衆議院

メインへスキップ



第8号 平成24年3月28日(水曜日)

会議録本文へ
平成二十四年三月二十八日(水曜日)

    午後一時三十分開議

 出席委員

   委員長 池田 元久君

   理事 岡本 充功君 理事 長尾  敬君

   理事 長妻  昭君 理事 柚木 道義君

   理事 和田 隆志君 理事 加藤 勝信君

   理事 田村 憲久君 理事 古屋 範子君

      相原 史乃君    井戸まさえ君

      石井登志郎君    石森 久嗣君

      稲富 修二君    大西 健介君

      川口  浩君    工藤 仁美君

      斉藤  進君    白石 洋一君

      田中美絵子君    高邑  勉君

      竹田 光明君    玉木 朝子君

      仁木 博文君    橋本  勉君

      初鹿 明博君    樋口 俊一君

      福田衣里子君    藤田 一枝君

      牧  義夫君    三宅 雪子君

      水野 智彦君    宮崎 岳志君

      山口 和之君    山崎 摩耶君

      山崎  誠君    吉田 統彦君

      あべ 俊子君    鴨下 一郎君

      菅原 一秀君    棚橋 泰文君

      谷畑  孝君    永岡 桂子君

      長勢 甚遠君    松浪 健太君

      松本  純君    坂口  力君

      高橋千鶴子君    小林 正枝君

      阿部 知子君    柿澤 未途君

    …………………………………

   厚生労働大臣       小宮山洋子君

   総務副大臣        黄川田 徹君

   厚生労働副大臣      牧  義夫君

   厚生労働大臣政務官    藤田 一枝君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           奈良 人司君

   政府参考人

   (厚生労働省老健局長)  宮島 俊彦君

   政府参考人

   (厚生労働省保険局長)  外口  崇君

   厚生労働委員会専門員   佐藤  治君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月二十八日

 辞任         補欠選任

  福田衣里子君     山崎  誠君

  山口 和之君     川口  浩君

  江田 憲司君     柿澤 未途君

同日

 辞任         補欠選任

  川口  浩君     稲富 修二君

  山崎  誠君     高邑  勉君

  柿澤 未途君     江田 憲司君

同日

 辞任         補欠選任

  稲富 修二君     山口 和之君

  高邑  勉君     石井登志郎君

同日

 辞任         補欠選任

  石井登志郎君     井戸まさえ君

同日

 辞任         補欠選任

  井戸まさえ君     福田衣里子君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 国民健康保険法の一部を改正する法律案(内閣提出第一九号)


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

池田委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、国民健康保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として文部科学省大臣官房審議官奈良人司君、厚生労働省老健局長宮島俊彦君、保険局長外口崇君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

池田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

池田委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。水野智彦君。

水野委員 民主党・無所属クラブの水野でございます。

 本当はもうちょっと、ベストの調子でやりたかったんですが、いろいろと昨夜もありまして、少し疲れた形で大変申しわけございませんが、一生懸命質問させていただきたいと思っております。

 本日は、国民健康保険法の一部を改正する法律案ということでございまして、トップバッターということで、特に基本的なことについて御質問させていただきたいというふうに思っております。

 今度のこの市町村国保の改正は、近年の高齢化の進展とか経済状況、そういうものによって非常に非正規の労働者や無職の方々の加入がふえて、財政的に大変厳しさを増しているということでございまして、一昨年、平成二十二年度の速報値では、実質、単年度収支で三千九百億の赤字になっているということでございまして、多くの市町村が一般会計の方から法定外の繰り入れをしている、こういうことでございまして、このような市町村国保の財政状況を踏まえて、これまで実施されてきた市町村国保の財政基盤強化や運営の都道府県化の取り組みをさらに進める、そのための法律改正というふうに理解しているところでございます。

 そこで、第一点、質問させていただきたいと思いますが、多くの市町村国保関係者から今回のこの改正を評価する意見というものを聞いておるところでございますけれども、今回の改正で財政基盤強化策を恒久化しても、この厳しい市町村国保の財政運営が大幅に改善するわけではなく、抜本的な改正が必要ではないかというふうに思っております。

 現在も厚生労働省と地方団体と、市町村国保の財政基盤強化のあり方についての協議がされているというふうに聞いておりますけれども、国民健康保険制度を維持していくために、市町村国保の財政運営の安定化に向けての取り組みが重要であると思いますが、本来であれば小宮山厚生労働大臣の決意を聞きたいと思っておりましたが、きょうはちょっとまだいらっしゃらないということで、ぜひ厚生労働省のその辺の決意を聞かせていただきたい。

 また、厚生労働省は、地方団体に対して、税制の抜本改革時として、低額所得者の保険料に対する財政支援の強化策を示していますが、それが低額所得者の保険料負担に及ぼす効果、影響、その実施に向けた決意についてもぜひ聞かせていただければというふうに思っております。

藤田大臣政務官 御質問をいただきました。

 委員の方から御指摘もございましたように、国民皆保険制度を堅持していくということは、医療制度の根幹にかかわる極めて大事な課題でございまして、その際に、国民健康保険制度というものはその基礎として重要な役割を果たしている、このように認識をしております。

 しかし、今日、制度発足当初とは違って、委員の方から御指摘がございましたように、非正規労働者や無職といった方々、低所得者の方々、あるいは高齢で医療が必要な方々というものが多く加入をしているという現状になり、また、加入者が少なく、財政運営が不安定となる市町村が出てきて、市町村ごとの保険料に大きな差がある、こういった問題が惹起をしているわけでございます。

 この間、市町村国保の財政基盤強化策の実施であるとか、都道府県内の全市町村が共同で負担する事業の実施であるとか、あるいは市町村国保財政の不均衡を調整するための都道府県調整交付金の導入、こういったことを進めてまいりましたけれども、今回の改正では、さらに、平成二十五年までの暫定措置であった市町村国保の財政基盤強化策を恒久化する、そしてまた、二十七年度から、市町村国保の都道府県単位の共同事業の事業対象を全ての医療費に拡大する、こうした取り組みを進めていくという内容となっております。

 これを進めることによって、市町村国保の構造的な問題に対応して、そしてまた市町村国保財政の安定化、強化というものを図っていきたい、このように考えております。

 さらに加えて、今回の一体改革の中で、税制抜本改革とともに、公費二千二百億円を追加投入して、とりわけ低所得者の保険料への財政支援というものを行うこととしているわけでございます。

 具体的な中身については、低所得者保険料軽減の対象の拡大、また低所得者数に応じた保険者支援制度の拡充、こうしたことを予定しておりますけれども、その効果というのは所得水準や世帯構成によっても異なってまいりますので、機械的な試算ということになってまいりますけれども、三千五百万人の国保加入者全体で一人当たり保険料を年額〇・六万円程度抑制する効果がある、このように見込んでおります。

 さらに、低所得者の保険料軽減の拡大ということになりますと、二割軽減の拡大をした場合、二・五万円の減、さらに、五割軽減の拡大をいたしますと三・七万円の減、このようなことを見込んでいるところでございます。

 こうしたことで、保険料水準の抑制というものを図って、そしてまた納付しやすい環境整備というものもできてくる、そして市町村国保の財政基盤の強化につながる、このように考えておりまして、重要な施策である、しっかりと実現をしてまいりたい、このように考えております。

水野委員 政務官、どうもありがとうございます。大変わかりやすく、理解をしたところでございます。

 続きまして、ちょっと中身の方で少し質問させてください。

 本案では、給付費等に対する都道府県の調整交付金の割合を七%から九%に引き上げる、逆に、定率の国庫負担を三四%から三二%に引き下げるということでございますけれども、都道府県の財政調整機能の強化を図るということになっていると思いますが、これは、都道府県が例えば市町村の取りまとめがうまくできずに、聞くところによると、多くの都道府県が調整交付金を定率で交付しているというふうに聞いておるところでございます。

 本来であれば、これはやはり財政の弱いところにしっかりと配り、そういったところの調整金というふうに理解しておりますが、なかなかその辺が、都道府県の方で調整ができているのかというところにちょっと疑問を感じるところでございまして、そういうところから、国民健康保険における都道府県の役割をいかに強化していくかということが、今話しましたが、今後の課題になると思いますけれども、都道府県が財政機能を発揮できるようにするために、国から例えばそういうものを示す、そういう取り組みができるのか、また、そういうことを現在考えておられるのか、そういうところについてちょっとお聞きしたいと思います。

藤田大臣政務官 委員御指摘のように、都道府県調整交付金というのは、現在、四十七都道府県のうち三十五都道府県が定率で交付をしているということで、必ずしも十分に財政調整機能を発揮している状況ではない、このように認識をしております。

 現在も、その配分については実はガイドラインを策定しているんですけれども、なかなかこれが十分機能していないということであろうと思います。今回の改正によりまして都道府県調整交付金を増額いたしますので、これとあわせて、地方公共団体とも協議をした上で、地域の実情に応じて財政調整機能を発揮できるように、そのガイドラインの見直しというものを検討することとしております。

水野委員 今、政務官の方からガイドラインの話が出ました。本当に早期にそのガイドラインを出していただければというふうに思っております。

 私も千葉県の出身でございまして、県北と県南の方ですごく開きがありまして、県北の方は今、人口がふえておって、財政的にはある程度基盤があるわけでございますが、県南の方は、特に少子高齢化の中の、高齢率がもう三五%、四〇%近い市町村もありますし、非常に財政力的には開きがある。

 そういう中で、ぜひそういったことも勘案したガイドラインというか、国からの方向性を示していただきたいなというふうに思っておるところでございますので、政務官、よろしくどうぞお願いいたします。

 続きまして、話が少し、ちょっと申しわけないんですが、今度は健康保険組合の方の話になるんですが、行政刷新会議の仕分けにおいて、所得水準の高い国民健康保険組合に対する国庫補助金の見直しを行うということでされてまいりました。きょう皆様のところに資料をお配りしているかと思いますが、これは実は、その仕分けの中で出された、所得水準の高い国民健康保険組合をこういうふうにしていこうというような案でございまして、A案、B案というのがございまして、これは、この前、厚労省に確認したところ、刷新会議のとおりB案でやるんだというような話になっておるところでございます。

 そこで、ちょっとお話をさせていただきたいと思うんですが、例えば、国保の財政状況が悪化して、所得水準の高い国保組合は定率をゼロにするということでございますけれども、課税標準額三百万以上はゼロということで、きょう持ってきた資料は千葉県の医師会の方から出された資料でございまして、ちょっと見ていただきたいと思いますが、今まで、現行、五億四千二百九万七千七百二十二円という金額を国から補助金としていただいていた、そういった中で、今回それがゼロになるということの中で、二のところを見てもらいますと、B案ということでございまして、これがゼロ%ということですと、全額、今度は補助金が入ってこないということになりますと、一人当たりの年間保険料が四万九千六百二十円ほど上がるということでございます。

 そういった中で、単純に、次の三のところでちょっと見ていただきたいんですが、国保組合が仮に経営が成り立たなくて解散をするということになりますと、当然、五人以上の事業所は協会けんぽ、それ以外の個人事業所は市町村国保に移行するということになるわけでございます。

 市町村国保にしてみれば、それだけ所得の高い方が入ってこられるから、非常によいといえばよいのかもしれませんが、実は、国のレベルで、補助金のレベルで考えたときに、ではどうなるかということをちょっとお示しさせてもらったのがこのBのところでございます。

 ここで、現行、五億四千何がしかの補助金をいただいて、例えば市町村国保の場合は五割、負担が入る、協会けんぽの方は一六・四%ということで計算させてもらいますと、実は、このところの補助金が七億八千七十五万七千三百十二円かかる、すると、差し引き大体二億三千八百六十五万九千五百九十円ほど負担金がふえるということでございます。これは医科だけでございまして、千葉の歯科の場合を別途、きょうは資料をつけませんでしたが、あるんですが、これだと二億八千万ということでございまして、足すと五億二千二百万を超えるような、逆に国からの補助金はふえるということになります。

 この一番最後のページをちょっと見てもらうとよくわかるんですが、今まで拠出金というものを、当然、国保の健康保険組合の方から出しておりまして、これが、二十四年度は見込みでございますが、二十三年度で九億二千二百八十四万六千円出ているということでございまして、それで、これは歯科医師会の分と合わせますと大体約二十億ぐらいの拠出金もそこから出ているということも踏まえますと、やはりどうしても潰すわけにはいかないというか、維持していかなければいけない、そういうふうに思っているところでございますので、ぜひ、この辺は、安易に事を進めることなく、慎重に検討していただけないかなというのが私からの質問なんでございますけれども、この辺をお答え願いたいと思います。

外口政府参考人 国保組合について、市町村国保並みに保険料を徴収するとした場合、国庫補助の見直しを行っても基本的には収支は黒字となると見込まれる試算がありますが、組合ごとに所得水準が異なり、市町村国保の保険料率も地域で異なっているために、財政影響は組合ごとに異なります。

 国庫補助の見直しは、国庫補助額の削減を目的としたものではなく、保険者間の給付と負担の公平の観点から行うものでありますが、それぞれの財政状況の試算については、個別の国保組合にとっては大きく財政影響が生じる可能性もありますので、試算に当たりましては、関係者とも十分相談しながら精査をしていきたいと考えております。

水野委員 今答弁をいただいたんですが、なかなか納得できるところでないので、ぜひその辺も含めて、もう一度しっかりと精査というか、もう一度検討願えたらというふうに思っております。

 それと、もう時間もないので最後の質問とさせていただきたいと思いますけれども、少子高齢化とか医療の高度化に伴い医療費が増加する中で、保険料負担も上昇して、患者の医療費の負担も限界に達している。そういう中で、実はこの前、税と社会保障の一体改革の中で、高額医療費の自己負担限度について、限度額の引き下げを行うという議論がされてきました。そのための財源として、受診時の定額負担金というものが導入されるということになりました。

 これは、去年の話し合いの中で、私の理解としては、廃案というか撤回されたものというふうに理解をしておりますが、その辺の今後の厚生労働省の考えをぜひお聞かせ願いたいというふうに考えますし、私は、この受診時の定額負担金ということは、本当に、自分が開業医としてやっていたわけでございますが、やはり、中小の診療所をより追い詰める。

 せっかく、我々は、二回にわたって保険料の見直しをさせていただき、やっと、全部とは言いませんが、ある程度落ちついてきたところもあるかなというふうに思っておりますが、やはり、ここでこういったものをまた出されるということになりますと、またこういうことで、それぞれ、特に大病院でなく中小の診療所、病院が負担を受ける。低額の医療費で医療を提供している方々にしてみれば、非常に、たまったものではないというふうな意見もたくさん聞きますし、私からいえば、ちょっと筋違いじゃないかなというふうなものもありますので、その辺の意見も踏まえて、政務官、お答えをよろしくお願いします。

藤田大臣政務官 御指摘のように、受診時定額負担についての検討というものが確かに行われてまいりましたけれども、これについては関係者間でもさまざまな御意見があったということで、一体改革大綱の中ではこの定額負担の導入を見送ったところでございます。

 一方、高額療養費の見直しというのは大変重要な課題でもございますので、今後は、一体改革大綱に基づいて、制度の持続可能性の観点から、この高額療養費を保険者が共同で支え合う仕組みや給付の重点化を通じて、高額療養費の改善に必要な財源と方策を改めて検討していきたい、このように考えております。

水野委員 我々は、コンクリートから人へということで、この社会保障については、今も社会保障と税の一体改革をやっておりますが、やはりこれを訴えて今ここにあるわけでございますので、ぜひその辺も踏まえて、そして、今までは私、本当に政府は結果を出してきているというふうに認識しております。ぜひ、今政務官がおっしゃったように、これをこのまま維持して、また発展させていってほしいなというふうに思って、最後とさせていただきます。

 ありがとうございました。

池田委員長 次に、山崎摩耶さん。

山崎(摩)委員 おはようございます。民主党の山崎摩耶でございます。

 久しぶりに質問に立たせていただきました。きょうは、小宮山大臣が参議院の方ということでございますが、副大臣、政務官、よろしくお願いいたします。

 国民健康保険法の一部改正ということで幾つか質問させていただきたいというふうに思います。

 国民皆保険誕生から五十年、その基盤ともなってまいりました市町村国保でございますが、さまざまな多くの課題を抱えているというのは周知のところでございます。加入者の高齢化や医療費水準の高さ、また所得水準の低さ、とりわけリーマン・ショック以後の失業による低所得者の増加ですとか、保険料負担、市町村格差など、いわば小規模なところが保険リスクの分散ができないですとか、さまざまな、財政赤字など構造的な問題を抱えているわけですが、基盤強化ということで、この市町村国保財政の現状についてどのように御認識をしていらっしゃるか、まず最初にお伺いしたいと思います。

藤田大臣政務官 市町村国保財政の現状ということでございますけれども、先ほど委員の方からも御指摘がありましたけれども、市町村国保、制度発足当初から比べますと、非常にいろいろな問題を抱え込むことになりました。現在は、加入者の年齢構成が大変高くなって医療費水準が高い、それから所得水準が低くて保険料負担が重い、そしてまた市町村間で医療費や保険料の格差が生じてしまっている、こうした構造的な問題がある、このように認識をいたしております。

 ここをしっかりと解消しなければいけないということで、今回の国保改正の中で、二十五年までの暫定措置となっていますこの市町村国保の財政基盤の強化策、これを恒久化するということとあわせて、都道府県単位化の推進を図る、このようにしているところでございます。

山崎(摩)委員 ありがとうございます。

 しかし、国保改革の中でいつも指摘されますのは、この市町村国保の保険料の収納率の低さ。

 お手元に資料を差し上げてございますが、平成に入りましてから下降の一途をたどっており、若干、今年度に入りまして上向きですが、二十二年度で八八・六%ということですが、ワーストワンの東京都などは八三・九%。

 この収納率の向上に向けて政府はどんなふうな策を講じていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。

藤田大臣政務官 非常に、市町村国保、今お話がございましたように、収納率の問題も格差が出ております。

 この間、他の医療保険制度に比べて多くの公費というものを投入してきたわけでありますけれども、二十二年度からは、非自発的失業者の所得を百分の三十とみなすことで保険料の軽減を図る制度、こうしたものを創設するなどして保険料の負担軽減ということを図っているところでございます。

 また、前にも御答弁いたしましたけれども、社会保障・税一体改革の中で、市町村国保の基盤強化策、二千二百億円の公費投入、こういうことも予定をいたしておりまして、低所得者の方々を中心にした保険料水準の抑制を図るということ、そして納付しやすい環境整備、これに努めていかなければいけないと考えております。

 また、あわせて、保険者である市町村においても、この間、多様な納付方法の確保、あるいはコールセンターであるとか嘱託職員の方々による納付勧奨の実施、そしてまた短期の被保険者証とか資格証明書、こういうものの発行が現実にあるわけでありますけれども、そうした発行の活用を通して納付機会というものの確保を図る、あるいは、納められるのに納めない滞納者がいるという、ここに対しては滞納処分の実施、こういうものを行って収納対策の強化を図っているところでございます。

山崎(摩)委員 私の友人でこの関係の研究者がいるんですが、「国民健康保険」というタイトルで新書を一冊書いたぐらいでして、収納率、未納のことも含めまして、市町村国保はさまざまな課題を抱えている。その意味では、今回は、いろいろな、恒久化ですとか、ひとつ、この改正は非常に重要かというふうに私も、政務官同様、考えているところでございます。

 二千二百億の恒久化については先ほどもお答えいただきましたので、私の方からは、保険財政共同安定化事業について一つだけお尋ねをしたいと思います。

 これは、一件三十万円を超える医療費を全ての医療費に拡大ということでございますけれども、これについては、財政安定化につながるという意見がある一方で、市町村国保それぞれに適正化策をやっているわけですが、そのインセンティブにやはり若干懸念が出てくるんじゃないかみたいな御意見も片方であるわけです。

 このあたりについて厚労省はどんなふうにお考えになっていらっしゃるか、ちょっとお答えください。

藤田大臣政務官 共同事業の問題として、一定額以上の医療費を都道府県内の市町村全体で支え合う、こういう仕組みでございますけれども、この共同事業、毎年の医療費の変動による財政への影響の緩和であるとか医療費水準などの平準化を図るということで、安定的な運営を確保するためには必要な事業だ、このようには認識をしております。

 今回の改正でさらに調整交付金を増額することにしておりまして、交付金の配分方法については、いろいろな影響が生じる可能性がありますので、先ほども申し上げましたけれども、国と地方の協議の場において、地方団体との協議をした上で、配分に関する新たなガイドラインというものをしっかりとお示ししていきたい、このように考えております。

 そしてまた、インセンティブがなくなるのではという御指摘もありましたけれども、この共同事業においては、拠出金の半分は保険者の実績医療費に比例して算定をしておりますので、医療費適正化への意欲が反映される仕組みとなっている、このように考えているところでございます。

山崎(摩)委員 ありがとうございました。

 各市町村国保、保険者の医療費適正化策、この意欲をそがないような仕組みというのが非常に重要になるんじゃないかというふうに考えております。

 その意味では、まず、市町村国保で特に大事なのが、私は保健事業だというふうに思っているんですね。高額医療費などの措置も大変大事ですが、やはり、市町村において保健事業をどんなふうにきちっとやっていくか、ここが一つのキーではないか。保健事業の重要さとかエビデンスというのは、既に長野県が、長野県は年齢調整死亡率も全国で最低水準でございますので、長年にわたる保健師たちの活動が功を奏してきていると私は評価をしているわけです。

 そこで、一つ、特定健診、特定保健事業についてお尋ねをしたいのです。

 直近の、二十二年度のデータを見ますと、特定健診の実績は四三・三%、市町村国保は三二%で、何と共済は七割もいっている。特定保健指導、メタボですけれども、これは一三・七%ですよね。国保は若干頑張って二割にいっているか。しかし、いずれも、二つの事業は国の目標値には達していないわけです。しかも、市町村の保健師に聞きますと、この事業に忙殺されて、母子ですとか予防接種でも、いろいろな、高齢者もあるわけですけれども、ほかのヘルス事業が中断をしている。

 その意味で、私は、保健師の増員というのも大変重要ではないかというふうにも考えておりますが、これについてひとつ御意見を伺いたい。

 それから、そもそもこのスキームの再検討も必要なのではないか。

 これは、委員の皆様御承知のように、後期高齢者支援金の加算、減算という、いわばこの特定健診、特定保健指導がペナルティーに直結する仕組みになっておりますので、保険者からも、この加算、減算のペナルティーなどに反対の意見もありますし、余り保険者努力を評価するような仕組みにもなっていないんじゃないか。ある意味で、このスキーム、労多くて功少なしというところも含めて、再検討が必要かというふうに私は思いますが、そのあたりはいかがでしょうか。

藤田大臣政務官 まず、市町村における保健師の皆さんの問題でございます。

 本当に、地域住民の健康の保持増進、こういうものを図っていく上で、自治体の保健師の方々、大変重要な役割を担っていただいておりますし、さきの東日本大震災においても、全国の自治体から多くの保健師の方々が被災地に応援に入って、そして被災住民の方々のケアに当たっていただいているわけでございまして、その増員の必要性ということについては、厚労省としても強く認識をいたしているところでございます。

 この間、自治体での保健師の確保策として、関係省庁に厚労省からも要求をしてまいっているところでございまして、平成二十年度には、この特定健診、保健指導がスタートしたこともありましたので、千四百人分の増員措置が講じられたところでございます。平成二十三年度には、自殺予防対策の強化ということで、これも千四百人、地方交付税措置が図られたところでございます。

 今後とも、市町村の保健福祉事業というものが円滑に実施できるように、関係省庁に対して保健師の増員要求ということを行っていきたい、このように考えております。

 そして、あわせて、今、後期高齢者支援金の加算、減算の問題、お尋ねがございました。

 非常にいろいろな御意見のあるところでございます。しかし、この特定健診、保健指導そのものについて、今、医療保険者を中心とした検討会において制度運営の改善についての議論を行っておりまして、被扶養者に対する健診率の向上ということ、今後の目標設定をどうしていくのか、これが大きな課題となっているところでございますので、この検討会における議論というものも踏まえながら、今後のこの特定健診や保健指導の効果についてエビデンスをしっかりと蓄積をして実施率の向上につなげてまいりたい、このように思っております。

 その際、御指摘のこの支援金の加算、減算制度については、さまざまな事情によって、一生懸命努力しても実施率というものが低迷をする、そういう保険者の事情というものがやはりおありだというふうに思いますので、そこはちゃんと勘案をする必要がある、このように考えておりまして、この検討会においても、関係者の理解を得ながら、その実施方法について今議論をさせていただいているところでございます。

山崎(摩)委員 後期高齢者医療制度、そのうち法案も我々審議しなきゃいけませんが、こういうことも含めて、しっかりまた議論してまいりたいというふうに思います。

 今回の見直しで、市町村国保の安定的な運営が確保されるということを私は期待いたしますが、しかし、課題は、やはり国保の構造的な赤字、こういった構造的な問題を解決しないと、市町村単位であれ広域、都道府県単位にしたところで余り問題が解決しないのではないか。

 特に、国保の加入者の中で、パートの方たち、非正規の方がふえてきている。この方たちが所得は捕捉されちゃうわけですね、自営業者と違いまして。自営業者の所得の捕捉というのは不十分だという指摘もありますが、こういったパートなどの非正規の方は、本当に所得も捕捉されますし、それなりの額の保険料も課せられる、税率を上げるとどんどん滞納に陥る、こんなこともありますので、ある意味では、これから私たちが議論いたしますパート労働者の社保の適用拡大、これは市町村国保にとっても大変重要であるのではないか、こんなこともちょっと付言しておきたいというふうに思います。ありがとうございました。

 国保事業と関連しまして、少し地域医療計画と在宅医療のことについてお尋ねをしたいというふうに思います。

 今般、地域医療計画の見直しが検討されておりまして、四疾病五事業、精神が含まれて五疾病、また在宅医療も事業に含まれたということで、社会保障審議会の医療部会などからも、在宅医療連携の推進ということを法制上も明確にすべきというような提言がされております。

 また、この四月からの診療報酬、介護報酬、ダブル改定の中でも、医療、介護、地域連携の中で中核的なサービスとして訪問看護、訪問看護ステーションについては、随分点数の引き上げもありましたし、要件の拡大ですとか緩和もされた、このことは大変私は歓迎したいわけです。

 しかし一方で、この訪問看護ステーション、ゴールドプランでは、設置目標、たしか九千九百カ所だったんですが、平成十二年以降、五千五、六百カ所から横ばいの状態で、一向にふえていないんですね。せっかく点数拡大、要件拡大をされましても、訪問看護師もリクルートされない、ステーションもふえないということではやはり期待に応えられませんので、このことは本当に強力に厚労省もプッシュをしてほしいというふうにかねがね思っているわけです。

 一つは、医療計画上に訪問看護ステーションの数値目標もしっかり書き込むということと、二つ目には、訪問看護師のリクルート、ステーションの拡充について策をどんなふうに考えていらっしゃるか、この二点、ちょっとお尋ねしたいと思います。

藤田大臣政務官 在宅医療を推進していく上で訪問看護の役割は本当に重要でございまして、厚労省としても、二十四年度は在宅介護・医療元年と位置づけてさまざまな取り組みを推進したい、このように考えているところでございます。

 その上で、二十五年度の都道府県が策定する医療計画については、新たに在宅医療の体制構築に係る指針を作成して、その中で、各地域の現状を把握するための共通の指標として、訪問看護事業所数や従業者数等を示すことといたしております。そして、それに従って、都道府県に対しては、提示した共通の指標に基づいて現状の把握と課題の抽出、これを促しながら、それぞれの地域の課題に対応する数値目標を設定するように求めてまいりたい、このように考えております。

 また、看護職員の確保対策といたしましては、もうこれも委員よく御存じのとおりでございますけれども、運営費補助等を活用しての養成の促進であるとか、病院内の保育所への支援を初めとした定着促進、それからナースバンクを活用しての再就職支援、こういったことに今一生懸命取り組んでいるところでございます。

 そして、二十四年の介護報酬改定においては、重症者や退院時の対応の強化など訪問看護の評価の充実、そしてまた訪問看護と介護を一体的に提供する定期巡回・随時訪問介護看護サービスの創設、また訪問看護と小規模多機能居宅介護を組み合わせて提供する複合型サービス、こういうものの創設を行ったところでございまして、今後とも訪問看護ステーションの充実というものにしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。

山崎(摩)委員 ありがとうございます。

 とはいえ、やはり多くの看護師が臨床で仕事をしているという、これはグローバルに見ても、ある種大変異常な状態でして、欧米、アメリカなどを見ましても、全就業数の三割から四割は地域で仕事をしているというのがトレンドでございますので、これは鋭意厚労省にもお取り組みをいただきたいなというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

 ちょっと関連の質問なんですが、有料老人ホーム、これは特定施設ですが、今後、在宅といったときに、こういった有料老人ホームですとか特定施設も在宅というふうに概念的にはなっていくんだろうと。その住まいとケア、医療を分離する。

 有料老人ホームに実は看護師がいるのですが、在宅療養支援診療所などの医師が訪問診療をしまして有料老人ホームでできる簡単な医療処置をオーダーしましても、有料老人ホームにいる看護師がそれはできないということで実施をなかなかしてもらえないという、こんな苦言もちょっと各地から聞くんですね。

 これはどんなふうに法制度上の整理をしていらっしゃるのか。法的にはできるということであれば、現場が混乱しているわけですので、しかるべき通知ですとか御指導をいただきたいというふうに思いますが、いかがでございますか。

藤田大臣政務官 今、特定施設や有料老人ホームの看護師の医療行為の問題、御指摘をいただきましたので、きちんと確認をいたしました。

 これは、医師の指示のもとで一定の医療行為を行うことができるということでございます。その点の周知が十分図られていないということではないかというふうに思っておりますので、改めて、医師の指示のもとで一定の医療行為を行うことが可能であるということ、あるいは、今回、診療報酬改定の中で、みとりの介護を行った場合の加算を創設いたしておりますので、そうした創設の趣旨などについてしっかりと周知徹底を図ってまいりたい、このように考えております。

山崎(摩)委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 中で働いている看護師はきちっとライセンスがありますから私はやってもいいのよと思っても、やはり施設長が、それはうちではやらないとか、理事者側にもそういう御見解があるようですので、これは業界団体を通じてきちんと各施設に行きますように御通知をよろしくお願いしたいというふうに思います。そうしませんと、今回の目標で、施設でみとりを一・五倍にするといっても、なかなかそうはいきませんので、ぜひそれはよろしくお願いしたいと思います。

 残りの時間、若干ですが、難病のことについて一問だけお尋ねをしたいというふうに思います。

 皆様のお手元にも資料を一枚差し上げてございますが、表皮水疱症という希少難病でございます。

 この表皮水疱症の患者さんは国内に千人程度と推定されている本当に希少難病ですが、昭和六十一年に特定疾患治療研究事業の対象に指定されて医療費は公費負担になっているわけですが、残念なことに、患者会の皆様から、治療やケアの水準というものが我が国においては欧米から問題視されるようなレベルにあるんですよというふうによくお話を伺うところです。

 その一つは、これはちょっと難しい病気ですので委員の皆様は余り御認識がないかもしれませんが、上に赤ちゃんの写真がありますけれども、毎日、体のどこかに小さな水疱ができるんだそうです。それを、早目に注射針かメスのようなもので水疱を潰して自然に消滅をさせていく。それが毎日、一カ所じゃなく全身いろいろなところにできる。私がお会いした患者会の会長さん、宮本さんとおっしゃるんですが、もう指が全部固まっちゃっているような状態で、本当に日常生活にも御不自由をなさる。その水疱を、御自分で、または御家族が、おうちで毎日、一生涯、できる水疱を潰してあげなければいけない。そういう、いわば皮膚の、遺伝性の、大変難しい病気なんだそうでございます。

 ですから、毎日、一生涯、繰り返して発生する水疱の処置、これにガーゼですとか、それがまた痛いわけですので、その闘いに、精神的な、肉体的な苦痛もありますが、ある患者さんはガーゼ交換の材料費に月十万円もかかるというようなことで、大変経済的な負担も重いということだそうでございます。

 患者会の再三にわたる署名陳情活動で、実は、診療報酬の中の在宅難治性皮膚疾患処置指導管理料が二〇〇九年に新設されて、これは、五百点、五千円分の材料費が病院から出せますよということになったんですが、二〇一〇年には、さらに、ガーゼではなく、もう少しちゃんとしたもので、シリコンソフトのドレッシング材というのがあるんですが、メピレックスライトとかというものが保険適用になったり、一歩一歩進んできているそうでございます。

 今回の、来月からの診療報酬では、この五百点が千点ということで、大変拡充してくださった。これは患者会の皆さんも大変うれしいというふうにおっしゃっているんですが、実は、五百点ふえたんですが、そこに注射針も出していいよということになりました。注射針は高いものですから、結局、千点になったけれども、今までと実際には変わらないというような状況のようでございます。

 また、もう一つの課題は、各地域のドクターたちが、このような疾患の制度を知らない、または理解していない、それから、適切な材料の支給をしない。中には、大変あれですが、材料を出し渋る病院もある。患者の症例が少ないものですからそれもやむを得ないかと思いつつ、やはりそういうことがあります。また、患者さんの方がよく勉強していらして、この治療材料の提供を医師に伝えても、なかなか理解されず、提供されない。この医療者側の認知度、理解にも、まだ課題があるということのようでございます。

 平成二十二年の三月五日に厚労省は都道府県に、どうぞこれは治療材料費で出してくださいという通知を出してくださっているんですが、いかんせん厚労省の通知というのは都道府県レベルまででして、個々の医療機関にまでは行かないわけですよね。ですので、やはり患者さんが一件一件こういうふうに御自分の口でおっしゃって、出し渋る医師にガーゼを出していただく、こんな状況が改善されていないというようなことなんでございます。

 あと、オーストラリアなどでは、水疱を潰す穿刺器具ということでブラッドランセットなどが支給されていて、日本ではこういうものはまだなんですということもあったりするようなことでございます。

 また、患者会の皆様からは、こういった皮膚疾患に特化した訪問看護師などの養成ですとか派遣もぜひしていただきたい、こんな要望も上がっておりまして、大変課題を抱えているこういった表皮水疱症の患者さんの今後の支援策について、何か御所見がありましたら一言頂戴したいというふうに思います。

藤田大臣政務官 表皮水疱症という、本当に希少難病ということでお尋ねをいただきました。

 今お話がありましたように、在宅難治性皮膚疾患処置指導管理料、これに関しては、この中に、いろいろなガーゼなどの衛生材料であるとか水疱の穿刺の処置に必要な医療材料、こういう費用も全部含まれているということ、ただ、それがなかなか周知徹底されていないということでございますので、ここについてはまた改めてきちっと周知徹底が図られるようにしてまいりたいというふうに思いますし、医療材料の費用というものが患者さんに請求されるようなことがないようにしていかなければならない、このように考えているところでございます。

 そして、この希少な疾患である表皮水疱症の患者さんへの支援策でございますけれども、この間、希少難治性疾患に対する対応としては、厚労省として、調査研究の推進であるとか、医療費の自己負担の軽減策、あるいはQOLの向上を目指した福祉施策の推進、こうした総合的な支援策というものに取り組んできたわけですけれども、来年度からは、難病患者を対象とする医療・介護従事者研修の支援事業というものを実施いたしまして、訪問看護師を含む医療・介護従事者の希少難治性疾患に関する知識や技術の向上ということを目指すという取り組みをスタートさせる予定でございます。

 今後とも、患者の皆さんが安心して暮らしていけるように、施策の推進、支援策の充実に向けて努めてまいりたい、このように考えております。

山崎(摩)委員 時間が参りましたので、これで質問を終わりたいと思います。

 政務官、大変ありがとうございました。

池田委員長 次に、加藤勝信君。

加藤(勝)委員 自由民主党の加藤勝信でございます。

 まず、今回の法案、私どもの方には、日切れ法案扱いということでお願いをしたい、こういうことでございまして、委員会でも、本来ならば一般法案審議という中を、かなり前倒しで議論させていただいているわけでありますけれども、この法案が年度内に成立しない場合には一体どういう問題があるのか、まず簡単に御説明いただきたいと思います。

小宮山国務大臣 日切れ扱いということで審議に御協力をいただいて、まず感謝を申し上げたいと思います。

 今回の国保法改正案は、国の定率負担を三四%から三二%に変更することにしています。また、平成二十四年度予算案でも、このような国の定率負担の変更を前提に予算計上しています。

 仮に、予算は成立しましたが予算に対応する法律の改正案が国会で審議中となった場合には、政府としては、法律と予算をともに誠実に執行すべきとの立場に立って、法的に問題がない限り、その法律の成立を待って予算の執行をすることが適当だと考えています。

 国の定率負担の執行時期につきましては、法律上の定めはありませんが、実務上は、毎月、保険者である市町村に支払っています。また、保険者である市町村は、毎月、前月の診療分に係る診療報酬を医療機関に支払っています。

 このため、国の定率負担の執行がおくれますと医療機関への支払いのための市町村の資金繰りに影響が出ることになることから、速やかな成立をお願いしているところです。

加藤(勝)委員 今の後半のお話について、資料の一ということで、参議院の、補助金等に関する特別委員会の会議録をつけさせていただいておりまして、そこにおける内閣法制局長官のお考え、示されたものが、そのベースになっているわけであります。

 今お話がありましたように、法律と予算がずれていれば、合うまで待つ、これは基本的な姿勢で、そのとおりだろうと私も思います。しかし一方で、例えば、法律で支給時期が決まっているにもかかわらず、予算は成立しているけれども法律が、例えば割合を減らすとかふやすとかというのが、そこまでには間に合っていないというような場合においても、支給時期が決まっていれば、そのときに生きている法律で支給される、こういうことに多分なる。それが、この法制局長官の、「法的に問題がない限り」、こういう趣旨ではないかというふうに思うわけであります。

 本件についても、基本的に、各医療保険組合から医療機関に対して当然支払いもしていかなければならない、あるいはそういうところにお金も入れていかなきゃならない。

 これも、一体いつやるかについては、政令等でお決めになっている、法律の事項ではない、けれども、かなり慣習としていわばルール化されてきているという、いわば法律までは至っていないけれども、もうそうなっているんだということを前提に考えますと、しかも、今の時点で、一応三四%が、三四%国庫補助率という法律が生きている、有効である、そういうことを考えれば、一概に三二%にならなければ執行ができないということではなくて、そこはもう少し総合的に判断をして弾力的な対応があってしかるべきではないかというふうに私は思います。

 今回、そこまでいく必要があるかないかということは別として、一般論として、今おっしゃられたやや硬直的な対応ではなくて、もう少しケース・バイ・ケースの中では弾力的に考えていくんだというあたりも含めて、財政当局なり内閣法制局とさらにお詰めをいただきたい。これはお願いでございますが、お約束いただけますか。

小宮山国務大臣 御指摘の点は、検討させていただきたいと思います。

加藤(勝)委員 それでは、中身に入らせていただきたいと思うんです。

 民主党のマニフェストとの絡みでございますけれども、二〇〇九、この間の衆議院選挙のマニフェストでありますけれども、「後期高齢者医療制度を廃止し、国民皆保険を守る」と書いてあるわけであります。さらに、その「具体策」という中において、「後期高齢者医療制度・関連法は廃止する。廃止に伴う国民健康保険の負担増は国が支援する。」こういうふうに書かれているわけであります。

 また、税と社会保障一体改革大綱、これは資料二という形で抜粋をつけさせていただいておりますが、この紙でいえば、後半の部分、「(四)高齢者医療制度の見直し」という部分でありますけれども、下の方の星印で、「具体的内容について、関係者の理解を得た上で、平成二十四年通常国会に後期高齢者医療制度廃止に向けた見直しのための法案を提出する。」こういうふうにお書きになっているわけであります。

 この法案については、都道府県の理解がいまだ得ることができないということで、法案の提出もされていないということであります。

 どうも民主党のマニフェストを読みますと、廃止をする、そして国民健康保険の負担増、これは当時八千五百億円ぐらい必要だとされていたわけでありますけれども、いずれにしても、国民健康保険の財政に大きな影響が出てくるということになるのであれば、むしろ廃止関連法案をお出しいただかないと、これは今回の国民健康保険法を含めて同時に議論をしていかなければ全体像を見て我々も議論できない、こう思うんです。

 そろそろ、まずは、廃止法案、提出は断念された方がいいんじゃないでしょうかね。その辺いかがなんですか。

小宮山国務大臣 後期高齢者医療制度の廃止法案につきましては、そこにございますように、関係者の理解を得た上でということなので、今、理解を得る努力をしている最中でございます。

 後期高齢者医療制度の廃止については、民主党のマニフェストを踏まえて、高齢者医療制度改革会議で具体的な見直し案が検討されまして、平成二十二年の十二月に最終取りまとめを行いました。

 社会保障と税一体改革の大綱では、この改革会議の取りまとめ等を踏まえまして、高齢者医療制度の見直しを行うとしています。

 この改革会議の見直し案というのは、市町村国保の負担増が生じない内容となっているため、マニフェストで示された国保への国の負担の必要はなく、財源の手当てはしていません。

 このように、この改革会議の取りまとめをもとに今回改革案を出しておりますので、マニフェストでお示しした内容とは違った形のものになっていると認識をしています。

加藤(勝)委員 ということは、マニフェストとは随分描いていたものが変わってきた、こういうことになるんだろうというふうに思います。

 ということになりますと、今、影響がないということでありますけれども、負担増が生じない、こういう言い方をされたわけでありますけれども、負担増が生じるか生じないかということは、国保には財政的に影響があるけれども、それは違うところからお金が入るから国保そのものの実質負担増がないということなのか、そもそも市町村国保の財政的な運営には全然関係ない、全く独立したものだ、別個のものなんだ、こういう理解でよろしいんですか。

小宮山国務大臣 今回お示しをしているもとになっています改革会議の見直し案では、第一段階としては、市町村国保に戻る七十五歳以上の人の給付費、これは七十五歳未満の人の給付費とは区分して経理をする仕組みにしています。また、その費用負担は、現在の制度を踏襲する仕組みになっています。

 したがいまして、七十五歳以上の人の給付費ですとか費用負担は、七十五歳未満の市町村国保の財政運営には影響せず、第一段階のところでは、財政運営上は区分された別の仕組みとなっているということです。

 なお、その次の段階のあり方については、また関係者との調整が必要だと考えています。

加藤(勝)委員 そうすると、今御答弁いただいたことを要約いたしますと、給付は別だ、負担は別だ、財政運営は別だ、別の制度だ、こういうふうに認識をするわけでありますけれども、それでよろしいんですか。

 もう一回正確に申し上げます。

 お手元に資料三というのを配らせていただいております。ちょうど真ん中が、第一段階とおっしゃった平成二十五年度からの姿であります。右側の被用者保険の部分はちょっと議論が混乱しますので除きまして、国保部分のところを見ますと、この絵では、国保という大きな枠組みの中に点々々として都道府県単位の財政運営というのが入っているわけでありますが、今大臣のお話を聞くと、給付も別です、負担も別です、財政運営は別ですというと、実はこれは、点々々ではなくて、まさに左、現行制度とほぼ同じように、上の部分と下の部分の間には実線でずばっと区分けされている、こういうことになるんだろうと思いますが、そういう理解でよろしいんでしょうか。

小宮山国務大臣 そこは見方の問題といいましょうか、左側を重点的に考えればそういう形になりますし、右へ移行する方を重点的に考えればここは点線という形になると思いますので、そこは考え方の問題かなというふうに私は思います。

加藤(勝)委員 考え方の問題じゃなくて、実態をどう把握するか、あるいは制度をどう見るかということでありますから、少なくとも大臣のおっしゃる、給付も別、負担も別、財政運営も別、普通、それだけ別だと、これは別個の制度だ、こういうふうに認識をいたしたいと思います。

 また、そうであればこそ、上がどうなっても下は直接関係ないという、また大臣のそういう説明につながっていくのではないかと思いますが、そういう理解をベースに議論させていただいてよろしいですか。

小宮山国務大臣 どうぞ、結構です。

加藤(勝)委員 ということで、別個の制度であるということを前提に、それではさらに議論をさせていただきたいと思います。

 それでは、もう一つ、資料四というのがございまして、平成二十四年度以降の子どものための手当等の取り扱い、この間法案は当委員会では審議が終わったわけでありますけれども、この四大臣合意の中になぜか国民健康保険制度の話が出てくるわけであります。

 これは、後で出てくる、地方税の年少扶養控除、その財源をどう使うか、この絡みということなんでありますが、ここで線を引かせていただいているところは、「「社会保障・税一体改革成案」に盛り込まれている市町村国保の財政基盤の強化については、低所得者の保険料軽減の拡充及び保険者支援の拡充に充てることとし、そのための必要財源」、二千二百億円程度までということなんでしょう、「については、社会保障・税一体改革成案を具体化する中で、措置する。なお、高額医療費共同事業の国庫負担のあり方については、社会保障・税一体改革による財政基盤の強化の状況を踏まえ、検討する。」ということでありますから、ここに書いてある内容というのは今回の法案に入っているわけではなくて、今回の法案に入っているのは、むしろその下にある(一)、(二)、(三)の部分がこの法案に取り込まれていて、この線に書いてあるのはこれから出てくるということなんだと思いますけれども、まず、そういう理解でよろしいのか。

小宮山国務大臣 今回の一体改革では、税制抜本改革とともに公費二千二百億円を追加投入して低所得者の保険料への財政支援を行うことにしています。これによりまして、所得水準ですとか世帯構成によっても異なりますけれども、機械的に試算をすれば、およそ三千五百万人の国保加入者全体で一人当たり保険料を年額〇・六万円程度抑制する効果があると見込んでおりますので、おっしゃるように、この法案とは別に、税制抜本改革の法案とあわせて出すという形になります。

加藤(勝)委員 それは一体いつ出てくるんですか。法案として出てくるんですか。

小宮山国務大臣 済みません。これは法改正ではなくて、税制抜本改革を踏まえた政令改正で対応させていただきます。

加藤(勝)委員 どの法律に基づく政令改正になるんですか。

小宮山国務大臣 国民健康保険法に基づく政令改正でございます。

加藤(勝)委員 その措置というのは、実は今回の恒久措置とは非常に密接不可分な関係になるわけであります。

 それで、仄聞するには、どういうぐあいの基準額で、今お話があったトータルとしての負担増というんでしょうか、消費税収の増額分をそこに充てるということなんでありましょうけれども、具体的な基準とか財政影響に関する数値というものは、地方公共団体等にはお示しになっているということでありますけれども、私どもが議論をする場においては全く示されていない。

 非常に不誠実ではないかと思うんですけれども、その辺はどうなっているんですか。

小宮山国務大臣 その一体改革での財政基盤強化、これは平成二十七年度ベースですけれども、低所得者保険料軽減の対象拡大、対象およそ四百万人で、これが五百億円。応益割の二割軽減対象世帯の拡大、対象およそ二百万人、応益割五割の軽減対象世帯の拡大、対象およそ二百万人ということでございます。それからまた、低所得者数に応じた保険者支援制度の拡充で千七百億円。合わせて二千二百億円というふうに考えているところです。

加藤(勝)委員 私が申し上げたいのは、むしろ、そういう政令改正も含めて、普通は、法律改正だけではなくて、関連して政令を改正される場合には、通常、概要という紙をいただく中には、特に大きな話については書かれているわけでありますね。

 しかも、今回の、今のおっしゃる政令改正というのは、多分消費税をこれから御提案になる、ほぼその時期に合わせてそういう格好がなされるんではないんですか。ということであれば、一連として我々に対して提示されるのが本来のありようではないかと思うんですけれども、具体的にどういうタイミングで、逆に言えば、政令改正の姿をお出しになるつもりですか。

小宮山国務大臣 これは、税制の抜本改革をもとにして考えておりますので、税制抜本改革が成立をしたらと、その時点というふうに考えています。

加藤(勝)委員 成立をしたらって、成立してからそういうことが出てくるんですか。それとも、消費税法案をお出しになったときに合わせて、その中でこういうことをお出しになりたいということでお示しになるんですか。

小宮山国務大臣 今申し上げたようなこの内容はホームページでも公開をしておりますので、それが決定をして、政令として出すのがその時点ということでございます。

加藤(勝)委員 いやいや、ホームページでお出しになるのはいいんですけれども、我々に対する説明のときに、通常は、そこまで、もし近いタイミングでそういう形のものをお示しになるのであれば、やはりセットでお出しになっていただかないと。

 基本的に、これも国庫負担の議論をしているわけでありますから、確かに、その後ろ盾になる財源が、どれだけ確保しているというのと密接不可分な議論ではありますけれども、しかし同時に、こうしたものに対する国庫負担のありよう、こういうものは一連として関連してくる話だと私は思いますので、ぜひそこのところは、今、審議を始めておりますから、それが出てこなければということは申し上げませんけれども。

 しかし、本来であれば、消費税がどうのこうのというのは、いわば政府の中の議論の問題なんですね、我々から見れば。であれば、やはり、この議論ができるようにしっかり資料を提出されるというのが政府としての法案審議に対するありようだと思うんですけれども、いかがですか。

小宮山国務大臣 それは、そのような形で今後させていただくように努めたいと思います。

加藤(勝)委員 続いて、公費負担の割合について御質問させていただきたいと思います。

 資料五という資料がございます。

 今回の法律改正で、高額医療費共同事業、これは国が四分の一負担、あるいは保険基盤安定制度の保険者支援、これが国が二分の一の負担、これが、今までは暫定暫定で対応されてきたものが恒久化されるということであります。

 今お示しをさせていただきました国民健康保険法の一部を改正する法律案の概要のイメージのこの右側の図で、一番右の前期高齢者交付金というのはちょっと捨象して見させていただきますと、元来は、公費が五〇%、保険料が五〇%ということになっているわけであります。もちろん、暫定措置がありましたから、暫定を入れればそれは違います。しかし、恒久的な部分ということでいえば五〇、五〇だった、こういうふうになるわけでありますけれども、今回は、この暫定措置を恒久化するということになると、この五割の負担が変わってくるわけでありますね。公費負担が五割を超えるということになるわけであります。

 そもそも、保険制度として運営する以上は、保険料によって賄われるのは、少なくとも、五割というのが一つの基準じゃないかというふうに我々は考えるんです。しかし、場合によっては、福祉的な要素が非常に多い分野においてはそれを超えていくという。硬直的に五割を考えなきゃいけないとは私は考えておりませんが、しかし、どんどん拡大していくと、保険制度なのか何なのかわからなくなってしまう。

 保険制度である限りは、やはり基本は五割、しかし、何らかの特別な理由がある限りは、それを非常に絞り込んだ中で、それについては結果的に五割を超えるという公費負担がある、こういう整理になっていくんじゃないかというふうに私は考えているのであります。

 そもそも、まずその前提として、大臣は、こういう制度において、公費負担は原則五割を超えない、こういう考え方については、どういうふうに考えておられますか。

小宮山国務大臣 市町村国保で五割を超える公費負担を行っているのには幾つか理由がありまして、市町村国保につきましては、健康保険のように事業主負担がないこと等、財政力が弱いために、原則として給付費等の五割の公費負担を行っている。また、ほかの医療保険制度に比べて低所得者や高額な医療費を必要とする被保険者が多く加入するという構造的な問題、これに対応するために、保険者支援制度、高額医療費共同事業等の財政基盤強化策によって追加の公費負担を行っているということ。

 これは、社会保険の公費負担五割までという原則というのは、おっしゃるとおり、そうだと思いますけれども、それを維持しながら、市町村国保の構造問題への対応のために必要な措置としてこれをやっているということでございます。

加藤(勝)委員 ですから、そこのところは、やはり、何が原則なのか、そして、それぞれがどういう理由で、今申し上げた原則のいわば例外としてどう考えるのかというのをきちんと整理をしていかなければ、私は、なし崩し的にこの五割を六割、六割を七割としていくのは、やはり制度の根幹にかかわってくるというふうに思うんですね。ちょっとその問題は、また別途の視点から後で議論させていただきたいと思うんです。

 資料六をごらんいただきたいと思います。これは、厚生労働省の方に私がこういう形でちょっとつくってくれと言って作業していただいた姿なんですけれども、これを見ていると、これは何だかわからないと思うんです。というぐらい、非常に複雑怪奇に実はなっているということが一つあります。

 要するに、保険料なのか公費なのか、それから、それが何のための保険料なのか、自分たちの保険料なのか、前期高齢者分か、後期高齢者分か、また、その支援に対してはまた別途それぞれ国費が入ってしまっているという非常に複雑な形になっているんですが、これを少し輪切りにして、七十五歳以上のいわゆる後期高齢者、それから前期高齢者、そして六十五歳未満のいわゆる一般の方の医療、こういうふうに見ますと、右のところに、公費(給付費に占める割合)というのが出てきています。後期高齢者の場合は、五四%、七・一兆円。前期の場合には、二二%、一・三兆円。六十五歳未満の国保のみの場合には、二・一兆円。これは、六十五歳未満全部押しならすと約二一%ということになりますし、六十五歳未満も、健保組合・共済というのを見ますと、ここはもうほとんど国費が入っておりません。それから、協会けんぽには一六・四%。こういうふうになっているわけであります。

 加えて、実は、これには、今回議論になっておりますように、保険者支援分とか、それは入っていない。ですから、プラスアルファということになると思うんですね。

 今、この全体の姿を見て、一体、公費負担の割合というのはどういう考え方に立っているか。これは、皆さんだけじゃなくて、我々の時代からやってきたものなんですけれども、やはり、もう一度その辺を原点に返って整理し直さないと、その時々の、どうしても財源の都合があったり、いろいろな交渉の中で出てきたものの積み重ねが今日の結果であるわけでありますけれども、それを全体的にまとめてみると非常にわかりにくいものになっているというふうに私は思うんです。

 まず、前期、後期、それから六十五歳未満の国保についての補助率といいますか公費負担の割合を見て、大臣はどのような感想をお持ちですか。

小宮山国務大臣 それは、委員御指摘のように、やはり、後期高齢者のところは五四%、前期が二二%、六十五歳未満が五〇%というのは、非常にばらつきがあって、今御指摘のように、それぞれの、その時々のいろいろな、財源とかいろいろなことでこうなったんだなと思いますけれども、ここはやはり、高齢者医療制度全体の見直しの中ででも、関係者の御意見も伺いながら、さらに検討して調整をしていく必要がある問題だと考えます。

加藤(勝)委員 単にそこだけじゃなくて、前期の公費負担の割合をどうしていくのかというあたりも、これは財源をどうするかという問題ももちろんありますが、確保する中で、あるいは、後期、前期という言い方は適切かどうかというような議論はありますけれども、対象を、七十五歳で区切るのか、もう少しその年齢を引き下げて考えていくのか。

 それから、もう一つ、これからの消費税の話。必ず、社会保障と税、こういう形で結びつけられていく。しかし、社会保障は、予算委員会でも申し上げましたけれども、税だけではなくて、社会保険料によっても、むしろそちらによってより賄われているわけでありますけれども、それぞれの国民の皆さんが払われる保険料が一体何のための保険料なのかということがわからないと、やはり、取られているという印象がより強く、受益と負担という関係がなかなか捉えられなくなると思うんですね。

 そういう意味でも、今の、これを見て、私もなかなかよくわかりません。大臣はおわかりになるかもしれませんが、一般の方についてはいわんやをやだと思います。やはり、そこをもう少しシンプルに、少なくともわかりやすく示していくということが、これからの負担と受益のバランスを図っていく上では不可欠な前提ではないか、私はこういうように思うわけであります。

 ぜひ、そういう意味でも、少しわかりやすい形で、それぞれについて、制度をすぐ変えるわけにはいかないにしても、では今どうなっているんだということがわかりやすく示していけるような努力を、大臣にあるいは厚生労働省当局にお願いをしたいと思います。

 続いて、都道府県の調整交付金について御質問させていただきたいと思います。

 調整交付金というのは一体どういう機能を担うためにつくられた制度だというふうに考えておられますか。

外口政府参考人 調整交付金についてでございますけれども、公費の方で、大きく分けて、定率の国庫負担と調整交付金があるわけでございますけれども、調整交付金の方は、国の方の調整交付金は、特に全国レベルでの格差をなくすため、具体的には、医療費や所得格差を全国レベルで調整するために設けております。また、災害等によります保険料の減免等の影響も調整できるような仕組みも持たせているところでございます。

加藤(勝)委員 だから、ある意味では、定率というのは、もうまさに定率でだっと配るわけでしょうけれども、国でやり、県でやる。範囲が、国の場合には、都道府県間ということなんでしょう、あるいは全国レベル。都道府県の場合には、その都道府県内の市町村間のアンバランスを補う。こういうことになるわけですけれども、実際の調整交付金の交付状況というのは、そういうように、財政を調整している、例えば所得間格差等を調整しているという形で使われているんですか。

外口政府参考人 国の調整交付金と都道府県調整交付金とございますけれども、国の調整交付金の方は、ベースになる調整交付金の方は、医療費や所得格差に応じて計算して、一定の計算式で入っておりますので、これは医療費や所得格差の全国レベルの調整をしております。また、災害等の地域的な特殊事情に対する調整もしております。

 都道府県調整交付金も、これはほぼ、県の中のバランスをとるという意味で、やはり同じように、医療費水準とか所得水準の格差を調整するのが目的でございます。ただ、実情を申し上げますと、都道府県調整交付金の場合、定率で交付しているところが四十七都道府県中三十五ございまして、財政調整機能ということではまだ十分でないという点もあると認識しております。

加藤(勝)委員 資料をいただいたところによりますと、もう定率でだっと配ったのが四十七都道府県中三十五ということでありますから、大半が調整なんかせずに配っちゃっているんですね。

 それで、今回また、国庫の負担の、これは定率負担分を調整の方に二%ずらすわけだと思うんですね。これは単なる財源の合わせじゃなくて、むしろもっと調整をしようという意味でこの調整交付金の方へシフトしているんだろうなと、こういうふうに思うわけです。ということであれば、まず現状が、当初の都道府県調整交付金を設けたようには実は全然機能していない。そして、さらにそれを七%から九%に拡大する。機能していないところにさらにそれを乗せるって、どれだけの価値があるのか。

 では、もっと調整交付金をまさに調整できるように、一体どういう指導なりどういう手当て、対応を考えていかれるのか。

外口政府参考人 今回の都道府県の調整交付金の増額につきましては、これは国と地方の協議の中でも、地方の方に、より裁量権のある方の予算を回していくという考えに沿ったものでございます。

 ただ、御指摘のように、現状、定率交付のところが多いわけでございますけれども、そしてまた、私どもは、ガイドラインはあるのでございますけれども、今回のこの都道府県調整交付金の増額にあわせまして、国と地方の協議において協議した上で、地域の実情に応じて財政調整機能を発揮するよう、そのガイドラインの見直しを、地方の意見をよくよくお聞きして改定していきたいと考えております。

加藤(勝)委員 見方を変えると、各都道府県において調整しないというのは、調整する必要がないというふうに考えているのではないか。

 そしてもう一つ、この質問をしている背景には、今回恒久化される低所得者の保険料に対する財政支援措置であります。特に保険者支援制度、これは国が負担する。こういうものと、それから都道府県とか国レベルで行われている調整交付金が目的としていることと、かなりダブっているのではないのだろうか。

 かえって、何か、いろいろな制度をちょこまかちょこまか国でつくり、県でつくり、また今回つくりと、さっき申し上げた複雑化にしているだけではなくて、それぞれがその機能を本当に果たすように運用されていないというのであれば、これはもっとシンプルにまとめてしまって、調整交付金は調整交付金で全部一本にしてしまって、その中でいろいろと勘案すべき事情に応じて配分するというふうにした方が、幾つか分立させて機能するより、はるかに都道府県にとっても使い勝手がいいし制度としてもわかりやすい、こういうふうに私は思うんですけれども、大臣、聞いていて、いかがでございましょうか。

小宮山国務大臣 御指摘のように、こうした支援制度を一本化するということは、簡素でわかりやすくなるということはあると思います。

 さっきから御指摘のように、この社会保障制度改革のことをわかりやすく国民の皆様に今お示しをするように対話集会をやっているんですけれども、仕組みの細かいところに行きますと、なかなかわかっていただくのは難しいということは私自身も思っています。

 わかりやすくなるメリットがあると考えますが、一方で、一本化することによって、個々の市町村へのきめ細かな対応が十分に可能かどうかということで、やはりこれは検討が必要だと思っています。

 今は、個々の市町村の被保険者の所得ですとか高額医療費の発生状況に対応するために、保険料軽減制度の創設とか、低所得者が多い保険者への財政支援とか、高額医療費に関する市町村への財政支援、また、一定額以上の医療費について都道府県内の全市町村が共同で負担する事業の実施など、きめ細かく組み合わせてきているわけです。

 ただ、それがどのようにどこまでどう働いているのか、もっと簡素化をした方がわかりやすいのではないかという御指摘も一方であることもわかりますので、これは、地方団体とも十分に協議をしながら、この国保制度のあり方の中でしっかりと検討していきたいと考えます。

加藤(勝)委員 ですから、都道府県の調整交付金というのは、実は定率で配られている。それは、これまでのいろいろな経緯がありますから。変えれば、減るところとふえるところが出ますから、それはなかなか簡単ではないかもしれませんが。特に、今回プラスで二%加算される部分というのは、今度は都道府県が独自で配れる部分だというふうに思います。ですから、そういうものをうまく使っていく方が。

 国がこれについて一々何%分はこうせいああせいと言うような制度ですよね、この保険者支援制度とかなんとかというのは。かなりきめ細かい制度になっていますよね。むしろ、そういう流れではなくて、皆さん方は地域主権、我々は地方分権、こう考えていますけれども、地方に判断を委ねていくのであれば、そういう形で、特に今回新たに財源をお渡しするのであれば、余り細かいことをおっしゃるよりは、あとは地方、都道府県でやってくださいという方が素直な姿ではないかな、こういうふうに私は思います。

 これは、消費税収の使い道で、多分ここの割合がまたさらにふえていくということが議論されると思いますから、そのときにまたしっかりと議論をさせていただきたいと思います。

 最後に、介護保険の関係でちょっとお伺いしたいと思います。

 介護報酬改定で、今回の介護報酬改定全体で見ますと九百億円の増ということになっておりますけれども、これは、いわば介護職員の処遇改善交付金、平均で一万五千円、改善したいということでつくったものを除いた段階での九百億ですから。逆に、二十三年度までは介護職員処遇改善交付金があったわけです。それは、一年間ベースでいえば約千八百億円ぐらいあった。しかし、それがなくなって、介護報酬改定によっては九百億しかふえていないということは、差っ引いたら、九百億、トータルとしての介護報酬、これはプライスベースの話ですから、量がふえれば別ですけれども、価格ベースでいえば減る、こういうことにまずなりますよね。

宮島政府参考人 今、委員からお話がありましたように、今実額でお話しされたわけですが、今回の介護報酬改定は、今まで補正予算でやっておりました介護職員処遇改善交付金、これは介護報酬にすると二%分、これを介護報酬の中に取り込んだ上で、物価下落分を反映しまして一・二%という率になっている。それを今委員は実額でおっしゃったということでございます。

加藤(勝)委員 いや、ですから、実額ベースで見ると、それぞれの量が変わればそれは全体のボリュームが変わってきますけれども、今回の価格の改定という効果を見れば、介護職員処遇改善交付金を含めて考えれば、介護全体では九百億のマイナスになる、こういう見方でいいんでしょう。

宮島政府参考人 今委員の方でおっしゃられたのは、そのとおりでございます。

 ただ、一・二%の改定率を決める過程では、過去三年間の物価下落が二・二%だった、それから賃金の下落傾向がマイナス一・七%だったというような一般の物価、賃金の下落傾向がありましたので、そのうちの物価の下落傾向だけを反映いたしまして一・二%の改定率になった、そういうことでございます。

加藤(勝)委員 問題なのは、介護報酬の関係で、今度は新たに介護職員処遇改善加算というのが設けられて、いわばこれまでの一・五万円に相当するものを引き続き維持してほしい、こういうことだと思うんですね。しかし、それのかかわるいろいろな文書を読んでおりますと、他方で、「賞与等において、経常利益等の業績に連動して支払額が変動する部分が業績に応じて変動することを妨げるものではない」、こういうふうに書かれているわけであります。

 ということは、一・五万円上げるけれども、業績が悪くなったからその分ボーナスを下げますよ、これは構いませんよ、業績が悪くなったのであればと。そして、今申し上げたように、全体でありますから、在宅と施設でもいろいろ違うと思います、影響が違うと思いますけれども、いずれにしても、価格面からは、それぞれにおいて、物価が下落したかどうかもありますけれども、去年との、経営から見れば、明らかにこの分だけ経営が悪くなるわけであります。

 その経営の動向を反映して収入を下げた分は介護職員処遇改善加算とは別個に考えますよ、もちろん別個になっていなければだめですよと書いてあります。したがって、別個であるけれども、もらう方は一つでありますから、最終的には、処遇改善加算が行われても、こういう形で介護報酬が実質マイナスになってしまえば、介護職員の皆さん方の賃金というものも従前より下がってしまうことになるんじゃないんですか。

宮島政府参考人 今のお話でございますが、今回の一・二%を決めるに当たりましては、もう一つの要素として、介護の各施設、サービスなどの収支差というものも勘案いたしました。

 例えば、特別養護老人ホームですと、平成二十三年時点での収支差が九・三%。これは、三年前が三・四%だったのに対して、大幅に上がっている。それから、介護老人保健施設は九・九%、療養型の医療施設は九・七%というようなことを勘案しましたので、今回の一・二%の改定ということの中で、収支差の余裕があるということでございますから、ここは、処遇改善交付金を加算にかえたものを賃金として払っていただいて、おおむね、なお余裕はあるだろうということで、この改定をお願いしたということでございます。

 もちろん、個別のケースで、介護需要というのはどんどん高まっているのでまずはないとは思うんですが、よほど経営を失敗したというようなケースでやむを得ない場合にこの処遇改善ができないといった場合には、これはやむを得ないというようなことでの通知は出しております。

 以上でございます。

加藤(勝)委員 今おっしゃいましたけれども、全てが全部ということは言えませんけれども、特に、地域によってむしろ下がったところもありますよね、ベース自体が。というところを含めて、大変厳しいという声があちこちから聞こえるんですよ。

 その中で、今局長おっしゃいましたけれども、しかし、皆さん方は、業績が悪くなったからボーナス部分を下げることは認めますよ、それは別に加算に反していないですよと書いてあるじゃないですか。当然、そうせざるを得ないと思うんです、厳しいところは。

 そうすると、今回の介護報酬改定で濃淡があります、特に淡のところ、薄いところは、従前のこの一万五千円を確保するという賃金水準が、結果的において、ボーナスが減ったり何やかんやの結果として確保できないということになりませんか。ということは担保されていないんじゃないんですか。

 しかも、さっきおっしゃった話は、加算部分についてはよっぽどのことがですけれども、とは別途に、業績連動の部分については下げることは構いませんというか、あってもしかるべきですよと書いてあるじゃないですか、皆さん方の文書の中に。違いますか。

 だから、そういうことを考えると、やはり、かなり厳しい状況の中では、結果的には、そこで働く方々の介護報酬の一万五千円というのは、必ずしもというか、こういう対応をすれば確保できない、こういうことになると思いますけれども、そこをもう一回、認識をお聞かせください。

宮島政府参考人 今回の介護報酬改定では、この処遇改善交付金の加算ということと、それから、これは地域差につきましても、都心部と地方ということで、地域差の加算ということも見直しておりますので、個々のケースにおいては委員御指摘のようなケースが生じる可能性があるかとも思います。

 この処遇改善というのは今後も継続していかなければならないと考えておりまして、また、介護職員の処遇改善状況についての実態調査を進めるなどして、さらなる取り組みをしていきたいというふうに思っております。

加藤(勝)委員 もう時間ですからまたの機会に聞かせていただきますけれども、今度の処遇改善加算ができたから大丈夫だという話では全くないんだということをぜひ大臣によく御認識いただきたいと思います。

 最後に、何かありましたら、一言お願いします。

小宮山国務大臣 それは御指摘のとおりだと思いますので、今回、交付金から報酬改定に入れたことで継続的に恒久的にできるということはそういう形にしたと思っていますけれども、ここで解決したということではないと思いますので、先ほど御指摘の書き方も含めて、しっかりと目配りをしていきたいというふうに思います。

加藤(勝)委員 終わります。

池田委員長 次に、坂口力君。

坂口(力)委員 加藤先生の大変難しいお話が続きましたから、私の方は単純明快な話で半時間を、役目を終わりたいと思います。

 それにしましても、民主党の皆さん方は大変ですね。毎日毎日夜遅くまでお仕事をなすって、また昼は昼でこうしてお座りになって、大変なことだと思いますね。長妻元大臣の座っておみえになります顔をいつもテレビで拝見しながら、ああ、長妻さんも大変だなと思っていたんですが、もう今はいなくなりましたね。

 意見はいろいろあるのはわかりますけれども、毎日毎日同じ議論をしているというのもいかがなものかという気もします。見ている者にとりましては、もうどっちでもいいから決めてくれという、こんな気持ちになっております。大変失礼なことを申し上げますが、どうぞ一日も早く円満に決めていただくことを期待を申し上げて、質問の方に入らせていただきます。

 提出法案は、きょうのこの法案につきましては賛成でございますから、先に一言だけ申し上げておきたいと思います。

 国民健康保険制度の加入者というのは、自営業者や農林漁業者が初めは大半でありましたけれども、そういう人たちが減りまして、非正規労働者や無職といったような低所得者がだんだんと多くなってまいりました。また、市町村ごとの保険料にも大きな差が出てきまして、そして、都道府県の調整交付金の導入も今まで進められてまいりましたが、それでもなおかつ、まだもう一歩手を打たなきゃならないというので今回のこの改正案が出されたものと理解をいたしております。

 市町村国保の都道府県単位の共同事業につきましては、対象を全ての医療費に拡大して、財政運営の共同事業対象を都道府県に一層推進をする、そのため、都道府県調整交付金の割合を引き上げて国庫負担割合を引き下げる。これは、これだけちょっと聞きますと、国の出し分をひどく抑えて、そして都道府県の出し分をうんとふやしてもらうような感じに受け取れますけれども、トータルで見ればそうでもないんだろうというふうに思うんですが、ここのところの割り振りが本当はどうなのか、どの程度なのかということを少し御説明いただいて、この問題はこの一問しか質問しませんから、ひとつ、大臣でも結構でございますし、局長でも結構でございます、お答えいただきたいと思います。

    〔委員長退席、和田委員長代理着席〕

小宮山国務大臣 賛成をいただいて、ありがとうございます。

 今回の改正法案によります都道府県調整交付金の増額は、一つは、扶養控除の廃止に伴う地方増収分につきまして、地方団体からの強い御要望も踏まえて、地方に裁量のある使途に充てるものであると同時に、都道府県単位の共同事業の拡大とあわせて、その円滑な実施のための財源を確保する、そのためのものでございます。

 今回増額された都道府県の調整交付金の財源、これは、地方財政全体として、扶養控除の廃止等による地方財政の増収分が充てられることになります。

 また、地域によって扶養控除の廃止等の増収額が異なるということがございますが、個別団体に対する財政措置、これは引き続き総務省で地方交付税の算定を通じた財源措置が行われる、このように承知をしています。

坂口(力)委員 都道府県ときちっと連絡をしていただいて、よく理解をしていただくようにお願いしたいと思います。

 たびたびこうした問題が起こりますと、初めは都道府県も納得していたように見えるんですけれども、半年ぐらいしてまいりまして、初めの約束とは違ったとか、そんな話が出てくるようになって、今度は、次の話のときに非常にこじれたりすることがありますから、そういうことのないようにひとつ気をつけていただければいいんじゃないかというふうに思います。

 さて、それで、きょうは全く別の話をひとつさせていただきたいというふうに思いますが、文部科学省も来ていただいていますかね。済みません。お願いいたします。文部科学省はどなたといっても、あなたに違いありませんが。奈良さん、大臣官房審議官、よろしくお願いいたします。

 皆さん方のお手元に配りましたけれども、これは私立大学医学部におきます偏差値とそして学校に納めますお金の額を縦横にとったものでございます。

 物の見事に一致いたしておりまして、偏差値が高い人ほど六年間の間に支払います額の少ないところに行ける。また逆に、偏差値が少し低いと、そうすると、高い人は二千万でよかったものが、五千万ぐらい払わなきゃならないということになっておりまして、単純明快でこれはよくわかるとは思うんですけれども、さあ、これで本当にこういうことをこのままにしておいていいんだろうか。

 早い話が、サラリーマンの子供でありましたら、なかなか、五千万払ってもらうということは、六年間とはいえ、これはちょっと大変ですね。払ってもらえないというふうに言った方がいいんではないかと私は思います。そうしますと、サラリーマンの子がもしも医師を志そうと思いますと、これは、国公立のところを限りなく、合格できるまで受け続ける以外にない。

 現在、ちまたで聞きますと、一浪、二浪なんというのはもう当たり前で、五浪、六浪というような浪人生活をしておみえになる方がある。その努力といいますか、その執念といいますか、それは僕も見上げたものだというふうに思いますけれども、しかし、五回なり六回なり受験をして、その後が、それでは必ずよくなるかといえば、そうでもないわけでありまして、では偏差値はどうかというと、偏差値はうんと高いわけであります。もう少し低いところを受ければいいのにと思いますけれども、それは、そうすると、私立になりまして、お金が必要になってくるということになって、なかなか受けられない。

 本当に偏差値の高い人だけが医師に向いているかといえば、必ずしも私はそうではないと思います。偏差値七十を超えるような研ぎ澄まされたような頭脳を持った人たち、まあ、そういう人も必要かもしれませんけれども、六十四、五であったとしても、心の温かい、思いやりのある人が必要なこともある。そこは一律には言えない問題だというふうに思っております。

 私、先日来、じっとこの表を見詰めておりましたが、何とかしてもう少しサラリーマンのお子さんにも、もうちょっとのところの人たちが多いわけですから、進学のできる道をつくってあげることができないだろうかと。

 それは、文部科学省の方でいえば、奨学金も一つでしょう。奨学金を出す。奨学金を出してもらっても、五千万円貸してやるから後で返せと言われましても、これもなかなか難しい話ですから、国の方も私立の大学に対しては何らかの名目で支援をする、私立の大学が全てをお子さん方の学納金で賄うということはしなくてもいいような道をつくることができ得ないのか、その辺のところは私は一番考えどころだというふうに思っております。

 全体として、医学部の学生をふやす、あるいは医学部そのものをふやすというお話もありますし、それは私は賛成でありますが、しかし、医学部をふやす話になりますと、割に反対するところがたくさんありまして、どちらかといえば医療関係のところが皆、手を挙げて反対をする。逆の現象が起こっておるわけでありますので、これもそう簡単な話ではない。

 しかし、志のある心の優しい人たちを救ってやることができ得る体制をつくるためには、その大がかりな枠組みの変化も大事だけれども、この中身をもう少しみんなに平等に分け与えてあげることが大事ではないか。

 そうしたことを考えまして、きょうは質問させていただくわけですが、まず文部科学省の方に、現在打っておみえになります問題、それは私学に対する支援もありましょうし、それから奨学金の問題もあるというふうに思いますが、今の状況だけではいかんともしがたい、もう一歩ここを進めて何とかしてあげることができ得ないか、お答えをまずいただきたいと思います。

奈良政府参考人 委員御指摘のとおり、意志のある者がその家計の収入に関係なく医者を目指すということは非常に大事だと思っております。

 そういう観点から、文科省として幾つか支援をしているわけでございますけれども、御案内のあった奨学金でございますが、まず、日本学生支援機構の奨学金制度がございます。

 それで、無利子、有利子ございますけれども、医学部の学生につきましては、無利子が約四千人、それから有利子まで含めますと一万二千人が貸与を受けておるところでございます。

 それで、医学部生につきましては、有利子について、実は月額が選べるんですけれども、十二万円が限度ですが、さらに四万円ふやしまして、最大十六万円まで借りられる、そういう制度になってございます。その奨学金が一つでございます。

 それからもう一つは、地域医療の問題がございます。

 各大学の医学部におきまして、地域医療を担う意志を持つ者を選抜するという地域枠を設定していただいておりますけれども、都道府県が、地域医療に従事するということを条件にした、返還免除の奨学金制度というのも創設していただいているところでございます。

 それから、私学の問題でございますが、私学はそれぞれ建学の精神で成り立っているわけでございまして、それぞれの大学の方で納付額その他をお決めいただいているところでございますけれども、私学につきましても、私立大学等経常費補助という形で、授業料の減免等の取り組みに対して国として支援しているところでございます。

 これにつきましても、平成二十四年度の予算案におきまして、約五・四万人ということで、増額の措置を講じるということで計上させていただいているところでございます。

 文部科学省といたしましても、今後とも必要な支援に努めてまいりたいというふうに考えております。

坂口(力)委員 今、奨学金の話が出ましたが、国公立に行っているお子さんもそれは大変なんですから、欲しい方は多いに違いないと思うんですが、私立の方でどれぐらいもらっていますか。

奈良政府参考人 ちょっと学校別の細かいデータは持ってございません……(坂口(力)委員「学校別じゃなくても、公私だけで」と呼ぶ)はい。

 それで、先ほどちょっと申し上げましたけれども、国公私問わず、御本人の希望があれば、最大、有利子で十六万円まで貸し出せるという制度になってございます。それで、有利子分につきましては、一応、希望があれば、ほぼ全員に奨学金を出せるという状況になってございます。

坂口(力)委員 とにかく、一生涯のうちにといっても限度はありますが、二十年、三十年かかってでも返していくというふうにして、それにしても、四千万、五千万の金を返していくというのは大変なことではありますけれども、何らかの返していける道をつくってあげる、あるいは、一時的に学納金を肩がわりしてやることができる、そうした道をちょっとつくってやっていただかないことには、サラリーマンのお子さんがなかなか私は入っていきにくいというふうに思います。

 だから、そういう変化が起こるような手当ての仕方をぜひひとつ早急に考えていただきたいと思いますので、お願いします。よろしいですね。

奈良政府参考人 実は、奨学金につきましては、平成二十四年度の予算要求といたしまして、所得連動返済型の無利子奨学金制度の導入を今目指しているところでございます。この制度は、卒業後、所得が得られない段階の返還を猶予するというような、そういう新しい制度でございます。

 それから、一時的に返還が困難になった、そういう方についても、二十年かけて返していただくのが通常ですけれども、さらに五年分減額して、収入の少ない間は返していただいて、さらに二十五年かけて返していただく、そういったような猶予の制度とかいうのも今導入しているところでございます。

 いずれにいたしましても、先生御指摘のとおり、家計の問題で進学ができない、そういった問題は非常に重要な問題でありますので、引き続き、そういうことがないように努力してまいりたいというふうに考えております。

坂口(力)委員 もう一つだけお聞きしますが、トータルでどこまで借りられるんですか、トータルで。

奈良政府参考人 今、無利子奨学金と有利子奨学金、二つございます。それで、無利子の方は最大で月額六万四千円、それから有利子、こちらの方は、先ほど申し上げたように、医学部の場合は追加ができますので、最大で十六万円となってございます。そうしますと、トータルで最大月額二十二万四千円という一応月額の数字になります。

 それを六年間借りますとかなりな金額になるのは委員御指摘のとおりでございますので、それはそれぞれの学生さんの借りるときの状況、それからさらに、在学中は適格審査というのを行いまして、余り借り過ぎないようにといったような教育指導も行いつつ、適正に借り、また適正に返していただく、そういうようなことをやっているところでございます。

坂口(力)委員 月二十二万。月二十二万というと二百五十万。六年借りましても一千二、三百万ですか。

 それは生活費も要るわけですから、それは要るとして、学校へ納めるお金を一時的に何か貸してあげる方法をちょっと考えてやらないといけないので、そこを、国公立の子と同じようにとまではいかないかもしれないけれども、そんなに大きな差がなくてしてあげられるようにすれば私はいいのではないか。もう少しそこは考え方をひとつ多方面に広めていただきたい、そんなふうに思います。それが一つであります。

 それからもう一つは、医師不足の話なんですけれども、これは国の方の方針も、医師を少なくするというふうに決めましたり、また、ふやせというふうに決めたりと、これはもうアトランダムに移行しておるわけでありまして、これは一九八六年、その当時は厚生省でございましたが、厚生省は、将来の医師需給に関する検討委員会、この最終意見をまとめまして、それによりますと、平成三十七年、二〇二五年には医師は一〇%が過剰になるという将来推計を報告した。

 二〇二五年には一〇%が過剰になる。これは一九八六年のときの話でありますから、それは予測しにくいこともあったと思いますけれども、しかし、現在の状況から考えると、これは余りにも結果が離れ過ぎているなという気がするわけです。

 それで、今度は二〇〇三年になりまして、文部科学大臣告示というのが出されておりますが、ここにおきましては、大学、大学院、短期大学及び高等専門学校の設置及びこれに係る認可の基準というのが示されておりますが、その一番最後のところには、収容定員増または医師の養成に係る大学等の設置でないことということが書いてありまして、医師の養成に係る大学でないことが決められているということであります。

 二〇〇三年といいますと、私が厚生労働大臣をさせていただいていたときでありますが、文部科学大臣の告示にこういうふうなのが出たということは一遍も聞かされたことはございません。多分、こういうのは大臣や副大臣のところには届かずに、次々とこういうのが出ているんだろうというふうに思います。

 それで、二〇〇八年になりまして、医学部の定員の増員への政策転換が行われまして、二〇一一年に、基礎医学研究者を含む医師不足や養成数の地域偏在といった状況を踏まえ、医学部やメディカルスクールの新設も含め検討し、中長期的な医師養成の計画を策定する、こういう閣議決定がされております。これは、私は画期的な閣議決定ではなかったかというふうに思っておりますが、閣議決定はされましたが、それからの動きはそう起こっているようには思いませんけれども、さて、これからどうされるんでしょうか。ここは大臣のお気持ちを聞かせていただいて、もう時間ですから、終わりにしたいと思います。

 全体がどうこうということがまとまっていなくてもそれは結構です。なかなか何もかもまとまりにくい時代ですから、これもそうきちっとはまとまらぬと私も思いますけれども、大臣の気持ちとして、こういう閣議決定があって、私は今後こういうふうにしていきたいと思っているというお気持ちさえ聞かせていただければそれで結構でございます。

    〔和田委員長代理退席、委員長着席〕

小宮山国務大臣 医師の数というのは、OECDが人口千人当たり三人というのに対して日本は二・二人なので、やはり少ないと私は思っております。

 そういう中で、平成二十年から継続的に医学部の入学定員をふやしていまして、二十四年度は過去最大規模の八千九百九十一人になる予定なんですね。先ほどお話があったように、医学部とかメディカルスクールの新設については賛否両論ある、慎重意見もあるとは聞いておりますけれども、やはりこれは、その閣議決定にございますように、今地域において足りないところがあったり、いろいろ診療科の偏在があったり、いろいろする中で、先ほどから御議論があるように、その志のある人たちが貧富の差なくしっかりと医師になれるような形をもっと積極的に応援していって、ふやしていく必要があるというふうに私は考えています。

坂口(力)委員 地域格差が起こらないように、そしてまた、いろいろの学科と申しますか科目が偏在しないように、そうしたことをひとつ十分検討していただかなければならないと思いますし、特に関東地方、東京は比較的よろしいですけれども、千葉、埼玉、茨城、それから神奈川ですか、こうしたところが非常に足りない。今後も高齢者がふえてくるし、足らなくなっていくという傾向がもう明らかでありますから、ひとつそうしたことも考えた配慮というものをしていただくことができれば大変ありがたい、そんなふうに思います。

 以上で終わります。ありがとうございました。

池田委員長 次に、高橋千鶴子さん。

高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 本法案の中心は、平成二十二年度から二十五年度までの暫定措置である市町村国保の財政基盤強化策を恒久化するということで、市町村からの要望も強く、これ自体は必要なことだと思っております。しかし、都道府県調整交付金の割合を七%から九%に引き上げるかわりに、国庫負担金割合を三四%から三二%に引き下げる、これはやはり後退であり、反対であります。

 まず、この引き上げる都道府県調整交付金、この財源は、先週やっていた児童手当法のときに指摘をしたわけですけれども、住民税の年少扶養控除の廃止などによる地方税収増収分からの千五百二十六億円を充てるとしております。子育て支援の現物給付に使うと説明していたのですから、まず筋違いの使い道だと言わなければなりません。

 また、この措置は二十四年度の措置であるために、二十五年度以降の扱いについては未定でありますけれども、今後はどのようにされるんでしょうか。

藤田大臣政務官 御指摘の今回の改正法案による都道府県調整交付金の増額の扱いでございますけれども、扶養控除の廃止に伴う地方増収分について、これは地方団体の要望を踏まえまして、地方に裁量のある使途に充てるというものでございます。それから同時に、都道府県単位の共同事業の拡大とあわせて、その円滑な実施のために財源を確保するものでございますので、国保財政の安定化に資するもの、このように考えておりますし、特に国保財政の安定化ということからいきますと、七十五歳未満の国保の被保険者全体の利益になるもの、このように考えているところでございます。

 なお、今回の調整交付金の増額、これは恒久措置でございまして、二十五年度以降も同様の取り扱いになるものと考えております。

高橋(千)委員 聞いたのは、ですから、財源も同じようにここから持ってくるという意味ですかと。確認です。

藤田大臣政務官 そのとおりでございます。

高橋(千)委員 では、やはり筋違いだということをあえて言わなければならないと思います。

 市町村の要望ですとか県の要望だというのはよくわかるんです。でも、それは、自由度の高いものをつくるというのは大事なんですけれども、結局、同じパイの中でとり合っているだけで、全体として当初の目標であった子育て支援の方はどこかに行っちゃったという中での財源でありますから、そこはあえて指摘をしておきたいと思います。

 それで、先月、岩手県の陸前高田市にお邪魔したときに、市長さんがイの一番に要望だと言ったのがやはり国保でありました。昨年は被災地に対する特別の補助もございましたし、一定頑張ったわけですけれども、ことし、だからといって事態がよくなるわけではないわけです。収入がふえる見通しがない。大体二億何がしです。三割以上の減収が見込まれるということで、このままでは、その分だけ給付を抑えるということは不可能なわけですから、予算が組めない、国の予算については今やっているわけですから。そういうことで、大変困った、道路は少し待ったとしても命や健康は待てないのだ、そういうことをおっしゃっておりました。

 そこで、市町村にとって国保というのは最大の悩みでありますが、被災自治体はもっと同じように悩んでいるわけです。それで、少なくとも被災市町村が窮地に追い込まれることはないのだ、そこを確認したいのと、そのことについての十分な説明がされているのか伺います。

藤田大臣政務官 被災地では国保税の収入が見込めない、こういう状況に対する対応ということでございますけれども、所得の減少に伴う財政状況の悪化に対しては、所得格差を全国レベルで調整する普通調整交付金を増額することで対応することといたしております。

 また、どうしてもやむを得ないと認められる事情によって、保険料収入が一定以上減少し、急激な財政負担増となる場合には、特別調整交付金で財政支援することも検討してまいる予定でございます。

 被災地の市町村から個別に御相談があれば説明をしておりますけれども、今後とも、そうした趣旨がきちっと伝わっていくように、都道府県ともよく連携をして取り組んでまいりたいと思います。

高橋(千)委員 十分な説明はしたんですかという質問に対して、個別に相談があればというお答えだったのかなと思います。ということは、やはり市町村の予算を組む時期のことを考えれば余りにも遅いのではないかということで、そこは指摘をさせていただきたいし、これからでもそういう丁寧な対応をしていただきたいということをお話ししておきたいと思います。

 それで、具体的なことで進めていきたいと思うんですが、資料の一枚目を見ていただきたいんですけれども、「東日本大震災における医療保険一部負担金等減免措置予算額等について」と書いてございます。それで、これまでも被災地の医療費一部負担金の減免制度、これを延長するように強く求めてきたわけですが、原発事故の警戒区域等の被災者に対しては丸一年の延長、今までどおりであるということ、それから、その他の被災地については国保のみ半年間延長ということになりました。健康保険は保険者が判断すればできるということで、一部そうしているところがあるやに聞いております。

 ただ、この表にあるように、二十三年度の交付額、一部負担金で四百四十億、保険料で三百八十四億、合計で八百二十四億一千万円の予算措置がされていたわけですね。今回は、原発事故関係だけですので、九十四・八億円でやる。そうすると、引き算をしますと、単純計算でいきますと、七百三十億円、国保だけでも三百三十四億円がこれまで必要であったのに、補助の対象でなくなるということになるわけです。

 国保については災害減免制度でやるのだという説明をしているんですけれども、本当に必要な方たちに確実に財政措置ができるのかということで確認をします。

外口政府参考人 被災者の方々に対する負担金減免等に対する支援の件でございますけれども、東京電力福島原発事故に伴う警戒区域等以外の住民の方々の一部負担金等の減免に対しましては、特別調整交付金により財政支援を行うことにしております。

 この特別調整交付金は、もともと、災害そのほか特別の事情がある場合に、その特別事情に応じて交付することを目的として制度上設けられているものであります。

高橋(千)委員 ですから、何でそういうふうに分けてやるのかなということなんです。もともとあるのでちゃんとできるのであれば、予算措置する必要がなかったはずなんですよ。そうじゃないからこうして特別な措置をしたのに、なぜこうするんですかということが言いたいんです。

 いまだ三十四万人が避難生活を強いられている中、雇用保険も切れるなど厳しい状況は続いているわけです。ですから、九月打ち切りは早過ぎるのではないかと思います。

 大臣に聞きたいんですけれども、もともと、今問題にしている被災地の減免といっても、いわゆる災害救助法の対象の地域だ、指定された地域だというと、皆さんが対象になるわけではないわけですよね。家屋ですと全壊でなければならないですし、主たる生計維持者が死亡か行方不明かあるいは失職中ということで、大変厳しい要件があるわけです。

 ですから、延長したとしても、仕事が見つかってもとの生活に基本的に戻れれば対象からは外れるわけですから、もう何でもかんでもと言っているわけではないわけです。そういうことを考えれば、やはり、ここだけ九月打ち切りではなくて、生活再建が見通せるというところまで延長すべきではないでしょうか。

小宮山国務大臣 東電の福島原発事故に伴う警戒区域等以外の住民の皆さんについては、低所得者、無職者、自営業者が加入する国民健康保険制度については、復興に時間を要することが多いと考えられること、また、震災による所得の減少を反映した自己負担額となるのが夏以降であること、これを勘案して、九月末までは財政支援を継続することにしています。

 ただ、被用者保険については、三月以降、財政支援をしていないんですね。そうしたことからも、国保のみ九月末まで延長しているため、夏以降は所得の減少を反映した自己負担額となること、これを踏まえますと、延長は九月末までがぎりぎりだというふうに考えています。

高橋(千)委員 大臣、今の答弁、自分たちが切っておいて、被用者保険はやっていないんだから国保だけ延長できないわ、それは変な話ですよ。大体、このときに厚労省が説明したのは、被用者保険は働いている人が入る保険だから、収入はあるんだから、負担金も出していいの、そういう説明だったんですよ。もしそれが本当だとすれば、今私が言ったように、事情のある人は延長するのが当然じゃないですか。

小宮山国務大臣 今申し上げましたように、夏以降は所得の減少を反映した自己負担額となりますので、それを踏まえて御負担をいただきたいということですので、前に説明したことと別にそごがあるというふうには考えていません。

高橋(千)委員 基本的に、所得の減少に応じて、病気などの特別な事情に応じて、減免制度はさまざまあります。でも、それがちゃんと働いていないから指摘をしているんです。ですから、私は、この制度はきちんと働くべきだと思うんですね。

 それで、次に進めたいと思うんですけれども、まず、国保法第四十四条による一部負担金の徴収猶予及び減免、この問題は繰り返し取り上げてきたんですけれども、平成二十二年の九月十三日付で保険局長通知が一部改正されて、国の基準、減免できる基準が示されました。二十三年の二月二十二日には、事務連絡でQアンドAが出されたんですね。

 それで、減免に対して特別調整交付金で手当てをする、ただし、国の基準を下回る場合は出しませんよ、それはいいんですけれども、国の基準を上回る市町村独自の支援をした場合は、国の基準に該当する部分だけ手当てをするということを言っているわけです。通知には、あくまでこれは技術的助言ですよということを書いておきながら、交付金の支払いは大変厳格です。国の基準どおりしかお金を出さないと言っているわけですね。

 それでどのくらい救えるのかということなんです。この減免の活用がどのくらいあって、自治体が国基準を上回っている、そういうのはどういう状況になっているでしょうか。

外口政府参考人 現在の状況でございますけれども、国保法第四十四条に基づく一部負担金の減免制度がある市町村数が、平成二十三年度で千百五であります。平成二十二年度の減免実績は一万四千七百二十五件で六・二億円であります。

 また、国が示す基準以上に一部負担金の減免を行っている保険者ですけれども、この数は把握してございません。

高橋(千)委員 ぜひ把握していただきたいと思うんです。

 実は二年前に、今言ったように、四十四条の活用について質問しました。そのときに私が挙げた数字は、平成十九年の、いわゆる市町村が独自に持っている四十四条の条例による減免、これは十億円だ、少ないと言ったつもりだったんですが、今の数字はさらに減っているわけなんですよ。その程度だということをまず認識していただきたいんです。

 やはり、基準は厳し過ぎるということなんです。災害で完全に全壊ですとかそういう被害になった場合に半年間と区切っているわけですけれども、失業の場合は、著しく収入が激減したということが基準になりますので、その直後は確かに対象になるんですけれども、もともと深刻な低所得の方はずっと貧しい、こういう表現をしたくないんですが、対象にならないということを問題にしているわけなんです。今回も、一旦減免措置が切れますでしょう。所得は変わらないと私はさっきから言っている。変わった人はまずとして。変わらないけれども、これはずっと、もう激減でなくなっちゃっている、それで対象にならないというのはどうなのかなということなんです。

 二年前にこのことを質問したときに、足立政務官が、そのまま受けとめます、私の指摘に対してこう答弁しました。結局、事態が変わっていないので、受けとめていただいただけなんだなと思うんです。

 ですから、大臣、ぜひここを、もう少し実態を見てもらって、検討するくらい言ってくださってもいいのではないでしょうか。

小宮山国務大臣 それは、実態はしっかりと見て、そこは受けとめ、検討もさせていただきたいと思います。

高橋(千)委員 ぜひ、ここは要望で、次につなげたいと思います。

 それで、国保の広域化の問題について伺います。

 市町村国保の都道府県共同事業の対象が、これまではレセプト一件当たり三十万円以上であったのが、今回は全医療費が対象になるわけです。高額の医療費が何件かあるだけでも、大変な給付費をはね上げて、それが全体の保険料にもはねるということがあっては困るわけで、それをプール制にして助け合うというのは非常に大事な事業だと思うんです。ただ、これが全部共同事業となると、かなり意味が違ってくると思うんですね。

 二〇一〇年改正の広域化等基本方針においては、県単位でも三十万円の基準額を下げてもよいのだとなったわけですが、実際に引き下げたのは四県にすぎません。ですから、県としてまだまだそういう準備ができていないというか、拙速な気がいたすわけですけれども、なぜ今回いきなり全額対象となるんでしょうか。

藤田大臣政務官 委員御承知のように、市町村国保についてはもう構造的な問題というものを抱えておりますので、この間の経緯、先ほどお話もございましたけれども、現在は三十万円を超える医療費について医療費の水準等の平準化というものを図っているわけであります。そして、平成二十二年度からは、広域化などの支援方針を都道府県が定めることによって対象医療費の範囲を拡大することも可能とするということで、段階を踏みながら進めてきたところでございます。

 確かに、対象を拡大したのが四県にとどまっているわけでありますけれども、構造的な問題に対応するということを考えますと、やはり対象の拡大ということが必要であると考えておりまして、今回全ての医療費に拡大をすることとしたところでございます。

高橋(千)委員 平準化を目指していくんだということで、結局、今回の共同事業がやはり、国保の都道府県実施ということについてはまだ一致していないということでありますけれども、そこに向かっているのだろうと思っております。

 それで、資料の二枚目を見ていただきたいんですが、埼玉県の市町村国保の状況であります。町の名前は全部アルファベットに変えているんですけれども、折れ線グラフが一般会計からの繰入金です。厚労省的にいいますと、法定外の繰入金というものです。それで、棒グラフの方が国保税の一世帯当たりの賦課額ということになります。このグラフを載せていたのが週刊社会保障の三月十九日号でしたけれども、埼玉県の国保広域化に向けた検討、取り組み状況が詳細に報告されている中で使われています。

 それで、県の国保医療課長がこのグラフを指摘して、見ていただければわかるんですが、法定外繰り入れをゼロとしているBA村の保険税は県平均を上回っているのに対し、最も多い八万四千円を投入しているAX町の保険税は県平均の約半分にとどまるということを指摘しています。それで、固有の事情があるけれども、なぜこのような繰り入れを行っているかの明確な説明が求められるとして、長期にわたって繰り入れを継続することはやはり好ましくないと指摘をしているんですね。

 これは、国も基本的には同じ方向だと思うんです。ただ、そうすると、平準化といった場合に、これは明らかに保険料が倍以上にはね上がるケースが予想されます。これをどう考えていらっしゃるでしょうか。

藤田大臣政務官 御指摘のとおりに、一般会計の繰り入れは、所得水準が低くて保険料負担が重い市町村だけではなくて、所得水準が高い市町村でも行われている実態があるわけでございます。

 国保財政の健全化の観点からは、こうした実態を踏まえますと、一般会計繰り入れを解消するよう努めるということは必要なことだと考えておりますけれども、ただ、一般会計繰り入れの解消については、計画的、段階的に取り組むべきものであるというふうに考えておりまして、保険料の引き上げだけでなくて、収納率の向上であるとか、医療費の適正化策、こうしたものをあわせて推進することによって対応していく必要があるのではないか、このように思っております。

高橋(千)委員 時間がないのでここは指摘にとどめますけれども、被保険者の規模の大きい都市ほど逆に収納率も悪いわけですよね。保険料も高い。それが一般的な傾向です。それも厚労省は認めていると思います。ですから、広域化すれば収納率が上がるわけではないわけですよね。逆に、規模が小さくて医療資源が不足しているために給付費が低い市町村があるわけで、そこが、結果として広域化が、大きい都市の水準に引っ張られて、高い方に平準化されることはやはりあってはならない、ここを強く指摘していきたいと思います。

 もう一つ、きょうは調整交付金の弊害のことで少し確認をしたいと思うんですけれども、資料の三枚目を見ていただきたいと思います。

 今回、国と県を合わせて、調整交付金が医療給付費全体の一八%になるわけです。資料の三枚目は、「地方単独事業に係る市町村国保の定率国庫負担の調整」と書いていて、これは私がよく質問するんですが、乳幼児医療費無料化あるいは高齢者、障害者の、市町村が独自に減免制度を行いまして、そのときに、現物給付、窓口で立てかえ払いをしなくてもいい制度をやっている自治体、そこが、結局それが医療費にはねるからということで、調整交付金が減額をされております。我々はペナルティーと呼んでいるわけですけれども、これが、乳幼児でいいますと七十一億三千万円、全体で三百六十一億円、減額をされております。

 ただ、対象市町村も乳幼児でいいますと千三百四十五、これは割合でいうと七八%も既に実施しているわけです。そこまで広範に広がっているということをちゃんと踏まえて、もう減額措置という考え方をやめるべきではないかと思うんです。

 問題は、今回、医療給付費からのけているという考え方ですので、当然、都道府県調整交付金も七%で減額されるはずなんですね。すると、乳幼児で十一億六千万円、合わせると五十八億九千万という計算になります。

 こういうふうに、ちゃんと出す部分ではなくて、財源調整に使われる枠が広がるということは、それだけそういう減額措置のようなことが起こって、独自のことはなるべくやらないでね、全体にはねるからねということになりかねないということを思いますが、いかがでしょうか。

外口政府参考人 今回の改正による調整交付金の増額の影響でございますけれども、これは調整措置の対象は拡大しますけれども、その分、定率国庫負担の方が減るということもございますので、このため、今回の改正により、調整措置の対象範囲ということでは変わらないということになります。

高橋(千)委員 数字は間違っておりませんよね。私が指摘した数字は、ちゃんと厚労省に言って計算をしていただいておりますので。

 枠とは関係ないというお話であったけれども、こういう形でダブルに削られるということは、理論上は同じだということだと今確認をしたいと思います。

 ちょっと残念ながら時間が来てしまいまして、きょうは討論をしないかわりに、最後に一言だけお話ししたいと思うんですけれども、今回、一体改革で、低所得者の対策、法定減免の枠を少し広げるということもやることになっています。それが二千二百億円だ。ただ、それが、結局財源が消費税ですので、低所得者対策なんだけれども、低所得者に直撃するじゃないか、こういうことをやはり言わなければならないと思うんですね。

 国保の構造的問題を解決するんだということをいろいろ言って、基盤強化、調整機能ということを言っているんですけれども、肝心の国庫負担のところは減っている。それで、二十一年度の市町村国保でいうと、総収入額の二五%にすぎないわけです。

 ですから、八四年以前の五割水準に戻していくべきであって、それが一遍に戻らなくても、やはり今やっているものを削るということはやるべきではない、このことを指摘して、終わりたいと思います。

池田委員長 次に、阿部知子さん。

阿部委員 社会民主党の阿部知子です。

 民主党の皆さんには、この数日、大変に長時間の消費税の御論議でお疲れでもあり、また、私から見れば、国民の側から見れば、社会保障がどうなるんだろう、年金もそうです、AIJの問題で大変に深刻、そして、ある意味では最も深刻なのは医療の問題で、それも医療提供体制についてあるようにも思います。

 この世界的に見て第二位の経済大国であるはずの我が国で、例えば、出産の場所を確保できないとか、それから、後ほど取り上げますが、今、我が国の死亡の大半、三人にお一人ががんで亡くなりますが、そのターミナルケアのための病床がもしかして潰されてしまうかもしれない事案、これなども御紹介しながら、国民の思いに寄り添った厚生労働行政をぜひ小宮山大臣には本当にやっていただきたいと願うものです。

 一点目、私がきょう取り上げさせていただくのは、まず、国民健康保険制度あるいは保険事業というものを考えるときに、いつもこういう場での論議は、保険の、すなわち保険財政がうまくいっている、いっていない、赤字だ、さあどうするということは大変論議になっても、実は、保険というのは、保険でお金をいただいて、実際に医療を受けられる給付、給付事業と裏表でなければ、保険あって給付なしということになります。

 私は、今回の改正は、二点大きな問題点があると思います。

 一点目は、先ほど高橋委員もお取り上げでありますが、この間、都道府県の調整交付金という形にかえて、国による定率の国庫負担を下げていくという動きが一連でございます。

 皆さんのお手元、ページの二枚目を繰っていただきます。

 資料二にございますけれども、ここには、昭和三十三年から、今回の法改正ができ上がったとして平成二十四年まで、国保財政の運営について国の負担してきた負担額あるいは調整額などの推移を見ていただきたいと思いますが、実は、昭和四十一年は医療費の四〇%、国の調整交付金も医療費の五%。それが、昭和でいう五十九年、一九八四年には給付費の四〇%。給付費のということは、医療費と給付費の違いは何かというと、医療費というのは、患者さんがお払いになる自己負担も含めて全部の医療にかかった額の四割を国が負担する。そして、財政調整交付金の方は一〇%であると。

 そもそも、国の財政調整交付金の出生の歴史を追えば、戦後間もないころ、日本がまだまだ、農村地域や特にいろいろな条件の大変な地域で、診療所がない、かかれる診療機関がないというものに関して、国保による直営の診療所や病院を整備していきましょう、もっとさかのぼれば、昭和の十三年、この当時は農村の疲弊が著しくて、そうした中で、何らかの国の補填による、いわゆる診療体制の充実のためにやりましょうということで、おのおの系譜がございます。突き詰めますが、保険事業に対するお金の、すなわち保険料に対する問題と、医療提供に対する問題の両輪を回してきた歴史があるわけです。

 定率の国庫負担は医療費から給付費の四〇%になり、それがどんどん、もし今回、給付費が都道府県調整交付金の方になれば、給付費の三二%が定率国庫負担で、都道府県の調整交付金が九%。これを足し合わせれば同じようになるんだというお考えでやっておられるのでしょうが、そこには先ほど高橋委員がお取り上げになったような問題もまだまだ潜んでおります。

 一枚目の資料をごらんいただきますと、今回の改正で、例えば、高額医療費や保険財政の共同安定化事業、あるいは保険者支援分、ここの色のついた部分ですね、これを恒久化するということは誰もいいと思うのですが、でも、これを恒久化した場合に、市町村の格差が生じて、そのことのために都道府県調整交付金という、右側の枠にあるものから持ってこようというわけであります。本当に、これで果たして市町村格差の是正に向かうのかどうか、ここが私は大きな懸念のもとであります。

 もしかして藤田政務官のお答えかもしれません、伺いますが、この間、先ほどの御論議でもありました、地方自治体の一般会計からのいわゆる法定外繰り入れというのはどんどん増加しております。平成二十二年度では三千九百億円、今までで一番高いのではないかと思います。すなわち、各市町村が自分たちの運営のために一般会計からさまざまな理由で入れていかねばならないものがどんどんふえてきているわけです。

 こうした実態があり、なおかつここで国庫負担はまた減らし、都道府県の調整交付金に任せてよしとする根拠をまずお願いいたします。

藤田大臣政務官 共同事業の拡大に伴いまして国の定率負担を引き下げた後も、国の負担としては依然として公費負担の七割以上をしっかり確保しておりますので、そういう意味では、十分な財政責任を果たしている、このように考えているところでございますけれども、先ほどから委員の方からも御指摘がございましたが、この配分の負担の割合がいろいろ動いておりますけれども、そこはしっかりこれからも確保して、国の責任というものは果たしていかなければいけないと思っております。

阿部委員 今の私の指摘は、都道府県が一般会計から繰り入れねばいけない分はどんどんふえる一方で、果たして国の責任というものは十分これまでも担われてきただろうかという目で見ていただきたいということと、それから、地方格差を本当に、これから給付事業がまた三十万円以下のものも含めて拡大していった場合に調整できるんだろうかという懸念の点は、もう一回お伝えをいたしておきます。

 そして、時間がございませんので、次の問題に行かせていただきますが、私が先ほど申しましたように、医療保険制度というのは、金目の保険料の問題が解決すればいいのではなくて、その背景に医療提供ということを伴わなければ、逆に言うと、取り上げるだけのものになってしまいます。

 この間、実は、戦後さまざまな形で、国保もそうでした、協会けんぽもそうでした、組合健康保険もそうだと思いますが、保険料を徴収しながら、例えば協会けんぽにあっては社会保険病院、組合健保にあっては厚生年金病院、国保は国保直営病院と、みんな両輪で回してきたものが、この間、社会保険病院や厚生年金病院の今後をどうするかという論議の中で、逆に、本当に医療提供体制がきちんと保持されながらその次の時代のビジョンが出るのかどうかが揺らいできていると私は思います。

 その例として、先日高橋委員がお取り上げの社会保険病院の問題をもう一度お尋ねさせていただきますが、既に小宮山大臣も衆議院でも参議院でも御答弁でありますので、余り重ならない形でやりたいと思いますが、この社会保険病院は、昨年の十一月の二十五日でしたでしょうか、川崎市長から、地域の医療の機能のためにも、必ずしも公的なものにこだわらず、譲渡ということもあり得るやの要望書が厚生労働大臣に届いたところからスタートしたと思います。

 そして、そういう市町村からのお声があったとして、あったときにといいましょうか、厚生労働大臣としてまず何をなさるべきかということで、もちろん、どの病院を譲渡するかは厚生労働省がお決めになるわけですから、全ての責任は厚生労働省にあるんですけれども、大臣に知っていただきたいのは、医療というもの、今、医師の疲弊や過重労働が言われていますが、その医療を担っている人たちとしっかりと意思疎通して状況を把握して厚生労働省が受けとめないと、私は、実は、医療というものを担っている人たちが心の疲弊をして、こんなに頑張っているのにわかってくれていない、こういう形になるのを一番、この間のこの問題では恐れております。

 厚生労働大臣には、市からそういうお声が上がったときに、まず、そこの病院長に会ってみるなりお声を聞くなり、そういうことはなさったでしょうか。大臣御自身がです。これは、大臣にはぜひ、坂口大臣のように、本当に現場に一番自分が率先して行って、思いを酌み上げる厚生労働大臣になっていただきたいので、私はお尋ねをいたします。

小宮山国務大臣 お尋ねの件でございますけれども、そちらの病院長の方にはまだお目にかかっていません。

 ただ、そこで医療機能が維持されることが必要だということについては、そこの病院運営団体の方にも申し上げているところですが、今、御承知のような事態で、大変住民の皆様に御迷惑をおかけしていることは残念な経過になってしまっていますので、これからでも、少しでもそこの不安が解消されるように努めていきたいというふうに考えています。

阿部委員 私がこういう直截な聞き方をしたのは、今大臣がおっしゃった、医療機能が維持されるとは何かということなんです。医療は人によって担われているんですね。ですから、人がある意味ではやる気になり、ある意味ではみんなが力を合わせて頑張っていこうと思っていただかないと、病院の機能というのは成り立たないんですね。誰かがむちを打っても成り立たないし、金目の話でいっても成り立たないんです。人がなすわざなんです。

 ですから、こういう問題が起きたときに、では、その病院が譲渡の対象に上ってきている、一体どうなっているんだろう、何が問題なんだろうと。もし、問題点が話し合われて改善に向かうのであれば、そこでも新しい展開があるかもしれません。

 実は、もう大臣も御承知おきですが、この病院はいろいろに工夫されて、昨年の暮れあたりから経営的にもやっと立ち直ってきた。そうしたところが、寝耳に水、全く自分たちの知らないところで、新聞で譲渡だと見るわけですね。私は、これは、医療現場というものがどう成り立っているのかということをぜひわかっていただきたい。

 病院を潰すは簡単なんです。医療機能をなくすは簡単なんです。でも、維持するには、そこで働く人たちの誇りを持った仕事を認め、そのことをどうつなぎ、そして、それは運営形態が何であれ、どんな病院でも一緒です、それがないと、単なる命令系統だけでは物は動かない、医療は内部崩壊していくと私は思います。

 そして、実は、これら社会保険病院や厚生年金病院は、もちろん、今後の機能、地域で重要ですから、いろいろ考えるときには必ず自治体の意見を聞けということがございます。そこで、厚生労働省は自治体にアンケートを二回なさいました。ところが、このアンケート結果が各病院長には全く伝えられておりません。

 もともと、例えば、社保病院とか厚生年金病院はみんな、縦系列というと変ですけれども、社会保険という組織、厚生年金という組織が運営してきたために、地域との横軸を結んでいくということが歴史的には難しく、でも、これからは、地域医療機能推進機構に移っていくという中で最も大事なことは、自治体側の思いと、病院も一生懸命やっている、もしすれ違うとすると、どこに問題があるのかと。

 一刀両断しないで、丁寧に、本当に改善点がないのか、どうすれば一番機能は維持されるのかということをステークホルダーの一人である病院当事者と、院長とでいいですから、きちんと話し合う姿勢がなければ、これは、今一生懸命頑張っていただいている多くの病院の病院長たちも、本当に自分たち医療現場を必死で支えている人間がどのように国によって思われているのかと、全体の士気にもかかわってくると私は思います。

 具体的な質問は、厚生労働省がおとりになった自治体アンケートを病院長たちは見せてほしいと言っておられますが、提示していないようですが、いかがでしょう。

小宮山国務大臣 このアンケートにつきましては、公表を前提としないので答えてくださいということでとっているアンケートだということなんですね。だから、これをストレートにはお伝えするのが、ちょっと前提からするとできないかと思いますけれども、委員がおっしゃっていることはよくわかりますので、なるべく、そこの病院で働いていらっしゃる方、病院長さんを初め、こうしたことを全体像でもお話をして、何らかの形でコミュニケーションをとらせていただくということは必要だと思います。

阿部委員 病院が立地しているところはどこかの自治体なんですね。その自治体がどう思っているかを、厚労省がおとりになったから伝えられないという今の御趣旨はわからぬではないですが、しかし、それではうまく地域の医療機能も保持していけないと私は思うんです。そういう意思疎通がないままに、ぽこっとのっけたような状態では、医療は提供できないと思うんですね。

 もう一点、大臣にお願いがあります。

 今の御答弁は何らかの形で努力するというふうに受けとめましたから。そもそも自治体のアンケートを内密でとらねばいけないようなことなのか、医療というのは公共性がありますから、自治体はこういうのをやってほしいと思っている、病院はこういうのをやりたいと思っている、でも、それを調整していかなければどうにもなりませんから。

 もう一つのお願いは、この川崎社会保険病院については、今もう既に、大臣からの譲渡、売るぞという告知が行った後、譲渡検討委員会というのが持たれておるやに聞いております。二月の二十五日からだと。しかし、この議事録も出ないし、一切公表されない。といたしますと、病院関係者は、全く自分たちのかかわりないところで自分たちが一生懸命やらねばいけないことが決められていってしまう。住民も、私が申しました譲渡検討委員会が非公開であれば、一体どんなことが検討されているのか。

 出せないことももちろんあるかもしれません。でも、今住民の間で一番懸念されているのは、例えば、この病院が本来の不動産評価額よりも低くたたき売られるのではないか、そういう情報も流布しておるわけであります、かんぽの宿がそうであったように。そういうことを思われたら厚生労働省としても不本意でしょうし、透明性を高めて、地域に開かれた情報発信をしながら、一つの地域の病院としての、運営主体はこれから決まるんでしょう、そうしたあり方を、大臣、もう一度、公開、透明性を考えていただけまいか。

小宮山国務大臣 それは、委員が御指摘のように、やはり透明性を確保するということは私は重要だと思っています。入札に関するものなのでなかなか公表は難しい、出たものに対しては病院に対してきちんと説明する、それは当たり前のことだと私は思いますので、もう少しそこのところを丁寧にやれないかということは、私の方からも検討するように言いたいと思います。

阿部委員 私がお願いしたいのは、そもそも、医療をやっている当事者に寝耳に水で、あんたのところを売るよというのだけは、簡単に言うとやめていただきたい。これが一番士気が、びくびくしながらやらなきゃいけなくなるからです。ぜひ大臣にはこの点を御理解いただきたい。

 きょうは、黄川田副大臣にも来ていただきましたので、次の質問の前に黄川田さんにお伺いをしたいと思いますが、実は、公立病院改革ガイドラインというのがございまして、これは、各公立病院が自分たちの経営を、改善の指標を立てながら、平成二十年から五年計画であったと思いますけれども、総務省が管轄して、御指示がございます。

 ところが、この間、副大臣もよく御承知のように、震災がございまして、特に被災地では、実際に、例えば公立志津川病院なんか全部流されてしまいましたし、あと、南三陸の本吉という病院ですね、これも国保の病院ですが、これも私も行きましたけれども、一階部分は全部もう水につかっているような状態。

 そこで、これまでの、二十年から二十五年までの計画を、経営改善のいろいろな指標を出しなさい、報告しなさいと言われても、みんな未達成、未達成、未達成になってしまうんですね。しばらく、この当面の間ですよ、この公立病院改革ガイドラインのこういう報告書の出し方を被災地にあっては見直して、凍結も含めて考えていただけまいか。

 私は、例えば本吉病院から出た報告書を見て涙が出ました。それは、なぜならば、自分たちの病院が改革がうまくいかなければ潰されるんじゃないかという、すごく恐怖感が背景に見えるような文面なんです。でも、あの震災のひどかったときも、本当に看護師さんたちも一生懸命やっておられました。医療は人がなすわざであり、そのことを本当に、冷たく評価しないで温かく見守って、そして、当初の指標が行かないのは当たり前ですから、今、違う見方をできまいか。

 総務省の黄川田副大臣にお伺いいたします。

黄川田副大臣 お答えいたします。

 阿部委員御指摘のとおり、全壊した公立病院をとっても、岩手では山田、大槌、陸前高田、それから宮城では志津川、石巻などあると思います。本吉も、全壊まではいかないかもしれませんが、大変な被害であります。

 そういう状況にありますので、今回の東日本大震災により大きく被災した病院にありましては、これまでの改革プランが妥当しなくなるのは当然でございます。場合によっては、病院の存廃も含め、病院事業のあり方等も問い直すことが必要になってくるかとも思っております。病院は今仮設で診療再開ということで、仮設ではなくて本格的な開設はというと、未定というところが多くあるわけであります。

 そこで、総務省といたしましても、こうした状況を的確に把握いたしまして、そしてガイドラインを画一的に当てはめるのではなく、その趣旨を生かしながら、被災地域における公立病院の今後あるべき姿を構築するに当たって、適切に助言していきたい、こう思っております。

阿部委員 お願いですが、このガイドラインに沿って報告書を出さねばならないと必死に思っている各病院に、今はその時期ではないよというメッセージを出してあげていただきたいんです。

 そうでなければ、読ませていただきますが、例えば本吉病院は全ての指標が未達成なんですね。当然ですよ、入院患者さんも来られませんしね、地域がないんですから。そして、いろいろ未達成だったという結果を真摯に受けとめ、現状の詳細把握と課題の解決方策を模索しながら、経営の健全化に努力してまいりますと。経営の健全化に努力してまいりますと書かねばならない、潰されちゃうかもしれないからと思うわけであります。

 今、黄川田副大臣は、その存続も含めてとおっしゃった。それは副大臣は善意の方向でおっしゃったんですけれども、現地にあっては、本当にどうなっていくんだろうという不安の中なんです。

 私は、ぜひ、今この報告書を出してどうこう評価する時期ではないというメッセージをしっかりと、本当にしっかりと伝えていただきたい。日本の医療を崩壊させないため、地域に医療基盤をきちんと存続させるためであります。お願い申し上げます。

黄川田副大臣 阿部委員お話しのとおりでございまして、被災してから二十三年度の決算等は九月に出てくると思います。それで、同列な公表はするべきではないと思っておりますし、地域医療がしっかりと確保されるような、そういう工夫をしてくださいという意味合いのもとに、しっかりと助言していきたいと思います。

阿部委員 ありがとうございます。

 終わります。

池田委員長 次に、柿澤未途君。

柿澤委員 みんなの党の柿澤未途でございます。

 きょうは、国民健康保険法の改正案、日切れ法案でありますが、年度またぎが決まってしまったようであります。その法案の内容も、市町村国保の厳しい財政状況を何とか乗り切るための、その場しのぎと言ったらなんですけれども、そういう感の拭えないものになってしまっているというふうに思います。

 まず、法案では、市町村国保の共同事業、保険財政共同安定化事業について、三十万円超からだったのを一円以上にして、全ての医療費に拡大する、こういう措置がとられております。

 このように、都道府県単位の国保の財政運営にしていくことについてはどのような利点があるというふうに考えているのか。言わずもがなの質問のような気がしますが、御答弁お願いしたいと思います。

外口政府参考人 市町村国保につきましては、小規模の保険者が存在して財政運営が不安定であるという問題や、市町村間の医療費水準等の格差があるという問題を抱えております。都道府県単位化を進めることについては、これらの問題の解決につながるものと考えております。

 今回の改正では、共同事業の事業対象を拡大することにより、市町村国保の財政の安定化と医療費水準等の平準化を一層進めることにしております。

柿澤委員 今御答弁をいただきましたが、要するに、市町村だとサイズが小さいこともあって、小規模、そして格差が生まれて広がってしまう、財政安定に資することがこの都道府県単位化のメリットなんだ、いわばスケールメリットが出る、こういうことなんだろうというふうに思います。

 そうすると、これは、そもそも保険者を都道府県にする、こういうことも考えられるのではないかというふうに思います。国民健康保険中央会も、昨年八月に研究会の報告書として、都道府県が国保保険者になることを提言として打ち出しております。この際、保険者そのものを都道府県へ移行する、こういうことについては考えないのか、お伺いをしたいと思います。

小宮山国務大臣 国民健康保険では、市町村が住民にとって最も身近な基礎自治体であって、被保険者の把握ですとか保険料の徴収がしやすいこと、また、市町村が担う地域の保健、医療、福祉活動との連携が図りやすいことなどから、市町村が保険者になっています。

 今回の改正による共同事業の拡大は、このような市町村保険者の利点を維持しながら、小規模の保険者が存在して財政運営が不安定である、市町村間で医療費水準などの格差があるという市町村国保の構造的な問題に対処をして、市町村国保の財政運営の安定化と市町村間の医療費水準等の平準化を一層進めるために行います。

 このように、都道府県単位の共同事業の拡大は、現在の制度の枠組みを前提にして、市町村国保の財政基盤強化等を図るものです。

 運営主体につきましては、市町村、都道府県それぞれにメリット、デメリットがあると思います。地方自治体を初めとする関係者の御意見を伺いながら、検討を行っていくことが重要だと考えています。現在、国保の基盤強化については国と地方の協議を開催していますが、今後、運営主体について検討を行う場合に、この協議の場でも十分に検討していきたいと考えています。

柿澤委員 今の御答弁を私なりに意訳すると、この先、検討課題として、ないわけではないけれども、慎重に議論を進めていきたい、こういうことなのかなというふうに思いますが、現行の制度の枠組みを前提として今回の法案は広域化のメリットを出していく、こういう考え方なんだ、こういう話でしたけれども、現行の枠組みを前提として、ここの部分こそが、まさに今までのいわば制度の行き詰まりということを生んできた部分ではないかというふうに思います。

 そういう点で、先ほど言及をした、国保中央会が提言をしておられるように、運営者、保険者そのものを都道府県に移行していく、そういう考え方も、既に具体的な検討をしてしかるべき段階に来ているのではないかという気がいたしております。

 スケールメリットによる負担と給付の平準化、こういうことを考えるのであれば、都道府県単位よりも、いわば道州制みたいな広域ブロックの方がさらにこれは安定をするということにはなりませんか。私たちは、国は国がやるべき外交、防衛、通貨、マクロ経済に特化して、医療保険と医療給付のような住民のためのサービスは地方にお任せする方がいいと思っております。そのために道州制の法案も実は今週国会に提出をする予定なんですが、こういうことに移行することを前提に、できれば、広域ブロック単位に国保財政運営を移行してしまった方がさらに国保財政の基盤は安定する、こういうふうにも思いますけれども、こうした視点はお持ちであるのか、お伺いをしたいと思います。

小宮山国務大臣 医療保険は、保険者として安定的な運営ができる規模が必要であるということ、また医療計画が各都道府県単位で策定をされているということ、また医療サービスがおおむね都道府県の中で提供されている実態があること、こうしたことから、都道府県単位の財政運営を軸に取り組みを進めてきています。

 今回の都道府県単位の共同事業の拡大もこの方向性に沿ったもので、財政基盤強化策の恒久化とあわせて、国保財政の安定化、強化を図っていきたいと考えています。

 また、今おっしゃいました県単位を超えたブロック単位の運営については、これは、医療保険や医療サービスというだけではなくて、行政サービス共通の課題で、道州制のあり方を含めた幅広い観点から検討する必要があるというふうに考えています。

柿澤委員 スケールメリットを出していくんだといいながら、ある意味では、この先の全体像ということについてはなかなか見えにくいこの法案の仕組みになっているのではないかなというふうに思うんです。この手法で、一体、この市町村国保の先行きがどこまで、どの程度サステーナブルになるのか、こういう点についてはいろいろな疑問や不安があるのではないかな、こういうふうにも感じるところであります。

 さて、先ほど来言及されていますけれども、昨夜遅くというか、きょう未明まで民主党さんは大変だったようであります。消費税増税法案の事前審査で党内を二分する議論が行われて、一応、閣議決定に向けて執行部一任ということになったんでしょうか。今回の議論では、実は、歳入庁の設置についてみんなの党が法案を出しているのに、マニフェストで歳入庁を掲げた民主党は増税の前に歳入庁をなぜやらないのか、こんな話が党内議論で出た、こういう話も聞いております。

 そこにぶつけたわけではないんですが、実は、歳入庁法案、国会に提出をいたしまして、法案の説明会をしましたところ、きょう委員会出席の皆さんも含めて、たくさんの出席をいただきました。本当にありがとうございました。

 そういう声も上がった結果として、この消費税の増税法案の附則に、歳入庁の設置を検討する、こういう条項が明記をされる方向になったようであります。創設ですね。つまりは、これまで、やるんだかやらないんだか、言を左右にして、姿勢としては明らかに消極的であった歳入庁の設置ということについて、現政権の方針としてようやく定められたというふうに理解をいたします。これは、基本的に大変歓迎すべきものであるというふうに思います。

 みんなの党は、既に入念な検討と保険料増収試算を兼ね備えた歳入庁設置法案を国会に提出しておりますので、ぜひ丸のみをお願いしたい、こういうふうに思います。

 しかしながら、では、歳入庁をやるんだということになると、ここで大きな問題も生じてくるように思うんです。

 きょう配付をしました一枚の資料をごらんいただきたいと思うんですけれども、歳入庁が設置をされるということになりますと、国税庁と旧社保庁の法人事業所データの統合効果で未加入事業所の存在が捕捉、把握できるようになる、これによって未加入事業所の加入が増加をするので、厚生年金、協会けんぽ、保険料収入は相当ふえることになる、まさにここが歳入庁設置の趣旨の核心部分なわけです。

 しかし……(発言する者あり)まあ、中小企業の問題はあると思いますが。その反面、市町村国保を考えると、国保加入者の多くが事業所単位の協会けんぽの加入者に移行することになります。しかも、協会けんぽに移行する人たちというのは現役で働いている人たちだから、負担と給付の関係でいえば、保険料を負担して国保財政を支えている人たち、この人たちがごっそり抜けてしまう、こういうことになるわけですよね。

 配付資料をごらんいただくと、ちょっといろいろなことがこの資料には書いてあるんですけれども、「健康保険料の増収見込額等について」ということになっていますが、真ん中の右側の四角、市町村国保から異動と書いてありますけれども、大体一千百四十六万人、それと被扶養者が市町村国保から協会けんぽに移行していく。そうすると、本人分で八千四百億円、そして被扶養者分においては六千四百億円、合わせて一兆四千八百億円も、試算ではありますけれども、市町村国保の保険料の大幅な減収になってしまう。

 この部分について、歳入庁創設をやるというからには、これは市町村国保の財政運営には重大な影響を与えることになると思うんですけれども、この点についてどういう視点をお持ちなのか、この法案附則に盛り込むということですから、ぜひこの時点でお尋ねを申し上げたいというふうに思います。

小宮山国務大臣 その歳入庁のことについては、今、政府の中でも、副総理のもとに、税と社会保険料を徴収する体制の構築についての作業チームというものを設置いたしまして、長浜副長官をヘッドに政府としても検討していますので、法案提出ということでございますが、丸のみというわけにはまいりませんが、ぜひ議論はさせていただきたいと思います。

 それで、今のお尋ねの点ですけれども、健康保険の被保険者の数と国税庁統計上の民間給与所得者の数の差、およそ千百四十六万人が健康保険の未適用者であると捉えられているみんなの党の試算、これを前提とした数字だと思います。

 この国税統計上の民間給与所得者の数の中には、健康保険等の対象にならない方がたくさん含まれています。例えば、週労働時間が三十時間未満の短時間労働者、従業員五人未満の個人事業所に雇用される労働者、適用除外業種の個人事業所に雇用される労働者、七十五歳以上の労働者、共済年金対象の私立学校の教職員や郵便会社の職員、こうした対象とならない方も入っている数字なので、相当多目の推計になっていると考えています。

 したがいまして、歳入庁を実現することによって、国保の被保険者の数ですとか保険料収入が大幅に減少するということはないというふうに考えていますが、小規模保険者が多いという国保財政の構造的な問題への対応は必要で、これは、今回の改正法案によりまして財政運営の都道府県単位化を推進したいと考えているのも、そうしたことへの対応の一策でございます。

柿澤委員 この歳入庁の議論をして、こういった試算を私たちの試算としてお出しすると、これは過大だとか、いろいろなことを御指摘になられるわけです。予算委員会で、浅尾政調会長と岡田副総理との議論でも、こういうことが繰り返されてきた。

 法案に盛り込むわけでしょう、歳入庁の設置。だったら、やはり、これを試算して、どのぐらいの保険料の減収になるのかということはきちんと計算をして、政府として出さなければいけないではないですか。そして、厚生労働省として、試算を責任を持って行う官庁はやはり厚生労働省だと思いますけれども、そうしたことはお出しになられるということでよろしいのか、お伺いをしたいと思います。

小宮山国務大臣 先ほど申し上げましたように、検討は今進めているところですけれども、ただ、その法案の中に具体的にどこまで盛り込むかというのは、これからの話だというふうに思います。

柿澤委員 いやいや、ちょっと待ってくださいよ。先ほど申し上げたとおり、私たちから見た歳入庁設置の最大のメリットというのはここの部分だと思うんですよ。国税庁において把握をしている法人データを旧社保庁の持っている事業所のデータと統合する、そのことによって、今まで捕捉できなかった法人事業所を把握して、そこに社会保険加入を進めていく、これができるようになることが一番のポイントではありませんか。

 それを進めていくと、先ほど、額の多寡はともかくとして、こういう形で市町村国保から抜けて、そして協会けんぽに移行する、こういう方が、私はたくさん出てくるはずだと思います。そのたくさん出てくる方々というのは、まさに現役で働いて、むしろ保険料を納めてこの国保財政を一番中核で負担している方々、支えている方々だと思いますので、そこが抜けるということについて、どういうふうな影響を及ぼすのか、ここはしっかり試算を、この法案提出と軌を一にして行わなければいけないということなのではないかと思いますが、先ほど来、何かお二人でお話をされておりますので、何かお考えのことがあれば御答弁をいただきたいと思います。

小宮山国務大臣 今回、消費税の法案を提出する中に、歳入庁を設置するということは書くということになったのだと聞いていますけれども、どのような形の歳入庁にするかということは、また別に法案をつくりますので、それはそのときの話だというふうに思いますから、今回、消費税法案の中に事細かくそういうことを書くということではないと思っております。

柿澤委員 別に法案に書けなんて誰も言っていませんよ。私たちがつくった試算に対していろいろ御意見をおっしゃるのであれば、政府としての試算をお示しになればいいじゃないですか。このやりとりをずっとやっているんですよ。

 ぜひこれは御検討いただきたいというふうに思いますが、政務官、何かありますか。

藤田大臣政務官 先ほどから大臣が申し上げておりますけれども、現在、作業チームを設置いたしまして、そこで議論を進めております。ですから、みんなの党の方からお出しをいただきましたデータもそこの場で検証させていただきながら、きちっと中身を詰めてまいりたい、このように考えております。

柿澤委員 こちらが試算を出せば過大だと言って、試算を出せと言えば、検討させていただきます。どういう理由があるのかわかりませんが、なかなか試算は出しますとおっしゃっていただけないのは、本当に首をかしげてしまいます。

 さて、もう次の質問に移りますが、増税の前にやるべきことがある、何度も何度も言ってきました。医療給付の適正化、先日も柔道整復師の保険給付について少し取り上げましたが、それ以外にも、医療保険財政の健全化に向けた給付の適正化でやるべきことがたくさんあると思うんです。

 レセプトチェックの強化は、私はまさにその一つだと思います。前にもこの厚生労働委員会で、精神科領域の多剤大量処方、信じられないような向精神薬の多剤大量処方がレセプトチェックをスルーしている、こういう実態を指摘したことがあります。レセプトのオンライン化により、こういうチェックが飛躍的に進むようになるというふうに思います。また、エビデンス・ベースド・メディスンの推進にも非常に有用である、このようにも思います。

 ところが、現政権になって、いわゆるレセプトオンラインの義務化を原則化に後退させてしまった。その結果、今一体どうなっているかということをお尋ねしたいと思います。

 二〇一一年度における全医療機関でのレセプトオンライン化の進捗状況、これはどうなっているでしょうか。何施設中の何施設、そして普及率でお答えをいただきたいと思います。

外口政府参考人 直近の数字で申し上げますと、本年二月請求分のレセプトでは、施設数ベースでは、二十二万一千二百五十三施設中の十五万六千六百五施設、普及率でいうと、七〇・八%が電子レセプトによる請求を行っております。

 なお、レセプトの件数ベースでは九〇・一%でございます。

柿澤委員 それでは、病院における普及率、そして診療所における普及率、これについてはいかがでしょうか。

外口政府参考人 病院における普及率ですけれども、八千六百三十八施設中の八千五百三十二施設、普及率は九八・八%であります。診療所の方は八万七千八百三十六施設中の七万一千五百六施設、八一・四%であります。

柿澤委員 これについては、私は、これから給付の適正化に明らかに資するものでありますし、スケジュールを設定して、義務化という言葉を使わないにしても、一〇〇%を目指していくための工程を設定するべきだ、こういうふうに思いますけれども、今後の取り組みについて教えていただきたいと思います。

外口政府参考人 普及率は既に九割を超えておりますけれども、今後、電子請求に対応しないレセプトコンピューターのリース期間中であるために電子化が猶予されている医療機関については、猶予期限である平成二十六年度末までに順次電子化に移行していくことになっております。

 そうしますと、あとは手書きでレセプトを作成している医療機関でございますとか、医師が高齢である診療所とか薬局とか、こういうところ以外は円滑に進んでいくことになります。

柿澤委員 残り四分になりました。

 歳入庁設置法案、先ほどお話をさせていただきましたが、みんなの党で、浅尾政調会長のところで保険料増収確保に向けた各種の試算をしております。

 先ほど試算の信憑性に関するさまざまな検証をいただきましたが、そもそも、健康保険料、健保組合は七・九二六、国家公務員共済は六・七一八、地方公務員共済七・八七、私学共済六・五二。これは、とった年はばらばらなんですが、こういうふうに健康保険料、ばらつきを見せております。これらの健康保険料率を協会けんぽの九・五%に一元化をするとどうなるか、一・八兆円もの保険料増収になる、こういう試算を私たちでいたしました。

 こういう形で被用者保険の保険料率を統一、一元化していく、このことが私たちは保険財政の安定化に大きく資することになるように思いますけれども、この視点について、どのようにお考えになりますでしょうか。

小宮山国務大臣 健保組合の保険料率を協会けんぽの水準に統一するということにつきましては、一つは、健康保険組合の保険料率は、労使協調の枠組みの中で、自主自立の運営で決めているということ、そして二つ目には、厳しい保険財政の中で、保健事業の効果的な実施ですとか医療費の適正化など、保険者機能の発揮が重要ですけれども、一律に保険料率を設定されることになれば、その意義が失われかねないということ、また三つ目には、保険料を統一しても、保険料率が引き上げられる健康保険組合、共済組合の財政が改善するだけであるといったような論点がございまして、保険料を負担する被保険者や事業主など関係者の意見も伺いながら、これは慎重な検討が必要だというふうに考えています。

柿澤委員 もう一つ、同時に行った試算で申し上げたいと思います。

 被用者の健康保険料、標準報酬月額の等級上限百二十一万円、標準賞与の上限五百四十万円を頭打ちとして、それ以上は報酬比例の保険料は上がらない。つまり、カルロス・ゴーンさんのような、年収約八百四十万ユーロ、十億円ぐらいでしょうか、月給でいうと五千万ぐらいになるんでしょうか。しかし、健康保険組合の保険料率は七・九二六だから、十万円弱ぐらいしか月々の健康保険料は負担をしていない、こういう計算になります。

 これを完全報酬比例にすると、健保組合、協会けんぽ合わせて、保険料の増収額は一兆五千億円。もちろん給付増がありますので、差し引いたネット増収は大体二千億円ぐらいになる、こういう試算結果が出ています。

 こうした被用者の健康保険料を完全報酬比例にする、こういうことについて、いかがお考えになりますでしょうか。

小宮山国務大臣 医療保険では、給与や超勤手当など報酬の平均月額をあらかじめ決められた等級別の標準報酬月額に当てはめて保険料を決定しています。現在の標準報酬月額の上限は百二十一万円です。

 健康保険法上、最高等級に該当する被保険者の割合が一・五%を超えた場合には標準報酬月額を引き上げるルールとなっていますけれども、現在はこの要件を満たしていません。

 被用者の保険料の上限を撤廃して、完全に報酬比例にすることにつきましては、一つは、給付の水準は基本的に同じ中でも、現在も収入に応じて保険料を賦課していますけれども、給付と負担の公平が求められる中で、公的保険の仕組みでどこまで所得再分配の機能を追求するのかという点、二点目には、保険料の半分は事業主負担であり、上限の撤廃は事業主負担の増大にもつながる、こういう論点があると思っています。

 こうした中で、最近では、平成十九年の法改正で上限等級を九十八万円から百二十一万円に引き上げたところで、こちらもやはり関係者の御意見を伺いながら、慎重な検討が必要だと思っています。

柿澤委員 制度の現行のものを前提として継ぎはぎのびほう策を進めるのはやはりもう限界に来ている、こうした認識があるからこそ、今回の法案にもなり、また、この先の姿も提示をされているんだと思いますが、それを提起すると慎重な検討を要するということになってしまうのは、ちょっと残念な気もいたします。

 時間も参りましたので、質問は終わりたいと思います。ありがとうございました。

池田委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

池田委員長 この際、本案に対し、岡本充功君から、民主党・無所属クラブ提案による修正案が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。岡本充功君。

    ―――――――――――――

 国民健康保険法の一部を改正する法律案に対する修正案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

岡本(充)委員 ただいま議題となりました国民健康保険法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、民主党・無所属クラブを代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 修正の要旨は、原案において平成二十四年四月一日となっている施行期日を公布の日に改めることであります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

池田委員長 以上で修正案の趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

池田委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に入ることになりますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 内閣提出、国民健康保険法の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。

 まず、岡本充功君提出の修正案について採決いたします。

 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

池田委員長 起立多数。よって、本修正案は可決されました。

 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。

 これに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

池田委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

池田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

池田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時五十四分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © 2014 Shugiin All Rights Reserved.