衆議院

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第20号 平成23年6月15日(水曜日)

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平成二十三年六月十五日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 牧  義夫君

   理事 郡  和子君 理事 中根 康浩君

   理事 藤田 一枝君 理事 柚木 道義君

   理事 渡辺  周君 理事 加藤 勝信君

   理事 田村 憲久君 理事 古屋 範子君

      青木  愛君    石毛えい子君

      石森 久嗣君    稲富 修二君

      大西 健介君    岡本 充功君

      工藤 仁美君    斉藤  進君

      田中美絵子君    高井 崇志君

      竹田 光明君    玉木 朝子君

      中野渡詔子君    長尾  敬君

      仁木 博文君    初鹿 明博君

      樋口 俊一君    平山 泰朗君

      福田衣里子君    宮崎 岳志君

      山口 和之君    山崎 摩耶君

      吉田 統彦君    あべ 俊子君

      鴨下 一郎君    菅原 一秀君

      棚橋 泰文君    谷畑  孝君

      長勢 甚遠君    西村 康稔君

      松浪 健太君    松本  純君

      坂口  力君    高橋千鶴子君

      阿部 知子君    柿澤 未途君

    …………………………………

   厚生労働大臣       細川 律夫君

   厚生労働副大臣      大塚 耕平君

   厚生労働大臣政務官    岡本 充功君

   政府参考人

   (文部科学省スポーツ・青少年局スポーツ・青少年総括官)          有松 育子君

   政府参考人

   (厚生労働省健康局長)  外山 千也君

   政府参考人

   (厚生労働省医薬食品局長)            間杉  純君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局安全衛生部長)       平野 良雄君

   厚生労働委員会専門員   佐藤  治君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月十五日

 辞任         補欠選任

  樋口 俊一君     高井 崇志君

  三宅 雪子君     中野渡詔子君

  江田 憲司君     柿澤 未途君

同日

 辞任         補欠選任

  高井 崇志君     樋口 俊一君

  中野渡詔子君     三宅 雪子君

  柿澤 未途君     江田 憲司君

    ―――――――――――――

六月十五日

 難病、長期慢性疾患、小児慢性疾患の総合対策を求めることに関する請願(阿部知子君紹介)(第一二七〇号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第一二七一号)

 同(池坊保子君紹介)(第一二七二号)

 同(桑原功君紹介)(第一二七三号)

 同(佐田玄一郎君紹介)(第一二七四号)

 同(佐藤ゆうこ君紹介)(第一二七五号)

 同(坂本哲志君紹介)(第一二七六号)

 同(武部勤君紹介)(第一二七七号)

 同(永江孝子君紹介)(第一二七八号)

 同(野田毅君紹介)(第一二七九号)

 同(三宅雪子君紹介)(第一二八〇号)

 同(河村建夫君紹介)(第一三一九号)

 同(高野守君紹介)(第一三二〇号)

 同(玉木朝子君紹介)(第一三二一号)

 同(山崎摩耶君紹介)(第一三二二号)

 同(玉木朝子君紹介)(第一三四八号)

 同(北神圭朗君紹介)(第一三六四号)

 同(田村憲久君紹介)(第一三六五号)

 同(武田良太君紹介)(第一三六六号)

 同(玉木朝子君紹介)(第一三六七号)

 同(道休誠一郎君紹介)(第一三六八号)

 同(山口和之君紹介)(第一三六九号)

 同(近藤洋介君紹介)(第一四八六号)

 同(坂口力君紹介)(第一四八七号)

 同(松浪健太君紹介)(第一四八八号)

 同(宮本岳志君紹介)(第一四八九号)

 大幅増員と夜勤改善で安全・安心の医療・介護の実現を目指すことに関する請願(阿部知子君紹介)(第一二八一号)

 同(亀井静香君紹介)(第一二八二号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第一三二三号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第一三四九号)

 同(山崎摩耶君紹介)(第一三七〇号)

 小規模作業所等成人期障害者施策に関する請願(阿部知子君紹介)(第一二八三号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第一二八四号)

 同(網屋信介君紹介)(第一二八五号)

 同(石田祝稔君紹介)(第一二八六号)

 同(亀井静香君紹介)(第一二八七号)

 同(櫛渕万里君紹介)(第一二八八号)

 同(高村正彦君紹介)(第一二八九号)

 同(佐藤ゆうこ君紹介)(第一二九〇号)

 同(武部勤君紹介)(第一二九一号)

 同(遠山清彦君紹介)(第一二九二号)

 同(永江孝子君紹介)(第一二九三号)

 同(野田毅君紹介)(第一二九四号)

 同(三宅雪子君紹介)(第一二九五号)

 同(稲田朋美君紹介)(第一三二六号)

 同(打越あかし君紹介)(第一三二七号)

 同(大島理森君紹介)(第一三二八号)

 同(金子恭之君紹介)(第一三二九号)

 同(河村建夫君紹介)(第一三三〇号)

 同(後藤斎君紹介)(第一三三一号)

 同(高野守君紹介)(第一三三二号)

 同(福井照君紹介)(第一三三三号)

 同(鷲尾英一郎君紹介)(第一三三四号)

 同(菅川洋君紹介)(第一三五一号)

 同(浜田靖一君紹介)(第一三五二号)

 同(柳田和己君紹介)(第一三五三号)

 同(北神圭朗君紹介)(第一三八〇号)

 同(古賀敬章君紹介)(第一三八一号)

 同(佐田玄一郎君紹介)(第一三八二号)

 同(武田良太君紹介)(第一三八三号)

 同(山崎摩耶君紹介)(第一三八四号)

 同(近藤洋介君紹介)(第一四九四号)

 同(志位和夫君紹介)(第一四九五号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一四九六号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第一四九七号)

 同(中村喜四郎君紹介)(第一四九八号)

 同(宮本岳志君紹介)(第一四九九号)

 同(森山浩行君紹介)(第一五〇〇号)

 同(吉井英勝君紹介)(第一五〇一号)

 同(若泉征三君紹介)(第一五〇二号)

 てんかんのある人とその家族の生活を支えることに関する請願(阿部知子君紹介)(第一二九六号)

 同(佐藤ゆうこ君紹介)(第一二九七号)

 同(向山好一君紹介)(第一二九八号)

 同(高野守君紹介)(第一三三五号)

 同(富田茂之君紹介)(第一三三六号)

 同(三宅雪子君紹介)(第一三八五号)

 同(山崎摩耶君紹介)(第一三八六号)

 同(宮本岳志君紹介)(第一五〇三号)

 福祉充実のため人材確保対策を求めることに関する請願(阿部知子君紹介)(第一二九九号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第一三八七号)

 同(笠井亮君紹介)(第一三八八号)

 同(穀田恵二君紹介)(第一三八九号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第一三九〇号)

 同(志位和夫君紹介)(第一三九一号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一三九二号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第一三九三号)

 同(宮本岳志君紹介)(第一三九四号)

 同(吉井英勝君紹介)(第一三九五号)

 マッサージ診療報酬・個別機能訓練加算の適正な引き上げを求めることに関する請願(阿部知子君紹介)(第一三〇〇号)

 国民が安心できる医療制度を求めることに関する請願(塩川鉄也君紹介)(第一三二四号)

 塩原視力障害センターと伊東重度障害者センターの存続に関する請願(城内実君紹介)(第一三二五号)

 同(山崎摩耶君紹介)(第一三七一号)

 同(遠藤乙彦君紹介)(第一四九三号)

 不妊患者の経済的負担軽減に関する請願(泉健太君紹介)(第一三五〇号)

 最低賃金千円の実現に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一三七二号)

 同(笠井亮君紹介)(第一三七三号)

 同(穀田恵二君紹介)(第一三七四号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第一三七五号)

 同(志位和夫君紹介)(第一三七六号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一三七七号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第一三七八号)

 同(宮本岳志君紹介)(第一三七九号)

 労働基準法違反に対する罰則をより重罰化するとともに、労働基準監督署の人員体制と監督権限の強化を求めることに関する請願(城内実君紹介)(第一四八三号)

 患者・利用者負担を大幅に軽減し、いつでも安心して受けられる医療・介護の実現を求めることに関する請願(城内実君紹介)(第一四八四号)

 同(宮本岳志君紹介)(第一四八五号)

 後期高齢者医療制度即時廃止、安心の医療を求めることに関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第一四九〇号)

 社会保障としての国保制度の確立を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一四九一号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第一四九二号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 予防接種法及び新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済等に関する特別措置法の一部を改正する法律案(第百七十四回国会内閣提出第五四号、参議院送付)


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     ――――◇―――――

牧委員長 これより会議を開きます。

 第百七十四回国会、内閣提出、参議院送付、予防接種法及び新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済等に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として文部科学省スポーツ・青少年局スポーツ・青少年総括官有松育子君、厚生労働省健康局長外山千也君、医薬食品局長間杉純君、労働基準局安全衛生部長平野良雄君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

牧委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

牧委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。加藤勝信君。

加藤(勝)委員 おはようございます。自由民主党の加藤勝信でございます。

 まず、法案の議論に入る前に、きょうの新聞を見ておりましても、会期末、いよいよ迫ってまいりますけれども、さらに相当大幅に延長する、こういうお話も出てきておりますが、厚生労働省関係で、要するに、この委員会含めて、国会含めて、早期に片づけなければいけない、特に震災の復旧復興関係について、具体的に何かこれから出てくるもの、予定しているもの、そういうものがあれば、大臣からちょっと教えていただきたいと思うんですが。

大塚副大臣 今先生の御下問の趣旨は、新しいものとしてという意味でございますか。

 震災関係の対応は、これは日々いろいろな課題がございますので、必要なものは速やかにというふうに思っておりますが、例えば二重ローンの問題、これは医療機関等の再建に向けても、医療機関が持っておられた既往債務をどうするかというようなこともございますので、こうしたことも今検討課題に入っております。

加藤(勝)委員 二重ローンは前から議論があるところでありますけれども、厚生労働省プロパー的なものでは余り今具体的なお答えをいただけなかったな、こういう所感を申し上げて、次に行きたいと思います。

 まず一つは、年少扶養控除の廃止。所得税は既に行われ、住民税は来年六月から行われるわけでありますけれども、この年少扶養控除の廃止に伴う影響が、例えば保育料とかさまざまなものに及ぶということで、政府の中でたしかいろいろ議論されておられたというふうに聞いているんですが、この間地元で、ある保護者の方から、一体どうなるのかよくわからない、このままいくと来年の保育料が上がってしまうのではないかと思って市役所に行った、市役所の担当者がよくわからない、県に聞いてみたけれども何かはっきりしない、こういうことなら、ことしの働き方によって来年の保育料が変わってくるわけですから、もうこれならパートを少しやめなきゃいけないんじゃないか、こんな御相談もありまして、いや、多分そうではないと思いますよ、多分影響がないようにやっていますよ、こういうふうに私は申し上げたんですが、その辺の方向について、どうなっているのか。

 また、今申し上げた、窓口の市町村等々でしっかり保護者の方からの御相談に答えていただかないとかえって不安が高まるわけでありますから、それに対してどういう対応をとってこられたのか、あるいはとっていかれようとしているのか、そのことをまずお示しいただきたいと思います。

細川国務大臣 おはようございます。きょうもまたよろしくお願いします。

 年少扶養控除の見直しに伴います保育料への影響などにつきましては、昨年十月に、政府の方の税制調査会のもとで控除廃止の影響に係るプロジェクトチームというのができておりまして、その報告書におきまして、扶養控除廃止の影響をできるだけ遮断する方式で対応する、こういうことにされたところでございます。

 保育料に関しましては、ことしの一月に、扶養控除廃止に伴う影響が出ないような方式で対応する方針だ、こういうことを厚生労働省の方から地方自治体の方に既に通知をいたしておりまして、具体的な対応方法がまとまり次第、地方自治体の方に早急に通知をすることといたしたいというふうに考えております。

加藤(勝)委員 今そういう形で取り組んで、すなわち、できる限りというのは、あやのところはありますけれども、基本的には遮断されるということだと思います。その方針をしっかりと市町村を通じて保護者の方にお伝えをいただくということが、やはり安心して子育てにつながるということになると思いますので、そこはもう一工夫していただくことをお願いしたいと思います。

 それから次に、国立ハンセン病療養所の関係について幾つか御質問させていただきたいと思います。

 ちょうどこの五月、六月というのは、平成十三年五月に国の違法性あるいは過失を認める熊本地裁判決が出された、あるいは国が控訴しないことを決定した、さらに、この六月には、ハンセン病療養所入所者等に対する補償金の支給等に関する法律が施行された、それからちょうど十年目を迎えるわけであります。平成二十一年にはハンセン病問題の解決の促進に関する法律も既に施行されているわけでありますが、そういう中で、先日も全国ハンセン病療養所入所者協議会の方々等々からも、いろいろと今お話をいただいております。

 その中で、大きく三つ御議論があるというふうに認識をしております。

 一つは、大島青松園の官用船の件であります。平成二十二年度にその官用船の船員の方々がお二人定年退職を迎えられた、それを契機として、民間委託をするということでいろいろ議論があった結果、それは撤回をされて、引き続き官用船の掛かりで維持するということになっているわけでありますが、また今年度末にもお一人の方がおやめになるということで、全体でいうと、かなりの方が、正社員というか職員の方がいらっしゃらなくなってきている。

 そういう中で、この定員の補充という問題に関して、昭和五十八年の五月二十四日の閣議決定というのを根拠に補充採用がなかなかできない、こういうふうにもお聞きをしているわけでありますけれども、入所者のそうした実情に応じた定員のあり方に万全を期すべきだという国会決議が出されておるわけでありますし、あるいは、先ほど申し上げたハンセン病問題の解決の促進に関する法律の基本理念、こういうことを踏まえると、一律の閣議決定の適用というのはいかがなものなのかというふうに思うわけであります。

 また、少なくとも、官用船による運営というこの基本方針は今後とも堅持するということははっきりと打ち上げていただきたいと思っておりますが、その点に関して大臣の御見解をお示しいただきたいと思います。

細川国務大臣 この大島青松園と高松を結びます官用船の運航につきましては、これからしっかり継続をしていかなければというふうに思っております。

 今年度につきましては、委員が言われましたように、二名の職員が昨年度で定年退職になるということで、そのときに、これを民間委託という考えも持ったこともありますけれども、しかし、これは引き続き官用船でやっていく、こういうことになり、そして、職員も再雇用ということで引き続き働いていただいております。

 また、今年度末でもう一人また定年ということになりますけれども、この方につきましても、引き続き再任用、こういうことでやっていきたいなというふうに私は思っております。

 この運航体制そのものについても、先ほど私は引き続きというふうに申し上げましたが、近々、ハンセン病の入所者の皆さん方と協議もすることになっておりまして、そこで、その協議に基づいて、こちらから正確にお答えを差し上げたいというふうに思っております。

加藤(勝)委員 今、引き続きというところに、協議に向けての大臣としての御姿勢は出てきたというふうに認識をさせていただきたいと思います。

 ただ、一点申し上げておきたいのは、再任用になると大体給料が三分の二になるんですね。同じ仕事をして三分の二になる。これは別に本件だけではなくて、雇用延長する場合、同じような問題を抱えているわけでありまして、その点も含めてしっかり御議論をいただいて、先ほど申し上げた閣議決定に対して改めて、これは閣議決定ですから閣内の話になるんだと思いますけれども、厚労省としてその辺についての問題提起、問題意識をしっかり持っていただきたいというふうに思います。

 それから、全国に今十三施設ありまして、私の地元岡山にも、長島愛生園、邑久光明園と二つあるわけでありまして、入所者数は二千二百七十五名、これは五月一日現在ですが、平均年齢が八十一・六歳、八十一歳を超えておられるわけであります。そういう意味で、医療に加えて介護という面でのケアが相当強く求められているわけであります。

 そこで、過去に、介護員、どっちかというと看護助手の方が中心になっている介護員の福祉職としての定員化を要求したけれども、残念ながらそれが認められなかったというお話も聞かせていただきましたけれども、例えば、介護福祉士の資格を有する介護の専門家、これを定員化して要求していく、こういうふうなことが今必要ではないかと思います。これはまあ、交渉事の話ですから今すぐに結論とは言いませんが、そうした要望をしていくということに対して、大臣の御姿勢をお示しいただきたいと思います。

細川国務大臣 ハンセン病療養所の入所者がだんだんとお年を召していく、そして体がさらに不自由になっているというような状況の中で、介護の方の充実というのは、これは私も同じように強くその意識は持っているつもりでございます。

 そこで、御指摘のように、これはできるだけ介護職員が定員化されるような形で私も要求をしていきたいというふうには思っておりますけれども、現時点では、この介護員は、人事院が示している福祉職俸給表の適用の考え方に沿っていないというふうにされておりまして、福祉職としての定員化というのはなかなか困難だというふうに人事院の整理をされておりますので、それについては、だから、私どもの方は、ぜひ福祉職としての定員化の方で要求をしていきたいというふうに考えております。

 まあ、いろいろ難しいところもございまして、人事院が示す福祉職俸給表の適用に沿ったような形で位置づけができるかどうかという問題が一つと、それから、介護職員の中には、介護福祉士の資格を持った方と、そうでなくて同じような仕事をされている方、そういう方がおりますので、そういう人たちをどういうふうに位置づけるかというような問題等もありまして、いろいろそういうことも克服していかないとこの定員化というのはなかなか難しいというふうに思いますが、私どもとしては、そういう方向性だけはしっかり持ちながら要求をしていきたいというふうに思っております。

加藤(勝)委員 しっかり要求していくという強い姿勢をお示しいただきまして、ありがとうございます。

 最後に、医師の確保の関係で、やはり全国的にも医師不足というのは点々とあるわけでありますけれども、療養所における医師確保の現状について、大臣、どのように認識をされておられるのか。また、実際、相当医師不足が深刻化しているわけでありますけれども、その理由ですね。

 私はお話を聞くと、やはりほかの周辺のところで働くのに比べると、なかなか給与面で、処遇面で劣位に置かれている、要するに競争的ではない、こういうふうに聞いておりますけれども、そういったものを、これはなかなか、国家公務員の体系の中にありますから非常に難しさはあると思います。しかし、難しい難しいと言っているうちにお医者さんがいなくなってしまうということではどうしようもなくなるわけでありますから、そうした手当を含めた処遇改善、こういったものにも取り組んでいくべきだと思っておりますが、まず現状、医師不足の現状、理由、そしてそれへの対応、その辺をどう考えているか、簡潔にお答えいただきたいと思います。

細川国務大臣 ハンセン病療養所の医師不足でありますけれども、現状はどうなっているかと申し上げますと、定員は全体で百四十四名でありますが、ことしの四月一日現在で百二十一名、充足率は八四%でございまして、年々、この充足率は下がってきております。

 この医師不足につきましては、これは委員も御承知のように、日本の国全体でいろいろと医師不足問題が問題になっておりまして、それと同じように、このハンセン病療養所では、なかなか労働条件といいますか、それがよくないというようなこともあって医師不足になっているのではないかというように思っております。

 したがって、こういう状態が続くことは、これは療養者の皆さんにとって大変よくないことでありますから、私どもといたしましては、地元の自治体とかあるいは医療機関等、さまざまなところに働きかけをいたしまして、調整などをさせていただきながらこれまで取り組んでまいりましたけれども、現状の状況でございます。

 したがって、厚生労働省としては、これまでもいろいろな形で、医師募集に関する情報などもホームページに掲載をいたしたり、あるいはまた、パンフレットをつくって医師の募集などに取り組んでまいりましたけれども、さらにそういうことについては積極的に取り組んでいきたいというふうに考えております。

 また、手当などの処遇改善、これも大変重要なことでありまして、これまでにも手当の増額などについて改定を行ってきたところでありますが、さらに努力をしていかなければというふうに思っております。

 なかなか、民間並みの給与待遇というような、そういうところは難しいところもありますけれども、しかし、この国会決議、いろいろなところでハンセン病の療養をされている方、あるいは入所者の方、これらの方々に対するきちっとした支援というのをやっていかなければなりませんので、このことについては、国会の決議なども尊重しながら、私どもとしては積極的にやっていきたいというふうに考えております。

加藤(勝)委員 今、園長さんのなり手というんですか、医療職、今、そういう定員のお話がありましたけれども、常勤化されている方というのは余りいらっしゃらないというふうにも聞いているわけでありまして、いわんや、園長さんもなかなか確保ができない、こういう状況でありますので、今お話しになったいろいろなことはあると思いますけれども、やはりこのハンセン病に係る歴史的な経緯、もうあえてここでは申し上げませんけれども、そういったことも踏まえていろいろ知恵を出していただいて、しっかり要望をしていただきたい、そのことを申し上げておきたいと思います。

 それでは、インフルエンザの法案に対して質問させていただきたいと思います。

 これは随分、参議院で議論があってから衆議院で議論するのに約一年以上経過をしておりますけれども、当初、参議院では、私どもは、去年の四月でありますが、反対をいたしました。

 反対をした理由を幾つか申し上げておきますと、まず、あのとき相当衆議院でも議論いたしましたが、接種回数を初め相当な混乱があったこと。それから、これは結果としてという部分はありますが、ただ、その接種回数の混乱も含めて、輸入ワクチンを中心に大量に余ってしまったということ。それから、国産ワクチン生産体制の整備強化が必要ではないか、あるいは、健康被害に対する損失補償について、外国のメーカーには認められるけれども国内のメーカーには認められないという問題。さらには、接種費用を含めた予防接種のあり方。こういった点が不十分ではないかということで反対をさせていただいた。

 こういう経緯があるわけでありまして、きょうは、その辺を一つ一つ確認させていただきながら、私どもとしての対応を考えさせていただきたいというふうに思います。

 まず一点目、ちょっと順番は変わりますけれども、予防接種の費用に関してでありますけれども、二十一年の十一月、一昨年の十一月の当委員会の附帯決議において、「将来発生が見込まれる新型インフルエンザに係る予防接種についての被接種者の費用負担の在り方については、今後、季節性インフルエンザの予防接種の費用負担の状況、他の予防接種の費用負担の在り方、諸外国における予防接種に係る制度等を踏まえ、検討を行うこと。」という決議が行われているわけであります。

 この間、他の予防接種の費用負担ということでは、Hibワクチン等々についてもいろいろな対応が今なされているわけでありますが、そうした検討を踏まえた結果、今回の法案では、従前と同じような費用負担、すなわち、低所得者の減免分あるいは健康被害救済分については、国が二分の一、都道府県が四分の一、市町村が四分の一、すなわち一般の方については全額自己負担、こういうことになっているのでありますが、これが検討の結果ということでございますか。

細川国務大臣 二十一年の十一月二十六日の附帯決議、この附帯決議に基づきまして、私どもとしましても、この点について検討をしてまいりました。

 二十一年の十二月に、厚生科学審議会感染症分科会のもとに予防接種部会を設置いたしまして、緊急に講ずべき措置等について検討をしていただいたところでございます。

 同部会におきまして平成二十二年二月に取りまとめられました提言を踏まえまして、新型インフルエンザ接種の費用負担につきましては、一つ、抗原性が高い場合におきましては、臨時接種としての接種を受ける努力義務を国民の皆さんに課した上で、接種費用の全額を公費負担、このようにいたしました。一方で、抗原性が高くない場合におきましては、相対的に社会防衛の要素が小さくて、個人の受益の要素も有しているということを踏まえまして、経済的な困難者を除きまして、接種を受ける方に対しては一定の費用負担を求めることが適当だということで、一定の整理を行ったところでございます。

 このような整理に基づいて、今回のこの予防接種法改正案では、新たな臨時接種を設けまして、低所得者の方々には負担軽減を図った上で、接種を受ける方からは実費徴収を行うことができるということにしたところでございます。

加藤(勝)委員 それは、部会を設けられて、現在の費用負担の枠組みの中にどう位置づけるか、そういう議論のようにお伺いをしたわけでありますけれども、同時に、単にこの負担だけではなくてさまざまな点について、まさに予防接種のあり方について議論をしていく、その抜本的な改正、こういうのを当然視野に入れられるべきだと思うんですね。

 この法案の附則の第六条で、「政府は、伝染のおそれがある疾病の発生及びまん延の状況、改正後予防接種法の規定の施行の状況等を勘案し、予防接種の在り方等について総合的に検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする」という、あり方全体を議論していくという方向性がこの中に示されていると私は思うんですね。

 そういう意味で、今大臣がおっしゃったのは、当面の、今の全体の枠組みを維持するという中で、今回の新型インフルエンザというものをどこに位置づけるかというお話であって、全体のフレームワークそのものはこれからしっかり議論をしていく、その中には費用負担のあり方も含めて議論をしていく、こういうふうに考えるべきだと思うんですが、そういう認識でよろしいんでしょうか。

細川国務大臣 この抜本的な改革につきましては、昨年から、これまた予防接種部会でさまざまな観点から御議論をいただいておりまして、その中で、接種費用のあり方、対象疾病等についても御議論をいただいております。

 具体的には、予防接種部会で、昨年の秋に、子宮頸がん予防ワクチン等の対応についての意見書がまとめられました。また、ワクチン評価に関する小委員会も設置をいたしまして、各疾病・ワクチンにつきまして、疾病の個人及び社会に対する影響、費用対効果等を検討して、ことし三月には報告書を取りまとめたところでございます。

 そこで、予防接種法の抜本改正に関する論点の中には、恒久的な財源の確保や国と地方の役割分担など、さまざまな課題がございます。また、費用の件についても、これもまた抜本的な改革の中で議論もしなければいけないことだと思いますけれども、この抜本的改革につきまして、今検討を進めているところでありまして、結論を早く出せるように努力をしていきたい、このように考えております。

加藤(勝)委員 今のお話にありましたHibワクチン、肺炎球菌あるいはヒトパピローマウイルス等について、今は暫定的に対応されているわけでありますから、これらも含めて全体として、予防接種の費用負担あるいは対象、それについての評価、これをしっかりやっていただくということで、これから、だらだら議論をしてもしようがありませんから、一定の年限を限って結論を出していただきたい、出していただけるということで、次に進めさせていただきたいと思います。

 二つ目は、先ほど少し申し上げました予防接種の接種回数について、政治主導という名のもとに、我々の認識からすれば二転三転してしまっている、しかも、その間、この委員会でも議論をいたしましたけれども、どうも、いろいろな話を聞く聞き方も必ずしも適正ではなかったのではないかという思いがするわけであります。

 そういう意味で、この平成二十二年六月の報告書、先ほども大臣がおっしゃった報告書でありますが、そこでは、ワクチンの接種回数などについては、「決定までのプロセスを明確にし、できる限り開かれた議論を、根拠を示しながら行うとともに、その議事録等をできる限り速やかに公表すべきである。」ということになっているわけでありますが、この間の議論を考えると、まさに新型インフルエンザというのは突然来るわけですね。それからつくり始めていたのでは、これは間に合わない。

 やはり常に、そういうことがあったときには、こういうメンバーの入ったこういう組織で、今申し上げた接種回数等々、その専門的な議論はしっかりしてもらうという枠組みが必要ではないかと思っているんですが、その辺はどう対応していこうというふうに考えておられるんですか。

細川国務大臣 冒頭で、接種回数などについていろいろな混乱があったのではないか、こういう御指摘がございました。私どもとしましては、科学的な知見を集めて、多くの専門家の御意見をお聞きして、最終的に行政として判断をしたところでございます。

 ただ、そういう最終的な厚生労働省としての結論、これが、そうでない内容が厚生労働省の最終的な結論だというようなことが報道をされたりいたしまして、これはもう大変現場で混乱をされたというようなこともありまして、厚生労働省としての最終的な考え方が現場にしっかり周知できなかったということについては、これは大変反省もしなければいけないというふうに私は思っているところでございます。

 そういう意味で、新型インフルエンザの対策総括会議におきまして、こうした点も含めまして、この対策全般について検証をいただいて、先ほど出ました、昨年の六月に、接種回数などに関する決定プロセスの明確化等について御提言もいただいたところでございます。それらを踏まえまして、今、内閣官房を中心といたしまして、政府全体で新型インフルエンザ対策行動計画の見直しの検討を行っているところでございます。

 委員の御指摘のように、現場への周知方法や、あるいは接種回数等に関する決定プロセスの明確化など、具体的なところも行動計画の見直しのところで今検討をさせていただいているところでございます。早急な具体化をしっかり図っていかなければというふうに思っております。

加藤(勝)委員 大臣、その行動計画というのは非常に、要するに新型インフルエンザが発生するまでにつくっていかなきゃいけない。多分この法案もそういうことだと思うんですね。であれば、この法案をお出しになるときに、少なくとも行動計画、今御議論されている、せめて骨子ぐらいはお示しをいただかないと、やはりそれが両々あって初めてこの法案も生きてくるんだと思うんですが、その辺は、骨子というんですか、細かいことまでは申し上げませんけれども、その辺がどうなっているのか。

 これはまだ、きょうで審議が終わるわけじゃありませんから、この審議の中でぜひお示しをいただきたい。そのことを強くお願い申し上げたいと思います。

 それでは、次に行かせていただきたいと思います。

 いわゆるワクチンによる健康被害に係る賠償に関して、やはり先ほど申し上げた、二十一年十一月の当委員会の決議においても、その「政府補償の在り方については、我が国におけるワクチン開発の振興を図る観点から検討を行うこと。」すなわち、内外の無差別、この場合は外国企業が優先されて国内企業がむしろ劣位に置かれている、こういうふうに私は認識をしているんですが、それを解消すべきじゃないか、こういう趣旨でありますけれども、今回の法案では、やはり前回と一緒に、政府による損失補償契約の締結の対象は海外ワクチン製造販売業者、こういうふうにされているわけでありますけれども、先ほど申し上げた決議と今回のこの法案における内容、この関係をどのように考えておられるんですか。

大塚副大臣 委員御指摘のとおり、この法案が海外ワクチンメーカーの補償に偏重しているのではないかという御指摘があることは重々承知をしております。しかし、そのことと、先ほども御指摘のありました行動計画も含めて、できるだけ早い時期に、我が国は国産メーカーによる新型インフルエンザ対策をしっかりと構築できるように今対応しております。

 先生も御承知のとおり、細胞培養法でできるだけ短期間に必要な数を確保できるような準備を五年以内に整えるということで今対応しておりますので、その間の暫定的な対応といたしましては、今回の法案の枠組みで何とかしのがせていただきたいということでございます。

 内外のメーカーに対する対応が極力差が出ないようにはいたしたいというふうに思いますが、できるだけ早く最終的な形に近づけて、行動計画と補償ともども、しっかりとした枠組みをお示ししたいというふうに思っております。

加藤(勝)委員 ちょうどその辺の、国内メーカーの、いわゆる国内における生産能力の増強が具体的にどう図られていくのかの見通しを後でお伺いしたいと思うんですが、今のお話によると、政府による損失補償契約というのは暫定的なものであって、元来これはすべきではないというふうに私には聞こえたんですが、これは、国内のメーカーにも適用するということも含めて議論の余地が私はあるのではないかと。その点はぜひ、これから議論の中で取り組んでいただきたいと思います。

 同時に、今回の法案では、損失補償契約の締結の場合、国会の承認を得る、こういうことになっているわけであります。前回の審議において、契約内容というのは、まさに民間契約だからなかなか開示ができません、お示しすることができません、こういう話でありました。特にこれは価格に関することが中核であったからだと思うんですが、国会で承認を受けるということであれば、当然、契約書そのものの開示というものがなければ、承認しようとしても承認できないということになると思うんですが、その辺について、すなわち契約内容の国会における提示について、しっかりと契約書そのものをお示しいただくことになる、こういうふうに認識しておいてよろしいんですか。

細川国務大臣 この法案に書かせていただいております損失補償契約というものは、世界的な規模で需給が逼迫している、あるいは逼迫するおそれがある、この場合、そしてまた、早急に確保しなければ国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあるというふうに認められるときに、外国メーカーとの契約で、ワクチンによる健康被害が生じた場合の賠償について補償するという契約を締結する、こういうものでございます。

 これは国会の方に提出をして事前に御承認をいただく、こういうことでありますから、これは私としては当然、先ほど私が申し上げました、そういうような要件に合致をしているかどうかというような判断の資料とともに、契約書をしっかり国会に提出して御審議いただくということを考えております。

加藤(勝)委員 今お話にありますように、しっかりそういったものをお出しいただくということが前提になっている、こういうふうに理解をさせていただきたいと思います。

 それでは、先ほどの損失補償契約との絡みで、国内ワクチンの生産力を高めていく、こういうお話がありましたけれども、具体的にいつごろまでに国内のワクチンにおいて必要量が一〇〇%供給される、どういう見通しを持っておられるのか。

大塚副大臣 先ほども申し上げましたが、五年以内というふうに申し上げましたが、具体的には平成二十五年度、これは二十一年にこの問題が発生いたしましたので、二十五年度を目途に生産体制が整備できるよう最大限の取り組みを今行っております。

 そのために、先ほど申し上げました細胞培養法によるワクチン生産体制の構築に取り組んでおりまして、これまでのところ、第一次事業として、実験用工場の整備を行うために、昨年七月に四事業者を選定して、その対応を行っております。さらに第二次事業として、今度は実験用ではなくて実生産工場の整備を行うために、ことし三月に事業者の公募を行いました。現在、採択に向けた申請者の評価を行っておりますので、こうしたプロセスを経て、平成二十五年度には間に合わせたいというふうに考えております。

加藤(勝)委員 一日も早く、その体制、特に、日本の国内におけるワクチンのメーカーについて、どちらかというと脆弱だという言い方が適切かどうかよくわかりませんけれども、その辺の基盤も含めて、しっかりとした体制をつくっていくということが必要であります。特に日本の場合、残念ながら、ワクチン後進国、こういうふうに称されている部分もありますから、そういった部分の解消を含めて、生産体制もしかりでありますし、また、承認等に対する評価の話等々も先ほど出ましたけれども、そういったことに対してもしっかり対応していただきたいというふうに思います。

 それからもう一つ、先般の、前の新型、だから古い新型インフルエンザというと何か定義がおかしいですが、前の新型インフルエンザが出たときにいろいろな議論がありました。そのときに、一つは、優先接種の対象をどうするかという議論もありまして、この委員会等でも、たしか保育所とか幼稚園で当たっている先生方をどうすべきか等々の議論もあったと思うんですが、もう一つ、ワクチンを実際供給されている方々、薬の卸さん等々ということになるんだと思いますが、そういう皆さんも対象になっていなかった。

 こういうことで、その辺全体の、今回、東日本大震災でも、サプライチェーンなんていう言葉が改めて注目されておりますが、全体の仕組みがうまく流れるようになっていなければ、残念ながら、どこかにボトルネックを起こせば適切な供給というものもとどまってしまうわけでありますから、改めてその辺もしっかり議論をしておいていただきたいと思うんです。

 それからもう一つ、最後に在庫の問題。当初、医療機関における在庫をどうするかということで議論があって、それが多分報告書等でもいろいろ議論があったと思うんですけれども、最終的に、在庫について、いわゆる製造メーカー等がその在庫を引き取らざるを得なかった、こういうことでありました。しかも、その価格が、残念ながら、御自身たちが生産したコストではなくて、たしか国内と海外を含めた平均の価格になっていたというふうに記憶をしているんです。

 いずれにいたしましても、これから新型インフルエンザが広まったときには、政府としてワクチンメーカーに対して、きちっと供給してくれ、生産をふやしてくれ、当然こういう依頼をしていかざるを得ないし、また、していくべきだと思うんですが、その結果として、思ったほどワクチンの接種が進まなかった、逆に言えば、感染が早過ぎてワクチンが追いつかなかったという場合もあるかもしれません。そういうときに、では、最後、在庫分は全部またメーカーが引き取りなさいよというのは、これはいささか国としての責任は果たしていないというふうに思うんですが、こうした在庫の発生等に対して、国としてどういう方針で臨んでいかれるのか、それについての方針をお示しいただきたいと思います。

大塚副大臣 結論から先に申し上げれば、まだその方針そのものは決まっておりません。

 ただ、新型インフルエンザの対策総括会議におきまして、さまざまな御提言を昨年の六月にいただきました。その後、在庫の問題、流通の問題も含めまして、新たに、ことしの一月に、関係者との間で意見交換会も行っております。さらに、流通業者も参加する新型インフルエンザ専門家会議において、今先生が御指摘の点も議論をし、ことし二月に会議の意見を取りまとめたところでございます。

 今後は、在庫の問題も含めた行動計画をできるだけ早くお示しをしたいとは思いますが、当然、今先生御指摘のとおり、不合理に流通業者に損失を負わせるということはあってはならないことだと思っております。

 最後に、この関連の質問の一番最初の大臣の答弁のところで、抗原性と申し上げた部分は、病原性でございますので、あわせて訂正をさせていただきます。

加藤(勝)委員 今お話がありました在庫の問題、結果的にそれを製造メーカーに押しつけているということは、透明性ということからいうと、多分、どこかで押しつけていたら、どこかで何かしてあげなきゃいけないという、ある意味ではゆがみが出てくると私は思うんですね。だから、ここの部分できちんと責任を果たすべきことは果たし、別のものはしっかりとやるという、やはりそれが大事な部分だし、国民からの信頼にもつながるというふうに思います。

 発生も、新型の発生というのは、たしかあのときは夏ぐらいからあったと思います。もう時間がないわけであります。少なくとも、今申し上げた在庫の部分とか、そういうことは早期に結論を出していただいて、この委員会中には大きな御方針はお示しいただけるものと思って、私の質問は終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

牧委員長 次に、仁木博文君。

仁木委員 民主党・無所属クラブ、仁木博文でございます。質問の機会を賜りましたこと、ありがとうございます。

 まず冒頭に、三月十一日に発生しました東日本大震災で多くの皆様方が命を落とされました。このことに対しまして御冥福をお祈り申し上げるとともに、私もその後、被災地の方に足を運んでおります。今なお避難所やあるいは各方面で、現地で頑張る被災者の皆様方に対しまして、お見舞いを申し上げたいと思います。

 さて、今回のこの予防接種法の質問ではございますが、あの発災直後、避難所の中でも多くの感染症という二次災害に至るようなこともありました。ノロウイルスやロタウイルスあるいは肺炎球菌等々が起因菌となったと思っておりますし、また、もちろん、一般の風邪と言われますRSウイルスの感染もあったというふうに思います。

 この予防接種法のことでございますが、政権交代しまして、これは公明党さんの皆さんの御協力もありましたが、平成二十二年度の補正予算におきまして、子宮頸がんワクチン、Hibワクチン、そして小児用肺炎球菌ワクチン、この三種のワクチンの補助事業というものが始まりました。これは、今までワクチン行政、先ほど加藤議員の話もありましたが、ワクチン後進国というふうなことを世界からも言われるようになった現実から考えてみますと、かなり大きく進歩、前進したというふうに考えますが、厚労省の御見解というのを聞かせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

岡本大臣政務官 御指摘のとおり、どういったワクチンを接種するかというのは、累次にわたって改正をしてまいりました。

 今回、今御指摘の子宮頸がん予防ワクチン、Hibワクチン、肺炎球菌、これは小児用ですけれども、ワクチンについては、緊急に一通りの接種を推進するための助成事業を平成二十二年度の補正予算で措置をしたところでございますが、これについては、国の関与により公的に接種を推進するワクチンを拡充したというのは、平成六年に破傷風ワクチンを追加して以来、実に十六年ぶりにこういった改正を行ったわけでありまして、我が国のワクチン行政にとって大変大きな一歩であったというふうに認識をしているところであります。

 ちなみに、平成六年の前は、昭和五十一年に予防接種法を改正した後に、麻疹、風疹、日本脳炎等が追加をされるというようなことがありますが、実際に、破傷風については、平成六年より前も実質的に予防接種を行われていたわけでありまして、そういう意味でいうと、本当に新たな意味で加わったというと、昭和五十一年に大きく前進をした例がある。これから比較をすると、大変長い期間ぶりの大きな一歩であった、私どもはそのように認識をしております。

仁木委員 ありがとうございます。

 やはり、ワクチンというのは、国民に安心、安全を与えると同時に、そういった安心、安全を担保するということも逆に重要でございます。私の妻も、息子、そしてまた娘が二人いまして、この事業の方を非常に喜んでおります。

 しかし、悲しいことに、ことし三月までに七例のそういった死亡例が報告され、そして一カ月間、その接種の方をやめるというふうな状況がありました。

 しかし、最近になって、熊本市の方で、再開後一例の、細菌性髄膜炎ワクチンの、Hibワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンにおいて、同時接種で死亡例が出てしまいました。そのことに対する御見解というのを賜りたいと思います。

岡本大臣政務官 御指摘のとおり、昨年の事業開始以来、これまでも何件か、予防接種と関連が必ずしも否定できないという意味で、厚生労働省の方に死亡例の報告があったところでありまして、三月二日から四日にかけては同時接種した後に死亡した例の報告が続いたために、念のために、これらのワクチン接種を一時的に見合わせて、専門家による評価を行おうということを考えたわけであります。

 この専門家会議も複数回開催をいたしまして、三月二十四日に開催された専門家による会議において、同時接種に関して安全性についての懸念はないとされ、一定の条件のもとで接種を再開して差し支えない、こういった意見が取りまとめられたところでありまして、厚生労働省では、接種対象者の方々が安心して接種を受けられるようリーフレットやQアンドA等を作成し、四月一日より接種を再開したところであります。

 御指摘のように、再開後の接種による初めての死亡が、因果関係があるのではないかと推測をされる事例が六月十三日に熊本市において公表されたところでありますけれども、解剖所見においては乳幼児突然死症候群疑いとされているところでありまして、現在、詳細な調査及び専門家による評価を進めているところでありますけれども、正確な情報、そしてそれを迅速にお伝えしながら、皆さん方に安心感を持って予防接種に応じてもらえる、そのような環境を整備していきたいと考えております。

仁木委員 ありがとうございます。

 今、EBM、エビデンス・ベースド・メディスンという、根拠に基づく医療というのが医療の現場では主流となっております。そういう中で、私たちは予防医学ということに力を入れておりまして、特に、一次予防の最たるこのワクチンというのは大切なことでございます。そのことも、もちろん、先ほど質問する際に申し上げた安心、安全あっての話でございます。

 次の質問というのは、こういったワクチンが、国が新たにまた発信して進めていくこの三種ワクチン、導入されたワクチンの実施状況というのをお聞きしたいと思っております。と申しますのは、ここ東京都内では、二十三区内であったとしても、窓口での、いわゆる患者さん、国民の皆さんの負担に違いがあるというようなことも報告されておりますので、その点もあわせてよろしくお願い申し上げます。

外山政府参考人 子宮頸がん等ワクチン接種事業につきましては、平成二十三年度中には、すべての市町村において、少なくとも子宮頸がん予防ワクチン、Hibワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンのいずれかのワクチン接種が実施される予定となっております。

 また、自己負担につきましては、事業の実施や対象ワクチン、対象者の範囲などを含めまして、実施主体である市町村が定めることとなっております。

 御指摘の東京都を含めまして、市区町村ごとに自己負担額にばらつきがあるのは事実でありますけれども、厚生労働省といたしましては、できるだけ接種を受ける方の負担が重くならないよう、対象事業費の九〇%までを公費にて助成できる仕組みとしたところでありまして、御理解いただきたいと考えております。

 なお、平成二十三年二月一日現在、全国的に見ますと、八〇%以上の市町村が全額を公費負担しているところであります。

仁木委員 ありがとうございます。

 ただ、各国の実情からしましても、そういった公費助成的なサービスがあったとしても、実際、国民が接種していない例もあります。特に、疾病にもよりますけれども、接種率を上げることによって集団免疫が確立する、それによって結果的にそのワクチンの効果が高まる、そういうこともありますので、これはやはり国から、あるいはヘルスリテラシーという中での学校あるいは地域での教育、いわゆる啓発活動というのは非常に重要だと思いますので、その点も今後とも考えて取り組んでいただきたいと思います。

 次に、そういったワクチンを、今回震災を受けられている被災地で受けられない事態が起こっておりますし、また、これは都道府県が受けて市町村が実際行っているのが現実でございますが、例えば、福島県の方が、他県へ移動してしまっているがためにこういったことを受けられないというような例もあります。

 そしてまた、先ほど岡本政務官の方からお答えいただきましたけれども、三月から四月のこの空白期間、あるいは、子宮頸がんワクチンに関しましては、一時期そのアンプル数、いわゆるワクチンそのものが供給不足に陥って、受けられない期間もありました。

 こういったことの関係で、例えば新たにそういったワクチンが受けられる期間を設けるとか、そういったことがあるのかどうかということをお聞きしたいと思いますし、また、冒頭に申し上げたように、この三種のワクチン事業というのは、本当に、政権交代してのシンボル的なワクチン行政の変化だと思っております。これを絶やさないためにも、来年度以降、こういった事業に対する継続を私は強く求めていきたいと思っていますし、それがひいては予防接種法の抜本改正を踏まえているということを思っておりますので、そのことに対する御見解のほどをよろしくお願い申し上げます。

岡本大臣政務官 御指摘の、三月の接種できなかった期間をどうするかというのは確かにありますが、実質的にこの一カ月でできなくなる方が出てくるということは余り想定しづらくて、四月以降にまた接種をしていただけるというふうに考えておりますし、また、子宮頸がんワクチン等については、対象年齢を、高校生の中でも幅を持って接種ができるように、こういう対応をとっておりまして、いわゆるキャッチアップをどうしていくかということについても対応をとっているところです。

 それで、来年どうするんだ、こういう議論でありますが、まさにこれが我々としても課題でありまして、ぜひ先生方にも応援をしていただきたいわけでありますけれども、厚生労働省としては、当然のことながら他の省庁との関係もありますから、ここでやりますと断言をすることはできませんが、しかし、始めている以上は、この事業を来年の三月末でやめるという選択肢というのはなかなか考えにくいなというふうには思っています。

 しかし、今お話をしましたけれども、関係省庁との関係もありまして、これから議論を進めていく課題であります。恒久的な財源の確保や国と地方の役割分担などの課題、そしてまた費用負担のあり方、こういったものを、予防接種部会においての議論が進められておりますので、こういったものとあわせてこれから検討していくということにならざるを得ないとは思っております。

仁木委員 私も、実は地元で、この三種ワクチンの事業が始まって、仁木さん、これ、地元で私の娘、息子は受けられるのとか、質問に遭います。これが例えばその弟さんとか妹さんに受けられなくなると家族の中でも不公平感が生じますし、そういった世代間の不公平感をなくす意味でも、先生がおっしゃられたように、私たちも頑張っていきたいと思います。

 さて、先ほど質問もありましたけれども、二〇〇九年、政権交代後、新型インフルエンザH1N1、そういったエピデミックを通り越してパンデミックになるような状況が生じて、日本も、メディアを中心に大きな話題となりました。実際、その予防接種の接種方法、優先順位等々でも問題になったところでございます。

 今、そういうことを踏まえて、新型インフルエンザワクチンの開発・生産体制整備事業というのがありますけれども、この辺について進捗状況を教えていただきたいと思います。これは、トータルでは一次、二次合わせて一千億を超えるというふうな内容になっておりますので、意味があると思います。よろしくお願いします。

間杉政府参考人 お答え申し上げます。

 現在の国産ワクチンの生産法、これは鶏卵培養法でございますけれども、これでは、全国民分のワクチンを生産するのに一年半から二年ほどかかってしまいます。これを半年に短縮するということで、新しい細胞培養法を活用いたしましたワクチン生産体制の構築に取り組んでいるところでございます。

 これまでのところ、先生から予算額のお話がございましたけれども、平成二十一年度の補正予算で、合計一千百九十億円の基金を創設いたしました。第一次事業では、昨年の七月に、まず実験用工場の整備ということで、約百二十五億円を措置いたしまして、四事業者を採択いたしました。さらに二次事業では、本年三月に、今度は実生産工場の整備というふうなことで事業者を公募いたしまして、現在、採択に向けまして申請者の評価を行っているところでございます。なお、二次事業では約一千億円を予定してございます。

 私どもといたしましては、この事業を着実に進めまして、目標でございます平成二十五年度をめどに新型インフルエンザワクチンの生産体制を整備できますよう最大限の取り組みを進めてまいりたい、かように考えてございます。

仁木委員 この問題というのは、実は、政権交代しまして、私たちは医療イノベーション、成長戦略の中でもとらえている分野でございます。今、製薬におきまして、日本そして欧米ですね、そういった三市場があるわけでございますけれども、ワクチン後進国になった日本のシェアというのは下がっております。

 こういった事業が日本国民の健康そして命を守る、そういったことに貢献するのはもちろんではございますが、ちょっときょうはお手持ちの資料という形で配ることはできなかったんですけれども、WHOの推奨しているいろいろなワクチンもあります。こういったワクチンに、例えば新たな疾病が生じたときにつくっていける、つまり日本発のワクチンの開発製造、そういったことにも貢献していけるような基礎となる、第一歩となるようなことも私は願っておりますので、その辺もよろしくお願いしたいというふうに思っております。

 次でございますが、私は今、厚労部門、そしてその下に予防接種法改正ワーキングチームというのができておりまして、そこで事務局長もさせていただいておりますが、この新型インフルエンザあるいはインフルエンザの予防接種法の一部改正等々にありますように、予防接種法自体が今継ぎはぎ状態になっておりまして、その場その場、社会変化あるいは医療的、医学的な環境の変化によって改正を重ねてきた経緯があると思います。

 ここで、私は、やはりワクチン、予防接種というものを国家戦略的にとらえて、一種の、アメリカの一部の州では、あるワクチンを接種していなければ就学できないような、そういう州もあるぐらいでございまして、このことに関しましては、日本もいわば安全保障的に取り組んでいく必要もあるのではないかというふうに思っております。

 そういうことで、来年度以降の予防接種法の抜本改正を見据えた中におきまして、今、どの疾病に対するワクチンをそういったものに加えているかという、いわばワクチンギャップの解消という問題もあるんですが、先般も、同僚議員そして他の議員も質問されておりました。一つは、今、ポリオワクチンという問題もあります。生ワクチンによって副反応が生じてしまっているというようなことも出ておりまして、諸外国等々では不活化ワクチンというのが主流になっております。そういったことに対して、改めて、その問題に対する対応について一つコメントいただきたい。

 もう一つは、先ほど私は副反応あるいは副作用のことを申し上げましたけれども、一部の専門家だけに頼るのではなくて、アメリカにはACIPというふうな機関がございます。日本版ACIPのような機関をつくりまして、専門家に交えて、例えば法曹界あるいは報道関係者、患者さん、一般市民、より多くの国民が入ってくることによって、こういった疾病に対するワクチンはどうしますか、副作用が出たらどうしますか、そういったことを決めていって、新たな、抜本改正された後の予防接種法の改正の中において大きな役割を担うような機関にしていくべきだというふうに考えますが、その二点についてお答えいただきたいと思います。

岡本大臣政務官 まず、ポリオの方ですけれども、ポリオも累次にわたって私も答弁させていただいておりまして、同じことの繰り返しになってしまうと大変恐縮なんですが、不活化ワクチンをどう日本で使っていくのかということについては、まさに今、治験を推進し、そして承認申請に向けて努力をしている社があるというふうに承知をしておる中でありまして、不活化ポリオワクチンの開発を促すということは行ってまいりたいというふうに考えております。

 今後は、こういった不活化ポリオワクチンをもし導入するとすれば、どういうタイミングでどういう、要するに、生ワクチンをこれまで打ってきた子供さん、途中から不活化ワクチンにするのか、同時で走らせるのかとか、いろいろな議論があると思いますから、そういった議論の整理もしていかなきゃいけないんだろうというふうには思っています。

 それから、ACIPを日本版でやったらどうかということですけれども、これについては、予防接種部会の中で、予防接種制度のあり方について議論をする六点の提言をいただいておりまして、この六点の中の一つに、予防接種に関する評価・検討組織のあり方ということについて議論を今いただいております。

 これについても、米国のACIPのような、国内外のさまざまな組織のこういったものも検討しながら、権限、運営及びそれを支える組織といったものについても議論をしていく、こういうことになろうかと思っておるところであります。

 日本の予防接種部会、大体二カ月に一回ぐらい開催しているようでありますけれども、時期によってはもっと、一カ月に一回というときもあるようですけれども、そういった議論のあり方も私は一つの参考になるのではないかというふうに思っております。

仁木委員 ありがとうございます。

 先ほどのポリオのところでコメントされましたが、制度改正ということでいうと、やはりそういった問題は出てくると思います。従前の方法でやっていた方、あるいは新たな方法でその制度を享受する国民に、いろいろな見方があって、ああ、前の方がいいな、あるいは後の方がうらやましいなというのはあると思いますけれども、やはり結果がすべてだと思いますので、そういった安全、安心、そして国民の健康増進につながるという観点から、思い切った御決断というのも必要だと思いますので、その点は要望として申し上げたいと思います。

 そして、先ほどのワクチンギャップの問題でございますが、例えば、これは先ほどの話ですけれども、WHOの勧告の中に、すべての地域に向けて勧告しているワクチンがございます。

 例えば、先ほど私は、避難所の話でロタウイルスの話をさせていただきました。これは皆さん、お子さんがいらっしゃる方、冬場の嘔吐下痢症、かなりの起因するバイラス、ウイルスというふうになっております。そういう中で、これは実は、子供が水分も食事もとれなくなる、下痢をする、そうすると重度の脱水症が起こってしまうんですね。そうすると、どうしても医療機関に行って点滴なりを受けなければならない。脱水による電解質異常とか、いろいろな障害が残る場合もあります。

 これが実は、この疾病が、小児科分野における緊急小児医療とかあるいは小児科の診療そのものに影響を及ぼしている可能性もあります。そういったことも小児科医のなり手の減少というか、そういうことにもつながっていると思います。

 こういったことも踏まえて、ロタウイルスという一つ例を出しましたけれども、HBVというB型肝炎の原因になっているウイルスもあります。そういったウイルスに対するワクチンの開発、そして、こういった新しい予防接種法に基づいては、そういったワクチンギャップ解消のために、公費助成なりいろいろな形で組み入れていただくようなことも要望として挙げたいというふうに思っております。

 次に、来年度以降、本当に厳しい財政状況の中で抜本改正、これはやはりどうしても財源の確保が必要でございます。しかし、とはいっても、短期的には出にくいんですけれども、対国民的に、あるいは皆さんの御納得をいただくために、医療経済学というか、今、ワクチン接種にはこれだけ多額な費用がかかる、しかし、その結果、医療費が抑制される。つまり、その疾病、病気にならない国民がふえることによって医療費が抑制される。そして何よりも、その病気にならないことによって、国民お一人お一人が日々の経済活動、日常活動をより続けられますし、場合によっては寿命が長くなる、健康寿命が長くなる、そういった大きなメリットがあるわけでございます。

 これは、厚労省の分野においても、今まで余り大きな議論になっていないかもしれませんけれども、厚生労働行政の中で、こういった医療経済学的な分野というのをどんどん厚くしていっていただきたい。そして、そういった情報を国民に流すことによって、せっかくの予防医学、こういったものの推進をお願いしたいというふうに思うわけでございますけれども、それに対する御見解を賜りたいと思います。

岡本大臣政務官 去年、第二次補正、さきの予防接種三種ですね、事業としてやるに当たって、今委員から御指摘のような医療経済的な比較分析をやってみたらどうかということを省内で私も取り上げたことがあります。

 そういった中、正式には、予防接種部会のもとにワクチン評価に関する小委員会を設けて、八つの疾病のワクチンについて、いわゆるワクチン接種に要する費用と、これによる健康向上の効果等についての医療経済的な比較分析を行って、三月十一日に報告書を取りまとめております。

 もし御入り用であればそれを届けさせていただきますが、そういった費用を見ながら、また効果を見ながらという面もありますし、先ほど委員が御指摘の、集団免疫という観点での社会への効果もありますし、また、個々の方がその疾病を重くしない、こういったための、要するに重症化予防という観点でのワクチンもありましょうし、いろいろな効果、先ほど委員がおっしゃられた、小児科の先生のいわゆる夜間診療に対して一定の効果があるのではないかという御指摘もありますが、さまざまな御議論を経ながら結論を得ていくんだろうというふうに思っております。

仁木委員 いずれにしましても、今回のこの予防接種法及び新型インフルエンザ予防接種における健康被害の救済等に関する特別措置法の一部を改正する法律というのは、抜本的な予防接種法の改正に向けての一里塚だというふうに思っております。

 そういうことで、将来の予防接種法の抜本改正、そしてあるべき予防医学のあり方、そういったことをより国民の皆さんに御理解いただいて、限られた資源を有効に使って、究極は国民の健康と命を守っていく、そういったために進んでいくことを改めて思いながら、そして要望として挙げながら、私、仁木博文の質問を終えたいと思います。

 きょうはありがとうございました。

牧委員長 次に、吉田統彦君。

吉田(統)委員 おはようございます。民主党の吉田統彦でございます。

 岡本政務官、少しお声ががらがらなんですが、お風邪を引かれているんじゃないでしょうか。先生こそ、最初、ワクチンが必要だったんじゃないかと思っておりますが、早速質問に入りたいと思います。

 本日議題となっておりますのは、予防接種法及び新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済等に関する特別措置法の一部を改正する法律案ですが、ぜひ近い将来、予防接種法を抜本的に改正する法律案というのが議題に上ることを、まず最初に要望いたします。

 というのは、日本のワクチン行政、大変大変おくれております。日本では、もう御存じだと思いますが、先進国に比べて定期接種のワクチンの種類が大変少なくございます。現在、日本では、定期接種になっているものは、はしか、風疹、三種混合、DPTですね、BCG、ポリオ、日本脳炎ワクチンでございます。これ以外の、B型肝炎、細菌性髄膜炎予防のHibワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンは、致死率が非常に高いにもかかわらず任意接種であります。また、ほかにも、水痘、おたふく風邪、ムンプスですね、インフルエンザ、ロタウイルスのワクチンや、昨今非常に話題に上っております子宮頸がん予防のHPVワクチンなども定期接種にする必要があると私も考えておりますし、WHOも推奨をしております。

 病気になってから治療するのではなくて、病気にならない、予防することが医療の根幹で、結果として医療費の縮減にもつながります。実際、子宮頸がんワクチンを十二歳女児に一〇〇%接種した場合は約百九十億円、水痘ワクチンをゼロ歳人口に一〇〇%接種すると三百九十億円、Hibワクチンをゼロ歳人口九〇%に接種すると八十二億円、小児用肺炎球菌ワクチンをゼロ歳人口に一〇〇%接種すると、これも三百九十億円の医療費と生産損失を削減する医療経済効果があると言われております。

 また、一番大事なことはやはり国民の健康をワクチンによって守ることでございますが、細菌性髄膜炎から将来のある子供を守るためのHibワクチンは二〇〇八年十二月十九日の発売、小児用肺炎球菌ワクチンに至っては二〇一〇年の二月二十四日に日本で発売されております。大変遅いです。

 この両方を接種した場合は、当然子供の健康を守ることができるのが第一義ですが、そのほかにも、発熱で救急外来にかかった場合は大体感冒でございますので、治療が非常に容易になる。抗生物質の投与も不要になりますし、お水が飲めていればお母さんも病院に運ぶ必要はなくなります。過重労働が減って、先ほど仁木先生おっしゃったように、小児科医のなり手もふえるかもしれません。そして、ほかにも、外来での抗生剤処方が減ると耐性菌も減りまして、万が一罹患した場合も治療方法が容易になる。そして、例えば老人の肺炎球菌感染者が減ることになって、インフルエンザの合併症対策にも有用である。そして最後に、先ほどもお話が出ましたが、集団免疫によって病原体を駆逐できるなど、いろいろございます。

 実際、私も、人生最初の救急外来の当直をしたとき診た患者さんは、実は三十日の新生児でした。これは、三百以上のハートレートの頻拍で来まして、そのとき小児科医は私がいた病院は十五人いたんですが、全員総出で診たんですけれども、結局何かわかりませんでした。すぐ入院させて、最終的に腰椎穿刺をした場合、これは細菌性髄膜炎であることがわかりまして、しかし、この子は広範な脳梗塞を起こしました。その結果、連れてこられた御両親、非常に闊達な方だったんですが、容貌も変わり、本当に人生が変わってしまったというような状況でございます。

 こういうワクチン行政全体がやはり日本はおくれております。こういった予防接種法の対象になる疾病、ワクチン、特に現在種類が少ない定期接種ワクチンのあり方について、政府としてはいかがお考えか、御答弁をお願いいたします。

岡本大臣政務官 委員から御指摘のとおり、日本のワクチン行政には、確かにそういう遅いとか接種可能なワクチンの種類が少ないんじゃないかとか、こういう御議論もある一方で、やはりその安全性に対する懸念の声というのも一方であります。先ほど仁木委員からも指摘がありましたけれども、Hib、肺炎球菌の同時接種、これについては諸外国でも行われている中ではありますが、日本で同時接種で死亡例が続くと、接種を中止してやはり検討するべきではないかという声も上がってきます。したがって、この三月はとめたわけでありますけれども、そういう両面からの見方の中でワクチン行政というのはやっていかざるを得ない。

 したがって、委員から御指摘のワクチンの効能、効果については、そういうお考えもあるというふうには思いますが、最終的に決める行政としては、今お話をしましたようなもう一つの観点についても見ていかざるを得ないというところがあり、なかなかそう一足飛びに三歩も四歩も前にと、こういうわけにはいかないということも御理解いただきたいと思います。

吉田(統)委員 おっしゃるとおりで、国家国民のために最良の道を選んでいただきたいと思います。

 しかしながら、やはりHibや肺炎球菌ワクチンが先ほど述べたような非常に有効であるケースも考えられますし、これは世界のワールドスタンダードでございます。こういった事象を達成する中では、やはり定期接種化、そして九〇%以上の接種率を達成することは急務であると当然考えます。

 また、既に定期接種になっております麻疹、はしかですね、これは世の中の多くの人は、もしかしたらぶつぶつができてその後治ってしまう病気と考えているのかもしれません。しかし、これは大きな間違いであり、時に若い壮年期の方々の命を奪う恐ろしい病気でもございます。これは、日本では、実は定期接種にもなっているにもかからず、まだ四千人以上年間感染するんです。参考までに、アメリカは、二〇〇七年、たった四十三人です、人口は約三倍。そして、フィンランドに至っては、非常に予防接種行政を進めたことによって、一九九四年に麻疹も風疹もおたふく風邪、ムンプスも完全に撲滅されています。

 では、日本では、こういった定期接種に既になっているワクチン、これからなっていくワクチンの接種率の目標をどのように考えているのか。僕は一〇〇%だと思うんですが、その辺、簡潔に御答弁いただければと思います。

岡本大臣政務官 おっしゃるとおりで、我々として、勧奨をして、できる限り打っていただけるようにお勧めをしているところでありますけれども、確かに、麻疹だけとっても、接種率は必ずしも低いとは言えないとは思っておりますけれども、しかし、その接種率と病気の発生というのは必ず一致するかというと、そうでもないと思います。一方で、麻疹だけじゃなくて、結核なんかも日本は先進国の中でもまだかなり発生をするという状況にあることを考えますと、感染症に対して国民の皆さんに正確な知識を持っていただいて、そして予防接種についてもその中でしっかりと御理解をいただく、先ほどお話をしました効果とそして副反応を含むもう一つの側面、こういったものをしっかり知っていただき、御理解をいただいた上で接種をお勧めしていく、こういうことを推奨していきたいというふうに考えております。

吉田(統)委員 ありがとうございます。

 追加で少しその点、御質問させていただきますが、接種率を上げる方法。

 今、任意接種になっているものはもちろん定期接種にすることは当たり前ですが、それだけでは不十分で、先ほど政務官がおっしゃったように、非常に難しい問題をはらんでいるんですが、アメリカは、さっき仁木先生がおっしゃったように、ワクチンを接種していないと学校に入れない、ワクチンキャリアが非常に重視されております。実際、日本から例えば留学や勤務をするに当たって、お子さんたちがワクチンを打っていないので非常に困っている現状がございます。これは、現場に私も行きまして、つぶさに見てまいりました。

 そういった中で、ワクチンキャリアを学校就学の条件にすることは学ぶ権利ということで憲法に抵触するとは思うんですが、やはりワクチンキャリアを例えばチェックするだけでも大きな意味があると思います。

 これは一例ですが、厚生労働省としては、具体的に、今後、接種率を上げていくための施策として何かブレークスルーになるようなものをお考えかどうか、簡潔にお願いいたします。

岡本大臣政務官 簡潔にブレークスルーできるのならやると思いますけれども、なかなか簡潔にブレークスルーするものはないんですね。

 そういう意味では、きょうもちょっと議論したんですけれども、例えば予防接種の接種台帳、それが市町村ごとにばらばらだという実態を聞くと、本当にそれでいいのかと。市町村が行う事業ですから、なかなか国からこうしろという話で画一的にとはいかないものもあります。さっきの費用面もそうです。

 したがって、そうもいかないというジレンマはありますが、我々としては、引き続き、定期接種に入っているものをきちっと接種していただけるようにお勧めをする、未接種の方については再度勧奨を行っていく、こういうようなことを根気強くやっていかざるを得ない、そういうふうに思っています。

吉田(統)委員 ぜひ粘り強く、本当にしっかり頑張っていただきたいと思います。

 では、今後のワクチン行政全般に関して、やはり予防接種施策を恒常的に評価、検討する体制が必要だと思います。これは皆さんお思いで、先ほど仁木委員からも御指摘があったものもございます。

 特に、私は、やはり受け手である消費者の声が届くことが一番肝要ではないかと思っているんです。これは、やはりアメリカのACIP、一つの見本になってくると思いますし、ドイツのSTIKOも見本になってくると思います。特にACIPに関しては、当初、これはジョン・F・ケネディが創設したものだと私は記憶しておりますが、ホテルの一室から、小さな小さなものから始まったと思います。例えばドイツのSTIKOなんかは、コッホ研究所に間借りした形で存在しております。日本だと例えば感染研に間借りするような形になるのかもしれませんが、やはり早期に準備する必要があると思います。小さなものからでもいいんだと思います。消費者の声がちゃんと届く、受け手の声が届いて検討できるような組織にしてほしいと思います。

 そうすれば、先ほど議題に上がった、不活化ワクチンがあるにもかかわらず、いつまでも生ワクチンをつくっているような状況は、国民が果たして許すでしょうか。恐らく許さないと思います。そして、今回の東日本大震災に関しても、例えば、三月十一日、まだまだ寒いときに起こりました。やはり風邪、感冒の合併症が重症化して肺炎球菌感染を老人は起こしていって、命を失うこともございます。そういった中で、早期に成人用の肺炎球菌ワクチンを支給するだとか、そういった速やかな手が打てたんじゃないかと思いますが、それに関してはいかがでございましょうか。

岡本大臣政務官 先ほども答弁させていただきましたけれども、我々としても、予防接種部会における議論の中で、ACIPのような組織を見ながら、どういうような組織体制がふさわしいのか、先ほど、権限をどういうふうに付与するか、こういったことも議論の対象になるという話をしたところであります。こういった議論も、七月中旬にもまとまるんじゃないか、一定程度、中間的なまとめができるんじゃないかと思っておりまして、こういったまとめを我々としても参考にしながら、次の予防接種法の改正につなげていくんだろうというふうに考えています。

吉田(統)委員 結果が出るのを大変楽しみにしております。

 では、少し話の方向性を変えまして、先端医療としてのワクチン開発、先ほども少しお話がありましたが、補足させていただきたいと思います。

 今、世界では、さまざまな難病を克服するワクチンが開発されています。例えば、マラリアや次世代季節性インフルエンザ、帯状疱疹、非小細胞性肺がん、皮膚がん、メラノーマですね、こういうものはフェーズ3に入っております。先ほど政務官がおっしゃった結核、デング熱、クロストリジウム菌由来の下痢症、狂犬病などはフェーズ2。そして、アルツハイマー、HIV、サイトメガロ、急性骨髄性白血病、緑膿菌感染症などもフェーズ1に入っている。少しこれは古いデータかもしれませんが、私の記憶ではこんなものが入っていると思います。特に、アルツハイマーディジーズ、アルツハイマー病に関しては日本でも長寿医療研究センターで経口ワクチンが開発されていると思いますが、こういった次世代ワクチンに関して、非常に国民は夢を抱いている部分かもしれません。

 厚生労働省としては、殖産興業という上で、特に国産ワクチン、先ほども少し仁木委員からもお話がありましたが、どのようなスタンスで臨んでいくのか。ぜひ研究者や国民を勇気づけるような御答弁をお願いいたします。

岡本大臣政務官 政府として、新成長戦略において、日本発の革新的な医薬品等の研究開発を推進することとされている。また、厚生労働省が、社会保障制度改革の方向性と具体策、こういったタイトルでまとめまして、第六回社会保障改革に関する集中検討会議に出しましたこの案の中にも、日本発の革新的医薬品等の開発と実用化を推進する、このように書き込んだところであります。

 厚生労働省の科研費を使って、創薬基盤の推進のため特定の分野、領域について重点的な支援を行い、技術基盤の確立に向けた研究を推進しているところでありまして、平成二十三年においては、次世代ワクチンの研究開発を推進するべく、二十三年度予算三億六千万円の内数ということになりますけれども、これを今研究として活用していただいているところであります。

 いずれにしても、そういったワクチンを開発することと同時に、先ほどもお話をしましたけれども、やはり効果とそれに対する副反応ということについてしっかりと御理解をいただくということもあわせて行っていかなければいけない、このように考えています。

吉田(統)委員 ありがとうございます。

 おっしゃるとおりで、研究開発も大事なんですが、安全な医薬品、ワクチンを国民の手元に届けるように、しかしながら、それはなるべく早くお届けいただけるような体制をおつくりいただければなと思います。

 では次に、議題に上っております予防接種法及び新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済等に関する特別措置法の一部を改正する法律案に関して質問をさせていただきます。

 本法案は、感染力は強いが病原性の高くない新型インフルエンザに対応する新たな臨時接種を創設することが趣旨であると伺っておりますが、この感染力は強いが病原性の高くないの判断は、だれがどのようにお決めになるのか。

 つまり、インフルエンザウイルスというのは、エンベロープを持つ、一本鎖のRNAウイルスとして分類されていますオルトミクソウイルス科に属する、A、B、C型のインフルエンザウイルスの三属を指すことでよろしいかと思うんですが、こういった一本鎖RNAウイルスというのは、よい例が、レトロウイルスのレンチウイルス属に属するHIVウイルスがそうであるように、高率に突然変異を起こします。そうすると、安全だと思われたものが、突然変異を起こすことによって、強毒性、強病原性を有する、そういう変化を起こす可能性もあるんですが、こういった判断はどなたがなさるんでしょうか。

岡本大臣政務官 今御指摘のレトロウイルスなんかでは、そういう病原性の変化することはあり得ると思います。したがって、その病原性がどうかというのは事前にはやはりわからないわけですよね。結果として、発症して、一定程度どこかの地域で流行する、それが日本が最初であってほしくないと祈りますが、世界のどこかで流行している状況を見つつ、そこで一体どのくらいの致死率なのかとか、また、どのくらい感染力を持つのか、こういったことをやはり我々として調査をし、疫学的な事実関係をもとに、今御指摘の感染力の強さ、病原性の高さというものをはかっていくんだろうと思います。

 数値で、これ以上の数値だったら高病原性だとか、そういう一律に切るものがあるというわけではないということは御理解いただきたいと思います。

吉田(統)委員 疾患ですのでそれはもちろんそうなんですが、ぜひ、どこが主体になって判断していくか、例えば感染研なのかとか、そういうことに関してはある程度の枠組みを決めておいた方が有事の際にいいんじゃないかと思います。

 次に、国の責任によるワクチン確保について、先ほどから話題に出ております細胞培養によって生産されるワクチンや海外からの輸入品に関して、これも細胞培養、鶏卵、両方あると思うんですが、安全性確保についてお尋ねいたします。

 ワクチンの生産効率を考えた場合、確かに現行の鶏卵によるものは限界があります。それはなぜかというと、卵の数がボトルネックになるからであります。そのために、早期の確保のために細胞培養法や諸外国からの輸入を想定しているようですが、例えば、今国内外で使用されている細胞培養法を使ったワクチン開発における主要な細胞株というのは、CHO細胞、MDCK細胞、EB66、ベロ細胞だと思いますが、これはいずれも、私も実験で使っていますし、岡本政務官も大学院時代に実験で使われたのかもしれませんが、これはセルラインで、不死の増殖細胞ですね。つまり、腫瘍原性を持っているということです。

 これは、体内と培養液中では当然環境が違いますから、体内で無限増殖をして、腫瘍原性を持つかどうかというのはわかりませんが、ただ、まだまだよくわからないもの、やはりセルラインというのは私も使用するのに非常に注意を払って使用した覚えがありますが、政府としてこの安全性に関してはどのようなふうにお考えか、そして、国民に対してこういったものを使う場合の安全性を担保できるような仕組みづくりをお伺いしたいと思います。お願いいたします。

岡本大臣政務官 細胞もそうですし、サイトカインを使っている可能性もありますので、その安全性というのは承認審査の過程で、がんの発生リスクを今言われたんだろうと思いますが、そういうものを含めて確認をしていくということになるんだろうと思います。

 こういった確認をしっかり経なければ、先ほどの話で、ワクチンを開発して、確かに効能、効果として疾病の発症を予防するとか重症化を抑えるということがあったとしても、一方でそういう安全性の担保というのがなきゃいけないし、また、今委員から御指摘がありましたように、きちっと国民の皆さんに、そのワクチンの特徴的な副反応、こういったものを集められている範囲できちっと提示をしていくということがまさに必要だろうと思います。

 先ほどお話をさせていただいた肺炎球菌とHibワクチンの同時接種に伴う、こういった死亡を、必ずしも因果関係が否定できないもの、こういったものがあったときにも、とめて、その後もQアンドA集などをつくって国民の皆さんに周知をする中で接種再開をしたわけでありまして、こういった丁寧な説明というのはこれからも求められていくんだろうというふうに考えております。

吉田(統)委員 ありがとうございます。

 岡本政務官は血液の御専門でもございますので、お詳しい分野だと思います。ぜひ今後も頑張っていただきたいんですが、最後に重ねて、国民の声がしっかり届くような仕組みづくり、これが一番大事であると思います。国民の不安を打ち消すことももちろん大事ですし、国民の声にこたえるような仕組みづくりをぜひ御念頭に置いてお願いいたしたいと思います。

 質問を終わります。ありがとうございました。

牧委員長 次に、古屋範子さん。

古屋(範)委員 おはようございます。公明党の古屋範子です。

 大臣がお戻りになりましたので、予防接種法改正案についての質疑を行ってまいりたいと思います。

 初めに、何度も質問して大変恐縮なんですが、私からも不活化ポリオワクチンについてお伺いいたします。

 先日の当委員会で、不活化ポリオワクチンへの円滑な移行また迅速な導入に向けまして、四種混合また単独ワクチン、最速なスピードでぜひ承認をしていただきたい旨質問をいたしました。それに対しまして大臣からは、五月二十六日の予防接種部会において、四種混合ワクチンの円滑な導入のため、できるだけ早く単独不活化ポリオワクチンについて開発を進める、こういう方針が了承され、この方針を踏まえて、単独不活化ポリオワクチンの開発を事業者に対して積極的に促していくこと、そしてできるだけ迅速に審査もしていきたい、こういう御答弁をいただきました。私としても、一歩前進はしたかなという感を持っております。

 しかし、やはりこの不活化ポリオワクチン、国内承認がなされるまで、どんなに急いだとしても一年以上あるいは二年近くかかってしまうかもしれません。その間、震災もあり、ぜひ不活化ポリオワクチンが接種できるようにしていただきたいと思っております。

 生ワクチンを使い続ける、これによる不安は現在のところ解消はされておりません。本当に何度も申し上げて恐縮なんですけれども、東日本大震災で多くの方が避難所生活を続けていらっしゃる、そこの衛生状態もいまだ改善をされていないところもございます。また、夏に向かって、ノロウイルスあるいはインフルエンザなどの感染症の広がり、これも懸念をされているところでもございます。こうした避難所生活の中で、感染症の集団発生のリスクは高いと言わざるを得ません。

 この中で、不活化ポリオワクチンへの切りかえは待ったなしと思っております。ぜひ、不活化ポリオワクチンへの切りかえを一刻も早く進めていただきたい、早期承認とともに、輸入も視野に入れ、これを実現していただきたいと思うんですが、これについて再度、御答弁があればいただきたいと思います。

細川国務大臣 委員からは、いつも不活化ポリオワクチンにつきまして熱心な議論をいただいておりまして、ありがとうございます。

 委員からもお話がありましたように、ポリオ生ワクチンにつきましては、これを早期に、二次感染や麻痺症状のおそれのない不活化ポリオワクチン、これに切りかえていくということについては、これはもう前から私の考えとして申し上げているとおりでございます。

 そしてまた、現在、国内におきましては、四種混合ワクチンの開発が進められておりまして、ことしの末ごろから順次薬事承認申請が予定されている、こういうことでございます。

 そして、せんだっての委員会だと思いますけれども、不活化ポリオの単独ワクチンについてこれを導入する、こういうことにつきましても、五月二十六日に開催された審議会の予防接種部会におきまして、できるだけ早く導入するように、こういう方針が出ましたので、単独ワクチンにつきましても迅速にこれを導入してまいりたい、こういうことも申し上げて、できるだけ早く、迅速にやっていきたい、こういうことを申し上げてきたところでございます。

 そこで、最後の方で触れられました緊急輸入につきましても、これもいろいろ事務方にも検討もさせたところでありますけれども、これは、これを承認する、そのためには、国内の臨床試験のデータが十分に集積ができていない、あるいは有効性や安全性が確認できていないというようなことで、なかなか困難であるというようなこと、私も、それを聞いて、報告を受けて、今のところなかなか困難である、委員の御期待になかなかこたえられないということで、その点は、少し、消極的なことで、申しわけなく思っているところでもございます。

 厚生労働省といたしましては、この四種混合ワクチン及び単独ワクチンの導入、これを積極的に促していくとともに、できるだけ迅速に審査を行って、可能な限り早期に不活化ポリオワクチンが導入できるように取り組んでまいりたい、このように考えております。

古屋(範)委員 輸入の方は、国内での治験、安全性、有効性の確認、これがなかなか難しいという御判断であるようです。

 大臣は正直なので、答弁の前にもう表情にあらわれているので、難しいときはよくそのことがうかがえるんですが、ぜひ、既に個人輸入等で不活化ワクチンの接種がかなり進んでいるという現実も踏まえ、不活化ワクチンへの早期切りかえ、これを再度求めておきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 初めに、この予防接種法の体系、一類、二類と分かれているという基本的な問題についてお伺いをしてまいりたいと思います。

 この体系、表を見ますと、非常にたくさんのカテゴリーがあるということであります。予防接種法では、ワクチン接種の対象疾病を一類疾病また二類疾病と分けています。そもそも、現行の法律が大変複雑であると思います。

 この目的として、一類疾病については、予防接種法第二条二項に、その発生及び蔓延を予防することを目的とするとしております。国民に接種の努力義務を課す根拠を明確にしています。そして、二類疾病の方なんですが、第二条三項に、個人の発病またはその重症化を防止し、あわせてこれによりその蔓延の予防に資することを目的としております。極めてあいまいな表現となっております。蔓延を防止するなら、国民に努力義務を課して、費用は無料とする、副反応に対する救済は十分行うべきではないか、そうしないなら、逆に定期接種とする意味がないのではないかと思うわけです。

 さらに、こうした区分は現実にできるものなのかどうか。言葉の上では明確に区別しているように思えるんですが、実際に分けられないものを無理に区別しているように受け取れます。厚労省は、なぜこのように無理をしてまで一類、二類としたのか。これは、ワクチン接種後の重篤な副反応に対応するために、すなわち、国が支払うべき無過失補償の金額をあえて下げるために二類をつくったのではないか、このように感じられます。そして、このことは、国民にとっては不利益になっているのではないでしょうか。補償金額を下げるために、この一類、二類という予防接種法の体系自体が国民にとって不利益になっていないかどうか、これについて御見解をお伺いしたいと思います。

細川国務大臣 予防接種は、感染症を予防するという重要な手段であります。一方、副反応の問題なども慎重な対応が求められるところでございます。そういうことから、疾病の発生及び蔓延を予防するため、いわゆる集団予防に比重を置いております一類疾病と、それから、個人の発病またはその重症化を防止することに比重を置いた二類疾病、この二つの類型を設けまして、その目的に応じた健康被害救済の水準や公的関与の程度に差を設けているわけでございます。いわば、一類というのは社会防衛と言ってもいいと思います。また、二類の方については個人防衛というふうに区別してもいいのではないかというふうに思います。

 具体的には、一類疾病は、予防接種を受ける努力義務を課して、そして勧奨も行い、公的な関与も非常に大きいということから、健康被害の救済もやはり水準は高くしなければいけないんじゃないかというふうに考えますし、二類疾病につきましては、努力義務も課していないし、勧奨も行わないというようなことから、救済水準も低くする、こういう考えでございます。

 こうした点を国民の皆様にも御理解をいただけるように、私どもとしても制度の趣旨を十分周知してまいりたい、このように考えております。

古屋(範)委員 一類疾病、二類疾病の区別、それの上に臨時接種という、社会的機能に与える影響が大きく、緊急性が急に高まる可能性のある類型を置いています。これは、突発的に発生した新型インフルエンザなど、緊急的に対応するためのものであるということであります。

 この新型インフルエンザ、二〇〇九年に発生をいたしました。私たちは、自公政権の時代に、H5N1に対する対策を長期にわたり検討していまして、その経過の途中で新型インフルエンザが発生をいたしました。国としても、あのとき、万全を期していこうということで対応を行った記憶がございます。

 その結果といいますか、世界的に新型インフルエンザの死亡率を結果として見ますと、人口十万当たりの死亡率、米国では三・九六人、カナダ一・三二人とあるんですが、日本は〇・一五人であったという結果が出ております。重症化や死亡のリスクが高いとされていた妊婦も、国内では死亡者がゼロだった。これは二〇一〇年四月の時点ですが、そのような報告がございます。

 当時の野党からもあったんですが、やり過ぎだという批判もございました。学校閉鎖をしたり、祭りを取りやめたり、そのほか、空港、港での対策など。しかし、あれほどやる必要はなかったと振り返ってみて言える方がどんなによかったかと思っております。これが逆で、こうしておけばよかったと。口蹄疫のような結果にならなくてよかったと私自身は考えております。

 この新型インフルエンザなんですが、予防接種法を現実的により細かく分けて、さらに複雑化してわかりにくくしてしまっているのではないかという気がしております。

 予防接種法の第二条第二項九号には、「前各号に掲げる疾病のほか、その発生及びまん延を予防するため特に予防接種を行う必要があると認められる疾病として政令で定める疾病」とございます。新型インフルエンザにこの条文を適用すれば今回のような法改正は必要ないのではないか、政令で新型インフルエンザを一類に追加して臨時接種としてしまう、こういうこともできるわけです。一昨年この対応をしなかった理由について御説明をいただきたいと思っております。

 また、仮に新型インフルエンザを二類にするとしても、いわゆる高齢者の季節性インフルエンザは二類に規定されているため、臨時接種が可能となるはずであります。第六条に、「都道府県知事は、一類疾病及び二類疾病のうち厚生労働大臣が定めるもののまん延予防上緊急の必要があると認めるときは、その対象者及びその期日又は期間を指定して、臨時に予防接種を行い、又は市町村長に行うよう指示することができる。」とございます。これを適用しなかった理由についてもあわせて御説明をいただければと思います。

大塚副大臣 今、大きくは二つ御質問いただいたかと思いますが、その当時の御事情はむしろ先生方の方がよく御承知かもしれません。

 今の御指摘の点は、先ほどの吉田委員の最後の御質問ともかかわりがあるんですけれども、感染力と病原性の強さ、これをどのように考えるかということとも関係がありますが、一昨年の新型インフルエンザ、H1N1のときには、現行の臨時接種、これは接種の努力義務もあって勧奨もあるという、その枠組みで対応するには、やや、必ずしも合理的とは言えない範疇のものであったがゆえに、そういう対応をしなかったという判断であったかというふうに思います。

 したがって、先ほど吉田委員の御質問のように、では、それをだれが判断するのかということは非常に大きな問題になり得るというふうに思っております。いずれにいたしましても、法律上は、今先生が御指摘のように、条文の中に市町村に指示できることになっておりますので、では、その指示をする際の判断基準をどうするかということでございますので、今回、この法案で新たな臨時接種を設けさせていただいた場合に、このカテゴリーに属するものと現行の臨時接種のカテゴリーに属するものの判断基準というものが、これから形成される行動計画の中にも盛り込まれていかなければならないというふうに思っております。

古屋(範)委員 なかなかわかりにくいんですが、この複雑な予防接種法の類型に対して、今回さらに新たな臨時接種というカテゴリーを設けることとしています。

 今申し上げたんですが、予防接種法の第二条第二項九号を適用すれば今回のような法改正は必要がない、政令で新型インフルエンザを一類に追加して臨時接種とすることができたはずであります。第六条を適用すれば臨時接種とすることもできたわけです。

 なぜこうした新臨時接種なる新たなカテゴリーを新設しなければいけないのか。一類疾病の定期接種、二類疾病の定期接種、現行の臨時接種と、ただでさえ複雑な予防接種法をさらに複雑化してしまうという懸念があります。

 厚生労働省は、昨年一月の予防接種部会において、病原性が季節性インフルエンザと同程度のものであったため、接種対象者に接種の努力義務を課すほどのものではないと判断したために臨時接種としなかったと説明をされています。弱毒性だから努力義務を課すほどのものではないということなんですが、努力義務があっても、接種するか否かは本人の判断、最終的にはそういうことになるわけです。このときに臨時接種としなかった結果、副反応が起きた場合には国の補償制度の対象から外されてしまったことの方が国民にとって大きな影響があるのではないかと思います。

 さらに、その病原性が弱毒性か強毒性かといった判断は即座にできるのかどうか。これは難しい。新しいタイプのインフルエンザが発生したときにどちらか判断して、弱毒性では今回つくる新たな臨時接種、強毒性であればこれまでの一類の臨時接種に位置づけるのでしょうか。それも弱毒から強毒に変化をしていく可能性もある。数々の疑問がわいてくるわけであります。

 この新たな臨時接種という類型を設ける必要について、シンプルな方がわかりやすいのではないかと思うんですが、この点についてお伺いをしたいと思います。

細川国務大臣 先ほども議論に出ておりましたように、二十一年の新型インフルエンザH1N1の発生時には、ウイルスの病原性が現行法で定めております臨時接種が想定しているほども高くなかった、そのために、現行の予防接種法における臨時接種としての実施、こういうことはしないというふうに決め、そこで厚生労働大臣が行う事業として接種を実施したというのがこの間の経過でございます。

 しかし、インフルエンザ対策として行う予防接種につきましては、これは公的に実施する予防接種として本来は法律に明確に位置づけて、そして国あるいは都道府県あるいは市町村、どのような役割分担をしていくのかというようなこと、そういうことをしっかり決めておいて、そして行うべきだ、こういうふうに考えたところでございます。

 こういうことから、今後、先般の新型インフルエンザ同様、現行の予防接種法の臨時接種では対応できない疾病が流行した際の対応に万全を期さなければいけないということで、法律の改正、こういうことで新たな臨時接種の類型を設けたところでございます。

古屋(範)委員 何度聞いてもわかりにくいんですが、ともかく国民にとってシンプルな方がわかりやすい、やはり財源の問題もあるのかなと勘ぐってしまうわけであります。

 次に、先ほども議論になっておりましたHibワクチン等の接種についてお伺いをしてまいりたいと思います。

 昨年十月六日の予防接種部会におきまして、Hibワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン、またHPVワクチンを予防接種法上の定期接種に位置づける方向で急ぎ検討すべきだという意見書が出されました。

 さらに、本年度の補正予算では関連経費が盛り込まれております。しかし、一年限りの予算事業では、これは意味がないわけであります。これは何度も訴えてきた点でございます。ワクチンで防げる病気から国民の生命と健康を守ること、これは最優先の政治課題でございます。

 大臣、一刻も早く、この予防接種法の抜本的見直しを行っていただきたいと思っております。医学的、科学的観点からの専門的な検討は、これまで十分に行ってきたのではないかと思います。あとは実行するのみであります。

 これを実現するために、予防接種法の第二条第二項九号「前各号に掲げる疾病のほか、その発生及びまん延を予防するため特に予防接種を行う必要があると認められる疾病として政令で定める疾病」、これを適用すべきではないかと思います。

 まず、この三ワクチンの定期接種化を二十四年度から実現するために、ここで政治主導を発揮していただきまして、大臣が指示を出して政令で定めることによりこの定期接種化を実現すべきではないか、このように思いますが、いかがでしょうか。

細川国務大臣 平成二十二年度補正予算によりまして予算事業として接種事業を実施しているこの三つのワクチンの予防接種法における位置づけにつきましては、いろいろな課題、意見がございます。例えば、一類疾病と二類疾病などの疾病区分のあり方、あるいは恒久的な財源確保のあり方、国と地方の役割分担、さまざまな課題、意見がございまして、その調整を図る必要があるというふうに考えております。

 また、予防接種のあり方については、対象疾病の拡充ということだけではなくて、例えば、評価・検討組織、副反応報告や健康被害の救済、あるいは情報提供など、幅広い論点につきまして総合的に見直しを検討すべきだというふうに考えておりまして、今委員が御指摘されました、政令での改正で迅速にこの定期接種化を図るということについては、今のところ、私どもの方としては消極的に考えているところでございます。

古屋(範)委員 では、まさに予防接種法の抜本改正を急いでいただきたいと思います。この三ワクチンを含めまして、ぜひ予防接種法の抜本改正を急いでいただきたいと思っております。

 昨年の十月、予防接種部会が発表した意見書で「水痘、おたふくかぜ、B型肝炎等その他の疾病・ワクチンも検討を進めるとともに、予防接種に関する評価・検討組織の設置についての議論等を行い、今後の予防接種のあり方について提言をとりまとめることとしたい。」としていらっしゃいます。

 私は、原則として、すべてのVPDの予防接種について、予防接種法の一類疾病の定期接種に組み入れるべきだと考えております。予防接種で防ぐことができる病気から子供たちを守る、すべての国民を守る。予防接種法を改正して、地域間、経済的格差もなく、希望するすべての国民が公費でこれのワクチンを接種できる制度を実現させる必要がある。具体的に、先ほど申しました三ワクチンに加えまして、B型肝炎、成人の肺炎球菌感染症、水痘、流行性耳下腺炎、おたふく風邪ですね、そして、ロタウイルスワクチンなどを直ちに定期接種化すべきだと考えております。

 もし今後新しいワクチンが次々と開発をされまして使用可能になったとしても、これが任意接種に分類をされて、推奨、公費負担の仕組みがない状況に置かれることがないよう対応していかなきゃいけないのではないかと思っております。自治体の任意接種であっても啓発活動や一部公費助成をしていますけれども、収入、住む場所による接種の格差をなくしていかなければなりません。特に子育て世代にとって、予防接種の自己負担は非常に高額でございます。そのためにも、予防可能な疾病の減少を目指して、ワクチンに関する研究推進、普及を目指す、また、住む場所や収入によらない公平な接種機会を保障する、あるいは、効果と安全性情報の収集、提供、健康被害に関する補償制度の充実を図る。

 そして、ここが最も大事だと思うんですが、先ほどもありました、総合的に議論、意思決定を行う場、いわゆる日本版ACIPをつくるべきではないかと考えております。日本において、予防接種にかかわる中長期のビジョンをつくる機関、そしてそれを的確に実施していく、ワクチンの安定供給、研究調査体制など、総合的な施策を議論する場、これは医療関係者だけではなくて、マスコミ、開発する業者、研究者、学識経験者、また、これを受ける側等々が集まった、いわゆる日本版ACIPの創設が必要だと考えております。こうしたものを含めた予防接種法の抜本改正をすべきだと考えております。

 一昨年十二月、予防接種部会の初会合の折に、当時の上田健康局長が、最後に「不退転の気持ちで今回の大改正に取り組んでいきたい」こうおっしゃっているんですね。ですので、ぜひ不退転の決意で抜本改正を急いでいただきたいんですが、いかがでしょうか。

細川国務大臣 私も、この予防接種法の抜本的な制度の見直しというのは、早急にやっていかなければというふうに思っております。

 抜本的な改革につきましては、これまでもお話し申し上げたように、この審議会の予防接種部会におきまして、今委員が挙げられましたいろいろな論点につきまして議論を進めているところでございます。これらの論点の中には、大きな論点としては、恒久的な財源の確保や、あるいは国と地方の役割分担など、さまざまな課題や意見もありますけれども、先ほど御指摘のあったアメリカのACIPのような機構も含めまして検討をさせていただきたい。そして、近々、中間的なまとめをしたいというふうに思っておりまして、私どもとしても、精力的に、できるだけ早く論点も整理をして、抜本的な改正ができるように最大限の努力をしてまいりたい、このように考えております。

古屋(範)委員 感染症対策、これは国民を守るいわゆる国家戦略であると思います。予防接種法の抜本改正、また日本版ACIPの創設を求めまして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

牧委員長 次に、高橋千鶴子さん。

高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 初めに、きょうは、ハンセン病療養所の一つである大島青松園の官用船問題に絞って一問伺いたいと思います。

 先ほど、加藤委員からも取り上げがありましたけれども、大島青松園の官用船は、園と地域とを結ぶ唯一の交通手段であります。昨年、二人の船舶職員が定年を迎えるに当たり、民営化が大きな問題となりましたけれども、自治会や県議会などから存続を求める強い声があり、国会の中でも党派を超えた申し入れなどが取り組まれる中で、再雇用という形で継続をしたところでございます。

 私が求めたかったのは、来年度の予算要求に向けて、現地は、再々任用、そういう形ではいずれ行き詰まるわけでありますから、補充募集というのを強く望んでいる、これをやってほしいということであります。

 先ほどの加藤委員に対する答弁を聞いておりますと、やはり昭和五十八年の閣議決定があるんだ、行政職は採用しないという決定があるということが答弁の範囲だったのかなと思うんですけれども、その閣議決定には、「公務遂行上真に必要な場合を除き、」と書いてあるわけです。ですから、まさにこれは唯一の足であり、「公務遂行上真に必要な場合」なのだというふうにきちんと位置づければいいわけですね。だからこそ基本法があり、また国会決議があったのだと思うわけでありますから、大臣として本当に補充募集という立場で頑張っていただきたいと思いますが、お願いをいたします。

細川国務大臣 加藤委員のときにもお答えをいたしました。ハンセン病の方々、入所者の方々が大変高齢になっておられる、そういう意味では、その支援というのをしっかり厚くしていかなければいけない、このように考えております。

 そういう中で、大島青松園、ここの大島と高松を結ぶ船舶ですけれども、これについても、国会の決議あるいは入所者の皆さんからのいろいろな直接の要望、いろいろございます。私としては、それらをしっかり尊重しながら進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

 また、来年度の件につきましては、近々、入所者の皆さん方と厚生労働省の方でお会いもするということになっておりまして、そのいろいろな要請などもお聞きをいたしまして、厚生労働省としての考えを示してまいりたい、このように考えております。

    〔委員長退席、郡委員長代理着席〕

高橋(千)委員 先ほどの答弁と同じですがと最初におっしゃったんですけれども、答弁を聞いて私は質問しておりますので。

 やはり、「真に必要な場合を除き、」と閣議決定でさえも書いているわけです。これは本当に、ただのいわゆる船を動かせばいいということではなくて、現地の方がよくお話をされていると思いますけれども、乗り込むところから介助をして、本当にぎりぎりの体制でやっている仕事なわけですね。そういう意味をきちっと持って、民間委託して、動けなくなってもいいということには絶対ならないということでの昨年の経緯があったわけで、国が責任を持ってという経緯があったということを本当に踏まえていただきたい。

 二〇〇九年の決議を行うときに、「政府においては、国の事務及び事業の合理化及び効率化の必要性は理解しつつ、」という一言が決議に入っているんですよ。私、それは本当に承服できないと。つまり、ほかの全体の公務員の定員管理に対して理解はできないという立場だということを議連の場で発言しました。しかし、それでも、まあこらえてほしい、当事者の皆さんの立場に立って、この一点で、ハンセン病療養所は除外するんだという立場でこの決議を超党派で結んだ、決議を上げたという経緯がございました。

 そういう意味が込められているんだという立場に立って、さらに大臣には頑張っていただきたい。きょうはそれ以上は申しませんので、要望にしたいので、頑張っていただきたいと思います。

 次に、きょうぜひお話をしたいのは、今度の震災で被災した事業所の再建について伺いたい。さまざまあるんですけれども、障害者の事業所についてきょうは御紹介をしたいと思います。

 配っている資料は、仙台市にある社会福祉法人なのはな会ですが、これは三月十七日現在とございます。アルファベットは人の名前をかえたものであります。要するに、一週間後の対処状況ということで、利用者はどうしたか、職員はどうしたか、給食や送迎がどうなったかということで、非常に生々しく実態がわかるかなと思うのであります。

 被災をしたので、ケアホームを幾つか集約して一たん難を逃れるですとか、給食が支給できない状況だったとか、あるいは職員の方々も、「はまゆう」というところがありますけれども、職員の父親が気仙沼で行方不明になっているとか、通勤困難な状態、そういう状況のことを掌握ができるかなと思うわけであります。

 でも、そういう中で、知的障害者の通所施設でありますから、長く家庭に置いておくと本当に家庭がパンクしてしまう、これは大変だということで、まだ条件は十分に整ってはいないんだけれども、十日後にはすべての施設を再開しております。また、通所施設であるけれども、利用者の自宅が被災をしているために、お泊まりという臨時の対応をして、本当に努力をされております。

 医療や介護と並んで重要な人的ライフラインとなっているこうした福祉事業者、労働者の意義について、大臣の受けとめを伺いたいと思うんです。

 その上で、今回の補正予算は、建物の補修には三分の二補助、これは特例措置で、また二枚目につけておきましたけれども、障害者施設の事業復旧に係る設備整備ということで、車ですとか印刷機械ですとかパン製造設備ですとか、さまざまな設備について十分の十の国庫補助を措置したということでは、非常に力強いものがあるなと思っているんです。

 これが、まだこれからいよいよ要望が上がってくるという段階ですので、一刻も早く、そして確実に行き渡って、本当に福祉事業者が再開の意欲を持てるように、続けて頑張ろうと思えるようなメッセージが欲しいと思いますが、いかがですか。

    〔郡委員長代理退席、委員長着席〕

細川国務大臣 障害者施設がこの大震災によっていろいろな形で被災をしたということ、これは委員が御指摘のとおりでありまして、にもかかわらず、事業者やあるいは職員の皆さん方が大変な努力をされて、障害児に対してのいろいろなケアをしていただいているということについては、私も大変ありがたく、本当に敬意を表するところでございます。

 厚生労働省といたしましても、定員を超えて被災者等を受け入れたことによりまして一時的に基準を満たさないというような場合があっても、これは報酬の減額を行わないとか、あるいはまた、仮設の施設等に避難して、そこにおいてサービスを提供した場合も、これはもちろん報酬の対象にするとか、あるいは、やむを得ない理由によって、従来のサービスのすべてでなく、相談支援等のできる限りの支援を行った場合、これまでのサービスとして報酬の対象とするなど、サービスが継続されるよう、必要な支援は厚生労働省として行ってきたところでございます。

 また、お話もございましたように、第一次の補正予算につきましては、障害者支援施設を復旧するための施設整備に係る国庫補助率、これを二分の一から三分の二に上げたところでございます。また、お話がありましたような生産設備とか備品等の購入の経費についても、これもまた予算措置をいたしまして支援をする、こういうことも決めているところでございます。

 私どもとしましては、事業者やそこで働く職員の皆さん方に、ぜひいろいろとこの制度を活用していただいて、事業の継続ということと、一日も早い復旧ということを図っていただきたい、そして、私どもとしては引き続きしっかりした支援を行ってまいりたい、このように考えているところでございます。

高橋(千)委員 津波で壊滅状態になった施設などは、そういう中でも、事務所を間借りして、被災した障害者の皆さんの相談事業に取り組みながら事業所の再開を目指して頑張っていらっしゃる、こういう方たちもいらっしゃいます。

 そのときに、今度は土地の取得というのが大変大きなネックになるわけであります。完全な移転ですから、津波で被災したところにそのまま建てるかどうかというのは、全体の、仙台市なら仙台市の計画が立たない限りはできないわけです。でも、施設が、いろいろなところから来ているというふうな特性を踏まえて、移転して、新築あるいはどこかの空き店舗を借りて開設したいという意欲を持っていらっしゃる。そういうときに、やはりこの土地代、土地取得というものも一つ大きな支援が必要かなと思うんですけれども、いかがでしょうか。

大塚副大臣 御指摘のように、津波被害を受けた沿岸部などの施設の皆さんは、もとの場所に再建することが困難な場合もあろうかと思いますので、土地の問題というのは大変大きな壁になってくると思います。

 土地そのものの取得は今回の補正予算等の助成の対象とはしておりませんけれども、事業の再開につきましては、公共用地や民有地などを事業所が借り上げていただいてそこに事業所を整備すること、あるいは、賃貸住宅や、今先生が空き店舗とおっしゃいましたけれども、空き店舗の借り上げや、使用していない既存のその他の社会資源を改修して事業所として整備することが可能でありまして、そうした整備については、今回の一次補正予算における国庫補助の対象としているところであります。

 また、委員会でも何度か御説明をさせていただいております、仮設住宅の中につくります生活支援サービスの拠点としてのサポート拠点、こういった設置を促進することによりまして、今御指摘のありました土地の問題なども何とか対応していきたいなというふうに思っております。

高橋(千)委員 そうしたいろいろな制度を駆使しつつ、土地代、土地取得がネックにならないように、これは本当は震災だけではなく、やはりこういう社会福祉施設には非常に大きく横たわっている課題でありますので、今回の取り組みを通してさらに前に進んでいただきたい、これは要望しておきたいと思います。

 事業の再開に向けた大臣のメッセージもいただいたわけですけれども、先ほどちょっと、例えば定員を超えても、ちゃんと報酬をその分払うからやるんだよということもありましたけれども、障害者の施設の場合は、重度であれば、そのたった一人受け入れるということ自体が本当に大変なことなんだよということを事業者の方がおっしゃっておりました。ですから、それはあくまでも次善の策であるということ、そういう中で頑張っているということも酌み取っていただきたいなと思います。

 あわせて、やはりこれは根本的な問題として、先ほど紹介したなのはな会などでも、十日間休んで再開をすると、その間は当然減収になるわけです。一つの通所施設で三百八十万くらいだろうということをおっしゃっていました。ケアホームなども、家賃収入の部分がもろにはねてくるわけですよね。そういう形で、この日払いという障害者自立支援法の限界がやはりここに出てくるだろう、ここをさわらないであれこれはできないなということをきょうは指摘しておきたいと思います。

 昨日、障害者虐待防止法が全会一致で可決され、きょうは内閣委員会で、障害者基本法がたった一日の審議で採決をされると聞いております。私たちのことを私たち抜きに決めないでというスローガンのもと、制度改革会議が立ち上がって、精力的な議論をしてきたにもかかわらず、国会の審議がやはりそれにこたえられていない、非常に不十分ではないか、自立支援法を所管する厚労委員会の議論がもっともっと必要ではないか、このことを指摘しておきたいと思います。また次の機会に続きをやりたいと思います。

 それで、きょうは、予防接種法の改正で一点質問をいたしますけれども、一昨年の新型インフルエンザなど新たな臨時接種という位置づけができた、法改正をしたことに基づいて、健康被害の救済給付について一類と二類の間をとるという形の今回の設定がされました。

 私は、臨時接種であってもこれは国の責任で実施をするのだから、一類と同じ水準にするべきではないか、間をとる必要はないと思いますが、いかがでしょうか。

大塚副大臣 今回のこの新たな臨時接種でありますが、これは、感染力は強いけれども病原性は高くないものに対応するという考え方で設けさせていただいております。

 したがいまして、新たな臨時接種の対象は、現行の臨時接種のように接種の努力義務はない一方、今先生御指摘の二類疾病の定期接種にはない接種の勧奨を行いますことから、健康被害救済の水準もその間をとりまして、現行の臨時接種と二類疾病の定期接種の中間に設定しているわけでございます。

 前の委員の皆様方の御質問とも関係が出てまいりますが、そうであるならば、二類とこの現行の臨時接種、そして新たな臨時接種、対象の疾病をどのように合理的に分類するかということが大きな課題になりますが、考え方は以上のとおりでございますので、御理解賜れば幸いであります。

高橋(千)委員 やはり新型インフルエンザの場合は、いずれ通常の季節性のインフルエンザになるということでこのような対応になっていると思うんです。ですから、そういう意味では、一類という形にはならない、そういう対応だというのはある程度理解できるんです。ただ、切迫性がある、緊急に蔓延のおそれがある、あるいは感染力が大きいというふうな形で国が関与して責任を持って接種をやるわけですから、そういう点で、やはりこれはいろいろなリスクも踏まえた上で国がやらざるを得ないという環境を考えれば、何も間をとる必要はないだろうというふうに思うんです。

 先ほど来議論されているHibワクチンや肺炎球菌ワクチンについても、国は補助事業を立ち上げたわけですけれども、結局任意のままですからこの健康被害救済制度が使えないということにもなるわけで、やはりそういう意味からいって、最終的にお母さんたちが、自分たちがやったのが悪かったのかというふうなことにならないような仕組みを早くつくっていくべきだ、私はこのように思っております。

 それで、最後に大臣に伺いたいんですけれども、B型肝炎は全国民が集団予防接種を義務づけられていた時代を根拠として争ってきたものであり、この点での国の責任は既に認められているわけです。ですから、本来なら予防接種法において救済されるはずだったのではないかと私は本当に思うわけですね。ただ、今議論しているように、そうはいったって、いろいろな消去法の中の裁判の積み重ねの中でようやっとここまで到達をしたわけで、単純に予防接種が原因だということが認められなかったという経緯があったわけであります。

 B型肝炎の患者さんで、今度の震災で自宅や病院が被災したために必要な書類が流失してしまって、和解金を受け取る提訴ができなくなっている、そういう状況が生まれているそうです。余りにもむごいと思います。

 和解協議は既に双方が勧告を受け入れ、最終合意に向けて詰めの協議を行っていますが、なぜここまでおくれてしまったのか、長期化してしまったのかと本当に残念に思うんです。その反省も含めて、本当に、次に続くような合意に向けて政府の努力が必要だと思いますが、大臣に一言お願いしたいと思います。

細川国務大臣 B型肝炎訴訟につきましては、原告そしてまた国双方が一月と四月、札幌地方裁判所の見解を受諾いたしまして、いよいよ最後の基本合意の締結に向けて、裁判所を仲介として、今、原告、国の方で話し合いを進めているところでございます。

 できるだけ早期に、近々基本合意に至れるように、引き続き協議を精力的に進めてまいりたい、このように考えております。

高橋(千)委員 何の思いも込められていなかったなというので非常に残念に思いますけれども、合意の場ではしっかりと大臣の言葉があるだろうということを期待しまして、きょうはここで終わりたいと思います。

 どうもありがとうございました。

牧委員長 次に、阿部知子さん。

阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 本日は、議題となっております予防接種法についてお尋ねをいたしますが、まず、どんな医療の中でも子供たちへの予防接種というのは、本人が同意等々、小さいお子さんですとすることができませんので、接種する側が万全の安全などの確認のもとに行わねばならないものと思います。

 先ほど来、各委員がお取り上げですが、もともと、予防接種には個人防衛の視点と社会を防衛していく視点、あるいはメリットとデメリット、すなわち効果と副作用、絶えずてんびんの中で動いておると思います。

 ちょうど本年の二月から開始されました子供のワクチンの同時接種、Hib、プレベナー、従来の三種混合などの同時接種を受けた子供たち七名が相次いで死亡したということで、厚生労働省は三月四日に接種を一時見合わせておられましたが、その後、検討委員会などの結果で、このワクチン接種が直接的な明確な因果関係はないと判断して、三月二十四日、再開を決定されました。

 私はいつも思うのですが、ワクチン接種において、直接的な明確な因果関係というものが証明されるということ自身、極めて希有ではないか。絶対ないとは申しませんが、ここで言う直接的な明確な因果関係とは何を指しておるのかについて、岡本政務官にお伺いいたします。

岡本大臣政務官 なかなかこれは難しいものでありまして、これだからこうだと一律に断ぜられるものではありませんが、例えば、ワクチンを接種して、その直後にショックを起こして、そしてその後死に至る、こういうようなことであるとすれば、それはワクチンの接種と因果関係があるのではないかということは推認されるんだろうと思います。

 今回、委員から御指摘の事例の中には、一週間程度時間がたってからの死亡というものも含まれておったりするわけでありまして、それぞれのケースを専門家の先生方に御議論いただいたというのが、この三月二十四日のいわゆる我々が得た一つの結論であったというふうに考えております。

阿部委員 その専門家会議を経てもなお、私のお尋ねした直接的な明確な因果関係というのは専門家の間でも大変議論が分かれますし、今岡本政務官のお答えのアナフィラキシーショック死のようなものがあればそうでしょうが、なかなか一日たって二日たって、長くても一週間たってという状況の場合に、因果関係というのは、実は否定もできない、肯定もできないというものが大半なんだろうと思うんですね。

 そうすると今度は、ある件数接種して、その中からどのくらいの頻度で上がってきたか、すなわち確率的な話に移っていかざるを得なくなるというのも実際にはやむなしと思いますが、しかし、私は、その確率的な話に立ち戻ったとしても、今回の予防接種の再開に向けての取り決めはちょっと乱暴ではないかなと思うのです。

 なぜならば、この二月からの七例の事案をもとに、先ほど仁木委員もお取り上げになりましたが、今回熊本でも六月三日に事案が発生いたしましたが、そもそもその七例発生したときの発生頻度というものをとると、十万回接種当たり、重篤な副反応、死亡が起きたものが〇・一から〇・二程度という取りまとめでありました。

 これだって幅がありますが、今回、厚労省の出されたいろいろなガイドラインというか省のまとめを拝見しますと、六カ月の間で十万接種当たり、事故、死亡が〇・五を超えた場合というふうになって、その場合には速やかに対応を、調査会の評価を行って立ち上げるとなっているんですね。単純に考えると、十万回接種して〇・五、子供を十万人一回として、もし死亡事案が〇・五起きたら、小児科医はびっくりの世界です、百万人接種して五人ということですから。

 それで、岡本政務官も御存じのように、例えばインフルエンザ桿菌、Hibですね、これによる我が国における髄膜炎の発症は十万人当たり五から八人であります。五から八人だけれども、そのうちで死亡は三から六%なんですね。すなわち、インフルエンザ桿菌で、十万人として、お亡くなりになる子供は〇・一から〇・二に、簡単な計算です、なるんです。

 それが、もし予防接種をやって、十万回打って〇・五、逆にもともとの御病気の髄膜炎で亡くなるよりも多い頻度で死亡事案が起きたら、これはやはり予防接種としては大変に問題が、さっきのてんびん、メリット、デメリットで、私はデメリットの方が高いと判断されてしまうと思うんです。

 なぜ十万回分の〇・五というところをおとりになったのか。これは根拠があるならお示しいただきたいし、私がこれまでの集計をいろいろとって、せめて〇・一から〇・二くらいであれば死亡数とそう変わらない。だから、髄膜炎の死亡と予防接種による死亡が変わらないと言えるかもしれない。それでも困ると思いますが、ちょっと今回のガイドラインというかお取りまとめは乱暴なのではないかと思いますが、政務官、いかがでしょう。

岡本大臣政務官 二十四日の取りまとめの素案を役所の方でつくったわけですけれども、その議論の中でも、私も、どういう数字がいいのか、考えたことがあります。ただ、専門家の皆さんに、いずれにしても、この〇・五ということでいこうという御了解をいただいたというふうに思っています。

 〇・五がいいのかと言われると、そのときに思ったのは、いろいろな理由で子供さんが亡くなる、ただ、亡くなる子供さんの報告を広くしてもらうということを考えますと、今の、もちろん、必ずしもいわゆるHib、肺炎球菌の予防接種による死亡ではなくても、例えば熊本の事例も解剖して死因を調べましたら、SIDSだという疑いだ、こういう話になっていますが、例えばSIDSでも年間百数十人の方がお亡くなりになられている。また、誤嚥でも亡くなられている方もいる。さまざまな事由で、必ずしも予防接種かどうかわからないけれども予防接種と因果関係が否定できない方が報告をされてくる。その数が十万人対〇・五、これを超えたらということで、広くその数を見ているということを御理解いただいて、必ずしもこの予防接種で十万で〇・五、こういうことではないということです。

阿部委員 そういう御説明であっても、さきの二月、三月に起きた事案でも、あれでも十万人に対して〇・一から〇・二なんですね、あれだけ立て続いて見えたとしても。あれが全部因果関係が明らかでないことは一番目の御答弁で出たと思うんです。本当にわからないのです、原因が確定できない、断定できない。そのときのアンテナをどこまで立てておくか。

 今回、もし十万に対して〇・五まで待っていると、実は何例も何例も死亡例が出ないと再検討に向かわないというのでは、やはりちょっと不安が残ります。もちろん、熊本の事例を十分検討していただいていることとは思います。いろいろな報告は、副作用は、多い方がいいんです。それでも、死亡例を十万当たり〇・五と置かれることは、私は高いと思いますので、これは行政上の問題になりますので、ちょっと岡本政務官に、もう一度この検討を私からお願いをしたいと思います。

 あわせて、これは今ダイレクトエントリーで、副反応が起きたらすぐ厚労省に上がってまいりますけれども、自治体の皆さんは何を知りたいかというと、例えば熊本県で起きた事案のロット番号はどうであったのかなど、もし自分の自治体で起きたらどうするか、絶えず考えるわけです。

 こうした事案は、当然、個人情報保護とかいうことを言われて、なかなか自治体側に情報は伝わらない。でも、私は、念のため、いろいろなことが起きたときの自治体への、特に今ダイレクトエントリーをしている、直に国に上がってくるという中で、自治体はメディアで取り上げられれば、ああ、うちもということで、後々報告がありますが、あの事例を受けて、ことしの二月、三月、自治体との連携はどのように改善されたのか。この点については大塚副大臣、いかがでしょう。

大塚副大臣 今回の被害、お亡くなりになる事例が最初に出始めたころ、阿部委員と御一緒に宝塚の市長、西宮の市長がおいでくださいました。そうしたことも念頭に置いての御質問かと思います。

 今先生が御指摘になりましたロット番号等の情報をできるだけスピーディーに自治体にお伝えすることなどは、必ずしも個人情報の観点から問題があるとは思いませんので、そういう合理的な範囲で、接種の主体として事業を担っていただいている自治体にできるだけ情報を御提供できるように、今後もしっかり検討させていただきたいと思います。

阿部委員 ぜひそうしていただきたいと思います。それを犯人扱いするのではなくて、注意を喚起していれば同じ事例は見つかりやすいということであります。

 次いで、細川大臣に伺いますが、今大塚副大臣が御答弁いただいた宝塚や西宮市の事案ですね、結局、その後の御家族のフォロー等々はどうなっておりますでしょうか。当然、死亡された事案であります。それで、明確な、直接な因果関係はないと言われて、一方で予防接種は再開されておる。しかし、それまでHibやプレベナー単独でやっていた場合に、実は死亡例の報告は一例しかありませんで、Hibを百五十三万人やって一例の死亡例があったのみであります。いかに何でも立て続いた事案でありましたが、この件について、御家族とはどのようにお話しされ、また救済はどのように考えられておるのか。これは大臣にお願いします。

岡本大臣政務官 ちょっと事実関係も含めて。

 先ほどお話があった、十万対〇・五にならないと検討しないということではないので、それまで待っているわけじゃないです。一例一例きちっと、今回、熊本で出た事案も、大変我々としてもその事態を重く見て、詳細な検討を加えておりますから、そういう意味では、待って何もしない、十万対〇・五を超えなければ何もしないというわけではないということは御理解をいただきたいと思います。

 それから、今の宝塚の事例等、それぞれ詳細な検討を加えた結果はもう御承知のとおりでありますけれども、その後、御家族の方に厚生労働省から何らか接触をするということは行っていないと承知をしております。

阿部委員 予防接種行政は、やはり最前線に立つ自治体にとっては大変に負荷の強いものでありまして、そうした点も密にフォローしていただいて、もちろん厚労省がダイレクトに何と言うよりも、例えば検討会でやった知見とか情報とかも御家族にも必要かもしれません。そのことをお伝えした上でまたどう判断されるかも出てまいりますので、ぜひこの点はよろしくお願いしたいと思います。

 次いで、こうした副反応の報告について極めて特異的な事象が起こっております。皆さんのお手元の新型インフルエンザの報告事案ですが、実は、これが新型インフルエンザと大変話題になりましたときは、報告件数が、大体二千二百万回ほど接種いたしまして死亡例百三十三というのが上がってまいりました。その後、これが新型ではなくて季節型に組み込まれて接種いたしますと、五千万回以上やっていて医師から上がってくる報告例は十六例。恐らくこれは製薬業界から上がってくるものも含めて、厚労省に伺うと二十二例でありました。

 使われているワクチンは同じで、逆に季節型の中に組み込まれたわけですから、いわゆる抗体価、ワクチン量、抗原量は多くなっていると思うのですけれども、実は、こんなに副反応の報告に差が出てまいります。一けた違ってまいります。

 私は、先ほど申しましたように、より多く拾って、その中から問題があれば点検していくという方がこういう行政はよろしいかと思いますが、岡本政務官はこの数値をどうごらんになりますか。

岡本大臣政務官 我々としても、重篤な副反応があったものについて報告を求めているわけでありますけれども、例えば、先ほどの三月のHib、肺炎球菌の副反応の報告についても、新聞報道がなされると、ちょっと昔の事例についても報告が上がってくるというようなこともありまして、副反応の報道がある、もしくはそのワクチンについての報道があったりすると、さまざまな注意喚起がなされることもあるんでしょう、報告が上がってくる傾向にあるのかな、この資料を見てもそのような感想を持たせていただいたところであります。

阿部委員 もちろん、要はリスクコミュニケーションの一端だと思うんですね。報道はそういうリスクを確かに伝えてくれますので、それについて注意が喚起されて報告例が上がってくる。でも、私としては、今後も、予防接種行政の中で副作用、副反応がより上がってきやすい体制を、季節型の中に組み込んだからといってそれが減ってくるというのは、やはり周知徹底の方法とか厚労省の方からもさらに厳密にお願いして、ぜひリスクを拾っていただきたい。この次の回で新型インフルエンザの事案を取り上げていきたいと思いますが、やはり必ずメリット、デメリットあるものですので、この点についてはお願いを申し上げます。

 時間の関係で、最後に、今大変問題になっております、子供たちの学校校庭における被曝や、あるいは幼稚園、保育園などの環境での被曝問題を取り上げさせていただきます。

 きょう私が取り上げます事案は、いわゆる二十キロから三十キロ圏内、原子力発電所から見てその圏内にある地域、緊急時避難準備区域と言われた地域にある保育園、厚労省管轄は保育園ですので、保育園の事案だけ取り上げさせていただきます。

 念のために、皆様のお手元には、五月の六日に文科省とアメリカで行った航空機モニタリングによる汚染マップがつけてございます。簡単に言うと、この飯舘というところがよく今、ここは計画的避難区域ですが、その一番外側の線は赤で、これと同じ程度の線は郡山とか二本松とか福島とか伊達でも出ております。飛び地化現象と呼ばれるものであります。

 これは空間線量に直すこともできますが、一応、汚染状況の大略把握ということで念頭に置いていただいた上で、もう一枚おめくりいただきますと、これは東大のアイソトープ総合センターの児玉先生からいただきましたが、実は、南相馬市から依頼を受けて市内の保育園の線量をはかられたということであります。

 市内には、保育園が九、幼稚園十一、小学校十一、中学校が五ございますが、二十キロから三十キロ圏内に七園、三十キロ圏外に二園ございます。今ここが緊急時避難準備区域だということで、子供たちはわざわざ三十キロ圏の外に行く措置がとられております。

 そういたしまして、スクールバスの送迎費用も集計すると毎日百万円かかっておりますが、それだけではなくて、次のページをおめくりいただきますと、三十キロ圏外の方が、例えば雨どい、側溝と書いてあるところですと六マイクロシーベルト、これは年間に直すと、もしずっといれば五十ミリシーベルトに上がってしまうというほど高いところがございます。実は、線量だけ見れば、二十キロ圏内と三十キロ圏外には逆転現象が起きているところが多々あります。

 今、厚労省では三十キロ圏外の保育園をおはかりでございますが、それも五十センチの高さだけです。もっと徹底して、子供は低い環境に生活します。側溝をまずはかること、必要であれば除染すること。三十キロ圏内も、これは解除されれば帰ってくるところですから、測定し、除染を図ること。細川大臣に、最後にお願いします。

大塚副大臣 先生御承知のとおりだと思いますが、緊急時避難準備区域は、お話の中にもあったと思いますが、いざというときに自力で避難が困難なお子さんはこの区域に入らないように求めておりますので、実は、この区域内、つまり二十キロ―三十キロ圏内の保育所などは、ここでは今、線量をはかったり、除染活動は行っておりません。

 ただ、まず、三十キロの外側の幼稚園、保育園等でもそこそこの数値が出ているではないか、特に雨どいについては、いただいた資料ですと六・一という数字がかみまの保育園で出ておりますが、こういったことは、やはり現実を直視して、雨どい等の除染もするべきだと思います。それ以前に、はかるべきだと思います。

 また、二十キロ―三十キロ圏内は今は使用しておりませんが、やがてお帰りになることを考えると、優先順位を考えて、マンパワーや対応するリソースに余力が出てきた段階で、先生御指摘のような対応は検討しなければならないと思います。

岡本大臣政務官 先ほどお尋ねがありました、厚生労働省が直接御遺族の方に連絡をとっているのかというのをもう少ししっかり調べましたところ、宝塚市と西宮市のケースについては、直接厚生労働省にお尋ねのお手紙をいただいたため、電話、ファクス、それからお手紙で厚生労働省からも連絡をとっておりますが、それ以外の皆様方についてはこちらから直接連絡をとっていない、こういうことですので、改めて御説明させていただきます。

阿部委員 御丁寧な説明、ありがとうございます。

 この二十キロから三十キロ圏の設定は、さまざまな矛盾がございます。要介護者がいる、病院は入院できない。この件、また後ほど取り上げさせていただきます。

 ありがとうございます。

牧委員長 次に、柿澤未途君。

柿澤委員 みんなの党の柿澤未途でございます。

 きょうは、新型インフルエンザワクチンに関する健康被害の補償特措法の改正案、こういうテーマでありますが、新型インフルエンザワクチンについては、購入と期限切れによる破棄によって一千億円を超えるいわば無駄が生じてしまった、こういう問題が指摘をされていますけれども、既に参議院の決算委員会で取り上げられているようなので、きょうはこの点は触れないということにしたいと思います。

 きょうは、新型インフルエンザワクチンの副反応に関する最新の知見について気になる報道があったので、お尋ねをしたいというふうに思うんです。

 ことし二月に、フィンランドの国立衛生福祉研究所が、新型インフルエンザのワクチン、パンデムリックスを接種した子供が接種しない子供に比べて睡眠障害、ナルコレプシーが起きる割合が九倍も高いという調査結果を発表しております。

 このフィンランド国立衛生福祉研究所によると、フィンランドで二〇〇九年と二〇一〇年、ナルコレプシーを発症した四歳から十九歳の子供や若者六十人の約九割に当たる五十二人が、パンデムリックスの予防接種を受けていたことがわかったということなんです。これを受けてWHOも、パンデムリックスの安全性について調査に乗り出す、こういう方針を明らかにしております。

 製造元のイギリスの製薬大手のグラクソ・スミスクライン、GSKによると、このパンデムリックスというのは、新型インフルエンザや季節性インフルエンザのワクチンとして、既に世界四十七カ国で三千万人以上の方々に投与されているということであります。

 まずお伺いをいたしたいと思うんですけれども、このパンデムリックスという新型インフルエンザのワクチンは、日本で輸入され使われた、そうした履歴があるのかないのか、お伺いをしたいと思います。

岡本大臣政務官 御指摘のグラクソ・スミスクラインのパンデムリックスのいわゆるナルコレプシーとの関係については、フィンランドでの調査が行われておりまして、本年八月三十一日までに最終報告がまとめられる、こういうふうには理解をしております。

 御指摘のことについて厚生労働省としても関心は持っておるところでございますが、このGSKのパンデムリックスについては、日本で例えば国家が今回いわゆる新型インフルエンザのワクチンとして購入をした、こういった実績はございませんで、日本においては、同じGSK社ではありますけれども、アレパンリックスというものを購入した、こういうことになっております。

柿澤委員 ナルコレプシーというのは、症状としては、日中の過剰な眠気、これは歩いていたり食事をしたりしているときに突然眠り込んでしまう、また、喜怒哀楽の感情が強く出たときに体が脱力して弛緩をしてしまう、こういう症状の疾患であります。これは発症率が非常に人種差があって、日本人は最も高いということが言われているようであります。

 今お話がありましたとおり、このパンデムリックスは、先般の新型インフルエンザの流行時において輸入をされたワクチンの中には該当していないということでありますので、そういう意味ではここまでの段階では心配は要らないのかなというふうにも思うわけですけれども、しかし、このパンデムリックスについて、免疫増強剤のAS03というのが添加をされているということが言われております。このAS03の添加されたパンデムリックスを接種したところ、こうしたナルコレプシーの発症事例が多く出た国がある、こういうことが言われているわけです。

 このAS03を含むワクチンというのは、今GSKも国内承認を目指して治験を行っているということだったかとも思いますけれども、こうした非国産のワクチンについては、日本では使ったことのない免疫増強剤を使用していたりもするわけです。

 そういう点からすると、先ほど来、ワクチンの国産化、こういうことが取り上げられていましたけれども、こうした際に、特例承認の形で輸入ワクチンをある意味では安全性の検証が完璧にはなされない中で輸入をし、使用するということは、やはり抑制的であるべきだ、できればない方がいい、こういうふうに思いますけれども、改めて御見解をお尋ねしたいと思います。

岡本大臣政務官 一般論として、公的な予防接種に使うワクチンというのは、国産、輸入を問わず、薬事承認をされるワクチンを用いて必要なワクチン接種を実施するということにしていますが、新型インフルエンザに限って言いますと、想定をされる状況というのは、需給バランスが崩れて非常に需要に対して供給が逼迫している、こういう状況の中、海外産のワクチンを本当に十分確保できるのか、そういった懸念はあるわけでありまして、先ほど来御答弁をさせていただいておりますように、国産ワクチンの製造力の強化に向けて我々も注力をしている、こういうところであります。

柿澤委員 続きまして、きょうは一般質疑的な部分も含めた法案審議だということで、理事会でそんな合意もなされていたかと思いますので、法案を少し離れて、現下の課題についてお伺いをしたいと思います。

 原発作業員の被曝の問題であります。

 五月の三十日、東電社員二人が線量限度を超えて被曝した可能性が高い、こういう東電の発表がありました。三十代と四十代の社員の被曝量、これは、確定値でいうと六百七十八ミリシーベルトと六百四十三ミリシーベルト、現状において作業員の線量限度とされている二百五十ミリシーベルトを大幅に超えてしまいました。

 東電社員、この二人は、それぞれ三号機と四号機の中央制御室にいたということでありますけれども、どうしてこのような大量の被曝をしてしまったというふうに厚生労働省としては見ているのか、お尋ねをしたいと思います。

平野政府参考人 今回、六月十日の東京電力による報告で、議員御指摘のように、六百ミリシーベルトを超える方が二名いることが確定いたしましたことは、大変遺憾なことでございます。

 このお二人の方につきましては、震災後の作業内容等を調査した結果、お二人は、水素爆発のあった三月十二日を挟む十一日から十四日までの間に中央操作室に滞在して作業しておりましたが、水素爆発直後のマスクの着用が徹底されていなかった事実があったことを把握しているところでございます。

柿澤委員 マスクの着用の問題もあり、また、水素爆発の時期にちょうど中央制御室にいらしたということで今回の大量被曝につながった、こういうふうに見ているということでありますが、この方々は、まず、室内にいた、中央制御室という室内にいたわけです。そうした方々でこれだけの被曝量があったということを考えると、私は、このお二人が最も高い被曝量を受けた方々であるのかどうかということについて、多少の疑問を感じているところなんです。

 その当時、原子炉建屋の内外、そして屋外で作業していた例えば下請企業の作業員、こうした方々もいたはずでありますけれども、このような方々は、中央制御室といういわば室内にいた方々に比べると、もっと被曝してしまっているということも想像できるのではないかというふうに思うんです。三月中には、線量計を持たずに作業をしていた方も多くいたはずで、そもそも被曝量の実態をつかむことができているのかどうかということについても私は危惧、懸念をしております。

 そういう意味で、今回のような大量被曝をしている方、下請の作業員については、場合によってはそれ以上の被曝をしている方がほかにも存在をしているというふうに考えるべきではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

平野政府参考人 三月中に福島第一原発で作業を行っておられた方は、約三千七百人おられます。このうち二千三百人の方については内部被曝量の暫定値について報告をいただいておりますが、残る人につきましてもできるだけ早期に測定を行い、報告するように、東京電力に対して指導しているところでございます。

柿澤委員 ちょっと時間的な問題もありまして、質問を一個飛ばした上で続けさせていただきたいと思います。

 今、いろいろ御答弁にあったとおり、こうした方々、大量被曝をしている方々は、マスクを着用していなかったということもあって、内部被曝の測定値がかなり高い値で出たということが言われています。今、私も、さまざまな国会質問を通じて、こうした経口や吸入によって摂取をした放射性物質によるいわゆる内部被曝の問題を取り上げてまいりましたけれども、こうした内部被曝が人間の健康にもたらす健康リスクというのを厚生労働省はどのように考えておられるのか、改めてお伺いをしたいと思います。

大塚副大臣 内部被曝も含めた影響をしっかり考えるべきではないかという御趣旨の御質問かと思いますが、そういうことでよろしかったでしょうか。(柿澤委員「いや、特に内部被曝」と呼ぶ)はい。外部被曝だけでなく、当然、内部被曝も考慮した対応を考えていくべきではないかというふうに思っております。

 放射線の人体に対する健康リスクについては、外部被曝のみならず、内部被曝による影響を含めた上で総合的に評価すべきものであり、先般、このお二人についても、最初は幅を持った数値で被曝量がお示しされましたけれども、その後、ある程度確定値になりました。これは、内部被曝量が最終的にどのくらいになるのかということの計算結果も踏まえたものでございまして、先生の問題意識と私どもの問題意識は同じでございます。

柿澤委員 内部被曝がどういう健康リスクを短期そして中長期にもたらすかということについては、私は、余りお尋ねの趣旨に沿ったお答えをいただけなかったような気がするんですけれども。どうぞ。

大塚副大臣 失礼いたしました。

 先生も相当お詳しくなっておられると思いますけれども、外部被曝はいわば一時的に浴びた被曝量でございますが、内部被曝は、内部に入った放射性物質がその後体外に排出される量なども確率的に計算をした上で、残存したものの生物的半減期及び体内における半減期の影響も踏まえて、大体五十年とか六十年とか長い間における内部での放射線の放出による影響でありますので、中長期的には内部被曝の影響というのは、急性期的な影響はあらわれないというふうに思いますけれども、長い期間をかけてどのような影響が出るかということをしっかり注視していかなくてはならない罹患だというふうに思っております。

柿澤委員 この間、かねてから、内部被曝、どれだけのものをどれだけ取り込んだ場合にどのような健康リスクが顕在化してくると考えられるのかということについての評価基準というか、そうしたものをやはりつくるべきではないかということを何度か取り上げさせていただいてまいりました。

 当初、大塚副大臣から、次の喫緊の課題です、こういう御答弁もいただいてきたわけですけれども、現時点において、そうした基準は、今の段階で公表されたところまでは至っていないわけでありますので、そうしたことがこれからどのように進んでいくのかということについてお尋ねをしたいと思います。

大塚副大臣 若干認識にギャップがあるかもしれませんが、今、作業員の皆さんが被曝したと想定される線量、計測をされて示されている線量は、先ほどの質疑の中でお示ししましたように、内部被曝も勘案した数字でございます。したがいまして、内部被曝も勘案した、作業員の皆さん、つまり、今度は実際に、環境だけじゃなくて人への影響という意味では、大分そのデータがそろってきているわけでございますので、今後はそれらの被曝量に応じた対応をどうしていくか。

 その場合、労働環境的あるいは労働者の健康維持のためにどう管理すべきかというのは、幾つかの基準でもう示されているわけであります。今後は健康被害に対する考え方をまとめる段階だというふうに思っておりますので、決して相当スピーディーに進んでいるというふうに自信を持って申し上げられるわけではございませんが、着実に前に進めさせていただいているというふうに思っております。

柿澤委員 この問題は、まさに今後一番大きな問題になっていくと思いますので、相当スピーディーと言えるかどうかわからないという話ですけれども、ぜひ相当スピーディーに進めていただきたいというふうに思います。

 今回の原発事故の現場作業に当たった作業員に対しては、私は、これは単なる労災補償以上の補償措置が将来的に必要になるというふうに思います。例えば長期的な医療補償をどうするのか、そのためには、私は、特別な法制度をつくる必要も出てくるのではないかというふうに思います。

 労災があるじゃないか、こういうふうにも言われるかもしれませんけれども、そもそも労災については、健康被害を生じた当事者が、その健康被害が労働に関連して生じたものであることを立証しなければならない。数十年後に起こり得るさまざまな健康被害との因果関係を、挙証責任を作業員の側に負わせるというのは、これは余りにも酷な話ではないかというふうにも思います。

 そういう意味で、一般的に、福島第一原発の作業に当たった方々に対して、全般的な医療補償を制度として担保するなり、こうしたことをやっていく必要があるというふうに思うんです。被曝の実態が、三月中は線量計が足りなくて、本当の意味でつまびらかにできないということであるとすれば、これはなおさらのことだというふうに思います。

 その点、どのようにしていくおつもりなのか、お伺いをしたいというふうに思います。

細川国務大臣 この作業員が将来的に白血病とかいろいろな病気が出た場合に、まずは労災で補償をされます。労災保険から、まず医療費は全額支給されますし、療養のために休業した場合には休業補償、そういうものが支払われるということになります。

 しかし、そのほかの、例えば慰謝料を含みます損害賠償ということについては労災では補償がされない、こういうことになりますから、考えられますことは、例えば原子力損害賠償法の中でこの賠償が行われるかどうか、これも検討すべき事項だというふうに思いますが、私は、いずれにしても、原発の作業で将来発病した場合については、労災だけではなくてしっかりした補償をできるような、それは法的なものも含めながら、きちっとこれから検討しなければというふうに思っております。

柿澤委員 将来的に、現場で作業した方がさまざまな、これは例えばがんというような病気にかかわりません、内部被曝がもたらすリスクは例えば脳や心臓といったところに出る場合もあります。こうしたことについて、一々、東京電力や、あるいは場合によっては政府の側と因果関係の立証を争うような事態が生じるということは、私は今回の事案にかんがみてあるべきではないというふうに思いますので、ぜひお取り組みをお願いしたいというふうに思います。

 最後に一点、お伺いをいたします。

 今回、福島第一原発から北西方向の広範囲で、チェルノブイリを上回るようなセシウムの土壌汚染が測定をされています。それは、先ほど阿部委員がお配りをされた資料でもおわかりいただけるとおりです。今、セシウムを吸収した農産物やあるいは畜産品を通じた内部被曝をどう避けるかが、私は重要な課題だというふうに思います。

 チェルノブイリ事故を受けて、ウクライナ政府は食品等に関する基準値を設定したわけですけれども、九七年には、内部被曝を改めて考慮し、基準値を改定しております。セシウムでは、飲料水二ベクレル・パー・キログラム、野菜は四十ベクレル。さらに、摂取量を考慮して細かく基準値を決めています。ジャガイモは六十、果物は七十、肉類は二百、魚は百五十、卵一個で六ベクレル、幼児用の食品については四十ベクレル、こういうことが決められているわけです。

 それに対して、日本の暫定規制値は、飲料水二百ベクレル、野菜五百ベクレル、それしかないというか、食品に関して五百ベクレル、それしかないわけです。規制値が余りにも高過ぎるということが言われております。

 これから、まさにセシウムが地表に蓄積をした土壌におけるさまざまな農業あるいは畜産、そうしたことが低濃度の汚染地域では行われていく可能性もあるわけですので、こういう食品の放射性物質に関する規制値というものをきっちり見直していく必要が、内部被曝の防止のためには極めて重要だというふうに思います。

 その点からすると、今の暫定規制値は余りに高過ぎるのではないかと思いますし、早急に見直す必要があると思いますが、御見解をお伺いいたします。

大塚副大臣 今の基準は、先生も経緯を御承知のとおり、ICRPなどの科学的知見に基づいたデータを参照に暫定的に決めたものを、それぞれ所管の諮問機関等が、現状ではやむを得ないだろうということで合理性を担保したものであります。

 しかし、その後、これから徐々に平時に向かって私どもは努力をしなくてはいけないわけでありますので、平時というのは、自然界にある放射性物質からの年間二・四ミリシーベルト以外の被曝量は一ミリ程度以下に抑える、そういう状況を目指していくという中においては、この暫定規制値も徐々に、平時に向けてより低い方、低い方に持っていかなくてはならないというふうには思っております。

 現状は、食品安全委員会でさらにこの暫定規制値についての評価をしていただいているところでございます。この評価結果がこの夏にも出るというふうに承っておりますので、そうした専門家の御意見も踏まえて、しっかり対処させていただきたいと思います。

柿澤委員 徐々にということですけれども、これは夏に評価結果が出たら見直す、こういうことを明言していただいたということでは必ずしもないんですか。

大塚副大臣 まだそういう段階ではございません。

柿澤委員 今の暫定規制値が国の内外からどういう数値として見られているかということを、もっともっと強く意識をしていただきたいというふうに思います。このことをおろそかにすれば、結局、言葉はあれですけれども、チェルノブイリの周辺地域の再現にもなりかねない。こういう重大なリスクをこの問題は持っているというふうに思いますので、ぜひそうした意識を持って取り組んでいただきたい、このことをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

牧委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十二分散会


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