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第6号 平成27年4月1日(水曜日)

会議録本文へ
平成二十七年四月一日(水曜日)

    午前十時開議

 出席委員

   委員長 渡辺 博道君

   理事 赤枝 恒雄君 理事 後藤 茂之君

   理事 高鳥 修一君 理事 とかしきなおみ君

   理事 松野 博一君 理事 西村智奈美君

   理事 浦野 靖人君 理事 古屋 範子君

      岩田 和親君    大岡 敏孝君

      大串 正樹君    加藤 鮎子君

      木村 弥生君    小松  裕君

      白須賀貴樹君    新谷 正義君

      田畑 裕明君    谷川 とむ君

      中川 俊直君    長尾  敬君

      橋本  岳君    比嘉奈津美君

      藤原  崇君    堀内 詔子君

      松本  純君    松本 文明君

      三ッ林裕巳君    村井 英樹君

      大西 健介君    岡本 充功君

      小宮山泰子君    中島 克仁君

      山井 和則君    足立 康史君

      初鹿 明博君    升田世喜男君

      輿水 恵一君    角田 秀穂君

      中野 洋昌君    高橋千鶴子君

      堀内 照文君

    …………………………………

   厚生労働副大臣      山本 香苗君

   厚生労働大臣政務官    橋本  岳君

   厚生労働大臣政務官    高階恵美子君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局長)            岡崎 淳一君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局安全衛生部長)       土屋 喜久君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局長)           鈴木 俊彦君

   政府参考人

   (厚生労働省年金局長)  香取 照幸君

   厚生労働委員会専門員   中尾 淳子君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月一日

 辞任         補欠選任

  田中 英之君     岩田 和親君

  豊田真由子君     藤原  崇君

  長妻  昭君     小宮山泰子君

  井坂 信彦君     升田世喜男君

  牧  義夫君     初鹿 明博君

  伊佐 進一君     中野 洋昌君

同日

 辞任         補欠選任

  岩田 和親君     田中 英之君

  藤原  崇君     豊田真由子君

  小宮山泰子君     長妻  昭君

  初鹿 明博君     牧  義夫君

  升田世喜男君     井坂 信彦君

  中野 洋昌君     伊佐 進一君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 独立行政法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第二三号)


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     ――――◇―――――

渡辺委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、独立行政法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備等に関する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として厚生労働省労働基準局長岡崎淳一君、労働基準局安全衛生部長土屋喜久君、社会・援護局長鈴木俊彦君、年金局長香取照幸君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

渡辺委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。村井英樹君。

村井委員 自由民主党の村井英樹です。

 本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 本日議題となっております独立行政法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備等に関する法律案、ちょっと長い名前でありますけれども、この法案は、一昨年の末に閣議決定をされました独立行政法人改革等に関する基本的な方針に基づいて、厚労省所管の六つの独立行政法人を対象として、それぞれ、法人の統廃合だとか、金融業務の制度、運用の見直し、また、法人組織等に係るその他の措置を講じることを内容としているものであります。

 法案全体の構成として、六つの独法について、閣議決定された基本方針に基づいて一つ一つ所要の法改正事項を行っているという形となっておりますので、本来であれば一つ一つ丁寧にその法改正事項を質問していくべきだと思いますが、時間も限られておりますので、本日は、独立行政法人の福祉医療機構と、独立行政法人の勤労者退職金共済機構に絞って質問をさせていただきたいと思います。

 まず、福祉医療機構についてでありますが、この独法の今般の見直し事項の一つ目に、本独法が行っております福祉貸付事業、医療貸付事業というのがありますが、この事業に対する金融庁検査の導入というものがございます。

 これはそもそも、政策金融機関については、政策金融機関の財務の健全性、透明性の確保への要請から、民間金融機関の検査を行ってきた金融庁の持つ高度のノウハウだとか専門性を政策金融の世界でも生かしていこうという趣旨で、平成十四年時点で金融庁検査が導入をされたものでありますが、その一方で、この福祉医療機構については、政策金融機関ではないということで、当時の法改正の対象から外されたという経緯がございます。

 ただ、これは、ちょっと考えてみると少しおかしなところもあって、福祉医療機構の前身の一つというのは医療金融公庫という政策金融機関でありまして、業務的にも貸し付けが中心で、機能的には恐らく政策金融機関と言って差し支えがないような存在なんですね。そういう意味で、他の政策金融機関同様に金融庁検査を受けてしかるべきなんだろうと思いますし、その意味で、この金融庁検査の導入については、遅過ぎるということはあっても、早過ぎるということはないんだろう。なので、今回の法改正は適切であるというふうに考えております。

 その一方で、一つ気になることは、一昨年の末に閣議決定をされた基本方針においては、金融庁検査と並んで、財務の健全性及び適正な業務運営の確保のために、金融業務に係る内部ガバナンスの高度化を行うべきとされておりますが、こちらの方の取り組みはどのようになっているのか伺いたいと思います。

 繰り返しになりますけれども、機能的には政策金融機関と言って差し支えがない。さらには、現時点で、福祉貸付事業というのは融資残高が一兆七千億円なんですね。医療貸付事業も融資残高が一兆六千億円という規模を持つ福祉医療機構でございますので、他の政策金融機関と比較をしたときに遜色のない、きちっとしたリスク管理の体制だとか、そのための人材だとか、ガバナンスの高度化を図っていくべきだと思いますが、厚生労働省の見解を伺いたいと思います。

鈴木政府参考人 お答え申し上げます。

 今先生御指摘ございました独立行政法人改革等に関する基本方針、これに基づきまして、福祉医療機構におきましては、平成二十六年度から、金融検査マニュアルに準拠いたしましたガバナンス体制を構築いたしまして、リスク管理の高度化に取り組んでいるところでございます。

 具体的に申しますと、まず第一に、内部統制基本方針を定めまして、金融検査マニュアルを踏まえましたリスク管理、それから法令等の遵守、そして、顧客保護に関します規程、マニュアル類を整備いたしております。第二に、ガバナンス委員会を設置いたしまして、リスク管理等に対します体制の実効性、あるいは問題点の改善状況、こういったことにつきまして審議をしているところでございます。そして、第三点目に、理事長直属の内部監査部門、ここにおきましてリスク管理体制を重点的に監査する。こういった措置を講じているところでございます。

村井委員 ありがとうございます。しっかりと、この福祉医療機構について、ガバナンスの高度化を引き続いて行っていただきたいと思います。

 続きまして、福祉医療機構のもう一つの法改正事項であります承継債権管理回収業務というものがありますが、この国庫納付の部分について伺いたいと思います。

 この福祉医療機構の業務のうち、承継債権管理回収業務というものは、年金加入者の住宅取得等のために融資した資金に係る債権の管理と回収を行っていくという業務でありまして、もともとは年金資金運用基金が行っていたわけでありますが、これが平成十八年に解散をされたということで、福祉医療機構が承継して、継続して実施をしているというものでございます。

 本法案の問題意識は、機構が順次回収をしていくこの債権について、できるだけ早く年金特会に入れて、GPIFに預託をして、効率的に年金運用をしていこうというものでありまして、その趣旨は私もそのとおりだと思っております。

 具体的に、ちょっと細かい話になりますが、現在は、この回収した債権について、元本と利息をまとめて、年一回、損益計算をした後に年金特会に納付をするといったような形となっておりますが、これが、本法案においては、利息の方は損益計算が必要なのでそのままなんですけれども、元本部分については、年一回から、複数回、定期的に年金特会に納付をするといったような趣旨となっております。

 この点については、GPIFの利回り、これが平成十三年度から二十五年度で平均二・五一%でありまして、その一方で、この福祉医療機構の債権の利回りというのは一%未満であるということを考えると、年金資金全体を効率的に運用していくためにはいち早く年金特会に入れていこうという今回の法改正は適切だと考えます。

 その中で、ただ、伺いたいことは、年複数回、定期的な国庫納付をするということでございますけれども、この元本部分について、年に大体何回程度、一回当たり幾ら程度の国庫納付をイメージされているのか、わかる範囲で伺いたいと存じます。

香取政府参考人 御答弁申し上げます。

 今先生御指摘ありました福祉医療機構が行っております承継年金住宅融資等の債権管理回収業務、元本部分の国庫納付でございますが、年金財政に与える影響等も考慮いたしまして、現在、年四回ぐらいお返しをするという形で検討しております。

 具体的な額でございますが、今、融資残高が約一兆一千億弱ございまして、これは、毎年毎年償還された額によって決まるので確実なところは申し上げられませんが、二十六年度の国庫納付の元本部分が約一千七百九十億ございましたので、仮にこの数字で年四回お返しをするということになりますと、一回当たり約四百五十億ずつ年金特会にお返しをするということになろうかと考えております。

村井委員 ありがとうございます。

 今話題となっておりますGPIFでありますが、ポートフォリオの見直しだとかガバナンスの改革という、大きい光の当たる部分というのはもちろん大切でありますけれども、こういったようなきめ細やかな運用改善といったようなものも年金運用を効率化していく上で大切な視点だと思いますので、ぜひ引き続いて取り組んでいただきたいと思います。

 そして、まだ少しだけ時間が残っておりますので最後に、もう一つの独法でありますけれども、勤労者退職金共済機構について、特に、退職金を未請求の状態となってしまう未請求退職金発生の防止強化策というものについて少し伺ってまいりたいと思います。

 中小企業の退職金共済制度は、そもそも仕組みとして、退職をされた被共済者がみずから退職金を請求することによって初めて実際に退職金を受給できるという仕組みとなっておりまして、そういう意味で、退職をされた後請求するのを忘れてしまう、いわゆる未請求の退職金が発生をするという事態となっております。

 この点については、未請求率、つまり、退職をして請求資格を得てから二年間の間に請求をしていない率が未請求率と整理をされているようでありますが、この未請求率は、平成十七年時点で約三%でありましたけれども、これが足元一・五九%まで下がっているということで、厚労省だとか機構の各種取り組みがしっかりときいていて、この未請求率自体はちゃんと下がっているということでありますが、さはさりながら、やはり受けられるべき退職金を受けられない事態というのは大きな問題でありますので、しっかりと請求を促していくことが大切だと思っております。

 その点、本法案では、機構による退職金受給に係る情報提供が明示的に規定をされるということとともに、住基ネットを利用して住所把握を行うなど、未請求退職金の発生防止対策を強化することとしております。

 これによって、勤労者退職金機構の保有している氏名や生年月日等と住基ネットの情報を突合することによって、被共済者の住所の把握が容易になって、これまで連絡をすることができなかった方にもしっかりとリーチをすることができる、退職金の請求勧奨をすることができるという意味で、本法案は事務の効率化にしっかりと資するものであると考えておりますけれども、一点、気になることは、来年から施行予定のマイナンバーについてであります。

 本法案をよく見ると、マイナンバーも利用できるようになっているんですけれども、厚労省の説明資料なんかを見ますと、住基ネットが前面に出ていて、マイナンバーについての記載がないものがあったりして、マイナンバーはしっかりと本当に活用されていくのかなと心もとない部分もございます。

 マイナンバーであれば、実際、情報を突合するに当たっても番号で突合ができますので、より事務の効率化に資するということでありますので、マイナンバーもぜひ積極的に利用していただきたいと思いますが、厚労省の見解を伺いたいと思います。

岡崎政府参考人 先生御指摘のように、中小企業退職金共済制度におきます未請求の問題、これはしっかり対応していかなきゃいけないというふうに思っています。

 そういう中で、今般、住基ネットとともに、マイナンバーにつきましても制度としては活用できるということにいたしました。ただ、既に未請求の方につきまして、機構が今持っているのは氏名とか住所のものでありますので、当面は住基ネットを活用して、その方が今どこにいるかということで対応していきたい。

 ただ、将来に向けて、マイナンバーをあらかじめ把握してあれば、先生おっしゃるように、より簡便にできるということも御指摘のとおりでございます。マイナンバー制度の発足になるわけでありますが、この活用方法についても積極的に検討していきたいというふうに考えております。

村井委員 ありがとうございます。

 しっかりと、住基ネットのみならずマイナンバーも活用して、未請求退職金の発生防止に努めていただきたいと思います。

 本日は、独法改革等について、厚労省所管分野の法整備について伺いましたけれども、この独法改革というのは不断の見直しが必要な分野であります。これまでも累次にわたってさまざまな政権で独法改革が行われてまいりましたけれども、やはり継続的にしっかりとチェックをしていくということが大切だと思いますし、それが、ひいては、今話題となっております財政の健全化にもつながってまいりますので、ぜひそういった取り組みを厚労省挙げて取り組んでいただきますことをお願い申し上げて、質問とさせていただきます。

 本日はまことにありがとうございました。

渡辺委員長 次に、加藤鮎子君。

加藤(鮎)委員 本日は、山本副大臣、高階政務官、そして、厚生労働省の政府参考人の皆様方に直接質問させていただける機会をいただきまして、心から感謝を申し上げます。

 当選一期生の加藤鮎子です。よろしくお願いいたします。

 本日は、一昨年暮れに閣議決定をなされました独立行政法人改革等に関する基本的な方針にのっとり、行政改革を遂行するに当たって講ずべき措置について、何点かお伺いをいたします。

 独立行政法人は、言うまでもなく、国の政策を実現するための行政実施機関として成果を上げる一方で、生産性や効率性の面で、かねてより課題が多いと指摘をされてまいりました。例えば、収入増加や経費削減に対するインセンティブがない、あるいは、内部から自律的に業務改善や効率化を促す仕組みがないといった点などであります。

 我が国の厳しい財政状況を鑑みれば、効果的な行政改革の一環として、独立行政法人のこのような課題を少しでも軽減すべく、また、運用上の実態に即した制度とするためにも、今般の措置は速やかに行われることが国民にとっても望ましいものだと議員の一人として考えてございます。

 では、早速質問に入らせていただきます。

 まず初めに、労働安全衛生総合研究所と労働者健康福祉機構の統合についてお尋ねをいたします。

 労働安全衛生総合研究所、いわゆる安衛研と、労働者健康福祉機構、いわゆる労福機構の統合に当たっては、役員数が足して六名のところを五名へと削減するような措置が講じられようとしております。これは一つの効率化であると言えます。

 では、役員以外の職員数の削減は一体どれだけ図られるのでしょうか、お聞かせください。お願いいたします。

岡崎政府参考人 先生御指摘のように、独立行政法人につきましては、しっかりと効率化を進めていく必要があるというふうに考えております。

 そういう中で、今般、安衛研と労福機構を統合いたしますが、主として管理部門につきましては統合効果を出していく必要があるだろうというふうに考えております。

 統合直後につきましては、統合に伴ういろいろな問題もありますが、統合を契機としまして、できるだけ早い機会に管理部門で一割程度は削減するという目標で取り組んでいきたいというふうに考えております。

加藤(鮎)委員 ありがとうございます。

 業務も役割も違うこの二つの法人でありますので、管理部門といえども、そう簡単に統合させることはなかなか難しいというのがあると思います。本来必要な業務や職員までを削減することで、国民の皆さんに今まで提供してきたサービスや効用を低下させてしまうことがあってはならないというふうに思っております。また、職員の方々にもそれぞれ生活があるという側面もあります。

 一方で、効率化をしなければ行革の推進にはなりませんので、そこが悩ましいところだろうと思いますが、質問をさせていただきます。

 その職員の削減は一体どのような形で実現をされるのでしょうか。職員の方々への配慮、あるいはサービス受給者である国民の皆様に配慮された方法で削減されるのでしょうか、お聞かせください。

岡崎政府参考人 基本的には、退職者の不補充等の形で対応できるかなというふうに思っております。

 また、先ほども申し上げましたけれども、やはり統合そのものの効果がしっかりと発揮できなければいけないということでありますので、統合を機会に削減は図りますが、統合直後ということではなくて、統合がしっかりなされて、その効果が発揮できる過程の中で管理部門の削減を進めていく、こういう形で、サービス等の低減がないようにしっかりと対応していきたいというふうに考えております。

加藤(鮎)委員 ありがとうございます。

 ぜひ、サービス等の質の低下のないようなところを御配慮いただきながら進めていただけますようにお願いを申し上げます。

 改めまして、確認ともなりますけれども、山本副大臣にお伺いをいたします。

 今般の統合に当たりまして、一定程度の合理化を図る中で、これまで実施してきた安衛研の方の調査研究につきましても、統合後もしっかりと取り組むことができるのでしょうか。よろしくお願いします。

山本副大臣 御指摘の今般の両法人の統合によりまして、労災病院におけます治療や病歴及び職歴に関するデータを収集いたしまして、その収集したデータを活用して、今おっしゃった安衛研で行っていた基礎研究、応用研究に資するものにしていきたいと思っております。そして、その研究成果をまた、事業場への提供による労働災害の予防や職場復帰支援といったものに活用してまいります。

 つまり、予防、治療、職場復帰支援を総合的に展開する体制を両法人の統合によりまして構築することを目的として、今回実施をするものであります。

 これまで実施してきた調査研究について統合後もしっかりできるかどうかということでございますが、もちろん管理部門の削減等の合理化を行ってまいりますけれども、調査研究の業務につきましては、これまで実施してきた調査研究が後退することがないように、十分な体制を維持、確保すること、また、統合による相乗効果を最大限発揮できますよう、新法人におけます調査研究の企画や連携を統括する新たな組織を設置することなど、必要な体制について今検討させていただいているところでございます。

 統合後の新法人におきましては、労働者の健康と安全の確保に資する必要な調査研究が御指摘のように後退しないように、しっかりと体制をとってまいります。

加藤(鮎)委員 ありがとうございます。

 調査研究の方も後退をしないように、そして、相乗効果というのがあると、経費削減だけでなく、プラス面、収入増の効果の方にもつながると思いますので、ぜひ進めていただければというふうに思います。

 次に、勤労者退職金共済機構についての質問へと移らせていただきます。

 勤労者退職金共済機構は、私が申し上げるまでもなく、自力で退職金制度を設けるのが難しい中小企業の事業主から掛金を集めて運用をし、従業員に退職金を支払う機関であります。

 今般の改正では、中小企業退職金共済制度において、従業員のための退職金の積み立てを継続しやすくする措置として、通算制度を拡充するとしております。これは、具体的には、どんなケースで利用されることが想定されるのでしょうか。ケースの御紹介をお願いいたします。

岡崎政府参考人 中小企業退職金共済制度におきましては、退職後も、引き続きまた制度のある企業に就職した場合につきまして通算できるという仕組みを設けております。

 従来は二年以内ということでありましたが、今般、これを三年以内というふうに、一年間、通算できる期間を延ばそうということでございます。

 具体的な例ということでありますが、例えば、出産、子育て等を理由に退職していって、子育ての期間もあるということで、なかなか二年以内に就職はできないという方等につきまして、三年以内に再就職されるということであれば、今回、この制度によりまして通算が可能になるということでございます。それ以外にも、転職までに時間がかかっているような方々につきまして、これを利用していただければ通算が可能になるというふうに考えております。

加藤(鮎)委員 ありがとうございます。

 出産などで退職した女性が仕事に復帰をする後押しともなるような改正だと考えられますので、大変歓迎できる改正だと思います。

 さらに質問を移ると、建設業退職金共済制度におきましては、退職金が支給されない掛金納付期間を短縮するという措置に変更をしようとしていらっしゃいます。従業員にとってのメリットは非常に明白ではありますが、一方で、事業主の皆さんにとってはどのようなメリットがあると考えられますでしょうか。

岡崎政府参考人 建設業の関係につきましては、現下の雇用情勢もございますが、人材確保ができないということで非常に事業主の方々も苦労されております。

 そういう中で、二年ではなくて一年間勤めればまず退職金が出ますということを、採用の際のメリットとして活用していただけるのではないかというのが一つでございます。

 それから、この退職金制度につきましては、より長く勤続した方が退職金のカーブが高くなるという形にもなっておりますので、一旦入職した方につきまして、長く勤めるほど退職金が有利になります。そういうことで、定着の促進ということにつきましても活用していただけるのではないかなというふうに考えております。

加藤(鮎)委員 ありがとうございます。

 建設業の現場の人材不足は非常に逼迫したものがありますので、ぜひこういった前向きな改正に関して周知をしていただけるようにお願いを申し上げます。

 そして、終盤ですが、年金積立金管理運用独立行政法人、いわゆるGPIFの方へと質問を移らせていただきます。残りあとわずかですので、一つだけの質問とさせていただきます。

 昨年の十月に基本ポートフォリオを見直しておりますけれども、GPIFのガバナンス体制の強化について、今般の改正措置に当たってはどのような取り組みを行っているのか、お聞かせください。

香取政府参考人 御答弁申し上げます。

 GPIFのガバナンス体制の強化につきましては、改訂日本再興戦略におきまして、基本ポートフォリオの見直しとあわせて、ガバナンス体制の強化を図る必要がある、こうされております。

 この閣議決定に沿いまして、昨年十月のポートフォリオの見直しにあわせまして、GPIFの運用委員会から建議がなされておりまして、この建議を踏まえて、GPIFで、必要なガバナンス体制の強化、当面できる強化を行っているところでございます。

 具体的には、内部統制の強化ということで、GPIFを監視する運用委員会の中に新たにガバナンス会議というものを設置いたしまして、ここで、投資の基本的な考え方を示します投資原則、あるいは役職員等の遵守すべき基本的事項を定めました行動規範、これも策定いたしました。

 あわせて、執行部においても、コンプライアンスオフィサーというものを置きまして、内部のコンプライアンス体制の強化を図ることといたしました。

 さらに、リスク管理体制の強化ということで、市場動向を的確に把握するという意味で、マクロ経済分析あるいは市場予測に係る体制の強化を図る、さらには、資産運用と実際の年金給付、この両面から一体的に分析をしながら運用管理を行うリスク管理ツールの導入、さらには、閣議決定でも言われております専門人材の採用体制の強化というものを今進めているところでございます。

加藤(鮎)委員 ありがとうございます。

 もう一問ぐらい大丈夫そうですので、それでは山本副大臣に、最後、簡単にお伺いさせていただきます。

 今回の法改正で、運用担当理事を追加する意義をお伺いできればと思いますが、いかがでしょうか。

山本副大臣 先ほど年金局長の方から専門人材の確保という話がございましたが、現在、GPIFにおきましては、業務を執行する役員は、これまで理事長一名とまた理事一名を置くことができるというふうになっていたわけですが、他方で、先ほど申し上げたように、昨年十月に変更した基本ポートフォリオに基づく機動的な運用を本格的に行うことから、しっかりと、可能な限り早い段階で国民の貴重な年金資産を運用する体制を整える必要がございます。

 このために、運用担当理事を法律上必置の理事として追加いたしまして、高度な専門性を持つ理事が運用に専念できる体制を整えることとしております。

加藤(鮎)委員 ありがとうございます。

 非常に大きな資産を運用する組織でありますので、ぜひ公正で、そして適正なガバナンスのもと運営されることを期待させていただきまして、私からの質問を終了させていただきます。

 どうもありがとうございました。

渡辺委員長 次に、輿水恵一君。

輿水委員 公明党の輿水恵一でございます。

 本日は、質問の機会を与えていただきまして、心より感謝を申し上げます。

 私からも、この独法整備法案の質疑ということで、私は、各独法の役割等の確認も含めながらるる質問をさせていただきたい、このように思っておりますので、よろしくお願いをいたします。

 初めに、労働安全衛生総合研究所と労働者健康福祉機構の統合について伺わせていただきます。

 労働安全衛生総合研究所では、さまざまな職場における労働者の安全及び健康を確保するために、理学や工学、医学、さらには健康科学などさまざまな観点から、労災や職業性疾病の防止に向けて総合的、専門的な調査研究を行ってきたというふうに認識をしております。

 また一方、労働者健康福祉機構は、労働者のいわゆる労災疾病などの予防や治療、さらに職場復帰に向けてのリハビリなど、労災病院などによる医療的な支援を行い、さらに、各職場の管理者に対して産業保健に関するそういった相談、研修、情報提供などを都道府県の産業保健総合支援センターを通して行ってきた、このように思っております。

 そこで、労働安全衛生総合研究所、これも今まで大きな役割を果たしてきました。また、労働者健康福祉機構、これも、こういった労災病院を中心にさまざまな取り組みを進めてきた。この今日までの活動における主な成果について、まずお聞かせ願えますでしょうか。

岡崎政府参考人 両独法の機能につきましては今もう既に先生から御示唆いただいたとおりでございますが、少し具体的に、どういうことをやってきたかということでお答えしたいというふうに思います。

 まず、研究所、安衛研の方でございますが、ここは、例えば足場からの墜落防止でありますとか土砂崩壊への対応等々、こういったような具体的な機械的、工学的な関係等の調査をしたり、あるいは、例えば介護労働者の腰痛の防止とか、そういうやや医学的なものとか、そういった調査研究を行いまして、それを踏まえて、安全衛生法関係の規則の改正でありますとか、あるいはいろいろな技術基準の策定等々、こういったものに貢献してきているということがあります。

 それから、具体的ないろいろな事件等が発生した場合につきまして、行政機関からの指示あるいは要請を受けましていろいろな対応もしている。最近の例では、例えば、印刷業務におきまして胆管がんが発生したというふうなことにつきまして、この調査を担当したりでありますとか、あるいは、海底のシールドトンネルに海水が入ったという事故がありましたけれども、その水没事故の調査を行ったりとか、そういう具体的な事故とか事例に対しての検討も行っているということでございます。

 一方、労福機構の方でございますが、これにつきましては、例えばメンタルヘルスの関係につきましては、いろいろな、治療実績等も踏まえまして企業が復職の可否の判断を行う際の評価基準の作成を行ったりでありますとか、それから、アスベストに関しましては、病歴、職歴データの分析を行いまして、石綿暴露によります中皮腫の発生の事例というのが八五%あるというふうなこと等、さまざまな貢献もしてきているということでございます。

 そういったことのほかに、例えば、労災の認定につきましても医学的な意見書というのが必要でありますが、労福機構の担当のお医者さんによりまして、年間三千件を超える意見書も提出している。そういった意味で、労災補償等の関係につきましてもいろいろなバックアップをしていただいている。

 こういうさまざまな機能を果たしてきております。

輿水委員 どうもありがとうございました。

 まさに、研究所の方で労働者の安全と安心のためのさまざまな研究がなされ、そして福祉機構の方では、現場に直結した、そういった取り組みを進めながら、それぞれが成果を出してきた、このように承りました。

 そんな中で、近年、企業間競争の激化、あるいは一人一人の業務の高度化や複合化など、そういった問題の中で、職場環境が大きく変化をし、ストレスに悩む勤労者というのがふえていると伺っております。実際に、仕事に関して強い不安やストレスを感じているという労働者が全体の六割以上にも上る、そういった調査結果も出ていると伺っております。

 慢性的なストレスというのはさまざまな疾患を引き起こすとも言われている。実際に、ストレス等による体調不良というのが、その原因がわからず一人で悩んでおられる、そういった方も多いと伺っております。労働者健康福祉機構では、このような労働者の悩みに対応するために、専門のカウンセラーを配置し、心の電話相談を開設していると聞いております。

 労働の現場のストレスというのは大きな問題であると思いますが、労働者のストレス等に対して各職場が適切に対応して一人一人の心身の健康を維持していく、このことは非常に重要なことであるというふうに考えるわけでございます。

 そこで、山本副大臣にお伺いしますが、今般の両法人の統合により、労働者の心身の健康管理のためにどのような取り組みの効果が期待できるのか、この点についてお聞かせ願えますでしょうか。

山本副大臣 先ほど加藤委員の方にもお答えさせていただきましたけれども、今般の両法人の統合によりまして、まず、労災病院におけます治療や病歴、職歴に関するデータを収集させていただいておりますけれども、収集したデータを活用した基礎研究、応用研究を行ってまいります。そして、その研究成果の事業場への提供により労働災害の予防や職場復帰支援に活用していく、こういったことによりまして、予防、治療、職場復帰支援を総合的に展開する体制を構築することが可能となりまして、いろいろと御指摘の労働災害の減少に資するものと期待をしております。

 ちょっとストレスという話と直結はしないんですけれども、具体的にどういった取り組みをしていくかという話なんですが、例えば、化学物質による被害のおそれというものを把握した場合に、労災病院が有するデータを活用いたしますと、より精度の高い調査対象を選定することができるようになります。その上で、被災者へのヒアリング等詳細な調査を効果的に実施ができまして、原因物質の特定や発生原因の解明を行うことができるようになると期待しております。

 また、先ほど労働災害についてお話がございましたけれども、その中でも転倒災害が最近ふえておりますが、これについては、今研究はやっているんですけれども、今度、労災病院のデータを活用することによって新しい手法でその減少に資するような調査研究ができないかということを、今、統合に向けて検討していくこととしております。

 とにかく、こうした取り組みによりまして、働く人々の心身の健康をしっかりと確保してまいりたいと考えております。

輿水委員 ありがとうございました。

 研究所のそういった研究と労災病院のそういった臨床のデータをうまく組み合わせながら、一つ一つのそういった労災に適切に、また迅速に、的確に対応できると。わかりました。ありがとうございます。

 ここで、先ほどストレスに触れたので、ストレスつながりでちょっと確認をさせていただきたいんです。

 職場のストレスにおいては、本年の十二月一日から、従業員五十名以上、そういった事業場でストレスチェックの実施等が義務となる。このストレスチェックの結果は、当然、本人の同意がなく事業者に提供することは禁止されておりますが、一方、個人を特定しないパーソナルデータとしての活用は認められており、職場ごとの分析がなされ、さまざまな課題が浮き彫りになるものと思います。

 現在、ストレスチェックの実施に向けての準備を労働局の方で進めていると思いますけれども、ストレスチェックを有効に活用し、労働者の心身の健康管理に役立てるためには、各職場でのストレスチェックを適切に実施するとともに、この分析結果に応じて、職場環境の改善、こういったものも進めることが必要だと思っております。

 そこで、今回の統合される独立行政法人の労働者健康安全機構、また労働局、この連携のもとに、ストレスチェック、また職場の心身の健康というものをどう維持していくか、どのような役割の中でその機能を果たしていくのかについてお聞かせ願えますでしょうか。

土屋政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のとおり、昨年の六月に成立をしていただきました改正労働安全衛生法に基づきまして、ストレスチェックの制度を本年の十二月から施行させていただく予定でございますが、この制度では、労働者のストレスへの気づきとともに、職場環境の改善を目的とした、そういった制度としてございますので、特に個別の企業の中では、集団的な分析をやっていただくことによりまして、企業の中でも活用をしていただくということが重要であるというふうに思っております。

 今回の統合する法人との関係でございますが、従来から、労働者健康福祉機構では、各都道府県に産業保健総合支援センターを設置してまいりました。ストレスチェック制度の実施に当たりましては、この各センターにおきまして、制度の意義のほか、具体的な実施方法、それから職場環境の改善を含めた活用方法等につきまして、一つは、産業医などの産業保健スタッフ向けの研修をするということ、それから、事業者向けの相談をやっていくということ、そして、必要に応じまして個別の事業所への支援を行っていく、こんなことを考えてございます。

 また、労働局や監督署におきましては、事業主向けの説明会等々を通じまして、制度についての周知を図るほかに、ストレスチェックの実施状況の把握、あるいは法令上の問題があるような場合においての事業主に対する指導、こういったものを通じて、制度の適切な施行に向けた対応をしていきたいというふうに考えております。

 いずれにいたしましても、先ほどお話がありましたように、新しい法人と労働局との役割分担と連携のもとで、ストレスチェック制度が特に企業の中において職場環境の改善につながるような活用のされ方をするように、しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。

輿水委員 どうもありがとうございました。

 そもそも、ストレスというものも、全く、あってもいい、あってもいいんだけれども、それをどうコントロールして、そして、その中で力を発揮していくかということで、ストレスのあり方、またストレスをどうコントロールしながら職場環境をよくしていくか、そんな取り組みをしっかり進めていただきながら、一人一人がその能力を最大に発揮できるような、そういった職場を目指していただければと思います。

 両法人の統合における最後の質問といたしまして、今回、国の委託事業として進めてきた日本バイオアッセイ研究センター事業としての化学物質の有害性調査、これがこの法人に統合をされましたが、その背景と理由について確認をさせていただけますでしょうか。

土屋政府参考人 御指摘ございました日本バイオアッセイ研究センター事業は、労働安全衛生法の規定に基づきまして、国が中央労働災害防止協会に委託をして、化学物質のがん原性の調査をこれまで実施してきたところでございます。

 この調査は、発がん性が疑われる化学物質につきまして順次これまで調査を実施してきたところでございますが、一つの物質について、準備期間を含めますと五年程度の調査期間を要するような長期にわたる調査を行うものでございまして、継続的かつ安定的な実施が必要になってございます。

 このため、今回の見直しを検討する際に、これまでのように単年度ごとを原則とする国の委託事業によって実施をするのではなくて、中期目標あるいは中期計画に基づいて業務運営を行う仕組みを有している独立行政法人において実施をすることがより適当であるというふうに判断をいたしまして、この新しい統合法人の業務とさせていただいているところでございます。

輿水委員 ありがとうございます。

 確かに、この有害性調査、中期的なそういった目標の中でしっかりと進めていくべきものという形での統合ということで、よくわかりました。ありがとうございます。

 それでは、続きまして、勤労者退職金共済機構の組織、事務の見直しについて質問をさせていただきたいと思います。

 勤労者退職金共済機構は、勤労者の皆様の生活の安定のため、また事業主の皆様にとっても優秀な人材を確保するために、退職金共済制度や勤労者財産形成促進制度を運営している法人であります。

 まず、この組織の見直しについて、機構の資産運用業務のリスク管理体制を強化するために、外部委員五人以内で構成される資産運用委員会を設置するとのことでございますが、この勤労者退職金共済機構では、これまでどのようなリスク管理のもとで資産運用を行ってきたのか、お聞かせ願えますでしょうか。

岡崎政府参考人 従来につきましては、理事長が任命するという形になっておりますが、基本的なポートフォリオを検討するALM委員会と、それから資産運用が適切に行われているかという資産運用評価委員会、この二つを置きまして、それらに諮問をして、その意見を聞きながら理事長が判断して対応してきている、これがこれまでのやり方でございます。

輿水委員 ありがとうございます。

 そもそも独法、理事長がしっかりとした責任を持って、そしてその業務を遂行していくということで、その理事長の任命の中でそういった運用が行われてきたということでございます。

 今までは、実際、約四・五兆円程度の資産を、国内債券の割合が、二十三年四月現在のデータを見させていただきますと、七六・九という形で、非常に堅実に運用されている、このように感じております。

 そして、今般の改正で大臣任命の資産運用委員会が設置される。今後は、当然、より堅実、しかし、より効率的な運用が進められるものと考えておりますが、この資産運用における責任の所在、こういったものはどのようになっているのか、お聞かせ願えますでしょうか。

岡崎政府参考人 勤労者退職金共済機構は、あくまでも独法制度という中での制度でございます。したがいまして、最終的な決定の権限あるいは責任につきましては理事長が集中して持つ、この制度自体につきましては変わりがございません。

 しかしながら、やはり一方では、先生御指摘のように、四・五兆円の資産を運用している。これが、堅実であり、かつ効果的に運用されなきゃいけないということであります。

 したがいまして、理事長の責任は前提としながらも、しっかりとした資産運用の議論とか監視が行われる体制が必要だ。それも、理事長がみずからということではなくて、厚生労働大臣がしっかりと任命して、専門家の意見を理事長に聞いていただく、そういうような体制をとるということにしたということでございます。

輿水委員 どうもありがとうございます。

 まさにこの資産運用委員会、これがオープンで、いろいろなことを議論して、議論したことを理事長に申し出て、理事長がそれをどう判断したか、そういったある程度透明性を確保した上でその運用が適切になされる、このように理解をさせていただきました。

 次に、事務の見直しですね。今は組織の見直しということで、今度は事務の見直しで、中小企業退職金共済制度の間での退職金の通算において、退職してから新しい会社に就職した後、通算の申し出ができる期間を二年から三年に延ばす、さらに、建設業退職金共済制度の退職金が支給される掛金納付期間を二十四カ月以上から十二カ月以上という形で短縮するなど、勤労者の立場に立った改正が行われているというふうに感じます。

 また、さらに今回、退職金の未請求の発生防止対策、先ほども質問にありましたが、それが進められると伺っておりますが、中小企業退職金共済制度において、請求されていない退職金、いわゆる未請求の退職金の支払いについて、これまでどのような取り組みをしてきたのか。

 また、あわせて伺いますが、中小企業退職金共済制度の退職金請求の時効は何年か。また、時効を経過した退職金の未請求者の数は何件か。さらに、時効を経過したら退職金は支払われないのか、支払われるのかについてお聞かせ願えますでしょうか。

岡崎政府参考人 中小企業退職金共済制度におけます未請求の発生、これは幾つか原因があるというふうに思いますが、一つは、事業主の方が拠出をしていて、被共済者であります従業員の方が必ずしも十分その制度に加入していることを知らない、あるいは、やめたときにそこがしっかりと周知されていないという問題、それからあとは、退職するに際しまして、住所が変わられる、転居されるという方も相当数いる、そういったことが原因だろうというふうに思っています。

 そういう中で、一つは、やはり事業主が制度に入っているということを従業員の方にしっかりと周知していただくということが必要だろうということで、それについて事業主にしっかりと指導しているというようなことでありますとか、それから、制度の加入中につきましても、掛金の納付状況でありますとか退職金の試算額を、事業主を通じて被共済者であります従業員の方に送付する、そして、退職後につきましては、事業主を通じて住居を把握するというようなことで対応してきましたが、これに加えて、今回は、住基ネットを活用するということにしたいということでございます。

 そして、時効の関係でございますが、時効につきましては、五年でございます。これは、制度発足は昭和三十四年でありますので、相当長期に運用してきております関係もありますが、累計ということでありますと、約五十万件というものが未請求になっているということでございます。

 時効が経過した場合につきましても、機構の方では記録はとってありまして、請求があればお支払いするというような対応をこれまでとってきているところでございます。

輿水委員 どうもありがとうございます。

 時効の未請求の方が五十万件ということで、しかし支払われる、そういった方向で今取り組まれているということなんですけれども、確かに、支払いたくとも、相手と連絡がとれなければなかなかこの先が進まないと思うんです。

 そういったことも含めて、今回の改正における住基ネットの活用もそこに含まれていると思うんですけれども、この未請求退職金の支払いについて、これらの取り組みも含めて、今後どのように進めようとしているのか、山本副大臣、お答え願えますでしょうか。

山本副大臣 ただいま局長の方からもお話がございましたけれども、これまで、勤労者退職金共済機構から直接、退職した方に対して、退職金の請求手続を促すような取り組みを一定のタイミングで行ってきたわけですけれども、今回の法改正によりまして住民基本台帳ネットワークが活用できるようになりますと、これまでわからなかった住民情報を割り出すことができまして、把握することができなかった方にも連絡がつくようになります。

 今後、住民基本台帳ネットワークをうまく活用させていただきながら、一人でも多くの方に確実に退職金を支給できるように、未請求者の実態に応じまして取り組みを強化してまいります。

輿水委員 ありがとうございます。

 先ほどの、まず、未請求者が発生しないように、しっかりとこういったものに入っているんだということを社員に教育すると同時に、今度は、引っ越してもわかるような、そして追っかけていくということで適切にお支払いができるように、よろしくお願いを申し上げます。

 それでは、続きまして、福祉医療機構に関して質問をさせていただきたいと思います。

 超高齢化社会を前に、社会福祉施設や医療施設が適切に整備され、安定的に運営されるということは大変に重要であると思います。そのための融資から運営における総合的な支援を行う福祉医療機構の役割は年々大きくなっているというふうに感じております。

 そこで、福祉医療機構の実施する福祉医療貸付事業は、地域の福祉、医療に必要とされている社会福祉施設や医療施設を対象としておりますが、近年、経営不振のため返済が困難となっている社会福祉施設や医療施設もあると伺っておりますが、この福祉医療機構ではそういう状況に対してどのように対応されているのか、お聞かせ願えますでしょうか。

鈴木政府参考人 福祉医療機構におきましては、社会福祉施設あるいは医療施設が地域において安定的に運営できるように、融資後のフォローアップにおきまして、きめ細かな支援に取り組んでおります。

 具体的に申しますと、今後の返済が懸念される融資先に対しましては、面談あるいは実地調査等によりまして経営不振の要因を分析いたしまして、支援を実施するといったようなことで、まずは、経営不振に陥らないように未然防止に努めているということでございます。

 また、既に経営不振状態になっている融資先、これに対しましては、経営改善計画の検証、助言を行う。あるいは、借入金の返済が困難な法人がございますと、償還期間の延長などの貸し付け条件の緩和を行う。そしてまた、一時的に資金繰りが困難な社会福祉法人もございます。こういったところに対しましては、運転資金の貸し付けを行う。

 こういったような柔軟な対応をとっておりまして、こういったことを通じまして、社会福祉施設あるいは医療施設の安定的な経営を支援しているということでございます。

輿水委員 ありがとうございます。

 さて、今回の福祉医療貸付事業について、金融機関のリスク管理の専門性を持つ金融庁の検査が入ることにより財務の健全性が適切に図られる、このように思っております。

 これに加えて、今回、福祉医療機構の承継債権管理回収業務で回収した年金住宅融資等債権について、国庫納付を複数回するということで、先ほども質問があり、事務手数、そういった話もありましたが、ここでは、複数回することによってどのような効果が期待されるのか、お聞かせ願えますでしょうか。

山本副大臣 御指摘の福祉医療機構の承継年金住宅融資等債権管理回収業務の国庫納付、これを年一回から複数回として、回収した資金を年金給付の原資として迅速に活用することによりまして、年金積立金の取り崩しを抑えて、利回りの高い運用に回す資金をより多く確保できるようになりまして、結果といたしまして、年金財政の改善に寄与するものと考えております。

 具体的には、仮に元本の国庫納付の回数を年四回とした場合の試算の結果でございますけれども、年金財政における効果額といたしましては、おおよそ十億円程度であったということでございます。

輿水委員 わかりました。

 では、細かくやることによってその試算の益というものがちゃんと確保されるようになるということで、ちょっと大変かと思いますけれども、国民の貴重な財産であると思いますので、ぜひよろしくお願いを申し上げます。

 最後に、年金積立金の管理運用独立法人の改正について、時間がある限り質問させていただきたいと思いますが、まず、率直に質問させていただきます。

 年金積立金の運用におけるポートフォリオ、昨年十月三十一日に見直しがなされました。国内債券を六〇%プラマイ八から何と三五%プラマイ一〇に大幅に引き下げ、国内外の株式比率を上げましたが、そこでまず、この基本ポートフォリオの見直しの背景と理由についてお聞かせ願えますでしょうか。

香取政府参考人 御答弁申し上げます。

 昨年のGPIFの基本ポートフォリオの見直しにつきましては、新しい財政検証の結果を踏まえまして、GPIFにおきまして、経済、金融等の学識経験者から成る運用委員会、大臣任命でございますが、運用委員会の意見を踏まえまして、資金運用に関して一般的に認められる専門的な知見に基づきまして、慎重に検討を重ねて実施したものでございます。

 具体的に、この考え方でございますが、現在の基本ポートフォリオ、直した後の基本ポートフォリオは、デフレからの脱却あるいは適度なインフレ環境への移行という我が国の長期的な経済あるいは運用の環境が大きく変わるということに即しまして、従来の国内債券中心の運用でありますと、必要な年金給付、実質的な年金給付を確保することがなかなか困難になるだろう、そういう想定のもとに、被保険者の利益のために最適な運用を行う、必要な運用利回りを確保するために最適な運用はいかなるものかということにつきまして、先ほど申し上げました運用委員会で御検討いただきまして、策定されたものでございます。

 したがいまして、そういった見直しの結果として、お話ありましたように、国内債券の比率が下がり、株式比率が上がるといった結果になったというふうに承知しております。

輿水委員 どうもありがとうございました。

 ちょっと時間となりましたので、この年金積立金、将来の年金給付の貴重な財源であり、長期的な観点から安全かつ効率的な運用をしっかりと進めていただきたい、このように思っております。よろしくお願いいたします。

 以上で終わります。ありがとうございました。

渡辺委員長 次回は、来る七日火曜日午前八時五分理事会、午前八時二十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時一分散会


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