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第1号 平成27年3月13日(金曜日)

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本国会召集日(平成二十七年一月二十六日)(月曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。

   委員長 渡辺 博道君

   理事 赤枝 恒雄君 理事 高鳥 修一君

   理事 とかしきなおみ君 理事 松野 博一君

   理事 松本 文明君 理事 山井 和則君

   理事 浦野 靖人君 理事 古屋 範子君

      大岡 敏孝君    大串 正樹君

      加藤 鮎子君    木村 弥生君

      小松  裕君    後藤 茂之君

      白須賀貴樹君    新谷 正義君

      田中 英之君    田畑 裕明君

      谷川 とむ君    豊田真由子君

      中川 俊直君    長尾  敬君

      丹羽 雄哉君    橋本  岳君

      比嘉奈津美君    堀内 詔子君

      牧原 秀樹君    松本  純君

      三ッ林裕巳君    村井 英樹君

      阿部 知子君    大西 健介君

      岡本 充功君    中島 克仁君

      長妻  昭君    西村智奈美君

      足立 康史君    井坂 信彦君

      牧  義夫君    伊佐 進一君

      輿水 恵一君    角田 秀穂君

      高橋千鶴子君    堀内 照文君

平成二十七年三月十三日(金曜日)

    午後一時開議

 出席委員

   委員長 渡辺 博道君

   理事 赤枝 恒雄君 理事 後藤 茂之君

   理事 高鳥 修一君 理事 とかしきなおみ君

   理事 松野 博一君 理事 松本 文明君

   理事 西村智奈美君 理事 山井 和則君

   理事 浦野 靖人君 理事 古屋 範子君

      大岡 敏孝君    大串 正樹君

      加藤 鮎子君    木村 弥生君

      小松  裕君    白須賀貴樹君

      新谷 正義君    田中 英之君

      田畑 裕明君    谷川 とむ君

      豊田真由子君    中川 俊直君

      長尾  敬君    丹羽 雄哉君

      橋本  岳君    比嘉奈津美君

      堀内 詔子君    牧原 秀樹君

      松本  純君    三ッ林裕巳君

      宮崎 謙介君    阿部 知子君

      大西 健介君    岡本 充功君

      中島 克仁君    長妻  昭君

      井坂 信彦君    牧  義夫君

      伊佐 進一君    輿水 恵一君

      角田 秀穂君    高橋千鶴子君

      堀内 照文君

    …………………………………

   厚生労働大臣       塩崎 恭久君

   厚生労働副大臣      永岡 桂子君

   厚生労働副大臣      山本 香苗君

   厚生労働大臣政務官    橋本  岳君

   厚生労働大臣政務官    高階恵美子君

   厚生労働委員会専門員   中尾 淳子君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月十三日

 辞任         補欠選任

  村井 英樹君     宮崎 謙介君

同日

 辞任         補欠選任

  宮崎 謙介君     村井 英樹君

同日

 理事松本文明君及び山井和則君同日理事辞任につき、その補欠として後藤茂之君及び西村智奈美君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

三月十三日

 戦没者等の遺族に対する特別弔慰金支給法の一部を改正する法律案(内閣提出第二二号)

同月二日

 憲法を生かして安全・安心の医療・介護の実現を求めることに関する請願(池内さおり君紹介)(第二八号)

 同(笠井亮君紹介)(第二九号)

 同(宮本徹君紹介)(第三〇号)

 社会保障拡充に関する請願(笠井亮君紹介)(第三一号)

 同(斉藤和子君紹介)(第三二号)

 地域の景気回復に向け、中小事業所とそこで働く労働者の社会保険料負担を引き下げること等に関する請願(篠原孝君紹介)(第九一号)

 新たな患者負担増をやめ、窓口負担の大幅軽減を求めることに関する請願(大西健介君紹介)(第一五六号)

 同(岡本充功君紹介)(第一五七号)

 同(鈴木克昌君紹介)(第一五八号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第一五九号)

同月十二日

 新たな患者負担増をやめ、窓口負担の大幅軽減を求めることに関する請願(大平喜信君紹介)(第一七〇号)

 同(宮崎岳志君紹介)(第一七一号)

 同(本村伸子君紹介)(第一八二号)

 同(近藤昭一君紹介)(第二〇〇号)

 同(清水忠史君紹介)(第二〇一号)

 同(小川淳也君紹介)(第二〇七号)

 同(黄川田徹君紹介)(第二二三号)

 同(中根康浩君紹介)(第二九三号)

 同(吉川元君紹介)(第二九四号)

 患者窓口負担の大幅軽減に関する請願(本村伸子君紹介)(第一八〇号)

 保険でよい歯科医療の実現を求めることに関する請願(本村伸子君紹介)(第一八一号)

 国民が安心して暮らせるための社会保障制度の確立等を求めることに関する請願(岸本周平君紹介)(第二二一号)

 国民年金第一号被保険者の出産育児期間中の保険料免除に関する請願(岡本三成君紹介)(第二二二号)

 社会保障費削減をやめ、保育、医療、介護、年金などの拡充を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二七二号)

 同(池内さおり君紹介)(第二七三号)

 同(梅村さえこ君紹介)(第二七四号)

 同(大平喜信君紹介)(第二七五号)

 同(笠井亮君紹介)(第二七六号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二七七号)

 同(斉藤和子君紹介)(第二七八号)

 同(志位和夫君紹介)(第二七九号)

 同(清水忠史君紹介)(第二八〇号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第二八一号)

 同(島津幸広君紹介)(第二八二号)

 同(田村貴昭君紹介)(第二八三号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第二八四号)

 同(畑野君枝君紹介)(第二八五号)

 同(畠山和也君紹介)(第二八六号)

 同(藤野保史君紹介)(第二八七号)

 同(堀内照文君紹介)(第二八八号)

 同(真島省三君紹介)(第二八九号)

 同(宮本岳志君紹介)(第二九〇号)

 同(宮本徹君紹介)(第二九一号)

 同(本村伸子君紹介)(第二九二号)

 安全・安心の医療・介護の実現と夜勤改善・大幅増員に関する請願(津村啓介君紹介)(第三一九号)

 同(寺田学君紹介)(第三二〇号)

 同(仲里利信君紹介)(第三二一号)

 同(真島省三君紹介)(第三二二号)

 国民が必要な医療を受けられるよう社会保障を充実し、負担軽減を求めることに関する請願(篠原孝君紹介)(第三二三号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の辞任及び補欠選任

 国政調査承認要求に関する件

 厚生労働関係の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

渡辺委員長 これより会議を開きます。

 理事辞任の件についてお諮りいたします。

 理事松本文明君及び山井和則君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。

 ただいまの理事辞任に伴う補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

渡辺委員長 御異議なしと認めます。

 それでは、理事に

      後藤 茂之君 及び 西村智奈美君

を指名いたします。

     ――――◇―――――

渡辺委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。

 厚生労働関係の基本施策に関する事項

 社会保障制度、医療、公衆衛生、社会福祉及び人口問題に関する事項

 労使関係、労働基準及び雇用・失業対策に関する事項

以上の各事項について、その実情を調査し、対策を樹立するため、小委員会の設置、関係各方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により、本会期中調査を進めたいと存じます。

 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

渡辺委員長 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、厚生労働大臣から所信を聴取いたします。塩崎厚生労働大臣。

塩崎国務大臣 厚生労働委員会の開催に当たり、私の所信を申し上げます。

 厚生労働大臣に就任して三回目の国会を迎えました。国民の皆様の安全、安心の確保に万全を期すため、厚生労働行政の諸課題に全力で取り組んでまいります。

 急速に少子高齢化が進展し、雇用環境が変化する中で、安定財源を確保しつつ、誰もが安心できる持続可能な社会保障制度を確立しなければなりません。消費税率の引き上げによる増収分は全額を社会保障の充実、安定化に充てるとともに、引き続き、社会保障制度改革を着実に進めます。

 医療、介護については、医療介護総合確保推進法に基づき、地域医療介護総合確保基金を活用した医療・介護提供体制の整備、医療機能の分化、連携、在宅医療・介護の連携、介護予防給付の一部の地域支援事業への移行、費用負担の公平化を図ります。

 医療保険制度については、今後とも国民皆保険を堅持するため、持続可能な制度を構築することが重要です。国民健康保険の財政支援の拡充や財政運営責任の都道府県への移行などによる医療保険制度の財政基盤の安定化、被用者保険者に係る後期高齢者支援金の全面総報酬割の導入、医療費適正化の推進、患者申し出療養の創設を内容とする法案を今国会に提出しました。

 平成二十七年度から、各都道府県が地域医療構想を策定いたしますが、その取り組みが進むよう、ガイドラインを示すなど、支援を行ってまいります。

 医療機関の機能分担や業務の連携を推進し、地域包括ケアシステムを構築するための新たな非営利法人制度を創設するとともに、医療法人の経営の透明性を確保するための法案を今国会に提出します。

 認知症の方の意思が尊重され、できる限り住みなれた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる社会を構築するため、本年一月に新たに策定した認知症施策推進総合戦略に基づき、政府一丸となって取り組みを進めます。さらに、認知症対応についての我が国のすぐれた取り組みを世界に発信していきます。

 がん対策については、がんによる死亡を減少させ、また、がん患者の方が安心して暮らせるよう、がん検診の強化、希少がん対策や緩和ケアの推進に取り組むとともに、来年一月のがん登録推進法の円滑な施行に向けた取り組みを進めます。

 難病については、一月に拡大した医療費助成の対象疾病を、七月を目指し約三百に拡大するとともに、福祉サービスの対象疾病の拡大を図ります。

 小児慢性特定疾病については、医療費助成の対象疾病を七百四に拡大しました。難病患者等を総合的に支援するため、夏ごろをめどに基本方針を策定し、対策を進めます。

 予防接種や肝炎、生活習慣病について、支援策を推進していきます。医薬品、医療機器の安全対策や審査の迅速化、薬事戦略相談の拡充などにより、世界に先駆けた革新的医薬品、医療機器の創出や再生医療の実用化を図ります。

 臨床研究については、一連の不適正事案の発生も踏まえ、昨年十二月に、臨床研究に関する倫理指針の見直しを行いました。さらに、有識者による検討会の結論も踏まえ、規制の法制化に向けた検討を進めます。

 我が国は、国民皆保険のもと、世界最高レベルの健康寿命と保健医療水準を達成しています。この経験を生かし、人材育成などの協力を通じて、諸外国との関係を構築し、我が国の医療制度や医療技術、医薬品、医療機器について積極的に国際展開を進めます。

 本年四月から、子ども・子育て支援新制度が施行されます。希望どおり結婚や出産、子育てができるよう、その円滑な施行に向けた取り組みを進め、妊娠から子育て期までの切れ目のない相談支援を提供するワンストップ拠点の整備を行います。また、待機児童解消加速化プランに基づき、平成二十九年度末までの待機児童ゼロを目指して取り組みを強力に進めます。さらに、放課後児童クラブの拡大を進めます。

 児童虐待については、虐待の未然防止、重篤化防止のための早期対応、居住実態が把握できない児童への対応について、関係府省庁と連携して対策を進めます。また、三桁の児童相談所全国共通ダイヤル一八九の運用を七月より開始します。虐待など保護者から適切な養育を受けられない子供たちについては、里親委託の推進、児童養護施設での小規模グループケアの促進、児童養護施設の職員配置の改善に取り組みます。

 社会福祉法人について、高い公益性や非営利性に見合ったガバナンスの強化、運営の透明性の確保、内部留保の明確化を進めるとともに、介護を含む福祉人材の確保を総合的に推進するための法案を今国会に提出します。また、報酬改定により、介護や障害福祉サービスを担う職員の処遇改善を進めます。

 障害者施策については、障害の有無にかかわらず活躍できる環境整備を推進するとともに、障害者総合支援法の施行後三年をめどとした見直しの検討を行います。また、改正障害者雇用促進法の円滑な施行に取り組みます。

 持続的な経済成長のためには、日本経済の競争力を回復させ、経済の好循環を実現しなければなりません。そのためには、若者、女性や高齢者などが働きやすく、意欲と能力のある若者が将来に希望が持てる環境整備が必要です。働き方改革や若者、女性の活躍推進などに取り組んでいきます。

 働き方改革については、まずは、私を本部長とする長時間労働削減推進本部を中心に、月に百時間を超える残業に対する監督指導を徹底するなど、省を挙げて長時間労働の削減に取り組んでいきます。

 その上で、確実に年次有給休暇の取得が進む仕組みなど、働き過ぎ防止のための法整備や、一定の年収要件を満たし、職務の範囲が明確で高度な職業能力を有する方が選択できる高度プロフェッショナル制度の創設を初めとした、多様で柔軟な働き方を可能とする制度の見直しを行う法案を今国会に提出します。

 女性の活躍推進のため、新たに民間企業に対して、数値目標を含めた行動計画の策定を求める仕組みの導入に取り組みます。また、パートタイム労働者の公正な待遇の確保や仕事と家庭を両立できる職場環境整備にも取り組みます。

 若者の雇用対策については、若者の使い捨てが疑われる事業所からの新卒求人をハローワークで受理しないことなどを内容とする法案を今国会に提出するとともに、正社員実現加速プロジェクトによる非正規雇用労働者の正社員転換や処遇改善を推進します。

 労働者派遣制度については、多様な働き方の一つである派遣労働について、正社員を希望する方には正社員への道が開かれるようにし、みずからの働き方として派遣労働を積極的に選択している方には待遇の改善を図るほか、全ての事業者を許可制とすることなどを内容とする法案を今国会に提出します。

 本年四月に施行する生活困窮者自立支援制度に基づき、生活困窮者に対する包括的な支援や自立の促進を着実に進めます。生活保護制度については、不正受給対策の徹底や医療扶助の適正化を図りつつ、基準の適切な見直しに取り組むとともに、受給者の自立、就労の促進を図ります。

 子供の将来が生まれ育った環境に左右されず、貧困が世代を超えて連鎖することのないよう、子供の貧困対策や一人親家庭への支援に取り組みます。

 外国人技能実習制度について、実習の適正な実施及び実習生の保護を図るため、管理監督体制の抜本的な強化に関係省庁と共同で取り組みます。

 企業年金制度については、働き方の多様化に対応し、企業年金のさらなる普及拡大を図るため、個人型確定拠出年金の加入者範囲の拡大などを内容とする法案を今国会に提出します。公的年金制度については、プログラム法や昨年の財政検証の結果を踏まえ、制度の見直しの検討を進めます。年金積立金の運用については、改訂日本再興戦略などを踏まえ、ガバナンス体制強化の検討を進めます。また、年金記録の訂正手続の円滑な実施や国民年金保険料の収納対策を初めとする年金事業運営の改善に取り組みます。

 危険ドラッグについては、徹底した取り締まりにより、販売店舗はほぼ壊滅されつつあります。昨年議員立法として成立いただいた改正法を最大限活用し、特にインターネット対策、水際対策に全力を挙げ、その撲滅に取り組みます。

 感染症対策については、昨年成立した改正感染症法の円滑な施行に向けた取り組みを進める一方、デング熱やエボラ出血熱、鳥インフルエンザなどについて、海外における発生動向も注視しながら、警戒を怠ることなく万全を期していきます。

 水道については、水道事業体に対する財政支援や技術的支援を通じて、施設の計画的更新や耐震化、運営基盤を強化するための広域化を進めます。

 食品の安全確保に向け、食中毒防止のための監視指導や輸入食品の監視に取り組みます。

 平成二十五年十二月に閣議決定された独立行政法人改革等に関する基本的な方針に基づき、独立行政法人労働安全衛生総合研究所と独立行政法人労働者健康福祉機構を統合することなどを内容とする法案を今国会に提出しました。

 国の責務として、戦没者の遺骨収集帰還事業や慰霊事業、戦傷病者、戦没者遺族に対する支援、中国残留邦人等に対する支援をきめ細かく実施します。

 戦後七十周年に当たる本年、戦没者等の遺族に対する特別弔慰金を支給するための法案を今国会に提出しました。さらに、さきの大戦の記憶を風化させないよう、次世代への継承のための取り組みを行います。

 東日本大震災の発災から四年がたちました。私は、この一月に再び被災地を訪問し、現場第一主義に立ち、復興に取り組む思いを新たにしました。被災者の健康確保、心のケアや雇用対策、医療、介護の体制整備、廃炉等の復旧復興作業に従事される方々の健康、安全確保などに全力で取り組みます。

 以上、厚生労働行政の当面の主な課題と対応について説明させていただきました。

 委員長、理事を初め委員の皆様、国民の皆様に、一層の御理解と御協力を賜りますようお願いいたします。(拍手)

渡辺委員長 次に、平成二十七年度厚生労働省関係予算の概要について説明を聴取いたします。山本厚生労働副大臣。

山本副大臣 厚生労働副大臣の山本でございます。

 永岡副大臣、橋本、高階両政務官とともに塩崎大臣を支え、渡辺委員長を初め委員の皆様方の御理解と御協力を得ながら、厚生労働行政の推進に邁進してまいりたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 平成二十七年度厚生労働省関係予算案の概要について説明いたします。

 平成二十七年度厚生労働省所管一般会計予算案の総額は二十九兆九千百四十六億円であり、子ども・子育て支援新制度の実施に伴って平成二十七年度から内閣府に移管される保育所運営費等を除いた平成二十六年度当初予算額二十九兆四百五十四億円と比較しますと、八千六百九十三億円、三・〇%の増加となっています。

 また、平成二十七年度厚生労働省所管特別会計予算案については、復興庁に一括計上した予算案を含め、東日本大震災復興特別会計、労働保険特別会計、年金特別会計に所要の予算案を計上しています。

 次に、消費税率一〇%への引き上げの平成二十九年四月への延期に伴い、消費税増収分等を活用した社会保障の充実について、平成二十七年度予算案では、限られた財源の中、施策の優先順位をつけ、子ども・子育て支援新制度の予定どおりの施行や、国民健康保険への財政支援の拡充などを優先的に実施することとし、低所得者への福祉的給付など、年金関係の措置について、法律の規定どおり、消費税率一〇%への引き上げ時に実施するとともに、低所得者の介護保険料の軽減について、二段階に分けて実施することとしています。

 以下、主要施策について説明いたします。

 第一に、子供を産み育てやすい環境を整備するため、子ども・子育て支援新制度の実施による教育、保育、地域の子ども・子育て支援の充実、待機児童解消加速化プランに基づく保育所等の受け入れ児童数の拡大、放課後子ども総合プランに基づく放課後児童クラブの拡充、母子保健医療対策の強化、社会的養護の充実、一人親家庭支援の推進などを図ります。

 第二に、女性、若者、高齢者等の人材力の強化として、全ての人材が能力を高め、その能力を存分に発揮できるよう、女性、若者、高齢者、障害者等の活躍推進、労働市場インフラの戦略的強化、外国人材の活用などを図ります。

 第三に、医療、介護について、団塊の世代が七十五歳以上となり、医療、介護等の需要の急増が予想される二〇二五年に向け、医療・介護サービス提供体制の改革を本格的に進めるため、地域医療介護総合確保基金による事業や、平成二十七年度介護報酬改定による介護職員の処遇改善、認知症施策などを推進します。

 また、医療分野の研究開発を促進することなどにより、革新的な医療技術の実用化を推進し、医療関連産業の国際競争力を向上させるとともに、予防、健康管理の推進などにより、国民の健康寿命の延伸を目指します。

 第四に、難病、がん、肝炎等の各種疾病対策や感染症対策などを推進するほか、食品の安全対策、安全で強靱な水道の構築、危険ドラッグ対策などの取り組みを進めます。

 第五に、就労形態にかかわらず公正に処遇され、安心して将来に希望を持って働くことができるように、ワーク・ライフ・バランスの推進などの働き方改革の実現、人材不足分野や地域における人材確保、労働環境の整備などを推進します。

 第六に、平成二十七年度から施行される生活困窮者自立支援法に基づき、生活困窮者の自立・就労支援等を一層促進していくとともに、生活保護制度の適正実施、自殺・うつ病対策などにより、自立した生活の実現と暮らしの安心を確保していきます。

 第七に、障害児、障害者の社会参加の機会の確保と地域社会における共生を支援するため、平成二十七年度障害福祉サービス等報酬改定による職員の処遇改善など障害福祉サービスの充実、地域生活支援の着実な実施や就労支援、精神障害者や発達障害者などへの支援施策を推進します。

 第八に、持続可能で安心できる年金制度を確実に運営するとともに、正確な年金記録の管理に資する取り組みや適用・収納対策の強化を進めます。

 以上のほか、世界保健機関や国際労働機関等を通じた国際協力の推進、科学技術の振興などを図ります。

 なお、委員の皆様のお手元に資料が配付されていますが、一般会計予算案の主要経費別の内訳及び特別会計予算案の歳入・歳出予定額については、お許しを得て、説明を省略させていただきます。

 今後とも、国民生活の安全、安心の確保と質の向上、雇用の安定を図るため、厚生労働行政の推進に一層努力してまいりますので、皆様のなお一層の御理解と御協力をお願いいたします。(拍手)

渡辺委員長 以上で大臣の所信表明並びに平成二十七年度厚生労働省関係予算の概要についての説明は終わりました。

 次回は、来る十八日水曜日正午理事会、午後零時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後一時二十三分散会


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