衆議院

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第2号 平成22年10月22日(金曜日)

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平成二十二年十月二十二日(金曜日)

    午前十時四分開議

 出席委員

   委員長 牧  義夫君

   理事 青木  愛君 理事 石毛えい子君

   理事 中根 康浩君 理事 藤田 一枝君

   理事 柚木 道義君 理事 加藤 勝信君

   理事 田村 憲久君 理事 古屋 範子君

      石森 久嗣君    磯谷香代子君

      江端 貴子君    大西 健介君

      岡島 一正君    岡本 充功君

      金子 健一君    川越 孝洋君

      川村秀三郎君   木村たけつか君

      菊池長右ェ門君    工藤 仁美君

      熊田 篤嗣君    黒田  雄君

      小林 正枝君    小宮山洋子君

      郡  和子君    斉藤  進君

      田中美絵子君    玉城デニー君

      長尾  敬君    仁木 博文君

      初鹿 明博君    樋口 俊一君

      平山 泰朗君    福田衣里子君

      藤村  修君    細野 豪志君

      三宅 雪子君    水野 智彦君

      宮崎 岳志君    柳田 和己君

      山口 和之君    山崎 摩耶君

      吉田 統彦君    あべ 俊子君

      岩屋  毅君    鴨下 一郎君

      菅原 一秀君    橘 慶一郎君

      谷畑  孝君    長勢 甚遠君

      西村 康稔君    松浪 健太君

      坂口  力君    高橋千鶴子君

      阿部 知子君    柿澤 未途君

    …………………………………

   厚生労働大臣       細川 律夫君

   厚生労働副大臣      小宮山洋子君

   厚生労働副大臣      藤村  修君

   内閣府大臣政務官     園田 康博君

   文部科学大臣政務官    林 久美子君

   厚生労働大臣政務官    岡本 充功君

   厚生労働大臣政務官    小林 正夫君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房年金管理審議官)       石井 信芳君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  大谷 泰夫君

   政府参考人

   (厚生労働省健康局長)  外山 千也君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局派遣・有期労働対策部長)  生田 正之君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    木倉 敬之君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房総括審議官)         北川 慎介君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房地域経済産業審議官)     谷  重男君

   厚生労働委員会専門員   佐藤  治君

    ―――――――――――――

委員の異動

十月二十二日

 辞任         補欠選任

  黒田  雄君     川越 孝洋君

  田中美絵子君     磯谷香代子君

  長尾  敬君     熊田 篤嗣君

  初鹿 明博君     木村たけつか君

  細野 豪志君     小林 正枝君

  水野 智彦君     金子 健一君

  山口 和之君     菊池長右ェ門君

  山崎 摩耶君     工藤 仁美君

  吉田 統彦君     柳田 和己君

  棚橋 泰文君     橘 慶一郎君

  松本  純君     岩屋  毅君

  江田 憲司君     柿澤 未途君

同日

 辞任         補欠選任

  磯谷香代子君     田中美絵子君

  金子 健一君     水野 智彦君

  川越 孝洋君     川村秀三郎君

  木村たけつか君    初鹿 明博君

  菊池長右ェ門君    山口 和之君

  工藤 仁美君     山崎 摩耶君

  熊田 篤嗣君     長尾  敬君

  小林 正枝君     細野 豪志君

  柳田 和己君     吉田 統彦君

  岩屋  毅君     松本  純君

  橘 慶一郎君     棚橋 泰文君

  柿澤 未途君     江田 憲司君

同日

 辞任         補欠選任

  川村秀三郎君     玉城デニー君

同日

 辞任         補欠選任

  玉城デニー君     岡島 一正君

同日

 辞任         補欠選任

  岡島 一正君     黒田  雄君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 厚生労働関係の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

牧委員長 これより会議を開きます。

 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として厚生労働省医政局長大谷泰夫君、健康局長外山千也君、職業安定局派遣・有期労働対策部長生田正之君、社会・援護局障害保健福祉部長木倉敬之君、経済産業省大臣官房総括審議官北川慎介君、大臣官房地域経済産業審議官谷重男君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

牧委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

牧委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。柚木道義君。

柚木委員 民主党の柚木道義でございます。

 このたびは質問の機会をいただき、ありがとうございます。

 きょうは、B型肝炎訴訟の和解案が政府より示されておりますが、このことを中心に、細川厚生労働大臣に御質問をさせていただきたいと思います。

 資料を、三枚物をおつけしておりますので、委員の皆様、またお目通しをいただければと思います。

 私は、二〇〇五年に国会へ送っていただいて以来、薬害C型肝炎訴訟の和解であったり、あるいは肝炎対策基本法の成立であったり、そしてまた今回、B型肝炎訴訟の和解に向けて、こちらの委員会にもおられる福田衣里子議員やあるいは細野豪志議員、今はおられませんが山井和則議員という同じ党の議員を初めとして、本厚生労働委員会の今の各委員の皆様、先輩委員の皆さんとも一緒にこの肝炎問題に取り組んでまいりました。各党の委員の皆さんからも、いろいろな形で御指導、御協力をいただいてまいりました。

 そういう中、今回のB型肝炎訴訟は、民主党政権が始まる前に発生したこととはいえども、やはり現政権でしっかりと向き合っていくことが責務である、そのように考えております。

 このB型肝炎訴訟について、本年五月に、長妻昭前厚生労働大臣が政府を代表して、原告、弁護団と面会された際に、和解協議に着くことを表明されました。しかしながら、その和解表明からだけでも既に半年近くがたっております。これまでの、原告、弁護団の皆様はもとより、政府の和解に向けた御尽力、特に細川大臣におかれましては、当時も副大臣として御尽力されてこられたことは十分に承知しておりますが、現実に、原告五百十一名中八十名が重篤な患者さんで、そしてまた十名は、私も存じ上げている方もおりますが、既にお亡くなりになっておられます。原告の皆様は一日千秋の思いで和解合意を心待ちにしておられることと思います。

 そこで、まず、具体的な質問に入ります前に、長妻前大臣にかわってこのたび厚生労働大臣に就任をされた細川厚生労働大臣に、きょう傍聴にもいらっしゃっておられますけれども、原告の皆様に、今のこの時点でのお気持ちを、おありでしたら、まず御発言、御答弁をいただければと思います。

細川国務大臣 B型肝炎でその被害に遭った方々が大変苦しい状況の中におられるということは、私も重々承知をいたしております。今、裁判になっておりまして、その裁判の過程で、札幌地裁の方からは裁判官の方から和解の勧告もあり、国としても、その和解勧告に応じて今和解の協議をいたしているところでございます。

 私としては、本当に早くこの訴訟を終わらせる、そのためにも、国としては、しっかりと誠意を持ってこの和解協議を進めていきたいというふうに思っているところでございます。

柚木委員 ありがとうございます。大臣のその真摯なお気持ちは私にも伝わりましたし、きょう、各委員あるいは傍聴の席の方にも伝わったというふうに私も受けとめさせていただきました。

 具体的な質問に入ってまいりますが、その前に、昨日の参議院の厚生労働委員会でも少し財源論についてのやりとりがあったと聞いておりまして、これは、私は何か具体的にここでお尋ねをするということではないんですが、私の考えを少し触れさせていただいた上で具体的な質問に入りたいと思っています。

 確かに、閣僚から幾つか発言があったというふうにも承知をしておりますが、実際に私は、財源を言う前に思いを至らせる必要があるのではないかと思っておりまして、それは、このB型肝炎への感染というものが、これは当然私も含めて、当時予防接種を受けてきた世代のすべての身に起こり得たことだということです。そう考えれば、財源あるいは増税といった発言に対する言及よりも、むしろ、どうやってでも財源を捻出するために皆で知恵を絞ろう、そういうことになるべきだと思っておりまして、少なくともそういった視点に立って、私は以下、大臣に御質問をさせていただきたいと思います。

 まず、これまで、和解表明以降さまざまな経緯があって、そして十月十二日の、先ほど大臣が御答弁でも触れられました札幌地裁での和解協議の場で、国として、きょうパネルも用意いたしましたが、こちら、少しわかりやすくするために、資料の一枚目でございますが、それぞれの病態に応じた和解金額について表示をさせていただきました。

 皆さんの資料の一枚目でございまして、ずっと、ちょっと順番は上下前後しますが、慢性肝炎については五百万円、これは平成十八年の最高裁判決を踏まえた水準でございます。そして肝硬変についても、軽症、重症で区分が分かれておりまして、軽症については一千万、そして重症については、肝がんあるいは死亡と同水準の二千五百万。そして、国の提示案では総額として約二兆円が必要になるというふうなことの説明を受けておりまして、こちらに原告の皆様方、これは薬害C型肝炎のときの給付額と同水準でございますが、この水準で仮に支給をした場合に、これも試算ではございますが、約八兆円の財源が必要になるのではないかということで言われております。

 そこで、私はまずお尋ねをいたしますが、この和解金額が薬害C型肝炎訴訟の和解金と異なる理由について、大臣、御説明をいただきたいと思います。

細川国務大臣 和解案で提案をいたしました金額につきまして御説明をしたいというふうに思います。

 このB型肝炎訴訟におきましては、C型肝炎との違いがございます。

 一つは、まず、集団予防接種とB型肝炎ウイルス感染との因果関係がどういうふうな関係にあるか、この因果関係について相当程度の不確実なところがあるということ、それから二つ目には、B型肝炎訴訟で既に判決が出ております平成十八年の最高裁の判決、このときの損害額、この水準を踏まえるべきではないか、こういうことがまず前提としてあります。

 それに加えまして、このB型肝炎におきましては、働くことができるかどうかといった各病態の違い、あるいはまた、自然経過とかあるいは治療の効果などによりまして病態が改善するかどうかというような問題、さらには、一つの病気を状態を区分することができるかどうか、そういうことを総合的に判断をいたしまして今回の金額の提示というふうになったところでございます。

 今パネルでお示しになりました金額について、それぞれ違いますのでちょっと御説明いたしますと、慢性肝炎につきましては、因果関係の不確実性や、十八年の最高裁判決で五百万円というふうに金額が判決内容となりましたので、それを踏まえまして今回五百万円。

 そして肝硬変につきましては、これを区分いたしまして、軽症と重症に分けまして、軽症の肝硬変の方は、これは治療により病状の進行を抑えることが可能であるというようなことも踏まえまして一千万としたところでございます。

 そして次の、重症の肝硬変、そして肝がん、また亡くなった方につきましては、これは自覚症状が大変重いということ、あるいは治療の負担が大きいとか、あるいはまた労働が制限される、あるいは働くことができないとか、そういうこと。また重症の肝硬変、肝がんともに、なかなか治りにくい、予後が不良である。いずれも治療によります身体的、経済的な負担が大変重いということ、そういうことを踏まえまして二千五百万という金額を設定したところでございます。

 こういう理由によりまして、今回の金額の提案となったところでございます。

柚木委員 大臣の今の御説明を伺って私も改めて認識をいたしましたが、つまり、BとCとでの因果関係であったり、あるいは発症リスク、そういったものが和解金額の相違の論点であり、また病態の特性、治療可能性等によって金額が設定されているということで、私、少しこれは誤解を招かないようにと思うんですが、ちょうど人数の試算をしていただいております。これは薬害C型肝炎のときの実数、二十二年九月末現在での実数も調査をして入れさせていただいております。

 やはり私たちが確認しなければいけないことは、命の重さにこれは違いがないわけでございまして、人数が多いから、財源がたくさんかかるからとかいうことではなくて、あくまで因果関係あるいは病態等の、そういう科学的な根拠に基づいて和解金額の設定がなされておるものと私は理解をいたします。

 その前提に立って、しかしながら、私自身、これは、きょう、もう少し詳しい表を資料の二に御用意いたしましたが、今の大臣の御説明を伺った上で、今後これは、それぞれ二十六日には原告の方からの政府和解案に対する考え方が示され、また十二月に向けて何度かやりとりがあると思いますので、その中で検討されていくこととは思いますが、それぞれの病態に対する、和解金額ということではなくて、和解スキームの中でもう少し具体的に検討をいただくことができないのだろうかということで幾つかお尋ねをしたいと思っております。

 それは、まず無症候キャリアの方への対応でございますが、先ほど治療の可能性、発症リスク等の御説明、確かにございました。その意味で、薬害よりも金額として、政策対応ということでの対応になっているというふうに承知をしております。

 ただ、ここの中にも実は書かれておりますが、無症候キャリアの方は若くしていきなり肝がんを発症するというリスクもおありでございます。また、せんだっても直接原告の方からお話も伺いましたが、例えば就職をされるときとか、あるいは結婚をされるときとか、さらに言えば、生活の中で、そういう状況の中でローンを組むことが困難であるとか、そういう非常に精神的、社会的な苦痛を実際に受けておられます。いつ突然肝がんを発症されるかわからないという、そのような恐怖の中で日々を送られている側面もございます。

 ですから、私は、これはあくまでも私個人としての、今後のいろいろなやりとりの中での検討事項としてお考えをいただければと思いますが、例えば薬害C型肝炎訴訟の際に、慰謝料という部分があったと思いますし、あるいは弁護士費用の弁済ということも考えられたと思いますが、そういったことを、ここで私は具体的にその答弁まで求めようとは実は思っていないんですが、やはりこの和解スキームの中で、具体的な金額とはまた別に何らかの措置をお考えいただくことが可能かどうかということ。

 ぜひこれは、非常に難しいことを私は申し上げておると思います。国側にもそうですし、場合によっては弁護団、原告の皆様の方にも双方の歩み寄りを促させていただくような意味合いを持っておると思いますので、そういった議論をこの立法府の場でさせていただくことが和解合意への一つのきっかけになればと思ってあえて申し上げておりますものですから。

 大臣、ぜひこういった考え方も参考にして、今後、例えばこの無症候キャリアの場合に、その政策対応、三つのことが既に今回盛り込まれております。検査費の助成、あるいは母子感染の予防ワクチン、家族の方への接種など政策対応がございますが、そういったことに加えてのバリエーションを柔軟に御検討することで、今後の和解協議をぜひ前進させていただく、そのようなお気持ちがおありかどうか、御答弁をいただけますでしょうか。

細川国務大臣 この無症候キャリアの皆さんについてどのような形で対応していくかということについては、大変難しい問題でもございます。

 私ども政府といたしましては、キャリアの皆さんについては、一つは法律的な問題もあるわけです。やはり、法律では二十年ということで除斥期間も徒過する、こういうことでありまして、そういう法律的な問題。それから、先ほどから申し上げておりますように、C型肝炎のキャリアの皆さんと比べて肝炎を発症する割合が相当程度低いということもありまして、そこで、発症しましたら一時金をお支払いする、こういうことで御提案をいたしているところでございます。

 ただしかし、キャリアの皆さんは大変御心配もあるわけですね。委員がおっしゃられたとおりでありまして、そういうことに対しては、定期検査の費用の支給、あるいはまた新生児に対するワクチン接種など母子感染の予防医療に関する費用はこれを支給する、あるいはまた、同居の家族等に対するワクチン接種に要する費用とかいうものは、これは私どもとして政策的な対応としてやっていきたいというふうに思っております。

 私どもとしても、この無症候キャリアの皆さんに対して、救済から外すというようなことでは決してなくて、こういう政策的な対応を行うという御提案をしたわけでございます。

 今委員からいろいろな方法もあるのではないかというような、そういうことも提案いただきましたけれども、私どもとしましても、このB型肝炎の訴訟の解決につきましては、国会での御議論、国民の皆さんのいろいろな御議論も聞かせていただいて、そして国民的に納得のできるような方向で解決をしたい、こういうふうに考えておりますので、委員の御指導もひとつよろしくお願いしたいと思っております。

柚木委員 現状として、政策的な今の定期検診費用、女性、新生児の方へのそういった治療費の助成、同居の方へのワクチン等の御説明がございましたが、ぜひ大臣、今後の和解協議が進展していく中で、確かに、それこそ大変な数のキャリアの方がいらっしゃるわけですが、原告として既に訴訟で、そしてキャリアというお立場で今の和解に臨まれている方がおられますから、その方々に限ることがいいのかどうなのかということの議論もあると思いますが、やはりキャリアの方に対する何らかの措置というものを今後の和解協議の中でぜひ検討いただくこと、場合によっては御試算をいただくこと、これもお願いをします。

 続けて、これはあくまでも、私、幾つか医療機関等の話も聞いて、肝がん、肝硬変に対しても、これも同様の論点ですので具体的な答弁を求めるということでは必ずしもないんですが、やはり、先ほどお示しをした表にも、例えば肝硬変については、軽症であれば核酸アナログ製剤治療によって七割が抑制可能、場合によっては慢性化する、重症であってもその効果が認められ得る、こういうふうにございます。

 例えば、この肝硬変の方々の和解金とは別に、和解のスキームの中で、例えば今の核酸アナログ製剤の治療費上限一万円、二万円というのがありますが、和解のスキームの中ではこの治療費を、なかなかお金が、そうはいっても、決して少ない金額ではないので、重ねてやるとかなりの金額になりますから、それを、例えばその一、二という負担を無償化するとか、あるいは、肝がんについても、これは北海道なんかでも、入院に対しては毎月四万四千円、非課税世帯は負担がなし、通院については月額ベースで一万二千円、これも非課税世帯は負担なし、薬についても負担なしなど、こういう自治体による取り組みが進んでいるところもございます。

 この肝がんについても、私は、ほかのがんとの兼ね合いで、なかなか、一般施策としては非常に特別な、そういう助成をすることが困難であるということも伺っておりますが、しかし、治療法として、切除する以外にも、ラジオ波治療であったりカテーテルによる治療、抗がん剤投与なども含めて幾つかの治療法が、効果的なタイミングで治療を受ければ肝がんとなってからでも五年、十年と生存できるケースも少なくないというふうにも伺っております。

 実際に病院で話を聞くと、毎月、若い方が突然、四十以下の方ですよ、肝がんを発症して、私が聞いた病院では、月に二人ぐらいいらっしゃるそうです。ですから、そういう方もおられる中で、この肝がんについても、場合によっては、少なくとも和解の対象になる方は、一般施策とは別に和解スキームの中で何らかの治療費助成を検討いただく。

 肝硬変、肝がんについて、こういうことをぜひ今後の協議の中で御検討をいただけないかというふうに私は思っておりまして、具体的にこれについて答弁ということではないんですが、そういう選択肢もオプションとして今後の協議の進展によっては大臣としてもお考えをいただければと思うんですけれども、そのお気持ちの面をお聞かせいただけますか。

細川国務大臣 柚木委員の方から、先ほどは無症候キャリアの皆さん、そして今は肝硬変、肝がん、その具体的な進行ぐあいに応じて、それぞれいろいろな救済の枠組みの中で検討できないか、こういうことで御提案をいただいておりますけれども、委員のお気持ちもよくわかりますので、これは、これから具体的に、まず金額を提示いたしましたので、これから原告の皆さんと国とで具体的な協議を煮詰めていく段階において、いろいろな御提案につきましては御検討もさせていただくことになろうかと思います。

柚木委員 ありがとうございます。最後のところを非常に私も重く受けとめさせていただきました。

 今の段階では、確かにまだ、国が案を示して、これから原告、弁護団の方とのやりとりとなっていきますから、多分具体的な言及は難しいんだろうと私も理解をしておりますので、今後のやりとりの中で検討していきたいということでお答えをいただきましたので、ぜひそこのところを強くお願いしたいと思います。

 時間が迫ってまいりましたので、少しはしょるところも含めて進めていきたいと思います。

 救済対象者の証明方法についてでございますが、国側の主張によりますと、予防接種を受けたことの証明として接種痕を必要としていること、母子感染ではないことの証明として複数の兄弟の血液検査結果が必要であることなど、求めておられますが、私は、今後のまさに協議の中で原告の方の主張も受け入れて、そして救済対象者の証明方法について緩和をする考えについても、ぜひこれはお考えをいただきたいと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

岡本大臣政務官 柚木委員から、今、B型肝炎の原告団の皆様方からの主張を踏まえた上で、国として予防接種による感染であったという証明を少し緩和できないか、こういう御質問がありました。

 私自身も、この平成十八年の最高裁判決を大変重く受けとめておりまして、こういった判決が出るまでもなく、本当に予防接種で、集団予防接種でB型肝炎になられた皆様方がいるという事実、これを国としても重く受けとめていかなければいけないというふうに考えていますが、今御指摘がありましたように、本当に予防接種、集団予防接種によって感染をしたのか、もしくは、そうでなくて、B型肝炎になられている患者さんすべてを救済するのかというと、これはちょっと話が違ってくるというところがありまして、やはり因果関係を一定程度明らかにしていくというのが国民の皆様方の御理解を得る上で重要ではないかというふうに考えております。

 そういった意味で、どういった方法で集団予防接種によるB型肝炎だというふうに証明できるのかということについては、また柚木委員からもちょっと御提案なりアイデアをいただければと思っておりますが、そういった実務的な面については、私の方で関係部局、事務方と協議をしております。そういった意味で、また委員の方から前向きな御提案をいただければと思っております。よろしくお願いします。

柚木委員 時間がないので最後にということで、今の点も含めてちょっと最後に大臣にお答えいただきたいんですが、今、岡本政務官の方から御説明いただきました。ただ、もともとの和解勧試の中に、救済範囲を広くとらえることとの相関で和解金額を合理的な水準で設定する方向性も示されておりますから、ぜひその和解協議全体のパッケージの中で今後議論を進めていただきたいということを、この後もう一つだけ最後に大臣にお尋ねしますので、これは大臣の見解としてぜひお示しをください。

 最後に、やはりこのB型肝炎訴訟問題は、何といっても原告の方の救済が最重要な視点であることは言うまでもありません。一方で、予防接種が果たしてきた役割を考えると、きょう私たち皆が分かち合う問題として取り組んでいく必要があると思っておりまして、その意味では、政府内においても協議をいただくということはもちろんのこと、この立法府の国会の場で積極的に議論を進め、一刻も早い解決ができるように、私ども、皆さんと一緒に尽力をしてまいりたいと思っております。

 その意味で、大臣、冒頭にも申し上げました、原告の方の多大なる御苦労、そして既にお亡くなりになっている方々、その御家族、そういった皆様のこともお考えをいただいて、何とか年内和解合意に向けてお取り組みいただける決意を、最後に、全国の原告、御家族の皆様にお示しをいただきたいと思います。和解対象者の証明方法の部分についても一言御言及をいただいて、最後の御答弁をお願いいたします。

細川国務大臣 和解のテーブルに着いてからも時間もたっております。そういう意味で、私としては原告団の皆さんのお気持ちもよくわかります。そういう意味で、早くこの和解を合意に持っていくということが大事だと思っております。政府といたしましては、基本的な合意はできるだけ早く、この年内にでもというふうに思って、私どもは誠意を持ってこれに対応してまいりたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

 また、この和解が成立するに至るには国民の皆さんのいろいろな御理解も必要でもございますので、国会の中での御議論ということもぜひよろしくお願いをしたいというふうに思っております。

柚木委員 どうもありがとうございました。

牧委員長 次に、仁木博文君。

仁木委員 民主党の仁木博文でございます。

 まず冒頭に、細川大臣初め諸先生方、このたびの御就任おめでとうございます。

 きょうはまず冒頭に、菅総理もさきの所信表明演説の中でもおっしゃられました平成二十二年度補正予算のこと、特にワクチンに関することについてお聞きしたいと思います。

 私も臨床の場で、子宮頸がん、患者さんに接してまいりました。治療はうまくいっている、手術も終え、状況はいいのにもかかわらず、病室に行くと泣いていらっしゃる。近々結婚する予定だったんですけれども、子宮頸がんの治療において子宮を摘出せざるを得なくなって、子宮がなくなった、つまり赤ちゃんが産めなくなった、そして婚約を破棄されたということで、私は自分の無力さを切に感じて、こういった患者さんがもう多く発生しないような状況をつくりたい、そういう思いもあって臨床の場にいました。

 そして、このたび、この子宮頸がんというのは、HPVワクチン、ヒトパピローマウイルスの主に16、18型というものが原因しているというふうに言われていますけれども、それに対するワクチンというのは世界で先行されて承認されておりまして、我が国でも昨年十月に承認という運びになりました。

 今回、その補正に組み込まれているHPVワクチンのことでございますけれども、まず冒頭に、この問題に関しましては、公明党の先生方そして自民党の先生方も取り組んでこられました。さきの七月二十一日、前長妻厚生大臣のもとに二十三団体、小宮山副大臣も一緒に行っていただいたんですけれども、要求の方に伺いまして、八月二十六日、この日は当厚生労働省、来年度の概算要求が発表された日でございますけれども、その二十三団体、陳情、要望に伺った団体を厚生労働省の大臣室にお招きいただきまして、説明をいただきました。

 まさに、こういうことで、この時点の段階でも来年度の百五十億円、この概算要求が組み込まれたということで、これは画期的なことであったと思っております。つまり、過去のワクチン行政の副反応、副作用において、訴訟問題も控えて、何もしない、あるいは事なかれ主義がはびこっていましたワクチン行政において画期的な変化であったと思いますが、このことをまず冒頭に、細川大臣、御見解なりをいただきたいと思います。よろしくお願いします。

細川国務大臣 ワクチンにつきましての行政がしっかり取り組まれていくということは、これは国民の皆さんにとって幸せの実現ということについて大変大事なことだというふうに思っております。そういう意味では、今お話がありました来年度の概算要求にそのことが盛り込まれたということは、これは本当に私もうれしく思ったところでございます。

 しかしまた、さらに進めて今度の緊急総合経済対策においてまた取り組む、こういうことにもなりまして、十月の六日に厚生科学審議会の予防接種部会におきまして、早くこれに取り組め、こういうことも御提言いただきましたので、この緊急対策でまた実施をしていく、こういうことにもしたところでございます。

仁木委員 まさに、今大臣おっしゃったように、ワクチン行政において変化が確実に芽生えた、そういうふうに認識して、私たちもこれから取り組んでいきたいというふうに思っております。

 そして、この問題でございますけれども、概算要求のときにもいろいろ問題になりましたけれども、今回の接種方法についてお聞きしたいと思います。

 まず、対象年齢であるとか、あるいは予防接種をどのような方法、集団接種なのか、あるいは各医療機関に行って受けていただくのか。

 これはお聞きしますと、国と地方がこの予防接種事業を行うに当たっての基金を用意しまして折半、つまり二分の一、二分の一の負担でやっていく。そして、具体的には自治体の方の方針という形でございますけれども、国としての具体的なあり方、あるいは過去の例、海外もそうなんですけれども、公的な助成をするに当たっても、やはりキャンペーンを張っています。つまり、啓発活動して、この予防接種をすることによって病気にならない。例えば子宮頸がんでございましたら、このHPVワクチンを施行すると七〇%以上がんが防げるというふうなことも科学的に証明されていることでございます。

 こういった具体的な内容について御説明いただければ、お願いします。

岡本大臣政務官 今御質問いただきました子宮頸がんの予防についてでありますけれども、ワクチンをどのように具体的に接種をしていくかということにつきましては、これからの議論ということになろうかと思っています。補正予算の編成作業もこれから段階を追って進んでいくと思われますので、そういった中で先ほどお話をされたような話が詰まっていくのかなというふうに思っています。

 もう一つの普及啓発の話ですけれども、やはり子宮頸がんはワクチンだけで事足りるわけではありません。委員も御承知のとおり、もう一つは、やはりがん検診を受けていただくというのは非常に重要になってまいります。

 また、昨日の参議院の厚生労働委員会でもお話をさせていただきましたけれども、実はこのワクチンについても、先ほど委員からお話がありましたHPV、パピローマウイルスの中でも、二種類の型については入っているけれどもそれ以外の型については入っていないという事実をやはりお知りをいただかなければいけない。それ以外でもがんになる可能性があるとか、また、このワクチンの接種を何歳でするのが適当であり、結果として何年この抗体価がもつのかということもまだ議論が続いている中であります。

 そういう意味では、WHOで推奨されているということも踏まえ、また、先ほど来さまざまな皆さんからの御意見が出ている、また予防接種部会からの御提言があったというようなことも大臣からお答えいただきましたけれども、こういったことを含めて総合的に勘案する中で、今回、ワクチン事業について政府として一歩進めていこうという決意に至ったところでありまして、これからの議論の中でぜひ委員のお考え、お知恵もおかしいただきたいと思っております。よろしくお願いします。

仁木委員 ありがとうございます。

 そしてまた、予防医学ということに力点を置きますと、私は、先ほど子宮頸がんワクチン、HPVワクチンのことについて申し上げてきましたけれども、やはり細菌性の髄膜炎を予防するということで、ヘモフィルス・インフルエンザb桿菌に対するワクチン、いわゆるHibワクチン、そして肺炎球菌ワクチンの方も有効性がかなり高いと思っております。

 私の友人も小児科医が多くいるわけでございますけれども、ずっと続く高熱、頭痛があったり、あるいは症状がおかしいということで深夜に来られて、そして、確定診断のために、ここを麻酔して、腰椎の部分に針を刺す。これはなかなか子供さんに対してするというのはリスクを伴うものでございますし、小児科はちょっと嫌だなという声も聞いております。

 また、それ以上に、こういった予防接種をすることで、細菌性の髄膜炎になったり、あるいはひどい敗血症になって、将来障害の残るような子供さんたちをつくらないという意味でも大切でございまして、あのアメリカでも、就学前の要項として、いわゆる必要項目として予防接種を受けさせるようなことも事業として国家的になされているということもあります。

 そういうことで、今回の概略ですけれども、Hibワクチン、そして小児用肺炎球菌ワクチン、これもやはり、私は、先ほど岡本政務官がおっしゃられましたけれども、国としての接種に当たっての具体的なガイドライン等々を、これはWHOの御意見もそうですし、あと、先進諸国を初め、先行している国の事例も参考にしていただきたいと思うんですけれども、やはり何らかの形で実施者、いわゆる地方の方にしっかりとお示しするのが望ましいと思います。

 そして、そのこととあともう一点は、今の段階でどれくらいの予算を見込んでいるのか、個々にわかるのでございましたらお答えいただきたいと思います。

岡本大臣政務官 委員が御指摘の小児の髄膜炎、私も実際何人かを診させていただくことがありましたし、症状も大人と違って必ずしも典型的でないとか、先ほど言われましたけれども、髄液検査をするときのリスクだとか、本当に難しい思いをした記憶があります。

 そういう意味で、予防接種で防げるものであれば防いでいきたいなという思いは委員と重なるところがあるわけでありまして、今回、先ほどもお話をしました、予防接種部会での三つのワクチンに対する提言を踏まえて補正予算の中に盛り込むことができないかということを今協議しています。

 対象となる年齢をどのように設定するか、また接種回数をどうするのか、こういったこともありますし、また今後の議論となってくることとしましては、きのうもこれまた参議院の厚生労働委員会でもお聞きになられた方が見えましたけれども、一体どのくらいのワクチンの単価を見込むのかということによっても予算規模は変わってくる。それから接種率がどうなるのか、こういったこともちょっと見ていかなければいけないだろうというふうに思っています。

 そういう意味で、これから進んでいく補正予算の議論の中でこのトータルの金額というのも決まってくるんだろうとは思いますが、いずれにしましても、予防接種の事業が国民の皆様方の御理解を得て普及していくということを望んでおりますので、ぜひ委員にも御協力をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

仁木委員 ありがとうございます。

 まさに、例えば、薬剤と申しましても、やはり共同そして大量購入すると単価も落ちてきますし、これは国としてこのワクチン事業を継続していくということでありますと、より有利な立場でまたそういう交渉もできると思っております。

 そして、このことは、今回の予算はおおよそ二年分の基金を積み立てるということでございましたけれども、私、この問題に関しまして、前体制のときにも質問させていただきました。そういう中におきまして、前長妻厚生労働大臣は、日本版ACIPの設立も考え、そして、そういう中でこういう予防接種のことを普及していくと。

 それで、今、細川大臣の方からも予防接種部会の意見書のことを言われておりましたけれども、やはり私は、二年後のお話を考えてみましても、これは子宮頸がんワクチンやHibワクチン、そして肺炎球菌ワクチンのみならず、他のワクチン、今六種類も上がっておりますけれども、予防接種法を将来的には抜本改正した上で、やはり未病というか、予防医学というものが、ある種これは国家的な安全保障というふうな概念も持ち込んでやるべきではないかと。個々の国民がいつまでも健康でいられる、そのために先に先行投資するというのも、この一次予防の最たる、ワクチンというのは効果的なものでございますので、そのことも取り組んでいただきたいというふうに思っております。

 このことに関しまして、御意見をいただきたいと思います。

岡本大臣政務官 今委員が言われました、アメリカのACIPを参考にしてという話です。独立性が高いとか、その実施の予算についても一定程度の権限を持っている等、その内容については日本と違うなという部分もありますが、しかし、今お話をしました予防接種部会も、そういう意味では、昨年からスタートしたところでありまして、我々としても、この予防接種部会、これまでの審議を見ながら、先ほど委員から御指摘がありました、委員は予防接種法を改正するべきだというお立場ですけれども、そういったことをどうするのかということも含めて、これからその部会での審議を見ていきたいというふうに思っております。

仁木委員 前向きな御意見も期待しておりましたが、またよろしくお願いします。

 さて、配付させていただきました資料でございますけれども、一枚目をめくっていただきまして、これは子宮頸がん征圧をめざす専門家会議、鈴木教授からいただきました資料でございますけれども、自公政権のときにできました子宮頸がん検診無料クーポン、これは主に乳がん検診と子宮頸がん検診がセットになっておるものでございます。

 まず、この上のデータは、八百九十四の自治体に調査をしまして、これだけ利用されたというデータが出ております。これは棒グラフでも示されていますように、やはり若い女性の方の受診率は、幾らただで受けられるということがあったとしても低いという現状は浮き彫りになっております。

 その下のデータ、これは母集団五百三十四自治体ということで、一部かぶっておる自治体もあるんですけれども、ちょっとデータは少なくなりますけれども、ただ、注目していただきたいのは、やはり若年者、つまり二十代、若い人ほどこのクーポンによって受診率が飛躍的に向上しているというデータでございます。もちろん、これは全国の自治体ではないですから、一〇〇%ということは言えませんけれども、無作為抽出した五百三十四の自治体においてこういう結果が出ている。

 先ほど、子宮頸がんはワクチンで七〇%予防できるということを申しましたけれども、やはり、がん検診とセットにおいて初めてこの子宮頸がんという病気で命を落とす人が出なくなる。あるいは、先ほどの私の臨床の経験じゃないですけれども、命は助かった、しかし、子宮がなくなったりして、妊孕性、つまり赤ちゃんを産めなくなるような状態になってしまっているという方が年間一千人もいるんです。こういった方を防げる。これはまさに、やはりセットで、このがん対策も国としては講じていただきたいと思うものでございます。

 ちょっと説明も兼ねていただきながらお答えいただきたいんですけれども、これは当初、平成二十一年度、二百十六億円の事業でございました。民主党政権になってというか、今年度、二十二年度は七十六億円。これは地方でいいますと、民主党政権になってこの予算を削られたということがあるんです。これも私、説明していただきますけれども、国と地方が折半して、二百十六億円は初期の事業でやるから最初の設備投資が大きいんだという形でございましたけれども、そういったことも踏まえてこのことを説明していただくのと、つまり減っていないということですね。

 それと、この事業はすばらしいと思いますので、今後とも蓄積、継続していくということをお答えいただきたいと思います。よろしくお願いします。

岡本大臣政務官 減っていないということは後ほど健康局長の方に答弁させますけれども、がん検診が重要だ、子宮頸がんに対してはがん検診。それ以外も、検診の有用性についてやはりエビデンスを出していくということは重要だと思っていますし、私たちもそういった方向性で予算の作成に当たっているところでありまして、委員御指摘の、国民の皆様方に検診を受けていただこうという取り組み、いろいろアイデアを省内でも出しています。私も、きのう事務方と議論をする中で、こういうアイデアはどうだというようなアイデアを幾つか出しましたけれども、それが実現をするかどうかは別として、さまざまな方法を使って、がん検診の重要性を国民の皆様方にお知らせをしていきたいと思っています。

 事業の詳細、金額については、今から健康局長が答弁します。

外山政府参考人 事業の予算額の推移でありますけれども、先生御指摘のように、本事業は、平成二十一年度の一次補正予算では、起爆剤として補助率が十分の十であったため、予算は二百十六億円でありましたけれども、制度普及という目的は達せられたこと等により、平成二十二年度におきましては、既に交付税措置されている検診費を控除した、二〇%分でございます。それで、次に、市町村に応分の負担を求めることとし、補助率を十分の十から二分の一としたということで、予算は七十六億円となったところでございます。

 ただ、市町村の負担分につきましては、総務省から地方交付税が講じられているところでありまして、事業の対象者の考え方や検診方法等は昨年度から何ら変わっておりません。事業内容が後退するものではありません。来年度の二十三年度でございますけれども、同様に七十三億円要求しておりまして、これは対象の人数が若干減ったためでございまして、考え方は堅持しております。

仁木委員 ありがとうございます。

 御指摘のように、やはり予防医学というのは大切でございまして、ワクチンを中心とした一次予防、検診を中心とした二次予防、そして病気になられた方が悪化しなかったり、がんの再発を防ぐような三次予防が大切だと思っておりますけれども、こういったことも新しい政権のもとで継続して、そしてまた新たに、常に改革をしながら進めていってほしいと思っております。

 皆さん、ちょっとこの三枚目の資料なんですけれども、これは、年度で一九八三年以降の臨床の場、医療の場で必要不可欠な輸液の値段、薬価の推移をあらわしておりますけれども、軒並みこういう形で減っております。

 ことしはかなりの猛暑で、熱中症で三万人以上の方が病院に搬送され、そして二百人以上の方々が命をなくされたというようなデータも出ておりますけれども、皆さん、熱中症は、軽いときは水分補給しますけれども、ある程度重くなると水分だけでは不十分でして、やはりイオンを含んだり糖分を含んだりした、こういったスポーツ飲料等をとることが理想だとされております。これは私、きょう、議員会館の地下のコンビニで買いました。幾らか。百四十七円。ところが、皆さん、これを見てください。医療の現場で、熱中症、救急車で運ばれて、まずしなきゃいけない点滴も、リンゲル液を含めた輸液、軒並みこの値段でございます。

 それで、次の資料をめくっていただきたいんですけれども、軒並み、こういった輸液製剤をつくる国内企業も減っております。私の地元に、日本のシェアナンバーワン、世界ナンバースリーの会社がありますけれども、先日、見学も行きました。重層な設備投資をして、パックまで環境に優しいもの、そして医療過誤が起こらないような形に改良してつくっているんですけれども、そういうことが評価されずにどんどん下がってきている。だから、新規参入する製薬会社は少なくなっております。

 こういう現状があるということも、ことしは診療報酬の改定で、医療全体としては〇・一九%上がりました。しかし、薬価はその裏腹に一・二三%引き下げられております。こういったこともありますけれども、やはり最低限の医療をするために必要なこういった薬剤は、その供給源を日本国内でしっかりできるような状況というのはやはり国としてもつくっていただきたいということを改めてお願いしたいと思いますけれども、そのことに対する御意見をよろしくお願いします。

岡本大臣政務官 先生御指摘の輸液製剤についてでありますけれども、輸液製剤は、確かに医療の現場において必要不可欠でありまして、今委員御指摘の、いわゆる熱中症だけではありません、さまざまな医療に関する点滴、そのもととなるものでありまして、これは必要性の大変高い製剤ということになると思っております。

 そういったものの中でも、残念ながら、今お話がありました、薬価の改定の折には基本的に実勢価格を基本にして見直しを行っている関係で、その実勢価格を見ていると、原価とそして実勢価格、この比を見ている中で、いわゆる薬価が原価を下回るというような状況の薬剤が見受けられます。これを不採算品と呼んでおりますけれども、この薬価の引き上げを行っているところでございまして、実際に輸液製剤については一部が二十二年度でも引き上げられたというふうに承知をしております。したがって、委員御指摘のこの資料も若干最後が、二〇一〇年が、本当に微々たる十数円でありますけれども、引き上げられました。

 このような医薬品の重要性をかんがみつつ安定供給を図っていくということが重要でありますし、今後、医療上の必要性や不採算の程度をしっかり調べて、その薬価がどのようにあるべきなのか、検討はしていきたいというふうに思っております。

仁木委員 ありがとうございました。

 まさに、前政権、鳩山政権も、命を大切にする政治ということを強く強調されておりましたし、今回、菅政権になりましても、強い財政、強い経済、そして強い社会保障。この社会保障こそ、やはり国民の命と健康を守る大切なことでございますし、国民一人一人が最後の最後まで幸せでいられる国家の建設に向かって、この厚生労働行政の中、ともに頑張っていきたいと思います。

 お答え、どうもありがとうございました。

牧委員長 次に、大西健介君。

大西(健)委員 民主党の大西健介です。

 細川大臣を初め新政務三役の皆様に対する質問の機会をいただき、まことにありがとうございます。

 さて、大臣は、先日の所信的あいさつの中で、新卒者の雇用対策の一層の強化を示されました。また、小宮山副大臣からは、最近の厚生労働委員会は労働問題に対する質疑が少ないというような御発言もありました。

 そこで、本日は、まず、内定辞退の強要についてお伺いをしたいというふうに思います。

 お手元に資料を配付させていただいております。

 皆様、資料の一をごらんください。これは、会社名は隠してありますけれども、ある会社の入社前合宿の案内です。二ページ目をめくっていただきたいんですけれども、二ページ目に下線が引いてあります。社員三誓を三十五秒以内で言えない場合は帰宅をしてもらいます。さらに、合宿中の課題に合格できない場合は入社する意思がないものと判断し帰宅してもらいますとも書いてあります。普通に私たちが入社前研修ということで想像する研修とは大分異質なような感じがいたします。

 次に、資料の二というのをごらんいただきたいんですが、これがその社員三誓というものです。この会社のホームページにも載っているんですけれども、これをどなたか政務三役の方に読んでいただきたいなというふうに思うんです。大変失礼なこととは思うんですが、申しわけありませんが、小林政務官、ちょっとお読みをいただくことはできますでしょうか。

小林大臣政務官 議員から、昨日、ある会社の社員三誓という、三つの誓いという意味ですけれども、これをいただきました。これを三十五秒で読めるかどうかというのは、事前にどれだけ練習するか、そういうことにもかかってくると思いますので、一概に、三十五秒で読める読めない、こういう判断はなかなか難しい、このように思います。

 できれば、政府参考人の方に読ませたいと思いますので、御理解いただきたいと思います。

大西(健)委員 では、政府参考人で結構です。

生田政府参考人 委員からいただいた資料を読み上げさせていただきます。

 一つ、私は人と会話することが大好きな社員となります。そのために人に好意を持ちます。人を喜ばせることが自分の喜びと思います。いつも明るい笑顔で自分から積極的に話しかけます。また常にプラス思考で、自分と会話すれば相手が明るく元気になれるよう働きかけます。

 一つ、私はみずから進んで仕事を覚える社員となります。そのためにマニュアルをしっかりと覚えます。常に向上心を持ち新しい仕事に取り組みます。またどんな仕事を頼まれても、自分を成長させるチャンスと考えて喜んで引き受けます。

 一つ、私は社会人としての基本を身につける社員となります。そのために早寝早起きをします。手洗いうがいを徹底し、バランスよく食事し、体調管理に気を配ります。毎日、新聞、本を読み知識を深めます。また交通ルールやエチケットを守り健全な社会生活を送ります。

 以上。(発言する者あり)

大西(健)委員 私もはかっていましたけれども、今あったように四十三秒かかっていたと思います。きのう来られた厚生労働省の役所の方が部下に読ませたら、今大分早口だと思うんですけれども、一分十秒かかったというふうに言っておられました。これを三十五秒で暗唱するというのは、本当に至難のわざではないかなというふうに思います。

 この社員三誓試験というのに合格できないと、いろいろな形で精神的に追い詰められて、そして最終的には白い紙とペンを渡されます。それで、今から言うことを書いてくれというふうに言われるんです。

 これはちょっとお配りはできなかったんですけれども、私の手元に内定辞退届というのがあります。これは、実際に当事者の方からいただいたものです。一部ちょっと読ませていただきます。

 私は、貴社より、平成二十二年四月一日付採用の内定をいただいていましたが、一身上の都合により辞退いたします。なお、貴社に対し、何らの権利や請求権を持っていないことを確認いたします。平成二十二年三月二十五日。

 本当に、入社直前の三月二十五日に書かれているんです。本当は見ていただきたいんですけれども、非常に字も乱れています。当時の精神状態というのがうかがい知れますけれども、私の感覚では、これはもう内定辞退の強要、内定取り消しと同等のものというふうに思います。

 そこで、厚生労働省にお伺いをいたしますけれども、事前の通告では具体的な会社名もお伝えしてお願いをしておりますけれども、本件に関して、労働局に対して、例えば大学のキャリアセンターとか就職課からどれぐらいの報告だとか抗議が寄せられているのか、それから、もし内定辞退者の数をこの件に関して把握しておられれば、その数を端的にお答えいただきたいというふうに思います。

生田政府参考人 お答えいたします。

 恐縮でございますけれども、個別企業の事案につきましてはお答えが難しいということで差し控えさせていただきたいと考えております。

 ただ、一般論を申し上げますと、本人や学校のキャリアセンターなどからの申し出などによりまして、本人の意思に反して内定の辞退を強要するというような事例を把握した場合につきましては、ハローワークを通じまして、本人から詳細な事情を伺うということと、企業に対しましても詳細に実態把握を行うということで事実関係を明らかにするということにいたしております。

 なお、内定取り消し案件として私どもが把握している事案の相当程度につきまして、学校からの報告を端緒としているものでございまして、こういった案件につきましては調査をするというのが普通でございます。

大西(健)委員 個別案件にお答えできないということなんですけれども、私は、この案件自体、例えば労働局がこの会社からどういう聞き取りをやったかとか、そういう調査の中身が答えられないというのはわかるんですけれども、ただ、私は、実際に大学の就職課とかキャリアセンターからどういう報告があったかということは情報としていただいているんです。ですから、数も答えられないというのは、民主党政権になって政治主導になったわけですから、それで政務三役の皆さんが直接こうやって答弁に立たれるわけですから、案件の中身そのものはいろいろな処分に予見を与えるということで答えられないといっても、数ぐらいはお答えをいただきたいなというふうに思いますが、時間もありませんので、これ以上はきょうはこの問題についてはお聞きしません。

 しかし、会社は、ある大学に対してこう言っています。内定辞退は二十人を超えるけれども、内定辞退届を書いたのはあくまで本人であり、辞退は自発的なものなので問題がないというふうに主張しているんです。しかし、入社直前に、さっきの辞退届、二十五日の日付です、二十名を超える内定者が辞退をするというのは、やはり社会通念上考えて、私は普通のことではないというふうに思います。

 そこで、個別案件ではなくて、あくまで一般論としてお伺いいたしますけれども、とにかく、自署による、自分の手で書いた内定辞退届さえあれば、辞退というのは自発的なものであって強要ではないと言えるのか、それとも、内定辞退届が書かれた場合であっても、状況によっては内定取り消しと同等と判断されることがあり得るのかということについて、一般論として小宮山副大臣にお伺いをいたしたいと思います。

小宮山副大臣 内定の辞退を学生に求めること自体は内定取り消しには該当いたしませんが、今お話にあったように、本人の意思に反して内定の辞退を強要するようなことというのは決してあってはならないことだと思っています。

 そういう不適切な事例があって、本来は内定取り消しとして扱うべきものと認められた場合は、ハローワークが事業主に対して撤回に向けた指導を行うということ、また、内定取り消しを行った学生生徒からの補償等の要求に対して誠意を持って対応する旨の指導を行う、こうしたこととともに、内定取り消しを受けた学生生徒に対しまして、ハローワークで個別の担当者による就職先の確保に向けた支援などを行うことにしております。また、内定取り消し事案のうち、企業名等の公表要件に該当する事案がある場合には公表することとしております。

 先ほどの委員の御質問に事務方が答えませんでしたけれども、件数自体はお答えできますので、私の方からお答えをいたします。

 内定取り消し案件の相当程度が学校からの報告を端緒として上がってきております。平成二十二年三月卒業者の内定取り消し案件六十三件のうち、学校からの報告を確認している件数は十八件でございます。案件把握の端緒といたしまして、学校からの報告が十八件、生徒、保護者からの報告が五件、企業からの報告が十六件、その他、倒産等によりまして五件、不明が十九件、合わせて六十三件となっております。

大西(健)委員 今副大臣からあったのは、全体のということだと思います。私が聞いたのは、実は、この個別案件についての件数ということだったんですけれども。

 今お答えをいただきましたように、そういうことがあれば、しっかりと労働局において指導や、あるいは、悪質なというか一定の条件に該当する場合には企業名の公表等も行うということでありますけれども、実は、この該当する会社は今何と言っているかというと、企業名の公表もないんだ、それから、労働局からも指導も現状のところないんだ、だから全くこれは内定辞退の強要には当たらないし、内定取り消しにもならないんだということで強弁をされているんです。お墨つきをいただいたというような言い方までしています。これで本当にいいのか。

 この件について、もし細川大臣の方から御感想があればいただきたいと思うんですけれども。

細川国務大臣 内定取り消しは、本人の意思に反して内定を取り消した、合理的な理由がなければ、これは決して許されるものではないというふうに思っております。

 そして、悪質な場合は公表する、こういうことになっておりますけれども、公表しないからといって、その内定取り消しが間違っていなかったというような、そういうお墨つきを与えるものではないということは、はっきり申し上げたいと思います。

大西(健)委員 今大臣の方から、公表されていないから問題ないなんということはないんだということをはっきりと言っていただきましたので、非常に心強く思います。

 ただ、失礼な言い方ですけれども、私は、労働局は今完全になめられていると思っています。政府が幾ら新卒者の雇用対策の強化とか、内定取り消し問題にしっかり対応するんだと言っても、こうした悪質な事例に対して毅然とした姿勢を示すことがなければ、それはやはりかけ声倒れに終わってしまうと思います。

 そういう意味で、次、資料の四というのをごらんいただきたいんです。これが、先ほど小宮山副大臣にお答えをいただいた内定取り消しの状況なんですが、大学生等で九十八人、これはやはり私は氷山の一角じゃないかなというふうに思いますし、また、中ほどのところに、企業名の公表対象となる事案はなかったということになっているんです。この年度で公表対象になるのがなかった。これは本当なのかなというふうにやはり思わざるを得ないんです。

 ですから、内定取り消しへの社会の批判が高まっている中で、企業の方も、公表されると非常に企業イメージのマイナスになりますから、内定取り消し事案が表面化しないようにいろいろなことをやっています。お金を渡したりとか、おどしたりとか、いろいろなことで巧妙化してそれを隠そうとしていますので、私は、こういう内定取り消しに当たるような事案に対して、やはり労働局が積極的な姿勢でしっかり取り組んでいるんだということを示すことが非常に重要だというふうに思いますけれども、人権派弁護士として、また労働行政に大変お詳しい細川大臣から御決意をいただきたいというふうに思います。

細川国務大臣 内定取り消しというのは、大学で一生懸命勉強して、そして卒業して社会に出るときに、就職をしようと希望に燃えて内定を受けた、その人が途中で内定の取り消しに遭う、こういうことは、当人にとっては本当に大変なことだというふうに思います。

 私は、その内定取り消しに合理的な理由がないような場合には、これはもう決して許されることではない。やはり、若者をしっかりそこで守って、そして社会にスムーズに出ていくということが望まれると思います。だからこそ、内定取り消しについてはしっかり監視もし、指導もしていかなければというふうに思っております。

 以前に、国会の方で、内定取り消し防止法案でしたか、そういうような法案なども議員立法で出したというような経過もありまして、私としては、この内定取り消しについては政府としてもしっかり取り組んでいきたいというふうに思っております。

大西(健)委員 ありがとうございます。大変強い御決意をいただいたというふうに思います。

 時間がありませんので、次の問題に移りたいと思うんですが、所在不明児について質問したいと思います。この夏、消えた高齢者というのが大きな社会問題になりましたけれども、消えた子供の問題です。

 資料五の新聞記事をごらんいただきたいのですが、これは毎日新聞の調査であります。住民票を移さないまま転居するなどして、行政機関が安否や所在を確認できない零歳から三歳児までの乳幼児が延べ三百五十五名に上るということがわかりました。今回の調査対象は総人口の二割程度ということでありますので、単純計算をすると、全国で約千七百名の住民登録地に住んでいない、そして乳幼児健診等も受けていない、そういういわゆる消えた子供というのが存在をする可能性があります。

 行政のチェックが行き届かない子供がこれだけいるというのはやはり危機的なことだと思いますし、大阪市西区での乳児虐待死遺棄事件でも、母子は住民票を移さないままに各地を転々として、乳幼児健診を受けた記録もありませんでした。

 この消えた子供の問題について、厚生労働省としてこれまでどのような対応をとってこられたのか、小宮山副大臣にお伺いいたします。

小宮山副大臣 私も、委員と同じような問題意識を持っております。

 そして、厚生労働省といたしましては、子ども虐待による死亡事例等の検証結果等、この第六次の報告におきまして、乳幼児健診の未受診は児童虐待のリスク要因の一つとして挙げられておりまして、未受診者への受診勧奨、家庭訪問などによりまして子供の状況の確認を行うべきと提言をされております。

 これを踏まえまして、自治体に対して、未受診者の把握と訪問などによる受診勧奨を徹底し、受診勧奨してもなお未受診の状態が続いている場合には、児童福祉担当部署、また要保護児童対策地域協議会の調整機関などを交えて対応を検討いたしまして子供の状態の確認を徹底するよう、平成二十二年七月二十八日に「児童虐待防止対策の推進について」というところでこのように通知をしているところでございます。これは児童虐待の面からの一つの対応ですけれども、今このような取り組みをしています。

 なお、乳幼児健診の受診率ですけれども、平成二十年度全国平均で、一歳六カ月、一歳半の子供は九三・七%、また三歳児は九〇・八%というかなり高い率を示していると思います。けれども、議員御指摘のような問題があるところは把握をしておりますので、今後も乳幼児健診の未受診者の把握について、自治体にはしっかりと働きかけをしていきたいと思っています。

大西(健)委員 虐待の問題に関して、乳幼児健診の未受診については調査をやっていただいているということはよくわかりました。ただ、住民登録地に住んでいなければ、そもそも乳幼児健診の受診を確認することもできませんし、私は、個人的には、やはりぜひ国が、住民登録地に住んでいない消えた子供について、今回の毎日新聞の調査でも、実は、都市によってはデータが全くないというところもありましたので、親との接触方法とか追跡方法とか、そういう統一的な指針を決めた上で、国として調査をしていただきたいなというふうに思います。ちょっと時間がありませんので、ここはもう答弁は求めませんが、ぜひお願いをしたいというふうに思います。

 最後に、フィリピンでの戦没者の遺骨収集事業について質問をさせていただきたいと思います。

 先日、NHKが放送した番組の中で、国の委託を受けてフィリピンで戦没者の遺骨収集を行っているNPOの活動について、収集した遺骨の中にフィリピン人の遺骨が含まれているんじゃないかという疑いが報じられました。

 この報道を受けて、厚生労働省の方でいろいろな対応を考えておられるというふうに聞いておりますけれども、まず、このNHKが報じた疑惑をどう受けとめられているのか。そのとおりだと思うのか、いや、それは全く違うんだというふうに思われているのか。それから、それを受けて、この事業が今どんな状況にあるのかということについて、岡本政務官にお伺いをしたい。

岡本大臣政務官 今御質問のありました、報道等でフィリピンにおける遺骨収容事業に対する問題、こういったものが提起をされていることは承知をしております。

 さきの大戦で、フィリピンにおいて亡くなられた方は五十一万八千人とされており、遺骨の収容数は十四万二千二百三十二柱、今なお未送還の遺骨数は三十七万五千七百六十八柱ということになっておりまして、こういった本当に国のために亡くなられた皆様方を一刻も早く日本にお迎えをするということは大変重要だというふうに考えております。

 そういった中でのこの報道でありまして、大臣より私に検証を行うよう指示があったところでございますけれども、今般、私の方で、この事業受託団体に対して、現地での遺骨収容事業を中断するように指導をしておりまして、この検証を進めていきたいと思っています。

 先ほど、事実関係はどうだということでありますが、まさにその事実関係の確認を含め検証を行っていくということでありまして、今後は、この検証、現地に厚生労働省の職員を派遣しようと思っておりますし、また、私自身も、可能であれば、米国の国立公文書館等へ行きまして、また海兵隊の資料館等もあるようでありますから、そういったところでの事実確認の一端となるような資料を探してくるなど、そういったことも可能であればしていきたい。

 その上で、先ほどお話をしました、速やかにこういった皆様方を、さきの大戦で亡くなられた皆様方を日本にお迎えができるような取り組み、改善をするべきところがあれば改善を行って進めていきたいというふうに考えております。

 以上です。

大西(健)委員 税金を使ってやっている事業ですから、もし疑惑があるならば、事実であれば、これは英霊への冒涜に当たる行為ですし、しっかりと調査をしていただくのは当然なんですけれども、今政務官から、事業を中断しているということでしたけれども、私は、これはもうそんなことはないんだということであれば、調査結果が出る前に中断するというのは、ちょっと、逆に何かやましいことがあるんじゃないかと思われるんじゃないかなというふうにも思います。

 菅首相は硫黄島での遺骨収集の強化を指示するなどされておりますし、けさの新聞でも、新たに五十一柱が硫黄島で見つかったという話が載っておりました。最後の一体まで収集するのは国の責任だというふうに菅首相は述べられております。

 終戦から六十五年が過ぎて情報が限られている中で、故郷や家族を思いながら、遠く異国の地で国のために命を落とした戦没者の御遺骨を収集するというのは、今政務官が言われたように、私も国としての責任だというふうに思います。その国としての責任をどうすれば果たすことができるのか、その方法についてもいま一度見直す時期が来ているんじゃないかなというふうに思います。

 時間が参りましたので、以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。

牧委員長 次に、郡和子さん。

郡委員 民主党の郡和子でございます。

 細川大臣含め、新しく政務に入られた皆様方に質問の機会をいただきましたこと、同僚議員の皆様方にも改めて感謝を申し上げたいと思います。

 私は、政府がこの六月に打ち出しました新成長戦略の中で、厚生労働省に関連する施策について伺わせていただきたいと思っています。

 六月の十八日に閣議決定されました新成長戦略ですけれども、ライフイノベーションによる健康大国戦略を打ち出しまして、「安全性が高く優れた日本発の革新的な医薬品、医療・介護技術の研究開発を推進する。」と戦略の柱として掲げたわけでございます。

 ところが、今月十五日の朝日新聞に、医薬品の臨床試験制度のあり方に関する重大な問題が指摘をされました。東大医科研が開発いたしましたがんペプチドワクチンの臨床試験において、同研究所の病院で被験者である膵臓がんの患者に起きた消化管の出血が重大な有害事象であったにもかかわらず、東大医科研から同じワクチンの提供を受けて臨床試験をしていたほかの大学には伝えられていなかったという問題でございます。

 安全性が高くすぐれた日本発の革新的な医薬品の研究開発とは逆行するような今回の事件でございますけれども、厚労省は現時点でどのような見解をお持ちになっておられるのでしょうか。そしてどのような対策を講じられるのか、伺いたいと思います。

大谷政府参考人 平成二十年に東大医科学研究所において、進行しました膵臓がんの患者さんを対象に行われました、がんペプチドワクチンの臨床研究におきまして、消化管出血が発生し、院内には報告されたが、他の共同研究機関に対しては伝えなかったというような報道がなされていることは承知しております。

 本件につきましては、一方で、東大の医科学研究所において、消化管出血は進行した膵臓がんにおいては少なからず起こり得るとして、臨床医の間では常識となっている等の見解も示しているところでありまして、現在、東大医科学研究所の関係者からも事実関係を聴取しているところであります。こういった事実関係に徴した上で、情報を収集、分析して、どのような対応が適切か検討していきたいと考えております。

郡委員 ペプチドを提供しましたほかの施設からは東大医科研は情報を収集していますと報じられています。ですのに、自分のところで起きたこういった重篤な情報を伝えていなかったというのは極めて問題だと思っております。被験者に対して今回の事実を伝えていたのかどうかも重ねて調査をしていただきたいというふうに考えます。

 なぜこのように新薬の臨床試験や研究においてこういったことが起こるのかということですが、我が国では、医薬品の製造販売の承認に必要なデータ収集を目的とした臨床試験である治験、これは薬事法などの法令による厳格な管理を行っております。しかし一方で、研究者が主導して行います臨床試験、臨床研究については、厚労省が行政指針を示しているだけで、事実上は機能していないというふうに言われているものでございます。

 一方、先進諸国ではどうなっておりますかといいますと、治験と臨床試験、研究を区別することなく、一律に法令によって管理していると承知しております。先進諸国に類を見ないこのようなダブルスタンダードのもとで、被験者の安全や人権が脅かされているとも言えます。

 私は、人を対象にする臨床試験、研究について、被験者の安全や、また人権を尊重した法制の枠組みのもとで、被験者のさまざまな負担を軽減して行うべきというふうに考えております。

 さらに、研究者に大きな負担をかけているのではないかというふうに言われる治験の管理体制、これを見直して、国際標準であるICH―GCPに沿った法制度によって治験と臨床試験を一元的に管理すべきだと考えているわけです。これによってこそ、研究者側の過重な負担を軽減して研究開発を促進し、臨床研究、臨床試験、これらのデータを新薬の開発、製造販売に必要なものとして活用する道も開けてくるわけでございまして、欧米との開発競争の中で日本発の革新的な創薬を実現する近道だと考えているわけです。

 治験と臨床研究の二重基準、ダブルスタンダードの解消という考え方について御意見、御所見があれば伺わせてください。

岡本大臣政務官 今御質問をいただきました臨床研究についてですけれども、治験と臨床研究、ダブルスタンダードではないかという御意見、また基盤整備を進めていくべきだ、こういったお考えがあるということは、郡先生と三年ぐらい前からこういうお話をさせていただいています。

 したがって、先生のお考えは私は十分承知をしておりまして、その中でも、いわゆる人間の尊厳及び人権の保護を図っていくことは重要だということを、私も本当にそこは共通していますし、厚生労働省でも、この話をしましたら、重要ということは言うまでもないという見解であるということであります。

 そういった中で、やはり、日本が世界でどのように新薬開発競争をリードしていくのか、また、ドラッグラグやデバイスラグでなかなかその薬が使えない、そういう思いを持っている皆さん、適応外薬、適応外使用についてその承認を求めている皆さん、そういった皆さん方に、一刻も早く私たちはそのお悩みを解決するべく取り組みを進めていかなきゃいけないという思いは持っております。

 したがって、先生と私はそういった問題意識は共有をしているわけでありまして、また先生からいろいろ御意見を改めて聞かせていただければと思っております。よろしくお願いします。

郡委員 政務官、ありがとうございました。

 次は、同じく新成長戦略の中に盛り込まれている国際医療交流についてお尋ねをさせていただきたいと思います。

 いわゆる医療ツーリズムというふうにも言いかえてよろしいのかと思いますけれども、厚労省としてどのようにお考えになっているのか。そしてまた、外国人患者の受け入れに資する医療機関の認定制度の創設というのも挙げられているわけなんですけれども、いかなるものをお考えになっているのか、お聞かせください。

岡本大臣政務官 今回、国際医療交流ということで、新成長戦略の中でも成長分野として位置づけておりまして、医療を受けることを目的に来日した外国の方々が必要な医療を受けやすくする環境を整えるということは重要というふうに考えています。

 一方で、国内での医師不足が叫ばれておりまして、医師の地域の偏在や診療科の偏在という課題にどう取り組んでいくかということも、私たちは来年度、地域の医療を支援するセンターを何とかつくりたいなという思いを持っておりまして、こういったものも取り組んでいくのではありますけれども、課題について、国民の皆様から、まだまだ、これですべて解決するわけではないというお声をいただくだろうというふうには思ってはおります。

 しかし、一歩一歩それは進めていきたいという中で、外国人の皆様方が日本に来て、そして日本の先端医療を受けていただくということを、どうバランスをとるか。国民の皆さんの医療の確保が阻害をされることがないように十分配慮しなければいけないと思っています。

 それから、医療機関の認証制度については、外国語による表示、また食事、生活習慣に対応できるかといった観点から認証することが必要だろう、すべての病院で受け入れるというわけにはなかなかいかないだろうというふうに考えています。

 このため、認証制度については平成二十三年度の概算要求に盛り込んでおりまして、三千九百万円、外国人受け入れ医療機関認証制度開発のための支援事業として盛り込んでおります。認証のための評価項目の開発について、専門的見地から中立的に評価できる第三者機関に委託して行おうというふうに考えているところでございます。

郡委員 ありがとうございます。

 確かに、医療崩壊が叫ばれている中で、国内の医療をしっかり基盤整備を進めることというのが重要であろうというふうなお話をしていただきました。

 日本にも病院の機能評価をする機関がありますし、医療の質の保証のためにさまざまな試みが行われているわけではありますけれども、しかし、国際的に打って出ようとするならば、日本の医療の質の保証の基準というのが世界に適応するものなのかどうか、これも考えていかなくちゃいけない一つなんだろうと思っています。外国語、言葉としての対応ができるかどうかのみならず、医療の質についてもやはり検討するべきではないかと思っております。

 医療の質と患者の安全の向上を目的とした認定活動を世界各国で行っている機関がございます。JCIですけれども、これの認証機関、残念ながら日本では一カ所のみです。近隣諸国を見てみますと、シンガポールでは十六機関、インドは十五機関、台湾で九機関、韓国でも三機関でございます。こういった点も大きなところでございましょう。

 それから、政務官からもお話がございました、世界最高水準の医療を提供するというのであれば、今未承認薬の問題、さまざまな課題について解決されることがまず第一に必要であろうと思いますし、それから、医療機関が自由診療の患者を先に受け入れて、保険診療の国内の患者が後回しにされるというようなことがあってはならない、何らかの歯どめも必要でありましょうし、とにかく現状の改善があるべきだというふうに思っています。

 私自身も医療の国際交流が大事であるということは認めないわけではございませんけれども、本来、政府が力を入れるべきは、先ほども議論をさせていただきましたけれども、革新的な新薬、医療機器、再生医療をいかに日本で安全に、そして信頼される形で創出していくか、そして国民が安心してよりよい医療を受けられるようにすることが重要であるというふうに考えているわけですけれども、いかがでしょうか。

藤村副大臣 郡委員にお答えいたします。

 けさも実は、首相官邸で総合科学技術会議が開催されました。私、菅直人総理大臣出席のもとで出席をいたしまして、健康長寿社会実現のためのライフイノベーションプロジェクト、来年度特別枠で要求しておりますので、これは大事ですということを、とにかく短い時間でしたが発言をしてまいりました。

 そこで、平成二十三年度予算概算要求において、今ちょっと説明いたしますと、元気な日本特別枠によりまして、がんや難病など革新的な診断法、治療法、予防法の開発、それから、ES細胞そしてiPS細胞等を用いた再生医療技術の臨床実現化のための研究の推進、二番目に、世界に先駆けた日本発の革新的な新薬、医療機器を創出するための臨床試験の拠点整備等、これらを目的として要望額を約二百三十三億、今特別枠でしておりますので、この予算実現のために頑張ってまいりたいと思います。

 国際医療交流については、先ほど政務官からお話しした考え方でありますが、何よりやはり国内のことが大事よというのは、そのとおりだと思います。

郡委員 ありがとうございます。

 次に、ちょっとテーマをかえまして、改正されました臓器移植法について取り上げさせていただきたいと思います。

 七月の十七日から施行されまして、それ以降、脳死と判定され臓器提供したドナーは十六人と急増いたしました。しかも、本人の書面による意思確認がなく、家族の承認に基づき臓器が摘出されたのは十五人であったということでございます。改正法が臓器提供数をふやすという成果を上げているというふうに言えるかもしれません。

 しかし、この改正法の審議の中でも私指摘させていただきましたけれども、臓器移植に関する検証がなかなか進んでおりません。家族の長期にわたるケアが必要である、あるいはまたプライバシーを守るというようなことが言われて、なかなか進まない情報公開でもございます。今回、家族のだれが同意したのであるか、また、どのような確認が行われたのか、それから、ドナーに障害などはなかったのかなど、ぜひ公開をして検証していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。

岡本大臣政務官 私も臓器移植法を提出して、残念ながら私が提出したのは成立しませんでした。やはりそういった、提出をしていろいろ質疑を受ける中でも議論になったポイントの一つであると思っています。

 どういった方法でそういった委員提案のことができるのかは、なかなか難しいところがあるかと思っておりますし、正直申し上げて、いろいろな皆様方の御意見もあると思います。今後、臓器移植の件数がふえるに従ってそういったさまざまな課題が出てくるであろうということは十分承知をしておりますので、また委員からのいろいろな御意見をいただきたいというふうに思っております。

郡委員 実は、私どもの地元の東北大学では、この改正臓器移植法が施行された後、一週間のうちに、臓器の移植手術と、そしてまた脳死判定、臓器摘出という大変困難なことが重なるように、交錯するように行われました。医療スタッフの不足の問題、あるいは移植コーディネーターの不足の問題、さまざまなところで負担が大きかったというふうに関係者の方々がお話しになっておられます。

 大臣は所信の中で、移植医療を適正に実施するために、コーディネーターの増員等あっせん体制の整備を進めると決意を述べられました。体制を整備するのは急務であるというふうに思っているところです。しかし、提供臓器をふやしていく、移植をさらに進めるといった場合に、私が懸念していることを申し上げたいと思います。

 アメリカで二〇〇八年末に、大統領評議会白書、生命倫理に関する白書なんですけれども、これが出されました。この中では、いち早く脳死を一律に人の死として法律で整備をし移植を進めてきたアメリカでございますけれども、従来の脳死が人の死であるということに対しては論拠がないということをあらかじめ書いております。そしてその上で、一方で、脳死判定の基準を満たさなくても臓器を摘出すべきだという議論もあるということも書かれています。これは何を意味しているかというと、慢性的な臓器不足があるということにほかならないのだろうというふうに思っております。

 実は、アメリカでは、家族の承諾の際に拒否をできないようにマニュアルをつくっていて、それが広く使われているということも聞いております。また、実は、重い障害、無脳症で生まれたお子さんたちからの臓器の摘出、これも認めるべきであろうということが長い間議論になっていて、世界各国でも、これらについてもこれまでにも報告事例が幾つも出されているところです。我が国日本におきましても、八〇年代、数例、無脳症で生まれたお子さんからの臓器摘出が行われ、移植が行われました。これらは小児科の医学雑誌に発表されているところです。

 何を危惧するのかということは、つまりは、脳死判定の幅の広がり、さらに拡張的に進められていくのではないか、あるいは、もともと無脳状態で、無脳状態といっても、もちろんお医者さんである岡本先生などはおわかりだと思いますが、脳の一部欠損も含まれるわけですけれども、これらの子供たちがもう既に命はないものとして臓器提供者、ドナーと認められるようなことになってはならないということを私は思っているわけなんです。この点につきまして、世界でも議論になっているわけなんですけれども、これらの懸念について大臣のお考えをお聞きしたいと思います。

細川国務大臣 臓器移植に関しましては、まずはその提供者の方の任意性ということが最も大事だというように思っております。臓器移植法第二条第二項に、基本的な理念としまして、「移植術に使用されるための臓器の提供は、任意にされたものでなければならない。」こういうふうに規定がされておりまして、臓器が任意に提供されるということが最も基本的なことだろうと思っております。そのために、臓器移植法のガイドラインなどにおきましては、コーディネーターが強制をしないような、そういうようなことをしっかりと定めてありまして、その点についてはこれからも徹底してやっていこうと思っております。

 もう一つ、無脳症ですか、これについては、今委員が指摘されましたように、国会でもいろいろと議論になったところでございます。

 そこで、そもそも意思表示というか、全然有効な意思表示ができない人について臓器提供はいかがなものかというような、そういう委員の御指摘、国会での議論も踏まえまして、今委員御指摘の無脳症の方については対象とされていないということでございます。

郡委員 かつて、帚木蓬生さん、精神科医で作家の帚木さんが「臓器農場」という小説を発表されて大変問題になったわけですけれども、小説の話にとどまらないということがないように、機会があれば、この移植医療というあり方についてもさらに議論をさせていただきたいと考えています。

 質問を終わります。ありがとうございました。

牧委員長 次に、田村憲久君。

田村(憲)委員 自民党の田村でございます。

 新たな政務三役、おつきになられて初めての質問ということで、特に細川大臣は、前の大臣とは違っておられまして、非常に温厚な方でございます。そしてまた、誠実な方でもあろうと思いますので、前の大臣は何遍質問しても同じ答弁しか返ってこなかったということが多々あったわけでありますけれども、どうか誠実な御答弁をいただきますように、心からお願いを申し上げたいと思います。

 先般の委員会で、大臣の思いというものを、ごあいさつをいただきました。非常に中身の濃いあいさつであったのかなというふうに思うんですが、一点気にかかりましたのが実は肝炎のところでございまして、「薬害肝炎の反省に立ち、」ということで、これは主にC型のことを言われておられるんだと思いますけれども、こういう話はあったんですが、B型、特に今和解に向かっていろいろと話し合いが進められているB型のことに関しては書かれていないんです。これは、その後の文脈でいけば、「肝炎対策基本指針の策定に取り組んでまいります。」まで行くんですけれども、そもそも、まずこの和解を、きょう大臣、冒頭柚木委員のもとで、やはり早急に進めたいというお気持ちを吐露されておられましたけれども、まずここにそれが入っていないというのは、私は非常に違和感を覚えました。

 画竜点睛を欠くではありませんけれども、今一番の注目となっております、政府が注射針の使い回しというような問題を含めて責任のある中で、今この裁判の和解交渉が進んでいる中において、そこが書かれていないというところ、これは大臣、どういうおつもりでこの所信をお書きになられたのか。また、今私からこういう指摘を受けて、どういうお気持ちであられるのか。いかがでございますか。

細川国務大臣 B型肝炎訴訟につきましては、これは、患者の皆さん方の気持ちあるいは現状の状況、そこを思いますと、大変な御苦労をされているというふうに思っております。したがって、このB型肝炎の訴訟については、できるだけ早く解決をしていかなければいけないというふうに思っているところでございます。

 具体的には、十月の十二日だったと思いますけれども、具体的な金額も提示をいたしまして、この和解協議も、いよいよ原告団の皆さんと詰めといいますか、具体的にどう折り合いがつくかという段階に来ているのであろうというふうに思います。

 私の気持ちは、このB型肝炎訴訟をできるだけ早く、国も誠意を持って解決をしていくべきだというふうに考えております。

田村(憲)委員 それならば、あいさつの中にそのことを入れていただいた方が大臣の思いというものが伝わったのではないのかなと思いますので、苦言になりますけれども、指摘をさせていただきたいと思います。

 そして、今大臣がおっしゃられた十月十二日、第五回の和解協議で、国が第一次の金額を提示されました。私は、問題なのは、これも柚木委員も言われましたけれども、その後の、野田財務大臣等々が金額ありきの発言、総額ですよね。そしてまた一方で、増税をにおわすような発言、国民の負担。これをおっしゃっておられるのは非常に不誠実だと思うんですが、もっと問題なのは、それ以前に、実は櫻井財務副大臣が、まだ十月の十二日、第五回の和解協議がなされる前に、原告団のとおりに金額をやれば五兆円以上かかるだろう、そのときには増税ということも考えなきゃならぬというような発言をされているんですよ。

 これは、はっきり言いまして、国民に対して誤ったメッセージを送りかねない話であります。私は、これは許せない話だというふうに思っています。大臣は、これに対してはどういう御感想をお持ちですか。

細川国務大臣 せんだって、十月十二日、札幌地裁で、国としての和解金額、具体的に各症状に合わせての金額を提示いたしまして、その総額が約一・五兆円、いろいろな経費も含めまして二兆円になるというようなことは、これは裁判所の方にも提示をしたところでございます。

 では、その金額をどのように都合をつけるかということについては、一切そんな話はしていないわけでありまして、私どもがお話を申し上げてきていることは、予防接種というのは、国民の皆さん、もうほとんどがこの接種をして、そして多くの方はそれによって便益を受けた、しかし、その一方で、残念ながら、そういうB型肝炎にかかられた方もおったと。その人たちを何とかみんなで、その被害を補償しなければいけないんじゃないか、こういう考えでございまして、そのために国会でも御議論もいただき、国民の皆さんに御理解をいただこう、こういうことでありまして、そこは、先ほど田村委員が言われましたような税だとか、あるいは間違った額だとかいうようなことについては、私としては、そういうことはまだまだ議論の俎上にのせるべきではないというふうに思っております。

田村(憲)委員 どうか大臣の方から財務副大臣の方にはしっかりと、問題発言でありますから、こういうことに対しては、言わないように、反省をするように言っていただきたいと思いますが、しかし、その後も、野田財務大臣が、国民に負担をお願いせざるを得ないだとか、仙谷官房長官が、国債を発行して解決するのではもたない部分があるなんということを言われているんですよ。

 だから、閣内がこういうことをどんどんどんどん言われて、実際問題、和解協議、いろいろと議論をしていく現場の厚生労働大臣が全く違う思いで、これに対して憤りを感じておられるというのでは、これは大臣ももたないと思いますよ。

 ぜひとも閣内でこれは意見を調節していただいて、こんな発言が二度と出ないように。これはもう原告団の方々は、これを聞くたびに感情的に許せない思いでいっぱいだと思いますよ。ぜひともその点はよろしくお願いいたしたいと思います。何かありますか。

細川国務大臣 今、田村委員のおっしゃることはもっともだというふうに思います。そういう意味では、原告の皆さん方も、税という話が出てきますと本当に御気分を悪くしているのではないかというふうに思っております。

 したがいまして、きょうこの委員会で田村委員から御指摘がありましたことは、発言した大臣などにはお伝えをしたいというふうに思っております。

田村(憲)委員 こういう発言のもとが、要は、最大値、幾らかかるかという試算を厚生労働省が出されてきた。原告団のとおりに、要望どおりにすれば八・二兆円というような数字、我々のところにもその資料をいただきました。中身を見ますと、やはり何の根拠なのかがよくわからない。つまり、どういう分析をなされたのかという、その資料は当然ついていないわけです。数字だけ、人数はこれぐらい、そして金額を掛けると大体こんな総額になりますよというのはあるんですが、どういうようなデータをもとにそのような推計値を出されたのか。

 まあ、無症候性キャリアの方々は、話をお聞きしますと、赤十字の献血の方からそういうようなサンプルを出して大体のところの推計値を出したなんというお話もお聞きかせをいただいていますが、そういうものも含めてお出しをいただけるのかどうか。つまり、これは我々も分析しなきゃならぬわけでありますよ。ですから、もともと、これを推計するもとの生データ、それから、どういう補正値を掛けたのか。また、最大値という話がありました。では、最小値も出していただけるのか。この点に関して御質問いたします。

細川国務大臣 十月の十二日に出しました試算については、まず金額を提示するということがこの間の十二日の最大の内容でございましたので、まず金額を出しまして、そこで概算ということで、その総額的な、国の主張の金額でいけば、概算、総計どれぐらいになるということを出しました。

 その前の裁判では原告の方からの提示もございましたので、そこで概算を提案した、こういうことであって、その詳細な根拠については、また政務官の方から御説明をしたいと思いますけれども、何かきょう裁判がありまして、そこで詳細は提出をするということを聞いております。

岡本大臣政務官 今委員から御質問がありました金額の話でありますけれども、大臣の方からその概略については先ほど柚木委員の方にお答えをいただいたと思います。

 平成十八年の最高裁判決というのは私ども大変重大に受けとめておりまして、この最高裁判決が私たちのこの問題の取り組みの一つのきっかけになったということは事実であります。

 その中で、まず金額の方からお話をしますと、最高裁判決で提示をされた五百万という数字、この数字が一定程度スタートになっているということは御理解をいただきたいというふうに思っています。そういう意味で、この数字をもとに、それぞれ日常生活における影響度合いを勘案いたしまして、肝硬変を軽症と重症に分け、さらに肝がん、そしてお亡くなりになられた方、こういうような形で区分をしたところでございます。

 それぞれの人数についての推計でありますけれども、患者さんになられている皆様方につきましては、平成二十年の患者調査を利用しております。それによりますと、いわゆる肝がんや肝硬変の重症の方が一万二千人、肝硬変の軽症の方が七千人、また慢性肝炎が五万三千人で、無症候性キャリアの方が百万人から百三十万人というような推計をしております。済みません、失礼しました、無症候性キャリアは、患者調査ではなくて日本赤十字血液センターにおける初回献血者のデータによってこのB型肝炎ウイルスの患者の割合というものを出しています。HBs抗原陽性率を人口、これは平成十七年の国勢調査、本年の国勢調査はまだ出ておりませんので平成十七年の国勢調査に基づいて試算をしたところでございまして、先ほどの百万から百三十万人という推計。

 こういった推計に先ほどの金額というのが必然的に、こういう話をすると、最大限幾らになるのかというのを試算することができるようになるわけでありまして、そういう意味でいうと、試算をしていくと先ほどの話が出てくるということになるわけでございます。

 いずれにいたしましても、原告団からの求めもありましたので、本日、こういった根拠について、裁判所にこの根拠を提出したいというふうに考えています。原告の方の御意見を伺いながら、本当に今後とも誠心誠意、和解協議を進めていきたいというふうに考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。

田村(憲)委員 よくデータを見ていないのでわからないんですが、最大値という言われ方をするからには最小値という概念もあるんだろうなと思うんですよね。

 最も少ない場合はどうだというのはお出しになられるんですか。

岡本大臣政務官 最も多いとか最も少ないということよりも、人数の根拠は今お話をしたことであります。

 それで、金額の根拠。結局、きのうもちょっと議論になったんですけれども、これはあくまで統計に統計を掛けているわけですから、推計値に推計値を掛けるというのは、当然、出てきた数は推計値になるわけでありまして、そういう意味で、今から、例えば今、国が提示をしている和解案、また原告団がお示しになられている和解案、それぞれで一体総額がどうなるのかということを問われても、なかなか真の値というのはわかりません。

 そういう意味では、今お尋ねになられるように、最小値がどうなのかというようなことは、むしろそれをお話ししても余り意味がないのではないかなというふうに思っております。

田村(憲)委員 だから、そういういいかげんな数字を一番初め、金額を提示するときに出したということがやはり問題なんですよ、これは。もうその時点で、本当に真摯に和解しようとされておられるのかというのを疑わざるを得なくなっちゃう。それは原告団の皆さんもそんな思いでいっぱいだと思いますよ。そこは厚生労働省は反省をしていただかなきゃならぬと私は思いますから、指摘をいたします。

 そして、先ほど、これも柚木議員の、肝硬変が二つに分かれちゃった。C型では同じにカテゴライズされていたわけですよね、和解金額。これが二つに分かれた。まあ、理由はいろいろとあるんでしょう。しかし、こういう部分であるとか、どうしても今原告団の皆様方が理解できない部分がある。何よりも、今回のこの提示を受けて、まずはその救済の範囲を広くということ、これは以前から言われておりました。これに対して何ら今回は提示がなかった。そして、無症候性キャリアの方々の問題、これも除斥期間の問題等々があるという話の中で、金額の提示はなし。そして、他の、慢性肝炎、また肝硬変、肝がん、死亡、こういう方々の金額提示もやはりC型とは見劣りをする。

 何よりも大臣との定期的な協議というものが、これはC型のときには何回かやっていたんだと思うんですけれども、B型に関しては、一回は長妻大臣がお会いになられたようでありますけれども、その後の定期的な協議、これはできておりません。

 こういうことも含めて、被害者の皆様方と真摯に向き合っていただくということで原告団の方は要望を出されておるわけでございますので、ぜひともこういう要望をしっかりと踏まえていただきながら年内の解決に向かって御努力をいただきたいと思いますが、大臣、何かありますか。

細川国務大臣 B型肝炎訴訟につきましては、私も誠意を持ってしっかり取り組んでいきたいというふうに思っております。

 B型肝炎の問題につきましては、今訴訟を起こされている方、五百人前後だと思いますけれども、それ以外にそういう患者さんもおられるという、大変幅の広いというか底の広いといいますか、そういうところでもございますので、そういう大きな問題をなるたけ早く解決するということで、それはしっかり取り組んでいきたいというふうに思っておりまして、私といたしましては、基本的な合意をなるたけ早く、年内にできれば、そういうつもりでしっかり取り組んでいきたいというふうに思っております。

田村(憲)委員 この問題に関しては、理事会の方でも、集中審議でありますとか、また参考人招致等々ができればいいなというふうに我々、提起をいたしております。

 委員長、また取り計らいのほど、よろしくお願いいたします。

牧委員長 理事会で引き続いて協議したいと思います。

田村(憲)委員 続きまして、子ども手当に関しての御質問に移らせていただきたいと思います。

 子ども手当で、民主党で最近調査会だとか部門会議だとかいろいろなものができて、調査会で、扶養控除の廃止がいよいよ迫ってきております、所得の方はこれは来年の一月からですか、こういう流れの中で試算をされたんでしょう。六千円引き上げなければ負担増の家庭が出てくるのではないかというような試算が出た、こういう報道がなされております。

 大臣、これは、概算要求ではまだ金額が書かれていないんですね。事項要求という形。さあそろそろ、どれぐらいかということを腹づもりとして、こういう民主党の調査会のいろいろな意見を踏まえてお考えになられておられると思いますけれども、今、腹づもりはどんな感じでございますか。

小宮山副大臣 この調査会は、私が会長のときにこの試算を出しましたので、私の方からお答えをしたいというふうに思っております。

 そもそも、田村委員も御理解のように、これは、なるべく税の控除をスリム化して社会保障のサービス給付にしたい、そのことによって高所得者よりも低所得者の子供たちにしっかりと手当てをしたいという思いからやりました。

 ただ、今のままでいくと、御指摘のように、所得税と住民税の扶養控除を外しますと、所得によって違いますので、六千円というのは最大のところで、まあ千円から六千円ぐらい、ゼロ歳から一歳、二歳の子供のところでは、このままだとここがマイナスになってしまうということなので、そこの部分を積み上げるのか、あるいは全体に、私ども、二万六千円が今いきなりはなかなか難しいということはわかっておりますので、どこまで上積みができるか。そこを現金とそれからサービスとの組み合わせをどうするかということで考えておりますので、そこはしっかりと手当てをこの年末の予算編成の中で、皆様たちからもアイデアをいただきながら、子供たちのために組み立てていきたいと考えております。

田村(憲)委員 まあ、はっきり言われないんだろうなというのはわかって質問しておりますので、できれば副大臣の思いというものをここで言っていただきたかったなというふうには思うんですけれども。

 ただ、今、ちょっと私は理解できないところがあったんです。(発言する者あり)ちょっと野党からやじが飛んでおりますけれども、今のところで、現物という話を言われました。これは、民主党のマニフェスト、参議院選挙でも、子ども手当を現金と現物と何か二頭立てにして配るんだという話がありました。

 しかしこれは、大臣、副大臣、もともとは、現物の整備というのは、皆さんが子ども・子育てビジョン、こういうものをつくられて、ちゃんと金額もここに提示をしながら、こうやって整備していくということを、計画をつくられたわけですよ。そして、今度新システムをつくって、そういうものを実際動かしていこうという話でしょう。

 ということは、子ども手当の上積み分を、上乗せ分を現金と現物なんということ自体が、もとから論理が矛盾しているんですね。現物の方は、これはちゃんとほかの予算を充てていただいて整備をしていただくべきなんです。子ども手当はもとから現金なんですよ。だからこれを、現金の部分は現物でこれだけ、減らして立てますというのはもう子ども手当じゃないので、ここは子ども手当という概念ではないということをここでちゃんとおっしゃっていただかないと、これは国民は混乱して勘違いしちゃうんです。

 ですから、だまされないように、皆さんもそうなんですよ、財務省にだまされちゃうんですよ、最終的には。本来は整備の方でもらわなきゃいけない予算を子ども手当分だなんといってもらっちゃったら、本来、満額子ども手当をあなた方は主張しているわけですよね、二万六千円を。それが吹っ飛んじゃって、ああ、こちらで施設整備したりだとかいろいろなお金を入れますからこっち側を減らしますよなんて言われちゃう話なので、これは現金と現物、子ども手当は現金、それ以外はこのビジョンの中の話であるので別ですよということをここでちゃんと言明してくださいよ。どちらですか、大臣か副大臣か。

小宮山副大臣 子ども手当は、もちろん、〇九マニフェストで二万六千円とお約束をいたしましたので、将来にわたってその目標は目指したいとは思っておりますが、ただ、マニフェストをそのままやることが本当に国民の皆さんが望んでいらっしゃるか、あるいはそこをある程度修正をしてもよいかということを、これはそれぞれの地域で議員がタウンミーティングなどをいたしまして、参議院選挙のマニフェストをつくる前に行いました。

 私どもはもともと、一番の阻害要因の手当てをまずちゃんと、経済的負担に対して手当てをしたいと。ただし、それだけでいいとは決して思っていないので、全体の整備をと考えてまいりましたが、これは前政権のときからずっと、やはり子供に対する予算が少な過ぎて、保育所などの整備がおくれてきたということがございますので、それは今の財政状況の中であわせて考えたいと思っています。

 二十五年からの新システムの中では、子ども手当もこの現物給付のものも合わせて子供色の勘定をつくりたいと考えておりますので、そこはマニフェストのとおりに、最初のとおりすぐにできないことについてはしっかり国民の皆さんにおわびをし、説明もさせていただく中で、本当に子供たちのために、子育てをしている人たちの声にこたえる形で、それは現実を踏まえて軌道修正もしていく必要が私はあると思っておりますので、そこについてのアイデアはぜひ野党の皆様からもいただきたいと思っております。

田村(憲)委員 大臣、副大臣をいじめるつもりはないんです。ただ、ちゃんと整備にお金を使っていくのは我々もマニフェストで書いていますよ、当然。

 ただ、今副大臣、何かマニフェストが変わったかのようなこと言われましたよね。去年の衆議院選挙は二万六千円子ども手当、現金だった。でも、今回の参議院選挙はそうじゃなくて、ここに現物が入ってきていて、だから、もう子ども手当の概念が変わったんです。現金の二万六千円という子ども手当から、現物と現金合わせて総額五兆四千億円のその子ども手当という概念に子ども手当の概念が変わったんですということを今あなたはおっしゃられたんですよ。違うんですか。では、今の上積み分の、上乗せ部分の現物に充てる部分は子ども手当じゃないという、そういう判断でいいんですか。

小宮山副大臣 概念が変わったわけではございません。もともと私どもの基本理念は、社会が子供を育てるということで、すべての子供たちに平等にその手当をしっかりと支給をしたいということでした。概念が変わったんじゃなくて、金額をどうするかということは、現実の中で修正をしていきたいと思っていますので、それはとらえ方の違いだというふうに思っています。

田村(憲)委員 金額じゃないですよ、使い方です。五兆四千億円というお金が基本的に必要だということが前提にあって、それを人口で割ると大体二万六千円、もしくは二万六千円が基本的に子供たちを育てるのに必要な金額だというところから、掛け合わせて五兆四千億円なのかもわかりませんが。

 つまり、二万六千円で必要なその対象の子供たちがいて五兆四千億円とすれば、今副大臣がおっしゃったのは、二万六千円という現金で渡さずに、現物を提供するというものも含めて五兆四千億円という話になったのであるとすれば、それはもう概念が変わってしまうわけですよ。

 というのは、なぜかというと、五兆四千億円というものを現物で整備した場合に、現物サービスを使うか使わないかというのはわからないんですよ、子供たちが。ところが、二万六千円なら、少なくとも各家庭には一人当たりそれが行くわけですよね。だけれども、現物サービスだったら使わないところがいっぱい出てくるかもわからない。うちは使わないよ、そんなサービスなんてというところは、ちゃんと子供一人当たり同じ金額が来たという話にはならないんですよ。

 つまり、概念が変わってしまうという話なので私は聞いているんですよ。

小宮山副大臣 ちょっと私の説明の仕方が悪ければもう一度説明をし直しますけれども、子ども手当は手当で二万六千円を目指してまいります。ただ、今のいろいろな子育てのサービスとか全体を求める声の中で一度に二万六千円にはいきません。でも、今のところ子ども手当は一万三千円です。これを少しでも上積みしたいと思います。子ども手当と現物給付とは別でございます。ただ、別になっているものを新しいシステムの中では合わせて子供勘定としたい。

 ですから、サービス給付をふやしていくところは、子ども手当の増額という考え方はいたしません。ただ、先ほどの控除が減った方のところには、お金では減ってしまうけれども、サービス給付と合わせて御理解をいただくような説明をしていきたいし、そういう制度設計をしていきたいと考えております。

田村(憲)委員 今のお話は、新システムの中でどうやって交付金を積むかとか、そういう意味ではわかりましたが、副大臣が参議院の民主党のマニフェストを余りお読みになられていないということが改めてわかりました。あそこには子ども手当の上積み分で現物と現金という書き方になっているんですよ。だから、あのときには明確に皆さん方は、子ども手当は現金と現物とに給付を分けますというふうに言われているんです。そして、マニフェストにもそう書いてあるんです。

 だから、多分、民主党というのは政権をとられてまだ間もないですから、いろいろな混乱があってわけがわからなくなっているんだと思うんですけれども、マニフェストをつくった党の責任者とそれから行政の責任者である副大臣とちゃんと意見をすり合わせして御答弁をいただきますように。じゃないと、ちゃんとした答弁になりませんよ。それだけは指摘しておきます。

 もう午前中の時間がほぼ終わってまいりまして、午後からあと三十分いただくことになっております。でき得れば、政務三役には、御答弁の方を簡潔にしていただければありがたいなということを最後にお願いいたしまして、午前の部はこれにて終了させていただきます。

 ありがとうございました。

牧委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時十三分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時一分開議

牧委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として厚生労働省大臣官房年金管理審議官石井信芳君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

牧委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

牧委員長 質疑を続行いたします。田村憲久君。

田村(憲)委員 午前に引き続きまして、午後の方の質問三十分、ただいまから始めさせていただきたいと思いますが、午前中の若干続きでございます。

 小宮山副大臣、先ほど、マニフェストがどうのこうのという、議論がかみ合わない、そういう話になっておりましたが、急遽、民主党さんの参議院のマニフェストを持ってまいりました。ここにどう書いてあるかというと、「上積み分については、地域の実情に応じて、現物サービスにも代えられるようにします。」こう書かれているんです。ですから、私が言ったとおり、このマニフェストでは、参議院のマニフェストでは、現物サービスは子ども手当の一部だという書き方になっているんですよね。

 これに関しては、副大臣の御認識が間違っているのか、このマニフェストが間違っているのか、どちらでございましょうか。

小宮山副大臣 どちらが間違っているのかという聞き方をされると大変困るのでございますが、これはやはり概念の整理の問題、言葉の使い方の問題だと思っています。

 最初に申し上げましたように、税の控除をなくして社会保障のサービス給付にかえていく。その社会保障のサービス給付の中に手当も現物給付も入るというのはよろしいですよね。ただ、マニフェストの中の言葉の整理として、子ども手当というのがまず第一弾として出たがために、子ども手当の中にすべてが含まれるような考え方に党の中でなってきていたのだと思います。

 ただ、改めてこの段階になって、子ども手当のことを、二十五年度から始まる新システム、手当も現物も一緒に子供色の、子供のために使う勘定をつくろうと思っていますので、その中でしっかり整理をし直すためには、先ほど田村委員がおっしゃったように、現金という意味の、厳密な意味の、狭い意味と言うとまた怒られるかもしれません、厳密な意味の現金の手当ではありません。

 ただ、もともと、控除をなくして、これまで手当てが薄くて後回しだった日本の子供や子育て支援に社会保障のサービス給付を社会全体でしましょう、そこを充実しましょうという意味で手当ということを使っていたのだと思いますが、もう一度、野党の皆さんからも御協力をいただいて、子供や子育てのために、本当に将来の、未来への投資として新しいシステムをつくるためには、そこの言葉の定義の整理はしっかりした方がいいと私も思っております。

田村(憲)委員 もともと、この現金の手当を発案されたのは副大臣でございましたから、多分、副大臣のおっしゃっておられることが正しくて、このマニフェストをつくられた方がそれをちゃんと理解せずにつくっちゃったものですからこういうわけのわからない表現になったというふうに理解をさせていただきたいと思います。

 実は、子ども手当でもう一点。そろそろ検証の時期に来ておりまして、一回目を配ってどのように使われたのか、そしてどのような効果が出ているのかを検証すると、私の再三再四の質問に当時の長妻大臣がずっと答えられてきておりました。これに関しては、そろそろ検証の時期に来ておるんだと思うんですけれども、検証状況はどういう状況になっておりますか。

小宮山副大臣 子ども手当の使途につきましては、前大臣もお約束したところでございますし、受給者などに対して九月に全国調査を実施いたしました。現在、回答内容の集計や分析をしておりますので、十二月中には、私はなるべく早くというふうに要請をしておりますので、可能な限り早い時期の十二月中にお示しをできるように努力をさせていただきたいと思っています。そのことも参考に、来年度予算の中で考えていきたいと思います。

田村(憲)委員 出てきました検証結果といいますか、それを見て我々もまたいろいろな御議論をさせていただきたいというふうに思います。

 さて、今副大臣が新システムの話をされました。これは実は、我々は中身を見て、いろいろな問題が内包されているなというふうに思っているんですが、そもそも、子育てが今回の補正対応で新成長戦略というものの中に入っちゃったんですね。見ていると、何か保育の産業化みたいなイメージになっちゃっているんですよ。これは私は非常に問題があるというふうに思っているんですけれども、大臣、副大臣、保育は産業化はさせないという認識でよろしゅうございますでしょうか。

小宮山副大臣 それは成長戦略、菅総理が国家戦略担当大臣だったときに、子供の戦略ということで、そこはちょっとそういう概念はなじまないのではないかと、私もそういう意味では委員とある程度共通をする思いで申し上げてまいりました。

 ただ、今回、新成長戦略に入ったということは、新しい雇用の場の創造という意味で入っていますので。保育でやはりこれから、こども園の議論はこの後あると思いますけれども、とにかく就学前のすべての子供たちに質のよい教育、保育の場をつくろうといたしますと、今小さい子は、特にゼロ、一、二歳は半数以上が家庭にいるわけですから、もちろんいる子はいていいんですよ、だけれども、そういう人たちも必要なサービスは使えるようにするとなると、そこで働く保育士さんとかそういう人が大幅に必要になります。保育士さんとそれから幼稚園教諭。今度は子供士というのか何かそれはわかりませんが、こども園の場合は。

 だから、そういう意味で、そこで働く子育てに当たる人たちの雇用を創出するという意味で成長戦略の中に入っているので、保育を産業化するという考えは全くございません。

田村(憲)委員 安心いたしました。ただ、経済産業省が本当にそういう意識があるのかは甚だ疑問なところがあります。ですから、これは厚生労働省は立場が違うと思いますので、しっかりと押さえていっていただきたいなというふうに思います。

 そして、このいただきました子ども・子育て新システムの基本制度案の要綱というもの、これをいろいろと分析させていただいておりますと、保育に欠ける要件の撤廃というのが入っております。どこまで撤廃するのかというのは議論になると思うんです。全く保育をする必要がない、つまり、親が家でバリバリせんべいを食べながら遊んでいる、それで子供を全然見ないというような、まあ育児放棄じゃありませんけれども、そういうような人たちまで子供を保育という形で預かるのかどうかという、そこまで撤廃して広げるのかどうかという議論はあると思いますよ。

 もちろん、とはいいながら、それは毎日毎日育児をやっていればストレスがたまりますから、ある程度、週のうち何日かは預けるということはあっていいんだと思うんですよ。ただ、何もしないのにフルタイムでずっと保育所に子供を預けるというのは、私はこれはいかがかと思うんですね。親としての子育ての機会があるならば、それなりのやはり親としての愛情を注いでいただきたいというふうに思いますから。しかし、この保育要件の撤廃というものを書きますと、いずれにしても、今よりかはかなり広がるんだと思うんですね。

 私は一つ疑問があるのは、ただでさえ今待機児童はふえています。あれだけ保育所をふやしても待機児童はふえてきている。九月、二万六千人を超えました。これは最悪のときの二〇〇三年の数字に戻ったと言っていいでありましょう。

 こういう状況で新しい法律が通って、これは来年の通常国会に出されるというふうな予定だとお聞きしておりますので、スタートをしていって間口が広がりますと、実際問題、預かる施設がなければ当然何が起こるかというと、本来、本当に必要な方々がどんどん排除されていくというおそれがあるわけでありまして、このような保育に欠ける要件の撤廃というのはよほど慎重にしていただかなければ大変な現場の混乱が生まれると思うんですが、ここに書いてある保育要件の撤廃というものに対して、副大臣はお見直しをしていただけますか。

小宮山副大臣 私も、自分の子供も六つの保育園で育ててきたこともございまして、ずっと保育の問題にかかわってまいりましたが、以前から中央児童福祉審議会などでも、この保育に欠ける要件を、措置か契約かということも含めてずっと議論をしてまいりました。確かに、欠けてはいけない人の、子供の育ちは保障しなければいけない。だけれども、保育に欠ける要件があることによって保育が必要な人が利用しにくくなるという逆の面もあるということで、そういう議論がなされてきたところでございます。

 御心配があると思うんですけれども、今回の子ども・子育て新システムは、本当にすべての子供たちが必要度に応じて活用できるような、そういうサービスを提供するところを広げようという考え方、多様な保育のサービス、量の拡大も含めてそれをぜひ図っていきたいというふうに考えておりますので、保育に欠けると言われた子供たちのサービス量が減ることは決してないようにしたいというふうに思っています。

 今は、パートとか非正規の場合、なかなか入れないんですね。そういう人たちも入れるようにしたいと思いますし、先ほどおっしゃったような、せんべいを食べているから暇かどうかは別といたしまして、今の虐待の事例などにしても、母子密室保育とか子育ての孤立化とかいうことも言われますので、そういう人たちも、一時預かりという言葉は私、荷物を預けるみたいで余りよくないと思いますが、保育というと保育士がいなきゃいけないとかいろいろ難しいそうなので、短時間預けることもできるし、いろいろな、多様なものをつくりたいという思いがありますので、本当に必要な方が受けられなくなることがないように、市町村で計画的なサービス基盤整備を図るということを検討しております。

 また、本当に低所得の方には、ちゃんとその配慮、利用者負担のあり方などもしていきたいと考えておりますし、具体的な制度設計は、再三申し上げるように、皆さんのお知恵もいただきながら、今までだあっと走ってきたために情報が少ない、そういうことを皆さんが思っていらっしゃるのは重々わかっておりますので、皆様からも、国民の皆さんからも、いろいろな団体の方、地方や事業主やら、これからぜひ御意見をいただくために、今考えていることの情報はしっかりお伝えをして、お知恵をいただきたいというふうに思っています。

田村(憲)委員 今でも足らないんですよ。ビジョンに沿ってふやすとは言われていますけれども、それでも足らない条件の中で、もちろん我々も保育要件は拡大する必要はあると思っています。職を探している方々が入れない、これは問題ですね。今言われたように、フルタイムじゃなくてパート労働されている方々が入れない、保育所に入れられないといいますか預けられない、これも問題があると思います。

 そこは、保育要件の緩和というのはいいと思うんですが、撤廃と書かれちゃいますと、何か全員フルタイムで、だれでも預けっ放しにできますよみたいなイメージ、そういうイメージになっちゃう。だから、もしかしたら私が言っていることは誤解だと言われるのであるならば、言葉の使い方をうまくしていただかないと不安をあおると思いますので、ぜひとも、そこのところは関係者によくわかるような形で御説明をしていただかなきゃならぬというふうに思います。

 続いて、公的保育契約制度というのも、実は直接契約に変わるのではないか。要するに、事業者と親とが契約をする。これは今は市町村とやっているわけですね、自治体と。どこが悪いんだろうと、私はよくわからないんですよ。これは、悪いから直接契約に変えるというんですが、今は第三者、市町村がいますから。

 相対で、例えば、この人の家計の状況を見て、保育料をもらえるかどうかわからないから断っちゃおうなんということが起こるんじゃないか、直接契約だと。もちろん、そんなことは具体的には言えませんよ。多分、そういうふうなことが言えないような制度をつくられるんだと思うんですが、しかし、直接契約で、言うなれば、あいていれば受けなきゃいけませんけれども、たくさん応募が来ていて、その中から事業主が選択という話になると、当然、家柄のいい子だとか、お金をたくさん持っていて、ましてや、これからは料金も直接支払いになると書いてありますからね。そうなってくれば、今までのように市町村がその支払いの責任を負うのではなくて、直接親からお金をもらうという話になれば、もらえないような可能性のある家の子供は預からないでおこう、こういうようなことが起こってくる可能性があるんです。

 だから私はこの直接契約というのは反対でありまして、ここに市町村が一定程度今回は入っているとはいえ、しかし、完全に責任をとれるわけではありません。親が、何かあったときに市町村にこんなことがあるから何とかしてくれと言わない限りは、多分動かないんだと思うんですよ。それならば、今までどおり市町村と契約を結んでいる方が、そして、市町村がその必要度に応じてちゃんと必要な保育所に割り振るんですから、そちらの方が、第三者が入って、公正な中での保育所の選択というものができるのではないかと私は思うんですが、この点はいかがですか。

小宮山副大臣 それは、サービスの基盤整備につきましても、先ほど申し上げたように、市町村が計画的なサービス基盤整備をつくる。だから、受けられるだけのものをつくるという形に加えまして、必要な子供たちについては、市町村に受諾義務というものを課しておりますので、そこは必ず入れるようになると考えております。

田村(憲)委員 いやいや、そんな話をしているんじゃなくて、直接契約になっちゃうと、いろいろな、難癖じゃないですけれども、やはり取りっぱぐれのあるところ、だって、いっぱい来るんですから、要するに受け手の方が強いんですよね。何人か切らなきゃいけないという話になるでしょう、直接契約なら。

 例えば、人気のある保育所へわあっと来ますよね。そのときに、では、選ぶ方はどうやって選ぶかというと、本当はいろいろなポイントがあって、そういうもので選ぶんでしょう。市町村ならそれはちゃんと担保できます、公的な機関だから。しかし、ましてや指定制にこれからなるんですよね、ここに書いてある。株式会社が入ってくるんでしょう。配当を払わなきゃいけない。金もうけの道具になっちゃうわけですよ、ある意味。そんなところは、取りっぱぐれのあるところは契約しないですよ。

 そうすると、あそこはちょっと家計の状況を見たら保育料を取れなくなっちゃうかもわからないから、いろいろなポイントを裁量で落として、こちらの保育料を払える裕福な子供を預かる方にしようかというようなことが起こってくるんじゃないですか、それをこの制度でどう排除できるんですかと私はお聞きしているんです。

小宮山副大臣 これはこれからの新システムの中の制度設計で行ってまいりますけれども、市町村に、やはり権限に加えて責務も課すようにしたいというふうに考えています。

 その中で、必要な子供にサービス、給付を保障する責務、それから質の確保されたサービスの提供責務、適切なサービスの確実な利用を支援する責務、サービスの費用、給付の支払い責務、計画的なサービス提供体制の確保、基盤の整備の責務、こうしたものを市町村に権限を与えると同時に市町村の責務として課したいということを今考えておりますが、またお考えがいろいろあるようでございますので、御懸念がないように、私どもも、それは、そういう子供たちが入れなくなるということはないように必ずしたいと思っておりますので、このやり方について、また御意見をいただければと思います。

田村(憲)委員 まだこれから決めるところがいっぱいあるという話ですが、市町村が一個一個の契約を全部チェックすれば、今言われたようなことができると思います。しかし、それは今の制度と変わらないという話になると思います。市町村が一つ一つの契約に関与して、全部チェックして、全部そのポイントが公平かどうかということまでチェックするというのならば、事実上は今と余り変わらないという話になると思いますし、多分この制度ではそこまでやらないんだろうと思うんです。

 もし、この制度で今私が懸念の点を何とか解決しようとすれば、全部の契約を市町村がチェックして、おかしいかおかしくないか見てくださいという話になる。そこまでの制度をビルトインしていただかないと私が今言ったような心配が現実化してくるということでございますから、頭にお入れいただきながら制度をおつくりいただきたいなと。まあ、余りこの制度は私はいいと思っていないんですけれども。

 そして、今言った指定制ですよ。指定制になると何が起こるかというと、当然、株式会社が、外形的な要件をクリアしたところはこれは断れなくなってまいりますから、参入してきます。

 私、なぜこれを入れるかというのは、多分、今待機児童がたくさんいるから、だから、社会福祉法人だとかそういうものだけではなかなか対応しづらい、もっと株式会社、NPOが入りやすくしようじゃないかというのでこれを導入される予定なんだと思います。しかし、それは待機児童がいるところだけやればいい話であって、待機児童がいないところにこれを導入すると、金もうけに入ってきた株式会社が荒らすだけ荒らして、会社がつぶれちゃった、さあどうしよう、社会福祉法人はもうお手上げになっちゃってみんな撤退した、子供たちを預けるところがない、こういうことが起こってくるんですよ。

 ですから、待機児童がいないところなんかは、指定制にして、こんな、荒らす必要はないわけなんです。大きな資本は入ってこないかもわかりませんよ、もうからないと思うから。しかし、地場の金もうけしようという人らが、ああ、保育で金もうけできるかもわからないといって入ってくる可能性はあるんですよ。公定価格を維持しますから大丈夫だと言われるかもわかりません。どこもかも同じなんです。新しいこども園は、公定価格でどこも同じ金額で運営をしていただくようにしますから、株式会社は入ってきませんよなんて言われるかもわかりませんが、それはそうとは限らないですよね。株式会社は、いろいろなものを効率化して、そこで、割引制度といったら変ですけれども、保育料は一緒だけれども、しかし一方で、何かの割引券を配ったりなんかして親を集めちゃうかもわからない。いろいろな懸念があるわけなんですよ。

 だから、そう考えると、この指定制というのは、私は指定制は賛成じゃないですよ。でも、あえて言うなら、待機児童がいっぱいいるところは、認可制からもうちょっと緩めて、指定制に近いような形で入ってもらってもいいと思うけれども、今もう十分に足りている、逆にあいているようなところは、わざわざ指定制なんて導入する必要はないと思うんですけれども、いかがですか。

小宮山副大臣 おっしゃるように、確かに、現在待機児がいるところは、全国の市町村では百一、それから、都道府県でいっても三十七都道府県ということになっていますけれども、全体からいくと、私どもは、今、子供たちのためのこういう仕組みをつくると同時に、このシステムの中では、女性のM字型カーブというのは御存じだと思いますけれども、子育て中の女性たち、二十代、三十代、二十代後半、三十代前半の女性の就業率が非常に低くなる、Mの字になるのは、先進国では日本だけなんですね。潜在就業率という、本当は女性が働きたいと思っている率を調べますと、一番新しい平成二十年でも、大体七〇%台後半から八〇%台半ばという、ヨーロッパの先進諸国と同じぐらい女性は働きたいと思っている。

 これから少子化の中でさまざまな、まあ、そんなのわかっているという顔をされていますけれども、そういう要因とかかわっていまして、女性の力をこれから使わなければこの国はいろいろな意味で発展していかないと思っておりますので、そういう意味からいくと、今よりもニーズがふえるということまで考えますと、今あるところだけでいいとは私どもは考えていないということなんです。

 ただ、この指定制の導入につきまして御懸念の点もよくわかりますので、私たちは、最低基準というのは必ず守ろうと思っています。そのあたりがやはり、経済団体と、それから地方と、いろいろお考えがあるんですけれども、私たちは本当に子供たちにとっていいものをつくりたいので、最低基準は守りますので、そういうところでの歯どめはしっかりとかけていきたいと思いますから、おっしゃるように、まだいろいろな制度を、仕組みを今つくっているところなので、ぜひ、御懸念がないように、お知恵をかしてください。

田村(憲)委員 副大臣のお気持ちはよくわかるんです。しかし、副大臣だけで決まっていく新システムじゃないんですよね。だから頑張っていただきたい部分はあるんですけれども、例えば子ども・子育て包括交付金という制度に変わりますよね。今まで、国が保育に関しては助成金をグリップしてまいりました。この新システムだと、地方に交付金が移管されてしまう。地方で配る配らない、何に使うか自由になってきたときに起こることは何か。今は国が補助金を出しているから、児童福祉法にのっとって、保育の最低基準というものを守らなかったらお金を払いませんよ、認可じゃないから、こういうことができるんです。

 しかし、指定制になって、それが各自治体にお金まで行っちゃえば、最後は、その指定の基準というのは自治体に移っちゃいますよ。今は違うとおっしゃられているかもわからないが、最後はそうなっちゃう。そのときに、親が預けやすいからという基準で面積だとか人員の基準をもし変えられちゃうと、子供たちは何も言えないんです。言葉がしゃべれないんです。子供たちが本来は一番の受益者でなければいけないわけですよ。そこを外しちゃうと困る。副大臣はよくおわかりだと思いますが、しかし、この新システムはそうじゃない思想が見え隠れしているところがあるものですから、私は心配で仕方がないんです。

 幼保の一元化もこの中に、まあ、一元化と言うと怒られちゃいます、一体化。これはよく一元化と言う人がいるから、私が、一元化という言葉は行政的には今は使われていませんから、保育の一体化ですよというような話をするんですけれども、幼稚園もこども園になるんですよね、これに書いてあるのは。幼稚園の皆さんは、もう大変だ、我々は教育をしようと思っていて、預かり機能を重視しているんじゃないんだという幼稚園はいっぱいあるんですよ。とにかく子供の教育、これを中心にやるんだ、だから五時まで子供を預かるような気持ちは我々はない、ましてや七時までなんということはない。教育中心だから、そういう教育をやらせてくれという幼稚園もいっぱいあるんです。それがこの新システムの中で同じこども園に入っちゃうと、そういういいところが消えちゃう。

 そして一方で、これは財源の一元化みたいな話にもなってきていますよね。機能の一元化とともに、その財源、財布も一つにしよう。

 さあ、きょうは政務官にお越しをいただいておりますが、そうすると、幼稚園の就園奨励費、これはなくなってしまうという話になるんだと思うんですけれども、新システムでは就園奨励費はなくなるんですか。

林大臣政務官 田村委員の御質問にお答えをさせていただきたいと思います。

 まず最初に、幼稚園の教育というお話もいただきました。幼保一体化の中においては、今まさに検討会議、そしてその下に設けられた三つのワーキングチームで議論をしている最中でありますけれども、それぞれの歴史の中で培ってこられましたよさをしっかりと大切にしながら、その上での幼保一体化を目指していきたいというふうに思っております。

 さらに、今お問い合わせをいただきました就園奨励費の件でございますけれども、当然、幼稚園の就園奨励費につきましても、現在こうして国会で行われております議論、あるいは検討会議の下に設けられておりますワーキングチーム等々での議論を通じて、これからまさに決められていくということになると思います。

田村(憲)委員 よくわからない話なんですが。

 私が心配するのは、幼稚園は幼稚園のよさがあるし、保育園は保育園のよさがあるし、認定こども園は認定こども園のよさがある、それを私は残していくべきだと思っているんですが、これは来年の通常国会に法律を出すと言われているんですよね。ということは、十二月までに大体中身のことが細かいところまで決まっていないと法律をつくれないんですよ。果たして、今こんな状況で、あと二カ月ちょっとでできるのかなと。大変不安でございますので、早急にお示しください。関係者は本当に不安がっていますから、これはよろしく。何かございましたら、副大臣。

小宮山副大臣 おっしゃるような御心配もよくわかります。

 今、林政務官が申し上げたように、幼稚園、保育園、それぞれいいところを、そこをなくそうとは全く思っていません。こども園になるべく統一したいとは思っておりますが、一気にはいかないので、できれば徐々にこども園の方にインセンティブをかけて皆さんになっていただくような方向で、現状を踏まえながらしっかりやりたいと思っています。

 それで、御承知だと思いますけれども、既に今、幼稚園のうちの八割が預かり保育をしています。それで実際に、幼稚園、幼児の教育指導要領と、それから保育所の保育指針の中身の五原則みたいなものは、もう重なり合っているんですね。ですから、親の就労状況によって幼児教育を受けることに格差があるとか、あるいは生活のためのいろいろなヘルプを受けることに格差があるということではなくて、親の就労状況にかかわらず、就学前のすべての子供が質のよい教育、保育を受けられるようにしたい、そういう思いでやっております。

 今おっしゃった中で、認定こども園は恐らくこども園になった方が二元化しないでいいんだと思いますが、そのほかのところは、なるべく多くのところで手を挙げて両方の機能を持っていただきたいと私たちは思っていますけれども、建学の精神があったりいろいろあることを無理やり一つに一遍にしようとは全く思っておりません。

 制度設計につきましては、再三申し上げるように、政権交代後、だあっと進めなきゃいけない部分で今来ていると私も認識しておりますので、なるべく今の検討状況を、これは与野党ともに国会議員の皆様にもお示しをするし、国民の皆様にも、関係省の皆様にもお示しをして、お知恵をいただいて少しでもいい制度にしたい。そのためには、御意見に真摯に耳を傾けますので、御協力をお願い申し上げたいと思います。

田村(憲)委員 それなら、来年の通常国会と余り期間を切らずにゆっくりと議論をさせていただいた方がいいんじゃないのかなと我々は思っておりますから、またでき上がってきたものをしっかりと我々はチェックをさせていただきたいというふうに思います。

 時間がもうなくなってまいりましたが、大臣にお聞きをいたしたいと思うんです。

 年金記録の問題、何か事業仕分けで、照合作業が仕分けのやり玉に上がったなんという話で、どうなっているんだろう、一体行政刷新会議の方は何を考えているんだろうと私は思うんです。それとも、やはりこれは無駄だからやめた方がいいかという話なのか。大臣、これは、上がったことに対してどう感想を持たれていますか。

細川国務大臣 年金記録をしっかりと回復するためには、コンピューターの記録と紙台帳を突き合わせる、そして、そこでそごがあったり遺漏があったりとか、そうした記録が見つかれば、これを国民の皆さんに知らせて、そこで本人からまた機構の方に連絡をしていただいて訂正をする。

 今までは、ねんきん特別便、定期便なんかでいろいろと記録を送る、そしてそれを本人が気づけば機構の方に連絡して訂正をしている、こういうことだった。だけれども、今度は、国の方でいろいろな間違いを見つけて、それを御本人に連絡をする、こういうやり方ですから、今までと違うんです。

 だから、非常にこの点は重要でありますから、そのことを今度の仕分けの皆さん方にも理解をしていただいて、これは国家的なプロジェクトとしてやっておりますから、ぜひそのことをこちらから申し上げて理解をしていただこうと思っております。

田村(憲)委員 主張した人が仕分けの方に行って仕分けしちゃったなんて話になると、長妻さんも格好つくのかつかないのかよくわからない話になっちゃうんで、何でこんなものが上がったのかということ自体、私は、何か民主党という政党は一体どうなんだろうなと疑問を持っちゃうんですけれども。

 これは大臣、八億五千万件、今九億五千万件までいって、その後、重複を除くと七億二千万件、くっついたのが六億件という話だとお聞きしておりますが、これは四年間で三千億ぐらいかけてやるというんですけれども、四年後、どこまでやるんですか。照合で終わるのが四年後なのか、それとも本人の確認の通知までいくのか、それとも記録の訂正、再裁定までいくのか、どこまでを四年後の完結型だというふうに御認識をお持ちですか。これは、だれも言っていないんですよ。

細川国務大臣 結論を申し上げれば、突き合わせをして、そこに間違いがあればそれを本人に通知する、そこまででございます。

田村(憲)委員 本人通知までが四年後、二十四年ということであるというふうに確認をいたしました。初めてこれがわかりましたので、これからまた、これにのっとって、本当にそれができるのかどうかという議論を時間のあるときに大臣とさせていただきたいなというふうに思います。

 まだまだやりたい質問がいっぱいございますので、また次の機会に、今度は大臣と二時間ぐらいやらせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

 どうもありがとうございました。

牧委員長 次に、長勢甚遠君。

長勢委員 長勢甚遠でございます。

 今、厚生労働省、雇用情勢が大変厳しいということで、大変御苦労されておるんじゃないかと思います。また、総理も、口を開けば雇用、雇用、雇用と言っておられるんですが、実におかしなことに、民主党政権になってから、雇用の前線で実務をやっておる、雇用だとか能力開発に関する組織インフラをどんどんどんどん壊しておられるんですよ。

 その原因はどこにあるかというと、事業仕分けです。事業仕分けというのは、全く哲学もなくて、ただパフォーマンスのために権力を振り回すのが楽しい、こういう方々がやっているわけですから、ろくなことにならない。このことを私は非常に心配をしております。

 具体的に言うと、今いろいろな仕事を手伝ってやっておられる雇用開発協会ですとかあるいは地域職業訓練センターですとか高齢者職業相談室ですとか、こういうのはもう廃止の方向で、厚生労働省はどんどんおどしをかけておるわけであります。加えて、能開機構も廃止をして統合するということで、この訓練がどうなっていくのか、大変心配でございます。

 こういうでたらめな、廃止、廃止と組織インフラを、せっかくつくったものをつぶすというのは、自民党がやっておったんだからつぶすんだという理屈以外に何もないんじゃないかと思います。ぜひ、一つずつ、これは何でやめるのかということを御説明いただきたいと思います。

 まず、各県に、今障害者あるいは高齢者の雇用促進のために、名称は違うかもしれませんが、雇用開発協会といったようなものがあります。これを廃止するという方針と聞いて、今各県とも、私は富山ですけれども、先日も富山県の会長さんが来られて、何でこれを廃止しなきゃいかぬのか、一生懸命やっているのにと、これは民間の会社の重役さんが会長でございますけれども、こういう話なんですよ。これは何で廃止するんですか。

細川国務大臣 長勢委員の方からは、事業仕分けはパフォーマンスだ、こういうようなお話もお聞きしたんですけれども、しかし、国民がせっかく納めた税金が無駄に使われているんじゃないか、こういうことは国民の皆さんからも指摘されているところでありまして、事業仕分けによって無駄なお金を使わせない、こういうことで、今の政権では事業仕分けをしっかりやっているところでございます。

 そこで、委員から御指摘の、都道府県にあります雇用開発協会、これをなぜやめるのかという御指摘でございます。

 この雇用開発協会というのは、地域の事業主の人たちが中心になって、高齢者あるいは障害者の雇用支援に関する業務を実施していた公益法人でございます。

 これまで、この協会に対しまして、独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構、いわゆる高障機構の方から業務を委託いたしておりまして、この業務委託について精査をいたしましたら、委託費の過大支出、過剰に支出をしているということで、まずは会計検査院の方から強い指摘を受けました。また、委託そのものが公正な入札ではなくて随意契約でやっていたとか、あるいは協会が労働局の天下り先になっていたというようなことから、二十三年度からは委託方式はもう全廃をしよう、こういうことになりまして、機構みずからが実施をするということにしているところでございます。

 したがって、委託業務が廃止をされまして機構の方で直接実施をする平成二十三年度以降におきましても、これまで同様に、高齢者あるいは障害者の皆さんの支援実務は実施できるものと考えております。

長勢委員 委託業務について、そういう不正というものがあったということは直さなきゃならないのは当たり前ですけれども、だからといって、民間の企業の方々が集まって障害者雇用なり高齢者雇用についての協力体制をとっておられる、これは非常に重要なことだと思うんです。その人たちを、そのための事業をやめさせるというのは何の必要があるのか。むしろ、今こそそういう人たちに、事業主自身が意識を持っていただくように、この協会が中心になっていかなきゃならない時期だと思うんです。

 今、高障機構で委託を吸い上げてそっちでやるんだということでございましたけれども、協会は委託事業だけやっているわけじゃないでしょう。では、委託を受けているもの以外の事業、高障機構で引き受けられる事業というのは何があるんですか。それはなくなるんじゃないですか。

細川国務大臣 高障機構の方から委託をしていたという、その点については、先ほど申し上げたような理由でそれを廃止する、こういうことでございます。私どもは、それをみずから高障機構でやります、こういうことでございます。

長勢委員 委託をやめるだけで、協会がつぶれるかどうかは知ったことじゃないということですか。

 そうじゃないでしょう。今まで、納付金を集めたりいろいろな助成金を支払ったりという事務を受けると同時に、障害者や高齢者のためのセミナーを開いたり、いろいろな事業主が協力しやすいような雰囲気をつくる、そのための仕事をしておったわけですよ。それが今度、高障機構で全部やれるわけがないじゃないですか。非常に不親切な答弁だったと思います。

 ついでに聞きますけれども、今、雇用数、開発協会で全国で何人おられるんですか。そのうち何人が生首を切られることになるんですか。

細川国務大臣 平成二十二年の四月現在で申し上げますが、役員数千二百十一名、常勤の職員数が三百三十一名でございます。

 したがって、雇用開発協会が今後存続していくかどうかということは、これはその協会の自主的なこれからの活動なりで決まっていくと思いますけれども、今の職員の数はそういうところでございます。

長勢委員 委託はやめるけれども協会はやりたければやればいいという勝手な話だというのは、非常に不親切な話だと思います。

 やはり、こういう事業を総合的にやって、協会の自主的な団体として活動してきて、そのことが非常に役に立っておった。安定所があるいは機構が頭ごなしに協力しろと言ったってしないんですよ。まさに、民間の人たちが固まってやっているから効果があった。これをわざわざやめて、強制的にやめさせて、しかも兵糧攻めにしてやめさせるなんというのはもってのほかだと私は思いますよ。

 これは本当に、民主党政権の雇用に対する認識というのはこういうものかというふうに私は思わざるを得ません。

 次に、地域職業訓練センターもどんどん廃止をするという話でございます。

 ここの地域職業訓練センター、これはもうやめるから地方公共団体で受け取れという話をされているようでございますけれども、ここで今までどれくらいの訓練ニーズに対応してきたのか、これを廃止することによってそれがこれからどうなるのか、そのことをひとつお答えください。

細川国務大臣 申し上げます。

 全国の合計でありますけれども、二百七十七万二千二百九十一人日ということであります。

長勢委員 それだけの訓練の場をなくするということですよね、大臣。それでいいんですか。今この大事なときに、二百二十七万とおっしゃったですか、それだけの訓練の場をなくする、廃止をするというのが、今厚生労働省が進めていることですよ。それでいいんですか。

細川国務大臣 これは今、能開機構で運営いたしておりますけれども、これを地方に移管させていただいて、地方でこれを管理運営していただく、こういうことで進めております。

 これは、地方に譲渡するその条件などについてもいろいろと今交渉しているところでありますけれども、これについては、建物の取り壊し費用と譲渡の価格と差し引きいたしまして、それがマイナスということならばこれはもう無償で譲渡する、こういうことで進めておりまして、今現在、八十二施設のうち八十カ所が無償で地方自治体の方に譲渡したいということで交渉を今進めているところでございます。

長勢委員 今までは、能開機構から訓練の運営費を地方に委託して運営してもらっておったと思うんですよ。これを今度、てめえらでやれということにしようということでしょう。そうすると、建物を無償でもらったからといって、運営費は全部市町村持ちということになっちゃう、あるいは都道府県かもしれませんけれども。これで今、地方の方は非常に困っているというか、怒っていますよ、はっきり言って。どうして、国がやってきたものを、やらなきゃならないということで事業としてやってきたものを、地方に金もつけないでほうり投げるということは、非常に許しがたいことだと私は思います。

 ですから、今、八十八カ所ですか、あるのが。どれくらい話がまとまっているのか。強制的につぶすということなんでしょうけれども、私は非常におかしなことだなと思いますが、どう思われますか。

細川国務大臣 これまでは能開機構の方で、施設については能開機構のものでございましたけれども、職業訓練の管理運営費用についてはこれまでも地方で持っていただいて運営をしていただいた、こういう経過でございますから、今回、施設なども地方に譲渡いたしまして、そこで従来どおりの運営をしていただこう、こういうことでございます。

長勢委員 そういう簡単な話じゃないと思いますよ。そうでなければ、市町村がそんなに、何でこんなのを押しつけるんだといって怒るわけがないですよ。それから、何で能開機構がやったらまずくて、市町村がやったらいいことになるんですか。それだって理屈の合わない話だと私は思います。

 次に、高齢職業相談室も廃止をしましたね。これは全国に何カ所あったか私は知りませんけれども、地域によってはいろいろ問題のあったところもあるかもしれません。全く役に立たなかったところであればやめてもいいと思いますけれども、本当にこれがあるので大変お客さんも多くて、活況を呈しておったところが突然やめることになって、市長さんは本当に怒っていますよ、これも。こんな事業仕分けはやめてくれと言っていますよ、はっきり言って。これは何でやめたんですか。

細川国務大臣 職業相談などにつきましては、ハローワークで国としてもこれを実施させていただいて、失業者の方にも御利用もいただいているということでございます。

 そこで、高齢者職業相談室というのは、市などとタイアップしてそういうことをやっておりますけれども、ハローワークの仕事とそれとが重複をしているのではないか、こういうことで指摘を受けましたので、それはもう廃止をしていこう。しかし、ハローワークをしっかり充実することによってそれを賄っていく、こういうことで、そういうふうに決めさせていただいたところでございます。

長勢委員 従来からハローワークもあって、例えば市役所の一角に高齢職業相談室を置いておって、それがより便利でよかったということで今まで成果を上げてきておったわけです。ですから、もちろん、職業紹介とか職業相談は幾つもの場所で行われることが望ましい。安定所だけで、一カ所だけで全部やらなきゃならぬという法律はどこにもないわけです。したがって、ダブるからというのは全く理屈にならない話、今までの高齢職業相談室が果たしていた役割についての認識が全くない素人が言っていることですよ。厚生労働大臣はそれに反論してもらわなきゃ困りますよ。

 まして、安定所はちゃんと強化するからと言うけれども、そんなになっていないでしょう。どんどん定員は減らす、場所は減らす、それで何が強化ですか。むしろ逆に、職業相談なり職業紹介をする場所をこれからふやしていかなきゃならないときに、あるものさえ壊すというのは許しがたいことだと思いますが、どうですか。

細川国務大臣 これまでの経過もございますので、これまでやっていたそういう自治体などからのいろいろな要望がありましたならば、ハローワークから出張してそれに対応するような、そういう形も私どもとしては考えさせていただいておりまして、委員の御指摘の点もよく理解できますから、そういうことで対応をさせていただきたいというふうに思っております。

長勢委員 ハローワークから出張するということは、ますます安定所の職務、仕事が忙しくなるだけじゃないですか。むしろ、自主的に安定所と連携をとりながら、そういう新しい、別の場でも仕事ができるようにしてあったんですよ。

 こういう今の大臣の御答弁は、余り納得がいきません。一律に今切り捨てられたわけです、廃止されたわけですけれども、必要なところは、市町村等で必要だと言っているところにはぜひ復活をしてもらいたい。このことを申し上げておきたいと思います。

 また、これらに加えて、今度は能開機構も廃止をするわけですよね。能開機構は廃止をする。能開機構もいろいろな仕事をやっておりましたから、一部仕事、事業をやめるということは必要な部分もあるかもしれません。しかし、能開機構の中心的な仕事は職業訓練だったはずです。職業訓練を、廃止をして高障機構に統合するということによって、ポリテクセンター等々の仕事がふえるんですか、減るんですか。今、むしろ逆に、この雇用情勢のもとでは、この仕事の強化を図っていかなきゃならない時期でしょう。このポリテクセンター等の訓練要員が高障機構によることによってどれだけ減るのか、教えてください。

細川国務大臣 今委員御指摘の能開機構でありますけれども、この能開機構につきましては、これまでいろいろな御批判がございました。例えば、スパウザ小田原とかあるいは私のしごと館とか、そういう能開機構に対しての国民の皆さんからの大変な御批判、そしてまたこの国会でも、能開機構はもう廃止しろ、こういうような強い御意見もございまして、これは前の政権で、能開機構は廃止、こういう決定をしていただいたところでございます。

 そこで、委員が御指摘のように、しかし、職業訓練というのは、これはもう国家として大変大事な仕事でございます。とりわけ、産業が移行するとか、あるいは日本にとっての物づくりの問題、こういうようなところでのきちっとした職業訓練というのは本当に大事なことでありまして、したがって、私どもとしても、職業訓練の機能については、今度、高障機構の方、高齢・障害者支援機構の方に移行をする、こういうことで、そこでしっかりした国の立場で職業訓練をしていこうと。

 そして、先生御指摘の、では人数は減るのではないか、こういうことで御指摘を受けましたけれども、その職業訓練を受けていただく人数につきましては、従来と変わらないようにしていきたいというふうに思っておりまして、平成二十一年度は十九万人、平成二十二年度は二十二万人、二十三年度も二十二万人という計画を立てて、訓練はしっかりやっていきたいというふうに考えているところでございます。

長勢委員 訓練枠は維持をするということのようでしたけれども、訓練に携わっている職員は全部高障機構に移れることになるんでしょうか。職員の方々は、今自分の身分がどうなるかわからないというので大変不安になっているんですが、みんな、訓練に携わっていた人たちは全部高障機構に引き継がれるというふうに考えてよろしいんですか。

細川国務大臣 結論から申し上げますと、高障機構に、携わっていた職員の方で意欲と能力のある方は、当然そちらの方に移っていただくということになります。

長勢委員 意欲と能力とかおっしゃいましたけれども、今実際にやっている人たちが、ただ身分が変わるだけで、同じ仕事がこれからも引き続き行えるということは確認させていただきました。

 大臣、今答弁の中で、職業訓練は国の仕事としてますます重大だとおっしゃったんですけれども、そういう中ですけれども、ポリテクセンターというのをどんどん地方に追っ払おうとされているんじゃないんですか。ポリテクセンターを地方に追っ払おうとしている。だれか受けるんでしょうか、金もつけないで渡して。ということは、それは自動的に、そういう訓練に対する民主党政権の認識が極めて弱いというか、マイナスであるというふうに断ぜざるを得ない。

 ポリテクセンターについて今どういうふうにお考えになっておられて、現実に地方が受けるような状況になっているのかどうか、御説明をいただきたいと思います。

細川国務大臣 都道府県の方に譲渡いたしますいろいろな、これは条件をつけまして譲渡ということでありますけれども、職員も一緒に引き受けてもらう。その割合によって補助をする額もそれぞれ違ってくるというような、より多く職員を採用してくれるときには、引き続きやってくれるときには、その補助の額も多い。こういうことで今調整をしているところでございます。

長勢委員 今おっしゃったのは、ポリテクセンターを地方に移管するというときの条件設定のお話をなさったんだと思いますが、ということは、ポリテクセンターはどんどんどんどん地方に移管するという方針で今進めておられる。

 ですから、そう進めておられるのであれば、どれくらいそういうふうに移管できるようになるかをお聞かせいただきたいということと、私は、その方針、つまり、地方に移管するという方針をとるべきではないと思っておりますので、何で地方に移管しなきゃならないのか、先ほど国の責任だと言っておられたにもかかわらずです。そのことを御説明ください。

細川国務大臣 その点については、基本的には国の方でやる。そして、地方の方と条件が合えば、地方の方もやっていただける、こういうことになれば地方の方にも移管をしていく。こういうことでありまして、そこは、委員がおっしゃっているように、基本的には国がやっていく、こういうことでございます。

長勢委員 今のお話は、ポリテクセンターは、行政側から積極的に地方に移管を働きかけるということはない、あっちが申し込んできたときだけ考える、こういうふうに考えればいいんですね。それでよければ、そういうふうに確認をさせていただきます。

 昨今、何か地域主権なんという間違った言葉も使われておるようでありますけれども、何でも国の事務を地方にやればいいんだという間違った思想がはびこっていまして、このポリテクセンターについても同じような流れの一つだろうと思うんです。

 都道府県は、金をつけてくれればもらいたいという人はいますけれども、そうでなくて、自分でやりたいという人はいないんですよね。それと同じことで、今職業安定所も都道府県に移管しろという意見が世の中にあります。どこかで主張されていますよね。これについて、大臣、どうお考えですか。

細川国務大臣 私は、雇用対策といいますか職業紹介事業については、国もしっかりやっていかなければいけないと思いますし、また地方とも協力もしていかなければいけないというふうに考えております。

 そこで、今政府の方では、地域主権の出先機関改革ということで、いろいろ事業仕分けがされたり、省内でもやっておりますけれども、その中で、出先機関については地方に移管すべきではないか、こういう問題が出ているわけであります。

 そこで、委員が言われるように、ではハローワークはどうするのかということでありますけれども、厚生労働省といたしましては、地方公共団体と国が雇用対策協定とかそういうのを締結して、国と地方で協働して職業紹介の事業をしっかりやっていこうという提案をいたしているところでございます。

 ただ、これに対しては、事業仕分けの方からは、生ぬるいというようなこともありまして、さらに見直せという指示も来ておりまして、今、どういうふうにするかは検討中でございます。

長勢委員 時間も参りましたのであれですが、職安、ハローワークは、全国的なネットワークの中で全国的なノウハウを持って役割を果たしておるわけで、これを地方に移管するということは職業安定行政をなくしてしまうと言うに等しい暴論だと思いますので、大臣、ひとつぜひ頑張っていただきたいと思います。

 前回ここで質問させていただいたときも申し上げましたので、きょうは繰り返しませんけれども、機会があったら議事録も読んでいただきたいと思いますが、本来、雇用問題というのは、国の責任でもあるし、地方公共団体も関心を持たざるを得ない問題であることは間違いのないことであります。

 従来は、かつては地方事務官制度というのがあって、県も口を出す、国も口を出すという非常にいい仕組みであったわけですけれども、これを廃止してから、とにかく都道府県も、安定所だけではなくて自分がやりたいということで、いろいろな職業相談なりいろいろなことをやる。結局、二重行政になっていて、全く役人同士の縄張り争いになっているというのは、私は非常に残念なことだと思っておるんです。

 ぜひ、国と都道府県が、人も建物も一体となってこの仕事ができるように、知事も職業安定組織に指示ができるとか、あるいは報告を聞くことができるとかという仕組みをつくっていくこと、私はぜひ考えてほしいなと思っておりますので、大臣、よろしくお願いいたします。

 終わります。

牧委員長 次に、あべ俊子さん。

あべ委員 ありがとうございます。自由民主党、あべ俊子でございます。

 初めに大臣、御就任、大変おめでとうございます。お人柄がよさそうなので、野党としてはちょっとやりにくいかなという感じがしております。

 牧委員長、適切な委員会運営に努めるというお約束でございましたが、強行採決はしないということでよろしいでしょうか。はい、うなずいていらっしゃいますが、ありがとうございます。

 前国会のときには強行採決を繰り返していながらどんどん廃案になっていくという、いわゆる皆様方の計画性のなさが露呈されたので、しっかりと一生懸命これは議論をさせていただきながら、必要な採決は一緒にしていきたいというふうに考えております。

 まず、子ども・子育て新システムについて質問させていただきたいと思います。

 田村議員のときにもさまざまお答えがございました。そうした中で、徐々にこども園に促していく、さらには、そのインセンティブをかけていきながらそれぞれのよさを生かした一体化というお答えでございましたが、さっぱりよくわからない内容でございました。

 一つは、私が特に懸念いたしますのは、幼稚園の方からも保育園の方からも聞かせていただいておりますのが、特に、財源を一つにしていくということで、報道などでは子ども家庭省と言われておりますが、この子ども・子育て、特に幼保一体化において、財源を子ども家庭省に持っていくという理解でよろしいのでしょうか、大臣。

小宮山副大臣 子ども家庭省というのは将来の形で、当面は、内閣府の中にこども園を扱う部局、まあ局になる場合には国家行政組織法を改正しなければなりませんし、室ぐらいの大きさであればそれが要らないということで、今、どういう形でやるかもあわせて検討をしております。

 前から申し上げているように、生身の子供は一人なのに、各省が本当に細切れで、これだけ少ない子供の予算をさらに細分化して、本当に子供のために役立っていない部分もありますので、私どもは、マニフェストでも子ども家庭省を将来はつくりたいと申し上げていますけれども、当面、二十五年度からスタートいたします新システムにおいては、内閣府を統一して、一体化してその管轄する省にしたい、省庁といいましょうか、扱うところにしたいと考えております。

 先ほどから、もう何がどうなるかわからないと現場では非常に混乱をし、心配もしているというお話を承って、私どももそういう声は聞いております。先ほどから申し上げているとおり、これまでそういう情報提供というのが非常に足りなかったということは反省もしておりますので、これから、なるべく必要な情報を、今こういう検討をしている、ここについてはどうお考えかということを、再三申し上げるように、議員の皆様にも、それから現場の方にも、一般の保護者の皆様にもお声をいただいてやりたいというふうに思っているところです。

あべ委員 さらには、サービスの質の低下はないということでございますが、私が特に懸念いたしますのは人員体制であります。

 今、御存じのように、ゼロ歳が三対一、保育士と子供の割合でございますが、一歳と二歳に関しては、子供が六人に対して保育士が一、そういう中で、三歳になると突然、二十名に対して保育士が一人という形になっておりますが、特にこの部分に関しては大きく動かすことはないということの理解でよろしいでしょうか。

小宮山副大臣 もちろん、質を守る、質のよい教育、保育の場をすべての就学前の子供にというのがもう基本的な考え方でございますので、質を落とすつもりは全くございません。ですから、最低基準は必ず守っていく。これは地方主権の関係で、総務省というか、地方と大分いろいろと協議をしておりますけれども、そこは、子供を扱う私どもとしては譲るつもりはございません。

 ただ、現状、人的配置についてはきちっと守ります。面積基準についてももちろん守りたいんですが、昨年の協議の中で、待機児が非常に多いところについては、当面、待機児がある間、面積基準を緩和ということが約束になっておりまして、そこをどうするかは今協議をしていると聞いておりますので、そこも質が下がらないように可能な限りの努力をしたいというふうに考えているところでございます。

 そして、その配置基準については、そのインセンティブのあり方もお知恵をいただきたいところなんですが、こども園にした場合には、できれば今よりも配置基準をよくするということも一つの考え方だと思っておりますので、そうしたことも考えながら制度設計をしたいと思っております。

あべ委員 特に、一応、保育園などをお訪ねするときにいつも問題となっていますのが、一歳児の六対一。一人で六人はとても見れない、特に歩き始め、はいはいし、何でも口に入れてしまう、そういう時期にとても難しいんじゃないかということが言われておりまして、地方自治体によっては、北海道のある地方自治体では、一歳に関しては四・五対一ということを地方自治体の采配でやっているということも言われているところであります。

 特に今、待機児童が、足りないところはゼロ歳から二歳児と言われておりまして、実は、ここは人を厚く配置しなければいけないからこそ採算が割れてしまう部分でもありまして、ここのところは、もしこれから先、方向性を定めるとすれば、手厚くするというお約束をぜひともいただきたい。副大臣、いかがでしょうか。

小宮山副大臣 インセンティブの一つとして、私はそのことも考えたいとは思います。ただ、それはすべて財源との見合いでございまして、これからまた皆様にもお知恵をいただきたいところですが、これは子供色の予算と私どもは言っているんですが、子供に必ず使っていただく形で、子供の予算を、先ほどから申し上げている、細分化しないで一カ所に集めたいと思っております。

 事業主や地方、あるいはもちろん国が財源を出しますし、保護者の方にも出していただくというような形のものを考えておりますので、そこを、どれだけの合意でどれだけの財源を確保できるかによりまして、そこの質を上げていく、思いとしては上げていきたいと思いますが、そこは財源との見合いの中で制度設計をさせていただくというのが現実的な話だと思っております。

あべ委員 さらには、直接雇用ということを言われたことによって波及している問題点の一つに、いわゆる日払いに保育園がなってしまうのではないか、幼稚園がなってしまうのではないかということの懸念が非常に大きくございまして、それは雇用者にとって非常に不安定なもの、きょうは子供が多いからちょっと人を多くしなきゃいけないけど、きょう子供少ないから帰ってねとか、あなたはきょう要らないわとか言われたら、菅総理が雇用、雇用、雇用と言いながら、雇用の不安定を、幼児教育、保育にかかわっている方々に影響を及ぼすのかということが懸念されております。

 この日払い、さらには、いわゆる雇用されている側の保育士、幼稚園教諭、こういう方々の雇用に関しては影響するのでしょうか、しないのでしょうか、お答えください。

小宮山副大臣 今、日払いということは考えておりません。月払いと考えています。

 そして、先ほど人員配置のことを一つのインセンティブと申し上げましたけれども、可能であれば、やはり、こども園で働く方の処遇もできれば改善をするということもインセンティブの一つの選択肢というふうには考えておりますので、下げるということは全く考えておりません。

あべ委員 さらには、幼児教育、保育について資格の共通化ということも言及されているところでございますが、そうしますと、今の幼稚園教諭の八割が保育士を持っている、保育士の八割ぐらいが幼稚園教諭を持っているということを考えたときに、これを一本化するのか、さらには、これまで取った資格に関してはどういう配慮をするのか、今のところの方向性を教えていただきたいと思います。

小宮山副大臣 先ほども林政務官が申し上げたでしょうか、御説明の中にありましたけれども、今、この制度設計のために基本制度ワーキングチーム、それから幼保一体化ワーキングチーム、またこども指針のワーキングチームなど、ワーキングチームを三つつくっておりまして、その幼保一体化とこども指針のワーキングチームの中でそうしたことも今検討をしているところでございますので、現場の意見を伺えるように現場の方にも入っていただいて、しっかりとこれからやっていきたい。

 できることなら一つの資格というものをつくり上げていきたいと思いますが、再三申し上げるように、一度にそこへ持っていくわけではない。ただ、一番望ましい形のものをつくるからには、そこの指針とかそこで働く人の資格をこれからよりよいものとしてつくり上げていきたいと思っていますので、お知恵があれば拝借したいと思います。

あべ委員 先ほどの待機児童の話にちょっと戻らせていただきますが、待機児童の部分で、特に面積要件の部分が、それはさまざまだろうということをおっしゃっていましたが、私は岡山県北でございますが、待機児童どころか子供がいなくて困っているところもございまして、そういうところの面積要件はさわらないというふうな理解でよろしいでしょうか。

小宮山副大臣 結論から申し上げれば、さわりません。

 なるべく、今待機児がいるからというところも、これもいろいろとバトルの結果そういうことになっておりますけれども、そこはなるべく子供たちに影響が出ないように、なるべく範囲を小さく、基準も下げないことでということで今検討をしているところでございます。

 岡山は入りません。

あべ委員 岡山も北と南がありますからいろいろあると思うんですが、本当に、待機児童があるなし、さらには待機児童がいつあると判断するのかということはぜひとも明確にしていただき、市町村の采配でもってこれは待機児童があるから基準を緩和したんだということがないように、そこはしっかりと定めていただきたいというふうにお願いを申し上げます。

 次に、介護療養について質問をいたします。

 介護療養型医療施設、平成二十三年度末で廃止ということを、前長妻大臣は猶予するというふうにおっしゃいましたが、猶予というのは何年間という意味でしょうか。大臣、お答えください。

藤村副大臣 あべ委員にお答えいたします。

 先般、九月七日でしたか、あべ委員の方から御質問があって、長妻大臣の方からは、平成二十三年度末に介護療養病床を全廃するということは、これは困難で、猶予ということをお答えしたんだと思います。

 この関係のことでは、本年一月から七月にかけまして、一つは、介護療養病床から他の施設等への転換実績、転換予定をお聞きし、あるいはもう一つは、介護療養病床等に入院している患者さんの状態なども調査をしたところであります。

 その結果として、介護療養病床からの転換が進んでおらず、平成二十三年度末までにすべての介護療養病床を廃止することは困難であると長妻前大臣が判断いたしました。

 前大臣のこの判断を踏まえまして、来年の通常国会での法改正が必要であるため、現在、介護保険部会において検討を進めており、今後、猶予も含めて方針を決定し、これは来年の法改正につながる話になると思います。

あべ委員 猶予というのはわかったんですが、質問いたしましたのは、何年猶予するのですかということをお尋ねいたしました。簡単にお答えください。

細川国務大臣 委員御指摘の、いつまで猶予するかということにつきましても、今、介護保険部会というところで検討して、法案をつくるときに、そのときに決めたいというふうに思っておりまして、今その猶予がいつまでというところはまだ決めておりません。これからこの部会で検討して、そこで法律をつくったときにそのことも明記をしたいというふうに思います。

あべ委員 その方向性を本当に早く定めていただかないと、結局どっちの方向へ行くかわからないから、早く方向性だけでも決めてくれというメールがさまざま私の事務所の方に入っておりまして、いわゆる転換することを見送っているというところが、本当に様子見のところがふえてしまっている。そういうところを考えたときに、早く結論を出していただきたいのですが、さらに問題なのは、転換すべきだと言われて介護療養型老人保健施設に転換したところでございます。これに対しては、大臣、どう処遇するつもりでしょうか。

細川国務大臣 既に転換をしていただいているところには、それは本当に方針に従ってやっていただいたということで感謝も申し上げたいところでありますけれども、では、そういうところにどういうふうに処遇をしていくかということにつきましては、これは二十四年の介護保険報酬のところでも、しっかりそれらに向けてやっていきたいというふうに思っております。

あべ委員 そうすると、感謝するという大臣のお言葉だけではなくて、しっかり実態もそれに合わせて見ていくということだと思いますが、ちなみに、転換は促しますか。それとも、最後まで見送ってきた、様子見をしてきたところの方のごね得になるのか、これだけお答えください。

細川国務大臣 それらも、委員御指摘のいろいろな御意見も踏まえまして、今、介護保険部会の方で検討をいたしておりますから、そこでしっかり検討させていただきたいと思います。

あべ委員 本当に、前の大臣のときもそうでございましたが、検討、検討でございまして、今回の菅内閣はクリーンな内閣ということで出ていると思いますが、中身が何にもないからクリーンと呼んでは困るわけでございまして、エンプティークリーンじゃなくてしっかりとしたクリーンを目指していただけたらというふうに思います。

 特に介護に関しましては、介護難民がこんなにたくさんいることを考えたときに、また、転換、転換と言われて転換をしてしまった、本当に詐欺に遭ったような思いをされている、その転換をされた施設の方々が、これから先自分たちはどうなるんだろう、さらには、その単価も下げられている、なおかつ人員配置も厚くしている、それに対してはその報酬が見合わないということで、本当にこの方向性を、転換を聞いたばかりに反省をすることになってしまって後悔することにならないように、大臣、ぜひともその御決意を一言お願いいたします。

細川国務大臣 委員の御指摘も踏まえまして、しっかり対応してまいりたいと思います。

あべ委員 大臣がしっかりと言うと、本当にしっかりしてくれるような気がしますので、よろしくお願いしたいというふうに思います。

 もう一つは、介護職員の方々のいわゆる処遇改善について、大臣の所信の中にございました。介護の方々の給与を上げるべきだということで、私どもが与党でございましたときに、介護職員処遇改善交付金ということがございました。これが一一年度末で終わるということでございましたが、厚労省のいわゆる意見によりますと、その給付水準を維持する方針だということでございますが、これは介護報酬の中に入れていくということでしょうか、それとも基金のまま存続させるということでしょうか。大臣、今のお考えをお聞かせください。

藤村副大臣 お答えいたします。

 二十一年度の介護報酬プラス三%改定に加えて、介護職員一人当たり平均月額一・五万円の賃上げに相当する介護職員改善交付金ということで実施をしております。

 この介護職員の処遇改善については、一時的なことではなしに、今後も引き続き取り組んでいくということは当然重要であり、この交付金による賃上げについても、事業者の判断ではあるものの、できる限り月々の給料に上乗せすることを御検討いただくように呼びかけたところでございます。

 それで、介護保険料でやるのか、あるいは国の今までの手当でやるのか、この辺は、財源の見合いのことと、それから、では介護保険料を上げるのかという話に直結するものですから、もう少し時間をかけて検討させていただきたいと思います。

あべ委員 いつまで時間がかかるか、教えてください。

岡本大臣政務官 介護報酬の見直しは平成二十四年度であるということは、委員も御承知いただいていると思います。そういう意味では、まだかなり時間がありますし、二十四年の予算をつくっていくという意味でいうと、今は二十三年度の予算をまさに作成している段階で、二十四年度の予算との見合いということにもなってまいりますから、この時点で二十四年度の予算が見通せるということでないことは委員も御理解いただけると思います。

 そういったさまざまな財政状況、また、ほかの予算との兼ね合い、そういったものもあります。厚生労働行政の各般の取り組み等にもよりますので、この時点で二十四年のそういった介護報酬や診療報酬の改定の方向性をお示しするのは大変難しいということは御理解いただきたいと思います。

あべ委員 すなわち、おっしゃっていることは、介護保険の見直しまでには間に合うけれども、その前までは全く先が見えない、ただ、介護職員の給料を保障するだけは保障するということの理解でよろしいでしょうか。

岡本大臣政務官 先ほど副大臣からお話をさせていただきましたように、大きな方針はお話をしたとおりであります。したがって、介護職員の皆様方に出てくる、もしくは介護施設に支払われる報酬という形にしろ、お金がどこの財布から出てくるかということを確定するというのはなかなか難しいというのは御理解いただけるんじゃないかというふうに思っておりまして、先ほどの大きな方針は既にお示しをしております。現場で働いてみえる皆様方におかれまして、介護にかかわって働いてみえる皆様方に対して、こういったメッセージをしっかりお伝えしておるところでございます。

あべ委員 特に世界一の高齢社会と言われている中、その高齢者を支えている介護職員の方が本当に血のにじむような思いで働いていらっしゃる。これに対して、私どもが与党のときに、これはこのままではいけない、本当に雇用先がなくて困っている不況の中に、何でここの市場だけ人手が足りないんだということでつけさせていただいた額でもあります。ぜひともこれは維持しなければ、この国のあり方として、また、働いている方々にしっかりとその報酬を差し上げるという観点からも大切だと思っておりますので、よろしくお願いしたいというふうに思います。

 もう少し、時間でございますので最後に質問させていただきます。

 大臣のお言葉の中に、子供の育ちを支援するためには、働き方の見直しも必要ということがございました。

 私、議員になって六年目でございますが、私どもが与党であった税制調査会にいつも出させていただいたときに議論になりましたのが、いわゆる女性が働くことにおける百三万と百三十万の壁ということがずっと議論をされてきました。反対派の方もいらっしゃいます。賛成派の方もいらっしゃいます。そうした中におきまして、これに関しては大臣、どのようにお考えでしょうか。

小宮山副大臣 私が税調の方のメンバーをしておりますので、私からかわってお答えをさせていただきたいと思います。

 おっしゃったような、その百三万円、百三十万円の壁のことは、これはやはりライフスタイルの選び方によって公平でない税制だと私ども考えておりますし、男女共同参画社会基本法をつくったときにも、そういう性に公平でない制度を見直すということはもう最初の方に書いてあることでございますので、これは、配偶者控除については、もともと子ども手当の財源としてマニフェストにも書いてきたところでございます。

 ことし、税調の方で、所得税の控除の問題、控除も含めた所得税、相続税、それから法人税、その中にもちろん消費税も入ってくるかとは思いますが、税制全体の抜本的な見直しを考えていくということになっておりますので、その中でしっかりとそのことは、女性の方の働き方の公平を言っております私の方の立場からも提言をしたいというふうに思っております。

あべ委員 本当に賛否両論のこの部分でございますが、やはり厚生年金の被用者保険が適用されていない方々に関してどうしていくかということが、いわゆる就労調整が行われている、それがプラスなのかマイナスなのか、さまざまな団体の声があるところでございますが、これから先の少子高齢化の中で、この百三万と百三十万の壁をどうしていくかは、本当に私は影響が大きいと思っておりますので、小宮山副大臣、ぜひとも、今回は税制調査会にいらっしゃるということでございますので、御検討をしっかりとお願いしたいというふうに思っております。

 最後になりますが、菅総理が今回どうしても出したい重点法案の中にございました派遣法の改正法案でございますが、大臣、これは何が何でもこの国会でおやりになりたいとお考えでしょうか。

細川国務大臣 派遣法の改正というのは、これは行き過ぎた規制緩和を是正するためにどうしても必要な法案でございます。そういう意味で、政府といたしましては、ことしの通常国会にこれを提案させていただいておりまして、この衆議院で継続審議ということになっております。

 私どもとしては、派遣労働者のこれまでの、あのリーマン・ショック後の派遣切りあるいは雇いどめというようなことがもう二度と起こらないよう、そういう意味での規制をさせていただいた、そういう法案でございますので、ぜひこの国会で御審議をいただいて、成立をさせていただきたいというふうに思っております。

あべ委員 この法案に関しましては、派遣という働き方をしている方の持っている問題点を解決できると私は全く思っておりませんが、また、今回の改正法案によって影響を受ける方々がどれぐらいいらっしゃると大臣は思っていらっしゃいますか。

細川国務大臣 この法案によって影響を受ける派遣労働者は、二十七万人でございます。

あべ委員 この改正法案が出されるということで、今企業の方々はこの派遣をどうしていこうかということで転換を図っております。皆様方が予測したように、いわゆる正規雇用になっていくのではなく、パート、アルバイトがふえただけというデータが出ておりますが、大臣、それは御存じでいらっしゃいますか。

細川国務大臣 委員の言われておりますのは、リクルートワークスの調査でございますでしょうか。この調査によりますと、日雇い派遣労働者の三五・七%が副業しており、専業としているのが一一・〇%というような、私、詳しくは存じませんけれども、リクルートワークスの方で調査をした結果が出ているということは聞いております。

あべ委員 すなわち、いわゆる雇用法の改正法案がマイナスの方向に行っていると私は思います。特に、どういう仕事でもいいから欲しい方が今いらっしゃる中、また、それを、改正法案を出すことによって、雇用が減るどころか違った不安定な形の雇用になってしまっている中、この法案を通していくことは、究極の派遣切り法案になるのではないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

細川国務大臣 委員の御指摘、いろいろございますけれども、この派遣法の改正案については、委員がおっしゃられるように、賛否両論、いろいろあるところでございます。

 私どもとしましては、労働政策審議会、これは公労使の代表で構成されておるこの審議会で成案を得たものでございまして、ぜひともこの委員会の中でいろいろと先生方の御意見を、ここで審議していただいて、ぜひこの国会で成立をさせていただきたいというふうに思っております。

あべ委員 修正をしていくことでいいのであれば修正も可能でございますが、もともとのこの法案の骨格が余りにもよろしくないので、私は、今の派遣の問題は、解雇ルールが明確になってないこと、解雇された後のセーフティーネットが完備されてないことに尽きるんだと思っております。

 さらに言えば、働いている方々がどれだけ柔軟性を持って働けるかということは、一つは、ライフスタイルとしての多様な働き方の選択であるという観点、また、企業がそういう人材を求めているということも一つございまして、どういう働き手がその国にいるかということが、このグローバル社会において、どこに会社の基点を置くかということの判断基準になっていく中、一見、派遣を救うようなこの派遣法改正法案が、派遣も全く救わず、なおかつ、この国を滅ぼしていくということになるのではないかというふうに懸念をしているところでございます。

 大臣、この法案はこの国会では通すべきではないと私は考えておりますので、ぜひともよろしくお願いします。

 時間になりましたので、終わります。

牧委員長 次に、古屋範子さん。

古屋(範)委員 公明党の古屋範子でございます。

 大臣所信に対する質疑を行ってまいります。特に、今私自身が取り組んでおります政策テーマを中心に質問してまいります。

 その前に、一昨日、鹿児島県奄美地方を襲いました記録的豪雨でお亡くなりになられた方、また、けがをされた方々に心よりお見舞いを申し上げたいと思います。

 現在、道路や電話回線など寸断をされている、連絡がとれない住民らの把握が難航している状況が続いているということでございます。

 昨日、公明党といたしましても、この対策本部を設置いたしました。飛行機は飛ばないということでもございました。昨日六時に、医師でもあります秋野公造参議院議員、船を確保したようでありまして、九州から現地に向かいまして、けさ六時少し前くらいの予定で現地に到着をしているかと思っております。しかし、最も被害のありました住用町へは、なかなかたどり着くのも困難であろうかということを思っております。

 本日の朝刊によりますと、被害でございますが、約七千回線の電話は復旧せず、七千世帯以上が停電をしている。道路は約三十カ所が通行どめになっていて、六百人以上が避難所で二晩目を過ごした。このような被害状況、報告をされております。現在も雨が降り続いているようでありまして、避難場所などに足どめをされた住民の方々は不安な状態に置かれているということでございます。

 その中で、昨日九時のNHKニュースの報道によりますと、三人死亡が確認をされたということでございますが、そのうち二人は住用町のわだつみ苑というグループホームのお二人であったということでございます。

 九人入所されているグループホームだそうなんですが、この職員の方が語っていらっしゃいました。二十分くらいで背丈までの高さに水が建物に入ってきた、それで食事をしたテーブルがそこまで浮き上がって下がった、水の勢いが余りにも速い、考えられないスピードであった。建物が完全に水につかったということで、入居者にカーテンレールにつかまるよう指示をしたそうであります。しかし、この亡くなったお二人は、カーテンレールが外れていた。外れたカーテンレールにつかまっていたお二人が亡くなったのではないか。正確なことはこれから検証することになろうかと思いますが、昨日九時のNHKニュースではそのように報道されておりました。

 人工透析の患者の方々二十一名の搬送は済んだと伺っております。これに関しては、ほっといたしております。やはり災害弱者であります高齢者、子供が大変心配でございます。孤立した方々の状況確認を早急に進めて、対処をお願いしたいと思っております。

 実は、平成十八年に長崎県の大村市でグループホームの火災がございました。このとき、ちょうど私も総務大臣政務官をしておりましたので、これに対する対応、消防法の改正等にも携わってまいりました。また、本年三月、記憶に新しいところでありますが、札幌でのグループホームの火災、認知症高齢者のグループホームでの火災で、七人お亡くなりになっていらっしゃいます。

 この後、こうした案件を背景といたしまして、消防法も改正をされ、スプリンクラーの設置基準も見直しをされてまいりました。前政権においても、この設置については推進をしてきたところであります。現政権に引き継ぎまして、この支援に関しては御努力をされている最中と認識をしております。こうした火災におきましても、真っ先に被害に遭う、自力で逃げられない認知症高齢者あるいは要介護者であります。

 その後も、昨年の七月になりますが、山口県の防府市で同じく土砂災害がございました。このときも、この市にあります特別養護老人ホーム、ここが被害に遭いまして、五人の死亡者が出ております。

 火災のみならず、火災に関しては私たちも前政権において精いっぱいの努力をしてきたつもりでありますが、気候変動をしている、地球が温暖化をしている。今まで考えられなかったような、雨量も多くなっております。こうした中で、こうした土砂災害に対する高齢者施設の対策というものが急務であろうかと思っております。

 短時間に生命の危険にさらされるようなこうした自然災害では、要介護度の高い人たちを職員だけで全員避難させるというのは困難ではないかと思います。要援護者避難対策の難しさというものが浮かび上がってまいります。増加する高齢者とまた要介護者施設、重労働の割に低い賃金のため不足する介護の担い手、先ほども質疑にございました。また、避難勧告、避難指示などへの住民の理解と情報伝達など、さまざまな課題が山積をしていると思います。

 全国のすべての高齢者施設に防災対策は欠かせません。グループホーム等介護施設には、夜間時の避難訓練、防災マニュアルの策定、地域住民との連携など、やらねばならないことが山積しているかと思います。今回の場合、詳細はこれからだと思いますが、相次ぐ惨事の背景を突き詰めれば、介護全体の手薄さが浮かび上がってくると思います。防災対策も、グループホームに任せきりにするのではなく、やはりこれは国が積極的に取り組むべきと考えます。

 大臣、高齢者が安心して安全に暮らせる環境をつくる、これは国民全体の責任であると思います。グループホームの防災対策は待ったなしであると思いますが、この点についての御所見をお伺いいたします。

細川国務大臣 奄美大島の方での豪雨による災害、記録的な雨量とか言われておりまして、そこでの災害に遭われた方に対しては、私もお見舞いを申し上げたいというふうに思います。

 そこで、委員がいろいろと今御指摘をいただいた奄美市の住用町のグループホームわだつみ苑、あるいはまた特別養護老人ホームの住用の園というようなところ、そこで入っておられる方々が大変な目に遭われた、こういうことで、避難はされておるようでございますけれども、厚生労働省としましては、県の方に対しまして、避難先での老人たちのプライバシーの保護とか、いろいろな面でしっかり対応してくれるようにお願いもしたところでございます。

 委員が言われるように、介護の問題というのは本当に重要な問題でございますから、これは、しっかりと市町村などとも連携をしながら、今後さらに一層充実をさせていくという方向で頑張っていきたいというふうに思っております。

古屋(範)委員 避難先での高齢者の支援、全力を挙げてくださるということですので、ぜひお願いしたいと思っております。

 ハードの面での防災対策ですとか、あるいは迅速な情報伝達、また人員配置の面、これは、費用負担もあることから、介護制度、もっと言えば高齢者福祉全体の中でのこれからの検討が必要かと思いますし、また地域との連携、こうしたさまざまな観点から、高齢社会、特に高齢者施設での災害弱者への対応、これは国を挙げて取り組んでいくべきと考えております。

 当面、今奄美で避難生活をされている方々、こうした方々、特に災害弱者と言われる高齢者、また介護、医療が必要な方々、この方々へ全力で支援をしていっていただきたい、このことを再度申し上げておきたいと思います。大臣、よろしくお願いを申し上げます。

 次の質問に入ってまいります。妊婦健診についてお伺いしてまいります。

 妊娠また出産、母子ともに非常に命の危険を伴うことが多々ございます。高齢出産もふえておりまして、リスクが高いかどうかを知るために有効なのが妊婦健診でございます。それをせずに、飛び込み出産という非常に危険なケースもございます。その理想とされますのが十四回健診を受けることでありますけれども、これは非常に費用負担が重いわけであります。

 ちょうど三年半前に地方統一選がございましたけれども、そのとき公明党としても、地方議員と力を合わせて、妊婦健診の公費助成を手厚くしていこうということを推進いたしました。当時たしか平均二・八回だと思いますが、これを五回へ、そしてまた、十四回無料化への道筋を開くべく努力を重ねてまいりました。

 現在、全国の市町村で実施をされている妊婦健診十四回分の公費助成につきましては、二十二年度までに期限が切れてしまうことが懸念をされております。それ以降、二十三年以降は一体どうするのかという問い合わせが私の方へも多数寄せられております。だれもが安心して出産できるよう妊婦健診の負担をなくすこと、これは国の責務でございます。

 来年度分については今回の補正予算で手当てをされる、このように伺っております。これを改めて確認させていただきたいと思います。また、今後は十四回分の助成を恒久的な制度にすべきと考えますけれども、この点はいかがでございましょうか。

岡本大臣政務官 妊婦健診の件についてお答えさせていただきます。

 十四回の妊婦健診を今実施していただいておりますのは、おっしゃるとおり、本当に公明党さんのお取り組みもあったというふうに理解をしております。

 安心、安全に出産をしていただく環境を整備していくということは大変重要でありまして、先ほど御指摘のとおり、公費助成を継続する方針というのを既に示しているところでございます。

 さらに内容の充実をするべきだということもありまして、御党の江田議員にもオブザーバーでお入りをいただいて、今、HTLV1特命チーム、私もメンバーとして参加をしておりますけれども、こちらの方を進めておりまして、第三回の決定事項、これは十月十九日に、妊婦に対するHTLV1抗体検査について、二十二年度、本年度ですね、補正予算により妊婦健康診査支援基金の積み増しを行い、平成二十三年度も妊婦健診の公費負担を行うことにより、継続して実施するということで、項目をさらに追加するという方向を決めたところであります。

 その一方で、妊婦一人当たりの公費負担の内容において、いわゆる今お配りしている受診券で公費負担をしている千四百五十市区町村のうち、国で例示する標準的な検査項目、どのくらい実施しているかという率を見ますと、ばらつきがあるのも事実であります。こういった課題もあるというふうに承知をしておりまして、取り巻く環境、また、妊婦の皆様方、またその御家族に妊婦健診の重要性をどのようにお伝えしていくかということも含めて、私たちは考えていかなきゃいけないんだろうというふうに思っております。

古屋(範)委員 今政務官から、基金の積み増しを行う、そして平成二十三年度、これは継続をするというお約束をちょうだいいたしました。恒久化について触れられなかったということは、そこに関しては未知数であるということなんでしょうか。

岡本大臣政務官 先ほどもどなたかにお答えをしましたが、二十四年の予算というのはまだちょっと、ここでというのはなかなか難しいところがあろうかと思いますが、安全、安心な出産を目指していく、その思いというのは、私自身、大変重要だというふうに考えております。そこでお含みおきいただきたいと思っております。

古屋(範)委員 ぜひ、二十三年度のみならず、それ以降、恒久化に向けて最大限お取り組みをお願いしたいと思っております。よろしくお願いいたします。

 次に、線維筋痛症について質問してまいります。

 先日、横浜市在住の線維筋痛症の患者の方々、また御家族とお会いをいたしました。また、先週十三日には、線維筋痛症友の会主催の市民集会で、その病態、また問題点等お伺いをいたしました。患者の方々が困っていること、不登校、就労問題に非常に苦しんでいらっしゃるその状況をお伺いいたしました。

 この線維筋痛症は、全身が耐えがたい、恒常的な、慢性的かつ持続的に休みなく続く疼痛、睡眠障害、全身の倦怠感などが主な症状で、そのほか多種多様な副症状を伴う疾患であります。重度の場合は自力で日常生活が営めないという場合もあります。日本テレビの元アナウンサーがこの病気を苦に自殺をしたということが報道されまして、線維筋痛症への知名度、認知度は多少なりともアップをしたかなと思われます。

 しかし、特に医療機関などでの認知度を高めることが重要である、これは言うまでもございません。患者の方々は、やはり病名が特定をされるまで、非常に多くの医療機関を受診され、長い年月かかっていらっしゃいます。

 日本線維筋痛症学会、西岡教授は、ことしの三月、初の診療ガイドラインを策定されました。線維筋痛症は、国内の患者は推定約二百万人と言われております。大変患者数が多いわけであります。医療関係者の認知度が低くて、東北等を中心に八県には治療できる医療機関がないとも伺っております。適切な治療を受けられずに寝たきりになったり、あるいは社会生活ができなくなったりする患者も多くおります。また、子供の不登校の原因にも一部なっております。線維筋痛症の正しい理解の促進、また実態調査、さらには、難病指定、医療費支援、特定疾患認定による研究体制など、たくさんの御要望も伺っております。

 線維筋痛症の患者の皆様には今すぐ対策が必要であると考えておりますけれども、こうした線維筋痛症患者の方々への支援について御所見をお伺いいたします。

岡本大臣政務官 今御指摘いただきました線維筋痛症の患者の皆様方、今、その病状にそれぞれ大変お悩みのことだろうと思います。

 そういう意味では、さまざまな難病がある中で、こうした、原因がまだわからないとか、治療法も根治法がなくて対症療法に尽きるというような状況であるだとか、また、それ以前の問題として病気に対する認識が大変乏しいというようなことだとか、今委員が御指摘になられましたようなさまざまな意味で課題が多い疾患だろうというふうに理解しています。

 先ほどお話がありました、西岡先生が最近取りまとめられた知見というのも承知をしておりますが、いずれにいたしましても、こういったさまざまな病気に対する治療法や原因の究明というのは厚生科学研究等で進めていくことが必要であろうというふうに思っておりますし、また、お悩みの皆様方、患者さんの皆様方にとりましては、治療費に対する支援というのを求めてみえるというのも承知をしております。

 そういう意味では、さまざまな難病、そして、さまざまな難しい病気をお抱えの皆様方に、どのようにそういった治療費の面で支援をしていくのかというのは、これまた難しい問題はありますが、現在、省内で検討しております。検討しているというのは、ちゃんとチームを立ち上げて検討をしておりまして、これまでの特定疾患の枠ではない方法があるんじゃないかということで、でき得れば年内をめどに、こういった新しいスキームをつくれないかなということで、今、指示して走らせておりますので、またそういったものを皆様にお知らせしていきたいというふうに思っております。

古屋(範)委員 政務官から、今、省内でチームを立ち上げている、新しいスキームもできればつくっていきたい、前向きな御答弁をいただきました。

 本当に、私がたまたま会った方がそうなのかもしれないんですが、患者さんは女性が多いように思っております。言葉にあらわせないような非常な痛みとか、あるいは家庭の御苦労、家事もできない、ある方は、それでもやはり料理をつくりたいという思いから、包丁を腕に縛りつけて自分は料理をしているんだ、このような方もいらっしゃいました。ぜひ、線維筋痛症患者への最大の御支援、よろしくお願いしたいと思います。

 次に、せんだっても取り上げました、うつ対策の質問をしてまいります。

 今や国民病とも言われております、患者百万、推定の患者は二百五十万と言われておりますうつ病は、だれでもなる可能性がある、心の風邪のようなものだとも言われております。また、自殺の最大の要因とも言われております。

 公明党では、新しい福祉を提案いたしまして、中でも、特にうつ対策に力を入れております。私たちが二年半前にまとめました総合うつ対策提言、これも着実に前進をしてきているところであります。この四月、認知行動療法が診療報酬の対象となったということでありまして、非常に注目を集めております。

 これは、さきの委員会でも指摘をしたところでございますが、認知行動療法、保険適用になったとはいえ、専門医が不足をしております。この育成については、八月にうつ病認知行動療法に関する技術研修が始まりました。私たちも現地に行って実際に見てまいりました。エビデンスに裏づけられた治療技法と研修システムを全国レベルで充実させていく研修制度を確立することが重要であると思います。十分な研修が必要不可欠であると思っております。ぜひとも、そのためには、予算をしっかりと確保していただきたいということを切に大臣にお願いいたします。

 さて、今後の取り組みとして重要だと思われますのが、地方自治体の支援体制であると思っております。先日、公明党のうつ対策ワーキングチームで鹿児島県での先進的な取り組み、視察をしてまいりました。川薩保健所というところと、それから鹿児島市の精神保健福祉センターを訪れました。

 この川薩保健所では、宇田英典保健所長、前保健所長ですけれども、鹿児島県における自殺対策についての説明を受けました。ここでは、一次から三次まで、さまざまな自殺対策を組み合わせた新しい複合的自殺予防対策プログラムというのを実施しております。

 そして、鹿児島市にある精神保健福祉センターでは、この八月に、慶応大学の大野裕教授によります精神保健福祉士等従事者を対象といたしました地域における支援者のための認知行動療法研修を行いまして、これに参加した保健師の方々から御意見を伺ってまいりました。

 相手の考え方の偏りに気づく、認知行動療法、御存じと思いますが、マイナスの考え方を、そこからいろいろな考え方の可能性を切り開いていくというような療法であると聞いておりますが、相手に振り回されない余裕を持って相談に応じられたなど、感想を伺うことができました。また、保健師の方々は、非常にたくさんの業務を抱えていらして、またそれも緊急性のあるものもあり、疲労こんぱいをしているということでありまして、ぜひ保健師の人員配置を増員してほしいというような切実な要望も伺ってまいりました。

 こうした、市民と一番間近に接していて、また相談に直接こたえている、対応する自治体の研修、これは非常に重要であると考えております。鹿児島県のこのような先進的な取り組みを全国の自治体で行うことができるよう体制を早急に整備する必要があると思っております。

 十月八日に閣議決定されました緊急総合対策の中で、うつ病に対する医療等の支援体制の強化が挙げられております。そうした意味でも、今編成をされている補正予算では十分な予算の確保をお願いしたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

細川国務大臣 委員御指摘のように、国民病とも言われるうつ病に対しては、本当に国家的な体制で取り組んでいかなければというふうに思っております。

 そういう意味で、うつ病患者への支援体制の強化、そのためには、うつ病の治療にかかわります人材の質の向上というのと、それから、うつ病の方が最初にかかるかかりつけ医、それと精神科医との連携というようなことも大変重要だというふうに思っておりまして、そこで、政府といたしましては、うつ病対策といたしまして、緊急総合経済対策の中で二つのことを盛り込みました。一つは、精神科医療に携わる医師、看護師等に対する、委員が言われた研修であります。それから、かかりつけ医と精神科医の連携体制の強化ということを盛り込みまして、うつ病対策の強化をしていきたいということでございます。

 しっかりとこのことも、委員がいろいろと以前から御提言もされております、それらを踏まえまして、予算でもしっかりつけていきたいというふうに思っております。

古屋(範)委員 補正予算の確保をぜひともお願いいたします。

 次に、心理職の方々とのチーム医療についてお伺いいたします。

 医師だけではやはりすべての治療を賄うことは無理であります。心理職、看護職等を含めたチーム医療が重要になってまいります。

 そこで、臨床心理士等の方々、二十年余りにわたりまして臨床心理職の国家資格の創設を訴えていらっしゃいます。二〇〇五年にはこの機運が高まり、あと一歩というところまで参りましたけれども、実際には実現できませんでした。

 心理職と申しましても、数十、非常に多くの団体もございます。また医学界からの御理解も必要であります。こうした心の問題に不可欠な臨床心理士などの国家資格化について、この機会に早急に取り組むべきと考えますけれども、いかがでしょうか。

藤村副大臣 古屋委員にお答えいたします。

 公明党においてうつ病対策に長く取り組んでいただいている古屋先生には、本当に敬意を表したいと存じます。

 今お問い合わせの件、私も、実は、二〇〇五年ですか、平成十七年のときの心理士、臨床心理士の国家資格化には、議員連盟で深く携わった者の一人でございます。

 さまざまな精神科医療の中での職種が、それぞれ今いろいろな形で、財団であるとか協会であるとかという形で資格をお出しになっている。チーム医療が、今新たに心理職等精神保健医療研修というものがやっとでき、受けられるようになった、こういうことであります。

 今後、認知行動療法の普及における心理職の役割についても十分に検討していきたいと存じますが、臨床心理士などの国家資格化についてとなると、それらの心理職の方々が医療機関のみならず職場や学校などのさまざまな場でその役割を担っておられることから、さまざまな御意見があり、また、さまざまな団体からのそれぞれの意見があるということで、こうした動向を見守っていくというのが政府の姿勢ではないかと思っております。

古屋(範)委員 副大臣おっしゃるとおりでございますけれども、今、多くの団体の方でもこれを何とか一本化しようという努力を重ねている最中であるとも伺っておりますので、私たち議員の立場としても、これをしっかりと応援して、心理職の方々がこうしたうつ対策に対しても多く力を発揮できるような環境整備をしていきたいというふうに思っております。

 そのほか、職場におけるメンタルヘルス対策、産後うつ対策等予定をしておりましたけれども、時間が参りましたので、以上、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

牧委員長 次に、坂口力君。

坂口(力)委員 細川大臣初め副大臣の皆さん、そして政務官の皆さん、御就任おめでとうございます。今回はすばらしい皆さんがおつきになりました。今回はと言うと前は悪かったように聞こえますが、今回もすばらしい皆さん方がおつきになりまして、大変うれしく思っております。

 幾つかのことをきょうはお聞きしたいというふうに思っておりますが、これは大臣のところに質問要項に実は出さなくて、ついきょう午前中に気づいたことが一つございまして、それはお答えいただかなくても結構でございますが、私も余り自信がないんですけれども、厚生労働大臣あいさつを拝聴いたしました。その中に、この一ページ目に「現在、少子高齢化が進行しております。」という言葉があって、高齢化だけのときですと、高齢化と最近は言わずに、高齢社会と言っております。先日もテレビで拝見しておりましたら、二一%以上は超高齢社会、こう言うんだということを言っております。

 それで、上に少子がありますから、少子は少子化と少子社会と、これは区別があるのかどうか、私もよくわかりません。少子高齢社会ですから、通常使ってもいいんではないかという気もしますが、何にいたしましても、厚生労働大臣のあいさつでございますので、少子高齢化という使い方はこれでいいのかどうかということがちょっと気にかかりましたので、一遍御検討をいただきたいというふうに思っております。

 この問題はもう以上でございます。

 さて、一番最初に、どうしましても肝炎のことをお聞きしなければなりません。

 実は、大臣にこの肝炎のことをお聞きするのはつらいと申しますか、お聞きしにくい。自分も今まで苦しんできた問題でありましただけに、大臣にお聞きするのはいささかお聞きしにくい点もありますけれども、二、三お聞きをしたいというふうに思います。

 けさからも諸先生からのいろいろのお話がありまして、最初、柚木先生からの御質問に対して、大臣は、患者さんが苦しい状況にある、それを早く終わらせたいというふうに思っているということを言われました。それから、田村先生の御質問に対しまして、御苦労されていると思う、こういうふうにお答えになっておりますが、苦しい状況あるいはまた御苦労されているということはそのとおりでございますけれども、患者さんに対する謝罪の気持ちというのはここには入っていない。

 それで、政府の方のいわゆる補償額も示されましたし、そして原告団の皆さん方もお出しになっておりますし、これから話し合いが進められていくんだというふうに思いますけれども、やはり一番最初、大臣が原告団に一遍お会いになって、そこで謝罪の意を表明されるということがスタートではないかというふうに思います。

 これはなかなか言いにくい話なんですね。私もかなり苦労して言ったんです。役所の皆さん方に聞きますと、謝罪はまずしてくれるな、謝罪をするとそれは裁判に影響する、こういうことになるわけですね。しかし、これは交渉事でありますし、そして同じテーブルに着いて話を進めていかなければならないわけですから、役所はそう言いますけれども、ここは一番、大臣が原告団の皆さん方とお会いになって、そしてあいさつを交わし、できればそこで謝罪をするという手順があって物事は進んでいくんではないかという気がいたします。

 ハンセン病のときには、曽我野さんという原告団の団長さんがお見えになりました。この人は、謝罪の言葉を聞くまでは握手はしたくない、こう言われまして、私も苦労したことを覚えております。それからもう一つ、ヤコブ病の和解がございまして、これも非常に苦労をいたしました。しかし、これは大臣の言葉で一言言っていただく必要がある。役所に書いてもらいますと文章が難しくなって、謝罪しておるのやら、しておらぬのやら、わからぬ文章になります。だから、ここは大臣のお言葉で言ってもらいたいと僕は思うんですね。

 ここに、私がヤコブ病のときに謝罪した、私は謝罪したと思っているんですけれども、ある弁護士さんは、謝罪したというふうに思ったけれども、よくよく後で読んでみたら謝罪になっていない、こう言われましたので、これは読み方にもよりけりと思うんですけれども、私はこういう、いささか文学的表現に過ぎますけれども、謝罪の言葉を申し上げました。

 この事態に立ち至りましたことは、こういう状況になりましたことは返す返すも残念であり、医療に責任を持つ立場でありながら、命という償うことのできないものをなくし、あるいは再起不能にした責任は重大であり、心からのおわびを幾重に申し上げてもなお言い尽くせない心情が残り、言葉の足りなさを痛感いたしております。

 これは私の謝罪の言葉でございますけれども、形容詞が多くて、弁護士さんには、本当に謝罪したのかというふうに言われました。しかし、記者の皆さん方は、坂口さん、謝罪ですねと言いますから、謝罪しましたと言いましたら、新聞は全部、大臣、謝罪、こう書いてくれましたので、それで私は謝罪した、こう思っております。

 なかなかここは言いにくい話ですけれども、私は、細川大臣は弁護士さんですから、余り難しい用語を使って言うとわかりにくくなりますから、平たい言葉で、やはり気持ちが通じるような一言を先にかけていただくということがこの問題を解決していく始まりになるという気がいたします。

 一言だけ、御感想がありましたらお聞きをしておきたいと思います。

細川国務大臣 坂口大先輩から示唆に富む御意見をいただきまして、大変ありがとうございます。

 このB肝、B型肝炎の被害者の皆さん、今、裁判で、札幌地裁で和解の協議に入っているところでございます。この和解に入る前、国として和解協議に応じるかどうか、こういうことではいろいろと議論もございました。それまでは裁判という場で争ってきていたわけでありますから、裁判所の勧告によりまして和解の席に着いたところでございます。そのときに、長妻前大臣が原告団の皆さんとお会いになられました。

 今、その後からずっと裁判所で和解の協議が続いておりまして、私としては、できるだけ早くこの和解が成立をするように、これは強力に進めていかなければいけないというふうに思っているところでございます。

 和解協議に着くということは、これは、国としても責任を認めて、そこでこの事件への国の気持ちをあらわすということでございますから、私としては、しかるべきときに国としてのしっかりした考えをそこで申し述べたいというふうに思っているところでございます。

 今ちょうど、和解で金額の問題などで双方に相当隔たりがあるというようなことで、なかなか難しいときでもございますので、私としてはしかるべき時期を考えているところでございます。

坂口(力)委員 わかりました。ぜひそういうふうにしてもらいたいと思いますが、話がもう詰まって解決する前になってお会いいただくというのは効果が薄いんですよ。だから、今の隔たりの大きいときにお会いをいただいて、一言言っていただく、あるいは一つ頭を下げていただくということがこの会談を前に進めることになると私は思います。

 ハンセン病のときに私は、各療養所に行って頭を下げました。そうしましたら、私は下げたんですけれども、両側に座っている官僚の皆さんは頭を下げませんでした。官僚の皆さんというのはそういうところがありますね。

 だから、ここはやはり、政治家は政治家としてのことをやらなければならないというふうに思いますから、私は、早く一遍お会いをいただいて、そして細川大臣の独自のお言葉でお言葉をかけていただいて、話を前に進めていただくということが大事ではないか、こう思っておりますので、ひとつよろしくお願いを申し上げます。

 さて、きょうはもう一つ、雇用の話をお聞きしたいというふうに思っていますので、もう時間もなくなってまいりましたから、一、二だけお聞きをしたいというふうに思います。

 世の中の状況、だんだんと深刻になってまいりました。円高の問題もございますし、デフレの問題もございますし、日本の多くの経済が海外に出ていくという状況になってまいりました。

 先日も、ある自動車業界の方とお話し合いをいたしましたら、その親企業だけではなくて下請、孫請の大きいところまでやはり連れて出ていきたい、こういうお話でございました。そういたしますと、日本の国内でだんだん雇用状況が難しくなってくる、大変なことになってきているなということを実感したわけであります。

 そこで、変わってまいりましたこの社会状況の中で、これから雇用を確保していこうというためにはどうしようというふうにお考えになっているのかということをお聞きしたいと思います。

 菅総理は、一に雇用、二に雇用、三に雇用と。何遍か言うたらたくさんできるかといったら、そんなわけではありません。だから、何遍か言ってできるのなら、四に雇用、五に雇用と私はもう一つ、二つつけ加えたいですけれども、そんなわけにはいかないわけでありますので、ここは、この世の中が変わってきている、その中で雇用対策をどういうふうにしていこうというふうに思っておみえになるかという、その根っこのところのお話をちょっと大臣からお聞きをしたいと思います。

細川国務大臣 先生おっしゃるとおり、雇用というのは大変重要でございます。とりわけ、今雇用情勢が大変厳しい中にありまして、失業率も五・一%、有効求人倍率も〇・五四倍というような、多少はよくなってきていますけれども、なかなか厳しい状況にございます。

 そういう中で、一体どう雇用を創造して、そして日本の経済を活性化して成長につなげていくか、こういうことが大変重要かと思います。それには、日本の産業がずっと変わっているとか、あるいはまた、今どういうところに雇用のニーズがあるのかというようなところをしっかりとらえまして、そしてそこに集中的に対策を立てていくということが大事だろうということでございます。

 そこで、政府といたしましては、中長期ということで、二〇二〇年を目指しまして成長戦略というのを立てまして、雇用・人材戦略などもそこに入れ込んでいるところでございます。

 そこで、成長分野、あるいは需要があると見込まれるそういう分野といたしまして、環境とかあるいは健康、観光というような分野、そこに雇用の創造をしていこう、こういうことで成長戦略を立てたところでございます。

 例えば、健康の分野におきましては、二〇年までの需要と雇用の目標といたしまして、需要創造が五十兆円、雇用創造が二百八十四万人、あるいは環境分野では需要が五十兆円、雇用創造が百四十万人、あるいは観光では需要が十一兆円、そして雇用が五十六万人、こういう目標を立てまして、二〇二〇年までにこれらを達成するために対策を打っていこう、こういうことでございます。

 しかし、最近では円高による影響などもありますから、これまでやってきておりますのは予備費とか、あるいは今般、緊急経済対策で政策を出しまして補正予算を組んだり、あるいは、新卒者が大変厳しい、特に雇用の分野では、新卒の人が厳しいというところに力を入れるとかというようないろいろな方策を出しまして、雇用の創造に取り組むところでございます。

 私どもとしましては、六月につくりました新成長戦略、これに基づきまして、これを達成するために対策を打って、そして雇用を創造していくということで取り組んでいるところでございます。

    〔委員長退席、石毛委員長代理着席〕

坂口(力)委員 ありがとうございました。

 時間が少し押してまいりましたので、恐縮です、もう一問聞きたかったんですけれども。

 きょうは経済産業省にお越しいただいておりますので、経済産業省の方からも二問ほどお聞きしたいと思っておりましたが、これはちょっと一問にさせていただきます。

 日本におきますいわゆる地場産業で新しい製品をつくって雇用を拡大しているというようなケースがありましたら、ぜひそこを一、二紹介していただきたい。時間がかなり詰まってきているものですから、二分ばかりでひとつお願いをいたします。

谷政府参考人 簡潔にお答え申し上げます。

 私ども、いろいろな施策を講じております。それを通じて、今先生御指摘の、新しい製品をつくって雇用の確保につながるケース、数例御紹介申し上げます。

 例えば、これは千葉県の企業でございますけれども、微小外科手術を可能にする世界最小の針、手術用の針でございますけれども、こういったものを開発して成功している、従業員百十人ぐらいの企業でございます。

 それから、今度は愛知県の企業でございますけれども、色弱者が見る色彩を実体験できる色弱疑似体験眼鏡、色弱者の方が普通に健常者と同じように見られる、そういった眼鏡を開発した愛知県の企業、これは従業員三百六十人ぐらいでございますけれども、今非常に事業がうまくいっているというふうに承知しております。

 それから、これは福井の眼鏡フレームの会社でございますが、従業員四千七百人ぐらいでございますので、結構大きいんですけれども、これまで溶接困難であったチタン合金による非常に細かなデザインをフレームに施すような、そういう工夫をして積極的な事業展開につなげている、そういった例もございます。

 それから、最後に一点だけ。これからはグリーン産業の成長とその雇用創出を図るという観点から、私ども、平成二十一年度の二次補正予算で、低炭素型雇用創出産業立地推進事業、こういう予算を執行させていただいております。この予算を通じて、リチウムイオン電池の材料を製造するということで、これは福井県の中小企業でありますけれども、もともと海外から引きのあった企業がこの補助金を使って国内でその製造能力を拡大する、そういうようなケースも見受けられます。

 以上、簡単でございますけれども、事例ということで申し上げました。

坂口(力)委員 いろいろと挙げていただきまして、ありがとうございました。

 それで、今大臣の方からは医療や介護のお話も出ましたが、私は、医療、介護のところはそんなに、雇用をつくり出すことはなかなか難しいと実は思っているんです。

 というのは、医療、介護というのは保険制度がありまして、そして統制経済みたいなものですね、もう限られた中でやっていかなきゃならない。新しい制度に変えるとかなんとかということがあれば別ですけれども、そうでない限り、医師や看護師はふえるかもしれないですけれども、そのほかのもので余りたくさんつくっていくということはなかなか難しいのではないかというふうに私は思っております。それは一つ、意見として聞いておいてください。

 それで、日本の状況が変わってまいりまして、それでは外国はどういうことをやっているのかと、先日来、私もかなり勉強しておるわけでありますが、ドイツの方が、日本と同じように大きい企業が海外進出をして、雇用環境が悪くてという先進国でありますので、そこをどうしておるかを見てみますと、ドイツは、地場産業で、しかも新しいものをつくるところ、そういうところを選定して、そこに集中的に入れておるわけですね。

 大きい企業は、一時はおってくれて非常によかったかもしれないけれども、自分の企業が都合が悪くなったら、いつ海外に出ていってしまうやらわからないわけで、大きい企業は当てにならないと書いてあるんですね。

 そこで、地域に密着をした産業で、しかも新しいことをやろうとするところに集中的にお金をつけるということをやって非常に成功しているところが出ている、こういうドイツの例がございます。

 もう一つ同じような例がありますのは、これはアメリカでありまして、アメリカのは、エコノミックガーデニングという名前がついておりますから、皆さん方もよく御存じかもしれませんし、私は今まで余り知らなかったんですが、そういうエコノミックガーデニングという方法がございます。これは地方議員の皆さん方の方が詳しくて、民主党さんも、福岡の県会議員の方でありましたかね、アメリカの現地へ視察に行ったりもしておみえになりますから、よく御存じではないかというふうに思います。

 これは、アメリカのコロラド州のリトルトン市、ここが始めたものであります。これもやはり、地域に根差した産業に対して手を差し伸べるということをやっている。ここはドイツと共通しているわけですね。地場産業に目をつける、そして、新しいことをその中でやっていく、伸びようとしているところに積極的に手を差し伸べていく。アメリカも西ドイツも、そこは共通していると私は思うんですね。具体的なところでは違いますけれども。

 そうしたアメリカの方法の中には三つばかり特徴がございまして、一つはインフラストラクチャー、いわゆるサポートに必要なコミュニティー資産の用意。例えば道路をつくりますとか、教育をきちっとしますとか、文化施設をするとかいうようなこともして、その中小企業のその地域がやりやすい環境を整えていく。

 それからコネクティビティー、これは事業者間の仲介業者などの交換の場の用意をする。取引グループでありますとか、公共サポーターでありますとか、研究所でありますとか、そうしたものを整備して、そしてやりやすくしていく。

 もう一つはマーケットインフォメーションでありまして、市場競争に関する調査資料なんかを集めて、それを企業に提供するといったようなことを行っている。これはアメリカの方のエコノミックガーデニングの方法でございます。

 西ドイツの方の中小企業対策は、新しい研究なんかをするときには、その研究者の賃金の五〇%は国が出すというようなことをやりまして、そして集中的にやっているというようなことがございます。

 どの国とも、大きい企業を誘致してやっていくというやり方はもう限界が来ている、その企業はいつ出ていってしまうかわからないという不安がある、だから、そうではなくて、余り派手ではないけれども地域に根差した企業というものをつくり出していこうというところに着目をし始めているということでありまして、私は、日本も、ただ法人税を引き下げたらみんなおってくれるか、そんなわけにはいかないと思うんですね。法人税が下がりましても、日本でつくりましたものがそんなに安くできるということがなければ、法人税を下げたって、出ていくところは出ていってしまうと私は思います。

 だから、そうしたことを考えますと、今申し上げましたような、少し着目するところを限定して、そして、現在の時代に合った雇用対策というものを日本の国もやっていくべきではないか。そうすれば、一に雇用、二に雇用、三に雇用というのが実現されてくるのではないかというふうに思っておりまして、きょうはこれは提案をさせていただきました。ちょっと御検討いただきまして、そして、いい案をつくっていただきますようにお願いを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

    〔石毛委員長代理退席、委員長着席〕

牧委員長 次に、高橋千鶴子さん。

高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 先ほど、坂口元厚労大臣ならではの、経験を経ての大変深い問いがございまして、もしやこの後、私が質問しなくてもよくなるようなすばらしい答弁が大臣から出るのかしらと一瞬期待をしましたけれども、大変がっかりいたしました。改めて、気を持ち直して、B型肝炎訴訟の和解協議について伺いたいと思います。

 十月十二日、国側が和解金額について明示をいたしました。この資料がポンチ絵になっているので、一枚配っております。死亡、肝がん、肝硬変、その肝硬変を重症の場合と軽症の場合を分けているわけですけれども、この場合は二千五百万円、軽症の肝硬変は一千万円、慢性肝炎が五百万円、無症候性キャリアは対象外であります。これは、検査費用や医療費助成で対応するという表現でございます。

 まず、額が薬害肝炎とは大きく違うということ、これは繰り返されたところでありますが、問題はその下であります、「今後の対応について」。提示した案は、総額二兆円かかると書いてあります。国民一人当たり約一万六千円が必要であるとわざわざ書いてあるわけです。仮に原告側の主張に従った場合には、一定の仮定を置いた試算では、総額で最大八兆円規模の国民負担、国民一人当たり約六万四千円と、わざわざ一人当たりという数字まで出して示されたわけであります。

 先ほど、櫻井財務副大臣の発言の問題が指摘をされたわけであります。そして、十五日には野田財務大臣が会見で、どうしても国民負担をお願いせざるを得なくなる、今からどういう財源かは詰めていないが、増税もあり得ると思うと述べられたといいます。私は、これは、まるで国による原告に対する恫喝のように聞こえました。

 聞きたいのは、八兆円という数字、どこから出てくるのか、その根拠についてまず伺います。

外山政府参考人 最大八兆円規模の負担となることとしているという試算の根拠でございますけれども、B型肝炎の患者、感染者のうち、どの程度の方が集団予防接種によって感染した方であるかというのは不明でありますけれども、政府といたしましては、原告以外の方にも同様の対応ができるよう、最大限、どの程度の方が救済対象となり得るのかという観点から、一定の仮定を置いて対象人数を推計したところであります。

 今回の国の試算におきましては、現状の救済対象者として、まず、現在の患者、無症候性キャリアのうち、予防接種により直接感染した可能性がある者、これを一次感染者といいますけれども、それにつきまして、最初に対象世代を限定し、これは国が責任を認めている期間であります昭和二十三年から六十三年までの間に満六歳以下であった者でありますけれども、次に、母子感染を除き、これは年代ごとに母子感染の割合を仮定いたしますけれども、その中で、一定の証拠により、予防接種による感染と推認される者のみを見込んでおります。国側が主張している証拠による数と、原告側が主張している証拠による数の二パターンを推計しております。

 また、このような予防接種により直接感染した者から、母子感染によって感染した者、これを二次感染者といいますけれども、その数につきましても、一定の仮定を置いて推計しております。

 さらに、将来的に発症し、または病態が進行する方につきましても、発症率等を前提に一定の医学的なモデルを設定し、推計しております。

 このような試算の結果、国側の提案に基づきますと、現状の救済対象者としては、患者、亡くなった方のうち約三・三万人、無症候性キャリアのうち約四十四万人と推計されます。さらに、これらの者のうち、将来的に発症する者は約四万人、病態が進行する者は約二・七万人と推計されます。これらをもとに国側の提案している和解金額を掛けて試算いたしますと、和解金として最大約一・五兆円、無症候性キャリアに対する政策対応として約〇・五兆円となり、合わせて総額二兆円が必要となります。

 一方、原告側の提案に基づきますと、現在の救済対象者としては、患者、亡くなった方のうち約三・八万人、無症候性キャリアのうち約四十八万人と推計されます。さらに、これらの者のうち、将来的に発症する者は約四万人、病態が進行する者は約二・九万人と推計されます。これらをもとに原告側の提案している和解金額を掛けて試算いたしますと、和解金として総額で最大約八兆円規模が必要になると考えられます。

 なお、これらの試算の根拠につきましては、本日十四時に裁判所に提出したところでありまして、原告側にも同時に手交したところであります。

高橋(千)委員 皆さん、耳で聞いてみても、なかなかと思ったと思うんですが、最初に不明という言葉がございました。それから仮定のもとに、それから推計をしたと。ですから、推定に推定を重ねた数字であり、根拠は明確ではないと言わなければならないと思います。ですから、何を根拠にするのかといったときに、やはりもっと冷静にならなければ、物すごく国が過大な数字を挙げて、あおっているという状況に近いわけですよ。

 例えば、慢性肝炎には五百万円という数字が先月の時点では既に出ていたわけですけれども、そのとき、では自分もそうかもしれないということで弁護団に相談が殺到したのか、そういうこともあり得るかと思ったそうでありますが、現実はそうではありませんでした。あるいは、そもそも原告の皆さんが、ついこの間まではキャリアだった方たちがたくさんいらっしゃって、自分自身も気づかなかったわけですから、気づかなかった人がどうして訴えるんですかというわけです。ウイルス検査をどれほどの人が受けているんですか。まだ数%の世界ではないですか。それが一気に、全国民が一〇〇%検査を受けて、すべてのキャリアが提訴するなどあり得ない。余りにも過大な計算であります。

 しかも、国の考え方についてを読みますと、こう書いてあります。原告側の主張を容認する場合には、因果関係がさらに不確実になることや、救済範囲を広くとらえることとの相関で、和解金額を減額することが必要と述べております。つまり、先ほど来出ている五百万から二千五百万という数字さえも減額するかもしれないという意味なんです。

 さっき、ばあっとおっしゃられたんですけれども、例えば、亡くなった方、発症された方でわずか五千人しか違いがないんです、推定値で。これは、要するに、母子手帳とか接種痕を証拠として認めると言っているわけですが、それがない人も、当然、全国民が義務だった時代ですから、それは求める必要がないのではないかと原告は言っているわけですね。

 ところが、それを受け入れると減額の可能性があると書いているわけです。しかも、その額が幾らかは書いておりません。つまり、原告の皆さんに対して、まあ、これ以上減らないようにこの辺で手を打てと言っているようにも聞こえますし、原告の中に線引きを迫っている、二重にひどいやり方だと思います。額も示されておりませんので、話は振り出しに戻っちゃうんです。これでは一向に話が前に進まないではありませんか。いかがですか。

外山政府参考人 政府の推計が過大なのではないかということでありますけれども、まず、和解の対象者数の推計におきましては、カルテ等によって輸血や手術、父子感染などの予防接種以外の感染原因が判明し和解の対象とならない方の割合については、現時点では推計することが困難なことから、考慮しておりません。

 また、将来、新たに慢性肝炎等を発症する方や症状が進展する方の人数につきましては、一定の医学モデルを使って推計しておりますけれども、前提となる発症率等につきましては、学会等で認められている医学的知見に基づいて設定しているものであります。

 こうした前提のもと、申請率一〇〇%と置いて推計しているが、これは、原告以外の方にも同様の救済を図るため、最大限どの程度の方が救済対象となり得るかという観点から推計したものであり、過大推計との批判は当たらないと考えております。

 なお、実際にも、仮に今回の和解の内容を一般化した場合には、制度の周知等によって自覚が高まり、申請のインセンティブが働くものと考えられることから、申請率は高くなるものと考えております。

高橋(千)委員 そんなことは一言も聞いていませんよ。質問したんじゃありません。これは私の意見です。聞いたのは、原告の中に線引きをするなということですよ。話が振り出しに戻っちゃうと言っているんです。質問の意味がちゃんとわかっているんですか。もう聞きませんので、大臣に聞きますので。

 この資料の下にこういうふうに書いてあるわけです。「国民全体の問題として取り組むべきことがらであり、救済範囲や、税負担を含む財源確保策について、国会等の場で国民的な議論を行い、一定のコンセンサスを得ることが必要。」と。この国民的議論というのは何ですか。まさか、B型肝炎増税法案でも出すんですか。

 これは、私は、八兆円やあるいは四十八万人、四十四万人などと言われる数字が、仮にそれが言うとおりだとしても、それは原告のせいではないわけですよ。国の責任というのは既に明らかになっているわけですよ。それを国民的議論って、国民がどうやってそれを判断するんですか。おかしくないですか。

細川国務大臣 前の質問のときにも申し上げましたけれども、予防接種というのは、これは私自身も子供のときに受けたわけですけれども、それによって病気にならなかった、国民の大多数の皆さんがそういう便益を受けたわけです。しかし、不幸にも一部の、予防接種が原因でB型肝炎になった方がおられる。

 そういうことで、だから、この問題は、その不幸にもB型肝炎に感染した人たちを何とかみんなで救済しよう、こういうことでありますから、これはみんなに考えていただく問題だというふうに考えて、そこで、被害者の方も大変多いわけですから、そうしますと、今議論になっておりますように、なかなか被害総額も膨大な額になってまいりますから、それはだから、国会でも議論とか、そういうところでもして、国民の皆さんの合意をいただけるような、そういう結論にしたいというつもりでその国民的議論というのを使っているものだというふうに思います。

高橋(千)委員 この問題だけで時間になってしまうので、もう一問だけ聞いてこれは終わりにしたいと思うわけであります。

 国民で議論をするという前に、まずやるべきことをやっていないではないかということなんですよ。裁判所が定めた期日以外では一切協議に応じない、その前に、要するに原告らが知る前に幾ら幾らという額が報道で先行される、こういう事態が繰り返されてきました。平場の議論では、今回の裁判では政府が額を出しました、次は原告が出します、こういう話ではやはり、多い少ない、いい悪いという議論しかできないわけです。互いに一致点を探る努力が困難になるわけです。まずそれをやっていないわけですよ。

 原告は最初からそのテーブルに着く用意があると言ってきました。ですから、裁判の期日にとらわれないで率直な協議をするべきではないか、これ一点だけ。ちゃんと答えてください。

細川国務大臣 このB型肝炎訴訟におきましては、裁判所の方から国やあるいは原告団に対して、和解のテーブルに着いたらどうか、こういうお話がありまして、国の方としても、このテーブルに乗ってそこで解決を目指す、こういうことにしたわけです。

 これはあくまでも、裁判所の方の和解の勧告に、私どもも、そして原告の皆さんもそこに同意をしてテーブルに着いたわけでございますから、そこでやはり裁判官がリードしてこの和解の話を進めてくれているわけですから、そこは裁判所を通じて国の考え方を原告の皆さんにお知らせする、私はそれが逆に正式なルールではないかというふうに思っております。

 裁判所の方からの和解勧告に私どもは応じて、そして原告の皆さんも応じて、その裁判所のテーブルで今お話をしているときに、そのテーブルのほかで話というのは、私はちょっといかがかと思います。

高橋(千)委員 ちょっと余りにも認識がかけ離れているのでもうこれ以上は聞きませんけれども、大臣はやはり法曹なわけですから、わかっていると思うんですよ。これまでさまざまな、国家賠償を求める裁判とか、あるいは企業に対しての和解の協議とか、いろいろな裁判がやられたわけですけれども、それは、裁判所から求められて期日のときにやりますというだけの話ではなかったんだ、ちゃんと当事者同士の詰めがあって初めて落としどころがあるという話じゃないですか。それを言っているので、今さらそんなことを、今さらテーブルに着きましたよなんていう話はしないでください。これは重ねて指摘をしたいと思います。

 せめてそのくらいは言ってほしかったので、きょうはゼロ回答でありまして、ちょっと我慢ができないわけですけれども、これは引き続いて、集中審議という場を求めておりますので、やっていきたいと思っております。

 きょうは、実は最初の大臣所信に対する質疑ですので、いっぱい聞きたいことがあったわけですけれども、やはり、細川大臣が野党時代に労働者派遣法の改正案、三党案をまとめた本人であるということで、どうしてもそれを伺いたいと思っておりました。

 我々は、多くの派遣労働者が派遣のまま残り、抜け穴だらけの法案だと指摘をしてきたわけでありますけれども、既に、今国会に入りますと、逆にさらなる修正という声が聞こえてくるわけであります。

 十四日の参議院の予算委員会で、中小企業に考慮してはどうか、修正の考えはないかといった趣旨の発言がございまして、大臣も、国会の審議を受けてというふうな答弁をされたかと思います。私は、どんなに中身の議論をしても、例外ですよとか猶予期間ですよというのが長くなっちゃうと、もう意味がなくなっちゃうと思うんですね。

 そこで、大臣に伺いますが、まず労働者派遣法を今国会で成立させたいと思っているのか。その法案とは、前国会に提出した法案なのか、いやいや、もう修正ありよと思っているのか、あるいは、頑張って、最初に野党時代に出した法案に近いものにしたいと思っているのか。いかがですか。

細川国務大臣 派遣法の改正案につきましては、これはもう委員は十分御承知のように、労働政策審議会での御議論もいただいて、そして政府案が決定をして、そしてこの国会に提案をさせていただいているところでございます。

 私ども政府といたしましては、これはもう私どもが提案をした法案をぜひ成立させていただきたいというふうに思っておりまして、そこはぜひ今国会で成立をさせていただきたいというふうに思っております。

高橋(千)委員 提案した法案を成立させたいと今お話があったと思います。

 この間、ネットカフェ難民ですとか日雇い派遣の問題、あるいは一昨年来の年越し派遣村、労働者派遣法の改正が必要だということがずっと叫ばれてきたにもかかわらず、実はこの審議、ほとんどされていないわけなんですね。四月十六日に本会議質問もやりましたけれども、実質的な議論にはほとんど入っていないわけなんです。

 ですから、ともかく質疑をちゃんとするべきだ。理事会ではいろいろな議論がございましたけれども、継続になっているわけですから、まずこれをきちんと審議して、十分な時間をとって、参考人、当事者などの声も聞くべきだということを思っているわけであります。これはひとつ委員長に要望したいと思いますが、いかがでしょうか。

牧委員長 理事会でしかるべきこの法案の審議の時期を決めていただきたく、私からもお願いを申し上げております。

高橋(千)委員 日にちを決めるだけの話じゃなくて、十分な審議と、それから参考人も踏まえてという意味でございます。よろしくお願いいたします。

 それで、時間がちょっと超過しますので急ぎ足でやります。

 具体的に伺いたいんですけれども、今回、政府案に違法派遣があった場合のみなし雇用規定というものが盛り込まれました。一部には、ここに今までより踏み込んだものであるということで期待をされている声もあるわけです。これが実質的に働くのかどうかということですね。

 禁止業務への派遣とか、無許可、無届けの派遣の受け入れとか、期間制限違反とか、登録型派遣の原則禁止違反などというのがあるわけですが、いわゆる偽装請負という項目がございます。偽装請負とふだん言われているんですけれども、そういう用語はないわけですので、いわゆる偽装請負というふうな考え方なんですが、それはどういうものをいうんだろうかということなんです。

 五月二十八日に当委員会で私が取り上げました資生堂のアンフィニの問題は、私はその典型例だと思うんです。雇いどめされた労働者は、三つの会社と派遣契約、請負契約を繰り返しまして、そして同じ資生堂の鎌倉工場で、長い方で八年間、口紅製造の仕事をし続けました。一つ目の会社が二つ目の会社に移ったのは、合併が理由でありました。次に、二つ目から三つ目、アンフィニに移るときには、このアンフィニという会社、原告らは知らないわけです。どこの会社か、こんな名前があったことを知らない。そもそも、茨城県に本社のあった派遣会社が横浜市に移り、資生堂鎌倉工場と同じ住所に支店を移すわけです。

 一般論でいいです。雇用主はかわっているわけです、会社がかわっていますので。それで、派遣、請負を繰り返している。でも、同一人物が同じ工場で働き続けている。これは、受け入れる側の都合、私が言った例でいうと資生堂になるわけですが、労働者を受け入れる側の都合によると言えないのか。こういう形態も違法ではないでしょうか。

小林大臣政務官 個別の事案についてはお答えできませんが、一般論としてお答えをいたします。

 労働者派遣と請負のいずれに当たるかについては、形式上の契約形態ではなくて、派遣先または発注者から労働者に対して指揮命令があるか否かで判断をされると考えております。具体的には、労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準を定める告示、これは昭和六十一年の労働省の告示第三十七号ですけれども、これにより判断しているということでございます。

 ある事業所で、同じ労働者を受け入れているにもかかわらず、契約が労働者派遣から請負に切りかえられた場合、請負契約に切りかえた後、発注者から労働者に対して指揮命令がなく、適正な請負として行われていれば問題ない、このように考えております。

 したがって、御指摘のように労働者派遣と請負を繰り返すことのみをもって偽装請負とは言えない、このように考えております。

高橋(千)委員 指揮命令という言葉を、何かそのまま指図をするみたいに細かくとるのかどうかということなんですね。

 私が聞いているのは、はっきり言って、あなたはここに移りなさいと。だって、その会社を知らないわけですから。そうでしょう。受け入れる側の企業の都合によって、あなたはここに移りなさいと言われたときに、それは、指揮命令という表現ではないかもしれないけれども、雇い入れる側の都合があるのじゃないですかということを聞いているんです。それが一点目です。これをもう一回確認します。

 それから、形式上の契約ではなくとおっしゃいました。三十七号告示、労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準というものが昭和六十一年に出されておりますけれども、ここの基準をちゃんと見ていきますと、さっき言ったように、指図しているかというだけではなくて、同じ工場の中でラインを、ここだけ請負ですよとなった場合、当然、ちゃんと基準に書いてありますけれども、自己完結しなければならない。機械もちゃんと、その会社だけが受け持っている、作業場所は厳格に分けられている、そういうふうな形でやられなきゃいけないと思いますけれども、これらがぐちゃぐちゃになっていたりすると、これもやはり違法になるんじゃないかなと思いますが、いかがですか。

小林大臣政務官 みなし規定の関係は今回の法律に入れておりまして、ぜひともその内容でこの法案については成立をさせたいと思っております。

 仮に派遣元がかわった場合や請負契約と労働者派遣を切りかえていた場合でも、派遣先、要は発注者において、実態として、同じ業務で原則一年、最長三年の派遣可能期間の制限を超えて派遣労働者を受け入れる場合については、現行の労働者派遣法でも違反となる、このように考えます。

 また、改正法案成立後は、このような派遣可能期間の制限に反した場合は労働契約申し込みみなし制度の対象となる、このように考えております。

 三十七号告示の関係ですけれども、労働者派遣と請負のいずれに当たるかについては、形式上の契約形態ではなくて、派遣先または発注者から労働者に対して指揮命令があるか否かで判断をされる。

 三十七号告示は、この判断に当たっての基準を大臣告示で定めたものでありますけれども、具体的な事例に当てはめるに際しての疑義が事業者等により寄せられていたことから、疑義応答集を出して周知に努めているところでございます。

 労働者派遣と請負の区分の基準については、労働者派遣の法的性格から導き出されたものであり、現行の労働者派遣の概念が変更されない限り緩和等の予定はない、このように回答いたします。

高橋(千)委員 みなしの質問もまだしていないし、何でそういう答弁になるのか。区分をきちんと守っていない場合、ですから、自己完結していないわけですよ、ラインの中で。それは偽装じゃないですかと言っているわけです。

 私、実際、今月行ってまいりました、工場に。一日に五回から六回色を変えるんですね、口紅のライン。一日にですよ。基礎化粧品をつくっているんですけれども、一つの工場で二千三百八十種もつくっているわけですから、これは大変な目まぐるしい交換作業をしているわけです。そのたびに色がまじらないようにタンクを切りかえなければいけない。

 大変な作業なんですけれども、それは当然、だれがそれを決めますかというと、資生堂が、一月ごとの計画、あるいは一週間ごとの計画というのがあって、この季節のトレンドというものを、ちゃんといわゆる売り場の売れ行きを見て決めるわけですね。でも、そこのラインは、請負のラインは完結していなければならないので、そこだけは別なわけです。材料はこういうものがございます、情報はこういうものがございます、決めるのはあなたたちが決めるんです。これは絶対無理があると思うんですね。

 ですから、私が何回も言っているように、この基準に則して非常に無理がある。形式的には分けているように見えるけれども自己完結していないというところを見たときに、それは偽装が問われる場合もありますねと一般論で聞いています。

小林大臣政務官 繰り返しになりますけれども、労働者派遣と請負の関係ですけれども、あくまでも派遣先または発注者から労働者に対して指揮命令があるか否かで判断される、このように考えます。

高橋(千)委員 指揮命令の中身を聞いているんです。ちょっとこれでは余りにも、見直しをする意味がないかなと言わなければならなくなってしまうわけですね。そういうことも含めてもっと議論するべきだと思います。

 私がなぜここにこだわっているのかといいますと、実はこの資生堂、年間見学者が一万二千人から三千人いらっしゃいます。私が行った日も若いお母さん方あるいは女性たちがたくさんいらっしゃって、大変人気企業です。新卒の学生たちが選ぶ企業のベストスリーに入っているわけですね。しかも、ワーク・ライフ・バランス、女性職員が多くて、また働きやすい企業であると厚労省から表彰されております。それもそのはずで、副社長の岩田喜美枝さんは男女共同参画審議会の委員でもあり、元厚労省の雇用・児童家庭局長でございます。

 これを、ワーク・ライフ・バランスを売りにしていながら、実態がどうなのかということがどうしても言いたいわけです。彼女たちは、ラインリーダーもやっているし、制服も同じです。違うのは、給料が半分だということと、就業時間が十分少ないということと、皇太子が視察に来たとき派遣社員は休みなさいと言われたと。こういうことで、これは明らかに差別でしかないわけです。こういうことが是正されていかなければ、女性のニーズだなどという言葉で、結局都合のいい労働力として働かされるということがあってはならないのだということを言いたかったわけです。

 続きを必ずやりたいと思いますので、きょうはこれで終わります。ありがとうございました。

牧委員長 次に、阿部知子さん。

阿部委員 社会民主党の阿部知子です。

 新しく三役になられた皆さんには、国民の期待の高い分野ですので、ぜひよいお仕事をたくさんしていただきたいとまず冒頭お願いを申し上げます。

 そして、質問にあらかじめ投げてございませんでしたけれども、先ほど公明党の古屋委員が御質疑をしてくださいましたので、今般の奄美における豪雨災害でございますが、もちろん厚生労働省も災害対策本部にお人を送っておられる。私がさっき確認いたしましたところ、災害救助・救援対策室の室長がきょうの夕方にも行われます会議に御参加であるということではありますが、先ほどの御質疑の中でも明らかになりましたように、犠牲になられた方がグループホームにお入りになっていた御高齢者で、また災害のときには、とりわけ災害弱者と言われております御高齢者問題はどうやって手だてしていくかの重要な部分を占めると思います。

 細川大臣には、現在は官僚の方がそこに配置されておるわけですが、政治家の三役の中でも必要に応じて、これはやはり、どんなときに国が自分たちを助けてくれるだろうかという非常に深刻な、そしてなおかつ、そのとき政府が何をしたかということが重要な部分ですので、災害対策本部の中での役割とともに、現地の状況など、当然、後々、御病気である方のフォローとか、いろいろな二次的なお体の異変も起きてまいりますので、なお厚生労働省挙げて政治主導で取り組むという確認でよろしいか。一問お伺いいたします。

細川国務大臣 先ほどの質問でもお答えしましたけれども、高齢者が施設に入り、そして体がなかなか自由がきかない、そういうところにこの災害が起こりまして、そして、いわゆる災害弱者が大変苦労をされるということは、これはもう十分私どもも認識をしておりまして、厚生労働省という、そういう役人の皆さんを指導して、そういう人たちのプライバシーだとか、あるいは、きちっとした安全の確保とか、そういうことについてはこれはもちろんさせなければいけないと思いますけれども、政務三役といたしましても、それは当然、いろいろな形でそういう問題に対して対応をしていくということは、これは本当に、委員に指摘されまして、私どももしっかりやっていきたいと思っております。

阿部委員 ぜひそうしていただきたいと思います。

 先ほど古屋さんの御指摘にもありましたが、まだ今夕飛行機が飛ぶかどうかがわからない状況でありますので、現地の状況の把握も、県も一生懸命やっておられますけれども、道路も寸断で厳しい状況ですので、ぜひまた厚労省の三役の皆さんのこの件にかかわりますきちんとした対応をお願いしたいと思います。

 引き続いて、先ほどの坂口委員との御質疑のことにもかかわりますが、細川大臣は、ずっと厚生労働分野、特に労働分野で、弁護士としてのお仕事に加えて、また国会議員としてもお仕事をされてきたということで、大きく私どもとしても期待する部分がございますが、先ほどの坂口委員との御質疑を聞きまして、あるいはまた冒頭の所信表明をお読みいたしまして、私として懸念する点がまず雇用情勢認識についてございます。

 大臣の所信の中には、「現下の雇用失業情勢は、」中を省略しまして「持ち直しの動きが見られるものの、依然として厳しい状況にある」というふうな表現でございました。

 これは、しかしながら、私どもが地元を回っておりましても、リーマン・ショックのとき以上の落ち込みが特に雇用でも来るのではないかと。これは中小企業の皆さんも含めて、あるいは今、自動車等々の問題も大きく落ち込んできておりますから、輸出関連産業のまた下請、孫請というところもございますから、雇用情勢はさらにもっと厳しくなるのではないかと。決して持ち直しの機運のように明るい印象、少しなりとも明かりの見える印象を持っておられないのが私は実感に近いと思うんですね。

 先ほどの坂口委員との御質疑で、いろいろな分野の中長期的成長戦略だけではなくて、あるいは、その中にも中小企業関連のものもあるだろうしということでいろいろなアイデアを御指摘いただいていることかと思いますし、また今度の補正でも緊急雇用対策的な分野も、やはり何とかして人の生活をつなぐ対策も打たれることと思いますが、これも雇用対策本部として、可及的緊急なもの、あるいは少しエリアを広げるもの、そして中長期的には成長戦略でいいと思うのですが、雇用対策本部としてはどのように考えておられるか。特に私はちょっとこの雇用情勢認識が甘いと思うので、大臣に一言お願いいたします。

細川国務大臣 私が、雇用失業状況が多少持ち直しているけれども、しかし厳しい状況だということで所信を申し上げましたのは、統計的にはここのところよくなってきておりまして、そのことを踏まえて、多少よくなってきている、こういうことを所信で申し上げた次第でございます。

 そこで、雇用の対策でございますけれども、委員も御認識のことと思いますけれども、今特に若い、新卒者の方がなかなか就職ができないというのも、これも大変重要なことでございます。一般的な失業対策に加え、その中で新卒者は特に支援をしていかなければいけないというふうに思っております。

 そういうことで、新卒者、若年対策の強化ということで、卒業後三年以内の既卒者を雇用する事業主に対する奨励金の創設とか、あるいは雇用の下支えをする雇用調整助成金、いわゆる雇調金の要件の緩和とか、あるいは地域での重点分野での雇用の創造ということで、重点分野雇用創造事業の拡充ということで、雇用の機会の創出と人材育成ということに取り組んでいるところでございます。今度の緊急経済対策の中でもこういうところに力を入れて雇用の対策を打ち出しているところでございます。

阿部委員 雇用というのは社会を支える基本ですので、私ども社民党からも、そのほかにも、地域ですぐ雇用の起きるような、公共事業と言われているものですが、身近な公共事業も含めてトータルでやっていただきたい。若年雇用の問題も、ロストジェネレーションと言われた三十代の後半から四十歳代の皆さんも、派遣に一度は吸収されましたが、またそこの次、すなわち、もう四十過ぎてなかなか派遣というのもないというフタコブラクダになり、さらに中高年はもっと厳しいという、どこを向いてもいい状況にないわけで、やはりよく現状を見て、やり過ぎるほどにやっていただきたいと思います。

 あと大臣にもう一つ、労働問題では、所信の中で、いわゆる有期労働の契約の問題について幾つか言及がございました。これは、もともと有期労働契約は、不合理で不適正な利用を防止するという観点ということは明言されておりますので、それはその点で同意をいたしますが、簡単に言うと、入り口規制と出口規制と、あと実際に法廷の中で既に獲得されたものがきちんと今度の立法で法に落とされていくか、まだ立法はありませんが、これは今度から労政審にもかかるということであります。

 きょうは大臣のそもそも認識を伺いたいですが、この入り口規制は、一番厳しいのはフランスで、次がドイツで、例えば有期は、ある方の代用であるとか、極めて期限が限られたものであるとか、これは入り口規制と言っていいと思いますが、そういうことまで含めております。

 私も、やはり有期というのは、ある程度の前提は正規雇用、常用雇用に置いた上でのお話だと思いますが、大臣の基本認識をお願いいたします。

細川国務大臣 雇用というのは、これはみんなにとって大切なことでありますから、雇用をどういうふうに創造して、仕事につけるかということと、仕事をする場合、その雇用がどういうふうに法的にもしっかり規制がされて、そして、仕事をする人が十分にその労働した、仕事をした、その見返りとして賃金をもらえるというような、そういう制度にしなければいけないというふうに思っております。そういう意味では、基本的には雇用が安定するのはこれはもちろん直接雇用で、そして期限のない雇用というのが基本的には一番いい形態だというふうに思っております。

 しかし、働き方が、いろいろ、最近では多様な考え方がございますので、働き方そのものの需要といいますか、考え方が違ってきておりますから、またそれに対応するような形での法律というのもやっていかなければいけないというふうに思っております。

 ただ、おっしゃる有期の契約については、働く人にとってはこれは非正規雇用でありまして、正規の雇用の人と比べれば、賃金が安いというようなこと、あるいはまたなかなか職業能力を身につけるというようなことも少ないとか、いろいろ有期雇用についての弊害みたいなものもありますから、そこはしっかり私は規制もしていかなければというふうに思っております。

 ただ、入り口と出口の規制、どちらを特に規制しなければいけないかということについては、入り口規制についてもいろいろありますし、出口も規制はいろいろありますけれども、この間厚生労働省の方の研究会ではいろいろなパターンを出していただいて、これから労政審で審議をする、こういうことになっております。

阿部委員 今は働き方が本当の意味で崩壊、破壊されて、それが社会の崩壊につながっているという認識はきっと細川大臣も共有していただけると思いますので、そういうお立場でよろしくお願いしたいと思います。

 引き続いて、この前の委員会から持ち越しております、国立の更生援護施設関連の統廃合問題に移らせていただきます。

 私は、前回の委員会でも、那須塩原にございます視力障害センター、中途失明者のための訓練並びに就労センター、そこと、伊東にございます重度障害者センター、これは頸椎損傷の患者さんたちがリハビリをし就労するための施設の統廃合について、廃止し、国立の所沢のリハセンターに統合するということについて、やはり政治というものがどう考えるのかということで、山井当時の政務官にもお伺いいたしました。

 そもそもを言うと、昨年の三月にあり方検討会というのがあって、その前には総務省の人員削減のお話があって、そこであり方検討に投げられて、結果的には、全国的な視野に立って施設の統廃合を含む再配置を考えるということでありましたが、ここには別に二つの施設の廃止ということは打ち出されておりませんでしたが、突如、昨年九月十八日の事務連絡一本で当事者には廃止が通知されました。

 この件は高橋委員が既に御質疑ですので、多少省略いたしまして、私は、やはりこれは重要な国策にかかわる。障害のある方のリハビリ施設、数多くあった方がいいし、就労もできるように支援したいしという中で、なぜ政治がここに一切関与しないで、先に通達が出て政治が追認するのかということを伺いました。

 大臣にも聞いていただいていたので覚えていらっしゃるやもしれませんが、一つは、こうやって行政レベルにゆだねていいのか。通達が出た後に閣議決定があるんですね。廃止はもう現場に伝えられて、その後、閣議という政治が加わる。前政権がちょうど選挙で交代される前後の九月十八日に通達が出ているために、私は、恐らくほとんど、これは前政権と新政権の谷間で、そこで政治がどう考えるかということのチェックを経ずして連絡通達が行ったものと思います。そして、これだけ重要なことが当事者にも伝えられなかったために、今、もちろんびっくりして、廃止だということで非常に不安と反対の運動が起きているわけです。

 時間の関係で次とあわせますが、ちょうど現政権で閣議決定がなされた六月に、一方の内閣府の障がい者制度改革推進会議というのがございまして、こちらでは違う考え方、すなわち、障害者がみずから選択した地域において自立した生活を営むということをこちらの制度推進会議で決めるわけです。一方の閣議では、もう統廃合は事務方が連絡していて、それを追認する。

 細川大臣、おかしいと思いませんか。閣内不一致なんだと思います。政治の意図が、政府の意図がばらばらで、そして、そもそも廃止がそれより先に通達されるというあり方についてどうお考えでしょうか。

藤村副大臣 阿部委員にお答えいたします。

 時間がそんなにないですから、答弁書を読んでいたらちょっと長過ぎると思うんですが、まず、ことしの九月八日に山井政務官、長妻大臣からも答弁しているということであります。

 それで、実はこの件は、私自身も含めて、きのうの御質問だったものですから、いわゆる政務三役はどの程度知っているのかという話になれば、聞かされたのはきょうである、そういうことでございますので、だからここを、きょう順番に御質問を見ていますと、それでも廃止するか、これでも廃止するか、それでも廃止するかと言われ、最後に、政治主導で検討し見直すべきではないか、こういう御質問なので、必要なら役所から一つ一つ今の話は答えさせますが、ちょっと聞かせてください。でないと私は今判断できないというのが今の時点の正直な答えです。

阿部委員 正直なお答えをありがとうございます。三役が知らないところで物が運んでは困るので、私はぜひ、政治主導を掲げる内閣らしい、そして厚生労働行政らしいことをしていただきたい。

 今も藤村副大臣が時間がない私をサポートすべくあれもこれもそれもと言ってくださいましたが、次のそれもに移らせていただくと、頸椎損傷の伊東のリハビリテーションセンターであります。頸椎損傷、首を損傷するとは、下半身が動かなくて、実は、いすに座っても左右のバランスもとれなければ、座位すらとれない、もちろんそれよりもっと上だと呼吸もできなくなりますが、嚥下、座位をとる、移動はもちろんできない、極めて厳しい状態に置かれる。

 脊椎損傷の患者さんは、毎年、日本で十万人発生しています。年々、医療のレベルの進化とも相まって、上のレベル、より重い患者さんでも御存命になる、すなわちニーズはふえるという分野です。このことについて諸外国との比較はあるかと原局に聞いても、ない、実態はどうかと聞いても、明確なお返事はいただけない。私は道を誤ってほしくないので、藤村副大臣が今おっしゃっていただいたようにしっかりと検討をしていただきたい。

 きょう、お手元に資料を配らせていただきました。例えば塩原の方は、これは視覚障害の皆さんの訓練ですが、二重丸がついているのは塩原の障害者センターと国立リハの二カ所しかなく、これで関東以北全部を、まあ北海道は別ですけれども、カバーしています。実は、地理的にも内容的にも量的にも足りないと思います。

 二枚目は、繰っていただきますと、これは伊東のリハビリテーションセンターで、どんな患者さんたちが入所しておられるか。昭和二十八年からですから、約千名余りがここを利用されましたが、ここは別府と並んで日本で二カ所しかない頸椎損傷の、脊椎損傷のセンター病院です。年次とともに、このC四とかC五とか、いわゆる上のレベルの損傷が多くなっていて、それだけ患者さんが重症化しております。年齢も、ラグビーをやったり交通事故だったり労災だったりという若い部分と、御高齢期で、転んだことをきっかけにという両極にまたがってふえております。

 皆さんには、ちょっと私の資料の説明が不十分ですが、三枚目もあわせて見ていただきまして、先ほどの新規入所者の障害状況というので、平成元年から二十一年を比べても、Cの五とかCの四がふえている。高度化し、専門なリハが必要だということでありますので、また、内閣の中でも、制度改革推進会議、すなわち内閣府と厚労省と意思疎通をしていただきたいが、これは細川大臣にお願いします。御質問です。

細川国務大臣 それは委員御指摘のようにさせていただきたいと思います。

阿部委員 ありがとうございます。障害者施策はこの内閣にとっても重要なものと思います。ぜひよろしくお願いいたします。

 最後に、臓器移植問題で御質問をさせていただきます。

 本年七月に改正臓器移植法が施行されてからこれまで十五例と、今までにないスピードで臓器移植が進んでおります。一つには、御本人の意思が不明であって、しかし、それでも御家族の意思で提供できるようになったということで、これがさきの改正でありました。改正は改正といたしまして、私は、どんな立場に立とうとも、やはり臓器移植が透明で疑義を差し挟まないものとして行われねばならないと思います。

 さて、実はここに、私がきょうお話しさせていただく例は、改正臓器移植法の一例目となった事案であります。これは世上、交通事故というふうに報道されている二十代の青年でありましたが、この青年はもともと、交通事故に遭ったときは、ひざでしたか、下肢のけがでありました。この青年が病院に運ばれて足の手術をしたら、足から、脂肪塞栓という、脂肪の塊が脳に飛んで脳死状態になられた事案というふうに私の読み集めたものからはなっております。しかしながら、これは報道も一部限定的でありますし、交通事故で脳死になって臓器提供というふうに受けとめられております。

 交通事故で脳死状況になったのであれば、これは、加害責任というのは、その事故を起こした方が過失致死になるか、あるいは、とにかく相手が死んだということでありますから検視が必要ですし、でも、病院内の手術に伴うものであれば、当然、医療ミスとは申しませんが、医療事故にたぐいする。

 これは、実は私も兄をこの病気で、脂肪塞栓で亡くしておりまして、下半身の手術のときの脂肪が飛んだという事案でありまして、交通事故が起因というのではないということになります。

 私は、こうしたこと一つ、明らかにしていかないと、すなわち検証作業というものをもっと迅速に進めないと、事態だけはどんどんどんどん先に行き、報道は一部誤解を招きかねないものもあり、検視は不十分でという事態が続くと思いますが、この件につきまして、そもそも検視はされたのか、そして、いわゆる検証体制は追いついているのかどうかについてお伺いいたします。

藤村副大臣 お答えいたします。

 事実関係でいえば、今回、今御指摘の改正後の第一例目の件ですよね、法的脳死判定を行う前提条件として、脳死に至った原因となる疾患が確実に診断されていることが必要と。これはもう当然のことでございます。

 今回、個別臓器提供事例に係る情報公開については、公表の可否も含めて、御家族の意向を踏まえて行っているところ、こういうことで、この事例については、交通外傷とのみ公表させていただいているところであります。この範囲を超えた詳細については、実は説明を控えたい、こういうことであります。

 また、御指摘の事例には、警察による実況見分によって、死因は交通外傷と公表されているということで、検視はないということを聞いております。

 いずれにせよ、今最後の方でおっしゃったように、本件臓器提供に係る詳細については、救命治療の状況や脳死判定の状況も含め、今後、脳死下における臓器提供事例に係る検証会議において第三者による検証を行う予定でありますが、実は追いついていないというのも事実でございまして、百例を超えてきたんですが、約六十例ぐらいまでしかまだ検証が進んでいない、これは急ぎ体制を整える必要がある、こういうふうに考えております。

阿部委員 この例についても、先ほどおっしゃったように、もし交通事故で亡くなったのであれば加害責任の度合いが違います。当然、検視が必要です。

 幾つものそごがあると思うんです。実際には、手術室での不測の事態で脂肪が飛んだと。これはお父様のお話ですからそうだと思います。お父様は実は移植提供に反対しているとかではありませんが、事実はそのようです。そうすると、ここで、原因とされていることと現実が違い、報道も部分的で、検証もされていない。やはり私は、国民的には透明性が担保されないと思います。

 それから、もう一つ問題なのは、この十五例の臓器提供のうち、もうお三方、レシピエントが亡くなっています。検証する前に臓器移植を受けた方の方が亡くなってしまっているんですね。それくらいもう追いついていないんです。レシピエントが亡くなったら、それは移植が適正であったかどうかということも当然問題になってまいります。

 人と人との、ドナーとレシピエント、大きな二つの命のかかわる非常に重要な、医療というかどうかは別といたしまして、やはり社会的には影響の大きいものと私は思いますので、検証にかかわります人員の拡充と透明性の担保。

 そして、最後に一問、お願いいたします。

 これからの臓器移植法では、小児からの臓器提供が可能になります。お手元にございます資料、最後の資料を見ていただきますと、臓器提供施設のうち子供の提供が可能なものはどれくらいあるか。臓器移植が始まって、平成十一年から二十二年までやってきて、臓器提供施設というのはそうそうふえてはおりません。いろいろな条件をクリアできるところが少ないからであります。提供はできそうだけれども条件が整わないから、現状、七掛けでやっております。

 特に小児の場合は、例えば日本小児総合医療施設協議会の会員であることとか、それに相当する治療体制を備えたこととなりますが、私は、前にもお伺いしましたが、小児については倫理委員会だけじゃなくて虐待防止委員会を院内に設置してあることというのを実施条件にしていただきたい、また調査もしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

外山政府参考人 臓器移植法の運用指針、ガイドラインにおきましては、十八歳未満の児童から臓器提供を行う施設につきましては、虐待防止委員会等の虐待を受けた児童への対応のために必要な院内体制を整備することを求めております。

 今回の調査におきまして、十八歳未満児の臓器提供可能と回答した六十五の施設につきましては、このガイドラインを示した上で提供可能と御回答いただいたものであるため、六十五の施設すべてにおいて虐待防止委員会等の院内体制が整備されているものと認識しております。

 なお、これらの施設におきまして、具体的に十八歳未満の児童からの臓器提供事例が発生した際におきましては、臓器移植コーディネーターが虐待防止委員会等の院内体制を改めて確認した上で提供を行うこととしております。

阿部委員 事後の処置よりも、事前に虐待防止委員会の内容も点検していただきたいと思います。

 終わらせていただきます。

牧委員長 次に、柿澤未途君。

柿澤委員 みんなの党の柿澤未途でございます。

 本当にきょうはお疲れさまでございます。また、細川大臣初め政務三役の皆さん、御就任、まことにおめでとうございます。心からお祝いを申し上げます。

 まず、大臣所信に対する質疑でありますので、基本的なというか大枠の御質問をさせていただきたいというふうに思います。

 菅総理は、所信表明演説やあるいはさまざまな機会において、強い経済、強い財政、強い社会保障ということをおっしゃられています。そして、強い社会保障が強い経済を生み出す、そうした力になるんだ、こういう考え方をお述べになられている、そういうふうに理解をしております。

 そういう中で、今、来年度予算の編成作業、概算要求から始まって進められているわけですけれども、社会保障に関係する社会保障関係費が大変大きく膨らみつつある状況の中でこの予算編成が行われているわけです。

 来年度予算の概算要求は、全額では総額九十六・七兆円ということになって、過去最大ということになりました。そういう中で、一般歳出を前年並みの七十一兆円に抑えて、国債発行額を同じく前年並みの四十四・三兆円に抑えるために、ほかの予算は防衛費も含めて一割削減のシーリングをやったわけですけれども、社会保障関係費は、高齢化による一・三兆円の自然増の部分も含めて満額、要求がそのまま認められる方向ということです。これは総額で二十八・六兆円ということになります。

 こういう形で、地方交付税もそうですけれども、この社会保障関係費がある種聖域化されて予算削減の枠外の存在として置かれている、こういう状況が果たして適切であるかどうか、基本的な考えをぜひお伺いしたいというふうに思います。

細川国務大臣 社会保障に力を入れていくということについては、これは委員も同じような考えだと思いますけれども、特に、高齢化が進んでおりまして、年金、医療とかそういうところがどんどんどんどん自然増でもふえていくところでございます。

 そこで、今回の予算の編成につきましては、そういう年金とか医療の自然増については、これは確保していくということでありまして、それ以外の部分の社会保障については、これはほかの費用と同じように一割削減の対象となっておりまして、省内でも、事業仕分けとか行政事業レビューなどの実施によりまして無駄の削減を図って、そこで概算要求に反映をしているということでございまして、年金、医療等の経費につきましても、これはもう当然、合理化とかあるいは効率化に努めるということでございます。

柿澤委員 社会保障関係費がこれから一・三兆円ずつ伸びていくという方向に趨勢としてはなっている中で、こうした社会保障関係予算がある意味で非常に大きなウエートを一般歳出の中で占めていく、そうした時代になりつつあるわけです。もう既に、その他の、例えば教育だとか防衛だとか農業だとか公共事業だとか、そうしたものを合わせても、社会保障関係費が一般歳出の中で上回るような、そうした状況になっている。

 そうした中で、細川大臣は大臣所信で、この医療、介護、健康関連産業というものを、経済成長を牽引する、そうした成長牽引産業として新成長戦略で明確に位置づけたんだ、こういうことをおっしゃられております。冒頭に申し上げた、菅総理もよく言及をされる強い社会保障が結果として強い経済をつくり出す、こういう考え方に基づくものなのかなというふうにも思いますが、社会保障を厚くすることで経済が成長する、こういう考え方に細川大臣も立たれているのかどうか、お尋ねをしたいと思います。

細川国務大臣 社会保障を厚くするというのは、これまでは、それにお金がたくさんかかるということは、経済成長の足を引っ張るような、そんなコストであるというような考え方があったのではないかというふうに思います。

 しかし、その社会保障というのを、そういうふうに消極的に考えずに、むしろ積極的にとらえまして、これからの社会というのは、この医療だとか介護だとか、そういうところに需要がたくさん出てくる。そこへしっかりと手当てをして、そこで雇用を生み出していく。雇用がふえれば、そこで消費を促して経済成長にもつながっていく、こういう考えでありまして、そこで、その社会保障と経済成長、そして強い財政、こういうような循環をつくっていくということについては、私も菅総理などの考え方と同じでございまして、そのことを所信でも申し上げた次第でございます。

柿澤委員 経済成長の原動力として、この医療、介護、福祉等の分野を位置づける、菅総理と同じ考えであるというお話なんですけれども、本当にこれはそうなんでしょうか。

 この分野というのは、いわば労働集約型の産業で、イノベーションとか技術革新の余地が非常に薄い分野だというふうに言わざるを得ないと思うんです。しかも、どの制度を見ても、基本的に、基礎的な部分を公費に依存している。そういう、ある種税金なり、とにかく公金に依存している。そうしたところを伸ばそうというふうに思った場合は、ある種人為的に後押しをしていくしかない。ここで新しい医療や介護や福祉といった分野の産業化を図ろうとすれば、それは公費によるバックアップがさらに多く投入をされることによってしか実現できないんじゃないかというふうに思うんです。

 すなわち、これは、増税やあるいは借金によってこの分野を育てていくという、そういう路線になっていかざるを得ないというふうにも思うんですけれども、この点についてはいかがお考えでしょうか。

細川国務大臣 そこは、国民の皆さんからいただいた税金をどのように配分しながら、どこが成長分野か、どこに力を入れて、雇用をふやして経済を活性化しているかという考え方の違いでありますから、成長分野ということがもうはっきりわかっているニーズの多いところには、そこをしっかり公費を投入してでも手当てをして、そこで雇用をふやして、そこで消費を刺激していくということで経済成長を高めるということは、これは私はいいのではないかというふうに思っております。

柿澤委員 成長分野だというふうにはっきりしているところには公費を入れてでも伸ばしていくんだという話なんですけれども、最初に私申し上げたとおり、この産業が本当に経済成長を牽引していくという性格のものであるのかどうか、ここについて考えなければいけないというふうに思うんです。

 今まで、まさに社会保障はコストと考えられている云々かんぬん、こういう話をすべての議論の前置きとして何度も聞いてきたわけですけれども、本当に経済理論的に見て、この分野を公費を投入して、供給量をふやして、雇用をふやして伸ばしていくことが長期的な日本の経済成長につながると言えるのだろうか、本当に私は、やや疑問に今感じているわけです。細川大臣も手を挙げておられますので、反論がありましたらどうぞ。

細川国務大臣 六月に政府が決定いたしました新成長戦略では、これから成長が期待される分野としてそこにしっかり力を入れていくということで、環境とかあるいは健康、そして観光ということを考えております。

 そこで、例えば、今私が申し上げましたような健康に関してのところでは、これは二〇二〇年までの目標でありますけれども、そこでは五十兆円の需要創造が見込まれる、雇用についてはここは二百八十四万人という数字を出しているところでございます。ちなみに、環境では、五十兆円、そこでは百四十万人。そして、観光の方では、十一兆円で五十六万人の雇用が、大変な雇用の創造で経済成長が見込まれるというふうに考えております。

柿澤委員 ありがとうございます。

 ただ、先ほど申し上げたとおり、今おっしゃられた市場の拡大であるとか雇用の拡大というのも、この分野に関しては、今、半分ぐらいが公費、税金で賄われているわけです。この分野を伸ばすということは、イコール、税金の投入をどんどんどんどん伸ばすということになって、これは本当に経済の成長ということになるかというのは、私は大いに疑問だというふうに思っております。むしろ、この社会保障の充実によって起きていくのは、実は格差の拡大ではないか。すなわち、これは世代間の格差の拡大につながっていくのではないかというふうに思います。

 社会保障関係費、特別会計を含めて百十一兆円ぐらいですか、この大半が、年金、医療、介護といった高齢者向けの支出ですね。この高齢者向けの支出、年金が最たるものですけれども、これは賦課方式で基本的にやっていますので、基本的には現役世代から高齢者への所得移転というか、仕送りのような形になっているわけです。でも、実はこの高齢者の皆さんというのは、個人金融資産の千四百兆のうち七割を六十歳以上の高齢者が保有しているわけで、これは、ざっくり言ってしまえば、実態はさほど豊かでもない現役世代の若い人たちから、金融資産を総体としては持っている豊かな高齢者への所得移転になってしまっているのではないかと思うんです。

 それを示すデータもあります。二〇〇六年の内閣府経済社会総合研究所の太田清さんという方の論文ですが、これはOECDの調査を分析したものですけれども、日本は、OECD諸国の中で、市場所得と再分配後の可処分所得を比べると、再分配後の方が他国に比べて格差が悪化してしまうというんですね。いわば逆分配の国になっているんです。

 しかも、この問題は始まったばかりで、今は現役三人で高齢者一人を支える騎馬戦式ですけれども、二〇二〇年には二人に一人になって、二〇五〇年代には現役一人に高齢者一人になる。これからさらに高齢者に対する給付の占めるポーションというのは膨らんでいくはずで、これで賦課方式の年金、医療、介護を制度として続けていたら、これは本当にどうにもならなくなるというふうに思うんです。

 こうしたことが数値にもあらわれておりますので、お手元に資料を配付したんですけれども、世代会計という手法で見ると、六十歳以上のお年寄りの世代と将来世代という今生まれたばかりの赤ちゃんの世代、合わせると九千五百万、一億円近い格差が開く、社会保障の給付で。今生まれた赤ん坊は、生涯に一億円近い債務を負って生まれてくるんだ、こういう試算もあるほどです。

 今まさに行われているのは、高福祉・高負担とか低福祉・低負担とか、こういう言葉を言いますけれども、若者、現役世代が高負担を負って、そして、老人というか高齢者の皆さんが高福祉を受ける。若者の高負担、そして高齢者の高福祉という、こういう高福祉・高負担の状況になってしまっているのではないかと思うんです。この状態をもはや持続することはできないというふうに思います。

 若者はこういう世代間格差に大変敏感になっておりますし、私は、これは国民年金の収納率の数字にそれがあらわれていると思います。二十代の半分は保険料を払っていないわけです。これは、さまざまな要因はあるでしょうけれども、結局、私たち以下の世代は、こうした社会保障の負担に見合う受益を得られないんじゃないか、こういうふうにみんなが思い始めているということなんだろうと思います。

 ですから、前にも私、この厚生労働委員会で提起をさせていただきましたけれども、難しい問題であるというのはわかった上で、年金を初めとした社会保障のいわゆる世代間扶養の賦課方式をこの際もうやめて、積立方式を基本とする社会保障の制度に基本的に移行していく、そうしたことを今から検討し、実行していくべきだというふうに思っております。

 こうした世代間格差の問題、そして社会保障の諸制度の持続可能性の問題について大臣はどのようにお考えか、お尋ねします。

細川国務大臣 世代間の格差というふうに言われて、その世代間を象徴するように、私はもう、柿澤委員から見れば非常に何か、お年寄りは金がかかる、自分の方の世代はえらく大変だ、こういうこと。これは私はよくわかります。私のような年齢の者がふえてきたら、当然、それに対するいろいろなリスクが生じますからお金もかかってくるわけでありまして、その分、若い世代の人たちが、少子化の影響で負担が多くなる、これは当然予測されるわけであります。

 では、そういうものをどういうふうに解決したらいいかということになるかと思いますけれども、それは、社会保障だけで議論をするというよりも、やはりそこは、一つは財政の健全化の問題もありますし、経済をどういうふうにして成長させなきゃいかぬかというような、そういう三つの関係をどうやっていくかということについては、社会保障のあるべき姿、それと財源の問題も本当に強く影響してきますから、そういう意味で、そのあるべき姿を、税源も含めまして、ここで今議論をしなければいけないのじゃないかというふうに思っておりまして、柿澤委員の認識と私の認識はそんなに違わないのではないかというふうに思います。

 世代間ではやはり公平に負担をしていくということが私は大事だというふうに思っております。

柿澤委員 私の問いかけた質問にぴったり合致した答えというわけでもないのですけれども、考え方は違わないということですから、後日、また御議論をさせていただきたいというふうに思います。

 もう一つ、お伺いしておきたいことがあります。今、民主党さんが国家プロジェクトと位置づけて始まった、年金記録の紙台帳とオンラインデータの突合作業のことです。

 今月十二日から作業が始まって、二、三日前ですね、細川大臣がお見えになられてごらんになられたのは。私の地元の江東区に中央突合センターというのがあるんですけれども、いわば長妻大臣の置き土産として、紙台帳の全件照合という壮大なプロジェクトが始まったわけです。

 紙台帳八億五千万件、重複を除き七億二千万件、このうち、基礎年金番号が一致した六億件が突合対象ということで、基礎年金番号から紙台帳を検索できる新画像システムを使って、オンライン記録とひもづけて検索をする。そもそも、このためのシステム構築にもう四百億円ぐらいかかっているというふうに聞いておりますけれども、この全件照合を、これから二十九拠点、一万八千人、四年間かけて行うわけですけれども、一体、この全件照合にどのぐらいのコストがかかるというふうに見込まれているのか、お伺いをしたいと思います。

細川国務大臣 この紙台帳との突き合わせの費用がどれくらいかかるかということでございます。

 今、これまで、二十一年度には二百四十四億円、二十二年度には四百二十七億円、二十三年度の概算要求は八百七十六億円を要求いたしておるところでございます。

 この紙台帳との突合につきましては、これは、これまでのねんきん特別便とか定期便、これによって国民の皆さんに、間違っていれば年金機構の方に連絡をしてほしい、こういうことでやっていたんですけれども、今度は、国の方で紙台帳と突合して、そこに漏れや誤りがあった場合には、そのことを国の方からお知らせをする、そして、そこで訂正があれば、間違っていれば訂正をして、年金の記録をしっかり確定していく、こういう作業でございます。

 今のところ、私の方は、二十二年、二十三年に集中的にやっていこう、こういうことで進めておりまして、全体の金はどれくらいかかるかということは、正直申し上げまして、この二十二年、二十三年、集中的にやって、そこで、効率的にどういうふうにしていけるかとか、いろいろなことでこの最終的なところでの予算というのも決まってくるというふうに思いますので、今、全体で幾らかというのはちょっと申し上げられないところでございます。済みません。

柿澤委員 これは朝日新聞の十月十二日の記事で、どの程度のペースで作業を進められるかは、日本年金機構はやってみないとわからないと言っている、こういうことも報道されています。

 私が聞いたところでも、なかなかこれは人によってペースが違うみたいですけれども、一人一日できて二百件ぐらいだ、結構能率の悪い人もいて、百件ぐらいしかできない人もいる、こういう話を聞いております。今の時点で、大体一千四、五百億円ぐらい、この年金記録問題の解決のためには使われていると思うんです。この先、四年間かけてやっていくとなると、全体の額というのは二千億を超える、こういう規模になっていくんだろうと思うんです。

 この作業をやって何がわかるのという話なんですけれども、これについては、先日、我が党の桜内参議院議員の名前で質問主意書を出させていただきました。その質問主意書の中で、コンピューター上の年金記録と紙台帳との突き合わせを行っても、横領や改ざん、破棄等によって年金記録そのものが消えたり変わったりしてしまっているケースについては問題の解決に役立たないと思うが、それで間違いはないか、こういうふうにお尋ねをさせていただきました。

 それに対する答弁として、そうはいっても、このものについては、オンライン記録上の例えば記録の訂正などが行われている、そうした過去の履歴などをたどっていくとわかるものもあるんだ、そういうお話も答弁として返していただきましたけれども、結局、この作業をやって何がわかることになるのか。

 まずお伺いをしたいのは、照合作業を行う根拠とされているサンプル調査の結果で、ごめんなさい、ちょっと質問を飛ばします。紙台帳の突合とこのオンラインデータのデータ上の検索によって見つかった不備との間でどのような、済みません、ちょっと立ち往生してしまいました。失礼しました。

 お伺いしたいことだけ、最後にちょっとお伺いしておきます。

 この質問主意書に対する答弁として、紙台帳との突合だけではなくて、過去のオンライン上の変更、訂正の履歴をたどって確認されるものもある、こういうふうな答弁がされておるんですけれども、これは実は、紙台帳との突合で判明した成果というわけではない。オンライン上のコンピューターの訂正履歴、今言った過去ログを見て発見されたものですので、四百億円近く使って紙台帳との検索システムをつくって、突合をやって、それで出てきた結果というのとは違うものだというふうに思うんです。

 これを紙台帳との突合の成果だというふうに含めてしまうと、これはオンライン上のコンピューターの訂正履歴だけ見ればわかるものですので、それを一緒に入れると、結果として、この壮大な費用をかけたデータの突合作業の成果のある種の水増しになってしまうんじゃないかというふうに思うんですけれども、そのことだけちょっとお伺いをしたいと思います。

石井政府参考人 お答え申し上げます。

 このたび作業をスタートいたしました紙台帳とコンピューター記録の突き合わせ、この作業の目的は、紙台帳の記録がコンピューター記録に正確に移しかえられていないケースがあるということが判明した経緯にかんがみまして、この紙台帳からコンピューター記録への移換が行われていないもの、不一致のものを点検しよう、確認しよう、これがねらいでございます。

 先日、質問主意書をいただきました際に御答弁申し上げましたのは、この紙台帳とコンピューター記録の突き合わせの結果、記載内容に不一致が判明いたしました場合に、作業手順として、その理由を確認いたします。この不一致の理由に合理的な理由があるかどうかという確認の中で、過去のコンピューター記録の訂正履歴を見る場合がございます。その訂正履歴を見た中で、その中には訂正行為が誤っているものがある、こういったことが判明するケースがございますものですから、ああいうことで御答弁申し上げたわけでございます。

 したがいまして、オンライン記録の訂正誤り、これにつきましても、紙台帳とコンピューター記録の突き合わせを契機として判明するケースがあるということで、その効果は突き合わせの結果の一つとしてよい、このように考えておるところでございます。

柿澤委員 時間も過ぎておりますし、質問のやり方にちょっと不備がありましたので終わりにさせていただきたいと思いますが、先ほど申し上げたような額を投じて行われるプロジェクト、やはりこれは費用対効果というのは問われなければならないというふうに思います。これから事業仕分けにも上るということでありますけれども、考えてみれば、これは与党の側からも、ある意味ではそういう目を投げかけられているものなんだろうというふうに思います。

 そうした中でこれを実行していくというわけですので、どういう成果が出てくるのか、私たちも見守りたいというふうに思いますけれども、不断の検証を行って、本当にこのやり方で年金記録問題を解決するというアプローチが正しいのかどうか、ぜひこれからも見直して検証していただきたいというふうに思っております。

 以上です。ありがとうございました。

牧委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時八分散会


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