衆議院

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第11号 平成27年4月23日(木曜日)

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平成二十七年四月二十三日(木曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 渡辺 博道君

   理事 赤枝 恒雄君 理事 後藤 茂之君

   理事 高鳥 修一君 理事 とかしきなおみ君

   理事 松野 博一君 理事 西村智奈美君

   理事 浦野 靖人君 理事 古屋 範子君

      大岡 敏孝君    大串 正樹君

      加藤 鮎子君    木村 弥生君

      小島 敏文君    小松  裕君

      白須賀貴樹君    新谷 正義君

      田中 英之君    田畑 裕明君

      谷川 とむ君    豊田真由子君

      中川 俊直君    長尾  敬君

      丹羽 雄哉君    橋本  岳君

      比嘉奈津美君    堀内 詔子君

      松本  純君    松本 文明君

      三ッ林裕巳君    村井 英樹君

      阿部 知子君    大西 健介君

      岡本 充功君    中島 克仁君

      長妻  昭君    山井 和則君

      鷲尾英一郎君    足立 康史君

      牧  義夫君    伊佐 進一君

      岡本 三成君    輿水 恵一君

      角田 秀穂君    高橋千鶴子君

      堀内 照文君

    …………………………………

   厚生労働大臣政務官    橋本  岳君

   参考人

   (全国市長会国民健康保険対策特別委員長)

   (高知市長)       岡崎 誠也君

   参考人

   (全国知事会社会保障常任委員会委員長)

   (栃木県知事)      福田 富一君

   参考人

   (日本労働組合総連合会総合政策局長)       花井 圭子君

   参考人

   (大阪社会保障推進協議会事務局長)        寺内 順子君

   厚生労働委員会専門員   中尾 淳子君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月二十三日

 辞任         補欠選任

  比嘉奈津美君     小島 敏文君

  長妻  昭君     鷲尾英一郎君

  輿水 恵一君     岡本 三成君

同日

 辞任         補欠選任

  小島 敏文君     比嘉奈津美君

  鷲尾英一郎君     長妻  昭君

  岡本 三成君     輿水 恵一君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出第二八号)


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     ――――◇―――――

渡辺委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 本日は、本案審査のため、参考人として、全国市長会国民健康保険対策特別委員長・高知市長岡崎誠也君、全国知事会社会保障常任委員会委員長・栃木県知事福田富一君、日本労働組合総連合会総合政策局長花井圭子君、大阪社会保障推進協議会事務局長寺内順子君、以上四名の方々に御出席をいただいております。

 この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。

 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただき、審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。

 次に、議事の順序について申し上げます。

 最初に、参考人の方々から御意見をそれぞれ十五分以内でお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。

 なお、発言する際はその都度委員長の許可を受けることになっております。また、参考人は委員に対して質疑することができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。

 それでは、まず岡崎参考人にお願いいたします。

岡崎参考人 おはようございます。全国市長会の国保対策特別委員会の委員長をお預かりしております高知市長の岡崎でございます。よろしくお願い申し上げます。

 今回の国民健康保険法等の改正案に賛成の立場から意見を申し上げます。

 まず、国民健康保険制度の現状ですけれども、昭和三十六年の国民皆保険制度創設以来、半世紀が経過をいたしましたが、制度のまさに中核を担い、地域医療の確保や地域住民の健康の保持増進に大きく貢献してまいりました。

 制度発足当時は、農林水産業者の方や自営業者の方々が中心となる医療保険でしたが、現在は、各被用者保険から仕事を退職された後に加入された方などが中心となっており、無職者や非正規労働者の方々が約七割を超えている医療保険となっていますので、当然、被保険者の年齢が高く、所得は低いという構造的な問題が、ここ十数年来顕著になってきております。

 具体的な数値で申し上げますと、平成二十四年度末の数値で、加入者の平均年齢は、被用者保険については三十五歳前後ですけれども、国保については五十・四歳、そして、六十五歳から七十四歳までの前期高齢者の方々が被保険者の約三分の一を占めております。

 年齢が高くなると医療費も当然高くなりますので、被保険者一人当たりの医療費は、被用者保険の平均が十五万円前後の額に対しまして、国保については三十一万六千円と倍近い額になっております。

 一方、加入者一人当たりの平均所得は、組合健保が約二百万円、協会けんぽが百三十七万円ですけれども、国保は八十三万円と相当に低く、所得に対する保険料負担率も九・九%と、他の被用者保険に比べて極めて重い負担となっております。

 被保険者の高齢化や医療の高度化によって高騰する医療費を賄うために、やむなく保険料の引き上げ提案を行いましても、議会で否決されるという自治体もあるように、被保険者の負担も限界に達している現状もあります。

 このような状況の中で、国保を運営する市町村の現場では、赤字構造や、これ以上保険料を引き上げることが難しい、こういう理由から、やむを得ず、多額の赤字補填目的での法定外繰り入れを余儀なくされたり、決算における繰り上げ充用を行っている厳しい現状があります。

 平成二十五年度の決算では、各保険者が決算補填目的のために繰り入れた総額が全国で三千五百四十四億円に上り、実質的な赤字は三千百三十九億円となっています。このほかにも、翌年度の歳入を充てる繰り上げ充用の金額も約一千億円となっており、非常に厳しい財政運営に迫られています。

 国民皆保険とはいいながら、国保の場合は、市町村ごとに保険料負担が違います。国の資料によりますと、全国平均を一とした場合、都道府県で徳島県が一・三五倍、保険者ごとで見ますと、最も高いところでは一・六七倍となっておりまして、保険料負担に大きな格差があり、同じ医療を受けるにしても、倍以上の保険料を負担しなくてはならないという状況も生じています。

 高知県には、人口四百人程度の村があります。このような小さな村で、例えば人工透析の患者が一人発生しますと、年間約五百万円から六百万円の医療費がかかり、それだけでも国保財政を支え切れなくなるという現状があります。

 全国の市町村保険者の約四分の一は、被保険者の数が三千人未満の小規模の保険者であります。

 給付費の広域的な調整は既に行われておりますけれども、財政運営を広域化し、多くの人々で支え合う必要がありますし、加入者の所得が低い国保に対しましては、国による財政支援が不可欠であります。

 こうした国保の厳しい現状は、保険者である市町村の努力不足、また国保被保険者の皆様方の問題ということではなく、年金生活者や非正規労働者の多くが加入する国民健康保険制度の抱える構造的な問題であります。

 そのため、これらの現状をどのようにして解消し、国民健康保険制度を将来にわたって持続可能な制度として維持していくための抜本的な対策が強く求められております。

 これまでの社会保障制度改革国民会議における協議の内容も踏まえ、平成二十五年十二月に成立をしました社会保障制度改革プログラム法の中で、解決の方向策として、一点目、国保に対する財政支援の拡充、二点目として、国保運営について、財政支援の拡充等により国保の財政上の構造的な問題を解決することとした上で、財政運営を初めとして都道府県が担うことを基本としつつ、保険料の賦課徴収、保健事業の実施等に関する市町村の役割が積極的に果たされるよう、都道府県と市町村との適切な役割分担について検討、三点目として、低所得者に対する保険料軽減措置の拡充が盛り込まれております。

 国民健康保険制度が崩壊しますと、地域の医療も当然崩壊することになりますので、現状の危機的な状況を放置すれば、国民皆保険制度の最後のとりでである国保は崩壊し、我が国の医療保険制度は維持できなくなります。

 今回の国民健康保険法等の改正は、こうした危機的状況を打開し、国保の広域化と基盤強化を図るものであり、確実な実現を図ってまいらなければなりませんので、その理由を以下申し上げます。

 第一に、今回の改正では、都道府県が市町村とともに国保の運営を担い、国保事業の効率的な実施の確保等、都道府県内の財政運営の責任主体となり、健全な国保運営に中心的な役割を担うこととされております。

 これまで、全国市長会や全国町村会では、医療保険制度を持続可能なものとするため、一貫して都道府県を保険者とする国保の広域化を強く求めてまいりました。

 市町村は、住民の皆様方の健康づくりをお預かりしておりますけれども、地域の病院のベッド数を調整するなどの医療をコントロールする権限は持っておりません。

 医療計画は、都道府県によって広域的に策定されているため、都道府県が国保の保険者を担うことは理にかなっていると考えます。

 都道府県内の医療計画や医療費適正化計画を策定し実行する都道府県が国保運営の中心的な役割を担うことで、医療と保険がセットになった総合的な施策の展開が可能になるとともに、先ほど申し上げました小規模保険者の問題についても解決が図られることになります。

 第二には、今回の法改正に伴い、平成二十七年度からは保険者支援制度で一千七百億円、平成二十九年度からはさらに一千七百億円の追加支援が行われる予定であります。合わせて毎年約三千四百億円という大規模な国保への財政基盤強化策が実施されることになります。

 これまで、財政基盤強化の具体策として、全国市長会では、社会保障と税の一体改革の中で確認されていた保険者への財政支援の拡充一千七百億円の早期かつ確実な実施と、後期高齢者支援金の全面総報酬割導入により削減される国費について国保への優先的な投入、普通調整交付金の高額医療費共同事業におけます国庫負担への流用の是正等を強く求めてまいりました。

 今回の法改正に伴い実施をされます財政基盤強化策は、これまでの市長会の主張に沿うものであり、その確実な実施が必要であると考えます。

 被用者保険の後期高齢者支援金の全面総報酬割導入につきましては、さまざまな論議がありますけれども、国保の現状を踏まえまして、ぜひ御認識をいただきまして、御理解を賜りたいと思います。

 今回の三千四百億円の総合的な支援によりまして、国保は一定のめどがつくというふうに考えております。

 一方で、二〇二五年には、団塊の世代の人々が全て七十五歳に到達をいたしますが、その五年前の二〇二〇年には、団塊の世代は全て七十歳代になります。七十歳を超えますと医療費が急増しますので、団塊世代の人口のボリュームが大きいために、二〇二〇年から国保の財政はさらに厳しくなることが予想されます。

 知事会も、さらなる国費による財政支援を国の責任で行ってほしいと強く要請されておりますので、さらなる支援をお願いしたいと思っております。

 第三には、財政安定化基金、国保運営の新しい基金の設置が予定をされております。

 財政運営を都道府県単位化することに伴いまして、市町村によっては、インフルエンザの大流行やまた保険料の上昇などの一定の変化を伴うこともありますので、リスク解消のためにも、国保におきましても、介護保険や後期高齢者医療にもあるように財政安定化基金は不可欠だと考えます。

 第四には、今回の法改正によりまして、厚生労働省において主導的に国保の標準システムの開発を進めることになっております。

 たび重なる制度改正によりまして国保は非常に複雑なシステムになっておりますので、今回の改正によりまして、それぞれ都道府県内の市町村ごとの標準保険料率が示され、標準的な住民負担の見える化が進められてまいりますので、それぞれシステムを早急に整備していく必要があると考えております。

 また、被保険者の方々にとりまして、高額療養費の多数回該当、四回目の入院のときに負担が安くなるという該当回数がございますけれども、現在は市町村ごとに運営されていますが、これが都道府県内で全て引き継ぎができるようにするということもあわせまして、被保険者の方々にとってメリットがあるものにしなくてはならないと考えております。

 今回の法改正では、国保の財政運営が都道府県単位となりますけれども、我々市町村は、窓口業務を初め保険料の徴収や地域の皆様方の健康づくりなど、前面に立ちながら実施をしていかなければならないと強く認識しておりまして、これまでどおりの国保運営への役割をしっかりと果たしていく決意であります。

 都道府県におきましては、保険者として国保運営の中心的な役割をしっかりと担っていただき、保険料格差の解消や市町村の事務の効率化、標準化に向けまして、市町村とともに積極的に取り組んでいただくことを期待しております。

 国会議員の先生方には、本法案の早期成立を重ねて要望しますとともに、厚生労働省において、新制度の円滑な実施、運営に向けて、早期に国保基盤強化協議会を再開し、保険者を担う都道府県及び市町村と引き続き具体的な協議をいただくよう要望いたします。

 本法案の検討規定におきましては、国保の今後の運営を担うという意味で、都道府県、市町村の役割分担のあり方や保険全般についての検討を行うという条項が設けられております。

 今後の医療費の伸びが見込まれる中で、国保を安定的、持続可能な制度にすることは極めて重要な課題でありますので、国や都道府県、市町村におきまして、それぞれの役割分担を明確にした上での検証、見直しをお願いしたいと申し上げておきたいと思います。

 以上、賛成の立場からの参考人の意見陳述とさせていただきますので、どうかよろしくお願いを申し上げます。

 以上でございます。(拍手)

渡辺委員長 ありがとうございました。

 次に、福田参考人にお願いいたします。

福田参考人 皆さん、おはようございます。私は、全国知事会社会保障常任委員長を務めております栃木県知事の福田と申します。

 本日は、全国知事会を代表しまして、持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案に対しまして、賛成の立場から意見を述べさせていただく機会をいただきましたことを御礼申し上げます。

 さて、皆様御案内のとおり、我が国の医療保険制度は、昭和三十六年に国民健康保険が全国に普及し、国民皆保険が達成されましたが、それ以来五十年以上、国保はその最後のセーフティーネットとしての役割を果たしてまいりました。この間にも、高齢化の進展、高度な医療の普及等による医療費の増加に対応するため、高齢者医療制度の創設などさまざまな改革が行われてきたところでございます。

 しかしながら、皆保険を支える現在の国保の世帯主の内訳は、年金生活者等の無職者や非正規の被用者などが約七割を占め、かつて中心だった自営業者、農林水産業者は一五%程度でありますことから、一つに、年齢構成が高く、一人当たりの医療費が非常に高い、二つに、低所得者の方が多く、結果として所得に対する保険料負担も重くなっている、三つとして、このため財政基盤が脆弱で、市町村は一般会計から多額の決算補填等を目的とした繰り入れを行わざるを得ない状況である、四つ目に、加えて、一人当たりの保険料等の都道府県内市町村間格差や都道府県間格差も大きいなどの構造的な課題を抱えております。

 また、被保険者の保険料負担率につきましては、被用者保険と比べて非常に高い水準にあり、その格差は極めて大きくなっております。

 今後も高齢化が進行し、医療費の増大が見込まれる中、このままでは、被保険者も保険者である市町村も、その負担に耐えられる限度を超え、最後のセーフティーネットである国保制度は破綻するおそれがあります。これを回避するため、将来的に持続可能な制度を構築することは国の大きな責任であると考えております。

 我々知事会といたしましては、従前から、国保の構造的な問題が解決され、持続可能な制度が構築されるならば、市町村とともに積極的に責任を担う覚悟であると申し上げてきたところでございます。

 私は、全国知事会の社会保障常任委員長として、各都道府県と情報共有を図り、さまざまな意見を丁寧に集約しながら、それらを踏まえて、国民健康保険制度の基盤強化に関する国と地方の協議等におきまして、国や市長会、町村会と長きにわたり議論を重ねてまいりました。

 今回の改革の大きな論点は、次の二点でございます。

 一点目は、財政上の構造問題の解決に向けた方策についてでありますが、知事会からは国に対して、国民の保険料負担の公平の観点から、さらなる公費の投入によって抜本的な財政基盤の強化を図ること、また、今後も医療費の増大が見込まれる中、将来にわたり持続可能な制度とするため、法案に、国の財政支援のあり方について検討し、必要な財政上の措置を講ずる旨を明記するよう強く要請してきたところでございます。

 本法案は、こうした議論を踏まえ、公費拡充により一定の国保財政基盤の強化を図ろうとするものでありますが、法律附則の内容は、法施行後においても、医療保険制度間における公平に留意しつつ検討を加え、必要な措置を講ずるとの表現にとどまりました。しかしながら、この点につきましては、塩崎大臣から、知事会の指摘を十分踏まえ、しっかりと取り組むとの力強い御発言をいただいております。

 二点目は、都道府県と市町村の役割分担のあり方についてでありますが、知事会からは、被保険者である地域住民と最も身近な関係にある市町村が、資格管理、保険給付、保険料の賦課徴収、保健事業等を一体的に担うことにより、医療費適正化や保険料収納に対するインセンティブ、さらに被保険者の利便性や制度の安定性、連続性が確保され、制度の持続可能性も担保されますことから、従来どおり市町村に担ってほしい旨、申し上げてまいりました。

 これにつきましては、国保制度の安定化を図るため、都道府県が財政運営の責任主体となるなど、国保運営に中心的な役割を担い、市町村は、資格管理、保険給付等を引き続き担うという役割分担が示されたところでございます。

 以上のような点から、知事会といたしましても、持続可能な制度の構築に向けて一定の前進があったと捉えまして、地方自治法第二百六十三条の三第二項の規定に基づく意見は提出しないことといたしました。

 法案の成立後は、国、市町村と連携を図りながら、新たな国保制度への移行に向けて準備作業を進めてまいる所存でありますが、本日は、国保の財政運営等を担うこととなる立場から、今後の制度の具体化におきまして考慮願いたい事項等について意見を申し上げたいと存じます。

 まず、法案の早期成立でございます。

 都道府県におきましては、平成三十年度から新たに国保運営の責任の一端を担うこととなりますが、新制度の詳細な内容や運用方法は、法案成立後、政省令等で定められることとなっておりますので、法案の早期成立を要望いたします。

 また、政府におかれましては、政省令の制定を初め運用に関するガイドライン等の決定に当たりまして、引き続き地方と協議をし、地方の意見を十分反映させるとともに、できる限り十分な準備期間を確保することができるよう、速やかに御提示願いたいと考えております。

 なお、このたびの制度改革は、国民皆保険を達成して以来の大きな改革となります。新たな制度が国民の理解のもとで円滑に実施できるよう、法律の施行に当たっては、国民に対し的確に周知を図るとともに、地方に対しても丁寧に説明をいただくよう願うところでございます。

 次に、制度の運用等に当たりまして、今後留意していただきたい点について項目ごとに述べてまいります。

 まず、さらなる財政基盤の強化について申し上げます。

 このたびの改革で、国保に対しまして毎年約三千四百億円の公費による財政支援が実施されるとともに、都道府県が財政運営の主体を担うこととなりましたが、これだけでは安定的な財政運営はできません。

 国におきましては、持続可能な制度の堅持に最終的な責任を持つ立場から、財政運営の全体像を早期に明らかにするとともに、都道府県ごとの財政運営の見通しを示してほしいと考えております。

 また、改革後におきましても、持続可能な制度の確立と国民の保険料負担の格差是正に向けてさまざまな財政支援の方策を講じ、今後の医療費の増大に耐え得る財政基盤の確立を図っていただくことが必要であると考えております。

 その際には、子供に係る均等割保険料の軽減措置の導入、地方単独事業に係る国庫負担金調整措置の廃止といった、国保基盤強化協議会で都道府県が提案した方策につきましても、実施に向けて御検討願いたいと考えております。

 次に、運営のあり方の見直しについて申し上げます。

 改革後は、都道府県と市町村がそれぞれの役割分担のもとで互いに協力をし新制度を運営することとなりますが、都道府県が中心的な役割を担うこととなる財政運営等につきましては、国保運営方針や、市町村ごとに決定する国保事業費納付金、標準保険料率の算定などにつきまして、政省令やガイドライン等にできる限り具体的に明記いただきたいと考えております。

 結びに、本日、国保制度の安定化のため私の意見を申し上げましたが、法施行まで短い期間でありますが、都道府県といたしましても、本法案の目的であります持続可能な医療保険制度を構築するため、国、市町村と十分連携を図りながら、円滑な制度の実施に向け、準備を進めてまいる所存でございます。

 以上をもちまして私の意見陳述を終了いたします。ありがとうございました。(拍手)

渡辺委員長 ありがとうございました。

 次に、花井参考人にお願いいたします。

花井参考人 おはようございます。連合の総合政策局長の花井と申します。

 本日は、国民健康保険法等の一部を改正する法律案に対しまして意見を述べる機会を与えていただきましたことに感謝申し上げます。どうぞよろしくお願いいたします。

 法律案に対する意見を述べる前に、医療保険制度に関する連合の考え方を述べたいと思います。

 日本は、国民皆保険、強制加入で、全ての国民が安心して良質な医療サービスを受けることができる公的医療保険制度の構築を目指してまいりました。その方向性は今後も変わるものではなく、社会連帯に基づく公的な医療保険制度を維持発展させていかなければなりません。

 そのためには安定的な財源確保が必要であり、質の高い雇用の創出やワーク・ライフ・バランスの確保、短時間労働者への社会保険の適用拡大をさらに進めていくことが重要です。

 今国会では、労働者保護ルールの改悪法案が審議されようとしています。これは、労働者の働き方のみならず社会保障の安定化をも損ねるものであり、まことに遺憾であることを申し添えておきます。

 さて、医療費は毎年約一兆円ふえ続けています。今後も医療費が増加していくとすれば、ある程度の負担増は避けられないと思います。

 しかし、その負担増を受け入れるためには、制度への信頼と、保険料を支払う労使、国民、医療費を支払う保険者など、負担する側の公平感と納得感、国の丁寧な説明による合意形成が重要であると思います。そのような観点から、今回の法律案は、労使、被用者保険者の納得性が得られているとは到底思えません。

 以下、被用者の立場から意見を述べたいと思います。

 まず第一に、国民健康保険の安定化についてです。

 法律案では、安定的な国保の財政運営や効率的な国保事業の実施の確保、その他健全な国保運営について、二〇一八年度より都道府県が中心的な役割を果たし、制度の安定化を図るとされています。また、市町村は、地域住民と身近な関係の中で、資格管理、保険給付、保険料率の決定、賦課徴収、保健事業などの運営を引き続き担うとされています。この改革案につきましては評価したいと思います。

 理由は、次のような点です。

 仮に都道府県が保険料徴収を担うとすると、住民との関係が市町村ほど密接ではないため、収納率の低下が懸念されます。また、保険給付や保険証の発行など、加入者の利便性が悪化しかねません。保健事業につきましても、住民と密接でなければきめ細かな指導は難しく、健診率も低下しかねません。

 一方、所得水準の違いや小規模の保険者など、財政リスクを分散するとともに、地域医療構想など医療提供体制への積極的な働きかけを推進する観点からも、財政面は都道府県単位に広域化すべきと考えます。

 第二は、全面総報酬割の導入と、そのことによって生じる国庫補助の使い道についてです。

 全面総報酬割については、高齢化の進行で拠出金の負担増が避けられない状況にある中、被用者の保険者間の支え合いという観点からは所得再分配機能の強化が必要であること、また、短時間労働者への社会保険の適用拡大を推進していく上で加入者割では所得水準の低い保険者の負担が重くなること、これらの理由からやむを得ないと判断いたしました。

 しかし、被用者保険では、保険料収入に占める高齢者医療への拠出金の割合は平均で四割強であり、既に五割を超えている健保組合も多数存在しています。非常に厳しい財政状況になっていると言えます。

 これまで、保険料の引き上げや加入者の健康増進、医療費の適正化など、労使でさまざまな努力を積み重ねてきたにもかかわらず、財政の硬直化が進み、保険者機能の発揮が困難になっています。

 一方で、頻回受診や多剤投与の是正、重複投薬や残薬の削減、後発医薬品の使用促進、生活習慣病対策の強化など、国の医療費適正化の取り組みは不十分です。また、病床数は都道府県によって大きな地域差があり、病床数が多い地域ほど医療費も高いという傾向が見られます。この地域差の要因は、十分に解明されていないというふうに思います。

 加えて、大都市の国保を中心に、保険料を低く抑えつつ、法定外繰り入れで決算の補填をしている実態もあります。

 こうした課題への取り組みを抜本的に強化することなく、被用者保険にさらなる拠出を求めることについて、政府より納得できる十分な説明はされていません。

 そもそも、職域保険の被用者保険と地域保険の国保との間には、稼得形態、所得捕捉、保険料設定のあり方など、違いがあります。今回、全面総報酬割導入によって生じる国庫補助の多くを国保の財政安定化の財源とすることは筋違いであるというふうに考えております。国保に対する国の財政責任を被用者保険の負担増に転嫁するものであり、国費の肩がわりという以外にないかと思います。

 連合を初め、経団連、日商、健保連、協会けんぽの被用者保険関係五団体は、このような財源の捻出策は容認できないとする意見書を二回にわたり提出してまいりましたが、顧みられることはありませんでした。労使、保険者の意思が反映されないまま法律案が国会に提出されたことは、極めて問題が大きいと思います。

 連合は、この国費の肩がわりの撤回を強く求めます。

 第三に、紹介状なしで大病院を受診する場合に、患者に定額の自己負担を求めることについてです。

 定額負担については、二〇二五年の地域包括ケアシステムの構築という大きな目標に向けて、医療機関の機能分化を推進するためにはやむを得ないのではないかと考えます。

 ただし、患者が医療機関の機能分化に対応した受療行動に変えるためには、いわゆる家庭医などのような医師を身近で選択できることが必要です。そのため、家庭医などに関する情報提供のあり方を早急に検討すべきであると思います。

 第四は、被用者保険の標準報酬月額の上限引き上げについてです。

 医療保険制度の給付額は、保険料負担に比例していません。そのため、納得性を確保する観点から、際限なく徴収することのないよう、標準報酬に上限が設定されています。

 現在は、二〇〇六年改正で定めた政令による上限改定ルールの条件を満たしていません。にもかかわらず、法改正をしてまで上限を引き上げることは、社会保険としての信頼を失うことにつながりかねず、賛成することはできません。

 第五は、協会けんぽについてです。

 協会けんぽには、中小零細企業で働く人が多く加入しており、財政基盤は脆弱です。今回、国庫補助率を一六・四%で当分の間維持することは評価いたしますが、本則の下限を一三%に引き下げることに合理的な理由は見当たりません。

 また、法定を超過する準備金残高に応じて国庫補助を削減するとされていますが、これは保険者機能の発揮を阻害するものです。

 第六に、被保険者の所得水準が高い国保組合への国庫補助は廃止すべきと考えます。ただし、所得水準の低い国保組合に対しては一定の国庫補助を行うべきと考えます。

 第七に、患者申し出療養についてです。

 まず、保険外併用療養は、患者の安全性確保を最優先に、保険収載を前提とし、低所得者が排除されない仕組みとすべきです。そのため、安易に保険外併用療養を拡大すべきではないと考えます。

 その上で、患者申し出療養については、当初、昨年の規制改革会議では、保険収載を前提とせず、国の審査もないまま、混合診療を可能とする選択療養という仕組みが提案されました。その提案に比べますと、患者の申し出療養は、保険収載を目指すとされ、国の審査も関与されますので、改善された提案と受けとめております。

 ただし、患者の安全性を最優先に確保する観点から、さまざまな懸念を解消するべきと考えます。

 まず、審査についてです。患者申し出療養として初めて行う医療の場合、国が原則六週間で審査することになっています。短期間かつ持ち回りによる審議も可能とされていることから、十分な審査体制と審査の透明性の確保が不可欠です。また、前例ができた場合は、臨床研究中核病院が原則二週間で審査すること、国の関与がないというふうになっていることについて疑問が残ります。

 また、患者申し出療養に関するさまざまな医療機関の名称が出されておりますが、その役割と施設基準を明確にする必要があると考えます。

 さらに、実施状況の定期的な報告は、年一回ではなく年に数回は行うべきではないでしょうか。

 そして何より、広範な副作用被害や医療事故などの有害事象が発生した場合における国、医療機関、企業の責任を明確にする必要があると思います。患者の申し出が起点であることを理由に、責任の多くを患者が負うことのない仕組みとすべきです。

 同時に、患者が安全性、有効性を十分に理解した上で自己決定ができるよう、患者の申し出段階から医療の実施段階まで、医療機関における十分な情報提供と相談体制を確保すべきではないかと考えます。

 最後に、幾つかの要望を述べたいと思います。

 まず第一に、今後も高齢化が進行していく中で、現行の高齢者医療制度では、現役世代からの高齢者医療への拠出金はますます増加することになります。根本的な解決のためには、高齢者医療制度の抜本改革が必要と考えます。ぜひ今法律の検討規定に盛り込むよう要望いたします。

 また、二〇〇二年の健保法改正で三割負担の導入が審議された際に、附則の第二条に、「被保険者及び被扶養者の医療に係る給付の割合については、将来にわたり百分の七十を維持する」ということが規定されました。これは今後とも堅持すべきであると考えます。

 今回の法律案の検討規定に、「医療保険の保険給付の範囲」という文言が盛り込まれています。これが、二〇〇二年改正の附則を見直すという意味であれば、この検討規定からは削除するよう求めたいと思います。

 今回の法律案には、多岐にわたる内容が盛り込まれています。国民皆保険を堅持し、将来にわたり持続可能な医療保険制度を確立するためには、労使、保険者の納得を得ることが不可欠です。

 そのために、今国会において丁寧な審議が行われるよう要望いたしまして、私の意見とさせていただきます。

 ありがとうございました。(拍手)

渡辺委員長 ありがとうございました。

 次に、寺内参考人にお願いいたします。

寺内参考人 よろしくお願いします。

 私は、大阪社会保障推進協議会という大阪の社会保障運動団体の事務局長をしております、寺内と申します。

 この仕事を二十五年間やってまいりました。

 国民健康保険に関しては、大阪府、そして、大阪には四十三市町村があるんですが、その国保課長さん及び担当者の皆さんと毎年毎年くまなくお話をさせていただきました。

 それから、無保険の子供解消のための国保法改正の折には、二〇〇八年に私どもが行いました自治体調査の結果で、大阪に無保険の子供たちが二千人いる。この当時は、資格証明書発行世帯に未成年の子供が何人いるのかという調査をさせていただいたわけですが、その発信をしたことが端緒となりまして、マスコミが動き、そして自治体や厚生労働省も独自に調査をしていただきまして、そして法改正が行われました。現在は、十八歳まで、親の保険料の滞納に関係なく、子供たちには六カ月以上の国保証が発行されており、命が守られていることに対して、国会議員の皆様方に厚く御礼申し上げたいと思っております。

 本日は、国保の都道府県単位化により貧困世帯の状況がより悪くなる、そういう視点で、そして加入者の立場で反対意見を申し上げたいというふうに思っております。

 私が本日申し上げたいのは三点です。

 一つ目には、現在の国保料が限界を超える高さであるという実態、二つ目に、都道府県単位化では、この国保料は下がることなく、上がる可能性があるということ、三点目に、高過ぎる国保料だから滞納が起き、無理やり徴収しようとして、さらに違法な差し押さえが起きてしまうという、その三点です。

 一つ目です。前提としてですけれども、現在の国民健康保険制度は、一九六一年、昭和三十六年に、皆医療保険、つまり、全員が何らかの医療保険に加入することを義務化するために制度設計がされました。昭和三十年、そのころは国民の三分の一が無保険でした。その方たち、無職者、低所得者の方たちを全てどこかの医療保険に入れなければいけない、そういうことで、保険料だけでは運営することがもちろんできませんので、当初から、国が多くを国庫負担として賄いながら進めていく、そうしたことを条件とした制度設計で運営がされています。

 皆様方に資料集を配付させていただいておりますけれども、資料1をごらんいただきたいんです。

 これは、この五年間の国保の財政状況の割合を入れたものです。これでいきますと、現在、国庫支出金は二三%しかございません。もともと七割を超えるような国庫負担だったんですけれども、一九八四年を境にこれが下がりました。その国庫負担の穴埋めをするために、国が減らした部分を一般会計で賄っている、そういう状況になっています。

 さて、現在の国民健康保険加入者の構成ですけれども、三五%が被用者、労働者です。いわゆるワーキングプアの方たちです。

 資料2をごらんいただきますと、資料2の(3)のところにございますが、現在、一世帯当たりの所得は百十二万円でしかありません。この五年間で十七万円も下がっています。

 ここでは、典型的なワーキングプアであるシングルマザー世帯の国保料の高さについて述べたいと思っています。

 資料3から、幾つかの自治体の保険料を計算したものを載せています。

 大阪市が昨年実施しました平成二十五年度の大阪市ひとり親家庭等実態調査によりますと、大阪市のシングルマザーの平均総収入、手当も含めた総収入は、百八十四万円しかありません。

 シングルマザー像は、平均的にいいますと、母親四十歳、未成年の子供二人の三人家族です。それで計算をさせていただいております。

 大阪市のシングルマザー、百十万円で計算いたしますと、国保料は年間二十二万。これは、大阪市だけが高いのではなく、札幌市二十一万五千円、横浜市二十一万五千円、京都市二十二万円と、ほぼ同じ、同水準になります。国保加入者の方は、国民年金の保険料も払わなければなりませんので、それが年間十八万。両方足しますと、社会保険料だけで四十万円要ります。

 大都市のシングルマザー世帯は賃貸マンションに住んでおりますので、例えば大阪市でいきますと、月六万円の家賃が要ります。社会保険料と家賃を払いますと、もう七十万円ぐらいしか残りません。ということでいきますと、月六万円の生活費でさまざま、光熱水費などを払います。そうすると、一日千円も生活費がないということになります。

 シングルマザー世帯ですので、子供たちがいます。そういうところの子供たちは、一日二食。一食は学校給食、一食は御飯とふりかけ、そのような食生活をしている子供たちがたくさんいます。食べるものも食べずに、国保料、年金保険料を払うことはできません。ない袖は振ることができません。ですから滞納が起きる。それは当たり前のことです。

 二点目です。では、都道府県単位化でこの高過ぎる国保料が安くなるのかという問題です。

 厚生労働省は、三千四百億円投入で一人一万円の財政効果があると強調されていますが、三千四百億円は、現在の全国の市区町村による一般会計法定外繰り入れ三千九百億円よりも少ないです。ということは、現在の一般会計法定外繰り入れは全額そのまま維持しないと、財政効果は出ないということになります。

 さらに、三千四百億円のうち、ことしから投入する千七百億円ですけれども、これで低所得者の保険料が安くなるのかという点ですけれども、これは、そうはならないと指摘せざるを得ません。

 なぜならば、昨年度から実施の五割、二割軽減の対象世帯拡大、そういう形で投入された五百億円のように、直接低所得者の保険料が安くなるように投入するのではなく、政令軽減の割合によって交付するという方法では、市町村が現在の赤字補填に投入したり、また、保険料は下げないままに、黒字分を都道府県単位化以降の納付金一〇〇%完納のための基金にさらに大きく積み上げる可能性があるからです。

 さらに、もう一方の一千七百億円ですけれども、三年間で二千億円の財政安定化基金を増設するということになっております。この問題については後に申し上げますが、平成三十年からの千七百億円の約半分は都道府県調整交付金に投入されます。交付金の割合は、多くなるかといえば、現在と同じであると聞いております。今まで交付金に高額療養費の国庫負担分を肩がわりさせていたものを埋めるだけの話というふうに聞いておりますので、これを財政効果というのはどうでしょうか。

 さらに、残り半分は、保険者努力支援制度というものを創設して、医療費適正化や保険料収納率アップなどに努力した市区町村に交付するとされています。つまり、資格証明書発行や滞納処分に力を入れれば交付するというお金になります。

 収納率アップのために今、市町村が行っている差し押さえの実態は、おどしと違法行為そのものです。それを後押しするようなことになるのではないかと危惧しております。

 それから、分賦金方式、法案上は納付金と変更された、このお金の問題です。

 納付金とは、都道府県が、都道府県内の一年間の医療給付費から公費による収入を引いた必要額を市町村に割り振るものになりますけれども、これは、市町村は都道府県への一〇〇%納付が義務づけられます。簡単に言うと、市町村から都道府県への年貢ではないでしょうか。

 現在の平均収納率は、全国で九〇%です。一〇%足りません。一〇〇%納付するためには市町村はどう動くのか。四つ考えられると思っています。

 一つ目は、一般会計繰り入れで穴埋めをする。

 二つ目に、市町村が基金を持っている場合は、それで穴埋めをする。けれども、基金は、全国で現在三千億ぐらいですけれども、使ってしまえばなくなってしまいますので、市町村はさらに納付金以上の保険料収入を得て積み上げる、そういうふうな動きになるのではないでしょうか。

 三つ目に、新しくできる財政安定化基金ですが、これは、借りれば返さなければならない。返すための原資は、次年度の保険料に上積みとなります。既に介護保険、後期高齢者医療制度で経験済みのことです。

 四つ目には、分賦金より例えば一割増しの賦課総額にして保険料を計算し、九割の収納率で納付金一〇〇%を超える保険料を設定する。計算上、一一〇%の賦課総額にすればそうなりますが、このような動きになるのではないかと危惧しております。

 三点目です。今、全国の市区町村は、おどしのような形で社会保険料や税の公的債権の滞納処分、差し押さえなどにひた走っています。例えば、去年、朝日新聞で報道され、十一月六日の参議院厚生労働委員会で日本共産党の小池晃議員から質問があった群馬県前橋市の差し押さえは異常です。私たちが把握しているだけでも、年金や給与の全額差し押さえ、差し押さえのため持ち家が売却できず、結局、競売され、自己破産したケースや、児童扶養手当の差し押さえ、生活保護費の差し押さえなど、違法行為が行われています。

 前述した厚生労働委員会で塩崎厚労大臣は、ぬくもりを持った行政をやるべく徹底するとの答弁をされましたが、とてもそうした状況ではありませんし、差し押さえ禁止財産をも差し押さえるという違法行為がまかり通っています。塩崎厚労大臣が答弁された、ぬくもりを持った行政とは、税や社会保険料の滞納状況からその方の暮らしの困難さを察知し、自治体が行政の専門家として相談に乗りながら解決をしていく、商売や生活を成り立たせていくということではないでしょうか。

 国保の都道府県単位化により、国保料の高騰、そして、収納率アップ、滞納保険料の回収にひた走る余り、今よりも違法な滞納処分がまかり通る事態となる危険性を指摘します。

 最後に、国民、国民健康保険加入者の願いは、暮らしを成り立たせることのできる妥当な保険料、税で、安心して受診できる国民健康保険制度です。加入者は、保険料を払うために働き、暮らしているのではありません。

 暮らしを脅かし、貧困をさらに拡大する危険性のある都道府県単位化に反対する意見陳述を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。(拍手)

渡辺委員長 ありがとうございました。

 以上で参考人の方々の御意見の開陳は終わりました。

    ―――――――――――――

渡辺委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。木村弥生君。

木村(弥)委員 北関東比例ブロックから当選しました、看護師出身の木村弥生と申します。

 本日は、参考人の皆様方に質問をさせていただく機会をお与えいただきまして、本当にありがとうございます。

 時間が限られておりますので、全ての参考人の皆様にお伺いすることはできないことをお許しいただきながら、質疑をさせていただきたいと思います。

 私は、医療費適正化計画の見直し、予防、健康づくりの促進について質問させていただきます。

 まず最初に、予防、健康づくりのインセンティブの強化についてでございます。

 医療費適正化の議論の中では、予防、健康づくりのインセンティブの強化について取り上げられております。これに関しては、住民の健康増進に向けて、例えば長野県や尼崎市など、既に先駆的な取り組みをしている自治体も少なくありません。予防、健康づくりの取り組みに対するヘルスケアポイントの付与を行う事例もあります。

 しかしながら、その一方で、このような取り組みが本当に予防や健康づくりにつながっているかの検証はいまだ十分ではなく、また、インセンティブが制度によって推進されたときに、過度の受診抑制を懸念する意見もあるようです。

 そこで、岡崎参考人にお尋ねしたいと思います。

 インセンティブの強化を推進するに当たっては、その効果や適切性の評価が行われることが必要であると考えますが、いかがでしょうか。お考えをお聞かせください。

岡崎参考人 これから、医療費のいわゆる適正化を含めまして、予防、健康づくりというのは非常に重要な観点になろうかというふうに考えております。

 それぞれ御紹介のありました長野県、尼崎市、そして最近では、ヘルスケアポイントにつきましては岡山県の総社市等が先進的な取り組みをされているということが報道されております。

 私が今現在会長をお預かりしております国保中央会におきましては、国保の被保険者の方々の医療、介護、健診の情報を活用しました国保データベースシステム、国民健康保険のデータベースシステム、KDBシステムというシステムでございますが、これを開発いたしまして、昨年の秋から稼働させまして、それぞれの市町村の保険者の方々にさまざまなデータを提供しております。

 これは、主にレセプトのデータでございますけれども、そのデータによりまして、一定のそれぞれの市町村の傾向がわかるような、こういうふうなデータのシステムを開発して、運用を始めているところでもございます。例えば高知の事例でいいますと、高知の方々は非常にお酒を飲みますので、肝臓疾患と腎臓疾患、それから、人口割でいいますと人工透析の割合が非常に多い、そういう傾向がございます。これは一つの例でございます。

 そのようにいろいろな事例が出てまいりますので、中央会で開発しましたKDBシステムを今後の具体的な、それぞれの都道府県のいわゆる健康づくりに生かしていただいたらというふうに考えております。

 独自の取り組みもそれぞれございますので、それをさらに全国に広めていくということが重要ではないかというふうに考えております。

木村(弥)委員 ありがとうございます。

 次に、国保連等における保健師の配置についてお尋ねいたします。

 今般の法案では、国民健康保険につきましては、平成三十年度から都道府県が財政運営の主体となります。予防、健康づくりの観点から医療費の適正化を図ろうとする際、保健師の存在が欠かせません。

 と申しますのも、保健師は、机上の分析だけでなく、地域を実際に歩いて、住民の声を聞きながら、実態を踏まえた地域診断、診断結果に基づくプランニング、実施を担っている専門職でございます。活動を通じて、地域の人々、例えば婦人会、老人会などの地域に根差した組織とのつながりを持っているのも保健師です。

 現在推進されているデータヘルスにつきましても、その本旨は、人々の健康に関するデータと地域の状況とを結びつけた活動の展開にあります。地域診断のノウハウを持ち、地域に根づいて活動する組織についての情報も持ち合わせた保健師だからこそ、データを具体的なアクションにつなげることができると考えます。

 そこで、お尋ねいたします。

 各都道府県に設置されている国民健康保険団体連合会、通称国保連等において、予防、健康づくりを推進する保健師の役割が期待されると思いますが、現在、国保連で保健師の配置状況はいかがでしょうか。具体的な人数などを御存じでしたらお示しください。また、今後の配置についてどのようにお考えでしょうか。

 保健師の活用について、岡崎参考人、福田参考人、お二人のお考えをお聞かせください。

岡崎参考人 全国の各都道府県の国保連におきますいわゆる保健師ですが、大体、総体的に、二名から三名程度、それぞれの都道府県の国保連に今、保健師の方々がおられます。

 全国の、全体の数字でいいますと、全体の国保連の保健師の総数は、今現在、百十名ということになっておりまして、それぞれ精力的に健康づくり等で活動されておられます。

 保健師の増員につきましては、それぞれ、今回新しい法律もできますので、都道府県の保険者、そして市町村との連携もさらに重要になってまいりますので、保健師の確保を今後とも図ってまいらなければならないと考えております。

 ただ、地方におきましては保健師が非常に不足ぎみでございますので、そのあたりをいかにして手だてしていくかという課題はございます。

福田参考人 お答え申し上げます。

 全国の状況につきましては、今、岡崎参考人からお話がありました。

 栃木県の国民健康保険団体連合会におきましては、三名の保健師が配置されておりまして、データ分析に基づく効果的、効率的な保健事業等の支援に活躍をしております。

 今後、これらの事業がますます重要となりますことから、国保連における保健師の配置のあり方につきましては、国保連の機能や保健師の果たすべき役割などにつきまして、国や市町村と協議をしていく中で十分検討していく必要があると考えております。

木村(弥)委員 保健師の配置につきまして前向きな回答をいただき、ありがとうございます。

 国保連において、その指導や支援を行う保健師の配置を強化することが地域の人々の健康増進と医療費適正化につながると確信しております。全ての市町村で保健師の活動が適切に実施されるよう、どうぞこれからも保健師の活用をお進めくださいますよう、お願い申し上げます。

 それでは、次の質問に移らせていただきます。

 市町村と都道府県との連携強化についてお尋ねいたします。

 都道府県が国保の運営を担うことについて、顔の見える細やかな行政サービスが後退するのではないかと危惧する声も一部寄せられております。県と市とが活発に情報交換していくことなど、連携体制の強化が必要だと思います。課題も多々あるかと思いますが、その中で、例えば、国がどう支援すべきか、そういったことなどを、岡崎参考人、福田参考人、お二人にお考えをお聞かせいただきたいと思います。

岡崎参考人 今回、国民健康保険創立以来の大改正ということになりまして、都道府県が国保の財政運営を担い、主体的な役割を果たすということになっております。

 ただ、それぞれ住民の方々の一番近いところに市町村の役場また役所がおりますので、実質的には、運営に関しては、都道府県と市町村との共同運営という認識を持って運営しなければいけないというふうに考えております。

 そのために、今後また、厚生労働省、県、市町村ともに具体的な協議を深めてまいらなければなりませんけれども、特に、新しく保険者となります都道府県と市町村との協議の場、これが非常に重要になるというふうに考えておりまして、その協議の場で、それぞれの課題、問題点を一つずつ解消して、解決をしていかなければならないというふうに認識しておりますので、厚生労働省におきましても、そういう視点で都道府県、市町村のバックアップをぜひお願いしたいというふうに考えております。

福田参考人 人材育成あるいは連携について、お答え申し上げます。

 県と市町村との連携を強化していくためには、地域医療構想の策定を初めとする医療施策の企画立案を担当する職員について、医療等に係る知識を初め、医療保険データの分析スキル、調整能力など、専門性の高い資質が必要とされます。都道府県におきましては、こうした事務が適切に実施できるよう人材育成に努めてまいります。

 国におきましても、専門知識やスキル等の習得を目的とした人材育成研修等の一層の充実を図ってもらいたいと考えております。

木村(弥)委員 ありがとうございます。

 先ほど岡崎参考人より、共同運営という認識が必要で、また、協議の場を設けることが大切だというお話がございました。また、福田参考人からは、その中で医療政策を担う人材づくりのことについて御発言いただきました。

 まさに、昨年六月に成立いたしました医療介護総合確保推進法の例をとりましても、地方に権限が移譲されていく時代となりました。そこで、県や市において医療政策を担う人材を育てていくことがまさに今後の課題になると私も認識しております。

 実は、私自身も、昨年の七月に、乃木坂にございます政策研究大学院大学で、一カ月間、県や市から派遣された皆さんとともに医療政策を学ぶ機会がありました。栃木県の職員の方とも、そこで、クラスメートで、いろいろと切磋琢磨して勉強させていただきました。私は看護の立場から、そして皆さんは都道府県あるいは市町村の立場から、地域包括ケアや今後の医療体制のあり方について何度もグループディスカッションをいたしました。それは大変有意義な時間でございました。

 先ほど福田参考人より医療政策を担う人材育成についてお話しいただきましたが、岡崎参考人にもお考えをお聞かせ願いたく思います。よろしくお願いいたします。

岡崎参考人 御承知のとおり、医療そして健康づくりのいわゆる保健対策、そして社会福祉関係、医療、介護、保険の部分が非常に複雑になってきておりまして、これを総合的にコーディネートしながら実施していく職員が数少なくなってきているというのは、やはり我々も大きな課題だというふうに考えております。

 基本的には、我々、それぞれの現場におきまして、こういう人材を人事ローテーションの中でしっかり育てていくという観点が非常に重要になろうかと思いますし、その中で、先ほど御紹介いただきました政策研究大学院大学、島崎謙治先生という先生が独自のプログラムを組んでおられるということもお聞きしておりますので、できましたら、そういうところに我々も市町村の職員を派遣するということも検討していかなきゃならないというふうに考えております。

 今後とも、我々も、人材育成につきましては、精力的に、人を育てるという観点で支援をしていかなければならないというふうに考えております。

木村(弥)委員 お二人の御発言を伺い、大変頼もしく思いました。どうぞ人材づくりにこれからもお力をお進めくださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

 先ほど、予防、健康づくりのインセンティブの強化について行政側の御意見を伺いましたけれども、ここでぜひ花井参考人からもお考えをお聞かせいただけたらと思います。どうぞよろしくお願いします。

花井参考人 お答え申し上げます。

 健康づくり、あるいは予防は、医療費適正化という観点のみならず、国民が健康で働いて生活していく上で大変重要なことであろうというふうに考えております。

 私どもも、労働組合として、今後、予防のあり方、具体的に、個々人がどんな形で参画しながら健康づくりをしていくのかを検討していきたいというふうに今まさに相談している最中ですので、私どもも積極的に取り組んでいきたいというふうに考えております。

 以上です。

木村(弥)委員 ありがとうございます。

 先ほど私が質問いたしました国保連ももちろんではございますけれども、全国で皆様の健康づくりを担います、特定健診、特定保健指導を担います保健師の御活用をぜひまた皆様にいま一度御認識いただけたらと思いまして、私の質問を終わらせていただきます。

 本日は、お忙しい中、ありがとうございました。

渡辺委員長 次に、岡本充功君。

岡本(充)委員 おはようございます。

 本日は、早朝から四人の参考人の皆様には、御出席をいただきましたこと、お礼を申し上げます。

 質問の時間が限られておりますので、御挨拶は早々にして、質問の内容に入らせてもらいます。

 まずは、花井参考人に幾つかお伺いをしたいと思います。

 一つは、今回の保険の分野の話。大きく言って二つあると思うんです。保険の話と、それからいわゆる患者申し出療養制度の話とあるんですが、保険の方の話でいうと、全面総報酬割の導入について、なかなか厳しい中、やむを得ないという判断になる一方で、やはり、その結果浮く国費の使い方について御意見があったと思います。

 そういった中で、職域保険の被用者保険と地域保険の国保の間には稼得形態、所得捕捉、保険料設定のあり方などに違いがあって、こうした中、いわゆる国庫補助の浮いたお金の多くを国保に入れることについて御意見があったと思います。国費の肩がわりとも表現されたかと思いますけれども、こうした状況について、改めてお考えをもう一度お聞かせいただきたいと思います。

花井参考人 ありがとうございます。

 先ほども意見の中で述べさせていただきましたように、私ども被用者保険側の方も、国保は国民皆保険の最後のとりでだというふうに認識しております。国保が崩壊するようなことがあってはならないということは当然のことであるというふうに考えております。

 そのことと、今回行われた全面総報酬割の導入につきまして、私ども、連合として、大きな組織討議をいたしました。賛成するところ、反対するところ、両方ある中で、被用者保険内の連帯、あるいは短時間労働者が今後ふえていくことの課題等々について、やむを得ないというふうに判断いたしました。

 しかし、そのことで浮くというか、そのことで捻出される国費を国民健康保険の財政の安定化に持っていくというのは、それは話が違うのではないだろうか、被用者保険の負担軽減に使うべきではないかというふうに考えているということです。

 以上でございます。

岡本(充)委員 そうした中、連合を初め経団連、日商、健保連、協会けんぽの被用者保険関係五団体が、このような財源捻出策は容認できないとする意見書を二回にわたって提出したけれども顧みられなかったということ、もう少しここを教えてもらえませんか。恐らく医療保険部会での審議のあり方だと思いますけれども、どうだったんでしょうか。

花井参考人 お答えいたします。

 今回の国民健康保険法等の改正法案につきましては、社会保障・税一体改革の流れ、そして、昨年、一昨年のプログラム法案に基づいて検討が開始されました社会保障審議会医療保険部会で審議が行われてきたわけですが、そういう意味でいうと、一年以上、各団体、各有識者の意見を述べ合うということで、取りまとめに至る議論が一回しか行われなかったというふうに伺っております。

 そのような状況の中で、被用者保険の関係五団体といたしまして、やはり、全面総報酬割で捻出される国庫補助について、国保の財政安定化に使うことは容認できないという意見書を、二〇一四年の五月十九日にまず厚生労働大臣宛てに提出いたしました。その後、取りまとめが行われようとした二〇一五年の二月二十日に、今度は医療保険部会に対しまして五団体の連名で意見書を提出したということです。にもかかわらず、私たちの提出いたしました意見書の内容が全く取り入れられなかったということについて大変大きな不満を持っているということでございます。

 以上です。

岡本(充)委員 続いて、患者申し出制度について意見陳述いただきましたけれども、いわゆる短期間での審査について懸念が残る、こういうお話がありました。

 国の関与、私もあしたこれを聞こうかと思っていますけれども、何かあったとき一体誰が責任をとるのかということが明確じゃないんですね。これから決めるという話です。患者が申し出たんだから自己責任だという話になるということは私は避けなければいけないという意見でありますが、それについて、花井参考人、いかがでしょうか。

花井参考人 お答えいたします。

 このことにつきましても、従来のあり方からしますと、難病を抱えた患者の皆さんからすると、わらをもすがる思いでさまざまな、安全が確認されない医薬品を使って被害を受けた事例が過去にたくさんあったというふうに伺っております。そのことからすれば、今回の制度については一定の期待ができるというお話も聞いております。

 ただし、最初に六週間、そして、一回検証が行われれば二週間で済む、そして、六週間のときは会議を開かないで持ち回りで検討してもいいんだ、今のところはそういうことになっております。本当にそれで患者の安心、安全性が担保できるのかということは非常に不安が残っておりますので、そのことについては明確にしていただきたいというふうに思います。

 さらに、今回、患者申し出制度が導入されることによって非常に助かる患者さんも出てくるのではないかというふうには期待しておりますが、この保険外併用療養制度がさらに拡大していくことについてもやはり懸念を持っておりますので、このことにつきましても、さらなる拡大ということではなくて、安全性が担保されるものにしていかなければいけないだろうと考えております。

 そして、患者が自分から申し出たということで、仮に薬害のような症状が起こったときに患者の自己責任なんだということにならないように、責任のあり方を明確にする対応が必要だろうというふうに考えております。ぜひとも、そのあたりもよろしくお願いしたいと思います。

 以上でございます。

岡本(充)委員 私もそう思ってはおるんですけれども、これは、また金曜日、政府の方と議論したいと思います。

 続いて、協会けんぽの、法定を超過する準備金の残高に対して国庫補助を削減するということ、これは保険者機能の発揮を阻害させるものであるということで、花井参考人から反対の意見がありました。

 これに反対だということ、実はきのうも私はこれを取り上げたんですけれども、これはほかの制度にはねると思っているんですね。

 済みません、ちょっとここは岡崎参考人にお伺いしたいんですけれども、例えば介護保険なんかでもさまざまな準備金を積み上げていますけれども、頑張って積み上げたものをできるだけ介護保険料を下げる方向に使いたい、あれは税金も入っていますけれども、それは介護保険料を下げる方に使いたい、こういうことで、恐らく岡崎市長も、高知市における介護保険料をことし決めるに当たって、こうしたお金を保険料引き下げの方に工面されたと思います。

 そういった方向に積み上がったお金を使っていけるということは、私は、これまでさまざまな、保険料を低減するための結構重要な策だったのではないかと思っているんですが、こうしたいわゆる積み上げたお金が、積み上がっているんだから補助金を減らしてもいいだろうみたいな話になることは、ほかの制度にはねる懸念がありますよね。どうでしょうか、岡崎参考人。

岡崎参考人 準備として積み上げますいわゆる基金をどの程度積み上げるか、そのことによって国庫補助のパーセントをどの程度にやるかということは、やはり常にバランスが重要になるというふうに考えております。

 それで、今回、私は国保のことしか発言できませんけれども、国民健康保険には二千億円の基金が積まれるということにもなっております。介護保険の場合は、今議員さんが御質問されましたとおり、介護保険料を引き下げるということで基金が一定額以上取り崩されたこともございます。

 ただ、国保の場合、二千億円の基金を積み立てるということになっておりますが、一定、例えば大流行するインフルエンザの対応とか災害対応とか、特別の場合に使われるということで、二千億円を国保の引き下げに使いますと、その部分は多分すぐなくなると思いますので、やはりその辺のバランスが重要ではないかというふうに考えます。

岡本(充)委員 別に国保のこと以外でも、せっかく、市長さんですから、介護保険も担われているわけですから、お考えをぜひ陳述していただきたかったんですけれども。

 私は本当に懸念しているんです。こういう考え方を導入するということは、今回、恐らく厚労省と財務省の折衝の中で出てきた話なんだろうと思いますが、この考え方がほかにも適用されていくということになると、頑張った自治体、頑張った保険者に対して、であれば国庫補助を減らすぞという話になってくるというのはいかがか、こういう視点なんですね。そういう意味で御質問させていただきました。

 同様に、今度財政運営の責任を担われることになる知事会の方にも御質問をさせていただきたいと思いますので、福田参考人、申しわけありません、ちょっとお伺いしたいんです。

 これもきのう、私、国会で質問したんですけれども、これから先の県ごとの財政運営の見通しを明らかにしてほしい、こういうお話、先ほど意見陳述で述べられたかと思います。私も、これは明らかにするべきだと思っているんです。

 今、三千四百億、三千五百億と言っている、こうしたいわゆる財政収支のプラマイのお金が今後どう変わっていくのかというのが見えない中で、本当にフィックスされた三千四百億というお金で持続が可能なのかということ。もっと言えば、この法案の改正の要旨を持続可能なとうたっている以上は、やはり、その先の持続可能性を見る上で、どういった収支になっていくか、これは出すべきだと思うんですね。

 ここでお伺いしたいんですが、県の方では、独自に試算というのはなかなか難しいんでしょうか。

福田参考人 県での試算についてどうかという御指摘がありましたけれども、我々知事会としては、一貫して、都道府県ごとに国が推計値を出してほしいということを申し上げておりますので、それらを出してもらった後、国と地方、厚労省と市長会、町村会、知事会ですけれども、そこで、国保基盤強化協議会を設けておりますので、さらにそれらのデータについて詰めてまいりたいというふうに考えております。

岡本(充)委員 恐らく県で独自に試算することは可能なんだろうと思いますけれども、それで出てきた数字をもとになかなか交渉しづらいんでしょうね。恐らく、国で出してもらったものをもとに、将来こうなるんだという議論を本当はしたいんだと思いますよ。

 今、知事さんがおっしゃられた国保基盤強化協議会、この二月十二日の取りまとめ、恐らく知事さんもお持ちだろうと思いますけれども、最後の「今後、更に検討を進めるべき事項」というところの最後から二つ目の丸のところにこういう記述があります。「都道府県と市町村との役割分担の在り方も含め、国保制度全般について必要な検討を進め、当該検討結果に基づき、所要の措置を講じることとする。」、この前段には、「医療費の伸びの要因や適正化に向けた取組の状況、都道府県と市町村との新たな役割分担の下での運営の状況を検証しつつ、更なる取組を一層推進するとともに、」という話が載っているんです。

 この中で、先ほど言われました、所要の措置を講ずるというふうには書いていますが、財政上の所要の措置という言葉が抜けた、財政上が抜けたと思っています。そういう意味で、これは、本来は財政上の検討をしてもらいたいというのが先ほどの知事の真意だったのではないか、こう思うわけですが、その点いかがですか。

福田参考人 お答えします。

 そもそも、今回の国保改革につきましては、持続可能な制度構築に向けて、都道府県と市町村が適切に役割分担をしていく、共同で国保の運営を担っていくことを目指しております。単なる都道府県への移行ではないということを申し上げたいと思います。

 その上で、知事会としては、一貫して、国保の財政上の構造問題が解決し、持続可能な制度が構築されるならば、市町村とともに国保の運営を担っていくということを主張してまいりました。抜本的な財政基盤の強化を図ることによって財政上の構造問題の解決を図ることを、国保改革の前提条件としてまいったわけでございます。

 そこで、基盤協議会などでも大臣、副大臣とも協議をしてまいりましたけれども、知事会の意向については十分にこれからも対応していく、この旨の発言があって、当然、現時点では三千五百億ですか、三千四百億ですか、ですけれども、二〇二〇年あるいは二〇二五年ということを見据えれば、必要な財源はさらに多くなっていくのではないかということも想定されるわけでございますので、それらについては国がしっかり対応してくれるものと私たちは捉えておりますので、今後の制度設計の中でもこの問題については詰めてまいりたいというふうに考えております。

岡本(充)委員 やはりそうですよね。今後ふえていくと思いますよね。きのうこれを随分やったんですけれども、ふえていくとなかなか大臣は言わないんですよ。正直、やはりふえていく。

 財務省との協議の場で、この段階でとりあえずピンどめを打つんだということでピンどめを打ったかもしれないですけれども、今後とも伸びていくことをしっかり見据えないと、これは持続可能にならない。

 そういう意味で、私はやはり、ここでもちろん終わりの話じゃないので、ぜひ知事会でもそういう声を上げていただくなり、また恐らく、財務省に配慮して、厚労省はなかなか出さないと思います。しかし、知事会、それぞれの都道府県で推計できるはずですから、ぜひ出していただいて、今後の議論の一つの資料として我々も活用させていただきたい、こう思っておりますので、ぜひ御検討をお願いしたいと思います。

 その上で、今度は、患者申し出療養制度について、少しだけお伺いします。

 きょうお越しいただいている二人の首長さんは、それぞれ会を代表してということなんでしょうけれども、それぞれの自治体もしくは都道府県における例えば先進医療、なかなか行われていない状況だと思います。高知県だと、私が調べたところ、眼科の一部を除けば、本当に、数件とは言いませんけれども、十件未満。しかも限られた場所です。それから、栃木県も同様でして、恐らく十数件、眼科のものを除けば。そして、二つの医科大学を中心に、限られたところであります。

 そういう意味でいうと、こうした患者申し出療養制度というのができても、都市部じゃない、東京はいいと思いますよ、名古屋も比較的いいと思います、しかし、そうじゃない都道府県においては、なかなかこれは活用できる制度にならないんじゃないかという意見をお持ちではないか。国保の立場と言わずに市長さんにも、そして、知事会の立場と言わずに知事さんにも、それぞれのお地元を思い浮かべていただいて、御意見をいただければ幸いです。

岡崎参考人 今回の新しいいわゆる患者申し出療養制度ですけれども、医師会、そして保険者側、そして患者さん側、さまざまな御意見があるところで、最終的には、それぞれ、やはり先進医療をできるだけ取り入れていこうということで、制度設計として織り込まれるというふうに我々は認識をしております。

 ただ、これは、我々保険者から見ますと、いわゆる保険の給付にはね返っていくということに最終的には恐らくなりますので、どの範疇までいわゆる先進医療、こういう患者申し出のための先端医療を保険医療として見るかどうかというのは、一つ課題はあろうかと思います。

 さまざまな先進的な医療は当然これから広がっていきますし、地方においては、時間を置いて順番に入っていくということになろうかと思います。地方だから入らないということにはならないと思いますけれども、だんだん広がっていった場合には、最終的には保険医療で見るということになりますので、ちょっとその辺のバランスというものはあろうかというふうに考えているところでもございます。

 今後の推移を見守ってまいりたいというふうに考えます。

福田参考人 患者申し出制度につきましては、どういうふうにこれが国民にとってプラスになっていくのかということを見定めていく必要があるというふうに思います。その中で、全国的に共通の課題が出てくるとするならば、それは全国知事会で協議をしてまいりたいというふうに思いますし、栃木県におきましても、患者にとって利用しやすい制度であるのかどうかということも含め、考えてまいりたい、検討してまいりたいと思います。

 ただ、お金のある人が十分な医療を受けられて、そうでない人が受けられない、こういうことにならないように、行政としては、最大限、県民一人一人の健康づくりの支援のために、医療のバックアップ体制も含めて、対応してまいりたいというふうに考えています。

岡本(充)委員 先進医療が始まって随分たっていますよね。それで、その推移を見定めてと言われていますけれども、現状そうなんだということを御指摘させていただいたわけでありまして、やはり格差があってはならないという思いを持ちながら、そういう質問をさせていただきました。

 きょうは、お忙しいところありがとうございます。寺内参考人の、大変鬼気迫る、そうした国保の取り立ての現状を含め、私も真摯に受けとめて、制度改正、そうした気持ちをしっかり酌んで頑張っていくことをお約束申し上げます。質問できませんで申しわけありませんでした。

 本日はこれで終わります。ありがとうございました。

渡辺委員長 次に、浦野靖人君。

浦野委員 維新の党の浦野靖人です。本日はよろしくお願いいたします。

 今回の法案は、持続可能なということで議論をされております。

 私も国会議員の中ではまだ若い部類に入ります。我々若い世代は本当に、特に健康保険とかこういった部分で非常に世代間格差を感じている世代だというふうに私は思っております。

 実際、なぜ持続可能にしていかないといけないかというと、それはやはり、我々世代、さらに言うならもっと若い世代が、今と変わらないナショナルミニマムのそういったものを受けていける制度にしていかなければならないということでいろいろな手を打っているというふうに認識はしているんですけれども、今回、この法案、我々維新の党は賛成できる部分もたくさん実はありますけれども、例えば医療費が増大する、毎年一兆円と言われております。では、この一兆円をどうしていくか、毎年の上がっていく医療費をどう抑えていくかというのも、持続可能な制度をつくる上では非常に重要だと我々は思っているんですけれども、今回の法案にはそういった部分がほとんど実は見当たらないところなんですね。

 参考人の皆さんは、抑制策についていろいろと御意見があると思います。今回、この法案に抑制策がなかったということについての評価と、さらに、例えばこういった抑制策が考えられるんじゃないか、まあ、賛成、反対、抑制策は余りしない方がいいというお立場もあるかもしれませんので、その点を各参考人の皆さんにちょっとお聞かせいただけたらなと思います。

岡崎参考人 今後の医療費の増嵩は非常に大きな課題だというふうに考えます。現在、四十五兆円近い総医療費でございますが、将来的には六十兆円近くなるという推計もございますので、そういう意味で、医療費をいかに適正化していくかということは非常に大きな問題だと思います。

 いろいろ切り口はあると思いますけれども、一つは、できるだけ予防対策と早目の発見。ということは、私どもも、特に高齢化、七十歳を超えますと医療費は急激に伸びますので、いきいき百歳体操というのを高知で始めまして、これは西日本の各県に広がっております。これは健康づくりでございます。もう一つは、健診率を高めまして、早期の発見ということが非常に大事になろうかというふうに思いますので、その点をきめ細かく各地域で進めていくということが、一つの医療費の適正化というところに確実につながっていくのではないかというふうに思います。

 それから、先ほど申し上げました国保のデータシステムが全国的に運用できるようになりましたので、各地域の一定の傾向は出せますので、それを各市町村や保健師の方々が使っていただいて健康づくりに役立てていくというところを地道にやっていくことが大事ではないかというふうに考えます。

福田参考人 医療費の適正化への取り組みにつきましては、これからも各保険者と連携をしながら、今、岡崎参考人からもお話がありましたように、健診率を高めていく、あるいは介護予防を充実させていく、県民一人一人の健康づくりを進めていく、さらにはジェネリック薬品などについても普及促進を拡大していく、こういったことを積極的に対応していきながら、医療費の適正化と住民の健康づくりに努めてまいりたいというふうに思います。

花井参考人 お答えいたします。

 医療費の適正化が今後の大きなポイントであろうというふうに考えております。

 現在、約四十兆円というふうに言われておりますが、適正化は大きく二つあると思っておりまして、一つは、健康づくり、予防対策の強化が大きな効果を示すような取り組みが必要だろうと思います。もう一つは、やはり、こういう言い方をすると大変怒られるかもわかりませんが、本当に今の制度の中に無駄がないのかということを検証する必要があると思います。

 かつて、年間二千二百億円の国庫負担を削減するといった対応がありましたが、そういうことではなくて、頻回受診であるとか重複投薬とか、あるいは残薬が年間どのぐらいあるのか、あるいは医療機関の機能分化を進めることによって効率的な医療サービスが切れ目なく患者に提供される、そして介護と連携していく、そういう流れをきっちりつくることが医療費の効率化につながるのではないかというふうに考えております。

 以上です。

寺内参考人 二点について申し上げたいと思います。

 医療費そのものの分析をもっとしていくべきだと思うんですが、特に、やはり薬価の問題については、今の新薬の高さの問題であるとか、そういうところについてはもっと議論し、突き詰めていく必要があるのではないかというふうに思っております。

 それから、保健事業ですけれども、やはり医療費が膨れ上がるということは不健康であるということですので、これについては重要だと思っています。ただ、特定健診の内容をそのまま使っている自治体は今はもうないと思います。独自にさまざまな健診内容をプラスしてしているということですので、やはり特定健診の中身の見直しをいち早く進めていくという必要があるというふうに考えております。

浦野委員 花井参考人がおっしゃったように、この法案が出てきてからも、残薬の問題だとか、そういったものは割と議論はされております。ただ、これは今回の法案に限らず、過去にもこういった問題がずっと議論をされながら、具体的に国でそれに積極的に取り組んできていない。全く取り組んでいないとは言いませんけれども、積極的に取り組んでこなかったという結果があると思うんですね。

 この抑制策、岡崎参考人、福田参考人なんかはやはり一方で長をやられておりますので、国の今やっているような施策のさらなる推進という形で御答弁をいただいたわけです。

 我々は、福祉に冷たいというか、そういったところに冷たいとよく言われる党なんです。それはよく言われるんですよ。特に年配の方々に言われるんですけれども、そうではなくて、やはり持続可能な社会保障をしていくには、増税はやらざるを得ないという部分はもちろんあるかもしれませんけれども、それを極力抑えるためには、出ていく部分をしっかりと見て削っていかないと、本当に無駄なお金が出ていっていないかどうかというのをしっかりと見ないとやはりだめだという、そのしっかり見ないとだめだというところを強調する余り、人間に冷たいとよく言われる党になってしまいますので、そうではないというのを、ちょっと言いわけですけれども、言っておきます。

 それと、寺内参考人の、過去に、安全・安心の医療・介護を実現するシンポジウムというシンポジウムで、都道府県の収支、全国の市町村国保はほとんど赤字ではないという表を出しておっしゃっていたんですけれども、その点、もうちょっと詳しくお話しいただけますか。

寺内参考人 資料集の一のところにも財政状況の表をつけておりますけれども、国が出す資料は、収支をそのまま出すのではなく、法定外繰り入れの金額がこれぐらいあるので実質的に赤字である、そういう表現をされています。けれども、国保の会計上はこういう費目になっています。このパーセントは私が入れておりますが、数字は国が出している資料そのものです。

 これでいきますと、収支決算は、平成二十二年以降はずっと上がってきておりまして、現在二千六百億円ぐらいの黒字。これ以外に基金が三千億ぐらいございますので、トータルで見ますと、瞬間的にですけれども、二十六年度末は五千六百億円ぐらいお金はある、そういうふうな状況になっています。

 一般会計繰り入れの部分を強調されていますけれども、これは市町村が独自の裁量で入れているお金で、費目上も一般会計できちっと計上されているところでもありますので、これを考えなければ黒である、そういうふうなことになっております。これは、私が言っているのではなくて、厚生労働省の資料がそうなっているということです。

浦野委員 厚生労働省の資料ですから、そうだと思うんですけれども、岡崎参考人、福田参考人、これは間違いないですか。確認です。

岡崎参考人 国保収支は、それぞれの保険者で見ましても、やはり赤字、いわゆる収支不足の傾向にありまして、我々のところも、二十五年度決算でも約四億円の赤字でございますし、二十六年度も大体四億円近い赤字ということで、これは大体似通っていると思います。

 特に町村の場合、支え手の人口が減っていることに加えまして、やはり所得が減ってきておりますので、実質的には、三千百億から三千二百億ぐらいの実質赤字はあるという認識を持っております。

福田参考人 岡崎参考人がおっしゃったことで合っていると思います。

 本来、保険制度ですから、保険料で賄っていくという基本で運営されていくべきだと思いますけれども、先ほど来お話がありますように、低所得者が多くて、滞納率も高くなって、そして収入がないから一般会計でやむなく補填する。

 しかし、栃木県の場合は、各保険者、ルールにのっとって、審議会で国保料の値上げをしてもらいながら、健全財政に努めるということに徹している市町村が多いと思っていますけれども、それでもなかなか厳しい状況にあるということで、全国的には三千五百という数字が積み上がってきているというふうに認識をしております。

浦野委員 立場が変われば見方も変わるというものかなと思ったりもしたんですけれども。

 次に、患者申し出療養についてなんですけれども、先ほど花井参考人も、民主党の岡本委員の質問に答えていろいろおっしゃっていました。

 我々は、こういった患者申し出療養というのはもっと進めるべきだという立場をとっている党なんです。要は、患者が自分で納得ができる治療を選べるようにしていただきたい。

 ただ、選ぶ中で、ちゃんとした情報を患者が把握して、その中で自分たちが最良だと思われるような治療法を自分たちの手で選ぶ、そういうものをつくっていきたいというふうに我々は思っているわけですけれども、もう一度この部分に関して、花井参考人のお話、今僕の言ったことの感想を含めてちょっと言っていただけたらと思います。

花井参考人 お答えしたいと思います。

 先生が、自己選択ができるというふうにおっしゃいました最後の部分ですが、ただ、私は、医療は情報の非対称性がありまして、患者と医師が有する情報量は相当違うというふうに思っております。そうであるがゆえに、患者がさまざまな治療法を選択できる、あるいは医薬品を選択できるような、そこをサポートする体制がなければ対等な立場には立てないというふうに思っております。

 そういう意味で、患者が選択したんだから何があっても患者の責任だとならないような意味で、きちんとした相談体制とフォローアップを片方に置かない限り、なかなか自己選択ということにはいかないのではないか、その体制をつくることが必要ではないかというふうに考えます。

 以上です。

浦野委員 今は、昔と違ってインターネットが非常に普及をしました。その中で、さまざまな情報が、いい悪いも全て自分で判断をしなければいけませんけれども、この情報が正しいのか、そうでないのかというのが非常にわかりにくい世界にはもちろんなっています。なっていますけれども、昔に比べれば、自分たちで情報を探す、取得できる、その情報量は格段とふえたように思っています。

 その中で、もちろん、先ほど花井参考人がおっしゃったように、だから何があってもあなたの責任ですよというのは、それはやはり一〇〇%そうあるべきではないと私は思っています。ただ、やはりこういったものを進める中で、一定の自己責任というものはついて回るんだろうなというふうには思うんですね。

 特に、今、都道府県では、医療ツーリズムという言葉、これはもう特区などでやったりとかしています。私の地元の大阪府も、特に大阪府、兵庫県なんかはこういった仕掛けを今一生懸命やろうとしておりますけれども、先ほどお答えになっていましたが、やはり都道府県によって非常に温度差、温度差というか、できるできないというのは出てくると思うんです。

 そういった中で、知事会の中でこういった議論というのは、どういうふうな議論がなされているかというのをちょっとお聞かせいただけたらと思います。

福田参考人 医療ツーリズムにつきましては、栃木県では一部の医療機関が行っておりますが、地元の医師会とは当然対立という状況にあります。

 全国知事会の中でこの問題について議論をしてきたという経緯は、私の十年間の知っている範囲では残念ながらありませんが、今後、二十八年度からスタートする患者申し出制度に伴ってさまざまな課題が出てくれば、先ほど申し上げましたように、知事会として議論をしていくことも今後出てくるのではないかというふうに思います。

 いずれにしても、患者の立場に立って、医療行為が受けやすい、そしてまた、懐の大きさによって医療サービスに差が出るというようなことになるべくつながらないような取り組みをしていきたいというふうに考えております。

浦野委員 最後に、この法案、最近よく言われることなんですけれども、この法案に限らず、いろいろなものが中に入り過ぎて、この部分は賛成できるけれども、この部分には反対、これはおかしいんじゃないか、法案を一緒にすること自体がおかしいんじゃないかというのが結構出てくるんですね。

 今回の法案について、参考人の皆様は、その部分、いろいろなことを包括して出してくる法案のやり方についてどのようにお考えになっているか、そこだけちょっと最後、二分しかありませんけれども聞かせていただいて、終わります。

岡崎参考人 今回は五十年ぶりの国民健康保険の抜本改革でございますし、それぞれ、医療の適正化とか、介護ともいろいろな関連がございますので、一定、包括的な関連法案として出すというのはやむを得ないかなというふうにも考えております。

 ただ、やはり国民の皆様方にわかりやすく論点を説明していただくということは非常に重要ではないかというふうに考えております。

福田参考人 半世紀ぶりの大改革でございますので、まずは新たな制度で新たな役割分担のもと、円滑な制度運営を図っていくことが重要であると考えております。

 さまざまな課題につきましては、適時協議をしながら修正をしていくということが必要だというふうに思います。

花井参考人 お答えいたします。

 昨年の通常国会でも、約十二本だったかと思いますが、それが一括法案として国会に提案されました。今回も、国民健康保険あるいは健康保険等、さまざまな法律が一括で提案されております。

 先生がおっしゃるとおり、この部分は賛成、この部分は反対ということが出てまいります。そういう意味で、もう少し丁寧な議論ができるようなあり方がないだろうかということを逆にお願いしておきたいと思います。

 以上です。

寺内参考人 非常に重要な中身が一本で審議され、それから、一本にされたことで審議時間が非常に短くなっている。これは、逆に、国会議員の皆様方のやはりいろいろな論戦を阻害していると思うんですね。

 法律が通る通らない以前に、この議論というのが非常に重要だと私たちは思っています。そのことによって実際の運営が変わっていくということが実際にありますので、その点が非常に軽んじられているということに私は大変危惧をしております。

 以上です。

浦野委員 ありがとうございました。終わります。

渡辺委員長 次に、角田秀穂君。

角田委員 公明党の角田秀穂でございます。

 参考人の皆様には、本日は、大変忙しい中御出席をいただきまして、また貴重な御意見をいただきまして、本当にありがとうございます。また、質問の機会をいただきまして、感謝申し上げたいと思います。

 私の方からは、まず岡崎参考人にお伺いをさせていただきたいと思います。

 昭和三十六年以降、時代の変化とともに、加入者の年齢構成の高齢化であるとか、無職者、失業者、非正規労働者などの低所得者の加入割合の増加などの課題を抱えながらも、市町村国保は、世界に誇るべき我が国の国民皆保険制度を支える、ある意味で最後のとりでとしての役割を担ってこられたというふうに思っております。その御苦労に対して敬意と感謝を申し上げたいと思います。

 その上で、財政の元手となります保険料の考え方ということで、被用者保険と比べまして、地域単位の医療保険である市町村国保の場合は、保険料を決める際に大きく異なっている点、これは私自身の実感としても申し上げることですけれども、住民間の公平への配慮、こうしたことも強く意識せざるを得ないというところが大きく異なる点ではないかというふうに思っております。

 これがために多くの首長さんは、市民の暮らしを守るために、いかに負担を抑えるかに御苦労されているのではないかというふうに思っております。

 本来ならば、国や県の負担分等で足りない部分は保険料で賄わなければならないところを、やはり保険料が高いという住民の声も受けとめて、事実高いわけですから、できるものならこれ以上負担をふやしたくない、そのために法定外の繰り入れも行わざるを得ない。本来は、それ以外の住民福祉の増進のために振り向けられるべき住民の税金を保険料負担軽減のためにつぎ込まざるを得ないというのが、多くの自治体の現実の姿ではないかというふうに思います。

 ただ、住民は全て国保の被保険者であるわけではありません。健保組合や協会けんぽ、共済などに入っている住民もたくさんいらっしゃる。既に保険料をその方たちは払っている上に、その方々の払った税金を国保のために投入するということに対して、果たしてどこまでなら住民の理解を得られるのか。ある意味、これは正解のない難問だと思いますが、特に国保の場合ですと、毎年こうした難問に首長さんの多くが頭を悩ませているという実態がこれまであったのではないかと思います。

 せっかくの機会ですので、初めに、長く市政に携わってこられた岡崎参考人御自身、国保の安定的な運営のためにどのようなところに心を砕いてこられたのか。高知市も、最近、国保財政が年々厳しさを増す中で、長い間保険料を据え置いてこられたと伺っておりますが、そのためにもかなりの御苦労があったことと思います。厳しい環境の中で国保運営を担う立場からの率直な思い、感想というものについて、まずお聞かせいただければと思います。

岡崎参考人 これまで半世紀以上にわたりまして市町村国保で運営をしてまいりましたので、市町村の苦労というものは相当やはり深いものがございます。

 一番最初に申し上げさせていただきましたとおり、特に国保には、前期高齢者、六十五歳から七十四歳の方々が約八割入っておりますので、それぞれ他の保険から支援はいただいておりますけれども、やはり相当医療費が高いということと、所得が低いということでございます。今、保険料率に換算しますと九・九%ぐらいが平均になっておりますので、一〇%を超えている市町村もかなりおられますので、今の国保の保険料の水準というものは、所得から考えますと、ほぼ上限に張りついてきているということが課題としてございます。

 また、今年度、この法案の中にも限度額の引き上げが入っておりますけれども、所得が低い地方ほど、いわゆる平均的な所得、例えば我々のところでいいますと、一世帯当たり五百万円ぐらいのところで最高限度額に行き着いてしまいますので、だから、最高限度額を引き上げるということも課題があるというふうに認識をしておりますので、今回の広域化と大幅な国の財政支援というのは不可欠であるというふうに考えております。

角田委員 ありがとうございます。

 国保の制度ができて五十年ぶりの大改革と言われる今回の医療保険制度改革は、財政基盤強化のために公費による財政支援を大幅に拡充するとともに、平成三十年度には、都道府県が、国保の財政運営に責任を持つなど中心的な役割を担って、市町村と共同しながら国保運営に当たるという仕組みに移行するということは、ただいま申し上げたような問題を解決する上でも大きな一歩ではないかというふうに思っております。

 ただ、一方で、今回の財政支援によって、市町村の法定外繰り入れが解消されるのかどうかということについては、やはりこれからの状況も見ていかなければいけないという声もあるやに聞いております。

 市町村国保を担っているお立場として、今回の改革に対する効果についてどのようにお考えになっていらっしゃるのか、また、今後の課題についてはどのようなことがあるとお考えなのか、お伺いしたいと思います。

岡崎参考人 特に、今回の方針の中で御決定いただきました総報酬割、これはいろいろ議論があったところでございますが、平成二十九年度から千七百億円さらに上積みして追加支援いただけるということで、当面のめどはついたというふうに考えます。

 あくまでも、我々は、当面のめどということをいつも言わせていただいておりますけれども、二〇二〇年には団塊の世代が全て七十歳以上に入りますので、そこから医療費はやはり急激に上がってまいります。今回の法律、都道府県国保の成立というのは平成三十年度からでございますけれども、新制度が始まると、そのすぐ後で団塊の世代が七十歳以上になりますので、そこからが医療費の増嵩につながっていくということで、あくまでも当面のめどが立ったということで述べさせていただいておりますので、そのことを含めて、見直し条項が入ったものというふうに認識をしているところです。

角田委員 あともう一点、広域化によって個々の市町村で保険料がこれからどういうふうに動いていくかということに関してなんですけれども、これは、特に、医療費であるとか所得水準の高い都市部においては、現在の保険料収入よりも高い納付金が県から課せられるようになるのではないか、急激な保険料値上げを避けるために、今から少しずつ保険料を引き上げていかなければならないのではないかというような心配をする声も聞かれます。

 これに対して、何らかのインセンティブといいますか、特に保険料収納率の向上など、個々の市町村の努力がより反映されるような納付金の算定方法とすることを望む声もあります。

 また、保険者努力支援制度が平成三十年度の広域化にあわせて導入されることになっておりますが、この中では、後発医薬品の使用割合などの指標が例えばとして挙がっております。具体的な中身についてはこれから検討されるということですが、市町村としては、どういったところを見てもらいたいという御要望があるのか、その辺のところ、お考えがあればお伺いをしたいと思います。

岡崎参考人 まず、現行制度の課題から申し上げますと、各市町村それから都道府県におきまして、乳幼児医療を含みます医療費の無料化を単独事業でやっておりますけれども、この医療費の無料化をやることによりまして、国保に対する補助金のいわゆる地単カット、地方単独事業によるカットということがなされておりますので、これは、かつてから全廃するようにということは強く申し入れをしているところでございます。

 そして、先ほどのインセンティブの話でございますが、やはり、ジェネリック薬品の推進でありますとか、健康づくりがいかにデータ化できて、見える化によって、我々はこういう健康づくりによってこれだけの医療の予防に実際に役立っているというものを、我々としても見える方向で、また国の方に対しても提案していきながら、そういうものにインセンティブをつけていくということが重要であろうかというふうに思います。

 ただ、具体的には、まだまだこれからちょっと中身を詳細に詰めていかなければならないというふうに考えます。

角田委員 ありがとうございました。

 続いて、福田参考人に今度はお伺いしたいと思います。

 福田参考人は、国保基盤強化協議会の場で今回の改革案を取りまとめた際に、全国の知事の中には、広域化について決して積極的な知事ばかりではなかった、振り返れば、消極的な知事の方が多かったというような述懐をされておられます。そうした状況の中で、都道府県が市町村と共同して国保の運営を担うという改革案を取りまとめられた、そのことに対して、関係者の御努力に改めてまず敬意を表したいと思います。

 都道府県がこれから財政運営を担うことで期待される効果として、財政運営の安定化とともに、地域医療構想を含む地域医療計画の策定者として、住民負担の面から地域医療の提供体制の姿を考えるようになり、結果として、これまで以上に良質な医療の効果的な提供が進むということが挙げられているわけですが、このことについて、都道府県としては今後どのように取り組んでいこうとお考えになっているのか、お伺いをしたいと思います。

福田参考人 お答えいたします。

 保険料や受けられるサービス等に見られる市町村格差が顕著になってきているわけでございまして、これを平準化、格差解消をしていかなければならない、これも広域化の大きな目的の一つであると捉えております。

 今回の改革で、公費拡充等により財政基盤が強化されることになりますが、新制度移行後につきましては、市町村と十分連携を図りながら、将来的な保険料負担の平準化あるいはサービスの標準化、こういったことを進めていきながら、制度の安定化に各都道府県ごとに努めてまいりたいと考えております。

角田委員 今回の改革は、持続可能な国民保険制度を目指した改革であるわけですけれども、国民皆保険制度を守るためには、これは当然、今後も何としても持続をさせていかなければならないものだと思います。今回の改革で当面はそうしためどが立ったということでありますけれども、問題はその先だとも思います。

 その先の課題ということについて、都道府県としてはどのように考えていらっしゃるのかということをお伺いできればと思います。

福田参考人 岡崎参考人からもお話がありましたように、三千四百億の手当てで当面は一息つける、こういう状況になったと思っております。

 しかし、二〇二〇年あるいは二〇二五年、これらを考えれば当然医療費は増嵩するということになるわけでございますので、見直し規定も設けていただきまして、これから国保基盤強化協議会の中で、市長会、町村会と一体となって、今後、何もないことを願っておりますけれども、さまざまな課題が出てくれば、それは住民本位で十分議論をしながら制度の改正などを国にも求めていきたいと思いますし、我々も独自の努力をすべきところはしていきたいというふうに思います。

 いずれにしても、国民一人一人が安心して生活できる保険制度を堅持していくということが重要だというふうに思います。

角田委員 ありがとうございました。

 続きまして、花井参考人に次はお伺いしたいと思います。

 今回、保険者のデータヘルスの取り組みを法律に位置づけるほか、保険者が、予防、健康づくりに取り組む加入者に対してヘルスケアポイントを付与したり、健康グッズ等と交換できるようにするなど、予防、健康づくりのインセンティブを提供する取り組みを推進していくということにされております。

 また、後期高齢者支援金の加算・減算制度の見直し、国保において保険者努力支援制度を創設するなど、予防、健康づくりに積極的に取り組む保険者を支援する仕組みを設けることとされておりますが、このような予防、健康づくりに、個人レベル、保険者レベルで積極的に取り組んでいこうという仕組みについて、労働者そして現役世代の立場からどのようにお考えなのか、お聞かせいただければと思います。

花井参考人 お答えいたします。

 今回提案されている内容も含めまして、将来にわたって健康を維持することは医療費適正化が目的ではないと思っておりますので、そういう観点からも、労使で十分話し合って、その産業に応じた取り組みを進めていきたいというふうに考えております。

 以上でございます。

角田委員 花井参考人にもう一点。

 先ほどの御意見の中で、これからの高齢者の医療のあり方について、抜本的な改革に向けた検討をというようなお話がございました。

 具体的に、現時点での高齢者の医療保険制度のあり方、それから、高齢者の医療そのもののあり方についてどのようにお考えになっているのか、少し具体的にお伺いできればと思います。

花井参考人 お答えいたします。

 連合は、ずっと、十年以上にもわたりまして、高齢者医療のあり方を変えるべきだということを主張してまいりました。

 具体的には、退職者健康保険制度というふうにいいまして、現在、被用者が退職しますと、国民健康保険に加入することになります。年齢が高く、病気のリスクが高くなって国民健康保険に入ってしまうということについては、被用者としても大変強い問題意識を持っております。したがいまして、退職しても国民健康保険に加入せず被用者保険全体で支える仕組みとして、退職者健康保険制度というものを提唱しております。

 その中で、高齢者の健康づくり、予防、そういうさまざまな対応もやっていく、そういう仕組みを構想しているということでございます。

 以上です。

角田委員 ありがとうございました。大変貴重な御意見をいただきまして、本当に感謝を申し上げたいと思います。

 寺内参考人には今回御意見を伺うことができませんでしたので、おわびを申し上げたいと思います。

 本当に大変ありがとうございました。私の質問を終わらせていただきます。

渡辺委員長 次に、堀内照文君。

堀内(照)委員 日本共産党の堀内照文です。

 本日、参考人の皆様、早朝よりの御出席と意見陳述、本当にありがとうございます。

 私からも幾つか質問させていただきたいと思います。

 初めに、寺内参考人に幾つかお伺いしたいと思います。

 今度の法改正に当たりまして、国の方から挙げられております国民健康保険制度の構造的な課題として、これはきょう幾つか皆さんおっしゃったんですが、一つに、年齢が高く、医療費水準が高い、二つに、低所得者が多い、三つに、小規模保険者が多いということでありますが、加入者の年齢や所得などは、都道府県に財政運営を移しても、構造そのものは変わるものではありません。

 小規模という点では、市町村から都道府県に財政運営が移ることで、確かに規模は大きくなる。国に言わせれば、これで安定的な財政運営を確保するんだということでありますが、自治体の規模の大小で財政のあり方が、大きいほどよくて小さいほどなかなか悪いということなんでしょうか。

 大阪府下の自治体の担当者の皆さんとかなり懇談もされているということですので、その辺の実情をお伺いしたいと思います。

寺内参考人 自治体財政の困難さでいいますと、実は、小規模自治体よりも大規模自治体の方が大変です。

 これは、まず医療機関が多い、そして低所得者がたくさん集まってくる、そういうふうなことはやはり大都市にその問題が集中しますので、この十年間ずっと大都市の会計を見ていましても、神奈川県であれば横浜市、京都府であれば京都市、大阪府であれば大阪市、一番大きな自治体が赤字を大きく抱える、そういう状況がずっとありました。

 小規模自治体は、医療機関がまず少ないという問題がありますので、そのために保健事業も非常に頑張ってきた、目が届く範囲で収納などもやりやすかった、そういうふうな部分がありますので、実際には小規模自治体の方が財政がよかったという状況があったんですが、ただ一点、今後それが逆転する可能性が大変高いということがあります。

 ことしから始まります共同安定化事業の一元化では、大きな自治体にお金が集まるようになるという問題と、それからさらに、例えば千七百億円などについても、ことしからの分ですけれども、やはり人口規模の大きなところにお金が全部行くようになりますので、そういうふうなことでいきますと、財政の大規模化というのは、大規模自治体には有利に働くけれども、小規模自治体で小ぢんまりと安定した財政をこれまで賄ってきたというところが実は困難に陥る、そういうことで、そういう事態が逆転するのではないかというふうに考えております。

堀内(照)委員 もう一点、三千四百億円の財政支援を拡充するということでありますが、実際には負担軽減につながらないということで意見陳述がございました。

 それで、その中で、介護保険のときの経験からも、財政安定化基金からはなかなか借りることがないんじゃないかということでありましたけれども、介護の実情とあわせて、どういった懸念があるのかということをお聞かせください。

寺内参考人 介護保険にも、財政安定化基金、都道府県ごとにあります基金がございます。

 介護保険は、第一期、第二期は大変安い保険料で設定をされました。第一期と第二期はほとんど保険料が上がらなかったがために、第二期にお金が足りなくなりまして、財政安定化基金から多くの自治体が借り入れを行いました。その結果、第三期には大幅な保険料値上げということが引き起こりまして、その経験から、市町村は第四期にはほとんど基金からお金を借りない、そういう状況になりました。

 そこで何が起きたかといいますと、会計検査院の方から指摘がありまして、お金を積み上げているのに借りることがない基金は意味がない、お金を返しなさい、そういうふうな意見まで出されたということがございます。

 自治体はそういう経験をしていますので、保険料を大幅に上げるということを非常に嫌いますので、その結果になるような借り入れは多分しないだろうということで、それでいきますと、借り入れなくてもいいような保険料設定をするというふうに動くのではないかと私は考えております。

堀内(照)委員 それから、差し押さえについての意見陳述もございました。

 昨年十一月の、大臣の、ぬくもりのある行政をという答弁以降もなお深刻な事態があるんだということでありますが、具体的な事例をもう少し御紹介いただけたらと思いますのと、それを防ぐ上での国への要望などがございましたら、お聞かせください。

寺内参考人 先ほど前橋市の話をいたしましたが、私は、現在、全国から、国保の問題で学習会の講師に行きますので、いろいろな状況を聞いてびっくりするようなことがあるんですが、先月聞いたお話は、これは山口市です。

 納付相談も納付もしてきた滞納者に対して、夜間営業中の客がいる飲食店に突然市の職員が十人ほど押しかけて家宅捜索をする、そして店主の財布の中から現金を差し押さえる、そういうふうな追い剥ぎのような差し押さえが、一件だけではなくて数件起きている。全体的には二百数件の差し押さえが起きていますので、把握できていないようなことがあると思います。そのことによって、仕入れもできない、営業も続けられないという状況に陥っています。

 また、全国二十八都道府県で今設置されています債権回収機構、こういうものがございますが、ここでは住民の納付相談に一切応じない、そういうふうな事態になっているという報告を受けております。債権回収機構も、結局遠いところにございますので、大きな機構になりますと全く住民の顔が見えないので、そういうふうな対応になる、そういう状況になると思います。

 一昨年十一月に鳥取県で、児童手当の差し押さえに対して、それは違法である、そういう判決が高裁の方で出ましたけれども、それに対しては、まだ国の方からきちっとした通知が一度も出ておりません。

 各地で今行われている違法行為についても、裁判を起こさない限り自治体が是正をしないということではなく、初めから違法行為をしない、そういうふうな自治体にさせるための、きちっとした総務省それから厚生労働省からの通知が出ることを望んでおります。

 以上です。

堀内(照)委員 ありがとうございます。

 岡崎参考人にお伺いしたいと思います。

 加入者とはまさに相対する自治体として、国保の運営ではさまざまな苦労もおありかと思います。きょうも、それこそ階層別の変化ですとか構造的な問題ということもお伺いしたところです。

 二〇一一年十月二十四日の、国民健康保険制度の基盤強化に関する国と地方の協議への提出資料の中で、医療費の増加に伴い被保険者の保険料負担が限界に達している保険者も多いことを踏まえると、公費負担割合を五〇%以上にする必要があると考えるとしているわけですが、この点を少し詳しく教えていただけませんか。

岡崎参考人 国民健康保険は、五十年余りたちましたけれども、最初の設立のときと今の構成、いわゆる構成比が全く異なっておりまして、非常に財政が逼迫をしております。

 基本的に、それぞれの保険は大体公費が半分入っていまして、あと保険料でというのが一応目安なんですが、国保の場合はどうしても保険料が足りませんので、さまざまな観点で継ぎはぎのようにいろいろな補助金が入っておりますので、財政的に非常にわかりにくく、また、国民、住民の方々には見えにくくなっております。

 今回、一定のまた新しい財政支援制度と都道府県国保化ということになりますので、できるだけ住民の方々に見えるような制度として、広く周知をされるということが大事だと思いますし、やはり保険料をこれ以上引き上げるのはかなり現実的に難しい水準になっておりますので、いわゆる公費としての支援をいかに拡充していくかということが今後ともに大きな課題だという認識を持っております。

堀内(照)委員 継ぎはぎという言葉もありましたけれども、私たちとしても、国は調整交付金も含めて五割だとおっしゃるんですけれども、定率国庫負担でふやすべきだということを主張もしているところです。

 岡崎参考人と福田参考人、お二人にお伺いしたいと思います。

 患者負担を軽減するという点では、それぞれ乳幼児医療費助成が行われていると思います。高知市では就学前まで、栃木県では所得制限なしで小学校六年生までであります。栃木では県の努力によって各市町村でさらに上乗せもされ、負担軽減につながっているのではないかと思うわけですが、その一方で、国は、これによって減額調整、ペナルティーを科しているわけであります。

 この間、この国会、我が党の同僚議員が各委員会で随分この問題を取り上げましたが、今やどの自治体でもこういった制度が行われていますので、医療費の新たな波及増はないんだ、そういう意味ではペナルティーを科す根拠がないということを国自身も認める答弁をしており、この問題は検討課題にもすると大臣も述べられているわけですが、お二人に、国のペナルティーの問題についての考えをお聞きしたいと思います。

岡崎参考人 それぞれの市町村におきましては、特に乳幼児医療の無料化を進めております。これは、入院、外来、それから所得制限を入れているかどうか、いろいろな区分がございますけれども、今、ほとんど全国の市町村全て入ってきておると思います。

 従前から、地方単独事業で行う事業に対して国保の調整交付金をカットするということは、全く関係がない話なので撤回すべきというのが、市長会、町村会のこれまでの一貫した強い要望でございます。

 それと、我々も厚生労働省の方々にさらに説明をしておりますのは、例えば障害者の医療、これは、精神障害を含めまして、障害者医療は都道府県単位で、市町村の判断ではなくて県単位で、県の判断でやっている事業があります。ただ、そのときにも市町村国保の調整交付金がカットされますので、我々の判断と関係ないところで、県が決めたことによって市町村の調整交付金をカットするということは非常におかしな話でございますので、そのことも含めて強く撤廃を求めているところです。

福田参考人 お答えいたします。

 雇用、結婚、出産、子育て、これは地方創生のかなめであるというふうに思っております。

 そういう中にありまして、全国の各自治体がおのおの工夫を凝らしながら、地方単独事業として子供医療費の助成などを行っておりますけれども、国は国保の補助金というところでペナルティーを科す、こういうことになっておりまして、全国知事会としても、毎年、国への要望の中で、国庫負担金調整措置の廃止については申し上げているところでありますので、これからも、国保基盤強化協議会の中でもこの問題は廃止を求めて協議をしていきたいというふうに思います。

堀内(照)委員 ありがとうございます。

 花井参考人にお伺いしたいと思います。

 国保の構造的な困難に、非正規雇用がふえて、低所得者の国保加入者がふえているということがあると思います。その点、正規雇用を一層拡大することによって、今、低所得で国保に入っておられる層が、健保組合にも入って、保険料負担の中でしっかり医療給付も受けられるということになるわけですから、そういう点からも正規雇用の拡大ということが望ましいと考えるわけですが、この点、いかがでしょうか。

花井参考人 ありがとうございます。

 非正規雇用労働者が四割に達しようとしております。多くの方が、本来は雇用労働者として被用者保険に入らなければいけないわけですが、国民健康保険に入っているという実態がございます。

 私どもは、一つは当然、非正規から正規雇用への転換ということを進めるのと同時に、社会保険の面からは、社会保険の適用拡大を求めております。来年の十月から、二十五万人という、大変少ないと思いますが、短時間労働者への社会保険の適用、五条件がついていますが、拡大がスタートいたします。そういったことも、もう少しさらに拡大していくようなことを求めていきたいというふうに考えております。

 雇用の面と社会保険の適用拡大と、両方から対策が必要だろうというふうに考えております。

 以上です。

堀内(照)委員 最後に、もう一度、寺内参考人にお伺いしたいと思います。

 保険は保険で賄うべきだという議論もあるわけですが、国保は、先ほどもありましたとおり、当初から、低所得者が多く加入するものであって、国庫負担で賄うということを条件として制度設計されたということでありますが、その国庫負担のあり方について、改めて最後にお聞かせください。

寺内参考人 今回、三千四百億円というお金が何度も出てきておりますが、実質的に、ことしからの千七百億円は、全額国庫負担ではもちろんございません、その三分の一です。それから、もう一つの千七百億円は、花井さんがおっしゃったように、もともと協会けんぽへ出していたお金です。ということは、三千四百億円のうち六百億円ぐらいしか新たな負担というのはないわけですね、国の方は。

 ですから、この金額を見たとき、本当に国が、この国民健康保険を国の責任で持続可能なものとする気がないのではないかと一瞬思わざるを得ないような、そういう中身であったというふうに思います。

 先ほど申し上げましたように、国保は戦前からございます。私は国保の歴史もずっと研究しておりますけれども、戦前は、農協、農業会などが国庫負担なしで運営していたものですけれども、それが新しい国保になったのは、高度経済成長の中で、日本の国が、国民が、その当時三分の一が無保険であったその状態ではこれから経済成長ができない、そういう国家戦略のもとで皆保険制度がスタートしております。そのときに、三分の一であった無職者、高齢者それから無収入の方たちをどうするかという問題を全部引き受けたのが国保です。

 ですから、保険料で賄うという、初めからそういうふうな制度設計にはなっておりませんので、やはり国が本当に持続可能なものにするのであれば、言葉だけではなく、実際にお金をどれだけ出すかという部分でいきますと、今回の三千四百億円は非常に不十分で、きょうもありました、県やそれから市町村が不安に思っているというのは当然だと思います。きちっとした、全額国庫負担をどこまで持っていくのか、そういうふうな突き詰めた議論がもっと必要だったのではないかというふうに思っております。

 以上です。

堀内(照)委員 以上で終わります。ありがとうございました。

渡辺委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。

 この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。

 参考人の方々には、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。(拍手)

 次回は、明二十四日金曜日午前八時十五分理事会、午前八時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時二十九分散会


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