衆議院

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第12号 平成27年4月24日(金曜日)

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平成二十七年四月二十四日(金曜日)

    午前八時三十分開議

 出席委員

   委員長 渡辺 博道君

   理事 赤枝 恒雄君 理事 後藤 茂之君

   理事 高鳥 修一君 理事 とかしきなおみ君

   理事 松野 博一君 理事 西村智奈美君

   理事 浦野 靖人君 理事 古屋 範子君

      大岡 敏孝君    大串 正樹君

      鬼木  誠君    加藤 鮎子君

      木村 弥生君    小松  裕君

      白須賀貴樹君    新谷 正義君

      田中 英之君    田畑 裕明君

      武部  新君    谷川 とむ君

      豊田真由子君    中川 俊直君

      長尾  敬君    丹羽 雄哉君

      橋本  岳君    比嘉奈津美君

      堀内 詔子君    牧原 秀樹君

      松本  純君    松本 文明君

      三ッ林裕巳君    村井 英樹君

      若狭  勝君    阿部 知子君

      大西 健介君    岡本 充功君

      寺田  学君    中島 克仁君

      長妻  昭君    古本伸一郎君

      宮崎 岳志君    本村賢太郎君

      山井 和則君    足立 康史君

      井坂 信彦君    河野 正美君

      下地 幹郎君    牧  義夫君

      伊佐 進一君    輿水 恵一君

      角田 秀穂君    高橋千鶴子君

      堀内 照文君

    …………………………………

   厚生労働大臣       塩崎 恭久君

   厚生労働副大臣      永岡 桂子君

   厚生労働大臣政務官    橋本  岳君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 岩渕  豊君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  二川 一男君

   政府参考人

   (厚生労働省医薬食品局長)            神田 裕二君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    藤井 康弘君

   政府参考人

   (厚生労働省保険局長)  唐澤  剛君

   厚生労働委員会専門員   中尾 淳子君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月二十四日

 辞任         補欠選任

  大岡 敏孝君     鬼木  誠君

  豊田真由子君     若狭  勝君

  中川 俊直君     武部  新君

  大西 健介君     古本伸一郎君

  岡本 充功君     寺田  学君

  長妻  昭君     宮崎 岳志君

  山井 和則君     本村賢太郎君

  足立 康史君     河野 正美君

  牧  義夫君     下地 幹郎君

同日

 辞任         補欠選任

  鬼木  誠君     大岡 敏孝君

  武部  新君     中川 俊直君

  若狭  勝君     豊田真由子君

  寺田  学君     岡本 充功君

  古本伸一郎君     大西 健介君

  宮崎 岳志君     長妻  昭君

  本村賢太郎君     山井 和則君

  河野 正美君     足立 康史君

  下地 幹郎君     牧  義夫君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出第二八号)


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     ――――◇―――――

渡辺委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣府大臣官房審議官岩渕豊君、厚生労働省医政局長二川一男君、医薬食品局長神田裕二君、社会・援護局障害保健福祉部長藤井康弘君、保険局長唐澤剛君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

渡辺委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山井和則君。

山井委員 おはようございます。三十分間、質問させていただきます。

 国保法、医療の質問の前に、ちょっと塩崎大臣の発言についてお聞きをしたいと思います。

 昨日、参議院で石橋議員も質問されたかと思うんですが、講演会で企業の経営者の方々に、高度プロフェッショナルについて、千七十五万円の年収要件は高いけれどもという話をされたそうです。いつ、どこで、どういう趣旨の発言を塩崎大臣はされたのか、ちょっと御説明ください。

塩崎国務大臣 これは、四月の二十日月曜日に日本経済研究センターで朝食会がございまして、そこで講演をいたしました。テーマは社会保障改革の展望ということで、主に、医療のこれからの改革について、今御審議をいただいているこの保険制度についてもお話をさせていただいたところでございまして、その中で、一番最後に労働法制についても、経済界の方が中心でありましたので、お話をいたしました。

 原稿なしでしゃべっておりますし、記録もとっていないので、正確にどういうことを申し上げたかはよく覚えておりませんが、高度プロフェッショナル制度については、派遣法についても、いずれも、しっかり国会で通したいということを言ったんだろうというふうに記憶をしますが、高度プロフェッショナル制度などについての、いろいろ経済界から要望があるけれども、国会でいろいろ御意見もあるので、なるべく見守ってほしいという意味合いで申し上げたわけでありますけれども、具体的に何という表現を使ったかは私は記憶をしておりません。

山井委員 二十日というと、きょうが二十四日ですから、まだ四日前の話ですよね、四日前。

 それで、私も漏れ聞くところなんですが、千七十五万円は高過ぎるけれども我慢してほしいという趣旨のことをおっしゃったと聞いているんです。私も未確認ですが、そういう趣旨の話はされていませんか。

塩崎国務大臣 これはもう何度も答弁もしているように、千七十五万円というのでお願いをするということでありますから、それが高いだとか低いとか、そんなようなことは私は言うはずもないと思います。

 ただ、申し上げているように、記録が残っているわけではないので、正確に一字一句どう言ったかはよく覚えておりません。

山井委員 対象がちょっと少ないけれどもとか、そういうことはおっしゃっていませんか、高度プロフェッショナルの。

塩崎国務大臣 余り記憶はありませんけれども、少なくとも、もともと一千万円以上もらっていらっしゃる方が全体で四%しかいないということで、それで、役員で一・五%を引くとあと二・五で、さらに希望する人だから、かなり少なくなりますねという話はこの場でも何度も申し上げているので、そういうことは申し上げたかもわかりません。

 しかし、それを広げろとか、あるいは、むしろ、ずっと経済界が千七十五万を下げろとかなんとかいうような話を言っていることについて、私はどちらかというと非常に不快に思っていて、今の法律を法律どおり通すというのが私の責務だというふうに考えております。

山井委員 ということは、塩崎大臣、将来、千七十五万円を下げるということはないということですか。

塩崎国務大臣 これは何度も申し上げているように、法律でもって、年収の、三倍を優に超える額を基準にしていくということを言っているわけで、その法律を変えるかどうかは、私が決めることではなくて国会が決めることでございますので、それは国会の問題だというふうに考えており、私は今、この法律をお通しいただくということが私の最大の使命と考えております。

山井委員 極めて無責任な答弁だと思います。三倍から二倍にするというのは、一行か二行の改正で済むかもしれませんよ。そうしたら、結局、来年にでも簡単に変えられるということじゃないですか。そういう考え方なんですか、塩崎大臣。あとはもう知りませんと。

 ということは、千七十五万円が将来、二倍だったら七百万円ぐらいですけれども、なるかどうかは国会の自由で、自分は特に関知しませんということですか、塩崎大臣。

塩崎国務大臣 今回の法律も、労政審で反対意見があるとはいえども、そこの審議会で議論を重ねに重ねて出てきた法案でございます。法律というのは、きょう傍聴席にもたくさんおいででありますけれども、やはりそういう事前の議論を重ねた上で出てきているものであります。

 今回は、今申し上げたように、年収が平均給与額の三倍を相当程度上回る水準以上の人というのが法律に入っているわけで、これでお願いをし、後に省令でもって千七十五万円というのを参考にしていくということを書き込もうということを言っているわけであって、私が申し上げているのは、法律というのは国会で決まるんだということを一般論として申し上げているだけの話で、国会でどういうふうに決まるのかということは国会が決めることだということで、私が下げるとかいう意思を持っているかどうかということは、ここでは全く関係ない。

 私の責務は、今お願いをしている法律をしっかり議論していただいた上で、一日も早くお通しをいただくということが一番大事なことでございます。

山井委員 ということは、将来、法改正で三倍が二倍になったら、年収要件は七百万円に下がるということですか。

塩崎国務大臣 それは、今申し上げたように、国会に法律が政府から出てくるというのは、相当な議論を重ねて、それも、政労使が三位一体となって議論をする労政審で議論がまとまって初めて出てくるわけでありまして、それがどうなるかということなので、私たちは今そういうことを想定しているわけでは全くありません。

山井委員 塩崎大臣、現場のことをわかっておられないんじゃないですか。私はこの労政審を毎回傍聴させていただきました。最後の決めるときも傍聴させていただいて、その場にいました。労働側が大反対と言っている中を押し切って決めているんじゃないですか。全然、労使で合意して決めていませんよ。反対意見がついているじゃないですか。

 だから、反対意見がついて、労働側が反対しているにもかかわらず、国会で、何か労働側も合意しているかのようなことをおっしゃるのは、私は極めて問題だと思います。

 最初の質問に戻りますが、そうしたら、小さく産んで大きく育てるとか、そういう趣旨のことは、高度プロフェッショナルに関してはおっしゃっていませんか。

塩崎国務大臣 先ほど来申し上げているように、私は一字一句覚えているわけではございませんが、むしろ、小さく産んで大きく育てろと言っている経済界の方がおられるということは、私どもとしては国会で審議をお願いしている立場上、非常に迷惑な話だなということを思っていたことは事実であります。私の心の中にはそれがあります。

 したがって、その後どういうふうに言ったか、私も、申しわけありませんけれども、一字一句覚えていませんが、そういうことはちょっとお静かにしていただいて、国会での議論を注視してもらいたいという気持ちでおりますので、どう言ったかはわかりませんけれども、そういう趣旨で発言をしているはずではございますけれども、なお、実際にどういうふうに言ったかということは、一字一句はよく覚えていないというのが事実でございます。

山井委員 ちょっと私、ひっかかるんですけれども、お静かにしていただいてというのは、結局、経済界の方々が本音の、千七十五万円は少な過ぎると言えば、法案審議に差しさわりがある、とにかく、法案が通ってからは広げるから、法案が通るまでは静かにしておいてくれ、そういう趣旨なんじゃないですか。

塩崎国務大臣 今お願いをしている法律と違うことを言われれば、当然それは審議に余りいい影響がありませんので、私どもは何しろ今出しているものがベストだと思って出しているわけでありますから、これをしっかり御審議いただいた上でお通しをいただくことが我々としては一番大事だし、私の責務は、それが大事な使命だというふうに考えているということでございます。

山井委員 なぜこの発言が問題になっているのかというと、将来、年収要件を下げるんじゃないか、そういう見方が高まっているんですよ。

 塩崎大臣の中で、最初に質問もしましたが、もうこの千七十五万は絶対なんだ、将来も下げないんだ、ごく一部の人の話ですよという決意が全然感じられないんですよ。今回はまずこれを通します、後は中所得者に広がるかもしれません、それは国会が決めることですよ、それは法案を通す大臣として極めて無責任なんじゃないですか。

塩崎国務大臣 これはもう先ほども明快に御答弁申し上げたように、今そのようなことは私の頭には全くないし、考えてもいないということを申し上げました。今は、今ベストだと思ってお出しをしているこの法律を御審議いただいて、一日も早く成立をお願いしたいということを考えている以外は何もございません。

山井委員 私ももちろんその場にいたわけではないですが、では将来、年収要件を拡大する、あるいは対象を拡大するというような含みを持たせたような発言はされていないということでいいですか。

塩崎国務大臣 先ほど来申し上げているように、原稿も何もなしだし、記録もテープもとっておりませんので、どういうふうに正確に一字一句言ったかはよく覚えておりません。

 しかし、私の思いを申し上げれば、小さく産んで大きく育てるみたいなことをおっしゃっている方がおられることについては、私は不快感を持っていた。そういう中で、法律を法律のまま通したいので、静かにしていただくとありがたいということをお願いしたということはあったかもわからないなという記憶が残っているぐらいでございまして、気持ちは今申し上げているとおり、今の法律どおり通していただきたいし、それを変えることを今考えていることは全くないということでございます。

山井委員 では、これは重要なポイントですから、その議事録、そしてテープ、どこか探せば私はあると思うんです、大臣の講演ですから。それを一回探していただいて、それを理事会に提出していただけますか。

塩崎国務大臣 私の真意は今申し上げているとおりでありますので、それで御理解を賜りたいというふうに思います。

山井委員 いや、だから、その大臣の真意を知りたいんですよ、私たちは。

 多分、厚生労働省は持っていると思いますよ。議事録とテープと、あれば出してください。いや、なかったらしようがないですよ。あれば出してください。

塩崎国務大臣 普通は、それを探すのは私ではなくて、問題だと思われる方が探されるのが普通のように私は思います。

 一方で、きのう石橋先生から御質問があった際に、事務局には早速聞いてみました。議事録ありますか、レコーディングとっていますかと聞いてみましたが、いずれもないということだったので、私としては何もできないなというふうに思っております。

山井委員 ぜひ探す努力はしていただきたいと思います。

 このことはまた今後議論したいと思いますが、議事録やテープがある可能性は、とにかくいろいろ探してみてください。

塩崎国務大臣 日経センターの方にお聞きをいたしました。その際に、レコーディングもしていないし記録もとっていないということを明確に言われたので、正直言って、私としても、正確に一字一句何と講演でお話をしたかなということは、それは、こういう御質問があったわけですから知りたかったわけでありますけれども、残念ながらそういうことなので、今こうやって私の本音をお話し申し上げて、御理解を賜れればというふうに思うところでございます。

山井委員 限られた時間ですので、次に移ります。

 医療、国保の質問の前に、もう一点だけお聞きしたいんです。

 四月二日、安倍総理は、官邸で、子供の未来応援国民運動発起人集会を開かれまして、その中でこう語っていられるんですね。経済的に厳しい一人親家庭や多子世帯の自立を応援していく必要があります、子育て、生活、就業、経済面などについて一層の充実を図っていくとともに、支援を必要とする家庭に対し、行政の支援が確実につながる仕組みを整えていく必要がありますと。

 割とここで重要なのは、子育て、生活、就業、経済面などについて一層の充実を図っていくということを安倍総理はおっしゃっているんです。経済面、これは重要です。

 安倍総理は、ことしの施政方針の演説でも、親の経済力の差によって大学進学できない子供があってはならない、全ての希望する子供たちが大学進学できるようにということをおっしゃっておられます。

 そういう意味では、私も予算委員会で安倍総理に、塩崎大臣も聞いていられたと思いますが、児童扶養手当、遺族年金の二十までの支給年齢引き上げ、それと児童扶養手当の多子加算、二人目を五千円から一万円に引き上げるべきではないかということを質問し、安倍総理も、検討すべき課題だという前向きな答弁をされていました。

 そこで、今回、四月二日、そして四月二十日にも関係府省会議の開催ということで指示が出ているわけですが、私も質問させていただいた児童扶養手当や遺族年金の二十までの年齢引き上げと多子加算の増額、これも今回の検討課題の中に含まれているということでよろしいですか。

塩崎国務大臣 山井先生が子供の貧困に対して非常に御熱心に取り組んでいらっしゃること、そしてまた予算委員会で御質問されたのも私も拝聴していたわけでございます。

 この四月の二日に開催されたのは、子供の未来応援国民運動の発起人集会というのが開催をされました。総理が出席をされましたが、あと、有村大臣、下村大臣、私と、三人閣僚が参加をいたしました。

 総理からは、経済的に厳しい一人親家庭や多子世帯の自立を応援するために、夏をめどにその方向性を取りまとめて、そして年末をめどに財源確保を含めた政策パッケージを策定する旨の指示が、厚生労働大臣を初め我々にございました。

 また、これを受けて、今お話があったように、四月の二十日に、ひとり親家庭・多子世帯等の自立支援に関する関係府省会議というのが設置をされまして、ここで、関係府省を集めて、厚生労働省ももちろん入っておりますが、議長は世耕内閣官房副長官でございまして、関係府省に対して検討指示がございました。

 この指示は、一人親家庭、多子世帯等の支援施策を総点検し、さらなる充実策を検討すること、それから、夏をめどに充実策、財源確保の方向性の取りまとめを行い、可能なものは今年度からも実施をする、それから年末までに財源確保策も含めた政策パッケージを策定すること、こういう指示が世耕副長官からありました。

 今後、厚生労働省としては、児童扶養手当、今お話がございましたが、これらの経済的な支援を含めて、子育て、生活、そして就業など、一人親家庭などの自立に向けた支援の充実策について、それも、自立への効果とかあるいは財源の確保などの課題に留意をしながら、幅広く関係者の意見を聞きながら検討してまいりたいということでございまして、今お話がございました児童扶養手当などの経済的支援を含めて検討してまいりたいということは、御指摘のとおりでございます。

山井委員 ちょっとここは重要なところなのであえて確認させていただきたいんですが、子ども貧困対策法、この衆議院厚生労働委員会で二年前に成立をいたしました。そんな中で、昨年も、子供貧困対策大綱をつくるための検討会議が何度も開かれた。その中で、当事者の方々や一人親家庭の方々からの最大の要望が経済的支援、つまり、児童扶養手当の多子加算の増額あるいは引き上げ、そして二十までの年齢拡大だったわけです。そういうことも含めて今回検討をされるということでいいですね。もう一度、答弁をお願いします。

塩崎国務大臣 先ほど申し上げたように、今御指摘の児童扶養手当等の経済的支援を含めて、さまざまな支援策の充実について、自立への効果や財源の確保などの課題に留意しつつ、幅広く関係者の意見を聞きながら検討していきたいというふうに考えているところでございます。

山井委員 これは、子ども貧困対策法、全ての党派で、この厚生労働委員会で成立させた。しかし、一番の悲願である児童扶養手当の拡充というものがまだ実現していない。やはりこれは本当に党派を超えて実現をせねばならないと思っております。

 そして、国保法に関連してなんですが、私、医療費適正化のところで非常に心配に思っていることは、診療報酬、介護報酬なんですね。

 適正化ということは、持続可能性の上でもそれは一定必要だということは私は理解しないではありませんけれども、診療報酬を下げる、あるいは、医療費適正化計画の中に地域包括ケアシステムの構築を図ると書いてあるけれども、先日も中島委員が質問されていましたが、地域包括ケアシステムの構築どころか、今、介護職員の賃金が下がったり、介護職員、障害者福祉施設の職員が集まらなかったり、あるいは廃業が相次いでいるんですよ。地域包括ケアシステムの構築じゃなくて、崩壊が今始まっちゃっているんですよ、残念ながら。構築じゃないんです、崩壊なんですよ。

 そういう意味で、塩崎大臣にお聞きしたいんですが、三月三十一日にも通知を出しておられます。この間、介護職員の賃金引き上げ、障害者福祉職員の賃金引き上げ、この処遇改善加算に関して通知を出しておられるんですけれども、ここでどう書いてあるかというと、「経営が悪化し、一定期間にわたって収支が赤字である、資金繰りに支障が生じる等の状況にある」、こういうときには賃金を下げていいということになっているんですね。

 これは、塩崎大臣、ちょっと重要なところなんですが、ということは、介護職員の賃金一万二千円上がるとおっしゃっていましたが、赤字であったら、一万二千円上げるどころか下げてもいいということですか、この通知は。

塩崎国務大臣 基本的な考え方は、民主党政権のときも同じようにやっていたことをそのままやっているわけでありまして、今回の介護報酬と障害福祉サービス等の報酬の改定は、もう言うまでもなく、御案内の一万二千円相当の処遇改善を加算で行うとともに、必要な収支差が残るようには配慮しながら、基本サービス費の適正化を行うということでありますけれども、今回、加算の運用の見直しというのも同時に行うということを何度も申し上げております。

 合理的な理由がないにもかかわらず、賃金水準全体を引き下げることは認められないこととしておりまして、具体的には、計画や実績報告に記載する項目を見直して、賞与などを明確に含めた賃金改善の額を正確に把握する、そして、従来の処遇改善加算においても認められていた、経営悪化等によってやむを得ず賃金水準を低下せざるを得ない場合の取り扱いについて、適切に労使の合意を得るなど適切な運用がなされているかどうかということも確認をするために、新たにそういった点の資料を届け出るということを求めることにしているわけでございます。

 また、この取り扱いについては、賃金水準を引き下げざるを得ない状況が今度改善をした場合には、そのときには賃金水準を引き下げ前の水準に戻すということも求めることとしているわけでありまして、賃金水準を低下させることはこれまでも認められていたわけでありますけれども、今回、運用の厳格化を図っておりまして、介護職員や障害福祉職員の処遇が着実に改善されるように、厚労省は、都道府県としっかり連携しながら、運用をしてまいりたいと考えているところでございます。

山井委員 安倍総理は予算委員会で、間違いなく一万二千円上げるようにしますと、間違いなくとNHK全国放送でおっしゃったわけですよね。でも、この通達によったら、収支が赤字である、資金繰りに支障が生じた場合は賃金を下げていいということになっているんですよ。

 それに、民主党政権と一緒だとおっしゃいましたが、全然違いますよ。民主党政権は介護報酬を上げたんです、〇・八%。今回は史上最大の二・二七%下げているんですから、全然違うんですよ、それは。

 資金繰りに支障が生じる場合は賃金を下げてもいいと通知はなっていますけれども、そうしたら、赤字でなくても、黒字であっても、資金繰りに支障が生じた場合は下げてもいい可能性はあるということですか。黒字だったら、下げるのは絶対だめなんですか。

塩崎国務大臣 処遇改善加算につきましては、従来と同様に、例外的な場合について賃金水準の引き下げを認めているわけでありますけれども、今回の改定ではしっかりと運用の厳格化を図っているというのが先ほど来申し上げていることです。

 具体的には、介護サービス事業所等の法人の収支について、サービス利用者数の大幅な減少などによって経営が悪化して、一定期間にわたって収支が赤字である、そして資金繰りに支障が生じる等の状況、それから、介護職員や障害福祉職員の賃金水準を引き下げることについて適切に労使の合意を得ていることなどの必要な手続を行ったことなどについて、新たに届け出を求めるということにしているわけであります。

 こうした場合には、介護職員等の賃金水準を引き下げた上で賃金改善を図ることはやむを得ないものと考えておりますけれども、法人の経営とか介護職員等の賃金水準の改善の見込みとか、あるいは賃金水準を引き下げざるを得ない状況が改善した場合には、賃金水準を引き下げ前の水準に戻すということを先ほど申し上げたとおり求めているわけであって、こうした運用を適切に行うことによって、着実に処遇改善を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。

山井委員 塩崎大臣、わざと私の質問に答えておられません。私はシンプルに聞いているんですよ。

 黒字でも、資金繰りに支障が生じた場合は賃下げが認められる可能性はあるんですか。イエスなんですか、ノーなんですか。

塩崎国務大臣 黒字であっても、例えば資金繰りが回っていかないとか、そういうことがある場合には、労使の合意を得ていることなど必要な手続をとった上で行えるということになっております。

山井委員 私、びっくりしましたね、本当に。予算委員会で、安倍総理が全国の国民に一万二千円間違いなく上がりますと言って、今、黒字であっても下げてもいいと。

 先日の中島委員の質問の資料によると、中島委員が山梨県で特養のアンケートをされたら、二十の介護施設の中で、黒字になるのは七つ。十三、六五%は赤字ですよ。おまけに、黒字であっても資金繰りに支障が出たら下げてもいいというのであれば、一万二千円上がるどころか、これは下手したら、七割、八割も可能性としたら下げてもいいということになるじゃないですか。それは余りにもひどいんじゃないですか。

 私も正直言ってちょっとびっくりしましたけれども、黒字でも、資金繰りに支障が生じる、資金繰りに支障なんかいっぱい生じますよ。過去最大、二・二七%下げているんですから、生じるのが普通なんですよ。一万二千円を一万円に、賃上げ、まけてくれじゃないですよ、賃下げしてもいいと言うんですよ。これは、でも、ちょっと余りにもひどいんじゃないですか、塩崎大臣。

 塩崎大臣、やはりこれはおかしいですよ。黒字でも賃金を下げていい、赤字ならなおさら賃金を下げていい。今まで言っていた一万二千円は確実に上がりますというのはうそじゃないですか、そうしたら。

塩崎国務大臣 先ほど来、よくある話ですけれども、例外的なケースをよく引用されてこられるわけでありますけれども、黒字のときに下げることがあり得るというのは、民主党政権時代からでも行われていたと私は聞いております。

 それも、しかしやはり例外的なことであって、先生御指摘のとおりでありまして、これは今回の報酬改定に臨んでやっても同じように例外的な扱いですけれども、それは一つ一つ、先ほど申し上げたように、必要な手続を経て、届け出をしてもらって、なぜそういうふうにしないといけないのかということを説明してもらわなきゃいけないということを、今までよりもずっとはるかに詳しく説明をしてもらうということをやっているので、だからこそ運用の改善だということを申し上げているんです。

 ですから、赤字のときに、処遇改善加算をとっていながら、残念ながら処遇を、賃金を少し下げなきゃいけないということはかねてからあったわけですけれども、そのときも、余り報告もきちっとしないままにやっていた。しかし今回は、ボーナスを含めて全部についてちゃんと見た上で、計画も出し、そして事後報告もしてもらうという形であり、また、その事情が解消したときには賃金をもとに戻してもらうということも議論をしていくということを申し上げているわけでありますから。

 そしてもう一つ、老施協あたりでも、今回の報酬改定を受けても、しっかりとサービスの低下は起こらないようにするということをはっきり私たちにも伝えてきている、皆さんにも伝わっていると思いますけれども、そういうことで決意を持ってやっていただいている。

 我々は、収支差を残しながら経営が成り立つようにしていくということをやっているので、まだ四月一日からの手当てでございますので、これがどうなるかをしっかり注視してまいりたいというふうに思っております。

渡辺委員長 山井君に申し上げます。

 申し合わせの時間が経過しておりますので、御協力よろしくお願いします。

山井委員 もう質問は終わりますが、今聞いてもらったらわかるように、聞いていないことまでだらだらだらだら答弁して、それで結局申し合わせの時間が来ましたからって、これは質問妨害ですよ、聞いていないことをどんどんどんどんしゃべるのは。

 私もこれで終わりますが、ただ、塩崎大臣、塩崎大臣は認識が根本的に間違っているんです。民主党政権のようにとおっしゃいますが、民主党政権では介護報酬を上げたんですよ、〇・八%。上げたんだから資金繰りはそんなに苦しくならないんですよ。今回は二・二七%、物価高の中で過去最大下げているんですよ。資金繰りは苦しくなるに決まっているんですよ。苦しくならないところの方が例外なんですよ。

 だから、そういう意味では、私たちが指摘しているのは例外的な話じゃなくて、一般的なことなわけです。長妻大臣のときにも、十年ぶりに診療報酬は〇・一九%引き上げたんですよ。自民党政権と民主党政権は真逆なんです。そのことだけをきっちりと言っておきます。

 きょうの答弁は本当にびっくりいたしました。これからも引き続き追及したいと思います。

 ありがとうございます。

渡辺委員長 次に、阿部知子君。

阿部委員 民主党の阿部知子です。

 山井さんに引き続いて、二番手のきょうの質問をさせていただきます。

 私は、この委員会でも何人かがお取り上げの、いわゆる患者申し出療養についてお尋ねをいたします。

 これは既にお取り上げくださった方もおられますが、まだまだ不明な点が多く、果たして患者さんのためにという標語の中で、患者さんにとって好ましからざる事態が起こるのではないかと強く懸念しておりますので、その観点からお伺い申し上げます。

 まず、大臣のお手元にもございますけれども、これは厚生労働省からいただきました。「患者申出療養の対象となる医療のイメージ」というふうに書いてございます。

 上に、患者申し出療養、それから、保険外併用、保険と保険外を併用する先進医療のAとB、下に、いわゆる治験といって、薬剤は全て、治療実験をして、安全性を確保して、有効性を保証して、そして承認して販売されるというルートでございますが、正直言って、この図の書き方から見ても、どっちが本流なのか。本流は、私は、やはり薬剤というのは、治験をきっちりして、そして安全性を評価して、承認して販売するというものだと思うんですね。

 本当に、この図の書き方から見て、非常に誘導的だと思いますけれども、まず、大臣、この患者申し出療養はあくまで例外的なもの、すなわち、我が国における薬剤の使用は、治験、そして承認、販売という流れが本流である、患者申し出療養は例外であると認識してよろしいでしょうか。一点目です。

塩崎国務大臣 先生がおっしゃるとおりで、医薬品などについては、保険診療において使用するに当たっては、当然薬事承認を得ていただくということが原則でありまして、今御指摘の点は、先生のおっしゃるとおりだと思います。

 ただ、今回この患者申し出療養を御提起申し上げるのは、困難な病気と闘っている患者の皆様方には、薬事承認までの間に、国内で未承認の医薬品などを安全性、有効性を確認しつつ迅速に使用したい、命をやはり守りたい、そういう強い思いがあって、そういった思いを受けとめて患者申し出療養の創設を本法案に盛り込んだものでございます。

 患者申し出療養においては、現在行われている治験の対象とならない患者に対する治験薬等の使用も対象となることを想定しておりまして、まさに現行の治験のみでは対応ができない場合があると考えておりますが、原則は、今お話があったとおり、やはり薬事承認を得て、保険収載もして使うというのが大原則であることは間違いございません。

阿部委員 今の大臣の言葉の中から幾つかキーワードをとりますと、国内で未承認で、迅速に承認を求めるけれども、治験において必ずしもそこに至っていない薬などを念頭に置きながら、患者さんのために使いたいということでありました。

 そうなると、あくまでも、最も力を注ぐべきは国内承認の迅速化なんだと思います。なるべくこうしたいびつな形の患者申し出療養に行かなくて済むような、本流をきちんと太くするという意味で、ここでお伺い申し上げますが、いわゆる医薬品の承認の問題、これは、日本は諸外国よりも時間がかかっているんだ、遅いんだとよく言われましたが、この点についての取り組み。これは担当省庁の方でお願いをいたします。どの程度改善されておりますでしょうか。

唐澤政府参考人 今、正確な数字を持っておりませんけれども、我が国のドラッグラグと言われておりますものにつきましては、審査のラグと開発ラグというのがございます。

 審査につきましては、PMDAの承認体制などの強化によりまして、ほぼ、欧米水準とそんなに変わりはなくなっている。ただ、開発ラグ、これはメーカーが治験を進めて開発に取り組む期間、ここのところがまだ差があるというふうに指摘をされているのが実情でございます。

阿部委員 いい御答弁をありがとうございます。

 すなわち、開発ラグなんですよね。承認の方は、この間短縮しているんです。

 けさいただきましたデータを見ますと、通常品目で、平成二十一年度目標並びに実績が十九カ月かかっておりました審査期間が、平成二十五年では十二カ月に短縮している。これは、陣容をきちんと拡大してやれば、さらに短縮いたします。優先品目、早くやってくれというものは、平成二十一年度段階で、十一カ月が目標値で、ほぼ、実績値十一・九。今は九カ月が目標値で、実績値六・二カ月。すなわち、どんどんどんどん審査の部分は短縮をいたしております。

 これは担当省庁の御努力でありますし、なおかつ、PMDAの常勤職員数も、平成二十一年、全体では五百二十一、平成二十六年、七百五十三。すなわち、人員的にも増強させて、急ぐものは特に急ぎ、また、通常のものの審査も丁寧にやるという体制を一方でとっておるわけです。

 さて、開発ラグの方はどうかというと、これは専ら薬剤メーカーにかかってくるものであります。悪く言うと、この患者申し出療養というのは、本来薬剤会社が開発ラグをどう短縮するかというところを患者に丸投げしてやっているともとれる制度になりかねないということなのです。

 大臣には、まずこの一点、原則が何か、どこで滞っているのか、何を対処すべきか、処方すべきかということを頭に入れていただきたいです。

 そして、もう一点ございます。

 海外で使われているから、国内未承認なんだけれども何とか命を助けるためにと、よくおっしゃられる論法ですが、これについては、お示しした資料の一枚目をもう一度見ていただきますが、いわゆる日本版コンパッショネートユースというのがあって、これは、治験の枠組みの中で、海外承認のものを国内で使うための期間を短縮化したり柔軟化するものであります。

 私が今申し上げているのは、いずれも治験という枠組みの中で審査を早める、開発ラグを短くする、コンパッショネートユースなど便宜を図る、これら全てがやられた後、例外的なものがもしかして患者申し出療養としてあり得るという認識でよろしいか、大臣にお願いします。

塩崎国務大臣 今御指摘の日本版コンパッショネートユースがございますが、患者申し出療養の具体的な医療の内容については、現時点でお答えすることは、つぶさには難しいわけでありますけれども、例えば、国内未承認の医薬品等の使用のほかに、今お話がありましたけれども、治験の対象とならない医薬品等の使用について申し出が行われるのではないかというふうに考えておりまして、御指摘のとおり、現行の枠組みの中での運用によってもなお対象とならない患者からの申し出に対応できる仕組みを創設することで、困難な病気と闘う患者の思いにしっかりと応えていきたいというのが今回のこの制度の眼目ではないかというふうに考えているわけでございます。

 現行制度の枠組みの中での運用というのが、日本版コンパッショネートユースが含まれるわけでございまして、それでもなお対象にならないということで、今例外的にとおっしゃいましたが、まさにそのとおりだと思います。一定の条件のもとで行うということです。

阿部委員 この患者申し出療養というのは、概念だけがお化けのように膨れ上がって、では、そこにどのくらいのものが含まれるだろうかということが見えてこない、非常に不安な制度であります。例えばこういうもの、例えばこういうものとあればまだしもです。

 先ほど申しました承認期間短縮、開発ラグ短縮、コンパッショネート、こうやって振り分けていくと、それぞれの努力の中で、ほぼ治験の枠内におさまる。例外がごく一、二例あるかもしれません。そういうものに対してつくり上げる制度という割には、私は、余りにもファジーで、なおかつ、全てが患者申し出だということで曖昧化され、安全性も、あるいは実効性、有効性もおろそかになるのではないかと思っております。

 大臣は、逆に言うと、この患者申し出制度のメリット、デメリットをどのようにお考えですか。もちろん、患者さんにとっていいだろうというのは、当然そう思ってつくっているんですけれども、それを超えて、メリット、デメリット、どうでしょう。

塩崎国務大臣 患者申し出療養は、繰り返すわけでございますけれども、先進的な医療について、まず第一に、患者の申し出を起点とする、二番目に、安全性、有効性を迅速に確認をする、そして三番目に、地方でも身近な医療機関で受けられるようにする。

 これに関しては、患者申し出療養で一番出てくるのは、やはり抗がん剤についての御要望というのが多いと聞いておりますけれども、今回の身近な医療機関でも受けられるようにするという大きな柱の中身は、例えば、抗がん剤の適応外使用の場合はがん診療連携拠点病院、これでいきますと、全国で四百カ所ぐらいございますから、各都道府県でも少なくとも五カ所から六カ所ぐらい医療機関が対象としてある。こういうことで、困難な病気と闘う患者の思いに応えるということだと思います。

 一方で、患者団体の方々から、安全性、有効性への懸念とか、あるいは先進的な医療が保険外にとどまり続けてしまうんじゃないか、こういう懸念が示されておりまして、こうした懸念にもしっかりと配慮をする仕組みとするということで、そのような懸念を払拭しながら、こういう薬を使いたいという切実なる思いに応えていきたいなというふうに考えているところでございます。

阿部委員 患者さんは、とにかく万が一つにも助かるものならばやりたいと思われるのは常だと思います。しかし、副作用とか危険性とかを勘案して、がんは消えたけれども患者は亡くなったみたいなことになってはならないわけです。

 私はあくまでも、今大臣にどんなものがありますかと聞いたら、抗がん剤かなとおっしゃいましたけれども、それも多くはコンパッショネートユースでカバーできるのではないかと。だから、一つ一つ、そのお申し出の治療が本当にそこしか道がないのか、他の道でやれないのか。

 と申しますのも、何度も申しますが、治験であれば実施主体は製薬会社で、それなりの患者保護、ヘルシンキ宣言にのっとる患者保護、あるいは製薬会社の守らなければならない規範などが、守られているかどうかはまたありますが、確立しているものであります。ところが、この患者申し出療養となった途端に、あなたが言ったからということで全てが曖昧にされてしまう。私は、その点が非常に懸念であります。

 大臣がおっしゃったような、がんはがん拠点病院、あるいは、いただきました資料からは、患者申し出療養は臨床中核病院や特定機能病院などで行うんだというふうに言われておりますが、はてさて、これらの病院の質は、現状、国民から見て信頼できるものであるかどうかについて、具体的にお伺いいたします。

 いわゆる臨床中核病院といえば、二十七年四月からそのような形で認定されていくのですが、それに先立って、臨床研究品質確保体制整備病院、モデル事業で臨床中核病院のモデルになるようなものを、今申しました臨床研究品質確保体制整備病院というのでこの五年やってまいりました。

 ところが、この病院の幾つかのところで起こったのが例のディオバンの事件でありました。臨床中核病院の東大、京都、千葉、名古屋、群馬。臨床中核病院というよりは、さっきの長ったらしい確保体制整備病院です。東大、京大、千葉大、名古屋、群馬などで、皆、ノバルティスファーマのいわゆる効果の偽造ですね。これは、世界的な論文にも出して取り下げた小保方さんの事件どころじゃない大騒ぎでありました。それをやっていたのが、これから臨床中核病院のモデルになろうとする病院であります。

 そして、二〇一三年度にはこれらの病院がみんな補助を取り消された。一応そういう体制でやってみたけれどもだめだったから取り消したというだけにすぎないように思います。おまけに、データ改ざんもそうですが、調べようと思ったら、当時のデータは捨てちゃった、検証もできないというような体制でした。

 大臣に伺います。

 果たして、このディオバンの具体的事案をもとに、一体、臨床研究における体制整備病院において起きた事柄をどう総括してこれから臨床中核病院を構築していくんでしょう。

塩崎国務大臣 臨床研究品質確保体制整備病院、これは十カ所あったわけでございますが、ここにおける不適正事案につきましては、製薬企業が不当に臨床研究へ関与をしていたことがあった、それからデータの操作もあったなどによって、我が国の臨床研究に対する信頼を大きく損なうことになってしまったわけでございまして、本当に残念なことであるわけであります。

 このような不適正事案を受けて、厚生労働省と文科省で、人を対象とする医学系研究に関する倫理指針というのがありますが、この倫理指針の見直しを行って、まず第一に、製薬会社からの資金提供等については、研究計画に記載をする、そして倫理審査委員会の審査を受けるとともに、研究対象者にも説明をするということ、そして、モニタリング等によってデータ改ざん等の不正を防止するということをこの見直しの中で行いまして、現在検討しております臨床研究の法制化、これにおいても、研究の質の確保及び利益相反管理の観点から作業を進めているところでございます。

 これらの取り組みを通じて我が国の臨床研究の信頼を一日も早く回復する、そして同時に、臨床研究が適切に行われることによって医学が進歩することに私どもとしてはしっかり取り組んでいかなければならないと思っております。

阿部委員 そうありたいと願わない人は誰もいないんです。

 お示しした資料の三枚目、「バルサルタン・ショック」、これは毎日新聞の記事で、新聞記事の引用で恐縮ですが、大変よく書けていますので使わせていただきますが、先ほどおっしゃった臨床研究品質確保体制整備病院、十カ所あると大臣おっしゃいましたが、このうち、ノバルティスファーマのディオバンの事象に関与した病院は五つであります。十カ所あって半分。

 私は、まず厚生労働省としてやるべきは、今いろいろな改善点をお挙げになりましたけれども、それができるかどうかを今の十カ所で検証するとか、今大臣は、これはできなかったのにまた拡大なさるわけですよ。利益相反がどうか、いろいろな製薬会社からの資金提供がないか、これだって確実に申請されるかどうかわかりません。

 これは、現実に、京都、東京慈恵、滋賀、千葉、名古屋でございましょうか、この非常に多くの病院で、これが全部体制整備病院かどうか、私が今ちょっと言い間違いがあったら申しわけありませんが、少なくとも三つはそうですね。四つかな。その中で……(塩崎国務大臣「慈恵は違う」と呼ぶ)違いますか。(塩崎国務大臣「慈恵は」と呼ぶ)はい。

 こういう、本当に、過半数、半数に近い病院でできなかったことを一挙に拡大してなさるというのは、机上の空論というんだと思います。そこに、患者さんが、私が治療してほしいと言ったからと。カモですよね、これは。

 大臣、せめて、これまでの整備病院十カ所で今おっしゃったような改善点を、さらに三年でも、モデルでやってみられたらどうですか。いかがですか。

塩崎国務大臣 先ほど来、臨床研究中核病院というのがお話の対象になっているわけでありますけれども、承認の要件において、過去の臨床研究の不適正事案の有無について自己点検を行って、不適正事案が認められた場合には、再発防止策などの必要な是正措置をとることになっています。

 また、外部委員を含む利益相反委員会を設置し、臨床研究に関する経済的な利益関係が適切に管理されているかを継続的に審査することともなっております。

 さらに、先ほど申し上げた倫理指針の見直し、現在検討されている臨床研究法制化を通じて、利益相反管理が適切に行われるようにしなきゃいけない、こう考えているわけであります。

 今回、いろいろその他の大学病院で今問題が起きています。考えてみると、医師一人一人の倫理の問題がまずあり、そして、医療機関の、つまり病院のガバナンスの問題もこれあり、さらには、それを監督する都道府県やあるいは厚生労働省、これのチェック機能にも課題があるなというふうにも思うわけでございます。

 やはり、問題を解決していくという、課題がたくさんあることは、先生御指摘のとおりでもありますし、私どももそれをしっかりと踏まえた上で、ガバナンスの強化については、とりわけ、言ってみれば、国民の医療に対する信頼の的になっているのが今の拠点病院でもあり中核病院でもあるわけでございますし、今の十の対象の病院でもあるわけでありますので、そこの信頼回復はやはり一日も早く図らなければいけないということで、あらゆる努力をしていこうと思っております。

阿部委員 私が申し上げたのには、物には手順があって、モデルをやったら、モデルをやった検証をまずして、そういう利益相反が起こらない体制の仕組みは実際には何によって担保されるかということを積み上げないと、全部机上に流れて、結局一番被害をこうむるのが患者さんであると思います。大臣にはこの点を指摘しておきます。

 さらに、同じように、特定機能病院も同様の経過をたどっております。

 私がこの委員会で一番最初に取り上げさせていただいた女子医大。全国で八十六カ所ありますが、女子医大などは特定機能病院を一回取り消され、また再承認され、また取り消され、もう二回出戻り状態になっております。東京医科大、そして今般の群馬大学。

 一体、特定機能病院というのは何なんだ。お医者さんはカルテも書いていなかった、事後検証もできない、保険診療でないのに保険診療でお金を請求していた、もうどれをとってもぼろぼろと言える状態だと私は思います。

 もともと特定機能病院も厚労省が承認というか認定するんです。大臣は、任命者責任ではありませんが、認定責任はないのですか。国民の医療に対して責任を持つ厚生労働省が、あの病院はいい病院、この病院もいい病院と、これは、認証ならぬ、認定したんですよ、特定機能がある、臨床研究のための体制が整っていると。

 でも、ぼろぼろぼろぼろ起きているとしたら、例えば、厚労省は認定しっ放しで、後は中間チェックしていないんじゃないの、事が起きたらモグラたたきみたいに取り消しているだけで、実は、厚労省が医療の品質管理をするにはそれなりの責任があるし、まして、さっき申し上げたような患者申し出療養となった日には、本当に混乱のきわみだと私は思います。今までは薬剤会社あるいは病院が責任を問われていたものが、患者さんが言ったんだから、あなたが言ったんだから、こうなるわけです。でも、それを防ぐ手だては、各診療機関がいろいろなチェックがされていて、制度として、仕組みとして、機能としてどうかということしかないんです。精神論ではいかないんだと思います。

 特定機能病院の認定のあり方、厚生労働省の責任について、お願いします。

塩崎国務大臣 結論的に申し上げれば、これは、医療分科会で承認の取り消しの問題について御議論いただいた上で、最終的には厚生労働大臣が決定をするわけでございますので、今お話しのような、東京女子医大あるいは群馬大学、こういった特定機能病院で医療安全管理に関する問題が相次いで発生しているということに関しては、私としても大変責任を感じております。

 また、顕在化しているこういう問題については、それなりにやはり手を打たないといけないなというふうに思いますし、顕在化していない問題についてもしっかりと対応を早目にしておかないといけないのではないかというふうに思っているわけで、医療法の規定では、特定機能病院について、安全管理体制など必要な要件を欠くに至った場合には承認を取り消すということになっていて、二つの病院については、現在、今お話しのとおり、社会保障審議会医療分科会、ここで承認の取り消しも含めて安全管理体制等について審議を行っていただいているわけであります。

 厚労省としての考え方として、同分科会が審議結果を出すわけでありますので、それを踏まえて、二病院の事案については、腹決めをして、しっかりと適切に対応をしていきたいというふうに思うとともに、さらに、特定機能病院全体の安全管理体制に関する承認基準とか、あるいは立入検査のあり方について改めて検討して、大学附属病院を含む特定機能病院について、国民の信頼が得られる高度な医療に対応する医療安全管理体制の確保に努めていかなければならないというふうに考えているところでございます。

 私どもとしても、医療安全管理体制の責任者としての責務を果たしてまいりたいというふうに思います。

阿部委員 もちろん責務は果たしていただきたいです、これだけいろいろな事案があって。

 でも、さっき申しました体制そのものに不備がありはしないかというのが私の問題意識で、例えば、前段のディオバンの事案ですと、カルテの改ざんがあったか、データの改ざんがあったかどうかがもうカルテ保存期間を過ぎていて検証ができません。それから、群馬大学の事案でも、ほとんど医師はカルテを書いていませんので、患者さんにどんな説明をしたかとか、それもわかりません。

 カルテは、当然、医師法できちんと記載することになっておりますが、保存期間を過ぎればぽいですし、一体どの程度の、例えば、これだけインフォームド・コンセントが騒がれる中、十分な同意ということが言われる中、何も記載がない、記載があっていいというものでもないのです、それが形式的では困りますから。そういう事態が起きている。

 私は、でも、この不備の一端は制度にあると思います。カルテ保存期間が短過ぎます。カルテの位置が軽過ぎます。

 ちなみに、私が短い時間勉強したあるアメリカの病院では、カルテは、ヒストリーといいますけれども、一生涯保存です、その方のカルテは。そして、一生涯の、百年のカルテというのはこんなになっているんです。でも、これからどんどん電子化されますから、今度はちっちゃいチップでも保存できます。

 ぜひ、大臣、ここで具体的に、これから臨床中核病院となる病院、あるいは特定機能病院、これらについてはカルテ管理期間を二十年とか。十年ではディオバンの事案は捨てちゃったとなります。検証できることも重要です。やりっ放しで、死んじゃった、終わりでは、患者さんも報われないし、医療も進歩いたしません。一つ一つ記録に残し、保存し、後々の検証にたえるようにするというのが非常に重要です。

 これは前にもお伺いいたしました。カルテ保存期間を、この際、いろいろな、電子化するデータとなりますので、こうした特に高度なことをやる病院からまず先んじて延長していただきたい。レセプト開示も同じ経過をとりました。まず、国立病院等々で開示というか、患者さんに渡すことをやっていただきました。

 大臣、再度伺います。いかがですか。真剣に検討してください。

塩崎国務大臣 真剣に検討したいと思います。

 しかし、一方で、我々医者ではない人間から見て、お医者さんに対しては信頼をし切っているわけですから、なぜカルテを書くという基本的な第一歩をやらない医者がこんなにたくさんいるのか、ここに驚くわけであって、私どもとしては、医学教育に問題はないのか、そう思いたくなるのが一国民の気持ちであって、恐らく、以前に医学教育で倫理というのを教える、教えないの議論を聞いたことがありますが、やはりそこから直していただかないと、カルテを書くというのは基本中の、イロハのイなのに、それをやっていない人がたくさんいるということを今先生おっしゃったわけで、先生のお仲間でもあるわけでありますが、びっくりするわけであります。

 医療法上の特定機能病院及び臨床研究中核病院においては、管理者に対して、医療機関内における事故報告等の医療に係る安全の確保を目的とした改善のための方策を講ずることということを求められておって、医療機関内で発生した事例を収集、分析することにより問題点を把握して、組織としての改善策を企画立案し、適切に実施することとされているわけでありまして、医療安全管理体制としては、常日ごろからこのような取り組みが適切に実施されていることがまず重要だということだと思います。

 臨床研究を実施する機関においては、この四月に改定をされた倫理指針、先ほど来出ておりますけれども、少なくとも研究終了後五年または研究結果の公表後三年のいずれか遅い日まで保管することを求めているわけですね。

 御指摘の、カルテの保存の期間の延長については、申し上げたように真剣に検討したいと思いますけれども、医療安全管理体制の確保に関する医療分科会での議論とか、それから医療事故調査制度の今後の運用の状況とか、電子カルテの普及といった状況を総合的に踏まえて検討しないといけないと思っておりますけれども、そもそも、しかし、医師がカルテを書かないんだったら、保存期間なんというのは意味がないわけであって、そこのところをどうするのかというのも一緒に考えないと、これはまずいんじゃないですか。

阿部委員 それは私に投げる質問ではなくて、厚生労働大臣が文部科学大臣と医学教育についてやられたらどうですか。

 結局、守るべきは国民、患者さんなんですよ。私ももちろん大学で若い医師の教育にかかわりました。カルテを書くこと、書き方一つ、新人にはついて教えます。そして同時に、それが記録として残ること、両方必要なんですね。

 大臣のおっしゃるように、今、専門分化されて、若いお医者さんが患者さんを見ないとよく言われています。大体、パソコンばかり見ていて体にさわらない、これが患者さんたちの偽らざる実感であります。先生、こっち向いてと言わなきゃいけないんだと。そういう医療のあり方も私は問題だと思っております。その認識は大臣と一緒です。だったら、変えていかなくちゃ。それを、政権におられるんですから、本当に真剣に取り組んでいただきたい。そこには患者の命がかかわります。

 と同時に、先ほどの三年とか五年では、ディオバンの事例は、もう捨てられちゃった、あるいは、改ざんしたけれどもわからない。二〇〇二年に起きたのが一番最初のディオバンの、本当にそのようなデータだったか、効果を含めて。それで、二〇一二年とか一三年に問題が指摘されて、もう捨てちゃって、ない、検証できないということがありました。年限についても、現実に起きたことを起点に、しっかり考えて対策するというのが厚生労働行政であります。命がかかっているからであります。

 さて、では、私が一番懸念する、患者さん申し出療養の費用負担と救済措置はどうなっているんだということでお尋ねをいたします。

 お手元の二枚目の、これは私がつくりました資料で、どうしても私にはこの患者申し出療養というのがよく見えませんので、いろいろな点で比較をしてみました。今までのコースの治験、お薬の治験、薬事承認にのっとるケースの治験と、今、先進医療として行われて保険外併用療養の評価療養制度と、そして今般の患者申し出療養。

 こう並べてみると、まず大きく異なるのが起点、誰が言い出すか。治験では製薬会社、評価療養では医療機関、患者申し出療養では患者、ここにまた大きな違いがあります。当然、責任の所在、賠償のあり方においても違いがございます。

 先ほど申し上げました倫理あるいは守られるべき患者保護の観点はどうかというと、治験の場合は、冒頭述べましたヘルシンキ宣言とかGCP省令とかにのっとって、規範がございます。評価療養には、人を対象にするガイドライン、医学系研究に関する倫理指針ですが、あくまでもガイドラインです。GCPのような省令ではありません。患者申し出療養も恐らくこれと同じようなガイドラインにのっとるものと思われます。ここでも、まず患者保護の視点、患者の権利の視点はぐっと下がって、後ろに後退しているということであります。

 中ほどの欄、費用負担は、治験においては当然ながら薬屋さんです。評価療養においては、患者さん負担、病院負担、病院並びに企業が負担するなど、いろいろなケースがありますが、患者の全額自己負担というのも約二二%ございます。負担がないというのも三八%ございます。さまざまだと。さて、今度、患者申し出療養はどうなんだろうと。今の先進医療の枠組みでも、患者さんが負担にあえいでいるケースもございます。患者申し出療養になったら、患者さんが言ったんだから全部患者さんが払うのかな、ここもまだよく決まっていないと伺いました。

 さて、最後、幾つか飛ばして、被害補償です。被害補償は、当然ながら、製薬会社が行う治験では、製薬会社みずからが入る民間保険と、プラス、もし承認された後のフェーズ3とかであればPMDAも加わってきます。一応、救済体制は法的に担保されております。評価療養では、それをやる病院が民間保険に入ってお払いいただく、場合によってはPMDAの入っているものもある。さて、患者申し出療養ではどうなるんだ。ここもグレーゾーンです。私は何回か、大変賢い担当者ですけれども、よくわかった担当者でしたけれども、お話を伺いましたが、正直言って、これから考えるということだったと思います。

 患者さんの費用負担はどうよ、何か起きたときにどうなるの、これは全部患者さんがリスクを背負っていくのであれば余りにも、先ほど申し上げた、治験であれば製薬会社がやればいいんです。開発ラグは製薬会社が短くすべきです。

 患者さんの費用負担と被害補償について、大臣、これだけの差がある体制をどう思われますか。

塩崎国務大臣 先ほどちょっと舌足らずだったところがありますが、少なくとも、最近、大学病院でいろいろな問題が起きているものですから、これは下村文科大臣とも話をして、なぜ大学病院にこういう問題が起きがちなのかということも一緒に考えてくれということは申しております。

 今の問題について、費用負担と、それから補償の問題、大事な問題だと思います。

 先ほど、先生から一番最初にお話がございましたように、患者申し出療養は、あくまでも例外的な救済の手だてとして患者さんの思いに応えようということでありますので、その位置づけであることは改めて申し上げたいというふうに思います。

 その上で、保険外併用療養費制度における保険外部分の医療費については、医療保険の給付は行われずに、患者と医療機関の合意によって決定をされているものでございます。このため、患者の費用負担というのは社会的に見て妥当、適切な範囲の額である必要があると考えておりまして、患者申し出療養の申請の際には、保険外部分の医療費についても提出を求めることを想定しているところでございます。

 今後、御指摘のようなことを防止する方策も含めて、患者がしっかりと理解と納得をした上で申し出を行えるようにしたいと思ってございます。

 それから、補償の問題が提起をされました。

 患者申し出療養において事故とか副作用が起きた場合の責任や補償のあり方については、現行の治験それから先進医療における対応や関係者の御意見を踏まえて検討が必要であると考えております。

 今どうなっているかは御案内のとおりでありますけれども、制度の施行までに患者の方々を含む関係者の御意見を伺わなければならない、そして、その上で丁寧に詰めていかなければいけないなというふうに思っております。

 今の先進医療では、保険への加入とか、あるいは健康被害に対する医療の提供等について実施届け出書に記載をすることになっていますし、薬事法では、治験の依頼者と実施機関は、厚労省が定める基準に従って治験を実施しなければならないとされておりまして、この基準の中で、治験の依頼者と実施機関は、被験者との間で健康被害の補償に関する事項等を定めた契約を締結するということになっています。

 それから、治験の依頼者は、被験者に生じた健康被害の補償のために、あらかじめ保険その他の必要な措置を講じなければならないというふうに定められているところでございますので、それらにおける対応などを含めて、しっかりと御意見を踏まえて、丁寧に詰めてまいりたいというふうに思っております。

阿部委員 私は、丁寧に詰めてからこの法案は出されるべきだと思います。非常に粗削りで、補償がないんですね。

 今大臣のおっしゃったことはとても大事です。治験の場合に患者さんと製薬会社で取り交わされるいろいろな取り決め、先進医療でもそうでしょう。そういうものが全く見えないで、白紙委任してくださいと言われても、患者さんがもしかして待ち望むものはあるかもしれない。だけれども、それはかえって患者さんのためにならないんじゃないかと私たちは強く懸念します。

 せめて、行政のあり方として、今おっしゃった患者保護、患者救済、必ずついて回りますから、それについてはあらあらこういう考えなんだということを出してからこういう法案は出すべきです。私は、それが物の手順だし、それくらいこれは、逆にこれまでの本流をたがえるかもしれないものだからです。

 大臣は今、誠心誠意答えられました。だったら、それを書いて、説明にも持ってきて、そうしてくださいなと思いますね。大臣、うなずかれたので自覚はしておられると思いますし、法案も今取り下げていただきたいですけれども。そのくらいの思いです。お伝えをしておきます。

 私がここまで強く申しますのは、カルテ管理の問題あるいは利益相反の問題、いろいろ問題がある中で、具体的に、既に治験の中で行われ、それも承認まで済んだ子宮頸がんワクチンにおける利益相反問題であります。

 最近、インターネットで、HPVJAPANといって、これは誰が仕掛けた仕掛けなのかわかりませんが、ネットでお医者さんたちの署名が出回っております。HPVJAPANという団体が呼びかけて、結構たくさんのお医者さんが署名しておられて、要旨は、子宮頸がんワクチンの再開を早くしてください、患者さんの救済のためにというようなものであるとは思いますが、私が今申し上げた、誰が仕掛けたかわからないというところが問題です。

 実は、このHPVJAPANの連絡先は、かつて、子宮頸がん征圧をめざす専門家会議という、これは子宮頸がんワクチンが承認される前に活動していた任意の専門家会議で、子宮頸がんワクチンを承認してくれしてくれとやっていらした団体です。そこには、グラクソ・スミスクラインとかメルク社から年間三千万近い寄附が送られていた団体であります。これだけの寄附の額が二〇一二年、一三年とあったということは、最近の、薬剤会社がオープンにした、自分たちがどこに何を寄附しましたかということの中で明らかになりました。

 すなわち、任意の団体でやっていた子宮頸がん征圧をめざす専門家会議、ここに寄附が流れていて、一生懸命その先生たちは知ってか知らずか活動されて、子宮頸がんワクチンは承認をされて、打たれて、今、副反応問題で、問題が惹起しております。

 こうした、同じ団体が、薬剤会社からお金をもらった団体が、今度は再開を一生懸命ネットで集めて、ネットだから関係ないよというふうには言うことができなくて、実は、ここに署名したお医者さんの中に、私の資料の四枚目ですけれども、厚生労働省が、子宮頸がんワクチンの副反応の相談のためにというので、協力医療機関を各都道府県で一つ以上指定してくださいまして、これは田村大臣のときにやっていただいた。いいと思うんですけれども、この協力機関に所属するお医者さんが六十九人おられるんですね。お名前は個人になりますので出しませんけれども。

 すなわち、患者さんたちにしてみれば、今副反応に苦しむ人にしてみれば、専門家会議、お金をもらっていた、その人たちが、名前だけ変えて署名をネットで集めた、そのお医者さんたちが、ああ、協力病院に行ってもいるわとなったのでは、とても副反応の相談にも行けません。

 大臣、次のページの「HPVワクチン接種にかかる診療・相談体制」で、真ん中ほどにある協力医療機関です。ここのお医者さんが六十九人署名をしておられます。調べればもっとあるかもしれません。

 私がこれで申し上げたいのは、そのアンダーグラウンドにお金が流れて、それを署名した先生たちは知らないかもしれません、だけれども、やはり患者さんサイドとして見れば、一体これは何なんだ、自分たちを救うものは何もないじゃないかと思われて当然なんだと思います。

 これは患者さんたちからいただいた情報です。あの専門家会議と同じところが署名をしていて、それがうちの行った病院の先の先生なんです、協力機関といったってとても行けたものじゃありませんと。

 子宮頸がんワクチンだけが例外なんじゃなくて、寄附の実態というのは本当に見えないんですね。ですから、私が冒頭申しました、利益相反を云々して、もうないようにしますと言っても、本当に根が深いんです。

 製薬会社が自分たちの応援団の医者たちをつくって、そこに旅費から何から含めて応援をする、しかしそのことは表面には出ない。最近です、やっと出てきたのは。それで、名前を変えて違うところでまた署名を集めたり。そう言うと、大臣はまた医者の倫理でしょうと言うかもしれませんが、私には、これは見える化されていないところの問題なんだと思います。

 大臣に、最後にお示しした資料ですけれども、これは、今の、子宮頸がんワクチンのさまざまな副反応と、安全対策調査会、そして副反応合同部会委員の利益相反の実態でございます。

 座長の桃井さんと五十嵐さん、おのおのお金を受け取っておられますが、桃井さんなどは、医師会の講演と思って行ったら、そこの資金を出していたのは製薬会社だった、本当に、それを今まで私たち、なかったから気がつきませんでした、医師会の講演だと思って行った、裏から、薬屋さんから金が出ていたと。

 五十嵐さんは、東大の教授でいらしたり、成育医療センターの理事長でありますから、両方からお金をもらっておられます。これも教室の費用とかにされたのかもしれません。

 私は、こういうことも含めて、明確にいただいた金額を、私たちも一円からの領収書ですから、医師は義務としてこれを申請する、公表する、そういう法制化を考えるべきです。ファジーに五十万から百万とかしていないで、見える化、そして義務化することを大臣にぜひ検討していただきたい。

 子宮頸がんワクチン問題もディオバン問題も、そこから物が改善しないのであれば不幸な結果だけが拡大していきます。間違ったことが起きた場合、少しでもいい方向に変えていく、それが政治の意思であります。

 明確に金額をきちんと申請することを義務化していただきたい。いかがですか。

塩崎国務大臣 ワクチンの安全性を評価する合同会議では、審議の中立性、公平性を確保する観点から、審議品目に関連する企業からの寄附金等の受領については、各委員が、三つの段階に分けておりますが、五百万円を超える場合、それから五十万円を超えて五百万円以下である場合、五十万円以下の場合のいずれかに該当するかを公表して、その委員が審議や議決に参加できるかどうかを明らかにしているわけでございます。それは、審議にも議決にも参加できる場合と、それから、審議には加われるけれども議決には加われない、あるいは、審議にそもそも加われないというような場合に分けているわけであります。

 一方で、具体的な金額の公表という点では、製薬関係団体などが透明性ガイドラインの策定を既にしておりまして、平成二十五年度以降、企業による医療関係者への寄附金等の自主的な開示が進められているわけであります。

 御指摘の先ほどの会議などでは、今年度から新たに、委員の申告が正確に行われているかという点について厚生労働省がいわば裏取りをする、企業に確認を求めるということで、本年四月からこれを始めているところでございまして、今後とも、審議の透明性、信頼性を高めるように努めてまいりたいと思っておるところでございます。

阿部委員 本当に利益相反をなくそうと思ったら、具体的な金額を申告するくらいのことを義務化させないと、製薬会社は既にしているんですから。ぜひ、大臣、積極的に取り組んでください。

 ありがとうございます。

渡辺委員長 次に、小松裕君。

小松委員 自由民主党の小松裕でございます。

 本日も質問の機会を与えていただきましたことに感謝を申し上げます。

 今まで本法案の審議に参加していまして感じますことは、国民が体も心も元気に暮らしていく、そのために、国民皆保険制度、これをしっかり継続していく、このために、国保、そして各被用者保険者の安定的な運営のための仕組みはもちろんのこと、健康を支える地域での仕組み、そして医療提供体制、このようなさまざまな視点が必要であるということであります。

 ちなみに、国民皆保険制度が実現した昭和三十六年、これは私が生まれた年でもございまして、世界一長寿を実現しているこの仕組みをさまざまな視点から支えて、これからもしっかりと継続させていかなければいけない、こういった責任感を強く感じているところでございます。

 我が長野県、御存じのとおり、男女とも長寿日本一の県であります。同時に、県民一人当たりの医療費は少ない。特に七十五歳以上の医療費は全国で四番目の低さということになっています。

 長寿なのに医療費が少ない、この事実に関しまして、さまざまな理由があると思うんですけれども、農村を中心とした地域のつながり、これを大切にして、そして、長年にわたって健康を学び実践してきた、そんな先人たちの功績、そして、真面目で勤勉であるという県民性、そして、高齢者の就業率が日本一である、こんなことも、長寿なのに医療費が少ないということに由来しているものと誇らしく感じているわけでございます。

 また、在宅医療を可能にする条件も整っておりまして、自宅での死亡率が高くて、そして平均在院日数も低い。これからの超高齢化社会においてモデルになっていく県であるというふうに考えています。

 健康に気を配って、そして病気にならない、健康を維持すること、これが医療費や社会保障費の削減につながっていくわけでございまして、これが保険制度の維持にも大きくかかわるものであるというふうに考えております。

 さて、今回の法案の一番大きなポイントは、国保運営に関して、その責任主体を市町村から都道府県に移行して制度の充実を図る、安定化を図ることというふうに理解しております。

 長野県は七十七の市町村がありますけれども、そのうち、町が二十三、村が三十五あるわけであります。今後急速に少子高齢化が進む中で、二〇四五年、三十年後には、そもそも存続することが困難な自治体、市町村が出てくる、こういったことも考えられるわけでございまして、医療体制がしっかりしていなければ、当然そこには人が集まってこないということでございます。

 そういった意味で、今回の改正法案において、国民健康保険の都道府県化を進めることは地方創生という観点から大変重要な改革であるというふうに考えますけれども、その点についてお答えいただきたいと思います。

唐澤政府参考人 御指摘ありがとうございます。

 ただいま御指摘いただきましたように、これから非常に少子高齢化が進んでまいりまして、二〇二五年の段階でも、全国で二百八十くらいの、およそ六つに一つくらいの市町村は、高齢者人口も、七十五歳以上の人口も減ってしまうというような実情にございます。

 それから、さらに、二〇四〇年という今先生からかなり長期の御指摘もございましたけれども、二〇四〇年になりますと、五割の市町村は六十五歳以上の人口は四〇%以上に、さらに同じく五割の市町村が七十五歳以上の人口が二五%以上になるということで、大変高齢化をしていくわけでございます。そして、人口そのものも減少していくというふうな推計になっているわけでございます。

 ただ、そういう厳しい地域でも、やはり、生活の基本となります産業のほかに、医療というものがきちんと確保されなければならない。これは医師や病院の体制という問題もございますけれども、医療保険、これは具体的には国民健康保険のことでございますけれども、国民健康保険というものがそこの地域で成り立っていくということも非常に重要な御指摘でございます。

 そのために、私ども、市町村レベルで見ますと、なお全国に自治体数で千八百ほどありますし、先生の御指摘の長野県でも八十ぐらいあるということで、大変小さなところがございますから、そういうところの地域医療を守っていく、国民健康保険を守っていくという観点からも、都道府県がこの国民健康保険の運営、特に財政運営に参加をしてもらうということが非常に重要なことだと考えているところでございます。

 今回の改正で、およそ三千四百億円の財政基盤の強化の費用というものを入れていくことになりますので、現在三千五百億円の一般会計の繰り入れというのをしているわけでございますけれども、この三千四百億円の財源を活用しまして、国保の財政基盤を強化し、そして都道府県にも国保の運営に責任を持ってもらうということで参加をしていただきまして、地域を、地方創生の観点からも、住みやすく安心できるところにしていくことの一助になればというふうに考えているところでございます。

    〔委員長退席、とかしき委員長代理着席〕

小松委員 ありがとうございます。

 この地方創生という観点、そして地域医療を守るといったこと、我々しっかり取り組んでいかなければいけないんだと思います。

 今回の審議で大臣も何度も述べられていることがあるんですけれども、身近な地域でかかりつけ医、そして総合診療医、これを育成していくことが重要である、こういったことをお話しされています。しかし、一方、先日の答弁でも、尾道を視察されたときの話が出てまいりました。そこの片山先生から、地域医療というものを医学部の講座でちゃんと教えているところがどれだけあるのか、寂しい状況である、こういった話を伺ったという答弁もありました。

 実際、私も医学部を卒業して二十九年たつわけでありますけれども、医学生時代に、この地域医療のことであるとか、そして保険制度のことであるとか、そういったことを教わった記憶が全くありません。

 大学での医学教育というのは文部科学省が所管しているわけでありますけれども、これは日ごろからいつも指摘していることでありますが、大学での六年間の医学教育、そして卒業した後の卒後教育、前半の六年間は文部科学省が所管であって、その後は厚生労働省になる。ここを、連携という言葉で一言で語られるんですが、実際、連携がどのぐらいできているのかな、連携ではなくて教育を継続するということが私は大事なんだろうと思います。

 先ほどの阿部委員への答弁でも、大臣から、医学教育に関してありました、倫理性であるとか、カルテを書かないとか。そういった、厚生労働省がもっとしっかりリードしていく、医学教育をリードしていくという姿勢が大事なのであろうと思います。つまり、医学教育において、医師に求められているものは何かということを大学六年間でしっかり教育するということが大事なんだろうと思います。

 そういった観点で、例えば、地域医療の中で重要になってくると考えられるかかりつけ医の意義、そして今後創設が考えられている総合診療専門医、また保険医療制度など、これら新たなカリキュラムを医学教育に設置するというような働きをしていく、文部科学省所管ではありますけれども厚生労働省がリードしていく、こういった姿勢が必要であると考えますけれども、厚生労働省のお考えはいかがでしょうか。

橋本大臣政務官 医学教育から卒業後の研修まで一貫した医師養成をしていかなければいけない、これは今御指摘をいただいたわけでございますけれども、その中で文部科学省と連携していくことは大変重要であると考えておりますし、これまでも連携を図ってきたところではあります。もちろん、まだ足りない、リードしろという御指摘もいただきましたので、それは受けとめたいと思います。

 地域医療に貢献できる医師の養成につきまして、厚生労働省におきましては、例えば、臨床研修制度について平成二十二年度から一カ月間の地域医療研修を必須にするとともに、総合診療専門医を新たな専門医の一つに位置づけ、平成二十九年度からの養成開始を目指しているところでございます。

 一方、文部科学省におきましても、平成二十二年度の臨床研修制度の見直しの際に、医学教育のガイドラインとなる医学教育モデル・コア・カリキュラムにつきまして、地域医療に関する学習や実習が入学時から段階的、有機的に実施されるよう記載するとともに、医師として求められる基本的な資質に総合的診療能力を記載するなどの見直しが行われているところでございます。

 今後も、地域医療に貢献できる医師の養成を目指して、医学教育から卒業後の研修までが一貫して行われるように、委員の御指摘もそうですし、今回の法律の審議におきましても、やはりかかりつけ医の必要性などは多くの議論があったところでございます、そうしたことも踏まえまして、必要に応じて、なお一層の連携を文部科学省と図ってまいりたいと考えております。

小松委員 ありがとうございました。

 私が医学生だったころとは大分変わってきている、努力はしているということでありますけれども、何度も申し上げますが、医学教育をリードするという姿勢をぜひ厚生労働省に持っていただきたいなというふうに思います。

 そこで、一つ自分が思いつくことがありまして、医師国家試験、これは厚生労働省の管轄なわけですけれども、ここにそれを入れちゃうというやり方があるんだろうと思うんですね。

 自分の医学生時代の経験では、教授たちはどうしても自分の専門分野とか興味のある分野を話されることが多くて、網羅的に話すということは余りありません。ただ、そういった話というのは、聞いていて大変夢がある話ですし、わくわくする話で大変おもしろかったわけですけれども、国家試験とは余り関係ない。医学生は、授業とは関係なくて、国家試験に受かって医者にならなきゃいけないわけですから、自分で勉強するわけです。五年生、六年生になると、グループをつくって、毎晩のようにみんなで勉強会をする、こういうようなことをしていました。

 そこで、もし国家試験に、文科省のカリキュラムに入り込めなくても、国家試験のガイドラインであるとか、そこに問題を入れちゃえば、これは厚生労働省だけでできる話でありまして、できる話かな、入れちゃえば、当然、医学生は勉強するようになるわけです。

 こういったことが大事だということを、国家試験の出題のガイドライン、そして地域医療や医療保険制度に関すること、これが今国家試験にどのくらい盛り込まれているのか、そして、もしまだそれほど組み入れられていないとすれば、国家試験に地域医療であるとか医療保険制度、こういったことを問題として組み入れてしまう、こういったことに関しては考慮されていただけたらいいなというふうに思うんですが、この点に関してお答えいただきたいと思います。

橋本大臣政務官 医師国家試験は、医師法第九条によりまして、臨床上必要な医学及び公衆衛生に関して、医師として具有すべき知識及び技能について行うこととされておりまして、当然ながら、かかりつけ医や総合診療専門医の育成の基礎にもなっているものと考えております。

 現在、医師国家試験の出題内容は医師国家試験出題基準に準拠することとされておりまして、かかりつけ医や総合診療専門医に必要な知識である主要症候、初期救急、地域保健、地域医療などに関する事項等も出題されることとなっております。

 しかしながら、医師国家試験が地域の医療を担うかかりつけ医や総合診療専門医の養成により一層資するようになるように、今後さらに検討していくことも考えてまいりたいと考えております。

小松委員 どうもありがとうございます。

 そのような視点の検討もぜひお願いしたいというふうに思います。

 今回の改正法案は、国保の安定化から、負担の公平化、そして医療費の適正化など、持続可能な医療保険制度の構築に向けて、多岐の内容が含まれています。もちろん、このような個別の制度改正は大変重要なのでありますけれども、あわせて、より大局的な視点に立って健康長寿社会の実現に向けた取り組みを進めていく必要があると思います。

 例えば、私の選挙区である長野県の須坂市は、保健補導員制度の発祥の地であります。この保健補導員制度は、第二次大戦の末期に産声を上げました。旧高甫村の主婦たちが保健師さんに何か手伝わせてくれないかと言った一言から始まって、普通の母ちゃんたちが健康づくりの大切さを学び、そして地域でそれを教え合って実践し合う、こういった仕組みをつくってきたわけであります。

 各地域で、何の資格もない母ちゃんなんですけれども、区の役員として区長から推薦されて、今は二百七十一人。これは二年が任期でありますが、二年ごとに新しい保健補導員が誕生していく、こういった仕組みであります。今までに五千人以上がこの須坂市で保健補導員として活動してきたわけであります。

 これは、食事や運動の指導、こういった生活習慣病の指導だけではなくて、健康相談、そして最近では子育て支援であるとか、それから認知症予防のための健康体操の普及、こんなことも保健補導員の皆様方が中心に取り組んでおられます。自分の健康は自分でつくって守る、こういったすばらしい制度は、昨年、第三回「健康寿命をのばそう!アワード」で厚生労働大臣最優秀賞を受賞いたしました。

 ちなみに、きょうお持ちしたんですが、「須坂の母ちゃん頑張る」、これは四十年近く前に出された本で、復刻版が出ておりまして、戦後のその時期に、草の根的に、そんな健康運動がどうやってできてきたかといったことが書いてあります。大峽美代志さんという保健婦の方がその地域運動を進めたという本であります。ぜひ一度読んでいただけたらなというふうに思うわけであります。ちなみに、須坂市役所に聞けば手に入ります。

 このように、国民の主体的な健康づくりの取り組みを支援していく、これが大事でありますし、多様化している国民のニーズを踏まえて、従来の社会保障制度の枠組みを超えたというか、それにとらわれずに分野横断的に、国民一人一人の健康づくり、この取り組みを支えていく必要があるというふうに思います。

 例えば、規則正しい生活習慣の形成、スポーツの推進、健康に資する町づくり、健康づくりにかかわる個人の意欲を喚起するような仕組み、国民の健康に関連する産業の育成、そして、今お話しした保健補導員制度のような、地域の健康づくりの取り組みを促進するための仕組みなどであります。

 このような健康長寿社会に関する施策を総合的に推進していくべきというふうに考えますが、その点についていかがでしょうか。

永岡副大臣 小松議員御指摘のとおりに、やはり、国民一人一人が本当に年齢にかかわりなく元気に健康で生き生きと暮らせるということは、健康長寿社会を達成することは非常に重要だと思っております。

 これは、元気に、そしてやりがいを持って仕事もできるというようなことは、やはり、社会保障制度の持続可能性ということにも大いに貢献できるというふうにも思っておりますし、また、先ほどの須坂市の取り組み、随分長きにわたってずっと取り組んでいらっしゃった、出版された本も四十年前のということで、私もちょっと驚いております。

 その一つ一つの取り組み、地域の健康づくりというのが、コミュニケーションづくりになり、そしてやりがいにもつながっていくというのは、大変すばらしい取り組みである。アワードで表彰されていらっしゃいますから、一番なので、日本じゅうの地域の方、これは一生懸命まねしなければいけない、参考にしなければいけない、そういう気がいたします。

 今回の法律の改正におきましても、保険者の方が、加入者に対して予防、そして健康づくりのインセンティブを提供するという取り組みも実は入っております。今まで、保険組合などではもう実行していることなんですけれども、健康に資することをやっている被保険者の方にポイント制で健康グッズを差し上げたり、また、ポイントがたまると何かしらの物、健康にいいものを差し上げようという取り組みがありますので、これも推進をしていきたいと思っております。

 また、健康づくりは、委員先ほどお話しいただきましたように、産業政策とか、また住環境、そして地域のコミュニティーなど、幅広い分野の行政とかかわることから、厚生労働省といたしましては、引き続き関係省庁と連携をより強めながら、健康長寿社会、その構築に向けまして取り組みを進めてまいります。

小松委員 ありがとうございます。

 ぜひ、健康づくりのための取り組み、これをしっかりと支援していく。それだけではなくて、今法案でも本当に多岐にわたっているわけですけれども、多岐にわたっているというのは、健康で長寿社会を実現していく、そしてそれを支える保険の仕組みをしっかりと堅持していく。これは、本当にさまざまな視点がある、いろいろなところがかかわっているということなんだろうと思います。

 ですから、健康で長生きする、しかもそれが将来にわたって持続する、このためにはさまざまな視点から考えることが大事ですし、今副大臣お話しくださったように、省庁横断的な取り組み、健康のための取り組みというのはたくさんあると思います。それをしっかりと一緒にやりながら、一番国民の関心があるのは、健康で元気に暮らすという社会保障でございますので、これをしっかりやっていく、この責任が我々にはあるんだろうと思います。

 もう一度言いますが、昭和三十六年、私が生まれた年に実現した国民皆保険制度でありますので、これを将来にわたってしっかりと持続させていく、このためにもさまざまな視点で取り組んでいく、このことを厚生労働委員の一人としてしっかりこれからも取り組むことをお誓い申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

とかしき委員長代理 次に、古屋範子君。

古屋(範)委員 おはようございます。公明党の古屋範子でございます。

 先日の本会議に引き続きまして、医療保険制度改革法案について質問をしてまいります。

 そこでも述べましたように、昭和三十六年に全国で国民健康保険事業が実施をされまして、国民皆保険が達成をされてから五十年以上が過ぎたというわけであります。この間、国民健康保険は、国民皆保険の中核的役割を担うとともに、医療のセーフティーネットとして国民の医療を支えてまいりました。

 この国民健康保険は、発足当時は農水産業あるいは自営業を中心とした制度でございましたけれども、現在では、無職者あるいは非正規の被用者、低所得者の割合などがふえ、医療保険制度を取り巻く環境というのは大きく変化をし、財政状況も厳しい、課題が山積をいたしております。

 平成二十四年、三年前になりますが、この通常国会におきまして、民主党政権下でございました、社会保障と税一体改革関連七法案が提出をされました。それとあわせまして、年金、医療、介護、また子育て支援、この四分野におきまして、社会保障の国民会議を設置して、改革を総合的、集中的に推進していく社会保障制度の改革推進法案、これは議員立法であわせて提出をされたところでございます。

 その当時、私たちは野党であったわけでございますが、衆議院だけでも百時間を超える税と社会保障一体改革の審議に応じ、法律が成立に至ったというわけでございます。

 その社会保障制度改革推進法に基づきまして、社会保障国民会議が設置をされました。その年の十一月三十日、自民、民主、公明三党で決めた委員で構成される国民会議がスタートしたというわけであります。これと並行いたしまして、自民、民主、公明の三党協議がダブルトラックで行われてまいりました。

 年金に関しましては、社会保障・税一体改革の中で、既に、被用者年金の一元化であるとか、あるいは厚生年金の適用拡大、また、受給資格期間二十五年から十年への短縮というようなことが盛り込まれて成立をした。子育てに関しましても、子ども・子育て支援制度、この関連法案が既に二十四年のときには成立をいたしました。

 残されたのが、医療、介護の分野であったわけであります。

 三党協議というのは、週一回から二回、一回一時間から二時間、行われてまいりました。私は、民主党に対しましては、医療、介護の議論をしようということを何度も申し上げてまいりました。しかし、民主党の側は、どうしても年金の抜本改革の議論をしようということで、そこにこだわり続けて、結局は半年間入り口論で終始したというわけでございます。大変残念だったと言わざるを得ません。

 そのとき、民主党サイドも、医療に関しては、例えば後期高齢者医療の廃止ということを主張されていたんですが、国民健康保険の都道府県単位化などは、お互いに共通の認識を持っていたのではないかという印象がございました。

 三党として、国民に対して、半年も議論したのだから、こうした医療を初め共通の認識に立てる項目については一定の取りまとめをし、提示をすべきであったというふうに私は今でも考えております。それが私たちに課せられた責任であったというふうに思います。しかし、どこまでも年金の抜本改革をするのだということを述べられて、入り口論で、実質的な議論にはなかなか入れなかったというわけであります。

 一方、国民会議の方は、二十回に及ぶ会議を経まして、翌年の平成二十五年八月六日に最終報告を取りまとめた。我が国の社会保障、その最高峰の有識者が集まって、子育て支援から始まる報告書が出されたということは、大きな意義があったというふうに考えております。

 社会保障改革推進法にありますように、施行後一年以内に、国民会議の報告書を踏まえてという、そこの条項に基づいて、八月二十一日に法制上の措置の骨子が閣議決定をされました。既に、年金と子育て関連は、前年に法律が成立をされております。

 そして、その十月に、いわゆる社会保障改革のプログラム法案が提出をされました。このプログラム法案に基づいて、昨年、平成二十六年の通常国会では、医療介護の総合確保法が提出をされて成立をした。そして、このたびの医療保険制度改革法案の審議に至っている。この三年間の経緯でございます。

 プログラム法の中に、医療保険制度に関しまして、次のような検討項目が盛り込まれております。国民健康保険に対する財政支援の充実、あるいは国民健康保険の運営業務を財政運営を初めとして都道府県が担う、あるいは協会けんぽの国庫補助率に対する所要の措置、国民健康保険等保険料に係る低所得者の負担軽減、被用者保険に係る後期高齢者支援金の総報酬割、このようなことが八項目盛り込まれておりました。この内容を踏まえての本法律案であるというふうに思います。

 改めて、ここに至る税・社会保障一体改革からの本法律案の位置づけ、また意義について、政務官にお伺いしたいと思います。

    〔とかしき委員長代理退席、委員長着席〕

橋本大臣政務官 今、古屋委員から、社会保障・税一体改革のこれまでの経緯の御紹介をいただきました。私が国会にいなかった時期も含めて丁寧に御紹介をいただきまして、ありがとうございます。

 今御紹介いただきましたとおり、今回の法案は、三党合意をいただいて行われてきた一連の社会保障・税一体改革の一環として検討し、そしてまたプログラム法などによりまして今回の御提案に至ったという位置のものでございます。

 法案の意義につきまして申し上げますと、我が国の医療保険制度は世界に冠たる国民皆保険を達成しておりますが、これを維持し、国民が安心して必要な医療を受けられるようにしていくことが医療政策上の重要なテーマであるということは、もう論をまたないことだと思います。

 加えて、近年、少子高齢化の急速な進展等により、地域包括ケアシステムの必要性が高まり、医療のあり方そのものも変化が求められております。

 こうしたことを踏まえまして、昨年六月に医療介護総合確保推進法が成立し、都道府県を地域医療構想の策定主体と位置づけた上で、病床機能の分化、連携、在宅医療の充実等、医療提供体制の改革を今進めてきているところでございます。

 他方、医療の提供面はそういうことで取り組んでおりますが、財政面の方を見てみますと、高齢化の進展や医療の高度化等により医療費の増加が続いており、医療保険制度の財政基盤の安定化、負担の公平化、医療費適正化の推進などを図る必要がなおあると考えるところでございます。

 これらを踏まえまして、医療保険制度においても、医療提供体制の改革における都道府県の役割強化と方向を同じくし、あわせて、国保が抱える財政上の構造問題により的確に対応できるよう、都道府県を国保財政運営の責任主体と定めるとともに、国保財政の安定化等、またそのほか、さらにさまざまな医療保険の財政面での諸課題への取り組みを進めることなどが、今回の法案の大きな意義の柱であると考えております。

古屋(範)委員 今、本法案の意義を伺いました。

 いわば、民主党政権下で行われた税・社会保障一体改革、その流れの中で本法律案が最後に出てきた法律であるというふうに言えると思います。

 税・社会保障一体改革三党合意は、社会保障、特に年金のような、人の人生においては、六十年、七十年、あるいはそれ以上長期にわたってかかわる社会保障制度というものが、政権交代をしても、実際政権交代が起こったわけですが、大きく振れて国民の信頼を失うということがないように、そういう意味があったというふうに思っております。この法案を成立させることにより、大きな山が三年を経て一つ区切りとなるというふうに考えております。

 その上で、今回の改革は、生活、家計に影響が及ぶというような内容でもあるわけなんですが、医療水準を維持しつつ、持続可能な医療制度への移行を見据えて効率化、適正化を進めていかなくてはならないわけであります。医療費の増大をどう抑えていくのか、また医療の質を上げていく、これは非常に難しい課題だというふうに思っております。

 昨年、医療介護総合確保法が成立をしたわけなんですが、その中で、二次医療圏ごとに、どのような機能を持った医療機関がどれくらい必要か、目指すべき医療提供体制を実現する、この施策を定める地域医療構想をつくることが重要であるというふうに思っております。

 国保財政が今後都道府県に任されるわけなんですが、この地域医療ビジョンをつくっていく、ここが非常に重要となり、結果、国保財政の安定化にもつながっていくというふうに思っております。

 地域医療ビジョン、昨年法律ができてから一年近くたつわけなんですが、この点について御所見を伺いたいと思います。

橋本大臣政務官 昨年成立しました医療介護総合確保推進法によりまして、本年四月から、都道府県が地域医療構想を策定し、高度急性期、急性期、回復期、慢性期といった病床の機能分化、連携を進め、質が高く効率的な医療提供体制を構築することとしております。

 都道府県は、地域医療構想の中で、地域ごとに将来の医療機能別の医療需要と病床数の必要量を推計するほか、地域医療構想の実現に向けて、地域医療介護総合確保基金を活用して、病床の機能分化、連携に係る事業等を支援する、地域医療構想調整会議を設置し、医療関係者による協議を進めることとなっておりまして、都道府県がしっかりとその地域の医療を進めていくという役割を持っていただく、大変重要な役割を持っていただくということとしたところでございます。

 厚生労働省といたしましては、地域医療介護総合確保基金への財政支援を実施しているほか、この三月には地域医療構想策定のためのガイドラインを都道府県にお示しをし、今年度つくっていただくということにしたところでございます。

古屋(範)委員 そのような中で、今進行中ということでございます。国がしっかりと都道府県についても指導、推進をしていただきたいというふうに思っております。

 国保財政を都道府県が担っていくということは、地域医療ビジョンを策定していく上でも、財政を担うということが一つの大きな責任にもなっていくんだろうというふうに思います。これからは都道府県が医療提供体制また財政運営、両方責任を担うということが明確になっていくというふうに思います。国も、さらに後押しをしていただきたいというふうに思います。

 さらに、地域医療ビジョンの確立だけでは、なかなか、医療費の伸びというものを抑制していくのは難しいかというふうに思っております。本法律案には、自治体また健康保険組合などの保険者と個人の両方に健康増進や病気予防への取り組みをお願いしております。私たちも、これまで、健康、予防に頑張っている方々また保険者に対して、保険料を軽減する仕組みなど、インセンティブを取り入れていただきたいということは主張してきたところでございます。このようなことが盛り込まれたということは評価をいたしております。

 今回の改正で、予防、健康づくりの取り組みをする保険者に対するインセンティブをより重視するために、後発医薬品、ジェネリックの使用割合また特定健診の実施率などに応じて、保険者の後期高齢者支援金を加減算する仕組みが取り入れられております。昨日の参考人質疑でも、岡崎高知市長また福田栃木県知事も、こうした健診率のアップとか予防、健康づくりには全力を挙げていきたいというようなことを述べられていらっしゃいました。

 保険者努力支援制度を創設して積極的な自治体に財政支援をする、このような取り組みについてお伺いをしたいと思います。

唐澤政府参考人 ありがとうございます。

 御指摘のように、予防、健康づくりなど積極的に医療費の適正化という面で御努力いただいている自治体を支援する仕組みが必要ではないかということは、かねてから御指摘をいただいておりました。

 ただ、これまでございましたような加減算というのは、片方にはペナルティーというようなものがついておりまして、なかなか保険者の御理解を得られない面もございまして、私ども、今回、新たな財源をいただくことができましたので、これを活用させていただきまして、保険者努力支援制度ということで、予防、健康づくりを初めとする、そういう医療費の適正化に積極的に取り組む自治体への財政的な支援をインセンティブとして行えるようにしたいと考えております。

 具体的な指標につきましては、今御指摘ございましたような特定健診や特定保健指導などの実施状況、それから、医療の効率的な提供という観点から後発医薬品の使用割合、あるいは保険料の収納率の向上の努力など、こういうようなものを指標として評価をしていったらどうかということを考えておりますけれども、具体的には、今後、国、地方の協議会もございますので、都道府県や市町村の御意見を十分伺いながら、よい制度に設計していきたいと考えているところでございます。

古屋(範)委員 最後の質問になります。

 健康ポイント制度等も拡充をして、個々人が健康づくりに取り組む努力を支援するということも盛り込まれております。

 私たちは、介護の分野で、お元気な高齢者がボランティアなどをして、そしてボランティアポイントを積み立てていく、そして何らかの、それを評価していくというような制度を公明党のネットワークで全国に展開をして導入をしてきたところでございます。ボランティアに対するやりがいというものを持っていただくということで、大変これも評価をいただいている制度でございます。

 今回の健康ポイント制度は自助努力への支援ということで、私たちが介護で行ってまいりました医療版のポイント制度とも言えるかと思います。努力をして健康維持をしている方々、医療保険を使わなかった方、医療保険を納めるだけというのは不公平感もあるように思います。そういう意味でも、将来の利用料負担軽減に通じる健康ポイント制度等の導入、また保険料への支援について、大変効果が期待されるところでございます。

 医療に関する全国のデータベース、ビッグデータの活用で、医療費の地域差の見える化、あるいは予防、健康づくりへのインセンティブの充実強化を一層推進すべきと考えます。この点について伺いたいと思います。

唐澤政府参考人 予防、健康づくりの自助努力のインセンティブということで、一つにはヘルスケアポイントというような形で、健診を受けていただいたり、あるいは保健指導を受けていただいたり、あるいはウオーキングをしていただくというような御自分の目標を設定していただくというようなことで、それを実施していただきながらその健康ポイントをためていただきまして、そしてそれを健康の増進のためにさらに活用していただく、そういう仕組みを導入させていただきたいと考えております。

 また、あわせて御指摘のございました、全国のデータベースを活用いたしまして、レセプトデータ、特定健診のデータというものが既にナショナルデータベースとして蓄積されておりますので、これを保険者ごとに分析、活用していただくデータヘルス計画というものも、全ての保険者で計画を策定していただくということを要請しているわけでございます。

 今回の法案では、こうした保険者の、ただいまのヘルスケアポイントのような取り組み、あるいはデータヘルスの取り組みというものを法律上にも位置づけているところでございまして、今後、保健事業の中で、保険者が、加入者の皆様の予防、健康づくりのための取り組みを一層推進していただけるように環境を整えてまいりたいと考えております。

古屋(範)委員 ありがとうございました。

 税・社会保障一体改革の総仕上げともいうべき本法律案、一日も早く成立をさせなければいけない、このことを申し上げて質問を終わります。ありがとうございました。

渡辺委員長 次に、中島克仁君。

中島委員 中島克仁です。

 今回の法律案に関しまして二回目の質疑となります。順番を変えて、きょう午前中というか今までの質疑も聞いていて、大変重要なポイントに絞って質問をさせていただきたいというふうに思います。

 前回の質疑では、国保の再建として、今回の財政支援、今後、公費投入のあり方を明確化した上で構造的問題を解決するための道筋をしっかり示すべき、また、患者さんの受診行動の適正化また外来機能分化をさらに進めていくために、家庭医制度をしっかりと確立して、ふえ続ける医療費の効率化につながったり、医師と患者さんとの関係性も高めて質の向上に持っていくこと、これをしっかりと道筋を示すべきというふうに私から御指摘をさせていただきました。

 さらに、患者申し出療養に関しては、明らかに議論の観点が異なる、これは別途、個別にしっかりと審議をすべしということを私から提言をさせていただいたところであります。

 その上で、やはり患者申し出療養について、私からまず再度御質問させていただきたいと思うわけです。

 この制度案、ポイントを二つに絞って御質問をさせていただきたいと思うわけですけれども、この制度案の最大のポイントというか特徴は、やはり患者申し出、患者さんからの起点が最大の特徴ということになると思います。

 改めてちょっと確認なんですが、起点が患者さんなのか医師の誘導なのか、どのように判断するのか。誰が見ても客観的に判断できるようなフォーマットのようなもの、これは絶対必要だと思うんです。前回も何となく答えていただいておるわけですが、改めて確認のためにお答えいただきたいと思います。

塩崎国務大臣 この患者申し出療養については、けさほども少し議論いたしましたけれども、患者が治療内容等を理解して納得をした上で申し出を行うということが極めて大事でございまして、国への申請に当たっては、患者の申し出によることを示す書類を添付することを予定しておるわけでございます。

 この書類は、医療機関が患者に対して十分に説明を行って、患者が有効性、安全性について理解、納得をした上で申し出るというものでございまして、そのことが確認できるものとなるように、引き続き検討をしてまいりたいというふうに思っているところでございます。

中島委員 書類の添付、それは、患者さんが理解、納得されたかどうか、そういうものになる、これから検討ということなんですね。

 これはまさにこの法案の大変肝な部分で、そのフォーマットのあり方自体がそれに資するものかどうかということをやはり議論しなきゃいけないと思うんです。

 このポンチ絵の中を見ていて、原則六週間とか、国が定めた審議会のメンバー、もろもろあるわけですが、そういうざっくりとしたことよりも、やはりこのフォーマット、そういった患者さんの理解、納得が大前提になるわけですね、これは誰が見ても客観的に評価できるようなものにしなきゃいけない。今も大臣に答弁いただきましたが、そんなのは当然であって、その内容が本当にそういうものになるかどうかということが、この法律案というか、この制度の根幹の一つだと私は思うんですね。

 それがこれから検討ということであれば、やはりその中身をしっかりと示すべきだと私は思うわけです。そうでないと議論の土台ができないんじゃないかと私は思うわけですけれども、大臣、これはしっかりと、くしくも大臣が冒頭に言ったように、これは大前提、納得、理解されているかどうかということがそれを見てわかるものでなければいけないわけですから、やはり示していただかなきゃいけないと思いますが、いかがですか。

塩崎国務大臣 確かに、情報の非対称性とよく言われるわけでございまして、患者さんは医師でないことがほとんどでありますから、患者さんがしっかりと理解することは大事なわけであります。

 一方で、今回の患者申し出療養というのは、本当に困難な病気と闘う患者の申し出に応える、あるいはその希望に応えるというのが出発点であって、先ほど阿部先生との議論の中でもありましたけれども、原則は、やはりちゃんと薬が承認をされるということが基本であり、また、先進医療という制度も今までのものがあるわけで、あくまでも例外ですけれども、それでもやはり、こういうもので何とか困難な病気に打ちかちたいという患者さんの思いに応えようということでございます。

 先進的な医療については、今申し上げたように患者の申し出を起点とするわけで、さらに、安全性、有効性を確認する、身近な医療機関で迅速に受けられるようにするということで、先ほど申し上げたように、本人が希望しているんだということを申し出ることを示す書類というものが大事なんだという先生のお話はそのとおりでありますけれども、今申し上げたように、情報の非対称性ということを言われるように、医療機関が患者に対してきっちり説明を十分行って、患者が理解をし納得をしたということがわかるようにしなければいけないわけでございます。

 今、そのことがわかるようにすることが大事だということを申し上げているわけで、この仕組みを実現するためには、まずは、この制度の枠組みについての法律上の位置づけをすることが必要だというふうに考えているところでございます。

中島委員 だから、やはりそういったものを示すべきだというふうに指摘をさせていただいておるわけです。これ以上やっても堂々めぐりになってしまいますが、そこが大変問題だということは指摘をさせていただきます。

 さらに、この制度の大変肝な部分、もう一点重要なところが、先日の質疑の中でもちょっと例示をして、誰もがよくなる、誰もが延命できる魔法のような抗がん剤があったとしたらという話をさせていただきましたが、現状で、日本の医療はすべからく保険で見る考え方、先ほども大臣おっしゃいましたが、確実に承認されることが必要、保険に収載されていくことが必要ということで、先日も、この制度の大前提、混合診療の実質解禁なのか、それとも保険外療養制度の一部ということなのかという問いに対しては、政府の方は、これは保険外療養の一つだというふうにお答えいただきましたから、原則として、すべからく保険で見る考え方に基づいているということになると思います。

 ということは、日本じゅうの患者さんが、それだけ魔法のような薬があった場合には、確実に保険適用で見ていけるということが前提でこの制度があるというふうに理解をいたしますが、もともと、この部分が非常に大事だというのは、やはり危惧するのは、すべからく保険で見るという基本的な考え方に穴があくかもしれないということが非常に危惧されているからこそ、国民の間でも非常に疑心に思われてしまう。

 悪い製薬会社が、絶対に寿命が延びる抗がん剤を仮に非常に高額で売りたいというふうなときに、そこで医者とつるんで、患者申し出療養制度を使って、使い始めてしまう。ここでは当然、言い値になりますから高額になってしまうわけですね。

 そのときに、一度それを患者申し出療養で認めてしまったら、二回目からは、前例がある場合には全国的に身近な医療機関で受けることができて、全国でそれが患者申し出制度の治療として広がっていく。そうすれば、製薬会社は、保険収載される必要もなくなってくるかもしれない。

 どういう判断の仕方をするかわかりませんが、例えば難病の患者さんに使う薬であれば、もともと難病の患者さんは数が余り多くない。そうであれば、保険収載をされるよりも患者申し出療養で治療をした方が、言い値で売れて、そのままの方がいいんじゃないかという判断をすれば、治験を申請してあったとしても、保険収載の道を製薬会社がわざと断ち切ってしまうかもしれない。そういったことが起こってしまうかもしれない、申請を取り消す可能性もあるわけですから。

 こうやって、事実上、本当にいい薬が保険に入らなくなってしまうという世界ができ上がってしまうんじゃないか、そういったことを危惧しているわけです。

 そのようなことは絶対させないと先日も政府の方で答弁はいただきましたが、では、具体的に今回の制度の中でしっかりとそのような仕組みが示されているのか。保険収載を目指すというふうに先ほど大臣も言われましたが、今回の制度の流れの中で、どこに具体的にこれは盛り込まれているのか。ちょっともう一度確認させてください。

塩崎国務大臣 先日も答弁をしたわけでございますけれども、患者申し出療養というのは、法律上、保険収載に向けた評価を行うものとして位置づけておりまして、これを根拠として、保険収載に向けた実施計画の作成を医療機関に求めることとしているわけでありまして、健康保険法第六十三条の第二項第四号に、「高度の医療技術を用いた療養であって、当該療養を受けようとする者の申出に基づき、前項の給付の対象とすべきものであるか否かについて、適正な医療の効率的な提供を図る観点から評価を行うことが必要な療養として厚生労働大臣が定めるもの」、こういうことになって、これを患者申し出療養と呼ぶわけであります。

 少なくとも一年に一回は国に報告を求め、計画どおりに進んでいるかどうかということを見るわけでありますが、これが計画どおりに進んでいないという場合には追加的に報告を求めるなどの対応をとることとしておりまして、さらに、必要に応じて、患者申し出療養から場合によっては外すということも含めて対応を検討することを考えているわけであります。

 このような仕組みによって、製薬企業が開発を取りやめてしまったりとか、あるいは先進的な医療が保険外にとどまり続けることがないように、保険収載に向けて着実に進むようにしていくというのが私どもとして考えていることでございます。

中島委員 それは先日も答えていただいたんですが、そのための仕組みですね。

 例えば、似たような仕組みであれば、未承認薬の治療は厚生労働省が対応していて、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議で審議されて妥当とされたものについては、国から製薬会社に対して、承認申請をするようにと、開発要請ということが明確に決められています。

 それと同様のものということで私は理解はしているんですけれども、そういったことが、先ほど言ったように、必要な薬は収載させるように指導していく、そして、一年間に計画が実行されているかどうかチェックはする、だけれども、そういう薬を確実に申請させていくという、それが義務なのか指導なのか、何なのかさっぱりわからないわけです。

 そうであれば、まず、この仕組みが未承認薬の仕組みと同様のものなのか、それとも違うものなのか、具体的に今回の患者申し出療養で新たにまた違う仕組みができるのか、お答えいただきたいと思います。

塩崎国務大臣 基本的に同様のものと考えていただいて結構だと思います。

 保険収載までのロードマップというのをまず医療機関に提出をしていただくわけでございまして、それを、きちっと計画どおりに進んでいるかどうかというのをチェックするわけで、それが進んでいない、保険収載に向けてのロードマップどおりにいっていないということがあるようであれば、先ほど申し上げたように、まず第一に追加報告を求めて、それから、患者申し出療養から場合によっては外すこともあるということを先ほど申し上げたとおりでございます。

中島委員 同様のものであれば、新たにこういう制度をつくらなくても、未承認薬のその制度でさらに運用を高めていけばいいだけのことじゃないかなというふうに私は思うんですよ。

 今回の法律を私もずっと読ませていただきました。やはり具体的に、私は、先ほど言った、患者に起点があるのか、もしくは医者の誘導なのか、さらには、すべからく保険で見るというその大原則が崩されないのか、この二点が本当に大きなポイントだと思うんです。それを防ぐためのシステムが何も決まっていない。

 おっしゃったように、理屈はわかります。ですが、そのために、確実にそういうことが防げるというそのシステムが大事なわけでして、先ほど言ったように、未承認薬の経過と同じ承認の申請、指示の仕方だというのであれば、何も無理やりこういう制度をつくらなくてもいいんじゃないかというふうに私は非常に思うわけです。

 この患者申し出療養は、混合診療なのか、それとも違うのかとか、本当に、難病患者さんの方とか、あらゆる社会の中で不安視されているわけです。だからこそこれは丁寧にやらないと、本当に誤解を招きます。

 そういったことの中で、今回の法律案、迅速にやって原則六週間でやるとか、この審議会のメンバー、恐らく治験をやっている研究分野の先生方を国が選ぶんでしょうが、その医療機関、研究分野の医者とそして製薬会社の不透明な関係が今まさに問題視されている中で、本当にこの有効性と安全性が担保できるのか。医者の誘導なのか。今回は、かかりつけ医の医者、開業医の医者も場合によったら入ってくる。患者さん、製薬企業、そして審議会のメンバー、どの時点でどういう事象があったときに一体誰の責任になるのか、そこが非常に不明瞭なんです。

 肝な部分が、先ほど大臣もくしくもおっしゃられた、患者申し出というぐらいですから、患者さんの理解、納得が一番重要なんですと。ただ、それが本当に担保できるかどうかというシステムが何も決まっていないわけです。

 やはり、冒頭にも言いましたが、さまざまな分野の方をしっかりと参考人として呼んで、参考人質疑の中で、そういった本当に問題のないシステムができるのかどうか、これを再度別議論するべきだと私は強く申し上げますが、大臣、いかがでしょうか。

塩崎国務大臣 前回もたしか先生から、別に議論をした方がいいんじゃないかという御提案をいただいたと思っております。

 今回の患者申し出療養は、もう繰り返し申し上げておりますけれども、困難な病気と闘う患者の皆さん方の申し出に、何とかその思いに応えるために、先進的な医療についての患者申し出を起点として、安全性、有効性を確認しつつ、身近な医療機関で迅速に受けられるようにするということでございます。

 例えば、このプロセスの中で、患者申し出療養に関する会議というのが設けられて、ここでさまざまなチェックを入れるわけでございまして、ここでいろいろ意見が分かれて、これは患者の本当に申し出ではなくて、先生おっしゃったように、単なる根拠のない誘導だったりするというようなことであってはならないのでありますので、それは御指摘のとおりで、そういうことについてもやはりこの会議の中で当然議論になるわけでございます。特に、医学的な判断が分かれるような場合には、必ずしもこの六週間という期間にはとらわれないということも明確に申し上げてきているわけでございます。

 こうした仕組みを実現するために、今回、制度の枠組みについて、この法律の中で位置づけさせていただいているわけでございます。

 有害事象が起きた場合どうするんだということがよく言われるわけでありますけれども、その対応など制度の詳細について、基本的な考え方は先ほど阿部先生にもお答えを申し上げたとおりで、そこまで言うなら何でもっと早くから資料を出さないんだと怒られましたが、答弁の中で申し上げることはよくあることで、もう少し丁寧にやれということは、事務方には先ほどの阿部先生のお話を聞いて私も指示をしておりますけれども、この制度の施行までに、患者の方々を含めて関係者の御意見を伺いながら、具体的な詰めを行っていきたいというふうに思います。

中島委員 今話もありましたけれども、提案者は大臣なわけですから、今の発言は大変無責任だと言わざるを得ないと私は思います。もうこの話は堂々めぐりですから、とにかくこれは別議論。

 昨年の地域医療介護総合確保推進法のときの医療事故調と大変よく似ています。まさに今、医療事故調が、決まってしまってこれから始まろうとしているときに、物すごく問題になっているわけです。今現状で、東京女子医大のプロポフォールとか、群馬大学の保険適用外の肝切除の問題。私も医者をやっておりますから、緩和ケアをやっていれば丸山ワクチンとか高濃度ビタミンC療法とか。

 さまざまな問題が今現場では起こっていて、先ほども言ったように、製薬会社と医者との不透明な関係、さまざまな課題を一つ一つやはり検証して、整理して、本当に問題がない制度として成り立つのかどうかをまず丁寧にかつ慎重に進めていかないと、これは必ず将来にわたって禍根を残す、その可能性が非常に高いということを御指摘させていただきます。

 時間もございませんので次に進みますが、今回の法律案、持続可能な国民医療制度ということでありますが、私は、前回も前々回も、くどいぐらい介護報酬の話をさせていただきました。

 まさに、医療と介護は表裏一体。地域医療においても、私が専門として今やっております在宅医療においても、在宅医療を円滑に進めていくために、医者だけがやるわけじゃないんですよ。現状、ほとんどの方が介護認定を受けられて、御自宅で在宅療養を行っている。そこには、訪問ヘルパーさん、訪問看護、訪問介護の方、さまざまな分野の方がいて初めて在宅医療が成り立つわけです。まさに、地域包括ケアシステムを成り立たせていくために、この介護保険のサービス、何度もそういう言葉を使いますが、高齢化社会の命綱であるわけです。

 そんな中で、今回の介護報酬、物価上昇も勘案すれば史上最大幅のマイナス改定ということで、これはもう一から話は当然しませんが、圧倒的に介護人材が足りない中で今回のマイナス報酬。私も先週末に何軒もまた、今回は小規模のデイサービスに絞って回ってまいりました。ほとんどの事業所が、もうやっていけない、赤字に転落する、そのような悲鳴の中でいるわけです。

 そういった中で、前々回の質疑の中で三浦老健局長は、私が経営実態調査をもとに、あれを見ていくと、今回の介護報酬のマイナス改定で、もしかしたら半分近くの事業所が、特に小規模事業所に至っては赤字に転落してしまう、その上で、本当に介護従事者の処遇改善がなされるのかどうかという問いに対しては、中重度加算、認知症加算などをとることで、全てが赤字になるものではない、この収支差率をもって今後の介護報酬の改定の影響がそのまま出るものではないと答弁されるわけです。

 そして、大臣もしきりに、毎回、今回の介護報酬は一定の収支差率が維持できるように配慮していますというふうに答弁されるわけですが、そこまで自信を持っておっしゃるのであれば、絶対に介護従事者の処遇が改善されるんだと。我々はそういう、昨年とった経営実態調査をもとに危惧して、指摘するのがやはり我々の仕事でもあると思いますからあえて指摘をしているわけですけれども、それに対して、老健局長のお答え、そして大臣がしきりに、収支差率は一定維持できると自信を持っておっしゃる根拠をお示ししていただきたいと思います。

塩崎国務大臣 収支差については、先ほど来申し上げているように、必要な収支差は残るようにということを念頭に入れた上で、基本サービス費の適正化を図っているというのが今回の改定でございます。

 それは事前にいろいろな収支差の調査をした上で考えているわけでございますので、そういうことになっているわけでありますけれども、また一方で、私たちにとっての最大の課題だったのは、やはり人材確保のための処遇改善、これをちゃんと実現に向けて、どうそれを強化していくかということで、一人当たり月額一万二千円相当の加算というものを設けて、これはもう先ほども申し上げましたが、この加算については、今までも民主党政権時代も含めてやってまいりましたけれども、合理的な理由がないにもかかわらず賃金水準全体を引き下げることは認めないということに、今回は特に運用の見直しを強化することによってやっていこうというふうにしているわけでございます。

 先ほど来申し上げているように、計画や実績報告、これの中身、報告の中身を、今までよりもはるかに明確に、賞与などを含めた額を正確に把握するようにし、なおかつ、先ほど議論になりましたが、従来の処遇改善加算でも認められていた、経営悪化等によってやむを得ず賃金水準を低下せざるを得ないような場合の取り扱いは、適切に労使の合意を得るなど適切な運用がなされていることが確認できるような資料についても、新たに届け出るということを求めています。賃金水準を引き下げた場合、もしそういうことが起きた場合にも、その状況が改善した場合には、また賃金水準を戻すということを考えているわけでございます。

 それと、事業所に関しては、介護報酬改定で、さっき申し上げたように、全体として収支差が残るように考えるとともに、この介護サービスがどういう方向に進んでいくべきなのかというのは、やはりニーズに応じていかなければいけないということで、加算を新たに幾つもつくっているわけでございます。

 それから、デイサービスの話がございました。

 小規模デイサービス事業所については、介護事業経営実態調査によります、通常規模型事業所と小規模型事業所におけるサービス提供に係る管理的経費の実態というのを踏まえて評価の適正化を行ったものでございまして、例えば、小規模事業所の基本報酬については、通常規模型に比べて改定前はプラス一七%でした。今回は改定後でプラス一二%……

渡辺委員長 大臣、簡潔にお願いいたします。

塩崎国務大臣 はい。ということで、それでもまだプラス一二%ということで、よく注意をしながら、こういうところにきめ細かく配慮をしたつもりでございます。

中島委員 やはり卓上の議論でしかないと思うんです。私はやはり現場の、先ほど言いました、今後の方向性、ニーズを捉えてというところだけしか私には入りませんけれども、要するに、皆さん回っていただければわかると思うんです。多くの先生方も、地元へ帰られてデイサービスを回ってみてください。本当にそういう卓上の議論ではない状況だというふうなことが御理解できると私は思います。

 月々のトレンドとか、さまざまなデータを見るということですけれども、では、月々何件の事業所がなくなったら対応するんですか。さまざまな課題がたくさんある中で、どんなトレンドを判断して、今回の介護報酬によって疲弊を受けない、そういった悪影響が出ないということを評価するのか、もう全くわからないです。

 そんな中で、先ほども言ったように、介護従事者の処遇改善をしきりに強調されるわけですが、先ほど山井委員もおっしゃっておりましたけれども、経営が赤字に転落したり経営の状況によっては、届け出を出せば、介護従事者、職員の給与水準を下げても一定期間いいということが、一体どのくらいの事業所がやることになるのか。あの経営実態調査を見ると、もしかしたら半分ぐらいの事業所がその届け出を出す可能性があるわけですよ。

 だとしたら、予算委員会でも話をされていました、自信を持って介護人材、職員の処遇を改善する、これはうそっぱちになってしまうわけですよ。それを幾ら堂々めぐりしても、いや、大丈夫だ、大丈夫なはずですということになるわけですけれども。

 これは資料の一枚目です。介護職員の賃金の推移。全産業別、これはよく言われますが、十万円少ない。

 客観的に、一事業所は現場の判断によるかもしれませんが、問題視されているのは、全産業別の中で介護従事者の賃金が低いということが言われておるわけです。だとすれば、今回、自信を持ってもし処遇改善の加算をすると言うのであれば、単純に、この全産業別の介護従事者の賃金が一万二千円上がるという理解でよろしいんでしょうか。

塩崎国務大臣 先ほど来申し上げているとおり、今回、この処遇加算をしっかりとってもらって、それが実現に結びつくようにしてもらうようにするというために、運用を強化して、それを見届けていくということを我々としては全力を挙げてやってもらおうということで、今仕組んでいるわけであります。

 それから、今お配りをいただいております、介護職員の賃金の全産業との比較というのがあります。これは、だからこそ、まずはホームヘルパーあるいは福祉施設介護員と書いてあります二十一万円台の、これはケアマネに比べても四万ぐらい違うわけでありますから、ここのところのギャップを少しでも縮めなければいけないということで、今回の一人当たり一万二千円相当の加算というものを設けて、それを確実にやるためにできる限りの運用の強化を図っていくということでございますので、なおよく注視をして、これから都道府県とも連携をしながらやっていくことが大事だというふうに思っております。

中島委員 結局、上がるか上がらないか、わからないということなんですよ。

 だって、これを見たってそうじゃないですか。平成二十年から二十五年、今までだって加算がされているにもかかわらず、平均の給与は上がっていないんですよ。

 なおかつ、私がなぜそこにこだわるかというと、今、介護従事者が足りないのが喫緊の課題。そして、今までに、例えば介護福祉士、国家資格として成り立っております。それが、今の介護従事者の方々の処遇改善に本当につながっているのかどうか。さらには、平成二十四年に導入をされたキャリア段位制度等々あるわけでございますが、加算をつけても、介護福祉士が国家資格化されても、このキャリア段位制度をつくっても、一体何の効果があるのか、さっぱりわからない。今回も、処遇改善します、しますと大きな声で言っても、到底信用できないわけです。

 このキャリアアップ段位制度について、きょう内閣府の方からも来ていただいておるので、ちょっと御確認したいことがあるわけですけれども、これはそもそも、平成二十二年に閣議決定された新成長戦略、実践キャリア・アップ制度の一つとして計画されて、平成二十四年から始まりました。

 本年四月からは内閣府から厚労省に移管をされたわけですが、資料の四枚目、これは民主党政権のときでございましたが、評価プロセスにおいて、ここにも書いてありますように、さまざまな意見があって、廃止すべきが四名、大胆な改善を要するが二名、こういう評価プロセスがあった中で、その後、ゾンビのように生き残って事業が始まった。

 本年で三年目を迎えるわけですが、この公開プロセスでの評価結果が廃止であったにもかかわらず継続して実施されている経緯、まず、ちょっと御説明いただきたいと思います。

岩渕政府参考人 実践キャリア・アップ戦略につきましては、今委員御指摘のように、平成二十二年に新成長戦略において国家戦略プロジェクトに位置づけられまして、検討が行われてきたものでございまして、介護プロフェッショナルキャリア段位制度は、介護分野における実践的なキャリアアップの仕組みを構築することを通じて、介護職員の定着や新規参入を促進することを目指すというものでございます。

 御指摘がございました、平成二十四年六月、行政事業レビューの公開プロセスにおきまして、実践キャリア・アップ戦略が評価対象となりまして、有識者による評決結果は、廃止すべきが過半数を占め、既存の資格制度との関係の明確化、事業成果、効果設定を行う必要があるとの意見があったことから、抜本的に再検討を行うとの取りまとめの結果でございました。

 このレビュー結果を受けまして、慶応義塾大学の田中滋座長ほかの有識者で構成されます実戦キャリア・アップ戦略介護プロフェッショナルワーキング・グループにおきまして検討していただきまして、実践的なスキルの評価に重点を置くなど、既存の資格制度との関係の明確化や、キャリア段位認定者数の目標を、二〇二〇年度までに累計十三万人程度ということを設定したものでございます。

 その後、実施機関の公募を経て、平成二十四年十一月にキャリア段位制度を発足したという経緯でございます。

中島委員 そういう経緯のもとで、廃止と言われたにもかかわらず、その目標を設定するとか、そういう再修正というか再検討の結果、そのまま継続されたということで、資料の五枚目にもその目標値を書いております。

 二〇二〇年、平成三十二年度までに累計十三万人、目標の達成に向けて、制度創設後三年間で二万人、二〇一五年度以降は各年度二万人程度のキャリア段位認定者の育成を目指すというふうにされておりますが、ことし二月末時点で、この資料の中にも一番下に書いてありますが、認定者、目標は二万人だったところが三百四十三人。目標を大きく下回っているわけです。

 この原因についても聞こうと思ったんですが、時間がないので飛ばします。

 今後、この事業をどうするのか。

 そもそも、この事業自体が現場の実情に全く合っていないわけです。評価者と言われるアセッサーが、講習を受けて、そして同じ職場で働いている介護従事者の方を百五十項目審査していく。実際に、今介護人材が足りない中で、その評価をする時間もない。三カ月でやる予定だった方が、六カ月、一年たっても、認定、その講習さえ受けられない。

 結果、二万人という高い目標を掲げながら、三百四十三人になってしまっている。まして、特別養護老人ホームとか大きな施設では成り立つかもしれませんが、小規模の、本当に職員が五、六人の事業所でまずこれがなじむわけがないんです。

 さらには、この事業を委託されているシルバーサービス振興会、これは初年度、平成二十四年度が一億三千九百万円、二十五年度が一億四千八百万円、二十六年度が一億二千五百万円が予算づけされています。本年度から、補助事業が終了して厚生労働省に移管されましたが、本年度も厚労省から二千九百万の予算づけがされています。

 これは、もともと目標を二万人にして、結果が三百人余り。この予算は一体何に使われたんですか。

 そして、私、昨日夜の時点で、このキャリア段位制度、今後、四月からどうするのかという問い合わせをしたら、今公募をしておりますと。そして、では、実際に今公募に手を挙げている事業所は幾つあって、どういう事業所かと言ったら、今公募中なので教えられないというふうに言われました。

 普通であれば、これだけ目標を下回って、莫大な予算が使われている中で結果も出せていない。まず、この事業自体の存続、その議論がされたのか。そして、本来であれば、一般企業であれば、事業がこんな結果を出している以上、事業所をかえるのが普通だと思いますが、今後この事業自体をどうしていくのか、お答えいただきたいと思います。

塩崎国務大臣 二十七年度のキャリア段位制度の実施機関につきましては、今お話がございましたけれども、公募の上で、応募のあった団体について選定委員会による評価を経て、昨日、一般社団法人シルバーサービス振興会に決まったところでございます。

 また、レベル認定者数については、御指摘のようにまだ少ないわけでありますけれども、認定の前提となる評価を行うアセッサーについては約七千八百人と、かなり養成が図られてきておりまして、毎月のキャリア段位制度の認定者数もふえてきているところでございます。

 また、取り組んだアセッサーからは、OJTツールとして活用ができるのではないかとか、あるいは介護職員の能力を客観的に評価できる、あるいは人事評価や処遇決定に活用できるなどと積極的な評価も得ているわけでありまして、さらに、東京都において、介護職員の育成、定着を図るために、本制度を活用することで介護職員の処遇改善を図ることとしております。

 これらのことからも、本制度については、キャリアアップの仕組みとして国家的にこれを運用し、そしてまた事業所における処遇改善にもつながるのではないかということで、私どもとしては、これを、先ほどいろいろ内閣府からもありましたけれども、改善をしながら推進を図ってまいりたいというふうに思っております。

中島委員 時間ですからあれですが、非常に雑駁で、いいかげんだと言わざるを得ないと思います。

 このシルバーサービス振興会、理事長は厚生労働省の元事務次官の水田氏、そして常務理事は中井氏ということで、これは、先ほどありましたが、できレースじゃないですか。そして、一億四千万近くの補助金が三年間出て、今回、厚生労働省に移管されて二千九百万に下がった。

 一方で、今度、認定、さらにはアセッサーをつくるため講習料、認定されるだけで七千円かかるんですよ。目標の二万人を本格的に力を入れるといったら、七千円を一人一人取ったら一億四千万円じゃないですか。

 これは、よく言われますが、今回の介護報酬も、内部留保の問題で社福はもうけ過ぎだとか、お泊まりデイサービス、囲い込みはけしからぬと。最もけしからぬのは厚生労働省じゃないですか。

 時間ですからやめますが、この問題については引き続き私も調べて議論をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 ありがとうございました。

渡辺委員長 次に、岡本充功君。

岡本(充)委員 民主党の岡本です。

 きょう、三日連続で質問させていただいて、きのうは参考人質疑ですが、質問の機会をいただいておりますことを本当に感謝申し上げたいと思います。

 まず冒頭、大臣の方から御発言があると聞いておりますので、お伺いをできるのかなと思っております。

渡辺委員長 具体的にひとつ質問をお願いしたいと思います。

岡本(充)委員 前回までの質疑に関して御発言があると役所の方から聞いておりますので、御発言を求めたいと思います。

渡辺委員長 岡本充功君、具体的にひとつ質問をお願いしたいと思います。

岡本(充)委員 いやいや、それはちょっと。最初答えると言っているんですよ。通告している。これまでの質問の宿題に答えると。

渡辺委員長 時間をとめます。時間をとめてください。

    〔速記中止〕

渡辺委員長 それでは、速記を起こしてください。

 岡本充功君。

岡本(充)委員 前回までの質疑に関して、厚生労働省の方で、答弁の内容について、一部訂正ないしは修正があるというふうに私は聞いています。

 その中で、大臣の方から、修正、訂正がある箇所について御説明をいただけると聞いておりましたので、私はむしろ、どこが修正、訂正をされるのかお聞きをしたいと思って、こうお伺いをしております。全く修正、訂正をするところがないと言われるのであれば、ないとお答えいただければ結構ですし、あるというのであれば、あるということでお答えをいただきたい、そういうことです。

塩崎国務大臣 前回、幾つか御質問があって、それについては私はお答えをしたと自分では認識をしております。

 再質問ということでさらに詳しくというようなことであれば、お答えをいたしますので、御質問していただければ、それについて少し拡張してでもお答えすることがあるならばお答えをしますけれども、そもそも、何をテーマにされているのかが質問されないとよくわからないものですから、ぜひ御質問をいただければありがたいというふうに思います。

岡本(充)委員 では、冒頭、最初に聞くのは、健康保険の付加給付の差異についてであります。

 付加給付に差があるということについて、大臣から御答弁をいただきたい。

塩崎国務大臣 そのことは、前回の御質問にあったという記憶はございません。

岡本(充)委員 本会議で質問しています。

塩崎国務大臣 先ほど、前回の委員会での質問で積み残しというか追加があるというふうに聞いていたとおっしゃったものですから、それは私は、前回の委員会での質問の中で足りないと先生が思っていらっしゃることについてさらなる御質問があるのかなというふうに思っておりました。

岡本(充)委員 前回までの質疑ということで私は話をしていまして、これはもう事務方と話を詰めているんですよ。きちっと話が大臣に上がっていないとしたら、これは大問題ですよ。

渡辺委員長 岡本充功君、具体的にひとつ質問をできませんか。

岡本(充)委員 だから、今、付加給付についてと聞いているじゃないですか。

塩崎国務大臣 今、健康保険組合とおっしゃいましたけれども、国保組合についての答弁はした記憶がございます。

岡本(充)委員 健康保険組合と言ったのであれば、私は訂正します。国保組合です、おっしゃるとおり。

 国保組合の中における付加給付の差、もしくは国保との付加給付の差について聞いています。詳細を御答弁いただきたいと思います。

塩崎国務大臣 さっき申し上げたように、前回いろいろ御議論がここであったときの積み残し的な追加質問があると聞いておりましたが、そうではないということが出てまいりましたので、改めて、国保組合の問題として今お話をいただきました。

 確かに、十四日の本会議で、八割給付をかつて行っていたという付加給付の話がございましたけれども、窓口での負担割合が既に七割給付に統一されていることについてお答えをしたということでございます。

 例えば、葬祭費等の任意給付については、各市町村及び各国保組合において、それぞれの支給額等を決定しておりまして、その額等に差があることは事実でございます。

 御指摘の、本会議の議事録の修正をすべきだという御質問を前回いただいておりましたけれども、それについては、これは議運の場で話し合われるべきものだと思って、いずれにせよ、院の御判断に、その修正ということであるならば、申し上げたいというふうに思うところでございます。

岡本(充)委員 国保組合と国保、付加給付の差をここで並べていただける、詳細をお話しいただける、こう聞いておるんですけれども、詳細をお答えいただきたいと思います。

塩崎国務大臣 まず、国保組合と市町村国保の給付の違いということで、療養の給付で、これは義務的なものでありますけれども、被保険者の疾病及び負傷に関しては療養の給付を行って、市町村、国保組合ともに窓口では給付は七割で統一をされています。ただし、医師国保組合、歯科医師国保組合は、それぞれの規約において、組合員が開設する診療所等で従業員や家族の診療を行った場合等において保険請求は行わない取り扱いというふうになってございます。つまり、自家診療の給付制限ということであります。

 それから、出産育児一時金でございます。これは、被保険者が出産したときに当該被保険者の属する世帯の組合員に対して支給をするものでございまして、四十二万円とする組合が一般的ではありますけれども、国保組合それから市町村ともに、上乗せをしている保険者が中にはございまして、国保組合では一件当たりの支給額は四十二万円、市町村国保の一件当たりの支給額は四十一・六万円というふうになっております。

 葬祭費は、被保険者が亡くなったときでございますけれども、その者の葬祭を行う者に対して支給するものでありまして、国保組合、市町村ともに、それぞれの保険者で葬祭費を定めているわけでありますが、国保組合の方が高く設定している組合が多いというふうに理解をしております。国庫補助は特になくて、国保組合によっては、加入期間や加入者の地位によって差を設けておりまして、五十万円としている組合、そういうものもあるということでありますけれども、平均でいきますと、一件当たりは、国保組合が八・七万円、それに対して市町村国保は四・五万円と、大分差がございます。

 傷病手当金について見てみますと、国保組合において、組合員が療養のため事業または業務に従事することができないときに一定期間支給するもので、これは、国保組合において、一件当たり六・七万円ということでございます。

 出産手当金につきましては、国保組合において、組合員が出産の前後における一定期間内において事業または業務に従事しなかったときに支給をするもので、一件当たり支給額は二十五・一万円というふうに理解しております。

 移送費というのがあって、これは、被保険者が療養の給付を受けるため病院または診療所に移送されたときに、保険者が必要であると認める場合に限って組合員に対して支給をするものでございまして、国保組合及び市町村国保において必要額を支給しておりまして、これには両者に差がございまして、一件当たり、国保組合が四・九万円、それから市町村国保は七・三万円ということでございます。

 大体そういうことでございます。

岡本(充)委員 大体じゃなくて、全部差を答えてほしいですし、移送費は、これはたまたまかかった金額の差だけですよ。実際、システムに差があるんですか、移送費。差がないでしょう。したがって、そこは差じゃないんだと私は思いますよ。たまたまかかった費用が違うだけです。

 大臣、きちっと整理して。時間をかけて答弁していただくのも結構ですけれども、これは事前に言っている話ですからね。それ以外もうないんですね。また、ぞろぞろ出てきませんね、差が。はっきり言えますね。

塩崎国務大臣 これ以上ございません。

岡本(充)委員 移送費は、一件当たりかかったお金であって、差ではないということでいいですね。

塩崎国務大臣 そのとおりでございます。

岡本(充)委員 きちっと整理をして。私は伝えているはずですから。大臣、そこは、申しわけありませんけれども、恐らく伝わっているはずですので、あらかじめお答えをいただきたかったと思っています。

 それ以外にも幾つか、私、質問をさせていただいている点があります。

 前回議論になりました保険者機能。保険者機能とは一体何なのか、大臣、改めてお答えいただけますか。

塩崎国務大臣 突然の御質問で、十分な答えでなかったかもわかりません。

 前回の、保険者機能ということでありますが、保険者機能という言葉は、まず第一に、法令上の用例とか、あるいは定義というものはないと理解をしております。一般に保険者が果たすべき役割、機能を指して用いられるわけでありまして、このところ、やはり保険者機能をもう少し強化しないといけないという考え方がふえていると理解をしております。

 一義的な役割、機能としては、これはこの間も申し上げましたけれども、被保険者の資格の管理、それから保険料を設定して、賦課をして徴収をする、そして保険の給付を行う、そして審査をして支払いも行うというふうな四つがあると思っています。

 さらに、医療保険者の場合には、この四つにとどまらずに、保健事業等を通じた被保険者の健康管理、それから、医療費削減なんかも含めて、医療の質や効率性の向上のための医療提供側への働きかけの役割、機能を適切に発揮することが求められるというふうに思っておりまして、これについては私はこの間申し上げたと思います。

 今日、レセプトや特定健診等の電子データ化が急速に進んでいることなどを踏まえて、これらを活用した被保険者の予防、健康づくりや、医療計画の策定への参画等の医療提供側への働きかけといった役割、機能を強めていく必要があると考えております。

岡本(充)委員 前回は大臣は答えていませんよ、それは。言っていないですよ。議事録を確認してください。

 私は、これは本当に基本的な話だと思ったからお伺いをした話であって、確かに通告していなかったですけれども、この法案の核になる部分だと私は思っていますよ。それが、突然だったから答えられないというのではどうかと思っています。

 その上で、保険者機能の議論の中でも、今出ました医療費適正化の問題ですね。医療費適正化の問題で、血糖値がとか、血圧がとか、結果として医療費につながるから申し上げているのはもう言うまでもないわけでありますけれども、医療費について今確認したところ、有意な結果が、低下しているというふうに聞いておりますと言われましたが、これも訂正がありますね。

塩崎国務大臣 訂正ではなくて、補充をしたいと思います。

 その前に、保険者機能について答えていないとおっしゃっていますけれども、私は、例えばこんなふうに言っています。基本的には保険システムというのはファイナンスの仕組みでもあるわけですから、それを通じてどういう医療を実現していくかということであろうかというふうに思いますということを申し上げて、英語ではよく保険者のことをペイヤーと言います。したがって、これはファイナンスの仕組みだということだと思います。

 今の血圧または血糖値と医療費の問題についてでありますけれども、この間も申し上げたわけでありますが、特定保健指導の効果ということでお話を申し上げて、二つあって、一つは血圧や血糖値などの検査値の改善効果であり、それから医療費の適正化に対する効果という二つの観点から、ナショナルデータベースのレセプト情報や健診情報を活用して、専門家の協力も得ながら検証作業を進めているわけであります。

 まず、血圧、血糖値、これの検査値については、約二百万人を対象として、平成二十年度から二十三年度までのデータを検証した結果、特定保健指導を受けた方々については、受けなかった方と比較して、血圧や血糖値等が有意に改善をしていたということでございます。

 それから、医療費については、特定保健指導を受けた方が受けなかった方よりおおむね低くなっており、例えば平成二十年度から二十一年度のデータで見ますと、特定保健指導を受けた四十から六十四歳の方々のメタボリックシンドローム関連疾病の入院外医療費は、受けなかった方々と比較すると三割程度低くなっているなどの、医療費適正化への一定の効果が示されたというふうに思っております。

 ただし、医療費への効果検証については、メタボ関連の高血圧症、糖尿病、脂質異常症の三疾患の入院外医療費に限定をしたものでございます。

 それから、特定保健指導を受けた方と受けなかった方のもともとの健康意識の違いが影響を及ぼしている可能性もあるということなどに留意が必要だと思っておりますので、引き続き、ナショナルデータベースを活用しながら、特定健診、保健指導の経年での効果の分析など、さらなる効果検証作業を進めていきたいというふうに思います。

岡本(充)委員 その三疾患の入院外医療費以外が大きいんですよ、医療費の割合として。そこを含めて見なければ適正化とは言えないんじゃないかという指摘をしているわけですから、医療費適正化という観点で見れば、このデータがダイレクトに使えるものではない、それは大臣、認めますね。

塩崎国務大臣 確かに、ダイレクトにこれだけで全てを語れるということはないと思います。

岡本(充)委員 したがって、医療費適正化の根拠として大臣が提示をされたということは、私は不適切であったと思っています。

 それと、先ほどの、ファイナンスの話と言われましたけれども、お金がかかれば、お金のかかわることは大概ファイナンスの話なんですよ。だから、保険者としての役割、機能ということでではなくて、お金のやりとりの中でファイナンスの話はあると私は思っていますよ。

 そういう意味で、保険者機能という言葉に対して、大臣が前回十分答えていなかったということは事実だと私は思っています。

 さて、もう一つ、重要な観点で少し議論を進めていきたいと思っていますけれども、大臣、この議論の中で、同様に、ちょっと私、気になることがあると言って、最後に時間切れになりましたけれども、いわゆる協会けんぽの法定準備金を上回るお金が積み上がったときの国庫補助の減額の仕組みのケースでありますが、大臣がそのときに例示をされたのは、介護保険料率の話の中で、単年度で収支が均衡し、準備金残高ができるだけ生じない水準で料率を単年度でしてきておりまして、こう答えておりますが、これについてはいかがなんですか。

塩崎国務大臣 前回の委員会のときには、協会けんぽが集めるのは、いわゆる二号被保険者の保険料、この問題というふうに解釈をして申し上げたわけでありまして、市町村における介護保険の積み上がる問題については、また別の問題だと思います。

岡本(充)委員 私は、市町村で積み上がるお話をしているんです。それについてはいかがなんですか。

塩崎国務大臣 介護保険というのは、三年に一回、報酬改定も保険料改定もあるのはもう御案内のとおりでありますけれども、三年の保険料を同一に保つことを主たる目的として市町村ごとに積み立てる介護給付費準備基金というものがあるわけで、これを先生が指しておられるんだろうと思います。

 これは、三年を一期とする財政運営の中で、一年目の剰余金を積み立てておいて、二年目、三年目にそれを取り崩して使う、充てるということを念頭に置いたものでございまして、予期せぬ医療費増に備えることを主たる目的とした協会けんぽの準備金、これとは趣旨が異なるということであることが第一点目。

 二点目は、平成二十七年度から、国庫補助率の安定化を図る中で、財政調整の措置をあわせて実施する協会けんぽとは異なって、介護保険の国庫負担割合というのは、二五%ですが、市町村を保険者とする前提としておりまして、制度創設当初から固定をされておりまして、これを見直す特段の事情もないということでございます。

 先生御指摘になったのは、税金によって積み上がった部分について、法定のレベルを超えているものについて返却を願うということが今回の仕組みでありますけれども、それに対して、同じことが起きるのじゃないかという御懸念をお示しになったというふうに理解をしました。

 そういうことであれば、介護給付費の準備基金について、一定水準を超えたために国庫補助が減額されるおそれがあるというような御懸念は当たらないのではないかというふうに私は考えておりますし、実際、これを変えるとなれば、法律改正をしない限りは無理でございますので、そのように理解をしております。

岡本(充)委員 今回も、国庫補助率を減額する法律改正になっているじゃないですか。だから、同様の法律改正が来年出てこないとも限らないという意味で、私は強く懸念をしているわけです。

 だから、ここでしっかり、大臣、決意を込めて、この法律改正はあり得ないとお答えいただけますか。

塩崎国務大臣 そのようなことは、先ほどの労働関係の法律と同じように、全く考えておりません。

岡本(充)委員 同様に、ほかの制度で税金による準備金が積み上がる仕組みというのがあるのかどうか、それについて、他の制度についても述べていただきたいと思います。

塩崎国務大臣 先ほど御説明したとおりであって、協会けんぽについては、税金で積み上がった部分については、法定のレベルを超えた場合にはお戻しをいただくということでありますので、今回のこの特例措置が他に応用されるということはないというふうに思います。

岡本(充)委員 ぜひ、そこはしっかり、予算編成の中でそういう話が出てこないように。

 くぎを打つ話をもう一個だけしておきたいと思います。これは、よもや検討はされていないと思いますけれども。

 今回、全面総報酬割の話、支援金の話がありました。また、標準報酬月額を引き上げるという話が入っています。これは、今は比例ですけれども、累進にするなんということは、よもやあり得ませんね。

塩崎国務大臣 ございません。

岡本(充)委員 次はそういう話が出てくるんじゃないかということを、私は先んじて、大臣に、決意を今いただいて、ありませんと言っていただきましたから、塩崎大臣がこれからもずっと大臣をしていただけると思いますから、これはしっかり議事録に残っているので、その対応をお願いしたいと思います。

 続いて、国保財政のことについて少し聞きたいと思います。

 市町村のインセンティブというのは一体どこにあるのか。今回の新しい制度になると、市町村は一体どういうインセンティブがあるのか。つまり、収納率を上げたり、さまざまな保健事業をやったり、こういうことによって、では、市町村は一体どういうメリットがあると考えているのか、お答えをいただきたいと思います。都道府県は、財政責任を持つから、財政責任の中でさまざまな医療費適正化が進めばいいでしょう。では、市町村は一体どういうメリットがあるんですか。

塩崎国務大臣 保険者は誰かという議論がこの間も大分ありました。そこで何度も申し上げてきているのは、先ほど先生から御指摘がありましたけれども、保険者は、都道府県は当該都道府県内の市町村とともに国民健康保険を行うということで、一義的には都道府県でありますが、やはり、市町村もかなりこの役割を担っているというふうに思うわけでありますけれども、今回の改革後においては、都道府県と市町村が連携してそれぞれが果たすべき役割を担うということが想定をされているわけで、それがまた重要であって、制度としても、この連携を後押しするということが必要だと考えています。

 保健事業の実施などによって医療費適正化等に取り組む自治体を支援する保険者努力支援制度を初めて創設するわけでありますが、それに加えて、保険料収納インセンティブを確保する観点から、市町村が保険料を徴収して、都道府県に納付金を納めるということにしています。

 それから、市町村が都道府県に納める納付金というのは当該市町村の医療費水準も勘案して決定をされるので、市町村が医療費適正化に取り組むことによって、後年度において都道府県に納めるべき納付金の額も抑制をされるということで、市町村が頑張るというインセンティブになっているのではないかというふうに考えているわけであります。

 いずれにしても、国保の事業運営については、不断の取り組みが重要であって、医療費の適正化ということ、それから、保険料の収納対策もしっかりと行われて、保険がうまく回っていくということが大事でありますけれども、そのうまく回っていくときに、やはり、健康増進のための保険者の努力ということも行われるようにしていくということで、今申し上げたようなインセンティブが働くということを想定して、私たちは今回、この制度を仕組んでいるということでございます。

岡本(充)委員 大臣、それは、きのう随分事務方とやったんです。それも聞いてみえないのかもしれないですけれども、その話をしたら、お金は市町村の目の前を通り過ぎるだけなんですよ。結局、入るお金も少なくなるかわりに、出ていくお金も少なくなる、納付金も少なくなる、通り過ぎるだけ。また後ろでごそごそ秘書官と話し合っているけれども。

 きちっとそれは話をしたんですよ。その話は、そうじゃないでしょう、さらにインセンティブは何があるのかということを話してくださいという話をしているんだけれども。その話はきのうさんざんしたの。その話ではなくて、それは、目の前を通り過ぎるお金がふえようが減ろうが、市町村にとって何のインセンティブにもならないんですよ。

 何がインセンティブなのか、もう一度お答えください。

塩崎国務大臣 保険料自体は市町村が決めるわけでありますから、そこにどういう作用が働くのかということが大事で、やはり市町村にとって、保険料を下げることができるようになるためにどういうことをやっていくかということで、保険者努力支援制度もそうでありますけれども、保険料を引き下げることにつながるのが医療費適正化でありますので、そういうことに役立つこの保険者努力支援制度は、やはり一つのインセンティブになるというのが例えであるわけでございます。

岡本(充)委員 保険料を引き下げることがインセンティブと言ったら、その後の議論は違う方向に向かうよときのう事務方の人にも言ったんですよ。保険料を引き下げることが市町村のインセンティブだと言うんだったらこの話になっちゃうけれども、では、法定外繰り入れをまたやり始めたらどうするんですか。引き下げることがインセンティブだったら、市町村は法定外繰り入れをし始めるかもしれませんよ。

 安くすることがインセンティブじゃないでしょう。そうしたら、県も法定外繰り入れする、市町村も法定外繰り入れする、保険料引き下げ合戦が始まる。浮いた金をさらに保険料引き下げに向けていく、こんな話になったら、そもそも適正化にならないじゃないですか。この話を僕はしたんですよ。そんな話を、国会で議論する話じゃないから、私は、そうじゃないインセンティブがあるでしょうという話をしたはずですよ。

 そういう意味で、大臣、この話が伝わっていないのは大変残念でならないけれども、そういう話。

 では、市町村の法定外繰り入れをとめる仕組みはこの中にありますか。

塩崎国務大臣 結果として保険料を引き下げることが可能になるためにどういうインセンティブがあるかということが大事だと私は思っています。

 今の法定外繰り入れでありますが、国民健康保険は、これまでもそうですけれども、いろいろな構造的な課題を抱えてしまっていて、厳しい財政状況にあるがために、今までずっと市町村が、県単位にしてくれというような話を毎年のようにやってきたわけであります。多くの市町村が赤字を多額に出して、その赤字補填のための一般会計からの繰り入れが行われているわけでありますけれども、やはり、国保の健全な財政運営のためには、これまでも計画的、段階的に赤字を解消できるようにお願いはしてきましたけれども、なかなかうまくいかないということで、今回、こういうような大がかりな改革をするということになったわけであります。

 今回の改革では、一つは、何度も申し上げますけれども、三千四百億円の追加的な財政支援があり、それから、予期せぬ給付増とか保険料納付不足により財源不足になった場合に備えて、これは法律にあると思いますが、都道府県に財政安定化基金を設置するなどによって、一般会計繰り入れの必要性は相当程度解消するものと考えておるわけで、自治体におかれても、今後とも、収納率の向上とか、あるいは先ほど来申し上げている医療費の適正化の取り組みに合わせて、保険料の適正な設定というのが大事であって、赤字の解消に取り組むように努めていかなければならないと思っております。

岡本(充)委員 市町村が新たに法定外繰り入れをすることを禁止する条文があるかないか、どちらですか。

塩崎国務大臣 禁止をする条文はございません。

岡本(充)委員 これは肝なんですよ。三千四百億円入れる。都道府県が財政責任を負う。でも、市町村は、さらに、浮いた三千四百億円、五百億円、今回、法定外繰り入れをしなくてよくなった分のお金をまたつぎ込んで、サービス合戦をし始めるかもしれない。これをとめるすべがないじゃないですか。そうすると、新たな法定外繰り入れが都道府県でも市町村でも起こるということになりかねない。私は、この法案の大きな欠陥の一つだと思いますよ。

 したがって、この欠陥をどう補正するのか。浮いたお金がどこに使われるかは別として、浮いたお金を、またさらなる法定外繰り入れを繰り返すことを厚生労働省は防ぐことができない、これは指摘せざるを得ないと思います。大臣が言ったとおりなんです。これは一つの大きなポイントですよ。

 この議事録を見た市町村が、私は、法定外繰り入れ、ああ、できるんだと思うと思いますよ。そういうことになっちゃいけないから、こういう議論をしたくなかった。でも、これを、大臣、しっかり事務方が話していないからこんな話になっちゃった。私は残念でならないけれども、こういうようなこの法案の欠陥があると私は思っています。

 患者申し出制度をお話ししたいと思います。

 患者申し出制度、短期間で審査ができる理由は一体何なのか、お答えをいただきたいと思います。

塩崎国務大臣 六週間でなぜできるのかという御質問かと思いますが、それは、今の医療法に基づいて指定をされております臨床研究中核病院、患者申し出療養の申請はここを経由して行うわけでありまして、ここでしっかりと見ていくということで個別に承認をするわけでございます。さらに、患者申し出療養に関する会議によって審議が行われる。

 ただし、先ほども申し上げたとおり、これで六週間で全部できるのかということは、必ずしもそれは決まっているわけではなくて、原則六週間でやるということではありますけれども、しかし、この会議で医学的な判断で意見が分かれる、そういうようなときに、それでも六週間ということはあり得ないので、そういうときは、必ずしも期間にとらわれないで議論をするということをやっていくことで安全性を確保するということを仕組んでいるわけでございます。

岡本(充)委員 六週間でできる工夫は何なのかと聞いているわけで、六週間でできないこともあるのは当然だと思います。どういう工夫をする結果、なぜ六週間に短縮できるのか、そのスキームを教えていただきたいということです。

塩崎国務大臣 大事なことは、先ほど来申し上げているように、安全性、有効性をきちっと担保した上で今回の患者申し出制度を実行に移していくということでありまして、やはり質の高い臨床研究を行う能力のある臨床研究中核病院で質の高い申請書類等が作成されることで実現をするということでありまして、これが前例のない場合は六週間以内に何とかやっていただくということで、これならば臨床研究中核病院であればできるのではないかということで、しかし、さっき申し上げたように、医学的に証明をされないというようなことであれば、そうはいかないということであります。

岡本(充)委員 その言い方だと、これまで質が低かったようですね。質が高いから六週間でできるという答弁では、これまで申請されていた方にやはり失礼ですよ。

 私は、そういうスキームじゃない、何か工夫があるんじゃないか、そうでなければこれだけ大幅に短縮できるはずがないんです、それを、肝を答えてくださいという話をしているんです。

塩崎国務大臣 今までは一般病院も含んでいた形であったわけでありますけれども、今回は医学的に極めてレベルの高い臨床研究中核病院で行うということで、集中的にやっていただくということになっているわけでございますので、安全性、有効性、計画を出してもらった上で、それを審査するときの能力ということであれば、やはり一般的に、もちろん今までよりは、臨床研究中核病院でございますので、それなりのレベルを維持しているというふうに解釈をいたしております。

岡本(充)委員 審査するのは臨床研究中核病院ですか。

塩崎国務大臣 審査をするのは会議であって、その手前で、臨床研究中核病院を経由して行うということであります。

岡本(充)委員 大臣、正確に答えてもらわないと困ります。

 臨床研究中核病院だから審査が早く進むという話ではないんですよ、審査をするわけじゃないんですから。

 したがって、これは何らかの、私はやはり、申しわけないけれども、どこか抜けるところが出てくるんじゃないかということを大変懸念している。しかし、大臣はそこを答えられない。結局、それはできていない、わからないんじゃないんですか。答えようがないんじゃないんですか。

 どこか抜かなきゃ、それは早くならないですよ、幾ら臨床研究中核病院だからって。ほかの病院でも、一般病院でもこれは展開できるんですよ、患者申し出療養制度。にもかかわらず、それは臨床研究中核病院だからというのは理屈にならないじゃないですか。

 もう一度答弁を求めます。

塩崎国務大臣 六週間で審査を行うために専門家による会議を開くわけでございまして、透明性を確保しながら効率的な審議を可能とするなどの工夫が必要だというふうに考えていますけれども、現行の先進医療における会議の体制や運営方法ももちろん参考にしながら、今後さらに詰めていきたいというふうに考えているわけでございます。

 先進医療会議は、これは毎月開催で、倫理面を含めて総合的な審査をする会議でありますが、常時出席する会議の構成員十一名と、案件ごとに参加する技術員が任命されておったりするわけでありますけれども、いずれにしても、臨床研究中核病院を経由することによって審査の迅速化も可能とするというふうに考えております。

岡本(充)委員 これまでも、先進医療だけれども、それでやってきて、残念ながら先進医療Bは保険収載されていないし、安全性の確認が十分まだとれていない、時間がかかっているものがいっぱいあるじゃないですか。だから、今の話で、何が理由で短くなるのか、それは答弁になっていないですよ。

 何が理由で短くなるのか。中核病院を通したら短くなるという話じゃないですよ、一般病院が入っているんですから。

 もう一回、そこだけ。何で早いのか。

塩崎国務大臣 国は、申請から原則六週間で医療の実施の可否を判断するわけでありますけれども、持ち回りによる審議を行う場合には、審議に参加した者の意見を明確に記録するなど、会議の開催と同等の透明性を確保することとしていまして、医学的判断が分かれる場合など六週間で判断できない場合は、全体会議を開催して審議するなど、開催の仕方というところでも工夫をして、質の高い申請書を、会議を随時開催するなどして、迅速化を図っていくというふうに考えております。

岡本(充)委員 持ち回りにするだけですか。それだけでは六週間にならないですよ。何があるんですか。

塩崎国務大臣 今申し上げたように、先生さっき御指摘のとおり、実際に審査をするのは会議でありますから、この会議を随時開くということが大事でありますので、それを開くことで六週間を可能にするということであると思います。

岡本(充)委員 会議の間隔を短くするだけで早くなるんですか。違うでしょう。もっと工夫があるはずですよ。

塩崎国務大臣 先ほど申し上げたように、臨床研究中核病院を経由して、そして質をそこで上げて申請書をつくるわけでありまして、そこを経由したものが申請書として極めて質の高いものになるということを前提に、会議も随時開催することによって、六週間でこれを何とかできるようにしようということでありまして、もちろん、先ほど来繰り返し申し上げておりますけれども、医学的に問題があるときは、六週間にこだわらずに、安全なものをしっかりとつくり出していくということでございます。

岡本(充)委員 申しわけないけれども、やはり全然詰まっていないですよ。私、随分その話もしたんですよ。残念な話です。厚生労働省の中で、大臣に答弁を上げるまでの間にやはりきちっと詰めてもらわなきゃいけないですよ、申しわけないけれども。

 時間もありませんから、大臣、落ちついたときに、一度、レクに来られた皆さんに話を聞いてもらえばいいと思います。こうした肝の部分、やはりきちっと詰めるべきだと私は思いますよ。

 もう一つ、申しわけない、時間がないから出口論に行きましょうか。

 患者申し出制度、先ほど、実施計画を年に一度出すとか、もういいです。同じ、繰り返しの答弁はいいです。年に一回実施計画もわかりました。追加的に出すこともわかりました。場合によっては外れてもらうというものが出てくることも答弁されました。そこまでは聞きました。

 その上で、一体どのくらいのスパンで考えられるのか。退場していただくまでは、患者申し出制度に一回入ったけれども、いつまでたっても保険収載が進まない場合、どのくらいを限度とするのか。それはケース・バイ・ケースだとは言われるでしょうけれども、しかし、さすがにこれぐらいは長過ぎる、それはやはり言っていただきたい。いかがですか。

塩崎国務大臣 いつになったら制度から外すのか、こういうお尋ねでございました。

 患者申し出療養については、当然、前提は、保険収載に向けて、医療機関に実施計画をつくってもらって、それでロードマップもつくり、記載を、そこに書いてもらって、国において確認をするということになっているわけですけれども、少なくとも一年に一回は実施状況について国に報告するように求め、さらに、計画どおり進んでいない場合には追加的な報告を求める。そして、それをやってもなお、保険収載に向けて必要なデータやエビデンスの集積が進まない、そして、患者申し出療養に関する会議において継続実施が不適当だというふうに判断された場合には、患者申し出療養から外すということであって、それは、今先生おっしゃったように、いつまでという期限を設けているわけではありませんけれども、常識的に考えて、この議論がどこまで熟して、うまくいっていないのかいっているのか、そこのところはよく、総合的に判断して、外すタイミングというものを考えるんだろうというふうに思います。

岡本(充)委員 それではずるずるずるずるいっちゃいますよ。

 では、保険収載する推進力は一体何なんですか。これもしっかり議論をしていますから。推進力は何か、まさに保険収載をするインセンティブは誰に働くのか、お答えいただけますか。

塩崎国務大臣 この申し出療養で、ロードマップをつくって、先ほど申し上げたように、国が確認しながらやるわけでありますけれども、これらの対応を行っても、さっき申し上げたように、保険収載に向けて必要なデータ、エビデンスの集積が進まない、そういう場合にも外すわけであります。

 このような仕組みによって、患者申し出療養として実施される先進的な医療が保険外にとどまり続けることがないようにしなければならないということでありますけれども、しかし、今申し上げたように、いろいろなケースがやはりあり得るわけでありますから、それをどういうふうに、議論を詰めてこれで答えが出ないということになったら、やはり外すということになるしかないんだろうというふうに思います。

岡本(充)委員 私は、推進力をきかすのは誰かと聞いているんです。

 秘書官の話を聞いているからだめなんです。

渡辺委員長 時計をとめてください。

    〔速記中止〕

渡辺委員長 速記を起こしてください。

 塩崎厚生労働大臣。

塩崎国務大臣 もともと、外そうと思ってやっているわけじゃないわけですから。何とか、ロードマップをつくって、そして、患者申し出療養を実現しようということで、例外的に行われる療養の方法としてこれを考えているわけで、それをどうやってやるかといったら、それは、外されるかもわからないと思っているのが一番のインセンティブになるんだろうと私は思います。

岡本(充)委員 それは誰ですか。外されるだろうと思って推進力になるのは誰ですか。

塩崎国務大臣 それは、やはり安全性を証明しなきゃいけない立場の人たちであって、一番はやはりメーカーであり、それから医療関係者だろうというふうに思います。

岡本(充)委員 そして、外された結果、迷惑を受けるのは誰ですか。

塩崎国務大臣 それを迷惑と呼ぶかどうかは別にして、これは患者申し出が起点でありますから、一番残念に思うのは患者だというふうに思います。

岡本(充)委員 それがやはり、目安をある程度示しておかないと、患者さんが最終的にデメリットだけ受けて、そして、残念がると言われた、それが一体どのくらいの期間で来るのか。だから、急いでやらなきゃいけない、頑張らなきゃいけないというインセンティブをつくらなきゃいけない。そのためには、目安を少なくとも出さなきゃいけないと思いますよ。

 やはり、このぐらいの期間までにはゴールですよ、もちろん、いろいろな事情があるからそれは延ばすことも可能かもしれないけれども、このスパンだよということをあらかじめ示しておかないと、これはいつまでたっても出口が来ないということになりかねない、そう私は考えているからこの指摘をしているわけです。

 もう一点。この患者申し出制度で薬害が生じた場合の責任は、よもや患者さんにあるということだけはないということを確認したいと思いますが、その答弁をいただきたいと思います。

塩崎国務大臣 これは、先ほど、たしか阿部先生のときにも申し上げたとおりでございまして、患者申し出療養においての事故とか副作用が起きた場合の責任の所在、補償のあり方については、現行の先進医療、治験における対応や、それから関係者の御意見を踏まえて、しっかりとしたものに、適切なものになるように検討を詰めていくということが必要であるというふうに思っておりまして、制度の施行までに、これは、患者の方々を含む関係者の御意見をしっかり伺いながら、具体的に詰めるわけであります。

 現行の先進医療では、被験者に重大な事態が生じた場合の責任と補償の内容、治療内容等について、あらかじめ患者と家族に説明をする、そして、同意の上で実施届け出書に記載をしていることになっています。

 それから、薬事法では、治験の依頼者と、これはつまり製薬企業、それから実施機関、これは病院でありますけれども、これは厚生労働大臣が定める基準に従って治験を実施しなければならないとされておりまして、この基準で、治験の依頼者と実施機関は、被験者との間で健康被害の補償に関する事項等を定めた契約というのを締結することになっています。治験の依頼者は、被験者に生じた健康被害の補償のために、あらかじめ保険その他の必要な措置を講じなければならないとしているわけであります。

 今申し上げたように、今ある先進医療あるいは治験におけるこういう対応の仕方というものをベースに、関係者の意見を踏まえて、さらに具体的なものについて詰めていきたいというふうに考えております。

岡本(充)委員 とにかく、患者さんが申し出たんだから患者さんの責任だという話にならないような仕組みづくりはお願いをしたい。

 最後に、皆さんにお配りをしている資料、ようやっと名前が全部出ました。理事会の皆さんに感謝申し上げたいと思いますが、その後、厚生労働省から一枚紙が入っていた。製薬協から公開することの了解がとられたからという旨が書いてありますが、これはそもそも公開をされている資料であります。

 何でこの話をしたか、名前が必要かといったら、真ん中辺、国立国際医療センターの院長、院長は実はかわっているんです。Aさん、Bさんとか書いてあるとわからない、黒塗りだと。実は、院長と称する人が全部で六十七回、どうやら講演やらコンサルティング業務委託を受けている。こんなに暇なのかということを言いたくても、黒塗りだと結局、別人のように出てしまう。だからこれは公開をして議論する必要があったということでありまして、この詳細も、ぜひ今後ともまた私は指摘をしていきたいと思っています。

 きょうは時間の関係でここまでにしておきたいと思いますけれども、とにかく、今、国保を含む医療制度、特に高齢者医療制度は、もはや本当に抜本改革をしていかなきゃいけない状況にあり、必要に応じて改革を進めるなんという悠長な状況ではないということを最後に申し述べて、私の質問を終わらせていただきます。

渡辺委員長 この際、休憩いたします。

    午後零時十五分休憩

     ――――◇―――――

    午後二時五十三分開議

渡辺委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。浦野靖人君。

浦野委員 毎回、厚生労働委員会は長丁場です。きょうも本会議が挟まっていたので、ほとんど皆さん休憩する時間もなかったと思いますけれども、あと数時間、まだ数時間ありますので、よろしくお願いをいたします。

 それでは、法案の部分を一つずつ聞いていきたいと思います。

 この法案、我々、党を代表した本会議での質問でも、我が党の牧委員から、医療費の削減、抑制策について、踏み込み不足だという指摘をさせていただいております。

 今回の法案の中に医療費の削減とか抑制策がどのように反映されているかということを、まず具体的に御説明をいただけたらと思います。

唐澤政府参考人 お答え申し上げます。

 医療費の適正化をどういうふうに進めていくか、これは、医療保険制度の持続可能性は大変重要なテーマでございます。

 私どもといたしましては、今回の改正では、国はもう当然ですけれども、都道府県ですとかあるいは保険者ですとか、そういう方々、あるいは被保険者の国民の皆様にも取り組みをいただくという観点から、まず第一には、国と都道府県で作成をすることになっております医療費適正化計画を見直しをいたしまして、医療法に基づく地域医療構想、地域医療ビジョンでございますけれども、これと整合的な医療費の目標を定めることとするなどの計画の推進を図ってまいりたい。具体的には、この中には、健診、保健指導の推進でございますとか、あるいは後発医薬品でありますとか、そういうような事柄も盛り込んでいただきたいと考えております。

 それから、二番目には、保険者でございますけれども、国民健康保険において保険者努力支援制度というものを新しく創設いたしまして、これは三十年度でございますけれども、医療費適正化に積極的に取り組む保険者、自治体を支援してまいりたいと考えております。これは、健診、保健指導や、それから後発医薬品などに加えまして、糖尿病の重症化予防などにも取り組んでいただければと思います。

 さらに、加入者の方々でございますけれども、予防、健康づくりに努力をする個人の方を支援するということで、健康保険組合などのヘルスケアポイントの導入でありますとか、それから、ICTを活用して、ビッグデータを生かしながらレセプトや健診の情報を活用するということで、データヘルス計画を各保険者にも取り組んでいただきたい。

 このような、大きく三つに分けた取り組みを推進してまいりたいと考えております。

浦野委員 先日の参考人質疑でも、市長会と知事会を代表されてこられたお二人の参考人にも同じようにお話をお聞きしました。今答弁いただいた範囲のことを、市町村長として、知事としてお答えになった域を出ないかなというふうには思っています。

 これが、いろいろと、健康寿命を延ばして、医者にかかる、そういう世話になる期間を短くしよう、健康で、一時期、ぴんぴんころりという言葉もはやりましたけれども、そういった、健康に過ごしていくということを目指すんだということで、いろいろ草の根の運動みたいな感じでやっていくというのは、それはもちろん必要なことだと思っています。

 ただ、毎年一兆円伸びると言われている増大額に、では、これが果たして一体どれぐらい対抗できるのかというのを、厚生労働省として、もし具体的な、これぐらい抑制できるんじゃないかみたいなものがあるのであれば、一度お聞きしたいんです。

唐澤政府参考人 先生から御指摘いただきましたように、一兆円くらいずつ伸びていくということで、大変大きな負担になっているわけでございますけれども、どのくらい削減額を見込むかというところはなかなか難しい点がございます。

 ただ、これまで厚生労働省でも、例えば、予防の効果がこういうふうなことであったら、このぐらい削減できるかもしれないというようなことを試算したことはございますけれども、なかなかまだ確定したものにはなっていない面もございます。

 それから、現在、私どもが非常に大きな課題として考えておりますのは、全国で病床数が非常に違う、特に療養病床の病床数が非常に違いますので、そういうものを全体として含めて、どういう病床の機能分化や役割分担をしていただくかということを、これは地域医療ビジョンで検討していただいているわけでございますけれども、それが、自動的に医療費が減るわけではありませんけれども、ある理想的な医療の状態というようなもので、どういうような影響があるのかということを試算できるようにしてまいりたいというふうに考えているわけでございます。

 これは、内閣の方の社会保障制度改革推進本部の下に、専門の研究者の皆さんで構成する調査会で議論を今続けていただいておりますので、そういうものを踏まえまして検討してまいりたいと考えております。

浦野委員 都道府県からその計画が出そろう、遅い早いは若干あるということですけれども、平成三十年にはそういった計画が全部出そろう、そこからいろいろということもおっしゃって、事前にいろいろお話を聞く中で聞いておりますけれども、平成三十年といいますと、二〇一八年になりますね。二〇一八年ということは、今、一番危機を言われている二〇二五年まで七年しかない。本当に短い期間なんですね。今からでも十年しかないわけですね。毎年一兆円と言われたら、単純に十兆円上がってしまう。その十兆円を、全く、十兆円分何とか抑制できるなんということはもちろん思っていませんけれども、やはり一定、一定というよりは、かなり抑えなければ、財政が逼迫するのはもう間違いないわけですね。

 私は、平成三十年にそういうのが出そろうというのもわかるんですけれども、やはりもうちょっと具体的に、どれぐらい、目標をつくって、まあ、目標をつくって削減するということに対して、それはよしあしは恐らくあるから議論も出てくるとは思うんです。

 ただ、やはりこのままでいけばかなり大きな負担になる。その負担をでは誰がこれからしていくかといったら、若い世代なんですよね、どうしても。そこら辺はやはり世代間格差で、我々、党として、これまでもずっと世代間格差を是正するというのを掲げてきている政党ですから、ここは、やはり若い世代、これからの世代のことを考えて、もうちょっと責任を持って、いろいろな、具体的な数字も挙げて、どんな効果があるというのもちゃんとやりながら対策をとって、抑制策をつくっていただけたらなと思っているんです。

 言うだけではだめですので、一つ提案といいますか、お話といいますか。

 抗がん剤の感受性試験というものがあります。これはどういうことかというと、抗がん剤の治療を受ける際に、その人のがん細胞にどの抗がん剤が有効かということを事前に調べることができるものです。これは、これまでもずっと、保険適用もされていたと思うので、実際やってきたことです。ただ、これが、実はなかなか、今現在、保険の点数も下がって、だんだんやる人が減ってきているという現状もあるということも言われております。

 これのいいところは、要は、効かないとわかっている抗がん剤治療も今までは患者さんとして受けざるを得なかったというところがあって、これは、自分がこれから抗がん剤治療を受ける中で、納得のいくように患者さんが自分たちの治療について自分たちで判断してもらえる、その材料とするためにも、こういった感受性試験を受けて、この抗がん剤ならある程度効果が見込めますというようなことを事前に患者さんに見せて、そこでどの抗がん剤を使うか判断をしてもらうというのがこの試験のもともとの出発点です。要は、患者さんの負担を自分たちが、患者さん自身が選択して治療をしていくという、患者本位の治療をしていこうというのがもともとの発端です。

 ただ、これは、横浜で二〇〇九年に行われた癌治療学会というところで発表されているものがあるんですけれども、ざっと言えば、胃がんだけで百四十三億円、効果がないとわかっている抗がん剤を使わなくすれば百四十三億円医療費が削減できたという試算が出ています。

 こういった研究について、厚生労働省は把握をされておりますか。

唐澤政府参考人 先生御指摘のございました抗がん剤の感受性試験でございます。こちらは、手術などによって採取されたがんの組織を用いて、抗がん剤によりがん細胞がどの程度死滅するかを見ることで抗がん剤の効果を測定する試験でございます。

 この検査を実施することによりまして、抗がん剤の効果を前もって、実際に投与するよりも前に予想できるという利点がございます。あわせて、不要な抗がん剤の投与を減らすことによりまして副作用を防止できる、こういうメリットがあるわけでございます。あわせて、結果として医療費の適正化にも資するということが期待されております。

 先生から御指摘いただきましたように、保険適用の関係でございますけれども、こちらは平成二十年度の診療報酬改定で、まず胃がんの一部についてだけでございますけれども、保険適用されました。そして、次には、平成二十四年度の診療報酬改定におきまして対象が拡大をされまして、主要ながんが対象になっております。具体的には、消化器がん、頭頸部がん、乳がん、肺がん、がん性胸膜・腹膜炎、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんについて保険適用が拡大をされているところでございます。

 これは一つの、それぞれの方に合わせたオーダーメードの医療ということになるわけでございますけれども、こうした保険適用も拡大されておりますので、医療現場の方で適切に実施をしていただきたいというふうに考えているところでございます。

浦野委員 今御説明いただいたように、順次拡大をしていっているということですけれども、これは、拡大はしていってもらっているけれども、実際は、診療報酬の算定金額が低いということで、実は現場では経済的な負担から検査の実施を見送ったりとか、しなくなっている現状もあるということなんですけれども、その点についてはどう把握されておりますか。

唐澤政府参考人 私は現場のところまで詳しくはちょっと存じ上げないんですが、現在の保険の点数は二千五百点という点数になっておりまして、二万五千円という点数でございます。これにつきましては、もちろんいろいろな御意見があると思いますけれども、次回の診療報酬改定に向けても検討課題の一つになるのではないかと考えているところでございます。

浦野委員 この法案には直接関係ないとまでは言えないんですけれども、こういったものが医療の中にあって、さらには、言うならば、この感受性試験を行っている病理の医師、病理医さんが絶対的に数が足りていないということで、それも感受性試験の受け皿を狭めている部分もあるというふうに私は認識をしております。

 病理医の方にお聞きをすると、がん拠点病院には、法律では、必ず病理医がいないといけないというものがあるそうですけれども、今現在は、経過措置もあって、全がん拠点センターに病理医が配置されていないという現状もあって、それはやはりかなり早い時期に是正をしていただかないといけないなと思うんですけれども、この点については何か答弁はありますか。

唐澤政府参考人 全体的に医師の確保というのが厳しい中で病理の先生を確保していくというのは、なかなか難しい点があろうと思います。

 ただ、先生の御指摘のように、組織を採取して、そして、それを分析して同定していただくというような仕事をしていただくわけでございまして、もちろん精度も問題になりますので、きちんとした方にいていただくということは非常に重要な点ではないかと考えております。

浦野委員 国の政策で、例えば、この件もそうですけれども、介護でもそうです、保育でもそうです。やろうと思ってもマンパワーが追いつかないんですね。

 特に、私は地元で保育園も経営していますので、保育士なんかは本当になり手がなくて困っています。緊急対策で国もいろいろ手を打っておられますけれども、正直、かなり厳しい状況ですね。

 建物はいつでも、予算さえつけていただいたら建てられるんですよ。ただ、その中に入れるソフト面の保育士が全く集まらなくて、都市部では、建物はつくったけれども保育士が確保できないので、九十人定員だったところを六十人に減らして運営をスタートさせているとか、そういったところは幾らでも今出てきているわけですね。

 人、保育士をふやすといっても、そんなにすぐにぽんとふえるわけじゃないので、やはりこれは早くから手を打ってしっかりと人を育てていくことをしていかないと、その一つとして、給与面の改善というのはもちろんあるんだろうとは思いますけれども、それが全てではないというのも私はわかっております。

 保育士を続けない人にアンケートを大阪ではとったことがあるんですけれども、一番は金銭面かなと思ったら、そうではなくて、やめる理由、やらない理由で一番多かったのは、人間関係が原因だというのが一番だったので、それは我々にとってもちょっと予想外のアンケート結果だったんですよね。もちろん収入が低いというのも問題点の一つではあったんですけれども、人間関係に詰まってやめられる方の方が多かったというのが実は現状です。

 こういったいろいろな政策をやっていく中で、ソフトの面になる人材を育てるというのはなかなか一朝一夕にいかないものですので、この病理医のことについてもやはり本腰を入れていただいて、この感受性試験、私、今、胃がんだけで百四十三億円という研究結果が出ているということを言わせていただきました。

 これはほかにも、これは二〇〇九年のことだったんですけれども、それ以降もいろいろ研究をされている方がいろいろとデータを積み上げていただいて、これは本当に、適用できるところには全部適用していただいたら、結果的には、これはもともと患者さんのQOLを高めるための一つとしてやろうということで始まったものですけれども、さらにプラスアルファ、無駄な抗がん剤を使わなくて済むようになるということで、医療費を削減できる。

 この法案審議の中でもよく出てきた残薬の問題でもそうです。やはり、無駄に使われているお金があるのであれば、それは極力削っていこうという努力を国はしていかないといけないと思うんですね。

 こういったことを、厚生労働省もある程度把握をしていただいている中で、これから、この法案も、我々は、抑制策、削減というのを、ばさっと切れというのではなくて、本当に無駄遣いしているところを減らしましょうという話なので、この点について、塩崎大臣、どうでしょう。具体的に、厚生労働省として、本腰入れてこういった対策をとるという御答弁をいただけないですか。

塩崎国務大臣 きょうお話がございました感受性試験のことでございますが、私も正直、詳しくは存じ上げなかったんですが、きょうは先生からいろいろとお話をいただいて、理解が深まった気がいたします。

 また、人材育成の面で、病理の先生というのはもともと少なくて、どの病院も非常に困っているということでもありますから、医師のこれからの養成のあり方、地域偏在もあり、それから診療科別にも、今非常に偏在をしているわけですから、そういう意味ではいろいろな問題提起をしていただいたと思います。

 がん患者の方々にとっては、できる限り負担が少なくて、かつ、効果的な医療を提供する観点から、抗がん剤の感受性試験を初めとした、個々の患者にとって最適化された診断そして治療というものが行われる個別化医療というのを推進することが極めて重要だと我々も思っています。

 このため、平成二十四年六月に閣議決定されましたがん対策推進基本計画におきましては、がんの特性の理解と、それに基づく革新的ながん診断、治療法の創出というのを推進しようということになっています。

 さらに、平成二十六年三月に文科大臣、経産大臣とともに三大臣名で策定をいたしましたがん研究十か年戦略というのがございまして、これに基づいて、個別化医療に資する診断薬等の実用化を目指した臨床研究とか、あるいは、体に負担の少ない低侵襲治療を可能とする技術などを推進しているところでございます。

 厚労省としては、がん患者に対する適切な医療の提供を通じて、先ほど来出ております患者のQOL、これを向上するために、今後とも、感受性試験を含めて、個人に最適化された診療や治療法の開発を推進してまいりたいというふうに思っております。

浦野委員 何度も言いますけれども、医療費を何が何でもばさっと切れと言うんじゃなくて、無駄遣いを極力抑えるということは、ぜひ大臣が先頭に立っていろいろと手を打っていただけたらなと。そうすることによって、いつか、もしかしたら、さらに負担をお願いしなければいけないときがやってくる、そして医療についても縮小しなければいけないときがやってくるかもしれない、そのやってくるかもしれないものを事前にとめることもできるかもしれませんので、ぜひこの部分に関しては、これだけに限らず、残薬の問題とかも国が本腰を入れていただいて、いろいろ対策をしていただけたらと思います。

 もう一つ、病理の先生が少なくて困っている、そして、私は希少がんのことをいろいろやらせていただく中で勉強をするんですけれども、がんの細胞というのは、本当にすごい種類のいろいろながんの細胞がありまして、それを、このがん細胞は何なのかというのを診断できる、それだけの経験を持っている病理の先生というのは本当に国内でも数が限られていて、判断できないものはほとんど国立がんセンターとか、あとは東大の方に送られてきて、それを専門の先生たちが見て判断をされているという現状なんですね。

 私は、これも、この法案の後の話、本当は余り長くこの話をしてはいけないかもしれないんですけれども、これを画像診断でできればもっとそういうのが早くなるんじゃないかなと思っています。

 橋本政務官なんかは、Aiの導入だとか、いろいろ御苦労をされています。ITを使ったそういった遠隔治療、その画像を見てどういうがんの細胞かというのを判断できる、今は、どんどんどんどん技術が革新されて、非常に高性能な画面でいろいろな病理を見られるようになっていっていますから、そういった部分も国はちょっと力を入れていただけたらなと思っております。

 何も事前に言っていませんけれども、橋本政務官、もし一言あるならば。

橋本大臣政務官 Aiというのは亡くなった方の画像診断でございますから、医療費がどうのこうのということとはちょっと違うのかもしれないし、もしかしたら、亡くなった方の死因をきちんと調べることでまた何かしら発見があって、そこから医療費を効率化できることもあるのかもしれませんし、また、画像診断であれば、撮影と読影を別のところでやる。例えば、遠隔地でとか僻地で、とりあえず機械はあるので撮影はするけれども、読む人がいないという場合のときに、それを都心とかの読む人のところに送って読影はそこでしてもらうとか、そういうことで、何重にも検査をするような手間を減らすようなことも考えられると思います。

 おっしゃったように、そうしたものも使ってきちんと医療費を適正化していくということは大事なことだと思っております。

浦野委員 急に振ったにもかかわらず、ありがとうございます。

 それでは、最後、もう一つですけれども、きのう、参考人の質疑の中で、寺内参考人の方にもお聞きをいたしました。寺内参考人のお話では、全国の市町村国保は実は赤字なんかじゃない、黒字なんだ、何個かの都道府県を省けば黒字なんだ、トータルでも黒字だということをおっしゃっていました。それに対して、市長会の方と知事会の方とにもう一度同じ質問をしたら、いや、赤字ですというふうに答弁をなさいました。

 この点について、一体、赤字なのか黒字なのかということなんですけれども、厚生労働省の見解をお願いします。

唐澤政府参考人 国民健康保険の財政状況、平成二十五年度でございますけれども、これは、単年度収支で見ると、約二百億円の黒字になっているわけでございます。その中に国庫支出金の精算がまた二百億くらいございますが、市町村がいつも御主張のように、別に三千五百億円の一般会計からの繰り入れをしているということで、市町村の皆様からは、実質的に三千百億円の赤字であるという御主張をいただいているわけでございます。

 これが会計上の実情だと思いますが、いずれにしても、市町村国保の財政状況が厳しい状況にある、特に、高齢化でございますとか、そして低所得者の方が多いというような実情がございまして、大変厳しい状況にあるということは、皆様、恐らくそんなに御意見の違いがないのではないかと思います。それを、何とかしてこの財政基盤の強化を図りたいというのが、今回の法案をお願いしている趣旨でございます。

浦野委員 過去に知事会から、これは自民党の検討部会の中で、都道府県に移行するならばやはり一兆円ぐらい財源が必要だということを言ったことがあったそうですけれども、現在、この知事会、今回は納得をされて今回の法案に賛成をされていますけれども、この一兆円という内訳、これは一体どういうものだったのかというのをお聞かせ願えますか。

唐澤政府参考人 ちょっと私も詳細に記憶しておりませんけれども、いろいろな要因のものを、一般に言われているのは、今申し上げた三千五百億円の繰り入れというのはあるんですけれども、例えば、この一兆円の積算に入っているかどうかは忘れましたけれども、知事会の御主張は、国保の方は所得水準が低いので、実質的に、収入、経費を控除した後の所得に占める保険料の割合というのは、健康保険組合とかあるいは共済組合とか、そういうところに比べれば高いんだ、それをもっと同じ水準にするような財政支援をすべきだというような御主張もされておられました。

 もちろん、そういうふうに積み重ねていくとすごく大きな金額になってしまいますので、そういうところまで一遍に行くことは難しいですし、それがどのくらいが妥当かという御議論もまた別途ございますけれども、いずれにしても、将来にわたって、引き続き、国保の財政基盤の強化について御意見をそれぞれいただきながら、私どもも制度改正に努めてまいりたいと考えております。

浦野委員 今回、三千五百億が国から出されるということで、ある程度知事会も譲歩して、納得をされたということだと思うんですけれども、そうはいうものの、当初の一兆円にはほど遠い金額ですから、この法案が前に進んだとしても、これからもそういった要望というのは知事会からまた上がってくるんだと私は思っているんです。

 国としては、これからも、知事会などのそういった要望に対してどういうふうに返事を返していくつもりでいるのか、お聞かせください。

唐澤政府参考人 先生の御指摘は非常に重要な点でございます。

 もちろん、財政支援が大きければ大きいほど、運営する側としては助かるということではございますけれども、ただ、財政支援と申しましても、これは国民の皆様の税金でございますので、どの程度の額がよいのか、効率的であるのかということをしっかりと御議論していただかなければいけないと思います。

 それから、もう一つは、やはり、医療保険制度全体をどういうふうにしていくか、これも非常に難しい問題でございます。介護保険制度は、一つの制度で新しいところからスタートしておりますけれども、医療保険制度は、それぞれ沿革がございまして、スタートの時期が違うものですから、幾つかの制度に分かれております。そういうものを、将来どういうふうな展望を持つのか、これはそれぞれの関係者の方で御意見が違いますけれども、そういう御議論を重ねていただくことが必要であろうというふうに考えております。

浦野委員 最後の質問の内容からも、ある程度の削減、削減と言うたらいいのか抑制策と言うたらいいのか、それはどっちでも結果は一緒ですけれども、私が先ほど提案をさせていただいたようなことも含めて、少し前のめりに国としてそういった抑制策をしていかないと、到底維持できない、増税をする以外に維持ができなくなっていくんじゃないかという危惧を非常に持っていますので、これからもそういった努力を続けていただいて、持続可能な制度にしていただけるように、若い世代のお願いとして、最後に言わせていただきます。

 どうもありがとうございました。

渡辺委員長 次に、井坂信彦君。

井坂委員 維新の党の井坂信彦です。

 本日は、患者申し出療養について一本で議論をさせていただきたいと思っておりましたら、午前中、各党の皆様が、本当にきょうは患者申し出療養の議論が非常に多くて、多少重複があるかと思いますので、避けながら質疑をさせていただきたいと思います。

 この患者申し出療養、さらには、いわゆる保険医療と保険外医療をまぜて同時にやるということについては、賛否両論あります。

 我々の党は、保険外医療をやったとしても、それをもってして、同時に行っている保険内の医療まで保険適用を外されてしまうというのは、患者側の立場に立っても問題があるのではないか、素朴にそこからスタートをして、いわゆる混合診療、こういったことはもう少し進めてもいいのではないかという立場ではあります。

 ただ、一方で、保険外診療と保険診療を同時に行ったときに、あるいは、こういうやり方が拡大したときの懸念というものも、もちろん、反対をする方からいろいろ聞いておりますし、また、党内でもその点に関しては多少の懸念があるのも事実であります。

 本日は、党内の懸念も含めて、私の方からいろいろ質疑をさせていただきたいと思います。推進する立場からの懸念もありますし、また、皆保険制度崩壊につながるのではないかという立場からの懸念も、両面あるところでございます。

 まず一つ目なんですけれども、医師が患者を唆して、患者申し出療養による先進医療の適用に走ったりしないのか、こういう懸念がずっとあるわけでありますが、医師が患者を唆してのこの制度の悪用をさせないという仕組みについて、まず御説明をいただきたいと思います。これは大臣によろしくお願いいたします。

塩崎国務大臣 けさも医師の倫理という話がありましたが、今の話も、その医師の倫理にもとるようなことがもし起きたらということだろうというふうに思うわけでありますが、患者申し出療養、今回これを導入するに当たって、やはりいろいろな問題が起き得ることを想定した上で、それをどう回避するかということは確かに大変重要だと思います。

 先生御指摘のように、患者を医師が唆したりするという、いわば情報の非対称性を悪用してそういうことをやることをどうするかということですが、患者が治療内容等を理解し、納得した上で申し出るというのが今回この申し出療養には必要であるわけであって、恐らく、最初は、かかりつけ医などが患者からの相談に応じて支援を行うことが重要で、その信頼関係がまず第一だと思います。

 また、国への申請が必要なわけでありますけれども、それに当たって、患者の申し出によることを明らかとする書類をやはりきちっと添付してもらうということを予定しています。

 例えば、患者さん御自身が署名をした申請書であるとか、それから、患者と臨床研究中核病院の面談記録というものを添付するとか、あるいは、インフォームド・コンセントというのは当然必要なわけでしょうけれども、その際にどういう話があったのかなどの書類を添付することを予定しておるわけでございます。

 今回、御指摘のようなことを防止する方策を、今後またさらに、患者がしっかりと理解、納得した上で申し出を行えるように検討を続けてまいりたいというふうに思います。

井坂委員 この日本の制度の説明の図にもあるように、かかりつけ医というものが日本の制度にも書いてあるんですが、諸外国では、そもそも医療制度自体が、まず、何でもかかりつけ医に相談、かかりつけ医の人が医師として判断をして、これは高度な先進医療が必要ですねとなって初めてそういうところにアクセスできるというところがありますので、逆に、最初から患者申し出療養に直接アクセスをして、そこで、あってはならないですが、ある種の唆しとか、お医者さんのプロとしての冒険心みたいなものが働いて、ちょっとこれは新しいけれどもやってみませんかというようなことにはなりにくいと思うんですね、必ずかかりつけ医が間に入っていますから。

 要は、複数の医師が可否を判断しているという状況にあるわけですが、日本の場合は、どうも、この説明の図にはかかりつけ医と相談というのが書いてあって、これがないと始められないような印象がありますが、実は、制度的には、かかりつけ医との相談は何も義務づけられていないというふうに聞いております。

 そういう意味では、かかりつけ医が必ず最初に関与していれば問題ないと思うんですが、そうでない場合も、最初の申し出の書類に何らかの、セカンドオピニオンといいますか、別の医師、あるいはふだんのかかりつけ医も含めて、ちゃんと中身を理解して了承していますよと、本人だけの判こでは、本人に錯誤があったりということは避けられないですから、セカンドオピニオンも申し出の書類に入れてはどうかという考えもあると思うんですが、いかがでしょうか。

塩崎国務大臣 大変いいお考えの一つだというふうに今感じました。検討させてください。

井坂委員 ありがとうございます。

 続きまして、同じく、こんな意見があります。

 そもそも論なんですが、こういう先進医療を適用するに当たっては対象患者を限定すべきだという意見であります。いわく、命にかかわる病気、重篤な病気であって、そして、ほかに治療手段もなく、さらに、このままだと臨床試験にも参加ができない、もうどうしようもない、しかし救ってさしあげなければいけない、こういう場合に、より限定をしてこういう制度を適用すべきだという意見も一方であるわけでありますが、大臣にお伺いしたいのは、こういうふうな制限をしない理由というのはいかがでしょうか。

塩崎国務大臣 患者申し出療養は、もう繰り返し申し上げておりますけれども、困難な病気と闘う患者の方の申し出を起点にして、その思いに応える、こういうことで、先進的医療について、患者の申し出をスタートラインで、安全性、有効性を確認するというプロセスを経て、身近な医療機関で迅速に最終的には受けられるようにするというものであるわけであります。

 今、対象の患者を制限した方が問題が起きるのが少ないんじゃないかということだろうと思うんですが、例えば、がん患者が抗がん剤の適応外使用を希望する場合などが考えられるわけでありますけれども、患者の疾病や病状、それから希望される治療法によってさまざまなケースが考えられるわけでありまして、申請できる患者の範囲等を事前に制限をかけるということはなかなか難しいというふうに考えておりまして、私どもとしては、事前的な制限をかけるということは考えておりません。

 しかし、そうはいいながら、間違いがあってはいけないということで、先ほど来お話が出ておりますように、医療法の臨床研究中核病院、これは十五あるわけですけれども、最終的な申請を出す際の、添付をされる実施計画をつくるのがここでありますけれども、そういうところでしっかりとまずいい計画をつくってもらい、なおかつ、患者申し出療養に関する会議、そこで審査をされるわけですから、そのときにしっかりとしたスクリーニングをすることで、御心配のようなケースが起きないようにしていくということにしてはどうかというのが今御提案を申し上げている制度でございます。

井坂委員 日本の制度は、重い、命にかかわる病気の方だけでなく、軽い方でも使える制度になっているし、それでいいんだというお答えだと思うんですけれども、私の方が、なぜこういう重い病気の方に限定した制度が必要ではないかというふうに申し上げたかといいますと、諸外国にはコンパッショネートユースという制度がございます。これは、日本語訳すると人道的治験というようなことかと思うんですけれども、要は、本当に重い病気で、ほかにすべがないという方に、人道的に、限定してこういう解除をしていこうという制度であります。

 人道的であるがゆえに、例えばフランスなどは、保険外の薬でありますけれども、患者負担なしでという原則で運用されているようでありますし、要は、人道的なので、対象は絞る一方で、別にそこから、保険外だからたくさんお金をいただくというようなこともなくしていく。これは確かに、人道的と呼べる制度ではないかなというふうに思うわけであります。

 日本でも日本版コンパッショネートユースという制度が今準備をされているわけでありますけれども、この日本版のコンパッショネートユース制度には、いわゆる人道的治験制度には、命にかかわる病気の患者に対象が限定されるという対象制限の仕組みがあるかどうか、お伺いをいたします。

 通告どおりです。これは大臣にお願いをしていた、通告していた質問です。

神田政府参考人 まず最初に、事務的な部分を、現状をお答えさせていただきます。

 人道的見地からの治験参加制度につきましては、昨年の十二月に、薬事・食品衛生審議会の薬事分科会において、その骨格について了解をいただいているところでございまして、現在、詳細については検討中というところでございます。

 欧米のコンパッショネートユースの制度は、先生御指摘のように、国によって異なりますけれども、一般的には、重篤で命にかかわる疾患の患者が対象というふうになってございます。

 現時点で、この人道的見地からの治験参加制度、我が国のこの制度について、対象を重篤な患者ということで限定はしておりませんけれども、これはあくまでも治験の枠組みを活用するということでございまして、治験の組み入れ基準を拡大しても安全かどうかの確認を受けなければならないということですとか、製薬企業に対しても、治験薬の提供等の協力を得る必要があるということから、実質的には、欧米のコンパッショネートユース制度と同様に、重篤な患者さんが主たる対象になるものというふうに考えております。

    〔委員長退席、高鳥委員長代理着席〕

井坂委員 きのう、担当の方とも随分いろいろやりとりをしてお聞きしたんですけれども、確かに、実は日本版のこの制度は、最後は結局製薬会社に、治験の枠外で、でも薬だけ提供してくださいという、お願いベースの制度になるというふうに伺っております。

 お願いベースなので、製薬会社からしても普通は提供する必要がないのでありますが、ただ、これだけ重い患者さんで、もう人道的観点から提供をお願いしますというようなやりとりの中で、結果的に人道的な対象に制限されるだろう、担当の方からこういう御説明を受けたわけであります。

 制度としてこういう人道的な患者さんに制限されているわけではないが、企業にお願いベースで交渉する際に、結果的に人道的な患者さんにしか提供してもらえない、こういう仕組みであるというふうに理解をしております。

 そこで、きのう担当の方と議論していて少し気になったことなのでありますけれども、このコンパッショネートユースの仕組み、コンパッショネートユース、人道的治験の方の説明資料を見せていただきますと、スタートは患者申し出療養から始まって、患者申し出療養から入り口が始まって、臨床研究中核病院にまで書類が来たときに、その段階でその医療が治験中かどうかの判断が行われる、確認が行われるということなんですね。

 それがたまたま治験中だったときには、そこからコースが移り変わって、人道的治験、コンパッショネートユースの方にコースが変わる。こちらの方で、コンパッショネートユース制度の中でこの患者さんを何とかできないかという企業との交渉があって、ところが、企業から提供を受けられなかったということになると、またもとのコースに戻って、患者申し出療養の残りのコースでまたずっと進んでいく、こういう図になっているわけであります。

 少し気になりますのが、要は、人道的治験の段階で、いや、この患者さんに提供する薬はありませんよと企業に断られて、出戻りで患者申し出療養制度のコースに戻ってきているんですね。それがまたずっと患者申し出療養でオーケー、オーケーで進んだときに、では、患者申し出療養制度でその医療を提供しますとなったときに、そのとき結局その薬は手に入るのかということが非常に気になるわけであります。

 治験中の医療に対して患者申し出療養の申し出があって、一遍コンパッショネートユース制度をチャレンジされたけれども成り立たなかった、交渉が成らなかった、出戻りで患者申し出療養に戻ってきて、患者申し出療養で研究計画に問題なしとして通ったその後に、では、実際その医療が提供されるのか。材料や医薬品は、企業がこっちでもノーと言っているものが何で提供されるのか。ちょっと、そのあたりについて、これは大変細かい話ですけれども気になる話ですので、お願いします。

神田政府参考人 先ほど先生御指摘のように、患者申し出療養で申し出があった場合でも、治験を実施している場合には、人道的見地から治験の方に組み入れられるかどうかをまず最初に検討しようというふうに枠組みとしては考えております。

 その理由は、既に治験をやっているということですと、プロトコールがあって、安全性が確認されておりますし、そういう意味では、短時間にプロトコールもできますし、既に治験を実施している医療機関で行うことによって、迅速に患者さんがそれにアクセスできるということ。

 それから、治験の枠外でもし実施をした場合に仮に有害事象等が発生した場合に、その医薬品の承認の際に、そういった情報も含めて、全体として審査過程でやはり評価をする必要があるのではないかということから、治験を実施している場合には、まずそちらを検討しようということでございます。

 それで、こちらの方で難しいというふうになった場合に、患者申し出療養の方で検討が行われるということになると思いますけれども、それは、患者申し出療養に当たりましても、製薬企業に協力を求めていくということですとか、あるいは医師の方で個別に医薬品を確保するというようなこともあろうかと思いますので、そこは、治験の枠組みがない場合においてどのように医薬品を確保していくのかということについても、製薬企業を含めて協力を求めていく必要があるんだろうというふうには考えております。

井坂委員 これまで出ていなかった論点だと思うんですけれども、いただいた説明の図には、製薬企業のかなり本格的な協力がないとできないというような要素はどこにも書かれていなくて、ところが、御説明をお聞きすればするほど、治験中であろうがなかろうが、要は、企業側にお願いベースで、この医薬品を使わせてくださいという交渉が成り立たない限り、患者申し出療養であっても、結局実施できないのではないかなというふうに思うわけであります。

 この辺の、企業との交渉、また薬が手に入るのか入らないのかの判断というのは、いわゆる審査会議の前後、どこで、誰が、こういう交渉なり当たりをつけるのか、その辺はどうなっているんですか。

神田政府参考人 恐らく、患者申し出療養でありましても、人道的見地からの治験への参加であったとしても、製薬会社に強制的に薬の提供を義務づけるということはできないのであろうと思っております。

 私どもの、人道的見地からの治験の参加の議論の中におきましても、例えば、治験の継続そのものに重大な支障が生じるような場合には、企業から難しいということが想定されるということは、その審議会の中でも御説明しております。

 例えば、二重盲検をやっているときに、別枠で治験参加の申し出があったというふうになりますと、治験の方に参加して二重盲検だと、プラセボが当たるのか、本当の薬が当たるのかわからないのに対して、別枠で行ったら必ず正規の薬が当たるんですというふうになったら、治験の続行が不可能になってしまいます。

 そうなると、結局は、もう少しで承認というところに来ているにもかかわらず、多くの患者さんを待たせるようなことになりますので、そういった、誰が考えても多くの患者さんのアクセスを阻害するようなことになるような場合には、これはやむを得ないということで、協力できかねるということが製薬会社の方から話があることはあり得るんだろうというふうには思っております。

井坂委員 今御説明があったとおりで、企業側はこういうのに協力すると、どちらかというと、企業の利益とか保険収載を目指していく動きの中では、余り得になることはなくて、むしろ損することが多い薬剤を提供するということなので、ほっておくとなかなか提供してくれない。そこをお願いベースでいくのが人道的治験であり、お願いベースで、しかも企業側に利のない話であるがゆえに、人道的に、ちょっとここだけは何とかしてくださいよということで、重篤な患者で、ほかにすべがない患者に事実上絞られるだろうというのがさっきの答弁だったと思うんですね。

 同じ理屈は、実は、患者申し出療養であっても同じではないかと思っておりまして、企業は、人道的治験であろうが患者申し出療養であろうが、企業がそこに薬剤を提供することはなかなか利のない話の中で、お願いベースで提供してくださいよということをやっていくわけでありますが、そうなると、人道的治験の方も、これはなかなか、実は、お願いベースで出してもらうのは非常に難しいんだというふうに担当者から昨晩伺っております。

 この患者申し出療養にも同じ問題、要は、制度をつくっても、企業の協力が一体どこまで得られるのか、会議をやっても実際の物が提供されないというようなことが結構あるのかどうか、ちょっとそのあたりが心配なんですが、いかがでしょうか。

唐澤政府参考人 これはなかなか難しい問題でございますけれども、基本は、やはりきちんとデータをとって、早く保険収載をして提供するということが基本だと思います。保険収載をすれば、これはもう提供の義務がございますので、安定供給をするという義務がございますので、これでやらなければいけないと思います。

 ただ、先生の御指摘は、どういう病気の方で、どういう種類の薬剤かということ、あるいは薬剤じゃないものもありますので、大分違うと思いまして、例えば、そういうことが実際に起こるかどうかわかりませんけれども、やはり、かなり安全性が確認されていて、それで、諸外国ではかなり広範に使われていて、適応外になっている、それについて、例えば国が設置をしております専門家の会議でありますとか、あるいは担当部局がメーカーに協力を要請する。それはもちろん強制力はございませんけれども、どうしても必要な場合には、そういうものをあわせて要請するということも、それはもし必要であれば考えなければいけないだろうというふうに思っております。

井坂委員 思ったより限定的な制度なのかなというふうに思うところであります。

 時間が大分押してまいりましたので次に移りますが、医療事故が起こった場合の話、これは午前中も議論がありましたけれども、この際の責任分担について参考人にお伺いをしたいと思います。

 患者申し出療養の場合に、この患者申し出療養の申請をする臨床研究中核病院と、それから、実際にオーケーが出た後でそれをその患者さんに対して計画どおり実施をしていくいわゆる身近な医療機関、これは違うわけでありますけれども、計画をつくって申請をする臨床研究中核病院と、それを実際に執行する身近な病院、医療事故あるいは薬害、こういうものが起こったときに、責任分担というのはどういうふうになるんでしょうか。

    〔高鳥委員長代理退席、委員長着席〕

唐澤政府参考人 これは一概にどこが一番重いというのは個別のケースを見なければ判断できないと思いますけれども、この患者申し出療養には、臨床研究中核病院、あるいは協力して実施をする医療機関、これは特定機能病院のようなところが考えられますけれども、それから国の会議、担当部局というようなところもそれぞれかかわるわけでございます。

 したがって、それぞれの関与に応じてそれぞれ責任を分担しているというのが私どもの考え方でございます。

 その上で、有害事象などが起こったときにどうするかということ、これが一番問題なわけでございますけれども、これは、例えば治験の基準では、治験の依頼者と実施機関は、健康被害の補償に関する事項を定めた契約を締結するということが定められております。また、治験の依頼者は、治験で生じた健康被害の補償のために、あらかじめ保険その他の必要な措置を講じなければならないというようなことになっております。

 先進医療も、決めているレベルは違いますけれども、基本的には同様の考え方に立っておりますので、私どもは、この考え方を基本としまして、補償の手当ての内容等についてきちんと定めるような検討を続けて、詰めてまいりたいと考えているところでございます。

井坂委員 有害事象に関してもう一点なんですけれども、こういう事故が起こったり薬害が起こったり、こういうことを防止するためにも、あるいは事後検証のためにも、データ保存であるとかこういう有害事象などの報告を義務づける、あるいはその報告をきちんと蓄積をしていく、それをきちんと公表していく、こういう事後検証あるいは情報公開の仕組みが必要だというふうに考えるんですけれども、そのあたりはどうなっておりますでしょうか。

唐澤政府参考人 この患者申し出療養におきましても、少なくとも最低年一回は定期報告をしていただくということをしていただきます。

 それから、今先生御指摘のような、例えば、重篤な、予期しないような有害事象が発生をする場合には、早急に国に報告をいただくというようなことも検討しなければならないと思っております。

 さらに、報告を受けた内容によって、これのままではその継続は不適当ではないかというような御意見になれば、結論になれば、そういう対応も検討しなければいけないと考えております。

 いずれにしても、現在の先進医療会議もこういう定期報告を求めておりますし、それから審議も公開で実施をされておりますので、そういうものを十分踏まえて患者申し出療養も対応してまいりたいと考えております。

井坂委員 確認ですけれども、その定期報告では、有害事象は必ず報告の義務があって、隠してはいけないという仕組みにちゃんとなっているんでしょうか。

唐澤政府参考人 そのとおりでございます。

井坂委員 ほかにいろいろな懸念が寄せられている方から行きますけれども、これは大臣にお伺いしたいんですが、患者さんの立場からいけば、保険外医療との併用とはいえ、ほかのは保険適用されて、これは保険外の医療ですと。ただ、幾ら保険外とはいえ、では、これも価格が本当に経費や必要な利益を超えてはるかに青天井でいいのかという問題は一方であるのかというふうに思います。

 こういう患者の明らかに不利益になるような法外な価格というものを抑止するような、あるいは価格設定に対して国が多少関与するような仕組みがあるのかどうか、お伺いいたします。

塩崎国務大臣 大事な点だと思います。

 不当に高い値段を吹っかけられるようなことがあってはならないということはそのとおりであって、保険外併用療養費制度における保険外部分の医療費については医療保険の給付は行われないわけでありますから、最終的には、患者と医療機関の合意によって決定をされるという格好になります。

 このため、現行の先進医療と同様に、やはり社会的に見て妥当かつ適切な範囲の額でないといけないというふうに考えているわけでございまして、患者申し出療養の申請の際には、保険外部分の医療費額について必ず提出を求めるということとなるわけでございます。

 薬剤費については、製薬企業が負担をすることもあるかもわからないけれども、折半になったり、いろいろな形があり得るわけでありますので、患者の負担がどうなるかというのが極めて大事であります。

 今後、御指摘のようなことを防止する方策を含めて、患者がしっかりと理解と納得を得た上で申し出が行えるように検討を続けていきたいというふうに考えております。

井坂委員 残された時間で可能な限り、保険収載、最後はちゃんと保険適用に持っていきますよというこの問題についてお伺いをしていきたいと思います。

 まず、大前提として大臣にお伺いをいたしますが、今回のこの患者申し出療養の制度は、保険収載を目指さないのにこの制度を使うのは絶対に許さないという厚労省そして大臣の立場であるかどうか、お伺いをいたします。

塩崎国務大臣 患者申し出療養の申請は、保険収載に向けた実施計画を添えて行うということにしており、保険収載を目指さない医療については申請の対象外とする予定でございます。

井坂委員 続きまして、ちょっとデータについて、通告どおりお伺いをしたいんです。

 この保険収載をされる、要は保険適用される医療が、この制度がもし走り出せば、この制度を使ってまた保険収載、保険適用を目指す新しい医療や医薬品がどんどんどんどんレールに乗って入ってくるわけで、結果として、保険適用される薬が非常にふえるのではないかというふうに思うわけでありますが、データとして、この保険収載される医療がふえれば、それに比例して何か医療給付費もふえていくというような相関があるのか、そういう保険収載とそれから医療給付費の相関に関するどのようなデータを持っているか、お伺いしたいと思います。

唐澤政府参考人 これは、なかなかミクロの積み上げみたいにはならないんですけれども、直近で申し上げますと、平成二十五年度の国民医療費のデータをベースにいたしますと、全体の医療費の伸び率が二・二%でございまして、そのうち、人口はもう減少しておりますのでマイナス〇・二、高齢化がプラス一・三、そして、その他が一・一となっておりまして、このその他の一・一というところが、それで全部かどうかということはありますけれども、恐らくこれがイノベーションの成果だろうというふうに通常言われているわけでございます。

 それで、私どもはどういう考え方をとっているかということでございますけれども、イノベーション、この新しい技術進歩というものは、医療保険、我が国の国民皆保険の中に適切に取り入れられていかなければいけないだろうというふうに考えております。したがって、医療費の増加の要因ではございます。

 ただ、この技術の中には、例えば、手術をせずに投薬治療で治療ができるというようなものもございますので、全部が全部医療費がふえていくわけではございませんけれども、やはり効果の高い医薬品、抗がん剤などを中心に出てきておりまして、それはもちろん医療費の増加の要因にはなるんですけれども、国民の皆様に技術進歩の成果を還元するという観点からは、これは導入していかなきゃいけない。

 ただし、他方で、あわせて医療費の適正化の努力もしなければなりませんし、そして、どういう技術が適正かということについては、費用対効果というような視点も持っていかなければいけないだろうというふうに考えているところでございます。

井坂委員 今おっしゃったデータの分析でありましたら、これはなかなか悩ましい問題だなというふうに思って伺わせていただきました。

 新しい医療が出て、それがこういうやり方でレールに乗って、どんどん保険適用内に入っていく。多くの人が保険診療の中で安くその医療なり医薬品を使えるようになるということはいいことだというふうに思いますが、一方で、もし本当に保険収載されるものがふえればふえるほど医療費、医療給付費が伸びるんだということであれば、これは一筋縄ではいかない、非常に悩ましい問題だなというふうに聞かせていただきました。

 逆に、後段でおっしゃったような、何か本当にそうなのかな、データの分析が本当にそれで合っているのかなという気もいたしまして、別に医療の種類がふえたからといって、一人の患者がこれまでの薬も全部飲みながらさらに新しい薬も飲むという、単純に医療費がふえるようなことにはならないでしょうし、おっしゃるように、むしろ、早く治るとか、手術せずに薬だけで治るとかで、一人当たりあるいは一疾病当たりにかかる医療費が下がるような新しい医療もたくさんあるのではないかなというふうに思いますので、何か本当に、その他の大半が保険収載が原因だと見ていいのかどうか、ちょっとそこは、何かもう少し詳細な分析が要るのかなというふうに思って聞かせていただいた次第であります。

 続けて参考人にお伺いいたしますが、今回、この患者申し出療養という新しいレールが敷かれようとしているわけでありますが、これまでの先進医療でも、大体二年に一回の診療報酬改定のときに、大体百種類ぐらい保険未収載の医療がたまっていて、その中から毎回、大体十種類程度が保険内に入って、逆に五種類程度は、もうこれはやめましょうかといって削除される、いわゆるこういう新陳代謝が二年ごとに行われているというふうに伺っております。

 これが、レールが先進医療ともう一本、この患者申し出療養ということになると、入ってくる数が倍になるようなイメージなのかどうか、それをお伺いいたしたいと思います。

唐澤政府参考人 端的に申しますと、倍になるというような感じでは考えておりません。

 実は、今の先進医療がございますけれども、もちろんかなり高度なものが多いんですけれども、実施医療機関が非常に少ないという問題がございます。これは、その実施の仕方が、やはり研究者の先生を中心にして実施をされているということがあるわけでございます。そしてまた、現在は、先進医療について、例えばそれを受けに行くときに、どこに行って御相談をすればいいのかというのは別に窓口も決まっていないということで、それはそれで問題であるわけでございますが、そんなような事情がございます。

 そこで、私どもの方は、今の先進医療の中で、どうしても大都市で実施をされているところが多いんですけれども、それをもう少し地方の身近な医療機関で実施をするようなものもこの患者申し出療養の中に出てくる可能性があるんじゃないかと考えております。

 それから、先進医療の方で実施をする際の適格基準の対象の外になるような方、これは年齢の要件などいろいろ考えられますけれども、そういう患者さんに対する治療。これは、内容自体は先進医療であるわけですけれども、基準が合っていない。

 それから、先ほどから御議論で出ております国内未承認の例えば抗がん剤などの医薬品の使用、こういうような分野について申し出が行われるのではないかと予想をしているところでございます。

 もちろん、実際にはもっといろいろなものが出てくるかもしれませんけれども、ある部分はかなり重なっているようなものもあるのではないかと考えているところでございます。

井坂委員 倍増ということではなくて、むしろ医療が受けられる地域の地理的な拡大であったりとか、医療が受けられる患者さんの対象の年齢制限とかの拡大であったりという使われ方が主ではないかという御説明であります。

 倍にはならないにしても、レールに入ってくる医療の数はふえるかなというふうには思うんですけれども、一方で、もう一つの出口の方の上がりぐあいも気になるところでありまして、入ってくるのがふえた分、ちゃんと収載される数もこれはふえるというふうに見込んでおられるのかどうか、お伺いをしたいと思います。

唐澤政府参考人 これは、もちろん保険収載を目指していただくわけですから、その計画に沿って進めてもらわなければいけないわけでございますけれども、先進医療でやっているものが、今、多いところでも三カ所くらいというところがかなり一般的でございますので、なかなか症例が集まらないというような事情もございますから、そういう面では、患者申し出療養のプロトコールにもよりますけれども、症例が蓄積して、そして保険収載の申請をしやすくなるというような面はあろうかというふうに考えているところでございます。

井坂委員 最後に大臣にお伺いいたします。

 午前中から、この実施計画、いわゆるこの制度は、制度の趣旨として、入り口はふやすけれども、それは全て最後は保険適用、保険収載を目指すための制度だ、再三そういう説明がされてきております。それを担保するものが、こういうロードマップ、こういう計画で保険適用を目指して実験を繰り返していって、ここまでいったらいよいよ治験から入っていくんですよ、こういうことだと思うんですけれども、そういう実施計画を守らないケースに対しては、制度の趣旨からいっても厳しく対処すべきだと思うわけであります。

 御説明では、これまでの答弁では、追加報告とか、必要に応じてこの患者申し出療養のレールから外す、そこまでおっしゃっているんですけれども、私は、この制度である以上は、ペナルティー、より厳しい対応も必要かなというふうに思っております。

 例えば、こういったものを頻発するような中核病院があったときはどうなのか、あるいは、そういう中途半端なまま放っておくような医薬品を提供しているような企業が、それが目に余るときはどうなのか、こういうペナルティーということに関しては何かお考えのことがあるかどうか、お伺いをしたいと思います。

塩崎国務大臣 臨床研究の実施計画、これは臨床研究中核病院がつくるわけでありますけれども、これを守らないという場合の今お尋ねでございました。

 先ほど来申し上げているように、少なくとも年に一遍は、この患者申し出療養の実施状況というのを報告を求めるわけであります。もし計画どおりに進んでいないような場合には、追加的に報告を求めることになるわけで、その上で改善を求めていくという格好になって、私どもとしてはこれは対応しなければいけないと思っております。

 さらに、必要に応じて、どうしても計画どおりやらないということで、その合理的な理由がないというようなときには、それはこの患者申し出療養から外すということも含めて対応を検討しなければならないと思います。

 今、現行の先進医療でも、先進医療会議において継続実施が不適当だ、こういう判断が下されることがあり得るわけであって、その場合には国が取り消しを行うということもあるわけでありますし、また一方で、医療機関側がみずから取り下げるということになるときもあるというふうに聞いております。

井坂委員 時間が来ましたので、終わります。ありがとうございました。

渡辺委員長 次に、河野正美君。

河野(正)委員 維新の党の河野正美でございます。

 ただいま議題となっております持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案、もう既に当委員会でも議論が相当に進んでいると思っているところでございます。しかし、世界に誇れる我が国の医療保険制度、国民皆保険制度はしっかりと守らなければならないというふうに考えているところであります。

 しかしながら、やはりそのためにも、守らなければいけないがゆえに、踏み込んでいかなければいけない部分というのもたくさんあると思います。しかし、決して忘れていただきたくないのは、病に悩める方、病気の方を保護していく、そして障害のある方に配慮をしていくということ、これだけはしっかりと考えていかなければならないんじゃないかなというふうに考えております。

 きょうは、二十分という時間をいただきましたので、主に二つの点について絞ってお話をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 まず、入院時療養費等の見直しについて伺いたいと思います。

 入院時の食事代について、入院と在宅療養の負担の公平等を図る観点から、在宅療養でも負担する費用として、食材費相当額に加え、調理費相当額の負担を求めるということでございます。在宅療養との公平性という観点とこの見直しについて、改めて政府の見解を簡単に御説明いただけますでしょうか。

唐澤政府参考人 今回の改革でございますけれども、入院と在宅療養との公平の観点、そして介護保険の仕組みなども踏まえまして、入院時の食事代に係る自己負担につきまして、負担能力に応じた負担をお願いするという観点から、見直すこととしたものでございます。

 低所得の方でありますとか、難病、小児慢性疾患の方につきましては据え置くこととして、負担をお願いしたいと考えているところでございます。

河野(正)委員 現行が一食二百六十円ですから、一般所得の方でお話をしますと、一日三食では七百八十円ということになります。これが平成二十八年度には一食三百六十円、一日千八十円になります。さらに、平成三十年度になりますと四百六十円、千三百八十円というふうになっていくわけでございます。

 在宅ですと、きのうの残り物で済ませてしまおうとか、あるいは簡単なものにしようとかいうこともありますし、実際、食べる時間がなかったということで、食事を抜いてしまうこともあるんじゃないかなと思います。きょうなんかも特に、午前中委員会で午後本会議、先生方はお忙しい中で、食べる時間がなかったということでお昼を抜かれた方とか、あるいは移動のときにパンをかじっただけとかいう方もいらっしゃるかと思います。

 一食二百六十円ということでもかなり高額じゃないかなというふうに思うわけなんですけれども、これは政府参考人の方で結構ですので、一言いただきたいと思います。

唐澤政府参考人 現行は、二百六十円という食事の材料代に相当する金額を一食お願いしているところでございます。住民税非課税の方は二百十円、さらに、非課税の方の中でも特別に所得の低い方は百円ということでお願いをしているわけでございます。

 現行の二百六十円というのは材料費をお願いする、そして今回お願いするのは、介護保険の仕組みも踏まえまして、食事の材料費に調理代というものも含めた金額として四百六十円という額をお願いしているわけでございますけれども、これは、病院の方における栄養に関するさまざまな観点、配慮というようなものも含めた上でこうした金額になっているものだというふうに受けとめているわけでございます。介護保険の金額と同額にさせていただくというふうにお願いをしているところでございます。

河野(正)委員 何が言いたいかと申しますと、在宅と比べてやはり入院医療の場合、食べないとか倹約するという選択肢がなくなってしまうわけなんですね。

 私はずっと精神科医療の現場で仕事をしておりました。意外にささいなことで入院治療をちゅうちょする方というのがいらっしゃるのが事実であります。本当にそれも珍しくない人数でありますし、本当にささいなことと思われるかもしれませんけれども、食事代のことで入院治療というのに踏み込むのをちゅうちょして、もうちょっと入院したくない、在宅でやりたいということを言われて、症状を悪化させてしまうという方もたくさんいらっしゃいます。

 精神科の患者さんの場合は、やはり再発を繰り返すたびに生活技能が落ちてしまったりとかいろいろ厳しい、治療に対しても厳しい状況になっていきますので、そういったことを見てきましたので、やはり症状を悪化させてしまう、ささいなことに思われるかもしれませんけれども、こういったことで入院をちゅうちょして症状が悪化してしまえば、結果的に入院治療費がたくさんかかってしまうということにもなります。

 また、入院したとしても、早く退院したいというようなことを言われる方もいらっしゃるのは事実でありますので、やはり過度な入院抑制になってしまわないかなということを一番心配しております。

 これは、私に限らず、精神科医療に従事する先生方の懸念でもありますし、多くのほかの、精神科に限らず、こういったことで、患者さんの症状が悪化してしまうということで悩まれている先生もいらっしゃるんじゃないのかなと思います。塩崎厚生労働大臣、コメントをいただけたらと思います。

塩崎国務大臣 御心配の向きを今頂戴したわけでございます。

 先ほど局長からも答弁申し上げたように、高齢化に伴う患者のニーズに応えて、入院医療から在宅療養へのシフトというのが地域包括ケアシステムを構築する中で見込まれているわけでありまして、そうなると、入院時の食事に係る自己負担のあり方について、入院と在宅医療の公平を図るという観点、それからもう一つは、既に食材費に加えて調理費相当をいただいている療養病床、それから介護保険の施設とのバランスも考慮すると、この療養病床は特に、今申し上げているのは入院する六十五歳以上の方の場合でありますが、そういったバランスも図る観点から見直しを行うこととしているわけでございます。

 長期の入院患者や入退院を繰り返す方についても、基本的に今回の入院時の食事代の見直しの対象となりますけれども、もちろん対象は一般所得の方に限っているわけで、先生が今御懸念になったような、受診抑制をするということは、結果として医療費がふえるということは、それはあり得るわけでありますので、したがって、負担能力に応じて考えるということになれば、低所得者の方、あるいは難病、それから小児慢性特定疾患、こういった患者の御負担は据え置くということで、今回新たな食事代の負担増についてのお願いをしているわけでございますので、御理解を賜れればありがたいなというふうに思います。

河野(正)委員 一般所得の方についてお話をしましたし、今大臣の方からも、難病疾患の患者さん、あるいは小児慢性特定疾患患者さん、あるいは低所得者の方は現行で、今回も配慮するということでございましたけれども、今後の負担額の方向性についても、これからもこういった考えは続いていくのかどうかだけ確認をさせていただきたいと思います。

唐澤政府参考人 入院医療について申しますと、私どもは、本当に入院医療に必要なものについてはきちんと保険から給付をしていくという考え方でございます。

河野(正)委員 それでは、次に移りたいと思います。

 持続可能な保険制度ということであれば、やはり、医療者側もしっかりとした良質な医療を提供していかなければいけないというふうに考えているところであります。

 先日来報道されています川崎市の聖マリアンナ医科大学における精神保健指定医の不正取得に関して質問をさせていただきたいと思います。

 若干法案の審議とはずれてしまうかもしれませんけれども、やはり今話をしましたように、持続可能な医療保険制度であるためには、しっかりと良質な医療を提供しなければいけない責務があると思っておりますので、お伺いいたします。

 この問題は、今週の火曜日二十一日の参議院厚生労働委員会で、我が党の川田龍平議員が質問を既にされたということでありますが、私も、精神保健指定医の資格を持っている者として、少し触れさせていただきたいと思います。

 実は、よく僕も指導をしたことがあるんですが、精神保健指定医の責務というのは非常に重たいものと思っております。患者さんの自由を奪ってしまうということであります。

 ちょっと例えが悪いかもしれないんですけれども、例えば精神障害があって、幻覚、妄想などによって人を刺してしまったとか、そういった傷害事件を起こしてしまった方と、一般、一般にというのもおかしいですけれども、普通に悪いことをされて刺してしまった方と、けが人を出してしまったという事実は一緒なんですけれども、一方で、そういった方は、逮捕されて、警察官が取り調べをして、さらに送検されて検察官が取り調べをして、そして裁判がある。裁判も幾つか、上級審とかあって、そして、その場合、多くは有期、何年間とかいう懲役刑ということになるんじゃないかなと思っています。

 一方で、精神障害者の方は、本当に、まさに幻覚、妄想によって、例えば幻聴で人を刺さなきゃいけないと命令されたりして刺してしまった、病気によってやってしまったにもかかわらず、二人の精神保健指定医だけで入院の判断をする。

 措置入院ということになれば、それは実は、先ほど言ったように、悪いことをして刺した人は有期刑なんですけれども、措置入院のときにはいつ退院できるかということは決められておりませんので、無期とは言いませんけれども、いつ出てこられるかわからない状況になるわけです。

 病気の方がそういったことで拘束をされることを、先ほど言ったように、警察官、検察官とかあるいは裁判官がずっと来て、なるにもかかわらず、精神保健指定医二人で決めてしまうというような重たい職務でありますので、これはやはりしっかりと、こういう資格を取るからには覚悟を持ってやっていただかなければいけないと思って、私も指導をしてまいりました。

 八症例そろえてレポートを提出しなければいけないということになっております。実は、その中にいろいろな病気があるんですけれども、児童思春期の疾患というのは大体、大学病院とか公的病院で受診されることが多いので、そういうところに就職していなければ診られない。一方で、中毒性、薬物依存症とかアルコール依存症、アルコールの幻覚、妄想あるいは覚醒剤の依存とか幻覚、妄想ということになると、民間病院とかあるいは公的な大病院でないと診療体制が整っていないので、大学病院ではなかなか診られないということになります。

 といったことで、八症例集めるためには、さまざまな病院で経験を積まなければいけませんし、それなりの指導医に指導してもらうというようなことになるわけであります。だから、本当に大変なんですけれども、先ほど言ったように、指定医の職務、職責というのは非常に大きなものだ、患者さんの自由を拘束してしまうわけですから。そういったことを考えると、大変な、いろいろレポートを書かなければいけなくても仕方ないのかなというようなことを思っております。

 私も精神保健指定医を、当時、小泉純一郎厚生大臣からいただいたんですけれども、指定されたときに、うちの両親も非常に喜んでくれて、やっと一人前の精神科医になったねみたいなことを言われた記憶がございます。そういったことで、非常に重たい資格だというふうに思っております。

 こういった強制入院を判断する専門性の高い医師がこのような状態であったことについてどのように理解されているか、御見解を伺いたいと思います。

藤井政府参考人 お答え申し上げます。

 本件、もう先生おっしゃっていただきましたように、精神保健指定医、大変重大な使命を帯びていただいている皆さんでございます。したがいまして、私ども、今回の事案につきましては、精神保健指定医制度の根幹にかかわる重大な事案でございまして、大変遺憾であると思っておりますし、厚生労働省といたしましても、これに厳正な対応をしてまいりたいというふうに考えております。

河野(正)委員 これはまた、いろいろこれからも調査されて、そして、今後もこういった取り消し事例が出てくるというように認識しておいてよろしいんでしょうか。

藤井政府参考人 今回のこの事案を受けまして、私ども厚生労働省におきましては、同様の不適切な事案がほかにも発生していないかどうかということにつきまして調査をするために、ケースレポートのデータベース化を通じた調査を行うこととしておりまして、まず、この取り組みによりまして、同様の事案がないかどうか、きっちりと調査をしてまいりたいと考えております。

河野(正)委員 ちょっと話はそれるんですけれども、今回、二十名の精神保健医の資格が取り消しということで、厚生労働省は四月十五日に、報道関係者各位ということで、こういったプレスリリースというのを出されているかと思います。この中に二十名の指定医の先生方の実名がしっかり書いてあるんですけれども、やったことは僕は本当に許しがたいとは思っているんですけれども、こういった個人情報をプレスリリースという形で出すことについてはいかがなんでしょうか。

藤井政府参考人 精神保健指定医の指定の取り消し処分に当たりましての氏名の公表につきましては、患者の人権を尊重し、個人の尊厳に配慮した医療を提供する上での精神保健指定医の重要な役割を踏まえますと、これまでも処分対象者の氏名は公表をしてきたところでございます。

 今回の聖マリアンナ医科大学病院に関連いたします精神保健指定医の一連の取り消しにつきましては、先ほども申し上げたとおりでございますが、精神保健指定医制度の根幹にかかわる重大な事案と認識をしておりますので、氏名の公表につきましても従前同様の取り扱いとしたものでございます。

河野(正)委員 このリストを拝見させていただきますと、二十名中九名の方は、指導医として不適切な署名をしてしまったということが理由で取り消し処分となっておられます。

 九名の中には、精神医療の世界で相応の職責を担う方もおられるように思いました。それは別問題としましても、神奈川県の一定の地域から二十名の精神保健指定医がある日いなくなってしまうというのは非常に大きな問題じゃないかな、地域の精神科医療に対して大きな影響を及ぼすんじゃないかなと心配しているところでございます。

 精神保健指定医というのは、病院内で、隔離室に隔離すること、あるいは身体拘束などの判断をする仕事もありますし、それにはとどまらず、病院外に出て、地域における、先ほど言ったような措置診察であるとか、あるいは、各精神科病院から、不当な入院をさせられているということで患者さんが退院請求をした場合、あるいは処遇改善請求、閉鎖病棟に入れられているけれども開放病棟に移りたい、そういった処遇改善請求が出た場合に他の精神科病院に行く、いわゆる公務員業務というのを請け負ってやることもたくさんあります。また、地域の精神科病院の定期的な実地指導などに県知事とか市長の命令でかわりに行く、よその病院の患者さんの処遇が適切かどうかを見に行くという、いわゆる公務員業務もあります。

 だから、二十名いなくなるということは本当に大変なことなんだと思うんですけれども、一地域の神奈川県だけの問題とせずに厚生労働省としてどのように受けとめられているのか、お尋ねいたしたいと思います。

藤井政府参考人 今回の事案に関しまして、聖マリアンナ医科大学病院からは、今回、精神保健指定医の指定を取り消しました二十名のうち七名が引き続き在職中でありまして、三月の五日からこれら医師による診療を自粛するとともに、外来医療及び入院医療の縮小を行っているというふうに聞いております。

 また、先生これも御案内のように、聖マリアンナ医科大学病院は、精神科病床を持つ総合病院といたしまして、身体疾患を伴う精神障害者の受け入れ等、地域において一定の役割を担ってきたものとの認識をしております。

 地域の医療体制の確保につきましては、川崎市において、まず、聖マリアンナ医科大学病院に身体合併症ですとかあるいは認知症といった地域のニーズへの対応を引き続き維持するように強く求めるということ、また、医師会など関係団体を通じて近隣の医療機関に診療の受け入れの協力を求めていくということのほか、精神科救急につきましては、神奈川県、横浜市、相模原市に協力を求めていく方針だというふうに聞いているところでございます。

 厚生労働省といたしましても、引き続き情報収集を図りますとともに、必要に応じて適切な対応を行ってまいりたいと考えております。

河野(正)委員 精神障害者の方が、ある日突然主治医が診療ができなくなるとかいうことになると、本当に、非常に混乱されますので、やはりこれはきちんと対応していただきたいなと思います。

 もう時間が来ましたけれども、最後に一点だけ。

 今回の報道を受けて、現場の先生方からは、やはりレポート提出というと非常に大変だと。同じ患者さんを複数の先生方がレポートとして使っていること自体はいいと思うんですけれども、同一期間で複数の人が書いてはいけない、同じ患者さんであっても違う入院期間でなければいけないということになっていると思いますので、チーム医療とかで診てやってきた場合とかを経験しても一人の先生しか書けないということで、なかなかそういう症例が集まらないからテスト形式とかにしたらどうかというような御意見も伺ったんですけれども、なるほどなと若干思ったところもありますけれども、何かそういった考えとかございますでしょうか。これは通告していないので、申しわけないんですけれども。

渡辺委員長 申し合わせの時間が過ぎておりますので、答弁は簡潔にお願いいたします。

藤井政府参考人 精神保健指定医は、患者の人権を確保し、あるいは個人としての尊厳に配慮した医療を行うということで、大変重要な職務を担っていただいておりますので、私どもといたしましては、先生おっしゃっていただきましたように、八症例というケース、なかなか議論があるところではございましたけれども、私ども、分野によっては要件を満たす症例が少ないとの声を受けまして、研修会においてアンケート調査も行って、結果に基づきまして要件緩和を行った部分もございますし、引き続き、やはりこういうやり方でお願いをしたいと思っておるところでございます。

河野(正)委員 ありがとうございました。

渡辺委員長 次に、高橋千鶴子君。

高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 きょうは、朝から随分、患者申し出療養についての質問が集中をしておりますが、若干はダブるところもあるんですけれども、ほとんどダブらないので、続けて質問をさせていただきたいと思います。また、大事なことですので、ぜひお願いをしたいと思います。

 厚労省は、混合診療の全面解禁については、一つに、安全性、有効性の問題、二つに、先進的な医療が保険外にとどまり続け、医療格差が生じてしまう、こういった理由で否定をしていると思います。これは、十七日の本委員会で、我が党の堀内議員の質問に対しても塩崎大臣が明確に答弁をされたところであると思います。

 そこで、午前の阿部委員も同様の趣旨の質問をされていますけれども、医薬品は、臨床試験で有効性と安全性を確認し、国による承認審査を経て初めて医療に供されることが原則である。ですから、未承認薬を使用して行う患者申し出療養はあくまで例外である、このことを確認させてください。

塩崎国務大臣 今般の患者申し出療養というのは、国においてその治療法の安全性、有効性をまず確認する、それから、保険収載に向けて、医療機関に実施計画の作成を求めて、国において確認をするとともに、実施状況等の報告も求めるということとしておりまして、無制限にいわゆる混合診療を解禁するものではないということを申し上げておきたいと思います。

 また、医薬品等については、保険診療において使用するに当たっては、薬事承認を得ていただくことが原則であることは議員御指摘のとおりでございまして、困難な病気と闘っている患者において、薬事承認までの間に、国内で未承認の医薬品等を安全性、有効性を確認しつつ迅速に使用したいという強い思いがあって、そういった思いを受けて今般の患者申し出療養の創設を法案に盛り込んでいるものでございます。

高橋(千)委員 あくまで例外であるということに対して、そうだというお答えがありませんでした。

塩崎国務大臣 今の全体の趣旨が例外という意味でございます。

高橋(千)委員 全体の趣旨がなどと言わずに、はっきりお答えをいただければいいと思うんですね。まず確認をさせていただきました。

 そこで、資料の一枚目を見ていただきたいと思うんですが、保険外併用療養費制度について、これは平成十八年の法改正により創設されたという説明書きがございます。このときに、特定療養費制度から範囲を拡大して、保険診療との併用が認められている療養、これが二つあるというので、保険導入のための評価療養と導入を前提としない選定療養、この二類型を決めて、そのうち、右側にさまざま、先進医療云々かんぬんということで分かれていて、この時点で混合診療が実質解禁されたと理解しております。

 そこで、通告してありませんが、基本的なことなので局長にお答えをいただきたいと思います。

 まず、きょうは取り上げませんけれども、大病院への紹介状なしで受診の定額負担を求める、これは選定療養の義務化と説明をしてあります。この義務化という形での扱い方は初めてなのかなと思いますが、それを一つ確認したいということと、今回の患者申し出療養はこの囲みの中のどこのカテゴリーに入るのか、お願いします。

唐澤政府参考人 まず最初のお尋ねの、大病院の外来の定額負担は、こちらは、選定療養のある大病院の初再診というのがございますけれども、これを義務化するという方向で考えているものでございます。

 それから、患者申し出療養でございますけれども、現在、評価療養と選定療養がございますけれども、評価療養の中の一つの類型として患者申し出療養を創設するということを考えているところでございます。

高橋(千)委員 ということは、第三のカテゴリーみたいな説明を受けていたんですが、違うんですか。

唐澤政府参考人 大変申しわけございません。

 保険外併用療養費制度の一つの新しいカテゴリーということで、評価療養とは別の、患者申し出療養、選定療養という、三つのカテゴリーにするということを考えているところでございます。

高橋(千)委員 ですから、第三のカテゴリーということであります。

 なので、例外というものが非常に広がってきたということをやはり指摘しなくちゃいけないと思うんですね。ですから、今回の大病院の問題も、選定療養が義務化という形で盛り込まれたということで、派遣法じゃないんですけれども、原則の例外だったものがだんだん例外が原則になってくる、こうなってはならないということで、やはり議論していきたいなと思うわけです。

 そこで、中医協で示された「患者申出療養の枠組みについて」、これによりますと、患者は、患者申し出療養を受けたい場合、かかりつけ医と相談し、窓口機能を有する特定機能病院に申し出を行います。かかりつけ医は、「患者が有効性・安全性について理解・納得した上で申出するための支援を行う。」とあります。

 かかりつけ医といっても、大変定義が曖昧であります。その患者さんが日常よく診てもらっている、そういう医師だと思われるわけですけれども、だからといって、その方が専門医とは限らないわけですよ、もう当たり前の話で。まして、聞かれるのは、まだ保険収載されていない未知の薬の話ですよね、外国ではポピュラーかもしれませんが。そのかかりつけ医がどうやって有効性、安全性を納得させることができるんでしょうか。

唐澤政府参考人 もちろん、先生御指摘のように、かかりつけの先生が全ての領域に精通しているわけではございませんので、まあ、御自身のお詳しいところは御説明できるかもしれません。

 私ども、かかりつけの先生にお願いをしたいと考えておりますのは、一つは、その患者さんをずっと診ていただいておりますので、その診ている患者さんの症状を踏まえて、現在の治療法ではなかなか限界があるというようなことについて、もし仮にそういう状況であれば、そういうことをきちんと相談に応じてお話をしていただくということもございます。

 それから、これまで先進医療では、実施の医療機関で患者さんの相談を受け付ける部署というようなものを実は求めておりませんでしたけれども、患者申し出療養は、患者さんからお話が出てまいりますので、臨床研究中核病院ですとか特定機能病院などに患者さんに応じる専門の部署を設置していただくということを考えております。そういう専門の部署のところにかかりつけの先生がきちんと紹介をする、こういうようなことをかかりつけの先生にお願いできないかと考えているところでございます。

高橋(千)委員 となると、あくまでも専門の部署につなぐ役割だと。

 だとすれば、責任の所在というのはどうなるのかなと思うんですよね。つまり、「有効性・安全性について理解・納得した上で」と書いているわけですから、先生の説明を聞いて私はいいと思ったのにという議論になって、どこに責任がありますかということに必ずなりますよね。それはどう整理されますか。

唐澤政府参考人 これは内容にもよると思いますけれども、一義的には、やはり説明の責任は臨床研究中核病院なり、あるいは特定機能病院なり、がん拠点病院なりというところがきちんと説明をしていただくということだと思います。

 これはもちろん、単に説明するだけではございませんので、何度かきちんと資料なども用意をしていただいて、そしてそれを記録にとっておいていただくというようなことが考えられるのではないかというふうに思っているところでございます。

 その上で、かかりつけの先生に御相談できるかどうか、それぞれの御専門もあるのでそこまではちょっと申し上げられませんけれども、説明をきちんとしていただくという責任は、やはり実施の医療機関のところで患者さんにきちんとしていただくということが一番の基本であろうというふうに考えているところでございます。

高橋(千)委員 ですから、手続の問題と、実際に起こり得るであろう事態に対する答えがないんですよ。だって、いきなりのところで書いちゃっているわけですからね。それはやはり先生だって困りますよ。そうでしょう。

 だって、患者さんは、とにかく必死で情報を得たい、何らかの助かるものを得たいと思っているわけですから、外国の情報をさまざまな形で得ておりますから、普通のお医者さんよりも逆にその点については非常に詳しくわかっている場合もあるわけですよね。ですが、どっちも実際には見たこともないという中での議論から始まっていくわけですから、そこは、かかりつけ医はやはりあくまでつなぐだけであるというふうに明らかにした方がいいと思いますよ。

 そこをまず確認したいのと、あわせて伺いますけれども、窓口機能のある特定機能病院に申し出を行ったときに、臨床研究中核病院に共同研究を申し入れる、そういう格好になるわけですよね。そのときに、今度は臨床研究中核病院が、患者が申し出をした、それが起点であることを書類で添付することになっております。

 では、その書類に何を書くんですか。

唐澤政府参考人 かかりつけの先生の役割は、やはりつないでいただいて、紹介をしていただくことが一番大きな役割だというふうに考えております。これは、いろいろな医療関係団体の皆さんの方なんかにはお願いしなきゃいけないと思いますけれども、高度な医療の先進的な内容でございますので、その内容を全部説明するということはなかなか難しいということですので、やはりつないでいただくのが一番重要な役割だろう。

 それから、添付の書類でございますけれども、やはり丁寧に、きちんと御納得の上で署名をしていただいている、きちんと同意をしていただいているということが明らかになるということを確認しなければなりませんので、もともとは患者さんが出発点という制度でございますから、まず患者さんの署名入りの申請書でございますとか、それから患者さんと臨床研究中核病院などの面談の記録、そしてインフォームド・コンセントに関する書類など、こういうような書類を添付していただいてはどうかということを考えているところでございます。

高橋(千)委員 今の答えを聞いていても全然わかりませんよ。また納得が出てきた。何に納得するんですか。何に納得して署名するんですか。

唐澤政府参考人 これはもちろん、医学の内容ですからいろいろな専門的な内容があると思いますけれども、例えば現状の治療方法であるとか、あるいは新しい治療方法との効果の比較であるとか、あるいは予想される副作用であるとか、そういうような事柄について、もちろん、保険収載前のものでありますから、それについてもきちんとお話ししなければなりませんけれども、そうしたことについて、もちろん専門が全部わかるわけではありませんけれども、できるだけわかりやすく患者さんにお話をしていただくということが一番重要ではないかと考えております。

高橋(千)委員 何か全然前に進まないと思うんですよね。わかりやすくと。わからないじゃないですか、それで。どうして納得する、有効性、安全性。さっきから言っていること、全く説明になっていないと思いますね。

 それで、聞きたいのはこういうことなんです。

 現行の先進医療の場合は、先進医療及び施設基準の制定等に伴う実施上の留意事項及び届け出等の取り扱いについてという基準がありまして、「万が一不幸な転帰となった場合の責任と補償の内容、治療の内容、重篤な有害事象等の可能性、費用等について、事前に患者及びその家族に説明し文書により同意を得ること。」また、「補償の有無については、先進医療の実施に伴い被験者に生じた健康被害の補償のための補償金、医療費、医療手当」、交通費とかですね、「支給がある場合には、「有」と記載する」。

 つまり、当然これは民間保険になると思いますけれども、先進医療の場合は、医療機関が申し出をしているので、医療機関の方でそういう保険に入っている場合もある、そのことをちゃんと知らせた上で、納得して、有害なことがあるかもしれないけれども、かけてみたいといってサインする場合もあるよねという話ですよ。だけれども、今回は患者が起点ですからね。そこの整合性ですよ。

唐澤政府参考人 今先生から先進医療の詳細な御紹介をいただきましたけれども、一番大きな問題としては、やはり有害事象が発生した場合の対応ということになろうと思います。

 これは、先ほど来、治験や、今先進医療のお話がございましたけれども、きちんとあらかじめ契約を明確にしておいた上で、実施機関の方で保険に加入する等の必要な補償の措置を講じておくということが必要ではないかと考えているところでございます。

高橋(千)委員 今やられている先進医療でも、半分くらいですよね、実際に保険に入っているのは。そういう状態である。その中で今回の、まして患者申し出に踏み込むということは、非常な、担保がないという中だと思いますね。

 それで、大臣に一言、感想でいいですので、ちょっと伺いたいと思うんです。

 そういう状況なので、今、保険の世界では先進医療特約が大はやりです。ホームページを見ますと、いろいろな民間保険が、先進医療あるいは自由診療がこれから始まるということで、そこに多額なお金がかかりますのでぜひどうぞということを宣伝しております。

 例えば、アフラックにも先進医療特約があるんですね。これは、特約だけは入れない。当然、入院保険というベースなものがありまして、EVERなるものがあって、それに加入した上で先進医療特約をつけるんですね。驚く中身なんですが、月々の保険料は九十九円です。月々九十九円。それで最大二千万円まで補償なんですって。何でこんなに安いんでしょうね。

塩崎国務大臣 通告いただいていないものですからよくわかりませんが、保険というのは、プールがあって、そのリスクのプールの中で値段は決まってくるわけでありますので、それがどういうプールなのかよくわからないので、どうしてそういう値段になっているのかはよくわかりません。

高橋(千)委員 通告がないので、感想ということでお聞きしました。でも、すぐには想像がつかないなということでそういうお答えになったと思うんですね。もちろん、私もわかりません。だけれども、これは結局、ほとんどリスクが発生しないということなんじゃないかなということと、医療機関とか製薬会社とセットで契約料を取れば、患者さんから取る特約料が九十九円でも別に構わないのかな、ペイするのかなと。

 そういうことで保険業界がさまざま動いているということは、やはり本当に気持ちはわかる、治りたいという気持ちはわかるけれども、しかし、規制を緩和する部分と、カバーしようということで民間保険が拡大する部分だけでは、本当に大変なことになるんだよねということを重ねて議論していきたいなと思うんです。

 患者申し出療養の申請を受けてからの承認が原則六週間、余りに短か過ぎるじゃないかというのは繰り返し各委員からも指摘をされました。

 先進医療の原則は六カ月でありますね。未承認の抗がん剤、再生医療、医療機器の三分野は、臨床研究中核病院で保険診療との併用を認める最先端医療迅速評価制度というのがあります。これだって私は早過ぎると言いました。でも、三カ月ですね。

 今回は原則六週間ですから、その半分なわけですね。余りにも早過ぎないか。しかも、承認は、会議ができない場合は書類の持ち回りによる審査でもいいんだと言っている。余りに乱暴じゃないですか。

唐澤政府参考人 六週間、早過ぎるではないかという御指摘でございます。

 もちろん、問題がある事例については、全体会議を開催して、必ずしもこの期間にかかわらずに御審議をいただくこととしておりますけれども、この六週間という御議論が行われたものの背景には、非常に重篤な状態にある患者さんという方がいらっしゃるということで、できるだけ早くこれに対応できるようにするという観点、それから、実施機関を臨床研究中核病院ということを要件にするという観点、そういう観点から六週間というものを設定しているわけでございます。

 ただし、何度も申しますように、この六週間でできない場合は、この期間に必ずしもこだわらずに、しっかりと安全性について御審査いただきたいと考えております。

高橋(千)委員 まず、二つ言いたいんですよね。

 原則だけれども、間に合わなければ延ばすよというふうな話、それは、三カ月の最先端のときもそういう議論をしました。でも、大枠が、原則が六週間をちょっと延ばすのと、三カ月をちょっと延ばすのはやはり違いますよね。そういう意味で、急いでいるということなんですよ。これは結局、官邸が早く早くということを言っているからなわけですよね。

 重篤な状態があるというのであれば、先ほど来議論がされているように、重篤な場合があり、ほかに何の手だてもなくて、どうしてもやってみたい、そういう極めてレアケースという形で、条件を決めてやるというふうにしたらいいんじゃないかと私は思っているんです。それでも治験の分野の中で可能じゃないかなと思っているわけですけれども、そこはやはり早過ぎるということを重ねて指摘したい。

 それで、あわせて、患者申し出療養として前例のある医療は、身近な医療機関でもよいとなっております。これは、前例を取り扱った臨床研究中核病院が実施体制を個別に審査するというわけですね。

 でも、これは、昨年十一月五日の中医協で、公益委員の印南氏が、前例があるの意味というのは、既にほかの医療機関で申請して承認されていることだけでよい、つまり、実際に医療行為をやっていなくてもいいということを聞いているんですね。これに対して医師会の副会長の中川俊男氏は、前例とは、当然、実際に実施したということが前例と理解するべきだと発言している。私も当然そうだと思います。そうしたら、医療課企画官の佐々木さんは、そうじゃない、患者が起点なので、それにこだわってしまうとできなくなっちゃうということで、やっていなくてもいいということを言うんですね。

 だから、承認されただけで実施されていない場合も含まれる、これはもう何でもありになっちゃうじゃないですか。ちなみに、これを言った印南氏は元厚生省出身ですけれどもね。

唐澤政府参考人 このときの中医協の議論は、ちょっと余り整理されていない御議論になったんじゃないかというふうに私は受けとめておるんですけれども、実際的に、前例が全くなくて次のケースを実施するということが、本当にどのぐらいそういうことが起こるんだろうかということを実は私は考えているところでございます。

 それで、起こりそうなこととして私どもが考えておりますのは、例えば、先進医療で今実施をされているもので、普及をしていなくて、患者申し出療養で出てきた。そして、患者申し出療養で出てきて、これは患者申し出療養としては一例目になりますので、臨床研究中核病院経由で出てこなければいけないんですけれども、その出てきたものを準備中の段階で次の例が出てきたというふうな、ある特殊なケースではないかというふうに思っておりまして、基本は、やはり実施例というものを踏まえて考えていくことが基本であるというふうに思っているところでございます。

高橋(千)委員 そのときの議論は整理されていなくて、ある特殊なケースだとおっしゃいましたけれども、きのう説明を、ちゃんともう一回確認して、そうだということだったので言っているわけなんですよね。でも、特殊なケースだけれども、やはりそうだということをお認めになったと思うんですよ。

 これはやはり、どういう場合があるのかということを整理しておいた方がいいと思うんですね。これは、そうはいっても、一旦認めてしまったということになれば、承認しただけでオーケーよということになりかねない。何度も言いますが、患者申し出がやはりキーワードになってやっていくんだということになると思うんです。

 それから、それにちょっと関連するのでここで言ってしまいますけれども、阿部委員が午前中に出した資料で、先進医療の対象にならないけれども一定の安全性、有効性が確認された医療ということで、適格基準の対象外の患者というのと、先進医療として実施されていない医療ということ、二つ例を挙げていますね。

 このときの、このときのというのは十一月五日の中医協のときに中川氏が指摘をして、もう一つ追加されていますよね。つまり、先進医療をもう既にやられている、やられているんだけれども身近にそのやられている医療機関がないという方、まさに待っている人ですよ、待っている人を救うためにそれも対象にするということで、もう一つ加わっていますよね。確認をします。

唐澤政府参考人 今御指摘いただきましたように、先進医療がなかなか普及していないという実情がございまして、先進医療の対象になっているんだけれども普及しないものにつきましても、この患者申し出療養の中で申請として出てくるのではないかというふうに、カテゴリーとして考えているところでございます。

高橋(千)委員 確認をしました。

 そこで、資料の二枚目を見ていただきたいと思うんですが、現在、保険導入を目指す先進医療技術Aのカテゴリーですけれども、どういうふうになっているか。二十一年の六月三十日、九十の先進医療技術からスタートをして、診療報酬の改定のたびに保険導入をどうするかという議論がされるわけですよね。二十二年四月には八、二十四年には二十三と少し伸びて、二十六年改定では八。毎回削除がある。現在、六十の先進医療技術が進行しております。

 実績報告が下にありますけれども、四百六十九の施設で実施をされ、患者数は二万二千七百二十六人。二百三十二億円、これがかかった医療費ですけれども、自己負担分は七二・六%、百六十八億六千万円。ですから、さっき、医療費はどうなるのというときに、こういうのが数字としては出ているのかなと思っております。

 それで、資料はこれ以上配っておりませんけれども、先進医療会議に、一つ一つの医療技術についての内訳が書いてありますよね。やはり、一つ一つ見ていくと、実施機関が一つしかないとか二つしかないとか、極めて少ない現状であります。

 実際に、その対象、本当はその先進医療を受けることができるというか、同じ疾病であるんだけれども、そこにたどり着かない患者というのは一体どの程度だと思われますか。

唐澤政府参考人 なかなか人数を申し上げるのは難しいんですけれども、現実問題として、先進医療で、今先生のお配りいただきました資料のように、なかなか実施機関数がふえていかないという問題がございます。

 それで、この先進医療の中にはもちろんいろいろな技術や医薬品が並んでおりますけれども、そういうものがなかなか普及をしていきませんので、現実的には、例えばこれをお使いになりたいという方で地方在住の方の中には、なかなか御利用できない方が大半ではないかというふうに考えているところでございます。

高橋(千)委員 ここら辺も、一回、どのくらいいるのかというのを調べていただくことができますでしょうか。

唐澤政府参考人 患者申し出療養ということで、患者さんの御希望ということが今回の制度でベースでございますので、どういう調査方法がいいかはちょっとまた検討させていただきますけれども、課題として考えさせていただきたいと思います。

高橋(千)委員 次に、資料の三枚目ですけれども、きょうも少し紹介されておりましたけれども、いわゆるドラッグラグ解消のための未承認薬、適応外薬解消に向けての検討会議で、学会や患者団体等から要望を公募して、欧米の六カ国いずれかの国で承認されていること、そういう外国で一定のエビデンスがあるというものに対して、当然、さっきお話ししたように、患者さんや学会などは研究をしているわけですから、ぜひ日本でも開発してほしいという要望を募っているわけですよね。

 その結果とその後の取り組み状況、それから、問題は、この中から結局、では患者申し出療養をお願いしますというふうになっていくのかしらということ、二つお伺いします。

唐澤政府参考人 まず、ドラッグラグ解消のための未承認薬、適応外の解消の会議でございますけれども、これまで三回に分けまして開発要望の募集をしております。

 最初は、平成二十一年に公募をいたしました要望が三百七十四件、それから次が、平成二十三年に公募をいたしまして、これは第二回でございますが、二百九十件の要望がございました。第三回は、平成二十五年から随時募集という形で行っておりますが、これまで八十件という要望が寄せられているところでございます。

 この寄せられた要望のうち、平成二十六年九月末までに、検討会議において医療上の必要性が高いと判断をされ、企業への開発要請あるいは開発企業の公募、こういうものがなされたものは二百八十八件というふうになっておりまして、この二百八十八件のうち合計百八十四件が承認に至っているという状況になっているところでございます。

 これは、未承認薬、適応外の対象の薬剤、医薬品というものは、比較的、医療上の必要性も、それから要望も当然でございますが強いものでございますので、患者申し出療養で御使用になりたいという御希望がある可能性が高いというふうに思っておりますし、また、患者申し出療養の中でも非常に御要望の強いものについては、逆にこちらの会議の方に要望として寄せられるというようなこともあるのではないかと考えているところでございます。

高橋(千)委員 そうすると、未承認薬の、何とか早くドラッグラグを解消しようという努力をしてきた、その中でやはり難しいというところが、さっきも議論があったんですけれども、また申し出療養に手を挙げる、こういうことに当然なってくるだろうということを今お答えになったと思うんです。

 それで、今私が指摘をした二つの流れがあるわけですけれども、まず先進医療についても、極めて細い流れです、だけれども保険収載を確実に目指しておりますので、わずかですが広がってはきているわけですよね。

 これは私はいつも指摘しているんですけれども、脳脊髄液減少症の患者さんたちが、ブラッドパッチの治療が先進医療に載っかった、これは言ってみれば、七割は自己負担なんだけれども、それでも三割の部分は保険がきく部分があるからとすごく期待して、もう少しで自分も使えるんじゃないか、あるいは保険に結びつくんじゃないかと期待している。

 だけれども、なかなかそこまでたどり着かないです。なぜかというと、症例数が不足している、子供さんの診断なんかは全く集まってこない。医療機関が不足をしているということや、生活保護の方たちは先進医療のそもそも権利がないですので、そういうことで、事情がある人たちが先進医療からはじかれているわけなんですよ。

 そういう中で、細々とだけれども確実に目指してきた流れがやはり後退することがあってはならないと思うんです。

 それから、今言ったように、未承認薬だけれどもきちんとそれをルートに乗せていく、保険に結びつけようということでやってきたものが、もう最初からそれは難しいやと外れて、最初から手を挙げる、そういうことになっては困る。やはり、今ある仕組みを充実させて、確実に保険に結びつけていくことを優先すべきではありませんか。

塩崎国務大臣 現行の先進医療については、医療機関に対しまして、将来的な薬事承認に向けたロードマップの作成を求めているわけでございまして、保険収載に必要なデータやエビデンスの集積に資するように努めているわけでございます。保険収載につながるよう、しっかり引き続いて取り組んでまいらなければなりませんので、今のような、なかなかたどり着かないというお話を頂戴しましたが、引き続き、これは保険収載につながるように取り組まなければならないと思います。

 その上で、今回の患者申し出療養は、先ほど来少しお話が出ていましたけれども、先進医療を地方の身近な医療機関で実施する、あるいは、先進医療の適格基準対象外の患者に対する治療、それから、先進医療ではない国内未承認の医薬品等の使用についての申し出が行われることが想定をされるわけでありまして、このような申し出に対応できる仕組みを創設することによって、困難な病気と闘う患者の思いにもしっかり応えてまいりたいというふうに考えているところでございます。

高橋(千)委員 もう一度重ねて伺いたいと思うんですが、だって大臣、もちろん、今の答弁、否定されなかったと思うんですよね、保険収載に向けて頑張っていくと。だけれども、それを審議するための専門医ですとか、とり合いになっちゃうわけですよ。それで、さっき言ったように、忙しくて書類でもいい、そういうことになっちゃったら、やはり正規のルートよりも申し出の方が楽だよねということになってはならないということをやはり重ねて言わないといけないと思うんです。

 がん患者や難病患者、あるいは難病にさえなれない希少疾患の患者さんらが、欧米の医療、医薬品情報などを本当によく勉強されていて、日本でも使いたいと要望されています。だけれども、そういうときに、有効性、安全性を納得の上でと言うけれども、実施していない医療機関と、ネットで懸命に調べてくる患者と、同じテーブルに着いて議論をしている状態なわけですよ。そこをどう安全にやっていくかということが問われると思うんです。

 臨床研究指針、原則というものがあるはずです。午前に阿部委員もヘルシンキ宣言について触れておりましたけれども、一九四七年のニュルンベルク綱領、六四年のヘルシンキ宣言、重ねてそういうことが確認をされてきた。第二次世界大戦中に強制収容所の囚人に生物医学実験を実施した医師や科学者らを裁くための規範として、このニュルンベルク綱領が起草をされたわけですよね。

 米国の生物医学及び行動学研究の対象者保護のための国家委員会、ベルモント・レポート、これは基本倫理原則として三点、人格の尊重、恩恵、正義をうたっています。その前提として、診療と研究の境界、それは、実験的であったとしてもそれが自動的に研究の範疇に入ってはいけない。つまり、本当に、ちゃんとした原則を守って、研究であって実験に成り下がってはならないんだよということを重ねて指摘をしているんだと思うんです。

 そういう中で、この間ちょっと議論してきますと、臨床研究中核病院は、そういう高い倫理性を備えて、しかも未知の分野にも挑戦できるような資格を持った病院なんだということをおっしゃるんですよ。だけれども、医療法に規定されて、法改正をしたのは今月の四月一日です。そして、それに基づいて新たな基準をつくっている。だから、まだ一つも指定されていないんですよ。十五あると言っているけれども、まだ本当の要件は備えていないんです。しかも、この大事なときに数々、名の知れた大学病院の信頼を失墜する事件が続いている。

 今度の患者申し出療養が、ひょっとしたら、政府が鳴り物入りで始めた臨床研究中核病院そのものに傷をつけるのではないか、そういう指摘をしている人さえもいるくらいなんですね。本当にそういう自覚があるんでしょうか。

二川政府参考人 臨床研究中核病院についてのお尋ねでございますけれども、御指摘のとおり、医療法で臨床研究中核病院が指定をされまして、臨床研究につきまして特に力を入れていくといった病院を日本の中で指定していこうということでございます。

 要件といたしましては、体制がとれているかということとあわせて、臨床研究の実績があるかどうか、何件あるか、論文数がどれだけあるか、そういった要件をきちっと精査いたしまして承認をしていくということでございます。これにつきましては、書面審査に加えまして実地調査もした上で、審議会にお諮りをして承認をする、こういった手続を踏むものでございます。

 この四月に施行されたところでございまして、申請の受け付けをしているところでございます。今後、指定をしていくというところでございまして、しっかりしたところを指定していくといった基準になっておるかと思っております。

高橋(千)委員 決して拙速であってはならないと重ねて指摘をしたいと思います。

 大臣に一言、もう一回確認をさせていただきたいんですが、薬害の教訓からいっても、過剰宣伝や誘導的な勧誘などがあってはならない、ここを徹底して約束をしていただきたい。

 それから、やはり自由診療であるため、適正価格というものがないと聞いたんですね。だから、どんなにお金を弾んでもという患者心理はあるかもしれません。でも、それだったらもう本当に言い値の世界になって、そういうのに応えられる人しか結局は医療に結びつかないんですよ。そうすると余りにもレアケースになって、保険収載を目指す、それは口だけになっちゃう。絶対、保険までたどり着きませんよ。さっき言ったように、症例が積み上がらないとだめなんですから。

 その点で、やはり一定の基準を設けるべきだと思いますが、いかがですか。

塩崎国務大臣 今、誘導とか過剰宣伝、それから価格の問題について御指摘をいただきました。

 もともと、この患者申し出療養は、患者が本当に治療内容などを理解して納得した上で申し出を行わなければならないのであって、かかりつけ医あるいは主治医などが患者からの相談を受けて、それに支援をして成り立つということが大事だというふうに私は思っていますし、そのように説明をしてまいりました。

 国への申請をするに当たるときに、患者の申し出によることを明らかにするということが、先ほど、申請書類に何を書くんだという話がございましたけれども、御本人が申請をするわけでありますから、当然のことながら、患者さんの署名入りの申請書であり、そしてまた、患者と臨床研究中核病院の面談記録とかインフォームド・コンセントの書類とか、そういった適正に申し出てきたということがわかるような書類もしっかりと添付をするということでなければならない。そういうことによって、誘導的な勧誘とかあるいは過剰宣伝も防ぐようにしなきゃいけません。

 また、実施計画自体をつくるのは臨床研究中核病院でありますから、ここがやはりしっかりしていなきゃいけないということも同時にあるわけで、さらに、会議体が、患者申し出療養に関する会議がございますから、そこでもやはり、根拠のないもの、あるいは保険収載につながりそうもないようなものを出してきたら、それはだめだということになるというふうに思います。

 それと、適正価格でございますけれども、これについても、保険外の部分の医療費について、患者と医療機関の合意によって決定されることになると思いますが、問題は、現行の先進医療と同様に、社会的に見て妥当、適切な範囲の額であるということが必要であって、これを外れるのはやはり許されないというふうに思います。そういうことになれば、患者申し出療養の申請の際には、保険外部分の医療費額について必ず提出を求めるということになるということであります。

 今後、今御指摘いただいたようなこと、先ほど来からも議論が出ておりましたけれども、そういうようなことを防止する方策も含めて、しっかりと議論をさらに続けてまいりたいと思います。

高橋(千)委員 最後の、適正価格については確認をさせていただきます。

 その他の部分については、さっき指摘をしたように、今あるルートをしっかりと検証を重ねていくということが先じゃないかということをやはり言わなきゃいけないですよね。十五、十五と言っているけれども、さっき局長が認めたように、まだ受け皿となれる臨床研究中核病院は誕生していないんだということをちゃんと言っておきたいと思いますので、そこは重ねて指摘をいたします。

 それで、時間があと残り少なくなってしまったので、一問だけ医政局に伺いたいと思うんです。

 実は、この間の質問の中で、地域医療構想と医療費適正化計画をリンクさせる問題を質問しました。そして、それは、地域医療構想の策定のためのガイドラインが三月に示されたということ、それから、第一回の病床機能報告制度、これは毎年やるわけですけれども、今集計中であるという答弁があったと思うんです。

 その中の一枚の資料をつけておいたんですが、4のところを見ていただきたいんです。「地域の実情に応じた慢性期機能及び在宅医療等の需要推計の考え方」ということで、囲みのところを読みますけれども、要するに、慢性期機能の医療需要については、医療機能の分化、連携によって、今入院している方たちも一定数は在宅に行くんだと。

 それで、その星印の在宅というのは、居宅、特別養護老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホーム云々ということで、介護施設が対応可能な受け皿となることを想定しているということで、何度も、介護報酬が引き下がって介護施設が立ち行かなくなるという議論がされているにもかかわらず、これが受け皿になるということを想定しているということが一つ。

 これが医療介護総合法の、まさに医療から介護へ、介護から地域と自宅へという流れがしっかりここに書かれているじゃないかということを指摘したい。

 そのうち、どういう目標を持つかということで、これは下に書いてあるんですが、パターンのAまたはBを選びなさいと書いているんですね。

 これは要するに、医療圏をつくるんですけれども、全国最小値、どこかというと当然長野ですね、これは後ろにつけておきましたけれども、長野は今、受療率が一二二ですよ。そこを目指せということで、最大のところもぐっと矢印を引っ張っていて、そういう目標をつくれということを言っている。あるいは、圏域ごとに、一遍にはいかないから、中央値、めくっていただくと中央値二一三とあります、まずはそこを目指せというふうなことで、結局は、数値目標を持つというのはこういうことじゃないですか。

 長野を目指せと号令をかけてぐっと受療率を絞っていく、それで、適正化、このくらいお金が浮きますよという計画を持つということなんだ、そういうことですよね。

二川政府参考人 地域医療構想につきましては、各医療機能ごとに需要を推計し、その需要に応じた医療提供体制を各地域において講じていくということでございます。

 医療機能といたしましては、高度急性期、それから急性期、回復期、慢性期とございます。

 最初の三つの機能につきましては、医療資源投入量というものをはかって、どのぐらいがその基準になるかという基準点、ガイドラインでお示しをしたところでございます。

 一方、慢性期といった機能につきましては、医療資源投入量を厳密にはかっていくことが現在のところ困難でございますので、一定の方につきまして、在宅医療等で対応が可能な方もいらっしゃるであろう、こういうことでございまして、慢性期機能の病床数は、委員御指摘のとおり、地域差が相当あるわけでございます。そういった中には、在宅あるいは介護施設等で対応できる患者さんが一定程度いらっしゃるであろう、こういったことの考え方が成り立つといった考え方に立ちまして、こういった目標を示させていただいているところでございます。

高橋(千)委員 いろいろ言ったけれども、否定をしなかったと思います。

 結局、今、介護が立ち行かなくなると言っているけれども、介護あるいは居宅、最後は自宅で何とかせいという話が全体のラインであって、長野を目指せと、受療率の成績表がもう出ておりますから、これを、数値で目標を持てと号令を今かけているわけです。

 結局、おとといも言いましたけれども、昨年の経済財政諮問会議、産業競争力会議で、都道府県の権限強化、強制的手法を強化してこの適正化を進めていけ、要するにベッドを減らして地域医療構想の中で達成していけという号令がかかっている中で、これはかなり厳しいことが想定されますよね。

 この続きをどうしてもやらなければならない、到底承服できないということを指摘して、終わりたいと思います。

渡辺委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

渡辺委員長 この際、本案に対し、高鳥修一君外一名から、自由民主党及び公明党の二派共同提案による修正案が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。高鳥修一君。

    ―――――――――――――

 持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案に対する修正案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

高鳥委員 ただいま議題となりました持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、自由民主党及び公明党を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 修正の要旨は、協会けんぽに対する国庫補助に関する改正規定、後期高齢者支援金の額の算定に係る全面総報酬割の実施までの間の総報酬割部分の特例に関する改正規定等の施行期日を「平成二十七年四月一日」から「公布の日」に改めることであります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

渡辺委員長 以上で修正案の趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

渡辺委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、順次これを許します。阿部知子君。

阿部委員 持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案原案並びに修正案に対する反対討論を行います。

 私は、民主党・無所属クラブを代表し、ただいま議題となりました持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案に対して、反対の立場から討論を行います。

 以下、本法案の問題点を申し述べます。

 まず、国民健康保険制度発足後最大の改正を迎えるいわゆる国保制度の運営主体を市町村から都道府県に変えるに当たって、国保保険料負担における逆進性や、低所得者、子供の応益負担の問題にも抜本的改革を検討すべきと考えます。また、国保の女性の妊娠、出産における給付制度等の不在も、女性の人権や少子化対策の観点から今後に残された大きな課題ですが、そうした視点は皆無と思います。

 次いで、高齢者医療制度の抜本改革についてです。

 民主党政権下において後期高齢者を年齢で差別する診療制度はなくしましたが、医療制度、保険制度についても年齢で差別する制度を廃止すべきです。そのため、民主党は、社会保障制度改革の三党実務者協議において、高齢者医療制度の抜本改革を行うよう再三にわたって求めてまいりました。今回のような持続可能性の見えない法案には反対をいたします。

 次に、後期高齢者支援金の全面総報酬割についてです。

 本法案は、後期高齢者支援金を被用者保険者の総報酬に応じて負担してもらい、それによって生み出される財源を国保に充当するとしています。

 国保が厳しい財政運営を余儀なくされているという構造的な問題を抱えていることは十分理解しておりますが、現時点において国保に安易に財源をつぎ込むことは、後期高齢者支援金の負担も重くなる被用者保険加入者の理解が得られるとは思えません。まずは、国保の効率化や予防保健の充実、かかりつけ、家庭医制度の確立等、地域医療の改革を徹底的に行うべきであり、それを抜きに後期高齢者支援金の全面総報酬割で生み出された財源を国保に投入するのは本末転倒です。

 次に、患者申し出療養制度についてです。

 患者申し出療養については、現在の制度設計ではさまざまな懸念があり、賛成することはできません。

 本来の治験から承認へという流れがむしろ妨げられるばかりか、適応の審査が短時間で、持ち回りで行うことも可能とされているため、適切な審査が行われる保証がありません。また、患者の申し出が起点であるため、患者保護、被害救済などの視点が希薄で、結果として、患者に経済的、精神的、身体的負担を押しつけるものとなっていきかねません。

 最後に、民主党は、国民皆保険制度を守り、誰もが安全で必要な医療を受けられるようにするため、医療保険制度の抜本改革に取り組む所存であることを申し述べて、反対討論を終わります。(拍手)

渡辺委員長 次に、堀内照文君。

堀内(照)委員 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。

 初めに、国民健康保険法案は制度創設以来の大改定であり、内容は多岐にわたるにもかかわらず、参考人も含め二十二時間足らずという短時間で審議を打ち切ることに、強く抗議をするものです。

 本法案に反対する主な理由の第一は、今でさえ耐えがたい国保料の引き上げや徴収強化を招くことです。

 市町村は、保険料の収納状況に関係なく都道府県に納付金を一〇〇%納めなければなりません。都道府県が示す標準保険料率は、将来的な保険料負担の平準化に向け、一般会計の繰り入れを反映しない、より高い料率が示されます。これらは、保険料引き上げや滞納者への一方的な差し押さえ等制裁の強化にもつながりかねず、看過できません。

 高過ぎる国保料が多数の滞納者を生み、無慈悲な取り立てや差し押さえ、保険証取り上げで、重度化、死亡する事例が後を絶ちません。国民に医療を保障する制度が、国民の生活苦に追い打ちをかけ、人権や命を脅かすことがあってはなりません。

 第二に、都道府県に医療費抑制の責任を負わす仕組みをつくることです。

 都道府県が医療費の目標を定めることになりますが、地域医療構想とあわせ、病床機能の再編、削減等を促進することになります。地域医療崩壊、患者追い出しを加速させ、患者、家族、医療現場に過酷な負担をもたらすことは許せません。

 第三に、患者申し出療養制度は、安全性、有効性が確保される見通しがありません。

 事故、副作用も公的補償制度からは除外され、患者が責任を負わされる危険性は否定できません。難病団体は、保険収載されず患者負担が増大すると懸念を示しています。困難な病気と闘う患者のためというなら、白紙に戻し、当事者の訴えを聞くべきです。

 最後に、公平を口実に現役世代にも高齢者にも新たな負担増を強いることも、断じて容認できません。

 入院時食事療養費の引き上げ、紹介状なしで大病院を受診した場合の定額自己負担の義務づけ、後期高齢者医療制度の保険料特例軽減の廃止は、深刻な受診抑制を招くものです。協会けんぽへの国庫負担率下限の引き下げは、中小零細企業労働者の保険料率引き上げにつながります。

 国民がいつでもどこでも安心して医療を受けられる国民皆保険の原則を大もとから揺るがす本法案は、廃案にすべきです。

 以上、討論を終わります。(拍手)

渡辺委員長 以上で討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

渡辺委員長 これより採決に入ります。

 内閣提出、持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。

 まず、高鳥修一君外一名提出の修正案について採決いたします。

 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

渡辺委員長 起立多数。よって、本修正案は可決されました。

 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。

 これに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

渡辺委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

渡辺委員長 この際、本案に対し、浦野靖人君から、維新の党提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。浦野靖人君。

浦野委員 私は、維新の党を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。

 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。

    持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。

 一 患者申出療養については、患者が自ら申し出たことを理由に、有害な事象が発生した際に不利益を被ることのない仕組みとするとともに、患者申出療養の対象となった医療が、できる限り速やかに保険適用されるような措置を講じること。

 二 持続可能な医療保険制度を構築するためには増大する医療費の抑制が不可欠であることに鑑み、今回の改正による医療費適正化の取組に加え、現在実施されている実効性のある取組の普及・促進を図る等医療費適正化の指導の徹底を図ること。

 三 本法による制度改革の実施状況を踏まえつつ、高齢者医療制度を含めた医療保険制度体系、保険給付の範囲、負担能力に応じた費用負担の在り方等について、必要に応じ、盤石な医療保険制度を再構築するための検討を行うこと。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

渡辺委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

渡辺委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、塩崎厚生労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。塩崎厚生労働大臣。

塩崎国務大臣 ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、努力いたす所存でございます。

    ―――――――――――――

渡辺委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

渡辺委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時三十三分散会


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