衆議院

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第15号 平成24年7月25日(水曜日)

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平成二十四年七月二十五日(水曜日)

    午前八時五十分開議

 出席委員

   委員長 池田 元久君

   理事 岡本 充功君 理事 長尾  敬君

   理事 長妻  昭君 理事 柚木 道義君

   理事 加藤 勝信君 理事 田村 憲久君

   理事 岡本 英子君 理事 古屋 範子君

      石井登志郎君    石森 久嗣君

      稲富 修二君    川口  浩君

      工藤 仁美君    斉藤  進君

      白石 洋一君    田中美絵子君

      竹田 光明君    玉木 朝子君

      中屋 大介君    仁木 博文君

      西村智奈美君    初鹿 明博君

      樋口 俊一君    藤田 一枝君

      宮崎 岳志君    宮島 大典君

      山口 和之君    山崎 摩耶君

      吉田 統彦君    あべ 俊子君

      鴨下 一郎君    菅原 一秀君

      高木  毅君    棚橋 泰文君

      谷畑  孝君    永岡 桂子君

      古川 禎久君    松本  純君

      青木  愛君    石井  章君

      小林 正枝君    玉城デニー君

      中野渡詔子君    三宅 雪子君

      坂口  力君    高橋千鶴子君

      阿部 知子君    柿澤 未途君

    …………………………………

   厚生労働大臣       小宮山洋子君

   厚生労働副大臣      西村智奈美君

   経済産業副大臣      柳澤 光美君

   厚生労働大臣政務官    藤田 一枝君

   厚生労働大臣政務官    津田弥太郎君

   政府参考人

   (外務省領事局長)    沼田 幹男君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  大谷 泰夫君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局長)            金子 順一君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局安全衛生部長)       宮野 甚一君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局長)            森山  寛君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局派遣・有期労働対策部長)  生田 正之君

   政府参考人

   (厚生労働省保険局長)  外口  崇君

   厚生労働委員会専門員   佐藤  治君

    ―――――――――――――

委員の異動

七月四日

 辞任         補欠選任

  田中美絵子君     小宮山泰子君

  福田衣里子君     古賀 敬章君

  吉田 統彦君     松崎 哲久君

同月六日

 辞任         補欠選任

  橋本  勉君     稲富 修二君

  初鹿 明博君     田中美絵子君

  水野 智彦君     吉田 統彦君

  相原 史乃君     岡本 英子君

  小宮山泰子君     青木  愛君

  古賀 敬章君     石井  章君

  松崎 哲久君     玉城デニー君

同月二十五日

 辞任         補欠選任

  大西 健介君     初鹿 明博君

  樋口 俊一君     中屋 大介君

  山口 和之君     川口  浩君

  和田 隆志君     宮島 大典君

  長勢 甚遠君     高木  毅君

  松浪 健太君     古川 禎久君

  玉城デニー君     中野渡詔子君

  江田 憲司君     柿澤 未途君

同日

 辞任         補欠選任

  川口  浩君     山口 和之君

  中屋 大介君     樋口 俊一君

  初鹿 明博君     大西 健介君

  宮島 大典君     石井登志郎君

  高木  毅君     長勢 甚遠君

  古川 禎久君     松浪 健太君

  中野渡詔子君     玉城デニー君

  柿澤 未途君     江田 憲司君

同日

 辞任         補欠選任

  石井登志郎君     和田 隆志君

同日

 和田隆志君が理事を辞任した。

同日

 岡本英子君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

七月二十四日

 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第六五号)

は本委員会に付託された。

七月六日

 障害者福祉についての新たな法制に関する請願(第六二八号)は「馬淵澄夫君紹介」を「櫛渕万里君紹介」に訂正された。

七月十日

 腎疾患総合対策の早期確立に関する請願(第七七八号)は「高邑勉君紹介」を「玉木雄一郎君紹介」に、難病、長期慢性疾患、小児慢性疾患の総合対策を求めることに関する請願(第一五四五号)は「高邑勉君紹介」を「平岡秀夫君紹介」にそれぞれ訂正された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の辞任及び補欠選任

 政府参考人出頭要求に関する件

 労働契約法の一部を改正する法律案(内閣提出第七一号)

 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第六五号)


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     ――――◇―――――

池田委員長 これより会議を開きます。

 この際、去る六日の議院運営委員会における理事の各会派割当基準の変更に伴い、理事の辞任及び補欠選任を行います。

 まず、理事辞任の件についてお諮りいたします。

 理事和田隆志君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

池田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。

 ただいまの理事辞任に伴う補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

池田委員長 御異議なしと認めます。

 それでは、理事に岡本英子さんを指名いたします。

     ――――◇―――――

池田委員長 次に、内閣提出、労働契約法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として外務省領事局長沼田幹男君、厚生労働省医政局長大谷泰夫君、労働基準局長金子順一君、労働基準局安全衛生部長宮野甚一君、職業安定局長森山寛君、職業安定局派遣・有期労働対策部長生田正之君、保険局長外口崇君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

池田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

池田委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田村憲久君。

田村(憲)委員 おはようございます。自民党の田村でございます。

 久々の厚生労働委員会でございまして、いつも大臣とは参議院の特委か何かで一緒に横並びで座らせていただいておりますけれども、こうやって委員会をやるのは久しぶりでございます。厳しい質問もさせていただきたいんですが、きょうは時間の方が余りないということでございますので、事務的に質問をさせていただきたいというふうに思います。

 派遣という働き方、大臣御承知のとおり、まだ今も、減ったとはいえ百万人ぐらいおられるわけですよね。そんな中において、今回、この労働契約法、五年ルールというものが主な内容でございますが、五年たったら無期雇用にしていかなければならない。これはこれで我々も意味のあることだというふうには思っておりますが、しかし、派遣という働き方と見ると非常にそごが生じてくるということは、もう大臣も御理解をいただいているというふうに思います。

 五年ルール、要は、五年働き続けると、その働いている先と、無期雇用にしなきゃいけないという話になるわけでありますけれども、一方で、この間の派遣法の改正で、要するに、みなしルールというものを入れたわけです。三年働いた、それ以上、例の特定二十六業務以外で働くとこれは違反でありますから、すると何が起こるかというと、派遣先と直接雇用を結ぶ、こういう、派遣先の方がみなし雇用を申し込んだものになるというふうなルールでございますよね。

 すると、五年ルールは、実は派遣元との言うなれば雇用契約になる、無期雇用になる。ところが、この三年のルールの方は、これは派遣先とでありますから、非常にその点、何かこの非常に短いといいますか近い間に通った二つの法律で、どちらに無期雇用で働いたらいいのかみたいな話になってくるわけでありまして、そういう意味からすると非常にややこしいという話になってまいります。

 そういうことを考えていきますと、ちょうど派遣法の方の附帯決議で、この専門二十六業務に該当するかどうかによって派遣期間の取り扱いが異なる現行制度についての見直しに向けた検討が行われる。これは質問で確認もいたしましたけれども、こういう議論をしてきたわけであります。

 ここで、今まで、こちらの、業務というものに着目をしていた派遣法、これは業務ですから、変な話、三年間といっても、人がかわっても、同じ業務ならば派遣先が雇わなきゃいけないという話になるんですね。人がかわってもですよ、三年の間に。これは業務に着目しているんです。一方で、この労働契約法は人に着目しています。人が五年間以上働いたら、それは無期雇用にしろ。これは、業務に着目している派遣法と人に着目しているこちらの法律と、やはりちょっとおかしなそごが生じるわけであります。

 こういうところも含めて、この検討の中で、ぜひとも、もう人に着目していくというような方向で派遣法の方も見直す、こういうことをしていただければありがたいというふうに思うのでありますけれども、部長、いかがでございますか。

生田政府参考人 お答え申し上げます。

 労働者派遣の専門二十六業務に関する制度のあり方につきましては、今国会で成立させていただきました労働者派遣法の附帯決議におきまして、派遣労働者や派遣元、派遣先事業主にわかりやすい制度となるように、速やかに見直しの検討を開始するというふうにされております。

 この制度のあり方につきましては、今後、学識経験者で構成されます研究会、その後、労働政策審議会の場で一から議論いただくという予定にしておりますけれども、その際には、今、田村委員からいただきました御意見も参考にしまして御議論いただくことになると考えております。

田村(憲)委員 よろしく、人に着目をするような形で議論をしていただきたいというふうに思います。

 では、次の質問に移ります。

 派遣という働き方は、最大のメリットは、働く時間でありますとか就業場所、こういうものを自由に選べるというようなメリットが労働者の側にあるわけでございまして、そういう意味からすると、今回の無期というような形になると、非常にそういうものが限定されてくる可能性があるというふうになるわけであります。もっとも、本人が受け入れなければいいわけでありますけれども。

 問題は、この最大のメリットである部分が、無期になった場合には限定をされてくることがあるわけでありまして、そうなった場合、雇用契約期間、これは今までは有期であったものが無期になるわけでありますが、これ以外に、労働契約の内容についていかなるものが変わるのでありましょうか。

金子政府参考人 お答え申し上げます。

 無期転換後の労働契約の内容は、別段の定めをしない限り、契約期間を除く労働条件は、無期転換の直前の有期労働契約の労働条件と同一となります。

 したがいまして、無期転換の直前の労働契約がいわゆる登録型派遣に該当するものであった場合でも、賃金支払い義務でありますとか従事すべき業務内容は同一の労働条件ということになります。

 就業先でございますが、無期転換前の有期労働契約での定め方にもよりますが、具体的な就業場所を労働契約で定めているような場合には、無期転換後も、その定められた就業場所が労働契約の内容になります。

田村(憲)委員 すると、別段の定めをしない限り、無期になる前と同じ条件で雇わなきゃならないという話であるわけでありますが、御承知のとおり、派遣というのは、派遣先と派遣元の契約で成り立っているわけでありまして、派遣先との契約が切れちゃえば、派遣先に、今までどおり契約しろよなんて言ったって、それは無理ですよね。すると、場所を変えなければならない。当然、今言われたことは無理になってくるわけであります。

 もちろん、派遣元はよく似たところを探すのでありましょう。それは努力しなきゃいけない。大体同じような労働時間で、同じような処遇が提供できるようなところを探すのでありましょうけれども、当然のごとく、それは見つかるかどうかわかりませんね、景気の状況で。あんなリーマンのようなことが起これば、当然、もう一斉に派遣がなくなっちゃうわけですからね、契約をしないわけでありますから。そうすると、派遣元が探したって見つからない。

 一方で、派遣元に同じような業務があれば、それは派遣元で同じような業務として雇い入れることができるのでありましょうけれども、普通、考えられないですね、難しいですね。製造業に派遣しているとか、いろいろな形があると思いますよ。そういう場合にそれができるのかという話があると思う。もっとも、派遣の場合は三年ルールというのがありますから、その三年ルールにのっとって、許される二十六業務というものに限定されるのかもわかりませんけれども。

 そういう話になってくると、当然、もう仕事を出せないという状況になった場合に、これは解雇という話になると思うんですけれども、そういう場合の解雇は認められるというふうに考えていいのでありましょうか。

金子政府参考人 無期転換の後に、就業すべき派遣先がなくなったということだろうと思います。

 この場合には、今議員から御指摘ございましたように、派遣先を開拓して派遣就業させていただくことが基本だというふうに考えますが、いろいろな経済情勢でありますとか経営状態などに鑑みまして、整理解雇をするということにつきまして合理性が認められるという場合もあるというふうに考えております。

 その可否につきましては、当然、整理解雇の判例法理に照らして判断されるべきものでございます。業務や就業形態が限定されている派遣労働者については、その判断に当たっては、通常の正社員と当然に同列に判断されるということには、そういう業務や就業形態が限定されているという事情がありますので、同列にはならないものと考えております。

田村(憲)委員 もう一度今のところを確認します、これは結構重要なところなものでありますから。

 整理解雇というのは要件があります。もちろんそれは、今までいろいろと裁判等で確定してきたそういう内容になるというふうに思うわけでありますけれども、それぞれの状況によって、整理解雇というものが成り立つかどうか、裁判等々で訴えられれば決まってくる話になるんだというふうに思います。

 ただ、今も局長の方からお話がありましたとおり、派遣という働き方は、正社員とはちょっと違う。つまり、派遣先がなくなっちゃえば、探しても、同じようなものがなくなれば、それは派遣元は見つけられないんですから、提供できないわけですよね、そういう仕事場を。

 そういう場合において、普通の企業で正規社員として勤めている、無期雇用で勤めておられる、こういうような労働者の方々と、当然のごとく、整理解雇の条件といいますか要件といいますか、そういうものは変わってくるというふうに理解していいのでありましょうか。

金子政府参考人 少し答弁が重なるかもしれませんけれども、解雇の可否につきましては、これも議員御指摘のように、個別の事情において判断されるものでございますから、なかなか一概にお答えすることは難しいわけでございますが、派遣労働につきましては、従事する業務があらかじめ限定されているということがございます。それから、派遣先での就業を前提とした雇用でございますから、派遣元の事業所の方で同種業務が行われているとは限らない。そういう固有の事情がございますので、こうした固有の事情があることにつきましては、当然、解雇の合理性の判断に当たって考慮されるというふうに考えております。

 そういうことでございますので、派遣労働者以外の無期契約労働者と当然に同列に解雇の可否が判断されるものではないということで先ほど答弁申し上げたわけでございます。

田村(憲)委員 理解いたしました。

 続きまして、派遣会社としては、とはいいながらも、できるだけ派遣労働者の雇用の安定を考えるものでありますね。そうなった場合に、キャリアを継続してもらうためには、無期転換後、では、どうしたらいいか。そこで、先ほど話がありました別段の定め、これを設けて、労働条件をある程度変更した上で就業機会を確保することが必要になってくるというふうに思うわけです。

 先ほど登録型派遣の特徴というものでお話ししましたけれども、派遣先、仕事を選ぶ権利というもの、これが派遣労働者にはあるわけであります、条件も含めて。しかし、無期雇用として継続雇用をしようと思えば、そういうものをある程度、この別段の定めの中で変えざるを得ないということになってくると思われるわけでありますけれども、これは、ある程度、派遣労働者の権利を制約するという意味ではやむを得ないのかなというふうに私は思うんです。その点どう思われるのかというのと、今度は、別段の定めを提示した、しかし、それに対して、自分が、みずからのニーズが仕事のニーズに合わないからということで断って、他の派遣もないというようなことも考えられるわけでありますね。そういう場合には、やはり整理解雇の事由としてこれは認められるのかどうか、いかがでございますか。

金子政府参考人 登録型の派遣労働者につきましては、みずからの都合や希望に合ったような派遣先を選択するということがあるわけでございまして、無期労働契約に転換した場合には、就業先との関係でなかなか難しい問題も確かに出てくるかと思います。その場合には、無期に転換した場合には、期間を定めない派遣就業をする契約という形になるわけでございます。

 それで、こういった場合に、これも議員から御指摘がございましたけれども、就業規則で別段の定めをしておくということが考えられるわけでございまして、特に雇用、就業を継続するという観点ではそういうことが必要になってくるわけでございますが、例えば、就業規則で、就業場所は一定の範囲内で派遣元が指定するといったような別段の定めという形で規定をされますれば、無期転換後においては、派遣元が指定した一定の範囲の中で、これは合理的な範囲ということに当然なると思いますけれども、就業することとなり、その結果、労働者が、結果として派遣先を選ぶことができにくくなるという実態も出てこようかと思います。

 一方、このような別段の定めがない場合には、派遣契約が終了したときにはその場所で派遣就業を継続することができなくなるために、雇用の継続の観点から、これも先ほど申し上げましたように、他の派遣先を開拓することが基本になろうかと思います。

 このことに関して、派遣労働者の方が、その派遣先ではというようなことで拒否したような場合について、これは合理的な理由があるのかないのかというあたりは一つのポイントになろうかと思いますが、そういった拒否した場合には、そのことがその後の解雇の有効性の判断においては考慮されるものになるのではないかというふうに考えております。

田村(憲)委員 ありがとうございました。理解いたしました。

 いずれにいたしましても、この間、労働者派遣法の改正で、先ほど申し上げました直接雇用申し込みみなし制度、こういうものが三年後に施行される予定であります。これも、どうするかというのはまた議論の対象になると私は思っております。しかし、一方で、この三十条において、相当期間にわたり期間を定めて雇用する派遣労働者であった者その他の期間を定めないで雇用される労働者への転換を推進することが適当である者として厚生労働省令で定める者に対して、派遣元、派遣先での無期雇用転換に限らず、広く期間の定めのない雇用へ転換できるような措置、例えば求人情報の提供でありますとか職業紹介、さらには教育訓練等の措置を講じなければならないということで派遣労働法には書いてあるわけですね。

 これを考えたときに、今回の、五年間たつと無期雇用、労働期間の定めのない雇用にしなきゃいけないというのは、どうもちょっと、労働者派遣法では限定されているものが、かなり広くなっちゃったみたいな感じを受けるんです。そういう意味では、先ほども言いましたが、非常に整合性がとりづらい部分がありますので、これを、これから施行に向かって準備していく中で、ちゃんと御説明をいただいて理解を得ていただかなければ、本当に大変な混乱が生じるというふうに私は思うんですね。

 それで、しっかりと周知をしていただきまして、また、質問等々がそれぞれの団体からあったときに、丁寧な御説明をいただきますようによろしくお願いいたしたいと思うんですが、いかがですか。

金子政府参考人 派遣労働の場合などにつきましては、今お話がございましたように、いろいろ複雑な形になってまいりますので、そういった点につきましては、議員の御指摘がございましたとおり、制度の周知におきまして、事業主の方、それから働く方々にきちんと伝わるように最大限努力をしてまいりたいと思います。

田村(憲)委員 お願いいたしたいと思います。

 いずれにいたしましても、非常に不安定な働き方の方々がふえてきた。非正規の方々の数が本当にふえてまいりました。やはり、もちろんそれを選ぶ方々もおられますけれども、本当は安定した働き方をしたいと思われている方々がおられる中で、無期雇用の方に、正規と言っていいわけではないのかもわかりませんが、しかし、無期という形になればある程度安定はしていくと思いますので、そういう意味ではこの法律は必要なものだというふうに思います。

 ただ、これは、五年前に雇いどめが行われるんじゃないかという心配があります。クーリング期間というものを半年間定めてありますから、半年間だけ雇いどめということが、これが施行されて五年がたつ寸前ぐらいから起こってくるのではないのかな、こういうことが大変心配されるわけでありまして、それこそ、働く方々にとってみれば、私は大変な不安の材料だというふうに思うんです。

 これから、この法律が仮に成立して、その後、施行に向かって準備を進めていく中において、また、施行後五年間たつ中において、私は、世論調査等々いろいろなところから聞き取りをした上で、もしそのような形の企業が多いとすれば、これに対して一定の何らかの歯どめをかけられるような手当てをしなきゃならぬというふうに思うんですが、大臣、いかがでございますか。

小宮山国務大臣 施行後五年の時点での雇いどめ、これがなるべく起きないようにしながら無期の労働契約に転換させていくということが、施行に当たっての一番大きな課題だというふうに思います。

 先ほどから田村委員がおっしゃるように、非常に非正規の働き方は複雑になっているので、そのあたりを現場で、労働する側も雇う側も混乱が起きないように説明すると同時に、全体の法体系も含めて一層の整理が必要だという認識は私自身も持っています。

 改正法案に盛り込まれました雇いどめ法理、この周知を図るとともに、五年間、労働者が安定すると同時に、企業にとっても、キャリアアップして労働者に力をつけてもらえばプラスになるので、そうしたことも含めまして、企業がどういうふうにしているのか、説明もしながら、動向を把握して、企業の取り組みを最大限支援していきたい、そのように考えています。

田村(憲)委員 重要な問題でありますので、ひとつよろしくお願いいたします。

 以上で終わります。

池田委員長 次に、三宅雪子さん。

三宅委員 国民の生活が第一の三宅雪子でございます。

 まず冒頭に、このたびの九州における集中豪雨の犠牲者の皆様の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げたいというふうに思います。

 それでは、まず冒頭に、労働契約法改正案について御質問をさせていただきます。

 今回の労働契約法改正案は、有期雇用から無期雇用、この道を切り開くという意味で、一歩にはなったというふうに私も思います。しかしながらも、この五年が三年ではだめだったのか、こういった思いも多くの方がお持ちであるわけでございます。そうして、こうした法律の施行の際には、どうしてもはざまというものができてしまいます。

 現時点で、有期労働者のうちに、この五年を超えていらっしゃる方は全国で何人ぐらいいらっしゃいますでしょうか。

金子政府参考人 お答え申し上げます。

 平成二十三年七月に実施しました有期労働契約に関する実態調査によりますと、有期契約労働者のうち、勤続が五年を超える労働者の割合は二九・五%、約三割でございます。その人数につきましては、約三百六十万人と推計をしております。

三宅委員 ありがとうございます。

 その方々が今回の労働契約法改正案によりまして実際に無期雇用に切りかわるとしたら、いつぐらいになるんでしょうか。

金子政府参考人 議員の御指摘が、そういった三百六十万人のうち、どのぐらいの方が無期雇用に転換していくかということの見込みということだといたしますれば、その点については、率直に言って、今の段階で正確な予測をすることは難しいというふうに考えております。

 ただ、考えられますのは、五年たつまでの間に、一つは、無期に転換していただくという道があるということ、それからもう一つは、有期契約のまま雇用が続くということも可能性としてはございます。それから、もう一つの可能性としては、できるだけ避けていただきたいわけでございますけれども、五年までの間に雇いどめになるケース、こういったようなことが想定されるわけですが、私どもとしては、できるだけ無期への転換が円滑に進むよう取り組んでいきたいと思っております。

三宅委員 そうしますと、どうしても、これから法律の施行までの時間というものもあるというふうに思います。それから先の五年間というものもあります。ですから、場合によっては、通算十一年以上、無期への転換というのがかなわない方も出てきてしまうのではないかという懸念を私は持っているんですが、その辺はいかがなんでしょうか。

小宮山国務大臣 結局、今回、一定の期間たたなければ何もしないというのではなくて、改正法に基づいて無期転換の権利が生まれる前でも、より安定した雇用になるように無期労働契約に転換させていくことが望ましいことだというふうに考えていますので、改正法を施行するときに、既に有期労働契約で長く雇われている労働者も含めて無期労働契約への転換が円滑に進みますように、一つは、有期契約労働者や無期転換後の労働者のステップアップに取り組む事業主を支援するということ、また、業種ごとに実情に応じた無期転換のモデル事例を開発して、また集めまして、それの周知、広報を図るなどしまして、必要な政策対応を検討して、可能なところから実施をしていきたいというふうに考えています。

三宅委員 大臣の御答弁で、いろいろな支援の形を考えていらっしゃるというお話でした。そしてまた、助成金なども含めて、今後、この件は課題として引き続きぜひ御検討をいただきたいというふうに思います。

 もう一つ懸念されますのは、労働条件は同じになってしまうんですけれども、企業が正社員よりも安い賃金で働かせるような、第二社員のような形ができてしまうのではないかということをどうしても心配してしまいます。

 こうした懸念を大臣はどのように払拭されていこうというふうにお考えでしょうか。

小宮山国務大臣 具体的に何を指していらっしゃるのかがちょっとうまくつかめなかったんですけれども、さっき申し上げたように、今回、無期契約にするということは、企業側が負担になるということばかりではなくて、安定して働いて、そこでステップアップをしていってもらえれば企業にとっても力になりますので、そういう意味で、しっかりとこの法が狙っている趣旨を企業に理解していただくように最大限丁寧に説明もし、また、取り組むためにはこういう支援もあるというようなことも説明をしながら、この狙いの方向で取り組んでいただけるようにしていきたいというふうに思います。

三宅委員 ちょっと私の御説明が悪くて、済みません。

 要は、先ほどのお話は、これから助成をしていくというようなお話だったんですけれども、その一方で、無期雇用が進んでいくと、その中で、同じような仕事をしている中でも雇用条件が違う方が出てきてしまったときのいろいろ出てくる問題についてのお考えという意味で御質問させていただきました。また、どうしても、そういった中で、待遇の差というのは問題になってきてしまうというふうに思います。

 そして、これはもちろん希望する方と希望しないという方がいらっしゃると思うんですけれども、あくまでも希望する方の場合なんですが、こういった方々を正社員にする道といいますか、正社員を希望したときに、例えば試験のようなものを設けるとか、そういったことを含めて、正社員にするような形というのも今後は考えるような御方針はあるんでしょうか。

金子政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の無期転換ルールでは、法律が予定をしておりますのは、あくまでも雇用契約期間を無期にするという点でございます。

 今議員から御指摘がありましたのは、いわゆる正社員と言われる方々は、無期ということだけではなくて、いろいろな意味で、処遇の面でも、あるいは職責が重くなるというような問題も一方ではございますけれども、必ず同じになるということではないということなので、我々は今回、とにかく雇用の安定を図ることをまず第一に希望しながらこの制度を設計したわけでございますが、いわゆる有期から無期に転換した後、さらに正社員にステップアップできないかという希望も当然出てくるわけでございますので、企業のそうしたお取り組みが進みますように、いろいろな助成措置を含めた支援措置についても、先ほど大臣から答弁を申し上げましたけれども、考えていきたいというふうに考えております。

三宅委員 それでは、次の質問に移らせていただきます。

 実は、きのうまでこの質問は入れる予定ではなかったんですが、急遽入れさせていただいた質問でございます。

 先週末、私は、とある障害者団体の全国大会に伺っておりました。そこで、サイコテストなるインターネットサイトの話を障害者団体の方からお伺いしたわけでございます。関係者の間ではかなり話題にはなっていたようでございます。帰りましてすぐ調べたところ、人材派遣、人材紹介会社のための人材リスク診断をするソフトを販売する会社でございました。取引先にはそうそうたる一流企業が並んでいました。ただ、この方々がこのサイコテストと契約しているということではありません。

 しかし、私が大変驚きましたのは、このホームページに掲載をされていました宣伝文句なんです。精神的に病んだ人や頭がおかしくなった人を発見して、問題行動やトラブル、クレーム被害、うつ病などから、メンタルヘルス被害からあなたの会社を守ります、こんな文言だったんです。

 私は大変驚きまして、また、障害者の団体の皆様もこれを大変危惧されていました。そのことは厚生労働省の方に全く入っていなかったということだったんです。早速、連休明けの火曜日に、厚生労働省の担当者の方をお呼びして、これはどういうことなのかということをお伺いしたわけでございます。

 ちなみに、現在、この文言は変更されております。ですから、サイコテストという名前は残ってしまっていますけれども、文言は変更されています。

 大臣は、このようなホームページの存在を御存じでしたでしょうか。また、このサイコという言葉、これに大臣はどのような印象を持たれますでしょうか。

津田大臣政務官 三宅委員にお答えを申し上げます。

 厚生労働省としましては、企業に対し、応募者の基本的な人権、これを尊重し、適性あるいは能力、それに基づく公正な採用選考、これを行うよう周知啓発をしているわけでございます。

 採用選考に当たって用いられる各種の適性検査、この是非を考えてみますと、企業がこうした検査を用いること自体、また適性検査を販売すること自体は、内容にもよるかとは思いますが、直ちに否定するというふうには言い切れません。

 ただし、採用選考に当たって重要なことは、企業が実際にどのような検査を選び、どのように検査結果を用いるかということだというふうに思います。採用ということにその検査が直接つながるということになるとすれば、これはやはり問題がある場合も当然あり得るのではないかというふうに考えるわけでございます。

 こういう観点から、適性検査の取り扱いについて、目的に応じて適切な種類の検査を選ぶ、それから、各種検査は、受ける方、受検者の一面を把握するにすぎず、その結果を絶対視しないこと、こういうことが大変重要であるというふうに考えておりまして、これらの点を引き続き周知啓発してまいりたい、そのように考えておるところでございます。

三宅委員 ありがとうございます。

 企業が面接をしてその適性を見る、私も当然このことを否定するものではありません。しかし、それが時に行き過ぎたものになってしまうこともあるように思います。ですから、私としては、こうした業者に対する監督をぜひお願いしたい、そういった思いで、先週の火曜日、お話をさせていただいたわけでございます。

 しかし、この間一週間、厚生労働省の担当者がやったことは、電話一本すらしていただけず、そして、障害者団体からも話があったにもかかわらず放置をしていた、この現状はございます。これはぜひ小宮山厚生労働大臣からも御注意をしていただけたら幸いでございます。

小宮山国務大臣 それは、委員からのそういう具体的な御指摘があれば、当然対応はすべきだと思いますので、対応するように指示をしたいと思います。

三宅委員 続きましては、問題になっております福島第一原発でのいわゆる被曝隠しとされている事件についてお伺いしたいというふうに思います。

 大臣は、きのうの閣議後、現在の状況や再発防止策、それに向けてのスケジュールを示されました。この中でわからなかった点をお聞きしたいというふうに思います。

 問題となっておりますビルドアップという会社の役員が、事実関係を大筋で認め、きのう謝罪をしました。ですから、被曝隠しと認識したものが事実であるということはある意味はっきりとしたわけでございますけれども、このビルドアップとの取引は、現在どのようになっているんでしょうか。私の把握ですと、このビルドアップは、いわゆる下請があって、その下の孫請だというふうに把握をしております。ですから、その間に入っている会社との取引を含めて、普通の判断ですと、一旦停止というのが普通だと思うんですが、どうなっていますでしょうか。

宮野政府参考人 お答えをいたします。

 この株式会社ビルドアップの件でございますけれども、現時点において、その元請会社と取引が中止になったというような事実は、私どもとしては確認はしておりません。ただ、いずれにいたしましても、私どもとしても、今回の件、大変ゆゆしき事態であると考えております。

 具体的な事案については、現在、所管の労働基準監督署、労働局において詳細に事実関係を調査しております。この調査結果、ビルドアップに法令違反が認められれば、私どもとして厳正に対処することとしております。

 ビルドアップに原発内での作業を行わせるかどうかということについては、こうした状況も踏まえた上で、元請会社あるいは東京電力において判断をされるものというふうに承知をしております。

三宅委員 ちょっと現在のお答えについてなんですが、普通、現在そういった懸念があるという段階であれば、そこの会社との取引は停止すべきというのが当たり前のことなのではないかと私は思うんですが、どうなんでしょうか。

宮野政府参考人 お答えいたします。

 企業間の取引そのものについて、これは私どもの権限として、それを停止させるかどうかという権限はございません。ただ、繰り返しになりますけれども、いずれにしても、私どもとして、事実関係、法令違反があったかどうかというものを今調べておりますので、それを踏まえて判断をされるということになると考えております。

三宅委員 わかりました。それでは、健康に被害があるかもしれない被曝隠しがあったかもしれない状況でも、取引はすぐに停止はしないということで承知をいたしました。

 一万八千人もの作業員が出入りする福島原発の状況ではあると思いますけれども、どんなに出入りする作業員の方が多くても、やはり徹底した管理をしていく努力というのはしていただきたい、このようなことを最後に申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。

池田委員長 次に、古屋範子さん。

古屋(範)委員 おはようございます。公明党の古屋範子でございます。

 大臣、日々、税と社会保障一体改革、本当にお疲れさまでございます。

 きょうは時間がありませんので、早速、労働契約法の質疑に入ってまいります。

 非正規労働者、平成二十二年の調査によりますと、一千七百六十五万人ということで、被用者全体の三分の一を超えるという状況になっております。厚生労働省の推計では、約一千二百万人が有期労働契約と見られていまして、非正規労働者の多くが有期契約者になっているということが見てとれます。

 有期契約にあった場合には、雇用の不安定さ、あるいは処遇の低さ、このようなことが課題となっております。特にリーマン・ショック以降、非常にこれが社会問題化をしたというわけであります。

 こうした有期契約労働者が、不安定さを取り除いて、そして安心して働けるようにしていくことが非常に重要であるかと思います。

 本改正案、この有期労働者の約三割が五年以上の長期間にわたって不安定な雇用にとどまっているという現状に鑑みて、安定的な雇用環境を確保するために必要な措置であると私も考えております。そして、不合理な差別の禁止規定についても、有期雇用であることを理由とした正規労働者との労働条件の格差が不合理とみなされるときは、裁判所は是正措置、あるいは損害賠償を命じることができる、努力義務ではなくて、端的に差別を禁止したという点、ここは大きく評価したいと思っております。

 しかし、今最も注目をされております五年後の無期転換、この実効性にやはり疑問が残るわけです。年数五年を超えて勤務をしている約三割、三百六十万人の有期労働者のうち、本法案の施行後、実際どの程度の方々が本当に無期転換になっていけるのか。本法案の狙いどおりに無期転換が図られるかどうか、この導入効果についてお伺いしたいと思います。

金子政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の無期転換ルールの趣旨につきましては、今議員からも御説明がございましたけれども、有期契約と申しますのは、契約が終了すれば雇用が終了するということでございまして、必ず次回の更新の保証があるわけでもございません。こうしたことで、雇用を継続する方にとっては大変不安定な状態でございまして、そういった雇いどめを恐れて年休の取得などができないとか、それから、労働条件についての交渉力も弱くて低い処遇に固定される問題があるというようなことで、こうした問題に対処するために、有期労働契約が長期間反復更新された場合に、その濫用的な利用を抑制して雇用の安定を図るという趣旨で設けたものでございます。

 現在、五年の転換ルールがどの程度の割合でいくかというのは、先ほど申し上げましたように、なかなか予見しがたいわけでございますが、我々としては、こうした無期転換ルールの趣旨が実現されますよう、改正法の成立後、十分な周知と、それから企業のお取り組みを促しながら、その徹底に最大限努めていきたいというふうに考えております。

古屋(範)委員 ぜひ、無期転換の促進、そしてその検証を常にしていっていただきたい、このように思います。

 さらに、この無期転換ルールの導入は、結局、労働法の場合には、規制強化をしていった場合に、なかなかその狙いどおりにいかないという側面があります。結局、五年間の手前で雇いどめをしてしまうのではないか、無期転換をさせないといいますか、しない、使用者側がその手前で雇いどめをしてしまうのではないかという指摘もございます。

 非正規労働者のうち世帯主以外の方々が占める割合は約七割で、女性は約八割、一千十万人が世帯主以外ということであります。その一方で、正社員として働ける会社がなかったからこうした非正規に甘んじているという方が一八・六%、いわばここのところが非常に問題である。低収入、家庭が持ちたくても持てない、また、子供を持ちたくても持てない、あるいは、将来、低所得、無年金、生活保護になりかねないという懸念があります。

 こうした無期への転換が図られていく場合に、五年の手前で雇いどめをされてしまうおそれがある、これをどう防いでいくかというのが非常に重要な課題だと思います。具体的に、この雇いどめ、どのように防いでいくおつもりでしょうか。

小宮山国務大臣 やはり、今回の無期転換ルールの趣旨からしましても、五年のところで雇いどめが起きてしまうと、この狙いとは全く違うことになってしまいますので、先ほども答弁させていただきましたように、何とか円滑に無期労働契約に転換させていく、これが一番大きな課題だというふうに思っています。

 このため、制度面の対応といたしましては、今回の法律案の中で、判例法理である雇いどめ法理、この法制化を盛り込んでいます。これによって、五年の時点でも雇いどめが無条件に認められるわけではないということが法文上も明確にされていると思います。

 また、有期労働契約の更新の判断基準について、労働基準法に基づいて、書面の交付により明示を行うように、これは省令の改正によって義務づけることを予定しています。これによりまして、不意打ち的な雇いどめの防止にもつながると考えています。

 それからまた、先ほども申し上げましたが、五年到達時に雇いどめされずに無期労働契約への転換が円滑に進みますように、有期契約労働者ですとか無期転換後の労働者のステップアップ、これが企業にとってメリットになりますので、それに取り組む事業主への支援ですとか、業種ごとの無期転換のモデル事例を集めて周知をする、そうしたこともあわせて行いたいと思っています。

古屋(範)委員 正社員になりたかったけれどもなれずに有期に甘んじている、何としても正社員を目指したい、そういう方々が、無期労働への転換によって少しでもステップアップをして、安定した雇用に、正社員への道が開けるような方途をぜひとも開いていただきたいと思っております。

 次に、端的にお伺いいたします。

 正規雇用と今回の無期雇用への転換、この違いは何なのか、お伺いしたいと思います。

金子政府参考人 お答えいたします。

 無期労働契約への転換は、契約期間はなくなる、つまり無期契約になるということでありますけれども、必ず処遇の向上が伴うものではないということでございます。同一の場合も当然あり得るということでございまして、正社員転換という場合には、通常、契約期間がなくなるだけでなくて、処遇の向上でありますとか、それにあわせます責任の加重、責任が重くなるということだろうと思いますが、こういったことを伴うのが一般的というふうに考えております。

古屋(範)委員 今御答弁いただきましたけれども、無期雇用に転換しても、賃金などの処遇の向上が伴わないということであります。これでは、結局、ずっと無期雇用になっていて、正社員への道が閉ざされてしまうのではないかとの懸念もあります。

 有期労働者の賃金水準は正社員と比較して低いというのが一般的でありまして、これは朝日新聞の記事なんですが、同じ時期に入社した正社員の年収との差は五百万円近くも開いたということですので、正社員だったか、あるいはそうでなかったかということが生涯の年収に非常に大きく響いてしまうというのが現実であります。

 こうした有期労働者の処遇改善、これは非常に重要だと思っております。この改正案では、無期労働に転換された労働条件というのは、契約期間のほか、別段の定めがある部分を除いて、現に締結している有期契約の内容である労働条件と同一とされています。これでは、無期労働に転換されても、処遇の低さというのは結局解消されない、むしろ格差を固定してしまうのではないか。

 さらに心配なのは、無期転換に当たって、別段の定めがあれば、労働条件を引き下げることが認められている点であります。別段の定めがない限り、もとの低いままという趣旨が普通の解釈でありますけれども、逆に、さらに労働条件が下がってしまう。パートタイム労働法では、パート労働者について、無期転換の前後にかかわらず、事業主は、通常の労働者との均衡処遇の確保に努めることが基本となっております。

 そこで、無期労働に転換された労働者の労働条件が正社員と比べて低いままではなく、正社員の労働条件との均衡を考慮して、有期労働契約時の労働条件よりも引き上げられる、このようにしていくべきと考えますけれども、いかがでしょうか。

西村副大臣 お答えいたします。

 古屋委員御指摘のように、やはり格差の問題というのは、この法案の中でどうやって縮めていくかということは大変重要なテーマでありまして、労働条件を引き上げていくという御指摘については、私たちも極めて重要なことだというふうに考えております。

 今回の改正は、有期労働契約の雇用が不安定であって、雇いどめを恐れて年休取得等の権利を十分に行使することができないといった課題を解消することがまずは重要であるという視点に立ちまして、無期転換によって、雇用不安をなくし、労働者としての権利行使も容易にして、安心して働き続けることができるようにするためのものであります。

 こうした無期転換によって、使用者との交渉力が向上することで継続的な能力形成も容易となりますし、また、処遇の改善や正社員に向けたステップアップにつながるものでありますので、無期転換ルールは正社員化推進の基盤になるというふうに考えております。

 厚生労働省では、無期転換された労働者が無期転換後も継続的な能力形成や処遇の改善が図られるように、さらに正社員への転換に向けてステップアップすることができますよう、無期転換労働者の雇用管理に関するモデルの開発や先進的好事例の収集、普及を初めとして、現場労使の取り組みを後押しするための方策について検討し、実施してまいりたいと考えております。

古屋(範)委員 今回の改正案では、有期から無期にまず転換をして、安心して働ける状況の中でその次を目指そうということなんだろうとは思います。しかし、労働条件の引き上げは非常に大事な問題でありますので、無期労働へ転換を円滑にするための企業の取り組み、あるいは、その後の継続的なキャリア形成、処遇改善を支援する施策、今るる述べていただきましたけれども、ぜひこれが実のあるものとなるよう取り組みをしていただきたいと思っております。

 次に、多様な正規雇用の活用についてお伺いをしていきたいと思います。

 非正規雇用、非常にネガティブな印象が多いわけですけれども、自分のライフスタイルに合わせた働き方ができるという面もあるかと思います。問題は、先ほども言いましたように、正社員になりたいんだけれども非正規雇用しかなかったという方が二割を超えているという、ここが非常に問題で、特に若い層に多く、長期化をしている、ここが非常に大きな問題だと思います。

 厚生労働省の若年雇用調査で、在学していない若年労働者の最終学校卒業から一年間の状況を見ますと、卒業時無業だった若年労働者のうち、現在正社員である者は約三五%ということですから、やはりスタートで正社員になれないと、その後もなかなか正社員になれないという現状ですね。現在正社員以外の労働者である者が結局六五%もいるということになっています。将来、無年金、低年金になる可能性があるということで、家庭も持てない、少子化を加速させることにもなりかねないと思っています。

 そこで、政府の方も、先般、望ましい働き方ビジョンというのを発表されましたね。その望ましい働き方ビジョンの中で、典型的な正規雇用とは別に、勤続年数に応じた待遇ではなく、正規雇用とはいえ、勤務地、業務が限定をされていて時間外労働がない、多様な正規雇用の活用というものが提案をされています。

 特に女性は、出産、育児を行ったり、あるいは介護もあると思うんですが、しかしながら、やはり正規雇用であるということは、生活が安定をし、将来的にも老後も安定をしていくということにつながりますので、育児とか介護が必要な期間は、ある程度、転勤とかあるいは長時間労働も抑えて、昇進も望まない、しかしながら、正規雇用で働き続けて、非常に幅のある柔軟な働き方ができる、これは非常にすばらしい提案だと思っております。

 多様で自由な働き方を選べる、なおかつ正社員であるというこうした考え方、これからも議論を進めるべきではないかと思っております。大臣、いかがでございましょうか。

西村副大臣 望ましい働き方ビジョンについて言及をいただいて、ありがとうございます。

 委員御指摘のとおり、出産や子育てなど人生の各ステージで、働く人の希望に応じた多様な働き方を選べるようにすることは大変重要なことであると考えております。

 このため、平成二十一年の育児・介護休業法の改正によりまして、事業主が三歳未満の子供を持つ親を対象とする育児のための短時間勤務制度等の措置を義務化いたしました。また、事業主が小学校就学前の子供を持つ親を対象とする短時間勤務制度を導入して労働者に利用させた場合には、子育て期短時間勤務支援助成金を支給しております。さらに、今度は介護の方も加えてですけれども、育児・介護休業法で義務づけられた期間を超える育児や介護、そしてまた、社会、地域貢献活動への参加などを目的とする短時間正社員についても、広く導入されることが望ましいと考えております。

 このために、好事例等を紹介するウエブサイトの運営や、事業主が制度を導入して労働者に利用させた場合の奨励金の支給等により、事業主による短時間正社員制度の導入を支援しておりますが、また今後とも積極的に施策を検討してまいりたいと考えております。

古屋(範)委員 最後の質問になります。

 先日、四十代の女性の方から同僚の五十代女性の就職状況についてのお手紙をいただきました。派遣であったとしても、やはり二十代、三十代のような方に関しては働き先が多いんだけれども、もう五十代になると派遣でさえない、また、再就職をするにもなかなか厳しい、これが現実だというお手紙をいただきました。五十代の女性を雇用すること、これは社会に大きな労働力になっていく、働く意欲がある五十代の女性を雇用することで、社会が活気づき、生きる希望にもつながっていく、そのことで生活保護の受給者が減って、五十代ではまだまだ若い、自分も社会の一員として働こうという前向きな気持ちを持ち続ける、日本の社会が女性に優しい社会であってほしい、このようなお手紙をいただきました。

 私も五十代なんですが、やはり周りを見ると、五十代で就職をしていくというのは非常に難しい。募集のときに、確かに年齢差別はなくなったんですが、現実にはそこが非常に難しいと思っております。生活保護の受給者を減らす、あるいは将来の低年金、無年金を減らすという意味でも、この働く意欲のある五十代の女性の働く場所を確保していく、非常に重要なことだと思うんですが、大臣、いかがお考えでしょうか。

小宮山国務大臣 今回、社会保障改革の中でも、若者も女性も高齢な方も障害をお持ちの方も、全員がその能力を発揮して就労をするという、全員参加型社会ということをうたっています。

 おっしゃるように、特に中高年齢の女性の働く状況が厳しいということはわかっておりますので、厚生労働省としては、ハローワークでなるべく寄り添う形できめ細かな相談をすること、また、常用雇用への移行を前提として、中高年齢者、四十五歳以上を試行的に受け入れた事業主に対する支援、こうしたことも行っていまして、とにかく、女性は特に元気ですから、しっかりと働ける状況をつくるということは社会を元気にするためにも必要だと思うので、しっかり取り組みをしたいと思います。

古屋(範)委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

池田委員長 次に、高橋千鶴子さん。

高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 初めに、有期雇用の法規制については、二〇〇七年のパート法改正や労働契約法の審議の中でも必要性が強く指摘されていたと思います。二〇一一年の統計で、役員を除く雇用者は四千九百十八万人、うち有期契約労働者は一千二百万人、つまり四人に一人が有期契約労働者となっております。これほど多くの国民に関係する法律である、そして、有期については初めての法案であるわけです。

 それなのに、突然、きょう三時間二十分の審議で採決をということが提案されました。参考人質疑すら開かれない。まして、参議院では今、厚労分野が大きくかかわる一体改革特別委員会の集中審議が行われている中でのこの委員会の変則的な運営であります。到底認めることはできません。しかも、その内容は多くの労働者から待たれていたものとはほど遠いものとなったと言わなければならないと思います。

 最初の質問は、まず、焦点となっていたいわゆる入り口規制が見送られたのはなぜでしょうか。

小宮山国務大臣 労働政策審議会での今回の有期労働契約の見直しの議論の過程で、合理的な理由がない場合には有期労働契約を締結できないような仕組み、いわゆる入り口規制を導入するかどうかについても検討が行われました。

 しかし、最終的には、このようなルールについては、有期労働契約を利用できる合理的な理由に当たるか否かをめぐる紛争が多発をするということや、雇用機会が減少するのではないかという懸念がありまして、措置を講ずべきとの結論に至らなかったものなので、この結論に基づいて法案を提出したということでございます。

高橋(千)委員 政府としての意思というのが一体どこにあるのか。単に労政審の中で議論があったけれどもこうだったという答弁だったわけであります。

 資料の一枚目を見ていただきたいと思うんですけれども、これは百六十八国会、〇七年十月に野党時代の民主党が提出した改正案でございます。第三十八条、有期労働契約の締結事由等とあります。これは可能な条件を列挙という形で、有期労働契約の締結事由を制限していたと思います。

 〇七年十一月七日の本委員会で、細川律夫提出者は自民党の質問に対してこのように述べているんですね。「我が国におきましては、期間の定めをすることに十分な理由がなく、あるいは、継続的な雇用が予定されているにもかかわらず期間の定めがされたり、専ら使用者側の雇用調整を目的として短期の契約期間を定めて、いつでも労働者の方をいわば切れる状態にしておくことが広く見られる」、これが今のトラブルの原因だと答弁をされています。私は、これは正しい分析だと思うんですね。やはり使用者側の都合が優先されているんだ、だからこうして規制をするんだということが野党時代の民主党の提案だったんだと思うんですね。なぜそれが変わってしまうのか。

 まず、認識が変わったのかということを伺いたいと思います。

小宮山国務大臣 委員御指摘のとおり、平成十九年、二十年に民主党などが提出をいたしました労働契約法案、これはいわゆる入り口規制が盛り込まれていました。

 入り口規制は有期労働契約のあり方を考える上で重要な論点だと今も思っています。

 ただ、今、さきに答弁をさせていただいたように、平成二十二年からの労働政策審議会の審議でもこれは大きな論点の一つだったんですが、法案に盛り込むという結論には至らなかった。

 こうした経緯に基づきまして、これは労働者の雇用の安定、一歩でも、いつも一歩でもで済みませんが、今のような国会の状況の中で一歩でも進めることが必要だということで、公労使で一致して取りまとめられました今回の法案を提出しているということです。

高橋(千)委員 公労使で取りまとめられた見解だということをどんな問題でもよくおっしゃるんですが、この委員会で、その労政審の座長である諏訪先生がいらっしゃって、国会が決めたことであればという答弁をされて、まさにそれを覆すことを御自身がおっしゃったわけですね。ですから、なぜ政府の意思がそこにないのだということを重ねて言わなければならないんです。

 一歩前進ということを大臣はしょっちゅうおっしゃるんですけれども、しかし、一部の出口規制、これも非常に抜け穴なんですけれども、そこだけやって入り口規制がないと、結局、出口の手前で雇いどめが起こってしまうとか、やはり法の中抜けが起こってしまうんですね。だから全体として規制が必要だということが指摘をされてきたのではないかということを改めて言わなければならないと思います。

 本法案、三つポイントがあるんですけれども、その一つが期間の定めのない労働契約への転換だと思います。

 有期労働契約が五年を超えて反復更新された場合は、労働者の申し込みにより、無期労働契約に転換させる仕組みというものがあるわけですけれども、その五年の根拠をお願いします。

西村副大臣 無期転換ルールの要件を通算契約期間が五年を超える場合と今回いたしたわけですけれども、その理由につきましては、まず一つは、有期労働契約の反復更新による濫用を防止する必要がある、その一方で、有期労働契約が雇用機会の確保や需給変動への対応に一定の役割を果たしていることなどとのバランスを慎重に考慮した上で、労働政策審議会でも、公労使一致の建議として、五年で合意がされたことによるものでございます。

高橋(千)委員 ほとんど答えにはなっていないんですが。

 五年ではとても長いというのもあるんですが、同時に、では、五年だからといって、さっき三百六十万人という数字がありましたけれども、その方たちが無期に転換できるという単純なものでもないということも既に明らかになっていると思うんです。

 期間の定めのない労働契約に転換されるとしても、その条文では「別段の定めがある部分を除く。」として、要するに、特段なければ従前と同一の労働条件となります。これでは、無期だけれども待遇は今までと変わらない、昇給なしとか、新たな階層が生まれることになるんです。

 先ほど古屋委員が同じ質問をされたんですけれども、西村副大臣の答弁を聞いていますと、正社員化推進へのステップだとおっしゃいました。つまり、明らかにこれは、正社員と有期労働者と、その間に、無期だけれども正社員のような待遇ではない新たな階層が生まれることになりませんか。そのことを確認したいのと、こんなやり方は削除すべきです。いかがですか。

西村副大臣 委員が先ほど御指摘されたとおり、有期労働契約が五年を超えて反復更新された場合に無期労働契約に転換する権利を設定するに際しまして、期間の定め以外の労働条件を確定する必要がありますことから、別段の定めがある場合を除き、従前と同一の労働条件というふうに法文上規定いたしました。

 有期労働契約の雇用が不安定であって、雇いどめを恐れて年休取得などの権利を十分に行使することができないといった課題を解消することが、まずこの改正案での課題、目的として大変重要であると思っています。

 今回の改正では、無期転換によって雇用不安をなくし、労働者としての権利行使も容易にして、安心して働き続けることができるようにするというものであり、これは大臣が答弁しておりますとおり、まず第一歩、前に進めるということでありまして、正社員化へのステップにもつながってくるものだと考えております。

 公労使の議論では、こうした考えのもと検討がなされまして、無期転換後の労働条件は、別段の定めがある場合を除き、従前と同一の労働条件にするという無期転換ルールが合意されたものであるということにつきましても御理解をいただきたいと思います。

高橋(千)委員 新たな階層が生まれるということをお認めになったと思います。非常に重大かなと思います。

 さらに、六カ月以上のクーリング期間があれば、雇用期間がリセットされて、何度でも有期契約ができることになってしまいます。これも無期労働契約への転換を規定した趣旨からいって矛盾しませんか。これも削除すべきだと思いますが、大臣、どうですか。

小宮山国務大臣 仮にクーリング期間を認めないことにすると、五年で離職をした労働者が再度同じ企業で働くことが事実上困難になりまして、同一の企業での再雇用を希望する労働者の就職選択の幅が狭められてしまう、このような問題を防ぐためにもクーリング期間を認める必要があると考えています。

 なお、無期転換ルールを導入する諸外国でも一定の条件でクーリングを認めるのが一般的で、例えば、フランスは原則、契約期間の二分の一、オランダが三カ月、ドイツでは判例で三年となっているというように承知をしています。

高橋(千)委員 フランスやドイツの、全体の、均等待遇ですとか規制ができているところと、そこの部分だけ比較をして言ってはならないと思いますし、これは、今ちょっと、就職選択のニーズがあるからというお話をしましたけれども、使用者側はもっと短くていいと言っているわけですよね。そういう中で出てきた議論なんだということをやはりちゃんとお認めにならないとだめなんだと思うんです。絶えず、都合のいいときだけ、雇用者のニーズがあるかのように言われているということは、非常に見過ごしできないと思うんですね。

 そして、資料の二枚目を見ていただきたいんですけれども、クーリング期間の算定に係る規定。六カ月、六カ月とよく言うんですが、必ずしもその間が六カ月であるとは限らないわけで、その前の契約期間が一年未満であれば、その二分の一を、今言ったフランスに似ているわけですけれども、クーリング期間とするということになっているわけです。

 そうすると、上の方は、三カ月、三カ月、三カ月で、間があくのはたった一カ月なので、これはもうリセットはしない。しかし、下の方は、二カ月と三カ月の間に二カ月のクーリング期間が、これは二分の一を超えているのでリセットできるということになっちゃうわけですね。

 そうすると、本当に細切れの契約をつないでいって、ちょうどよくクーリング期間を置けば、どんどん長く雇い入れることができることになりませんか。

西村副大臣 クーリング期間についてでございますけれども、これは、短過ぎる場合には無期転換ルールの導入の効果を減殺させる一方で、長過ぎる場合には労働者の雇用機会の確保等の観点から問題となってまいります。

 このため、両者のバランスと労働政策審議会の建議に沿って、契約期間が一年未満の場合には、その二分の一に相当する期間をクーリング期間とさせていただいたところでございます。

高橋(千)委員 ですから、結果として、細切れの不安定雇用が、五年と言わず、続いていくということになりませんか。

金子政府参考人 お示しいただいた非常に短期間でのクーリングにつきましては、法律の基本的な考え方は、一年を超えるケースでは六カ月というふうに設定をしておりますが、一年に満たないようなケースについて六カ月という設定をいたしますと、さすがにバランスを欠くことになるだろうということで、これにつきましては二分の一ということで想定をして、法律案を策定させていただいたものでございます。

 いずれにいたしましても、クーリング期間、両面があるわけでございます。引き続きそこで働きたいという御希望をお持ちの労働者の方の雇用機会を狭めるということも問題であるわけでございますので、こうしたルールにつきましては適正な運用がなされるよう、いろいろな形で周知をし、要請をしていきたいというふうに考えております。

高橋(千)委員 今の答弁は、結局、バランスを欠くなどということを言ったんですけれども、細切れの雇用があるのが当然だという発想から出ているんですね。とてもこういうのは認められないと思います。

 先ほど来、ちょっとニーズ論の話が出ていて、私、ちょっと言い忘れましたけれども、やはり民法六百二十七条で、労働者は解約の申し入れができる、つまり、期間の期限がなくても解約の申し入れができるというふうになっているわけなんです。だから、有期をわざわざ望んでいるのではなくて、それしかないという選択の中で、無期が当たり前のルールにしていくこと、そのことによって、ニーズだってきちんと応えていく仕組みはあるんだということを指摘していかなければならないと思います。

 それで、二つ目のポイントですけれども、提案理由の説明では、第十九条を、判例法理として裁判上確定している雇いどめ法理を法律に規定して、明確にしたと言っています。本当にそうでしょうか。

 資料の三枚目を見ていただきたいんですけれども、先ほど来言っている労政審の建議に、ここだけは忠実ではないわけですね。有期が無期と実質的に異ならない状態である、期間終了後も雇用関係が継続されるものと期待することに合理性が認められる、そういう書きぶりになっているかと思います。これは、判例法理として、一九七〇年の東芝柳町工場事件最高裁判決、八一年の日立メディコ事件最高裁判決などがあると思うんですが、右側の政府案では、契約期間満了後に遅滞なく有期労働契約の締結を申し込んだ場合、こういう書きぶりになっているわけなんです。

 そうすると、普通の労働者は、法律を熟知しているわけではないですので、雇いどめされて、自分の身に降りかかって初めて、組合に出会ったり、弁護士さんにたどり着いて、法律を知って、こういう権利があるんだといったころにはもう遅滞なくではないんだ、こういうことになっちゃうわけですね。

 本当に皆さんがこの法理に基づいてというのであれば、それを具現化した労政審の建議に沿った書きぶりにするべきではないでしょうか。

金子政府参考人 雇いどめ法理の法制化という点につきましては、これは審議会の中でもいろいろ議論がございましたが、審議会の一致した認識といたしまして、これまで形成されてまいりました判例法理を忠実に成文法化するという考え方のもとに法案を作成したものでございます。

 違いがあるという点につきましては、制定法化をするに当たりましては、判例でございますと、いわば裁判の提起のようなものがあって裁判の判決が出るわけでございますが、一般的な形をした場合には、そういったことで、一定の成文法化した際にはそれに合わせた形で書く必要があるということで、内容につきましては忠実に判例法理を制定法化したものということで御理解を賜りたいと思います。

高橋(千)委員 断じて認められません、今の答弁は。

 通告もしているのに、しかも局長を呼んでいませんよ。念のために出るのを認めるというふうに言って、副大臣を指名しているのに出てきて、それで時間を稼ぐような答弁。答えになっていません。断じて認められません。忠実な書きぶりとはとても言えないと指摘をしたいと思います。

 多分、副大臣に質問しても同じ答弁になると思いますので、我々は、断じて認められない、修正すべきだと指摘をしたいと思います。

 三つ目のポイントは、本当は均等待遇でなければならなかったわけです。これも明記されませんでした。第二十条、期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止について、何が不合理と考えられるのか、立証責任はどうなるのか、伺います。

西村副大臣 お答えいたします。

 有期契約労働者の労働条件が不合理であると認められるか否かにつきましては、無期契約労働者と有期契約労働者の労働条件の違いについて、職務の内容や配置の変更の範囲などを考慮して判断されることになります。

 このため、職務や長期的な人材活用と直接関係しないこと、その使用者のもとで働くこと自体によって生ずるような性格の処遇、例えば通勤手当などについては、有期契約労働者と無期契約労働者との間で支給するか不支給とするかの差を設けることは、特段の理由がない限り、合理的とは認められがたいというふうに考えております。

 また、裁判上の立証については、一方の当事者が全ての責任を負担するものではなく、双方が主張、立証を尽くした結果が評価されることになると考えております。

高橋(千)委員 これも非常に実際には狭められることになるだろうと思います。

 資料の一枚目に戻りますと、やはり野党時代の民主党は、この問題、第三十九条で差別的取り扱いの禁止ということで書いているわけです。しかも、賃金その他の労働条件についてと明確に書いている。やはり、ここがきちんと書かれていなければ本当の均等待遇の趣旨は生かされないわけですよ。合理的な理由がある場合でなければ、通常の労働者と差別的取り扱いをしてはならない。合理的な理由がある場合でなければというふうに改めるべきだと思います。

 もう時間になりましたので、大臣に、最後、政府の国家戦略会議フロンティア分科会が七月六日に報告書を出しました。企業内人材の新陳代謝を促す柔軟な雇用ルールを整備するといって、定年制の廃止とかさまざまある中で、有期を基本とした雇用契約とすべきであると、ここまで踏み込んだ表現をされているわけですよね。

 本当に、有期契約のあり方、これまで議論してきて、一歩前進などといったことももう本当にひっくり返ってしまうような議論であると、私は認められないと思いますが、大臣、同じなんですか。一言でお願いします。

小宮山国務大臣 御指摘の報告書は、国家戦略会議のフロンティア分科会、これは各界を代表する有識者からの御提言を取りまとめたもので、これが政府の方針に直ちになるわけではありません。二〇五〇年の日本のあるべき姿、これの問題提起だと考えています。

 厚生労働省としては、今の有期契約労働者が置かれた状況から今回の法案を提出しておりますので、まずは、この成立後、円滑な施行に万全を期したいと思っています。

高橋(千)委員 ぜひ続きをやらせていただきたいと思います。

 終わります。

池田委員長 次に、阿部知子さん。

阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 私も、今の高橋委員の御指摘と同じで、今回の労働契約法の改正が、大変インスタントに、わずか二時間半そこそこで、審議も不十分なまま行われようとしていること、まず冒頭、とても残念に思います。労働者派遣法の折もそうでしたが、逆にそのときは、有期労働こそ本丸である、これを何とかしていくことが今の働き方全体を何とか改善するんだというふうに言われながら、しかし、また今回もこういう審議のあり方で決められていくということに強く抗議をしたいと思います。

 その上で、まず冒頭、御質問をしたいのは、三宅委員もお取り上げになりました、いわゆる東京電力福島第一原発事故での被曝の実態隠しの問題であります。

 事が露見いたしましたのは多分七月二十一日であろうと思いますが、電子線量計の表面に鉛の板をつけて線量をごまかすというか、低く出させようとしたということがきっかけでございます。

 そして、きょうの新聞には、その当時、ビルドアップ社というものがこれを指示したとされておりますが、この雇用形態が、ビルドアップ社は東電から見て孫請、多分、東京エネシス、その下にビルドアップ、さらに、ひ孫請のアクセス青森というところがあって、さらに、そこからまた建設会社が違法派遣する形で労働者が送られていた。

 これまでも原発の作業を請け負う労働者の問題は、この東京電力福島第一原発事故以前にも多々あったと思いますが、今回、さらにこれが凝縮して出ておるんだと思います。

 そこで、小宮山厚生労働大臣に伺いたいと思いますが、小宮山大臣は昨日、こういう線量データのごまかしなどについて一斉調査をするということで、必要によっては労働基準監督署の立入調査ということも指示されましたが、同時に、私は雇用形態の問題もきちんと把握すべきだと思います。十六歳、十七歳の少年が実は働いていたり、あるいは、先ほど申しました違法派遣に相当するようなことがある。

 今回、大臣の調査が線量だけに限定されるものでなく、この労働実態という、雇用関係も含めて調査していただきたい。

 と申しますのは、大臣のお手元にも皆さんのお手元にも配ってございますが、実は今、東京電力福島第一原発事故に限っても、ここで働いておられます約二万二千二百二十四人の作業にかかわります方のうち、東京電力社員は三千四百四十六人、これは二十四年五月現在です。そして、協力会社とくくられている方が一万八千七百七十八。圧倒的に多いわけであります。協力会社と一くくりにいっても、孫請、ひ孫請、さらにそこからどこまでなっているか。きちんと労働上の、いわゆる派遣法にのっとっているか、あるいは労働基準法を満たしているか等々がチェックされていない状態だと思います。

 大臣には、線量だけでなく、雇用労働実態についての調査もあわせ行うことをお願いしたいですが、いかがでしょう。

小宮山国務大臣 今委員が御指摘いただいたように、線量については、今回のビルドアップだけではなくて、全体についてスクリーニングをした上で、スクリーニングを八月末までには終えて、九月以降、必要なところを一斉に調査したいと考えています。

 そして、きょう報道されている違法派遣のことについては、今、福島労働局で事実関係を調査中です。調査の結果、この件について仮に関係法令に違反している事実が認められた場合は、当然のことながら、厳正に対応したいと思っています。

 原発での今言われたような複雑な孫請、ひ孫請のような働き方については、問題意識は持っておりますが、それに対して今後どのように対応するかは検討させていただきたいと思います。

阿部委員 私がお願いしたのは、事が何か事件になって露見する以前の実態調査ということができる、そして、しなければいけない。

 なぜなら、このような事故というのは我が国は経験したことがなく、そして、毎日三千人にわたる現場の労働者が、ある意味で命を削りながらこの事故の収束のためにやっていただいているわけです。せめて、その労働条件なりあるいは健康管理なりということは、これは国の責務でありますから、きちんとそこを自覚してやっていただきたい。

 あわせて、きょうは経済産業省から柳澤副大臣にお越しいただきました。お忙しいところ、ありがとうございます。

 副大臣には、先般、私が原発ゼロの会のメンバーと東京電力の電気料金の値上げの問題でじかにお部屋に伺ってお話しいたしました折に、副大臣としては、先ほどの三千人の現場の労働者の問題に非常にお心を寄せて、御心配をされておられるという御発言でありました。私も、そういう視点を政治がきちんと持つということは極めて重要で、それなくしては、先ほど申しましたように、収束すらおぼつかないわけであります。

 そして、働く皆さんの実態を見ますと、これも一枚目をごらんいただきたいと思いますが、ここには、その方の年間線量、一番上、二百五十ミリシーベルトを超える方から十ミリシーベルト以下の方まで、何人くらいの分布があるかが示されております。百ミリシーベルト超えは、合計いたしますと、二十四年五月段階で百六十七に集計いたしますとなります。

 私がここで問題にしたいのは、五十ミリシーベルトから百ミリシーベルトというところに当てはまる八百八名の方。このうち、東電関係社員は四百六十人、協力会社は三百四十八人となっておりますが、増減を見てまいりますと、右側に増減表がありますが、毎月毎月、実は協力会社社員の方の増加が多い実態になっております。

 大臣もよく御存じのように、東電であれば、例えばこの線量に達した方を他の業務に、屋内の業務や事務業務に転換することも社の中で可能かもしれませんが、協力会社と言われるところで働く方の実態は、先ほど指摘したように、ほとんど把握されておらない。そして、この鉛で隠す事件の裏側にあるものは、もう百ミリを超えたら働けなくなるよ、あるいは五十ミリ、あなた、ぎりぎりなんだから、一年で五十ミリを超えちゃったらもう働けなくなるよ、これもある意味では事実なわけであります。

 私どもは、先ほど言った、この方たちを使い捨てにしないで、ここでお願いしたいのは、例えば炭鉱離職者が、当時、昭和三十四年のことであります、閉山に伴って、その職を失うことに対して、政府はもろもろの職業訓練をそこに準備いたしました。雇用促進住宅もその一環であります。私はここで、五十から百、ここにたまり込む方々、この方々は、次に、例えば雇う側も、この人たちは高い線量のところに送れないと思う分だけ、雇用の機会も失いがち。しかし、生活もあると思います。そして、これから何十年も続くことであります。

 政府として、この方たちの積極的な職業訓練なり職業転換なりを図ることをお考えいただきたいが、その支援をしていただきたいということであります。もちろん、御本人が望まず、また、例えば出稼ぎだったので戻るというケースもあるでしょう。しかし、本当にみんなやむにやまれずここに来て身を削ってやっていると考えれば、政府による積極的な職業転換支援が必要と思いますが、いかがでしょう。

柳澤副大臣 御質問ありがとうございます。阿部委員には日ごろからいつもアドバイスをいただいておりまして、ありがとうございます。

 私は、昨年の九月から福島の原子力災害現地対策本部長を兼務させていただいて、福島第一原発だけではなくて、第二原発にもずっと入らせていただいてきました。

 その中で、委員御指摘のように、私が一番感動したのは、本当に、今でも三千名以上の方が、放射線が飛び交う、戦場とも言えるところで命がけに頑張っていただいた。そのことがあって、昨年十二月に冷温停止の第一ステップ。しかし、これは本当に一里塚でございまして、廃炉までは三十年、四十年かかる。それにはやはり、人、物、金でいうと、人の部分が一番大事だ。

 その中で、放射線量の問題も私たちは非常に重く捉えていまして、特に、私たち経産省が指導できるのは東京電力でございます。東京電力を通じて、協力会社の面倒もきちんと見なさいと。ただ、今回の不正使用はもう言語道断で、これは本当に、厚生労働省とも連携をして、もう一回きちんと徹底的な調査をしたいというふうに思っています。

 先生が出していただいた資料にあるように、東京電力の方では、本当に、高線量の仕事はできるだけ東京電力の社員が行って、協力会社には回さないようにしようという努力を続けてきました。ですから、東京電力は百を超えているのが百四十六人で、協力会社は二十一人になっているというのも御理解いただけると思います。

 そんな中で、私たちが今一番指導していますのは作業の継続性で、廃炉に向けては現場作業の経験の蓄積と、円滑化を図るには人をいかに大事に長期にわたって働いていただくか。ですから、線量を常にチェックして、高いところへ行ったら低いところに配置転換をするということも、それで、超えてしまったのは、東京電力の場合には、後方部隊で雇用する、これができます。

 ただ、先生御指摘のように、協力会社に関しましては、ぜひ厚生労働省の皆様とも連携をして、本当に職業訓練も含めて雇用をきちんとする、これには経産省も精いっぱい協力をさせていただいて頑張りたいというふうに思っております。

阿部委員 前向きな御答弁、ありがとうございます。国策として進めた原発のその結末ですから、ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 では、副大臣、ありがとうございます。

 そして、本来のきょうの質問に移らせていただきますが、先ほど、高橋委員と小宮山大臣の質疑応答を聞きながら、本来、大臣はこの有期雇用については理念を持って臨みたいであろうお立場なのに、このような中途半端な形になられたことにじくじたる思いがあるということを私は推察いたしておりますので、ここについては伺いません。

 ただ、一つ伺いたいのは、今回、有期契約の期限を五年といたしましたが、これは先ほど大臣がもろもろ挙げられた諸外国に比しても長い、明らかに長いわけであります。このことについてと、あわせて、クーリング期間というものも、例えば三年なら三年の半分とかいう形で、やはりその背景には、この有期雇用が本当にごく限られたケースしかそうでないようにという、EUはEU指令、韓国ですらそういう理念があると思うわけです。なぜ五年なんでしょう。もう一度お願いします。

西村副大臣 無期転換ルールの要件を五年を超える場合とした理由ですけれども、一つは、有期労働契約の反復更新による濫用を防止する必要がある一方で、有期労働契約が雇用機会の確保や需給変動への対応に一定の役割を果たしていることなどのバランスを慎重に考慮した上で、労政審でも公労使一致の建議として合意されたことによります。

 有期労働契約の利用期間の上限について、諸外国の例ですけれども、ドイツや韓国が二年、イギリスで四年などとなっていますが、これらの国では法令や労働協約によって無期転換の適用除外や利用期間の延長が認められております。

 一方で、今回の法案は適用除外などを設けない、そういう意味では諸外国とは異なる案となっておりまして、五年が長いというふうには一概には言えないと考えております。

 また、クーリング期間ですが、これを認めないということにいたしますと、五年で離職した労働者が再度同じ企業で働くことが事実上困難となりますので、同一の企業での再雇用を希望する労働者の職業選択の幅が狭められてしまうというおそれ、問題があるため、これを認める必要があると考えております。

 また、クーリング期間が短過ぎる場合には無期転換ルールの導入の効果が薄まって、逆に長過ぎますと労働者の雇用機会の確保などが問題となってまいります。このため、労政審の建議を踏まえて、原則六カ月のクーリング期間というふうにさせていただいております。

 厚生労働省としては、クーリング期間を挟んで同一の労働者を有期労働契約で使い続けるような雇用管理を抑制するためには、何よりも、通算契約期間が五年を超えるその前に、雇いどめをするのではなくて、より安定的な雇用形態としての無期労働契約に転換させていくことが望ましいと考えております。

 このため、制度面での対応として、今回の法律案では、判例法理であります雇いどめ法理の法制化を盛り込み、これによって、五年の時点でも雇いどめが無条件に認められるわけではないということが法文上も明らかになりました。

 また、五年到達時に雇いどめされないように、さまざまな周知、広報など、必要な政策対応をとってまいりたいと考えております。

阿部委員 たくさんの御答弁、ありがとうございます。

 しかし、このクーリング期間があることによって、この法律の肝である無期転換申し出権が阻害というか阻止されてしまう。これはもともと無期転換の申し出権を労働者に付与したいための法律なのですが、四年十一カ月で、その後クーリングして、でも、そのときはもう申し出権がなくなっちゃうんですよね。逆さに返せばそういうことだということをおわかりの上での今の答弁じゃないかなと思います。

 それから、諸外国と比べて長いか短いかも、私がわざわざ韓国の例まで挙げましたが、これらは、ヨーロッパのみならずアジアでも、あの非正規雇用があんなに多い韓国でも二年、そこでいろいろな制約はつけますけれども、五年という年限の長さは特記すべきものでありますので、ぜひお考えをいただきたい。

 そして、今、西村副大臣がお答えになりましたが、しかし、現実の労働契約、例えば、お手元の二枚目を見ていただきますと、これははとバスの労働契約書ですが、この方は五年を前に、実は、八番、「本契約期間中に正社員登用に至らない場合は、次年度の契約更新は行わず今回が最終更新となる」、いわゆる不更新条項を結ばされるという事例であります。これは労働契約書の本体であります。

 そうすると、今、西村副大臣がおっしゃったことも、この不更新条項がたった一枚結ばれたら、これはもう何の効力もないことになってしまう。すなわち、有期から無期への転換もと思いますが、それはそもそも有期雇用の濫用抑制ということとは相矛盾するのではないか。不更新条項があると有期雇用は次々と可能になるわけですが、この不更新条項について、これは大臣に伺います。でなければ、西村さんでも。

西村副大臣 今回の法案についてでございますが、一旦労働者が雇用継続への合理的な期待を持っていた場合に、使用者が更新年数あるいは更新回数の上限などを一方的に宣言したことによって労働者の雇用継続への合理的な期待が失われることにはならないというのが裁判例の一般的な傾向であると理解をしております。

 また、あらかじめ設定された更新上限に達した場合でも、他の労働者の更新の状況など、さまざまな事情を総合判断して雇いどめの可否が決せられるのが裁判例の傾向でもあります。

 このため、法案が成立した際には、不更新条項を入れさえすれば雇いどめ法理の適用が排除されるといった誤解を招くことがないように、従来の判例法理が変更されるものではないということを、解釈通達やパンフレットを使って周知に努めてまいりたいと考えております。

 なお、不更新条項そのものでありますけれども、これを設けることにつきましては、労働契約が合意により成立するという原則に立ちますれば、労働者と使用者がお互いに真に合意して更新の上限を設定することを禁止したり、その効力を直ちに無効とすることは難しいというふうに考えております。

阿部委員 今の御答弁、前向きでいいと思います。実態から見て、この不更新条項が有期の反復につながるようなものは厳しく制限していくというふうに受けとめました。

 終わります。ありがとうございます。

池田委員長 次に、柿澤未途君。

柿澤委員 みんなの党の柿澤未途でございます。

 労働者派遣法改正案が民自公の骨抜き修正で可決、成立しました。そのときに、関係者の目は既に有期労働契約法制の議論に移っている、派遣法改正案が決着しないと次に進めないから急いでいるんだろう、こういうふうに指摘をしました。今回の労働契約法改正案の提案に至る流れを見ると、そのとおりだったんじゃないかな、こういう感慨を禁じ得ないわけであります。

 民主党政権になってから、雇用に関する規制強化の流れが顕著になっております。しかし、エコノミストで大和総研顧問の原田泰さん、きょうお配りをさせていただいている、ホームページで紹介をしたOECDのデータによると、これは、雇用保護の強い国ほど失業率が高い、こういう相関関係が認められるというんですね。

 人為的な規制で、例えば有期を無期に転換させる等の政策を行うと、もちろんこれは、三年であれば雇用したいけれども、しかし、無期なら雇用できない、こういう企業が出てきて、かえって雇用需要の減少を招いてしまう可能性がある、このことがこのグラフにおいてもあらわれているのではないかと思います。

 もちろん、失業率の数字というのはマクロ経済全体の動向も相まって定まってくるところでありますので、一概にはそれはもちろん言えないわけですけれども、しかし、エコノミストの視点から見て、このOECD諸国の雇用保護の強さと失業率の関係、有意な相関関係が認められる、こういうことが言われているわけです。

 だとすると、これは、民主党政権が進めてきたいわば雇用保護政策というのは、むしろ、労働者保護どころか失業率全体の数字を高める、こういう要因になってしまうのではないかというふうに思いますが、この点についてはどのようにお考えになられているんでしょうか。お伺いいたします。

小宮山国務大臣 今委員も一概には言えないというふうにおっしゃいましたけれども、近年の日本の失業率の変動、これは景気の動向ですとか求人と求職の間のミスマッチなどを要因としていまして、雇用保護の強弱との関連性は必ずしも明確ではないというふうに考えています。

 今回の法案に盛り込みました無期転換ルール、これは、有期労働契約が長期間にわたって反復更新をされ、濫用的に利用されることを抑制するために設けたものです。これによって有期労働契約の利用に関するルールを明確化して、労働者の雇用の安定を実現していきたいと考えています。

 その結果、多くの労働者がいつまで働き続けられるのかという雇用不安におびえることなく継続的に能力を形成していくということは、これは企業にとってもプラスになることですので、その中で雇用のミスマッチも低減するなど、中長期的に見ますと、今回のこの法案によって失業率を低下させる方向に私どもはなるというふうに考えています。

柿澤委員 これがどれだけエビデンスのあるものなのかということは、後でちょっとお尋ねをしたいというふうに思っております。

 個々の論点、幾つかお聞きをしたいと思うんですが、派遣法改正案の後にこの労働契約法改正案が提案をされている。両者はいわば非正規雇用を正規雇用に転換させる、そのための法律でありますけれども、この二つの法律の規定が衝突し、また混乱を生じかねないケースが幾つかあるように思われます。

 例えば、無期雇用に転換をした後の雇用主が誰になるか、こういうことを見ると、労働契約法改正案では、通算五年の反復雇用で、本人の申し出に基づいて、派遣元の派遣会社に無期雇用ということになります。しかし、一方、改正派遣法の三十条の無期雇用転換努力義務では派遣元の派遣会社ですけれども、一方、四十条六から八の労働契約申し込みみなし制度では派遣先企業による直接雇用、こういうことになるわけですよね。

 このように、派遣労働者が、依拠する条文によって、派遣元が雇用することになったり、あるいは派遣先企業が雇用することになったりというのは、これは派遣会社にとっても派遣先企業にとってもある意味では予見性を欠く、こういうことになって、結果として、派遣というワークスタイルそのものをやはり余りとるべきではない、とらないようにしよう、こういうことに促していってしまう結果をもたらすのではないかと思いますが、その点、御見解をお尋ねしたいと思います。

金子政府参考人 お答え申し上げます。

 今回、労働契約法で御提案をさせていただいておりますこの無期転換ルールというのは、労働契約でございますので、雇用主と労働者の間を規律するものでございます。労働者派遣のケースに当てはめて申し上げれば、雇用関係にある派遣元と派遣労働者の間で適用されることになります。

 一方、議員から御指摘ございましたけれども、派遣法の労働契約申し込みみなし制度は、これは派遣労働者と労働契約は締結していない派遣先に対して責務を課すというものでございまして、この両制度、それぞれ独立に適用されるものでございまして、予見可能性を欠くものとは考えておりませんが、議員御指摘のように、なかなか難しい関係にあるということはそのとおりだろうと思います。

 本法案を成立させていただきました暁には、この無期転換ルールと労働契約申し込みみなし制度が正しく適用され、理解されるよう、事業主に対する周知などに努めてまいりたいと考えております。

柿澤委員 私の投げかけた疑問をある意味ではあっさり認めちゃった、こういう感じの御答弁なんですよね。

 もう一つ伺いたいと思います。

 労働契約法改正案では、通算五年を超えるときには、クーリング期間、一カ月から六カ月を経ないでその労働者と新たに雇用契約を締結できない、こういうことにされているわけです。一方、派遣法では、自由化業務の期間制限、三年でありまして、その業務について新たに派遣契約が締結できない期間、これもいわばクーリング期間だと思いますけれども、このクーリング期間は三カ月ということになっています。

 もちろん、人と業務の違いはあるんですけれども、しかし、結果的に、同じ形で同じ人が仕事を続けることができないという意味では同じ趣旨だと思いますので、こういう形で、三年三カ月、それと五年一から六カ月、法律によってこういう二重基準が生まれているというのは、これは問題ではありませんか。お伺いをしたいと思います。

金子政府参考人 制度の趣旨につきまして改めて説明をさせていただきますが、この無期転換ルールにつきましては、一定の要件を満たすときに労働者に無期転換の申込権を発生させる、そういう強い法律効果をもたらすものでございます。クーリング期間については、こうした権利を発生させるかどうかの要件として極めて大事な要素でございますので、そういった点を法律に明記したものでございます。

 一方、労働者派遣法に基づきますものでございますが、これは、派遣先の常用労働者の代替を防止するという観点から、派遣先の業務に着目いたしまして派遣期間の上限を設定しております。同一の業務に続けて派遣労働者を受け入れるものであるかどうかを判断するための要素ということで三カ月という期間を設定しているものでございます。いわば、雇用が継続しているか否かを見ているというものでございます。

 このように、これらのクーリング期間はその趣旨を異にするものでございまして、二重基準とは言えないのではないかと考えております。

柿澤委員 それは、皆さんの立場から見ればそうでありましょうし、また、そういう御説明もそうだろうなと思いますけれども、しかし、これは働いている側からすると、まさに、それはもちろん不合理な雇いどめはできないといいましても、基本的に同じ場所で同じ仕事に継続してつくことができない、こういうものに趣旨としてはなるわけですよね。それも期間が法律によって違うというのは、働いている当人にとってやはり一種の混乱を生ぜしむるものではありませんか。お伺いをしたいと思います。

金子政府参考人 それぞれの制度において適用される場面が異なるものでございますので、ただ、なかなか、働いている方から、誤解をしたりとか、あるいは理解ができなかったりというようなことというのも確かにあり得るんだろうと思いますので、その点は、先ほど答弁申し上げましたが、よく事業主や働いている方にこれから周知をさせていただきたいというふうに考えます。

柿澤委員 またあっさり認めちゃったわけです。

 こういうことが法律上、二重基準であったり、あるいは法律同士の衝突、混乱、コンフリクト、こういうものがある状態のままで滑り出していく、これ、どうやって解決していくかということになるんですけれども、どうやって解決していくんですか。

金子政府参考人 お答え申し上げます。

 派遣労働者の方でかつ有期契約という方、その方の適用の問題になろうかと思います。派遣の方で有期の方、いろいろ困難に遭遇する場面がございます。その際に、適切に働いている方が権利を行使したり、あるいは適切な合理的な行動ができるようにするために、その場面場面に応じて必要な法律で規制をしているということでございまして、その法律関係の中での整合性ということに関して言えば、法制面からも十分検討しているものでございます。

 したがいまして、法的な面でという問題のことを申し上げているのではなくて、ただ、混乱をすることがあれば、そのこと自体は確かにそういうことは避けなければいけないので、この法律の内容の周知をできるだけわかりやすく適切に行っていくことが現段階で対応できることではないかというふうに考えておりますし、またそれが適切だというふうに考えております。

柿澤委員 結局、その運用解釈でここの部分を行っていくことになるんじゃないですか。運用解釈、こういうことで、例えば労働者派遣法の二十六業務の話でもそうですけれども、またQアンドAみたいなものをつくって、当てはまるか当てはまらないかみたいな話になって、結局、また現場が混乱する、こういうことになってしまうのではないか、だから今のさら問いをさせていただいたんですけれども、私からお聞きをしていて、なかなか納得できる御答弁にはならなかったように思います。

 クーリング期間の設定についてですけれども、これは、労働契約法改正案ではクーリング期間というのは法律によって定められているわけですよね。片や労働者派遣法におけるいわばクーリング期間、三カ月、これは派遣先が講ずべき措置に関する指針において定められているわけです。しかも、クーリング期間が三カ月を超えない場合には継続して労働者派遣の役務の提供を受けているものとみなすということで、法律によって行うべきみなしの規定をここに置いているわけです。

 これらは、本来、労働契約法がそうなんですから、労働者派遣法の改正によって定めるべき事項ではありませんか。法律に基づかない以上、この派遣先指針の三カ月のクーリング期間というのは、これは一旦削除すべきではないかとすら思いますけれども、御見解をお伺いしたいと思います。

生田政府参考人 お答え申し上げます。

 労働者派遣法では、法律の第四十条の二に基づきまして、二十六業務と呼ばれる業務を除きまして、派遣労働者の派遣可能期間を最長三年と定められております。また、委員御指摘のように、派遣先指針の第二の十四の(三)に基づきまして、派遣先において、派遣の終了時点から三カ月以内に再度派遣労働者を受け入れた場合には継続して受け入れているものとみなすということになっております。

 今回の労働契約法の改正案では、いわゆるクーリング期間の六カ月が法律に明記されてございますけれども、労働者派遣法の場合につきましては、派遣先あるいは派遣元に対する行政規制といたしまして、まず、派遣法の四十条の二第一項におきまして、派遣先が、派遣先の同一の業務について、派遣可能期間を超える期間継続して労働者派遣の役務の提供を受けてはならないという規定がございまして、この継続性の解釈を示すという形で、大臣告示で派遣先指針に明記してございます。

 それから、大臣指針の明記は平成十一年でございますけれども、その際には、公労使で構成されます当時の中央職業安定審議会で八回にわたる議論を経まして制定をしてございます。その結果として、三カ月につきましては、法律ではなくて、告示という形で明記されることになったと承知しております。

柿澤委員 これは経過説明をいただいたような形になりましたけれども、やはり先ほどの質問と答弁と同じように、労働者御本人に非常に大きな影響を与える部分でありますので、私は、やるならば法定すべきだというふうに思います。

 一問飛ばして、次に行きます。

 そもそも、この労働契約法改正案の提案に至るまでのプロセスで、エビデンスに基づいた政策効果の検証というのがなされているのかどうかということをお伺いしたいと思うんです。いわば、私は、思い込みに基づいて政策を立案し、実行しているというのが、雇用労働に関する民主党政権の最大の問題点だと思ってきました。そのことはたびたび申し上げてきました。

 今回、労働契約法改正案の提案に当たって、厚労省規制影響分析、これは主要な規制が導入された際には、費用と便益、コスト・ベネフィットを定量的に分析するという、アメリカのレギュラトリー・インパクト・アナリシスに倣ったものですけれども、これを見てみると、期待される便益として、何の定量的根拠も示さないまま、雇用の安定が図られます、処遇の向上が期待されますとだけ書いてあるんです。労使を含め、さらなる効果的な対策を検討、実施することにより、雇いどめをできる限り防ぎます、これも具体的手段を示さないまま書いてあるわけです。ベネフィットに対するコストは、規制遵守のコストは発生しないものと考えられます、一文だけ。行政費用は、周知徹底のコストはかかるけれども、中長期的に見ると、紛争予防の効果により、行政費用を抑制できます、希望的観測が書いてあるだけなんですよね。その上で、費用便益分析として、労働者が安心して働き続けることができる社会が実現し、費用を大きく上回る便益があると考えられます、こう結論づけているわけです。

 これは全く信じがたい、規制影響分析の名に値しない非科学的なものだというふうに思います。いや、そうではないんだ、規制影響分析書の、雇用の安定が図られます、この一文の裏側には物すごい緻密な試算があるのかもしれません。

 というわけで伺いますけれども、労働契約法改正により、まず、何万人が無期雇用に転換できて、何万人に雇いどめが生ずると試算しているのか。また、時間もなくなってきましたので、失業給付の増大はどのぐらいになるか。逆に、雇用保険の収入増はどのぐらいになるか。こういう試算をしているんですか。お伺いをしたいと思います。

金子政府参考人 お答え申し上げます。

 この無期転換ルールによりまして、今後、有期雇用をめぐる動向がどういうことになるのかという数量的な面での提示というのは、現段階ではなかなか申し上げることができない状況でございます。

 ただ、今回の議論に際しましては、有期労働契約がどういう実態にあるかということを二回にわたりまして詳細に調査も実施をいたしました。また、審議会でもその点についてはさまざまな角度から御議論いただいたところでございます。

 そういうことでございまして、今後、無期転換をされる方、有期として継続される方、それから、できるだけあってはほしくないわけですけれども、雇いどめをされる方ということで、こういう構造がどうなっていくかということは現段階で率直に申し上げられませんが、できるだけ安定した雇用へ移行していくということを、政策面でもカバーしながら取り組んでいきたいと思っております。

 したがいまして、失業保険に関しますお尋ねもございましたけれども、現段階で雇用保険財政に与える影響について予測することは難しいと考えております。

柿澤委員 大臣、ありがとうございました。

 要するに、まるっきり定量的な試算、分析は行っていないんですよね。これが、どこが規制影響分析なのか。結局、希望的な観測を語って、雇用の安定が図られます、そして雇いどめは最小限にします、こういうことを盛り込んでいるにすぎないではありませんか。まさに、私がこれまでるる申し上げてきたような、いわば思い込みに基づく雇用政策にまたなってしまっているんではないか、こういうふうに懸念されてなりません。

 時間も来ておりますので、質問は終了しますが、このことを最後に申し上げて、終わりたいと思います。

 以上です。

池田委員長 次に、宮崎岳志君。

宮崎委員 御質問の時間をいただきました、民主党の宮崎岳志でございます。

 二カ月余り前に質問の予定が決まりまして、その後二カ月間にいろいろありましたけれども、気を取り直して質問させていただければと思います。

 今回の労働契約法について質問をまずさせていただきまして、残余の時間でほかの質問もしたいと思いますが、大変専門的かつ詳細な内容になりますので、なるべく答弁については早口でお願いできればありがたいということでございます。

 まず、第十九条の雇いどめ法理についてお伺いいたします。

 これまで専門家など一部の方しか知らなかった雇いどめ法理が、今回条文化をされて、国民一般に知られるルールになるということは積極的に評価されるべきものであると考えます。従来の判例で決まっていました雇いどめ法理を、足しも引きもしない形で成文法にした、制定法にしたということですが、それに当たって幾つか確認をさせていただきたいということであります。

 判例で決まっている法理から後退とならないということが必要だと考えております。第十九条の本文では、労働者による有期労働契約の更新の申し込み、もしくは、満了後遅滞なく有期労働契約の締結申し込みという、これまでの判例法理にはない新たな要件を課しておりますが、このような規定ぶりとなった理由を確認させていただければと思います。

津田大臣政務官 早口でお答え申し上げます。

 改正法で新設される第十九条は、判例法理として確立している雇いどめ法理の内容を忠実に条文化するものでありますが、判例法理を立法化する場合には、訴訟提起の有無にかかわらず適用されるルールとして、紛争となっていないケースに対しても、条文がどのように影響するかも踏まえた条文とする必要がある。

 それから、今回、労働者の更新または締結の申し込みを規定しておるわけでございますが、これは、期間満了時に、使用者も労働者も何もせずに、円満に退職する場合にまで更新承諾みなしを発動させることは適当ではないことから、労働者が更新、締結の申し込みをすることを定めたものであります。

 この更新、締結の申し込みは、期間満了後でもよいし、要式行為ではなく、すなわち口頭でもよく、例えば、使用者による雇いどめの意思表示に対して、嫌だ、困ると言うなど、何らかの反対の意思表示が伝わるものであればよいものであります。

 このように、雇いどめされたことを不満として紛争となった場合には、更新、締結の申し込みの主張、立証に関しては、労働者が雇いどめに異議があることが、直接あるいは間接に、例えば、訴訟の提起、紛争調整機関への申し立て、団体交渉等によって使用者に伝えられたことを概括的に主張、立証すればよいものと解されます。

宮崎委員 関連ですが、十九条の二号では、契約期間の満了時に当該有期労働契約が更新されるものと期待をすることというふうに規定されておりまして、最高裁判例にはない満了時にという文言が追加されておりまして、満了の時点で合理的な期待をなくしさえすれば、それが途中であっても、満了の時点でなくなってしまえば適法だというふうな解釈がされかねないというようなことでございます。

 このような規定ぶりとなった理由とともに、これによって従来の雇いどめ法理から後退するということではないということを確認させていただきたい。

津田大臣政務官 お答え申し上げます。

 雇いどめに関する裁判例では、雇用継続への合理的期待の有無について、最初の雇い入れから雇いどめされた有期労働契約の満了時に至るまでのあらゆる事情を総合的に勘案して判断されております。

 今回、雇いどめ法理を制定法化するに当たり、合理的期待の有無を判断するために考慮すべき要素の範囲として、最初の契約締結からどの時点までの事情を考慮するかを条文上明確にする必要があるということで、満了時にと規定することとしたものでございます。

 したがって、これらの文言が入ることによって、雇いどめ法理の内容や適用範囲が変更されるものではないというふうに考えております。

宮崎委員 十九条については、これまで裁判の判例、裁判規範として働くということでしたけれども、実際に、この条文が現場に出ていって、そこでどうやって読まれるかという点が大変重要であるということになると思います。

 新たな要件について誤った解釈がなされるということだと、事実上の後退ということになりかねませんので、こういうことを招かないように、先ほどの答弁でいただきました解釈について周知徹底をお願いしたいというふうに思います。

津田大臣政務官 お答え申し上げます。

 改正法で新設される第十九条は、判例法理として確立している雇いどめ法理の内容を忠実に条文化するものであり、雇いどめ法理の内容や適用範囲が変更されるものではないというふうに考えております。

 このことについて、法案成立後、解釈通達やパンフレットなどで、誤解を招くことのないよう、趣旨を明確に徹底的に周知をしてまいりたいと考えております。

宮崎委員 それでは、今の件に関連してなんですけれども、大変いい御答弁をいただいてありがたいんですけれども、正しい統計と検証の必要性についてちょっと伺えればと思います。

 今回の法改正を機に、改めて、雇用形態のあり方が就業構造全体に及ぼす影響について考慮しつつ、有期労働契約のあり方も含めた雇用労働政策について検証をするということが重要であると考えます。

 この点、現在、労働力調査等、経年で行っている政府統計は、期間の定めの有無というものを調査項目とはしておりません。適切な検証のため、期間の定めの有無を政府統計の調査項目として早急に整備していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

津田大臣政務官 お答え申し上げます。

 この有期契約労働者の雇用の実態を把握することは、これまで以上に重要であります。

 総務省統計局では、毎月実施しております労働力調査につきまして、非正規雇用者の増加など、近年の社会経済情勢の変化に対応した統計の整備を図るため、いわゆる常用雇用、これを略称して常雇の集計を、常雇・有期の契約というのが一つ、それからもう一つが常雇・無期の契約というふうに二つに分割して集計する見直しを行うことを内閣府の統計委員会に諮問し、適当であるとの答申を得ている、そして、来年の一月から実施をされるというふうにお聞きをいたしておるところでございます。

 また、五年に一度、国民の就業及び不就業の状態を調査し、全国及び地域別の就業構造の実態を明らかにする就業構造基本調査について、本年秋の調査から、雇用契約期間の定めの有無、一回当たりの雇用契約期間、それから雇用契約の更新の有無と回数、これが調査項目に新たに加えられる予定であるというふうに承知をいたしております。

 厚生労働省としては、これら統計調査の結果も活用しながら、有期契約労働者の雇用の実態の的確な把握に努めてまいりたいと考えております。

宮崎委員 大変具体的な御答弁、ありがとうございました。

 この無期に転換させる仕組みは、我が国で初めて導入されるものでありまして、八年後に見直しを行うということになっております。五年を迎える有期契約労働者の雇いどめの状況、無期化の割合等の実態について、施行後の把握が可能となる調査を行っていただきたいということでございます。

 先ほど御答弁もいただいていると思っておりますが、そういうことでよろしいでしょうか。

津田大臣政務官 お答え申し上げます。

 この改正法の附則第三項の検討規定は、新設をされます第十八条の規定、すなわち、御指摘の点も含め、無期転換ルール全体が見直しの対象となるというふうに理解をしております。

宮崎委員 今御答弁をいただきましたところでございますけれども、もう一度確認をさせていただきたいと思うんですが、八年後に見直すということになっておりまして、無期転換が初めて図られるのは法の施行から五年後ということですが、そこからさらに三年が経過した八年後、さすがに長い期間だと思うんですが、ここで見直しをする。雇いどめ状況等の検証結果を踏まえまして、この仕組みについて検討して措置を講じるということが予定されております。

 先ほど御答弁をいただいたんですけれども、改めて確認でありますが、見直しに当たって、五年を超えるという無期転換のための年数を例えば短縮して三年にする、あるいは、クーリングの期間及びあり方を含めて、無期転換の仕組み全体が改正法の趣旨を踏まえた見直しの対象になるということについて、改めて確認をさせていただければというふうに思います。

津田大臣政務官 大変失礼をいたしました。

 今の御質問の一つ前の答弁でございますが、それについて答えさせていただきたいと思います。

 契約期間が五年に達する有期契約労働者の無期転換や雇いどめの状況について、継続して把握できるような仕組みを検討していきたいというのが、今の質問の一つ前の質問の回答でございました。

 今の御質問の回答は、先ほど言ってしまいましたけれども、改正法の附則第三項の検討規定は、新設される第十八条の規定、すなわち、御指摘の点も含め無期転換ルール全体が見直しの対象となるというふうに理解をしておるわけでございます。

宮崎委員 この労働契約法の改正案でございますが、省令委任というものが入っております。省令委任というのは、もちろん、法律に定める手続の一部が政令になって、さらにその一部を省令で詳しいことを定めるというものですが、行政的な法律ではよくあるんですけれども、この法律は完全に民民の話を中心としていまして、省令委任というのは、純然たる民事法規である労働契約法にはなじまないのではないかというふうに考えます。強行法規として権利義務にかかわる事項を規定する場合には、その要件と効果を法律に明記すべきではないか、余り行政的な裁量という話ではないのかなというふうに思います。

 今回の省令委任事項については、立法技術上仕方がないんだという御説明もいただいているわけでありますけれども、こういう形のものが、今後、労働契約法に省令委任事項が次々に持ち込まれる、あるいは、他の労働関係の法規に省令委任事項というのが次々に持ち込まれるという先例になっては困るという問題意識がありまして、これについてはならないということを確認ができればというふうに思います。

津田大臣政務官 お答えを申し上げます。

 大変重要な点でございますので、少しゆっくり答えさせていただきたいと思います。

 この労働契約法は労働契約の民事的効力を規律する基本法であります。できる限り法律で要件と効果を書き切る、このことが大変重要であるというふうに考えております。

 しかし、今回、クーリング期間の規定については、内容が非常に複雑で、かつ技術的な内容を含むものであることから、要件の基本的な部分である六カ月以上、または一年未満の契約についてはその二分の一以上の空白期間があれば、その前の契約期間は算入しないことを法律に明確に定めた上で、技術的な細目を省令に委任することにしたものであり、大変やむを得ないというふうに考えております。

 今後の労働契約法の改正では、今回を前例とせず、省令委任は、できる限り法律で要件と効果を書き切るという基本的な考え方で対応してまいりたいと考えております。

宮崎委員 ありがとうございました。

 いずれにしても、この労働契約法、ある意味で、これまでの労働政策を転換させ、有期の労働者を無期の勤務、雇用形態に転換させていくという意味で、大変社会的意義も大きいものであると考えます。ますますこういう形で雇用の安定というのを図っていただきたいというふうに思います。

 続いて、ちょっと別の問題について御質問をさせていただければと思います。

 医療費の無料化等を各自治体が行っておりますが、こういうことをやると、国保の国庫負担分が減額をされるという措置が今行われております。これについて伺えればというふうに思います。

 私は群馬県の出身なんですけれども、群馬県では子供医療費の無料化に取り組んでおりまして、以前は一部の自治体、前橋市とかそういうところだけで行われていたんですが、二〇〇九年十月からは、群馬県全域で、中学の卒業まで医療費が無料化をされております。また、それ以前から、福祉医療制度ということで、一九七三年、私が三歳のときですけれども、このときから、乳幼児と重度心身障害者、翌年には母子世帯等の医療費が無料になったりということがされております。

 県民生活には大きなプラスになるということなんですけれども、こういう無料化を例えば県や市町村の費用で行った場合、これが過剰受診や安易な受診を招いてしまうということで、一種のペナルティーとして国民健康保険の国庫負担金が削減をされているということです。

 この減額というのは一九八四年から始まったというふうに聞いておりまして、乳幼児等だったら一五%も削減をされてしまうことがあるというふうに聞いております。患者が医療機関に払った後で還付をされる償還払いの場合は削減されないということなんですけれども、医療機関の窓口で、例えば、一円も払わなくていいとか、あるいはそれが割引になるとか、そういった制度、現物給付の場合のみ削減をされるということで聞いております。

 群馬県の場合、二〇一〇年度で、子供の医療費のところで二億五千万円削減されて、重度心身障害者のところで七億七千万円、それから母子家庭等で一億五千万円、計十一億七千万円にその減額分が達する。これは、群馬の話だけ申し上げましたけれども、群馬に限らず、全国で八割を超える三十九都道府県で何らかのこういう減額が行われているという現状があるんですね。

 しかし、例えば早目に受診をするということで、むしろ重症化が防がれて医療費が減る、抑制されるという考え方もありまして、実際、インフルエンザの流行などの際には、これを導入していたことで早期の受診が図られて、結果的には小児科の受診を減らせたというようなケースもあるようでございます。

 こういったことを考える中で、自己負担が減ると安易な受診がふえるという現象を、どういう統計的な根拠で削減しているのかということを調べますと、戦前の旧内務省に、数理の技官、数学屋さんですね、保険のそういう計算をしたりという、長瀬恒蔵さんがいらっしゃいまして、この人が考えた、自己負担を減らすと受診がふえますよとか、どれぐらいふえますよというのを長瀬効果、あるいはその計算式を長瀬式、長瀬指数等と呼びまして、これに基づいて、安易な受診がふえるから削減してしまえということでやっているそうなんです。

 ちょっと長くなりましたが、これが実態とかけ離れているんじゃないかという指摘があるんです。日本医師会のシンクタンクで日医総研というのがありまして、かつて自民党の山本幸三先生が、厚労の部会長か何かやっていらっしゃったんでしょうか、その後、日医総研の方に提案をして、長瀬式というものの検証をやってもらったんですね。

 検証をやった人は、当時阪大の助教授であった鈴木亘先生という方なんですけれども、結果でいいますと、この長瀬式というのは甚だ実態から離れていて、実用にたえ得るものではないのではないか、そういう研究になっているわけなんです。

 その鈴木先生が書かれたペーパーに何と書いてあるかといいますと、「この理論的な背景もない素朴な関係式」というふうに書いているんですね。それで、四つの問題点を指摘されている。「1統計的に推定されたものではなく信頼性が低い(評価不能である)、2集計データを用いた当てはめであるため、様々な効果が混在してしまっている、3実際、医療経済学者が行ってきた数多くの推定結果と大幅に異なる弾力性である、4推定期間の選択等で恣意的に数値が操作可能である、」こういう、甚だ現代には適さない。

 長瀬式は戦前に出されたもので、数年前の厚労省の会議でも、一九三五年、昭和十年にその長瀬さんが書いた本の統計のコピーがそのまま載っていたりというような状況で、もちろん、自己負担を減らせば、過剰受診も、安易な受診も起こらないとは言いませんけれども、その計算の方法が甚だ実態とかけ離れているんじゃないかというふうな指摘があるわけであります。

 例えば重症心身障害者というと、日常的にやはり医療を必要としていますから、無料にしたから過剰受診とか、それを窓口で払わずに後で還付を受ければ過剰受診がないとかという話でもないんだと思うんですよ。また、子供ですよね。子供を医者に連れていくというのは大変なことで、値段が安いから過剰受診ということはあり得ない。

 群馬県の方でいろいろ調査したけれども、余り過剰受診になっていないんじゃないかと。そもそも、群馬が十五歳まで入院、通院とも無料化ということをやっていますけれども、一人当たりの医療費を見ると、別に他の都道府県より高いわけでもない、むしろ低いということであります。

 長瀬式は私は実態に合っていないんだと思っていまして、これをこれまでどういうふうに見直してきたのか、また、今後十分な検証を行って見直すべきだと考えますが、これについていかがお考えか、ちょっと聞かせていただきたいと思います。

外口政府参考人 給付率の変化に伴って医療費水準が変化する、いわゆる長瀬効果の検証についてでございますが、最近では、平成十五年四月に被用者本人の患者負担割合を二割から三割に引き上げたことに伴い、一人当たり医療費が四・二%低下した事例があります。

 また、患者負担を引き下げた事例としては、老人医療費無料化前の昭和四十六年九月から、無料化後の昭和四十八年十月にかけて、国民健康保険の高齢者以外の一人当たり医療費が一・四倍であったのに対して、高齢者の一人当たり医療費は二・四倍であった事例があります。

 この長瀬効果につきましては、給付率の変更を伴う大きな改正を行った際には必要に応じて見直しを行っており、今後も大きな改正が行われる際に検証を行っていきたいと考えております。

宮崎委員 今のお答えは、長瀬効果には十分な根拠があるというふうに言われたいんだと思いますが、やはりこれまで、専門的な経済の、そういう例えば計量経済とかマクロモデルを回しているような方々から言わせると、先ほども言ったとおり、二次関数で想定しているんですけれども、そんな単純な式では到底出ない、「この理論的な背景もない素朴な関係式」というふうに言われているわけですよね。

 実際、それは何か起こると思いますけれども、やはり算定は余りに過大じゃないか。つまり、医療費亡国論みたいなものを展開させるがために無理やり抑えているんじゃないか、この式を使い続けているんじゃないかという指摘もあるということでございますので、これについては、ぜひ、今言われたようなことではなくて、根本的な改善が必要だと思いますので、よろしくお願いします。お答えは要らないです。

 二点目なんですけれども、今も、子供とか重症心身障害者、母子家庭等を対象にした医療費の無料化とか自己負担の引き下げというのは、多かれ少なかれ、大半の都道府県で既に実施をされているわけです。しかも、都道府県や市町村も巨額な財政投入を行っているわけで、安易にそれが導入されるという状況でもないわけですよね。

 この際、長瀬効果みたいなものを理由とした国庫負担の減額というのはやめるべきじゃないか。それぞれの都道府県や市町村が独自の費用でやっているわけでしょう。それは、それぞれの都道府県や市町村の方が納めた税金で入れているわけですよ。だから、ただ乗りしているわけじゃないんですよね。多少それはふえるということもあるかもしれませんが、ちょっと、これで減額するというのは余りにひどいんじゃないか。しかも、均てん化されて、ほとんどの自治体で何らか既にやっているということであると、これはちょっといかがなものかというふうに思います。

 この際、長瀬効果というものを理由とした国庫負担の減額はやめるべきじゃないか。また、後で還付される償還払いなら減額されないけれども窓口で払わなかったら減額されるというのも理屈が通らないように思います。

 この点、今度、消費税が上がる一体改革という話になれば、その消費税の上がり、これは一体特でもいろいろ出ましたけれども、それを県の、あるいは自治体の独自の財源に回せるわけでしょう。国費でやるわけですよ、無料化とかを。結局、最後は同じところをぐるぐる回るようになるんです。そのときにペナルティーをかけるというのは、国から、消費税を取ってそれを回して地方でやってくださいというのに、それをやるとペナルティーをとるというのはちょっと理屈も通らないので、ここはぜひ改善をお願いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。

藤田大臣政務官 地方単独事業にかかわる国保の国庫負担の調整についてお尋ねをいただきました。

 先ほどから、長瀬効果は実態に合っていない、こういう御指摘でもございましたけれども、現段階では、一般的に、医療費の窓口負担を無料化した場合には、しない場合に比べて医療給付費が増加をし、これに対する国庫負担が増加をすることになります。このため、国庫負担については、限られた財源の中で公平に国庫補助を配分する観点から、無料化している市町村についても、無料化を実施していない市町村と同じ補助となるように補助額を調整しているものでございまして、委員のせっかくの御指摘でございますけれども、このような調整措置は必要と今の段階では考えております。

 一方で、これも御指摘ありました、乳幼児や障害者に対する医療費助成を現物給付で実施している自治体というものは大変増加をしてきております。窓口負担の減額幅や対象範囲、これはそれぞれの自治体でさまざまでございまして、この調整措置については、市町村間の公平の確保などについてもあわせて考えなければならない、いろいろな面がございます。

 しかし、大事な、検討が必要な課題である、このように認識をしているところでございます。

宮崎委員 大変難しい課題であることは理解しつつも、やはり実態とかけ離れていて、それだけペナルティーをかける、まあ、ペナルティーをかけること自体はよしんば仕方ないとしても、額が余りに過大過ぎるという指摘はやはり真摯に受けとめなければならないと思います。

 特に、重症心身障害者、この部分を無料化するのにペナルティーをかけるというのは余りに余りなことじゃないか。多くの自治体で多かれ少なかれ無料化しているんです、窓口で取るか還付をするかは別として。でも、重症心身障害者の方が、窓口で取るのと還付を受けるので、そんなに違いますかということなんですね。そんなに安易な受診とかが起こりますかということなんです。

 常識的に考えて、そんなことはないと思いますし、統計の関係の学者さんもそんなことはないというふうに言っているわけで、そこについては、お答えは要りませんけれども、今後、本気で改善に取り組んでいただきたい。これは自民党政権下でもずっと問題になっていたことのようですから、中期的な課題としてもぜひ解決をしていただきたいというふうに思います。

 続いて、医療国際交流の推進について、残りの時間で伺いたいと思います。

 近年、日本の将来ビジョンの有力な柱として国際医療交流というものが注目をされておりまして、医療観光とかメディカルツーリズム等で言われることもあるんですけれども、医療観光とかメディカルツーリズムといいますと、どうしても、利益の優先、経済優先、そういったニュアンスが出てきてしまう。

 そういう狭い考え方にとどまらずに、国際医療交流ということで、海外の方が日本で診療を受けられるように、また、日本式の診療というものを海外でも受けられるようにということにして、国民皆保険を中心に発展した世界に冠たる日本の医療、これを世界に展開していく、日本の医療をスタンダードとして世界展開する。そして、ただ経済だけではなくて、これを、国際貢献や人道的な協力という面も含めて、日本の国際的な地位を高めて、確固たる日本の存在感をアピールするという方向性に持っていくべきだというふうに思います。

 もちろん、結果的にこういうことが経済成長につながれば、それはそれですばらしいことであるというふうに思っています。

 国際医療交流については、経済産業省、観光庁、そういったところがそれぞれ取り組んでいるわけですけれども、事は医療のことですので、そもそも厚生労働省が中心になって主体的に取り組むべきだというふうに私は思っております。

 しかるに、やや厚労省の存在感が薄いということは否めません。担当者もお一人しかいないというふうに伺っております。専門的な担当の部署もございません。厚労省の熱意というのが特に国内の医療関係者に十分伝わっていないということがありまして、医療関係者、医療現場が二の足を踏む、何となく、厚労省も余り熱心じゃなさそうだし、余りやっても損するのかなみたいな感じが蔓延しているような気がするんです。

 その上で、質問ですけれども、国際医療交流の現状、それから今後の取り組みについて伺いたいということ。また、あわせて、厚労省としての決意、熱意を伺いたいというふうに思います。また、専門の部署というものをきちんと設置する、あるいは、少なくとも担当者をふやして、これについて戦略的な目標のもとで取り組んでいくというふうに考えますが、いかがでしょうか。

    〔委員長退席、柚木委員長代理着席〕

大谷政府参考人 お答え申し上げます。

 新成長戦略におきましても、今お話のありました国際医療交流が成長分野として位置づけられております。医療を受けることを目的に来日された外国の方々が必要な医療を受けやすくする環境を整備することは重要だというふうに思います。

 厚生労働省としましては、この国際医療交流を目的に訪日する外国人に加え、例えばビジネス等で来日された外国人や日本に在住される外国人が安心して医療機関を受診できるように、外国人患者の受け入れに資するべく医療機関認証制度というものを本年度より開始したところでございます。

 また、本年六月に取りまとめられました医療イノベーション五カ年戦略、これにおきましても、医療サービスと医療機器が一体となった海外進出による海外への市場拡大の推進というものが位置づけられております。海外進出の重要性についても私どもも認識しているところでございます。

 ただ、御承知のとおり、外国人患者の受け入れに当たりましては、国民に対する医療の確保が阻害されてはならない、こういうことにも十分注意する必要があるわけでありますが、厚生労働省としまして、さっき担当一人とおっしゃいましたけれども、関係部署が多岐にわたって、それぞれの部署に担当者がいるわけでありますが、まずはその連携の強化をして臨みたいというふうに思います。また、経済産業省や観光庁など関係省庁とも連携して、今後とも医療の国際交流に取り組んでいきたいと思います。

宮崎委員 この国際医療交流というもの、特に海外の患者さんを受け入れるということについては、結局、こういったことが自由診療の拡大につながって、国民皆保険を崩すんじゃないかみたいな恐怖感もあるんだと思うんですよね。そういった意味で、医師会さんなんかも余り熱心ではないというのは事実だと思います。

 しかし、私はそれはちょっと間違っていると思いまして、逆に、日本の医療制度、日本の医療システム、これはアメリカより全然進んでいると思いますから、こういったものを世界にある意味展開をしていく、そういったことが結果的に経済的なものにもつながるというようなことで取り組んでいただきたいというふうに思います。

 第二点目なんですが、関連で、医療滞在ビザ、これがつくられたということですが、利用者が極めて少ない、十分機能していないんじゃないかというふうに思っておりまして、現状をどう捉えているでしょうか。制度に問題があるんだったらぜひ改善をして、より多くの患者さんに活用していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

沼田政府参考人 お答えいたします。

 昨年一月、医療滞在ビザを創設いたしました。先生御指摘のとおり、昨日現在までで百六十一件のビザを発給してございます。その数字が胸を張って言えるような大きな数字ということは言えないとは思っております。

 この百六十一件中、一番多い国は中国、約半数が中国の方であります。その次、三割がロシア。そして、十二名ほどがグルジアという非常に遠い国からお越しいただいています。グルジアの場合には、お医者さんががんにかかって、日本で治療したいということで、治療して成功しました。そのお医者さんが口コミで相当いろいろ、日本で治療した方がいいよという話があって、十二名、第三位の数字になってございます。

 この数字がなかなか伸びないというのは、私どもは、通訳等の受け入れインフラが整っていないというところにあるのかなと考えてございます。こうした受け入れインフラを整備していくためにも、関係省庁と協力しながら、今後努力をしていきたいと思っておるところでございます。

宮崎委員 西村さん、多分、外務省にいられたときにつくられた制度だと思うんですよ。一年半たって百六十件というのは、やはりちょっと少ないんだと思うんですよね。多分、これは付き添いの人もいますから、患者さん本人だと百人ぐらいしかいないんですよ、一年半で。もちろん、周知されていないとかいろいろな理由があるかもしれないけれども、やはり制度的に何か使いにくいんじゃないかと思います。私は専門家じゃないので、そこははっきり言えないんですけれども、最初に期待されたのは、少なくともその数倍は期待されていたんだと思うので、ぜひこれは、厚労省と外務省の方で連携をしていただいて、もうちょっと使いやすいものに直していただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いします。

 それから、最後に、今の関連です。日本側のいわゆる国際医療交流の受け入れ窓口、受け入れだったり、あるいは海外に進出というところも含めてですけれども、入ってくる、あるいは出ていくということの窓口として、経済産業省等が主導して、医療機関や医療機器メーカー等、あるいは薬剤のメーカー等、あるいは通訳とか受け入れ支援機関とか銀行とか商社とか、関連する民間の皆さんを集めまして、メディカル・エクセレンス・ジャパンという団体を創設したというふうに聞いております。

 経産省が中心に設立をして、いわゆる政府のお墨つきのある団体としてスタートさせたというふうに伺っているんですけれども、厚生労働省の方もこういったものに積極的にかかわっていくことが必要ではないか。どうしても、民間ですから、お金もうけ、利益、経済ということもありますけれども、やはり厚労省的な観点で、国民の、国民だけじゃないですね、世界の人たちの健康を守る、命を守るというような観点でかかわっていくべきだというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

 また、日本が世界を牽引している分野というのが先進医療であると思うんですが、日本の医療を世界に広げていくためにも、外国人患者の受け入れ等に、こういう先進医療分野についてはある意味優遇措置を与えて誘導していくべきではないかというふうに思っております。これについて御見解をお伺いしたいと思います。

大谷政府参考人 国際医療交流について、私ども、経済産業省とも連携を図っているところでありまして、その中で、メディカル・エクセレンス・ジャパン、今御指摘がありましたこういった団体の取り組みも承知しているところであります。厚生労働省としましても、この団体について必要な協力は行っていきたいというふうに思います。

 それから、外国人の患者の受け入れでありますが、先ほど入国の問題については医療滞在ビザというのもありましたけれども、その前の答弁で申し上げました医療機関認証制度というもので、外国の方が安心して医療機関を受診できるような形をつくる、こういうことで、政府一体となって環境整備を進めているところであります。

 それから、先進医療について、外国人の患者さんについて優遇してはどうかという御意見がございました。これも貴重な御意見と承りますが、一方で、先進医療につきましては我が国の国民も非常に強い期待を持っておられるわけでありまして、こういった国際交流医療の推進と我が国の国民の医療の確保、調和を持って進めていかねばならないというふうに考えております。

宮崎委員 時間になりましたので、質問を終わらせていただきたいと思います。

 大変盛りだくさんになりましたけれども、今の点、もう一つ、国際医療交流については、本当に、厚生労働省と経済産業省と外務省と観光庁と、いろいろ取り組んでおりますが、それぞれに垣根が高い。大学病院もあるから、文部科学省もあるんです。正直言いまして、大学病院なんかで、経済産業省の関係のこういう政策で来ましたなんて言うと、経産省の関係の人間なんか足を踏み入れるなということで、門前払いみたいなこともあるんですよね。

 やはり、そういうそれぞれの縦割りというか垣根の高さはあるんですけれども、このメディカルイノベーションみたいなものを日本の再生の柱にしていこうという国家的な決定、決意の中で行っていることですので、ぜひ、皆さん連携して、前向きに、そして、ただお金だけではなくて、世界の人たちの命を日本が守る、日本のすばらしい医療を世界に広げていくという観点からお取り組みをお願いします。

 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

柚木委員長代理 次に、初鹿明博君。

初鹿委員 民主党の初鹿明博です。

 今回、このように質問の機会を与えていただきまして、まずは御礼を申し上げます。ありがとうございます。

 今ちょうど社会保障と税の一体改革の議論が進められておりますが、なぜ一体改革かというところで考えると、少子化が大変な問題だと。長妻先生などはよく、今までの騎馬戦型が将来は肩車型になる、だから幅広く税を取れる消費税にというお話をされております。また、私や先ほど質問された宮崎議員のように慎重派の議員からは、このデフレのときに消費税を上げて景気は大丈夫なのか、そういう指摘をさせていただいているわけですね。

 この少子化とデフレ、両方考えてみたときに、まず少子化でいえば、何で少子化かといったら、やはり二十代、三十代の若い人たちが安定した仕事についていない、非正規で働いている、賃金が安い、だから結婚もできないし子供も産めないということなんじゃないかというふうに思うんですね。これは大きな要因だと思います。

 では、もう一方のデフレということを考えたときも、やはりこれは国内で消費が伸びないということが日本の経済に大きな影響を及ぼしているわけであって、では何で国内で消費が伸びないかといえば、これも、雇用が不安定で賃金も安いということが消費意欲を減退させているし、現実的にお金が使えない。

 そういうことを考えますと、少子化やデフレ、まさに今の日本が抱えている最大の問題の二つを解消する上では、雇用の安定を図っていくということは非常に重要であるということが言えると思います。そういう点では、今回の法案、有期雇用を無期に転換して、安定した雇用に導いていくという非常に意義のあるものだと思います。

 ただ、先ほどもどなたかから御指摘がありましたが、少々残念なことは、雇用の原則というのは基本的に私は期間の定めのない直接雇用であるべきだと思っておりますので、この合理的な理由のない有期労働契約自体を制限する入り口の規制が設けられなかったということは残念だなと思います。

 また、これも指摘がありましたが、無期への申し込みができる有期労働の労働契約の期間が五年、これもいささか長いんじゃないか。外国の例、幾つか挙げられておりましたが、フランスで一年六カ月、ドイツが二年、オランダが三年、隣の韓国が二年、長いイギリスでも四年、こう比較をすると、五年というのはやはり長いなと言わざるを得ません。この点については今後の検討の課題だということで、今回は質問はいたしません。

 ただ、労働政策審議会の中で、労働者側と使用者側で大変大きな隔たりがあって、そこを何とか合意したということでは評価もいたしますし、やはり、そうはいっても、無期に転換する仕組みというものが今まで規定されていなかった結果、行き過ぎた、そしてふえ過ぎた有期労働契約に一定の歯どめをかけるということにつながるわけですから、これは大きな一歩であるということをまずは評価をいたしまして、質問に入らせていただきます。

 では、まず、今回の無期転換の仕組みの立法趣旨についてお伺いをいたします。

金子政府参考人 お答え申し上げます。

 有期労働契約は、契約期間の満了により終了するものであり、次回の更新の保証もないことから、更新による雇用の継続を希望する有期契約労働者にとりましては、雇いどめを恐れて萎縮し、年次有給休暇取得など労働者としての正当な権利行使をためらう問題や、労働条件について交渉力が弱く、低い処遇に固定化される問題などがあります。

 無期転換ルールは、このような問題があることに鑑み、有期労働契約が長期間反復更新された場合について、その濫用的な利用を抑制し、雇用の安定を図るため設けるものとしたものでございます。

初鹿委員 有期にしろ無期にしろ、労働契約というのは契約ですから、本来なら双方の合意に基づいて契約が成立するものと思われますけれども、今回の改正で、有期労働契約が通算五年を超えた場合に、労働者が申し込みをしたときは、当該申し込みを使用者が承諾するものとみなすというふうに規定されています。

 ここで確認させていただきますが、申し込みがあった場合、使用者の承諾がなくとも直ちに無期契約が成立することになると理解をしますが、この無期転換の申込権の法的性質についてお伺いいたします。

金子政府参考人 お答え申し上げます。

 今回新設する期間の定めのない労働契約への転換の申込権は、労働者の一方的な意思表示によって期間の定めのない労働契約への転換という法的効果を生じさせる権利、いわゆる形成権として立法化をされたものでございます。

 したがって、労働者から申し込みがあれば、使用者による承諾行為が改めて行われなくても、期間の定めのない労働契約に転換されます。

初鹿委員 こういうルールなんですけれども、労働者側がきちんと認識をしていないと、なかなかこの申込権も使われないことがあるんじゃないかと思うんですね。

 当該五年を超えて有期労働契約を締結している労働者が、無期の申し込みを行わずにこの労働契約が終了し、クーリング期間は置かずに、新たに次の有期労働契約をまた同一の使用者と締結した場合、申込権はこの有期労働契約を締結するその都度その都度発生をする、そういう理解でよろしいんでしょうか。

金子政府参考人 お答え申し上げます。

 無期転換の申し込みの権利は、有期労働契約が更新をされ、契約期間の通算が五年を超える場合に行使できる権利であり、通算五年を超える有期労働契約の契約期間の満了日まで行使可能です。

 前の労働契約の期間中に申込権を行使しなかった場合でも、その有期労働契約が更新をされて新たな契約期間が開始したときは、その新しい有期労働契約の契約期間の満了日まで申込権の行使が可能となります。

初鹿委員 つまりは、五年を超えて、更新がずっと続いていれば、どこかの段階で申し込めば無期に転換できる、そういうことですね。

 では、逆に、今度は、五年を超えて有期労働契約を締結する労働者が、申込期間は期間の満了する日までとなっていますけれども、その期間が満了する日までに申し込みをするということを気がつかずに期間が満了してしまいました。ああ、申し込んでおけばよかったなということで、期間終了後に申し出をして紛争になるということが起こり得るんじゃないかと思うんですね。

 そういう紛争を防止する観点からも、例えば行政指導とかモデル労働条件通知書の活用や、また、労働者が申込権の発生を認識するように最初からしておくべきだと思うんですが、いかがでしょうか。

 また、契約を締結する段階で、あらかじめ無期転換について申込権を放棄させて契約をするような使用者が出てくるということも予想されます。最初から、無期に転換するという申し込みはしないよ、それを認めないと契約できませんよ、そういうことがもしかしたら起こってしまうかもしれません。

 このようなことは、私は、脱法行為であって立法趣旨に反すると思うんですけれども、こういう脱法行為は無効であるということを確認したいと思います。

    〔柚木委員長代理退席、委員長着席〕

西村副大臣 有期労働契約で働く人に、通算契約期間が五年を超えれば無期転換の権利を得られること、その権利は契約期間の満了日まで行使できることを知っていただくことは重要なことであります。

 厚生労働省としては、このような新しいルールの内容が有期契約労働者の方にきちんと伝わるよう、労使とも連携を図りつつ、わかりやすいパンフレットを作成、活用する等により、制度の周知を徹底したいと考えております。

 その際、あわせて、モデル労働条件通知書を活用することについても検討したいと考えています。

 また、有期契約労働者が、無期転換の申込権が発生する契約の締結以前に申込権を放棄することを認めることは、労使の交渉力の格差を背景として、使用者が事実上、権利の放棄を強要する状況を招きかねず、新設される労働契約法第十八条の無期転換ルールの趣旨を没却するものとなる問題があります。このため、無期転換の申込権を事前に放棄する旨の労働者の意思表示は、公序良俗に反し、無効と解されます。

初鹿委員 ありがとうございます。

 今、非常に重要な答弁だったと思います。申込権を契約の段階で放棄させるということは公序良俗に反して無効だということですので、つまりは、通算で五年を超えた有期契約の労働者は必ずこの申込権を持っていることになるということだと思います。

 これは非常に重要なことで、やはりここが担保されないと、なかなか、使用者側からすると、なるべく無期に転換させないようにという、でも、その一方で、雇いどめということで社会的な批判を浴びたくないということを考えたときにこういうことをする、そういう使用者が出てきかねないので、これは、今非常に重要な答弁だったということを重ねて申し上げさせていただきます。

 次に、これも考えられることなんですが、この無期転換の仕組みを、最初から適用逃れしようとして、今までは直接雇用の有期労働契約で契約していたものを、例えば派遣を利用したり、また、業務請負というような形で契約をして、最初から、有期から無期にということとは外で仕事をさせることによって適用逃れをする、そういう事業者も出てくることが考えられます。やはりこういう行為も、私は、脱法行為で、許されるべきものではないと思います。

 また、こういう無期転換の回避を行うことにブレーキをかけると、やはり雇いどめも横行してしまうんじゃないかというふうに思うんですね。こういう雇いどめに対しても十分に防止策を講ずる必要があると考えますけれども、いかがでしょうか。

西村副大臣 同一企業において、無期化を免れる意図のもとに、実態が変わらないまま、派遣形態や請負形態を偽装して、形式的に使用者をかえたにすぎないと認められるようなケースについては、法を潜脱するものとして、通算契約期間としてカウントされるべきものと考えており、通算で五年を超えれば無期転換の申込権が生じるものと考えています。

 無期転換ルールを設ける趣旨からも、通算契約期間が五年の時点での雇いどめをできるだけ抑制しつつ、より安定的な雇用形態としての無期労働契約に転換させていくことが望ましいと考えています。

 このため、制度面での対応として、今回の法律案では、判例法理である雇いどめ法理の法制化を盛り込んでいます。これにより、五年の時点でも雇いどめが無条件に認められるわけではないことが法文上も明らかとなります。

 また、有期労働契約の更新の判断基準について、労働基準法に基づき、書面の交付により明示を行うよう義務づけることを予定しており、不意打ち的な雇いどめの防止にもつながるものと考えています。

 さらに、五年到達時に雇いどめされずに無期労働契約への転換が円滑に進むよう、有期契約労働者や無期転換後の労働者のステップアップに取り組む事業主への支援、業種ごとの実情に応じた無期転換のモデル事例の開発、収集及び周知、広報など、必要な政策対応を検討、実施していきたいと考えております。

初鹿委員 ありがとうございます。

 不更新条項について質問しようと思っていたんですが、先ほど阿部委員の方から詳しく質問があったので、ここは飛ばさせていただいて、次に、有期から無期へ転換した場合の労働条件についてお伺いをいたします。

 本法案では、十八条で、別段の定めがある部分を除き、無期転換したときの労働条件は、現に締結している有期労働契約と同一の労働条件とすることとなっております。別段の定めがある部分を除きということと、有期労働契約と同一の労働条件、この二つがキーワードなんだと思うんですね。

 これだけ聞くと、先ほどどなたかからも質問がありましたけれども、正社員の方がいて、有期から無期に転換した、期間の定めはないけれども正社員ではない労働者がいて、有期の労働者がいてと、何となく三層構造になってしまうおそれがあるんじゃないかなということを一つ懸念するんですね。

 それはさておいて、まず、別段の定めがある部分を除くということですけれども、別段の定めがある場合は同一でなくてもいいということですから、これは労働者の側の方が、先ほど最初の答弁で、交渉力が弱くて低い処遇に固定化される問題があるという答弁をされていたとおり、交渉力が弱いわけですよ。では、別段の定めで労働条件が引き下げられるということも大いに考えられるわけですね。

 また、同一の労働条件ということですが、先ほど指摘をしたとおり、有期労働から無期にいっても労働条件は変わりません、正社員とそこで差があります、同一でいいんだということが余りにも強調されますと、低い処遇のまま固定化されて、そのままでいいんだ、そういうことにも聞こえかねないんですね。

 ですから、ここで確認をさせていただきますが、まず、別段の定めがある場合を除くという規定によって従前の労働条件を下回るような契約がされて、それを条件に無期転換への申し込みを求められたりすることが法の趣旨に沿うものなのかどうかということをお伺いいたしたいと思います。

 また、これはこれまでの就業規則法理の変更をするものでないこと、また、立法趣旨からすれば、無期化に際しての労働条件は従前を下回らないようにするべきだと思いますが、御見解をお伺いいたします。

西村副大臣 有期労働契約が五年を超えて反復更新された場合に無期労働契約に転換する権利を設定するに際し、期間の定め以外の労働条件を確定する必要があることから、別段の定めがある場合を除き、従前の労働条件と同一の労働条件とすることにいたしました。

 新設される第十八条の無期転換ルールの規定が、労働契約の締結時に、使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合には、労働契約の内容は、その就業規則で定める労働条件によるものとするルールなど、労働契約法第七条から第十条までに定められている就業規則法理を変更することになるものではありません。

 また、第十八条の立法趣旨を踏まえれば、従来の有期労働契約と職務の内容などが同一であるにもかかわらず、無期転換後の労働条件を従前よりも低下させることは、本制度による無期転換を円滑に進める観点から望ましいことではなく、改正法の解釈通達や周知のためのパンフレット等でその旨を記載し、周知を徹底していきたいと考えています。

初鹿委員 先ほども指摘をしましたが、有期が無期になっていくわけですけれども、やはりここで労働条件が変わらないままで、正社員化が進まないということ、これが固定化されるというのは余り望ましいことではないと思うんですね。やはり理想は、期間の定めがあるかないかということだけではなくて、処遇の面でもしっかりと改善が図られて、正社員になっていくということが私は理想だと思うんですね。

 ですので、無期転換のルールを立法化することとあわせて、やはり処遇の改善や正社員化の促進に向けて行政としても総合的に取り組む必要があると思いますが、いかがでしょうか。

西村副大臣 お答えいたします。

 大臣もたびたび答弁をしているフレーズですけれども、とにかく一歩ずつ前に進めるということで、今回の改正法におきましては、雇いどめ法理の法定化を初めとして、さまざまな一歩前に前進させる中身を含んでおります。

 しかし、御指摘の点も非常に理解させていただいておりますところ、答弁をいたしますと、無期転換によって、使用者との間で交渉力が向上し、継続的な能力形成も容易となるなど、処遇の改善、ひいては正社員化に向けたステップアップにつながるということから、無期転換ルールは正社員推進の基盤となるものと考えています。

 また、処遇の改善や正社員化の推進をさらに促していくことは重要なことでありますので、労働者の正社員への転換やステップアップに取り組む事業主への支援などの施策を総合的に、ここは契約法に限らないことだと思います、総合的に検討してまいりたいと考えております。

初鹿委員 昔の日本の企業は、企業内で社員を教育して、スキルアップを企業の中でどんどん図っていっていたんだと思うんですね。それが今は、そういう企業の中で教育をするコストをできるだけ削減しようということと、あと、根本的に人件費を下げようということで非正規が進んで、場合によっては使い捨てのように人が切り捨てられる、そういう習慣が根づいてしまっているというふうに思いますので、ぜひ正社員化に向けて努力している企業は評価をして後押しするような、そういう取り組みを進めていただきたいと思います。

 次に、今回の改正では、二十条で、期間の定めのあることによる不合理な労働条件を禁止するという規定が設けられました。これは無期転換とあわせて非常に大きな意義のある条文だというふうに思っております。

 しかしながら、条文を読むと、不合理なものであってはならないと書いてあればわかりやすいんですけれども、「不合理と認められるものであってはならない。」とちょっと回りくどくて、これで民事的効果がある条文なのかな、場合によっては読み込めないということもあるんじゃないかと懸念をしているところです。

 また、そもそも何が不合理な労働条件なのかということも非常にわかりづらいですね。これは、お互い、労働者側も使用者側も、何をもって合理的で何をもって不合理なのかというのがわかりづらいというふうに思うんです。例えば、通勤手当があるとかないとか、また、社員食堂の利用ができるとかどうかとか、そういうことが党の会議でも例として出されておりましたけれども、どのような処遇が不合理な労働条件とされると考えているのか、お答えをいただきたいと思います。

 また、法的な効果として、この条文に違反をして、不合理な労働条件だとなって、無効だとなった場合に、その損害賠償の責任が発生をするのか、もしくは比較対象となった労働条件との差を補充する効果もあるのか、お答えをいただきたいと思います。

金子政府参考人 大きく二つお尋ねがございましたので、まず前段の方の、どのようなことが期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止に当たるのかということでございますが、この条文につきましては、有期契約労働者の労働条件が不合理であると認められるか否かにつきましては、職務の内容や配置の変更の範囲等を考慮して判断されるというふうになっております。

 このため、職務や長期的な人材活用の仕組みと直接関係しないようなそういう労働条件に関しましては、先ほど議員からも御指摘がありましたけれども、通勤手当のようなものについては、その手当の性格上、有期、無期との間で支給、不支給の差を設けることは、かなり特段の理由がない限り、合理性が認められないのではないかというふうに考えております。

 いずれにいたしましても、こういった職務の内容でありますとか配置の変更の範囲等を考慮して、個々具体的にその相違について判断をしていくことになります。

 それから、二点目のお尋ねでございますが、この条文の効果ということでございます。

 新設されます第二十条の規定は、民事的効力のある規定であると考えます。

 具体的には、本条により不合理とされた労働条件の定めは無効となると解され、故意、過失による権利侵害、すなわち不法行為として損害賠償が認められ得るものと考えます。

 この規定により、不合理であり無効とされた労働条件がどうなるかについては、基本的には、無期契約労働者と同じ労働条件が認められるものと考えます。

初鹿委員 つまりは、例えば通勤手当の例で言いますと、通勤手当を出さないという契約をされていた場合に、これは不合理だということが例えば一年働いたところで認められるということになった場合は、一年分、今まで通勤手当をもらえていなかった、自己負担していた部分を損害賠償請求して、それが戻ってくる、弁済されるということでよろしいわけですよね。

金子政府参考人 今取り上げていただいた内容については、御指摘のとおりだというふうに考えます。

初鹿委員 それでその先もきちんと通勤手当が保障されることになるというのが差を補充するという効果だというふうに思いますので、この条文も有期の労働者の方々の条件を引き上げることにつながる非常に重要な条文だと思いますので、わかりづらい部分もありますから、その部分は、厚生労働省としても、労働者側にも使用者側にもわかりやすく説明をしていくように努めていただきたいと思います。

 そうはいっても、不合理な労働条件といった場合に、では、この不合理な労働条件が、不合理なのかどうかということを労働者側が立証するということになると、これはなかなか困難なんだと思うんですね。職務内容や責任の程度の重さなどについてということでしたけれども、そういうことを労働者の側が、どんな差があるのかというのを掌握するのは非常に難しいと思います。

 労使間の情報力の格差というのでしょうか、そういうことを踏まえた上でも、不合理であることの証明責任を労働者側に不当に負わせるべきではないというふうに考えますけれども、この点についてはどのようにお考えなんでしょうか。

金子政府参考人 お答え申し上げます。

 改正後の第二十条の「不合理と認められるものであってはならない」という要件は、一定の事実の存否が問われる一般要件事実とは異なり、客観的にそういう状態にあると評価されることを要件とする、規範的要件と呼ばれる要件であります。

 このような規範的要件についての裁判上の立証につきましては、一方当事者が全ての責任を負担するものではなく、本条で言えば、労働者がまず不合理な労働条件について主張、立証した場合には、使用者がそれに対してそれを覆すための主張、立証を行うなど、双方が主張、立証を尽くした結果が総体として評価されるものです。

 このため、立証の負担が労働者側に不当に負わされることにはならないと考えております。

初鹿委員 少々時間が余っておりますが、用意していた質問はこれで終わりになります。

 最後に、ちょっと一言申し添えさせていただきますが、今回のこの労働契約法は民間の企業の間のものでありますが、厚生労働省を初めとして、各省庁にも多くの非正規の労働者の方が働いておりますし、地方自治体もこの最近の行革の流れの中で非常に多くの非正規の労働者が働いております。そしてまた、この地方自治体で働いている非正規の方の処遇は非常に悪い場合が多いんですね。

 ですので、この自治体の非正規、また役所の非正規の労働者の問題についても、今後、労働条件が改善する方向で検討を進めていただきますようにお願いを申し上げまして、本日の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

池田委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

池田委員長 速記を起こしてください。

 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

池田委員長 この際、本案に対し、高橋千鶴子さんから、日本共産党提案による修正案が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。高橋千鶴子さん。

    ―――――――――――――

 労働契約法の一部を改正する法律案に対する修正案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

高橋(千)委員 ただいま議題となりました労働契約法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、日本共産党を代表し、その趣旨を御説明申し上げます。

 二〇一一年平均で、正規職員、従業員は三千百八十五万人と、前年と比べ二十五万人減少する一方で、非正規職員、従業員は千七百三十三万人と四十八万人増加しています。雇用者に占める非正規の割合は三五・二%と拡大傾向が続いています。

 非正規労働者の約七割、一千二百万人にも上ると推計される有期契約労働者は、年収二百万円未満が七四%を占めるなどの低賃金や、正規雇用労働者との差別的な処遇格差が大きな課題となっていました。二〇〇八年秋のリーマン・ショック以降、雇いどめや解雇が激増する中で、使い捨てを許さないための有期労働契約の締結事由の制限や均等待遇の確保など、抜本的な規制強化が待ったなしとなっています。

 政府案は、有期労働契約の規制に初めて踏み込むものとして注目されていました。しかし、入り口規制は見送られました。五年を超えて有期労働契約が反復更新された場合に無期雇用に転換させる仕組みは創設するものの、クーリング期間を挟むことで契約期間の通算を回避し、事実上、無期雇用転換制度を機能させずに有期労働契約を利用し続けられるなど、さまざまな問題があります。

 日本共産党は、こうした政府案の問題点や不十分さを改め、真に有期契約労働者の雇用の安定に資するために必要な措置を講ずるため、この修正案を提出した次第であります。

 以下、この修正案の主な内容について御説明申し上げます。

 第一に、題名を労働契約法及び労働基準法の一部を改正する法律に改めることとしております。

 第二に、労働契約は期間の定めのないものとして締結することを原則とし、有期労働契約は、臨時的または一時的な業務に係るものに限るなど、有期労働契約の締結事由に規制を設けることとしております。

 第三に、いわゆる雇いどめ法理の規定について、労働者からの有期労働契約の更新の申し込みを要件とせずに、労働契約が更新されたものとみなすこととしております。

 第四に、有期労働契約の契約期間について、契約を更新した場合の全ての契約の通算期間が一年を超えたときは、通算期間が一年を超えた日以後においては期間の定めのない労働契約とみなすこととするとともに、みなされた労働契約の内容である労働条件は、同一の使用者と期間の定めのない労働契約を締結し、同種の業務に従事する労働者と同一の労働条件とすることとしております。また、クーリング期間に関する規定を削除することとしております。

 第五に、期間の定めがあることによる労働条件の相違に関して考慮すべき事項から、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を削除することとしております。

 第六に、有期労働契約の期間は原則一年を上限とし、また、専門的知識等を有する労働者との間に締結される有期労働契約の契約期間の上限について五年から一年に改めるよう、労働基準法第十四条を改正することとしております。

 最後に、検討条項について、検討時期を施行後八年から施行後三年に改めることとしております。

 以上であります。

 何とぞ、御審議の上、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

池田委員長 以上で修正案の趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

池田委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、順次これを許します。高橋千鶴子さん。

高橋(千)委員 ただいま議題となりました労働契約法の一部を改正する法律案に対し、日本共産党を代表し、反対の立場から討論します。

 有期契約労働者は、推計で一千二百万人、今や全労働者の四人に一人が有期という状態です。

 二〇〇八年秋のリーマン・ショック以降、派遣切り、非正規切りの嵐が吹き荒れるもとで、短期の雇用契約を繰り返したあげく雇いどめされたり、何年働いても昇級も昇格もなく低賃金のまま、その七四%が年収二百万円以下など、有期契約労働者の不安定な働かされ方が大きな社会問題となっています。

 こうした有期契約労働者の不安定な雇用を改善するため国はどのような対策を講じるのか、時間をかけてしっかり議論することこそ求められています。ところが、これほど多くの国民が影響を受ける法案を、わずか三時間二十分の審議で、当事者の声も聞かずに採決を強行するなど、断じて認められません。

 法案は、有期労働契約の締結事由に関する規制、いわゆる入り口規制の導入を見送りました。これでは、基幹的、日常的に存在する業務であるにもかかわらず、多くの有期契約労働者が人件費抑制のためという企業の都合で正規雇用の代替とされている現状を改善することはできません。

 五年を超えて有期労働契約が反復更新された場合に無期雇用に転換させる仕組みが盛り込まれました。しかし、従前と同一の労働条件としたために処遇改善につながらず、有期労働者と正社員の間に新たな階層を生み出すことになります。その一方で、有期労働契約の更新の間に一定の空白期間があれば契約期間を通算しないクーリング期間を設定しました。クーリング期間を挟めば、繰り返し有期労働契約を結んでも、無期雇用への転換が求められる五年の通算期間を意図的に避けることが可能であり、事実上、無期雇用転換制度を機能させずに有期労働契約を利用し続けられることになります。

 さらに、切実に求められていた均等待遇原則については、不合理と認められる中身が曖昧であるばかりか、職務の内容や配置の変更の範囲等を考慮との規定によって、対象となる労働者が極めて狭い範囲にとどめられる懸念が大きく、実効性に欠けると言わざるを得ません。

 述べてきたように、人間らしい働き方の実現を願う労働者の期待を踏みにじるばかりか、雇用契約は有期が基本という国家戦略会議フロンティア部会の方向性に足並みをそろえるような本法案は、断じて認められません。

 以上、反対討論といたします。

池田委員長 次に、阿部知子さん。

阿部委員 私は、社会民主党・市民連合を代表して、労働契約法の一部を改正する法律案に反対の立場から討論をいたします。

 一九九〇年代半ば以降、急速に増加した非正規労働者は、今や全雇用労働者の三分の一に達しており、希望を持って働くはずの若者や日本経済を支える中堅層も非正規化が進んでいます。こうした非正規労働者が抱える最大の問題が期限を区切って働かされる有期雇用であることは、本委員会の議論の中でも明らかになったとおりであります。中には六カ月や一年更新で十年、二十年も働いている人も少なくないのが実態です。

 このような不安定雇用となっている有期雇用にメスを入れることが問われているにもかかわらず、政府提出の労働契約法改正案は、有期雇用の濫用抑制をうたいながら、抜け穴だらけで、逆に細切れ雇用を拡大させかねず、改正の名に値するものではありません。

 改正案では、五年を超えて労働契約が反復更新された場合には、労働者の申し出により、期間の定めのない労働契約に転換させるとしていますが、一方で、六カ月のクーリング期間があれば五年を超えて再雇用できるとされています。四年十一カ月で雇いどめして、六カ月経過したらまた再雇用などということが横行する可能性がありますが、こうしたことへの歯どめは全くありません。

 また、四年目に、これ以上契約は更新しませんよという不更新条項を設けて労働契約を交わすという抜け道が多発しかねない事態にも厳正な指導が不可欠ですが、このままでは、有期雇用の濫用抑制どころか、むしろ、現状より不安定な有期雇用が固定化しかねません。

 本来であれば、無期契約が原則であることを明記し、有期雇用はイベントなどに限定した例外とすべきです。これが難しいのであれば、少なくとも無期契約への転換をどんなに長くても三年とし、三年を超えた雇用は全て無期契約にするという原則を打ち立てるべきです。今回の改正が、五年という長い期間を置き、見直しが八年後以降であることも悠長に過ぎます。

 この一年、有効求人倍率は少しずつ上昇しつつありますが、求人の大半は非正規雇用で、正社員でも低賃金というのが実態です。景気低迷など、一旦何かがあれば真っ先に解雇されるのが非正規労働者なのです。こうした状況だからこそ、期間を限定して働かせる有期雇用を抑制し、雇用の安定と生活保障を図るべきなのです。

 東日本大震災からの復興と日本社会の再生に向けた歩みの中に、働き方を変えるというメッセージを打ち出すことが国会の責務であることを最後に申し述べ、私の反対討論といたします。

池田委員長 以上で討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

池田委員長 これより採決に入ります。

 内閣提出、労働契約法の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。

 まず、高橋千鶴子さん提出の修正案について採決いたします。

 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

池田委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。

 次に、原案について採決いたします。

 これに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

池田委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

池田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

     ――――◇―――――

池田委員長 次に、内閣提出、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。小宮山厚生労働大臣。

    ―――――――――――――

 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

小宮山国務大臣 ただいま議題となりました高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案の理由と内容の概要を説明いたします。

 少子高齢化が急速に進展する中、労働力人口の減少をはね返し、経済と社会を発展させるため、全員参加型社会の実現が求められています。また、現在の年金制度に基づき平成二十五年度から公的年金の報酬比例部分の支給開始年齢が段階的に引き上げられることから、現状のままでは、無年金、無収入となる人が生じる可能性があります。

 このため、継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みの廃止、継続雇用での雇用確保先の対象拡大、義務違反の企業に対する公表規定の導入等を行うことにし、この法律案を提出いたしました。

 以下、この法律案の内容について、その概要を説明いたします。

 第一に、継続雇用制度の対象となる高年齢者につき事業主が労使協定により定める基準により限定できる仕組みを廃止することにしています。

 第二に、継続雇用制度の対象となる高年齢者が雇用される企業の範囲を子会社や関連会社など一定の範囲のグループ企業まで拡大する仕組みを設けることにしています。

 第三に、高年齢者雇用確保義務に関する勧告に従わない企業名を公表する規定を設けることにしています。

 第四に、高年齢者等職業安定対策基本方針に定める雇用機会の増大の目標の対象となる高年齢者を六十五歳以上の人にまで拡大することにしています。

 なお、この法律は、平成二十五年四月一日から施行することにしています。

 以上が、この法律案の提案理由とその内容の概要です。

 御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。

池田委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十五分散会


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