衆議院

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第13号 平成23年5月20日(金曜日)

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平成二十三年五月二十日(金曜日)

    午前九時一分開議

 出席委員

   委員長 牧  義夫君

   理事 郡  和子君 理事 中根 康浩君

   理事 藤田 一枝君 理事 柚木 道義君

   理事 渡辺  周君 理事 加藤 勝信君

   理事 田村 憲久君 理事 古屋 範子君

      青木  愛君    網屋 信介君

      石毛えい子君    石森 久嗣君

      磯谷香代子君    稲富 修二君

      大西 健介君    岡本 充功君

      工藤 仁美君    斉藤  進君

      斎藤やすのり君    田中美絵子君

      竹田 光明君    玉木 朝子君

      中後  淳君    長尾  敬君

      仁木 博文君    初鹿 明博君

      花咲 宏基君    樋口 俊一君

      平山 泰朗君    福田衣里子君

      三宅 雪子君    宮崎 岳志君

      山口 和之君    山崎 摩耶君

      吉田 統彦君    あべ 俊子君

      鴨下 一郎君    棚橋 泰文君

      谷畑  孝君    長勢 甚遠君

      西村 康稔君    松浪 健太君

      松本  純君    坂口  力君

      高橋千鶴子君    中島 隆利君

      柿澤 未途君

    …………………………………

   厚生労働大臣       細川 律夫君

   厚生労働副大臣      大塚 耕平君

   厚生労働大臣政務官    岡本 充功君

   政府参考人

   (文部科学省研究振興局長)            倉持 隆雄君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  大谷 泰夫君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局長)           清水美智夫君

   政府参考人

   (厚生労働省老健局長)  宮島 俊彦君

   厚生労働委員会専門員   佐藤  治君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月二十日

 辞任         補欠選任

  石森 久嗣君     磯谷香代子君

  樋口 俊一君     網屋 信介君

  三宅 雪子君     花咲 宏基君

  吉田 統彦君     斎藤やすのり君

  阿部 知子君     中島 隆利君

  江田 憲司君     柿澤 未途君

同日

 辞任         補欠選任

  網屋 信介君     樋口 俊一君

  磯谷香代子君     中後  淳君

  斎藤やすのり君    吉田 統彦君

  花咲 宏基君     三宅 雪子君

  中島 隆利君     阿部 知子君

  柿澤 未途君     江田 憲司君

同日

 辞任         補欠選任

  中後  淳君     石森 久嗣君

    ―――――――――――――

五月十七日

 国民が安心できる医療制度を求めることに関する請願(塩川鉄也君紹介)(第六二一号)

 社会保障を充実させ、国民の暮らしを守ることに関する請願(塩川鉄也君紹介)(第六二二号)

 建設労働者の労働条件向上を求めることに関する請願(志位和夫君紹介)(第六二九号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第六三〇号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第六三一号)

 社会保障としての国保制度の確立を求めることに関する請願(宮本岳志君紹介)(第六三二号)

 高齢者が安心して受けられる介護保障制度の実現を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第六三三号)

 同(笠井亮君紹介)(第六三四号)

 同(穀田恵二君紹介)(第六三五号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第六三六号)

 同(志位和夫君紹介)(第六三七号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第六三八号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第六三九号)

 同(宮本岳志君紹介)(第六四〇号)

 同(吉井英勝君紹介)(第六四一号)

 最低保障年金制度の実現と緊急の年金改善を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第六五〇号)

 同(笠井亮君紹介)(第六五一号)

 同(穀田恵二君紹介)(第六五二号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第六五三号)

 同(志位和夫君紹介)(第六五四号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第六五五号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第六五六号)

 同(宮本岳志君紹介)(第六五七号)

 同(吉井英勝君紹介)(第六五八号)

 後期高齢者医療制度即時廃止、安心の医療を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第六五九号)

 同(笠井亮君紹介)(第六六〇号)

 同(穀田恵二君紹介)(第六六一号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第六六二号)

 同(志位和夫君紹介)(第六六三号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第六六四号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第六六五号)

 同(宮本岳志君紹介)(第六六六号)

 同(吉井英勝君紹介)(第六六七号)

 後期高齢者医療制度を速やかに廃止し、高齢者・国民が望む医療制度を目指すことに関する請願(塩川鉄也君紹介)(第六六八号)

 同(宮本岳志君紹介)(第六六九号)

 最低保障年金制度の実現と無年金・低年金者に緊急措置を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第六七〇号)

 同(笠井亮君紹介)(第六七一号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第六七二号)

 患者・利用者負担を大幅に軽減し、いつでも安心して受けられる医療・介護の実現を求めることに関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第六七五号)

 同(磯谷香代子君紹介)(第六七八号)

 同(大山昌宏君紹介)(第六七九号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第六八〇号)

 同(岸本周平君紹介)(第六八三号)

 同(吉田統彦君紹介)(第六八四号)

 同(大西健介君紹介)(第六九三号)

 同(吉田統彦君紹介)(第六九四号)

 同(古本伸一郎君紹介)(第六九七号)

 同(佐藤ゆうこ君紹介)(第七〇七号)

 同(磯谷香代子君紹介)(第七一二号)

 パーキンソン病患者・家族の治療療養生活の質的向上の総合対策に関する請願(岸本周平君紹介)(第六八五号)

 同(坂口力君紹介)(第六九一号)

 同(斉藤鉄夫君紹介)(第七〇九号)

 大幅増員と夜勤改善で安全・安心の医療・介護の実現を目指すことに関する請願(岸本周平君紹介)(第六八六号)

 同(志位和夫君紹介)(第六九八号)

 同(穀田恵二君紹介)(第七〇六号)

 同(佐藤ゆうこ君紹介)(第七〇八号)

 塩原視力障害センターと伊東重度障害者センターの存続に関する請願(大口善徳君紹介)(第七〇一号)

 同(牧野聖修君紹介)(第七〇二号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出第五〇号)


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     ――――◇―――――

牧委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として文部科学省研究振興局長倉持隆雄君、厚生労働省医政局長大谷泰夫君、社会・援護局長清水美智夫君、老健局長宮島俊彦君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

牧委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

牧委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。斉藤進君。

斉藤(進)委員 皆さん、おはようございます。民主党の斉藤進でございます。本日質問の機会をいただきましたこと、まことにありがとうございます。

 まず、質問に先立ちまして、このたびの東日本大震災において多くの皆様方が被災され、お亡くなりになられましたことにつきまして、心よりお見舞いとお悔やみを申し上げます。

 それでは、本日は、在宅で医療的ケアを必要とする重症心身障害児者や高齢者を介護している御家族の負担を軽減するためというテーマで、この介護の問題について取り上げさせていただきたいと思っております。

 ただ、その前に、先日も夜のニュース等でも話題になりました、一類疾病の定期接種に位置づけられているポリオワクチンについてお伺いをさせていただきたいと思います。

 先日、夜のニュース番組でも取り上げられておりましたが、ポリオの生ワクチンを接種してポリオに罹患してしまった男の子の特集をしておりました。これまでも、各当事者団体の方々からも不活化ワクチンの導入の要望のお話をいただいてまいりましたが、ニュースをごらんになった地元やその他の地域でも、特に乳幼児のいるお母さん方から、不活化ワクチンの緊急輸入を行ってほしいとの御要望をいただいております。

 以前からの厚労省の話では、四社が横並びで平成十五年から不活化ワクチンとDPTワクチンを組み合わせた四種混合ワクチンの開発を行い、順次承認申請がなされる予定と聞いてまいりました。その間にも、生ワクチンにより罹患する可能性のある子供や、いや、子供だけでなく大人も含めてその危険性があるし、実際罹患したお子さんもおり、お母さんが涙ながらに、生ワクチンのポリオの接種を受けなければよかったというようなお話もされておりました。

 厚労省の言い分としては、海外で既に使用されている不活化ワクチンであっても、国内で使用するには、薬事法に基づき臨床試験等の追加データが必要となり、データ収集期間及び審査期間を考慮すると、早期の導入が可能になるとは言えないとの専らの答えでありました。

 しかし、先例となる新型インフルエンザのワクチンを特例承認したように、国内メーカーが安全な不活化ワクチンを製造できるようになるまでの間、緊急に海外から不活化ワクチンを特例承認というような形で輸入し、ポリオの生ワクチンの接種に恐れを抱いている全国の乳幼児を持つお母さん方の不安を解消すべきであると考えますが、見解をお伺いしたいと思います。

細川国務大臣 おはようございます。きょうもまたよろしくお願いをいたします。

 斉藤委員の方からは、定期接種で行われておりますポリオの生ワクチンにつきましては早期に不活化ポリオワクチン、これをやってほしい、こういうことの御質問でありますけれども、これにつきましては、厚生労働省としても、二次感染や麻痺症状のおそれのない不活化ワクチンの方に切りかえていくべきだ、こういうふうに考えております。

 現在、国内におきましては、不活化ポリオワクチンを含む混合ワクチンの開発が進められておりまして、本年末ごろより順次薬事承認申請される予定でございます。

 厚生労働省としては、迅速に審査を行って、可能な限り早く不活化ワクチンが導入できるように取り組んでいきたい、このように考えておりますが、このように不活化ワクチンの導入が近づいておりますことも踏まえて、今月の二十六日開催予定の厚生科学審議会の中の予防接種部会におきまして、不活化ポリオワクチンに円滑かつ迅速に切りかえていく方策について、単抗原ポリオワクチンの導入の是非も含めて具体的に専門家に検討をしていただく、こういうことになっております。

 厚生労働省といたしましては、今後の予防接種部会での議論を踏まえまして、できるだけ早期に不活化ポリオワクチンの導入ができるように取り組んでいきたい、このように考えております。

斉藤(進)委員 それでは、実際にこの日本で不活化ワクチンが使用され始めるのは一体いつごろになると推測をされていますでしょうか。

 先進国で生ワクチンを使用しているのは日本だけです。国民の命と健康を守るべき立場にある厚労省が、いわば護送船団方式と言われるようなメーカーの横並びの開発プロセスを守ろうとする余り、国民を、乳幼児を、そしてその御家族を犠牲にするような本末転倒の施策をゆめゆめとるべきではないし、数百万人に数人しかかからないから、かかった人は運が悪かったというような話ではありません。このようなロシアンルーレットのような施策は今すぐやめるべきであるし、ましてや、人々の健康を守るべき立場にある厚生労働省ではありませんか。お子さん、お母さん、御家族のかけがえのない人生が、健康のためによかれと思った接種によって狂わされてしまう、このような状況はもう終わりにさせなければなりません。

 不活化ワクチンという、生ワクチンよりも世界的にはるかに安全性が確認されているものを使わず、このままいくのであれば、これは間違いなく行政の不作為となります。

 ニュースでは、医療機関がお母さん方の不安に対応するため、外国メーカーから不活化ワクチンを個人輸入する形で接種するケースが急増しているという話でございましたが、その件数についても把握をされておりますでしょうか。

 それと、もう一点、私が懸念しておりますのは、万が一、個人輸入されている不活化ワクチンで事故が起こった場合、一類疾病の定期接種になっている生ワクチンとは違って、現状では、国の補償がなく、PMDAの健康被害の救済ができません。不活化ワクチンは、今、現状では民間の補償となっており、事故があった場合、民事裁判で医師の過失が認められなければ支払うだとか、医療機関でも補償は手厚いものではない、そういったただし書きがついているわけです。

 それをかんがみても、これは放置できる話ではなく、新型インフルエンザのワクチンを輸入したときと同様のプロセスで、不活化ワクチンの緊急輸入と、それに関してPMDAによる健康被害救済の制度の対象にすべきであると思いますが、いかがでしょうか。

岡本大臣政務官 委員御指摘のとおり、不活化ポリオワクチンの導入というのを求める声が大変高まっているということは、私たちも認識をしています。

 一点目の、一体いつ承認がおりて使えるようになるのかということでありますけれども、現実的な話とすると、大体、承認申請がなされて一年ぐらいはかかるということをこれまで聞いています。しかし、もっと早くできないかということについて省内でも検討をさせていますので、我々としても鋭意努力したいと思っています。

 二点目の個人輸入の件数でありますけれども、いわゆる我々として承認をしているというものではありませんし、実際どれだけ接種をされているかということについて詳細を把握しているわけではありませんが、しかし、一定程度の方々が接種をされているという事実をかんがみますと、先ほどお話がありました補償の面も含めて、やはり、これからどういうふうにしていくかということを危惧される方が見えるということは当然だと思います。

 ただ、一点だけお話をしておかなきゃいけないのは、不活化ポリオワクチンであれは完全に安全ではないということです。今委員から御指摘もありましたように、不活化ポリオワクチンによる副反応で、場合によっては補償を求める声が上がり得るというのは、まさに逆に言えば、不活化ポリオワクチンでも副反応が起こり得るということでありますから、ぜひ保護者の皆様方にはこういった御認識を持っていただきながら、予防接種の効果とリスクについて正しく御理解をいただくというような取り組みを厚生労働省も行っていかなければならないと考えています。

斉藤(進)委員 緊急輸入についても求めておりますし、あと、PMDAの対象にもすべきだというようにもお伺いしたのですが。

岡本大臣政務官 緊急輸入の対象としては、特例承認というようなことであるとすると、これは一応一定の要件がありまして、現行ではなかなか難しいというところがありますが、委員が御指摘になられましたように、できるだけ早く承認がされるようにしていくということで対応したいと思っています。

 それから、PMDAの補償については、今お話をしましたけれども、当然、承認をされれば補償の対象になるという理解でありまして、現状で、承認されていないものに対してPMDAの補償という制度にはなっていないということを御理解いただきたいと思います。

斉藤(進)委員 やはり一年も二年も待てる話ではないと思っておりますので、迅速に、緊急輸入も含めた対応をとっていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 さて、本題の方に入らせていただきます。

 このたびの介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案の、特に介護福祉士や一定の教育を受けた介護職員等によるたんの吸引の実施を可能とする項目より演繹して、今現在、在宅で医療的ケアを必要とされている高齢者、障害者、そして障害児の方々、そして昼夜を問わずその方々のケアをされている御家族のために、どのようにその方々の思いに添ったケアを提供できるかということについて取り上げさせていただきたいと思います。

 私の地元や、そして全国の他の地域からも、この間、切実な御要望を多くの御家族からいただいてまいりました。すべて内容は共通しておりまして、医療的ケアを行う御家族の負担が余りにも重く、身体的にも精神的にも限界が来ているということです。

 具体的な話をすれば、出産時に低酸素性虚血脳症により寝たきりになった重症心身障害を持つ五歳のお子さんを育てている御家庭では、人工呼吸器を日常的に使用し、経管栄養で食事を摂取。緊急時の酸素不足を補うため酸素濃縮器を随時必要とし、自分で体温調節ができないため、高度医療を含めたケアが必要になっております。

 NICUからの退院時、一カ月に二週間分のショートステイが確保できれば在宅での生活は可能と言われ、在宅介護を始めたんですけれども、実際には、ショートステイには待機者が多く、一週間分しか確保できない状態が続いています。それも、三カ月後の予定などなかなか立てようがないにもかかわらず、三カ月前から予約をしなければならない状況で、お母さんがケアを行っているんですが、頻回のケアと慢性的な疲労、緊張感、そして外出もできないので、精神的にも追い込まれ、倒れてしまいました。医療機関が多いと言われている私の地元ですらこのような状況で、地方によっては一年に一回、それも一、二週間ぐらいしか予約がとれないという調査結果もございます。

 在宅重症児の主たる介護者はほとんどが母親なんですけれども、睡眠時間も切れ切れで、毎日三時間しか寝られない状態が続いて、いつ倒れてもおかしくなく、二十四時間、三百六十五日続く心労と身体的疲労の介護は、家族の生活に重くのしかかっております。

 施設から在宅へという流れの中であっても、幾ら家族とはいえども、支える限度を超える場合があって、それを地域で支える手段として、家族以外の者による医療的ケアの実施を可能とすることが望まれてきたし、介護関係や障害者支援施設、特別支援学校、そして在宅と、現場によって必要に応じて違法性阻却という形でその経験が培われてきたわけです。

 今までの通知だと、同意書を交わすのはあくまでも居宅介護スタッフ個人と利用者側になっておりますが、あいまいな責任体制のもと、医療的ケアの実施がヘルパー個人の責任感に支えられて実施されているという実態がございました。

 今回の法律によって、責任の範囲や所在がこれまでとどのように違ってくるととらえておりますでしょうか。また、インセンティブとなる介護報酬のあり方についても、また研修のあり方等についても、さらに言えば医行為の範囲についても、将来的な方向性をいかに考えているか、御答弁いただきたいと思います。

大塚副大臣 多岐にわたる視点から御質問をいただきましたが、まず、最後の部分はたんの吸引に関する御質問であったかというふうに思います。

 たんの吸引に関しては、今回、介護福祉士及び一定の研修を受けた介護職員等が、医師、看護師等の医療関係者との連携の確保等の安全確保措置を講じた事業所の業務として行うことができるようになりましたので、法的な裏づけを持った研修等を踏まえてやっていただくことにより、そうした違法性の阻却が行われると同時に、そもそも事故を起こさないようにしっかりとスキルを積んでいただくということであるというふうに思っております。

 そのほか、御家族やケアマネジメントを行うような方々に対する介護報酬上の工夫をすべきという御指摘は、全く問題意識は一緒でございますので、医療の必要性が高い方々に対する適切なサービス提供に向けて、平成二十四年度の介護報酬改定の議論の中でしっかり検討させていただく予定でございます。

斉藤(進)委員 済みません。ちょっと時間がなくなってきましたので、二番、三番、四番と一緒に質問させていただいて、御答弁をいただきたいと思います。申しわけございません。

 重症心身障害児におけるケアマネジメント体制についてお伺いしたいと思っております。

 確認までに、障がい者制度改革推進本部等における検討を踏まえて障害保健福祉施策を見直すまでの間において障害者等の地域生活を支援するための関係法律の整備に関する法律において、二十四年四月一日施行予定になる相談支援では、重症心身障害児にも対応し、介護保険におけるケアマネに相当する相談支援専門員が個別のケースにしっかりとかかわっていくというような理解でよろしいんでしょうか。家族の負担を軽減するための一助になるのか。介護保険制度同様、重心の障害児においてもケアマネジメント体制の確立をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうかということ。

 それから、ショートステイの方なんですけれども、これは、人工呼吸器装着の重症心身障害児者については、医療機関でなければショートステイを受け入れることがなかなかできません。ところが、DPC等定額払いの会計方式の影響もあって、治療以外の目的での受け入れに難色を示されることが珍しくなく、事実上レスパイトの目的の入院ができないこともあります。

 この現実に対し、国として、人工呼吸器装着者等に対するレスパイト目的でのベッド確保を全国にバランスよく点在している特定機能病院に義務づける施策が必要と思っておりますが、見解をお伺いしたいと思います。

 あと、最後の点なんですが、介護保険における医療的ケアが必要な方のショートステイについてお伺いしたいと思います。

 高齢者においても在宅介護を基本としていくのであれば、現状の後方支援施設のあり方にまだまだ問題がございます。介護事業を行う施設も事業なので仕方がないかもしれませんが、ショートステイは手のかからない介護度の低い人ばかりを集め、気管切開をしてたんの吸引など医療的ケアの必要な、つまり、人手のかかる介護度四や五の高齢者は受け入れ施設がないのが現状です。地元のケアマネの方にも現状を聞くと、それは採算ベースに乗らないので経営上やむを得ないという話でございました。

 本来は、手がかかり、在宅で大変な思いをしながら介護をしているからこそ、ショートステイなどの後方支援施設の手助けが必要であるにもかかわらず、訪問審査で受け入れが拒否されたり、一度受け入れが決まっていてもその後拒否されたりと、日々、昼夜を問わず、二時間ごとのたんの吸引を行いながら、いっぱいいっぱいで介護をしながら過ごしてきた御家族の方に、糸が切れた思いをさせ、死にたいと涙ながらに言わしめてしまう現状が今なおあります。

 以上のような観点から、保険料あって介護なしと思われてしまう介護保険制度を公平に利用できるようにするためには、医療的ケアを必要とする要介護者を受け入れた場合の報酬のあり方を再度検討しなければならないと考えています。

 例えば、要介護度四や五の人を何%以上受けて、軽い人を何%とすべきとして、重い人を何%以上預からないと減算するというように、加算方式ではなく減算方式にしていかないと、介護度四や五の患者の受け入れ施設は、特にデイケア、ショートについてはあり得ないと考えております。

 現在、社会保障審議会介護給付費分科会において平成二十四年度の介護報酬改定に向けた議論が行われておりますが、幾ら、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが法的に可能になったとしても、ここをクリアしていかないと、介護の分野において医療的ケアに係るサービス量はふえていかないと思いますが、これについて見解をお伺いしたいと思います。これは、今回目玉として創設される地域包括ケアシステムの二十四時間対応の定期巡回・随時対応サービスや地域密着型サービスについても全く同じと思われますが、いかがでしょうか。

牧委員長 大塚副大臣、たくさんありますが、時間が来ておりますので、簡潔にお答えをお願いします。

大塚副大臣 一点目の点については、障害者自立支援法の一部改正法が来年四月の施行に向けて準備を進めておりますので、ケアマネジメントが充実されるようにしっかり準備をさせていただきます。

 それから、障害者の御家族の問題がございました。ショートステイが利用されやすいようにさまざまな工夫をしておりますけれども、今レスパイトとおっしゃいましたが、一時的休息を意味する言葉だと思いますが、そういうことにも活用できるように工夫をしておりますので、ぜひそれを浸透させたいと思います。

 ただ、御質問にありました特定機能病院にそれを義務づけるということについては、その御提案の内容をしっかり考えて検討させていただきたいと思います。

 また、介護報酬の中で医療の必要性の高い方々に対する対応ということは、最初の御質問の最後のところでもお答えをさせていただきましたけれども、本来、医療であれ介護であれ、必要な方々に必要なサービスが行き渡るようにするということでございますので、先ほど申し上げましたように、六年に一度の同時改定が今回控えておりますので、その中でしっかり対応させていただきたいと思います。

 同時に、最後に一言つけ加えさせていただければ、介護保険制度ができて十年がたちますが、本当に介護が必要な方々に行き渡るように、これは国民の皆様にも、その利用の実情については御協力をいただかなければいけない点があるということもぜひ一緒にお考えいただきたいというふうに思います。

斉藤(進)委員 ありがとうございました。またどうぞよろしくお願いいたします。

牧委員長 次に、山崎摩耶さん。

山崎(摩)委員 民主党の山崎摩耶でございます。おはようございます。まず、きょうは質問の時間を与えてくださいまして、ありがとうございます。

 三月十一日の東日本大震災、被災された方にお悔やみとお見舞いを申し上げたいと思います。私も岩手で大学で教鞭をとっていたことがございまして、教え子が陸前高田の保健師として赴任しておりましたが、被災して流されてしまったというようなこともあり、本当に人ごとではないということで、現地にもつぶさに行ってまいったようなことでございます。

 被災地に行ってみて本当によくわかりましたことは、医師、看護師初め医療従事者の皆様が、私も医療従事者の一人でございますが、本当に我が身を顧みず救命救急に当たられたその使命感の強さといいますか、改めてそのことに敬意を表したいな、そんな気持ちでいっぱいでございました。

 また、介護事業所ではヘルパーさんたちが、だれの命令もない中で、やはり利用者のお宅を回られて安否を確認されていた。介護従事者の皆さんも本当に御尽力されたことに敬意を表したいというふうに思います。

 介護保険法改正の質問に入ります前に、この震災関係で三点ばかり大臣にちょっとお尋ねをしたいと思いますが、きょう、私は二十分しかちょうだいしてございませんので、あわせて御回答いただきたいということで、まとめて申し上げたいと思います。

 一点目は、地域医療の確保ということで、被災県から医師や看護師、特に看護師等の医療従事者が県外に流出をする、これをきちっと防いで、地元で人材を確保する。そのためのいろいろな財政的な支援などがやはり早急に必要ではないか。多くの病院、ステーションが流されたり被災をして、職を失っていたり、非常勤の人が既に解雇をされていたりといったこともございますので、この点についていかがかということが一点目。

 それから二点目は、訪問看護ステーション等、在宅の事業所の復旧再建について、これもやはりいろいろな支援が中長期的に必要になるのではないか、このこともぜひよろしくお願いしたいということで、大臣に御所見を伺いたいと思います。

 きょうはお手元に、皆様に一枚資料をお渡ししてございますが、これは、岩手県の大槌町、先般四月の二十二日から五月の八日まで、全国から保健師が百四十一名、延べ五百六十名、ローラー作戦で大槌町の地域の調査に入られました。鈴木先生とか村嶋先生とか、いずれも私の友人なんでございますが、保健師魂に火がついたと言っておられましたけれども、大槌町は、御存じのように町長さんがいなくなられて、本当に行政機能が崩壊しておりました。住民が安否確認して何人いらっしゃるのかということも、行政では把握していなかったわけです。

 それで、保健師たちが全国から集まりましてローラー作戦をしまして、町の人口一万六千五十八人のうち一万七百五十八名、六七%の所在、亡くなられたり、避難所にいられたり、御自宅にいられたり、県外に出られたというようなことが判明をしたということで、地域の三千七百二十六軒をお回りになったそうです。

 それだけではなく、さすが保健師と思いましたのは、婦人会ですとか青年団ですとか消防団にフォーカスグループインタビューをしまして、お手元に差し上げてございますような、単に仮設住宅を並べてつくるだけではなく、もっとそこに、丸でくくってありますが、質の高い仮設のエリアということでみんなで目指す、そのためには、医療の医、職業、住まい、子供からお年寄りまでみんなの生活を考えた質の高い仮設住宅地をつくるというようなことを大槌の町の皆さんが望んでいらっしゃいますよという、その住民へのフォーカスグループインタビューからおまとめになったものでございます。

 仮設住宅は国交省がお建てになっていらっしゃいますが、こういったところは大変土地が少ないということで、厚労省が今回補正で組まれたサポートセンター、これもなかなか、町がこういう御希望があってもスムーズに進捗していないというお話も耳にいたします。こんなこともぜひ厚労省に頑張っていただきたいと思っております。

 この三点につきまして、大臣から御所見をまず伺いたいというふうに思います。

細川国務大臣 委員からは、大槌町の実態をいろいろ細かく報告をいただきまして、問題点について指摘をいただきました。

 まず、医療従事者をしっかり確保していかなければいけない、この点につきましては、昨年の補正予算で設置をいたしました地域医療再生基金について、被災三県につきましては上限の百二十億円を確保いたしまして、そのうち十五億円については、医療従事者などの確保のために使えるようにということで、前倒しで既に交付できる、こういうことにいたしております。

 それから、被災地におきます特養などの整備につきましては、これは、被災地の施設の本格的な復旧までの間に、臨時に、特養につきましては被災地から余り遠くない、近くの会議室とかあるいは宿泊施設を借り上げて、そこでサービスを提供するとか、あるいはまた、グループホームなどにつきましては、賃貸住宅の借り上げや福祉仮設住宅の設置などを促進いたしておるところでございます。

 さらには、訪問看護ステーション、これなどにつきましては、先ほどもお話がありましたように、訪問看護の機能も有するサポート拠点を設置いたしまして、いろいろな要支援者の皆さん方に対する支援をする、こういうこと。そしてまた、被災した訪問看護ステーションの復旧支援としては、整備費に対する国庫補助率のかさ上げ、あるいは事業所再開に対する費用の補助というような、そういう財政的な措置もいたしまして、被災者の皆さん方にその地域でのしっかりした支援ができるような、そういう予算措置もいたしているところでございます。

山崎(摩)委員 大臣、ありがとうございます。

 鋭意お進めいただければ本当に地元の市町村が助かるかなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

 もう一点は、被災地では、医療機関が流されてしまったということで、患者さんが病院に通えなくなってしまった。在宅で療養していらっしゃる方が、訪問看護ステーションから訪問看護師が行くわけですが、そのときに、ふだんお使いになっている医薬品ですとかガーゼですとか、そういったものをお持ちできる仕組みに今なっていないということで、患者さんがそういったものの入手が非常に困難になっているというお声がまた上がってまいりました。

 これは先般、自民党のあべ俊子委員が御質問なすった後、五月十三日に、ストックはできますよ、保管はしてよろしいよというような通知が出ているようでございますが、実は、現場が求めているのは、保管は今までもしているわけでございますので、患者さんに提供ができる仕組みをやはりつくっていただかないと在宅の方がお困りになるかなということでございますが、これについてはいかがでございましょうか。

岡本大臣政務官 今御指摘ありましたように、訪問看護ステーションにおいて、これまでもガーゼ等の衛生材料についてはあらかじめ保管ができるというふうになっておりましたが、本委員会での御指摘も受け、五月十三日に関連通知を発出しまして、グリセリン浣腸液、生理的食塩水、注射用水など、医師の指示に基づいて行われる臨時応急の処置や褥瘡の予防、処置に必要な医薬品についても、卸販売業者から直接購入ができることとしたところでございます。

 また、これらの在宅医療に必要な衛生材料等については、診療報酬上は保険医療機関が提供することとなっており、これらの費用を別途患者に求めることのないように、改めて在宅医療の現場に周知を行ったところでもあります。

 そういった意味で、現場のニーズを踏まえつつ、また取り組んでいきたいと思っております。

山崎(摩)委員 二十四年の同時改定も目の前に来ておりますので、ぜひ、患者さんに提供できるというような仕組みを、もちろんこれは医師の指示のもとでございますので、御検討を進めていただければというふうに思います。これは要望しておきたいと思います。

 続いて、介護保険法の改正に入ってまいりたいと思いますが、今回、被災地を歩いてよくわかりましたのは、やっぱり介護保険をつくっておいてよかったなという、介護保険の価値ではないかなというふうに思います。私も、九四年からこの制度創設に政府の審議会の委員というような形でかかわらせていただきましたけれども、十年たって、いろいろ課題はありますが、しかし、介護保険をつくっておいてよかったなというのが率直な気持ちでございます。

 その意味では、今回の改正も、地域包括ケアシステムということで、少なからず課題もあるわけですが、やはり一歩前進をさせていっていただきたいということで、今回の法改正には賛成の立場で、もちろん与党でございますので、推し進める立場から質問したいというふうに思います。

 一点目は、二十四時間対応の定期巡回型の看護、介護といった新たなサービスですが、これはもう、諸外国の在宅ケア先進国を見ていると当たり前の仕組みでございますので、ようやくこれでグローバルスタンダードの入り口に日本も肩を並べたかなと思っておりますが、しかし、今回の制度改正は、まだまだ課題がないわけではないというふうに思います。

 その一つが、訪問看護ステーションの伸び悩みでございます。介護事業所は随分ふえてきましたが、ステーション自身が伸び悩んでおりますので、二十四時間随時対応していくためには、やっぱりステーションの数をもう少しふやさなきゃいけない。このあたりについての御見解はいかがでございましょうか。

岡本大臣政務官 訪問看護ステーションの充実という観点でいいますと、厚生労働省においては、今回の改正を通じて、地域包括ケアシステムの構築を目指して、訪問看護はその中核的な役割を担うサービスとして位置づけていくわけであります。

 そのためには、これまで行ってきたさまざまな事業があるわけでありますけれども、例えば訪問看護支援事業によって訪問看護ステーションの充実を図ってくるなどしてきたんですが、今後は、定期巡回・随時訪問介護看護サービスの創設、そして訪問看護と小規模多機能などさまざまなサービスを組み合わせて提供する複合型サービスの創設を実施していくというようなことを通じて、訪問看護ステーションの充実、数だけではなくて、そのサービスの充実ということも図っていきたいというふうに考えております。

山崎(摩)委員 ありがとうございます。

 しかし、これはやはり、都道府県の医療計画ですとか市町村の介護保険事業計画の中で必要数をはじき出してきっちり整備をしていきませんと、政策の後押しだけでもなかなか進まないかな。このあたりはちょっと要望しておきたいというふうに思います。

 この二十四時間のサービスはモデル事業をおやりになっていらっしゃいましたが、そのスキームについて、サービスの対象ですとか、エリアですとか、報酬体系などはどうなっているか。この辺についてはいかがでございますか。

宮島政府参考人 この二十四時間のあり方検討会でモデルが行われました。

 まず、対象ですが、これについては、主として要介護三以上なんだろうということですが、さまざまな要介護者に対応できるよう、要介護者全般を対象とすべきであるということです。それから、サービス提供圏域については、移動時間というものがあるので、三十分程度の範囲で行けるところというような観点が出ております。それから、報酬については、サービスの必要量やタイミングが変化するので、包括払い報酬などを基本とすべきではないかということで、今後、給付費分科会などでの審議をお願いして、来年、二十四年四月の施行に向けて適切な設定を行っていきたいと思っております。

山崎(摩)委員 ありがとうございます。

 これは、市町村が事業者を公募するという指定制を導入するというふうに伺っておりますが、公募で事業者を指定する。非常に、旧措置の時代の受託事業のようにならないかとか、独占的にならないかとか、いろいろまだまだ不安材料もないわけではありませんので、この辺、一たん指定をしても、質の評価ですとか、いろいろその辺の仕組みも今後きちんと詰めていっていただきたいというふうに思っております。

 時間がなくなってまいりましたので、次の質問に移りますが、先ほども出ました、介護福祉士その他研修を受けた介護職員へのたんの吸引の医療行為の解禁についてです。

 本来これは、言うまでもなく看護職が行うべき業務でありまして、高齢者ケア現場のニーズにこたえた次善の策ということで考えますけれども、まずは高齢者施設ですとか在宅の看護師不足の解消が必要というふうに考えますが、大臣の御所見はいかがでしょうか。

細川国務大臣 確かに、言われるように、介護の現場では、看護師の皆さん方のお仕事は大変重要でありまして、これはしっかりと確保しなければいけないというふうに思っております。

 確かに大きな課題でありまして、まず第一には、看護師さんの養成をしっかりやっていく、これが大事かというふうに思います。これについては、看護師さんの養成所に対する運営費の補助などをいたしております。

 もう一つは、看護師さんになられても途中でやめられる方が多いということでございます。続いて仕事をしていただくという、定着の促進も非常に大事だというふうに思います。そういう意味では、院内に保育所をつくるとか、そういうようなことで定着に結びつけていきたい、こういうふうに思っております。

 それから三つ目は、やめられた方、せっかく仕事を持って、そしてまた意欲のある方もおられると思うんですね。そういう方が再就職をしていただく、こういうことが大事だろうというふうに思っておりまして、再就職の支援ということ、これはナースバンクにおきます求人・求職情報の提供など、そういうことで再就職支援ということに取り組んでもいるところでございます。

 いずれにしても、介護現場での看護師さんの必要性といいますか大切さということは十分理解をいたしておりまして、そういう意味での、看護師さんが実際に介護現場で働けるような体制をしっかりつくっていくということが大事だというふうに思っております。

山崎(摩)委員 ありがとうございます。

 そういう周辺の環境整備ももちろんでございますが、高齢者ケアの施設ですとか在宅は、高機能病院に比べるとやはり賃金も低いというようなこともありますので、そのあたりもぜひよろしく今後ともお取り組みいただきたいと思います。

 本当に時間がなくなってまいりましたので、あと一問だけ、大臣にお尋ねしたいと思います。

 既存の介護療養型医療施設について六年間存続を認めるということに今回なるわけでございますが、これにつきましてはなかなか転換が進まないということで、八・六万人の入所の高齢者の方及び七万人の従事者の方がここでいらっしゃるわけです。この六年間の間に認知症を含む障害と医療のケアの必要な高齢者がますますふえていくということを考えますと、高齢者の医療体制をどうするか、本質的な議論をして、これら増大するニーズにきちんとこたえていく療養体制の整備というものをやはりしていかなきゃいけないというふうに思うんですね。

 ぜひこの点について、今後についてもしっかりと対応していただきたいというふうに思いますので、大臣の御所見を一言だけお願いしたいと思います。

細川国務大臣 時間もないようでございますから、簡単にお話ししたいと思いますが、介護療養病床、なかなか転換が進んでいないということで、今回の法案では六年間転換の延長をさせていただくことになっております。

 その間、医療ニーズが高い患者さんに対する対応として、平成二十年に介護療養型老人保健施設を創設したところであります。そこに、まだ利用者が思うように利用していただけていないところもありますが、こうした施設の介護報酬上の評価の充実、あるいはまた、有床診療所と併設した介護老人保健施設への転換の推進というようなことで充実をさせていきたいというふうに思っております。

 今、社会保障改革に関する集中検討会議の中で医療介護施設の機能分化の推進について、あるいはまた、この法案の中では地域包括ケアの推進について検討をいただいているところでありまして、今後とも、高齢者が安心して医療や介護を受けられる、そういう社会の構築に向けて頑張っていきたいというふうに思っております。

山崎(摩)委員 ありがとうございました。

 時間が参りましたので、これで質問を終わりたいと思います。

牧委員長 次に、山口和之君。

山口(和)委員 民主党の山口和之と申します。

 今回の災害において、多くの方が亡くなられたことにまずお悔やみ申し上げます。また、被災された方々にはお見舞い申し上げます。これ以上、一人たりとも命を失ってはならないと思っております。厚生労働省としても、厚生労働関係としても、ぜひとも全力でさまざまな支援を行っていきたい、また、行っていっていただきたいと思います。

 菅内閣では、この東日本大震災の復興は、ある意味では日本国の再生に、復興をただの復興ではなく創造的かつ先駆的な復興として、日本人のよりよい社会を生み出す大きなきっかけにしたいとしています。その意味でも、今回の介護保険法の改正は、復興と別物であってはならない、よりよい、創造的な、しかも先駆的なものでなければならないと思っています。

 災害が今も続いていますから、福島県出身者としては、まずは原発事故の問題から質問させていただきたいと思います。

 なかなかコントロールできない原発事故は、これは日本だけの問題ではなく、人類全体の問題であると思います。原子力発電が世界じゅうに広がっているわけですから、各国にとっても対岸の火事ではないはずです。そう考えるならば、日本に世界じゅうの科学者や技術者が結集して事故の収束に向かう対策を検討して、そのエビデンスをこの日本で構築することが世界に大きく貢献するものと思っています。日本だけで対応する問題ではないと思います。

 健康被害についても同様で、原発事故の国として、国の責任として、これから起こり得るかもしれない健康被害について、世界の研究者と協力して最善の方法を検討して、その方法を共有する必要があるのではないでしょうか。もし実現できたならば、日本は世界から孤立することなく、大きく世界に貢献するものと思われます。

 政府としては、いかが思われるでしょうか。

 また、福島県民は、将来の健康、特に妊婦さんや子供たちなどの、非常にたくさんの不安を持っています。その原因は、恐らく、これまでのエビデンスが不十分なことからいろいろな情報が錯綜しているからだと思います。長崎、広島という被爆地同様に、さまざまな放射線の影響を先駆的に研究するとともに、総合特区でもよいです、福島県を世界最高峰のがん医療のメッカにすることが世界に大きく貢献することではないでしょうか。本当に日本だけの問題ではないと思います。福島県にとっても、福島県民にとっても大きな安心、安全が得られるのではないでしょうか。

 いかが思われますでしょうか、お答えをお願いします。

倉持政府参考人 福島第一原子力発電所に起因いたします放射線被曝によります健康影響の問題でございますけれども、現時点でそういった影響が生じているという報告はないところでございます。しかし、地元の住民の方々の健康影響につきまして、その不安を考えますと、放射線被曝の実態の把握であるとか、その適切なフォローアップを行うことは重要であるというふうに考えておるところでございます。

 現在、既に、内閣府の原子力被災者生活支援チームを中心に、放射線被曝の実態の把握に係る取り組み等への支援を行っているところでございますけれども、今後、福島県の御要望を踏まえつつ、政府としてのさらなる支援のあり方についての検討が行われるものというふうに認識しているところでございます。

 現在、文部科学省といたしましては、御指摘になりましたような研究機能ということで、放射線医学研究所であるとか、長崎、広島といったところに大学等の研究機関がございます。そういった研究機関、研究者のネットワークを生かしながらこうした取り組みを支援してまいりたい、このように考えているところでございます。

山口(和)委員 日本だけの問題ではなくて世界の問題であるというふうな認識がやはり必要なのではないでしょうか。もしよろしければ、大臣もしくは大塚副大臣、どうぞお願いします。

岡本大臣政務官 今、大変示唆に富むお話をいただきました。

 文科省からも御答弁いただきましたことを踏まえ、関係省庁と協力をして検討していきたいというふうに思います。

大塚副大臣 昨日までWHOに出席してきたんですが、帰りに、パリでフランスの原子力安全規制委員会の幹部と議論をさせていただきました。

 フランスは、先生御指摘のとおり、相当の数の専門家を集めて原子力安全規制委員会が運営されておりました。極めて我が国と体制に違いがあるなということを痛感いたしましたので、今の御指摘も踏まえて、政府内でしっかり議論させていただきたいと思います。

山口(和)委員 ありがとうございます。

 これ以上、一人たりとも将来にわたって被害が及ばないように、ぜひとも国全体で、世界全体で検討していっていただきたいと思います。

 さて、今回の復興は日本人の意識が変わる大きな機会であるようにも思います。避難所での生活、日本じゅうからのボランティアの支援、寄附、支援物資など、日本に限らず、近隣諸国、世界じゅうからさまざまなきずなが見えました。

 今後、仮設住宅を含め、町づくり、地域づくりが行われていくと思いますが、そのかなめとなるところが地域包括支援センターと思いますが、その考えでよろしいでしょうか。どなたか、お願いします。

岡本大臣政務官 今委員御指摘のように、これから被災地においてさまざまなニーズが発生すると思います。医療、介護の分野では、それぞれそのニーズに応じて対応していかなければなりません。介護のさまざまな、きめ細やかなニーズを把握し、そしてそれを推進していくという意味において、地域包括支援センターというのはかなめになり得るということで考えております。

山口(和)委員 ありがとうございます。

 地域包括支援センターは、高齢者だけの問題ではなくて、町づくり全体のプラットホームになり得る機能だと思います。このことについてはこちらで、このことについてはあちらで、そのことについてはそちらでといった機能では、安心できる町づくりはできないと思っています。ぜひとも、安心できる地域づくりのために、今まで以上に強化していただきたいと思います。

 そこで、その地域包括支援センターが大きく関与します介護予防・日常生活支援総合事業についてです。

 利用者の健康状態や意向に応じて、予防給付で対応するのか、新たな総合サービスを利用するのかを判断するとしていますが、その新たな総合サービスとは、利用者の状態像や意向に応じて、介護予防、生活支援、権利擁護、社会参加などを含めて、市町村が主体となって総合的で多様なサービスとしています。どちらを利用するかを判断するとありました。

 これは、多様なサービスをよく見ると、さまざまな地域づくり、町づくりの、それこそ安心コミュニティーのベース、地域資源のようにも見えます。したがって、どちらか分けるものではなくて、このサービスそのものは地域づくりのベースであって、そこに必要な人が介護保険サービスをつくっていく。総合サービスは基礎工事であって、介護保険サービスはその上に乗るものと理解したいのですが、いかがでしょうか。どちらかを選択するようなものではないような気がしますが。

宮島政府参考人 地域包括ケアのシステムというのは、介護ばかりではなくて、医療とか、今おっしゃられた生活支援サービス、予防、こういったものが組み合わさったそのベースをこれからつくっていかなければいけないということは、おっしゃるとおりでございます。

 ただ、今まで予防給付を受けている方が、それでは今回つくった総合サービスに乗りかえるかどうかという点については、今回の法律では、状態像とか利用者の選択によってそこは選んでもいいですよということにしておりますが、総合的サービスの展開をしていかなければならないという、インフラ整備という意味では、委員御指摘のとおりだと思っております。

山口(和)委員 ありがとうございます。

 障害がこれぐらいまで、予防の段階はここでこういうサービスを、生活をしてください、障害を持つようになって要介護状態、要支援状態になったらこのサービスを利用、ここでコミュニティーをつくってください、重度になったらここでコミュニティーをつくってください、これは地域コミュニティーが成り立たないわけで、ぜひとも地域のベース、町づくりをつくっていただいて、そこに必要な介護保険サービスであったりそういうものが広がるような地域社会ができることが大切だと思います。

 以前から、民間ベースでいろいろなことを展開しようとしましたけれども、なかなか、お金がかかって難しいところもあります。あるいは、ボランティアの方々が、地域で生活するために集会所等々を利用していろいろなことやっておりますので、それ自体が地域づくりだと思っておりますので、ぜひともよろしくお願いしたいと思います。

 それから、今回、被災地において、DMATやJMAT等々、急性医療にかなり入られて、有効な支援が行われたと思うんですけれども、少し時間がたってくると慢性的な問題が出てきます。

 今まで農作業をしていたり、あるいは家畜を飼っていてえさをやったり、活動されている方々が避難所におりますと、予防が必要になってくると思います。できるだけ、介護保険を必要とされる方は地域の介護保険を活用して、避難所にいるところの介護保険サービスを受けて支援してもらうというのは少しずつ広がってきて、安心できるようになりましたけれども、そのはざまの、その以前の人たちなんですけれども、予備軍ですね、地域支援事業でいえば特定高齢者になってきそうな方々、あるいは要支援以前の方々が中途半端な状態でいます。

 今、ボランティアで理学療法士や作業療法士などが全国から集まって支援しておりますけれども、もうこれは限界だ、定期的にちゃんとやっていかなきゃいけない、これは入っている慢性期の医師やあるいはケアマネジャーや理学療法士や作業療法士からの現場の声でございます。

 そういった意味で、避難所のある市町村が地域支援事業として避難されている方々に対して支援できるような体制があったらどうかと思うのですけれども、多分そのような支援をするようになってはいるんでしょうけれども、現実的にはなかなか進んでいない。被災されている市町村自体が機能しておりませんので、ぜひともそれをうまく支援する方法を検討していただきたいと思うのですが、これはちょっと通告していたかどうか疑問なんですけれども、ぜひともお答えしていただければと思うんです。

岡本大臣政務官 今委員御指摘のように、被災地におけるケアのあり方というのは、暫定的なケアプランを作成するとか、ケアプランがなくなって手元にないというような方に対しても、これまでのケアプランを継続できないかということも今検討しています。一年ぐらいできないかというようなことを検討していますが、いずれにしましても、リハビリテーションを含むさまざまな取り組みというのは必要とされる方にきちっと届くようにしなければいけませんし、そもそもどういう方がどういうニーズをお持ちなのかということをきめ細やかに把握をしていくということが重要になってくると思います。

 そういう意味では、先ほど御指摘がありましたけれども、保健師さんの活用も含め、避難所でのニーズ、また御自宅にそのまま見える方のニーズを十分把握していくということの中で、今委員御指摘のリハビリテーションのニーズについても把握し、対応していきたいというふうに思っております。

山口(和)委員 ありがとうございます。

 ボランティアで対応するのも限界に来ております。これは現地からの声で、たくさんの声が聞こえてきます。しっかりとした支援が必要なのかと思います。

 最後に、自立支援関連について少し質問をさせていただきます。

 今回の介護保険改正が在宅ケアを重視する方向に進むのであれば、また、右肩上がりの保険料の抑制を無視できないということであれば、積極的に自立を促すサービスの提供が必要であると思います。そのかなめとなるものがリハビリテーションの重視であると思っておるのですが、介護保険開始から十年経過しましたが、これまで自立支援、リハビリテーションの視点は非常に希薄であったと思いますが、いかがでしょうか。

宮島政府参考人 介護保険、目的の一つが自立支援ということでございます。そして、考え方としては、やはりリハビリ前置ということが一つの柱ということでございますが、特に予防給付などは、内容が家事援助が中心ではないかというようなことで、利用者の機能向上、リハビリなどのサービスが十分提供されていないという御指摘もあるところでございます。

 今の現状を適切に把握して、適切なケアマネジメント、そして自立支援に資するリハビリなども含めたサービスが提供されるような議論を進めてまいりたいと思っております。

山口(和)委員 ありがとうございます。

 そうなりますと、実は、介護給付費分科会というところで、リハビリテーション関係者が不在なんです。我が国にとって非常に重要な問題と思っていますので、旧態依然の、古い時代のリハビリ軽視のあらわれではないのかというふうに思うところがあります。日本の現状を認識すれば、ぜひともリハビリテーション関係者が介護給付費分科会等に入っていかなければいけないと思うんですが、その辺はいかがでしょうか。

岡本大臣政務官 今委員御指摘ありました介護給付費分科会の構成でありますけれども、御指摘のように、さまざまな関係者がいる中、確かに、理学療法士という方で入っているということではなく、リハビリに関係する医師というのが委員の中にいるというような状況であります。

 現時点でも、いわゆるサービス提供側、そして患者、負担側、そしてそれ以外にもさまざまな皆さんを含め多くの委員が入ってみえます。学識経験者とか、全体で二十五人の方が今委員でいらっしゃいますけれども、こういった皆様方で既に議論をされておりまして、なかなかこれ以上人数をふやすというのは難しいのかなというようなことも考えております。

 したがいまして、先生御指摘のリハビリの関係者の方々ということではなくて、リハビリテーションを現に行っておられます理学療法士の皆さん方からの御意見というのを、委員会の場で、委員としてではなくてもヒアリング等で聞いていけるような体制はつくっていきたいというふうに考えておりますので、そういった場を活用して理学療法士の皆さんの御意見もお聞きをしていきたいというふうに考えております。

山口(和)委員 ありがとうございます。

 理学療法士に限らず、作業療法士あるいは言語聴覚士等々、リハビリテーションに関連している方々がたくさんおります。また、介護保険部会において、昨年、ようやく一人、リハビリテーションに関係する医師が、しっかりとやっていらっしゃる方が入りました。それを機に、今回の法改正も含めて、ダブル改定にも向けて、ぜひともリハビリテーション関係者を入れてそういった視点を強化していただきたいと思います。

 最後に、訪問看護ステーションは、御自分で訪問看護の機能を持たないかかりつけ医のお医者さんがほかのかかりつけ医のお医者さんとともに共同で利用できる、とても機能的な、地域にはなくてはならない重要なサービスになっています。ぜひとも、リハビリテーション提供体制も、訪問看護ステーションと同様に、国民のために地域に存在するようになることを期待しています。

 今回の介護保険改正が、創造的で、先駆的で、よりよいものになりますようにお願いするとともに、全力で支援していきたいと思っております。今後とも、どうぞよろしくお願いします。

 どうもありがとうございました。

牧委員長 次に、加藤勝信君。

加藤(勝)委員 おはようございます。自由民主党の加藤勝信でございます。

 まず、今回、介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部改正案ということで出されているわけでありますけれども、提案理由説明の中には、「高齢者が住みなれた地域で安心して暮らし続けることができるよう、医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスを切れ目なく提供する地域包括ケアシステムを構築するため」、こういう目標が書かれております。今、並行して、社会保障と税の一体改革、先般、社会保障制度改革の方向性と具体策、厚労省の案もその議論をしている場にお出しになっておられたわけでありますが、当然、その中には介護も位置づけられるわけであります。

 そういう今の全体の流れと今回の法案の位置づけ、まず、この辺をどういうふうに考えておられるか、あるいは位置づけておられるのか、御説明いただきたいと思います。

細川国務大臣 委員が御質問の今回のこの改正の法案、それから、せんだって、社会保障制度改革の方向性と具体策ということ、これは、社会保障と税の一体改革の集中検討会議の方に提案をした内容との整合性というか、どういう関係か、こういうことかと思いますが、政府としてこれまでいろいろ、介護制度が設立以来、この介護制度そのものがこれでいいのだろうかというような、これまで政府でも検討され、各政党でも検討されてきたと思いますが、この際、社会保障の改革をどうしてもやらなければいけない、こういうことで、その中で当然この介護の問題も入っているわけでございます。

 そして、その目指すところ、それは、お年寄りが身体の自由がきかなくなったときに、やはりそれまで住みなれた地域で老後を送っていく、こういうことをその地域全体でケアしていくという地域包括ケアというのを、今度の法案でもそうでありますが、政府の方の社会保障一体改革の中でもそれを目指しているわけでございます。

 そういう意味では、今回の法案では、二十四時間対応の定期巡回・随時対応型サービスなどの創設、こういうことが中心になっておりますし、また、税と社会保障一体改革の集中会議へ我々が提案した中でも、この地域包括ケアシステムの確立というのを織り込んでおりまして、これは、政府が一体となって進めている社会保障制度と今回の法案が目指すところは同一、軌を同じくしている、こういうことでございます。

加藤(勝)委員 大体、長い答弁のときはよくわからないことが非常に多くて、今回もそれに該当するというふうに私は思うわけでありますけれども、今回の法案を議論するベースとして、社会保障審議会の介護保険部会でもいろいろ議論があった。しかし、そこの意見書の中の給付と負担の見直しに係る検討部分というのは、もうほとんどこの中には入っていないわけであります。

 それから、お出しなされた社会保障制度改革の方向性と具体策の中には、「医療・介護サービス提供体制の基盤整備を図るための一括的な法整備を行う。」と。要するに、次にそういうのが出てくるよというようなニュアンスもあるわけでありまして、そういう意味で、甚だ何か、どういうふうにこれを私はとらえていいのか、中身の方にもこれから入ってまいりますけれども、何か非常に位置づけがある意味では中途半端なような印象をどうしても持っている。

 しかし、他方で、今おっしゃった地域包括ケアシステムを進めていく、これはもう異論のないところでありますけれども、例えば、今回の中で幾つか申し上げさせていただきますと、後ほど同僚からも質問があると思いますが、介護職員等によるたんの吸引等の実施というのも、これも医療行為と介護、そこをどう位置づけるか。これまでは緊急避難的にやってきたわけでありますけれども、これを制度として落とし込んだときに、その辺はどう整理していけばいいのか。

 あるいは、これは私自身は適切ではないと思っておりますが、社会医療法人による特養ホームの開設。社会医療法人からはやらせてくれという声はないという話を事務当局からお聞かせいただいておりますが、いわば規制改革との議論の中での一つの妥協的なることかもしれませんけれども、しかし、やはり医療とそしてこうした介護、この辺をどう切り分けていくのか、これに大きく絡む話であります。等々、ここに来ている一つ一つの問題自体は現実的なことを議論しているわけでありますが、その後ろには非常に大きな議論が実は隠されている。

 あるいは介護サービスの情報公表制度についても、なぜこれがこういう形でつくられてきたのか。要するに、介護保険制度を入れたときに、社会福祉法人に加えてさまざまな、株式会社まで含めて、多様な人方の参加を前提とするということになれば、そうしたものがきちんと行えるための仕組みをつくろうということでつくったのがこの情報公表制度の一連だと思うわけでありまして、それを一遍に義務を任意という形にし、しかも、その任意の形が甚だよくわからない。あるいは他方で、今実施主体に対して、情報公表あるいは評価制度あるいはそれぞれの当局による調査、査察というんでしょうか、さまざまなものがどう整理されているか、この辺も非常に未整理だな、こういう印象をまず申し上げさせていただきたいと思います。

 その中で、まず一つ、民主党のマニフェストの中に、衆議院のときには、介護労働者の賃金を四万円引き上げると書いてありました。それから参議院のときにも、給与の引き上げに引き続き取り組むと書いてあるわけでありますが、この辺は今後どう対処されていかれるのか。これから介護報酬の見直しがございますけれども、その中で対応していく、こういうふうにお考えですか。

岡本大臣政務官 処遇改善交付金の扱いをどうするかということは、一つ課題になってくるだろうと思います。

 御指摘のように、介護労働者のいわゆる賃金について問題意識を民主党はこれまで持ってまいりました。また、そういった中で、引き上げの方法についても、さまざま党内で議論をしてきたところでありまして、今委員御指摘のとおり、来年のいわゆる介護報酬の改定に向け、今後の議論としてあり得る話だろうというふうに思っております。

加藤(勝)委員 今のあり得るというのは、四万円があり得るというふうに考えてよろしいんですか。

岡本大臣政務官 四万円を目指してどう頑張るかという議論があり得るということでございます。

加藤(勝)委員 頑張るというのは、政府がおやりになれば、やるという意味でありますからね。あるいは、やることに向いて最大限手だてを尽くすということでありますけれども、今ほとんど手だてがない、そういう努力をされているとは私どもには思えないのでありますが、まあ、頑張るということでありますから、ぜひ実現をしていただきたいと思います。

 もう一つ、ほかにも幾つかありますが、今回の法案との関係で、介護療養病床の点についてお伺いしたいんです。

 マニフェストでは、「当面、療養病床削減計画を凍結し、必要な病床数を確保する。」こういうふうにお書きになっているんですけれども、そのマニフェストと今回の法案の、さらに六年間猶予、猶予というか六年間さらに延ばして転換を図る、この考え方は皆さんの中では整合がとれておられるんですか。

岡本大臣政務官 御指摘のとおり、凍結という言葉の中には、今回のいわゆる、来年三月末で廃止というようなことがこの法案の提出で凍結をされたというふうに考えております。(発言する者あり)

加藤(勝)委員 今そこで田村理事からもお話がありますが、削減計画を凍結するというのは、六年間延ばすというのは凍結というんですか。それは、単に削減計画をやる実施期間を延ばしている、最終的には削減をするということが前提になっているのか。凍結というのは、削減すること自体をもうやめる、凍結する、こういうことだから、本質的に私は違うのじゃないかと思いますが、大臣、いかがですか。

細川国務大臣 これは、凍結ということでここで転換することをやめるというのではなくて、それは進めるけれども、その期限というのが二十三年度末ということになっていたのを六年間延期をする、こういうことでございます。

加藤(勝)委員 だから、最終的にはあと六年間で転換を完全に実施する、そういうことですか。

岡本大臣政務官 マニフェストには、「当面、療養病床削減計画を凍結し、必要な病床数を確保する。」こういうふうに書いています。八万六千が必要な病床数なのかどうかということをぜひ皆さんにも御議論いただきたいと思いますし、当面凍結をする、こういう話ですので、今お話をしましたとおり、今回、介護療養病床の二十四年三月末での廃止ということは凍結をされたということであります。

加藤(勝)委員 おっしゃっていることが違うことはおわかりだと思うんですが、法案を読む限りは、あと六年間かけて延長して、基本的には転換を図る、完全に転換するということであります。

 今お話があるのはそうじゃなくて、残った今八万何がしの病床をどうするかは今後検討するという、今のままかもしれない、当然検討するというのは。そこが非常にはっきりしていないと思うんですが、大臣、そこはどういうふうに考えておられますか。

細川国務大臣 その点については、転換をしていく、それは当然これから進めていくところでございます。そのためにいろいろな努力もしなければいけないというふうに思っております。

 したがって、これからは、六年間延長していただいてその間に転換を促進していく、こういうことでやらせていただきたいというふうに思っておりまして、それには、介護療養型老人保健施設等における介護報酬上のいろいろな評価でやっていきたい。あるいはまた、有床診療所と併設した老人保健施設の創設に対する支援。それから、現在実施をいたしております老人保健施設等の転換に係る費用に対する交付金や独立行政法人福祉医療機構の融資制度、この融資をいろいろと利用していただいて、それで転換を支援していくということで転換をさらに一層進めてはいきたい、こう思っております。

加藤(勝)委員 今政務官の言われた話と大臣の言われた話を聞いて、ちょっと私の中ではきちんと整理できないのですが、要するに、今の大臣のお話は、今ある介護療養型病床を基本的に介護療養型老健施設にすべて、すべてというか流していく、こういうこと。したがって、少なくとも今の介護療養型の病床自体はなくすというふうに聞こえるんです。一方で、政務官のお話は、その辺の扱いも含めてどうするかという話に私には聞こえたんですけれども、もう一回確認をしますが、今ある、まさに介護保険における介護療養型病床というもの、これはあと六年間で完全に解消する、そういうことでよろしいんですか。

岡本大臣政務官 語弊がないように、ちょっと、もう一度言わせてください。

 マニフェストを読んだんです。「当面、療養病床削減計画を凍結し、必要な病床数を確保する。」と言いました。これは、介護療養病床については、先ほど大臣から御答弁いただきましたように、我々としてこの六年間で転換を進めていって、結果としてこの転換を完了させるということでありますが、転換する先にはもちろん医療型の療養病床になる病床も出てくるという意味では、必要な病床は確保するということであります。

加藤(勝)委員 もう一回確認しますけれども、要するに、今の介護保険制度の中にある介護療養型病床はあと六年間で完全になくすということを前提に、この六年間の延長措置、そして、さっき大臣がおっしゃった、そのためのさまざまな支援策の強化、取り組みを行っていく、こういう前提ですか。大臣に聞いております。

岡本大臣政務官 今御質問いただきましたとおり、私の考え方と今の御質問は、私の答えた趣旨でございます。

加藤(勝)委員 要するに、大臣の見解を聞いているのであって、今の私の申し上げたとおりでよろしいんですか。要するに、今、岡本政務官はマニフェストの関係について大変苦しい説明をされましたけれども、それはそれとして、これからの話として、この法案の意味するところはそういうことでよろしいんですか。そういうことというのは、もう一回、よろしいですか。

細川国務大臣 はい、それで結構です。

加藤(勝)委員 まさに、そこが我々のときに議論があったところでありまして、本当にその六年間今のまま続けていいのか、ここは私はまだ議論のあるところだと思っております。

 それから、私の地元の、転換した、岡山県は二つだけしか現在転換したことがない。そのうちの一つに行ってまいりましたが、たまたま二つとも改築しなきゃいけない。一回病床をつぶして新しく建てなきゃいけない。こういう時期だからたまたまいわゆる転換型、介護療養型の老健施設に移りました。しかし、移って失敗したという大変強い声を聞かせていただきました。

 現場の方の声と実際の制度に若干ずれがあるかもしれませんけれども、出てきた中で言うと、例えば、夜勤介護というのはかなり、二、三人張りつけなきゃいけない。あるいは管理者、これは医師でなければならないんですが、療養型病床のころは兼務が可能だった、しかし転換型では別途の人を置かなければならない等々、結構プラスアルファの部分があって、他方で、当然一人当たりの報酬は下がってくるわけでありますから大変厳しい。さらに、転換型の場合、入所者のうち病院からの移行者の割合を六割以上にしなさいという指導もあるんだ等々、なかなか今の状況というものに対して厳しい。

 したがって、そういったこともある程度クリアしていかない限り、少なくとも今大臣のおっしゃったことは到底進まない。だから、相当な支援策を行っていく。あるいは、ある部分、転換型老健施設のありようそのものも議論をしていく。やはりそういうことも必要ではないかと思いますが、その辺は、大臣のお考えはいかがですか。

細川国務大臣 今委員の地元の施設の方からのいろいろな、今回の転換によって大変だということ、こういうことであるならば、当然ほかの人たちも、経営者も事業者も、なかなか転換するのを渋る、こういうことになると思いますので、それについては、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、介護療養型保健施設などへの誘導のためには、やはり介護保険の方の報酬、その報酬を決めるときに、誘導していけるような、転換をして十分やっていけるというような、そういう報酬の改定ということもしっかりやっていかなければというふうに思っております。

 ことしの年末には介護と医療の同時改定にもなっておりますので、そういうところでしっかり検討していきたいというふうに思っております。

加藤(勝)委員 介護報酬、もちろんあります。しかし、もう一つ、介護療養型の老健施設のありようそのもの、位置づけそのものが今の位置づけでいいのか、やはりそこも議論していきながら、当然報酬もそれによって変わっていくわけでありますから、そこはぜひもう一回、今のところに持っていくというのではなくて、地域におけるありようそのものを含めて、しっかりとこれから議論をしていただき、見直しをしていただきたいということを強く申し上げたいと思います。

 それから、続いて、手元にございます介護予防・日常生活支援総合事業についてなんでありますが、お手元の二ページ目に資料を用意いたしました。これは厚生労働省からちょうだいしたんですが、右側の円グラフ、例えば介護予防事業、介護予防事業以外のところの、特に介護予防事業以外のところの市町村が一二・五%になっているんですけれども、多分これは二〇%の間違いだと思います。すなわち、今の地域支援事業において、介護予防事業についてとそれ以外については、要するに二号保険料を入れているか入れないか、それによって都道府県、国、市町村の持ち出しが変わってくる、今こういう財源構成になっているんですね。

 それが今度、この区分を、今は、左の図でいうと、一の介護予防事業とそれ以外ということで分けている。しかし、今回の総合事業の中で、この下の包括的支援事業あるいは市町村の判断による実施事業、こういったものを上の介護事業と総合してやりますよ、やれるようにしますよと。そうなってくると、当然、対象も、下の方の円グラフにありますけれども、財源構成もそちらにシフトされる。いわば、市町村や国や都道府県の負担を減らして二号保険料に財源をシフトしていく、財源から見るとこんな仕組みになっているのであります。

 まず、一つお伺いしたいのは、現行の介護予防事業とそれ以外で、二号保険料を入れて行う事業と入れないという判断がありますが、これはどういう考え方に基づいてそういう切り分けをされているのか。

宮島政府参考人 委員御指摘のとおり、介護予防事業には二号保険料が投入されている。そのほかの包括支援事業などの介護予防事業以外は、二号は入っていない。これは、介護予防事業の効果が、介護予防ということで、重症化予防などを通じて保険給付費を削減する効果があるだろうということで、保険給付の財源構成と同様に、介護予防事業に二号保険料を投入した、そういう経過でございます。

加藤(勝)委員 ですから、そういう区分が今度は、そこはいわば一緒にすることによって、今おっしゃる区分でいえば、介護保険料の将来の削減にはつながらないということでしていた要素を入れ込んでもなおかつそちらにシフトしていく。これを見ていくと、だんだんそっちにさせていこう、させていこうとしているのではないか、こういうふうにも見えるわけでありまして、そこはやはりきちんとした考え方の整理をしていただいて、何か惰性的にといいますか、そういうことでしていただきたくない、そのことを強く申し上げておきたいと思います。

 その上で、もう一点、財政安定化基金の取り崩しなんでありますけれども、これから、今のままでいくと一号の保険料は相当上がっていく。そういう中で、また財政安定化基金の水準について、たしか会計検査院だったでありましょうか、いろいろ指摘がある。こういうことで取り崩していく。もちろん、それぞれ今の拠出が市町村、都道府県、国ということでありますから、それに基づけてお返しをする。そして、市町村の分については、もともと保険料だからそれに使ってくださいねと。そこまではまあそうだと思うんですが、問題は、国のところの規定ぶりであります。

 国のところの規定ぶりを読みますと、簡単に言えば、「介護保険に関する事業に要する経費に充てるよう努めるものとする。」という、非常に何というか、努めるものとするのもはっきりしないと思うのでありますが、介護保険に関する事業に要する経費に充てるということでいえば、通常の規定における介護保険の国負担分に充当すればそれで終わってしまう。せっかく取り崩してという言い方はおかしいですが、せっかく介護保険に使いましょうと言っていたものを、結果的には、玉突きでいえば違う方に行ってしまうんですね。

 というのは、一般会計から介護保険に行っている費用の分がそこだけすけば、その分だけトータルとしては介護保険に行く費用が減ってしまう。やはりこれから介護保険はもっともっとさまざまな形で財政支援が必要にもかかわらず、こういうように、年金の積立金も二兆五千持っていかれているわけですね。さらに介護保険と。

 どんどんどんどん減らされていくのではなくて、しっかりとっていかなきゃいけないんじゃないかと思いますが、ここはどういうふうに解釈すればいいのか。特に、介護保険事業に要する経費というのは具体的にどういう事業を想定されておられるのか、大臣の御見解をお示しいただきたいと思います。

細川国務大臣 委員御指摘のように、この法案では、国に対する返還額については介護保険に関する事業に充てるよう努める、こうなっております。

 したがって、私といたしましては、この条項の趣旨を踏まえまして、今目指しております地域包括ケアシステムの実現に向けて有効に活用していきたい、こういうふうに思っておりますが、これは他省との関係もありますから、委員が大変懸念されていることのないように、私としてはしっかり介護の関係の費用に充てるよう努めてまいりたい、このように考えております。

加藤(勝)委員 ぜひこの部分は、こういう形で介護サービスの充実に当たったとわかるような形で使っていただくというか処理をしていただきたいことをお願いしたいと思います。

 もう時間が参りました。最後に、成年後見制度の関係であります。

 本法自体は法務省の成年後見制度ということになると思いますけれども、これに対して、障害者の方では必須事業に格上げをしていく。高齢者の場合は非常に対象とする方が多いので、今は任意事業で行われているわけであります。今回、さまざまな、市民後見人という、こういう定義はそもそも法律上はないと思いますが、いわゆる弁護士さんその他以外にもそういう成年後見ができる人たちを広げていこうということがこの法律の中に載っていると思うんです。

 その行き先の中で、やはり今の任意事業ということではなくて、もう少し介護保険サービスの中においても、少しそういったものを各市町村で、少なくとも、やっているところは今は六割前後だと思うんですが、やはり各市町村でしっかりとしたこういう事業が行われるような方向へ、そういう貢献ができる人の基盤を拡大するとともに、そういう形でサービスの提供の範囲あるいは質というものを上げていっていただきたい、そのことを強く要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

牧委員長 次に、あべ俊子さん。

あべ委員 おはようございます。自由民主党、あべ俊子でございます。

 本日は、社会福祉士及び介護福祉士法の一部改正案、これに関しましての、たんの吸引に関して質問をさせていただきたいと思います。

 特に、規制・制度改革に関する閣議決定、総理の指示を踏まえまして、たんの吸引等の医行為が必要な者に対してより安全に提供されるよう、介護福祉士などの介護職員によるたんの吸引等の実施のための所要の法整備ということで今回出されているわけでございますが、特にたんの吸引に関しましては、非常に簡単な業務であるとはいわく言いがたし。特に、そのたんの吸引を間違えてしまいますと呼吸の停止が起きてしまう、また、人工呼吸器の方は非常に難しいとされておりますが、この安全性の確認、担保について教えてください。

    〔委員長退席、藤田(一)委員長代理着席〕

岡本大臣政務官 今お話がありましたように、たんの吸引については、今回の法改正で、事業所の登録や介護職員等の研修を行う制度をもって安全性の確保を強化していきたいというふうに考えております。

 実施に当たりましては、医師、看護師その他の医療関係者との連携が確保された体制をとること、また、たんの吸引等の実施に関する記録が整備されていることや、緊急時の対応を定めていることなど、安全確保措置を講じることを要件としております。

 現実には、試行事業を今やっておりまして、その結果の検証そして評価を踏まえて行っていくわけでありますけれども、委員御指摘のとおり、確かに、たんの吸引というのは一定の知識とまた訓練が必要だというのも事実でありますので、先ほどお話をさせていただきました評価そして結果を見ながら決めていくということとさせていただきたいと思います。

あべ委員 それでは、安全管理体制が本当に整備されるかどうか、非常に不安な部分であります。特に、先般、特別養護老人ホームにおける医療的ケアの提供体制整備に関する調査研究の結果が出されております。

 これは、平成二十二年十二月から二十三年の一月に行われたものでございまして、これによって安全管理体制は整備されているかどうかという調査結果、これは政府の方でも見ていると思いますが、吸引等の安全対策に対して委員会を設置している施設は、研修実施済みの施設であっても二八・一%にとどまる。また、緊急時の対応マニュアルを整備している施設、ヒヤリ・ハットの報告体制がある施設は、研修実施済みの施設であっても半数程度にとどまる。さらには、施設内研修を未実施のまま介護職員にたんの吸引等を実施している施設が二五・二%あるなど、結果が出ているわけでありますが、さらに加えて、施設内研修の修了時に習熟度の確認、評価を実施している施設は四割程度にとどまるという結果が出されているわけであります。

 これに対して、安全管理体制をしっかり整えるというお約束はできるのでしょうか。大臣、お願いいたします。

細川国務大臣 先ほども政務官の方からお話がありましたように、今回のたんの吸引などにつきましては、これまでは法律上は認められていなかった行為でありますけれども、しかし、事実上、いろいろとそういうことが行われ、その必要性もあるというようなことで、これは違法性が阻却をされる、こういうことでこれまでもなされてきたところでありますけれども、今回は、しっかりと法律に明記をすることによってその安全をしっかりと確立する、これが今回の大きな趣旨でございます。

 したがって、事業所の登録や介護職員の研修など、こういうこともしっかり行う。これを制度としてもつくりまして、安全性を確保していきたいというふうに思っております。

 実施に当たりましては、医師、看護師その他医療関係者との連携をしっかり確保された体制にすること、たんの吸引等の実施に関する記録が整備されていることや緊急時の対応をしっかり定めていること等、安全確保措置を講じることをしっかりと要件といたして法律上それを認めていく、こういうことで、今回、法律上認めることといたしたところでございます。

 今申し上げたことでいろいろと担保いたしてまいりたいと思いますが、今現在行っております試行事業の結果を検証、評価いたしまして、それらも踏まえまして、先生が言われるような安全を万全にしていきたい、このように考えております。

あべ委員 今から安全管理体制をどのように整備していくか。法律に書いた後でまた整備をしていく部分も大きいのかと思っておりますが、特に私は、患者さんの安全性ということが一番担保されなければいけない、法律に書いたから安全ではないんだということであります。

 特に、その研修期間の妥当性、今その研修の実施の部分をやっているみたいでございますが、今言われている研修期間でたんの吸引をするのはなかなか難しいという声が、いろいろなところから聞かれております。また、このことに対して、研修期間の妥当性というのがございまして、特に、二十回以上の実施が課せられたというのは非常に難しいからと、このハードルを低くして三回ぐらいでもいいんじゃないかというふうな方向に政府が動いているということも聞いておりますが、これに関してはいかがでしょうか。

岡本大臣政務官 現実に私もたんの吸引、何回かやったことありますけれども、当然、委員御指摘のように、何遍やっても難しいし、それから御本人のそれぞれの特性がありまして、確かに難しいところがあります。何回やったからできるというようなものではなくて、ケース・バイ・ケースで対応する、そして、何かがあったときにきちっとそれが連絡できるようにする、こういうようなことをそれぞれの従事する方にしっかりと周知することもまた大切であろうというふうに考えております。

あべ委員 さらには、記録ということを大臣が、また政務官も強調しておっしゃいましたが、記録を書いているということが、実際現場の中で的確にされていたかどうかということを必ずしも証明するわけではない。何かあったときの連絡体制が一番大切なわけであります。

 そうした中におきまして、このたんの吸引が実施された後に、定期的な指導また監督をしていくということが私は特に重要であると思いますが、これに関してはいかがでしょうか。

岡本大臣政務官 御指摘のとおり、先ほども私もお話ししましたように、何かあったときに連絡をするということが徹底されるということは重要であります。

 記録の整備に時間を要するということではなくて、何か異変があったときに、それがたんの吸引とどういう因果関係があったかということを後で確認することができるという意味でもやはり記録は必要だろうと思いますし、また、看護職員等のその後のチェックも、できればこの記録に入れられないかということを考えております。

 いずれにしましても、先ほどもお話をしましたように、たんの吸引というのは、ケース・バイ・ケースで難しいケースもあります、個々によって変わります。したがいまして、不断の修練と、そしてまた、それぞれ実施をしていただく皆さんへの認識の周知徹底が重要だという観点では、委員御指摘のように、そういったその後のフォローアップというのも一つの検討課題だろうというふうには考えております。

あべ委員 検討課題ではなくて、患者さんの安全性を考えたときに、これはマスト、必ずやらなければいけない事項だと思っておりますので、定期的な指導監督、これをしっかりと実施してくださることで患者さんの安全性が確保できると私は思います。

 この定期的指導監督ということをやっていただけるかどうか、大臣、お答えください。

細川国務大臣 これは患者さんの大変重要なところであり、場合によっては危険性も伴うわけでありますから、先生御指摘のような定期的な研修、これはしっかりやっていかなければいけないというふうに思っております。

あべ委員 大臣、定期的というのはどれぐらいに一回ぐらいのことでしょうか。

細川国務大臣 これは専門家の皆さん、あるいはまた現場で実際に仕事をされている皆さん方のいろいろな意見を聞きながら、大変大事なことですから、それらの皆さんの協議によって、あるいは意見を聞きながら決めてまいりたい、このように思っております。

あべ委員 では、大臣、十年に一回ということはないと思いますので、三年以下という理解でよろしいでしょうか。

細川国務大臣 それで結構です。

あべ委員 ありがとうございます。

 最後になりますが、やはり医療者との連携が大切という中、このもともとの、たんのサクションを介護職員の方にしていただこうということは、看護師不足ということがあります。先ほどの質問の中で民主党の山崎摩耶委員も質問をしましたが、先ほど大臣が三つお答えくださいました。しかしながら、私は、その三つでは十分ではないと思っております。なぜかといいますと、やはり、ナースの育成ということもおっしゃいましたが、私は、何といっても介護現場における看護師の処遇の問題、何といってもお給料が安過ぎてみんな行きたがらないというところに大きな問題があるんだと思っています。

 これは介護保険料が足りなくてそのようになっているのか、私はよくわかりませんが、やはり医療機関と介護系の施設と比較したときに、どうしても及び腰になってしまう待遇であるということは否めないわけでございまして、ここの部分はしっかりと体制を整えていただきたいと思っております。

 特に私が思うのは、たんの吸引に関しては、在宅というのは非常に危険なところであります。施設であれば、ヘルプを出せばだれかが行ってくれることもある、連携もしやすいということでありますが、在宅、患者さんと介護職員だけでそのサクションをしたときに、何かあったときの緊急体制が本当に図ることができるのかということが非常に不安なわけでございますが、これに関して、政務官、御意見ございますか。

岡本大臣政務官 安全確保をどのように在宅で図っていくかということでありますけれども、今回成立をさせていただきますと、法律に基づき、介護職員等によるたんの吸引等を実施する事業所は登録をすることとなって、都道府県へ登録を行う仕組みとなっております。医師、看護師その他医療関係者との連携が確保された体制をとっているということをその要件としたいというふうに考えています。

 この要件は施設であっても在宅事業所であっても適用されるものでありまして、看護師のいない訪問事業者については、訪問看護事業所等との連携を確保する等により、緊急時の対応などを含め、医療関係者との連携体制を確保する必要があるというふうに考えておりまして、安全確保措置の具体的な内容につきましては、先ほども御答弁させていただきました試行事業の結果の検証そして評価を踏まえて定めていきたいというふうに考えております。

あべ委員 では、施設における安全確保対策としての連携システムと在宅におけるものと、ここのところはしっかり分けながら安全管理体制を整えるという理解でよろしいでしょうか。

岡本大臣政務官 先ほどお話ししましたように、試行事業の検証と結果を見て、委員の御指摘もありますので、そういった御意見も踏まえて決めていくということになろうかと思います。

あべ委員 お答えがいただいていないようでございますが、踏まえてということは、ある程度検証結果が出ている中にありまして、在宅と施設は全くその安全管理体制を変えなければ患者さんの安全性が確保できないと私は思います。

 大臣、お伺いいたします。在宅の患者さんたちの安全管理体制、これはしっかりと考えていただけるということでよろしいでしょうか。

細川国務大臣 これもあべ委員がおっしゃるとおりでありまして、在宅介護につきましては、これはもうしっかり安全を確保していかなければというふうに思っております。

あべ委員 ありがとうございました。

 時間になりましたので、質問を終わります。

藤田(一)委員長代理 次に、古屋範子さん。

古屋(範)委員 おはようございます。公明党の古屋範子でございます。

 介護保険法等改正案の質疑に入ります前に、一、二、質問させていただきます。不活化ポリオワクチンについて、私からも質問をしてまいります。

 当委員会におきまして、今国会、二回、不活化ポリオワクチンの質問をさせていただきました。一回は震災の前でございました。震災後、四月の二十二日、本委員会において、不活化ポリオワクチンの緊急輸入をすべきということで訴えをいたしました。

 それは、震災が起き、長引く避難所生活の中で手洗いあるいは入浴も不十分である、こういう中でポリオの生ワクチンを接種した場合には、衛生管理が不十分な場合には便から感染をする可能性がある、未接種の子供に感染をするおそれがあるために、不活化ワクチンへの切りかえは、こうした震災が起きた後であるから待ったなしだ、こういう質問をいたしました。

 実は、質問取りに前日来られた方は、国内承認が得られるまで何もしないというふうに答えられていまして、震災が起きたにもかかわらず、厚労省は一体どう考えているんだ、では、何もしないということを明言してもらいたい、はっきり国民の前で厚生労働省の人が明らかにしてほしいと言って、帰っていただきました。

 岡本政務官は、これに対しまして、被災地の衛生状態を勘案すると、実際に自治体で今回接種を見合わせているところがある、ポリオの弱毒生ワクチンのリスクを考えることはあり得る話だというふうに答えられました。今改めて委員からのお話をいただきましたので、私の方としても、再度、どういったことがとり得るのか、政務三役とも相談しながら、少し事務方と改めて協議をしたいというふうに思っている、そういう意味で、委員の御指摘、重く受けとめたい、このような真摯な御答弁をいただきました。感謝をしております。

 その後、時がたちまして、専門家の方々に、この不活化ポリオワクチンがなぜ欠かせないのか等のお話をいただきました。改めて緊急輸入の重要性を感じております。

 現在、三種混合ワクチンに不活化ポリオワクチンを混合した、いわゆる四種混合ワクチンの治験中であります。多分、使用できるまで、早くて一年半あるいは二年かかると言われております。

 それまでの期間だけが問題というわけではございません。一例を挙げますと、この四種混合ワクチン発売までにDPT接種が四回終わった方に四種混合ワクチンを追加投与すると、過剰免疫のため局所反応が強くなる可能性があって、基本的には接種ができない。また、既にDPTを一回から三回受けていて、途中から四種混合を受ける場合、不活化ポリオワクチンの回数が足りなくなってしまう。そして、一度もポリオワクチンを受けていない人には、単独不活化ポリオワクチンが欠かせない。すなわち、輸入単独不活化ポリオワクチンか、現在治験を行っていない国産の単独不活化ポリオワクチンがどちらにしても必要だ、こういうことになるかと思います。

 ぜひ、この不活化ポリオワクチンの緊急輸入、これを御決断いただきたいと思います。いかがでしょうか。

    〔藤田(一)委員長代理退席、委員長着席〕

岡本大臣政務官 これまでの古屋委員のポリオワクチンに関するお取り組みに本当に私も敬意を表しているところでございますが、先般来御指摘がありますように、日本の不活化ポリオワクチンの導入につきましては、過去のいわゆる導入に失敗したという経緯もあり、諸外国に比べて遅いという指摘を重ねて受けてきておりますことを、私もじくじたる思いを持って、この促進が図れないものかということは、これまでも累次にわたって事務方とも議論をしてきております。

 今回、当委員会で、本日大臣よりお話をいただきましたとおりでございますけれども、不活化ワクチンの中でも今御指摘の単抗原のワクチンの導入について、我々としても、その必要性を含め、五月二十六日開催予定の厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会において審議をしていただく、議論していただこうというふうに今考えております。

 不活化ポリオワクチンに生ワクチンから切りかえるときに、さまざまな論点があろうかと思います。例えば、一回生ワクチンを打っている方に二回目以降不活化にするということが果たして是か非か、先ほど委員が御指摘された論点以外にもそういった話もありますし、実際に不活化の単抗原ワクチンが導入されるやに話が広まりますと、急激に生ワクチンを受ける方が少なくなる可能性もあります。

 そういったときに、では、日本の公衆衛生上、それがどういう問題点を起こすのかとか、議論はさまざまある、論点はあると思いますが、そういったさまざまな論点も踏まえつつ、やはり委員の御指摘を重く受けとめさせていただきながら、厚生労働省としても、さらにこういった議論の加速化、また、当然、承認申請が出てきた場合には迅速に承認をするというためのさまざまな議論も進めていかなければいけないというふうに考えております。

古屋(範)委員 五月の二十六日、厚生科学審議会予防接種部会で検討されるということでございます。ぜひ、円滑かつ迅速な結論が出るよう促していただきたいと思っております。

 また、参議院先議になっておりました予防接種法の改正、これも回ってきております。しかし、これは新型インフルエンザのみの改正案でございますので、ぜひ、これまでも求めてまいりましたように、Hibワクチン等を含めた、そして子宮頸がんワクチン、こうしたものも含めた抜本改正を行っていただきたいと思っております。そして、不活化ワクチンの緊急輸入もぜひとも実現をしていただきたいと思っております。

 大臣、何かつけ加えることがございましたら一言お願いしたいんですが、いかがでしょうか。

細川国務大臣 古屋委員は、もう以前から、ワクチンの問題、とりわけお子さんの問題などについて熱心に取り組んでおられます。その委員が提起されておりますいろいろな施策については、私どもとしても真剣に検討してまいりたい、このように考えております。

古屋(範)委員 ありがとうございました。

 次に、介護関連の質問に移ってまいります。

 五月九日の共同通信の記事でございます。東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島の三県で、介護保険適用に必要な要介護認定申請が少なくとも二千九百六十件滞っているという記事がございました。自治体への取材でわかったそうですが、被災による行政機能の麻痺が原因で、被害が甚大な十五市町村では介護認定審査会も開けていない。今後長期間、多くの高齢者が認定を受けられない可能性が出てきた、こういう記事がございました。

 厚生労働省では、認定ができない場合はケアマネ独自に要介護度を判定する暫定ケアプランで対応することを通知しています。暫定プランでは、介護度を低く見積もりがちであります。十分なケアが受けられないのではないかという懸念が広がっております。宮城県では、今回、更新分だけでも自動的に延長を認める特例措置を政府に要請中とのことでございます。

 介護保険制度に詳しい結城准教授は、要介護認定には煩雑な事務作業が必要で、被災自治体にやれというのは酷だ、政府は当面は無条件の介護サービスを認める特例措置をつくるべきだ、このようにおっしゃっています。

 必要なサービスを利用または提供できるよう、新規の利用、暫定プランについても、柔軟な制度運用を認めるべきと考えます。

 意見書を作成する医師や審査会メンバーが被災をして審査会が再開をできない、そういう地域もあろうかと思います。政府としては、当面の間、柔軟かつ手厚い介護サービスを認める特例措置をつくるべきではないか、このように思いますが、いかがでしょうか。

岡本大臣政務官 御指摘にありますように、通常の要介護認定の事務を行うことが困難な場合について柔軟な取り扱いを認めるということを既に表明しているところであります。

 その中では、具体的には、今お話がありましたようなものも含めまして、新たに介護サービスが必要となった場合、要介護認定の申請前であっても市町村の判断により介護サービスの利用ができること、それから、要介護認定の申請を行っている方については、通常の要介護認定を行えない場合でも暫定ケアプランにより介護サービスの提供ができること、要介護認定の更新時期に達した方については、従前どおり介護サービスの提供を継続し、災害が落ちついた後で更新申請ができることなど、事務取り扱いの簡素化を認め、周知を図っておりますが、それのほかにも、介護認定審査会の合議体の委員の定数は五人を標準としていますが、委員の確保が困難な場合には二人で審査判定ができることも認めております。

 また、こうした事務の簡素化に加えまして、市町村の判断で有効期間を最大一年間延長することを可能とする特例省令の制定などを今検討しているところでございます。

古屋(範)委員 さまざま事務手続の簡素化に努められているということでございますけれども、なかなかこれにも対応できないという現状がございます。

 最後におっしゃったその特例措置、ぜひ至急制定をしていただきたい、このように思いますので、よろしくお願いいたします。

 また、これはNHKの報道でございました。先日、公明党の厚生労働部会でも議論をさせていただきました。宮城県内で介護施設に避難した高齢者が減免とならない高額の介護サービス料を請求される、そういうケースが相次いでいるという報道でございました。

 NHKの報道によりますと、今回の震災で、津波で住宅が流されるなど甚大な被害を受けたお年寄りは、介護サービスを利用した際の料金の支払いを当面猶予されていて、自治体ごとに減免の措置がとれることになっております。ところが、宮城県沿岸の少なくとも六つの市と町で、利用者から高額の介護サービス料を請求されたという苦情、あるいは事業者から料金を請求せざるを得ないという相談が寄せられている、このことがNHKの取材で判明をいたしました。

 いずれも、介護施設に避難したお年寄りが、宿泊して介護を受けるショートステイを結局長期間利用した形になってしまった。介護保険で受けられるサービスの限度を超えて請求が来てしまったということだそうです。中には、津波で自宅が全壊したために震災直後から先月中旬まで気仙沼市にある介護施設に避難をしていた女性が、三月分だけで十六万円余りの、限度額を超えて料金を請求されたという例がございます。

 そこで、支給限度額を超えたサービス利用につきまして利用者が高額な請求をされない、このような対応はしなければならないと思っております。厚生労働省は、第一次補正予算で地域支え合い体制づくり事業として積み増した介護基盤緊急整備等臨時特例基金、県がこれを活用して負担軽減ができるんだ、そのように御説明をいただきました。これが現場で確実に負担軽減できるよう徹底をしていただきたいと思っております。また、この対応が三月十一日から遡及適用できるようにしていただきたいと思います。この点について、大臣、いかがでしょうか。

細川国務大臣 先般成立いたしました二十三年度の補正予算におきましては、地域支え合い体制づくり事業というのがございます。これは七十億円確保いたしているところでございます。

 この事業では、先ほど委員が具体的に御指摘になりましたように、避難者が介護施設に緊急避難的に入所されている、ショートステイ的に入られてそれが長期化されているというような場合にもこの事業が適用される、あるいは事業を活用していただける、こういうことになっておりますから、これは被災県の実情に応じて取り組みを進めていただきたいというふうに思っております。

 また、いつからさかのぼって適用かということについては、これは三月十一日、震災のあった日までさかのぼって適用させていただきますので、どうぞ御利用をどんどん進めていただきたいというふうに思います。

古屋(範)委員 今大臣がおっしゃったこと、ぜひ各自治体にさらに徹底をしていただきたいと思います。自治体の方もこういう中で非常に麻痺を、また満杯状態である、こういうところもあろうかと思いますけれども、利用者からすれば、このような高額な利用料請求をされて困惑をしていると思いますので、徹底、それも三月十一日遡及適用ということを御明言いただきましたので、そのことも含めまして徹底をしていただきたい、このように思います。ありがとうございます。

 それでは、法案の質疑に入ってまいります。

 介護サービスの基盤強化のための介護保険法等改正案について、何点か質問してまいります。

 介護保険制度は、本年四月で十一年が経過をいたしました。広く国民に定着をしてまいりました。しかし、この間、サービス利用の大幅な増加によりまして、総費用が急速に増大をしてきているのが現実でございます。制度の持続可能性が今問われているときであると思っております。

 今回の改正の中で、地域支援事業といたしまして、市町村の判断で介護予防、訪問通所サービスと日常生活支援のためのサービスを総合的に実施できる、介護予防・日常生活支援総合事業というものが創設をされました。この事業は任意事業に位置づけをされておりまして、厚生労働省は、この創設について、サービスの選択肢をふやすものだと説明されています。

 しかしながら、予防給付と比べますと、利用料の増加あるいはサービス水準の低下が懸念をされております。さらに、要支援者が予防給付と介護予防・日常生活支援総合事業のどちらを利用するかの選別は、市町村または地域包括支援センターが、利用者の状態や意向を踏まえて、いずれのサービスを利用するのが適切かを判断することになっております。予防給付の利用を希望しても、その希望に反して介護予防・日常生活支援総合事業を利用せざるを得ないのではないかとの不安もございます。そのために、この事業を創設したのは、要支援者に予防給付を送るのではなく、本事業にシフトすることによって給付費の抑制を図りたいのではないか、こういう意図があるのではないかとの指摘がございます。

 これらの不安の声にこたえていただくとともに、本事業創設の目的についてお伺いをしたいと思います。

細川国務大臣 委員御指摘の、介護予防・日常生活支援総合事業につきましては、地域の事情に応じまして、見守りや配食等の生活支援サービスを含めた、要支援者等に対する総合的で多様なサービスの提供を可能にすることによりまして、要支援者等に対する自立した日常生活の支援や介護予防の推進を目指すものでございます。

 この総合事業の創設によりまして、要介護認定において要支援と要支援に当たらない非該当を行き来するような、そういう高齢者に対する切れ目のない総合的なサービスの提供、あるいは、虚弱あるいは引きこもりなど要介護認定をされない高齢者に対する円滑なサービスの導入、また、自立や社会参加の意欲の高い者に対するボランティアによるこの事業への参加や活動の場の提供、こういうことが可能になる事業でございます。

 したがって、支援を必要とする、強い人も、それからそちらに行くのではないかというような人も含めて、総合的に支援をしていくということで、そういう意味で、介護の方の費用あるいは経費を削減するというようなことは全くないものでございます。

古屋(範)委員 この事業の目的を大臣から御答弁をいただきました。理念はすばらしいものであると思います。確かに、要支援あるいは非該当を行き来する方々に柔軟に総合的なサービスを提供していく、これは理想であると思います。ぜひそれが現場で有効に実施されるように今後取り組んでいかなければならない、このように考えております。

 次に、軽度者に対する介護サービスの考え方についてお伺いをしてまいります。

 介護保険部会の意見書では、要支援者また軽度の要介護者への介護サービスについて、今後さらに高齢化の進展に伴い介護給付費が大幅に増加していくことが見込まれる中で、重度の要介護者や医療ニーズの高い高齢者に対して給付を重点的に行い、要支援者と軽度の要介護者に対する給付の効率化と効果の向上を図ることが適当か否かを検討する必要がある、このように提言をされています。

 高齢社会で健康に生きていくためには、何より、適切な栄養あるいは清潔な住環境、こういうものは不可欠であります。そして、重度化を予防していくことが介護保険の本来の目指す目的ではないかと考えております。生活援助などの訪問介護は、介護費用全体から見ると一割程度であります。自宅でできるだけ長く暮らしていただくためには、軽度からの生活援助というのは非常に重要であると考えております。また、高齢者の方々の希望でもございます。

 今回の改正では、軽度者に係る給付の見直しはなされず、先送りとなりました。大臣は軽度者に係る給付のあり方についてどのように考えていらっしゃるのか、この点についてお伺いをしたいと思います。

岡本大臣政務官 今御指摘の軽度者の方々に対する支援に当たりましては、地域の実情に応じて、多様なマンパワーや社会資源を活用しつつ、配食、見守り等の生活支援サービスも含めて、総合的で多様なサービスを提供していくとともに、本人の能力をできる限り活用して自立を目指すという観点に立って、社会参加や地域貢献を促しつつ、介護予防の取り組みを推進していくということが重要だというふうに考えています。

 今御指摘にありましたように、介護予防・日常生活支援総合事業につきましては、市町村の判断により、要支援、介護予防事業対象者向けの介護予防、日常生活支援のためのサービスを総合的に実施できる制度を今回創設し、事業を導入した市町村においては、市町村、地域包括支援センターが、利用者の状態像や意向に応じて、予防給付で対応するのか新たな総合サービスを利用するのかを判断することとなっております。

 利用者の状態像や意向に応じて、介護予防、生活支援、権利擁護、社会参加も含めて、市町村が主体となって総合的で多様なサービスを展開することで、先ほどからお話がありますように、軽度者の皆さんへの支援をより強化していく、こういう考えに立っているということを御理解いただきたいと思います。

古屋(範)委員 続いて質問してまいります。介護予防事業についてお伺いをいたします。

 地域支援事業の必須事業である介護予防事業、これは事業仕分けの対象となりまして、二回にわたり仕分けをされた結果、事業の効果の検証が不十分で、対象者を明確にすべきとされまして、予算要求の縮減となりました。

 そして、介護予防サービスの中でも需要度の高い訪問介護、通所の利用について、その利用が月単位となっているため、支援程度の十分な利用が望めないことが問題となっております。週一回の方も二回の方も同一料金で不公平だという声がございます。介護予防通所事業費の月額制を廃止して単位制に移行すべきではないか、このように思いますけれども、この点はいかがでしょうか。

岡本大臣政務官 今御指摘がありました介護予防サービスの中のいわゆる介護予防通所事業費の月額制を不公平だという御意見でございますが、現在、介護予防の通所介護の介護報酬につきましては、利用者の状態像から見てある程度標準化が可能であること、また、必ずしも時間をかけることが目標の達成に結びつくとは限らず、かえって柔軟なサービスを提供するその妨げとなるおそれがあること、こういったことを勘案して月額制としているところであります。

 引き続き、こうした仕組みは必要と考えていますけれども、いずれにしましても、介護予防通所介護、この介護報酬のあり方につきましては、平成二十四年度の介護報酬改定に向けて社会保障審議会介護給付費分科会において議論をしていく、こういった対象となるというふうに考えております。

古屋(範)委員 そろそろ時間ですので、最後の質問に移ってまいります。

 このたびの東日本大震災復興基本法案、公明党も提案をいたしております。人間の復興というものを基本理念に置いております。また、支え合う社会、共生社会、二十一世紀の地域社会の模範となる先駆的な取り組みを展開していきたい、このような法案の提案をさせていただいております。

 こうした支え合う社会、この中で、ボランティアポイント制度、予算委員会でも質問しましたけれども、非常に重要な制度ととらえております。介護支援ボランティアポイント制度、平成十九年に稲城市が全国で初めて導入をいたしまして、私も現地に行ってまいりまして、皆さん、生き生きと取り組んでいらっしゃいました。

 これがだんだんと広がってまいりまして、例えば、これは鹿児島県の霧島市なんですが、ボランティアは、子育てサロンで子供に対するボランティアも含まれる、このような制度になっているそうでございます。市内在住、六十五歳以上の高齢者、初めて活動に参加をする前に、年に一回の更新時には、市が開催する研修も行っているそうでございます。ボランティア活動を行うと、活動一時間につき百ポイントが付与をされて、手帳にスタンプが押されます。ポイントの上限は一日二百ポイント。一年間で五千ポイントということで、たまったポイントは、年度末に、百ポイント百円、上限五千円まで介護保険料の一部として換金され、現金が支給をされる、このような制度だそうで、スーパーとか飲食店、美容院など市内五十店舗の協賛店では五%から五〇%引き、このようなサービスもついているそうであります。

 こうしたボランティアポイント制度なんですが、私たち、この制度は新・介護公明ビジョンの中でも掲げております。大臣からも、予算委員会の答弁で、ぜひ普及をさせていきたい旨、前向きな御答弁をちょうだいいたしました。平成二十二年度補正予算として、介護基盤緊急整備等臨時特例基金に地域支え合い体制づくり事業分として二百億円積み増しをしていただいております。全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議でも、ボランティアポイントの制度化等へ支援、また支え合い体制づくりの徹底をしていただきました。

 再度、こうしたボランティアポイント制度、各自治体が積極的に活用できるよう、さらなる御支援をいただきたいと思っております。これについて、最後、お願いいたします。

細川国務大臣 古屋委員は、この委員会あるいはほかの委員会でも、ボランティアポイント制の意義についていろいろとお話をしていただきました。

 私も、委員が主張されておりますボランティアポイント制というのは大変意義のある重要なものだというふうに認識をいたしておりまして、自治体がそのような事業を積極的に行っていけるように、国の方としてもしっかりそれを支えていきたいというふうに考えております。

 そこで、二十二年度の補正予算におきまして創設をいたしました地域支え合い体制づくり事業を活用して、委員がお話しになるポイント制の取り組みを進めていただくように、全国の課長会議等を通じて周知、依頼もいたしたところでございます。

 さらに、今回の法改正において創設をいたします介護予防・日常生活支援総合事業におきましてもボランティアポイント制の導入を図るというようなことで、ボランティアポイント制のさらなる普及推進を図ってまいりたい、このように考えているところでございます。

古屋(範)委員 ありがとうございました。以上で質問を終わります。

牧委員長 次に、高橋千鶴子さん。

高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 まず、本題に入る前に、きょうは、社会保険病院と厚生年金病院の問題について伺いたいと思います。

 十六日、仙台市にある仙台社会保険病院と東北厚生年金病院に行ってまいりました。いずれも被災をしておりまして、仙台社会保険病院は、三病棟あるうち、第二病棟の三階から五階が壁じゅうひびが入っておりまして、患者さんは全員別病棟に移しておりました。厚生年金病院の方は、柱のほとんどが問題があって改修中でありました。地震発生当時は三百五十四名いた入院患者さんを一時は他の病院に移して二十名まで減らしたわけですけれども、今二百八十名まで戻ってきているということでございました。

 そこで、四月には大谷医政局長も東北厚生局長とともに視察をしたと聞いております。病院の被災には、先般成立をした財特法によれば、民間病院は二分の一、公立病院は三分の二の補助が出るわけです。それで、はて、これはどっちに入るのかなということで、何らかの補助が必要だなと思ったわけですけれども、どういうことになるのか、伺いたいと思います。

大谷政府参考人 国庫補助の考え方でございますが、まず、今回の第一次補正予算で計上しました医療施設等災害復旧費補助金につきましては、その設置主体の位置づけ、また財政構造を考えて補助対象が定められております。

 国とか独立行政法人が運営する、あるいは国立大学の法人、国家公務員共済組合、こうしたものについては、あらかじめ別の公的財源によって直接的に運営費が交付されるということでありますので、個別の措置がとられているということをかんがみて、これは国庫補助の対象外というふうになっております。

 今お話がありました厚生年金病院とか社会保険病院でありますが、御承知のとおり、もともとこれは旧社会保険庁が保険料財源で設置いたしました。旧社会保険庁の改革の中で、平成二十年に独立行政法人の年金・健康保険福祉施設整理機構、いわゆるRFO、こちらに出資されておりますが、そうしたもともとの性格から、このRFOは、緊急災害時の復旧等は、その施設整備は独自財源で行うという考え方になっております。

 したがいまして、今お話がありました病院につきましては、この施設を保有する独立行政法人、いわゆるRFOが法人の負担で必要な災害復旧の整備をしている、こういう整理でございます。

高橋(千)委員 実は、当日もRFOが査定に来ていたという話を聞きました。私は、公立病院なんだろうか、間に入ってこの補修ができないようなことがあっては困るという趣旨があったわけですけれども、逆に、今の答弁を聞いて、やはり、国や独立行政法人、こうした直接にお金が出ているところであるわけですので、国が責任を持っている病院と同じ並びなんだということで受けとめをさせていただきたいなと思うんです。違うのであれば、次の答弁の中で触れていただきたいと思うんですけれども。

 そこで、仙台社会保険病院は、被災の当日、電気、ガス、水道、すべてがとまりました。ところが翌日には、透析患者を抱えておりますので、水道局から給水車を出してもらって、貯水をして、午後からすぐに透析を開始したわけです。大量の水を必要とする透析は、中断すれば即、命にかかわるということで、ラジオなどを通じて透析患者を受け入れますと呼びかけたわけです。そこで、県内三十六の施設から延べ千六百四十五人、最大では五百十五名の患者さんを受け入れたわけです。機械は六十七台あるそうですが、透析時間を少し、二時間半ということで短縮はしておりますけれども、文字どおり不眠不休で治療に当たったということでありました。

 また、日ごろ巡回健診に行っております南三陸町に、健診カーで応援に駆けつけました。南三陸町には当時たくさんの医師たちが応援に来ているわけですけれども、レントゲンが撮れるとかエコーなどの基礎的な検査が可能であるということで、非常に歓迎をされたということを聞いております。地方の中小企業の健診にも活躍をしている社会保険病院の意義についてかつて本委員会で質問したことがありましたけれども、やはり災害の場でもそういう威力を発揮したのではないか、このように思っております。

 また、厚生年金病院は、宮城野区福室という津波がすぐ目の前まで来たところであるために、付近の住民を最大で千六百人受け入れたそうです。通信手段も途絶える中で、患者用の備蓄食料を職員と避難者にも提供してしのいだ、そういう本当に献身的な奮闘があったということを聞かされてまいりました。今度の震災で、改めて、地域から必要とされ、あるいは特色ある医療を提供している病院の役割が発揮されたのではないかと思います。

 独立行政法人地域医療機能推進機構法案が結局廃案になったわけでありますけれども、政府として、このまま受け皿であるRFOが期限切れになって、これらの病院の存続の根拠を失うことがあってはならないと思うわけです。その点で大臣の決意を伺いたいと思います。

細川国務大臣 今回の震災におきまして、社会保険病院あるいはまた厚生年金病院なども大きな被害を受けました。しかし、被害を受けながらも、医師や看護師さん、医療関係者が大変な努力をされまして地域の医療の確保に取り組んでいただいたということにつきましては、私も感謝をいたしております。

 今委員からもお話がありましたように、病院が被災をいたしまして、すぐに他の社会保険病院などから医師等が派遣をされたり、あるいは医薬品や食料品の物資の支援も受けまして、医療機能の維持、回復に努められた。そして、大変危険だった人工透析患者の受け入れとか、あるいはまた避難所とか他の病院まで医師の派遣をするなど、そういう意味で、地域の医療の確保にこの病院などが大変お役に立っていただいたということ。これは、社会保険病院などの存在の意義というのは、もう本当に、委員と同じように、私も強く感じているところでございます。

 そこで、社会保険病院などは、今その保有は、RFOで保有をいたしております。独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構が設立をされて、社会保険病院などの保有をしている。この目的は一体何かといいますと、必要な医療機能が維持され、地域の医療が確保されるということと、もう一つ、地域住民や自治体の理解が得られる、こういうことを条件に、これが満たされることに留意して、そして譲渡するためにRFOに病院等が保有をされている、こういうことになっております。

 そこで、そういう目的のための譲渡についていろいろ取り組んできていたわけでありますけれども、今回の震災のように、社会保険病院などの意義も大変強く発揮もされたところでございます。そこで、地域医療も確保して、病院の安定的な運営を図る、そのための新たな受け皿づくりが必要だということになれば、そのための法案というのも私どもで検討をしてまいりたい、このように考えているところでございます。

高橋(千)委員 大変丁寧な答弁をありがとうございました。

 各委員の皆さんも存続に向けてのさまざまな取り組みをしていただいていると思いますし、今大臣のそうした発言もございましたので、本当に現場の皆さんは待っていらっしゃいますので、存続の根拠を一日も早く法案として通していきたいということでよろしくお願いしたいと思います。

 さて、きょうの法案は介護保険法でありますけれども、私は、介護保険十年という大きな節目の中で行われる改正が残念ながらこのような非常時に審議をされるということに強い危惧を抱いております。与党の中ではさまざまに調整をしてきていらっしゃると思うんですけれども、まだ当事者団体の中ではほとんど説明を受けていない、あるいは利用者のほとんどは知らないのではないか、そういう声も上がっております。ですから、きょうはそのことは強く指摘をしておきたいということです。

 その上で十分な審議をお願いしたいということなんですが、きょうお話ししたいのは、震災の中で保険の枠組みを維持しているということの矛盾というのがやはり猛烈に出ているな、ここに来てまで保険かというのを感じていますので、そこに絞って質問したいと思います。ちょっと前の委員と重なっている部分があるかもしれないので、時間の関係があって二点まとめて質問をいたします。

 三月二十五日の当委員会で、私は、介護保険の要介護度に応じた利用の上限、利用限度額を撤廃すべきだと質問をいたしました。やはりもう既に現実に起こっていること、介護施設に避難した高齢者などが長期利用扱いとなって高額の請求をされたり、津波で家が全壊して介護施設に避難した女性が自己負担分十六万円も請求されたとか、そういう実例が既に出てきております。これは利用者からの苦情でもあり、事業者にとってもそういう仕組みだから仕方がないという声が上がっているわけです。なので、改めて、上限の撤廃、あるいは上限を超える負担について減免するべきだと思うが、いかがかということです。

 それから二つ目は、衛生状態の悪化、同じ姿勢でじっとしていたり、水をなるべく飲まないとか、あるいは環境の変化で認知症が進んだなど、新たに要介護状態になっている人もふえていると思います。一方、三県で要介護認定申請が少なくとも二千九百六十件滞っているということの報道もございました。私は、目の前に介護の必要な人がいるのに、認定がされていないからとかそういうことはやはりあってはならない、これはもう現場の判断でやるべきだと思いますが、この二点、お願いいたします。

大塚副大臣 まず一点目は、先ほど古屋委員もお取り上げくださいましたが、まさしく今委員も、災害が起きてなおかつ保険かというお言葉がありましたけれども、保険は、通常時、リスクをお互いに補い合うための制度であります。今回、これだけの大震災が起きている中では、通常の保険機能だけでは対応できない部分があるからこそ、特例の上に特例を重ねて今日までやってきておりますが、それでもなお足らざる点はさらに検討すべきだと思っております。

 特に第一点目の区分支給限度基準額については、御指摘の実例も踏まえて、被災県の実情に応じた取り組みをさらに進めていただきたいというふうに思っております。これは、先ほど局長の方からも御説明申し上げました地域支え合い体制づくり事業の七十億円、これなども活用していただければというふうに思っております。

 また、衛生状態の悪化を例にして、まだ要介護認定が行われていない方々への対応についても御指摘がありました。これについても、先ほど岡本政務官からも他の委員の方にお答え申し上げましたが、既に、要介護認定の申請前であっても、緊急やむを得ない理由があれば、市町村の判断により介護サービスの提供ができることとなっておりますが、しかし、なおかつ、さらにさまざまな事例が出てくると思っておりますので、現在、関係省庁及び関係政務の間で大震災に対応した特措法の必要性などの議論がもう始まっておりますので、そういう中でしかるべき対応をしっかり図りたいというふうに思っております。

高橋(千)委員 今、最初に御紹介いただいた地域支え合い体制づくり事業、これは資料をいただいたんですけれども、これを読んでも、上限分の負担に対して使えるというのが読めないわけですよね。だから、ほとんどの人に知られていないだろうということで、自己負担しなくてもいいんだよということをきちんと徹底していただきたいと思います。

 それから二点目の、申請前であっても市町村の判断でできるということ、これは災害にかかわらず基本的に介護保険法でできるわけですよね。そういうことを、実は今回、災害で本当に非常時だから保険の枠組みを超えようよということを私は言いました。同時に、本来、市町村の判断でできることはやはりやっていこうじゃないかと。目の前に介護の必要な人を放置するようなことがないように、こちらから出かけていっても介護が必要な人を発見するような体制、本当はそれは昔はそうだった、この介護保険ができるまでの流れの中でそういうことがあったんではないかなと思うんですけれども、やはり今回の介護保険の改正はそういう、災害から学んで必要な見直しを、もっといいものにしていかなければならないのではないかということで、次の機会にまた続けて質問したいと思います。

 ありがとうございました。

牧委員長 次に、中島隆利君。

中島(隆)委員 社会民主党の中島隆利でございます。

 質問の前に、震災対策の雇用対策について、一つだけ御要望をさせていただきたいと思います。

 震災から二カ月がたっておりますが、先日、私ども社民党で現地の視察を行いました。私も岩手、宮城を視察させていただきました。そこで避難されている方々に何カ所かでお会いしてお話を聞きました。その中で一番訴えられましたのは、やはり仕事がしたい、仕事ができるようにしてほしい、こういう訴えを涙を流しながら必死に訴えられました。

 そこで、震災による失業者が今十万人を超えている。今、連日ハローワークには十万近くの皆さん方が相談に行かれている。相談に行かれても、恐らくまずは雇用保険受給ではないかと思いますが、この雇用保険、離職証明もできないという状況の中で大変な状況ではないかと思いますが、ぜひ離職者の雇用保険の緩和、早急に支給できるような体制をぜひとっていただきたいということ。

 もう一つは、既存の事業者の復興を早く支援していただいて、そして事業を興し、雇用を創出する、継続する、こういうことにひとつ努力をしていただきたい。この点につきましては、やはり二重ローンを解決する必要があると思いますので、ぜひ雇用対策に総力を挙げて、各省庁連携して取り組んでいただきたいと思います。

 そこで、本日の質問でございますが、まずは、二〇〇六年に導入されました介護予防の効果についてお尋ねをいたします。

 介護保険法が施行されまして十一年がたちました。利用者本位、あるいは自己決定、介護の社会化をキャッチフレーズに、それまで女性が親、夫などを介護するのが当たり前だという時代から大きく変わったと思います。介護のある暮らしが普通になりました。介護保険のサービスを受ける方は、二〇〇〇年の百四十九万人から二〇一〇年には四百三万人と二・七倍に膨らんでおります。それだけ介護が社会化したと言えますが、財政的な負担も増しております。

 そういうこともあって、二〇〇五年の改正は、社会保障費の伸びを毎年二千二百億円抑制する、こういう小泉改革の真っただ中であったわけであります。いかに財政負担を減らすのかという観点からの改正となりました。

 そこで出てきたのが予防給付、介護予防事業、いわゆる介護予防だと思います。認定を受けていない人、まだ軽度と言われる高齢者に元気でいてもらいたい、あるいは介護保険財政を軽減したいということがねらいであったのではないかと思います。ところが、実際には、高齢者のために設備された筋トレマシンあるいはこういうものがほこりをかぶっている、こういう話も聞いております。この制度のために介護認定を低くされてしまったという話もあります。

 厚生労働大臣は、二〇〇五年の法改正を受け二〇〇六年から実施されてきましたこの予防給付、介護予防事業についてどのように総括をしておられるのか、お聞きしたいと思います。

細川国務大臣 介護予防につきましては、これは、要介護状態になる、それを事前に予防するというそのことと、今度は、要介護状態になったとしても可能な限り地域において自立した生活を営むことができる、そういうことを支援の目的といたしまして、予防給付や介護予防事業が創設をされたところでございます。

 この介護予防、予防給付につきましては、介護予防継続的評価分析事業におきまして効果を分析いたしましたところ、導入により、状態の悪化者数の減少が認められているという報告になっておりますし、また、介護予防事業につきましては、一部の自治体ではありますけれども、要介護認定率の低下などが見られる、そのような効果が認められているところでございます。

 ただ一方で、予防給付につきましては、生活援助が中心として提供されており、本人の能力をできる限り活用した自立支援あるいは利用者の状況に応じたサービスの提供が不十分である、こういうことも言われておりますし、介護予防事業につきましては、利用者の参加率が低い、事業の運営が非効率であるというような課題があるというふうに認識をいたしているところでございます。

 これらの課題を踏まえまして、さらに効果的、効率的な予防給付、介護予防事業が行えるように、反省も含めまして、今後取り組んでまいりたい、このように考えているところでございます。

中島(隆)委員 市町村独自の取り組みであるとはいえ、介護予防制度の導入時には本当に効果があるのか大きな議論になったことを考えれば、少ない事例、今言われましたように、参加率が低いとか非効率だとかいう意見がございましたが、現に、介護予防事業の参加者は目標の五%に対して〇・五%しかいないということ、どこが根本的な欠陥であるのかということであります。それから、現場では、介護給付、介護予防事業の導入によって、介護一、介護二から、要支援一、要支援二に認定を下げられるという声や、あるいは炊事、洗濯や散歩など、生活援助が削られたので使い勝手が悪くなった、こういう声が多く出ていることは御承知だと思います。

 現在、要支援一、要支援二に認定されている介護者は全体の二〇%を占めています。しかし、給付額は全体の五・六%のサービスだけしか受けていないわけであります。

 このように、介護財政の膨張を抑制するという目的を持った改革ではなかったのか、介護予防によって軽度の人たちは介護保険制度からかえって遠ざかったのではないかと思いますが、いかがでしょうか。この点についてお尋ねします。

細川国務大臣 介護予防につきましては、先ほども申し上げたように、高齢期を迎えた方が、積極的に介護予防に取り組むことによって、残された心身機能を活用しつつ、尊厳を持って自立した生活の実現を目指すものでございます。これによって介護保険制度の基本理念であります高齢者の自立支援の実現が可能になると考えておりまして、軽度者を介護保険制度から遠ざけるものではないというふうに考えております。

 軽度者の人、要支援の人数でありますけれども、これは、平成十八年度には七十五万九千人であったものが平成二十二年度には百二十五万八千人、こういうことで、大変ふえているということでも、この制度が実質的に機能しているというふうにも考えられます。

 一方で、これまでの介護予防は、自立支援に資するサービス提供が不十分だ、利用者の状態に応じた適切なサービス提供が不十分である、こういう指摘もあって、先ほども申し上げたとおりでございます。

 このため、厚生労働省としましては、今後、介護予防サービスの提供実態を把握いたしまして、介護予防においての自立に資するサービスが十分提供されるよう、平成二十四年度の介護報酬改定に向けまして、介護給付費分科会などにおいて検討を進めてまいりたい、このように考えておるところでございます。

中島(隆)委員 それでは、今回の法改正の関連につきまして質問をいたします。

 今回の改正の目玉の一つは、介護予防・日常生活支援総合事業です。この事業では、介護予防、生活援助、権利擁護、社会参加など、地域全体で高齢者の生活を支える総合的で多様なサービスを、自治体が認定した事業、いわゆる企業、NPOなどが提供するものであります。また、対象者は、要支援と非該当を行き来するような高齢者となっております。要支援一、要支援二も含まれている。

 そこで、お伺いいたします。

 一つは、介護予防・日常生活支援総合事業を行うかどうか市町村が判断をするわけでありますが、実施する市町村はどれくらいあると見込んでおられるのか。

 二つ目は、市町村の判断に任せると、厳しい財政事情の市町村はサービスを抑制しようとします。その結果、市町村によっては対応がばらばらになるのではないかということ。

 三点目は、前回の改正で、介護予防の新設によって、要介護一、要介護二という軽度の人たちの切り捨てにつながりました。今回、介護予防・日常生活支援総合事業が創設されても、被保険者に従来どおりの介護サービスを選択、利用する権利は保障されるでしょうか。もし、介護サービスではなく、この新制度に自動的に移るようなことがあれば、要支援一、要支援二という人たちを介護保険から追い出すことにつながるのではないかという危惧をいたしています。

 この三つの点についてお尋ねいたします。

宮島政府参考人 三つお尋ねでございました。

 この事業は、見守りとか配食の生活支援サービスも含めて、要支援者などに対して総合的なサービスを提供するということで、要支援者に対する支援、介護予防を推進するということです。

 これは市町村の判断に基づき実施されるものですので、現時点において実施市町村の見込み数はまだ把握しておりませんが、今後、各市町村、第五期に向けて介護保険事業計画の作成を始めますので、その位置づけなどを通して具体化されると思っております。

 それで、市町村の判断により導入が決定されるということですが、財源の構成においては、現行の予防給付と同じでございまして、国庫負担や二号保険料があるということでございます。ですから、比較的、市町村の財政という意味では、やりやすい形になっている。

 それから、軽度者の切り捨てにならないのかという点でございますが、ここはケアマネジメントで個々の利用者に対するサービスが提供されますが、予防給付と同等のサービス、これも行うということでございますし、予防給付の方で望む方はそちらでやってもらってもいいというようなことで考えておりますので、必ずしも要支援者のサービス縮小につながるということはないというふうに考えているところでございます。

中島(隆)委員 それでは四点目ですが、今回の改正のもう一つの目玉が、二十四時間対応定期巡回あるいは随時対応サービスの創設です。前回の改正では夜間対応訪問介護事業が創設されました。この延長線上に新たな事業を行うとしていますが、今きめ細かいサービスが求められていますから、大筋に趣旨は理解しますが、しかし、本当に機能するかどうか、懸念をいたします。

 前回の改正で創設された夜間対応型訪問介護事業については、全国で六千百件程度しか利用されていない。会計検査院からも指摘をされているわけでありますが、今回の改正で設置しようとしている定期巡回・随時対応サービスも同じようなことになりはしないか心配しているわけですが、これについてお尋ねいたします。

岡本大臣政務官 御指摘の夜間対応型訪問介護は、利用者が日中と夜間を通じたサービスが受けられない、また、従業員の確保が難しく、勤務ローテーションを組みにくいといった課題が指摘をされてまいりまして、委員御指摘のような実績状況であります。

 今回、定期訪問と随時対応を組み合わせて提供するサービスにおきましては、利用者のニーズをしっかり酌み取っていかなければいけないというふうに思っていますし、より運営しやすい仕組みを導入できるというふうに考えています。

 いずれにしましても、モデル事業の結果を踏まえて具体的な基準や報酬設定を行うということにしております。

 また、会計検査院から指摘をされたという点につきましても、十分対応していかなければいけないというふうに考えております。

 市町村が公募を通じた選考によって事業者を指定できるような仕組みを提供することとしておるところでございまして、適切なサービス提供確保にしっかり取り組んでまいりたいと思っております。

中島(隆)委員 時間が参りましたので、介護保険制度は高齢化社会を支える上で極めて重要な制度であります。今回の改正が、国による公的負担をふやさない、こういう方向ではなくて、やはりサービス内容を向上させるために公的な負担をふやしていく、こういう必要があると思いますので、そういうことを強く申し上げて、質問を終わらせていただきたいと思います。

牧委員長 次に、柿澤未途君。

柿澤委員 みんなの党の柿澤未途でございます。

 今の、直前の質問と若干重なってしまいますが、今回の介護保険法改正案の柱の一つであります二十四時間対応型の巡回サービスについて私も質問をしたいと思っております。

 医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスを切れ目なく、有機的かつ一体的に提供する地域包括ケアシステム、これを目指す、その柱として、単身重度の要介護者等に対応できるよう二十四時間対応の定期巡回・随時対応型サービス、また複合型サービスを創設するとしているわけです。

 在宅での介護を進めるのが国の方針で、そのためには夜間における在宅介護の体制が欠かせないということですけれども、しかし、二〇〇六年の介護保険法改正に伴い、地域密着型サービスとして新しく始まった夜間対応型訪問介護、夜間対応型サービスは、サービス事業者もふえず、また利用も進んでいないわけです。

 とうとう昨年十月には、会計検査院から、利用率が低迷しており、交付金等による事業効果が発揮できていないということで、是正を求める意見書まで出されているわけです。

 調査した百一事業所のうち、確認できた九十六事業所で、ケアコール端末の利用度が三〇%未満の事業所が四十事業所、サービス休止が二十六、廃止していた事業所が七事業所というふうに言われております。

 いろいろ資料を当たってみると、大牟田市がひとり暮らしの高齢者が介護スタッフとテレビ電話で連絡をとれる介護保険サービスというのをやっていたんですね。国の夜間対応サービスのモデル事業として二〇〇六年から開始をして、国から九千万円補助金交付を受けて、テレビ電話三百台を導入した。何と、利用者は三人しかいなかったというんですね。

 そういうことで、夜八時から朝六時までの夜間限定だったのを、今度、二十四時間対応のサービスにするそうで、これも国の二十四時間対応型巡回サービスのモデル事業として、国から二千五百万円補助金交付を受けるんだそうです。将来的には、対象を要介護以外の高齢者まで広げて三百人、テレビ電話三百台の利用を目指そうということを言うんですけれども、これは、テレビ電話というツールが独居高齢者に抵抗があったのかもしれませんし、わかりません。利用条件など制度上の不備があったのかもしれませんけれども、しかし、五年間、五年前から制度があって、三百件を目指して、九千万使って、たった三件しか利用されていないということなんです。

 どんな理由があるにせよ、これはニーズのあるサービスなのかということをやはり考えなければいけないというふうに思うんです。こういう形で、夜間対応サービス、残念ながら、今までは事業者もふえず、利用者も伸びなかった。こういう利用の度合いの低調さをどういうふうに総括するのかというのが極めて大事だと思いますが、御見解を伺います。

細川国務大臣 今委員が指摘されましたような事例があったこと、これについては十分総括をして反省もしなければというふうに思います。なぜ夜間の対応型訪問介護がそのような形で低調であったのか、こういうことについてはいろいろ反省もしなければいけないと思いますが、これまでの夜間対応型訪問介護は、夜間だけのサービス類型であったということが原因になっているのではないかというふうに思っております。

 やはり、要介護者の人たちにとっては夜だけではなくて日中も、夜、昼通じてサービスが受けられるということを望んでいるのではないかと。したがって、夜間だけだとそれが受けられないということで利用されなかったのではないかというふうに思いますが、もう一つ、やはり事業所から見ますと、なかなか従業員を確保しがたい、夜間だけだと勤務のローテーションがなかなか組みにくい、こういうような課題も指摘されておりまして、そういう意味で利用が少なかった。しかし、二十三年一月のサービス分は、六千百人の利用者があったということでもございます。

 今回の定期巡回・随時対応サービスは、日中、夜間を通じて、定期訪問と随時対応型を組み合わせて提供するということで、利用者のニーズにも十分対応できるということ。また、事業者の方も、日中、夜間両方やりますから、そういう意味では運営のしやすい形でありますから、そういう意味でぜひ普及を図っていきたいというふうに考えております。

柿澤委員 今の御答弁は、この委員会のきょうの質疑で何度か繰り返された部分もある御答弁だと思います。時間もないので、ぜひ御答弁は簡潔にお願いをできればというふうに思っております。

 こうした夜間対応型サービスの利用が低調な理由として、会計検査院が何と言っているかというと、需要調査を十分行っていない、こういうふうに言っているわけです。実際にどれだけ利用されるかということに関する調査を、需要調査をしっかり行わずに、こうすれば利用してもらえるんじゃないかと見込みでやっても、結局同じことが起きるのではないかというふうに思います。

 今回、二十四時間地域巡回型訪問サービスのあり方検討会というのがあって、その報告書がまとめられています。それによると、利用者の高齢者からのコールに対して、オペレーターが利用者の状態を把握して、電話等での対応を通して適切に解決を図るオペレーションシステムが重要であると書かれています。これが随時対応型の肝だと思います。

 ところが、会計検査院の先ほどの調査では、夜間対応型巡回サービスでも同じような形で、ケアコール端末というのを配って連絡手段として使っていただいていたわけですけれども、一万三千台の端末に対して利用は三割ということで、七割が使われていない、四十九事業者がケアコール端末を放置または廃棄していた、こういうことなんですね。こういうふうになっている現状の検証を全くしないで、オペレーションシステムという違う言葉を使って巡回サービスの制度の中心に据えるということであれば、結局同じことが起きてしまうのではないかと思うんです。

 要介護度四や五、重度の要介護高齢者が基本的にこのサービスを利用されるという前提だと思いますので、こういう方々がこういう随時対応可能なケアコール端末を本当に使えるということだったのかどうか、これをまず総括して、果たして、それじゃ電話だったらかけてくれるのか、今度電話なわけですけれども、こういうことについて本当に真剣に考えなければいけないと思います。こうした夜間対応型巡回サービスのいわば失敗の教訓をきちんと総括していないから、結局同じことをやろうとして、今度はオペレーションシステムですよ、こういう話になっているのではないかというふうに思うんです。

 こういう前提に立って制度をつくって、二十四時間対応型巡回サービスのニーズというのが本当に出てくるというふうに考えておられるんでしょうか。私は、この二十四時間対応型巡回サービスの意義を否定するものではありませんけれども、やり方次第によっては同じことの繰り返しになる、こういうふうに思っておりますので、御答弁をお願い申し上げたいと思います。

宮島政府参考人 今までの介護の訪問サービスというのが、一つは日中だけで、重い方になると比較的長時間、一時間半ぐらいに一回行くというようなタイプのものと、それから今御指摘がありました夜間だけのもの、この二つのタイプだったということです。

 それでは在宅で要介護の重い方に対応できないということで、今回の定期巡回型というのでは、一日に、早朝とか朝食時、お昼、三時ごろ、夕方、それから準夜というようなことで、定期的に入ることと随時の対応、随時の安心を組み合わせようということで考えております。

 いろいろ、夜間対応のときのシステムについての利用の頻度が少なかったということについて、私どもも、会計検査院の指摘をよく踏まえて、今回の定期巡回・随時対応サービスのモデル事業を今やっておりますが、五月現在で、四十三の自治体からやってみたいという申請も上がってきているところですので、こういった結果も踏まえながら、今後、報酬設定や基準の議論がしっかりできるような形での設定を行っていきたいと考えております。

柿澤委員 先ほど申し上げたように、三百件の利用を見込んでテレビ電話を入れて、五年間で三件。これが低調だったというレベルと表現できるのかどうか、私は本当に真剣な総括が必要だと思います。

 事業所のことについても申し上げたいと思います。

 今回のあり方検討会の報告書では、事業モデルのシミュレーションとして、一定の条件下ではありますけれども、四十五人の利用者に対して、一事業者、介護職員は十五・八人から二十二・八人という常勤換算数が必要であると想定されています。この人数を確保できる事業所が地域で一体何事業所あるのか。そして、これで最低限の利潤を上げて事業を継続的に運営していけるんでしょうか、非常に疑問に感じます。

 そもそも、夜間対応型巡回サービスも事業所のなり手が全くなかった、こういうことが一つの反省材料になっている状況で、これだけの常勤換算の職員数を要するというものに本当に手を挙げる事業所がそんなにあるのかというふうにも思います。

 仮に特定の圏域で二十四時間巡回サービスのサービス事業者にどこも手を挙げなかったという場合は、そこにいる方々はどうなるんですか。どういう対応を厚生労働省としてはされるおつもりなんですか、お伺いをしたいと思います。

大塚副大臣 そういう事業者がどこも手を挙げないという仮定に基づいて議論をするのはちょっと避けさせていただきたいなと思うんですが、今年度予算に盛り込まれているモデル事業が、先ほど先生が御指摘くださっているような夜間対応型のサンプルケースと同じようなことにならないように、モデル事業そのものをしっかりとフォローしながら、その後の事業者の皆さんの参考になるような成果を上げていくことだというふうに思っております。

 それと同時に、今回、全体としての大きな方向性が地域包括ケアシステムというものを目指しているわけですから、恐らく個別の事業者だけを頼りにした体制では不十分でありまして、その地域の行政や医療関係者も含めて、では、二十四時間巡回サービスを介護事業者の方がやってくれるとトータルとしてこの地域はうまくいくんだという全体の構想があってこその成功だと思いますので、このモデル事業を含めて、現場任せにしないで厚生労働省としてしっかりコミットしていくべきことだと思っております。

柿澤委員 仮定に基づいて特定圏域で事業者が手を挙げなかったらどうだろうということを今の段階では考えるべきではない、こういうお話かもしれません。

 しかし、今回まではだめだったけれども、今度やってみて成果が上がるだろうから、やってみて様子を見ましょうということで本当にいいのかどうか。夜間対応型サービスを、夜間だけだったからだめだから、二十四時間にすれば必ずニーズが出てくるんだということを本当に言えるのかどうか。これだけの低調な状況、しかも、地域包括ケアというわけですから、あまねく地域にこういうリソースが生まれてこなきゃいけないわけですけれども、全く今までのプラクティスではそうした実効が上がらなかった、そういう前提に立った上で新しい制度をやろうとするわけですから、本当にこれで実効が上がるのかなというふうに思います。それで結局影響をこうむるのは地域で生活をしている高齢者の皆さんなわけですから、本当に真剣に考えていただきたいと思います。

 今度の二十四時間巡回型サービスの制度というのは、単身重度の要介護者等に対応できるように創設をされたものだというふうに理解をしております。なので、当初は、要介護度三以上に限定をする、そういう議論が行われていたはずですけれども、ところが、いつの間にかその限定が外れてしまいました。要するに、要介護度の低い高齢者や要支援といった軽度の高齢者をこの利用者に繰り込むことによって利用者数を確保して事業所が経営していけるように、こういう配慮ではありませんか。

 これは、包括定額払いを前提としてこういう形で要介護度の低い方も利用者の対象に入れようとすると、事業者からはどういうインセンティブが働くかといえば、要介護度の低い高齢者を多く集めて訪問回数を減らして、その分収益を上げよう、こういうふうになってしまいかねないのではないですか。いわば、重度の方々、自宅で生活をする在宅の重度の要介護者にサービスを提供しようということでやっていたにもかかわらず、結果的に要介護の低い人に対する逆選択が起きてしまうのではないかと思います。

 こういう形で、二十四時間巡回サービスの対象を要介護度三以上、重度の方に限定をするという当初の考え方を転換した理由は何なのか、お伺いをしたいと思います。

大塚副大臣 要介護度の低い方々でも、当然、夜間も含めて日中お世話になっている介護事業者の方々にサービスしていただきたいというニーズはあるであろうという前提で組み立ておりますので、先生御指摘のような趣旨では全くございません。

柿澤委員 私が申し上げているのは、今の包括定額払いの中で、こういう形で要介護度の低い人も入りますよということになってしまえば、そっちの方にサービスの重点を置いて訪問回数を極力少なくした方が利益が上がる構造になってしまうじゃないですか、こういうことを申し上げているんです。

 そして、それには理由があって、結局、ここまでの夜間対応型巡回サービス、随時対応もしてきた、こういうものの利用が低調だったので、利用者の数をふやす、確保するためにこうした要介護度の低い人も利用者の対象に含める、それで事業所に対して、これだけの利用者を確保できますよ、だからやってください、その経営上の理由としてこうした方々を対象に入れているということなのではないかというふうに、私はこれまでの歩みを見て、今回の制度を見て思わざるを得ないと思うんです。

 これに対してはできれば弁明を求めたいと思いますけれども、もう時間も過ぎておりますし、またこれから質疑の機会もあろうかと思いますので質問は終わりとさせていただきますけれども、こうした過去の反省に立って、しっかりと利用者のための制度をつくっていただくようにお願いを申し上げまして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

    ―――――――――――――

牧委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。

 本案審査のため、来る二十四日火曜日午前九時、参考人として東京大学名誉教授・社会保障審議会会長・社会保障審議会介護給付費分科会分科会長大森彌君、財団法人日本訪問看護振興財団常務理事佐藤美穂子君、一般社団法人日本介護支援専門員協会会長木村隆次君、東京介護福祉労働組合書記長田原聖子君、立教大学コミュニティ福祉学部福祉学科教授服部万里子君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

牧委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、来る二十四日火曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十二分散会


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