衆議院

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第4号 平成25年3月22日(金曜日)

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平成二十五年三月二十二日(金曜日)

    午前九時一分開議

 出席委員

   委員長 松本  純君

   理事 上川 陽子君 理事 高鳥 修一君

   理事 棚橋 泰文君 理事 冨岡  勉君

   理事 西川 京子君 理事 山井 和則君

   理事 上野ひろし君 理事 古屋 範子君

      赤枝 恒雄君    今枝宗一郎君

      大久保三代君    大串 正樹君

      金子 恵美君    小松  裕君

      古賀  篤君    白須賀貴樹君

      新谷 正義君    田中 英之君

      田畑 裕明君    高橋ひなこ君

      とかしきなおみ君    豊田真由子君

      中川 俊直君    永山 文雄君

      福山  守君    船橋 利実君

      堀内 詔子君    三ッ林裕巳君

      山下 貴司君    大西 健介君

      中根 康浩君    柚木 道義君

      横路 孝弘君    足立 康史君

      伊東 信久君    新原 秀人君

      宮沢 隆仁君    伊佐 進一君

      輿水 恵一君    柏倉 祐司君

      中島 克仁君    高橋千鶴子君

    …………………………………

   厚生労働大臣       田村 憲久君

   厚生労働副大臣      桝屋 敬悟君

   外務大臣政務官      城内  実君

   厚生労働大臣政務官  とかしきなおみ君

   厚生労働大臣政務官    丸川 珠代君

   防衛大臣政務官      左藤  章君

   政府参考人

   (内閣官房日本経済再生総合事務局次長)      赤石 浩一君

   政府参考人

   (法務省大臣官房訟務総括審議官)         青野 洋士君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           山越 敬一君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           泉   真君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局長)            岡崎 淳一君

   政府参考人

   (水産庁漁政部長)    柄澤  彰君

   政府参考人

   (防衛省地方協力局次長) 豊田  硬君

   厚生労働委員会専門員   中尾 淳子君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月二十二日

 辞任         補欠選任

  村井 英樹君     福山  守君

  古川 元久君     中根 康浩君

同日

 辞任         補欠選任

  福山  守君     村井 英樹君

  中根 康浩君     古川 元久君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 戦没者等の妻に対する特別給付金支給法及び戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案(内閣提出第一九号)

 駐留軍関係離職者等臨時措置法及び国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第二〇号)


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     ――――◇―――――

松本委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、戦没者等の妻に対する特別給付金支給法及び戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案及び駐留軍関係離職者等臨時措置法及び国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房日本経済再生総合事務局次長赤石浩一君、法務省大臣官房訟務総括審議官青野洋士君、厚生労働省大臣官房審議官山越敬一君、大臣官房審議官泉真君、職業安定局長岡崎淳一君、水産庁漁政部長柄澤彰君、防衛省地方協力局次長豊田硬君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

松本委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。横路孝弘君。

横路委員 きょうは時間をいただきまして、戦没者の方々の遺骨の収容問題、それから駐留米軍で働いている人々の労働条件という二つの点を御質問いたしたいというように思っています。

 もう戦争が終わって六十八年たつわけでございますが、激しい地上戦の行われた沖縄では、県民の皆さんが大体十五万人、全体で軍人を含めて二十四万人の方が亡くなって、平和の礎に名前が刻まれております。

 昨年、沖縄県の西原町、これは那覇のすぐ近くですが、そこの幸地というところで、十三柱の御遺体が発見されたわけでございます。陸軍の二四師団歩兵第二二連隊というのが防衛に当たって、米軍と対応しておったわけでございますが、この部隊は通称どさんこ部隊と言われて、北海道の出身者が大体七割、あとは愛媛県の人で構成されている部隊でございました。満州に派遣されていて、直前に沖縄に配属になりましたから、ほとんど全滅ということなんですね。

 このことが新聞で報道されましたら、北海道と愛媛の遺族の人々から、DNA鑑定をしてほしいという要望が出されました。

 これを発見したのは、ガマフヤーというボランティア団体がございまして、その発見者の具志堅隆松さんという人ですが、先日、田村大臣に忙しいところ時間をとっていただいて、お会いすることができました。そのときに、彼が持参した十三柱から採取した検体を持ってきて、DNA鑑定をお願いしたわけでございますが、大臣から快くそれをお引き受けいただきまして、大変感謝いたしております。

 実は、沖縄戦にはほとんど各県から、三重県からも三千人近い人が行っていますが、北海道が一番多くて、一万人を超えているんですね、全体が七万七、八千人ぐらいだったと思いますけれども。しかも、この御遺体は、今でも毎年百体から百五十体ぐらい発見されているんですね。

 非常に激しい地上戦が行われたということでございますが、こういう沖縄の現状というものを、まず田村大臣、どのように受けとめられますか。

田村国務大臣 きょうは、議長からこのように質問をいただくということで、大変恐縮をいたしております。精いっぱいお答えをさせていただきたいというふうに思います。

 先般、議長を初め多くの議員の先生方が、ガマフヤーというボランティア団体の具志堅さんでしたか、この方をお連れになられて、DNA鑑定のお話をいただきました。

 やはり沖縄というところは、国内において唯一戦地になったところであります。そういう意味では、沖縄の方々に思いをはせるときに、大変な思いの中で、戦後、戦中も含めてでありますけれども、御苦労されてこられた、これを我々はしっかりと受けとめなきゃならぬと思いますし、その地に全国から多くの兵士が行かれたわけでございまして、その方々が、まだ、無念にも、それぞれの国に帰還ができていないということは、これは大変つらいことでございます。

 なるべく多く、そして一刻も早く、そういう方々がそれぞれのふるさとへお帰りになられますことを我々としても応援していきたいというふうに思っております。

横路委員 DNAの鑑定をお願いしたわけですけれども、今までに、旧ソ連地域からの遺骨については、割と埋葬者の資料もはっきりしているということもありまして、一定の条件で調査していただきまして、これは八百五十六柱が家族のところに戻っております。

 沖縄からは、状況のわかる、どこの部隊でどういう状況なのかという判別可能性のあるところ、それから、南の方は割とDNAの検出そのものも難しいというように聞いていますが、条件のかなっている場合には、できるだけ今後もDNAの鑑定に協力していただきたいというように思いますが、いかがでしょうか。

田村国務大臣 今委員おっしゃられましたとおり、なかなか私も専門的なことはわかりませんけれども、寒いところと暖かいところでは、年月がたつとDNAというものの検出がなかなか難しいというようなお話はあるようでございますが、断片的に見つかるDNAといいますか、DNAが全てわかるのではなくて断片的に見つけられる、そういうものの中でも、そもそも、大体、この部隊が、このような方々がその地域でお眠りになっておられるというようなことが推測できるのであるならば、DNAの断片であっても、御遺族の方々と照合する中で、そういうものが発見される可能性があるならば、そういうものに関しましてはこれからもDNA鑑定を進めてまいりたいというふうに思っております。

横路委員 戦没者の遺骨の帰還というのは、昭和二十七年に南方地域から始まりまして、平成三年からは旧ソ連地域でも、抑留中に亡くなった方々の遺骨の帰還というのは可能になったわけでございます。

 これまで三十三万柱の遺骨が収容されておりますし、引き揚げをするときに持ち帰ったというものを合わせますと、二百四十万人が海外で亡くなっておられます。このうちの約半数、百二十七万柱が送還されているんですね。まだ未帰還のものが百十三万柱ございます。この中には海で戦死したという方がありまして、これが三十万、これはなかなか難しいですよね。それから、相手国の事情で調査ができないという国が三カ国ほどございまして、ここに二十三万人ということで、残りは六十万柱ということになるんですね。この人々が世界のあちこちで眠っておられるわけです。

 国家によって戦いに参加させられて命を落としたという人々は、やはりできるだけ国の力によって、日本へ、ふるさとへ、あるいはできれば家族のもとへ帰すべきだというように思います。六十八年たってもなかなか行っていない、これは幾つかの点を後でまた指摘させていただきますが、やはり何とか全力を尽くして今後ともやっていただきたい。

 もうそろそろという声もないわけじゃないんです。しかし、まだこれだけ多くの人々があちこちに眠っておられるということでございますので、さらに今後もぜひ努力をすべきだと思いますが、いかがでしょうか。

田村国務大臣 戦没者の皆様方は、まさに国の命令で戦地に行かれて、無念の中に命を落とされた方々でございます。この方々の御遺骨を御帰還するというのは、やはり国の責務でありますから、これに関しましては、これからもしっかりと取り組んでいかなきゃならぬというふうに思っております。

横路委員 次に、硫黄島の収容についてお伺いします。

 私は、どうも、必ずしも日本政府が熱心だったというようには思われない幾つかの点があるんです。

 硫黄島は一九六八年に返還されていますから、もう既に四十五年たっているんですね。あそこは、戦没者の方が二万一千九百人おられまして、収容された御遺骨は一万百二十二人ということで、まだ一万一千七百七十八人の御遺骨があるというように言われています。

 ずっと遺骨の収容作業をやってきましたが、最近は、平成十六年から二十一年まで、大体、毎年五十人前後という状況だったんですね。ところが、平成二十二年から、二十三年、二十四年と、たくさんの御遺骨を収容することができています。

 これは、菅総理大臣のときに、平成二十二年に特命チームをつくったんですね。特命チームをつくって、アメリカの国立公文書館などを調査したところ、二カ所、埋葬しているところがわかったわけですよ。

 そこで大量に発掘ができたということと、戦後、滑走路拡張工事をアメリカの海軍がやった資料が出てきまして、その資料を見ますと、滑走路と滑走路の周辺の下に、どうも五つの地下ごうがあるようだ、十メートルぐらい下らしいんですけれども。そこにたくさんの遺骨があるという証言も元兵士の皆様からあって、これは一応政府の方で、防衛省が中心になって、レーダーで捜索して地中を調べるということになって、去年からその作業を始めております。

 現在までの状況はどういう状況なのかということを、防衛省の方、左藤政務官が来られていますね、お答えいただければと思います。

左藤大臣政務官 おはようございます。防衛政務官左藤章でございます。

 今、横路先生からお話がありました硫黄島の遺骨収集の件でございますが、お話しのとおり、滑走路の下の御遺骨やごう、これは先ほど五つあると言われていますが、これを確認するために、平成二十三年度から、高性能地中探査レーダー、ちょっと写真があるんですが、こういうものですが、試作をして、現在、レーダーを用いて調査を継続しております。

 ちょうど、十三日、硫黄島で日米慰霊祭がございまして、私も行きまして、そのときにこれを見せていただきました。先生おっしゃるように、十メーターまで見られるものであります。ただ、時速が五キロから十キロなので、しかも広い滑走路なので、これはなかなか調べにくいんですが、GPSを使って、それを全部一つ一つチェックしながら地図落としして、あとはボーリング等をしながら、ごうなのか、また遺骨なのか、それも調べながらしっかりやっていきたい、このように思っております。

 また、二十五年度においても、昨日、三月二十一日に、硫黄島からの遺骨帰還推進に関する関係省庁会議というのがございまして、政府の取り組みとして決定されました平成二十五年度硫黄島からの遺骨帰還の取組方針、これに従いまして、先ほど申し上げました高性能地中探査レーダー等を用いて、今後とも、調査をしながら進めさせていただきたいと思っております。

横路委員 滑走路の下に日本のために戦った元兵士の遺骨があって、その上を自衛隊の飛行機が離発着するというのは、やはりこれは国民的な感情としても許せないわけでして、いろいろな証言から、前から言われていたんです、あの滑走路の下にあるんじゃないかという話は。

 ただ、今度、資料が出てきたものですから、それで今調査してもらっているということで、これがもしはっきりすれば、少々滑走路を壊すにしても、やはり収容をちゃんとするということが原則だと思いますが、大臣、どう思いますか。

田村国務大臣 御遺骨があられるかどうか、調査を今しておるわけでございまして、当然、そこに御遺骨があられるということがわかりますれば、その収容をするわけでございますから、しっかりと御遺骨に御帰還いただくように努力をしなきゃならぬというふうに思っております。

横路委員 アメリカの国立公文書館を調べて、それをきっかけにしてあちこち調べた結果わかったわけですね。しかし、もう戦争が終わってから六十八年、硫黄島が返還されてから四十五年もたっているわけなので、やはりいかにも遅いなという感じはします。

 幾つかちょっとほかの場所で心配なところがありますので、この機会にお尋ねをしたいと思います。

 一つは、アリューシャン列島のアッツ島でございます。

 アッツ島は、御承知のとおり、最初の玉砕地と言われているところでございまして、アラスカから来る米軍を防御するという意味での日本の前線基地だったんですね。二千五百人いまして、昭和十八年の五月十二日に一万一千名のアメリカ軍がここに上陸してきたわけですよ、どうも上陸した後で日本の方はわかったらしいのですけれども。

 ところが、武器弾薬、食料が不足しているというので、大本営に増援の要請をしたけれども、断られるんですね。それから、大本営の方から、撤退する船も用意できないというので、五月十二日に上陸されて、五月二十三日に玉砕の指示を出すわけです、大本営が。最後に至らば潔く玉砕しろというわけですよ。

 アメリカの戦史などを見ていますと、最後はやはり、数百人残った人たちが、みんなで足を結わいて、お互いに結んで、そしてわっと声を上げて突撃してきたというんですね。もう弾薬も撃ち尽くして、ありませんから、くわと棒を持っていたというようにアメリカの戦史では表現されています。

 そういう玉砕なんですが、これが美化されまして、歌までつくられて、後の玉砕にずっとつながっていくわけですよ。これは、戦陣訓、東条英機が陸軍大臣のときにつくった、要するに、生きて虜囚の辱めを受けるな、捕虜になるなという、これがベースになって、多くの軍人、あるいは民間人も、サイパンなどもそうですけれども、亡くなったということになっています。

 ここで戦没した方が二千六百三十八人で、三百二十名収容と言われているんですね。この収容というのは、私の承知しているところでは、アメリカ軍が、戦いが終わった後で収容して、これはどこかに保管していたんですね。それが大体三百二十人ぐらいだったんじゃないかと思います。どうもこれは、調査をちゃんとしたのかどうか、まだここに二千三百人の御遺骨が残っているわけですよ。こっちは北の地域ですから、ちゃんと調査すれば収容することはできるんじゃないかと思うんです。

 これがどういう状況なのか、どうしてこんなことになっているのかということを、厚生労働省の方でおわかりになればお答えいただきたいと思います。

田村国務大臣 アッツ島の御遺骨の帰還事業でありますが、今先生おっしゃられましたとおり、御遺骨で御帰還をされているのが三百二十柱ということでございます。

 二千六百名以上の方々がここでお亡くなりになっておられるというふうに、今、推測するわけでありますが、昭和二十八年度に二回実施を、遺骨収容ということでいたしまして、三百十八柱、これはアラスカ州のアンカレジのフォート・リチャードソン米陸軍基地内に改葬をされた二百三十六柱を含むということでございまして、収容をさせていただいた、さらに、昭和五十三年度に二柱を収容させていただき、三百二十柱を収容させていただいておるということでございます。

 現状でございますが、米国と調整をいたしておるんですけれども、平成二十一年に、この遺骨収容に当たって、御帰還事業に当たっては、環境影響評価が必要であるということを米国から言われておりまして、それに関して今調整をしておるという状況でございます。

 いずれにいたしましても、調整の上、一刻も早くこの御収容をさせていただくべく、帰還事業の方を進めてまいりたいというふうに思っております。

横路委員 このアッツ島の玉砕の後に、その年の十一月に、タラワ島、マキン島で五千人近くが玉砕しているんですね。ここも、これはギルバート諸島ですが、五千五百人亡くなって、遺骨収容はわずか二百六人、国でいいますとキリバスです、こういう状況なんですね。

 意外と、玉砕地はアメリカ軍の統治下に置かれていて、かなり遺骨収集というのが、どうなんでしょうか、余り積極的にやらなかったのか、アメリカ側の方が余りいい返事をしなかったのか。これを見ていますと、パラオはいいんですが、例えばマーシャル諸島だとか、パプアニューギニアのニューブリテン島とかいうところの遺骨収集率というのは非常に低いですね。

 これは今もやっているんでしょうか。それから、何かそういう障害があったのか。こんなに状況が悪い、五千人のうちの二百柱しか収容できていないというのは、どういうところに問題があったんでしょうか。

泉政府参考人 お答えいたします。

 先生から御指摘のありましたように、まだ遺骨の帰還が、数から見て、なかなか進んでいない地域は各地にございます。これは個別に見ていくと、いろいろなそれぞれの相手の国の事情というのがございまして、今、アッツ島については、大臣からお答え申し上げましたように、環境影響評価というのを先方から求められている、先方と調整している、こういうような状況でございます。

 あと、ほかの地域につきましても、それぞれ、遺骨があるという情報があれば、政府として調査団を組んで行くということで対応しておりますので、個々の事情によってなかなか進んでいないという状況があったりいたしますけれども、今後とも、しっかりと遺骨の帰還を進めてまいりたいというふうに思っております。

横路委員 しかし、大体、今挙げたのは、ギルバート諸島、マーシャル諸島、ビアク島、アンガウル島、ペリリュー島、ニューブリテン島というのは、これは玉砕したところですよね。だから、遺骨があるかないかといったって、調べれば必ずあるはずなんで、いずれにしても、しっかり、諦めることなく調査を続けていただきたい。

 それぞれいろいろな事情があるというならば、その事情をやはり解決してほしいなというように思います。例えば、インドネシアなんかはまだ政府との間の協定が締結されていないんですね。戦後六十八年もたって、インドネシアとの間というのは極めて友好的な関係なので、どうしてこの遺骨収集についての協定ができないのか、向こうの国にも何らかの事情があるのか、この辺はどうなんでしょうか。

丸川大臣政務官 横路議員にお答えをさせていただきます。

 協定といいますか、覚書なんでございますけれども、これは実は、インドネシアの政府の方から、平成二十一年の十月に覚書をつくりましょうということで提案がございましたが、一方で、平成二十二年ですが、その翌年に、インドネシアの国内法で、文化財に関する国内法というのができました。インドネシア政府が、この法律の解釈として、御遺骨が国外に持ち出しが禁止される文化財に該当する可能性があるというような見解が示されました。

 日本の政府といたしましては、この法律の解釈というものをきちんと確定してほしい、つまり、御遺骨が持ち出し禁止の文化財に該当するのかしないのかということをきちんと確定して、持ち帰れるようにしてほしいということで働きかけをいたしまして、インドネシア政府とユネスコでずっとこの話をしていただいておりました。

 その間、平成二十二年の間は、残念ながら、これまでやっておったような、個別に遺骨帰還事業のお願いをして、させていただくというようなこともストップをしてしまいました。ようやく平成二十四年度、昨年の六月になって、その法律の解釈というものがインドネシア政府の方で確定をして、御遺骨に関しては国外への持ち出し禁止に当たる文化財ではないということになったので、去年の九月、それでは協議をいたしましょうということになりまして、ことしの三月になって遺骨帰還事業の実施が再開されまして、まさにけさ、およそ丸一年ぶりにインドネシアから御遺骨が帰還をされております。

 こういうことでございますので、現在は、解釈が確定した上で、覚書をつくるべく協議をさせていただいているところでございまして、現状、そのようなことでございます。

横路委員 やはりいかにも遅いという感じですね。

 アメリカは、例えば朝鮮戦争のアメリカ兵の遺骨の発見、あれは、北朝鮮と別に国交もないし、関係もよくない間でも、ずっとやっているんですよ。それから、ベトナムと国交を回復するときには、アメリカ兵の遺体や何かの発掘に協力するというのが前提になって国交を回復しているんですね。だから、何かそういう契約をいろいろな国との間で結ぶチャンスというのはあったような気がします。

 もう一つ、ミャンマーの問題なんですが、つい最近、タイの民間団体のタイ日教育開発財団というのがありまして、ここがミャンマーの少数民族の連合組織である統一民族連邦評議会と共同で、遺骨情報の調査をするということを決めたんですね。これはタイの団体でして、今までどういうことをやっているかというのを調べてみましたら、長崎や広島の原爆のポスター展だとか、それから日本の震災やタイの洪水のときの募金活動ということをやっている団体なんですね。

 ミャンマーは政情不安でいろいろございましたけれども、どうも、こういうのを民間がやって、政府は一体何をやっているんだという気持ちがやはりします。

 ミャンマーは、皆さん御承知のように、ここの最大の問題はインパール作戦。これは史上最悪の作戦と言われているわけですが、当時の第一五軍司令官の牟田口廉也という人は、大本営に執拗に、インドに向かって進軍しようということで、三個師団、その師団長はみんな反対したんです、参謀も反対したんです。なぜ反対したかというと、まず補給が全く想定されない、制空権はイギリスが握っているというので、牟田口さんはどうしたかというと、象だとか水牛だとか、牛や馬に荷物を運ばせて、これは最後は食料にすればいいみたいな発想でやったんですね。

 距離は、わずか百キロなんですよ。ところが、三千メートル級の山があったり、幅が六百メートル、水深三メートルというような大河があったり、密林、沼、湿地帯というような中なんですね。あの「ビルマの竪琴」の舞台になっているところですよ。

 ここで、結局、三月から始めて七月に撤退するんですね。この間、大体十三万七千人の人が亡くなって、遺骨として帰ってきているのが九万ちょっとですから、今、大体四万五千の御遺体があると言われています。この戦闘で亡くなったのは、戦闘行為ではなくて、ほとんど栄養失調で餓死です。

 このインパールからビルマに帰ってくる街道というのは、白骨街道とか靖国街道と言われた状況で、生き残った人の話を聞いたら、それはもうひどいもので、いわば個人的な野望か野心か知りませんが、無理やりやったこの牟田口さんというのは、盧溝橋事件の当事者でもあるんですね。この人は日本に帰って畳の上で亡くなっているので、兵士から見ると、非常に怒りを持って、話をしている間にも泣き出してしまうような、そんな状況でございます。

 そこで、何としてもこういうところで、民間がやって、政府は何をやっているんだという思いがいたしますが、これはどうするんですか、これから。民間がやって、出てきたらやろうというんですか。調べれば、これだけ多くの人々が亡くなっているわけですから、と思います。

 ただ、あそこもいろいろと少数民族の関係があって、地域的にはかなり複雑な点もありますから、簡単ではないのはわかるけれども、しかし、やはり政府がやるべきことだというように思いますが、いかがでしょうか。

田村国務大臣 ミャンマーのお話をいただきました。

 まだ四万五千六百十柱の御遺骨が残っておるのではないかというふうに予想されるわけでありますが、今も委員おっしゃられましたとおり、ミャンマーは非常に政情不安でございましたので、平成十五年度からこの帰還事業がストップをいたしておりまして、向こうの政府が一応容認された地域に関しましてこの御遺骨の事業をやっておりまして、二十三年度に七柱を収容したという状況であります。

 おっしゃられましたタイ日教育開発財団という民間団体でありますけれども、ここが情報をお持ちのようでございますので、ここと協力をしながら、これから、精度の高い情報等々に関しましては、我々しっかりと対応をさせていただきたいというふうに思っておりますが、とにかく、まだまだ政情不安なところもございますので、そこのところを向こうの政府としっかりと連絡調整をとりながら、これからも帰還事業の方を進めさせていただきたいというふうに思っております。

横路委員 もっと一つ一つ議論を本当はしなければいけないのかもしれませんが、いろいろな事情はあるにしても、もう戦争が終わって六十八年もたって、こういう状況でございます。

 特に、アッツ島は玉砕、それからミャンマーはインパール作戦という史上最悪の作戦というようなことで、六十八年たっていますけれども、問題は、こういう総括をやはりちゃんとやっていないことなんですね。日本の国の手で、戦争に至る経過はどうだったのかとか、沖縄戦の前に戦争をやめることはできなかったのかとか、いろいろな点、やはりしっかり我々は向き合っていかないといけないと思うんですね。

 七三一部隊だとか南京事件だとか、いろいろとございます。これは、ほとんどそのままにしていて、放置しているんですね。七三一部隊なんというのは、あれに関係したのは東大や岡山大学の公衆衛生の医者が中心なんですけれども、生体実験をやって、あの資料は全部米軍に渡して、本人たちは何の責任もとらないで、その後、みんな、公衆学会の会長をやったり、大学の学長をやったり、都道府県の衛生部長をやったりしているんです。

 やはり、こういうこと、もうちょっと我々は歴史と向き合って、総括することをしっかり総括しないと、このままずるずるずるといって、遺骨の収集も、これは本当に、六十八年たってまだこんな状態なのかという思いがいたします。

 ぜひ、田村大臣のもとで積極的に少し、いろいろな事情があるにしても、それをやはり乗り越える努力をすれば、硫黄島がいい例なんですよ。だからアッツ島だって、あるいは資料がアメリカのどこかにあるかもしれない。だから、そういうことをもうちょっと調べて、早くやはり処理して、できるだけ、家族のもとに帰れればいいわけですが、せめて日本に戻すということをしっかりやっていただきたいというように思います。

 最後に田村大臣の決意をお伺いして、この問題を終わりにします。

田村国務大臣 今委員おっしゃられましたとおり、どういう理由でという部分をもう一度精査させていただきながら、一方で、確実にお眠りになっておられるところがあるわけでございますから、そういうところには、御遺骨を何としても帰還するために我々も全力を尽くしていかなきゃならないわけでございますので、もう一度、いろいろな理由を精査しながら、一刻も早く御帰還いただくように努力をしてまいりたいというふうに思います。

横路委員 そのことは本当にしっかりやっていただきたいと思います。

 次に、駐留軍で働いている労働者に関連してお伺いします。

 今後、米軍の再編に関連して、基地の返還により関連する基地労働者の雇用に影響があると考えられますし、アメリカの国防費の削減といった問題もあります。

 ロードマップで示されている在日米軍再編が具体化すると、どの程度の影響があるのか。また、国防費の削減が具体的に在日米軍に何か影響を与えているのか。どうも余り影響は今のところないようですが、この点について、これはどこになるんですか。外務省ですか、防衛省ですか。

左藤大臣政務官 お答えします。

 今先生がおっしゃったように、米軍の再編に関してのいろいろな削減の問題については、今のところはっきりとした影響はありませんけれども、雇用の安定はどうなるのか、こういうことだろうと思います。

 再編によって、雇用を確保することは大変重要な課題と我々も認識をしております。そのために必要な施策を今後講じていきたい、このように思っております。

 具体的にどうなのかといいますと、他の施設への配置転換等によって雇用の継続を図るようにしたい。その際、今までの職種と異なる職種に配置する場合など、必要な場合においては、米軍の再編特措法に基づいて、独立行政法人駐留軍等労働者労務管理機構を通じた技能教育訓練等を実施していきたいと思っております。

 当然、そういうことをしながら、駐留軍等労働者の雇用の安定確保について万全を期してまいりたいと思っております。

横路委員 ロードマップは、再編成は統一的なパッケージとなっていましたけれども、去年の四月二十七日の2プラス2で、これは切り離すということで、沖縄への返還は三区分になりましたね。

 一つは、手続後の速やかな返還が可能な地域、キャンプ瑞慶覧の一部と牧港補給地区の一部。それから、県内移設後に返還が可能な地域、ある場所に移すということによって、では、ここは返しましょうと。それから三つ目が、海兵隊の国外移転後に返還が可能な区域ということになっております。

 この2プラス2で、沖縄に残る施設・区域の統合計画を日米が共同で二〇一二年末までに作成というようになっていますが、これはどういうような組織で今まで議論してきたのか。まだまとまっていないですよね。今の状況はどうなっているのかというのを、ちょっとお知らせいただければと思います。

城内大臣政務官 二〇一二年四月の2プラス2で合意された嘉手納以南の土地の返還に関する件につきましては、二月の日米首脳会談におきまして、総理から、米軍再編については、現行の日米合意に従って作業を進め、抑止力を維持しつつ、沖縄の負担軽減を実現していく旨を述べ、普天間飛行場の移設及び嘉手納以南の土地の返還計画を早期に進めていくことで一致しました。

 また、総理訪米の際、岸田大臣もケリー国務長官と個別に会談しまして、嘉手納以南の土地の返還計画を早期に策定することの重要性を説明し、日米間で作業を加速させることといたしました。

 この問題につきまして、沖縄の施設・区域の統合計画を作成すべく、日米間で協議を行っているところであります。一日も早い土地の返還に向け、引き続き協議を行ってまいりたいと考えております。

横路委員 そうすると、この三区分の手続後の速やかな返還が可能な地域というのがありますよね、2プラス2の合意事項の三のところに。この手続というのは、今やっているのがその手続になるんですか。これは、切り離されて、割と簡単に、しっかり合意さえすれば、今すぐにでも返ってくるような感じもありますが、全体的にこの三つを一緒にやっている全体像ができないと、手続が終わったことにならないんですか。すぐできるんじゃないですか。

城内大臣政務官 この統合計画の内容につきましては、日米間の交渉にかかわる事項でありまして、現段階で具体的な内容についてお答えすることは差し控えさせていただきたいと思っております。

 いずれにしましても、日米間で一致しているとおり、土地の返還計画を早期に進め、引き続き沖縄の方々の声に真摯に耳を傾け、信頼関係を構築しながら、沖縄の負担軽減に全力で取り組んでまいりたいと考えております。

横路委員 そうはいっても、この合意されていることがまだはっきりしないで、一方で普天間の移転の方の作業だけは進めようというわけですから、なかなか沖縄の人たちがそれで納得するとは思われませんよ。

 そこで、この点に関連して、地位協定について、環境の問題について、ちょっとお尋ねしたいと思います。

 というのは、返還の前に本当は調査をして、どういう問題があるのかということを明らかにしないと、過去の例ですと、結構、PCBだとか、六価クロムだとか、砒素だとかというものが撤去した後に見つかって、これを処理するのに大変苦労したケースが幾つもあります。

 したがって、これは2プラス2の中でも、最初は二〇一〇年ですか、施設・区域の中に立ち入りをして調査をできるようにしようということで、二〇一〇年の十二月に作業部会をつくりましたよね。この作業部会が進まないものだから、二〇一一年に、さらに加速してやりなさいと。つまり、政治レベルで事務レベルにハッパをかけているわけですよ。

 この環境問題についての立ち入り、これから返還が始まるとすれば、その前にやはり調査をしなければいけない。本当は、これは米軍がちゃんとやるべきですが、日本の場合はそうなっていないわけでして、ぜひ、その辺のところはどういうことになっているのか、この環境問題についての立ち入り権について。

城内大臣政務官 横路委員御指摘のとおり、環境に関する合意につきましては、二〇一〇年五月の2プラス2の共同発表を踏まえまして、その同じ年の十月に、日米間で課長級の作業部会を設置したところであります。その後、日本側としては、特に沖縄から強い要望のある、返還前の環境調査のための米軍施設・区域への合理的立ち入りを優先的に検討するよう促し、二〇一一年六月の2プラス2文書におきまして、そのような立ち入りに関する合意の検討を加速することが決定されました。

 米軍施設・区域における活動に起因する環境問題は、周辺住民の皆さんにかかわる重要な問題であると認識しております。本件に関しては、可能な限り早期に合意に達することができるよう、日米間で引き続き検討を進めてまいりたいと思います。

 なお、米軍施設・区域における活動に起因する環境問題につきましては、必要に応じて、日米合同委員会あるいはそのもとに設けられた環境分科委員会の枠組みを通じて、協議、対処をしております。

横路委員 これは、返還前に立入調査ができるようになるんですか。今、何を米軍はちゅうちょしておるというか、渋っているんですか。

城内大臣政務官 いずれにしましても、ちゅうちょしているかどうかは別の問題として、立ち入りにつきましては、立ち入りのみならず、その環境につきましては、日米間で、二〇〇〇年九月の2プラス2におきまして、環境原則に関する共同発表を発出し、日米の関係法令のうち、より厳しい基準を選択するとの基本的考えのもとで、日本環境管理基準を作成することなどが確認されておりまして、先般、二〇一二年版のJEGSが公表されたというふうに承知しております。

 いずれにしましても、引き続き、米側が同基準に従い、環境保護及び安全への取り組みを適切に実施するよう、積極的に働きかけてまいりたいというふうに思っております。

横路委員 NATOなどは、やはりそういうものはちゃんと立ち入り権を持ってやっているので、日本の方は運用でということで今までやってきているわけでございますが、返還前に立入調査を十分できて、その上で返還を実現するように、沖縄県は特に望んでいるわけでもございますし、その努力をお願いしたいというように思います。

 それでは、駐留米軍の労働条件について御質問いたしたいと思います。

 平成二十二年に、駐留軍等労働者の労務管理に関する検討会報告書というのが出ています。これはなかなか問題点を整理されているというように思うんですね。この中で、労働条件の改善をこれからも進めていかなければいけない、特に、日本の労働法令が適用されていないのがあるので、その適用を目指していきたい、あるいは、福利厚生や安全衛生の分野で国家公務員や民間に比べて不十分なものがあるので、これの是正も必要だというような指摘がされています。

 この指摘に沿って、幾つか最近問題になっている点について、一つは、改正育児・介護休業法というのが、もう施行されてから二年八カ月たっていますが、まだこれは駐留軍労働者には適用されていないんですね。問題は、有給でなくていいと言っているんですね、ただ、その日を労働日として算入してほしいということで、これはいろいろとボーナスや何かに影響するらしいので、非常にそれは強い要望をしています。

 かなり防衛省の方もアメリカと交渉してくれて、大分見えてきているというように伺っていますが、今の状況と、これの適用をやはりしっかり実現してほしいと思いますが、いかがですか。

左藤大臣政務官 今先生が御指摘のとおり、改正育児・介護休業法等を含めたいろいろな問題がございます。今、駐留軍等の労働者については、日本の国内法令が適用されていると認識しておりますが、先生おっしゃったように、雇用主は日本であり、使用者は米側という非常に特殊な問題がありますので、非常にやりにくいわけであります。

 しかし、具体的な労働条件は、日米間で締結する労務提供契約において規定をしているところでございます。そのため、労働条件等を変更する場合には労務提供契約の改正を行う必要がございますので、アメリカ側と今協議をしています。

 先生のおっしゃる改正育児・介護休業法等につきましては、これらの法律に基づく労務提供契約の改正に向けて、日米協議の場で鋭意調整を行っておりますけれども、個々の調整については、いろいろな問題がございますので、まことにもって申しわけないんですが、進捗状況を含めて、お答えは差し控えさせていただきたいと思っています。

 いずれにしても、国内法令に沿った所要の措置をとるべく、引き続き米側と協議を進めてまいりたいと思っております。

横路委員 大体アメリカとも話がついているというように聞いておりますが、基本的な労務契約の改定を急いでやっていただきたいと思います。

 また、改正高年齢者雇用安定法という法律、これはこの四月一日から施行になりますが、駐留軍労働者への適用についてどんな状況なのかということです。

 この点は、既に二〇〇六年に労使間で協定があって、再雇用を一年交代で五年間する、給与は七〇%、フルタイムはフルタイムへというようなことで決まっていますが、問題は採用の要件で、判断が米軍にあるものですから、時々外される人が出てくる。

 この法律に基づきますと、希望すれば全員再雇用ということになるわけなので、この法律をまず適用してほしいということで、これもそんなに問題はないと思いますが、いかがですか。

左藤大臣政務官 今先生がおっしゃったように、いろいろ問題がありますけれども、一応、これは日米間で協議をさせていただいておりますけれども、まだ結論ははっきりしていませんので、お許しいただきたいと思います。

横路委員 あともう一つ、改正労働契約法。いわゆるパート労働の人の、正規社員へといいますか、期間の定めのない労働に有期労働から変えることが五年勤めればできるということで、HPTなどの従業員の中でも、五年、十年勤めている人がいるんですね。ですから、この人々、特に臨時的なものでなくて恒常的に必要とされている人もたくさんおられるようなので、これの常用雇用者への切りかえができるように、この法律の適用もぜひやっていただきたい。

 三つの法律を挙げました。これは割と、改正育児・介護休業法はもう二年ちょっとたっていますが、あとは大体この四月からの実施です。しかし、皆さん方期待しているので、アメリカとの話もきちんと行われているというように聞いていますので、ぜひ、この検討会の方にも、日本の国内法の適用というのは大前提になって、これは防衛省も今まで努力してきて、十八ぐらいあった国内法の未適用が今は三つぐらいになっております。それだけ御努力されてきたわけなので、ぜひこの三つの点についても努力していただきたいと思います。

左藤大臣政務官 先生の御指摘の三つの法律、おっしゃるとおりであります。

 先ほど申し上げましたけれども、国内法に沿った所要の措置を図るべく、鋭意、アメリカと引き続き協議を続けさせていただきたい、このように思います。よろしくお願いします。

横路委員 一つ、従業員の処分の問題なんですが、基本労務契約では、労働者に対する制裁の規定があります。非常に詳細に規定されていて、戒告、減給、出勤停止、解雇とありまして、その手続と処分内容が非常に明確に規定されているんですね。

 ところが、この処分を使わないで、実質処分をするということで、休業手当を払って、そしてもう出勤しないでいいという扱いをしているところが、横須賀の海軍の施設なんですね。中には、六年も放置されている。

 休業手当というのは、使用者側の責任によって働くことができない、その場合に休業手当を六〇%払うわけなんですけれども、ちゃんとした懲戒処分をするには手続が必要です、調査するようなこと、日本にもちゃんと報告をして。休業手当の方は、割と現場の司令官のもとでできるんですね。

 それで、今問題になっているケースが四つほどございまして、去年の十月から休業手当になっているのは東京、それからあと、一年、一年半、六年というような人もいまして、これは横須賀の海軍の方なんですね。問題は、やはりちゃんと処分は処分として、それから休業手当の方のものは休業手当、これは両方ちゃんと厳格に区別をして、そして取り扱うべきじゃないかということが現場の声なんですね。

 だから、これはそんな難しいことじゃないと思いますので、行われているケースは横須賀の海軍基地、あと東京でも一件行われたということで、これはぜひ、アメリカの方と話をして、処分するなら処分する、手続を踏んでやる、それから休業手当は休業手当で、これはいろいろな事情でもって、使用者側の事情で、きょうは仕事がないよ、この間しばらく仕事がないよというときに、休業手当を払って出勤させないということで、両方ともちゃんと基本労務契約に書かれていることなんですから、書かれているとおりにしっかりやってもらいたいというのが現場の声でございますので、その点をぜひ御検討いただきたいと思います。

左藤大臣政務官 今先生御指摘のとおり、休業手当身分の方が、実際五名おられます。正規の六〇%を支払っているわけですが、長期にわたって、そういう方々に対してどうなのかといいますと、アメリカ軍においては、労働基準法第二十六条及び労務提供契約の規定に基づいて、そういう方々が休業状態になっていると我々は承知をしております。

 先生御指摘のとおり、早くこれを解決するためにも、今後とも、日米間で協議をしながら適切に対応していきたいと思っております。

横路委員 基本労務契約という非常に厚いものがありますが、そこにしっかりと書かれているわけですから、そこに書かれているとおりに手続を踏んでやるように、お互い、米側と話をしてもらいたいと思います。

 あとちょっと一、二点。一つは、米軍における障害者の雇用なんですね。

 これが大体〇・二、三%ぐらい。合計で〇・六%ですか、法定雇用率でいきますと。アメリカの方はどうなっているかというと、法定雇用率はないんですけれども、やはり障害者の雇用を義務づけていまして、アメリカ国防省全体では七%、陸軍、海軍でも、空軍でも五・六五%ということです。重度の障害者の比率になりますと、〇・六とか七%ぐらいですね。スケジュールAという方法があって、これで雇用されている人になると少なくて、日本並みぐらい、〇・一とか二とかいうことです。

 これから障害者の雇用、また多分、法律の改正が国会で出てくると思いますが、一応、駐留米軍の中で働いている人にも、この日本の法定雇用率を少し上げるように、米軍並みに、少し御努力をいただきたいというように思います。

左藤大臣政務官 今先生が御指摘の障害者の雇用の状況ですけれども、正直言って、米軍で今七%いますが、現実、この駐留軍の方は〇・六%でありまして、御指摘のとおりであります。

 これについて、我々も、障害者雇用の拡大について要請をしております。アメリカ軍も割と理解があると思っておりますので、進んでまいるんじゃないかな、このように期待をしております。

横路委員 世界的に、障害者のための権利条約というのがありまして、それに基づいて、各国ともその条約に合う体制づくりを急いでいるところで、日本でもそうなんですけれども、ぜひ御努力をしていただければというように思います。

 それから、労働災害なんですが、結構、やはり毎年百四、五十件ぐらい。そんなに大きいものは余り多くはありません。小さいものが多い。

 どうも、聞いてみると、同じようなところで同じような事故が繰り返されていて、現場でもって労使で話をして改善するということができないんですね。日本の場合は、労働安全衛生委員会でしたか、設置することになっておりまして、何か問題があれば、現場の状況について原因究明して、二度とそういう災害、事故を繰り返さないようにするということをやっていますが、アメリカの場合はそれがないんですね。何とかそういう手だてというのをとるのは無理なんでしょうか。

左藤大臣政務官 今おっしゃった安全衛生委員会の設置の三項目については、まだ最終的な結論が出ておりません。申しわけございませんが、関係機関と協議をする等々しながら、鋭意努力をさせていただきたい、このように思っております。

横路委員 どうも何か、みんな鋭意努力でございますが、本当にちゃんとやっていただきたい。そんな難しい問題じゃないんですから、その気になって米軍を説得してもらいたいというように思います。

 雇用の問題なんですけれども、先ほど示しました報告書、この中にも、雇用の継続のための施策が重要であって、駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法というのがあるんですね、これに基づく技能教育訓練、その他適切な措置によって、雇用の継続に資するように万全を期す必要があると。雇用の安定確保というのは、雇用主として最大限努力すべきものであって、防衛省においてはアメリカ側や組合との連携を密にして、極力人員整理を回避するよう努力していただきたいというように、この検討会の報告書の中に書かれています。このとおりだと思うんですね。

 もし、再編がそのまま実現すれば、そこで働いている人は、厚木と沖縄、合わせて五千六百人を超えるんですね。ですから、やはり雇用継続についての努力を、一つは厚生労働大臣にもそういう努力をしていただきたいというように思いますし、防衛省の方もその努力をしていただきたいというように思います。一言ずつどうぞ。

左藤大臣政務官 米軍再編について、先生おっしゃったように、五千六百人以上の人たちが動くという可能性が大でありますので、これは極めて重要な問題だと思っております。

 そのためにも、やはり、今までの職種と異なる職種に配置する場合は、必要な場合には、独立行政法人駐留軍等労働者労務管理機構を通して技能教育訓練等を行っていきたいと思っています。

 とにかく、米軍再編について、雇用の安定確保には万全を期してまいりたいと思っております。

横路委員 最後に、ちょっとオスプレイの問題について御質問いたしたいと思います。

 沖縄県知事から三百件を超える問題の指摘がありまして、防衛省の方で、今一つ一つ調べていると。時間を超過した飛行であるとか、学校や病院の上空の飛行であるとか、やはり問題があるようなので、前に小野寺防衛大臣は、国会の答弁で、そういうケースについてはアメリカ側にちゃんと報告するということと、それから、沖縄の方も報告を求めています。

 このことをしっかりやるということで、今どんな状況にあるのか。結果が出たら、それをちゃんとアメリカ側に伝えると同時に、沖縄県の方にも報告をしてもらいたいというように思うんですが、その点について質問して、終わります。

左藤大臣政務官 先生御指摘のとおり、沖縄県知事から、オスプレイの違反が三百十八ほどある、こう指摘をされておりました。

 沖縄の防衛局において一件一件精査をしまして、作業を行っております。

 具体的には、沖縄県からの指摘があった昨年の十月から十一月の二カ月間に沖縄防衛局が撮影した写真、約三千枚ございます、これについて、撮影時の時間とか場所とか、沖縄県から合意違反があったと指摘されている航空時間、場所が合致するものを一件一件チェックして、今作業を行っておるところでございます。

 日米合同委員会合意に違反しているものがあるというのは、確証は得ておりません。しかしながら、沖縄県からの御要望にお応えできるよう引き続き検討を進めるとともに、日米合同委員会合意が適切に実施されるよう、米側との間で必要な協議も今後ともしっかり行っていきたいと思っております。

横路委員 終わります。ありがとうございました。

松本委員長 次に、中根康浩君。

中根(康)委員 民主党の中根康浩でございます。

 本日も、三十分お時間をいただきまして、田村大臣を初めとする皆様方と議論をしてまいりたいと思います。

 まず初めに、前回も田村大臣の御見解を伺いましたが、例の東京地裁における成年後見選挙権判決、公選法十一条一項一号、成年被後見人は選挙権を有しないということは憲法違反だという判決が出された。権利を擁護するための制度なのに、これを利用すると選挙権を失う。選挙権がなくなるからという理由で、成年後見制度の利用を控える人も多くいると聞いております。公選法を正常にするためにも、成年後見制度を普及させるためにも、被告である国は、控訴を考えないでもらいたいと思います。

 きょうは法務省にもお越しをいただいておると思いますので、直接の担当者である法務省の見解を伺いたいと思います。

 三月十八日には、全日本手をつなぐ育成会、そして訴訟弁護団との連名で、谷垣法務大臣に申し入れ書も提出をされておりますし、国会でも公選法改正の動きが出てまいりました。もうこれ以上、無駄な費用や手間をかけないという意味合いでも、国は控訴を断念するということを、ぜひきょうは明言をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

青野政府参考人 お答えいたします。

 今御指摘のあった東京地裁の事件は、成年被後見人であることを選挙権の欠格事由として定める公選法十一条一項一号の憲法適合性が問題となっている事案です。

 少し中身に入りますが、この訴訟において、国は、選挙権の行使に最低限必要な判断能力を有しない者に選挙権を付与しないとする立法目的は合理性があること、成年被後見人とは、家庭裁判所の審判により事理を弁識する能力を欠く常況にあるとされた者であって、選挙権の欠格事由として成年後見制度を借用することにも一定の合理性があり、公選法の規定が憲法に違反するとまでは言えないという主張をしてまいりました。

 しかし、東京地裁は、選挙権を行使するに足る能力を具備していないと考えられる者に選挙権を付与しないとすることは立法目的として合理性を欠くものとは言えないとしましたが、成年後見制度を借用し、主権者たる国民である成年被後見人から選挙権を一律に剥奪する規定を設けることは、選挙権に対するやむを得ない制限として許容することはできず、公選法十一条一項一号の規定は憲法に違反するとの判断を示したものであります。

 この結論については、国の主張が認められず、裁判所の厳しい判断が示されたと認識しているところです。

 この判決についての今後の対応ですが、法令を違憲とする一審判決をこのまま確定させることについては、さまざまな議論があるところです。この判決の事案は、選挙制度のあり方にもかかわる事柄であり、今後の対応については、総務省を中心とする関係機関の意見も踏まえて判断していくことになります。

 以上です。

中根(康)委員 改正をすると、選挙権を被後見人に認めると、不正な投票が行われるということも危惧をされておられるようでありますけれども、不正な投票というのは、そうでない方々でも幾らでもやる。これはまたこれとして、別の問題でありますので、全く法律と憲法が整合していないということは明らかにされたわけですので、これはぜひ、世界一暮らしやすい国を目指す安倍内閣として御決断をいただきたいと、改めてお願いしておきたいと思います。

 きょうの法案、案件、戦没者の妻の特別給付金、あるいは駐留米軍に関する問題であります。

 まず、戦没者の妻に対する特別給付金の法案ですけれども、関係団体から二月二十八日付で、田村大臣宛てにも要請文が出されている。恐らく、いろいろな団体から出されていると思いますけれども、過去に支給漏れがあった、受給資格のある妻約十万六千人のうち、五%に支給漏れがあった。これは約五千人に相当する。

 今後、支給漏れがないように、全ての人に行き渡るようにしていただきたい。支給漏れが起きた原因をしっかりと究明をして、過去に、場合によってはというか、ぜひ、国のために犠牲になった方々、そして戦後においても塗炭の苦しみをなめてこられた方々であるわけでありますので、例えば、時効ということで受け取ることができないという方々も、ぜひ救済をしていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。

田村国務大臣 今回の特別給付金でありますけれども、今委員がおっしゃられましたとおり、戦争という本当に悲惨な出来事の中で、例えば、経済的支柱であり、また愛する夫を失われた奥様、さらには、息子さんがお亡くなりになる中で、その後、その家系が絶えてしまうような、そういう家庭において、その大変な御苦労を慰藉するという意味での特別給付であるわけであります。

 今言われましたとおり、これは推計でありますが、十五年改正のときに約八千件、それから、平成五年改正のときには一万件、もちろん、今、どんどん高齢化が進んでおりますので、減ってはきておるんですけれども、最終的に給付ができなかったという方々がおられるわけでございます。

 本来、ある程度把握ができるはずでありまして、総務省の恩給受給者のリストでありますとか、また、遺族年金の方は遺族年金でしっかりとリストがあるわけでございますので、こういう方々を丹念にもう一度しっかりと調べた上で、例えば、こちらの方で直接、個別に請求案内を送るでありますとか、それから、それぞれの申請書等々、言うなれば、もうわかっている事項等々はこちらで印字してお送りをさせていただくだとか、いろいろなことをさせていただく中で、このような支給が漏れることがないように努力をしっかりさせていただきたいな、このように思っております。

中根(康)委員 田村大臣から大変前向きな御答弁をいただきました。

 そんなに数が多い、べらぼうに多いというわけではありませんし、また、当事者の方々は高齢になっておられて、このまま国からの誠意を受け取ることができないままお亡くなりになっていくということであれば、これは本当に残念なことであるということでございますので、総務省を初めとする関係各省庁と連携して、丁寧な御対応を改めて御努力されるとおっしゃっていただきましたので、どうぞよろしくお願いをいたします。

 さて、駐留軍といえば、アメリカ軍が沖縄に駐留することになったのは、これはもう委員の全ての皆様御案内のとおり、一九五一年九月八日に調印され、翌五二年四月二十八日に発効した日米安保条約による。

 この一九五二年四月二十八日は、サンフランシスコ講和条約が発効した日でもあり、いわゆる日本の主権が回復した日、独立記念日とでも言えるような日であるということで、私も議員会館の部屋に、四月二十八日の式典の御案内を政府からいただきました。

 それと同時に、これはやはり皆さん御案内のとおり、沖縄、奄美、小笠原諸島が日本から切り離されて、米軍の施政下に入った日でもある。今の日米地位協定につながる、米軍への基地の無償提供が始まった日でもある。つまりは、沖縄の苦しみが始まった日でもあるということ。

 当時の国際情勢は、一九五〇年には朝鮮動乱が勃発して、第三次世界大戦すら起こるのではないかというおそれがあった。

 日米安保条約は大変重要でありますし、日米間の連携が我が国の安全保障政策の基軸であると私も考えております。ただ、当時の状況としては、日米安保によって、地政学的にも我が国がいわゆる反共のとりでということに位置づけられたのではないかとも思いますし、主権回復と同時に、冷戦構造にも組み込まれていったという見方もできるのかもしれません。

 いずれにいたしましても、四月二十八日を日本人にとって記憶に刻むべき大切な日と位置づけることに私は異論はありませんが、これはもう当然、政府としても十分御配慮いただいておると思いますけれども、単に、主権回復、独立だということでめでたいということではないはずであります。政府主催で行われようとしている記念式典、祝賀だけのものにならないようにしてもらいたいものだと思います。

 具体的には、沖縄の方々を初めとする、いろいろな複雑な思いを持っておられる方々にどう配慮した式典とされるお考えなのかをお伺いしたいと思います。

田村国務大臣 平和条約の発効による我が国の完全な主権回復と国際社会復帰六十年の節目を記念して、我が国による国際社会の平和と繁栄への責任ある貢献の意義を確認するとともに、これまでの経験と教訓を生かし、我が国の未来を切り開いていく決意を確固としたものにするため、記念式典が実施されることは、大変有意義なことだというふうに認識をいたしております。

 この式典に当たっては、奄美、小笠原、沖縄が、戦後の一定期間、我が国の施政権の外に置かれていたという苦難の歴史を忘れてはならないと思うわけでありまして、苦難を耐え抜かれた先人の心情に思いをいたし、沖縄の方々の抱える基地負担の軽減に取り組むとともに、奄美、小笠原、沖縄を含めた我が国の未来を切り開いていく決意を新たにすることが大変重要である、このような認識のもとに開催をさせていただくということでございます。

中根(康)委員 趣旨はよくわかりましたが、沖縄の知事さんを初めとする方々が場合によっては出席できないかもしれないという報道もなされております。沖縄の方々も気持ちよく理解していただいて御参加いただけるようにする、その具体的な御答弁が、今ちょっと聞き取りづらかったんですが、改めて、そのあたりはどう配慮しながら式典が行われるのかということでございますが、もう一度お願いできないでしょうか。

田村国務大臣 今申し上げた思いの中で式典を開催させていただくということでございまして、具体的なことは官房長官が御回答をさせていただくということになろうと思います。

中根(康)委員 それでは、またいずれかの機会に官房長官からの御見解を拝聴してまいりたいと思っておりますが、ぜひ、御指摘を申し上げた点につきましては、最大限の御配慮を賜りますようにお願いを申し上げます。

 私は、むしろ、もちろん戦後生まれでございますし、占領下での暮らしは直接は体験しておらない世代でございますが、例えば、改めて年表を見ると、占領下においても、ヘレン・ケラーが来日をして国民が大歓迎したとか、あるいは湯川博士がノーベル賞を受賞されたり、水泳では古橋広之進選手が次々と世界記録を樹立されていったり、あるいは力道山が活躍をされたり、こういう、占領下においても日本人が懸命に生き抜いていた。営みがあった。

 こういう点に、単に、占領されて、もちろん苦しい状況でもあったんですけれども、そこから不屈の精神で立ち上がろうとしていた、未来に希望と夢を持とうとしていた、こういう日本人のたくましさといったものもぜひ光を当てて考えていきたいなというふうに思っておるところでございます。これは私の思いでございますので。

 それで、占領統治下、つまりはGHQの民主化政策の一環として、終戦直後に、四五年から四七年ごろにかけて、例えば、労働組合法、労働基準法、労働関係調整法などが立法された。四七年には教育基本法、そしてまた、六・三・三・四制を定めた学校教育法もこの占領統治下で制定をされたわけでございます。

 安倍内閣は、ある意味、これらをことごとく見直そうとしているのではないかとも見受けられるわけでございます。どこかで安倍総理が、戦後レジームの総決算というか脱却というか、そういった表現をされたということであるならば、こういう統治下でつくられた法律や制度をこの際全て見直していこうということが、今、政府の中で考えられているのかどうか、その辺、大変答えにくいことだろうと思いますけれども。

 ここは答えられないと思いますので、結構です。時間もありませんので、続けます。

 今、この一環とでも言えるのではないかと私たちは非常に危惧をしていることがあります。

 それは、安倍総理が議長をしておられる産業競争力会議、ここで、首切り自由化と言われるような解雇の金銭解決制度、日本の雇用の風景を大きく変える、日本型の雇用のよさを失わせてしまう、あるいは、日本人のいい意味での忠誠心というものを否定するような、お金さえあれば何でもできると、道徳教育を推進しようとしておられる安倍内閣とはとても思えない、拝金主義の大もとになってしまうんじゃないか、子供たちの教育にとっても極めて悪影響を及ぼしてしまうのではないかという、この首切り自由化制度というものが、今、産業競争力会議で議論をされていると伺っております。

 いずれにいたしましても、私たちは、産業競争力会議でどのような議論が行われているかはつまびらかに知る立場にはありません。このように、国民生活に極めて重要な影響をもたらしかねない議論でございますので、これは、七つある産業競争力会議のテーマ別会合のうち、この首切り自由化制度が、解雇の金銭解決制度が議論されている、産業の新陳代謝の促進というテーマ別会合、それから、人材力強化・雇用制度改革のテーマ別会合、この議論が全ての国民に明らかにされなければならないと考えております。

 この会議録、議事録を国民にお示しをいただくということに、今、なっておりますでしょうか。おらないようであれば、これはインターネット等で、ぜひ全ての会議録を公開していただけるようにお願いをいたしますけれども、大臣、いかがでしょうか。

田村国務大臣 私の所管ではないものですから、直接お答えはできないわけでありますけれども、今、戦後レジームからの脱却、第一次安倍政権のときに安倍総理がおっしゃられた一つの基本方針でございましたけれども、それにのっとって労働法制も、実は戦後つくられた制度を変えていこうとしているんじゃないかというようなお話だったと思うんです、前半は。

 これに対してお答えすれば、基本的には、明治時代から、これは契約の自由において解雇は自由であるということが基本原則としてあるわけでありますが、そういうような、基本的に自由だという中において、我が国の雇用慣行といいますか、言うなれば、拘束力が非常に強い部分、一方で安定的に長期間雇用を保障されているというような、そういう、雇用労務管理上のお互いに合意された慣習みたいなものがあったわけであります。

 そのような意味からいたしますと、その後、大体、高度経済成長を経て、客観的に合理的な理由がない解雇でありますとか、また社会通念上相当と認められない解雇、こういうものに対して、やはりこれは、解雇権の濫用というもの、これが制限される、解雇権濫用法理といいますか、これはもともと民法上の権利の濫用の法理が原則になっておるわけでありますが、これにのっとったこのようなものがだんだんつくられてきて、最高裁の判例等々で定式化されてきたわけであります。

 そういう意味からいたしますと、決して、戦後、何かアメリカがつくった労働法制というわけでもないですが、そういうものが変わったというわけではありませんでして、日本の雇用の慣行にのっとってそういうようなものが裁判においてつくられてきたというふうに御理解をいただければいいと思います。それを変えようといったって、それは積み重ねでございますから、そう簡単に変わるものではないのであろうということを我々は思っております。

 その上で……(発言する者あり)ちょっと静かにしてください。では、今どういう議論がなされているかというのですが、金銭解決というものが具体的に今どういうものだという議論は、まだ私もお聞かせをいただいていない状況でございます。ペーパーにはいろいろなものが書いてあるんですけれども。

 それで、よくよく考えてまいりますと、この金銭解決というのを、例えば、お金を払うからもう首にするというようなことをやっている国は、世界じゅう、ないわけでございまして、あくまでも、労働裁判、紛争等々において、裁判等々で解雇不当というような結論が出た後に、その救済手段といいますか解決手段として金銭で解決するというような手法は、ヨーロッパ等々では扱われておられる。

 しかも、ではそれを主張するのは、申し立てるのはどちらかというと、例えば事業主と雇用者、両方であったりだとか、労働者から言ったりでありますとか。事業主だけでこれを言うというようなところは、私の知る限りでは、ヨーロッパでもないわけであります。

 そういう意味からいたしますと、金銭解決、首切り簡易化法だみたいな、何かそういうふうなお話がありましたけれども、そんなことは世界じゅう見てもないわけでありますから、具体的に日本でもそんなことが実現できるかということは、仮につくったといたしましても、果たして裁判でそれがどうなるかということを考えますと、なかなか難しいのではないかというのが私の率直な意見であります。

 いずれにいたしましても、そういうことも含めて、労働政策審議会で最終的には議論をされて決定をしていくわけでございますから、ここでそういう議論がなされたとしても、それで即、法制化をされるという意味ではないというふうに理解をいたしておりますし、そもそも、金銭解決というものは解雇ルールとは若干違うわけでありまして、判決で決定した後にそれを救済するための方法であるというふうに我々は理解をいたしております。(中根(康)委員「会議録のこと、議事録の公開のことは」と呼ぶ)

 いや、御答弁させていただいています。私は所管ではございませんので、所管は内閣府だというふうに思いますから、そちらの方にお聞きをいただくということです。

赤石政府参考人 お答えいたします。

 産業競争力会議においては、運営要領の規定に基づきまして、会議の終了後、速やかに当該会議の議事要旨を作成し、これを公表することとしております。

 テーマ別会合においても、この要領に倣って、会議後、速やかに議事要旨を作成し、公表することとなっておりまして、御指摘のありました三月六日に開催されましたテーマ別会合、これにつきましても、その議事要旨については、現在、民間議員の方々に確認を依頼してございますが、とれ次第、速やかに公開したいと思っております。

中根(康)委員 私が求めているのは、議事要旨ではなくて、一人一人の議員の方々がどんな発言をされたかという議事録でございます。この公開を求めさせていただいております。

 それは、つまりは、先ほど申し上げましたように、労働者の、国民の暮らしや仕事に極めて重要な影響をもたらしかねない、本当に重要な議論だ、ある意味、危険な議論だという認識を持たせていただいておりますので、要旨ではなくて、会議録の公開というものを求めさせていただいておるということで、この点につきまして、ぜひ理事会で御協議をいただき、いずれかの早い時期に、この会議録の公開を、この厚生労働委員会に御提供賜りますようにお諮りをいただきますように、委員長にお願いしておきます。

松本委員長 後刻、理事会で協議いたします。

中根(康)委員 それで、金銭解決制度については、これまでも、二〇〇三年、労働基準法の改正を議論した際、あるいは、二〇〇五年、労働契約法制定を議論した際、過去二回にわたっても議論がされている。そして、改めて今回、産業競争力会議を舞台として行われているということでございます。

 解雇規制のあり方、これは、成長戦略を実現して雇用の受け皿がきちんとできれば、働き場所の転換というのか移転というものは、ある意味、可能性があることであろうと思いますけれども、それ以前に、まずこの金銭解決制度が議論をされている。これは順番が逆だと思いますが、いかがでしょうか。

田村国務大臣 私も産業競争力会議に出させていただく日があるわけでありますけれども、少なくとも、私が出席しているところで、金銭解決ルールが具体的にどうだという議論はまだなされておりません。(発言する者あり)その意味で、あの資料には入っておりますけれども、具体的にどうだというような議論にはなっておりません。

 その上で、今、産業競争力会議の中で議論をさせていただいておる主なことは、やはり、一つは、労働移動というものが必要であろう。それは、成熟産業から成長産業に向かって産業構造が変わっておる中において、労働力が移動しないと伸び行く産業に人が行かないという中において、いかに失業を少なくして、もしくはなくして、労働移動を支援できるかという議論でございます。

 そういう意味では、民間の職業紹介事業者等々、こういうものを利用しながら、こういうところがうまくそれを仲介していただくのであるならば、労働移動支援助成というような形で何らかの手当てができないかでありますとか、それから、今もあるのですが、産業雇用安定センターというものがございます。ここで、例えば出向でありますとか転籍のあっせん等々をして、スムーズに、まだ働いているうちからそういうような準備をする中において、失業がない中で労働の移動ができないであろうかだとか、また一方で、大学等々での学び直しで、働いているときからそういうことをしっかりとやっていただいて、次の転換に向かっていただくでありますとか、そういうような支援はどうあるべきかという議論を中心にやらせていただいておるという状況でございます。

中根(康)委員 田村大臣が三月十五日にこのテーマ別会合に提出をした資料にも、「失業なき労働移動」という表現がなされておるわけでありますけれども、この「失業なき」、つまりは、まず失業者が出てしまった、その上で、どこか、ここに成長産業がありますよ、あそこに求人がたくさんありますよということでは、これは順番が違うわけでありますので、失業なき成長産業への労働移動ということ、つまりは、受け皿をまずしっかりとつくるということが初めになければならないということ。この失業なきという言葉が、私は極めて重要なところであろうと思います。

 今は、参議院選挙までは安全運転ということで、この失業なきということを盛り込んでいただいておるかもしれませんが、まさか、参議院選挙が終わったら、いつの間にかこの失業なきというところが消えてしまうというようなことがあってはならないと思います。ぜひ、選挙があろうとなかろうと、大臣として、ここにしっかりと重点をというか、ここを大切にしてもらうということを、ここでお約束していただきたいと思います。

 それから、繰り返しになりますけれども、今までこの金銭解決制度は、何度も議論されてきたけれども、どうしてもやはり無理だ、これは導入できないという結論がそのたびごとに行われてきたのだろうと思います。そこをあえてまた今回議論を蒸し返しているということに、私は何か意図的なものを感じざるを得ないと思っております。

 最終的には、公労使、政労使の三者協議、これはILOの精神にのっとって議論が深められ、結論が出されていくということでありますけれども、しかし、この産業競争力会議のような、労働者側が入っていない、使用者側だけの議論が先行して、何やらそういう空気がつくられてしまう、既成事実的になってしまうということを私は心配せざるを得ないと思っております。

 最後に、このあたりのところを大臣にお伺いして、質問を終わりたいと思います。

田村国務大臣 失業なき労働移動、もちろん、失業される方もおられますけれども、それをなるべく短くしなきゃいけないわけでありまして、これは、今回、我々厚生労働省が産業競争力会議に提出したプレゼンのペーパーの中にも書いてあるのですが、我が省としての一つの大きな売りでございまして、これが参議院選挙が終わったらそんなものがなくなったなんということには絶対ならないわけであります。失業というもの、そういう不安、そういうものをしっかり解消できる中において、伸び行く産業、成長する産業に人が移っていける、そういうような政策をこれからしっかり運営してまいりたいというふうに思っております。

 それから、今、一方だけで物事を決めていいのかという御議論がありましたが、いろいろな御議論はあられるんだと思います。それはもうそのたびに、今までもいろいろな御議論、一回それは決まりませんでしたよという御議論も、またいろいろな会議をつくりますと、また何度も何度もということはあるんだと思います。

 しかし一方で、先ほど来申し上げておりますが、ここで決まっても、決まったというか、ここで方向性は出されても、結局は労政審の方でかけなければならない話でありまして、そこではちゃんと当事者の方々に入っていただいて、いろいろな御意見をいただくわけでございますから。

 ですから、いろいろな御議論はありますが、最終的には労働政策審議会というものがあって、それはILOの精神にのっとってつくっておるわけでございますので、そこを外すことはないわけでございますから、そこでまたいろいろな御議論をいただくということになろうというふうに思います。

中根(康)委員 そうであるならば、労政審の議論にもう今のうちから委ねて、何か、使用者側だけの一方的な議論が先走るというような環境というか状況というものは今のうちから排除をするということが、私は、本来田村大臣らしい指導力の発揮の仕方だということを申し上げて、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

松本委員長 次に、伊東信久君。

伊東(信)委員 日本維新の会の伊東信久です。

 私に与えられた時間は四十五分ということで、ただいま三十三分なので、十八分までお話をさせていただく、質疑させていただく形でよろしいのでしょうか。時間の方も限りがございますので、本日もまたさくさくと質問をさせていただきたいと思うんです。

 まず、イントロダクションになるんですけれども、本日は、三月二十二日ということで、もうすっかり春でございまして、四月になれば、新しい生活、学校に、就職に、新たなる環境に向かわれる皆様もおるということなんですけれども。

 学校といえば、今も少子化といえども受験戦争が厳しくて、先日、麻布中学という、東京でいうと、進学率のいい御三家があるんですけれども、御三家と呼ばれる私立中学がございまして、麻布中学校の入試問題で、九十九年後に誕生する予定の猫型ロボットのドラえもん、このドラえもんが、いかにすぐれた技術でつくられていても生物とは認められることはありません、それはなぜですか、理由を答えなさいという入試問題が理科で出されているんですね。

 確かに、私の知り得る限りでも、ドラえもんというのは、ロボットであるのにもかかわらず、喜怒哀楽もありますし、ほぼ人間と同じような暮らしをするし、かつ、どら焼きという食事までするわけなんですね。

 私、開業医でありましたけれども、同時に、大阪大学の臨床医工学という、医学部と工学と融合する臨床医工学融合教育研究センターの准教授でもありまして、そこの同じ先生で、石黒浩先生という、ロボットをつくられる先生がおられて、その先生は、もう人間よりもアンドロイドの方が、ロボットの方が上だ、そういった極論までおっしゃるんです。

 しかしながら、人間が人間であり得ること、やはり、どれだけすぐれていてもドラえもんは生物とは認められないとありますけれども、この理由について、申しわけないですけれども、田村厚生労働大臣、この入試問題に関して、どのようにお答えされますでしょうか。

田村国務大臣 ドラえもんがどういうような物質によってできているかはよくわかりませんし、進化の過程があったのかなかったのかもよく理解できておりません。また、ドラえもんが、その後、子孫をつくれるのかどうかもよくわかりませんし、また老化等々、いろいろな生物的な反応を科学的にしているのかもわかりませんが、何よりも、漫画、アニメの想像の産物でございますから、それは藤子不二雄先生に聞かないとわからないと思います。

伊東(信)委員 最後の落ちは、私、なかなか大したものだと思うんですけれども。

 実は正解なんですね、医学的に申し上げても。問題の中のヒントに、一番目に、生物に共通する特徴として、自分と外界との区別をする境目を持つ、もう一つ、エネルギーを蓄えたり使ったりする仕組みがあるというのがあるんですね。これは、でも、ロボットで、アンドロイドで、それをカバーすることができるんですけれども。もう一つ、田村大臣がおっしゃったお答えの中にもあるんですけれども、自分が成長したり子供をつくったりするということなんですね。

 これが生物が生物であり得る理由でありまして、そこに加えて、やはり感情というものがございます。

 本日の二つの案件であります、まず一つ目の、戦没者の妻に対する、そして戦没者の父母に対する特別給付金というのがございます。これは、法律的には、国が国家補償の精神に基づき使用者の立場から補償するということですね。

 その細かい精神としまして、やはり家計を支えていた配偶者であるところの夫、そして、未来への精神的な支えである子供に対する精神の上での補償というのも含まれるのではないかな、文言だけではなく。

 その際に、先ほどの民主党の中根議員の御質問にもあったんですけれども、では、国が補償してくれるというその補償がされなかった場合の、金額ではない、落胆も大きいと思うんですね。

 現実、実態の把握というものをどのようにされているか。つまり、給付される方というのが、今、十万六千件ほど戦没者の妻に関してはある。その十万六千件、消えた年金問題ではないですけれども、亡くなられた方もやはりおられたり、それとか記録漏れのある方もあるのではないか。

 その辺を、今の現状としてはしっかりと把握しているよ、名簿じゃないですけれども、そういった統計がきっちりとできていますよということを、政府の見解として、まずそこからお答えいただければと思います。

泉政府参考人 この特別給付金の支給に当たって、どういう手順で支給していくのかということをお答えさせていただければというふうに思います。

 基本的には、御本人からの請求に基づき、これを審査して交付することを決定するということでございます。

 ただ、一方で、請求漏れといいますか、時効にかかってしまってもらい損ねる、こういうことがないようにということで、請求漏れを減らす目的で、恩給受給者のリストをいただいて、それからまた、援護年金の受給者のリストというのもございます。こういうものから、受給対象者と見込まれる方々を拾い出して、個別に御案内をする。それから、単に御案内だけでなくて、請求書には、もうわかっている事項はあらかじめ印字した形でお送りする。ですから、それを送り返していただければいいような形に近い形で進めていく、こういう形のことを進めております。

 ですので、特別給付金につきましては、一定の基準日がそれぞれの制度でございます。そのときにおいて権利を有するということを確認して交付するという形でございますので、そういう形での請求漏れというのは極力少ないようにという形で進めております。

 全体図を把握できているのかということでございますが、これは、五年ごと、あるいは十年ごとにこういう手続をとっていくという形でございますので、その間に、例えばお亡くなりになったり、あるいは消息不明になったりという方を一人漏らさず把握できているかというと、そういう体制ではございません。

 ですから、先ほど申し上げましたように、恩給あるいは援護年金、いわば別の制度ですが、そういった方々をそもそも対象にした給付金の制度でございますので、それによって相当程度把握して手続は進めてまいる、こういうような形でございます。

伊東(信)委員 その際ですけれども、先ほどの田村大臣の答弁の中にもあったと思うんですけれども、受給者の方から申告していただく。田村大臣、たしか、こちらからの御案内みたいな趣旨のことも述べられていたと思うんですけれども、以前、こちらから案内するというような制度はなかったんですけれども、こちらから対象になり得るであろう方に案内する制度というのは、これからされるということですか。

田村国務大臣 今までも、なかなか御申請いただけずに、漏れるといいますか、この給付が直接手に行き届かないというような方々が出てきておるわけでありまして、対象者の方々が御高齢ということもございます。

 でありますから、先ほどもお話がありましたけれども、総務省の方の恩給、こちらの方のリストでありますとか、また厚生労働省の援護年金、遺族年金、こういうもののリストでわかる方々に対して国の方から案内を出させていただくということで、なるべくそういう漏れを防いでいこうという努力をさせていただきたいというふうに思っております。

伊東(信)委員 それで、その際に、この法律、戦没者の妻や父母ということなんですけれども、戦没者の妻が十万六千件、父母が四十五件ということなんですね。ここの差異というのは、要するに、十万と四十五という差異は、単なる対象者の年齢によるものなのでしょうか。それとも、また別に理由があるのでしょうか。

泉政府参考人 受給者の、これはあくまで推計、見込みでございますが、お話ございましたように、戦没者の妻については十万六千人ぐらい、それから戦没者の父母の方は二桁、四十五人ぐらいじゃないかという見込みでおります。

 これは、なぜ人数が違うのかというお尋ねでございましたが、一つは年齢ということだと思います。妻の場合は、こちらも平均年齢はもう九十代、あるいは百に近くなっているかと思いますが、典型的に言えば、戦後六十八年目でございますので、例えばでございますが、終戦のときに二十二歳であった方が六十八年後には九十歳、一つの妻の典型的なイメージとして申し上げているわけでございます。

 一方で、父母の方はそれよりも一世代上でございますので、年齢的には非常に高いということと、それから、制度的にも、これは子供を亡くした父母全員ではございません、子供を全てなくした、要するに、後継ぎがいなくなってしまった父母。こういうふうに、これはもう制度のスタートしたときから法律上そういう制度でございますので、そういう意味で対象者が限定されているという部分もあろうかと思います。

伊東(信)委員 ありがとうございます。

 厚労省からの御報告では、受給者の平均年齢が、妻の方が九十五歳、父母の方は百歳ということは、まさしく寿命によるものなのかなとは思うんですね。

 年金のときに問題になりましたけれども、百二十歳とか百五十歳という、とてつもないような年齢とかが出てきていました。実際、医学は発達しておりまして、織田信長の時代には人間五十年と言われていて、実際、私は昭和三十九年生まれで田村大臣と同じなんですけれども、私が子供のころは、六十代、七十代で大体祖父母の年齢で、八十代の方というのはなかなか見かけなかったんですけれども、今、私の患者様でも最高年齢九十七歳ぐらいおられまして、八十代の方は、ざらにいると言ったらいけないですけれども、八十代の方は本当に、ほぼ平均年齢に近いです。

 ただし、百歳を超えるとやはり急に少なくなって、DNAというか、生物学上、百二十五歳というのは不可能なんですね。では、百二十代までいかに成就するというか、寿命を全うしていくかということなんですけれども。

 百歳の平均年齢であれば、この法律上、やはり亡くなられる方もおられる、それで、国債の償還ということで、十年償還でやり、五年償還でやって、途中で亡くなられた場合のその処理というのはどうされるのでしょうか。

泉政府参考人 お答えいたします。

 受給者の方が途中でお亡くなりになった場合にどうなるのか、こういうお尋ねだったかと思いますが、この特別給付金、おっしゃいましたとおり、交付国債を交付する、そして、それが五年あるいは十年の期間、毎年償還を受けていただく、こういう形でのやり方というのが、制度が始まったときからずっととられているやり方でございます。

 その償還期間の途中で受給者の方がお亡くなりになった場合には、その残った期間、償還金が残っている国債というのが物理的にございます。これは相続人の方が相続できる、制度的にそういう形でございます。

 ただ、もちろん、国債は記名国債という形でございますので、その場合は、相続人の方が名義人変更という手続をとっていただく。その際に、本当に相続人なんだということをチェックすることはございますけれども、そういう形で、相続された方が残った部分を償還できる、こういう制度でございます。

伊東(信)委員 その際の制度上の問題なんですけれども、償還期間中にお亡くなりになって相続という形になりまして、人数的にたくさんの人数じゃないんですけれども、単に、法の精神として、冒頭で申し上げましたように、国が国家補償の精神に基づき使用者の立場から補償と。

 だから、その対象者からいわゆる相続というのは、それも法に基づいているから問題はないと思うんですけれども、例えば、その時点で打ち切るような制度とか、そういった考えというのは、システムづくりというのは考えられないのでしょうか。

泉政府参考人 これは、受給者の方が途中でお亡くなりになった場合には相続人の方に相続される、こういうことは今申し上げましたが、そこで打ち切れないのかというふうなお尋ねだったかと思うんですが、これは先ほども申し上げましたが、昭和三十年代あるいは四十年代からこうした仕組みでずっとやられております。

 恐らくは、その趣旨といいますのは、一定期間、制度によって五年あるいは十年なわけでございますが、その期間、いわば慰藉といいますか、大変な御労苦を受けられた方々に対しての慰めといいますか、そういう趣旨を一定期間きちんと行う。

 それから、単に現金の支給という形ではなくて、こうした形のある国債というものを差し上げる。国債には、先ほど記名国債と申し上げましたが、裏には御本人のお名前が記載され、それから、表にはこの法律に基づく国債ですということが明記されたような、そういうものを、いわばわざわざつくって交付しているという形でございます。

 これは、やはりこういう形というのが、国として慰藉ということを当事者の方々に示す形として、これが適切なんだろうということでずっと行われてきたという経緯なのではないかというふうに思われます。

 そうしたことから、やり方を変えるということになれば、やはり当事者に対しての国からの気持ちの伝え方として本当にそれでよいのだろうか、いろいろな御議論が必要なのではないかというふうにも思います。

 ですので、今回は、こうした形で、これまでと同じ形で、継続して行うという内容の法案でお願いしているものでございます。

伊東(信)委員 そういうことなんですよね。この法案に関して、やはり継続の法案でございますし、御遺族のお気持ちを考えたら、この法律を変えていただきたいという趣旨ではないんです。

 ただ、そういったチェックというか、そういう考えもあるということをおわかりいただきたいのと、補償の概念でいえば、いわゆる特別給付金とかも含めて、いろいろな方法で支援をされているようなんですけれども、その対象者となる方、つまり、もともと軍人であり軍属であったり準軍属であった方々の配偶者であり父母であるということなんですけれども。

 これはちょっと細かいあれなんですけれども、準軍属の中に、国家総動員法による被徴用者と、軍の要請による戦闘参加者ということなんですけれども、国家総動員法の性質上、この二つはかぶらないのか、明確な区別があるのか、その説明だけちょっとお聞きしたくて。

泉政府参考人 準軍属の中身として、国家総動員法に基づく被徴用者とそれから軍の要請による戦闘参加者、そういう御指摘があったかと思いますが、いずれの場合も、法律上、準軍属という扱いでこうした給付金の対象ということになっております。

 両者の違いということでございますが、これはちょっと私どもの所管と別のことなので明確なところはあれでございますけれども、被徴用者というのは、総動員法という法律に基づいて、その法律に基づくいろいろな手続がとられて、いわば徴用という手続で行われた、その記録がきちんと残っているものという形だと思います。軍の協力による戦闘参加者というのは、そういう形でなくて、一つの事例としては、沖縄などではいろいろなことがあったと思いますけれども、戦闘行為、そのすぐ近くにいる民間人の方、そういう方がその場その場の状況に応じていわば戦闘に参加する形になった。

 いろいろな場合が本当にあろうかと思いますが、一つの事例としてそういうようなものがイメージできるのではないかというふうに思います。

伊東(信)委員 ありがとうございます。

 もちろん対象となるのは、ちょっと帰られたんですけれども、左藤政務官がおられるときにお聞きしてもよかったかなと思うんですけれども、事前通告していませんので、この話はよくわかりました。

 それで、先ほどから、対象者、対象年齢のお話をさせていただいているわけですけれども、百二十歳、百二十五歳というのは生物学上難しいということであれば、この法律の今後の見通し、例えば、十年後であれば平均年齢が百十歳とかになると、なかなかこれは医学上難しいお話になるんですけれども、今後のこの法律の見通しみたいなものはあるのでしょうか。

泉政府参考人 先生御指摘のとおりに、対象となる方々がますます御高齢になるということで、対象となる方々の人数も次第に少なくなるのではないか、では五年後はどうなのか、十年後はどうなのか、こういう御指摘かと思います。

 人数あるいは年齢については、御指摘の要素があるということはそのとおりだと思います。ただ、ではそのときどうするのかというのは、これはもうその時点でどういうふうにしていくのがいいのか、やはり人数は少なくてもそういう方々がいるのであれば制度として継続していくということなのか、あるいは何らかの見直しを行うのか、それは、そのときのさまざまな状況を全体を見て検討していくということではないかというふうに思います。

伊東(信)委員 ありがとうございます。

 人間の寿命というのはやはり限られているものであり、時間というか年月というのは人間の意思とは別にたっていくというのが今の三次元の我々が生きているこの場でありますので、今のお話はよくわかりました。

 この件に関する最後の質問になるんですけれども、私、趣味がラグビーでして、ラグビーと、もう一つの趣味がダイビングです。

 それで、小笠原諸島に行ったり、もう一つはパラオにも何回か行ったことがあるんですけれども、パラオにペリリュー島というのがありまして、そこで、いわゆるゼロ戦であるとか戦車であるとか、そういった旧日本軍の設備が残っているんです。

 先ほどの遺骨の話ではないんですけれども、例えば、ダイビングして、そこに飛行機が沈んでいれば、難破船であれば、レックダイブとかいいましてそこにコロニーができたり、ゼロ戦もそうなんですね、そこにコロニーができて、ダイビングスポットになり得るわけなんですけれども。

 もともと国際法上いろいろあると思うんですけれども、そういったものの回収とか、遺骨とかは多分既に調べられていると思うんですけれども、そういった残っているものとかを回収したら、いわゆるダイビングスポットとしては、観光スポットとしてはなくなるんですけれども、そのまま、置いたままというのはいかがなものかなとも思ったんですけれども、そのあたりはいかがでしょうか。

泉政府参考人 厚生労働省として、御遺骨の収容、帰還というのは非常に重要な任務として取り組んでいるところでございます。

 ただ、今お話がありました、何か海底に沈んでいるものをどうするというところについては、厚生労働省としてはタッチしておりません。では、ほかの役所でどうかというところは、ちょっと承知しておりませんので、そういう形でございます。

伊東(信)委員 趣旨としては、そういったところに残存している遺骨もあるのではないかということと、我々が潜れる範囲での、私は職業ダイバーではないわけでして、いわゆるファンダイブという、ダイビング免許で潜れる範囲での、海底にそういった遺骨もあるのではないかというような趣旨です。

 ただ、たくさんの数ではないですし、パラオというのはいわゆる占領下のときでも特殊な状況でありましたので、そういうような場所もあるということだけ、ちょっと御承知ください。

 時間もないので、次の質問に移らせていただきます。

 次に、駐留軍関係離職者の臨時措置法の方からまず聞かせていただきたいと思うのですけれども、主な職種と現在の従事者数というのは、全体のことはお聞きしたんですけれども、どういった職種の方が多いのかというのが、今回の離職後の雇用にもかかわると思いますので、職種と、できれば割合みたいなものがわかればと思いますので、ちょっと教えてください。

豊田政府参考人 お答え申し上げます。

 駐留軍等労働者の職種についてでございますけれども、在日米軍との間で締結しております労務提供契約で定められております。全体では、現時点で約千三百五十種類存在しているわけでございます。

 その主な職種と人数につきましては、例えば、航空機や機械、土木等々の専門の技術者の補助を行う管理専門職というような分野の職員が約八百名、それから、在日米軍の施設内にはさまざまな食堂や売店があるわけでございますけれども、そういったところで食事の提供や食料品の販売を行うカウンターアテンダントという名前の職種が約六百人、さらには、在日米軍施設の警備に従事している警備員が約四百五十名等々でございます。

伊東(信)委員 その際ですけれども、いわゆる労契の方は、日米とか、在日米軍と結ぶということなんですけれども、雇用は日本政府ということなんですけれども、各労働者の身分というのは、日本国の国家公務員に準じるのか、もしくは給与面だけそれに相当するということなのでしょうか。どちらなのでしょうか、それとも、どちらもなのでしょうか。

豊田政府参考人 お答えを申し上げます。

 駐留軍等労働者の方につきましては、国家公務員ではございませんで、いわゆる民間人でございます。

 地位協定に基づきまして、日本国政府は、米側が必要としている方を駐留軍等労働者として雇用いたしまして、その労務を米側に提供するという、いわゆる間接雇用方式をとっておるところでございます。

伊東(信)委員 済みません。もう一つの質問だったと思うんですけれども。

 では、重ねて質問させていただきますけれども、賃金は地元の同種の職種に比べて高いのでしょうか。賃金自体は、やはり公務員に準ずるから高いのでしょうかというのが質問です。

豊田政府参考人 お答え申し上げます。

 駐留軍等労働者の給与につきましては、昭和三十八年以来、国家公務員の給与体系を基礎といたしております。これを、基本労務契約というメーンの契約の対象者で見ますと、基本給表につきましては、国家公務員の俸給表を基礎といたしまして、職務の内容に応じて五つの基本給表を定めているところでございます。

 また、諸手当につきましても、国家公務員に支給されております、地域手当、扶養手当等々の手当を設けているところでございます。

 さらには、年次の給与改定につきましては、従来から国家公務員の給与改定と同時、同率によるという方針でやらせていただいているところでございます。

 以上でございます。

伊東(信)委員 では、一般的に、高いとみなされてもいいと思うんですけれども、その給与自体の体系を変えてくださいという質問ではなくて、その方がやめられたとき、ハローワークに行かれて、また、雇用保険をもらうと思うんですけれども、そのときはそもそもの給料がベースになるわけですので、失業保険も高くなるわけなんですね。そうすると、日額でいうと大体八千円ぐらいもらえるわけなんです。掛ける三十日であれば、二十四万であるわけです。

 では、現在そういった対象者になられる方の御年齢というのは五十五歳から六十歳で、余りよろしくない事例ですけれども、リストラ対象者になって、失業されて、雇用状況を考えると、やはり二十四万を三年間もらえるとなると、なかなかちょっと就職される気持ちも湧かないのではないかなと思うんですけれども、そのあたりはどのようにお考えでしょうか。

豊田政府参考人 先生御指摘のとおり、近年の動向としましては、駐留軍等労働者は高齢化が進んでおりますし、離職者も高齢者が中心でございまして、再就職が困難であるという状況にございます。

 しかしながら、御案内のように、平成十八年五月一日に、日米安全保障協議委員会の際に公表されました、米軍再編の実施のための日米ロードマップというものが出されておるところでございます。その中には、厚木飛行場から岩国飛行場への空母艦載機の移駐でございますとか、在沖縄米海兵隊のグアムへの移転等々が予定されているところでございます。

 このような状況を踏まえますと、今後、場合によりましては、大量の離職者が一時的に発生する可能性も出てまいるということでございまして、私どもとしましては、現時点において、現状のような支援措置は必要不可欠なものだというふうに認識しているところでございます。

 以上でございます。

伊東(信)委員 この方々の雇用に関しては、単純に雇用というだけじゃなくて、日米間のこともありますし、ここは、厚生労働省であるので、その点に関して突っ込んだ詳細の質疑というのは余り意味をなさないと思いますので、今の現状と失業された方のお気持ちというのを考えて、こういった質問を含めて提言をさせていただいているわけなんですけれども、残すところあと八分なので、次の御質問にかえさせていただきたいと思うんです。

 駐留軍関係離職者及び国際協定の締結に伴う漁業離職者という、これは両方の法律が並列になっているわけなんですけれども、漁業離職者というのは離職する理由というのがまた異なっておりまして、国際協定と、漁業をめぐる国際環境が変わっていくということですね。

 その中でも、いわゆるマグロなどの回遊魚に関する船舶に乗られている離職者の数が圧倒的に多いわけなんですけれども、国際協定というのは、いわゆる捕獲数と実際の残存する魚類の数によると思うんですけれども、回遊魚の場合、この測定というのがなかなか簡単ではないと思うんです。

 その辺は、正確な数値として政府は把握して、漁船の減船というのを受け入れていられるのでしょうか。つまり測定法も、もしわかる範囲であれば教えていただきたいと思っています。

柄澤政府参考人 お尋ねのマグロの関係でございます。

 マグロにつきましては、御指摘のように、かなり広域を回遊する魚種でございますので、一国だけで漁業管理をすることがなかなか難しいということで、海域ごとに国際的な地域漁業管理機関というのがございます。いずれも我が国が参加をし、イニシアチブをとって議論を進めておりますが、科学的にどのぐらいの資源量があるかということを調査し、分析し、それに基づきまして参加国それぞれの漁獲量を決めて、それをみんなが守っていくという枠組みで進めております。

 その枠組みの中で現在進めておりますが、現在、個別具体的に、それによって減船が迫られているというような事態ではございません。

伊東(信)委員 実際、先ほどダイビングの話をしましたけれども、マグロとカジキマグロは違うんですけれども、カジキマグロが泳いでいる姿とかを見たんですけれども、本当にすごいスピードで泳いでいくわけでして、これをどうやって把握するのだろうかと疑問に思ったもので。

 この国際協定のほかに、いわゆるワシントン条約というのがありまして、ワシントン条約で規定されている中に、いわゆるサメ類があるんですね。サメ類も、一部の、例えば中華食材のフカひれに値するサメ類とかの規制が二週間ほど前にございまして、気仙沼の漁業に携わっている方というのは非常に打撃をこうむったというニュースが新聞報道でございました。

 いわゆる漁業離職者に関する臨時措置法というのは、マグロであったりカニであったり地びき網であったり、大きな船が対象になっているわけなんですけれども、日本の排他的経済水域の中でこのワシントン条約が入ってくるのはいかがなものかなと思ったんですけれども、国際協定自体の定義といいますか、どれだけの縛りがあるのか。

 実際、この法律自体の詳細というか、どれだけの強制力があるのかというのをちょっとお教えいただきたいんです。

柄澤政府参考人 お尋ねのいわゆる漁臨法に基づきます支援の対象というのは、特定漁業ということで、法律の考え方に従って、具体的には政令で指定されるということでございます。

 法律上は、国際協定等により規制が強化されたことに対処するため、緊急に漁船の隻数を縮減することを余儀なくされるというようなことでございますので、この国際協定の内容というのは広く考えられているのではないかというふうに承知しております。

伊東(信)委員 こちらの提言も、ここは厚生労働省なので、いわゆる漁業協定とかそういった話に突っ込んでいくとまたちょっと違う話になりますので。ただ、そういったことで、いわゆる他国からの干渉で我が国の労働条件が左右されることはいかがなものかなというのを、厚生労働委員の私の立場からちょっと素朴に疑問に思ったもので、質問させていただいたという趣旨で受け取ってください。

 それで、先ほど十八分ごろであろうということで、あと二分ですので、ちょっとまとめに入らせていただきたいと思うんです。

 いわゆる最初のイントロダクションのときにドラえもんの話をさせていただいたんですけれども、ドラえもんというのは、田村厚生労働大臣がおっしゃったように、漫画の世界であって、その漫画の世界であって夢を与えてくれるわけなんですけれども、その夢を与えてくれるポイントとしては二つあると思うんです。

 一つは、ドラえもんの持っているポケットが四次元になっていて、いろいろなものが入っている、いわゆる空間の広がりなんですね。もう一つは、机の引き出しがタイムマシンになって、いわゆる時間の広がりなんですね。そもそも、ドラえもんがのび太君のところに来たのは、その孫であるセワシ君が、のび太君が会社を起こしたけれども潰れてしまって、その借金がひどいから、のび太君をちゃんとさせよう、そういうことです。

 何が言いたいかと申し上げますと、いわゆる、そこに未来の責任と過去の責任というのがあると思います。今回の一部改正の法律に関して、まさしく過去の責任というのがあると思うんですけれども、今回、アベノミクスが誕生しまして、いわゆる政権与党である自民党さんには、今後の未来の責任に関してじっくりとお考えいただければと切に思いまして、私の質疑を終わらせていただきたいと思います。時間どおりです。

松本委員長 次に、足立康史君。

足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。

 所信質疑に続いて、きょうは法案の審議ということで質問に立たせていただきます。

 先般の所信質疑の際に、私、冒頭、尊敬する田村大臣と申し上げました。御面識というか、余りなかったんですが、いろいろなこれまでの政治活動とかを拝見していまして、尊敬すると申し上げたんですが、質疑をずっとこの委員会で御一緒していまして、伊東委員は我が党内でもなかなか相手にするのが大変な議員でありまして、この伊東委員の議論に厚労大臣としてしっかり御答弁をいただいて、本当に改めて尊敬をしている次第でございます。

 それで、先般の所信質疑について、きょうは法案の審議ということなんですが、先般、医療法人会計基準について私の方から御質問した際に、一部、医療法人会計基準なるものが策定をされている、制定をされているという御答弁があったので、私、そのとき、あれっということで申し上げたわけですが、改めて、その事実関係について、この場をかりてちょっと御答弁をいただければと思います。よろしくお願いします。

とかしき大臣政務官 三月十五日の答弁でお話しさせていただきましたのは私でございますので、私の方からお答えさせていただきます。

 まず、答弁に当たりまして、委員の御指摘に対しましてちょっと言葉が足らず、誤解を生むような表現がありましたことを、まずは先におわびを申し上げたいと思います。

 そこで、どの点に説明が不十分であったかということをお話しさせていただきたいと思います。

 公募債を発行できる社会医療法人については、企業会計基準と同じものを使うことになっているために、私は、会計基準を策定している、このように答弁してしまいました。

 しかし、正確に言いますと、これは、公募債を発行できる社会医療法人特有の会計基準を策定したわけではありません。会計基準がない法人は医療法人だけであり、医療法人独自の会計基準を策定すべき、このように委員は御指摘なさっていらっしゃいますけれども、この問題意識に照らせば、正確ではない答弁になってしまいました。

 またさらに、混乱させてしまったことに対しては大変申しわけないなと思いますので、ここでおわびを申し上げます。申しわけありませんでした。

足立委員 大変誠実な御答弁かと思います。ありがとうございます。

 ちょっと私からも補足を申し上げます。

 先般、所信質疑という大変大きなテーマを扱う場で、若干テクニカルな話を申し上げたのは、やはりこれから、医療界というか、医療、介護、福祉、社会保障について、国民会議を含めてさまざまな議論がある。大変な財政も既に投入をされていて、これからもその点については非常に大きな、保険料も上がっている、また、財政も追加で投入をしないと回らない。これが今の医療、介護の現実でございますので、もちろん高齢化の中で当然のことではあるわけですが、厚生労働省そして医療界におかれては、やはり、今我々が直面しているそういった事態にどういうふうに向き合っていくのか、そして構造改革をしていくのかということが問われている、こう思っているわけです。

 その際に、会計基準というのは、ちょっと釈迦に説法ですけれども、今、とかしき政務官の方から御答弁をいただいた、いわゆる公募債を発行する社会医療法人というのは、まさに、これはもう厚生労働省の世界ではなくて金融庁の世界で、金融商品取引法に服するということですから当たり前のことです。そういった観点から、企業会計に準じてというか、企業会計基準を使ってしかるべき、金融商品取引法に服してください、こういう当たり前のことを決めているわけでございます。

 一方で、一般の営利法人における会計基準というのは、金商法だけじゃなくて、会社法あるいは法人税法がその会計基準に関係をしてくるわけでございますが、会社法については、配当可能利益の算定をすることによって債権者保護をするということです。医療法人の場合は配当はしないということですから、同列に扱う必要はそもそもないということは言えると思います。

 一方で、医療も民間でありますから、法人税はかかっているわけで、お支払いをいただいているわけでございますが、では、法人税を払うときにその課税所得をどうやって算定しているんだといったときに、私がいろいろ聞き及んでいるところでは、医療界の実態は、いわゆる、かつてのですよ、かつての中小企業並みというふうに、誤解があったら医療界の方々に失礼ですけれども、医療も零細あるいは中小の法人が大変多いわけですから、営利の中小企業と同じような難しさというものに、会計上、当然、実態としてあるわけであります。

 では、中小企業についてどうかというと、中小企業庁が、もう十年以上前から、中小企業の会計に関する研究会というのを、関係者を全部集めて、徹底的に、中小企業者にとって使いやすい会計基準、会計のあり方というのはどういうことかということをけんけんがくがくやって、公認会計士協会なんかも協力をして、中小企業庁も全面協力をしてやってきた。

 それは誰のためにやっているかというと、実は、今三つの法律を御紹介したわけですけれども、そんな法律がなくても、そもそも、法人税の問題は重要だと思いますが、加えて、医療を経営されている方々が、みずから自分の経営状態について把握をするためには、あるいはほかのところと比較をするためには、やはり会計基準をちゃんとつくった方がいいと。

 さらには、自分で自分のことをチェックするだけじゃなくて、いわゆる利害関係者への情報提供。

 それで、この利害関係者への情報提供といったときに、その最たるものは、私は、医療においては、それは国民じゃないのか、納税者じゃないのか。なぜならば、八五%は保険料も含めた公費で賄われている世界なんだから、広く利用者、そして国民に対して医療経営の実態というものを明らかにしていくことが、それは医療界のためだ。

 医療界がこれからも健全に発展をしていくためには、そういう点での御努力がもう少しあってもいいのかなということでございます。

 ちょっと長くなりますが、大事なことなのでもう一言補足をしますと、小泉政権のときに、平成十七年十二月に医療制度改革大綱というのが閣議決定をされて、そのときに会計基準をやろうねということが書かれたわけです。

 その後、四病協が中心になって医療法人会計基準検討委員会というのを開催して、第五次医療法改正の施行に当たる十九年四月には、そういったものを何とか整備したいねということをおっしゃっていたやに仄聞をしているわけですが、その後、もう六年を経過して、私、政治家としての立場をこの十二月に与えていただいた後、ところで、あれはどうなっているかなということになったら、どうも進んでいないということだったので、所信質疑で問題提起をさせていただいた、こういう経緯でございます。

 要すれば、これはなかなか難しいんです。だから、四病協の皆様がこれをまたやるよということで言っておられると思うんですが、中小企業のときにやったことを思うと、中小企業庁は、中小企業庁財務課を挙げて、これをもう十年間やり続けてきたんですね。そうすることによって、実は、中小企業の経営が健全に保たれるし、また、さまざまな政策措置をその後、それに従っている、例えば中小企業庁がコミットをしている中小企業の会計のあり方に準じて情報開示をしている中小企業者については政策金利を下げるとか、いろいろなことができるんです。

 私、先般、政策イノベーションという言い方をしたかもしれませんが、厚生労働省におかれても、これからやはり医療の分野、健康云々戦略ということでやられるわけですから、早くこの議論を進めないと、要は、政策が後からついていけない、ある種の基礎なんですね。だから、私は愕然として、これは大丈夫かな、こんなことでその他のいろいろな政策がこれから打てるのかなということを問題提起している。

 したがって、録画がされる場ですから申し上げると、私も医療界に何か無理なことをやってほしいとか、やるべきだとか、あるいは、四病協の皆様におかれても、何か反対のあることを無理にやるべきだと申し上げているのではなくて、医療ならではの論点があると思うんですね。

 例えばリース会計をどうするか、退職給付会計をどうするか、医療会計ならではの、なかなか、企業会計と同じようには情報開示するのは適当じゃないぞというような問題が多分あるから、そういうことはしっかりと四病協で議論されて、これはこう扱おうとかいうことを、医療界の実態に即した情報開示、財務情報開示のあり方を整備していくべきではないか。

 ちょっと演説になってしまいましたが、そういう趣旨で申し上げたので、ぜひ、田村大臣におかれては、四病協でこれから検討されるやに聞いておりますその議論、ぜひ役所として、民間中心でやるのは、これはそうあるべきだと思います、民間中心で議論している医療法人会計基準の議論を、やはり厚労省とされても、役所からもしっかりとサポートをしていただきたいと思いますので、一言だけ、その点、大臣からお願いできればと思います。

    〔委員長退席、高鳥委員長代理着席〕

田村国務大臣 足立委員の問題意識というものは私も共有している部分があるわけでありまして、医療機関、医療法人もさまざまですけれども、かなり大きなお金を動かしているところもあるわけであります。そういう意味で、その経営、運営が、より持続的に、安定的に、それでいて、健全であり、透明性というものをしっかりと担保できるという意味からすれば、やはり医療法人の会計基準なるものを早急につくるべきだという御意見、それはごもっともだというふうに思います。

 今、四病協の方が検討を始めているということも委員御承知をいただいておるとおりでありまして、大分進んできておる部分はあるんだというふうに思います。

 いずれにいたしましても、基本は、やはりみずからがやっていただかなければならぬわけでありまして、そこは踏まえつつも、これはなるべく早く、言われるとおり、小泉内閣のときから何年たっているんだという話でございますから、なるべく早くこれを策定できるように、厚生労働省も全力を挙げて積極的にお手伝いをしてまいりたい。できれば、二十五年度の早い時期にこれが作成されるように、我々もお手伝いをしてまいりたいというふうに思っております。

足立委員 田村大臣、本当にありがとうございます。

 かつて、医療の分野においては、MS法人とかいう呼び方で、メディカルサービス法人というものが医療法人をがっと取り巻いて、今でもそうだと思います。結局、さまざまな医療ビジネス、ビジネスと言っちゃいけませんね、医療産業、医療ビジネス、本当に巨大なコングロマリットというか、巨大産業ですから、そこでさまざまな資材とかいろいろなものがやりとりをされるということですから、そのMS法人を通じた税務上のいろいろな議論が喧伝された時期もあったと思います。

 それについては、税務署等の努力もあって、あるいは医療界自身が、私も、伊東先生初め、同士に医師がたくさんいらっしゃって、よく議論しますが、やはり、医師のある種のモラルというか、それでもっているところがあると思うんですね。

 だから、これからはもう少しそれを制度化して、医療界への信頼、信頼はあると思うんですけれども、さらに増していければと思っております。ごめんなさい、長くなりまして。

 きょうは、駐留軍や漁業離職者に関する法案の審議ということですので、幾つか御質問をさせていただきます。

 まず、きょうは二本のうち、離職者の方に絞って私は質問をさせていただきますが、駐留軍、漁業、この離職者臨時措置法というのは、いずれも、国際環境の変化を背景としている臨時措置法、それが何度も延長されてきているということです。

 今、国際環境の変化と我々一般にいうと、日本はグローバル経済社会の一員ですから、国際経済に巻き込まれて、その中でのマクロ経済運営をしているわけですし、漁業であれ、あるいは駐留軍の、基地の関係とか、あるいはそれ以外にもさまざまな国際環境変化に取り囲まれているわけです。そういう中で、この二つだけを取り上げて、こういう法体系、措置が講じられている全体像というか御認識を大臣からお伺いできればと思います。

田村国務大臣 国際環境は、グローバル化の波の中で本当にさまざまに変化しておるわけでありまして、それによって職を失う人、職を得る人、いろいろおられるわけであります。

 ただ、この場合は、駐留米軍の再編、米軍基地の再編という、言うなれば、日本の安全保障、日米の安保の中において、大変な大きな流れの中で、沖縄に集中している米軍基地をどうしていくんだというような中で出てくるような課題でありまして、そういう意味からいたしますと、日本の国が大きく国として関与をしている問題、その中で離職者が生まれてくるという問題。

 それから、漁業離職者の場合も、国際協定という、言うなれば、日本が外交上、いろいろルールの中で協力して協定を結んでいかなきゃならぬという、国が関与した中での離職が生まれる、減船等々において離職者が生まれてくるという問題。

 こういう、国が大きく絡んだ問題であると同時に、歴史的ないろいろな経緯がある中において、このような法律が続いてきておるわけでありますので、そういうような意味合いの中での今回の延長であるというふうに御理解をいただければありがたいというふうに思います。

足立委員 今おっしゃったことで、この二つの分野について臨時措置法が講じられていることはよくわかりました。

 問題は、この中身であり、また実績、効果なんですが、まず、今講じられている措置について、離職者に対する対応なわけですから、この法案の実績と効果について、簡潔で結構ですから、御紹介ください。

岡崎政府参考人 まず、駐留軍の関係でございますが、最近、数十名から百名ぐらいの方が毎年離職されて、支援の対象になっています。

 平成二十三年度につきましては、新たに求職申し込みをされた方が百三人、それから再就職された方、これは同じ方というわけではありませんが、二十三年度に再就職された方は十一人でございます。最初からの状況でいきますと、支援期間の中で六万七千人の方が再就職したという状況でございます。

 それから、漁業離職者につきましては、最近では、平成二十一年にマグロの関係で多数の離職者が発生しまして、二十一年度から二十三年度までに二百七十七名の方が支援の対象になりまして、こちらの方は、その間で二百三十一名の方が再就職している、こういうふうな状況でございます。

足立委員 ありがとうございます。

 その上で、今回のこの法案、私は、累次の、ずっと続いている法律なわけですが、改めてこの支援策を拝見しまして、支援の体系があるわけですが、聞き及ぶというか教えていただいたところによると、ずっとこれは変わっていないんだ、ずっとこういう体系で大体支援をしてきているんだということで教えていただいているんです。

 駐留軍と漁業にかかわるもの以外の厚生労働省の一般の離職者対策、あるいは離職者対策を講じる上での前段階あるいは後段階、要は、さまざまな措置が、私がさっき言った政策イノベーション、厚労省も累次のいろいろな制度改正で、こういった雇用保険の事業もそうだし、一般会計もそうだし、いろいろ労働省の政策もイノベートされてきているわけですね。

 この法案の措置については、特に変わっていないのか変わっているのか、ちょっとよくわかりませんが、これで十分なのかなという印象を持っています。もし、実態に即してもっと充実というかイノベートできることがあるのであれば、やったらどうかなと思うんですが、この点、いかがでしょうか。

岡崎政府参考人 雇用政策につきましては、先生おっしゃるように、状況に応じてさまざまな対応をしてきているということであります。

 ただ、この関係につきましては、このスキームの中で、雇用保険が終わった後につきまして、職業転換給付金の給付をしながら職業訓練や職業指導をしていく。このスキーム自体は、基本的には維持した方がいいのかなというふうに思っていると。

 ただ、一方では、職業訓練の中身でありますとか就職指導のやり方等につきましては、いろいろ、最近の技法等、あるいは最近の再就職先に向けたどういう訓練がいいのか、そういったことを見ながら対応していくということでありますので、そういう状況も見ながら、工夫をしながら進めていきたいというふうに考えております。

足立委員 ありがとうございます。

 雇用保険事業の上乗せ措置だということで、今おっしゃっていただいたと思います。そういう意味では、雇用保険のさまざまな、私が申し上げているイノベートされた制度は当然使った上で、追加措置がされているということと承りました。ありがとうございます。

 あと、時間も限られていますので、私、この法案については本当に、臨時措置を繰り返してきているので、恒久法にしたらどうかとか、二分野だけれどももうちょっと一般化したらどうかなとか、いろいろ考えたことはあるのですが、先ほど大臣からも、この背景となっている二つの事案についての御紹介もいただきまして、こういう臨時措置法という形での延長が適当かなというふうに受け取らせていただいた次第でございます。

 残る時間、きょうの質疑で、民主党の中根委員の方から産業競争力会議について質問をされ、また、大臣から御答弁をいただいたのを聞いていまして、ちょっと私もやりたいなというふうに思いまして。法案の審議ではございますが、このままではちょっと、それこそ誤解を与えかねないというふうに思っています。

 私、中根委員に別に恨みがあるわけじゃございませんが、正直、今野党でも、我が党日本維新の会や、あるいはみんなの党、あるいは民主党の方々といろいろ政策連携をしたり、また、自公、与党の皆様と連携させていただいたり、さまざまな形で政策ごとに連携をさせていただいて、日本維新の会は是々非々ということで今進めておるわけでございますが、きょうのような、先ほど中根委員からあったような御議論というか、問題の提起のされ方を伺っていると、民主党の方と連携できても一部の方かな、こういう印象を強く持ったわけでございます。

 今般、産業競争力会議で安倍総理を筆頭に取り組まれている議論、私は、とても大事な議論で、今やらなければいけない議論が網羅されている、網羅かわかりませんね、やらなければいけない議論の大事な部分がしっかりと取り上げられていると思います。例えば、先ほど大臣からも御紹介があった失業なき円滑な労働移動、本当に重要な論点だと思っております。大臣のプレゼン資料も拝見をしております。

 ただ、一点、ちょっと心配になるのは、この失業なき円滑な労働移動、雇用維持型から労働移動支援型へという議論は、実はもう、二十年前かどうかわかりませんが、十年前からあるんですね。私が役所にいたころも、隣でやっていらっしゃったのをよく覚えています。我々も、経産省も結構いろいろとウイングが広いですので、そうした労働政策についても担当者を張りつけて、経産省として協力できることはないかということで、いろいろ我々も勉強したのをよく覚えています。

 では、この雇用維持型から労働移動支援型への政策シフトということ、もう十年、二十年前から言ってきたことを、今回もまた言っているわけです。今まで言ってきたことはできていないのかな、できているのかな。この辺の実態を、これまでも同じことを言ってきた、この点について、では、一般会計、雇用保険について、そういう例えば政策資源のシフトというのは実際に起こったのか。これをぜひ教えてください。

岡崎政府参考人 雇用政策につきましては、その時々の産業の状況、それから、その構造変化に対しましてどういう形で対応していくかということで対応してきております。

 例えば、雇用調整について、代表的には雇用調整助成金でございますが、これにつきましては、例えば、十年前とおっしゃいましたので、平成十五年度でいきますと、二百六十億の予算を立てておりました。一方で、このころは、不良債権の処理に伴います産業移動が必要ではないかというようなお話もありまして、労働移動の助成金につきましても、約百億円の予算をとっておりました。ただ、やや使われなかったところはあるんですが、そのころはそういう配分になっていた。

 最近は、リーマン・ショックを踏まえまして、相当、雇用調整助成金の方をふやしたということであります。一方で、労働移動助成金につきましては、その後の状況の中で縮小したままになってきているということであります。

 したがいまして、平成十五年当時はそうだったということ、それから、最近の雇用状況の変化、いろいろなことを考えて、先ほど大臣からもありましたけれども、雇用調整型から労働移動型へということで、雇用調整型の助成制度と労働移動型の助成制度をどういう形にしていくかということを考える必要があるかな、こういうふうに考えているところでございます。

足立委員 ありがとうございます。

 今おっしゃった、御紹介いただいたような政策シフトというものを、やはりわかりやすく、ぜひこれから御提示をしていっていただきたいと思います。

 例えば、当時、私も自分でやっていたことなんですけれども、政策を、例えば、雇用維持型の政策も、今局長がおっしゃったように、局面においてはある程度要るわけです。雇用維持型の政策と労働移動促進型の政策と、それから能力開発みたいな、これも二つ目に入るかもしれませんが、人材育成、能力開発みたいなもの、大きく三つあるとすれば、それが、例えば、経年的にその予算規模がどういうふうにしてシフトしてきているかみたいなことを具体的に見せていけば、私のような問題意識の人間がいたときに、わかりやすくていいなと。

 実際、そのシフトを打ち出しておられるわけですから、具体的な、厚労省の政策がそういうふうにシフトしている、あるいはこうする、こうなったということをお示ししていっていただければありがたいなというふうに思っております。

 それから、先ほどの中根委員からの話で、産業競争力会議の中で、解雇絡みの金銭解決の話が出ました。

 私は、また田村大臣に僣越なことを申し上げるわけですが、やはり立法措置は要る、こう思っているんです。

 もちろん、この議論は、厚労省とされては、あくまでも失業なきということで打ち出されているわけだし、別に立法措置がなくても、判例法理があり、その積み重ねがあり、一定の助成金等での政策措置も講じておられるということでいえば、厚労省的には大体やることはやっているぞという気分もわからないではないんですが、今、産業競争力会議あるいは規制改革会議で論点提示がなされつつあるように、やはりこの分野の立法措置は私は必要だなと思っています。

 今の解雇法理は三つ問題があると思っていまして、一つは、単線的に過ぎる。単線的というのは、要すれば、解雇が無効だ、違法だとなったときに、これは解雇無効という出口しかないんですね。恐らくそうだと、基本的には解雇は無効ですという出口しかない。

 それはまさに単線的で、経済的理由による解雇について、これはいかがなものかと裁判所でなったときに、それは、例えば、解雇無効という出口もあれば、金銭解決という出口もあるような、そういう単線的でない、もうちょっと多様な出口を、解雇に係る法理について、もっとしっかりできてきたらいいな。やはり、厚生労働省が立法措置でそれをリードするということはあっていいかな。

 二点目は、やはり不明確だ。労働契約法十六条に象徴されるような、こういう規定はますますよくわからない。やはり、もっと手続規範を確立して、労使自治を重視して、もうちょっと要は予見可能性のあるような、そういう明確な解雇法理、解雇法制というものがつくられていったらいいな。

 三点目は、ちょっと厳格に過ぎる。これは、要すれば、回避努力を求めているわけですが、その回避努力の求め方がちょっときついんじゃないかなという印象。

 この三点を、私自身は持っています。

 私は、田村大臣であれば、この話は多分御理解されていると思うので、民主党のああいう質問にくじけず、立法措置も含めて、この分野についてはしっかりと検討していくということをぜひ明言いただきたいと思います。

田村国務大臣 まず、一点目の、雇用維持型から労働移動支援型へという話の中において、実は、産業競争力会議の中でも、雇調金の使い方に比べて労働移動支援の方は少ないじゃないかというお叱りをいただきました。これは、リーマン・ショック以降、徐々に基準はもとへ戻しておるんですが、急激には戻せないということで、今、もとに戻すべく努力をしておるわけでありまして、徐々に減ってきておるわけであります。

 そこで、労働移動支援の方に大胆に使えというような御指摘もいただいております。そういう御指摘をいただきながら、我々の方でも、これは大きな方向転換でもあるわけでございまして、できる限りのことをやってまいりたいというふうに思っております。

 それから、今の部分なんですが、若干、私の認識が間違っているのかどうか、先生と合わないところなんですけれども、間違っていないと思うんですが、要は、労働契約というものは、自由な中で、解雇も当然自由な中で動いてきておる中において、権利の濫用というもの、これは厳に慎まなきゃいけないわけでありまして、その原則に基づいての、解雇権の濫用というものに対して今まで裁判所でいろいろな判決が出てきておる。その判例をもとに、労働基準法、そして今は労働契約法でありますけれども、そのような法文になってきておるわけなんですね。

 ですから、そう考えますと、それはそれなりに今までの歴史の中、歴史の中というのは、当然、時代とともに変わってきます。多分、裁判所の判決、これは私が言う話ではないのでありましょうけれども、あの中を見てみますと、いろいろと変わってきている部分もあるわけでありまして、それは実態に合わせて変わってくるんですね。

 その実態というのは、一体今どのような雇用慣行であるのか、労働の中の環境であるのかといういろいろな部分があって、それに応じて、解雇たるものがどういう条件、そういうような中においてなされるのかという話でございますので、実態が変わらないことには、法律だけつくったところで、本当に、その法律がどのように今度は裁判所の方で御判断いただくのかという話になってくるわけであります。

 まずは雇用慣行みたいなものが変わっていくかというところに資しているのではないのかなというふうに思うわけでありまして、実態が今のままで、どんな法律をつくってもなかなか難しいのではないのかなというのが、実は私の今の認識でございます。

    〔高鳥委員長代理退席、委員長着席〕

足立委員 保守的な御答弁かなと、ちょっと残念に思うんですが。

 しかし、田村大臣が今とても重要なことをおっしゃったと思うんです、実態に即してと。これは、私、重要だと思っていまして、労働法制は、ビジネスの実態に合ったものにすることが最も大事な観点だと思うんですね。だから、何か、実態、現場から遊離したものであっては絶対にいけない。

 しかし、例えば金銭解決なんかの話でいうと、これはもう実態がそれを求めているわけです、私の認識では。だから、大臣の御答弁はちょっと、もうちょっとやりたいなと。

 ついては、大臣、立法措置も排除しないぐらいの御答弁でぜひお願いします。

田村国務大臣 ちょっと言葉足らずだったかもわかりません。

 要は、解雇自体が不当であるというような場合、その判断に関しての話でありまして、その後どういう解決手段があるかというのは、今までも議論がなされてまいりました。ただ、その中においてなかなか合意が得られなかったということで採用はされてこないわけでありまして、あくまでも、その後においてのいろいろな解決手段というもの、これも先ほども申し上げましたけれども、ではどちらから申し出るのかということも含めて、世界的に、一方的に事業主が申し出るということは余りないようでありますけれども、そういうことも含めて議論はすることはあるのだと思います。

 いずれにしましても、どの場面で議論をされるにしても、最終的には、これは労働政策審議会の方で御議論いただかなきゃいけないという一応決まり事でございますので、そこで議論された上で適切な判断がなされるのであろうというふうに思います。

足立委員 ありがとうございます。

 私も、公労使の審議会が決めることだという、この労働法制の基本については十分理解しておりますし、そうでなければ逆にワークしないということですから、しっかりとこの金銭解決については大臣のリーダーシップで道を開いていただきたいと存じます。

 私がこう申し上げると、先ほどの議論じゃないですが、何かまた弱い者いじめをしているように思われるかもしれませんが、こういうビジネスの実態に即した労働法制を整備するというのは、まさに労働者を守ることにつながるんですね。この点については、根本的な認識の違いが政治家の中でもございますが、大臣からの御答弁で、田村大臣を引き続き尊敬してまいりたいなというふうに思った次第でございます。

 もう時間がございませんが、最後に一点。

 労働契約法で、先ほども言及があった有期の無期化とか、あるいは派遣法の日雇いに係る規定、これは、民主党政権時代に自公も加わって、まさに田村大臣が野党筆頭としてさばかれた法律の塊だと思います。

 私は、正直、この派遣法や労働契約法については、田村大臣あるいは自民党が、あるいは自公がしっかりと数を持っていれば、もっといいものができただろうな、やはり民主党との妥協の産物だなという印象を拭えません。お役所の皆様にお聞きすると、いや、これはこういうことでいいんですということしか答えられないんですが、私は、大臣の本音は、もうちょっとあそこはこうしたかったなということが、当然、三党調整ですから、野党筆頭としての御苦労があっただろうな、こういうふうに思います。

 ところが、今は自公政権でございますから、田村大臣の思いがしっかりと実現をしていける環境が整いつつある。参院選についてはしっかりと戦わせていただきたいと思いますが。

 大臣、ぜひ、この派遣法と契約法について、別に、改正したばかりですから、すぐにどうということはございませんが、私は、一部、例えば法律の解釈の誤解なんかも含めて、若干課題が残っているなというふうに思っています。この点、最後に御答弁をいただければと思います。

田村国務大臣 まず、派遣法でございますが、基本的には、まず労働者をしっかり保護していかなきゃいけないというのは当たり前でありますけれども、いろいろと、製造業派遣の原則禁止の部分、登録者派遣の原則禁止の部分、いろいろな部分がありました。

 しかし、そこは、本当にそれが働く側のニーズに合っているのか、また、もちろん、雇う側のニーズに合っているのか、いろいろなことを議論しながら改正をしたわけでありますが、それでもまだ、やはりお互い、違うんですよ、我々とそれから当時の民主党さんだとかほかの政党と考え方は違うんですけれども、それぞれ違う分野から問題はあるねという認識があったものですから、研究会をつくって議論をするということで、これは附帯決議に入れまして、今現在、いろいろと議論をいただいております。

 そこで、それぞれの立場からの議論をしていただく中で、どういう形にしていくべきなのかということを考えてまいりたいというふうに思います。

 それから、労働契約法の方でございますが、こちらに関しては、やはりちょっと心配なのは、五年を超える契約で無期になるということで、その前に雇いどめ等々が起こってくるという御心配をいただいております。

 これに対して、どういうような対応をしていくべきなのかということを引き続き検討させていただきながら、問題が生じないように、最大限の努力をしてまいりたいというふうに思っております。

足立委員 ありがとうございました。

 以上で終わりますが、本日は本当に、とかしき政務官を含めて誠実な御答弁をいただいたと思っております。本当にありがとうございました。

 また、質疑の最中、一部、一部の委員に失礼なことを申し上げたかもしれませんが、これも私の仕事でございますので、何とぞ御容赦をいただきますよう、大変ありがとうございました。

松本委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時二分散会


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