配備いたしましたし、先ほど申し上げました生活住居アドバイザーという方も配備して、非常にそういう、中途でお願いをしてハローワークで働いていただく方が大変ふえたことで、管理部門といいますか、そういう方々を管理する部署が脆弱になってきているのではないか、こういうような感じがいたしておりますので、それを改善すべく、今取り組んでおります。

 そして、今後、ハローワークによってサービスにばらつきがあるということもございますので、ハローワークごとのサービスコンテストというのも実行してまいって、いいサービスは全ハローワークで共有化していただくというような取り組みもしなければならないというふうに考えております。

長勢委員 もう少し実態は厳しいと私は思うんですよね。仕事はどんどんふえる、ところが人はどんどん減らされる、これでは、今、この緊急の事態にどうして対処していくのかというのは大変な御苦労だと。職員の方々は一生懸命やっておられるんですけれども、何か、地方分権とか規制改革とか定数削減とかという名目で、職安が目のかたきにされてきたような感じがしてなりません。これを守るのが大臣のお仕事だと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 今も、ことしもふやすという御説明でしたけれども、いわゆる相談員という方は物すごい数になっていると思うんです。だから、どっちかというと職安の正規職員でない相談員の方々に依存しなきゃ職安業務がうまくいかないということにもなりかねない。ハローワークの規模によっては組織としての体をなさないところまで定員削減されている、こういう実態にあって、それは住民サービスという意味でも大変問題だと思います。ぜひそういうことを御理解いただきたいと思います。

 そういう中で、今度の事業仕分けで高年齢者職業相談室を廃止されました。これはどういうことでしょうか。

長妻国務大臣 今おっしゃられた点は、昨年十一月の事業仕分けで廃止という評価を高年齢者職業相談室はいただいて、当然、その事業仕分けでの認定をすべて我々がそのまま受け入れるというものではございませんで、いろいろな観点から検討を加えた上で、平成二十一年度限りで事業を廃止するということとしたわけであります。

 これについては、近隣のハローワークで引き続き支援を実施するということで対応した方がいいのではないかということで、二十一年度には全国で九十八室、地方自治体の中に設置をしていただきましたけれども、ハローワークとの二重行政であるということの御批判もございまして、精査の上、廃止をさせていただいたということであります。

長勢委員 いろいろな実態が、全部が同じとは言えませんけれども、ハローワークがあるからそれは二重行政になって無駄だというのは、私は間違った思想だと思うんですね。現に私の富山市では、相談室が市役所に置いてあって大変喜ばれておって、市長も、そういうことがあるものですから、市の単独事業として継続することになった。しかし、相談室としての位置づけがありませんから、ハローワークとの連携等々も大変支障を来しているということを聞いておるわけであります。一律にこういうことをするというのは、私は間違いだったと思います。

 そして、安定所の職業紹介体制というものをどうするかということですけれども、今、各都道府県、市町村でも、やはりこの雇用問題に関心を持たざるを得ない。そのために、職業相談室とか、そういうものを市や県がまた別途つくっているわけですね。これこそ私は二重行政だと思うんですよ。

 しかし、なるべく求職者の方々に個別、総合的に相談をするという体制をつくっていかなきゃならぬと思いますが、そのためには人と場所が要る。そうなれば、県や市町村に場所を提供していただくなり、あるいは人を出していただくなりして、安定所の管轄の中で一緒になって仕事をしていく。それをやらないと、場所も人も確保できないんですよ。

 そのためには、いろいろな形で、法律的な制約もあると思いますけれども、安定所があるからそれは二重行政だというのは、私は大変乱暴な、実態と違う考え方だと思いますし、むしろ、安定所だけでなくて安定所の分室がいろいろな形でつくられていって、住民の方が個別、総合的に十分な職業相談、職業紹介を受けられるような体制をつくるようにしていくべきだと思っております。

 大臣、どうお考えでしょうか。

長妻国務大臣 やはり職業紹介についても、国と地方の役割分担というのは一定のものは必要だと思います。国は、無料職業紹介等雇用保険、雇用対策を一律に行う。地方については、地域の実情に応じた、地場産業もそれぞれ特色があるわけでございますので、地方が地元の状況と一体となった独特の雇用対策というのはあってしかるべきだというふうに思います。

 今のお尋ねは、ハローワークの中に都道府県、市町村の方が入って、一緒にいろいろ職業紹介など雇用対策をするというお尋ねだと思いますけれども、既に、ワンストップサービスということで、地方自治体の方にハローワークにお越しいただいて、主に生活保護とか住宅手当とか短期の融資とか、そういう部分の御相談をある意味ではシェアして職務を進めるというような取り組みもさせていただいております。

 ただ、恒久的にそこで一緒にやるということは、先ほどの役割分担の問題もありますので、これは、今直ちにそれを実施するということには至っておりません。

長勢委員 ワンストップサービスのお話はちょっと私が今質問した話とは別の話で、それがいいかどうかは時間があれば聞きたかったんですけれども、聞きませんが、私が言っているのはワンストップサービスの話じゃなくて、ああいう意味じゃなくて、職安で職業紹介、職業相談をするという人員不足、場所不足、これを、市町村、都道府県も当然関心があるわけですから、分担をするのではなくて一緒にやれる体制をつくっていくことが一番必要だと私は思っているということを申し上げたわけでございますから、ぜひそういうことも御検討いただきたいと思います。

 時間もなくなりましたので、あと一、二問だけさせていただきます。

 いずれここで審議をすることになると思うんですけれども、派遣制度の見直しが議論されて、法案が出たとか出ないとかという状況のようでありますけれども、派遣制度ができてもう何年もたって、雇用の、労働力の需給調整における大きな役割を果たすことになっておると思います。

 今、派遣というと何か物すごく悪者扱いされておりますけれども、特に、中小企業の方々が人を確保する、迅速に確保する、また、派遣という形で働くことがどうしても必要だという労働者、こういう方々もおられるわけで、これを一律に登録禁止、登録派遣は禁止をする、製造業派遣は禁止するということになれば、いろいろな問題も出てくるだろうと思うんです。

 ぜひ、派遣制度の意義というものがあると思っておられるのか、思っておられないのか、そのことと、今回の改正の方向でどういうマイナス面がある、それにどう対処するのかということについてお答えをいただきたいと思います。

長妻国務大臣 やはり、これまで、雇用の規制緩和という美名のもと、日雇い派遣というところまでの派遣まで解禁があり、製造業派遣もなされたということで、非常に働き方が不安定になったということが一つございます。

 そして、直接雇用でも、もちろん有期契約というのがあって、短期の労働というのはあるわけでございますけれども、直接雇用に比べて派遣というのは、その方が直接目の前の労働者の雇い主ではないということで、いろいろな労務管理等々でそれが不十分になってしまうのではないかという観点から、今回、この派遣の一定の規制をさせていただくということでございます。これによって、我々としては、雇用の安定を図って、直接契約に、直接雇用に結びつけていきたいというふうに考えております。

 ただ、派遣そのものすべてを禁止しているわけではございませんで、専門業務の二十六業務あるいは一定の要件ということについては、私どもも、それについてはこの法律では禁止をしていないということも見ていただければと思います。

長勢委員 きょうはじっくり議論できませんけれども、派遣というのが、ハローワークと並んで労働力の需給調整に不可欠なものになっておる。それは、事業主にとっても大変有利というか便利ということがあり、かつ、働く方々にとっても便利だということがあるからこそ定着をし、発展してきたんだと思うんです。

 当然、悪い点もありました。しかし、悪い点があったからそれをただ廃止するというのはいかにも単純な話で、やはり、そういう悪い点はなくして、いいところをちゃんと活用できるように知恵を出していくのが政治だろうと私は思いますので、これは意見だけ申し上げておきます。

 最後でございますが、ぜひ、これは質問というよりもお願いですけれども、障害年金というのがありまして、障害年金では配偶者と子供に加算がつくことになっております。ところが、現行法制では、障害年金を受給した時点でおられる奥さん、お子さんには加算がつきますけれども、受給後に結婚される、あるいは新しく子供が生まれる、こういう方々には加算がつかない、こういう仕組みになっているんです。

 これは大変不公平な話で、ぜひ直したい、直すべきだと私は考えておりますが、大臣、この問題、どういうふうにお考えでしょうか。

長妻国務大臣 今の障害年金の件は、今おっしゃられたように、障害になった時点で配偶者、お子さんということでなければその加算金が出ないということで、今議員立法で、それが障害になった後に結婚されたり、お子さんがいらっしゃるようになったときにもという議論がなされているというのは承知しておりますので、これは国会の中で議論をしていただきたいというふうに考えております。

 障害年金については、私もいろいろな問題があるというふうに考えておりまして、特に、一つの問題としては、障害年金を、受給資格があるにもかかわらず、何らかの理由で御存じないのか、あるいは別の理由なのか、その申請をされておられないという方がかなりいらっしゃるんではないかという問題意識を持ちまして、今調査をしております。これは、結果がまとまり次第公表させていただこうと思っておりますけれども、やはり、障害者の皆様に障害年金というものに対するPRが大変不足しているということも認識をしておりますので、その部分も含めて我々は取り組んでいきたいというふうに考えております。

長勢委員 障害年金について、いろいろな問題がほかにもあることは私も承知をしております。

 ただ、今の加算の問題は極めて単純なというかわかりやすい話ですし、我々、このために議員立法を出させていただいておりますので、大臣も、全体の問題が解決するまではやらないんだというんじゃなくて、ぜひ早期に成立するように御協力をいただきたい、これをお願いして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

藤村委員長 次に、高橋千鶴子君。

高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 きょうは、二十五分で三つのテーマを、ちょっと欲張りましたので、何とぞ、答弁の御協力をお願いいたします。

 初めに、B型肝炎訴訟の問題であります。

 先月二十六日には、札幌に続き、福岡地裁でも和解勧告が出されました。この二年間に、九州で四名、全国で九名の原告が亡くなっております。病状重篤な方も多く、これ以上時間稼ぎをするべきではありません。

 なぜ、仙谷大臣が窓口なのでしょうか。二十四日の本委員会で、大村委員の質問に対して大臣は「政府全体で、財源の問題も大きくかかわる話でございますので、」と答えております。これを聞きますと、まさか補償は財政の枠組みありきなのかと思えなくもありません。これは明確に否定をしていただきたいと思います。

 国の責任については、既に〇六年の最高裁で確定し、昨年の肝炎対策基本法でも明記をされました。原告団は既にテーブルに着いております。大臣の決意を伺いたいと思います。

長妻国務大臣 この問題は、これはもう本当に政府全体で取り組む重大な問題であるというのは、私も総理も理解をしているということでありまして、この前も、総理、そして官房長官、財務大臣、仙谷大臣、法務大臣、私と打ち合わせをして、これは政府一体となってきちっと取り組んでいこうということを議論いたしました。その中で、総合調整として仙谷大臣ということになったわけでございまして、我々も、今鋭意検討をしているところでございます。

 期日までに、その対応を決定していくということであります。

高橋(千)委員 大臣、財政の枠組みありきではないと、一言否定していただけますか。

長妻国務大臣 もちろん、財政の枠組みありきではありません。

高橋(千)委員 ありがとうございます。

 少なくとも二〇〇六年の最高裁の時点から、被害を五名の原告のみにして、その後も実態調査も何もやってこなかったことが今日まで解決をおくらせたのではないでしょうか。だからこそ、ちまたでは二兆円もかかるなどと過大な数字だけがひとり歩きをして、足踏みをさせてきたのではなかったのかと思います。

 山井政務官に、実態調査をすべきではないか、まずこれが一点です。

 次に、もう一つ重ねて伺います。

 四月一日から、身体障害者福祉法に基づく障害者手帳が肝機能障害にも交付されることになりました。日肝協が長い間求めてきたものであり、ようやくここまで来たという感じでありますが、どの程度の肝炎患者が対象になるでしょうか。周知徹底もあわせて、お答えをお願いします。

山井大臣政務官 高橋委員、御質問ありがとうございます。

 二番目の質問からお答えをさせていただきます。

 肝臓機能障害の方への身体障害者手帳の交付については、薬害肝炎の原告団、弁護団の要望を踏まえ、肝臓の専門家等による検討会で議論をしていただき、基準を定め、四月からスタートいたしました。

 この基準に関しては、さまざまなものを参考として、肝機能障害が重症化し、治療による症状の改善が見込めない状態が一定期間継続している方について、一級より四級までの障害と認定をしておりますが、お尋ねの手帳の対象となる方については、三万人から五万人程度を見込んでおります。

 周知については、これまで、自治体に対してパンフレットの見本をお示しして周知をお願いしておりますし、厚生労働省のホームページにおいても、四月一日から広報をしているところであります。

 そして、高橋委員お尋ねのB型肝炎についてでありますが、これもかねてからこの委員会でも議論になっておりますが、最高裁で判決を得た五人だけが感染者であるというふうには当然考えておりません。それ以外にも、多くの予防接種による感染者の方々がおられるのではないかと思っております。

 その意味では、高橋委員御指摘のように、その感染者がどれぐらいおられるのか、これはなかなか、最高裁の際には五人の方に関してかなり厳密な認定をされたわけなんですけれども、その認定基準がどういうふうな形で参考になるのかわかりませんが、当然、今後のB型肝炎訴訟について検討していく上で、どれぐらい感染者がいるのかということに関しては、私たちも何らかの推計ができないのかということは考えていかねばならないと思っております。

高橋(千)委員 今、最後の、何らかの推計をということで、これは明確にさせていただきたいと思うんですね。

 やはり、根拠のない数字だけがひとり歩きをして、むやみにお金がかかるんだというふうなことはあってはならないわけでありまして、そういう意味でも、原告の皆さんはテーブルに着く用意があるのだということをしっかりと踏まえていただきたいと思うんです。

 今、手帳の話を私は質問しましたが、三万人から五万人程度ということでございました。ということは、まだまだ少な過ぎます。日肝協に言わせれば、本当に、申しわけないが、死期が迫っている重症患者でなければ対象にならないほどの厳しい基準であるということをおっしゃっているわけです。

 そうすると、やはり私たちは、山井政務官も野党時代、薬害の救済法でも救えない方たちがいらっしゃる、B型肝炎の方たちもいらっしゃる、すべての肝炎患者を救うためにということで、基本法、医療費助成、そして身体障害者手帳というふうなことで総合的な対策を進めてきました。しかし、そうはいっても、それでも全面的な対策にはまだまだ遠いし、救える人はほんの一握りなわけです。ですから、やはりこの問題は、福祉の問題にこの訴訟のことを吸収するわけにはいかないわけですね。

 なぜこれを言うかというと、二十四日の質問の中で、山井政務官は、段階的にということをおっしゃいました。つまり、基本法、医療費助成、そして訴訟と。段階的にするのではないのだ、これはやはり訴訟の解決がきちんとされなければならないのだということを明確にしたいと思うのであります。

 国として謝罪し償うことを原告は求めています。重ねて伺いたいと思います。政務官。

山井大臣政務官 高橋委員にお答えを申し上げます。

 私が段階的にと言ったことがちょっと誤解を招いたかもしれませんが、政権交代以降、特にこのB型肝炎の和解の問題は非常に重要な問題だということを、私たち厚生労働省のみならず、政権全体として認識しております。

 だからこそ、非常に大きな、重要な、かつ、最初の訴訟からもう二十二年ぐらいたっている本当に重要な問題であるからこそ、肝炎対策基本法、そして、抗ウイルス剤、核酸アナログ製剤のB型肝炎の薬への医療費助成というものを、今まで手順で進めてまいりました。

 そして、高橋委員も御存じのように、この肝炎対策基本法の中では、最高裁が、B型肝炎の、予防接種に対して国の責任を認めたということも明記をされております。このことは非常に、超党派でこういう法律が成立したということは、今回の訴訟に関しても重要な一つの第一歩ではないかと考えております。

高橋(千)委員 確認ができましたので、五月十四日などと言わずに、一日も早く和解協議のテーブルに着くことを重ねて要望したいと思います。

 二つ目に、きょうは、ハンセン病基本法と決議の実行について伺いたいと思います。

 昨年の七月九日、解散直前の衆議院本会議で、資料の2に載せてありますけれども、国立ハンセン病療養所における療養体制の充実に関する決議が全会派一致で採択をされました。また、それに先立つ一昨年は、ハンセン病基本法を成立させました。

 この趣旨は、入所者の皆さんが最後まで住みなれた療養所の中で暮らしたい、その思いを尊重し、これを保障するための医療、介護などの療養体制を整えること、そしてそのためには、国の定員削減計画をハンセン病療養所には適用しないという、入所者、支援する人たち、そして二つの議員懇談会がありましたけれども、この決意が込められていたのではなかったかと思います。

 確認をしたいのですが、この決議の趣旨への大臣の認識を伺いたいと思います。

 そして、実は、そういう思いがあったにもかかわらず、ことしも定員削減の対象になりました。資料の1に書いてあります。五十五名の削減は、政府全体がマイナス二%のシーリングに対して一・八五%、ほんのちょっと削減幅を緩めたにすぎません。

 改めて、定員削減の枠から外すべきではないか、このことを伺いたいと思います。

長妻国務大臣 今の御質問でございますけれども、これは、ハンセン病の療養所も国の行政機関であることから、定員管理に係る閣議決定に沿った対応が必要だということとなりましたけれども、今御指摘いただいたように、入所者の高齢化等の現状もございますし、我々としては、前年度よりも削減数を低く抑えていくということで、平成二十一年度八十七人の削減であったところを、平成二十二年度においては五十五人と削減数を低く抑えたということと、言語聴覚士は十一人増員して、看護師は二十五人増員をするということで、リハビリあるいは看護体制の充実のための定員は確保しております。

 今後とも、衆議院でなされた決議を踏まえて、体制の充実に努めていきたいと思います。

高橋(千)委員 一定増員になった部分を今紹介されましたけれども、結局、定員の枠から外れないのだ、この趣旨がやはり生かされていないのだということを改めて実感せざるを得ません。本当に再度、参議院の方ではまだ決議が上がっておりませんので、こうしたことも含めて、皆さんの御協力をいただきたいと思うんです。

 介護の分野での体制の確保ということが本当に大きな要望だったわけです。目の見えない元患者の方、つまり入所者の皆さんが、食事の時間が一番苦痛だと言っている。こういう声にどうこたえるのかということが問われているのではないでしょうか。

 長浜副大臣には、昨年十二月に、我が党のハンセン病問題の申し入れを受けていただきました。私は、これと前後して、宮城の東北新生園また青森の松丘保養園を訪問してまいりましたが、どこでも人手の問題が出されております。また同時に、将来構想に大変不安を抱えておりました。最後の一人まで国は支援をすると約束をしてきたわけでありますけれども、平均年齢も上がり、あと十年存続できるだろうか、そういう心細い声を聞いているわけです。基本法は、そういう中で、地域に療養所を開放することで、最後の一人まで地域の中で皆さんが尊厳を持って暮らせる、そういう思いを込めてつくられたものであります。

 しかし、課題は多く、制度の縛りを解きながら将来構想を実現していくためには、入所者の希望やイメージだけでは進みません。モデルケースを一緒に取り組むなど、国はもっとイニシアを発揮する必要があると思いますが、いかがでしょうか。

長浜副大臣 日本共産党国会議員団ハンセン問題プロジェクトチームの高橋会長でありますから、大変この問題には御精通をされていること、よく存じているところでございます。

 先ほど大臣からも御答弁を申し上げましたように、確かに、総務省からの五年間の合理化計画、厚生労働省ベースにしても七百十二人、二・一七%の削減、こういう状況があるわけでありますが、今まさにおっしゃられましたとおり、高橋会長におかれましては、十二月十六日、私のところにお訪ねをいただきまして、まさに予算の最後の詰めの折衝のまだ決まる前の大変なときでありましたけれども、この意向を尊重しながら、年末の調整に向けて、先ほど大臣からも御答弁申し上げましたように、看護師の方あるいは言語聴覚士の増員、言語聴覚士は、会長御存じのように十三園ありますから、その十三園すべてに今回の予算で配置することができるようになったわけでございます。

 また、今の御質問の将来構想。将来構想は、各入所者、自治会が中心になって施設ごとに策定をするというふうに伺っています。そういった中において、入所者の減少及び高齢化が進んでいるということも述べられたとおりでございます。

 私どもとしましては、国立ハンセン病療養所の今後のあり方については、あくまでも入所者の方々の意見を十分に尊重し、そしてまた全国十三カ所にあるそれぞれの施設が、歴史と経緯とそれぞれの地域性を考慮する必要があるのではないかなということを痛感しております。

 イニシアチブをとってしっかりやれという御指摘でもあるものですから、施設管理者を中心によく話し合って、こういった問題について解決を図っていきたいと思っております。

高橋(千)委員 大変御丁寧な答弁をありがとうございました。

 イニシアをとってほしいというのが入所者の希望でありますので、ぜひそこを踏まえていただきたいと思います。

 最後の問題を伺います。

 JALの会社更生法適用と雇用問題について。資料の3に昨日の朝日新聞の記事をつけておきました。ここにあるように、今全国に四カ所ある、これは基地と呼ぶそうでありますが、勤務拠点を羽田と成田に集約をし、六月末で大阪と福岡を閉鎖することが三月九日に発表されました。大阪約五百人、福岡六十人の客室乗務員が、同日、四月九日までに、異動か、さもなくば早期退職勧告に応じることを迫られたのであります。

 突然の発表と、しかも一カ月で決断せよという発表に職場は大混乱、小さな子供を育てながら勤務をしている方、介護が必要な家族を抱えている方など、転勤は難しい、しかし、働かなければみずから家族を支えているのにどうするのか、そういうせっぱ詰まった悲鳴が上がっております。

 ことし一月十九日、向こう三年間で企業再生支援機構と日本政策投資銀行による約六千億円の資金枠による支援が決定されました。同日、前原国土交通大臣名で、機構に対して、「本件支援対象事業者は、」いわゆるJALは「我が国の成長基盤である航空ネットワークの形成に重要な役割を果たしている。 このため、引き続き安全かつ安定的な運航を確保するとともに、会社更生計画の策定過程を通じて、航空行政を所管する国土交通大臣の意見を十分聴取されたい。」と述べております。

 いろいろ批判もあったけれども、JALの重要な役割を認識して、再生への道のりを国がリードしたという意味だと思うんです。その点で、今後も国に責任があります。

 再生に当たって、三年間で一万五千人のリストラ計画を挙げておりますが、会社更生法なら生首を切ることはやむを得ないと思っておるのか。人があっての安全であり信頼だと思います。まして、客室乗務員はその最前線であります。国交省の認識を伺います。そして、少なくとも四月九日の期限は延長してほしい、このことはいかがでしょうか。

長安大臣政務官 高橋委員の御質問にお答え申し上げます。

 この間の日本航空の窮状というのは、もう委員よく御理解されているとおりでございます。やはり、人員が余剰であった、さらには硬直的な組織体制であった、さらには大型機材の不効率な運航等、さまざまな問題があったわけであります。そういう中で、今回、会社更生法を申請し、JALの再生を今行っているところでございます。

 稲盛会長自身も、できるだけ現場を回り、ひざを接し、何を考えているか直接聞き、また私の思いも伝え、彼らが再建させたいと思うような企業風土を築きたい、社員とベクトルを合わせ、これまで以上に心温まる接客と明るいサービスを提供したいと述べられております。稲盛会長のリーダーシップのもと、社員一人一人が安全、安定的な運航に万全を期して、再建に向けて尽力していただくことが必要と認識しております。

 一方で、今委員御指摘のございました、三月九日に、客室乗務員の基地の集約ということでございます。これに関しましては、今申し上げましたように、現在、人員が余剰状況にあるという現実もございます。日航の経営改善策の一環として私ども認識しておるわけでございますが、この早期退職の募集期間の問題につきましては、あくまでも労使の話し合いで解決すべきものでございまして、国土交通省の立場としては、コメントすることは差し控えさせていただきたいと考えております。

高橋(千)委員 最後が、まさか意外な答弁でございました。最初にあえて私が読み上げましたように、「国土交通大臣の意見を十分聴取されたい。」この問題は、やはり国土交通省がリードをしてやってきたことなわけですよね。ですから、言ってみれば、リストラありき、そうじゃなければ再生しないんだとまで言ったのではないか。

 そして、今お話があったように、人員が余剰であると、はなからJALの言い分を国土交通省が丸々言っている。本当にそういうことが実証されているんですか。一万五千人の合理化計画でありますが、そのうち二千七百人が初年度でありますよね。だけれども、では、いわゆる退職者不補充による自然退職が幾らなのか、その数字がまず出てこないわけであります。

 そのことと、ダウンサイジング、効率化は当然だと思います。機種を大き過ぎるのを小さくしましょうとか、そういう中でやってくるけれども、しかし、それに合わせて人員の配置が逆に配置基準までも見直しをされて、安全を揺るがすようなことにならないのか。つまり、根拠ある数字にはなっていないわけなんですよ。この点、どうなのか。

 また、基地の閉鎖は、厳密には閉鎖ではありません。今回は客室乗務員だけがねらい撃ちをされたわけです。残りの皆さんは、地上スタッフ、パイロットも今までどおり残るわけですね。そうすると、本来ならば、十分基地を保ちながら、それも別に立派な基地じゃなくていいんだと言っているんです。電話一本でも、これまでやってきた経験があると。そういう中で、とにかくここにいながら、福岡、大阪にいながらやっていきたいと言っていることに対して、はなから労使間の問題ですよと言うのはおかしいのではないか。国の責任は全くない。もう一言お願いします。

長安大臣政務官 今回の基地集約に関しましては、あくまでも会社側の提案ということでございますけれども、先ほど答弁させていただきましたように、私ども国土交通省としては、安全、安定的な運航をしていただくことをやはりしっかりと注目してまいらないといけないと考えております。

 今回の基地集約に関しましては、そういう意味では、あくまでも、先ほど労使の問題で解決していただくことと申し上げましたけれども、国土交通省としても注意深く見守ってまいりたいと考えております。

高橋(千)委員 注意深くということでありますが、ここにもう少し明確な意思を乗せていただきたいなと思います。

 もともと、この間の報道によってJALに対する風当たりが非常に強まる中、客室乗務員はいわば国民との窓口になるわけです。批判をまともに受ける立場になって、そういう批判に耐えながらも、自社の置かれた立場を理解して、金銭的には協力する、そういう覚悟を持っております。それでも、道の真ん中を歩くな、どぶの中をはって歩け、そういうふうに上司に罵倒された方もいらっしゃいます。

 会社が傾いたのは客室乗務員たちのせいではないはずです。いつ決めるのか、二百人の船に千人は乗れないのよと会うたびに迫られるなど、パワハラも強まり、メンタルに陥る人も出てきております。お客様の前では笑顔でサービスをやっているけれども、いざ、シートベルト着用の時間になると、この先どうなるかで頭がいっぱいになっている、介護が必要な親にまだ打ち明けることもできない、そういう状況に追い込まれているわけです。これは、まさに転勤が困難な女性たちをねらい撃ちにした事実上の解雇、退職の強要であり、会社更生法を盾に、組合の交渉力が奪われているという問題なのであります。

 そこで、ちょっと厚生労働省に伺いますが、会社更生法の適用であっても、雇用の確保や労使協議など労働法令の遵守は当然確保されるものだと思いますが、確認をいただきます。

長妻国務大臣 一般論としてのお答えになりますけれども、会社更生手続であるか否かにかかわらず、企業が人員や労働条件の見直し等を行おうとする場合には、労働組合と誠実に交渉を行うことが求められているということであります。

高橋(千)委員 確認ができました。

 もう一つですが、中には育児休業中の方もいらっしゃいます。休んでいる最中に、情報もろくに入らないまま、いる場が奪われる大変な事態になっているわけですね。

 育児・介護休業法の第二十六条には、事業主は、労働者を転勤させようとするときは、育児や介護を行うことが困難となる労働者について、その育児または介護の状況に配慮しなければならない。これも、今お話があったように、会社更生法だからといって、育児・介護休業法を守らなくてよい、考慮しなくてよいとはならないはずだ。確認をしたいと思います。

山井大臣政務官 高橋委員にお答え申し上げます。

 育児・介護休業法の第二十六条は、一般論として申し上げれば、会社更生中の企業であっても、本規定の適用が除外されるものではございません。

高橋(千)委員 今、二つのことが確認をされました。会社は、交渉の際に絶えず、会社更生中なんだからやむを得ないんだということを言うわけですね。しかし、そうではないのだ、会社更生とは、もともと会社を再生させるための手続なわけでありますから、その中において、雇用の確保は当然であるし、労働法制の遵守は当然なのだということが確認をされたと思うんです。それに照らしてどうなのかということを本当に見ていただきたいと思います。

 大臣も、日本航空再生に当たっての閣僚会議のメンバーだったと思います。年金のことばかりが報道されまして、そればかり相談をされたということがあったと思うんですが、雇用の担当大臣であるということも忘れてはならないと思います。JALへの国民の信頼を取り戻すべく、最前線で頑張っている客室乗務員を本当に守れないで、大切にできないで、何が再生なのか、このことをしっかりと見ていただいて、長妻大臣、そして国土交通省にもしっかりと対応していただきたいということを要望して、終わります。

藤村委員長 次に、柿澤未途君。

柿澤委員 みんなの党の柿澤未途でございます。

 私は、昨年、末期がんの父のみとりをしました。父は、食道がんの手術をしまして、その後、在宅で療養していたんですけれども、夏に再発をし、最終的には緩和ケアの病棟で亡くなりましたけれども、そこに入る二週間前まで自宅におりまして、私もずっと付き添って、看病というか、療養生活を在宅で支えました。

 手術の結果、食道をちょっと、声帯を傷めて声が出なくなる。また、嚥下に非常に障害を伴うようになって、最終的には腸にチューブを入れて、腸瘻というんですけれども、そこからラコールという流動栄養を点滴のように入れる。また、骨の方に転移をしましたので、痛みどめの塩酸モルヒネのオプソという水溶液があるんですけれども、これもチューブから、シリンジといって注射器みたいなもので入れる。

 こういうことを毎日毎日やって、だんだんだんだん、オプソという塩酸モルヒネの水溶液が半日に一回でよかったのが、だんだん量がふえて二時間に一回になって、こういうことを全部経験しました。排せつの介助や入浴の介助もいたしました。そういう中で、在宅でのみとりというものの大切さ、また最後まで住みなれた家で家族とともに生活をするということが理想だなということを感じさせていただきました。

 在宅での緩和ケアの必要性、基盤整備等々についてはまた機会を改めて御質問申し上げたいというふうに思うんですけれども、きょうは、在宅でのみとりのかなめの役割を果たすべき訪問看護ステーションが閉鎖と休止に追い込まれている、こういうことについてお伺いをしたいと思います。

 厚生労働委員会の中には、民主党の山崎摩耶先生や、あるいは自民党のあべ俊子先生や、看護師出身の方がいらっしゃるわけで、大変僣越なことだと思いますが、私の体験を踏まえてお尋ねを申し上げたいと思います。

 在宅医療の推進等の国の施策に伴って、訪問看護に対するニーズが高まっている。ところが、〇六年の診療報酬改定におけるいわゆる七対一看護の導入の影響で、都市部の大病院に看護師が集中する傾向が強まって、小規模な訪問看護ステーションでは、看護師の確保ができずに、閉鎖や休止に追い込まれる施設が増加しているというふうに言われております。

 この七対一導入を契機として看護師の偏在が進んだというふうに言われておりますけれども、厚生労働省としての認識はどうであるかということをまず伺っておきたいと思います。

足立大臣政務官 認識はどうであるかということと、今どう判断しているかという二点、お答えしたいと思います。

 私も現場の意見を聞いておりまして、十八年の改定、その前の十七年は大変な、看護師さんを確保するというか、まだ卒業見込みの方に対するアプローチが相当なものがあった、その結果、地域偏在を生んだということは事実であろうと思います。

 今現在どうかというと、その当時に比べると、あるいは十八年当時に比べると、大分、あのような大きな変化にはなっていないというふうに認識しております。

 その証左として、七対一、あるいは準七対一、十対一、十三対一、十五対一とありますが、それらの基準を満たさないのは特別入院基本料というふうになっておりますけれども、これが十八年から見て平成二十年には約百五十減っているということで、満たさないところが減っているということは、七対一、十対一がふえてはおりますけれども、それで基準を全く満たせなくなったというところは減っているというのが今の現状だと思います。ですから、当時のような混乱の状況は徐々に改善されているというふうに考えております。

柿澤委員 しかし、全体として見ると、厚生労働省のゴールドプラン21で掲げられたような訪問看護ステーションの設置目標はなかなか達成ができていないわけです。もともと〇四年で九千九百カ所ということになっていたと思いますけれども、結果として大体六割ぐらいしか達成できていないというふうに言われております。

 最新の数字はどうなっているか、確認をしたいと思います。

足立大臣政務官 お答えいたします。

 ゴールドプラン21は二〇〇〇年、平成十二年に五年間の計画としてつくられたものでございまして、訪問看護ステーションはその前、平成十一年五千カ所、ところがゴールドの目標は平成十六年九千九百カ所、しかしながら十六年時点では五千二百二十四カ所、そして今、平成二十年は五千四百三十四カ所というふうになっております。

 ゴールドプランの達成率ということから考えると、九千九百の目標のところが五千二百であった、それは今議員が指摘のとおりだと思いますし、その後は約二百十ふえている状況だということです。

柿澤委員 では、七対一看護導入以降の、〇六年以降に閉鎖や休止した訪問看護ステーションのできれば数と、また、わかれば閉鎖、休止の主な理由を明らかにしていただきたいと思います。

足立大臣政務官 実は、厚生労働省としては、今委員が御指摘の閉鎖、休止した事業所数、その主な理由というのは把握はしていません。

 しかし、参考のために、社団法人全国訪問看護事業協会、これは先ほど御紹介の山崎摩耶さんが大変かかわりの深いところでございますけれども、そこが、平成十八年度から二十一年度までの四年間に、そこの中でですよ、五千四百カ所の事業所のうち三千六百カ所が加入しておるという前提でお聞きいただきたいんですが、休止を理由とする退会が百五十九、廃止を理由とする退会が百九十七でございます。

 統計的にその理由ということはきっちりとられてはおらないんですけれども、聞くところによりますと、なぜ廃止、休止になるんですかということについては、人員の確保が困難であるとか利用者の減少ですというような理由が挙げられたということです。

柿澤委員 明確な調査でこうだということではないにしても、今政務官の御答弁のとおり、人員の確保が難しいということが問題になっているということだと思います。現実に、常勤看護師二・五人以上というステーション設置の人員基準を満たせなくなったため休止、閉鎖に追い込まれた訪問看護ステーションも多いというふうに聞きます。

 また、二・五人という数字についてこれからお伺いをしたいと思うんですけれども、この数字はあくまでも余り明確な根拠があって二・五人ということが決まっていないというふうにも言われております。この常勤換算で看護師二・五人という人員基準が、訪問看護ステーション、ひいては地域における訪問看護の基盤が広がらない要因、足かせになっているというふうな意見もあります。

 こうした状況の中で、この世界ではよく言われる言葉ですけれども、日本じゅうに星降るほどの訪問看護ステーションをつくりたいということで、開業看護師を育てる会というのがおととし発足をしております。代表の菅原由美さんは、この世界では非常に有名な方ですので皆さんも御存じかもしれませんが、有償ボランティアの看護師による在宅ケアの支援を行っているキャンナスという会の代表をされておられる方です。昨年、市民団体が呼びかけた全国投票で、彼女はナースオブザイヤーという賞にも選ばれているということです。

 看護師や保健師などの資格を持ちながら仕事についていない、主婦として家庭に入っているというような潜在看護師、看護職員は五十五万人いると言われています。この潜在看護師をマンパワーとして有効活用しながら、地域の中で、在宅で看病されている家族の方々の息抜きの実現と、また終末期のターミナルケアのお手伝いができるといいなということで有償ボランティアのキャンナスを立ち上げたわけであります。

 この菅原さんは、まさに二・五人の人員基準を緩和すべきだ、そしてナースの一人開業を認めるべきだということをおっしゃっています。人員基準が緩和をされれば、もっとたくさんの看護師が独立をして、地域で困っている人を支えることができるということをおっしゃっています。実際、菅原さんのキャンナスには潜在看護師だった方々がどんどんどんどん参加をしてきていて、今や全国でキャンナスの支部が四十一まで広がっている。こういう中には、私たち一人開業ができたら、私も訪問看護ステーションを自分の身近な地域でやりたいということを多くの人が言っているというふうにも聞いております。

 先日、去年の十二月ですか、鳩山総理がキャンナスの松戸支部を訪問しております。そこで菅原代表は、看護師に一人開業を認めるという人員基準の緩和と、また訪問看護の一人開業を認めることで、生活支援サービス事業という新たな視点で国民のニーズにこたえ、雇用だけでなく社会的な富を増大させる新たなマーケットを生み出す産業をつくることができる、こういう提言をその場で鳩山総理にされたそうです。そのときに同席されていた方のブログでは、鳩山総理も理解を示され、前向きな検討を約束していただきました、こういうことが書いてあります。

 これを踏まえてお尋ねをしたいんですけれども、訪問看護ステーションの設置に当たっては、常勤換算で二・五人、看護職員を配置することが厚生労働省の省令で義務づけられております。これに対して、一人開業を認めるべきだという意見がありますが、新政権の、政府の見解はいかがであるかということをお尋ね申し上げたいと思います。

長妻国務大臣 今の御質問でございますけれども、今、常勤換算二・五人という一つの義務づけがありますのは、当然安定的にサービスを供給するということで、緊急の事態に対応を常にできなければならないというようなことでこういうような形を措置しておりまして、当然、離島等特別な対応が必要な地域については、現行でもそれを下回ってもいいという特例はございます。

 そして、今のお尋ねは、一人でも開業できるようにすべきではないかということであります。これは、先ほどの趣旨からいっていろいろな問題点があると思いますが、今御提案もいただきましたので、一度それについて役所全体で検討をしてみたいと思います。それが実行可能かどうか、今ここで申し上げるわけにはいきませんが、どういう影響が出るのか、それは可能性が高いのか低いのか、あるいは在宅でサービスを受けられている患者さんにとってそれはどの程度の影響になるのか、さまざまな観点から検討はしてみたいと考えております。

柿澤委員 省内で検討してくださるということで、これは本当に歓迎をしたいと思います。前向きに検討していただきたいというのが私の思いであります。

 厚生労働省も、訪問看護ステーションがなかなか設置目標どおりに進まないということは、非常に問題として認識をしていると思うんです。しかし、さっきまさしく大臣がおっしゃったように、小規模で本当に安定的にやっていけるのかということで、どちらかというと大規模化をして統合して、大規模化した看護ステーションのサテライトみたいな形で地域に設置をしていく、こういう方向で考えておられるということは事前のレクなどで私もお伺いをしました。

 しかし、これは考えてみれば、一人開業を認めた上で、それぞれの開業看護師がネットワーク化して、必要な事務作業とかこうしたことを協業化していくことによって解決可能なことなんだというふうに思うんです。根拠不明と言われるような二・五人という数字をいつまでも金科玉条のごとくして、それによって、地域において訪問看護の基盤そして在宅でのみとりの基盤が広がっていくことが難しい、ハードルになってしまっているというこの状況をやはり私は変えていくべきだと思います。

 また、潜在看護師で、なかなかフルタイムでこれをやることはできないけれども、例えば半日、在宅で、例えば一日二軒、二時間ずつとか、そのぐらいだったら子供が幼稚園に行っている間に訪問できるわ、こういう人たちのリソースを生かしていくことが、鳩山総理のおっしゃっている新しい公共という概念にもつながるというふうに私は思うんです。

 そういう意味で、私は、一人開業に全部しろと言っているわけでもありませんし、長妻大臣のおっしゃっている御懸念も理解をするところはあるんですけれども、しかし、一人開業をするという選択も認めるべきだということを申し上げているわけであります。

 この点について、再度、ぜひ省内での御検討に向けた姿勢をお伺いしたいというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

長妻国務大臣 私も常日ごろ申し上げていますのは、実態把握が一番重要だというふうに考えておりますので、まずは現状の実態把握をして、今の御提案の件についても省内で検討していく。

 ただ、あらかじめ申し上げておきますが、先ほどのさまざまな論点の結果、結果的にはやはり今の基準を守る必要があるという結果になる可能性もあることもあらかじめ申し上げておきます。

柿澤委員 ただ、あらかじめというその先は余り聞こえなかったということにして、ぜひ省内でフラットな、ゼロベースの御検討をいただきたいというふうに思います。

 本当に、地域においてやはり身近な、顔と顔を合わせる、そういう関係の中で、在宅のみとりの支援でかかりつけのナースの方が来ていただける、こんな環境ができればやはり理想じゃないか。私は、父親のみとりをした経験から強くそのことを思っておりますので、今後の皆さんの省内での御検討もぜひ見守ってまいりたいというふうに思いますし、恐らくこの厚生労働委員会では、同じ思いを抱いている方はたくさんいらっしゃると思いますので、ともに党派を超えて取り組んでまいりたいというふうに思っております。

 お時間になりましたので、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

     ――――◇―――――

藤村委員長 内閣提出、医療保険制度の安定的運営を図るための国民健康保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。園田康博君。

    〔委員長退席、中根委員長代理着席〕

園田(康)委員 民主党の園田でございます。

 大変久しぶりに質問というか立たせていただくことになりまして、先ほど、野党になりましたら質問の機会が多くあるというふうにおっしゃっておられましたけれども、逆に与党になりますと質問の機会がなかなかとれないという状況もあり、そういう点では、きょう、質問をさせていただく時間をいただきまして、本当にありがとうございます。委員長初め委員の皆様方、同僚議員の皆様方には感謝を申し上げたいと思っております。

 また、政権交代をいたしましてから、私、実は初質問になりますので、きょうはいささか緊張をいたしております。と申しますのは、やはり今まで大変御指導をいただいてきた、その当時は長妻ネクスト年金担当大臣という形でございましたけれども、それがいわば厚生労働行政を支えるというか引っ張っていく、そのトップに立っていただいているという、この重みを大変感じさせていただきながら、きょうは、今議題となりました医療保険制度の安定的運営を図るための国民健康保険法等の一部改正案、これについて質問をさせていただきたいというふうに思っております。

 その質問に入る前でございますが、一つ大臣には御礼を申し上げたいというふうに思っております。また、同席をいただきました山井政務官にもあわせて御礼、感謝を申し上げることがございます。

 それは、生活保護に係る母子加算、この訴訟が昨年来ずっと起きていたわけでございます。全国で、老齢加算の部分を合わせまして全部で十カ所行われていたわけでございますけれども、そのうち母子加算に係る部分に関しましては、昨日、大臣が御決断といいますか御英断をいただきまして、原告団そして弁護団との合意に達し、基本合意文書の調印をしていただいたということでございます。本当にありがとうございます。

 これにつきましては、山井政務官に三月七日、原告団、弁護団からの申し入れがありまして、そのときにも政務官からもおっしゃっていただきましたけれども、この新政権は、さまざまな案件を抱え、そしてさまざまな課題を解決していく、そこの中において、いわゆる訴訟と言われるものに関しましては、できるだけ訴訟によらないで、話し合いの中で、あるいは前向きな議論をしていく、そういう姿勢の中で課題、難題を解決していく。そういう姿勢を明確にあらわしていただいた、その解決策の一つではなかったかなというふうに私も感慨無量でございました。

 そういう意味では、本当に今回も、新政権になりましてから、さまざまな訴訟案件の基本合意という形を次から次へと、大臣の御決裁のもと、解決に向けて一歩一歩やっていただいているということでございますので、私どもも、この委員会、人の命を預かる、あるいは国民の生活を預かる者としては、前向きな議論をさせていただきながら、今後も協力をさせていただければというふうに思っておる次第でございます。

 そういう意味では、この委員会の中で、自民党さんやあるいは公明党さん、共産党さん、みんなの党さんも含め、さまざまな委員の方々からの御意見をいただきながら進めさせていただいているところでございます。

 思えば私も、きょうはちょっと前段が長くなるかもしれませんが、私の思いも含めて質問に入らせていただきたいと思っているんですが、この委員会では少なくとも、対立構造というよりは、先ほど大臣がお示しをしていただいている姿勢というものを私どももしっかりと共有していく、その場でなければならないというふうに考えているところでございます。これは、私どもが野党のときであっても、そのことを私自身もこの委員会の中で申し上げさせていただいてきたところでございます。

 そういった意味では、逆に、いわば政権のさまざまな欠陥、欠点というものの指摘ということに限らず、では、そこからどうしていくのか、そういった提言というか提案をお互いにし合って、そして協議を深めていく中で一つの解決策を見つけ出していく、ぜひこういう姿勢の委員会にと。

 やはり政権交代という意味は、私も昨年末以来、初めて予算編成というものの一端を見せていただきながら、大変国民の皆さん方の期待、そして、病床や、あるいはさまざまな悩みを抱えながら生活をされておられる方々にいかにこたえていくのかが、いわば政権を預かる責任の中において難しいかじ取りを強いられるんだなというところは目の当たりにさせていただいたところでございます。

 そういう意味では、先ほど少しハンセンのお話もありましたし、またB型肝炎の課題も取り上げられていたわけでございますが、大変厳しい、財政も含めてというふうに私は申し上げさせていただきますが政権運営の中で、一歩一歩行っていくためには、やはり党派を超えた中での強力な体制というものが必要になってきたというふうに考えております。ぜひそういう環境づくりをお互いに、この委員会の中においては与野党問わずつくりあげていきたいというふうに思っております。

 そういう意味では、委員長の強力な御指導のもと、この委員会が円満、公正、かつ、そういうさまざまなお話をさせていただけるものではないかなというふうに思っております。

 ぜひ大臣におかれましては、また、きょうは長浜副大臣あるいは細川副大臣、そして山井政務官、足立政務官ということで、政務三役の方々が厚生労働の行政に携わっていただいている、そのことを私も全面的に感謝と、そして協力を申し上げることをお誓いさせていただきながら、質問に入らせていただきたいというふうに思います。

 皆さんのお手元にお配りをさせていただきました。きょうは国民健康保険法の改正案の話でございますが、いわば社会保障全体の話を前段からひとつさせていただきたいというふうに思っております。

 先ほど申し上げましたように、たしか阿部委員のお言葉にあったかと存じますけれども、この委員会の所管案件といいますのは、従前は、揺りかごから墓場までというようなお話がよくございましたけれども、今や、生まれる前からの体制をどうするのか、そして、その体制の中から私たちが子育てあるいは子育ちといったものの支援をどう考えていくのか、あるいは、そこから学業、そしてそこから労働の教育、そして就職、社会人としてのさまざまな生活の中でワーク・ライフ・バランスを考えながらこの社会を築いていき、そして退職後においてはいわゆる老後の安心、安全というものをつかさどりながら私たちの一生を終えていく、そしていわば、言葉は不適切かもしれませんけれども、その後に遺骨収集というところまで含めて、この厚生労働委員会というものは所管をしていくわけでございます。

 そういった中で、社会保障全体をしっかりと、今、国民の皆さん方は、新政権あるいはその新政権の運営のもとの国会あるいは内閣がどういう形でこたえていくのかというものは、大変大きな注視をされているものだというふうに私は認識をさせていただいております。

 そして、その社会保障をめぐる動きの中においては、やはりその前提となる保険制度というものも、あるいは年金や医療といった部分も含めて、その体制整備というものは喫緊の課題である。今、この経済状況でございますので、その経済を、いかに景気を回復させていくのかというところと、それから、中長期的に将来的な社会保障ビジョンというものをしっかりと、私どもはそれにこたえていかなければいけないものではないかというふうに考えているところでございます。

 そこで、今回の国民健康保険の一部改正案でございますけれども、昨年の私どものマニフェストでもうたわせていただいております。私のお配りをさせていただきました資料でもお示しをさせていただいておりますし、また、先般はアメリカにおいてもオバマ大統領が、新政権という形になって、その悲願であったと言われる国民皆保険制度を、まだすべてという形ではなっておりませんけれども、そこにつながる医療保険制度の改正を成立し、それに署名をした、そういうニュースが流れていたわけでございます。

 いわば、先進諸国においては、国民の生命、生活、医療制度というものをつかさどっていくためには、保険制度というものがやはり国民皆保険制度でなければならない。これは私どももずっと議論をさせていただきましたし、また、今後もそのことに対しては国民にしっかりとお約束をさせていただかなければならない、堅持をしていくんだという姿勢をまず全面的に押し出していかなければならないというふうに考えておるところでございますが、その点、大臣の御決意といいますかお考えをお聞かせいただければ幸いでございます。

    〔中根委員長代理退席、委員長着席〕

長妻国務大臣 日本は国民皆保険ということで、今御紹介いただきましたように、アメリカも、オバマ大統領を含め皆保険の方向に進んでいっているということは、もう紛れもない事実だと思います。

 園田委員におかれましては、日ごろから現場感覚に大変富んでおりまして、いろいろ示唆に富む御助言をいただいておりまして、深く感謝申し上げます。

 それで、皆保険ということが、これまで取り組んでいたことが高度経済成長の一つの下支えになったというふうに私は考えております。今までの考え方というのは、社会保障は経済成長の足を引っ張る、どちらかというとそういう考え方もございましたけれども、これからは、経済成長の基盤をつくるのが社会保障だということで、車の両輪としてそれを位置づけていく必要があるということで、今後も皆保険を堅持していきたいというふうに思います。

 今おっしゃられたように、厚生労働行政は本当に国民の生活に大変重大な影響を及ぼす政策が数々あるわけであります。調べますと、今、一日平均約三千人の日本国民が毎日お亡くなりになっておられるということでございます。それより若干少ない方が毎日生まれておられるということで、この人の生き死に全般にわたる非常に重要な行政であるという認識を持って、今後とも怠りなく進めていきたいと思います。

園田(康)委員 大変力強い御示唆をいただきまして、ありがとうございます。その大臣の御決意に私どももしっかりとおこたえをさせていただくために、この委員会の審議をさらに深めてまいりたいというふうに思っております。

 そして、今大臣もおっしゃっていただきました、社会保障全体をしっかりとつかさどっていかなければいけないということで、いわばそれに付随して、御案内のとおり、社会保障給付費と言われるその額が大変今大きな課題になってきている。課題といいますか、大きな大きな注目を浴びてきているというふうに私は思っております。

 これは、恐らく自民党政権時代においても大変悩ましい状況の中で、私もこの委員会で歴代の各大臣の方々にも申し上げた経験はございますけれども、いわば、社会保障に係る財源をしっかりと安定的なものという形で持っていかなければならない、それはすなわち、やはり行政をつかさどる責任の中にはあるのではないかということを申し上げさせていただいてきたわけでございます。

 そういった点では、その試行錯誤の中からさまざまな議論がなされてきたわけでございます。

 いっときは、残念ながら、社会保障費自然増分を削らなければならないというような不幸な時代もあったわけでございますが、私から言わせれば、もっともっと国民の皆さん方に、年金や医療や介護、そしてさまざまな社会福祉といったものに対しては、必要なものはこれだけあるんだというところをきちっとメッセージとして出していかなければいけないものではないかというふうに考えているところでございます。

 ある一定の積み上げと、それからそこに係るいわば財源といいますか、それを確保していくための施策というものもあわせて、国民の皆さん方に納得と御理解とそして安心をもたらしていく。その深めた議論というものはぜひ私どもも含めてやらせていただきたいというふうに考えているところでございまして、先ほど少し社会保障国民会議の議論が出ていたところでございますけれども、ぜひこの委員会の中でも提言、提案をさせていただきながら、そして一方ではしっかりとした、今、財源も含めて、総理を頭といたしまして議論がスタートをするというところもお聞かせをいただいているところでございます。

 そういった意味で、今まで社会保障が、しっかりと国民の皆さん方にいわば中長期的に施策をお示しが、ある一部、できていたところも確かにございます。しかしながら、それがだんだんだんだん継ぎはぎの形になってきてしまったというところからすれば、それをやはりしっかりと、抜本的なところの改正も含めて国民の皆様方に対してお示しをしていく責任があるのではないかというふうに私は考えているところでございますが、その点、大臣のお考えはいかがでございますでしょうか。

長妻国務大臣 今、財源のお話でありますけれども、大ざっぱに言えば、社会保障の給付費が年間百兆円でありまして、約半分が年金、三割が医療費、あとは介護、生活保護等々であります。その百兆円のうち、六五%が保険料財源、三五%が税金、こんなような概要になっています。

 その中で、今のサービスの質は上げなくとも自然に社会保障の対象者がふえる、いわゆる自然増ということで、国の税金だけで一年間に約一兆円ずつ自然にふえていく、こういう大変厳しい状況が今続いております。

 一つは、社会保障の担い手が少なくなっていく少子化。これについても、少子化の流れを変えたい、これは変えなければならないということも申し上げているところで、その施策も打っているところであります。

 そして、財源でありますけれども、まずは、鳩山政権一期のうち、消費税については、これは議論はするけれども、上げることはしない。なぜならば、この期間、徹底的に、これまで指摘をされてきた浪費、非効率的な行政、あるいは必要性の少ない事業、これらを厳しく見直していく。天下りの問題も例外ではありません。それにきちっと手をつけていくという前提でありますが、消費税以外の税制あるいは保険料のあり方、これについては見直していくということも申し上げているところであります。

 いずれにしましても、国民の皆様方が、自分たちが払った税金や保険料が途中で中抜きなどされずにほぼサービスに結びついている、そして今よりもよりよいサービスがあるという将来のビジョンが見える、そうであれば一定の負担はしていこう、こういうような気持ちを持っていただくような、そういう政策や無駄の排除ということを全力でこの鳩山政権一期の中では進めていきたいというふうに考えております。

園田(康)委員 ありがとうございます。

 おっしゃるように、税体系全体の見直しの議論というものは当然やっていかなければいけないものであるというふうに考えておりますし、また、その前提となる、昨年来言われておりますいわゆる事業仕分けといった議論もございます。その点につきましては、今、省内でも、あるいは政府全体でも行政刷新会議を中心にやっていただいているというところでございまして、また、その点につきましては私どもも与党という立場の中でお手伝いをしっかりと申し上げさせていただきたいというところでございます。

 そして、そのことをまずしっかりとやった上で、必要なサービスをやはり積み上げていく必要がある。そして、その中においては国民の皆様方にも御理解をいただく場面が必ず出てくるということでございますので、そういった点では、しっかりとした制度設計と言われるものが今後必要になってくるものではないかというふうに思っております。

 いわゆる後期高齢者医療制度の廃止を私どもはマニフェストでもやはりお約束をさせていただき、また大臣も、御就任以来そのことを明言され、そのスケジュールを、しっかりとこの四年間の中で議論をし、そして新たな医療制度へと転換を図っていくということを御提示いただいているところでございます。

 そのスケジュール観について、少しお聞きをしたいというふうに思っておるところでございます。前回の審議の中で、一般質問の中ではあったと存じますが、またきょうも、時間がもし余れば議論といいますか御質問をさせていただきたいというふうに思っております。

 一つには、さまざまな施策の決定過程、そして法律が制定をされてから施行までの間と言われるものの中で大変な、国民の皆さん方に対して、今までもそうでありました、すべてではありませんけれども、その中には障害者の自立支援法と言われるものも、制度ができ上がってきてそれが施行されるまでの間に余りにも時間がなさ過ぎる。そして、この後期高齢者医療制度もそうでありましたけれども、準備期間をしっかりととる中で、国民の皆さん方に周知をし、そしてそれがいわば国民の皆さん方に御納得をいただける期間として十分な時間が必要ではないかというふうに私は考えているところでございます。

 そういった意味では、障害者自立支援法におきましては、あのときに私も指摘をさせていただいたんですが、やはり二点問題点があるというふうに考えていたわけでございます。

 それは、まず、当事者の方々が入っていなかった。もちろん、社会保障審議会の障害者部会の中においては入っていた、議論をされていたということがあったわけでございますが、もっともっと幅広い状況の中で、障害当事者の方々やあるいは家族の方々、そういう方々の意見をさらにさらに丁寧に丁寧に聞く、あるいは実態調査をしていくという作業をもう少し丁寧にやっておかなければいけなかったのかなというふうに思っておるところでございます。したがって、理念というものが当事者の方々も含めてなかなか理解をされないままに制度がスタートしてしまった、そこに大きな、この法律の不幸なスタートがあったんだという反省が私の中にはございます。

 そして、もう一点の反省点としては、先ほども申し上げましたように、あのときも、障害に係るグランドデザインが十月に出てから、新たな法律の骨格が出てきたのがその年末でございまして、そして、年が明けたらすぐその法案の審議に入る。そして、途中、解散というものがございましたけれども、それを挟んで、また新しい期になってからそれが審議され、すぐ可決、成立をされ、次の年にはもうそれが施行されるというような形で、その間、国民の皆さん方に、その制度の内容やら、あるいはそういったものの準備期間、市町村の方々、現場の方々も含めてきちっと当事者の方々に御説明をする期間というものに関しましては、やはり大きな一つの失態を犯してしまったものではないのかなという反省を私は持たせていただきました。

 したがって、廃止という言葉をおっしゃっていただけるのは、明確な方向性を出させていただいているという点では私も評価をさせていただいております。

 しかしながら、そこの廃止、そして新しい制度に至るまでのプロセスが、今度、私どもにとりましても大変重要な時期になってくるものであるというふうに思っておりますので、その点、大臣の新制度にかかるまでのスケジュールで、そしてそこに気をつけなければいけないことという点がもし大臣の頭の中にございましたら、ぜひ御指導、お聞かせをいただきたいと存じます。

長妻国務大臣 今、大変重要な指摘をいただいたというふうに思います。

 プロセスということでありますけれども、一見すばらしい制度改革というものも、本当にどういうニーズがあって、それが受け入れられるのかどうか、そして当事者の方の御意見をきちっと聞いたものなのか、そして効率性はどうなのか、あるいは不服申し立て機能はあるのかどうか、最低限度の保障があるのかどうか、いろいろな論点から国民の皆さんの合意を得ていった上で、それをスタートさせる。

 今まで、厚生労働行政あるいは厚生労働省は、新しい制度をつくるときのそういう意思の確認、国民との合意ということに非常に不足していたのではないかというふうに私は考えております。後期高齢者医療制度も、まさに七十五歳以上の当事者の声を聞くのが不十分だったのではないか、障害者自立支援法につきましても、まさに障害当事者の方の御意見を聞くのが不十分だったのではないか、あるいは広く国民的合意を得るプロセスというのが不十分だったのではないかというふうに考えております。

 実は、そういう意味では、アンケートあるいは国民的調査というのを丁寧に節目節目でやっていく必要があるというふうに考えておりまして、本日も厚生労働省に社会調査の専門の方をお呼びして、後期高齢者医療制度の決定プロセスまでどんなような国民的調査をするのが適正なのか、そういうアドバイスもいただいているところであります。

 このプロセスとしては、後期高齢者医療制度にかわる制度は、ことしの夏までに中間の取りまとめをして、それを広く皆様に御提示して、国民的に議論をしていただく、そしてことしの末に最終的な取りまとめをさせていただく、そして来年の通常国会に法案を提出させていただく。そして、実際に新しい制度が実行、スタートするのは平成二十五年の四月を考えておりまして、法律成立から二年間準備期間を設けさせていただこうということで、その間に国民的な御意見を聞く、そういうできる限り丁寧なプロセスをたどっていきたいというふうに考えております。

園田(康)委員 ありがとうございます。

 ぜひ、そういう丁寧な丁寧なスタンスの中で、プロセスの中で、新しい制度へと移行をスムーズにしていっていただきたいし、また、いくべきではないかというふうに思っておるところでございまして、そういう点では、大臣のその基本的なお考えを聞かせていただいたというふうに思います。

 さて、今回の国民健康保険法の改正案でございますけれども、主に三つの法の柱というものがあろうかというふうに思っております。

 皆さんのお手元にお配りをさせていただきまして、二枚目といっても、裏表でございますので一枚目の裏側をごらんいただきたいというふうに思っております。

 今回の、医療保険制度の安定的な運営を図っていかなければいけないんだというまず大前提があるわけでございます。そして一方では、今大臣に御明言いただきましたように、新たな高齢者医療制度と言われるもの、これが二十五年の四月にスタートをしていくというところでございまして、そこの間、しっかりとした、今の制度の中でも改めるべきところ、あるいは措置をしなければいけないところ、そしてその手だてをやっていかなければいけない。

 やはり、国民の生活というものは待ったなしでございまして、とりわけこの厳しい経済状況の中で、保険料もなかなか思うように集まらないというような状況もありますし、また組合の運用もなかなか厳しいものがあるというところからすれば、あくまでも、私は、今回の法案は暫定的なものとして、向こう三年間の緊急措置という位置づけの中で打たせていただいている手だてだというふうに理解をさせていただいております。

 その一つには市町村国保の保険料軽減の措置と言われるもの、それから中小企業の保険料軽減、いわゆる協会けんぽへの財政措置と言われるもの、そして高齢者の保険料の軽減策というこの三本柱でございます。

 まず、一つ目の柱として、市町村国保の保険料軽減のための措置ということでございます。

 今日まで財政支援の措置と言われるものが行われてきたわけでございますけれども、まず、その法改正のいわばねらいと言われるもの。

 そして、いわば今の現状を、この市町村国保の財政状況、一体どういう形になっているのか。私も地元でいろいろな市町村の方々からもお話を伺う中においては、この市町村国保の運用というものが大変厳しくなってきている。そしてまた、確かに後期高齢者医療制度というものができて市町村国保から抜けた部分はあるんだけれども、軽減になった部分はあるんだけれども、しかしながら、さらに、協会けんぽ、あるいは、リストラや職を失うというような状況になって市町村国保の中に入ってくるというような状況で、なかなか保険料も徴収することが難しいというようなお話もあったわけでございますが、そういう点ではどういう認識をされておられるのか。

 そしてまた、もし可能であれば、そこに対する手だてを今後どういう形で持っていったらいいのかという何か御示唆があれば、お聞かせをいただきたいと存じます。

足立大臣政務官 まず、前政権から行われております国保の財政基盤強化策、これは平成十八年から二十一年度までなんですが、三つの柱がありまして、これは市町村国保にとっては非常によい政策だったと私は思っております。

 一つは、高額医療費の共同事業です。それから、保険財政共同安定化事業。三つ目が、保険者支援制度というものがありまして、低所得者を多く抱える保険者を支援するというようなことでございますが、やはり市町村からの要望も非常に強いものがありまして、これは四年間継続するということでございます。

 今の状況はどうかということがございましたが、その財政支援策を講じても、平成二十年度は約二千四百億円の赤字です。これは平成十九年度よりは千二百億円ほど改善したんですけれども、二千四百億円の赤字である。この理由といたしましては、先ほど議員も触れられておりましたけれども、やはり平成二十年以降の急激な経済、景気の悪化によって、失業者の方々が市町村国保に加入することがふえているというようなことが一番大きな理由であろうと私は思います。

 今後、保険料の徴収のことをどうするかという話がございましたけれども、先ほど大臣から答弁がありました中で、やはり医療、介護、そして社会保険、これをどういうふうに、希望する医療、希望する介護を受けるためにはどれぐらい費用が必要であり、先ほど委員のお話にありました、それをどういう負担にしていくべきか。これはやはり国民的な議論が必要だと私は思っておりますので、大臣と相談をして、その会議体を立ち上げて、保険料のことももちろん議論していただこう、そのように考えております。

園田(康)委員 ありがとうございます。

 さらに、今おっしゃっていただいたように、徴収の対策ということも考えていかなければいけませんし、また、市町村国保の場合は、恐らく議論はいただいているというふうに思っておりますが、いわば広域化というものもこの法案の中で支援をしていくというようなお話もございました。

 そういう意味では、この広域化というものが都道府県単位を中心として、まあ、保険者機能をいかに発揮していくかという点ではその基盤がどの程度の規模がいいのかということは、また別途さらに深めて議論をしていかなければいけないというふうに思っておるところでございますが、いわば、一方で後期高齢者医療制度の広域連合というものが都道府県単位を中心としてやっていただいている、そして、この市町村国保の広域化というものも、都道府県単位を中心として財政支援をしていく、あるいは指導をしていくというような状況をつくっていただいているわけでございますので、念頭には、念頭というか私自身のそこから受ける印象としては、市町村国保の規模の観点からすると、やはり都道府県単位というものが一つの議論の柱になっていくのかな。

 そういう意味では、広域化という観点からすれば、この方向性というものが私はどちらかというと正しい方向性だろうなというふうに思っておるところでございますけれども、その点、あのときもたしか舛添前大臣が、この都道府県単位を中心として議論をしていくというようなお話をされていたというふうに聞いておるわけでございますけれども、長妻大臣のお考えの中にはそういったことがあるかどうか、もしあればお聞かせをいただきたいと存じます。

長妻国務大臣 やはり一つ国保の問題点としては、ある意味では、市町村単位ということで住民に目配りができる保険者機能ということも重要なんですけれども、ただ、それだとかなり財政力に差がつく。具体的に言うと、保険料率に非常に大きな差がついてしまう。

 こういう問題点も指摘をされているところでありまして、都道府県という、ある意味では広域化の流れというのは私は促進する必要があると思いまして、後期高齢者医療制度にかわる制度についても広域化を視野に入れるということもございますし、今法律をお願いしている部分でも、国保については、市町村国保の財政安定化のために都道府県単位による広域化を推進するために、市町村国保の広域化について都道府県の判断によって方針を作成できるというようなことも盛り込んでいるところで、流れは委員御指摘の流れだと思います。

園田(康)委員 ありがとうございます。

 ぜひ、安定的な市町村国保というものの施策の継続というか進捗をしっかりとつくり上げてまいりたいというふうに思っております。

 私のお配りをさせていただきました資料の四枚目というか、裏表でいきますと二枚目になるわけでございます。

 ここでも、先ほど足立政務官からもおっしゃっていただきましたように、一見、市町村国保の財政状況というものはいいように見える、この資料からいきますと見えるわけでございますけれども、これはことしの二月に出た速報値でございまして、そこからすると、下の方をごらんいただきますと、収支の差し引き額のところで、先ほどおっしゃっていただきました約二千億円、二十年度でいきますと約二千三百八十四億円が赤字という状況になってきているということでございます。そこの上においては、これを穴埋めしていくために市町村が、その一段上でございますけれども、赤字補てんのための繰入金と言われるものが、市町村が一般会計の中から繰り入れているわけですよね。

 したがって、この赤字をどんどんどんどん各市町村が穴埋めしなければならない状況になってきてしまっているという状況でございますので、市町村によっては、いい財政状況のところの市町村と、それからかなり厳しい、いわばそういう一般会計から繰り入れることができにくくなっている市町村と言われるものの格差もやはり広がってきているのかなというふうに私も聞かせていただいているところでございますので、ぜひこの辺も加味しながら施策を進めていっていただきたいというふうに思っております。

 次の質問に参りますけれども、今回の法改正の中で、協会けんぽに対する保険料の軽減策と言われるものをお示ししていただいたところでございます。

 この法の趣旨でございますけれども、御答弁を求めていたわけでございますが、少し時間が足りなくなってきましたので、済みません、ちょっと私の方から申し上げさせていただきます。

 当然、先ほども少し触れさせていただきましたけれども、中小企業の従業員の方や事業主の方が加入しておられる協会けんぽでございますけれども、この協会けんぽの財政が大変切迫をしてきているというところでございます。そこに対して、保険料がやはり、その協会けんぽの中、被保険者が二千万人、そして加入者が三千五百万人という形で、だんだんだんだんふえてきているところでございます。ここから、この方々で、保険料で賄うということになると、大変大きな保険料の引き上げをさらにお願いしなければいけないという状況になってきているところでございます。

 そういった点では、今回の法改正といいますか、今まで前政権がやっておられたことをさらにきちっととらえて、そして、その大幅な引き上げを抑制していくというところを新たな施策として今回の新政権の中においては盛り込んできたところでございます。

 そこでいくと、まず、国庫負担基準と言われるものを、今まで一三%であったところを一六・四%、すなわち、国のしっかりとした下支えと言われるものを協会けんぽの中にしっかりと盛り込んでいくんだということでございます。

 同時に、単年度の収支均衡の特例としてでありますけれども、本来ならば単年度でこの赤字を補てんしていかなければいけないという状況でございますけれども、それを二十四年度までの三年間において償還を可能とする、それを分けて返還していくことが可能であるという形にすること。

 それから、いわば後期高齢者支援金と言われるものがございますけれども、現役世代の方々にこの後期高齢者医療制度を支えていただく、そういった、みんなで、国民全員で支えていこうじゃないかという制度の一環でございますけれども、その制度の中において、三分の一を総報酬割、いわゆる保険者の財政力に応じた負担、応能負担という形をお願いするという法改正になっているところでございます。

 その法改正に関しましては、負担をする側の健保組合の方々からは、二年前に、スキームは違うんですけれども同じような法律が出ていたわけでございますけれども、それに対する肩がわりと同じではないのか、いわば国庫負担を健保組合に対して肩がわりをさせている、そういうスキームではないのかという御批判があるわけでございますけれども、それに対して、そうではないということをやはりきちっと御説明していただかなければならないのかなというふうに思うわけでございますが、その点についてはいかがお考えでしょうか。

長浜副大臣 今回の法案の協会けんぽの部分、先生が御提出いただいた資料の二番目の柱の丁寧な御説明をいただきまして、どうもありがとうございました。

 今般の協会けんぽの国庫補助率を一六・四%に引き上げるに際しては、所要の財源の半額を国費の純増で賄う。その一方で、では、残りの半分はどうするんだということに関して、後期高齢者支援金における総報酬割の導入によって、財政力の強い保険者に追加的な負担をお願いすることで捻出されることをもって充てているところでございます。

 今回の措置に関しまして、健保組合の国庫負担の肩がわりではないかと。新聞広告等をごらんになった方々もいらっしゃいますので、どういうことかな、二千二百億円のシーリングの状況の中の処理と、そういうようなお話もあったわけでありますが、その部分の問題に関して言えば、次の点から、必ずしも肩がわりとは言えないのではないかというふうに思っているところです。

 まず第一に、総報酬割に伴い生ずる、国庫負担は削減をして、つまり、全部削減して財務省持っていっちゃうよというものではなくて、すべて協会けんぽの財政支援強化に充てているということでございます。

 二番目は、極めて厳しい国家財政のもとで、国費についても可能な限り純増をさせたということでございます。

 三つ目は、総報酬割は、健保組合の中でも財政力の弱い、全部が健保連さんの中において財政力が強いわけではなくて、三分の一ぐらいの組合は負担減となるなど、負担能力に応じた拠出をお願いしている、ここがポイントだというふうに思っております。

園田(康)委員 ありがとうございます。

 そういう意味では、いわば、新政権においては、いわゆるシーリングベースで考えたということでは全くないんだということですね。協会けんぽも含めて健康保険全体が、どういう形で安定的なものに持っていけばいいのかというところを、国民全員で、皆さんで考えていただこうと。

 そして、今、長浜副大臣がおっしゃっていただきましたように、国の負担も純増をさせていただいて、さらに、この平成二十二年度においては、高齢者医療の支援金においては三百二十二億円と言われる助成金も交付をするという形になってきているわけでございまして、財政力の弱い組合に対する支援策と言われるものもきちっとやっていかなければいけない、その思いがあらわれているものだというふうに受けとめさせていただいているところでございます。

 ぜひ、国民の皆さん方にもこの点をしっかりと御理解いただけるように、いわば周知といいますか、お願いベースでありますけれども、やっていかなければいけないのかなというふうに考えているところでございます。

 ということで、ちょっと時間が、省いて省いてでございますけれども、残り時間わずかになってきましたので、最後でありますが、ちょっと、私のお配りをさせていただきました最後の資料でございます。

 医療の観点からすると、実は昨日でありますけれども、厚生労働省におきまして、こころの健康政策構想会議の発足についてということで記者会見が行われておりました。ちょっと私はそれを拝見することはできなかったわけでございますが、都立松沢病院の岡崎先生が座長となられて、実は、明日であろうかと存じますが、そこで、このこころの健康政策構想会議というものを発足していく、そういう記者会見が行われました。

 大臣、大臣に御就任をされてから、自殺対策、そして気分障害も含めたうつ対策というものをしっかりと厚生労働省でもやっていくんだというその意気込みと、それから、それに通ずる検討会あるいはチームを立ち上げていただいて、集中的に今やっていただいているところでございます。そして、そのいわば延長線上には、やはり精神医療の抜本改革というものが将来的に必要になってくるものではないか、この政権に課せられた大変大きな一つの仕事になっていくのではないかというふうに私は考えているところでございます。

 御案内のとおり、今、四人に一人は何らかの精神疾患を発症する可能性があるというふうにまでなってきているところでございますし、また、私がお配りをさせていただきました一番最後の裏面になりますけれども、WHOの、今、世界的な基準の中で、余りお聞きなじみがないかもしれませんが、DALY値というのがあります。これは、疾患にかかって、そして、その疾患にかかることによって、大臣もイギリスの例もとらえながら経済的な損失というようなことをおっしゃっていただいているわけでございますけれども、寿命とそれからいわゆる健康ロスによってどういう弊害が出てくるのかというところを定量的な数値化したものがございます。

 これを見ていきますと、三大疾病とよく言われますけれども、通常、私たち、三大疾病というふうに言われますと、がんや心筋梗塞や脳卒中といったような形ですぐ思い浮かべそうでございますけれども、これを見ていただくと、いわゆる精神障害と言われるものが、世界の中においてはDALY値を使うとがんを抜いてトップにまで躍り出ているという状況がごらんをいただけるものではないかというふうに思っております。

 そういう意味では、この精神疾患に対する取り組みと言われるものをきちっとこれから進めていく必要があるんだ。済みません、時間がもう来てしまいましたので最後になりましたけれども、これまで厚生労働省の中でも、改革のビジョンであるとか、あるいは保健のあり方検討会と言われるもので、しっかりと検討をしていただいてきた経緯はございます。この改革の十年間の中できちっとこの方向性を示していく、そういうものをぜひ大臣を中心にお取り組みいただければというふうに思っております。

 そのことを申し上げ、もし何かございましたら、最後にそのことだけお伺いをさせていただいて、私の質問を終わります。

長妻国務大臣 貴重な御指摘ありがとうございます。

 私も、あした、精神保健医療の現場を見に行かせていただくわけでございますけれども、イギリスでは、精神疾患を、がん、心疾患とともに三大疾患として、十年計画で、かなり重点を置いたというふうに聞いております。

 日本も、うつ対策というのはもう喫緊の課題だと私も認識をしておりまして、日本国では、今、二十五から三十四歳の方の死因のトップが自殺であるということで、こういうことは先進国では日本だけでございますし、先進七カ国では自殺率はトップということでございます。

 さらに、うつの方がふえるということで、治療も、薬一辺倒ではなくて、コンサルティング的手法も入れた治療方法も大胆に取り入れる必要があるというふうに考えております。認知行動療法というものでございますけれども、こういうものについても、我々として今後とも取り組んでいきたいというふうに考えております。

園田(康)委員 ありがとうございました。

 終わります。

藤村委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時七分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

藤村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。阿部知子君。

阿部委員 社会民主党の阿部知子です。

 本日は、三十分のお時間をちょうだいいたしまして、ありがとうございます。

 冒頭、母子加算の廃止の問題で訴訟が起きておりまして、新政権にあって母子加算を復活いたしましたことを受けて、昨日、この訴訟についての取り下げと、原告の方と新政権の長妻大臣の調印というか、お互いの合意が取り交わされました。

 その場に大臣もおられてお気づきであったと思いますが、こちら側に数名母子加算の復活のことをお喜びになるお子さんのおられるお母さんたちがいて、反対側の端の方に、老齢加算の廃止問題で同じように原告になっておられる、これが著しく老いの生活を厳しいものにしているというふうにお考えで原告になっておられる方々が、私から見れば本当にこっそりとというか、もう身を縮こまらせて座っておられました。

 新政権は、子ども手当にしろ高校の無償化にしろ、次の世代ということを、本当にこれまで社会保障の中で、どちらかというと日本の社会保障は御高齢期の方が給付が多かったことをかんがみて、やはり子供たちのための給付を引き上げていかねばならないと考えてスタートをいたしておりますが、同時に、こうした人としての本当に尊厳ある暮らし、憲法二十五条にのっとった暮らしが広く私どもの社会の中で成り立つようにするためにはまだまだ大変課題が多いんだなということを昨日も思いました。

 さて、長妻大臣は、御就任されてから、例えば子供の貧困率も含めた相対的貧困率の御発表とあわせて、一方で、ナショナルミニマム検討会、すなわち、人が人として生きるための本当にもう最低限、でも、変な話ですけれども、最低限って、余りぎりぎりだと人間人間として生きられないというのがございまして、このナショナルミニマム検討会の中で、例えばこの御高齢者の老齢加算の廃止の状況であるとか、そういうことも含めてどのように話されているか。これまで六回でしょうか、大臣、毎回毎回出ておられると思いますので、その論議の進捗状況。

 それから、私は、老齢加算という問題は、もちろん年金が余りにも少ない現状の日本で、ずっとまじめに生きてきて、そして肩身狭く、何となく日本の御高齢者、生活保護を受けようかというところはなかなか踏ん切りをつけられない、生活保護以下でも暮らしておられる方はいっぱいいて、何とかしなきゃならない部分と思いますが、この部分をどうごらんになっているかということについて、冒頭御質問いたします。

長妻国務大臣 今、ナショナルミニマム研究会というのを始めさせていただきましたのは、やはり憲法二十五条で「健康で文化的な最低限度の生活」ということが規定されておりますけれども、今までその最低限度というのが非常に感覚的に、あるいは詳細なデータなく、あるいは、時には感情的に議論をされてきたんではないかということで、一定の基準を設けて、それを全国で保障していこう、そしてそれによってどういう方々が今まで漏れていたのかどうかも検証しましょうというような議論が進んでいるところでございます。

 その中では、貧困による経済損失という試算も研究をするということも議題となっておりますけれども、まだ個々具体的な案件についての議論というものはしておりませんで、まずは一定の基準を定めていくというところの議論を今進めているところであります。

阿部委員 私は、今回母子加算の復活は喜ぶものですが、やはり本当に人間、命有限で、御高齢期の、人間の最後というか、後半戦ですよね、そういう部分をこの国がどんなふうにサポートしていくかというのはとても大事と思いますので、ぜひこの部分の御論議も、今すぐこの政権で老齢加算の復活がなかなか成らないというか、現実に、八百億余りの費用あるいは年金の論議が先じゃないか等々、いろいろあるとは思うんです。でも、私は、一つでも二つでも何か具体的にこの方々の生活を改善できる道はないか。

 例えばですけれども、社民党では、消費税の飲食料品部分の払い戻し、これはもう食べることは生活のミニマムだと思います、これを先行してやってはどうかとか、いろいろな、本当に手はないものか。もう少し、だって、確かに消費税の料率は低うございますが、それでも食べる物にもかかるわけです。ここはだれでも食べるわけです。

 消費税の飲食料品の払い戻しは、カナダなどでもクローバックと言われて取り組まれていますが、それは所得の少ない世帯ほど効果が上がるわけですから、税制全体の論議とは思いますが、今の税制論議は、税と社会保障と、これを全体の中で論議するということでありますので、ぜひ大臣には、今回かなわなかった老齢加算の復活ということと絡めて、何らかの、一つでも明かりが見えることをしていただきたいと冒頭お願いを申し上げます。

 引き続いて、本日話題になっております国民健康保険の改正ということでお話をさせていただきます。

 実は、この国民健康保険という問題は、最も加入者が多い国保から、それから従来では比較的恵まれたと言われておりました健康保険組合に至るまで、現在我が国においては、その持続可能性ということをめぐって、どの保険分野でも問題が生じております。それらになるべく本当の命の支えとしての保険制度を提供したいということで今回の改正があったものと思っております。

 冒頭、子供たちへの命の保障としての医療保険の分野でお伺いをしたいと思います。

 これは、さきの国会でも四党で共同して、民主党、国民新党、社民党、共産党の皆さんも一緒に、十八歳までの子供の無保険状態をなくそうということで提案をいたしまして、そして、当時の与党の自民党、公明党の皆さんとも修正を重ねた結果、十五歳以下、子供たちの無保険問題というのは一応解決を見た。

 ところが、それでもやはり、中学生以下、当時、平成十九年で三万二千九百人がこのことによって無保険状態を脱却いたしましたが、その後、高校生においても同様なことがあるということで、今回、一万六百四十七人の高校生というか、十八歳までの子供、これは高校に行っていてもいなくてもだと思いますが、これは私は本当に、その子たちが働いて所得を得るということではないわけですから、大変によいことだし、やらねばならないことだと思います。まず、この点は、今回の改正として高く評価をしたいと思います。

 そして同時に、実は子供たちは、さっき申しましたように、大半、所得なるものがございません。しかし、例えば国民健康保険に親御さんが世帯主として加入していると、そこの家庭でお子さんの頭数がふえるほど、すなわち赤ちゃんがおぎゃあと生まれる都度、保険料は上がっていきます。その世帯の負担しなきゃならない保険料は、子供たちに収入がないにもかかわらず上がっていきます。

 一方、組合健康保険等々に親御さんが御加入であれば、そのお父さんなりお母さんなりの保険料の中で何人お子さんがいてもこれは同じということになっております。

 今回の無保険問題は、実は、国民健康保険においては、加入していてお子さんの数がふえるほど保険料が、負担がふえていってしまう。子育て世代で国保であると極めて負担が重いんだという現実の最終的な反映が無保険状態ではなかったかと思います。

 これは長妻大臣に、こうした実態は恐らく御存じであろうと思いますが、私は、また一部の学者の方々も、国民健康保険において、子供たちの数に応じてふえていく保険料設定のあり方を見直してはどうかという提言もございます。

 長妻大臣、どうお考えでしょう。

長妻国務大臣 今御指摘いただきましたように、野党時代もいろいろ御尽力をいただいて、中学生までは保険証を取り上げないという措置がございましたけれども、この今御審議いただいている法律では、高校生世代以下も保険証を取り上げない、こういう条項も入れさせていただいております。

 お子さんの件でございますけれども、おっしゃるように、国保の場合は、応益分の負担、そして応能分、これは所得に応じた負担、こういうようなことになっているわけでございますけれども、これについては、それをなくすということになりますと、それ以外の方、一部の方に負担がふえてしまう、こういうことも起こるわけでございます。

 では、国庫負担、つまり税金を入れればということで、これは精査は必要でありますけれども、試算をいたしますと、子供の応益保険料をなくすと六百億円程度の公費が必要になるということで、これは財源との関係で困難ではないかというふうに考えておりまして、今は、今回の法律でもお願いをしているように、保険料の負担軽減策もこの法律に盛り込ませていただいておりますので、できる限り保険料の上昇を抑えるという措置をこれからも考えていきたいと思います。

阿部委員 大臣が今どういう文脈でその六百億のことを言われたのかわかりませんが、逆に、子ども手当二・七兆円であります、来年度五・四兆円となるのであれば、私は本当に有効なお金の使い方というのがあるように思います。だから、お金の額で言ってほしくなかったです。

 子供たちが頭数でふえればふえるほど保険料が上がるという仕組みは、日本が取り組まなきゃいけない少子化に対しては明らかにマイナスなんです。だって、子供がふえて、若い世帯が、例えばおうちが自営業とか、今は国保が一番多い加入者数ですよね、そこに子供さんが生まれる、親御さんがフリーターであってもいいです、それがもろに負担になっていって、最終的に保険料が払えないわけです。もちろん軽減措置はきかせていただくことは言うまでもないし、きっと長妻大臣ならやっていただけると私は信じて疑いません。

 だけれども、もともとの発想の中に、例えばこの前の、私たち野党時代に出したあの法案は、子供にちゃんと保険証が行き渡るようにという、それは考えの整合性とか負担を考えたら違う論議になったと思います。でも、そうではなくて、子供をこの社会がどう見るかということにおいて、私ども、あえて言えば、十八歳まで、保険料の納付状況にかかわらず、親御さんが滞納されていても、あるいは親御さんが資格証明書であっても、別途子供には分けましょうということまで踏み込んだわけであります。

 私は、今の大臣の御答弁は、きょうは第一回目としてお聞きいたしますから、費用の観点だけだったら、お金はどう有効に使うか。やはり私は、はっきり言って命が一番だと思います。無保険を出さないこと、そして、貧困とは、そう至らせない前の施策を充実することによって防ぐのが一番なんですね。ナショナルミニマムなるものが最低限のぎりぎりのすれすれで、もうここが底というようなものである考え方にのっとるのではなくて、そうならないための施策の、保険料負担の軽減と、そして、その中で、なぜか国保の子供の保険料だけが大変に重くなっていくという現実を重く受けとめていただけたらと思います。

 引き続いて、次の質問に入らせていただきます。

 実は、今の質問の関係でもありますが、今回、協会けんぽの財政状況の悪化を何とか軽減するために、後期高齢者の支援金にかかわります、協会けんぽや組合健保からのいわゆる負担金の中で、約三分の一余りを総報酬制で見直す、すなわち、その方の所得に応じて見直していく。これは先ほどの御質問にもありましたが、一つは、私は前向きなことだと思います。負担の能力に応じて保険料負担をしていくということによって、例えば組合健保の中でも比較的財政基盤の低いところはそれで安定しますでしょうし、いい見直しだと思います。

 このとき同時に、実は今までの後期高齢者の支援金、負担金ですと、これもまた組合健保に入っている方のお子さんも頭割りで負担金を払っていたわけです。これは前に、私が後期高齢者のときにおかしいと申しましたが、とにかく保険料の負担というのは応能で、持てる者がより弱い者をカバーしていくという原則で、大臣はこの協会けんぽの見直しの総報酬制では子供の数割りではなくしていったわけですから、さっきの一問目にもかかわりますが、ぜひそういう考えは成り立ち得るんだということもつけ加えさせていただきます。

 引き続いて、後期高齢者医療制度に入らせていただきます。

 皆さんのお手元に、後期高齢者医療制度の保険料の、三月三十日段階で厚生労働省が発表した保険料の一覧がございます。ごらんになっていただければわかるように、押しなべて保険料は上昇をいたしており、また地域差も強くございます。

 このことにかんがみて、今政権では、保険料の負担が過大にならないように、これもいろいろな対策をいたしましたが、そのとる対策の前提に、そもそも後期高齢者医療制度はどんなものであったのか、今まだ廃止されておりませんから、今そこにあるものは何であるかということで大臣にお伺いをいたします。

 今回、二年間やってみて、全国平均で保険料が一四%も増加する、ちょっと看過しがたい上昇率でございました。では、前政権ではありますが、この保険料、二年たったらどれくらい上がると見込んでおられたのか。大臣のお手元に何か資料があったら御披瀝をお願いいたします。

長妻国務大臣 前政権では、この後期高齢者医療制度一人当たりの保険料の伸び率は二年間で八%程度と見込んでいた、二年間です。今回の改定では、二年分で約一四%の増加が見込まれるということで、我々は抑制策を実施して、それを全国平均ですが二・一%に抑えたということでございます。

阿部委員 私も大臣も、野党時代、この後期高齢者医療制度の保険料の設定は、上がるスピードが著しくて保険料負担にたえられなくなるということを繰り返し申し述べた記憶がございます。そのときの御答弁の数々は、今大臣がおっしゃったように、例えば七年間で三三%であるという試算とか、これは数値も表も見せていただきましたが、すなわち、年平均だと四%にもいかない、二年だって八%にもいかない、これで何度も、保険料の上がりはさしたることはないという答弁のもとにこれが実行に移されていったわけです。

 私は、今回の新政権がやった手当ては別に、実は、これは厚生労働省の政策立案能力と政策評価にかかわるんだと思います。政権の意思は、今、後期高齢者医療制度を廃止する、その当面の間をどうするかは社民党と長妻大臣とは差はございますが、こちらは、廃止というのは政治の意思。

 一方、その政治の意思、つくろうという意思にのっとってでき上がった政策は、厚生労働省として、行政府のやはり政策の一つとして、どうしてこんな過ちが起きてしまったのか。これは、私は政権交代したからうやむやにはできないと思います。

 厚生労働省のいわゆる官僚の皆さんも、逆に言うと、責任を持って政策立案してほしいし、優秀な人もたくさんおられますし、熱意のある人もおられるわけです。かんがみて、振り返って、なぜこんなに誤算が出たのでしょうか。この点についてお願いします。

長妻国務大臣 現状把握ということをよく申し上げておりますけれども、現実にその政策が実行されるとどういうことが起こるのか。民間企業では当たり前のマーケティングということがございますけれども、その予測というのが事前に子細になされていなかったのではないかというふうにも思います。

 一つ、私がなるほどと思いましたのは、後期高齢者というネーミングでありますけれども、これは議論の過程でだれかそのネーミングを問題にした人はいなかったんですかということを役所に聞きましたら、それはどなたもおられなかったという話でありまして、これも、普通は多くの国民の皆様にお伺いをすればそういうことはわかったのではないかと思うんですけれども、決定プロセスというものに、国民の皆さんとの情報共有、御意見を聞く、あるいは当事者の御意見を聞く、こういうようなプロセスも不足していたのではないかということであります。

阿部委員 今、大臣のお手元の二ページを見ていただきたいですけれども、いわゆる今回一四%保険料が上がったことの分析をしたものが上段にございます。

 保険料が増加する要因。一、医療費が伸びた。二、若年人口の減少に伴って、この後期高齢者医療制度は御高齢者がふえればふえるほど御高齢者の負担分がふえるという構造を持っておりまして、この寄与分が二・六。それから、二十三カ月計算であって、実際は二十四カ月であったことで四・三%の誤差。そして最後は、所得の減少が見込まれて保険料が減ったから二・〇というふうになっておりますが、例えば三などは昔からわかっていて当然のところが、あえていろいろなデータを出すときには低く表現されたりいたします。この医療費の伸び率についても、当時出された資料とは大きく違います。

 すなわち、これからいろいろな制度改革をしていくときに、資料の恣意性というものは、これは大臣、徹底してチェックしていただきたいんです。そして、大臣だけじゃなくて厚生労働省の皆さんも、これは皆さん御自身の、本当にみずからの政策の担当能力ですから、深く検証していただきたいです。

 こんなに、二年間やってみて一四%も上がってしまって、七年間で三三%上がるという流布されていたデータと全く違うわけですから、これは私は、これからこのペースで、例えば新たな老人のための健康保険制度がつくられていくとなったらまた同じ過ちを犯すのではないかという懸念すら抱きます。

 そして、もう一点、大臣に確認をしたいと思います。

 実は、二〇〇六年の改正というのは、あらゆる意味で国民皆保険を崩す仕組みがあっちこっちに仕組まれていました。

 一つは、今大臣がおっしゃったような後期高齢者というネーミングも含めて、年齢による差別を持ち込んだ初めてのものでありました。七十五になったら、あんたはあっちという制度であったと。

 それ以外に、もう一つ重大なものがございました。実は、いわゆる医療費の高騰を抑えるために診療報酬を、各都道府県別に報酬単価の一点単価を変えてよい。医療というのはユニバーサルサービスで、どこにいても、例えば診療報酬は一点十円と計算されます。でも、医療費が膨大になった都道府県等々では、医療費適正化計画にのっとってうまくやっていないということで、この診療報酬の単価を引き下げることもあり得る。極端に言えば、岩手県と千葉県では単価が違うということも可能になるようなことが書かれております。

 私は、これはやはりこの段階で廃止をしていただきたい。こういうことが仕組まれた制度であると思います。国民皆保険とは何かという根幹にかかわりますので、ここにおいても大臣の御所見を伺います。

長妻国務大臣 これにつきましても、今の診療報酬の特例についても、後期高齢者医療制度の見直しの中で議論をしていくということになっております。

阿部委員 三党合意で後期高齢者医療制度廃止と申しましたのは、やはりこれが国民皆保険の思想にかかわる問題だからであります。何でも見直し、検討とおっしゃらないで、やはり本質的な部分については大臣がしっかり考えて、方向性を持っていただきたい。こんなことをしたら、現段階で国民皆保険の土壌が崩れます。

 例えば、大臣のお手元の三ページ目にございますように、今、現状でも医療費の格差は都道府県別で大変大きいものがございます。これはおのおのの地域が抱える歴史や疾病構造や経済状況で、かかる格差があるわけです。この格差の是正をそのままにして、医療費の部分だけで、ここは高くなっちゃったからここの診療報酬単価を削ろうとやり出したら、本当に地方格差は広がるばかりになります。手順が大事だし、考え方が大事だと思います。

 これも、大臣にあってはこの四年の中にとおっしゃいますが、物事の方向性ですからお考えをいただきたい。四年たって、やっぱり続けますなんというのはいただけませんし、私どもは、これは即刻、考え方においても否定しておくべきであるというふうに思います。それくらい今地方は疲弊しておりますから、この点は申し添えさせていただきます。

 最後になりますでしょうか。せっかくお越しいただきましたので、足立政務官にお願いを申し上げます。

 どうも足立さんに聞くときは急ぎ足で申しわけないんですけれども、前回のことでお聞きをしたいのですけれども、きょう、時間の関係で一問しか参らないので、二問用意いたしましたが、一問、独立行政法人の方でお願いを申し上げます。

 せんだって、私は、六つの新たなナショナルセンターが独立行政法人になって、その理事の人事はまだである、理事長は六カ所決まりました。二カ所、がんセンターと循環器病センターは公募によって、残る四カ所は現在院長などをお務めの方が当面なさるということで、そして、あの日の、その日なのか翌日なのかわかりませんが、水面下なのかわかりませんが、お手元にあるように理事の人事ががんセンターで決まっております。

 あのとき、私は、天下りじゃない方がいいですよねということで足立政務官とは意見を一にしたものですが、私が問題にしたいのは、そうした形式的な天下りか否か以上に、このがんセンターが本当に本当にガバナンスを持って運営されていくかどうか、そして、ガバナンス検討委員会、内閣府の方では理事長のいわゆる独断と専権に陥らないことというのをかなり重要視してございます。

 私がきょう懸念しておりますのは、このがんセンターの理事の配置を見ていただきますと、理事長以外が全部非常勤の方であります。足立先生もいろいろな医療にかかわってこられて、例えば、自分が常勤としている場所での御自身の発言できる範囲、責任のとれる範囲と、そして、非常勤でたまたま行って、理事会に出て自分で発言して、そのことがどう反映されるかというのはおのずと違うと思うんですね。

 私は、こうやって、理事長はもちろん公募で選ばれました、そのほかの理事が非常勤ばかりであるというのは、本来言うガバナンス、多様な人材がいて、本当に闊達な論議をして、がんセンターは日本の医療のこれからの大きな柱ですから、本当に国民の声を聞き、なおかつ患者さんへの責任を果たすところになってほしいが、ちょっとこの非常勤ばかりと理事長というような配分があり得るのでしょうか。この点についてお答えください。

足立大臣政務官 何点かあったと思いますので、まず、独立行政法人、これはナショナルセンター六つですが、これはもう、この理事は理事長が任命することになっています。それは、センターに求められるミッションの達成にふさわしい優秀な人材を選ぶということでございます。

 そして、今回は、各理事長全員が長妻大臣と面談をし、理事の候補者について大臣の了解を得たという形になっておりまして、任免権は理事長にあるわけでございます。

 天下りの問題ですが、六センターは、理事の方々でいわゆる天下りという方は一人もおりません。

 そして、任免権のある理事長の発言として、嘉山理事長からは、理事長及び理事で構成される理事会を定期的に開催し、的確な意思決定が行われる体制を構築します、理事数が五名以内と法定されているが、残り二名については、常勤理事の追加任命を含め、新たな人事を行うことを検討するというふうに聞いております。

阿部委員 ぜひそのように、本当にフェアで責任を持った施設になりますようお取り組みいただきますようお願いいたします。

 終わります。

藤村委員長 次に、山崎摩耶君。

山崎(摩)委員 民主党の山崎摩耶でございます。

 きょうは、また質問の機会をちょうだいしまして、ありがとうございます。

 冒頭でございますが、三月の頭に、私の地元の札幌市で、実は、グループホームの「みらい とんでん」の火災で御高齢者が亡くなるという大変痛ましい事件がございました。厚生労働省におかれましても、その後、鋭意、いろいろ改善の取り組みをしていらっしゃるということですが、やはり認知症グループホームなどは、これから地域の中で非常に重要なケアサービスの提供機関になりますので、スプリンクラー等の防災、それから人員配置など、適正な運営ができますよう、どうぞ御尽力いただきたいというふうに思いますので、大臣、よろしくお願いいたします。

 それでは、きょうは、医療保険制度の安定的運営を図る国民健康保険法等の一部改正ということで、質問させていただきたいというふうに思います。

 申し上げるまでもありませんが、急速な高齢化の進展ということで、我が国の皆保険制度、これをいかに堅持するか、それから、医療保険制度そのものをいかに安定的に運営をしていくか、喫緊の課題になっている、これはもう御承知のところだというふうに思います。

 海の向こうのアメリカでも、オバマ大統領が、国民皆保険を目指すべく、無保険者四千六百三十万人ですか、ここに保険をということで、ようやく成功しましたけれども、そういう意味で見ましても、やはり世界に冠たる我が国の皆保険、これをどのように堅持していくか、これは新政権としても肝を据えて取りかかっていかなければならないことかなというふうに思っております。

 しかし、一方で経済状況は非常に厳しいところにありまして、前自民党政権下の十年間でやはり家計の収入が百万円も減っている、こういう厳しい状況で、給料も上がらず、雇用も大変不安定化してきた。ということは、標準報酬月額も下がりっ放しであるということですよね。ですので、こういった構造的な経済不況が、医療保険財政ですとか各保険者の財政にも大きな影響を与える。

 このことに関しまして、こういった状況全体を長妻厚生労働大臣はどんなふうにとらえていらっしゃいますでしょうか。まずは、その辺の御所見を伺いたいというふうに思います。

長妻国務大臣 少子高齢社会といいますけれども、先進国の中でも最も速いスピードで進行して、今の現状も、最もこれは少子高齢社会になっているということであります。

 自然増の社会保障費、国の税金だけでも毎年一兆円自然にふえるという大変規模が膨れ上がっている中で、やはりこれを、一つの考え方といたしましては、経済成長の基盤をつくっていくという発想のもと、雇用対策にもなる、あるいは市場と政府の役割分担も一定のものは見直して、本当に企業の活力も入れて、それを成長に結びつけていくという戦略はもちろん必要でありましょうし、将来的なビジョンを打ち立てる、国民の皆さんに将来の展望を持っていただくということも必要だと思います。

 そして、何よりも財源、財政の問題でありますけれども、中期財政フレームというのを政府全体で立てさせていただくわけでありますが、我々としては、消費税は議論をいたしますが、それ以外の税制、保険料についてもきちっと議論をして必要な措置を講じていく。何よりも、税金、保険料が、払ったものがきちっと社会保障などサービスに結びついて、途中で無駄がない、こういう実感を持っていただかなければ、幾ら御負担をお願いしても御了解いただけないわけですので、そういうトータルの政策、考え方を進めていって、非常に大きくなる社会保障の財源問題も我々としては何とか乗り切っていきたいと思います。

山崎(摩)委員 どうもありがとうございました。

 その社会保障の財源問題、しっかり取り組んでいっていただきたいといいますか、いっていきたいというふうに思っております。

 社会保障は、本当に国民の命や健康を守るということが第一義的な目的ですが、我が民主党政権は、生活重視と、もう一つ、やはり格差の是正、このことを目標にしておりますので、ここをきっちり社会保障の中でも政策化していく、このことが非常に重要ではないかなというふうに私は考えております。

 その観点からちょっと御紹介をしたいのですけれども、我が国でも、最近、公衆衛生分野の中で社会疫学といったような調査が出てまいりまして、ここで健康格差ということが指摘され始めてきております。

 精力的にこの分野で御研究をしていらっしゃいます日本福祉大学の近藤克則教授、私の友人の一人なんですが、彼らの大型研究によりますと、お手元に資料一、二、三と近藤先生のパワーポイントを少しお借りしてきて配付してございますが、所得階層や教育年限、このことによって健康格差がやはり指摘されている、非常に貴重な研究が日本でも出てまいりました。御承知のように、イギリス等ではもう戦後間もなくこういう研究があるのですが、日本では今までなかった。

 例えば一枚目は、要介護者の発生。これは低所得者層に五倍も多い。有意差があるわけですね。それから二枚目は、歯科領域の健康。これも大変我が政権も力を入れておりますが、この歯科領域の健康で大変重要なそしゃく力、これも経済状態や教育年数がやはり関係している。三番目に、午前中も園田先輩の御発言にありましたが、精神やうつですよね。このうつの状態、この発生といったものも、所得が相対的に低いとやはりうつがふえる。こういったエビデンスが出されております。

 ですから、社会経済と病気ということには非常に大きな関連がある。ここにきちんと新政権も着目をしていく、こういう観点が大事ではないかなというふうに思うわけです。

 こうしたデータから推察されますのは、では、医療保険者を見るとどうなんだ。保険者間の格差。

 これはもう皆様御承知のところですけれども、例えば、国保、協会けんぽ、健保組合、共済、それぞれの保険者を構成する集団の違い、当然あるわけですよね。その集団の違いが医療費の使われ方の差を生み、給与ですとかその集団の経済状況がやはり保険料に影響している。その結果として、保険財政の格差、または圧迫するその重さ、こういったことがあるんだろうというふうに思います。簡単にいいますと、一人当たりの標準報酬月額が低いところで一人当たりの医療費が高い、こういう実態があるということですよね。

 これから地域保険を一元化しようということを私たちはしているわけですけれども、こういった社会的背景と健康の格差ですとか保険者の構造的な特徴、こういったことについて大臣の御認識をちょっと伺いたいなというふうに思いますが、いかがでございましょうか。

長妻国務大臣 大変貴重な御指摘をいただきました。

 今御指摘いただきましたように、社会疫学の最近の研究では、例えば、所得の低い人ほどうつが今のとおり多い、あるいは死亡率が高い、あるいは望ましくない食習慣を持つ割合が大きいなどという研究もありまして、それが健康格差をもたらす要因の一つだというデータがあるわけであります。

 ただ、今のお話と、各、国保とか健保とか協会けんぽとか、その差が、所得が低いということで御病気にかかる割合が高いからということが大きい要因を占めるのかどうか、それよりも、その差というのは、低所得であるというよりも、やはり年齢で、国保は健保連に比べて年齢が高い方が多い、そこが差の非常に大きな要因ではないかと思います。今言われた点が全くないとは言えないとは思いますけれども、非常に大きな要因はやはり年齢ということがあるのではないかと思います。

山崎(摩)委員 それは当然のことだと思います。国保なんかは年齢の高い人が多く入っておりますから当然なんですが、高年齢になる前の中高年の健康状態が高齢期にそれを反映していくわけですので、やはりこういった要素は非常にこれから大きくなってくるだろうということで、私はちょっと御指摘、御紹介をしたようなことでございます。

 今後とも、こういったところもきちんと目配りをしながら、健康格差、それを救済する保険のあり方みたいなことをやはり考えていっていただければよろしいかなというふうに思います。

 さて、今回の医療保険法等の一部改正で質問してまいりますが、特に協会けんぽの問題について、きょうはお尋ねをしたいというふうに思います。

 まず、この協会けんぽの財政状況それから収支見込み等について御説明いただきたいと思いますが、長浜副大臣、いかがでございましょうか。

長浜副大臣 午前中の質疑の中においても、GPIFの状況の中での世界的な経済状況についても御説明をしたところがあると思います。

 二十年秋以降の景気の急激な落ち込み、また、二十一年度の報酬がそれの結果落ち込んだことによって保険料収入が大幅に減少していることは、御承知のとおりでございます。また、医療費の自然増に加えて、インフルエンザの問題等々がありまして、医療費が増加をしているという状況であります。

 これらの結果、二十一年度の収支では、単年度で約六千億という膨大な赤字となる見通しでありまして、これまで積み立ててまいりました準備金、これをすべて取り崩したとしても、同年度末の累積赤字が四千五百億円となる見込みでございます。

 この状況の中でどうするんだというふうに考えたところ、現行のままでは、二十二年度の保険料率について、全国平均で現在の八・二%から九・九%まで一・七%の引き上げを行わなければならない、こういう状況になってしまったわけでございます。これは、例えば年収三百七十四万円の、標準報酬月額二十八万円でいきますと、現行のままでは、労使合わせて年間六万四千円のアップになってしまう、こういう状況です。

 この大幅な保険料率の引き上げをできる限り抑制するため、二十二年度から二十四年度までの三年間、これも法案の中で書かせていただいていますが、特例措置を入れて、今国会で何とか三年にわたっての累損の解消という方法のスキームを入れさせていただいたところでございます。こういったことによって、保険料率の上昇率をコンマ六%抑制して、全国平均で九・三四という形に抑えたところでございます。

 このような特例措置を講じたとしても、なお一・一四%という、近年どうだと言われれば、近年まれにないような保険料率の引き上げを行いますので、謙虚に、この問題を直視しながら、お願いをするというところでございます。

山崎(摩)委員 ありがとうございました。

 やはり理由は多々、背景はあろうとしても、近年にない引き上げを行うというのは、非常に世の中はシビアにお受けとめになるんじゃないか、そのことは私どももちゃんと認識をしておかねばいけないかというふうに思います。

 その意味では、今回の改正は、財政悪化を防ぐ手だてとして、国庫負担補助率を一三から一六・四%に引き上げ、単年度収支均衡の特例として、二十一年度以降の赤字についても三年間の償還を可能にしたり、後期高齢者の支援金につきましても、被用者保険グループの負担能力に応じた分担方法を導入ということで、総報酬制なども導入をしていらっしゃるわけですよね。

 この総報酬制ということについてもう少し伺っていきたいなというふうに思いますが、つまり応能負担にしたということだと思いますけれども、その理由についてちょっと御説明を加えていただければと思います。

長浜副大臣 先ほどの阿部先生の質疑の中においても、総報酬割、いわゆる被用者保険の中においての、それぞれの所得を持つ方々の支払い能力の問題のことも議論に出ていたというふうに思います。

 協会けんぽあるいは健保組合が負担する後期高齢者支援金については、従来の制度ではゼロ歳から七十四歳までの加入者数に応じて、一人当たり定額で分担をしていたため、財政力が弱い協会けんぽなどでは、支援負担金が相対的に重かったというふうに言わざるを得ないと思います。具体的には、後期高齢者支援金に係る健保組合全体の所要保険料率は一・七六%でありますけれども、御質問にある協会けんぽの所要保険料率は二・二八%であり、高い水準となっておりました。また、健保組合の中でも、個々の組合について見ると、コンマ九%から三%まで、格差でいえば三倍以上の格差も生じているところでございます。

 今般、協会けんぽの急速な財政悪化に伴う保険料率の大幅な引き上げをできるだけ抑制するため、国庫補助率を一六・四%に引き上げるに際して、厳しい国の財政状況、これは今さら先生に申し上げることもないと思いますが、こういった状況の中で、所要財源の半額を国費の純増で賄いました。と同時に、残りの半額について、負担能力に応じた分担をお願いするという観点から、後期高齢者支援金の三分の一に総報酬制を導入して、財政力の強い保険者に負担をお願いすることで捻出される国費を充てている、こういうスキームを使ったところでございます。

 この結果、健保組合の中においても、報酬水準が低く、財政力の弱いところが、先ほども申し上げましたように三分の一ほどございますので、そういった組合では負担減となるわけでございます。組合間の所要保険料率も一・二%から二・七%までの、先ほどの幅よりは二倍の格差にその格差の縮小も図られたところでございます。負担能力に応じた公平性というところで着目をしながら、こういった手法をとらせていただいた次第でございます。

山崎(摩)委員 どうもありがとうございました。

 しかし、このことに関しまして、世の中にいろいろ御意見もあるようでございますので、やはり保険者間の相互の助け合いということを少しお願いするのであれば、もう少し丁寧に説明をしていくということもさらに必要かなというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 次の質問に移ります。

 協会けんぽでいつも課題になりますのは、地域格差であろうかというふうに思います。現在、全国の平均保険料率は九・三四%だというふうに思いますが、各都道府県、料率の差について、最高率の県と最低率の県はどこで、その差はどのくらいか、ちょっとお教えくださればと思います。

長浜副大臣 先ほど配付されました先生の資料の四ページも拝見をしながら、協会けんぽの保険料率について、都道府県単位で保険料率を設定するという状況の中において、今おっしゃられたような格差といいますか、状況に応じての率の違いというものが生じております。この制度の導入に際して、医療費の水準の高い都道府県の保険料率ができるだけそう厳しいものにならないように、法律上は、平成二十一年十月の協会の設立時から五年間の激変緩和という措置はとらせていただいているわけであります。

 さて、御質問の部分でありますが、最高率の県は北海道で、保険料率は九・四二でございます。最低率の県は長野県で、保険料率は九・二六%となっておって、その差はコンマ一六ということでございます。

山崎(摩)委員 ありがとうございました。

 資料の四ということで御説明いただきましたが、今、我が北海道が保険料率が一番高いという、汚名といいますか何といいますか、そういうことをいただきましたけれども、ちょっとその北海道の状況と抱えている問題点ということについてお話をしたいというふうに思います。

 確かに、平成二十二年度保険料率は全国平均の九・三四よりも高い九・四二%。一人当たりの医療費というものを見ますと、入院の場合、全国平均が三万九千百八十二円ですが、北海道平均は四万九千三百九十一円、比率一二六・一%という格差が生じております。

 高医療費になる主たる要因というのはたくさんあるんですが、一つは、北海道の自然的な要因がございます。広大な面積ですとか、人口密度が低いとか、非常に寒冷であるとか、さらに、高齢の単身者が多いですとか、夫婦のみの世帯の割合が多い。在宅の死亡率というのも八・二%で、これは全国で下から二番目というようなこと。それからまた、こういった社会的要因がありますし、医師不足、看護師不足も全国に比べてやっぱり甚だしい。医療施設が札幌周辺に集中、偏在しているために、患者が都市部に入院する。こういったような医療提供体制の偏在というものも、道内を見ますと、医療費増に影響を及ぼしているということも明白なんでございます。

 先ほど、激変緩和というお話がありましたが、保険料率算定の際の調整事項として年齢ですとか所得などはあるわけですが、そのほかに、今申し上げたようなこういった地域の条件なども検討して激変緩和をしていくということは必要ではないかなというふうに考えるんですが、このあたりはいかがですか、副大臣。

長浜副大臣 北海道は、幹事長のところも北海道でございますが、大変広い地域の中における問題点があることは事実だと思います。先生、恥ずかしながらとおっしゃいましたけれども、全然恥ずかしいとか恥ずかしくないの問題ではなくて、そういった医療の事情、地域によっての事情があることはよくわかっているわけであります。

 ただ、現実として、公平な負担を確保する観点からは、中高年齢者が多い場合とか所得の高低、これを調整するということはやっておりますけれども、これによって地域の医療費を反映した都道府県単位の保険料率を設定するということにはなっておるのですが、今申し上げたそのほかの部分の中をどれほど保険料率の中に算定していくかというのは、実務的には、正直に申し上げればなかなか大変な部分が残っているというふうに思います。

 例えば、医療提供体制の状況を保険料率に反映させる明確な、かつ、都道府県間で合意が可能な指標や係数を策定する、こういう実務的な処理でございます。医療提供体制が比較的少ない都道府県に負担を求める結果になるということも指摘されるところでありますので、問題提起としては大変重要な部分だと思いますので、今後の検討事項ではあるというふうに認識しております。

山崎(摩)委員 ありがとうございます。

 どうぞ、検討に資するのであれば検討していただきたいというふうに思います。

 さらに、保健事業についてちょっとお尋ねをしたいと思います。

 平成二十四年度まで、いわゆる特定健診、メタボですが、これが行われておりますが、受診率は芳しくないわけです。もともとメタボ健診に関しては、エビデンスも含めまして、異論、反論いろいろありました。私も実は、この健診結果をペナルティーとして後期高齢者医療の支援金に反映するなどというのはいかがなものかと、この制度を創設したときにはそういうふうに見ておりました。

 しかし、それはさておきまして、特定健診、保健指導の実施率につきましては、やっぱり保険者の体力ですとか保健師の参与率などでかなり違いがあります。また、加入者数ですとか事業所が多岐にわたるなどから実態として実施が低迷しているわけですが、そのほかにも実は要因があるんですね。

 例えば、申し上げますが、一般企業の従業員の場合は、労働安全衛生法に基づいて定期健康診断をやる、しかもメタボも受けている。ですが、健診データが協会けんぽと使えると非常に役立つのですが、同一企業の中でも制度が違いますので、データを勝手に使うことができない、使うときには従業員それぞれの同意を得なきゃいけない、そんなふうに理解している保険者もいるわけですね。また、同じ成人病予防の健診でありながら、協会けんぽが実施する場合は、これは受益者負担です、従業員が負担します。ですが、労働安全衛生法の健診費用というのは事業主負担ですから、これは無料ですよね。

 今後の課題として、例えばこの保健指導、メタボ一つとりましても、協会けんぽは厚生行政、労働安全衛生法は労働行政ですので、同じ省内でこういった縦割りみたいなものをヘルス事業に関していつまでも続けていっていいのか。こういった点からも、医療費の無駄みたいなものも節約できるかなと私は考えております。

 ですので、健診データのいろいろな連携ですとか、または代替してよろしいよといったような仕組みですとか、こういったこともやっぱり改善していく必要があるんじゃないか、こんなふうに考えておりますが、いかがでございますか。

 大臣、ちょっといかがでございますか。

長妻国務大臣 今おっしゃられた点は、いわゆるメタボ健診と、もう一つは、労働安全衛生法に基づく会社で行われている健診とか、あるいは協会けんぽの健診、こういう二つが別個でやられていて、連携がうまくいっていないんじゃないかというお尋ねでございます。

 これについては、まずは今、メタボ健診とそちらの労働安全衛生法に基づく健診において健診項目の共通化を図っていくということをしておりまして、基本的にはメニューを同じにするということであります。

 そして、今情報の交換ということでありますけれども、協会けんぽでは事業主から紙などで提供されるわけでありまして、それを電子化するという体制整備も必要ですので、これは、今平成二十二年度の協会けんぽの収入支出予算で六・六億円の関連予算があるということでございますけれども、いずれにしましても、情報を共有していくということが重要でありますので、それについても我々は進めていきたいと思います。

山崎(摩)委員 ありがとうございます。

 いずれにしろ、縦割り行政でいろいろなものがそごを起こしていますので、一度これはもう厚生労働省内、かんがみまして、テーブルに並べてごらんになって、やっぱり整理できるところは整理して厚生行政を進めていく、こんなことも大事かなということで、ぜひお願いをしたいと思います。

 最後の質問になりますけれども、高齢者医療制度における後期高齢者の支援金と前期高齢者の納付金です。

 これはもう、協会けんぽ、健保連を問わず、現役世代の保険財政を非常に圧迫してきているのは御承知のところでございます。高齢者医療費の負担のあり方については現在議論が高齢者医療制度改革会議でされておりますけれども、その中で非常に重要な課題ではございますが、その最中で、予算編成のため、財政措置として今回の制度の根幹にかかわるような負担方法の変更を行うということで、関係者の皆様にもいろいろ御理解いただくということは大変難しいことかなと。

 ですので、高齢者医療制度にはまずはきちんと公費を投入していく、こういったことも非常に大事になってくるというふうに思っておりますが、今後の制度一元化の取り組み、それから新しい制度に移行する際のこういった一連の課題について、大臣の問題意識、方向性などを最後にお示しいただければと。今後の公費負担割合の行方、方向性などもあわせてお聞かせいただきたく存じます。

長妻国務大臣 この検討会議、後期高齢者医療制度にかわる制度をつくる検討会議では、私の方から六つの原則というのをお示しして、年齢で区切らないとか、広域化の方向性につながるとか、国保の負担増に十分配慮するとか、いろいろな原則をお示しした上で御検討を賜っているところであります。

 これはもう当たり前の話でありますけれども、医療費はだれが負担するのかというと、三つしかございませんで、公費、まあ税金ですね、それと保険料、それと窓口の自己負担ということで、この三つをどなたにどうお願いして、その配分をどうするのか。簡単に言えば、その組み合わせであります。

 それと同時に重要なのは、保険者機能をきかすということで、やはりその保険者が負担がきちっとわかれば、余り負担が起こらないように予防をして、何とか絶対的な医療費を下げて、皆さんに健康でいていただく。健康でいていただくことが、それは皆さんにとってもいいことで、医療費にとっても多くならないということでありますので、保険者機能をきかすような仕組みという今の点を両立していくということであります。

 公費の点については、改革会議においても、公費の投入割合をふやしなさいという御意見もありますし、高齢化の進展に応じて公費が段階的にふえていく仕組みを埋め込むべきじゃないのか、こんなような御意見もありますが、こうした公費のあり方についても、法律提出までの間に我々としては議論をして、中間報告も夏、出させていただきますので、広く国民的議論になればありがたいと思っております。

山崎(摩)委員 ぜひ、二〇二五年、超高齢化のピークが参りますので、そのときまでに盤石な高齢者の医療制度、社会保障がつくれるように頑張っていただきたいと思います。

 本日はもう時間が参りまして、保険財政のことだけ御質問いたしましたが、実は、もう一つ車の両輪として必要なのは、医療提供体制の再構築ですよね。これはまた次回、機会がありましたら御意見を伺いたいというふうに思います。

 特に高齢者の医療では、チーム医療、それから、介護まで連動したチームケア、ここが非常に重要になってまいりますので、現在、厚労省の検討会で提言が出ました例の特定看護師など、病院以外の施設ですとか、在宅、訪問看護などを進める上でぜひこのことは法制度化していってほしいと考えておりますし、各医療専門職の裁量ですとか役割分担、こういったこともやはり検討すべきだというふうに思いますので、引き続きこれらの課題についても前向きにお取り組みいただければ、これは御要望申し上げて、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

藤村委員長 次に、大西健介君。

大西(健)委員 民主党の大西健介でございます。

 本日は、国民健康保険法等の一部を改正する法律案に質問の機会をいただきました。理事の皆様の御配慮に心から感謝を申し上げたいと思います。

 ただ、私、このお話を中根理事から初めいただいたときに、正直、質問しようかどうか迷いました。というのも、この法案というのは、先ほど来お話が出ていますけれども、一部では協会けんぽの肩がわり法案というようなことを言われておりまして、私の地元の健康保険組合の皆さんからも大変厳しい御批判をいただいております。

 私としても、地元で皆様のいろいろな声に耳を傾ける中で、なるほど、健保組合の皆さんがお怒りになるのも正直わかるような気がするなというところもあるものでございますから、本日は、長妻大臣を初め政務三役の皆様には多少耳ざわりなこと、また失礼なことを申し上げるかもしれませんが、どうかお許しをいただきたいと思います。

 それでは、早速ではございますけれども、配付資料の一をごらんいただきたいと思います。

 この資料一というのは、今申し上げました健保組合の皆さんが、これは肩がわり法案だということで反対の声明を出されております。今も健保組合の皆さん、断固反対という立場を示されております。今回、このような形で、言葉は悪いですけれども、当事者である健保連の反対を押し切って法案を成立させるということは、今後、医療保険制度を運営していく上で、いろいろな意味でしこりを残したり、マイナスの影響があるんじゃないかなということを私は心配するんですけれども、その点、政府はどうお考えになっているか。

 また、午前中の質疑の中で園田委員からは、こういう話はプロセスが大事なんだというお話もありました。そういう意味で、これまでの間、健保連の皆さんの御理解を得るために政府としてどのような努力をなされてきたのか、この点について長浜副大臣に御答弁をお願いしたいと思います。

長浜副大臣 先ほど来の質疑もあるのでございますが、言葉遣いを非常に気をつけておりましてこのケースにおいては、お願いに参るとか、お願いをしたいとかいうケースが非常に多いわけでございます。

 医療保険の見直しに当たって、これまでも社会保障審議会などの場においても、医療費を負担する保険者、医療関係者などから幅広い意見をいただく中においての議論がありました中における被用者保険におけるところの負担の割合、総報酬割ですね、この議論はずっと出ていたところでもありました。昨年十一月以降の医療保険部会においても、三度にわたって御議論をいただいたところでございます。

 それから、自分自身どのぐらい汗をかいたかという御質問でありますが、私は、長妻大臣の御指示のもとで下働きをするのが仕事でございますので、この問題につきましても、予算編成過程の状況だったと思いますけれども、直接健保組合にお邪魔をしながら、平井会長それから対馬専務理事ですか、何度もお目にかかりながら、この厳しい財政状況の中において、働く者が一体となってこの危機を乗り切るためにどうしたらいいのかということでお願いに参ったところでございます。

 最後には、大変恐縮ですが、長妻大臣にもお願いを申し上げて、健保連に出向いていただいて、今回の件に関して御理解を求めたところでございます。

 現段階でも、大西さんがおっしゃられたように、健保組合の中では御批判があることは十分承知をしております。今後とも、引き続き、関係の皆様方と接触をしながら、御理解を求める努力を続けてまいりたいと思っております。

大西(健)委員 ありがとうございます。

 長浜副大臣、そして大臣みずから健保連に足を運ばれて御理解を求められたということをお伺いいたしました。引き続き、関係者の御理解を丁寧かつ粘り強く求めて御協議をしていただきたいというふうにお願いを申し上げたいと思います。

 昨今の不況の影響を受けて、協会けんぽの財政状況が大変厳しいことは私も十分理解をしております。ただ、財政状況が厳しいのは、これは協会けんぽだけではなくて、健保組合の方も同じであります。

 次に、お手元の資料の二をごらんいただきたいと思うんですけれども、幾つか印を打っております。

 まず、上段の表でありますけれども、平成十九年度決算、赤字組合が四四・八%だったのが、平成二十年度予算ベースでは八八・八%が赤字になる。また、平成二十年には、皆さんも御記憶だと思いますけれども、西濃運輸健康保険組合であったりとか、あるいは京樽健康保険組合であったりとか、そうした組合が、後期高齢者の医療支援金に加えて、前期高齢者給付費の財政調整による負担増、これに耐えかねて自主解散の道を選びました。平成二十年度中の解散組合数というのも、そこにありますように、十四に上っています。

 そして、今度は下段の方のグラフをごらんいただきたいんですけれども、こちらの印の部分、保険料率でありますけれども、協会けんぽの保険料率を超える組合数が全体組合数の一八・四%になっています。つまり、協会けんぽも苦しいのはよくわかります、ただ、健保組合だって苦しいんです。そこをぜひ政府には御理解をいただきたいと思いますが、長浜副大臣、どうか思いやりのある答弁をお願いしたいと思います。

長浜副大臣 こういうことをお願いする方の立場も大変苦しいという状況の中において、御指摘の財政状況は認識をしているつもりでございます。

 ただ、この大西さんの資料の平成二十一年度予算推計という形の中においての、確定している、今私どもが議論の数字として持っている中においては、健保組合でいえば約千五百の健保組合、二十年度末決算の見込みによるところにおいては七割が赤字、そして三千六十億円の赤字という認識を持っているわけでございます。

 ですから、健保組合は裕福であってという認識は持っておりません。大変厳しい赤字を抱える状況の中でということでございますし、先ほど来申し上げておりますとおり、多分二百七十六ぐらいの組合においては、財政力が組合の中においても大変弱いという状況にあるというふうに思っております。

 加入者の報酬水準、これが総報酬割をやる根拠でありますが、報酬水準や保険料率、京樽のお話もされたようでありますが、当然のことながら、保険料率が協会けんぽを上回る状況の中において、このまま続けていくのか、あるいは組合を解散して協会けんぽに移るのか、大事な選択の間際に立たれているところも、先ほど十四とおっしゃられましたでしょうか、千五百の中における十四の数字が大きいか少ないか、こういう解釈はあるかもしれませんけれども、こういう事態が生じていることも認識をしております。

 あとは、もう一つは、積立金といいますか準備金ですね、この関係においての協会けんぽと健保組合との関係も理解をしているところでございます。

 いずれにしましても、大変厳しい状況の中で、選択の幅の少ない状況の中でのお願いをし続けているということも、ぜひ御理解を賜ればと思っております。

大西(健)委員 副大臣には、健保組合の財政状況も大変厳しいということを十分に御理解をいただいているということであったと思います。

 そもそも協会けんぽについては、財政好転時に国庫補助率を現行の一三%に下げたという経緯もあります。また、かつては政府がまさに管掌していたということでありますから、ここまでの財政悪化を放置してきた責任というのは、率直に言って国にあるんだと思います。もっと言えば、前政権にあるんだと思います。その点について、長妻大臣の御所見を伺いたいと思います。

長妻国務大臣 協会けんぽの財政悪化ということでありますけれども、もちろんこれは医療費の増大というのもありますが、旧政管健保当時の平成十九年度以降、実質収支は赤字の状態でありました。そこでは準備金の取り崩しなどにおいて対応してきたわけでありますけれども、我々としては、基本的には、国庫の負担というものに対して、これを上げていこうというような発想をとらせていただいているところであります。

 国庫負担の本則というのがありまして、これが最低一六・四%でありますけれども、今まで一三%のある意味では国の税金の投入比率だったものを一六・四%に上げるというような措置もさせていただきました。それでも保険料は上がるということでございまして、それについては加入者の方に、かなり多くの加入者の方がおられますので、そういう方々には広報を通じてその御理解を今求めているところであります。

大西(健)委員 今大臣から、一三%を一六・四%に引き上げたということでありますけれども、そういう意味では、私はもうちょっと早く手を打つべきだったんじゃないかなというふうに思います。

 そういう意味で、やはりこの問題というのは、大変財政状況が厳しい折ですから打つ手が限られているということはわかりますけれども、私は、本来は国の責任で対応すべき問題なんだと思います。だからこそ、これは先ほど来、副大臣から御答弁をいただいていますけれども、どこまでいっても、健保組合を初め関係者の皆さんの御理解を得る努力というのを怠ってはならないんじゃないかというふうに思っております。

 次に、今回、協会けんぽを救済するというからには、なかなかいろいろな構成上の問題とかもあって難しい部分もあると思いますけれども、再び財政悪化を招いて、そして、今度また赤字になったらまた救済をしなければいけないということになっては、やはりこれはだめだと思います。

 そういう意味で、今後どのようにして協会けんぽの健全な運営というのを担保していくつもりなのか、この点について長浜副大臣から御答弁をいただきたいと思います。

長浜副大臣 御承知のように、歴史的に政府管掌という政管健保から協会けんぽという形の流れがあったわけでございます。経営トップの理事長、あるいは各都道府県の支部がありますから、その支部長には民間から就任をいただかなければならないということで、御就任をいただいているところでございます。

 また、法人の意思決定機関、協会けんぽの、今厳しくおっしゃられた、いわゆるガバナンス、マネジメント能力等々含めて、被保険者、それから事業主、学識経験者によるところの三者構成による運営委員会も設置をして、当事者等の意見に基づき、民間の経営感覚を積極的に取り入れた効率的で公正な運営を目指すことが基本ではないかなというふうに思っております。

 現実的には、例の後発医薬品の促進によって医療費を、当然のことながらコストを下げていく。それから、レセプトの点検業務、これも細かく、一枚一枚ですから物すごい量であります、こういった部分の中での、これもまた医療費の削減につながっていきますけれども、民間企業で言うところのいわゆるコストを削減する、こういう努力を徹底させていきたいと思っております。

大西(健)委員 今の副大臣の御答弁に出てきた、例えばレセプトの点検をやるとか、本当に民間のマネジメントをきかすという点におきましては、まさに健保組合の方は保険者機能というのをこれまで発揮してきたんだと思います。

 先ほど山崎委員の質問の最後でも、大臣の方から、保険者機能というのが非常に重要なんだというお話がありました。政府・与党は、今後、被用者保険の一元化という方向というのを打ち出されてはおりますけれども、その中で、大臣は保険者機能というのをどのように評価されているのか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。

長妻国務大臣 保険者機能といいますのは、そこに所属しておられる皆さんの健康管理をして、予防をして、健診も怠りなくやり、いろいろな情報を流していくことによって多くの方が御病気にならずに済むということで、結果的に医療費もふえずに済むということでありますが、やはりいろいろな事情があると思います。

 国保の場合と健保組合については、例えば健保組合で会社単位であれば、それは従業員でありますので、職場単位で呼びかけもできますし、連絡もとりやすいというような、あるいは一定の方がそこに集まっておられるというようなこともあり、保険者機能がもともとききやすい土壌もあると思いますけれども、ただ、これは今後強化をする方向で取り組む必要があるということ。

 ただ、その一方で、例えば地域でいえば、保険料の格差を縮めるために、広域化という要請もあります。そうすると、広ければ広いほどなかなか目配りができにくくなって、保険者機能が低下するのではないか、こういう議論もありますので、それを両立するような仕組みがないかということも今、後期高齢者にかわる制度の検討会では話題になっているところであります。

大西(健)委員 保険者機能というのは、私は本当に重要だと思っております。これをすべて否定してしまうということになれば、健保組合も、頑張ってもそれが評価されないんだったらもう意味はないや、やめたということになってしまってはいけないと思いますので、今大臣の御答弁で、保険者機能というのを非常にしっかりと評価していただいていることをお聞きいたしまして、非常に安心をいたしました。

 次に、健保組合は原則として国からの補助を受けずに運営をされておりますけれども、健保組合と同じように同業者で組織をされている国保組合に対しては手厚い国庫補助が行われている。これが問題ではないかという一部指摘がありますけれども、この点についての大臣のお考え方をお聞かせいただきたいと思います。

長妻国務大臣 国保組合についても、昨今いろいろな御指摘がありまして、我々、今実態の調査をして、適切に取り扱っていこうというふうに考えております。

 この国保組合でございますけれども、これについては、平均で国庫補助は四〇%になるということでございまして、これについては、御存じのように、仮に国保組合がなくなってそこに所属しておられる方が国保に入るとすれば、国保については公費負担は五〇%ということで、国保組合よりも高いということであるわけでございます。

 これについては、平均四〇%入れている意味としては、健保連などについては、企業健保などについては事業主負担というお金も入るわけでございますが、国保組合はもちろん事業主負担はないわけでございます。そういう観点から今のような比率になっておりますけれども、まさに今、先ほど冒頭申し上げましたように、いろいろな御指摘がございますので、本当にそれぞれの国保組合について、国庫補助のあり方が適正なのかどうか、財政力等を十分精査した上で、来年度予算の概算要求までに検討していこうというふうに考えております。

大西(健)委員 私も国保組合、いろいろな過去の経緯だとか成り立ちというのがあると思いますから、すべて否定するものではありませんけれども、今大臣の御答弁にあったように、大臣は国保組合に問題意識を持たれて、厚生労働省の方に指示をして、一月に、国保組合の平成十九年度における保険給付費に対する国庫補助割合であったりとか、一部負担金償還払いの実施状況等を公表されました。これは今まで公表されていなかったデータということで、このこと自身は私は大きな前進ではないかなというふうに思います。

 厚生労働省の方では、問題のある国保組合に対しては早急に改善を指導する。今大臣の御答弁にありましたけれども、来年度の概算要求に向けて、個別の国保組合の財政状況や給付の内容を精査していくというふうに言われております。

 繰り返しになりますけれども、国保組合の中には、過去の経緯であったりとか業種の特性から、給付内容に特徴がある組合があることも私は承知しておりますし、そこに一定の配慮が必要だとは思いますけれども、いずれにしろ、健保組合の皆さんが不公平感を感じないような形での精査というのをぜひお願いいたしたいと思います。

 次に、この法案の中では、先ほど来、長浜副大臣に本当に思いやりある答弁をしていただいていると思いますけれども、健保組合の皆さんにも負担をお願いするんだ、そういう負担をお願いせざるを得ない非常に厳しい経済環境の中で、負担増を緩和するための措置として、平成二十二年度予算において、高齢者医療円滑化等事業の予算額、これを百六十億円から三百二十億円に倍増するという措置がとられております。

 これは私は大変ありがたい措置だと思うんですけれども、総報酬割の特例措置は平成二十四年度まで、これから三年間続けていくということであります。だったらば、この円滑化等事業の方も、この支援措置もやはり三年続けていただきたいなというふうに思っているんですけれども、長浜副大臣、いかがでしょうか。

長浜副大臣 なかなか鋭い御質問をいただきまして、単年度予算措置というような形の中においての継続性をどう考えていくかという部分だというふうに思います。

 高齢者医療運営円滑化等事業というのは、前、老健制度があったときの被用者保険の拠出金負担増の緩和を図る目的として、平成二年から特別保健福祉事業として実施をしていたものが、後期高齢者医療制度が入ったことによって、形を変形してそれを実施していたところでございます。

 このお願い、つまり、総報酬割三分の一を健保連さんにお願いするときに、今おっしゃられた部分の中における、被用者保険の保険者における後期高齢者支援金等の負担を緩和する特例措置、これが百六十三億、二十一年度予算のベースの中には入っておりましたので、お願いをするんですから、何かがなければお願いをするということも調いませんものですから、財務省と交渉しながら、この部分を倍増して三百二十二億円という形の予算措置をしたところでございます。

 引き続き、御指摘のとおり、この部分の予算は確保するよう努力をしてまいります。

大西(健)委員 私が思ったよりも前向きな御答弁をいただいて、本当にありがたいと思います。

 健保連の皆さんもこの部分は高く評価をされていると思いますけれども、やはり、これは予算にかかわることですから、今の時点で確定的には言えないと思いますけれども、ぜひとも、この部分、今、副大臣から前向きな答弁をいただきましたので、御配慮をいただきたいというふうに思います。

 協会けんぽの支援に関する問題については次の質問で最後にいたしたいと思いますけれども、結局は、額を幾ら圧縮しようが、今申し上げました支援措置を講じようが、健保組合としては、これは非常に失礼な言い方ですけれども、理が立たない肩がわりというのを一たん受けてしまうと、また同じようなことが繰り返されてしまうんじゃないか、そういう懸念というのがあって、それが不信感を募らせている原因ではないかなというふうに私は思います。

 そこで、御確認をさせていただきたいんですけれども、今回の措置というのはあくまで特例措置であって、一部、総報酬割というのを三分の一だけ先行して導入させたからといって、これが既定路線になるのではなくて、今後のあり方については、高齢者医療制度改革会議の中で、健保連だけではなくて関係者皆様と本当にとことん話し合って、本当に公平な負担という中で制度設計をするということでよろしいでしょうか。

 長浜副大臣、お願いいたします。

長浜副大臣 御指摘のとおり、高齢者医療制度改革会議が大臣の御指導のもとに開かれているところでございます。もちろん、健保連の皆様にも御参加をいただき、協会けんぽからも参加をする、こういう状況でありますので、高齢者医療制度をどうしていくかという問題はその問題として、これからもきっちり議論をしてまいります。

大西(健)委員 ありがとうございました。

 これは、会議の中で、また別の問題としてしっかり議論していくんだというお答えだったと思います。

 最後に、先ほど阿部委員の方からもお話が出ました無保険状態の子供の救済措置の対象年齢の拡大についても幾つかお聞きをしたいと思います。

 これについては、先ほどのお話の中にもありましたけれども、民主党が野党時代に、児童福祉法では子供というのは十八歳未満ということになっているということもあって、社民党や国民新党さんと一緒に改正案を出したというふうに伺っておりますけれども、当時の与党だった自民党の中からは、親の滞納を助長するんじゃないか、こういうような反対意見もあって、結果的には高校生が対象から外れた経緯があるというふうにお聞きをしております。

 そこで、その当時のことも思い出しながら、今回、このように救済措置の対象を高校生まで拡大することができたということについて、山井政務官から、素直な、率直な御感想というか、思いを語っていただきたいと思います。

山井大臣政務官 大西委員、御質問ありがとうございます。

 御指摘のように、児童福祉法では十八歳までが児童でありましたので、昨年の議員立法では、当初は十八歳未満ということで議論をしておりましたけれども、超党派での議論の中で、まず第一歩として中学三年生までとなっていたわけであります。

 しかし、政権交代後、改めて調査をしてみましたら、やはり一万人の高校生が、親の貧困などが原因で、親が国保料を滞納し、それによって資格証明書を発行されて、医療が受けづらくなっているということが発覚しました。

 高校生は病気になりにくいという意見も実はあったんですけれども、そういう次元ではなくて、やはり、歯医者さんもあるし、けがもあるし、もちろん突然の病気もあるということで、チルドレンファースト、子供は生まれてくる家庭を選べないわけですから、親の経済状況などで必要な医療が受けられないことが決してあってはならないということで、このたび、十八歳未満ということで拡大をさせていただきました。

大西(健)委員 今、政務官からはチルドレンファーストという言葉もありました。そこで、この問題についてもう少しお聞きをしたいんですけれども、お配りをした資料の三というのをごらんいただきたいと思います。

 この資料をまずごらんいただくと、一番下の方に丸を打ってありますけれども、資格証明書の交付世帯に属する高校生の子供の人数、一万六百四十七人になっています。新たに一万人を超える子供たちが救済の対象に入ってくるというのは、私は本当に大きな前進だと思っております。一方で、同じ紙の上の方を見ていただきたいんですけれども、そこには、中学生以下のうち、短期被保険者証の未達枚数、手元に届かなかった枚数というのが一千百六十一枚となっています。その主な理由というのがそこに挙がっております。

 ここで、次に資料四というのをごらんいただきたいんですけれども、今皆さんにごらんいただいた資料三の調査結果、これを厚生労働省が発表したときの、それに関する新聞記事であります。この新聞記事を見ますと、山井政務官のコメントが載っています。これを読みますと、窓口に「受け取りに来ないのは、窓口に行けば「保険料を払ってください」という催促があり、ためらう人が多いのではないか。市町村に一層の工夫をするよう指導した」というふうに山井政務官は述べられています。私も、これはそのとおりじゃないかなというふうに思います。

 それは、まさに先ほど山井政務官がチルドレンファーストということを言われましたけれども、この措置というのはあくまで保険証のない子供たちを救うための措置ですから、市町村の立場からすると収納率を上げたい、ですから、窓口で、とりに来てもらってそこで指導したいというのもわからないことはないんですけれども、やはり子供のことを第一に考えるべきだと私は思います。

 行政の方も、呼び出して窓口に来ない人は悪質な滞納者なんだと決めつけるんじゃなくて、大体、平日に役所の窓口に来られるというのは、これはなかなか仕事を休むのも難しいですから、大変なわけですから、例えば学校経由で渡すとか、あるいは、ケースによっては虐待というケースも私は可能性としてはあると思いますので、例えば児童相談所が状況確認を兼ねて実際に持っていくとか、交付方法というのを工夫してはどうかなというふうに考えておりますけれども、山井政務官のお考えをお聞かせください。

山井大臣政務官 大西委員、御質問ありがとうございます。

 まず、大前提としては、本来、子供だけではなく、大人も含めて無保険の人が発生するということはやはり問題だというふうに大前提として思っております。ただし、それのためには抜本的な改革も必要だということで、まず第一歩、十八歳未満の子供の無保険を解消しようということであります。

 そして、昨年成立しました超党派の議員立法にも込められました思いは、一人残らず、普通の保険証がない子供はゼロにしたいという思いでありますから、その趣旨からいきますと、大西委員御指摘のように、さまざまな方法を通じて、必ず子供に保険証が行き渡るように努力をしてまいりたいと思います。

大西(健)委員 今、すべての子供に保険証が行き渡るようにと、本当に力強い御答弁をいただいたと思います。

 本当は時間があればお聞きをしたかったんですけれども、今回の措置でもまさに救われない子供たちというのがいると私は思います。というのは、例えば、社保から脱退をして、その後国保の加入手続をしなかったとか、あるいは外国籍でそもそも保険に入っていない、国保に入っていないというような、そういう人というのは資格証明書の交付対象にもなっていないわけですから、そういう人たちはまた漏れてしまうということですから、そこも含めて、ぜひ、すべての子供にということをこれからも考えていただきたいと思います。

 時間となりましたので質問を終わりますけれども、繰り返しになりますが、きょうの私の質問というのは、とにかく、健保連を初め当事者の皆さんと、とことんひざを突き合わせて、皆さんが納得してお互いに支え合えるような制度設計をしていただくようにという質問でありました。ぜひそのところを最後にお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

藤村委員長 次に、初鹿明博君。

初鹿委員 民主党の初鹿明博です。

 昨日、ちょっと薬を飲みましてアレルギー反応が出て、顔にじんま疹がひどくてお見苦しい顔をしておりますが、御容赦をいただきたいと思います。

 まず、法案に対する質問に入る前に、最近、ニュースで私が気になったことについて、幾つか質問をさせていただきます。

 まず最初に、資料一の新聞記事をごらんになっていただきたいんですが、これは二月十九日の朝日新聞で、昨年の十二月に神戸市の生後九カ月の男の子がポリオを発症して左足が麻痺をしたという内容でございます。

 御承知だと思いますが、国内で自然にポリオに感染をするというケースは、この新聞にも書いてありますが、一九八〇年を最後に確認をされていない。つまり、国内では、自然の中では撲滅をされていると言っていいんだと思います。ところが、どうしてこういう感染者が出てきてしまうかというと、これも皆さんもう御承知だと思いますが、生ワクチンを使っているためなんですね。

 この生ワクチンは、接種をした子供さん、数百万回に一回程度の割合、割合として、確率としては非常に低いんですけれども、そのお子さんがポリオに感染をしてしまうということがあったり、また、おむつがえなどで親やその他の方が二次感染をしてしまうことがあるということがわかっているわけです。この神戸のケースも、恐らくそういう二次感染ではないかということが疑われているわけです。

 ほかに方法はないのかといったら、現在、海外では、生ワクチンではなくて不活化ワクチンを注射するということが一般的になっているわけでありまして、生ワクチンから不活化へ切りかえていればこのようなことは起こり得なかったと言えるわけです。

 では、今までどのぐらい、このワクチンに由来をする感染があるのかということですけれども、実際にこの届け出を報告させるようにしてからですけれども、平成十九年に一件、二十年に二件、二十一年に一件、二十二年に一件というように、わかっているだけでも五件あるわけです。

 このように、ワクチンの切りかえが行われていないことによって子供たちが二次感染をしている実態について、長妻大臣、どのようにお考えになっているでしょうか。

長妻国務大臣 今御指摘のように、生ワクチンというのは、弱毒化ポリオウイルスを投与するわけですから、これについては、数百万人に一人の割合で麻痺が起こる可能性がある。そして一方で、被接種者からの二次的な、例えば今のような便などの感染によって、数百万人に一人の割合でポリオ麻痺が起こる可能性があるということでありまして、私どもとしては、不活化ワクチンを速やかに国内でも接種していきたいというふうに考えております。

 ただ、今、この手続も含め、あるいは治験も含めやっている最中でございますので、今からまだ、役所に確認をすると、二年程度かかるという話もありましたが、これまでも申し上げておりますけれども、さらに役所に、それがもっと早く使えるようにならないのかということを指示を申し上げたわけであります。

 先進国では、多くの国でこの不活化ワクチンが使われているということも聞いておりますので、これを急がせていきたいというふうに考えております。

初鹿委員 大臣、これはぜひ実現していただきたいなと思うんですね。

 今、国内のメーカーが開発をしているということでありますけれども、今大臣の答弁にもありますように二年、もしくは、これは場合によっては三年ぐらいかかってしまうとなると、過去の例を見れば、毎年一件か二件ずつ、二次感染で発症してしまうお子さんがいるわけですから、これから五人とか六人とか出てしまうということが予想できるわけです。確率からすると非常に低いかもしれませんけれども、そういう一人一人の、かかってしまったお子さんやその親御さんの気持ちを考えると、これはとても放置しておく問題ではないんじゃないかなというふうに考えます。

 特に、昨年、新型インフルエンザのワクチンを特例承認という形で承認をいたしました。この新型インフルエンザのワクチンは、それこそ、海外で開発がされたばかりのもので、実際に海外で使われていたというものではないものを、特例承認という形で速やかに承認をしたわけであります。このポリオの不活化ワクチンは、海外で一般的に、既に使われているものを国内でも取り入れていこうというものであるわけですから、その点も考えて、できるだけ速やかにこの不活化ワクチンへの切りかえを行っていただきたいと思うんです。

 私も薬を飲んでこうなったので、確かに薬の怖さというのはわかりますし、しっかりと治験も行わなければいけないということもわかります。しかし、そうはいっても、明らかにこれから感染をするという可能性があるのがわかっていて、それを放置するわけにはいかないと思いますので、できるだけ速やかにこの切りかえを行っていただきたいと思いますが、足立政務官、御所見を伺います。

足立大臣政務官 できるだけ速やかにやりたいということを思っていない人はいないんですよ。物事はルールなんですね。

 経緯を多少お示ししますけれども、この不活化ワクチンは、ポリオ研究所によって平成十年に試験が開始されて、十三年に承認申請が出されました。しかし、GCP、これは臨床試験の実施の基準の問題等があって、取り下げられました。その後、平成十五年に、これは今、ポリオの話だけですけれども、接種率の向上を図る方針として、DPTですね、ジフテリア、百日ぜき、破傷風とポリオのワクチン、この四種を同時にやった方がいいのではないかということで、その四種のワクチンの開発を今、治験段階でやっているというわけです。

 特例承認の話が出ましたが、これはやはり規則に基づいて、国内にそれにかわるものがない場合ということがありますわけで、そしてまた、海外で使用されているものをそのまま日本に導入する際には、やはり国内での、これまた臨床試験の追加データが必要なんです。ですから、今大臣の答弁にありましたように、承認の申請が早くて来年の末ぐらいかなという形になっています。そういうルールにのっとってやっておるということはぜひ御理解いただきたいと思います。

 これから先の話は、承認申請をもっと早くするためには、ずっと議論になっております新薬やあるいは適応外薬の加算の問題、それから、審査体制を早くするということには、今まで百十二人だったのを、数を倍増以上して審査を早くする、そういうような試みをしているところでございます。

初鹿委員 ルールがあるというのは十分に承知をしております。少なくとも、承認申請がなされた後の審査体制をしっかりと速やかに行えるように取り組んでいただきたいと思います。

 次に、一枚資料をめくっていただいて、二枚目の新聞の記事に移りたいと思いますが、ここで、障害者の雇用率を下回る七社を発表という、法定雇用率を大きく下回った企業の公表をしたという記事が載っております。

 ここでちょっと驚くのは、この記事に書いてありますが、今回公表された企業の中の一人が労政審の委員を務めていたということであります。本来なら、まさに模範となるべき方がこのような法定雇用率を達成できていない、しかも、再三再四勧告を受けていてもそれが実行されていなかったというのは、私、非常に問題ではないかな、残念だなというふうに思うんですね。本来、やはり模範となって、こういう企業こそ、こういう方が出ている企業こそ率先して取り組んでいくべき課題だというふうに感じます。

 そこで、障害者雇用、法定雇用率について幾つか質問をさせていただきますが、今、障害者自立支援法にかわる新たな制度を考えていこうということで、障がい者制度改革本部の中でさまざまな議論が行われていることと思います。

 私も、障害者自立支援法、いろいろ問題点があるということは思っておりますが、一つだけ、障害を持っている方も就労をして自立をしていこうという方向は間違っていなかったのではないかなというふうに私は思います。そして、やはりこの法律ができた結果、企業の側もかなり意識が高まって、障害者を雇用しよう、そういう方向に少しずつ進んでいる。その点では、その点だけはと言ってもいいと思いますが、評価はしてもいいのかなというふうに思うんです。

 ただ、ここでちょっと心配なことは、確かに障害者の雇用はふえているんですが、やはりなかなか、知的障害者の雇用が同じように伴ってふえているかというと、そうではないのではないかなというふうに感じるんです。確かに、全体で数としてはふえていると思いますが、やはりまだまだ、実雇用数を見ると身体障害者に偏っているように感じます。

 法定雇用率というのはそもそも、民間だと一・八%になっていますが、算定の方法として、積算の根拠は、すべての労働者、失業者分の障害者である労働者、失業者という計算式で出している数字が一・八だということだそうです。

 そこで、ではこれを知的障害者、身体障害者で計算してみると、身体障害者は一・四五%になります。そして、知的障害者は〇・三七%になるということです。この数字から見ると、身体障害者と知的障害者で四対一ぐらいの割合になるわけですね。

 では、その四対一、実質雇用が行われているのかということをちょっと確認したいと思うんですが、民間企業よりもやはり厳しく法定雇用率を指示されているところが自治体や公的機関なわけです。自治体等ですと二・一%、そして教育委員会ですと二%ということですが、こういう自治体や教育委員会は率先して障害者の雇用を進めていかなければいけないということで、雇用率が高く設けられているんだと思います。

 そこで、まず、国、都道府県、市町村、教育委員会、そしてやはり皆様方厚生労働省で一体どのぐらい知的障害者を雇用しているのか、この数字を確認させていただきたいんですが、障害者を雇用している中の知的障害者の割合について、どれぐらいになっているのか、数も含めてお答えください。

山井大臣政務官 初鹿委員にお答え申し上げます。

 国におきましては、障害者の雇用者数は六千五百二十四人、うち知的障害者の割合は百七人で、一・六%であります。都道府県におきましては、トータルが七千八百二十五人、そのうち知的障害者の割合が二十九人でありまして、〇・四%。市町村におきましては、二万二千四百十七・五人ということで、三百六十三人が知的障害者でありますので、一・六%。精神障害者である短時間労働者は一人を〇・五人というカウントになっているために端数が出ております。これで一・六%です。教育委員会は、一万九百二十一人のうち五十八人、つまり〇・五%。そして厚生労働省は、九百九十九人のうち九十八人であり、九・八%となっております。

初鹿委員 先ほど、雇用率の算定の計算式でいけば四対一の割合になるということをお示しさせていただいたんですが、頑張っている厚生労働省で大体一〇%ですよね。見て、聞いてびっくりしたと思いますが、都道府県は二十九人ですよ、知的障害者を雇用しているのは。半分以上は雇用していないということですよ。国においても、本来二〇%あるところが一・六%です。

 自治体が、また国が民間企業に障害者を雇用しろ、雇用しろと言っていて、自分のところがこれで本当にいいんでしょうか。大臣、この数字を聞いて率直にどう思うか、ちょっと感想を聞かせてください。

長妻国務大臣 今、厚生労働省の一定の数字もお示しいたしましたけれども、ただ、国全体あるいは都道府県の数字というのは、公の機関が法律をつくって民間を指導するということでありますので、公の機関がみずから率先するというのは言うまでもございませんので、これについては我々もさらに促進するべく取り組んでいきたいと思います。

初鹿委員 ありがとうございます。

 さて、では民間企業はどうなのかということで、三枚目の資料をごらんになっていただきたいんですが、これは、企業規模別の雇用状況をお示しさせていただいております。民間企業ですと、身体障害者と知的障害者の割合、平均をすると全体で大体五対一ぐらいになっております。

 ところが、この下の段の表を見ていただきたいんですが、五十六人から九十九人までの企業ですと、身体障害者一万八千人に対して知的障害者八千六百人と、大体二対一に近づいていて、結構頑張っているんですよね。数字をずっと見ていくとわかるんですけれども、その次、百人から二百九十九人だと四対一、その下が五対一で、五百人以上また千人以上になると六対一と、企業の規模が大きくなるほど知的障害者を雇用している割合が下がっている。

 では、千人以上の企業は法定雇用率を守っていないのかというと、上の段の数字で明らかなように、千人以上だと一・八三%と、実雇用率がきちんと法定雇用率を守っているんですよ。障害者はちゃんと雇っているんだけれども、知的障害者ではなくて身体障害者をより多く雇っているということが、この数字で明らかなわけですね。その点を考えると、身体障害者と知的障害者の割合をきちんと分けることも必要なのかなというふうに感じるんです。

 ただ、この数字を見てわかるとおり、小さい企業でその割合を分けると、知的障害者をより多くしているところが雇えなくなるということがあります。また、知的障害者はさまざまな方のサポートが必要ですから、やはりある程度の従業員の数がいた方がサポートはしやすいというふうに思います。業種によると思いますが、やはり従業員の数の多いところの方がいろいろなサポートができると思いますので、例えば千人以上の企業に限って、法定雇用率を、一・八のところを身体障害者一・四、知的障害者〇・四と分けることはできないんだろうか。

 これは、法改正が必要というんでしたら、すぐにできることとしても、そういう方針というか指針というかを示して、企業の方に、こうやって一・四と〇・四を目指していくことが望ましいんだ、そういう申し入れというか指導というか、できないのかということをお伺いいたします。

山井大臣政務官 初鹿委員にお答え申し上げます。

 非常に重要な御指摘、ありがとうございます。

 委員の御指摘は、そもそも全体的に知的障害者の雇用率が低過ぎるということ、さらに、その中で千人以上のところが、大きな会社でありながら低過ぎる、この二つの御指摘だと思います。私も、きょう初めてこのデータを拝見して、初鹿委員のおっしゃるとおりだと思っております。

 そこで、千人以上に関しては別々に目標数値を設定すべきではないかということですが、これについては、やはり業種もさまざまありまして、知的障害者を雇いやすい業種とか、身体障害者を雇いやすい業種とか、また、それに合う業種というのもありますので、なかなか、機械的に千人以上は知的障害者と身体障害者の目標値をこれくらいにするというのはちょっと困難かと思いますが、とにかく、大規模な企業で知的障害者の雇用がどうすればもっと進むかということを検討させていただきたいと思います。

初鹿委員 ぜひよろしくお願いします。

 では、もう一枚資料をめくっていただきたいんですが、また新聞の記事ですが、これは、東京都がネットカフェに対して規制をするという条例をつくったということです。先月終わった都議会で可決をされ、成立をいたしました。インターネットカフェを利用する際に身分証明書の提示を義務づけるという内容なんです。

 先日、この委員会で三宅雪子議員もホームレスについての質問をした際に指摘をいたしましたが、ホームレスといっても、路上で生活をしていない、ネットカフェで寝泊まりしている人がふえているんじゃないのかというような指摘がされました。私も、それはごもっともだと思っております。

 そうしたことを考えたときに、では、ネットカフェで身分証明書の提示を求めるということが義務づけられたら、ホームレスの方、そもそも家がないんですから、住所、氏名を証明できるものを出してくださいと言われて、証明できるものを持っていないというケースが相当あるんじゃないか。そうなったときに、今までは、家はなくなったけれども何とか屋根のあるネットカフェで寝泊まりできていたけれども、これからは路上にほうり出されてしまう、そういう可能性が私はあるんじゃないかというふうに感じるんです。

 そこで、厚生労働省もいろいろこのホームレス対策、努力してきて、例えば自治体がホテルや旅館を借り上げた際の借り上げシェルターという制度をつくってやっていますが、こういう制度自体をネットカフェを利用しているホームレスの方は御存じないんじゃないかなと思うんです。

 ですから、このPRや周知の仕方を工夫するなども含めて、ネットカフェに身分証明書の提示が義務づけられたことによって、はじかれて路上に行かざるを得ない人たちが、路上で生活しないでいいようなつなぎをしっかりとしていただきたいと思いますが、その件について御所見を伺います。

山井大臣政務官 八年前に成立しましたホームレス自立支援法の趣旨からいっても、ホームレスの方々を路上生活から救うために行政は動くべきでありまして、逆に路上に追い出すことがあってはならないというふうに思っております。

 私も、先日ネットカフェを見に行かせていただきましたけれども、本当にネットカフェを転々とされている方が多くて、ロッカーに荷物を置いておられる、そういう方々がかなり多数おられまして、非常に心が痛みました。

 ただ、恐らく、東京都のこの考え方は、犯罪とかそういう関係の方が宿泊していたら問題だという趣旨で身分証明書等の提示ということになったのでしょうが、おっしゃるように、逆に、それによってネットカフェに泊まれない人がふえていって、ホームレスの人が、ホームレスというか路上生活の人がふえたら、またそれも一方では問題であると思います。

 厚生労働省としては、各自治体に、住居を喪失された方に対して一時緊急避難的な宿泊場所を提供するシェルター事業について、財政的な支援を行っていますが、東京都にこうした事業の活用を促すなど、ネットカフェに住めずに路上生活を余儀なくされることがないように、また、そういう事業のPRや周知についても取り組んでまいりたいと思います。

初鹿委員 ぜひお願いします。

 やっと法案の中身について質問させていただきます。

 先ほど来から大西議員や山崎議員から鋭い質問が出ていて、私の質問したいことが先に言われてしまっているなというふうに感じているんですが、その中でも再三言われておりましたが、今回の法案のねらいの中の一つとして、やはり、厳しい財政状況の協会けんぽを何とか支えていこう、そのために公費も一三%から一六・四%にするし、後期高齢者の支援金も、総報酬割というものを導入して、健保組合にも負担を求めていこうということであります。そう考えたら、この協会けんぽの収入源についても、もう少し何かできないのかなというふうに感じるんです。

 そこで、もう一枚資料をめくっていただきたいんですが、標準報酬月額についてという資料を出させていただきました。これに基づいて保険料が計算をされていくんですが、この中の一番上の等級は四十七級、百十七万五千円以上の報酬月額がある方が上限となっているわけです。つまり、月に三百万もらっていても、五百万もらっていても、一千万もらっていても、計算上では百二十一万円で計算するということなわけですね。

 この上限をもう少し上に伸ばせないのか、等級をふやせないのかということを私は感じるんです。三個ふやしたということですけれども、やはり、保険料収入がどんどん減っているという中で、少しでも負担能力のある人には負担をしてもらおうということであれば、この等級をふやしていくということも必要なのかなと思うんです。

 ところが、このただし書きのところを見ると、3のところで、「新たな最高等級に該当する被保険者数の被保険者総数に占める割合が一%を下回ってはならない。」というふうな規定があるために、現在〇・九六%だからこれ以上はふやせないということになっているわけです。これ、考えてみると、全被保険者の中の一%にも満たないぐらいな高額所得の人が優遇をされているということになるわけですよ。コンマ何%の方が優遇されて、納める保険料が低く抑えられている。

 確かに、保険料が過大に多くなってしまえば、保険料を納めないで、病院に払うときに、自己負担で全部払った方が安上がりだ、そう考えてしまう人が出て、保険料自体が納められなくなってしまうかもしれないけれども、これだけ財政状況が厳しいといって健保組合からも支援金をお願いしているという状況であるならば、少しでも保険料収入が上がるような工夫が必要だと思いますが、一%を下回らないというこの規定を改めて、等級をふやすということについて御検討いただけないでしょうか。御見解を伺います。

足立大臣政務官 長妻大臣が、消費税は、議論はするが一期四年間は上げないということの中で必ず申し上げているのが、そのほかの税や社会保険料も含めて検討するということの中に、当然この概念は入ってくることだと私は思います。

 議員は、政令では難しいから法律を改正してでもという思いだろうと思います。そこで注意が必要なのは、仮に今、標準報酬月額百二十一万円で、これは保険料は月々十一万二千五百円、半分ですと六万近くですね。年間六十七万円の保険料を払う。しかし、加入者平均で、四人家族だとすると医療費が四十六万だと。では、このかかる医療費と保険料、それはどう考えるのかということも十分検討しなければいけないと思っております。委員の資料を見ると、そういうことだと思います。

 仮に上限を全部撤廃したら、それは粗い計算で二千億とか三千億とかの増収にはなると思います。しかし、この問題も、十八年三月までは三十九等級だったのを、上と下に四等級ずつやったのが十九年の四月ですから、まだそれほど年数はたっていない。しかし、十分検討の対象になるべき事項であって、そのときには医療費と保険料というものについて双方考えなきゃいけないというふうに思います。

初鹿委員 ぜひ検討を進めていっていただきたいなと思います。

 次いで、先ほども阿部議員そして大西議員からも質問が出ましたが、高校生世代へ短期被保険者証を交付するという件について、私からも一言御質問させていただきたいんですが、先ほど大西議員、非常にいい質問をされたと思います。確実に手元に届くようにするということ、せっかくいい制度をつくっても、それが手元に届かなければやはり何の効果もないわけですから、確実に手元に届く方法を考えてくださいというのはまさに当然だし、これはすぐにやっていただかなければならないと思います。

 それと同時に、やはり、今すぐにでも病院に行かなければならないけれども我慢をしている、そういう子供たちがいるということを考えると、速やかに交付をするということも私は必要だと思うんですね。ところが、この法律は成立をすると直ちに施行されるはずなんですが、この高校生に対する短期被保険者証の交付についてだけは七月一日からの施行ということになっております。

 その三カ月なり二カ月なりずれがあることはどういうようなことなのか、お聞かせください。

山井大臣政務官 お答え申し上げます。

 資格証明書世帯に属する高校生世代について短期被保険者証を交付するためには、市町村において三つの準備作業が必要でありまして、一つ目は対象者の抽出、二番目は短期被保険者証の作成、チェック、三番目、短期被保険者証の封入、発送などの準備作業です。

 これらの準備作業のためには最短でも五、六週間は見込む必要がありまして、すべての市町村において施行に万全を期すため、施行日を七月一日としているものであります。

初鹿委員 確かに、実際の事務をやるのは厚生労働省ではなくて市町村でありますから、やはり一定の期間は置かなければならないということは私も理解をします。しかし、先ほども言いましたとおり、きょうでもあすでも行かなければならないけれども我慢をしているという子供たちがいるということを忘れないでいただきたい。

 ですから、せめて七月一日の施行日には手元に届いていて、その日にでも病院に行ける、そういう状況をつくっていただきたい。そのために、厚生労働省としてしっかり市町村に対して指導を徹底していただきたいと思いますが、長妻大臣、最後に、その見解というか決意をお聞かせいただいて、質問を終わりたいと思います。

長妻国務大臣 これは本当に重要なことでございますと同時に、この厚生労働行政というのは、多くの行政の実際の実行をするのは市町村の窓口ということで、お願いをすることになるわけでございます。

 そういう意味では、やはり一定の準備期間がないと、早くできる自治体と遅い自治体ばらついて、では、こっちの自治体とこっちの自治体でということで混乱が起こる可能性もあるということにかんがみて、非常に最短で七月一日というのを設定させていただいて、地方自治体にも、その日にきちっとお渡しできるように万全に問い合わせや疑問にも答え、そして説明も十分に尽くしていきたいというふうに考えております。

初鹿委員 ありがとうございました。終わります。

藤村委員長 次回は、来る七日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時二分散会


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