衆議院

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第4号 平成23年3月9日(水曜日)

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平成二十三年三月九日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 牧  義夫君

   理事 郡  和子君 理事 中根 康浩君

   理事 藤田 一枝君 理事 柚木 道義君

   理事 渡辺  周君 理事 加藤 勝信君

   理事 田村 憲久君 理事 古屋 範子君

      青木  愛君    石毛えい子君

      石田 三示君    石森 久嗣君

      稲富 修二君    小川 淳也君

      大西 健介君    大西 孝典君

      岡本 充功君    勝又恒一郎君

      工藤 仁美君    小宮山洋子君

      斉藤  進君    菅川  洋君

      田中美絵子君    竹田 光明君

      玉木 朝子君    玉城デニー君

      中後  淳君    長尾  敬君

      仁木 博文君    初鹿 明博君

      平山 泰朗君    福田衣里子君

      三宅 雪子君    宮崎 岳志君

      山口 和之君    山崎 摩耶君

      湯原 俊二君    あべ 俊子君

      鴨下 一郎君    菅原 一秀君

      棚橋 泰文君    谷畑  孝君

      長島 忠美君    長勢 甚遠君

      松浪 健太君    松本  純君

      坂口  力君    高橋千鶴子君

      阿部 知子君    柿澤 未途君

    …………………………………

   厚生労働大臣       細川 律夫君

   厚生労働副大臣      小宮山洋子君

   厚生労働副大臣      大塚 耕平君

   総務大臣政務官      内山  晃君

   厚生労働大臣政務官    岡本 充功君

   厚生労働大臣政務官    小林 正夫君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房年金管理審議官)       石井 信芳君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房人事課長)          蒲原 基道君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  大谷 泰夫君

   政府参考人

   (厚生労働省医薬食品局長)            間杉  純君

   政府参考人

   (厚生労働省老健局長)  宮島 俊彦君

   政府参考人

   (厚生労働省年金局長)  榮畑  潤君

   厚生労働委員会専門員   佐藤  治君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月九日

 辞任         補欠選任

  田中美絵子君     玉城デニー君

  玉木 朝子君     石田 三示君

  長尾  敬君     勝又恒一郎君

  樋口 俊一君     中後  淳君

  宮崎 岳志君     小川 淳也君

  吉田 統彦君     菅川  洋君

  西村 康稔君     長島 忠美君

  江田 憲司君     柿澤 未途君

同日

 辞任         補欠選任

  石田 三示君     玉木 朝子君

  小川 淳也君     宮崎 岳志君

  勝又恒一郎君     長尾  敬君

  菅川  洋君     吉田 統彦君

  玉城デニー君     田中美絵子君

  中後  淳君     湯原 俊二君

  長島 忠美君     西村 康稔君

  柿澤 未途君     江田 憲司君

同日

 辞任         補欠選任

  湯原 俊二君     大西 孝典君

同日

 辞任         補欠選任

  大西 孝典君     樋口 俊一君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 平成二十三年度における子ども手当の支給等に関する法律案(内閣提出第九号)

 厚生労働関係の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

牧委員長 これより会議を開きます。

 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として厚生労働省大臣官房年金管理審議官石井信芳君、医政局長大谷泰夫君、医薬食品局長間杉純君、老健局長宮島俊彦君、年金局長榮畑潤君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

牧委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

牧委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。高橋千鶴子さん。

高橋(千)委員 おはようございます。日本共産党の高橋千鶴子です。初めて朝のトップバッターというのをやらせていただきます。

 初めに、一言ちょっとお話ししておきたいと思うんですけれども、きょうの委員会の終わりに子ども手当法案の趣旨説明が予定をされているわけですが、これは理事会で与野党が了解をした中身でありますけれども、その後のやり方について、修正協議が始まっているですとか、つなぎ法案が出されたら賛成するとか、何かそういう先走った報道が既にけさ、されております。

 全く事実ではありません。審議の中で議論を深めて、私たちは修正案を準備しているし、当然皆さんにも賛同を呼びかけたいという立場であり、あくまでも審議を深めようという立場でありますので、事実ではないということを、やはり委員会軽視のようなことは慎むべきだと思っておりますので、一言指摘をしておきたいと思います。

 さて、きょうは、二つの点で質問をしたいと思います。

 初めに、薬害イレッサの問題です。

 二月二十四日の予算委員会で私は、薬害イレッサ訴訟、大阪地裁による和解勧告の所見について、これを国が拒否するに当たって、ちょうど同じ時期に一斉に肺癌学会や医学会など各界が声明を上げた点で、厚労省が文案まで示してかかわったのではないかと質問し、細川大臣は調査を約束しております。

 資料の一枚目に、イレッサ訴訟問題検証チームというのが立ち上がったというプレスリリースをつけておきました。これは三月三日付ということでありますので、その主査であります小林政務官に伺いますけれども、まず、現時点で判明している事実は何か、そして今後いつまでに何を明らかにするのか、伺います。

小林大臣政務官 お答えいたします。

 イレッサ訴訟の和解勧告に関する学会の見解公表について、大臣の指示により、三月三日に私を主査とする検証チームを立ち上げ、現在、事実関係の調査を進めております。現在、職員の人、学会関係者への聴取を進めている最中であります。できる限り早期に検証を終えたい、このように考えております。

高橋(千)委員 何ら具体的な答弁がなかったわけですけれども、少なくとも、文案があったという事実と、パソコンを見ればわかるわけですから、どこから出てきたのかくらいはわかるはずですよね。

小林大臣政務官 現在、先ほど言ったように、職員と学会関係者の双方から事実関係を聴取しております。聴取した上で検証したいと考えておりますので、途中経過でお答えすることは差し控えさせていただきます。

高橋(千)委員 文案は手元にありますし、これは原課からいただいておりますので、認めますね。

小林大臣政務官 先生御指摘のそういう声明文案が出されたということは承知をしております。

高橋(千)委員 「肺がん治療薬イレッサ(の訴訟にかかる和解勧告)に対する声明文」ということで、これは案ということも書いていないわけですけれども、表裏の最後のところに、「新たな治療法や治療薬の開発は、多くのがん患者さんにとって大きな願いです。この真摯な願いを阻害しかねない今回の和解勧告について、日本医学会として懸念の声明を発します。」というふうに書いてありますから、これがまさに医学会の声明の案として出されたものであるというふうになると思うわけですね。

 一方、二十六日の読売新聞では、日本肺癌学会に対しても、所見にコメントしてほしいなどとメールしたとされていると報道をされています。

 また、医師の専門誌である「集中」というところには、「イレッサ訴訟について」と題した依頼書がある、医薬食品局総務課医薬品副作用被害対策室長の両補佐から政務三役への御説明を振りつける内容である、こういうことも記載をされております。

 ちなみに、局長と岡本政務官それぞれ、これらの文案について承知をしていたのか、確認したいと思います。イエス、ノーで。

小林大臣政務官 現在、関係者から聴取を進めているところでありますので、一通り聴取した上で検証したいと考えております。途中経過でお答えすることは差し控えたい、このように思います。

高橋(千)委員 小林政務官には聞いておりません。局長と岡本政務官に聞いています。

小林大臣政務官 先ほど言ったように、調査チームを立ち上げた経過を報告いたしました。私の方で今この調査をしておりますので、先ほど言ったように、途中経過でございますのでお答えすることは差し控えたい、このように思います。

高橋(千)委員 ちょっと、通告しているにもかかわらず、答えない。これは別に、職員を呼んできて聞いているわけではないわけですよ。政務官に聞いているわけですね、答弁する立場の方に、小林さんではなくて岡本政務官に。なぜこれが答えられないんですか。いや、もういいです、小林さんには聞いておりませんので。これは岡本さんに聞いているんです。岡本さん、立てないんですか。いいです、小林さんに立ってもらう必要はありません。大臣に伺います。では、岡本さん。

岡本大臣政務官 いや、私、別に立てないわけではないんです。ただ、調査が今進んでいる最中ですから、一部だけお話をするというのはどうかということもあり、先ほどのような話をしたところでありますが、重ねての御質問でありますから私の点だけお答えをさせていただきますと、私の場合は、この文案については承知をしておりませんで、こういった報道があってから事実関係を事務方から聞いたということです。

高橋(千)委員 それだけのことをなぜためらうのでしょうか。逆に、非常に不信感を持つわけであります。

 大臣に求めたいと思うんですけれども、やはりこれは組織的な問題ではないかという指摘がされているわけです。このような手法がまさか日常茶飯事に起こっているのではないかとさえ疑わざるを得ないわけです。

 二十三日には東京地裁の判決を控えています。これ自体が直接判決にかかわると言っているわけではないんです。しかし、真相がのらりくらりと時間稼ぎになるのは、やはりどう考えてもまずいです。遅くとも来週までと大臣が期限を区切り、最終的な報告が出せないのであれば、検証チームの公開あるいは中間報告、せめてそのくらいはやるべきだ。秘密裏に行われたこの間の情報操作が、報告までもなぜか秘密裏になっていることはあってはいけないと思うんです。

 大臣、いかがですか。

細川国務大臣 この件に関しましては、予算委員会で委員から御指摘がございまして、私の方からこれを調査すると。しかも、これは高橋委員が言われるように大変な不信を招いたようなことでありますから、厳格に調査をするようにということで、チームを発足させて小林政務官にチーフになってもらって、調査を今進めていただいております。

 なお、私の方からは、委員が御指摘されましたので、さらに督促をしておきたいと思います。

高橋(千)委員 さらに督促ということでありました。ある程度期限を区切ってほしいという趣旨であることを重ねて指摘したいと思います。

 私は、この後質問する運用三号の問題のように、事は、主犯がわかったら処分すればよいという立場ではないんです。それでは問題が進まないんです。やはり依頼文書が効力を発揮したのか、厚労省の内部文書によって、大臣自身もあるいは菅総理も、がん患者全体の利害を考える必要があると発言してきた。つまり、がん患者とイレッサ被害者を分断しかねない世論づくりに国の関与があった、そういう重大な問題なんです。これは、期限を区切って、そして事実を率直に認めて謝罪するべきだと重ねて指摘をしたいと思います。

 大阪地裁の判決は、単に国が勝訴、製薬企業が敗訴というものではありません。今回の判決は、イレッサの有効性、有用性についてはいずれも肯定しているのです。その上で、製薬会社には「製造物責任法上のいわゆる指示・警告上の欠陥があったと認められる。」としました。そして、国についても、「イレッサの輸入を承認したことや承認前後に必要な安全性確保のための権限を行使しなかったことについて国家賠償法上の違法はない。」とした上で、添付文書に「間質性肺炎を記載するよう行政指導をしたにとどまったことは、必ずしも万全な規制権限の行使であったとはいい難い。」と書いているわけであります。

 つまり、製薬会社の責任を明確に認めながら、国の責任を認めないということは、原告らにとっては納得のいくものではありません。しかし、そのことをおいても、違法でないからよいということは、到底読めない判決なのです。国の責任を不問とせず、今後のがん対策にも生かしていくべきだ、この趣旨を読み取るべきだと思いますが、大臣、もう一言、あれば。

細川国務大臣 この訴訟そのものにつきましては、国の方が勝訴したということもありまして、これについては高橋委員の方からはいろいろとあろうかと思いますけれども、私どもとしたら、今後、この訴訟と関係なく、がん患者の皆さんの立場に立ったがん対策をしっかり立てていくということ、これは前々から申し上げているとおりでございまして、そのことについては私どももしっかり進めていきたいというふうに考えております。

高橋(千)委員 薬害肝炎を踏まえた検討委員会の最終提言でも重要な指摘をされておりますので、ここをしっかりと踏まえた対応を重ねてお願いしたいと思います。

 また、調査の結果については、なるべく早く、そして本委員会にも御報告をお願いしたいということを要望して、次に進みたいと思います。

 次に、第三号被保険者の年金記録不整合問題、いわゆる運用三号について伺いたいと思います。

 ちょうど私が、二十四日の予算委員会でイレッサの質問をする前に鴨下議員のこの問題の質疑があって、大混乱に巻き込まれてしまったわけでありますけれども、きのうからようやく厚労委員会で質疑が始まったそのやさきに、既に昨夜のテレビ報道で、関係者の処分や法案の改正、その中身まで取りざたされている。ちょっとそれは委員会軽視ではないか、ちょっと待てというのが正直な気持ちであります。

 そこで、まずは、八日に、昨日ですが、年金業務監視委員会から提言が出されました。その趣旨について、総務省の内山政務官、簡潔に御説明ください。

内山大臣政務官 高橋先生、御質問いただきましてありがとうございます。簡潔に答弁させていただきます。

 昨日、運用三号の問題について、年金業務監視委員会としての意見が出されました。委員長から総務大臣に意見を提出したところでございます。

 概要は、「「運用三号」は、その内容が国民年金法に違反する疑いがある上、年金受給者間において著しい不公平をもたらすと考えられることから、廃止すべきである。」「年金記録上、既に第三号被保険者の資格を失っているにもかかわらず、第三号被保険者として記載されている者に対して何らかの対策を講じる必要性があることも否定できないところであり、早急に、公平・公正な対策を検討し、必要な立法措置を講ずるべきである。」と述べております。

 以上でございます。

高橋(千)委員 簡潔にありがとうございました。

 資料は一応、その一部なんですけれども、二枚目につけておきました。特に、「理由」のところで、アンダーラインを引いておきましたけれども、「違法の疑い」ということで、「法律上想定している金額を超えた年金給付を行うことを、立法措置によらず、厚生労働省の課長通知によって画一的に認めるものであり、違法の疑いがある。」と、大変厳しい指摘かなと思っております。

 これがお昼に出されているわけですけれども、それを受けて、昨日は夕方の六時から年金記録回復委員会が開催をされまして、大体二時間くらい議論されたのかなと思うわけでありますけれども、その後、資料の三枚目でございます、全員一致で決議をされたと伺っておりますけれども、記録回復委員会の「第三号被保険者の記録不整合問題についての意見」という、案のとれたものが厚生労働大臣あてに出されたものであります。

 これを見ますと、あれっと思うんですね。例えば、一番目、「いわゆる「運用三号」については、昨年三月の当委員会の総意としては、やむを得ない対応であるとしたところだが、これについては、当時の状況からすれば、従前の対応との連続性の観点及び今後の是正策の観点から一つの考え方であったと思料する。」と。

 意味がわからないんですよ。二時間も議論していて、これは違法であるとまで指摘をされていて「一つの考え方」というのは、ほとんど責任も認めておらないし、あるいは厚労省の責任だとも言っておらないし、どういうことなのか。監視委員会の提言をどう受けとめたのか、伺いたいと思います。

大塚副大臣 昨日、私は、この回復委員会にずっと出席をさせていただいて、この今の先生が御指摘になった意見書をまとめていただくプロセスを全部、当事者としてそこにおりましたので、よく状況は理解しております。

 回復委員会の委員の先生方、たしか七人か八人だったと思いますが、全員が御発言になりまして、まさしくここの一番の理由に書いてありますとおり、「従前の対応との連続性」、つまり、昭和六十一年から現実に運用三号と同じ状態が生まれていた中で、しかもそれが知らない間に行われていた、暗黙裏に行われていたということが明らかになった。

 さて、この問題にどう対処していくかということを考えると、今後適正な姿に戻していくにしても、本当に無年金や低年金になられるリスクのある方々のことを考えると、それまでの対応との、つまり従前の対応との連続性の観点と、そして、この手書きが入っていらっしゃるというのは、この手書きのないものが最初委員長から原案でお示しになられて、委員の方のお一人の御指摘で、いや、それは従前の対応との連続性の観点からだけではなく、実は、今後はできるだけ、可能な限り正確な姿に近づけていくんだけれども、その過程における今後の是正策の観点も考えると、今まで事実上行われていたことを運用三号というルールで明確化するということにも一つの理があったのではないかという御意見が全員だったんです、私もその場で聞いておりましたけれども。したがって、この一番の文章ができ上がっております。

 ただ、今内山総務省政務官がお示しをいただいたように、それに先立って、総務省の年金業務監視委員会から御指摘の意見書が出されました。そこには、「違法の疑い」と明記をされております。しかし、これは「違法の疑い」という年金業務監視委員会の御意見でありまして、もちろん真摯に重く受けとめておりますが、違法かどうかということを最終的に判断するのは司法の判断であり、この状況について、どういう立法的措置によって解決するかというのは立法府の判断であります。

 今回のこの年金業務監視委員会の御指摘というのは、私どもの今のこの政権においては、年金業務も、厚生労働省及び旧社会保険庁、日本年金機構だけの考えで行うことなく、第三者的行政監視権能を持った、総務省のもとに置かれた業務監視委員会からも適切なチェック機能を発揮していただきながら運営をしていくという姿で今行われておりますので、この御指摘というのは、まさしくそういう機能を発揮していただいたわけでありますので、私は、決して先生御指摘のような懸念はなく、むしろ、このことによって、今後、より適正、公正な年金制度が構築されていくことに資するものというふうに思っております。

高橋(千)委員 私は、記録回復委員会の議論が、昨日ではなくて昨年来の議論も、何度も指摘をしてきたじゃないかとおっしゃっている方が委員の中にいるわけですよ。そういうことを積み重ねてきての「やむを得ない」という結論であった。そういうことに対して、やはりもっと真摯に受けとめがあってよかったのではないかなと。本当にこれで、結局、解決策の展望も、必要な助言を行うとしかないという点では、非常に残念に思うなということを指摘したいと思うんです。

 ちょっと通告はしていないんですけれども、大臣、きのうテレビカメラの前ではいろいろなことをおっしゃっておりましたので、受けとめについて、一言お話をいただきたいと思います。

細川国務大臣 受けとめというのは、回復委員会の方でしょうか、こういうことになったことについてですか。(高橋(千)委員「はい」と呼ぶ)

 これについては、年金業務監視委員会、そちらの方からも総務大臣の方に意見書が出されました。そしてまた、総務大臣から私の方に御意見をいただきました。その中では、この運用三号については廃止をしろ、そしてまた、法的な手続によってこの問題は解決をするように、そういうような大変厳しい御意見もいただいたところでございます。そしてまた、回復委員会の方でも、法的な、抜本的な解決をしていくことについて、それはそれでよろしかろう、こういうような御意見もいただきまして、昨日、この問題について、抜本的な改革案について御提示をさせていただいたところでございます。

 いろいろと混乱を生じたことについては、これは大変申しわけなかったというふうに思っております。

高橋(千)委員 少し話を次に進めながら、もう一度聞いていきたいなと思うんですけれども、年金業務監視委員会の提言は基本的には妥当ではないかなと思ってはいるんですが、廃止にかわる解決策についてはすっきりとはいかないと思っております。最大のネックは、既にもらっている人の扱いなんです。

 意見書では「裁定未了の者については、「運用三号」の適用を行わず、正規の種別変更を行うこととし、既に裁定済みの者についても裁定の取消等の措置を検討すべきである。」こう書いています。

 昨日、内山政務官は本委員会で答弁をされて、銀行手続が間に合わなくて三月十五日に支払われる方についても返還を求めることが考えられるという趣旨の発言をされたと思うんです。ただ、運用三号が世に出る前に、裁定のときは問題にならなかったために、本来一号なんだけれども三号のまま年金をもらっている方がいる。厚労省はそれは特定できない、何人か全然わからないと。そういう方たちについて、どのようにすればよいとお考えでしょうか。

内山大臣政務官 年金の裁定の訂正、取り消しの原因は、記録に誤りがあるということが前提でありまして、ですから、一号の未納である三号被保険者期間があるということは、当然、記録の訂正、裁定の訂正、取り消しに値するという案件であります。ですから、さかのぼって既裁定者は年金の裁定の訂正をし、期間がない方は取り消しになる、そして過払いで払っている年金に関しては、国の債権として返還債権ということになるのが大原則であります。

 しかし、これをどうするかはこれからの議論だと思います。

高橋(千)委員 これからの議論だと。これは非常に難しいところなんですね。

 同じ質問を細川大臣に伺います。

細川国務大臣 既に裁定済みの受給権者につきましては、これを正しい記録に戻して、そして過払いのお金を、年金を取り戻すといいますか返還をしてもらう、あるいは将来の年金額を減らすという、これは大変難しい問題がございます。

 一つは、被保険者との扱いでどういうふうな公平を保っていくか、こういう問題でございます。そしてもう一つは、既に年金で生活をしている高齢者の方の生活が大変になるのではないか、こういうこと。この二つの観点、これをどう兼ね合いをつけるかというのが非常に難しい問題でございまして、そこは年金業務監視委員会の方からもいろいろと指摘もされておりまして、私どもとしては、これは大きな論点として、これからいろいろな方の御意見もいただきながら、これをどういうふうに決めていくかということで進めてまいりたいというふうに思っております。

高橋(千)委員 結局、まだ明確にはお答えできないと思うんです。それほど深刻な問題なんですね。百万人などと言われていますが、その中にどれほどの人が含まれているのか特定できていない中で、逆に言うと特定できた人だけが大変な目に遭うかもしれないという、国民の年金受給権を侵す問題であり、かつ、将来にわたっての年金の信頼性を損なう、そういう問題であるということなんですね。

 わからないのは、長妻前大臣が、これを自分が決めたということを既に認めているわけです。なぜ、昨年三月二十九日に記録回復委員会で運用三号にかかわる方針を決めたというのに、通知が出されたのは十二月十五日なのか。その間、九カ月間何をしていたのか、年金局長に伺います。

榮畑政府参考人 いわゆる運用三号による取り扱いにつきましては、昨年三月に基本的なところは決定されたところでございますが、その後、年金局と日本年金機構におきまして、運用三号の取り扱いを実施するための詳細な実施要領等の検討、それからまた、ことしの秋に不整合記録がある方々の一斉抽出を行うということで、コンピューターシステム開発の内容の検討、さらには、今後の不整合記録の発生を少なくしていくための対策を強化するための必要な情報の提供をどういうふうにしていただくか等々の検討、さらには、日本年金機構の職員に対する諸研修の実施等々、実施に向けた準備作業を進めてきたところでございます。

 こういうふうな一連の準備作業を終了したところから、昨年の十二月に、実施時期を一月一日とすることとさせていただいて、十五日に通知を出させていただいたというところでございます。

高橋(千)委員 今、諸準備があるということを説明されたと思うんですね。

 それで、資料の四枚目を見てください。その諸準備の過程で、国会で審議するチャンスは本当はあったわけですね。一昨年の七月に、年金確保支援法案が民主党による議員立法で提案され、その後、政権交代があったわけです。秋の臨時国会で、同法案は閣法として企業年金とセットで提案されましたが、現在、参議院で継続審議となっております。その中の一部がこの資料の四なわけですね、国民年金保険料の納付可能期間の延長について。現在二年までのところを十年間にするというものであります。

 十一月の委員会で質疑を行っていますから、まさにこの運用三号の問題は念頭にあったはずであります。十年さかのぼるということ自体モラルハザードではないかとか、保険料は毎月毎月払ってもらうなどと答弁をしていたではありませんか。その頭の片隅では、二年払えば最大で二十五年間チャラにする、そういうことを考えていた。これは重大な問題なんですね。

 この十年さかのぼり納付というのは、運用三号がもし既に発出されていると、この法案を通してしまうと、二年ではなく十年払わなければならないということになって、理論上は大変厳しいものになります。でも、運用三号がもともとなければ、むしろ、十年さかのぼるということは、不整合問題の救済策としてはかなりいい線をいっているものではなかったのか。

 法案を議論した当時、運用三号を準備していた局長として、この法案との整合性をどのように考えていましたか。

榮畑政府参考人 今回の運用三号の取り扱い自体は、先ほどもちょっとお話が出ましたけれども、年金の裁定段階での事務処理が、不整合の記録の扱いについて、実態として必ずしも一貫していなかったことを踏まえて、あくまでも現行法の中での運用ルールの統一化としてこの運用三号の取り扱いをさせていただいたところでございます。したがって、そういうことでございますから、年金保険料を徴収することができる期間についても、あくまで現行法の枠内で、保険料の徴収時効が完成していない過去二年分としたところでございます。

 他方、年金確保支援法案は、保険料をさかのぼり納付していただくことで無年金、低年金となることを少しでも少なくしていくというふうな観点から、国民年金保険料の納付が可能な期間を現行の二年から十年に延長するところでございます。

 したがいまして、運用三号の通知と年金確保支援法案とは、その趣旨が異なっていたというふうに考えておったところでございます。

高橋(千)委員 そんな答弁で、だれも認められるわけがないでしょう。

 この法案の中には、実は、運用三号とは少し性格は違いますけれども、第三号被保険者期間の問題が一つ含まれていたわけです。第三号被保険者期間が一部切れていた場合に、例えば、夫さんはずっと第二号被保険者なんだけれども、奥様がパートとかで一時的に二号になるんだけれどもまた復活する、本当は第三号でいいんだけれども届け出をしていない、実質は第三号そのものですよということで、それはそれこそ通知でその方たちの救済を図っていたわけです。だけれども、これでは、通知だけではなくて、ちゃんとした法案で明文化しようというものでこの法案の中に盛り込まれていたわけじゃないですか。

 法案の提出者である内山政務官が先ほどからうなずいておられますので、少しその事実関係。

内山大臣政務官 得意の分野を聞いていただいて大変うれしいんですけれども、三号の問題というのも、記録がいろいろ見つかった段階で二号になって、その後、三号の種別の変更をしていない方が六十を超えた段階で記録が見つかりましたよというと、受給開始時点、六十歳の段階で、あなたは三号の特例届け出というさかのぼる届け出がされていませんから、その届け出は、届け出を出した翌月から効果が発生するものですから、六十からもらった年金を返しなさいという非常に不都合な現状があった。

 そこを直すために一緒に入れたんですけれども、先ほど榮畑局長が言ったのは、直近の十年を納付するものであって、若いころの未納の部分というのは納められないんですね。非常に問題があるというのは私も思っていまして、どうせ十年でやるんなら何で二十五年やらないんだ、こう思っておりまして、高橋先生の鋭い質問だな、こんなふうに今敬服をしている次第でございます。

高橋(千)委員 ありがとうございます。

 この法案でやろうとしていた中身は、それは通知でも納得いく中身だったわけですよ。運用三号の方は、だれが見ても納得いかないものを、法案で審議をしているさなかに、念頭にありながら口をつぐんでいた、そういう重大な問題なんだということを重ねて指摘をしなければなりません。

 私がきょう質問するのは、今回の運用三号の廃止がほかに波及していって、本来救済されるべき人までもそうじゃなくなってしまったり、不公平感が大きいと言っているのに、逆に、まじめに払ってきて、あるいは変更して低年金や無年金になっちゃった方もいるわけです。そういう人たちに不利益になってはならないと思うわけです。

 副大臣、どうですか。

大塚副大臣 全くそのとおりだと思います。

 これは、今後、日本年金機構、旧社保庁の現場がどのようなディシプリンのもとで運営されていたのか、そして今もそうなのかというのを確認しなきゃいけないと思っているんですが、実に多くの通知のたぐいでルールが決まっているんですね。これは、昭和六十一年どころか、もっと前からずっとそういう慣行になっていまして、私も、その通知のたぐいを今全部承知しているかというと、わかりません。したがって、今先生の御指摘のようなことにならないように、一度、網羅的に整合性を確認する必要があると思っております。

高橋(千)委員 旧社保庁の責任だけにしないでいただきたい。制度が本当にころころ変わってきた、そういう中で問題が次から次と起こって、そこを償わなければならないということになって、それで、資料の五枚目につけているわけですけれども、社会保険事業運営費、これは、今年度は四千四百七十四億円中、約半分に当たる二千二百三十億円、来年度予算は四千五百十三億円中二千九十四億円が保険料から拠出されているわけです。

 二〇〇七年の年金流用禁止法案のときのあの激しい論戦は何だったのかと。年金保険料は年金給付以外には使わせませんというマニフェストは、もうほごにしたのかと本当に聞きたいですね。結局、いろいろな不手際が起こるたびに、一番苦しんでいる無年金、低年金の国民の保険料でその穴埋めをするということが許されるのか。このことを、マニフェストはほごにしたのかということを、通告してありますので大臣にお答えいただきたい。

 それと、最後に提案も含めて質問をいたしますけれども、運用三号の廃止と法改正に当たっては、国民年金法の第一条には憲法二十五条に基づくということがちゃんと書いてある。この年金法の趣旨と、基礎年金の二分の一を国庫が負担している、国民の年金受給権を守るというその趣旨にかんがみて、本当に最低でも国庫の二分の一負担分は未納でも給付をされる、つまり、今回の廃止に当たっても免除と同様の扱いにするべきだ。しかも、その後には、無年金障害者を初め納付期間がわずかに足りないために無年金、低年金になっている方たち、空期間などに対しても、国庫が保障している部分は最低でも担保をしていく、いずれは最低保障年金制度を目指していく、こういう立場に立つべきだと思いますが、大臣に伺います。

細川国務大臣 たくさん質問いただきましたが、まず、年金保険料の流用禁止の御質問でございますけれども、確かに、マニフェストにおきましては、年金保険料の流用につきましては一期四年の中で財源を確保しつつ順次実施をしていく、こういうマニフェストになっております。

 これを踏まえまして、平成二十三年度予算案におきましては、年金保険料の流用額を圧縮していく、こういうことで社会保険事業運営費の効率化を図ってまいりまして、平成二十二年度予算に比べまして百億円の縮減を行っているところでございます。

 そういうことで、御指摘をいただいております流用禁止につきましては、一期四年の中で実現をしていくということで頑張っていきたいというように思っております。

 それから、憲法二十五条の趣旨、こういうことで、免除期間として税の方で支給をすべきではないかということでございますけれども、これは、私どもといたしましては、今後この点も含めまして法律によって検討をしていく、こういうことでございますから、そういう大きな観点からもいろいろと工夫をしていきたいというふうに思っております。

高橋(千)委員 また続きをぜひお願いいたします。

牧委員長 次に、阿部知子さん。

阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 本日は、四十分のお時間をいただきまして、ありがとうございます。そして、去る二月の二十四日の予算委員会で鴨下衆議院議員から御提起のありました年金の運用三号問題について、少し時間をかけて聞かせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

 まず、一枚目、私のつくりました、時系列をもって、年金局と記録回復委員会と政務三役の動きを追ったものをお手元にお配りいたしました。これは、この間の審議を聞きながら私なりに整理したものですので、もしかして勘違いや思いの至らぬところもあるかと思いますが、これをもとにお話をさせていただきます。

 きのうの参議院の予算委員会で、菅総理が、運用三号の廃止、そして、処分として、橋本課長でございましょうか、現場の課長の更迭ということを発表されましたが、いかにもトカゲのしっぽ切りですし、物事が本質的に解決されてない。本質的な解決とは何かというと、やはり、本来民主党政権が政権交代したときの大きな看板であった政治主導、本当にこの間の出来事は政治主導であったかどうかということを私は確認をしたいと思うんです。

 先ほど高橋委員もおっしゃいましたが、例えば、年金の救済のための法案の改正がテレビで一方的に報道されて、こうした委員会で問題を重ねて、迅速に、かつ、きちんと信頼性を持って改正されることもなく、一方的に言われるということもおかしいと思います。その内容いかんではなくて、そういうやり方自身も本当に国会軽視だし、それはすなわち政治主導ではないんだと思います。

 おのおのの責任について考えてみたいと思います。

 まず、年金問題が発覚したのは、おととしの暮れの長妻厚生労働大臣当時のアンケートだということでございますので、そこから発覚し、おのおの年金の部局内ではこれをどうするかというのを省内で検討というか原案をつくられて、年金の記録回復委員会に原案の提示をされたのが三月二十九日で、それに回復委員会も賛意を表明されて、長妻厚生労働大臣が決定されたということであります。

 しかし、その後、実際に課長通達が出されるまでの間も、年金局は独自の動きをしております。

 どういうことかというと、一応原案で了解されたということで、課長通達に至るまでの間、今度、具体案が検討されるのですが、具体案が実際には年金回復委員会に出される前に、実は年金局は、年金局と機構で現場にこういうふうにしたいからと説明をなさっています。課長通達はまだ出されていない。だけれども、何もオーソライズされていないけれども、年金局や社会保険事務所の現場には、これでいくからねと説明があるんですよね。このこと自体、私は手順が違うと思うんですね。説明を受けた現場は、これは今までやってきたことと随分、いろいろな意味でそごを来すからということで、多様な御意見があったようです。

 まず、年金局長に伺いますが、年金局長は十月に、その原案になる、十二月のものを口頭で了解されたと。すなわち、こういうふうに社会保険事務所の窓口に説明したいんだけれども、これでいいですかと口頭で御連絡があったといいますが、そういうことでやっていらしたんですか。事実だけお願いします。

榮畑政府参考人 先ほどの高橋先生の答弁の際にもお答えいたしましたが、運用三号につきましては、昨年の三月に基本的な方針が決まったところでございまして、その後、私どもが事務的に実務的な準備作業を進めておったところでございまして、その過程では、年金局内で実務的な準備作業を進める中で、局内で局長のところでいろいろな検討はしたことはございますから、この十月の口頭了解というのは何を指しておられるのかよくわかりませんが、その準備作業の中でいろいろな打ち合わせをしていたということはございます。

阿部委員 これは伺いましたところ、課長通知の中身を口頭了解だそうです。課長通知のことを年金の南関東の社会保険事務所に先に説明するために、局長に了解を得たということでありました。

 まだ通達もないんです。でも、現場を集めて、これでいくからねと。全部事実先行じゃないですか。通達も問題なんですよ。でも、通達すらないんですよ。それを全部口頭で内々でやって、そして今回、課長が処分されましたけれども、課長が独自で課長通達を出したわけではないですよね。本当に、こういうのをトカゲのしっぽ切りといいますよ。局長まで上げるか、大臣まで上げるか、そういう省内のプロセスってあったと思うんですね。そこが全くグレーゾーン、やぶの中で、でも、それが無責任体制に、とにかく、やぶからやぶ、隠していく、あるいは勝手にお手盛りしていく、この素地を私はここに強く見ます。

 大塚副大臣、こういうふうに、課長通達を出す前に、現場に同じ内容を説明して、これでいくんだからと。これはどこにもオーソライズされていないんですよ。年金記録回復委員会にも諮っていないんです。そういうやり方でこれからの年金行政はいいんでしょうか。お願いします。

大塚副大臣 よろしくないと思います。

阿部委員 そうしたら、よろしくないことをほっておかないで、そこから手をつけないと、日々年金を扱う業務の実務がこんなじゃ困るんですよ。裁量権の中、いいかげんな中、だれもチェックできない。政務三役なんか、まるで知らないですよ。チェックしていないですよ。それでも長妻さんは、僕が決めましたとか言いますが、私は、それでは本当の年金の管理はできないと思いますよ。

 続いて、年金の記録回復委員会の方へ行きますね。

 年金の記録回復委員会は、さっき高橋さんが資料でつけていただきましたが、これまでの運用はあたかもやむを得ないかのようなことをおっしゃって、これまでの、すなわち、やむを得ない対応であったところだがと、運用三号についてそうしたコメントをきのう出されていますね。

 ところが、ここに、年金記録回復委員会で法律改正の可能性エトセトラを、最初、そういう事態が発生して、原案が厚労省の年金局から示される前に検討したか否かなんですね。

 これは、テレビ報道では、磯村さんという年金記録回復委員会の委員長が、記録回復の委員会としては法改正も考えたけれども、ねじれ国会じゃできないと思ったとか発言しているんですね。私は、本当にこの政府のあり方は、テレビでみんなが勝手に勝手なことを言って、国民は何を信じていいのか。

 まず、事実確認ですよ。ここの三月二十九日までの間に、年金記録回復委員会では、法改正も必要かもしれない、必要なんだけれども、でも、ねじれとか政治側の事情でできないとかいうお話はあったのか。それとも、それは、磯村さんが時間系列を間違えられて、何か、ずっとの長い中では思ったかもしれない、言ったかもしれない、でも、かなり明確に言っておられましたよ。

 これについて、大塚副大臣、どうでしょう。

大塚副大臣 今先生御指摘のそのニュースの映像を私は見ておりませんので何とも申し上げられませんが、磯村委員長とはこの間何度もお話をしました。きのうもお会いしていますので。

 その何度もお会いしている中で、やはり磯村委員長も、こういう展開になったことについて、もちろん回復委員会の委員長として随分責任を感じていらっしゃる御様子の中で、どうしてこういうことになったのかなということをいろいろ考えると、いろいろなことが影響していたかもしれないという、回想の中でそういうようなニュアンスのことをおっしゃったような気もします。

阿部委員 そういうあいまい、ファジーじゃ困るんですよね、国民の年金にかかわる問題ですから。

 私は、委員長、お願いがあります。年金は集中審議が必要です。年金記録回復委員会の委員長にも来ていただいて。

 だって、これはこれからも続くんですよ。記録を回復すべきところで回復しなくてよくて、運用でやっていいと判断するようでは困るんですね。そして、テレビでは一方でそういう発言を、どこかで思われたんだと思いますけれども。

 私は、それが政治の側の責任なら政治がちゃんとしなきゃいけないし、実は、事実は、年金局は先行して走っていると思うんです。先ほど申しました、現場を集めて、これでいくぞと説明までしている。そして、記録回復委員会に出して一応賛意を得たというけれども、議事録を見ましたけれども、おととしの暮れから三月まで、年金記録回復委員会では法改正も含めた審議なんかまるで書かれていませんよ。そうしたら、やみ、どこでどういうことが話されて、どこで政治の意思が決定されているのか、大事な年金問題が話されているのか、国民は本当に蚊帳の外に置かれます。

 これは、委員長、お願いです。諮っていただきたいと思います。

牧委員長 理事会において協議いたしたいと思います。

阿部委員 最後に、最も大きな政治の責任であります。

 長妻前大臣は、私が運用三号を決定したとおっしゃいますが、長妻前大臣は運用三号の決定の前に現場の年金局が現場説明会をしていることなど御存じであったか。私は、その点も含めて、長妻前大臣にはぜひこの場で、集中審議でお答えをいただかなきゃいけないと思います。おまけに、きのうも出ましたけれども、次の細川厚生労働大臣には引き継ぎはないわけですね。政治が全然関与しないところで物事が動いて、どこが政治主導でしょうか。何が政治主導でしょうか。

 そして、今日に至るまで、私は、二月の十七日に質問主意書を出して、こういう運用でやるんじゃなくて法改正をするべきだし、必要性は考えなかったのかと聞いたら、二月の二十五日の答弁書においてすら、運用問題だから法改正は必要なし。また、細川大臣は、内閣法制局にも聞いたが、法改正は法的には必要ないという返事をいただいておると言われたんですね。大臣、覚えていないですか、予算委員会でのお答えですよ、内閣法制局を引き合いに出されて。では、議事録を御確認ください。

 そして、せっかく大臣がお手を挙げられましたから、実は、大臣には長妻さんからは引き継ぎがない、そして、一月の下旬になって大臣はこのことを初めて知って、きのうおっしゃいましたよね、事務方に、なぜ説明しなかったんだ、これはとんでもないぞ、自分は知っていればとめたと。そうすると、長妻大臣から細川大臣までに至る間、政治の意思は百八十度ねじれているんですよ。必要がないという長妻さんと、実際が走る、細川大臣は聞いたときにおかしいと思った。この御意見は今もそうですか。一月段階からおかしいと思った。そして、最初にこのことはどなたから聞かれましたか。

細川国務大臣 先ほどの阿部委員からの質問主意書の件につきましては、それは、運用三号の内容が法律に違反するかどうかということで、これは、阿部先生の方から質問主意書が来たときに、法制局の方に問い合わせをさせまして、そこで、法制局の方からは、そういう意味で法律に違反するものではない、こういう回答を得た、こういうことでございますから、ひとつ御了承いただきたいというふうに思います。

 それから、私が知ったのは一月の下旬ごろでございまして、これは、そのときに事務方の方から、ちょうど内山政務官が私のところに見える、こういうことで、それは年金の問題だということでありましたから、事前に事務方の方から説明を受けた、そのときにこの全貌を知ったところでございます。

阿部委員 唯一この件で政治的にチェックをかけたのは内山委員だけなんですね、年金の総務省の方の監視委員会におられたから。

 すなわち、厚生労働省内では何のチェックも歯どめもかかっていないんですね。私は、国民の年金を預かる部局として、これは非常に問題だと思いますよ。総務省は確かに年金業務の監視委員会をつくっている。しかし、自浄作用があってこそ初めて、そして足らざる部分を外から指摘されるということはあったとしても、これでは年金局も記録回復委員会も政務三役も全く何もしていないというか、なるに任せて、なすに任せて、本当にこんなことで年金の運営が、行政がうまくいくのか、私はあきれるばかりですよ。

 そして、具体的な事案に移りたいと思います。どうすればよかったかです。

 こんなに現状で運用三号もどきの、まがいのことが行われているから、それを追認して、みんなだれもほっかむりして、口つぐんで知らなくてなどということをしなくてもいいチャンスはあったんだと思いますよ。

 これは実は、年金運用三号を決めたのは、ことし一月一日から実施ということになっていますが、実は昨年以前にも先ほどから御答弁の事実上の年金運用三号が行われていたわけですね、現場の裁量で、通達にものっとらず。

 そこで、一昨年八月のデータを使って、一昨年の十二月から昨年一月までに年金機構が実地の調査をいたしました。夫が一号、妻三号という人が約百三万人いたわけですが、長妻大臣だったせいかサンプル調査ですね、そのうち百人を抽出されました。百三万人のうち百人を抽出して、夫一妻三というのを抽出して調べたところ、百人のうち四十四人は二カ月たっても三号のまま、二カ月置いて調査したんですね。でも逆に、五十六人の方は年金の記録を正しく回復して一号に行ったんですけれども、百人のうち四十四人は二カ月たっても三号のまま、そして、さらにそのうち十三人は、既に第三号被保険者として年金を受け取っておられたんですね。

 これは、現場の裁量ですよ。ある人は一号に変え、半分以上は変え、でも、変えないで、年金まで偽りの記録のままに出していた。果たして年金局は、裁定のときに、だれが裁定したのか。その現場と、そして、その上の課長かもしれない、それから所長かもしれない、こうした仕組みをとっていますよね。

 今、細川大臣の責任において、この百人のサンプル調査の十三人の裁定の方、まずどういう経過で裁定されたか、具体的にお調べになるべきですよ。それから、各年金事務所ごとに、百人のサンプルでもいいですよ、とってきて、一つの事務所に非常にそういう恣意的裁定が多ければ、実はこの事務所ぐるみなんですよ。日々国民の年金を預かる社会保険庁の事務所のその業務の内容まできちんとチェックしていかねば、あれだけ長い時間をかけて年金で論議した意味がなくなると思います。

 大臣でも副大臣でも結構です。実際のこの百人サンプル調査の十三人、既裁定、これについて事実経過を明らかにすること。そして、年金事務所ごとに偏りがないか。幾つかのサンプルでも構いません。全部やれとは言いません。時間も金もかかるでしょう。でも、これらすべてをやみの中に葬って、臭い物にはふたをして、勝手に運用三号などをつくり上げるから、これだけの混乱が生じているんです。副大臣、どうですか。

大塚副大臣 根っこにある原因の御指摘については、全くごもっともだと思いますし、私も同感だと思います。先生が御指摘のような点を、これからまさしくどういうふうに改善していくかということだと思います。

 きのうも回復委員会でも申し上げたんですけれども、それから当委員会でもきのう申し上げたかもしれませんが、例えば、窓口でダブルチェック、トリプルチェックという事務をきちっとやれば、三人が別々に同じ事務をやれば、三人が同じ間違いをするということはまず起こり得ないんですね。ところが、現場でそういう体制になっていなかったということなので、そういうことを含めて、先生御指摘の問題意識に沿うような改革はやっていきます。

 済みません、直接の御質問のところですが、その十三人について、この人たちの経緯を調べて対処すべきだというのは、これはまたなかなか難しい問題だと思います。百三万件の中から百件をサンプル調査して、まずどういう傾向になっているかを知るためにたまたまサンプリングしたその十三人の方に追跡調査をかけるということの今度は公平性の問題も出てきます。だから、一定の対応の原則やルールを固めた上でこの不整合問題にやはり対処する必要がある、現時点では私はそのように思っております。

阿部委員 そういうのを総論賛成、各論反対というんですよ。現場は、それではよくなりません。

 副大臣、御存じですか。年金を一号に変えるとき、国民健康保険も一号になるんですね。今でも現場では、国民健康保険の方は皆さんすぐ変えるんですよ、あしたから必要だから。年金は、当座のお金がないとか、このまま何となくと言われても、そういう実態もあるんです。

 だから、なぜこういうことが起こっているか。みんな想像の上に、実態を調査しないで、想像の上に論じているんですよ。十三人について、その人たち個別に聞けと言っていないです。裁定をした人に聞けばわかるじゃないですか。担当者がいるはずですよ。その上に課長もいて、所長もいますよ。自分の所だけそういう人が多かったら、その所の業務の内容なんですよ。そこまでやらないと年金の信頼なんて回復できないんです。いつも表ばかりいいことを言って、現場を正さないと、年金問題はいつまでも解決しませんよ。どうですか。

大塚副大臣 先生の御趣旨がわかりました。その個人に当たれということではなくて、事務処理をした旧社保庁のその担当者に当たって、どういう経緯でこうなったのかを調べるということであれば、それはごもっともな御指摘だと思いますので、早速調べてみたいと思います。

阿部委員 もう一つ。いろいろな事務所ごとにやってみてください。絶対違いが出ると思います。

 そして、そういう裁量行政で勝手なことをやって不平等をつくっちゃいけないんですよ。まず、実態を調査することです。これも重ねて、うなずいていただきましたので、お願いを申し上げます。

 さて、きょう、報道でも既に出されていますが、ではこれからどうすればいいのか。もちろん、今後のことを話さないで、ただ責任だけを追及していたって国会の役割は果たせないと思いますから、今後については、きょう、テレビで言っていられましたけれども、私も提案として三つあります。

 過去の年金の未納を納められる体制、それは十年と言わず、さっきの高橋さんがおっしゃった全期間でも構いません。納められることを可能にする。

 そして、もし納められない期間は空期間、加入はしているけれども保険料納付はなく、保険料のその二十五年には算定されるが給付には反映されない。一番公平だと思います。

 プラス、もしもその間非常に低所得であったというような証明ができる方は、これは低所得の方には免除というのがありましたから、免除期間として、すなわち国から入っている三分の一分の給付は入れてさしあげる。

 世に心配されている低年金、無年金問題も含めて、以上三つ、さかのぼって払える、そして、払っていないところは空期間扱いをする、低所得者については三分の一の免除期間として扱う。どうお考えですか。

細川国務大臣 今、阿部委員が御提案いただきました内容については、それは私どもの方でもそういう方針で検討をする、こういうことにはいたしております。

 今の御提案は、被保険者ということでの御提案でございますね。はい。では、そういうことでございます。

 低所得者だった場合のことも、それも念頭に入れて検討させていただきたいと思っています。

阿部委員 あともう一つは、やはり三号から一号への切りかえは、これはもう権能を持ってやるしかないと思います。

 ここについても、平成十七年からは大分変わっておりますが、実は、日々、今もです、これは社会保険事務所の窓口に聞いてみていただきたい、あるいは自治体の窓口に。さっき申しましたように、国民健康保険の方は皆さん切りかえるけれども、年金の方は三人に一人だと。こういうのは現場の人に聞いて声を集めればわかりますから。

 そうであれば、これは制度上これからも発生してしまうので、ここは権能を持って切りかえるということも御検討いただきたいですが、大塚副大臣、どうぞ。

大塚副大臣 それは重要な御指摘なんですね。私も経験者だからわかるんですけれども、私も銀行を退職したときに、健康保険を切りかえなきゃいけない。そうすると、市町村の健康保険課に行きますね。行くと、市町村によっては、国民年金も切りかえてくださいねと言ってあとの手続をサジェストしてくれるところもあれば、そうじゃないところもあって、そうじゃないところでは、制度を知らない人は気がつかないんですね。

 だから、そういう市町村窓口の協力も得ないと、そういうことを知り得なかったり、あるいは情報が日本年金機構に上がってこないということもありますので、そこの対応についてはこれからしっかり考えたいと思います。

阿部委員 いずれにしろ、そういうことを国会で論議していただきたいです、テレビで言うんじゃなくて。もう原則ですから。

 大臣、いいですか。集中審議も含めて、まあ、大臣が決めるわけではないですが、やはりそこをきちんとされてこそ大臣の責任なんだと私は思います。

 これは、さっき言った、長妻大臣と細川大臣の主張が百八十度、結果的には違っていたんです。でも、是正することはできるし、それは法改正が必要だという点でやることです。

 委員長にはお願いいたしますが、長妻大臣の参考人としての御出席と、そして、法改正に向けた前向きな論議ができるよう、ぜひ今後の運営をお取り計らいください。

牧委員長 理事会において協議いたしたいと思います。

阿部委員 続いて、予防接種問題についてお伺いをいたします。

 実は、きのうは、年金記録回復委員会と同時刻、先般五例報告されておりますHib並びにプレベナー並びに三種混合あるいはBCGなどの混合接種による死亡例五例を検証する委員会も開かれてございました。

 お手元の二枚目の資料をごらんいただきますと、ここに、これまで挙げられた五例が一覧になっております。

 去年の補正予算で補正がつけられて、そして、ことしに入って、各自治体、自治体も半分負担、でも国も半分負担ということで、破格にHib、プレベナー等々の予防接種はふえておるわけですが、始めた途端に相次ぐ死亡例の報告で、今、お母さんたちは不安だし、現場は混乱という中でございます。

 さて、この表を見ていただきますと、一、二、四という事案は、実は、接種日と報告日の間には、接種して亡くなられて報告されるまで二、三日しかありません。ところが、症例の三並びに五は、接種を受けられてから、今回このことが大変話題になってから初めて事例として上がってまいりました。

 これは、今、推奨、予防接種でいろいろ勧めておられますから、お医者さんからダイレクトエントリーでダイレクトに予防接種の、因果関係は別に、情報が上がるシステムはあると思うんですが、実は、この二例は、親御さんは一体何が起きたんだろうと思っていたんですね。だけれども、お医者様の側に、予防接種した人とお亡くなりになった赤ちゃんを診た人が違ったり、あるいは直に結びつけられなかった、わからなかった、もちろん因果はわからないのですけれども、そういう状況があります。

 今後、予防接種も早い再開が望まれますが、親御さんが不安に思ったり死亡事案が出たりしたときに、厚生労働省の窓口、親御さんからも事例報告を上げられるような仕組みもあわせて検討されるべきと思いますが、いかがですか。これは一刻も早いアラームが次の行動を決めますので、御答弁をお願いします。

大塚副大臣 先生の問題意識はよくわかります。

 今、医療機関からしか報告を受ける体制になっておりませんので、今後どのようにするか、しっかり考えさせていただきたいと思います。

阿部委員 再開時にはぜひそうしていただきたい。今、慶応大学でそういうダイレクトで受けるというのをモデルケースでやっておられます。

 とにかく、予防接種は、健康なというか、そのときは元気な子に打って、結果は死亡。因果はわからなくても、そうなってしまった場合には、非常に混乱と不安と、そして親御さんはもう負い切れない不幸を負っていくわけです。

 次のページをおめくりください。

 ここには、今話題になっておりますプレベナーとかHib以外に、三種混合、今、組み合わせた相手の三種混合の方です、百日ぜき、破傷風、ジフテリア。もうずっと使われてきて、非常に安全性が高いと言われていますが、それでも、実は、毎年ぽつぽつと一例、平成六年から二十二年まで八例の死亡事案の報告がございます。ただし、ことしは、二十三年はもう既に三種混合と一緒にしたのは三例死亡事案になっておりますので、さらに非常に頻度は高いのです。

 この八例のうち、これは副反応かもしれないと報告されたものです、では、副作用の被害救済によって救済された数はどれくらいかというと、約半分でしかありません。四例。一対一にどれが救済されたということは、これは原局もおわかりじゃないということでしたが、他の救済機構でやっている数とこちらを並べますと、半分なんですね。

 今度のケースを考えますと、今、きのうも委員会がありましたけれども、確かに因果関係は肯定も否定もできないといった場合に、厚生労働省として積極的に救済に動くのか。因果関係というのは本当に難しいんです。確実に間違って接種したりすれば別ですけれども、疑わしきは救済するのか。それとも、この八例のうち四例しか救済されていないということは、これは国民が知ったら、予防接種をやって、救済制度はあるけれども実際は半分なんだと思ったときには、またすごく不安とそして混乱が広がります。本当に難しいと思いますが、ぜひ、疑わしい、否定できないというものは救済していくという、特に今回、五例は自治体も深く憂慮しておられますから、この点についていかがでしょう。

大塚副大臣 これは大切な点でありますので、基本的な今の考え方を御説明させていただきます。

 まずは、今回の接種もそうでありますが、ワクチン接種の緊急促進事業として行ったものについては、その実施主体である市町村に、もし万が一にも何か被害が出てきた場合に救済をし得るように、民間保険に加入していただくことを義務づけているということが一つ事実としてございます。原則としてはその中で対応していただくということでございます。

 しかし、万が一、医薬品が適正に使用されたにもかかわらず発生した副作用によって何らかの問題が起きた方々を救済する必要がある場合には、PMDA、医薬品医療機器総合機構による救済制度が整備をされております。

阿部委員 そういうのを官僚答弁というんですよ、申しわけないけれども。私が言ったことをよく聞いてください。グレーゾーンが多いんですよ。そして、医薬品副作用の方で救済されなかった場合に、自治体だけで救済なんかできないですよ、因果はないというふうになっているんですから。そんな冷たい行政をやっていたら、予防接種なんか進められないですよ。

 そして、今おっしゃった、救済額も違いますし、だけれども今度は絶対忘れていただきたくない、国が積極的に期限を区切ってやっていることなんですね。私が明確にしていただきたいのは、大半がグレーゾーンなんですよ、因果なんか特定できない、だけれども否定できないんですよ。そういうものへの基本的姿勢を、副大臣、それは政治の言葉で言ってください。

大塚副大臣 阿部先生と問題意識は全く一緒でありますので、そこは、被害に遭われた方々の実情とお気持ちをしっかり踏まえて対応をさせていただきたいと思います。

 その上で、しかし片方で、このワクチン接種でどのような被害が起きたということについて因果関係と関係なく対応するということは、これもなかなか難しい面があるということだけは御理解をいただきたいと思います。

阿部委員 そんなことはだれも言っていません。ただ、接種後二日で明らかに死亡事案が多いんですから、その現実を踏まえないと、そういうことじゃ予防接種は再開できないですよ。

 次に、再開に際して、ぜひ留意点でお願いいたします。

 資料の最後には、プレベナーという肺炎球菌ワクチンの、この間イレッサで問題になりました添付書がつけてございます。このプレベナーの方はまだ日本で発売承認されて一年ほどのものでありますが、私は、今回の予防接種のやり方は、三種混合プラスプレベナープラスHibプラスBCGプラス、もうカクテル、ミックス、何でもありよ、さあとやったことが、ちょっと前のめり、つんのめりであったと思いますね。

 このプレベナーの添付書を読んでいただくと、例えば二枚目の右半分の中ほどに注の五というところがあります。これは実は、例数は少ないのですけれども、国内で治験をいたしますね。そうしたときの副作用でいろいろ挙がってくる、何か百とか二百の治験例なんですよ。でも、注意していただきたいのは、注の五、無呼吸を発症した症例では、ほとんどの場合、他のワクチンと併用接種されており、また、無呼吸、感染症、けいれん等の既往歴があり、早期産児、未熟児ですね、早く生まれた赤ちゃんであったとされていると。

 これは一言の注意書きなんですけれども、私たちがこれを医者として読むとどう思うかというと、ああ、やはり、とりあえず、もしやるとしても、障害のあるお子さんとかはすぐ一緒くたにほかのものとあわせてやるんじゃなくて、慎重に場数を踏んで急がば回れ、だって同時接種の利便性は、いいのは利便性だけなんです。それから、医者も何回も来て打ちたくないけれども、でも何カ所か打たなきゃいけないんだから。

 私は、たったこれだけの小さなノーティスだけれども、でも、やはりすごく重要なことを言っていると思うんです。再開時にぜひ検討していただきたい。やはり単独で一つずつ再開をまず考えていただきたい。乱暴だったと思います。例数が積み重なってないからですよ。

 それと、特に障害のあるお子さんについては、障害があるから肺炎になったり髄膜炎になったりしやすいから注意は必要なんです。でも、丁寧に接種するという気持ちが予防接種行政にないと、五例のうち、実は二例ないし三例が障害の原疾患をお持ちのお子さんなんですね、今回。

 そういうことをかんがみたときに、ぜひ本当に安全性第一、だけれども、子供を守る予防接種行政は進めるというその細いはざまを行くわけですから、副大臣、これからまだ何回か再開まで会議があるそうですが、ぜひ一つ一つ例数を重ねていただきたいが、どうでありましょう。

大塚副大臣 先生の御指摘をしっかり踏まえて、慎重に検討させていただきます。

阿部委員 済みません。ジョブカードも予告しましたが、時間が足りません。申しわけありませんでした。

 ありがとうございました。

牧委員長 次に、柿澤未途君。

柿澤委員 みんなの党の柿澤未途でございます。

 私は、がん対策についてまずお伺いをしたいと思います。

 一昨年、私自身が食道がんで父を亡くしました。そのときに、実は、二十四時間の末期のみとりをさせていただいて、さまざまに感じさせていただいたことがございます。それを踏まえてきょうは御質問も申し上げてまいりたいと思っております。

 まず、がん診療拠点病院、がん拠点病院のあり方についてお伺いをしたいと思います。

 まず、事実をしっかり踏まえたいと思いますが、がん拠点病院、全国でがん診療のまさに拠点、地域医療機関との連携拠点ともなる病院でありますけれども、今現在、全国で幾つあるということになっているでしょうか。

岡本大臣政務官 現在、平成二十二年度においては、全国で三百七十七カ所の医療機関をがん診療連携拠点病院として指定をしているところでありますが、二十三年二月十日の検討会において十一カ所が新たに追加されて、本年四月より三百八十八カ所になる予定でございます。

柿澤委員 全国で三百八十八カ所ということになる。がん対策基本法を受けて、こうした指定が数多く進められてきたということがわかります。これは一見、がん対策が非常に急ピッチで進められてきたあかしだというふうにも見られるんですけれども、一方で、きょうお配りをした資料をごらんいただきたいと思うんです。

 これは、去年の週刊文春に掲載をされたがん拠点病院のランキングです。厚生労働省の現況報告から一つ一つデータをピックアップして、独自に集計をしてまとめられたものであります。これは、ワースト三十、ベスト三十と書いてありますけれども、ベスト、ワーストという表現はいかがかと思いますけれども、実態がどうなっているのか。厚労省の発表の仕方も非常にわかりにくくて、不親切なんです。これを一つ一つピックアップして集計をした、大変な労作だというふうに思います。

 これを見ると、がん拠点病院というのは驚くほどの格差があるんですね。例えば、ワースト三十のところを見ると、肺がんの手術、手術は手術数によって技術が上がるということが言われていますので、肺がんの手術がゼロというところがワースト三十の中で十七カ所もある。ほかにもさまざまな、五大がんの手術が症例ゼロ、こういうところが見受けられます。

 また、放射線の治療医がいない、また腫瘍内科医がいない、病理医がいない、立派な装置、医療機器はそろっているけれども医師はいない、こういう状況になっている拠点病院が大変多いわけです。

 いわば、仏つくって魂が入っていない、にもかかわらず、がん拠点病院というふうに名乗っている。そう聞けば、患者さんとすれば、そこに行けばきちんとした医療が受けられる、そう思ってそこにかかるわけです。しかし、そういう実態になっていない。これは逆に、三百八十八施設、これだけの数を指定を急いできたツケが回っている、こういうふうにも思いますけれども、こうした進め方が果たして妥当であるかどうか、厚生労働省としての見解をお伺いしたいと思います。

    〔委員長退席、郡委員長代理着席〕

岡本大臣政務官 先生御指摘のように、がん診療連携拠点病院のレベルに差が存在しているということは事実だと思います。

 一方で、余り長く答えてはいけないかもしれませんが、先ほど先生が御指摘になられた重要な点で、中途半端に手術をするよりは、きちっと技術のある病院で集中をして治療していくということも必要だろうと思います。

 いわゆるライナック等の設備がありながら常勤医師がいないんじゃないかという御指摘もありますし、実質、現在、二次医療圏で、がん診療拠点病院がある地域、ない地域がありまして、ない地域がまだあと百十八カ所、二次医療圏で残っています。

 この残っているところをどうしていくのかという意味で、三月四日に、第十八回のがん対策推進協議会の中で、「がん診療連携拠点病院等の今後の役割等について」という文書が出されまして、その中では、現在の医療圏の中で、まだ拠点病院が整備されていない地域をどうしていくか、そして、当該地域で例外的に指定をすることも含めて、さらなる検討をすることを求められています。そういったことも踏まえつつ、今御指摘の点をどのように改善していくかということを考えていかなければならないと思っています。

 そもそも、都道府県から推薦をいただいているこういった病院のあり方、全国一律というのはなかなか難しいと思いますけれども、充実を図る意味においても、補助を行うなどして指定を行っているところでございまして、また委員からもいろいろな御意見をいただきたいと思います。

柿澤委員 今の御答弁を聞いておりますと、二次医療圏で拠点病院がないところが百十八ある、それについてどうしていくかという議論をしているんだ、これからまだ拠点病院をふやして、総計でいうと五百弱になるんでしょうか、そうした体制を整えることが完成形だ、こういうふうな考え方であるかのようにも聞こえました。

 こういう形で全国にひとしくがん医療の提供体制を整える、いわゆる均てん化ということでこうした施策が進められてきたわけですけれども、しかし、この実態を見ると、事実上、これは言葉で言うとなんですけれども、言ってしまえば名ばかりの拠点病院に物すごいお金が投ぜられている、こういうことにもなってしまっているんではないかというふうに思います。

 この拠点病院に対して財政補助としてどのぐらいの額が今投じられているのか、確かめたいと思います。

岡本大臣政務官 冒頭、もし少しお話をしたことに違いがあったら申しわけないんですが、先ほどお話をしましたのは、どういう病院ががん診療連携拠点病院のあり方なのかということについて、がん対策推進協議会において集中審議を行っているところでありまして、今後、必要に応じて指定要件を見直すということも考えています。

 なお、予算におきまして、今、がん診療連携拠点病院機能強化事業としては、都道府県拠点病院には二千万円、それから地域拠点病院に対しましては千四百万円、こういったお金を予定しているところであります。

    〔郡委員長代理退席、委員長着席〕

柿澤委員 総額は幾らですか。

岡本大臣政務官 強化のためではなくて、総額ということですね。

 総額ですと、二十三年度予算案については、事業費総額が五十四億五千万円、それから国費ベースで、これは独立行政法人それから国立大学法人では十分の十でありますが、都道府県立や民間病院等においては二分の一でありますので、国費ベースでは三十四億三千万円ということになります。

柿澤委員 正直、三百八十八カ所も拠点病院は要らない、五十カ所、百カ所でいいんだ、こういうふうに言う専門家も多いわけなんです。こうした形で拠点病院を全国につくっていく、そして、施設は立派、立派な放射線機器も調っているけれどもお医者さんがいない、こういう状態のものをつくっていくというのは、事実上、高速道路や空港と同じで、うちの県にも、うちの地方にも欲しい、こういうたぐいの、言ってしまえば、これは言葉を悪く言えばある種のばらまきで、内実に乏しいがん拠点病院が患者を集めることによって、よりよい医療を受ける機会をその患者さんは失ってしまう、こういうリスクさえあるというふうに思うんです。

 難しい先端的ながん医療の拠点は選択と集中を進めて、均てん化をすべきであるとすれば、これは例えば地域で最期を迎えたい、こういう場合の緩和ケアの医療の体制であるとか、こうしたものについては均てん化、全国でひとしくケア、医療を受けられる体制を整えていく、こうした考え方にやはり考え方を再編成していく必要があると思いますけれども、御見解を伺います。

岡本大臣政務官 したがいまして、指定要件を見直していくということの議論をしているというところでありますし、先ほど示された資料にもありますように、できないにもかかわらず、むやみにやるのではなくて、手術についても、きちっとした経験と知見のある施設で行っていくということが、まさにこういった手術症例数にもあらわれているということであろうかというふうに思います。

 先生の御意見も踏まえつつ、こういったがん対策推進協議会の議論を見守っていきたいと思います。

柿澤委員 では、緩和ケアのことについてお伺いをします。

 まず、緩和ケア病棟の病床数についてお伺いをしたいと思います。

 私の父も、最終的には緩和ケアの病棟で他界をしていきました。癌研究会有明病院の緩和ケア病棟で、一昨年の一月の二十七日でしたけれども、旅立っていきましたが、大変行き届いた、また麻薬等による痛みのコントロールができて、本当に幸せな最期を迎えることができたな、こういうふうに思っております。

 しかしながら、日本は、この緩和ケアの病棟の病床数が全く不十分だという現状にある。まず、数字として、この緩和ケア病床がどれだけ全国に今存在をしているのか、これをお伺いしたいと思います。

岡本大臣政務官 直近と言われても、大変申しわけありません、二十一年七月一日現在の数字しかございません。全国で、緩和ケア病棟の届け出状況につきましては、病床数で四千四十二、医療機関数では二百七施設ということでございます。十九年以降、少しずつではありますけれども、ふえてきているという状況でもあります。

柿澤委員 今、二十一年七月一日現在の数字として、四千四十二ベッド、二百七医療機関、こういうことを言われました。がんで亡くなる方というのは年間三十三万人いるわけですので、計算をすると百万人当たり三十床ぐらいでしょうか、百万人当たり三十床、こういう現状ですね。

 そうした中で、どのようにしてこの緩和ケアの病床数をふやしていく、こうした努力をしていこうとしているのか、お伺いをしたいと思います。

大塚副大臣 先生の問題意識は非常によくわかります。緩和ケアの病床をどうふやすかということは、先ほど岡本さんも御説明していただいたように、今、少しずつふえているわけですので努力はしているわけでありますが、根本的には、最初先生がおっしゃったように、例えば二次医療圏に中核病院をどんどんふやすという、片方でそういうリソースの投入をしながら、緩和ケア病床を一次医療圏に近いところにたくさん配備できるかという、そのリソースの問題もあります。

 だから、例えば、私、自分の部屋に、この間、職員の皆さんにお願いをして、国立病院と労災病院と社会保険病院とナショナルセンターと、全部日本地図に落として地図にしてほしいといって持ってきてもらって、今、張ってあるんですけれども、実に多くあるんですね。もちろん地域の皆さんにとってはやはり近くにそういう病院があった方がありがたいに決まっているんですけれども、しかし、その一方で、それらに加えて民間の病院もあると、先ほど先生がお示しいただいた週刊誌のような実情になりますので。

 緩和ケア病床をこれからふやしていくということのためにも、本当にその医療リソースをどういうふうに配分していったらいいかという根本問題も考えないと、今やっている緩和ケア病床の増加努力だけでは追いつかないのではないかなということも一緒に考えていただければ幸いだと思っております。

柿澤委員 今言った、医療リソースのどういう配分をしていくかということについて、このまま緩和ケアの病床、病棟をふやしていくという、その方向性だけでは追いつかないのではないか、こういうことを副大臣おっしゃいましたけれども、この件については、もう少し具体的な考えをお示しいただければと思います。

岡本大臣政務官 緩和ケアをどこで行うかというのは、必ずしも病院に限らないというふうには思いますし、在宅で最期を迎えたいという方もいらっしゃるというのもまた事実でありまして、全員分というわけにはなかなか現実的にもいかないという面もあります。

 したがって、がん患者に対する緩和ケアについては、現時点では、治療の初期段階から療養の場所を問わずに患者さんの状態に応じて提供されることが重要ということを、がん対策基本計画、これは平成十九年策定でありますけれども、こちらの中で示しております。

 緩和ケアについては、都道府県が策定する医療計画、これは平成二十年から二十四年が現行の期間でありますけれども、こちらにおいて、緩和ケアの実施状況に関する指標として、緩和ケアチームを設置する医療機関数などにより緩和ケアに関する現状を把握し、地域の実情に応じた目標を設定するように求めていまして、例えば京都府でありますと、二十年三月策定のいわゆる医療計画で、緩和ケア病床の数を十九年は五十床であったものを二十四年には百床にしたい、こういう目標を掲げてやっております。

 先ほどお話をしましたけれども、緩和ケア病床の充実、在宅緩和ケア、それから外来でも緩和ケアをできるように、こういうようなさまざまな、冒頭お話をしましたけれども、療養の場所を問わずに患者さんのサイドに立った緩和ケアのあり方というのは考えていかなければいけないというふうに考えています。

柿澤委員 言葉ではそういうことになるんでしょうけれども、現実はなかなか進捗しない、こういう状況でもあるのではないかなと思います。

 拠点病院についても、緩和ケアの病棟がないというところが大多数に上っている。これは、場所ではなくてケアを行うことが大事だということで、緩和ケアの医療チームをつくるということは拠点病院の指定の前提になっているわけです。

 しかし、諏訪中央病院の鎌田實医師の御発言を引用しますと、形だけの緩和医療チームをつくっただけで、実質的に緩和医療を行っていない病院がある、私の病院には全国からがん難民となりかけた患者さんが来ますけれども、みんな拠点病院から流れてきた人たちです、経営の観点だけで、拠点病院の資格を取っただけで、こういう緩和ケア医療を本当に実施しているとは言えない、拠点病院の役割を果たしていない、こういうことを鎌田先生はおっしゃっております。

 これではいけないというふうに思いますので、これからの御善処、お取り組みをお願いしたいというふうに思います。

 在宅の緩和ケアのお話が出ました。日本の在宅死亡率は諸外国に比べると非常に低いということが言われています。スウェーデンが五一%、オランダが三一%、フランスが二四%に対して、日本は一三%というふうに在宅で亡くなる率が言われている。私、実感ベースでいうともっと低いんじゃないかというふうに思うんです。一三%よりもさらに低くて、病院で亡くなる方が圧倒的に多いということが今の日本の現実ではないかというふうに思います。

 そして、私も二年前に、本当に二十四時間、三百六十五日、末期がんの食道がんの患者を、私の父親ですが、見て、最後は、胃を取って食道につなげる胃管の手術をしまして、胃がないので物を食べられなくなったので、腸にチューブを入れて、腸瘻というところからモルヒネも入れ、栄養も入れということを一日三回必ずやらせていただきました。また、体をふいたりもしましたし、排せつの介助もしました。

 こういう経験をした感想として言えば、やはり最期まで家で過ごすというのが患者にとっても家族にとっても間違いなく理想的だと思うんです。在宅で最期まで暮らすというそのための基盤が今の時点では全く不足をしている、こういう状況だと思います。

 現時点で、解決の方向性として、がん医療均てん化、こういうこととも関係して、現在の体制で地域の医療機関がこうした在宅医療を担う、こういうことが目指されていると思いますけれども、しかし、在宅医療のケアのあり方を機能分化していかなければいけない、こういうことを考えると、例えば地域のすべての医療機関にこうした在宅の緩和ケア医療に取り組んでもらうということが果たして正しい方向性なのかというと、私は若干疑問もあるというふうに思うんです。

 末期がんの患者を在宅で診たい、こういう診療所はわずか五%とかそこらしか意向としてはない。こういう状況の中で、在宅緩和ケアを皆さん、やりなさいよ、診療報酬で色をつけましたよ、こういうことで果たして本当に患者のための、末期がんの日々を過ごすための医療が、ケアが進むんだろうか、こういうふうにも思います。

 そういう意味で、提供する医療の内容によって在宅医療機関を整理して、そしてそれに見合った供給体制を整える。特にがんの末期の場合は、期間が短くて、近い将来に死を迎えることになることがほとんどだという意味で、通常の在宅医療とはやはりかなり種類の違う、そうしたものなのではないかと思うんです。

 そういう意味で、各地域にがん在宅医療のかなめとなる在宅医療機関、緩和ケア診療所といいましょうか、それを置いて、そこを中心にしてチームを形成して、そして在宅緩和ケアの供給体制が整うように国として整備をしていく、こうした考え方が必要になってくると思いますけれども、御見解をお伺いいたします。

岡本大臣政務官 御指摘いただきましたように、在宅で最期を迎えるというのは、なかなか日本で、現状、さまざまな観点で難しいというところはあるかと思います。特に終末期のがん患者さんの場合には、さまざまな対応が必要になることもあり、また、御家族の協力も必要になってまいります。

 そういった中、どのようにいわゆる在宅における緩和ケアを含めた医療を提供していくかということはテーマでありまして、先ほどお話をしましたがん診療連携拠点病院等において、医師に対して在宅緩和ケアを含めた研修を行うとか、二十三年度予算では、在宅医療提供体制の整備拡充を図るために、医療と介護を包括的に提供する拠点を設けて、多職種連携を促進するためのモデル事業の実施等に必要な経費を計上したところではございますけれども、こういったこととあわせて、やはり国民の皆様方の御理解を進めていくということもあわせてやっていかなければ、最終的には、予算をつけただけでは、また研修をするだけでは、先生御指摘のような環境整備は進んでいかないんだろうというふうに認識はしています。

柿澤委員 公式答弁という感じで、ちょっと残念な気もするんですけれども。

 私の隣の墨田区で、在宅医療と訪問看護、在宅ホスピスケアの支援をやっているパリアンというグループがありまして、川越厚医師と博美看護師の御夫妻がいらっしゃって、いろいろお話をよく聞きます。

 こういうパリアンのような在宅ホスピスケアをやる支援グループが、先ほど申し上げた緩和ケア診療所のある種プロトタイプでしょうか、こういうものが一つあるだけで末期がん患者さんの在宅死の比率がこの十年間で六%から一三%まで上がった、こういうふうにお聞きをしたんです。一カ所できただけでこれだけの違いが出てくる。

 私自身も、父が残してくれた言葉として、自分の息子に背中を流してもらってこんなに気持ちいいと思わなかった、もしできたんだったら自分も自分の父親にやってあげたかったと言っていた、こういうことを聞かされて、本当に胸がつかえるような思いになったことを思い出しますけれども、やはり、こういう最期の日々を一人でも多くの方に送ってもらいたい。私の経験を踏まえて、また、これは父親からもらった宿題のような気持ちだという気持ちでお取り上げさせていただきました。

 さらにもう一つ、今その取り組みはやっているんだ、遅々として進んでいるというか少しずつ進んでいるんだという話なんですけれども、そんな悠長なことも言っていられないんじゃないか、こういう話を一つしたいと思います。

 二〇三〇年には、年間死亡者が百六十万人になると言われている、医療機関での死亡者が現状並みの九十万人ぐらいで、在宅のみとりが一三%ぐらい、在宅死が一三%ぐらいということで、介護施設もそれほど伸びない、こういうふうに仮定をすると、このままいくと死に場所のない、そうした方が四十七万人生まれる、こういうことが昨日、医療介護ニュースのキャリアブレインのサイトで記事として書かれていました。これは、在宅のみとりの基盤を強化して、この死に場所のない四十七万人を何とかしなければいけない、大変差し迫った問題だというふうにも思うんです。そのために必要なのは、やはり訪問看護を充実させることだと思うんです。それが全然足りない。

 訪問看護ステーションは、ゴールドプランの九千九百カ所なんて、これはもう完全に非現実的な夢物語の世界になってしまっていて、それどころか、常勤換算二・五人の人員基準を満たせないで閉鎖されたところが、一昨年の数字でいうと百五十カ所ぐらいあるという。一カ所五十人見ていたとしましょう。百五十カ所閉鎖をされたとすれば、これは七千五百人分の訪問看護のリソースが失われたことに逆になってしまうわけです。

 これまでも、去年もナースの一人開業のことを取り上げてきましたけれども、日曜日の規制仕分けで、この人員基準について見直しを行うということで、一人開業を認める方向で結論づけられた、こういうふうに聞いております。また、大塚副大臣からは、三月内には一定の考え方を示す、こういう趣旨のコメントもあったというふうに聞いております。

 今までのやり方で訪問看護は全然ふえてこなかったわけです。潜在看護師が五十万人いるという中で、医師、助産師、ケアマネは一人で開業が認められている中で、何でナースはできないのか、さんざん言われてきたわけです。今回の仕分けの結果を受けて厚労省もいよいよ動き出すということでいいのかどうか、これは大臣の答弁も含めてお伺いをしたいと思います。

大塚副大臣 大臣としてのお考えはこの後御発言があろうかと思いますが、規制仕分けの場では、論理的に議論が行われたので、いい結論が出たと思います。

 二十四時間、三百六十五日のサービスは一人ではできないでしょうということが、これまで厚生労働省の主張であったわけでありますけれども、ある委員の方から、お医者さんは往診をするのに、一人で二十四時間、三百六十五日、現実にできているのに、看護師さんはできないというのも変じゃないかとか、やはり公開の場で、公で議論をさせていただいたおかげで接点はあったと思います。その結果、行政刷新会議の最終的な決定の内容としては、近隣の医師等との連携に留意した上で、一定の要件のもとで一人開業を認めると。一歩前進です。

 それから、私の方から申し上げさせていただいたのは、行政は行政で、一定の、先ほど先生がお示しいただいたような看護が必要な人の人数と看護師さんの数とを定量的に計算して二・五人という基準を今置いているんですが、二・五人という人間の数はないんですね。二・五人というと、これは必ず三人ということになっちゃうわけです。だから、いろいろよかれと思ってやっていることが、しかし先生御指摘のような社会の現実に対応できない矛盾を生んでいるとすれば、これは解決しなきゃいけませんので、規制仕分けで出された結論に従って、私自身は、最終的に大臣の決裁も仰ぎますけれども、三月中に一定の考え方をお示しし、そして新年度にはより具体的に検討を進めたいというふうに思っております。

細川国務大臣 規制改革の仕分けにおきましては、一定の要件のもとに一人開業を認める、こういうことでございますから、それに向けまして、厚生労働省としては、政務三役で対応してまいりたいというふうに思っております。

柿澤委員 細川大臣の御答弁は、何となく前に向いているのか後ろに向いているのかちょっとわからないような感じの御答弁で、ちょっと残念……(発言する者あり)前に向いている、そういうふうに理解をさせていただきたいと思います。

 では、大塚副大臣から御答弁を求められています。

大塚副大臣 補足をさせていただきます。

 前とか後ろという観点でいうと、大臣もそうですし、私も今の職責上そうなんですけれども、厚生労働省としては、安心で安全な医療、看護環境を提供することが我々の職責でありますので、もちろん、一人開業について御懸念を持っておられる、そういう方々もいらっしゃるんですね。本当に一人だと必要なときにぱっと来てくれるかどうかわからない、また、その営業していらっしゃった方がもうやめますといってぱっといなくなってしまったら、その後どうするんだとか、そういう御懸念もわかりますので、今申し上げましたように、近隣の医師等との連携をどういうふうにするかというルールを明確にして、前とか後ろとかというよりは、合理的かつ安全で安心な医療、看護環境を御提供申し上げられるように、現在の規制と制度を見直させていただきたいということでございます。

柿澤委員 時間の関係もあって、この答弁はいただかなくてもよかったかもしれません。

 一つ項目を飛ばして、専門二十六業務派遣適正化プランについてお伺いをしたいというふうに思います。

 もとをただすと長妻大臣の直接の指示によって始まった、派遣における専門二十六業務の適正化の取り組みでありますが、昨年三月、四月と集中的な指導を各地方の労働局が行って、大きな、さまざまな波紋と影響をもたらしました。これについてお伺いをしたいというふうに思っております。

 まず、この専門二十六業務派遣適正化プランについて、実施に至る経過についてお尋ねをしたいと思います。

小林大臣政務官 平成二十二年の二月八日、都道府県労働局に対して、専門二十六業務の解釈を明確化し、三月及び四月に集中的な指導監督を実施する、専門二十六業務派遣適正化プランを通知いたしました。

 当時は、事務用機器操作などいわゆる専門二十六業務について、派遣可能期間の制限を逃れることを目的として、契約上は専門二十六業務と称しつつも、実態として専門性がない業務につかせているという不適切な状況が散見されていた、こういうことでございました。

 このような事実に問題意識を抱いた当時の長妻厚生労働大臣が、こういった違法派遣を適正化するよう指示して、プランに基づく集中的な指導監督を実施することに至った、こういう経過でございます。

柿澤委員 それで出されたのが、例えば、一般事務に混同されやすい事務用機器とファイリングについての留意事項、また、その後、専門二十六業務に関する疑義応答集、こういうものが出されて、解釈が明確化されたと。皆さんのお言葉ではそういうことになるんでしょうか。

 とりわけ、五号業務、いわゆる事務用機器操作の業務、八号業務、ファイリングの業務、こうしたものに関して、多くの派遣労働者が働いていたわけですけれども、かなりの部分、立入調査等によって問題が指摘をされ、そして業務改善命令なども出されて、結果としてどうなったかといえば、この適正化プランが行われ始めてから一年間で、何とこの二十六業務の派遣労働者の皆さんが十万人も減少している、こういうふうに言われております。これはもう数字にもあらわれている。

 特に五号業務ですけれども、五号業務は、平成二十一年度の労働者派遣事業報告の集計結果、そして、平成二十二年六月一日現在の労働者派遣事業の状況、こういうものを見てみますと、この五号業務、事務用機器操作では八万九千人減少をしている。リーマン・ショックのあった一年間の五号業務の減少が三万人であったことを考えると、これは激減をしているわけです。さらに、先ほども申し上げた八号業務、ファイリングで一万一千人、計十万人がこの二十六業務から退出をするということになっている。

 これは、仮に、何か不適正な働き方が横行をしていて、このような指導が行われて適正化をされたということだったら私はいいかもしれないというふうに思いますけれども、しかし、この五号、八号業務というのは、少なくともその大部分はそんなに、存在が許されないようなひどい代物ではなかったんじゃないかと思うんです。

 それが、結果として、期間の定めのない派遣労働を許されずに、例えば、自由化業務といって期間の定めのある派遣に切りかえられたり、あるいは直接雇用に切りかえられたり、場合によってはやめざるを得なくなったり、こういうことになっている。これは、事実上、厚生労働省の施策によって派遣切りが行われたというのと同じことではないかと私は思うんですが、いかがでしょうか。

小林大臣政務官 柿澤委員御指摘のように、リーマン・ショック、こういう影響は確かにあったと私は思います。景気や雇用情勢が急速に悪化をして、専門二十六業務適正化プランが出された時点においても依然として雇用情勢が厳しい状態が続いていた、このように認識をしております。このため、全体の派遣労働者数が減少する中で、専門二十六業務に従事する派遣労働者数についても減少していった、このように考えております。

 また、平成二十二年二月八日に策定した専門二十六業務の適正化プランによる周知指導の徹底により、適正な契約が図られた。これにより、一部は、一般的事務などその他の業務の派遣労働者に移行した、このように考えられます。

 専門二十六業務適正化プランにより減少した派遣労働者は、もとより適正な専門二十六業務の派遣として行われていなかったものである、こういう人も私は含まれていると思います。このため、数が減少したからといって派遣が使いづらくなったと言えるものではない、このように考えます。

柿澤委員 これは全然違うと思います。

 まず、リーマン・ショックの影響で派遣の労働者が減少傾向をたどった、その流れを受けてこうした現象があるんだと言うけれども、しかし、八万九千人という、リーマン・ショックの直後よりも三倍も多い、そうした雇いどめといいますかが行われているということ。そして、その後、ほかの業種に転換ができたというふうに言われておりましたけれども、統計上見ると、何か、この集中指導期間を経て九割の人が働き続けられている、こういうことが言われていますけれども、実は、派遣先に直接雇用された、そして、雇用の期間の定めがない形で働き続けることができるようになったというのは、厚生労働省が調べた九千六百七十八のうち、たったの二十八人、たった〇・二九%ですよ。それ以外の方は、期間限定の派遣になるか、あるいは本当に働き続けることができなくなるか、そういう形で、その二十六業務の派遣をやっていたときより悪い労働条件に追いやられてしまっているではありませんか。

 しかも、この十万人の、私から言わせれば厚生労働省による派遣切り、これはどういうふうに行われているかといえば、政令で定めた二十六業務の業務の内容を限定する通達を出すことによって行われている。法令を通達によって変える、これは運用三号の問題と全く同じじゃないですか。そして、それによって仮に十万人の失業者が生まれて、一時的にはしたということであるとすれば、これは本当に大きな問題だと私は思います。

 このようなあり方について、派遣業の人材派遣協会を初めとした業界からは大変深刻な懸念の声、もともと去年の段階から寄せられてきたと思いますけれども、結果としてこういうことになったことについてどのように厚生労働省は考えておられるんでしょうか、お尋ねをしたいと思います。

小林大臣政務官 この派遣の問題は、現在、派遣の労働関係について関係法案も国会に提出しているところでございます。派遣という働き方でもきちんと働ける、こういう環境をつくっていくことが大変大事だと思います。

 柿澤委員御指摘の中にもありましたけれども、私は、今までの二十六業務の中で、拡大解釈などされて、それがきちんと目的どおり二十六業務として、特別な派遣として行われていたのかどうか、こういうところをきちんと、平成二十二年の二月の段階で長妻大臣から指示があり、明確化した、このように受けとめております。

柿澤委員 先ほど来申し上げているように、労働者派遣法の改正案を初めとして、現政権が派遣労働の改善と称してやろうとしている施策が、結果として派遣切りを生み、そしてさらに悪い労働条件に派遣労働者を追いやっている、こうしたことがしかも十万人という規模で起きている、これは大変なことだというふうに私は思います。まさに、このやり方を早急に見直して、本来あるべき労働法制の姿というのをもう一度、派遣は悪だ、こういうことにとらわれずに議論をしていかなければならないと私は思います。

 現実にこれだけの労働者の皆さんが、まさにこの一年間、大変な影響をこうむっているわけです。このことについては、私は見過ごすことのできない問題だというふうに思います。それを御指摘申し上げて、私の質問は終わります。

牧委員長 この際、暫時休憩いたします。

    午前十一時三分休憩

     ――――◇―――――

    午後零時四分開議

牧委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として厚生労働省大臣官房人事課長蒲原基道君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

牧委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 質疑を続行いたします。加藤勝信君。

加藤(勝)委員 自由民主党の加藤勝信でございます。

 まず最初に、お手元に配付をさせていただいております産業保健推進センターと地域産業保健センター、この関係について質問させていただきたいと思います。

 後で第三号の関係、少し集中的にやりたいのでまとめて質問させていただきますけれども、今の産業保健のあり方は、都道府県における産業保健推進センター、そして地域産業保健センター、この二つの組織によって行われておりまして、その具体的な業務は、その後ろにつけさせていただいております。

 この表を見ても、やや重複があるんじゃないかとか、何で二つあるのかと、一瞬思われるところがあると思います。

 そういう指摘もあって、今回、図の左側の、都道府県の産業保健推進センターについて、今各県ごとにあるわけですが、六県、これを廃止する、そして他に統合していく、こういうことが進められているのでありますけれども、これから、いわゆるメンタルヘルスの点についても、相当政府は熱心に進めていく。やはり県単位で物事を進めていく方が、私は筋にかなっているのではないかと。特に、この産業保健推進センターの意思決定する機能そのものがその県からなくなってしまうということになれば、一緒になって施策を進めていくということに大変支障があると私は思うんです。

 今のように、産業保健推進センターを廃止して、どこかに統合していくというやり方ではなくて、例えば、今ある地域産業保健センターの方へ、これは都道府県の医師会等に委託をされているそうでありますけれども、そこに機能を移して、県の中で基本的に産業保健が推進できる、こういう仕組みを考えていくべきじゃないかと思っておりますけれども、厚労省の見解を教えていただきたいと思います。

小林大臣政務官 地域や企業でのメンタルヘルス対策、あるいは過重労働による健康障害への対応はますます重要になる、このように認識をしております。

 今月末に産業保健推進センターを廃止する、六県廃止をするということを決めました。ただ、地元医師会との協力連携体制を確保しながら、引き続き、産業医等に対する専門研修などは実施をしていきたい。事業の運営に当たっては、これまでと同様に、地元医師会、労使団体などの代表から成る地域運営協議会を開催し、運営方針を決定していく。また、産業保健推進センターを六県で廃止しますけれども、地元医師会との連絡調整を行う駐在員や相談、研修等を行う専門的な相談員を、六県の連絡事務所に配置いたします。

 このような取り組みにより、地元医師会との連携を密にしながら、産業保健活動が後退することのないよう進めてまいりたいと思います。

加藤(勝)委員 この間の分科会でも、やや踏み込んでいる答弁かもしれませんが、ほぼ同様なお話をいただきました。

 ただ、医師会の皆さん方あるいは産業医の方々から聞くと、そういう形で、今六県ですけれども、最終的に三分の一以下にするということになれば、もうブロック単位みたいなものなんですね。それではやはりきちんとした産業保健は推進できないよ、こういう声が出ているわけであります。

 私は、今のこのままのやり方でいいということを申し上げるつもりはありませんが、しかし、やはり県の中でいろいろなことができるようにしていく。むしろそれの方が地方分権にもなっていくわけでありますから、今の形にこだわらずに、もう少し産業保健、特にメンタルヘルスも含めてやっていこうとする、それにのっとって対応していただきたい。

 今の議論では、あくまでも産業保健推進センターをどうかするという、ややそこから抜け出ていないように私には思えるので、そうではなくて、もっと広く、産業保健の進め方としてどういう形があるべきなのか、やはりそういう視点に立ってもう一回議論をしていただいて、特に地域の皆さん方、特に産業医の皆さん方、そういったところと連携をとって検討していただきたいと思いますが、いかがですか。

小林大臣政務官 大事なことは、地域の医療関係、こういうことが後退をしてはならない、このように思っておりますから、まずそこが基本だと考えます。

 今先生御指摘のメンタルヘルス対策、これは本当に重要だと思っております。現在、四十七都道府県にメンタルヘルス対策支援センターを設置して、専門家による相談対応や事業場への訪問指導などを行っております。

 この事業は、平成二十三年度は十二億七千万円、これは、現在、平成二十二年に比べて、七億八千万円増加をさせておりますけれども、十二億七千万円にして、事業を拡充して実施していく、このように考えております。

 これからも、医師会、労使、学識経験者等の関係者の御参加をいただいて検討していくことにしたいと思います。特に、産業保健推進センターが集約された県の医師会等関係者の御意見も十分踏まえて今後も検討してまいりたいと思います。

加藤(勝)委員 後退させてはならないんじゃないんですよ。進めていかなければならない。前向きに考えていただく中で、本当にこれがいいのかどうか。もう一度、やはり地元の意見、あるいは今回やってみたときに、本当に駐在員だけで対応できるのかどうか、しっかり検証しながらやっていただかないと、進めていくことにならない。このことを御指摘させていただいて、次に入らせていただきたいと思います。

 きょうの新聞を見ておりますと、先ほどから各委員の皆さんからもこの主婦の年金救済問題、いわゆる運用三号の問題がいろいろ議論されておりますが、きょう、その中で、何か処分が行われた、こういうふうに書いてあるんですが、処分の概要を御説明いただけますか。

蒲原政府参考人 お答え申し上げます。

 今回処分を行いましたその内容でございますけれども、細川厚生労働大臣につきましては、大臣給与の全額を自主返納ということで、これは就任時から今後二カ月にわたったものです。岡本大臣政務官につきましても、同じく政務官給与の全額を就任時から今後二カ月分までということでございます。

 あわせまして、阿曽沼事務次官、これは処分内容として訓告ということになっておりまして、自主返納として給与月額の一〇%、二カ月分ということでございます。あと、担当でありました榮畑年金局長、石井年金管理審議官、藤原年金局事業企画課長、橋本年金局事業管理課長につきましては、懲戒処分ということでございまして、減給、給与の十分の一を二カ月間減給する、こういう中身になってございます。

加藤(勝)委員 処分とおっしゃったけれども、大臣と政務官、そして事務官の皆さん方とは違いますよね。要するに、事務次官以下の皆さん方は国家公務員法に基づく処分、大臣、政務官は何に基づく処分なんですか。

蒲原政府参考人 この件は、おっしゃるように、一般職の国家公務員につきましては国家公務員法の適用がございまして、懲戒処分その他の一定の処分が行われるということでございます。

 先生御指摘のとおり、事務方に対しては主として国家公務員法の処分ということになってございます。一方、細川大臣及び岡本政務官につきまして、この部分は、国家公務員法上の処分ということではございませんけれども、今回の問題を踏まえて自主的に返納する、こういう措置をとっているということでございます。

加藤(勝)委員 だから、処分ではないんですね。自主的に、反省して自主的にと。根本的にまずそこが違うということをはっきりさせていただきたいと思います。処分ではない、自主的な対応であるということであります。

 それでは、まず大臣にお伺いしますが、何で自主的に返納されたんですか。何が理由なんですか。

細川国務大臣 この運用三号問題につきまして、私が就任して、こういう問題について知らなかった、こういうことでいろいろと大きな混乱も生じさせたということ、そういう意味では、私がしっかり管理監督ができていなかった、こういうことでみずからを律したところでございます。

加藤(勝)委員 そうすると、今二つおっしゃったんですが、原因は混乱したことですか、それとも知らなかったことですか。結果的には一緒なのかもしれませんが、どっちが、知らなかったことなのか、知らなかった結果として混乱をした、その混乱が問題だ、こういうふうに認識されているんですか。

細川国務大臣 私としては、これは全体の責任者でございます。したがって、両方でございます。

加藤(勝)委員 それでは、今度、事務方の皆さん方が処分されているんですが、これは何法に基づく処分、何法のどの条文に基づく処分ですか。

蒲原政府参考人 お答え申し上げます。

 榮畑年金局長以下、石井審議官、藤原課長、橋本課長につきましては、国家公務員法上の規定に基づいてきちっと処分したということでございます。(加藤(勝)委員「何条何号」と呼ぶ)

 失礼いたしました。国家公務員法上の八十二条でございます。懲戒の規定がございます。この規定の中で、一号、二号、三号それぞれございますけれども、「職務上の義務に違反し、又は職務を怠った場合」、これに該当するということと判断いたしまして、その上で、今回の問題がかなり国民の年金行政に対するいろいろな信頼を失墜させたといったこともかんがみまして処分をしたということでございます。

加藤(勝)委員 今の八十二条の第二号には、「職務上の義務に違反し、又は職務を怠った場合」、こういうふうに書いてあります。今の御説明のように、この「又は」以降の「職務を怠った場合」、これに該当する、こういうことなんですが、コンメンタールを読みますと、この「職務を怠った場合」に該当するというのは、国家公務員法百一条第一項に職務専念義務というのがありまして、それに違反している、こういうことになると思うんですけれども。

 そうすると、本件について、一体どの行為が、特に見ておりますと、処分の中で三番目に重たいこの減給、ごめんなさい、懲戒処分ですか。免職、停職、減給、戒告、こういうふうに書いてありまして、今のは減給が三番目、そして戒告は四番目ということになりますが、局長以下懲戒処分、特に、人事異動なのかもしれませんが、年金局の事業管理課長、更迭をされているわけでありますね、これを更迭と言うのかわかりませんが。

 そうすると、大体処分の一番重たい人が現責任者ということに当然なると思うんですが、この場合は、年金局の事業管理課長、この行為が不適切で、そこから上の方が監督責任を問われた、こういうことですか。

蒲原政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の処分に当たりましての事実行為でございますけれども、理由となる行為につきましては、今回の通知に当たりまして、大臣に十分に説明していなかったといったことを含めて、大臣に対する十分な説明ができていなかったといったことが、理由となる行為ということになります。

 これについては、実際に年金局の中で、局長、審議官、両課長、それぞれ本来、上司たる大臣に十分説明すべきだということでありますので、その意味でいうと、一課長のみが行為者ではなくて、その意味では局長、審議官、両課長がそうした行為者といったことで処分をしたということでございます。

加藤(勝)委員 今の中で、基本は大臣への説明が十分ではなかった。もっと言えば、大臣に決裁を仰がずに課長通知を出した、こういうことだと思うんですが、課長通知を出す場合には大臣決裁が要るんですか。

蒲原政府参考人 お答え申します。

 決裁そのものにつきましては、これは課長までということでございます。

加藤(勝)委員 そうしますと、もう一つお聞きをしたい。これは大臣にお聞きした方がいいと思いますが、今回の処分に当たって、この一連の、いつ、だれが、どこで決めた、こういうところが非常に重要になりますね。長妻前大臣にお聞きになりましたか。

細川国務大臣 これは、長妻大臣のお考えは聞いております。

加藤(勝)委員 いや、考えではなくて、では、ちょっと先に進めますけれども、要するに、三月の段階で、前大臣のときに、課長通知でいくということを省内で決めていたとするならば、それに従って課長通知を発出した課長のどこに問題があるんですか。

蒲原政府参考人 三月の段階で、委員御指摘のとおり、大臣まで上げていたということでございます。

 一方で、この問題については、課長通知という通知そのものは確かに出ていなくて、まさに出たのがその後、今の体制になってからということでございますので、そもそも、上げてはいましたけれども、課長通知を出すということ自体について、新しい体制になってからということが一点と、もう一点は、やはり今回、それぞれ、大臣交代に伴っていろいろな案件があると思いますけれども、やはりその中で大事な事項と申しますか、上げるべき事項を上げていなかったといったことでは、今のところで、十二月の段階での問題だったというふうに考えているところでございます。

加藤(勝)委員 大臣に上げるべき事項というのは、先般坂口委員が質問されましたけれども、大臣が引き継ぎ事項で残すような話なんですよ。そのことを一々課長の責任にされたら、どうやって仕事するんですか。違いますよ。

 それから、課長通知は新体制、そうです。しかし、運用でやるということは、基本的に課長通知あるいは少なくとも局長通知、どっちかでやるということでしょう。だから、それを決めていたとするならば、それに従って、職務に従ってやって、何で処分されるんですか。

 そうすると、問題は、私が最初に大臣にお聞きしたのは、課長通知で、あるいは運用でやるということを、いつ、どの段階で、だれが決めたかということが、本論の一番大事なところなんです。そこを長妻大臣にきちっと聞きましたかと聞いたんです。

細川国務大臣 三月段階では、これは、いつ通知を出すかということについては決めておりません。したがって、三月段階では、この運用三号通知の内容について大枠を決めまして、そして準備を進めていた。したがって、準備が整った段階の十二月十五日に発出をする、こういうことでやったわけでございます。

加藤(勝)委員 いや、そうじゃないんです、大臣。運用でやるということを決めれば、そこから先は事務的に処理をされていく。そして、少なくともそれが、これまでのやりとりからすれば、課長通知であれば課長通知で決裁を出していく、これは指示に従って適切にやった、こういうことなんですね。

 だから、私が問いたいのは、三月の段階で、大臣室において、大臣との間でどこまで何が決まっていたかということだと思うんです。役所としてもうこれは運用でやるという方針を前大臣が決めておられたならば、あとは事務的な手続に従って、それが九月になるのか十二月になるのか、これはタイミングの問題だけですから、十二月になったことを問われるのならともかくとして、そうでなければ何の問題もない。だから聞いているんです。三月の段階で、大臣室でどういう議論があったかということを、事細かく、基本的な部分を長妻大臣に確認されましたか。

細川国務大臣 そういう個々具体的に細かいことをどういうふうに決めたかということについては、直接には聞いておりません。

加藤(勝)委員 いや、大臣、処分というのは大きいんですよ、役人にとって。二十年、三十年まじめに勤められた方が懲戒処分とか更迭とか、履歴書に残っちゃうんですよ。それを、原点をきちんと確認せずに処分するなんて、そんなむちゃくちゃなことがあるわけないじゃないですか。

 運用三号を濫用三号と言う人がいますけれども、本件は八十二条二号なんです。これは濫用二号になっちゃうんです、こんなことをしたら。まさに、またそういう裁量権の濫用をされるんですか。間違っていますよ。もう一回処分を凍結してくださいよ。

細川国務大臣 この運用三号をいつから実施するかということについては、これは国民の皆さんにとっても大変大事な問題でございます。まさに権利の問題でありますから、これは当然重要な内容の問題でありますから、その通知をするときに、内容も含めて私のところにしっかりと説明があってしかるべきだった、こういうふうに考えております。

加藤(勝)委員 昨日お伺いしたら、岡本政務官は御存じだったということでしたね。だから、政務三役の中には上がっているんですよ。そこを大臣にするかどうかは、それは政務官が判断すればいい。だって、そうでしょう。そういう仕組みになっているんじゃないんですか。

 しかも、発出するタイミングと言うけれども、流れは決めているんですよ、三月に。そして、それに従って仕事をしていた。そして、上げるときの通知に関しては、厚生労働省の内部規定上、課長決裁でいい。一体これのどこが問題なのか。

 一番の問題は、三月のときに決めたということだけでしょう。そこから先は、きちんとそれに従って職務をやっているじゃないですか。何でそういう人たちを処分するのか。こんなことをやったら、まともにだれも仕事しませんよ。大臣がかわったら全部もう一回決裁をやり直すんですか。そんなばかなことがあるわけないじゃないですか。この処分を凍結してくださいよ。厚労省の職員は、だれも働かなくなりますよ、こんなことをやっていたら。

細川国務大臣 先ほども申し上げましたように、重ねての答弁になりますけれども、大変重要な年金の問題でございます。しかも、被保険者、さらには受給権者、この人たちがどうなっていくかという大変大きな問題でありますから、私としては、当然そのときに、通知を出すときに、私のところにしっかり、その内容等についても当然私に上げてくるべきだ、私に説明をすべきだった、そう判断をしたからでございます。

加藤(勝)委員 いや、だから、政務官は御存じだったと言っているんですよ。だったら、政務官を処分しなきゃいけないじゃないですか。もっと重たい処分が要るんじゃないんですか。

 私が申し上げているのは、判断は合っているということを申し上げているんじゃない。しかし、役所という仕事は、まさに三役がお決めになった、決めた以上それをしっかりやる、それが皆さんが言われる政治主導でしょう。それをしっかりやっている。間違ったのは政治主導の判断の部分なんですから。執行過程じゃないんですから、だから、そこの責任をはっきりしないと、本当に役所が動かなくなりますよ。こんなことで、こういう形で処分されていることが続けば、だれが一生懸命仕事しますか。仕事しない方がいいということになっちゃうじゃないですか。まさにそういう問題を内包している以上、大臣、もう一回これは考え直してくださいよ。本当に厚生労働省がおかしくなりますよ。

細川国務大臣 先ほども申し上げましたように、この運用三号、この通達の内容というものは、大変国民にとって大事な問題でございます。そのことを私のところに、通知をするときに報告があってしかるべきでございました。そういう報告があってこそ、我々もいろいろな判断ができる、私も判断できるわけでございますから、そういうことで、報告がなかったということを私の方で処分をしたわけでございます。

加藤(勝)委員 よく皆さん方は政務三役、政務三役と言っていますが、違うんですね。大臣に報告がなければだめなんですね。皆さんはいつも、政務三役でお決めになるとおっしゃる。違うんですか。

 だから、本件は政務三役には上がっているんですよ、きのう確認したように。少なくとも発出する段階では。だから、一体何が問題なんですかと。では、それは政務三役の中の問題じゃないですか。何でそれを下のレベルまで落とすんですか。何で一般の、次官以下の問題にするんですか。大臣、いかがですか。政務三役の問題じゃないんですか。

岡本大臣政務官 名前が出ましたので。

 きのうお話ししましたように、私は、この課長通知が発出される前に相談は受けました。したがって、そのときの相談でも、私が決裁するものではないというような話もそのとき聞いています。したがって、そういった発出をするということについて承知をしていたのは事実でありますが、政務三役の中で最終的に決裁をするとか決めるというのは、当然私が決めるものだという認識ではないというのは御理解をいただきたいと思います。

 そういう意味では、それぞれのいろいろな課題がありまして、すべて大臣ということはないとは思いますが、しかし、そういったいわゆる政務三役の中で分担をしつつも、重要な案件についてきちっと大臣に相談をするという必要はあったのではないかと私は今感じています。

 そういう意味では、こういった課題について、きっちりと私自身も大臣に私から言うことがなかったということをもって、私自身もみずからの給料を自主返納するというふうにしているところでありまして、そういう意味において、皆様方の御理解を今回の処分についても得たいというふうに考えています。

加藤(勝)委員 さっき申し上げましたけれども、確認いたしましたけれども、皆さんのおやりになっているのは自主的な返納なんです。処分では全くないんです。処分と自主返納とは全くレベルが違う。そこをまず認識してお答えいただきたいと思います。

 そして、今のお話がありました。決裁を大臣に上げる必要がない。だから上げていないんですよ。問題ないじゃないですか。内部規定がそうなっているんだから。

 ただ、上げるべき問題かどうかということを判断する、それが問われているというのであれば、確かに課長もそうかもしれない。しかし、より以上に政治判断をしなきゃいけない政務官、あなたの問題はもっと大きいと私どもは思います。そして、それであるならば、通常ならば、それは部下を処分しちゃだめですよ、こういうときは。何に問題があるんですか。まさに政治主導というのは、こういうときに政治責任をとるのが政治主導なんですよ。大臣、どうなんですか。

細川国務大臣 私の方も、この問題については、先ほども申し上げたように、私の全体的な管理監督不十分ということでこういう問題が起こったことについては、私も責任者としてそのことについては重々感じているところでございます。だから、私としては、みずからをみずからが処分をしたところでございます。

加藤(勝)委員 だから、みずから大臣が、それはそうですよ、三月の段階の判断なんですよ、間違ったのは。だから、そういうのはあるかもしれない。しかし、大臣として継承されている、そういう立場でみずから責任を負ったのなら、それでいいじゃないですか。何で職員まで処分するんですか。だから大臣、政務官が、御自身が自主返納という形しか、いろいろ処分はあると思いますけれども、そういう処分というか、みずから態度を決めた、それはそれでよしとした上でも、何で職員まで道連れにするんですか。私はそこを言っているんです、大臣。

 だから、もうそこはおれが全部責任を持つ、だからおれはこういう形でやったんだと。だから、職員の処分は少なくとも凍結してくださいよ。そうじゃなきゃ本当に仕事しませんよ、こんなことしていたら。何が問題なんですか。

 一度、前大臣のもとかもしれないけれども、そして、それがかつての、政権が自公政権で、選挙があって政権がかわったのならわかりますよ、それは大きく方針が変わるんですからね。しかし、継承しているじゃないですか。ずっと同じ民主党の皆さんの政権じゃないですか。それとも、これから大臣がかわるたびに、民主党政権では、前大臣の話はそのまま継承しちゃいかぬ、そういうやり方をとるんですか。動かないですよ、そんなことをやったら。

 だから、ぜひ、本当に私は、こういうことをやったら厚生労働省がおかしくなってしまう、職員の皆さんがやる気をなくしてしまう。大臣、本当にこれはゆゆしき事態ですよ。運用三号は、国民が保険、年金というものに対する信頼を失い、今回の濫用二号で厚生労働省の職員がやる気を失って、これでどうやってこれからこの国の社会保障をやっていこうというんですか。凍結してください。

細川国務大臣 重ねての御質問でございますから、この処分をしたことについては、私のところに重要な問題でありながら報告をしなかったということでございます。

 私のところに報告をすべき、それは事と次第によって、全然私のところに報告をする必要もないもの、これはもちろんございますけれども、しかし、非常にこの問題は大事な、大きな問題でありますから、それを、私が知らないところでその通知が行って、実際にいつ始まるかということについては、これは私の方にその内容を当然報告すべきということは、私はそう思って判断をしたわけでございます。

加藤(勝)委員 だから、すべきかすべきじゃない判断を政務三役のどなたにも報告していなければともかくとして、政務三役の中には上げているんですから、そこのところはちょっと認識が違うんじゃないかと。

 大臣がもしこれを凍結するつもりがないのなら、大臣はこういう、まさに我々が見たら不法な対応を追認した、さらにもう一つ罪を犯していく、こういうことになるんですよ。それでも大臣はまだこれを継続し、この処分を有効なるものにするんですか。本当に厚生労働省の将来を考えて、我が国のこうした行政の推進を考えて、本当にこれを追認していかれるんですか。もう一回、最後に確認させていただきます。イエスかノーかだけで結構です。

細川国務大臣 私としては、再三お答えしておりますように、大変大きな、重要な、国民の皆さんにとって大きな権利問題でございます。そういう大きな問題について、大臣が全然知らない間に行われたということについては、これは私はいけないことだというふうに思っております。

 こういうときこそ、担当課長、局長、そして参事官が私の方に報告をしていただいて、それで行政というものは最高の責任者の大臣のもとでスムーズに進んでいくだろう、こういうふうに思っておりまして、委員の言われること、それはそれとしてお聞きをいたしますけれども、この処分については、そういう私の考えでしたところでございます。

加藤(勝)委員 もう時間が参りましたからこれ以上同じことを申し上げませんが、大臣、本当にここはよく考えていただきたい。そして、皆さんが政治主導ということで新しい政治をやろう、その心意気、これが全く雲散霧消していく。要するに、責任はとらずに、やりたいことだけやって、あとは役人に任せる、これが皆さん方の政治主導だ、このことが明々白々になった、そのことを指摘させていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。

     ――――◇―――――

牧委員長 次に、内閣提出、平成二十三年度における子ども手当の支給等に関する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。細川厚生労働大臣。

    ―――――――――――――

 平成二十三年度における子ども手当の支給等に関する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

細川国務大臣 ただいま議題となりました平成二十三年度における子ども手当の支給等に関する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 子育てに係る経済的支援につきましては、昭和四十七年の児童手当制度の発足以来、これまで順次拡充が行われてきたところでありますが、平成二十二年度における子ども手当の支給に関する法律に基づく子ども手当の支給は、平成二十二年度分限りとなっております。

 このため、次代の社会を担う子供の健やかな育ちを支援するために、子供を養育している方に対し、平成二十三年度分の子ども手当を支給するとともに、市町村または都道府県に対し、子ども手当の支給と相まって、子供の健やかな育ちの支援に資する新たな交付金を交付することとし、この法律案を提出した次第であります。

 以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。

 第一に、子ども手当の支給についてであります。

 子ども手当は、中学校修了前の子供を監護し、かつ、これと生計を同じくするその父もしくは母、未成年後見人または父母等が指定する者等に支給することとしております。

 なお、父母等が別居している場合は、子供と同居している者に子ども手当を支給することとしております。

 さらに、子供が入所している児童福祉施設等の設置者等に子ども手当を支給することにより、児童福祉施設等に入所している子供等に対する支援を行うこととしております。

 また、子供についても国内居住要件を設けることとしております。

 子ども手当の額は、一月につき、三歳に満たない子供の数に二万円を乗じた額と、三歳以上の子供の数に一万三千円を乗じた額とを合算した額としております。

 第二に、子ども手当の費用についてであります。

 子ども手当の支給に要する費用については、児童手当相当部分は児童手当法の規定に基づき、国、地方自治体及び事業主が負担することとし、それ以外の費用については、全額を国が負担することとしております。

 なお、公務員に係る子ども手当の支給に要する費用については、全額所属庁が負担することとしております。

 第三に、交付金の交付についてであります。

 子ども手当の支給と相まって、次代の社会を担う子供の健やかな育ちを支援するため、市町村または都道府県に対し交付金を交付することとしております。

 第四に、受給資格者の申し出による学校給食費等の徴収等についてであります。

 受給資格者の申し出により、子ども手当を、受給資格者が支払うべき学校給食費等の支払いに充てることができることとし、また、保育料については、市町村長が子ども手当の支払いをする際に徴収することができることとしております。

 このほか、子ども手当について、差し押さえ禁止等の受給権の保護や公租公課の禁止を定めるとともに、子ども手当を市町村に寄附することができることとしております。

 最後に、この法律の施行期日は、一部を除き平成二十三年四月一日としております。

 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

牧委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

牧委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。

 本案審査中、参考人の出席を求め、意見を聴取する必要が生じました場合には、その出席を求めることとし、日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

牧委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時四十二分散会


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